最凶の魔法科高校生 (わすぽん)
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考察
ハイパワーライフルに関する考察


作中に登場するハイパワーライフルに関する考察となっています。今後も同様のものが出るかもです。
いろいろ調べながらやったのですが、大変だった


作中でハイパワーライフルが出てくる(予定)であるため、具体的に考えることとする。原作においてハイパワーライフルとは通常のアサルトライフルの3~4倍の爆発力を持ったガンパウダーを使用する銃とある。そのため通常の銃器を作るよりも何倍も上の技術が必要であり、小国程度では製造はおろか配備もできない。との記載がある。

 

製造に高い技術力がいるため技術が未熟な国では製造ができないのは当たり前としても、何故配備もできないのか?

ここからは筆者の予想となるが、一つ目に予備の部品が自国で生産できないから。これは、技術が未熟な国では生産できないのだからパーツも生産できるわけないだろうという点。二つ目に弾薬の問題がある。

この弾薬の問題が今回のハイパワーライフルに関する考察の最も重要な部分である。

 

まずハイパワーライフルは個人携行が可能な武器である。それはアニメ版を見たことのある人ならわかるが大亜連合の兵士が携帯していたことからまず間違いなく個人携行が可能な銃器であると判断できる。

と、なると使用できる銃弾の大きさには制限が付く。現実世界と兵器の規格が変わらないという前提であれば弾頭の直径で12.7mmが上限*1であろう。逆に下限は5.56×45mm(5.45×39mm)または7.62×51mm(7.62×54mm)になると考えられる。

しかし、現実的には5.56mm(5.45mm)は可能性としては低い。その理由として薬莢の容積の問題があり、基本的には大きい薬莢のほうが装薬*2が多くできる。つまり、大きい銃弾は必然的に装薬が多くなるため、弾頭のパワーが大きくなるのである。(最も正確には銃弾の威力は装薬量だけではなく弾頭の重量なども関係してくる)

また、7.62mm弾もアサルトライフル(バトルライフル)として、使われている(使われていた)ため銃弾の大きさが問題になることはない。例)Springfield M14、FN FAL、H&K G3など

最もこれら以外の銃弾を使っている可能性があり、例えば6.8×43mm弾、6.5mmCreedmoor、338Lapua Magnum、338Norma Magnumなどがあげられる。

 

しかし、いずれの銃弾を使うにしても大きな問題がある。それは薬莢の耐久性である。

強装弾というものが存在し+P弾や+P+弾とも言われるものであるがこれらは高くとも2割から3割程度パワーを上げたものである。しかしそれ以上は薬室内で薬莢がちぎれてしまうなどで、銃自体を破損させてしまうどころか使用者にダメージを与えかねない。これでは、ハイパワーライフルがスーサイドライフル(自殺ライフル)と呼ばれかねないのである。

では、どうすればよいのか。

まず1つ目に薬莢の厚みを大きくする方法である。しかしこれには欠点がある。まず単純に内部容積が減少してしまう。別に薬莢の中にぎっしりとガンパウダーが詰まっているわけでもないのだがそれでも通常の3~4倍の爆発力に耐えるのならかなりの厚みが必要になるためそれはそれは内部容積が大きく減少してしまうだろう。

 

2つ目にそもそも薬莢をなくして薬室や銃身を強化すればいいのではないかと考える。が、結論から言うとおそらくまともに使えない銃になることが目に見えている。詳しくはドイツH&K社が薬莢を無くしたG11という小銃を開発したことがあったのでそれで解説することにする。

薬莢が無い銃弾をケースレス弾薬という。G11はこれを採用した銃であったっが元々の開発経緯は、省略すれば『薬莢って邪魔じゃね?』である。詳しく説明すると、薬莢は銃弾を撃つと銃から排出されるが発射直後の薬莢というのは熱を持っており、早い話が『激熱でやけどしてまうやないかーい!』とか排出された薬莢が体の柔らかい部位、特に目に入りでもしたら失明コースまっしぐら。特に機関銃など大量の銃弾をばらまく銃は薬莢も大量にばらまくため、それに足を取られてスッテンコロリンしてしまいかねない。もし戦場でスッテンコロリンした日には敵から銃弾というツッコミをいただくことになるだろう。その他にも薬莢は基本的に撃った後は放置なので資源が勿体ないとか(このあたりが理由で旧日本軍や自衛隊では無くすと見つかるまで延々と探したりするのである。正確には薬莢の素材になる銅や亜鉛が国内で産出しなかったため輸入に頼っていたことが理由で再利用するため)などである。

 

しかし、結果としては先ほども述べた通り、無くなったら無くなったでその大切さに気付いたのである。具体的には、薬莢があれば発射時の熱はある程度薬莢が吸収してくれていたのだが、薬莢が無くなったことでモロに熱が薬室に伝わるようになったことで薬室の熱が火薬に直接伝わるようになり、クックオフ*3(コックオフという表記もあるがコックは発音的にはチ〇コを表す言葉にもなるため要注意)が起きるようになったこと。これにより、フルオートで撃つ銃の場合、射手の意思とは関係なく弾が切れるまで銃弾を撃ち続ける言うこと機関銃(言うこと聞かん銃)になることがある。また、弾薬が雨や湿気に弱くなり最悪の場合発射できなくなるという結果が出たのである。つまり、薬莢をいらない子扱いしたら自分がいらない子になってしまったのがケースレス弾薬である。

 

駄菓子菓子、実はケースレス弾薬が活躍している数少ない例として戦車砲がある。これは焼尽薬莢と呼ばれ薬莢の尾底部のみ金属で作りそれ以外を発射と同時に燃え尽きる素材で作った薬莢である。戦車砲の場合はケースレス弾薬にしても大きな問題が起こらないからである。基本的に戦車には20~30発ほどしか砲弾を積んでいないためバカスカ撃たないので熱の問題は気にしなくていいこと。湿気の問題は焼尽薬莢の素材がニトロセルロースでできており湿気などの影響を受けないことである。

 

3つ目に『薬莢の素材を変えよう』である。

薬莢は現在一般的に使われているものは真鍮(黄銅)*4によって作られているほか、軟鋼つまり純度の高い柔らかい鉄によって作られることがあるほか、一部のそこまでパワーのいらない銃弾の場合はアルミ合金を使うこともある。

しかし、既存の素材で作られた薬莢では3~4倍の力があるガンパウダーには耐えられない。そこで、ほかの素材や製法によって薬莢を作るという方法を考える。

 

まず、何故薬莢に真鍮が使われているのかを考える必要がある。

薬莢は昔は金属板をまげて加工していたが現在ではプレス加工によって生産されている。つまりプレス加工をするには展性が高いことが重要であり例えば、炭素鋼は真鍮よりも強度は高いが展性は悪い。つまり、プレス加工には向いていないのである。この点を踏まえ、一つの金属を見つけた。

それはベリリウム銅である。銅に対してベリリウム0.5~3%を混ぜた銅系合金である。

ベリリウム銅は鋼鉄並みの強度を出すことができるほか加工性が高いことも特徴の一つである。ただ、欠点があるとすれば値段が真鍮の2倍程すること。加工時に発生する粉塵を吸い込むとガンになる恐れがあるため、専用の加工設備が必要になることがある。

 

そして、もう一つがコーティングである。具体的にはプラズマ溶射である。これは、一例になるが日産自動車のR35GTRのエンジンであるVR38はアルミブロックのエンジンであるが、通常は最低でも1mm、の厚さの鉄製のライナーが必要なところを0.2mmの炭素鋼をプラズマ溶射することで済ましている。

 

これらを総合すればベリリウム銅の薬莢に炭素鋼をプラズマ溶射すれば高い強度を得ることができ、通常の3~4倍の爆発力のあるガンパウダーに耐えられると考える。

また、薬莢一つ一つにコーティングを施すこととなるので恐ろしく金と時間がかかると推察される。

 

 

追加

 

先日、米軍が正式採用したXM5の銃弾は277Fury(6.8×51㎜)である。この銃弾は訓練用の者は既存の薬莢と変わらないが、実戦用の弾は薬莢底部をステンレス鋼で作り通常よりも高い圧力に耐えられるものにしている。仮にステンレス鋼で薬莢すべてが作れるのであればベリリウム銅の薬莢よりもさらに高い性能が得られるのではないか。

 

 

*1
旧ソ連が作ったShAK-12がある。詳しくは調べて

*2
発射薬のこと

*3
暴発のこと

*4
銅と亜鉛の合金




参考資料
https://saami.org/wp-content/uploads/2019/02/ANSI-SAAMI-Z299.4-CFR-Approved-2015-12-14-Posting-Copy.pdf


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入学編
第1話 


トリックスターの表記をマジシャンに置き換えました。
感想で言われて九島烈と2つ名がかぶっていることに気が付きました


「納得できません」

 

「まだ、言っているのか・・・?」

 

そこには、魔法科高校の制服に身を包む二人の男女がいた。恋人のようにお互い手を取り合っている。

 

「なぜ、お兄様が補欠なのですか?入試の成績はトップでしたのに」

 

「・・・どこから、入試の成績を手に入れたのかはおいておくとして、魔法科高校だからペーパーテストよりも模倣実技が優先されるのは当たり前だろう」

 

否。兄妹のようだ。しかし、兄妹というよりかは恋人のようであるが・・・うらやまぁ。

 

そこに現れたるは一人の闖入者。当作の主人公君である。

 

「・・・あ。・・・お楽しみ中失礼いたしました。ご、ごゆっくり~」

 

「ちょっと待て!?違うからな?」

 

「そんな、お兄様ったら人前でこんなに・・・」

 

「「ゑ???」」

 

はなしが、へんなほうこうにひやくした

 

妹は落ち着くのに数分を要した。

 

「とりあえず、すまんかった。どうやら、俺の早とちりで迷惑をかけてしまった」

 

「それを、言うならこっちもだが謝罪は受け取っておく」

 

「ああ、すまんかった。ところで、自己紹介がまだだな。俺は四十七蓮夜。まぁ、適当に呼んでくれてもかまわない。一応知り合いからはレンって呼ばれてる。一応聞くが一年生だよな?」

 

「ああ、そうだ。俺は司波達也。こっちは妹の深雪だ」

 

「よろしくお願いします」

 

「双子か?」

 

「いや、よく言われるが年子だな。俺が4月生まれで深雪が3月生まれ。ギリギリだな」

 

この時に、彼は思った。彼らのお母さんも大変だなぁと。

ちなみに補足だが妊娠期間は大体10か月程度。つまり、兄を産んだ2か月後にはヤっていることになる。

 

「そろそろ時間じゃないのか深雪。行っておいで。ほかの人を待たせるのはいけないからね」

 

「はい、お兄様。行ってまいります」

 

やっぱりこいつら兄妹じゃないよなぁ。恋人かなんかの類だよ。

 

「ところでなんだが、達也って呼んでもいいか?兄妹だと二人とも司波になるから」

 

「ああ、いいぞ。それよりもどこかに移動しないか?」

 

「そうだな。そうしよう」

 

 

 

 

「ところで、一つ聞きたいがなぜ俺に話しかけるんだ?」

 

「あ~それはどういうことだ?もしかして、妹には手を出すなとか?」

 

「・・・そういうことではないが、それより俺は二科生だぞ。それで、蓮夜は一科生だ。気にする奴もいると思うが」

 

「俺は、気にせんがな。あんなバカみたいな奴等と一緒にしないでくれ。俺からすればどうでもいい話だ」

 

「そんなもんなのか?」

 

「俺は。の話だ。それに俺から、いや、百家本流四十七家次期当主としてみれば、大したレベルでもないがな」

 

「やはり、百家本流の四十七家か」

 

「やはりってことは、さては疑ってたな?ま、話を戻すと入試の時に見たレベルではほとんどのやつはまともに使えるってレベルじゃねーな。そもそも、戦闘能力という意味で見ればライセンスやこの学校の判定基準は正しいとは言えんからな」

 

「ほう」

 

「確かに、基準のほとんどは魔法を使う上で能力によって差が出るものだ。だが、戦闘ではただ馬鹿正直に魔法を撃てばいいというものではないからな。いろんな搦手がいるんだ。事実、戦闘魔法師のほとんどが何かの武器を使いながら魔法を使うスタイルをとるからな。魔法だけでやれる奴はごく一部に限られる。ああ、A級ライセンスは別物だがな。あれは異次元だよ」

 

「なるほど、魔工師志望としてはあまり参考になる話でもないか」

 

「ハハそんなもんか」

 

 

 

「新入生ですよね?そろそろ、会場の時間ですよ」

 

二人で少々話していると誰かから話しかけられる。

 

「あら、レン君ですか?」

 

話しかけてきたのは、顔見知りの・・・

 

「ああ、真由美さんですか」

 

「ですかとは何ですか、ですかとは」プンスコ

 

怒っても、怒っているようには見えないなこの人じゃ

 

「蓮夜。知り合いか?」

 

「知合いっちゃ、知り合いだな。えっと七草真由美。この学校の生徒会長だ」

 

「ええ、今説明してもらった通り、私はこの学校の生徒会長を務めています」

 

「とりあえず、移動するわ。もう開場の時間だっけ?」

 

「そうですね。早く移動したほうがいいかと」

 

「では、これにて」

 

 

 

達也とは会場の入り口で別れた。

 

彼と別れたのには理由がある。それは会場の席を見ればわかる。前半分が一科生。後ろ半分が二科生。としっかりと分かれ目ができていたからである。本人は気にするところではないが、波風を立てるつもりもないので達也と別れたのである。

 

入学式はつつがなく進み、答辞も少々危うい部分が有ったがおそらくは誰も気にしていないか気づいていないかのどちらかであろう。その理由は、司波深雪の美貌も関与しているのだろう。そのうちファンクラブでも出来るんじゃないだろうか。

 

式が終わると達也がたまたま目に入ったため話しかけに行く。そこには2人の女子に囲まれた達也がいた。

 

「おっす達也。もう彼女作ったのか?」

 

「ああ、蓮夜か。ひとつ言っておくがクラスメイトであって彼女ではないからな」

 

「知ってる。ちょっとした冗談だ」

 

流石にそこまで手が早いとは思いたくもない。

 

するとそこに、深雪が現れる。

 

「あら、お兄様その方たちは?」

 

「こちらが、千葉エリカさん。そしてこちらが柴田美月さん。二人とも同じクラスなんだ。で、こっちがさっきもあったが四十七蓮夜」

 

「では、さっそくデートですか?」

 

おお、顔は笑ってるが目が笑ってない。こりゃ怒らせると怖いタイプの人だな。

 

「あ、四十七蓮夜って言ったらマジシャンじゃない」

 

「知ってるのね。え~っと千葉さんだっけ?」

 

「エリカでいいよ。知ってるも何も界隈では有名人じゃん」

 

「界隈ってことは、あの幻影刀(イリュージョンブレード)千葉修次の妹さんか?」

 

「そうよ」

 

「ところで、マジシャンとはなんなのですか?」

 

「マジシャンっていうのは、そこの四十七蓮夜のことよ。近接戦闘においては世界でも10本の指に入るといわれる凄腕よ。マジシャンって言うぐらいだから、次に何が出てくるのかわからない戦い方をするのよ」

 

「へぇ、四十七さんはすごい方なのですね」

 

「実技は深雪さんに負けて、ペーパーテストは達也に負けたがな。ていうか筆記は一般科目でやらかしたからなぁ」

 

そんなを話をしていると七草会長がやって来る

 

「えっと、私も深雪さんと、呼ばせてもらってもいいかしら。」

 

「ええ、大丈夫ですよ」

 

「今日はご挨拶を・・・と、でも思っていたので詳しいお話はまた後日に。それと、レン君は構わないわね?」

 

「ええ、時間は空いてますから」

 

「では、詳しい話は生徒会室にて」

 

少年移動中

 

「さて、とりあえずみんなの紹介からしようかしら。まず、私が生徒会長を務めています。副会長は服部君、通称はんぞー君。会計の市原リン。通称リンちゃん」

 

「私のことをそう呼ぶのは会長だけです」

 

「そして、書記の中条あずさ。通称あーちゃん」

 

「会長!お願いですから下級生の前で私のことをあーちゃんと呼ぶのはやめてください。私にも立場というものが・・・」

 

「そして、最後が風紀委員長の渡辺摩利。これが、今期の生徒会役員です」

 

「私は正確には違うがな」

 

「あっ、摩利はちがいますね。とりあえずレン君には生徒会に入ってほしいの」

 

「一つ聞きますが、生徒会に入るのは主席の生徒では?」

 

「確かにそうですが、主席以外を勧誘してはいけないということもないからね」

 

「会長。お知り合いのようですが腕は確かなのですか?」

 

「大丈夫よ、はんぞーくん。入試の成績は総合2位。それに、戦闘魔法師としてならここにいる誰よりも強いわ。十文字君と同じぐらいかそれ以上ね」

 

「なるほど、さすがはマジシャンといったところか」

 

「渡辺先輩はどうやらご存じのようで」

 

「ああ、それなりに有名だからな」

 

「ま。とにかくレン君には生徒会会計になってもらうのがいいかしら。ほら、家のお手伝いやってるんでしょう?」

 

「えっと、家のお手伝いって、アルス・マギア社のことですよね?ってことは・・・もしかして四十七君のCADはオリュンポスシリーズですよね!!その中でも照準補助に特化した上位モデルの『アルテミス』の特注カスタムモデル!!長い照準補助が付いているにもかかわらず非常に早い展開速度を持つ反則級のCADですよね!!」

 

「ちょっとあーちゃん落ち着いて。レン君引いてるから」

 

「・・・わかりますか!?たしかに、展開速度なら『アフロディーテ』のほうが早いんですけど『アルテミス』の精度も捨てがたいところがあるんですよね」

 

「分かります!!それに,その腕のCADは非接触式スイッチ式の『アンドロメダ』ですよね!!国防軍や警察向きで一般向けにはほとんど販売されないモデルのはずでは!?」

 

「ええ、家の会社だから出来る裏技で手に入れたんですよ」

 

「いいなぁ。私も欲しいですぅ」

 

「よければ、1セットお譲りしましょうか?まだ、いくつか残ってたので」

 

「いいんですか!!」

 

「はいはい、あーちゃんもレン君もそこまでよ。話が進まなくなるから」

 

今日の収穫

あーちゃんという同志を見つけた。(デバイスオタク)彼女とは良好な関係が築けるだろう。

 

今日は入学式だけなのでそのまま家に帰ることにした。

 

 

 

『で、どうだった一高は?』

 

「どうといわれても、まだ入学式しかしてないんだが。あ、いや、生徒会に入ることになったわ」

 

俺が現在通話しているのは親父である。四十七明臣(あきおみ)である。

 

『そうか。たしか、一高の生徒会長は七草のとこの嬢ちゃんだったよなぁ』

 

「ああ、そうだな。まあ、今のところは友好的な関係を築けているからそこまで警戒する必要もないと思うが」

 

『なに用心するに越したことはないだろう』

 

「それもそうだが・・・まあいいかとりあえず当面は計画通りに動けそうだ」

 

『分かった。くれぐれも気を付けてくれよ』

 

「ああ、任せとけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第2話

3月中の時話更新は色々と予定が立て込んでいて厳しいかもしれません


入学式の翌日

今日から授業が始まるようだが正確には上級生の授業を見学するというものらしい。らしい、というのも昨日生徒会のメンバーから聞かされたことである。

 

そういえば、生徒会に入ったことで一つ特権ができたのである。それは、学内におけるCADの携帯許可である。

一般生徒は校内ではCADの携帯は出来ず、預けないといけないが生徒会役員にはそれが免除されるのである。ついでに言うと風紀委員もだが。

 

それはともかく、昨日付けで生徒会役員になった俺はCADを預ける必要が無いのでその旨を伝えてそのまま校内に入る。

向かった先は生徒会室である。どうやら、ちょっとした荷物ぐらいなら置いていいとのことなので、自前のパソコンやちょっとしたデバイスなんかを置いておく。流石に盗まれたりはしないと思うが・・・大丈夫だよな?

 

荷物を置いて教室に向かう頃にはそれなりに登校してくる生徒も増えてきていて校内もそれなりに人がいた。

 

「あれ?そんな時間かかったけ?」

 

まあ、いいや。教室に向かうとしよう。ちなみにクラスはA組である。

 

教室に向かうと何人かはすでに教室内におり、お互い友人なんだろうか?それぞれ仲良く話している。いきなり話しかけるのもあれかなと思い(ヘタレただけ)備え付けのパソコンで履修登録を進めていく。

 

履修登録といっても1年のうちは選択科目は少なく、どの道に進んでも必要になることが授業として登録されており、特別に科目を選択しないといけないということもない。そのためかそれほど時間がかからず履修登録は済んでしまう。

となると、することが無い。特にすることもないので、ぼーっとしていると横の席の人から話しかけられる。

 

「ひさしぶり。蓮夜」

 

「んあ?あ、雫か。え~っと、久しぶりだな元気だったか?」

 

誰かから話しかけられるとは思ってもいなかったので少々返事が雑になったような気もするが・・・まあ、いいだろう。

 

「なんで、ここにいる?」

 

「雫?なにかおかしいの?」

 

「四十七家は近畿に本家が合る家。だから第1高校ではなく第2高校のほうが近いはず」

 

「ああ、そのことか。別に深い理由はないよ。一人暮らしがしたいあから第1高校にしたんだけどね。ま、そしたら使用人が付いてきたから一人暮らしにはならなかったけどね」

 

「一人暮らしと言えば、ほのかも一人暮らし」

 

ほのかって誰だ?目の前の女子か?

 

「えっと、私光井ほのかって言います」

 

どうやらそうらしい。ってか、それ以外はないか。

 

「ああ、俺は四十七蓮夜。四十七って書いて『しとしち』って読む。一応は百家ってことになってる。こちらこそよろしく」

 

「ところで、二人はお知り合いなんですか?」

 

「ああ、家のつながりでな。お互いパーティーに呼んだり呼ばれたり。みたいな関係」

 

「でも四十七さんは近畿に家があるなら、そんなに頻繁には会えないのでは?」

 

「意外とそうでもない」

 

「まあ、家同士のつながりは重要だからな。特に、雫の家の場合は」

 

「確か四十七家は十師族や師補十八家ともつながりがあったはず。わたしの家よりももっとつながりを大事にしてる」

 

確かにうちはほかの数字付き(ナンバーズ)よりも家同士のつながりをかなり重視しているところはある。だから多方面に顔が利く。

 

「ま、どっちもどっちってやつだなこれは」

 

「そ、そういう意味じゃないお思いますけど・・・」

 

「なんとなくは伝わってるからオッケー」

 

そんな話をしていると司波さんこと怒らせるとマヒャデドスを撃ってくる深雪さんだぁ。・・・おっと、急にこっち向いた。ヤベ。

しかし、あれだけほかの人から声をかけられても丁寧に返しているのはすごいよなあ。ぶっちゃけ、俺なら途中からめんどくさくなって適当に返すだろうに。

 

そのとき偶々光井さんの顔を見たのだが、深雪さんに見惚れているようである。たしかに深雪さんは見目麗しいのだが、それは女性相手にも効くのだろうか?それとも・・・まあ、別に気にしなくてもいいか

 

しばらくすると、教師と思われる人が入ってくる。

 

「俺が、A組を担当する百舌谷だ」

 

その後も少し喋っていたが、彼はまあ、なんと言うか仕事人って感じだな。うん。よく言えば実直、真面目。悪く言えば無愛想。ま、こうしてこの場にいるってことは優秀な魔法師なのだろう。

 

 

 

 

見学が始まる。

といっても、ほんとに見学だけで特に何かをするとかもない。なので、どこに行くか、どれを見学するか、誰と行くかも自由である。と、なれば基本的に俺はボッチである。・・・別に友達がいないわけではない。俺が一人で行動しているだけである。別に友達がいないわk(以下略

 

―人それをボッチという―

 

まあ、俺の身の上話はともかく向かう先は工房である。実を言うと魔工師のライセンスを取るつもりでいるので、少々工房には用があるのである。

 

 

 

「お~流石は天下の魔法科高校。おいてある備品は一流だねぇ」

 

工房に置くものをそろえるなら、入試の時の実技試験で使ったCADがノイズだらけだったことにも気を付けてほしいところだが・・・

 

工房の見学内容は、CADのソフトの制作方法についてである。つまり、ほぼみんなモニターとにらめっこしているので、絵面が地味である。

まあ、実技科目以外は一科生でもモニターとにらめっこするのが2090年代では一般的であり、それは魔法科高校でなくとも同様である。つまりは、どう転んでも絵面は地味になるのが当たり前である。

 

工房はこれ以上いても代り映えしないので他の場所に移動することにした。

しかし、特に興味を惹かれるものが無かったためそのまま教室に戻ろうかと思ったが教室に戻っても特にすることが無いうえに、正直なところ大阪から出てきたばかりであまり東京のことについて詳しくないこともあってか教室にいたいとは思えなかった。

となると、向かう先は一つしか残らなかった。生徒会室である。見学期間中はどこにいてもいいため生徒会室にいても問題ないのである。

 

というわけで、生徒会室に向かう。当然ながら生徒会メンバーは彼以外2年生以上であるためそこに彼以外の姿があることはない。一人だけの落ち着いた空間でスクリーン型端末で本を読むことにした。

彼はパーティーなどによく呼ばれたりするために、明るくふるまうことがあるが元はゆっくりと自分の時間を過ごすのが好きなタイプでもある。

 

 

 

 

しばらくは、ゆっくりと本を読んでいたのだが気が付いた時にはかなり時間がたっていた。それに気づいたのは生徒会室に入って来る人が来たからである。

 

「あれ?四十七くんでしたっけ?早いですね。会長に呼ばれたのですか?」

 

入ってきたのは小動物感のある2年のあーちゃん先輩こと中条先輩である。

 

「呼ばれてきたとは?あと、工房に見学に行ったきりでそれ以外に興味のあるものが無かったのでなんとなくでここでゆっくりしてたんですよ」

 

「生徒会室をゆっくり休むために使う人は初めて見ましたよ」

 

「まあ、今日明日は俺しかいないですからね」

 

「・・・確かにそうですが。それより、今日からCADは携帯しているのですね。見せてもらってもいいですか?」

 

「ああ、それでしたらどうぞ」

 

「ああ、いいなあ。アルテミスにアンドロメダ。人気かつ高級モデルゆえになかなか手に入りにくい代物を使えるなんて」

 

「その件でしたら、アルテミスが家にあるのでよかったらお渡しできますよ」

 

「いいんですかっ!!」

 

「ええ、別に使っていない余りものですし。使ってもらったほうがCADとしてもいいでしょうしね」

 

「本当にいいんですか!?」

 

「ええ。明日にでも持ってきますね」

 

「ところで、中条先輩はどうして生徒会室に?」

 

「生徒会メンバーは生徒会室で食事をとることが多いんです。ああ、でも服部君は別ですね」

 

「へえ~。でも、俺は弁当の類は持ってきてませんよ?」

 

「問題ないですよ。ダイニングサーバーがありますから」

 

「へえ~。あれ?なんでそんなものが?」

 

「生徒会の仕事で遅くなることがありますから」

 

「へえ~」

 

さっきから、へえ~へえ~言い過ぎてトリビアでも聞いていたかのようである。

 

 

 

少し話し込んでいると続々と生徒会メンバーと風紀委員長が入って来る。そして、同じ質問をされてそれに回答するというところまで同じである。

結局はそのまま生徒会室で食事をとることになってしまったのであった。(逃げ損ねたともいう)

 

「え~では、会長と四十七君はお知り合いだったのですか?」

 

「あ~家の関係かな?でも3回ぐらいしかあってないような気もするけど?」

 

「まあ、それでも家の距離を考えれば多いほうだとは思うわね」

 

「あれ?四十七の家は関東ではないのか?」

 

「本家は近畿、大阪にあるんですよ。なので、本来なら第二高校に行っているはずなんですけどねえ」

 

「ではなぜ?」

 

「特に理由はないんですけどね。強いて言うなら一人暮らしをしてみたかったから東京に来てみたって感じ?」

 

「いや、できないだろう」

 

「ご名答。残念ながらできませんでした」

 

「でしょうね」

 

わざわざ東京まで来てすることではないことに呆れている。しかし、いいじゃん別に。ほんとにやってみたかったんだから。自分でやろうとすると使用人が「それは私がやっておきますので」って言われるんだもん。

 

結局、この男女比率のおかしい生徒会室でしばらくいじられ続ける羽目になった。その後は生徒会室で読書。その時は何も思っていなかった。まさかあんな惨劇・・・寸劇が起きるとは・・・いや、あれは喜劇か?笑劇でも可。

 

放課後、生徒会メンバーが続々と来たところで俺は帰宅の準備をする。本来なら俺も生徒会メンバーであるので仕事をすべきなのだが、今日はいいと言われたので帰ることにした。何もせずあそこにいるのも、なんかあれかな?と思ったからである。

 

すると、校門で言い争っている声が聞こえる。ちょっとした言い争いだと思い「まあ、しばらくすればおさまるだろう」と思って待っていたのだがなかなかおさまらないのでさすがに止めに入ることにした。俺以外にも迷惑そうに見ている奴もいる。まがいなりにも生徒会役員である以上は止めに行かなくてはならない。・・・ついでにかっこつけて印象を良くしよう作戦開始ッ!

 

 

「・・・どれだけ優れているか?か。ならばこの俺が答えてやろう」

 

「誰だ!?」

 

「我が名は四十七蓮夜。生徒会役員にして百家四十七家の次期当主!!」

 

「「「・・・・・・」」」

 

すべったぁぁぁぁぁ。だめなのか!?2000年代初期に流行った『この〇ば』とかいう物語に出てくる魔法使いの挨拶を真似てみたのだが・・・ダメだったらしい。ダダすべりである。一触即発な雰囲気は一瞬にして凍り付くこととなった。

が、次の発言で凍り付いた雰囲気は融けるのである

 

「・・・こほん。最低限の礼節と常識すらわきまえてもいないおこちゃまちゃんは仮に優れた魔法師であったとしても使いもんにはならんのだよ。そう、まさに君たちのようにね」

 

「なっ・・・」

 

「ああ、君たち一科生が無能であると言っているわけではない。それは、多くの魔法師に対して失礼だからね。とはいえ人としての最低ラインさえ持っていなければ今後君たちは現場に立った時にそれを理解するだろう」

 

「とはいえ・・・」

 

「お前ッ!!言わせておけばッ!!」

 

そう言い放った彼の手にはCADが起動状態で握られていた。しかし、魔法が発動することはない。

 

圧縮したサイオン弾を魔法式に打ち込むことで魔法式が無効化される。

何度か繰り返した後、諦めたのかやめてしまった。しかし、後ろにいた女子生徒が魔法を発動しようとする。

しかし、それも発動することはなかった

 

「やめなさい!自衛目的以外の魔法の対人攻撃は校則違反である前に法律違反ですよ」

 

止めたのは生徒会長。

 

「あなたたちは1-Aと1-Eの生徒ね。ついてきなさい」

 

そう言うのは風紀委員長の渡辺摩利。

 

「すみません。ちょっとした行き違いだったんです」

 

どうしようか悩んでいたところに助け舟を出してくれたのは達也だった。

 

「行き違い?」

 

「ええ、森崎一門のクイックドロウはは有名ですから後学のためにと」

 

「では、四十七君が狙われていたのは?」

 

「ああ、それは俺が対抗魔法について聞かれたので・・・」(と、いうことにしといてください)

 

「では、もう一つ。その後に女子生徒が魔法を放とうとしていたのは?」

 

「ああ、あれはただの目くらまし程度の魔法で人に害が及ぶということもないでしょう」

 

「ほう・・・君は起動式を読み取ることができるようだな」

 

「実技は苦手ですが分析は得意です」

 

「・・・誤魔化すのも得意なようだ。まあいいそういうことならいいだろう」(こっちを見て貸し一つだからな。という目を見た)

 

 

 

 

 



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第3話

お久しぶりぶりブリ大根ですわっ。なんとか、やることが終わったので復活です。


ふう、何とかなったな。これが正解なのかは不明だが。少なくとも、一科生の大半は二科生に対して優越感を持っている。いや浸っていると表現するほうがいいだろうか。

 

「すまない。助かった」

 

「気にすんなよ。俺と達也の仲じゃないか・・・まだ、会ってから数日しかたってないけど」

 

「最後は余計だが、まあそういうことにしておこう」

 

「ま、俺は少し用事があるからここまでかな。じゃあ、また明日」

 

先に一人で帰ることにする。そのまま、部下に車で回収される。

 

「若。お待ちしておりました。まずは報告からいたします」

 

「よし、当ててみよう。見つけたな?」

 

「はい。奴らはどうやら夜逃げした廃工場に潜伏しているようです」

 

「位置情報は端末に移しといてくれ。それと、ネズミの様子はどうだ?」

 

「はっ。報告によりますと現在一高への襲撃を企んでいる様子です。その証拠に大量の武器が運び込まれている模様です。それと、一高の生徒と思わしき人物がいる様子です」

 

「なるほど武器の内容は分かるか?」

 

「はい。旧式のようですが。アサルトライフルにロケット弾、手りゅう弾もある模様です」

 

さて、どうしたものか。どうやら、旧式のAKのようだが、それでも大多数の魔法師には十分だろう。特に二科生のような相手にだと。一高の生徒が関わっているとなると話がややこしくなりそうだ。

 

「本家はなんて言ってる?」

 

「任せる。と、おっしゃられました」

 

「分かった。とりあえず、今は様子を見ておこう。ただし、何時でも襲撃できるようにしていてくれ」

 

「了解しました」

 

 

翌日

最近は昼食を生徒会室で摂ることが当たり前になっていたので、生徒会室に向かおうとすると司波さんも何故かついてくる。

 

「何かありましたか?」

 

「いえ、生徒会室に呼ばれたものですから」

 

「なるほど。では一緒になりますか」

 

「そうなりますね。そういえば朝に七草会長より四十七君はすでに生徒会に入っていると聞いたのですが」

 

「ああ、そうだね。会長と知り合いだからかな?」

 

「私は、お兄様と一緒に向かいますので。では、また後で会いましょう」

 

「ああ、また後で」

 

司波さんと別れた後はまっすぐ生徒会室に向かう。

 

生徒会室に入り、しばらくほかの人(あーちゃん先輩)と雑談(CADのお話)をしているとチャイムが鳴る。どうやら、お二人さんの登場らしい。

 

ちょっとした挨拶をし、そのままランチタイムに入る。ちなみに俺と渡辺委員長は自前のお弁当がある。自分で作ったか使用人が作ったか、という違いはあるが。

 

食後の話題は司波さんの生徒会入りと、達也の風紀委員入りになった

 

「・・・つまり、一科生縛りは生徒会役員にしか存在しない。しかし、風紀委員に二科生を選んではならないという規則はない」

 

「ナイスよ摩利。そうよその手があったわ。生徒会は司波達也君を風紀委員に推薦します」

 

「ちょっと待ってください。俺の意思はどうなるんですか。それに風紀委員がどんなものなのかも説明を受けていませんが」

 

「それは司波さんも同じですが」

 

・・・説明役はあーちゃん先輩に回ってきたようだ。さて、なぜ風紀委員は一科生縛りがないんだろうね

 

「まあ、詳しいことは放課後に、また」

 

放課後

「めんどくさいことになった・・・」

 

「私もそう思います・・・」

 

なにかとあーちゃん先輩とは息が合う。で、何が起きたかというとはんぞー副会長が達也を認めん発言で、じゃあ模擬戦で認めてもらいましょー。というわけである。

しかしまあ、この人が副会長なら、学内差別はまずおさまることはないだろうね。副会長と言っても魔法の能力が優れているだけで他は点で駄目である。まさか堂々と「周りもやっているから自分もやっていい」発言をするとは思わなかった。意外と、真由美さんも人を見る目が無いようである。

 

生徒会室を完全に開ける訳にはいかないので1人残ることにする。もっとも、興味が無かっただけとも言えるが。しばらくゆっくりするとしよう。

しばらくすると、みんな帰ってくる。どうも達也が勝ったらしい。副会長は悔い改めてどうぞ。

 

さて、達也は風紀委員室にドナドナされ、司波さんは生徒会室に残り色々教えられながら仕事をしている。え?おれは何してるのかって?そりゃあ、一応仕事をしながら調べものよ。

 

「ぶっちゃけ、市原先輩が優秀すぎて俺のやることはねえや」

 

「あ、それならこっちの仕事をしてもらえませんか」

 

「了解です。あーちゃん先輩」

 

「あーちゃん先輩!?ちょっ」

 

「あ、やべ・・・」

 

「一応、私は先輩なんですからねっ!」

 

「ま、まーまー落ち着いてください。これあげますから」

 

「これはっ・・・アルテミスにアンドロメダっ!!」

 

「前に、お譲りするって言いましたし」

 

「ほ、本当に、いいんですか!!??」

 

「ええ、いいですよ」

 

「ありがとうございますっ!!」

 

手を握られてぶんぶん握手をされる。かなり興奮しているご様子。しばらくすれば、おさまったが。顔を真っ赤にするというオプション付きで。

 

「それにしても、レン君はCADたくさん持ってるのね」

 

「ええ、家で作ったものの試験を兼ねていたりしますし。それ以外にも個人的に好きだからというのもありますが」

 

「そうよね、前に会ったときもそんな感じだったし」

 

「ま、変わらないってのもいいことでしょう」

 

 

 

数日後

「ええっとまたあの新入部員勧誘週間がやってきたわ。まずは、この表を見てこのようにシフトを組んであるから」

 

「あれ、中条先輩は見回りじゃなくて待機なんですね?」

 

「ええ、ちょっとした騒ぎを鎮めるのに彼女の右に出るものはいないわね」

 

「・・・なるほど、精神干渉魔法とかですか?」

 

「え!?よくわかったわね。そうよ」

 

「いや、あーちゃん先輩の性格を考えれば普通の魔法で鎮めるとかは考えられないですし」

 

あの、リスみたいな人がバンバン魔法を撃って鎮めだしたら一高の七不思議に指定されていたとしても、おかしくはないだろう。

 

「たしかに、あーちゃんの性格を考えればそうなるかぁ」

 

「ちょっと二人とも聞こえてますからねっ!?」

 

「「知ってる」」

 

「もお~っ!?」

 

いままで、あーちゃんをいじっていた真由美に蓮夜が加わったことでいじりは加速する。

 

「ま、とりあえずこの通りでお願い。多分いや、きっと今年も大変なことになるだろうから」

 

真由美さんの少々不穏な一言から始まる勧誘週間を蓮夜は生き残れるだろうか

 

 

 

 




はい。今回は短めです。思うように進まなかったのでここでいったん切ります。


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第4話

お久しブリブリブリ大根


さあ、始まりました。魔の新入部員勧誘週間が始まりました。なぜ「魔」なのかというとこの時期は一般生徒にも校内でのCADの携帯許可が出るからだそうな。なので魔法による事故、事件が一年の中で一番起きやすい時期だそうで。うん。まあなるようになるさ。(トオイメ)

 

というか、なんで入試成績が出回ってるんですかねえ。本来、主席以外は分からないようになってるはずなのに・・・情報保全ェ。学校側が意図的に広めていると言われても不思議じゃない。なぜここまで言うのかって?

それはな・・・さっきから見回りをしてたら「あれが、総合二位」だとか「入試二位の彼は欲しいわね」とか聞こえてくるんだよ。今のところ生徒会の腕章によって被害は免れていはいるが。まあ、かくいう俺も入学前に入試成績を入手しているから人のことは言えないか・・・

 

初日は何も起きなかった。いや、生徒会の腕章が無ければなにか起きていてもおかしくなかっただろう。今のところ一番仕事をしたのは生徒会の腕章なので今日のMVPはこの腕章である。もっと言うとどうやら達也が大捕り物をしていたようだがかなり離れた場所にいたため参加していない。後から聞いたらそれはそれは大立ち回りだったようだ。やはり、人は見かけにはよらない。まあ、達也は学生というより何かのボディーガードっぽいから、ある意味見かけ通りとも言えるか・・・?

 

「それにしても、件の剣術部は一科生を特権階級か何かと勘違いしているのだろうか」

 

それにしても、朝に渡された情報だと、剣道部がエガリテに汚染されているらしい。剣道部の他にいるのか・・・いないのか・・・そのあたりは調査を続けなければならない。もし、誰がブランシュやエガリテに出入りしているのかを把握せずに襲撃をし、一高生ごと殺してしまえば隠し通すのは難しくなる。

 

仮に我々が殺ったとバレなくても、ブランシュが反魔法師運動の中で非合法な手段をとっていると、世に知らしめることが目的である以上、公開しないという手はない。では何故そこに魔法科高校の生徒が加わっているのかという疑問が付きまとうことになる。一科生か二科生かは外部の人間には関係ない。外部の人間には一高生としか映らないのだ。

 

そうなれば、一高生がテロ行為に加担していたとなると反魔法師運動はさらに加速するだろう。それだけは避けなければならない。せめて、襲撃時に一高生がいたとして殺さずに確保できるよう、顔は割り出しておかないといけない。確保できればやりようはいくらでもある。

 

 

 

「明日からは、達也が一科生に襲撃されたりしないだろうか・・・アンティナイトも用意しておいたほうがいいかもしれないか・・・」

 

アンティナイトとは簡単に言えばサイオンを注ぐことで魔法を無効化する物質である。ただ、副次的に魔法師そのものにも影響を及ぼし体調を悪くすることもある。現在、最強の対魔法師効果を持つため軍事物資に指定されており、普通の人であれば所有することは難しい。・・・というか産出する地域がかなり限定的であり、そもそもの絶対量が少ないため輪をかけて高価である。

 

「拘束系の術式も入れておいたほうがいいかも知らんな。作業してこよう」

 

家の使用人に一言かけておきしばらく調整室に籠もることにする。

 

 

 

 

帰宅してから暫く調整室に籠もっていると時間を忘れる。なんか、好きなことをしてると時間ってすぐすぎるよね。まあ、そんなことはどうでも良いんだけとね。

 

 

 

 

翌日

 

結論から言えば達也を狙うやつは増えたっぽい。と、言うか意図的に騒ぎを起こして達也が駆けつけた時に魔法の暴発に見せかけてあえて達也を狙う始末。ほんとに一科生ってさっさとドロップアウトした方が世の中のためになるんじゃないかと思うぐらいにはルールを守る気がない。魔法というのは弾が込められた銃と同じ事である事を忘れているのだろうか。

 

しかし、誤算だったのは騒ぎを起こそうとしていたのは一科生だけではなかったということだ。たまたま、達也がいたところの近くにいたため一緒に現場に向かったのだが、その際に

赤と青のラインで縁取られた白いリストバンド。顔は見えなかったが、おそらくは二科生だろう。なぜ、そう思うかって?赤と青で縁取られたリストバンドの表す意味。それは、ブランシュの下部組織エガリテのマークであるから。一科生が反魔法師組織に所属するとは思えないし、そもそもどんな手を使えば勧誘できるだろうか?洗脳をすれば可能性はあるだろうがそこまでのリスクを冒す必要はない。洗脳は犯罪だが、ただの勧誘なら合法である。表向き彼らは犯罪組織ではないため無理をするリスクが大きすぎる。

 

「・・・エガリテ。情報通りか」

 

これで、一高生がエガリテに参加していることは確実となった。後は対策を考えなくてはならない。会長と、風紀委員長、部活連会頭には話しておかなくてはならない。

 

 

 

「で、報告に来たということか」

 

「はい。とはいえ、既にご存じだと思いまして、ある程度は省略していますが」

 

「ちょっと待って、私は知らなかったんだけど」

 

「私も初耳だな」

 

「では、もう少し詳しくお話しします。家で掴んだ情報によると、現段階でエガリテとしての活動にとどまっているとのことですが既に、ブランシュ日本支部のリーダーである、司一が既に一高生の参加者とあっているとのことで、いずれはブランシュでの活動に出る恐れはあります」

 

「一つ、疑問は彼らは反魔法師主義であってそれは仮に二科生が相手であっても同じのはずだ。なぜ、一高生が参加できる?」

 

「そこは私にもわかりません。大方、都合のいいことを言っているのか、弱みを握られているのか、それとも洗脳されているのか」

 

「洗脳!?」

 

「可能性が無いとは言えませんよ。魔法的なものならともかく、一科生でも薬物を使った洗脳なら対抗できない可能性もありますから。二科生ならなおさらです」

 

「ともかく、どのような対策をとるかだ。四十七ならどうする」

 

「今は、様子を見るべきかと」

 

「ほう」

 

「彼らがまだ何かしたわけではないので、こちらからできることも少ないかと。ブランシュやエガリテは報道規制が敷かれていることもあって、一般生徒はまず知らない。と、なるとブランシュやエガリテの危険性を説いても理解しないでしょうね」

 

「報道規制があだになるなんて」

 

「少なくとも、マスコミはどちらかというと反魔法師的ですから、仮に報道規制が敷かれていなくても報道しないということも十分あり得ますけどね」

 

「それは、ともかく受け身な対応になるわけか」

 

「当面は、そうなるでしょうね。これも新歓が終わればいったん落ち着くでしょうしそれまでは警戒しておくしかないでしょう」

 

 

 

エガリテの存在が分かれば、あとは特定作業である。映像を撮ったり、ブランシュにいる内通者や潜入させている諜報員を通じて情報の精度をあげていくだけである。

 

 

魔の新入部員勧誘週間が終われば、さすがに校内は鎮静化した。流石にね。

 

「さすが。これだけの情報を集められるとはね」

 

「ありがとうございます。彼らもお役に立てて喜んでいるでしょう」

 

「それはいいが、今後はどうすべきだと思う?」

 

「今後でしょうか・・・やはり襲撃を」

 

「言うと思った。ブランシュも表向きは合法な組織だ。奴らが犯罪組織であることを一般に知らしめるためには理由が必要だ。一番いいのは襲撃されて自衛のために戦った。というのが一番都合がいいのだが」

「そうだ、ネズミにどこかを襲撃させるように提案させてみたらどうだろうか?間違いなく一高だろうけど。対象は」

 

意外と、よさげな感じだろうか。流石に死人が出る事は無いだろう。

 

「よし、これでいこう。ネズミにはそう伝えておいてくれ」

 

「かしこまりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第5話

お久しぶりです。なにやってたんだよ!ってね。



ごめんなさい。いろいろあったんです。


いやぁ、新歓が終われば問題事は無くなると思ってたんだがなぁ・・・

世の中そうは上手くいかないってか・・・HAHAHA(・∀・)(棒)

 

事の発端は、昨日のこと。

 

今日も今日とて1人飯。まあ理由は簡単である。俺が魔法技能至上主義の一科生と考え方が相容れない考えなのだから。

 

しかし、この日は1人飯にはならなかった。もっと正確に言うと飯を食い逃した。

 

スピーカーからキーンと音が響く。大方、マイクのゲインの調整でもミスったのだろうか。しかし、1つ疑問が残る。今日この時間に放送の申請なんかあったっけ?

というのも、この学校は生徒会に自治権の多くが委ねられている。もちろんその中には放送に関する部分もあり、何か放送でもしたいことがあれば生徒会に届出をして鍵を借りる必要がある。しかし、この時間にはなかったはずだが・・・

 

 

と思っていた矢先

 

「私たちは校内の一科生と二科生の差別撤廃を求める有志です!」

 

おう・・・めんどくさいことになったなあ。もちろん、正式に許可を取って放送しているわけではないので生徒会と風紀委員の厄介になるのは間違いなし。そしてその仕事はこちらに回ってくるのだ。

 

「四十七君。これは・・・」

 

「多分そのうち連絡でも・・・来たな。では行きますか」

 

「はい」

 

「行きたくないけど。面倒ごと増やしてくれやがって」

 

さすがに無視するわけにもいかず放送室に向かうことになった。

 

着いた時には、既にそうそうたる面々が集まっていた。

 

「何事ですか?」

 

「一部の生徒が放送室の鍵を奪って、放送室に立てこもった」

 

「立派な窃盗罪ですね」

 

「そうだな。だが、学校としてはことを大きくはしたくないらしい」

 

「なら、内内で処理するということになりますか」

「と、なると強行突破ですか?」

 

「いや、学校設備を破壊してまで取り押さえるほどの事案ではない」

 

ここで、部活連会頭の十文字会頭が口を開く。

 

「ではどのようにいたしますか?」

 

と話していると達也が到着する。達也に同じ説明をすると、いきなり電話をかけ出した。どうやら中にいる人物に心当たりがあるらしい。そしてそれは心当たりから、確証に変わったようだ。

 

そしてそのまま交渉を始めたようだ。ひと段落着いたらあとは突入するだけである。

 

「一番最初は私が行きましょう」

 

「あら、レン君。無理しなくてもいいのよ」

 

「いえ、新歓以降アンティナイトを携帯するようにしてるので、魔法の無効化ならば私が最適ですからね」

 

「よくそんなものを持っていたな」

 

「アンティナイトの国内流通量の9割にうちの家がかかわっていますからね。手に入れるのも他と比べると容易ですよ」

「まあ、またこの話はそのうちに」

 

「そうだな」

 

 

 

というわけで立てこもり犯たちはおとなしく・・・ではないけども捕まったので一件落着・・・かと思いきや、犯人たちは二科生で、学内差別撤廃のために行動を起こしたとかなんとか。お互いの疑問や、意見をぶつけ合うための場として、公開討論会をやることになりましたとさ。

 

・・・めんどうごとがふえた。

 

警備の配置から有事の際の行動まで事前に計画をし、生徒会では七草会長が討論の準備をしていた。

 

「本当に一人でやるつもりで?」

 

「ええ、もちろん。それに何かあったらレン君にも出てもらうから。舌戦なら私よりも強いしね」

 

「俺も出るの?」

 

そういうことでさらに面倒事が増えた。

 

翌日

「結構集まったな」

と蓮夜。

 

「暇なんだろうか」

と達也。

 

「いや、二科生と一科生の割合は半々ぐらい。差別についてなにか思うところのある二科生とふざけんなって感じの一科生か?」

 

「否定できんな」

 

「「面倒事が起きなければいいが」」

 

息ピッタリ。

 

そういうわけで、討論会のはじまりはじまり。

 

まずは有志連合から

 

「我々は学校より様々な差別を受けています。例えば、部活の活動費など魔法競技系の部に比べ非魔法競技の部は予算が少なくなっています」

 

「それについては誤解です。そもそも部活動の予算は活動実績などに基づいて分配されています。ですので全国大会への出場経験のあるレッグボール部などには多くの予算が割り振られています。」

 

などなど、時折、一科生からも質問が投げかけられるなどし、一科生、二科生制度の撤廃を目標とすることとして締められた。

 

「この件について、四十七君はどう考えていますか?」

 

なぜ、そんなキラーパスを!?俺関係ないよね!?

 

警備の都合上壇上にいた俺に視線が集まる。

「えーっと。一科生、二科生制度の撤廃については否定的ですね」

 

「どうしてですか!?」

 

二科生と思わしき人物から声が上がる。

 

「確かに、この状況を生み出したのは一科生、二科生制度が原因ではありますが、制度そのものがダメなのではなくそれによって発生した副作用のようなものです」

「そもそも二科生とは魔法教育を受ける学生を増やすため年度の途中から補欠合格として100名を足したのが始まりです。しかし学生は増やせても教員はすぐに増やせなかった為、1年のうちは理論を進め次年度から実技をする。というのが本来の二科生制度です」

「しかし、次年度になっても教員が確保出来なかったため、方針を変更し、2年次からの実技も教員無しで行われるようになり、今のような制度へとなりました。これは全員に不十分な教育を施すか、一部の将来有望な生徒に十分な教育を施すか。つまり質を取るか量を取るかで質をとったわけです」

「なので、本来の一科生、二科生制度は差別ではなく区別です。しかし、現在は差別となっています。これは意識の問題です。一部の一科生は魔法技能至上主義とも呼べる考えが浸透しています。これにより二科生を蔑み、差別する。と、いった特権を持っていると勘違いした行為が行われていますが、これが諸悪の根源なわけです」

「なので一科生、二科生制度を撤廃する前に、徹底的に二科生に対する差別的な発言や行動を規制することが必要でしょう。それに加え仮に今、一科生、二科生制度を廃止しても教員の数が足りていません。一科と二科の違いは指導教員の有無であり、現在でも指導教員が不足している今では一科にも二科にも不十分な教育しか行えない可能性すらあります」

「ですので、まずは学生同士で教え合う仕組みを作るのはどうでしょう?成績優秀者。つまりテストの成績の上位20名は公開されるのでそれらの人にやって頂く。その代わりと言ってはなんですがその人たちの成績に加点をする。というのはどうでしょうか」

 

「・・・そこまで考えてたのね」

 

いえ、気がついたら口から出てました。

 

「あと、気になったのは二科生も二科生で差別を受け入れていることも問題だとは思いますけどね」

 

「受け入れてはいないんじゃないの?今回のこともあるし」

 

「いや、そうではなくて、大多数の二科生は差別に対して不満を持っていながらもそれを受け入れてしまっているんですよ。二科生とはこういうものだって。今回はあまり良くない形ですが差別に反抗するキッカケとしては良かったとは思いますよ」

「まあ、鍵持ち出して放送室を占拠されると取り押さえるのが面倒臭いので二度と御免こうむりますけどね」

 

なんで話をしていると、講堂の窓ガラスを突き破って何かが飛んできたのと同時に、校内から爆発音が響いてくる。と同時に講堂から悲鳴があがる。

 

窓ガラスを突き破って入ってきた何かはガス弾のようだが、すぐに副会長によって元のケース内に戻され割れた窓ガラスから外に捨てられた。と、同時に講堂のドアをぶち破って黒ずくめの男たちが侵入し、さらにはエガリテのリストバンドをまいた生徒たちが立ち上がり、騒ぎを起こそうとするが、それはすぐに取り押さえられる。同様に講堂のドアから入ってきた侵入者たちもすぐに風紀委員によって取り押さえられた。

 

「さて、じゃあ予想外の事態ですが私は奴らを迎撃してきますね」

 

「生徒は殺しちゃだめよ」

 

「もちろんです。あ、でもそれ以外ならいいってことで?」

 

「多少は残しておいてね」

 

殺すこと前提で話を進める蓮夜だが、それに付き合う真由美も真由美である。

 

というわけで絶賛テロリストどもを抹殺中。使うのはフォノンメーザー。振動系の魔法で殺傷力が高くて便利。これでテロリストの頭をぶち抜けばいい。

 

「そういうわけで、皆さんには死んでもらいまーす」

 

ふざけんな!って感じの声が聞こえるけど知りません。とはいえ、全部殺すのもあれなので、抵抗できない程度に痛めつけて終わらせることにする。

 

手足の一本二本ならいいでしょうということでフォノンメーザーでちぎっていく。

 

ナイフで抵抗してくるがそんなものは効かない。硬化魔法で強化してあるので刃が肉に到達することはない。

 

「そんなに近づいてきちゃってー投げられたいの?」

 

というわけで、マーシャルアーツで地面に叩きつけるようにして投げ飛ばす。偶々、この場所がレンガで舗装されていてアスファルトやコンクリートよりかはいくらか割れやすかったのか地面にひびが入るほどである。

それゆえに投げられた相手はうめき声すら上げることができずにその場でピクリとも動かずに倒れている。それを見て警戒して様子をうかがうような体勢だが、忘れてはならないのだが蓮夜は魔法師である。何もしないと余計に魔法の餌食になってしまうだけである。

 

というわけで

「グワーッ」

 

「グハッ」

 

といった感じに処分されてしまいましたとさ。ちゃんちゃん。

 

 

 

しかし、彼らの目的は最初に爆発のあった実技棟などではなく、図書館にある魔法大学とその関係校からしかアクセスできない機密データを抜き取ることである。なので、それとなく連絡しておいたのでそっちは心配する必要が無い。

 

俺は、校内でのテロリストの殲滅活動に精を出すことにする。

 

残念ながら魔法科高校生と言えど全員が全員とっさに魔法を使えるほど優秀なわけではないし、そもそもこのような状態で精神状態が不安定なこともある。精神状態と深くかかわる魔法をこのような状態で使えるとも言えないのだ。

そのせいで、生徒の間にも負傷者が発生している。なので急いで始末したいところなのだが生徒が混じっている以上殺してしまうという選択肢はとれず、一人一人のしていくことにするしかない。

 

硬化魔法を展開したうえで加速魔法を使用し減速せずに相手にそのままタックルをかます。結論、相手は吹っ飛ぶ。

敵が落とした警棒を拾い上げナイフを持って襲い掛かって来るテロリストの手首をゴキッという鈍い音とともにへし折る。痛みで悶絶するテロリストの顔面に蹴りを入れ麻酔代わりにし、眠ってもらう。

 

先ほどと同様、警戒して仕掛けてこないのでこちらからしばきにかかる。いきなりとび膝蹴りをかまし、その反動でもう一人に警棒で顔面を突く。刺さるわけではないが普通に痛いし、ひるんだところに偏倚解放で吹き飛ばす。

 

戦闘魔法師相手にただの人間相手では相手にもならない。一瞬のうちに制圧してしまう。そうこうしているうちに達也が現れた。どうやら図書館は制圧されたようだ。

 

まだ混乱している、学校を抜けある場所に向かう。それは、とあるテロ組織が隠れ家に使っている廃工場だ。途中で従者に拾われ制服から着替えて目的地に向かう。

 

さあぜつぼうのはじまりだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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幕間
第6話


さっき気が付いたんですが、感想がログインユーザーからしか受け付けない設定になってましたので、急いで修正しました。


廃工場に着いたらすることは一つだ。つぶすだけ。そう、つぶすだけ。

 

司一の言葉など聞いてやる必要もない。

 

「若。始めますよ。良いですね?」

 

「ああ、始めるぞ」

 

部下数人とともにブランシュの拠点に入っていく。流石にこのタイミングでの侵入は予想していなかったのか、まだ臨戦態勢ではなかった。が、こちらにとっては都合がいい。

 

「だ、誰だ貴様は!?」

 

「お前を殺しに来た、地獄からの使者だよ!」

 

そう言い、近くにいた武器を持った男を殺す。

 

すると、さすがに焦ったのか、アンティナイトを使って妨害するように司一は指示を出すが、ここにいるのは俺を含めアンティナイトに対する訓練を受けた者だけである。それに、アンティナイトがあることは知っていたので実弾銃を持ってきている。

 

「ど、どうだ!?魔法師ならばこの状態では魔法も使えまい!?」

 

「確かに魔法は使えんが、別に使うのは魔法だけではないわ」

 

そのままアンティナイトを使っている、テロリストを殺していく。

 

「くそっ!?殺せッ、殺せッ!!」

 

が、銃声が鳴り響くことはなく部下たちが既に始末してしまっている。

 

「ッ!?く、くそっ!?」

 

そのまま、走り出して逃げていくが逃げた先は出口が無いので慌てて追いかける必要もない。

 

「残党の処理は任せてください。若はあいつを」

 

「わかった」

 

部下の提案に乗り司一を追うことにする。

 

 

 

奴は奥の部屋でアンティナイトを装備した武装テロリストとともにいるようだが、そもそもアンティナイトはある一定の鑑賞力があれば効かないというものがある。特に非魔法師のキャストジャミングは効果が魔法師のものと比べても弱いのだ。

 

なので、そのまま真正面から入る。

 

「ハハハッ。いくら君でもこのキャストジャミングの中では何もできまい」

 

もう何も言わずにフォノンメーザーで武装テロリストの頭を撃ち抜く。

 

「何故だッ!?」

 

「何故かどうかは説明してもどうせお前は死ぬんだからどうでもいいだろう」

 

「な、なにが目的だ!?金か名誉か!?なんでもいい言ってみろなんでも出すから!?」

 

「そうだな。では命を貰おうか。もちろんお前のな」

 

「な、何故だ!?」

 

「何故か・・・そうかこれくらいは説明してやってもいいだろうか。お前は3年前のあった出来事を覚えているか?」

 

「3年前!?」

 

「そうだ。3年前と言えば反魔法師運動のデモ隊が魔法協会本部に詰め寄り衝突した事件だ」

 

「それが、何の関係がある!?」

 

「お前はなにも覚えていないのか!!!あの時、魔法協会側に一人死者が出た。その理由はデモ隊が頭部に警棒を振り、滅多打ちにした」

「結果として、彼女は亡くなってしまった」

「それが、俺の母親だ」

 

「し、しかしそれが俺に何の関係がある!?」

 

「その犯人はブランシュの構成員だった。しかし、警察の捜査では構成員だったこと以外の裏付けが取れず、ブランシュそのものには何の裁きもなかった。不審に思った親父がもっと調べたそうだ。結果はお前が支持を出していたそうじゃないか?誰かを狙うというよりかは誰でもよかったそうだが」

 

「ち、違うそれは俺ではない!?」

 

「ここまで来てまだ白を切るかァ!!!」

 

「ギャァァァァ!!!」

 

司一の両足がフォノンメーザーで切断される。

 

「お前がいなければッ!!!お前も母のように殺してやるッ!!!」

 

「待て、四十七。そこまでだ」

 

止めてきたのは十文字会頭だ。

 

「あら、お早い到着で。どこから聞いてましたか?」

 

「今来たばかりだが、お前がそいつを殺してしまいそうに見えたからな」

 

「では、先に説明しておきましょう。こいつが一高を襲撃したテロリストの親玉。ブランシュ日本支部リーダーの司一です」

 

「そうか。では後はこちらに任せてもらえるか?」

 

「お断りします」

 

「十文字家次期当主としてもか?」

 

「はい。こいつは四十七家にとって最も重要な存在だからです。・・・とはいえここで十文字先輩と事を荒立てるつもりもありませんので、貸し一つでどうでしょう?」

 

「それは、俺個人に対してか?それとも十文字家に対してか?」

 

「どちらでも構いませんよ。十文字先輩は次期当主なわけですからいずれは十文字家を継ぐはず。でしたらどちらでも構いませんよ」

 

「そうか。だが、何故そいつにそこまで固執するのか理由を聞かせろ」

 

「ええ。何の説明も無しに納得しろ。とは言えませんから」

 

これで、のちにブランシュ事件と呼ばれる事件は幕を閉じた。

 

 

 

翌日

 

蓮夜は生徒会室に呼び出されていた。もちろん昨日の説明のためである。

そこにいたのは十文字先輩と真由美である。

 

「なぜ、真由美さんまでいるのかはさておき、昨日の説明ですね」

 

「ああ、そうだ」

 

「ちょっと、置いとかなくてもいいんじゃない!?」

 

「え~っとどこから説明したものか・・・」

 

「ちょっと!?無視しなくてもいいんじゃないの?」

 

「はいはい。お二人は3年前に起きた反魔法師団体によるデモ隊が魔法協会本部で警備していた魔法師と衝突した事件はご存じですか?」

 

「ああ、知っている」

 

「私も知ってるわ。当時大きなニュースになったもの」

 

「では、あの時死者が出たことは知っていますか?」

 

「聞いたことないな」

 

「聞いたことないわね。けが人こそ出たことは知っているけど死者が出たなんて話があれば、マスコミが黙ってないんじゃないの?」

 

「その死者が魔法協会側の人間でもですか?」

 

「まさか。死者が出ていれば魔法協会だって何かしらは声明を出したりするでしょう」

 

「いえ、出されなかったんですよ。魔法協会は魔法師が死んだと声明を出しませんでした。その死者は、別件で事故死したことになっています」

 

十文字会頭は眉を少しひそめた程度だが、真由美はかなり驚いている様子だ。

 

「その死者の名前は四十七彩華。私の母です」

 

「「ッ!?」」

 

「真由美さんはあのお通夜には来ていましたから、信じられないのではないかとも思いますが、これが事実です。魔法協会が魔法師に死者が出たことを隠ぺいしたのも百家の四十七家の本妻が非魔法師に殺されたなどとあれば魔法師の権威が失墜するとかそういう理由で決まったと聞いています」

 

「しかし、魔法師ならば最低限自衛ぐらいできたのでは?」

 

「母は魔法師としては平均的な技能しか持っていませんでした。戦闘魔法に関して言えば平均以下かもしれません。それに当時は魔法協会側がデモ隊をより興奮させる恐れがある。という理由で目に見える場所にCADを携帯することを制限していたとのことで、とっさに魔法を使えなかった可能性があります」

「そして、この時の犯人がブランシュの構成員でした。しかし、警察が調べることができたのはそこまでで、これが組織的な犯行なのか個人によるものなのかを判断することができず、ブランシュそのものには処罰は下りませんでした。それを不審に思った父が調べたところ、ブランシュのリーダーによる指示だったことが分かりました。ただ、特定の誰か。というわけではなく誰でもよかったみたいですが」

「これが、私があいつに固執していた理由です」

 

「そうか。すまなかったな」

 

「いえ、どのみち説明はするつもりでしたから」

 

とりあえず、ここで話は終わった。

 

 

 

ところで、そろそろ学期末テストの時期である。早くね?と思った奴もいるかもしれないが、このテストの成績で九校戦のメンバーを決めるため早めに決めておかないと練習の時間が取れなくなってしまうからである。

 

なので、誰もが勉強をすることにはなる。しかし蓮夜は実技は問題なく、かつ理論のほうも問題ないのでテスト勉強ではなくCADをいじっていたりする。

 

しかし、CADをいじっているのは趣味だからではない。九校戦においてはCADのハード面は公平を期すため制限されているが、シフト面はエンジニアの腕の見せ所。ということもあり、実は一切の規制が無いのである。少なくとも蓮夜の技術力はそこらの高校生よりもはるかに高いため、しっかりとCADを作り上げておくことで心配事を一つ減らせることになる。

 

 

 

ところで、テストの結果を見せたいと思う。正直、蓮夜はテスト期間前も期間中もテスト勉強はほとんどせず、CADばっかりいじっていたので代り映えしない部分はカットされてしまうわけである。

 

  総合  実技  理論
 1位 四十七蓮夜 司波深雪 司波達也
 2位 司波深雪 四十七蓮夜 四十七蓮夜
 3位 光井ほのか 北山雫 吉田幹比古
 4位 北山雫 森崎駿 司波深雪
 5位 十三束鋼 光井ほのか 光井ほのか

 

 

「おお、今回は総合1位をとれたか」

 

「不思議。理論も実技も2位なのに総合は1位?」

 

「いや、理論は達也と1点しか差が無いし、実技も司波さんと理論以上の差が無いからじゃ?」

 

というか、それよりも気になるのは理論の上位5位のうち二科生が二人いることである。達也のほうはまだしももう一人は・・・これは古式魔法の吉田か?

 

それは、ともかく俺は生徒会役員として九校戦メンバーの選抜会議に呼ばれた。

 

周りがいろいろ議論しあってるが正直俺が口をはさむところはないし、ただ座ってるだけである。ちなみに俺はアイス・ピラーズ・ブレイクのみの出場となる。一人当たり2つの競技に出られるのだが、俺は何かあったときのバックアップらしい。新人戦はともかく本選にも出れるだけの実力があると認められたため、どっちにでも出る可能性がある。

 

話を半分聞き流していたら、エンジニアの話になっていた。しかも達也のことらしい。

 

「そういえば四十七も理論は2位だったよな。ちょっとだけでもエンジニアできないか?」

 

「ちょっとだけならいいですよ。一種目だけですし」

 

話が完全に横道にそれているがエンジニアの確保が目的なので誰も咎めるものはいない。

 

で、本題。達也を連れてきて実際にテストさせてみるのがよろし。ということになった。

まあ、結果は自明の理なので結果を述べれば達也はエンジニアになった。

 

 

 

ちなみに俺の担当エンジニアはあーちゃんこと中条先輩である。とは言っても俺は自分でCADの調整ができるので、本来は必要ないのだがエンジニアのお手伝いとしてあーちゃんに就くことになったので、そのためでもあるのだが。

 

テストも終わったので授業もほとんどなく、九校戦に向けた練習が行われる。俺の出場種目のアイス・ピラーズ・ブレイクは12本の氷柱を先にぶっ壊したほうが勝つ競技である。九校戦の中では殺傷力ランクの規制が無い競技なので、もちろん俺はフォノンメーザーを一回発動するだけでいい。学内で対戦してきたが、今のところ負けなしである。

 

「すごいですね、四十七君!フォノンメーザーを使えることもすごいですが、全戦全勝もすごいですっ!」

 

「あーちゃん先輩。興奮するのは分かりますが、どちらかと言えば目当てはこのCADでしょう?」

 

「あ~バレちゃいましたか。だってそのCAD、アルス・マギア社のタネガシマシリーズの短銃身競技用モデルですよね」

 

「たしかにそうですけど。そんなに珍しいですか?」

 

「タネガシマシリーズは見た目を火縄銃のようにして作られたモデルだからかあまり使う人も少なく、しかも競技用モデルは一般モデルに比べてより装飾を増やしている関係で元々重い重量がさらに重くなってしまった結果、不人気なモデルですよ!だから、見る機会も少ないんです!」

 

「確かに、タネガシマシリーズ自体が不人気なモデルですけど見た目はいいでしょう?アイス・ピラーズ・ブレイクは、コスプレをするって言いますし、それに合わせてみようかな。って思いまして」

 

「なるほど、ところで四十七君はどんなコスプレをするんですか?」

 

「甲冑を着た武者のコスプレをしようかと思いまして、ちょうど家にあるもんですから」

「ところで、あーちゃん先輩なら何のコスプレをしますか?」

 

「えっ?私ですか・・・う~ん、何がいいでしょう?」

 

「個人的なおすすめはリスの着ぐるみなんてどうですか?かわいいと思いますよ」

 

「ちょっ!ちょっと!私はリスみたいじゃありませんよ!!」

 

頬を膨らませながら言うもんだから、なおさらリスみたいでかわいい。

 

「う~ん。だったら何がいいですか?定番は和服ですね。特に振袖が多いみたいですね。次に浴衣ですか。あとは、ドレスなんかも多いみたいですね」

 

「へ~いっぱいあるんですね。というか、よく調べてますね」

 

「なんとなく気になったので。ってああそうだ。余計な話をしてたら忘れてた。中条先輩に一つご相談があるんです」

 

「なんですか?」

 

「いま、アルス・マギアで開発中のCADがありまして、そのモニターをしてもらえないかと思いまして」

 

「えっ!?わ、私ですか!?」

 

「はい。中条先輩は成績もよいみたいですし、デバイスオタクと呼ばれたりするぐらいにはCADに詳しいので、ピッタリかと思いまして」

「それに、一応開発のコンセプトが魔法科高校生を対象にしたモデルなので現役の魔法科高校生にモニターしてもらうほうがいろいろと都合がいいので」

 

「で、でも、私で務まるかどうか・・・」

 

「ああ、そういえばこの試作品はモニターをしてくれる人にはお譲りしておりまして、テストが終わるまではいろいろと制限もありますが、それ以降はご自由にしていただいて結構ですよ」

 

「えっ!?もらえるんですか?・・・だったら、う~ん」

 

しばらく悩んでいたようだったが

 

「じゃあ、やらせてください!」

 

「ええ、分かりました。では、今週末にアルス・マギアの東京支社に来ていただけますか?このカードを持って受付に渡せば担当の者が案内しますので」

 

というわけで、中条先輩の確保に成功。

 

 

 

 

 

 



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第7話

CAD。それは、現代の魔法師が魔法を行使するためにはなくてはならない存在である。多くの会社が自社のCADを使ってもらおうと競争を繰り広げている。

 

 

 

前置きはさておき、今日はあーちゃん先輩が試作品を受け取りに来る日だ。ここ、アルス・マギア東京支店は販売店も兼ねているがどちらかというと、関東方面の販売店のまとめ役みたいな立ち位置なので、テスト用のスペースや機密の物を扱う部屋が存在する。

 

「失礼します。モニターのお方が来られました」

 

「分かった。例の場所に案内してくれ」

 

「かしこまりました」

 

一応は蓮夜は御曹司であり、次期社長でもある。正式な役職は社長補佐兼テスターということになっている。社長補佐よりもテスターや開発者としての仕事のほうが多いが。

 

 

「失礼します」

 

「あれ?四十七君?」

 

「一応アルス・マギアは家の会社ですからね。俺が出てきてもおかしくはないと思いますよ」

 

「確かに。それもそうでした」

 

「早速ですが、説明を始めたいと思いますがいいですか?」

 

「はい」

 

「まずは、契約書を書いていただきます」

「説明しますね。簡単に言うと、一つ目が契約の期間について。二つ目が契約期間の満了以外で契約が終了する場合について。三つめが契約期間満了後の試作機の扱いについて。四つ目が契約期間中のテストについて。五つ目が報酬について。大体大事なところはそんな感じです。何か質問等ありますか?」

 

「このテストって何ですか?」

 

「えっと、この試作品は既に動作確認は行われていてあとは、テスターに普段使いしてもらって問題点を洗い出そうというものです。後でお渡ししますが所謂スペックシート通りに動いているかをテストしてほしいのです。とはいっても何か特別なことをしてほしいというよりかは普段の学校生活や授業などで使っていただくことを想定しています。」

 

「なるほど。では三つ目の内容についてなのですが・・・」

 

「ああ、一応このモデルはまだ発表されていません。このテストが終わり次第、公表する予定になっていますがそれまではどこの会社の物なのかを公表することを控えていただきたい。というものです」

 

「なるほど。わかりました」

 

中条先輩は理解できたようで契約書にサインしていく。

 

「ありがとうございました。こちらはお持ち帰りください」

 

「さて、CADをお渡ししますのでついてきてもらえますか」

 

「あ、ここで渡されるわけではないんですね」

 

「ええ、一応使い方の説明も兼ねてテスト場でお渡ししようかと思いまして」

 

「なるほど。テストもできるんですね」

 

「一応、東京支社は大阪にある本社以外で開発を行っている支社ですから、開発品のテストを行うことも想定に入っているんですよ。ただ、スペースがいるので東京に大きな土地を確保するのは苦労したそうですが。まあ、それでも八王子は東京の中でも比較的大きい市であることや、八王子市は都内では比較的地価が安い部類いですので、都心に作るよりかはいくらかまし。だそうですが」

「あ、そうだ。中条先輩は今日時間ありますか?」

 

「え?今日はこれ以外に予定はありませんが・・・」

 

「よければここの開発部を覗いていきますか?」

 

「え!?いいんですか!?」

 

「はい。中条先輩は以前、魔工師志望だとおっしゃってましたし、もしよければ家の会社に来てくれないかな~っというような期待を込めて」

 

「あれ?もしかして私勧誘されてますか?」

 

「はい。めちゃくちゃ勧誘してます」

 

「ちなみに、一度開発室を見たらアルス・マギア社に入らないといけないとか・・・」

 

「別にそんなことはありませんよ。ただ、これをきっかけに入ってもらえたらうれしいな。というだけで」

 

「では見させてもらえますか?」

 

「はい。まずは、こちらでCADを受け取ってからですね」

 

といわけで、東京支社の試験場にとうちゃーく

 

鍵付きのアタッシュケースからCADを取り出す

 

「というわけで、これが試作CADです。名前はTO-06Hです。名前は未定なので開発コードの「スレイマン」とでも呼んでください」

 

「汎用型ですね。どんなコンセプトなんですか?」

 

「コンセプトは『魔法科高校生が必要とするスペックを低価格で』になります」

 

「使ってみてもいいですか?」

 

「もちろんです。では、調整を始めましょうか」

 

どんなCADも調整をしないと使うことは出来ない。というのも個人個人によって使いやすい設定があり、さらには調子や体調によっても変化する。

 

「今回は、調整は私がしますがよろしいですか?」

 

「え?四十七君がしてくれるんですか!?」

 

「ええ、今手が空いてるのは私ぐらいですし。・・・もしかして、資格を持った人のほうが良かったですか?」

 

「いえそんなことは。むしろどんなやり方をするのか楽しみです」

 

調整が終われば早速CADを使ってみるみたいだ

 

「何か的はいりますか?」

 

「いえ、無くて大丈夫です」

 

そう言ってあーちゃん先輩は魔法を何度か使ってCADを試していた。

 

「いいCADですね。これは私が使っているCADと遜色ない性能がありますよ」

 

「そうですか。よかったです。他にテストしてみたいことはありますか?」

 

「いえ。それよりも、開発室のほうを見てみたいです!」

 

あーちゃん先輩は目を輝かせて言う。まるで子供みたいだ。かわいい。

 

 

 

ぶっちゃけ開発室は説明がしにくいのでカット。

 

 

 

まあ、それよりも弊害が一つあって、後日いろんな職員から彼女かどうか聞かれたことが一番の弊害である。ちげーよ。趣味は会うしタイプっちゃタイプだけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 




なんか書いてていろいろカットしすぎなのではと思ってしまう今日この頃。
はい、すいません。サボりなだけです。


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九校戦編
第8話


お久しぶりっす


九校戦。それは魔法で戦う運動会みたいなもの・・・。こんな説明で間違ってないよな?

 

例年、国防軍の富士演習場で開催される。で、もちろん移動が必要で、しかも原則団体で移動することが必須である。となると、バスで移動するのだが・・・

 

バスで移動することになると乗る人が一人でも遅れると出発できないわけで・・・

 

「本人は先に行ってていいって言ってんだから、さっさと行きゃあいいのに」

 

と、愚痴の一つぐらいは漏れてしまうわけである。

 

 

 

事の発端は真由美が家の用事で遅れることになったことである。本人は先に行ってて良いと言ったのだが、一部のメンバーが待つことを主張。結果、待つことに。で、何が起きているかと言うと・・・

 

深雪さんが、大層ご立腹なわけである。正直、聞いているとこっちにまで被害が及びそうなので内容までは聞いていないがそれなりにやばい感じなのは周りの空気からも分かる。

 

 

 

「あ、来たか」

 

どうやら件の真由美さんが来たようである。

 

・・・なんでこっちくるの?

 

「なんでしょう会長?なにか御用でしょうか?」

 

「いえ、そこの席が空いているから座らせてもらおうかと思いまして」

 

俺の隣は空席である。

 

「別にここでなくてもいいのでは?」

 

「まあ気分よ、気分」

 

どうやら、真由美はお疲れのようである。どうも、疲れている時は人をいじる傾向にあるので多分間違っていないだろう・・・

 

周りからの視線が気になるが・・・拒否できるだけの理由が無かったのであきらめることにする

 

「・・・どうぞご自由に・・・」

 

または諦めたというかもしれない。完全にロックオンされている。こういう時によくいじられるのは、はんぞー副会長か達也である。達也はうまいこと逃げたが、はんぞー副会長と俺とでは俺に照準が向いたらしい。

 

 

バスが動き始める。

 

正直、バスの旅と言うのは人生で初めてである。いままでは、何か移動がある時も家から送迎が出ていた。中学はそういう学校で、お金持ちや、政治家の子供が通うような学校だったので独自に行動することが認められていた。多分なんかあったときに学校が責任を取りたくないからだろうが。

 

なので、少し楽しんでいたのだがお隣さんは許してくれない。

 

「ねえねえ。今日の私はどう?」

 

「いいんじゃないですか」

 

「女の子がこうやって聞くときはもっと褒めないと」

 

「分かっててやってるので大丈夫ですよ」

 

「最近、おねーさんの扱いが雑なんじゃないかしら」

 

今日は輪をかけてひどい・・・

 

「なんか、もうそんな感じでいっかな?って思うようになって」

 

これは割とマジである。

 

「そんな・・・おねーさんのことを雑に扱って・・・あの頃はあんなにも優しかったのに」ヨヨヨ

 

「いったい、いつの話ですかそれ?」

 

「そうねぇ。初めて会ったときかしら?」

 

「それ、俺が8歳の時では?」

 

なんて、話しているとはんぞー副会長が自らいじられにやってきた。好きなのは分かるがタイミングぐらいは考えたほうがいいのではないかと思う。流石にタイミングが悪すぎるぞ。

 

 

 

ほーら案の定いじられてやんの。やっぱこの人バカなんかなぁ。もしかしたら好きな人にならイジられてもイイ人なのかもしれない。

 

まあ、バスの中では寝るのがツウと聞いたので寝ることにする。

 

 

 

 

 

 

あ、寝てたらなんか起きてたらしい。え?自爆特攻???マジで??

 

「あれ?なんかあったの?」

 

「事故?みたいな感じね」

 

「ふーん」

 

「というかよく寝てたわね」

 

「思ってたよりも寝やすかった」

 

「あら、もしかしておねーさんの隣だからとか?」

 

「ないない」

 

思ってたよりもぐっすり寝てしまったがまあ景色らしい景色なんてあったもんじゃないし、事故の騒ぎでなんか浮ついてるし・・・うーん。もっかい寝るか

 

「てなわけで、グッナイ」

 

「え?もう一回寝るの?」

 

「スピ―」

 

「寝息で返事しない」

 

「いや、一回ぐらいはやっておかないといけないかなって?」

 

「やらなくてもいいです」

 

ま、ちゃんと寝るんだけどね。

 

 

 

で、結局最後までしっかり寝たけど、まあいいでしょう。どのみち起きてたってやることないんだから。

 

 

 

 

 

 

はんぞー副会長視点

 

「・・・まあ、あの事件のことはこれぐらいにしておくとして。何故、四十七のやつはあんなにも会長と仲良くできるんだ?」

 

「・・・いや、俺に聞かれても。ああ、なんかでも入学する前から知り合いだったみたいだしな。お互いの家に行ったりしてたみたいだぞ」

 

「やはり家柄か」

 

「家柄で言うならお前もいいほうだとは思うけどな」

 

「それでも百家の本流と支流とでは訳が違う。それに四十七家は百家の中でもずば抜けている。師補十八家に劣らないとも言われている」

 

「そんなにすごいのか?」

 

「ああ、資金力も魔法師のレベルも数も。なにより政府や軍部とも強いパイプがあると言われているからな。百家の中では一番かもしれない」

 

「お前がそこまで言うとはな」

 

「それに、俺は一度四十七が魔法を使うところを見たことがある。間違いなく俺よりも強い」

 

「・・・めずらしいな」

 

「なにがだ」

 

「お前がそこまで素直になるなんて。こりゃあ明日は槍でも降るかな」

 

「それぐらいはヤバいってことだ。試合を見れば分かるさ」

 

 

 

 

再び視点は蓮夜に

 

「ほぉ、立食パーティーか。うん、うまそうだ」

 

一緒にいる友達などいないのでボッチである。後ついでに言っておくと立食パーティなどではなく懇親会であって決して立食パーティーなどではない。一応バイキング形式ではあるがそちらは基本的にはメインではないのであるはずなのだが・・・

 

「うまぁ。いいねぇ。じゃあこっちは・・・うんおいしい」

 

一応、蓮夜もいいとこの出ではあるので基本的なマナーなどはしっかりと抑えてある。しかし、食べる量は一切抑えていないのが玉に瑕であるが。

 

ついでに言っておくと、この会場は軍の保有するホテルで行われており軍の高官だけでなく外国軍を招くことも考えられるため腕のいい料理人をそろえているので・・・

 

「ああ、試合前なのに食べ過ぎてしまう」

 

なんてことが起きる。なお蓮夜のアイス・ピラーズ・ブレイクは動いかないので問題なし。なので爆食いしている。

 

「あれ、レン君はそんなに食べて大丈夫?」

 

「大丈夫。試合は6日目からだし」

 

「いや、太ったりとか・・・」

 

「ああ、俺体質的に太りにくいから大丈夫」

 

「・・・今あなたは世の女性を敵に回したわよ。ついでに私もね」

 

「まあまあ、そんなこと言わずに。これ食べてみなって。おいしいから」

 

美味しいものをいっぱい食べて珍しくかなりニコニコしている蓮夜の勢いに負けたのか、そのまま諦めて

 

「しょうがないわね」アム

 

「どう?」

 

「あ、おいしい」

 

「でしょ」

 

はたから見ればやっていることはカップルそのものである

 

これを見たとある2年男子生徒は「やっぱ、あいつは油断ならん」と思ったとか思わなかったとか

 

 

 

「って、そうじゃなくて、レン君は一人だけどそれでいいの?」

 

「いっつもこんな感じですからね。なれますよ」

 

「クラスでも?」

 

「まあ、そっすね」

 

「もしかして、友達とかいない?」

 

「一応はいますよ。圧倒的に女子のほうが多いけど」」

 

「そうね。いつもの感じだとそんな感じだものね」

 

「ああ、ていうか生徒会長がこんなところで時間つぶしてて大丈夫なんですか?」

 

「ええ、ちょうどよく時間つぶしになるからね。あいさつ回りもやったし、あとは自由時間かな」

 

時間つぶしになってたのか

 

「そろそろ、来賓の挨拶でしたっけ?」

 

「九島老師ね。何のお話をするのかしら」

 

 

 

 

そうしているとステージ以外の照明が落とされ明らかに何かが始まるような雰囲気に包まれる。

 

来賓の挨拶を告げるアナウンスが入り、九島老師が登場するのを待つ。

 

・・・が、現れたのはドレスを着た女性であった。これには一同首をかしげるが、よく見てみると後ろに立っているではないか。

 

「精神干渉魔法か」

 

おそらくは一種のミスディレクションを利用した簡単な物だろう。人間は五感に大きく頼っている。この場では視覚である。一度、女性を先に登場させ、女性に注目を集めることで自らへの認識をずらし、あとは精神干渉魔法で認識されにくくすれば完成である。

 

なるほどこれが世界最巧か。

 

後は女性が横に良ければ、多くの者にはいきなり現れたように見えるだろう。90を超えているはずだが、今なおその魔法力は衰えていないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔法は使い方次第ね・・・一科生のやつらに聞かせてやりたいよ」

 

まさにその通りである。正直、満遍なく平均よりも、どれか一つでも100点のほうが使いやすかったりするのだ。

そして、相手の予想を超えること。これが何よりも重要なのかもしれない。まったく九校戦にはもってこいの話だ。

 

 

 

さて、お話も終わったので部屋に帰るとしますか・・・ん?え?ええええ???

 

 

 

「なんか呼ばれた」

「というか、現地に来たんですね」

 

「ええ。画面越しに見るよりも直接見たほうが楽しそうだからに決まってるじゃない」

 

「左様で」

 

「それよりも、分かってるわよね?」

 

「ええ、もちろんです」

 

「ならいいわ。これからが楽しみだわ」

 

こっちは全く楽しみじゃないけどね。事前に胃薬でも準備しておいたほうがいいかも

 

 

 

 

 




いや~いったい誰なんですかね。この新しい登場人物は。全く誰なんだろうな~

|д゚)チラッ   


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