そんなクソみたいな小説ですが、頑張って書きます。
良いから行くゾォ!(オルガ並感)
どうぞ
無機質な部屋の一室。家具も最低限の物しか置いておらず、何も飾り気のない、これが本当に人が住んでいる部屋なのかも怪しい部屋。そんな中、簡素なベッドに少女が腰かけている。
見た目は美しく、透き通る絹のようなさらりとしていて青みがかった髪、目はまるでタンザナイトをそのまま埋め込んだかのような煌めきを持つ瞳。
そこだけを見れば確かに美しい少女と言えるだろう。
しかし、肌は病的に白く、目元には隈が酷く、健康的かと言われれば疑問に思うほどである。
さらに表情も無機質な感じである。
そんな少女はぼやっと天井を見上げている。
「...」
彼女は一言も喋らずじっと天井を見続けている。
バァンッ!
「シェンちゃーーーーーん!!」
突然大声が響く、と同時に部屋のドアがデカい音を立てて開く。
出てきたのは妙齢の女性だった。
突然大きな音が鳴ったのに驚きもせず気だるげにそちらに目を向ける。
「...」
それでも少女は喋らない。
でもどこかウザがっているようにも見える。
「シェンちゃんシェンちゃん、私ね、ちょっと出かけようと思ってるんだけれど、護衛として着いてきてくれない?」
「...」コクリ
「本当?ありがとう!」
シェンと呼ばれた少女はゆっくりとベッドから立ち上がり、女性の横を通り、部屋を出ていく。
「...楽しそうにしてたなぁ、顔に出てないけど。結構分かるもんだよ?シェンちゃん」
「まぁ...あまり外に出れて無いし、しょうがないか...」
この時代、突如世界でインフィニット・ストラトス、通称《IS》というマルチフォームスーツという兵器が現れた。
篠ノ之束が開発した物で、白騎士事件という事件を引き金に世界へと軍事用として転用、普及したものである。
しかし、これには大きな欠陥があり、女性にしか扱えないと言う。
そのせいで世界に女尊男卑という考えが定着し、世の中の男性が虐げられていた。
そんなISによる大会、モンドグロッソ。
大会は佳境に入り、近づく決勝戦に向けて会場のボルテージが上がっている。
そんな中、織斑一夏はトイレへと向かっていた。
「急いで戻って千冬姉の試合観ないと」
すると一夏の周りを男が取り囲む。
「織斑一夏だな?一緒に来てもらおうか」
「何だよお前ら、がっ!?」
後頭部を強く殴られ、意識が薄れていく。
「あっ」
すると通りがかったのか妙齢の女性が男達と目が合う。
「うーむ、これはマズイ所に来てしまったか...?」
「おっと、嬢ちゃん。お前も来てもらおうか、見たからにはな」
「はいはい、私は大人しく言うことを聞くとしよう。」
「随分と聞き分けがいいじゃねぇか」
「まあ、物騒な物を忍ばせていれば、抵抗は無意味だとわかる。」
彼女の言う通り、男たちは拳銃を懐に忍ばせていた。
彼女がそれに気づいたことに少し驚きながらも、男たちは命令通りに彼女達を連れていく。
しかし、男たちは気づいていなかった。彼女が護衛に救難信号を送っていることに...
人気のない倉庫に連れてこられた女性と一夏は拘束され、小部屋に閉じ込められた。
「あーあ、まさかこんなことに巻き込まれるとは、私も予想していなかったよ」
女性はいやに冷静である。
「えっと...凄い落ち着いてますね...」
「ん?まあ、修羅場はまあまあくぐってきたからかなぁ」
「そうなんですか?」
「まあね」
少しの静寂が訪れる。
「えっと...」
「あ、そうだ。名前を言ってなかったね」
「こんな時だ、名前を知らないのはダメだしね」
「アンジェだ、アンジェと呼んでくれ」
アンジェは名前を名乗る。
一夏は外国人か、と思った。
確かに髪色は金色で目も瞳がエメラルドのような緑色だし、何よりその一部がはち切れそうになるほど大きい
見た男は全員が見蕩れ、女は嫉妬するであろう完成された体つきをしていた。
初対面の人をジロジロ見てしまった気恥しさから、一夏は顔を少し赤くしながら目線をそらし、会話をしようとする。
「あ、アンジェさんは...何であそこに?」
「ん?ああ...実はちょっとワケありでね、あまり人がいない道を通っていたらそこに...」
「俺がいたと...」
何だか申し訳ない気持ちになった一夏。
「なんかすみません。俺のせいで...」
「君のせいじゃないよ。そんな気負わないでくれ」
突然、アンジェがニヤニヤとしながら話をしてきた。
「そうだ、キミ、さっき私の体ジロジロ見てたけど、やっぱりそういうお年頃だった?」
「!?そそそ、そんな!」
「やっぱりぃ?あまり女性をジロジロ見るもんじゃないぞ、そういうのには敏感だからね」
「はい、すみません...」
顔を真っ赤にしながら俯く一夏。やはりそういうことを言われたら恥ずかしくなるものである。
「お楽しみのところ申し訳ないが、入らせてもらうぜ」
先程の男たちよりも強い雰囲気の男が入ってきた。
「俺をどうするつもりだ!」
「人質だよ」
「人質?」
「なるほど、そういう事か」
アンジェは気づいたように声を上げる。
「一夏君の苗字は織斑、つまり決勝戦で戦う選手織斑千冬の身内、見たところ弟かな?」
「そんな人を攫ったという事は、織斑選手の降参が目的と言ったところか」
「よく分かったな」
「良く考えればわかる事だよ」
男は鼻で笑い、アンジェを訝しげに一瞥し、また1日に目線を合わせる。
「大丈夫だ、作戦が上手く行けば逃がしてやるよ」
「作戦が上手くいかなかったら...?」
「その時は残念、死ぬだけだ」
「ッ...!」
そんな中、隊長格の部下らしき男が、慌てた様子で入ってくる。
「ボス!織斑千冬のやつ、出場したって!」
「ん?連絡したんじゃねぇのか」
「したけど、織斑千冬の付き人とか言う奴が、『そんなやつは知らない』って!」
「ハァ!?そんな訳ねぇだろ!」
「本当だ!何回も言ったさ!」
一夏は驚愕した。姉は自分のことを助けてくれないのかと。見捨てたのかと。
「という訳らしい、可哀想だが、死んでもらおうか」
「そんな...」
心の中に憎悪が湧き上がる。
しかし、
「落ち着くんだ、一夏君」
「え?」
そんな一夏を宥めたのは、アンジェだった。
「政府のことだ、彼女には勝ってもらいたいんだろう」
「だから彼女には伝えていない。」
「だから!」
「大丈夫だ、手は打ってある」
アンジェは勝ちを確信した様子で足を上げ、足を組むと彼らに向かって笑っている。
「あ?嘘をつくんじゃねえよ」
「ふっ、君らのような脳の足りん連中には分からないか」
「何だとこのクソアマ!」
「おや、短気すぎるねぇ、分かりやすい挑発に乗るとは、やはり脳が足りんようだ」
「てめぇ、ボロボロに犯してから殺してやる」
「兄貴、いいんすか?」
「ああ、このムカつく面を屈辱に変えてやる」
怒りと下卑た欲望を抑え込む感情がごちゃ混ぜになったような顔をする男と、下卑た笑みを浮かべる部下の男たちが近づいてくる。
「アンジェさん!」
「大丈夫だ、一夏君。見ていたまえ」
組んでいた足を戻し、咳払いをする。
「コホン、これはあまり見せたくないキャラなんだがねぇ...」
と言うと大きく息を吸い込み始める。
「あ?何してんだ?」
奇想天外な行動をするアンジェに困惑する一同。そんな中でも行動を止めることがないアンジェ。
「アンジェ...さん?」
目いっぱい息を吸ったアンジェは一夏に向かってウィンクすると、突然大声を上げた。
「助けてぇーーーーー!シェンちゃーーーーーん!!!!」
すると突然、轟音ともに、部屋の天井に大穴が空く。
「はあっ!?」
「え!?」
「「「うわぁぁぁぁぁ!!」」」
その空いた穴から、機械質な手が縁を掴み、顔を覗かせる。
刺々しいシルエットと黒塗りの装甲に、左手に質量ブレードを持ち、右手には一際目を引く大型のランスを持つ謎のISが現れる。
操縦者は、バイザーをつけており、顔は分からない。
しかし、
「ISだと!?そんな馬鹿な、ここは誰にも分からんはずだ!」
「ここに来る前に彼女に救難信号を送っていたのさ」
突如現れたISにパニックになる男たち。
「さてと、私はここでお暇するとしよう」
アンジェは拘束具をするりと抜けると、立ち上がる。
「何で動けて」
「君たちの粗末な拘束は簡単に外せたよ、警戒もしないし」
謎のISは右手のランスを左肩のポイントに接続すると、右手をこちらに向けてくる。
「よいしょっと」
アンジェはISの手に座ると足を組み、操縦者に顔を向ける。
「じゃあ、行こうか」
「あ、そうだ。一夏君、助けはもう少しで来ると思うよ」
「え?」
「この子に言伝を頼んだからね」
「おっと、その前に」
謎のISは男たちに向き直ると左手の質量ブレードを振り上げ部屋を分断し、内蔵されていたビームライフルを撃ち、瓦礫で一夏に手出し出来ないようにする。
アンジェはなぜか仮面を付けた。
「ああそうだ、出来れば私のことはあまり話さないで欲しい。まあ、恩人の事を話さない事は無いから別にいいけど」
アンジェは突然遠くの方を見る
「おっと、もう来てしまったか」
「じゃあ、そういう事だから、またいつか、会おう」
謎のISは方向を変えると、脅威のスピードで飛び去って行った。
一夏はぽかんとしていたが、助けてくれたあの人に感謝していた。
「あそこだな!送られた座標は!」
「はい、そのようです。」
連絡を受けた千冬に救援を頼まれたドイツ軍のIS達が目標へ向かっている。
座標の近くに着くと、その倉庫が破壊されていて、謎のISがその穴に向かって何かをしている。
「IS!?」
「隊長!あのIS、所属不明機体です!」
「何!?」
突然左手のブレードを振り上げ、そこに振り下ろす謎のIS。
「不味い!あそこは!」
さらにスピードを上げ、急ぐドイツ軍。
突如謎のISが方向を変える。
「まさか!逃げるつもりか!」
銃を向け、撃とうとする。
「待ってください!あのISの右手に人が!」
「えっ!?」
ISの操縦者の視覚を強化するハイパー・センサーによって見た物は、確かにISの右手に座る女性の姿だった。
驚いたのも束の間、とてつもない速度で飛び去ってしまった。
そんなことがあったが、一夏は救出され、無事に千冬の元へ戻った。
しかし、そのせいで千冬はドイツへ教官として行くことになってしまった。
一夏は、助けてくれたアンジェの落としたペンを持ち、いつか会ったらこれを返して改めてお礼を言おうと誓った。
誤字は無いようにしたつもりですが、あったら報告お願いします。
P.S シェンの機体のランス、イメージはガンダムキマリスヴィダールのランスです。肩部のハードポイントはクアンタフルセイバーみたいな感じ。
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2話
拠点である場所へと戻ってきたアンジェ。
アンジェを下ろすと、ISは解除される。
「ありがとね、シェンちゃん」
「...」
いつもの如く、シェンは喋らない。しかしアンジェには伝わっているようだ。
拠点に入り、アンジェは自室へ戻る。
ベッドへと寝転がると、アンジェは溜息をつく。
「はぁ...まさかあれに巻き込まれるとは思わなかった」
アンジェは自分の掌を見つめながら呟く。
「ごめんね、一夏君。私、偽名教えちゃった」
そう、アンジェは偽名だ。本名は言う訳にはいかない。何故なら、私はもう
それから幾年か経ち、アンジェは自室でパソコンにかじりついていた。タイピング音が静かな自室に響く。
「...チッ、またやってんのか、あいつら」
アンジェが珍しくイラついている。それもそのはず、ドイツでIS適正を上げる為の非合法の人体実験を行う外道な輩がいるのだから。
アンジェはそういう輩が、蛇蝎のごとく嫌っている。なぜならそれは、シェンと似た境遇なのだから。
自分の可愛がっている娘同然の子と同じような仕打ちを受けていると知れば、誰もが怒るはずだ。
「...シェンちゃんには酷だけどこの研究所、潰してもらうか」
アンジェはポケットから携帯端末を取り出すと、シェンにかける。
「シェンちゃん、ちょっと部屋に来てくれる?」
『...分かった』
「シェンちゃんが喋った!?」
『...悪い?』
「ご、ごめんなさい」
とても可愛らしい声だがどこかドスが効いている気がしたアンジェは素直に謝る。
「...」ムフー
数分もしないうちにシェンが部屋に入ってきた。腕いっぱいのポテチの袋を抱え、リスのように頬を膨らませポテチを頬張っている。こころなしか幸せそうな顔をしている気がする。というか幸せそうなオーラが滲み出ている。
「...美味しい?」
「...」コクリ
(かわいい)
ほっこりしたが、こんなことをしている場合ではない。可哀想だが、任務を伝えなければならない。
「実はね、シェンちゃんと同じ事をしようとしてる奴らがいてね、そいつらを潰してきて欲しいの。」
「...」
シェンは何も喋らず、俯いてしまった。そのため表情は伺えず、どんな思いなのか分からない。
「シェンちゃんが出来ないって言うなら、私がやるよ?無理しなくていいからね」
「...やる」
「大丈夫?」
「...」コクリ
シェンは頷く。それを見たアンジェは少し不安になったが、やると言ったのだ。行かせてあげたいと思った。
「じゃあ、頼むね」
シェンはISを展開し、カタパルトに機体を固定する。出撃準備は完了したようだ。
「行ってらっしゃい、シェンちゃん。頑張って。」
と同時にブースターを吹かせ、轟音とともに目で追えぬ程の速さで飛び去った。
ドイツの研究所。そこではISの適正を無理矢理上げる実験をしていた。研究員が被検体の少女をコードに繋げ、脳に負荷をかける。
「あああああああああああああ!!痛い!痛いよ、助けて!」
少女が痛みに叫ぶ。しかし止まりはしない。実験は続行され、少女の体が痙攣し、目が虚ろになっていく。
痙攣が収まると、少女はピクリとも動かない。
「失敗か、被検体を処分しろ」
少女はそのままどこかへと持ち去られていく。
「クソ、全然成功しない。計算上では成功するはずなのに!」
バン!と机を叩く。振動により、書類が少し浮き上がる。
しかし机を叩いていないのに、振動が続く
「...?なんだ?」
突然警報が鳴り響く。
「侵入者だと!?」
研究員の後ろのドアが開く。そこにはシェンが立っていた。シェンは研究員の男を見つめる。
「なんだ貴様」
「...この研究で生き残っているお前たちが連れてきた子達は?」
「何?」
「...早く言え」
「ふん、貴様のようなガキには分かるま...」
轟音と共に研究員の男の体が壁に叩きつけられる。下を見ると、大きな槍で腹部を貫かれた己の体があった。
それに気づくと共に、胸からせり上がる異物感と耐え難い苦痛が襲いかかる。
「ぎゃああああ!」
「...黙れ」
シェンが男に顔を近づける。その顔は無表情であったが、男には憤怒に染まる幽鬼の顔がシェンの後ろに見えた。
カヒュッ...と男の息が詰まる。そして痛みは消え、恐怖だけが男の頭を埋め尽くす。
「...もう一度聞く。連れてきた子達は?」
「...こ、この奥の収容室。だ、が何人、居るかは知らない...。連れてこられた奴を、研究していた...から」
「...」
ISを部分展開すると、左手を男にゆっくりと近づける。
「な、何をする気だ!?」
「...」
「や、やめろ!」
「...それをあの子達に言われて、お前は止めたか?」
「ヒッ...」
『というより、この計画に関わった時点で、貴様を殺すのは確定している』
アンジェの声が聞こえてくる。アンジェも相当頭にきているようで、低い声でそう言う。
「...だそうだ」
「あ、あああ...」
「...」
グシャリ、と男の頭を握りつぶした。飛び散る血と脳漿が、ISの左手を赤とピンクで彩る。
シェンは無表情のまま、ISを解除し、奥へ進む。収容室と呼ばれた部屋に入ると、数人の少女と三人の男がいた。少女の1人は、服を破られており、男に組み伏せられている。この後は、予想できるだろう。
「何だ?このガキ」
「さあな」
「ていうか、コイツ、結構可愛くね?いや結構どころか超上玉じゃん!」
「ホントだな!」
三人の男が下卑た目で、シェンの体を舐め回すように見る。
シェンは無表情だが、心の中では嫌悪感をむき出しにしていた。
「...」
一人がこちらに手を伸ばす。
「ヒヒッ、怖がらなくていいぜー、すぐ気持ち良くなれるからなぁ」
手がシェンに届くと思った瞬間、シェンが姿を消す。
「あ、あれ?」
男の手は空を切る。と同時に自らの腕に違和感を感じる。それもそのはず、男の手は肘から先が無かったのだから。
「...へ?」
「「は?」」
惚けた声を出す。そして気づいたかのように吹き出る血。肘から先は収容室の隅の方にすっ飛んでいた。
「うぎゃぁぁぁぁああああ!、お、俺の腕があぁ!」
シェンはさらに返す刀で男の首を落とした。ばちゃりと水音を立て、血溜まりに男だった肉塊が転がる。
「...あと二人」
シェンは男二人に向き直りゆっくり歩いて近づく。
「おっと、動くなよ、嬢ちゃん。こいつの頭に風穴が空くぜ」
男は隠し持っていた銃を近くにいた少女に突きつける。シェンは動きを止め、唇を噛み締める。力を込めすぎて血が滲んでくる。
「よし、手に持ってる剣を捨てな。」
シェンは剣をその場に落とした。もう一人の男がニヤニヤと笑いながらシェンの元に近づく。
「よくやったぜ、リベル」
「おうよ、お楽しみの時間だぜ、ルベル」
リベルはシェンの太ももを撫であげる。ピクリと動く。
「こいつ、いい反応するぜ」
リベルはシェンを押し倒す。
そして服に手をかける。
ルベルは少女を抱え銃を突きつけつつ近づいてくる。
「こんなちっこい体だけど持つものは持ってんなこいつ」
「マジか?」
「アガるぜこれ」
リベルがズボンを下げようと右手を話した瞬間、シェンは袖から飛び出しナイフを出し、首を掻っ切る。そしてルベルの方を向き、飛び出しナイフを射出する。それは見事にルベルの喉元を貫いた。
「...」
もの言わぬ骸を底冷えした目で眺め、乱れた服を整えると少女たちに向き直る。
少女達は皆怖がるどころかどこか崇拝したような目をしている。
「私達を貴方の元へ行かせてくれませんか?」
少女達の中でも最年長だと思われる少女がそう言う。
「...だそうだけど」
『うーん、まあいいよ。その覚悟があるならだけど』
「「「それが恩人のためなら」」」
『...すごいねこの子達』
『まあ、回収機そっちに送るからその子たち連れてきて』
「...了解」
回収機が到着し、少女達を乗せ、その場を後にしようとする。
「...その前に」
シェンは事前に用意していた爆弾を設置し、タイマーを起動する。
「...帰投する」
今度こそその場を後にする。そして数分後、研究所は大爆発を起こし、跡形もなく消し飛んだ。
翌日、この件は大きく取り上げられたのであった。
爆発オチなんてサイテー!
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