続きがかけなさそうなものを供養する場所 (lkjhg)
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原作:ありふれた職業で世界最強
ありふれにオリキャラ4人ぶち込んだら続きが書けなくなってしまったお話


主に人形の魔女(オリキャラ)のせい。だってなんかしらんけどアイツだけ世界観違うんだもん。5話まで出てこないけど。


私は魔女だ。

地球上に神秘は90%残っていないが残りの10%が私の他に何人かいる魔女仲間だったり、オーパーツと呼ばれる物だったりする。魔女仲間と言っても年に一回集まってお茶会をするだけ。お互い家が遠いから遊びに行けないっていうのと自分の研究が好きだから出不精なやつが全員ということが挙げられる。

 

私は特に研究するものがないというわけではないが、高校へ行ってみたいと思ったので数十年ぶりに自分の敷地から出ることにしたのが最近だ。魔女特有の見た目が若いってやつだから問題ないだろうし、一番の理由は単純な息抜きだ。

 

私は過去現在未来の観測ができるのだが一番面白そうなところがあったのでそこに行くことにする。勉強はまぁ、どうにかなるだろう。必要なものを色々と準備しないといけないからな。少し時間を飛ばそう。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「初めましてだな諸君。私の名は、星ヶ丘姫。なかなかな名前だろう?ああ、この目を覆ってる布は気にしないでほしい。別に見えないというわけではない。むしろいい方なんだがどうやら一般的ではないらしくてな。そのため隠している。」

 

現代用に作った名前。私を表すにはこんなものだろう。まぁ本名など忘れてしまっているからこれが本名と言えなくもない。他の魔女たちでさえ同じだろう。私が星眼の魔女と呼ばれているように○○の魔女というふうにお互いを呼んでいる。だから名前を忘れてしまうのだ。

 

「私には、星が見える。私には、星がある。私は、星である。」

 

教室中の視線が気持ち悪いものを見る目に変わったのは何故だ?

私たちの挨拶ではなんの問題もないのだが、魔女だからそれらしく名乗っただけというのになんなんだお前たち。

 

「え、えーとそれでは次の方お願いします。」

 

 

 

 

 

それから幾日かたったある日

 

私は綺麗なまでに孤立していた。流石に授業中のグループワークなどでは協力してくれる。しかし遊びに誘われることはないしクラスのグループチャットでは私だけ参加していない。息抜きがてら来たのに無駄に孤独感を味わうことになろうとは。これなら自室にこもって本を読んだり研究している方がマシじゃないか。とは思うのだが戻ることはしない。私が未来を観測したところこのクラスにいれば異世界に行けるらしいのでな。仲間の一人に空間を専門にしている奴がいて、そいつであれば自力で行き来できるだろうが私はできない。地球上での転移は問題なくできるが未知の空間への転移はできない。そういえばあやつ虚数空間がどうたらって言っていたな。まぁどうでもいいか。そしてどうやら時間のようだ。

 

「さて、息抜きを本格的に始めるとするか。」

 

ある人物を中心に魔法陣が展開され輝き始める。空間の魔女に比べたら粗末なものだ。だがクラス全員を転移させるという規模に関しては褒めないこともない。

 

 

 

 

 

転移してきてみれば草原やら海の中というわけではなく建造物の中にいた。

大理石のような建材を使用していて、人物の肖像画や無駄に華美な装飾が施されていた。

ふむ。あれがトップだろう。

目の前にいる集団の中で最も豪奢で煌びやかな衣装をきていて、割と覇気のある爺が歩み出てきた。

 

「ようこそトータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎いたしますぞ。私は、聖教協会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルトと申す者。以後、よろしくお願いいたしますぞ。」

 

この爺が金星の女神と同じ名か・・・

偶然ではあるのだろうがふさわしくないな。すでに醜い。近いうちに殺すとしよう。

 

魔女とは自由である。魔女に法律など存在しない。

あるのは己の欲求のみ。知りたいから、研究する。欲しいから画策する。寝たいなら寝る。何もしたくないのならしない。

倫理観の欠如していない奴などいないだろうし、道徳など糞食らえだ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

大きなテーブルが並んだ部屋に通され、クラスメイトたちは順に座り、私は、離れた位置に壁に寄りかかって立っている。

 

「座らないのですか?星ヶ丘さん。」

「座る気はないよ。先生。私に構う暇があったらクラスの連中をまとめておいてくれ。」

「えっ、あっ、はい。」

 

先生はどんな先生よりも先生なのだが容姿のせいで威厳が全くと言っていいほどない。

代わりに、かどうかは知らないが今回の事件の発端である天之河はかなり高いカリスマを持ち合わせており、先生の代わりにクラスをまとめることも少なくはなかった。

 

メイドが来たから一つ思い出したことがある。

私も昔は家事をするのがだるくて自動人形やホムンクルスの研究をした。しかし、調整がうまくいっていなかったのか指定したところ以外もやりだしたので全て廃棄した。かえって邪魔になったのだ。それからは自分でやっている。そう言えば人形の魔女はどうしているだろうか。仲間たちが招待してもここ最近のお茶会に来ていなかったからな。ちなみに、のたれ死んだ説が一番有力だ。

 

「さて、あなた方においてはさぞ混乱しているでしょう。一から説明させていただきいますのでな、まずは私の話を聞いてくだされ。」

 

私は未来視で話す内容を把握している。そしてこれからは未来視なんかは封印する。だって面白くないだろう。

 

イシュタルの話す内容を翻訳すれば、人、魔人、亜人の3種族がいる。このうち人と魔人の大きな戦争が始まりかねないということらしい。それで戦力増強のために私たちを呼び出した。

 

「あなた方を召喚したのは〝エヒト様〟です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という〝救い〟を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、〝エヒト様〟の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

 

流石に神殺しの魔女はいないが私一人で問題ないだろう。おそらく魔女の中で一番私が、攻撃性能が高い。毒やらわなといった搦手になると他のやつに軍配が上がるが。

 

先生がふざけるなと、怒る。(私を除く)子供たちに戦争をさせるなと。

私は正確な年は覚えていないが数千年生きているのでな。この世界では最高齢だ。ギネスなど相手にならん。

無論先生は私も含めてはいるのだろうがな。申し訳ないが一緒にされては困る。まぁ見方を変えれば若い方ではあるんだがな・・・

 

「嘘だろ?帰れないってなんなんだよ!」

「戦争なんて冗談じゃねぇ!ふざけんなよ!」

「ち く わ 大 明 神」

「誰だ!?今の!」

 

いやほんとに誰なのだろう。クラスメイトたちの声に該当するものがいなかったのだが。

先に言っておくがちくわ大明神の魔女は存在しない。もしいたら・・・そうだな、仲間全員で滅ぼしにいくとしよう。お前は魔女ではない。ただのちくわ大明神だ、とな。

 

「たかが数十年だろう?何を騒ぐ必要がある。人間は慣れる生き物だ。そのうちこの世界が第二の故郷にでもなるだろう」

「ねぇ・・・何をいっているの?」

「親に、会いたくないのか?」

「何をいっているも何も私は正気だぞ。人生100年と最近では言われているようだが平均では二桁だ。そして男女どちらも80程度。すでに4分の1弱を生きている。残りの4分の3などあっという間だろう?私の両親は(あまりにも昔すぎて)とうの昔に死んでいるわ。」

「なんかごめん」

 

謝られたんだが何故だ?

私たちのような存在でない限り寿命的に生きていたらそれはそれで驚きではあるが・・・なんかこう・・・すれ違っている気がしているが、うん、気のせいだろう。そのような人間がいたら例外なく研究対象にする事になるということを付け足しておこう。永遠の命にも等しい物を手に入れてはいるが、人体は不思議の塊だからな。

 

すると突然どこからともなく一人現れた。

 

「誰だ貴様!」

 

近衛の兵士であろう人間たちが警戒をあらわにするが当の本人は気にした様子はないよう。

 

「お母さん。ここにいたんだ。探したんだよ?全くぅ」

「おや、空間の魔女ではないか。引きこもりのお前がこうして出てくるとは珍しい。あと、お前の母親ではない。」

「うん。そうだよ。でも、お母さんだもん。お母さんのためなら外に出るよ?」

 

こいつは空間の魔女。精神だけが幼い。肉体は魔女の中で最も女性的と言える。ぶっちゃけ理想の体をしている。無駄がなさすぎるのだ。大きすぎず小さすぎず。

 

「それで、なんのために来たんだ?」

「お母さんが困ってないかと思って・・・」

「私が困ることなどそうそうないぞ。他には?」

「来月お茶会があるでしょ?それはどうするのかなと思って。」

「そういえばそうだったな。ではそのときに迎えに来てくれ。私はしばらくこの世界を観光することにする。」

「わかったよお母さん。じゃあ知らない人たちもじゃあね〜!」

 

お母さんではないと何度言えば気が済むのだろうか。まぁ彼女の生い立ちを考えればそういったものに飢えていると考えれるのだがこの場に置いて厄介ごとのタネにしかならない。血は繋がっていないし、年も2500年ほど離れている。私が空間の魔女の面倒を見た期間が短いがあるのでそのせいだろう。

 

「話を逸らして悪かったな。続けていいぞ。」

 

まぁこの後の話は簡単にまとめよう。

天之河がカリスマを発揮し、先生の言葉も聞かず、自身の正義を中心に戦争へ参加することを決め、周りの者はそれに同調した。

一部納得していない者もいたが、ご愁傷様といっておこう。

私か?私はドンパチ大歓迎だぞ。

戦争とは何かを正確に理解せずにいれば後で痛い目を見るぞ勇者(天之河光輝)よ。

 

「おや、見られているな。私に感づかれる程度では、私に殺されるぞ?この世界の神よ。」




ありふれの二次創作を考えてる時に思いついたオリキャラが魔女シリーズ。それ以来すでに3年ほど何かしら二次創作を書こうとするものの扱いにくくて書き上げられなくて消したりした。このありふれ二次創作で書いた内容が魔女たちの設定の大元になってる。


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ありふれにオリキャラ4人ぶち込んだら続きが書けなくなってしまったお話その2

十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られた。騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明を始めた。

 

「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 〝ステータスオープン〟と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

 

「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属けんぞく達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな」

 

魔女に血を求めるとは・・・まぁいいんだが。

 

===============================

星ヶ丘姫 3598歳 女 レベル:error

天職:星眼の魔女

筋力:n

体力:∞

耐性:∞

敏捷:n

魔力:∞

魔耐:∞

技能:変数n・言語理解

===============================

 

変数n:nに代入する値は自由に変更することができる。ただし1≦n ≦10000とする

 

 

 

まぁこんなものか。私の能力が書かれていないのはこの世界のものではないからだろう。

偽装することも考えなくはなかったが別にいいか。

 

「なんだ・・・?これは・・・」

 

団長よ。お前の気持ちはわかるが何かコメントしてくれないか。

 

「お前、いや、あなたが勇者ではないのか?」

「何をほざくかと思えばかなり面白いことを言う。私が勇者だと?ふざけたことを言うなよ小僧。」

「ッ!申し訳ありません。」

「まぁ良い。秘密にしていることではないから他の連中に話しても構わない。私はある程度自由にしても構わないな?」

「ええもちろんです。ですが、最低限のルールだけは守っていただけると・・・」

「わかった。それについては頭に入れておこう。」

 

私のステータスと年齢で畏まったのだと思う。

相手が畏れば私もいつもより固く接してしまう。

メルドからしたらその方が気楽かもしれんがな。

ちなみに正確な年齢は初めて知った。3桁超えたあたりで数えるのはやめていた。

 

 

 

 

私は本を読むのが好きである。

魔女ならば基本的にそうだが、好みはもちろん違う。

私は星座に関するものや魔術書なんて呼ばれるものを読んでいる。さっき来た空間の魔女は精神年齢相応とでも言えばいいのか絵本を好んで読んでいる。

 

魔女とは未知を探究する存在でもある。よって今、訓練をサボり読書に耽っている。

そもそも私が訓練する必要はない。必要なのは知識を蓄えることである。この世界の地理的なものや存在する生物、植物なんかの図鑑らしきものを読んで頭に叩き込む。ファンタジー世界であるため私の脅威になりうる存在を探しているのだがやはり存在しないか。とりあえず今度行くであろうオルクス大迷宮、並びにそれに準ずるものを見て回ることにしているが面白くなければさっさと神を殺して帰ることにしよう。神殺しは地球ではできないからな。その時は仲間たちも呼ぼう。

 

脅威となる存在はいないが一つ興味を引いた物があった。

神結晶だ。

数千年の時間をかけて自然に存在している魔力が集まり、固まったものらしい。私の魔法行使の補助にできるかもしれないからぜひとも手に入れてみたい。

 

「ここにいたのか。本なんて読んでいないで訓練に参加したらどうかな?」

「お前には関係のないことだ。私の戦闘スタイルは既に確立している。わざわざ訓練する必要はない。ああ、そうだ。これを見ろ。」

 

ステータスプレートを投げ渡す。

 

「私に勝てるものはこの世界にはいない。地球だと絶対とは言えなくなるがな。」

「何なんだこれは!どんな不正をした!」

「不正とは失礼な。私が培ってきた約3600年を考えれば妥当なところだと思うのだが?」

「ふざけるな!そもそも人間はそんなには生きられないだろ!」

「私は人ではない。魔女だ。星眼の魔女だ。そこを履き違えるなよ、勇者。」

 

指をパチンと鳴らし投げ渡したステータスプレートを消す。

あんなやつにわざわざ本物をくれてやる道理もない。幻で十分だ。

 

「お前嘘を言っていたのか!?」

 

なんか知らんが剣で切りかかって来る。

 

「ここは書庫だ。黙れ。」

 

魔法を発動し動けないようにする。

傍から見れば空中で固まっている。

 

「内容に虚偽はない。私のことが信用できないのならメルドに聞くがいい。さっさと帰れ。読書の邪魔をするな。」

 

固まっている状態を維持しながら扉の外へと投げる。

今使ったのは念力とかサイコキネシスとか呼ばれているやつだな。私は魔法に名前をつけない。数が多すぎて忘れるからな。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

あれから2週間程が経過し実戦訓練をするということでオルクス大迷宮に来た。それで本を読み漁った感想なんだがつまらないに尽きる。物語や伝記といったものもあったのだがやはりどこかしらこの世界の宗教がでてくる。そしていつも『エヒト様のお加護だ!おかげだ!』で終わる。

 

270度ほど角度は変わるがこの世界の魔法について。

詠唱をすることで魔法陣に魔力を流し込み発動するらしいが3流未満だ。適正により詠唱の省略ができるのだとしても3流未満だ。無詠唱が常ではないと不利になる。私とて特大魔法級になれば詠唱を必要とするがあくまでそれはイメージ補完、発動の補助でしかない。無詠唱でも時間をかければ発動できる。一流とは、無詠唱かつノータイムで、威力効果を落とさずに任意の魔法を発動できることだと私は考えている。私は先程のことから1.5流とでも言えばいいか。他の魔女たちは専門分野においては十分に一流だ。というか専門分野以外の魔法を一切使わない。私だけだぞ。色々な分野の魔法を使用するのは。

 

こうしている今も我々は進んでいる。

戦いながら進む。初めてにしてはよくやるとは思うが中世の騎士たちのほうがマシな気がしてならない。

 

む。

あの馬鹿ここで打つ気か?

 

「ふん。馬鹿め。」

 

単純な閃光を勇者の前で発生させる。

 

「うわっ!」

 

続いて光の矢、まぁビームでゴリラっぽい何かを焼き溶かす。

 

「申し訳ありません。助かりました。」

「気にするなメルド団長。それとここでは生徒たちの前だ。厄介事は増やしたくないだろう?」

「そうですね…いや、そうだな。わかった。何かあればまたサポートを頼むぞ。」

 

優秀だなメルドは。

それはそうと、()()()()()()()()()()()()()()()()

あの罠である鉱石は。

 

「すごく綺麗…」

 

何から何まで補助するのは癪だ。

よって痛い目を見てもらおう。

 

「あれ俺達で取ろうぜ!」

 

そう言って取りに行く檜山。

そして触れた瞬間魔法陣が展開される。

気づいたときにはどこかもわからない場所にいた。

 

「グルァァァァァアアアアああああ!?」

 

あれは確かベヒモスとか言ったか。

最後のほうが悲鳴っぽく聞こえたんだが…

私を見て怯えているようだな。獣の本能と言うやつか?

 

あーうん、私は何もしないから普段通りやれ。

 

「グルァァァァァアアアアア!!」

 

なんか子犬みたいだな。

 

「早く起きろ!いいか!戦って勝てる相手じゃない。俺たちが足止めしている間にあの階段へ逃げろ!」

「そんな!?それじゃメルドさんたちが!俺も戦います!」

 

おや、雑魚の骸骨兵も湧き出したか。私は飛んで高みの見物でもしておこう。

 

 

 

ある意味そこは地獄だった。

初めての実戦は上手く進んでいた。

しかし、ハプニングが起きた。いくら戦えるとはいえ経験はゼロだ。呆然としている者、冷静でない者、泣き出しそうになっている者、青ざめている者、様々だ。唯一勇者のみ行動を起こしているがこの場において最悪手と言える。メルドたちは勇者たちを失うわけにはいかない。それこそ命と引き換えだとしても守らねばならない。そこで瞬時に状況を把握し逃げるよう指示を出した。

 

だというのに。

 

勇者は聞かない。

 

今は障壁を張って耐えているがあと数回も突進をくらえば壊れる。この稼いだ時間の間で下がればいいものを。そうすればクラスメイトを誰も失わなかった。

 

最弱の人物を見てみよう。

 

力はない。しかし現在できることで状況を改善しようと行動している。クラスメイトがピンチになれば錬成で地形を変え骸骨のバランスを崩す。そして、骸骨を突破するには一撃の火力の大きさが必要だと判断し勇者を呼びに行く。

 

どちらが勇者に向いているかと聞かれれば私は後者を選ぶ。

南雲ハジメを。

おそらく本人は否定するだろうがな。

僕が勇者なんて…とでも言いながら。

常に自己評価の低い人間だから白崎香織からの好意にも気づいていない。そんなやつが奈落へと落ちれば豹変するのだから面白い。

 

ようやく勇者が下がる。

南雲ハジメは足止めをするために前へ出て錬成によりベヒモスを生き埋めにしようとする。

 

後方では全員が魔法の準備をしている。南雲ハジメの撤退を援護するためだろう。

 

そして、南雲ハジメが走り出したと同時に魔法が放たれそのうちの一発が南雲ハジメに当たる。

 

「頃合いか。」

 

第2射が行われまたしても一つが南雲ハジメへ向かっていくがそれをバリアで防ぐ。

 

「ベヒモス。おすわり。」

「グァッ!?(特別意訳:え?っはい!)」

 

さてさて。

 

「いやはや実に醜いな人間というのは。なぁ檜山。」

「な、なんで俺なんだよ。っつーかその前にどうしてその魔物はお前の言うことを聞いてんだよ!」

「弱肉強食、世の理だ。そしてコイツは私の言うことを聞けば死なないと思っている。まぁそんなことはどうでもいい。檜山。お前は何故南雲ハジメを殺そうとした?」

「何を言って…?」

「私は上から見ていたぞ。お前が放った火球がベヒモスへ飛ばずに途中で曲がったのを。」

 

指で上を指しながら言う。

 

「そしたら第2射も同じではないか。私がバリアをはらなければコイツは死んでいた。さて犯罪者。」

「は、犯罪者?」

「そうだ。戦争犯罪者。戦犯。これから戦争が始まろうというのに味方同士で殺し合ってどうする。味方を殺そうとした罪は重い。よって死ね。」

 

脳天からビームで貫く。

ああ悲鳴が木霊している。

 

「それとだベヒモス。お前も死んでおけ、邪魔だ。」

「ぐる?(特別意訳:え?何もしないっていったじゃん(´·ω·`))」

「何もしないといったな。あれは嘘だ。」

「くぅーん(特別意訳:そ、そんなぁ(´·ω·`))」

 

こちらはベヒモス全体を覆うくらいの極太ビームを上から下へ放ち消滅させた。するとおそらく一番下へ続いているだろう縦穴がうまれる。あとはもうわかるな?

 

「助けておいてなんだが南雲ハジメ。お前にはここを下ってもらう。」

「え?」

「なにお前は必ず生き残る。星眼の魔女のお墨付きだ。」

「わけがわからないよ。」

 

魔法で南雲ハジメを持ち上げ穴の上へ移動させる。

 

「ま、待って!」

「堕ちろ。憎めばいい。呪えばいい。私を、己の無力さを。それが糧となり、強くなる。」

 

落下が始まる。

 

「さぁ、落ちて堕ちて堕ちろ。私を殺したいのなら強くなるがいい。」

 

必死に上へ手を伸ばすがそれを取るものは、取れるものは誰もいない。白崎香織が私を殺そうとしてくるが所詮回復役だ。見らずとも衝撃波で気絶させられる。

 

「最も、殺されることは仲間の魔女たち以外には絶対に有り得ないがな。」

 

私は、魔女である。

 

善というよりは、悪に近い。

 

しかしながらこれは善意による行動である。




ぼくのかんがえたさいきょうのきゃら、な星眼の魔女だけどそういうキャラの何が駄目って後出しジャンケンで勝てるし何なら後出しジャンケンする前に相手をすり潰せるのが駄目だと思う作者だった。


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ありふれにオリキャラ4人ぶち込んだら続きが書けなくなってしまったお話その3

魔女がやばくないわけないよなぁ!


「なぜ檜山を殺した!」

「なぜ殺すべきではないと言える?」

「質問を質問で返すな。」

 

檜山を殺し南雲ハジメを奈落へと落とした後、少し面倒くさかった。まず、国の地位ある者たちに呼ばれる質問攻め。南雲とかいう無能はともかくなぜ檜山を殺したのかとか色々。すべて適当に答えた。風の噂では私を異端指定するとかしないとか。元より地球で魔女は異端な存在のため今更な気がする。なので痛手という事は全くない。

 

「説明したところでお前は何も理解しないだろう?説明するのが無駄というだけだ。」

「じゃあ私には?」

 

そう言ってやってきたのは八重樫雫。

天之河はどっか行ったので入れ違いということになる。おそらく聞いていたからあの言葉なのだろうが会っていないのか?

 

「八重樫か。まぁいいだろう。正直お前の心労を増やすだけにしかならないと思うのだが…」

「…いいわ。説明してちょうだい。」

「わかったと言っても至極簡単な話だ。ああいうやつがいれば戦線が乱れる。戦線が乱れれば死傷者も増える。そして負けることにつながる。一番の敵は無能な味方という言葉を覚えておけばいい。」

「なるほどね…でも殺す必要は無かったんじゃないかしら。牢屋に入れておくのでもよかったんじゃない?」

「見せしめだ。何人か不穏なやつがいる。そいつらに対しての牽制の意味がある。」

「そう…あなたはあなたで考えて行動していたのね。」

「当たり前だろう。魔女でなくとも人間は思考することができる生物だ。思考停止してはその素晴らしい能力も無駄になる。」

 

もう一つ、付け加えておくか。

 

「天之河を信用するなよ。何かあれば私を頼れ。この上なく信頼ならんだろうがな。」

「頭の片隅に入れておくわ。ところで魔女って?」

「む。メルドから説明が無かったのか。」

「え、えーと怒らせてはいけないとだけ。」

「ちゃんと説明すればいいものを。はぁ〜。今から説明する。」

 

〜魔女説明中〜

 

「地球にファンタジーってあったんだ。」

「薄まっているがな。」

 

まともに会話できる人間で助かった。

天之河みたいな人間は嫌いだ。

 

「今更だけれど先生があなたのことを探していたわ。おそらく…」

「またこの話だろうな。まぁそれは八重樫が気にすることではない。用が済んだならさっさと出ていけ。」

「ごめんなさい。もう一ついいかしら?」

「なんだ?」

「南雲くんについてよ。」

 

ああ、そういうことか。

まぁ説明したところで納得はしないだろうな。特に白崎香織とその親友である八重樫雫は。傍から見ようと見らずとも私は親友が好いている人間を奈落に落とした人物だ。殺したのと同義だろう。一応、一度見た数多ある未来の90%で南雲ハジメは奈落へと行っている。私が色々な魔法をかけた状態で送ったのだから死にはしないだろう。まぁ落下死を防ぐだけではあるが。

 

「何か問題でも?」

「大ありじゃないッ!あんた人殺しておいて何か思うところでもないのッ!?」

「ない。私は魔女だ。人ではない。人の形をしたなにかだと思え。魔女とは自由だ。己のやりたいようにやる。一応訂正しておくがあれは未来を考えての行為だ。」

「なんですって?」

「理由は言えないがいずれ答え合わせをするときが来る。その時までお預けだ。」

「クソったれ。あんたが死ねばよかったのよ。」

「ふん。なんとでも言え。私が死ぬことはない。」

 

さて?

なかなか人間関係も拗れてきたところで先生にも同じ説明をしなければならないのは正直面倒だ。ボイコットすることにする。

 

そしてそろそろ七大迷宮への観光に行こうかと思う。まぁ転移を使うからよほどのことがない限り日帰りになる。なんだ。私はRTAでもするのか?

 

それはともかくとしてまずはライセン大迷宮へ行こうと思う。オルクス大迷宮は面倒くさい。合計200階層ある。行くのは最後にする。

 

明日、出発だ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

おはよう、こんにちは、こんばんは。

読者たちとはそのどれかで挨拶ができるな。私としてはおはようで済ませたいがそういうわけにもいくまい。

 

「起動。」

 

ライセン大迷宮最寄りの街であるブルックの町に来たわけだが…

 

「空間の魔女と時間の魔女ではないか。」

「あ、お母さん!」

「ひさしぶり。星眼さま。」

「どうしてここにいる?」

「観光!」

「そんな感じ。星眼さまだけ面白いことするのはおかしいでしょ?」

「人形の魔女は?」

「何度連絡しても音沙汰なし。」

 

時間の魔女。

我々魔女の中で最も若い魔女である。

事実上の17歳だ。

 

「それはそうと時間の魔女。学校はどうした?」

「休んだ。」

 

年齢からわかると思うが彼女は高校生である。両親に相談せず私に相談しに来たのだぞ?高校へ行かなくてもいいか、と。私は親ではないのだがな…

 

「人形さん死んだんじゃない?」

「彼女の魔法的に死ぬことは99%ないのだがまぁ気にする必要はないか。ところで今から迷宮へ行こうとしているがついてくるか?」

「行く行く!」

「私もついていくわ。」

 

というわけで人数が増えた。

地道に、無言で目的の場所があるであろう場所へ向かって歩く。転移してもよかったが細かい位置がわからないので徒歩で探索することにした。

 

「それにしてもこの世界は空気が綺麗よね。」

「工業化も何もしていないからな。大気汚染は皆無と言ってもいいだろう。」

「私この世界に移り住もうかな。魔法も多少だけど使いやすくなるみたいだし。」

「やめとけ。お前みたいな若者がこの娯楽のない世界にい続けられるわけない。」

「なにおう!?…確かにそうかもしれないけど、うーん、別荘地くらいがちょうどいいかな?」

 

うんうん唸りだす時間の魔女。

空間の魔女にお願いしなければ地球とこの世界を行き来する術はないがお菓子で取引成立することが多いからコスパ最強である。とはいえ彼女はまだ女子高生。手持ちの金などろくに無いだろう。

 

「え?お金?バイトしてるから少しだけ貯金がある。」

 

ならいいか。

 

「お母さんお母さん。お菓子ある?」

「すまないが持ち合わせていない。探索後先程の町で何か買うとしよう。無論お金は私が出す。」

「やったー!」

「星眼さま私は?」

「いいぞ。というかお前たちこの世界の金銭持ってないだろ。」

 

てへっとする二人。私が持っているのは国から支給されたお金だからどうってことはない。

 

「さあついたぞ。」

「ねぇこの看板ムカつかない?」

 

〝おいでませ! ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪〟

 

「お母さん。この人見つけたら潰していい?」

「駄目だ。面白い話が聞けるまではな。」

 

私達は入った。

ソナーのような魔法を使い地形を確認した上で入った。ところどころに看板が立っているがすべて煽る文言のみ。二人はフラストレーションが溜まっているようだがまだまだ子供ということか(実際子供)。

常に地形変化もしているが関係ない。

30分ほどで最奥へたどり着いた。

 

「よく来たね。と、言いたいところだけど君たち反則すぎでしょ!強すぎ!何なの!?」

「魔女(だが?/だけど/!)」

「あーもう!頭にきた。このミレディちゃんがぶっ殺してあげる!」

 

おおこのゴーレムらしきものよくできているな。

 

「ねぇ星眼さま。私達二人で」

「ボコボコにしていい?」

「いいぞ。やってやれ。」

 

ここで彼女たちの能力の説明を少ししておこう。と言っても名称から察してもらえると思う。空間の魔女は空間操作がメイン。断絶したりデリートしたりもできる。時間の魔女は時間の加速減速停止。たまに過去へ遡ってなんかやっている。

 

まず時間の魔女がゴーレムにかかっている時間を減速させる。

 

「え?あれ?」

 

そして次に空間の魔女がゴーレムを覆うくらいの空間を指定し圧縮を始める。

 

「まって!まって!」

「お母さん。このゴーレム…硬いよ。でも!」

 

びきびきと音をたてながら次第に亀裂が走っていく。

 

「嘘でしょ?」

「う、ああああああああ!」

 

グシャという音ではないがそんな感じでゴーレムは立方体になった。

 

ちなみに、時間の魔女が手を出すまでもなく同じ結果になっていた。時間の魔女が魔法を使ったことには一つ理由がある。時間操作をすると正常な世界との歪みが使用者に激痛となって返ってくるのだが、彼女はそれを気持ちいいと感じる体質なのだ。いわゆるドM。時間の魔女とはいうが、別の呼び方をすれば快楽の魔女。彼女が自慰行為に費やす時間はかなり多い。なぜ知っているのか?両親にはバレたくないと言って私の家の空き部屋を使うからな。すべて筒抜けだ。

 

「んっ///」

 

彼女が魔法を使うときは大抵そういうことをするときだ。

 

「ふぅ…星眼さまこれからどうする?」

「奥に行く。さっきのやつから話が聞けるだろうからな。」

「うん。奥に気配がする。」

「えっホント?」

 

若いがゆえに未熟だ。

 

奥へ歩いていくと小人らしきものが待っていた。

 

「はっじめましてー!ミレディ・ライセンです!」

「あっ、はめ外してるときの私じゃん。」

「確かに似てるな。」

「似てる似てるー。」

 

テンションが馬鹿みたいに高いのはなぜだろう。もともとの性格なのならば仕方ないがキャラ作りのためならばなんか滑稽にも見える気がする。

 

「っていうか驚いていてないじゃん!普通死んだと思ったやつが出てきたらびっくりするよね!?」

「如何せん既に見ている。既に魂だけで自身で作った人形を転々としているやつがいてな、最近はいよいよ死んだかと噂話をしているところだ。」

「えぇ…」

「でもでもーこの前お菓子を人形で持ってきてたよ!」

「それいつだ?」

「えーっと…えーっと…10年前くらいかな。」

 

純粋に感覚が狂っているな。私とて100年を最近と言ったりもするが。

 

「と、ところで星眼さま。この人誰?」

「叛逆者、否、解放者の1人。神を殺そうとし失敗した者たち。そういえば教皇を殺すことにしていたな。」

 

教皇は協会本部にいるようだな。

サービスで状況を映し出す。

 

「何をするの?」

「見てればわかる。」

 

『私には、星が見える。私には、星がある。私は、星である。』

 

『それ故に星眼の魔女である。』

 

『星眼の魔女の名において裁定を下そう。』

 

『宗教とは権力ではなく象徴であるべきである。よって有罪。』

 

『裁定の光よ。ふり注げ。』

 

裁定とは言うが思いっきり私情まみれの主観的な判断だ。

 

いくつもの光の柱が迸り最終的に1つに収束する。

そして建造物を、人間を跡形もなく消し飛ばした。

 

「ふむ。上手くいったな。」

「ちょっとちょっとあそこには魂魄魔法っていう神代魔法をゲットするための迷宮があるんですけどーッ!?」

「安心しろ。それは消さない程度に調整している。」

「あ、ホントだ。」

 

さて、本格的に動くとするか…まぁ隠れて動くのが面倒になっただけとも言う。

 

「空間の魔女、時間の魔女。あそこに拠点を作りに行く。手伝ってくれるだろう?」

「「もちろん!」」

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

えっと取り残されたミレディでーす。

あの子っていうかあの人?何者なの?魔女とか星って名乗ってたけどあれ1人でエヒト殺せるくない?え、えぇ…(困惑)

私達解放者が全盛期のときに束になっても勝てないだろうなぁ。

 

「ま、いっか☆アイツが死んでくれるならそれで。」




星眼の魔女が強すぎて勝手にRTAになるのも展開が思いつかなくなる原因だった。


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ありふれにオリキャラ4人ぶち込んだら続きが書けなくなってしまったお話その4

ふと読み返して思ったのが、時間の魔女、君一番最初とその後で人間違いすぎない?だったけど修正しなくてもいいよね。だってボツ案になっちゃったわけだし。


今回は、私が主人公よ。

私は時間の魔女。ピチピチの女子高生。不真面目だけどね。

 

星眼さまは今前回消し飛ばした場所にお城を作っているわ。空間の魔女は誰も侵入させないように結界を展開し維持している。私たちが魔女とはいえ限界はある。つまり空間の魔女の結界にも限界があるってこと。私は外敵の排除が仕事だよ。

 

「さーって、狩の時間だね。」

 

星眼さまから言われたことによればこの国は現在戦争の準備中でかなり兵士の数がいるみたい。

ま、私のArexRexZero1と無駄に切れ味と強度の高いサバイバルナイフがあればどうにかなるでしょ。 ArexRexZero1、ARZ1(あるじ)私はって呼んでるけどこれは確かスロベニアで開発された拳銃。名前がかっこいいから現地まで買いに行ったんだよねー。弾も2000発買って魔女だったらみんな使える不思議空間に収納してる。

 

「初めまして兵士諸君!私は地球出身の時間の魔女だよ!」

 

ここまで行進してきた兵士たちがどよめく。

 

「さぁ、開戦だ!千だろうと万だろうと尽くを殲滅しよう!勇気あるものは前へ!帰りたいものは懲罰覚悟で帰れ!私たちが行うのはこの場所の占拠のみ。国に対する侵攻ではないよ!」

 

うふふ迷ってる迷ってる。

そんな時間があるのならね。

 

「ザ・ワールド!時よとまれぇえええ!」

 

こうなっちゃうんだよ。

私に魔法を使わせない用にラッシュを畳み掛けるか意識外から狙撃するかしないと基本的に勝てないだろうなぁ。

 

それに言ってみたかったんだよねぇこのセリフ。

 

「アハハハハハハ!」

 

撃って撃って撃ちまくる。

リロードしては撃ちリロードする。

 

「そして時は動き出す。」

 

ここまで60秒。

 

時が動き出したとき銃弾ももちろん動き出すわけで一斉に兵士たちの頭へ吸い込まれていった。

 

「あぐぅ…いだい。ぐええいったいなーもう。でも…」

 

時間操作による副作用が襲ってくる。

 

「あーだめ気持ちいい。いっちゃいそう。んっ…」

 

私はマゾだからね。君たち読者は知ってるだろうけど。

 

「楽しいのと気持ちいいのと痛いのが同時に味わえるのって最高♡」

 

これだからやめられない。どれだけ傷つこうとそれは快楽となる。痛みを感じないわけじゃない。それらが同時に起こるからこそ至高の快楽になるんだよ。私にとってはね。

 

「んふっ…ああ、援軍が来たんだ。じゃあ第2ラウンドと行こう。」

 

ナイフを取り出す。

自身の時間を加速させ、移動速度をあげる。

 

「あは、楽しいかな?気持ちいいかな?兵士たち!私はとっても最高だよ!」

 

相手が振るう剣を躱しカウンターでナイフを喉元へ突きこむ。後ろから襲ってくるやつがいれば即座にARZ1を撃ってヘッドショット。

終わらない兵士たちの波、悲鳴、怒声。

そして私の笑い声。

 

「あ、ヤバ…イって腰が…抜けた。」

 

「今だ畳かけろ!」

「恨むなよ嬢ちゃん!」

「仲間の仇だ!」

「しねぇええ!」

「ち く わ!」

「誰だ今の!」

 

私に突き刺さる数本の剣と無数の矢。快感は最高潮に昇ってきている。

それらすべてを引き抜き血を垂れ流す私。

正直この状態が一番気持ちいいんだよね。痛みによる快感と血が抜けていき段々と冷たくなっていくような感覚がもうっほんっとうに最高でさ、一度家で手首切ったんだけどお母さんに見つかっちゃってね。いやーあのときはやばかった。自分の自慰が見つかったはずかしさで私自身がやばかったのと母さんが私が自殺しようとしてるんじゃないかと勘違いして発狂しだしたのがやばかった。とりあえずリスカの記憶だけ星眼さまに消してもらった。

 

「うふふふあははははは。ざんねーん。死なないんだよなーこれが。」

 

私は時間の魔女である。しかしながらマゾという副属性により回復魔法にも長けている。瀕死からの回復なんて一瞬で終わるよ。

 

「さてさて。そろそろ疲れてきたからさっさと殺しちゃおう。」

 

I can see time.(私には、時が見える。)I have times.(私には、時がある。)I am time.(私は、時である。)

 

Therefore, I am a witch of time.(故に、時間の魔女である。)

 

Tear up times(時間をズタズタに切り裂いちゃえ)

 

You don't have futures.(死になさい)

 

 

future。将来とか未来って訳される英単語。

過去現在未来と時間の流れがあるけれど私はそれをグチャグチャに、ズタズタにした。死ぬことが終わりなのだからダルマ落としみたいに最後の物が来るまでその人の時間を切り裂き続ける。そんな魔法。この魔法の弱点は将来90とかそこらまで生きる人と60ほどで死ぬ人との間では死ぬまでに差が出る。例えると、90個分積み上げられたダルマ落としと60個分積み上げられたダルマ落とし、同じペースで叩き続けたらどっちが早く終わる?って話。単純明快でしょ?え?そうでもない?

 

まぁいいや。仕事は終わった。援軍も無いみたいだし。

 

「えー。前言撤回。第3ラウンドが始まりそう。今日だけで過労死しそうなんだけど私。」

 

次に来た集団は装備が豪華だった。

流石に気合入れなきゃやばいかと思ったけどある人物が目に止まった。

 

「あれ?えりりんじゃん。」

「あっ!時雨さん…」

「ということは君たち地球組か!いやー神隠しにあったとか色々騒がれてたけど本当に神隠しだったとはね。」

「どういうことだ!」

「お、君が天之河光輝くんかぁ。写真で見たとおりイケメンだねぇ。どういうことも何もそういうことだよ。警察、オカルトマニア、科学者などなど多方面の専門家が寄ってたかって調べたけれど最終的にたどり着いたのが『神隠し』。なんら不思議はない。元より日本では、というか世界中でたまーに本当の神隠しは起きているしね。」

「なぜここにいる!」

「はっはー。元気がいいねぇ天之河くん。何かいいことでもあったのかい?」

 

決め顔で、声を低くして、カッコつけてそう言った。

言ってみたいセリフ堂々の一位。

 

「ま、君の質問に答えるとただの観光だね。それと護衛。私がそんなことをするまでもなく強いんだけどねあの方は。」

 

それにしてもこのメンバー顔の偏差値高くない?

 

「私は魔女である。このフレーズに聞き覚えがある人は手を挙げて!」

 

ふむふむ。2,3人か。

 

「じゃあもうわかったと思うけど、星眼さま、たしか星ヶ丘姫って名乗ってるんだっけ。そんな姫さまと同じく私も魔女なんだよ。未熟ではあるけどね。」

 

今日の晩ごはんどうしようかな。

 

「質問いいかしら?」

「いいよー。ただし順番にね。」

「観光って言ってたけれどどうやってこの世界に来たのかしら?」

「魔女仲間に空間の魔女って子がいてね。その子は次元とか距離とか関係なしに転移できるから彼女に送ってもらったの。この結界も彼女が作って維持してるよ。」

「なら、私達を地球へ送ってもらえないかしら。」

「無理っす」

「即答!?」

 

いやーだってねぇ…

 

「空間の魔女って超超ちょー人間嫌いなんだよ。それにわざわざ助ける理由もないし。」

「そんな…」

「なら、私は?」

 

えりりんが喋ったー!

 

「やっほーえりりん久しぶり。」

「うん。久しぶり。」

 

えりりんはなんと魔女候補だったのだ!

読んでもらったらわかると思うけど過去形なんだよね。

 

「期待してたんだけどねぇ、選考落ちだよえりりん。ちゃんとした理由なんてない。ただ私達がこいつは魔女にしたくないからというだけで君は一般人のままだよ。魔女じゃないから助けない。」

「ふざっけんな!」

「私達魔女に公正公平な判断を求めても無駄だよ。魔女とは自由だから。というか素を出したね。」

 

表に出さないだけで一応理由はある。

彼女の適性が死霊やら魂だったんだよ。それでそんなやつが魔女にでもなったらまずいということで選考落ち。だって考えてみてよ。現時点で好きな人をゲッツするために色々やってるからねぇ。ちらっと過去を見た感じ傀儡を何体か作ってる。つまるところ私達魔女にとっても人間たちにとっても彼女は危険すぎるんだ。

 

「私が今までどれだけ苦労してきたと思ってる!?誰にもバレないように、自分自身すら騙しながら計画を練って実行してきた、今日まで!いいよ。この世界に来て得た力がある。それで頑張るさ。」

「悪いけどさ。『You don't have futures.(死になさい)』」

「え?」

 

時間停止からの銃ブッパコンボ。脳心臓肺肝臓。人体の急所を撃ち抜く。

 

「な、何が起こって…中村!?」

「アハハハハハハ。はぁ…。どうやら時間稼ぎは終わったみたいだね。それじゃあ皆さん。また、会おう!」

 

危険な存在を生かしておく必要はないんだよ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ふぅ〜。

 

「ありがと。空間の魔女。」

「大丈夫。そっちのほうがつかれたでしょ?」

「まぁ疲れはしたけど気持ちよかったから。」

「相変わらずね。」

「そっちこそ。星眼さまの前だけ幼児退行するのどうにかならないの?」

「無理。だってお母さんだし。甘えたいし、なんか包容力凄すぎて維持できない。」

「あはは、うん、わかるよ。お母さんよりお母さんって感じがするからね。」

 

それでも幼児退行の度が過ぎるぞ〜空間の魔女。

結界の一部に穴を開けてもらい中に入った私は空間の魔女とお風呂に入っている。

 

「何よ。」

「相変わらず体がきれいだなーって思ってさ。」

 

まさしくボンキュッボン。

 

「おねぇちゃん。」

「は?」

「お姉ちゃん。もしくは先輩?」

「やめてよ気持ち悪い。急にどうしたのよ。」

「いやー。体を弄らせてほしいなと。」

「揉みながら言うことじゃないでしょ。」

 

うわすげぇマシュマロかよ。もちもちすべすべ。

手から溢れてるし。何これ。

私もそこそこある方だけど比べ物になんねぇ。私の中のおっさんが目覚めそう。

 

「はぁ〜やばい。後でお菓子全部あげる。」

「ん。なら許す。」

 

空間の魔女は幼児退行しようとしまいとお菓子が大好きなのである。

 

「いっちゃえいっちゃえ。」

「もうやめてってば…」

 

どんな状況かはあなたの想像におまかせするよん。




時間の魔女は割と優しい魔女。そもそも別に人間嫌いじゃないから人間からするとSSR。


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ありふれにオリキャラ4人ぶち込んだら続きが書けなくなってしまったお話その5

ここまでです。


今回は私。空間の魔女がお送りするわ。

 

これからの方針が決まったの。

お母さんは七大迷宮をまわる。時間の魔女は学校へ行かせるために私が地球へ連れて帰る。そのあと私は自由ってことになったのだけれど気になることがいくつかあるからそれを調べるつもり。

 

「それじゃお願い。空間の魔女。」

「はいはい。」

 

私は色々な世界を見てきたけれど結局は地球が一番良いと思う。

それこそ、このトータスのようなファンタジー世界は腐るほどある。お母さんにトータスに来てからのあらましを聞いたけれどやはりどこの世界も似たようなものだった。面白みも真新しさもなかった。

 

「ここでいいわね。」

「うん。じゃ、またよろしくね。」

 

さて、まずはいったん家へ帰ろう。

 

「あ、おかえりお姉ちゃん。今度はどこへ行っていたの?」

「異世界。」

「あちゃ〜またか。」

 

妹。魔女ですらなく私と同じ時を生き続ける死体。体温はない、言ってしまえば聴覚視覚以外には感覚はない。そんな壊れすぎている存在。

 

あれはたしか1996年前のことだった。

私は、4歳で魔女になりたてだった。誰かにそのことは言えなかった。魔女という存在は忌み嫌われ、慰み物にされ、切り刻まれ、焼かれて死ぬ。焼かれるまで死なない気絶しない呪いをかけられて。私は頭がよかったから成人して、村を出てから魔法を練習しようと考えた。そしてそのとおりに実行した。

 

村を出てから数年後私は故郷の村へと帰った。

無論魔法は封印よ。正確に言うと魔女ではなく魔法を使う存在が忌避されていた。

 

帰ると妹がいた。

私が村を出たあとに産まれたらしく、どうやら旅をしているお姉さんと認識されたみたいだった。両親と私の必死の説明でようやく私は妹の姉になった。

 

再び村を出るための準備をしていたとき武器を持った男たちが私達の家に押し入ってきた。村の兵士だった。

 

「この家に魔女がいる。お前だ。連行に応じなければその場での殺害も許可されている。ついてこい。」

 

怖かった。

だけどね、怒りのほうが勝っていたのよ。

だって。

私じゃなくて。

妹を指差していたのだから。

 

「姉も連行しろ。親は殺せ。魔女の血は絶やさねばならん。」

 

ああ、なんて勝手なのだろう。

すべての人間がコイツらと同じではないのだろう。だけどそのことを差し引いたとしても、私は恨まずには、憎まずにはいられなかった。相手と自分を。だから私は、永遠を生きる魔女へとなった。同じ人間ではいたくないから。

 

そこからは簡単だった。

空間の圧縮によって心臓を潰して村全員、老若男女問わず殺した。妹は生きていた。殺される前に助け出したから。でも、それは生物的な話。精神は死んでいた。自分を守るために精神という水の入った容器に蓋をした。

 

私はずっと妹の世話をした。

ずっとずっとずっと。

精神が回復するまで。色々な世界を見てほしかった。色々なものを感じてほしかった。きれいな物。甘いもの。嬉しいこと。悲しいこと。

 

そして私は妹を呪った。

お前が壊れたままなのなら死ねないようにしてやろうと。

今思い返してみれば私は私で壊れていたのね。

 

呪ってから数百年。

遅すぎるよと言いたかった。

ようやく意識を取り戻した妹が最初に放った言葉。

 

『死にたい。』

 

私は絶望した。

感謝はいらないと割り切っていた。

むしろ罵ってくれてもいいと思っていた。

自分勝手な都合に勝手に突き合わせてふざけんなとでも言ってくれればまだ良かった。

 

願望。それは綺麗でもあり醜くもあるモノ。

私の妹に対する願いはきっと醜く、妹の願いは綺麗なのだろう。

 

死とは救済である。

それを身をもって体感しそうになった。

 

そんな時に魔女が現れたの。

 

『お前は妹を殺して自分も後を追おうとしているな?やめろ。妹の記憶を消して調整してやる。お前が望む姉さん姉さんと呼びかける無邪気な妹にしてやる。』

 

『その代わり魔女になれ。私と同じ、3番目の魔女に。』

 

このときほど自分勝手がすぎると思ったことはない。突然やってきて勝手に解決しようとして私に仲間になれとそう言ってきた。ふざけるなと怒った。だけど、意味はなかった。

 

『魔女とは自由だ。お前もそう思ったから呪ったのだろう?自分のわがままで。魔女になれとは言ったが、お前は既に魔女なのだ。気負う必要はない。今までどおりに過ごし、たまに私の手伝いをしてくれればいい。』

 

こんな言葉を聞いてしまってはもう後戻りはできない。

なんて優しいのだろう。

なんて寛容なのだろう。

なんて素晴らしいのだろう。

 

人じゃない。魔女なら大丈夫だと思った。

裏も表もない。ただ自身の欲求のみに従う魔女ならばと。

 

そして空間の魔女になり、妹と仲良く暮らしている。

 

「なんか5分くらいぼ〜っとしてたけど大丈夫?お姉ちゃん。」

「ん、ああ大丈夫。ちょっと思い出に浸っていただけだから。」

「ならいいけど。」

 

私達の家の周囲にはおよそ10万の結界が張ってある。私達姉妹以外で自由に出入りできるのは星眼の魔女、お母さんのみ。

 

「ごめん。用事思い出したから出かけてくる。」

「いつものことじゃん。いいよ。いってらっしゃい。」

「行ってきます。」

 

さてと。

転移で人形の魔女の家に行く。

「あら、突然の来客かと思えばあなたでしたのね。空間の魔女。」

「あんたのほうこそ今までどこへ行っていたのよ。」

「素材集めに。おかげで完成しそうですわ。私だけのガンプラが!」

「ん?」

 

ちょっとまって何をいっているのかしらこの女。

 

「金属素材を錬成やら合成を繰り返し原作と同じ金属を生み出しそして究極のイチを作り上げた。私は人形の魔女。人形に限らず人の形であれば操れるんですの。」

「うん。それは知っているわ。でもおかしいでしょ。プラモデルじゃないわよそれ。」

「ええ。リアルスケールで作っていますので、プラモデルではありません。」

 

違うそうじゃない。プラスチックじゃなくて金属使うのはもうプラモって言わないのではないかと私は言いたいんだ。というかいまリアルスケールって…

 

「安心してください。核エンジンは積んでおりません。GNドライブ(太陽炉)を4個ほど積んでおりますが。」

「なんのために…」

「基礎的な機動力、エネルギー供給能力の上昇が目的ですがトランザムを使うときは2基のみの解放ですわ。」

「どこが安心できるのよそれ…」

 

こいつ戦争の火種作ったぞ。

 

「というかあんた今までどこにいたのよ。この家探し回ってもいなかったのだけれど。」

「それは秘密ですわ。まぁ地下にいたとだけ。」

 

お母さんを裏切ることはないだろうけれど隠し事が多い気がするのよね。この魔女。私は特に隠すことはない。どちらかといえば守るものがあるだけ。

 

「名前は決まってるの?」

「フォースGNドライブシステム搭載機(仮)って感じですわ。略してFGDSですわね。」

 

おそらく素体がダブルオークアンタであろうことはわかるのだが形がなんとなく歪だ。

 

「それで武装は?」

「クアンタムシステム以外はすべて再現し、追加でビットを100基ほど乗せていますわ。」

「はぁ…」

「何ですのそのため息は。」

「いや…なに…あほだなぁって。」

「なんですって?」

 

人形の魔女の並列思考数は300にも及ぶ。そして彼女自身が作った人形であれば同時に200動かすことができる。そのことをふまえると100というのは少ない。戦闘時思考に余裕を保つためでしょうけれど。なるほど、ビット追加したからそんなに形が歪なのか。

 

「強い主人公機にさらにマニュアル操作のビットが100加わるんでしょ?過剰戦力過ぎてアホって言ってんの。」

「果たしてそうでしょうか。」

「えっと?」

「現在地球は宇宙で囲まれている状況にあるんですの。」

 

なん…だと…。

正気?

 

「自分で確認されてください。今すぐに戦いが始まるわけではありません。それはもう遠くにいますので。お母様はとてもお強いですが全周囲警戒、対処というのは厳しいはずです。そこで4分の1だけでもと思い制作しました。」

「ELSではないのよね?」

「そこは安心してください。人形の魔女の名に誓ってELSではありませんわ。」

 

ならどうにかなるか。むしろ普通(?)の宇宙人であれば殲滅するだけで問題はない。というかどこに向かってんのよこの作品。

 

「ま、いいわ。後でお母さんに報告しておくけどいいかしら?」

「ええもちろんですわ。ところでお母様は今どこにいらっしゃるので?」

「異世界。」

「へ?」

「トータスっていう異世界。」

「大丈夫なんですの?」

「問題なさそうよ。」

「なら安心ですわ。私は追加の装備や機体を作るのでそちらはお任せします。」

 

さて確認しにいくとしますか。

一般人にそう気軽に行けるものじゃないと言われそうだが私は空間の魔女。たかだか宇宙空間はわけない。

 

「人間が行こうとしたら何年かかるかわからないわねこの距離。」

 

太陽系の外で発見したのだけれど人形の魔女はどうやって見つけたのかしら。

 

地球で言うところの空母みたいなものが数十隻。護衛艦であろうものがその数倍。最奥に戦艦枠であろう巨大艦が1つ。控えめに言ってやばいわね。現在地球へ向かってゆっくりと進行している。ちょっと大変だけど太陽系の周囲に結界を張っておきましょう。今の進行ペースなら半年、早くても3ヶ月後といったところかしら。まったく、異世界の次は宇宙だなんて馬鹿げてるわ。お母さんへの報告は来週行いましょう。時間の魔女を連れて行くことになっているから。

 

「まったく、本当にどうしてファンタジーにSFが加わっているのかしら。骨が折れそうね…」




星眼の魔女
まともな方ではあるがきっちり魔女なので人間的にはやべーやつ

星眼「なんかすまないな。うちの魔女共が。」
作者「お気になさらず。」


時間の魔女
痛覚が快感に変わる程度の能力を持っているため時間操作系の魔法使用時の副作用による強い頭痛で自慰する程度のやべーやつ。なお魔女になる前からやっていたことでありその時はリスカしてたりした。その結果回復魔法もめちゃくちゃ得意。

作者「学校でするのは流石にどうなの?」
時間「いーじゃんいーじゃん。テストの時に時間停止使うよりは健全でしょ?」
作者「そっすか。」


空間の魔女
妹大好きすぎて、なおかつ星眼の魔女の前だけ幼児退行して愛情を欲するやべーやつ。人間無理。死ねって感じ。

作者「ねえ空間の魔女。なんかしらんけどそこまで嫌う必要ある?」
空「うるさいわね。死ね。」


人形の魔女
魔女とは自由であるという文言を一番自由に行使している全ての元凶。人間は好き。なぜなら作った人形を買って愛してくれるから。本編で書いたように突飛なことしかしないため出禁になる可能性が一番ある。

作者「というかなんで君MS作っちゃってんの?自由すぎない?毒され過ぎだよ?二次創作でもやって良いことと悪いことあるんだよ?君のせいで続きが思いつかなくなったんだからね?」
人形「ガンプラは自由!ですわ!」


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原作:ドールズ・フロントライン
ドルフロのM200の二次創作がなかったので書いてみた話


最初はドールズフロントラインにでてくるM200のSSです。M200のキャラが掴めなくて断念。


「指揮官、今度の任務はどういうものでしょうか?」

「指揮官はやめてくれって何度も言ってるだろ?部隊として存在してるけど俺とお前の二人だけなんだぞ。」

「すみません。お兄さん。」

「・・・指揮官に比べたらマシなんだけどそれもやめてほしかったり。それで次の任務だが、休暇だ。」

「はい?」

「休暇だ休暇。あと学校に行けってさ。だから前線から3年くらい退くことになる。まぁ実質クビみたいなもんだろ。」

「私はどうなるのでしょうか?」

「上層部は機嫌がいいのか連れて行ってもいいってさ。ただしダミーは置いてけって。」

「それはとても景気がいい話です。それじゃあ私はお兄さんと離れ離れにならなくていいってことですね。」

「そうだな。今にして思えば俺ってまだ18だったわ。」

「そうなるとボクはどれくらいでしょうか・・・?16とかでしょうか。」

「いんや18でいいと思うぞ。お互い近くにいた方がいいだろうし。」

 

紆余曲折あって指揮官になったわけだが、実際のところスナイパーの相方のスポッターだった。

月給は安いし任務は辛いしでそこから解放されると言うのは感慨深い。

 

何よりずっと一緒だった相棒と一緒に居続けられるってのが大きい。他の退役していった軍人たちの中には銃がそばにないと寝られないとか、ふとした瞬間に視線を感じるせいで落ち着かないとか色々後遺症みたいなのがある。俺の場合は相棒がいなくなったらまずい。いつか別れないといけない日は来るんだろうけどそれまでは一緒にいたい。

 

「なぁ、M200。」

「なんでしょう。」

「いなくなったりしないでくれよ。」

「もちろんです。ボクでよければ、一緒にいます。」

 

〜〜〜〜〜

 

本部を離れてから数ヶ月。

前線から離れた穏やかな日常は俺の廃れた心を癒すには十分すぎるほどだった。

勉強は辛いけどな。

 

まず、M200の制服姿が可愛い。

恥ずかしがりながらも目の前でくるって回ってくれたんだぜ?これだけで生きる希望ができる。

 

次に飯がうまいよな。

レーションとかジャンクフードばっかりだったから和食とかイタリアンとか色々楽しんでる。飯が美味いだけで生活の質が向上するんだなぁって思うこの頃。

 

「できました。」

「よし。盛り付け手伝うよ。」

 

俺の希望通りM200と一緒に暮らしている。

一番驚いたのは彼女が料理ができることだ。ギターを弾けるのは知っていたが他にも特技があったとは。そういうのが知れて嬉しい。

 

「「いただきます。」」

 

うん。美味しい。

 

俺たちの通っている学校は可もなく不可もなくって感じだ。不良がいるわけでもないし、先生が飛び抜けてクソというわけでもない。勉強するのはあまり好きじゃないけれど任務に比べたら簡単だ。

 

「今週末どこか行く?」

「お兄さんの行きたいところならどこでもいいですよ。ああでも、もう一度水族館に行きたいですね。」

「よし。じゃあ水族館に行くことにしよう。」

 

というわけで今週末の予定決まり!

せっかくなので前回と違うところに行ってみよう。

 

「好きな魚とかいた?」

「魚…じゃないですけど、イルカが可愛かったです。」

「イルカか、いいじゃん。」

「そういうお兄さんは?」

「フグかな。フグのふくれっ面がなんとも。」

「ふふっ。変な人です。」

「なにおう!?」

 

 

残念ながらテレビは家にないので静かに黙々と食べるだけの時間がすぎる。毎日ほとんどずっと一緒にいるせいで話のネタがない。ずっと一緒にいるということに関しては5年前からずっと続いている。だからお互いのことはほとんど知ってる。知らないこともあったけどな。

 

最初は任務中でさえ恥ずかしがっていたけど、だんだん恐怖とかそういうので暖かさってのが欲しくなって一緒にくっついて寝るようになったし、部屋着だって当人が一番楽な格好をする程度には距離感が近い。俺はジャージ、M200はキャミソールとショーツって感じだ。

 

「平和っていいですね。」

「急にどうしたんだ?」

「ああいえ、ボク達人形は本来戦うための存在なのにこうして何事もなく暮らしていることが・・・ちょっと不思議に思っただけです。」

 

確かに言われてみればそりゃそうだ。グリフィンと言うPMCに所属し、敵対する組織や鉄血達と戦うのが仕事だった。今はこうして後方のさらに後ろ側にいるのだから不思議に感じるのも無理はない、か。

 

俺は別に人々を守るためとか金稼ぎのためとかそういうので動いてるわけじゃない。ただ、拾ってくれたグリフィンに対しての恩返しがしたくて部隊長をやっていた。遠距離狙撃による支援、指定された人物の狙撃、対物狙撃、索敵など。だから部隊が俺とM200しかいない。上層部からは追加の人形の配属を言われたが断った。一応ライフルタイプではあったけれどダミー含めればそれなりの数になるためなんのための少人数暗躍暗殺部隊なのかって話になる。自称だけどな。

 

社長とあって話したことがある。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

回想

 

 

俺が拾われて一定期間の研修を終え、無事に指揮官になることができた時のことだった。

その時指揮官としてどこかしらに配属されるんだろうなとばかり思っていて、割と張り切っていた。

 

「君には、M200を配属する。」

「了解しました。それで配属先はどこでしょうか?」

「どこでもない。」

「はい?」

 

なんて言ったこの社長。

 

「これからは主に敵の意識外からの支援射撃をしてもらう。基地によってライフルタイプの人形はいるだろうが別地点からの奇襲というような形になればいい。あくまでこれは実験だから気負う必要はない、と言いたいがしっかり任務をこなしてもらわなければ給料を出すことはできない。また、他ライバル組織、悪巧みをする組織等の重要人物の狙撃を依頼する可能性があることも重々承知してほしい。質問は?」

 

色々あるよ。色々あるけど一番聞かなくちゃいけないのは・・・

 

「・・・・配属先は?」

「ああ、言い忘れていたな。書面上は本部ということになっているがあちこちに飛び回ってもらうため本部にいる時間はほとんどないだろう。だから先ほどは、ないと言った。」

 

なるほど。

この社長に拾われた俺としては最前線だろうがなんだろうがやるつもりだった。

 

「なんだ。納得いってない顔だな。」

「いえ、自分の感情が独り歩きしていただけです。」

「そうか。じゃあここからはプライベートだ。言いたいことがあるなら言ってみろ。」

「最前線かどこかに配属されると思ってた。拍子抜けとでも言うんかな。」

「新人に最前線を任せられるわけがないだろう。せっかく獲得した地域を奪われたら刑罰どころじゃないぞ。」

「・・・わかった。ところでM200ってどこにいる?」

「お前の部屋で待機させてる。」

「何やってんだよおじさん・・・・」

「ここのトップだぞ?それに何かやましいものでもあるのか?」

「いや、ないけど。」

「じゃあいいだろ。さて、お開きだ。仕事があるからな。お前も覚悟しておけよ。」

 

 

回想終わり

〜〜〜〜〜

 

社長をクルーガーのおっさんって呼んだりおじさんって呼んだりする。無論プライベートに限る。それくらいの分別はつけるさ。俺が何日も飲まず食わずで彷徨っていたところを見つけて保護してくれた。その後孤児院に入れられて、ある程度成長した俺が会社を開いたと聞いて頑張って入社したという感じ。そこまで深い関係というわけでもない。が、浅いというわけでもない。なんとも言えない微妙な関係だと思い返すたびに思う。

 

ついでにM200との顔合わせも書いておこう。

 

〜〜〜〜〜

再び回想

 

 

俺は焦っていた。

別に薄い本とか違法薬物があるわけではない。

ただ単に部屋の片付けをしていなくてゴミが散らかりまくっていたからだ。会ったことすらない女の子に会う前から失望されることになる。それだけは嫌だった。同時におじさんの口ぶりからしてすでに部屋にいるのだから手遅れだということも頭の片隅で理解していた。

 

「M200!」

「ひゃ、ひゃい!」

「わ、悪い。驚かせるつもりはなかった。」

 

ああ、半分ではあるが部屋が綺麗になっている。

 

「部屋片付けてもらって申し訳ない。」

「気にしないでください、指揮官。ボクがやりたくてやったんですから。それに人形は指揮官の身の回りのお世話もするんです。」

 

え?そんな話は聞いたことないぞ。副官として事務作業なんかを手伝ってくれるという話なら別だが。

 

「えっと、とりあえず、ありがとう。俺も片付けるからさっさと終わらせよう。」

「はい。」

 

数十分後、片付けが終わった。

何もなくなったテーブルに椅子を二脚寄せる。冷蔵庫からお茶を取り出して注ぐ。

お互い向かい合って座って少し落ち着いたところで話を切り出す。

 

「じゃあ、改めて。俺は本日付で指揮官になったレイ・アレクサンダーだ。レイって呼んでほしい。」

「ボクはM200と言います。チェイテック社が開発したスナイパーライフルです。よろしくお願いします。指揮官。」

 

レイって呼んでほしいと言ったんだけどなぁ。

 

「疑問なんだけど、さっき言ってた指揮官の身の回りの世話ってのは・・・?」

「食事の用意や洗濯、夜のお世話もですね。」

「ちょっと待って。」

 

人形だからなんでもありってわけじゃないだろ!?

しかも、こんな小学生、中学生みたいな容姿の子にそんなことをさせるのは・・・。

待て俺。なんで想像した!?前言撤回ってレベルじゃないくらいに言ってることが支離滅裂だぞ。『なんでもありはない』とか言っておきながらその後に『させるのは・・・?』ってどう言うことだよ。いや、タイプだよ?めちゃくちゃ好みだよ。色素薄い感じとかちっちゃいのとか。でも指揮官としてありなのか?そう言うことって。職権濫用じゃない?

 

「どうかされましたか?指揮官。先ほどから唸られていますけど。」

「いや、気にしないでほしい。M200は自分の部屋ってあるの?」

「今日まではありました。ペアで動くのだから同じ部屋で過ごして信頼を高め合え。とクルーガー社長に言われたので今からこの部屋に住むと言うことです。」

 

なんてこった。

ベットは一つしかないし部屋自体もそこまで大きくない。

 

「荷物とかは?」

「まだ前の部屋に置いてます。今日はもう遅いので明日運ぼうかなと。」

「了解。俺も手伝うよ。」

「指揮官なのですから手伝う必要はないですよ。」

「いや、今日俺の部屋の片付けしてくれたじゃん。それのお礼。」

「ですが…」

「気にすんなって。ところで夜のお世話云々は誰から聞いたの?」

「…他の人形からです。間違いでしたか?」

「うん。」

「そんな…。すみません。私がやるべきことに関して色々と教えてください。」

「わかった。時間はたっぷりあるし。」

 

回想終了




オリ主とM200がお互いに少しだけ依存してる感じのものを書きたかった。回想後の展開は一応考えていました。そして書きかけでしたが消したので書くことができれば続きを出そうかな。こうして一応投稿するという形をとり、これで終わりってのはうーん。と思ったのが理由です。


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原作:とある魔術の禁書目録
レッサーの二次創作が見当たらなかったのでヒロインとして書いてみた話


これに関しては没というわけではないのです。とあるの色々を把握するのが大変だったのでちょっと置いとこうってしてたら時間経って熱が冷めたという感じ。なので再燃すれば続きを書く可能性はあります。

タイトルは「とある魔法な万物消去」


「おいレッサー。なんで学園都市にいる。」

「そりゃ愛しの貴方を追っかけて来たんですよ!」

「お前魔術サイドの人間だろうが!」

「関係ナッシング!」

「どうすんだよお前が暗部に補足されたら。」

「そのときはちゃんと逃げますよ。私って新たなる光の中で最強なんですよ!」

「あっそう。」

 

 こちとら学園都市第一位を知ってるからどっかの組織の一位ってだけじゃインパクトが少ない。ちなみにレッサーは俺がイギリス観光(笑)に行ったときに知り合った少女で中学生らしい。小さいのに色仕掛けなんてしてくるもんだからなんだこいつって思ったよ。

 

「私の初めてを奪ったのに…なんでそんなに塩対応なんですか。」

「初めてっつうけどお前が勝手にパンツ見せてきただけだろうが。」

「でも能力で消す必要はないですよね!?おかげであなた以外のお嫁さんに行けません。」

 

 俺は学園都市のレベル4、万物消去だ。だからその能力を使ってパンツを消してやった。無駄に赤の扇情的なのをはいてたのが気に食わなくてやった。目の保養にはなったわ。

 

「おかげで帰るときずっとスースーしてたんですからね。」

「つかお前、ここ公共交通機関。電車の中で他にも客がいるだろ。視線が痛い。」

「というわけで買い物に付き合ってください。代金はあなた持ちです。」

 

 ようはあのときの弁償をしろってことか。まぁそのくらいなら。

 

「しょうがない。何でもは買わないからな?」

「安心してください。そこらへんは弁えてます。」

 

 そういうわけでデパートに来た俺達。買い物に付き合うことを了承した手前文句は言えないんだが、

 

「なんでよりにもよって最初が女性下着の店なんだよ。」

「貴方が消したからです。」

 

 それ言われると言い返せないんだよ。

 

「そういえば他の連中は元気か?」

「ええ、元気ですよ。そんなことよりこれどうですか?」

「…自分の年齢わかってる?」

 

 明らかに中学生が着るやつじゃない。いわゆる紐パンだった。黒地に白のレースがついた上品なやつ。いやまぁレッサーが履くのは本人の勝手なんだろうがなんで俺に見せに来る。

 

「まんざらでもないんじゃないですか?それとも私が履いてるの想像しちゃいました?」

「………」

「沈黙は肯定ですよ。」

 

 こんなところに来て想像しない男とかいないだろ。レッサーはなんかずれてる?ところもあるが容姿はいいんだ。どっかの第3位より将来性ありそうだし。

 

「じゃあ次はこれです!」

「……………隠せてないぞ。」

 

 逆に際立たせるあのエロい下着。下着とか言っておきながら隠す気のないわけわかんねぇやつ。仕方ねぇ。これなら俺が選んだほうがマシか?社会的に死ぬかもしれんが。

 

「これはどうだ?」

「うぇ?えっそっそういうのが趣味なんですか?」

 

 ネグリジェとかベビードール。

 

「そうだが?…あれ?俺やばくね?通報されないよね?」

「じゃ、じゃあそれにします。」

「いいのか?」

「はい…」

 

 なんだこいつ。さっきまで元気だったのに。

 

「ついでだ。お前が持ってきてた3着も買ってやる。」

「マジですか!?」

「マジだ。というか早く出ようぜ。店員の生暖かい視線が俺の精神に深々と突き刺さってる。」

 

 財布を持ってるのは俺なので会計は俺がすることになるんだが…なんで女性下着店で俺が会計してるんだ?

 

「あの…彼女さんですよね?」

「え…スゥー、まあ、はい。」

 

 あんなやりとりしておいて彼女じゃなかったら通報されそう。彼女じゃないけど。

 

「仲がいいんですね!お会計は1万5千円になります。」

「カードで。」

「わかりました。彼女さん、大事にしてあげてくださいね!またのご利用お待ちしてます!」

 

 待つなよ。

 

「次はどこ行く?」

「そうですね。お昼ごはんでも食べましょう。」

「了解。…ん?」

「どうしたんですか?」

「なにか違和感を感じてな。」

 

 気のせいならいいんだが。まぁ俺もレッサーも簡単には死ぬほどヤワじゃないから気にしなくてもいいか。

 

「適当にファミレスでいいか?」

「いいですよ。」

 

 そういえばこいつ学園都市にいるけどどうやって入ったんだ?

 

「あ、その目は私がどうやって学園都市に来たか聞きたいって目です。言ってしまえば魔術でちょちょいのちょいって感じです。」

「寝る場所はどうすんだよ。」

「一応セーフティハウスは確保したのでそこで生活しようかなと。」

 

 はぁ…不法侵入だからホテルもとれないか。金もかかるし。

 

「俺んちに来い。部屋なら余ってる。」

「え…あの…いいんですか?」

「単純に友人を見捨てられないだけだ。」

 

 やましい気持ちなんてこれっぽっちも…ちょっとだけあるかも。てかイギリス行ったときもこいつの部屋で寝泊まりしてたし今更みたいなところあるな。よし、開き直るか。

 

『お客様にご案内申し上げます。店内にて電気系統のトラブルが発生したため誠に勝手ながら本日の営業は終了させていただきます。』

 

 タイミングがいいのか悪いのか。ちょうど出るところだった俺達は別にいいんだけどな。

 

「なーんかあれだな。ちょっと店内見て回るか。」

「急にどうしたんですか?」

「いやぁ悪い悪い。さっきの違和感の正体にようやく感づいたんだよ。」

 

 俺の能力の万物消去は何でも消すことができる。俺にかかる重力を消してみたりしたことがあるから目に見えない力の流れとかも多少観測できる。最近虚空爆破事件が起きていてようやく合点がいった。一時的に重力子が加速したんだよ。ここで。つまり爆弾がここにあるのと同義。

 

「科学に詳しくない人間に説明するのは骨が折れるから簡潔に言うとこの店に爆弾がある。」

「学園都市って物騒すぎませんか?」

「わりとよくあるぞ。能力者どうしの喧嘩も探せばどこかでやってるだろ。」

 

 爆弾とは言ったが実際に爆弾のような見た目をしているわけでないだろうな。どうせ能力者だ。

 

「私も武装したほうがいいですか?」

「いや、やめておいてくれ。科学サイドに魔術を知られるのはマズイ。」

「一応簡易ですけど防御礼装だけ起動しておきます。」

 

 さてどこにあるかな。

 

「なんかここまで人がいなくなると終末世界を二人で探索してる気分です。」

「やだなぁ。終わった世界とか。」

 

 そんなのなんの価値もない。

 

「それに、絶対に死なない人間はいるだろ。」

「えー?なんですかその化け物。」

 

 ん?あの腕章はジャッジメント?いつもは遅いくせに。今回は居合わせたとかそんなところか?

 

「おねーちゃーん!」

 

 なんだあのカエルのぬいぐるみ。可愛くもなんともないぞ。ってかあれだろ爆弾!俺の勘がそう言ってる。お?なんか収束し始めたぞ。

 

 

「逃げてください!あれが爆弾です!」

「消えろ。」

 

 つーか超電磁砲お前土壇場でドジってんじゃねーよ。

 

「よし。誰も怪我はないな。」

「なんていうんですかこういうの。即オチ2コマ…いや即処理2コマ?」

「あれ?ぬいぐるみは?」

「俺が消した。あ、君その腕章ジャッジメントでしょ?説明よろしくね?バンクでレベル4の万物消去で検索したら出てくるはずだから。」

 

 うーん危うく全員死ぬところだったな。まだ発動の兆候はなかったものの爆発する前に処理できたに越したことはない。

 

「ところで犯人はどこにいる?」

「心あたりあるから私行ってくる!」

 

 慌ただしいなぁ。超電磁砲。

 

「よう。上条。」

「決死の覚悟で間に入ろうとした上条さんの覚悟を返してください。」

「そう言うなって。お前物理だったらどうすんだよ。死ぬぞ。お前が。」

 

 上条当麻。おそらく世界で一番不幸な学生。トレードマークはツンツン頭で得意なのは男女平等右ストレート。幻想殺しってずるいよね。異能限定とはいえなんでもかんでも打ち消すんだから。

 

「ところでちゃんと勉強してるか?補修とかなってないよな?」

「え、と、その・・・」

 

 俺は上条の隣のクラスだ。青髪ピアスと土御門とは関係はないが上条とはなんかよく出会うからそこそこ仲良くなった。

 

「はぁ。じゃあな上条がんばれ。レッサー帰るぞ。」

「いいんですか?放置で。」

「今回の件はこれ以上俺がでしゃばる必要はないだろ。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「おおー。ここが貴方のおうちですか。いいところ住んでますね。」

「一応稼いでるから。」

「それは裏の仕事ってやつですかね?」

「そうそう。大体は魔術師殺せっていう依頼なんだよ。」

「え、私対象じゃないですか。」

「安心しろ。依頼があった時しか動いてないし、お前に関しては断るさ。」

 

 なんで友人を殺さないといけないんだ。

 

「やっぱり多いんですか?魔術師の不法侵入。」

「みたいだぞ。最近はガードがそこまで硬くないとか言ってるやついたな。っとこの部屋使ってくれ。」

「わかりました。」

 

 ちなみに高層マンションの上のほう。一人あたり百万から取引に応じてるんでそれなりに貯金がある。都市外に遠征するときはプラスアルファを請求している。魔術師連中からしたら摩訶不思議でしかないだろう。おそらく能力で消されたというのはわかるだろうけどどんな能力でどうやったのかはわからないはずだ。それに死体も何も残らないからな。失踪したとか考える人間もいるかもしれない。

 

 俺の裏の世界の立場的には木原脳幹の部下ということになってる。たまに統括理事長の依頼が先生経由で来ることも。先生とは数か月に一回程度しか会わない。先生が俺に干渉する気がないし俺も好んで先生に会いたいと思わない。なにせ先生はあの木原なのだから。

 

 理解の出来ない領域に対する安全便。つまり魔術を撃滅するための存在。ごく一部ではあるが俺がそれを担ってるということでもある。

 

「あのーシャワー浴びていいですか?」

「好きに使え。」

「はーい。」

 

 ところであいつに男に連れこまれたという感覚は有るのだろうか。いや襲ったりなんてしないけど少し心配になるというか。

 まあいいや。

 

「最悪レッサーと一緒に学園都市から逃げるか。」

 

 逃げ切れるかは別として。




まぁなんて言うんですか。続きを書くことができてないのは結局のところ今の状況で進行すると色々な部分で破綻がおきそうでそれに気づいてるっていうのが一番の理由なんじゃないかなと思います。あ、あと食蜂もヒロインにしようとしてねじ込もうとしたのが行けなかったかな?それは割とすぐに廃案になりましたが。

オリジナルの話を絡めつつも4話あるんすよ。きりの良いところまで書きたいなと思いつつもモチベ無いって状況なんでここに送られることになりました。


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レッサーの二次創作が見当たらなかったのでヒロインとして書いてみた話2

2話です


「法の書ねぇ。さすが魔術サイド。よくわからない本に随分とご執心なようで。」

「魔術サイドの人間が聞いたら、特にローマ正教が聞いたらブチ切れますよそのセリフ。」

「だって事実だろ?」

「たしかに私もそこまで興味はありませんが…」

 

 レッサー曰く法の書っていう魔術的に超大事なものが盗まれた挙げ句それが日本に持ち込まれたとかなんとか。どこからそんな情報仕入れてるんだ。

 

「貴方のところに何かしらの依頼って来てないんですか?」

「来てないよ。金はあるからいいけどここ何週間か依頼が来てないから暇なんだ。」

 

 それはそれで平和だからいいんだけど。俺も好んで人間消してるわけじゃないしな。

 

「ところでぇ、私の格好に何か言及しないんですか?」

 

 クルリとその場で回って見せるレッサー。可愛い。が、しかしだ。

 

「お前なんで裸エプロン(水着着用)なんだよ。」

「え!?…ぇ、えと…その…裸は恥ずかしいっていうか…」

「ちげーよ服着ろ服。可愛いのはわかってるんだから。なんでお前は少し倫理観というかそこらへんがどっか行ってるんだ。」

「むぅ…」

 

 ふくれっ面されても困るんだが?

 

「それで話の続きなんですけど。」

 

 ちゃんと服を着てきたレッサーはお菓子を取り出しながら話し出す。

 

「解決したみたいですよ。」

「すっ飛ばしすぎだろ。」

「実際のところ法の書が盗まれたのは嘘。ある組織を潰そうとして失敗して返り討ちにあったとか。ローマ正教の連中ザマァって感じです。」

 

 なんかローマ正教に対するヘイトが高くないか?

 

「誰がやったんだ?」

「イギリス清教ネセサリウス所属ステイル・マグヌス。同じく禁書目録。天草式十字凄教。そして学園都市在住の上条当麻。」

「は?」

「いやーなんかおかしいですよね?気づきますよね?そりゃ。」

 

 あの野郎勉強せずに何やってんだ。ついこの間も姫神の件だったりゴーレムの件で関わってたはずだ。把握してない事件で関係してたことのほうが多そうだな…。どれだけお人好しなんだアイツは。

 

「現在魔術サイドは上条当麻を警戒しています。特にローマ正教です。」

「ここでローマかよ。」

「アイツら表はすごくキレイなんですけど裏が汚すぎるんですよ。というかそもそも自分たちの教義以外正しくないとして排除する連中です。」

「宗教こっわ。」

 

 そりゃ俺や先生みたいな戦力が用意されるわけだ。魔術とかいう理解しきれないものを使うとはいえ所詮は人間。効果的に殺せるならそれに越したことはないか。先生のあの兵器は飛び抜けてヤバいしな。それに学園都市の戦力は能力者だけじゃなくロボットもだ。毎年その関連の戦車やらなんやらの展覧会を行っているが絶対にそれを超える戦力をある程度整えてるはずだ。もしかすると世界を敵に回しても戦えるかもしれない。

 

「学園都市の戦力を調べてみた限りだと魔術サイドに対してそこまで優位には感じないんですが調べらなかった場所がかなりあるので最低でも五分五分だと見てます。」

「7対3だな。」

「どうしてですか?」

「あくまで俺の推測でしかない。」

 

 流石に先生のA.A.A.は話せないけど。話したところでどうにかなる兵器でもないんだけどさ。

 

「学園都市内で戦うのならこっちが有利だ。レベル5にアンチスキル。金次第じゃスキルアウトも動いてくれるだろうさ。統括理事長が魔術に対して何の対策を設けてないはずがないし、俺もいる。俺の知らない高性能戦闘ロボットもあるはずだ。なんなら街を要塞化するのもできなくはないだろうし。」

 

 今度先生のところに行って武器の相談するか。戦争に備えておいて損はないからな。

 

「上条当麻は戦力ではないと?」

「そりゃアイツは右手が特殊なだけの無能力者だ。前線で戦える力はない。」

 

 それに、俺の予感なんだけど魔術サイドってくくりで一致団結して戦争を仕掛けてくるってことは起きないと思う。現時点で仲悪いのに、手柄の取り合いとか同士討ちとか起きそうじゃん。あまりにも世界が広いからなぁ。

 

「そろそろお昼ですね。堅苦しい話はここまでにしましょうか。」

「ん。で、昼ごはんどうする?出前でも頼むか?」

「あ、作ってもいいですか?」

「レッサーって料理できたのか…ってか冷蔵庫のなかは飲み物しか入ってなかったと思うんだけど。」

「ちゃんと買ってますよ。」

「そういうことなら頼もうかな。」

 

 レッサーって料理できたのか(大事なことだからry)。

 さっきの裸エプロンのエプロンを着て(ちゃんと服着てる)鼻歌じりに料理を始めたレッサー。ご飯作りに来てくれる後輩っていうより新妻みたいな雰囲気出てるのなんでなんだ。待てよ…?レッサーの出身ってイギリスだったよな。イギリスといえばメシマズだろ?今日の午後生きてるかな…。流石にアニメみたいな暗黒物質だったり毒物だったりじゃないだろうから死にはしないだろうけど不安は消えない。

 キッチンから香る匂いはとても美味しそうな感じ。これは期待できそうだ。

 そして完成したのは…

 

「オムライスです。」

「おう。」

 

 見るからにふわふわな卵にデカデカとケチャップでハートマークが描かれている。

 

「いただきます。」

 

 こっこれは!?

 

「美味すぎる!」

「えへへ〜頑張った甲斐があります。」

 

 この味とこの完成度…並大抵の努力じゃ到達し得ないぞ。いろんな意味でレッサーは中学生なのか!?普段の言動といい料理スキルといい魔術の腕といいなんでこうもスペックが高いんだレッサーは!

 

「金は出す。皿洗いもやろう。ご飯作ってくれ。」

「にゃ!?」

 

 なんというかこう・・・お袋の味じゃないけど手料理の暖かさっていうのかな。柄にもなくそういうのを感じてしまった。学園都市外で生活してる両親元気かな?息子はいろいろ汚れてしまったけれど元気に生きてます。

 

「こ、これからも末永くよろしくお願いします…?」

 

 もしかして味噌汁作ってくれ的なアレだと勘違いしちゃった…?いや、勘違いというか俺が言ったことって実際そのとおりなわけで。

 

 なんだこれちょっと気まずい。告白するならもうちょっとシチュエーション整えたかったんだがあまりの美味さに俺の頭のネジが吹っ飛んだんだよきっと。

 

「よろしく。レッサー。」

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜レッサーside〜

 

『金は出す。皿洗いもやろう。ご飯作ってくれ。』

『にゃ!?』

 

 それはそれはもう驚きました。色々焦って感情がこんがらがってわけがわからなくなってしまって。

 

『こ、これからも末永くよろしくお願いします…?』

 

 こんな事を口走ってしまうくらいには動揺しました。日本の告白の婉曲表現の味噌汁のアレだと思ったんですよ。

 

 そ、そりゃ色仕掛け的なことはたくさんしてますから嫌いなわけないじゃないですか。好きでもない男性にしませんよ!?本当ですからね?

 

 そしてですよ!返答がまさかの…

 

『よろしく。レッサー。』

 

 なんですよ!?なんか成立しちゃいましたよ!私達恋人になりました!

 

 うう…純粋な乙女としてもうちょっとロマンチックなシーンが良かったのです。でも私のオムライスが発端なのでそれはそれで悪い気はしません。

 

「うあぁぁぁ…」

 

 個室もらえてよかったです。きっと今の私は耳まで熟れた林檎のように真っ赤になりながら、パジャマでベットの上をゴロゴロと悶ているので到底見せられる姿じゃないです。

 

 サラッと可愛いとか言ったり…色仕掛けに反応してないようでしてるし…塩対応すぎるとちょっとムッとしますけどね。

 

 もっといろんな料理作れるよう練習しましょう!なんなら家事とかも勉強しちゃいましょう。ええ、新たなる光で最強なんですからなんだってできるはずです!

 

 どうしましょうか。応援してくれていたベイローフたちに報告すべきですかね?あーでもでもなんだかいじられそうな気がします。も、もうちょっと仲が進展してからということにしましょう。

 

「ずるいですよホントに。」

 

〜レッサーside out 〜

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 やってしまった。いや何も悪いことはしてないけどやってしまったという感情になっている。改めて冷静に考えると結構大胆だった。

 

 科学が数歩、いや数十歩進んでいる学園都市とはいえ、いい感じのスポットは幾つもある。観光地だってあるし行事もある。裏がどす黒いだけで上澄みはちゃんと綺麗なんだよ。

 

「朝どういう感情で顔合わせりゃいいんだよ。」

 

 好きだぜ?可愛いし強いし、ちょっとうっかりな部分もあるけど問題ないレベルだ。デート用に色々調べておくか。俺自身が言ってみたい場所もあるし。

 

 ヤッちまったわけじゃないから気楽に行けばいいのか?関係が一歩進んだだけでこんなに感情が荒ぶるとは思わなかった。

 

 裏の世界の人間だからなんでも経験済みとか思うなよっ!

 

 いやほんと。

 大切な存在っていうのは、色々な意味で大きすぎるよ。




昔学校で小説読んだのとアニメがあるからどうにかなるだろって思ってた時期がありました。小説はオティヌス編のところしか買ってないです。レッサーも好きですけどそれよりもっとオティヌスのほうが好きなので。


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レッサーの二次創作が見当たらなかったのでヒロインとして書いてみた話3

 魔術を使うことができる。でもそれは一回きり。しかも発動できるかどうか怪しい。だけどそれを“消す”ことができたなら?その限りでもない、というわけらしい。

 

「だからこそ君に縮小版ではあるものの、君用に調整したこのA.A.A.を贈ると言っている。」

「以前原理は聞いたがほとんど理解できないものだったぞ先生。」

「なに、すぐに使えるようになる。というわけで実践訓練といこうじゃないか。私のような存在でも扱えるんだ。番外(JOKER)という特殊な存在が使えないわけないだろう?」

 

 なんてことをほざきやがるゴールデンレトリバー(先生)。武器の相談をしにきたらいきなり最終兵器みたいなものを渡された。

 

「武装量の差で負けるだろこれ!?」

「おいおい、魔法とでも言うべき君自身の異能を忘れてしまったのか?」

「ッ!?」

 

 つまり魔術を能力者が使うことで発生するデメリットを消しつつ、なおかつ空中高機動戦闘で相手の様々な攻撃を消しながら戦うということか。

 俺は先生みたいに頭の回転早くないぞ!並列思考も得意なわけじゃない。

 

「さあ、受験勉強だ。みっちり教え込んであげよう。」

「お、お手柔らかに…」

 

 

 

 

 そして一週間。ずっと戦っていた。ちゃんと休む時はあったけど、疲労は全く解消していない。

 

 待機時、腕時計になっている。二人乗り可能なバイクやキャリケースなどにももちろん変形可能。武装として超電磁砲式狙撃砲が2門。同じく超電磁砲式ガトリング砲が一つ。マイクロミサイルが164門。高周波ブレードとショットガンがそれぞれ2つずつ。以上が武装だ。あとは電波のジャミングであったり、ジャミングを無効化するためのアンチジャミング機能もある。

 

 本家はマイクロウェーブだったりチェーンソーだったりもうわけわからんくらい武装がある。正直、パイルバンカー欲しい。ロマンだ。

 

「ふむ。これくらいやっておけばアレイスターが相手でもそこそこ戦えるだろう。」

「なんで統括理事長が相手になるんだ?」

「可能性があるとだけ覚えておけばいい。」

 

 そういえばレッサー何してるんだろう。睡眠前にメールでやり取りはしていたが仕事とやらが入ってイギリスに帰っている。

 

「魔術サイドの彼女のことが気になるのか?」

「なんそれを…」

「彼女はIDを持っていない。」

「チッ…」

「何を勘違いしているのかは知らないが愛する女に会いに行くのだろう?早く行き給え。」

 

 何を考えているのかは検討もつかないが言葉に甘えさせてもらおう。レッサーに会いに行きたいが、今の俺の肉体は連日の戦闘で疲弊しきっているので数日休むことにする。

 

「全く、私も木原であるとはいえ、義理の息子の恋人を殺す程落ちぶれてはいないんだがね。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 今はイギリスに向かって飛行機で飛んでいる。疲労が抜けきるまで実に1週間かかった。かなりタイムロスしたとはいえ逆にタイミングがよかったかもしれない。レッサー達がそろそろ動き始める頃だろうから。

 

 詳細は知らされちゃいない。何をやろうとしているかも知らないが準備期間としては十分だろう。俺は単純にレッサーと、新たなる光のメンバーに会いに行くだけ。その過程でどんな事件に巻き込まれるのかは少し楽しみではある。

 

 ん?あのツンツン頭は上条だな?なんであの貧乏学生がこんなところに。まあいいや。

 

 さて、イギリス観光をしたくはあるんだがいかんせん魔術師殺害の依頼もついでで貰ってきている。まずはそいつらの始末をしてからだ。

 

「あっちか。」

 

 俺が何故レベル5ではないのかについて話しておこうと思う。理由は思いの外単純で、消すこと以外能がないやつにどんな価値がある?ということらしい。戦闘面で考えたらレベル5の第3位並らしいので微妙な感じだ。第2位は封殺できるけど。第1位は無理だろうな。

 

 俺の消去は、いわば分解みたいなもんだ。なんでも素粒子レベルまで分解する。目で視て解析してってな感じの処理が俺の無意識下で行われている。物理相手であれば点でも面でも消すことができる。解析できなければ消去ができないわけでもない。そこに存在するものを無条件に消し去るというふうに処理形態を変えれば魔術だろうが未元物質だろうが消し去れる。クソほど頭使うからきついけど。ベクトルは無理。目に見えないから。というかそもそも第一位と俺とじゃ計算速度が違いすぎる。脳に損傷を受けて弱体化したらしいが好んで戦おうなんざ思わないさ。

 

「んーどれもまだ出てない芽にすぎない魔術師だな。上条当麻に関連する魔術師はリストにないか。」

 

 上条当麻は不幸でありながらも死ぬことはほとんどない。ほとんどという言い方をするのは間違っているだろうが、一度記憶をなくしているという点で一度死んでいるとすればほとんどないという表現になるのは納得してもらえるかな?実はわりとどうでもいいんだけど。

 

 不幸だ不幸だと言っておきながら、手の届く人間を救っている。間接的に人類を救ったりもしている。敵であった人間でさえも。

 

 俺としては敵は殲滅するほうが憂いが残らないで済むから楽だと思うんだが、上条は右手が武器だから殺すことはないんだろう。俺に殺人への忌避感が残っていたのなら、意識という概念を消すことができるように能力開発をしていただろうさ。

 

「まずは一人目。もったいないよなぁ。女優にでもなれそうなルックスの良さなのに。どうしてオカルトに踏み込んじまったんだか。」

 

 酔い潰れて眠っていたのか、抵抗もなく消すことができた。路地裏で寝るなんて不用心がすぎるだろ。

 

 えーとクトゥルフ関連の魔術を使うらしい。えっと、馬鹿なの?俺も魔術を消すためにいろいろな知識を身に着けたんだが、クトゥルフはヤバい。この世の外側に位置する神の力を借りようとするなんて発狂するに決まっている。

 

 昼飯のお時間です。と、言ってもイギリスはメシマズで有名。美味いところはちゃんと美味いのは確かなんだけどね…ありふれているフィッシュアンドチップスで済ませるか、有名ハンバーガーチェーンで済ませたほうが無難だ。せっかくイギリスに来たのでフィッシュアンドチップスを食べる。前回来たときも食べたんだけどね。

 

『お、アンタ日本からかい?』

『そうだよ。』

『学園都市っていうすげー科学が進展した街があるらしいじゃん。どう思うよ?』

 

 好きといえば好きだけど闇が多すぎるからなぁ。

 

『クソッタレな街だよ。』

『へっ、そうかい。んじゃ話に付き合ってくれた礼だ。少しおまけしてやる。』

 

 1.3倍くらいに増えたな。少しじゃない。食べきれるかちょっと不安だ。イギリス観光楽しめよーって送り出してくれたあのおっちゃんの店にはもう一度行こう。

 

 学園都市って閉鎖されすぎてて外側の情報があまり手に入らないんだよな。必要ないくらいには発展してて余裕があるんだけど、そのせいで闇が深くなってるんじゃないかと思う。風通しが良くないとでも言ったらいいか。アンチスキルでさえ対処できていない問題が多々あるから警察とかがでしゃばっても意味はないけれどね。自衛隊くらいじゃないかな。

 

「消せない…本?」

 

 正しくは一度消している、はずだ。まさか…魔導書?おいおい俺の専門外じゃねーか。電話するか。

 

「こちらイギリス清教です。」

「学園都市の万物消去って言えば通じるか?」

「ああ、あの。どのようなご用件でしょうか。」

「魔導書らしきものを発見した。流石に俺では対処できないからそっちで対応してくれ。」

「なんとまあ。わかりました。そちらに人員を向かわせます。」

 

 んじゃあとは任せて次に行くか。少し前にイギリス清教と学園都市は手を結んだ。そのおかげか裏の世界にいる俺は色々なところから注目されているらしい。幻想殺しに似たナニカ、とかなんとか。幻想殺しで全部解決できるなら、アイツならとっくにやってるだろうさ。確かに俺はなんでもかんでも消すことができるが、知識があるからこそできる。触れれば異能をなんでも殺せるあの右手と、触れずとも理解さえしてしまえば消せる俺の能力、どっちが強いだろうな?

 

 ちなみに俺は上条を消すことができない。右手以外の場所を指定してもなぜかうまくいかない。ちなみに試しにやったのは髪の毛だ。問題ないだろ? もし上条を殺せと言われてもやる気はないし、もしやるなら物理で戦うさ。A.A.A.を使ったりとかな。

 

「しっかし昨日からレッサーとは連絡がつかない。新たなる光はそこまで厳しい組織じゃないんだが・・・どっちかっていうと部活とかサークルみたいなものだからな。仕事中なら仕方ないのか。」

 

 さて、残り一人だが殺さなくてもいい人間っぽいんだ。植物関係の魔術を使っているらしい。それで農作物を育てたりして販売しているとか。促成栽培みたいなものだろう。

 

『こんにちは。』

『あら、こんにちは。観光の方かしら?』

『そんなところです。』

 

 ターゲットと接触。しばらく様子見をするつもり。殺害の期限は設けられていないから。

 

『でも、どうしてこんな田舎に?周りは畑しかないわ。』

『日本じゃ見れない景色なので一度見てみたいと思いまして。』

 

 日本は畑もあるけど田んぼの方が多い印象。学園都市に住んでいるので詳しくは知らないけど。

 

『まあ、そんな遠くから。お一人で?』

『一応、イギリスは二回目ですけどね。』

『そう。ゆっくりしていくといいわ。私は畑に出るから何かあったら呼んでね。』

 

 とりあえずベンチに座って休憩する。道端にポツンとおいてある手作りだと思われるベンチ。少しギシギシという音はするが問題はない。

 

 今のところ彼女は優しいお姉さんという印象だ。お姉さんといっても30はあるらしい。年齢と見た目が比例していないな。

 

「本場なだけあって苦手な俺でも飲める。」

 

 彼女が持ってきてくれた冷えている紅茶だ。毒は入ってないと思う。味の良し悪しはわからないが俺が飲めるということはそれなりに良い茶葉を使っているんじゃないか?知らんけど。

 

 日は出ているが日本ほど湿度は高くないし、日本よりも緯度が高いおかげか涼しいまである。こっちのほうが住みやすそうだな。

 

「レッサー探しに行くか。」

 

 小型カメラや盗聴器を数台設置して書き置きを残して後にする。

 

『お茶美味しかったです。』




流石に万物消去だけじゃ限界がすぐに来そうだったのでテコ入れ要員としてダンディなゴールデンレトリーバー先生に頑張ってもらいました。なかなか無理があるなーって思ったり。

PS.
四話完成してると思ってたんですがこの三つだけっぽいです。いつ消したんだろう。なのでまた数ヶ月後に会いましょう。それでは。


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原作:Re:ゼロから始める異世界生活
エキドナが可愛いのでエキドナと百合するのを書いてみたかった話


リゼロです。
なお百合はない模様。
これを書く前の、いわばプロトタイプみたいなもので2000文字ほどのボツがあります。矛盾があったりエキドナ長文を書こうとして敗北しました。


「初めまして。ボクは『強欲の魔女』エキドナ。たいそうな肩書きがあるけれどエキドナって呼んでほしい。」

 

「初めまして、ですけど厄介ごとでしかねー気がするんですよ。まあ、自己紹介されたからにはしないといけませんね。私は猫城月海(ねこじょうるう)です。」

 

 

『Re:ゼロから始める異世界生活』の世界に来てしまった元退魔少女です。動画投稿サイトにて目の前にいる女性の長台詞だけ知ってるんですよ。だからやばいってわかります。目の前の存在がどんなものなのか。なんとなくですけど。

 

 

「君のその目はボクを正しく脅威と認識している目だ。嫉妬の魔女以外の魔女を知っている人物はごく少数だと思っていたけれどまさかその中に君がいるとはね。この世界について全くもって無知でありそうな君が。」

 

「貴女も魔女と名乗る割には私を警戒しているようですね。その気になればいつでも殺すことができるだろうに。」

 

「やめておくれボクはちょっと好奇心と知識欲が強いだけのか弱い少女だよ?」

 

「そういうことにしておきましょう。じゃあその知識欲の権化に尋ねますが、この世界からどうしたら出られますか?」

 

「君が望めばすぐにでも可能だよ。」

 

「そうですか・・・」

 

「でも、他にも聞きたいことが山ほどある。そうだろう?」

 

「ええ。貴女が死んでいるのは魂を見ればわかります。それは何年前ですか?」

 

「魂が見れる人間は初めてだ。400年前だよ。」

 

「現在の常識なんかは聞けそうにないですね・・・。この世界における禁忌とかってありますか?」

 

「仕方ないだろう。私は神龍ボルカニカによって抑止力として留められているに過ぎない。ちなみに禁忌と関連していてね、嫉妬の魔女という忌々しい存在がいるのだけれどそれに対する抑止力だ。抑止力とするならセクメトの方がいいのだけれどボルカニカとの間に軋轢があったのが理由だろうね。嫉妬の魔女は、自分以外の『色欲』『憤怒』『傲慢』『怠惰』『暴食』そして『強欲』を殺し自分の糧とした。ボクは同じ魔女に対して親愛とも言える感情を持っていてなかはいいと思ってる。あちらがどう思っているかは別としてね。そんな友人たち含む自分を殺した相手にまで同じ感情を向けられると思うかい?無理だろう?だから、くれぐれも、間違ったとしても、ボクの前で嫉妬に関する話はしないでほしい。」

 

 

とんでもねー地雷引いたみたいなんですけど。警告で済んでいるのが幸いですね。

 

 

「わかりました。質問はこの程度です。貴女からも私に関する質問があるでしょう?今度は私が聞いて答える側に回りましょう。」

 

「おや、随分サービス精神がいいね。ボクが聞き始めたらとてもとても長いよ?」

 

「かまいません。私の肉体はまだ現実にはないようですから。」

 

「へぇ、そのことについても聞きたいけど、君はこの世界の人間ではないね?」

 

「ええ。そうです。」

 

「あっさりと認めるんだね。」

 

「否定して、下手に取り繕っても仕方ないでしょう。どんな世界か聞かれる前に答えると、1番の違いは魔女がいない世界です。魔女という概念はありますが貴女たちのような存在ではなかった。御伽噺とかの物語に出てくるキャラクターの一つでした。他にも強欲や怠惰といった七つの大罪もありましたが大体は宗教がらみです。」

 

「ますます聞きたいことが増えた。その前に、君自身について尋ねたい。そもそも魂が見えるという時点で一般人ではないのは明らか、君自身の素性を教えてほしい。」

 

「私は幽霊とか妖怪とかの化け物退治をやっていた人間です。その中でちょっと強かっただけです。」

 

「ちょっとという割には隙がなさすぎる気もするけど?」

 

「まあ・・・確かに、本家でぶっちぎりで次期当主に選ばれるくらいには強かったですけど」

 

「やっぱりね。つづけてくれ。」

 

「それでまぁ順調だったんですけど、そんな私を嫌った老害どもが馬鹿みたいに強いやつの封印を解きやがりまして私の命を代償に祓ったわけですけど、本当に強過ぎだろあいつ。」

 

「なかなか大変だったみたいだね。お茶でもどうだい?特別なものではないけれど。」

 

「魔女と呼ばれている存在が出すものを易々とは飲みませんよ。」

 

「警戒心が強い。まるで猫みたいだ。今の君みたいにね。」

 

「え?」

 

 

そう言われて色々触ってみて気づきました。猫耳と尻尾がありました。

ニャンということでしょう。

 

 

「その様子だと気づいてなかったみたいだね。残念ながら姿見は出せないけれどなかなか可愛いよ。」

 

 

ニヤニヤしながらこっち見てくるのなんかむかつきます。

気にしても仕方ないですねぇ・・・。

 

 

「じゃあ次の質問をさせてもらうよ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

この何もない青々しすぎる平原と、病的なまでに透き通った青い空。

お昼寝したくなりますが、それは許されない。だって魔女の茶会の真っ最中なのだから。太陽が動かないので何日たったかわからない。一日かもしれないし一年かもしれない。お互いに聞きたいことを聞いて聞かれて話して一生分の会話をした気分。たまに他の魔女さんたちも出てきて会話に参加した。

 

セクメトさんは思いの外お姉さん。ミネルヴァちゃんは気持ち悪い。ダフネは可愛い。テュフォンは無理。カーミラちゃんは膝にのっけておきたい。エキドナ?エキドナは親友みたいなもの。嫉妬さんは知らない。あとあってみたいのが虚飾の魔女。

 

ダフネに左目で見てもらったけどやばかった。気づいたら自分を食べてるからね。その後ミネルヴァにぶん殴られて事なきを得た。このときだけ感謝した。エキドナには『ほら見ろボクの言ったとおりじゃないか』って言われた。

 

このエキドナの空間において死ぬことはない。しかし精神が壊れる可能性はある。私にとってそれは些細な問題だった。理由はすでに壊れていたから。

 

壊れてもなお正常に動こうとするニンゲン。それが私。

自分で言うのもなんだけれど、力持っているということを除けば普通の少女だった。まぁ、それは誰だってそう。私は一度当主や引退した老人たち前で質問した。

 

『なぜ、私にこんなことをさせるのですか?彼らだって意思はあります。全てが害というわけではないのに、なぜ駆逐するのですか?私は、人殺しと同じだと思います。』

 

全部が全部に明確なものがあるわけじゃない。強い個体ほど明確なものを持っているっていうテンプレだけど。それでもそこにあったのだから。

 

そこからだった。

急に態度を変え、拘束し軟禁し必要なときだけ出す。

さらにエスカレートしていき、拷問を受けたり慰み物となった。あと、洗脳も。裸で吊るして晒されることもあったなぁ。大して発育も良くないのにアイツら興奮しやがって。ロリコンの多いこと多いこと。

 

そんなことされれば元々自分を押し殺していた少女が壊れるのも時間の問題でしょ?

 

それでも5年、15歳までどうにかこうにか生きて、学校にも通ってた。ニンゲンってのはそういうこと。

 

それでまぁ私が死んだ原因について。

()()()()()()()()()()()()()()使()()()

自分で自分を解放するために。

ちなみにもう一つ、同時に使った術があるよ。

それは私の専用武器の化け物化。

私自身は身体強化とかに特化していて武器が必須だった。その武器はどこかの山奥で見つけて来た二本の短剣になった。私以外が持つと死ぬのだとか。それで数年の間ずっと肌見放さず持っていた。化け物にする時、ごめんって心の中で謝ったら、気にするなって。もう、それだけで泣きそうになってさ、でもそこで意識は途絶えてるからその後どうなったかは知らない。多分、世界ごと滅んだんじゃないかな。

 

私が持っていた武器は、斬った相手の魂に作用して一部または全てを消去する。

 

それを増幅し暴走させたのだから誰にも止められない。

きっと私だって無理だろうし。

 

そんなこんなで私の一生だったよ。

大雑把すぎるって言われても、もうあんまり覚えていないんだ。だから求められても困る。

 

 

 

そして、私は新しく私になりました。

私の武器までセットで転生するとは思いませんでした。かっこよく見せようと思ってエキドナの前で構えてみたんですけど武器の性質を私が伝えていたためか、かなり微妙な顔をされました。あと顔にこっちに向けるなそんなものって書いてました。

 

この世界にきて『にゃーん』ってなっちゃいましたけど『にゃんにゃん』はしないのであしからず。

 

正直、終わりだって思っていたものがまだ続くとかいう前代未聞の事態で困惑するばかりで目標は何もない。生きる気力もないが、自殺する気にはなれない。

 

そうですねぇ。

猫の魔女、いや…魔女の猫を名乗るのもありかもしれません。全員が全員好きというわけではないので、括弧書きで『強欲の』って付け加えましょう。

 

 

「君はこれからどうするんだい?」

「まずは外に出ます。そこからはどうにかなるでしょう。」

「どうにかって・・・。一応心配しているのだよ?」

「わかってます。でも貴女が頼りになるわけでもない。じゃあ自分でどうにかするしかないじゃないですか。」

「痛いところをついてくる。じゃあせめて君の無事を祈るとしよう。また会う気もするけどね。」

「それはそれで面白そうです。その時はまたお話ししましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャージ、ですか。

 

「おじさん。リンガを一つください。」

「あいよ。嬢ちゃん、ほれ。毎度あり!ほら、にいちゃんこういうのがお客さんなんだよ。そんな訳わからねぇ金持ってねぇでどっかいけ。商売の邪魔だ!」

 

何度食べてもりんごですねこれ。いやまぁ、微妙に異なるんですけど。

 

「お兄さん。お困りのようですね。」

「そりゃそうだよ。夜中にコンビニ行ってお菓子とか買って帰ろうと思ったら異世界だぜ?っとそんなこと言ってもわかんねぇか。まぁ、色々あって困ってるってことに間違いはない。」

 

こんなことってあるんですねぇ。

 

「全部わかりますよ。あなたの言ってること。持ってるもの。着ているもの。」

「は?え?それって・・・」

「初めまして。異世界、もとい地球からきた迷い子さん。私は『魔女の猫』ルウです。以後、お見知り置きを。」

 

目つきが悪くていかにもニートで引きこもっていそうなクソッタレさん?




ちなみにそのボツ残ってるんですけど見ます?ゴミ以下ですけど。


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原作:Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
プリズマイリヤに異世界の魔女をぶちこんでみた話


異世界の魔女(オリ主)をぶちこんで見た話です。プリズマイリヤはとても好きなのですがよくよく考えたらツヴァイヘルツ最終話からしか見ていないことに気づきました。他の方の二次創作である程度流れはわかっていますが、続きを書くかは保留になっています。
題名は『Fate/Parallel's primitive Witch』の予定でした。
あとがきは設定のメモになっております。


大昔も大昔、あるところに少女がいました。

生きるのに精一杯な時代ですから、娯楽などひとつたりともありません。ですが、楽しみはありました。

 

星を見ることです。

見上げる夜空に浮かぶ星の数々。それはそれは綺麗でした。空気の汚染などもなく、雲はあってもそれ以外に遮るものがない空。

 

少女は、星に、憧れました。

 

なんてきれいなのだろうと。

 

少女は、星に、願いました。

 

明日も生きていられることを。

いつか来る終わりの日まで元気に過ごせることを。

 

 

彼女が生きたいと願ったそれはあろうことかその願いを汲み上げました。

そうして彼女はずっとずっと元気に生きています。病気になることもなく、怪我をしてもすぐに治ります。

 

ええ。

 

数千年たった今でも生きています。

 

星々は汲み上げた願いを、その少女を星へ置き換えることで叶えました。光と熱を生み出し続ける恒星へと。エネルギーが尽きることのない存在へと置き換えたのです。かくして彼女は今も生きているのです。

 

少女は他にも授かったものがありました。

後に魔法と名付ける奇跡です。自身の生み出すエネルギーをもとに奇跡を行使しました。そんな彼女はたちまち村の重要な存在になりました。

 

ある時、王様の耳にその少女のことが耳に入り、連れてくるよう部下へ命じました。

 

少女はその命令に応じました。

村の皆からは心配ばかりされていましたが、大丈夫だと言い、村を離れました。

 

王城まで馬車で数週間の道のりです。

とてもとても退屈でした。

 

 

 

「おお!よくぞ参られた。貴殿の成した軌跡の数々聞き及んでいるぞ。」

「それは恐縮です。単刀直入に聞きますがどのような要件でしょう。」

 

少女は遠回しに早くしろと言っているようなものです。それに気づかないほど王様も愚かではありません。

 

「私を不老不死にし、永遠の栄光をもたらせ。それが要件だ。」

「僭越ながら、不可能です。怪我や病を治したり、ある程度天候を予測すること、魔除けなどはできますが寿命を引き伸ばすなどという神の御技と言えることはできません。」

 

少女は、正直に話しました。

 

 

「そうか。お主でも無理なのだな。ではできるまで返すわけにはいかない。」

「なんだと?」

 

少女は驚きました。

 

「牢に入れておけ。私の願いを叶える奇跡を編み出したのなら出してやる。」

 

少女は牢へ繋がれました。

仕方なく、仕方なく奇跡を組み上げていきます。

牢の中は計算式でいっぱいになっていました。

 

2年後、王様は長すぎると文句を言い出しました。

少女が確実に進めていたところに王様が文句を言ったので、少女はへそを曲げて研究をやめました。すると今度は王様がお前の村の人間を殺すと脅したものですから研究を再開させます。

 

さらに一年後、王様は待ちきれなくなりました。

 

「お前は急ぐということを知らないのか!」

「無理だと言っているだろう!どこか一つでも間違っていたらお前は死ぬぞ!!」

「私にお前といったな。よし、もってこい。」

 

王様は部下に命じてもってこさせたのは村の長の首でした。

 

「おい…それは、嘘だろう?そん…ちょう…」

「お前がいつまでたっても完成させないからこうなったのだぞ。他の物もあるから見るか?」

「…そうか。わかった。牢へ戻せ。続きをやる。」

「ようやくやる気になったか。」

 

少女は急いで完成させました。

奇跡ではなく、魔法を。

30日ほど寝ずに開発を続けた成果です。

 

 

「ようやくできたのか。それで?どのような儀式を行うのだ?」

「恐れ入るがこの上で血を数滴垂らせばいい。それで奇跡は始まる。」

「そうかそうか。ならば血の数滴など苦でもない。」

 

描かれていた文字列は赤い光を放ち始めました。

 

「おお!おお!ついに!ついに!」

「ああ。お前は、いやこの周辺国ごと滅びるさ。」

「な!?なんだこの拘束は!」

 

少女は怒っていました。

あと数年待てば完成していたのに。そのことは伝えておいたはずなのに。

 

「愚かだな王という生き物は。」

「貴様!村の連中までもが死ぬぞ!」

「知っているぞ。既に皆殺しにして焼き払っていることはな。」

「誰だ!誰がこいつに教えた!」

「誰でもない。死んだ者たちがお前を呪うためにここへ来たときに教えてくれたのさ。」

 

幽霊や亡霊など普通の人間には見えません。

しかし少女は普通ではありません。

過去に死者の言葉を聞くという奇跡を使っていました。

 

「私は星が見える。

 

私には星がある。

 

私は星である。

 

そして魔女となった。

 

国を滅ぼす存在へと至った。

 

天変地異?神の御技?

 

私とて可能だ。

 

なぜなら星の魔女だからだ。

 

これより私は、星眼の魔女である。

 

もう、人間に愛想は尽きた。

 

一度世界を終末へと導こう。

 

王の血が鍵となり隕石が落ちてくる気分はどうだ?

 

王を殺すか?殺したところで止まらんぞ。

 

私を殺すか?たわけ、そもそも殺せない。

 

さぁ最後の晩餐にさえありつけない愚民ども。

 

生きることを願うな。

 

安らかに死ぬことを願え。」

 

めでたしめでたし。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「とまぁそんなことがあったんだよ。遠い遠い昔にな。」

「へぇ〜初めて聞いた。そのおとぎ話?」

「おとぎ話じゃなくて事実なんだがなー…」

 

ああそうだ。

すべて事実だ。と言ってもこの世界での出来事ではない。伝承や神話などで語り継がれているはずもない。もっとも、書かれていたとして私は災厄として書かれるだろうが。

 

「王様も王様だけど、その女の子もちゃんと自分の気持ちを伝えられてなかったのが原因だよね。」

「む。まぁそうだな。」

「はぁーフィクションでよかったよ。マギサ。」

「どうしてだ?イリヤ。」

「だって日本とかお隣の韓国とかがばーん!って消えちゃうんでしょう?そんなの嫌じゃない。」

 

小学生は無邪気でいいよな、と最近思う。

それは悪いことでもなんでもないが眩しいというのが本音だと思う。世の中を知らない無垢な願いはそれだけでも尊いとすら思える。このイリヤスフィール・フォン・アインツベルンという少女に限っていえば、だがな。

 

「それで今日の晩御飯の献立はわかるか?」

「え?えーっとハンバーグじゃなかったかな。」

 

私はアインツベルン家に住んでいる。

義理の双子の姉妹とかいうわけのわからないことになっているが。私達には衛宮士郎という兄がいるこれまた義理だが。家事スキルがとてつもなく高い男だ。将来家政婦でもやれば儲かるんじゃないかと勝手に思ってる。

 

「ま、士郎の作る料理はなんでも美味いから何がきても文句はない。」

「それ私に聞いた意味ないじゃん。」

「そうだイリヤ。先に帰っておいてくれ。用事があるんだ。」

「いいけど買い物なら手伝うよ?もしかして危険なことだったりする!?」

「どちらでもない。」

「ならいいけど・・・」

 

いいのか。

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

しばらく歩いて目的地へと向かう。

 

最近は平和だったというのに厄介ごとが迷い込んでしまった。

 

()()()()()()()私の使う魔法に当たる魔術の存在を知ったときは驚いたが英霊の存在となると腰を抜かしそうになったな。」

 

私の使う魔法の中にはこの世界の魔法に当たるものもあるだろうがどうでもいい。

目の前にいる黒い靄のかかった現代にあるまじき格好をした女。

 

「伝説の存在、まぁ私自身とてその中に数えられそうだが、それに会えるのは光栄なことだ。しかしどうやら理性は残っていないらしい。」

 

目隠しをしていることから目が伝説にでも関係しているのか?

私の目も人間からしたら異形だろうから魔法で隠蔽している。目の伝説といえばメデューサくらいしか思い浮かばないがどうなんだろうな。髪が蛇であると聞いた覚えがあるが違うしな。

 

「どうだっていいか。今の平穏を邪魔されたくないから殲滅させてもらおう。」

 

私が通常攻撃として用いるのはエネルギーをビームとして打ち出すこと。

 

「結界を張ったから周囲を気にせず攻撃できる。それと、ビームが一本などとは言ってないぞ。」

 

相手の動きは非常に素早く、常時20ほど発射しているが掠る程度でしかダメージを与えていない。遠距離での攻撃を与えてこないことと、手に持っている武器から近接型と判断。攻撃の手を緩めて不意打ち対策の物理無効化の魔法を起動する。

 

「どう考えても人ではできない動きだな。英雄がなぜそこまで堕ちたのか気になるが終わらせるか。」

 

直線軌道だったビームを追尾型(ホーミング)に切り替える。

すると捌き切れず、ビームによって焼き貫かれた。

 

タロットカードのようなものが落ちてきた。

 

「ライダー、か。」

 

どんな意味があるのかは知らないがとりあえず持ち帰って調べてみるとしよう。

結界を解いてみると真っ暗になっていた。そして見知らぬ女二人と少女一人とイリヤがいた。

 

「なんでマギサがここにいるの!?」

「私のセリフでもあるんだが。」

「ちょっと誰よこの子!何平然とクラスカード持ってるのよ!」

「なんか倒したらドロップした。」

「ゲームじゃないのよ!」

「いや、あの程度どうってことはない。」

「はぁ!?」

 

なんだこいつは。

私の昔話はイリヤでさえ御伽噺判定なのだから話したところで意味はないだろう。

いや、そんなことよりなんだこいつは。大事なことだから2回言ったぞ。赤い服を着た女と青いドレスをきた女。明らかに面倒くさいだろうこいつら。

 

「普通の魔術師じゃまず勝てない、劣化しているとはいえ英雄相手にどうってことはないぃ?封印指定のリストにもないってなんなのよあんた!」

「魔女だが?」

「頭狂ってんの!?」

 

赤いのはやかましいな。

青いのは今静かだがどうせこいつも口を開けばうるさいのだろうな。

 

「あ、あの凛さん?いくらなんでも私の姉を頭狂ってるっていうのは見過ごせないですよ?」

 

おお。イリヤから威圧を感じる。

 

「む、ぐ・・・。ごめんなさいイリヤ。でもこれだけはわかってほしいの。バカステッキを使っても簡単には倒せない相手をなんの礼装もなく倒すのって異常なのよ。」

「は、はぁ。後でお話聞かせてもらうよ。マギサ?」

 

赤いのに向けていた威圧がこちらへ向いてしまったな。機嫌を損ねたわけではないだろうが今度ケーキでも買ってやろう。




ちょっとノリが軽い感じで書いてたので次の話でお風呂シーン有ります。

現在のマギサ(星眼の魔女)のスペック

白髪ロング碧眼のロリ
異世界で国のついでに世界を滅ぼした魔女
生身で英霊に無傷で勝利
人じゃなくて恒星(または人の姿をした恒星)
無限の魔力(恒星は自ら光と熱を発するためそのエネルギーを変換している)
おそらく不死
英雄王以上にバカスカ撃てる
他人を不老不死にすることが可能(絶対やらない)

自分で書いておいてあれなんですけどなんですかこのチートの塊。あ、でも流石に乖離剣エアでエヌマ・エリシュされたら死ぬかな?


Fateのクラス適正を考えてみました(FGO方式)。
僕の頭の中にある設定では

1.キャスター
2.アーチャー
3.アヴェンジャー
4.フォーリナー
って感じになりました。

キャスターに限り追記しますとクラス固有スキルに加えて『魔法作成EX』が追加されます。これはオリジナル要素です。


魔法作成EX:Fate世界における魔法、魔術を作成することができるスキル。また、オリジナルの魔法の作成も可能。

常々思うことではあるが別作品の魔法職のオリキャラをFate世界にぶちこむと説明が本当に面倒くさい。魔法作成についてすごく大雑把に簡単にいえばどんな魔法でも作って行使することができる。なお本人はFate世界の魔法に何一つ興味を示していない。『無駄なことばかりじゃないか。利用価値があるのはせいぜい第3くらいだぞ。』とのこと。

宝具というわけではないですが隕石落とせます。というかほんとにだいたい何でもできるっていう設定なので宝具みたいな必殺技がないんですよねぇ…。疑似エクスカリバーできますし。隕石おとすサーヴァントいないなーって思ってたら正月鯖で追加された闇コヤンが落としてましたw
ちなみ闇コヤンは無課金宝具4を達成した2基目のサーヴァントです。1基目は斎藤一。卑弥呼が出らんかったんや。

最後に…設定考えるの楽しいなぁ。


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プリズマイリヤに異世界の魔女をぶちこんでみた話その2

続きです。


実は少し前に魔法少女になっていたらしいイリヤ。

もともとは赤いのと青いのの二人で魔法少女(笑)しながらクラスカードを回収するつもりだったらしいがステッキの姉妹が愛想をつかして契約解除。それでルビーがイリヤと、サファイヤが美遊と契約したとのことだった。

 

「衣装作れば魔法少女できなくもないぞ。年齢はもしかしたら5桁あるかもしれないが。」

「物凄くおばあちゃんだった!?」

「マギサ、と呼ばれていましたわよね?マギサさんに質問なのですが、貴女が使う物は明らかに魔術ではないのですが説明いただけますでしょうか?」

「大前提として私が話した昔話を理解してもらわなければいけないがそれは大丈夫か?」

「ええ、かろうじて。」

「まぁ続きを話すだけだがな。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

少女は立っていました。

なんにもない、ただの剥き出しの大地に。

復讐、にしては酷いものですが一応復讐を成し遂げました。少女はまず、エネルギーを物質化する魔法を作るために200年使いました。彼女は人のように食事睡眠排泄などが必要ない体になっていますが、娯楽の一つとして食事はとりたかったのです。次に森を作りました。方向感覚がなくなるような設計にしたり、魔法を用いて迷いやすくしたりしました。

 

次に、家を建てました。

これもエネルギーの物質化によりぽんっと出てきました。

小さいですが造りは立派なログハウスです。

それから10年ほど一休みしました。

寝て起きて、何かしら食べて、星空を眺めて寝る。

気が向いたら適当に戦闘用の魔法を組み上げたりしました。

 

彼女の用いる魔法は、彼女自身が生成し続けるエネルギーをどのように変換するかという式で成り立っています。彼女の頭脳はそれに最適化したためか魔法を行使するときのみ、計算速度が現代のどんな高性能なスーパーコンピュータだろうが量子コンピュータだろうが上回ります。

 

そうして、空を飛ぶ魔法、回復魔法、炎や雷などの属性系の魔法など多彩な魔法を趣味で作り上げました。

 

そして、切り札を作ろうと考えたのです。

隕石を落とす魔法はある意味では切り札ではありますがそれは対軍、対国ようなので対人用ではありません。

この魔法は誰にも教えない。

 

その魔法が完成する頃には日本で言うところの昭和になっていました。その世界で組み上げる最後の魔法として異世界転移魔法を作ろうとしました。どんな世界があるかもわかりませんから行き先はランダム。転移の際の危険を可能な限り取り除き、理論上成功率90%まで高めました。

 

ある時、人間たちは単なる好奇心かわかりませんが武装した状態でただ一人魔女の家にきました。

 

数千年の時を経て、魔女の魔力にあてられた植物たちは変わった進化を遂げていました。魔女を守るために人間たちを襲い貪ったのです。魔女は神秘を残さないために自分の家めがけて隕石を落としました。何もかもを粉砕するほど大きな大きな隕石です。隕石が着弾するタイミングで転移したのでその後の地球がどうなったのかはわかりません。

 

ですがきっと滅びたのでしょう。

跡形もなく。

 

終わり

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ねぇルヴィア。大師父に報告してどうにかしてもらったほうが良くないかしら?正直カードなんて二の次でしょ。」

「同感ですわ。こんな危険な存在放ってはおけません。」

「大師父があのゼルレッチの小僧のことを言ってるなら無駄だぞ。相互不可侵を結んでいるからな。」

「「な!?なんですって!?」」

 

平行世界の運営ができるとか言っていたが興味ないから覚えてない。

 

「ってことはつまり魔術師の結構深いところまで知ってる?」

「教会も知らないのではなく、手が出せない可能性が…」

 

このふたり同時に気絶したぞ。情報量的に処理できずオーバーヒートでもしたのだろう。仲がいいのか悪いのかどっちかにしろ。

 

色々教えてもらった対価として私の魔法をいくつか教えた。流石に同じことはできないからどうにか魔術で再現すると言っていたな。まぁあいつならいつかできるだろう。

 

置いてけぼりだったイリヤと美遊に話題でもふるか。

 

「魔法少女になった感想はあるか?」

「え?えっと…」

「感想なんてない。ただ、そうしなくちゃいけないから。」

「義務感か。それには何かしら理由があるんだろうがそれは聞く必要はないな。」

 

いずれわかる気がするしな。

 

「私は、大変かな?まだちゃんと戦ってないけど。本当に場の流れというか強制的に魔法少女になっちゃったからなぁ。」

「イリヤスフィールは戦う理由もないのに戦ってるの?じゃあ戦わないでいいよ。私がクラスカードを全部回収する。理由もなく戦うなんて馬鹿げてる!」

 

おっと…

 

「イリヤ、一旦帰るぞ。ルビーも来るだろ?」

『私って空気なんですね〜シクシク』

「うるさい黙ってろ。オーギュストさんお茶美味しかった。また機会があれば飲みたい。」

「その時は淹れましょう。ルヴィア様たちには私が説明しておきますので。」

「助かります。では、さようなら。」

 

美遊はいったいぜんたいどれだけ重たい事情を抱えているんだろうな。

 

「ちょ、ちょっとマギサ!いくらなんでも強引すぎるって!それにまだ美遊さんとちゃんと話せてないし…」

「あのまま話していたところでさらに拗れるだけだ。明日以降で、頭を冷やしてからじゃないとな。」

「…うん。わかった。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

かぽーんっと。

お風呂に入っているのだが。

 

「ルビーお前がくる必要はないだろう。」

『いえいえ必要ありますよ!数千年の時を生きる魔女の裸体を記録しておかねば!』

「死ね。」

『うわこっわ!?』

 

というかこの貧相な体型に需要など…あるからここにいるんだろうなこいつ。はぁ〜。

 

「ルビー。言ってなかったがこれは今を生きるために調整した体だ。本当はどんな体型でも再現できるぞ。」

『ほんとですか!?じゃああんな体型やこんな体型も可能というわけですね!?』

 

なんだこの食いつきよう。というか本当に女なのか?サファイヤが姉と言っていたから女ではあるのだろうがそれにしてもひどい。

 

試しに胸を掴んで前に出るようにひっぱると胸が大きくなる。ロリ巨乳の出来上がり。

 

『Fooooooooo↑↑!!最高すぎです!この調子で…』

 

扉の開く音。

 

「私も一緒に入るよマギ…さ…????」

『あ゛』

「イリヤじゃないかどうしたんだ?一緒に入るなら別に構わないぞ。」

「?????」

「どうしたんだ。まるで処理しきれないパソコンがフリーズしているみたいじゃないか。」

「だ、だだだだって、何なのそのおっぱい!」

「どストレート。」

 

母親のアイリスフィールが大きいのだからイリヤも将来大きくなると思う。

 

ん?

なんか電波が…

あ。

どうやら平行世界では17歳になっても今の体型のままらしい。

南無。

 

「揉んでみるか?」

「ごくり。」

『あの一切記録できていないの説明してください。』

「魔法だよ魔法。実際に見る分にはそのまま見えるが機械だろうとなんだろうと記録しようとするものに対しては空白を記録させる魔法だ。」

「ふおおおおおお」

『せこいですね魔法って。』

「魔法など道具に過ぎん。ルビーは作られた立場だろうが魔術師が根源を目指すのも正直理解できない。到達したとして何がある?ただの道具とした方が応用も広がると思うんだがな。」

『ところでマギサさん。くすぐったいとか感想ないんですか?イリヤさんめちゃくちゃ揉みしだいてますけど。』

「今そういう感覚は切ってるからな。触られているとすら感じていない。配慮してるんだぞ?ここで喘いでみろ。年齢指定が危うくなるからな。」

『あーなるほど。』

 

それにしても飽きないものなのか?

まぁ柔らかいのは認めるがなぁ・・・

もう少し弾力あるようにしてもいいし巨を超えて爆にしてもいいんだがそれだと私が辛くなるだけだからやらない。

 

「お、おい噛み付くな。」

「えへへへへへ」

「イリヤがなんか壊れたぞ!?私は上がるぞ。流石に噛み付くのは許さん!」

「へへへ・・・あれ?」

『イリヤさん。流石に引きますよ・・・』

「えっと私どうして・・・あっ」

 

羞恥心からかものすごく顔が赤いな。

まさしく茹で蛸と言ったところか。胸はすでに戻している。家政婦に見られたら困るし士郎には刺激が強すぎるだろうしな。

 

 

 

タロットカード改めクラスカードの解析を行うか。

と言っても正解がなんなのかはわからないから調べる意味もなかったりするんだがな。

 

えーっとここがこうなって?・・・そうなってるのか。ここはやけに複雑なんだが・・・はーんなるほどな。

 

「どうして英霊をこのカードに押し込めているのかは知らないがどういうふうに使うかはわかったな。」

『何かわかったんですかー?』

「いいところに来たなルビー。それとイリヤは?」

『いまだに真っ赤ですよ。巨乳の魅力ってやばいですね。』

「そうか?ルヴィアでは感じないだろう?」

『そうですね。結局人によりけりってことですか。そんなことより結果をお聞かせください。』

 

置換魔術が使われていた。

何かを別の何かに置き換える魔法、ではなく魔術。言葉にすれば簡単だ。英霊をカードの使用者に置換する。これが本当の使い方だ。デメリットはおそらく侵食。置換にはAとBが必要で、肉体か精神か、はたまた両方が英霊に置換され、戻ることがない可能性があるため侵食と呼んだ。

 

「短いがこんなところだ。」

『なるほどですねぇ〜。』

「カレイドステッキを通した場合はわからないがな。試してみる価値はあるだろう。戦力増強にもなるしな。」

『では後日試してみましょうか。ちょうどそのカード使えばいいですしなんなら凛さんが持ってますしね。』

「これは私が使うぞ?」

『正気ですか?ご自分でリスクを並べておいて?』

「体を自由に編集できるんだぞ。精神もできない道理はない。」

『大概ですね。あなた。』

「フン。国やらなんやら壊してるんだぞ?今更だろう。」

『それもそうですね』




いつか続きかけたらいいなぁ。


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原作:Fate/Grand Order
クリームヒルトさんとジークフリートで一緒にバルムンクさせたかった話


とりあえずどうぞ。


「そんなに憎いのか。クリームヒルト。」

 

 クリームヒルト。ジークフリートの妻。クラスはバーサーカー。クラス通り狂っている。というよりはヒステリックなだけだという印象だった。ジークフリートとかハーゲンが関わらなければ彼女は聡明で美しい女性だ。

 

「そんなに他人の家庭事情が気になるわけ?」

「まぁ、踏み込むべきではないと思うけど。」

「だったらそうしなさい。」

「それでも気になるだろ?復讐をしたにも関わらずアヴェンジャーじゃないんだから。」

 

 紅茶とお菓子でのティータイム。彼女を召喚してからコミュニケーション目的で始めた。最初はインスタントで済ませていたがどうたら満足してくれなくて勉強した。最初はこっぴどく叱られたさ。だってクリームヒルトってお嬢様なんだぜ?そりゃいい茶葉とプロの技があるんだから多めに見てほしいものだった。最近は上達してきたっぽくて褒められはしないけど文句を言われることも無くなった。

 

「ところでどうして私を戦わせるのかしら。」

「いや、サーヴァントでしょうが。」

「いい?私は戦ったことも剣を持ったこともない女なのよ?あの人の妻だからこの魔剣がくっついてきたのでしょうけど。ああ、思い出して腹が立ってきた。」

「落ち着いてくださいな。俺も一応戦えるけどさ、サーヴァントには遠く及ばないの。せいぜい5分。いや、1分だな。」

「行き過ぎた謙遜は嫌味になるわよ。」

「事実さ。」

 

 先祖代々受け継がれる刀のおかげであんまり魔術を使えない俺でも戦える。戦えるが、サーヴァント相手じゃ捨て身でもない限り勝利することはできないだろうさ。

 

「次の特異点、どうするつもり?また、藤丸立香に任せるの?」

「適度にサポートするつもりだ。俺は君以外を召喚するつもりはない。」

「そ、そんなこと言われても嬉しくないわよ。」

 

 可愛いやつめ。ところでバーサーカーの定義を確認したいんだがよろしいか?

 ・・・ああそう。諦めろってか?確かにな。アーチャーなのに弓使わないやつ多いもんな。アサシンなのにアサシンしないやつもいるしセイバー名乗る奴もいるし。

 

『クリームヒルトさん。刀也さん。次の特異点が発見されたのでブリーフィングを行います。管制室にきてください。』

 

 

「邪魔されたわね。」

「(何気にティータイム気に入ってんのな。)行こうぜ。それが俺たちの仕事なんだから。」

「私じゃなくてあなたの仕事よ。」

「おいおい前に共犯者だーって話したのはクリームヒルトじゃないか。」

「だからってバディではないわよ!?」

「マスターとサーヴァントなんだからバディだろ!」

「マスターとサーヴァントなら主従じゃないかしら!?というかその共犯者の話は私の復讐の話じゃない。人理修復には関係ないわ。」

「じゃあなんで召喚に応じたんだよ。」

「何でって・・・何で応じてしまったのかしら。」

「おいおい。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 レイシフト先は中世のフランス。ジャンヌダルクがいたとかいう時代だ。だからこそジークフリートは関係ないと思うのだが…何故かいる。それもボロボロの状態で。なんでかなぁ?俺なんか悪いことした?なんで最初から(クリームヒルトの)地雷が足元にあるわけ?

 

「それで?夫と再会した感想は?」

「そうね・・・何とも言えないわ。そう、何とも言えないのよ。マスターと一緒にいた時間が長かったせいか今はそこまで恨みつらみはないし、むしろ好きという気持ちの方が・・・

「なんて?」

「何でもないわ!」

 

 クリームヒルトの伝説はいくつか調べたが結局のところ自業自得、ということに帰結するかもしれない。だけどまぁ色々あったのかもしれないがとりあえずハーゲンお前は死んでおけ。いやブリュンヒルトか?細かいことはどうでもいいや。

 

「カルデアのマスター。本当にいいのか?」

「こっちのセリフだ。ジークフリートさん。そもそも妻と戦うことに、そして呪いでかなり弱体化しているというのに戦うのか?」

「問題ない。」

 

 発端としてはクリームヒルトが殴らせろと言ったこと。ただ殴るだけじゃ面白くないからいっそのこと戦えば?って言ったら案の定のった。

 生前の夫婦仲は悪くはない…のか?喧嘩するほど仲がいいとは言うけれど、これはちょっと違うし。

 

「ごめんやっぱりやめにしようか。」

「はい?」

「……」

「理由はわざわざ戦う必要はないから。お茶にしようぜ。お二人さん。」

 

 やっぱりまずは何事も話し合いからだよなぁ!それでいつまでも平行線なら戦えばいいさ。そのときは気が済むまでやらせるつもりだ。主にクリームヒルトのってことになるけどね。ジークフリートさんは感情を表に出さないのか知らないけど雰囲気的に怒ったり悲しんだりはしていない。

 フハハハ。こんなことがなかったとしてもお茶をする気はあったので荷物を入れているリュックサックに色々入れてるのさ。

 

「じゃあまずその1!クリームヒルトさん!ジークフリートさん!相手のことを愛していますか?」

 

 うっわこれやられたらクソ恥ずかしいやつ。こうやって仕切ってる俺が恥ずかしいんだけど…。

 

「…………愛しているわ(超小声)。」

「クリームヒルトさんは愛していると!それに対して旦那様?」

「愛している。」

 

 わっわわわわ…。かっけぇ。流石英雄かっけえ。真剣に、面と向かって目を合わせて言い放ちやがった。色が薄いクリームヒルトでさえ真っ赤に染まってるぞ(笑)

 

「え、えーじゃあその2!」

 

 お茶をカップに注ぎ分けながら次の質問を考える。もうここでぶち込むか。

 

「なぁ。クリームヒルト。貴女のジークフリートが死んでからの生活を教えてみたらどうだ?」

「なっ!?」

「ジークフリートが死ぬ要因は貴女が作ったみたいなものだよ。でも、それは夫を貶されることに耐えられなくなって、相手の言われて一番嫌なことを言ったんだろう?そんなのどこにでもある子供の喧嘩だ。だったらその後のことでも教えたらいい。夫の知らないことを。」

 

 うんたらペディアで読んだ限りだけど、クリームヒルトは悪人でも何でもなく、典型的な貴族だと想う。まぁ貴族にしては優しいな。ジークフリートの遺したニーベルングの秘宝をつかって貴賎と人臣をとわずほどこしていたみたいだから。それで夫が死んだ悲しみから13年間ずっと喪服に身を包んでいたんだぜ?その秘宝を使って色々やっていたせいでその後の悲劇?に繋がるのはちょっと悲しいけどなー。

 

「私は、貴方が亡くなってとても悲しかったの。13年間喪服に身を包むくらいには。いつもいつも不安だったのよ?いくら貴方が強いと言っても無敵というわけではないのだから。すまないだったり問題ないだったり一言で済ませやがってこのやろう…もっと話しなさいよ!」

 

 この夫婦にはコミュニケーションが足りていないのか。主にジークフリートさんのせいで。

 

「私の悲しみがどれほどかしってる!?知らないでしょうねぇ!だって死んだんだから!貴方が死んでなかったらそんな悲しみは味わってないのよ!貴方が死んだあと、ニーベルングの財宝を使って良いことをしていたのに盗られて何もできなくなったし、ああもう、ハーゲンの首をまた撥ねてやりたい。全部アイツのせい。そうでしょ?ていうか妻放って勝手に死んでるじゃないわよ!」

 

 一度撥ねたんだよなぁ。フン族の王と再婚したクリームヒルトは息子をもうけていたんだけどそれがまたハーゲンの手先に殺されてね。それで戦争スタート。クリームヒルトの兄であるグンターとハーゲンは最終的に生け捕りにされました。んでクリームヒルトははめられてグンターの首を撥ねて、ニーベルングの財宝が返って来ないことを知りハーゲンの首を、当時はハーゲンが所有していたバルムンクで撥ねたというわけです。大雑把にはこんな感じ。クリームヒルトはその後にフン族の客将に殺されちゃうんだけどね。それは捕虜殺したんだから仕方ないよね…たぶん。

 

「すまなかった。」

 

 一言で空気変わったんだけど。重たすぎるって。

 

「君を想っていることに、嘘偽りはない。だが、どうやら俺は話すのが苦手らしい。君の気持ちに気づけなかったことも申し訳ない気持ちだ。」

「謝ったら許されると思ってるの?」

「だから、この特異点で一緒にいさせてほしい。」

 

 おっと…?

 

「この特異点が解決すれば座に帰るが、それまで一緒にいてくれたら嬉しい。」

「え、ええ。いいわよ。」

 

 いいんかい!ちょろすぎない?

 

「な、何よその目は。別にいいでしょ!だって好きなんだから!」

「あー、はい。わかったわかった。サーヴァントなのに俺でも対抗できるような力で肩つかんでぐわんぐわん揺らさないでください。」

 

 とりあえず和解ってことでいいのかな?召喚しないってしてたけどジークフリートと、あと一人召喚しよっかな。相棒的なのがほしい。クリームヒルトとジークフリートのカップリングは絶対。クリームヒルトの縁を使えばほぼ確定でジークフリート来るだろうし。となると俺が誰召喚するかだよなぁ。俺の刀触媒にする?うーん…。やめておこう。

 

『やっと繋がった!無事かい?刀也くん。』

「無事だよ。死ぬ可能性もあったけど。」

『ええ!?どういうことだいそれは。』

「ジークフリートがいたんだ。」

『……なるほどね。それでどうしたんだい?』

「(紅茶)飲ミニケーションで解決した。」

『お酒は持っていってないはずなんだけどどことなく危ない雰囲気がするのはなんでだろうね。よし、無事なら今から座標を送るからそこに向かってくれ。立香くんたちがいる。』

「了解。」

 

 方針は決まったな。

 

「というわけでお二人さん。少しばかし散歩しようぜ。」

 

 おっと、紅茶はちゃんと飲んでいくぜ。




主人公の能力が迷走したから書けなくなりました。ちなみに第一特異点だけの予定なので強引にかけなくはないですが、無理でしたねぇ…

この話の題名通りただ一緒にバルムンクさせたかっただけなのでいちゃいちゃ成分がこの話だけになりそうだったのも理由に含まれます。

つーかいちゃいちゃしてるか?これ。


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FGO世界にオリキャラぶちんこんだお話

どうやらオルガマリー救出ルートはその後の詰みが発生しそうだったので断念しました。

連載するならタイトルは「異世界の魔女が人理修復を手伝うそうですよ…?」です。


 星はどんな世界にもある。ならば私はどこかに存在することができる。

 星がない世界など、それは宇宙ではないだろう。

 私は星だ。星がなければ生きることはできない。

 逆に言えば、星さえあれば生きることができる。

 元人間で、星に祝福され星と成った私は、魔女と成った。

 一度、世界と人類のほとんどを滅ぼした災厄でもある。

 だが、人類が嫌いというわけではない。

 まぁ、好きというわけでもないが。

 

 そこの少女みたいな存在は助けたくなる。

 無理難題に対してほとんど丸腰で挑んでいるにも拘らす、諦めることなく進むことができる人間はそういない。盾の少女がいることも要因だろう。

 

「はじめましてだな。少女たち。私は星眼の魔女。気軽に星眼とでも呼んでくれ。」

 

 女騎士の持っている剣は星の要素があるようだ。となればエクスカリバーか。まぁ既視感はある。

 

「久しぶりだな。アーサー王。」

「貴様、何者だ?」

「そういえば英霊は一度座に帰還したら召喚中の記憶はなくなるのだったな。もう一度教えておいてやる。原初にして唯一の魔女、星眼の魔女だ。一般人が持っているような名前は数万年前から忘れている。暇つぶしがてらこの世界を訪れてみたがどうやら人類がピンチらしい。よって助力することにした。」

 

 星には星を。

 しかしどうやら性質が反転しているようだ。

 

「『卑王鉄槌』、極光は反転する。光を呑め・・・!」

「出会ってすぐにブッパか。手っ取り早いがもう少し会話を楽しめよ。アーサー王。」

 

 黒い光が収束する。

 

「約束された勝利の剣!」

「『逸らせ。』」

 

 光でさえも飲み込むであろう反転したアーサー王の宝具。残念ながらそれは私に届かない。『逸らせ。』、は文字通りそらす魔法だ。潤沢な魔力によって殆どの攻撃をそらすことができる。結果、白い膜のようなものが黒いビームをそらして分厚い雲を突き破り数瞬青空が見えた。

 

「弾幕は数だぞ?」

 

 色とりどりの光弾を無数に飛ばす。

 しかし魔力放出は厄介だ。

 

「近接戦闘に持ち込めば勝てると思ったか?」

「所詮は後方職が。」

 

 一瞬にして懐に潜り込まれた私は防御魔法を使いながら罠と散弾で対処するがやはり魔力放出で防がれる。

 …私も真似していいか?

 

「フンッ!」

「ッ!?」

 

 なるほどこれは便利だ。細かいことを考えなくて済む。杖をバスタードソードに変化させる。いつ、近接戦闘ができないと言った?

 

「剣士の真似事だがたまには楽しいだろうよ。」

 

 流石だアーサー王。本来のお前相手ならせいぜい四肢もぎ取るくらいで私は負ける。

 転移からの魔力放出による急降下とバスタードソード化した杖の重量による重い一撃。しかしこれも魔力放出で押し返される。

大きく弾かれて仕切り直しとなった。

 

「『星よ。吹き飛ばせ。』」

 

 反転アーサー王の宝具の2段ほど威力を向上させた超高威力のビームブッパ。

 我ながらズルだと思うが反省も後悔もしない。

 

「これほどとは・・・やはり魔女は恐ろしい存在だ。結局どう運命が動こうと私一人では同じ末路を迎えるということか。」

「あ?どういう意味だそりゃ。テメエ、何を知っている?」

「いずれ貴方も知る、アイルランドの光の御子よ。ついでにそこの魔女もだ。いや、もう知っているのか?まぁそんなことはどうでもいい。グランドオーダー、聖杯を巡る戦いはまだ始まったばかりということをな。」

 

 私が知っているだと?何も知らないに決まっているだろう。たった今この世界に来たばかりなんだぞ。買い被りにも程がある。それにしても先ほどから気色悪い気配はあるんだが具体的な場所がわからない。少なくともこの場にはいないようなんだが・・・

 

「セイバー、キャスター、ともに消滅を確認しました。・・・わたしたちの勝利、なのでしょうか?」

 

 この少女たちほとんど戦闘経験が無いと見た。なのに最初からアーサー王とかいうビッグネームがラスボスって可哀想だな。

 

「あ、魔女さんもありがとうございました。少なくとも英霊ではないようですが?」

「礼などいらんぞ盾の少女よ。英霊ではないのは確かだ。正確なことを言うなら異世界からの来客に該当する。」

「ちょっと待ちなさいよ!ちゃんと説明しなさい!」

「説明はお前たちの拠点に戻った時でいいだろう。ところで、オルガマリー・アニムスフィア。」

「なっなんで私の名前を!?」

 

 少し頭の中を覗かせてもらった。なかなか面倒臭そうなやつだが、救ってもいいだろう。

 

「気はしっかりと持っておけよ。」

「は?なんの答えにもなってないじゃない!」

 

 嫌な気配の存在が来る。

 

「いや、まさか君たちがここまでやるとはね。計画の想定外にして私の寛容さの許容外だ。」

 

 この男、人間ではないな。もっと邪悪な・・・ふむ、悪魔あたりか?

 

「レフ教授!?」

 

 レフというのか。おそらく愛称だな。それにしてもあのモジャモジャは趣味がよろしくない。あーだこーだ言ってるが大体愚痴だな。学校の教師を始めたらストレスで禿げ上がりそうで一度見てみたい。

 

「レフ・・・ああ、レフ、生きていたのねレフ!よかった、貴方がいなく成ったら私、この先どうやってカルデアを守ればいいかわからなかった!」

「やァオルガ。元気そうで何よりだ。君もたいへんだったようだね。」

 

 なんだなんだこの依存具合は。彼女には洗脳もヤンデレの素質もないというのに、心の拠り所がないだけで人間はこれほどまでに依存するのか。

 

「オルガマリー。『動くな』」

「ねぇ。なんで止めるの?なんでレフのところへ行けないの?なんで行かさせてくれないの。」

「私の忠告は覚えているな?」

「ええ。正気よ。とっても気分が優れているわ。だってレフがいたのだから。」

「単刀直入に言うが、オルガマリー・アニムスフィアは死んだ。」

「え?」

「そしてカルデアスは真っ赤に燃えている。」

「・・・・・・・・・ぇ。」

 

 全く、記憶を覗いていなかったら何もわからないままだったぞ。

 

「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ!私のせいなんかじゃない。私は失敗していない!私は死んでなんかッ!」

「死んだぞ。」

「イヤァアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

 気持ちはわからなくもないが落ち着け。

 

「忠告をこうも早く忘れられたら困るぞ。『鎮まれ』」

 

 精神沈静化の魔法を掛ける。

 

「・・・・・ハァ、ハァ。」

「私にはお前を生き返らせる術がある。」

「本当に?」

「私は、星眼の魔女だ。星に祝福され永遠を生きることとなった。その間に蘇生魔法を開発していても、なんら不思議はないだろう?魔術師。」

 

「それにな、勝手に記憶を覗いたのは悪いが、お前ほどの努力者はなかなかいないぞ、オルガマリー・アニムスフィア。素晴らしいよ。」

 

「なんだ。涙が出るほど嬉しいのか?お前の教育環境はどうなっていたんだ。」

 

「勝手に場を仕切って悪いがその聖杯は私たちのものだ。」

 

「おっとほら奪ってやったぞ。」

 

 種は簡単だ。転移だよ。

 

「お前が怒ったところで赤子のようなものだよ。お前の主にでも伝えろ。星を相手にすることになるとな。」

 

 悪魔如きがわめくなうるさいぞ。

 

「と言うわけで諸君。帰ろうか。」

 

「もちろん君たちのカルデアにだ。」

 

「次元間の転移は得意ではないが、不可能というわけでもないのでこそこそ準備をしていた。」

 

「ところでなんでお前たち喋らないんだ。」

 

「まぁいい。『良い子は帰る時間だ』」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 「『集え、星の生命よ。形づくれ、少女を。定めよ、少女の魂を。これより行うは人間の製造。私の子となりて甦れ。』」

 

 5節。私としては破格の詠唱数だ。普段は基本的に無詠唱か1節。ちょこちょこ2節は使うが3と4は出番がない。あとは30分ほどすれば完了するだろう。100年分くらいのエネルギーが持っていかれたか。まぁ100年などあっという間だ。何年生きているかなど数えていない。

 

「ダ・ヴィンチ。いささか距離が近いぞ。」

 

 頬がくっつくくらいには近い。

 

「あ、ごめんね。でも、魔法以上のことをさっとやっちゃうんだから天才の頭脳と血が疼いて仕方がないのさ。」

「私が星であると言うことはわかるな?」

「もちろんだとも。何度も言われたし、そうだと断定して納得しないといけないのは悔しいけどね。」

 

 ファンタジー以上にファンタジーしているのは認めよう。正直、私としても最初の願いが多少なり歪められたのだから少し怒った。

 

「星は星でも恒星だ。恒星はエネルギーを光と熱として命の続く限り放出し続ける。」

「そして恒星を人の形へと押し込み、なおかつ光と熱ではなく人間と同じようなエネルギーの消費の仕方になった、と。」

「貯蓄可能であると言う点は自分でも訳がわからないがな。」

「うん。この天才を以てしても意味不明だし理解不明だ。いっそのこと神様ですと言ってくれた方が私としては楽だよ。」

「確かに神にも等しい、もしくはそれ以上のこともできるが、神になろうと思ったことはない。」

「そりゃどうして?」

「クソッタレが多すぎる。それに宗教は嫌いなんだ。」

 

 ああ思い出すだけでムカつく。宗教的な対立で家の近くで戦争してくれたバカたれな国があった。その二つを滅ぼしたら全世界の人口が半減した。

 

「あー。君の世界でも魔女狩りがあったのかい?」

「確かにあったな。だが正真正銘の魔女は私と、他二人のみだからそこまで思い入れがあると言うわけでもない。」

 

 一般的に魔女と呼ばれていたのはなんか占いがよく当たるとか天気を予測するとか、おまじないの範疇を超えない連中だった。

 

「げ、君みたいなのが他にいるのか!?」

「私ほど万能ではないが、そこら辺のサーヴァントには遅れは取らないだろうよ。というか私みたいなってなんだ。」

 

 まるで化け物みたいな扱いだ。心外だぞ。

 

「大聖杯級のエネルギーを個人で保有していてなおかつ自然回復し、過剰分はどこかに保存されるとか化け物以外のなんでもないだろう?おまけに使う魔術も半端ない。神ですらないのに神以上の能力を持ち、人間に対して割と友好的な存在は初めてだよ。」

「勘違いするなよ?私は藤丸立香の味方というだけであって人類の味方ではない。なんなら世界の90%を滅ぼしたこともある。」

「ウェ!?」

 

 あの頃は魔女になりたてだったのもあるし、人間として未熟だった。私が激怒して一ヶ月ほど時間をかけてとある魔法をじっくり作成した。そして王をトリガーとして発動した。そんな魔法に名前なんてない。怒りの発露と、復讐だったのだから。

 

「・・・・・・・・はぁ。君が一番の厄ネタだと私は思うよ。」

「安心しろ。自分のケツぐらい自分でふく。」

「ぜひそうしてくれ。ついでにサーヴァントですらないから縛ることもできないか・・・」

「私も英霊召喚はさせてもらうぞ。その時は自前の魔力で行うからエネルギー問題は気にするな。」

 

 いよいよ白目むいて気絶したな。この大天才といえど改めて情報を整理したらヤバさに気絶することがあるとはな。

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・ようやく目覚めの時間だ。

 

「ここ、は?」

「カルデアの医務室だ。おめでとう。蘇生魔法は成功した。オルガマリー・アニムスフィア。」

 

 ほら、足音が近づいてくるぞ。

 お前を慕う人間はたくさんいるんだ。

 そんな奴らを頼ればいい。

 そしてみんなお前を頼るだろう。

 オルガマリー・アニムスフィア自身の人間性と今までの努力によって生まれた信頼だ。

 

「「所長!!」」

「あ・・・」

 

 これから先は地獄となるだろう。

 

「寝坊ですよ所長。」

 

 だとしても、この瞬間くらいは、

 

「無事でよかった…!」

「怪我はありませんか?どこか具合の悪い場所はありませんか?」

「医者に組織のリーダーなんてさせないでください。」

 

 幸福に包まれても誰も文句など言いはしまい。

 

「ただいま。皆。」

「「「おかえり(なさい)!所長。」」」

 

 やはり、少女には笑顔が似合う。




僕としては今まで書いたものの中で一番感動チックにかけたと思うお話だったんですけどねぇ…。なので出来はいい方。

まず、原作プリヤの方のやつとオリキャラ同一人物なんです。
次にそれを縁としてイリヤ召喚じゃあ!ってのが2話の予定でしたけど…うーんってなりまして。無駄に複雑ですし別にイリヤとの物語書くなら原作プリヤの方でいいよなってなって没という感じです。

オルガマリー救出云々はうちの魔女さんがパワープレイで解決できそうなんですけど2部7章のストーリー的には原作通りカルデアスに吸い込まれたほうがいいかなって。そこまで話が書けるかどうか聞かれたら無理と答えるんですけどね。

そんなわけでFGO二次創作2つ目でした。


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原作:オリジナル
少女週末旅行的な物語を書きたかったお話


タイトルは、世界に私だけ


 私は、孤独だ。いや、『だった』が正しいか。

 

「そうだよね?ミケ。」

「にゃ〜?」

 

 ミケの可愛さに惚れて拾ってしまった。食料に余裕なんてないけど、拾ってしまったのだからしょうがない。ま、そこらへんに食料はあるだろうさ。

 

「燃料もどうにか補給しないといけないんだった。」

 

 何もない世界。

 いや、壊れた建造物と青空くらいはある。そんな世界でやることなどほとんどないけど私にはやることがたくさんあった。まぁ、大まかには『生きること』ただそれだけ。私の両親の願いだから。

 私の旅の相棒はくっそはえー大型バイク。正直車のほうが色々物を積めたり雨風しのげるからそっちのほうがよかったけど、かっこいいからもーまんたい。最高時速400kmでぶっ飛ばせるぜ。イかしてるだろ?

 

「あーミケ、どこに乗りたい?」

 

 400km/hでぶっ飛ばしたことなんてないからどれくらい怖いのかは知らない。出してもせいぜい200km/hだし。

 ミケはあちこち回った結果、私の胸の谷間に収まった。エロ猫めぇ…。でもそれ以外だと落っこちる可能性があるのが拒否できない理由だ。

 エンジンを入れてアクセルを回す。

 さ、終わりなき旅路でも楽しもう。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 世界が、というよりは文明が崩壊し、誰もいなくなった結果星がよく見えるようになった。明かりがついているところはついているが、インフラはボロボロだから基本的に明かりがつくことはない。星が見えない理由は色々あるけど、街の光が強すぎるせいだ、というのを以前聞いたことがあった。

 

「猫でも星って楽しむものなの?そもそも言葉がわからないだろうけど。」

 

 顔をスリスリして甘えてくるミケ。やっぱり猫はかわいいね。

 

「昔の人たちってさ。星と星をつなぎ合わせて絵に見立てて星座っていうのを作ってたんだ。残念ながら私にその知識はないんだけどね。」

 

 満天の星空。きっと世界で一番美しい世界なんじゃないかな。大小明暗様々。それぞれの星が生きたいように生きている。そんな気がする。

 

「保存食しかないのがここまで寂しいとは。」

 

 レーションだったり缶詰だったりレトルトだったり。味はいいんだけどたまに満たされないときがある。満腹なのにね。

 

「お酒はあるんだけどね。」

 

 飲むのはコップ一杯で星空が綺麗なときだけ。焚き火と星空を見ながら飲む酒はこの世で一番さいっこうの飲み物だよ。

 

「明日の生存と願いの成就を祈って…乾杯。」

 

 実を言うとそこまでお酒に強くない。だからちびちび楽しむ。まだ未成年っていうのもあると思う。ん?未成年の飲酒はだめだろって?この荒廃した世界にルールなんてあると思う?ルールがあるなら守らなきゃいけないけど、ここにはない。私以外誰もいないから私がルールだ。

 

「ねぇミケ。世界の終わりってどんなだろうね。人間の終わりは迎えた。じゃあその次は?って思ってね。」

「にゃー。」

「お、反応してくれた。何を言ってるのかわかんないけど。…痛い痛い引っかかないで!ごめんごめん!」

 

 うあー割と痛い。なんだってんだこんちくしょう。

 

「ミケ。引っ掻くならご飯あげないよ?」

「んにゃ!?」

 

 お前さん。もしかして理解しているのかな?ニュアンスで感じとっているのかな?どっちでもいいのだけれど。

 

「自由って素晴らしい。だけど、こうも自由すぎると、人でなくなってしまうような気がするよ。」




1000文字程度ならばそこそこ簡単に書けるだろうと思って始めたものの、展開が思いつかなくなって敗北しました。なんかいっつも展開が思いついてないなコイツ。

コンセプトは、少女と猫がバイクで荒廃世界を旅するお話。マジで他人が出てくる予定は一切なかったものの、案外あっさり敗北して2ヶ月ほど寝かせてたのでここに供養。今読み返してみると秒でタイトル詐欺紛いな文章を書いているという…何だこれ。

これを含めて3話分投稿予定。


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少女週末旅行的な物語を書きたかったお話2

 つい先程、コケた。

 

 何もない平坦な道を、胸の谷間にミケを納めて走っていると急に襲いかかってきた鳥に驚いてバランスを崩してがっしゃーん。幸いにも私とミケに怪我はなかったが私のイかしてるバイクは無事ではなかった。見てみると複数のパーツが破損していた。

 

「食料ついでに部品探すかぁ…」

 

 この世界でバイクは車と同じくらいに普及していた。割合はちょうど半分半分くらいというのを結構前に拾った本で読んだ。私のバイクはかなり頑丈に作られているはずだけれど部品交換なしの整備だけじゃだめだったみたい。部品が手元にないことが多くてね。

 護身用の銃も持っていく。オーソドックスな9mm拳銃。今のところ12発マガジン4つ分しか弾薬がないからそれも補充しなくちゃなー。拳銃の腕?半分くらいは当たるんじゃない?

 

「しかしこの地域はやけに暗いな。」

 

 原因は道の両方にそびえ立つ建築物がずーっと並んでいることだろうね。窓の数を数えただけだけど10階以上がほとんどだね。人口がめちゃくちゃ多かったんだろうなぁ。人口密度高すぎるぅ・・・。

 

「でも、誰もいなくなっちゃったんだよね」

 

 きっと栄えたんだろうな。こうやってギシギシになってまで人が集まるんだから。

 

「ん?」

 

 本屋さん、というよりは図書館かな?

 歴史が気になった私は立ち寄ることにした。

 

 掃除されているはずもなく、埃だらけだ。ミケは中に入りたがらなかったのでバイクでお留守番してもらっている。

 

「歴史…歴史…ここか。」

 

『もともとは水没した都市で積み木のようにして家を建てていたが30年前の地震で土地が隆起して水没していた部分が出てきた。その噂を聞きつけた外部の人間やもともと街に住んでいた人間が一緒になって修復や改装を続けた結果、人口は膨れ上がり、大都市となった。10年足らずでここまで発展するのは類を見ない。しかし、栄えていたものの食糧問題が度々話題に上がっていた。10年前この世界の広い範囲で飢饉になった。ここは作物が育ちにくい土地だったようで9割ほどを輸入に頼っていた弊害により食糧問題は深刻なものになった。裕福な家庭は外の豊かな場所へ逃げて、それができない者は強奪や犯罪など一瞬にして治安が悪くなった。やがて人口は流出を始め、最後は私だけとなった。飢饉での問題について私は学者として、ある意味人間の正しい姿を見ることができたのではないかと記しておく。普段は他人の為などと宣っているが、いざ窮地となれば他人を蹴落としてでも生き残ろうとする。素晴らしいじゃないか。さて、誰がこれを読んでいるのかは、わからないが何かしら役に立つと幸いだ。私もこれで心置きなく去ることができる。良い生を。』

 

 ふーん…きっと皆愛着なんてなかったんだろうね。元水上都市で、今は高層建築物が並ぶ街。栄えてたから、儲かるからみたいな理由でとどまってたんだろうけど、利便性はかけらもないよね。ぱらぱら見てたら1階や2階の家賃のほうが高くて、階が高くなるほど安くなるって書いてるし。そういうことなんだろうね。あんまり面白くはなかった。

 

「ん?地図じゃん。」

 

 これは嬉しい。しかもどこになんの店があるかまで書いてる。

 

「よし。数日間、観光しよう。」

 

 誰もいない、がらんどうな世界で私は、ただ、生きる。



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少女週末旅行的な物語を書きたかったお話3

やっべ忘れてた


「お邪魔しまーす。」

 

 まず最初に訪れたのは保存食料店。消費期限10年とかがざらだけど長くなればなるほど不味くなる。害はないけどね。

 

「おお、お肉じゃーん。お魚じゃーん。お肉、お肉、お野菜、お肉、お肉、お魚…肉多いなぁ。」

 

 ちなみにお肉大好きです。なので持っていけるだけ持っていきます。牛、豚、鶏、その他謎の肉も美味しいので持っていくよ。いや、ほんとになんの肉かわからないけど美味しいのがあるんだよ。たぶん人工の食用肉だと思うんだけど…

 

「ミケ?あー、キャットフードじゃなくてお魚食べたいのか。」

 

 というわけで魚も持っていく。

 次に向かったのは銃砲店。

 

「な、なんで大砲が?」

 

 たしか種類は榴弾砲だったはず。あ、でもこれ弾を発射しようにも金属板が溶接されて閉じられてるからインテリア的な何かか。

 

「お目当てはスナイパーライフルとサブマシンガン。まぁそんなに備えなくてもいい気はするけど。」

 

 なにせ今敵となりうるのは獣と警備用ロボットくらいだ。警備用ロボットといっても装甲で覆わててるわけじゃないし、そんなに速くない。カスタムすれば100km/hくらいだせるみたいだけど普通は最高40km/hだ。バイクにさえ乗れれば怖くはない。それに、あいつらが持っているのは警棒だけで、銃は持っていないからどうにかなることのほうが多い。重要なのはそういうことが多いだけで、逆に言えばどうにかならないこともそれなりにあるっていうことで。なんでかっていうと数が多い。囲まれる。重い。圧死。つまりはそういうこと。

 

「おお…!」

 

 なんだこのへんてこりんなサブマシンガンは。マガジンが銃の上部にある。っていうかフォルムが銃じゃない。私の持ってるハンドガンと弾種が違うようなのでスルー。結果的に一般的に知られているサブマシンガンになった。その分部品とか弾薬も入手しやすいからね。スナイパーライフルはというと保留にした。なぜか対物ライフルと呼ばれるような大口径ライフルしか置いていなかった。弾も十分な数もらった。

 

「さてお次は燃料とかバイクの部品とかかな。」

 

 私バイクに乗ってるけどそこまで詳しくなくて同じ型番のパーツを集めてるだけ。なので割愛させてもらうよ。

 

 

 

 せっかくなので夕日を見ることにした。不法侵入で訴えられるかもしれないが、私以外の人間はいないので問題なし。途中までエレベーターで、階段を登って、扉を開けて屋上へ出る。

 

「……すごいね。ミケ。って眠たいか。」

 

 盛大なあくびをしてらっしゃる。私が登ったのはこの街で1番高い建物。そこから見下ろしてみると建物の高さが段々と低くなっている。全体で見たらピラミッドってやつになるんじゃないかな。メインディッシュの夕日は真紅に染まっていて地平線に半分ほど埋まっていた。私が見た夕日の中で一番。後にも先にもこれだけだと思う。

 

「今日はここで野宿だね。」

 

 きっと太陽が意思があったならば、『ただ一人の少女と目があった』だなんて日記に書いてくれるかもしれない。




チラシの裏ですけど1000UA超えてました。多いのかどうか知らないですけどありがとうございます。



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