悪魔の養子 (フランシス・アルバート)
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息抜きに久しぶりに筆を取って書いてみたものとなります
何となく書きたくなったので色々と妄想コミコミ、そんなの矛盾してるだろ!って言いたくなるところはたたあると思いますが気晴らしに…暇つぶしに読んでいただけたら幸いです。


濃く闇より深い夜更け

 

シンデレラの魔法が解ける時間ではあったが夜のネオンは煌々と輝き、なおも街が眠らない事を示唆していた

 

コツコツコツ…

 

硬い靴の音が一歩…また一歩とネオン街の石畳に響いては喧騒に掻き消されていた

 

ネオンで明るいとは言えこんな時間に治安が悪い街を歩くのはならずものだろうかと周りの人は思うだろう

 

しかしそこを歩くのは巨漢なナイスガイでも厳ついタトゥを入れたフーリガンでもない、可愛らしい顔つきのまだまだ幼い子供…

 

灰色のコートに身を包み、綺麗なおみ足が見え隠れする紺色の短いズボン、小さなベレー帽、月のような伸びた銀髪を緩く後ろで纏め、歩く度にその髪がゆらゆらと人々を魅了する釣り糸のように揺れる

 

そしてその子は身の丈に合わない、大きなギターケースを背負い街中を地図を片手に歩いていた

 

そんな可愛らしい、人によってはビスクドールのようなその子に誰も話しかける事もおまわりさんですら目を反らして声をかけはしない

雰囲気がどう見ても怪しい、厄介事の気配

 

人々は見て見ぬ振りをしてそっぽを向く、『生きたけりゃ厄介事に首を突っ込むな』この街の共通認識であるし、それがこの街での生き方、この街のあり方がとても良くわかるだろう

 

コツ……

 

ふいにその子は足を止め、暗い路地裏に目をやれば向きを90度回転させて路地裏へと足を踏み入れる

 

治安が悪い街のさらに治安が悪い場所、闇の中へと子供は消える

 

あっと思うも束の間、周囲の人々は思ったがしかし数秒後にはその子の事などもう忘れていた、そんな子供等などいなかったように…

 

 

 

コツコツコツ…

 

 

 

街の喧騒から離れた路地裏、さらにその奥深くにある真っ暗な階段

 

嫌に響く硬い靴の音だけがここが確かに存在している場所だと自覚をもたらす

 

光がほぼない暗闇…怪物の胃袋の中に迷い込んだかのような階段を降りるとふいに薄暗い扉が現れた

 

躊躇なくドアノブを回し中に入る

 

カランっとカウベルのような音

 

薄暗いそこは雰囲気だけは一丁前のバー…

 

「ご注文は?」

 

バーのマスターらしき男性がこちらを見もせずに注文を聞く

 

「ストロベリーサンデー…」

 

その声を聞いた瞬間、店主は少し驚きながら振り返った

 

なぜ驚いたか…子供っぽい注文に驚いた訳ではない、驚いたのは発せられた声が幼かったからである

 

案の定、店主の先にはまだまだ年端も行かない…成長途中の子供がギターケースを背負いながら立っていた

 

「おいおい、ここは酒場だ…ガキの来るところじゃねぇぜ」

 

目をパチクリとさせた店主より先に丸い机でポーカーに興じていた男達が軽く吹き出すように煽る

 

「ふ〜ん…でもここ、お酒よりもっと濃くていい匂いがしたんだけどな?」

 

何も気にする事は無いと言うようにカウンターにぴょんと飛び乗り子供は続ける

 

「まぁいいや…そんな事より妙な噂があってね、最近ここらで人が失踪してるって…」

 

子供が切り出した話題

 

その話を聞くや否や店主と男達の動きはピタリと止まり、しんとその場の空気が冷え始める

 

あからさまな反応、それに手応えを感じたのか少しだけ笑みを浮かべたその子はさらに話を切り出した

 

「何でもハシゴ酒した人はみ~んな消えたゃって…街の人は神隠し…あるいは…」

 

 

『悪魔』に食われたんじゃないかってね…

 

 

さらに凍る空気…今や店内の薄暗いライトのみがその場は凍ってない事を主張する

 

「チッ…」

 

「へへっ悪いな…」

 

そんな空気を破るかのようにポーカーに興じていた男達が勝負を決していた

 

舌打ちをする男とは反対に勝負に勝った男の手札が薄暗いながらも見える

 

「ロイヤルストレートフラッシュか…幸先はいいかも知れないけどその役を出すと寿命が縮むって父さんが言ってたな…」

 

純粋な言葉、それに反するかのように勝負に勝った男は下卑た顔のままゆらりと立ち上がる

 

「みんなぁ…今日は一杯…」

 

 

「━━━奢るぜぇぇ!!!」

 

 

男はカウンターに座る子供に飛び掛かる男

しかし飛びついた時に口に何かを突っ込まれて動きが止まった

 

「がはぁッッ!!」

 

 

パパパンッッ!!

 

渇いた音…硝煙の香り…キンキンッッと床に3つ落ちる金属の音

 

子供の手には小さな短機関銃が握られていた

 

男は額に3つの穴を空けられ血を吹き出し、大きく仰け反る

しかしそのまま倒れると思いきや男の体は湯を沸かした時にできる泡のようにボコボコと脈打ち…中から突き破るようにして『化け物』が飛び出す

 

直後に突進…しかしそれをヒラリと交わしバーのカウンターに叩きつけて振り向いた

 

他にポーカーに興じていた男達2名、それも先程の男と同様に体が脈打ち同じような姿へと変貌した。

 

しかしそんな化け物に臆することなく、今度は両手に一丁ずつもった短機関銃を向けて引き金を引く

 

 

パパパパパパッッ!!!

 

 

「グォッッ!!!」

 

「ガァッ!!!」

 

激しいマズルフラッシュ…瞬く間に二人は…いや二体の化け物はまるでエメンタールチーズのように体の至る所に穴を開けて噴水のように血飛沫を上げながらぶっ倒れる

 

しかし横からその子の手に噛みつく化け物がいた、先程バーカウンターに叩きつけられたやつだ

 

化け物の体は子供の倍近くの大きさ、童話の恐ろしき怪物のように噛みつく

 

「ンガァッッ!」

 

しかし化け物は違和感に気がついた

持って曲げればすぐ折れそうな…噛み付いたらすぐに棒菓子のように折れそうな細き小さき腕

 

噛み付いた時に味わったのは血の味ではなく…金属のような感触に化け物は驚き目をひん剥く

 

「おっと、やるねぇロイヤルストレートフラッシュ…けど残念…引き時を見誤った」

 

逃げればまだ生きられたかも知れないのに…ね…

 

 

怪物は視界の端が急に暗くなった事に気が付く

 

そして認識した時には既に遅かった

 

大きく…生々しいながらもメカメカしく、ギロチンのような太っとい片刃の大剣

 

見開かれる目、口を話すよりも先に化け物の視界は天地が逆転していた

 

ベッタリとつく血…汚れる壁…剣を振り払いさらに落書きのように血が飛びあたりを汚す

 

そして振り払いながらドアに近づき…その剣をドアに突き刺した

 

磨ガラスの向こう、呻く声が一瞬聞こえ、苦悶の表情でガラスを突き破るようにして店主が倒れ込む

 

「━━━━来世でお店を開くときは…」

 

ゆったりと歩く音、店主の死体を後にしながら軽い口を叩く

 

「ストロベリーサンデーくらい置いといてね…」

 

くるりとその場で出口に体を回転させる子供

 

「ングッッ!グォォアア!!!」

 

しかし完璧に背を向けた瞬間、息を吹き返すかのように店主の死体が脈打ち、中から化け物が飛び出し………

 

 

「BINGO!…」

 

 

 

 

 

 

その時のその子の顔?

 

イタズラ成功したみたいな可愛らしい、無邪気な顔って言うのか、何ていうかちょっと言葉には困るんだよな…

 

だってご機嫌そうな雰囲気で店から出てきたんだから…

ありゃ子供だけど悪魔だよ

 

気がついたらアイツ…とびっきりおっかねぇ物騒な場所にある辺鄙な事務所『デビルメイクライ』に居てな

生憎事務所の主の事を父さんって読んでやがるからアイツの隠し子じゃ無いかって噂だぜ?

 

デビルメイクライの主?ダンテだよダンテ…アイツも悪魔見てぇなやつだがな…

 

 

んでダンテの事を父さんとか呼ぶ悪魔みたいなやつ

 

そうそうさっき話してた子供だ

 

 

アイツの名前はな…

 

 

 

「アークって言うんだ、アーク、アーク・レッドグレイヴ」

 

 

 

とある情報屋の証言より




主人公が使った武器
銃:サブマシンガン(MP5K?)DMC2に登場、威力は低くはっきり行ってほぼ使わない子だったけど何故か妙に記憶に残る好きな武器の一つ

本当に何で好きだったんだろ?


剣:スパーダに似た大剣…実質スパーダを意識して執筆していますがスパーダではありません、スパーダの模倣品であり、スパーダとレッドクイーンをかけ合わせたら面白そうだなと思いスパーダの変形機構にレッドクイーンのイクシード…つまりはエンジン機構を付けた剣と言ったところです…


どうしてこんな剣を持っているかはいつか別話で説明するつもりです…はい…(ぶっちゃけるとまだ設定が固まりきれてないだけだったりする…大まかな物は決まっているが…)


衝撃拳ギルガメス

噛まれた際に平気であったのはこれを装備してたからですねぇ…作者が多分DMC4で他の武器と比べてかなり愛着があった故に出したいなって思って出したんだけど、何か脇役になってしまったのが残念ですねぇ…作者の技量不足、これは反省しないとな…


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