歩兵にできることはまだあるかい (鶴岡)
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諦観の開戦

開戦日を原作から見つけられなかったので、1巻と2巻の記述により星歴2139年9月15日と仮定しています。


 星歴2139年9月22日

 サンマグノリア共和国

 首都リベルテ・エト・エガリテ

 共和国工廠(RMI)本部厚生棟地下2階バー

 

「いやあ、まいったね」

 

 煙草の煙と共に溢れた彼のぼやきが、この国の窮状を端的に示してしまった。

 

 共和国工廠で戦車の開発に関わっている彼が、前線視察から帰ってきた彼がそう感じたのであれば、そうなのだろう。

 

「それほどまでに、帝国の無人陸上機(UGV)は貴方の戦車じゃ太刀打ち出来ないの?」

 

「なあエニセラ、いつもの事だが俺の担当は戦車じゃない、歩兵戦闘車だ。装輪6x6で40mm機関砲1門と対戦車ミサイル2門の」

 

 彼と私の何時もの問答は、戦車と戦車モドキの違いが全く分からない私がいつものように放置する事で終わる。というか、実際のところ彼は戦車の開発にも深く関わっているし。

 

「あー、我が軍の装甲戦闘車両(AFV)全般と比較して、まずもって向こうが無人兵器という時点で差が大きい。例え走攻守がこちらと同じでも、乗員区画が無い分だけ遥かに小型化されて投影面積が小さいから射撃管制システム(FCS)の要求水準に差が出る。更に向こうは全て装脚式だ。あれは要求する技術水準が馬鹿みたいに高い代わりに、いかなる地形だろうと正面装甲を敵に向けたままあらゆる方向へ機動できるメリットがある。それに加えてさっき言った小型化も正面投影面積の極限に振っている機体が多かった。アレはどんな時であろうと、小さく頑丈な正面装甲のみを見せてくるんだ」

 

「つまり、()て辛く、抜き辛いと?」

 

「そうだ。それだけなら良かったんだ。それだけなら既存のAFVでも戦術でどうにかなった。問題は1つ、とにかく数が多い事だ。数が多過ぎてそもそも採れる戦術が極限されるし、それをどうにか撃退した所で所詮は無人機、帝国軍の実質的な損失はゼロ。共和国軍は大量の死傷者を積み上げているのにだ」

 

 同席している、ミシェルと共に前線から戻って来たカールシュタール中佐が頭を抱えて呻く。

 

「つまり、こちらも同等の性能を持つ無人機が無いと、戦線が拮抗しようと一方的にすり潰されていく」

 

 そして彼は煙草を深く吸い、また吐き出す。

 共和国の国是に因んだ兵隊煙草「5色」は彼のではない。

 

「リュッテ副局長が、言ったんだ」

 

 共和国軍学産連合緊急視察チーム。

 開戦から間もなくほぼ全ての戦線が未知の装脚兵器に食い破られた事を受け、唯一撃退に成功した西部戦線で獲得した帝国軍の装脚兵器の残骸を検分する為に向かった、共和国の俊英達。

 

 視察初日、残骸の後送先となっていたと大隊本部基地の格納庫に到着したチームを手厚い歓迎が待ち受けていた。

 

 早速残骸を検分した所、持ち込んだ電波測定器が謎のシグナルを検知したのだ。

 

 そのシグナルは残骸から発信されていた。

 

 退避、退避、残骸のすぐ近くでその電波測定器を持っていた彼は顔を青醒めさせて叫んだ。彼こそがRMIで索敵システムの開発を担っていた。

 

 瞬間、格納庫の天井をナニカが突き破って、残骸に命中。そして爆発した。

 

 150mmクラスの榴弾が、その弾殻の破片と、装脚兵器の残骸を砕いた破片とを格納庫中に撒き散らした。

 

 視察チーム24名の内、その場に居た15名が即死した。 

 

 リベルテ・エト・エガリテ首都工科大学で多脚車両を開発していた教授、コントワール製鋼で複合装甲を開発していた技術主査、サシロール精密機械で火砲を開発していた開発部長、ベルフォール技研で装甲車両用エンジンを開発していた第2エンジン開発部次長を始めとする、共和国国防の未来を背負っていた彼らが、一瞬で死んだ。

 

 偶々、彼は残骸視察から省かれていた為に、別の格納庫で帝国軍の装脚兵器に撃破された共和国軍の歩兵戦闘車を、自らの成果物の成れの果てと対面していたから難を逃れた。

 

「俺たちがいれば勝てるって、副局長が言った」

 

 続けざまに降って来た榴弾の雨。

 大隊司令部建屋への直撃弾により、視察チームに同行していた共和国軍将校ら4名が死んだ。

 

「お前達がいれば勝てるって」

 

 そして現れた帝国軍装脚兵器の大群。

 大隊本部の残余と共に残存車両による退避行が始まった。

 最後のトラック1台の荷台を巡る諍いを発端に有色種の3名が白系種の共和国軍兵士に殺された。

 彼は戦車や装甲車の操縦や修理が出来る数少ない生存者だったから生かされた。

 

「お前達が生きていれば勝てるって」

 

 後方への退避行の最中、共和国工廠銃器開発部の副部長が錯乱した。

 護衛の兵からアサルトライフルを奪い、周囲へ乱射。そして自殺した。

 

「お前が生き残れ、なんて。っは、共和国兵器廠の予算を着服して肥え太った豚から、そんな言葉が聞けるなんてな」

 

 リュッテ副局長が右脚に1発、左脚に1発、左腕に1発。

 

 彼の左脚に2発と左腕に1発。

 

 共和国工廠最新型のボディアーマーは至近距離から放たれたライフル弾から2人の胴体を守り抜いた。

 しかし、残りの止血帯は2本しか無かった。

 

「てっきり他の負傷兵、それこそ有色種(アルバ)に使われてた止血帯でも奪うと思ってたのに」

 

 共和国の俊英たる緊急視察チームで彼だけが生き残った。

 

 5色はリュッテ共和国工廠統括局副局長お気に入りの煙草だった。

 

「俺はもう共和国で戦えない。負けだよ」

 

 彼の緋色の髪から透けて見える金色の瞳は諦観に濡れていた。

 

 共和国の有色種に対する悪感情は留まる事を知らない。

 

 それは共和国工廠始まって以来の功績を上げながらも、緋鋼種と金晶種の混血、いや有色種というだけで傍流に追いやられた彼の居場所すら危ぶまれる程に。

 

 白銀種のリュッテ副局長が守ろうとした彼の類稀な能力、それを活かせる場所は85区内から消えつつあった。




本作で一番カッコいいのは白豚リュッテ副局長(故人)、を目指しています。


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【開戦1週間で】貴族令嬢転生を満喫してたら国が亡くなりそうな件【お通夜ムード】

時間が00:00:00.00なのは面倒だったから


1:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

これ一体何が始まるんです?

 

2:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

そりゃ第三次世界大戦よ

 

3:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

バル・ベルデ共和国滅亡おめでとうございます

 

4:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

開戦1週間でお通夜モードとか御国は何やらかしたんで?

マジノ・ラインでも迂回されたか?

 

5:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

>>4

東隣の帝国が全世界に宣戦布告と同時に未知の装脚無人兵器を大量投入

圧倒的物量で共和国そのものを包囲

圧倒的ジャミングで他国との無線通信途絶

ご丁寧に地中30mに埋めてある国際光ケーブル回線まで切られ有線も死亡

ウチの兵器が尽く蹴散らされ全戦線崩壊

鹵獲した装脚兵器の残骸を見に行ったウチの視察チーム兼新型兵器開発チームは1人以外全員死亡

 

6:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

共和国の東隣にある帝国が全世界に宣戦布告?

 

7:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

装脚無人兵器を大量投入した帝国?

 

8:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

もしかして、敵はギアーデ帝国

 

9:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

もしかしなくても、>>1の転生先はサンマグノリア共和国

 

10:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

>>8

>>9

当たり

もしかして同じ転生者?どの国にいる?

 

11:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

いや転生者じゃなくて傍観者というか

 

12:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

先週に発売されたばっかのラノベを種に掲示板で転生二次創作とかようやるは

 

13:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

えちょっと待ってどういうこと

 

14:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

>>12

>>13

日付と時間を見ろ

 

13:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

2017年

発売されたばっかのラノベ

 

待て色々理解したんだが、待って私の前世の最後の記憶は2004年なんだが???

 

14:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

嘘だろ

 

15:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

嘘であって欲しい

いや原作があるんだよね?

サンマグノリア共和国ってこれからどうなるの?

私どうすれば良いの?

 

16:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

10年後にグラン・ミュールが抜かれて滅ぶよ

 

17:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

とりあえず>>1、コテハンとそちらの現世でのプロフィールくれ

 

18:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

>>16

グラン・ミュールって何?

というかこれから10年持つの???

 

>>17

コテハン付けた

以下プロフィール

 

氏名 エニセラ・リュシェール

人種 白銀種

年齢 24歳

性別 女

住所 第1区エティエンヌ通り22番

職業 共和国工廠開発局 銃器開発部擲弾課副課長

   共和国軍技術中尉

 

一応写真も貼るけど、見れるかな?

 

stps://image.mag/*******

 

19:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

白豚かー

 

20:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

原作未登場キャラでアルバはどうなるんだ?

 

21:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

白人も色付きも殆ど死ぬから変わらなくね?

 

22:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

というかイッチ美人じゃん

 

23:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

コテハンと職業が物騒なんだがどういうこと?

 

24:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

>>19

公金着服してたのと同じにしないで

 

>>21

やっぱけっこう死ぬのか

 

>>22

でしょ

 

>>23

楽で給料と休みが多い仕事をーって思って前世比で共和国が遅れてて知識チート使えそうな分野が手榴弾だったから

家の力使って共和国工廠の手榴弾部門に入り込んだ

 

そこでそこそこ働いてちょっと成果出したところで見合い相手にキモイ粘着されたからプレゼントに閃光手榴弾を仕込んで贈ったり

そいつが親兄弟揃えて連れて報復しに来たから全員のケツにライフルグレネード刺してぶっ放したりした

 

25:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

おいこのお嬢様ガチの爆弾魔じゃねーか

 

26:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

ライフルグレネードってまさかコレ?ソッチでも同じ形?

ttps://ja.wikipedia.org/wiki/小銃擲弾

 

27:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

>>25

いやあ照れるなあ///

 

>>26

なんでかwiki見れないけど同じはず

というか共和国軍にグレネードランチャーの類が無かったからとりあえず既にあるライフルから撃てる奴をと思って前世のを参考に私が開発した奴だし

あと、これが試験配備されてた西部戦線の幾つかの部隊は一時的ながらもレギオンの撃退に成功したよ

 

28:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

竿兄弟(ライフルグレネード)は嫌だ

 

29:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

地味に原作曲げてるっぽくて草

 

30:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

おっともうこんな時間

ちょっとこれから西部戦線への視察から帰ってきた同期と、同じく西部戦線の最前線から帰ってきた近所に住んでる少佐と一緒に情報の共有がてらバーで慰労会やるんだけど

それをスレの皆に配信するから何かアイデアやフォローあったらレスして下さいお願いします

 

同期は視察チーム唯一の生き残りだし、少佐も壊滅した部隊の再編成が終わったらまた最前線送りだし、どうやって迎えれば良いのか分からない助けて

特に同期、行った先で帝国軍の襲撃を受けるは同僚を共和国軍に殺されるはでメンタルやばいみたいなのよ

とりあえず同期と少佐のプロフィール

 

氏名 ミシェル・リヴィエール

人種 緋鋼種と金晶種の混血

年齢 24歳

性別 男

住所 第15区ヴォージラール通り144番

職業 共和国工廠開発局 装甲車両開発部軽装甲車両課

   共和国軍技術准尉

 

有色種ってだけで出世できてないけど才能はガチの天才な凄い奴

 

氏名 ジェローム・カールシュタール

人種 白銀種

年齢 41歳

性別 男

住所 第1区エティエンヌ通り26番

職業 共和国軍西部方面軍

   第17機甲師団第52歩兵連隊司令部付少佐

 

近所付き合いがあった縁で試作兵器を送り付けてたのだけど、

その報告も兼ねて今回の慰労会に来てくれる

 

彼らの為にも助けて下さい

頼む原作パワー

 

31:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

有色種はもうダメでは

原作未登場キャラだし前線送りされて終わりじゃない?

 

32:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

原作パワーって言っても原作の始まりは9年後の星歴2148年だしなあ

 

33:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

ジェローム・カールシュタール少佐って原作で准将の?

 

34:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

開戦から1週間経ってるって事はあと1週間で大統領令で色付きの市民権剥奪でしょ

 

35:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

配信ってどうやるんだ?

 

36:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

>>31

>>34

やっぱこれから更に有色種排斥が進むのか

あと1週間で市民権剥奪とかまじかあ

 

>>32

原作役立たねえなあ

 

>>33

少佐はこの戦況生き延びて准将にまでなるのか

それが分かっただけ良いな

もっと試作兵器を押し付けよう

 

>>35

配信はタブレットの裏画面で配信する

限定配信だけどこのリンクで見えるよね

stps://livetube.mag/*******

 

37:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

カールシュタールが原作以上に可哀想になってて草

いやそのおかげで生き残ったのか

 

38:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

見える

異世界配信ってなんかすげえな

 

39:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

異世界にもh抜き文化あるんだ

 

40:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

じゃ行ってくる

 



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救国兵器()の名は

 星歴2139年9月22日

 サンマグノリア共和国

 首都リベルテ・エト・エガリテ

 共和国工廠本部厚生棟地下2階バー

 

「いや、まだ諦めるには早い。リヴィエール准尉」

 

「……少佐?」

 

「一時的にせよ、我が軍は西部戦線でレギオンを押し返した実績を残している。勝利を得られている」

 

 レギオン。カールシュタール少佐が言った聞きなれないその単語にミシェルと共に疑問が浮かぶ。

 

「ああ、これは明日にも周知される事項だから問題無いだろう。開戦前より東部戦線で傍受していた帝国軍の暗号通信だが、情報部がこれの解読に成功してな―――」

 

 そういって少佐が差し出したタブレットの画面に映し出されていたのは、共和国周辺の地図、いや帝国や連合王国の一部すら写っているこの地図に示された記号の数々は。

 

「これは、まさか帝国軍部隊の配置図?しかも部隊毎に無人機の機種別編成数まで?」

 

「そうだ。そして次はつい先日に傍受したものだが」

 

 少佐の右手人差し指でスワイプされた画面に新たに映し出されたのは、見慣れぬ角ばった機体の3Dデータ、蝶のような機体を除けば全てが装脚で、幾つかは正面投影面積が極限された、まさか?

 

「リヴィエール准尉、君も現物を見た事があるだろう?」

 

「これは、これらは、どうやって?何のために?」

 

 ミシェルの手が、目が、唇が、震えながらに絞り出された言葉は、誰に向けた嘆きだったのか。

 

「どうして、帝国軍がこんな杜撰な通信をしたのか、その意図は一切不明だ。だが、その内容の信頼性は准尉達視察チームがあの惨状の最中にも出来得る限り残骸の解析を行い、そのデータを准尉が持ち帰ってきてくれたことで保証されたんだ。君たちが、この情報が信頼に足るものだという確証を与えてくれた。君が生き残ってくれたからだ」

 

 リュッテ副局長達の死が無駄では無かった。その証は何よりも救いだったのかもしれない。

 

「このレギオン、レギオンというのは暗号解読により判明した帝国軍無人兵器の総称であるが、この内、阻電攪乱型(アインタークスフリーゲ)斥候型(アーマイゼ)近接猟兵型(グラウヴォルフ)、自走地雷については撃破例を得られているし、このリストの中で最も重装甲と思われる戦車型(レーヴェ)も脚部を破壊して擱座させた戦例を得られている。撃破出来ない敵では無いのだ。我々が対レギオン戦略のパラダイムシフトを成し得れば、この戦争は勝てない戦争ではない」

 

 だが、私は知っている。

 

「それにな、空を埋め尽くまで大量に飛ぶ阻電攪乱型を除いて最多数の斥候型、そしてそれに次ぐ近接猟兵型はリュシェール中尉、君のAPでかなりの数を撃破できているんだ。歩兵でもレギオンの数的主力に、つまり歩兵相当のユニットに対抗できる。これは防衛線を支える上で何よりも代え難いし、そのお陰で私や私の連隊の多くの戦友があの絶望的な戦場を生き残る事ができた」

 

 10年後には共和国が滅んでしまう事を。

 

 いや待て?

 

「……あの、APって何ですか?」

 

 バーの空気が、何故か止まった。

 

「えっと、少佐、ちょっとソレは駄目です」

 

 ミシェルが何故か私ではなく少佐に注意をする。それは酒の席とはいえ上官である少佐に失礼だし、何故か私にも失礼な気がした。

 

「まさか、リュシェール中尉は、知らない?いやだってAPは中尉が発明した兵器―――」

 

 少佐の顔が驚愕に染まっていく。

 

「少佐!それ以上いけません!!!」

 

 私が発明した兵器?

 

 それもレギオンとの戦闘にそれなりの数が投入されるほど配備された兵器?

 

「ライフルグレネード、ですね?」

 

「そう、それだ。そうとも言う。いや、そう、言う……」

 

 最早ミシェルは頭を抱えている。話を聞いていたバーの店主(共和国軍主計曹長)に至ってはカウンターの陰に崩れ落ちて笑いを堪えるのに必死な有様。

 

「APって、何を意味しているのでしょうか?もしや徹甲弾(Armor Piercing)の頭文字ではありませんよね?」

 

「その、だな……、聴いても私にしないで欲しいのだが、良いだろうか?」

 

 何ら意味の解らない事に対して、何を承諾してなるものか。

 私はその意思を無言でもって押し通す。

 

 そして、少佐は吐いた。

 

「あ、アス……」

 

「アス、何です?」

 

アスホール(Asshole)……ペネトレーター(Penetrator)……」

 

 

 

ケツの穴を貫きしモノ(Asshole Penetrator)

 

 このロクでもないペットネームを知らぬ間に付けられていた私の兵器群が、よもや共和国の、いやこの戦争の趨勢すら大きく左右する事になるなど、この時の私には知る由も無かった。



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共和国工廠(RMI)の爆弾魔

「ははあ、なるほど。ルキエ一家のあの一件ですか」

 

 過去、これほどまでに上官が矮小に見えた事があっただろうか。いや無い。

 

「ちなみにソレはこのミシェルと実行したのですが」

 

「「ひっ」」

 

 アンドレ・ルキエとその父親、兄弟が1人ずつの計4人は、アンドレに贈られたプレゼント(フラッシュバン)の報復として私の誘拐を企図。

 共和国工廠からの帰宅途中の私に襲い掛かった彼らはまたしてもプレゼントの餌食となり、至近距離から閃光と破裂音に見舞われ失神。

 

 当の私はそういう時に自滅しないよう日頃から射撃用イヤープラグとサングラスを着装していたため然程影響を受けなかったが、そもそも閃光手榴弾の何たるかを彼らは全く理解できていなかったようだ。

 

 そして、いつも通り残業で職場に残っていたミシェルを呼び付け、4人を共和国工廠の射場へと搬入して両手足をチェーンで拘束し、あとはもう周知の通り。

 

 過剰防衛として(穴が裂けて)傷害罪が適用されないよう、ライフルグレネードにはグリスを大量に塗りたくって滑りを良くしてから……。

 

 まあ、これ以上は余計(R-18)か。

 

 もちろん装薬入りの弾で撃って傷害罪になって(腹を突き破って)しまうのは論外なので、わざわざ雷管だけの空砲弾を4発用意してやった。

 

 あとは、未だに失神したままの彼らに冷水を被せて起こしてやり、ちょっと脅かしながら1()ずつ、パン、パン、パン、パン。

 

「……はあ。いえ、こんな情勢で昔話をする余裕もないでしょうから、結論から申し上げますと、ライフルグレネードは早々に陳腐化すると思われます」

 

 ついでにライフルグレネードへ夢見るカールシュタール少佐に現実を認識させる必要がある。

 

「なんだと?」

 

「先ほど少佐に見せて頂いた帝国軍無人機の部隊配置図、ええ、そのレギオンの配置図に示された物量ですが、これが可能とする攻勢の規模に対してライフルグレネードが既に陳腐化していると私は考えます」

 

 ミシェルはどうやら既に気付いている。少佐はまだのようだけど、私の目を見て説明の続きを促してくれた。

 

「ライフルグレネードのカタログスペックであれば戦車型の背面装甲すら貫通可能でしょう。これは確かに魅力的ですが、それ以上に無視できない問題点として、速射能力と継戦能力が乏しいのです。端的に言えば装填手順が煩雑で、弾の大きさと重さが嵩張って数を持てない」

 

「いやだが、そもそもがそういう兵器なのでは?」

 

 ああなるほど。

 この世界においてグレネード(擲弾)を手で投げる以外の投射手段が今まで発達しなかった為に、ライフルグレネードですら画期的な、欠点の無い兵器に見えてしまうのか。

 

「いいえ、あれは専用の発射器が共和国軍に無いために代用として小銃で撃てるようにするべく、他の多くの面で妥協した産物なのです。もちろん小銃で撃てるというのもメリットではありますが」

 

 だがまあ、これで問題点は提示できた。

 次は解決方法の提案、自分のタブレットを操作して2つの設計データを展開して2人に差し出す。

 ああそうだ、ついでに配信設定も弄って掲示板の皆にも見えるようにしておこう。

 

「なので、この2つの新型対レギオン兵器を提案します」

 

「1つ目はこちら。これのコンセプトはライフルグレネードの延長にありますが、専用の発射器と組み合わせる事で威力と命中精度、装填速度を大きく向上させています。だからといって発射器のコストが嵩んでは配備に支障をきたすため、発射器は口径55mmの鉄パイプに照準器と撃発装置を内蔵したグリップを取り付けただけ。これに組み合わせる弾頭はライフルグレネードの発展型ですが小銃弾ではなく弾頭に内蔵した黒色火薬を装薬として発射します。射程は200mと短いですが弾道特性が向上しているので命中精度はむしろライフルグレネードより良くなります。装甲貫通能力は300mmなので戦車型の背面装甲までなら安定して貫通できるでしょう」

 

 圧倒的不利な戦況に置かれた少年兵ですら複数の戦車を撃破する事すら可能な事を前世で示した対戦車兵器、ナチス・ドイツが生み出したパンツァーファウストを元に、将来的な改修の余地を持たせるため所々にRPG-7の要素を組み込んだシロモノだ。

 まあ後々には発射器はそのままに弾頭へロケットモーターを追加して射程の延伸、そして弾頭の改良により戦車型の正面装甲を貫通出来るようにはしたい。

 

「2つ目はこちら。これのコンセプトは連発できる小さなライフルグレネード、あるいは超大口径自動小銃です。共和国現用制式小銃と同じく(全く違う)ガス圧利用方式を採用した口径37mmの自動銃で、6発乃至15発のドラムマガジンに収まる弾は装甲貫通能力80mmで射程は500m。これで戦車型未満のレギオン複数を歩兵1人でも対抗できるようになります。唯一の欠点として重量が12kgと非常に重いですが、まあ兵1人で扱えない重さではありません」

 

 これに関しては前世で目立った実績というものが無い為に、どう転ぶかは正直私にも全く分からない。だが、共和国が必要としているのは斥候型と近接猟兵型を撃破できる携行連発火器だ。

 つまり装甲貫通性能50mm以上の弾を連発でき、歩兵が携行できる火器。この条件の中で中距離以遠で貫通性能が著しく低下する対戦車ライフルを除いて、そして信頼性も担保されている兵器は私の知る限り1つしか無かった。

 87式自動榴弾発射機(QLZ-87)、中国の南京理工大学で開発された前世で唯一の携行自動擲弾発射器である。

 これは35mm口径だったのだが、共和国軍制式の37mm口径信号拳銃の弾薬が少しばかり似通った寸法だったため、この薬莢だけでも転用できるようにと口径を寄せてある。

 

「重装甲だが比較的少数な戦車型には前者を、軽装甲だが圧倒的多数の斥候型と近接猟兵型には後者を以って対処する事で、歩兵でもレギオンに対抗可能となります」

 

 さて、これをカールシュタール少佐がどう評価するかだが……。

 

「―――予想以上に、素晴らしい。もしや中尉はレギオンを予見していたのかと思ってしまうほどだ。ちなみにこれらは何か月で開発が完了する?」

 

 50点。私からカールシュタール少佐への評価がだ。私の提案を評価してくれた事で50点、しかし問題点を指摘しなかったのでこれ以上の加点は無しだ。

 

「いえ、これらは殆ど私の趣味で開発していたもので、試作品はどちらも半年ほど前に完成して試射を済ませた後は、余りにも共和国軍の装備体系や仮想敵と適合せず使い道が無かったので倉庫で埃を被っています。なにせRMIの擲弾課は元々大した仕事の無い、旧貴族(白銀種)子女への箔付けの為にあるような部署でしたので。つまり暇潰しで積み上げたガラクタの一部です」

 

「なんと、なんという事だ。ああ、各所の公官庁によくあるという、そもそも職員が出勤しているのかすら怪しい部署の1つであった訳か。……いやしかし、それで作るのがこんな爆発物ばかりとは、やはりRMIの爆弾魔の異名は―――」

 

「少佐、挿しますか?」

 

 ガタンと音を立てながら即座に姿勢を直した少佐のそれは、まるで新品准尉が元帥と遭遇したかのようで少々面白かった。

 私個人としても気に入っている異名ではあるが、それは話の本筋ではないのだ。

 

「いや、遠慮したい。すまなかった」

 

「いえ、こちらこそ。ただ、この2つの兵器だけではレギオンを抑える事すら叶わないでしょう」

 

 とはいえ指摘すれば気付いてくれる辺り、やはり信頼に足る上司なのだ。

 

「んん?……ああ、機動力だな。歩兵ではどう逆立ちしたって担えない。だがそれは同じRMIでも装甲車両開発部の担当で―――。ああ、何て事だ」

 

 上司が信頼できても、情勢をどうにかできるか非常に怪しいのだが。

 

「装甲車両開発部の、新型兵器の開発を担うはずだった中核メンバーは、……私1人しか生き残っていないのです」

 

 有色種であるミシェルをどれだけ85区に留めて新型兵器開発に携わらせる事が出来るか。

 私の兵器で歩兵が引き付け拘束したレギオンの側面を殴りに行ける戦車としての役割を担うそれを完成させられるか。

 

「なるほど、なるほど。そういう事か」

 

 少佐が天井を仰ぎ見つつ零す。

 

「上に掛け合ってみよう。リヴィエール准尉を、いや、あらゆる人材を喪失しないために」

 

「「ありがとうございます」」

 

これで、10年後の滅亡は回避できるのだろうか?



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【開戦1週間で】貴族令嬢転生を満喫してたら国が亡くなりそうな件【お通夜ムード】(続き)

これでプロローグでもある1~4話のを〆ます。


78:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

開戦から1週間でレギオンの性質をここまで正確に理解できてるミシェル・リヴィエール准尉って優秀やな

 

79:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

レギオンの戦術が原作よりエグくない?

これわざと通信機能を残した機体を鹵獲させて釣ったよね?

 

80:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

もしかして作戦立案をレギオンじゃなくて帝国軍の人間がやってたりする?

 

81:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

そっかこの頃ってまだ帝国が倒されてないもんな

 

82:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

前線視察した新兵器開発チーム唯1人の生還者が有色種じゃなあ

 

83:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

カールシュタール少佐(准将)がまだ諦めてないぞ

 

84:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

情報部やるやんけ

 

85:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

いや共和国の情報部だぞ

帝国が革命で混乱して暗号強度が落ちてただけだろ

 

86:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

あるいは革命側が周辺国に対してわざと流したのを共和国情報部が暗号解読の手柄にした?

 

87:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

ありそう

 

88:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

確かにリヴィエールが生還しなかったらこんなに早く情報の裏付けは出来なかったな

 

89:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

でも、そうはならなかった

 

90:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

そうはならなかったんだよ、カールシュタール少佐

 

91:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

だから、この話はここでお終いなんだ

 

92:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

APってなんだ?

 

93:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

イッチ徹甲弾なんか作ってたのか?

 

94:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

なんかふいんき変わったな

 

95:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:******10

あすほーるぺねとれーたーwwwwww

 

96:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

おち○ぽMAX(Dicker Max)S○X豚(Sexton)に並ぶ卑猥兵器名では

 

97:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

いやその2つはちゃんとした名前だけど、Asshole Penetratorは弁護のしようがないのが

 

98:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

ケツの穴ライフルグレネード、マジでやってたのか

 

99:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

ミシェル共犯者だったんかい

 

100:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:******10

やだこのイッチ怖い

 

101:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

あーライフルグレネードってそんな数撃てないのか

 

102:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

自衛隊でライフルグレネード撃った事あるけど、そもそも他の対装甲火力を持たない普通科でも一応気休め程度に対抗できるようにするための兵器であって、最初からアテにするもんじゃないし

 

103:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

それでレギオン押し返した共和国正規軍強くない?

 

104:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

実際強いと思う

 

105:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:******10

配信画面変わった?

 

106:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

新兵器?

 

107:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

何か見覚えありますねえ

 

108:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

パンツァーファウストとRPG-7のニコイチやんけ!

 

109:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

まあ末期戦で対装甲火力って考えたら最適解かも?

 

110:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

むしろこれまで共和国に似たような兵器が無かったのか

 

111:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

戦車型でも背面装甲なら貫通できる

つまりこいつもアスホールペネトレーターになるんですね

 

112:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

つまりアスホールペネトレーター2

 

113:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

なんだこれ?

 

114:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:******10

超大口径自動小銃?

 

115:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

コンセプトが狂ってる

 

116:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

イッチオリジナル?

 

117:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:******10

イッチの考えた最強兵器の類では

 

118:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

妄想乙

 

119:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

これBFにあったな

 

120:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

え、て事はこれ実在するの?

 

121:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

嘘だろ

 

122:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

あったこれだ

ttps://ja.m.wikipedia.org/wiki/87式グレネードランチャー

 

123:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

ふぁーーー

 

124:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

中国人何考えてんの?

 

125:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:******10

生身でレギオンかBETAとでも戦争するつもりか?

 

126:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

カシュガルハイヴは実在していた???

 

127:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

半年前に開発完了www

 

128:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

こんなこともあろうかと

 

129:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

おい工廠って事は官営だろ

開発要求もないのに官費で兵器開発すんな

 

130:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

無断兵器開発爆弾魔vs箔付け目当て欠勤白銀種

 

131:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:******10

確かに爆弾魔の方がマシかもしれない

 

132:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

ほんとかあ?

 

133:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

結局要はジャガーノートか

 

134:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

原作の駄作機具合も、たぶんこんな感じで開発者が査察行った先で死んだり、有色種だからって追い出されたからなんだろな

 

135:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

そういやジャガーノートっていうか、それに行き着くっぽい新型機のハード面に関わった人達が今回の査察で死んだけど、無人機として要のソフトに関わる人はどうなってるんだ?

 

136:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

無人機の制御系?に関わった人物の描写って原作にあったっけ?

 

137:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

確か無かったはず

 

138:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

その人も有色種だったら不味くね?



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爆弾魔の決意

この作品を書き始めてから気付いたんですけど、ジャガーノートについて1巻には巻頭イラストには『戦闘用AI開発に失敗した』って記述があるけれど、本文中だと無人機が作れなかったというだけでAIに関する記述が無いんですよね。
しかも本文中にあるノウゼン父の研究についても「人工知能」とはあるけど「AI」のルビは振ってないという。
これで伏線だと気付けますか?私は気付けなかったです。


 バーでの慰労会兼対策会議を終えてRMIからの帰り道、掲示板の反応を確認してみればやはり気になるワードがいくつかあった。

 

『この頃ってまだ帝国が倒されてない』

 

『帝国が革命で混乱して』

 

『ジャガーノート』

 

『原作の駄作機具合』

 

 そういえば、原作の内容をあらすじですら確認していなかったなと気付いてレスを書き込む。

 

 

 

139:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ただいま帰宅

まだ帝国が倒されてないとか革命とか気になったんだけどどういうこと?

 

140:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

 

おかえり

帝国は開戦直後に市民革命で倒されて、たぶんもう共和制の連邦になってるよ

 

141:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:******10

 

でもレギオンは帝国の戦力なので、連邦もレギオンと敵対してる

 

 

 

 ……は???

 

 

 

142:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

てことは、レギオンは亡国になったんだから生産設備も失ったでしょ

ならもう減っていくだけなのに、それで何で10年後に共和国が滅ぶの?

 

143:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

 

レギオンは自前の、完全自動制御の生産・修復工場があるっぽい

だから国を失っても増え続ける

 

144:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

なんだこのレギオンとかいうBETA並みに質の悪い兵器共

 

145:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

 

ちなみにレギオンの中央処理装置には安全装置として時限式消去プログラムが組まれてる

だいたい6年後に帝国の最後の拠点が墜ちる事で発動して、それから6年後がレギオンにとってのタイムリミットになる

 

この辺りまでは共和国でもそのうち分かると思うけど、実際にはそうならない

 

なぜならレギオンは人間の脳構造をコピーして取り込むことでこれを回避するから

その脳の調達先は交戦相手である共和国や連邦といった各国の兵士の死体だよ

 

 

 

 吐いた。

 

 口を吐瀉物で膨らませ、左手でどうにか抑えながら洗面所に駆け込む。―――どうにか間に合った。

 

 何だ、ソレは。

 

 

 

146:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

 

原作のラスボスもそうなった主人公の兄だしな

 

147:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

 

カイエのはマジでゾッとした

 

148:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

じゃあ、10年後に滅ぶ共和国はどうなる?

 

149:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

 

グラン・ミュールを抜かれて1週間で滅んだ2ヶ月後、まだ残ってた共和国の残余に連邦からの救援部隊が来る

 

150:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

 

モルフォっていう電磁加速砲型に共和国御自慢のグラン・ミュールもあっけなく崩されちゃってな

 

151:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******8

 

85区内のアルバは絶望して座り込むのに忙しかったってあるから、たぶんそのまま脳をほじくられてレギオンになってるんじゃない

 

 

 

 目の前が真っ暗になりそうだった。

 

 85区の白系種が、私たちが、私が、レギオンになる?

 

 ヒトナラザルモノニ???

 

「……いやだ」

 

 そんな事は受け入れられない。

 

 

 

152:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

そのグラン・ミュールと、あとジャガーノートって何?

 

153:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

 

グラン・ミュールは共和国の85区を囲むように建設された要塞線

その前面に構築された地雷原と自立式迎撃砲により共和国の防衛の壁として役割を担ってるけど、実質はエイティシックスの反乱抑止が主たる目的になる

開戦後に有色種を強制動員して、予算も有色種から奪った資産を充当して建設した

 

154:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

 

ジャガーノートってのは共和国工廠が開発した自律式無人戦闘機械

だけど肝心の戦闘用AIの開発に失敗したから、その代わりにエイティシックスを載せている無人機

それ以外にも、装脚式だけど脚の耐久性は無いし、主砲も57mmとかいう豆鉄砲なせいで、レギオンに殆ど太刀打ち出来てない

 

155:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

エイティシックスっていうのはまさか?

 

156:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

 

原作の題名でもあるけど、意味としては85区内から追いやって、85区の更に外、86区に住まう人型の豚としての蔑称がエイティシックス

 

157:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

 

そのエイティシックスは人じゃないから、パイロットではなくプロセッサーとしてジャガーノートに載せてる

だからジャガーノートは無人機

 

158:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

 

こうして共和国は戦死者ゼロの戦争を成し遂げましたとさ

エイティシックスの膨大な屍を積み上げてね

 

159:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

なんてこと

 

160:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******9

 

ああそうだ、作中のメインヒロインである白銀種がこの言葉を残しているよ

 

豚に人権を与えぬことを、非道と謗られた国家はない。

故に、言葉の違う誰かを、色の違う誰かを、祖先の違う誰かを人の形の豚と定義したならば、

その者達への抑圧も迫害も虐殺も、人倫を損なう非道ではない。

 

誰かがそれを正しいと考え、誰もがそれをよしとした時、サンマグノリア共和国の滅亡は始まり、同時にその時に終わっていた。

 

161:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******4

 

その彼女、ヴラディレーナ・ミリーゼは作中でのキーパーソンだからね

作中後半からジャガーノート部隊の指揮官としての彼女の才能が覚醒する

父親のヴァーツラフ・ミリーゼは4年後くらいに死ぬけど、カールシュタールと同僚っぽいから繋がりは持てると思う

 

162:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:******10

 

とにかく、いかにして有色種に対する排斥を抑えられるかが鍵だな

 

163:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******3

 

でも排斥の切っ掛けって緒戦での連敗と領土失陥して包囲されたのが原因だし

もうそうなってる今からじゃ挽回できなくね?

 

164:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

 

阻電攪乱型で各国との通信が途絶えて相互監視が途絶えたのも箍が外れた原因の一つだろうしなあ

他国の目さえあれば有色種排斥なんて出来なかっただろうに

 

165:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******6

 

むしろイッチのアスホールペネトレーターや2年後に完成するであろうジャガーノートの性能向上を目指したほうが現実的かも

 

166:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

 

帝国系有色種に義勇兵を組織させて領土奪還させれば、その功でもって汚名返上できないかなあ

 

167:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

 

領土奪還すら現実的じゃないし、出来たとしても共和国はその功に報いるような国じゃないでしょ

 

168:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******7

 

だよなあ

 

 

 

 そんな国なのだ。

 

 自由と平等、博愛と正義と高潔を掲げた共和国という国は。

 

 虚飾に塗れた新型機なんかに2年も待っていられるか。

 

 10年後の滅亡がなんだ。

 

 白系種がなんだ。有色種がなんだ。

 

 どうせ滅ぶ国ならば、既に滅んだも同然なら、だったら好きなように暴れてみせるだけ。

 

 

 

169:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

決めた

歩兵でどうにかする

 

170:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******2

 

ふぁ!?

 

171:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/17(火) 00:00:00.00 ID:*******5

 

いや無理でしょ

 

172:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/22(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

明日から忙しいからもう寝る

おやすみ



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僕の上司は爆弾魔

 星歴2139年9月23日

 サンマグノリア共和国

 首都リベルテ・エト・エガリテ

 共和国工廠本部開発局

 銃器開発部擲弾課

 

 端的に言って、僕の上司は爆弾魔だ。

 

 そして今日も勤務時間始まって早々、導火線に火が点けられたらしい。

 

「レギオンに対抗可能な兵器が開発されるまでの穴埋めとして使う梱包爆薬用起爆装置の開発要請、ですって?」

 

 火を点けたのは共和国軍作戦部の伝令将校で白灰種(マーブル)の少尉だ。

 目の前にいる白銀種の中尉(爆弾魔)の額に青筋が浮かんでいるからといって、その後ろにいる極東黒種(オリエンタ)技術准尉()に救いを求めるのはどうかと思う。

 

 気持ちはよく理解できるが、こっち見んな。

 

 そういや、以前は擲弾課に並んで日陰部署だった地雷課は白系種が居なくて廃止、擲弾課への吸収合併がほぼ確定していて、工兵器材部はこの1週間の撤退支援に忙しく余裕が無いんだったか。―――それで擲弾課(ウチ)か。

 

「梱包爆薬なんて非効率極まる兵器の開発なんかするかボケッ!そこで待ってなさい!」

 

 そう怒鳴り散ら(爆発)して部屋の奥へと向かったリュシェール技術中尉、たぶんアレを取りに行ったのだろうと目当てを付けて、資料を紙で1部とメディアに書き込んだデータとで用意しておく。ついでにアスホールペネトレーター2のも用意しておくか。

 

 にしても完成したのは半年前なのに、名前が決まったのが今朝ついさっきというのは、まあ用途によってそれらしい名前も違うものかと思うが、にしても無茶がある。

 

 戻って来たリュシェール技術中尉が抱えて来たのは37mmのバケモノ、―――うわ2丁も抱えてるよ。あれ1丁12kgもあるのに。

 

「レギオンに対抗可能な兵器、これがそうよ!37mm口径重自動小銃!」

 

 机の上にズドンと置かれた鉄塊を見て少尉の口があんぐりだ。そりゃ誰だってそうなる。

 

 重自動小銃ってなんだよ。37mm口径で小銃を名乗るな。

 

「有効射程500mで装甲貫通能力は80mm、それでいて必要とする火薬量は梱包爆薬比で1発当たり100分の1。良い事?共和国は既に穀倉地と放牧地の多くを喪失していて、今後の食料供給の殆どを合成プラントに頼る事が確定している。そして合成プラントでの食料生産に必要な有機資源は火薬の生産にも必要。ここまで言えばよ~~~く理解できますよね?」

 

「しょ、食料と火薬とで、有機資源を食い合います」

 

 そう、言ってる事は割とマトモなのだ。

 

 共和国の外周全てを埋め尽くす帝国軍無人兵器に対して梱包爆薬でまともに立ち向かったら、まず食糧危機が訪れる。

 だからと言って、食糧生産に支障をきたさない程度の炸薬量にすれば帝国軍無人兵器の装甲は破けないし、配備数を少なくすれば物量に圧し潰される。

 

 だから、如何にして少ない火薬量で対抗するか、というのは間違っていない。

 

「それで、どうして梱包爆薬用起爆装置の開発要請なんてのが来るのかしら?」

 

「え、えっと。作戦部はこのような、えー、重自動小銃なるバケモ、いえ、新兵器を把握していなかったために―――」

 

 だからといって目の前の重自動小銃(バケモノ)を理解するのは、開発を手伝った僕でさえ頭の中の常識が拒否した。

 

 装甲目標にでも撃ってみれば有用性はすぐ理解できるのだが、どうして携行自動火器にする必要があったのか。まあリュシェール技術中尉の半ば道楽的開発によるものだが、それが対帝国軍無人兵器に対しては恐らく最適解らしいというのは、否定したい事実にも程がある。

 

 ああ神よ、どうして爆弾魔の道楽兵器に現実を最適化してしまったのか。

 

「じゃあどうぞ持ち帰って、どうぞ。コバ准尉、資料も付けてあげなさい」

 

「はい中尉。少尉、こちらが資料になります。重自動小銃は重いので運搬にはお気を付け下さい」

 

 おまえはこの重自動小銃(バケモノ)運びを手伝わないのかと少尉は恨みがましい目をしてくるが、お生憎。

 

「コバ准尉、ついでにあっちの新型グレネードランチャーも2セット作戦部に持って行って」

 

 打って変わってザマーミロといった顔の少尉、だが残念。

 

 僕が待って行くあのアスホールペネトレーター2(新型グレネードランチャー)は見た目の大きさほど重くないから楽なのだ。

 

 

 

 とはいえ、どうやってこんなゲテモノ兵器を軍に採用させようか、頭蓋が炸薬で充填され尽くした上司(爆弾魔)の代わりに頭を悩ませていたが、まさか向こうから来るとは。




37mm口径重自動小銃=QLZ-87モドキ
アスホールペネトレーター2(新型グレネードランチャー)=パンツァーファウスト・RPG-7モドキ

Q.重自動小銃って何よ?
A.共和国制式小銃の元ネタがFAL(軽自動小銃)なので、その逆です。

原作で白系種の種類が少なかったので勝手に追加しました。
白灰種(マーブル)大理石(marble)に因む。やや灰色の入った白色の髪が特徴。
白系種だが、その中のヒエラルキーでは最下層に位置する。

原作11巻をこれから読みます。
→おいカールシュタールおいおまえ前線行ってたのかよおい!
→なので修正します。
→取り急ぎ修正した。当て付けとして前線に戻るカールシュタールに先行量産分を押し付けるぞい。


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帰れま10

 さーて、負け過ぎて頭馬鹿になった作戦部の伝令を追い返しついで、重自動小銃と新型グレネードランチャーの試作品を押し付けられたのは僥倖だった。

 

 私が共和国軍に対して無理を通せる伝手をカールシュタール少佐しか持たない都合、今現在も再編中の少佐の部隊にこれら新兵器を押し付け、その戦果でもって制式採用をと迂遠な手を考えていたが、まさかその前に作戦部(軍上層部)の方から人が来てくれるとは。

 

 リュッテ副局長が生きていれば、公金で腹と共に膨らませた伝手を頼れたのかもと思いつつ、いやあの年中脂汗の浮いたデブ男に頼るのは女として生理的嫌悪でゾワゾワとするのでやはり無し。死んでくれてありがとう。

 

 とりあえず、重自動小銃と新型グレネードランチャーの小改良と先行量産の手配をしよう。

 

 まずは少佐に再編される部隊の配置先を確認しておいて、首都からその途上近くにある兵器生産プラントの枠を確保しておく。ついでに都合が合えば午後にも残りの試作品を使って少佐にレクチャーしておこう。

 10年後には准将になっている、つまり生存して軍に籍があるらしいカールシュタール少佐ならまた新兵器を押しつけても上手く使ってくれると思う。

 

 そして小改良。

 何しろ重自動小銃も新型グレネードランチャーも、元々のQLZ-87とパンツァーファウストないしRPG-7と同様に人間の軍を想定して設計している。それがレギオンというらしい帝国軍無人兵器にも一応有効とはいえ、無駄もいくつかあるのはどうにかしておきたいし、今の共和国は中国やナチス・ドイツ、ソビエト連邦とも国情が異なる。

 

 その最たるものというのが、重自動小銃(QLZ-87)の弾。

 元ネタと同じくHEAT-MP(多目的対戦車榴弾)HE(榴弾)を用意していたが、相手に生身の人間がいないのなら対人破片をいくら撒き散らした所で何の効果も無く、それに応じて最適化した弾にする必要がある。

 

 まずはHEAT-MP、元ネタはDFJ87破甲殺傷弾というもので、80mm厚装甲を貫通しながらも周囲10mに対人殺傷能力を持つ破片を撒き散らすが、その破片を無くして空いた容積を貫通性能の向上に充てた単純なHEAT(対戦車榴弾)とする。

 

 次にHE、元ネタはDFS87殺傷弾というもので、これは正直どのレギオンにも効かない以上は不要となる。なにしろ対人破片を撒き散らすだけの弾。歩兵部隊には絶大な威力を発揮するけど。

 

 その代わり、前線から上がっている戦訓に応じた弾を追加しよう。

 

 一つは、自走地雷という人の形を模した地雷へ対抗する為の弾。

 自走地雷は陸上のレギオンの中でも最小サイズの、人の背丈ほどしかないが、それでいながら他のレギオンと同じく高出力アクチュエータによって駆動する脚による高い機動性で防衛線に浸透し、兵士や車両にしがみついて自爆する兵器。

 こんなレギオンの中でも使い捨ての性格が強いにも関わらず、それでも多少の防弾性能を持っており小銃弾にも多少は耐える厄介な機種。そんな小型で快速かつ軽装甲の目標に対抗するのであれば、榴散弾だろう。

 

 榴散弾(Shrapnel)、前世では18世紀末に開発され20世紀半ばには廃れた、そして今世でも似たような歴史を持つ、ロア=グレキア連合王国のシュラプネル(Shrapnel)砲兵中尉によって開発された古い弾、近未来に近い星歴2139年にあっては呆れるほどに古い弾。

 どの世でも普通の榴弾の性能向上によって廃れた、弾の前方にしか弾子を撒けない扱い辛い弾ではあるが、これで重自動小銃が37mm口径の散弾銃に化ける。

 本来の榴散弾であれば炸裂タイミングは時限信管で任意に選択できるが、重自動小銃では既にドラムマガジンに装填した弾の信管を後から調定できないし、そもそもが自走地雷に対する近接防御にしか使わないので不要、よって銃口を出てから0.08秒後、およそ15m先で炸裂させ、100m先まで弾子に加害力を持たせられる。これで放出させる弾子は一般的な鉄や鉛の球形ではなく、貫通性能と弾子密度を重視した炭素鋼のいちょう切り形。この素材と形状の為に似た用途ながらより簡易なキャニスター弾は薄い弾殻が銃身内で破損した際に、弾子が銃身に傷を付けてしまうので採用出来なかった。

 

 もう一つは、阻電攪乱型による無線妨害へ対抗する為の弾。

 といっても阻電攪乱型が攪乱する電波をどうこうする電子機器を積んだ弾ではない。―――ただ光るだけの信号弾。

 そもそも重自動小銃の弾の規格は共和国軍制式信号拳銃の弾から寸法を引用しており、このため信号弾をそのまま撃つ事も可能ではある。だが装薬量と弾頭重量が全く違うので重自動小銃の自動装填機構までは動作させられず、完全な弾薬互換性とまではいかなかった。

 これでは、ただ信号弾を通信用途に使う分には自動連発できなくてもやや不便で済むが、焼夷弾の代用として撃つには不適になってしまう。

 この為、重自動小銃の他の弾を同じ装薬量と弾頭重量に合わせた信号弾を各色用意する。装薬も弾頭も大きくなった分だけ飛翔高度と発光時間を高く長く出来るので、通信手段としても性能向上を果たせる。

 

 あとはそうだな、新型グレネードランチャーの発射器に装着する、射手を装薬の熱から守る断熱被筒はRPG-7と同様に木材か樹脂を考えていたが、どちらも今後不安があるからパルプモールド辺りで検討するか……。

 

 

 

 あれこれ考えつつPCで設計をこねくり回してしていると、作戦部へ使いに出していたコバ准尉が戻って来た。

 

「中尉、ただいま戻りました。作戦部の皆さん腰抜かして驚いてま―――」

 

「そうだ准尉、君ちょっと10年くらい最前線に行ってくれないかな?」

 

「なんで???」



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爆弾の踊り(La danse des bombes)

「さて、まずは話の振り方が悪かったのは謝罪します。ごめんなさい」

 

「はあ……」

 

 厚生棟の食堂で買ってきたベントーなる極東由来のランチボックスを擲弾課のオフィスに持ち帰ってフォークで突きつつ、先ほどの話を整理する。

 

「それで、近い将来に有色種である事を理由に共和国工廠を放逐されてから一兵卒として徴兵され最前線に行くのと、今の内に白銀種である上司の私からの業務命令として技術准尉の身分で最前線に行くの、どっちが良い?」

 

「あー。あー、なるほど。……共和国ってクソだなあ」

 

「そういう事。理解が早くて嬉しいわ」

 

 いわゆる原作知識というものが乾いた砂に染みるようにここまで早く理解される事があるなんて。

 

「まあ、僕が擲弾課にいる事自体、その証左ですからねえ。僕、首都航空技術高専の席次を6番目で卒業して、それで去年RMIに入って配属されたのが花形の戦闘機部どころか輸送機課でもなくココ(擲弾課)ですよ」

 

「いいじゃない。そのお陰でライフルグレネードや新型グレネードランチャーの安定翼の設計ではだいぶ助かってる。あれ、この戦争で最も戦果を挙げる兵器の1つになるわよ」

 

 実際、爆発物は私の得意分野だったが、その弾道を安定させる分野については彼の功績がかなり大きい。

 

「せめて歩兵携行ミサイルの設計がしたかったなあ」

 

「それじゃレギオンよりも先に共和国軍の予算が尽きるわよ」

 

「そうそれですよ。レギオン、何ですかあれ。我が名は軍勢(レギオン)、数多なれば。福音書でしたっけ?帝国軍も妙なネーミングしますよねえ」

 

「なら私はラ・ダンス・デ・ボンバ(La danse des bombes)かしら?レギオン共(Oui legion je suis)私は大砲が好きよ(Oui j’aime le canon)吹き遊ぶぶどう弾と(La mitraille dans l’air)友達になってさあ踊りましょう(Amis, amis, dansons)って、少佐の部隊の行進曲にしてもらいましょうかしら」

 

「それ、中尉の作った曲じゃないですよね?聞き覚えが無いんですけど何時の曲です?」

 

「元は爆弾の踊り(La danse des bombes)って革命歌よ、リベルテ・エト・エガリテ・コミューン(自由と平等の共同体)の」

 

社会主義者(アカ)じゃないですか!しかも聖女マグノリアの革命の最中に反旗翻した裏切者共の!」

 

「あら、歴史の勉強もちゃんとしてたのね。流石優等生。まあこの手の替え歌なんてよくある物よ。さっきも元はレギオンじゃなくて野蛮人(barbare)だし」

 

「うーん、なるほど?」

 

「それにア・サ・イラ(Ah, ça ira)よりはマシでしょ。聖女マグノリアまで殺した共和国の革命歌よりは」

 

「中尉、ホントに中尉って共和国人ですか?僕は今、中尉が凄く危険な思想を持っているのではないかと疑っています」

 

「思想?私は歩兵火力の敬虔な信奉者よ」

 

「うわあ……」

 

 コバ准尉が人ならざるモノを見たような顔をして呻く。

 

「あっはっは。良いじゃないか、ラ・ダンス・デ・ボンバ。レギオン共じゃなくて屑鉄共(Oui ferraille je suis)の方が私は好きだが」

 

 振り向けば、いつの間にかカールシュタール少佐がオフィスの入り口に立っていた。いや、肩の階級章の線が増えて色も変わって、中佐に?

 

「あらカールシュタール中佐殿、昇進おめでとうございます。いつから?」

 

「昇進したのは今朝だ。西部戦線で僅かながらもレギオンを撃退した戦果を挙げた功で、という事になってるが、まあ上が死に過ぎたからってのが実情だ。いつから聞いていたのかという意味では、なら私はラ・ダンス・デ・ボンバの辺りから」

 

「ヤバいトコ全部じゃないですか、どうするんです中尉」

 

 准尉がもう一つの未来を見出したらしい。差し詰め、憲兵に突き出されて懲罰部隊送りって所か。

 

「今更、今更だよ。リュシェール中尉のそれは。なあヴァーツラフ」

 

 カールシュタール中佐がその身をオフィスへ踏み込むとともに後ろから続いてきたのは、白銀種の、たぶん中佐と同い年くらいの、階級も同じ中佐の男。

 

 ヴァーツラフ?ヴァーツラフ……どこかで見たような?

 

『父親のヴァーツラフ・ミリーゼは4年後くらいに死ぬけど、カールシュタールと同僚っぽいから繋がりは持てると思う』

 

 ああ、原作のキーパーソンの父親だ。4年後に死ぬのかこの人。

 

「いや、流石に私はどうかと思うが……」

 

「とはいえ、君も彼女に命を救われたクチだぞ?ああ、紹介しよう。彼はヴァーツラフ・ミリーゼ中佐。私と同じく元は西部方面軍第17機甲師団第52歩兵連隊司令部付少佐で、再編された後は俺が東部方面軍第3歩兵師団第112歩兵連隊連隊長、ヴァーツラフがその副連隊長だ」

 

「ヴァーツラフ・ミリーゼだ。先の戦闘では君のアスホー……いや何だったか、アレにはだいぶ助けられた。第52歩兵連隊が損害を抑えつつ組織的に撤退出来たのは君のお陰だ。ありがとう」

 

 コバ准尉が噴いた。いや私も噴きかけたけども。どうして誰も彼もそう呼ぶのやら。

 

「まったく、もうアスホール・ペネトレーターで良いですわ。エニセラ・リュシェール技術中尉です。どういたしまして。こちらは部下のタック・コバ技術准尉。彼もアスホール・ペネトレーターの設計に大きく貢献していましてよ」

 

「これはこれは。ありがとう、コバ技術准尉」

 

「ど、どういたしまして……。しかし、どうしてそのペットネームが?」

 

「ああ、元はリュシェール中尉がルキエ一家にしでかした一件が前線にまで流布していたのが由来だが、定着したのはレギオンに対する射法と共にだったよ。どのレギオンでも背面装甲を狙って撃てば、それこそ戦車型でも無力化できるからと。だから、背面装甲(アスホール)を狙う(ペネトレーター)さ」

 

「なるほど。意外と理にかなっていたんですね」

 

 そういう理由だったのか。




爆弾の踊り(La danse des bombes)は実在するパリ・コミューンの革命歌ですが、作詞者の没後70年以上が経過しており著作権が失効しております。



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講習会

UA10000、しおり100、お気に入り300突破しました。
ありがとうございます。
次々話辺りで戦闘シーンに辿り着くはず。

今回はマイナー兵器である重自動小銃と、その大元であるQLZ-87の実質的な紹介回です。

参考動画
・中国軍のQLZ-87訓練動画
https://youtu.be/XgMutZsSQVI

中国中央電視台(CCTV)の記者がLG5(※QLZ-87の後継であるQLU-11の輸出仕様)を撃ってみた
https://youtu.be/e7tJ8c-ioEA?t=317


 星歴2139年9月23日

 サンマグノリア共和国

 首都リベルテ・エト・エガリテ

 共和国工廠本部

 屋外射場

 

 アスホール・ペネトレーターの犯行現場となったここに集まったのは私エニセラ・リュシェール技術中尉と部下のタック・コバ技術准尉、そして呼んだジェローム・カールシュタール中佐と付いてきたヴァーツラフ・ミリーゼ中佐。ここまでがまあ予定の面子だった。

 

「では、これより重自動小銃と新型グレネードランチャーについて簡単ながら説明を始めさせて頂きます。といっても、近日中に東部へ再配置される両中佐のための半ば講習会のようなものとなりますのでご了承よろしくお願いします」

 

 だが、気楽な身内だけの射的大会のつもりだったとはいえ、呼んでない客人まで来てしまっては真面目にやらざるを得ない。ましてや録画までされているのでは。

 

「いやあ、急に押し掛けてしまってすまないねリュシェール君」

 

「いえ少将閣下。私達擲弾課の新兵器に注目して閣下自ら足を運んで頂き、とても光栄です」

 

 客人。共和国軍作戦部のアンリ・クリーブ少将、歳の割にかなり鍛えているらしい偉丈夫の白銀種に加えて、午前にも来ていたジブリール・アルラン少尉、こちらは対照的に線の細い美男子が大仰にもビデオカメラを三脚に載せて回している。

 どうやら午前に持って行かせたのが予想以上に効いたらしい。

 

「とはいえだ。どうか我々の事はいないものとして扱ってほしい。元は中佐達の為の、だったのだろう?」

 

「いえ、共和国の未来の為にも、少将閣下の事を無視なんて致しませんわ」

 

 少将(筋肉ダルマジジイ)相手に無視なんか出来るかバーカ。

 

「あっはっは。ではよろしく頼むよ。初めてくれたまえ」

 

「ありがとうございます。では最初に重自動小銃から」

 

 コバ准尉の方を確認すれば、重自動小銃を持って準備完了といった所。

 

「重自動小銃という妙ちきりんな呼称を採っておりますが、これは現に共和国制式の自動小銃を更新する火器としての扱いを考慮している為で、その実質は携行型の37mm機関砲です。運用としては携行による立射、膝射も可能ですが、その重量のため基本的には2脚を用いての伏射や塹壕などの射点を利用しての依託射撃を推奨します。コバ准尉、それぞれ2発ずつ実演を」

 

「了解しました」

 

 まずは立射で1発、標的は100m先に並べ置かれたヘスコ防壁2個。大きさは合わせて横3m、縦2m。

 

 ばん、とやや気の抜けた銃声。大きさとしては自動小銃のそれより大きい程度。

 そして0.5秒ほどして着弾。ばすん、と榴弾の爆ぜる音。

 

 爆発による閃光と煙が上がったのは、ヘスコ防壁から右に2mほどズレた辺り。まあ立射で初弾ならそんなものか。

 

 そしてもう1発、ばん、ばすん。―――命中。ヘスコ防壁の右上スレスレ。

 

 変わって左膝を地面に付いて膝射。ばん、ばすん。ばん、ばすん。命中、ヘスコ防壁の中央よりやや左上とやや下。

 

 最後に地面に伏せて伏射。ばん、ばすん。ばん、ばすん。命中、両方ともど真ん中。

 

「よし。コバ准尉、お見事」

 

 パチパチと軽く拍手をしてみれば、カールシュタール中佐とミリーゼ中佐、そしてクリーブ少将も続いて拍手する。このご時世にカメラが回ってる中で有色種に拍手など能天気なものだ。

 

「このように、本体重量12kgの重さもあって依託無しでの立射、膝射はあまり精度に期待できませんが、不可能ではありません。続いては伏射でのフルオート射撃です。標的は先ほどと同じく100m先のヘスコ防壁」

 

 コバ准尉がマガジン交換を行う。先ほどの6発ドラムマガジンではなく、一回り大きい15発ドラムマガジンへ。そしてセレクターをフルオートへ切替、発砲。

 

 ばばばばばん、ばばばばばん、ばばばばばん。

 ばばばばばすん、ばばばばばすん、ばばばばばすん。

 

 初速が195m/sと遅いのもあって気の抜けた音が連続する。コバめ、ちゃっかりきっちり全部5点射で揃えてきた、そのお陰で着弾位置が見易くて助かる。

 命令したのは点射ごとに2発、1発、2発で合計5発か。まあボチボチといったところ。

 

「フルオートでの射撃レートは毎分500発で、自動小銃よりやや遅い程度。反動の大きさもあって殆ど実用的ではありませんが、至近距離での遭遇戦では有効でしょう。続いては操作方法を説明します。コバ准尉、重自動小銃とマガジンをこちらへ」

 

 12kgの図体が3脚銃架へと置かれ、バンドで固定される。

 

「この3脚銃架は重自動小銃と併せて開発したものです。これがあれば仰角をとって曲射により最大射程1700mでの射撃も可能ですが、レギオンに対し37mm口径では直撃弾しか効果が期待出来ず、また射点を移動しないまま射撃を継続する戦闘行動は長距離砲兵型(スコルピオン)の標的になりやすいという戦訓もあったため、殆ど有用ではないでしょう。一応、両中佐の第112歩兵連隊には重自動小銃10丁に1基の割合で引き渡しますが、最悪物置台にでもして下さい」

 

「うーん、しかし曲射ができるなら戦車型の上面装甲を狙ってみるのも良いかもしれないな」

「それに、その戦訓にあった共和国軍砲兵に対するレギオンの対砲兵射撃も恐らく音源評定によるものだ。ここまで銃声の大きさが小銃と変わらないなら射点を評定されるまでの猶予もかなり大きそうだ」

 

 私としては期待できない3脚銃架に対して、しかし両中佐は楽観的。どちらが正しいかはともかく、そのギャップはこれから共和国軍兵士が支払う血で得た戦訓で埋められるだろう。

 

「重自動小銃の本体ですが、グリップは機関部の右側面にあります。これはドラムマガジンと3脚銃架の取付部を避ける為のもので、試してみれば分かる通り正直言って握り辛いですが、そういうものだと諦めて慣れて下さい」

 

「なんというか……」

「うん、独特だな」

「私も握ってみて良いかね?―――これは、老体には肩にクルな」

 

 こればかりは実際に前世で採用し、運用した中国軍でも同じ事が言われていたし、しょうがない。

 もっとも、アジア系の比較的小柄な体格である中国軍兵士より体格の良い共和国軍兵士なら多少はマシなはず。というか少将が一番体格が良いだろうに。

 

「グリップの根本下側にはセレクターがあります。セレクターのグリップに対しての位置関係、形状、操作角度は自動小銃とほぼ同じにしております。また銃を上から見てもセレクターポジションが判別できるよう、セレクター軸を上側まで貫通させてセレクターポジション・インジケータとしています」

 

「従来通りというのは良いな」

「見た目の奇抜さの割に転換訓練の手間が省けそうだ」

 

 そりゃそうでなきゃ困る。ここは元型(QLZ-87)からわざわざ変えたのだから。

 

「装填操作は機関部上面にあるキャリングハンドルを兼ねたチャージングハンドルで行います」

 

「これはまあ、見た目通りだな」

「37mmだから重いのかと思いきや、けっこう軽く引けるんだな」

 

 むしろ機関砲みたく人力で引けないようなら携行火器として失格よ。

 

「動作方式としても機関砲より自動小銃に近いですからね。内部構造こそ多少(かなり)違いますが整備手順も自動小銃とほぼ同様です。日常整備としてはグリップフレームとバッファーチューブを外して各部を清掃給油するだけ。最悪、分解せずドラム缶のガソリンに2~3回沈めるだけでも1戦闘くらいはこなせる程度には自動小銃と同じ扱いが出来ます」

 

「それは助かる」

「多少、の範疇なのかこれ……」

 

 そもそも、自動小銃と同様に扱えなければ重自動小銃なんていうホラなんて吹けない。こればかりは元の設計の良さに助けられた。

 

「ドラムマガジンは装弾数6発と15発の2種類を用意しています。どちらも構造と操法は同じで、蓋を開けて弾を装填し、蓋を閉じてレンチでゼンマイを巻き上げるだけです。もし付属のレンチを紛失した場合でも、グリップ底部の形状をレンチとして使えるようにしてあります」

 

「簡単だな」

「戦闘のごたごたで物を失くすなんてよくあるからな」

 

 これにて色々省略しつつ一通りの操法説明は完了。

 

「では最後に注意事項を。銃口にマズルブレーキを装備している為、発砲時に側方へブラストが発生します。距離によっては致命傷もありえますので注意して下さい。さあ撃ってみますか?どうですカールシュタール中佐。とりあえず今回は伏射で」

 

「……うむ。やってみよう」

 

 私の方で重自動小銃を3脚銃架から降ろし、射点に持って行く。

 

 おっかなびっくりという体で、中佐がドラムマガジンを重自動小銃に装填し、チャージングハンドルを引いて、放す。

 中佐が伏せて射撃姿勢をとり、照準、セレクターをセミオートにする。

 

「左手はバッファーチューブを支えるように掴んで、そう順手でも逆手でも楽な方で。では、どうぞ」

 

 ゆっくり、照準を定め、トリガーが引かれ―――指が止まった?

 

「中佐、大丈夫ですか?」

 

「あーすまない。さっき准尉が撃っていたのを見ているから大丈夫なのは知れたのだが、本当に大丈夫な反動なんだよな?肩が砕けたりしないよな?」

 

 妙な疑問をする。そんなに……怖いのだろうか?

 

「大丈夫、大丈夫です。マズルブレーキと銃床に内蔵したリコイルバッファーにより反動は人間が耐えられる安全なレベルまで軽減されています。それに装薬量も初速がたった毎秒195mになる程度しかありません。拳銃よりも遅いんですよ。大きいのは37mmという口径だけです」

 

「なるほど、では……撃つぞ」

 

「どうぞ」

 

 今度こそ、トリガーが引かれていく。

 

 ばん、ばすん。

 

「うぐッ」

 

 爆発の残滓である煙を探してみれば、ヘスコ防壁よりさらに奥、300m先にあるバックストップでたなびいていた。ついでに肩にも効いたらしい。

 

「やや右上にズレましたね。次はグリップとトリガーの位置もあって引く時にブレやすいのを意識してみて下さい」

 

「いや、ちょっと待ってくれ。肩を休ませたい。交代だ」

 

 まあ最初の感想としてはそんなものだろう。

 

「おい大丈夫かジェローム」

 

「なんとか、確かに大丈夫だ。これは慣れの問題だな。大きいのは口径だけというのは冗談が過ぎるが」

 

「そうでも言わないとすぐに撃たなかったでしょう?」

 

「ああ全くだ。とんでもないバケモノを作ってくれたものだ。気を付けろよヴァーツラフ」

 

 次はミリーゼ中佐の番だ。

 

「構えは、右手をグリップの位置に合わせる以外は小銃と同じで良いんだな?」

 

「ええ、その姿勢で問題ありません」

 

「じゃあ撃つぞ」

 

「どうぞ」

 

 やや照準に時間を取って、ばん、ばすん。

 外れ、ヘスコ防壁よりやや手前で惜しかった。

 

「そのまま2発目以降も撃てますか?」

 

「うーん、撃てる。確かに撃てる。それを撃ちたいとは思うかは別というのも良く分かった。クリーブ少将も撃ってみますか?」

 

「ああ撃つ。撃つぞ。ジブリール、ちゃんと撮ってくれたまえよ」

 

 この少将閣下、招かれざる客だというのに妙にヤル気を出すのは何故?

 

「中尉、構えはこうで良いんだよな」

 

「はい閣下。問題ありません」

 

 とはいえ3人の撃ち方をちゃんと見ていたようでしっかりした構えをしている。流石少将というべきか。

 

「では撃つぞ」

 

 ばん、ばすん。

 

 驚いた、単純に驚いた。ど真ん中。

 

「うむ、次も撃っていいかね?」

 

「はい。どうぞ、弾はいくらでもあります。レギオンには効果のない対人榴弾の在庫処分も兼ねておりますので」

 

「なるほど。ではどんどん撃っていくぞ」

 

 ばん、ばん、ばん。

 ばすん、ばすん、ばすん。

 

 言葉通りけっこうな速射で、ど真ん中、やや左にズレた。ど真ん中。こいつフィジカルで反動を殆ど抑えきってみせたぞ。

 

「これは少将閣下、お見事です」

 

「いやあ恥ずかしいなあ、1発外してしまったよ。せっかくジブリールに撮ってもらっているというのに」

 

 外した?ちょっとズレただけのが?

 というかアンリ少将もアルラン少尉も男だというのに、アンリ少将はソッチなのだろうか?もう一方のアルラン少尉は嫌そうな顔をしていて、少将の一方的な好意らしくはあるが。

 

「そうだ。まだ弾はあるようだし、ジブリールも撃ってみなさい。後で役に立つだろう?」

 

「はい、閣下。リュシェール中尉殿、新しいマガジンはありますでしょうか」

 

「ええ、もちろん。こちらに」

 

「じゃあジブリール、君の事は私自ら撮ってあげよう」

 

 なんだコイツら。

 まあ、少尉の構えの姿勢も問題なさそうだし、左手が若干違うが、まあ大丈夫だろう。

 

「それでは、撃ちます」

 

「どうぞ」

 

 ばん、ばすん。

 

 引きが速い。が、命中、ど真ん中。

 一方、反動を受けた少尉はかなり後ろにズラされてしまった。身長の割に細身で体重で受け止めきれなかったのか。

 

「さすがジブリールだ。ど真ん中じゃないか」

 

「いえ、それほどでも……。これでいいでしょうか閣下」

 

 いやその体格で初弾ど真ん中は少将以上に凄いのだけど。

 

「では次に新型グレネードランチャーの実演を行います。コバ准尉、準備を」

 

 なんというか、何か引っ掛かるのよね。




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口は禍の元

色々あったけど、22話、良がっだああああああ!!!


「これにて新型グレネードランチャーの講習も終了です。残り時間は運用などについてフリートークを予定していますが、少将閣下の方で指針などありますでしょうか?」

 

 講習は終わった。いいね?

 

「うむ、ありがとう。だが私よりも中佐達が中心になって議題を考えた方が良いのではないかな?」

 

「いえ閣下。閣下だからこそ気付く点もあるかと」

 

 あんた少将なんだから遠慮しないでよ。目上に遠慮された方がキツイの察して欲しい。

 

「むむ……。では重自動小銃だが、これの弾とマガジンの重さ、それと携行弾数は自動小銃比でどうなっている?持てる弾が少なくて継戦能力に不安がありそうなのだが」

 

 よりにもよって少将(筋肉ダルマ)から一番出てきそうにない議題が出てきた。アンタ重さ気にせずいくらでも携行出来るでしょ。

 とはいえ、その重量こそが重自動小銃が抱える1番の問題なのだけど。

 

「はい閣下、重自動小銃の37mmHEAT弾は1発250gで自動小銃の小銃弾は1発24g、つまり10倍。重自動小銃の6発マガジンは1個1000gで自動小銃のマガジンは350g、つまり3倍になります。また、銃本体も3倍の重さとなっていますので、射手が持てる携行弾数は自動小銃と同じ基準で計算すると、-(マイナス)6発になります。」

 

「あっはっは。携行弾数でマイナスを聞く事になるとは、あっはっはっは」

「ちょっと待ってくれ、それでは継戦能力どころでは無いだろう」

「射手と弾薬手を別にするとしても、射手が全く弾を持てないのはあまりにも運用に制約が大き過ぎる」

 

 携行弾数-6発と聞いて笑ってられる少将閣下、マジで少将閣下(筋肉ダルマ)だな。頭の中まで筋肉が詰まっていそう。

 

「最も、この計算は射手が今の共和国軍小銃手と同じ装備をしているという想定の元に弾き出された数字です。ですが実際の所、そうである必要はありません。まず、重自動小銃の配備により手榴弾の必要性が下がります。そもそもレギオンに対し効果的ではなかった事も考えれば不要と言ってもいいでしょう」

 

「うむ。それもそうだ」

「確かにレギオン相手には即席爆発装置(IED)の起爆装置代わりにしか使えなかったな」

「とはいえ、手榴弾なんて1個400gくらいだろう」

 

 よし、他の装備重量を削るという方向性には理解を得られた。これで-3発。

 

「銃剣も要りませんよね?」

 

「要らんな。レギオンには効かん」

「そもそも重自動小銃には着剣できないだろう」

「できないよな?」

 

 お?できるようにしておこうか?これで-2発。

 

「小銃手が持つ事になっている携行対戦車ミサイルの弾薬1発10kgも、対戦車ミサイル自体を新型グレネードランチャーで置き換えれば1発2kgになります。この携行弾数を3発としても6kgにしかなりません」

 

「ふむ、しかし対戦車ミサイルは必要だろう?」

「はい。いいえしかし、携行対戦車ミサイルは阻電攪乱型からの電磁波妨害により命中率がかなり悪化しています」

「対戦車ミサイルは旧式ではありますが車載の有線誘導式のがあれば十分でしょう」

 

 もっとも、新型グレネードランチャーの弾薬はタンデム弾頭とロケットモーターを備えた仕様(PG-7VR)になると1発4.5kgになるけど、それは黙っていよう。これで10発。

 

「次に防弾装備です。共和国軍の防弾装備は新型であれば至近距離からの小銃弾すら防ぎますが、その重量はベストとヘルメットを合わせて12kg。そしてレギオンの最小火力も斥候型の7.62mm機関銃なので数発は防げますが、レギオンの精確無比な射撃はそれ以上の命中弾を一瞬で齎すため無意味です。砲撃からの破片防御程度まで性能を落とせば6kgにまで軽量化できます」

 

「それは……、どうなんだ中佐?」

「心象としては、防弾装備の質は落としたくないのですが……」

「実情としては、レギオンに対して防弾装備は確かに破片防御にしか役立っていないのも事実です」

 

 効果の乏しい装備は削ってナンボ。そもそも最小火力が機関銃って何なんなのよレギオンって。これで24発。

 

「これで24発、6発ドラムマガジン4個を射手が携行できるようになります。いかがでしょうか?」

 

「なるほど、なるほど。確かに、ある程度は持てるのだな」

「レギオン1機に対して2~3発命中させれば撃破出来るとして、命中率10%なら所要弾数は20~30発。ギリギリ許容範囲か?」

「本当のギリギリだな。しかし、効かない自動小銃と弾を持つよりは遥かにマシだ」

 

 とりあえず、これで使ってはくれる。

 後は、どう使うのか。

 

「ともかく、歩兵の火力でレギオンに対抗出来るなら機動防御が出来るな。歩兵の防衛線でレギオンを拘束し、機械化歩兵の別動隊でその側背面を強襲する」

「ああ、教範通りの見飽きた戦術だが、それ故にレギオンにも有効だろう」

 

 それは理想、あるいは空想でしかないというのを、共和国の兵器製造に関わる私は知っている。そして作戦部のクリーブ少将も。

 

「あー、カールシュタール中佐、ミリーゼ中佐。すまないが、再編される君たちの第112歩兵連隊へ配備する車両なんだが、定数を大きく割り込む事になる」

 

「なんですって?少将閣下、そんなまさか」

「少将閣下、もしや予備すら払底しているのですか?」

 

「その通りだ。第112歩兵連隊に配備される歩兵戦闘車(IFV)は型落ちを含めて3両だけ。軽装甲機動車(LAV)は5両、装甲兵員輸送車(APC)に至っては1両しか回せない」

 

「それでは皆無も、最初から壊滅してるも同然ではないですか!」

「型落ちの、モスボール保管されていた車両すら無いのですか?」

 

「正確には、まだあるにはあるのだ。だが再編と予備役を動員するペースに対し、モスボールから再整備するペースが釣り合っていない。トラックなどの非装甲車両は民間からの徴発で数だけは賄えそうだが、不整地走行性能は劣るだろう」

 

 民間車両なんて、オフロードトラックやSUVでも配当されなければ現代戦の基本中の基本である機動戦なんて不可能だ。

 そもそも、国丸ごとを囲い込むように包囲されて殆ど太刀打ち出来ずに蹴散らされていくなんて、そんな馬鹿げた喪失ペースは全く想定されていなかったのだ。

 

「砲は、まさか砲まで無いなんて事は」

 

「81mm迫撃砲なら砲も弾あるが、他はもう払底した。120mm迫撃砲は生産ペースが喪失ペースに追い着く見込みがあるが、155mm自走榴弾砲や227mm多連装自走ロケット砲となると今年中の配備は無理だろう」

 

「なんて事だ。81mmだと直撃以外では自走地雷にしか効かないぞ」

「近接猟兵型に至っては迫撃砲弾を回避するというのに」

 

 そもそも迫撃砲の供給に余裕があるのはレギオンに効かないが故に需要が無いからだ。

 極めて安価かつ簡易な兵器ながら、歩兵や非装甲目標には激烈な破壊を齎し、直撃さえすれば軽装甲車両程度までなら撃破可能な兵器。それが迫撃砲。

 その欠点として、曲射しか出来ず、弾速も遅い為に飛翔時間が長く、近接猟兵型に至ってはその機動性で回避さえしてくる。

 しかも射程が短いから対砲兵射撃の的になり易いので現代戦では自走化が必須だが、駐退器を持たない為に車体に掛かる負荷が大きく自走化し辛いという扱い辛さもある。

 

 直射さえ出来れば使い道もあるのだけど……。ああ、あるじゃない。

 

「平射、自走、迫撃砲」

 

「ほ、ほう?」

「なに?」

「今なんと?」

 

 あ、やっべ。




作るもの。作らされるもの。
PCP001 82mm車載速射迫撃砲
ソ連の2B9 82mm自動迫撃砲のコピーを4x4軽装甲車猛士に搭載した自走迫撃砲。
https://youtu.be/npmUtNPuUVw

Q.
何で中国の兵器ばかり?

A.
あの国は何でもかんでも作るから、特異な環境に対応できる兵器を探すと大抵この国に辿り着く。
何でもかんでも作っても需要のある国土の多様性というか、そういう国土の多様性故の要求というか、標高4800mで大真面目な戦争しようとすんな。
自動擲弾発射器を1人でも運用したいとか、酸素が薄い高地でも高機動大火力自走砲が欲しいとか、理屈は分かるが他の国は諦めてるんですよ。


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【開戦1週間で】貴族令嬢転生を満喫してたら国が亡くなりそうな件【お通夜ムード】(続きの続き)

377:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

【口は】新兵器開発するお【禍の元】

 

378:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

やあイッチ2日ぶり

 

379:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

昨日来なかったからもう来ないのかと

 

380:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

何開発するの?

 

381:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>378

>>379

昨日も来てたでしょ

 

>>380

ソ連の平射自動迫撃砲2B9を高機動車に搭載した装輪自走砲

 

382:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

新兵器(前世で開発済)

 

383:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

新兵器の意味を調べ直してもらって良いですか?

 

384:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

またニッチ兵器を

 

385:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

あれ?イッチって昨日はこっちと同じ火曜日じゃなかったっけ?

 

386:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******9

 

ホントだ

日付の進みが違う?

 

387:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>382

>>383

前世で私が開発した訳じゃないんですが???

これから自分で開発しないといけないんですが???

 

>>384

レギオンとかいう物量無人装甲兵器とか普通の兵器で対抗できないって

 

>>385

>>386

時間の流れが違うのかな?

ちなみにこっちは午後4時32分

 

388:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

てことは異世界兵器開発配信ですね

午前9時9分なう

 

389:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

共和国の新兵器開発情報が異世界に漏洩する件について

0913

 

390:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******9

 

もしかして時間の流れがこっちだけ倍になってる?

9時16分

 

391:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>388

>>389

よし漏洩配信するか

stps://livetube.mag/*******

 

あと2B9を私があんまり覚えてなくて要目と画像が欲しいのでヘルプ

画像はココにアップロードして欲しい

配信が見えるならアップロードも出来るはず

stps://image.mag/upload

 

>>390

あるいはコッチが半分なのか

でも配信は普通に見れたんだよね?

1641

 

392:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

配信見れてる

0923

 

393:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

イッチの声も普通に聞こえるし配信は時差無いっぽい?

0923

 

394:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

そもそも異世界とインターネット回線が繋がっている謎

0924

 

395:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

2B9の要目

口径82mm

本体重量632kg

2F54砲架重量3930kg

 

牽引速度

路上60kg/h

路外20kg/h

 

仰府角-1~85deg

旋回角±30deg

初速272m/s

最大射程4270m

 

発射レート

機構170rpm

実用100~120rpm

持続

60発/1分

33~34発/3分

10発/30分

 

2B9の画像もいくつかうpしてみたが見える?

stps://image.mag/*******

stps://image.mag/*******

stps://image.mag/*******

stps://image.mag/*******

 

0929

 

396:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>395

見える

めっちゃ詳しくて助かるありがとう

それじゃ設計していくぞ

1649

 

397:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

wikiより細かくて怖い

0930

 

398:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

CADソフトはCATIAっぽいんだな

0931

 

399:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******9

 

そういえば何で2B9なんだ?

0932

 

400:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>397

わかる

 

>>398

共和国ってどうもフランスが元ネタみたいだし?

 

>>399

共和国軍が負け続きで装備を大量喪失&部隊の再編成と予備役動員で火砲不足

でも81mm迫撃砲はレギオンに効かないので砲も弾も余る

 

それでカールシュタール中佐達が「使い道の無い迫撃砲があっても」って悩んでた所に

私が迂闊にも「平射自走迫撃砲」なんていうコンセプトを口を滑らせてしまってな

1653

 

401:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

口は禍の元ってそういうこと

0936

 

402:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

原作でも迫撃砲は出てこなかったけど、なんでレギオンに効かないの

0936

 

403:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

イッチって擲弾課って部署なのに迫撃砲の開発もやるの?

0937

 

404:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>402

直撃しないと効かないのに射撃精度が乏しいし

着弾までの飛翔時間が長いから近接猟兵型には回避までされる

 

>>403

元々迫撃砲を担当してた火砲部第二火砲課に白系種が居なくて廃止と他部署への吸収が決まってたんだけど

存続する一課は155mm榴弾砲、三課はMLRSの改良と増産への対応で忙しくて2B9もとい新型迫撃砲を開発する余裕がない

それで発案者である私の擲弾課に押し付けられた

 

時間は配信中は同じ速さっぽいね

1658

 

405:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

言い出しっぺの法則って事か

0940

 

406:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

白系種が居ないから廃止とかいう地獄

0940

 

407:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******9

 

これでもまだ有色種の市民権剥奪が行われていないという事実よ

0941

 

408:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

そういえばイッチに部下っているの?

部下が有色種だったら危なくない?

0943

 

409:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>408

極東黒種の技術准尉が1人だけいる

失うには惜しいから新兵器の運用補佐の名目でRMI本部から放してカールシュタール中佐の部隊に預ける事にした

1703

 

410:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

カールシュタール准将の部隊なら生還フラグか?

0945

 

411:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

いやでも新兵器の運用補佐ってつまり最前線でしょ?

0946

 

412:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

そもそも歩兵でレギオンに立ち向かうのが死亡フラグ

でも流石に諸兵科連合だよな?近未来だしただの歩兵部隊ではないでしょ?

0947

 

413:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

中佐(准将)は頭こんがらがるなあ

 

>>411

最前線になると思う

 

>>412

カールシュタール中佐の部隊は東部方面軍第3歩兵師団第112歩兵連隊で連隊長

あと、あのヴァーツラフ・ミリーゼ中佐がここの副連隊長になる

 

共和国軍の歩兵連隊の編成は装甲戦闘車両(AFV)が多数配備された機械化歩兵だけど

再編された第112歩兵連隊に配備される装甲戦闘車両はIFVが3両、LAVが5両、APCが1両しか配備されない

非装甲車両を含めれば数だけは充足させられるけど殆どが民間から徴発した車両で不整地性能は期待出来ず

重火器も定数通り配備される砲は件の81mm迫撃砲だけ

対戦車ミサイルは定数の3割行くかどうかって所

更に付け加えると火力支援を行う第3歩兵師団隷下の155mm自走砲とMLRSは2両ずつしか残ってない

1708

 

414:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

\(^o^)/

0950

 

415:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

最初から壊滅してて草

0950

 

416:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

そもそも歩兵でどうにかするしか無いのかよ

0951

 

417:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

原作だと来週にも壊滅する軍だしなあ

0951

 

418:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

2chやってないで早く2B9開発しろ

0952

 

419:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>417

それが作戦部に私の新兵器を見せたらその原作ルートから変わったっぽい

兵力をすり潰してでも防衛線の後退を抑制する徹底抗戦方針から、焦土作戦で遅滞させて兵力を温存する方針になった

 

それで稼いだ時間を使って温存した部隊に重自動小銃と新型グレネードランチャー、それと今開発してる平射自走迫撃砲の配備を行う

カールシュタール中佐の第112歩兵連隊はその時間稼ぎの為の火消し部隊

 

>>418

今開発してるの配信してるでしょおおおおおお

1713

 

420:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

そんな重要な部隊なのに装甲車両の充足率が壊滅レベルって

0955

 

421:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

でも共和国軍が温存されるなら有色種の市民権剥奪は回避されるんじゃない?

0956

 

422:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

でも共和国だぞ?

0957

 

423:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

焦土作戦とはいえ国土を失う事に対する批判を逸らす為に有色種への排斥をやってもおかしくないな

0958

 

424:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******7

 

戦費を有色種から没収した資産から充当してた国だしなあ

0958

 

425:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

よしシミュレーションモデル設計出来た

1720

 

426:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

早くない?

30分くらいしか経ってないよね?

1002

 

427:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

このパイプみたいなのがゴチャゴチャしただけの3Dモデルが?

1003

 

428:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

2B9と全然違うじゃん

1003

 

429:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

このモデルを夜中の内にRMIのスパコンでシミュレーションさせるのよ

そうすれば明日の朝には最適化されたモデルが出来上がるってわけ

 

仕組みとしては数理最適化とかオペレーションズリサーチとか言うらしいけど

今回みたいに>>395のおかげもあって要求する性能や仕様が殆ど決まり切ってるからかなり精度良く出来るはず

 

それに大昔に共和国でも2B9みたいな自動砲じゃなくて手動装填砲だけど後装式平射迫撃砲を作ってて技術的蓄積もゼロじゃないし

1723

 

430:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

こんなんチートやんけ

1005

 

431:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

自分で開発とはいったい何だったのか

1005

 

432:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

俺でもできそう

1006

 

433:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

これでどうしてジャガーノートはあんな駄作機になったのか

1006

 

434:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>430

>>431

そういう時代なの!!!

それに一番時間掛かるのは最初の試作1号が出来てから

今ここで楽が出来ても現物の挙動はどうしてもシミュレーションとは多少違ってくる

 

>>433

そのジャガーノートを知らないから分からないけど、この設計方法で上手くいかない原因は2つ想定できる

・何かしらの基幹となる技術が不足していた

・何を作りたいのかちゃんと決められなかった

 

というか私としてもジャガーノート気になるから要目とかイラストとか見せて

1726

 

435:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

1個目は作中に幾つか記述あるけど2個目はちょっと

1008

 

436:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

その段階で躓くのはどうなんだ

1009

 

437:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

ジャガーノートの要目

型式名M1A4ジャガーノート

全長10.7m

全高2.1m(武装含まず)

主兵装57mm滑腔砲x1

副兵装12.7mm重機関銃x2or格闘用高周波ブレード

他装備ワイヤーアンカーx2

 

機体イラスト

stps://image.mag/*******

 

あとついでに原作主要メンバーのイラストも

stps://image.mag/*******

stps://image.mag/*******

 

作中評価

重機関銃弾に抜かれるアルミ合金装甲

履帯式戦車よりはマシ程度の機動性

戦車型には余りにも火力不足な主砲

華奢な4本脚は歩行制御プログラム開発の時間か技術が不足して接地圧過多

1011

 

438:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

あーでも大した機動性も無いのに格闘用高周波ブレードのオプションがあるのは

まさに何を作りたいのかちゃんと決められなかったなのかな

1012

 

439:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ねえこれ主力機なんだよね?

なんで主力機の装甲が旧式APCレベルなの??

どうして主力機の主砲が戦車型と同じ120mmではなく105mmや90mmですらなく57mmなの???

1732

 

440:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

たぶん脚が足を引っ張ったんだろなあ

1015

 

441:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

(´・ω・)【審議中】(・ω・`)

1016

 

442:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

(´・ω・`)【銃殺刑】(´・ω・`)

1018

 

443:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

なんで!?

1019

 

444:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

これは妥当判決

1019

 

445:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

銃殺刑で草

 

つまりマトモな歩行システムの開発に失敗して機動性も許容荷重も損なわれ

許容荷重が無いから装甲も火力も無いと?

1738

 

446:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

たぶんそうかと

1021

 

447:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

なるほどなあ

1022

 

448:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

なんて夢も希望も無い主人公機なんだ

1742

 

449:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

そういえばイッチは安価しないの?

転生掲示板モノと言えば安価でしょ

1024

 

450:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

確かに今まで安価無かったな

1025

 

451:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

国の存亡が関わってる時に安価とは一体

1745

 

452:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******7

 

とはいえ何かしらネタはあるでしょ

1027

 

453:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

イッチらしく兵器関連ネタだと面白い

1028

 

454:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

兵器関連て言われてもなあ

じゃあさっき話した中佐の部隊に預ける極東黒種の部下に買ってやる拳銃で良い?

1748

 

455:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

イッチの新兵器の名前

1029

 

456:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

おkおk

1030

 

457:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

それもいいね

1031

 

458:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

新兵器の名前は私が決められる訳じゃないんだよね

開発者として案は出せるけど、決めるのは共和国軍

 

それでも良いなら

 

部下に買ってやる拳銃

安価>>470

 

部下の詳細

 

氏名 タック・コバ

人種 極東黒種

年齢 21歳

性別 男

職業 共和国工廠開発局 銃器開発部擲弾課

   共和国軍技術准尉

 

注意事項

共和国軍の規定によりRMI職員を含む軍属が持てる拳銃は.380ACP以下の威力でセミオート、リボルバー、手動式のいずれかとなっている

入手できる銃に関してはどういう訳か前世にあったヨーロッパ圏のが一通りあるが、それ以外のアメリカ、アジア辺りのは無い

 

備考

共和国軍正規将校はSIG P226が支給されるが、軍属は自前で用意しないといけない

RMIの技術准尉の給料で拳銃を買うのはかなり難しく、急遽私が決めた最前線行きというのもあって護身用拳銃は私が買ってやる事にしていた

私個人のはSIG P232

 

参考までに配信画面で銃砲店のカタログ映しておく

1752

 

459:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******9

 

案が出せるならやろう安価

1034

 

460:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

安価は絶対とはいえ、イッチにその権限が無いんじゃその時はしゃーない

1034

 

461:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

イッチ良い銃持ってんな

1035

 

462:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

どういう訳か前世にあったヨーロッパ圏のが一通りある、の草

1035

 

463:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

まあ架空戦記ラノベ設定ってそんなもん

アメリカアジアのが無いのは謎だが

1036

 

464:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>461

実際量産品の中では最高級クラスなのでほぼ白銀種しか持ってない

 

じゃあ新兵器のペットネームの案も安価する

 

パンツァーファウスト、RPGモドキ

現在の仮称は新型グレネードランチャー

安価>>490

 

QLZ-87モドキ

現在の仮称は重自動小銃

安価>>500

1756

 

465:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******9

 

.380ACP以下となると定番な拳銃ほぼ全部アウトだな

1037

 

466:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

安価も終わらぬ内に次の安価とは早すぎる

1037

 

467:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

ワルサーPP

 

468:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******11

 

グロック25

 

469:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

エンフィールドNo.2

 

470:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

ベレッタ86

 

471:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

ウェルロッドMk.I

 

472:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

マニューリンMR32

 

473:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******7

 

SIG P365

 

474:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******9

 

アストラ680

 

475:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******7

 

うわあ

1039

 

476:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

それがあったか

1039

 

477:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

エイティシックスの世界で白銀種の上司から贈られたベレッタ86を持つ極東黒種

これは主人公

1040

 

478:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ウェルロッドMk.Iとか私の部下に何をやらせるつもりなのかと

にしてもベレッタ86か、ウェルロッドよりはマシとはいえ在庫探しに銃砲店巡り確定かなあ

 

ちなみにエイティシックスってもしかして原作の名前でもある?

1800

 

479:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

そう、作品名が-86-エイティシックス

作者は安里アサトでこのエイティシックスで第23回電撃小説大賞で大賞受賞

1042

 

480:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

銃って通販じゃ買えないの?

1043

 

481:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>480

通販でも買えるけど、たぶんコバ准尉が戦地行きになるまでに届かない

民間車両の徴発で宅配会社のトラックも取られてるから配達日数が分からないのよ

 

電撃大賞かあ

2巻が出て設定の掘り下げあったら教えてね

1803

 

482:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

そっか戦時中だもんなあ

1045

 

483:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

了解

1045

 

484:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

1巻のラストも続きありそうな書き方だったから、順調なら半年後くらいには2巻出ると思われる

1046

 

485:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

そっちの時間の進み方でどうなるか分からないけどな

1046

 

486:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

アスホール・ペネトレーター2

 

487:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

アスホール・ペネトレーター2

 

488:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

アスホール・ペネトレーター2

 

489:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

アスホール・ペネトレーター2

 

490:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

アスホール・ペネトレーター2

 

491:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

アスホール・ペネトレーター2

 

492:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******9

 

アスホール・ペネトレーター2

 

493:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

知ってた

1048

 

494:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

満場一致www

1048

 

495:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

知ってた

1048

 

496:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

知ってた

何ならコバ准尉がもうそう呼んでる

1807

 

497:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

小さな砲兵

 

498:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

アスホール・ペネトレーター3

 

499:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******9

 

クラトス

 

500:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

フェルギネア

 

501:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

アスホール・ペネトレーター3

 

502:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

アベンジャー

 

503:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

アスホール・ペネトレーター3

 

504:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

なんだこれ

1052

 

505:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

えーっと

これ由来は何?

調べてみたら植物が幾つか引っ掛かったけど

1812

 

506:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

ガリオネラ・フェルギネアっていう鉄を酸化させる鉄バクテリアの一つ

歩兵という戦場で一番小さな個体が屑鉄を錆にするイメージで思い付いたのがこれだった

ラテン語表記だとGallionella ferruginea

1054

 

507:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

いいじゃん

1055

 

508:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ちなみに屑鉄ってのは?

カールシュタール中佐もレギオンの事を屑鉄って言ってたけど

1815

 

509:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

原作でジャガーノートの整備士がエイティシックス側の主人公であるシンとの会話で使ってたレギオンに対する蔑称

シンにも通じてたっぽいからエイティシックスで一般化してる蔑称だと思ってたけど、もう准将が使ってるのか

1057

 

510:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

フェルギネア良いね

1058

 

511:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

なるほど

何が由来なのか冷や冷やしたけど予想以上に良い名前だった

1818

 

512:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******6

 

アスホール・ペネトレーターとの格差よ

1100

 

513:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******3

 

アスホールには大腸菌がいるだろ

1102

 

514:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******5

 

そうじゃない

1103

 

515:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

やめろばか

1103

 

516:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

じゃあこれから帰宅するので落ちる

明日は午前休でベレッタ86探しに銃砲店ハシゴだな

1823

 

517:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******4

 

在庫あれば良いな

 

おい待て今何時何分だ?

1250

 

518:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******2

 

無かったらどうするんだろ

 

なにこれ

さっきまで数秒前まで11時過ぎだったよな?

1251

 

519:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:*******7

 

何が起きた

ねえ怖いんだけど

1252

 

520:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/02/19(木) 00:00:00.00 ID:******10

 

1時間40分とちょっと、俺らの時間が飛んだぞ

1255




・今話で手こずった事
QLZ-87のペットネーム検討
本作のメイン兵器なのに今話を書いてる途中で銀河鉄道999の鉄食虫を思い出してようやく決定。

・大昔に共和国でも作ってた後装式平射迫撃砲
Brandt Mle CM60A1
Panhard AML-60の搭載砲、なおフランスの軽迫撃砲の口径が60mmから51mmに移行してるので、たぶん共和国でも博物館に残っているであろうこの車両の砲に使い道は無い。

・今話で開発させてる2B9の81mm仕様の車載型、私のオリジナルと思ってたのですが、どうもイランが作ってたみたいです。
中国のPCP-001かイランのか、どっちに寄せようか迷ってしまいました。
https://youtu.be/FL3ApbogL_E


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虹色連隊

 星歴2139年9月23日

 サンマグノリア共和国

 首都リベルテ・エト・エガリテ

 第3区

 アルバス銃砲店

 

 ―――なんて事。

 

 ベレッタ86を求めて4件目のガンショップに入った所で、目当ての護身用拳銃が陳列されているであろうガラスショーケースの前で筋肉ダルマが身を屈めて呻っているのを見つけてしまった。

 

 見つけてしまったのだ。

 共和国軍作戦部のアンリ・クリーブ少将、昨日の講習会にアポ無し参加してきた偉丈夫を見つけてしまったのだ。

 

 私の所属が共和国軍ではなく共和国工廠とはいえ軍属として技術中尉である以上、天上人である少将閣下と居合わせて話し掛けずスルーというのは、例えその時に当人同士が気付いていなかったとしても何時か私の評価に響く。

 

 ああ、憂鬱だ。

 

 最初に行った馴染みの銃砲店で売れ残っている適当な拳銃で済ます予定だったのに。

 どうして安価なんてしてしまったのだろう。

 

「おはようございます少将閣下、奇遇ですね」

 

 あなたも勤務時間だろうに何をしているのかと若干の棘を含ませておく。

 

「んん?……ああ、リュシェール君か。昨日はお邪魔してすまなかったね。それで、ちょっと悩んでいてね」

 

 そう言う巨漢の視線の先に並ぶ拳銃はどれも護身用の、かなり小型なコンパクトキャリーから中型サイズが並んでいて―――。これでは少将閣下の30mm機関砲弾のような人差し指(トリガーフィンガー)がトリガーガードに収まるはずもなく。

 

 となると。

 

「贈り物ですか?部下か、あるいは奥方へ?」

 

「うむ、あー、そう。部下へだ。ジブリールへの」

 

 妙に歯切れの悪い返答が気になったが、ジブリール・アルラン少尉へのか。

 そういえば昨日もファーストネーム呼びだったなと気になって、そして気付く。アルラン少尉は共和国軍の少尉だから我々軍属と違ってP226が支給されるはずでは?

 

 共和国において軍属が持つ拳銃の威力に制約があるのは、誤射などの事故でその弾丸が味方に命中しても致命傷となるリスクを低減するためで、昨日の独特でいて慣れた射撃姿勢の癖がある程度には射撃を習熟しているアルラン少尉にその心配は考えられず、そもそも共和国軍将校で軍属規制(.380ACP以下)の拳銃を持つというのは相応に舐められる。私は射撃が下手ですと公言しているに等しいからだ。

 

 それなのに、少将閣下の視線の先に並ぶのは.380ACPの、あるいは更に低い威力の.32ACPなどを使用する小型拳銃や中型拳銃の数々。

 

 余程、P226では何かの不都合がある?

 

 あれこれと考えが浮かんで言葉に纏められなかった私が少将を見上げるに終始していると、少将の方から説明してくれた。

 

「手が小さいんだ。ジブリールは」

 

「ああ、なるほど。P226は私も手に余りがちであんまり合わないですからね」

 

 ふと気になって視線を下げ、自分の手を見る。

 

 白銀種の白く澄んだような肌色の、()()()()()()()()()()()

 

「……()()?」

 

 私がなんでそんな事を言ったのか私自身で理解が出来ず、それでいて直感は間違っていないと告げている。

 

 そんな違和感を抱えたまま視線を少将へと戻せば頭を抱えている始末。

 

 あー、これが正解なのか。

 

「とりあえず、何も聴かなかった。という事で良いでしょうか?」

 

「そうだな。それが……、あーいや。それとは別として、選ぶのを手伝ってくれないか?」

 

「わかりました。ええ、もちろん」

 

 私は逃げたいのだが?

 

「ですがその前に、私の用事を先に済ませても?」

 

 何しろ少将のはかなり時間が掛かりそうだし。

 

「ああ、構わないよ」

 

「ありがとうございます。―――すみません店員さん、こちらのベレッタ86をお願いします」

 

「はい只今、少々お待ちください」

 

 唯でさえ希少なモデル、それに加えてレギオンに完全包囲された共和国において外国製のベレッタ86だ。ようやくその目の前まで辿り着いたというのに、少将と話し込んでいる間に売れてしまうなんてマヌケにも程がある。

 

「ベレッタ86とはまた、珍しいな。隣の85でも無く?」

 

「ええ、コバ准尉に渡す為だったのですが、知人からコレが良いと勧められて。あの、カールシュタール中佐の部隊に預ける私の部下です」

 

「それは、なんというか……、少し縁起が悪いな」

 

 おや?掲示板でそんな話題は出なかったが?

 

「その拳銃、86はティップアップバレル(Tip-up barrel)という機構を持つのが、ベースモデルである85と比較しての特徴なんだがな、これのお陰でスライドを引かなくても、つまりやろうと思えば片腕が無くても初弾を装填できるのだ」

 

「あー、なるほど。確かに、戦地に向かう部下に渡す銃としては……。まあ、でも勧めた知人も何か思って勧めたのでしょう。今回の戦争、腕を失ってでも生き残れば幸運でしょうし」

 

 何しろ10年後には国が滅びるらしいのだ。

 それで生き残れるなら腕の1本など対価としては破格だろう。

 

「中尉。君はなんというか、達観しているな」

 

「ええ、まあ、少将に向かって言う事ではないでしょうが、そういう事です」

 

 原作では滅びるのが確定している国なのだ。今更になってから私がどうこうした所で大勢に然したる影響を及ぼせるはずも無し。

 

「なるほど、これがリュッテの置き土産という人物か」

 

 何故かそれで納得した少将。何故にして故リュッテ統括局副局長の名前が出て来たのかは分からないけど。

 

「何かあったら君の所(擲弾課)に頼ると良いよと言われててね。RMIで最も多く試作品を積み上げてるのが君だから、何かしら役に立つシロモノがあるだろうと」

 

 あの白豚、試作のレポートは見ていたのか。

 

「つまり、昨日の梱包爆薬の話は口実だったと?ですがそれは、そもそも開戦前のRMIはオフィスの席を温める仕事すらして(に座ってすら)いない職員も多かったですし」

 

「いや、梱包爆薬は作戦部(ウチ)で大真面目に推している派閥がいてな。私がここでサボっているのもそれが原因で、……これはカールシュタール中佐達の112eRI(第112歩兵連隊)にも関する話でな」

 

 嫌な予感がした。

 

『ジャガーノートってのは共和国工廠が開発した―――エイティシックスを載せている無人機』

 

 それならば、ジャガーノートが完成する前は、どうやって?

 

「やはり、君は察しが良いな。奴ら曰く、アークエンシエル連隊(Régiment Arc-en-ciel)だそうだ。色の違う、有色種の将兵を集めた時間稼ぎの捨て駒だと」

 

「112eRIが、捨て駒?」

 

「それが私の、そして作戦部の総意という訳ではないぞ。だが、()がな……」

 

 捨て駒かあ。

 

 まあ、カールシュタール中佐は10年後まで生き残ってるから大丈夫か?

 しかし上?共和国軍作戦部の上となると、下手に触れない方が良いのかも―――と、上の方を見上げて、壁に吊るされている1丁の銃が視界に入った。

 

 そうかこの店、警察にも卸しているのか。

 

「そうだ、アレなんてどうです?B&TのGL06。ちょうど共和国向けの37mm仕様なので重自動小銃の弾も撃てますよ」

 

「……君はジブリールに何をさせようと?そもそもアレは拳銃では無く信号銃やガス銃というものだろう」

 

「それはもう、レギオン討伐を。それに軍の規定では護身用火器の携行を求めているのみで、拳銃である事を要求されているのは我々軍属だけですよ」

 

「なんだと。いやしかし、護身用としてマトモな拳銃をだな」

 

 良いアイデアだと思ったのに。

 となると、目の前のガラスショーケースに並んでいる拳銃を見渡して、ちょうど安価から外れた1つが目に留まる。

 

 まあベレッタ86より縁起も良さそうだし、良いのではないだろうかと、指し示す。

 

「では、これなんてどうでしょう?SIG P365、貴女の事を365日いつも想っていますと彼女に託してはいかがでしょうか?」

 

「それは……、それは、良いな。ジブリールを、365日いつも―――」

 

 おい惚気るな妻帯者。

 

「オホン。ちなみに規定では護身用火器の数についても規定はありませんよ?」

 

「……正気か?」

 

「もちろん。なんならGL06は私からという事で、私が支払いしますよ。ちょっと改造したい所もありますし」

 

 流石に銃身の強度が少しばかり不足しているし、照準器も弾道に合わせておきたい。

 なんなら擲弾課の予算で1ダース纏めて買って改修しても良いな。

 

 しかし、()の意向が入った捨て駒のアークエンシエル(虹色)連隊かあ。

 自走平射迫撃砲もある程度仕上がった所で早めに試作量産型として中佐達に送った方が良さそうね。




さて、エイティシックスを戦わせる理由として原作には、5年間の兵役期間満了か戦死かで市民権を与えるとありましたが、開戦から有色種排斥前までの2週間の間に戦死した有色種の遺族はどうなるんでしょうね?

共和国「すり潰せ」


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大統領令第6609号

誤字報告ありがとうございます。助かりました。

あと、昨日4/4とか偶に次話投稿した訳でも無くアクセス数が跳ね上がる時があるんですけど、一体何が起きてるんです?

なろうではこんな事が無かったので少し戸惑ってる作者です。


 星歴2139年9月28日

 サンマグノリア共和国

 マルート県シャリテ

 シャリテ=ロバンソン空軍基地

 

 共和国における対帝国国境防衛の要であるシャリテ=ロバンソン空軍基地は、しかし本来の家主であった共和国空軍の第7航空団と第91航空団が保有する戦闘爆撃機が開戦からの1週間で壊滅して以来、防衛線で戦う第3歩兵師団で損傷して後送されてきた車両が格納庫を占有している。

 

 機体とパイロットを失い、本来の仕事を失った彼ら空軍の整備士達は第3歩兵師団の戦車や装甲車の修理や重整備などの後方支援を新たな仕事としているのだ。

 

 そんな折、この基地で新たな部隊が編成式を執り行う運びとなった。

 

 第112歩兵連隊。

 

 壊滅に等しい水準にまで損耗した第3歩兵師団の隷下部隊への補充人員とは別に、師団を増強させる追加の歩兵連隊。

 

 曰く、西部戦線でレギオンの撃退と組織的後退を成功させた指揮官。

 

 曰く、共和国工廠きっての才媛が開発した試作兵器の数々が配備された実験部隊。

 

 曰く、共和国政府でふんぞり返る政治屋共の思い付きによるスケープゴート。

 

「おいおい、あんなに()()()()部隊は久々に見たぞ。白は……3割、いや多くて3割か?」

 

「有色種の奴らをよく見てみろよ。半分は女子供だぞ」

 

「装甲車両もIFVは新型が1両と旧型が2両だけ。APCは1両しかなくて、あの6両あるのは……LAVを改造した自走砲か?」

 

「そんで残り全部は徴発した民間車両。あんな有象無象の整備は嫌だぞ」

 

「第3歩兵師団の他の部隊には少ないながらもマトモな車両が補充されたんだろ?」

 

「挙句、今日しばらくの寝座は基地宿舎じゃなくて空いてる格納庫らしいじゃないか」

 

「ああまで分かり易い捨て駒も中々無いよな」

 

「お、連隊長訓示が始まるようだぞ」

 

 

 

 壇上から見渡せば、困惑、戸惑い、不安、あらゆる負の感情が第112歩兵連隊の将兵の顔に浮かんでいるのが見えた。

 

「傾注!」

 

 しかしヴァーツラフの掛け声と共に、一応の静粛が訪れた。

 7割の正規軍人である訓練された彼らが口を閉じれば、残りの3割も同調して口を閉ざしてくれる。

 

 とはいえ、困惑しているのはこの場にいる全員の総意でもある。―――が、だからといって責務が変わる訳でも無し。

 

「7割の共和国軍将兵諸君!動じる事は無い。何故なら、やる事は変わらないからだ。敵を見て、撃つ。ただそれだけだ。唯一今までと違うのは、我々の手に屑鉄を穿つ術があるという事だ!」

 

 右手でそれを掲げれば、見慣れぬ新兵器に兵達が期待にどよめく。

 

 XM6重自動小銃〈フェルギネア〉。

 

 鉄を蝕むバクテリアの名を冠する、37mm弾を吐き出す自動小銃。

 1週間に満たない僅かな期間で連隊の歩兵1200名分を揃えてくれたリュシェール中尉には感謝しか無い。

 

「そして残り3割の()()()()()()()の諸君!」

 

 共和国軍補助員。

 共和国が戦前の内から国家総力戦に備えて制定していた制度の1つで、共和国工廠職員や従軍司祭などのような軍属待遇ではなく、正規の共和国軍人として、戦闘以外を職務とする支援要員である。

 基本的には志願制ではあるが、軍人の家族にはその全員が()()する事を推奨されており、戦前の実態としては軍人の家族に軍の業務に関して理解してもらう場を設け、家庭内での不和を抑えるための制度として機能していた。あるいは戦時には良心的兵役拒否者の受け皿として機能するはずだった。

 

 そう、戦前までは確かに―――。

 

「諸君らの為すべき事も変わらない!事務作業から物品管理、衛生救護、洗濯、調理―――もはや言い切れない程に数多の、戦闘以外の全てだ!」

 

 そしていつまで、そうであれるのか?

 最年少で14歳の少女から、最高齢で63歳の老夫婦まで。彼らを戦闘に従事させずに済むのだろうか?

 

「我々は明日から数日ほどの訓練を行った後、ここシャリテより北東へ25kmにあるバールを拠点とし、さらに北東へ最短で30kmにあるD964道路及びマッズ川を防衛線として展開している第3歩兵師団への支援を行う」

 

 幸いにして、この防衛線より向こうは第3歩兵師団が膨大な犠牲を代償としてマッズ川とその支流に掛かる橋の数々を爆破し、ダムを破壊して地域一帯を水浸しとした事で、戦車型の機動を制限させる事に成功。防衛戦で有利を得ているらしい。

 

 向こう半世紀レベルで耕作と放牧が不可能となった事により現地住民からは非難轟々だったようだが。

 

「いいか諸君!我々は期待されているのだ!与えられた数々の新兵器を我々が十全に活用し、勝利が我々の手の届く所にあると証明する事を!共和国に栄光あれ!」

 

「「「共和国に栄光あれ!!!」」」

 

 

 

 星歴2139年9月30日

 サンマグノリア共和国

 マルート県シャリテ

 シャリテ=ロバンソン空軍基地

 

「失礼します。コバ技術准尉であります」

 

「ああ、コバ准尉か。お疲れさん。どうだい新兵器は?」

 

 2日間の訓練で得られたXM6重自動小銃〈フェルギネア〉とXM1グレネードランチャー〈アスホール・ペネトレーター2〉、そして急造の自走平射迫撃砲のデータを取り纏めるため、野戦指揮通信車両へと改造された元・シャリテ運輸の大型トラックの管制室、その隅の方を間借りしようと入室すると、本来の住人である中佐達とアルラン少尉がいた。

 

「とりあえず大きなトラブルは無く、慣らしを出来ています。新編の部隊の割に新兵が少なく兵役経験者が多くて助かってますよ」

 

「それは良かった」

 

 その返事とは裏腹に、中佐達の顔色は渋いようだが。

 

「しかし、この連隊の有色種の多さ。いつ不和に発展するか気が気でないぞ」

 

「今でこそ補助員という別の異物もあって落ち着いているが、これでどうなる事やら」

 

 ああ、連隊の人種事情か。

 訓練を見て回った限り、人種比率の割に不思議と問題は無さそうだったが。

 

 カールシュタール中佐とミリーゼ中佐が頭を悩ませていると、何を思ったのか補助員として無線機を操作する為に同乗していた金髪碧眼の、連隊で最年少である青玉種の少女が反応した。

 

「なあオッサン達、その心配はたぶん大丈夫だと思うよ」

 

 通信席の椅子の背もたれをギイと鳴らしながら背を倒し、仰向けに顔だけ此方に向け、両腕に至ってはだらしなく重力任せにぶら下げたままの余りにも礼を失した態度で。

 

白系種(アルバ)の兵隊さんみんな。ん~といや、みんなというか6割くらい、お嫁さんが有色種(コロラータ)だって。残りの白系種も何かしらで有色種と縁がある人達ばっかりだったよ」

 

 連隊編成から僅か3日目で、この少女が既にそこまで言える交友関係を築いている事にも驚きだが、話の内容はもっと不自然で、ありえなかった。

 

 有色種の人口比率が2割でしかない共和国で、白系種兵士の6割が有色種と婚姻している?

 

 ありえる筈が無い。

 

「それにオッサン達も、そこの極東黒種(オリエンタ)のお兄さんと同じ車に乗ってて、顔を顰める所か挨拶までしてたし。たぶんこの部隊、上から下までみんな()()だよ」

 

 嫌な予感がして、不意に腰のホルスターに腕を当ててその感触を確認してしまう。

 

 リュシェール中尉から受け取った、余りにも縁起の悪いベレッタ86。

 

 ()()?一体何が?

 

「それに私たち補助員も、私はお父さんが先週戦死してて、だからお母さんと弟を家に残してこの部隊に参加してる。他の補助員も同じ、誰かしら家族をこの戦争で失ってる。だから、仇を討ってくれるオッサンたち兵隊さんには全力で協力するよ」

 

 先週に家族が戦死したばかりの補助員を戦地に動員?

 

 何かがおかしい。

 

 ふとアルラン少尉へと、作戦部のクリーブ少将お気に入りの青年士官へと視線を向ける。何か知っているのかと。

 

 だが、いつも無表情なようで内心の分かり易い少尉の顔からは何も読み取れず。

 

 つまり、動揺してないって事は知っているって事だ。

 

 知らないのは、アルラン少尉以外の僕や中佐達を含めた全員。

 

 そんな時だった。

 

 中佐達の持つ情報端末が何かを受信した通知を鳴らす。

 

「なんだ?共和国軍作戦部に加えて内務省治安総局からの連名で通達?」

 

「……大統領令第6609号?……戦時特別治安維持法?待て、何だコレは?」

 

 中佐達が、僕を見る。補助員の青玉種の少女を見る。

 

 いや、見ているは僕と彼女の瞳、髪、そして肌の色……。

 

『有色種である事を理由に共和国工廠を放逐されてから一兵卒として徴兵され最前線』

 

 ふと、僕は先週にリュシェール中尉から言われた言葉を思い出した。

 

「中佐、まさか?」

 

「え、何?何があったの?」

 

 だけど、彼女は何も知らなくて。

 

「落ち着いて、落ち着いて、聞いてほしい」

 

 きっとこの時、この車内で最も落ち着いていなかったのは、そう言ったミリーゼ中佐と―――。

 

「これが落ち着いていられるか!!!」

 

 カールシュタール中佐だったのだろう。

 

有色種(コロラータ)を敵性市民と認定して市民権を剥奪だぞ!ギアーデ帝国の内通者だという名目で!例外無く!全ての有色種を!」

 

 ああ、なるほど。

 

 有色種を配偶者としていたり、懇意にしていて、こういった事態に際して有色種の味方(共和国政府の敵)になり得る白系種将兵の隔離も目的だった訳だ。この連隊は。

 

 そして補助員は?

 

『それに私たち補助員も、私はお父さんが先週戦死してて』

 

 なるほど、共和国軍外人部隊の規定の援用か。

 

 規定の兵役期間を満了する事で本人の、あるいは戦死した場合には遺族の市民権を回復させるという名目で有色種を徴兵し、実際そんなつもりは全くなくて、だから都合の悪い既に生じてしまった遺族を、前もって共和国軍補助員という制度に志願という形で兵役に就かせる。

 

「なるほど。なるほど、確かにこの連隊、上から下までみんな()()ですね」

 

 いや、あるいは。

 

「どういう事だ、コバ准尉。これでどうして、そんな冷静にしていられるんだ?」

 

「カールシュタール中佐、落ち着いて下さい。私たちは、この連隊は捨て駒であり、中佐達白系種にとっての踏み絵なんですよ」

 

「なんだと?詳しく説明してくれ」

 

「この連隊は、私達有色種と中佐達有色種に親しい白系種を処分する為の捨て駒であり、中佐達にとっては私達有色種を踏み躙る事でもって出世コースに戻る事が出来る踏み絵なんですよ」

 

「……何という事だ」

 

 これまで少なからず人種差別に直面し、人種を差別する事に興味の無いリュシェール中尉から事前に警告され、その対策としてこの連隊にいる僕と違い、あるいは作戦部という共和国軍の頭脳に関わっていたアルラン少尉と違い、どの程度までかは分からないにせよ共和国の理想を信じていたらしい中佐達には酷だろう。

 

「あのー、すみません。ソレって私が聞いてても大丈夫な話でした?」

 

 そういえば、居たなと共和国軍補助員の少女の存在を思い出す。

 

「あー、いや、問題ない。そもそも通信に関わる任務の都合、君はこれからも軍の機密と密接に関わる事となる。他へ漏らさなければ何の問題も無いよ」

 

「あぁ、良かったー」

 

 市民権を失った事よりも、今処罰されない事に心底安心したような少女の反応が少々おかしくて、車内の雰囲気が多少は柔らかくなる。

 

「それよりも、自己紹介がまだだったね。私はこの112eRIの連隊長であるジェローム・カールシュタール中佐だ。こっちは副連隊長のヴァーツラフ・ミリーゼ中佐。何かあれば私達2人に相談すれば大抵どうにかなる。それでこっちがジブリール・アルラン少尉とタック・コバ准尉だ」

 

「はい!クトニア・イルマ二等兵です!よろしくお願いします!」

 

 にしても、全ての有色種の市民権剥奪までして、共和国は何をするつもりなのだろうか?




共和国「欲しいのは、捨て駒と戦費」


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【開戦1週間で】貴族令嬢転生を満喫してたら国が亡くなりそうな件【お通夜ムード】(続き×3)

掲示板形式に慣れてないのもあって凄く時間掛かりました(建前)。

あとウマ娘を始めました。


522:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/30(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

お久しぶり

 

大統領令第6609号と戦時特別治安維持法ってのが制定されたよ

10月1日からの施行で有色種の市民権が剥奪されて強制収容と資産没収が始まる

 

523:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******3

 

おひさ

遂に始まるのか

 

524:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******7

 

2週間ぶりだな

原作ルート入りではあるがあんまり喜べないな

 

525:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******6

 

しばらく掲示板来てなかったけど何かあった?

 

526:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/30(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

中佐達の連隊に割り当てる車両をどうにかできないか各方面に交渉してた

結局はどうにもならなかったから、RMIが保有してるLAVの1両を擲弾課で無期限持ち出しって事にして例の自走平射迫撃砲に改造して連隊に送った

 

527:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******2

 

滅茶苦茶やってて草

 

528:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******9

 

覚醒後レーナほどじゃないが無茶やってて草

 

529:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/30(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

こんな事なら自走平射迫撃砲の試作テスト用にもっと車体を要求しておけば良かった

まさか試作の5両全部をそのまま中佐達の連隊に回されるとは思わなかったよ

 

530:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******6

 

そういえばイッチ

有色種の強制収容が始まった時、シャリテにミリーゼ父がいないといけないのだが

 

531:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******3

 

そういやそんなのあったな

 

532:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

それはまた何で?

中佐達の連隊なら今はちょうどシャリテの空軍基地で訓練中だと思うけど

 

533:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******4

 

原作イベント来た

 

534:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******6

 

ちょうど良かった

 

原作での数少ない開戦当初の描写なんだが

有色種強制収容の時にシャリテでクレナっていう主要登場人物の両親が白系種の兵士に射殺されてる

その時に制止しようとしたのがミリーゼ父

 

535:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******8

 

あれかあ

 

536:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******9

 

どこに当たるか、どこまでやれば死ぬかを賭けの対象にして、だもんなあ

 

537:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******5

 

元ネタはユダヤ人の強制収容だろ?

エイティシックス自体が人類史を原作にした二次創作みたいなもんだけど、その中でもあれはえぐい

 

538:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

じゃあとりあえず、強制収容が始まるまでミリーゼ中佐がシャリテに留まっていれば良いのかな?

 

539:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******4

 

たぶんそう

 

540:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******2

 

そもそも原作じゃこの時のミリーゼ中佐の任務は強制収容されるエイティシックスの護送だったし

そうじゃなくなってるなら同じように原作イベントが起こる保証はないけどね

 

541:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******6

 

あー

イッチが新兵器作ったからか

 

542:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******7

 

まあミリーゼ父なら大丈夫でしょ

 

543:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******3

 

このイベントでクレナまで死ぬのは嫌だぞ

ヒロインが原作開始に辿り着けないとか悲惨過ぎる

 

544:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******9

 

まあでもメインヒロインはレーナだし何とかなるでしょ

 

545:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******3

 

あ?

 

546:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******9

 

何か問題でも

 

547:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******7

 

お前らやめい

 

548:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:88888888

 

そもそもメインヒロインはファイドです

 

549:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******3

 

おまえはなにを言っているんだ

 

550:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******9

 

おまえはなにを言っているんだ

 

551:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******5

 

おまえはなにを言っているんだ

 

552:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******6

 

おまえはなにを言っているんだ

 

553:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

とりあえず中佐達に追加物資を送るからシャリテで受領するように依頼しておいた

 

で、ファイドって誰?

この前教えて貰った登場人物には無かった名前だけど

 

554:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******8

 

そもそも人間じゃない

 

555:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******4

 

RMIが作った回収輸送ドローン

 

556:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******5

 

戦闘中のジャガーノートに随伴して弾薬やエナジーパックの補給をしたり、戦闘で破壊された機体を再利用する為に回収する機体

制式名称は分からないけど、エイティシックスからはスカベンジャーって徒名で呼ばれてる

こっちはジャガーノートと違ってちゃんとした無人機

 

557:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:88888888

 

メインヒロイン

 

558:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******9

 

おまえは黙ってろ

 

559:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******2

 

スカベンジャーの中でもシンと付き合いが長く、個体そのものも初期型で戦歴が長く学習量が多いのもあってかなり特別な機体っぽい

 

560:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******5

 

外観としては、角ばった本体に短い四本の足を生やした不格好な無人機

スカベンジャー本体は非武装でクレーンや物資コンテナが積まれていて、それとは別に追加コンテナをいくつか牽引できる

 

561:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

それ便利そうだなあ

ちょっと前倒しして作ってもらおう

 

562:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/04(土) 00:00:00.00 ID:*******3

 

そういえばイッチの同期のミシェル・リヴィエール君はどうなるの?

装甲車両の部署にいるなら有色種排斥さえ無ければジャガーノートの開発にも携われたろうに

 

563:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ミシェルもだけど、RMIの本部に勤務していた有色種の何人かは数日前に異動になった

異動先を聞いてみたら本人にもはぐらかされたけど、たぶんどこかで匿ってジャガーノート開発じゃないかなあ

 

564:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/05(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

それって、まあ助かるだけマシか?

 

565:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/05(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

収容先が変わるだけな気も

 

566:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/05(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

でも才能が目当てなら最前線送りにはならないだろうし飯には困らないんじゃないか

 

567:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ミシェルに限っては元々仕事人間で家に殆ど帰ってなかったし監禁されても今までと大差なさそうだなあって

食生活も期限間近でRMI職員に放出されてた不味い備蓄用糧食ばっか食べてたから、むしろこれからの方がマシかもしれない

 

568:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/05(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

不味い備蓄用糧食、まさかそれってプラスチック爆薬みたいな白い塊の合成食?

 

569:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/05(日) 00:00:00.00 ID:*******4

 

まさか戦前からあったのか

 

570:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

いや不味いっていってもそこまで酷くない

小麦とか乾燥肉やらをを圧縮して硬めた薄茶色のブロックで

 

ああ、これからそうなるのか

あれから更に不味くなるのか

 

571:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/05(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

そうかまだ合成食じゃないもんな

 

572:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/05(日) 00:00:00.00 ID:*******8

 

というかなんでミシェルはそんなの食ってるの?

 

573:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/09/23(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

RMIのみんながミシェルに押し付けてた

 

何年前かに纏めて産廃業者に引き渡したらそれが横流しされて以降は捨てるのが禁止になって

個人で横流しするにもRMIは給料良いから処分されるリスクの割に小遣い稼ぎのメリット乏しくて

それであれをイケる味だと宣ったミシェルにRMIのほぼ全員が今までミシェルに押し付けてた

 

そして当人は食費が浮くと喜んだ

 

574:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/05(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

そんなのばかり食ってるからジャガーノートはあんなシロモノになったのでは???

 

575:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/05(日) 00:00:00.00 ID:*******3

 

どうにかしてマトモなもん食わせようや




次話予定、追加物資でシャリテが大波乱


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踏まれた踏み絵

10話の前書きで『次々話辺りで戦闘シーンに辿り着くはず。』って書きましたが、たぶん次々話辺りで戦闘シーンに辿り着くはずです。


 星歴2139年10月5日

 サンマグノリア共和国

 東部戦線

 第3歩兵師団管区

 ロレーヌ自然公園外縁部防衛線

 トロワイヨン(Troyon)

 

 シャリテでアルラン少尉が何かやらかしたらしい。

 

 例の大統領令第6609号やら、戦時特別治安維持法とか何とかで、共和国副都として大都市でもあるシャリテに有色種率の高い112eRIが駐留するのは危険だという事で、施行に際し急遽訓練スケジュールを切り上げて第3歩兵師団が布陣しているロレーヌ自然公園外縁部防衛線へと向かったのだが―――。

 

 訓練期間中にシャリテ=ロバンソン空軍基地で受領する予定だった諸々の追加物資を受領する為、連隊副長としてミリーゼ中佐、随員としてアルラン少尉と連隊から白系種を何人か残していった所、そこでアルラン少尉が何かやらかしたらしい。

 

 らしい―――というのは、当のアルラン少尉がここ数日姿を見せず、ミリーゼ中佐や他の白系種兵士達さえもがその件に対して口を噤んでしまい、僕が何も聞き出せなかったからなのだが。

 

 しかしついで付け加えると、追加物資の一つであるリュシェール技術中尉によって改造されたB&TのGL06、それに付属していたはずの37mm榴散弾が1発減っていた。

 

 そして今日、当のアルラン少尉から『()()()G()L()0()6()()3()7()m()m()()()()()()()使()()()()()()()()』というレポートがメールで提出された。

 

 確かに連隊の各員には各種の試作兵器の運用に際して、RMIから出向している僕に対してレポートの提出を依頼していたが……。

 

 曰く―――、

 

 シャリテ市街にて共和国軍兵士2名が自動小銃を用いて()()()()()()を棄損させていたため、これを制止させるため改良型GL06を使用。

 

 ()()()を装填したつもりだったが、実際には()()()であったため、命中した共和国軍兵士2名の両脚が()()

 

 両者の救命は不可能と判断し、介錯のため拳銃にて情けの一撃を施した。

 

 そんな事、これは明確におかしいのだ。

 

 断言できるがゴム弾と榴散弾を取り違えるのは、非殺傷(Non létale)ゴム(Caoutchouc)と印刷されている硬質ゴム製のソレと、榴散弾(Shrapnel)と印刷されているアルミ合金製のソレは、例え夜間だとしても、それこそ徴兵したばかりの新兵だとしても、取り違えるのは不可能だ。

 そもそも追加物資に含まれている37mm弾は榴散弾の他には成形炸薬弾(HEAT)信号弾(Signalisation)だけ。ゴム弾なんて1発も入っていないのだ。

 

 加えて共和国と共和国軍の医療インフラは、特に共和国副都として大病院を数多擁するシャリテにおいては、両脚を失くしたところで救命自体はそこまで難しくない。

 なにしろ戦前には各国から、トリアージタグ・ブラックが最も稀な軍隊と評されていた共和国軍である。

 さらにはよく整備された国民健康保険制度により、例え二等兵が負傷退役したとしても、それで得られる僅かな傷痍軍人恩給とでさえも再生医療により失った脚を取り戻す事さえ可能である。

 

 負傷してもなんとかなる。

 その保証があるからこそ、共和国軍とその将兵は精強だったのだ。

 

 国境線の全周を戦線とした為に戦況が逼迫している今日に至っては、撤退戦の多さから負傷兵の収容が困難であったり、撤退に伴う装備の遺棄による救命キットの欠乏といった混乱によってその屋台骨が揺らいでこそいるが、こんな戦況でさえ共和国軍がまだ戦えているのはその屋台骨があるからこそなのだ。

 

 まあ多少脱線したが、つまるところ明確に、アルラン少尉のそれは故意の殺人である。

 

 複数の人間を殺傷するのに最適な弾種を選択し、そしてまだ五体満足へと復帰する事さえ難しくなかったはずの負傷者に対し、情けの一撃。

 

 アルラン少尉の射撃の腕を考えれば、必要以上の苦痛を与える為にわざわざ脚を撃った可能性さえある。

 

 

 

 ああ、止めだ止め。

 起きてしまった事を今更になって考えた所で何も変わらない。

 

 それよりも、今日にも来襲してくるかもしれないレギオンへの対抗手段を考えた方がマシだ。

 

 そう切り替えるべく連隊司令部が置かれているトロワイヨンの教会を出て、村落の外縁で補助員が構築している最中の陣地の方へと足を運べば、その当人がいた。

 

「もっと深く!退避壕はもっと深く掘って下さい!」

「もっとふかくー」

 

 ???

 

 どうやら補助員によって行われている陣地構築の指揮監督をしているらしいのだが。

 

「お疲れ様です、アルラン少尉」

 

「ああ、コバ技術准尉、先ほど送ったレポートは役立ちそうですか?」

 

 互いに敬礼を交わしての次に出て来た、逃げて来た話題そのものに自分の頬が引き攣った。

 

「あー、まあ、とりあえずは。それにしても、陣地構築を補助員にやらせてるんですか?」

 

「それはまあ多いですからね、補助員が。兵隊なら訓練で手隙時間を潰させる事が出来ますが、補助員には炊事洗濯の他は今のところ穴掘りくらいしかやらせる仕事が無いので。仕事量に対して人数が多過ぎるんですよ」

「くれなもあなほるー」

 

「それはなんというか。……ところで、その子は?」

 

 アルラン少尉の足元を見れば、先程からずっとアルラン少尉の右裾にしがみつきながら、もう片方の手で園芸用の小さなスコップを振り回している、赤系種の髪色と金系種の瞳を持つ、恐らく就学前の幼女。

 

「くれなはくれなだよ!ごさい!」

 

 かわいい。

 

 いや、おかしいな。112eRIで最年少は連隊司令部で通信助手を務める14歳のクトニア・イルマ二等兵だったはずなのだが。

 

「ええと、先ほど送ったレポートでの1件でですね……」

 

 なぜか、説明の途中でアルラン少尉が言い淀む。

 レポートにあった惨劇とこの幼女に関係がある?

 

「ちょっと待って下さい―――、これを、決して読み上げないように」

 

 そう言って差し出されたのは件のレポートが表示された情報端末で、しかし1ヵ所だけ書き換えられていた。

 

『シャリテ市街にて共和国軍兵士2名が自動小銃を用いて()()()()()を棄損させていた』

 

「なにしでかしてるんですか?」

 

 アルラン少尉も、シャリテの共和国軍も、一体どうかしている。

 

「しょうがないでしょう。この子と、12歳の姉とでこのまま2人を強制収容所に放り込んで、ロクな事にならないのは明白。それに、その……クレナちゃんが手を離してくれないので……」

「じぶりーるおにいちゃん、つぎどこほるのー?」

 

 クレナちゃん、かーわいい。

 

 いや、うん。

 

 確かに踏み絵とは言ったが、白い方を踏むとは思わなかった。




 グロい話を書こうとしたら、クレナちゃんがかわいいので止めました。
 後々、ミリーゼ中佐視点での語りを入れる予定。

 あとジブリール・アルラン少尉は112eRIの中で、判断が早い&躊躇が無いという点で一番ヤベー奴です。

 そしてクレナちゃん、原作通り両親を殺した白豚は嫌いになったけど、その白豚を目の前で惨殺したじぶりーるおにいちゃん(112eRIで一番ヤベー奴)に懐きました。
 白豚を一番惨いやり方で殺してくれる人という認識での、幼児性を一番ヤベー方向で発露した懐き方ですが。
 こればかりはアルラン少尉も想定外。

 12歳の姉の方も生きてます。なんとか掃除洗濯といった仕事の手伝いをしつつ、アルラン少尉(112eRIで一番ヤベー奴)からどうやって妹を離れさせるか苦悩中。

 両親を亡くしたショックに暮れるより、目先の問題に頭を悩ませられるだけ、メンタル的にはマシか?

 なお112eRIの将校を除いた兵士からのアルラン少尉の評価は爆上がりした模様。主に裾にしがみついたクレナちゃんのお陰で。


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愉快なかけっこ

ようやく戦闘話が始まります。

ゴルシウィークでウマ娘をしていたら、本作の登場人物を走らせたくなりました。
なお出来上がったのはタイムリミットまでにゴール板へ辿り着かないとミンチになるデスレースの模様。

ほら走れ走れ、三途の川の先まで逝ってしまうぞ。


 星歴2139年10月7日

 サンマグノリア共和国

 東部戦線

 第3歩兵師団管区

 ロレーヌ自然公園外縁部防衛線

 トロワイヨン東部防御陣地

 

 その日も112eRIは、補助員達による陣地構築と兵士達による訓練を予定していた。

 

 といっても陣地構築の殆どは112eRIと入れ替わりに後退した第3歩兵師団の第62歩兵連隊(62eRI)が残していった陣地の修理拡張が殆ど終わり、今日からはよりトロワイヨンに近い位置で新しく予備陣地の構築を。

 

 兵士達には、出来上がった陣地を使ってのより実戦的な実弾射撃訓練を第1歩兵中隊に実施させる予定で、それを指揮するのはミリーゼ中佐とアルラン少尉、そして火器運用の補佐として僕ことコバ技術准尉。

 そして今日も今日とてアルラン少尉の右裾にしがみついているクレナちゃん。

 

 実弾射撃訓練で少なからず危険もあるからと、姉のいる補助員洗濯小隊の方へ任せようとしていたのだが、どうやら失敗したらしい。

 大人達によるせめてもの抵抗として、頭部と聴覚の保護の為に戦車帽を被らせるのはアルラン少尉の手によって成功したので、まあ訓練なら一緒にいてもたぶん大丈夫だろう。

 

 そう楽観視していた。

 

 前方、トロワイヨンから2km東にあるランジエール(Ranzières)市街の方から赤い信号弾が昇るのを見るまでは。

 

 えっと、あれ、何だったっけ?

 

 見えるのは赤の信号弾が2発。

 続いて37mmの、YM1重自動小銃(フェルギネア)の銃声が2発が微かに届いてきた。

 

 ああ。

 

 赤の信号弾が2つ。

 

 赤がレギオン接近中、それが2つって事は中隊規模。

 

 ランジエールに哨戒のため派遣していた分隊による急報。

 

「退避ッ!総員、退避壕に突っ込め!」

 

 誰かの、もしかしたら僕かもしれない、その誰かの叫びと共に第1歩兵中隊が息を吹き返し、散らすように陣地各所の退避壕へと潜っていく。

 

「連隊本部へ通報!第1歩兵中隊は現位置で防御戦闘を実施。各部隊による支援を求む!」

 

「駄目です!無線感度不良!」

 

「じゃあ有線でだ!線は引いてあるだろう!」

 

「了解!―――あぁ!繋がりました!やった!」

 

 ミリーゼ中佐は第1歩兵中隊の中隊長らと共に通信機に齧りついている。

 

「クレナちゃん、良いね?良いって言うまで、絶対にこの穴から出ちゃ駄目だよ?」

 

「うーん?わかった!」

 

「よし、良い子良い子」

 

「じぶりーるおにいちゃんも、どこかにいっちゃうの?」

 

 本来は戦場に居てはならないはずのクレナちゃんは、アルラン少尉と大事なお約束をしている。

 

 じゃあ、僕の仕事は。

 

「―――開けろ」

 

 ああ、駄目だ。口の中が乾いて上手く回らない。

 舌を噛んで無理やりに唾液を絞り出して、それで口を湿らせて。

 

「手隙要員、弾薬箱を開けろ!弾倉に弾を込めるんだ!」

 

「「「了解!」」」

 

 そう、ちょうどこれから実弾射撃訓練というタイミングで、誰のフェルギネアの弾倉にも弾が込められていないのだ。

 

「ミリーゼ中佐、他の退避壕にも弾込めをさせるように連絡を」

 

「ああそうだった!おい、聞いてたな?他の退避壕に繋げ!」

 

 さて残る問題は、僕達がいるここの他に退避壕があと5ヵ所あり、その内の2ヵ所はまだ有線電話が引かれていないという事だ。

 

 幸いにしてまだレギオンの、長距離砲兵型(スコルピオン)が装備する155mm榴弾砲の砲声も、その155mm砲弾の飛翔音も聞こえていない。

 

 さあ、非情になろう。

 

「おい、お前と、お前。お前ら2人でC壕に弾込めするよう伝令に行け」

 

 その2人の兵士から嘘だろ?今から退避壕の外に出るのか?という恐怖を浮かべた顔が返答として帰ってくる。

 

 それならばと、腰のホルスターからベレッタ86を抜いてスライドを引き、初弾を装填してみせ―――。

 

「行け!」

 

 再度の命令と共に、それで理解した2人が退避壕から飛び出していく。そうだ、それで良い。

 

 僕は、技術准尉。

 

 少なくとも10月1日まではそうだったし、両肩には未だに階級章が載っている。

 共和国工廠の軍属として共和国軍に籍が無いながらも、決して小さくない指揮権を持つ階級の士官だった者として、僕には責任と使命がある。

 

「それと、お前も。僕と一緒にF壕へ伝令だ」

 

 指揮官先頭、士官が兵から信頼を得る、最も手っ取り早い手段である。

 

 さあ、ここから一番遠い退避壕まで愉快なかけっこだ。

 

 僕たちがF壕に辿り着くのと、レギオンの155mm榴弾砲の効力射が着弾するのと、どっちが早いかな?

 

 

 

 星歴2139年10月7日

 サンマグノリア共和国

 東部戦線

 第3歩兵師団管区

 ロレーヌ自然公園外縁部防衛線

 トロワイヨン西部砲兵陣地

 

 第112歩兵連隊第1迫撃砲中隊。俺の新しい部隊だ。

 

 共和国工廠(RMI)才媛(爆弾魔)が開発した新兵器。

 なんと発案から僅か2週間で今日を、試作兵器としての呼称すら決まる前に実戦参加を迎える事となった急造兵器。

 

 共和国軍制式の4輪駆動軽装甲機動車に、1週間で開発試作された後装式自動平射迫撃砲などというキテレツな砲を載せた新型自走砲。

 

 レギオンに対して有効ではない81mm迫撃砲の弾薬在庫処分用自走砲。

 

 それの試験運用部隊でもある。

 

「マァ、やるっきゃねえか。中隊長ってのを」

 

 栄えある第40砲兵連隊(40eRA)で40門の155mm自走榴弾砲を率いた連隊長サマだった俺が、今じゃ最大射程5000mしかない81mm迫撃砲弾をぱんぱか撃ち出すちんまい自走砲が6門だけの中隊の中隊長サマだ。

 前は上級部隊も第2機甲旅団(2eBB)なんていうイイトコロだったんだが、今や40mm機関砲搭載のIFVを3両しか持たない貧乏所帯の第112歩兵連隊(112eRI)

 

 まあ、連隊が保有していた全ての155mm自走榴弾砲と半分の部隊将兵を代償に得た戦果が、僅かにレギオン2個中隊だけだったのだ。

 普通だったら降格処分も有り得た大失態で、そうならなかったのは、共和国軍の全ての砲兵がレギオンに対抗出来ず同じ大失態をやらかしたからに過ぎない。

 

「連隊長!A小隊及びB小隊の射撃準備完了しました!」

 

「バカ、中隊長だ。バカ」

 

「失礼しました!」

 

 ()()()副官である40eRAを生き残った部下を叱りつけるが、視線と姿勢は前に向けたまま。背後に並ぶA小隊の自走迫撃砲3両には振り向かない。

 

 信頼出来る良い部下達だ。今更慣れない新型自走砲が配備された所で戸惑うような奴らじゃあ、無い。

 

 マッズ川沿いの土手の斜面に伏せ、川向こうのトロワイヨン市街の更に向こう、既に阻電攪乱型の群が上空に展開しているその直下、レギオンが来るであろう方向を双眼鏡でじっと見続ける。

 あるいは時折、傍に置いた風速計と温湿度計を確認する。

 

 まず疑うべきは自分の勘から。部下に見せるべきは自分の背中ってな。

 

「オォ?来るぞ、準備砲撃だ」

 

 地面から微かに響く振動。

 伏せているからこそ、遠方からでも腹に響くのが感じられる特徴的なソレ。

 

 レギオンの長距離砲兵型が155mmを撃つ振動が、彼方の地面伝いに伝わって来た。

 

 ちらりと遥かな稜線の向こうを双眼鏡で見れば、微かに発砲炎が阻電攪乱型の雲に反射して見える。―――だいたい27kmってトコロか。

 

 やや遅れて砲声も聞こえて、さらに遅れて、着弾。初弾から夾叉、すぐに効力射が降ってきて、今日までに補助員が構築した防御陣地へ次々と命中していく。

 

「全く腕が良い。あとどっかに観測の斥候型がいるな」

 

 まああれだけ深く掘って、天蓋を2.5m厚のコンクリートで堅めた退避壕だ。155mm榴弾砲弾じゃあダースで当てても抜けやしない。

 

 アレで死ぬとしたら退避壕から出てる馬鹿だけだ。

 

 そして、待望の敵がようやく双眼鏡に映り込む。予測針路にドンピシャ。もう一度だけ風速計と温湿度計を確認する。

 

「よーし、来たぞ来たぞ!射撃用意ッ!緒元修正、手前2!右1!」

 

 既に112eRI連隊司令部との無線は途絶しているから、全ては俺の采配に掛かっている。

 

 ついでに部下達との無線も通じないから指揮の伝達は手旗か回光通信機なんていう古典的通信手段に頼るしかなく。

 

 さあもっと引き付けろ。ああいや、早めに撃って長距離砲兵型の気をコッチに逸らして防御陣地の損壊を軽減させるのも良いな。

 

「―――マァ、こんなもんか。撃て」

 

 号令と同時に副官が信号旗を振り下ろす風切り音が鳴き、砲が鳴く。

 

 6門それぞれが毎秒1発よりも早いペースで、僅か5秒で挿弾子(クリップ)2つ分、8発の81mm迫撃砲弾を撃ち終わる。

 合計で48発。普通の迫撃砲なら同じ6門で24秒って所だ。

 

「陣地転換ッ!急げ急げ!()()()()()()()()()!」

 

 流した血で得た、得難い教訓の1つ。

 

 レギオンの対砲兵射撃(カウンター)は155mm自走榴弾砲の、共和国軍砲兵が今まで保有していた全ての砲の陣地転換よりも早い。

 最短記録はなんと17秒、運悪く長距離砲兵型から僅か8kmという至近距離に射点を置いちまった第93山岳砲兵連隊(93eRAM)が食らったそれだ。

 

 だが、この新型自走砲はそれよりも、迅い。

 

 なにせ積んでるのは81mmなんていうちんまい口径でいながら駐退器の付いた迫撃砲だから展開格納に時間の掛かる駐鋤が無く、砲が軽いから車としての重心が低く、そして何よりベース車両は4輪駆動軽装甲機動車で。

 

 陣地転換の指示から僅か1秒で発進した自走迫撃砲の内の1両、A小隊の小隊長車が傍に寄せて来て、―――それに停車させず飛び乗る。続いて来た2号車には副官が。

 

「連隊長!これ良いですねぇ!足は軽快で!撃つ時ずらかる時はパーキングギヤとサイドブレーキだけ!これなら()()()()()カウンターされませんよ!」

 

 A小隊の小隊長はコレを甚く気に入ったらしい。だが俺がまず返すべき言葉は。

 

「バカ!中隊長だ!」

 

「失礼しました連隊長!」

 

 ああまったく、―――後ろ、20秒と少し前まで俺らが81mmをぱんぱか撃っていた射点を振り向けば、長距離砲兵型の対砲兵射撃が何も無い地面を矢鱈滅多に穿り返していて。

 

「ああ!()()()()()ならずに済んだな!あと中隊長だ!バカ!」




連隊長第1迫撃砲中隊中隊長
 白系種の大佐。名前はまだ無い。
 元第40砲兵連隊(40eRA)連隊長。
 上級部隊である第112歩兵連隊(112eRI)の連隊長であるカールシュタール中佐より階級が上だが、部隊編成の都合でこうなっただけで指揮権はカールシュタール中佐の方が上という事になっている。
 当人としても緒戦で失敗した自分と、成功したカールシュタール中佐という対比もあり下の階級に指揮されるのには納得しているが、カールシュタール中佐としてはそもそも阻電攪乱型の通信妨害のせいで指揮権の上下どころではないため、砲兵運用に関してはその一切を大佐に任している。
 第1迫撃砲中隊そのものが第40砲兵連隊の生存者で編成されており、第112歩兵連隊の中でもその練度は高いが、連隊長中隊長が戦前から部下の登用を人種や家系ではなく才覚ありきで行っていた為に、練度とは裏腹に上層部からは疎まれており、第112歩兵連隊(虹色連隊)に新型自走砲が配備されるという事で都合良く連隊の生存者丸ごと送られたという面もある。


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血で得た戦訓

 星歴2139年10月7日

 サンマグノリア共和国

 東部戦線

 第3歩兵師団管区

 ロレーヌ自然公園外縁部防衛線

 トロワイヨン市街中央部教会地下

 第112歩兵連隊(112eRI)連隊司令部

 

「第1補助員中隊のマッズ川対岸への後退完了です!」

 

「よし。……ギリギリだな」

 

 通信機のヘッドセットを被ったイルマ二等兵から伝えられた朗報、マッズ川に架かるエクリューズ通りの橋を守備する部隊からのそれに、一つ息を吐く。

 

 報告の通りに戦況図の上の駒を1つ、マッズ川の西に下げる。そのまま何も問題が無ければ第2補助員中隊がいる1km南西のブクモン(Bouquemont)まで後退できるだろう。

 

 本当に、ギリギリだ。

 

 恐らくすぐにでも、この司令部から直近で200mの位置にある防御陣地にはレギオンの準備砲撃が降り注ぐだろう。

 戦闘以外が職責だと言ったのに、初戦から戦火に曝してしまう所だった。それにもっと言えば―――。

 

「クトニア・イルマくん。さっきも言ったが、君も、下がって良かったんだぞ?私にだって通信機は扱えるし、そもそも通信妨害のせいで実際に司令部でやる仕事は大して無いのだから」

 

「あーっ、大人ってそういう時ずるいですよね!私はレンタイシレーブ付ツーシンジョシュのニトーヘイなんですから!私たちだって戦いたいんですよ!」

 

 言ってる当人がその役職についてそもそも何なのか良く分かっていなさそうな、多分にちょっと使い辛い電話機で伝言ゲームをする役としか思っていなさそうで。

 

 まあ確かに通信手というのは実務としてはそうなんだが……。

 

「―――え?第1歩兵中隊の居る陣地に準備砲撃?それって」

 

 やってる事は伝言ゲームのようでも、その通信機から伝わってくるのは非情な現実であって。

 

「あの、あの、カールシュタール中佐、準備砲撃って何ですか?確か第1歩兵中隊にはアルラン少尉と一緒にクレナちゃんが……」

 

「もう良い。もう良いんだ、イルマくん。終わるまでその席に座っててくれれば、それで良いよ」

 

 彼女からヘッドセットをそっと奪い取り、自分の頭に装着する。

 間違っても彼女が前線へと駆け出さないよう、手を肩に置いたまま放さないようにして。

 

「観測班、こちら司令部。どうだ、状況は?」

 

『ん?ああ、連隊長ですか。こちら教会屋上の観測班。クトニアちゃんは大丈夫です?』

 

 まったく、どいつもこいつも性根が優し過ぎるな。

 

「大丈夫だ、問題ない。状況は?」

 

第1歩兵中隊(1erCI)の防御陣地に対するレギオンの準備砲撃が継続中。弾種は通常榴弾のみ、信管調定は着発と曵火が半々、あー今2発だけ短延期がありましたね。まあ、大丈夫でしょう』

 

「それは良かった。敵影は?」

 

『未だ見えず。あ、今、第1迫撃砲中隊(1erCM)の連中が撃ちました。たぶんここから見えない稜線の向こうにはもう来てますね。着弾点はここからおよそ方位40、距離1100。ランジエール通り沿いです』

 

「予想通りだな」

 

『ええ。これ、たぶん勝てますよ』

 

 

 

 星歴2139年10月7日

 サンマグノリア共和国

 東部戦線

 第3歩兵師団管区

 ロレーヌ自然公園外縁部防衛線

 トロワイヨン東部防御陣地

 F退避壕

 

「――――――」

 

「――――――」

 

 なんだ、何だっていうんだ!

 

「早く!、なんだ!?何の文句があるんだ!?早く弾をマガジンに込めろ!その成形炸薬弾(HEAT)だ!」

 

「――――――!――――――!!」

 

 どうして僕に掴み掛かるんだ!

 

「やめろやめろ!放せ!早く弾を込めろ!急げ!死にたいのか!」

 

 右手のベレッタ86を振りかざす。士官の拳銃は部隊の規律維持の為とはよく言うが、それだって本来はそう多用すべき使い方ではないのに。

 それでようやく、F壕にいた第1歩兵中隊の兵士達が僕から離れて弾込めをやり始める。

 

「そうだ!それで良い!急げ!」

 

 どんどんと、不意に右肩を叩かれた。

 

 振り向けば僕がA壕から連れて来た兵士。幸運な事に五体満足なようだ。

 

「――――――?」

 

 その彼が、彼自身のヘルメットの左側面を指で小突く。

 

 見れば、そのヘルメットの迷彩カバーに傷がいくつか。さっきまでは無かった傷がある。

 

「どうした?負傷したのか?」

 

「――――――」

 

 不意に、彼のそれに溜息が混じっているのに気付いた。あれ、なんで()()で喋っている?

 

 そして彼が取り出したのは水筒。その蓋を開けて―――

 

「おい何をする!?」

 

 防ごうと、左腕を頭上に翳そうとして、間に合わなかった。いや、出来なかった。

 

 まず、動かそうとした左腕に激痛が走った。

 

 次に頭、いつの間にか制帽が脱げていたらしく、水筒の水を頭に直接浴びせ掛けられて、またも激痛。

 

「―――ああああああ!?!?!?」

 

「大丈夫ですかー!?大丈夫ですよ!大丈夫!致命傷じゃないですよ!」

 

 大丈夫なもんか!?

 痛い痛い痛い!!!

 

 ああ思い出した!F壕に入る直前に食らった至近弾だ!

 

「ほら!危ないから拳銃を放して!」

 

 こいつはヘルメットをしていたから、だからヘルメットに傷が付くだけで済んで。

 

 だけど僕はヘルメットじゃなくRMIの制帽を被っていたから、破片か何かが頭に、それとついでに左腕のどこかにも当たって、あッ痛い!?また水を掛けたな!?

 

「傷は浅いですよ!砲弾の破片じゃなくて爆風で飛んできた石が刺さっただけです!運が良い!ほら!」

 

「分かった!分かったから傷を穿るな!痛い!」

 

 わざわざそんな刺さってたその小石を抜いて見せてこなくて良い!

 

「ああ良かった!耳も聞こえるようになったんですね!止血剤撒きますから動かないで下さいよ!」

 

 止血剤の粉が傷口に沁みるぅ!!!

 

 そうして僕は意識を手放した。

 

 

 

 星歴2139年10月7日

 サンマグノリア共和国

 東部戦線

 第3歩兵師団管区

 ロレーヌ自然公園外縁部防衛線

 トロワイヨン東部防御陣地

 A退避壕

 

「砲撃が、……止んだのか?」

 

 唐突に、静かになった。

 

「おい弾込めの手を止めるな。中隊長、連隊司令部には繋がるか?」

 

「はい、まだ繋がってます。どうぞ」

 

 昔ながらの、だがしかし阻電攪乱型の電波妨害への対抗手段が確立されるまではこれからも末永く世話になるであろう有線電話の受話器を受け取る。

 全く、電磁パルス(EMP)環境下でも使えるというのがRMI謹製新型無線機の謳い文句だったのだが。

 

「ありがとう。―――連隊司令部、連隊司令部。こちら防御陣地A退避壕のミリーゼ中佐だ。状況は?」

 

『こちら連隊司令部。やあ生きてるかい?』

 

 なんだあの野郎(ジェローム)、気楽そうじゃないか?

 

「ああ生きてるとも。あーコバ准尉と兵3人、2人組でC壕とF壕への伝令に行ったが、まあ間に合っただろう。有線が繋がってる壕では死傷者ゼロだ」

 

『それは良かった。状況は想定通り、レギオンの準備砲撃は第1迫撃砲中隊への対砲兵射撃に移行。レギオンの第1梯団は防御陣地から距離600mまで接近中。あーいや、想定外が1つ』

 

「どうした?何があった?」

 

『あー、こっちのイルマくんにそっちのクレナちゃんの声を聴かせてほしいんだ』

 

「なんだ、イルマちゃんを泣かせたのか?」

 

 ぞわり、周囲から殺気が刺さる。いやしまったなー。

 

『おいやめろ!そんなんじゃない!』

 

「あっはっは」

 

 振り向いて、クレナちゃんを手招きで呼び寄せて、受話器を手渡す。

 

「えーっと?もしもし?くれなだよ?」

 

 クレナちゃん、かーわいい。

 

 いや、うん。

 

 そういえば、ウチの娘のレーナもこのくらいの歳だったか?

 

「―――うん、にあちゃん、くれなだよ。くれなはげんきだよ!にあちゃんはげんき?」

 

「―――うん、よかった!」

 

「―――うん!またね!」

 

 守りたい、この笑顔。

 

「―――わかった。ねえ、みりーぜのおじさん」

 

「うん、なんだい?」

 

「かーるしゅたーるのおじさんがね、れぎおん、じんちしょうめん、きょりよんひゃくめーとるだって!」

 

「そうかそうか、伝言ありがとうな。偉い偉い」

 

 そうかー。レギオン、もう陣地正面の距離400mまで接近してるのかー。

 

 手に力を入れないよう注意しながらクレナちゃんの頭を撫でてやるが、もう周囲は騒然、慌てて兵士達が退避壕から飛び出す始末。

 

 あの野郎、そんなにアスホールペネトレイターが欲しいのか?




戦訓「野戦では防弾ヘルメットを被りましょう」


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杞憂

 星歴2139年10月7日

 サンマグノリア共和国

 東部戦線

 第3歩兵師団管区

 ロレーヌ自然公園外縁部防衛線

 トロワイヨン東部防御陣地

 

「これは、楽が出来そうだ」

 

「ええ。ええ!」

 

 歓喜。そう歓喜だ。

 隣の第1歩兵中隊の中隊長もそれを見て破顔する。

 

 レギオンに対して有効ではない。誰もが81mm迫撃砲をそう思っていた。

 なぜならレギオンは、特に近接猟兵型は迫撃砲の弾を回避できるから。―――では、そうではない迫撃砲があれば?

 

 答えは目前に。ああ、低射角で連発させるだけでこうも効くとは。

 

 いや、実際には大して効いていないのだろう。

 装甲車両として教範通りの適切な隊伍を、互いに50mほどの間隔を開けた目標に対しては、例えそれがレギオンでなくとも81mm迫撃砲弾は大した効力を発揮し得ない。

 元より大した射撃精度も無く、加害範囲も、装甲目標に対する加害力にも乏しいのだから。

 

 だが時折、至近弾や直撃弾を受けた斥候型が、近接猟兵型が文字通りの屑鉄へと姿を変えていくのだ。

 それに人の背丈へ似せた大きさ故に軽量かつ比較的装甲の薄い自走地雷に限ってはよく効いている。今なんて爆風に吹き飛ばされた自走地雷が運の悪い近接猟兵型に衝突して起爆、諸共消し飛んだ。

 

 そして驚くべきは、我々の頭上には第1迫撃砲中隊が放つ81mm迫撃砲弾だけではなく、長距離砲兵型による対砲兵射撃の155mm榴弾までもが飛び交っている。それなのに第1迫撃砲中隊は未だ射撃を継続中。

 

 レギオンの対砲兵射撃を受けながらに射撃を継続できる砲兵がいる。

 

 それがどれだけ得難かったか。それは今日までに共和国軍が全ての砲兵連隊を失ったという事実で以って全てを語れるだろう。

 

 そして砲兵という高価値目標が存在している限り、我々歩兵は長距離砲兵型の目標優先順位から位を下げられ、こうして退避壕から出て塹壕に並んでいられる。

 

「距離、300mを切りました」

 

「いやまだだ。もっと引き付けろ」

 

 ギリギリになってコバ技術准尉が気付いてくれたが、それでも兵達が装填できたマガジンの数は少ない以上、無駄弾は減らしたい。

 

「250m」

 

「まだ」

 

 さて私もと、件の改良型GL06を構える。

 フェルギネアと同じ37mm弾を使えるよう砲身を強化延長し、反動を低減するためのマズルブレーキとショックアブソーバーを搭載した、リュシェール技術中尉の新兵器。

 

 第112歩兵連隊の指揮官用に軽便な対レギオン火器をという事で急遽リュシェール技術中尉が1ダース12丁を手配し改造。そしてシャリテの騒動を引き起こした曰く付きの銃。元はなんと共和国警察向けの盟約同盟製暴徒鎮圧用ガス弾ないしゴム弾発射器。

 アルラン少尉に言わせてみれば()()()()()()を棄損させていた共和国軍兵士は暴徒と変わりないのだろう。そんな目の前で起きた惨劇に、どちらに対して目を覆えば良いのか分からなくなったのは記憶に新しい。

 

 それにしても、この戦場はリュシェール技術中尉が設計した兵器ばかりだなと、ふと思った。

 

 第112歩兵連隊の兵達が抱えるXM6重自動小銃〈フェルギネア〉。

 

 地形上の制約から戦車型が稀なこの戦場では出番が乏しいかもしれないXM1グレネードランチャー〈アスホールペネトレイター2〉。

 

 後方で橋などの要所を守備する兵が持つM1A1ライフルグレネード〈アスホールペネトレイター〉

 

 第1迫撃砲中隊が乗り回す、未だ名の無いXM3自走迫撃砲。

 

 そして私や中隊長の手元に収まっている改良型GL06。

 

 まるで彼女が設計した戦場ではないか。

 

「200m」

 

「はっ、まさかな?」

 

「副連隊長?」

 

 先頭の斥候型が、その武装である7.62mm機銃を此方に向けたのが照準器の先に見えて―――ばん、ばすん。

 

 発射器としての重量がフェルギネアの3分の1しか無い事もあって激烈な反動にたたらを踏んでしまうが、それは見えた。

 

 37mm成形炸薬弾が斥候型の幅狭な正面装甲に命中、爆ぜて、つんのめるように擱座―――沈黙。

 

「良いな、これ」

 

 なんだ、当たるじゃないか。アスホールペネトレイターは50mまで引き付けないと当たらなかったというのに。

 

「副連隊長、何を?」

 

「うん?……ああ、すまん。撃て」

 

「撃ってから言わんで下さい!第1歩兵中隊、撃てェッ!!」

 

「あっはっは、すまんすまん」

 

 ばん、ばん、ばん―――と、塹壕のあちこちから37mm成形炸薬弾が放たれる。

 私のGL06と違って6発入りのドラムマガジンによる連発、それが1個歩兵中隊250名から一斉にだ。

 

 その全てが命中しているという訳では無いが、見込みの10%よりは良く当たっている。

 初弾をきっちり当てて見せた甲斐があったというもの。私も負けじとGL06を再装填して、ばん、ばすん。

 

 やや上に逸れてしまったが、それで近接猟兵型の背部ロケットランチャーに命中して大爆発。

 

 ああ、レギオンを撃破するのがこんなに簡単だったなんて!

 

 だがレギオンだってただ撃たれるままに前進するだけじゃない。

 ある程度の損害を出すや否や、足並みを早めて突っ込んでくる。

 

 

 

 だが、今回は我々の勝ちだな。

 

 兵達が撃つフェルギネアの命中率の悪さも、レギオンが近づいてくれる程に良くなっていく。

 

 レギオンが我々の下へ辿り着くよりも、我々がレギオンを殲滅するのが早かった。

 

「第2梯団は?……引いていくか」

 

 レギオンの第1梯団を全て撃破、20mほどまで迫って来ていた1個中隊規模のレギオンを文字通り全て撃破して、そして気付いた時には300mまで迫っていた次の第2梯団が後退し始めていたのに気付いた。

 

 未だ、第1迫撃砲中隊は目の前のレギオン第2梯団へ、長距離砲兵型は第1迫撃砲中隊への射撃を続けていて、だがそれでも―――。

 

「勝った、のか?」

 

 まだこの中隊長は信じられないらしい。

 

「ああ、勝ったぞ」

 

「……本当に?」

 

 彼は足元の地面を見下ろし、周囲の部下達、戦友達を見回して、そしてまた私へと振り返る。

 

「予備陣地への後退も、肉薄攻撃も、……部下を誰も見捨てなくても、勝った。勝った?」

 

「ああ。我々が、勝ったぞ」

 

「ぉお、おお、うおおおおおお!!!―――勝ったぞおおお!!!」

 

 途端、歓喜に沸いた。

 

「勝ったんだ!」

「やっとだ!やっと!」

「勝利、万歳!」

 

 後退の成功なんていう後ろ向きの勝利ではない。いやまあそれだって困難だったのだが。

 

 だが今日、我々は、共和国軍は初めて、レギオンに対して殆ど損害を被る事なく、後退もなく防衛戦闘を完遂したのだ。

 

 

 

 星歴2139年10月7日

 サンマグノリア共和国

 東部戦線

 第3歩兵師団管区

 ロレーヌ自然公園外縁部防衛線

 トロワイヨン市街中央部教会地下

 第112歩兵連隊(112eRI)連隊司令部

 

「で、だ。ヴァーツラフ、今日の勝利、最前線で指揮していてどう思った?」

 

 午前中の戦闘が終結し、午後の日中の戦場掃除も半ば終えて、そして連隊司令部に集ってのデブリーフィング。

 カールシュタールからの問いかけに対する答えは1つしか無かった。

 

 戦闘終結から半日経ち、勝利という酔いから醒めて気付かされた1つの疑念。

 

「レギオンの、いや帝国軍のレギオン運用の欠陥に助けられたな」

 

「まあ、やはりか。一応、認識を共有して確かめる為にも、話してくれ」

 

「ああ、分かった」

 

 この場にいる誰もが気付いている帝国軍の欠陥。それは―――

 

「話は単純、帝国空軍の欠落だ。私が指揮した第1歩兵中隊が穴蔵とした退避壕も、デュティ大佐の第1迫撃砲中隊が行っていたという陣地転換も、帝国空軍が出てきていれば何の意味も無かった」

 

「だな。俺たちは帝国軍の手抜きに助けられた」

 

 そうだ。デュティ大佐の言う通り、欠陥ではなく手抜きである。

 

 共和国軍の空軍を始めとする航空戦力の殆どが対空自走砲型によって撃滅され、制空権を帝国軍に奪われたにも関わらず、帝国軍はこの半月の間に航空戦力を電波妨害を担う阻電攪乱型と指揮管制を担う警戒管制型(ラーベ)しか投入していないのだ。

 

 何故か、どういう訳か帝国空軍、それどころか帝国陸軍の戦闘ヘリまでもが戦場にいない。そしてレギオンには武装した航空戦力がいない。

 

 そして今日の戦闘でも。

 

 今日の我々第112歩兵連隊が行った防御戦闘など、帝国空軍の戦闘爆撃機が1機でもいれば簡単に破綻してしまうようなものだったのに。

 

 ほぼ非装甲の自走迫撃砲など機銃掃射ですら片が付くし、長距離砲兵型の155mm榴弾には防御力を発揮した退避壕も地中貫通爆弾を投下されればひとたまりもなく。

 

「あるいは、帝国陸軍が155mm榴弾砲よりも強力な砲、かつての24cmや35.5cmといった重砲を運用していたなら、あるいはレギオンに装備させていれば、退避壕は持たなかった。つまるところ、レギオンには決定打たる打撃力が欠けていて、それを補完する帝国軍がいないから、今日は勝てた」

 

「その、打撃力の欠けたレギオンだけの帝国軍に共和国はじりじりと締め上げられてるんですけどねえ」

 

 しかし現状に嘆いたのは頭と左肩に包帯を巻いたコバ技術准尉。被っているRMIの制帽には大穴が開いている。

 どうやら勇んで伝令に行ってF壕まで辿り着いたは良いものの、壕に入る直前で至近弾を食らったらしい。偶然にも制帽の型崩れ防止ライナーが破片を受け止めてくれたお陰で軽傷で済んだというのだから運が良い奴だ。

 

「そうだな。今日の戦闘で第112歩兵連隊の死者は3名、負傷者はコバ技術准尉を含めて12名。しかし帝国軍は無人兵器であるレギオンしか投入していないので人的損耗はゼロ。これでは全く割に合わない―――何れ破綻してしまう」

 

「だがRMIでも無人兵器は開発してんだろ?ウチに配備されたあの自走砲なんて2週間で開発と試作が完了したっていうし、無人兵器もすぐに出来るんじゃないのか?」

 

「無茶言わないで下さいよ大佐。技術的には有り合わせの自走迫撃砲の開発と、全くのゼロから始めている無人兵器の開発では条件が違い過ぎます」

 

「あれが、有り合わせ?」

 

「あの自走砲、やってる事はただの81mm機関砲なんですよ。弾が迫撃砲弾になっただけで、それで車体は既存の軽装甲機動車をちょっと改造しただけ。でも無人兵器は未だコンセプト設計すら纏まっていない始末。あれじゃ3年で仕上がれば上々ですよ」

 

「3年、それは、それでは余りにも長過ぎるぞ……」

 

 開発した当事者の1人が楽な仕事だったかのように言うが、それでも新型の砲を開発するのが簡単な仕事であるはずがなく。だが実際に現物はここにあって―――。

 

「ともかく、3年後よりも明日だ。今日の攻撃を跳ね返した以上、明日からはそれ以上の攻撃が想定される。今日はいなかった戦車型しかり、帝国空軍しかりだ」

 

「そうだな。戦車型ならアスホールペネトレイター2や歩兵戦闘車(IFV)の対戦車ミサイルでどうにかなるだろう。だが帝国空軍となると、アルラン少尉、第3歩兵師団の対空砲兵連隊はどれだけ残ってる?」

 

「第3歩兵師団で防空を担う第54対空砲兵連隊は対空ミサイル車両に関してはほぼ定数通りの22両が残存、ただ近距離防空を担っていた20mm機関砲搭載の自走対空砲は今までの対地戦闘支援で損耗して4両しか残っていません」

 

「対空ミサイル車両が残ってるなら、どうにかなるか?いやそもそも阻電攪乱型が展開してる最中に対空ミサイルがどれだけ機能するのやら」

 

 勝利したにも関わらず、我々の先行きは未だ暗雲立ち込めて見通せず。

 それはまるで阻電攪乱型で埋め尽くされた空のようで。

 

「とりあえず、第3歩兵師団に第54対空砲兵連隊から1個中隊でも回してもらいましょう。敵機が来るのが分かっているのに手段を用意していないなんて笑い話です」

 

「そうだな。そうしよう」

 

 この時の我々は大真面目に、明日にでも帝国空軍が来ると信じていた。

 それどころか第3歩兵師団でも事態を大真面目に捉えて、翌々日には地対空ミサイル部隊を2個中隊も派遣してくれた。

 

 だが、帝国空軍は来なかった。




 知らぬ当人たちは大真面目。

連邦(帝国)空軍「ウチも飛べないんだよなあ」


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【開戦1週間で】貴族令嬢転生を満喫してたら国が亡くなりそうな件【お通夜ムード】(続き×4)(おまけ付き)

662:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/07(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

【速報】カールシュタール中佐指揮する第112歩兵連隊初戦勝利【やったぜ】

 

663:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

おお勝ったのか

 

664:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

さすが准将

 

665:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

中佐(准将)とは

 

666:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/07(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ただ、部下のコバ技術准尉じゃなくてカールシュタール中佐から第一報が来たのが気になる

 

667:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

は?

 

668:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******8

 

まさか戦死?

 

669:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/07(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

あー!あいつ負傷して気絶してやんの!

 

670:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

 

671:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

 

672:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

いやでも負傷の程度がわからんぞ

 

673:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/07(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

とりあえず軽傷らしい

 

112連隊全体では第1歩兵中隊と第1迫撃砲中隊が戦闘に参加して、戦死者は3名、負傷者は10名少々

帝国軍側は自走地雷、斥候型、近接猟兵型の混成2個中隊規模、それに長距離砲兵型の支援砲撃付き

その混成2個中隊の内の半数を撃破した所で帝国軍が撤退した

 

674:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******3

 

おー良かった軽傷か

 

675:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

ある程度の損害を与えれば撤退するのは原作と同じっぽいな

 

656:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******8

 

ん?

待って、生身の兵隊が死傷者10人ちょっとでほぼ同規模のレギオンを撃破したって事?

 

657:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******4

 

それホントにレギオンか?

 

658:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******8

 

それホントに人間か?

 

659:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

イッチ、ほんとにエイティシックス世界にいるの?

 

660:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/07(水) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>656~659

私に聞かれても……

 

明日になれば詳報が上がってくるだろうし、何があったかはそれ待ちかなあ

 

661:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

ちょっと二次創作にしても大戦果過ぎるんよなあ

 

 

 

694:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

おはよう

昨日の戦闘の詳報来た

 

695:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/20(月) 00:00:00.00 ID:88888888

 

こんばんわー

 

696:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

来たか

 

697:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

ガタッ

 

698:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

とりあえず双方の参加兵力と損害から

 

112連隊

 

第1歩兵中隊(250名)

第1迫撃砲中隊(80名)

 

戦死7名

負傷8名

(コバ技術准尉を除いて全員が第1歩兵中隊所属)

 

帝国軍

 

自走地雷、斥候型、近接猟兵型 混成2個中隊(約200両)

長距離砲兵型 推定1個中隊(推定20両)

 

撃破約100両(自走地雷、斥候型、近接猟兵型のみ)

 

699:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

やっぱ圧倒的戦果だな

 

700:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******4

 

あれ、戦死者増えた?

 

701:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

確か昨日の時点では3人だったよね?

 

702:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

戦死者が増えたのは後方の第3歩兵師団までは後送できた有色種重傷者の受け入れをシャリテの病院が拒否したため

 

703:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

は?

 

704:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******3

 

あー

 

705:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

そっか、そうなるのか……

 

706:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

第3歩兵師団の衛生中隊までは頑張ってくれた

だけど第3歩兵師団の内部でも有色種への風向きはあんまり良くないので、次はこれすら怪しい

 

707:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

なんというか、やるせねえな

 

708:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

味方のせいで戦死者が増えるとかやってらんねえ

 

709:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

とりあえず112連隊の補助員で医者や看護師だった人たちで衛生分隊を組織して、自前で負傷兵の救護を行えるようにする事になった

必要な資材は正規の衛生部隊じゃないせいで正規ルートで送れないから、私が送る試作兵器に紛れ込ませる形でこっそり送る

 

710:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

原作でも負傷=死だったけど、そうなるのが早すぎる

 

711:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

補助員に医者がいるのか?

 

712:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

医者いたよ

歯科と性病科が1人ずつだったけど

あと看護師が2人

 

112連隊を編成する時に、医者とか専門職とかどうかに関係無く身内に戦死者がいる有色種を片っ端から徴集したみたい

それで外科治療についての医学書の注文も来てる

 

713:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******3

 

歯科と性病科って、まあいないよりはマシか

 

714:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******8

 

スピアヘッド戦隊には看護師さえいなかったしなあ

 

715:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

戦況図あったから貼る

https://www.google.com/maps/@49.0044021,5.4642915,3115m/data=!3m1!1e3

 

トロワイヨン市街から北東へ200mの辺りに延べ長さ800mの塹壕線と6つの退避壕からなる防衛線が構築されてる。

退避壕は全地下式で天蓋に2.5m厚のコンクリートを使ってて長距離砲兵型の155mm榴弾砲に対する防御は完璧。

この辺りは112連隊と入れ替わりに後退した68連隊が残したのを修理拡張するだけだったから間に合った。

 

レギオンはこの防衛線に真正面からぶつかるようランジエール通り沿いに侵攻すると共に、防衛線に対して長距離砲兵型の準備砲撃。

これに対してマッズ川西岸に布陣した第1迫撃砲中隊による射撃が始まると長距離砲兵型は準備砲撃から対砲兵射撃に移行。

これで第1歩兵中隊が退避壕から出て塹壕で射撃体勢に入れた。

 

ここまでは今までの共和国軍でも似たような事をだいたい出来てた。

 

716:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

ほうほうなるほど

 

717:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

これなら普通に勝てそうな?

 

718:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

相手がレギオンじゃなければなぜ勝てないレベル

 

719:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

今まではここから問題点が2つあったのよ。

 

1つ目、長距離砲兵型の対砲兵射撃がこちらの砲兵が初弾を撃ってから遅くても40秒以内に降ってくる事。

これで共和国軍の砲兵が排除されると長距離砲兵型は準備砲撃に戻って、塹壕線にいる歩兵も曵火射撃で消耗していく。

 

これに対しては今回は第1迫撃砲中隊が初弾を撃ってから25秒で陣地転換を徹底して繰り返した。

これにより対砲兵射撃を無効化させ、長距離砲兵型に延々と対砲兵射撃を強いさせる事に成功。

 

これは2B9搭載軽装甲機動車の連射性能と機動性能が無ければ達成できなかった。

 

720:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

レギオンの対砲兵射撃が早すぎる

 

721:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******8

 

でも撃って走ってなら戦車にもできるんじゃ?

 

722:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******4

 

戦車に砲兵の仕事させるのはコスパ悪すぎるだろ

 

723:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

戦車だとコスパもそうだけど、阻止射撃に使うには搭載弾数が少なく持続火力に乏しいってのもあるだろ

 

724:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

それでも使うしか無くて使ってる部隊は多かったけどね

 

725:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

なるほどなあ

 

726:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******3

 

それを考えるとジャガーノートの57mmなんていう小口径砲も継戦能力を考えたらアリなのか?

 

727:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

だからって戦車型にほぼ対抗できないのはナンセンスでしょ

 

728:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ジャガーノートも気になるけど、とりあえず2つ目

 

歩兵がレギオンに対して有効な火器を殆ど持っていなかった。

開戦当初の時点ではカールシュタール中佐の部隊に試験配備という名目で押し付けてたライフルグレネードが実質唯一だった。

他は火力分隊が持ってる携行対戦車無反動砲や携行対戦車ミサイルがあったけど、ミサイルの方は阻電攪乱型による妨害のせいでほぼ命中せず。

残るは対戦車地雷や即席爆弾、果ては火炎瓶を抱えての肉薄攻撃しかなく。

 

これに対しては歩兵全員に重自動小銃フェルギネアを持たせる事で、歩兵なら誰でも戦車型以外のレギオンを距離300mで撃破可能になった。

 

これでようやく、共和国軍の歩兵はレギオンと対等に撃ち合いが出来るようになった。

後は塹壕から撃つ共和国軍歩兵と野原を遮蔽も無しに進むレギオンとで撃ち合えば、結果は第一次世界大戦みたいなもので。

 

729:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

はえー

 

730:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******8

 

軍事にわかの俺にはさっぱり

 

731:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

これジャガーノート要らないんじゃないか

 

732:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******3

 

イッチの兵器だけで勝てそう

 

733:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******4

 

勝ったな

風呂食ってくる

 

734:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

やめろ縁起悪い

 

歩兵だけで戦争に勝てたら機甲は要らないのよ

現状の共和国は国土の多くを喪失していて、その奪還には機動力のある兵器が必須なの

 

だからジャガーノートになるであろう新型機甲兵器の開発には一応私も含めて国中が期待しているんだけど、だけど……ね?

 

735:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

まあ、未来を知ってしまえばなあ

 

736:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

ジャガーノートだもんなあ

 

737:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******8

 

もうジャガーノートもイッチが開発すれば良いのでは

 

738:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

それはもう、搭載火器案には私が開発した数々の兵器を提案してるのよ

ただ、そもそもの全体コンセプトすら未だ決まっていない始末

 

主砲でさえ主力戦車と同じ120mm滑腔砲から、歩兵戦闘車の40mm機関砲、あるいは戦闘機の30mm機関砲まである中で、何を採用するかすら決まっていない

 

739:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******3

 

全部作れば良いのでは

 

740:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

あ察し

 

741:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

もしかして共和国軍がジャガーノートとファイドしか配備していないのって

 

742:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

前線視察しに行った開発チームが1人残して全員死んで、その残った1人もどっかに飛ばされてるんですが???

 

743:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

ミシェル氏……

 

744:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

未だに連絡付かないのか?

 

745:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******4

 

無理だろ共和国だぞ

 

746:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

消息不明だね

装甲車両開発部の連中に聞いたら死んではいないとは言ってるけど

 

747:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

ところでイッチ、上での長距離砲兵型の対砲兵射撃がーって話で気になったのだけど

対砲兵射撃を回避出来るのとは別として、対砲兵射撃を受けても良い砲っていうのもアリなんじゃない?

撃たれて破壊されても良いような安い砲で、なおかつレギオンも撃破出来る威力のデカい奴

 

748:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

ほほう?

 

749:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

なるほど完璧な兵器っスねーーっ

不可能だという点に目をつぶればよぉ~~

 

750:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

んー

一応気になるから教えて

 

751:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

いや実在してるんだが

九八式臼砲って奴なんだけど

 

752:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

なにこれ

 

753:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

その兵器知らないのだけど

臼砲って事はけっこう重い砲よね?

 

754:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******3

 

これ映画で見た事あるな

 

755:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

なにこの、発射器は鉄か木で出来た棒?

 

756:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******8

 

末期兵器ここに極まれり

 

757:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

いやこれ第二次世界大戦より前、ノモンハンの頃には完成してるぞ

 

758:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******8

 

なんだと

 

759:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ちょっとちょっと、そっちだけで盛り上がってないで私にも見せて

stps://image.mag/upload

 

760:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******7

 

そうだった

stps://image.mag/*******

stps://image.mag/*******

 

761:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

ウィキペディアのスクリーンショットも貼っとく

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E5%85%AB%E5%BC%8F%E8%87%BC%E7%A0%B2

 

762:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

なるほどスピガットモーター、臼砲って名乗りながら実質は迫撃砲なのね

射程1100mながら威力は300mmクラスの榴弾砲に比類、それでいながら砲身はただの棒

 

これ良さそう

 

763:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******3

 

この威力なら戦車型も撃破できそうでしょ

映画でもシャーマン戦車を撃破してたし

 

764:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******4

 

エイティシックス世界で作るにしても、流石に1930年代の設計のまま作るんじゃなくて何かしらの改良してほしいな

 

765:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

成形炸薬弾頭にでもするの?

 

766:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

成形炸薬は理論が出来た時代で言えばさらに昔なんだよなあ

 

767:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

なんとなく言わんとする事は分かる

その労力を実際に払うのは私なんだけども

 

まあ実際に使うにしても、せっかくこれだけ大きな弾頭なら地表のレギオンに対する加害力を最適化させる為に最低でも曵火はやりたいね

迫撃砲として歩兵に運用させるのに時限信管は面倒、阻電攪乱型のせいで近接信管は無理、となるとデイジーカッターみたく延長信管一択かな

あと成形炸薬に近しいけど、弾殻側面をエグゾセみたく自己鍛造弾にするのも良さそう

 

768:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******4

 

デイジーカッター?

 

769:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******2

 

エグゾセって自己鍛造弾だったっけ?

 

770:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

九八式臼砲の飛翔速度だと自己鍛造弾の凹は剥き出しのがゴルフボールのディンプルみたく空気抵抗を低減して射程伸ばせるかも?

 

771:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

あーやろうとしてる事は理解した

だがそれはもはや九八式臼砲じゃないんだよなあ

 

772:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

>>770

そのアイデア貰うわ

 

ところで今回、中佐達からは対空火器の要望があったのだけど

 

773:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******5

 

要らん

 

774:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******9

 

イラン

 

775:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/03/19(日) 00:00:00.00 ID:*******6

 

レギオンに航空戦力なんて居ないし

 

776:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/10/08(木) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ですよねー

 

 

 

 星歴2139年10月18日

 サンマグノリア共和国

 東部戦線

 第3歩兵師団管区

 ロレーヌ自然公園外縁部防衛線

 トロワイヨン東部防御陣地

 

「これが、新型……迫撃砲?」

 

「はい、試作324mm重迫撃砲です」

 

 一昨日に2度目の防衛戦を、またもや軽微な損耗で潜り抜けた第112歩兵連隊の元に届いた新兵器を前にしてカールシュタール中佐が困惑を呈する。

 

 それもそうだ。

 リュシェール中尉から送られてきた新型迫撃砲の梱包を解いてみて出て来たのは、3分割の組立式らしき砲弾の弾殻、装薬と炸薬、摩擦式と電気式の門管が2つずつ、普通の慣性信管とやたら長い瞬発信管、それとセメントに型枠。

 

「おい待て、弾が分割組立式なのは見て分かったが、砲本体はどこだ?」

 

 ミリーゼ中佐も、それを見て当たり前の疑問点に辿り着く。

 

「説明書によれば、セメントと型枠、それと梱包に使っていたコンテナで作るようです」

 

「「「つくる???」」」

 

 そうは聞かれても、僕がこの新型迫撃砲の開発に際して関与したのはやはり弾の空力設計だけで、砲そのものは全く知らなかったのだ。それがまさかコンクリート製だったとは……。

 

「えーっと、今回は試射ですぐ撃てるように簡易式の砲も送っているとのことですが……」

 

「簡易式の砲。アレが、ねえ……」

 

 デュティ大佐が指差した先にあるそれはどう見ても木製の、スプルース材を加工した長さ1.5m程の巨大な杭でしかなく。

 

「マァ、スピガット式ってのはなんとなく解かった。構造としてはアレだ、歩兵が持ってるアスホールペネトレイター(ライフルグレネード)を大きくしただけだな。確かに試射程度なら十分だろう」

 

 砲兵将校であるデュティ大佐は流石というか理解が早かった。

 

「この杭、あるいはコンクリート製、もしくは砲弾重量を支えられる何かしらで出来た砲身を45度の角度で設営し、組立た砲弾を被せる事で発射準備は完了です。射距離は300mから1500mまでの範囲で装薬の量を加減する事で調整します。この為、何処へ撃つのかは予め決めた地点でしか選べません」

 

「なんというか、我々は末期戦を戦っているというのを実感するな」

 

 確かに見た目から取れる印象としては、僕もそう思ったのだが。

 

「いえ中佐、リュシェール技術中尉としては防御のみならず攻撃にも適するものとして設計しているそうです。それというのも、威力だけ見れば300mmクラスの重砲に匹敵する火力を、この簡素かつ分割構造により徒歩の歩兵でさえ携行可能となっているのです」

 

「モノは言いよう、だな」

 

「まあ、とりあえず撃ってみようぜ」

 

 

 

 手順書の通り、杭もとい砲身をコンテナに空いている穴に差し込み、コンテナの中には重心を安定させるべく土で満たしてやれば砲は完成。

 後は砲身に弾の部品を差込ながら組立ていくのだが―――。

 

「分割式とはいえ、この弾殻重いぞ。一体何kgあるんだ?」

 

「ええと、一番重い部分で58kgです」

 

「いくら人力でも持てるとはいえ、これで歩兵による携行が可能というのは無茶があるぞ」

 

 僕もそう思います。

 

「この、やたら凹みの付いた弾殻は何の効果を狙っているんだ?」

 

「その凹みの1つ1つが自己鍛造弾として機能するようになっています。元は対艦ミサイルに使われていた設計の応用で、これにより比較的薄い弾殻でも対装甲目標への加害力を確保する事ができ、弾殻重量を25%削減する事に成功したそうです」

 

「つまり?まさかもっと重かったのか?」

 

「はい。最初の設計によって見積もられた重量は一番重い部分で80kgだったそうで」

 

 どう取り繕っても携行可能というのは虚偽である。

 

「この、やたら長い信管は何だ?」

 

「そりゃあれだろう、100年くらい昔にも似たような奴があったぞ。長い分だけ信管の発動タイミングを最適化させて地表の目標に対する威力を最大化させているんだろう」

 

「ええ、その通りです。この延長信管はええと、1915年式瞬発信管に着想を得ているそうです」

 

「100年どころか200年以上も昔じゃないですか」

 

「この1915年式瞬発信管というのは不発が多かったらしく、その対策としてこの新型迫撃砲では弾底部に予備の慣性信管を取付するようになっています」

 

 たぶんコレは半ば中尉のジョークだろう。発動タイミングを最適化させる為の長い信管というアイデアは現代でも成形炸薬弾で使われているし。

 

「発射にはこの摩擦式の、あるいは電気式の門管を用います。砲の構造と規模が故に不発となった際の危険性が極めて大きいため、どちらを使うにしても必ず2つの門管を使用して下さい」

 

「確かに300mmクラスの不発弾対処は嫌だな。絶対にやりたくない」

 

 さて、これで射撃準備は完了だ。

 

「初めて扱う砲の射撃準備に40分。300mmクラスの砲として考えれば素晴らしく早いな。で……どっちが撃つ?」

 

 門管に引索を繋げたデュティ大佐が中佐達に問い掛ける。

 

「いえ、砲なのだからデュティ大佐では?」

 

「オイオイ、ウチの中隊はあの自走砲だけの分しか人員はいないぞ。これだけ簡素な砲なんだから歩兵で運用してくれよ」

 

「それは、確かにそうですね。……じゃあヴァーツラフ、やってみてくれ」

 

「待ってくれ。これを前線の陣地で扱うには重すぎるし、だからといって前線で前もって射撃準備をしていたら準備砲撃で破壊されてしまう。人員は歩兵中隊から抽出するにしても、連隊司令部直轄で新たに火力中隊を編成して、最大射程ギリギリの後方から撃てないか?」

 

 どうして撃つ間際になってから、誰が撃つかで揉めるのだろうか。

 

「じゃあとりあえず、僕が撃ちますね。どう使うか検討するのは、実際に見てからの方が良いでしょう?」

 

「「「どうぞどうぞ」」」

 

 おい。

 

 

 

 そうして全員で安全位置まで、スピガット式の為に射点から半径10mの辺りまでブラストによる被害半径が生じるために退避して、僕が引索を握り締める。

 

「では撃ちますよ。―――3、2、1」

 

 ぐいと勢い付けて引索を引いた先、その先に繋がる2つの門管から白煙が噴き上がって、途端にばしゅっとロケットじみた発砲音。

 

 初速120m/sで撃ち出された砲弾が白煙を曳きつつ飛翔していき、1000m先に並べたレギオンの、一昨日までに撃破した残骸へと向かって―――着弾。

 

 そして、薙ぎ払われた。

 

 弾殻から生成された自己鍛造弾による加害半径が15m、さらに爆圧による加害半径が50m。これはあくまでレギオンなど装甲車両に対しての数字であって、軟目標、つまり人間や自走地雷といった目標に対しての加害半径は125mに達する。

 

 その結果がどうなるかと言えば―――。

 

「これは……、凄い」

 

「吹き飛んだ、いや消し飛ばしたのか?」

 

「すげえ……。あはは、おったまげた」

 

 爆煙が風で流されて見えて来た着弾点の辺りを双眼鏡で見てみれば、いや双眼鏡も無しに肉眼ですら見て取れるそれに、カールシュタール中佐やミリーゼ中佐のみならずデュティ大佐までもが驚嘆した。

 

「これは、確かにあの重さの価値がある」

 

「227mmロケットよりも威力が大きいんじゃないか」

 

「そりゃ227mmロケットは多弾頭で、こいつは単弾頭。単純な威力で比較するべきはそれこそレグキードが持ってる遠征艦の主砲くらい。だが……」

 

 そこでデュティ大佐が振り向いて見たのは、たった1発の弾を撃っただけの砲身。

 

「1発で真っ黒焦げ。これに再装填は、3発目までは撃てなくもないだろうが4発目は無理だろうな」

 

 スプルース材の砲身はものの見事に焼蝕して黒焦げ。装薬の燃焼ガスをまともに受けた先端部分に至ってはボロボロに焼け落ちている。

 

「コンクリートで作ったとしても、耐熱性や耐衝撃性を考えれば殆ど同じか」

 

「はい。コンクリート製でも鉄筋が無い場合の砲身命数は5発としています」

 

「なるほどな。だがむしろ諦めが付くというものだ。どうせ対砲兵射撃で辺り一帯掘り返されるのだから」

 

「二度と使われる事のない砲にあの対砲兵射撃が降り注ぐと考えると、そりゃあ滑稽だな。今からでも笑えてくる」

 

「唯一の欠点といえば一度設置したら砲の向きも射距離も簡単には変えられない事だが……。コバ技術准尉、今回の補給でこの迫撃砲はどれだけ入っていた?」

 

 その兵器として致命的に大きな欠点に対し、リュシェール技術中尉は極めて単純な解決方法を提示した。

 

「はい、50発です」

 

「素晴らしい。それだけあるなら、帝国軍の予測進路の全てに向けて設置してもまだ余る」

 

 何しろ弾が本体のような、それでいてその弾自体も極めて単純な砲なのだ。

 自己鍛造弾の設計を取り入れた弾殻の構造こそ手間が掛かっているが、それでもRMIは対艦ミサイルで作り慣れていた。

 

 その結果が、発案から僅か1週間で試作を50発も作り上げ、ここトロワイヨンに積み上げる事となるのだが。

 

「ところでコバ技術准尉、……これが依頼していた対空火器なのかね?」

 

「いえ、それは私も確認したのですが、これは120mm迫撃砲の後継として発案したもので、対空任務には全く適さない。との事です。それと、対空火器に関しては門外漢だから他を当たってくれとも」

 

 というよりも、どう考えても()()()()()()としか読み取れない返答に僕だって困惑したのだ。

 これまでも良く分からない試作兵器を大量に積み上げて来た僕の上司ではあったが、仕事として割り振られた案件を断る事なんて余程理に適っていない(梱包爆薬)限り無かったのに。

 

 喫緊の課題であるはずの帝国空軍対策を、門外漢だという理由だけで断ったとはとても思えなかった。

 なにせリュシェール技術中尉の専門はRMIの爆弾魔の異名通り手榴弾の類ではあるが、それ以外のカテゴリーに類する兵器を開発した事など枚挙に遑がない。

 

 ()()()()()()()()()()()のでは?

 

 そして一昨日の戦闘でも帝国空軍は来なかった。

 

 第3歩兵師団隷下の第54対空砲兵連隊から派遣されてきた2個地対空ミサイル中隊は、しかし1発も撃つ事なく戦闘は終結。

 

 作る気がない理由……対空火器が()()()()()()()()




今回の新兵器こと試作324mm重迫撃砲はちょっとネタが細かいので解説を以下に。

砲の見た目イメージはティッシュ箱(弾薬コンテナ)に斜め45度の角度で突き刺した食品ラップの芯(コンクリート製砲身)でだいたい合ってます。

対砲兵射撃が早すぎるなら陣地転換を諦めて砲を使い捨てにすれば良いじゃない。というコンセプトで、砲が台座つきの棒でしかない九八式臼砲をピックアップ。
口径を324mmとしたのは、九八式臼砲に似た口径かつ似た性質のフランスの砲として12仏インチのグリボーバル臼砲というのがあったため、こちらから引用しました。
ヤード・ポンド法を滅ぼそう!
更にエグゾセとデイジーカッターの技術をぶち込んで射程と威力が強化されています。
砲身をコンクリート製としたのは共和国の国土失陥に伴い森林資源の多くも喪失していると考えられるためです。

エグゾセの弾殻にある自己鍛造弾の凹は以下のページで下から3番目の画像に写ってるのが実物です。
蓮コラが苦手な人は注意かも。
これによりただでさえでかい九八式臼砲の威力に加えて自己鍛造弾を周囲にバラ撒く強化仕様に。
ついでに威力を弾殻の厚みだけではなく形状でも、更に以下の信管でも確保できたので軽量化して射程延伸も達成。
http://weaponscollection.com/23/15842-korabli-nato-slabaki.html

作中で触れた1915年式瞬発信管の元ネタは以下のページ中央辺りにあるFusée détonateur percutante de 24/31 IA modèle 1915です。
野砲の榴弾が着弾した際に地面に潜り込んでしまい、榴弾としての効果が損なわれていた対策としてフランスで開発された信管です。
アイデアとして極めて単純かつ、ちゃんと機能さえすれば加害効果を最大化できたので、作中の通り現代でもHEAT弾やデイジーカッターなどでこのアイデアが多用されています。
http://www.guerredesgaz.fr/Agression/artillerie/fusee/fusee.htm



掲示板のIDは後でちゃんと整理したい所。
現状、主人公と他2人しかちゃんと管理できていないので……。

次話かその次辺りで現実世界で第2巻発売日か、知覚同調(パラレイド)が配備される辺りまで飛ばすのを予定。
原作に記載は無かった気がするけど、たぶんジャガーノートよりパラレイドのが早いような感じがしたので、その方向性で行こうかと。


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はじめまして、リュシェール様。わたくしは―――

そういえば彼が居たのを思い出しました。


 星歴2139年12月1日

 サンマグノリア共和国

 首都リベルテ・エト・エガリテ

 共和国工廠本部

 屋外射場

 

 そういえば今日の午後は、向こうだとこの世界(エイティシックス)の第2巻の発売日なんだなと、ふと寒空の下でそれを見ながら感慨に耽る。

 

 そのエイティシックスの情報を元にして私が装甲車両開発部に開発を依頼したそれが、その現物が今は私たちの目の前に鎮座している。

 

「このXM101〈バーレット〉はレギオンに対抗すべく大重量化が進む昨今の歩兵装備の運搬を支援する無人機であり―――」

 

 XM101〈バーレット〉。

 

 それが目の前の装甲車両開発部の男、ミシェルの上司だった技術少佐が共和国軍上層部や私達RMIの職員の面々に向けてプレゼンテーションしている機体の制式名称だ。

 

 オレンジ色の角ばった体躯に短い4本の脚、2本の伸縮式クレーンアーム、1基のコンテナマウントを備え、単機で5tの積載量に加えて牽引により追加の運搬を可能とする、正真正銘の無人機。

 

 レギオンに対抗可能な無人兵器の開発に行き詰った装甲車両開発部が、それでも何らかの成果を上層部に示すべく、ちょうど私からの要求があった事もあって、非武装とはいえ装脚式車両の実戦運用によるデータ収集も目的として開発した機体だ。

 

 そんないくらか消極的な理由により生まれた目の前の機体は、しかし鉄道輸送を鑑みて車両限界ギリギリで設計されたその全高2.5mの図体で居ながらも何故か中々に愛嬌があるように見えた。

 

「ぴっ」

 

 ?

 

 ……喋った?

 

「―――それではデモンストレーションとしてXM101〈バーレット〉によってM324重迫撃砲〈グリボーバル2〉を設営させて見せましょう」

 

 そう言って技術少佐が手元のタブレット端末で何かの操作をすると、XM101〈バーレット〉はアームを使って背部のコンテナから1つの弾薬コンテナを取り降ろし、その中身を取り出して組み上げていく。

 

 先々月に私が開発して先月に制式採用されたM324重迫撃砲〈グリボーバル2〉、それの模擬弾頭と成形済みコンクリート製砲身を組み合わせた訓練仕様だ。

 

「あのアームで門管に引索を結び付ける事さえ出来るのか。中々に器用じゃないか」

 

 そして私の隣には何故か作戦部のアンリ・クリーブ少将が居る。何故だ。

 

「どうした?リュシェール君の発案なんだろう、あれ」

 

「ええ、確かに私が装甲車両開発部に開発依頼をしていましたが……、まさかテストベッドとはいえ主力機を差し置き先行して開発されるとは想定外でした」

 

「確かにな。試作機が出来たと見に来てみれば、出来上がったのは非武装の支援機。それも―――」

 

 クリーブ少将の視線の先ではちょうど装甲車両開発部の技術少佐がXM101〈バーレット〉から引索を受け取った所だった。

 

「それではXM101〈バーレット〉が設営したM324重迫撃砲〈グリボーバル2〉を撃ちます。―――3、2、1、発射!」

 

 ばしゅっと発射音を響かせて撃ち出された砲弾、あくまでデモンストレーションという事で装薬を減らされ300mの射程しかないそれが小さな放物線を描いて飛んでいく。

 

「アームの能力的には迫撃砲の設営から装填、そして発射まで可能だが、敵味方識別システム(IFF)の開発が完了していない為に自律システムとしての発射動作にはプロテクトを掛けており不可能。……惜しいな」

 

「それでも支援機として割り切れば中々優秀かと」

 

「作戦部としては機動戦を行う為の主力機が欲しかったのだがなあ。いや、XM101〈バーレット〉で得られた知見が主力機の開発に寄与するのを期待しておこう」

 

 そのXM101〈バーレット〉は今度は陣地設営をやり始めた。スペックシートにも書いてあったけど中々に多芸だな?

 

「ああそうだ、一応君にも関係する話だから教えておこう。アークエンシエル連隊(Régiment Arc-en-ciel)だが、第112歩兵連隊(112eRI)以外の全てが一昨日までに全滅したそうだ」

 

「……え?」

 

 どういう事?

 

「それに合わせて112eRIの称号は唯一の虹色連隊(Régiment L'Arc-en-ciel)に改称される。共和国軍で唯一となった虹色連隊として―――中尉、どうした?」

 

 目の前でXM101〈バーレット〉は戦車壕を掘り終え、今度は四隅に突き刺した支柱に偽装網を展開している。

 

「全滅?……()()、虹色連隊?」

 

「何だ、知らなかったのか?捨て駒が1つだけな訳無かろう。君の開発した兵器の有用性を実証する為の比較対照として、旧来の装備と編成の部隊と、あるいは作戦部の他の派閥が推す別の戦術を採用した部隊があったのだよ」

 

 対照実験という検証手法が脳裏に過ぎる。

 レギオンに対して旧来の装備と編成の部隊がどうなるかなんて、開戦から今日までにいくらでも実証されてきたのに?

 

「ちなみに、別の戦術というのは?」

 

「君の兵器がなければ、それが新型機甲兵器の開発までの時間を埋める事になっていただろうね。……対戦車地雷や即席爆弾(IED)を抱えての自爆攻撃だよ」

 

 自爆攻撃が、戦術?

 

「それは、以前に私が断った梱包爆薬用起爆装置の?」

 

「ああ、君の所にも開発要求が来ていたのか?確か民間の火薬製造企業が発破用炸薬で作られたものが採用されていたが」

 

 ああ、確かに共和国で火薬を扱っているのはRMIだけでは無い。

 だから私が断って、そして私以外のRMIの他部署が多忙で手が塞がっていようとも、他が作れてしまう。

 

「結局はロクに戦果も挙げられず全滅したよ。それこそ旧来の部隊の方が良く戦えていたくらいだ。まあ()の要求であった虹色の処分という面ではその方が良かったのかもしれんが」

 

「それじゃ112eRIは、唯一となってしまった虹色(L'Arc-en-ciel)は、どうなるんです?」

 

 まさか()()()()()()のような決死作戦なんて。

 

「そう心配しなくていい。112eRIはもはや捨て駒にするには惜しい。これだけは作戦部の総意だ。何せ共和国で唯一、レギオンに対抗可能な部隊なのだから。それは君の開発した兵器を優先的に配備しているからというのもあるが、それ故に戦技開発や他部隊への教導を担わせたい」

 

「つまり、後方に?」

 

「いや、しばらくは前線で遅滞を行いながらだ。シャリテの北にある要衝ランスが陥ちて第3歩兵師団全体が半包囲されている現状で、その中から112eRIを引き抜けば東部戦線そのものが崩壊する。今や112eRIは東部戦線の要だ」

 

 つまり、危機的なれど決死ではない。

 

「だから、コレも君に預ける事になる」

 

「……コレ?」

 

 クリーブ少将の視線の先を見てみようと視線を正面に戻してみれば。

 

「ぴっ」

 

 その巨体は何時の間にか目の前に居た。

 

「ひッ」

 

 思わず半歩下がって右手がホルスターに掛かる。

 いや、……大丈夫か?

 

「ああ、リュシェール技術中尉、驚かせてすまないな」

 

 そんな私に声を掛けたのはXM101〈バーレット〉の横に立つ装甲車両開発部の技術少佐。ええと、確か、そう、アレン・ラフロア技術少佐だったか。

 

「ええ、はい。なんとか。吃驚しました」

 

 ふと辺りを見回せば人は疎ら、何時の間にかXM101〈バーレット〉のプレゼンテーションは終わっていたらしい。

 ラフロア技術少佐と、そしてXM101〈バーレット〉の巨体を見上げつつクリーブ少将へと問い掛ける。

 

「コレ、というのはまさか?」

 

「そうだ。XM101〈バーレット〉の試験運用を112eRIで行うにあたり、君の方で事前評価を行ってもらいたい」

 

「ぴぴぴっ」

 

 ……いや、何か喋ってますよねコレ?

 

「ちなみに何機を、ですか?」

 

「……それがだな」

 

 何故か途中で言い淀むラフロア技術少佐。

 

「実は、まだAIが完成していなくてな。出来上がったのはこの1機だけなんだ」

 

「ぴぴっ」

 

 ?

 

 いや、AIといっても所詮はプログラムでしかない訳で。

 

「この、目の前のXM101〈バーレット〉に使ってるAIを複製すれば増やせるのではないでしょうか?」

 

「それが、出来ないんだ」

 

「ぴっ」

 

 ??

 

 プログラムの複製が、出来ない?

 そして何故かラフロア技術少佐の額には12月の寒空の下にも関わらず汗が浮き始めていて。

 

「それは一体、何故です?このAIを開発したのは貴方方なのでは?」

 

「違う……。コイツに入ってるAIは、我々が開発したものでは無いんだ!」

 

「ぴっぴっ」

 

 ???

 

 は?

 

「それじゃ一体、これは何によって動いているんです?」

 

「ぴっ」

 

「分からない。分からないんだ!複製も解析も出来ない!何処から来たのかも分からないんだ!」

 

「ぴっぴぴっ」

 

 もはやラフロア技術少佐の表情は亡霊に憑りつかれてしまったかのようで。

 

「どういう事なの……」




早すぎたファイド


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【これたぶん】何か装甲車両開発部から押し付けられた件【ファイドだよね】

前話に頂いた感想でファイドの出所に関する言及が多かったので補足を少しばかり今話の冒頭に追加しています。
白系種だけのRMI製では無いのはそうとして、でも当事者としてまず疑うべきは共和国内の有色種ではなく―――。

この補足の部分はしばらくしたら前話の方に移設します。

あと連邦への亡命は機動戦術の根幹となるジャガーノート()と、シンエイ・ノウゼンの異能(カーナビ)が無いと無理な旅行なのです。

共和国上層部エグくない?
だってそうしないと、有色種を動員する口実をでっち上げたその時に、その報酬である市民権をすぐに返さないといけなくなる戦死者遺族の有色種が発生してしまうので……。
どちらにせよ市民権を返すつもりは無いけども、返さなかったという実績を作ってしまうには早すぎるので、志願という体で前線に押し込めて処分しちゃいましょう。

それをエグいと言う?
あっそうだ(唐突)、ちょうど良く分からない新兵器が出て来たから、その実証実験に有色種を有効活用しよう!処分と実証実験で一石二鳥ですよ!
なお原作でも知覚同調(パラレイド)の開発で似たような事をやっている模様。

ところで今更になってハーメルンに掲示板形式のテンプレート機能を知った件について。
とりあえず安価機能は使ってみましたが、ちゃんと上手く出来たのかよく分かってないです。
あと、後への安価に関してはネタバレになってしまうのでリンク付けはしない予定です。


 星歴2139年12月1日

 サンマグノリア共和国

 首都リベルテ・エト・エガリテ

 共和国工廠本部

 屋外射場

 

「まあまあ、落ち着きたまえラフロア技術少佐。先程のデモの通り、とりあえずは動くのだろう?」

 

 そうだ。

 確かに得体の知れない中身が入っているのは事実らしいにせよ、それ以外の機械的性能に関わる部分を作ったのは装甲車両開発部の彼らである以上、その部門責任者であるラフロア技術少佐が半ば錯乱していては話が進まない。

 

「ですが、ですがクリーブ少将、帝国軍が仕込んだバックドアがあるかもしれないのですよ!」

 

「ぴっ!?」

 

 いやまさか、帝国はもう革命で倒されてて―――という原作での話を知ってるのはここでは私だけか。

 

 でも確かに、知らなければそのリスクは確かに考慮するべきであって。

 だけど、それに気付いていながらその得体の知れない何かに私の新兵器を扱わせたのか。

 

「だからどうしたと言うのだね?スペックシートを見たが、コレはスタンドアロンで動くのだろう?ならば外部との通信さえさせなければ良いではないか」

 

「いえしかし、どうやって侵入されたかも分からないのにその対策では……」

 

 そうだ。何処から侵入されたのかも分かっていないのに、その侵入路を塞ぐなど不可能。

 

 ん?……侵入?何処から?

 既に国家間を結ぶ地下30mに埋設された光通信ケーブルは開戦と同時に寸断されており、阻電攪乱型の無線妨害もあって国家間の通信など不可能。―――帝国からの侵入路なんて存在しない。

 

『型番からして戦争序盤に投入された初期型の生き残りで、―――』

 

 ふと、脳裏に過った一文は確か原作のものだったか?じゃあ、まさかコイツ……。

 

「それにこれはリュッテの受け売りではあるし、言ってはなんだが、リュシェール技術准尉が開発した兵器はどれも既存技術の再構築でしかなく、機密となり得る新技術なんてものはそうそう無い。それが多少漏れた所で構わないではないか」

 

「それは、ええと、……そうなんですか?アレらが?」

 

 おーっと、確かにそれらは事実であるけども、第三者も居る中で面と向かってそう言われるのは面子に関わるのよ?

 

「まあ、歩兵が扱える兵器なんて殆どそんなものですよ」

 

「だが自走迫撃砲は歩兵火器ではないだろう?」

 

 うるさいなこの筋肉ダルマ。

 

「その搭載砲である迫撃砲こそ、迫撃砲弾を平射可能な機関砲という画期的な新兵器でしょう。あれを新型機甲兵器の主砲にする案だってあるくらいです」

 

 フォローありがとう。だけど正気ですか装甲車両開発部の連中?

 確かに原作では57mm滑腔砲なんていうロクでもない小口径砲が採用されていたが、それでも81mm迫撃砲弾よりは対装甲能力で勝っているはず。なのにそんな妥協をされては堪らない。

 

「それは……お世辞ですよね?新型機甲兵器には戦車型に対向できる火力が必須でしょう?最低でも105mmくらいは積んでもらわないと」

 

 ついでとばかりに何が本命なのかカマを掛けてみる。

 

「まあ……、それが搭載出来たら良いのだが。現状の見込みでは良くて90mm、最悪は75mmといった所で」

 

「そんな、そんな小口径砲で戦車型の装甲を貫通できるのですか?何か新型の砲弾が?それとも後々に改修する余地を?」

 

 おや、最悪でも75mm?

 原作よりは良くなっている?

 

「それはまあ、今後の進捗次第といった所で」

 

 つまり現状では原作よりはマシとはいえ、それ以上の解決策は何も無しと。

 

 

 

1:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

やあ久しぶり

なんか前スレが書き込めなくなってる?から新スレ立てたよ

 

前スレ

【開戦1週間で】貴族令嬢転生を満喫してたら国が亡くなりそうな件【お通夜ムード】

 

2:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******2

 

おひさ

 

3:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******7

 

なんか前スレ落ちてたね

 

4:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

タイミング的に新刊が出るとそれまでのスレが落ちるのか?

 

5:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******9

 

その後にスレを立てられるのはイッチだけっぽい?

 

6:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

立てた当人だけどワケ分かんないわねコレ

 

7:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

ちなみにこのスレ名って事はまさか?

 

8:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

ファイドもう出来たの?

 

9:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ほら写真

stps://image.mag/*******

stps://image.mag/*******

stps://image.mag/*******

 

10:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

ファイドだ!

 

11:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

ファイドが九八式臼砲を組んでるの草

 

12:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******8

 

九八式臼砲に追加された自己鍛造弾のディンプルがなんというか、その、卑猥です

 

13:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******7

 

見た目が羽根の付いたディルドなんやが

 

14:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

ちなみに制式名称はM324重迫撃砲〈グリボーバル2〉なのに兵隊からの愛称は「クソでけえ空飛ぶディルド(Gode Volant Géant)」になりました

発射する時の掛け声は「GVG」です

 

15:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******2

 

クソでけえ空飛ぶディルドwwwwwwwww

 

16:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

これはクソでけえ空飛ぶディルドですね

たまげたなぁ

 

17:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

「RPG」と同じように「GVG」って叫ばれるのか

 

18:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******9

 

イッチの作る兵器に尽く下ネタ由来の愛称が付くのは何なんだ

 

19:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

それはもう、アスホールペネトレーターを本当にアスホールペネトレーターしたからでしょ

 

20:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

と も か く

近況報告するわよ

 

・XM101〈バーレット〉をカールシュタール中佐達の112eRIに配備する前に私の方で事前評価する事に

・そのXM101〈バーレット〉が何かファイドっぽい気がする件

・112eRIはXM101〈バーレット〉の受領後、シャリテの北にあるランスから後退中の第1機械化歩兵旅団の支援へ

・首都近郊外縁部を囲う要塞群が建造中。たぶん原作で言うグラン・ミュール。

・ジャガーノートの主砲は「良くて90mm、最悪は75mm」らしい

 

21:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******8

 

おー?

とりあえず全般的には良さそう?

 

22:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

ジャガーノートの主砲が悪くて75mmってのは、なんか良さそう

 

23:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

フランスで75mmの砲っていうとCN-75-50が有名よな

パンターのがベースとか言われてる、けっこう強い砲

 

24:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

で、その75mm砲は戦車型の正面装甲を抜けるんです?

 

25:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******5

 

たぶん無理

何かしらの超技術があれば別だけど

 

26:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

とりあえず現状そんなものは無い

 

27:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******2

 

ですよねー

 

28:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

あとXM101〈バーレット〉が何かファイドっぽい件

 

29:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

さあ……?

 

30:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

ワイらもファイド以外のスカベンジャーを知らんし?

 

31:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******8

 

2巻で出た型式名はM101だったけど、そっちはXM101なんだ?

 

32:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******5

 

というかオレンジ色なの?

色の写りがおかしくなってて実はちゃんとミリタリーなカラーリングだったりする?

 

33:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

これXM101でXナンバーの文字通り試作機なんだけど、原作でXが取れてるのは制式採用されて量産機になってるからだと思う

それでコイツ、中身がRMI製じゃない出所不明の謎のAIらしいのよね

 

色がオレンジ色なのは作った奴らの趣味

試作かつ戦闘用じゃないからカラーリングは作った奴の裁量で好きに出来るのよ

 

34:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******7

 

出所不明の謎のAIって何だそりゃ

 

35:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

オレンジ色は建設機械とか作業機械っぽくて良いよね

 

36:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

むしろファイドらしい可愛らしさが出てて良いかも

 

37:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:88888888

 

なにせメインヒロインですからね

可愛いのは当然です

 

38:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

出たなファイド激推し人外スキー

 

39:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******2

 

いや確かに2巻では可愛かったけど

 

40:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:88888888

 

とりあえず今回も2巻のpdfをそちらのアップローダに入れておきますね

stps://pdf.mag/*******

 

41:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

さんくす助かる

 

42:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******5

 

あのさあ

 

43:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******7

 

1巻の時も思ったが、異世界のサーバーにアップロードするのは著作権侵害に問えない理論はちょっと無茶があろうかと思います

 

44:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

ほんと著作権侵害が親告罪で、日本とサンマグノリア共和国に国交が無くて良かったね

 

45:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******9

 

いやここの誰かが角川辺りに通報したら>>40終わりやが?

 

46:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:88888888

 

何も問題ありません

どうせ異世界にあるサーバーにアップロードされただなんて立件できないんですから

 

47:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

それはまあ、確かにそうなんだろうけど

 

48:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

2巻は連邦軍編なんだ?

連邦軍の機体は120mm滑腔砲なの良いなあ

 

あと挿絵に凄く怖いのがあったのだけど?

 

49:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

ああ、カイエのはな……

 

50:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******7

 

胸囲の格差

 

51:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

そういうストーリーとはいえな

 

52:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******2

 

そういうキャラクター設定とはいえな

 

53:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******9

 

しらび先生あんな怖いイラストも描けたんだなあって

 

54:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******8

 

しらび先生貧乳キャラも描くんだなあって

 

55:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

おい待て確かに薄い胸って描写はあったがそういう話じゃなくて口径の話だし、しらび先生は貧乳キャラも描いてるだろ

 

56:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******5

 

おまえも口径の話に戻れ

 

57:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

口径の話に戻った所で今の情勢じゃ連邦になってるらしい帝国領へ行く手段も無いんですけどね

 

という事で戻る先はファイドっぽいXM101〈バーレット〉よ

 

58:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

たぶんファイドじゃないかなあ

 

59:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******7

 

可愛いしファイドで良いと思う

 

60:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:88888888

 

可愛いならファイドという事にしよう

 

61:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

じゃあもう仮称ファイドで良いや

 

そのファイドを配備させる112eRIはシャリテの北にあるランスから後退中の第1機械化歩兵旅団の支援に回される

現在の112eRIはシャリテで休養中で、ファイドを含む補給が完了次第、ランス方面へ向かう

 

これが間に合わないとグラン・ミュールになるっぽい建設中の要塞群がレギオンの射程内に入ってしまう

とりあえず最終目標はランス方面の要塞群の稼働率が33%を超えるまでレギオンの侵攻を抑える事

 

62:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******9

 

そういえばグラン・ミュールってまだ完成していないんだ?

 

63:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

グラン・ミュールが出来ていないのにレギオンがそこまで来てるってこと?

 

64:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

でも共和国だしレギオンからの砲撃が降ってる最中にもエイティシックスに建設作業やらせそう

 

65:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

要塞群で生存圏を囲ってしまえ計画、そもそも有色種の強制収容に伴う財産没収で予算に充てが付くまで着手出来てなかったからね

 

66:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******2

 

そういえばそうでしたね……

 

67:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******7

 

共和国ほんクソ

 

68:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******5

 

ちなみに目標ラインである要塞群の稼働率33%ってのは?

 

69:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

レギオンの長距離砲兵型をアウトレンジできる超長砲身155mm榴弾砲を16門と、

前線をすり抜けて浸透してくるレギオンに対処するための近接防御システムの完成まで

 

超長砲身155mm榴弾砲そのものはRMIが砲弾の超高初速試験用に持ってたのを実戦用に改修したもの、これがたぶん原作でいう迎撃砲

近接防御システムは戦車や装甲車の砲塔をいくらか改良して迎撃砲の周囲に配置するらしい

 

70:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

じゃあ作って現地に設置するだけか

 

71:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

まあ開戦してから開発に間に合うほど共和国って優秀じゃなさそうだし

 

72:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******9

 

ちなみにイッチはグラン・ミュールに何か関与してるの?

 

73:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

近接防御システムの方で声は掛かったから一応仕事はした

フェルギネアや2B9を小型砲塔に纏めた奴

 

でも待ちで運用する要塞の武装で射程の短い擲弾発射器や迫撃砲ってどうなんだろ

死角を埋めたりする程度にしか使えないのでは

 

74:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

射程の長いレギオンに来られたら撃つ前に撃たれるのか

 

75:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******5

 

地形や配置の工夫でアウトレンジさせないようにするくらいしか活用手段が無いだろうな

 

76:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

じゃあ撃たれなければ良いんじゃね?

ソ連の要塞用武装に曲銃身を使った機関銃があるけど、イッチの兵器も曲銃身にしてしまえば地表に出る部分を小さくできない?

 

77:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******9

 

曲銃身?なんだこれは……

 

78:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******2

 

こんなひん曲がった銃身で弾を撃てるのか

 

79:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

曲銃身かあ……

たぶんフェルギネアも2B9も弾の強度が足りないと思う

 

80:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

そもそもイッチの兵器って曲射できるんだから銃身を曲げる必要なくない?

全部地下に収めて地表部分は真っ平にしちゃえば良いじゃん

 

81:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******5

 

それだ

 

82:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******8

 

そりゃそうだ

 

83:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

よし採用

 

あと名前は安価で決めよう

>>100

 

GVGの時は忘れてたごめん

 

84:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******2

 

良し来た

 

85:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

安価じゃなくても酷い愛称になった件について

 

86:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:88888888

 

エイティシックス踏めた!!!

 

87:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

あんな見た目になるとは思わなかったし?

 

88:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******7

 

うわびっくりした

 

89:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

現物を見てなかった俺らが決めなくて良かった

 

90:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

とはいえ今回のもどういうのになるのかはまだ何も分からない件について

 

91:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******9

 

それはそう

 

92:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

中身はフェルギネアでしょ?

 

93:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

由来は菌だったっけ?じゃあ地中の菌?

 

94:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******7

 

なんかカッコいいのあるかな

 

95:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******9

 

絶壁

 

96:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******2

 

秩父株価

 

97:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******4

 

まな板

 

98:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******7

 

貧乳

 

99:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******3

 

虚乳

 

100:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******8

 

まな板

 

101:名前:名無しの共和国市民 投稿日:2017/07/07(金) 00:00:00.00 ID:*******6

 

ぺったんこ

 

102:名前:RMIの爆弾魔 投稿日:2139/12/01(火) 00:00:00.00 ID:Luchaire

 

君たち???




まな板にしようぜ


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