艦これ 〜提督のにちじょー〜 (豚野郎)
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提督業一日目

勢いで書きました。他の私の小説を読んでくださっている方々には申し訳ございません。でも、書きたかったんです!どうか許してください!


 ボク、サユトシ提督は幸せ者だ。何が幸せって、あれだ、艦娘がいるからだ。みんなかぁいいし、綺麗だし、そしてなによりみんなボクに(一部を除いて)優しいんだもん。今すぐ天国行けますよって言われても断っちゃうくらい幸せだわ。提督業サイコー。

 さてさて、まずは私の第一艦隊である『どげんかせんとい艦隊』のメンバーを紹介しよう。

 

 旗艦は金剛型戦艦の榛名。他の艦娘にも気配りの効くお姉さん。旗艦であるだけに、ボクと一番仲が良い。天然ボケが強く、たまに意味不明な事を口走るドジっ娘(またそれが良い!!)。金剛とはとても仲が良い。

 

 二番手は大井。北上さんの自称ボディガードかつ自称奴隷かつ自称飼い犬かつ自称正妻。ボクを罵る数少ない艦娘の一人。北上さんは滅多に怒らないが、代わりに大井がものすごい怒る。たまに度が過ぎて船の壁に穴を空ける。本部から解体申請届く度に頭を下げて取り下げてもらってるこちらの気にもなって欲しい。クレイジーサイコレズの称号を持っている。

 

 三番手は金剛。元気な英国生まれの帰国子女。彼女が淹れる紅茶はべらぼうに美味い。基本提督室に入り浸っていて、旗艦の榛名とはツーセット。日本語が十分にはなせなくて、語尾がカタカナになったりぽろりと英語が出る(またそこが良い!!)。自分の胸のサイズを気にしているらしく、千歳さんとか高雄の胸をわしづかみにしているのは日常茶飯事。頼むからボクの見ていない所でやってくれ。

 

 四番手は赤城。真面目でとてもいい子。しかし加賀さんと揃って他に類を見ない程の大食感。他の娘が困るから炊飯器を沸きに抱えてメシを食うなとあれほど言っているのに、まるで聞かない。

 

 五番手は駆逐艦の響。無口で無愛想だが、小さくてとてもかぁいい。第六駆逐隊のリーダー的立場。褒めると良く照れる(またそれが良いィィィィ!!)。頭をなでると気もち良い。実は寂しがりやさん。

 

 六番手は千歳さん。料理と気配りが上手で艦隊のママ。ボクも含め、船に乗っている艦娘の中で、彼女に逆らえる者は誰一人としていない。着痩せして見えるが、かなりのボン♡キュッ♡ボーン。更衣室で隣にいた龍驤が泣きだす程。日向と一緒でお酒にめっぽう強い。怒らせると一番怖い人。

 

 てなかんじで、我ら『どげんかせんとい艦隊』の事細やかな情報を記した書類を本部宛にまとめて封筒に詰める。

 

「榛名。この封筒本部に出しといてくれる?」

「はい、榛名で良いなら喜んで!」

 

 封筒を受け取り、提督室を後にしようとする榛名が動きを止め、上まぶたを平らにしてこちらに振り返る。

 

「提督、念のために聞きますけど…」

「なんだい?」

「また変なこと書いてないですよね?」

「またってなんだよ……ボクは、点検審査その他諸々のために君達の事細やかな情報を、書類にまとめいるだけだ」

「事細やかな情報のうちに、私たち艦娘のスリーサイズも入っているんですか?」

「ああ、前回のアレか……」

「アレか……じゃないですよ…。榛名ならともかく、他の艦娘の個人情報を勝手に書類に書き込まないでください。ていうか、どこでそんな情報仕入れたんですか?」

 

 おかしいな。ボクはちゃんと真剣に書類を書いているつもりなんだが、どういうわけか、榛名のジト目がなかなか解けない。

 

「どこでって……愛宕に聞いたら一発だったけど」

「もう…あの子も仕様がないですね……また、あの子もあの子で、なんでそんな事を知っているんだか」

「まあまあ、そんな、今回は悪いことなんて書いてないから、おつかいいってらっしゃい」

「榛名も立場をわきまえています。中を直接覗いたりはしませんが、また大井とかに怒られても知りませんよ……」

 

 そういって榛名は部屋から出て行った。

 そういえば、スリーサイズの件で忠告受けてたっけな。忠告文には、『彼女達も一人の女性であることを忘れない様に。故に余計なことは書かない様にすること』と書かれた文面の端に小さい字で『ごちそうさまでした』と書いてあった。上層部もある意味侮れないな。

 

「はあ………遠征も出したし、今日の勤務はここまでかな……」

 

 軍服のボタンを上から二つまで空け、帽子を机の上に置く。

 勤務も終わったことだし、誰かに構って貰いに行こう。

 

「小腹も減ったことだし、食堂かな」

 

 時刻は午後三時。千歳さんに軽食でも作ってもらうか。

 

 

「てーとくー!やっほー!」

 

 食堂についた瞬間に、こちらに大声を上げてぶんぶんと手を振ってくる人影を見つける。明るい茶髪の彼女は雷。第六駆逐隊所属の元気な子。

 

「おう、やっほー。四人揃っておやつか」

 

「うん!千歳ねえの作ってくれるプリン凄い美味しいんだよ!」←雷

「一応、乳製品なので、少しでも背が伸びたらと思ったのです」←電

「私は雷に誘われて来ただけだよ。別にプリンとか興味ないし」←響

「私は大人のレディーよ!?スウィーツを食べに来ただけよ!」←暁

 

 この通り、全くまとまりのない第六駆逐艦隊。プリン一つ食うのにそれぞれ理由が違うとは、凄く個性豊かですね。このまとまりの無さからか知らんが、良くハメを外しては軽巡のお姉さん達や吹雪型の駆逐艦達に良く叱られている。

 わいわいとプリンをつつく駆逐艦達を愛でていたら、身体は正直だなと言わんばかりに腹がぐぅ〜と鳴った。

 ———あれ?

 

「なんか、他からも音が聞こえた気が………」

「提督。そこにいられたら赤城さんがおやつを食べられません。どいてください」

「グサッ。提督に向かってそれかよ〜」

 

 ボクの後ろに現れたのは一航戦の加賀さんと赤城。この人達もおやつか。

 加賀さんは落ち着いたクールビューティの印象があるが、実は赤城に引けを取らない程の大食感。千歳さんに『どうやったらダイエットもしないでその体系が保てるのよ!?』と一方的に怒られては補給量を激減されることが良くある。食卓につくなり、赤城と揃って飯の催促を口に出すことから。駆逐艦たちから『妖怪ゴハンマダー』と呼ばれている。

 その淡白な性格からか、表面に出ることが少ないが、たまーに感情的になって喜んだり怒ったりする。あと隠レズ。

 

「それかよとは何ですか。食堂の入り口で突っ立ている提督が悪いのではなくて?」

「ハイハーイ。ボクはさっさと退きますよー」

「ハイは一回です」

「解ったよチクショー!」

 

 毎度のことながら、空母の面々には口喧嘩で勝てない。

 ボクも軽食をとるために、赤城達に続いてカウンターに並ぶ。

 

「千歳さん。海老フライハンバーグ定食、ご飯大盛りでお願します」←赤城

「私は焼き魚定食三つです」←加賀さん

「千歳さん。駆逐艦達の食べているプリンちょうだい」←ボク

「提督はかわいらしいですね」←千歳さん

「ブハッ!」

 

 何の脈絡も無くこの人は何を言い出すんだか!これは何だ!?新手の告白か?ボクに対する夜戦の誘いなのかぁぁぁぁ!?

 

「あなた達二人も提督を見習って少しは摂取量を控えなさいよ」

 

 ああ、そういうことね………なんか、勘違いした自分が恥ずかしいわ。

 

「ええー。でも、プリン一つじゃ腹の足しにもなりませんよ千歳さん」

「それじゃあ、プリン二十個で手を打ちましょう」

「発想がぶっ飛んでいて話しについて行けないわ……わかったわよ」

 

 そう言って千歳さんはキッチンへと行ってしまった。

 

「おこらせっちゃったかな加賀?」

「大丈夫です。彼女が怒っても私たちは止められませんもの」

 

 ホント、発想がぶっ飛んでいるわ。

 

「響。隣邪魔するぞ」

「うん、構わないよ」

 

 響の隣に俺が座り、オレの正面、雷の隣に加賀さん。その隣に赤城が座る。

 

「ごはん、まだですかね?」

「そりゃ早いよ赤城姉さん。まだ頼んで三十秒よ」

 

 見よ。これが我が鎮守府の誇る艦娘『妖怪ゴハンマダー』だ。

 

「だそうですよ千歳さん。ご飯はまだですか?」

「あなた達ね!わがままを言うのも大概にしなさいよ!」

 

 愚痴を垂らしながらオレの目の前に、千歳さんがお手製のプリンを置きにくる。

 

「前をお借りしますね。はい、どうぞ提督」

「ありがとう千歳さん。いただくよ」

 

 出されたプリンにスプーンを差し込む。………なるほど、なかなか良い弾力だ。スプーンにそのままプリンを乗せ、口の中へと運ぶ。

 

「う……まぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 濃厚な味わいと言い、滑らかな舌触りと言い、これは良い物だ!

 

「やっぱ千歳さんの料理は美味いなぁ」

「ありがうございます。そう言ってもらえると、作り甲斐があります」

「千歳さん。お腹減っちゃいましたよ〜」

「はぁ……………わかりましたよ。待っててください」

 

 キッチンへと歩いて行く千歳さんの尻を見ながら、プリンの皿に伸びていた赤城の手を掴む。

 




まあ、がんばります。


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