真・女神転生シンフォギアif (宇迦之たま猫)
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原作前
太陽が暗闇に堕ちる時


心ぶっ壊れる1歩手前、首の皮一枚繋がってる状態のビッキーが転生スティーブンに会って殺意ガンギマリビッキーになって復讐を決意する話



世界は何時だって理不尽だ。

私は立花響14歳、何処にでも居る普通の女の子だったと思う……少なくともついこの前まではそう思っていた。

 

親友との約束で行ったツヴァイウイングのライブ、親友は急用で来れなくなり1人でライブを見る事になった、それが悪夢の始まり。

 

ノイズの襲撃、ライブ生存者への迫害、魔女狩りの様に広がる悪意。

 

信じていた両親は悪意に耐えきれず蒸発し、私だけが1人残された。

生きる意味なんて無くなってしまった私が唯一信じられる人が居た。

それは私の幼馴染みであり親友の小日向未来。

だけどある日彼女からの連絡が途絶えてしまった。

親友は、私を捨てて引っ越した

人々の悪意から逃れる為に、私の両親の様に。

 

学校へ行けば、酷いイジメが待っている。

熱した鉄を体中に押し付けられたり、彫刻刀で体中を抉られたり、教師からは殴る蹴るの暴行、誰も居ない家へ帰れば近所に住む者たちからの迫害が待っている。

 

心も体も限界だった。

家を出て、街の暗い路地裏で1人蹲る。

何故、どうして、私がこんな目に会うのか、ただでさえライブの後入院して、必死のリハビリで戻って来れたのに…

 

いっそ死んでしまおうか、そんな願いが届いた訳じゃないだろうけど、ある日不思議な人に会った。

 

「やぁ…君が立花響ちゃんかい?」

 

座って俯いていると声をかけられた。

顔を上げるとそこには赤いスーツを身に纏い、白い髪をした優男風の男が車椅子に座ってそこにいた。

誰なのか?なんで名前を知っているのか?頭が回らない、でも不思議と恐怖は無かった。

男は何かを差し出してきた。

黒い、腕に付ける様な…確かガントレットって言うんだっけ?それに似た機械、なんだろこれ?

 

「これはね、悪魔を呼び出す為の道具だよ」

 

差し出された物を呆然と見つめていると男は説明を始めた。

 

曰く、この黒いガントレットの様な物は特殊なプログラムで悪魔を召喚、契約出来る魔具である事。

曰く、この悪魔とは人を喰らう存在である事。

曰く、マガツヒと言う人の負の感情を好む存在故に怒りや憎しみ、悲しみ等のマイナスの感情を持たないと良い契約を結べないとの事。

曰く、悪魔は異界の存在故ノイズを殺せるとの事、そして最後にスティーブンと名乗る男から言われた言葉は……

 

「君は余りにも酷い迫害を受けた。君には魔女狩りの如く迫害して来た人々に復讐する権利があるのさ、このプログラムを使って…君を迫害して楽しんだ愚かな人々に、復讐をすると良いよ」

 

スティーブンはその後も続けて言った。

曰く1番最初に召喚した悪魔は基本的に殺さないと契約出来ない。例外として、話し合いや悪魔が召喚者を気に入る場合もあるとか。

曰く、召喚以外にもたくさんの機能があるとか。

 

スティーブンに言われるがままガントレットを起動すると、女性の上半身の様なシルエットが写った。

 

「ハロー?新しいマスター。私はバロウズ、これから貴女をサポートする補助AIよ、よろしくね」

 

柔らかな声で自己紹介するバロウズに、私も自己紹介する。

 

「えっと…立花響…です、よろしくお願いします…バロウズさん」

 

「あら、新しいマスターは随分礼儀正しくてかわいい女の子ね、私の事は呼び捨てで良いわよ?」

 

そう言いながら機能を色々教えてくれるバロウズ。

 

・契約した悪魔の詳細を見れる仲魔一覧

 

・自身のスキルやアビリティの設定が出来るステータス

 

・自身の装備品の設定が出来る装備一覧

 

・召喚機能を利用してガントレット内にしまいこんだ所持品を確認、使用、取り出しが出来るアイテム一覧

 

・邪法を用いて悪魔同士を合体させ、新たな別の悪魔を生み出す邪教の館

 

・過去に契約した事のある悪魔を、悪魔の通貨であるマッカを用いて再召喚して契約出来る悪魔全書

 

・自分を売り込んでいる悪魔達をマッカを使ってオークション形式で購入出来るデビルオークション

 

・今後、自分のレベルアップにより様々な便利機能が追加される補助アプリが取得出来るアプリ一覧

 

・アドレス登録した相手とのメール機能

 

これらが機能として盛り込まれているとバロウズは教えてくれた。

正直ものすごく便利だと思う。

 

バロウズは、さっそく悪魔と契約しようと言ってくれた。

何でも召喚される悪魔は召喚者の才能と現状の力量、マガツヒの総量から選ばれるらしい。

まずは武器になる物を探すと良いとバロウズは言う、戦って殺せば契約出来る事がほとんどらしいから当然だと思う。

 

私は何も無いよりずっとマシだと思って、路地裏に転がっていた先の尖った鉄パイプを拾った。

 

「バロウズ、武器になりそうな物拾ったよ」

 

「OKマスター、ならさっそく召喚するわよ?」

 

バロウズがそう言うと、バチバチと青白い電の様な物が弾けながら何かが形を成していく。

緑色の肌に、むきむきの筋肉、ぴっちりとした黄色い服、黒くて長めの髪に、大きな鉈の様な刃物を手に持っていた。

 

召喚プログラムになにやら色々表示される。

 

 

邪鬼 オーガ Lv.8

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 ? ? ? ? ? ? ? ?

 

 

 

これは…種族と名前、レベルに属性耐性…かな?

 

見るからに強そうなオーガを見て、足が震える。

恐怖で自然と鉄パイプを握る手が強くなる。

 

 

オーガが、こっちを見てニヤリと笑った

 

 

その瞬間、背筋に凄まじい怖気が走り慌てて横へ跳んだ。

そのすぐ後にドガンと大きな音が鳴り響き、コンクリートの破片が飛び散る。

ついさっきまで私がいた場所は、オーガの振り下ろした鉈が叩き付けられて、蜘蛛の巣状にヒビ割れていた。

 

「うそ……」

 

全身の血の気がサーっと引いていく感覚がする。

仮にあれだけの一撃を受けていたら無事なはずが無い、間違いなくぐちゃぐちゃの肉片にされて死んでしまったはずだ。

 

そんな事を考えている間にも、オーガは次の攻撃の準備をしている様だった。

次は何をされるのか分からない、怖い、逃げたい、でも、ここで逃げたら私はどうなる?

このまま無様に逃げ続けるのか?

オーガからも、私を迫害して来た人間からも、現実からも…?

 

「…やだ……いやだッ!!!!!」

 

逃げてたまるか…復讐するんだ…!

迫害して来た愚かな人間共に…!

私を見捨てて逃げた両親と未来に!

 

鉄パイプをギュッと強く握り締め、オーガを睨み付ける、オーガはそんな私を見て愉快そうにケタケタと笑っていた。

 

全力でオーガに向かって走る、何故かオーガは笑いながら腕を広げていた。

そんなオーガに向かって全身全霊の力を込めて鉄パイプの尖った先を心臓目掛けて突き立てる。

 

肉を貫く気持ち悪い感触をその手に感じながら、オーガの胸から流れ出る血液を睨み付けていた。

 

死ねと、死んでくれと、私の復讐の為の力になれと声にならない叫びを上げながら、深く深く突き立てる。

 

すると、オーガは笑いながらこう言った。

 

「オマエ、ツヨイ、オマエ、ヨワクナイ、オレ、オマエキニイッタ、オレ、邪鬼オーガ、コンゴトモヨロシク」

 

シュンっと青白い光と共にオーガが消えて、カランと音を立てて鉄パイプが落ちる。

 

地べたにへたり込み、オーガに勝ったと言う事実を噛み締めながら、恐怖と高揚感で自分の体を抱き締めていた。

 

今更になって全身が震えているのに気付いて、歯の根が鳴るほどガタガタになっている事に驚いてしまう。

その時、ポンっと誰かに肩に手を乗せられた。

バッと振り返るとそこには車椅子に乗った、真っ赤なスーツに身を包んだ白髪の男がいた。

 

「おめでとう、君は今…復讐への1歩を踏み出した。改めて名乗ろう、私はスティーブン…コンゴトモヨロシク…」

 

そう言って、スティーブンは瞬きする間に消えていた。

まるで最初からそこに居なかったかのように、突然現れた男はまた突然消えたのだ。……何なんだ一体……。

呆然と立ち尽くしていると、ガントレットからバロウズの声が聞こえてきた。

 

「邪鬼オーガ、仲魔契約完了よマスター。これからは召喚プログラムの機能全部が使えるわ、スティーブンからお祝いとして1万マッカ届いてるわよ」

 

確認してみると、確かに1万マッカ届いていた。

これで悪魔を買って戦力を整えると良いって事かな…?

 

 

 

 

初めて、悪魔とはいえ生き物に槍の様に尖った鉄パイプを突き立てる感触は、とにかく気持ち悪いものだった。

それでも私は、復讐する為の力を…仲魔を手に入れた。

これからゆっくりと力を蓄えて、私も強くなって…私を虐げた奴らを…私を見捨てて逃げた奴らを…みんなみんな…

 

 

コロシテヤル

 




悪魔召喚プログラムはメガテンとデビルサバイバーを掛け合わせた物となります。
まぁシンフォギア世界に悪魔居ないから仕方ないネ

なおここの闇堕ちビッキーはイジメが原因で拒食症になってガリガリに痩せ細ってます。
骨が浮きでる位には痩せてます。
ビッキーの柔らかお胸様はもちろんありません。
濃い隈が出来ててハイライトの無い瞳が特徴的です。
原作と違って顔を隠す為に目隠れロングヘアになってます。
マフラーでは無くネックウォーマーで口元隠して帽子を深々と被って街中を歩きます。


もしスティーブンが会わなかった場合、ビッキーは自殺します。
その結果、フィーネが月ぶっ壊して月の欠片がたくさん落ちてきて地球はぶっ壊れます。
(どっちに転んでも救いは)無いです


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闇堕ちビッキーとステータス確認

様子見投稿
オリジナルのステータス、サマナー及び仲魔への親愛度を入れてみました。
要は仲魔達はビッキーへの、ビッキーは仲魔達への信頼を数値化してます。
最低で0、最高で100です。
一般的な友人レベルが30、50以上で家族愛、100はもう監禁するレベルで独占欲に身を焦がされる程好き。



あれから、心が落ち着くまでに数時間かかった。

今から召喚プログラムの機能を見てみようと思う。

 

まずは仲魔一覧、今はオーガしか契約してないから…オーガの確認をしてみる。

 

ガントレットの液晶画面に映る、仲魔一覧のアプリをタップする。

ピッと音が鳴って一覧表が映される、まぁオーガしかいないけど…

 

オーガをタップして詳細を確認してみる。

 

 

―――――――――――――――

邪鬼 オーガ Lv.8

 

HP 123 MP 13

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 ― ― 弱 耐 弱 弱 ― ―

 

能力 力 魔 体 速

数値 10 5 6 3

 

スキル

・怒りの一撃 ・突撃 ・会心波

アビリティ

・物理プレロマ ・反撃 ・一分の活泉

 

サマナーへの親愛度 30

 

詳細

山や丘に棲み、人を襲っては食べるという邪悪な鬼。

力は強いが頭は弱いとされる。

巨大な身体を持ち、人間、それも若くて美しい女を特に好んで襲い食したという。

変身能力も持ち合わせていたが、あまり頭が良くなかったため、人間の策にはまり退治されることもあったという。

―――――――――――――――

 

 

うーん、見事な脳筋。

でも良い情報載ってた、人を襲って食べる、特に若い女

学校で私の体を抉ったり焼いたりした奴らはみんな女の生徒だし、殴る蹴るの暴行をした教師も若い女だった。

なら、みんな拉致してオーガに生きたまま食わせよう。

楽しみが増えたなぁ…♪

 

 

……と、そうだ。

スティーブンから1万マッカも貰ったんだから、さっそく使ってみよう。

確かデビルオークション…だったよね、アプリをタップして起動してみる。

なにやら軽快なBGMが流れ出して、デビルオークションへようこそ!と表示された。

 

そこには自分を売り出している悪魔がたくさん並んでいた。

悪魔の強さが星の数で表されているみたいだ、最低で星1、最高で星5らしい。

 

ずらりと並ぶその一覧を一つ一つ確認していく、色んな悪魔が居てなかなか興味深い。

でも自分である程度制御出来る力量の悪魔にしておかないと殺され事もあるらしい。

そう言えば私のステータス確認して無かったなと気が付いた。

とりあえずオーガのレベルを目安にして見ていく。

 

あれこれと見ていると、一つ気になる悪魔を見つけた。

星5つの「悪戯好きの妖精 ピクシー」と表示されていた。

直ぐにそれをタップしてみる、すると画面下に他の参加者の名前が表示されて、ピクシーの要求目安マッカが表示された。

恐らくこの目安マッカを中心として、参加者でそれ以上の値段で競うのだろう。

 

目安マッカは250、私はなんとなくだけど…このピクシーじゃないとダメだと思った。

だから私は、1000マッカを出す。

私はもっと出しても良いんだけど、バロウズが言うには他の参加者達は平均して500マッカも行かないだろうとの事。

 

私は1000マッカと入力して、開始を待つ。

数分程待つと、オークションがスタートした。

どうやら1発限定で競う様で他の参加者は本当に500マッカも出していない、私の一人勝ちだった。

 

入金が完了すると、ピクシーが召喚された。

 

「あ、貴女がアタシを買ったサマナー?ふ〜ん…払いも良くて結構可愛い…それに保有してるマガツヒも結構すごい…これはかなり当たりのサマナーかも?」

 

とこちらをジロジロ見ながら呟いていた。

 

「あの…私は立花響、これからよろしくね、ピクシー」

 

「うん!あたしは妖精 ピクシー!コンゴトモヨロシク!」

 

契約完了したからか、オーガの時の様にシュンッと青白い光と共にピクシーは消えた。

 

仲魔一覧でピクシーを見てみる。

 

―――――――――――――――

 

妖精 ピクシー Lv.9

 

HP 108 MP 95

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 ― ― ― ― ― 耐 ― 弱

 

能力 力 魔 体 速

数値 11 19 13 22

 

スキル

・ジオ ・マハジオ ・ディア

アビリティ

・電撃プレロマ ・回復プレロマ ・一分の魔脈

 

サマナーへの親愛度 15

 

詳細

イギリス南西部に棲む小型の妖精。

陽気で悪戯好きな性格とされる。

各地方で伝えられる姿がやや異なるものの、その性格は概ね一致している。

代表的な悪戯に「ピクシー・レッド」と呼ばれるものがあり、人間に同じ場所を輪を描くように延々と歩き続けさせるという。

一方で農作業の手伝いをする面などもあり、全面的に良い妖精とされる。

 

―――――――――――――――

 

おぉ、後方支援タイプだ…

前衛のオーガと後方支援のピクシーでバランス取れてる…

直感で買ったけどかなり良かったかもしれない、可愛いし。

ジオは…電撃系の魔法みたいだね、なら感電させて甚振る事も出来そうだな…

ちょっとした怪我くらいなら回復魔法のディアで治せるし…ね♪

 

おっと…忘れる所だった、私のステータスも見ておかないと…

 

 

――――――――――――――

 

人間 立花響 Lv.7

 

HP 37 MP 28

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 ― ― ― ― ― ― ― ―

 

能力 力 魔 体 速

数値 5 8 6 7

 

スキル

・突撃

アビリティ

 

 

仲魔への親愛度

・オーガ 30

・ピクシー 30

 

詳細

魔女狩りの如き人々の悪意に晒された少女。

人々の心無き悪意は少女の心と体を蝕んだ。

肉体を焼き、抉り、骨を折り、心無き罵声を永遠と浴びせ続けて、しかし心から信ずる家族と友が居たが故に、耐える事が出来た。

そんな家族と友は、少女をアッサリと裏切って、置き去りにして逃げ出した。

少女の心は折れて、己の死を願った。

そんな彼女に救いの手を差し伸べたのは、悪魔だった。

悪魔の手を取り、幼き少女は復讐の鬼となった。

己を虐げた愚かな人々を、己を裏切って逃げた憎い家族と親友だった者達を、全ての元凶たるノイズを、この理不尽な世界を、必ずやコロシテヤル…と

 

―――――――――――――――

 

 

うん、詳細はまぁ察してた。

にしてもレベル7か…オーガもピクシーも私より上だなぁ…

スキルの突撃は…オーガと戦った時に鉄パイプ持って全力で突撃したからなのかな…?

 

もっと強くならないとなぁ…

オーガとピクシーに鍛えて貰おうかな…うん、そうしよう。

 

 




この後たくさん鍛えた。

なおオーガとピクシーはこの後鍛えてる途中にビッキーの過去を教えられて人間ぶっ殺してサマナー守らなきゃ…となってる

ちなみにこのピクシーさんは特異個体です。
レベルに対してステータスが通常より高い(真IV世界生まれだから)


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闇堕ちビッキーは復讐を始める


ビッキーが遂に復讐をスタートします。
とは言えビッキーはまだ壊れかけでもまだ正気なので、論理感と良心が軋んで悲鳴を上げている状態です。

ここから、ビッキーは壊れて行きます。



 

 

オーガ達に鍛えてと頼んでから、つまりオーガを召喚したあの日から約1ヶ月たった。

 

そのおかげで以前とは比べられない程レベルが上がっていた。

 

 

 

人間 立花響 Lv.18

 

HP 103 MP 61

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 ― ― ― ― ― ― ― ―

 

能力 力 魔 体 速

数値 6 12 7 11

 

スキル

・突撃 ・怒りの一撃 ・ジオ

アビリティ

・電撃プレロマ

 

親友度

オーガ 52

ピクシー 52

 

 

 

この通り、以前よりずっと強くなれた。

怒りの一撃はオーガと訓練してる時に教わった、元々理不尽を敷いた人間に対する怒りが強かったからか、すぐに覚えれた。

ジオはピクシーから魔力の扱い方を教わった時に覚えた。

電撃プレロマも同様、時間はかかったけど。

 

私を鍛えるのは存外鍛え直しになったのか、オーガとピクシーも強くなった。

オーガはレベル20、ピクシーは19、2人とも私より強い。

 

前よりずっと私達は強くなった。

だから今日、最初の復讐を決行する。

ターゲットは3人、学校で私を虐めていた主犯格の3人だ。

熱した鉄で体を焼き、彫刻刀で肉を抉りとって笑っていた外道共。

捕まえて、生きたままオーガのご飯になって貰おう。

1人は、殺す覚悟をたしかな物にする為に、私が殺す。

 

じゃあ、始めよう。

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

夕暮れ時の薄暗い夜道、3人の女子中学生が喋りながら歩いていた。

 

「最近さー、ウチらの周りチョロチョロしてんのウザくない?」

 

「それね!なんかチョーシ乗った顔してるよね!」

 

「わかるぅ〜!マジキモいんだけどぉ〜」

 

3人が楽しげに話しているのは最近の話題についてだった。

 

「そういえばさぁ、アンタん所のお兄さんとか超イケメンじゃない?紹介して欲しいんだけど〜?」

 

「うっそ、あんなのが好みなわけ?ないわぁ〜」

 

「えぇ〜良くない?カッコイイじゃ〜ん」

 

「……ねぇ、なんか聞こえない?」

 

ふと、一人がそんな事を言った。

それに釣られるように残りの二人も耳を傾けると、後ろから何かが聞こえる。

カラカラカラ… それはなにか金属を引き摺る様な音で、徐々にこちらに近づいて来ている様だった。

三人は得体の知れない恐怖を覚えながらも、振り向いた。

 

そこに居たのは、血塗れた鉄パイプを引き摺って近付いてくる女の姿だった。

その姿を見た瞬間、3人のうちの一人が悲鳴を上げた。

それを合図にしたかのように他の2人も叫び走り出す。

その声を聞いて女はゆっくりと顔を上げ、そしてニタリと笑う。

その目はどろりと濁り、正気を感じさせない狂気に染まっていて、とても普通には見えなかった。

 

走って追い掛けて、まず最初に1人目の女の子の髪を掴んで持ち上げる。

 

「ヒィッ!?やめてよ!何すんだよ!!」

 

怯えた表情を浮かべ、涙目になりながら必死に抵抗するその子を見て私は笑いかける。

 

「大丈夫だよ、直ぐに終わるから。」

 

そう言って掴んだ髪を引っ張って押し倒して、頭を鉄パイプで殴って気絶させる。

気絶した1人目をオーガに運んでもらい、残り2人を追い掛ける。

 

2人は路地裏に逃げ込んで行き、私はその後を追う。

すると、途中で2人は立ち止まっていた。

行き止まり、もう逃げ場は無い。

壁際まで追い詰めて、鉄パイプを振りかぶる。

 

「ひぃっ!?」

 

ゴッ!と鈍い音が鳴り、片割れが倒れる。

加減はしたので死んではいない筈。

最後の1人は私を睨みつけて口を開いた。

 

「なんなのあんた!いきなり襲ってきて、頭おかしいんじゃないの!」

 

「うるさいなぁ、黙ってよ」

 

喚き散らす女を無視して殴りつける。

 

「ぐべぇ!?」

 

殴られた拍子に転び、地面に倒れ込む。

痛みに耐えて起き上がろうとするから、今度は蹴り飛ばした。

 

「げあっ!?」

「げほっ!うぅ……」

「ひっ…ひぃいい!許して!殺さないで!」

ボロ雑巾みたいになった最後の1人を見下ろしながら言う。

 

「許すわけないよね、これは復讐なんだからさ」

 

訳が分からないと言った表情で怯える女を冷たく見下ろす。

僅かに風が吹いて、前髪が揺れる。

女は私の顔を見て、復讐の意味に気が付いた様だった。

 

「あっ…あんた…たちばな…」

 

「もうなにもかも遅いんだよ」

 

私は鉄パイプを振りかぶった。

 

―――――――――――――――――

 

 

 

オーガが気絶した3人を担いで帰路に着く。

家替わりに使ってる廃ビルに辿り着き、3人を物置として使われていたであろう地下室へ連れて行く。

そこで、ゆっくりと生きたままオーガに食わせる。

内一人は私が生きたまま、ゆっくりと殺す。

 

殺す覚悟を確かな物にする為に、復讐を行う為に、血塗れた道を歩む為に、深呼吸をした。

 

もう、後戻りは出来ない。





遂に拉致ったビッキー
次話で3人は殺されます。慈悲はありません。
つまり僅かに残ってるビッキーの良心は死にます。
論理感もぶっ壊れてしまいます。

闇堕ちビッキーをお楽しみください。


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壊れ堕ちるのは暗い太陽の心

オーガとビッキーがかなり残酷な事をするので一応閲覧注意です。



拉致した3人を一旦床に置いて、恐らく会議などで使われていただろう大きなデスクを3つオーガに持ってきて貰った。

 

それぞれのデスクに拉致した3人を身動きが取れないように荒縄で縛り付ける。

 

いつも使っている鉄パイプでは無く、今回はわざわざ廃墟を探してなんとか見つけた錆びた骨切り包丁を使う。

 

……準備をしていたら、どうやら3人共目を覚ましたらしい。

 

「なっ…何だよこれ!?お前等何してんだ!」

「ふざけんなよテメー!!あたし達を解放しろ!!」

「嫌ぁあああ!!!」

 

3人の内2人は元気いっぱいだけどもう1人がかなり怯えているみたいだね……

まぁ無理も無いかな、殴ったり蹴ったりしたし、私の正体に気付いたからね。

 

オーガが愉快そうに鉈包丁を舐めている。

これからこの2人を食べるのが楽しみなんだろう。

 

オーガが3人に姿を見せると、恐怖の叫び声を上げ始めた。

 

「ひぃいいいいいっ!化け物ぉおおおっ!!」

「なんだよ…なんだよこれぇぇぇ!!」

「嫌ぁああっ!助けてぇぇぇ!!」

 

1人ずつ殺して行こうと思ったんだけど、1番怯えていた子がいきなり大声で叫んだせいで残りの2人もパニックになってしまった。

まぁ、縛り付けてるから逃げられないけどね。

 

オーガが愉快そうに笑いながら、ゆっくりと近づく。

泣きながら恐怖で引き攣って顔はぐちゃぐちゃになっていた。

その顔が、すぐに恐怖から痛みに変わり、絶叫を上げた。

オーガが鉈包丁で右足首を切り落としたから。

あまりの激痛に涙を流しながら泣き叫んでいた。

 

「ぎゃああぁぁっ!!痛いぃいっ!!死んじゃうぅううっ!!」

「ひいぃぃぃ!!嫌だっ!やだやだやだぁぁ!!!」

「止めてくれぇええっ!!頼むからあたしだけは許してくれぇええっ!!」

 

3人は悲鳴を上げて泣いている。

それを見て、オーガはとても愉快そうに笑いながら

 

切り落とした右足首を食い始めた。

 

 

「いだいっ!!痛いぃいい!!やめてぇええっ!!」

「やだぁああっ!食べないでぇええっ!!助けてぇぇぇ!!」

「お願いしますぅううっ!!何でもするから殺さないでぇぇぇぇぇぇ!!」

 

次は右膝、太もも、左足と切り落として行く。

傷口はピクシーが治して出血死しない様にしている。

でも、あまり見ていて気持ち良いものでは無い。

これに慣れないと復讐なんて言ってられない。

だから私は、平成を装う為にもオーガに聞く。

 

「オーガ、召喚されてから初めての人肉はどう?美味しい?」

 

 

オーガはニンマリと笑って嬉しそうに言った

 

「ウマイ!ニンゲンハ、ワカイオンナニカギル!ニクガヤワラカイカラナ!」

 

子供の様に喜ぶオーガを見て頬が緩む。

必死に助けを乞う声もアクセントになっているのだろう。

遂に両手を切り落として、ダルマになっていた。

オーガはふと思い出した様に言った。

 

「サマナー、コイツノカラダデアソンデイイカ?」

 

ダルマになった女を下卑た笑みで見つめるオーガを見て、遊びの内容はすぐに分かった。

この女は胸が大きいし肉付きが良い、オーガも男だから欲情くらいするだろうし。

 

「良いよ、でもやるなら徹底的に壊してね?あともう1人を食べてからにして」

 

そう言うと、オーガはとても喜んでワカッタ!と言ってもう1人の足を切り落とし始めた。

遊ばれる事が決まった女は、ただ食われて死ぬのでは無く、女としての尊厳も陵辱される事を理解してか…恐怖で引き攣った笑い声を上げていた。

 

切り刻まれた2人を見て、私の正体に気付いた主犯格の女は必死に媚びた声で助けを乞う。

「ひっ……おっ…お願いします…ごめんなさい…謝りますから…お願いですから許して…下さい…なんでもしますからぁ…足でも何でも舐めます…泥棒だってしますから…たすけて…」

 

そんな事を言われても、私の心は何も感じなかった。

 

横目でオーガを見る、オーガが血塗れで楽しそうに食っている姿を見て少し興奮した自分が居た事が驚きだった、それだけ憎んでいたと言う事かもしれない。

 

オーガが食っていた1人が息絶えたので、頭を残して全て食べきった。

そしてケタケタと笑いながらダルマ女を掴んで別の部屋へ移動して行った。

 

残った最後の1人に問いかける。

 

「あなたはどんな風に死にたいのかな?」

 

「ヒッ!?やだっ!やだやだやだぁあああっ!!死にたくないぃいいっ!!嫌ぁあああっ!!」

 

「うるさいなぁ…じゃあ、全身輪切りにでもしようか?それとも火の中に放り込む?あ、全身に杭打ちとか良いかも?」

 

案を述べていくと、女はただただ恐怖に怯えていた。

どんな方法で殺そうか考えていたら、ピクシーが案を上げた。

 

「ねぇねぇサマナー!こんなのはどう?ゆっくり手足を輪切りにした後に生きたままお腹を開いて内臓を取り出すの!残酷で良いと思わない!?それを目の前に持って来てぐちゃって潰すとかさ!」

 

……今から殺す私が言うのもなんだけどさ、この子すっごい残酷な方法思い付くね……でも採用。

 

まずは両腕両足をなるべく細かく輪切りに切り落としていく。

骨ごと肉を断つ感触は、やっぱり気持ち悪い。

肉を断つ度女が痛みで泣き叫ぶ、何故かそれがとても心地良かった。

 

ダルマになって泣き叫ぶ女を殴って黙らせる。

 

「ねぇ、あんたが私にした事覚えてる?忘れたとは言わせないよ?」

 

「わ……わすれてない……ゆるしてください……」

 

「んー……そうだね、最後に何か言い残す事はある?」

 

女は涙で顔をグチャグチャにしながら言った。

 

「いや…死にたくない…たすけて…死にたくないよォ…だれか……たすけて……」

 

その言葉を聞いて私は、この女の絶望の表情を見れただけで満足してしまった。

 

骨切り包丁を胸の真ん中、肋骨の支柱に叩き付ける。

そしてゆっくりと、下に下ろして腹を切り開く。

 

慣れない人の内臓を見て気持ち悪くなるが、なんとか耐えて内臓を一つ一つ力尽くでちぎって取り出す。

ピクシーが出血死させないようにと、回復魔法で傷口を塞いで行く。

心臓と肺を残して内臓はほぼ取り出した。

 

そこで私は酷い発想が浮かんだ。

私はそれを実行する為に、一旦上に戻ってミキサーを持って来た。

 

もう分かると思うけど、取り出した内臓をミキサーに入れて、女の目の前でぐちゃぐちゃにする。

女はそれが自分の内臓だと理解してしまい、壊れた様に笑い始めた。

 

私はぐちゃぐちゃにした内臓ジュースを腹の中に戻して、ピクシーに切り開いた腹の傷を治してもらって塞いだ。

 

最後の仕上げとして、首に骨切り包丁を添えて……思いっきり振りかざした。

 

ダンッ!と包丁がデスクにぶつかる音がして、女のくびがごろりところがった。

 

くびからちしぶきがふきだす。

あかいあかい、まっかなせんけつ。

ころした。わたしがころした。

ざんこくなことをたくさんして、おんなのくびをきりおとした。

 

「は…はは…あはは……」

 

ひきつったわらいごえがもれる。

わたしはふくしゅうをなしとげた。

 

「あはっ…あっはははははははははははははははは!!!!!」

 

わらうわらう

わたしはわらう

 

わたしはにくいやつらをころした。

はじめてふくしゅうをなしとげた。

これからだ、これからもっところしてやる。

なみだがあふれる、わらいがあふれる。

きっとうれしいから、だからあふれるんだろう。

 

そう、きっとそうなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あ〜あ、サマナーの心壊れちゃったぁ)

(サマナーハニンゲンダカラナ、ハジメテドウゾクゴロシヲシタナラ、トウゼンダロウ?サマナーハヤサシイカラナ)

(だね〜、まっ!サマナーもあたし達側になったって事で良いんじゃない?)

(ココロガアクマノニンゲンカ?ソレモソウダナ)

 

 




ビッキーは壊れました。
本格的に闇堕ちビッキースタートです。
これ以降ビッキーは普通に人を殺します。
次話で少し時間を飛ばしてピクシーの提案で海に遊びに行きます。

あっ!そう言えば確かGX本篇では任務で行ったら近くのガソリンスタンドで父親が働いてましたねぇ!(ゲス顔)

両親への再会の予定です。


余談ですが、ダルマちゃんはこのあとオーガに散々犯されたあと生かされてます。
なんなら公衆便所に「お好きにお使いください」と張り紙をされて放置されてます。
その後は……ご想像にお任せします♡


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闇堕ちビッキー海に行く

海で遊ぶビッキー達のお話
そして憎き父親との再会です。



初めての人殺しを経験してから数日後、私は電車に乗っていた。

 

『次は~○○駅~』

「ん……」

 

目的の駅に到着したら降りて駅の改札を通る。

そして駅前にあるタクシー乗り場に向かう。

 

「すいません、ここまでお願いします」

 

スマホを取り出して目的地の場所を調べて画面を見せる。

運転手さんはそれを見てしばらく車を走らせる。

 

「ここかい?」

 

「はい、ありがとうございます」

 

料金を払って降りると、潮の香りのする少し冷たい風が吹く。

私が来たのは茨城県の海だった。

 

「着いたよ、出てきて」

 

人がいない事を確認して、ピクシーとオーガを呼び出す。

 

バチバチと蒼白い雷と共に召喚される。

毎回思うけど、この派手なエフェクトは何とかならないのか。

 

「わーい!海だー♪」

 

「ココガウミカ、ミズバッカダナ」

 

「これ全部塩水だよ、オーガ」

 

「マジカ!?コレゼンブショッパイノカ!?」

 

海の水を飲んで「オアア!?ショッペー!!!」と叫ぶオーガを尻目に気持ちよさそうに泳ぐピクシー。そんな二人を見ながら砂浜に座ってボーっとする。

 

「…楽しそうだな」

 

私は来て良かったと思う。

ピクシーが突然海に行きたいと騒ぎ出して、オーガがそれに合わせて海の魚が食いたいと言い出した時は驚いたけど。

色々とネットで調べて、茨城のアンコウならオーガが好きそうだと思って選んで来た海。

 

楽しそうにはしゃぐ二人を見て、来て良かったと顔が緩む。

 

「お嬢ちゃん、一人かい?俺達と一緒に遊ばない?」

 

不意に声をかけられる。

声の方を見るとチャラそうな男三人がいた。……ナンパか、鬱陶しい。

 

「いえ、連れがいるので結構です」

「いいじゃん、その子も一緒に行こうぜ!」

 

しつこい……こういう手合いは嫌だ 早くどこかに行って欲しい

 

「だから、友達を待ってるんですって」

 

「えぇ〜、じゃあその子がくるまで待とうかな〜」

 

そもそもコイツらどこから来た?

そこにいるオーガが見えないのか?

 

「お断りします」

 

「つれないこと言わずにさぁ〜」

 

「いいじゃんか、楽しいから来なって」

 

「……」

 

どうしよう、凄く面倒臭い。

無視してもついて来るし、殺そうかな?

人目に付くところは嫌だけど、今は周りにコイツらしか居ないし。

 

と考えていると、オーガが近寄って来た。

 

「オイ、オレノアルジニナンカヨウカ?」

 

オーガは筋肉ムキムキで身長も2Mはある巨漢だ、その顔も相まってかなり怖い。

そんなオーガが話しかけて来れば、普通は怖くて逃げ出すか腰が抜けると思う。

案の定、ナンパはビビって逃げ出した。

その後ろ姿を見て溜息をつく響。

 

「もう大丈夫だと思うよ、ありがとね」

 

「イイッテコトヨ!」

 

「オーガは頼り甲斐あるね、助かるよ」

 

「ガハハ!イツデモタヨレサマナー!」

 

それから数時間程遊んで、予約しておいた宿に向かう事になった。

 

調べた時にアンコウ鍋が美味いと書いてあったから選んだ。

オーガが喜ぶだろうし、ピクシー用に甘いお菓子も買って行こう。

 

二人をアプリに戻して歩く。

しばらく歩いていると、少し大きなガソリンスタンドが見えた。

コンビニの横に併設されてるタイプのガソリンスタンドだった。

 

ついでだったから、ここでお菓子と飲み物を買っていこうと思い立ち寄る。

 

「いらっしゃいませー」

 

自動ドアを抜けて店内に入る。

店員さんの声を聞きながら、ペットボトル飲料コーナーに向かう。

いくつかのジュースとミネラルウォーターを取って、お菓子コーナーでチョコや飴を手に取ってレジで購入する。

 

コンビニを出て、宿に向かおうと歩き出すと

不意に声をかけられた。

 

「あ…もしかして…響…なのか…?」

 

後ろに振り返ると、そこに居たのは私を捨てて逃げ出した…殺したい程憎い父親の姿があった。

 

 




次回は父親との話し合いです。
さぁてどうなる事やら…お楽しみに♡


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闇堕ちビッキー父親と対面する

ビッキーと父親の会話回です。



私と父親は話し合う為に、近くのレストランに入り席に着いた。

 

「えっと…な、なんでも注文して良いからな?」

 

「いい、必要ない」

 

「えっ…あっ…そう、か…」

 

「………」

 

「その…随分見違えたよ、変わったね…」

 

「何を当たり前の事を、あんな環境にいれば嫌でも変わる」

 

「あ…ごめん…」

 

何やらしょんぼりとしているが、私を捨てておいて今更父親面しようとでも言うのだろうか?

店員が運んできたセルフサービスの水を1口飲んで、息を吐く。

 

「はぁ…で、何?」

 

「えっいや…久しぶりに会えたから…家族らしく話でも…」

 

「そう、私を捨てて逃げ出した癖に家族とか言うんだ」

 

「そっ…れは…」

 

「私がどんな目にあったかも知らないくせに、私を捨てて逃げ出してのうのうと暮らしてたアンタらなんか家族だと思うわけないじゃない」

 

「ぐぅ……!」

 

「あの時私がどれだけ絶望したのか知ってる?毎日毎日学校行っては殴る蹴るの暴力を振るわれたし、ご近所からは影口暴言に窓は石で割られる、家に帰っても誰も居ないしお金も無いから何も出来ない、そのせいで拒食症になって今じゃ何も食べれないんだよね、生きる気力すら失って何度も自殺しようと思ったし」

 

「…………」

 

言葉も出ないって感じかな?俯いて震えて、まさか後悔なんてしてないだろうし。

 

「ひ…響は…どうやってここに…」

 

「お金も無いのに来れたのかって?決まってるでしょ、そんだけ追い詰められたら犯罪にだって手をそめる。当然の事でしょ」

 

「犯罪って…!」

 

「私を見捨てたって事は私に死んで欲しかったんでしょアンタ達は?その癖して犯罪に手を染めたからって口出ししないでよ、見捨てたら楽だったでしょ?邪魔なガキがいなくなって自分達は迫害されないもんね」

 

「そんな事…!」

 

「ある、でしょ?本当に後悔してるなら私を探すくらいしたハズ。それもせずにのうのうと暮らしてた時点で捨てた事を後悔してないって事じゃない」

 

「………」

 

沈黙は肯定って知らないのかな、本当に馬鹿な男

やっぱり殺した方がスッキリするかな、どうせ殺すなら母親と祖母も殺したいし、場所くらいは聞いておくかな。

 

「ねぇ、どこに住んでるの?」

 

「……!あっあぁ、今はここから近くの一軒家に3人で暮らしてる。」

 

一軒家…ねぇ、アパートとかの貸し賃では無く一軒家。

余程お金あったんだねぇ…バイトしてるみたいだけど、少なくとも私を捨てて逃げ出した時点で一軒家買える程度にはお金あったんだね

 

残ったセルフサービスの水を飲み干す。

 

「案内してよ、一応会っておきたい」

 

「…! もちろんさ!きっと母さん達も喜ぶよ!」

 

…なんで喜んでるのかな、私が善意で会いに行くとでも?

本当に馬鹿な奴…今から殺されるとも知らずに…

 




次回は母親と祖母にも会います。
ちなみに次回は最初のif分岐点です。
この作品における両親は普通に屑で書いてるので、ビッキーの血の繋がった家族という最後の繋がりを捨てるか捨てないかで分岐します。
捨てれば正史、捨てれなかったら悪魔合体ルートへ行きます。
ビッキーは復讐に手を染めて殺しもしましたが、あくまでもまだ子供です。無意識に親の愛情に飢えてます。それ故にその繋がりを捨てるか捨てないかは今後のビッキーに強く影響を及ぼすわけですね。


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闇堕ちビッキー両親と話し合う

両親との話し合い回です。
ちょっと書いててくどいかなって思った



レストランを出て数分歩く、すると1つの小さな一軒家に着いた。

 

「えと…響、ここが俺たちの家だよ…」

 

「俺たち…ね」

 

「あっ…えっと…中に入ろう、な!」

 

誤魔化す様に慌てて中に入って行く父親

恐らくリビングルームだろう扉の前で止まると、母親と祖母に軽く説明してくるから待っててくれと言われた。

 

中で何やら話している様で、驚く様な声が聞こえた。

 

『ねぇマスター?両親の事はどうするかしら?やっぱり殺しちゃう?』

 

バロウズが小声で聞いてくるが、私の腹は決まってる。

 

「もちろん殺すよ、捨てて逃げ出して置いて今更家族面とか許すわけないよ」

 

『やっぱりね、なら何時でも仲魔を召喚出来る様にしておくわね』

 

やっぱりバロウズは優しいね

そんな話を小声でしていると、中から父親が入って来て良いぞと声をかけてくる。

 

扉をガチャりと開けて中に入る。

中にはテーブルを囲むように両親と祖母が座っていた。

母親と祖母は信じられないと目を見開いていたが、私は気にせず立ったまま話し出す。

 

「久しぶりだね、随分元気そうで羨ましい限りだよ、こっちは酷い目に会ったってのに」

 

出会い頭に皮肉を言う。

母親と祖母がビクッとしてこちらを見る。

その顔には恐怖の色がありありと浮かんでいて、得体の知れない物を見るかのように怯えていた。

父親はさっきレストランで皮肉や文句言ったからか、怯えてはいないが俯いていた。

 

「ふーん…良い家じゃん、ホームレス当然の生活をしてる私とは違うねぇ…お母さん太ったんじゃない?良い物食べてるみたいだね、毎日水分しか取ってない私とは大違いだ」

 

怯えて声も出ない様子の母親にまた皮肉をぶつける。

 

「ねぇ?なんで黙ってるの?言いたい事があるならハッキリ言えば?」

 

「ひぃっ!?︎」

 

母親が悲鳴を上げる。

 

「あのさ、聞きたいんだけど……どうして逃げたの?私を置いて」

 

私の質問に両親が震えながら答える

 

「そ、それは……」

 

「お前があんな事になるなんて思わなかったんだ!」

 

口ごもりながら何か言おうとする母親を遮って父親が叫ぶ。

私は父親の方を見て言う。

 

「どんな事?言ってみてよ」

 

「…………」

 

父親は何も答えなかった。

 

「言えないんだ、まぁ当然だよね。だってあの時の私はまだ耐えてたもの。」

 

「必死に耐えて耐えて、きっといつか収まるから、きっと理解して貰えるからって我慢してた。」

 

「でもさ、必死に我慢してた私を捨てて先に逃げ出したのはあんた達だよね?」

 

「だから私1人に迫害は集中した。見てよこの体」

 

そう言って私は服を脱いで素肌を見せる。

骨が浮くほどやせ細っていて、至る所に焼かれた跡と抉られた跡が残る、年頃の女の子の肌とはとても思えぬ酷いもの。

それも人目に分からぬ様に服の下だけを狙って付けられた物。

 

そんな私の体を見て、口元を抑える3人。

まさか迫害が私1人に集中するとは思ってなかったのか?

 

「あんた達が逃げ出した事が周りにバレたらさ、家族にすら見捨てられたゴミ扱いされたんだよね」

 

まるで信じられないと言った顔で見つめてくる。

本当に、何もかもが甘い…能天気と言うか、マヌケと言うか…

昔の私はこんなヤツらに似てたのか…そう思うと反吐が出る。

 

改めて両親に何故逃げたのかと聞くと、私がこんな風になるとは思わなかった、私達に捨てられたと思われたら同情されて収まると思ってた…と返ってきた。

楽観的過ぎるでしょ、ふざけんなよ?

 

「言い訳する気?」

 

私の問い掛けに父親が震えながら答える

 

「お、俺は…ただ……し、仕方ないじゃないか!俺達だって耐えられなかったんだよ!」

 

「あ、あなたこそ……どうしてそんな事を言えるの!?︎私達の気持ちが分かるはずないじゃない!!︎」

 

「うるさい、黙れ、お前らの都合なんか知るか、私を捨てた時点でお前らは人間の屑に成り下がったんだよ、多少のお金も残さず実の娘を捨てて迫害の的にして、自分たちは悠々自適に逃亡。こんな家まで買ってさぞかし迫害されない生活は楽しかったでしょうねぇ?」

 

「っ……」

 

「黙ってないで何とか言ったらどう?」

 

「……すまないと、思っている」

 

父親は俯き加減で謝罪してきた。

 

「それだけ?じゃあ質問を変えるね?なんで私を連れて行ってくれなかったの?」

 

「それは……」

 

「あの時お前を連れて行く余裕なんて無かったんだ!」

 

「嘘だね、だったらなんで貯金全部持って行ったの?こんな一軒家まで買ってるしさ」

 

「それは…その…」

 

「ねぇ、どうして私を連れて行ってくれなかったの?」

 

両親が言葉に詰まり、沈黙が流れる。

私は黙ってそれを見ていた。

 

「疫病神が…」

 

ポツリと祖母が呟く。

 

「ふーん…私が疫病神…ねぇ?」

私は両親と祖母を見下すように見る。

 

「ひぃっ!?︎」

 

「いや、あの……」

 

「そう言う事を言うんだ?へぇ?」

 

「ち、違う!今のは……その」

 

「何が違うの?」

 

「え?」

 

「て言うかさお父さん、あんた達は私を捨てた、それなのに今更やり直したい?笑わせんなよ?捨てたクセに、私1人だけに辛い思いをさせておいてよくそんな事が言えたよね?さっきレストランでも言ったけどさぁ、こんな体になる様な虐めされてたんだよ?そりゃ拒食症にもなって飲み物くらいしか喉を通らないよ?あんた達はお金置いてかなかったから私は盗みもしたし殺しもした。わかる?あんた達が捨てて逃げなければこんな犯罪者にならなくて済んだの」

 

思わず鬱憤を晴らす様に文句を言う。

 

「待て!……響、今なんて言った?」

 

「今…殺しもした…って」

 

「したよ、生きる為に殺した。殺して身ぐるみ剥いで売ってるよ」

 

両親と祖母の表情が恐怖で一気に強ばった。

 

「あ…悪魔じゃ…」

 

「殺しなんて…どうして…」

 

「どうしてって、生きる為だよ、それ以外に理由があると思う?」

 

「あ…いや…」

 

「ま、いいよ、別に。どうせ信じないだろうし」

 

「…………ごめんなさい」

 

「謝らなくても良いよ、もう今更だし。そもそも今日は海に遊びに来てただけだったし、会ったのは本当にたまたまだからね」

 

「……ごめん、響」

 

「しつこいなぁ、でもね?もしあんた達に会えたなら絶対したかった事があるの!」

 

「…俺達に出来る事ならなんでもするよ、償いたいんだ」

 

ふーん…なんでも…ねぇ?

償いとか嘘ばっか、自己保身の為に適当言ってるだけじゃない。

本当に償いたい人はそんな命乞いするかの様な表情しないっての。

 

「本当になんでもしてくれるんだ?」

 

「…あっ、あぁ!もちろん!」

 

まるで助けて貰えると思ってるね、そんなわけないのに…楽観的過ぎ。

 

 

「じゃあさ、3人とも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しんでくれる?

 

 




次回遂にコロコロします♡



あと活動報告で出して欲しい悪魔を募集しますん。
感想欄ではありませんよ?活動報告です。
感想欄で募集は規約違反なので……

現状ビッキーの心臓にぶっ刺さってる槍の破片の持主を召喚予定です。
ビッキーの心臓の聖遺物、神話、メガテニストならわかるあの悪魔です♡


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復讐は心に響き渡る安寧の為に

ビッキーの家族だったなまものへの復讐回です。
割とアッサリしてますが、ご覧下さい。



しんでくれる?

その一言を呟くと、3人の表情が恐怖で真っ青に染まった。

 

「し…しんでって…嘘だよな…?」

 

「嘘よ…嘘にきまって…」

 

「なに言ってるの?嘘なわけ無いじゃん、恨まれないとでも思ってた?残念、殺したくてずっと憎み続けてたよ」

 

アプリを起動して血塗れた鉄パイプを取り出す。

実はこの鉄パイプは1度と付着した血液を拭ってないからしっかり血の後が付いてる。

 

「ひぃっ!?」

 

「いやぁあああっ!!」

 

「血…血が…ついて…!?」

 

「あーもううるさいなぁ…」

鉄パイプを見て怯えて悲鳴を上げる3人、どうやら腰を抜かしたのか逃げられずにいる。

 

「バロウズ、召喚お願い」

 

「OKマスター、オーガとピクシーを召喚するわね」

 

バロウズが召喚アプリを起動して召喚してくれる。

突然聞こえたバロウズの声と現れたオーガとピクシーを見て、3人は更に怯え出す。

 

「ひっ……!化け物ぉおっ!」

 

「何よ…なんなのよこいつ等!?」

 

「嫌だぁあああっ!!助けてくれぇええっ!!」

 

3人が必死に逃げようとする中、私はただ黙って見つめていた。

だって……ねぇ?私の事を捨てて勝手に幸せになったんだもん。

私を捨てたくせに、なんにも知らない癖に、私がどんな目にあったかも知らずに平然と笑って暮らしてるなんて許せない。

だから決めた、惨たらしく殺してやるって。

 

私が言うのもなんだが、父も母も見た目は良い。

悪魔に取って良い娯楽になるだろう、異界の悪魔に高く売れそうだ。

だからまずはそのうるさい口を黙らせよう。

 

「ピクシー、マハジオ」

 

「オッケー!え〜い♪」

 

バチバチと音を立てて、ピクシーの手から電撃が放たれる。

3人はその電撃を浴びて、悲鳴を上げながら倒れ込む。

痺れてしまえば、声も出せないだろう。

 

年老いた祖母は私が殺すとして、父と母は…そうだな、父は幽鬼ガキ辺りに売って生きたまま貪り食われる恐怖を味わって貰おう。

 

母は異界の娼館にでも売れば良いだろう。

売る時にどんな暴力奮ってもOKとでも言っておけば酷い目に合うだろう。

なんせ悪魔だし。

 

痺れて言葉も出せない3人を尻目にピクシーとオーガに頼む。

 

「オーガは2人を担いで運んで貰える?ピクシーはこの2人を売る商談をして欲しいんだけど」

 

「オウ、マカセロ」

 

「オッケー!ひっどい所に売り飛ばしてやろ〜♪」

 

「出来れば父親は幽鬼ガキがたくさん居る所に売り飛ばして生きたまま貪り食わせて、母親は娼館に売り飛ばしてどんな暴力奮ってもOKと付け加えておいて」

 

「ヒュー!サマナーも酷い事考えるねぇ!でも気に入ったからオッケー♪」

 

「それなりに高めの金額で交渉してね」

 

「オッケーオッケー!まっかせてよね♪」

 

「うん、お願いね」

 

ピクシーがケラケラと笑いながら言う。

 

「じゃあ早速商談行ってくるね〜♪」

 

「カエッタラウマイメシタノムゾ、サマナー」

 

「旅館のアンコウ鍋があるから安心してオーガ」

 

「ガハハ!ソリャタノシミダ!」

 

そう言うと、オーガとピクシーは父と母を担いで消える。

 

さぁ、祖母を殺そうか。

痺れて動けない祖母の首根っこを掴んでテーブルの上に載せる。

少し強く叩き付ける様に載せたからか、呻き声を上げた。

 

「…な…ぜ…どう…して…」

 

「なぜ?どうして?恨むなら私を捨てて逃げ出した過去の自分を恨みなよ、おばあちゃん?」

 

キッチンから包丁を数本持ってくる、予備用なのか複数あった。

持って来た包丁を手足に突き刺して縫い止める。

 

「ギャァァァァァァァァァァ!!!!!」

 

突き刺された痛みで悲鳴を上げる。

この程度でそんな叫ばないでよ…

余った包丁でお腹を切り開いて、その中に机の上に置いてあった消毒液を入れる。

これはアルコール消毒液だから、剥き出しの臓器に掛けると想像を絶する痛みだろう。

小さな傷口に掛けるだけでも焼ける様に痛いのだから。

 

「ギィヤアァアッ!!アガガッ!?ウグッ!」

 

祖母は暴れるが、四肢に突き刺してる包丁のせいで身動きが取れない。

私はそんな祖母を見て嘲笑っていた。

とても気分が良い、憎い憎い祖母が苦しむ様が見ていてとても気持ちがいい。

 

「ガハッ!ゴホッ!ゲホォッ!アッ…ガ…やめっ!助けてぇ!許してくださいぃ!何でもします!お金も!土地も!財産も!全部あげます!だから命だけは!お願いです!お願いします!助けてください!」

 

無様に泣き喚いて命乞い…ね

今更助けて貰えると思っているのか?本当に馬鹿だなぁ…

 

「助けるわけ無いじゃん?殺せば全部奪えるし、そもそもずっと殺したくて仕方なかったからさ?だから、私の為に死んでよ。」

 

ねぇ…お ば あ ち ゃ ん

 

 

きっと今の私はおぞましい笑みを浮かべているのだろう、痛みではなく恐怖で祖母の顔が歪んでいる。

 

私は笑顔で祖母の開いた腹の中にアルコール消毒液を追加で注いだ。

祖母が更に悲鳴を上げるが、どうやら痛みが強過ぎてショック死したらしい、なんにも反応しなくなった。

 

「もう死んじゃった、まぁいっか…」

 

それなりにお気に入りだった血塗れた手袋を脱ぎ捨てて、アギで燃やす。

死んだ祖母をそのままに、外へ出て急いで旅館へと向かう。

早く行ってアンコウ鍋用意して貰わないとオーガが拗ねちゃうからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

憎い憎い家族だった生物への復讐を済ませた私は、なんだか羽が生えた様に軽い足取りで旅館へと向かった。

 




まぁ異界に連れて行かれた両親の末路はお察しの通り。
この後旅館でオーガがアンコウ鍋食べて
「ウーマーイーゾー!!!!!」したり
ピクシーが甘味食べて狂喜乱舞したり
復讐済ませてウッキウキのビッキーが拒食症治そうとお粥を食べようと努力したりしてます。


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響と愉快な仲魔達のステータス&プロフィール

アンケ結果的に書いた方が良いと思ったので書きました♡



両親と祖母への復讐時のステータス

 

 

人間 立花響 Lv.24

 

HP 156 MP 82

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 ― ― ― ― ― ― ― ―

 

能力 力 魔 体 速

 

数値 7 14 8 13

 

習得スキル

 

・突撃 ・怒りの一撃 ・ジオ ・マハジオ

・ディア ・アギ ・チャージ

 

習得アビリティ

 

・電撃プレロマ ・一分の魔脈 ・回復プレロマ

・物理プレロマ ・反撃

 

友好度

オーガ 60

大切な家族、ヤンチャで大食いでグルメな兄の様な存在

 

ピクシー 60

大切な家族、イタズラ好きの甘い物に目が無い妹の様な存在

 

 

 

 

邪鬼 オーガ Lv.26

 

HP 284 MP 76

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 耐 耐 弱 耐 弱 弱 ― ―

 

能力 力 魔 体 速

 

数値 18 8 11 5

 

習得スキル

 

・怒りの一撃 ・突撃 ・会心波 ・暴れまくり

・牙折り ・チャージ

 

習得アビリティ

 

・物理プレロマ ・反撃 ・一分の活泉

・物理耐性 ・銃耐性 ・食いしばり

 

サマナーへの親愛度 65

響の事が大好き、大切な家族であり美味い飯を食わせてくれる恩人。何がなんでも絶対に守ると決めた。

 

 

 

 

妖精 ピクシー Lv.25

 

HP 228 MP 211

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 ― ― ― ― ― 耐 ― 耐

 

能力 力 魔 体 速

 

数値 15 24 17 25

 

習得スキル

 

・ジオ ・マハジオ ・ディア ・アムリタ ・メディア

・タルカジャ ・ラクカジャ ・スクカジャ

 

習得アビリティ

 

・電撃プレロマ ・回復プレロマ ・一分の魔脈

・呪殺耐性

 

 

サマナーへの親愛度 65

響の事が大好き、大切な家族で何よりも守ってあげたい存在

 

 

 

プロフィール

 

名前:立花響

 

性別:女

 

年齢:16歳(本編開始)

 

身長:149cm

 

体重:43kg

 

3サイズ:B57 W48 H63

 

誕生日:9月13日

 

血液型:O型

 

髪型:長めの前髪で目を隠している少しふんわりとしたロングヘア

 

髪色:くすんだやや薄めの茶色

 

服装:灰色の長袖パーカー着て紺色のジーパンを履いている。

常に黒のネックウォーマーで口元を隠している。

 

好きな物:ミネラルウォーター、仲魔、バロウズ、愛用の血塗れた鉄パイプ

 

嫌いな物:両親と祖母、未来、人間(子供を除く)、歌、食事、正義を自称する存在

 

詳細

原作よりも遥かに酷い迫害と虐めを受けた原作主人公

その結果拒食症を患ってしまい、栄養不足により原作響よりも発育がかなり悪い

肋骨が浮き出る程に痩せ細っている

睡眠障害も患っている為、目の縁には酷い隈が出来ている。瞳にハイライトが無い

飲み物しか喉を通らない為、栄養は基本ドリンクや野菜ジュースで補っている

復讐を成し遂げた結果、心が幾分か軽くなって拒食症を治そうと努力を始めた。

ちなみに原作で響がガングニールを起動する切っ掛けとなった幼女先輩は母親とはぐれて泣いてた所をノイズに出くわす前にビッキーがたまたま見つけてシェルターに連れてった事で生存した。

その時純粋な幼女先輩からのありがとうが忘れられず、無意識に子供が好きになり始めている。

 

 

 

邪鬼オーガ

 

好きな物:若い女の肉、美味い物、美味い酒、響とピクシー

 

嫌いな物:響を迫害した人間、響の両親、響の親友、不味い食い物

 

詳細

響が初めて召喚した悪魔、響の仲魔第1号

契約戦の途中に響が心からの叫びをした事で気に入って、鉄パイプの突き刺しを素直に受け入れた。

人間の肉ばかり食っていたが、茨城の旅館で食べたアンコウ鍋が美味過ぎて味皇ビームを発射した。

その結果グルメに目覚めた。

響の事を妹の様に想っていて、最悪の場合は自分の命を投げ打ってでも響を守る覚悟を決めてる。

 

 

 

妖精ピクシー

 

好きな物:甘い物、イタズラ、響とオーガ、恋バナ、草花

 

嫌いな物:苦い物、辛い物、響を迫害した人間、響の両親、響の親友、イタズラの邪魔するやつ

 

詳細

非常に無邪気でイタズラ好きな性格の小妖精

デビルオークションで身売りしていたのを響が見つけて買った、響の仲魔第2号

マッカ払いの良さや内包するマガツヒの総量、容姿等が気に入った。

甘味を買ってくれたり何かと気にかけてくれる響が大好き。

こんな優しくてかわいい響を迫害した人間共は絶対許さない。

何がなんでも響を守ると覚悟を決めてる。

実は結構厳しい世界(真IV)で産まれた為通常個体よりもかなり強い。

 

 

 

スティーブン

転生者

スティーブンの容姿と能力を神に押し付けられて無理やりこの世界に転生させられた可哀想な人

めちゃくちゃ頑張ってプログラム作ったら原作がかわいく思える程酷い迫害が起きているのを知ってめちゃくちゃ焦った

必死こいてビッキーを探し出したら自殺考えててクソヤベェってなってこれで復讐しなよとプログラムを渡した。なんとか受け取ってくれて一旦ホッとした。

実は真・女神転生シンフォギアifと言う作品において最も重要な人物。

彼が居なかった場合、ビッキーは自殺してフィーネが月ぶっ壊して欠片が落ちてきてこの世界は滅んでいた。

今後ビッキーが行く末を見守りつつなんとか世界滅ばない様にちょこちょこちょっかい掛けるつもりでいる。

多分1番の苦労人、胃薬が恋人

 




とりあえずのステータスとプロフィール書き終えたのでしばらく休みます。
次回からは原作入りたいですね…入りたいですよ…
シンフォギア1期見直さないと…

悪魔はまだまだ募集中ですので活動報告の方でお待ちしておりますん♡


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原作開始
闇堕ちビッキーは原作スタートする


原作第4話の序盤に出会したビッキーのお話
正直書いててあんまこれじゃない感あって納得行ってない…



薄暗い夜道を1人歩く、飲み物を切らしてしまった為にコンビニへと向かう途中だった。

 

両親への復讐を遂げてから約1年近くが経過して、16歳になった。

最近では何とかお粥なら問題無く食べれる様になって、コンビニやスーパーで売ってるパックのお粥を食べている。

 

少し広い公園の近くを通りかかった時、鉄と鉄を打ち付ける様な音が聞こえた。

それと同時に2人の女性の声も聞こえてくる。

その片方の声は、今でも耳の奥にこびりついた、あの歌声と同じ声だった。

 

風鳴翼、日本のトップアーティストのツヴァイウイングの片翼であり、かつて起きた惨劇でノイズを斬り伏せていた女。

 

私が迫害された原因となった惨劇の中心にいた女。

 

昔は大好きだったハズの歌も、あの迫害が切っ掛けとなり嫌いになっていた。

 

あの時の鎧の様な物や刀はなんなのか、ノイズと戦えたのは何故なのか、それが気になって音の方へと歩みを進める。

そしてたどり着いた先にいたのは……風鳴翼だ、間違い無い。

 

そして青い鎧を身に纏った風鳴翼と敵対する様に立っている、白い鎧を身に纏って紫色のやたらトゲトゲした鞭を持った小柄な女がいた。

2人がこちらに気が付いて振り向く。

 

「何者だ!」

 

「誰だお前…?」

 

「さぁね、私が何者とかどうでも良いでしょ?それよりそっちこそこんな時間にコスプレ?天下のアイドル様も大変だね」

 

「あっいや…これはコスプレでは無くてだな…」

 

「あーはいはい、そういう設定ね、良いよ別に無理しなくても」

 

「だから違うと言っているだろう!話を聞け!!」

 

そう言って怒鳴り散らす風鳴翼と呆れた様にこちらを見る白い鎧の女。

 

「こいつはあたしらの問題だ、部外者は引っ込んでな」

 

「…まぁそっちの白い人には悪いけどさ、私も色々そこのアイドル様には聞きたい事があるんだよね、そっちの用事はそれが終わってからでも良い?なかなかアイドル様とこんな風に話せる機会なんて無いからね」

 

「(あんまし一般人に手ェ出す訳にもいかねぇしな…)サッサと済ませろよな」

 

「悪いね、なるべく早く済ませるよ」

 

 

そう言って風鳴翼へと振り向くと、怪訝な面持ちでこちらを見ている。

 

 

「それじゃ早速だけど質問いいかな?」

 

「……なんだ」

 

「まず最初に聞くけど、あなたは何者で、どうやってノイズと戦えてるの?」

 

「答える義理はない、貴様こそ何者だ?」

 

「質問してるのはこっちなんだけど…まぁ良いか、んー…2年前のライブ生存者で、あんたともう1人、天羽奏がノイズを倒してた所を見ていた者かな?」

 

「なんだと!?」

 

 

随分と驚いている辺り、気付いて無かった…?

天羽奏は私に気付いて居たのに?

 

 

「まぁその後天羽奏の纏っていた鎧だか槍だかの破片が飛んできてさ、胸に刺さって病院で手術したんだよね」

 

「奏の…ガングニールの破片が…?」

 

 

随分と驚愕している様で、声が震えている。

まぁ相棒の武器の破片が守っていた市民の胸に破片とは言え突き刺さって手術したと聞けばそうもなるか。

 

 

「あぁアレってガングニールって言うんだ、カッコイイ名前だね。まぁそう言う訳でさ、ノイズと戦えてるその鎧とか武器は何かなーって気になってたの」

 

「……悪いが、教える事は出来ん」

 

 

辛そうな表情で風鳴翼は告げる。

まぁそうだろうとは思ったけど。

 

 

「あっそう…そうだ、一応名前は教えておくね、私は立花響。後で調べてみると良いよ。」

 

「おい、まだかよ?」

 

 

苛立った様子で白い女が話しかけてくる。

 

「サッサとしろって言ったろ!何やってんだよ!」

 

「いやーごめんね、ちょっとアイドル様とのお話しだからついね」

 

「ふざけてんのかテメェ!」

 

「いやそんな怒らないでよ、ほら、もう終わったから」

 

「あ?……チッ、ったく手間かけさせんじゃねぇぞ」

 

そう言って白い女は風鳴翼に向き直ると、やたらトゲトゲした紫色の鞭を突き付けた。

 

「おい人気者、さっきの続きと洒落こもうじゃないの」

 

「そう…だな…その鎧はあのライブで私の不手際で奪われた物だ…ならば私が取り戻すまで!」

 

……あの、ライブで奪われた?

 

「ライブで発生する大量のフォニックゲインを利用したネフシュタンの起動実験…ノイズの出現により手が回らなくなり奪われてしまったが、今度はそうはいかん!」

 

つまりなに?あの惨劇は、偶然では無かった…?

ツヴァイウイングと、そのバックにいる組織が行った実験によって招かれた物…?

 

「ねぇ、今の話は本当?」

 

「あ?アタシは知らねぇよ」

 

「部外者に話す事は無い、去れ」

 

「あぁ、いいよもう。その反応で全部事実なのも分かったから。」

 

ガントレットのタッチパネルに触れてプログラムを起動する。

 

「あの惨劇を起こした切っ掛けがお前らなら、殺すだけだから」

 

オーガとピクシー、そして新しく契約した闘鬼ゴズキと闘鬼メズキを召喚する。

 

「なっ!?」

 

「なんだコイツ等……」

 

「私の仲魔達さ、今からアンタを殺す悪魔だよ、風鳴翼」

 

「……貴様も敵か」

 

「なんかよく分かんねぇけど、お前もアイツをぶっ飛ばしてぇのか」

 

「私の場合は確実に殺したいの」

 

困惑した様な顔で白い女はこっちを見ている

 

「そうかよ…アタシは仕事だからな、上司からアイツを徹底的にボコして来いって言われてんだ」

 

「なら協力でもする?私は殺せて嬉しい、あんたも仕事を完遂出来て嬉しいでしょ?」

 

「あぁ…まぁ…な…」

 

歯切れの悪い返答が帰ってくるが、とりあえず協力関係と言うことで良いらしい。

 

「ならサッサとやろう」

 

私はプログラムから取り出した鉄パイプを握り締めて、風鳴翼を睨み付けた。

 

 




新契約悪魔は牛頭馬頭コンビでした♡

ビッキー居ないのになぜクリスちゃんが防人に喧嘩吹っかけたのかと言うと、ビッキーが二課入りしなかった結果、カ・ティンギル完成間近やし防人ボコしてしばらく行動出来んくしたろって言うフィーネの安易な考えのせいでした。
そのおかげでビッキーに見つかったよ!やったねフィーネ!ビッキーに防人と二課が目を付けられたよ!


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VS風鳴翼

防人とのバトルです。
ゲーム的に言えば、防人側は数ターン耐えれば勝利確定の戦闘、ビッキー側は化け物乱入による苦戦必須の戦闘になります。
戦えば勝てはしますが何人か仲魔が犠牲になるのを覚悟しなければいけません。



オーガとゴズキが勢い良く走り出す。

オーガが鉈包丁を、ゴズキが斧を振り下ろす。

生粋のパワーファイターである2人の攻撃は凄まじい威力で振り下ろされるが、風鳴翼は間一髪で避ける事が出来た。

 

「(なんという速さだ…間一髪で避けられたが…見た目にそぐわぬスピードに叔父様の様なパワー…これが悪魔の力が…)」

 

広範囲に蜘蛛の巣状に広がった罅割れを見て冷や汗を流す。

 

「ナカナカスバヤイナ…」

 

「おいおいオーガの旦那ァ!アイツ速ぇな!こりゃあやり甲斐があるぜ!」

 

「ソウダナ、ナカナカタノシメソウダ!」

 

「行くぜェ!オイ!」

 

2人が再び駆け出すと、私は鉄パイプを握り締めた。

白い女は私の後ろで鞭を構えている。

 

「すぐに突っ込むなんて脳筋だよね〜」

 

「まったくですね、少しはこちらの事も考えて欲しいものです」

 

ピクシーとメズキが愚痴っている。

ゴズキとメズキはデビオクで買った時、2人一緒に身売りしていたのを買った。

なんでも2人は兄弟当然の存在らしく、2人纏めて買ってくれるサマナーの元で働きたいと言っていた。

 

生粋の脳筋でオラオラなゴズキと、頭脳派で紳士的なメズキ、正反対の2人だがその相性は抜群だった。

購入当時、ゴズキが実力を試して見たいと言うので戦ったのだが、なんとレベルが10以上離れているのに2人がかりとはいえオーガ相手に善戦していた。

 

それ以来ゴズキはオーガを旦那と呼び慕っているし、メズキはピクシーと良くお茶会をしている。

 

実力があって相性も仲も良いのが私の仲魔達の良い所。

 

そんなことを考えていると、いつの間にか白い女もオーガ達に混ざって風鳴翼を追い掛けていた。

 

「おや?あの女中々やりますね?」

 

「そうだねぇ、オーガ達相手に良く逃げてるもんだよ」

 

「全くです、まさかオーガさんとゴズキがここまで攻撃を避けられるとは」

 

「ふっ!防人を舐めるな!」

 

風鳴翼がそう吠えると、刀が大きく変化した、刀と言うか大剣だろうあれ。

 

「食らうがいい!せやァ!」

[蒼の一閃]

 

刀を大剣に変化させると、タンッと空に飛び上がり大剣を大きく振り被り、蒼い斬撃を飛ばして来た。

 

「トブザンゲキカ、オモシロイコトスルモンダナァ」

[怪力乱神]

 

ぐっと力を込めるとオーガの筋肉が盛り上がった、そしてオーガは斬撃に対して両手で思いっきり鉈包丁を力強く振り被った。

ガギィン!と凄まじい音を立てて斬撃は消滅する。

 

風鳴翼は余程自信があったのか、アッサリと無傷で受け止められて呆然としている。

 

「バカな……私の渾身の一撃を……」

 

「……オマエ、ヨワイナ」

 

「な……!?」

 

「ヨワイ、サマナーノホウガズットツヨイ、イチゲキヲウケトメラレタテイドデテキノマエデホウケルヨウナヤツガツヨイトデモ?」

 

「くっ…!」

 

「アタシ様を忘れてんじゃねェよ!」

 

「オレもいるぜェー!!!」

 

白い女が鞭を、ゴズキが斧を振り下ろす。

それに気付くのが遅れた風鳴翼は間一髪避けはしたが、余波で吹き飛ばされる。

 

「ぐうぅ!?」

 

「チィ!外しやがったか!」

 

攻撃を外して悔しそうに呟くゴズキ

と言うかオーガとゴズキがどんどん突撃していくから私達の出番が無い。

 

「なんかアタシ達の出番無さそうだね?」

 

「まったくですね、我々にも少しは出番を寄越せと言う話です」

 

「そう言いつつもお菓子食べてのんびりしてるね2人共」

 

そう、出番無さ過ぎてピクシーとメズキはお菓子食べながら特撮でも見てる感覚でのんびりしているのだ。

 

「ほらほら頑張れー、頑張って避けないと死んじゃうぞー?」

 

「ほらゴズキ、何をやっているのですか、そんな人間の女如きサッサと殺してしまいなさい」

 

「分かってるってメズキ!オラァ!」

 

「くそ!この化け物どもめ!」

 

オーガとゴズキと白い女による風鳴翼の命懸け鬼ごっこ、長い事続きいつの間にやら始まってから10分近く経過していた。

 

鬼ごっこを見ていると、空から何かが降って来た。

 

赤いシャツを着たワイルドな筋肉ムキムキの男だった。

 

「叔父様!?なぜここに!」

 

どうやら風鳴翼の叔父らしい。

 

「翼、ここは一旦引くんだ」

 

「しかし叔父様!」

 

「引くんだ!頼む…」

 

「……分かり、ました」

 

叔父らしき男の言葉で風鳴翼は逃げ出した。

というか生身の人間が地面に小さいクレーターが出来るほど高い位置から降りて来てなんで怪我ひとつ無いの?化け物?

 

「君たちが何者なのかは知らないが、ここは手打ちにして貰いたい。」

 

「ハッ!なまっちょろい事言ってんじゃねェよ!逃がすと思うか!?」

 

「その場合は俺が相手になるが?」

 

……アナライズ結果はヤバそうかも、勝てなくは無いけど総力戦をして結構な被害が出そうかも。

 

 

超人 風鳴弦十郎 Lv.60

 

HP576 MP207

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 耐 耐 耐 耐 耐 耐 無 無

 

能力 力 魔 体 速

数値 35 9 20 11

 

スキル

・怪力乱神 ・八相発破 ・デスバウンド

・マッスルパンチ+5 ・咆哮

 

アビリティ

・物理ギガプレロマ ・全門耐性

・不屈の闘志 ・超反撃 ・五分の活泉

・貫通 ・見覚えの大成長

 

 

 

 

 

化け物でしょこれ、人間じゃないよこのステータス…

てか種族超人って…人間を超越したって事?やっぱり化け物じゃん…

戦うのは得策じゃないね、ここは大人しく提案を受け入れた方が良いか。

 

「良いよ、そっちの提案を受け入れる」

 

「ハァ!?おまっ…なに言ってんだよ!」

 

「この人とんでもない強さだよ、人間じゃない。化け物」

 

「はは…化け物とは酷いなぁ…」

 

なに言ってんだか…

 

「アンタみたいな人、化け物と言わずなんて言うのさ」

 

「俺は歴とした人間だぞ!」

 

「はいはい、ソウデスネ…じゃあ私はコンビニ寄って帰るから、じゃあね化け物と白い人」

 

「あっあぁ…なんだったんだアイツ…まぁいいや、アタシもここは引かせてもらうが、次はぜってー仕留めるからな」

 

「その時は、俺も相手をしよう」

 

 

 

 

仲魔に帰って貰って、当初の目的通りコンビニへ行き、飲み物大量に買い込む。

 

なんか疲れたから、サッサと帰ってゆっくりしよう…あんな化け物も居るのか…世界って広いな…

 




最終兵器OTONAはやっぱり化け物
次回は防人達のビッキーの過去を知るSAN値チェック回の予定です♡

ちなみに最終兵器OTONAのアビリティにある見覚えの大成長はデビサバのスキルですが、OTONAは映画見て飯食って寝るだけであの化け物っぷりなのでこのスキルがあるからなのかなぁと思い付けました。


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振れば風鳴る剣は暗闇に堕ちた太陽を知る

二課メンバーSAN値チェック入りまーす



〜side風鳴翼〜

 

ネフシュタンの女と悪魔を従えた女との戦闘から離脱し、私は本部へと帰還した。

私が帰還してすぐに叔父様も戻って来た。

叔父様はすぐに藤尭さんと友里さんに立花響について調べる様に告げた。

 

翌日、朝から呼び出しを受けて本部へ行ってみると、思い詰めた顔付きの叔父様や他のスタッフ達もいた。

 

「皆揃った所で早速だが本題に入ろう」

 

「叔父様…まさか…」

 

「あぁ、その通りだ、昨日遭遇した立花響君の事について調べた結果、分かった事がある」

 

「あの子は…本人の言う通り、2年前のライブの生き残りだそうだ」

 

「それは確かな情報なのですか?」

 

「ああ、間違い無いだろう、チケットの購入履歴や手術を行った医師からカルテや報告書を確認させて貰った。」

 

「心臓付近に突き刺さった何らかの破片を取り除いたって書かれていたわ…経過観察の報告書でも、必死にリハビリを行っていたとある、とても明るい子だったそうよ」

 

「あぁ、そして彼女は現在、行方不明になっている…と言う扱いらしい」

 

「どういう事ですか?!」

 

「分からん…だが、彼女が行方不明になる数ヶ月前に、両親が彼女を置いて蒸発…行方不明になったらしい…立花響君は、両親に捨てられた。」

 

どう言う事だ…!?

なぜ必死にリハビリして退院した娘を捨てて蒸発など…

 

「何故……!」

 

「生存者狩りね?」

 

「そうだ、彼女とその両親は生存者狩りによって酷い迫害受けていた様だ…」

 

生存者狩り…?迫害…?

なぜ…そのような事が…?

 

「あのライブで起きた死傷者の大半は、生存者達が我先にと逃げ出そうとした事で転倒した結果そのまま踏み付けられて死亡したり、押し退けてられた結果ノイズに捕まった等が原因だった…」

 

「その結果、それが知れ渡ってライブ生存者はみな他の人を殺した殺人犯扱い、響ちゃんもそうして酷い事をされたみたいね」

 

「その家族も同罪として迫害、父親は娘が助かった事を嬉々として会社で話して回ったそうよ?その結果取引先にまで知れ渡り、ライブで娘を失った取引先の社長が激怒。取引は無かった事になって会社での居場所を徐々に失った。母親も近隣住民の迫害で限界だったみたいね、そして両親は響ちゃんを置いて蒸発」

 

あの子はただ逃げ遅れただけなのだぞ…!

だから奏が守って…命まで捨てて…!

 

「翼、ここからは…かなり残酷な真実が待っている?俺達でもかなりキツい物だった…知る覚悟は、あるか?」

 

私は知らねばならない…

 

「当然です。教えてください…」

 

「分かった…響君の両親が行方不明になって数ヶ月、近隣住民がまったく響君を見かけなくなり、警察に通報したのがきっかけだった。」

 

そして知らされた真実

もぬけの殻となった廃墟の様に荒れ果てた家の中で、ボロボロの机の上に置かれた1つの便箋。

中には手紙が入っていて、そこに全ての真相が書き綴られていた。

立花響が受けた迫害や虐めの内容、その時の心情や苦悩、果ては自殺をほのめかす文章。

 

なぜ、どうして、自分は何もしていないのに、両親や親友はなぜ自分を捨てたのか、生きているのが何よりも辛いと…

 

あまりにも惨い、残酷な真実

奏の守った命は、その他大勢に踏み躙られていた。

 

「あ…あぁ…」

 

「翼!しっかりしろ翼ァ!」

 

私がして来た事は、奏が守った命は、全て全て、無駄だった?護国とは?防人とは?私の戦いとは?

何もかも無駄だった、だってそうじゃないか…奏が命を捨ててまで守った命を、誰もかもが踏み躙る。

私もそうだ、今の今まで何も知らずにのうのうと…知ろうともせずに…ワタシハ…

 

「アハッ…ハハハ…アッハハハハハハ!!!!!」

 

 

 

 

 

何もかもが無駄だった

 




二課メンバーSAN値チェック失敗でSAN値喪失
防人は強制失敗で一時的発狂+奏ロス+うつ病発症で最低でも1期の間は戦闘出来ません。
治療の為に精神病院で入院になるのでドロップアウト確定です♡

一時的狂気(長期)の内容は
幻覚あるいは妄想(存在しない奏と会話)
脅迫理念に取り憑かれた行動(祈り)
となります。
そこに鬱病による自傷癖が追加となり戦闘は絶対出来ませんし、学校も歌手活動も無理です♡

これによりフィーネのクリスちゃんポイ捨てが早まりました♡
早まった結果クリスちゃんは393に見つかりません♡
と言う訳でアンケートします♡


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闇堕ちビッキーは拾い物をする

みんなやっぱりクリスちゃん好きなんやなって…
流石人気投票1位…
と言う訳でビッキーが行き倒れクリスちゃんを拾って連れて帰りまふ。


 

……なんか、数日前に会った白い女が倒れているのを見つけた。

 

「……なんだ?」

 

どうやら意識が無い様だけど…?

 

「おーい、生きてるかー?」

 

軽く肩を揺すっても反応無し。

仕方ない、拠点に連れて帰ろう…起きればよし、起きなきゃオーガのご飯にすれば良い。

 

女を背負って拠点へと帰る。

胸大きいなこいつ…

 

「…フィーネ…なん…で…」

 

女は寝言で何やら人の名前らしい物を小さく呟く

もしかして捨てられたのか?

 

背中にむにっとした柔らかい感触を感じながら拠点へと帰宅して、ベットに女を寝かせる。

 

嗅ぎなれた肉の焼けた匂いが女からしたので少し服を脱がせて確認すると、体中に火傷の様な傷跡がある。

とりあえず回復魔法を掛けて治療をしておいた。

女が目覚めた時の為に新たに契約した仲魔、妖精シルキーに頼んで胃に優しいスープを用意して貰う。

 

それからしばらくして、女が目を覚ました。

 

「んっ……」

 

「あ、起きた?」

 

私の声にギョッとして飛び起きる女を見て、思わずくすりと笑みが零れた。

 

「おはよう」

 

「お前…確かこの間の…!?」

 

「あぁ覚えてたんだね、あの時聞いてたと思うけどもう一度、私は立花響、よろしく」

 

「へ…?あぁ…アタシは雪音クリスだ…よろしく…」

 

サラッと自己紹介する私に呆気に取られた彼女もまた自己紹介をする。

するとノック音がして、シルキーが暖かいスープを持って入って来る。

 

「あら、起きていたのね。サマナー、スープここに置いておくわね?」

 

「うん、ありがとねシルキー」

 

シルキーが暖かいスープの入った皿を2つ、机に置いて出ていった。

スープの皿1つをクリスに渡す。

 

「飲みなよ、シルキーの料理は美味しいから」

 

「施しなんざ…」

 

「飲まないなら良いよ、私が飲むから」

 

「…っ、飲まねぇとは言ってねぇだろ!寄越せ!」

 

クリスは奪い取る様にスープ皿を受け取ると、スプーンで1口掬って飲んだ。

目を見開いて数秒ほど動きが止まると、ガッつく様に飲み始めた。

 

「そんなにガッつか無くてもスープは逃げないし、おかわりもあるよ」

 

「んぐっ…悪かったな…おかわり頼んでも良いか…?」

 

「良いよ、少し待っててね」

 

席を立ち、皿を持って部屋を出る。

シルキーに頼んでトレーに2皿用意してもらって部屋に運ぶ。

部屋に戻ると、そわそわと落ち着き無く辺りを見回すクリスがいた。

 

「おかわり、持ってきたよ」

 

「あ…おう、さんきゅ!」

 

スープの入った皿を見て、パッと花開く様に表情を明るくして皿を受け取りスープを貪る様に飲むクリス。

 

「さて、飲みながらでも良いからどうして倒れてたのか聞かせて貰える?」

 

「ゴクッ…別に、アンタにゃ関係ねぇだろ…」

 

「倒れてた君を拾ったのは私なんだけどね…まぁいいや、これから話すのはただの独り言だよ。」

 

「……?」

 

スープを飲みつつ、私は身の上話をクリスに話した。

ライブの事、イジメや迫害の事、家族や親友に見捨てられた事、自殺を考えていた事、スティーブンからプログラムを受け取った事、復讐する事を決めて実行した事。

 

それらを話終えると、クリスはどこかバツの悪そうな顔で呟いた。

 

「アンタも…随分苦労してんだな…」

 

スープを飲み終えたクリスは、皿を置いて静かに話始める。

 

「アタシは…前に上司がいるって言ったろ?その上司に捨てられちまってさ…アタシにとっては家族みてぇなもんだったんだ…」

 

ポツリポツリと心の内を吐露する。

 

「アタシさ…ガキの頃に、パパとママに連れられてバルベルデって国に行ったんだ。戦争してる国でさ、パパとママは有名な音楽家でボランティアの為にその国に行ったんだ。」

 

己の過去を吐き出して行く。

 

「そこでパパがヴァイオリンを引いて、ママが歌を歌って回ってた。戦争で親を失った子供達や辛い思いをした人達の心を少しでも癒そうとしてたんだ。」

 

思い出したくも無い惨劇を思い出す。

 

「たまたまアタシが現地の仲良くなった1人の女の人と出掛けてたら、泊まってた街が内戦に巻き込まれてさ、みんなみんな殺されてた。パパもママも孤児も老人も誰もかも…その後アタシは捕まっちまって、捕虜として色んな所を連れ回された。」

 

胸に宿った信念の焔を呟く。

 

「その後フィーネが現れて、あたしを連れ出してくれたんだ。家族も友達も失ったあたしに、唯一手を差し伸べてくれた大人だったんだ、戦争なんて下らない物を無くしたいって願うあたしに、フィーネは力をくれた…戦う意志と力を持つ者を滅ぼせば思いは遂げられるって言われて…信じてたんだ…」

 

 

信じた者に裏切られ捨てられた少女は、ただ俯いて嘆いていた。

その姿は以前の自分と似ていて…なんだか放っては置けなかった。

 

だからこそ、疑問をぶつける。

 

「でも、なんかおかしな話だね?」

 

「何がだよ…?」

 

「クリスの両親、なんで年端も行かない子供を連れて戦争してる国に行くの?いくらボランティアとは言えさ、普通子供連れて行かないでしょ?何を考えてたんだろうね?」

 

「それは…分かんねぇけど…」

 

「多分さ、何も考えてなかったんじゃない?だって考えてたら小さな1人娘連れて戦争地帯なんて行かないよ普通。と言うかそもそも戦争してる国に行こうとか誰も思わない。」

 

そう告げると、両親の行動を疑問に思ったのか不思議そうな顔で考え込んでいた。

 

「…確かにそうだな…パパとママは何を考えてたんだろ…」

 

「さぁ?案外自分より不幸な人を見て自分達はなんて幸福なんだろう!とか思ってたりしたのかもね?それかそんな不幸な人達に優しくしてあげる自分達優しい!って優越感に浸ってたのかも?」

 

「……否定したいけど、改めて考えてみるとそうじゃなきゃ戦争してる国に小さい1人娘連れて行ったりしないよな…」

 

クリスは自分の両親の事を思い返して項垂れていた。

 

「それで死んでちゃざまぁないってんだ…パパとママのバカヤロウ…」

 

自分の有り得たかも知れない楽しげなもしもの姿を想像して、クリスは更に落ち込んでいた。

 

「まぁともかくさ、行く宛て無いならしばらくここに居ると良いよ、ご飯もあるし雨風も凌げる、クリスなら私達は歓迎するよ」

 

そう言ってクリスに手を差し伸べると、クリスはマジマジと手を見つめた後、静かに手を取った。

 

 




裏方作業員として妖精シルキーを登場させました。
今後登場するかは未定です。あくまで家事要員としての契約ですので。
と言う訳でクリスちゃん仲間化フラグ立ちました♡
という事でアンケートします。
クリスちゃんをサマナーにするかどうかです。
召喚プログラムを渡しますか?渡しませんか?


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クリスちゃんcompを貰う

今回のお話は〜?
クリスちゃん、ビッキーの妹に
クリスちゃん、compを貰う
の2本となりま〜す♡


クリスはゆっくりと私の手を取った。

そのまま手を繋いで拠点の中を案内して、私の仲魔達を紹介する。

以前会っている事もあり、お互いの自己紹介はすんなりと終わった。

特にピクシーとシルキーはかなりクリスの事を気に入ったらしい。

妖精に好かれやすい体質なのかもしれないな

 

 

リビングルームとして使っている部屋でみんなでお茶を飲んでいると、クリスが不意に聞いて来た。

 

 

「…なぁ、アンタはさ…なんであたしを助けてくれたんだ?」

 

 

「なんでって…まぁ、たまたま倒れてたのを見つけたからってのと、死んでるならオーガにあげようかなって、生きてるならまぁ話でも聞くかなって、そんな理由」

 

 

嘘偽りの無い本音を教えると、クリスは何とも言えない表情でこちらを見ていた。

 

 

「そんな理由かよ…」

 

「そんな理由でも助かったんだから別にいいでしょ?」

 

「いやそうなんだけどよ…」

 

「まぁ、クリスの話を聞いたら放って置けなくなったってのが1番かな、ほら…お互い人間にクソみたいな事された同士…ね」

 

 

放って置けないのも事実だし、何よりも…

 

「クリスを見てると落ち着きの無い子犬見てるみたいでね、なんか妹いたらこんな感じなのかなって」

 

「子犬…ってあんたなぁ…にしてもあたしが妹?どっちかと言うとあんただろ?あたしよりちっこいんだからさ」

 

「…まぁ、発育悪いのは認めるよ。でも落ち着きなくそわそわしてたし、食べ方汚いし、前の戦い方見て思ったけど…なんと言うか、猪突猛進?思い込んだら一直線と言うか…そんな感じでしょ?」

 

 

あと多分無駄に責任感強くて何かあると自分を責めて責任を取ろうとするタイプと見た。

 

「うぐっ……なんで分かるんだ…てか、食べ方汚いのは仕方ねぇだろ!?んな作法なんざ教わってねぇんだよ!」

 

「ふふっ…最低限の作法なら私が教えてあげるよ?クリス」

 

「ぐっ……んじゃあ、よろしく頼むわ…その…あ、姉貴…」

 

 

顔を赤らめてもじもじしながら姉貴と呼んでくれるクリス、驚く程に可愛い妹が出来たもんだ…

 

 

 

 

そんな話をしていると、急に物陰からスティーブンが現れた。

 

「やぁ響ちゃん、久しぶりだね」

 

「うおっ!?びっくりしたぁ…誰だコイツ…」

 

「ん?あぁスティーブン、久しぶり。元気してた?」

 

「もちろん、今日は君の新たな家族に贈り物をと思ってね」

 

 

スティーブンが…贈り物…?

まさか…召喚プログラムをクリスに渡すと?

 

 

「クリス君にはこれをプレゼントしよう。きっと君の役に立つはずだよ」

 

「これって…携帯電話…か?」

 

「正確にはスマートフォン型コミュニケーションプレイヤー、通称compだ。これには響ちゃんと同じ悪魔召喚プログラムが組み込まれている。機能はほとんど同じだよ、さぁ…受け取ってくれたまえ」

 

 

持ち運びしやすそうでちょっと羨ましい…ガントレット型は少し重いし、付けてると腕が蒸れるから…

 

 

「いや、でも…あたしが使っても大丈夫なのか?」

 

「安心してくれたまえ、それは君の為に作った特別製でね。シンフォギアを起動していても問題なく同時並行して扱える様に特別なプログラムを仕込んである。万が一に紛失しても、クリス君の声でしか反応しない音声認識機能付きだ、正真正銘クリス君専用の特別なcompだよ」

 

「そっか……ありがとな」

 

「礼を言う必要なんて無いさ。僕はあまりここに来れる訳じゃないが、響ちゃんを友人だと思っている。なら、響ちゃんの家族もまた…僕の友人だからね」

 

「…へへっ…おう!」

 

 

照れ臭そうに笑うクリス、うん……やっぱりクリスって子犬みたいで可愛い

クリスは愛されわんこキャラだね、間違いない

 




ぬるりと現れた転生スティーブンニキですが、実は防人ぶっ壊れたせいでクリスちゃんが原作より早く捨てられたのでめちゃくちゃ焦ってcomp完成させてプログラム組み込んで、いざクリスちゃん助けに行こうとしたらビッキーに拾われてたから大慌てで音声認識機能組み込んでビッキーに会いに行ったらなんか知らん間に丸く収まって姉妹になってたから話を合わせて登場した。
ぶっちゃけ内心は死ぬ程焦ってたから胃がめちゃくちゃ痛む、間に合って良かった


次回、クリスちゃん初めての悪魔召喚


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クリスちゃん初めての悪魔召喚

クリスちゃん初めての悪魔召喚と初めてのデビオク
書いててクリスちゃんがどんどんわんこ系になっていく…


 

スマホ型compを手に持って、嬉しそうに瞳を爛々と輝かせるクリス。

そんなクリスを見て、私は声を掛けた。

 

 

「ねぇクリス、早速召喚してみる?」

 

「する!!!!!」

 

 

嬉しそうにデカい声で答えるクリスを連れて外へ出て、私がオーガを召喚した場所へと連れていく。

クリスは蜘蛛の巣状にひび割れたコンクリートを見て察した様だった。

 

 

「ここってもしかして…」

 

「そ、私が初めてオーガを召喚して戦った場所」

 

「ここが…」

 

 

クリスは興味深そうに周りをキョロキョロと見渡して何か頷いていた。

クリスがcompを起動させ、私に教えられた通りに召喚プログラムを起動する。

 

プログラムが起動して、魔法陣が現れてバチバチと蒼白い稲妻が走る。

稲妻が収まった時、そこには純白に輝く美しい1本角の馬がいた。

 

 

「おや、貴女がワタクシを呼び出したサマナーの様ですね?」

 

「……ハッ!?お、おぉ…そうだ!」

 

 

見惚れていて返事が遅れるクリスを、純白の馬は品定めする様にじっくりと観察している。

 

 

「な…なんだよ?」

 

「ふぅむ…なるほど…よろしい、ワタクシのサマナーとして認めましょう。ワタクシは聖獣ユニコーン、コンゴトモヨロシク」

 

 

クリスをサマナーとして認めたユニコーンはシュンっと音を立てて消えた。

しかしユニコーンねぇ…なるほど?つまりクリスは…

 

 

「えっと…これで契約完了…なのか?なんか拍子抜けだな…」

 

「それはクリスがユニコーンに気に入られたからだよ、純血の乙女クリスちゃん?」

 

「ハァ!?ななな…なんだよ純血の乙女って!?」

 

「あぁ、クリス知らないんだ…ユニコーンってね、純血の乙女…つまり処女を好む聖獣なんだよ」

 

「……つまり何か?アタシが処女だから気に入って契約したって事か?」

 

「そゆこと」

 

 

クリスの顔が茹でダコの様に真っ赤に染まる。

 

 

「……ッなんっだよそれえぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

「そんな事言ってもねぇ…気に入られただけマシでしょ、私みたいに戦わなくて済んだんだし」

 

「そりゃあそうだけどよぉ」なぁんか納得行かねぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

頭をガシガシと掻き毟ってクリスが叫ぶのを横目に見つつ少し考える。

クリスがユニコーンを呼び出したのは恐らく偶然では無いだろう。

そもそも召喚プログラムは無作為に呼び出すのではなく、召喚者自身の実力や才能、スタンス、縁、持っていれば触媒も含め、それらを総合して最適な悪魔を選び召喚する。

 

クリスの実力は以前戦った時にこっそりアナライズした時のままなら22レベル、スタンスは間違いなくLightNeutral、縁は無いだろうし、触媒は恐らく処女、クリス自身の才能は高いと見て良い。

 

これらを総合して考えると、レベルが大体20〜30ので、スタンスがLowかLightNeutral、処女を好む悪魔となる。

この条件をクリア出来る悪魔がユニコーンだったんだろう。

 

なかなか癖の強い仲魔だなぁ…

 

そう言えば、多分メールでスティーブンからお祝いマッカが来ているはず

 

 

「クリス、メール確認してみて」

 

「メール?分かった…お、来てる。なになに…おぉ!姉貴!スティーブンからお祝いって1万マッカ来てるぞ!」

 

「やっぱり、私の時も来てたからさ、それ使ってデビオクで仲魔を買うと良い、私もピクシー達買ってるから」

 

「へぇ…デビオクってこれか、なにかおすすめとかあるのか?」

 

「特には、私はフィーリングでビビっと来た子を買ってるから」

 

「フィーリングって…まぁそういうやつの方が良いのか…?」

 

 

クリスが少し呆れつつ物色を始める。

すると直ぐに良さげな子を見つけた様で、はしゃぎながら私に見せてきた。

 

 

「なぁ姉貴!コイツすっげぇ可愛い!アタシコイツ買う!」

 

 

そう言って見せて来た悪魔は妖精ジャックフロストだった。

確かイングランドの民間伝承に伝わる寒さを具現化した霜の精だったかな?

無邪気で子供の様な悪戯好きな性格で、一度怒らせるとその相手を氷漬けにして殺してしまう事もあるという。

元は雪男のような怪物で、笑いながら人間を凍らせるという恐ろしい妖精だとか。

 

 

「まぁ、良いんじゃない?私は特に何も言わないよ。クリスが良いと思ったのなら、その子を買えば良いよ」

 

「そっか…よし、コイツ買うよ!」

 

 

購入を決めた様で詳細を確認する。

星5ランク、2つ名は冷たき魔性のフロスト

目安マッカは1360、即決マッカは4080

スキルもなかなか強くてクリスのレベルにも合う丁度良い悪魔だろう。

 

どうやらクリスは即決で買うらしい、4080より少し高い4200払っている。

少し多めに払うのは悪魔に良い印象を与えれるから良い判断だろう。

私もピクシーの時そうだったし。

 

どうやら送金が完了した様で、魔法陣が現れて蒼白い稲妻が走り出した。

中から青い帽子を被った雪だるまの様な悪魔、ジャックフロストが現れた。

 

 

「ヒーホー!オマエがオイラを買ってくれたサマナーだホ?少し多く払ってくれて嬉しかったホー!オイラは妖精ジャックフロスト、サマナーの敵は全員氷漬けにしてやるホー!コンゴトモヨロシクだホー」

 

 

シュンっと音を立ててジャックフロストは消えた。

クリスは嬉しそうにプログラムでジャックフロストの詳細を見ている。

 

ジャックフロストはともかくとして、初契約悪魔がユニコーンというのは些か癖が強過ぎる気がする。

クリスは今後苦労するかもしれないな…頑張れクリス、負けるなクリス。

 

 




と言う訳で初召喚は読者様からの募集案からユニコーンでした。
そしてデビオクは読者様からの募集案からジャックフロストでした。

次回からカ・ティンギル登場に持って行きたいけど戦闘シーン書ける自信が無い……


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闇堕ちビッキーはフィーネと出会う

長らくお待たせしました…
ゆっくりゆっくりとカタツムリの如き更新速度でも更新してきますんで…



クリスの仲魔召喚も終えて拠点でのんびりお茶会をしていると、突然大きな地震が起きた。

 

 

「おっとと…揺れが激しいな…クリス、無事?」

 

「おう、急に地震か…なんだったんだ…?」

 

「この辺は廃墟多いし…崩れてなきゃ良いけど…とりあえず外を見に行くとしようか」

 

 

そう言って外へ出る。

周りを見渡すと、近くの廃墟こそ崩落はしていなかったが、少し遠くにあるリディアン音楽院のある場所から大きな塔が突き出していた。

 

無駄にカラフルで余りにも巨大な塔、間違いなくアレが地面から突き出てきた衝撃で地震が起きたと考えるべきだろう。

 

 

「さっきの地震ってあの馬鹿デカい塔が原因か?アレってまさか…フィーネの…なぁ、姉貴あそこに行かないか?」

 

「うん?……何があるんだね。分かった、行こうか」

 

『悪いのだけど、ちょっと待って貰えるかしら?』

 

 

いざ巨大な塔へ行こうとした私たちにバロウズが待ったをかける。

 

 

「どうしたの?」

 

『どうやらあの塔の地下から膨大な未知のエネルギーが発生しているわ』

 

「エネルギー?ふぅん…」

 

『えぇ、きっとあそこはとても危険よ。それでも行くのね?』

 

「クリスが行きたそうにしてるからね」

 

『そう、なら早く行った方が良いわね…あの塔のエネルギーがどんどん高まっているの。恐らくあの塔は砲台の役割なんだと思うわ』

 

「へぇ…急いだ方が良さそうだ」

 

バロウズの言葉を聞き、私達は急いでカ・ティンギルへと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────

 

 

 

 

 

 

 

私とクリスがリディアンに到着した時、既にリディアンは酷い有様だった。

学校は半壊、ノイズが大量に湧いていて辺り一面が人間だったであろう粉末状の炭でいっぱいだった。

クリスもそれを見て思わず顔を顰める。

 

 

「こりゃあひでぇな…」

 

「炭まみれだね…これほとんどが元人か、酷いもんだね…大方パニックになった人同士で我先にと逃げようと揉み合いになった所を襲われた…て所かな」

 

「うへぇ…ん?あれは…フィーネ…」

 

クリスが半壊した校舎の上を見る。

そこにはやたらトゲトゲした金色の鎧っぽい物を着た金髪の女がいた。

以前クリスが使っていた薄紫色のトゲトゲした鞭もあるので、恐らくネフシュタンの鎧とかいう物なんだろう。

 

 

「うん?あぁ、生きていたのか…どこかで野垂れ死んだかと思っていたが…悪運の強い小娘だな」

 

「フィーネ…」

 

「ふぅん…アレがフィーネ…趣味悪いね、ダサい鎧」

 

「ぐっ…まぁ、デザインに関しては私も思う所はあるが…貴様、以前風鳴翼とクリスの戦いに割って入った小娘だな?」

 

「そうだよ、アンタがこの塔の管理人?無駄にカラフルでちょっと目が痛くない?」

 

「む、確かに少し目に悪いな…ではなく、貴様は何しに此処へ来た?」

 

「塔の破壊目的だけど?なんかエネルギーチャージしてるみたいだし、大砲的な物なんでしょ?」

 

「ふん、そうか……だが、貴様如きに止められるとでも思っているのか?」

 

「簡単に行くとは思ってないけどさぁ……あんまり時間掛けてる暇も無いよね、狙いがどこかは知らないけど砲撃撃たれても困るし。」

 

「ほう…?」

 

 

私はそう言うとガントレット型compを起動して仲魔をみんな呼び出す。

それに続いてクリスもユニコーンとジャックフロストを呼び出した。

 

「あんた、強そうだし…フルメンバーで行かせてもらうね」

 

「出し惜しみは無しだ!フィーネが相手だろうがやってやる!」

 

そう言うとクリスは歌いだしてイチイバルを起動した。

オーガとゴズキが突撃して行くのを横目に、フィーネにアナライズをする。

 

 

─────────────────

魔人 フィーネ Lv.74

 

HP612 MP312

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 耐 耐 耐 耐 耐 耐 無 無

 

能力 力 魔 体 速

数値 14 30 28 17

スキル

・守りの盾・コンセントレイト・デクンダ・デカジャ・殺風激・鎧通し・メギド

 

アビリティ

・ネフシュタンの鎧・先史文明の巫女・獣の眼光・ソロモンの杖

 

 

・ネフシュタンの鎧

毎ターン(1分事)にHPMPが10%回復する

・先史文明の巫女

あらゆる属性に耐性を得る

・ソロモンの杖

����������

─────────────────

 

なんか1つ文字化けしてるけど…

これはかなり厄介だな…

ちょっと強過ぎる…私や仲魔達全員でかかっても何人か死ぬかも…

 




正直あんまり出来の良さに納得出来てない…

フィーネに関してですが、この強さは弱体化混みです。転生を繰り返した結果、本来の力を完全には発揮出来ていないって感じにしてます。
先史文明から転生繰り返してる奴が弱い筈が無いんだよなぁ…ぶっちゃけ原作でもフィーネの実力ってラスボスクラスだし…主人公補正無かったら勝てなかったでしょあれ…


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VS魔人フィーネ I


大変お待たせしやした……!
魔人フィーネ戦開始です…!



 

「喰らえやオラァ!」

[牙折り]

 

「その程度効かぬ!」

 

ゴズキが手に持つその大きな斧で力一杯横薙ぎに振るってフィーネを殴るが、耐性を持ったフィーネには効果が薄く効いていない。

 

「ならばこれならどうですっ!」

[ジオンガ+電撃プレロマ]

 

「これでも喰らえホー!」

[ブフーラ+氷結プレロマ]

 

「ぶっ飛びやがれぇ!」

[MEGA DETH PARTY]

 

メズキが雷撃を、フロストが氷結を、クリスがミサイルポットから大量の小型ミサイルを発射する。

 

「温いッ!」

 

しかし別方向から同時に攻撃するも、フィーネは手に持った鞭で横薙ぎに払って相殺する。

 

「チィっ!」

 

「これも防がれますか…」

 

「アイツ強いホー……」

 

強い…隙が少ない上にフィーネの一撃は私達にとって致命傷になり得るクラスの物、だからと言ってこのままじゃジリ貧だ……。

さて、どうするかな…私のジオンガはメズキとほぼ同威力…僅かに魔力ステータスの差で私が上ってだけだし…

ピクシーはヒーラーとして動いて貰ってるから攻撃には参加出来ない…

ふむ…

 

 

「フンっ…まぁ、多少はやるな…実力はあっても間抜けな風鳴弦十郎とはやはり違うな…」

 

なんだ、あのムキムキのおっさんやられたんだ…しかも油断して…生きてはいるかもしれないけど…仮に生きてても戦力にはならないかな…?

私がそう考えてる間にオーガとゴズキとメズキが突撃して吹っ飛ばされていた。

 

「んもぉ〜!3人ともやられるの速すぎ!アタシの魔力も有限なんだからね!」

[メディラマ+回復プレロマ]

 

「ワルイナピクシー、タスカル」

 

「すまねぇなピクシーの姐さん!」

 

「申し訳ありませんピクシーさん…」

 

三者三様に謝罪をするとまた突っ込んで行って「「「ヌワーっ!」」」吹っ飛ばされた。

いやコントじゃ無いんだから…

 

「へっ…時間稼ぎ助かったぜ!これならどうだ!全弾発射だぁ!」

[MEGA DETH QUARTET]

 

どうやら3人がコントの様に突撃していたのは時間稼ぎだった様で、クリスの両肩から大きなミサイルが4本、腰のマイクロミサイルポットから無数の小型ミサイル、両手に持ったガトリング砲から弾丸の雨を降らせる。

正しく全弾発射、強烈な弾幕の密度で並の相手ならアッサリ倒せるだろう。

相手が魔人で無ければ。

 

「チィっ!小賢しいわっ!」

[守りの盾]

 

そう言うとフィーネは大きく横薙ぎに鞭を振ってミサイルを全て破壊した。

そしてガトリング砲の弾幕を魔力で作った盾の様な物で凌ぐ。

でも…

 

「背中が隙だらけだねっ!」

[ジオンガ+電撃プレロマ]

 

「─っ! うぐぁっ!?」

 

フィーネの背中に私の放った雷撃が当たり、少しだけその背中の鎧を焦がした。

そのせいで集中が途切れたのだろうか、魔力の盾が消えてガトリング砲の弾幕に襲われる。

初めてフィーネが苦痛の声を漏らした。

 

「ぐぅっ…存外やるな…」

 

「どうだフィーネェ!」

 

フィーネの漏らした苦痛の声にダメージを与えた事を確信して喜ぶクリス。

するとフィーネはくつくつと笑い出した。

 

「なっ…何笑ってやがんだ!」

 

「なに、お前に笑っているのでは無いさクリス。ふと思い出した事があってな」

 

そう言うとこちらを見て何やら意味有りげな笑みを浮かべた。

 

「お前、立花響…だったな?ツヴァイウイングのライブ生存者の1人、逃げ遅れて何らかの破片が心臓に突き刺さって死にかけた女」

 

「それが…何?」

 

「いや…以前クリスと風鳴翼の戦闘に割って入った事があったろう?その時にお前が言った通りにお前の事を調べたのさ、そしたら面白い事が分かってなぁ…お前の心臓に突き刺さった破片…まさかガングニールだとはなぁ?」

 

「……ガングニール?」

 

「そうだ、天羽奏の纏うシンフォギアで、北欧神話に伝わる主神オーディンの持つ槍の事だ、あの日死にかけた人間が…こうして私の元へと現れて邪魔して来るのだからなぁ…」

 

「だから…何が言いたいの?」

 

「そう結論を急くな、あのライブの日…ある完全聖遺物の起動実験も兼ねていたのさ」

 

「ある完全聖遺物…?」

 

「そうだ、その名は…」

 

フィーネが嗜虐的な笑みを浮かべながら告げる

 

 

 

「ネフシュタンの鎧」

 

 

 

「それって…あんたが纏ってるそれの事…?」

 

「そうだ、ライブによって発生する大量のフォニックゲインを利用し完全聖遺物を起動する実験、そしてこの起動したネフシュタンの鎧を奪う為に、ノイズを会場に乱入させたのだ」

 

 

………は?

 

 

「……そう、お前か…」

 

「あぁ、私が犯人だよ…全てはバラルの呪詛を破壊する為!」

 

「お前のせいで…私の…人生は…」

 

「テメェ…フィーネェ…ッ」

 

 

フフ…ハハハ…

 

 

「あっははははははは!!!!!」

 

「─っ!? あね…き?」

 

「なんだ、気でも狂ったか?」

 

やっと…ミツケタ…

 

「お前が…オマエガァァァ!!!!!」

 

 

【Devil Summoning Program Start up】

 

・・・Processing completed】

 

【System All Green】

 

【Summon a New Devil】

 

 

 

 

 

 









正直英語力無いから最後の部分合ってるのかわかんない…Google先生に翻訳して貰ったけど先生ガバ翻訳だし…


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VS魔人フィーネ II

非常に遅くなりました……
一応次話で最終回の予定です……


 

【Devil Summoning Program Start up】

 

・・・Processing completed】

 

【System All Green】

 

【Summon a New Devil】

 

 

【魔神 オーディン】

 

 

────────────────────

 

煮え滾る怒りに身を焦がしていると、ガントレット型c.o.m.p.から激しい光が溢れる。

眩く輝く魔法陣から凄まじく強烈な雷が放たれ、中から背の高い男性の姿をした悪魔が現れた。

蒼きマントをたなびかせ、青いラインの入った金色の鎧に身を包み、穂先が雷の様な形をした槍を持っている。

その悪魔は私を一瞥するとカ・ティンギルへと向いて、手に持つ槍を空へと向けて掲げた。

そしてゆっくりと降ろし、その槍の穂先をカ・ティンギルへと向けた……その瞬間

眩い閃光が走ったかと思うと、凄まじい轟音と共に激しく砂埃が舞い上がる。

数秒して砂埃が収まると、そこには崩れ去り瓦礫の山となったカ・ティンギルがあった。

 

「ば……か…な…」

 

その光景に絶句しているフィーネを見つつ急いでステータスを確認する。

 

────────────────────

 

魔神 オーディン Lv.85

 

HP MP

728 312

 

属性 物 銃 炎 氷 衝 電 破 呪

耐性 ― 反 ― ― 吸 反 耐 耐

 

能力 力 魔 体 速

数値 33 34 27 26

 

スキル

・真理の雷 ・グングニル

・メギドラオン ・貫く雷の闘気

・ソウルドレイン

 

アビリティ

・物理プレロマ ・物理ギガプレロマ

・電撃ギガプレロマ ・衝撃吸収

 

 

・真理の雷

敵全体に電撃属性で特大威力の攻撃

・グングニル

敵単体に物理属性で特大威力の攻撃(貫通効果)

・メギドラオン

敵全体に万能属性で大威力の攻撃

・貫く雷の闘気

使用後1ターン(約1分程)の間、味方全体に電撃属性の攻撃に貫通効果を付与する

・ソウルドレイン

敵単体から万能属性でHP・MPを吸収する

 

────────────────────

 

 

魔神オーディン……北欧神話の主神、武人にして魔術師でもあり、知識を得る為には如何なる犠牲も惜しまなかったと言う探求者…

そして、私の胸に突き刺さったガングニール…いや、グングニルの本来の持ち主…

それほどの悪魔が……魔神が……私をジッと見ている、まるで品定めをするかの様に。

 

 

一歩踏み出す

グッとプレッシャーが増す

 

更に一歩踏み出す

まるで重力が増したかの様に足が重くなる

 

そして隣に立つ

オーディンが問い掛けてくる

 

 

『我が魔槍の欠片をその身に宿せし娘よ、卿は何故戦う』

 

「復讐の為」

 

『何故復讐する』

 

「信じた者から裏切られ、捨てられ、奪われた。だから奪う、何もかもを、そして全ての元凶が目の前にいる、ならば殺して怨みを晴らすまで」

 

『卿の復讐の先に何が待つ』

 

「何も、強いて言うならクリスや仲魔達と何処か自然溢れる場所で余生を過ごすのも良いかもしれない」

 

『卿の望みは何か』

 

「貴方の力を貸して欲しい、具体的にはあの残骸になってる塔をもっと壊して」

 

『良かろう、卿の望みを叶えよう』

[グングニル]

 

問い掛けが終わると、オーディンは空高くジャンプして、グッと槍を構えて壊れ崩れたカ・ティンギルへ投擲する。

凄まじい衝撃が周囲を襲い、轟音を轟かせながらカ・ティンギルを粉砕した。

そしてそのまま地下にある謎のエネルギー源も破壊してしまったらしい。オーディンは私を見て問う。

 

『卿の望みは叶えたが、これだけで良いのか』

 

「後1つ、フィーネを殺すの手伝ってくれる?」

 

『ふむ、まぁ良かろう』

 

そう言うとオーディンは槍を呼び戻してその手に構えた。

魔法か何か?

 

そして私はフィーネへと向き直ると、その顔は憤怒に染まっていた。

 

「よくも……よくもやってくれたな……永きに渡り望んで来た我が悲願を……人類の相互理解を阻むこの呪いを、今宵の月を破壊する事で解き!そして世界を再び一つに束ねる!………その、はずだったのにっ!!!」

 

怒りに呼応する様に、フィーネの魔力が可視化出来る程に強まり、暴風が吹き荒れて渦を巻く。

 

 

─────それを見逃すほど、私は馬鹿では無い。

 

「オーディン、メギドラオン」

 

『承知した』

 

私の指示に応え、オーディンが槍の穂先をフィーネへ向ける。

まるで何もかもを飲み込む闇の様な真っ黒の球体が槍の穂先に現れる。

その球体を撃ち出すと、フィーネが慌てて魔力の盾を貼り、その盾に球体が触れる。

音が消え、空気が爆ぜる。爆発の余波が辺りを吹き飛ばし、土煙が舞い上がる中、私は目を凝らし、耳を澄ませる。

…………先程フィーネがいた辺りから、僅かに荒い呼吸が聞こえる。

防ぎはしたが、重症の様だった。やがて土煙が晴れて行き、視界が開けていく。

そこには血塗れになりながらも、何とか立っているフィーネの姿があった。

だが、その姿は満身創痍だった。

 

「ハァッ…ハァッ…クソっ……この私が……こんな……!」

 

「………オーディン、トドメお願い。ソウルドレイン」

 

『ふむ……承知』

 

 

カツカツとオーディンが歩いてフィーネへと近付き、その顔面を鷲掴みにする。

俗に言うアイアンクローだった。

そして、その手から何かの力を吸い取る様な白い光が溢れると……

フィーネが絶叫を上げた。

 

「ギッ……あああああぁっ!?な、なんだ……これ……は……」

 

フィーネが悲鳴を上げると同時に、その体がどんどん干乾びてミイラの様になっていく。

そして全身がひび割れていき、ボロボロになって崩れ落ちていった。

それを見た私の顔には笑みが浮かぶ。

憎い憎い元凶が死んだ……正直言えばこの手で殺したかったが、流石に格上だから手傷を負わせるのが精一杯だったからね…

 

「終わったんだな……姉貴」

 

なんだか空気になってしまっていたクリスが近付いて話し掛けてくる。

 

「うん、終わったよ。帰ろ『響…なの…? 』う…か…?」

 

 

名前を呼ばれ振り向くと、そこに居たのは私を見捨てて逃げ出した……自称親友が見つめていた。

 

 





大体予想通りだったであろうオーディン様のご登場
空気と化したクリスちゃん&出会ってしまった393
なおフィーネはソウルドレインで魂奪ったので転生出来ない模様


(次話はとても短く淡白な物になります…)


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