精霊使いの剣舞 アフター (真藤陽人)
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導き、共にある少女 レスティア


 剣舞はレスティアとエストのw精霊が大好きです

 特にレスティア推しなので同士の方はお楽しみください


 

 帝都奪還や聖王の野望を打ち砕いた日から数か月後

 

 アレイシア精霊学院、そこに通う生徒の一人が過ごしていた

 

 「全く、あの婆さんは人使いが荒いんだよ」

 

 黄昏の魔女にそんな狩る愚痴を叩ける人間がこの世に何人いるだろうか、その少数の一人

  がこの少年だった

 

 「あらあら、随分とお疲れみたいね カミト」

 

 そんな声と共に黒い羽が舞う、彼女が現れる証だ

 

 「いきなり暴走する精霊を討伐しろって言って来たんだぞ?」

 

 しかも魔神級なのだからたちが悪い、と愚痴を零すカミトの姿はレアかもしれない

 

 

 「まぁ魔神級くらいなら火猫ちゃんたちでも大丈夫でしょうけれどやっぱり貴方に頼りた

   かったんじゃないかしら」

 

 「婆さんの味方をするなんて珍しいな」

 

 グレイワースとレスティアは犬猿の仲、古馴染みではあったが基本的に仲は良くない

 

 普段ならカミト以上に愚痴を零すか八つ当たりに適当な広域魔術をぶっ放していたはず

 

 「そうね、いつもなら文句でも言う所だけど・・カミトが私にだけ愚痴を零すものだか

   ら、少し嬉しくて」

 

 確かにカミトは愚痴を零さない・・・ある意味で信頼のあかしとも言える

 

 「そうね・・・それじゃあ頑張ったカミトに私からご褒美を上げるわ♪」

 

 いかにも名案だとばかりにレスティアは行動を開始、そうしてレスティアがとったの

  は・・・

 

 「ふふ、気分はどうかしら?」

 

 「・・・恥ずかしいに決まってるだろ」

 

 カミトはレスティアに膝枕されている状態となっていた

 

 「昔はずっとこうしていたじゃない、止めたら分かりやすく寂しがって」

 

 「あの時は・・・はぁ」

 

 疲れか、それとも抵抗する無意味さを感じたのかカミトは抵抗を止めた

 

 「眠いようなら眠ってもいいわよ? その間私はカミトの寝顔を眺めてるから♪」

 

 からかうような、それでいてとても優しい表情で提案するレスティア

 

 「・・・誰書きそうになったら起こしてくれ」

 

 「ええ、貴方の寝顔を誰かに見せるのは嫌だもの」

 

 「なんだ、それ・・・」

 

 「・・・おやすみなさい、カミト」

 

 そうして部屋には休眠状態のエスト、眠るカミトとそれを優しく膝枕するレスティアだ

  けとなった

 

 

 

 それから数十分が経過した頃、部屋の住人の一人が戻て来た

 

 「カミト、戻って来てるなら言いなさいよね 私はあんたの・・・って闇精霊?」

 

 「あら火猫のお嬢さん、いらっしゃい」

 

 「ここは元から私の部屋よ・・それよりもどうしてあんたがカミトを膝枕してるの

   よ‼」

 

 確かに想い人が別の女に膝枕されている光景は激高物だ・・しかし

 

 「静かにして、カミトが起きちゃいでしょう」

 

 普段のからかうような声音では無く少し怒気を含んだ声にクレアも黙り込む

 

 「わ、悪かったわね・・けどあんたがカミトを膝枕している訳は聞かせて貰うわよ?」

 

 「カミトからお願いしてきた、なんて言ったらどうするのかしら?」

 

 「・・そ、そんなわけないでしょ‼」

 

 一瞬だがそうなのでは?と思ったが切り返す、それにこの闇精霊はカミト以外ではあま

  り信用できない

 

 「その通りよ、魔女がいきなり討伐任務なんてだすから疲れていたカミトを私がご褒美

   に膝枕していたの、そうしたら眠っちゃったから」

 

 「そ、そう・・・」

 

 納得は出来る答えだったので恐らく真実なのだろう・・・だが

 

 「むぅ・・・何よ」

 

 疲れていたカミトを癒す、起こすわけにはいかないので静かに唸るクレア

 

 「あらあら・・・羨ましいのかしら?」

 

 「そんな訳‼・・・あるわよ」

 

 「最初に出会った頃から素直になったみたいね、だけどダメよ」

 

 そう言ってレスティアは眠るカミトの髪を優しく撫でる

 

 「んんぅ・・レス、ティア、エスト~」

 

 「。。。何よ、その顔は」

 

 「夢の中でも私が居るのね、剣精霊さんがいるのは少しだけ尺だけど嬉しいわ、カミ

   ト」

 

 そうしてレスティアがもう一度髪を撫でると夢の中でもそうされたからなのか照れるよ

  うな、その中に嬉しさがあった

 

 「何よ、何よ・・・私は」

 

 目の前所か夢の中まで契約精霊がメイン、愛する相手がそれでは無理もない

 

 のだがその光景を見ているクレアはだんだんと別の感情になり始めていた

 

 「あら、どうかしたの?」

 

 カミトの寝顔とまでる殊に集中していたレスティアがクレアに視線を向ける

 

 「なんていうか闇精霊・・あんた、カミトの母親みたいね」

 

 「・・・そうね、確かに私はカミトを育ててきたから母親にもなるのかしら」

 

 などと言うがまるで我が子を慈しむ様なレスティアの姿は間違いなくハハそのものだっ

  た

 

 「けれど母親、というのなら黄昏の魔女の方がふさわしいわ、カミトもそう言っていた

   でしょ?」

 

 「確かにカミトもそんな事言ってたけど・・・今のあんたも十分カミトの母親ぽかった

   わ」

 

 「そう・・・けれどやっぱり私はカミトの事は恋として好き、それは貴方もそうでしょ

   う?」

 

 「そうよ・・・」

 

 確かにレスティアはカミトの母枠では無いかもしれない、けれどその立ち位置はカミト

  の事を昔から知っているレスティア、そしてグレイワースだけの特別な立ち位置

 

 「・・・しょうがないわね」

 

 「なによ、カミトが起きるまで居てもいいでしょ」

 

 「ええ、けれどそれまでカミトの寝顔だけというのも勿体ないから昔の事、教えてあげ

   ましょうか?」

 

 「・・・いいの?」

 

 好きな相手との特別な記憶はだれしも秘密にしておきたいものだ、それなのに

 

 「勿論全部じゃないわよ、だけど貴方には色々お世話になったから・・特別、よ」

 

 「・・・教えて、お願い」

 

 「いいわ、それじゃあ最初は・・・」

 

 

 そうしてカミトが目覚めるまでの間、レスティアとクレアは有意義な時間を過ごしたの

  だった

 

                               おしまい





 口調に違和感なかったですかね?

 レスティアとクレアはなんやかんや因縁というか関係があったのに終盤だったのであまり話が無かったので作りました

次回もレスティアにするかエストにするか、それとも別キャラにするか・・・お楽しみに


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長き旅の終わりは レスティア


 ひたすらカミトとレスティアがイチャイチャする話です・・・好きだから仕方ないよね‼

 二人だけにする為に少しオリジナル設定あります許して


 

 その日の午前中の授業が終わり、昼食の為の休み時間

 

 「流石に疲れたな・・・クレア達が待ってるだろうし行くか」

 

 その日は偶然カミトだけ別の講義を受けていた為に現在は別行動中だった

 

 「あら、そんなに私と2人は嫌なのかしら?」

 

 そんな声がカミトの精霊刻印から聞こえてくると辺りに黒い羽が広がった

 

 「そう言う意味じゃないけどな、けど珍しいなお前が学院の中で出て来るなんて」

 

 普段のレスティアはつまらない授業など聞かずに好き勝手に過ごすか、繋がりを通してカ

  ミトの脳内に語り掛けるくらいで滅多に表れる事は無かった

 

 「だって面倒なんだもの、けど今は私と貴方の二人だけ、いいでしょ?」

 

 エストも居るのだが現在は睡眠中、相当な神威を込めなければ目覚めないだろう

 

 「学院の制服じゃないから目立つんだろ、グレイワースに言って頼んでみるか?」

 

 エストも制服を着ていたが見た目が見た目だった為に目立ったがレスティアならばまだマ

  シだろう、だが

 

 「ふふ、カミトが私の制服を見たいって言うのなら来てあげてもいいわよ」

 

 「・・・相変わらずだな」

 

 一瞬アレイシア精霊学院の制服を着たレスティアを想像してみてみたい、と思ったカミ

  トだが口には出さない・・・出さないが

 

 「そうね、剣精霊さんを見ているとたまに羨ましくなるから今度着てあげるわ」

 

 「っっ⁉」

 

 「カミト、私と貴方が何年の付き合いだと思っているのよ?」

 

 人間としての感情を教えたレスティアにバレない訳が無かった

 

 「出会ったばかりの頃はそんな表情しなかったのに・・・変わったわね、カミト」

 

 「変わらないの何て婆さんくらい、はもう違うか・・・レスティアやクレア達が俺に

   色々な感情を教えてくれたんだろうな」

 

 「そこは私だけでもいいのよ? けれどそうね、あの火猫のお嬢さんたちには感謝して

   るわ」

 

 「それにしても今日のカミトは随分と素直ね、どうしたのかしら?」

 

 「たまにはな 闇の精霊王に帝国クーデター、全部終わったから少しくらいは」

 

 「そうね・・・本当に、長かったわ」

 

 精霊であるレスティアからそんな言葉が出てきたことに驚くカミトだったが彼女の場合

  は精霊戦争の頃からだ、長くない訳が無かった

 

 「ねぇ、カミト」

 

 「なんだ、レスティア」

 

 「・・・私は貴方の事が好きよ、この世界の誰よりもね」

 

 「なっ⁉ いきなりどうしたんだ、こんな場所で」

 

 「あら、私はいつも言っているつもりだけれど?」

 

 「それにしたっていきなりすぎだ、本当にどうしたんだよ」

 

 「そうね、強いて言うのなら全てが解決してようやく実感できたから、かしら」

 

 「・・・大変だったな、本当に」

 

 「ええ、長かった派本当に・・・けど」

 

 「これからの未来は闇の精霊王も関係ない、私とカミトだけの未来よ」

 

 そう言ってカミトの前に立ち、微笑むレスティアにカミトはすっかり見惚れていた

 

 そしてそんな隙を見逃すレスティアでは無い

 

 チュッ

 

 唇と唇が触れ合う、けれど今までの様に小鳥がついばむようなものではなく

 

 「んむっ、(レスティア⁉)」

 

 「んっ、少しくらい、良いでしょ?」

 

 熱におぼれた様な彼女の姿は普段の妖艶な雰囲気も合わさり魅力的な物となっていた

 

 

 

 それから数分間、カミトとレスティアはキスを続けた

 

 「こんなに長い間キスしたことなかったけれど良いわね、またやりましょうか」

 

 「・・・勘弁してくれ」

 

 契約精霊、レスティアという事もありクレア達ほどの気恥しさは無い物のそれでもやは

  り全く無い訳では無い

 

 「あら、最初の闇神楽の時のカミトはもっと積極的だったわよ?」

 

 「嘘か本当か分からない事を言うのは止めてくれ、あの時の事は本当に覚えて無いん

   だ」

 

 

 

 そんな会話を繰り広げているとクレア達の待ち合わせ場所が間近となる

 

 「ねぇ、カミト・・・私は貴方の剣、貴方が何処へ行こうと絶対に付いて行くわ」

 

 「あぁ、もう絶対に離さないし失わない」

 

 「そうね、三年間も私の事を諦めないでくれて本当に嬉しかったわ」

 

 「さっきも話したがもう闇の精霊王に飲み込まれたりはしない、なら」

 

 「ええ、これからはずっとずっとカミト、貴方と・・剣精霊さんの三人一緒」

 

 「・・・あぁ、俺たちは三人で最強だ」

 

 

 そうして遅れてやってきたカミトに不満をぶつけるクレア達、レスティアとキスしたこ

  とを気づくエストだったりするのだが・・・それはまた別のお話」

 

                                おしまい





 やはりレスティアとエストは女神、書いてて超楽しいです

 次は未定ですがレスティアとカミトの二人だけ、は無いと思います


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魔王生誕祭 祝い事はみんなで一緒


 レスティアとのイチャイチャもいいけどチームスカーレットも良いよね(メンバーの中なら私はフィアナ推しです)

あのお方も登場・・・まぁすぐわかるんですが

そして今回、めちゃくちゃ長いです



 

 「突然だが明後日、カミトの誕生日会を開催する」

 

 

 そんな事を言いきるのが誰なのか、そして何故そんなことになっているのか・・・それは

  遡ること数分前

 

 

 

 その日チーム スカーレットの殆どの面々は学院長室に呼び出されていた

 

 現役を引退し、聖王の力もない黄昏の魔女だったがその伝説は健在・・所か益々恐れられ

  ていた

 

 そしてある程度の交流があるとはいえカミト経由でしか話す事のないグレイワースにさし

  もの面々も戦々恐々としていた

 

 が、勿論そんな感情など知った事じゃないグレイワース

 

 

 「いきなり呼び出してすまなかったな」

 

 「い、いえ学院長に謝って頂くようなことでは・・」

 

 騎士団長としてそれなりに話慣れているエリスがそう話す

 

 「それで学院長、わたくし達をお呼びになった理由というのは? それにカミトさんがい

   ませんけれど」

 

 「あぁ、今から話す事は坊やには絶対にバレてはいけない、何があっても隠し通すべき

   話だと意識してくれ」

 

 「っっ⁉ 学院長がそこまで言うだなんて、一体どんな・・・」

 

 「闇の精霊王について、じゃないわよね・・それじゃあ一体」

 

 一様に考え始め、気を引き締めた段階でグレイワースは言い放った

 

 

 

 時間は戻って現在

 

 

 「あの学院長、カミトの誕生日は明後日なのですか?」

 

 未だ1年と経たない関係だったが全員ともにカミトとは深い中だと自負している

 

 だが今の今までカミトから誕生日に関する話は出てこなかった

 

 

 「当然だ、お前たちも坊やが何処で育ったのかは知っているだろう?」

 

 「・・・そう、でしたわね」

 

 教導院、暗殺者を育て上げ魔王誕生を目論んだ組織

 

 

 「あそこはこの世の地獄そのものだ、そんな場所で祝い事などない」

 

 

 カミトが本当に魔王として覚醒していればそれが魔王誕生の日となっていただろうが、

  それよりも早く滅んだ

 

 「では殊更・・・もしや学院長がカミトを育てている時にお考えになったのですか?」

 

 「いや、今朝目覚めた時にふと思っただけだ」

 

 「「「「・・・・」」」」

 

 あんまりな言い分に全員呆然とする

 

 「坊やを育てていた頃の私は確かに情が移っていたのだがな、あまりそういった事には

   考えが向かなかったのだ」

 

 「そ、そうだったんですね・・・あれ、でもあの闇精霊ならやってないかしら?」

 

 「そうね彼女、カミト君には甘いからやっていても不思議はないわ」

 

 「いや恐らく無い、私は坊やや闇精霊と生活していたがそんなそぶりは無かった」

 

 「そうなんですの・・・意外ですわね」

 

 「あぁ、恐らくは自分の願いでどうなるか分からなかったから先を見ないようにしてい

   たのだろうな」

 

 犬猿の仲だがだからこそお互いの事をよく知っている2人だった

 

 

 「私や闇精霊だけではだめだった・・が、今ならお前たちも居る」

 

 

 「「「「っっ⁉」」」」

 

 黄昏の魔女からの予想外な期待に声にならない声を上げる面々

 

 

 「さてここからは計画だリンスレットとエリスは料理、クレア・ルージュと第二王女は

飾りつけを私は会場と金を出す」

 

 思い付きという割にはしっかりとしたプランであり、改めて気を引き締める

 

 「闇精霊と剣精霊は坊やと繋がっている、闇精霊はともかく剣精霊の方は滅多に離れ無

   い上に私が連れ出すのも不自然なのでな、今回はお前たちだけでやって貰う」

 

 「分かりました、では私達は早速材料を買いに行ってまいります」

 

 「じゃあ私達はどんな飾りつけをするか考えないとね、カミト君が世転んでくれるよう

   に頑張るわよ♪」

 

 そうして黄昏の魔女主導の作戦名「魔王生誕祭」は始動した

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 それから時間と場所は変わって学院下の町の中

 

 二人の少女が話をしていた

 

 「とは言っても何を作る?」

 

 「そうですね、確かカミトさんの好物はグラタンと仰っていましたからこれは決まりで

  すわ」

 

 「そうなのか、確かにパーティーメニューとしても良いな」

 

 「後はやはりオトーフ、ですわね」

 

 「カミトの故郷の料理か、ではそれは決まりとして他はどうする? 王道なもので攻め

   るか?」

 

 「ですね、せっかくのパーティーですから奇をてらった者より安定したものですわ」

 

 「出費は学院長が出してくれるとの事だが・・・恐ろしいな」

 

 「・・・ですわね」

 

 グレイワースが料理つくりをする二人に渡したお金はこの二人をして少し引くレベルの

  額だった

 

 片や帝国軍筆頭ともいえるファーレンガルド家、片や地方とはいえ名門ローレンスロッ

  ト辺境伯家

 

 だが「黄昏の魔女」等と恐れられてる彼女は別格だった

 

 「気兼ねなく使え、足りなければ幾らでも出す・・と言われましたけれどこれで足りな

   くなるのでしょうか?」

 

 「無理だろう・・・だが流石はランバール戦争を勝ち抜き、帝国最強のナンバーズ1位

   だっただけはある」

 

 帝国に生きる精霊使いにとって憧れともいえるナンバーズ、給金は相当な物だ

 

 

 「無駄遣いは行けませんけれどここまでお膳立てされてはこの氷魔のリンスレット、学

   院長のご期待に応えて見せますわ」

 

 「そうだな、機体には答えなければならない」

 

 「では行きましょう、実際に見て良し悪しを判断しなければ」

 

 

 そう言って二人は歩き出す、期待に応える為に

 

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 所変わってグレイワース邸

 

 飾りつけを支持されたクレアとフィアナが、そこにいた

 

 

 「パーティーはこの部屋で行う、普段は使わない部屋だから好きに使え」

 

 そう言ってこの邸宅の主は自分の仕事に戻っていった

 

 

 「学院長はあんなこと言ってたけど・・・クレア」

 

 「ええ、まさか本当にこんな小さな家だったなんて」

 

 

 

 グレイワース邸は一般的な貴族家と同じ規模、小さい訳が無いのだが帝国で名を馳せる

  黄昏の魔女の屋敷としては些か以上に規模が小さい

 

 「カミトが暗殺者がやってくるから人を雇えない、って言ってたからこれくらいなのか

   しら?」

 

 「そう、ね・・・確かに毎日の様に暗殺者がやってくる家で働ける使用人は少ないで

   しょうから」

 

 それこそ教導院育ちであるカミトでもなければ

 

 「無駄話はそれくらいにして飾りつけを始めましょう、トラブルが起こるかもしれない

   し」

 

 「不穏な事言わないでよね・・・」

 

 

 

 それから飾りつけをしていると暗殺者が現れたのだがそこは成長した二人、無傷で捕ら

  えて引導を渡した

 

 

 「カミト君、喜んでくれるといいわね」

 

 「そう、ね・・・でもどんな顔するのかしら?」

 

 「それは私も分からないけど・・ふふ、今から楽しみね」

 

 なんて雑談しつつ飾りつけは進んで行き、色合いはほんの少し白と黒を目立つようにし

  てあった

 

 「むぅ、やっぱり納得いかないわ」

 

 「仕方ないでしょ、カミトくんはあの二人を特別大事にしているのだから」

 

 エストとレスティア、クレア達と同じかそれ以上にカミトから大事にされている二人

 

 「そんなに気になるんだったらもっと甘えても良いんじゃないかしら?」

 

 「あ、あんたみたいに出来る訳ないでしょ・・・バカ」

 

 闇の儀式を行ってからフィアナはカミトに甘えることが多くなり、それがクレア達には

  羨ましかったりする

 

 「私はカミト君が好きよ、それはクレアも同じでしょ? あんなことしちゃったんだし

   もう沢山甘えても良いじゃない♪」

 

 「そ、そんな事より飾りつけするわよ・・・」

 

 「もぅ、そんなんじゃ構って貰えなくなるわよ?」

 

 「余計なお世話よ‼」

 

 カミトに甘え、クレアをからかうフィアナは一番楽しんでいるのかもしれない

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 そうしてその日はやって来た

 

 

 「たく、いきなり家に来いなんて何考えてるんだ」

 

 愚痴を零しつつもグレイワース邸に向けて歩き続けるカミト

 

 「あの魔女の事だから厄介ごとかしらね?」

 

 「・・・帰ったらダメか?」

 

 「私としてはそうしてもいいけれど・・・いいの、本当に?」

 

 「・・・言ってみただけだ」

 

 あの黄昏の魔女の呼び出しを無視する、彼女の事をよく知るカミトだからこそその恐ろ

  しさは身に染みて理解していた

 

 「カミト、私はお腹がすきました」

 

 「そういえば何も食べて無かったな・・・仕方ない、グレイワースの所で何か作るか」

 

 「私はオトーフを所望します」

 

 「それはリンスレットに頼んでくれ・・・」

 

 「剣精霊さんは本当にオトーフが好きね、私も彼女の作るお菓子は美味しかったけど」

 

 エストだけでなくレスティアまで餌付けに成功するリンスレットおそるべし、と脳内で

  思うカミト

 

 

 そしてやってきたグレイワース邸

 

 久しぶりではあったが気にせずドアを開けたカミト・・・するとそこは

 

 

 「「「「カミト(さん、君)、お誕生日おめでとう‼」」」」

 

 満面の笑みで祝福する少女たちの姿があったのだった

 

 

 

                                 おしまい





 ・・・疲れた

 本当は前後編に別けるつもりだったんですがたまには長い話も作りたかったので作りました

本編後の話なのでミュアやルビア、ミラも出せたんですがキャラが多すぎてパンクするので無理でしたごめんなさいm(__)m

次回、では無いんですがとカミトの話も作りたいです(レイハがレンアッシュベルに憧れている様な描写があるのでレスティアだけの剣舞とかをみせる、みたいな)

完全に思い付きでやっているので気長にお待ちください


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