殺し屋と戦術人形 (ハイドラショック)
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第1話 殺し屋と戦術人形

時折見るオリジナル戦術人形の登場する小説に感化されて自分も書いてみたいと思い書いちゃいました。


黒色の花柄が入ったチャイナドレスを着て大きめのショルダーバッグを持った少女とスーツを着た俺はホテルのエントランスホールを歩く。チャイナドレスと言う珍しい格好もさることながら彼女の着ているチャイナドレスは普通のチャイナドレスとは違い袖の部分を首の付け根から胸辺りまでカットした俗にアメリカンスリーブと呼ばれる形状になっておりこれにより脇どころか胸の横部分までが見えてしまっている。更に腰のスリットから大胆に見える健康的な太ももと彼女自身のスラリとしたモデルの様なスタイルが合わさりただ歩いているだけで若い男を中心とした人達に視線を集めていた。

 

俺の仕事の関係上出来れば余り注目されたくはないんだがこればっかりは仕方ない。そんな彼女自身はそんな視線には一切気にしていない様子でホテルの受付、ではなくエレベーターの方へ歩いて行くとそのままエレベーターに乗りボタンを押した。一方俺は誰も見ていないことを確認して非常階段に行く。

 

彼女を乗せたエレベーターは5階来ると止まりドアが開いた。エレベーターの目の前にあった部屋の前に立っていた男と一瞬目が合ったが、彼女は何事も無かったかの様にそのまま右に曲がって廊下の奥に向かって行く。部屋の前に立っていた男は彼女の露出度の高い服装が気になったのか彼女の姿を目で追った。

 

その隙に彼女とは逆の左側の廊下の奥にある非常階段から登って来た俺は懐からサプレッサーを付けたルガーMkIVを取り出し両手で構えると今だに彼女の方を向いている男に出来るだけ近づくと頭に狙いを定めて2発撃った。ただでさえ発砲音の小さい.22LR弾の亜音速弾にサプレッサーも合わさり発砲音はパスッパスッととても小さい。その分威力が低いと言う弱点があるが至近距離から頭に2発も食らえば流石に死ぬ。

 

頭から血を流しながら倒れた男の横でマガジンを新しいのに交換していると廊下の奥へ歩いていた彼女、リンが戻って来た。

 

「まさかこんな手にまんまと引っ掛かるとはね」

 

「思わず見惚れてしまうほどボクが魅力的だったってことでしょ」

 

「はっ、ほざけ」

 

「キミだってよくボクの胸とかをチラチラと見て来るじゃん」

 

喋りながらリンは持って来ていたショルダーバックを開ける。そしてリンはショルダーバックの中から中国製のブルパップ式サブマシンガン、QSZ-05を取り出すとサプレッサーを取り付けそしてマガジンを装着した。

 

「そりゃ気のせいだな」

 

「本当?」

 

「本当だ」

 

「チラッ」

 

そう言ってリンは胸の布の部分を少し上に引っ張って見せた。それにより胸元が見せそうになり俺は思わず見てしまうがハッとしてリンの方を見るとニヤリと小悪魔の様に笑っていた。こいつワザとやったな?

 

「やっぱり気になってるんじゃん」

 

「そりゃそんなことされたら誰でも見るだろ。そんなことしてないでさっさと仕事を終わらせるぞ」

 

「はーい。ポイントマンは任せてよ」

 

「まて、ドアには鍵が掛かってるぞ」

 

「ボクは戦術人形なんだよ?このくらいのドアなら蹴破れるよ」

 

言い忘れていたがリンは人間ではない。戦術人形だ。そう。俺は殺し屋としては珍しい戦術人形と一緒に行動する殺し屋だ。

 

「そりゃ凄い。それじゃ3つ数えたら行くぞ。3、2、1ッ!」

 

リンが思いっきり右足でドアを蹴る。バギャッと言う音と共にドアが開き同時にリンが部屋の中に飛び込む。

 

「誰だっ!」

 

ポーカーか何かをやっていたんだろう。トランプカードを持っていた護衛と思われる男3人がいきなり入って来た俺達に驚きつつも椅子から立ち上がり拳銃を取り出そうとするがそれよりも早くリンがQSZ-05を構えフルオートであっと言う間に男3人の胸に何発もの弾を食らわせて倒してしまった。男達にトドメを刺すのはリンに任せて俺は目標を探す。このホテルの部屋はそこまで広くない。この部屋に居ないと言うことは隣の部屋のバスルームに居るってことだ。

 

ルガーMkIIを構えながら慎重にドアを開けてバスルームに入る。すると小太りの男が浴槽の中で蹲っていた。間違い無い。今回依頼者から殺す様に言われている男だ。

 

「リアム・ネックだな。俺は俗に言う殺し屋だがなんで俺が来たか分かるな?お前が裏切ったボスから伝言だ。私から逃げらると思ったか?だってよ」

 

「や、やめてくれ!金なら幾らでもやるから見逃してくれ!」

 

リアムは立ち上がり俺に懇願する。コイツは金さえ有れば何とかなると思っている様だがこの世の中金ではどうにも出来ないこともある。例えば信頼だ。俺の依頼主はコイツをちゃんと殺してくれると信頼して依頼してくれた。それを裏切る訳にはいかない。

 

「悪いが俺も仕事だからな。依頼主を裏切る訳にもいかない。まぁなるべく苦しまない様に殺してやるから」

 

「き、貴様らえてろよ!絶対殺してやる!」

 

「恨むなら俺達じゃなくて依頼主のボスを恨んでくれ。それに、どんだけ威勢のいいことを言っても口では人は殺せないぜリアムさんよ」

 

リアムにそう告げて俺は引き金を引いた。頭を撃ち抜かれたリアムは浴槽に勢い良く倒れ込んだ。確実に殺す為に心臓にも2発撃ち込む。

 

「終わったー?」

 

「あぁ。見つかって騒ぎになる前に逃げるぞ」

 

「はーい」

 

他の人達に目撃される前に俺達はさっさと部屋を出てホテルから逃げて行く。にしても、1週間前の俺は一匹狼だった自分がまさか戦術人形と一緒に依頼をこなすことになるとは思っても見なかったな。

 


 

コーラップスやら第三次世界大戦やらで世界は崩壊し多くの国家が崩壊した現代、一部の金持ちや運が物凄く良い奴ら以外の人々は日々生きて行くのに必死だ。かく言う俺もその1人だ。俺を産んだ両親は金がないからと言うことでまだガキだった俺をスラムのど真ん中に捨てて何処かに消えた。それから俺は生きる為にどんなことでもした。店から食料や生活必需品を盗むのは当たり前。時には金や食料などを確保する為に人を殺したりもした。

 

そんな生活を何年か続けていたある日俺はある男と出会った。ソイツは俗に言う殺し屋で生きる為ならどんな手段も厭わないと考えていた俺は必死に懇願してソイツに弟子入りした。それからサバイバル術や銃やナイフなどの各種武器の使い方、殺しの方法、殺し屋業界で生きて行くコツなどなどを教えて貰った。

 

そしてそんなこんなで更に月日は経ち今では俺も立派な殺し屋へと成長していた。俺を捨てたクソッタレな両親は息子が殺し屋になったと知ったらどう言う反応をするんだろうな。もし両親にまた会うことが出来たら産んでくれたことに礼を言った後にぶっ殺してやるんだが、まぁそんな日は一生来ないだろうし来なくて良い。

 

そんな俺の人生が良くも悪くも変わるきっかけになったのが1週間前のことだ。

 

この日俺は大きな仕事を終えてかなりの額の報酬金を貰った。とある組織に依頼されて計6人を殺せと言う依頼内容だったがこれがなかなか難しい依頼だった。6人中2人はそれなりに有名な人物で警備も厳しく殺すのに特に苦労したが何とか殺すことが出来た。任務成功の報告を依頼主にするとかなり喜び追加の報酬としてプレゼントを送ると言って来た。今日がそのプレゼントを渡すと言われている日の訳だが一体どんな物が来るのやら。麻薬とかだったら即捨てるからな。ああ言うのは嫌いだからな。

 

何が来るのが色々予想しつつつつ家でマティーニを飲みながら待っているとチャイムが鳴った。どうやら荷物が来た様だ。俺は玄関の鍵を開けてドアを開けた。

 

「あ、どーも。貴方がアレクセイ・フェンリーで合ってるかな?」

 

ドアを開けると黒色のチャイナドレスを着た見長い髪を一本の三つ編みに束ねた慣れない女が立っていた。中性的で精悍な顔立ちだったから一瞬男かと思ったが腰の括れと胸の大きな膨らみを見て目の前の人物が女性であると認識した。と言うか服の形状のせいで脇と横乳が見えてしまっているんだけどだいぶ攻めた格好だなおい。

 

「そうだが・・・お前は?」

 

「あれ?聞いていない?プレゼントが来るって」

 

「それは聞いているが・・・」

 

「私がそのプレゼント」

 

「・・・・は?」

 

突然言われた意味不明の言葉に俺の脳は一瞬フリーズしてしまった。が、直ぐに再起動して考える。今コイツ私がプレゼントって言ったよな?それってつまりこの女が俺へのプレゼントってことだよた?あのオヤジ何てものを俺に寄越してんだよ!俺がそんなことを考えているとポケットに入れていたスマホから着信音のウィリアム・テル序曲(スイス軍の行進)が鳴った。電話の相手は今話していた依頼主だ。直ぐに電話に出る。

 

「もしもし?」

 

《ああ私だ。プレゼントは無事届いたかな?》

 

「あの、プレゼントって今俺の目の前に立っている若い女のことですか?」

 

《そうだ。正確に言うとソイツはI.O.P社製の戦術人形だ》

 

「戦術人形⁉︎」

 

俺は目の少女を見ながら驚きの声を出した。目の前に立つ女性はドヤ顔をしているが今はそれを気にしている暇はない。戦術人形。読んで字の如く戦闘用に改造された自律人形。その戦闘能力はそこら辺の兵士より強いとよく聞く。時々金持ちが護衛に使っていたりしてそう言う時は面倒なことになる。本当に戦術人形どもはクソ強いからな。目にいるチャイナドレス姿の少女がその戦術人形だって言うのかよ?

 

《良いリアクションしてくれるね〜。君の素晴らしい功績を讃えて戦術人形を一体プレゼントすることにしたんだ。彼女はQCW-05と言うサブマシンガンを使う戦術人形だ。君の仕事で役に立つこと間違い無しだろう。今後の活躍も期待しているよ。後はその戦術人形は君の好きに使ってくれ。済まないが今日はちょっと新しく仕事が入ってしまっていてね。もう少し話していていたかったんだが切らせてもらうよ。それじゃ、今後も頑張ってくれ」

 

俺の返答と待たずに一方的に喋り通話は切れてしまった。俺は通話の切れたスマホをポケットに戻すとどうすれば良いか分からず固まってしまう。戦術人形をやるって突然言われても困るだけだっての。

 

「ま、そう言うことだから今日からよろしくね〜」

 

そんなことつゆ知らずといった感じで少女はずかずかと俺の部屋に入って来た。

 

「いやいやいや!待て待て!何勝手に家に上がって来てんだよ」

 

「だってボクはキミの所有物な訳なんだし」

 

何当たり前のことを言っているの?見たいな顔を少女はするが何言ってんだコイツ?と俺は言いたい。

 

「俺はお前を所有した覚えはない。あのジジィが勝手にお前を俺の所に送って来ただけだ」

 

「って言ってももうボクはキミの所有物ってことになっていあるし遠路遥々やって来た女の子を突っぱねるのもどうかと思うよ?」

 

「ならコーヒーでも出してやったら帰ってくれるのか?」

 

「帰るって何処に帰ればいいのさ。ボクの帰るべき場所はキミの居る所なんだよ?それにキミがジジィとか言ってるあのボスのプレゼントを捨てたりしたらそれこそマズいと思うけど。ああ言う裏世界にも力を持っている組織のボスを怒らせるとヤバいでしょ?それにボクみたいな美人な戦術人形を無償で手に入れるチャンスなんてそうそう無いと思うけど」

 

確かにボスから貰った物をポイと捨てる訳にはいかない。彼の好意を無下にする様なもんだからな。それに戦術人形と言うとんでもないプレゼントをお断りしたら「私が折角用意してやったと言うのに断るのか!」と怒って最悪殺しに来るかも知れない。まさかそんな事は無いだろうと思うかも知れないがそう言う奴とは実際に会ったことがある。それに彼女の言う通り普通だったら高級過ぎて手が出すことなんてほぼ不可能な戦術人形を無償で手に入れることが出来るチャンスなんてそうそう無い。

 

だが、そう簡単にこのプレゼントを受け取っても良いのかとも思う。「戦術人形をプレゼントしてやったからこの依頼もお願いね」と言う感じで無理難題を言って来るかも知れない。だが受け取らないのもさっき言った通りリスクになる。1分程考えた結果俺は彼女(プレゼント)を受け取ることにした。

 

「・・・・分かったよ。プレゼントを有り難く受け取るよ」

 

「良かった。それじゃ改めましてボクは戦術人形QCW-05。よろしくね」

 

「俺はアレクセイ・フェンリーだ。アレックスと呼べ」

 

「何でアレックス?」

 

「偽名みたいなもんさ。元々はアレクセイを読み間違えたか何かで友達が呼び始めてたんだが本名を明かしたく無い時とかはアレックスって名乗ったりしている」

 

「成る程〜」

 

「お前も何か呼び名は無いのか?QCW-05って一々呼ぶ訳にもいかないし他の奴に聞かれたら怪しまれる」

 

それにQCW-05とか呼んでいたら敵に聞かれて最悪彼女が戦術人形だとバレる可能性がある。彼女はただの少女だと思って油断してくれる方がこっちとしては好ましい。

 

「んーそうだなー。私の銃は中国製なんだけど中国では05式微声冲鋒槍って呼ばれてるけど」

 

「それもQCW-05と同じ様な感じで人命っぽくないだろ」

 

「それならキミが私に名前つけてよ!」

 

「え?そうだなー」

 

突然名前をつけてくれと言われても良い感じの名前なんてそう簡単には思い付かない。だが彼女の方を見てみるとワクワクしている様子。そんな期待に満ちた顔で見ないでくれ。別に俺はネイミングセンスが良い訳じゃない。彼女の期待に答えられる様に色々と考えているとふと思い付いた。

 

「それじゃぁリンで」

 

「リン?リンか・・・・うん。良いね気に入ったよ」

 

「それなら良かった」

 

「因み何でリンなの?」

 

「あ?昨日見たグラビア雑誌に載っていたアジア系の女の名前から取ったんだ」

 

暇だったから適当に見ていたんだがスタイルが良くて胸が大きい可愛らしい女性で名前と一緒に印象に残っていた。同じアジアである中国の銃だからピッタリの名前だろう。

 

「雑誌から名前を取ったのは良いけどよりにもよってグラビア雑誌って・・・」

 

「何か文句でも?」

 

「べっつにー?」

 

「そして悪いがこの家には俺1人が寝泊まりする分の物しか無い。だからお前はそこのソファーで寝ろ。布団は後でやる」

 

俺はさっきまで俺が座っていたソファーを指差した。このソファーは充分に柔らかいし横になる分の長さもある。ベッド代わりには丁度良い代物だ。

 

「えー普通こう言うのは女の子にベッドを譲って自分がソファーに寝るとかじゃないの?」

 

「何で見ず知らずのチャイナ女にベッドを貸さなきゃならないんだよ。ソファーが嫌なら床で寝ても良いぞ」

 

「有り難くソファーで寝させて頂きますよ」

 

「それと風呂はこの奥にある。好きに使え。腹が減ったなら台所の右側にある棚の中にインスタント食品が入っているから適当に食っとけ。まぁそんなに種類は無いがな。そしてこの家にある物は勝手に使うな。もし使う時は俺に一言聞け」

 

「はーい」

 

「そして何か買いたい物が有れば自分で稼いで買え。俺は必要最低限の物しか買ってやらないからな」

 

「分かったよ」

 

「他のには・・・まぁ思い付いた時に言う。部屋は好きに使っても良いが荒らすなよ」

 

「荒らしたりしないよ。ボクを盗賊か何かと勘違いしてない?」

 

「俺からするといきなり家に上がり込んで来た不審者だからな。仲間を襲って来たりすんなよ?」

 

「それは寝込みに襲って欲しいって言うことなのかな?」

 

そう言って小悪魔的な笑顔を見せるリンに俺は少しドキッとしてしまったがなるべく表情に出さない様にする。

 

「馬鹿言え」

 

「今ちょっとドキッとしたでしょ?」

 

「してねーよ。思い上がんなメスガキが」

 

「え、メスガキ見たいに罵って欲しいの?」

 

「そう言う意味じゃねーよ!面倒臭いなお前!」

 

コイツに一々構っていたら疲れて来た。俺はソファーに座ると少し喋り過ぎて喉が渇いたので飲みかけのマティーニで喉を潤した。

 

「昼間っからお酒ってどうなの?」

 

「この一杯だけだから問題ねぇ」

 

「そう言う問題なのかなぁ?」

 

俺がもう一口マティーニを飲んでいるとリンが隣に座って来た。スリットから見える程よくむっちりとした健康的な太ももに思わず視線が向いてしまう。慌てて視線を上に逸らすが上は上で脇と横乳が至近距離で見えてしまいこれもこれでヤバい。くそっ、目のやり場に困る!格好がエロいんだよ畜生。悲報。俺アレクセイ・フェンリー22歳童貞目の前の美少女のエロい格好にドギマギしてしまう。

 

でもこれは仕方ない。今まで生きるのに必死で女と接することなんて殆どなかったし、女を抱いたりとかのそう言う経験だって無い。殺し屋と言う血生臭い世界で生きて来て女慣れしていない俺には刺激が強過ぎる。

 

「ねぇそれちょっと飲ませてよ」

 

「あ、あ?マティーニに興味あんのか?」

 

「まぁね。お酒はまだ飲んだことないから気になってて」

 

特に断る理由も無いので俺は手に持っていたカクテルグラスをリンに渡した。リンはワクワクした様子で一口飲んだが次の瞬間顔を顰めた。

 

「マズっ。って言うか辛っ!」

 

「ははっマティーニの美味しさが分からないとはまだまだガキだな」

 

俺はリンの持っていたカクテルグラスを取ると残っていたマティーニを飲み干した。カクテルグラスを前の机に置いた時俺はあることに気がつき戦慄した。ちょっと待てよ?俺の勘違いじゃなければ今リンが口を付けた場所と俺が口に付けたグラスの場所って同じじゃねぇか?と言う事はこれって間接キスってことになるんじゃね⁉︎

 

「うえ〜。ねぇ水ってどこにあるの?って顔が赤いけどどうかした?」

 

「い、いや?何でも?酒飲んだから顔が赤いんだろ」

 

「今声が裏返ったよ」

 

「そうか?あ、水ならペットボトルに入ったのが冷蔵庫に入ってるぞ」

 

「露骨に話逸らしたね。間接キスくらいであたふたし過ぎだよw」

 

「なっ!お前分かっててやったのか!」

 

「別にキミをアタフタさせる為にやった訳じゃないよ。一々別のグラスに移したりするのは面倒でしょ?」

 

「それは・・・そうだが」

 

「まぁキミの初心な反応が見れたのも良かったけど」

 

コイツ・・・油断出来ないな。コイツの行動には注意しないと弄ばれるのはゴメンだ。

 

「次こんなことやったらお前の寝床を外にある物置小屋にするからな」

 

「ごめんって。だからそんなに怒んないでよ」

 

俺は溜息を吐く。これからコイツと生活すると思うと大丈夫なのか不安になって来るよ。

 

「それじゃ俺は寝る」

 

俺はそう言ってソファーから立ち上がると寝室へ向かう。

 

「え、ふて寝?」

 

「ちげーよ最近仕事が立て込んでてまともに休めて無かったんだよ。だから元々プレゼントを受け取ったら寝るつもりだったんだがまさかプレゼントがお前とは思ってなかったからな」

 

「成る程ねー。それじゃぁごゆっくり〜。ボクは持って来た荷物の整理とかをしとくよ」

 

「あ、そうだ。お前の私物とかはあっちの部屋に置いとけ」

 

俺は部屋の右奥にあるドアを指差した。あそこは特に何かに使うこともなくいらない物とかを置く物置部屋になっていた部屋だから丁度良いだろう。

 

「色々と物が散乱しているが殆ど要らないやつだから邪魔だったら捨てて良い」

 

「分かったよ。そりじゃお休み」

 

「あぁお休み」

 

適当に挨拶を返しながら俺は寝室に入りドアを閉めてから着替えをするのも面倒だったのそのままでベッドに飛び込んだ。




キャラ説明!

・アレクセイ・フェンリー。22歳。今作の主人公。仲間やリンなどからはアレックスと呼ばれることが多い。身長172センチ。それ相応の金さえ払って貰えればどんな依頼でもこなす殺し屋。だが成功不可能と判断した依頼はどんなに金を積まれても受けない。サプレッサー付きのHK45を愛用しているが任務によっては一切使わないこともある。


・戦術人形QCW-05。今作の主人公その2。アレクセイなどからはリンと呼ばれる。身長166センチ。バストサイズF。一人称は「ボク」。中性的な顔でその一人称と合わさり男に見えなくも無いがその女性らしい見事なたわわな膨らみの破壊力は抜群。男性だけでなく女性からも好かれやすい。サブマシンガンを使う戦術人形らしくCQCやCQBなどの接近戦を得意とする。また、彼女の使用するサブマシンガンQCW-05はサプレッサーと亜音速弾を使った消音サブマシンガンと言うこともあり彼女自身も音もなく殺すのを好む。


【挿絵表示】


QCW-05もイラストも描いて貰いました!夏風シグレさん本当にありがとうございます!

不定期投稿ですが受けが良さそうならこれからも頑張って投稿して行こうと思います!よろしくお願いします!

ご感想是非下さい!お待ちしております!


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第2話 チャイナドレスと中華料理

と言うことで第2話です。この小説は平均5000字で書いていこうと思います。


目が覚め時計の時間を確認してみると午後8時だった。寝たのが2時30分くらいだったから思ったより熟睡してしまっていたらしい。しかし微妙な時間に起きちまったな。こりゃ夜眠れなくなるやつだ。

 

そんなことを考えつつボーッとしているとリビングの方から何か物音が聞こえて来た。まさか侵入者か⁉︎と警戒したがそこでさっきまでのことを思い出した。

 

「あー戦術人形が来たんだったな・・・」

 

戦術人形がプレゼントされたなんて今でも信じられない。取り敢えず腹が減った。何か食おう。そう思いベッドから降りて寝室を出た俺はリンの姿を見て仰天した。多分風呂に入ったんだろう。三つ編みに束ねられていた黒色の髪は下ろされ若干湿っており肌はほんのり赤くなっている。

 

そしてここが問題なんだが奴は俺の黒色のTシャツを着ている。と言うかTシャツだけしか着ていない。多分パンツなどの下着は来ているんだろうがズボンやスカートなどと言った服は来ておらず着ているのはTシャツ一枚だけと言うか超ラフな格好だ。しかも着ているTシャツは俺のだからサイズが合っておらずブカブカな状態でそのお陰でパンツはギリギリ隠れているが少し動けば見えてしまいそうだ。

 

「お、お前なんて格好してんだよ」

 

予想外の格好に俺は動揺を隠しきれない。だがリンは特に恥じらうこともなく普通に接して来た。

 

「だって着替えなかったから」

 

「いやだからってTシャツだけって・・・・」

 

「だってキミのズボンとかはサイズが大き過ぎて履いてもずり落ちちゃうもん。それにこの格好はこの格好で涼しくて良いよ」

 

「俺の方も考えてくれよ。目のやり場に困る」

 

「別にボクは見られて困るような身体はしていないよ。スタイルの良さには自信があるんだから」

 

そう言って腰に手を当てモデルの様にポーズして見せるリンだが大きく動いたせいで彼女のパンツが少し見えてしまった。色は黒だった。

 

「いやそう言う問題じゃなくてだな?俺は男でお前は女。それは分かっているな?」

 

「だから別にキミに見られてもボクは困らないって言ってるじゃん」

 

ダメだ会話にならねぇ。

 

「ん?って言うかパンツは履いているみたいだがパンツの着替えは有ったのか?」

 

「いや、パンツの着替えもなかったけど流石にキミのパンツを借りる訳にもいかないしかと言ってノーパンは嫌だから仕方なくさっき着ていたパンツを使い回してる。まぁ別に汚れていた訳でもないからね」

 

流石にノーパンになるのは嫌だったのか。コイツの価値観と言うか基準がいまいち分からないな。

 

「ノーパンは嫌なんだな」

 

「当たり前じゃん!股間見られて恥ずかしがらない女の子って居ないと思うけど」

 

「今のその格好も恥ずかしがるべきだと思うんだけどなー」

 

「何で?」

 

「上半身は兎も角少しでも動いたり足を上げたりしたらそれパンツ見えるぞ」

 

「別にパンツは見られても良いんだよ」

 

「いや何でだよ。それこそ普通女はパンツとか見られたら恥ずかしがるだろ」

 

「ボクとキミの仲じゃないか」

 

「まだお前とは出会って5時間半しか経っていないんだけどな。けどまぁ確かに着替えは必要だな。明日買いに行くか」

 


 

翌朝、俺はリンを連れてマルクと呼ばれる街に来ていた。ここマルクはE44地区にあるロヴナと呼ばれる都市の中にある街だ。E44地区の中でもロヴナは栄えている場所で第三次世界大戦の戦火を運良く免れた都市の一つだ。そんなこともあり住む場所や働き口を求める人達がこの都市に殺到している。しかしこの都市に来たからと言って必ずしも住むを場所を手に入れたり働き口を見つけれる訳ではない。

 

ここロヴナにもそう言う仕事も住む場所も無い人達が大勢居る。そしてそいつらは金を持ってそうな奴らを襲ったり犯罪組織に雇われたり殺し屋になったりと金を稼ぐ為に犯罪を犯し始める。お陰様でロヴナの治安は最悪だ。どれだけ治安が悪いかと言うと夜に女性が1人外を歩いているとほぼ確実に攫われて薬物漬けにされてから売春婦として売り飛ばされるのがオチだ。まぁ今話したのは1番最悪なシナリオで1番マシなシナリオは銃やナイフで襲われるか脅されて金目の物を全部取られるって感じだな。

 

まぁ今は朝だし人も多いし俺もリンも荒事には慣れているから例えチンピラ共に襲われても問題無いと思うがな。

 

因みに今のリンの格好は選択した例のチャイナドレスを着ている。ただ外でこの格好はチャイナドレスと言う珍しい格好と色々と見えてしまっている際どい格好が合わさり結構周りの視線を集めてしまっている。

 

「おいあの女の格好エロくね?」

 

「だな。って言うかあれブラジャー付けなくね?」

 

「あの人凄い美人さんじゃない?」

 

擦れ違う人達の会話も聞こえて来る。やっぱりこの格好で出歩かせたのは失敗だったか?

 

「そう言えばお前ブラは付けてんのか?」

 

聞こえて来た会話でも話題に上がっていたが彼女の着ているチャイナドレスの構造上横乳が見えてしまっている訳だが見る限りブラジャーを付けていない様に見える。俺も気になってはいたがなかなか聞けないでいた。

 

「どっちだと思う?」

 

と思わせぶりな口調で書いて来るリン。しかしどう見ても付けている様には見えない。それにこうして歩いているとリンが歩く度に胸が揺れている。俺も詳しい訳じゃないがブラジャーを付けていたらこんなに揺れないだろ。

 

「いや付けてないだろ」

 

「あったり〜♪」

 

「何で付けてないんだよ」

 

「付けてない方が好きだから」

 

コイツにマトモな返答を期待する方が馬鹿だったな。

 

「そんでお前の服を買いに行く訳だがどんな物が良いとかあるのか?」

 

「ん〜本当はこの服が気に入っているからこの服が良いんだけどねぇ。まぁ着れれば何でも良いよ」

 

「何でも良いが1番困るんだよなぁ」

 

まぁ店に行ってからどう言うのにするかは決めるか。と言うことで暫く歩きやって来たのは値段も大して高くないごく普通の服屋。店内に入ると色んな種類の服達が所狭しと陳列してある。俺は特にオシャレに気を使っている訳ではないので女に似合う服なんてのも分からない。ここは彼女の好きに選ばせた方が良いだろう。

 

「好きな服選べ」

 

「うーむ。どうしよっかな〜」

 

リンはあちこち見て周り色んな服を手に取っては「違うな〜」とか言って戻すと言う作業を何度か繰り返していた。これは長くなりそうだと思った俺はスマホで仕事の依頼が来ていないかや今後の予定などを確認して時間を潰した。

 

時間にして15分程経ちやっと服と下着を決め終わった様だ。どんな服を選んだのか気になり見てみると黒色のタンクトップやパーカー、Tシャツ、灰色のショートパンツなど本当に着れれば良しみたいなラインナップだった。昨日の夜の裸Tシャツの格好と言い彼女はラフな格好が好きなんだろうか?下着も買ったそうだが流石にどんなパンツにしたのかを見たりとかはしなかった。だが服の選び方から察するに特にこだわりは無く適当に選んだ可能性がある。まぁ兎に角リン用の着替えの服や下着は買い終えたので帰ろうかとしたがリンがこんなことを言って来た。

 

「ねぇ。ここら辺に中華料理屋さんとかないの?」

 

何故に中華料理屋?と思ったが彼女の格好と中国製のサブマシンガン高いと言うことを踏まえて考えた結果食べ物も中国関係が好きなのかと予想した。

 

「中華料理好きなのか?」

 

「まぁね」

 

そしてその予想は合っていた様だ。ロヴナに中華料理屋はあるのか無いのか、正解はある。しかし俺は別にそこまで中華料理が好きな訳でもなく店に行ったことは全く無かった。

 

「まぁあったと思うぞ。俺も行ったことが無いから上手いかどうかは分かんねぇぞ」

 

「それは食べてからのお楽しみってことで。さ、ボクお腹減ったから早くお店まで案内してよ!」

 

「待て待て案内してよとか言いながら先に行こうとするな!って言うか道間違えてるし!」

 

急かす彼女を連れて俺は多分この街に来て初めてであろう中華料理屋にお邪魔した。この店はお高い中華料理屋と言う訳では無いが中国人の料理人が使っている本格的な中華料理が食べられるとか聞いたことがある。店内に入ってみると思っていたより人は多く美味しそうな匂いが漂って来て丁度腹が減り始めていた俺に食欲を沸かせた。適当に席を選び座った俺はメニュー表を見て何にするか悩む。リンの方を見てみるととてもワクワクした様子でメニュー表を見ている。相当中華料理を食べるのを楽しみにしていた様だ。

 

「・・・炒飯と麻婆豆腐にするか。そっちは決まったか?」

 

「それじゃボクは青椒肉絲と炒飯と麻婆豆腐で!」

 

「そんなに頼んで食べ切れるのか?」

 

「大丈夫だって!」

 

まぁもしリンが食べきれなかったら俺が食べてやるか。などと考え俺は店員を呼び注文を済ませた。注文を受けた店員は足早に厨房の方へ行った。頼んだ料理が運ばれてくるまでじっと待っていると突然リンが俺に顔を近づけて来たかと思うとすこし声のトーンを落として話しかけて来た。

 

「それで、殺しの仕事はいつになるの?」

 

ここでする話では無い様な気もするが他の客などは俺達の話を聞いていない様だし問題ないか。

 

「今の所は何も依頼は来ていない。だが次来た依頼はお前にやらせようと思う」

 

「それは楽しみだね。そう言えばアレックスはどんな殺し屋なの?」

 

「どんなって言われても別に普通だ。依頼された標的を容赦無く殺すだけだ」

 

「金さえ貰えればどんな依頼でも受ける感じ?」

 

「まぁ基本的にはそうだな。だが不可能だと判断した依頼はどんなに金を出されても受けないことにしてる」

 

「今まで何人殺したの?」

 

「一々数えてはいないが2桁は確実だな」

 

「結構殺ってるんだね〜」

 

「まぁ昔からこの仕事をやって来たからな」

 

「いつからやってるの?」

 

「初めて殺し屋の仕事をやったのは17の時だったから5年前からやってるな」

 

「17歳から殺し屋か〜凄いね」

 

「金を稼ぐ必要があったからな」

 

「キミも色々と大変な思いをして来たんだねぇ」

 

「今のご時世大変な思いをしていない奴の方が少ないっての」

 

そんなこんなで雑談をしていると注文していた料理が運ばれて来た。炒飯はよくある感じの普通の炒飯だったが麻婆豆腐が見た目からしていかにも辛そうな赤黒い色をしている。試しにレンゲを1掬いして食べてみる。

 

「辛っ⁉︎」

 

クソ辛かった。と言うか辛いを通り越して痛い様にも感じ舌がヒリヒリする。直ぐに水を飲むがそれでも口の中に残った辛味は消えない。口直しに炒飯を食べてみるが麻婆豆腐の辛さで舌が馬鹿になったのか炒飯の味がしない。

 

「これ辛いなおい」

 

と言いつつリンの方を見てみると麻婆豆腐を美味しそうにパクパクと食べていた。

 

「ん?そう?」

 

「お前辛いのが強いんだな・・・」

 

「そうかな?別に普通だと思うけど」

 

「さいですか・・・」

 

俺は別に辛いのに弱いと言う訳では無い。この麻婆豆腐の辛さがおかしいだけだ。だがリンはその激辛麻婆豆腐をこともなげに食べ進めている。どうやらリンは結構辛いのには強い様だ。にしてもチャイナドレスを着ているせいか中華料理を食べるリンの姿はとても絵になるな。

 

「何見てるの?」

 

「いや、美味そうな食べるなと思ってな」

 

実際リンはとても美味しそうに食べている。また今度ここに連れて来てやるかと思いつつ俺はひーひー言いながら残りの麻婆豆腐と炒飯を食べ進めて言った。




この話を書いていたらなんだか辛い麻婆豆腐を食べたくなって来たので今度王将に食べに行こうと思いますw皆さんは中華料理は好きですか?私は結構好きです。中でも麻婆豆腐と青椒肉絲が好きです。

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