ペルソナ3 面倒事が嫌いな化け物オリ主 (ワンダラー)
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中学時代
プロローグ 化け物オリ主


仮面ライダーの執筆が進まない………( ;∀;)

こっちを優先するかも………


「んぉっ!?もう12時になんのか」

 

小腹が空いたため、ちょっと近くのコンビニに買い物をしようと思い外に出たらあと三分で0時になるところだった。

 

「しかし、中学生が夜中に出てるのに警察も何も言わないとか大丈夫なのか、巌戸台?………まぁ中の人は40越えたおっさんだけど」

 

そう、俺は俗に言う転生者と呼ばれる存在だ。

名前は柊 修吾。今は中学2年の14だけど前世では30のオッサンだった。

心臓発作でポックリ逝っちまったけどな………。

 

別に二次創作みたいに神様にあったとかそんな展開はなかったとは思うんだけど、何故か前の記憶と有り得ない位、というか化け物クラスの身体能力が備わってたんだからさぁ大変!

 

俺を生んだ両親は俺を気味悪がって俺を捨てた。

まぁそれも無理ないかもしれんけどな、普通なら。

 

けど、俺を拾ってくれた義父母夫婦はそんな俺を育ててくれた。

あんときはすげぇ嬉しかったなぁ………。

けど、そんな俺を育ててくれた義父母も去年、交通事故で亡くなった………。

その時の事は今でもよく覚えてる。

あの時はマジでガチ泣きした………。

義父母の一族は金の亡者と言わんばかりに卑しい奴等だった。

俺の引き取りをどうするだとかの事なんざそっちのけ。

義父母の死よりも遺産相続の事ばかりだ。

 

まぁ少々頭に来たので色々と肉体言語という会話と世間様に顔向けできない悪事をマスコミに匿名でタレ込んだら一部の親族は今頃はオリのなかだろうけどな

 

取り敢えずそれが済んでからは、ある程度の遺産を俺が貰い受け、巌戸台にある寮付の学校に転校してきたわけだ。

 

それがまさか、前世でやったゲーム「ペルソナ3」の舞台だとは思わなかったけどな………。

 

別に介入とかそんなのには別に興味無いから基本的には静観しようと思ったんだけど………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「影時間適正があるとか、ホント無いわぁ」

 

今、丁度買い物を済ませて会計をしようとしたら0時になってしまい、目の前にいた店員さんが棺のオブジェになった。

 

「…………これで商品とか持ってかれたら万引きの餌食だよなぁ………なぁ、そこのシャドウ君?」

 

後ろを振り向くと、そこには黒く濁った影が数体現れた。

ご丁寧に仮面のような物まで持ってらっしゃる。

 

「はぁ………面倒事は御免なんだけどなぁ………」

 

俺はボヤきつつ、近くにあった硬貨の詰まった募金箱を掴んで………。

 

 

ブンッ!ゴシャァッ!

 

そのままシャドウに投げ付けた!

 

募金箱に当たったシャドウは千切れ飛び、霧散した。

 

「さて、と………さっさと帰ってか○あげ○ん食べたいんでな」

 

手っ取り早く終わらせてもらうぜ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NOside

 

 

「全く、要らん手間かけさせてからに………」

 

修吾の回りにはオブジェがある以外は何も残っていなかった。

彼はその言葉通り、シャドウ相手に無傷かつ物の数秒で事態を終息させたのである。

 

「さて、そんじゃ帰るかな」

 

彼は募金箱を戻してそのまま意気揚々としてビニール袋片手に帰路に着いた。

 

背後に追跡する赤い影に気付かないまま………。

 

 

 

 





次回予告

平穏な学園生活を送る修吾。

そこに同級生の女子である「桐条 美鶴」が修吾を訪ねてくる。

修吾は彼女からあることを依頼される。

そして修吾の答えは………?

次回

第1話 ご令嬢にはご用心?

「私に協力してくれないか、柊?」

「えぇ~…………」



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第1話 ご令嬢にはご用心?(前)

前回の次回予告に第2話と間違えて書いてしまいました。
正確には第1話です。
申し訳ありません。


NOside

 

昨夜の出来事から明けて、修吾は学園の教室で机に突っ伏して微睡んでいた。

 

「(あ~………こんないい天気なのに授業とかかったりぃ~………サボろっかなぁ)」

 

………考えている事はまんまダメ人間の思考ではあるが………

 

「おい、シュウ?何かいつも以上にダルそうだぞ?」

 

そこへ話し掛けてきたのは隣の席で修吾の友人である「荒垣進次郎」である。

修吾と進次郎の出会いは一年生の時に遡る。

 

進次郎は趣味の料理で使う食材の買い物の最中、路地裏にたむろっている奴等に絡まれて逆に伸してしまい、仲間を引き連れられて困っていたところを修吾が助けに入り(勝手に乱入)助けられて以来、付き合いがあった。

………余談ではあるが、修吾はその時虫の居所が悪く、修吾に絡んできた相手は全治三ヶ月の上に精神を病んでしまったとか………。

 

「ん~………あぁ、こんなにいい天気なのに眠いだけだから」

 

「ふぅん………つかお前、普段から眠そうじゃねぇか」

 

「………知らないなぁ、そんなことは」

 

そんな他愛もないやり取りをしている時の事だった………。

 

「すまない、ここに柊 修吾はいるか?」

 

教室の入り口から修吾を探す声が聞こえた。

 

「おい、シュウ?あれって桐条じゃねぇか?」

 

「………ガッキー、俺は寝てるって言っといて」

 

「ガッキーって言うんじゃねぇよ………その様子だと、何か面倒事か?あ………」

 

進次郎は修吾の様子を見てそう予想した。

修吾は何かと面倒事に巻き込まれる習性があった。

一年近くの付き合いだが、進次郎もその面倒事に多少なりとも巻き込まれる事があった。

進次郎自身も慣れてしまったようだが………。

 

「けど、もう遅いみたいだぜ?」

 

「………………うわぁ」

 

心底めんどくさそうにボヤきつつ、顔を上げると修吾を見つけてツカツカと近付く存在がいた。

 

そこにいたのは赤い髪に容姿端麗でいて、見るものを引き寄せるカリスマ性を持つ女子がいた。

 

彼女の名は「桐条美鶴」

 

月光館学園中等部2年であり、修吾や進次郎と同級生である。

 

「すまない、君が柊 修吾か?」

 

「………何か用か、桐条?」

 

顔にデカデカと面倒臭さを表し、応対する修吾に対してクラスメートの反応は………?

 

 

「お、おい!桐条さんが柊に何の用なんだろうな?」

 

「あぁ、同学年でトップの成績の桐条とかたや同学年で面倒臭がりナンバーワンの柊だぜ?接点が見つからねぇよ」

 

「あ、でもでも柊くんってやるときはやるタイプだから人気高いのよ?」

 

等々、悪くない反応なのだが如何せん修吾はそれを聞いて尚、面倒臭さを濃くした。

 

「(ま、こいつは面倒臭がりだけど基本的にはお節介かつお人好しだからなぁ)」

 

隣にいた進次郎は周りの反応を聞きつつ内心で苦笑していた。

 

「あぁ、すまない………話したい事がある。

放課後、時間を取れないか?」

 

そんな周りの反応を気にしていないのか、桐条は修吾にそう告げた。

 

そんな事を言えば大騒ぎになること必至である。

 

「おぉっ!あの女帝と言われてる桐条が柊に告白かっ!?」

 

それを聞いて盛り上がるクラスメートだが、修吾はただ淡々としていた。

 

「悪いけど、放課後は用事があるから無理だな」

 

実際には用はない。

帰りに進次郎と別のクラスの人間とラーメンでも食って帰るだけなのだから。

 

「そうか………なら都合のいい日があったら教えてくれ」

 

残念そうに言い残して桐条はそのまま教室を出ていった。

 

「相変わらずのオーラだな、桐条は………しかし、桐条の話したい事って何なんだろうな?」

 

「………大方、あの事じゃないか?」

 

事のなり行きを見守っていた進次郎は修吾に問いかけたが、修吾のあの事と言うのを聞いて顔をしかめた。

 

 

実は進次郎は何度か影時間に遭遇している。

修吾程身体能力は高くはないが、進次郎もそれなりに身体能力は高い。

 

近くにあったバス停の標識を持ってシャドウを薙ぎ払って事なきを得たのである。

 

 

「あの、訳のわからねぇ時間のことか………桐条が何でそれを知ってるんだろうな」

 

「さぁてね………別に興味無いし………(本当は影時間の大元の原因は桐条家なのは知ってるけどな)」

 

 

面倒臭さを再び出し、そのまま修吾は机に突っ伏した。

そして、そのまま静かに寝息をたてた。

 

「相変わらず寝るの早ぇな………の○太か、お前」

 

進次郎のそんな突っ込みは空に霧散していった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後………。

 

「ん~♪よく寝たぁ」

 

「ったく、今日丸一日寝てやがったなぁ………こんなんで成績上位だから世の中間違ってる気がするぜ」

 

身体を解しつつ、上機嫌な修吾とそれを見て不可解にボヤく進次郎。

 

と、そこに………。

 

「おい、シュウ!シンジ!」

 

二人に呼び掛ける一人の男子生徒がいた。

長身で整った顔つきをしており、肉体も引き締まったその生徒はそのまま二人に近付いてきた。

 

「おぉ~肉彦じゃん!出迎えごくろうさん♪」

 

「その呼び方止めろ、シュウ!」

 

「アキ、牛丼にプロテインかけて食う奴が言っても説得力ねぇぞ」

 

彼の名は「真田 明彦」

進次郎の幼馴染みであり、修吾とは進次郎を通して知り合った仲である。

初対面の時に牛丼屋でプロテインをかけて食べていたのを見て修吾からは肉彦と呼ばれている。

 

「そう言えば昼休みに桐条が来てシュウに告白したってホントか?」

 

「………何処でどうネジ曲がってそうなった?」

 

明彦の発言に修吾は頭を抱えて唸った。

そんな風に噂が広まったら絶対に面倒な事になる………。

 

「それについては「はがくれ」で話してやるよ、さっさと行こうぜ?」

 

 

進次郎に促されて明彦と机でだれていた修吾ら立ち上がって教室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラーメン「はがくれ」

 

「なるほどな、そんな事があった訳か…」

 

進次郎から話を聞いた明彦はラーメンを啜りながら呟いた。

(尚、明彦のトロ肉醤油ラーメンにはプロテインが入っている)

修吾は修吾で無言でラーメンを啜っている………時おり、顔を険しくしているが。

 

「ま、シュウが面倒事に巻き込まれるなんてのはしょっちゅうだけどよ」

 

進次郎もそのままラーメンを啜り、満足そうにしている。

 

「………………」

 

「つか、どうしたシュウ?はがくれ来てから無言じゃねぇか」

 

「そうだぞ?いつもなら旨そうに食ってるだろ?」

 

 

オーダーする以外、ずっと黙っていた修吾に流石の進次郎と明彦も気になった。

 

「………入り口、見てみ?」

 

「「??」」

 

言葉少なめに告げた修吾の一言に頭に疑問符を浮かべながら言われた通り、入り口を見た二人は………。

 

 

「「ぶふぅっ!」」

 

「うわっ!キタネッ!」

 

口に含んだラーメンを吹き出しそうになっていた。

修吾は修吾で危うく服にかかりそうだったが………。

 

二人が見たものは、はがくれの前の入り口に立ち物凄い形相で修吾を見ている「桐条美鶴」の姿だった。

 

「お、おいっ!?なんだありゃっ!」

 

「恐らく教室出たときに付けられてたかな、あの様子だと………」

 

「周りの人たちも引いて避けてるぞ!?………流石に恐ろしいぞ、あれは」

 

3人とも口々に恐怖を語っているが、あれじゃはがくれにも迷惑がかかるし気に入った店の出禁もあり得るかもしれない………。

 

「………ちょっと逝ってくる」

 

「………まぁ骨は拾ってやる」

 

「無事に帰ってこい………」

 

友人二人のありがたい激励を背に外に出た修吾。

 

「なぁ、シンジ?」

 

「あん?なんだ、アキ?」

 

「あれって俗に言うストーカーか?」

 

「…………」

 

「…………」

 

「「((シュウのやつ、無事に戻れるのか?))」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、はがくれを出た修吾はと言うと………。

 

「……………」

 

「あ、いやぁ………」

 

無言で見てくる桐条相手にシドロモドロになっていた。

 

「………君は………」

 

「ぅえ?」

 

なにかを言い始めた桐条に修吾は間の抜けた返事しか出来なかった。

 

「君は、私と話すより彼等との食事を優先するのか………」

 

「うっ………あぁ~いや、そのぉ………」

 

(流石にその通りです!とは言えない………)

 

何せ若干涙目で此方を見るものだから何か居たたまれない気持ちになるのである。

 

「折角………適応者が見つかったと思ったのに………」

 

「適応者?………あの時間のことか」

 

「!?」

 

修吾の発言に目を見開いて驚いた桐条は意を決して修吾に言いはなった。

 

「君は……一日が二十四時間ではないと言ったら、信じるかい?」

 

 

「………普通なら、信じないだろうな………だけど、あんな現象を体験しちまったら何が起こっても驚かないさ」

 

(一応、知識では知ってるし体感もした………後は具体的な事情を聞くか)

 

内心で嘆息し、目で話せと桐条に訴える。

 

「…………ここじゃ目立つし、場所を変えよう」

 

そう言って桐条はその場を離れた。

 

(目立つのは、お前がストーカー的なことしてたからだと思うのは俺だけか?)

 

内心、そんな事を思いつつ修吾は桐条の後を着いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一通り、区切りがついたらキャラ設定を載せようと思います

今回の様に前後編で続く場合もあります。


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第1話 ご令嬢にはご用心?(後)

グダグダ感満載かも第1話 ご令嬢にはご用心?(後)


 

修吾  side

 

ストーキングしていた桐条に連れられて今は閑散としている住宅街を歩いていた。

 

(そういえば、はがくれのラーメン残したまんまだった………勿体ねぇ)

 

桐条の背中を見ながら内心ではがくれのラーメンの事を思っていた。

 

(ま、肉彦が処理してくれるだろうからいっか………にしても、何で急に桐条が俺のとこに来たんだ?)

 

はがくれの一件で少しパニクったが、冷静に考えてみると妙だ。

 

別に桐条とは特に接点は無いし、原作を知る身としては関わりにあうのも正直、ごめんだ。

 

(ふぅむ、益々謎だな………別に俺は金○一少年でも無ければバーローでもないし………ん?)

 

アレコレ考えていたら桐条が立ち止まって此方を見ていた。

 

「どうかしたか?………そんな穴が開くほど見られると落ち着かないんだけど」

 

「っ!………す、すまない………君が怒ってるんじゃないかと思って………」

 

怒る?………何か怒らせる事でもしたのか、桐条は?

 

「その、君を監視する真似をしてしまった事だ………」

 

「監視………あぁ、あの事か」

 

恐らく、はがくれの一件の事を言ってるのか。

あれは監視というより凝視のような気もするが、まぁそこら辺はいいか

 

 

「別に気にしちゃいないさ………恐怖は感じたけど」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「別に………それよりも此方からも質問があるんだけ……」

 

「それは後で受け付けよう………着いたぞ」

 

桐条が立ち止まった場所、そこは一件の寮だった。

マンション程ではないが、それなりに小綺麗なのが外見上わかる。

 

「こんなとこに寮なんてあったか?」

 

「此処は桐条が所有していたホテルを改装したものさ………さ、中に入ってくれ」

 

桐条に促されるまま、俺は寮の中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NOside

 

 

巌戸台分寮・ラウンジ

 

桐条に案内された寮を眺めつつ、修吾は内心で感想を呟いた。

 

「(小綺麗だけど、なんつうか………ラ○ホって感じもするような)」

 

(実は私もプレイ中に同じことを思いましたby作者)

 

「どうかしたか?」

 

桐条が少し挙動不審な修吾を見て疑問に思ったのか、問いただした。

 

「いや、何でもない………それより話を聞かせてくれよ?」

 

修吾は寮内の人間……恐らく桐条家の人間だろうと踏んでいる……から出された紅茶を飲みながら桐条に話を促す。

 

「そうだな………先ず、君は一日が二十四時間ではないと言ったら信じないかい?」

 

「………普通なら信じられないだろうけどな………あんなモンを体験したらそうも言えないだろ」

 

修吾はおちゃらけた様に言い放つと急に雰囲気を変えた。

 

「お前なら知ってるんだろ、桐条?あの現象が何なのか………(一応、俺も解るけどな)」

 

「……………」

 

誤魔化しは許さないと目で語っている桐条はその威圧感にやや気圧された。

 

「単刀直入に聞くぜ?この件、桐条家が絡んでるんだろ?」

 

「なっ!?なぜ………」

 

驚く桐条を尻目に紅茶を飲みながら、口元を斜めに動かす。

 

「………只の勘、と言いたいがカマかけたってのもある。………その反応を見ると本当らしいな」

 

「…………あぁ、君の言う通りだ………あの影時間は桐条家の負の遺産と言ってもいい」

 

観念したのか、桐条はポツポツと語り始めた。

 

 

桐条の祖父「桐条  鴻悦」が「時をかける神器」を作る為にシャドウと呼ばれる存在を捕らえて実験していたこと。

実験の最中、シャドウが暴走し実験場が崩壊しそのシャドウが巌戸台に開放されてしまい影時間が出現したこと。

そしてその実験場が月光館学園だと言うこと。

等々………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅん………(知ってはいたが、改めて聞くと恐ろしく重たい話だな)」

 

「私は、桐条家の人間だ………こんな事態を招いた責任は取らなければならない」

 

話終えた桐条は力なく項垂れていた。

まだ中学生だと言うのにとんでもなく重いものを背負っている。

 

それが修吾の思ったことだった。

それと同時に桐条を見て危ういとも………。

 

「………こんなことを頼める立場ではないことは分かっている!だが、この影時間を消せるのは影時間に適応出来る物だけなんだ!」

 

すると桐条は修吾の目の前に立ち、頭を下げてきた。

その様子から必死な事が窺えた。

 

「…………本来なら面倒臭い事は御免なんだがな………」

 

「っ!」

 

面倒臭そうに溜め息を吐きつつも、桐条の頭に手を置いて撫でた。

 

「え………」

 

唖然としている桐条に笑みを浮かべて………

 

「その勇気に免じて、俺も協力してやるよ………ま、条件付きでだけどな」

 

「じ、条件………とはなんだ?」

 

修吾の笑みに見惚れて頬を赤らめつつ、条件が何かと聞いた。

それを聞いた修吾は悪戯そうに笑みを浮かべ………。

 

 

 

「はがくれのラーメン奢れ」

 

そう言いはなった。




次回は中学時代のキャラ設定を載せようと思います

PQの発売日が近い!

美鶴フィギュアも欲しいところです………

タナトスは買ったけど


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オリ主設定

今日は夜勤明けの帰りにコンビニ寄ったらP3タイアップ賞品のカップ麺があったので買ってみた………。


割りとイケましたな(* ̄∇ ̄*)


 

氏名 柊 修吾(ひいらぎ しゅうご)

 

身長 168センチ(中学時代)

 

体重 64キロ

 

趣味 食べ歩き 学校の屋上で昼寝 美鶴いじり

 

特技 特になし(基本、何でも出来る為)

 

嫌いな物事

 

面倒臭い事(この一言に尽きる)

 

備考

 

転生者にして化け物クラスの能力の持ち主。

自分でも何故こんな能力があるのか知らないが深く考えない様にしている。(面倒臭いから)

前世の知識からペルソナ3の事を知っている為、影時間のことや桐条の事も浅い程度は知ってはいる。

真田明彦、荒垣進次郎とは友人同士であり真田を「肉彦」、荒垣を「ガッキー」と呼んでいる。

ギャグパートではボケ担当であり、ツッコミ担当である荒垣に制裁される事もしばしば。

ただし、天然である明彦や美鶴には突っ込みを入れる場合もある。

 

使用武器は大型ナイフ。

主にナックルガード付きのモノを使う。(スプリガンの御神苗優の持つ物と同型)

そこらにある公共物(小さいものから大きなものまで)も戦闘に使用する。

所謂、喧嘩殺法+見様見真似の中国拳法を扱う。

身体能力もさることながら知識も豊富である。(天才ではないが)

 

生来の面倒臭がりな為、滅多に怒ることはないが本気で怒らせると相手を滅多殴りにして壁に力尽くで埋め込みオブジェにする。

若しくは相手をベコベコに凹ませて精神科に通院させるほどにまで言い負かす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケシナリオ

 

 

 

はがくれ前

 

修吾は善は急げと言わんばかりに桐条を連れてラーメン屋「はがくれ」の前に来ていた。

 

「さっきは中途半端で消化不良だったからな、早速行こうか!」

 

意気揚々とはがくれの入り口の扉に手をかけ………

 

「ち、ちょっと待ってくれないかっホントに今日食べるのか!?」

 

…………た時に緊張でガッチガチの桐条からストップがかかり扉から手を離した。

 

「何だよ、こういうのは早い方がいいだろ?………て言うかラーメン屋、初めて?」

 

「あ、あぁ………こういった所は来たことがなくてな………ラーメン屋にはテーブルマナーと言うのは無いのか?」

 

(うわぁ、典型的なお嬢様だなぁ………変なことしなきゃいいけど)

 

「まぁマナーと言える訳じゃないけど、旨そうに啜るぐらいかなぁ………」

 

「そ、そうか………上手く出来るかな………」

 

(ま、なるようになるか………面倒だし)

 

そう結論付けてはがくれの中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして修吾の予想通り、店主の事を「料理長」と言ったり更には店の味の事を聞き出したり等々、世間知らずの事を言い出した為、修吾は穴があったら入りたい……と思ったそうな………。





次回予告

桐条美鶴に協力することになった修吾。

そして夜中に月光館学園に来たとき、奈落の塔が姿を現す。

第3話 「レッツ!タルタロス!」

「まるでドル○ーガの塔だなぁ」

「何をいってるんだ、柊?」


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第2話 レッツ!タルタロス!(前)

作ろう作ろうと思ったらPQにハマってしまい、投稿が遅れました………。

あんな素晴らしいゲーム作るのが悪いんだ!
俺は悪くない………と言うのは冗談で、申し訳ございません


 

no side

 

はがくれからの帰り途中、修吾と桐条は修吾の住む寮まで歩いていた。

 

 

「協力することにはしたが、何すりゃいいんだ?」

 

「シャドウに関してはわからない事が多いんだ………桐条家でも研究してはいるのだが……」

 

桐条の答えに修吾は面倒臭そうに溜め息を吐いた。

 

「………要するにシャドウのお掃除って訳か………汚物は消毒だぁっ!ヒャッハァ~!!」

 

「な、なんだ急にっ!?驚かせるなっ!」

 

修吾のネタに体をビクつかせ驚いた桐条に文句を言われた修吾。

どうやら彼女はこのネタを知らないらしい。

 

「………まぁいい、君の寮まで着いた様だしまた夜に月光館学園で会おう」

 

「えぇ~………夜はス○○イドの再放送あるから見たいんだけどぉ………」

 

「………………♯」

 

桐条の額に青筋が立っているのが見えた修吾は直ぐ様寮の中に飛び込んでいった………。

 

「………全く、あんないい加減な男に頼んで良かったのだろうか………それにス○○イドとは一体なんだ?」

 

戻ったら調べてみよう、と思った桐条だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修吾の住む寮

 

「おぉ、おっかねぇ~………さてと、夜のために準備でもしとくか」

 

修吾が部屋で準備を行っている時、ドアからノック音が聞こえた。

 

「う~い、開いてるぞぉ~」

 

修吾がそう声をかけると、ドアが開きそこから二人組が入ってきた。

真田と荒垣である。

 

「よぉ、肉彦にガッキー!そんな死人見た様な顔してどうした?」

 

「シュウッ!生きてたのか」

 

「開口一番に失礼過ぎるぞ、肉彦………」

 

何処と無く○装○神の緑髪の彼に聞こえると思った修吾だった。

 

「んで?桐条となに話してたんだ?大方、あの現象の事だろ」

 

「流石ガッキー!わかってらっしゃる♪」

 

ガッキーって言うなと頭を軽く小突かれる修吾。

この3人の中でも彼は苦労人の様だ。

「結局、あの現象って何なんだ?」

 

真田が疑問に思ったことを口にした。

荒垣もそう思っているのか、修吾を見つめる。

 

「………野郎に見られても嬉しくないんだけど………」

 

「いいからとっとと話せよ、俺もあんな訳のわからねぇ現象が気になってしょうがねぇんだよ」

 

「分かった分かった………全部話してやるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから修吾は影時間の事を話始めた。

影時間、桐条家の負の遺産、シャドウ、シャドウに対抗出来るのは影時間に適応する人間だけだと………。

自分はそれに協力することにした事………。

余すことなく修吾は明かした。

 

 

 

 

「………影時間………存在する筈の無い裏の時間、か」

 

「中々、面白そうじゃないか!俺も連れてけよシュウ!」

 

荒垣はポツリと漏らし、真田は逆に熱中出来る事を見つけたみたいに嬉しそうである。

 

「まぁ既に経験してるし、別に連れてくのは俺的には構わないんだけど………」

 

修吾は一息吐いて雰囲気を真面目なものに変えて二人を見やった。

 

「わかってるか、明彦?………下手すりゃ死ぬんだぜ?面白そうとかの理由で死ぬとかになったら笑い話にもなりゃしねぇよ?」

 

「っ!………だが逆に言えばその分強くなれるんだろう?だったら俺はやるさ!」

 

修吾は真田に凄む様に言い放つと若干気圧された様に詰まるが、直ぐ様言い返してきた。

両者共にそのまま無言で互いを見続けるが、不意にパンっと手を叩く音が部屋に響いた。

 

「そこまでにしとけ、お前ら」

 

荒垣である。

二人の雰囲気が只ならなかったのを見抜き、自身が介入する事でその空気を霧散させたのである。

 

「シンジ………」

 

「アキ、てめぇが過去の事を引きづってるのは分かる………力に執着してるのもそのせいだろ」

 

「………」

 

真田は荒垣の言ったことに無言になった。

それは荒垣の言う事が事実だと言うことを肯定していた。

 

「シュウ、俺もてめえに聞きてぇんだが………てめえの闘う理由ってのはなんだ?」

 

荒垣は修吾を睨み、自身の理由を問いかけた。

誤魔化しは許さない、荒垣の眼は修吾に対してそう言っている。

 

「………俺も、正直な所何と言えばいいか分からねぇ………だけどさ、あの女傑って言われてる桐条が頭下げて頼って来てるんだぜ?あんな風に頼まれちゃ嫌とは言えねぇって………」

 

修吾は徐に立ち上がり、冷蔵庫を開けて缶コーヒーを3本取り出し、内一本を開けた。

 

「それに俺自身、面倒臭がりなんでな………面倒な影時間を消し飛ばして悠々自適な生活を送りたいのよ?」

 

「後半が本音だろ、テメェの場合は………まぁ言いたいことはよく分かった」

 

投げ渡された缶コーヒーを開けて、そのまま煽りながら荒垣は二人を見やった。

 

「………俺も行く。」

 

「………話聞いてたか?死ぬかも…「大体、テメェら二人が暴走したら誰が止めるってんだ?」」

 

「「…………おっしゃるとおりでございます」」

 

修吾と真田は荒垣に対して平伏した。

どうやらこの二人は荒垣に頭が上がらないらしい。

 

「ま、まぁ行くなら準備してからにしよう………桐条には俺から言うからよ」

 

「「わかった」」

 

空気を変えようと修吾が発言すると二人は頷いて部屋を出た。

 

「………まぁ連れがいるのは正直、ありがたいしな、アイツら強いし」

 

 

修吾は呟いて愛用しているショルダーバッグに必要なものを詰め込んだ。

 

「………一応、こいつも持ってくか」

 

 




ガッキーが苦労人になってしまった………。

そしてお気に入り登録が50件突破!!

こんな自分の作品を読んでいただいて感謝です。

本当にありがとうございます


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第2話 レッツ!タルタロス!(中)

今回は中編までございます。

いつも以上にグダグダ感満載ですが、読んでいただけたら幸いです。


 

午後9時

巌戸台分寮

 

桐条side

 

「柊 修吾か………」

 

私は自室で桐条家で調査した彼のデータを見ていた。

資料を見た感じでは成績優秀だが素行にやや問題あり。

本人は面倒臭がりで友人である真田明彦、荒垣真次郎と共にいることが多い。

よく駅前商店街にいることが多く、街では有名とのこと。

裏路地にいた柄の悪い不良を荒垣と二人で殲滅させた等、身体能力は高い様子。

 

「………しかし、話してみるといい加減な男ではあるが………」

 

私はふと、彼に頭を撫でられた時の事を思い出していた。

あの時はただ、戯れに撫でただけだと思ったが今思えば少し、お父様に似ていた様な気がした………!

 

「っ!……な、何を考えているんだ私はっ!?あんな男をお父様と一緒にするなんて………!」

 

私は熱くなった顔や頭を冷ますために屋上に出た。

外を眺めるとまだ人がいるため、外は街灯が点いているため明るい………。

影時間が始まるまで、後3時間か。

 

桐条家の負の遺産……。

影時間………。

シャドウ………。

 

「必ず、必ず消してみせる!」

 

外を眺めながら私は静かに決意した………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

no side

 

午後11時 コンビニエンスストア前

 

 

「やっぱガッキーの作る飯はうめぇなぁ」

 

「別にお握り位、普通に作れんだろ」

 

修吾と荒垣は私服のまま、コンビニエンスストアの入り口前でお握りを食べていた。

準備が完了して時間まで適当に時間を潰していたのである。

 

「しかし、アキの奴ぁ何でもプロテインかけて食わなきゃ気が済まねぇのか、アイツは」

 

「その内、渾名がプロテインジャンキーになるんじゃね?」

 

「現時点でそうなってんだろ………」

 

修吾は何年か後の真田を想像して笑い、荒垣は頭に手を置いて顔をしかめた。

真田はプロテインが切れたとの理由で今現在、寮まで戻っていったのである。

 

「にしてもガッキー?………そんなもん、何処で手に入れたん?」

 

修吾は荒垣の持つモノに対して興味を示した。

ゴルフバック程の大きさのバックは何故か妙な威圧感を感じたからである。

修吾は中のモノを見て若干顔をひきつらせたのはつい先程の事である。

 

 

「まぁ、ある伝手を頼ってな………。テメェに比べたら大した事ねぇよ」

 

「ハッハッハッ………ちょっと裏路地の方々から強………譲り受けただけだよ」

 

「………アキもアキだが、テメェ程ぶっ飛んでる奴もいねぇだろうな」

 

目をそらして笑う修吾に荒垣ははぁ、と溜め息を吐いた。

と、そこへ………

 

「ハァッハァッハァッ……ま、待たせた」

 

真田が走って二人に近付いてきた。

真田の手にはバックが握られていた。

 

「あ~………着いて早々だけど、もう行くぞ?肉彦」

 

「なにっ!?まだシンジの飯を食べてないぞ、俺は!」

 

「テメェがわざわざ寮に戻るのが悪ぃんだろ、アキ」

 

そんなやり取りをしつつ、3人は合流場所である月光館学園へと歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後11時50分 月光館学園前

 

 

3人が月光館学園の前に来たとき、既に桐条は校門の前で腕を組んで待っていた。

 

「………アマゾネスがいるぞ!肉彦、ガッキー!」

 

「「確かに………」」

 

 

「誰がアマゾネスだ、柊っ!?それとそこの二人は何故ここにいるっ!?」

 

小声でポソリと呟いた修吾を桐条は聞き逃さなかったようだ。

そして修吾の後ろにいる真田と荒垣に何故いるのか問いかけた。

 

「あぁ、この二人は助っ人だ………ちゃんと影時間にも適応してる」

 

「なっ!?この二人もなのか………」

 

桐条は修吾の他に適合者がいたことに驚いていた。

まさか修吾の他にも適合者がいるとは思わなかったのだろう、桐条の顔が驚愕と喜色の入り交じった表情をしている。

 

「写メ写メ………」

 

パシャリッと懐から携帯電話を取り出し、桐条の表情を撮影した。

 

「待てっ!何を撮ったっ!?」

 

「いやぁ、桐条のファンって結構いるからなぁ………伝手に頼んで回して貰おうかと思って」

 

「なっ!?や、止めろ馬鹿者っ!!」

 

やいのやいのと修吾と桐条が騒ぎ立てる中………。

 

「なぁ、シンジ?俺達って………」

 

 

「言うな、アキ………っ!?シュウッ!!」

 

蚊帳の外な真田と荒垣がポツリと溢した時、回りの景色が変わった。

景色は色落ち、月の光のみが不気味に輝いていた。

 

「これが、影時間か…」

 

「あぁ………そしてこれが私達、桐条家の負の遺産だ」

 

影時間に入ったとたん、地響きが起き目の前にあった月光館学園が姿を変えていく。

 

「なんだなんだっ!?トランスフォームでもするのかっ!?」

 

「空気読め、シュウ………」

 

修吾の空気の読まないボケに荒垣が頭を小突いてツッコミを入れている間に月光館学園は一件の長大な塔へと変貌を遂げた。

 

「これが、タルタロスだ………」

 

「………タルタロス………奈落の門、か……」

 

 




次はいよいよ戦闘パートです。

上手く書けるかなぁ………自信無いけど頑張ります!


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第2話 レッツ!タルタロス!(下)

戦闘描写って難しいですね………(。´Д⊂)


午前0時  月光館学園前・タルタロス

 

修吾  side

 

俺達4人の前に現れたタルタロス。

その禍々しい塔は天高く聳(そび)えており、見るもの全てに恐怖を与える………そんなイメージを抱かせた………。

 

「月光館学園が………どうなってるんだ!?」

 

明彦が混乱したかのように叫んだ。

その気持ちはわからないでもない………。

俺だって原作知識が無かったらわめき散らしていただろうから。

 

「これが月光館学園なんだ………。そして、桐条家の負の遺産でもある」

 

桐条はタルタロスを見ながら明彦にそう言った。

知識で知るのと実際に見るのとじゃ全く違うと言うのは、本当だな。

 

 

「どうする?中に入るか?」

 

「………本音言えば帰って寝たいとこなんだけどなぁ………」

 

 

真次郎が俺達に向き直り、中に入るか聞いてきた。

明彦に関しては既にやる気十分で持っていたバックからグローブを取り出して填めた。

桐条も手に持っていたフェンシングで使われる細身の剣・レイピアを振った。

 

「…………はぁ、しゃぁねぇか」

 

溜め息を吐きながらも真次郎もゴルフバックから手斧を出した。

刃が所々溢れているが、殺傷力に関しては高いだろう。

 

「ま、行くなら行くでとっとと行くか」

 

俺もバックから大型のナイフを出し、腰に填めた。

実は俺の靴のかかとには更にナイフが仕込まれているため肉弾戦でも効果が期待できる。

 

 

「よし、行くぞっ!!」

 

『おうっ!!』

 

こうして俺達はタルタロス内部に潜り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タルタロス・エントランス

 

no  side

 

修吾たちがタルタロス内に入ると、大きな階段にその先に大きな扉があり、その脇には置時計が置かれている。

入り口付近にはジュークボックスの様な機械があった。

 

「しかし、無駄にただっ広いなぁ………こんだけ広いと何かいろんなもんが置けそうだ」

 

「あぁ、トレーニング器具とか持ち込んでみるか!」

 

「テメェらちったぁ緊張感持てよ………」

 

「…………」

 

修吾と真田は呑気なことを言って荒垣を呆れさせた。

桐条は無言で中を調べている。

 

「…………んん?」

 

「どうかしたか、シュウ?」

 

 

その時、修吾はなにかに気づき入り口の方を見た。

真田は修吾の様子が気になり、同じ方向を見た。

 

 

「誰か…………いや、何かいるぞ?入り口の所に」

 

「「っ!」」

 

「何を言っているんだ?さっき入り口には………」

 

それを聞き、真田と荒垣は直ぐに戦闘態勢に入るが桐条はそんな修吾の言うことに半信半疑のようだ。

 

「桐条、こういう時のシュウの勘はよく当たるんだ……!」

 

「あぁ、それも嫌って程になっ!」

 

 

何を、と桐条が言う前にドガァッと入り口の方から響いた。

そこにいたのは黒いナニかだった。

わらわらと集まり、分裂していく。

その数、30!!

 

「くっ!シャドウだとっ!?か、数が多すぎるっ!!」

 

「ふっ………面白くなってきた!」

 

桐条はシャドウの数に気圧されつつもレイピアを構え、真田は不適な笑みを浮かべファイティングポーズをとった。

 

「………あんのバトルジャンキーめ」

 

「ハッハッハッ………ま、色々とあったし溜まってたんじゃん?それに………!」

 

修吾はそのまま後ろ回し蹴りをし、襲ってきたシャドウを吹き飛ばし、シャドウをそのまま霧散させた。

 

 

「憂さ晴らしにはちょうどいいでしょ!」

 

「そのストレスの元のテメェらが言うな…………まぁ一理あるか、オラァッ!!」

 

荒垣は手に持つ斧で横凪ぎに振るい、シャドウを霧散させる。

そしてそのままの勢いで斧を振り降ろした。

 

「ワァオッ!豪快~♪っとおいしょぉっ!!」

 

茶化しつつ、ナイフで横薙ぎに振るいシャドウを殲滅していく修吾。

 

「っと!あいつらは!?」

 

修吾はそのまま振り向き様、真田と桐条の様子を見るが………。

 

「フンッ!フンッ!フンッ!フンッ!フンッ!」

 

真田はそのままシャドウ達を殴って霧散させていた。

その表情はまだまだ来い、と語っている。

 

「…………流石プロテインジャンキー(笑)っと、桐条は………やばっ!?」

 

桐条の方を見ると、シャドウの数の多さに疲労しているのか反応が鈍くなっており、背後から襲ってくるシャドウに気付かないままである。

 

「桐条っ!後ろだっ!!」

 

「はっ!?ぐっ!」

 

修吾の声に後ろを向くも、レイピアを叩き落とされてしまった。

 

「くっ!……ペルソっ」

 

距離を離れ、腰に着いていた拳銃を抜き、米神に当てようとする桐条だが………。

 

「ぁぐっ!………くっ……し、召喚器が!」

 

拳銃をシャドウの触手に叩き落とされてしまい、カラカラと修吾の方に転がってきた。

 

「くっ!………待てよ、さっき桐条は何を………ちぃっ!」

 

襲いかかってくるシャドウに殴り飛ばしつつも桐条の拳銃を拾い上げ、修吾は米神に当てた。

 

「(俺に出来るのか………いや、考えてる余裕はないっ!)……行くぜぇっ!!…………ペルソナァッ!!!」

 

そのままトリガーを引くと、バキンッ!と何かが割れる音が響き渡った。

そして………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「シュウッ!!」」

 

「くっ………ひ、柊………!君は」

 

 

修吾の背後に現れたナニか………。

 

愛の文字が入った兜に白い陣羽織の下に鎧を着こんだ武者が現れた。

 

「これが………俺のペルソナ………」

 

修吾は自分の中から現れた武者を見て呆然としていた。

まさか自分に出るとは思わなかったからである。

 

「まぁいい、呆けるのは後だ!………肉彦、ガッキー!桐条!さっさと終わらせるぜ?」

 

「っ!あ、あぁっ!!」

 

「ったく、心配かけさせやがって………!」

 

「わ、わかった………(何故彼がペルソナ能力の事を知っているんだ………後で問い詰めるか)」

 

修吾のペルソナ召喚で3人は半ば呆けていたが、修吾の一喝で気を取り直してシャドウに向き直る。

 

「カネツグ、『ガル』っ!」

 

修吾のペルソナ『カネツグ』が風を発生させシャドウの1体を霧散させ、その隙に修吾が別のシャドウを斬り伏せ蹴り飛ばす。

 

「最後の一体位は派手にいかないとなぁっ………肉彦っ!そっち行ったぜ?」

 

「任せろっ!ダァァァッ!!」

 

その蹴り飛ばされたシャドウは真田の方まで吹っ飛び、真田の全力パンチでまた吹っ飛び………!

 

「アキッ!」

 

「チッ!行けオラァッ!!」

 

荒垣の方に飛んだシャドウは荒垣の斧のフルスイングで最期にエントランスの天井まで吹っ飛び………

 

「「ホームランッ!!!」」

 

そして天井にぶつかり、霧散した。

 

「イェ~イ♪」

 

「あぁ、お疲れ!」

 

パァンと修吾と真田がハイタッチし、

 

「ガッキー♪」

 

「あん?………あぁ」

 

荒垣はそっぽを向きながらも手を出し、そのままハイタッチをする。

 

「桐条♪」

 

「あ、あぁ………」

 

桐条は戸惑いながらも手を出し、ハイタッチする。

 

「ハッハッハッ………じゃ、俺は疲れたから寝る………」

 

「「「シュウッ(柊っ)!!」」」

 

笑いながらそのままバタンッと倒れた修吾に3人が駆け寄った………。

修吾が倒れたことにより、3人の紹介もうやむやになってしまいまた後日、紹介することになった。

 




次回予告

疲労で倒れた修吾をそのまま病院で入院させる事となった一行。

修吾はその最中、不可思議な現象を目の当たりにする事となる。

次回

第3話 夢の中でのアクシデント

「俺ってホント、面倒事によく合うなぁ」

「それが貴方の運命です!」


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第3話 夢の中でのアクシデント

投稿が遅れました………(。´Д⊂)

そしていつも以上にグッダグダです!


あぁ………癒しがほしい


 

no side

 

巌戸台病院・病室

 

「……………」

 

修吾が倒れた後、暫くしてから影時間が終了し修吾はそのまま病院に搬送された。

診断の結果、過労との事で2、3日入院する事が決まった。

桐条、真田、荒垣の3人は修吾の病室に集まり桐条から事情を聞くことになった………。

(余談ではあるが、修吾の身体を診断した医師は修吾を解剖するとか言っていたが、桐条の『処刑』により)

「しかし出鱈目の塊のシュウが過労で倒れるとはな………ペルソナって言うのはそこまで消耗する程なのか?」

 

缶コーヒーを片手に真田が桐条に疑問をぶつけた。

今現在、修吾は静かに寝息を立てて眠っている。

 

「いや、本来ならそこまで消耗するわけではない………恐らく柊は初めてペルソナを召喚した影響と今までの戦闘もあって倒れたんだろう」

 

桐条は自分の考えを二人に伝え、眠っている修吾を見た。

 

「それよりも君達は何者だ?何故、柊と一緒にいた?それに、影時間にも適合している事にも疑問がある………」

 

「まぁ待て………それに関しては俺から説明してやるよ」

 

「す、すまない………少し焦っていたようだ」

 

桐条の捲し立てる様な質問の嵐に今まで事の経緯を黙って聞いていた荒垣が待ったをかけた。

桐条もそれを聞き、自分の現状を知り冷静になれた様だ。

 

「先ずは俺達の事だが………」

 

一息入れ、荒垣は桐条に自分達の事情を話始めた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修吾side

 

??????

 

俺は今、ゆらゆらと揺れながら漂っていた。

どこを見ても水色の景色で水の中にいる様な感じだ………。

 

「つか、何処だここ?」

 

あん時は確か、無駄に多かったシャドウと戦闘(遊んで)して桐条助ける為にペルソナ召喚してから………。

 

「何だ、夢か………寝よ」

 

「夢の中で寝るってどんだけ寝たがりだ、お前は」

 

目をつぶって寝ようとした矢先に急に何処からか声が響いた。

仕方なく目を開けるとそこにいたのは見た覚えのない、白いスーツを着て俺を見下ろしてるやつだった。

 

「つか、誰あんた?人様の夢に無断で侵入とか………訴えんぞコラ」

 

「夢に不法侵入も糞もあるかっ!!」

 

やれやれ、直ぐにキレるとかゆとりだなぁ………。

 

「怒らせてるのはお前だろうが………まぁいい、俺はお前をあの世界に送った奴だよ」

 

「………………」

 

「そんな頭のおかしい奴みたいに見るな………興奮するだろうが」

 

ただのド変態じゃん………。

 

「まぁ冗談はさておき、俺はアポロンと言うものだ」

 

アポロン……………確か、ギリシャ神話の神様だっけか?

 

「そんで?そのアポロン様が俺みたいな人間をあの世界に送り込んで、何がしたいんだ?」

 

「お前、神を前にしてよく平然と出来るな………まぁそっちの方が俺も楽でいいがな」

 

アポロンは咳払いをして、真面目な雰囲気を醸し出した。

 

「………お前は一度死んだ、これは分かるな?………そのお前を悪戯に力を付与させて転生させたのは俺の親父だ」

 

「とんだアグレッシブな親父さんだな、只の一人間の俺に御大層な力を付与させて転生させるとはね」

 

別に最強オリ主とかなんぞになるつもりは無かったんだがな………。

こんな力がついてる以上はそうも言ってられないか

 

「全く、我が父親ながらやることなすこと迷惑以外の何者でもないな………お前には申し訳なく思うよ」

 

息子の方がまともって………神様の世界、大丈夫かって思うのは俺だけなのか?

 

「まぁ、神様なら俺を普通の人間に戻せるんだろうけど………そいつはもうちょっと待ってくれや」

 

「何故か、理由を聞いてもいいか?」

 

………あんま話したくないんだけど、まぁアポロンならいいか

 

「やることが出来ちまったからな………それが終わるまでは………」

 

「………あの桐条美鶴という少女の為か?」

 

俺はそれに対して苦笑という形で返した。

間違ってはいないからな………。

 

「………わかった………だが、あの召喚法はお前には向かないな………あれは無理矢理もう一人の自分を引き出すから心に負担がかかりすぎる」

 

「まぁド頭に銃突き付けて引き金引くからなぁ………あん時は無意識だったけど、今思えばゾッとするわ」

 

 

他に何か無いかなぁ………と、思案しているときにアポロンが言い出した。

 

「なら先の時代の方法を取ればいいんじゃないか………」

 

「先の時代って………P4の召喚方法の事か?」

 

あれは確か、タロットカードを思い浮かべるんだっけか?

………やってみるか………

 

カッ!!

 

「こいっ!カネツグ!!」

 

すると俺の目の前に蒼く透き通ったタロットカードが現れ、俺はそれを徐に殴り壊した。

殴り壊したカードから鎧武者『カネツグ』が現れ、俺の前に鎮座していた。

 

「………意外とやれば出来るもんだなぁ………それに、負担も軽いし」

 

『……………』

 

「ん?どうした、カネツグ?」

 

鎮座していたカネツグから何かを差し出された。

黒い、鉱石の様な物だけどそれでいて粘土のように柔らかい何かだった。

 

「何だこれ?………ってオイッ!」

 

 

「これは………まさか、賢者の石かっ!?」

 

手に持っていた鉱石をアポロンからぶんどられた。

しかも何かレアアイテムっぽい?

 

「何だその賢者の石って?使えばHPでも回復するのか?」

 

「ゲームじゃないんだ、そんな効果あるわけないだろ………いや、ある意味で恐ろしいかもしれんぞ」

 

アポロンの目がギラついていたので話を聞こうにも聞けない為、仕方なく諦めることにした。

 

「それよりお前………そろそろ目を覚ました方がいいんじゃないか?」

 

 

「どうゆうことよ?」

 

「あぁ、時間の流れが違うから忘れてたが………もう3日経ってるぞ」

 

 

「…………先に言えよ、そういうことはぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

アポロンがあっけらかんと言った瞬間、俺の身体が急に浮上して物凄い勢いで上っていった。

 

「さて、あいつも行ったことだし早速戻ってこいつを精製するか!」

 

愉しそうに笑みを浮かべながらアポロンはそのまま露となって消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は修吾のペルソナ『カネツグ』の紹介です。

ちょっと修吾がフライング気味に召喚方法を変えました


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主人公のペルソナ設定・オマケ

今回、オマケシナリオはみんな大好きのアイツが出ます。

少し修正、改訂しました。


name  カネツグ

 

アルカナ

悪魔

 

力  9

魔  7

耐  7

速  8

運  5

 

斬  耐

打  無

貫  弱

 

火  

雷  弱

風  耐

 

skill

 

ガル

スラッシュ

スクカジャ

?????

?????

?????

 

備考

 

タルタロス・エントランスでのシャドウとの戦闘で発現した柊 修吾のペルソナ。

モデルは戦国の武将『直江兼続』

素早い剣術と風の魔法を得意とする。

力も強く物理の耐性は高いがジオ系、貫通には弱い。

カネツグ自身にも何らかの意思があるような行動も見受けられる。

 

召喚法が特殊であり、目の前にカードを出現させてそのカードを殴り壊してカネツグを出現させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけシナリオ 長鳴神社の白い守神

 

 

巌戸台にある小さな神社。

古びた外観から見ても、歴史のある神社だ。

その古びた神社に一頭の白い犬がいた。

 

『クゥン………』

 

欠伸をしているその犬の名前は『コロマル』。

漢字で書くと「虎狼丸」である。

コロマルはすんすんと鼻を動かし、匂いを嗅いだ。

ふとしたことで知り合った人間の匂いがしたからだ。

 

「よぉ、コロマル♪」

 

『ワンッ!!』

 

現れた人間にコロマルは尻尾を振って近付いた。

その人間は月光館学園の制服を着ており、鞄を手に持った少年だった。

 

 

「おぉう………今日もいい毛並みしてるよなぁ、お前」

 

「ワンワンッ♪」

 

自分の毛を褒められてより尻尾を振るコロマル。

どうやら嬉しいようだ。

 

 

 

『フンフン……フンフン……ワンッ!!』

 

「今日はお前にお土産持ってきたぞ?」

 

コロマルは傍に置かれた少年の鞄から香ばしい匂いがしたので目を輝かせて吠えた。

 

「ほれ、ビーフジャーキーだぞぉ♪」

 

少年は鞄の中からビーフジャーキーを出してコロマルの前に差し出した。

『ワンワンッ♪ワンワンッ♪』

 

コロマルは嬉しそうにビーフジャーキーにかじりついた。

少年もその様子を見て自然と笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから少年はコロマルと会話したり、持っていたボールで遊んだり等して時間を潰した。

 

「おっと、そろそろ夕方か………そろそろ帰るかな」

 

『クゥン………』

 

少年は腕時計を見て、夕方になる頃合いを見てコロマルに告げた。

それを聞いたコロマルは寂しそうに鳴いた。

 

「大丈夫だよ、また直ぐに会えるだろうしな?」

 

少年は笑みを浮かべ、コロマルの頭を撫でてそのままコロマルの手を振り、階段を下りていった。

コロマルは少年の背中をずっと見つめたまま動かなかった。

 

 

 

 

そしてコロマルは少年の言うとおり、少年は青年となって出会うこととなる。

それも意外な形で………。




次回予告

目を覚ました修吾は桐条から寝ていた間の事を聞き、そして此れからの事を聞いた。

真田と荒垣はそのまま協力を決意した………。

修吾の答えは………?

次回

第4話 修吾の目覚め

「君はこれからどうする、柊?」

「………………」


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第4話 修吾の目覚め

申し訳ございません、仕事が忙しくて投稿出来ませんでした。

後、カネツグのアルカナを前回の設定に追加しました。


 

noside

 

月光館学園中等部校舎・屋上

 

「……………はぁ」

 

学生が授業中の中、修吾は一人屋上で寝そべって空を見ていた。

その顔は普段の眠そうな様子はなく、悩みを抱えているというのがありありと現れている。

 

「………より面倒な事になってきたなぁ………」

 

修吾が面倒臭そうに溜め息をつき、病院での出来事を思い出す。

修吾が目を覚まして少しした後、桐条、真田、荒垣から今後の事を説明された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日前 巌戸台病院・病室

 

「…………おっす」

 

「「「柊((シュウッ!!))!!」」」

 

修吾が倒れてから3日後、漸く修吾が目を覚ました。

見舞いに来ていた3人は修吾が目を覚ましたのを見て驚いている。

 

「柊、身体は大丈夫なのかっ!?」

 

「全然、元気だよ桐条」

 

詰め寄ってきた桐条に腕を回すことで元気であることをアピールする修吾。

顔色も元気であることを証明していた。

 

「やれやれ、余り心配かけるなシュウ」

 

「いやぁ、悪いね肉彦♪」

 

「だから肉彦って言うな!」

 

修吾の何時もの様子に突っ込みつつも安堵している真田。

修吾も修吾で真田を何時ものように肉彦呼ばわりしていた。

 

「ったく!俺らに心配かけたんだ、何か奢って貰うぜ、シュウ?」

 

「ヘイヘイ、はがくれ丼にトンコツ醤油でいいか?」

 

荒垣も安堵しつつ、はがくれの隠しメニューと今人気のメニューを催促し、修吾もそれを苦笑いしつつ容認した。

 

「あっ!なら俺は海牛の特盛汁だくでな?」

 

「わかったわかった、プロテイン増し増しでな♪」

 

普通はプロテインは混ぜないが、それが真田クオリティ(笑)

 

「ならば私はフランス料理にしておこうか」

 

「…………高級料理は勘弁して下さい」

 

桐条がさらっとフランス料理と言った所で修吾がベッドの上で土下座したところで3人から笑いが起きた。

 

 

 

 

「………取り敢えず俺が寝てる間に何があったのか、教えてくれよ」

 

一頻り笑いが収まった後、取って付けたように咳払いをして状況を聞く修吾。

3人もそれを察して雰囲気を正し、修吾に事情を話した。

 

「まず、タルタロスの探索だが………彼処までシャドウがいるとは思わなかった………そこは私達の調査不足だった」

 

桐条が申し訳なさそうに頭を下げる。

恐らく、真田と荒垣は散々そこをせっついたのだろう………。

頭を下げてる桐条から哀愁のような物が漂っていた。

 

「まぁ、次にこんなこと無けりゃ俺から言うことはないよ………次は?」

 

「あぁ、俺とアキだが………今の寮から桐条のいる分寮に移ることにした」

 

桐条から視線を外して荒垣を見た修吾は荒垣に話を促した。

寮を移る理由も修吾には想像がついていた。

 

「………不足の事態の為に纏まって動けた方がいいからか?」

 

「まぁ、そういうこった………それから………」

 

「あぁ、俺達もペルソナ使いになった」

 

荒垣は一旦話を切り、真田を見てから懐から召喚器を取り出した。

 

(まぁ肉彦の場合は考えられなくないが、ガッキーはなんで?)

 

そんな疑問が顔に出ていたのか、荒垣は半眼になって答えた。

 

「テメェ等、特にアキだが………余計に無茶なマネするからだろうが」

 

「いや、何かスマン………」

 

「おい、それはどういう意味だシンジッ!?」

 

 

そうやって言う荒垣から苦労人のオーラが漂っていた。

何せ修吾のボケと真田の暴走に一番苦労しているのは彼なのだから………。

それを聞いて修吾は何だか申し訳なさそうにし、真田に関しては余り自覚がないようである。

 

「まぁ肉彦と桐条ってドが付く位の天然だしねぇ」

 

「テメェの場合は狙ってやるからよりタチがわりぃんだよ、シュウ」

 

他人事みたいに言う修吾に頭をひっぱたいて突っ込む荒垣だった。

 

「俺の何処が天然だって言うんだっ!?」

 

「天然とは一体何の事だ?」

 

「…………自覚なし、か………大変だ、こりゃ」

 

「はぁ…………頭痛ぇ」

 

最早、荒垣は苦労人確定のようだ。

いつか胃薬を常備持ち歩くことになりそうな未来が来るかもしれない………。

 

「ま、まぁそれはいいとしてだ………柊、君も寮に来るか?」

 

「あの分寮だろ?………面白そうだし俺も行くよ」

 

桐条は修吾に寮への移りを薦め、修吾はそれに嬉々として応えた。

 

(それに学校からも近いしな)

 

「「(あの感じは間違いなくそう思ってるな)」」

 

修吾にとっては此方が主な理由なのだが、付き合いの長い真田と明彦は修吾の考えている事を理解し、それを桐条が知ることはない………。

 

 

 

回想終了………

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく考えりゃ、あの堅物の桐条と同じ寮って事は学校サボれないって事じゃん!あ~!失敗したぁ」

 

今更ながら修吾は寮を移る事を後悔した。

それも割とどうでもいい理由で。

そんな修吾の背後に…………

 

「ほぉ、君は学校をサボる気だったわけか………」

 

「っ!?」

 

冷たい冷たい殺気の様なものと妙に威圧感を醸し出している聞き覚えのある声に修吾は冷や汗がダラダラと流れ出ているのを感じた。

 

「それも私のいる寮でそれをするとはなかなかいい度胸だ、柊………」

 

 

声は更に威圧感を増し、修吾のすぐそばまで近づいていた。

 

「ア、アハハハハ………な、何でここに………」

 

修吾は辛うじて声を出すことに成功したが、発する声自体が震えている。

 

「フフフ………君一人を探す事ぐらい、桐条財閥を使えば………」

 

「いや、人一人探すのに自分の家の力を使うな………ヒィッ!?」

 

桐条の発言に思わず突っ込みを入れ振り返ったが、桐条の顔を見てひきつった声を出して後ろに引いてしまった。

 

「フフフ………どうしたんだ、柊?後ろに下がると危ないぞ?」

 

「あ………あぁぁぁぁ………」

 

目のハイライトが消え、不気味な笑みを浮かべて修吾に近づいていた。

 

「さぁ、行こうか?授業の最中なんだ………サボリハユルサンゾ?」

 

「イ、イエスッ!マムッ!!」

 

 

逆らうと命はない………本能的に判断した修吾にはそう返事をするしか道は残されていなかった………。




次回予告

中学3年に進級した修吾たち。

そんな矢先、荒垣と真田が何者かに襲われて負傷してしまう。

修吾と桐条は二人を襲った犯人を探す中、二人の前に1つの集団が現れた。

その集団は過去に修吾と荒垣に因縁のある相手だった。

次回

第5話 「過去の落とし前」


「よぉ~!久し振りだなぁ、柊ぃ!」

「………胸糞ワリィ奴に会っちまったぜ」


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