陰陽大戦記 天ノ川の怪談 (黒忍)
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プロローグ

 

 

 

千年前、陰陽五行思想を元に組織された陰陽道の陰陽師。

 

しかし、陰陽師よりも戦闘に特化の陰陽師の組織が存在した。

 

その名は【闘神士】

 

闘神士は闘神機(とうじんき)神操機(ドライブ)っという道具を使い、式神界っという世界から季節を司る式神と契約交わすことで、現実世界に実体化させることができる。

 

闘神士達は鬼門の封印を担う【天流】と鬼門から漏れ出した妖怪を討伐を担う【地流】に分かれていた人々を妖怪から守っていた。

 

この物語は一人の地流闘神士が妖怪との戦いに敗れ、その先の世に転生する物語。

 

 

 


 

 

 

【とある山の中】

 

 

寛仁10××年、平安時代。

 

 

ある日、とある山里の者から山に妖怪が出没した為、妖怪討伐の依頼を受けた地流は、実力のある地流の闘神士を現地に向かわせた。

 

しかし妖怪の数が予想よりも多くて強かった為、地流闘神士と式神は劣勢になっていた。

 

 

地流闘神士「【兌】【理】【震】【兌】!」

 

???「必殺!」

 

 

地流闘神士1が闘神機で印を切ると、クワガタに似た機械人的な外見を持つ式神が左腕を振り上げ、気を纏め上げていき……。

 

 

???「浄化陸壁波(じょうかりくへきは)!!」

 

 

左手を妖怪の群れに向けて気功弾を放ち、数百体の妖怪を消滅させた。

 

しかしそれでも妖怪の数が減らず、一向に減る気配がなかった。

 

しかし、此処で諦める訳にはいかない地流闘神士は闘神機を構え……。

 

 

地流闘神士「【兌】【離】【震……!?」

 

 

印を切ろうとしたが、背後から現れた蠍型の妖怪の尻尾に背後から腹部を貫かれてしまった。

 

 

式神「○○○○!?」

 

 

式神は悲鳴に近い声で地流闘神士の名を叫び、地流闘神士は妖怪に闘神符を投げると、妖怪は闘神符の【爆】の文字と共に消滅した。

 

しかし、貫かれた地流闘神士の腹部から大量の血が噴き出し、足下に血溜まりが出来ていた。

 

 

地流闘神士「……ここまでか……ふっ」

 

 

地流闘神士は自身の死期を悟ると、式神の方を向いた。

 

式神は、契約が果たされると式神界に戻る事が出来る。

 

しかし、契約中に闘神機が壊れたり、闘神士が死んだ場合、式神は名落宮(ナラク)っと呼ばれる式神達の地獄に落され、二度と式神界に戻る事が出来なくなってしまう。

 

それを知る地流闘神士は、痛みに耐えながら、笑顔を作って闘神機を式神の方に向け……。

 

 

地流闘神士「……黒鉄のフジ、契約を……満了する」

 

式神→フジ「ま、待て!待ってくれ!?○○……」

 

 

フジは地流闘神士に手を伸ばすが、式神界と繋がる窓が開いた瞬間、フジの体が消滅して名だけになり、フジの名が窓を通って式神界に送られた。

 

 

地流闘神士「今までありがとう、フジ……」

 

 

掠れる声で地流闘神士がそう言った瞬間、妖怪達が地流闘神士に群がった。

 

そして、何日か後に来た地流闘神士達が来ると、地流闘神士がいた場所には、地流闘神士が使っていた壊れた闘神機だけが落ちていた。

 

 

 



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第一怪「今夜霊達が蘇る!! 天の邪鬼」
第1怪の壱 「天ノ川の出会い」


 

 

 

あの地流闘神士の死後、地流と天流と間に起きた大戦と時代の経過と科学文明の発展により、闘神士達の力は衰退し、闘神士存在は歴史の表舞台から消えた。

 

しかし、あの地流闘神士の物語は、その死後から1200年後の時を超え、平成200X年に再び始まろうとしていた。

 

 

 

【天ノ川町】

 

 

 

天ノ川町にある古いアパートの端の部屋で、一人の少年が隣の引っ越し作業を眺めていた。

 

 

少年の名は青山 ハジメ、天の川小学校の五年生。

 

家庭の事情で、現在祖父と一緒に暮らしている。

 

 

姉「わぁ~!ここ何もないわよ!」

 

弟「ここ、子供部屋にしていいかな?」

 

姉「後でお父さんに頼んでみよ」

 

 

ハジメが正面の隣の家の部屋を見ると、同じ年と思う姉と年下の弟と黒猫が入ってきて、姉弟は部屋を子供部屋に決めると、姉はハジメの方に足を広げながら寝転がり、弟も同じように寝転がった。

 

 

ハジメ「へ~!白パンツか……」

 

姉「!?……えええぇぇぇぇっ!」

 

 

ハジメがそう呟くと、姉は顔を赤らめながら足を閉じて、慌てて体を起こしてハジメを見つけると、叫んだ。

 

 

ハジメ「よっ!俺は青山ハジメ。うちの学校に転校してくるのか?」

 

姉「な、何よスケベ!こっち覗かないでよね!」

 

ハジメ「オレは最初から部屋にいたんだ!お前の方からパンツを見せてきたんだろ!」

 

 

顔が合ったのでハジメは取り合えず、自己紹介をして学校に転校してくるのか聞いたが、姉はスカートを押さえながらハジメに文句を言い、ハジメはスケベ扱いにムッとして言い返した。

 

 

姉弟の父「さつき!健一郎!ママを運ぶぞ!」

 

姉→さつき 弟→敬一郎「「はーーい!」」

 

 

さつきは父が持つ仏壇の上から母の遺影を受け取るっと、ハジメにあっかんべ~をして、敬一郎と一緒に部屋から出て行った。

 

 

ハジメ「そっか、あいつ母親が居ねぇのか……」

 

 

それを見たハジメは、少し悲しそうにそう呟いた。

 

 

 


 

 

 

【翌日】

 

 

 

ハジメ「行ってきま~す」

 

祖父「うむ……」

 

 

ハジメは玄関前の道路で箒を掃いていた祖父に声をかけて、学校に向かうっと道中で眼鏡と帽子が特徴的な男子が挨拶してきた。

 

 

???「おはようございます!ハジメ!」

 

ハジメ「おはよ!レオ!」

 

 

ハジメは同じクラスの友達の柿ノ木 レオと合流し、一緒に学校に向かった。

 

 

 

【通学路】

 

 

レオ「転校生?」

 

ハジメ「ああ、昨日俺ん家の隣の空き家に引っ越してきてな、今日たぶん学校で会うと思うぜ?」

 

 

通学路を歩きながら、2人は歩きながら話していると、ハジメが隣に越して来た子について話して来た。

 

 

レオ「へ~?どんな人でした?」

 

ハジメ「姉の方は俺達と同じ年で三つ編みで白パンツ。弟の方は一年生ぐらいだったな?」

 

レオ「ハジメ……。いくら思春期でも、覗きは犯罪ですよ」

 

ハジメ「違うって!あっちから勝手に見せて……ん?」

 

 

レオが呆れた顔をして言うっと、ハジメは反論しようとした瞬間、ハジメは異様な気配を感じ取り、立ち止まって気配を感じた学校の方に顔を向けた。

 

 

レオ「……?どうしました、ハジメ?」

 

ハジメ「い、いや……なんでもない……」

 

 

ハジメは気のせいだと思い込み、レオと共に学校に向かった。

 

 

 

【校門前】

 

 

 

ハジメ「ん?」

 

レオ「どうしました、ハジメ?」

 

 

二人がハジメの見つめる方を見ると、前にさつきと敬一郎がいた。

 

さつきが覗いている敬一郎のランドセルの中から猫が飛び出すと、二人は猫を追いかけて行った。

 

 

レオ「旧校舎の方へ向かいましたね」

 

ハジメ「……追いかけよう」

 

レオ「あっ、ちょっとハジメ!」

 

 

旧校舎の方へ向かった二人をハジメが追いかけ、レオもその後を追った。

 

 

 


 

 

 

【旧校舎】

 

 

 

さつき「怖くない!怖くない!怖くない!」

 

ハジメ「……おい」

 

さつき「ひっ!?……」

 

 

弟がしがみ付いた状態で姉が恐怖心を誤魔化そうと、強気で校内に入っていくと、突然背後から声をかけられたさつきと敬一郎は振り返ると、そこにはハジメとレオが立っていた。

 

 

さつき・敬一郎「「あっ!隣のスケベ!(お兄ちゃん!)」」

 

ハジメ「オレはスケベじゃねぇ!名はハジメだ。どうしたんだ?猫を追いかけてたみたいだけど?」

 

敬一郎「うん、カーヤが逃げちゃったの」

 

ハジメ「カーヤ?」

 

さつき「猫の名前、そうだ探すの手伝ってよ!」

 

ハジメ「駄目だ、旧校舎は立ち入り禁止なんだ……それに……」

 

さつき「?それに、何よ?」

 

 

言葉を濁すハジメにさつきがどうしたのかっと聞くと……。

 

 

ハジメ「……出るんだよ、ここ」

 

さつき「……え?」

 

レオ「その事については、校内一の心霊研究家である、この柿木レオがお話ししましょう」

 

さつき「ば、馬鹿馬鹿しい、そうやって私達を脅かそうとしても駄目よ」

 

 

さつきは怖がる敬一郎を抱き寄せて、引き攣った笑顔で強がりを言うが、それを見たハジメが真剣な表情でさつきに近づく。

 

 

ハジメ「良いか?よく聞くんだ。『この世には、目には見えない闇の住人達がいる。この現代社会でも奴らは時として牙を剥き、俺達を狙ってくる』だから、決してそういう類の話を軽視するな……」

 

敬一郎「ううぅっ……」

 

さつき「んっ……ん?」

 

 

ハジメの真剣な警告に、敬一郎は涙目になり、さつきも思わず唾をのみ聞いていると、さつきがハジメ達の後ろを見ていた。

 

 

ハジメ「ん?うわっ!?」

 

レオ「うわっ!?」

 

 

さつきの反応に気が付いたハジメ達が振り返ると、髪の長い年上の女子が立っていて、ハジメ達はいつの間にかいた女子に驚き、レオはさつきの後ろまで下がった。

 

 

年上の女子「ごめんなさい、驚かしたかしら?」

 

 

年上の女子は笑みを浮かべながら、ハジメ達に謝った。

 

 

レオ「六年生ですか?」

 

さつき「こっちこそごめんなさい。私この学校、今日から人分からなくて、宮ノ下 さつきです」

 

女子「宮ノ下?」

 

さつき「?なにか?」

 

桃子「うんん、6年1組の恋ヶ窪 桃子よ」

 

さつき「じゃお姉さんだ!よろしく!」

 

 

さつきと桃子が自己紹介をすると、桃子は困った表情をする。

 

 

桃子「でも困りましたわ、風で帽子が旧校舎の2階の窓に入ってしまったの……」

 

レオ「ご心配なく!それなら僕達が一緒に探しましょう!」

 

 

桃子が自身が旧校舎に入ってきた理由を話すと、レオが桃子の前に立って桃子に協力すると名乗り出た。

 

 

ハジメ「お、おいレオ!?」

 

さつき「ちょっと、家のカーヤを探すのも手伝いなさいよ!」

 

桃子「カーヤ?」

 

敬一郎「うちの猫、逃げちゃったんだ……」

 

桃子「まぁ、かわいそうに……。わかりました一緒に探しましょう」

 

ハジメ「おい!?だから旧校舎は……」

 

さつき「じゃあんたは先に学校に行ってれば?行こう敬一郎」

 

レオ「じゃ桃子さん僕達も行きましょう!」

 

桃子「分かりましたわ、行きましょ敬一郎君」

 

敬一郎「うん!」

 

ハジメ「………」

 

 

ハジメはレオやさつき達を止めようとするが聞いてもらえず、渋々さつき達の後を追った。

 

その直後、昇降口の扉にの前に落ちていた南京錠と鎖が独りでに動き出して扉に掛かり……。

 

最後、立ち入り禁止看板が架かり、昇降口の扉は封鎖された。

 

 

 

つづく

 

 

 







次回予告



???「旧校舎の中に入って行ってしまったハジメ達……」


???「彼らの前に立ち塞がる妖怪やお化け達にハジメ達はどうなってしまうのか?」



次回 第1怪の弐「お化け達の洗礼と復讐の鬼 天の邪鬼



???「印を切れ、それが我らの力だ!」




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第1怪の弐「お化け達の洗礼と復讐の鬼 天の邪鬼」

 

 

 

【旧校舎 2階の廊下】

 

 

 

猫のカーヤと桃子の帽子を探す為、さつき達は2階廊下を進んでいた。

 

 

レオ「も、桃子さん、大丈夫ですよ。僕達が付いてますから!」

 

桃子「まぁ、勇敢ですね皆さん」

 

 

レオは震える声でそう言うが、桃子の方は余裕そうにそう答える。

 

 

桃子「あら?なにかそこに……」

 

レオ「えっ!どこ?」

 

桃子「廊下の曲がり角からこっちを……」

 

 

桃子に言われてさつき達も廊下の奥を見るが、まだ暗くてわからなかった。

 

 

レオ「そ、それってお化けですか?」

 

桃子「さぁ、私にもわかりません。でも私、霊感が強いみたいなんです。ほら、左に……」

 

 

そして曲がり角を曲がると、そこに一体の人型の何かが立っていた。

 

 

レオ「うわあああああぁぁぁ!!?」

 

ハジメ「うわあああああぁぁぁ!!?」

 

敬一郎「うわあああああぁぁぁ!!?」

 

さつき「きゃああああぁぁ!……あれ、二宮金次郎さんの銅像じゃない?」

 

桃子「まぁ、私の帽子を被っていますわ」

 

 

レオの悲鳴に連鎖してさつきと敬一郎も悲鳴を上げが、さつきがよく見ると、そこには桃子の帽子をかぶった二宮金次郎の銅像が立っていてた。

 

 

ハジメ「バカ野郎!お前がデカい声出すから、驚いちまっただろ!」

 

敬一郎「でもあの銅像、さっき外になかった?」

 

 

レオの悲鳴に驚いたハジメはレオの頭を叩くと、金次郎の像が被っていた帽子を取った。

 

 

帽子を取った瞬間、金次郎の頭が動き、閉じていた眼と口が開いた。

 

 

突如動き出した金次郎にさつき、敬一郎、レオは驚き悲鳴を上げるが……。

 

 

ハジメ「あ~すいません。帽子を持ってきてもらって……。あっ!あと猫を見ませんでしたか?あいつの飼い猫で黒い猫なんですけど?」

 

 

ハジメは申し訳なそさうに頭に手を当てて、金次郎に礼を言った後、金次郎にカーヤの事を聞くと……。

 

 

金次郎「……それならさっき1階で見たよ。猫は何か探しているようだったよ?」

 

ハジメ「そうですか、助かります」

 

桃子「ありがとうございます」

 

 

カーヤを見た場所を教えてくれた金次郎にハジメと桃子は丁寧に金次郎に礼を言うと、金次郎は本を閉じてその場から文字道理消えた。

 

 

その様子を、さつき、敬一郎、レオは唖然とした表情で見ていた。

 

 

ハジメ「ん?どうしたんだ?」

 

 

3人の様子にハジメが声をかけると、3人はハッ!と我に返り、ハジメと桃子に詰め寄った。

 

 

さつき「ちょ、ちょっと!あんた何でそんな平然してるの!銅像が動いたのよ!しゃべったのよ!」

 

レオ「そうです!動いたんです!僕の日々の研究は無駄ではなかったんです!?」

 

ハジメ「いやだって、金次郎さんの像だし、悪い気配しなかったから無害かな~っと思って……」

 

敬一郎「ハジメ兄ちゃんも桃子お姉ちゃんもすごい!」

 

桃子「ふふふっ、ありがとうね敬一郎君」

 

 

さつきは平然と金次郎と対話するハジメに驚き、レオは自身の研究が実った事に歓喜し、敬一郎は純粋にハジメと桃子に尊敬の眼差しで見ていた。

 

 

 


 

 

 

【旧校舎 1階の廊下】

 

 

 

そんな3人を何とか落ち着かせて、1階に降りて廊下を歩いていると、手洗い場の方から猫の鳴き声が聞こえた。

 

 

敬一郎「あっ!カーヤだ!」

 

カーヤ「ミャー!ミャー!」

 

さつき「どうしたの?おいでカーヤ」

 

 

手洗い場下のバケツの後ろに隠れるカーヤを見つけた。

 

 

敬一郎「あっ、犬だ!」

 

 

敬一郎が反対側を見ると、そこにカーヤに唸る犬を見つけた。

 

 

さつき「それで怖がっているんだ。こらっ犬!うちのカーヤが怯えてるじゃない!ちょっと!」

 

 

さつきが犬に文句を言うっと、犬はこちらを向くと顔が人間の男の顔になった。

 

 

犬→人面犬「るっせぇなー!犬犬って!」

 

さつき達「「「「うわああああぁぁっ!!?」」」

 

ハジメ「いや、体は犬だから普通間違えるだろ?」

 

人面犬「ふっ!」

 

 

驚いて下がるさつき達に対して、ハジメは人面犬にそうツッコミを入れると、人面犬は不機嫌そうにその場から消えた。

 

 

カーヤ「ミャー!」

 

さつき「あっ!カーヤ!」

 

桃子「追いかけましょう!」

 

レオ「まだ行くんですか~!?」

 

 

人面犬が消えた瞬間、カーヤはさらに奥に行ってしまい、さつき達は追いかけた。

 

 

 


 

 

 

【旧校舎 1階の女子トイレ】

 

 

カーヤを追いかけると、扉が少しあいた部屋があり、さつきが扉を開けるとそこは女子トイレの様だった。

 

 

さつき「トイレ?」

 

桃子「一応調べておきましょう」

 

さつき「……ん?」

 

 

さつき、桃子、敬一郎が女子トイレに入ると、さつきは入ろうとしないハジメとレオに気が付いた。

 

 

さつき「何で来ないの?」

 

ハジメ「いや、男子が女子トイレに入るとまずいだろ……」

 

レオ「如何にも出そうな雰囲気で……」

 

ハジメ「え?レオ、トイレか?多分隣が男子トイレだと思うぞ」

 

レオ「いや!そっちの出そうではないですよ!」

 

さつき「何言ってるの、訳わかんない!」

 

 

さつきはハジメとレオの背後に周ると、二人女子トイレに押し入れた。

 

 

レオ「いやだって、トイレのお化けと言ったら……」

 

ハジメ・桃子「「はーなこさーん」」

 

レオ「いやなんで呼んじゃうですか!それにハジメも!」

 

桃子「つい……」

 

ハジメ「……お約束?」

 

花子「は~~い~!」

 

 

桃子とハジメが呼ぶと、花子さんが返事が聞こえさつき達は驚くが、開いたトイレの中には誰もいなかった。

 

 

桃子「いませんね?」

 

さつき「でも、今は~あ~いって……」

 

ハジメ「……ん?」

 

 

桃子達がトイレを見ていると、その後ろでハジメの髪に何かか触れた感触を感じ、上を見ると……。

 

 

花子「……何して遊ぶ?」

 

レオ「うわあああぁぁぁっ!?」

 

ハジメ「お、おいレオ!」

 

 

そう聞くと同時に落ちて消えた花子に隣にいたレオが驚き、慌てて廊下に出た瞬間、廊下に激しいエンジン音ッと共に、特攻服を着た首なしライダー現れた。

 

 

レオ「うわああああぁぁ!?」

 

 

レオは辛うじてバイクを避けると、首なしライダーは廊下の壁をすり抜けて走り去った。

 

 

さつき「何今度は!」

 

ハジメ「首なしライダー!」

 

レオ「危険すぎます!早く逃げましょう!」

 

 

レオが恐怖のあまり桃子に抱き着くと、廊下の壁か消えて奥から右手に鎌、左手に鋏を持った脚の無いお化けが現れた。

 

 

ハジメ「あれは!」

 

レオ「テケテケです!人の脚を狙うお化けです!」

 

 

レオが説明すると、テケテケは血走った目をして、ハジメ達に向かってきた。

 

 

ハジメ「走れ!」

 

 

ハジメの言葉にさつき達は悲鳴を上げながら、逃げだした。

 

廊下を曲がった後、ハジメは廊下の左右に何かを貼り付けると、少し離れた場所で立ち止まった。

 

 

さつき「!ハジメ!?」

 

 

さつきの悲鳴に走っていた桃子達も立ち止まり、ハジメの方を見ると、曲がり角でテケテケが現れた瞬間……。

 

ハジメが廊下の左右に貼った陰陽太極図が描かれた赤いお札から、発動音と共に鬼門の文様と中央に【縛】の文字が浮かび上がり、縄になってテケテケに纏わるとテケテケの動きを封じた。

 

 

ハジメ「これでも、食らえ!」

 

 

ハジメは続けて、3枚の符をテケテケに投げると、お札から文様と共に【刃】の文字が浮かび上がり、光の刃になってテケテケを切り裂き、テケテケは消滅した。

 

 

さつき「な、何?今の?」

 

桃子「あら……」

 

レオ「は、ハジメ……。い、今のは?」

 

 

その光景を見ていたさつき達は唖然っとし、レオは震える手で眼鏡を持ってハジメに声をかけた。

 

 

ハジメ「ん、これか?昔、祖父ちゃんから貰ったお札で、扱い方もその時に教えてもらった。弱いお化けだったらこれで対処できるって」

 

 

ハジメはお札について説明し、周りを見渡すと昇降口まで戻ってきていた。

 

 

 


 

 

 

ハジメ「入口まで戻っちまったか……、じゃ探すのを再開……」

 

???「にっひひひひひひひっ!」

 

桃子「何!」

 

レオ「もう限界です~!」

 

敬一郎「うわーっ!」

 

さつき「……この視線……」

 

ハジメ「……上か!」

 

 

ハジメがカーヤ探しを再開しようと言おうっとした瞬間、何所からともなく人を馬鹿にするよう名笑い声が聞こえた。

 

お化け笑い声に、レオと敬一郎と悲鳴を上げ、ハジメと桃子は周囲を警戒し、さつきはお化けのの視線に見覚えがあるようだった。

 

そして、気配を探り当てたハジメが上を見てさつき達も上を見るとそこには……。

 

 

子鬼「うわっ!?にっひひひひひっ!」

 

 

ハジメ達の上には、赤く光る子鬼がいた。

 

 

さつき「何これ?」

 

ハジメ「子鬼だろ?」

 

桃子「さっきのよりずっと小さいですね……」

 

 

さつき達が子鬼を見てそう言い、レオは子鬼をカメラで撮ると、子鬼はさつきに近づいた。

 

 

子鬼「友達になろうよさつき、お母さんが居なくて寂しいんだろ?」

 

さつき「何よいきなり?」

 

 

子鬼はさつきに友達になろうと近づいて行った。

 

 

子鬼「友達になろうぜぇ」

 

さつき「嫌よ、何でお化けなんかと!」

 

子鬼「友達にならなかったひどい目に遭うぜぇ。にっひひひひひひっ!」

 

 

さつきが友達になるのを断り、小鬼はそう言って消えると、天井の照明が落ち、続けて下駄箱が倒れ、昇降口の扉のガラスが割れた。

 

 

敬一郎「怖いよ~~~!」

 

子鬼「にっひひひひひひっ!」

 

 

敬一郎が怖がると、さっきの子鬼が再び現れるが……。

 

 

レオ「あっ!さっきより大きくなってます!」

 

子鬼「友達になろうぜぇ~」

 

さつき「……来いって言うの?」

 

 

子鬼はハジメ達より少し大きくなり、指を使ってさつきに来いっと伝えると、さつきは子鬼に近づいた瞬間。

 

 

ハジメ「!さつき!」

 

さつき「え?きゃっ!?」

 

 

突如、ハジメの横の傘立てが倒れ、傘は操られたように鋭い先端をさつきに向けて飛んでいきた。

 

 

それに気が付いたハジメは、即座にお札を数枚投げると、お札から文様と共に【壁】の文字が浮かび、さつきの前に結界を張られ……。

 

 

結界に防がれて跳ね返った傘は、壁とかに突き刺さった。

 

 

敬一郎「お姉ちゃん!」

 

ハジメ「大丈夫か!?」

 

さつき「え、ええ……」

 

子鬼?「……にっひひひひひひっ!

 

 

ハジメ達がさつきに近ずくと、子鬼?は更に大きくなっていて、しかも徐々に大きさを増していた。

 

 

子鬼?「…ふん!誰が人間なんかと友達になるか!ましてやお前には、積年の恨みがある!

 

さつき「な、何よそれ!」

 

桃子「どんどん大きくなるわ!」

 

レオ「こいつは僕達が怖がれば怖がるほど大きくなるのかも!」

 

敬一郎「怖いよ!怖いよ~!」

 

さつき「敬一郎!怖がっちゃダメ!」

 

 

そして、子鬼がある程度大きくなると、さつき達に向かって文字道理の鬼の形相をして咆えかかった。

 

子鬼→鬼「ウアアアアァァァッ!!!

 

ハジメ「逃げろ!!!」

 

 

鬼の咆哮と共にハジメがそう言うっと、さつき達は悲鳴を上げて逃げ出し、鬼との恐怖の鬼ごっこが始まった。

 

 

 

つづく

 

 

 







次回予告



???「怖がれは怖がるほどに大きくなっていく鬼に襲われたハジメ達……」

???「皆を逃がす為、札を使って時間を稼ごうとするハジメに、鬼の猛攻が襲い掛かる」

???「そしてさつき達が校長室で見つけた物は……」



次回 第1怪の参「母の日記と降神!黒鉄のフジ!」



???「印を切れ、それが我らの力だ!」




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第1怪の参「母の日記と降神!黒鉄のフジ!」

 

 

 

【昇降口付近の廊下】

 

 

 

ハジメはさつき達が逃げるのを見ると、鬼に向かってお札を投げた。

 

投げられたお札から文様と共に【炎】の文字が浮かぶと、札は炎になって鬼に向かっていくが、鬼が手を一振りしただけで、炎は掻き消された。

 

 

ハジメ「ちっ!やっぱり札じゃダメか……なら!」

 

 

ハジメは再び鬼に向かってお札を投げると、お札から文様と共に【壁】の文字が浮かび、鬼の前で文様が大きくなって結界を張り、その隙にハジメはさつき達の許に向かった。

 

 

鬼「ふんっ!結界か……。だが……

 

 

鬼がニヤっと嗤うと結界を殴ると、結界に大きなヒビが出来た。

 

 

 


 

 

 

レオ「ハジメ!こっちです!」

 

 

ハジメが部屋の扉から顔を出して小声を出して手招きするレオを見つけ、部屋に入ると同時に結界が砕ける音が聞こえた。

 

 

ハジメ「みんな!端に寄れ!」

 

 

ハジメは小声でそう言って、さつき達と共に端によると、手に持った3枚の符だから文様と共に【隠】の文字が浮きかび、ハジメ達を囲んだ。

 

 

鬼「……どこに行った!?

 

 

結界を破壊し、歩いてきた鬼は部屋の窓からこちらを見るも、ハジメの張った結界で見えなかったのか、素通りして行った。

 

 

さつき達「「「「「ふ~~~っ」」」」」

 

カーヤ「ミャ~~ン!」

 

さつき達「「「「「ん?」」」」」

 

 

鬼が通り過ぎた事に緊張の糸が切れたさつき達はため息を出すと、部屋の中からカーヤの鳴き声が聞こえ、さつき達は改めて部屋の中を見渡した。

 

 

さつき「ここ、校長室だわ……」

 

ハジメ「そう、みたいだな……」

 

 

さつき達が部屋の奥に進むっと、歴代の校長の写真が並んでいる壁側の床にカーヤを見つけた。

 

 

さつき「こんな所で何してたの?……ん?」

 

 

さつきがカーヤを抱き上げてそう言い。

 

カーヤがいた場所に、母に似た女性の校長の肖像写真を見つけた。

 

 

さつき「ママ?……んっなわけないか」

 

 

さつきは引っ越しのトラックの中で、父が母方の祖母が昔校長をしていた事を話していたのを思いだしていた。

 

 

さつき「……似ていたって聞いていたけど、ここまでそっくりだったなんて」

 

ハジメ「ん?その写真がどうしたんだ?」

 

さつき「うん……」

 

桃子「あっ!」

 

さつき「?どうしたの?」

 

 

さつきが見つけた校長の肖像写真をハジメ達も見ると、桃子が写真を見て声を出した。

 

 

桃子「その写真……。私、去年一年間東京の病院に入院していて、その時優しくしてくれた患者さんにそっくりで……」

 

さつき「桃子さん、その患者さんの名前は?」

 

桃子「……佳耶子さん」

 

敬一郎「ママだよそれ!」

 

桃子「え?……あっそれで宮ノ下。こんな偶然ってあるんですね」

 

ハジメ「……いや、偶然じゃないかもな……」

 

敬一郎「え?」

 

 

ハジメの言葉に敬一郎はハジメの方を見ると、ハジメは敬一郎の頭を撫でながら、微笑んで言った。

 

 

ハジメ「二人の母ちゃんがオレ達を引き合わせてくれたのかもな?」

 

さつき「私も、ママが引き合わせてくれたんだっと思う」

 

敬一郎「ママが!」

 

鬼「ニヒヒッ!見~つけた!

 

 

敬一郎が嬉しそうな表情をした瞬間、鬼が顔面で扉を破って入ってきた。

 

 

ハジメ「このっ!」

 

 

ハジメはコート掛けで窓を壊そうとするが、不思議な力によって窓を壊せなかった。

 

 

さつき「ハジメ!さっきのお札は!?」

 

ハジメ「さっき隠れる時に使ったのが最後だ!」

 

鬼「無駄だ、お前達は一生ここから、出られないのさ!

 

ハジメ達「「「「「わ(きゃ)ああああぁぁぁ!!?」」」」」

 

 

鬼が迫ってきた為、ハジメ達は壊れたドアの穴から隣の職員室に逃げた。

 

鬼は職員室に逃げたさつき達に聞こえるように鬼は「友達になろう……」っと言った。

 

 

レオ「も、もう駄目だ!」

 

さつき「あっ!」

 

 

レオが恐怖で涙目でそう言い、敬一郎も恐怖でさつきに強く身を寄せると、さつきは祖母のの肖像写真を落としてしまった。

 

肖像写真が落ちると、落ちた拍子に肖像写真の額縁の底板が外れ、中から一冊の本と二つの古い札が貼られた黒い石が出てきた。

 

 

ハジメ(なんだ?この石?)

 

敬一郎「あっ!ねぇ、この絵あのお化けだよ!」

 

桃子「……本当」

 

 

ハジメは額縁から出てきた黒い石を気になったが、敬一郎が落ちた際に開いたページにあの鬼が描かれているのを見つけ、ハジメも本の方を見た。

 

レオが本に書かれた鬼【天の邪鬼】の名を読むと、さつきは本を持って読み始めた。

 

 

さつき「3月15日、天邪鬼が出た魔法陣で火を囲んで『じゃくじゃく眠れ』と呪文をとなえたら、裏山の大くすの木の中に入って霊眠してくれた。

 

桃子「霊眠って?」

 

レオ「お化けを浄化して、眠らせる事です」

 

ハジメ「じゃ!それと同じことをすれば!あいつを眠らせられるんじゃ!」

 

 

ハジメ達が再び校長室の方を見ると、天邪鬼は「へへへっ!楽しいぜぇ~!」っと言いながら、こちらに来ようとしていた。

 

 

レオ「やってみましょう!僕、魔法陣は書けます!」

 

桃子「でも火は?」

 

さつき「理科室!理科室に行けば!」

 

ハジメ「!そうか!アルコールランプ!」

 

 

天の邪鬼を倒す方法を知ったハジメは、二つの黒い石を拾ってさつき達共に理科室に向かった。

 

ハジメ達は理科室に向かおうとすると同時に、校長室にいた天の邪鬼が入ってきた。

 

 

鬼→天の邪鬼「逃がすかーーー!!

 

 

 


 

 

 

【理科室】

 

 

 

理科室に到着したレオを除いたさつき達は、魔法陣の為の場所を開けると同時に出入り口にバリケードを作り、レオは慣れた手つきで魔法陣を書き始めた。

 

その間にハジメがアルコールランプを見つけた。

 

レオ「できました!」

 

天の邪鬼「うあああぁぁぁっ!!!

 

 

レオが魔法陣を完成させると同時に、天の邪鬼が入口にバリケードを破壊しても雄たけびを上げて入ってきた。

 

 

さつき「みんな!魔法陣の中へ!」

 

 

さつき達が魔法陣の中に入って、ハジメがアルコールランプを置き、桃子が火を付けようとするが、最悪な事にずっと使われてなかったマッチは湿気って火が点かなかった。

 

 

ハジメ「!くっそおおおぉぉっ!」

 

さつき「ハジメ!?」

 

 

へへへっ!」っと嘲笑いながらさつき達に近づく天の邪鬼を止めようと、ハジメは理科室の椅子を持ち、天邪鬼に向けて投げるが、天邪鬼は余裕に飛んできた椅子を払いのけた。

 

 

天の邪鬼「へへへっ!なんだお前、またオレと遊んでくれるのか?

 

ハジメ「ああ!今度はトコトン付き合ってやるぜぇ!」

 

 

ハジメはそう言いながら拳を鳴らし、天の邪鬼が壊した机の脚を拾い構えて、天の邪鬼に立ち向かった。

 

しかし、天の邪鬼はそれを避けると、巨腕でハジメを払い飛ばした。

 

 

ハジメ「ぐあっ!?……こんの!!」

 

 

払い飛ばされたハジメは、起き上がって再び天の邪鬼に立ち向かった。

 

天の邪鬼はそんなハジメを、巨腕で叩き飛ばしたり、叩きつぶしたりしてなぶり始めた。

 

 

さつき「ハジメ!!!」

 

天の邪鬼「へへへっ!楽しいねぇ!

 

 

なぶられ、壁に叩きつけれられたハジメの体からは至る所から血が出て、ボロボロの状態で壁に座り込む様に崩れた。

 

 

天の邪鬼「ひひひっ!そろそろ……殺してやろうかな?

 

 

天の邪鬼はそう言いながら舌を回して、ハジメに近づき、ハジメは立ち上がろうとするが、大量出血で脚に力が入らず、動けなかった。

 

 

さつき「ハジメ!」

 

敬一郎「お兄ちゃん!」

 

レオ「ハジメ!」

 

桃子「早く!早く付いて!!!」

 

 

さつき、敬一郎、レオは助けたいが、恐怖で動けずハジメの名を叫び、桃子は焦りながも必死にマッチに火を付けようとしていた。

 

そして、天の邪鬼がニヤニヤッ!と嘲笑う表情で、ハジメの頭を掴もうとした瞬間……。

 

 

さつき「やめてえええぇぇぇ!!!」

 

 

さつきの悲痛の叫びに応えるように、ハジメのズボンのポケットから赤い光が溢れ出した。

 

 

 


 

 

 

天の邪鬼がハジメを殺そうとした瞬間、さつきの叫び共鳴するようにハジメのズボンのポケットから赤い光が溢れ出た。

 

 

天の邪鬼「な!?なんだこの光は!?

 

ハジメ「こ、これは?」

 

 

ハジメは辛うじて動く腕で、中に入れていた黒い石を取り出した瞬間、黒い石に貼られていた札と石が砕け、黒い石の中から機械的な何かが出てきた。

 

ハジメがその機械的の何かを見た瞬間、ハジメの脳裏に見覚えのない記憶が脳内を駆け巡った。

 

……奴婢の頃の記憶……闘神士の訓練……相棒との出会い……相棒との戦い……自分の最期……そして、相棒の名……。

 

それらの記憶を思い出し、自身の前世を思い出したハジメ、そしてハジメは皆を守る為、そして生き残る為に、1000年の時を超え神操機(ドライブ)を展開させた。

 

神操機を展開させた瞬間、ハジメの前に大襖が出現し、そこに一体の影が現れた。

 

 

○○「お主か、拙者と契や……」

 

ハジメ「フジ…か?」

 

○○→フジ「!?どうして、拙者の名を?」

 

 

襖の奥の相手、フジは自身の名を言い当てられた事に動揺するが、ハジメは苦笑いしながら答えた。

 

 

ハジメ「へへっ、何年一緒にいたと思っているんだ?相棒の名を忘れる訳ねぇだろ?まぁ、思い出したのはついさっきだし、千二百年前の事だとしな……」

 

フジ「あ、相棒……千二百……まさか!!?○○○○か!!!?」

 

ハジメ「ああ、フジ、久しぶりだな。」

 

 

ハジメは前世の名を言われ、気さくに返事すが、襖の奥のフジは体を震わすと、大襖から剣が突き破って伸び、ハジメの真横を突き抜けた。

 

 

ハジメ「フジ?」

 

フジ「……なぜ?……なぜあの時、拙者を逃した!!!!そのせいでお主は!!!!お主…は…ぐうううぅぅぅぅっ!!!!」

 

 

唖然とするハジメをよそに、突き刺した刀身が震え、声が涙声になりながらフジはそう叫び、涙を流した。

 

フジは自分のせいで、前世のハジメを死なせてしまったと思い、自責の念に囚われていた。

 

そんな苦しそうなフジを見て、ハジメも辛そうに言った。

 

 

ハジメ「悪いフジ、オレのせいでお前を苦しめちまったな。でもあの時、オレはお前を名落宮に落したくなかった。お前はオレにとってたった一人の家族だから……」

 

フジ「!?」

 

ハジメ「ごめんフジ、本当に、ごめん。でも今はお前の力を貸してくれ!今、オレ達は天の邪鬼に襲われてるんだ!このままじゃあいつらも殺されちまう!だから、もう一度オレと契約してくれ!」

 

 

ハジメはフジに謝って現在の状況を説明し、再契約をお願いすると、フジは大襖から剣を抜き、一間開けてフジはこう言ってきた。

 

 

フジ「………一つだけ、約束させろ」

 

ハジメ「?」

 

フジ「二度と自分を犠牲にするな!今度は必ず守り通す!だからもう二度と、自分を犠牲にするな!!!」

 

ハジメ「!ああっ!約束する」

 

 

ハジメはフジと約束すると、神操機をフジに向け、叫んだ。

 

 

ハジメ「今のオレは青山ハジメ!黒鉄のフジ、契約する!」

 

フジ「承知したああああぁぁぁっ!!!!!」

 

 

契約が成立した瞬間、場所が変わり、月明かりが照らす夜の式神界の川の上をフジは走り抜け、川の上に鬼門の文様が出現し、中央の大輪太極図の窓が開く。

 

窓の奥に天の邪鬼がいるのを確認すると、フジは背に収めていた陰陽大剣 右兵衛・左兵衛を柄を握り、窓から出ると同時に天の邪鬼の胸をすれ違い様に切り捨てた。

 

 

フジ「黒鉄のフジ!見参!

 

 

 


 

 

 

天の邪鬼「ぐああああぁぁぁっ!?な、なんだそいつは!?

 

 

フジに斬られた天の邪鬼は斬られた胸を押さえて後退った。

 

 

さつき「え?な、何あいつ!?」

 

レオ「ロボット!?いや、アンドロイド!?何なんですかあれは!?」

 

敬一郎「か、かっこいい!!」

 

桃子「早く!早く!早く!」

 

 

さつきとレオは突如現れたフジに驚愕し、敬一郎はヒーローの様に現れたフジに目を輝かせた。

 

そして、桃子は必死にアルコールランプに火を付けようと、10本目のマッチを擦っていた。

 

 

フジ「○…ハジメ!印は?」

 

ハジメ「大丈夫だ、神操機の印も習得している!」

 

フジ「承知した!なら、いくぞ!」

 

ハジメ「おうっ!」

 

 

フジはそう確認すると双剣を構え、ハジメは神操機を構えた。

 

 

天の邪鬼「この~、よくもやりやがったな~!

 

 

天の邪鬼は振り上げた右拳をフジに目がけて振り落とすが……。

 

 

ハジメ「【震】【離】【兌】【離】!」

 

フジ「必殺……」

 

 

ハジメが印を切ると、フジは右兵衛・左兵衛を逆手に持ち……

 

 

フジ「【逆手下克上】(さかてげこくじょう)!!!」

 

 

頭上で旋風させて、天の邪鬼の腕を逆に弾き飛ばした。

 

 

天の邪鬼「ぐあっ!?

 

さつき「きゃっ!?」

 

 

右手を弾き飛ばされた反動で、天の邪鬼は教室の端までぶっ飛ばされた。

 

更に、旋風の風圧でさつきのスカートがめくれ、水色の水玉柄パンツが露出し、さつきは慌ててスカートを押さえた。

 

 

桃子「付いたわ!」

 

 

フジが技を終えた後、やっとマッチに火が付き、桃子はアルコールランプに火をともした。

 

 

レオ「!皆さん、魔法陣の中に!」

 

さつき「ハジメ!」

 

 

レオと敬一郎は先に魔法陣に入り、さつきはハジメに肩を貸し、ハジメを魔法陣の中に連れて行く。

 

 

天の邪鬼「に、逃がすかー!

 

 

教室の端までぶっ飛ばされた天の邪鬼は立ち上がると、ハジメ達を逃さんと腕を伸ばしてきた。

 

 

ハジメ「っ!フジ!」

 

フジ「承知!」

 

 

それを見たハジメがフジの名を叫び、答えたフジが、ハジメ達の前に立つと、ハジメは更に印を切った。

 

 

ハジメ「【坎】【離】【坎】【兌】!」

 

フジ「必殺……」

 

 

ハジメが印を切ると、フジは頭部の大顎で迫ってきた天の邪鬼の腕を大顎で挟んだ。

 

 

フジ「【百戦錬磨金剛郷】(ひゃくせんれんまこんごうきょう)!!!」 

 

天の邪鬼「ぐあっ!?は、放せぇっ!?

 

フジ「断る!」

 

 

挟まれたあまりの痛みに、天の邪鬼は腕を抜こうとするが、フジは体を踏ん張り決して放そうとしなかった。

 

 

ハジメ「今だ!さつき!」

 

さつき「ええっ!みんな呪文を!」

 

 

フジが天の邪鬼の動きを止めたているうちに、さつき達は呪文を唱えた。

 

 

さつき達「「「「「じゃくじゃく眠れ!じゃくじゃく眠れ!」」」」」

 

 

さつき達が呪文を唱えると、魔法陣が光り、アルコールランプの火が激しく燃え上がると、フジが挟んでいた天の邪鬼の腕が粒子化して消えて行った。

 

 

さつき達「「「「「じゃくじゃく眠れ!じゃくじゃく眠れ!」」」」」

 

天の邪鬼「ぐああぁぁっ!?おまえら!どこでその呪文を!?はっ!それは!?

 

 

天の邪鬼は崩壊しながら、さつき達が自分の霊眠させる呪文を知っている事に驚くと、さつきが持っているおばけ日記を目にした。

 

 

天の邪鬼「や、やめろ~~~~!!!

 

さつき達「「「「「じゃくじゃく眠れ!じゃくじゃく眠れ!」」」」」

 

 

そして最後、魔法陣の光とアルコールランプの火と共に天の邪鬼は消えた。

 

 

さつき「消えたの?」

 

 

さつきがそう言うっと、敬一郎を除いた全員が力が抜けてその場に座り込んだ。

 

 

レオ「呪文が効いたようです」

 

桃子「そのおばけ日記のおかげね……」

 

 

レオは呪文が効いたことに安堵し、桃子はおばけ日記を見ながらそう言った。

 

 

さつき「ええ、でも何でこんな日記が額の中に……」

 

 

さつきはそう思いながら日記の裏返した。

 

 

さつき「ママだママの日記が書いてある!」

 

 

日記の裏には、さつきの母の旧名・神山加耶子の名が掠れているが書かれていた。

 

 

敬一郎「じゃ、これママの日記なの?」

 

さつき「そうよ敬一郎、ママは私達を見守ってくれているのよ……」

 

 

敬一郎がさつきに近づくと、さつきは敬一郎を寄せて、母が自分たちを守ってくれたと思いうれし泣きをした。

 

 

ハジメ「……ふぅっ。なぁフジ」

 

フジ「ん?」

 

 

ハジメはさつき達の方を見て安堵し、フジに声をかけた。

 

 

ハジメ「また、よろしくな!」

 

フジ「ああっ!」

 

 

ハジメが笑いながらそう言うとフジも微笑みながら返事を返した。

 

 

 

つづく

 

 

 







次回予告



フジ「天の邪鬼の霊眠に成功するさつき達、しかしその霊眠は間違えだった」

フジ「ケガをしたハジメは病院に運ばれ、治療を受けて自宅で安静にするように言われる」

フジ「お見舞いに来たさつき達にハジメは自身とフジの前世を説明する」



次回 第2怪の壱「ハジメの前世と封印されし天の邪鬼」



フジ「印を切れ、それが我らの力だ!」




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