鮮血の剣士と無敗のウィザード (凌介)
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第1話最悪の出会い

私はその日、初めてPK(プレイヤーキラー)をするアバターと出会った


とある夜、私はいつものようにあこちゃんと一緒にオンラインゲームのNFOを協力プレイしている

その日はチームイベント初日で最低2人から最高8人まででチームを組んでプレイヤー同士の腕を競うイベントらしい

私はあこちゃんと2人のチームを組んで挑んでいた。

「りんりん、そっち行ったよ!」

「任せて!」

私はコマンドを入力して私のアバターが使える最大の広範囲魔法を放つと相手はその攻撃にのまれてアバターが消えていく

でも、私の広範囲魔法は使うと少しの間動けなくなる、その間に近接魔法が得意なあこちゃんが時間を稼いでくれるのが普段の戦闘なのだけど、今回はあこちゃんも少し手間取っているみたいで私はあっという間に囲まれてしまった

「無敗記録もここまでかな…」

そう呟いた時だった、目の前を赤黒い斬撃が通り過ぎてそれと同時に真っ赤な波動のような攻撃が目の前を覆い尽くした

私は思わず目を閉じた後アバターが消える時の音が響いてきて目を開けると真っ黒なコートのような装備と血のように真っ赤な剣を持ったアバターが立っていた

「1人で…あの数を…倒したの?」

私のつぶやきが聞こえたのかそのアバターは振り返った

私は画面越しに初めて恐怖を感じた

「つまんねぇ〜の、下手な鉄砲数打ちゃ当たるなんて言うけど、1発どころが一撃すらかすらねーじゃん!」

そう言ってその剣士のアバターは私に剣を向ける

「あんた、俺と殺る?」

私は首を横に振って答える

「やりません。早くどこかへ行ってください…」

「あっそ!」

そういうとその剣士は剣を納めるがそれと同時に別チームの攻撃が襲い来る

「チッ追われるのも楽じゃねーな!」

そう言ってその剣士のアバターはどこかへ走り去って行った

そして現れた別チームの1人が私に話しかけて来た

「あの剣士、どっちに行ったかわかるか?」

「向こうの森の方に走り去って行きました」

「聞いたか!賞金首は森林エリアに逃げたらしい!追うぞ!」

そう言ってその別チームのアバター達はその剣士のアバターが走り去って行った方向に向かっていった

「助かった…のかな?それに、賞金首って…」

「りんりん!大丈夫!?」

そこへあこちゃんのアバターが駆け寄ってきた

「ごめんね、こっちも手間取って」

「ううん、一応助かったから大丈夫」

「さっき見えた赤い光ってりんりんの魔法じゃないよね?」

「うん、私の魔法じゃなくて、ちょっと怖い剣士の人の技だったよ、賞金首って呼ばれてた」

「賞金首!?それってかなり凄い事だよ!」

「そうなの?」

「うん、賞金首ってかなり高レベルのソロプレイヤーかプレイヤーキラーしてる人達にしかつかないんだよ!」

「じゃああの人はたまたま単独行動していたプレイヤーキラーのチームの人なのかな?」

私はさっき見たアバターの事を思い出す

NFOではモンスターだけじゃなくプレイヤーキラーと呼ばれる集団やソロプレイヤーなんかもいるみたいで、従来のゲームじゃ珍しくはないと前にあこちゃんが言っていた、私は実際にあったことはないけど、多分あの人は間違いなくプレイヤーキラーの人だろうなと思った。

「とりあえず、今日のイベントは終わりみたいだし、街に戻って消耗したアイテム揃え直して明日に備えよう!」

「そうだね、そうしよっか!」

そう返答し私達は街に戻るセーブポイントに向かった

私は、向かっている間もずっとあの剣士のアバターの事を考えていた、あの剣士アバターの目付きや言動などが目や耳に残って離れなかった…

その後ゲームをセーブしてからパソコンの電源を落としわたしは就寝するためベットにはいった

「あの人…何者なんだろう?」

私の中であの剣士アバターに対する興味は尽きなかった

 

次の日学校が終わると私達はLIVEハウスの練習スタジオに集まりバンドの練習をしている。私とあこちゃんはRoseliaというバンドに所属していて、私はキーボード、あこちゃんはドラムを演奏している。

そして、練習の間の休憩時間、私は昨日の事を考えていると

Roseliaのメンバーでベースを弾いている今井リサさんが話しかけてきた

「燐子、どうしたの?なんか考え事?休憩に入った途端なんか難しい顔してるよ!」

「そうですか?」

「りんりん、もしかして昨日の事考えてた?」

「うん、ちょっとね」

「何?なんかあったの?」

「いえ、あの、あこちゃんといつもやっているゲームの事でちょっと気になる事がありまして」

「そうなんだ、ゲームの事はわかんないけど、聞いていい?」

「はい、あの、まず、皆さんに聞いてみたいんですけど、あくまでもゲーム内で人を殺す事って有りだと思いますか?」

私の質問意味をそしてその答えを今井さん達は真剣に考えてくれているようで、少ししてから答えてくれた

「さっきも言ったけど、私はゲームの事はよくわからないけどさ、ゲームの中で禁止されてない事なら''あくまでもゲーム内でなら''許されるんじゃないかな?」

「そうですね、もちろん現実でそれをしてしまえば犯罪ですし、罪に問われますがゲームにはゲームなりのルールがありますから、現実には出来ない事もある程度なら許されるのではないでしょうか?」

「同感ね、それに、男の人が好きなゲームにはケンカをしたり拳銃で撃ち合うゲームなんかもあるのでしょう?」

「それは…そうなんですけど…」

「りんりん、あこ達だって今回のイベントでたくさんのプレイヤーやっつけたしさ考え方次第だよ!」

「それは…わかるんだ、でも…あの人はなんか違うっていうか…」

正直上手く伝えられる自信がなくて口ごもってしまう

「なんか、それだけじゃないって表情だね」

「ごめんなさい、上手く伝えられなくて」

「ゲームの事は分からないけれど、なにか気になっている事があるなら、とことん疑問を解消するために動けばいいんじゃないかしら?」

「やっぱりそれしかないですよね?」

「ずっと溜め込んでおくのもどんな事であれ良くないわ」

「わかりました、あこちゃん、今日の夜、あの人の事探してみようと思うんだけど、付き合ってくれる?」

「もちろん!やれることやってみよう!」

そうして私の決意は決まった、まずはあの剣士のアバターにもう一度会う!会って話をしてみたい!

「どうやら、決めたみたいね、ならそろそろ練習を再開してもいいかしら?」

「はい!なんだか、すみません」

「別にいいわ、練習やLIVEの時さえちゃんとしてくれたらプライベートをとやかく言うつもりはないもの」

「ありがとうございます湊さん」

「礼には及ばないわよ」

そうして私達は練習を再開した。それからしばらく練習して私達は解散した、私達はさっそく帰ってからNFOにログインしてあこちゃんと2人で街で情報を集め始める、いろんな人に聞いて回ったけど、めぼしい情報は得られていない中で途方に暮れていると1人の大剣を背負ったアバターに話しかけられた

「おい!お嬢ちゃん達か?賞金首のアバターを探してるってのは」

「なにか知ってるんですか?」

「一応、それなりの情報は持ってるぜ!それでな、ものは相談なんだが、情報を買うってことでいくらか融通しちゃくれないか?実は、思うようにガルドが集まらなくてな、せっかくなら俺が持ってる情報を買ってもらおうと思ってたまたま賞金首のアバターを探してるって嬢ちゃん達の事を聞いたもんでな、話しかけたって訳だ」

ガルドというのはNFO内のお金の事で確かに、この世界にもお金を払ってスキルや情報を売り買いする事を生業としている人達もいるのでまずは、私が探しているあの剣士なのかどうかを確認するため特徴を聞いてみることにした

「その剣士のアバターの特徴はどんなのでしたか?」

「んあ?あぁ、そういう事か、俺が知ってるのは真っ黒なコートのような装備に、赤と黒の2本の剣を背負ったアバターだな」

その特徴を聞いて間違いないと思った私はさっきの提案を受けることにした

「知ってる事を教えてください!情報次第では手持ちのガルドは全部差し上げます!最低限手持ちの半分は約束します!」

「じゃあ交渉成立って事でいいな?近くに酒場があるからそこで話そうや」

私とあこちゃんは頷き合うとその大剣を持ったアバターの後ろをついて行き酒場と呼ばれた建物に入った

「こんな所があったんだ、あこ結構長くNFOやってるけど知らなかったよ」

「最近実装されたばかりだからしゃーねーな、ソロプレイヤー向けの依頼をメインに取り扱ってるソロプレイヤー向きのギルドって感じだ」

この世界では組織、いわゆるギルドというのはクエストを受けるための場所で、プレイヤー同士が集まって出来た集団はそのままチームと呼ばれている

私とあこちゃんはパーティーこそ組んでいるけれどチームには所属はしていない、私達は手頃な席に座るとさっそく情報を教えてもらう

「そのアバターに関係ある話でもあるから、先に確認しておくけどよ、お嬢ちゃん等はdeath装備って知ってるか?」

その質問に私達は顔を見合せてから首を横に振る

「そうか、そのdeath装備ってのはな、このNFOが停滞期だった頃に運営が実装した武器とか装備品の事を指す名称で言っちまえばプレイヤーキラー専用装備なんだよ、もちろん特定の条件を満たせば神剣やら魔剣やら強力な武器に昇華させられる、俺の武器も元はdeath装備だったもんだ」

「それで、そのdeath装備をそのアバターが持っているって言うんですね」

「あぁその通りだ、俺もそいつのことを知らずにたまたまフィールドで出くわした時、ケンカ吹っかけたら一瞬でやられたよ!そいつ俺に向かって奇襲をかけるならもっと上手くやれだとよ!そんで気づいたら首落とされてたよ」

「装備の名前とか、アバター名とかわかりますか?」

「いいや、スマンがどっちもしらね〜でも、なんで賞金首なのかは知ってるぜ」

「教えてください!」

「プレイヤーキラーとしてあいつは既に1万を超えるプレイヤーをキルしてるからさ、だからこの世界でお尋ね者になっちまって賞金首と呼ばれてるって訳だ」

「その人が居そうなフィールドは知りませんか?」

「そうだな〜あくまでも俺が会ったフィールドだが、デーモンロードのギガントエリアにいたな!俺は巨人殺しギガントスレイヤーのソロプレイヤーだからな、大型モンスターを狩れば狩るほど強くなれるからな!ガハハ」

「そうですか、ありがとうございます!情報料は所持金の半分をお渡しします」

私はそう言って所持金の半分を渡した

「あんがとな!」

「いえ、あの!ちなみに何に使うか聞いても良いですか?」

「もちろんだ、隠すことでもないからな!武器のパワーアップに使うんだよ素材は揃ってるがガルドが足りなかったんだよ!おかげでいい武器が作れそうだ」

「そうですか…あの!武器をオーダーメイド出来そうなお店は知りませんか?」

「知ってるぜ!なんなら一緒に行くか?約束を守ってくれたからな!お前さん達は信用できるプレイヤーだ!着いてこいよ」

「行こうあこちゃん!」

「うん!」

私達はその人に着いていき武器のオーダーメイドを作成してもらい、1本の魔法剣を作成した

「魔法剣か、お嬢ちゃん魔導師だろ?」

「ちょっと近接戦に不得手なので、そこを補えたらと」

「そうか、まぁ、プレイスタイルはそれぞれだからな!じゃな!俺は行くぜ!」

「何から何までありがとうございます」

「ありがとう!」

「まぁ、こっちこそだ!また会おうな」

そう言ってその大剣使いのアバターはどこかへ行ってしまった

私達はさっそく教えてもらった場所に向かうと恐ろしい程に静かでBGM以外の音がまるでない、そんな中でデーモンロードの奥の方で赤い閃光が轟く

「りんりん!あの場所!」

「近くに行ってみよう!」

私達は光の方向へ向かうと更に轟音が鳴り響く

そして声が聞こえる

「くっそ!来るんじゃねー!」

「そうは行くか!賞金首が!今度こそその首貰い受ける!」

「うるせ!鮮血斬!(ブラットスラッシュ)」

そのアバターが技名を叫ぶと昨日と同じく赤い斬撃が相手を襲い相手のアバターは消滅する

「鮮血波動!(ブラットレイ)」

今度は赤い波動が相手を飲み込む

「あれが…プレイヤーキラー」

「りんりん!見て!」

「え!?」

よく見るとそのアバターの周りを赤いオーラが覆っている

「ブラットアップ!」

呟きが聞こえた頃にはそのアバターの姿は消えて囲んでいたプレイヤー達の背後にいた

「失せろ!最後の鮮血(ラストブラット)」

その瞬間目を覆いたくなるほどの赤い波動が辺り一面を飲み込むとその場に立っていたのはそのアバターだけだった…

「あこちゃん!支援お願い!」

「えっ!?ちょっりんりん!」

私は駆け出していた!そして魔法を放ち注意をこっち向ける

「またかよ!?いい加減うんざりだ!ブラットアップ!」

また赤いオーラがアバターを包むと一瞬で距離を詰められた

私は咄嗟に距離をとって魔法を乗せた斬撃を放つがもう一方の黒い剣に斬撃が掻き消される

「えっ!?嘘!?」

「りんりん避けて!」

私はあこちゃんの叫びで大きく跳躍するとそこに炎、氷、風の弾丸が襲いかかるがそれを更にもう一度黒い剣を振ると剣に吸収される

「なんで!?魔法が効かないの!?」

そのアバターは傷1つ着いてない、それどころかHPすら減っていない、そしてそのアバターは一気に距離を詰めてきてこう言った

「剣士なら、鍔迫り合いを嫌っちゃダメだよ!死の斬撃(deathslash!)」

私はその攻撃をまともに受けてHPが1になりその場に倒れる

「チェックメイト!」

そう言ってそのアバターは剣を私に向ける

「悔いはありません!」

「じゃあ、終わりだな!」

そう言うとそのアバターは剣を納めた

「殺さないんですか?」

「戦意喪失した奴を切るほど落ちぶれてない!見くびるな!」

「そう、ですか…あの!私の事を覚えていませんか?」

「あぁ?お前を?」

そのアバターの瞳が私のアバターを映す

「そういや!お前!昨日囲まれてた魔導師か?」

「そうです!あの!私!貴方と話がしたいんです!」

「俺と?」

「はい!私はアバターネームRinRin、職業はウィザードです!」

「あっあぁ!俺はアバターネームRAVE(ライヴ)職業は双剣士でプレイヤーキラーだ」

これが私、無敗のウィザードと鮮血の剣士の出会いだった

 

 

 




どうもこんにちは、凌哉です。孤独な剣士と人見知りのウィザードという作品に影響を受けてゲームと現実の両方からアクションを起こす話を書きたいと思い書いてみました!
面白いなと思ったら感想いただけると嬉しいです!

次回「力と代償」


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第2話力と代償

プレイヤーキラーの少年の名を聞いた燐子は彼からさらに
衝撃的な情報が齎される


慣れない武器で挑んだ結果惨敗した、剣士が鍔迫り合いを嫌ったらダメなのだそうだ。

魔法剣だからと思って魔法使いと剣士の間くらいの距離で戦っていたけど、それがダメだったらしい

目の前の双剣士のアバターが私を見下ろす

「俺に何の用だ?」

「あなたと話がしたいんです!」

「失せろ!他のプレイヤーに話すことなんざ俺にはねーよ」

「貴方に興味があります!だから!お願いします!」

「なら、聞きたいことを纏めてから出直せ!何回も何回も同じような説明するのはごめんだ!」

「なら、貴方も私に質問してください!それでお相子にできませんか?」

少年のアバターは黙ったままだ、少しの沈黙の後に口を開いた

「それでいいなら特別に許可してやるよ!着いてこいよ」

そうして少年のアバターが踵を返して歩いていく

「どこに行くんですか?」

「デーモンロードの安全地帯(セーフティーポイント)」

「なんでそんな所に?」

「death装備を1本でも持ってると街に入れないんだよ!オマケに賞金首だと行ける場所も制限されるからな」

「それで、安全地帯(セーフティーポイント)を拠点に?」

「それもあるけど、あそこなら街より高額だけど、アイテムも買えるんだ」

「知りませんでした…」

「当然だな、death装備持ってるやつなら知ってる事だけど、death装備持ってなくて知らないのは当然だな」

「いくつdeath装備持ってるか聞いても?」

「どうだったかな?剣は今装備してる物の他に10はあるし、槍とか、斧とかもあるからな〜コート系装備やアクセサリー系も含めたら50くらいあるのかもな」

「どうしてそんなに?」

「death装備手に入れた時からPKが流行りだして俺も、色んなプレイヤーと装備賭けて戦ったりしてたから、多分全体の7か8割のdeath装備が集まってるんじゃねーかな?」

「death装備はプレイヤーキラー特化と聞いてます、それにそれ系の装備上限とかは無いんですか?」

「まぁ、俺のは特別というか、まぁ、今まで1度だって全武装で戦った事は無いけどな」

「Lvはいくつですか?」

「100ピッタリ上限がこのゲーム150だからな、Lvの方も7か8割り方上限に近いかもなお前は?」

「80を少し超えたところです」

「今いねーけど、もう1人の方は?」

「同じくらいですね?始めてから2人でずっと一緒にやってます。貴方はどうですか?」

「俺はずっと1人だ、ソロでやってる、いちお聞くと思うから答えるとなdeath装備を手に入れたのは俺が初めてプレイヤーキラーをした時だ」

「詳しく聞いてもいいですか?」

「その前に、相方呼んで来いよ!別に居なくなったりしねーから」

「そう…ですね、そうします」

私はメッセージをとばし私の居場所を伝えた

そして、しばらく待っているとあこちゃんが合流した

そしてさっきまでの内容は伝えて再び会話に参加する

「あのライヴさん、death装備の事、詳しく教えてください」

「だな、えっとな、俺がdeath装備を手にしたのは初めてプレイヤーキラーをした時だってのはさっき話したよな」

2人が頷くのを確認してから話を続ける

そして、手持ちから1本の剣を取り出し見せる

「これが俺が最初に手にしたdeath装備だ、片手剣士でな顔はフードで隠れて見えなかったがな、その時の俺のLvよりも上のプレイヤーだって事だけはわかったけど、俺もその頃はランカーだったからプライドもあって負けたくなかった、戦って倒して装備奪ったんだよ、もちろんお互いの装備を賭けて戦って勝ったから文句は言われなかったが、その剣士に言われたんだ、「これでお前も人殺しプレイヤーの仲間入り」だってな」

「それから、プレイヤーキラーをずっと続けてきたんですか?」

「当たらずとも遠からず、正確にはこの2本を手に入れてからだな、death装備手にしてしばらくして賞金首になって

プレイヤーキルしまくってたらこの2本が俺のストレージに入っててよ、それ以来この2本のdeath装備でプレイヤーキルしてるって訳」

「でもさ、その剣とか装備品って条件満たしたら強い武器やアイテムになるんじゃないの?」

「大量にあり過ぎて期間が足りなかったんだよ十分に倒せるLvだったしな、でもな、モンスター相手だとステータス半減するんだよ!」

「つまり…」

「お察しの通り、death装備の代償はPVPなら負けないけど、モンスター相手だとかなり不利で街にも入れない」

「そんな事って…」

「良いんだ、元々街には補給に戻るくらいだったし、不自由はしてないんだ」

私は話を聞いていて本気のプレイヤーキラー戦ってみたいと思っていた

だから提案してみた。

「あの!私達2人ともう一度戦ってくれませんか?」

「なんで戦う必要がある?」

「あこ達が勝ったらパーティ組もう!プレイヤーキラーだからこその立ち回りで魔法職のあこ達をサポートしてよ」

「断る!俺はソロでいい!仲間はいらない」

「なら、私達が勝ったらリアルで会ってください!」

「ふざけるな!まずもって勝てると思ってるのか?」

「勝ちます!無敗のウィザードに黒星はありません!」

「なら、負けたらどうする?お前達のリアルを晒すか?」

「構いません!お互いのリアルの情報を賭けて戦ってください!」

「…まぁいい、どっちが負けてもリアルで会うこの条件で良いか?俺もこのゲームの話しかけできるリアルの友人は求めていたからな」

「賭け成立ですね」

そうして私たちは安全地帯(セーフティーポイント)を出てお互いに武器を構える

私はもちろん魔法職の杖を相手に向ける

相手のアバターは武器を抜きはしたものの腕をだらりと下げている、無防備に見えて隙がない

「先に攻撃して来いよ!ハンデとして俺のHPバーがイエローゾーンになったら俺の負けでいい」

「ならあこからいくよ!四元素の弾丸!(エレメントバレット!)」

相手のアバターに向け炎、水、風、土の魔力弾が放たれる

「これで少しは!」そう思ったけど、甘かった、数ドットもHPは削れていない

「あこちゃん!もう少しだけお願い!」

「任せてよ!暗黒弾!(ダークバレット)!光の弾丸!(ルミナバレット!)」

「ちまちまちまちまと!うぜぇ!」

そう言って黒い剣を一振するとその剣に魔法が吸収される

「言ってなかったな!この剣の名は

御魂喰らい(ソウルイーター)魔法や魔力の斬撃を吸収し蓄えるそしてー!ブラットアップ!」

「身体能力を向上させるこの技と掛け合わせればプレイヤーキラー専用装備でもあるdeathの効果と相まって身体能力はお前達の10倍に跳ね上がる!」

「そんな!?」

「あこちゃん!お待たせ!」

「りんりん!もう大丈夫なの?」

「うん!行くよ!」

「「終焉の炎!!(ターミナスフレア!!)」」

「バーカ!さっき言ったこと忘れてやしねーか!

鮮血斬!(ブラットスラッシュ!)」

強力な赤黒い斬撃で私達の技がかき消され斬撃が迫る

「りんりん!危ない!大結界!」

結界で攻撃をかろうじてガードするもお互いに硬直状態で今攻撃されたら終わる

でも、その少年は武器を持ち替える血のように赤い剣から今度は深い青色を纏った剣に

「水霊剣波風、鮮血剣勇血とは一味違うぜ」

「纏い、水月!」

そう言うと水のようなオーラが全身を被った

「蒼刃水冷!」

鋭い水と氷の斬撃が私達に襲いかかる

「「大結界!!」」

「守ってばっかじゃ勝てないぜ!喰らえ!魂喰い!(ソウルイーター!)」

「結界が!」

「りんりん!任せてよ!神域結界!」

あこちゃんの奥の手で何とか凌いだけど、後がない

「解放(バースト)」

黒い剣から放たれた波動にあこちゃんのアバターがのまれる

「りんりん!時間は…作ったよ!」

「無敗のウィザードとして負けられません!」

「無限爆撃!(インフィニティーバースト)!」

「爆撃かよ!?爆撃は吸収出来ねってのに!」

「終わりです!超越爆撃(エターナルバースト)」

私の渾身の爆撃魔法にのまれる相手のアバター

「やったかな?」

「無理だな」

「え!?これでもまだ届かないの!?」

「直前に吸収してた魔力完全解放してギリギリ逃れたんだよ!まぁ追い込まれたし、俺の奥の手を1つを見せてやるよ

狂暴化!(バーサーク!)」

赤と言うよりは真紅と言える程真っ赤なオーラが相手の全身を被った

「んでもってブラットアップ!」

「重ねがけ!?」

「前と同じ技で終わりにしてやるよ!死の斬撃(deathslash!)」

回避しきれずにまともに攻撃を受けてHPは1になる

私はヒールを使おうとしたがMPが無くなっていた

「どうして!?まだMPはあったはずなのに」

「言ってなかったな!この剣御魂喰らいはHPじゃなくてMPを削るんだよ!そして魔力解放(バースト)をくらったお前はMPをごっそり削られたわけだ」

「そんな!?」

「ついでに言っておくとな死の斬撃(deathslash)はHPを1にする技じゃねーぞ」

「え!?」

言われた時には遅かった、身体が動かない

「気付くのが遅かったな!あの技は相手のHPを1にして肉体を動けなくする技だぜ」

「これがdeath装備の力…」

「あばよ!無敗のウィザードさん!」

私は画面の向こうで歯噛みした

「まだ諦めたくない!」

私は状態異常系の魔法のコマンドを入力した

「正真正銘最後の奥の手!状態異常で同じく身体の自由を奪います!」

そして相手の斬撃が私のアバターのギリギリで止まっていた

「状態異常か!」

「正解です!正真正銘最後の奥の手です」

「対策はしてたはず」

「私が施した状態異常魔法は錯覚系の魔法ですからあなたは直接は状態異常になっていません」

「マジかよ!?こんなの防ぎようがねーじゃねーか!」

「同じ魔法職の方なら簡単に気付いたかも知れませんね」

私は魔法剣に持ち替えて相手のアバターを切り付けると

イエローゾーンまでHPが減少した

「わたしの勝ちですね!」

「あぁ!負けたよ!約束だ!現実で会ってやるよ!善は急げだ明日で良いか?」

「構いません!じゃあ明日の10時駅近くのゲームセンター前でどうですか?」

「わかった!それで構わない!ただ、一応アバターネームわかるようにネームプレートかなんかしててくれ」

「わかりました、あこちゃんと一緒に行きますのでお願いします」

「おう!」

そうして私は彼と合う約束を取り付けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お久しぶりです!この作品はメインで書いてる方の息抜きな感じなので投稿頻度はかなり不定期です。
それでも少しづつ進めては行きますので読んでくれている方は楽しみにしててください。
次回「顔合わせと再認識」


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第3話顔合わせと再認識

プレイヤーキラーのアバターを操る少年と会うことになった燐子とあこは人の怖さを目の当たりにする


約束の日私とあこちゃんはゲームセンター前に来ていた

ゲームで知り合った人に会うためだ、さすがに1人ではアレだったのであこちゃんに着いてきてもらった

「ごめんね、あこちゃん、付き合わせて」

「別に良いよ!あこもあの人に会ってみたいし」

そう話していると声を掛けられた

「あの!人と待ち合わせしてて、もしかしてって思って声かけさせてもらったんですけど、無敗のウィザードさんであってますか?」

「そういうあなたはプレイヤーキラーのRAVE(ライヴ)さんですか?」

「そうです、俺がRAVE(ライヴ)です!初めまして本名は

烏間零二(レイジ)です。アバターネームは本名のもじりです

よろしくお願いします」

「こちらこそ、私は無敗のウィザードの白金燐子です。こっちは宇田川あこちゃん、2人で無敗のウィザードです」

「よろしく!零兄ぃって呼んでもいい?あこ多分零二さんよりも下だから」

「下っていくつ?俺もうすぐ17だけど」

「あこ2つ下で15だよ!」

「白金さんは?」

「烏間君と同い年ですよ」

「そっか、じゃあ改めてよろしくね2人とも呼び方はどうすればいい?」

「お任せします」

「あこはあこで良いよ!こっちは零兄ぃでいい?」

「俺は構わないよ、じゃあとりあえず白金さんとあこちゃんで良いかな?」

「はい、私も烏間君と呼ばせてもらいますね」

「あこは零兄ぃね!」

「了解!とりあえず、遊ぼうかせっかくだし」

「はい!」

「うん!」

「と言っても何からやる?」

「普通に対戦しましょう!」

「あこも賛成!」

「じゃあ、対戦ゲームからね」

そうして対戦ゲームに始まりレースゲームにリズムゲーム等々

色んなゲームで遊んだ後ゲームセンターから少し離れたファミレスで昼食をとっていた

「あの!烏間君はNFO歴は長いんですか?」

「んあ?あぁ〜一応サービス開始時から遊んでるよ!じゃないとdeath装備なんて持ってないって!」

「でもさ零兄ぃ、あこ達も気になって調べたんだけど、あれってなんか特別なクエストクリアしたら超強い聖剣とか魔剣になるんだよね?」

「当時の俺、あれクリア出来なかったんだよ!death装備のほとんどが昇格させられなかったんだよ!手持ちの数が多かったのと、Lvの問題があってさ」

「death装備何本持ってるんですか?」

「ん〜配布された装備の8割は俺の手元にあるかな?なんかね封印とかも出来るらしんだけど、よく知らなくて、それにdeath装備取っちゃったら俺の装備ってあんまり強くなくてさ」

「でも、何本かは昇格出来たんですよね?」

「一応ね、でも、メインウエポンにしてるあの2本が昇格させられなくて、結局プレイヤーキラーに落ち着いたの」

「でも零兄ぃなんかいっぱい武器変えてたよね?」

「あれでも本気じゃないんだよ俺」

「え?アレでも本気じゃないんですか?」

「本気でやってギルド3つ潰してLv100超えた」

「「えぇー!?」」

本気の彼はかなり凄いことを改めて知らされた

そして話は変わりゲーム以外の趣味の話になった

あこちゃんが上手く間に入って話題を振ってくれるから私も話しやすいし、こういうところはあこちゃんに助けられる

「零兄ぃはさゲーム以外だと好きなことあるの?」

「ん〜そうだな〜筋トレ?いや、あれは護身術だし親の関係だし、読書は嫌いじゃないけど、漫画専門な感じだし〜」

「音楽はどうですか?」

「音楽?何?鑑賞とか?」

「それもですけど、自分でやったりとか…」

「あぁ!そっち!一応ゲームが好きでその延長でギターと

キーボードでゲーム主題歌を何曲か出来るけど下手くそだよ!素人に毛が生えた程度」

「でも、出来るんだよね?」

「まぁね、2人はどうなの?」

「私達はRoseliaってガールズバンドに所属してます。知ってますか?」

「え?Roseliaってあの、湊友希那の?」

「湊さんを知ってるんですか?」

「一方的にね、かなり前にソロ活動してた頃歌を聞いた事が1度だけあって、メンバー集めてバンド組んだって話はチラッと聞いてたけど、まさか2人がそうだったなんてな〜」

「良かったら今度LIVEに来ますか?」

「マジで?いいの?」

「聞いておきますね」

「お願いします!是非!」

「零兄ぃ友希那さんのファンなの?」

「ううん、別にそういう訳じゃないよ!でも、Roseliaとしての音楽は聞いてみたいなって」

「じゃあ今からちょっとだけ見てみる?あことりんりんだけだけど」

「烏間君もギターできるんですよね?ならセッションしませんか?」

「え?俺も?」

「せっかくなのでどうかなと」

「俺のギター取ってきても良いなら」

「わかりましたそれでお願いします」

「じゃあ、一旦荷物取りにいかないとね」

「着いて言っても大丈夫ですか?」

「別に良いよ近くに公園あるし、取ってくる数分の間そこで待っててくれたらいいしね」

そうして私達は烏間君の家に向かった

駅から歩いて10分少々と行った感じだった

家の前には確かに小さいけど公園があって小さい子達が走り回って遊んでいた

「なんか賑やかだけど落ち着くね」

「だね!ところでりんりん零兄ぃの事どう思う?」

「どうって?」

「あこね、優しくて話してて楽しいんだけど、たまにちょっと怖いところがあってさ…」

怖いと言われて私は思い返してみると確かに時々怖いところはあったけど、正直まだ分からないというのが本音だった

そうして待っていると烏間君が家から出てきて声を掛けてきた

「ごめんごめん!お待たせ」

「いいですよ、いい感じに休憩出来ましたから」

「うん!あこも大丈夫だよ!」

「じゃあ行こっか!案内お願いね」

「はい!お任せ下さい」

「こっちだよ」

そうして私達はcircleに向かった

そして数十分後私達はcircleの前に来ていた

「LIVEハウスなんてあったんだ」

「知らなかったんですか?」

「俺、この辺の地理は詳しくないんだよ、東京にはいたんだけど、もっと街から離れた所に住んでて最近こっちに来たばっかりなんだ」

「そうなんですか?なら学校は?」

「今はどこも春休みでしょ?休み明けから最近共学になった花何とかって学校に通うよ」

「花咲川じゃないですか?」

「多分それ!自分の通う学校なのに全然覚えてなくてさ、なんかごめんね」

「零兄ぃの学校って今は?」

「俺の一個上の先輩達が卒業してから閉校になったよ、都心部から離れてたからね、生徒も少なかったし」

「そうなんですか?」

「まぁね、とりあえず、中入らない?いつまでも店の前で話してるのもあれじゃん!」

「そうですね、行きましょう」

「うん!行こう!」

私達は店内に入り受付にいたまりなさんに超えをかけた

「こんにちは、練習1時間でお願いします」

「はいはーい、珍しいね今日は個人練習?」

「いえ、今日はゲームのオフ会みたいなもので、私も含め楽器が出来るということでせっかくならと思って」

白金さんが事情を説明するとまりなさんと呼ばれた女性と目が合ったので軽く頭を下げて話し出す

「こんにちは、烏間零二って言います、白金さん達とは最近ゲームで知り合って今日はオフ会という形で集まってます」

「そっかそっか、じゃあ、皆でゲームの主題歌とかを演奏したりするんだね」

「そんな感じです」

そんな話をしながら伝票とスタジオの鍵をもらい俺たちは

練習スタジオに行きそれぞれ楽器の準備をして行く

「貸し出し用のだけど、白金さんは大丈夫?」

「問題ないです、烏間君は大丈夫ですか?」

「俺も準備OKだよ!」

「あこも大丈夫!」

「じゃあ、烏間君、リードお願いします」

「OK!あんまり上手くないけど、いくよ!」

2人が頷いたのを確認して俺はゲーム主題歌を演奏していく

知っている曲かを確認しなかったが2人とも上手く合わせてくれて問題なく演奏する事が出来た

「あんまり上手くないって言ってたけど、零兄ぃ上手いよ」

「私もそう思います、基礎がしっかり出来てるからこその演奏だと思いますね」

「なんか、照れくさいな、でも、ありがとう、ずっと自分1人でやってたから人と合わせるのも初めてでさ」

「せっかくだし、もっとやろう!」

「良いよ!時間いっぱい色んな曲やろう!」

そうして私達は休憩を挟みつつゲーム主題歌やゲームとアニメ両方に使われている曲等たくさん演奏した

そして楽しい時間はあっという間で帰る時間になり駅まで送って貰うことになった

そして駅前で分かれようとした時いきなり知らない人に声を掛けられた

「君達、今帰り?これから暇?俺らと夜遊びしようよ!」

「カラオケとかさ!なんなら飯でもいかない?」

「たっぷり遊んだ後はお楽しみってことでさ!」

私は何も言えず困っているとあこちゃんが言った

「ごめんね、もう帰らないと、2人とも家が厳しいんだ」

「そんなこと言わずにさ、行こうよ!」

そう言って私達を囲んでいた人達の1人が私の腕を掴んできた

「やめてください!」

私が叫んだ時烏間君が間に入った

「嫌がってるじゃないですか!やめてください」

「んだテメェ!一端のナイト気取りか?あぁ?」

「そんなんじゃないです!彼女達は自分の友人で自分も彼女達も帰らないといけないので、やめてくださいと言ってるんです」

「おいガキ調子こいてっと殺すぞ!」

そう言われた時俺の中で何かが切れた

「殺すっていう言ったんですか?」

「だったらなんだよ?死にたくねぇってか?」

「殺すっていう言葉は軽々しく使っていいものじゃない!

誰かを殺めるという事は人としてやってはいけない最大の禁ですよ知らないんですか?」

「テメェ!バカにしてんのか?」

「バカになんかしてませんよ哀れんでるだけで」

「上等だ!目上の人に対する口の聞き方と態度を教えてやるよ!」

「おい!そっちの女どもと一緒に人気の無いとこ連れてけ」

俺はされるがままに着いていき、2人に面倒事になってしまった事を謝罪した

「ごめんね、なんか面倒な事になって」

「いえ、多分私達はだけならどうなっていたか」

「気にしないで零兄ぃ、守ってくれようとしたんでしょ?」

「無駄話はそこまでだ!」

そう言って俺の顔面を殴った

「おいおい手出さねぇならサンドバッグにすんぞ!」

そう言ってほか2人も俺の顔や腹部を殴る

「烏間君!」

「大丈夫!大丈夫だから慌てないで」

「カッコつけてんじゃねーよ!」

蹴りが俺の腹部に入ったと同時に俺は相手の足を掴んで押し返す

「ここまでですよ!俺の番ですから」

そう言って俺はスっと動き相手の腹部に拳を叩き込むと少し離れてこめかみに蹴りを入れると1人は気絶し動かなくなった

「まずは1人」

そう言って後ろから殴りかかってきたもう1人を背負い投げて顔面を踏みつけて

「2人目」

「いい加減にしやがやれ!」

そう言ってその男はナイフを抜き俺に向かってきた

俺は手が傷付くのも構わずそのナイフを掴んだ

「離せ!コノヤロー!」

「俺を殺すんでしょ?ならほら、心臓を一突きにすれば良いんですよ!それとも首が良いですか?頸動脈を切れば出血多量で即死ですね、あぁ、目が良いですか?目を抉っても死にますよ?どうしますか?」

俺の言葉に男は震えてナイフから手を離してどこかへ逃げていった

「殺す気もないくせに、軽々しくその言葉を使うなよな」

そう言ってナイフをその辺に投げ捨てて振り返り2人に声をかける

「2人とも大丈夫?」

「…平気…零…兄ぃは…その…平気なの?手」

俺の手からはポタポタと血が滴っている

「平気だよ!こんなの!掌にナイフ刺されるよりマシ、2人とも本当に怪我はないんだよね?」

俺は2人に向けて手を伸ばすと白金さんは後ずさり小さく悲鳴をあげて怯えた表情を見せた

「怖がらせたみたいだね、ねえ、俺が怖い?」

「……わ…わかりません…」

「そっか、じゃあ、今は俺が居ない方が良いかもね」

俺は2人の横を抜けて投げ捨てられていた荷物を持ってから1度振り向き言った

「怖い思いさせたうえに送ってあげられなくてごめんね、多分もう会うことは無いかもしれないけど、会っても、話しかけなくていいからね」

それだけ言って俺はその場を後にした

 

燐子・あこ視点

「ねぇ、りんりん、あこはすっごく怖かったよ、零兄ぃが」

「私は…怖いのかはわからなかったよ!でも、血まみれの手と烏間君の顔を見た時鳥肌がたったんだ」

「あこ達零兄ぃに嫌われたのかな?」

「わからないよ!…本当に…わからない」

「とりあえず、今日は帰ろうりんりん」

「そうだね」

そうして私達は家路に着いた。

そして休みが明けるまでの間現実でも、ゲームでも彼の姿を見ることは無かった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




3話目になります。自分が傷付く事を厭わないこの作品の主人公がこの先どう変わっていくのか、楽しみにしていてください
次回は学校とゲーム世界の話を書いて行こうと思いますので気長に待っていてください
次回「再会と再戦」


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第4話再会と再戦

プレイヤーキラーのアバターを操る少年に燐子は少しずつ歩み寄っていく


Roselia視点

練習の休憩中、私は、心ここに在らずな感じだ

「はァ〜」

気が付けばため息ばかりついている

「燐子元気ないね、練習中は上手く切り替えられてるけど、休憩中とかだと、元気ないよね」

「宇田川さん、なにか心当たりはないのですか?」

「え!?いきなり言われても〜って、あ!もしかして…」

「なにかあるの?」

「ちょっと前にあこ達がやってるゲームの話で''ゲームでの人殺し''について話したと思うんだけど、あこ達その人に会えたんだよね、で遊んだり一緒に演奏したりした帰り道変な人達に絡まれてさ、助けてくれたんだけど…その人ね、自分が怪我しても平気な顔してて、その時にあこ達に自分が怖いかって聞いて来て答えられなくて…りんりん多分それを引きずってるんじゃないかな?」

あこから大まかな事情を聞いた私達は顔を見合わせてからあこに問いかける

「あのさ、具体的に怪我ってどんな感じだったの?」

「えっと…その人ねナイフを素手で掴んでさ血が出るのも構わないで目とか心臓とか首とかにナイフ当てようとしてて、

ちょっと怖かった」

「その時の白金さんの反応はどうだったのですか?」

「上手く言えないけど難しい顔してた」

それを聞いた友希那は燐子のところに歩いていって燐子からも話を聞いていた

 

「燐子、あこから大まかな事情は聞いたわ、あなたはどうするの?」

「分かりません!わからないから悩んでるんです!」

「ゲームでは会えてないの?」

「全然です」

首を振りながらか答える燐子に今度は紗夜が問いかける

「1度お会いした時名前や学校などはお聞きしなかったんですか?」

「教えてもらいました…」

「では、学校に伺ってみては?」

「それは…その…ちょっとまだ出来ないというか」

「歯切れの悪い返答ですね、もしかしてなにか事情あるのですか?」

「はい、実は…」

私は彼から聞いた情報をそのまま皆に伝えた、前に通っていた学校は閉校になり休み明けに花咲川に転入してくる事を

「なるほど、でしたら明日会えるのでは?」

「でも…その…見掛けても話しかけるなと…」

「燐子はそれでいいの?大まかな事情しか聞いてないけど、その彼と約束したこともあるんじゃないの?」

「それは…その…はい、あります」

「ならさ、拒絶される覚悟でもう1回ぶつかって見なよ!そうしないと変わらないこともあるように今回はそうすべきなんじゃない?」

「りんりん!あこも手伝うからさ、またゲームで零兄ぃ探してみよう!」

「あこちゃん…そうだね!まずは現実でもゲームでもいいからもう一度会わないとね!」

「話が決まったなら練習を再会するわよ!切り替えなさい」

「はい!」

そうして今日も数時間練習して解散した

私は家に帰るとすぐにNFOを起動しゲーム世界であこちゃんと合流する

 

ゲーム世界

「りんりんおまたせ!」

「そんなに待ってないから大丈夫!行こう!まずは今まで通りデーモンエリアから探そう!」

「うん!」

そうして私達はデーモンエリア等高レベルプレイヤーが集まるマップエリアを探して回るが見つからない

「いないねぇ〜」

「そうだね〜」

そうして2人で次はどこを探そうかと話していると私達に前に情報をくれた大剣使いの人が声を掛けてきた

「無敗のウィザードじゃないか!久しいな!」

「あなたは!大剣使いの!」

「おう!久しぶりだな!つか、名乗ってなかったな!俺は

アバターネームGAIA(ガイア)ってんだよろしくな

お嬢ちゃん達はまたアイツを探してるのか?」

「わかるの?」

「お嬢ちゃん達くらいだよ積極的にアイツと関わろうとするのはな」

「どうしてですか?」

「そりゃあ近寄りたくないからだろうな、または関わりたくないからだろうよ」

「でも、賞金首だから狙う人もいるんじゃないですか?」

「話が別だなそれは、アイツを狙うのは首というか、金目当てだな、他の意味で近寄りたいやつはいないだろうさ」

「最近ここら辺で見かけませんけど…なにか知りませんか?」

「ここじゃないなら、後は1箇所だけだな」

「どこですか!?」

「マップの最果て失われし土地(ロストエリア)だな」

「どうすればいけるんですか?」

「行くこと自体は誰でも出来るぜ!ただな…あんま…その

オススメはしねーな」

「どうして?」

「プレイヤーもそうだがモンスターのレベルも段違いだ最低でもレベル100のモンスターやプレイヤーが跋扈してやがるし、あの辺にいるのは課金アイテム持ちの連中だからな」

「行ったことあるの?」

「1度だけな、化け物ばっかで逃げ帰ってきたよ」

「そこに行けば彼に会えるんですか?」

「あいつはこことあそこのどっちかにしかいないさ、自分で言ってたんだ間違いないさ」

それを聞いてひとつ疑問が出来たので聞いてみた

「あの!なんでそこまで知ってるんですか?」

「なんでも何も、まだお互いレベルが30そこらの頃パーティー組んでたし、death装備の昇華もあいつが手助けしてくれたんだぜ」

「そうなんですか?」

「あぁ、でも、あいつはなんか知らねーけど自暴自棄になってた時期があってその時にパーティーも解消してあいつは知らないうちに賞金首になってたって訳だ」

「何があったかまでは知らないんですよね?」

「知ってても俺の口から言える事じゃないな」

当然だろうなと思い結局彼に会うしかないのだなと思い

「失われし土地(ロストエリア)に行ってみることにした」

「ありがとうございます。私達、行ってみることにします!

情報提供ありがとうございます。」

「まぁ、行くってんなら止めはしねーが、気をつけろよ」

「はい!本当にありがとうございます!行こうあこちゃん」

「うん!」

そうして私達はマップの最果てを目指した

そしてそこで私達が見た光景は今まで見たマップのどの土地とも違うまさに荒んでいると表現するのが正しいような光景だった

「ここが失われし土地(ロストエリア)…」

「りんりん気をつけて!ここのモンスターはあことりんりんだけじゃ倒せないから逃げる一択だよ!」

「わかってる!とりあえず彼を探そう!」

そうして私達はできる限りの戦闘を避けながら時間が許す限り彼を探したが見つからなかった

ゲームを終了してから私はあの時の事を考える

「あの時私はなんて声を掛けたら良かったんだろう…」

考えても答えが出ないまま私は眠りに落ちた

 

次の日

学校が始まった…そして烏間君は私達のクラスに編入してきた

でも…誰とも関わろうとはしなかった

休み時間になると1人でどこかへ行ってしまいチャイムと同時に戻ってくる

「彼、クラスに馴染む気は無さそうですね」

「氷川さん…はい、なんだか心配です」

「彼なのでしょ?白金さんが言っていたのは」

「はい…その通りです」

「彼はクラスに馴染む気がないのか否か白金さん、少なからず言葉を交わしたあなたがまずは彼に踏み込んでください」

「…わかり…ました、私は彼に踏み込んで見ます!」

そうして迎えたお昼休み私は彼の姿を探して校内を見回ってみるが彼の姿は見当たらない

「もしかして!」

私は校内以外で思い当たる場所があった校内に居ないなら屋上もまずないだろう、だとすると後は体育館裏の小さな空き地になっている部分あそこだろう

そう思い向かうと彼はやはりそこにいた

「烏間君!」

「白金さんか、何?」

「クラスに戻りませんか?」

「いい、俺は1人で構わない、一緒にいて誰かを傷付けたり怖がらせたりするくらいなら1人でいい、君は何しに来たの?

あの時俺を怖がったのに」

「怖がって…な…んか…」

声が震える、近付くなと言われているようで

それでも私は…

「ほっといてくれないかな、俺は1人でいい、別に孤独で構わない」

「私が嫌です!せっかく知り合えたのに、同じクラスになれたのに、このままなんて嫌です!」

「俺は俺を怖がるやつとはいたくない」

彼からの拒絶の言葉、そして冷たい眼差し

「ならもう一度あなたと向き合わせて下さい!」

「ならさ、俺の手をとれる?」

そう言って彼は私に向けて手を伸ばす

私は受け入れようとしたがあの時の血にまみれた手を思い出し後ずさってしまう

その反応を見た彼は手を下ろして言った

「やっぱり怖いんじゃんか…無理するなよ」

そう言って彼はその場から立ち去ろうとするので私はその背中に向けて声をかける

「ゲームで会えませんか?」

「は?」

「NFOでもう一度会ってください!」

「会ってどうすんだよ!」

「アバター越しならあなたの手を取れるかもしれません」

「ゲームで次近付いたら間違いなく殺す!」

それは完全なる拒絶を意味していた

 

そして学校が終わると私はあこちゃんに頼んで2人でNFOでの彼に接触を試みる

しばらく彼を探しているといつかのように赤い閃光が迸る

「彼だ!RAVE(ライヴ)さんだ!行こうあこちゃん!」

「そうだね!急ごうりんりん!」

私達は彼がいるであろう場所に行くとRAVE(ライヴ)のアバターともう1人、剣士がいた

「おい!もう諦めろよ!何度挑んだってなお前と俺とじゃ相性最悪なんだよ!」

「うるさい!俺はこの創生剣神羅に誓ったんだ!秩序を乱すものはこの剣のサビにするとな!」

「聞き飽きたよそのセリフ!大体俺の全力も引き出せねーで何が剣のサビだよ!」

「うるさい!いくぞ!天刃!」

青白い斬撃がRAVE(ライヴ)のアバターに襲いかかるが

RAVE(ライヴ)のアバターは動かない否既に動いた後だった

「deathextended!(広がり続ける死)」

「ぐあぁぁぁぁ!!」

彼が剣を地面に突き立てて技名を叫んだ時相手のアバターが苦しみ出す見るとジワジワとHPが削られていた

「何をしたぁぁぁー!」

「今の技はこの剣の固有能力さこの剣を刺したら半径30m以内はその場に立っているだけで切り裂かれるような痛みに襲われてジワジワとHPを削る!そして」

そう言って彼はまた別な剣を装備し抜いた

「即死の剣真実の死(TRUEdeath)こいつで楽にしてやる」

そうして彼はその場から動かず腕だけを振ると相手のアバターのHPが完全になくなり沈黙する

「懲りろよな!」

そうして剣を仕舞う

そのタイミングで私は魔法剣で彼に斬り掛かる

彼はすぐにその攻撃を受け止めて押し返す

「お前…なんで来た?来たら殺すって言ったの忘れたか?」

私は首を横に振る

「忘れていません!でも、どうしてももう一度あなたと話がしたかったから!」

「RAVE(ライヴ)さん!もう一度あこ達と戦おう!負けたらあこ達は何でもするよ!」

「でも、近付くなとかはナシです!それじゃあ歩み寄れません!」

「なら、賭けをしようぜ!」

「賭けですか?」

「あぁ、俺が負けたらお前達の願いを1つ聞くだからお前らもそれでいいだろ?もちろん関わるなとかナシでいい!その代わり!本気で行くからな!」

「もちろんです!ハンデは要りません!」

「よく言った!ならいくぜ!武器全開放!(ウェポンフルオープン!)」

彼がそう叫ぶと彼を中心に剣や槍、斧など彼が持つ装備の全てが地面に突き刺さる

「装備変更、黒き死の衣、続けて装備変更死を呼ぶ鎖

続けて追加装備鮮血剣勇血及び御魂喰らい(ソウルイーター)を装備」

彼は次々に武器の名を挙げて追加装備していく

「全開放ってそういう事!?あこちゃん!これは不味いよ!」「あこ達勝てるかな?」

「無理でもあがかないと!」

そうして彼は全部の武器の名称を唱え終えると私たちに向けて言った

「待たせたな!始めようぜ!」

彼は鎖に繋がれた赤い剣と黒い剣を構える

「あこちゃん!行くよ!」

「OK!暗黒弾!(ダークバレット!)」

「うぜぇ!鮮血波動!(ブラッドレイ!)」

赤い閃光があこちゃんの攻撃を相殺する

「まだまだ!」

あこちゃんが魔法を放って上手く彼との距離を保ちながら私の魔法が発動するまでの時間を稼ぐ

「あこちゃん!離れて!」

私は彼目掛けて爆発魔法を放つが彼はそれをスっと動き躱した

「あの時は本当に手加減してたんですね!」

「しなきゃ即死だったぜ!」

そう言って次々に武器を持ち替えては私達に攻撃してくる

私達は間合いを掴みきれずに翻弄される

剣を躱せばナイフや槍が近づけばまた剣での攻撃や斧の攻撃が止むことなく襲ってくる

「あこちゃん!援護に徹して!魔法剣で勝負する!」

「わかった!」

私は魔法剣に装備変更し彼と戦っていくが攻めきれない

「終わりにしてやるよ!武器の祭典!(ウェポンカーニバル!)」

私達に向けてフィールド上の武器の乱撃が飛んでくる

防御魔法でも防ぎきれずに私達のHPは一気にレッドゾーンまで落ちた

「deathextended!(広がり続ける死)」

「あこちゃん回避!」

咄嗟に回避行動をとるが予測済みだったのだろう私達は鎖で地面に縫い付けられていた

「即死の剣真実の死(TRUEdeath)正真正銘のチェックメイトだ!」

彼はその剣を私達に刺したと同時に画面にはゲームオーバーの文字が浮かび上がる

「初黒星…貰っちゃった…」

「残念だったねりんりん」

「うん!でも、まだ大丈夫」

私達はすぐにコンティニューするとRAVE(ライヴ)のアバターと向かい合う

「私達の負けです!望みを聞かせてください!」

「なら、お互い再スタートしようぜ!」

「どういう事ですか?」

「俺が怖いんだろ?それでも、俺に歩寄りたいんだよな?」

私は頷きで答える

「ならさ、忘れるのは無理だろうし、難しいけどよ、もう一度お互いに歩み寄ろうぜ!手始めにお前の仲間紹介してくれよリアルでさ、それにLIVE誘ってくれるんだろ?」

「わかりました…ならちゃんと私とも友達になって下さいね!」

「あぁ、約束は守るよ!じゃあな!」

そうして彼はログアウトしていった

「負けたけど、1歩前進かな?」

その後私もログアウトしてから就寝準備をしてベッドに入る

また1つ彼の事が知れた!ゲームが凄く上手くて私よりも強い事がわかり嬉しく思いながら私は眠りに着くのだった。

 

 

 

 

 

 

 




お久しぶりです。4話目になりますね、この話はまだまだ設定やストーリーは考え中なんでこの先どういう風に進んで行くのか楽しみにしていて下さい
次回「顔合わせと第一印象」


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第5話顔合わせと第一印象

お互いの関係を再スタートさせることを約束した燐子と零二
2人のこれからはどうなるのか…


関係を再スタートさせることを約束した燐子と零二

約束をしたものの燐子は彼との関係改善に難航していた

彼は基本人を寄せ付けない為1人でいる事が多く声をかけようにも中々上手くいかない

そして今も私は彼が良く利用する体育館裏に来ていた

「よし!今日こそは!」

「何が?」

「え?ってキャーーー!」

私は思わず悲鳴をあげる

「静かに!驚かせたのは悪かったって」

 

そして咄嗟に零二君は私の口を手で塞ぎ人差し指を自分の口元に当ててシー!とポーズをとる

私は頷きで答えると零二君は私の口元から手を離す

「それで、どうしたの?」

「零二君と…その…話したくて」

「あぁ、そういう事、確かに教室じゃあ声掛け辛いか」

零二君はそう言って近くの階段に座った

「ここで良ければ少し話そうか」

「お願いします」

私はとりあえず隣に座り話しかける

「クラスの皆とは話さないんですか?」

「こっちからはどうにも話しかけ辛くてさ、男子も居ないわけじゃないけど、気が合わなそうでさ、女子だと尚更で」

「私とは話せてますよね」

「共通の話題があるし、それに友達だろ?」

「友達…と呼んでいいんでしょうか?」

「不満?」

「そうじゃなくて…私は…1度は零二君を怖がりました、そんな私に、友達と呼んでもらえる資格があるのかと」

「別に気にしないでいいんだけど、俺さ、白金さんが初めてなんだよね、俺を怖いと思っても向かってきてくれた相手

そういう人達との関係こそ大切にしたいんだ」

そう言われて私の中のしこりが少しだけ取れた気がした

「約束も…しましたしね」

「うん!楽しみではあるんだよね、白金さんがRoseliaとしてどんな音楽を奏でるのかをさ」

「楽しみにしていてください、LIVEの予定はもうすぐですし近いうちにチケットもお渡しできると思います」

「楽しみにしてる」

そうして話しているとチャイムが鳴り俺達は教室に戻り午後の授業を受け迎えた放課後

帰ろうとする白金さんが俺を呼び止めた

「零二君!少し良いですか?」

「どうかした?」

「あの…その…部活!部活には入らないんですか?もちろん必ずという訳では無いですけど、興味のある部活とかはないのかなと」

「部活かぁ〜考えた事なかったな〜、白金さんは何部に入ってるの?」

「一応弓道部に入ってます!今日は参加するので見に来ませんか?」

「せっかくだし、行こうかな!弓引く姿も見てみたいし」

「では、ご案内します」

そうして俺は案内されて弓道場に向かった

「着替えてきますので、見学希望だと伝えておきますので中で待っていてください」

「わかったよ!とりあえず見学させてもらうね」

そうして一足先に弓道場に入り見学希望の旨を伝え見学させてもらう

「弓とか触ってみても平気ですか?」

「大丈夫だよ!なんならやってみる?」

「1度弓を引く姿を見てみたいですね」

「なら、もう少し待っててくれる?もうすぐ部員が揃うはずだから」

「わかりました」

そうして待っていると白金さんと一緒に他の部員がやってきた

「今日は見学希望者がいる!弓を引く姿を1度見たいそうなので一人1本矢を射る事!とりあえずは以上!各自準備!」

部長さんがそういうと順番に1人1人弓を射る

「どうですか?」

「凛としててカッコイイね!集中している様が伝わってくる」

「私もそういう部分が好きで弓道やってる部分がありますからね、あっ!見てください!氷川さんが打ちますよ!」

「氷川さん?」

「あのスカイグリーンの凛とした雰囲気の方です」

「あの人か!」

そうして氷川さんが弓を引く姿を見ると他の誰よりも空気が張り詰める野を感じ凄さが伝わってきた

そして矢を打ち終えたタイミングで白金さんが声をかける

「紗夜さん、お疲れ様です。」

「お疲れ様です白金さん、彼を連れてきたのはなにか理由が

ありそうですが?」

「えぇ、私が部活見学を進めたんです。話をする限り人と関わる事を苦手としてる感じではなくきっかけを掴めずにいる感じでしたので」

「なるほど、部活見学などで人と関わる事を進めと言うわけですね」

「良ければ紗夜さんも少し彼と話してみてください」

「珍しいですね、白金さんが誰かとの交流を進めるなんて」

「彼を恐れて欲しくないので…」

「どういう意味です?」

「あっ!いえ、今のは気にしないでください、私も矢を射ってきます」

「あっ!ちょっと白金さん!」

「もう少し彼をここに留めておいてください!」

私はそれだけ言って矢を射るために集中する

 

紗夜視点

言うだけ言って矢を射るために集中し始めた白金さんに何か言おうか迷ったがやめておく事にし後ろの方で見学している

烏間君に声をかけた

「あの、烏間君」

「確か、氷川さんだっけ?なにか用事?」

「白金さんとは話すのにクラスの皆とは話さないんですか?」

「白金さんにも同じ事聞かれたよ、単純に話が合わなそうなのと自分からは話しかけ辛いだけ」

「でも、白金さんとは…」

「白金さんと同じ事言うんだね、白金さんとは共通の話題があるし、まぁ、友達って呼べる存在だから」

「なのに名字呼びはよそよそしくありませんか?」

「でも、いきなりさ燐子って呼び捨てはな〜ちゃん付けすると子供っぽいっていうかさ」

「言われてみるとそうかもしれませんね、それなら私からひとつ提案があります、私の事を名前で呼んでください」

「は?なんで?」

「学校は違いますが妹がいまして、名字で呼ばれるのは少しだけ抵抗がありますもちろんさん付けしていただいて構いません」

「それでなにか変わる?」

「白金さんの方から名前で呼んでくださいと言われるかもしれませんよ」

「つまり本人から合意を獲ろと、そういう事ね」

「物分りが良くて助かります、それともう後30分すれば部活も終了ですが、時間はありますか?」

「あるけどなんで?」

「部活後はバンドの練習がありまして、そちらもよろしければ見学なさりませんかというお誘いです」

「紗夜さんバンドやってるの?」

「白金さんから聞いてませんか?私はRoseliaのギタリストですよ」

「マジ!?」

「本当です」

「じゃあ、ボーカルの湊友希那やもう1人ベーシストにも会えるの?」

「会えますね」

「是非とも連れて行ってください!」

「失礼ですがそんなにそのお2人に会いたいですか?」

「湊友希那がバンドを組んだってのは噂程度に聞いてたからね個人的に湊友希那のファンなんだ」

「それで湊さんが組んだバンドメンバーと是非とも会ってみたいと」

「そういう事!」

「なら、余程楽しみでしょうね!」

などと話していると白金さんが戻ってきた

「あの…零二君、良ければ弓を引いてみませんか?部長が是非にと言ってまして」

「じゃあ、せっかくだからやらせてもらおうかな」

そうしてさっき触って感触を確かめていた1本の弓を手に取る「それを使うのかい?」

「ダメですか?」

「いや、かなり癖のある弓だよそれは」

「みたいですね、まぁ、見ててください」

そう言って俺は見よう見まねで矢を番え集中する

(大丈夫、ライフルのスコープを覗いていると思えばいい

打ち出すのは弾丸、撃ち抜くのはあの的の中心)

そうして集中しそして深く息を吐き出しそれと同時に矢を放つと狙いは少し逸れたが的には当たった

「初めてなのに凄いな君は」

「皆さんには敵いませんよ、ビギナーズラックってヤツですよ」

「まぁ、なんにせよ部員達にはいい刺激になっただろうさ、各自今後とも精進するように!」

そうしてその後も練習を見学させてもらいしばらくして解散した、俺はRoseliaの練習の方も見学させてもらう為に2人と一緒にcircleに向かっていた

「あのさ、変な事聞くけど、全員俺の事知ってるの?」

「白金さんからある程度は聞いてます名前は少なからず全員知ってます」

「他は?」

「白金さんと宇田川さんと遊んだという事くらいでしょうか?」

「という事はその後のこともおおよそ知ってるのか…」

「まぁ、気にしなくてよろしいかと、別に軽蔑などはしていませんので」

「紗夜さんはそうでも、あこちゃんとは顔合わせ辛いよ、あの時、怖がらせちゃったから」

「きっと平気ですよ」

「だといいけどね」

そうして今度は俺が体験させてもらった弓道の話になった

「零二君は初めと言ってましたけど、的に当てることは出来てましたよね?まぐれではない気がしますけど」

「実は、俺の父さんが警官でさ、護身術とか、人の命を奪うものの重さとか使い方とか教えてくれたんだ命を絶つ重さを知っておけってさ、その重さを忘れなければ人を殺めたりはしないだろうってその中に銃火器とかもあってさなんとなくそれを扱う感覚でやってみたんだ」

「そうだったんですね」

などと話していると目的地が見えてきたので俺達は少し早足で向かい、目的地に到着するとグレーのブレザーを着た女子3人が待っていた

「おまたせしました、皆さんお揃いのようですね」

「約束の時間には遅れてないし大丈夫よ、ところでその彼は?」

「前に話していた烏間零二君です」

「私も今日知り合いになりました、Roseliaの練習を見学したいと言うので一応湊さんの許可を得るために連れてきました」

「そう、あなたが燐子の言っていた''ゲーム世界の人殺しプレイヤー''ね」

「そうだよ、さすがに現実世界じゃ犯罪者ではないから安心してくれていいよ!」

「その心配はしてないわ、一応自己紹介をお願いできるかしら?」

「だね、改めて、烏間零二です。趣味はゲームと一応音楽とは言っても素人に毛が生えた程度だから期待はしないでね」

「でも、あこ達と演奏した時は結構弾けてたよね?」

「一応あれでも精一杯って感じだったからねぇ、それでえっとRoseliaのメンバーはこれで全員なんだよね?」

「そうだよ!アタシ今井リサ!よろしくね!零二でいい?」

「もちろん!俺の方はとりあえずリサさんでいいかな?」

「今はそれでいいけど後々は呼び捨てにしてね!」

「努力します、それで湊さんって呼べばいい?」

「呼び捨てで構わないわ、同級生にさん付けされるのはあまり落ち着かないのよ」

「まぁ、本人がいいなら、そうするよ!よろしく友希那」

「あの…零二君、それなら私の事も名前で呼んでください!私だけ名字呼びは不公平です!」

「燐子って呼んでいいの?」

「是非!」

「珍しいね燐子が自分から名前で呼んでなんて言うの」

「そうなの?」

「基本燐子は名字で呼ばれること多いからね、ましてや男子に名前で呼んでって言うこと自体珍しいよ」

「でも、皆さんが名前で呼んで貰ってるのに不公平じゃないですか!私はそう思ったから…言ったのに」

「まぁ、良いじゃない、それよりも練習を始めるわ、零二、見ていくでしょ?」

「もちろん!」

そうして俺はRoseliaの練習を見学させてもらいしばらく解散する事になったので俺は一足先に帰宅する

 

Roselia視点

「あの…皆さんは彼をどう思いましたか?第一印象というか彼の存在というか」

私は皆に問いかける

 

「私はどこか気の抜けない人といった印象ですね」

「親しみ安いなとは思ったけど一線引いてる感じかな」

「どこか遠くを見ているような人だと思ったわ、自分がいるべき場所に迷っているかのような」

「零二は強くて優しいよ!」

「全部私が1度は零二君に抱いた印象です…そして、私とあこちゃんは1度は零二を怖いと思いました。」

「そうは見えないけどな〜」

それでも事実私は彼を恐れた、それでももう一度歩み寄ると決めたからこそだったけど、彼は私を友達だと言ってくれたからそれに応えたいと思う反面まだ彼の事を知らない私自身にもどかしさを強く感じていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お久しぶりです。ちょっと無理やりになった感じはありましたが、とりあえず5話目になります。次回はゲーム世界をメインに書いていこうと思いますので楽しみにしていてください
次回「PVPとタッグチーム」


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第6話PVPとタッグチーム(前編)

零二と燐子そしてあこの共通の趣味のゲームNFOで新たなイベントが開催される


放課後、学校を終えてすぐに帰宅し俺はいつもの如くNFOを起動しプレイする。この世界では俺はお尋ね者の賞金首だ

そしてこの世界最強の人殺しプレイヤー

「ゲームだからこそ許される俺の存在が全プレイヤーにとって良いのか悪いのか」

そんな事を呟きつつまずはログインしゲーム情報をチェックする、その中で大戦イベントの情報に目が止まる

「PVP&タッグマッチイベント開催?」

俺は情報を確認する

内容としては明日からゲーム時間で3日間に渡りPVPイベント

その後1日空いてからのダックマッチイベントが開催されるらしい

「PVPはともかく、タッグマッチイベントは用はないかな?

いやでも、燐子辺りが一緒にやろうとか言い出しそうだな」 そう呟くと、案の定と言うかなんというかで燐子がログインしたらしくメッセージが飛んできた

「思った通りだな」

そう呟きつつメッセージを返す

(情報確認は完了してる、PVPイベントは出るよ)

そう返答しゲームを再開しようとするとタッグマッチイベントにも自分達と参加して欲しいとメッセージが来た

俺はdeath装備のおかげで街にこそ入れないがパーティを組んだり、フレンド登録したりは出来るためやっても良いがほとんどがソロ活動なため、めんどくさい、俺は断りのメッセージを入れてからゲームを再開するとは言ってもdeath装備の昇華は出来ないためあくまでもやるのはプレイヤー達との戦争だ

そうして遠くからプレイヤー達の戦う姿を眺めていると俺に向けて攻撃が放たれた

「来たか!」

「見つけたぞ!賞金首!」

「お前だって似たようなもんだろ?death装備の使い手さん」

「バレてたか!」

そう言って笑うdeath装備使いに向け俺は問いかける

「目的は俺のdeath装備か?それとも首か?」

「両方だな!お前の持つ装備が欲しい!と言っても槍限定だがな!」

「欲しけりゃくれてやりたいがな、あいにくとdeath装備はそのプレイヤーを倒さないと手に入らない、わかってるよな?」

「もちろん!だからこそお前と戦いたい!」

「俺は剣でいいのか?お望みとあらば槍を使うが?」

「お前、槍術士の職業持ってないだろ?お前は双剣士だろう?」

「death装備の1つに鎖があってな、それを使えば俺も槍を扱えるぜ、剣なら4本は操れる 」

「なら槍でぶつかり合おうや!」

「いいぜ!俺に勝ったららくれてやる!装備変更!死を呼ぶ鎖!続けて装備変更!氷結地獄の槍!(コキュートススピア)」

「槍のdeath装備の魔槍クラスのバケモンじゃねーか!なんでそんなもん持ってやがる!?」

「知るか!いつの間にかストレージに入ってたからな!

さぁ!全力で行くぜ!」

そうして俺は槍を振り回し相手とぶつかり合う

相手は俺の槍を受け止める度に冷気によって微ダメージを受け続けている

「クソ!ジリ貧だぜこのままじゃよ!」

「武器の特性を把握してないと勝てないぜ!」

そう言って俺は槍を地面に突き立てる

「永久氷槍!(ランスTheコキュートス!)」

地面に突き立てた槍を中心に氷が広がり槍のように突き出る

「大地の怒り!(アースクエイク!)」

その氷を相手は地面を破壊し防ぐが俺はそれを見越した上で

攻撃していた、俺は大きく跳躍しそのまま槍を相手に向かって投げる

「氷獄激槍!(バスターコキュートス!)」

「空気が凍っていく!食らったら一溜りもないぞ!大地の大蛇!(ガイアオロチ!)」

「無駄だぜ!凍てつけ!」

そう言うと相手の攻撃までもが凍りつきその氷結に相手も飲まれHPは全損した

「俺の勝ち!」

そうしてdeath装備をしまい相手のdeath装備を手に取る

「大地の魔槍ガイアか」

少ししてさっきのプレイヤーがコンティニューしてきた

「お前、名は?」

「ラウザー」

「俺の名は…知ってるか」

「RAVE(ライヴ)だろ?最強のプレイヤーキラーの」

「この装備は返すよ!今回は俺の槍のスキルで勝ったに過ぎないからな」

「いいや、貰ってくれや!スキルでもなんでも、お前の力だ!お前の装備とスキルの使用のタイミング等が俺を上回ってた、ここぞって時のスキルの使い方が絶妙だったと言わざるを得ないからな、それに、それはサブウェポンでな、本気の槍はこいつだ!」

そう言って槍を装備する

「昇華武器か」

「御明答!こいつは霊槍トリニティdeath装備を昇華したもんだ」

「お前は俺にdeath装備を押し付けたかったのか?」

「いいや、そいつも俺の槍だからな、俺が持ってないととは思ってたしそいつ1本でお前さん並みになれないかと思ったんだけどな、無理だったわ!お前は双剣士なのに槍で俺と戦ってくれた、不得手な武器でもあの強さだ、適わねぇって思ったよ!」

「なら、尚更持っておくべきなんじゃねーの?」

「勝負の結果だし、持っててくれ」

「そこまで言うなら貰っておくわ」

「おう!」

そうして俺はまた1本death装備を手に入れた

その後ログアウトしようとした瞬間俺に向けて魔法攻撃が放たれた

「見つけました!RAVE(ライヴ)さん!」

「また来たのか!懲りないなお前も!」

相手は燐子ことrinrinだあこちゃんも一緒だった

「戦いましょう!」

「嫌だ!なんでお前と戦わないといけない?今度は何を賭ける?」

「勝ったらパーティーを組んでください!」

「タッグマッチイベント限定でか?」

「今回はそれでいいよ!」

「俺とパーティー組むことは諦めろってのに」

そう言って俺は双剣に装備し直して魔法剣を使うrinrinとぶつかり合う

「負けません!」

そう言って魔法の斬撃を飛ばしてくるがそれを俺はひらりとかわすとこちらも斬撃を飛ばす

「鮮血斬(ブラットスラッシュ!)」

相手はその斬撃を2人がかりで打ち消す

「やるね!でもこれならどうだ!ブラットアップ!からの鮮血波動!(ブラットレイ!)」

「あこちゃん回避!」

「間に合わない!大結界!」

「守りの瞬間に隙ができる!」

そう言うと槍を装備し投擲すると結界はいとも簡単に破壊されブラットレイをまともにくらう

「Lv差と武器の相性考えろ!こっちはPK特価なんだからよ!いくぜ!狂暴化!(バーサーク!)」

真紅のオーラを纏い俺は再度斬撃を放つ

「鮮血斬!(ブラットスラッシュ!)」

その攻撃をまともに受け相手のHPはレッドゾーンまで落ちる

「これでチェックメイト!」

「まだです!私の魔法剣の最強技ホーリーブリンガー!」

「甘いな!大技が1番隙がでかいんだぜ!」

俺は二本の剣をクロスさせると御魂食らいの剣(ソウルイーター)の力を解放し2本の剣で斬撃を放つ

「デュアルスレイヤー!」

大技同士がぶつかり合い一瞬の競り合いの後に俺が打ち勝った!

「はい!終了!俺相手の戦績は一勝三敗だな!」

「また勝てませんでした!でも!PVPイベントでは必ず勝ちますからね!そしたら次のタッグマッチイベントにも出てくださいよ!」

「勝てたらな!」

そう言って俺はログアウトした

「燐子と大戦するのキッついわ〜格段に腕あがってるし、疲れたよ!」

俺は身体を伸ばして指をポキポキと鳴らしたあと立ち上がり1階に降りて夕飯等を済ませて就寝準備をしてベッドに入りそのまま眠りに落ちた

 

燐子視点

 

「今日も負けちゃった…強いな零二君、でも、次こそは!」

そう言うとゲーム内のあこちゃんに話しかける

「もう少し付き合ってくれる?またレベルあげないと!」

「もちろん!」

そうして時間が許す限り2人でモンスターを倒しまたLvを上げてから私達も就寝した

 

次の日

 

「零二君!」

私は彼を呼び止める

「何?」

「その…ゲームの話なんですけど…」

「今日も大戦する?」

「是非!今日こそは勝ちます!勝って絶対にパーティーを組んでもらいます」

「Lv差考えなよ!俺が入ったらバランスが崩れるよ!一方的な虐殺になってもいいなら良いけどさ」

「そうならないために私達もLvはあげてますし、何より零二君が前衛、私とあこちゃんで中後衛を担当すれば大丈夫ですよ」

「燐子今のLvいくつ?」

「もう少しで90です」

「やるね!でも俺は110だよ」

「20も、差が」

「まぁ、今日から始まるPVPイベントでおれに勝てたら考えてあげるさ」

「約束ですよ!」

「ハイハイ」

そう言って彼は手を振ってどこかへ行ってしまった

彼は底がしれない、武器を完全解放した時も本気ではなかった気がするな

「何としても勝たないと、彼とパーティーを組みたいし」

その後私は学校での1日とRoseliaの練習を終えて帰宅しすぐにNFOを起動しプレイする

ゲーム世界では既にRAVE(ライヴ)さんが待っていた

「来たな!魔法使い!」

「今の私は、魔法剣士です!」

そう言って私は魔法剣を手に彼に向かっていく

彼はその日赤い剣を2本装備していた

「その剣は?初めて見ますが」

「鮮血剣勇血と対になる剣、勇血剣斬魔さ普段はあまり使わないんだけど、お前達相手なら使ってもいい」

「なら、尚のこと負けられません!」

私達はひたすらに剣と剣をぶつけ合う

「力量差が違いすぎる競り合いじゃあ押し負ける!でも、剣士は競り合いを嫌っちゃいけない!」

私はそれならと思いあえて距離を取り魔法の斬撃を放つ

がそれを軽くかわされる

ゲーム世界ではLvの差はそのまま力の差でも諦めない!

「行きます!」

「残念だけど今回も俺の勝ちだ」

「え?」

彼がそう言うと私のアバターはその場に倒れゲームオーバーの表示が浮かび上がった

私はすぐにコンティニューしRAVE(ライヴ)さんと対面する

「何が起こったんですか?」

「上手く捌いていたみたいだけど、斬魔の攻撃食らってたろ、斬撃の特殊効果は斬った相手への継続ダメージだそしてその効果は勇血も同じだつまりお前は今回継続ダメージによってジワジワ削られて負けたの!わかったか魔法使い!」

「ならこの後から始まるPVPイベントでもう一度勝負してください!負けたらパーティー組んでもらいますからね!」

「いや、勝っても負けてもパーティーは組んでやるよ!その代わり!2人とも上位入賞が条件な、そんで、俺との勝負は負けたらお前達もdeath装備な!」

「私達もプレイヤーキラーの仲間入りするんですか?」

「俺とパーティー組んだら必然的に対モンスターじゃなくて対プレイヤーになるからな!その覚悟を持ってもらわないとな」

「…わかりました」

「あこも良いよ!クックックついに我が手が鮮血に染まる時が来た!なんてね!」

などと話しながらイベント開始時間を迎え俺達はたくさんのプレイヤーと1体1で戦った。

俺は元々対プレイヤー特価のため手を替え品を替えで相手を圧倒し燐子の方も広範囲魔法の使い手だけあり一撃必殺の戦法で勝ち進みあこちゃんの方も近接魔法を上手く使って確実に相手を倒していき全員が上位入賞確定となった

そして俺は多少因縁のある相手と当たった

「ついにこの時が来たな!今度こそその首貰い受ける!」

「またお前か!何度となく俺にやられてる癖にうぜんだよ!」

「未だに人殺しプレイヤーとして君臨し幾人ものプレイヤーを手にかけた所業万死に値する!この創成剣新羅のサビにしてくれる!」

「あっそ!消えろ!鮮血波動!(ブラットレイ!) 」

「その技は見切った!」

「バーカ!片手で放つ技なんだから両手使えて当然だろうが」

「鮮血二重波動!(デュアルブラットレイ!)」

俺は両手で波動を放つとその波動にのまれ相手のHPはイエローゾーンにまで落ちる

「おのれ!私を謀ったな!許さん!天刃!」

「本当にバカだな」

俺は剣でその攻撃を弾くと距離を詰めて相手に剣を突き刺す

「チェックメイト!真実の死(TRUEdeath)」

そうして相手を沈黙させて俺は決勝に進みあこちゃんは3位となり燐子とぶつかる

「この時を待ってました!」

「あぁ!俺もだよ!最近は苦戦させられる事が多いからな!」

「では…行きます!」

「手加減なしだぜ!」

そうして1体1の大戦が開幕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お久しぶりです。ゲーム世界をメインに書いてみました。
この話を書いていて長くなりそうだなと思ったので2部構成にしようと思いここまでとしました。次回は1体1とタッグマッチの大戦を書いていきますのでお楽しみに
次回「PVPとタッグイベント」


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第7話PVPとタッグチーム(後編)

1体1のPVPイベントの勝者が決まり次のイベントが開催されチームで挑む事になる


ゲーム世界NFOここで今日最強が決まる

「この時を待ってました」

「手加減しないぜ!」

俺はそう言って背中に白銀の剣を装備しその剣を引き抜く

「俺が最初に手にしたdeath装備だ、この装備がお前を斬り裂くぜ!」

「今の私は魔法剣士です!だから、剣と魔法で貴方を倒します!」

「やってみろ!魔法剣じゃあまだ俺に1度も勝ててないだろうに」

「私は魔法剣でここまで来ましただからこの剣と魔法で貴方を倒します!」

俺は胸が踊った、ここまで俺に真正面からぶつかってきた相手はいないからだ、賞金首云々じゃなく単純に俺の強さを超えたいとぶつかって来る相手はいなかったからこそ楽しいと感じた

「さぁ!行くぜ!」

「全力を持って!」

そうして俺達は剣を交える俺はまだもう一本の剣を抜いてはいないが問題ない

「鮮血波動!(ブラットレイ!)」

「閃光斬撃!(ホーリースラッシュ!)」

攻撃がぶつかり合い相殺される

「鮮血波動(ブラットレイ)を相殺するとはな!やるじゃんか!」

「これでもギリギリですよ!魔法じゃダメだとわかっていたので斬撃ならと思い最大威力でやっと相殺できてますからね」

「ブラットアップ!そして鮮血波動!(ブラットレイ!)」

身体強化と攻撃アップを同時に行いもう一度波動を放つ

「鏡面反射!(リフレクトミラー!)」

全てじゃなくても、少しなら!

そう思って反射させるけど、何とか3割ってところで後の攻撃を交わした

「隙ありだ!」

そう言って斬撃が飛んでくるそれを剣で弾き斬撃を返す

それを簡単にいなす

(強い!それにあの剣の効果がわからないからあまり剣を打ち合わせたくないし、距離を取ろうにも上手くいかいジリ貧かも)

「余裕だな!」

そう言って彼は一気に距離を詰めてきてどうしても剣を打ち合わせる事になる

(広範囲の魔法は自分の視界を塞ぐリスクがあるからここぞって時まで使えない…魔法剣の斬撃でせめるしかない!)

「炎斬!天雷剣!風刃!」

「こんな攻撃が効くかよ!」

そう言うと剣が光輝き私が放った斬撃がかき消える

「なんで!?吸収されたわけじゃないのに!?」

「この剣は時短の剣 解放(リベレイト)一瞬、秒単位で時間を凝縮して解放する剣で時間が飛んだと思えるほど一瞬の力に長けてる剣だそして考えてる通り、剣を打ち合わせれば

その分だけ剣の寿命が減るぜ」

「やっぱり…じゃあ、他の剣を使わないのもそれが理由?」

「そうだ対になる剣が無いからな!」

「どっちの意味ですか?」

「存在するが持ってない!」

「情報開示感謝します!なら、その剣の攻略法を探さないとですね!」

そうして魔法を放ったり斬撃を飛ばしたりしながら中距離を保っていく

そうして私は可能性を1つ見つけた

「もしかして…試してみるしかない!」

私は広範囲魔法と魔法剣の斬撃を重ねて放つ

「究極雷撃!(アルティメットサンダー)炎雷剛斬!」

「時間解放!(タイムリベレイト!)」

やっぱり攻撃がかき消えたでも…ここが勝負所!

「エクスプロージョン!」

最大威力の爆撃を放つ

「チッ!御魂喰らい!(ソウルイーター!)」

(やっぱり…!でも、まだ確信はない!もう少し攻める!)

私は魔法剣と広範囲魔法を駆使しライヴさんを追い詰める

HPは私がイエローゾーンで彼がギリギリグリーンゾーンだ

 

RAVE(ライヴ)視点

対になる剣が無いからこの剣の他にもう一本装備するとその剣の寿命が削れていく、それがこの剣の効果なため他の剣を使うなら1度鞘に納める必要がある、そして気付かれてるとは思うが時間解放(タイムリベレイト)は乱発出来ない

もう一本の剣があればお互いに効果を相殺し合うので問題なく使用できるのだがそれが出来ないため今の攻撃は御魂喰らいで吸収するしか無かった

俺はHPバーを確認するとギリギリグリーンゾーンだった

(何度も殺りあってるからな…手の内がバレつつあるのもヤバい…無理を承知で時間解放を乱発するしか無いか!あっちはここで決めに来てるからこれ以上はこっちがジリ貧だ!でも!負けてやるつもりはない!)

「行くぜ!解放(バースト!)」

御魂喰らいで吸収した魔法を倍にして返す

「鏡面反射!(リフレクトミラー!)そして!蓄積!(チャージ!)超越解放!(オーバードライブ!)」

「やっぱり決めに来たな!」

「いきます!最大奥義!神の剣!(ゴットブレイド!)」

「マジかよ!?魔法剣で放つと威力2倍になる奥義中の奥義じゃねーか!仕方ねぇ!ブラットアップ!からのソウルブラット!そして…禁忌!ソウルイーター!」

俺は御魂喰らいの剣を自分に突き刺しイエローゾーンとレットゾーンの間ギリギリまでHPを削り1試合1本だけ使用が許可されているポーションで回復して準備を整える

「限界突破!(リミットブレイク!)」

装備の装飾として着いていた鎖が弾け力が更に膨れ上がる

 

そして目の前まで迫った神の剣を一瞥し時間解放を発動する

「時間解放!(タイムリベレイト!)そして完全解放!」

自分のHPを削って蓄積した力を時間解放に上乗せし更に回復したHPをギリギリまで削って時間解放を放ち

神の剣を打ち消した

俺は息切れしながら話し出す

「最大奥義破ったぜ!おかげで満身創痍だけどな!」

「そんな…!?時間解放は何回も使用出来ないはずじゃ!?」

「あぁ、出来ないよ!でもな!HPの半分を対価にすれば3回までは使えるんだよ!それに御魂喰らいで削って魔力変換した力を上乗せしてやっとだけどな!正真正銘奥の手でギルド潰した時に使って以来だったけどな!」

「でも、もう、回復はできませんし!HPは数ドットの域ですよ!それで勝てますか?」

「装備変更!Truedeath!」

俺は漆黒の剣2本を装備し抜いた

「ここからさ!Truedeathなら一撃くらわすだけでいいしな!」

「でも、効果であなたは他の剣の効果は使えない!」

「御魂喰らいは吸収と解放だから問題ない!さぁ!ここからが正真正銘ラストバトルだ!」

「私も残る全ての力をぶつけます!」

そして勝敗結果は私の負けだった、ギリギリで交わしきれずにTruedeathの攻撃を受けてしまい負けた

そしてゲームオーバーの文字で一気に現実に引き戻される

「今回も…ダメだったな…でも、準優勝か、検討したよね?」

そうしてコンティニューするとイベントは終了したようで

街に戻っていた、街ではさっきの戦闘の様子が流れていて

私は他のプレイヤー達に囲まれたけど何とか撒いてライヴさんにメッセージを送るとダークゾーンにいると言うのであこちゃんと合流し更にライヴさんとも合流した。

「ライヴさん!」

「来たか!明日からのタッグマッチの話だろ?」

「はい!それと敗北の条件なのでdeath装備を貰いに」

「手放したいなら俺に倒されたら俺の手元に戻るからな!」

「私は、無敗のウィザードなのでdeath装備を持っても変わらないかと、それに私にと言うか私達に黒星付けられるのはライヴさんだけですし」

「実際戦ってないだけで馬鹿みたいに強い連中はゴロゴロいるぞ!スキンヘッドの大剣使いとか、黒衣の魔法使いとか、death装備を昇華させる事ができたプレイヤーはかなり強いぜ、それに今回のタッグマッチイベントはチーム同士の遭遇戦だからな、人数が少ないのはある意味ではメリットとデメリットを両方抱える事になるだろうさ」

「一理あると思いますね、チーム同士の遭遇戦プレイヤー同士の対戦だからこそdeath装備が生きてくるっていう事ですよね?」

「そういう事、とりあえず装備渡しとくぜ」

そう言って俺は2人に装備を渡す

「どんな効果ですか?」

「二丈の杖って言って2つ揃ってないと力が半減するお前ら2人が持ってれば問題ないさ」

「じゃあこれであこ達もプレイヤーキラーの仲間入り?」

「片足は踏み込んだな!」

それから少しの間3人でモンスターを倒してからログアウトした

「結局今回も勝てなかったけど…でも!明日のイベントでチームは組んでもらえた!それがどう転ぶかだよね」

そうして私は眠りについた

 

次の日

私はいつものように烏間君を呼び止める

「零二君!少し話しましょう!」

「ゲームの話?」

「はい!お願いします!」

「屋上行こうか!」

「はい!」

俺達は屋上に移動し話をする

「それで?今日は何を話すの?ゲームについてって言ってたけど?」

「今日のタッグマッチイベントについてです!前衛を任せても大丈夫なんでしょうか?」

「俺を狙ってくるなら魔法は吸収できるし斬撃や波動による範囲攻撃もできるから後ろで極大魔法放つ準備しておけば良いさ!必要ならあこちゃんを中衛にしておけばバランスが取れる」

「零二君はそれで良いんですか?」

「俺はそれで大丈夫だよ!やるからには狙うは優勝あるのみ!」

「それには賛成です!無敗のウィザードとしてもう一度白星を重ねないと!そして零二君に必ず勝ちます!私に唯一黒星をつけた相手なので!」

「燐子と対戦する時は常に全力だから疲れるんだよね!画面の向こうで俺終わった後ぐったりだよ!」

「それでも私は勝ちたいんです!手加減なんて以ての外ですよ!」

「わかってるよ!」

などと話しているとチャイムが鳴り俺達は教室にもどり授業を受ける

そして午後の授業も全部終わりホームルームを受けて解散する。

俺は帰る前に燐子に声をかける

「燐子、今日何時にログイン出来そう?」

「この後練習があるので7時にはログイン出来ますよ!練習来ますか?」

「行ってもいいけど、特別なにも出来ないよ」

「見学に来れば良いんですよ見聞を広げるという意味で」

「燐子とあこちゃん以外の連絡先知らないからリーダーの友希那にOK貰ってくれる?」

「わかりました聞いてみます」

そうして燐子に連絡を取ってもらうとギターを持参するなら構わないと許可が出た

「ギター持参かぁ〜じゃあ1度俺の家に帰って持っていかないとな〜」

「一緒に行っても良いですか?」

「遠回りなるよ?俺1度帰る訳だし」

「練習には間に合うと思いますし一緒に行きたいです!」

「わかったよ!一緒に行こう!」

そうして俺は燐子を伴って自宅に向かう

「零二君は歩きなんですね」

「自転車通学の許可も貰ってるけどね、トレーニングがてらにいつも歩いて通ってるんだ?」

「前に言ってた日課ですか?」

「そうそう!毎日それなりの距離を走ってるし腹筋とかそれ系も色々後、体術が少し」

「だから、あの時簡単に動けたんですね!でも、ナイフを素手で掴むのは関心しませんよ!一応演奏家なんですから!」

「演奏家なのかな?自分でもその辺曖昧なんだよね〜」

「演奏家だと思います!ちゃんと演奏家としての夢を持てれば大丈夫だと思います!」

「そうなれたら良いけどね!」

「なれますよ!」

などと話していると自宅に到着した

「入って待ってて!ついでに着替えてくる」

「わかりました」

俺は部屋に行き着替えてギターを持って部屋を出る

「おまたせ」

「そんなに待ってませんから」

「行きますか!」

「はい!」

俺達は自宅を後にしcircleへ向かう

そして時間ピッタリに到着しRoseliaの皆と合流する

「来たわね!遅かったじゃない!」

「ギター持参って言うからさ!」

「まぁ、いいわ、練習の前に軽く弾いて見せてくれるかしら?」

「じゃあ1曲演奏するね!カルマ」

俺はギターを弾いて歌っていく

 

 

 

『ガラス玉ひとつ落とされた

 

追いかけてもうひとつ落っこちた

 

ひとつ分の陽だまりにひとつだけ残ってる

 

心臓が始まった時嫌でも人は場所を取る

 

奪われない様に守り続けてる

 

汚さずに保ってきた手でも汚れて見えた

 

記憶を疑う前に記憶に疑われてる

 

必ず僕らは出会うだろう同じ鼓動の音を目印にして

 

ここに居るよいつだって呼んでるから

 

くたびれた理由が重なってる揺れる時

 

生まれた意味を知る

 

存在が続く限り仕方ないから場所を取る

 

ひとつ分の陽だまりにふたつはちょっと入れない

 

ガラス玉ひとつ落とされた落ちた時何か弾き出した

 

奪い取った場所で光を浴びた

 

数えた足跡など気付けば数字でしか無い

 

知らなきゃいけない事はどうやら1と0の間

 

初めて僕らは出会うだろ同じ悲鳴の音を目印にして

 

忘れないでいつだって呼んでるから

 

重ねた理由を二人で埋める時約束が交わされる

 

鏡なんだ僕ら互いにそれぞれのカルマを映す為の

 

汚れた手と手で触り合って形が解る

 

ここに居るよ確かに触れるよ

 

一人分の陽だまりに僕らは居る

 

忘れないでいつだって呼んでるから

 

同じガラス玉の内側の方から

 

そうさ必ず僕らは出会うだろ

 

沈めた理由十字架を建てる時約束は果たされる

 

僕らはひとつになる』

そして演奏を終えると友希那で話しかけてきた

「演奏、なかなかだったじゃない!零二、演奏を聞いて思ったのだけど、まだ演奏家としての夢を持てていないのではない?」

「実はそうなんだよね、俺はまだ演奏家としての夢を持ててないんだ、探してる途中」

「だと思ったわ!それで、提案なのだけど、一緒に夢を追いかけないかしら?」

「どういう事?」

「Roseliaに入りなさい!とは言っても一緒に演奏するわけじゃないわ、練習の時なら混ざることもあるかもしれなけれど、基本は練習時のアドバイスやライブハウスの予約などがメインよ、どうかしら?あこや燐子も喜ぶと思うけど」

「燐子やあこちゃんはともかく、友希那や他の2人はいいの?俺みたいな奴が一緒で」

「あたしはむしろ零二みたいな人がボディガードとしていてくれたら心強いけどな〜」

「そうですね!男子がいてくれたら助かる事は何かと多いかと思いますね」

「私は誘った張本人な訳だし反対はしないわ」

「そういう事なら是非ともよろしく!」

 

そうして俺はRoseliaに加入した

そしてそれから2時間程練習に付き合い解散し俺は夕飯等々を早々に済ませNFOにログインする

俺は装備の効果で街には入れないため街近くのポイントで待っていると街の方から燐子達がやってきた

「RAVE(ライヴ)さん早かったですね」

「街に入れないし補給しないといけないものは街近くのポイントなら揃えられるしな!ほぼ用はねーけど、ないよりマシだからな」

「確かにないよりマシですよね!」

「あこも一応色々揃えて来たよ!でも、あこ達なんで街に入れたのかな?」

「そういえば!なんでかな?」

「death装備は1本でも持ってたら街には入れないけど、今回は多分パーティー組んでる影響でdeath装備は俺が所有してる扱いなのかもな!」

「なるほど、そういう事ですか」

「あこ達まで街に入れなくなる心配はなさそうだね」

「わかんないぜ俺とパーティー組み続けてたらお前らも入れなくなるかも!」

「その時はその時ですね」

「安心しろよ!その時はdeath装備全部取り上げてパーティー解消するさソロに戻れば良いんだからな」

「このイベントに限らず私としてはパーティー組んで欲しいですけどね」

「対プレイヤーならまだしも対モンスターは足引っ張るからダメだ」

「私は無敗のウィザードです!対モンスターでも対プレイヤーでも負け無しだからこその二つ名ですから、私はパーティー解消する気はないですよ!」

そう話しているとイベント開始の合図が鳴り俺達はスタンバイし転送を待ち転送された場所を確認して作戦を練る

「作戦は遭遇したら即撃破で2人は中衛と後衛で俺が前衛シンプルだけど一番手っ取り早いしそれでいいよな?」

「大丈夫です!」

「あこも大丈夫!」

「じゃあいくぜ!」

そうして遭遇戦がスタートするがエリアが広いため中々敵と遭遇しない中で1組のチームと遭遇した

「ついてますね〜僕達は」

「何者だ?って聞くだけ野暮か」

「僕の事を覚えてないとは悲しいですね!貴方に壊滅させられたチームのリーダーなのに」

「潰したチームの連中の名前すら覚えてねーよ!ましてや俺の首に目が眩んだ連中なんてな!」

「言ってくれますね〜確かに僕も賞金に目が眩んだ連中の1人かもしれませんがね、僕にだって戦士としてのプライドがあるんですよ!」

「チッめんどくせーな!おい!俺達の首を狙う連中は全員ここに集まれ!1チームずつ潰すのも手間だ!」

「だそうですよ!皆さん!このゲーム世界最大のお尋ね者は最強のウィザードと称された魔法使いに黒星を刻み自分の配下としました!彼女達を彼の束縛から解き放つため団結しましょう!」

「たいした演説だ事!」

俺は拍手すると周りに人だかりが出来てきてかなりのチームが集まった

「参加チームってどのくらい?」

「私達を含めて30チームですそのうちの半分が集まったようですね」

「他の連中は正々堂々戦いたいかチーム戦にしか興味無いかのどっちかだな、援護頼むぜ!」

俺は鎖を装備し2本の剣を繋げる

そして御魂喰らいの剣(ソウルイーター)を経由して波動を放つ

「鮮血波動!(ブラットレイ!)」

「その技は一方向にしか向きませんから躱すのは容易です!」

「馬鹿か!一方向でもな問題無いから強力な技なんだ!」

そう言って俺は剣を向けている方向を変えると数人が躱しきれずまともに攻撃を喰らう

「このくらいは予測済みです!私も剣士なのでねしかも元death装備使いです!見せてあげましょう!僕の剣を」

そう言って相手は背中に背負っていた長剣を抜く

「剣の名は?」

「重力聖剣アビスグラビティです」

「いい剣だ!なら俺もそれ相応の剣で応えなきゃ不公平だよな!」

俺は鎖に別な剣を繋ぐ

「原初の剣deathソード俺自身が最初に手に入れたdeath装備だ!そしてもう一本!原初の剣deathセイバーこの2本が俺自身が手にした最初のdeath装備だ!行くぞ!」

「こちらも行きます!」

そしてお互いがぶつかり合う直前

「RAVE(ライヴ)さん!避けて下さい!」

俺は咄嗟に身を翻すと当たり一体を炎と雷の渦が飲み込み複数の属性の弾丸が更に続き周りのプレイヤーの半数が全滅する

「魔法系のdeath装備パねぇ〜魔法職の連中が対プレイヤー特化だとここまでか!」

「よそ見をしなしでください!」

「巻き込まれなかった様だな!そういや名前は?」

「おや?まだ名乗ってませんでしたか?クロスと申します」

「知ってると思うがRAVE(ライヴ)だ!ここからは全力でいくぜ!」

そうして俺達はぶつかり合うdeathソードの力は相手のレベルに応じて自分の力を上昇させるdeathセイバーはレベル分相手のステータスを減少させる効果がある

この2本と強化系ステータスで俺はギルドを潰した

そして今回も相手は俺相手に苦戦を強いられている

「おかしい!レベルやステータスは貴方に近いはずなのに!私はLv90後半なのに!なぜ!?」

「お前のステータス俺相手だとほぼ初期値だぜ!そして俺はお前を圧倒出来る」

「なぜそうしないんです?」

「二度と俺に関わらせないために力の差を見せつける必要があるからだ!俺は賞金首でこの世界じゃ人殺しプレイヤかもしれない!でもな!PKだって認められてるしそれを楽しんでる連中は俺以外にもいる!俺はそういう連中を代表してここにいるつもりだ!」

「認めません!跪け!グラビティレスト!」

俺を強力な重力波が襲う

「無駄なんだけどな〜」

俺はdeathセイバーを地面に刺すと御魂喰らいの剣を装備し

一振すると重力波は消えた

「なぜだ?」

「力が足りないんだよ!ステータス下がってるって言ったろもういいよ!お前つまんねー原初の剣を見せただけ感謝して欲しいよTruedeath!ブラッドスラッシュ!」

「そんな馬鹿な!私が負けるなんて…」

その言葉を最後にクロスと名乗ったアバターは消えた

そして他の連中も燐子達には適わなかったようで全員倒れた様だ

そうして俺はベスト10まで生き残りそこから戦闘は苛烈し

優勝決定戦で当たったのは幾度となく倒したレオスだった

「強くなったな!レオス!」

「貴様には幾度となく苦渋を味合わされた!転んでもタダでは起きない!天命刃!」

「ブラッドスラッシュ!鮮血波動(ブラッドレイ)」

「天導剣!」

お互いの技がぶつかり合い相殺される

「残念!俺の勝ちだ!deathカタストロフ!」

俺は素手で相手に触れると触れた所から相手が崩れ落ちHPが0になる

「私の負けのようだ…!次こそ勝つ!」

そう言って消えていった

「いい戦いだった!感謝する!」

そうして俺達の優勝が決定した

「ここまでだdeath装備はこの後俺の元に戻るだろうし思い残す事は無いな!また会おう!次は敵同士だ!」

俺はそれだけ言ってログアウトする

「疲れた〜でも、その甲斐あって優勝出来たし、報酬でdeath装備昇華のチケット貰ったしなんとかなるでしょ!次は装備の昇華だな!」

そうして俺は眠りについた

 

燐子視点

この2日充実した感じがとてもあった、何より零二君がRoseliaのサポートとして入って一緒に夢を追いながら自分の夢を探してくれると言っていた

「これでまた近くにいられる!」

その気持ちが強くて私はその日なかなか寝付けなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お久しぶりです!今回は後編という事でけっこう詰め込みましたラストはあえてあっさり決める形にしました
次回はまた現実世界をメインに書いていこうと思いますのでお楽しみに
次回「LIVEと零二の力」


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第8話LIVEと零二の力

零二の力に再び恐怖がよみがえるが燐子は恐れることなく歩み寄る


その日も私はゲームで零二君と対戦していた

「いい加減諦めろよ!何回切り刻まれるつもりだ!」

「「もう一度勝つまでです!(だよ!)」」

零二君だって手の内は無限じゃない、いつかはネタ切れを起こすはず!

「極大魔法!極滅獄炎!(アルティマヘルフレア!)」

「魔法は効かねーよ!」

思った通り御魂喰らいの剣で吸収してきた

「解放(フルバースト!)」

「あこちゃん!お願い!」

「聖域結界!」

ギリギリで攻撃を防ぐ

「バカの一つ覚えお疲れ様」

その声が聞こえたのと同時に画面にゲームオーバーの表示

「また勝てなかった…」

「残念だったね、無敗記録じゃなくて惨敗記録更新中だよ」

「次は負けません!それはそうと、LIVEの時はお願いしますよ!」

「わかってる、一応ボディーガードでしょ?」

Roseliaは人気のバンドであるためにかなりのファンもついているし少しアレなファンもいるだろうし用心に越したことはないらしいRoseliaのサポートとして一緒に行動することを約束しているので俺の仕事という訳だ

「しっかし、あいつら俺が怖くないのかよ、燐子は歩み寄ってくれたけど、俺の力で誰かを守れるのか?人を怖がらせるために力を求めたんじゃないのに」

俺は拳を握って額に当てる

''あの時''の光景がフラッシュバックし手が震える

俺は友をそして兄だった人を殺したのに…

俺は頭を振り切り替える

「ダメだダメだ過去は振り返らない!そう決めたんだ!

今の俺は音楽とゲームと共に生きる烏間零二だ!」

そして俺は拳でコツコツと額を叩いてから眠りについた

 

次の日、LIVEの準備を手伝うために早めにcircleに来て準備を手伝っていたLIVEは2日に渡り少々大規模にやるらしい

それから少ししてRoseliaの皆がやってきた

「こんにちは皆」

「零二君!こんにちは、早いですね!」

「早めに来てセッティングとか手伝おうと思ってさ、ちょっと身体動かしたい気分でもあったし」

「そうなんですか、でも、おかげで早めにリハができそうですね」

「そうね、零二、楽しみにしていて」

「もちろん!LIVEでRoseliaの演奏が聞けるの楽しみだったんだ」

そうしてRoseliaの皆が控え室に向かったのを確認して俺は手伝いを再開して一通りの準備が終わったので店長のまりなさんに声をかける

「まりなさん、一通り終わりました」

「ありがとう、手伝ってくれたおかげで思ったよりも早く終わったよ、男の子の手があると助かるね、このままバイトしてくれたりしない?」

「たまに手伝うくらいなら全然いいんですけど、本格的にってなるとちょっと」

「そっか、でも、たまに手伝うくらいならってことは人が足りない時とかは頼りにしていいのかな?」

「用事がなければ」

「じゃあ、今日と明日はお願いしようかな?臨時スタッフって事で」

「わかりました」

そうして話した後俺はRoseliaの皆に飲み物を差し入れてから少し早いが客席に移動しRoseliaのLIVEが始まるのを待った

そうしてLIVEが始まる

「Roseliaです!今日は2日に渡るLIVEの1日目に来てくれてありがとう!早速1曲目に行くわ!LOUDER」

そうして1曲目からかなりの盛り上がりを見せるLIVEで俺自身も気持ちの昂りを感じていた。

そうして1曲目が終わり2曲目3曲目と曲が進んでいき4曲目が終わりそしてカバー曲を2曲程挟みラストにFIREBARDが演奏されその日のLIVEは終了となる

俺は一足先に客席を後にして入口でLIVEに来てくれた人達を見送って終了後の片付けをしてRoseliaの皆と一緒に帰宅する

 

そして俺が帰宅すると珍しく父さんと母さんがいた

「珍しいね、父さん達がいるなんて」

「たまたまだ、普段はそう休みなんぞ取れるものじゃない」

「そうね、私も教室の方が定休日でも、次の日の授業内容の確認だったりで家にいないからね」

「だよね、だから珍しいなって」

「まぁ、ごく稀にこんな時もあるさ、それよりも、最近よく出掛けているようだが、どこに行っているんだ?」

「学校以外ならcircleってLIVEハウスかな?ほら、俺ギターもやるし、練習スタジオもあってさ!」

「一緒にやる仲間が出来たのか?」

「まぁ、そんなとこ、とは言ってもあの事は話せないけどね」「あれはお前は悪くない、正当防衛が認められて不慮の事故として処理されただろ」

「だとしても、俺の手は血で汚れてる本来なら守る力なのに叩き潰す力になってる」

「零二、久々に組手しないか?」

「もちろん!ルール無用のバーリトゥードでいんでしょ?」

「あぁ!」

そうして俺達は外に出て組手を始める

俺は警棒を手に父さんに向かっていくが父さんは体勢を変えてひらりと躱すが予測済み

「そこ!」

「甘い!」

俺は身体を捻り警棒を振り抜くがそれもひらりと躱す

「まだまだ!」

俺は体勢を低くして父さんの足を払いに掛かるが父さんは一瞬だけジャンプして俺に蹴りを見舞う

「こんなもんじゃ無いよ!」

俺は父さんの蹴りの反動を利用して拳を放つ

「まだまだ〜!」

俺は蹴りや拳を放つが父さんは受け流す

「父さん反撃しないの?最初の蹴り以来攻撃ないけど」

「あぁ、いや、お前の手数の多さに驚いてた、トレーニング怠らなかったんだな」

「もう日課だからね!それに父さん相手の時しか本気出せないし」

「みたいだな!力を上手く使っているようだな」

「どうだろうね」

俺は動きを止めて立ち尽くす

「俺さ、なんでかわかんないけど、殺すとか言われると自分の中で抑えが効かなくなるんだ」

「…それは、許せないからじゃないのか?」

「え?」

「俺はお前に命を絶つ事の重さを教えたつもりだ、だからこそ命を軽んじる発言を許せないんじゃないのか?」

「そうだとしても、こう言ったらあれかもだけど、不良連中の中じゃ日常茶飯事な発言だしさ!それに、自分が傷つくことすら厭わなくなる、それが怖いんだ」

「あの時も、そうだったのか?」

「うん!あの時もそうだった、そして気付いたらあの惨状だった」

「そうか…それは多分お前の中のもう1人の強い自分なんじゃないのか?」

「強い自分…」

「試してみるか?」

「え?」

父さんは1呼吸置いて話し出す

「どうした?一撃も与えられないならお前は死ぬしかないし、守りたいものすら守れず殺されるぞ、嫌なら命乞いしてみろ!」

「…っ!」

その発言を聞いて俺はふつふつと怒りが込み上げてきた

ふざけるな…俺は弱くない!

「本気の本気でやってやるよ!」

そう言うと俺は警棒をもう一本手にして2本で殴りかかる

型も何も無いがそれが父さんを苦しめる

そして体勢を崩した瞬間に蹴りをいれて更に体勢を崩すがそれを建て直し俺の体勢を崩しにかかるが俺は自分から体勢を変えそれを回避する

「ほほう」

「感心してる場合かよ!」

そうしてかなりの時間立ち回り結局俺の負けだった

「お前なりに強さを求めた結果だ、誇れ!」

父さんはそれだけ言って家に入って言った

俺も少しして息を整えて家に戻り入浴と夕飯を済ませ眠りについた

そして次の日LIVE2日目

俺は今回も早めに来て細いセッティングを手伝いRoseliaの

リハを見学してから客席に行きLIVEを見学する

そしてなんの問題もなくLIVEが終了し俺はRoseliaの皆が戻ってくるのを待っているといつかのナンパ野郎共が俺を囲んだ

「よぉ、俺らの事覚えてるか?」

「どちら様でしょうか?」

「相変わらずいけ好かないガキだぜ!ちょっとツラ貸せよ!」

「お断りします。用事がありますので」

「俺らが許すと思うか?」

「まぁ、ですよね、なら、今回も自分が勝ったなら二度と僕の前に現れないでください」

「勝てたらな!今回は俺達だけじゃねーんだよ!しかもお前をボコれば金くれるってんだからやらない手はないよな」

「結局金目当てですか、まぁ、いいですけどね」

「じゃあ来いよ!」

そうして俺はその不良連中の後を着いていき使われてない廃倉庫に連れてこられた

そしてそこにいたのはさっきの不良連中を含めて10人ともう1人俺と同じクラスの男子だった

「君は、同じクラスの男子だね、名前は知らないけど」

「本城だ!本城勝司(かつじ)なんでお前みたいなのが」

「なんの事かな?」

「白金さんだよ!」

「燐子?」

「呼び捨てにするな!白金さんは俺のものだ!」

俺はその言葉を聞いて独占欲か所有欲の延長かと思った

「結局は自己満か」

「なんだと?」

「君と燐子の関係は知らないけど彼女はものじゃない!独占欲か所有欲か知らないけど、それを押し付けるな!」

「うるさい!お前がいなければ、白金さんは僕のものになるんだ」

「勝手な解釈ご苦労さま、さて、雇われの不良さん!始めようか?こっちはそいつと話してるだけでイライラするんだ」

「わ〜ったよ!やるか!」

そうして俺は10人の不良連中を相手取る

何人かは道具を手に俺に向かってくるが父さんとの組手を思い出してひらりと躱したりしつつ受け流す

「ひらひらとかわしやがって!死ね!」

俺は相手の鉄パイプを掴む

「おい!今なんて言った?」

「聞こえなかったのか?なら言ってやる死ねって言ったんだ」

「死は尊いものだ!軽々しく使っていい言葉じゃない!」

俺は鉄パイプごと相手を引き寄せ殴る

そうして俺は10人を相手取っていた頃

 

Roselia視点

帰りの準備を終えて店の外に出ると零二君がいなかった

「零二君がいない…」

「でも、先に帰るとかのメッセージも無いわよ」

「御手洗でしょうか?」

「だとしたら入れ違いだけど、違う気がする」

「あこもそう思う」

私は零二君に連絡するが繋がらない

私が困惑していると1人の女の子が話しかけてきた

「あの!もしかしてさっきまでここにいたcircleのスタッフさんを探してませんか?」

「どうしてそれを?」

「さっき見たんです!知り合いには見えなかったんですけど、なんか不良って感じの人達に連れていかれました」

「どこに行ったかとか分かりますか?」

「すいませんそこまでは」

そう話していると私のスマホに着信が入る

「もしもし、零二君?」

(こんにちは、白金さん)

電話越しに聞こえたのは零二君の声じゃなかった

「どちら様ですか?」

(僕ですよ!本城勝司です!)

「なぜ零二君の番号から掛けてるんですか!?」

(彼は絶賛奮闘中でして、とは言っても多勢に無勢、僕が雇った兵隊さん達相手にしてますから)

「零二君はどこにいるんですか?」

(あなたの現在地から位置情報を辿ってくれば会えますよ、その頃にはボロボロになってるかも知れませんがね)

そうして通話が切れた

「燐子?」

「零二君が騒動に巻き込まれたみたいです!私、探して連れ戻します!」

「待って!一応警察呼んでおいた方が良くない?」

「お願いします!」

「とりあえず追いましょう!」

全員で零二君の所へ急ぐ

 

零二side

不良連中と交戦してる俺はかなり不利な状況だった

「多勢に無勢で満身創痍ですか?大したこと無いですね」

「うるさい!それに、俺のスマホから誰かに連絡しただろ?

ふざけるな!これ以上他の奴らを巻き込むな!」

「あなたが消えてくれるならそれもいいでも、俺の気は収まらないですから」

「そうかよ!」

この人数相手に躱すのも限界があるがこいつらだって息はあがってきてるしもう一押しだ

そう思っていた時

「零二君!」

「燐子!なんで?」

他の皆も一緒だった

「あなたを探していたのよ」

「なんかえらい上玉が来たじゃねーの!」

「こいつやったらお楽しみかな?」

俺はその言葉を聞いて完全にキレる

「おい!そいつらに手出してみろ!後悔させてやる」

「やってみろよ!」

俺は道具で殴りかかってくる不良の1人の顔を掴んで勢いのまま地面に叩きつけ気絶させる

「後悔させてやるって言ったぜ!」

俺は不良連中を倒していき半数が気絶する

「あと半分!」

「死ねや!」

そう言って突き出してきたナイフを手のひらに突き刺し受け止め蹴り倒した時背中側下腹部に痛みが走る

ナイフが刺さっていた

俺はナイフを刺してきた不良を殴り倒してからナイフを引き抜き血塗れの手で髪をあげる

「なんで俺のところにはお前らみたいのが集まるかな〜俺は静かに好きな事やって生きていきたいのにさ!」

俺の言葉に不良の1人が反応する

「前にも似たような事言ってたけどよ、お前元々こっち側だろ?それによ、お前の髪あげた姿見てどっかで会った気がしてる、お前、名は?」

「烏間…烏間零二!」

「納得だよ!名前聞いてようやく合点がいった!お前元チームRAVENのツートップの片割れの血濡れ烏だろ?」

「懐かしいな、その呼び名!俺を知ってるってことはお前も元々はどこかのチームか?」

「元チーム龍虎のNo.2虎神真司(こがみしんじ)

お前らとは散々やりあったんだけどな」

「覚えてるよ!確かにお前とはやりあった事はなかったな!」

「なぁ、ボロボロのとこ悪いけどよ、タイマン張らねーか?」

「いいぜ!その代わり他の奴らには手出しさせんな!」

「了解!て訳だオーナー!良いよな!」

「彼を倒してくれるならなんでもいいですよ!」

そうして俺達のタイマンが始まった

お互いガチの殴り合い蹴り合いで一歩も引かない

俺の方は手の感覚がなくなってきてるのと足の動きが鈍りつつあるけど、決めにかかるわけにはまだいかない!

「満身創痍にタイマンは辛いか?」

「あぁ、辛いよ、けどな楽しんだ!お前みたいな奴久々でよ!」

「そう来なくちゃな!血濡れ烏さんよぉー!」

そうして殴り合い蹴り合いの結果ズタボロではあるが俺が立っていた

「タイマンに手出し無用とは言ったけど、まだやるか?

お前らの中でこいつが1番強いんだろ?そいつを倒した俺に勝てるか?」

俺がそういうと他の不良連中は逃げるように去っていった

そして俺はズタボロの身体を引きずって本城のところに歩み寄る

「待て!待て!こいつらがやられた以上手出しはしない!きみに二度とちょっかいかけないと誓おう!なんなら金を出す!」

俺は本城の顔を掴んで言った

「その口閉じろ!そんでもって歯を食いしばれ!」

そう言って1発殴ったあと顎を蹴り上げると本城は気絶した

「自分で喧嘩も出来ねーくせに人を物呼ばわりするんじゃねーよ!次来てみろ!死ぬほど後悔させてやる!」

そう言って俺は遠巻きに見ていたRoseliaのみんなに声をかける

「大丈夫?怪我ない?」

「大丈夫よそれよりもあなた、そんなに強かったのね」

「元不良なんだね」

「軽蔑した?」

「そんな事ありませんよ」

「そうですよ!」

燐子は俺の元に歩み寄りハンカチを俺の手に巻いてくれたがその手は震えていた

「燐子、俺が怖い?」

「はい、今の零二君はとても怖いです!でも、私達のために怒ってくれた零二君を軽蔑したりなんかしません!」

「あこもあこも!零兄ぃの事怖くないよ」

「そっか…よかった…」

俺はふらつきかけるが何とか耐える

「限界のようね、燐子、肩を貸してあげなさい病院へ行くわよ!警察は呼んであるし、後で事情説明する必要はあるけど、今は手当が先よ!零二、警察沙汰にした事怒らないわよね?」

「こんな事になってごめんって感じなのに怒らないってむしろRoselia的に大丈夫?」

「それなら、問題ないわ、ファンの子に友人を助けるために警察沙汰にする事は伝えたもの」

「まぁ、それならいいけどさ」

俺は燐子に肩を借りながら病院へ行き手当を受けその後病院に来た警官に事情を説明していると父さんがやってきた

「父さん!」

「零二!お前か!騒動の原因は」

「ちょっとやらかした!でも、初めて守るために使えた気がするよ自分の力を」

「そうか…まぁ他の連中からの聴取だとお前を襲えって雇われたらしいからな、お前は被害者だろ」

「だと良いけどね、あの時とは違うけど、あの時も似たような感じだったからな〜」

「零二…悪いが外にいる警官に伝えてくれるか?帰っていいと、後は俺が全員送るからと」

「わかった」

そうして俺は身体を引きずるようにして外に向かった

 

Roselia&零二の父視点

「君達が最近零二と仲良くしてくれいる子達だね」

私達はそれぞれ自己紹介する

「零二が最近楽しそうなのは君達のおかげか」

「零二君は私達にとって必要な存在ですから」

「そう言ってくれて嬉しいよ、でも、零二の今日の事を含め今後零二の周りに集まるああいう連中が君達にとって良くない事を巻き起こすかもしれないよ」

「私達は零二を見捨てないわ、何より1番最初に彼に歩み寄った燐子が彼を孤独にはしないと思います」

「そうか、なら、零二は怒るかもしれないが話しておこう

零二の過去を、ヤンチャしていた頃のとある事件の事を」

「事件?」

「零二は昔大きな諍いに巻き込まれて兄のように慕っていた人を亡くしてるんだよ、しかも、零二が直接手にかけたようなものでね」

「そんな…」

それから零二君のお父さんはぽつりぽつり話し出す

零二君の過去について…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




鮮血の剣士と無敗のウィザード8話目になります。
一気に書いても良かったんですが今回はここまでとします
次回は主人公の過去を書いていきますのでお楽しみに
次回「零二の過去と守れなかった友」


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第9話零二の過去と守れなかった友

零二の過去が父によって明かされ、それを知ったRoseliaのメンバーはどう行動するのか?


零二君のお父さんの口から零二君の過去が明かされる

「零二は昔大きな諍いに巻き込まれて兄のように慕っていた人を亡くしてるんだよ、しかも、零二が直接手にかけたようなものでね」

「そうなんですか?」

「あぁ、零二には常に人を守れる存在であれそのために力を振るえと教えてきたがそのせいか弱いものを守るためのチームを組んだんだ、それが始まりだ」

 

そう言ってぽつりぽつりと零二君のお父さんは話してくれた

 

-回想-

約1年前

俺は力を正しく使う事に対して疑問を感じていた

そもそも正しい力の振るい方ってなんなんだろうと

そう思いつつも不良にカツアゲされていた同じ学校の生徒を助ける

「大丈夫か?金取られてないよな?」

「大丈夫です。ありがとうございます。」

「良いさ、気にすんな」

そう言ってその場を後にしてすぐに俺に声を掛けてくるやつがいた

「お前、強いな!俺とタイマン張らねーか?」

「お前は?」

「お前の同族って言ったら信じるか?」

「力の振るい方に迷ってるのか?」

「あぁ、でも、お前とタイマン張ればなんか見えるものがあるかもなって」

「まぁ、お前がそこまで言うならやるか!」

「良いぜ!やるか!」

「タイマン張る前に名乗るぜ!鴉羽零人(からすばれいと)だ」

「烏間零二(からすまれいじ)だよろしくな」

「よっしゃ!いくぜ!」

そうして俺達はぶつかり合った拳を受け止め蹴りを躱し隙を狙うようにお互いの力をぶつけていく

「楽しいな!こんなにワクワクしたのは久しぶりだ!」

「お前、なにかやってたのか?」

「空手と古武術を少しな、お前は?」

「簡単な逮捕術と合気道に柔道を少しやってたんだよ!お互い武術を嗜んだ者同士だからこそ分かり合えるのかもな!」

「だな!楽しもうぜ!」

そうしてお互いが全力でぶつかり合った結果俺は初めての敗北を味わった

「あ〜負けた負けた!負けたのなんか初めてだ、負けて清々しい気分なのもな!」

「初黒星だな!」

そう言って零人は腫れた顔のまま笑った

「言ってろ!次は負けねーよ!」

「次も勝つさ!」

それから俺達は一緒に行動するようになり時には互いにぶつかり合いつつも楽しく過ごしていた、そしていつの間にか俺達2人の周りに色んな奴が集まって一つのチームになっていた

「俺達を中心に集まったチームだ!俺とお前のツートップだ!」

「いや、お前がNo.1だよ!俺はお前と幾度となくぶつかってきたけど、まだ1度も勝ててない」

「それでも幾度となく俺に膝を着かせたのは初めてだからツートップさ!」

「だとしたらチーム名はRAVENだな!」

「良いな!俺達は今日からチームRAVENだ!」

そうして俺達は自警団のような感じで活動して時には悪さをする事もあったが楽しく過ごしていた

そんなある日零人がかなり危ない連中と揉めて下っ端を軽くノしたらしく目をつけられた

「そのチームは?」

「チームっていうか、族だなあれは」

「暴走族と揉めたのか!?」

「ここらじゃかなり危ない連中だけどよ、見て見ぬふりはしたくなかったんだ、女性が囲まれて絡まてたからな」

俺は額に手を当てつつ言った

「それにしたってもっとやりようあったろうに」

「確かにしくった感はあるが、それでも後悔はねーよ!たとえ1人でだってやり合って奴らを潰す!」

「目的変わってるって!少なくとも俺達でやり合うべきだ!潰すとかじゃねー力を示すんじゃなくてそいつらとぶつからない道を探さないとダメじゃんか!」

「後戻りは出来ないぜここまで来たらな」

「…お前、変わったな…守るための力をそんな風に使うなんて」

「守るだけじゃやっていけない!守れないものだってある!」

「じゃあさ、これを最後にしようぜ!」

「族の連中との抗争を最後に解散さ」

「本気で言ってんのか?」

「あぁ、袂を分とう零人、俺は誰かを守るための力を求め続けるけど、お前は見せつけるための力を求めるんだろ」

「力を示さないと行けない時もある!」

「だからさ、根底は同じでも、細部が違う俺はあくまでも守るための力を求め続ける」

「…そうか、わかった、その代わり、この抗争が終わるまではチームRAVENのツートップだからな!」

「あぁ!」

俺達はそうして族の集会場に行き話をする事にした

倉庫街にある使われてないかなり広い倉庫に族の連中はたまっていた

「何しに来た?」

「話をしに」

「リーダーは?」

「俺だ!チームドレッドノートのヘッド九頭原 龍也、俺の仲間が世話になったみたいだな」

「寄って集って女を囲む奴らを見過ごせなかっただけだ」

「相棒はこう言ってるし手打ちにしないか?痛み分けって言い方もできるけどよ」

「そう話ちゃいるがチームで乗り込んで来てんだ、やり合う気なんだろ?」

「最悪な、俺達は自警団みたいなもんでさ弱い奴らを守って身を守る術を教えて導くのが目的なんだ、その過程で確かに色んなヤツらと揉めはしたけど、ここまで大事になったのはお前らにも責任はあるんじゃね?」

「そうかもな、だからお前の連れにボコられた連中は粛清した、俺達は自分達がトップに立つためにここに集まってるからよ、はいそうですかって訳には行かねんだわ」

「あっそ!ならやる事は1つだろうよ!」

そう言って零人が突っ込んでいく

「あ〜もう!結局こうなんのかよ!お前ら!1人も欠けることなくやるぞ!」

俺は仲間達にそう声を掛けて零人を追った

そして零人と肩を並べて族連中をノしていく

そして零人と2人2対2で族のベッドと副リーダーとタイマンを張る

「名乗れよ!俺は烏間零二だ」

「虎丸だ、狩野虎丸」

「よし!名乗ったことだしやるか!」

「あぁ、殺しあおうぜ!」

そう言ってサバイバルナイフを両手に持ってこっちに向かってきた

「てめぇ!銃刀法違反って知ってるか!?」

「関係ねぇーな!」

ナイフを振り回しつつ蹴りを主体に攻めてくる

俺は防戦一方となり裂傷が頬や腕に刻まれていく

「かすり傷程度なんてやるな!」

「おかげでろくに反撃できないけどな」

「逆に誇っていいぜ!ここまで攻撃を凌いだのはお前が初めてだ」

「そりゃどうも!」

俺はそう言って身を屈めて突っ込んで行き体勢を崩すため足を払いにかかるが想定済みのようでスっとかわされた

「お前も武器使って良いんだぜ!」

「遠慮する、俺はあんまり好きじゃないからな道具を使った喧嘩は」

「そうか、ならズタズタになっても知らねーからな!」

「こっちのセリフだ!ズタボロにしてやんよ!」

俺はもう一度足を払いにかかると見せ掛け体勢を変えて片方の腕を蹴り上げナイフを手から落とすと遠くへ蹴り飛ばす

「痛って〜、やるな!腕が痺れてら」

「こっからだよ!」

そうして俺はかなりの裂傷を負いつつも相手を追い詰めていく

「クソが!蹴りもナイフも通じやしねーてめぇ何もんだ?」 「腕に覚えがある一般人じゃあ通用しないか、なら、こう名乗るべきかな?チームRAVENのツートップが1人烏間零二だ!」

「俺はチームドレッドノートのNo.2の狩野虎丸だ!」

そうしてお互いの全力がぶつかり合うそして突き出されたナイフを素手に突き刺し受け止める

「マジかよ!?おい!」

「終わりだー!」

俺は全力の拳を叩きつけると虎丸は気絶した

「痛って〜!素手で受け止めるもんじゃねーな」

俺はナイフを引き抜いてから零人の方を見ると

硬直していた相手が銃を向けていた

「銃刀法違反だっつーの!」

俺が駆け出すのと発砲は同時だった、俺は間に合わないと判断し咄嗟に虎丸が使っていたナイフを投げて弾の軌道をそらすとヘッドと名乗った青年を殴る

「銃刀法違反だよ!何度も言わせんな!」

「痛てーじゃねーの!お前、虎丸をノしたのか?」

「だったら?」

「やっぱりお前達最高だよ!さぁ、2人まとめて来いよ!その眉間ぶち抜いてやるからさぁ〜」

「零人」

「わかってるいくぞ!」

相手は零人を必要に狙い撃つが零人も上手く躱していく

俺は上手く軌道を逸らしつつヘッドに殴り掛かるがひらりと躱される

「お前、ヘッドって名乗ってるけどよ、本名はなんて言った?」

「ヘッドは本名の1部だよ!九頭原、龍也だ」

「そうか、それでヘッドね」

「あぁ、これで良いよな!くたばれや!」

俺に向けて銃を撃つが俺も弾の軌道は見えているので当たりはしないそして銃は弾切れとなった

「弾切れか」

「これをチャンスと取るか油断するなと思うかだな」

「チャンスだろって言いたいとこだけど、マガジン替えてからの方が攻めやすいよな」

「悪いな、マガジンの交換は終わったぜ!」

「それを待ってたんだよ!」

「いくぜ零二!」

「あぁ!」

俺達は撃ち出される弾丸を紙一重で躱しつつ着実に距離を詰めていき殴る蹴るを繰り返し相手も負けずと攻めてくる

そしてお互いに息を切らしつつ向き合う中銃も弾切れお互いの拳のみで全力をぶつけ合い俺達は勝利を掴んだ

「よっしゃ!薄氷の勝利だけど、これで正真正銘最後だな」

「あぁ!そうだな!」

そしてお互いに拳を打ち合った瞬間零人の胸を弾丸が突き抜けた

「零人!」

「安心しろよ……急所は外れてるさ」

「ざまぁみろ!」

俺はキレた、そして頭部を力いっぱい蹴り上げて馬乗りになり殴り付る。そして零人がそれを止めた

「それ以上やると死ぬぜそいつ」

「でも、零人!」

「まだ死なねーよ!それよりもさ、チームRAVENは終わりにするんだろ?ならよ!最後にタイマン張ろうや、そんで俺を殺してくれ」

「何言ってんだよ!」

「どのみちもう俺は年少入り確定だ、そんでもって血を流しすぎてもう感覚もおぼつかねぇ、だからよ、お前の手で引導渡してくれや」

「何言ってんだよ!まだ助かる方法があるだろうが!」

「無理だ、実はな、最後に貰った1発が急所こそ外れたが、急所を掠ったんだ、それ以外にも躱しきれずに2・3発貰ってな、正直立ってるのもやっとでな、どうせ死ぬならお前の手にかかって死にたい」

「…………わかった、やろう!」

俺は他のメンバー達を逃がし1体1で向き合う

「いくぜ!零人!」

「来いよ!零二!最後くらいは俺に黒星を刻め!」

「あぁ、そうするぜ!」

そうして俺は最後の最後に零人に引導を渡した

 

-回想終-

 

「以上が事情聴取をした時に聞いた零二とその友だった少年の一切だ」

零二君の過去が皆に明かされた。私はそれを聞いてやっぱり歩み寄るべきだと感じた

「あの…どうして話してくれたんですか?」

「君達なら零二を孤独にしないだろうと思ってのことさ」

「零二を呼んで貰えますか?話がしたいです」

「わかった、外で待っているだろうし呼んでこよう」

そう言って零二君ののお父さんが外に出て代わりに零二君が入って来た

「随分長話してたみたいだけど、もしかして、俺の過去聞いた?」

全員が頷く

「そっか、いつか自分から話そうと思ってたけど、そっか、聞いたんだね、それで?俺はどうしたらいい?皆の前から消えればいいの?」

「誰も…」

私は申し訳ないとは思ったけど、湊さんの言葉を遮る

「誰もそれを望みません!私は零二君を孤独にしません!」

「隣子…」

「私は…私は…あなたがとっても怖いです!血にまみれて自分だけが傷ついて、私達のために怪我を負ってくれる事は、正直私も皆も嬉しく思いますけど、怪我をして欲しい訳じゃありません!約束してください、もうこれ以上自分を犠牲にしないでください!私は…私は…あなたが傷つくのは辛いです」

そう言って隣子は俺に抱きついた

「隣子?」

肩が震えていた

「あなたが怖いです。とっても怖いです。でも、もう一度、

改めて、貴方に歩み寄る第一歩です。」

「少しだけ2人にしてあげるわ、ゆっくり話しなさい」

「ごめん、ありがとう」

少しの間2人にしてもらい俺はそのままの状態で隣子の頭に手を置いて落ち着くまで撫で続ける

しばらくして落ち着いたのか俺から離れる

「落ち着いた?」

「はい、なんだかすいません」

「謝んないでよ、歩み寄ろうとしてくれる事は俺としてはやっぱり嬉しいから、ずっとあれから拒絶されてばっかりだったからね」

「私はもっともっと零二君と仲良くなりたいんです。だから、零二君を拒絶したりはしません」

「ありがとう。その言葉だけで俺は救われるよ、俺も皆に、

誰よりも隣子に歩み寄って行きたい」

「じゃあ、約束しましょう、まずはお互いがお互いの手の届く範囲にいることを」

「わかった、俺は隣子が触れられる距離にいるよ」

そうしてお互いに新たな約束を交わしたのだった。

 

 

 

 

 

 




お久しぶりです。9話目にして早くも過去を明かしました。
今回は10話まで投稿しますのでお楽しみに
次回はお互いの気持ちを少しずつ再確認していく話になりますのでお楽しみに
次回「お互いの存在と大切な気持ち」


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第10話お互いの存在と大切な気持ち

1歩ずつお互いに歩み寄る約束をした2人はお互いを大切に思う気持ちを強くしていく


お互いに歩み寄る約束を交わしてから数日後の休日

俺は1人でショッピングモールに来ていた

そして店内を見て回りつつ少し途方に暮れていた

「やっぱり似たようなデザインのヤツもないか…」

あの時隣子が俺の手に巻いてくれたハンカチは血がついてしまい試行錯誤したものの落ちなかったので似たようなものでも良いから俺からの感謝を込めて返したいと思ったのだ

「よし!もう少し見て回るか!」

そうしてさらに店内を見て回っていると偶然にもリサと友希那に会った

「あれ?零二じゃん!」

「リサ、それに友希那も」

「怪我はもうすっかり良いようね」

「こう見えて傷の治りは早いんだ」

「そう、なら良いわ、ギターも問題なく弾けているのでしょ?」

「うん!そりゃもうバッチリと」

「ところで零二、なにか探し物?」

「そうなんだ、ハンカチをちょっと」

「ハンカチ?どうして?」

「隣子に渡したくて、あの時俺に巻いてくれたハンカチは血がついて落ちなかったからさ感謝の意味も込めて返したいと思ったんだ」

「そっかそっか!じゃあ、アタシ達と一緒に見て回らない?」

「それがいいかもしれないわ、女性ものの衣類専門店とかはやっぱり1人じゃ入りずらいでしょ?事情を聞いた以上手助けさせて欲しいわね」

「友希那もこう言ってるし、どうかな?」

「じゃあ、お願いしてもいいかな?」

「もちろん!」

「構わないわ」

そうして3人連れ立って店内を見て回る

「ところでリサ達はなにか買いたい物があってきたの?」

「ちょっと早いけど、夏物の服を見に来たんだ」

「そっか、そろそろ季節を先取りして夏物衣類とかが出る頃か」

「そういう事よ」

「友希那はこう言ったら失礼だけど、オシャレに興味無さそうだけど?」

「間違ってないわ、着慣れた服が1番だし、それに普段から服装に気は使わないもの」

「今着てるのもシンプルな感じだもんね」

「えぇ、シンプルイズベストよ」

「なるほど」

「でも、友希那はもう少しオシャレしたら絶対今より美人になると思わない?」

「あ〜リサの言い分もわかるな〜」

「それで、アタシが友希那に似合いそうな夏服を見に来たって訳、もちろんアタシも良さそうなのがあれば買うけどね」

「なるほどね、じゃあ、俺の方もついでにはなるか」

「うん!何よりも零二自身の気持ちっていうかさそう言うのが知れてよかったなって」

「確かにそうね、ずっと多少の距離は感じていたもの」

「節度と言って欲しいけどね」

そう話しつつリサ達の後を着いて周りあちこち見て回って

目的のものを探していく中でピッタリのものを見つけた

「いいのあった?」

「おかげでいいものが見つかったよ!ありがとう」

「どういたしまして」

それから俺はリサ達の買い物に付き合いつつアクセサリーショップに立ち寄った

そこで俺は雫の形のネックレスが目に止まった熱で色が変わるらしく手に取って色の変わり様を見てみると青から緑オレンジ赤と4段階に分けて変わるようで俺はハンカチと一緒に隣子に渡そうと思いつき購入し友希那達にも手伝ってくれたお礼としてイヤリングを購入してから再度2人に合流し近くのカフェに入り休憩する

「付き合ってくれてありがとうね2人とも」

「良いよ良いよ、アタシ達も荷物持ってもらってごめんね」

「ううん、こっちからお願いした事だから気にしないで、

あと、これ、今日のお礼に2人に」

「開けてもいいかしら?」

「どうぞ」

「綺麗なイヤリングね、ありがたく使わせて貰うわ」

「アタシも早速付けようかな!」

そうして2人はイヤリングを付けて俺に見せてくれた

「どう?似合う?」

「うん!似合うよ!間違いなかったなって思うよ」

「ありがとうね零二!」

「こっちこそ」

今日何度目かのお礼を言い合って笑い合いそれからまた少しの間買い物してまわり解散した。

俺は帰宅するとすぐに明日の準備をして早めの夕飯等を済ませてからNFOにログインする

 

ゲーム世界

「さぁて、狩りの時間だ!」

俺はゲーム世界のお尋ね者として名を馳せているためログインすると俺を狙うプレイヤーが必ず1人か2人はやってくる

そして今日もまた隣子達が俺の元へやってきた

「来たか!RinRin、それに大魔姫あこ!」

「今日こそは勝ちますよ!」

「今日も俺の勝ちは確定してるよ!」

「負けないよ〜!」

そうして俺達は今日も対戦した、今のところは俺が勝ち越しているが隣子達も手を替え品を替え攻め方のバリエーションが豊富なため追い詰められる事もしばしばだ

「炎魔王剣ブレイズ!バーストフレア!」

俺は隣子達に向けて炎の斬撃を飛ばす

「なんの!大結界!」

「守るか!ならTRUEdeath!」

「危ない!」

咄嗟に攻撃を弾く

「やるな!」

そうして一進一退の攻防の末に今回も俺が勝ち越した

「またやられました、強いですねやっぱり」

「今日は俺も危なかった、強くなってるよ確実に」

「でも、まだまだRAVE(ライヴ)さんには届きません」

「後はLvとかの差もあるし、俺がdeath装備を昇華させられたらいんだけど、今のところイベント再臨の予定もないしね」

「今なら勝てますか?」

「時間はかかるだろうけどね」

「いつかもう一度イベントが来るといいですね」

「そうしたら晴れてちゃんとした仲間になれるね」

「ですね」

「そうなれたら良いな〜」

「確かに、俺もそうなりたいけど、今はまだゲーム世界じゃあライバルかな?」

「ですね、一緒にもっと冒険とかしたいんですけどね」

「今のままじゃね〜俺は対プレイヤー特化だからね今は」

「今のままじゃモンスター相手だとステータス半減でしたっけ?」

「うん、同じ力っていうかdeath装備昇華の為のモンスター相手だとだね、他の奴でも3割減」

「それじゃあ難しいですもんね」

「そうなんだよね、まぁ、気長に待つよ!」

「それしかないですもんね」

「そういう事、じゃあまた!」

そう言って俺はログアウトする

 

隣子視点

「はぁ〜今日も勝てなかった」

初めて会った時から今までで1度だけしか勝てていないし

もう一度勝つことが可能なのかと後ろ向きになってしまう

「ダメダメ後ろ向きになったら勝てるものも勝てない!」

私は考えるのをやめて眠りに着いた

 

次の日

私は生徒会の用事で授業への参加は2限目からとなった

それから午前の授業を終えた昼休み教室には零二君の姿はなかった

どこにいるのか確認するためメッセージを送ろうと思ったら体育館裏にいるよとメッセージが入っていた

私は零二君の元に向かった

「零二君!」

「やぁ、隣子来てくれたんだ」

「零二君と話したかったので」

「良かった、ちょうど渡したいものがあったし」

「渡したいものですか?」

「うん、これ」

そう言って差し出されたのは零二君の手に巻いたのと似たハンカチともう一つネックレスだった

「これって、あの時のハンカチですか?」

「全く同じものじゃないけどね」

「それにネックレスまで」

「あの時のお礼、俺、隣子がこうして歩み寄ってくれなかったら多分ずっと1人だったと思うし、何より人との関わりを絶っていたかも知れないし」

「私はゲーム世界で零二君のアバターを見た時何故か強く惹かれたんです。そして実際会ってみたら…その…とっても強くて、でも、どこか孤独な感じで、少しだけ怖いと感じました

でも、関わって行くうちに感じました、自分の力に葛藤している、そう感じました」

「そうだね、俺はずっと自分の力に葛藤してた。

でも、ようやく自分の力の使い方がわかった気がしたんだ」

「そうなんですか?」

「うん、でも、最近それじゃダメだって思ってる」

「それは、どうして…」

言葉を区切った私に対して零二君がまっすぐに私の目を見て言った

「隣子が、何よりRoseliaの皆が悲しむから」

「え!?」

予想外の言葉に驚きを隠せない私に零二君は笑いながら言った

「驚く事?隣子が俺に言ったんだよ、自分を犠牲にするなってさ、だからこそ俺は自分を犠牲にするような真似はしないでどうにかできないかを探しているとこ、もちろん音楽に対しても曲から自分を消すことなく自分を出していけたらって思ってる」

「零二君ならできますよきっと」

「だと言いけどね、それはそうと隣子、ネックレスちょっと付けてくれる?」

「はい、いいですよ」

隣子は箱から出してネックレスをつけてくれた

「それさ、少しの間握ってみてくれる?」

「こうですか?」

私は飾りの部分に触れると手の熱がネックレスに伝わっていく

「手を開いて見てご覧」

私は言われた通りに手を開くと色が変わっていた

「色が変わってる」

「驚いた?それね、伝える熱量で色が変わるんだ、似合うと思ったんだよね隣子に」

「ありがとうございます。これがあれば私は零二君を近くに感じます」

俺はその言葉にむず痒さを感じて頬を掻く

「なんかこそばゆい、昔の仲間にも感じたことなかったな」

「そうなんですか?」

「うん、アイツらといるのは楽しかったしね、確かに昔の仲間も守りたいっては思ってたけど、それとも違うっていうか……今は、自分も隣子や他のRoseliaの皆も大切に思えるんだ、何よりも俺に歩み寄ってくれて拒絶しないでくれた隣子を守りたい」

「私も…零二君に寄り添える存在でいたいと思ってます」

「だとしたらお互いを大切に思えてる証拠なのかもしれないね」

「そうですね、もっともっとお互いを大切に思えたらいいですね」

そうしてお互いを大切に思う気持ちを共有したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




10話目です。ここから少しずつ恋愛要素を入れていくのでお楽しみに、そして次回からこの話の時系列で夏前半辺りになっていきますのでどんな内容になるかお楽しみに
それではまた次回
次回「衣替えと新たな約束」


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第11話衣替えと新たな約束

季節は変わり夏になり夏らしい新たな約束が出来た


季節は夏になり学校でも衣替えが行われて

皆が半袖のワイシャツやポロシャツになる中で俺は未だに長袖シャツを着用していた。

「零二君、暑くないですか?」

「このくらいの気温ならまだ平気、でも、今以上に暑くなったらちょっとヤバいかも」

「半袖は着れないんですか?」

「ん〜着れない訳じゃないけど、身体のあちこち傷痕だらけだし、あんまり見て気持ちのいいものでもないからなるべく隠さないと」

「プールとかはどうしてたんですか?」

「どうしてもって時はウエットスーツだね、それ以外はあまり水に入らないようにしてた」

「そんなに身体傷痕だらけなんですか?」

「まぁね、ほら肩だけでもこれだけあるし」

肩には刺傷や切り傷の痕がかなり残っていた。

「確かにこれじゃあ半袖は厳しいですよね…」

「背中とかもっとやばいからね」

「零二君はもう少し自分を大切にしてください」

「わかってるよ!最近は大人しいでしょ」

「そうではなく…もういいです。」

「そう?」

「それよりも!今日からゲームの方も新しいイベントなんですし手伝ってくださいよ!」

「モンスター討伐は残念な事にお役に立てません」

「零二君は私達を守ってください!今回のイベントはモンスター1匹討伐事に報酬が出ます。それを狙ってPKを仕掛けてくるプレイヤーがいるかもしれませんから」

「わかった、それなら役に立てそうだ!」

「お2人とも仲が良いのは結構ですがそろそろ授業が始まりますよ!」

「おっと、紗夜さんのお叱りを受ける前に準備しないとね!」

「そうですね」

そう言って笑い合いつつお互いの席に戻り授業を受けた

そして放課後燐子は生徒会、紗夜さんは風紀委員の仕事で

俺は終わるまで暇である

とは言っても俺はこの時間が嫌いじゃない、ギターを弾いたりスマホで音楽を聞いたりゲームをしてみたり読書をしたりと

色んな事に時間が使えるからだ

今日はギターを持参しているためギターを弾いて時間を潰していた

「さて、なんの曲やろうかな?」

そう言って適当に弾いて時間を潰していると教室の扉が開き

紗夜さんがやってきた

「ギターの音が聞こえると思ったらあなたでしたか」

「2人を待ってたんだよ、今日は集まる日でしょ」

「先に行ってて貰って結構ですよ、用がないなら即帰宅する

のが普通です」

「燐子と紗夜さんを待つって用事があるよ!」

「まぁ、いいですけど、もうすぐ風紀委員も生徒会の仕事も終わるでしょうし、そしたらまた来ますね、ギターの音はもう少し抑え目にお願いします」

「分かった、待ってるね」

そうして俺はまたしばらくギターを弾くことに没頭しているとまた扉が開き入ってきたのは見た目ヤンキーな男子だ

「ギターの音聞こえてたけど、お前?」

「あぁ、ごめん、うるさかった?」

「いや、全然むしろ心地良いくらいだよ!俺さ、こんな見た目してるけど、髪の色は遺伝でさ、良く不良に絡まれんの、だからあえてこういう格好してるって訳、そして今日も今日とて服装何とかしろだの頭何とかしろだの言われていたわけですよ!」

「なるほどねーそういえば自己紹介まだだったね…俺は…」

ヤンキー風の男子は手で遮る仕草をしてから話し出す

「いや、知ってる烏間零二だろ?チームRAVENの」

「なんでそれを…」

「喧嘩してるところを見た事があって最近もたまたま見掛けた、俺の名は虎堂修也(こどうしゅうや)、母さんがイギリス人で親父が日本人でな、まぁ喧嘩は正直得意じゃないけど逃げ足には自信あり!よろしくな!」

「よろしく!改めて名乗るね、烏間零二!元チームRAVENのリーダーで今は夢を探す演奏家よろしく」

「お前、ギター以外になんか弾けんの?」

「キーボードをちょっと、本格的に手ほどきしてもらってる最中でもあるけど、虎堂は?」

「修也でいいよ!俺もギターが弾けるがアコギ限定だ!」

「あ〜いいね!俺もアコギ弾いてみたいんだよな〜」

「じゃあこうしようぜ!こうしてたまに会おうぜ!その時は俺はアコギ、お前はエレキを俺に教えてくれ!」

「もちろん!と言っても学校が休みな週末を抜けば週に2回が限界だよ?」

「休みって何してんの?」

「自主練習かバンドのサポート」

「バンドのサポート?なんか仕事か?」

「違う違う、Roseliaってガールズバンドのマネージャーみたいな事だから」

「あぁ、それで氷川や白金と仲いいのか!納得だわ」

「大した事じゃないけどね」

「あいつらはウチの学校の取っ付き難い女子のツートップだぞ!」

「そうなの?」

「そうなの!白金は見た目大和撫子って感じの子だろでも、人見知りする方であまり話さない

氷川はTheクールビューティでなかなか話しかけにくい」

「確かに、俺はそう感じないけど、言われてみるとそうかも」

「お前が特別なんじゃないか?」

「かもね」

そう話していると紗夜と燐子がやってきた

「お待たせしました、練習行きましょう」

「だね、行こうか!じゃあ修也またな」

「おう!」

「あなたも早く帰るように!」

「言われなくても、もう帰るよ!」

そうして修也との話を切り上げ俺達は学校を後にしてcircleへと向かった。

「さっきの彼、虎堂さんでしたか?彼とは何を話してたんですか?」

「アコギが弾けるみたいだから教えてもらう代わりにエレキ教えてくれってさ、感覚が違うから1人じゃ上手くいかないみたい」

「烏間君はアコギが弾けるようになりたいんですか?」

「そりゃね、楽器色々弾けたら良いなとは思うからね」

「なら、今井さんからベースも習ってみては?」

「リサから?」

「えぇ、そうすればギターとベースは弾けますしキーボードも簡単なものは演奏出来るみたいですし、Roseliaの曲も演奏出来るようになればいいのではないかと思いまして」

「良いかもね!じゃあ、リサにも頼んでみようかな」

「言い出した手前私も協力しますしもちろん白金さんも協力はしてくれるでしょうし」

「そうですね、私も協力はしますよ!」

そう話ているとcircleに到着し店内に入ると友希那達は来ていたのでその場で頼んでみる事にした

「練習前にちょっといいかな?リサとあこちゃんにも頼みがあるんだ」

「何?アタシ達に聞けること?」

「そりゃもちろん」

「零二君にベースとあと、ドラムもレクチャーしてあげてください」

「お願い出来ませんか?」

「アタシは良いよ!もちろん練習の合間になるけどね!それに自分の練習にもなるし!」

「あこも、上手く教えられるか分からないけどいいよ!」

「なら、私も零二に私がやっているボイストレーニングを教えるわ!私だけ何も教えないのもなんだかあれだもの」

「まぁ、確かにねじゃあ友希那からはボイトレを、リサからはベースを紗夜さんからはRoseliaの曲のギターパートを燐子からはキーボードであこちゃんからドラム、これを練習日の合間合間で教えてもらうって事で良いかな?」

「教える事だって練習の一環よ!まずは紗夜と一緒にギターパートを演奏なさいそれなりには既に弾けるのでしょ?」

「まぁ、あやふやな部分は紗夜さんの音拾うとしてやってみるよ!」

そうして練習に参加しギターパートを教えてもらう

紗夜さんの演奏は正確だから音も拾いやすいので助かる

と思いながら練習していき休憩となる

「それなりには着いてこれてましたね、多少危ない部分はあれどそれなりに形にはなってましたよ」

「だといいけどね、まだまだ紗夜さんには遠く及ばないよ!」

「じゃあ、零二、次はアタシがベース教えてあげるよ!」

「楽器借りてこないと」

「今日の所はアタシの使って、零二がベースをマスターしたら自分だけの買った方が良いよ!」

「いや、実はベースは持ってるんだよね、弾けないからメンテナンスだけして使ってないんだ」

「そうなの?」

「今度持ってくるね」

「わかった!じゃあ始めるよ!」

「お願いします。今井先生」

「アハハ、良いね〜その響き!先生に任せなさい!なんてね」

そんなやり取りをしつつリサから簡単にベース の手ほどきを受けた後燐子からキーボードをあこちゃんからドラムを教わり最後に友希那からボイトレを教わった

「今教えたのはあくまでも基礎なのだからそこから伸ばしていきなさいよ零二」

「わかってる!まだ夢らしい夢はないけど、皆と一緒にやる以上半端は許されないからね」

そうしてその日は解散した。

そして帰り道

「零二君は夏らしい事って言われて何を思い浮かべますか?」

「ん?いきなりどうしたの?」

「ちょっと興味から聞いてみたくて」

「やっぱりゲームの大会とかライブかな?どっちも趣味だしさ」

「なら、今度皆でライブに行きませんか?」

「良いね!夏フェス!行きたいね!ステージから水平線が見えるような大規模ステージのフェスが観たいな!」

「いいかもしれませんね!でも、人が多いのはちょっと遠慮したいですね人酔いしそうで」

「まぁ、確かに、そこは難点でもあるけど、大丈夫だよ!ステージ事にまた盛り上がり方なんかも違うから楽しいよきっと!」

「じゃあ、今度行きましょう!皆で!」

「うん!皆で行こう!」

そうして夏の約束が一つ出来たのだった。

 




どうも作者の凌介です!11話目を読んだ貰って嬉しく思います。今回はこの1話のみで終わろうと思いますが次回はまた
2話投稿を考えておりますのでお楽しみに
次回はまたゲーム世界をメインに書いていきますのでこれまたお楽しみに
次回「コイン集めとPVP」


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第12話コイン集めとPVP(前編)

零二達はゲームのイベントに挑みトップを目指す


イベントの詳細が告知された俺達は認識を共有しつつ

イベントの準備をしていた。

「RAVE(ライヴ)さんは街に入れませんから外でアイテムを揃える必要がありますよね」

「HPポーションだけあれば良いよ俺は、それに基本ダメージ貰わないし」

「回避能力とか凄いもんね」

「やり方次第だ」

などと話しながら準備を進めて行き装備の耐久値等も確認しておき、今はイベント報酬について話している

「RAVE(ライヴ)さんは報酬で何を取るつもりですか?」

「刺突系スキルかな?斬撃系は特に困ってねぇーし」

「私はもう少し魔法剣のスキルを獲得したいですね、

ライヴさん相手には大魔法よりも魔法剣の方が良さそうなので」

「その割にはまだ1回しか俺に黒星付けられてないけどな

無敗のウィザードの名が泣くぞ」

「その名前は返上しますよ!今は幸勝のウィザードです!」

「運も実力のうちって?甘いな!持ってるスキルをどれだけ活かすかに掛かってるんだよ!俺はその点スキルを駆使して戦ってるし後はレベル任せな部分もあるけどね」

そうして話しているうちに時間となりイベントが始まる

「俺はモンスターは相手どれないから頼むな俺の分まで俺はその分護衛するからよ」

「任せてください!」

「やるよ〜!」

そうして2人は順調にコイン集めをしていき既に1人分は確保出来ておりランキングもトップとは言わないまでも上位に入っていた。そして上位のプレイヤー程狙われやすく俺の仕事も沢山だ

「消えろ!鮮血波動!(ブラットレイ!)」

攻撃にのまれて敵は消えていく

「相変わらず凄い威力ですね」

「威力upと範囲拡大はスキルレベルが上がる度にやってるからなこの技の熟練度はもう8だし双剣士の職業練度はカンストしてる」

「私ですら職業練度は8なのに!?職業練度上げれば確かに覚えられる技なんかも多いですけどひたすらに地味じゃないですか!」

「ひたすらに剣士なら剣の訓練しないとだからな」

「私はやっとの思いなのに…」

「まぁそのやりようだ!それに俺はモンスター相手じゃ無理だからな〜」

そうして倒れたプレイヤー達の落とした数枚のコインを拾う

「たった3枚かよ!もっと獲得しとけよなプレイヤー狙うなら同程度の連中狙えよ!」

ライヴさんこと零二君はロールプレイと言うやつなのか口調が変わり性格的な面も凶暴というか危険な感じになる

それでも彼の戦う姿に時々目を奪われるのは彼のプレイヤースキルによるものなのかはわからないけど零二君という人を知れば知るほど彼から目が離せないでいる私がいた。

「Rin!余所見すんな!」

そう言うと私に向けてライヴさんが御魂喰いの剣(ソウルイーター)を投擲してきて目の前に迫った魔法を吸収し倍にして返していた

「今、何を…」

「軍隊規模で敵が来たんだよ!Rinがモンスター相手取ってるうちに俺を狙う連中が徒党を組んで来たんだ」

「それってプレイヤーのほとんどなんじゃ…」

「お前らはモンスター退治に集中しろ!こっちは俺一人でいい!何よりも俺一人の方がやりやすい」

画面越しではあるがいつかのゾクッとした感覚が私を襲った

 

「じゃあ!いくぜ!」

そう言うとプレイヤーの群れに突っ込んでいくと赤い波動や

斬撃が飛び交い気が付くと辺りのプレイヤーは一掃されライヴさんだけが立っていた

「もっと本気にさせてくれよな…つまんねぇ」

「なら我々が相手しよう」

「へぇ〜お前らがねぇ〜秩序の守護者様がねぇ」

「お前のような賞金首がいること自体バランスを崩している」

「知るかよ!ゲームの運営に言えよ!このシステムを実装したのは運営だろ」

「だとしても!推奨されているとはいえ進んでPKをする貴様を黙認はできん!」

「あっそ!鮮血波動!(ブラットレイ!)からのブラットアップして狂戦士化(バーサーク)」

俺は赤と黒のオーラを覆うと駆け出しすれ違いざまに武器を一閃する

「まず1人」

プレイヤーは声をあげるまでもなく消えた

「さて、あと3人守護者四天王と言うのは名ばかりかよ」

「鮮血斬!(ブラットスラッシュ!)」

相手はその攻撃を守った

「へぇ〜やるじゃん!でもレオスには遠く及ぼないし

レオスの方が何倍も上手だ」

俺は時短の剣解放(リベレイト)を装備しもう1つ時計の針を模した剣を装備した

「その剣は…お前持ってないんじゃなかったのか?」

「時閃剣開時リベレイトと対になる剣だ!失せろ!」

そう言って剣を一閃するとそのプレイヤー達は消えていき

そこには冷たい目のアバターのみが立っていた…

それでも私はその光景から目を離せなかった

「凄い…あれがdeath装備を手にしたライヴさんの本気なんだ…」

そして私の頭に1つの言葉が浮かんだ

「死…神…」

「え?RinRin?なんて?」

「死を纏った死神」

「ライヴさんのこと?」

「うん!あの姿見たらなんか浮かんできて死を呼ぶとか死を運ぶじゃなくて死を纏うそんな言葉が相応しいかなって」

「良いなそれ!賞金首やプレイヤーキラーなんて呼ばれるよりその名前が良いな!」

「聞いてたんですか?」

「まぁ、あこが名前呼んだ時になそれで死がどうたらって言うからな残念だが鎌はないけど、2本の剣を持った死を纏う死神だな」

こうして燐子によってライヴの二つ名は『死を纏う死神』となった。




一月ぶりです!そしてあけましておめでとうございます!
今年もこの作品含めて自分の作品を楽しんで貰えると嬉しいです。
次回は本格的に主人公達がイベントトップを目指して奮闘します
今回は今日のうちにもう1話出しますのでお楽しみに
次回「コイン集めとPVP(後編)」


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第13話コイン集めとPVP(後編)

零二のアバターに付けられた新たな2つ名がゲーム世界に轟く瞬間を目にする。


その光景は初めて見た時と同じ光景だった。

圧倒的強者としての佇まいと彼の手に握られた二本の剣

そして彼が纏うオーラが強者としての佇まいをより強固なものにしていた。

そして彼を孤独の強者たらしめてるのかもしれないのは

彼の周りに刺さっている沢山の武器だった。

まるで死そのものを纏っていると思わされる

「死を纏う死神…」

「良いな、それ俺は死を纏う死神か…まさに俺に相応しい名前じゃんか!」

「え?」

「この世界でも俺は死を纏うんだ!なら!いつか、全てを失うまで死を背負い纏ってやるさ!」

私はそれを危険な強さだと感じた。

私はあえて口に出さずに意識を切り替える

「とりあえず目標までは遠いですし、もっともっと探索しましょう!」

「そうだね!RinRinの言う通りだよ!」

「だな!護衛は任せろ!」

「お願いね!」

「ああ!」

そうして探索は順調に進み私達の目標まで後少しとなった時

上位3チームが私達の前に現れた

「君達の集めた物を渡してくれるかな?」

「お前、レオスのチームの奴だろ?レオスは?」

「リーダーはお前との一騎打ちをご所望だ、でも、その前に俺達でお前を倒そうと思ってな」

「それで、レオス以外のチームメンバーとお前のチームで俺を襲うって?馬鹿かよ!」

「何だと!?」

「レオスですら俺に勝てないし下手な鉄砲数打ちゃ当たる戦法は俺には通用しないよ!レオスは知ってるけど、俺は過去にチームを3つ潰してるしそれでレベル100に到達したそして現状この世界でのレベル上限は120そして今の俺のレベルは115後少しで上限だそんで、レオスはレベル100だレオスはレベルが低いお前らは良くて90程度それで勝てるかよ!それに俺は対プレイヤーの能力者だぜ、それでもやるのか?」

「長々と演説ご苦労さま、散り際の一言ならぬ散り際の演説として受け取っておくよ」

「あっそ!」

俺はそれだけ言うと剣を抜いて斬り掛かる

そして辺りには武器をぶつけ合う金属音のみが響く

「いつもみたいに波動を撃たないのか?」

「撃って欲しいのか?」

「レオスさんは1番最初にお前は波動を放ってくると言っていたからだ」

「あぁ、そういう事、必要ないよ!お前ら全員剣見てみ」

彼らは剣を見るとかなりひび割れができていてかなり刃こぼれしていた

「時の剣と刃を交えればその分消耗が早くなる」

「そんなバカな!?そんな事が有り得るのか?」

「俺は基本波動や斬撃を放ってたりするからまともに剣をぶつけ合うの嫌ってると思ってたのか?」

「…だとしたら?」

「バカだろ!剣士が鍔迫り合いを嫌ってどうする?それこそ剣士失格だろうが!」

「ならなぜ今までそうしなかった?」

「そうする必要が無かったからだ!」

「なんだと?」

「この話題終了!」

俺はそう言って御魂喰いの剣を構えて波動を放つ

「鮮血波動超解放(ブラッティックバースト)」

その瞬間辺りは真紅に染まって周りのアバターは皆消滅していた。

そして、そこへレオスさんがやって来た

「遅かったか…」

「おせーよ!レオス」

「お前が一人でやったのか?」

「それ以外ねぇーだろお前も死ぬ覚悟出来てるんだろうな?」

「元death装備の使い手としてもわかる、君はおそらくこのゲーム世界最強なのかもしれないでも、君の強さは危険な強さだ!まるで死を背負いその死をずっと纏っているかのようだ」

「ならさレオス…俺の二つ名をその身に刻めよ!

Rinが付けてくれたんだ、死を纏う死神それが俺の二つ名だ」

「……そうか…君は死神になるのか……」

「だから?」

「いや、なんでもない…」

そうして俺達は決闘形式で戦い始める

「鮮血波動!(ブラットレイ!)」

「天刃!」

「鮮血斬!(ブラットスラッシュ!)」

技と技がぶつかり合いまさに戦いと言えるものだった

「これが本当の戦いなの?」

私じゃ到底辿り着けない場所だと感じた。

「どうしたらあの場所にいけるかな?」

私にとって彼は近いようで遠い存在だと改めて自覚した

「遠いな…」

「RinRin?」

「私は彼を本気にさせたいのに彼はいつも遊び感覚なのかな?」

そして彼は1本の剣をレオスさんに突き刺すとアバターは消滅した。

そして彼等が集めたコインの殆どが私達の手に入り私達はトップになった

「まだ足りないな」

「え?」

「イベントはまだ終了しないだろ?」

「それは…はい」

「なら決まり!俺はモンスター相手なら力半減だけど協力はするからよ!」

「わかりました!レベルアップも兼ねて私達もレベル100を目指します!」

「俺は今回の戦闘で上限に達したぞ」

「「嘘!?」」

「本当」

俺はステータスを見せる

「殆どカンストしてるんですけど!」

「これに身体強化のブーストがついてとなると…」

「レベルで言うと130くらいになるな」

「もしもそれに加えて全death装備を昇華かせられたら…」

「上限突破は確実だろうな」

「…………」

「それでも、残念な事に今はプレイヤーキラーでRinに付けられた死を纏う死神なんて2つ名あるしかなり気に入ってる

だから、今はまだ甘んじてプレイヤーキラーに名をやつすさ」

「ライヴさんは良いんですか?」

「何が?」

「まだ少ないとはいえ昇華の権利はいくつかあるんですよね?」

「100を越える武器のうち1割程度しか昇華出来ないのに意味ないって!なんならクエストが再開されてくれたら一人でやる事になるけど、全クエスト制覇すれば俺の装備は全部昇華できるんだ」

「それなら確かにその方が早いんですね…」

「そういう事!さぁやろうぜ!」

そして俺達は大型モンスターを狩っていく

俺はモンスター相手だと思うようにいかないのでタゲを集中させつつRin達に攻撃を任せてRin達も一定数のモンスターを倒す頃にはレベルは90後半になった

「今日だけでかなりレベル上がりましたねライヴさん!一度勝負してくれませんか?」

「イベントが終わったらやってやるよ!」

「じゃあ、長期休暇の前にもう一度勝負してください!」

「今回は何を賭けるの?」

「じゃ、じゃあ!リアルの私の時間を賭けます!」

「じゃあ、お互いにリアルの時間を賭けて勝負しようか!」

「とは言うものの……どうします?」

「時間の使い方?なんなら普通に遊びに行くでもいいし、なんでもいいぜ!」

「じゃあ!いつかのやり直しをしましょう!」

「勝てたらな。」

そうしてまたひとつ約束が増えたのだった。

 

 

 




13話目になります。コイン集めなんて言っておきながらほどんど描写ないですけど、戦闘描写以外はいずれ来るであろう
装備の昇華の時まで待っててください。
それではまた次回

次回「リベンジと新たな挑戦」


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第14話 リベンジと新たな挑戦

燐子はゲームで零二へのリベンジを近いそのために新たな挑戦を試みる


お互いのリアルの時間を掛けて勝負する事になった私達

でも、零二君のアバターはレベル上限に達していて

レベル100に届いていない私達二人じゃ対プレイヤー特化の零二君のアバターには勝てない。

「絶対勝ちたい!」

勝ちにこだわる訳じゃないけれど、でも、零二君に勝ちたい

「なにかレベルアップ以外で出来ることは...」

私はNFOの攻略サイトを覗いて対抗策を探す

そして超が着くほどのレア装備に行き当たった

「取得条件も装備条件もかなり厳しい、でも、挑戦する価値はある!」

私はあこちゃんに協力を頼み2人でEXTRAクエストを受けることにした。

条件は職業が魔法使いまたは魔法剣士であること、そして超級魔法に制限を掛け下級から上級魔法のみで一定数の敵を倒す事、そして広範囲魔法は各魔法に付き1回のみでボスまで挑まなければならない

そしてもちろんボスは魔法耐性がものすごく高く弱体化魔法を使ってもそれは意味をなさない

「近距離魔法主体で攻めるしかないけど、私は魔法剣で挑むよ」

「あこはできるだけサポートするね」

「お願い」

私達は戦闘を開始する

私は零二君と戦っているおかげか魔法剣士としての立ち回り

を上手くこなせていた。

「数が多い!倒しても倒しても減らない!」

それでもなお苦戦は必須だった

幸い回復魔法は制限されてないため耐えているがMP消費もかなりのものだ

そしてMPを使い切りHPもレッドゾーンになったところでようやく初級のクリアである。

「3段階あるうちの1つやっとクリアだね」

「まだ2段階あるんだよね」

「まだ続ける?」

「もちろん!」

そして中級に挑む

そしてかなり厳しい状況に陥っていた

MPがあと2割ポーションによる回復は2回までですでに使い切ったあとだった

「クエスト失敗かな…」

そう呟いた時私達の前を真っ赤な広範囲攻撃が横切った

「何してんのかと思えば、こいつは俺達death装備使いが他対一を想定して受けるクエストだぜ」

「そうなんですか!?」

「確かに言い方は悪いが一般プレイヤーが3人以下でクリアすれば超級のレア装備が手に入るけどな、中後衛職のお前らが挑めば中級でアウトだ」

「ライヴさんがいればクリア出来ますか?」

「出来るぜ!お前らが超級装備を手にすることもな」

「なら!」

「ただし!俺のdeath装備もまた増えるそしてこの装備を昇華させるにはこのクエストを単体クリアする事それも1回じゃない、最低でも10回はクリアしないといけない」

「でも、それならライヴさんなら大丈夫なんじゃ…」

「上級までクリアした時更に上の超級とその上超越級のボスを単体クリア出来たらな」

「そう言うって事は挑んだことあるの?」

「あるぜ!すでに3度は勝利してる」

「ライヴさんでも3回!?」

「あぁ、だからかなり難しいって事!それでもやるんだろ?」

「はい!お願いします。手伝ってください」

「わかった」

私達はライヴさんにも手伝ってもらい上級までクリアした

「さあ、超級ボスの登場だ」

そう言ってライヴさんは剣を向けた

その場所に現れたのは身の丈程の大鎌と大斧を構えた髑髏の仮面のバーバリアンだ

「あんなの倒せるんですか!?」

「まぁ、超越級のドラゴンよりマシだ」

「ラスボスはドラゴンなの?」

「あぁ、あのバーバリアンに勝つより大変だから覚悟しておけよ」

そう言ってライヴさんは鎖に剣を繋ぎ向かっていった

そしてバーバリアンの鎌と打ち合う

「鮮血斬!(ブラットスラッシュ!)」

「双剣斬撃!(クロススラッシュ!)」

「モンスター相手だとステータス半減なはずなのになんであんな強力な攻撃が」

「多分あの鎖だよ!」

「あの赤い鎖?」

「あれが多分人型モンスター相手ならステータス半減じゃなくてなにか違う効果があるんだよ!」

「お前らよそ見するなよ!そろそろ大斧のバーバリアンが動き出すぞ」

ライヴさんが言った通り大鎌のバーバリアン野HPが半分を下回ったタイミングで大斧のバーバリアンが動き出した

そして雄叫びを上げて大斧を振り回す

「まずい!束縛の鎖!(グレイプニル!)時の枷!タイムクルス!」

「少しの間時間稼ぐからそっちの相手頼む今のうちなら攻撃もある程度通るから」

「わかりました!あこちゃん強化魔法重ね掛けするよ」

「OK!」

お互いに強化魔法を重ねて私は魔法剣での斬撃をあこちゃんは連発型の魔法を放つ

攻撃が確かに効いているようで苦悶の声をあげるバーバリアン

そしてライヴさんはブラットアップを発動し双剣斬撃を放つと大鎌のバーバリアンは倒れた。

そして大斧のバーバリアンを相手取る

「答え合わせと行こうか!なんで俺がモンスター相手にまともに戦えているのかのな」

そう言ってライヴさんはモンスターからタゲを取りつつ解説する

「まず俺はモンスター相手ならステータス半減は確定する、だけど、このクエストに限りそれがないそしてあこちゃんも注目してた鎖もそう、この鎖のおかげで攻撃するたびわずかだけど相手は弱体化していく」

「そういう事!」

「そしてこの2本の武器どっちもが弱体化効果を与える剣だからねそれに俺のブラットアップを重ねればある程度のモンスターは余裕で倒せるって訳」

そして話しているうちにライヴさんはバーバリアンのHPをレッドゾーンまで削った

「さぁトドメはお前達がやれ」

私達は頷き魔法攻撃と斬撃で応戦しバーバリアンを倒した。

そしてレベルアップしやっと100を超えた

「次が最後の戦いですね」

「あぁ、超越級のドラゴンだバーバリアンよりも強いから覚悟しておけ」

そして超越級のボス黄金の竜が姿を現した

ライヴさんは剣を向けて竜に向かって話しかける

「よぉ!また倒しに来てやったぜ!竜王さんよ」

『3度程度我を退けたからと言って調子に乗るなよ小僧』

「ドラゴンが喋った!?」

「あいつはAIだろうよ!2・3度戦ってみてわかった事だ」

『此度も我を退けられるか小僧』

「やってやるさ!その前に超越級までたどり着いたボーナスが必要だろう」

「然りだ!新たなる挑戦者よ受け取れ!」

私達に魔法の杖と篭手、そして剣が私達のストレージに入った

「アイテム強化は済んでいる好きに使うが良い!それで我を打倒してみせよ!」

「言われてなくてもやってやるよ俺達でな!」

「やりましょう!」

「負けないよ!」

そうして俺達は竜王へと挑む

「レージング!」

『なんのこれしき!』

鎖を引きちぎる

「バーカ!束縛の鎖グレイプニル!」

『我の動きを封じても無駄ぞ!』

竜王はブレスを放つ

「ブレスは吸収できるんだよ!」

ライヴさんは御魂喰らいの剣でブレスを吸収する

「あこちゃん私達も!」

「うん!やるよー」

私は魔法剣で魔法の斬撃をそして装備した篭手で結界を発動して攻撃を防ぐ

そしてライヴさん一撃が決まり竜王のHPはレッドゾーンに

「気をつけろ!ここから攻撃パターンがかわる!」

「わかりました!」

竜王は飛翔しブレスを吐いて来たり自分達を噛み砕く勢いで襲って来る

「鮮血波動!(ブラットレイ!)」

ライヴさんの波動がブレスを相殺する

「Rin!時間稼ぐから最大限奥義ぶつけろ!」

「わかりました!」

私は残るMPを全て魔法剣に費やす

「ライヴさん!何時でもいけます!」

「MP回復させてもう少しチャージしろ!ゴットブレイドじゃなくてブリンガーだ!」

「わかりました!」

MPポーションを飲んで回復させたMPの全てを魔法剣に収束させる

そしてライヴさんが竜王の噛みつきを躱し私の隣りに並ぶ

「Rinタイミング合わせろ!」

「はい!」

「いくぞ!時間解放!(タイムリベレイト!)」

「神をも穿つ剣(ゴットブリンガー)」

「破滅の豪雨!(カタストロフレイン!)」

時間解放によって更に威力が倍になった私とあこちゃんの攻撃が竜王に襲いかかる

「終わりだ竜王!鮮血の一閃(ブラットストライク)」

その攻撃を最後に竜王は消滅した。

そしてまたレベルアップのファンファーレが鳴る

ライヴさんは経験値が貯められるカードに更に経験値が蓄積されたようだった

「さて、Rinレベルはいくつになった?あこも」

「私は105です」

「あこは103だって!」

「ようやく100超えたな!さぁ、リベンジといこうか!」

「その言葉を待ってました!」

「じゃあ構えろ!」

私達は武器を構える

「ライヴさん!アイテムフルオープンはしてくれないんですか?」

「即死したいならそうするぜ」

「死ぬ気はないですけど、お願いします。」

「そこまで言うなら、武装全開放!(ウエポンフルオープン!)

装備変更鮮血剣勇血、御魂喰らいの剣、勇血剣斬魔」

そしてライヴさんが普段から装備する6本の剣を鎖に繋ぎ更に剣、槍、斧などライヴさんが持つ全ての装備が地面に突き刺さる

「さぁいくぜ!」

「負けません!ホーリーエッジ!」

「ホーリーランス!」

「鮮血波動(ブラットレイ)」

攻撃は簡単に相殺される

「いいもの見せてやるよ!お前らに見せるのが初めてだ喜べ」

そう言って左手を突き出す

「暗黒衝波動(レイオブダークネス)」

私達に向かって暗黒の波動が放たれた

「神域結界!」

「無駄!混沌と腐食の波動(カオスグロウ!)」

「神域結界!デュアル!」

結界を重ねて守ろうと思ったが結界がボロボロに崩れ私達は波動に飲まれた

「その波動は威力こそ低いがくらうと継続ダメージだぜ」

「そんな!?」

「獄炎!(ヘルフレア!)」

「魔法は効かないって」

魔法を放てば吸収され斬撃はことごとく相殺されて鍔迫り合いを仕掛ければ武器の耐久値がガリガリと削られる

私達は現在継続ダメージでHPはイエローゾーン

最初の勝利した時のように阻害魔法は効かない奥の手で御魂喰らいを自分に刺せば魔法の効果は無効化される

「打つ手なしかも…」

「RinRin一か八かに賭けよう!あこ残りのMP全部使って

ビックバンノヴァ打つからRinRinはゴットブリンガーをぶつけて!」

「やってみよう!逃げても守ってもやられるなら最後まで足掻こう!」

「話し合い終わった?」

「終わりました!」

「いくよー!ビックバンノヴァ!」

「超広範囲消滅魔法かよ!?仕方ねぇ!」

ライヴさんは時短の剣解放(リベレイト)と時閃剣開時を連結させると剣を回転させる

「時間加速!(タイムアクセラレータ!)」

あこちゃんの魔法に向かってそのまま剣を投げると

時計が現れ文字盤を1周すると魔法が消えた

「嘘!?なんで」

「1日1度しか使えない奥義だよ!無理してもし2回使えば剣がボロボロになるし俺のHPも全損する」

「そんなのアリ!?」

「アリなんだな〜これが」

「あこちゃん離れて!」

「うん!」

あこちゃんが飛び退くと全力で剣を振った

「神をも切り裂く究極の剣!(アルティメットブリンガー!)」

「マジっすか!?クソ!こうなったら!御魂喰らいの奥の手を出すしかないな!」

そう言って自分のHPとMPを1残して吸収させて

力を高めると全ての武器を宙に浮かせる

「武器の祭典!(ウェポンカーニバル!)」

100を越える武器が乱れ舞い私の技を打ち破った

そしてライヴさんは私に近づいて触れると同時に声を発した

「deathカタストロフ」

その瞬間私のアバターはHP全損によりゲームオーバーとなった。

私は画面の向こうで軽く机を叩いた

「またダメだった!そして零二くんの言った通りだった即死するって」

そして画面越しに声が聞こえてきた

「手加減無しって約束だったからね、悔しいならもっともっと強くなったらいい」

「でも零二君は更に強くなるんですよね」

「だろうね、だって俺達はゲーム世界じゃライバルでしょ?」「ライバル…」

「そう、ライバル!だって俺に何度負けても向かってくる燐子がいるから俺も負けたくなくて更に強さを追い求めるんだから」

「なら!私は零二君に負けないくらいにもっと強くなって絶対に零二君はもう一度黒星を刻み付けます!」

「楽しみにしてる。それじゃあ今回も俺の勝ちって事で!

あの時のやり直しをしよう!」

「零二君もそれを望んでくれるんですか?」

「もちろん!まあ俺もやり直したいって思ってたしさ」

「じゃあ、週末!遊びましょう!」

「もちろん!また3人でいいのかな?」

「できれば…今回は2人がいいです」

「じゃあ、あこちゃんにはあとから埋め合わせするとして、今回は2人で遊ぼうか」

「はい!」

私はこの時初めて零二君に認めて貰えた気がした。

 

 

 

 

 

 

 




またまた一月ぶりです。
今回はゲーム世界でのリベンジと新たな挑戦を描きました
書いてて主人公強くしすぎかなと思ってたりもしますが
やっぱり強さって大事だと思うので多目に見てください
次回は2人でのお出かけ回を書きますのでお楽しみに

次回「2人で過ごす時間と気付いた気持ち」


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第15話 2人で過ごす時間と気付いた気持ち

お互いに初めての現実での出会いをやり直すため2人で1日を過ごす事にする。



約束の日

俺はなるべくお洒落な感じに見えればと少し気合いを入れた服装で家を出る。

「動きやすくてそれでいてお洒落な感じにしたけど、大丈夫かな」

使用時期自分でも不安ではある。

そして待ち合わせの場所に着くと身だしなみを整えて燐子を待っていると少しして燐子がやって来た

「お待たせしました。」

「そんなに待ってないから大丈夫だよ。私服可愛いね

普段制服姿見慣れてる分新鮮」

「ありがとうございます。零二君もお洒落でカッコイイですよ」

「ありがとう。ちょっと気合い入れたかいあったかな」

「お洒落してくれたんですね」

「まぁね、隣歩くんだもんちょっとは見劣りしないようにしないとね」

「嬉しいです。零二君がそこまで考えてくれてたこともですけど、またこうして遊びにいける事が凄く」

「俺はさ、燐子が歩み寄って来てくれた事が凄く嬉しかったんだ、だからこそ俺も拒絶するんじゃなくて、歩み寄って行けたらなって、それにさ約束したでしょ、手の届くところにいるよって」

「覚えてくれてたんですね」

「約束は覚えてるよ、忘れてない。さて、話はこれくらいにして移動しようか、いきなりゲームセンターっていうのもアレだし、ちょっと色んなお店見て回ろうよ」

「いいですね!そうしましょう」

それから俺達は色んなお店を見て回る

「なんか欲しいものあった?」

「特には無いですね、零二君はどうですか?」

「う〜ん俺もこれと言ってないかな、欲しいものってこの時その時で買ってるから以外となくて」

「私も似た様な感じです。元々物欲もあまりない方なので」

「じゃあ、メイト行ってみようか?」

「animateですか?」

「そうそう、なんかいいものあるんじゃない?」

「行ってみましょうか」

「だね」

それから俺達はanimateにやって来た

「何度か来たことありますが、やっぱり色々置いてますね

本やゲームにフィギュアや玩具なんかも」

「だね、フィギュアとか玩具はあんまり買わないけど、ゲームや本は俺もよく買うから」

「それならおすすめの漫画や小説教えてください。私も読んでみたいですし興味があります。」

「そう言われてもな〜どういうのを読んでみたい?」

「本当に零二君が興味のあるもので良いんですよ、ちょっとえっ…エッチなのでも…」

そう言って赤面する

「赤くなるなら言わなきゃいいのに、でもそっち系は俺も見ないよ!精々週刊誌のグラビアくらい」

「そうなんですか?ちょっと意外です」

「まぁ、人それぞれなんじゃないの?」

などと話しつつ青年コミックスの辺りに移動して2種類の漫画を手に取る

「これなんかどう?服飾の話なんだけど片方は服作りが好きな主人公と低身長ながらもトップモデルを目指す子の話なんだ、もう1つはオタクなギャルと一緒にコスプレ衣装を作ったりしながら日常を過ごす話だよ」

「どっちも服を作る話なんですね」

「そうそう、どっちもオススメだよ」

「じゃあ両方1冊ずつ買うので残りは貸してください」

「良いよ、もし気に入ったら燐子も揃えるといいよ」

「そうですね、是非そうしたいです。

それで…あの…零二君非常に聞辛いんですが…お金の心配はないんですか?」

「あぁ、当然の疑問だよね俺、これでもゲームのプレイ動画とかネットに上げてるからそれなりに収益はあるんだよ!たまにNFOも上げてるよ!」

「そうなんですか!?」

「うん、俺の気が向いた時だけね。燐子達との戦いも上がってるよ!基本PVPの動画だから」

「零二君が無双する動画ばっかりですね」

「まぁ、コメント的にはそういうのも多いからね」

「まぁ、勝てる人がいないんでしょうけど」

そう話しつつ俺達は買い物を終えて

2人でゲームセンターに行きスコアを競うゲームで上位記録を塗り替えた後クレーンゲームでいくつか景品を獲得し

その後少し遅めにお昼を食べて2人で映画を観た

映画は実話を元にした作品だったのでかなり感情移入しやすく感動的だった。

燐子はラストの方はずっとネックレスを握りしめていたので手の熱で色がオレンジになっていた。

映画を観た後俺たちは近くのカフェに入り映画について

少し話したあとこの後の事に着いて話していた。

「この後どうする?帰るにはまだ少し早いし、俺としてはもう少し遊びたいかな」

「そうですね、なら一緒にプリクラ撮りませんか?」

「もちろん。構わないよ機械は選んでね」

「わかりました。」

俺達はカフェを後にし歩きながら話す

「燐子はプリクラ撮ったりするの?Roseliaの皆とか、あこちゃんとかと」

「あこちゃんとは何度かRoseliaの皆さんとは普通の集合写真みたいなやつはありますけど、プリクラは無いですね」

「リサとか好きそうだけどね」

「友希那さんとはよく撮られるみたいですよ、たまに友希那さん仏頂面って感じの顔で写ってるの見たことあります」

「何となく想像つくね」

そんな話をしながらゲームセンターに戻り機械を選んで

プリクラを撮る

最後の1枚で俺は燐子を後ろから抱きしめたら燐子は軽く赤面していた。

「さすがに恥ずかしかった?」

「少しだけ…あんなに密着したの初めてだったので」

「燐子じゃなかったら俺もやらないよ、燐子だからだよ」

「それって…」

「まぁ…その…そういう事」

そう言って言葉を濁す

(言えるかよ…ずっと一緒にいたいと思える存在だなんてさ)

俺は自分の気持ちを改めて自覚した。

燐子の為でもあり自分の為であったあの乱闘の後、俺を恐いと思っても歩み寄って来てくれた燐子だからこそ

歩み寄って共に在りたいと思えた。

俺はそれから燐子を送り自分も帰宅した。

 

 

燐子視点

零二君に家まで送ってもらい零二君を見送ってから家に入り

楽な格好に着替えてからベットに寝そべり零二君がくれたネックレスを見て触れて色を変えてみる

「まるで零二君の心みたい…」

心の声が口を着いたようだった。

「零二君…」

私はきっと零二君が好きなんだ…

ゲームと現実で私は彼と彼があやつるアバターに強く惹かれている事に私は今日初めて気がついたのだった。

 

 

 

 

 




15話目です。お互いの気持ちを改めて認識した話になります
今後の展開としてはもう少し現状維持しつつ休み前にまた乱闘騒ぎを起こしそこで2人をくっつけようと思います
主人公は多分この先の話だと停学処分になるでしょうが
今後の展開についてはお楽しみに
次回「距離感と気持ちの間で」


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第16話距離感と気持ちの間で

お互いに歩み寄り距離が縮まる中で生まれた感情は何処へ向かうのか


燐子と2人で出掛けてから数日後

俺はRoseliaの練習に混ぜてもらい一緒にRoseliaの曲を演奏していた

「零二、何かあったの?」

「なんで?」

「音が弾んでるわよ」

「楽しそうに弾いてるね」

「そうですね、気持ちが乗ってるのを感じます」

「確かにそうですね」

「あこもそう感じるよ」

「実際どうなのよ?」

「まぁ、確かにそうかもね、なんか久々に音楽に打ち込めてるって感じがしてて」

「争いがないのは良い事よ」

「俺の周りは争いが絶えなかったから、こうして好きな事できるのが楽しんだ」

「そう、でも油断大敵とも言うけれど、零二は心配するだけ無駄かしら?」

「無駄って事は無いよ!備えあれば憂いなしっても言うでしょ!」

「そうね」

「でも零二君、本当に大丈夫でしょうか?」

「何が?」

「いえ、嵐の前の静けさって感じがしてどうしても不安が拭えなくて」

「きっと大丈夫、大きな争いが起こったとしても皆は必ず守るから!俺の力は守るために使うものだから」

「零二君に傷付いて欲しいわけじゃ…」

「わかってるよ!色々戦い方って言うか立ち回り方は模索してるから大丈夫」

「でも、心配なんです」

「大丈夫だよ!俺、強いから!」

今は強がりでもいいからいつか必ず大切なものを守れる強さを…そして零人のような犠牲を出さない為にも

握った拳を眺めつつ心にそう誓う

「心配しすぎるのも良くないよ燐子、零二を信じてあげなって」

「そうですね、今井さんの言い分も一理あると思います

零二君もかえって不安になるのではないですか?

信頼して貰えてないと」

「実際どうなの零兄ぃ」

「信頼してるからこそ同じくらい心配もしてるってことでしょ!それは俺にとっては有難いことだよ」

「だそうよ燐子」

俺は燐子の目を見て告げる

「俺は燐子に信じて貰えるように尽くすからさそんな顔しないでよ!そりゃ不安はあるかもしれないけど、不安を持つより希望を持って欲しいかな」

「私は零二君に傷付いて欲しくないだけです!だって!零二君は守る為って言って自分が傷つくことは厭わないんですから!」

「零二、ここまで心配してくれてるんだからちゃんと答えてあげなさいよ」

「わかってるよ!」

その後もやいのやいの言われながら練習時間を過ごし解散する

俺は燐子を家まで送った後街の様子を見て回っていると

昔の仲間に会った

「零二さんじゃないすか!」

「お前ら…元気だったか?」

「見ての通り五体満足です!」

「零二さんも元気そうで良かったです。」

「チーム解散してから会う機会めっきり減りましたからね」

「だな、お前ら今どうしてんの?」

「俺達は高校いかずに就職しました、今は工場で働いてて今日はたまたま全員休みだったんです」

「そうか…元気そうで良かったよ」

「零二さんはどうしてたんすかココ最近」

「色々だ、でも、好きな事を全力で楽しくやって過ごしてる

ようやく求めてた答えの一つが見つかりそうなんだ」

「そうなんすか!零二さんはずっと答えを出すとか出さないとか言ってたからそれのきっかけでも見つかって良かったですよ」

「今度また久々にチームメンバーで飯でも食いましょう」

「あぁまたな!」

そうして元チームメンバーと別れた後俺は帰宅する

家に帰ると珍しく父さんがいた

「父さん、珍しいね帰ってくるなんて」

「あぁ、たまにはな」

「なんかあった?」

「あぁ、ちょっとな」

「捜査関係って事?」

「いや、そうじゃない、むしろ注意しろって言いたい事だ」

「何?」

「九頭原龍也と狩野虎丸が少年院から出てきたんだ」

「それで?」

「本人確認は取れてないがまた悪さをしているらしいそれに昔いざこざがあった連中を襲ってるって話だ」

「俺も気をつけろってことか」

「そうだ、なるべく関わらないようにしろ」

「わかった。とは言っても友達が傷付いたりしたら俺はその友達を守るために力を使うからね」

「わかってるさ、だからこそ注意喚起をしたのさ」

「でも、アイツらがまたなにかやらかすとは思えないけどな」

「アイツらは出所してすぐにまた喧嘩騒動を起こしてはいるが俺もそう思っては無い」

「もしかして…」

「なにか心当たりがあるのか?」

「俺の昔の仲間がね、学校にいかないで就職したって言ってた、だから奴らもそうじゃないかなって」

俺は考えを父さんに伝える

「例えば、騒動の原因も誰かを助けるためだったとしたら?」

「つまりは仕事仲間を庇い騒動を起こしたがそれ以上はって事か?」

「あくまでも仮定の話だけどね」

「その線も当たってみよう、俺達は固定概念に縛られすぎているからな」

その後俺と父さんは一緒に食事をとり俺は部屋に戻り仲間に万が一を伝えておいた。

「もしかしたらチームを再結成させないとダメかもな」

俺は元チームメンバーの事を思い浮かべ、同時に燐子の事が頭をよぎった

「誰にも燐子を俺の仲間を傷つけさせるもんか!」

白金燐子、俺にとって大切な子、初めておれを怖がっても尚歩み寄ってくれた女の子、だからこそ守りたいと思った。

友達以上恋人未満の曖昧な関係ではあるもののそれでも大切である事には変わりはないから

「ごめんね…約束破ることになるかも…」

俺は静かにそう呟き我が家の天井を見上げていた…

 

 

 

 




16話です。Roseliaの皆はあんまり登場してませんが今回は零二君視点での物語となりますのでご容赦を

次回はチームRAVENを復活させて主人公が色々行動していきますの。多少ではありますがRoseliaの皆との絡みも書きますのでお楽しみに

次回「復活と交わした約束」


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第17話復活と交わした約束

守る為の力を求め続ける零二は大切な人達を守るために行動を起こす


不穏な空気が街に流れていると感じていた。

そしてバイクの音があちこちで聞こえている

今の所喧嘩騒動は見掛けていないが油断大敵だと思う

「最近増えましたねバイク」

「趣味で走ってるだけならいいけど、いざこざは勘弁して欲しいよね」

「そうですね…」

「もしなにかあっても必ず助けるからね」

「はい、零二君が守ってくれるなら安心です!でも、零二君を守れないのは辛いです」

「燐子には十分助けられてるよ」

「そうですか?」

「うん、燐子に何度助けられたことか!だからさもしも俺が色んなことを見失いそうになったらまた助けてよ」

「それで零二君の助けになれるなら!」

そうして燐子を家まで送ってから元チームメンバーと連絡を取り落ち合う

「なにかわかったか?」

「えぇ色々と、まずは出所した2人についてすけど、半分は零二さんの予想通りでした。」

「ヤツら出所してからはスクラップ工場で働いているらしくて、いつかの騒動も仕事仲間がカツアゲにあった結果らしいっす」

「今、騒いでる連中は?」

「ドレッドノートの隊長各だったヤツがまた騒いでるらしいくかなり札つきの奴みたいですぜ」

「お前らの中で被害はまだないな?」

「ないっす」

「ただチームを潰して回ってるのはマジらしく被害にあった連中はチラホラと」

「なるほどな…」

「零二さん…チームを復活させませんか?」

「なぜだ?」

「俺達だけじゃ守れない事も多くあるでしょうし、あくまでも自警団として活動する分には俺達がどうこうなる心配は無いですし、それに零二さんの守りたいものも守れる可能性は上がるはずです!」

「そんな理由じゃチームは復活されられない!零人と約束したんだ!零人がいない以上俺がチームRAVENのトップだ!俺の決めた事に口出すな!」

「…失礼しました。でも、零二さん忘れないでください、一人じゃ守れない時もあります」

「わかってる!だから俺は零人を死なせたんだろうが!」

「でも、零人さんは…」

「黙ってろ!チームRAVENを復活させる時は俺の全てを賭けるときだ!」

「わかりました。」

「しばらくは各自用心すること!いいな!」

「わかりました。」

そうしてあいつらは帰って行った

でもそれがある意味油断だった、アイツらの言うことに耳を傾けてチームを復活させていたら防げたかもしれないことがあったんだ。

 

 

それから数日は問題なく過ぎた、むしろ問題が無さすぎるくらいだった。

そして俺の元に連絡が入ったメンバーの一人がやられたのだ

「やった相手は?」

「ドレッドノートの奴らです!」

「主犯は誰だ?」

「ドレッドノートの奴らとしか」

そう話していると俺のスマホに着信が入った

「誰だ?」

(もうお忘れですか?僕の声を)

「電話越しじゃあどうもな」

(ボクですよ!本城です)

「なんでお前がかけてきた?」

(君の仲間をやったのがボクの友達だからですよ)

「なんでそんな事を」

(決まってるじゃないですか!君を白金さんから引き離すためです。彼女はボクの物ですから)

「言ったはずだあの子は誰のものでもない!」

(だからこそボクのモノにします)

「ふざけるな!燐子に手を出してみろ!死ぬほど後悔させてやる!」

(できますか?ボクの居場所がわからないのに)

「ドレッドノートと組んでるってことはその辺の廃倉庫にでもいるんだろ」

(さぁ〜?どうでしょうね、まぁ頑張ってボクを見つけてください)

それだけ言って通話が切れた

「あの野郎!おい!お前ら!やるぞ!チームRAVENを復活させる!」

「本当ですか!?」

「2度は言わねぇーよ!再び集まれ!俺の元に!トップは一人不在だが俺がチームを背負って立つ!」

「待ってました!チームRAVEN復活の時!」

「まずは連中のねぐら探し!次いで絡まれてるヤツらが居たら助けろ!俺達はカラスだ!どこにでもいる小賢しい鳥さ!」

「わかりました!聞いたな!余計な真似したやつは零二さんから制裁を受けるから覚悟しろよ!」

そうしてチームRAVENは復活した

俺は1度帰宅してから手紙を書いた

1つは父さんに、もう一つはRoseliaにそしてもう1つは燐子個人へ向けて書いた

そしてチームRAVEN唯一の女子にRoseliaと燐子宛の手紙を渡した後俺は昔作ったチームRAVENのパーカーを羽織りゴーグルと手袋を着けて家を出る

「久しぶりだなこのスタイルになるのは」

そうして俺はあの頃の自分に戻った

 

Roselia視点

零二からRoseliaを脱退するとメッセージが来てそれから

何度電話してもメッセージを送っても繋がらない

そんな中で届いた手紙には脱退の理由と謝罪が書いたあった

「見守ることしかできないようね…」

「零二に繋がらないもんね…」

「どうすればいいんでしょうか?」

「あこ、また零兄ぃと一緒に演奏したいけどできないんだよね…」

そんな中燐子は自分宛ての手紙をみて涙を流していた

 

 

燐子視点

 

零二君が私宛に書いた手紙に私は目を通す

 

燐子へ

そばにいるって約束を守れなくてごめんなさい

俺はもう一度だけ1羽のカラスになります

君を危険から遠ざけるためにも離れる必要がありました

俺はもう一つの約束の君を守る約束を果たしてきます

君の為に傷付くことを俺はいといません

交わした約束を守るために

 

追伸

君は俺にとって特別で大切で大好きな人でした

 

手紙を読み終えた私の頬を涙が伝った

 

「零二君のバカ…自分だけ伝えたい事言っていなくなるなんてずいです…私だって…零二君が…零二君が好きなのに…」

私は手紙を胸に抱きその場に泣き崩れた…

 




17話です。あえて離れる選択をした主人公とそれを知り涙する燐子はこの先どう歩んでいくのかこの先もお楽しみに

次回「いるべき場所と帰るべき居場所」


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第18話いるべき場所と帰るべき居場所

零二は自分の居場所に葛藤しつつ約束のために行動する


燐子視点

 

零二君がいなくなってからもう1週間、学校にも姿を見せていない。

零二君のお父さんから休学すると学校に連絡はあったみたいだけど、私達はあれから何度かけても零二君には繋がらない

「ハァ…」

ため息だけが出る

「白金さん」

「氷川さん」

「大丈夫ですか?元気がないように見えますが」

「体調面に問題はありません…ですけど…」

「零二君のことが気がかりですか?」

「…はい、あれから連絡が付きませんし、ゲームの方にも来てなくて…」

「彼の居場所がわからない以上会うことも出来ませんしね」

「はい…街もなんだか物騒になってきてますし」

「零二君がやはり心配ですよね」

「はい…」

「もしかしたらですが、虎堂修也君、彼なら何か知ってるのではないですか?」

「確かに…聞いてみましょう」

私達は虎堂君を見つけて呼び止める

「虎堂君!待ってください!」

「白金に氷川、なんか用?」

「零二君の居場所を知りませんか?」

「例え知ってても教えられないよ、俺もチームRAVENのメンバーだからね、リーダーが望まない事はできないよ」

「なんとかなりませんか?」

「無理だね、でも、リーダーに会ってどうするの?」

「話がしたいんです」

「伝言役くらいなら引き受けるけど会わせろは無理」

「それはあなたも知らないからですか?」

「なんでそう思うの?」

「簡単な理由です。零二君は学校に来ていないのにあなたは来ている、つまりあなたの目的は学校の方にあるからです」

「半分正解、俺が学校にいる理由は君達の監視兼護衛

リーダーは今、動くに動けないからね」

「その理由は?」

「前にLIVEの後零二が喧嘩してたの覚えてる?あの時の奴が懲りずにまた白金を狙ってるだからこそ零二は仲間を使って街全体を探して回ってる、そして俺ともう1人が君達の監視兼護衛直接君達に接触があった場合に報せるのが俺達の役目、後は、そいつが現れた時の足止めとかね」

「なるほど…ですがそれこそ零二君がそれをすれば問題ないのでは?」

「リーダーがそれをしないのはチームを率いてるからってのとあえて君達から距離を置いてるから」

「なら尚更零二に会って私は話すべきだと思います」

「…まぁリーダーには伝えておくよ、リーダーは多分会わないだろうけどね」

「まだ話は終わってませんよ!」

「氷川さん…大丈夫です。」

「でも白金さん!」

「零二君が私達を守ろうとしてくれてる事が少なからずわかりました。私達は零二君が帰ってくる場所にいて待っていようと思います。」

「白金さんがそれで良いなら構いませんが…」

「零二君はきっといつか戻ってきます。だからこそ今は追わない方がいいのかもしれません」

「説得力…ないですよ、そんな泣きそうな顔で言っても」

「顔まで取り繕っている余裕はないです」

「そうですか…」

零二君に会えない事がこんなにも辛いなんて思わなかった。

 

零二視点

 

俺はチームRAVENの集会所で報告を聞いていた

「とりあえず街の方は異常無いですね、学校の方はどうです?」

「本城が接触してきてはいません、静かすぎて驚きます」

「外堀埋められてんじゃない?」

「可能性はあるが、外堀ってなると俺達の周りが危ないがそれは無いだろうよ」

「どうして?」

「学校にいる燐子達に何も無い以上外堀を埋めに来てる可能性は低いだろう、機会を見計らってる可能性はあるだろうな」

「リーダー、もう少し街を歩ってみた方が良いかな?」

「そうしてくれ、俺はいつでも動けるように準備はしておく」

俺は1呼吸置いて言葉を続ける

「チームRAVENはお前達の居場所だ!でも帰るべき場所じゃねんだ、居場所も帰るべき場所も守るために戦え!」

「「「はい!」」」

そうして皆が出払ったタイミングで修也が話しかけて来た

「さっきの言葉、リーダーはどうなの?」

「何がだ?」

「リーダーの居場所で帰るべき場所」

「俺の居場所はチームRAVENだけだ、帰るべき場所はとっくにない全て俺が遠ざけたからな」

「白金のところには帰らないの?」

「俺は本城をぶっ潰したらこの街から消える」

「どこに行く気だい?」

「零人の所さ、チームRAVENとしてのあいつは俺が殺した。

でも、本人は死んでない!生きてる」

「つまりその彼のところに行く気なんだね」

「あれから会ってないからな、会いに行くのも悪くねぇ」

「白金は待ってると思うよ、君の事」

「もう、会えないさ…交わした約束も守れない奴が

居ていいもんかよ!」

「約束はまた紡げばいいと思うけどね、まだ離れるには早いんじゃない?」

「俺がそれを望むことはできない」

「リーダー、しばらく楽器触ってないんじゃない?」

「いきなりなんだ?確かにしばらく触れていないけどよ」

「腕、鈍るよ」

「関係ない、今は…守るために力を使う事だけでいい」

「…リーダー、守りたいなら近くにいるべきじゃない?」

「ダメなんだよ!1度離れた以上俺は戻れない!…俺も街に出る、話は終わりだ」

俺は強引に話を打ち切りパーカーのフードを被りサングラスで目元を隠し夜の闇へと紛れる

「俺の居場所はここだ、帰るべき場所は…存在しない」

声に出しても、その言葉は虚しいだけだった…

 

 

 

 




18話です。ちょっと短いかもしれませんがここまでとします。
次回は主人公と燐子を再会させそれを1度拒絶する感じで書いた後決着させようと思いますのでお楽しみに

次回「再会と拒絶」


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第19話再会と拒絶

燐子と零二は再び再会するが待っていたのは拒絶だった…


燐子視点

零二君がいなくなってもう10日、心にぽっかり穴が空いたみたいにずっと虚しい気持ちが消えない

あえて追わない方がいいとは言ったものの零二君に逢いたい気持ちも膨らむ一方だ。

私は零二と一緒に写ったプリクラを見てため息をつき彼の名前を呼ぶ

「零二君…」

その呼びかけには彼は答えてくれない

私はどうしたらいいのかな?

考えても答えは出ない

彼がいない時間がこんなにも辛いなんて思わなかった。

でも、私には待つことしかできない、零二君は私を危険から遠ざけるために離れたから

私に出来ることは無いのかな…

「……さん………白金さん」

考え込んでいた所に名前を呼ばれハッとする

「ごめんなさい…考え事をしていました。」

「また零二君の事ですか?」

「それもあるんですが…私に出来る事は無いのかなと」

「そういう事ですか、正直今は彼の帰りを待つ事しか出来ないのではありませんか?」

「やっぱりそうですよね…」

「とりあえず行きましょう、そろそろ練習が始まる時間になります」

「そうですね」

その後私は練習に没頭した。そうしていないとまた零二君の事が頭をよぎるから…

 

Roselia視点

 

「りんりん元気ないね…零兄ぃ居なくなってから余計に」

「練習の時は没頭しているから切り替えられてるって感じだもんね」

「そうね、零二が居ないことがここまでだなんてね」

「何とかして零二に会えないかな?」

「難しいですね、彼と仲のいい男子生徒がいるんですが彼を通して伝言をお願いするくらいしか出来ません」

「なら、彼を通して零二に早く戻って来なさいと伝言してもらうしかないわね、零二の居場所が分からない以上それしか方法も無いのだし」

「そうですね、それしかないかと思います」

「決まりね」

皆で伝える内容を決めその後練習を再開し、しばらくして解散した。

 

燐子視点

帰宅した私はベッドに身を投げ出すように寝そべり

ため息をつく

「私、どうしちゃったんだろう」

答えは分かりきってる。零二君と知り合う前と比べて

知り合ってからの時間が楽しすぎたのだ。

彼を一度は恐れてしまった、でも、歩み寄ると決めて歩み寄れば彼は私の隣か1歩先を歩いて常にそばに居ていくれた

そしていつも私を1番に考えて守ってくれた。

私の為に傷付いてもいいとさえ言ってくれた。

そして彼がくれたネックレスは私の宝物で寝る時以外は肌身離さず持っているこれが私と彼を繋いでくれるものだから

「零二君…あなたに会いたいです…」

私は零二君と過ごした時間を思い返し涙した。

 

 

次の日学校

虎堂君にいつものように伝言を頼み私は零二君の事を聞く

「零二君はどうしてるんですか?」

「いつにも増して人を寄せ付けない感じで凄いピリピリしてる」

「まだ、会うことは出来ませんか?」

「俺としては今すぐにでも会わせたいんだけど、多分リーダー拒絶すると思う」

「どうしてですか?」

「リーダーね、この争いに決着着いたら君達の前から消えるつもりだから、関わらないようにしてるんだと思う」

「そんな!?」

「俺としては今すぐに会って引き止めて欲しいんだよね、でも、最近は連絡は取れても会えないんだ俺じゃあね」

「あなたが会えないなら誰なら会うことができるんですか?」

「ん〜零二の舎弟達とか?後、唯一の女性メンバーとか」

「私達じゃどうしようもないんですか?」

「何とか会えるように取り計らってみるけど、期待はしないでね」

それだけ言って虎堂君はまた何処かに行ってしまった…

 

-放課後-

 

氷川さんと2人で学校を出て少し歩いた時誰かが私に声を掛けてきた

「やぁ、白金さん、それに氷川さん」

「どちら様でしょうか?」

「僕を忘れたんですか?酷いな〜」

「……!もしかして本城君…ですか?」

「さすが白金さん!自分の主をしっかり覚えてるんですね」

「私はモノじゃありません!」

「いいや、あなたは僕のモノだ!あなたという存在は僕が独占するべきなんだ」

「あなたの所有欲を満たすためだけにモノ扱いされるのは侵害です!帰ってください」

「僕をぞんざいに扱わない事だ!酷い目に会いたくなければね」

そう言って私に向かって手を伸ばしてきた本城君の行動を虎堂君が遮った

「あれ〜誰かと思えば本城じゃん!転校したって聞いてたけど?あぁ!実は休学で明日から復学するとか?」

「…誰かと思えば不良もどきの虎堂君ですか、あなたに用はありませんからお引取りを」

「そうもいかないよね、なんかこっちの2人迷惑そうだし、迷惑行為を見過ごすわけに行かないでしょ」

「失礼な、僕はただ世間話をしていただけですよ」

「って言ってるけど?」

「会話と呼べるものではありませんでした」

「だってさ」

「仮にそうだったとして逃げるだけしか脳が無い君に何が出来ますか?」

「逃げるだけしか脳が無いって言うけど、彼女達を連れて逃げる事が出来るんだよ」

「……チッ確かに逃げる側からすればそういう考えも出来る訳ですね、ですが先に僕が彼女をこっち側に引き込めば話は変わりますけどね」

「やってみろよ!」

「やっと来たね!」

現れたのは真っ黒な服に身を包んだ零二君だった

「君ですか…」

「また鼻っ柱へし折られたくなければ失せろ!」

「君のおかげで鼻の形が変わってしまったんでしたね

顔の形まで変えられては適わないので今は退散するとしますよ」

「次は無いからな!本城!次会う時はどっちかが潰れる時だ!」

「あなたが消える時ですよ!そして白金さんが僕のものになるんです」

「その女はお前が安易に触れていい相手じゃねんだよ!」

「まぁ、いいです。今は消えてあげますよ!今はね…」

そう言って本城は何処かに行った

「零二君!」

「近付くな!」

「え…」

「俺はもう一羽の薄汚れたカラスだ!血にまみれて汚れた俺は本城と変わらない」

「そんなこと…」

「今の俺の手を取れるか?」

そう言って零二君は手を差し出してきた

私はその手を取ることが出来なかった…

何故か零二君から差し出された手はあの時私が拒絶してしまった時と同じような感じがした。

 

「やっぱりな…」

零二君はそれだけ言ってパーカーのフードを被り直しサングラスで目元を隠すと走り去っていった。

「待っ…」

その声が彼に届くことはなく私はその場に立ち尽くすことしか出来なかった…

「零二君…」

私の頬を涙が伝う

色々な感情が入り交じりわたしはまた泣き崩れた

私はこんなにも弱かったんだ…

「私はもう一度…もう一度零二君の手を握りたい…握って離したくないです。」

「一度は歩み寄れたんですからきっと大丈夫ですよ」

「リーダーの手を取れるのは君だけだと思うな」

「絶対にもう一度零二君の手を取ってみせます」

私は拒絶を受け入れて再スタートを切った。




19話目ですね。次回辺りで決着付けちゃおうかなとも思ってますが喧嘩描写とか書くのはなかなか大変です。
でもやりたい事を詰め込んでみようとは思ってますが
正直迷ってるのでアンケートで決めようと思いますのでよろしくお願いします。
一応次回は主人公が喧嘩します。
次回「賭けと戦争」


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第20話賭けと戦争

チーム同士の抗争の火蓋が今、切られようとしている


零二君がいなくなってからそろそろ3週間、

夏休みまであと1週間

あの日以来零二君には会えず終いだ

「今、どこにいるんだろう…」

思い当たる場所がないから探そうにもそれが出来ない

彼の居場所を知ってそうな虎堂君も最近は連絡だけで会うことは出来ないらしい

「零二君…あなたに会いたいです…」

誰もその呟きを拾ってはくれない

私は彼の手を取りたいけれど、彼に会うことが出来なければそれすら叶わない

零二君に最後に会った日彼は私を拒絶した。

本城君に触れられそうになった時は心底体の底から冷たくなるような感じだった。

零二君の時は近付く事が躊躇われる感じだった。

「零二君が近付くなと拒絶したのはわたしを巻き込みたくなかったからだろうけど…傷付いた零二君の手を取って肩を貸してくれる人がわたし以外にもいるのなら…」

そこまで言って思い出したのは零二君の親友だった人

彼は同じ場所で同じものを見ていたからこそだったのだろう

失ったものが多すぎるから彼はあえて拒絶する事で守ろうとする。遠ざけることで安心させるやり方しか知らないからそうする

そんな感じなのだろうと思った

「零二君…」

呼んでも答えてくれないけれど、彼の名を呼ぶことしか今の私には出来なかった

 

 

零二side

「寝てろ!コノヤロー!」

俺は相手を背負い投げる

チーム同士の抗争が本格的になりつつある今俺は喧嘩に明け暮れていた

「邪魔だ!」

一人また一人と相手を殴り飛ばす

「零二さん!キリないですよこれじゃあ」

「本城が表に出てこねー以上下っ端連中から聞き出すしかないだろう!お前達もあちこち探し回ってくれてるんだろうが

それでも見つかんないってことはどっかあいつらしか知らない溜まり場があるはずなんだ」

俺は倒れてる敵の一人の胸ぐらを掴んで問いただす

「おい!お前は本城の居場所知ってるか?」

「誰が言うかよ…あの人の居場所を言えば俺達もタダじゃすまないからな…」

「あっそ、ならお前のチームの幹部の名を1人言えそうすればこれ以上は何もしない」

「霧島…霧島叶大(かなた)チームドレッドノートの元No.4の一人だ」

「もう1つ質問だ、過去のドレッドノートはNo.が与えられてるヤツら何人いた?」

「5人だ…そして霧島さんともう1人今のリーダーはお前らとの抗争の時はパクられてた」

「もう1人は?」

「俺も詳しくは知らねんだナンバーズってくらいしか」

「名前もか?」

「あぁ」

「そうか…じゃあ寝てろ!」

溝尾に拳を突き刺し気絶させると俺は立ち上がり仲間に声をかける

「ドレッドノートのナンバーズについて調べろ!前に言ってた奴以外にも注意する連中になりそうだ」

「了解っス!」

「一度集まるぞ、情報を共有しておく必要がある」

「「「はい」」」

そして俺達は一度集会場に集まり情報を共有する

「なるほどね、でもリーダー、これってリーダー以外で対処できるの?俺は難しい気がするんだけど」

「俺以外だと…龍太と将真くらいか」

「俺達?確かに零二君達に鍛えられたけどさ、やれる?」

「やれるさお前等ならな」

「まぁやり合うことになったら考えよう」

「それっきゃないよな」

「他は?」

「凛奈くらいか」

「凛奈さんに関してはやれないと困るよね、一応リーダーの護衛役でもいる訳だし」

「俺は自分の身は自分で守れる」

「放っておくとナイフを手に突き刺して受け止めたり血まみれなってる人がよく言いますね」

「俺は血濡れカラスだからいんだよ!」

集まって話していると唐突に俺のスマホが鳴った

「調べ事頼んだ奴らか?」

画面を見ると知らない番号だった

俺はとりあえず出てみることにした

「誰だ?」

(僕ですよ!本城です。話し合いましょう)

「何が目的だ?本当に話し合いか?それとも潰し合いか?」

(一応前者ですよ、なので以前貴方と揉めた時の廃工場で会いましょう5対5でどうです?)

「……わかった」

(お待ちしてますよ)

俺は電話を切ると龍太と将真、凛奈と修也の4人と共に目的の場所に向かった

そこには本城がいた

「本城…」

「こんばんは烏間君、まずはお互いのメンバーを紹介しますね、ナンバーズの3名と僕は知ってますよね?あと一人ナンバーズの新メンバーの荒神狂平君です」

「ナンバーズも名乗ってくれないか、あの時の抗争にいなかったメンバーだから誰が誰だかよ」

「俺は御堂、御堂光牙だ現ドレッドノートのリーダーでお前らとの抗争の時はパクられてたよ」

「俺は仁、蔵間仁、現ナンバーズのサブリーダーでNo.2だ」

「俺が蓮、新城蓮、No.3だ」

「荒神君と僕がNo.4とNo.5です。」

「なるほどな、こっちのメンバーは修也は本城知ってるよな

こっちの二人は君嶋龍太と将真、双子の兄弟だ」

「よろしく〜」

「覚えなくていいぜ」

「こっちが唯一の女メンバーの高瀬凛奈、かなり腕は立つぜ」

「なるほど、なるほど、では話し合いを、始めましょう」

「目的は?」

「俺達ナンバーズはお前らと殺り合いたいそれだけだ、先代リーダー達がやられた相手と殺り合いたい4人ともそれだけだ」

「本城は燐子目当てだろ?」

「ええ、僕らが勝った場合貴方には彼女の前から消えてもらいます。」

「命賭けてやるよ、あの女はてめぇのものじゃねぇからな守ってやるって約束したからな」

「では、勝ったら僕は零二君達の前から消えて貰いましょう僕が負けたなら僕は君達の前から消えましょうそして白金さんも僕のものになる」

「燐子の事は本人次第だが俺の方はそれでいいぜ」

「では、3日後お互いの存在を賭けて戦争と行きましょう」

「俺達ドレッドノートはお前らに負けたら解散するぜ」

「チームRAVENも同じで構わない」

「じゃあそれで行こうぜ!本城が言ったようにお互いの存在を賭けて戦争といこうや!」

「ああ、いよいよ決着だ!お互いどっちかが潰れるまでな」

そうしてお互いの賭けが成立し本格的に戦争の火蓋が切られようとしていた…

 

 

 

 




20話目です。決着一歩手前という感じで書きました。
次回決着します。どんな決着になるかを楽しみにしていてください

次回「決着とこれからと…」


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第21話決着とこれからと…

お互いのチームと自身の存在を賭けた戦争の火蓋が切って落とされる


燐子視点

零二君がいなくなって3週間と少し私はあれから零二君に会えていない

そしてここ数日虎堂君も学校に来ていない

学校には体調不良と連絡はしているらしいがおそらく零二君絡みだろうなと考えてる

「虎堂さんが居ないと烏間君の事を知ることも出来ませんし、困りましたね…」

「正直街が嫌に静かなのも気になりますし」

「なにかあるんでしょうね、烏間君達が関わっているのでしょう」

「零二君に何も無いといいんですけど…」

「正直彼の事は分かりかねます。思い当たる場所に行ってみるなどするしかないのだろうなと思います」

「とはいえ零二君が行きそうな場所なんて私にはわかりません、ゲーム世界にもいませんし」

「とりあえず今だけは切り替えましょう」

「そうですね」

学校に零二君が居ないことが物足りない

声が聞きたい、名前を呼んで欲しい、またたくさん話をしたい

浮かんで来るのはそんなとこばかりだ

心にぽっかりと穴が空いたみたいだと思った

どうすれば彼に会えるのだろう?氷川さんの言うようにあちこち探してみるしかないのかもしれない

思い当たる場所は?

ゲームセンター、零二君の家、どっちも違う

前に揉め事を起こした廃工場?違う気がする

街の何処かだろうけどどこだろう?

色々思い当たる場所を考えてみるけど零二君がいなそうな場所だ

授業に身が入らないまま結局放課後を迎えた

今日は練習が休みなので真っ直ぐ帰ろうと家路を辿っていた時私の口と鼻を塞ぐようにハンカチで覆われわたしは意識を失った

 

 

しばらくして目覚めると見た事ない場所にいた見る限り廃工場というより廃倉庫といった感じだ

「目が覚めたようですね」

「本城君…」

「まずは謝罪しますよ、手荒な形でここに連れてきてしまったことを」

「そう思うなら今すぐ私を解放してください」

「できない相談です。貴方には僕のものとしてこの先の起こることを見届ける義務がある」

「なんの事ですか?」

「薄汚いカラスの最後の瞬間ですよ」

「……!?零二君になにかするつもりですか?」

「もうすぐわかりますよ」

本城君がそう言うと閉まっていた扉が開いて零二君達がやってきた

「やってくれたな本城!」

「僕はただ見届け人を連れてきたに過ぎませんよ」

「よく言うぜ、俺言ったよな、その女に手を出すなってよ」

「自分のものに触れるのに許可が必要ですか?」

俺は目を閉じ深呼吸してから言った

「後悔するなよ」

それが開戦の合図となりチームRAVENVSチームドレッドノートの抗争が始まった

人数では圧倒的にこっちが不利だが俺達はそれを意に返さず向かってくる連中を倒していく

「リーダー!なるべく前へ!」

「行ってください零二さん!」

「僕らもいくよ!ナンバーズ相手は一人じゃ無理だからね」

「骨のあるやつらと戦いたいしね」

「お供しますよ」

俺達の前にナンバーズが立ち塞がる

「一応アイツも親玉だからさ、通す訳いかねんだなこれが」

「まぁ、一応な」

そうして俺達はそれぞれバラけてタイマンを張る

俺は光牙を相手にしていた

両手の指先に爪のようなものを付けていて掠りでもすればすぐに傷が出来る

「近付けないよな〜」

「あぁ、でも問題ない!蹴り主体で攻める!」

俺は宣言通り蹴り主体で攻める

「俺とやる奴らは必ずそうするんだよ!でもその方が対処ってしやすいんだよ!」

そう言って懐に潜り込んで来る俺は身を低くして膝蹴りを入れる

「おっと!」

それを簡単に躱され俺は舌打ちする

「お前、野生動物みたいだな」

「あぁ、よく言われんよ!薄汚いカラスが野生の肉食獣に勝てるわけないけどな!」

「やってみないと分からないだろ!」

俺は飛び上がって拳を打ち出すとそれを脇に挟む形で受け止められる

「お前、その爪付けてるから拳握れないだろ?」

「野生の武器さ!」

お互いに距離を取り睨み合う

そして動き出そうとした時銃声が聞こえ俺の肩を穿つ

「ぐっ…」

振り返ると本城が銃を構えていた

「本城ー!」

「当然の措置ですよ!」

「おら!余所見するんじゃねーぞ!」

俺は咄嗟に躱し蹴りを入れて光牙のバランスを崩す

「タイマンに茶々入れんじゃねーよ!本城!」

「それは君の解釈であって僕達はタイマンだとは言ってません、そもそも喧嘩なんですからね!」

そう言ってさらに銃を撃ってくる

急所こそ避けるものの弾丸は確実に俺を射抜く

「銃刀法違反って知ってるか?」

「許可証は持ってますよ」

そう言って許可証をチラつかせる本城に苛立ちが募る

「クソが!」

「邪魔だ!」

俺は光牙の蹴りを躱し殴り飛ばす

「その爪は当たらなきゃどうってことは無いんだよ」

「そうかよじゃあ、こっちにするわ」

そう言って爪をすべて外し上着の裏ポケットからナイフを取り出す

「どこまでも卑怯な奴らだな」

指の間で握られたナイフを躱しつつ呟く

「とっととくたばれや!」

「そう簡単にくたばるかよ!」

喧嘩慣れしているからこそなのだろう的確にナイフで急所を狙ってくるギリギリの所で躱せるが銃弾が飛んでくるため1箇所に留まれないのもいたい

そして呼吸を整えたタイミングで頭部に激しい痛みが走った「ヘヘヘ!漁夫の利!」

ドレッドノートのメンバーの1人が折れた角材を持って立っていた

「ナイスだ!死ね!カラス野郎!」

俺はナイフを手のひらに突き刺し止め流れた血で髪を上げながら言った

「あぁ〜もういいやそう言うの」

「なんだと?」

「お前ら全員ぶっ潰す!」

俺は腰にぶら下げていた警棒を展開する

「俺も道具使うわ、元々こっちの方が楽だしよ」

そう言って光牙の方に向かって行き警棒を振りあげるがあえて蹴りを入れる

「そりゃこの体制からなら警棒の方警戒するよな!警棒ってさ本来は相手の武器を落とすためのものなんだわ」

そう言って警棒でナイフを持っている腕を殴りナイフを落とす

そして俺の頭を殴った奴を警棒で殴り頭を踏みつけ気絶させる

「ナイフは1本じゃねーんだよ!」

「無駄」

俺は拳をフェイクにして蹴りを入れて距離をとる

「さっきから警棒に気を取られすぎて拳や蹴りへの注意が散漫になってるよ」

そして銃弾が飛んで来るがそれも簡単に躱す

「なんで!?さっきは当たってたじゃないですか!」

「少しは銃の扱いになれたのかも知れないが銃口が真っ直ぐ素直すぎてバカ丸出し、急所外れるからってあえて当たってやってたんだよ!こっからが血濡れカラスの本領発揮だコノヤロー!」

俺は警棒を振り回し拳や蹴りを混ぜて攻撃する

「そんなもんか?前のリーダーも確かに銃を使ってはいたけど肉弾戦もかなりだったのによ!」

「舐めんなやガキ!」

ナイフを無造作に振り回すが俺は警棒でそれをいなし本城の銃弾も躱していく

「当たらないなら近付けばいい!」

本城は痺れを切らしこちらに向かいつつ銃を乱射する

「当たってねんだよ!カスが!」

本城の方に走りすれ違いざまに警棒で顔面を殴る

「血が…血が〜!」

「うるせぇ!」

俺は本城が意識を保てるギリギリを狙って警棒で殴り続ける

そこへ光牙がナイフを刺そうと向かってくれば腕を掴み背負い投げる

「2対1でこのザマか…つまんねぇ」

その様子を見ていたほかの面々はと言うと

「あ〜あリーダー怒らせるからあぁなるのに」

「零二さんは元々逮捕術とか他にも武道経験豊富だから俺たちの中じゃ頭一つも二つも抜けてんのにね」

「こっちも片付いたしまぁゆっくり観戦といこう」

「だね」

チームRAVENのメンバーはナンバーズとタイマンしたメンバー以外はほぼ無傷に等しく完勝していた。

「リーダー!こっち片付いた辛存分にどうぞ!」

「だそうだ」

「チッ!ふざけんな!」

再びナイフで切りかかってくる光牙を警棒でナイフを落とし蹴りを入れて距離をとるを繰り返す

「本城、俺を殺すんじゃなかったのか?」

「うるさい!僕を血まみれにした罪は重いからな!」

本城もヤケになり銃を乱射するが出鱈目に撃った弾丸が当たるわけが無い

「もういいや!寝てろ!」

本城に近付き殴ってバランスを崩した所を背負い投げ

思い切り顎を蹴り上げ気絶させた

そして立ち上がった時下腹部を弾丸が貫いた

一瞬痛みを忘れ撃たれた箇所を抑える俺に笑いながら光牙が近付いてきた

「たった1発きりだが俺の切り札さ!オラ!」

「ぐっ…」

撃たれた箇所を踏みつけられる

そして光牙はそのまま俺に向かってナイフを刺そうとしてくるが俺は手で受け止め転がって距離をとるとナイフを引き抜く

がその隙を狙われ撃たれた箇所にナイフを突き刺さしてくる

「コノヤロー!」

俺は蹴りを入れてまた距離をとる

(警棒を落としたのはいたいな〜でも、血を流しすぎたな〜

目の前がチカチカするし、少しふらつくがでも、問題ねぇ!

むしろこれが絶好調だ!)

「死ねー!」

「上等だクソが!」

俺は殴りかかるふりをしてスライディングし警棒を掴むとすかさず武器を持った手を警棒で殴り蹴りを入れてそのまま懐に飛び込み顔を掴んで地面に叩きつける

その時手首にナイフを刺されたが気にせず力いっぱい地面に叩きつけた

そして気絶したのを確認して立ち上がる

「俺達の勝ちだ」

俺は勝ちを宣言した

そして勝ちに沸き立つ中で俺は凛奈に告げる

「燐子の拘束解いてやれ」

「はい」

燐子は抗争が解かれると俺の元に駆け寄って来て俺の1歩前で止まる

「これからどうするんですか?」

「この街から…君の前から消える」

「私はそれを望みません」

「君が望むと望まざると俺の意思は変わらない」

俺はそう言って背を向けるとその背に燐子が抱き着いてきた

「なんのつもり?」

何も言わず燐子は俺の手を握った

「血が着くよ」

「構いません」

「もう、どこにも行かないでください!約束したじゃないですか!手の届くところにいるって!あんな手紙じゃなくてこっちを向いて目を見て言ってください!ちゃんと貴方の想いを!」

「そうだね、言いたいことだけ言って逃げるのは反則だね」

声のした方を振り返ると白髪にサングラス、白い長袖にグレーのダメージジーンズに身を包んだ青年が立っていた

青年は杖を着く

きながらこっちに寄ってくる

「零人…お前なのか?」

「他に誰がいるのさ!確かにあの時からかなり見た目は変わったけど俺だよ」

「なんでここに?」

「君の友達が教えてくれたんだ抗争を最後に消えるつもりだって」

「修也!」

「ごめんリーダー!白金達がものすごく心配しててさ!なんか手はないかってリーダーいない時に聞いたら元リーダーならってさ」

「零二、どうするの?」

「わかったよ」

俺は燐子の方に向き直り告げる

「心配かけてごめん!これからはずっと近くにいるから手の届く所に…だから…俺の傍に…いてください」

「はい!私を離さないでください!」

俺は燐子を抱きしめると安心感が溢れ出し意識を手放した

 

燐子視点

「零二君!零二君!」

「気絶したみたいだね」

「零人さん?」

「今は零って言うんだ、烏間零。鴉羽零人は1年前の抗争で死んだんだ」

「そうなんですか…?」

「とりあえず病院かな?修也君零二起きたら連絡してくれる?もうすぐお巡りさん達も来るだろうからさ」

「了解です!動けるヤツらは散れ!」

チームRAVENのメンバーはカラスの群れが飛び去るように散っていった

そしてパトカーと救急車がやってきて零二君と他何人かは病院へ気絶していた人達は警察に連行されて行った

零二君の病院には私と凛奈さんが付き添った

そして凛奈さんは私に言った

「零二さんをお願いします。彼は放っておくとすぐ無茶します。誰かが手を握ってあげる必要があります私ではそれは出来ませんから」

「私は一度彼を恐れました、でももう離しません!私は零二君から離れないし離しません」

「任せますね」

私達は約束し2人零二君が目覚めるのを待つのだった……

 




21話抗争終結です。喧嘩は正直殴る蹴る躱すなので文章だと派手さはないですがとりあえずは暴力はしばらく封印です。
次回は主人公の学校側の処分が決まり敵メンバーとのあれこれを解決し晴れて夏休みという形にしたいと思いますのでお楽しみに
次回「決定とこの先の時間」


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第22話決定とこの先の時間

学校から零二への処分が決定しこの先の事も1つ1つ決まって行くのだった。


-零二視点-

 

俺の方は勝手に長期欠席し、大きないざこざを起こしたため

学校からの処分が下るまで自宅謹慎となった。

特別謹慎中の課題等は出されていないが外出は禁止された。

「どうすっかな…マジで…」

学校には正直行き辛い、でも、燐子には会いたかった。

会えるとすればゲームの中だろうが1度仮想世界でもあの子と会ってしまったら気持ちが抑えられなくなりそうで正直躊躇われる。

「燐子…君に会いたいよ」

暗い音のない部屋でその呟きだけが聞こえていた。

 

 

-燐子視点-

零二君が戻ってきてくれたけど、学校には来ていない

自宅謹慎だと言っていた。

学校側の処分はまだ決まってないあの時以来顔も見てれなくて 正直会いたい気持ちだけが募っていく

零二君がどうしているか気になるけど、ゲームにもログインしていない。

「あなたに会いたいです。零二君…」

あの時私は、離してしまった手をもう一度掴むことが出来た

でも、あれからずっと会うことができないでいた。

入院してたのは一時的ですぐに退院したと言っていた。

私は学校側の処分が下るまで私は何もできない、それがもどかしかった。

 

 

Roselia視点

 

学校でのもどかしい気持ちを抱えたまま私はRoseliaの練習に没頭していた

「零二はどうなったの?」

「学校側の処分はまだわかりません。明日、明後日中に私達にも通達はあるでしょうが詳細は知らされることはないでしょう」

「可能性があるとすれば夏休み前半は自宅謹慎と補習、そして欠席したテストに合格して謹慎解除と言ったところでしょうか…」

「おそらく退学という事はないはずです。」

「まぁ、虎堂君も関わっていますし、他にもたくさんの人が関わってます。なので先程も申しましたように退学はないかと思います。」

「そう、なら零二の謹慎が解けたら合宿をしましょう。」

「でもさ、でもさ、零兄ぃはりんりんのストーカーをやっつけたんでしょ?なんで学校で怒られないとなの?」

「手段が問題だったのよ、気持ちの面でも、言葉だけならなんとでも繕えるし結局傍から見たら暴力に訴えただけの不良生徒という扱いになってしまうの」

「もちろん、零二のやり方だって1つの方法だよ、でもね、暴力って1番お互いが傷付くものなんだよ」

「それはあこもわかるよ!でもね、あことしては零兄ぃはりんりんを守る為に危険から遠ざけるためにあえて力に訴えたんじゃないかなって思うんだ」

「実際どうなの燐子?」

「えっ?」

「零二だよ!燐子は何度も何度も零二の手を取ろうと頑張ってたじゃん!」

「はい、私は零二君の手を今度は離さないようにしたいと思ってます。でも、物理的な意味でも精神的な意味でも、私の手は零二の手を掴めているのかなって不安で……出来たら直接会って話したいんですけど…」

「学校は?夏休み零二学校来るんじゃないの?」

「まだわかりませんけど…先生達次第ですね」

「結局そうよね」

皆が零二君を心配してくれているのはとてもありがたかった。

 

 

-数日後-

俺の処分が決定した。

夏休み前半は補習、補習期間最終日にテストを受けその後反省文の提出だそうだ。

「反省文つっても何書けばいんだよ?二度と暴力振るいませんてか?ふざけろ!」

「同意!俺は1週間だけどさ、反省文の提出って言われてもって話だよね」

「俺はテストもバックれたからな仕方ないんだろうがよ」

「でも、君は間違った事はしてないよ。大切な人を自分の力で守ったんだから」

「それについては後悔してないさ!」

そうして俺達は解散した。

帰宅すると零が訪ねてきた。

「零…」

「やぁ、あの日以来だね」

「あぁ、見た目随分変わったな」

「まぁね、零二学校は?」

「夏休み前半補習とテスト反省文の提出で勘弁してくれるとさ」

「退学ならなくて良かったね、あの子とは会えた?」

「まだ、近いうちに電話ででも話そうと思う」

「そっかそっか、君に大切な人ができて良かったよ」

「俺さ、後悔だらけでお前の事も正直もっとやりようあったんじゃって思うけど、今更だよな」

「後悔だらけでいんじゃない?これからを大切に多少の後悔があっても笑ってられるように過ごせばさそれでいいんじゃないかな?」

「かもな、これからの時間を俺なりに楽しく過ごしていくか」

「それで良いさ」

その後零を見送ったあと俺は燐子にメッセージを送った

ただ一言話したいとそして返答を待っていると電話が掛かってきた

「もしもし、燐子…久しぶり」

(お久しぶりです。)

「ずっと話したかったんだけど、ごめんね、すれ違ってばっかりでさ」

(大丈夫です。こうして話せただけでも嬉しいです。)

「夏休み明けから普通にまた学校行くよ、色々肩身が狭いけどね」

(大丈夫ですよきっと、皆さん受け入れてくれますよ)

「そうだといいな、ねぇ、燐子…その…顔が見たい」

(私もです。でも、やめておきます。顔を見たら会いたくなるので)

「だよね、俺、こうして話してても会いたい気持ちが強くなるし」

(嬉しいです。私はやっと零二君の手をしっかりと握れたんだなって思います)

「君はずっと俺の傍に居てくれたよ、ずっとね」

(その言葉は是非また会えた時に言って欲しかったです)

「また違う言葉を掛けるさ」

(待ってますね、また会えるのを)

「待ってて、必ず会いに行くから」

そうして俺達はこれからの時間を歩み出した。

 

 




22話です。これから新しい道を歩んでいく主人公達を見守っていてください。
次回は夏休みの謹慎期間の話を書いていきますのでお楽しみに

次回「休みとお互いの距離感」


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第23話休みとお互いの距離感

お互いの僅かな距離感が縮まらないまま夏休みに入った
燐子達は会えない時間をどう過ごすのか


-零二視点-

夏休みに入った俺は今までのツケを精算するため学校で補習を受ける毎日を送っていた。

今は昼休みで俺は昼飯を食べながら修也と話していた。

「補習の課題こそないけど、夏休みの課題に補習にバックれたテストと零二も大変だね」

「お前も似たようなもんだろ!つか、課題の方はどこまで進んだ?」

「全体の1割終わったかなくらい、俺は夏休み最後の1週間に向けて調整しながらやるつもりだよ最後の週はガッツリ遊ぶ為にちょっとだけ課題を残して置くんだ」

「なるほどな、俺も本来ならそうしたいが今回は手早く終わらせないとな〜テストもあるしさ」

「再試にならないと良いな!」

「やな事言うな!」

そんな話をしつつ昼休みを過ごし午後の授業を受けて解散した。

「今日はここまで!虎堂は明日で最後だから明日中に反省文持ってくること!烏間も反省文提出できるなら持ってきて構わないからな!烏間の方は明日以降もあるから遅れず来るように!」

「わかりました〜」

俺は空返事をして教室を後にした。

 

その後俺はまっすぐ帰宅して無造作に制服を脱ぎ捨てると

久々にギターを手に取って弾いてみるが思った音が出なかったりと酷い有様だった。

「最低限取り戻さないと」

俺は休憩を挟みつつギターを弾いて感覚を取り戻す作業に没頭した。

しばらくして練習を一段落させ夕飯等細かな用事を済ませ燐子に連絡した。

 

 

燐子視点

 

最近零二君が毎日連絡をくれる一応謹慎中なのにと思いつつも当の本人がプライベートな時間まで学校のルールに縛られたくないとかで気にしていないので私も気にしたら負けだと思うことにしている。

そして今日もまた零二君が連絡をくれた

 

「もしもし、零二君、こんばんは」

(こんばんは燐子、今日も少し話そうよ!)

「是非話しましょう」

そうしてお互い今日一日の事を話す

私は午前中に生徒会の用事で学校へ行った事午後1から夕方までRoseliaの皆と練習していた事、その練習の中での出来事等を話した。

零二君は補習が大変だけど今日までは虎堂君が一緒に補習を受けていたからあまり退屈しなかった事、明日からが退屈しそうな事などを少し愚痴を言うような軽さで話していた。

(俺も早く皆に合流して音楽やりたいよ!今日は補習の後はまっすぐ帰って来てずっとギター弾いてたくらいだしさ)

「また一緒に演奏したいですね!零二君個人の演奏も聴きたいです」

(なんなら聴く?俺も久々に誰かに聴いて欲しかったし)

「零二君さえ良ければお願いします」

(じゃあ、テレビ電話に切り替えてくれる?)

「ちょっと待っててください」

私はテレビ電話に切り替えると画面か少し離れた所に零二君が映っていた

(見えてるかな?)

「大丈夫ですよ!」

(じゃあ、聴いてくだい、つないだ手)

零二君がギターを演奏しながら歌っていく

 

『巡り巡ってもまたここで逢いたい

はぐれないようにこの手をつなぐんだ

 

朝日が昇るまで語り合ったね夕日が沈むまでつないだ手

こうやって明日も明後日も共に歩もう光と影

キミはその胸に何を抱えどんな世界にいたんだろう

今思うよ寂しげに見つめる街の中で

温もりはひとりじゃ見つからなくて

愛がこんなに強さになること知ったんだ

キミに出逢えてはじめて

巡り巡ってもまたここで逢いたい

はぐれないようにこの手をつなぐんだ

ひとりじゃ眠れない夢は見れないから

どんな不安も届かないところへ

星のない夜も照らし続けよう

どこまでも行けるキミとなら

1人じゃ歩けない道も二人なら

鼻歌歌いながら歩けるんだ

キミがいれば幸せ

もしも二人が出逢ってなかったなら

たくさんの幸せを見逃してた

不安なときはぎゅっとしてくれたね

明日を見失いそうな人ごみの中

愛が苦しい一人の時間は

寂しさごまかす術を忘れてた

何度もこの手をつなぎ直しながら

どんな道だって一緒に歩くんだ

一人じゃ叶わない夢を描いたなら

キミと二人で叶えに行くんだ

キミと半分一つの幸せ

ぶつかりそうなくらい人多い土曜日

見失いたく無い君の存在

この時2倍に力入ってる手に

感じた温もりと愛no more cry

褪せたジーンズのポケットで光ってる

キミの携帯気付かせたくない

黙り込む私の中の小悪魔

ただキミがいないと嫌だから…

何かが奪い去りそうで怖い

「大切な人」と繋がってたい

想いは誰にも負けない

そう この街に嫌われるくらい手をつなごう

弱虫なほど強がってしまう

でも無理だよ…泣いてもいいかな?

秋の風 もうすぐ出逢った季節

あの頃の私は愛を探してた

 

巡り巡ってもまたキミに逢いたい

はぐれないようにこの手をつなぐんだ

一人じゃ眠れない夢は見れないから

どんな不安も届かないところへ

一人じゃ叶わない夢を描いたなら

キミと二人で叶えに行くんだ

キミと半分1つの幸せ』

 

演奏が終わるとお互いを静寂が包む

そしてその静寂を破ったのは零二君だった

(離れてる時も、こうして戻ってきて逢えない時間でも俺の中にずっと残ってるものがあったんだ)

「それはなんですか?」

(燐子の手の温もりと俺の手を掴んでくれた時の力強さ)

「私の手の温もりと力強さ…」

(俺さ、早く燐子に会いたい会って伝えたい事があるんだ)

「その言葉は画面越しではなくちゃんと今度は零二の口から零二君の言葉で伝えてくださいね」

(待ってて、必ず伝えるからさ、この先の時間の最初の約束だよ)

「約束ですよ!今度破ったら許しませんからね!」

私達は画面越しに指切りを交わしたのだった。

 

 




23話目になります。近いようで遠い距離をストーリーや曲を通して感じて貰えたらと思います。
次回はやっと謹慎が解けます。そして二人がやっと再会しますのでお楽しみに

次回「逢いたい気持ちと待ちかねた言葉」


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第24話逢いたい気持ちと待ちかねた言葉

お互いの気持ちを認識しつつも踏み込めなかった2人が久しぶりに言葉を交わす


夏休みも中盤になり俺の謹慎期間がやっと終わりを迎える

「今日で謹慎と補習の期間は終わりだ。残りの休みを満喫しろ」

先生からそう告げられやっと終わったのだと感じる

俺は校舎を出て軽く伸びをすると学校を出て自宅への家路を辿った。

俺は帰宅するとさっそくRoseliaの皆に謹慎期間が終わった事を連絡した。

すると友希那からすぐに返信が来て2日後に合宿を行うから参加するようにとの事だった。

「必要なものって特別ないけど、整髪料とかは使い切りのやつ持って行った方がいいな」

そう言って俺は必要なもので家にある物をまず揃えていく

大まかな準備を終えた俺は早めに夕飯と入浴を済ませ

今はキーボードを弾いている。

何曲か演奏した俺は時間を確認してから燐子に連絡する

今回は最初からテレビ電話で話す事に決めていたので燐子が電話に出てくれるのを待っていると少しして燐子が電話に出た

(もしもし零二君、こんばんは)

「こんばんは燐子、やっと謹慎期間が終わったよ」

(メッセージ見ました、合宿来てくれるんですよね?)

「もちろん!帰ってきてからすぐに準備して八割方終わってるとこ」

(私の方も明日で問題なく終わります。ちょっと買わないと行いけないものもありますからあこちゃんと買い物に行こうって話してたんです。)

「俺の方もちょっと買い物には行く予定だからなんなら荷物持ちしようか?」

(良いんですか?)

「良いよ、少なくともしばらく会えてないから燐子だけじゃなくて、あこちゃんや他の皆にも会いたい」

(なら、あこちゃんにも聞いて後でそっちの連絡も入れておきます。)

「お願いね、皆に早く会いたいけど誰よりも燐子に逢いたいただ、君に逢いたい」

画面の向こうで燐子が頬を赤らめながら言った

(私も…私も…早く零二君に逢いたいです。)

俺は前回の時のように画面越しに燐子に音を届ける

 

『君に会いたかったただ会いたかった

運命に引き離されても

夜空を巡って時間(トキ)を越えて君をみつけるから

出逢ったイミを考えてたはじめて声をきいた瞬間に

「この人」だとわかったんだ信じてもらえないかもだけど

「どうしたの?」電話越しの声で君が元気じゃないことくらい

わかるさ離れてる時でもどんなに明るく振舞っても

「大丈夫」「大丈夫じゃない」「元気だよ」「いや心配だ」

今すぐ君に会いにいく

君に逢いたかった待ち続けてた運命が僕らをつないだ

傷つきながらも旅して僕らやっと巡り会えた

誰がなんて言おうとかなしい夜も

君を笑わせてみせるから何が起きたって誰より僕が

君を幸せにする

 

100億年前から決まってたのかなぁ

こんな日が来ること

 

君に会いたかった ただ会いたかった

運命に引き離されても

夜空を巡って時間(トキ)を越えて

君をみつけるから

君を逢いたかった待ち続けてた

運命が僕らをつないだ

何が起きたって誰より僕が君を幸せにする

君に逢いたかった待ち続けてた

出逢えてよかった世界は変わった

君に逢いたかった待ち続けてた

出逢えてよかった世界は変わった

永遠を君に誓うよ僕が幸せにする』

 

演奏を終えてからスマホの画面を見ると燐子が顔を伏せていた

「もう少しだけ画面の向こうで待ってて、必ず大切な言葉を君に伝えるからね」

「あなたはやっぱりずるい人です!休みの間ほとんど逢えなくて言葉を交わしても結局は画面越しで…それでも手の温もりを覚えてるって言ってくれて、そして今逢いたい気持ちをそのまま歌に込めてくれて、嬉しくない訳ないじゃないですか!」

「嬉しくて泣きそうです。」

「泣かないで…今はまだその涙を拭ってあげられないからもしも燐子が泣いているならその場に行って抱きしめてあげたい

君の笑う顔が見れるまでずっとそばにいて泣き止むのまで何度でも涙を拭ってあげたい」

「私は隣にいて零二君の声を聴いて一緒にゲームしたり演奏したりしながらたまに一緒に遊びに行ったりしたいです」

お互い''好き''という言葉は''まだ''口にしない

それでもお互い逢いたい気持ちと同じくらい待ちかねた言葉があって、だけどあえてお互い口にしない

それは今じゃないとお互いにわかっていて

わかっているからこその言葉の交わし方がある

俺たち2人は直接会うまでは大切な言葉をあえて言わず

2人だけの特別な時間をただ、楽しむのだった。

 

 

 

 

 




24話目です。ちょっと短いですが次が本命なので次までお待ちください。

次回で2人が恋人になりますのでお楽しみに

次回「合宿とお互いを想う言葉」


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第25話合宿とお互いを想う言葉

Roseliaの合宿に参加する事になった零二は久しぶりの皆との再会を喜びつつ秘めていた想いを燐子に伝えるのだった


-合宿当日-

今日から2泊3日でRoseliaの合宿に参加する事になった俺は

現在忘れ物が無いかの最終チェックを行っていた。

「着替えOK、洗面道具OK、貴重品OK、後は、楽器かな」

荷物の最終チェックを終えた俺は荷物と楽器を持って家を出て待ち合わせ場所に向かう

しばらくして待ち合わせ場所に着くと俺が最後のようで皆揃っていた。

「おはよう皆、久しぶり、早いね」

「あなたが遅いのよ、とは言っても約束の時間3分前だけれど、ともあれ久しぶりね」

「ホントだよ!」

「でも、退学にならなくて良かったですね」

「それに居なくならなくて良かったです」

「あこもそう思う!」

「ごめんね、昔からケンカする度に周りの人達が俺から離れていったんだ、唯一そうならなかったのがチームRAVENのメンバーだけでさ、皆が離れていくくらいならって思ってた…

でも、違った皆は拒絶するんじゃなくて受け入れてくれたからここにいても良いんだって思えたんだ」

「私達は貴方を拒絶しないし、何よりも!燐子が貴方を1人にはしないわよ」

「友希那さん!」

「事実でしょ!」

「今井さんまで…」

「まぁ、確かにね燐子が居なければ俺はここにいなかったし」

「零二君!」

燐子はかなり真っ赤になり照れているやら怒っているやら

なんとも言えない表情をしている

「とりあえず話は後よ、電車とバスでの移動だから忙しいのよ」

「それもそうだね、じゃあ移動しよう」

俺達は電車とバスを乗り継ぎ合宿場所に向かう

電車とバスでの移動中は多少景色を楽しみつつトランプをしたりスマホゲームをしたりしながら暇を潰したりしながら過ごし目的地へと到着した。

「とりあえず荷物を置いて時間を開けて30分後に集まって練習、1時間ほど練習したらお昼にしましょう」

「合宿の間の食事は任せて!」

「お願いするわ」

「お昼は何が食べたい?」

「あこお肉!」

「どうせならさっぱりしたものが良いですね」

「アタシも少しガッツリしたのが良いかな」

「さっぱりしてる方が食べやすいわ」

「さっぱりしてる方が良いんですけど、でもお肉も捨て難いですね」

「じゃあ、さっぱりした肉料理で!荷物置いたら買い物してくるよ」

「頼んだわ」

俺は部屋に荷物を置くと買い物へと出掛けた

海が近く遊泳が出来るため海の家もありそこから少し行けば商店街もありそれなりに活気のある場所だ

「さっぱりした肉料理か、冷しゃぶでもいいけど、野菜もしっかりとれるものが良いよね!棒棒鶏にしよう!」

メニューを決め買い物を済ませて別荘へと戻り調理を開始する

「量は少し多めに、ゴマだれと甘辛のタレを作っておけば良いよね」

そう言って料理を続け完成したものをテーブルへと運び

練習している皆へ声を掛ける

「昼ごはん出来たよ!」

「お昼何?」

「棒棒鶏」

「良いね!さっぱりした肉料理!」

「お昼にしましょうか」

「そうですね」

「賛成!」

「楽しみですね」

そうして皆で昼食を取る

「ゴマだれがさっぱり甘辛タレがガッツリ感があっていいね!」

「私達の要求をしっかり満たしてくれてますからね」

「いい感じに満足感が得られるわ」

「美味しいよ!」

「とても美味しいです!」

「気に入ってもらえて嬉しいよ」

その後昼食の後片付けはやってくれると言うので任せて俺は一足先に自主練に励む

ずっとギターを弾いていなかった為に思うようにいかない部分が多々あり俺自身納得のいく演奏は今尚出来ていない

少ししてRoseliaの皆が合流したので合同練習し一通りの曲を練習し休憩に入る

俺はさっきの演奏で躓いたところを紗夜にお願いし教えて貰って練習再会後のミスはなるべく減らせるよう務めた

その後俺の方は夕飯の準備のために早めに切り上げ夕飯の準備をする

「夕飯はシンプルにそうめん!つゆをおろし系のとガッツリ感のあるやつで用意して」

ただのそうめんでは味気ないと思いつゆの方に工夫をこらす

しばらくして皆が合流し夕飯となり夕飯も高評価を貰えた

 

夕飯の片付けを済ませた後の自由時間入浴は先にシャワーを使わせてもらった。

今はスマホでNFOの情報を見ている

俺のアバターを見かけない事が1つの話題になっていた

「俺のアバターってやっぱり有名なんだな」

そう呟きつつ色々と情報収集をしていると部屋のドアがノックされた。

「私です。零二君、起きてますか?」

扉越しに燐子の声が聞こえた

「起きてるよ!今行く!」

俺は扉を開け燐子を招き入れる

「ベットに座ってくれていいよ、俺はこっちの椅子使うから」

燐子が座ったのを確認して話を切り出す

「なにか話したいことあった?」

「はい、色々あるんですけど…どれから話そうかなって」

「ゆっくりで良いよ、1つずつ話していこう」

「それじゃあ!あの!1番聞いておきたい事を聞いてもいいですか?」

「もちろん」

「零二君が待っててと言ってくれたあの時から今までずっとこうして直接話す事ができませんでした。だからその…零二君の言葉でちゃんと聞かせてください」

「そうだね…ちゃんと伝えないとね、俺も伝えたい事はそれなりにはあったんだけど、俺も上手く伝えられる自信が無くてずっとおざなりになってた。だから、まずはこうして直接会って話せて良かった。」

「私もです。ずっと電話で話してはいましたけどこうして向かい合って話せて嬉しいです。」

「それとね、ありがとう」

「え?」

「あの時…俺の手を掴んでくれて、俺はあの時戻らないつもりだったんだ、でも燐子が俺の手を掴んでくれたおかけでここにいられる。だからありがとう」

燐子は首を横に振ってから言った

「ありがとうは私のセリフです。私を守ってくれてありがとうございます」

「俺は君を守れたのかな…傷付けてない?」

「私は零二君手を2度も離してしまいました、そして零二君が離れていった時ほど傷付き後悔した日はありませんでした。

だから、今こうしていられる事を嬉しく思っています。」

「そんな君だから…ううん、きっと燐子だからこそかな、

君を大切にしたいって気持ちが溢れてくる」

「それって…」

「うん、燐子が思ってる通りだと思う、俺は…燐子が好きだよ」

燐子は口元を押さえ目に涙を浮かべた

「嬉しい…です。やっと…その言葉が聞けました!」

「待たせてごめんね、これからもずっとそばに入れくれる?俺の手を離さないでくれる?」

「はい!私は零二君の隣にいてずっと貴方の手を離しません!」

「約束ね」

「約束です」

2人はお互いの想いを打ち明け恋人同士となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで恋人同士になりました。
次回は恋人同士としての2人を描きつつ主人公の新たな挑戦を描いて行けたらと思いますのでお楽しみに

次回「恋人としての時間と演奏家としての自分達」


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第26話恋人としての時間と演奏家としての自分達

恋人になった燐子と零二はお互いの時間を大切に過ごしていく


俺と燐子はお互いの想いを伝え合い恋人になった。

そして離れていた時間を埋めるようにお互いにたくさん話をした。

そして話疲れて2人で眠った。

朝になり俺は少し早めに目が覚めた

横には燐子が寝ている

「話疲れるまでたくさん話したもんな」

俺は横で眠る燐子の寝顔を眺めながら思った。

この子が愛おしいと傷付けたくないと、ずっとこの子を守って行きたいと

そう思いながら燐子の寝顔を見ていると燐子が目を覚ました

「おはよう燐子、よく眠れた?」

「おはようございます。とてもよく眠れました。」

そう言うと燐子は俺に抱きついた

「燐子?」

「ここにいるなって感じているんです。昨日の夜の事は夢だったんじゃないかってまだ不安で」

まぁ、そう思うのも当然だろう。燐子は離れている間もずっと俺を心配してくれていたようだし今俺がここに居ることを疑ってしまうのもわかる

俺は燐子を抱きしめながら告げる

「俺はここにいるよ、どこにもいかない。ずっと燐子のそばにいるよ」

「私も零二君のそばにいます。私を離さないでください」

それから少しして俺達は部屋を出て2人で朝食の準備をしていると一人また1人と起き出し集まって朝食をとる中で友希那が口を開く

「零二、燐子、なにか言うことがあるんじゃない?」

「そうそう!昨日あれからどうしたの?」

「あれからお互い話疲れるまで話して想いを伝えあって恋人になった」

「離れていた時間を埋めるようにたくさん話をしました。」

「そう、まずはおめでとう。でも付き合いにかまけてRoseliaを疎かにしないようにね」

「大丈夫!何となく方向性は定まって来てるんだ。音楽とゲーム両方を手放さないようにしたいんだゲームの主題歌を中心に歌っていく演奏家になりたいんだ」

「ゲーム主題歌を中心に歌っていく演奏家を目指すんですね」「あぁ、その為に今は音楽面の技術向上を第1として後はNFO以外のゲームも色々プレイしてゲーム主題歌に込められた意味も知っていきたいなって考えてる」

「いいんじゃないかしら?もちろんRoseliaのボディーガードも忘れずにね」

「あぁ、皆と行動するうちは皆を守るさもちろん真っ先に守るのは燐子だよ」

「燐子を守る事が私達Roseliaを守る事にも繋がるわだからそれで良いわよ、あなたの夢応援してるわ」

「もちろん私達もね!」

「ありがとう!」

その後俺達はお昼前まで練習していたが友希那の作曲が行き詰まりリサの提案で海に行くことになった

俺は水着に着替えるとパーカーを羽織り更衣室を出て皆を待っていると少し遅れて皆がやってきた。

「おまたせ!どうかな?新しい水着買ったんだ!」

「リサによく似合ってると思うよポーズ取ってると可愛いよりもカッコイイと思うな」

「零兄ぃあこはあこは?」

「可愛いと思うよ!ちょっと悪魔っぽいかな」

「零二せっかくだし友希那と紗夜も褒めてあげてもちろんアタシの後ろに隠れてる燐子もね」

「まぁ、当然だよね、友希那も紗夜も清楚さが際立つ感じがするね友希那の方は清楚さの中にもかっこよさがあるし紗夜は華やかさがあるよね」

「お褒めに預かり光栄です。」

「ありがとうと言っておくわ」

そして最期にリサの後ろに隠れている燐子が恥ずかしそうに前に出てきた

「水着似合ってるよ、俺だけがその姿を独占出来ないのが残念なくらいね」

「ありがとう零二君」

その後リサと紗夜は昼食を買いに燐子はあこちゃんと砂の城を作っていて俺はその姿を遠目に見ながら友希那と話していた

「零二、燐子を泣かせるんじゃないわよ」

「自信ないな〜でも精一杯頑張りますとも守るって、離さないって約束したからね」

「なら私達とも約束なさい燐子をしっかり守ると」

「それは約束するよ」

「それと、夢を叶えられるよう努力なさい」

「頑張るよ」

そう話しているとリサと紗夜が後輩達を連れてきた

「リサ、紗夜、その子達は?」

「零二は知らないか、この子達はPoppin’Partyってバンドの子達だよ」

俺はPoppin’Partyの皆から自己紹介をしてもらい俺も自己紹介する

「自己紹介ありがとう。俺は烏間零二、花咲川の2年生で燐子と紗夜とは同じクラスで趣味は音楽とゲーム、いつか自分が作った曲をゲーム主題歌に使ってもらえるよう奮闘中で

一応Roseliaのボディーガードしてます。」

「次いでに言えば燐子の彼氏だよね」

「そうなんですか!?」

「あはは、まぁ、紆余曲折あって付き合う事になってまだ付き合いたてなんだ」

「なるほど〜」

「それよりも、この後お昼食べて遊ばない?」

「俺はいいけど、友希那達は?」

「構わないわ」

「私も大丈夫です」

「あこも良いよ!」

「楽しそうですしやりましょう!」

そうして皆で昼食をとったあと遊ぶ事になり俺達にとってはいい息抜きになった。

その後ポピパの皆の演奏を聞いたあと俺達は別荘へと戻ってきた。

友希那は良いフレーズが浮かんだようであっという間に曲を完成させ皆と一緒に出来上がった曲を聴いた。

そして俺は前々から話していた夏フェスの話題を出した

「皆、合宿終わったあとの予定はあるの?」

「特にないわ」

「私も大丈夫です」

「バイトと練習くらい?」

「私も夏休みの課題を除けばRoseliaの練習くらいだと思います。」

「あっ!でも夏休み限定イベントあるんじゃない?NFO」

「どうでしょう?まだ先じゃないですか?」

「ん〜そっちは後から調べるとして、8月の中頃に夏フェス皆で行かない?」

「前に零二君と約束してたんです。せっかくなら皆で行きたいなと思っててどうですか?」

「良いね!合宿に、夏フェスに今年も夏祭りあるだろうしイベント目白押しだ!」

「悪くないわね、詳しい日程は後から教えてちょうだい」

「了解」

そうして皆で夏フェスにいくことが決定した。

 

 

 




26話です。恋人になった2人が徐々に関係を育んでいく感じに書けていたらと思います。
次回はさっそく夏フェスの話を書いていきますのでお楽しみに


次回「夏フェスとLIVEの熱気」


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第27話夏フェスとLIVEの熱気

夏フェスに行くことになった零二達はLIVEの熱気を肌で感じるのだった。


俺は合宿から戻ると夏フェスの予定の確認とチケット枚数

そして移動時間等を計算して皆に前日入りする旨を伝え

今は出演するバンドをチェックしていた。

出演者は有名所を中心にあまり知られてないようなバンドまで様々で俺としては有名所を筆頭にいくつか候補を決めてその日は就寝した。

 

 

次の日

 

夏フェスの予定を話し合うためRoseliaの皆が俺の家に集合した。

「えっと、まずは確認するけど、予定は皆に送ってるし確認してくれたよね?」

「えぇ、ちゃんと確認したわよ」

「アタシも目は通したよ」

「私も内容確認は済んでます」

「あこも大丈夫!」

「私もです。」

「とりあえず前日入りして会場内を見て回りつつ当日の動き方の確認をして、当日は2日間に渡ってフェスやるから一日目は中小規模のステージメインに大規模ステージを1つか2つ回って2日目は大規模ステージを見て回って最後はキャパ1万人の超大規模ステージを見る感じで良いかな?みたいステージあればその都度調整するけどどうかな?」

「それで良いよ!とりあえずは会場でのLIVE見ながらでいいと思うよ」

「そうね、その方がいいと思うわ」

問題ないとの事だったので後は泊まる場所の相談だ

「近くにキャンプ出来るとこあるらしいけど、どうする?ホテル取ろうか?宿泊だけなら少しは安いと思うけど」

「そうすると部屋割りどうするの?」

「俺1人と2人部屋一つに3人部屋一つで良くない?」

「却下よ!3人部屋2つでいいじゃない、それか2人部屋3つね」

「そうは言うけど、俺は男子だからさ!男子一人の方が良くない?」

「あぁ〜そう言われるとねぇ〜」

「私は3人部屋2つに賛成です。部屋割りは私、今井さん湊さんで1部屋宇田川さん、白金さん、烏間君で1部屋にすれば良いのでは無いですか?」

「それが良いかもしれないわね、あこがいるなら零二も迂闊な事は出来ない筈だし」

「やっても寝落ちするまでゲームするくらい?」

「この3人だと有り得そうですね…」

「まぁ、この際だし燐子とあこちゃんが構わないなら俺はそうするよ」

「私は構いませんよ」

「あこも平気!」

「決まりのようね」

こうして部屋割りが決まりあこちゃんと燐子以外は買い物に行くと俺の家を後にした。

「2人は買い物良いの?」

「あこ達はそこまで大きな買い物無いから大丈夫だよ!それよりも!零兄ぃゲームしよう!NFO!久々にやろう!」

「対戦しましょう!まだ零二君には1度も勝ててないんですから!」

2人はノートパソコンを持参していたようでやる気だった。

「じゃあ、とりあえず1回だけね、俺ゲームの時だと人変わるから要注意だよ!」

「「大丈夫!(です!)」」

そうして3人で久々にNFOをプレイし対戦した。

もちろん今回も勝ちました。

 

それから数日後、夏フェス前日

 

俺達は電車とバスを乗り継いで会場に前日入りしホテルに到着し荷物を預けると会場を一回りした

「結構会場広いんだね、初めて来たし人多くなったらはぐれそう」

「はぐれても連絡は取り合えるし最悪ホテルに戻ってくれば平気じゃない?」

「後は零二も含め私達が間違ってお酒なんかを飲まない様気を付けないといけないわね」

「俺は夏フェスの時は基本水、お茶、スポドリのどれかだから大丈夫だよ」

「それも大事だけどさ、零二の中でここは押さえておいたほうが良いってとこある?」

「そうだな〜夏フェス限定バンドや限定復帰するバンドもあったりするからその辺は当日の情報を要チェックかな」

「なるほどね〜」

「とりあえずは各々楽しむ事だね」

「回る所は一緒ですけどね」

「そうだね」

その後自分達が見る予定のLIVE会場を見た後グッズ売り場を軽く見て回ったあとホテルに戻った。

そしてホテルでゆっくり休み明日に備えた。

 

迎えた当日

 

俺達は夏フェス限定バンドや限定復帰するバンドを中心に見て回っていた。

今回限定バンドは3組、限定復帰バンド2組でそれぞれを見れるのは今回がある意味最初で最後と言える。

個人的に楽しみなのは2組。1組はバンドでは無いが限定復活するブラビともう1組がバンドのひいらぎだ。

どちらも午後からの登場なので午前中は他のバンドやユニットを見て回り昼休憩を挟み午後の部の演奏を聴く

「いよいよですね、ブラックビスケッツでしたよね?ユニット名」

「限定復活だからね、コアなファンも多い事」

俺達は上手く真ん中辺りを確保していたが押し出されている感じもかなりしている

「友希那達後ろの方だろうけど大丈夫かな?」

「人に酔ってないといいんですけど」

「それは燐子もね」

「私は一応大丈夫です」

「辛かったら我慢せず言ってね」

「はい」

そう話しているとあっという間に登場時間になり1曲目からタイミングでのスタートを切った

「1曲目からこれ!?」

「私も知ってるくらい有名ですもんね!気分上がります!」

そうしてタイミング、STAMINA、再見~ByeーBye~と続き

ブラックビスケッツの出番は1度終わりひいらぎが登場し

ひいらぎの1曲目は明けゆく空、はじまりの1歩、今このときと続きひいらぎの出番も終わった。

そしてその後もLIVEを堪能し一日目を終えた俺達はそれぞれの感想を伝えあった。

「どのバンドも見応えあったね」

「私が幼い頃観ていたアニメの主題歌を歌ってたユニットがいて印象深かったわ」

「私は最近のアーティスト中心に新鮮さと斬新さがあって楽しめました」

「あこも色々聞いたけどわぁーってなって楽しかった」

「零二君が見たがってたアーティストの人達のファンの多さとか演奏も、色々圧倒されました。」

「やっぱり熱気が凄かったね!このフェスに込める熱意みたいなのが伝わってきてさ」

「明日も楽しみね」

そうして2日目の夏フェスを楽しみ夏の思い出に新たな1ページが刻まれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




27話目です。長くなりそうなので簡素且つ上手く伝わるように書いたつもりです。
こう言うイベントは書くのが大変だと改めて思いました。
次回はゲーム世界メインに夏イベを書いていきますのでお楽しみに

次回「ゲームと夏限定クエスト」


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第28話ゲームと夏限定クエスト

プレイヤーキラーの少年は更なる力を求め夏限定クエストに参加する


零二は久々にゲーム世界に身を投じるためパソコンを起動しゲーム画面を開く

「VRじゃないけど、気分の問題って事で!リンクスタート!」

キーボードのEnterを押して本格的にゲーム画面が映し出されると俺は指をポキポキと鳴らし本格的にゲームに没頭する

 

-ゲーム世界-

 

プレイヤーキラーのアバターのRAVE(ライヴ)としてゲーム世界に降り立った直後俺の目の前にWARNINGの文字が浮かび上がる

「あ?警告?なんの?」

画面をタップし内容を確認すると期間限定で超絶レアスキルを持つモンスター及び戦闘型NPCが複数出現!レアスキルを獲得せよ!と書かれていた

「なるほどね!最近俺のスキルもマンネリ化して来たし新しいスキルを狙うのもありか!」

俺は転移を使用し最難関フィールドに移動した。

NFO史上最難関の場所虚無の地へと降り立った俺は鮮血剣勇血と御霊喰らい(ソウルイーター)を装備ししばらく歩いていると真っ黒なオーラを纏った騎士に出会った

そして確信した。

「ステータスが上がったな!プレイヤーキラーの能力フルに活かしてやってやる!」

俺が1歩踏み出すのと同時に敵も向かって来て鍔迫り合いになる

相手の剣は普通の直剣ではなく歪みのある独特な形の剣蛇行剣だがだからこそ対処が難しいが俺はあえて鍔迫り合いを避け距離をとり武器を変える

「蛇剣ガリン!」

俺は剣を振るうと剣が伸び縮みする

「言っても無駄だろうけどこの武器は盾職連中の対策用装備でね、お前らみたいなの相手にするにはちょうどいいんだろうけど、宛が外れたな」

俺は剣を鞘に戻すと再度鮮血剣勇血を装備し相手を迎え撃つ

数度の鍔迫り合いの後に打ち勝ち目の前に表示される

コングラッチュレーションの文字と獲得したスキル

今回獲得したスキルは歩法系のスキルだった

「出来れば刺突系のスキルが欲しかったんだけどな、まぁ仕方ねぇ」

その後もレアスキルを求めてレアモンスターや高レベNPCを倒していくが狙ったスキルは全然入手出来ずにいた

「斬撃スキルが2つに移動系スキルが3つカウンター系1つに

代償スキルが1つか刺突系と接触系スキルが欲しいのに全然じゃんか!」

1人文句を言いながらフィールド探索を進めていると久々に見知った顔が集まった

「誰かと思えばレオスじゃねーか!性懲りも無くまた現れたのか!」

「このイベントでかなりPVP系のスキルを手に入れたのでね今度こそ君の首を貰おうかと」

「ヤダね!ところでレオスこのイベントで刺突系のスキルは取れたか?」

「ああ、光一閃。セイントストライクというスキルを手に入れたよ」

「俺は残念な事に刺突系と接触系は全くでな!その代わり手数は増えたぜ」

「ならばその力試させて貰おう!」

「また負けて後悔するなよな!」

「今度こそ貴様を倒す!」

「ブラットアップ!」

「やはり身体能力を上げてきたか!」

「俺の十八番なんでね」

俺とレオスはお互いに何度となくぶつかり合う

斬撃を飛ばせばそれを相殺し接触しようと近付けば刺突技で牽制されるが俺は全て想定内狙うはカウンターだ

「貴様がカウンターを狙っているのはわかっているぞ!」

「お前こそ!大技狙ってんのバレバレだぞ!」

「やはりバレていたか!ならば小細工は不要!我が大技の始祖の一撃を持って貴様を倒す!」

「それをカウンタースキルで貴様に返す!」

俺は代償スキルを使い武器の耐久値とHPを8割削り力を高めるとお互いに技を放つ

「始祖の一撃!」

白銀のオーラにより始祖の王が出現し巨大な剣を振り下ろす

「その一撃貴様に返そう!死神王の鎌!」

赤黒いオーラが出現し大鎌を持った死神が姿を現れ一撃を受け止め拮抗するがそれは一瞬だけだった…

「代償スキル発動!DeadorALIVE!」

御霊喰らいの剣を自らに刺し1だけHPとMPを残しカウンタースキルの力を底上げすると大鎌は巨大化した。

「バカな!始祖の一撃は俺が使える最高位のスキルで対プレイヤーキラー専用スキルだぞ!」

「俺のスキルはカウンタースキルだぜ!どんな強力なスキルでも俺の生命力そのものを代償として使えば効果は爆上がりのになるよな!」

「なるほど…足りていなかったのは覚悟という事か…」

その言葉を最後にレオスのアバターは消えた…

「Rinとやるレベルでこいつとやるのも疲れるな」

剣を鞘に納めようとした時プレイヤー反応を確認し即座に戦闘態勢をとり相手の攻撃を受け止めた

「残念、今なら倒せると思ったのに」

「お前達か!RinRin!そして大魔姫あこ!」

「1人でどこに行ったのかと思えばまたそんな危険な力ばっかり!次のアップデートでプレイヤーLvの上限解放が確定してますからね強力なスキルや装備を獲られるこのイベントは貴方にとってもいいものでしょうね!でも、危険な力ばかりその手に集めてまた孤立するつもりですか!?」

「俺の勝手だ!忘れてるかもだけどな俺はプレイヤーキラーの双剣士RAVE(ライヴ)二つ名は死を纏う死神!その俺に挑むって事はゲーム世界でのお前の無敗記録を止めることになるんだぜ!再び重ねてきた白星を無駄にするのか?」

「貴方に勝って私の黒星を帳消しにします!」

「あこもやるよ!あことRinRinで無敗のウィザードだもん!」

「なら今回も賭けをしよう!何を賭ける?」

「それならちょうど1ヶ月後私の誕生日なんです!少しだけ良いものをお願いしても?」

「わかった!俺に勝てたらそれなりの予算でいいモノ買ってやる!負けたらお前の手作り弁当1週間!それでどう?」

「乗りました!」

「2人とも賭けになって無くない?」

「良いんだよ!これで!俺はロールプレイの性質上こうするしかないの!」

「まぁ、良いや!やるよ!」

そうしてお互いの意地のぶつかり合いが始まるのだった。

 

 

 




28話です。長くなりそうなので区切ります。
次回はゲーム世界と現実世界両方からの視点を書いていきますのでお楽しみに

次回「お互いの望みと意地を賭けて」


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第29話お互いの望みと意地を賭けて

ゲーム世界で再びお互いの願いを叶えるために意地をぶつけ合う2人の決闘の行方は…


お互いの望みの為に闘う燐子と零二そして燐子の相棒のあこ

魔法が殆ど通じないRAVEに対抗するには物理攻撃や魔法も高威力のものに限られるが燐子ことRinRinが魔法剣でライヴに挑む

魔法剣士としての戦い方にようやく慣れて来たところではあるが魔法剣の斬撃は吸収されるためひたすら斬り結ぶ

最も剣に魔法を付与すればまだ拮抗する余地もあるが鍔迫り合いになればどうしてもライヴに分がある為ある程度は吸収覚悟で魔法での牽制を試み剣に魔法を付与し闘うがdeath装備の痛い所は対プレイヤーに特化しているためあらゆる方面に対抗出来るところだ。

短所と言えばモンスター相手に力が半減する程度でプレイヤーキラーとして名を馳せるライヴにとってはなんの支障もないのである。

(やっぱり純粋は技術は彼の方が上剣に付与してる魔法は吸収できないみたいだけど牽制目的で放魔法は尽く吸収されるし私もイベントで強力な魔法を会得しているとは言え使うタイミングが中々無いのも事実だし…)

あれこれと思考を巡らせながらライヴとぶつかり合う

「解放(フルバースト!)」

「あこちゃん!」

「任せて聖魔結界!」

「天昇結界!」

「防御魔法か!?しかも聖魔や天昇って今回のイベントでゲット出来るやつだよな!」

「えぇ、私達だって貴方と戦うために色々準備したんですよ!」

「そいつは悪かったな!結界破壊の斬撃は持ってるんだわ!」

「魔導斬撃!」「冥道斬撃!」

結界は容易く切り裂かれ攻撃を受けかけるがギリギリで反射魔法が間に合い幸をそうした。

「ライヴさん今回のイベントで狙ったものは取れました?」

「いや、残念な事に刺突系と接触系は一つも取れてない」

「なら良かったです!勝機がありますね!」

そう言ってライヴの懐に飛び込むと接触系スキルを発動する

「gradedown!」

「な!?」

俺の力がガクッと下がる

「このくらいなら!ブラットアップ!」

「あこちゃん!今!」

「任せてよ!downBURST!」

波動攻撃を諸に喰らいブラットアップで相殺した力が更に下がり力が半減する

「クッソ!これじゃあモンスター相手と変わんねぇーよ」

「結構頑張ったんですよ!このスキル手に入れるのに!」

「ライヴさんに勝つためにこの魔法をぶつけます!吸収出来ますか?これ!」

あこちゃんと2人の魔力を掛け合わせ太陽系を再現する

「ギャラクシーエクスプロージョン!」

太陽を中心に惑星が爆発していきブラックホールが生成される

俺はかろうじて踏みとどまっているもののかなり厳しい状況だがだからこそ楽しい

「行くぜ!今受けたダメージ返してやるよ!代償スキル!

DeadorALIVE!」

HPを1残し下げされた力を底上げしまずは下げられた分の力を相殺しプラマイゼロに持っていく

速攻でポーションを使いHPを回復しソウルイーターで更にまたHPを削り力を上乗せする

「これでもまだまだ足りないからな!封印してたスキルを使う!」

「スキル発動!契約破棄!(ルールブレイク)カウンタースキル以外の全てのスキルを封印する代わりに1つのスキルの効果を100倍まで引き上げる!」

赤黒いオーラが出現し地獄の大鎌を振るう死神が現れる

「終わりだ!死神王の鎌!」

「俺の2つ名を再現した良いスキルだろ!」

俺は2人を呪いの鎖『怨嗟縛鎖』で拘束する

「動けない!」

「なにこれ!」

「終わりだな」

死神の鎌が一閃し2人のアバターは消え去った

画面にはYOUWINの文字

「勝った気がしね〜疲れた…」

俺は1度立ち上がり身体を解してからもう一度画面に向き直る

「俺の勝ち!」

画面の向こうのコンティニューしていた2人にそう告げる

「勝てると思ったのに!」

「ライヴさん最後の封印してたスキル!あれなんですか!?」

「あぁ〜24時間限定でスキル1つを残して封印する代わりに

自分の力を100倍まで引き上げるんだよ今回はカウンタースキルを限界まで強化した。ただし、これ使って負けると3日間はログイン出来なくなるんだ。だからこそ手数増やしてこのスキル封印したんだよ!今回マジでやばかったからねスキルの封印1つ解いたんだ」

「1つって…いくつ封印してるスキルがあるんですか?」

「さぁ?スキル欄見れば分かるけどありすぎて見るのもめんどくさいんだよ!今回のは思い出しただけ」

「零兄ぃは基本反則のオンパレードだよねぇ〜」

「ひで〜なおい!俺はプレイヤーキラーだぜ!対プレイヤー特化なのは勘弁してくれ!」

「でも、武器の昇華出来るんだよね?」

「まだ1割だ!俺の力を全部昇華しようと思ったらとってもとっても時間がかかるんだよ!」

「せめてメイン武器だけでも昇華させません?」

「それこそ嫌だね!勇血と御霊喰らいの剣を昇華させたら俺が弱体化する今の俺の装備はこの2本が中心だからなせめてメイン武器と言うか装備1式が昇華出来たらいいんだけど、そうもいかなくてさ」

「確かライヴさんの装備は全部昇華する為には特定のモンスターを退治しないとダメなんでしたっけ?」

「そうなんだよ!チケットをしよう出来るのはSランク武器までで俺のdeath装備はレジェンドランクだからな」

「確かにそれじゃあ難しいですね」

「もちろんSランク武器もあるけど、滅多に使わないからな武装全開放する時くらいだ」

「なるほど、そうなるとやっぱり再臨クエスト待つしか無いのか〜」

「そうなるかな」

「と言うかさ零兄ぃもRinRinもさ、いっつも対戦して賭けとか言ってるけど普通に対戦する為の交換条件って言う方法をなんで取らないの?」

俺は驚きの意味を込めて「!」をアバターの頭上に表示する

「盲点だったわ!そうすれば問題なかった訳だ!」

「そうだよ!零兄ぃの場合対戦するなら条件としてRinRinの手料理食べてみたいって言えば良いんだよ!RinRinもさ!

恋人になって初めての誕生日だし、ちょっとだけ奮発したものをお願いって言えば良いんだよ!」

「たっ……確かに…」

あこちゃんの最もな指摘に2人とも思慮の浅さが目立った。

「だから!今回の対戦はあくまでも意地のぶつかり合い!

今度こそ勝ちたいあことRinRin、それに対してプレイヤーキラーとして負けられない零兄ぃの意地のぶつかり合いと考えれば良いんだよ!」

「「なるほど〜」」

あこちゃんの最もな意見に俺達は素直に関心した。

「というわけで!まぁ勝負の結果は結果!RinRin!零兄ぃの胃袋掴み頑張って!」

「う…うん頑張るから零二君期待しててくださいね」

「期待してるよ!」

そうしてお互いの望みを賭けた戦いは単なる意地のぶつかり合いとして終わりを迎えたのだった。

 

 

 




29話目になります。
今回はお互いがお互いにちょっと考えが甘かったな〜となる展開とゲーム世界でのガチバトルを描きました。
次回は再び現実世界の話を書いていきますのでお楽しみに

次回「お出かけと約束の手料理」


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第30話お出かけと約束の手料理

お互い約束した事を守るため2人は想いのままに行動する


-燐子視点-

私は朝からお弁当の準備で少しバタバタしていた。

お弁当を持って零二君と出掛ける約束なのだ。

私はサンドイッチとおにぎりを半々くらいで作り両方に合いそうなおかずを詰めていきお弁当を完成させる

お弁当の準備が完了すると今度は本格的に出掛ける準備をする

暑さが落ち着いてきたとはいえまだ汗ばむ陽気なのでやはり服装にも気を使う

悩んだ結果動きやすく少し可愛いく見えるような服装に決めた

最後に鏡で身だしなみを整えて家を出る。

待ち合わせ場所は駅前で目的地は庭園美術館だ

零二君のお母さんが知り合いからチケットをもらったらしいがお母さん達は予定が合わなかったようで零二君に譲ったらしい

零二君も行くのが楽しみだと言っていたし私も楽しみだ

私はウキウキとした気分で家を出た。

 

駅に着くと既に零二君が来ていた。

私は零二君の元に駆け寄る

「零二君!お待たせしました。」

「おはよう燐子、そんなに待ってないから大丈夫、さぁ行こう!」

「はい!」

私達は電車に乗って目的地近くの駅まで移動する。

「今日はいつもより大人っぽいね燐子見違えた」

「零二君も、いつもより爽やかな感じがします」

お互いの服装を褒め合った。

それから話はゲームの話題になった。

「零二君、NFOでサブアカウントを作れることは知ってますか?」

「そりゃもちろん!同じサーバーでメインアカウント他一体までならアカウント使用を許可するってなってるし」

「私はまだ持ってないんですが、零二君持ってたりしますか?」

「あるよ!職業は神巫師 (かんなぎ)で武器は薙刀と鉄扇でレベルはまだ80くらいだったかな?」

「私はメインアカウントでレベル90ちょっとくらいです

サブアカウントの名前はなんて登録してるんですか?」

「そっちは本名もじってレイシンだよ」

「聞いた事あります!神巫師(かんなぎ)のレイシン

二つ名は舞闘のレイシン舞うように薙刀と鉄扇で敵をなぎ倒していく戦記だって」

「そっちも名が知られてるのか」

「滅多に現れないけど、高レベルのモンスターを簡単に倒して回ってるって」

「あれね、簡単なカラクリと言うかものはやりようなんだよね」

「どういう事ですか?」

「自身に上限いっぱいのブーストかけて相手の攻撃を見切るように動ければ結構簡単」

「それって神巫師(かんなぎ)だから出来ることですよね

後、多分零二君以外には出来ませんよ?」

「今度教えてあげるよ!俺も神巫師(かんなぎ)でも剣使うし」

「もしかして剣と薙刀で戦うんですか?」

「いや、鉄扇は必ず装備するよじゃないと上手く戦えないんだよ神巫師だとどっちも長物って訳にはいかないみたいで儀式神楽や付与系魔法を中心に攻めるんだ」

「なるほど、なかなか扱いが難しそうですね」

「簡単じゃないね」

そう話していると私達は目的地近くの駅に到着した。

そこから少し歩いて目的地に到着すると俺達はさっそく庭園内を歩き回る

「綺麗ですね、もう少し遅い時期に来たら秋模様でもっと絶景だったかもしれないなと思うくらい」

「確かにね、秋が深まる頃合とかならもっと紅葉が綺麗だったと思うよ」

「もし、また来る機会があれば今度はもう少し秋が深まる頃合に来ましょう!」

「そうだね、また来よう!その時は時間を気にせずに楽しもうね」

「はい!また来ましょう」

それから俺たちは近くの休憩スペースまで移動し少し遅めの昼食をとることにした。

「色々と作ってきまきた、召し上がれ」

「ありがとう、いただきます。」

俺はサンドイッチを手に取り食べる

「美味しいよ!味付けはかなり好み」

「おにぎりとおかずもどうぞ」

「いただきます。」

おにぎりとおかずはとても美味しかった。塩味が効いてて中の具もそれに合わせた味付けになってて、食が進んだ。

おかずの方も色々頑張ってくれたのだろうとても好みの味付けで美味しかった。

「ご馳走様!すっごく美味しかった。もう大満足」

「お口にあって何よりです」

「燐子に胃袋掴まれたかもね」

「大袈裟ですよ」

それから俺達は今日の記念にと写真を撮った。

「よく撮れてますよ」

「後で俺にも送っておいて」

「わかりました。」

「今日は楽しめた?」

「楽しめたと言うよりはリラックス出来た感じですね」

「次はどこに行こうか?」

「零二君となら何処でも楽しそうです!でも、まずはゲームで勝ちたいですね!」

「ライヴにはまだまだ奥の手もあるしそう簡単には勝たせないよ」

「神巫師(かんなぎ)のレイシン君ならどうですか?」

「あっちは技術があるからね難しいかもよ」

「なら挑ませてください!そして私もサブアカウント作るのでレベリング手伝ってください!」

「わかったよ!じゃあ、次の休みは俺の家でゲーム合宿しようか!近々またイベントあるみたいだし」

「はい!」

こうして次の予定が決まり零二達は新たなゲームイベントに向けて動き出した。

 

 

 

 




30話ですデート回と思っておいてください。
次回はゲーム合宿して新しいゲームアバターを登場させますのでお楽しみに
次回「ゲーム合宿と新アバター」


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第31話ゲーム合宿と新アバター

零二、燐子、あこはゲーム合宿で新アバターを解放する


-金曜日-

 

私とあこちゃんはゲーム合宿のため零二君の家を訪れた

「零兄ぃとゲーム合宿するんだよね!新キャラも作るんだよね?楽しみ!どんなキャラが良いかな?」

「職業結構あるもんね、零二君は双剣士と神巫師(かんなぎ)らしいよ」

「あこたちは2人とも魔法使いだよね、りんりんは魔法剣士になりつつあるけどさ」

「魔法剣士は職業じゃないからね、魔法使い限定の装備だからね魔法剣は」

「そういえばそうだったね」

そう話しながら歩いていると零二君の家に到着した。

私はインターホンを押すと零二君がすぐに出迎えてくれた。

「いらっしゃい、準備出来てるよ!」

「「お邪魔します」」

私達は零二君の家に上がるとさっそく部屋に案内された。

零二君の部屋は机にパソコンが置かれている以外変わったものはなかった。

「もっと武器というかそういうものが色々あるのかと思ってました。」

「普段は徒手格闘だからね武器というか道具はあまりないんだよ!」

「楽器はどこにあるんですか?」

「楽器系は屋根裏にあるよあそこなら少し狭いけど練習したりするのには十分だからね」

「後で見せて貰えますか?」

「とりあえず色々一段落したらね」

そう言って零二君はゲームの準備を始めた

私達もノートパソコンを準備してNFOを起動する

「準備は良い?とりあえず俺はサブアカウントのキャラでログインするよ?」

「お願いします」

「今回も勝負だよ!」

「まずは戦い方を見せてからね、じゃあ、リンクスタート!」

「VRじゃないんですから…」

「気分だよ気分!」

俺達はNFOにログインする

 

 

-ゲーム世界-

 

 

NFOにログインしてフィールドに行くと深紅の長い髪を無造作に束ねた羽織袴のアバターを見つけた

「もしかして、アバター名レイシンさんですか?」

「そうだよ!ちょうどいいや!そろそろモンスターの群れが現れるはずだから待ってて!」

そうして待っているとレイシンの周りは低級から中級までのモンスターに囲まれた

レイシンはその手に薙刀と漆黒の鉄扇を装備するとふわりふわりと舞うように動き出す

そして踊りに誘われるようにモンスター達はレイシンに向かって行き薙ぎ払われる

「京の五条の橋の上〜」

薙刀と鉄扇を使い神楽を踊るように舞闘するレイシンの前にモンスターは次々消えていく

「すごい…」

「あれで今のあこ達よりレベル低いって考えられないよね」

「私、戦ってみたい!」

「あこも!」

戦闘が終わったのを確認して私は魔法剣を構えてレイシンに向かって駆け出す

「勝負!」

「我の絢爛舞闘に酔いしれるが良い!」

レイシンはその手に銀の宝剣と鉄扇を出現させると鉄扇を開き私に向かって投げる

「舞踊れ!銀の風!」

鉄扇からかまいたちが飛んで来る

それを魔法剣で弾くが鉄扇はレイシンの手へと戻る

「隙あり」

レイシンに懐に飛び込まれ武器を弾かれ体制を崩した瞬間を狙われたが防御魔法が間に合いギリギリで防ぐ

「やり辛い!ライヴのアバターの時以上に」

「魔法を放っても逸らされるか反射されるしヒラヒラ動いてるだけに見えて多分神楽を舞って身体強化してるよ」

「それに宝剣になんかエネルギーが集まってるの気になるよね」

「うん、とりあえず攻めてみる!」

私は魔法剣に風を纏わせて斬り掛かるが簡単に攻撃が逸らされる

「1つ技をお見せしよう!このレイシンがな!」

「妙技!霧散陰影!」

辺りに霧が発生し私達を飲み込むそして気配が無数に感じられる

「本物は1つなり!」

四方八方からオーラを纏った銀の宝剣が襲い来る

「りんりん!まずいよ!この霧多分幻影だ!風魔法じゃ晴らせない」

「幻影…どうすれば…」

私はレイシン君が言っていた事を思い出す

「本物は1つなり……」

私はライヴさんから託されていた双乗の杖を取り出し分裂させあこちゃんに片方を渡すと言った。

「あこちゃん!雷魔法!私は爆発系いくよ!」

「わかった!紫電!」

あこちゃんを中心に電撃が広がる

「いくよ!ギャラクシーエクスプロージョン!」

画面を覆い尽くす程の爆発が巻き起こるがレイシン君は意に介さないどころかその場にいなかった

「!?どこに?」

「こちらですよ!魔法使い殿」

声のした方を振り返ると銀色のオーラはレイシン君の全身を覆っていて一体の龍が顕現していた。

「いきますよ!銀龍!波動斬撃!」

私達は防御魔法を展開するが魔法が霧散し私達はその力にのまれた。

画面にはyouLOSTの文字

「零二君!今の技何ですか!?」

「コンボ技だよ、戦いながら神楽を舞って力を高めていって

オーラが銀色になって全身を覆っている状態で幻影魔法を展開済の状態で発動出来る」

「特定の条件を満たせば強力なスキルが使える訳ですね!決めました!私の2体目のアバターは神巫師(かんなぎ)にします!」

「あこはやっぱり魔法使いかな、今回は精霊魔法に特化した魔法使いを目指してみようと思うよ!」

「それならあこちゃんもかんなぎの方がいいと思うよ!かんなぎの祭司としての面を鍛えればストーリーが解放されて精霊祭司としての力が解放されるんだ」

「なるほど〜じゃああこもかんなぎにしよっと!」

そうして2人の新アバターが決定した。




31話です。主人公の第二アバターと燐子たちの新アバターを作る話を書きました。
次回はレベル上げの話とあこちゃんのアバターの能力解放の話を書いていきますのでお楽しみに

次回「新アバターと新たなストーリー」


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第32話新アバターと新たなストーリー

新しいアバターの能力アップに向けて3人での新たな挑戦が幕を開ける


-燐子視点-

零二君のもう1つのアバターの神巫師(かんなぎ)のレイシン はライヴさんとは違う意味で意味で強かった

その力を魅力的に感じた私達はサブアバターとして神巫師を選びアバターを作成した。

「名前どうするの?」

「どうしましょう?なんかいい名前ありますか?」

「燐廻(りんね)はどう?」

「いいと思います!名前は燐廻にします」

「零兄ぃあこにもなんか名前付けて!」

「あこちゃんはフルネームが宇田川あこだから苗字の2文字とってウタは?俺も協力するしちゃんと精霊祭司になれたら

精霊使いのウタってなるよ」

「決まり!あこのアバターネームはウタ!」

そうして2人はアバターを作成し改めてNFOへとログインした

燐子のアバター燐廻は白髪紫眼の巫女服を着たアバターに

あこちゃんのウタは髪色は紫のままに青い目の青袴のアバターとしてこの地に降り立った。

「さて、お二人さんまずは君達のレベルUPと武器調達からだねレベルUPはこれ使って」

俺はカードを2人に手渡した

「これって、レベルUPカードですよね?経験値を貯めておける」

「そう!ライヴからかっぱらってきた」

「ライヴさんのアバターはカンストしてますからね」

「これでどのくらい上がる?」

「せいぜい30がいいとこかな、とりあえずまずは最低レベル50な!30まではこのカードで上がるから残り20はあこちゃんの精霊祭司のクエストで上げていくからね」

「わかりました。武器はどうします?」

「とりあえずは俺の中級装備を2人に渡すからそれを使って後は精霊祭司のクエストでのモンスタードロップ狙いつつクリア報酬かな」

「私はどうしましょうか?」

「燐廻は〜まずキャラの方向性決まったの?」

「レイシン君みたいな感じは難しいですか?」

「あぁ〜1番真似したらダメなやつだよ俺」

「そうなんですか?」

「俺のは難易度超級クエストを幾つもソロクリアしないとダメなやつなんだ」

「それは…難しいですね神巫師でおすすめはありますか?」「パーティプレイ主体で自分も前線で戦うなら舞剣士かな?」

「それはどんな感じですか?」

「正直言えば俺の下位互換」

「レイシン君の下位互換ではちょっと…」

「そうなると限りなく俺に近くするしかないな〜パーティプレイ主体で俺に並ぶとなると…難しいけど舞剣士の憑依型かな?」

「それでレイシン君に近付けるんですか?」

「まぁ、一応」

「ならそれを目指します」

「じゃあ、とりあえず2人とも精霊祭壇のクリアは必須な!」

「「了解!」」

そうしてまずは経験値カードを使って2人ともレベル30まで上げてレイシン君の装備を借り精霊祭壇に挑む

「俺はなるべく参加しないようにするけど良い?」

「あくまでもサポートって感じですかね」

「そうなるね、精霊祭壇は難しいクエストじゃないけど精霊相手だからめんどくさいんだ、俺も戦い方は制限される」

「だからあえてサポートに回るんですか?」

「それもあるけど、俺が精霊祭壇に今まで手を出さなかったのは俺は既に一体だけ特別クエストで精霊と契約してるからなんだ」

「精霊と契約してるとなにか問題があるんですか?」

「精霊が問題なんだよ!なるべく使わないようにしてるけど闇精霊と契約してるんだよ闇精霊を媒介にして戦うと契約じゃなくて支配って形になるからなんだ」

「条件が変わってくるって事ですね」

「そう!かなり厳しい条件でのクリアが求められる」

「そういう事ならレイシン君はサポートをお願いします」

「その代わり死にそうになったら助けてね」

「まぁ、そのくらいなら」

そうして俺達は精霊祭壇のクエストクリアに向けて動き出した。

精霊祭壇は全5階層からなる大きな祭壇で封印されている精霊を討伐し契約していくそしてクリア報酬として祭祀の杖というアイテムが手に入り攻撃にも応用が効くので神巫師の職業柄欲しがる人は多いだろうが数える程しかしか持っているキャラを見た事がないし俺は宝剣や薙刀や鉄扇をメインに戦うため

必要性を感じない

俺はとりあえず錫杖を使いこっちに向かってくる攻撃を弾き

燐廻達に耐性バフをかけるなどして戦闘を有利に進められるようにしてメイン戦闘は2人に任せるがレベルや装備の問題もあって時間がかかる

まだ2階層だがまだ2人とも神巫師の戦い方に慣れて居ないのも相まって俺のフォローがあまり意味を成してない

「燐廻!集中して!宝剣にオーラを集めて攻撃して!

ウタはせっかく風精霊と契約できたんだから竜巻ぶつけるくらいやってよ!」

「「わか(った!)(りました!)」」

「全くもう」

ぼやきつつもアドバイスを活かして戦いやっと戦闘が終了した。

2階層では2人とも炎精霊と契約出来たらしく守備は上々かなと思いつつ3階層4階層もクリアし燐廻はドロップアイテムで宝玉を拾ったらしい

「最低3つ集めればかなり強力な精霊の宝剣が作れるね」

「あこなんか短剣拾ったよ!」

「それも宝玉必要なヤツだね!ここからは宝玉のドロップ狙ってみようか!確率は高くないけどね」

「なんかドロップ率あげられるアイテムとかあったりしませんか?」

「あるけど1クエ限定だし、使用後の副作用みたいなのでクエ終了後からのドロップ率低下するよ?」

「やめておきます」

「あこも」

「じゃあ最後の階層行こうか!最後は光の精霊王相手だからね!」

「それって精霊王と契約出来るんですか?」

「いや、無理!精霊王と契約したいならソロクリア必須」

「ちなみにソロクリアするにはレベルはどのくらいならいけますか?」

「ライヴなら余裕だろうね!精霊はモンスター扱いならないから無双だろうさ!」

「それってレベル100越えは必須って事ですよね?」

「いや、そうでも無いよ!多分今の俺なら出来るんじゃないかな?闇精霊使っても使わなくても」

「レイシン君出来るんですか?」

「やっていいならやるよ?クリアすれば精霊とは契約できる訳だしね」

「あこちゃ…じゃなかったウタ!レイシン君が精霊王相手してくれるって!」

「レイさん出来るの?」

「無問題!」

俺達は最後の試練に挑む

最上階は見渡す限りの白一色の部屋に淡い光が浮いているだけの場所

「来るよ」

レイシン君がそう言うと部屋の中心が光りだし白銀の鎧を纏った精霊王が姿を現した

『我こそは光の精霊王ルミナリスである!汝等は我との契約を望む者か?』

「我こそは神巫師のレイシン!精霊王よ!我との立ち会いを希望する!我が勝利を収めし暁には我が弟子の1人に貴方様自信か貴方様と同等の超級精霊を我が弟子と契約していただきたい!」

『よかろう!その代わり若造!汝1人で我と立ち会われよ!』

「無論!そのつもりです!」

光の精霊王はその名の通り光を操る俺は攻撃を躱し、逸らし時には障壁を展開して守りつつ精霊王を攻撃していくがあまりダメージにはなっていないように感じた

俺は身体全体を覆うオーラを剣に集中させて攻撃するがそれを簡単に相殺してくる精霊王に少し苛立ちを覚えていた。

「いい加減にしろよな!かなりダメージになってるはずなのに攻撃のパターンすら変わらないって何なんだよ!」

レイシン君の言う事も最もだと私は思った。

「確かにHPは約半分位だから攻撃のパターン変わっても良さそうなんだけどね」

レイシン君が精霊王に問いかける

「おい!精霊王!お前力を隠してないか?」

『なぜそう思うのだ?』

「精霊王ってのは固有武器があって本来ならそれを装備し戦って来るはずそれを使わないって事は実力を出してないって事だろ」

『お互い様であろう!貴様は舞を踊り力を高めこそすれこの奇妙な宝剣の力を使っていないであろう』

「つまり、俺がこの宝剣を解放するならあんたもその力を使ってくれるんだな?」

『約束しよう!精霊王の名に誓って』

「なら、仕方ねぇな!燐廻、ウタちゃんこれから本気を出す俺はライヴとは真逆の存在だからよく見ておけよ」

俺は宝剣を天に掲げ祝詞を唱える

「我は神巫師レイシン!我の呼び声聞こえたならば今こそ集え!四神獣!そして四神を統べるものよ!」

宝剣が光だし宝剣に白、青、赤、緑、黒の宝玉が剣に収まっるとレイシン君の背後に四神獣とそれを統べる麒麟が降臨した。

『やっと我らを呼んだな!レイシン!』

「黙って力貸せお前ら!俺は今この瞬間お前達と契約する!」

『その言葉を待っていたぞ!』

四神獣と麒麟はレイシン君に憑依するとレイシン君が持っていた杖は槍に変わり腰には青龍刀そして背に杖を装備した真紅の羽織袴の姿になる

「霊装解放!四神獣!憑依麒麟」

『共に闘うのを楽しみにしていたぞレイシン!』

「あぁ!俺達の力見せてやろうぜ!」

レイシン君がその言葉を発した時システムメッセージが届いた。

(アバター名レイシンが四神の祭壇及び麒麟の塔を統べる統一者となりました。これによりアバター名レイシンに星神の称号を与えます。更にアバター名レイシンに銀河の宝剣及び星の杖を譲渡します)

「あ〜あこうなるから四神達との契約保留にしてたのに本格的に統一者を目指さないと行けなくなった」

『何を言っておる?さぁ!お主の本気見せて貰おう!

我が名は光の精霊王!ルミナリス!我が神器を持ってお主を打倒してやろう!光翼剣クラウソラス!行くぞ!』

そこからの戦いは誰も介入不可の領域だった

四神の力を思うままに操るレイシン君に光の力を利用してダメージを最小限に抑えている

そしてお互い余力を残している状態だ

「終わりだ精霊王!」

『終わるのはお前ぞ!我が一撃受けてみよ!

イクシードルミナスブレイド!』

「オーバードライブ!四神一体!麒麟の爪牙!」

四神獣と麒麟がレイシン君の力を借りて具現化し精霊王に襲いかかる

そしてレイシン君が舞踊る

「大気を震わせ気候を操り死を越えて大地に降り立つ四神なり、四神を統べりて世界を統べる聖獣の爪牙が己を震わせたもう!我が宝剣に至高の一撃を!デッドエンドレジェンド!(死をもって伝説となる!)」

レイシン君の全身全霊の一撃が精霊王を飲み込んだ

『見事なり!我の負けだ!受け取れ!我が神器光翼剣クラウソラスを』

そう言って精霊王はレイシン君に剣を渡した

「ありがたく使わせてもらおう!約束通り俺の弟子と契約してもらう」

『我の右腕と我が半身の精霊とお主の弟子を契約させよう!我はクラウソラスにその身を宿す』

そう言って精霊王はクラウソラスに憑依した

私達もレイシン君のおかげで光の精霊と契約できた

「あの!レイシン君!ライヴさんとは逆ってどういう事ですか?」

「そのままの意味さ!さてそろそろ次に行こう!ここは攻略したし、精霊祭壇は後2つあるからね」

「「はい!(うん!)」」

私達はレイシン君の助力を得て神巫師としての新たなストーリーを刻み始めたのだった。

 

 

 

 

 

 




結構この話長くなるのでここまでとしておきます。
次回も続きを書いて行きますのでお楽しみに

次回「レイシンの力と2つ目の祭壇」


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第33話レイシンの力と2つ目の祭壇

神巫師としてのレベルアップを目指す私達は改めてレイシン君の力を目の当たりにする


光の精霊王を打倒した後レイシン君に問い掛けた

「ライヴさんと真逆ってどういう事ですか?」

「そのままの意味さ!俺は精霊王や神竜とか神獣とかを倒せば倒すほど強くなる逆にライヴはプレイヤーを倒せば倒すほど強くなるって事さそしてお互いに普通のモンスターじゃあ物足りない」

「つまりレイシン君のレベルが私達のメインアバターより低いのは…」

「そう、俺は神獣や神竜のモンスターを倒さないとレベルが上がらない、その変わり倒せば倒すほど強くなるけどこのNFOには神獣や神竜のモンスターはイベントでないとほとんど現れない、けど、精霊祭壇は別だよ精霊王を1体1で倒せれば契約できるしレベルも上がるそして3つの塔をクリアすれば精霊大祭ってイベントで残りの精霊王とも戦えるし契約できる俺が今までそれをしなかったのは今の時点でもクリア保留にしてる神獣、神竜、そして神霊のクエストがかなりあるそれから全部攻略の証を取ったら多分俺はレベリングや装備の問題で行き詰まる」

「つまり、レイシン君の出番が更に減るって事ですか?」

「まぁ、そういう事」

そうして話していると第2の祭壇に到着した。

「さて、行こうか!精霊王以外は俺はあくまでサポートだからね!」

「大丈夫です!私達は上級精霊と契約してますしやれると思います!」

「負けないよ!」

「頑張って!」

それから攻略は順調に進み2人とも超級精霊と契約出来た。

そして残すところ精霊王との戦いだけとなる

「さて、残す所は精霊王か燐廻達やる?」

「1体1で倒さなければ精霊王とは契約出来ませんよね?確かに私達は既にレベル50近いですけどレイシン君にはまだまだ敵いませんし多分精霊王にも敵いません」

「だよねぇ〜あこは精霊祭司の杖を手に入れたしりんりんも精霊剣を手には入れたけど、レイシン君みたく色々もっと装備ないと多分無理だと思うから大丈夫!」

「わかった精霊王は俺がやるよ!」

「今回も四神獣の装備で?」

「いや、折角精霊王が宿った剣手に入れたからそっちでいくよ!後は祭司の杖を装備すれば多分大丈夫だろうしね」

「ここの精霊王はなんですか?」

「多分風か地だね精霊王は火、水、土、風、地、光、闇の6大王者だからね」

「レイシン君はそのうちの闇と光の精霊王とは契約してますよね?」

「闇の精霊王はかなり凶悪だよ!闇の精霊王の力っていうかアイテムは宝玉なんだけど、どんな武器にも闇を纏わせる事ができるしそれで付けた傷は再生しない」

「かなり強力ですね!でもデメリットもあるんですよね?」

「完全支配してないとあっという間に闇にのまれるよ!

それと他の精霊王達すら支配しようとするからね」

「でもレイシン君は大丈夫なんですよね?」

「まぁ、闇にのまれることはないな」

そう話していると精霊王がいる祭壇に辿り着いた。

そしてその場に風と地の精霊王が姿を現した。

『我風の精霊王なり!』

『吾輩は地の精霊王なり!』

『『我等2人のうちどちらとの戦闘を希望する?』』

「我こそは神巫師のレイシン!光、闇の精霊王とは契約している!貴方達2人との契約も容易だろう!」

『ならば我等2人に挑むと言うのだな?』

「そうすれば3つ目の祭壇への扉が開き精霊神の宴に招かれましょう」

『傲慢なやつよ!だが面白い!』

『精霊神の宴に我等と共に参ると言うのだな!』

「いずれは神とすら契約してみせましょう既に四神獣とは契約しております故」

『ならばその力を示せ!』

「我が力存分に!」

2体の精霊王相手の戦いが始まる

風の精霊王は弓を構えてそれに矢を番えそれを無数に分散させ攻撃し地の精霊王は戦鎚のような杖を振り回し地形を操り攻撃してくるがレイシン君は鈴の付いた祭祀の杖を操り舞うように攻撃を逸らし躱していき身体に金色のオーラを纏っていく

俺は精霊王が宿った剣に問いかける

「もう少し力上げても耐えられるか?精霊王」

(誰にモノを言っている?我こそは精霊王!貴様の舞などでどうなるものでも無いわ!)

「へぇ〜、じゃあもう少しオーラで増幅するから覚悟しな」

俺は攻撃をひらりひらりと躱しながら力を上げる

「我、問いかける我が力は我の我に害をなすものなりか?

否である。我が力は我のものなり!我には我の力こそ全てなり!龍よ精霊王よ!我が呼び声に答え我が力を高めたまえ!」

龍の形をした銀色のオーラが金色のオーラに重なる

(龍のオーラか!この力の高まり今なら我の力を存分に発揮できようぞ!主よ!光とは時なり今なら時刻剣を発動できるであろう!)

「何それ?」

(剣を解放すればいい使えば10秒事にHPが減るがお主のHPが尽きるまで時間を操れよう!)

「マジですか!そりゃあいい!いくぞ!光翼剣クラウソラス解放!時刻剣!」

(我が神器の力役立てるがいい!)

一瞬剣が光り輝くと周りはモノクロの世界となった

そして俺のHPがジリジリと減り続けている

「なるほど、じゃあ遠慮なく!」

俺は精霊王達を剣で切り裂く

「光あるところ闇がある!相容れない力こそ平等なり!」

切り裂く一瞬のみに闇を纏わせる

そしてHPが半分を切ったところで1度能力を解除する

「光よ!我に癒しを!エレメントヒール」

HPを回復させ再び剣を構える

「そろそろ終わらせる!」

『愚かな!闇の精霊王の力を使うか!』

『だがこの程度の傷ならば癒せぬどおりはないぞ!』

「無駄だよ!止まった時間の中で付けられた傷は癒えることは無い」

『ならばこの命尽きる前に貴様を倒す!』

『精霊王の力を目の当たりにし怖気付くがいい!』

『『合技砂塵爆風!』』

「永劫の時の中で眠れ!永劫世界停止(ワールドクロック!)」

世界が再びモノクロに包まれる

「さぁ!光の精霊王!これが最後だ!」

(任せておけ!クラウソラスの力!存分に使え!)

「光翼剣クラウソラス!解放!光翼刃!」

耀く刃が羽となりその羽が精霊王達を貫いた。

精霊王達は倒れ精霊王のドロップアイテムの弓と戦鎚型の杖が落ちていた。

『見事なり!光の精霊王の力そして闇の精霊王の力の1部ではあるが上手く使いこなしているな!我らの力も役立てるがいい!』

『我が名は風の精霊王ドルフィス』

『我こそは地の精霊王ガレムス』

『我が神器、風刃弓ウィンディア』

『我が神器、地杖鎚ガイレス』

『『神器に宿りて我が力存分に!』』

風と地の精霊王と契約が成立した。

「参ったな、弓のスキル上げないと」

「剣や槍ばっかりですからねレイシン君」

「神巫師としてのスキルで何とかならないの?」

「俺は神巫師の舞剣士だからね神巫師にも色々いて弓を使う奉納祭祀だと弓を使って戦うんだけどこの弓は風刃弓だから多分刃的な意味でも使えるんだろうけど、一応弓だしねちゃんと使ってみたいんだよね」

「なら次は弓を使って支援してください!3つ目の祭壇で超級精霊コンプ目指します!」

「俺は精霊王との契約か〜次の精霊王は多分水だよな〜炎の精霊王は精霊大祭の後の精霊神の宴じゃないと契約できないし」

「そうなんですか?」

「炎の精霊王って特別クエスト扱いなんだよ!面倒なんだ」

『確かに、あやつは我等と違って面倒極まりないからのぉ〜水の精霊王と並んでいい勝負だ』

『我等はお主が強者であり尚且つ契約するに相応しい相手と思ったから神器を託したまでなのだ』

『言えておる』

『まぁ、気にするでない!面倒な相手でも我等精霊王の神器総武装て行けば問題無いわい!』

「総武装ってお前らの武装をか?」

『問題なかろうに、杖、弓、剣で水の精霊王を倒せば衣が手に入る!そして炎の精霊王は槍じゃ!総武装で精霊神打倒も簡単じゃ!』

「良いのか?仮にもお前達の神だろ?」

『契約者が精霊神を打倒すればお主は神王の称号を得て更に最強になれる最強の主はそれだけで十分に価値ある存在じゃ!』

「随分精霊王さん達に気に入られたみたいですね」

「嬉しいような嬉しくないような…そういえば燐廻!宝玉何個集まった?」

「え?一応今回の祭壇の攻略で一応3つですけど」

「なら、これ使え!」

俺は宝剣を渡す

「この宝剣は?宝玉スロット1つだけですけど?」

「適当な宝玉はめ込んでおけばその宝玉の精霊の力を使える今の宝剣よりはいいはずだ、3つ目からは闇精霊も出てくるからね」

「闇精霊がそんなに大変なんですか?」

「言ったでしょ!傷の回復が阻害されたり色々面倒なんだ光の精霊のちからも弱まるから炎精霊の宝玉あるならそれ入れておいて」

「わかりました」

「ねぇ、あこは?精霊それなりにいるよ!宝玉は1つも無いけど」

「ん〜精霊祭祀だもんな〜…あ!ちょっと待って」

俺はアイテムボックスから大量鈴の付いた扇子を渡す

「精霊神楽を舞う時これ使えば能力2倍!つか、悪いな俺のお古の装備ばっかりで」

「良いですよ!レイシン君私達より強いですし装備が豊富なのは間違いないので私達を支援してくれてると思えば全然平気です!」

「じゃあ、行きますか!精霊祭祀の最終クエストの3つ目の祭壇に!」

「「はい!(うん!)」」

俺達は新たな力を手に3つ目の祭壇に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




33話目になります。ゲーム世界オンリーの話がもう少し続きますが現実側のストーリーもちゃんと書いていきますのでお楽しみに!

次回『精霊武装と3つ目の祭壇』


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第34話精霊武装と3つ目の祭壇

精霊王を従え更に強くなるレイシンに対して
2人はその背を追い続ける道を選ぶ


-現実世界ー

 

ゲーム合宿をする事になり金曜の夜から土曜の明け方近くまでほとんど徹夜で遊び気が付いたら寝落ちしていた私達

目を覚ますと私とあこちゃんはベッドで寝ていてパソコンははゲームのセーブだけしてスリープ状態で零二君の机の上に置いてあった。

私はまだ少し寝ぼけた頭で時計を確認すると昼の11時だった

「確か…最後に時間見たのって朝方の4時だよね…」

一応7時間は寝ていた事になる

そして辺りを見回すと零二君の姿がなかったのでまだ寝ているあこちゃんを起こさないように零二君の部屋を出ると

1階に降りた。

玄関に零二君の靴なかったので買い物かなにかかと思いとりあえず居間に行ってみると昼食の準備がしてあった。

「朝ごはんって言うよりもうお昼だもんね」

とりあえず居間を出て洗面所を借りて顔を洗って目を覚ましていると玄関が開く音が聞こえたので私は顔を拭いて洗面所を出るとちょうど零二君が靴を脱いでいた。

「おかえりなさい、どこに行ってたんですか?」

「おはよう燐子、いつもの日課だよ早朝トレーニング往復10km走ってその後ちょっと休憩したら身体を動かしながらのイメージトレーニング」

「そうだったんですか、ところで零二君はいつ起きたんですか?」

「俺は朝の9時くらいかな?元々昨日から今日みたいに徹夜したりしなければ休日は8時くらいには起きるんだ」

「そうなんですか」

「まぁ、日課もあることだしね!とりあえず俺、シャワー浴びて着替えて来るからあこちゃん起こしてお昼にしよう!」

「そうですね」

私はあこちゃんを起こして零二君の許可を取って台所を使わせてもらい昼食の準備をする

と言っても味噌汁を温め直したりするくらいで特別な事はしてない

零二君がシャワーと着替えを終えて戻ってきたので3人で朝食件昼食をとりながらこの後の予定について話をする

「この後どうする?ゲーム再開する?」

「そうですね、今日中に零二3つ目の祭壇を攻略してもらって精霊大祭のイベントに行きたいですね私達もLv50までは最低でも上げたいです」

「今、どのくらいだっけ?」

「あこが、45でりんりんが47だったと思う」

「そっか…そうなるとこの後適度に休憩入れつつ夜までプレイすれば問題なく上がるよ!今日はそこまでにして、明日は精霊大祭をクリアすれば多分60は越えると思うよ」

「じゃあ、そうしましょう!幸いRoseliaの練習も無いですし目いっぱいゲームしましょう」

「あこは賛成!でも、自主練しなくて大丈夫かな?」

「心配ならこの後14時位まで練習する?今、ちょうど12時だし」

「じゃあ、食器等の片付けなんかもありますし、13時開始

15時終了、時間開けて16時ゲーム再開でどうですか?」

「俺は構わないよ!休憩は2時間毎で良いかな?」

「そうしましょう!私はそれで良いですよ」

「あこもOK!」

「じゃあ、そうしようか!」

そうして予定を決めて俺達は行動を開始し片付けを済ませ

屋根裏部屋に行き練習準備をする

「零二君、キーボード借りますね」

「あこはドラム借りるね!」

「どうぞどうぞ!」

「でも、零兄ぃドラム持ってたんだね」

「知り合いに譲ってもらったんだよ一応練習はしてるけどそう簡単に身につくものじゃないしね」

「まあ、それはそうですよね、私も今くらい弾けるようになるまで結構かかりましたし」

「そこはやっぱり努力次第だよね」

「そうだね〜」

なんて話つつ俺達は2時間程練習に勤しんだ。

そして休憩を挟み俺達はゲームを再開した。

 

-ゲーム世界-

 

今回もレイシンとして行動する俺、そして一応俺の弟子扱いの燐子とあこちゃんの操る神巫師のアバター

「精霊大祭までクリアしたらどうする?」

「あこは引き続き精霊契約出来そうなクエストを中心に回っていきたいかな」

「私はレイシン君のバトルスタイルに近付きたいので祭壇系のクエストを回りたいですね」

「前にも言ったけど俺のスタイル真似ると後悔するぞ

俺のはソロ前提だからな!それにお前は舞剣士の憑依型を目指すんだろ?」

「そうなんですけど…」

「あこちゃんとはずっとチーム組んでるんだろ?それこそ前衛で立ち回るならやっぱり舞剣士じゃないとキツイぞ!」

「レイシン君はどうなんですか?」

「俺は精霊や神獣の力を媒介に戦う前中衛職でパーティー組むなら突撃型じゃないと無理!支援はあまり期待されても困る」

「私はレイシン君やライヴさんに少しでも追いつきたいんです!だから魔法と神巫師の舞闘で強くならないと」

「まぁ、勝つことに拘るならまずは俺みたく過去の停滞期を生き延びた連中と闘わないとな!」

「そんなに強いの?」

「ああ、強いよ!一応言っておくとレオスも停滞期を生き延びたプレイヤーだ」

「レオスさんが?」

「ああ、停滞期を生き延びてあの域にいるからこそライヴのようにプレイヤーキラーしたりするのが許せないんだろうさ」

なんて話していると3つ目の祭壇に到着した。

そして祭壇に続く扉を開けると下級から中級の精霊達が現れた

「俺は見物!2人とも頑張れ!下級や中級は倒した数だけ契約してくれるからな」

「簡単に言ってくれますね!」

「本当にね」

私達は最上階直前まで戦いかなりの数の精霊契約をした。

「かなりの数契約出来たろ!後は上級精霊と王様倒して精霊大祭だ!」

「任せてよ!とは言っても、精霊王はあこ達倒せないけど」

「やってみるか?」

「良いの!?」

「やりたいならね」

「契約出来ますか?」

「さぁ?どうだろうな聞いてみるか」

俺は精霊武装を呼び出し問いかける

「精霊王達に問う、俺以外にも精霊王を打倒すれば契約出来るのか?」

『不可能では無いだろうが…せめて星神の称号を持ってないと厳しいと言わざるを得ぬ』

『星神は神巫師の中でも最上位の存在だ、レイシンしかその称号は持っておらぬよ』

『せめて精霊の御使いの称号がなければ契約は難しいだろう』

「それってどうやったら獲得できる?」

『簡単な事よ!我らが眷属達を千体以上従えればいい』

「お前ら今何体?」

「私は上級精霊が5体と中級下級合わせて100くらいですかね」

「あこはもうちょっと多いくらい」

「厳しくないか?」

『何、精霊と契約出来ずともレイシンが統一者となれば恩恵は受けられよう』

「俺が統一者になるのは確定なのな」

『当たり前だ』

「まぁいいや!とりあえずいくぞ!」

王の間に続く扉を開くと精霊王が顕現する

『我こそは水の精霊王アクアス!我に挑むのは誰ぞ!』

「我こそは神巫師のレイシン!水の精霊王と火の精霊王以外からは認められた存在なり」

『ならばその力示して見せよ!』

「はァ…結局こうなるのか…精霊武装展開!我が手に来たれ!」

背に杖と弓、両手に剣と鉄扇を装備し宝玉があしらわれたガントレットが装備され武装展開が完了する

「さぁ、行こうか!」

レイシン君がアクアスに向かって行く

『我、水だけの力にあらずアイスレイン!』

氷柱の雨が降り注ぐ中レイシン君は舞踊を舞いながらひらりひらりと躱していく

『おのれ!小賢しい人間め!』

「うるせぇよ!悔しかったら液状化でもしてみやがれ」

『言ってくれるではないか小僧!ならば我が力見せてやろう!』

精霊王は液状化し襲いかかるがレイシン君は平然としている

「風刃弓展開!風魔の矢!ウィングアロー! 」

風を纏った矢が暴風を巻き起こして液状化した精霊王にダメージを与える

『風の精霊王を味方に付けているな!?』

「それだけじゃないぜ!雷光弾!」

雷の弾丸が精霊王に直撃し水の精霊王は更にダメージを受ける

『超純水の衣を纏っている我がなぜ押し負ける』

「風の力で液状化した時のアンタにした攻撃で超純水は不純物が混じったのさ」

『そんなバカな話があるか!』

「あるんだな〜ところが!」

俺は鉄扇を広げ神楽を舞う

『我が声を聞き届け 我が声聞こえたならばその力を貸し与えたもう精霊達よそして精霊の王よ!我が声に答えその力を高めよ!地を割砕き水を大地の下に沈め光で穢れを払い

風に乗せその力を散らし闇を持ってその力を制し我が力とせん!我が声を聞き届けよ!エレメンタルオーラ!』

それぞれの神器が輝き俺を中心に1つとなる

「精霊の神罰!」

精霊王がその力を遺憾無く発揮し水の精霊王を圧倒した。

そして水の精霊王が消えた後には水の精霊王のドロップアイテムが残されていた。

『水の精霊王はその衣に宿った。これでお主は炎の精霊王を残し全てと契約した事になる』

「じゃあ、精霊大祭を行うとしますか!」

「そこで最後の精霊王と精霊神との契約ができるんですよね」

「あぁ、その通りだ!まぁ、その精霊大祭で何を掴めるかはお前達次第だ」

「少しでもあなたに追いつく為に私達は全力を尽くします」

「まだ一回も勝てて無いけどライヴさんにも勝たないと!」

「勝てるかな?アイツにも俺にも!」

俺は更なる高みへそして2人はその背を追う道を選ぶのだった。

 




34話目です。もう少しこのストーリーが続きますのでお楽しみに次回が精霊編のラストの予定ですのでもう少しお付き合いをよろしくお願いします。

次回「精霊大祭と最後の試練」


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第35話精霊大祭と最後の試練

精霊大祭に挑むレイシン達に最後の試練が待ち受ける


水の精霊王との契約を完了したレイシンは精霊大祭への準備をする

「さて、まずはこの場に精霊王の神器を並べて精霊王を顕現させる。いでよ!精霊王!我が呼びかけに応じ顕現せよ!」

風、土、水、光、闇の精霊王が顕現する

「これより精霊大祭を行う!俺達を宴の場所に案内しろ」

『あいわかった!』

『その望み叶えよう』

『この時を待っておったぞ!』

『早く宴を開こうぜ!』

『まぁ、焦るでない!すぐだとも』

精霊王達は自分達の力を祭壇に集めると巨大な門が現れる

「ゲームとは思えないですね」

「これはゲームだよ!どこまで行ってもね!」

「この先に行けば精霊大祭に参加出来るんだよね?」

「あぁ、そうさ!最後の試練が俺達を待っている!」

俺達は扉をくぐるとそこは精霊界の神殿だった

「精霊神殿?こんな所があったんですね」

「宴の場所さ!」

「ここがそうなんだ!」

「あぁ、さて神殿の中央に行こうか」

俺達は神殿中央まで歩みを進めると金と銀の人型精霊が玉座の様な椅子に座っていた。

そしてその横に炎の精霊王と思われる存在が立っていた。

『まずはよく来たと言っておこう。精霊王達の主よ!』

「我こそは神巫師のレイシンと申す!以後お見知りおきを!」

『いずれ、いや、精霊大祭終了後は貴方様方の主となりましょう精霊神様方』

『ほほう、我らの主とな…なればこそ相応の試練が必要だろう!』

「どんな試練も受けましょう!」

『なればまずはお主達の弟子達の実力を見せてもらおう!』

「喜んで!出番だよ燐廻!ウタ!」

名を呼ばれ私達は前に進み出る

『お主達に与える試練は2人で300の精霊達を相手してもらう!もちろん精霊の力無しでだ』

「分かりました!」

「これでもレイシン君に鍛えられたからね!負けないよ!」

『その意気やよし!行け我が配下の精霊達よ!』

私達は背中合わせに達立ち位置を入れ替えながら精霊達を倒していく

『片方は精霊祭司のはずだが?なぜだ?』

「私が精霊大祭の試練で精霊の力を使わず戦うことを想定してないとでも?」

『なんだと?』

「我が弟子のウタは精霊の力を使わず自然の力を借り受けています」

『なるほど、精霊祭司でも特殊な例か、複数の精霊と契約していれば自然の力に語り掛ける事もできようて』

「そしてもう1人は憑依型の舞剣士、精霊以外の存在に語り掛け力を借り受ければこのくらい造作もないです」

『おのれ!人間め!』

『さすが我らを従える統一者じゃの!』

『全くだ!』

そして戦いを傍観していると最後の一体の精霊が燐廻の剣により倒された。

「終わりました!」

『見事なり!だが、お主達にはもう1つの試練が待ち受けている!』

「まだなにかあるの?」

『安心せよこの場での試練では無い』

「ではなんでしょう?」

『封印されしものへの挑戦権を精霊神の権限で与えよう』

「封印されしもの?」

『神霊じゃよ!』

「なるほど、精霊神達が封じる神霊への挑戦権という訳ですか、まだ力は足りないでしょうがまぁ、大丈夫でしょう」

『飄々としておるが次はお主だぞ!』

「俺は何をさせられるんでしょう?」

『お主は上級超級精霊計100体と精霊王達の力無しで戦って貰うぞ!』

「構いませんよ」

『四神獣達の力も使うでないぞ』

「分かりました。ほかの力なら使っても良いんですよね?」

『好きにせよ!』

「なら簡単ですね」

俺は銀の宝剣と鉄扇そして偃月刀を装備すると前に進み出る

「さて、俺の糧になってもらおう!」

精霊達が俺に向けて攻撃してくるが俺は神楽を舞いながらひらりひらりと攻撃を躱し逸らしていく

そして精霊達の数は半数に減っていた。

「まだ神楽を舞ってるだけなんですけどね」

そう言いつつ俺の武器には銀色のオーラが纏われている

 

「1つ技を披露しよう!妙技!霧散陰影!」

 

辺りに霧が発生し周囲を飲み込みそして気配が無数に感じられる

 

「本物は1つなり!」

 

四方八方からオーラを纏った銀の宝剣が襲い来る

 

「あれ、多分狙ってるよね」

「うん!あこたちが負けた技だよきっと」

そう言っている間にも精霊達は倒されていく

『霧を晴らさぬか!馬鹿ども』

「無駄ですよ!影の舞!」

四方八方から幻影の斬撃が襲いかかり精霊達が混乱する

『何をやっておるか!本物は1つであろう!』

炎の精霊は罵声を飛ばすが無駄である

「気は塾しました」

銀色のオーラが全身を包み龍が複数体顕現している

「宝剣、鉄扇、偃月刀を1つに!武装融合!銀龍の大太刀!

銀龍!波動斬撃!」

銀色の龍が残っていた精霊達を飲み込みその場にはレイシン君だけが立っていた。

『ならば我が相手だ!炎槍!』

炎の精霊王がレイシン君に向かって行くがレイシン君はその場からゆらりと消えた

「いきなりとは無作法ですね!精霊王!」

『吠えるな!貴様は我が焼き尽くす!』

「出来ますか?精霊王!」

俺は大太刀を振り回し精霊王を切り付ける

『さすがよな!我と相対した時主殿は闇の精霊王を従えていたが決め手として使ったに過ぎぬ、それまではその身1つに四神等の神獣達すら宿さず闘っていたのだからな!』

『それほどまでか…あのレイシンという存在は』

『精霊神様達も闘えばわかります。やつの強さが』

『レイシンの弟子とやら、奴はどんな存在なのだ?』

「彼は…本来ならすぐにでも統一者となれる存在です。」

『統一者にか…ならば炎の精霊王を打ち倒し、我らのどちらかに勝利すれば我らはレイシンに従おう!』

「その言葉守って下さいよ!」

レイシンは精霊王の横薙ぎの一撃をひらりと飛んで躱と精霊王が振るう槍の上に着地する

「何処を狙っているのです?ほらほら鬼さんこちら〜!」

『舐めおって!』

精霊王が纏っている炎が更に燃え上がる

『雑魚めがぁぁぁ』

「演舞!太刀風!演舞斬り風!」

精霊王の攻撃をひらりひらりと躱し斬り付ける

俺は精霊王の武器を持つ手だけを攻撃する傷は浅いが塵も積もれば山となるだ

「剣舞!旋風刃!」

更に裂傷が刻まれる

「もう少しかな」

俺は気が熟すのを待ちつつ攻撃を加えていく

『死ね小僧!』

突き出される槍を躱す

『あやつは何を狙っている』

『おそらく武器を持てなくするのでは?』

「だとしたら…あれは…」

レイシン君の周りを薄緑のオーラが包んでいた

レイシン君は相変わらず攻撃をひらりひらりと躱し続ける

「当たりませんよ!後ろに目を付けた方が良いのでは無いですか?」

『おのれ蟻の分際で~!完璧に消し炭にしてくれるわ!

炎魔獄炎槍!』

「精霊王だと言うのならもっとまともな攻撃して下さいッよ!」

鉄扇で攻撃を逸らすと俺が纏うオーラは深緑へと変わった

「気は塾しました。舞踊れ!大気を震わせ光を通さない空間を生み出せ!絶対風壁!」

炎の精霊王の周りは真空状態となる。

「さて、終わりにしましょう。裂空斬魔!」

真空状態の空間が切り裂かれ精霊王もそのまま消滅しドロップアイテムとして槍が残り俺はそれを拾い上げると

システムメッセージが通知される

『アバター名レイシンが全精霊王との契約を完了させました。これにより称号原初の王を獲得しました。これにより精霊神との契約が可能となります』

「どういたしますか?精霊神殿」

『戦いは最早不要!我々はレイシン殿の軍門に下る!』

『私も意義は無いですよ!契約しましょうレイシン殿』

「戦わなくて済むならありがたいが精霊神の宴なしで力を示す必要ないならそれでも良いんだけどさ」

『精霊王全てを従えたそして力を示せと言ったら精霊王の武装全てと四神獣全ての武装を展開して来るそうなれば我らに勝ち目は無いでしょう』

「お前らがそういうならそれでいい!じゃあ契約だ!お前らの名は?」

『精霊神ゼンです。』

『私が精霊神ゼツです。』

「ゼンとゼツな!固有武装は?」

『特にありません!強いて言うなら指輪です。そして呼び出してもらえれば貴方様と共に戦えます』

「それってつまり…レイシン君を3人相手にするようなものですよね?」

「レイ君がチートになっていく!」

「いや、レイシン君もライヴさんもチートだよウタちゃん」 「試しに戦ってみる?」

「どうする?」

「あの!そしたらライヴさんと今の私達で戦えませんか?」

「ライヴと?」

「はい!今の私達があの人相手にどこまでやれるか試してみたいんです」

「……わかった、じゃあライヴ相手にどこまでやれるか試してみるといい!万が一にも勝てたらなんでも約束事聞いてやる!俺に聞ける範囲でな!」

「分かりました!その言葉忘れないでくださいね」

そうして更なる力を求めてライヴへの挑戦を決め神巫師のレイシンが与える最初の試練が幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




35話目ですね!とりあえず神巫師(かんなぎ)編ということでとりあえずは主人公の無双で終わりましたね。
次回は再度プレイヤーキラーことライヴが登場し燐子達の
神巫師のアバターと戦いますのでお楽しみに。

次回「プレイヤーキラーVS神の御使い」


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第36話プレイヤーキラーVS神の御使い

神の御使いの力を手に最強のプレイヤーキラーに挑む2人は改めて最強を目の当たりにする


その日燐子達の要望で俺は久しぶりにRAVE(ライヴ)として

ログインした。

「久しぶりだなこの景色も世界観も」

そして鳴り響くWARNINGの文字と俺の首目当てに群がってくるプレイヤー共

「ハァ……」

俺はため息を吐きアイテムボックスから鎌を取り出し装備する

「失せろ!雑魚ども!ブラッドスレイヤー!」

death装備の使い手でありこのゲーム世界の8割のdeath装備を手中に納めているライヴにとって数はあくまで数でしかないそしてレベルはあくまでただの数字であり下手な鉄砲かずうちゃ当たるなんて言葉はライヴには当てはまらない。

そして大鎌は最近出たレイドボスのデスピエロを倒した報酬だ、デスピエロは幾多の鎌を操り戦うモンスターで装備がdeath装備の為俺も同じdeath装備の使い手のためステータス面の心配は皆無である為最後にログインした際にたまたま遭遇し狩ったのだ。

そして大鎌を何度か振り回し雑魚を狩り経験値をカードに収める

「雑魚どもめ…やっぱり停滞期を生き延びたプレイヤーに比べて質がな〜レオス辺りがまた喧嘩売ってくれたら楽なんだけどな〜あいつは歯ごたえあるならな!」

「なら、私たちの相手をしてください」

「お前達か…レイシンの弟子は」

「神巫師(かんなぎ)の燐廻!」

「私は神巫師のウタ!」

「いざ!勝負!」

「待て!Lv幾つだお前ら?」

「60後半です」

「同じく」

「相手になんねーって言いたいとこだが、いいぜレイシンの弟子だもんな!神巫師って言っても色々バトルスタイルあんだろ?どのタイプだ?」

「ウタは精霊祭司だよ」

「私は舞剣士の憑依型です。まだレイシン君の下位互換です」

「まぁ、アイツは特別だからな〜まさに俺と逆だろ?アイツもそれであいつも停滞期を生き延びたプレイヤーだからな!」

「あの!でもさすがにLv差があるので少しハンデ貰えませんか?」

「そうだな〜じゃあ俺の武器はこの鎌だけ+この装備停滞の腕輪でLvを半減させる」

「ライヴさんがLv半減させても90じゃないですか!同レベルまで下がりません?」

「スマンな、これ以上下げるとこの鎌装備出来なくなる」

「わかりました。その代わりこっちは最初から限界までバフかけさせて貰いますね!」

「好きにしろ!そのくらいじゃなきゃ張り合いねーからなそれでいい!全力で来い!」

そしてバトルが始まる

私は風の精霊を憑依させ風を操り攻撃を掻い潜り攻撃するが鎌のリーチがあるので懐に飛び込めない

「なぁ、二重憑依は使えないのか?」

「なんですか?それ?」

「いや、レイシンの奴はやってたぞ!何体も自分に憑依させて戦ってたよ」

「私はまだ一体だけしか無理です私の師のレイシン君は統一者に近い存在ですが私はまだ下位互換なので!でも、憑依武装なら!」

そう言って足の装備に風精霊を纏い向かって来る

「へぇ〜少しは速く動けるようになったな!限界までバフ掛けてもギリギリ追い付くのがやっとだったのにな」

「そういえば今日は装備してるコート違うんですね!」

「あぁ、この鎌扱うのにちょうどいい装備だったんでな」

「その額のゴーグルもですか?」

「コートとセットの装備で冠扱いらしいぜ」

「なるほど、なかなかだなお前!」

「あこも忘れてもらったら困るよ!」

精霊祭司のウタは舞踊り精霊達の力を高めその精霊達の縦横無尽の攻撃が襲い来る

「精霊ってのはある程度意のままに動く分ウザイのな!そんでもってしっかり前衛と後衛に別れてる分やり辛れぇ」

多対1ならいくらでもやりようはあるそしてPVPでも問題ないがこうも連携の取れたパーティーを相手するのはめんどくさい

でも俺はいつもの技は一つも使ってないなぜなら俺なりのハンデのつもりだったがもう知らねー

「リミットブレイク!」

「えぇ!?」

俺が発動したのはリミットブレイク現在のステータスのを限界を越えて上げてくれる技だ

「デスマーチダンス!」

鎌が俺の手を離れて分裂する

「嘘!?」

「任せて守護の祈り」

「精霊祭司ってここまでめんどくさいのな!さすがレイシンが育てただけはあるぜ!」

俺は漆黒のオーラを纏い舞い上がる

「負けません!まだまだ!精霊達よ!私に力を貸して!」

私が契約してる精霊を武器に1点に憑依させて7色のオーラを剣に纏う

「ハッ!おもしれぇ!勝負だ!」

「ウタちゃん!限界までバフお願い!」

「任せて!」

「レイ君に教わった祝詞を唱えるからもう少し時間稼いで!」

「わかった!水鏡発動!水霊分身!そして霧散陰影!」

幻影を展開し時間を稼ぐ

「静かなる風、静かなる水面、赤き焔が照らせし光は闇を照らす光の翼!オーバーレイ!」

「これで準備万端!」

「あのな、幻影破んのなんぞ簡単なんだぜ!」

そう言って短剣を地面に突き刺すと幻影が一瞬で消えた。

「なんで!?もしかしてこれもdeath装備!?」

「御明答!この短剣はファントムブレイカーこの短剣を相手や地面等に突き刺せば幻影なんぞ簡単に破れんのよ!」

「相変わらず反則のオンパレード!」

「反則じゃねんだよ!文句あんなら停滞期を生き延びたプレイヤーにケンカ売ってこい!」

「その停滞期を生き延びたプレイヤーが私達の師匠です!」

「この技で貴方に勝ちます!オーバーエレメント!レインボードラグナー!」

「ブラッドアップ!デスマーチダンス!デットエンドストライザー!」

数本に分裂した鎌が私の龍と攻めぎ合うがそれも一瞬でライヴさんの技が勝ったおそらくレベル差でのステータスの問題なのだろう私はまた負けた。

「また負けた〜ハンデ有りでも勝てないなんて…あの!停滞期を生き延びたプレイヤーってそんなに強いんですか?」

「あいつらは1体1でやり合っても俺でも苦戦するし下手したら負ける」

「私たちの師匠でもですか?」

「アイツがもしも本当に真の意味で統一者になれたらわからんかもな!俺もまだまだ戦い方の幅を広げないと勝てないかもな」

「誰か知り合いはいませんか?」

「会いたいのか?停滞期を生き延びたプレイヤーに」

「はい、貴方と師匠に勝つにはその人達から何かを得る必要があると思うんです!」

「なら停滞期のプレイヤーが集まったチームがあるから紹介してやるよ!但し、何かを掴めるかはわかんないからな!」

そう言ってライヴさんは私たちに1本の鍵を渡してきた

「俺とレイシンからの紹介だって言えば大丈夫だ最果てエリアの城に行けあそこに停滞期のプレイヤーが集まったチームがあるからな」

「わかりました行ってみます」

そうして私達はその停滞期を生き延びたプレイヤーチームに会いに行くことになった。

 

 

 




36話目です。ゲーム世界の話ばっかりなのはご勘弁を…
色々ゲーム世界関連で書きたい内容が多いので
もう少しゲーム世界からのアクションが続きますのでお楽しみに

次回「古き世代と新世代」


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第37話古き世代と新世代

燐子達は強くなるためゲーム世界古参のプレイヤー達を尋ねる


-燐子・あこ視点-

 

私達は普段の魔法使いのアバターで停滞期を生き延びた古参プレイヤーが居ると言う城に向かった。

「ここだよね…」

「そうだね…間違いなく…」

私はとりあえず目の前の扉に鍵をかざすと扉が開いた

私達は頷き合い中に入る

城の中に入ると2階へと続く階段の手摺りに1人の女性が座っていた。

「いらっしゃい、あなた達は誰の紹介でここへ来たの?」

「ライヴさんとレイシン君です」

「最強のプレイヤーキラーと統一者の神巫師の?証拠は?」

「この鍵が証拠です!」

「なるほどね〜あの2人が気に入ったプレイヤーさんなんだ」

「ねぇねぇ、あなたは誰?」

「あらごめんなさい、名乗ってなかったわね私は太刀使いのミナミよ古参のプレイヤーの1人よあなた達のプレイヤーネームは?」

「私は魔法使いRinRinです」

「大魔姫あこ!」

「2人とも魔法使いねでもそっちのRinRinちゃんは一応魔法剣士に近いプレイスタイルかしら?」

「そうですね、私は最強のプレイヤーキラーに勝ちたくて魔法剣士に近いプレイスタイルをとってます」

「勝てたの?」

「1度だけ、ライヴさんが私の精神異常魔法にかかってそれで」

「それ以来勝てないのね」

「はい、この間は鎌1本に惨敗しました。」

「そう、レイシンは?」

「えっと…彼は一応師匠です」

「ならあなた達アバター2つ持ちなのね」

「師匠越えはまだできてませんけど」

「レイシンもライヴも本来ならこっち側の存在なのにねそれにレイシンは最近名前を聞かなかったのに最近よく聞くようになった本格的にあの二人が動き出したならゲームバランスが下手すれば崩壊する」

「どういう事ですか?」

「それはどういう事?」

「その前に今、ログインしてるこのチームのメンバーを紹介するわ着いてきて」

私達は言われて着いていくとまるで円卓会議のような机と椅子が置かれていてそこには5人のプレイヤーがいた

「ミナミ、客か?」

「そうよ、新世代の子達だけど、ライヴとレイシンの関係者らしいわ」

「んあ?あの二人の関係者だァ?」

「それは興味深いですね」

「なんの用な訳?」

「その前にあんたら自己紹介!」

「双剣士のアベル!よろしく」

「剛剣士のライザ」

「魔導師のスレイン」

「同じく魔導師のリラ」

「拳闘士のガイア」

「そして私、刀使いのミナミ今はこの6人だけよ!」

「他のメンバーは?」

「居たり居なかったりだ」

「それで、何しに来た?」

「えっと…話をしに」

「何が聞きたい?」

「皆はライヴさんやレイ君と戦ったことある?」

「ここにいる全員あるぜ」

「でも、皆負けたわね」

「ミナミとアベルはいい勝負したんじゃね?」

「ここにいないけど槍使いのガイオンじゃねーか?」

「つってもあの二人がコンビ組んで戦ったら誰も勝てなかったろ?」

「どういう事ですか?」

「ライヴが今のプレイスタイルになった頃レイシンの奴と大激闘した事があるんだ」

(レイシン君って一応サブアバターなんじゃ?もしかして誰かにデータだけ貸して対戦した?)

「結果はどうなったんですか?」

「引き分けだ!レイシンは漆黒の剣でライヴは真っ赤な剣でお互いを斬り裂いて相打ち」

「まぁ、今戦ったらどうなるかわかんないけどな」

「あれから俺達も色々変わったしな」

「あの二人がまた動き出してるしゲームバランスが崩壊する可能性があるわよでも」

「つってもな〜あの2人に俺らが勝てるとは思えねぇけど」

「ならこの2人にあの2人を越えさせるのは?」

「無理だろ!新世代の中じゃ強い方かもしれないがレイシンが統一者になってライヴが死の覇王になれば止められるのは俺達でも不可能だ」

「なぁ、お前!レイシンの統一者になるにはまだかかるのか?」

「称号こそ持ってますけど本人はまだまだ完全なる統一者には程遠いと」

「ライヴの方は?」

「death装備の全ての昇華は完全には無理なようでステータス的不利を補う為にフルオープンで戦える時間を延ばす為に戦ってるそうです」

「もう1つ聞かせろライヴは死の魔剣ヘルスレイヴ等魔剣シリーズを持っていたか?」

「いいえ、フルオープンでもその剣を使ってはいませんでした。」

「なら、今のうちに俺達がレイシンとライヴが最強に至る道を積むしか無いんじゃないか?」

「いや、逆にこの新世代達から今のあの2人のプレイスタイル聞いて1度戦って見るべきでは?」

「なら全員集めるか?」

「まずは君たちの意見を聞いてみたい、俺たちは勝てると思うか?」

「わかりません、あなた達がどれ程の実力かわからないので」

「そりゃそうだ、じゃあ、俺ら全員と戦うか?」

「お願いします!」

「本気か?デスペナ等はないにしても俺達に勝てると思ってるのか?」

「無理だと思いますね!でもこちらは何度となく2人と戦って来たんです!私達だって1度くらい買って見せます!」

「やるよ〜」

「なら俺からだな」

そうして拳闘士ガイア、剛剣士ライザ、魔導師スレイン、ミラ、双剣士アベル、刀使いミナミさんの順番で戦って魔導師の人とは引き分けたけど他の人には勝てなかった。

「なかなかだなお前達!スレインもミラも対プレイヤー装備だったのに引き分けるとはな」

「対プレイヤー装備ってdeath装備?」

「の昇華武器よ」

「まぁ、私たちに勝ったし、武器あげるわ魔導聖槍エンシェントランスあなた魔法剣士なのに鍔迫り合いを嫌ってるから槍ならどうかと思ってね私も魔法剣使ったことあるけど私には合わなくて、もしかしたらと思ってね」

「ありがとうございます。」

「貴方にはこれよ聖邪の杖、扱いが難しいから気をつけて」「わかったよありがとう」

「俺らからもコレやるよ!これでライヴをギャフンと言わせてやれ!」

そう言って魔法剣を貰ったでも使い捨ての武器らしい

「私からは簡単な剣技を教えてあげる」

そう言って簡単な剣技を教えて貰った

「剣術と魔法スキルを上手く使って魔法剣士として大成しなさいそうすればライヴには少なからず勝てるようになる」

「わかりました。精進します!」

「あなたはもう少し魔法の幅を広げないとライヴには勝てないわレイシンに勝ちたいなら同じ土俵で勝負しちゃダメ!仮に同じ神巫師でもレイシンの土俵に上がれるのはどうしてもレイシンの下位互換になってしまうのライヴはフルオープンで戦える時間に限りがあるからそこを上手く付ければ勝ち目はあるわ」

「ありがとうございました!」

そうして私達は古参プレイヤーから沢山の教えを受けた。

 

-古参プレイヤー達-

 

新世代の2人を見送ったあと私達は話し合う

「どう見る?」

「少なからず勝ち目はあるわ」

「少なからずか…何パーセントだ?」

「せいぜい3割って所ね」

「私達のやる事は一つよね!彼等が強くなるのを止める為に!」

「だな、古参プレイヤーのチーム古き世代が動く時だ」

ライヴとレイシンに古き世代の影が迫って行くのだった。

 

 




37話です。ゲーム世界でも不穏な影が主人公に迫ります。
この先、ゲーム世界はどうなるのでしょうか?主人公はこの窮地をどう乗り越えるのかをお楽しみに

次回「再戦の時と不穏な影」


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第38話再戦の時と不穏な影

ライヴとレイシンに不穏な影が迫る中、燐子とあこは2人と再度対戦する


-学校-

私と零二君は今日もゲームの話題で盛り上がっていた

「どうだった?古参のプレイヤーは」

「皆さん独特のプレイスタイルでとても強かったです!剣士なのに特定の武器をあえて持たず戦ってたり魔導師なのにつえでも魔法剣でもなく槍で戦ってたり」

「自分だけのスタイルを確実に持ってる奴らだからね、でも、俺はその誰とも違うけどさ」

「そこですよ!零二君のアバターは全然違います!昇華武器を持たないのにdeath装備に物言わせて最強になってるし、レイシン君は統一者にかなり近いですよね?」

「その分レベリングは大変だけどね」

「そこは仕方ないんじゃないですか?」

「そうなんだよね、そこがある意味俺のアバターのスタイルでやり辛いとこ」

そんな感じでゲームの話題で盛り上がりつつ私は気になった事を聞いてみる

「零二君、death装備の中でも魔剣クラスの武器って持ってないんですか?」

「アイツらから聞いたの?」

「えぇまぁ、それにdeath装備について調べた時に最上位クラスがあるのは知ってましたので」

「なるほどね、あれの入手方法ってかなり難しいんだよ」

「そうなんですか?」

「そう、特定の武器を何本以上所持して特定の称号を持っててとかそういうの」

「ライヴさんとしては持ってないんですか?」

「ライヴで持ってる称号は鮮血の悪魔とか、殺人鬼とかそういう称号ばっかりで魔剣クラスの武器取得に必要な称号は持ってなかった気がするな〜」

「古参のプレイヤーさん達がレイシン君とライヴさんを危険視してました、レイシンが真の統一者となりライヴが死の覇王になればゲームバランスが崩壊するって」

「あぁ〜本当にそうなれば確かにゲームバランス崩れるかもね」

「それくらい極端な鍛え方というかプレイスタイルをとってるって事ですよね」

「まぁね、どの道無理だろうけど、真の統一者も死の覇王も」

「運営がなんとかするとか?」

「それもあるだろうけど、多分あの古参のプレイヤー達が黙ってないさ!」

「つまり?」

「アイツらがそれぞれのサブアカとか使いまわして俺の行く手を阻むだろうなって、それに、俺としてはdeath装備は昇華させるつもりだし、ただメイン武器は昇華出来ないからプレイヤーキラーに甘んじてる訳で本来なら双剣士である俺が槍とか鎌とか斧とか使えてる方が可笑しいんだって!言っとくけど魔法だって双剣士特有の強化とかがあるけど、ブラットアップやバーサークの方が使い勝手がいいから使ってるだけなんだ」

「もしも、ゲーム世界で大きな大戦があるなら私も参加させてくださいね」

「古参のプレイヤーを倒せるくらいには強くなってもらわないと無理だろうけどね」

「これでも無敗のウィザードだったんですよ」

「俺に負けて古参のプレイヤーにも負けたんでしょ?アイツらだって古参のプレイヤーの1部に過ぎないけど、まずは大型のイベントをあこちゃんと2人でクリアしていかないとね」

「神巫師のレベルもあげないとですしね!」

「今日もゲームやる?」

「勿論です!今日は練習がありますから終わってから1時間でも2時間でもやりますよ!」

「練習は俺も参加するし、皆の演奏聞いて俺の演奏に活かせる所は活かしていかないと!そういう意味では他の人の演奏聴くのも大事だんだよね」

「それはありますよね」

そんな話をしつつ休憩時間を過ごして授業中にしっかり身を入れて1日を過ごし、放課後の練習も零二君や他の皆と楽しくそして一生懸命に練習したからいつもよりも短く感じたくらいだ

 

そして帰宅後夕飯等を済ませ私はパソコンを起動しゲーム画面に向かう

 

 

-ゲーム世界-

 

私は神巫師のアバター燐廻としてログインした

あこちゃんは魔法使いの方でログインしたみたい

「こんばんはあこちゃん、今日は魔法使いなんだね」

「リンリンは神巫師かぁ〜あこもそっちにしたら良かったかな?」

「好きな方で戦えよ!」

「ライヴさん!」

「言っとくが今回は戦わねーよ!」

「じゃあ、なぜ?」

「レイシンの弟子がどんだけやれるかも気になるが、俺としては今のレベルじゃあお前ら瞬殺しちまえるからな」

「目的は他にあると?」

「あぁ、ちょうどいいからよ!お前らと言う神巫師と魔導師が連携したらどうなるか見てみたくてな正反対だろ?」

「確かに、それならライヴさんとレイシン君が連携する姿も見れたりなんて…」

「出来なくはねーけど、それやると本格的に古参のプレイヤー達が動き出すだろうな、俺はプレイヤーキラーなんてやってるがそれもあくまでゲームだからこそ許される事だからだ!そしてどのゲームでも、強すぎる力はゲームバランスを崩しかねない。それで俺とレイシンは危険視されてる」

「それは……私達にも言える事なのかな?」

「無敗のウィザードの頃だったら有り得たかもな!今は俺達に惨敗してるただの高レベルの魔導師だよ」

「私達からしたらライヴさんもレイシン君もただ純粋にゲームでやれる限界に挑戦してるようにも見えますよ?」

「実際そのつもりだよ!さて、話はここまでにしようぜ!やりたいクエスト付き合ってやるよ!なるべく高レベルなクエストな!」

「わかりました!選んで来ます!」

「あこも行くよ!」

クエストを選びに行った2人を見ながら俺は少しだけ救われたような気持ちになったのだった。

 

 

-その頃-

 

とある遺跡系ダンジョンではモンスターの絶叫が響き渡る

「こんなもんか?」

「これでも強い方さ、僕らみたいな連中には物足りないかもだけどね」

「なんにしても俺達がこうして動きましたって証拠つか残さねーとなんだろ?あの最凶2人を何とかするために」

「そう、統一者と死の覇王になったら手が付けられないからその可能性を1%でも減らす必要があるのさ!」

そう話しつつ攻略を進めクリア報酬を貰いその場を後にするプレイヤーの1団は次なる目的地へと向かうのだった。

「待ってなよ!ライヴ、レイシン……」

 

 

 

 




38話目です昨日中に出すつもりでしたが間に合わなかったので今日の投稿になります。今回はこの1話のみとしておきますがまだしばらくゲーム世界からのアプローチが続きますのでお楽しみに

次回「PVPと覇道」


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