傀儡操術は最強にして最凶説 (小林マヨラー)
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第一話 転生からの訓練と憂鬱

オッス、おら大和カナタ。

俗に言う転生者ってやつだ。

死んだ理由は10代後半に末期癌でぽっくり逝きました。

死んだあとに何故か真っ白なとこにいて、神様ってやつに会った。

 

 何でも可哀想だから転生させてやるって話だから俺はそれに了承した。

 

「よし。 なら転生特典をこのくじで3回引くがいい。」

 

え〜 選べるんじゃないの〜

 

「文句を言うな! 生まれ変わるのだけありがたいと思え! まずは転生する世界じゃな。」

 

それもそうだ。 よ〜しいいの出てくれよ〜。 できれば鬼滅とか進撃とかシンフォギアとかそういうモブに厳しい世界はなしで! マジで! お願いしやす!

 

ガラガラ カランっ

 

「ーどれどれ? ほほう。 呪術廻戦の世界に転生じゃと。」

 

 

what? repeat after me?

 

 

「呪術廻戦の世界に転生じゃな。」

 

そんな!  あァァァんまりだァァアァー もし原作介入なんかしたら渋谷事変辺りで死んじまう確率100%なんだけど!?

つーかもうフラグ回収だなんてひでーよ! せめてド○ゴンボールとかならワンチャン生きられたよ!

 

「まぁ。 決まったものは仕方がない。 頑張って生き延びろ。 次は能力じゃな。」

 

能力か。 頼む! 俺tueeeeeとかいらないから、せめて生き延びることが出来る、そんな能力を!!

 

 

ガラガラ カランッ

 

「ーほうほう。 傀儡操術じゃな。」

 

な、な、な、なんということでしょう~! なんで傀儡操術なのよ! 最低でも東堂の不義遊戯くらい欲しかったよ! 

ありえないだけど〜 傀儡操術持ってる奴らネタバレになっちゃうけど死んじまったよ!

どうすんのこれ! どうすんのこれ!!

          

「落ち着けぇ! 決まってもんはしょうがねぇッて言ってんだろ!! ほら、最後行くからな!」

 

ガラガラ カランッ

 

「よ〜し、これで最後じゃ。 え〜となになに‥‥ホホウ‥‥喜べ! ようやくお主にあたりが来たぞ。」

 

 

ゑ! マジで? どんなのどんなの。

 

 

「成長補正【大】じゃな。」

 

よっしゃァァァァァァァァァ!!! 第一部完!! 成長補正系統はダ○まちを見てのとうり、最強クラスの能力と言っても過言じゃない!! ようやく俺に、青天の霹靂が見えた!!

 

 

「良かったな。 ワシもせっかく転生させたのにすぐに死ぬのではつまらんからな。」

 

ありがとう御座います! 神様!! 仏様!!

 

「いや、ワシ神様じゃし。 よし早速転生させるぞ〜。」

 

ゑ? 俺の下に穴が‥‥ウワァァァァァァァ‥‥

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

で。

現在に至る。

俺は今、小学3年生です。

いやはやなんとも、ここまで成長したのに、傀儡操術をまとも扱えていない。

 

理由としては、大きく3つある。

 

一つ目。 

まず俺は傀儡操術の元となる人形やぬいぐるみが作れないこと。

こればっかりは数ヶ月前から今世の母さんにぬいぐるみの作り方を教えてもらってる。

母さんには言い訳として、町内の幼稚園児に人形劇をやるという嘘をついている。

でなければ、教えを請うなど恥ずかしいからだ。 今では数時間もあれば数個ぐらいは作れるようになった。

 

 

2つ目。

呪力の操作がムズいこと。

いや原作では虎杖君は公式最強さんの教えがあったとはいえ、すぐにできるようになったので簡単かなと甘く見てたけど、スッゲームズい。 正直舐めてたわー。 そういえば俺、原作キャラと違って主人公補正とか持ってねえわ。

ふつーに俺は才能が無いやつなのか……。 だがしかァしィー俺には成長補正【大】を持っているのだ。

最初は手を焼いたが、今ではかなり操作になったと思う。 しかし時間がかかった。

才能がないので1年近くかかった。

 

 

3つ目。

これが問題。

単純にしてシンプルな答え。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥呪骸ってどうやって作るの?

ぬいぐるみは作れるようになったのはいいが、その後どうすれば呪骸になんの?

俺はぬいぐるみを見つめる。

 

詰んだ。

成長補正があってもやり方が分からないのでは意味が‥‥‥‥‥待てよ?

呪骸っていわばチ○ッキー的な呪いの人形でしょ。 

確か呪具って呪力を込めながら作るんだっけ。

ものは試しやってみるか。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

数時間後‥‥‥‥

 

できねぇぇぇ!!

形はできているが何かが足りない!

こうなったら原作を思いだせ!

夜蛾学長はどうやって作っていたか‥‥‥‥

そうだ。 核が無いんだ。 そういえばパンダは核が3つあって、その相性の良い3つの核が補い合う形で自我が生まれるんだっけ。 じゃあ核ってどうやって作るんだ?

あ〜結局振り出しかよ!

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

翌日‥‥‥

 

イライラしても仕方がないので、呪力の操作に力を入れようと思う。

あわよくば黒閃を発動させれば術式の核心に触れ、核の作り方もわかるやもしれん。

よ〜し。

なら五条悟が教えていたとうりに映画鑑賞で頑張ってみよう。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

三日後‥‥‥‥‥‥‥‥

 

この三日間ずっと呪力を練りながら映画を見ていたけど‥‥‥‥‥

実感が沸かねェェェ‥‥‥

それもそうだ。

だって虎杖君の時と違って呪骸が無いんだから。

あァァァァァァもォォォ!!

どうすりゃええんだよォォォ!!?

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

二時間後‥‥‥‥‥‥

 

わたくしは思いつきました。

古来よりこの方法が最も効率の良い修行方法だと。

 

実践じゃあァァァァァァゴラァァァァァァァ!!

 

 

明日から

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

翌日‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

今日から実践訓練を行う。

と言っても目的の最終的には黒閃を出すこと。

死闘ではない。

なので木製バットで余裕な4級呪霊とか蠅頭を狙ってやろう。

 

しかしここで問題があるのだ。

そう。

原作キャラに遭遇する可能性があるのだ。

ゑ?

いいじゃないかって?

馬鹿!!

そうなったら呪術界の仲間入りにされて渋谷事変でぽっくり逝っちまうよ!!

俺は二度と死にたくない!!

だから強くなるのだ!!

 

最も出会ってはいけないのは、もちろん五条悟だ。

出会ってしまえば六眼で呪力を持っているどころか術式が使えることまでバレ、高専に行くことを断っても万年人手不足な呪術界に目をつけられてしまう。

それだけは絶対阻止しなければならない。

 

まあ見つかっても、特級呪術師の一人である九十九由基くらいのの自由人ならば見逃してくれるかもしれないが。

 

あーだこーだ言っても仕方がない。

夕方5時までをタイムリミットにして呪霊を祓おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回から呪霊と闘います。


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第二話 レッツ肝試し☆















俺は今、町外れの廃虚に向かっている。

町内では言わずと知れた幽霊スポットだ。

呪霊の一匹や二匹くらいいるだろう。

 

思っていた時期が僕にもありました。

呪霊いねェェェ!!

全然いない!

全く見つからない!

なんで?

あ、もう夕方だ。

早く帰らないと、俺や父さんにとっての特級過呪怨霊【怒った母さん】が顕現してしまう。

 

▽▽▽▽

翌日

 

呪霊が見つからない理由が分かった気がする。

おそらくは帳を降ろしていないからだろう。

帳は、呪術師の活動を外から一般人に見られないようにするだけでなく、隠れている呪霊をあぶり出す結界なのだ。

 

 

分かりやすくいえば、妖怪○ォッチだ。

帳を降ろすには、詠唱がいるが、俺は詠唱をしっかり覚えている。

 

しかし

今、現在俺は真夜中には活動出来ない。

小学生だから。

生憎、俺には天野○ータみたいにバクのような仲間はいない。

どうすれば‥‥‥‥‥‥‥‥

 

 

 

俺の中に天啓が降った!

 

 

学校に忘れ物をしたと夜に母さんに言おう。

それなら大丈夫そうだ。

多分。

 

よし、今日は金曜日。

明日に学校はない。

なら遠慮なく夜ふかし出来る。 

早速、夜になったら言ってみよう。

 

▽▽▽▽▽▽▽

午後8時‥‥‥‥‥‥

 

惨敗しました。三十分前に母さんに言ったら、暗いから明日行きなさいと言われた。

糞ぉ、せっかくの苦肉の策も無駄になってしまった。

 

大丈夫、イケるとその気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ。

wwwwwwwwwwwwwww

 

って笑えるか!

やべえ。

ストレスが溜まったせいか、少し情緒不安定になってきた。

 

もうこうなったら寝よう。

おやすみ。 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽

翌日‥‥‥‥

 

母さんについた嘘をバレないように、あるはずも無い忘れ物を取りに学校に行く。

ハァー寒い。

昼でもこんなに寒いのは、地獄やわ〜

学校が家から近いということだけが唯一の救いだ。

 

 

そんなふうに現実逃避しながら学校につく。

俺は嘘に妥協はしない。

学校に水筒を忘れたと言うために金曜にお母さんに出し忘れた水筒をわざわざ持ってきたのだ。 (どうでもいい)

 

あとはしばらくして帰るだけ。

と、憂鬱にそう考えていると。

 

「お〜い大和〜。」

 

ん?

なんだよ。

声の聞こえた方向に振り返ると。

クラスメートの津久見 スバルが公園の滑り台にいた。

ちょうど暇になってしまったので俺はその公園に向かった。

 

 

「で、どしたの? こんな所で?」

 

「実はさ、今夜、神谷病院の裏山に肝試しに行かないかって考えててさ。」

 

な、な、な、ダニィ!!?

こんな都合よく大義名分を持って真夜中に、それも心霊スポットの裏山に行くチャンスが来るなんて。

俺は良いクラスメートを持ったものだ。

 

「マジで!? 楽しそうじゃん!」

 

「え〜。 大和くん、かなり食い気味じゃん。 以外〜〜。」

 

「だって暇なんだもん。 にしても津久見ちゃ~ん、なんでこんな真冬に肝試し?」

 

「ふふふ。 ほら、昨日の夜テレビであった『世にも不可解な物語』で冬の山で凍死した霊が出るっていうのがあったからさ。 本当に出るのか私が検証しようってわけ。」

 

「へ〜。 でも真夜中の山に俺たちだけってのは、だめなんじゃない?」

 

「そこは大丈夫よ。 私のおばあちゃんが一緒に来てくれるって言ってたから。」

 

「いやいや、心霊スポットの山に老人を連れて行くのは‥‥‥」

 

呪霊が多数いるであろう山に老人を連れて行くのは、狼の群れに羊を連れて行くようなものだ。

 

「だから大丈夫よ。 私のおばあちゃんは昔、かなりの霊媒師って言ってたし、万が一お化けが出てもおばあちゃんが助けてくれるわ~」

 

いやそういう意味で言ったんじゃないんだけど。

あ〜もういいや。 いざとなれば俺がなんとかしよう。

 

「分かった。 じゃあ、準備ができ次第、連絡するから。」

 

 

「分かったわ。 待ち合わせ場所は、夜8時に神谷病院の前ね。」

 

「了解。 じゃあそういうことで。」

 

「「一旦、解散。」」

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

午後8時‥‥‥‥

 

俺は、あの後母さんを説得し、見事外出許可を貰った。

そして俺は、神谷病院に到着した。

 

それから10分後。

 

「待たせてごめ~ん。 おばあちゃんが準備に手間取っちゃって。」

 

「い〜や、すまないわね、カナタ君。 」

 

「いえ、香里奈さん。 別に問題なしですから。」

 

津久見 香里奈 

スバルちゃんの祖母。 見た目は20代後半くらいにしか見えない美女。 本人曰く若作りをしてたら、こうなったと発言していた。 スバル以外におばあちゃんと言われるのを嫌う。 御年75才歳。 あと100年は長生きするとのこと。 あんた、本当に人間ですか?

 

「もう。 おばあちゃん、そういうのはいいから!!」

 

「って言うより、何その風呂敷?」

 

「あーこれ? 山のお化けに対する道具よ。 あまり気にしないで。」  

 

(そう言われると余計気になるんですけど。)

 

「例えば、どんなのがあるんですか?」

 

塩とかかなぁ。

 

「う〜ん、そうだねえ。 これなんかどう。」

 

ボクシンググローブだった。

 

why boxingglobes?

 

「しかもただのボクシンググローブじゃないのよ。 装着すると、腕から手,そして触れたものにジッパーをつけることができるのよ。」

 

スタンドのスティッキィフィンガーズじゃねぇかァァァ!!

スゲェ! 香里奈さんは、スタンド使いだったのか!?

いや待て、ここは普通のリアクションをして様子見だ。

 

「いや、どういう仕組みィィィ!? おい、スバルちゃ〜んこれってどういう‥‥‥」

 

 

「すっごいィィイ。 さすがおばあちゃん!」

 

駄目だ! スバルちゃんの中で香里奈さんがこういうのを当たり前に出来るのだと錯覚しているゥゥゥ!?

スバルちゃんに聞いてもだめだな。 本人に聞こう。

 

「あの〜。 香里奈さんこれって一体?」

 

「そ·れ·は·内緒♡ そうだ。 このグローブ、カナタ君に貸してあげるわ。」

 

ゑ? マジでか!!

その言葉に俺の香里奈さんに対する疑問が吹き飛んだ。

 

「いいんですか!!?」 

 

「えぇ。 この肝試しの間だけだけど。 じゃあここでだらだら話してても仕方がない。 早く始めましょうか。」

 

 

「はい。 では今回の肝試しのルートは、この山の頂上まで登り来た道を沿って下山します。 頂上と言ってもせいぜい町内で行うマラソンよりちょっと長いぐらいの距離なので一往復45分〜1時間くらいです。」

 

「「分かったわ。」」

 

「ではそろそろ行きましょう。」

 

▽▽▽▽▽▽▽▽

30分後‥‥

 

「ちょっと休憩しない?」 

 

スバルは辛そうに言った。

 

「何言ってんの? さっき休憩したばかりでしょ。」

 

「だっておかしいわよ!! 往復45分くらい何でしょ! そろそろ頂上が見えてきてもいいじゃない!?」 

 

言われて見ればそうだ。 以前この山に来た時と比較してもここまで長くはなかった筈だ。

と、言うことは? まさかねェ?

 

その時、

香里奈さんが俺たちを庇うように前に出た。

 

「二人共、私から離れないで。」

 

あ〜もう〜これで確定してしまった…

この山は、もう…… 

 

「やっぱり、ついて来て良かった。 でなければ、まんまと孫とその友達を見殺しにしていた……」

 

呪霊の生得領域だ。

 

「早く帳を‥‥‥「闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え」!?」

 

俺はいち早く帳を張った。

 

「カナタ君……あなた、呪術師だったのね。」

 

「いいえ。 以前にも呪霊と出くわして、呪術師の方に助けてもらった際に補助監督と呼ばれる人に教わりました。」

 

もちろん嘘である。

 

「本当に?」

 

「マジですとも。」

 

 

(帳を張れるということは、最低でも呪霊を視認し、4級と蠅頭くらいなら祓えるということ。 心苦しいけど手伝ってもらいましょう。)

 

「ねぇ。 カナタ君! 呪術師に助けてもらったのなら、呪霊はわかるでしょ?」

 

「はい!」

 

「その呪霊の中でとびきり弱いヤツをそのグローブで祓って! 出来る?」

 

「わかりませんが呪力の操作については自信があるので‥‥やってみます!」

 

「分かった。 そろそろくろわよ! 構えて!」

 

『ああああああああああァァァア、だあぁれぇぇぇえ!?』

『どおこぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおオオォ!!??』

『いぃぃぃこぉぉぁあああぁぁうぅぅぅぅうウゥ』

『ぐるるるるるぅぅぅぅぅうううう』

『コォンニィィィチィィィハァァァああああああ??!!』

 

「呪霊の群れよ!!」

 

あれがモノホンの呪霊か!! 

 

「4級が5体、3級が2体か。 カナタ君は、4級を三体祓って!あとは私が、祓う!!」

 

「分かりました!!」

 

呪霊討伐の初実践。 ここまで大掛かりになるとは思わなかった。

でも殺らなきゃ殺られる。

呪力をグローブに流して呪霊の顔面に殴ると、呪霊の顔面にジッパーができ、開くことで真っ二つになった。

 

(このグローブマジでスティッキィフィンガーズの能力を持っているのか。)

 

そうこう考えていると、前後の呪霊2体に挟み撃ちを仕掛けられた。

 

(不味い! さっきの呪霊に集中し過ぎた。 このままだと喰らっちまう‥‥いやこのグローブならば、)

 

俺はすぐさまそばにあった木を殴り、

ジッパーを付与し、

ジッパーの中に入ることで呪霊の挟み撃ちを回避する。

 

回避したことで2体の呪霊に隙ができたので、

ジッパーから飛び出し手刀を2体の呪霊の脳天にお見舞いして祓った。

 

「討伐完了しました。」

 

俺は香里奈さんに大声で報告した。

 

「分かった。 助かったわ。」

 

香里奈さんは自身の武器であるリボルバー銃で呪霊を一掃していた。

今後この人を怒らせないようにしよう。

俺はそう記憶に刻んだ。 

 

にしてもおかしいことがある。

範囲が狭いとはいえ、俺たちは生得領域の中なのだ。 

なのに、それを展開している呪霊がいないのだ。

生得領域を出している時点で準1級以上は確定している。

香里奈さんもそれを理解しているのだろう。

 

『違和感』

 

俺たちは、『それ』を感じていた。

 

そして次の瞬間 

 

『殺気』

 

俺たちは、その正体を知った。

 

「上だ!!」

 

 

俺達の頭上には、巨大な1つ目の怪物がいた。

そして怪物が有している膨大な呪力量。 

その等級を香里奈さんは、呟いた。

 

「――――1級‥‥‥‥‥‥」

 

(チュートリアルに出ていいレベルじゃねえぞ。)

 

 

 

 

「カナタ君! 君にお願いがある!」

 

「なんですか? あの怪物をどうにかする策あるとでも‥‥‥「あるわよ!! とびっきりのが!!」マジで言ってんですか?」

 

「大マジよ! 私はこれでも1級呪術師で退職したのよ。 あんな奴いくらでも祓ってきたからどうてっことないわ!」

 

「ただ‥‥」

 

「ただ?」

 

「ブランクがあるせいでちょっと時間がかかるのよね〜 だからあなたは、スバルを連れて時間を稼いで!」

 

「時間を俺達が稼げばあいつを倒せますか?」

 

「もちろん。 モーマンタイってやつよ!」

 

「分かりました。」

 

俺は1級を見て気絶したスバルを抱え、呪力で身体能力を強化する。

 

「香里奈さん。 信じてます。」

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

「信じられちゃったわぁ。」

 

あの言葉に私少し唖然とした。

 

(あの子に信じられた今、私に出来ることをやるだけ。)

 

フゥー

静かに深呼吸をして、

カナタ達が怪物の攻撃を誘い、必死に避け時間を稼いでくれている今がチャンスだ。

 

「私の術式は、構築術式。 呪力を原子に変換し、物質を創造することが、出来る。 なおこの術式は、燃費が酷く使い勝手が悪い。 しかし反転術式による術式反転を持ち得れば、ありとあらゆるものを破壊する分解術式使用出来る。 そしてこの術式は、構築術式で生み出したものに付与することが、出来る。 折り紙だろうと、銃弾だろうとね。」

 

術式の開示。

それは、自らの手の内を晒すことを縛りに、術式の効果を底上げすることが出来る。

つまり、術式の開示は、呪術師の本気を表すのだ!

 

「構築術式。」

 

香里奈が地面に触れ術式を発動させる。

鉄による土台が作られ、砲台が形成される。

 

「この砲台はねえ。 全盛期の時の私のお気に入りなのよ。 第二次世界大戦のとき、ドイツ軍にて使用された対空砲。 改良前の時点で、1.5Km先の装甲板を100mm貫通した野戦高射砲。 口径88mmもあることにちなんでこう名付けられた!」

 

「『アハト・アハト』!!」

 

「おまけに弾には私の分解術式も組み込まれている!」

 

「カナタ君! 時間稼ぎをもういいわよ!! 伏せて!」

 

呪霊が私に気づき、標的を私に変える。

でも、もう遅い!

 

「『裁キ之弾丸(ジャッチメント)』!!」

 

その一撃は音を置き去りにし、、呪霊を容易く穿ち、帳を貫き、天を裂いた。

正に一撃必殺! 

遅れて聞こえてきたソニックブームによる大音量があの一撃の火力を物語っていた!

呪霊の体は、弾丸にこめられた分解術式によってチリになった。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

あ、ありのままに今起きたことを話すぜ。

 

スバルを抱え、死ぬ物狂いであの巨大な怪物の攻撃を避けていたら

香里奈さんの声が聞こえて、それにしたがって伏せたんだ。

すると、ハンパねぇ音と衝撃波が起きて、あの怪物が消し飛んでやがった。

とんでもねぇ人だ。

常人にはできないことを平然とやってのけるそこにシビれる憧れる!!

 

「カナタ君! 大丈夫だった?」

 

「あい。 大丈夫でふ」

 

余りの衝撃に未だに放心状態だ。

 

「そう。 大丈夫なら問題ないわ。」

 

「それにしても凄い火力でしたね。」

 

「あったりまえ田のクラッカーってやつよ。 私の全盛期のときに使っていた物の一つだもの。」

 

ふ、古い。 それにまだあんなヤベェのが残っているのか。 

それにしても今一つの疑問がある。

 

「それにしても、呪霊は祓えたんですか?」

 

「もちろん。 あなただって見たでしょ? 木っ端微塵よ!」

 

「だったらなんで、未だに生得領域が消えないんでしょうか?」 

 

「ゑ?」

 

きゃあァァァァァァァァァ!!!

 

近くで悲鳴が聞こえた。

そこであることに気づいた。

 

「スバルがいない!」

 

「あ、あそこよ!」

 

香里奈さんが指した方向にスバルが呪霊に捕まっていた。

 

「す、スバル!!」

 

「待って! あの呪霊、さっきのやつね。」 

 

「え? でも先程より遥かに小さいですし、呪力も少ないですよ。」

 

「えぇ。 おそらくはあれが、本体。 あのときの巨体は、そこらの呪霊と人間の死骸で作られていた。 それを私が消し飛ばしたから中身が出てきたのね。 分解術式で完全にチリになる前に。 しかも狡猾なことにスバルをなけなしの呪力の補給にするんじゃなく。 私達に対しての人質として。」

 

「ゲス野郎‥‥!!」

 

その様子にニタリと醜悪な笑みを浮かべる呪霊。

香里奈の推測は、当たっていた。

この呪霊は、もはや生得領域を保てるほどの呪力は無く、力も3級くらいまでに堕ちていた。

そして分解術式を喰らったため、十分も経たずに消滅する。

消滅するまでの時間を利用して一人でも多くの人間にキズを残すために地獄を見せるためにこの呪霊は、動いているのだ。

 

『がぁあああああああアァァァ!!』

 

雄叫びを上げながらスバルを殺そうと腕を振るおうとする呪霊

呪霊はこのとき勝利を確信した、いやしてしまった!!

 

 

呪霊は、一つの間違いを犯したのだ!

それは、自身の体を吹き飛ばした香里奈を警戒するあまり、

この男の存在を目から離したことが、この呪霊の運命を分けた!!

 

ドゴッ!!

 

『ッ!?』

 

突如として、現れたグローブによるパンチが呪霊を殴り飛ばし、スバルの命を救ったのだ!!

呪霊は動揺した!

見に写ったのは、

グローブによるジッパーの能力で腕を伸ばして殴ったとされる取るに足らないはずの4級術士(スバル)だったのだから!!

 

「何をやったってしくじるもんなのさ。 ゲス野郎は、な。」

 

『ゔがあ"ぁぁぁぁあアアアァァァ!!』

 

呪霊は怒りのあまり突っ込んできた。

それがカナタの狙いとも知らずに。

 

カナタは、呪霊をカウンターのアッパーカットで天に打ち上げ、グローブの能力でリーチを自在に操りながらラッシュを繰り出す。

 

「アリアリ アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ‥‥」

 

ドゴッ! ドゴッ! ドゴッ! ドゴッ! ドゴッ! ドゴッ! ドゴッ! ドゴッ! ドゴッ! 

 

殴られる度にジッパーが呪霊に刻まれていく。

 

「ァ" ア" リィィィ!!!」

 

ドォゴォォォンンン!!

 

最後の気合の一撃と共にジッパーによってバラバラに分断され‥‥

 

「――アリーヴェデルチ!(さよならだ)」

 

バラバラになって呪霊は祓われた。

 

こうして裏山の事件は幕を閉じた。

香里奈さんは、自分はともかく俺とスバルはいつ死んでもおかしくなかったと言う。

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

しばらくして‥‥‥‥

 

このあと俺らは帰宅した。

えらく濃密な時間だったと思う。

なにせ、山に入ってから2時間しか経っていないのだ。

しかし、予定では、一時間で終わる筈だったので親にそう伝えていたスバルはかなり青褪めていた。 ドンマイwww

 

まあ、香里奈さんが弁解してくれるだろう。

俺は、念には念を入れるタイプなので肝試しには2時間以上かかるかも、と説明してたので、問題なしだった。

そして頑張ったご褒美に香里奈さんが呪骸の作り方を教えてくれるとのことで、成果は、上々といえるだろうな。

よ〜し本格的に傀儡操術を使えるようになろぞおぉぉ!!

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




スッゲー長くなった!
戦闘シーン考えるだけでも大変。

ハーメルンって文字に自由に濁点使えないから『"』で代用してます。

因みにヒロインは、オリヒロのスバルちゃんです。
モデルは、双星の陰陽師の御幣島 スバルです。


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第三話 呪骸第一号

⚫月○日

 

あの事件から2日が過ぎた。

俺は、裏山での戦闘の褒美として

元1級呪術師の香里奈さんから傀儡操術の指導を受けさせてくれることになったので、

俺は喜んで了承した。

 

 

そんでもって今日から、指導が始まる。

訓練場所はスバルの実家では無く、香里奈さん宅で行われる。

なぜなら、香里奈さんは呪術師だが、スバルの両親は非術師なのだ。

加えて、香里奈さんは呪霊や呪術師などの存在をスバルの両親に教えなかった為、訓練をスバルの家で行うわけにはいかないからだ。

 

▽▽▽▽▽▽

香里奈さん自宅

 

「じゃあー 今から私が傀儡操術について指導してあげる。」

 

「よろしくおねがいしまーす。」

 

ようやくだ‥‥‥

ようやく傀儡操術を使えるようになれる。

長かったような短かったような、そんな気持ちだ。

 

「傀儡操術は、呪力を込めながら人形やぬいぐるみを作成し、核‥‥いわば呪力のプログラムを設定して埋め込むことで呪骸を作り出し、それを操る術式よ。」

 

「はい。 それは分かっているのですが、核はどうやって作るのですか?」

 

俺は最も知りたかったを質問した。

 

「良い質問ね。 それはこの呪玉(のろいだま)を使うのよ。」

 

香里奈さんはそう言って、懐から水色のビー玉のような玉を取り出した。

 

「これは呪具の一種で、使用者の思いと願いを呪力として記録するものなの。 これのおかげで傀儡呪術学は、進歩したと言っても過言じゃないわ。」

 

へ〜。

どうりで俺に呪骸が作れないわけだ。

だって呪玉が無いと、呪骸の核が作れずに完成しないんだもの。

 

「呪玉を入手するには、専門の職人から買うしかないけど。 あなたは、スバルを助けてくれた恩があるから、出来るだけ私が、融通してあげる。 呪玉が必要になったら遠慮無く言ってね。」

 

マジでか!?

これで呪骸が作り放題じゃないか。

 

「もちろん。 呪術師になったら見返りも期待しているわよ。」

 

がめつい。

いや、ここまでしてくれるのなら感謝すべきなのだろう。

 

「はい! ありがとう御座います!」

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

俺は早速、呪骸の制作に取り掛かった。

せっかくの第一号は、

思い出に残る一品にしようと思う。

 

デザインは‥‥‥‥‥‥

そうだ、ポケモンにでもしよう。 ゴーストタイプのやつを。

ポケモンなら俺は、黒白から始めたから‥‥‥‥

そうだ。 シャンデラにしよう。

あいつは、ヒトモシのときから使っていたし、ガチポケだし、

 

 

ッと言っても、

流石に初っ端からシャンデラは、無理だからヒトモシからにしよう。

ヒトモシは、ロウソクがモデルのポケモンだから

ちゃんと蝋を使って作ろうと思う。

俺はこうゆうのには、妥協はしない。

原·作·再·現!

これぞ、至高なのだよ。

だけど蝋の人形を作ったことないから、ネットで検索しよ。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

⚫月○日

 

めんどくなったからからA○azonでデカいロウソクを買った。

これを溶かして、呪力を込めながら元の形に戻す。

手作りチョコレートでも作るかのように、

すると以外に簡単に出来た。

 

後は、ポケモン黒白の思い出補正が詰まったヒトモシの記憶(データ)を記録した呪玉を埋め込むだけだ。

 今思えば、アニポケのヒトモシってかなりやばかったよなー

原作再現が至高とはいえ、あの生態はまじでヤバいから、

『生物の生命力を吸う』から『生物の呪力を吸う』に変更したほうがいいだろう。

ぎりぎりで思い出して良かった‥‥‥‥‥‥‥

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

さ〜てさてさてさてさて。

よぉうやぁくゥゥゥ‥‥‥

この時がキタァァァァァァァァァ☆

 

俺は、呪玉を蝋の人形に埋め込んだ。

埋め込んだ瞬間、ロウソクから青白い炎が点いた。

呪骸は、黄色の目を開き、体を動かした。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

\\デンデンデン、デデデデンデデン、デンッ!//

やった! ヒトモシが誕生した!

このヒトモシにニックネームをつけますか?

     はい    ピッ→いいえ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

はっ。 興奮のあまり当時のゲーム画面が見えたような‥‥‥

まあいいや。

せっかくだし、このヒトモシに名前をつけたいけど後々でいいや。

 

『もしー?』

 

そうだ。 一応ヒトモシに挨拶をしておこう。

まあ、しても自我はないから意味はないんだけどね。

俺が作ったこの呪骸は、俺の命令どうりに動く。

先程の『もしー』の鳴き声は、こういう使用にしたからだ。

 

 

 

「やあ。 ハローワールド。 こんにちは世界。 『はじめまして』だね。」

 

「もしー!」

 

なんか一人芝居みたいで虚しい感じがするなー

いつかはパンダのように、自我をもたせたいなー

確か相性の良い3つの核がいるんだっけ? 

これがかなり面倒くさそうだ。

この件は、後にしよ。

今は、こいつの性能を把握しよう。

実験をするには、前の裏山でいいだろう。

彼処は、1級がいなくなっても元より心霊スポットだ。

雑草が生えるように、湧き続ける。

まあ、あそこまでの怪物は早々誕生しないけどね。  

せいぜい、強くて3級がいいところだろう。

実験するには、ベストと言ってもいい。  

思い立ったが吉日と言うし、やるだけやってみよう。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

数日後‥‥‥

 

実験終了。

戦闘シーンは、残念だがカットさせてもらおう。

ヒトモシは、俺の目から見ても、上々の性能だ。

ゲームやアニメ同様の技である『ひのこ』『おどろかす』『スモッグ』『小さくなる』だ。

攻撃面はまだ弱いの一言だが、『スモッグ』による撹乱や『小さくなる』によって攻撃が当たりづらくなることで呪霊の気を引いたりとかなり優秀だ。

特に目を引くのは、特性である『すりぬけ』だ。

この特性は、ヒトモシの夢特性なのだがこれが便利だ。

どういう原理か知らないが樹木などの障害物をすり抜けて攻撃できるのだ。

呪霊には、当たっていたのでおそらく呪力を宿しているもののみに当てられるのだろう。

しかも、

俺がヒトモシに樹木に向けてスモッグを使わせたら、

すり抜けないこともできたのを見るに、オン・オフの切り替えもできるのだ。

さらに、

こいつは成長する。

俺がこいつを起動する前に、

『生物の生命力を吸う』から『生物の呪力を吸う』に変更したせいか。

倒した呪霊の呪力を吸収して、力が増したのだ。

多分俺は、レベルアップしたのだとおもっている。

 

ー面白い‥‥

 

俺は、純粋にそう思った。

こいつが成長出来るのならば、

この段階で自我を芽生えさせるのもありだと思う。

早速試してみよう。

 

俺は、ヒトモシに自我を持たせるための準備に取り掛かった。

 

 

 

 

 




ちょっと前回短いけど、
ついに呪骸第一号ができました。
けど真の完成は、次回ですね。



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第四話 狂気の男

あのあとも、

ヒトモシの性能実験兼ねてのレベル上げを続けている。

体感だが、

おそらくレベル20だろう。

『鬼火』を使えるようになったのがその証拠だ。

他にも、『あやしいひかり』『たたりめ』もできるようになった。

てっきり俺は、技は4つまでだと思いこんでいたが、そんなことはなかった。

色々な技を使えるようになっても、初期状態で使える技は健在だ。

特に『あやしいひかり』と『たたりめ』は、凄まじい。

『あやしいひかり』の効果は、催眠の類だろう。

人間や呪霊に関係なく、通用する。

そして、『たたりめ』だ。

ゲーム同様、状態異常になった敵に対する威力が倍近く上昇した。

このコンボは強力で3級呪霊は、ワンパン出来る程。

今回の実験結果はこんなものだろう。

 

 

これ程の性能を自我もないのに有し、

なおかつ成長する。

呪術界の連中(特に上層部の腐ったみかん)に見られれば、

夜蛾学長と同じ理由で確定で目をつけられるだろう。

幸い香里奈さんにも、ヒトモシの存在はバレていない。

 

が、時間の問題だろう。

例え見つかっても、

あの人が告げ口する可能性は、ゼロに近い。

だが、もしもの場合があれば俺は何も出来ないだろう。

その事態も考慮すべきだろう。 

そのために俺とヒトモシは、自衛のために強くならねばならない。 

俺はともかく、

自我の無いヒトモシでは強さの限界がきっと来てしまうだろう。

やはり早い段階で自我を持たせることにしたほうがいいだろう。

自我があれば、知能を持てる。

知能があれば、知識が持てる。

知識があれば、戦略を練れる。

戦略を練れるならば、闘いに打ち勝てる!

早急に相性の良い核を2つを作る準備だ!

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

数十分後‥‥‥‥‥

 

 

やはり、

相性の良い核を作るには、

ヒトモシもといシャンデラに関連するものをベースにしたほうがいいだろう。

ならば、

ヒトモシを作った時と同じようにゴーストポケモンの核を作って見よう。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

数日後‥‥‥‥‥

 

何故だァァァァァァァァァァァァあ!!!

出来ない!

何故出来ない!?

相性の良い筈のゴーストポケモンの核を作った筈なのにィィィィィィい!!

ヒトモシに近づけた瞬間、

同じ極を向かい合わせた磁石のように弾かれたァアァァァ!!?

 

まさか、

同じタイプのものでは、駄目だと言うのか?

‥‥‥‥‥‥‥‥もしや‥‥

ゴーストとゴーストの相性が対極だから弾かれているのか?

ならば別のタイプで勝負だ!!

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

さらに数日後‥‥‥‥‥‥

 

結果的に言おう。

まず成功した。

が、3つ目は、弾かれた。

全く同じタイプでは駄目のようだ。

おそらく、大事なのはタイプ相性の三角関係だと思う。

例えるならば、炎は草に強く、草は水に強く、水は炎に強い。

これらが、バランスの調和を生み出すのだろう。

 

適合したのは、以外なことに草タイプポケモンのロズレイドの核だった。

確かにこいつもシャンデラと同じ特攻が高いステータスになっている。

まぁ、

ロズレイドが対戦に出たところでシャンデラならボコれるから、

強さの基準的にはちょうどいいのかもしれない。

 

なら次は、水タイプだな。

水タイプといえば、俺にとってはミロカロスだな。

ダイパリメイクでストーリーに、対戦向き(特性『不思議な鱗』の性格ずぶといH244、B256、D12振り‥‥‥尚ストーリーの為、個体値は、考慮していません)のを使う程、お気に入りのポケモンだ。

こいつならば、この三竦みに補完がとれるだろう。

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

2日後‥‥‥‥

 

ミロカロスの核の作成が完了した。

相性の適合も、難なくクリアした。

あとは、これをヒトモシに‥‥‥‥ヒトモシに‥‥‥

あ"あ"あ"ァァァァァァ!!

しまったァァァァァァ!!

シャンデラはともかく、ヒトモシでは、

このガチポケモンである2体のチカラに耐えられない!

完全に盲点だったぁ!

何故俺は、シャンデラの前提で話を進めていたのだ!?

早くヒトモシを進化させねば!

レベル上げには、いつもの裏山でいいだろう。

 

 

 

突然だが説明しよう

ヒトモシは、カナタの記憶を元に作られた呪骸でありポケモンである。

そのために定められたレベルになれば、進化できるのだ。

進化の過程は、呪霊を思い出して欲しい。

強力な呪霊は、生まれつきの強さだけで成り立っている訳ではない。

人間や同族である呪霊を喰らうことで、

より大きく、より強靭に、より呪力を増すのだ。

カナタのヒトモシもまた同じ。

尚、シャンデラへの進化は『闇の石』がいるのだが、

この世界にそんなものはないので、レベルアップで進化出来る使用になっている。

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

2週間後‥‥‥‥

 

ようやくランプラーに進化した。

レベルは、上がるほど上がりにくくなるから大変だった。

この時点で、ゲームでは考えられない程強くなっている。

だって、超遠距離から『すりぬけ』で障害物を無視してからの『はじけるほのお』の狙撃で、殲滅出来るのだもの。

しかし、最近少々暴れ過ぎた。

呪霊が発生するたびに殲滅しているから、マンネリになっているし。

何よりそろそろ呪術界の『窓』に見つかってもおかしくない。

そろそろ別のヤマを変えた方が、良さそうだ。 山だけに。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

一週間後‥‥‥‥‥‥‥‥

 

手頃な、洞窟を見つけた。

この洞窟は、隣町で有名な心霊スポットの一つだ。

この洞窟に入った人間が帰って来ないとかが噂されている。

それも前の裏山より。

ここなら上質な呪霊もいるだろう。

家からも徒歩で45分の距離だ。

夕方には、帰らないと行けないから、

行動出来る時間も少ないが、利点もある。

昼にも呪霊がいることだ。

洞窟の中は、一面真っ暗闇。

そのためいつでも呪霊が発生するのだ。

今まで裏山で行動できたのは、

わずか一時間も満たなかったがこの洞窟では、一時間半まで修行出来る。

ランプラーのレベル上げに最適だろう。

しかも、ここなら『窓』の連中の目も届かないだろう。

早速行きたいところだが、もう夕方近くだ。

仕方がない、

明日出直そう。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

翌日‥‥‥‥‥

洞窟前

 

今日から洞窟探検だ。

活きが良い呪霊をばかすか倒すぜぇ!!

本来なら真っ暗で何も見えないだろうが、

こちらには、ランプラーがいる。

こいつなら、明かり代わりになるだろう。

 

 

 

 

 

フハハハハハハハハ 

笑いが止まらんとは、このことや!

3級呪霊が湧きまくっていやがるゥ!

ランプラーのレベルも鰻登りや!

イヤッホォォォー

現在、レベル52ィィィ!!

進化まで、残りレベル2!

フフフ 実に最高デス!!

 

 

 

フウー

少し落ち着いた。

テンションが上がりすぎた。

最高にハイってやつだったんだ。

なにせ、レベルがもう10も上がったからね。

この洞窟は、呪霊の数も質も裏山より上等だ。

ランプラーの技もかなり充実してきた。

しかもまだ、三十分しか経っていない。

もう今日中に、進化出来るだろう。 

 

『『グフフゥ〜げヒヒィガハハ〜~!!!』』

『『『グガァ〜!!』ゲハハハハハフゥう〜〜〜!!?』

 

お〜と、また呪霊の群れだ!

パット見、3級〜2級弱だな。

いいだろう。

俺自身は、

それほど強くなっていないがランプラーはすでに2級術師並なのだよ。

お前らなんぞ!

ただの餌と知れええええ!!!(まだ最高にハイッな状態

 

 

 

勝ちました!

レベルもアップ!

進化まであとレベル1になった。

次に群れ来れば、それが最後になるだろう。

もっと早くここを見つければ良かった。

しかしだいぶ奥まで来たのに、まだまだ先がある。

もう洞窟に入って50分経っているのに、

裏山の時と違って呪霊の生得領域でもないぞ。

まるでドラクエのダンジョンだ。

一体何なんだここは?

 

コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ"コ" 

 

突如、カナタに向けてどす黒い狂気に満ちた殺意が浴びせられた。

 

なんだこの殺気は?

今までの呪霊より比べ物にならないぞ!?

 

その殺気を放っていた存在は壁際から正体を表した。

それは、人型のナニカだった。

 

『また来たな。 我らのための尊い犠牲が‥‥‥』

 

ナニィィィィィィイ!!

シャベッタァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!

馬鹿な、喋る呪霊など‥‥‥

いや、呪霊なのかあれは?

どちらかといえば、人間だ。

多少、変質しているが、人間だ。

衣服?も着ているして言うより、なんかアニメで見たことがある。

そうか、軍服か!

それにしても、こいつはなんだ?

ガスマスクのようなものをつけているが‥‥‥

とにかく、こいつは雰囲気からやばい!

何より、やつから血の匂いがしやがる。

 

「あんた。 ナニモンだ?」

 

『答える必要があるか? 呪術師(シャーマン)? 今から我らの犠牲になる分際で‥‥‥』

 

「生憎だが、そんな予定は、無い。」

 

『面白い。 なら貴様も試してみるとしよう。』

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

やべえ。

こいつはやべえ!!

身体能力は、人外クラスだ。

そしてどこへ逃げようとも、

必ず見つけて追いかけて来やがる。

おまけに拳銃まで持っている。

それもデザートイーグルかよ!

 

デザートイーグル

それは、世界で最も威力が出せる拳銃の一つ。

本来なら反動も強く、連発が厳しいのだが‥‥‥

 

こいつ! 

並外れた身体能力と技術で、反動を最小限にしてやがる。

そのせいで、デザートイーグルを水鉄砲のように連射してきやがる!

 

『どこへ行こうというのかね?』

 

クソぉ

逃げても逃げても、

俺の身体能力を呪力で強化しても追いつかれる。

 

(このままじゃ自利損だ! 殺るしかねぇ!!)

 

そうだ。 生き残るために、カナタは殺るしか無い。

殺るしかないのだ。 初めての人殺しを!

 

「『はじけるほのお』!!」

 

『ランプッラン!!』

 

ランプラーから細い炎がレーザーの如く放たれる。

 

(こいつは、ゲームやアニメに出てくるようなただの『はじけるほのお』じゃあァない!!

本来なら着弾と共に周りに拡散し、定数ダメージを与える技だが俺がそれを改良し、

拡散するはずの炎を一点に凝縮することでレーザーのようになり、殺傷力を増大させ、敵を爆ぜる。

これが、俺達の『はじけるほのお』だ!!)

 

裏山で遭遇した、1級呪霊にすら屠りそうなレーザーが、ガスマスクの男に迫る。

 

『ほほう。 凄まじい火力だな。

だかね! どれだけ攻撃優れていても、こんな愚直な攻撃、簡単に避けられるぜぇ!!』

 

ガスマスクの男は身体を横に捻ることで、攻撃を回避した。

そして回避と共に銃に弾を装填した。

 

『残念だったね。 僕ぅ? あの攻撃が俺の脳を貫いていれば、致命傷を与えられたのになぁ。 

 じゃあな‥‥‥さようなら‥‥ 楽しかったぞ‥‥』

 

男がデザートイーグルをカナタに狙いを定め、

脳天を撃ち抜こうとしたその時‥‥

なんと後ろから、避けた筈のレーザーが男の背後から脳天を貫いたのだ!!

 

『な、なにィィィ!!?』

 

「フッ まんまとひかかったな。 ガスマスク野郎!」

 

『な"、な"に"を"したぁ"?』

 

「そうかそうか。そりゃ気になるよな。

簡単に避けた筈の攻撃が時間差で背後から貫いて来たんだからな。」

 

「簡単なことだよ。 俺の呪骸は、炎を発火し、それを操る術式を持っている。

先程のレーザーの軌道を変えるなど容易い!」

 

もちろん嘘である。 本当は、ランプラーの『サイコキネシス』で軌道を変えただけである。

 

『‥‥!? 術式を持った呪骸だとォ‥‥!? そんなもの‥‥前代未聞だ‥‥』

 

「だが、お前の目の前に実在している。 これが現実だ。 お前は俺たちに負けたんだ。」 

 

『‥‥‥‥‥』

 

もうくたばっていたか。

俺は、やつに目を離し、場を離れようとした、

が、次の瞬間

 

『隙きありイィィィyyyy!!』

 

脳天を貫かれ絶命したと思っていた男が何も無かったかのように勢いよく起き上がり、

カナタに向けて銃を構えたのだ!

 

「!?」

 

突然の出来事だったためにカナタは、反応が遅れてしまった。

 

ズキューン!

 

男は迷わず、狂いなく銃の引き金を引いた。

 

 

 

『ほほう。 貴様の反射神経は、見事なものだ。 

俺の不意打ちをかすり傷で済ませるとはな。 だが、俺の演技を見抜けなかったのは、減点だ。』

 

カナタは、反応が遅れたものの、反射神経で攻撃をかわしたのだ。

この一ヶ月以上ものの間、伊達に毎日呪霊と戦ってきていない。

今までの経験がカナタの命を救ったのだ。

 

だがしかし、カナタは、そのことなどどうでも良かった。

彼が、気にしているのはなぜ脳天撃ち抜いたはずなのに、

男が生きているのかという疑問だけだった。

 

『なぜ、生きているのか、そう言いたげだな。』

 

(!?)

 

『図星か。 いいだろう。 冥土の土産に教えてやる。 俺は俺たちは、ただの人間じゃない、かの御方に施して頂いた海外で発見された呪物のチカラによって、人間を超越した存在。 まぁ俗に言う吸血鬼ッてやつだ。』

 

(吸血鬼!? 何を馬鹿げたことをッていいてぇけど事実ならば脳天を撃ち抜いたのに生きていることに辻褄が合う。)

 

そう。

ガスマスクの男の正体は、吸血鬼だったのだ。

吸血鬼は、太陽の下に出ることが出来ない代わりに人からかけ離れた身体能力と自己再生能力を持つ存在。

実際、撃ち抜かれた脳天がもう治っている。

 

(やつを殺すには、おそらくランプラーの火力では足りないだろう。 今は、作戦を練るために時間稼ぎが有効だろう。)

 

「お前は、お前たちはなんの為にそんなことをする?」

 

『なんのために? 少年、それは愚問というやつなのだよ。 我々に具体的な目的など存在しない!

あるとすれば、闘争そして戦争だ!! 戦いこそ我らのの本能であり! 本質であり!!

‥‥生きる意味だァァ!! ‥‥グフフ‥‥‥フハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!』

 

俺は、戦慄した。

こいつは、まともどころじゃない。 イカれているどころじゃない。 

ただの怪物だ。

さらに、恐ろしいのはこの世界にこいつみたいな怪物がまだまだいるということだ。

 

「そうかい。  ならこっちは‥‥」

 

「ランプラー! 『くろいきり』!」

 

ランプラーから黒い霧が大量が放出される。

 

『!?』

 

カナタ達は、霧を煙幕に場を離れた。

霧が晴れた頃には、カナタ達の姿は無かった。

 

『なるほど、この場をしのいで体制を立て直すというか‥‥ 面白いィ!!

 小僧のくせにここまで吸血鬼である俺をここまで出し抜くか!

 実に面白い! よろしい! 俺は、出口で待っているぞ!』

 

フハハと笑う戦闘狂人は、この洞窟(ダンジョン)の最後の関門として、

カナタ達に立ちふさがる。

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

ハァーハァーハァー

なんとか戦線を離脱出来た。 

この洞窟にあんな狂人がいるなんてな。

おまけに吸血鬼と来たもんだ。

つーか作者!

一話に対して、どれだけ詰め込むんだよ!!

もう5000文字はとっくに、超えてんだろ!

いい加減休ませてくれよ!!

え?

あと少しで今回終わるからもう少し頑張れって?

無茶言うなよォォォ! 

大体、第二話の時点でもかなり苦労したよ! 

本当に頑張ったと思うよ。

大体こういうのは、段階を踏んで、十話くらいでやるもんじゃないの〜?

 

 

 

 

 

あ〜もうグダグダ言ってたって仕方がない。

おそらくあいつは、俺が洞窟を出ようとするのは、分かっているだろう。

ガスマスクのあいつは、この洞窟を知り尽くしている。

だからそれを利用する。 黒い霧をばら撒いたあとに洞窟の出口に向かって、『鬼火』をサイコキネシスで人型にしたものを、ランプラーに向かわせた。 呪力が籠もった鬼火人形をあいつは、今頃追いかけているか、出口で待ち構えているだろう。

 その間に俺は、やつのアジトに向かう。 あいつは、恐らく組織の呪詛師だろう。 ここに拠点を構えている以上、アジトがある筈だ。

 そこには、やつらの研究結果やデザートイーグルのような武器もあるかもしれない。

武器や弱点を知るだけで戦況は、だいぶ変わるだろう。

 

待ってろよ。 ガスマスク野郎

てめぇの狂人面をぶちのめしてやるぜ。

 

 

 

 

⇐To Be Continued

 

 

 




ガスマスクの男の名前は、次回判明します。
オリジナルだけど。 このキャラのCVは、誰が思い浮かびますか?


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第5話 吸血鬼の秘密 新たなる兵器 狂人の名

あのあと、

やつが現れた方向に向かった。

 

(あいつが俺達の思惑に気づく前に早くやつのアジトに‥‥)

 

さらに、奥に進むと、ようやく光明が見えてきた。

 

「あそこか‥‥‥」

 

光明の先には、レトロ風なドアがあった。

 

ぎぃぃぃ 

 

俺は、迷わずドアを開けた。

その先に広がっていたのは、

見るからに怪しい感じな研究所だった。

 

(予想どうりだ。 あいつみたいなやばいやつが普通の心霊スポットの洞窟にいるわけがない。 いるのならば、それ相応の理由がある筈だ。 だから俺は、やつが、拠点を用意していると踏んでいた。)

 

 

実際、カナタはその賭けに勝った。 

カナタは、すぐに研究所を漁った。

すると、吸血鬼の資料と数多くの銃が見つかった。

 

(これでやつの吸血鬼としての弱点が見つけられる。)

 

吸血鬼の資料の内容は、こう記されていた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

吸血鬼の特徴。

 

一つ、決して年をとらず、死ぬこともない。

 

二つ、身体がバラバラになろうとも、呪力を消費して再生する。

尚、再生速度には、個人差がある。

 

三つ、太陽に光を浴びると、チリになる。

 

四つ、不老不死の人間離れした、

肉体を得る代わりに生得術式と反転術式が使えなくなる。

 

五つ、等級が己より低い、格下の呪霊を従えられる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

なるほど、太陽の光に弱いのは周知のとうりか。

にしても、術式が使えないということを、知れたのはかなり有り難い。

俺は、さらにページをめくると、興味深いことが、記されていた。

 

(ほほう。 吸血鬼の弱点になりうるものが書かれている。)

 

その内容を詳しく読むと、

 

吸血鬼の弱点になるゆるもの。

それは、波紋と呼ばれる技術だった。

 

(は、波紋だってぇ~!?)

 

カナタは、度肝を抜いた。

何せ、自身が読んでいた漫画の技術が記されていたからだ。

 

(すげぇ‥‥‥ 波紋は、実在していたのか。)

 

波紋についても、細かく記されていた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

一つ、波紋を扱うには、反転術式が必須であること。

 

二つ、波紋の使い方とは、

呼吸と共に、反転術式で正のエネルギーを生み出し、酸素と共に身体には循環させる技術である。

 

三つ、これを持続させることで、

正のエネルギーが身体を満たし、肉体が衰えることもなく、歳もとらない。

身体が切断されても、波紋を使っていればくっつけることで元に戻る。

 

四つ、波紋による攻撃は、吸血鬼にとって太陽の光も同然のため当たればチリになる。

 

五つ、もちろん習得も難しく、波紋使いは200年前の東洋の国で継承が途絶えている。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

ってこんなんできるか!

つまり反転術式を持続させるんだろう?

無理無理無理無理!! 反転術式を持続させるだけで、五条悟並の呪力と操作練度がいるんだぞ!!

そりゃ継承も途絶えるわ!!

 

 

どうやらこの世界の波紋は、取得方法が理不尽らしい。

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

(クソお‥‥! ここまで来て有効だなしか‥‥)

 

ならば、前世で読みまくったジャンプ漫画の先人達の知恵を借りて、

やっぱし圧倒的な火力で消し炭にするしかないだろう。

だけど、ランプラーの火力じゃ風穴を上がるだけで精一杯なのが今の現実だ。

シャンデラに進化しても、消し炭に出来るのか、かなり怪しい。

 

(あ〜もう、ウジウジ考えたって仕方がねぇ! まぁやるだけやるしかないか。)

 

 

カナタは、今度は銃器の保管庫を漁った。

すると、とんでもないことが分かった。

なんと、保管されている銃はすべて呪具だったのだ。

中には、術式が施されている物もあった。

 

(とんでもねぇ、ものばかりだ。 流石に特級はないが、それでもここを、抑えられたのはラッキーだったな。)

 

自身の幸運に感謝しながら、

カナタは、ヤツに対抗する銃を探し始めた。

 

(あいつ、案外几帳面だな。 

銃や弾の種類とかがまとめられているだけでなく、

細かく説明付きで保管してやがる。)

 

今度は、あの狂人の几帳面な性格に、したくもない感謝をした。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

よ〜し。

やつに対して対策も練ったし、武器も充実している。

俺が選んだ拳銃は、ルガー·ブラックホークにした。

 

ブラックホークは、

西部劇を彷彿とさせるルックスのシングルアクション·リボルバーだ。

ハンマーを起こさなくてもローディングゲートを開けるだけで、

シリンダーが自由に回る構造なのがグットだ。

全長は317mm、重量は1219g、口径は9mm✕19で装填数6発の回転式拳銃だ。

これを二丁使用する。

理由は、単に二丁拳銃が強そうと思ったからだ。

別にふざけていない。

 

もちろんこの銃にも、術式が施されている。

 

一丁目の術式は、【炎熱操術】だ。

これは、かなり便利だ。 放たれた弾丸にも影響を及ぼす。

これで発泡したときに火薬の爆発の威力を上げて破壊力を底上げしたり、着弾したときに、発生した火花を操って弾丸の向きを変えて、ホーミング出来る。 火花を操るたびに呪力を消費するけどね。

 

二丁目の術式もかなりやばい。

その術式は、【風操術式】。

もしどうり、風を操る術式だ。

この術式と銃の相性は、ベストマッチと言っていい。

まず、先程の【炎熱操術】の銃と違い使用したときに呪力をあまり消費しない。

次に、風を操ることで銃声が聞こえなくなる。

そして、放たれた弾丸は、術式の空気の膜に覆われ光を屈折し透明になる。

まとめると、無音透明の弾丸をローコストで連射出来るぶっ壊れ銃なのだ。

おそらく、撃たれたヤツは、撃たれたことにすら気づかないだろう。

ここまで暗殺に優れた拳銃は存在しないだろう。

 

 

と、以上が俺の使う銃の説明だ。

正直、ガスマスクの男が使ってこなくて良かったと本気で思っている。

多分、あいつの使っているデザートイーグルも術式を持っている可能性が高いだろうな。

あの銃の説明書がないのを見ると、

相当使い込んでいるヤツだろうから気をつけないとな。

さてそろそろ出発しないとな。

ちゃんと母さんとの門限を守って必ず無事に帰ってみせる!

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

俺は、今現在

ブラックホークの二丁拳銃スタイルで呪霊達相手に無双している。

全速力で洞窟の出入り口に向かっている、

ここまでやつの気配がないのを感じると、

出入り口で待ち構えているだろう。

その証拠に出入り口までの道のりに今まで以上の呪霊が襲いかかってきた。

ガスマスク野郎が従えている呪霊だろう。

まぁ二丁拳銃の良い練習相手になっているので別にいいのだけれど。

俺は、【成長補正 大】のおかげで拳銃を使うたびに命中精度が増してきている。

弾丸は、研究所から持ってくれるだけバックに詰めて持ってきたので、無くなる心配はない。

ランプラーも応戦している。

新しく覚えた『れんごく』と『かえんほうしゃ』で呪霊を焼き尽くしている。

進化の時も近いだろう。

よし! このまま突っ切るぞ!!

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

十分後‥‥‥‥‥

 

『‥‥‥‥‥‥‥‥来たか。』

 

男は、カナタ達がすぐ近く来ているのに気づいた。

そしてカナタ達も到着した。

 

「よぉ。 来たぜ。 ガスマスク男。 てめぇの従えていた下僕なら全滅したぜ。」

 

カナタは、そう挑発する。

もうあの男に対する恐怖は、ない。

 

『愚問。 あれらは、下僕ですらない。 

力に屈服し、支配された路地裏でイキリ散らすチンピラも同然のゴミ共だ。』

 

「そうかい。 ならあんたも生ゴミにして、ゴミ処理場で焼却してやるよ。 吸血鬼。」

 

これは、男の研究所を調べたと暗示している。

が、男の反応は‥‥‥ 

 

『ほほう。 子供にしては、なかなか賢いな。

 ここで待ち構えた甲斐が合ったと言うものだ。』

 

(や、やはり揺れねぇか。 こいつは、イカれた戦闘狂だ。 まともな返答が帰ってくる訳ねぇか。)

 

『それにしても、俺から見ればゴミ同然の呪霊だったが中には、2級相当もいた。 

小僧、お前は何級だ?』

 

「正式な呪術師じゃないから、等級はないが2級ならこの拳銃が無くとも余裕だぞ。」

 

『そうか。 大したものだ。 ならばこちらも、ここまで来た君に敬意を払い‥‥‥‥

 

男は、ガスマスクを脱ぎ、素顔を表した。

男は、黒髪の長髪で血のように、朱い瞳を持っている。

 

「名乗ろう。 俺の名は、アーカード。 周りからは、不死者(ノスフェラトゥ)、死なずの君(ノーライフキング)とかつては、呼ばれていた‥‥‥‥小僧‥‥お前の名は‥‥?」

 

「カナタ。 大和カナタだ。」

 

「そうか‥‥‥ ではカナタ。 第二ラウンドを始めよう。」

 

 

 

 

 




てなわけで、ガスマスクの男は、アーカードの旦那でした。
この世界の旦那は、ヘルシングに属していません。
しかしその暴れっぷりは健在で、今は、とある男に雇われています。
                誰でしょう? 【ヒント】戦争好き

ちなみに旦那は、原作より年季がある、より渋い感じにしたいので、
イメージCVは、津田健次郎で読んで下さい。


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第6話 死闘

強い。

やはり、

このアーカードという男は今まで見て戦って来たどの化け物より化け物だ。

カナタは、アーカードに対し、そう思う。

射撃の腕は、超一流。 

カナタも、ぎりぎりで躱せている。

 

「いい動きだな。 射的の腕も二流程度は、あるだろう。」

 

「そりゃどうも。 全く嬉しくねぇよ!」

 

カナタは、壁際で隠れながら、【風操術式】の銃で抗戦する。

 

ドパンッ! ドパンッ!

 

 

視認不可、無音の弾丸がアーカードを捉える!

 

「クフフ‥‥‥」 

 

はずだった。

なんと、アーカードは弾丸を避けたのだ!

 

「馬鹿な‥‥‥ 透明な無音の弾丸を何故避けられる?」

 

「フフフ‥‥そりゃあ銃の撃ち方がお利口すぎだな。 銃の向きで何処に、撃つかが丸わかりだ。」

 

アーカードは、

数世紀にも渡り、各国で暴れまわった生粋の戦闘狂。

あらゆる大戦争で戦い続けた故に、その戦闘経験は凄まじい。

動体視力、反射神経、五感、第六感もずば抜けている。

何よりこの男は、

 

 

(ムカつくことに、やつは全然本気を出していない。)

 

 

 

そう。

アーカードは、カナタに対し力の半分も出していない。

つまり、遊んでいるのだ。

 

(きちぃな。 今の状況でやっと拮抗してるのによぉ‥‥でもこっちは、2体1であることを忘れてもらったら困るね!) 

 

「ランプラー! 『かえんほうしゃ』!」

 

『ランプウー‥‥‥ラ"ン"ッ!!』

 

ランプラーは、『はじけるほのお』と同じ要領で『かえんほうしゃ』をレーザーのように放つ。

威力も速度も桁違いのレーザーは、アーカードの腕に命中。

 

ズッパァァァァァァン!!!

 

銃を持っていない方の腕を真っ二つに焼け切った。

 

 

「!?‥‥‥‥‥クフフ。 何百年ぶりだ? 俺の四肢の一本を失わせたヤツが現れたのは‥‥‥?

だが、俺は、吸血鬼。 すぐに、再生し‥‥‥‥‥‥‥‥‥何?」

 

なんと、アーカードの腕は、再生しなかったのだ。

腕をよく見ると、真っ黒な炭と化していたのだ。

 

「フフフ。 俺が、お前らの再生に対策をしていないとでも? ランプラーの火力があれば、お前の腕を炭化させて再生不可にすることなど容易いのだよ!」

 

「なろほど‥‥‥厄介だ‥‥‥」

 

「さ〜て、こんな所で散々、辛酸を舐めさせられたんだ‥‥‥‥。 今からてめぇをレーザーで燃えカスにして、家の家庭菜園の肥料にしてやるぜぇ〜!!」

 

「‥‥‥‥‥‥」

 

「ランプラー! 『かえんほうしゃ』を重機関砲の如くぶちかませぇ!!」

 

『ら、ら、ら、ンプゥ〜ラ"ラ"ン"!!』

 

ランプラーは、『かえんほうしゃ』を火球にして、火球の中から弾丸のようなレーザーが発射される! それはまるで戦闘機のガトリング砲の如く! 

アーカードを消し炭にするべく連続発射された!

 

ズドドドドドドドドドドドドドドォォォン!!!

 

「喰らえ!! これが俺の、男の夢とロマンと恨みをのせた攻撃だァァァ!! 連射する分射程距離は、落ちるがモーマンタイだ! 消し炭になりやがれぇェェェ↑!!」

 

 

 

「‥‥‥‥確かにこれらが、直撃すれば俺でも文字どうり消し炭になるだろう‥‥‥直撃すればな。」

 

アーカードは、レーザーに向けて銃を構える。

ただの銃であれば何も出来ないが、

アーカードの使うデザートイーグルはカナタの読みどうり術式が施されている。

 

「子供のお遊びに使うつもりは、なかったが‥‥‥気が変わった。」

 

アーカードは、弾のリロードを済ませ、銃の術式を発動させる。

 

「【氷結呪法】‥‥‥発動。」 

 

ズパンッ! ズパンッ! ズパンッ!

 

アーカードは、レーザーに向けて発泡する。

このとき、

カナタはアーカードのこの行動の意味が全く理解出来なかった。

ランプラーの連続射撃は、世界最強の呼び声のあるデザートイーグルでも流石に対応出来るわけのない程の猛攻であるからだ。

しかし、アーカードの行動の答えはすぐに、表れた。

 

「!?」

 

【BGM  ジョジョ第二部より 〜awake〜】 

 

ピッキィ〜〜ン

 

なんと、

凍ったのだ!

あの膨大な熱量を持っていた弾丸がそのエネルギーをあざ笑うかのように一瞬で凍らされたのだ!

そして、その現象は、

着弾したレーザーだけにとどまらず、周囲のレーザーまで大都会の若者の流行の如く、

恐ろしい速度で伝播し始めたのだ!

 

「ば、馬鹿な‥‥‥‥何故、直撃した所だけでなく、周囲のレーザーまで凍てついているんだ!?」

 

大量に放たれた弾丸の過半数が凍りつき、

微かな音が凍りついた弾丸から聞こえてきた。

 

ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ

 

「な! この音は!?」

 

カナタは、研究所からパクった双眼鏡で氷を覗くことで理解した。

あの広がり続ける氷の秘密を‥‥‥

そう。 あの氷は、ただの氷ではない!

 

ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ

 

喰らっていた!

炎を喰らっていた!!

炎の周りに、氷で出来ていたクリオネのような微生物がランプラーの呪力で出来ている炎を喰らい、瞬く間に繁殖していたのだ!

 繁殖した氷の微生物が炎の呪力を伝い、周りのレーザーを喰らい、

レーザーをも上回る速度で増え続けたことで、

一瞬で凍りついたように見えたのを理解した!!

 

「これこそが、【氷結呪法】。 呪力を用いる攻撃を喰らい、凍てつかせる。 まさに、呪術師キラーと言ってもいい。 まぁ当たったのが呪力による攻撃でなければ数分で溶けて消えるがな。」

 

「呪術師キラーだと‥‥‥!?」

 

 

カナタは、戦慄した。

自身が使っている二丁のブラックホークの術式も大概だったのに、

アーカードのデザートイーグルの術式は、さらにデタラメ級のものだったからだ。

 

「驚いたか? だが、もう手遅れだ。 お前の呪骸を見ろ。」

 

「!?」

 

なんと、レーザーを凍らせた氷結がランプラーにまで迫っていた。

 

「ランプラー! その氷を溶かせ!」

 

「残念だが、無駄だ‥‥‥呪力を放出すればするほど氷結は、より浸食する。」

 

 

ついにランプラーは、氷に覆われ動けなくなった。

 

 

「さて、お前はもう一人だ‥‥‥」

 

「くゥ‥‥‥ランプラー‥‥‥待っててくれ。 俺があいつをぶっ潰してやるからな。」

 

カナタの様子を見てアーカードは、ある疑問を持った。

 

「さっきから思っていたんだが‥‥‥お前は、どうもその呪骸を大切にしているな。」

 

「当たり前だ‥‥‥! こいつは、俺が初めて作り上げた呪骸であり相棒だ‥‥‥!」

 

 

「ほーう‥‥‥‥‥‥‥そんな心も存在するはずもない人形がか?」

 

「何? てめぇ‥‥‥今‥‥何つった‥‥‥‥!?」

 

「なんだ? 聞こえなかったか? ならもう一度言ってやる。 『そんな心も存在しない役立たずの人形がか?』と言ったんだ‥‥‥‥」

 

 

「てんめぇェェェェェェェェ!!!」

 

カナタは、ブチ切れた!

それがアーカードの狙いであると知らずに。 

カナタは、アーカードに銃を乱射した。

 

ドパンッ! ドパンッ! ドパンッ!

 

「そんな当てずっぽうな弾を乱射したら‥‥‥‥‥‥隙だらけだぞ。

 

 

アーカードの蹴りがカナタの腹にヒット。

カナタは、その衝撃で吹き飛ばされた。

 

「グハッ」

 

「じゃあな。 大和カナタ‥‥‥‥‥久々に楽しめたよ」

 

このときアーカードは、なにかの違和感を感じていた。

 

(気のせいか‥‥‥?)

 

「‥‥‥‥‥‥チェックメイトだ‥‥」

 

アーカードは、カナタに銃を向け脳天に向け撃とうとすると‥‥‥‥

 

ズキューン!

 

「!?」

 

なんと、背後から逆にアーカード弾丸が脳天を貫いた。

奇しくもそれは、研究所に入る前の時と酷似していた。

このとき、アーカードは気づいた!

違和感の正体を!

 

(何故、あの銃で銃声が鳴ったんだ‥‥‥‥‥?)

 

そう。

カナタが先程まで使用していた銃には【風操呪法】が刻まれているため、

銃声は鳴らない筈なのだ。

アーカードは、カナタの方を見ると‥‥‥‥

してやったりと、ニヤリとした顔をしていた。

カナタは、挑発に乗ってなどいなかったのだ。

銃を撃つ前に二丁目の銃と入れ替えていたのだ。

そして、二丁目の銃の術式は、【炎熱操術】。

その効果は‥‥‥‥‥ 

 

【〜ジョジョ第5部処刑用BGM〜】

 

(あのとき乱射した弾丸は、この洞窟の床、壁にて跳ね返り跳弾となり、跳ね返ったときに発生した火花を操って方向を変え、やつに命中させる。)

 

「『跳弾制御』!」

 

「‥‥!?」

 

カナタがあの時放った弾丸は、3つ!

それは、カナタの呪力を消費して跳弾が狙った方向に跳ね返り、アーカードを蜂の巣にする!

 

 

この攻撃ならば、【氷結呪法】も間に合わない!

 

ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ ボラ‥‥‥
                                           」

 

数多の弾丸がアーカードの腕を、脚を、肩を、胴体を、喉を、身体全体を打ち貫く!!

 

「ボーラァァ!!」

 

最後に心臓を貫いた!!

 

「ボラーレヴィーア…」

 

アーカードは、背を地につけ倒れた。

 

 

 

 

 

 

洞窟の戦いを制したカナタは、

凍りついたランプラーを見ると、

氷が溶け始めたのですぐに動くことが分かったので安心して座り込んだ。

 

 

「マジで手死ぬかと思った‥‥‥‥あいつの挑発に乗った振りをしておいて良かった。 今、何時だ?」

 

カナタは自身の腕時計を見ると、洞窟に入って1時間20分が経過していた。

 

「なんだよ。 まだ10分も余ってんじゃん。 これなら母さんに怒られずに済むな。」

 

「母親が怖いのか?」

 

「そりゃあもう。 キレた母さんは、特級呪霊よりも恐ろしい‥‥‥‥‥‥アレ?」

 

 

カナタは、驚いた。 

なにせ、今この洞窟は、自分一人のはずだったから。

おそるおそるアーカードの方を見ると、

なんと、五体満足で復活していたのだ!

 

「ナニイィィィィィィィィィィィィ!!?」 

 

「落ち着け。 今は、もう戦う気はない。」

 

「ヘ‥‥‥?」

 

「お前は、俺に銃の【氷結呪法】を使わせた。 その時点でお前が生き延びたら見逃すつもりだった。」

 

「な、なんで‥‥‥‥?」

 

「お前が、強者だからだ。 ここ数百年、俺は四肢の一本でも失くすほど殺し合いが無かった。

それをお前は、四肢どころか身体をバラバラにした。つまり、将来有望ってだな。」

 

「殺さないのか‥‥‥‥‥?」

 

「『今は』、だ。 お前が、死ぬまで退屈しなさそうだ。」

 

アーカードは、サラッと恐ろしい事言った。

 

「やっぱし、お前イカれているよ‥‥‥‥」 

 

「ああ、イカれているとも。 まともじゃ殺し合いは、出来やしない。」

 

「あ、そう。 じゃあお前に出会わないように頑張るよ。」

 

「悪いが、それは困るね。 だからここで縛りをつける。」

 

「え〜〜。」

 

「しないと、殺す。」

 

「どんな誓いでもたてます。」

 

「うむ、なにもタダではない。」

 

「What?」

 

アーカードは、カナタに先程まで使用していた、デザートイーグルを取り出した。

 

「この銃をお前に託す。 こいつを使いこなして、俺を殺してみせろ。 三十代になるまでにな。 これが縛りの内容だ。」 

 

「そこまでして、俺とまた殺り合いたいと?」

 

「ああ。 ちなみに、この縛りを破ったときお前は死ぬからな。」

 

「なんでぇ!?」

 

「それほど、この銃は今のお前にとって釣り合っていないと言うことだ。」

 

「ちくしょー!! 否定したいけどしけれねぇのが辛い!!」

 

「どうだ? この縛りを受けるか?」

 

闇雲にしなきゃ殺すと、目が語っていた。

 

「しますよ! やりゃあいいんでしょ!!」

 

「契約成立だ。 ならもうここを、出て懐かしき東洋に帰国しよう。」

 

「え? 帰るの?」

 

「ああ。 それから、この研究所は今日からお前のだ。 好きに使え。」

 

「え?」

 

「この研究所は、外から見れば、何の変哲もない洞窟だ。 

修行には、丁度いいだろう。 非正式の呪術師のお前なら‥‥‥」

 

「マジで言ってます?」 

 

「本気だとも。 そろそろお前の相棒もお目覚めだぞ。」

 

アーカードは、ランプラーに視線を送る。

カナタも釣られてランプラーを見ると、目を、覚ましていた。

 

「おぉぉ。 目を、覚ましたか〜ランプラー‥‥‥‥‥?」 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ‥‥‥‥おや!? 

 ランプラーの様子が‥‥‥!

 

デデデン、ウォーン(警告音みたいなやつ) 

デンデンデンデンデンデンデンデ〜ン デンデンデンデンデンデンデンデ〜ン

 ウォーン ウォーン ウォーン キラン ピカーン

 

デデデ、デデデデンデデデーデン!

 

おめでとう! ランプラーは

シャンデラに 進化した!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

なんと、

ランプラーがついにシャンデラに進化した!

 

「ほーう‥‥こりゃ凄い、術式を持つだけでなく進化もするのか。 呪霊の構造にかなり近い。」 

 

 

「そりゃあそうだろう。 俺の自慢の相棒だからな!」

 

カナタは、自慢気に言う。

 

「これは、これは、ますます成長が楽しみだ。」

 

シャンデラへの進化を見られたことで、

余計に目をつけられてしまった。

でもこの人のお陰で研究所と修行出来る場所を得られたと思うなら、

少しだけ感謝しようとほんの少しだけ思った。

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

あのあと、

アーカードは、帰国した。

お前の成長を楽しみにしていると、言い残して。

おそらく、この人は、サイヤ人の血でもひいているのだろう。

 

俺も、洞窟をあとにした。

急いて帰れば、

門限に間に合うので母さんから怒られずに済みそうだ。

 

 

 

 

と、

思っていた時期が僕にもありました。

 

家に、帰ると母さんが悲鳴をあげた。

その理由とは、

俺が、

アーカードとの戦闘でボロボロになっていたからだ。

母さんには、

野良犬に追いかけられたと説明して、難を逃れた。

しかし結局、

包帯まみれになったので、

後日、スバルからも、

理由を問い詰められ根負けし、めちゃくちゃ怒られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遂に決着。
といっても
やべえヤツから目を、つけられただけなんですがね

ちなみにスバルは、
あの裏山の事件以降、呪力が覚醒して呪霊が見れるようになり、強くなりたいと思い、祖母の香里奈さんにしごかれています。
目標は、カナタぐらい強くなること。


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第7話 新しい仲間達   番外編 そしてアーカードの行方は? パート1

あの死闘より翌日。

俺は、研究所に訪れていた。

理由は、

シャンデラにこの前作った二つの核を取り込ませ、

自我を得た完全体にするためだ。

そのために、

今はドラゴンボールに出てきた再生装置みたいなやつにシャンデラの機能を一旦停止にして入れている。

 

(ようやく完成する‥‥‥思えばあの死闘にも、意味があったのだと思いたい。)

 

カナタは、残りの核をシャンデラの中に埋め込んでいく。

それぞれの核が呼応し、適合し始める。

 

(あとは時間が経てば、自我を持ち始めるだろう。)

 

ただ、定着には時間がかかる。

それまで、新しい呪骸でも作るかな。

俺は、この洞窟で鍛えたおかげか呪力が遥かに増している。

呪骸の一つや二つ簡単に作れるぜ。

 

「そろそろ、おもろしいヤツが欲しいんだよな‥‥‥ ギャグキャラみたいなのが。」

 

戦闘専門の呪骸は、

もうシャンデラ一体で十分だろうとカナタは、核は強いポケモンにしなくても良いと

判断していた。

 

「アニポケだったら喋る、働く、面白いの三拍子が揃っているのは大体ニャースとロトム図鑑だよな。」

 

いっその事2体共に作るか。

その答えにたどり着いたカナタの行動は早かった。

 

ニャースの人形は三十分で、

ロトムの人形は二十分で出来上がった。

ちなみにロトムの人形は、

わざわざ静電気を過剰に溜め込んでいる。

 

ボディは、

作り終えたので、核の制作に入る。

実は、すでに候補は考えてある。

なぜなら、面白くするためには、ポケモンに縛られる必要はないからだ。

他のアニメのキャラのも取り入れる算段もついている。

 

ロトムは、電脳繋がりで、ポリゴン2。

頭良さそうって事で、百均アイテムでUFO作ったレオナルド博士を採用。

 

ニャースは、完全にお巫山戯で選んだ。 なにせ、ドンパッチとぶりぶりざえもんだ。

自分で言うのもなんだけど、適合するのかもかなり怪しい。

 

核自体は、すぐに、出来た。 

適正検査は、ロトムは難なくクリア。

ニャースは‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥何故かクリアした。 なんで?

本当にギャグアニメはバトルアニメの常識を受けないらしい。

 

コイツらは、

シャンデラのように強さを基準にしてないので、

今すぐ、核を埋め込むことが出来る。

本当は、シャンデラが起きてからやろうと思っていたけれど‥‥‥‥‥

やっぱし、もう完成させよ。

俺は、我慢が嫌いなんだ。

 

でも、また暇になっちまった。

今日は、休日だから時間はあるけど‥‥‥‥‥‥暇だなァ〜〜〜〜‥‥‥‥

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

アーカードsaid

 

 

『まもなく、イギリスに着陸します。 お客様は、忘れ物が無いようにご注意下さい。』

 

アーカードは、東洋に帰国した。

彼は今、自身を雇っている男がいるドイツに向かっている。

 

(あと、ドイツまであと数日ってところか‥‥‥‥)

 

だが、彼には先にこの国で合うべき人物がいる。

その人物は、彼と同じく吸血鬼である。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

とある町のとあるバー

 

カランッ

 

ドアの開けると共に客が来たことを告げる鈴が鳴る。

この店には静かなクラシックが流れ、雰囲気が創られている。

 

「よぉ。 儲かってるかい?」

 

アーカードは、店の亭主に親しげに話しかける。

 

「いえ。 隠れた店というのはロマンが有りつつも、なかなか懐が寂しいものですので。」

 

どうやら閑古鳥が鳴いているようだ。

 

「そうかい。 それで注文の方はどうだ? 」

 

この会話を普通の客がいれば酒の注文だと思うだろうが、

生憎アーカードは普通の客ではない。

 

「もちろん、仕上げていますよ。 こちらへ‥‥‥‥」

 

亭主は、店の奥の部屋ヘアーカードを連れて行く。。

その部屋は、亭主の裏の顔の仕事場なのだ。

 

 

 

亭主は、アーカードにある箱を運んできた。

アーカードは、その箱を開けると、

中には、デザートイーグルよりも一回り大きい銃が入っていた。

 

「ほう‥‥‥これは‥‥?」

 

「対化物戦闘用13mm拳銃『ジャッカル』  今までのデザートイーグルやブラックホークの改造銃ではなく、初の専用弾使用銃です。 特級クラス 全長39cm 重量10kg 装弾数6発 もはや人類では扱えない代物です。」

 

「専用弾は?」

 

「13mm炸裂徹甲弾。」

 

「弾殻は?」

 

「純銀製マケドニウム加工弾殻。」

 

「弾頭は? 炸薬式か、水銀式か?」

 

「法儀式済み水銀弾頭で。」

 

「‥‥パーフェクトだ。 流石は、かのウォルター·C·ドルネーズ氏だ。」

 

「感謝の極み。」

 

「代金は、このケースの中だ。 あとは、いつものように。」

 

「はい。 ‥‥‥‥それにしても、アーカード様、何かいいことでもありましたか?」

 

「何?」

 

「最近、機嫌が良いご様子で‥‥‥」

 

「‥‥そうか‥‥‥強いて言えば‥‥‥‥良いデザートを見つけた‥‥‥ただそれだけことさ。」

 

「そのデザートには、深く同情しますよ。‥‥‥‥‥あなたに目を、つけられたのだから。」

 

「フフフ‥‥‥ジョークが好きになったのか? 心にもない事を‥‥‥‥‥」

 

「御冗談を‥‥‥‥‥‥フフフ‥‥‥」

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

カナタsaid

 

ロトムとニャースに核を埋め込んで、一時間。

遂に変化が起きた。 3体の呪骸が光り始めたのだ。

特にシャンデラの発光は、凄まじい。

だがそれよりも、凄まじいのは‥‥‥

 

「なんて、デタラメな呪力なんだ‥‥‥!」

 

シャンデラを入れていた、

ドラゴンボールの再生装置みたいなヤツのガラスがわれ、弾け飛ぶ!

 

発光は、

爆発したかのように輝き、次第に消えた。

 

「いてて、何なんだよ‥‥‥‥‥‥もう‥‥‥」

 

「!?」

 

俺は目を、疑った。

なぜなら、さっきまでシャンデラがいたところに、女の子がいたからだ。

何故か紫と黒のメイド服を着ている白髪の美少女だ。

 

「う‥‥‥‥‥う〜ん?」

 

あ、目覚ました。

念のためにあの時と同じ挨拶しとくか?

 

「ハロー ワールド。 こんにちは世界。」

 

「? はろー? マスター?」

 

返事来た。 

 

「ハロー。 君は、シャンデラかな?」

 

「よく分からない。 シャンデラでもあるし、別のナニカでもある。 なんか混じった感じ。」 

 

「混じった‥‥‥てことは、もしかしてロズレイドとミロカロスの核が混ざったとか‥‥‥?」

 

「多分‥‥‥‥核もなんか一つだけしか無いみたいだし。」

 

「突然変異呪骸のさらに突然変異呪骸ってことか? ややこしいな‥‥‥」

 

「じゃあさ、名前つけてよ。 名前。」

 

「名前? シャンデラじゃ駄目か?」

 

「駄目よ! 私は、もうシャンデラじゃなくなったんだから。」

 

(だったら‥‥‥‥‥‥適当にシャルロットで良いや。 なんかそれっぽい感じがするし。)

 

「なら、シャルロットでどうだ。」

 

「シャルロット‥‥‥! 私は、シャルロット‥‥‥‥」

 

どうやら、オッケーみたいだ。 ちょっと長いから文句を言われたらどうしようかと思ったよ。

 

「シャルロット‥‥あだ名風だと、シャルが良いわね。 シャルって呼んでよ。」

 

「簡単でいいじゃん。 流石に長いから賛成だよ、シャル。」

 

「マスター‥‥‥ありがとうございます!」

 

シャルは、そう言って満面の笑みを浮かべた。

その笑みは、とても可愛らしい笑顔だった。

思わず俺はドキッと、してしまった。

 

「おい。 いつまで私を放置するんだ。 このうつけ者!」

 

俺は、その塩沢兼人ボイスが聞こえた方向に振り向くと、そこにマジモンのぶりぶりざえもんがいた。

それだけでなく、ロトムとニャース、ドンパッチ、ポリゴン2もいた。

 

「私?‥‥‥私達の間違いじゃにゃいのか。」 

 

「そうロト。 間違えるんじゃないロト!」

 

「そのとうりだ。 ちくわでも食ってそこに座ってろ豚。」

 

「私に対して豚だと‥‥‥!」

 

「「「「豚だろ。」」」」」

 

「ぶぎッ!?」

 

「ハハハハハハハハハ やっぱお前らおもしれぇわ!」

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

「で、いくつか質問したいんだけど‥‥‥なんで、核にした筈のお前らまで出てきたの?」

 

「それは、だな‥‥「ボクが、答えるロト!」おい!「どうやらボク達という存在が」私のセリフを取るな!「原因みたいロト。」聞いてんのか!?「存在?」オマエまでわりこんで‥「そうロト。 ボク達は‥‥」おい! いい加減にしろ! 1ビット野郎!!」

 

色々、無視されたぶりぶりざえもんは、キレた! 

 

「生まれてこのかた、一度も負けたことのない私を怒らせてしまったな! くらえ! 『メガ豚パンチ』!!」

 

そう言いながら攻撃して来たぶりぶりざえもんをロトムは、

 

「うるさいロト!!」

 

十万ボルトで返り討ちにした。

 

ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ

 

「ぎゃあァァァ!」

 

ぶりぶりざえもんは、丸焦げになった。

 

「クソぉ‥‥‥生まれてから一度も負けたことのない、この私が‥‥‥!」

 

「生まれたばかりなんだから当然ロト。」

 

「はいはい! 続き、続き! で原因がなんだって?」

 

「簡単に言うと、我が強すぎるんだロト。 強すぎる自我が互いに適合した結果、それぞれの核に自我が芽生えたロト。」

 

「だったらなんでレオナルド博士は、出てこないんだ?」

 

「それは、流石に人間のような複雑なものは、核として自我を得ることは出来なかったロト。 でも大丈夫ロト。 レオナルド博士の頭脳は分配されているけど、僕とポリゴン2が受け継いでいるんだロト!」

 

「へぇー でもそれぞれに自我が行っちゃうとどうなるんだ? 主に呪力は?」

 

「呪力は、共有されるロト。シャルさんとは違って僕とポリゴン2のペアそしてニャースとドンパッチとぶりぶりざえもんのペアで成り立っているんだロト。 それに利点もあるロト。例としてぶりぶりざえもんが倒されてもニャースが生き残っていればゲームのように復活出来るというものなんだロト。」

 

「メリットとデメリットがあるんだな。 だいぶ、チートだけど。」  

 

「そんなボク達を作ったマスターもだいぶチートだよ。」

 

「それほどでも〜‥‥‥‥‥ある!」

 

「「フハハハハハハハハハハ」」

 

「あ、あの〜そろそろ5時だけど‥‥‥‥」

 

ポリゴン2が時計を指しながら言った。

 

「やべえ! 今すぐ帰らなきゃ!」

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

帰宅中‥‥‥‥

 

「それにしても、呪骸って呪霊と一緒で非術師には見えないんだな。」

 

「今更ロト!?」

 

「これなら、もっと自由に外に行けるな。」

 

「あ〜 たがらマスターは、私を隠しながら行ったり来てたりしてたわけね。」

 

「いやはや、お恥ずかしい話です。 はい‥‥‥」

 

「ん? ポリゴン2。 さっきから一体どこを見てるにゃ?」

 

ニャースは、

不思議と思ってポリゴン2と同じ方向を見ると、あるのは公園だ。

ポリゴン2と視線をよーく見ると、公園で遊んでいる女の子を見ている。

 

「小学生は、最高だぜ。」

 

この小声をニャースは、聞き逃さなかった。

彼は、まさかのロリコン2にドン引きした。

 

「ほら、早く行くぞ! ロリコン2!」

 

ドンパッチもその様子を見ていたが、気にせずポリゴン2に言った。

 

(ドンパッチの兄貴ィィィ!)

 

ニャースは、あの変態に声をかけられるドンパッチに尊敬の念を表した。

 

「ロリコンじゃあァない。 フェミニストです。」

 

 

これからカナタは、この色濃いメンツとどうこの世界を生きるのか?

 

←To Be Continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに呪骸達の中の人は、僕の頭の中では、こんな感じです。

シャルロット(cv釘宮理恵) ロトム(cv浪川大輔) ニャース(cv犬山イヌコ)

ぶりぶりざえもん(cv塩沢兼人) ドンパッチ(cv小野坂昌也) ポリゴン2(cv決めてません)

ロリコン2の声優さんは、誰がいいですかね。


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第8話 探偵団結成

キャラが多くなったのでセリフに喋っているキャラの名前を出しておきます。


●月■日

 

シャル達が誕生して一ヶ月が経過した。

シャルは、最近漫画にハマり、

ロトムは自身を電子化して俺のタブレットに移り住み、ポリ2とニャースとぶりぶりざえもんとドンパッチはゲーム三昧の日々だ。

 

え? 手足のないポリ2がどうやってゲームができるかって? サイコキネシスでリモコンを操作しているからだよ。 おまけにコンピューターの頭脳でやるから、連戦連勝。スマブラの王者として家に君臨している。

 

ドンパッチ「おい! きたねーぞ! ロリコン野郎! お前がやると誰も勝てねーだろうが!」

 

ポリゴン2「ハ、ハ、ハwww。 ロリコンじゃない『スマブラに君臨スル、イケメン貴公子』だ。」

 

ドンパッチ「うるせえ! お前なんか、ドンキーコングで十分だ! ファミ○ン2!」

 

ぶりぶりざえもん「静かにしろ! 全く、最近のお前らは騒々しくて困る。 私は、この時間を最も有意義に活用しているのだ!」

 

カナタ「一日の半分以上がゲームか寝るかのお前がか?」

 

ぶりぶりざえもん「‥‥‥‥しょがねえだろ! 何もすることがなくて暇なんだよ!」

 

確かに、ぶりぶりざえもんの言うとうり最近は何もすることが無い日常が続いている。

単に暇を持て余す日々が何日も続けば、ストレスもたまるだろう。

 

シャル「決めた!!」

 

シャルは、いきなり大声で立ち上がった。

突然の大声に喧嘩していたメンバーはビクッとなってコケた。

 

ぶりぶりざえもん「‥‥‥イテテ‥‥いきなりなんだよ!!」

 

シャル「私、探偵に成りたい!」

 

ぶりぶりざえもん「は?」

 

シャルは、突然探偵になりたいと言い出した。

 

シャル「探偵になって、事件の解決とか謎解きとかやってみたい!」

 

シャルの周りには、名探偵コナンを始めとした探偵に関する漫画がいくつか散らかっていた。

 

カナタ「ま〜た漫画に影響されちゃって‥‥‥‥今回で何度目だ。 前回は、確か‥‥ルパン三世に影響されて泥棒になりたいとか言ってなかったけ?」

 

ロトム「さらにその前は、魔法少女だったロト。」

 

ニャース「さらにその前は、海賊王だったニャ。」

 

シャル「貴方達、うるさいわよ!」

 

シャルは、顔を真っ赤にして怒鳴る。

 

ドンパッチ「さらにその前が、サラリーマン鈴木でしょう?」

 

シャル「絶対に違うわよ! つーか誰よ? サラリーマン鈴木!?」

 

ポリゴン2「違うよ。 ドンパッチ君。 色々あって脱サラして自害しようとした鈴木さん(28)だよ。」

 

シャル「誰がなりたがるんだよ! そんなドM使用! ていうか何があったんだ鈴木ィ!?」

 

ぶりぶりざえもん「お前ら、全く違うぞ! 私の記憶力が正しければ、サイボーグ鈴木(29)だった筈だ。」

 

シャル「鈴木ィィィィィィィィィ!! たった一年の間に何があった!?」

 

カナタ「話が脱線してるんだけど。」

 

シャル「あ。 ‥‥‥ともかく、私は探偵をやって事件とかを解決するそんな刺激的な日々を送りたいのよ!」

 

カナタ「つまりまた、あの怪物アーカードとドンパチする日々に戻りたいと?」

 

シャル「流石にあそこまでの地獄コースを望んでいるわけじゃないの! とにかく暇を持て余すしかないこの状況を打破したいの! 有名になりたいの! 伝説になりたいの! 名探偵シャルロット=ホームズとして!」

 

遂に本音を語りだしたシャル。

こうなった彼女は、

熱が冷めるまで止まらないので皆は諦観しているが、カナタは、違った。

 

「駄目に決まってんだろ。 そんな事したら、呪術界の奴らに見つかるじゃねえか。」

 

そう。

カナタは、派手に動いて呪術界の連中に見つかるの可能性をできるだけ減らしたいのだ。

自我を持つ呪骸を完成しているから尚更である。

 

シャル「良いじゃない! ここは、地方よ。 早々来やしないわよ!」

 

カナタ「そんなフラグ立てると碌なことにならないぞ。 ポリ2‥‥今日の晩御飯なんだっけ?」

 

ポリゴン2「さっき見たけど、カレーだったよ。」

 

カナタ「お~ いいじゃない! 晩飯が楽しみだね〜」

 

最早、まともに話を聞く気がないカナタに埒が明かないと思ったのか、

シャルは最終手段に走る。

 

シャル「ロトえもん〜 なんとかしてよ〜」

 

ロトム「まぁまぁマスター。 ちょっとの間だけやらせてあげようロト。 そしたらスグニ飽きるロト。」

 

カナタ「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥好きにしろ。」

 

ほんの少しの葛藤の後、カナタは、許可を出した。

カナタは、身内にかなり甘いのだ。

だから何かと心配している。

 

シャル「男のツンデレは、需要が無いわよ。」 

 

カナタ「るっせえ!」

 

台無しである。

残念なことにシャルは、空気を読もうとしないのだ。

 

ポリゴン2「でも、探偵やるにしてもどこですんの? 流石にあの洞窟を探偵事務所にするのは無理だよ。」

 

シャル「そう言われると‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ロトえもん‥‥‥‥なんとかしてよ‥‥」

 

ロトム「なら近くにいい感じの廃墟があるか検索してみるよ。 キーワード『廃墟』‥‥‥‥‥‥ヒピッ いい感じの場所が裏山の奥にあるロト。」

 

シャル「さっすがロトえもん! どっかの役立たず共とは訳が違う!」

 

ぶりぶりざえもん「おい。 役立たずとは誰のことだ‥‥‥‥‥?」

 

シャル「なに? なんでそんなこと聞くの? もしかしてぶりぶりざえもん、自分で自分の事を役立たずって思ってたの? ごめんなさァいwww 貴方のコンプレックスを刺激しちゃってwww」

 

ぶりぶりざえもん「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥コノヤロー‥‥‥‥‥‥‥」

 

ぶりぶりざえもんは、

怒りに震えていたが喧嘩でシャルに勝てるわけないので理性を抑えていた。

ぶりぶりざえもんは、欲望に忠実だが見に見える危険から逃れることを得意としているのだ。

現実を見ているともいえる。

 

カナタ「‥‥‥‥‥裏山の奥‥‥‥‥‥‥ロトム、まさか『のろいの洋館』じゃねえだろうな?」

 

ロトム「YES、THAT RIGHTロト!」

 

カナタ「マジですか‥‥‥‥」

 

ぶりぶりざえもん「何か知ってんのか?」

 

カナタ「ああ。 前に修行として行っていたんだが、その裏山が心霊スポットとして語られている原因がその『のろいの洋館』なんだよ。 何でもその洋館跡と手に入れようと数多の建設企業が向かっていった時期があったんだが一人も帰ってくることは無かったと言われている‥‥‥‥‥初めて山に入ったとき時なんか山の中間地点に1級呪霊がいたくらいだ。」

 

ぶりぶりざえもん「ガチでヤベーとこじゃねえかよ! つーかよくそんな所で修行できたな! シャルさん! 考え直してくれ! 俺達じゃ洋館にたどり着く前に死んじまう!」

 

シャル「大丈夫、問題ない。」

 

ぶりぶりざえもん「大問題何だよ~!」

 

シャル「さっきまで暇で暇で仕方がないって言ってたじゃない。 そのままの怠惰な生活を続けるとフォワグラみたいな豚になるわよ。」 

 

ぶりぶりざえもん「フォワグラでもいい、豚でもいい! 命があるだけまだマシだ!」

 

シャル「ほらほら、文句言わない! もう決まったことなんだから。」

 

ぶりぶりざえもん「お前が、勝手に決めたんだろ!」

 

結局、シャルはぶりぶりざえもんの懇願に耳を傾けることは無かった。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

深夜‥‥‥‥‥

 

遂に深夜に活動する禁句を犯してしまったカナタ達。

のろいの洋館に腰を抜かしたぶりぶりざえもんとニャースは、留守番つまりお母さんにバレないように尽くす係として家に残った。

と言っても、お母さんはとっくの昔に寝ているのでなんの問題も無いだろう。

今現在、カナタ達は裏山を走って登っている。

 

シャル「それほど呪霊はいないのね。」

 

カナタ「ああ。 一ヶ月前には、ほとんど全滅させたからな。 早々出ないだろ。」

 

ロトム「あともうちょっとで洋館につくロト。」

 

ドンパッチ「なんだ。 案外呆気なかったな。」

 

ポリゴン2「ドンパッチ君。 そろそろ降りてくんない? 動きづらいんだけど。」

 

実はドンパッチは、ポリゴン2に乗って車のように扱っていた。

 

ドンパッチ「無理。 俺、お前らと違って浮けねぇから。 乗せて貰わないと置いていかれるんだよ。」

 

ポリゴン2「大丈夫だよ。 ドンパッチ君は、存在が浮いてるから。」

 

ガコンッ!!

 

ポリゴン2「痛テ」

 

ドンパッチ「バーカ。 色々浮いてんのわお前だ! ロリコン2。」

 

ポリゴン2「ロリコンじゃあない。 フェミニストだ。」

 

カナタ「おい、お前らさっきからうるさいぞ。」

 

 

しばらくして‥‥‥‥‥‥

 

カナタ達の目の前には、噂の洋館がその姿を表した。

 

カナタ「あれが、『のろいの洋館』か。」

 

シャル「意外と綺麗ね。 もっとボロいと思ってた。」

 

洋館は、ネットやテレビで見るようなボロい館ではなく随分と小綺麗なのだ。

 

カナタ「ここからは、なにが起きても不思議じゃない。 気をつけろ。」

 

四人「「「「おう!」」」」

 

ギィィィィィィィ

 

カナタは、洋館の扉を開ける。

扉の先は、やけに薄暗かった。

 

ドンパッチ「随分と暗くて不気味だな。」

 

カナタ「心霊スポットだからな。」

 

シャル「中も結構広いわね。」

 

ロトム「昔は、かなりの富豪が住んでいたらしいから広いのは当然ロト。」

 

ポリゴン2「でも呪霊の気配もしないよ。」

 

全員が中に入ると、

 

バタンッ!!

 

急に扉が閉まった。

 

「「「「「!?」」」」」

 

カナタ「馬鹿な、呪霊の気配もないのに‥‥‥」

 

突如としてカナタ達にとんでもない圧力が放たれる。

 

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

 

???『呪霊の気配がない?』

 

どこからともなく声が聞こえた。

 

???『それは、私の呪力が大きい過ぎるからさ! お前らはここで死ぬのだ。』

 

奥の扉から山姥のようなデカい化け物がいた。

 

???『キェェェェェェェェェェェェェェェェ!!』

 

その化け物がこちらに向けて襲いかかってきた!

 

ドカン!!

 

ドンパッチ禍滅羅万(カメラマン)雑死蹴(ざっししゅう)!!」

 

化け物に対し、ドンパッチがいきなり戸愚呂弟のようなマッチョに変貌し、蹴りのラッシュ!!

 

???『ぐへッ!!』

 

ドコッ!!

 

ドンパッチ雨理感短屁亜(アメリカンショートヘアー)!!』

 

さらに、腹に目掛けてアッパーカット!!

 

???『ドバッ!?』

 

プチッ!!

 

ドンパッチ素子帝手固(スコティッシュホールド)!!」

 

次は、手で蚊を殺すが如く手を挟む事で化け物を潰し、

 

ドゴンッ!!

 

ドンパッチ呂死安青(ロシアンブルー)!!」

 

???『ヴべッ!!』

 

地面に叩きつける!!

 

ギュイィィィィィィィィィ

 

さらに、ドンパッチはかめはめ波を撃つが如く、手を構え‥‥‥呪力を溜め‥‥‥‥

 

ドカァァァァァァァァァン!!

 

ぶちかました!

 

ドンパッチ邪鬼風怒(ジャーキーフード)500具羅無(ぐらむ)!!!」

 

???『ギャアァァァァァァァァァァァァ!!』

 

ポリゴン2「テキトーに漢字並べて必殺技ッぽくするの、なんか良いな。」

 

カナタ「確かに。」

 

化け物は、なかなかしぶとくこれだけの攻撃で消え去らなかったのでドンパッチがさらに攻撃を加えようとすると‥‥

 

???『ちょっと! タイム! タイム!』

 

5人「「「「「は?」」」」」

 

化け物は、突如そんなことを言ってきた。

 

???『ちょっと勘弁してくださいよ! お客さん!!』

 

カナタ「いや、客じゃねぇし。」

 

???『ちょっとイタズラしたかっただけですから! 本当に! このとーり!』

 

化け物は、そう言って、土下座をしてきた。

 

カナタ「お前、呪霊じゃないな。」

 

???『はい。 呪霊には、近いといえば近いですね。 少し違いますけど。』

 

ドンパッチ「じゃあ、お前は何なんだ?」

 

???『ちょっと待って下さい。 よいしょッと。 ジッパー開けますから。』

 

よく見ると、化け物の背中にジッパーがあった。

ジッパーが開き出てきたのは、鏡のようなものだった。

 

???「私は、うんがい鏡と申します。 この館の番人をしてます。」

 

カナタ「番人?」

 

うんがい鏡「はい。 もう五十年になりますかね。 住んでいた、この館の主人が亡くなってから館に住んでいた皆さんは、別の場所に引っ越し、誰もいない無人の館なった頃。 私は、この館の一つの鏡で、それはそれは大切にされていました。。 主人が死んでしばらくして、ご主人が亡くなったのは館にある鏡のせいというガセが街で流行したんです。 そのガセによる負のエネルギーがこの山を沿って私に集まり、いつの間にか自我を得ていました。」

 

カナタ「いや、どういう仕組み?」

 

うんがい鏡「私に集まったのは、負のエネルギーだけではありませんでした。 この館の鏡は、特別な素材で出来た鏡で、とても高価だったのでご主人に尊敬の念も多かったのです。主に財力の面で。  その尊敬の念は、いつしか正のエネルギーとなり、それが負のエネルギーと共にただの鏡だった私に集まり今の私が生まれたのです。 もし、負のエネルギーのみ集まった場合は私は、呪霊として生まれていたでしょう。」

 

カナタ「つーことは、お前は矛盾する二つのエネルギーで生まれた特殊個体ってことか。」

 

うんがい鏡「そうなりますね。 私は、人を襲うことはないですけど、時々イタズラがしたくなる衝動に駆られることがあるのです。 皆様にはご迷惑をかけました。 私にできる事なら何なりと。」

 

シャル「なら、実は私ここで探偵団を結成したいの。探偵事務所として活用していいかしら?」

 

カナタ「いや、流石にそれは‥‥‥」

 

うんがい鏡「いいですよ。」

 

カナタ「え?」

 

うんがい鏡「いや、お恥ずかしい話、私も独りで凄く寂しかったので、丁度いいと思ったんですよ。」

 

カナタ「マジですか。」

 

シャル「ヤッター!」

 

うんがい鏡「ついでに私のチカラを貸しましょうか?」

 

カナタ「チカラ?」

 

うんがい鏡「はい。 私の術式は、鏡と鏡を通じて移動出来る能力なんです。 私からの一定の範囲内もしくは行ったことのある場所までワープできます。」

 

カナタ「マジで!!」

 

うんがい鏡「大マジですとも。 あなた方と一緒にいるのも楽しそうですので。 私のチカラをご利用する際は、このポケットうんがい鏡を利用してください。」

 

うんがい鏡がカナタに、手渡したのはポケットに入れられる程小さいうんがい鏡だった。

 

うんがい鏡「これは、私の分身でして。 これならどこでも発動して、指定の鏡に移動出来ます。」

 

カナタ「スゲェェェェェェ!! 貴方は神か!」

 

うんがい鏡「いいえ。 鏡です。」

 

カナタ「じゃあもう遅いからそろそろ帰るわ。 明日からよろしく頼むぜ。 うんがい鏡!」

 

うんがい鏡「はい。 よろしいおねがいします!」

 

俺とうんがい鏡は、互いに握手をして、今後の友情を誓った。

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

一週間後‥‥‥‥‥

 

俺達はあの後、洋館を掃除して探偵事務所として生まれ変わらせた。

その名は、『シャルロット怪奇案件探偵事務所』。 

少し長いが、とにかく探偵団はできたのだ。

だけど‥‥‥

 

シャル「依頼来ねェェェェェェ!!」

 

カナタ「早々来るかよ。 こんな出来立ての探偵事務所に。」

 

シャル「クソお〜 せっかくロトムにサイトまで作ってもらったのに‥‥‥」

 

カナタ「そのサイトに『怪奇案件も扱います』なんて言うあからさまな厨ニ病が作ったようなサイトだがな。」

 

ロトム「その一文は、シャルさんが勝手に入れたロト。」

 

シャル「ロトえもんまで私を責めるの!? いいじゃない! 本当の事なんだから!」

 

そろそろ、シャルが泣き始めそうになったその時‥‥‥‥

 

↖ピンポーン↗

 

インターホンが鳴った。

こんな山奥までここを訪れるのは、今となっては依頼人しかいない。 

 

シャル「キタァァァァァァァァァァァァ!!」

 

カナタ「マジですか。 あんなサイトでも依頼人が来るのか。」

 

シャルが非術師にも見えるように実体化して、依頼人を迎えに行った。

ちなみに実体化とは、シャルが人間社会を満喫するためだけに編み出した技である。

 

 

ガタッ!

 

シャルは、ワクワクしながら扉を開け、営業スマイルで接客する。

 

シャル「は〜い。 こちら『シャルロット怪奇案件探偵事務所』。 依頼人の方は、こちらま‥で‥‥」

 

しかし、

シャルは絶句した。

なぜなら依頼人は‥‥‥‥

 

 

 

 

【銀魂で将軍が登場したときのBGM】

 

 

キランッ

 

光を反射する光沢を持つ鋼鉄の体。

サラリーマンが着るようなビシッとしたスーツ。

明らかに普通の人間じゃない。

その男の名は‥‥

 

「‥‥‥こちらの探偵社の‥‥サイトを‥‥見てきました。 依頼人の鈴木 正樹(すずき まさき)です。 あの‥‥‥『サイボーグ』やってます。」

 

 

 

 

 

 

(す、す、す、鈴木かよォォォォォォォォォォォォォォォ!!!)

 

いきなりの最初の依頼人はサイボーグ。 

前途多難な探偵事務所は、これから始まる。

 

←To Be Continued

 

 

 

 

 

 




サイボーグ鈴木は、結構出番がある予定です。


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