Portrait of the Great Dragon ~ダンケルザーンの生涯~ (CanI_01)
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その生涯と外見

・外見

 

ドラゴン形態

鍛え上げられた鎧のようにきらきらと輝く澄んだ蒼い鱗を持つウエスタンドラゴン。

 

ヒューマン形態

その背丈こそ2mには届かないものの筋肉質な体型をしている。外見上は非常に若く、オリーブ色の肌にカールしたブラウンの髪、完璧な体型はさながらミケランジェロのダビデのようだ。唯一その瞳だけが超越存在であることを主張するようにメタリックブルーとシルバーであり、好奇心旺盛さをたたえている。その中に不自然な黒は深い虚無に繋がる穴のようだ。

 

・その生涯

ダンケルザーンがいつ生まれたのかは定かではありませんが、第2世界以前の覚醒時代に竜の女王オールウイングスの実子として生まれます。

一般的にドラゴンは産卵後、その卵は自身の信頼するグレートドラゴンに養育を委託し自身の子供としては親になりません。

この為ドラゴンの兄弟は基本的に義理の兄弟であり仲が悪くなりがちです。

しかし、ダンケルザーンは王子として産まれた為か実母オールウイングスによって養育されます。これは弟であるゴーストウォーカーも同様で生涯この2人は仲の良い兄弟だったようです。

ところが、この竜の時代は第4世界には終焉を迎えることになります。竜の召使いであった人類が反旗を翻しオールウイングスを討ちとったのです。これによりウエスタンドラゴンは世界に君臨し支配する立場を手放し影から社会を操る立場に移行します。

第4世界ではダンケルザーンは現在のウクライナに居を構え、後にアトランティスと呼ぼれることになるセラ帝国と対立し現地にドワーフ国家を築きあげ影から操っていきます。

第4世界においてゴーストウォーカーはドラゴンが禁忌とする死者の魂への操作を行ったことからシェディムの支配するメタプレーンに幽閉されます。

 

2012年1月27日にダンケルザーンはデンバーのチェリークリーク湖に姿を現します。覚醒後2番目に姿を現したグレートドラゴンに世界は驚嘆しました。

更にそのドラゴンが自身への会見を収めたディスクの収益の大半を見返りにインタビューに応じると告げたことから世界中からレポーターが殺到します。

このレポーターの選別を潜り抜けたのが当時駆け出しのレポーターであったホリー・ブライトンでした。

このインタビューは質疑応答形式で行われ最終的に12時間16分の長丁場となります。

これにより、人類は第6世界における常識である覚醒や魔法に関する基礎的な知識を得ることになる。

反面ダンケルザーンは自身が眠りについていた5200年の間に起きていたことを知り、このインタビューのデータにより税抜きで1,300万ドル以上の収益を得て、当座の資金を得ます。

グレートドラゴンは人の声を発生できないためメディアなどへの機械を通した発言をするためにはメタヒューマンの通訳、つまり声が必要になります。

ダンケルザーンの声に最初になったのはデンバー在住の年若い男性ジョン・ティモンズでした。

彼の協力の下ダンケルザーンは投資と自身のネットワーク構築に注力します。

投資は主にIT技術やサイバーウェア、医療技術など最新鋭技術開発に定評のある企業に投資が行われました。

ダンケルザーンは自身の企業の中核としてゴッサマースレッド社を保有し投資や人材の引き抜きを進めていきます。

ダンケルザーンはこのようにして引き抜いた人材や個人的な友人達からの合法的な情報や信頼できるフィクサーやランナーと数多く関係を持っており、それらの情報を複合して様々な判断をこなしていたようです。

そして、2021年当時のアクエイションテクノロジー社に在籍していたデビッド・ギャプランを引き抜きを画策し動き出します。ところが、この動きはアクエイションテクノロジー側にばれ、サイバー攻撃を受けます。

このサイバー攻撃の為に造られたプログラムはあまりに優秀過ぎました。

状況に即応して自己進化を行うプログラムなのですが進化暴走しクラッシュウイルスとなります。

これを作ったのがギャプランなのです。

これによりクラッシュが発生します。ダンケルザーンはギャプランにクラッシュウイルスを作った責任として対ウイルス部隊エコーミラージュに入隊するようギャプランを説得し、ギャプランはエコーミラージュに入隊し見事にクラッシュウイルスを根絶します。

このウイルスは本来は対象の情報を抜き出すためのプログラムであり、この時ゴッサマーと合わせてNASAもこのプログラムにより攻撃が仕掛けられています

 

ティモンズは2022年に、ヒューマニストの手により暗殺され、ダンケルザーンの声は不在となります。

次の声が選ばれるのは2028年。当時駆け出しのレポーターであるテリー・アン・リベリオと言う女性です。彼女とダンケルザーンは巣穴の確保の交渉に精力的に活動します。これによりアスバスカン議会国家のルイス湖畔を確保し、ここに最先端技術を活用したアミューズメントパークを建造します。このアミューズメントパークはダンケルザーンが2037年にアレスより買収したビジョンクエスト社により運営がされます。

このテーマパークはダンケルザーンのホモ・サピエンスへの興味の集大成でありVRシナリオに対する反応は全て記録され分析されることになります。

 

このビジョンクエスト社はアレスの最新鋭のVR技術を開発するコア企業であり常識的にはダンケルザーンへ売却するメリットはありませんでした。

ところがアクエイションテクノロジーのギャプランは後にクロス応用技術を立ち上げるリュシアン・クロスと共に開発したプログラムによりアレスの株式を不正に取得しダミアン・ナイトの名前でアレスのCEOとなっています。

恐らくはギャプランの動向を追跡していたダンケルザーンはこの事実を知り、口外せぬことを条件にビジョンクエスト社を売却させたようです。

ちなみにダンケルザーンはナノセコンド買収を利用してアレスの株式を密かに確保して自身の保有しているギャプランベンチャーに保有させていました。

 

2033年、現在イーボの取締役を務めるバタカッブと対立します。理由として当時のバタカッブは人類を下等なペットと見なし酷薄な扱いをしていました。それに異議を唱えたダンケルザーンはバタカッブを束縛し若く無学なオークの肉体に1年と1日の間封じます。これにより搾取される側の立場を知ったバタカッブは汎人類主義に目覚める事になります。この時ダンケルザーンより経済についての手解きを受けたようです。

 

2035年のティルタンジェル建国を陰ながら支援じす。その後も自身の影響力ある企業を動かしティルタンジェル経済が循環するように援助を行います。

ティルタンジェルのプリンスであり仕掛け人の一人であるエーラーンと旧知の仲であった事から参加したと思われます。

 

そして、ダンケルザーンの声を努めたテリーは2039年に特段の理由もなく声の地位から離れます。

その直後に声になったのが、ナジャ・ダビアーです。

そして、2042年にダンケルザーンはトリデオ番組ブライトンのメディア界引退の翌年からドラゴンは年2回の番組を開始し、その内容は著名人へのインタビューや環境や社会についてなど、ダンケルザーンの興味に従って選定されていました。

この番組の司会者はホリー・ブライトンであり、彼女はメディアからの引退を考えていましたが、そこをダンケルザーンが口説き落としたのです。ホリーの司会のもとにゲストがインタビューの応えていく形であったようです。ダンケルザーンのコメントや突っ込みをダビアーが通訳する形であったようです。

 

2050年代前半にダンケルザーンはダミアン・ナイトに昆虫精霊の情報を提供します。これによりアレスは昆虫精霊との終わりなき闘争を開始することになります。

 

2055年、ハーレクインが古代の女王チャイラを地球に帰還させダンケルザーンに大災厄の危機が迫っている事を告げます。

ダンケルザーンは何の準備もなく大災厄が到来し、なおかつ人類の技術までがホラーの手に渡れば地球の知的生命体の滅亡もありえると考えます。

そして、異世界と地球の間を繋ぐブリッジを破壊するためのマジックアイテムの製作を開始します。

ですが、この時代の魔力ではブリッジを破壊するためのアイテムを創り出すための魔力が足りずダンケルザーンは自らの命を生贄にすることすら視野に入れ行動を進めていきます。

 

2056年中旬、ダンケルザーンは議会制定法によりUCAS市民権を得ます。これはドラゴンの資産運用に対する課税への魅力と親覚醒派が大統領選において自分たちへの投票することを期待しての行動となります。これを受けてダンケルザーンは住居をルイス湖からセントエドワード島に移し、合わせてニューヨーク、DC、トロントに住居を用意します。これらの住処はドラゴンの姿でも快適に生活できるよう大きく作られていたそうです。

 

そして2057年にはダンケルザーンがワームトークに自らゲストとして参加しUCAS大統領選への出馬を表明します。

ダンケルザーンは数多の文明の勃興を見てきましたが、文化的な同一性や民族的な同一性に依らず国家を興し法の下の平等の名の下に300年以上国家を維持してきたことに感嘆し、その平等に自身も参加し国家の一助になりたいと告げます。

ダンケルザーンは法の下の平等を進めるためにメタヒューマンの人権向上、シンレスへのSINの完全付与、企業の技術開発と経済を推進するための投資に力を入れ、それにより国民の利益となると考えていると語ります。

この出馬の背景には他のドラゴンやイモータルエルフによって自身の知識に基づいた発言を封じられていたことに対する苛立ちもあったようです。

それ以上にハーレクインによってもたらされたホラーの情報の影響は大きかったかもしれません。地球を救うために自らの死を規定事項として考えた上でメタヒューマンがより公正に生きられる世界を近づけるための布石なのか、導き手として支配者として生きてきたにも関わらず一度も君臨しなかった事に対する最後のわがままなのか、事実は不明です。

少なくともダンケルザーンは大統領選に出馬し見事に大統領の座を射止めます。

 

2057年8月9日、ダンケルザーンはワシントンのウォーターゲートホテルから大統領就任パレードの為にリムジンに乗り込んだところリムジンが爆発します。

これによりダンケルザーンの29,000年(本人談)の生涯に幕を閉じることになります。

この突然の死によりダンケルザーンは暗殺されたと考えられました。

異世界からの侵略を進めるアズテクノロジーやナノセコンド買収の秘密を握られたダミアン・ナイト、UCAS副大統領の地位を手に入れたナジャ・ダビアー、ダンケルザーンが話し過ぎることを嫌っていた他のドラゴンなど、様々な憶測や噂が飛び交いましたが結局真実は明らかになりませんでした。

実際この事件はダンケルザーンの計画的な自殺だったのです。これはまるでこのタイミングで自らが死ぬことが判っていたかのようなタイムリーな遺言書も、この事実を裏付けます。

何故ダンケルザーンは大統領就任と言うタイミングで自らの命を絶ったのでしょうか。

この最大の動機はブリッジを破壊するためのマジックアイテム、ドラゴンハートを完成させるためです。ドラゴンハートを完成させるには第6世界の魔力はあまりにも少なかったのです。その不足を補うにはダンケルザーンが自らの命を捧げるより他無かったのです。

このパレードの直前弟子であるライアン・マーキュリーからアズテクノロジーがブリッジ完成の為の魔力電池たるローカスを手に入れたと聞いたことが引き金になっているとは思われます。

 

この時ダンケルザーンは死した自らの魂を3つに分割し送り出します。

1つはドラゴンハート完成の為にルイス湖にある自らの巣穴に。

1つは世界の境界で歌い続けるチャイラの元にドラゴンハートの完成を伝えるために。

1つは遥か遠くのメタプレーンに幽閉されている弟ゴーストウォーカーに自らの死に至る経緯と自身の信頼できる仲間達の事を伝えるために。もしかするとダンケルザーンの魂はゴーストウォーカーと共にあり彼の帰還を助けていのかもしれません。

このゴーストウォーカーの幽閉地へと繫がる為の道こそがウォーターゲート裂溝なのです。これが無ければゴーストウォーカーの帰還にはさらなる時間がかかっていたのではないかと思われます。

 

ダンケルザーンは死した後も自らの目的を達するために様々な布石を打ち、無数の組織や個人が巻き込まれていきます。

死して後に20年以上の時が経過しても未だにダンケルザーンは第6世界に影響を与え続けているのです。



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組織:ジョンシモンズ記念財団

ジョンシモンズ記念財団/The Jhon Timons memorial fund

 

この財団は本拠地をFDC(UCASの首都圏)に置くメタヒューマンや覚醒者、女性の権利を護るためにダンケルザーンにより設立された財団です。

ジョン・シモンズはダンケルザーンの最初のの声であり、その在職中に暗殺により命を失った人物です。シモンズは敬虔なクリスチャンであり、その生涯を通して寛容と冷静さを説き、その言葉はダンケルザーンの声であったことと合わさり北米のプロテスタント界において大きな影響力を持っていました。

特にカトリックにとって覚醒は頭の痛い問題でした。なにしろ魔法を悪魔の御業としてきたカトリックは覚醒を否定すべき立場にあるのですが、すでに世界の潮流として不可能な状況にあるという組織としての岐路に立っている時期にあったのです。

この為彼の立場が大きな潮流を生み出したのは間違いありません。何しろキリスト教にとって竜は悪魔の象徴でもあるのです。ちなみにカトリック教会が魔法を正式に認めるのは2024年です。

このような経緯もありワシントンDCにおいてシモンズは覚醒者やメタヒューマンの権利擁護においての最初期の活動家として名声を獲得していました。

元々シモンズの名前を冠した財団成立のために活動していたペンチクは理事長の打診があると二つ返事で引き受けました。

理事長のペンチクが就任前からウーマンズエンパワーメントコアリージェン(女性の権利向上団体で女性のための組織や個人への投資も行う団体)の運営に関わっていることから財団成立後は足並みを揃えて活動しています。

 

 

理事長 アンネ・ペンチク/Anne penchyk

 

UCAS中西部で生まれマーケティング業界で着実なキャリアを積んでいましたが20代にオークへのゴブリン化することにより、価値観とキャリアに多大な影響を受けます。

その後マトリックス中心にマーケットコンサルタントとして仕事を行い着実に知名度と実力を伸ばします。仕事の中で他のメタヒューマンとの繋がりも生まれていき、中西部随一のマーケッターの評判を得るまでになります。

彼女は次のキャリアパスとしてメタヒューマンの権利向上の為のスポークスマンへと参入します。

この活動を通じてウーマンズエンパワーメントコアリージェンに多大な影響力を手に入れていきます。

ダンケルザーンが大統領になった選挙で出馬したフランクリン・イエーツの友人として選挙運動に参加しイエーツがシカゴで暗殺された後にイエーツの地盤を継ぎ大統領選に立候補しますが敗退します。

彼女はカマキリのの昆虫精霊でデイソレーションエンジェルズと強い繋がりを

持っています。

 

 




参考文献

Portfolio of a Dragon: Dunkelzahn's Secrets
ジョンシモンズ記念財団の記載についてはこちらから。

Super Tuesday! Vote Dunkelzahn for President
アンネ・ペンチクについての解説や選挙戦周りについてはこちらのシナリオ集を参考にしています。


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組織:ドラコ財団

ドラコ財団/Draco Foundation

 

小国並みの人員を擁し、メガコーポに渡り合える資金力がある、世界で最も影響力のある非営利団体、それがドラコ財団です。

ドラコ財団はダンケルザーンの遺言により、その遺言を執行しダンケルザーンが、思い描いた目的を遂げるために造られた組織です。

実働部隊であるアセットインクも持ちダンケルザーンの遺言執行を第一義に動く組織です。その為にランナーを雇い入れることも珍しくはありません。

また、その中でドレイクの保護や鮮血魔法使いに対して懸賞金をかけておりその意図を疑がわれることもあります。

そのそつの無い財団運営は理事長のダビアーと副理事長のデュプリーの努力の賜物と言えます。

2064年のクラッシュ2.0によりダビアーが失踪しデュプリーが理事長代理としてドラコ財団を運営します。このデュプリー体制も理事の兼松との対立こそあったものの概ね平穏にドラコ財団は運営されます。

2073年2月18日にワシントンでデュプリーの死亡が確認されます。その3日後に入れ替わるようにダビアーが帰還します。

ダビアー帰還後にクゼルタとフリーエルの2名の理事が抜け、代わりに監査役員として先のUCAS大統領ベティ・ジョー・プリチャードと同じく退任したCAS大統領アイボリー・マッケーブが就任しています。これは財団の成立条件を定めるUCASの法律に従ったためです。

そして2074年に新たに理事としてグレートドラゴンの勝、〈彼の竜の子ら〉のアレクシス・グリマースケール、ゲネシスコンソーシアムのクリスティン・マーティン

が就任します。

更にエグゼクティブディレクターとしてレックス・コールを任命しより効率的な組織運営を勧めています。

ダビアー帰還後、彼女は積極的にコネクションの構築を進めジョナサン・リードやカトリック教会の防諜責任者と同盟関係を結んでいます。

また、複数のダンケルザーンの遺産が財団から奪われた事を受け、ダビアーは自身の資産管理会社であるリアリティインクを通じてネオネットからキャルバリーアームを買収しドラコ財団の警備を強化しています。

ですが、その影響力を嫌うメガコーポやアーティファクトの確保で利害関係にあるアトランティス財団や新たなる夜明けのイルミナティなど敵も多く舵取りを誤ればメガコーポ等他の組織の草刈場になりかねない危うさも常に内包しています。

 

以下に財団の理事を記載します。

 

理事長 ナジャ・ダビアー

エルフ、女性、社交アデプト。

2014年にエストニアで生まれるも8歳で両親と死別し、孤児院で成長したことになっています。

実際にはエルフの孤児としてストリートでただ生き延びることだけを目標に獣のように暮らしていました。この劣悪な環境から生き延びる為に他のエルフ達と協力し知識や力を蓄積し食事に事欠かない生活を目指します。そんな仲間に、現在のティルタンジェルのプリンスの1人であるジョナサン・リードがおり、彼は彼女の師匠となったのです。

そして、リードとダビアーは協力し欧州戦争の混乱を利用しブラックマーケットに根を張り、影響力を増大していきます。事業規模の拡大により資金の洗浄が必要になったダビアーはリアリティインクを設立し綺麗な資金を入手できるよう形を整えます。

そして、リアリティインクを通してヨーロッパの表の世界に影響力を増していき2039年にダンケルザーンの声となります。

ダンケルザーンの声として通訳とリアリティインクを用いたダンケルザーンの影の組織の運営を取り纏めていきます。

ダンケルザーンの死後、ドラコ財団の理事長、UCAS副大統領に就任し、ゴーストウォーカーによるデンバー支配などに介入を行います。

そして、2064年のクラッシュ2.0の混乱の中、暗殺組織キメラの凶刃に倒れたと思われます。表向きにはダビアーは行方不明となります。

2073年にダビアーは突然世間に姿を現します。このダビアーが失踪前と同じ人物なのかは定かではありません。噂ではダンケルザーンの生まれ変わり、クローン、自由精霊など様々な話があります。ただ、実際ナジャ・ダビアーと同じ顔のフィクサーだけが所属するフィクサーネットワークがあり、ダビアーとネットワークは協調して動いています。

少なくとも再びドラコ財団を掌握したダビアーはティルタンジェルやカトリック教会、ネオネットの警備責任副社長であるマイルズ・ラニアー、元ナイトエラントよCEOであり、現在はスー国の特別戦術顧問であるソーリングオール、ゴーストウォーカーなど多方面との同盟関係を保持しています。

失踪前にはアセットインクのCEOであるライアン・マーキュリーと恋人であったが帰還後に別れています。

 

ダンケルザーンの遺言によりドラコ財団の理事長、そして遺言状に記載されていないもの全てが贈られています。

 

副理事長 アイナ・デュプリー

紀元前6000年頃に生まれ生き続けるエルフ。

父親がエルフ宮廷の女王アラシアのセラ帝国に従うべきだと主張したことにより数百年以上老化させる呪いをかけられた上で森から追放される。

その後異界魔術師の師匠のところで禁断の魔導書に手を出しホラー、イストグラーゼに目を付けられる。

イストグラーゼは不死であるアイナの体質に目をつけいくらでもいたぶることができる対象としてとりついていた。

その後グレートドラゴンマウンテンシャドウ(ダンケルザーン)の助言によりイストグラーゼを追い払うことに成功する。

その後エルフ宮廷に戻り、エイスン・オークフォレストと結婚生活を送るが破綻し、再びイストグラーゼに干渉される。

結果第四世界より繰り返しイクトグラーゼという名のホラーに狙われ続けている。

エリザベス1世の時代には、英国のスパイとしてフランスで暗躍する。

ダンケルザーンの遺言によりドラコ財団の副理事長となるが、エルフの争いに巻き込まれホラーの支配するメタプレーンに幽閉されるがフロスティの組織したランナーチームにより救出される。

現在はエルフ宮廷に対立する組織アンシーリーコートの女王となっている。

イクトグラーゼとの間にタイスという息子がいる。

ハーレクインとはかつてただれた関係にあった(同じホテルで寒くて眠れないから裸で相手の布団に潜り込むような関係)。

重度のアルコール中毒。

第六世界屈指の魔法使いであり、ほかのイモータルエルフをも凌駕する。

 

ダンケルザーンの遺言によりドラコ財団の副理事長の地位と希望が贈られます。

 

理事 フランク・ハーディー/Frank Hardy

自称放浪するケルト人であるフォモールの男性です。ハーディー家は19世紀から続くプリンスエドワード島の豪農の家系で遡るとアイルランドに繋がります。フランクは未だに父祖の地を守る農夫でもあります。

卓越した植物学者であり、農夫であり、優秀なシャーマンであるフランクはその技術を用いて痩せた土地や日照量の少ない土地でも育つ植物を開発し世界中に販売しています。彼は父祖の地を離れることはなく販売はアマゾニアのシルバーブランチ社と言う小規模な企業を通してのみ販売しています。

メガコーポはシルバーブランチを買収することも無く大人しくその新種の種を購入しているようです。

2073年行方不明となった副理事長アイナ・デュプリーの後任として帰還したダビアーにより副理事長に任命されます。

 

マニュエル・トーレス/Manuel Torres

カラカス在住のディエゴ・リベラスタイルのフレスコ画家男性。

北部アマゾニアと画壇では有名な人物でフレスコ画家と絵画教室、そして宗教的な絵画などの販売で生活をしている人物です。

様々な技法での絵を描くことができますがアズトロン様式での絵画だけは決して描きません。

彼の制作物には魔力が宿るとも言われておりシャーマンであるとの噂もあります。

 

ミロ・クゼルダ/Milo czerda

中央ヨーロッパで詩人として生活しているケンタウロスの男性。

チェコ国籍であり覚醒者でもあります。

詩人や作家として世界的な名声を獲得しており、非ヒト知性知的生物の権利宣言にも大きく関与しています。

2072年にダビアーが帰還した際に理事の立場を降りることになります。

 

兼松 翠/Midori Kanematsu

来歴不明の女性で日本のベンチャー企業に投資を行い経営に手を貸しメガコーポに育て上げていくエンジェル投資家。

主に宇宙航空産業や魔法技術研究、バイオメディカル産業に主に投資しています。

その外見は30代の日本人女性ですが、最新の整体彫刻を駆使しているだけで80歳を超えてると主張する人もいます。少なくとも最新鋭の技術ガジェットから18世紀の和服まで理解している女性であることには間違いありません。

噂では狐の精霊、狐のシェイプシフター、強力な魔術師やアデプトなどと言われています。

また、バタカッブと親しい友人でもあるようです。

そして、2072年突然ドラコ財団のシアトルオフィスに常駐を決定しシアトルオフィスの人員配置を調整し始めます。この頃デュプリーと財団の方針を巡り争っていました。

 

“グレーシー”グレース・フリーエル/“Gracie”Grace Friel

ティル・ナ・ノーグからスコットランドへ移民した当代最高のデッカーの1人であるヒューマン女性です。その外見は白金色の髪に輝くような青い瞳の細身で長身です。

仕事をしたあとには「良い夜を、グレーシーより」と言うネオンサインで書いたようなアイコンを残します。

2072年にダビアーが帰還した際に理事の立場を降りる事になります。

 

勝/Masaru

2042年にグレートドラゴンへと転化したばかりの男性の若いイースタンドラゴン。

その外見は漆黒の鱗に下腹部は影のような蒼、白い角を持ちます。

メタヒューマンの姿になる際にはヒューマンの青年実業家の姿を取ります。

現在はフィリピンのヴィザヤ諸島、パナイ島に住んでいます。

フィリピンから日本帝国の影響を排除することと、メディアドラゴンとしてダンケルザーンの後継者を目指して活動しています。

 

アレクシス・グリマースケール/Alexis Glimmerscale

ダンケルザーンを神と崇める組織〈彼の竜の子ら〉に所属するチェンジリングの女性。

 

“KAM”クリスティン・マーティン/Kristine Martin

ジェネシス・コンソーシアム社の最高バイオ倫理責任者として取締役会に席を持つ女性の遺伝子改造技術の専門家です。

ジャックポイントでのハンドルはKAMです。

元ユニバーサルオムニテック(UO)の最先端生体工学研究室のリーダーとなり、UOの取締役であるロクスボルグ氏と結婚し娘が1人います。

ところが、UOとアズテクノロジーの共同研究において倫理規定違反に巻き込まれ自身の研究が停滞することを嫌い、夫であるロクスボルクや友人のランナースマイルバンディットを巻き込みジェネシス・コンソーシアム社に出奔し取締役の地位を得ます。

この過程でロクスボルグ氏とは離婚したようです。




ジョナサン・リード/Jonathon Reed
2011年にフィンランド生まれの最初期のエルフの1人です。
2030年にはフィンランドのハイテク企業に就職し、フィンランド軍の存在しない部隊として防諜活動に従事しロシアの侵攻を未然に阻止してきました。この際に開発された通信技術が後のエリカの母体となります。
2035年にティルタンジェルのプリンスに就任します。主にティルタンジェルの防諜を担当してきました。
2064年にクラッシュ2.0が発生した際に情報管理の不備を指摘され当時のハイプリンス、ルー・シェアハンドによりプリンスから解任され、ティルを追放されています。
その後完全に姿を消しましたが2066年以降世界中の様々な場所で姿を現します。
この活動にドラコ財団がなんらかの関係をしていると言われていますが詳細は不明です。
一説によるとシェアハンドを打ち破るために魔法のアイテムを探しているともいわれています。

ナジャズ/Nadjas
ナジャ・ダビアーと同じ顔をしたフィクサーによるネットワークであり、互いを姉妹と呼び文字通り家族として強いきずなを持っています。
その外見がクローンであるとも生体彫刻によるものであるとも言われています。
まとめ役であるイエルナを最初のナジャと呼ぶことから、ダビアーも彼女のクローンであるのかもしれません。

コリンナ/Corinna
FDCにオフィスを構える姉妹。
IDEA(国際/企業間/省庁間麻薬取締局)に影響力を持つ。
元フランスのシークレットサービスに所属していたが、何らかのへまをしたところでイエレナに救われる。
夫がいる。

ヴァレリア/Valeria
マンハッタンに影響力を持つ姉妹。
伝説の暗殺者にしてフィクサー、ヤンキーともコネクションを持っている。

イリナ/Irina
南ヨーロッパを中心に活動している姉妹。

ミーシャ/Mischa
ロサンゼルスで活動している姉妹。
マナダイン社やカルテック社に対して魔法使いの抽出をコーディネートした結果、プエブロ企業評議会ににらまれている。

ソフィア/Sofia
マトリックスベースで活動している姉妹。

ナタリア/Natalia
シアトルを拠点とする姉妹。
ナジャズ中で最も人情的な人物で、その為にコリンナが調整を行っている。

イエレナ/Yelena
最初のナジャ。ナジャズのまとめ役。

マリジャ/Marija
ロンドンを拠点にして活動している富裕層に強い姉妹。故人。

ダイアナ/Diana
デンバーを拠点に活動するフィクサーで元ダンケルザーンのウォッチャーであり、後にゴーストウォーカーに仕える。故人。

ヘレン/Helen
新東京でヤクザなど犯罪組織に強い姉妹。故人。


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組織:アセットインク

アセットインク/Assets, Inc.

表向きにはドラコ財団の警備部門として存在している組織です。その実質はダンケルザーンの遺言執行の為に暗躍するブラックオプチームです。ドラコ財団に雇われるランナーの集まりとも、ドラコ財団のカンパニーマンとも揶揄されています。

2054年頃にダンケルザーンが在野のランナーに声をかけて組織し当初はDチームと名乗っていました。

その後2057年のダンケルザーン死亡と時を同じくしアセットインクと名乗りCEOにライアンが就任します。

これ以降ライアンをリーダーとしたランナーチームとして活動するランナーチームとミッションに適したランナーチームに声をかけて活動させることがあります。

ところがクラッシュ2.0によりダビアーが行方不明になった際にライアンはアセットインクのメンバーを含めてダビアーの捜索にリソースを投入しアセットインクの活動が停止します。

ダビアーの帰還後にドラコ財団のドレイク保護事業を主体的に行っていく組織となります。

救出されたドレイクはルイス湖にダンケルザーンが建造した巣穴を利用したサンクチュリアに匿われ、その後の人生相談と必要な訓練を施されています。

現在のアセットインクはライアンの個人的な繋がりを生かした傭兵ネットワークとしても活動しています。

傭兵ネットワークの事をニューアセットと呼ぶこともあるようです。

 

アセットインクのメンバーには身分証代わりにブラックツースダガーという収束具が与えられます。これはルイス湖のみに存在する素材を用いて特別な儀式を用いて製作されたものであり、個々人に合わせた収束具としてデザインされます。

元々はアザデの持っていたダガーを元にデザインされたものです。

ちなみにかつてダンケルザーンは自らのコードネームをダークツゥースとしておりまして、そちらへのオマージュでもあるように感じます。

 

“クイックシルバー”ライアン・マーキュリー/"Quicksilver"Ryan Mercury

ライアンは7歳の頃に覚醒能力に目をつけたカルト団体に拐われ家族を失います。そこから救出したのがダンケルザーンであり、それ以来ダンケルザーンの指導を受けてアデプト能力を伸ばしていきます。

ダンケルザーンの死後にはイモータルエルフのハーレクインに師事しているヒューマン男性のドレイクです。

フィジカルアデプトであるともミスティックアデプトであるとも言われている。

ダンケルザーンの生前には彼直属の工作員として様々な組織に潜入していたり、荒事をこなしてきた腕利きの工作員です。

ダンケルザーンの死後ドラコ財団の実働部隊であるアセットインクのリーダーとして活動し、様々な覚醒的脅威への対処や遺産品の奪取に関与し解決に導いてきました。

自身がドレイクであることも含め最近はドレイク保護に力を入れています。

ドラコ財団の総帥であるナジャ・ダビアーとは恋人同士ででしたが、ダビアーがクラッシュ2.0で失踪し、彼女が帰還してから別れたようです。

その理由としてダビアーが失踪中に遺言の執行のためではなく、ダビアー捜索を優先したことにダビアーが怒ったためと言われていますが真偽は定かではありません。

最近はドレイクの保護活動を中心に依然と同様に様々な覚醒事件の対処に奔走しているようです。

 

アザデ/Azadeh

ヒューマンドレイクの女性でサンクチュリアのドレイクの部隊指揮官の立場にあります。

卓越した指揮能力と戦闘力に定評があります。

彼女は60年代後半にアズテクに捕らわれたライアンが自力で脱出した際に彼と初めて会っています。そして、ライアンを狙うイモータルエルフの諜報部隊ソングバードを撃破することで自らを売り込みアセットインクに参加しました。

彼女は情熱的で苛烈で、公正な人物です。

それでも仲間達には愛される指揮官のようです。

 

レインウォーカー/Rainwalker,

女性のアダルトドラゴンです。

第4世界においてダンケルザーンに仕えていたドラゴンなのですが、覚醒したタイミングが2068年とダンケルザーン亡き後に目覚めてしまいました。

この為ルイス湖を訪れライアンと面談しダンケルザーンの死についての説明を受けます。その後ライアンの公正さを評価しアセットインクに加盟します。

アセットでは野戦指揮官として機能し、戦術的、政治的な的確な運用をしています。

反面彼女がアセットで影響力があるためにドラゴンの政治に巻き込まれやすくなっているのも事実です。

 

カイリン・アクスレー/Kaylinn Axler

元々アセットインクを率いていたストリートサムライです。

巨漢の女性ヒューマンで長い足、細い腰、波打つ黄金の髪、鳶色の瞳、素敵な微笑み、がっしりした肩の整った体型の人物です。

ライアンがアセットのリーダーに就いた後は長年彼の副官としてアセットを運営してきました。

現在は半ば引退した状態でサンクチュリアでの訓練を主に行なっています。

 

ジェーンインザボックス/Jane in the box

ヒューマン女性のデッカーです。

その実力は第6世界屈指のものでジャックポイントの前のシスオペであるファーストジャックですら敵わないと言わしめた腕前です。

ダンケルザーンの生前からダンケルザーンのネットワークの管理保持し最適なスタッフを投入すると言うマネージャーの立場であった人物です。また、アセットインクの現場支援も行うオペレーターでもあります。

ダンケルザーン亡き後にはドラコ財団とアセットインクの為に活動を続けています。

彼女は波打つ金髪、素晴らしく長い脚、張りかある豊満な胸、小さな足に赤いレザーパンツと上半身は胸元を覆うタイトなローカットジャケットを羽織っている姿のペルソナで現れます。

肉体の外見は痩せ型の黒髪の女性で、女性らしさよりも知性的な印象を与える女性です。彼女が上記のようなペルソナを使用しているのは社会的な女性性への皮肉もあるようです。

 




ハーレクイン
第四世界に生まれたイモータルエルフ。
第四世界では尖塔都市セレアサの大使として鮮血の森に滞在していた。
セレアサの誇る真紅の尖塔の騎士団の一員である剣匠にして理論魔術師。 また、対ホラー秘密結社である光を帯びし者の一員でもある。
第四世界では棘の儀式によりエルフ社会の中心であったエルフ宮廷(鮮血の森)の地位が失墜。
そこに台頭してきたのがエルフ王国ショサラでした。
ショサラは堕落したエルフ宮廷の地位を認めずエルフ文化の中心をセレアサに移すべきであると主張いていました。
セレアサが何故嘆きの尖塔都市と呼ばれるようになるかは不明。
そんな立場ですがハーレクインはアラチアへの批判を忌憚なく言っており、アラチアの恋人とも、同郷の誼であるとも言われています。

第五世界では悠々自適の放浪生活を行い、1854年フランスで酒浸りになっていたアイナ・デュプリーを偶然見かけたハーレクインは彼女を見捨てておけずしばらく友人のような、保護者のような、恋人のような関係を過ごす。

第六世界では同じイモータルエルフの”書記”エーラーンへの雪辱を晴らすために彼の隠し子であるフロスティを誘拐。
その争いで負傷したフロスティの面倒を見ているうちに恋人兼弟子という関係になり、この関係は続いている。

皮肉屋、持って回った言い回しを好む道化師ながら、前の時代のものを引き継ぐのではなく新たなる時代の者が成長し力を得ることに期待をしている。
これは彼のディシプリンである理論魔術師の思想である知識への敬意が表れた形ではないかと思われる。

過去の恋人であるアイナがアラチアによりホラーの住まうメタプレーンに封印されたこと知った時にはアラチアを、ゴーストウォーカーの暗躍でアイナが死んだと思った時にはゴーストウォーカーを襲撃した激情家でもある。

彼自身は世界を守るための騎士を自認しており異世界から侵略してくるホラーに対して日夜戦いを繰り広げている。


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