雷帝の龍と素晴らしき世界 (とまとのそぼろにうどん)
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第一章 ブラコンシスコン最強竜の勇者と魔王編
コレが弟のありがたみ


…………長い夢を見ているような気がした。そして周りを見渡す。そこに広がっていたのは無の空間であり始まりの場所とのちに呼ばれる空間。

ただそこら中に虹色のもやが広がる世界。そこに俺は一人いた。

どうしているかは覚えていない。ただ気付いたらそこにいた。それ以前の記憶は全くない。

思い出そうとすると頭が痛くなる。それなら考えることはない。そしてどするか。

 

《マスター、おはようございます。あなたのサポートをする者のリースと申します。》

 

…うん、君、誰?こ、こいつ直接頭の中に…とかやってる場合ではなく、ここで重要なのは…

 

「…話し相手ができたっ!」

 

コレだけである。リースがいる限り俺は話し相手に困ることは無くなっただろう。

 

《マスター、私は究極能力(アルティメットスキル)万知之王(リシュトス)から進化した存在、神智核(マナス)のリースでございます。私はマスターのサポートをする者です。私は万知之王の権能、森羅万象を超える全知全能を持っています。なので答えられない質問はないとは限りません。例えばマスターの今までの記憶など。私に含まれる権能は『全知全能』『詠唱破棄』『思考加速』

『権能譲渡』『権能創造』『法則支配』『虚奪』『虚数空間』『虚無崩壊』『虚無創造』『進化改造』『統合分離』『思念伝達』『時間停止』『時空間支配』『未来予測』が含まれます。》

 

おいちょっと待て。今なんて言った?権能が多いからマジで強いのはわかるが、名前がヤバいのは『虚無崩壊』『進化改造』『時空間支配』『時間停止』『未来予測』だろう。 

時空間支配と時間停止に言おう。なあなあ、時を止めたらそれはやばいんじゃないか?

次に進化改造だ。要するに強化。うん、キチガイ。

さらにさらに未来予測。どんぐらい先まで見れるの?

 

《1秒先です。》

 

よかったまだマシだった。

で、虚無崩壊よ。そんな物騒な名前やめてくれ。

よーしもう十分だ。…と言うかもうコレだけだよな、能力って。え、ちょっと待ってリース、本当にコレだけだよね?

 

《あと二つ究極能力があります。

一つは雷神之王(ゼウス)です。もう一つは天空之王(スカイ)です。

雷神之王は『雷帝操作』『電流支配』『雷熱操作』となっています。

天空之王は『天空支配』『空間支配』『天候操作』『形状変化』『空間破壊』となっています。》

 

おいおいおいおい!またやばそうなの出ちゃったって!なんだよ雷神之王と天空之王ってさ!どっちもやばいって!

だって雷神之王は多分雷を操るんでしょ?!

天空之王は天空を操るんでしょ?!と言うかなんだよ空間破砕って!ああもういいや諦めよう。それで、俺は一体どんななの?

 

《マスターは竜種と呼ばれる最上位聖魔霊です。得意とするのは雷。八属性を超えた者です。

固有スキルは『竜霊覇気』『無限再生』『人化』『強化分身』となっています。人化しますか?》

 

なってみようかな?俺は前人間だったはずだしな。そうして人の形状を取る。

 

そのまま何年もの月日が流れた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は数千年、いや数万年かもしれない。それほど長い時間この無を漂っていた。そしてある日、奇跡が起きた。

何かを感じて移動していった時である。

 

「うーん…あれ…」

「!君は誰だい?僕は…名前が無いな。これからはヴェルプラズと名乗ろうか。」

 

初めて自身以外との生命体に出会ったのである。それは俺にとってとても新鮮に思えた。

 

「君はヴェルプラズと言うんだ。よろしくねお兄さん。」

「んん?兄?うーん…ま、間違ってはいないか。それで名前が無いのなら弟、君は今日からヴェルダナーヴァだ。これからよろしく、我が弟ヴェルダナーヴァ。これからはナーヴァと呼ぼう。」

「こちらこそよろしくお願いします、プラズ兄。それでこの空間は何も無いんですか?」

「ああ、何も無いんだ。なーんにもね。」

「なら僕が作りたいです!手伝ってくれますか?」

「ああ、約束するとも。ではどうするか?構造を決めようか。」

 

弟となったナーヴァはとても優秀で数千年かかったが素晴らしい世界の構造ができ、因果などのバランスもできた。だがナーヴァによると足りないものがあるらしい。

それが、エネルギーである。創り出す世界には「魔素」と言うエネルギーが存在する。だがそれを生み出すレベルまでのエネルギーが足りない、と言うのだ。ちなみに俺のは違い、第一資料という全てを作り出せる万能物質らしいので使えないってさ。聞いたら本当は手伝ってもらうのが恥ずかしいらしい。可愛い奴め。

で、どうするか。リース先生、教えて〜!

 

《マスターにはエネルギー貯蔵庫とでもいうべき権能、虚数空間があります。その権能の空間に充満している虚無はとてつもない量のエネルギーが固まったものです。それを使えば必要量に足りると推測されています。》

 

あれ?けれどもどうやって権能をあげるんだ?

 

《マスター、『権能譲渡』で渡すことができます。これで虚数空間を譲渡すればいいかと。》

 

おっけ。それじゃああげるとするかね。

 

「ナーヴァ、エネルギーが確保できたぞ。ほら、これ。」

「え?なんですかこれ…って、虚無?!ありがとうございます!これであの退屈のない揃いし世界が完成する…」

「ああ、早く作ってみよう。楽しみで仕方がない。」

 

そうして俺とナーヴァが世界を生み出した。その後、ナーヴァは幾つもの世界を生み出した。今俺たちのいる場所である俺の作った城、天星宮を中心として。

そのまま月日は瞬く間に流れ、最初に作った世界にナーヴァは降り立った。そうして俺は一人になってしまう…訳ではなかった。

 

「プラズ様、どうしましたか?」

「ああ、フェル。お前たちがいる幸運を噛み締めていた。昔俺は一人だけだったからな。周りに他にも人がいるというのは幸せなのだ。」

「そう言っていただけて光栄です。我々は貴方とヴェルダナーヴァ様のために。」

「これからも俺たちを助けてくれ。頼っているぞ、フェル。」

 

これはフェルドウェイ。俺が生み出した天使の最高位に位置するやつだ。悪魔という天使と真逆の存在が生まれてしまったりもしたが俺とナーヴァは

「「多様性が増えた!やったー!」」

と喜ぶだけだった。だから天使は戦いつつも悪魔を黙認しているのだ。そうして退屈しない日々が流れていった。そしてナーヴァから思念伝達が。

 

『プラズ兄さん、兄さんもこの世界に来ない?ついに人類というのが誕生したんだ。多様性があって面白いよ!』

『そうか。ならば俺も行くとしようかな。』

 

こうして俺もナーヴァのいる最初に作った世界に君臨するのだった。

 

 

 

 

 

 

「ふーむ、新しい竜種か。アイツ以来だな。ちょっくら戦ってみるとするか。」

「いってらっしゃいませ、ギィ様。」

「ああ、行ってくる。」

 

どんなやつなのかワクワクがおさまらない。強いのだろうな。あのヴェルダナーヴァが

「兄さんはすごいんだ!」

というほどのものとの戦いは面白くなりそうだった。その感情の昂りに比例するようにギィの飛行速度は上がっていく。

 

(ああ、戦いが待ちきれないぜ!)

 

そうして古代に天使との対として生まれた悪魔の最初、原初の赤たるルージュのギィは気持ちを膨らませるのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 



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赤の悪魔と金色の竜

ついにナーヴァが作った世界に降り立った。大地がある。キチンと植物は自生している。

そして気配を探る。俺の言う気配とは音、力、流れ、触覚、匂い、第六感によるものである。

 

《マスター、強い力を感じる存在がこちらへ迫ってきています。》

 

はい?ナーヴァかな?

 

《違います。この力は一度だけ発見したことがあります。それは天使を創造した時。ですが相手は天使ではありません。つまるところ…》

 

悪魔かな?あの時見たのは赤、青、緑、紫、白、黄、黒だった。突出して強いと感じたのは赤と黒で両方とも性格が自分より弱いヤツには従わないしとても好戦的だったな。ちなみに今回はどの色だったんだろうか。

 

《もうそろそろ到着いたしますので、見て判断なさって下さい。》

 

ま、確かにそうした方が早そうだしそうするか。そしてその言葉通り後ろからズドーンという音が鳴り、振り向くと大きなクレーターと激しい砂埃。砂埃が晴れると中から長身で痩せ気味だが強い力を感じる赤い悪魔が出てきた。ふむ、つまり赤色かな?

 

「よお、お前がヴェルダナーヴァの言ってた兄ってやつか?」

「その通り。俺…いや、僕でいいか。僕がヴェルダナーヴァの兄、ヴェルプラズだ。それで何の用かな?悪魔の原初の一人、赤のルージュ?」

「その呼び方はやめろ。俺にはギィという名があるんだ。」

「ふーん、ギィというんだ。これからよろしく。ナーヴァにあったことがあるのかい?どんな話をしたのかな?」

「俺はあいつに挑んで負けたんだよ。だけどヴェルダナーヴァは俺を殺さなかった。そして調停者っつー役職を任されてるんだ。それ、要件だが…」

「わかってるよ。戦えというんだろう?いいよ。私も戦ったことがなかったんだ。この際自分の力を試してみよう。」

「なら、いくぜ!」

 

そうして俺とギィの戦いが始まった。

『ちょっ、兄さん?!手加減してね!ギィ死んじゃうし、世界滅んじゃうから!』

『わかってるよ。こいつは強いの?』

『まあ僕と戦えるぐらいには。ま、頑張ってね。』

戦い始めるなりナーヴァから思念伝達が来たから返答して、このギィが俺とナーヴァを除いた世界最強なのだとわかった。まあそれは手加減しないとね、世界滅んでしまうわ。だって俺とナーヴァが拳を合わせるだけで空間が割れるんだ。

 

「まずはこれだな!」

 

そういうなりギィはどっからか剣を出してきた。多分剣による戦いかな?いいぞ、やろうぜ!

 

「なら僕もそうするとしようか。1人だった時に武術はたくさん練習していたからね。」

 

相手に合わせるのが道理と思い剣を生み出す。なんで俺はこんなに軽く作れているんだろう?

 

《それはマスターの力が第一資料だからです。第一資料を使用することで武器を生み出しています。》

 

なるほど。それなら確かに剣なんか作り放題やり放題、ということである。それでギィの剣の腕前は、と。

軽く凌駕されている。けどね、当たらんのだよ俺には。だって思考加速が10☆億☆倍☆になっているからである。つまり、光の速度を上回る攻撃だろうと俺には当たらないということ。

 

「ふん、剣の腕はそれぐらいか。ま、実戦経験がないようだし当然か。」

「その通り。誰とも戦ったことがないものでね…戦い方がさっぱりなのだよ。だが、戦えているのならそれはいいんだろう。」

「気に入らねーな。俺はあっちで多くの悪魔を滅ぼしてきたのによ。それで実践経験を積んでたってのに経験無しの奴のが強いなんてよ。」

「ま、ナーヴァの兄としては当然だ。というかナーヴァは私のように人型だったかい?」

「ああ、そうだったぜ?人間が好きだかららしい。」

 

本当に人が好きなんだなナーヴァは。ちなみに俺は人型になると目が覚めるような金髪で、髪は顎あたりまで伸びている。前髪は少し目にかかっており、その目は虹色になっている。

すごい色と我ながら感じる。これほど派手なことはない。黒に変更しておくとするか。

 

「なんで髪の色を変えたんだ?」

「いや、生まれる前の記憶がなくてね。あることは確かなんだがな…時々意味は知っているがどこで知ったかわからない言葉が出たり、こうした方がいいと本能が訴えてくることがあるんだ。どうしてだろうね?」

「そんなことを俺に聞くな。自分の問題だろう。」

「何も言えない。というか剣が飽きてきたなー。僕の能力見せてあげるから剣やめない?」

 

こう持ちかけてみる。ま、相手は特質級(ユニーク)レベルのスキルしか持っていないようだしな。

というか本当に剣に飽きた。ただ打ち合うだけ。それより能力を使った頭脳戦、神経をすり減らすような戦いがしてみたいのだ。 

『どう?ギィ強いでしょ。』

『俺もそう思う。悪魔産んでて正解だったな。』

『だよねー。あの時頼んでなくてよかった。多様性って退屈しないからね。』

ナーヴァはもしかしてこっちをみているな?そんな盗み見をする必要ないだろうに。

 

「ああ、なら見せてみろよ。」

「それじゃあ、まずは雷神之王からかな。落ちろ、『雷の神罰』」

「!チッ!あぶねー。消し炭になるところだったぜ…」

「避けると思って打ってて正解だったよ。さすがだね、ナーヴァの言う通りだった。ちなみに今のビームにも出来るんだ。こうやって。」

「実践しないでもらった方がいいんだが。」

 

いや、するに決まってる。だってかっこよくない?ビームってさ。

 

《雷神之王では他にも自身を電気に変えることも出来ます。電気や雷が関係するものを司っているのがこの権能ですから。》

 

あっ、そうなん?やはりおかしかったか。けどさ、天空之王のがやばい気がする。

 

「じゃあ、次は空間之王。『空間破砕』…どうしてこんなことになるのかな?」

 

『空間破砕』を使ってみたら対象がプチっと潰れててわろた。うーん、この権能は封印しておくとしようかな。

それで、空間破壊もあるがもうおんなじやおんなじや。リース、どうにかして。

 

《では、空間破砕と空間破壊を統合して、空間断絶にします。空間断絶は制御しやすくなり、斬撃となりました。》

 

さすがリース。まじで凄い。これで剣がいらなくなる!

 

「俺も知りてーよ。…どうやら統合して何か別のものになったようだな。」

「うん、ギィは凄いね。力の流れだけでわかるんだ。その通り。使いにくいから使いやすくしたのさ。」

「はあ、もうめちゃくちゃだがそれがあのヴェルダナーヴァの兄なんだろう。それで俺は勝てる気がしないんだがどうするか。殺すか?」

「どうしてそこで諦めるんだそこで!がんばれがんばれ出来る出来る絶対できるって気持ちの問題だって頑張れ頑張れ!そこだ!やれる!」

 

ギィが勝てないと悟って諦めてしまった。と言うわけで頭に浮かんできた言葉で励ましてみた。なんだろう、凄い燃えてそうな人が放つタイプの言葉だこれ。

 

「そう言われてもなー。勝てねえもんは無理なんだよ。」

「じゃあ僕が師匠になろうか?」

「ああ?いいのか?」

「うん、暇だし。強くなりたいでしょ?」

「その通りではあるが…さっきと性格が全然違くねーか?さっきまで偉大な感じだったが今は子供のようだ。どう言うことだ?」

 

あ、バレたか。本当はこっちがデフォルトであっちは創造主の兄として威厳を保つために身につけたものである。実はあれ、多重人格みたいなものにしている。だからここまで差が出るのだ。ま、両方言ってるのは俺なんだけどね。

 

「一種の多重人格だよ。オフとオンってやつかな?」

「そうかよ。で、どう俺に稽古をつけてくれるんだ?」

「うーんとね、スキルを強くしようか。ギィは進化の道が閉ざされているから無限の可能性がある技術と手っ取り早く強くなる能力の進化だね。それじゃあ行こっか。」

「俺のところにだろ。わかったよ、案内するからついて来い。」

「はーい。」

 

そして俺はギィのいる城に向かうのだった。

 

「あ、そうだ気をつけろよ。」

「何で?」

「嫉妬が深い奴がいるから。」

「ええ…?」



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新たなる家族 ①

俺は今ギィの住んでいるところに向かっているのだが、一つ問題が発生。

 

「ねえギィ、海渡るの?」

「ああ、そうだぜ?」

「この先には永久凍土しかないと思うんだけど。立って近づくだけで寒くなってくるんだもん。しかも海が凍っているしさ。ねえどこに住んでるの?」

「ほら、あの氷の島だ。お前なら大丈夫だろ。」

 

ねえねえリース、俺ってなんか耐性ある?

 

《マスターは『状態異常無効、精神攻撃無効、聖魔攻撃無効、熱変動無効、痛覚無効、究極攻撃耐性(小)があります。》

 

へえ、最強じゃん。もう俺は何も言わんぞ。

そしてその大陸について歩くと、吹雪がだんだん晴れてきたのだが…

 

「ねえあのビーチはいったい何なの????」

「あれか?あれはな、配下のやつが作ったもんだ。結構いいだろ?気に入っててたまに使うんだ。」

「そ、そうなの。結構大変だと思うんだけどな…」

 

吹雪が晴れた先には氷の城に、何故か湖と一緒にそこだけ常夏状態のビーチが現れた。うーん、永久凍土にビーチっておかしくない?もう嫌だこの世界何が起こるかわかったもんじゃない。

いや、魔法があればこうなるのか。もういいや諦めよう全て受け入れよう(思考放棄)

 

「おい、ここが俺の城だ。おーい帰ってきたぞー。」

「おかえりなさいませ、ギィ様。…誰ですか?ギィ様、お下がりください。」

「やめておけ。俺でさえ勝てないんだからお前らが勝てるかよ。と言うか今日から俺の師匠をしてくれるらしい。」

 

誰だこの2人。と思ったら服は違うが悪魔の原初の2人だ。ギィ凄いね。2人も従えちゃった。

えーと、真面目そうな方が緑でサボってそうで末っ子属性のような顔の方が青かな?

 

「あ、こんにちは。ナーヴァ…いや、ヴェルダナーヴァの兄のヴェルプラズだ。よろしく。」

「こんにちは。私がギィ様の僕の原初の緑、ミザリーです。」

「初めまして。私が同じく原初の青のレインです。」

「「よろしくお願いします。」」

「やあ、久しぶりだね。ギィにも言ってなかったんだけどね、君たち原初は僕が天使を生み出した時に一緒に生まれてきてくれたから原初の悪魔には全員会ったことがあるんだ。一方的だけどね。」

 

ここで重要な情報を暴露した。結構重要なことなのだが思考放棄している俺にとっては関係無い。どんな反応をするかが楽しみなのだ。ま、驚かないだろう。それよりも嫉妬深いやつが気になってしょうがない。

 

「ふーん、そうなのか。それより早く来いよ。他にも紹介したいる奴がいるんだ。」

「ん、わかった。じゃあ後でねー。」

 

そして俺とギィは悪魔が整列している中を悠然と歩いていく。竜霊覇気を放っているからだろうか、ほとんどの悪魔が冷や汗をかいている。

俺の竜霊覇気はほぼ全ての生命体に影響を与えるからね、まあ俺が圧倒的に格上だとわかっただろう。それにギィもいるんだから口出ししたら悪速斬されるしな。

 

「おい、ヴェルザード?いるか?」

「いるわよ?また客人を連れてきたの。ルドラはいいけどね、それ以外はダメよ。私が嫉妬してしまうわ。」

「あれ?ヴェル?んー、もしかして。」

 

何かな、ヴェルって聞こえた気がするぞ。気のせいかなー?まさか妹なんてことはないだろう。

ない…よな…リース、教えて。

 

《………………》

 

ダメだ返事がない。あーもうどうしよどうしよ。ファー。あ、そうだ。ナーヴァに聞こ。

 

『ナーヴァ、妹っている?』

『!……ん、どうしたの、いきなり。』

『いや気になっただけでさ。いないならいいけど。』

 

うーむ、わからんな。聞くしかないなぁ?!

 

「私はヴェルザード。私が名乗ったんだし悩んでないで名前を教えて欲しいのだけど。」

「ねえねえヴェルダナーヴァって知ってる?」

「どうして兄様が出てくるのよ。」

「じゃあヴェルプラズは?知ってるかな…」

 

俺の名前を聞いてみた。この返答次第でナーヴァの措置が変わる。ハハ、まさか竜種が誕生していたことを伝えないなんてことはあるまいなぁ?だとしたら許さんぞナーヴァ。俺は家族は大事にするからな。

 

「知ってるわよ。兄様に聞いたわ。」

「うん、僕がそのヴェルプラズだよ。ナーヴァは許さん、後でお仕置き。」

「え?!兄さん?!いや、けど証拠が…」

『あ、それほんとだよヴェルザード?』

 

この声は、ナーヴァだな。

 

「兄様、本当?」

『そうだって言ってるじゃんか。』

「ナーヴァ、何か言うことはないか?」

『あ。』

「妹がいたこと、何で言わなかったんだい…?後でお仕置きな。」

 

これはまさに死刑宣告。俺の言うお仕置きとは能力を使用した技を一撃ぶつけると言うものである。

ナーヴァが相手だからできる技であり、それ以外には基本的にはやらない。ちなみにすごい痛いってさ。

けどするときは全部あっちが悪いのでナーヴァも黙って受けている。

 

『助けてください見逃してください』

「え、兄様…って呼べばいいの?」

「ああ、好きに呼ぶといいさ。今日からギィの師匠になるんだけど。」

「やったー!兄様が増えたー!」

「はいはい甘えん坊かお前は。」

「だってナー兄は遊んでくれないし抱きついても避けられるし…」

「よし、手加減はなしだな。これは決定事項だ。ハハ、覚悟しておけ。俺が兄弟や家族を大事にするのはお前もわかっているだろう?」

 

ふふ、手加減なしで技をぶつける。空間断絶でも試してみるとするかな。それで、リースも教えてくれなかったけど…どうしたの?

 

《ヴェルダナーヴァからの干渉を受けており報告できませんでした。》

 

オッケー余罪発覚速有罪悪即斬断罪断罪証拠集めは後でいい。さっさと裁くぞ。

 

「その分プラ兄は優しくて好き!」

「まだまだ子供だな。今何歳だ?」

「うーん、500ぐらい?」

「うん、まだまだ若いな。後ギィ、少し時間をくれるか?ナーヴァをしばいてくるから。」

「お、おう。ヴェルダナーヴァ、がんばれよ…」

 

そして俺はナーヴァとのつながりをたどり瞬間移動し、思い切り空間断絶をぶっ放す。

はは、ザードが許しても俺は許さん。

 

「待って、助けて、見逃して、うわあぁぁぁ」

「ザードが許しても俺は許さん。だめだね。」

 

ナーヴァにはわかっていただいた。フハハ、家族のことを黙っているとどうなるかわかったか?

とりあえずは戻るとしようかな。んでギィにはどのような特訓をつけたろうか。え?ナーヴァが死にかけてるって?

そんなことは俺には関係ない。大丈夫、あいつ頑丈だしね。

 

「それじゃあさ、能力ってあるよね。」

「ああ。俺はユニークスキル、『傲慢者』(プライド)を持っているぞ。」

「それを進化させるとね、強くなれるんだ。ま、手伝いはしないけど。」

「そうしてくれ。そのほうがありがたいからな。」

「んで、ギィってよく互角の戦いをしているやついる?」

「ああいるぜ?」

「じゃ、そいつと戦ってほしいんだけど、いいかな。」

「もうそろそろ来る頃だと思うんだけどな。お、ちょうど来たようだ。」

 

扉がものすごい音を立てて空いた。開けるときの音じゃないだろこれ。多分、扉に穴が空いてやがる。どういった開け方なんだよ。

そして入ってきたのは三人組のパーティーだった。人間二人に…

 

『ナーヴァー?』

『待って!助けて!ごめんって!ああ!』

 

また制裁。もうひとりは…竜種だったのだ。

 



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新たなる家族 ②

ヴェルダナーヴァは天然ですが兄はしっかり尊敬しています。


「なあナーヴァ。どうして言ってくれなかったんだい?」

「い、いや忙しかったのもあるし…」

「俺さ、魂の回廊をずーっと開けっぱなしにしてるからいつでも思念伝達できるはずなんだけど、どう言うことだい?

もしかして面倒だった…とか言うのは無いだろうな?」

 

《その可能性が高いかと。他にもヴェルダナーヴァにはサプライズという思惑もあったと推測されます。》

 

サプライズ、ねぇ…

 

「いやサプライズのつもりで」

「うん、これ以上はいい。さあ、お前の罪を数えろ。」

「へ?ちょ、ちょっと待ってその虹色の光は何ですか待って死んじゃう助けて許して」

「いや、はは。だーいじょーぶ。お前が罪を数えられないのなら俺が教えてやる。

ひとーつ。妹のことを教えていなかった。

ふたーつ。バレているのに隠そうとした。

みーっつ。ナーヴァ、俺のリースに干渉したな?」

「えっ何でバレて。というかリース?誰それ。万知之王じゃないの。」

 

《私が進化していることは隠しております。バレたらマスターが面倒くさがる可能性が98%だという結論が出たので。それに思考誘導ではなくアルティメットスキル『正義之王』(ミカエル)による『王権発動』(レガリアドミニオン)での干渉でしたので悪意は100%です。》

 

ふむ、隠していたのはさすがリース。それで、ナーヴァはどうして全てのスキルに影響を及ぼせる正義之王を使ってまで隠していたのかな?

まあ俺だったからいいけどさ、ザードとかもう一人の方にやったらマジで怒るよ?ハッハッハ。というか何がサプライズだ。何のプレゼントにもなりはしないぞ。

で、あの人間とギィを待たせてしまっているな。さっさと自己紹介を済ませてしまおうか。ちなみにこの虹色の光は虚無創造で作った虚無崩壊の超絶的な破壊のエネルギーを進化改造でエネルギー効率を上げ、扱いやすくした。無駄な放出を0%にしたおかげで威力は比べ物にならないが手加減するから大丈夫だろう。

 

「ふう、お待たせ。ナーヴァ、次からは言うんだよ?」

『わ、わかった…ごめん兄上…」

「ならよろしい。それで待たせてしまって済まないね。僕はヴェルプラズだ。ヴェルダナーヴァの兄だよ。」

 

ボコった後すぐに転移してギィの城に戻る。するとなんかみんな呆然としていた。ギィはもう悟ったようで1人だけ

「これが当然」

と言うような諦めた顔つきをしている。ま、創造神がボコされていたらまあそれはドン引きするわな。怖がらせてしまったか?!

仲良くしたいんだけどな…

 

「そ、そうか。俺はルドラ。ルドラ・ナム・ウル・ナスカだ。お前の弟、ヴェルダナーヴァの弟子だ。」

「私はルドラの妹、ルシアです。兄さんもっと敬意を払わなくちゃ…」

「ルシア、アイツはギィの師匠になるらしい。つまり敵だからな。」

「そ、そうですけど…ヴェルダナーヴァ様の兄上様なんですよ?」

 

うーん、別にいいんだけどな…そう言うよくわからんよりもさ、早く自己紹介して仲良くなろうぜ。

俺は同格の存在が兄弟以外にも、特に人間に欲しいんだ。だってさ、人間って面白そうじゃ無いか。退屈させてくれないような響きを感じる。俺は友達100人目指してやるゼェェェ!

 

「別にいいよそう言うの。好きに呼んでくれ。」

「ふん、そうかよ。それでグリュン、こいつのことは知っているのか?」

「ええ、兄様から話は聞いていたけど信じられなかったわ…さっきまではね。あの兄上があんな子供っぽいところを見せたのは初めてだもの。」

「ま、ヴェルグリンドもそう思うよな。あの酔狂な存在があんなところがあるなんてよ。」

「それで、私はヴェルグリンド。これからよろしくお願いします、お兄様。」

 

ふーむ、ヴェルグリンドか。いい名前だな。特徴的で覚えやすく、似合っている。あれ?ザードとどっちが姉なんだ?

 

「それで姉様は何で兄様にくっついているの?」

「ヴェルグリンドちゃん、プラズ兄はナー兄よりとっても優しいんですよ?構ってくれますし。」

「おいナーヴァは一体どんなだったんだ…?ま、後で制裁としてヴェルグリンドはこれからグリンと呼んでもいいか?」

「ええ、そうして欲しいわ。というか本当に優しいわね。姉様があんなにくっついているのに怒りもしない。というか幸せそう…いいな…」

 

おい本音が聞こえているぞいったいどういうことだ。

ナーヴァよ、見ているか?これが妹たちの本音だ。ザードなんか肩車状態だぞ。どれだけ兄弟に興味がなかったんだ人間ばっかりかお前は。

 

『何も言い返せない…』

『そのまま反省しとけ。妹たちに嫌われても知らねーからな。』

 

もう反論の余地もないのかよ本当にポンコツだなこの弟。兄弟愛がないんじゃ無いかこの弟。

 

「それじゃあいつも通り。今日こそ退治してやるぞ魔王め!」

「ハン、やれるもんならやってみやがれ!」

 

ねえ、あの2人拮抗すると思うんだけどどうだろう?

 

《推定だと引き分けになる確率が100%です。これは特訓になるかと。》

 

ほうほう。うーん、2人とも動きに無駄が多い。たとえば今のルドラのフェイント。ギィはフェイントを読んで縦振りからのいきなりの横振りを受け止めている。

俺なら縦で受けざるを得ない技を出すな。というかこれ、両方本気のようだが誰も気づいていない。ルドラだって読まれることを前提とした技を出さなくちゃ。ナーヴァはまたサボりか?いや、おそらくそっちに専念していたんだろうな。あーもうまじでどうなってんだ。愛を知らずに育てるのは良くねえよ。

そして勝負が終わった。

 

「ハァ、ハァおいギィ!お前本当にユニークスキルだろうな?!」

「ああ?!あたりめーだろ!俺はユニークスキル傲慢者を持ってるだけだ!」

「じゃあ何で俺の究極能力『誓約之王』(ウリエル)に対抗できるんだよ!」

「はあ?知らねーよ!」

「あ、そのことなんだけどねギィ、能力進化できるよ。対抗できるのは進化目前だからだよ。強くなりたいと願ってみな?」

 

そういうとギィは素直にそうした。その瞬間ギィの力が大きく増した。

これは、進化したようだ。俺が関わっているからかギィとの魂の回廊ができている。何だこの回廊扉こっちにしかねーじゃん。あけっぱにしとこ。

 

「お、本当にできた。俺の能力が『傲慢之王』(ルシファー)に進化したぜ。」

「ずるいぞお前え!え?えっちょっと待って何この正義之王って。なんかヴェルダナーヴァからもらったんだけど。」

「ふーん、よかったじゃん。それで2人とも。無駄な動きが多いよ。ギィは読んでる攻撃とかには自分が有利になる択を押し付けないと。ルドラは読まれていること前提でやらないとね。2人ともそれができてない。」

「なんで俺まで教えられてるんだ…?」

 

そういえば何故か教えてる。

後気のせいかと思ってはいたが先ほどからなんか肩が重い。どうやらグリンも小さくなって乗っかっていたようだ。うーん、これ寝てるな。起こすのは可哀想だし…というかいつの間に上られていた?それにザードも寝てやがる。俺動けんくなった。

 

「ああ疲れた…俺はここで寝るぜ。」

「じゃあ俺も。んじゃー。」

 

2人とも寝てやがる。はあ俺も寝るか…めちゃくちゃだ。




グダグダですみません。


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甘えん坊の妹たち

UA数1000件突破ありがとうございます。
今回はほっこり回。


『にいさーん!こっちだよー!』

『待て待て。あれ?どこいった?あ、そんなところに…お前は隠れるのが上手いな。』

『だって兄さんの弟だもん。当然でしょ?』

 

 

 

……夢か。誰の夢だろう。少なくとも俺ではなかったしナーヴァでもなかった。しかし俺だということは確かだった。どういうことだろうか。

まあ悩んでいても仕方ないし起きるか…と思っていると両腕に何かが乗っている感覚がある。一体なんだと思い見てみると、妹2人が俺の腕を枕にして寝ていた。

 

(起きれねえじゃんこれ…)

 

ああもうどうしよう。全員寝てやがる。もう日は登っているんだぞ!早く起きろ!位置からして8時ぐらいだ!

ギィ!おい起きてくれ!1人が暇すぎる!ザードかグリン!どっちか起きてくれ!俺は寝てる兄妹を起こすなんて酷いことはできん!

 

《ヴェルグリンドとヴェルザードは熟睡しており、幸せな夢を見ていると思われます。このままでは起きないかと。》

 

ふむふむ、つまり詰みってことか。俺は一度起きたら二度寝ができない体質なんだ。前だってフェルに

『ヴェルプラズ様は二度寝ができないんですから早起きしないでください』

と言われたんだぞ!助けてリース!

 

《マスターの体質は私も変えられませんからね…まあ話し相手にはなれますので。》

 

そうだった。あの孤独な時はずっとリースがいてくれたんだった。確か、素数を数えてたんじゃ無いっけ?

それじゃあそうするか。

2‥3‥5…7…9…11…13…17‥19…素数を数えていると落ち着くな。確か落ち着くにはどうするかと聞いたらリースが

 

《素数を数えれば落ち着くと言われています。素数とは一とその数以外では割れないものとなっています。》

 

っていって教えてくれたんだっけ。

 

「ンァ〜あ、もう朝か。」

「ギィ〜助けて…」

 

ギィが起きてくれた。ふぅ、なんとか助けてもらえそうだな。

 

「どういう状況だそれは。」

「起きたらなってた。昨日僕の肩の上で寝ちゃってたから床に寝かせて僕の翼を布団にしといたはずなんだけどね…何故かいたんだ。僕にはこんな幸せそうな2人を起こすなんて酷なことはできないんだ。助けてくれない?」

「ああ、そういうことか。ヴェルザード〜起きろ〜」

 

やったー助けてくれるー。ついに解放されるのか…

 

《………》

 

どうしたリース。なんかあったか?

 

《いえ、なんでも。》

 

ならいいんだけどね。あ、ヴェルザードが起きた。

 

「おいヴェルザード、起きろ。朝だぞ。」

「うーん…ギィと…なんだ、お兄様か。じゃ、おやすみなさい。」

「ねえ待って起きようよ今朝なんだけど。え?起きてたよね?というかどうしてこの状況になってるの?」

 

そう、俺が知りたいのは何故こうなっているかである。答えるんだヴェルザード!

 

「んん?ああ、目が覚めたらお兄様が寝ててヴェルグリンドちゃんがこの状態だったから私もいいかなーって。ちなみに翼はほら、ここに。」

「うーん、グリンの証言も聞くとしようか。」

 

そう、ギィがルドラも起こしてくれていたのだ。ルドラとルシアならグリンから証言も出せるだろう。

勝った!第5話、完!で、ルドラが起こしてくれているな。ルシアは目が点になっている。まあ混乱するわな。

俺がこんな助けてという顔をしているのも二人が腕を枕にして寝てるのも。あはは、俺は被害者なんだよ…

 

「おーい起きろグリュン。プラスが困ってる。」

「ルドラにルシアと…姉様にギィ…ああ、兄様ね。それじゃあおやすみ。」

「ねえねえグリン、どうしてこうなってるかわかる?」

 

そう、グリンの証言によって色々変わってくるのである。さあ、どっちが犯人なんだ!

 

「うん?姉様がこの状態だったから私もしたいなーって。」

「おい待てヴェルザードの話を聞く限りグリュンからだったと聞いてるんだが。」

「ああ、そのはずだぜ?これはいったいどういうことなんだ?」

 

ありー?おっかしいぞー?こ、これはいったい…?どっちが犯人なんだ?いや、どっちも犯人だけどさ。しかも現行犯。それより最初はどっちだ!

あ、もしかして口裏を合わせて有耶無耶にしようとしていやがるな?

 

《その可能性が高いかと。私だってそうします。》

 

リースからのお墨付きももらったし確定だろう。そうと決まればカマをかけてみますか。

 

「もしかして口裏合わせて有耶無耶にしようとしてない?」

「「い、いやそんなことは」」

「あるのかよ。とりあえず起きてやれや。プラズがいい加減暇そうだ。多分早く起きたのに誰も起きてないし動けないから暇してたんだろうぜ。」

 

おお、さすがはギィだな。よくわかってらっしゃる。というか予想当たってたんかい。あれ?ということは俺がネタに気付いて即座に作戦会議したということ?その賢さを別のところに使ってほしく感じる。

 

《二人は寝てはいましたがマスターが寝ているのに気付いて計画を実行したと考えられます。》

 

まじで頭いいじゃんその才能をもっと有効活用してくれほんとに。

 

 

 

そしてそのまま寝ようとする二人VS起こそうとするその他の戦いが20分ほど続いた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてけっちゃくのときはきた。そして決着の時は来た。

 

「あのー、そろそろ起きてくれませんか…」

「まだ寝てたいー」

「くっつきたいー」

 

二人が離れてくれない。それどころか力が強くなってる痛い痛い痛い痛い。肋骨ガッ!バキバキ言ってる!待って死ぬ!

ァァァァァ!痛覚無効があるのに痛い!

 

《気のせいかと。》

 

うんそうだねけどなんか痛い!向こうも効かないのカァァァ!眠るどころでは無い!俺は抱き枕か?!そうだ!リースさん、俺と同じ存在を作り出せない?

 

《わかりました。強化分身を並列存在に進化…成功しました。これで出れますよ。》

 

おお、やった!これで勝つる!分身!

 

「ああやっと出れた。頑張ってくれよ。」

「ん、記憶と思考消すから強化分身みたいなもんになるから。じゃーねー。」

 

あたらしいすきる、俺は新たなるスキル、並列存在をつかうことによって脱出することができた。ふう、シャバの空気はうめえぜ!

二人ともえーという顔をして仕方なーく起きてきた。そっか悪いのはナーヴァか。後で実験台にしよう。

 

『待って助けて!』

 

はは、何か聞こえたが気のせいだろう。それでは訓練始めますかね。

 

 

「んとね、それじゃあ二人ともスキルに慣れていこうか。」

「うーい」

「なんで俺も…?」

 

いや、いたからついやりたくなっちゃって。

 

「気にしない気にしない。二人ともさ、新しいスキルが何ができるかわかる?」

「まあいいか。俺の方は支配とかいうよくわからんもんだ。」

「俺は…模倣?よくわからんな。」

「じゃあそれを伸ばしていこうか。」

 

こうして俺はギィと何故かルドラを巻き込んで修行を始めるのだった。始めるのに時間がかかりすぎだろ…

 

《推奨する案があります。近くに別の家を建てればもう二人は来ないかと。》

 

なるほどそれでいこう。作るとしよう。うし、外に出るぞー。

 

 

 

 

 

「「兄様ー…」」

 

いい夢見ろよ。

 

 



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修行をやるってどうやんの?

「それじゃあ、とりあえずかかってきな。」

「んあ?どういうことだ?」

「んとね、実力を測りたいんだよね。正義之王になったからさ。さっきより強くなっるんじゃ無い?」

「そういうことか。なら行くぜ!」

 

まずはルドラと戦ってみる。素晴らしい速度に正確性、威力だが…俺にとっては遅すぎる。

と言う過去の使ってる剣もいい剣だな。まあギィと渡り合えるわけだ。これが人間ね。とても面白いじゃ無いか。努力次第でどこまでも強くなれるのか。

 

「うん、とてもいいね。」

 

そう言うとルドラは

 

「はっ!そうかよ。ならここから本気だ!」

 

と言ってきた。剣速はさらに速くなり、威力も上がった。だけど俺は

 

(へー、本気じゃなかったんだ。すごいね人間って。)

 

としか思わない。と言うか俺からしたらこの程度の攻撃は…無駄、無駄、無駄、無駄ァ!思考加速がバグってる俺にとっては遅いんだ!

と言うか、ものは光の速度を超えることができないのに光でさえ遅く見える俺からしたら速い攻撃なんてものはない。

 

「うん、いい剣だ。感動的で素晴らしいな。だが無意味だ。」

「!何っ?!」

 

俺が少し速度を上げるとルドラは素早い判断ですぐに後ろに飛んだ。

 

「ほらほらまだ行くよ。フッ!お、いい判断。」

「なんつースピードだよ…こんなのがギィの師匠なのか…?」

 

フハハは!これが俺の力よ!…とか言うキャラでは無いので。

まあ俺が強いってだけだ。んでそれより気になるのがあの剣の光。あ、多分ルシアか。

ルシアの破邪の光かな?うん、素晴らしい効率と精度だね。別にこれぐらい好きなだけやってくれて構わない。

パーティーの全力というのはそのコンビネーションを遺憾無く発揮したものだからな。

 

「この光、ルシアでしょ?いい精度だね。」

「わかりますか…これは魔法の一種です。」

「ふむふむ。それではスキル使って相手しますかね。」

 

ここで暴露俺はスキルを使っていない。リースは語りかけてくるだけだし未来予知は使っているがあまり役に立たん。うーん、天空之王を使ってみるか。

 

「行くよ。『天撃疾風』(スカイエア)…どうしてこうなっちゃうのかな…」

 

この技は風による不可視の刃で攻撃する。これなら大丈夫だろうと思って使ってみたのだが…結果は外の地面を抉った。

俺が技使うといつもこうなるのなんで?俺悲しい。これじゃあ怖がられるだけじゃ無いか。

 

「あぶねー。見えないのもそうだが見えない上に魔力も感じないってのはどういうことだ?」

「んとね、僕は魔力じゃ無いのよ。」

「はぁ?どういうことだ?」

「僕ね、魔力の代わりに第一資料になってるの。だからなんでも創れる。…何でだろうね?」

 

実は自分で自分のことがよくわかっていないのである。というかわかりたく無い。わかってしまったら少し現実から目を逸らすこととなる。

 

「んー、こんぐらいでいいかな。お疲れ様。」

「決着がつくまでだ!うりゃー!『星王地竜破』(ノヴァブレイク)

「仕方がないな。『停止雷空破』(ストップカーム)

 

停止雷空破は時間停止した上での斬撃である。時間停止していると原子がくっつこうとしないから何でも切れるようになってしまうのである。その状態で切るのだから掠っても大惨事である。

そこはルドラを信じるしかない。尚、属性は時、雷、空間属性である。

 

「うお、やべ!」

「ちゃんと避けてくれたね。ま、これでいいでしょ。」

「一体どうしたらあの威力が出るのかしらねぇ…」

 

あ、二人とも起きてる。二人とも不思議がっているがこれは能力を使っているだけだから、信じてくださいお願いします。

 

《マスターの能力は数ある能力の中でも最高位に位置する二つです。『天空之王』『大地之王』『深海之王』『正義之王』『虚空之神』『雷神之神』『炎神之神』『氷結之神』『時空之神』が最高位です。》

 

ふーん、覚えれんしほっとこ。(思考放棄)

 

「あ、起きてたんだ。もうやんないでね暇だから。」

「えー。」

「ふふふ、ヴェルグリンドちゃんと違って私はいつでも行けますからね!」

「行っちゃいけないと行っているんだけどなぁ…」

 

うーん、どうやら俺はこの…は、白氷宮?に住むのが確定しているらしい。

 

「ねえねえザード、俺ってここに住むの確定だったりする?」

「え?違うの?」

「あ、確定事項だったんですねわかります。」

「こっちが嫌だったら私たちのところに来ない?ね、いいでしょ?ルドラ。」

 

うーむ、グリンってどこに住んでんだろうか。いや、本当にどこ?俺知らない。

 

「お兄様はこっちに住むの!」

「お姉さま、ここは譲れないわ。」

「なら決めるのは…」

「「戦いでしょ!」」

「あのー俺の好きなところに住むっていうのは…?」

 

ちなみに勝った奴が決めるなら俺が入れば決められるのだ。ハッ!?もしかして俺も入っていいんじゃないか?!そうと決まれば俺の個人的なプライバシーを守るため、俺の決定権(人権)を守るため、いざ出陣だ!

 

「ちょっと俺入るね。プライバシー保護の観点で。」

「ああ、頼むぜ。俺の城が壊されたらたまったもんじゃない。」

 

そしてギィに許可をもらって俺は2人が戦っている謎の氷と炎渦巻く竜巻に入っていった。

 

「兄様何をしてるの?!」

「いや、俺に決定権がないなら俺も入っていいかなって。それじゃあ、俺が決めていいか?」

「ヒュ?!うわわわ!う、動けない…」

 

そうして俺は一瞬にしてグリンとザードを抱えて外に出る。謎の二属性竜巻は俺の天空之王で消しておいた。天候支配まじサイコー。

それで、俺はどこに住むとするかな。できればルドラとギィの住んでるところの中間…けど海だな多分。あ、大陸作ればいいじゃん。そうしよ。

 

「それじゃあ俺は自分の島を作るから。そこに住むね。」

「「ええ?!」」

「場所はルドラんとことここの中間にするから。」

 

やめろそんな悲しい目で俺をみるな行きにくくなるだろ後悔しちゃうだろ。

というか今日はまだ行くわけじゃないんだから。で、どうしよう?

 

《私の人格を並列存在にて複製、肉体を与えて作成いたします。》

 

おおすごいありがたい。それじゃあ頼んだ!

 

《お任せください。》

 

「ああ、俺とグリュンの住んでる方角はあっちだからな。」

「そうだ、お兄様って竜の形態になったことある?」

「いきなりなんだ?まあ生まれた時はそうだったがそれ以来なったことないし見た目わからん。」

「じゃあなってみて!」

 

うーん、どうやってなるの?リース〜教えて〜

 

《統合分裂にて強化分身の残滓と人化を統合します。人化が『形態変化』に進化しました。これを使えば竜形態と人間形態を自由自在に変更できます。》

 

リースってすげえな…もう何でもできるじゃん。それでは竜になってみるとしようかな。形態変化、発動!

 

「おお、すごい視点が高くなった。羽もあるんだ。いや、翼になるかな?」

「金色…いや、黄金?すごくかっこいい!」

「黄金か。そんなにかっこいいか?」

「ええ、とても兄様にあってますわよ。とても美しく気高い。そして優しさのある金。」

「威圧感がすげえな。生物としての本能がやばいと叫んでやがるぜ。こんなのは初めてだ…震えが止まらない。」

「確かにギィの言う通りこの俺が震えが止まらんな。おそらくスキルの覇気は使ってないんだろうけどな…」

 

かなり好評だな。

にしても金色、ねえ。うーむ、某カードゲームのライフチュッチュギガントであるラーの翼神○かな?

まあそれはそれでいいか。とりあえず今日は終了にして島の方を見てきますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしても…」

「ああ、そうだな…」

 

この時、勇者と魔王の意見は合う。

 

「「いつかぜってえ倒す…!」」

「そのためには…」

「修行だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

うっ!なんだか殺気を感じる!何かわかる?リースさん。

 

《これは殺気の混じっている闘気ですね。これを出しているものは自身の目標にマスターを超えることを定めているようですよ。》

 

へえ、面白いじゃん。いつか越えられるかな?この世には、無限の可能性があるのだから。

 

 



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すいません、これが家ですか?

飛竜 蒼龍さん星10評価ありがとうございます!
最近木曜日(初回投稿日)から毎日2話出している事に気がつきますた。
投稿頻度下げていいですかね…?


俺が住むこととなる新しい島に向かう。しばらく飛んでいると遠くの方に幻想的で美しい島が見えてきた。

ここで問題が発生してくる。それは…

 

「おい、あれは一体なんなんだ…?」

 

なんか豪邸が見えてきた。まずはスゥーと息を吐き、はぁーと息を出す。そしてもう一回みると…

ホワイトハウスが見えた。おいちょっと待て?確かリースによると、別の世界のとある国のトップがいる家じゃないの?いや、これはおそらく夢だ。

そう信じてほっぺをつねる。もちろん痛覚無効を切って、だ。

 

《マスター、無駄な自傷行為はおやめください。》

 

おいこらリースあれはどう言うことだなんであんな豪邸建ててんだ普通の家でいいっつーの。

と言うか、みたことのある影が二つほどある。あれはおそらく…

 

「ねえ、ナーヴァとフェル。何をしてるの?」

「「ウッ!」」

 

ナーヴァとフェルが居た。こいつらは一体何をしているんだここで。そうだ、新しいスキル『思考操作』で答えていただくとしようかな。

 

「に、兄様。決して一緒に住むから大きくなんて考えてないよ。」

「こ、これはですね。違うんですよ。何がとは言いませんが違うんですよ。まさかヴェルダナーヴァ様の兄たる貴方様とヴェルダナーヴァ様が住むから大きくしようなんて思っていませんから。」

「よし言質取ったぞ。さあ自爆したな?フフ、そんなことしたら俺とナーヴァがどうなるかわかってるかな?」

 

俺にはナーヴァがここに住んだら何が起こるかがよくわかる。

答えはもちろん…

 

「グリンとザードによる犯行で俺とナーヴァがころっと死んじゃうよ?」

「うう…け、けど…」

「けどじゃないよ。俺まだ死にたくないんだけど?」

 

《マスターが2人に怒られ、ヴェルダナーヴァが怒りを買うのは免れないでしょう。》

 

だよね。俺はまだ死にとうない!死にとうない!

 

「あとフェル。お前もだよ?普通の家でいいから。あんな豪邸ではなく、普通の家。」

「わかりました…おい、それは取り壊せ。」

「ナーヴァは建設に携わるのは禁止な。どうなるかわかったもんじゃない。」

 

そうしてまた工事が始まったのだが俺は気になることがあった。

 

(なんか6人の天使が突出して強いな。)

 

その6人は

1人はサボり、

2人は働きすぎレベル、

1人は傲慢に部下に指示を出しているが有能ではありそう、

2人はなんでもこなしていて指揮もできる有能。

と言った感じ。ま、フェルが1番強いのには変わりないんだけど。

 

「ねえねえフェル、なんか六人だけ天使が突出して強くない?」

 

働く間に聞いてみた。

 

「なんで働いてるんですか…まあいいです。ザラリオ、ディーノ、ガラシャ、ピコ、オベーラ、コルヌ集まれ。

ヴェルプラズ様に呼ばれている。」

「お、おお集めてくれてありがとう。君たちは突出して強い力を感じるんだけど悪魔で言う原初みたいなものだったりする?」

「気づいていましたか。我々は始原の七天使と呼ばれる天使における最上位種の天使です。」

「ほうほう。つまり、トップってことなんだね?じゃあ一つ聞きたいんだけどね、オベーラ、ガラシャは行っていいよ。で、ディーノ、ザラリオ、コルヌ、ピコ。一つ言いたいことがあるんだけどいい?」

「「「「わかりました。」」」」

 

俺はこいつらに一つずつ言いたいことがある。

 

「まずはディーノとザラリオ。2人は働きすぎだよ。疲れてるだろうし休みな?2人で十人分は働いてるでしょ。それは嬉しいんだけど俺は2人が心配だから休憩も挟みつつ、ね。」

「分かりました。我々のせいで心配をかけてしまい申し訳ございません。」

「それじゃあ2人とも、休憩ね。」

 

まずディーノとザラリオ。この2人、働きすぎであり、とても心配。

次に…

 

「それで、コルヌ。もう少し、部下に優しくできない?部下っていうのはね、上司に褒められたら喜ぶし成長するんだ。だからちゃんと労ってあげなくちゃ。」

「分かりました。努力してみます。」

「頑張ってね。指示を出すのは上手なんだから。」

 

そして最後に、ピコ。

 

「ピコ、何かわかるよね?」

「え、なんのことですか…?」

「フェルは気付いてないみたいだけど、バレないようにサボってなかった?」

 

そう、このピコはみんなが頑張って働いている間に1人だけこっそりとサボっていた奴である。

許さん!ちゃんと働いてもらわなくては他の頑張っている人たちがかわいそうだ。というわけで少し怒る。

 

「何?!ピコ、貴様…」

「待ってフェル。ピコはさ、どうして働かなかったの?」

「そ、それは…その…」

「大丈夫。怒らないから正直に言いな。俺は身内には優しいからね。」

 

実は相手を落ち着かせるのが大事。とリースが言っていた。

 

「あ、あの面倒くさいなって…」

「ピコ…」

「フェルはもう戻ってて。少しややこしくなる。それで、めんどくさいのは疲れるから?」

「は、はい…そうです…」

「うん、そっか。なら…ディーノ、ガラシャ!ちょっと来てー。」

 

そうして2人を呼ぶ。

 

「ピコはさ、少し働くのが苦手らしいから指揮が得意なガラシャと働くのが得意なディーノで教えてあげてくれない?ピコもそれでいい?」

「分かりました。ピコ、それなら言ってくれれば手伝ったのに。」

 

うん、いい仲間を持ってるな。やっぱこの三人はしっくりくる。

その後、家が完成した。労働が終わったあと何故か始原全員から

「ありがとうございました!」

と言われて尊敬の眼差しで見られた。うん、なんでだろう?

 

「ねえねえナー兄、一緒に住むってどういった了見ですか?」

「お姉さまの言う通りよ。私だって一緒に住みたいわ。」

「な、ならギィとルドラをここに連れてくればいいんじゃない?」

「「そうしましょう!」」

「ここって俺の家だよね…?」

 

こうして俺の家の住人は増えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ギィ

 

 

「ねえギィ!お兄様の家ができたから行きましょ!」

「お、おうわかったが…住むわけではないよな?」

「そうに決まってるじゃない。」

「嘘だろ…?」

「ヴェルグリンドちゃんも行くらしいわ。ルドラとルシアちゃんもくるんじゃないかしら?」

「あいつもくるのか。だとしたらスピードで負けるわけにはいかねえな!」

 

こうしてギィは飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

side ルドラ

 

「ルドラ!お兄様家ができたらしいから行ってみましょう!」

「ま、まさか住むわけではないよな?まあ別にいいけどよ。」

「もちろん住むわよ!」

「んじゃあ行くか。ゆっくりでいいかな?」

「ギィも来るって言ってたわね。だいぶスピード出すつもりらしいわ。」

「あいつに速度で負けられるか!うりゃー!」

 

こうしてルドラも飛び立った。

 

 

 

 

sideプラズ

 

 

うん?なんか凄い速度で強い力を持ったものが飛んでくる。

おい待て減速しろってどうして加速する?!待て待て!考え直せ!くそ、こうなったら仕方がない!時よ止まれっ!

こうして周りの時が止まる。そのまま空間支配によって今の動きが止まっている状態で空間を固定、時を動かす。

 

「これが俺の『不動停止』(ワールドストップ)だ。で、いったい誰なんだ…」

 

そして見てみると…

 

「どうしてお前らがここに…」

 

ギィとルドラだった。どういうこっちゃ。

まあいいか。どうせ俺が早く着くとかで競争でもしていたんだろう。で、グリンとザードはもうすぐ着くな。

 

「う、動けねえ…」

「俺もだ。これはいったい…?」

「んとね、家が壊されてはたまらんから俺が強制的に止めてるの。」

「「なんでもありだな…」」

 

そしてヴェルグリンドとヴェルザードが到着して2人を解放したのだった…

 




セラフィムは漢字が分かりませんでした。知ってる方がいたら教えてください…


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兄弟喧嘩と不法侵入

うーん、どうしてこうなってるんだろうかねえ。

とりあえず今の状況を説明しよう。今は俺、ナーヴァ、グリン、ザードで仲良く優雅に

Tea timeを過ごしていたのだが今は修羅場とでも言おうか。

右は絶対零度でそこだけキンキンに冷えている。ああ新品の椅子が凍っていく。

左はそこだけ灼熱地獄。噴火した後の火山か何かか?よく燃えてる。

正面からは虹色の光が溢れ出ている。想像と破壊を繰り返して形を変えていくなやめろ。

俺は別に大丈夫だが…家が持たない。

 

「とりあえず落ち着け。俺に落ち着ける時間をくれ。『不動停止』(ワールドストップ)

 

あれ?どうしてこうなったんだっけ…?お、思い出すか。

あれは確か1時間前…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三時だ。よし、英国紳士の嗜みのティータイムである。と言うわけで新築の家で三人を呼んだ。そして、英国紳士の嗜みでも始めますかねえ。

うん、我ながら上手に入れることができた。え、リースに手伝ってもらってんだろって?いやいや、これぐらいは流石にできる。

 

「うん、上手にできたかな?」

「とてもおいしいですよ。さすがは私のお兄様。」

「じゃあヴェルグリンドちゃん、次は私が入れるわね。」

 

こうして全員でお茶を淹れあったのだが…ここで問題発生。

 

「誰のが1番上手だったかな?」

 

 

おいこらナーヴァ。俺は別にいいがてめえらはどうなるのかわかってんのか?

 

《検証の結果、100%で喧嘩が起こるかと。》

 

ああもうマジでどうしよう。

 

「私よね、プラズお兄様。」

「いや、お姉さまには悪いけど私よ。」

「いや僕が1番上手だった。そうに決まってる。」

「うん、俺からしたらみんな美味しいんだけどね。」

 

終わった。三人から凄いオーラが出てる。もうなんかゴゴゴゴゴゴ…って言うオノマトペが見えている。

ああもうやだよどうしてこんなにこの三人は1番にこだわるのかな?別に左から近づいて来て

「僕は1番が好きだ!ナンバーワンだ!」

とか言うわけでもあるまいし。…今のはなんだ?

 

《マスターの不明な部分であるため答えられません。》

 

まあそうだろうな。それで、ナーヴァこっちに来ているのはなんだい?

 

「兄さん、僕は何事も誰にも負けない男になる!」

「じゃあ俺に勝てるのか?」

「戦闘を除いて!」

 

うん、意思表明はいいんだけどね。今言ったらぐつぐつと煮えたぎっている油に炎とお湯をぶち込んで水蒸気爆発を起こすようなものだ。

ほら見ろ!いつもは輝いていて美しい2人の目のハイライトが消えている!普通に怖い!その笑顔をやめてくれ!

 

「うん、2人とも怖いよ?喧嘩は良くないよ?」

「うふふ、別に怒っているわけじゃあないんですよ。いや、そう言うわけでは、ねえ?」

「ヴェルグリンドちゃんの言う通りよ。別に、怒ってるわけでは、ないの。」

 

ああ怒ってるんじゃあない。圧倒的な嫉妬である。

そうして今に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言うことだったな。で、今強制的に停止させていると言う状況だ。

家があのままだと持たなそう、いや確実に持たないので止めたのである。

 

「とりあえず落ち着いた?」

「う、動けん…何故だ…?」

「落ち着いたか聞いてるの。その調子なら良さそうだね。そんなに1番にこだわらなくてもいいのに。」

 

俺は疑問ができた。

なんでそこまで1番にこだわるのか、である。こだわる必要なくないか?

 

「だってお兄様に褒めて欲しいんだもん…」

「あーね。1番になれば褒められる、と考えたわけだ。別に1番じゃなくてもいいんだぞ?全員美味しかったんだし。」

「けどね…」

「あああとそれ以上暴れるなら流石に手加減なしだぞ?はは、家を守らなくてはならんのだよ。」

 

そう言って竜霊覇気を全開放。それだけで三人とも少し気後れができる。

全く、1番ではなくてもいいのに。そういえば解除してないな。解除しておくとしようか。

そして俺とナーヴァによる家の復旧作業が始まった。結局は兄としてはテンでダメなナーヴァを働かせ、2人には反省してもらっている。マジで家を壊すのはやめてくれ。これ壊されると天使税がまた危機として重労働を始めてしまうのだ。そしてすぐに終えて戻るとすっかり反省した様子の2人がいた。うん、これならいいでしょう。

 

「全く、もう勘弁してくれよ?こっちだって大変なんだ。」

「「「分かりました…」」」

「ナーヴァはもっと家族を想うように。ザードとグリンは1番じゃなくてもいいからね。」

「「はーい…」」

「では今日は解散。早めに寝ること〜。ではさよなら〜。」

 

こうしてグリンとザードは帰っていったのだが…

 

 

 

 

 

次の日

 

 

「またかよォォォォ‼︎」

 

まーた2人がいた。どれだけ俺は捉えられればいいんだ…?

 

 

 

 

 

side ヴェルグリンド、ヴェルザード

 

 

「よし、ここら辺でいいわね。」

「では夜を待つ間に作戦会議としましょうか。」

 

こうして二人は作戦会議を始めた。もちろん、どうやって不法侵入して一緒に寝るかである。

とりあえず家の前に到着。空間支配を使用して家に侵入、ヴェルプラズの寝ている部屋の前に到着。問題はここから。

 

「空間支配で入る?」

「いや、それだとバレてしまうわ。ここはこれで切り抜けましょう。」

「それはいいわね。」

 

そしてヴェルグリンドが取り出したのは、溶けた金属だった。どうやらこれで合鍵を作るようだ。

そして鍵を作って侵入。すると生活感あふれる整った部屋が現れた。そしてそこにはヴェルプラズが…いなかった。

どうやら結界で隠しているようだ。結界を通り抜けると現れたので着替えて別途に侵入、そして二人は寝たのであった…

 

 

 

 

 

「そういうことだったのかよ…」

 

そしてまた起きれなくなるヴェルプラズであった。

 

『ねえねえギィ、起きてる?また二人がいておきれんのだが。』

『またかよ…はぁ、今行くから待ってろ。』

 

「ねね、ふたりとも起きてくれん?というかグリンは起きてるよね?」

「「。。。」」

「起きてるんだね。もういいやすきにしろ。もうすぐギィが来るから。」

「「…」」ゴゴゴゴ

「ザードってギィのこと好きでしょ?」

「?!」

「グリンはルドラ。」

「!」

「みんなに言っちゃうよー?主にナーヴァ。」

 

とりあえず脅しをかける。だが起きない。もう諦めるか…と思って二人を見たら真っ赤になっていた。おそらく

「なんでバレたの?!」

とでも思っているだろうな。フン、俺にわからんことはない。

 

《次からは警戒を高めようと思います。》

 

いや、別にいいんだけど

 

《高めます。》

 

わかりました。

 

その後ギィが来て俺は開放されたのだった…

 

 

 

 

 



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新たなる家族③

お気に入り70件ありがとうございます。


ある日、ナーヴァにこんなことを言われた。

 

「ルシアと結婚することになったよ!」

「そうか。心から祝福する。おめでとう。幸せにしてやるんだぞ?お前が兄弟を思っていないことはよーくわかっているから結婚相手ぐらいはちゃんと愛してやれよ?」

「うん、わかった!…じゃなくて、ええ?!とかほんと?!とかないの?」

「ない。」

 

どうやらルドラの妹ルシアと結婚することになったらしい。ふーん、よかったじゃん。なんか結婚する時にやることってあるっけ?

 

《結婚時には結婚式というものを開くようです。》

 

ふーん、そうなんだ。ありがと。ていあんしてみますかね。

 

「それは置いておいてどうやら結婚式というものがあるらしい。開いてみれば?親族とか知り合いが行くんだってさ。」

「それいいね!じゃあ兄さんとヴェルグリンドにヴェルザード、ルドラとギィミザリー、レインだね!」

 

えーっとミザリーとレインは確か原初の緑と原初の青だったかな?

 

《それであっています。》

 

だよねだよね。というかさ、なんか足りなくない?

 

 

「天使たち呼んでやれよ。あの七人泣いちゃうよ?」

「あっ。忘れてた。」

「全く。それじゃあ呼ぶとするか。」

「あ、その前に日時と場所を決めようよ。そうした方がいいんでない?」

「確かにな。それじゃあ日時は明後日で場所はあっちの花畑に作っておくから。じゃあ呼ぼうぜ。」

「OK。じゃあよろしく!」

 

というわけで呼びますかね。

 

『グリン、ナーヴァがルシアと結婚するって知ってる?』

『そうなの?だからルシアが喜んでたのね…』

『それで結婚式が開催されるから明後日にこっち来れる?大体はもうパーティーなんだけどね、仲良い人と親族で祝ってあげるの。』

『そうなの。ルドラには伝えておくわね。服装はどうする?』

『ドレスとか真面目なやつでお願い。』

『わかったわ。楽しみにしてるわ!』

 

これがグリンとの会話。速くて助かる。

 

『ザード、ナーヴァガルシアと結婚するから結婚式っての開くから来てくれる?明後日に俺の島で。』

『ギィにも伝えておくわ。服装は真面目なやつでいい?』

『ああ、それで頼む。あとミザリーとレインも呼んでやってくれ。』

『うん、呼んでおくね。それじゃあ楽しみにしてる〜。』

『おっけ。』

 

これがザードとの会話。すごくソワソワしているのがわかる。

尚、後日ミザリーとレインからお礼の手紙が来た。

 

そして天使勢。

 

『ねーねーフェル、ナーヴァがルシアと結婚するから結婚式っての開くから始原全員来て欲しいんだけどいい?』

『それはめでたきことですね。伝えておきます。必ず全員で行きますね。』

『お、おう。あと真面目な服装で。まあ天使の正装でもいいけどなんかディーノとかは私服っぽいから変えてもらって。』

『わかりました。』

『ちなみに場所は僕のいる島の花畑ね。』

『では伝えておきます。』

『お願い。』

 

天使勢は泣いててまともに見れてないってさ。

 

 

 

 

 

 

そして結婚式当日。ルシアとナーヴァ、俺は色々頑張っておいた。

スピーチの練習とかね。

 

そして挙式の時が来た。

 

「では、親族のスピーチ。今回は私、ヴェルプラズがお送りいたしたいと思います。

我が弟ナーヴァは妹のヴェルグリンドとヴェルザードへの愛が足りませんので結婚を伝えられた時私は結婚相手ぐらいは愛しろよ?と言っておき、わかったとの言質をとっておりますのでご安心ください。」

 

というとみんなが笑っている。やったぜ。

 

「長らくお待たせ致しましたが、ついに新郎新婦の入場です。では新郎新婦お入りください!」

 

そして拍手。今更ながらだがザードとグリンはドレスでザードが大人の姿で着ている。悪魔3人はミザリーとレインはメイド服だがギィはいつも空いている前を止めてきている。うん、いいね。

照れ臭そうに2人が出てくる。

 

「さて、では新婦によるケーキ入刀でございます。」

 

そう言って俺の第一資料で作り出したものは切れるが人は切れないナイフを渡す。そしてルシアが慣れた手つきで切断。そして拍手。

 

「では、こちらへきてください。」

 

一瞬で着替えていた俺は今は教会の聖人の様な見た目。指輪を持っているのである。

 

「では色々すっ飛ばしまして新郎、貴方は新婦を何があっても愛しますか?兄弟そっちのけだった貴方にできますか?」

「うっ…で、できます。というかやります。」

「よく言った。それで新婦、聞くまでもありませんが貴女は新郎のことをいついかなるときも愛せますよねそうですよね。だってルシアですもんね。」

「ま、俺の妹だし当然だろう?」

「はい、できます。」

「では、新郎。この指輪を嵌めろ。オラ、落とすなよ?結構時間かかったんだぞこれ。」

 

実は指輪には時間をかけていたのである。ああ?誓いのキス?んなもんさせるわけねーじゃん。

作者は非リアガチ勢だ。そんなもの書く技術も書く気もないんだよ。

そしてナーヴァがルシアに指輪をはめて結婚成立。1番大きな拍手が出た。

 

「はーい、じゃあ披露宴やりまーす。」

 

そういうと全員が席を立つ。料理はなんとリースさんがめちゃくちゃ頑張ってくれていた。

 

「おお、これ美味えな!」

「ちょっと兄様、汚いです!」

「いいんだよ。それよりもヴェルプラズとは家族になるんだよな。」

「「「「「「「あっ。」」」」」」

「なんだそんなことも気づいてなかったのか。俺は家族が増えて嬉しいぞ?」

 

全員忘れていたらしい。ギィが

「まずい」

という顔をしている。ギィはルドラとの戦いでも成長してはいるが大体は俺の特訓によるものが大きいのである。

尚メイド2人は声は出していないものの顔が大きく動いていた。

 

「にしても本当に美味しいなこれ。誰が作ったんだ?」

「ああ、それは俺。ONの方の俺。」

「料理もできるのかよ…もうヴェルダナーヴァよりも有能じゃねーか。」

「え、そうだよ?ルドラはそんなことも気づかなかったのか?」

「自分をナチュラルに貶してるだろそれ。」

 

こうしてるしあとナーヴァを祝福しつつ色々なことがあったが無事に終わったのだった。

そのまま5年が経った。

 

「叔父上ー!遊ぶのだー!」

「行くから待っててな。」

 

この子はナーヴァとルシアの子供ミリム。まだまだちっちゃくて幼い。

ちなみにヴェルダナーヴァは弱体化している。まあそうなるよなというのが俺の感想である。

今ルドラは

 

「やばい!なんかあっちの国が喧嘩売ってきた!」

 

と忙しいらしい。ギィもギィで

 

「おい待て!なんで戦争しようとしてんだ!」

 

と大変だってさ。だから俺がミリムの子守りをしている。めっちゃ慕われている。

俺は家族が何人も増えているのであった。

 

 

 

 

 

「父上ー!」

「ミリム!父上死んじゃう!死ぬってグハァ!」

 

 

 

弱体化したから遊べないってさヴェルダナーヴァは。



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新たなる家族 ④

お気に入り80件突破ありがとうございます。
投稿頻度が下がっていた言い訳をさせてください。
まずはコロナワクチンの副作用です。作者は2回目だったのですが1回目は筋肉痛すら起こらなかったため見くびっており傾向補給液などの熱が出た時のものを何も用意していなかったので体調がすぐれませんでした。
申し訳ありません。
もう一つは…まさかfpsでランク回してたなんて言えない…ダイヤ行った!とか言えない…
申し訳ありませんでした。


いまミリムはとても元気に育っている。

 

「叔父上ー父上が動かなくなったのだー?」

「ミリム、叔父上は大丈夫だから安心しな。それより僕と遊ぼ。」

「何するのだ?!」

「かくれんぼだな。範囲はこの家の中で。」

「わかったのだ!じゃあ私が鬼を殺るのだ!」

「もしかして僕って殺される感じ?鬼殺されるのかな?」

 

俺はミリムに殺されるかもしれない。

そして始まるかくれんぼ。俺は大人気なく家の天井に突っ張っている。

 

「叔父上ー!どこにいるのだー!」

 

おお走っている走っている。そして10分ほどあとにはすべての部屋を見終わったようだが、俺がいない。

 

「叔父上ーどこなのだ…」

「泣くな泣くな。ほらここにいるから。」

「見つけたのだー!やったのだー!私の勝ちなのだ!」

 

泣かれたら俺は勝てないのである。おいこらナーヴァの野郎何笑ってるんだしばくぞ。

というかルシアよ、お前は微笑んで見つめているな。やめてくれいくらミリムが力強すぎて

人間のルシアと弱体化ヴェルダナーヴァでは相手できないからってそんな感じになるなって。

 

「父上ー母上ー!」

 

くらえナーヴァこれが代償だ。

 

「グオ!は、ははは。今日もミリムは元気だな。」

 

ナーヴァは弱体化はしたもののスキルはそのままなので普通に耐久力だけは高い。

 

《おそらくは虚無崩壊とアルティメットスキル正義之王に超越権能(ラグナロク)『創造之神』(ジェネリオン)は使えると思われます。》

 

ふーん、そうなんだ。というかナーヴァって権能それだけになっちゃったの?

 

《ヴェルダナーヴァは最強の権能正義之王と創造之王を残して後は全て輪廻の輪に解き放ったようです。そしてその後ルドラの誓約之王と交換したという訳のようです。》

 

方法そういうことですか。というか超越権能とは一体?

 

《超越権能とはアルティメットスキルや神智核を超えている権能のことです。》

 

俺って持ってないん?

 

《では作りますね。天空之王と雷神之王を統合して『雷空之神』(ゼウス・エクス)に。成功しました。そして雷空之神を進化改造します。成功しました。雷空之神が超越権能『空想之神』(オリュンポス)に進化しました。》

 

もう許可もなくやってくれちゃってるじゃあないの。もういいや。ちなみに何ができるのかな?

 

《空想之神は『空間操作』『天候支配』『空想創造』『天地創造』『空間作成』『日光操作』『炎熱支配』『確率支配』『次元断絶』『次元結界』を含んでいます。》

 

お、おうそうか。それよりナーヴァのスキルの話からスキル獲得とは。

一体何があったらそんな事態になるんだろうね。俺は不思議でならないよ。というかそんなに簡単に生み出していいものなのかな…

 

《究極能力の最上位を一種は統合しないと不可能ですので。2種統合していたマスターのスキルが最強になるのは当然です。》

 

あ、確かにそうだね。そういえばリースって神智核だけどさ、ナーヴァっているのかな。もしかしてミカエルあたりがなってりするかな?

まあ俺には関係ないかな。

 

「だ、大丈夫ですか…?」

「だ、大丈夫だ。ちゃんとすぐに再生するからな。このヴェルダは全ての人間や生物を一人を除いてぶっちぎりで超越しているからな。こ、この程度のけ、怪我などどうということもないのだよ。」

「嘘つけ腹に風穴空いてんぞ。再生するけどどうということはあるんだろ。」

 

実は今のナーヴァの腹には大きな風穴が開いている。ミリムからは見えないが俺やルシアからは見える。だから滅多に心配しても声をナーヴァには声をかけないルシアが声をかけたのだ。

 

「というかヴェルダ、ねえ…別に改名するのはいいけどヴェルダ・ナーヴァはそのまますぎだろ。というかルシアは苗字が増えるのか?減るのか?」

「あ、多分減りますよ。あの兄様のせいで無駄に増えた苗字をやっと捨てれます。」

「ルシアよ、そいつはひどいぜ。」

 

あ、この声は。

 

「ルドラか。どうしたの?」

「それは俺とギィが説明する…と言いたいところだったが来てもらった方が早いかな?」

「ん、わかった。じゃあ行くか。あ、そうそうナーヴァはお留守番な。ミリムの相手しておいてもらう。さっき人間やなんたらこうたらって言ってたし大丈夫だよな?な!」

「は、はーい…」

「じゃあ一緒に遊ぶのだー!」

 

こうしてナーヴァはミリムに引きずられていった。さらばナーヴァ、君の勇姿は忘れない…

で、ナーヴァは忘れてどうしたんだろうかね。というかギィもいるの。結構重要みたいだし急いだ方が良さそうかな?

 

「じゃあ行こうぜ。ついてきてくれ!」

「ん、いや場所の座標くれない?」

「わ、わかったけど…こんなので何するんだ?座標を使ったって空間支配では行けないだろう?」

「んん?法則支配でいけるでしょ。ではレッツゴー。」

 

そして俺はその場所へ飛ぶ。すると…

 

「服濡れちゃうじゃん!なにこれ!」

 

まさに暴風雨。そこだけ神が狂ったとてもいうような勢いで雨が降り注いでいる。

しかも奥から高い魔素を感じる。す、凄まじいエネルギーだ。とか思っていると…

 

「兄様、きたんですか。」

「ああ、グリンか。ザードもいるみたいだな。」

「あ、プラ兄!これ私たちでも天候変えれないんだけどなんでかわかる?」

 

うーん、空間支配かな?どうだろ。

 

《おそらく正解かと。このエネルギーを発している者が空間を支配し固定しているのでしょう。どうしますか?天候、変えちゃいますか?》

 

最近リースがどんどんふざけていって…いや、人間らしくなっている。

別にいいんだけどね、ちょっとテンション高くない?大丈夫?

 

《そのような事実は確認されておりません。気のせいかと。》

 

おい前みたいな普通の対応に戻るな。まあいいや、さっさと天候変えて晴れにしよう。

そして晴れにする。そうしてみたら暴風で先が見えなかったのだが奥に何か巨大な影が見えてくる。あのシルエットといいこのエネルギー量、あれはまさか…

 

「兄様、どうやら新しい竜種のようよ。」

「うん、そうみたいだね。にしても初めて見るし感動的だなぁ…」

「そうそう、どうやら生まれたばかりの竜種はかなり暴れるみたい。竜種は死んでも転生して記憶の一部と人格がリセットされるんだけど生き返れるのは知ってるわよね。だからどうやら私もお姉様に一回滅ぼされたみたい。だからまずは滅ぼすところからになるらしいわ。」

「え、蘇るの?聞いてないよそんなこと。というか大丈夫だったのグリンは。」

「すぐに蘇ってたよ!というよりもう暴れそうだから気をつけて!」

『グオオオオオン!』

 

おっと、なんか危険な事実を聞いてしまったがそれどころではないようだ。新たなる家族は姿は黒い龍でとても美しい。

翼からはなんか角みたいのが生えており、目は金色に光っている。そして手からは鋭い爪が伸びていて光を反射し輝いていた。

 

「やあ、初めまして!俺はヴェルプラズ、君の兄だ!」

 

まずは挨拶からだよね。笑顔で挨拶すると帰ってきたのは…

 

『グガガガァァァ‼︎』

 

高威力の光線。ぶっとくて金色に輝いている。凄い威力。だがそれより怖い者があることに気づく。

 

「うん、元気がいいね!ほら暴れない暴れない。俺はいいけど後ろの二人から殺気を感じるから、ね?」

 

 

 

((あの弟、ずるいぞ…))

 

こんなに怒りを買っているとは知らない新たなる竜種である。

 

 

「少しおいたがすぎるわよ。『エターナルフォースブリザード(永久的絶対零度)

『ガアアアアア!』

「おい待てすぎるのはザードだ。ひどくないか?」

「いや、ヴェルグリンドちゃんもこれくらいやったから!」

 

鬼だ、鬼がいた。それでかわいそうだしなんかしてあげないとな。

なお、その当人(当龍?)は蘇っており人間姿で正座していた。

 

《ならば贈り物としては名付けを推奨します。》

 

あ、それいいね。この世界での魔物は『名前』をもらうことによって自分が存在することを世界に証明し力が上昇するのだ。

そうすればいいんでは?

 

「そうだ、君は今日から…うーん、どうしよう。」

 

なんか竜の言い回しない?

 

《特には…》

 

なんかあった気がするんだよな…なんだ…ド、ドラ…ド、ラ、ゴ、ン…?

そして俺の頭にバヂッという衝撃があった。

 

 

「う…き、君は今日からヴェルドラと名乗りな。よろしく、ヴェルドラ。」

 

こうきて俺は弟に名付けを完了したのだった…

 

 



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姉の恐怖と兄の威厳

今、ヴェルドラと俺は正座している。なんで俺も正座させられてうのかちょっとよくわからない。

確か、

ヴェルドラ誕生

大暴れしまくる

暴風雨が発生する

俺たちにバレる

ザードにボッコボコにされ、転生

そしたらグリンとザードがすげー怒っててとりあえず正座

それに俺が気づかずに名付けしちゃう

怒られて俺も正座

 

というわけだった気がする。うん、それはいきなり名付けする俺が悪い可能性もある。

けどそんなに怒られることだったかな?

 

《マスター、名付けで使用した魔素はもう戻ってこない可能性があります。》

 

なるほどね、申し訳ないし腹でも斬るとしましょうかね?

 

《マスターの体を貫く刃物はほとんどございませんので不可能でございます。》

 

え、俺ってそんなに頑丈だったの?というかさ、思ったんだけど俺ってどうやったら死ぬの?寿命はないし刃物は効かない、能力は究極レベルでないといけないししかも耐性持ち。

剣とかを極めてもある程度は剣が使える俺には当たらない。

自然現象はそもそも操作できるしなんでも想像できる。後はエネルギー切れだがそれは現実的ではない。

なぜなら俺は目の前にいるヴェルドラの数十倍のエネルギーを秘めているのだ。

 

「兄さん、どうして名付けっていう危険な行為を勝手にしたんですか?」

「い、いやね、ヴェルドラが名前ないから可愛そうだなーって。」

「するなら相談してからにしてください、ヴェルドラという名前はいいですけど名付けは危険を含んでるの。」

「は、はい仰るとおりでございます…反省しています…」

「ハァ、ならいいけど。ま、もう立っていいよ。」

 

やっと正座を辞める許可が出た。ああ哀れなヴェルドラよ。お前も助けてやるからな!

とケツイを固めつつ立ち上がる。実は俺正座って得意な方だからね。

 

「で、ヴェルドラちゃん?この荒れ果てた土地をどうするつもりかしら?」

「あ、兄上助けてくださりませんか。」

「兄上は関係ありません。いい加減自分でやるという考えに至りなさい。」

「わ、わかりました…」

 

ナーヴァよ、お前をここに来させればヴェルドラは救われるんだな、了解した。で、俺を消滅させる方法ってあるのかな?

 

《ミリム・ナーヴァの未知の超理論から成り立つ技ならばダメージは入るかと。あとは他の超越権能ならば可能性は生じます。

いま理論や法則と概念を観測した結果では超越権能は7種類あり、

マスターの『空想之神(オリュンポス)』、

ヴェルダナーヴァの『創造之神』(ジェネリオン)

『世界之主』(ザ・ワールド)

『天星之神』(スペーススター)

『概念之神』(キリスト)また、対になっている

『法則之神』(シャカ)、そして

『永遠之神』(ジ・エンド)です。そしてスキルの最高位は二種あり、ともに究極権能から進化します。今説明した超越権能か、私のような神智核。超越権能は生まれつき持っていたものが進化し、究極能力に変化したいわば『魂の力』(自分の心)となっているので自分の体ではなく魂に根付きます。マナスは途中から獲得したスキルが長い年月を経て感情を理解し、進化したもの。なので自我が薄いものはマナスを獲得はできません。つまり超越権能が魂に限りなく同化した究極権能。神智核は魂に一体となったもう一つの魂。ということです。そして私リースも超越権能を取得しています。それが『永遠之神』です。》

 

あれえ?チョットマッテ?話がそれまくってるのはおいておくとしよう。けどさ、リースが獲得ってどういうことだい?リースってまだスキルの一種じゃないの?たしかに俺の魂とどうかしてもう一つの人格となってはいるるけどさ、なんかへんじゃない?

 

《私は完全に独立しているのです。思考加速などの権能は『万知之王』より引き継いだものですが時空間支配や虚奪は私自身が獲得したスキルです。》

 

うせやろ。というか超越権能って確かおかしい能力が詰め込まれてて全部の権能が時間停止を持ってるって聞いたけど。

 

《永遠之神はすでに持っているスキルから引くと『永遠』、『無限化』、『瞬間移動』、『不』が含まれます。永遠は終わりをなくし、無限化は永久を付与し、不は付与したものに訪れる事情をなくすというものです。》

 

あは。やばす、やばす。

あ、そうだ。(話題転換による現実逃避)

ヴェルドラをどうやって助けるとしようか。

えーと、現状を整理した結果、姉2人にみっちりしごかれており、ザードに至っては「躾」と称して好きなだけフルボッコにしてる。

グリンはちょっとかわいそうに思えてきたようで特に何もしなくなった。

 

「おい、流石にもうやめてやれ。」

 

声をかけてみた。そして3人から帰ってきた反応は…まずザード

 

「いや、まだまだここからが本番!」

 

俺ってこんな子に育てた覚えないんですけど?どこでここまで曲がってしまったんだいザードは。次にグリン。大丈夫だろ。

 

「確かにヴェルドラが悪いけど…姉様はやりすぎよ?」

 

うん、まだ常識の範囲内だな。曲がっていないようで…いや、少しおかしいがまだセーフ。そしてヴェルドラ。

 

「あ、兄上たすけてくださ…」

「黙りなさい。兄に頼ってばかりではいけません。」

「。。。。」

 

流石に可哀想すぎる。発言権を奪うとは何事だ。き、貴様ら義務教育を受けていないのか?!圧倒的に道徳観が欠如していやがるぞっ!

もう実力行使しかないな。というわけで、ヴェルドラよ!今、助けるぞ!とうっ!

 

「あ、兄上〜」

「大丈夫か?ザード、流石にやりすぎだぞ。生まれたばかりなのになんてことするんだ。」

「「兄様にくっついててずるいぞ!ヴェルドラァ!」」

「俺の話を聞けぇ!」

 

ヴェルドラは人間の姿で俺の影に隠れた。そういえば俺って髪の色を金色から黒にしていたな。戻してみようかね。

そして戻すと、なんか見た目が変わった。まず髪が背中あたりまで伸びた。どういうこと?

次に声が高くなった。声変わりかなんかかな?

最後に美しさが増した。は?と思うかもしれんが本当だ。鏡を見たらよーく違いがわかった。だが、まだ中性的なのでセーフ。

他にも背が縮んでしまった…悲しい。

 

「なんか見た目が変わってる…」

「可愛いー!兄さん可愛いー!」

「やめろぉ!くるな!撫でるな!持ち上げるな!高い高いじゃねーんだよ!」

 

背が縮んでしまったせいで2人が子供扱いしてきやがるぜ。マジで最悪…

兄としての威厳が希望の花だぜ。早くパーフェクトヴェルプラズ様に戻りたい…

それよりヴェルドラは救われたのになぜ正座しているんだ早く逃げてくれ俺の努力が無駄になる。無駄無駄無駄!ああああ!

 

「逃げろヴェルドラ〜!」

「すみませぬ兄上!」

 

そしてヴェルドラを逃すことに成功した。のはいいんだけどね…

 

「ジー」

「ジー」

「やめろ!そんな目で俺を見るな!」

「スッ…スッ…」

「ザッ…ザッ…」

「俺に近寄るなぁァァ!帝王はこのヴェルプラズだ!だから助けてえええ!」

 

 

 

 

 

 

 

はっ!夢か?!そ、そうだ俺の体が縮むなんて名探偵になりそうなストーリがあるわけがない。まさか縮んだまま名探偵になって謎の組織と戦うようなことはあってはならない。そして体を見ると、やっぱり縮んでいた…

 

「どうしてだあああ!」

 

虚しい叫びが響き渡るのであった…



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赦してほしい?…だめだね

リムルは15話ぐらいに出ます。



俺体がちっちゃくなってから36万…いや、1400年ぐらいかな。

1000年ぐらい前にルドラが戦争していた国によってヴェルダナーヴァはルシアと共に死んでしまった。あの時、みんなは悲しんでいたか。いや、そうではなかった。

ヴェルダナーヴァと俺は他の竜種、ザードやグリン、ヴェルドラとは違って消滅しても完全体で復活できる。

だから全員がすぐに復活すると思っていた。俺以外。実はこの世界の『ルール』(概念と法則、因果)を作ったのはナーヴァではなく俺だった。だから俺はルールに干渉する権限を持っている。それで生まれたスキルや輪廻の輪を観測していた。そんな俺だから気づけたことなのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナーヴァとルシアは魂さえも転生する外は無くなり、、完全に消滅して蘇ることはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この事実は誰にも伝えていない。

既に2人を殺した国はもう何者かーいや、わかってはいる。ディーノだ。ーに滅ぼされており。

2人が残していったものは今隣で寝ているミリムとナーヴァが生み出した小竜である。こいつらほんと仲がいい。しかもこの子竜、ナーヴァには従わずに主に俺に従っていた。

ま、ミリムが俺になついていたからなんだけどね。

そして最近嬉しいことに人類が発展してきた。今ではルドラの帝国以外にも超魔導帝国という国があった。こいつら、ルドラと仲がいいわけではないが今のままではヴェルグリンドという脅威があるため喧嘩を売ってこない。だから安心してミリムを遊ばせていた。

しかも、人間の子供に友達ができているぐらいだ。よかったなーとか思っているとなんかその子に

 

「ミリムちゃんのおねーさん?」

 

とか聞かれた。はあ俺は大人だからね、こう答えた。

 

「はは、こんななりでもミリムは姪なんだ。悪かったな、お姉さんじゃなくて。」

 

とかいうと凄い煽られた。ははは、と笑って受け流してると…(心には甚大なダメージを負ってしまった。)

 

「キュイー!」

 

あの子竜がブチ切れてた。俺より怒ってんじゃん。

?!

なんか、隣から鋭い蹴り。な、何をする?!

 

「叔父上、早くお祭りに行くのだ!」

「キュキュー!」

「わかった。それじゃあ行くとしようか。」

 

この2人、さっきまで昼寝してたってのに元気だな。

ちなみに祭りとは夏祭りのことである。ミリムはずっとこれを楽しみにしていたらしく、興奮している。

やめろ!蹴るな!うわあああ!

なんかすごく蹴ってくる。早く!早く!と急かされているようだ。もういいや、魔法で準備しよ。というわけで秒間で完了!

さあ、祭りへイクゾー!!デンデンデデデン!

 

 

「凄いのだ!賑やかなのだ!」

「はは、ミリムは初めてか?なら、これやるよ。ほれ。これで好きなの買ってきな。」

 

10万ドルポンとやった…わけでないが、お年玉レベルのやつをあげた。

そしてミリムは走って広場の方に行ってしまった。まあ俺は後でいいし、買い物でも…んん?何これ?

えーっと、なんか書いてある…

『遊○王!構築済みデッキ!

・封印されしエグゾディ○

・蒼き目のブルーアイ○

 

 

うん、これ面白そうだし買ってみよ。こ、これは木刀!!

カッケェ…いいゾォーコレェ。買うしかないじゃない!というわけで購入。うん、いい刀だ。

そし歩いていると…

 

 

『キャー!』

 

という声が広場から聞こえた。なんだろう。行ってみよう。

そして広場へ。そうすると俺の目に入ってきたのは…

血だらけになって倒れ、動かない子竜。

そしてあまり目立った怪我はないが泣きそうなミリム。

最後に2人の目の前に豪華な装飾が施された血だらけの剣を構え、今にも振り下ろそうとしている皇帝。

俺はとても理解できなかった。何があった?どうしてこうなっている?そして、そんなことをしているうちにあの子竜は殺されてしまった。俺は輪廻の輪に干渉出来るからこそ出来る、魂の接触を行い子竜の魂を確保した。これは無意識である。

 

次に標的になるのはミリムと思われたが、違った。謎の宝玉を取り出してミリムを支配しようとしている。

 

 

 

そこで俺は考えるのをやめた。とりあえず、剣を抜く。

 

 

『雷空』(サン)

 

この剣は俺の力を注ぎ込んだ剣。人間相手どころか魔王ですら使うのが躊躇われる恐ろしい剣。だが俺にとってはそんなことは考えになかった。その剣で()()()刺した。

痛覚無効は切った。あの子竜の、ミリムの感じた歌見はこんなものではない。

何度も刺した。だが俺の気持ちは収まらない。次の標的は皇帝。一瞬で距離を詰め、手加減をして殴り飛ばした。

 

「これで竜皇女の力は我が…」

 

そこまで行ったら言わせはしない。

貴様はもう許さない。

 

 

「貴様!この皇帝に対して無礼な!やってしまえ、我が軍よ!」

「他人に頼るしかないのか。で、お前ら。降伏するなら今すぐこの街を出るんだな。さもなくば殺す。」

 

 

俺は出口を指差して警告した。街の住民は既に避難したようだ。だが軍の奴らは動かない。

 

「ふん、粋がるなよ!貴様一人でどうこう出来る数ではないのだよ、バカめ!」

「そうかい、で、その軍とやらはどこにいるんだい?」

 

もう軍は俺にやられている。あいつのような低級の人間が知覚できる速度ってわけでもない。

 

「な!だがこちらには竜皇女がいるのだ!貴様如きが勝てるわけも…」

「そう思うなら、見せてやるよ。かかって来い。」

「ゆけい!竜皇女よ!」

 

ミリムは支配されてしまっているようでこちらへ全力で向かってきた。かわいそうに。すぐ解放してやるからな。

そして向かってきたミリムは…止まった。そして瞳を閉じ、ゆっくりと倒れ伏してしまった。

もちろん俺の仕業である。一瞬で殴り意識を刈り取った。そして手をかざして支配を解く。

 

「し、支配が…解かれてしまっただと?!何をした一体!」

「教える必要は無いな。君には退場していただこうと思っているんだが。拒否権はない。まあ選ばせてやるよ。

俺に一瞬で苦しみつつもすぐに死ぬか、苦しみ続けるが耐え抜けば逃してやる。さあどうする?」

「ふん!この魔導大帝、数々の苦しみを味わってきた!苦しめてみるがいい!」

「わかった。なら。」

 

というわけで、拷問。

まずは、爪を剥がしましょう!

もう泣いちゃったよ…あの意気込みはなんだったんだ…かわいそうだし手だけにしてやんか…

 

ま、抜歯はやるんですけど。大丈夫大丈夫。食事に困らないように前歯にしてやろう。え、飲み物が出ちゃうって?唇があるじゃん。

 

 

次!単純に殴る!

 

 

次々!精神攻撃!魂に直接攻撃だ!

 

 

最後ぉ!肉を削いで即再生を繰り返す!物言わぬ肉の塊になって自分の過ちを後悔するがいいわはっはっはー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「耐え抜いたぞ。さあ見逃してもらおうか。」

「どこまでもずぶといやつだ。それで…お前が見逃してもらえると思っていたのか?こんなに上手い話がお前のような人間にあるわけないだろう?」

「な、き、貴様騙すのカァー!」

 

いや、騙すって…俺、終わったとは言ってなくないかい?

あ、今このクソやろうと話してんのはリースで俺の代わりに話してくれてる。その方が怖いだろって。

 

 

 

「さあ、次は苦しみながら死ぬ、だ。俺の思考加速をかけて殺す。大丈夫だ、限界はある。さあ、頑張れよ。1秒が途方もない年月となる世界の中で自分の過ちを悔い改めな。」

 

こうして魔導大帝は終わりを迎えた。その後、ミリムを見に行く。その時に事件は起きた。

ミリムを起こそうとした、その瞬間。

ミリムがつぶやいた。

 

「スタンピート…発動」

 

その瞬間、ミリムの周りを突風が吹いた。その瞬間、凄まじい衝撃波。

そうして煙の奥に見えたのは、涙を流しつつもまるで壊れてしまったように暴れているミリムの姿だった。

ダメだった。俺はこれを知っている。ナーヴァがミリムに自衛のために与えた力、『魔素増幅炉』そしてそれを持つのが

『憤怒之王』(サタナエル)

だった。ミリムが傷ついた時や本人の意思で発動できる暴走状態、スタンピート。だがそれを止める理由は俺にはなかった。

そうして俺はミリムが暴れるのを見ているのだった。

 

 

 

…リースさん、主導権返してくれませんか…?




シリアスむずいです。


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そうだ、世界、でよう。(固いケツイ)

あのあと、結局ギィと初めてあった迷宮妖精の精霊女王こと

 

『ラミリス』

 

がミリムを止めた。

ラミリスとはナーヴァが生み出した『星の管理者』である。

本人は

 

『なんであたしがこんなことをしなくちゃならないのさー!』

 

とか言いながらやってた。

言ってるくせに笑顔でやっているのはブラック適性、有。精霊たちはやつれていたが、気のせいだろう。外木俺は気まずいのでこっそり旅に出ていたのだが…

すぐにバレて、ギィに叱られた。俺が出たらミリムを止めることなら容易だったが故だろう。

 

けどギィだって戦えて満足そうじゃん別にいいじゃん。とか思ってたらザードたちにも怒られた。もう何も言えなかった。

 

 

俺のような人には正論パンチは効くんだよこれがね…で、俺はですね。ミリムと顔が合わせづらいんですよ。だから、どうするかというと…

 

「そうだ、世界、出よう。」

 

こうなるわけである。。。無断で出てきたんだけどいいのかな…今俺は最初に作った世界、最初の世界(オーバーワールド)から出て別の世界に辿り着いた。

この世界は鋼鉄の島が浮いている世界に1万人超が囚われてるらしい。なんか新しい世界作ってんじゃんこいつらもしかして俺とナーヴァって要らなかったりする?しちゃいます?

ちなみにそのあと結局何千人もの死者がではしたが多くの人が解放されたってさ。よかったね。

 

 

 

 

 

え、俺は何をしてたって?開始した時すぐに犯人のところに行って胸ぐら掴んで

「おいゴラァ」

したら白状されてラスボスやってたよ。ま、結局誰も来ずに終わっちゃったんだけどね。

 

 

そして、次の世界に。ここで気づいたんだがほぼ全ての世界に人間が存在している。

ここは魔法の世界。全ての人が魔法を使えるようだね。

 

 

「魔法?テイ!」

「なんだその魔法!見た事ねーぞ!」

 

俺しか使えない雷属性をぶっ放してみた。核撃魔法よりつええや。なんか実験台されそうだったから逃げた。

 

 

 

その後、王様に呼ばれて王宮に行ったら奴隷にされかけた。俺の気持ちは、こう!

「ナニイッテンダ!フジャケルナ!トイストーリーガ!」

「なんだと?!貴様!」

 

《マスター、何言ってるんですか。》

 

リースに呆れられた。リースが呆れるほどなのか。

 

 

 

 

さらに次。文明、ねーから!

あとグリンらしき奴がいた…なんでいるんだ…

しかも俺がいた国だけ周りが石器の時に鉄器とは?ま、まさかチートか?!俺知ってるぞ、ビーターって言うんだろこういうの。で、グリンらしき人が

いた。

 

 

気になる。するとまーた王さまに呼ばれた。

なんだよ一体。なんのようだ。私のようなただの一般通過男性に何か用でもあるのか奴隷にする気かよしの国滅ぼそう覚悟しておけ人間よ。

 

「私のような一般通過男性に何かようですか?というか王と僕は会った事ないと思うんですけどね。」

「そのことについては、ヴェルグリンド?」

「マジかよ…」

「なんで兄様がここにいるの?ああ、そう言えば昔ミリムの事で怒られて家出してたわね。心配してたのよ?」

「その節については大変申し訳なく。ああ、そっちは()()()ヴェルグリンドか。んー、ああルドラがね…嫌な未来を知ったなあ。」

 

グリンだった。なんでいるのかと思っていたら昔と言っているしおそらく未来からきてるんでしょ。何があったかは言わないでおこう。忘れるんだよ!

 

《記憶消去を開始…成功しました。短期間の出来事の記憶を消去。》

 

さすがリースである。あれ?なんで記憶消してもらってたんだっけ?まあいいや。それにここにも飽きたし次だ次。

 

 

 

 

次の世界ではまあまあな発展をしていた。四つの大国があって戦う船とかが開発されてた。まさか戦争とかしねえだろうな。

で、俺がいるのはなんたら合衆国だって。そこでは路地裏が裏社会で危ないらしいので行ってみた。そしたらいきなりスリに出会った。財布取られたけどまあええやろ。

 

そして歩いているとさっきのスリが公園の広場で子供に嘘をついて遊んでいる。おっほ、面白え嘘つきやがる。

 

《あの嘘は大人と子供、両方が興味を示すワードを入れており、その二つに関連する信憑性が高くも真実ではないことを織り交ぜているので人々が惹きつけられるのでしょう。》

 

難しい!わかんね!ま、嘘が上手なんでしょ。今回は死ぬまでみていようかね。

 

 

 

そのあとまたまたグリンにあってその嘘つきスリ野郎が死ぬまで見守っていた。そして、俺はそれから気に入った人間は死ぬまで共にいよう、そう決めたのだ。何故なら俺しか見る事の出来ない輪廻の輪で何に、どこに、誰に生まれ変わるか、消滅するかをみていたく感じたからである。

ヴェルグリンドがよく干渉しているのとは違って俺はこっそりと見守るのが主義である。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしていくつもの世界を渡り歩いて数千年が経った。ついた世界は多くのビルが並ぶ都会。ここにも何度か来たことがある。

 

 

 

俺は全ての世界を渡り歩いているから全て見覚えがある。えーと、ここは確かと、東京…とか言ったかな?この世界の地球という星、ユーラシア大陸の日本という国の首都、東京。首都っていうのはめっちゃ簡単にいうと1番でかい都市。

そして今回見つけたのは簡単にいうと社畜。よく言っても童貞。よく言ってなかったな。本人曰く、ナイスガイだってさ。けど魂の輝きがアホほど強い。こいつぁスゲェ!楽しい予感がぷんぷんするぜェーッ!

 

今日は、職場の後輩に食事に呼ばれてるんだって。で、あったら彼女自慢されてる。かわいそうに。このリア充後輩め先輩に自分の幸運を自慢するんじゃねー。

 

 

 

そして、後輩が見えてきた。と思ったら、なんか刺されてる。走ってきた刃物を持った男が刺して逃げていったのだ。何しやがる!人間ってのはな、脆いんだぞ?!ああ、死にそうだ。というかあれは致命傷だな。

 

 

まあ俺は輪廻の輪を見ることができるし、いいでしょ。そしてその男は死んでしまった。最後後輩にPCのデータがなんとかと言ってたがほっとこ。

そしてその男の魂は転生を開始した。そして珍しい、貴重な事情が発生した。その男の魂は…

 

 

 

 

 

 

『別の世界に、別の存在として、自我と記憶を保ったまま転生した』

 

 

 

 

 

 

そもそも別の世界に転生するのも別の生き物になるのも自我と記憶を保って転生することが珍しいのだ。しかも、人間ではなくスライムという魔物に、だ。これは大変すごい。これもあの男の魂の輝きがあってこそだろうな。

そして転生が開始する。お、何かスキルを獲得してるな。あれは…ルシアの『知恵之王』(ラファエル)の退化した奴だな。ま、多分スキルも変質してるだろうけどね。

 

 

あとはスライムの固有スキル。そしてついに転生したようだ。そして出た場所は、どっかの洞窟。確かジュラの大森林とかいう森の中だったような。いや、中ではなくて近くだったね。とりあえず探知しようかね。あれ、なんでヴェルドラがいるの?まあいいや。

 

 

 

そうしてそのスライムはヴェルドラとの出会いを果たすのだった…

 

 

 

 

『ヴェルドラ、よかったね。』

『本当にそうですぞ…一人で寂しかったので…って、兄上?!』

 

 

なんか話しかけたらすごく、驚かれた。スライムに話しかけてたのが変になってスライムが不思議がっている。

 

だいじょーぶ。そのドラゴンそういうタイプなんでね。

そして名づけることになったのだが、俺がそのスライムにヴェルドラを経由して名付けをすることとなった。ヴェルドラ曰く

 

「兄上のような方に名づけしていただくほどいいことがあるまい!」

 

だってさ。俺の予想だとね、自分の魔素が減るのがただ単に嫌だっただけじゃないのかなぁ…

 



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第二章 新たなる都
弟の友はスライムだった


4月4日 追記
すみません、タイトル入れ忘れてました。


今、俺がみているスライムは…洞窟に転生していた。

 

 

 

おお、困惑している困惑している。それで近くにヴェルドラがいるのはどうしてだろう。しかもだいぶ弱っているようだし。

 

 

ま、それは置いておき…何してるんだ…なんかひたすら治療薬の元になるヒポクテ草を食べまくっていた。どこに入るんだよその量。

 

 

スライムによる凶行によってここら辺の草が草の根一本残らず根絶やしにされてしまった。なんだその満足そうな顔。

 

 

そして、次は石か!石を食っちゃうのか!何やってんだ!その石は貴重…いや、珍しいっちゃ珍しいけどそこまでレアではないが、やめろ!人にとっては貴重なものなんだ!まさか、備えがあれば嬉しいZOYとかいうタイプか!?

 

そしてスライムは目につく草と石を根こそぎ持っていった。

 

草、石、草、石、草、石。

 

自然を滅ぼしにかかっている悪魔だ。なんてこったい。だっだが!これもいつかこいつの助けになるはずだ!そうだ、そう考えよう。

 

《マスター、水に落ちてますけどどうしますか?水に入りますか?バレる可能性がありますが。》

 

実は俺、どうやっているかというと極限まで存在感を抑えてついていってるだけなのだ。だから音が出たらバレる。よってなるべく音を出したくないんだけどね、スライムが水に落ちてしまったら不味いんだ。

 

まあ、自ら出てくるのを待ってる間に何があったか見ようかな。今までの歴史がわかる確か、ナーヴァの命名『データベース』だったかな?それを閲覧してみよう。

俺が旅立ってから数千年が経っている。まずは俺が旅立ってから。

 

3000年ほど前

ヴェルグリンドとヴェルザードの衝突

 

理由は不明。ヴェルドラが巻き添えで1転生。

 

その頃、ギィとルドラが戦いの代わりに『ゲーム』を開始。ルールはギィとルドラが直接戦うのが禁止。

 

2500年ほど前

 

原因不明のヴェルドラ転生×100。おそらくザードとグリンによる犯行。

 

2000年ほど前

 

ギィが構築した人類管理のためのシステム、魔王が増え始める。何人もの力ある魔物が列挙しては土に還った。その中で生き残ったものが魔王として認められる。

 

 

…待て待て待て待て。ギィとルドラがゲーム?何やってるのかな?

 

《直接戦ったら影響が強すぎて人類が最悪滅ぶからゲームで勝敗を決めようぜということになったようですよ。》

 

人類のことを考えてるならいいんだけど…まあいいや。次だ次。

 

1000年ほど前、ついに魔王の顔が決まってくる。どうやら『十大魔王』という名称が決まったようで十人となると正式に決まった。いや、まあそういうわけではないが暗黙の了解ってやつだろうか。

そして、なんか勇者と魔王の因果とかいうもんが見つかったんだって。あれ?こんなの作ってたっけ?

 

 

 

さらに500から100年前

 

異世界人が初めて確認された。

 

久しぶりに魔王のメンツが変わった。そして『自由組合総帥』(グランドマスター)とかいう異世界人が色々決めた。

で、ここでヴェルドラが封印されたんだって。勇者に負けたらしい。人間すげえや。

 

 

で、今に至るってことさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ねえ水から上がってこないんだけど。え?大丈夫だよね?

 

 

(ザァァァァァァ)

 

なんか音する。なんだこれは!

うわああああ!スライムが自ら飛び出してきたー?!どうやら水中で取り込んだ水を発射してその水圧で移動する技を身に付けたらしい。

かと思ったらいきなり水の刃飛ばし始めてる。

 

 

 

そして冒険を開始したようだ。

道中では謎のトカゲに謎の蜘蛛、デカくてキモい謎の蛇といろんなでかい化け物を薙ぎ倒してついにヴェルドラの場所に到着した。

謎のやつしかいないな、どうなってんだここ。

 

 

…なんか喋れるようになってる。スライムは無限大だね。

 

『聞こえるか、小さきものよ?』

 

この声は、ヴェルドラだな。威圧感を出そうとしてるようだけど…スライムくん、全然怖がってない。かわいそうに。俺も手伝うとしよう。

 

『竜霊覇気』発動!

 

その瞬間、ここら一帯の空気が重くなった。ヴェルドラがギョッとしてる。あらら、気づかれちゃった。

 

『続けていいよ。』

『兄上!お久しぶりです!戻ってきたのですね!』

『おう、そうだ。スライムを威圧したいようだけど結界に阻まれてできてないよ。』

『グ、グヌゥ…兄上ぇ…』

『手伝ってやってるんだからさ。ほら、続けな。』

 

そしてヴェルドラは順調に交渉をした。そして、なんと友達ができたのだ!

 

このスライム優しい。そして、名付けをすることになったようだな。

 

『名づけしてくれませぬか?我より兄上の方が格が上がるでしょう?』

『え、エネルギーが減るのがやだってだけなわけではないんだよね…?』

『そ、そのようなはずがないではないですか!ただ単に兄上の方が強くなれると思い…』

『まあ他でもないヴェルドラの頼みだしやってやるよ。まあ、こいつは今からリムルだ。そしてお前のテンペストを混ぜてリムル=テンペスト。これがこのスライムの、リムルの名だ。伝えてやれよ?』

『わかりました!では!』

 

 

なんか俺が名付けをすることになった。なんでだろ。ま、ヴェルドラからの頼みだしいいでしょ。

 

「それでは、今日からお前はリムルだ。リムル=テンペスト。そう名乗るが良い!」

「リムルか!いい名前だな、ありがとう!」

「まあ?この我だしな?当然だろう、クァーハハハハハ!」

 

 

なんか手柄取られた。悲しいよねって、思うよ。

けどこれもヴェルドラの友達、リムルのためだ。しょうがないしょうがない。

 

 

その後、ヴェルドラを結界から出す方法を考え始めた。

ヴェルドラが

 

「一応出してくれそうな存在がここにいるにはいるのだがな…頼りすぎてはいかんのだ。」

 

と言っていた。ちゃんと学んでいたようで何より。頼りすぎたら

俺もヴェルドラもザードにずるいずるい!とやきもち焼かれて低温やけどでゆっくり焼かれてしまうからね、しょうがないね。

 

なお、最終的にはリムルが捕食して二人で解析、出るという作戦になったようだ。

そうして決まったらもうヴェルドラはパクッと食べられてしまった。魂の回廊は開くんだし大丈夫でしょ。

 

そうしてスライムはヴェルドラを結界から解放する段階に入り、この洞窟を出たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

side ヴェルドラ

 

 

 

勇者にこの洞窟に封印され早数百年。そろそろ消滅しそうである。

あーあ、また死ぬのかな、兄上はいないのかな、誰か来ないかな。このヴェルドラとて流石に退屈には勝てぬ。

 

その時だった。ポヨンポヨンと音を立てて暗闇の向こうから跳ねてくる水色の粘液体。

 

「うーん、ヒポクテ草ないかな〜。」

 

不覚にも我は声を掛けてしまっていた。

 

『聞こえるか、小さき者よ。』

 

そして話しかけてからはスムーズだったね。それで、一つ驚きがあった。スライムと共に兄上がやってきたのだ。

そのおかげで話がスムーズに進んだのだとヴェルドラは思う。

 

(兄上には感謝であるな。)

 

そう思いながらヴェルドラは解析を進めるのだった。

 

そして、今更だがリムルの胃袋の中は真っ暗で何もない。

 

(我、寂しいな)

 

初めての友達ができたのにまた一人になるヴェルドラだった。

 



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ゴブリン、オオカミ大戦争 前編

洞窟を出てきた俺とリムルは何故か、そう何故かだ。

なんかゴブリンに平伏されてる。大声で景気の良い挨拶をかましたら貴方が強きうんたらかんたらとか言って平伏し始めたのだ。俺は何もしてないよ?

 

「え、えーと顔を上げてくれ。俺はそんなにすごい魔物じゃないんだが?ほら、ただのスライムだろ?」

「貴方様は、リムルと名乗りましたね?魔物の中では『名持ち』(ネームド)は上位の存在なのです。しかもスライムが『星体粘性生命体』(スタースライム)に進化してらっしゃることからかなり高位の方に名づけされた様子。それも魔王どころではなく、竜種…ヴェルドラ様やヴェルザード様、ヴェルダナーヴァ様のような方に。」

 

おお、このゴブリン頭がいいな。いいぞ、いいぞ!

 

 

「そうなのか?大賢者、教えてくれ。」

 

スキルに頼ったな。大賢者っていうのか。うーん、解析系かな?まあいいや。

 

 

 

その後、ゴブリンの村に連れて行ってもらうことになった。話だと餓狼族とかいうオオカミにだいぶやられて戦士とか若手が居ないらしい。

そこにリムルが現れたんだ、頼りたくなるよな。

 

そこで、リムルはその巧みな話術でゴブリンたちの王となった。待て待て待て待ていきなり王様か。大出世やなって。

ちなみに詳しく説明すると

 

 

ゴブリン平伏

事象を聞く

なら俺が助ける (`・ω・´)ヤルゾ

というわけで村に行って、状況を見る

その後、怪我人をあの自然破壊によって手にしたヒポクテ草からかけてよし!飲んでヨシ!な完全回復薬(フルポーション)を作って取り込んだ後に体内でぶっかけて直してぺっ。

それでめっさ尊敬される

ゴブリン曰く、貴方が王でも異論はない

 

 

というわけでいきなり数十人のゴブリンを率いる王になった。このジュラの森の一角の勢力、ゴブリンを味方にしたと考えてもいいのかな?

 

 

今ジュラの森にはこんくらいの勢力がある。

 

まずは、ゴブリン。

 

次に、攻めてきてる餓狼族。

 

あとは関係ないが湿地帯の蜥蜴族(リザードマン)

 

傭兵集団大鬼族(オーガ)

 

天使の成れの果て、天狼族(テング)

 

牛頭の牛頭(ゴズ)

 

馬頭の馬頭(メズ)

 

森の管理者、樹人族(ドライアド)

 

などと言ったところかな?他にもまだまだ居るがそれは後々。

 

 

 

「それでは、これからの方針を言うぞ。まずは、対抗するために策を立てる。柵だけにな!なんちゃって。」

『…』

「オホン。それで、ここに足りないものはなんだと思うかね?君、答えなさい。」

 

リムル、滑ってやがる。けど切り替え早い。

村長の息子に質問を投げかけている。こいつはあの部隊を率いていた隊長的なやつか。若いのに偉いなーとか思ってたら、衝撃の一言が飛び出てきた。

 

「全部だと思います。」

 

 

なんて正しくも心に刺さる答え!凄く賢いな。

まあ確かに、この村は色々足りていない。畑は乾き、家は崩れ、装備はボロボロ…間違ってない、何も言えん。

けどそれを面と向かって言えるのが強いんだよな。そう言う奴が優秀なんだ。

 

 

 

「?!お、おう。具体的に言うと?」

「人手、武力、食糧、住まい、回復薬…全てが足りません。それに統率なども取れていませんし。」

 

 

リムルも困惑する。しかも大体正解しているのが痛い。だが、統率は取れているような気がするな。

 

「いや、統率は取れているだろう?ほら、君が率いていたじゃないかい。」

 

まあそうだよな。けどどうやらこのゴブリンが出ないとダメダメらしい。だから今回仕方なく出たと言うのだ。

本来ならば村の防衛で忙しいのだけどな。

それで、餓狼族ってなんだろう。教えて、リース先生!

 

 

《なんですかそれ。まあいいですよ、餓狼族とは狼の集団です。全にして個を信条としており、群れることで通常の何倍もの力を発揮することができます。》

 

 

つまり、狼のすごく強い群れと。何それすばしっこくて攻撃力高い防御力もそこそこあるで定評の狼がか。エッグ。

まあゴブリンの貧しい村一つ程度に勝てと言ってもねえ…それは無理だな。あ、けど一体は倒せたらめっさ無惨に殺して首をとって吊るすことで抑止力にはなるよね。

 

 

「うーん…よし、決めた!これから始めるのは、衣、食、住を揃えていこう!あとは、防御力だな!

まずは衣から。これは俺もできるぞ。大賢者、頼んだ。」

 

するといきなりリムルが裁縫を始める。どうやらこれを覚えさせたらしい。これで衣、食、住の中の一つ、衣はクリアだな。

 

 

まあ次は食だな。これは敵がいてもわかりやすい昼のうちに森の恵みを取ってくるようにした。井戸も掘って、畑も作った。

果物の木も植えたようだしクリアということでいいだろう。

 

そして番外編、守りだな。今のこの村にとって最も大切な要素である。まずは柵を立てることにしたようで、木を切ったり枝を拾ってきた。

そしてそれを組み立てて、地面に刺す。それを繰り返すこと4日間。遂に立派な柵で村を覆うことができた。

だがリムルはそれでも足りないという。

 

「戦国武将ーいや、昔の人間はな、こういう壁の外にも彫りっていう溝を掘って壁の隙間から一方的に攻撃するということをしていたんだ。今回はこれを採用しようと思っていてな。理想だと…2mくらい掘れるか?」

「人手が足りないので流石にそこまでは…1mなら出来ますが、どういたしますか?」

「なら1mだけ掘ってくれ。あとは俺に考えがある。弓と矢を大量に作っておいてくれ!」

 

多分、リムルが言っているのは前の世界の織田なんちゃらとかいう人が柵の外に窪みを作ってそこにはまった敵を鉄砲で一方的に倒したやつかな?

すごいいい作戦だが酷いな…ま、いいでしょ。

 

あとは住だが、それはまあ後々。その後、監視塔とかを作って襲撃に備えることとなるのだった。

 

 

「それで、お前たちは名前ってあるか?」

「いえ、ありませんが…」

「なら不便だし、俺が名前をつけてやるよ!あ、けどいろんな危険があるらしいから今はお前とお前の息子だけな。ではお前は、リグルドだ!その名に恥じぬよう頑張ってくれ!」

「あ、ありがとうございます!すぐに息子を呼んできます!」

 

こうして、ゴブリンの長あらためリグルドは息子を呼びに行った。そして息子には死んでしまった名持ちの戦士、リグルの名を与えることになったようだ。

そして次の日にはリグルドは筋骨隆々のマッチョメンになり、リグルは精悍な顔つきの青年となった。そうして食糧や回復薬の備蓄が増えてきて、リムルのとあるものの準備も終わってきた。

そしてそんな時の夜。遂に餓狼族との戦いが始まった。

 

 

『アォオォーン‼︎』

 

 

この遠吠えによって餓狼族がくることを察知したリムルらはすぐに戦いの準備を開始した。

全員が弓を標準装備、やも大量にある。これなら負けはしないだろう。

 

相手もたかがゴブリンと油断しているだろうし、これなら勝てる!

 

 

「いいか?!絶対勝つぞ!」

『オォー!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 餓狼族

 

 

 

『アォオォーン‼︎』

 

「者どもよ!遂にこの日が来た!暴風竜が消えてから数年、遂にあの忌々しきゴブリンを攻め滅ぼす時だ!行くぞ!」

 

『オォーン‼︎』

 

こうして餓狼族と一匹のスライム率いるゴブリン村の大きいとは言えないが確かな戦争が火蓋を切ることとなったのだった。




明日がアンケート締め切り。


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ゴブリン、オオカミ大戦争 後編

side リムル=テンペスト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

餓狼族の雄叫びによって戦いが始まることを知れたのは僥倖だった。

ゴブリン達には戦い方を教え、村の周りには織田信長と同じ戦術を取っている。これなら勝機はあるだろう。

 

 

 

《告。向こうから多くの魔物の接近を確認、数は152です。》

 

 

遂にきたか。

 

 

 

「グルオオオオオオ!」

 

先頭を走っていた片目のつぶれたひときわ大きいボスのような狼が叫ぶ。

 

その声と同時に多くの餓狼族が柵に向かって走ってきた。

 

 

「いいか?まだ打つなよ?まだだ…もっと引きつけろ!」

 

とりあえずは引き付けるように指示。実はこの柵には粘糸が貼ってある。そこに引っかかったやつを狙えばいいって寸法よ。ま、大賢者の知恵だということは秘密だ。

にしても大賢者って使える。有能だよな。やっぱり先生とお呼びしよう!

 

《告。群れの中で最も力の強い餓狼族が特攻してきます。》

 

お?全にして個じゃなかったのか?焦りが見えてきたな。このままいけば勝てそうだ。

 

 

「スライム如きが!餓狼族の邪魔をするなど!」

「スライム如きっていうけど、俺からしたら全にして個を捨てたお前なんか脅威じゃないね!」

「なんだと!」

 

怒ってくれたら儲け物。

 

「なるほどな、同胞の動きが止まっていたのはこの謎の糸によるものだったか…こんなもの!我等餓狼族の超嗅覚なら匂いで場所の特定など容易!場所と種が分かれば脅威ではないわ!」

「それはどうかな?!」

「一考の余地もない!この通り、避けているぞ!死ね!」

「さっき言っただろ。全にして個を捨てたお前なんか敵ではないってな。全員で向かってこられたらまずかったが…お前だけなら別だ!粘糸!」

 

張り巡らせておいた粘糸を突破した餓狼族の長が俺を噛み殺そうと迫り、飛び上がった。そこが狙い目だ!

作戦通り鋼糸でがんじがらめにすることができた。

 

 

「グヌウ!離せ!」

「それはできないな!『水刃』!」

「な…

 

 

暴れる長に間髪入れずに水刃を叩き込む。そして長は動きを止めた。

そして、ズル…と首が取れ、ベチャッと音を立てて地面に落ちた。そんな目で俺を見ないでくれ。攻めてきたのはそっちなんだから。グロいし、食べてしまおうか。

 

そうして俺は長の頭と体を取り込んだ。グルル…と残りの餓狼族が唸って威嚇するが、もう長の姿を見て戦うのを躊躇うようになっている。

 

大賢者、餓狼族に変身してくれ!

 

《了。餓狼族を解析鑑定…成功しました。エクストラスキル『擬態』によって餓狼族に擬態します。》

 

俺の体を黒霧が覆う。そこから現れたのは一匹の巨大な狼。

ふふん、かっこいいだろ?俺なんだぜ?ま、あっちの世界での俺には敵わないけどネ!

 

それで、まずは…威嚇!

 

『アォオォーン‼︎‼︎』

 

雄叫びをあげ餓狼族を威嚇する。そのまま、話し始める。

 

『いいか?逃げるなら追わない。だが立ち向かうなら全員殺す。好きにしろ。追撃は行わない。さあ、どうする?!』

 

ああ〜頼む頼む逃げてくれ〜!

 

「…」

(ど、どうするんだ…?)

『我等一同、貴方様に従います!』

「え、?えええええ?!」

 

逃げてくれたらいいなと思っていたら従うってどういうことだ!そこは普通あの額に星模様のある長の息子っぽいやつが

「父親の仇!」

とか言ってみんなを引き連れて襲ってくると思ってたんだけど?!

 

「え、お前ら本当にいいのか?」

「ええ、勿論です。勝敗はもう決しています。あの「全にして個」の信念を忘れてしまった父よりも貴方様の方がいいと思いますしね。」

「本当に息子だったのか…じゃなくて、ならよろしくな!」

 

そう言って俺は狼姿からスライムボディーに戻った。いきなり小さくなったから少しバウンドした。ぽよん、ぽよんとね。俺の体って弾力性高いと痛感した。

 

 

 

そして、衣食住のうちの食がまたより良くなった。餓狼族が仲間になったから獲物をより多く取れるようになったのだ。

あ、今から周回が始まる。ザワザワしてるな。カイジでもあるまいし…

 

 

「えー、オホン。今みなさんが静かになるまで5秒かかりました!」

「リムル様、なんですかそれ。」

「気、気にしないでくれ。」

 

まさかこのネタが通じないとは…まあいい、今のはなかったことにしよう。

 

「じゃあ俺からのルールを伝えるぞ。っとその前に、餓狼族とゴブリンで2人一組を作ってくれ。あと、これあら全員に名付けをするぞ。名前がないと不便だろ?」

『フゥー!』

「では、リグルドとリグルはもう付けたからな。次は…ゴブタ。ゴブチ、ゴブツ、ゴブテ、お前はゴブゾウ。次は…ハルナでいいか。それで、お前は…

 

 

 

10分後…

 

 

 

ゴブリンには名付け終わったな。次は…餓狼族か。で、最初にボスの息子。え、本当に恨んで…無いよね。おっソロシイほど尻尾振ってるもんね。

それじゃあどうするか。風…嵐…牙…そうだ。俺の苗字をやるか。嵐…嵐の牙。嵐牙。そうだ、ランガにしよう!

 

 

「それじゃあお前はランガ…だ…」

「ありがとうございます…って、我が主?!主いいいい!」

 

体に力が…入らな…い…

 

 

 

 

 

 

 

 

side ヴェルプラズ

 

 

あーあ、名付けしすぎて寝ちゃったよ。で、なんで俺のエネルギーが吸われてるのか知りたいね。

おそらく無理してたんだろうけど、ヴェルドラから貰ってたんだろうね。で、そのヴェルドラが俺のエネルギーを吸っていたと。うーん、ナーヴァなら怒ってたけどヴェルドラだからな…怒れない。

 

『なあヴェルドラ。俺から取るのはいいんだけど次からは言ってくれよ?ビックリした。』

『わ、悪かったのである…兄上はやはり優しいですな…姉上達なら問答無用で消し飛ばされていたでしょうからな。』

『あの2人、好きなやつ以外には野蛮だからな…ま、次からは気をつけろよ?』

 

 

 

 

ザードとグリンじゃなくてよかったな。軽く死ぬぞ。

 

 

 

 

そして、ゴブリン達の進化が始まった。あと餓狼族は全にして個だからかランガだけでも全員が進化したらしい。けどランガだけすごく目立ってやがる。

ランガは他に比べて一回り大きくなってる。それにツノもあるし…毛も派手だ。やっぱりボスの息子だったからかな?

 

ゴブリンは男は髪は茶、(一部が)肌は緑の筋肉モリモリマッチョメンの変態…では無いが、筋肉がモリモリなのは間違いない。けれど1番変化がすごかったのはリグルドだなって。

想像してほしい。今にも倒れそうなヨボヨボのお爺さんがいきなりプロレスラー顔負けのゴリマッチョになるんだ。

 

ちなみに女のゴブリンは美人になっていた。俺が思ったことはみんな身長が伸びて見た目がよく変わるな〜ぐらいだ。あ、けどゴブタとかいうやつはほとんど見た目が変わっていなかったよ。でべそが治ったくらい?

 

 

 

 

 

 

3日後…

 

 

 

 

 

 

リムルが起きた。みんなの変化にビックリしているな。そうだ、そろそろ俺も動くとするか。

あはは、楽しみだ。

記憶消去はやめておこうね。あと思うことは一つある。ランガ、お前、体の大きさ変えれるのか…

 

 

リムルを尻尾を振ってるときの風で吹き飛ばしてしまって追いかけてるときに小さくなってた。そもそも尻尾振るだけで家を吹っ飛ばすとは一体。

こうして俺は、リムルの街に入って過ごす計画を立てた。

 

 

 

さあ、楽しい日々が待っている。

 

 



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我が村の技術は(ワースト)世界一ィィィ!

投稿遅れてすみません。学校が新学期で忙しくなってました。


side リムル=テンペスト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

う、うーん…ま、眩しい!目が!あれ、眩しく無いぞ。スライムの体って便利だなと思う。

実はスリープモード?とやらの状態でも意識だけはあった。いや、本当に体も動かせないし話すこともできなかったんだって。

 

「お目覚めになられましたか、リムル様!」

 

 

誰だこの人。村にこんな美人いたっけな…?

 

 

「村長…いや、リグルドさんを呼んできますね!」

「お、おう…?」

 

俺が寝ている間に一体何があったんだ?そして外に出てみると、ほとんど知らん奴ら。

みんながみんな

「リムル様ー!」

と挨拶してくるが悪い、誰だお前。

 

 

 

「リムル様ー!おはようございます!」

「おお、リグルド!俺が寝ている間にみんなに何があったんだ?」

 

 

リグルドはやっぱりムキムキだな。なんかポージングを覚えているし。

 

《このポーズは、腕の筋肉を押し上げ、強調…》

 

あーはいはいわかったからわかったから。それより何があったか教えてくれるか?

 

《恐らく、名付けによる種の進化の影響でしょう。》

 

名付けってそんなに大切なことだったんだ。それで、餓狼族に名付けってしてなかったよな。

こうと決まれば行こうかね。

 

その時、俺の体は宙を舞った。いや、比喩とか嘘ではなくほんとに。

 

 

「うわああああ?!」

「我が主人!どこにいるのですか!」

「おまえの風のせいで飛ばされてるよー!あー!助けてリグルドー!」

「「リムル様ー!」」

 

どうやらランがが尻尾を振っているせいで家ごと俺が飛ばされているようだ。いや、どういうこと?!

というかランガがでっかくなってる!なんでえええええ!

 

 

「うわあああ…目が…目が回るぅぅぅ…」

「我が主!待って下さい!」

「お前小さくもなれるのかよ!器用だな!…って、そうじゃなくて俺だって好きでこんなに坂をおむすびのように転がってるわけじゃねーんだよ!流石に加減を考えろ、加減を!って、谷だ!あーーーーー!!!」

「我が主ィィィ!お待ちくださーい!」

 

 

 

ランガによる突風で俺は坂をおむすびのように転げ落ち、挙句の果ては深い谷に落ちてしまった。

まあ、幸い下は川だったから損傷は全くなく…なんて話があるわけないだろう。もちろん川辺に落ちて少し体積を減らしつつだったよ。え、どうやって脱出したかって?いったろ、川があるんだから…

川の水を食べまくる!そしてジェット噴射の容量でロケットのように飛ぶのさ!こんなことすることにはなると思わなかった…

 

「我がある…ぎゅむっ!」

「ランガ!加減を考えろ!大変だったんだからな?!」

「す、すみませんでした…」

 

全く、疲れた。

そうだ、いいこと考えた!

 

「ランガ、乗せてもらってもいいか?」

「もちろんです!さあ、行きましょう!」

「え?!心の準備がまだ…ああああ!待ってえええ!」

 

速い速い速い!ランガてこんな速く走れるあばばばばばば!

 

 

「リムル様!帰ってきたんですか!」

「な、なんとかね…それで、なんかようか?」

 

帰ってくるなりいきなり話しかけてきたし何かあるのだろうと思ったら。

 

 

「この者は見たことがないのですがご存じですか?」

「んん?だ、誰?」

「こんにちは。僕はヴェルプ…ラズです。僕をここに住ませてくれますか?」

 

と、話しかけてきたのは金色の髪を背中まで垂らした美少女だった。目まで金色なのはどういうことか。

まあ、労働者が足りないし人員が増えるのは助かるしな。

 

《告。個体名…何者かから妨害を受けました。ラズからマスターの数倍のエネルギーを感知しました。》

 

数倍?!わかってるだけでか?!というかさ、もしかしてラズって女じゃなくて男だったりする?僕っていう一人称だったしさ。

なのになんでこんな見た目になってるんだろう。いやいや待て待て。まだそうと決まったわけではないんだから焦らずにな。

 

「うん、お前って男?」

「そうだよ。なんかいつの間にか見た目が変わってた。変えるなって兄妹に命令されてるから見た目が変えれない。たすけて。」

「そうか、じゃあ働くならいいぞ!」

「ねえ待って話を逸らさないで助けて」

 

何か言ってるが、俺には関係ないと割り切っておこう。家庭の問題はそっちの問題だから俺には、関係、ない!

そういえばなんか妨害を受けたって言ってたけどどうしたんだ?影響の元はわかったのか?

 

《告。妨害をして...きた…のは…の…ル…す…》

 

どうした?聞こえないけど。途切れ途切れになってる。

 

その時、頭にこの言葉が響き渡った。

 

 

『それ以上の詮索はやめておきなさい。』

 

それと同時に頭を鋭い痛みが襲う。スライムだから頭がないとかは置いておき、本当に痛い。

 

 

「リムル様?!」

「お、おう…大丈夫だ。」

 

リグルドたちが駆け寄ってくるが、なんとか持ち直すことができた。

 

「まあ、いいか。それじゃあみんな集まってくれ!この村のルールを説明しようと思う!」

 

ここらへんでルールの説明をするとしようか。

 

「ルールは三つだ。まず一つ目ー!

 

・人間を襲わない

 

だ。」

「はい!何故ですか?!」

「良い質問だね、リグルくん!理由は、人間の技術レベルが高いし俺が好きだから!

次は、

・仲間同士で争わない!

同士討ちほど無意味なことはないぞ!

最後に、

・他種族を見下さない!

自分がなもちで行為の魔物だからって多種族を見下してたら痛い目に合うからな!

以上!」

「わかりました!」

「それで、そこの見たことのない娘は一体…?」

「初めまして。僕はラズ。今日からここに住ませてもらいます。これからよろしく。」

 

ラズにも注目が集まった。そしてそのまま解散したら、ラズがついてきたから話があるのかと聞いたら

 

「僕は何をしてればいいでしょうか?」

 

だってさ。だから俺の護衛を頼んでみた。

 

 

そして俺は思い出すことがある。衣食住のうち住が技術不足で出来なくね?である。

今いえはモンゴル民族の移動式のやつみたいなのの藁版なのだが、10回に一回は倒れる。これはダメだと思ってツテがないか聞いたら遠くのドワーフとやらに技術を持った職人がたくさんいるらしい。

なのでそこに行くことになった!一緒に行くのはゴブタ!本人談、長く辛い道のりになるそうで。

心配だなあ…

 

 

 

 

 

 

side ヴェルプラ…ラズ

 

 

うん、働くんならいいって言われて簡単に村に入れちゃった。で、仕事言い渡しされてないのに何をすればいいんだい。

 

「僕は何をすればいいですか?」

 

職を求めてみた。確か、は、はろーわーく?とかいうんだっけ?それだよそれ。

そしたら

 

「じゃあ俺の護衛をやってくれ!」

 

との事。だいぶ力を抑えているのにリムルの数倍力があるってすごいんじゃないのかね。

ちなみにさっきからすごい解析されそうになってるらしくリースはそっちに専念してるんだって。リースによると

 

《ユニーク如きで私と同等とはやりますね。》

 

との事。まあ手抜きらしいんだけど。だってさ、大人と子供の戦いみたいなもんなんだもん。

それよりも、リムルも問題視していた技術問題。なんかリムルがドワーフ王国ってところまで行くんだって。俺も一緒に行くことになった。案内役はゴブリンで唯一見た目の変化がなかったゴブタ君。

唯一行ったことがあるらしい。尚、魔物だからって差別されるらしい。別に普通だろ。

 

ちなみに最近知ったこと。俺って機密事項みたいなものになってて、存在そのものが秘匿されてるらしい。知っている奴で現存するのは

ザード、グリン、ヴェルドラ、ギィ、ミザリー、レイン、天使たち、ルドラ辺りかな?

あと、ミリム。なんか今の十大魔王?とやらには知らされてるんだって。あ、ラミリスの事忘れてたー!ひどいのよさー!とか聞こえたような気がした。

とか思っていたらもう出発するらしい。餓狼族に乗って行ったんだけど、ゴブタ君が引き摺り落とされそうになってた。

 

なんと数日で着く。俺からしたら遅いがみんなからしたら速いらしい。まあ転移で数秒の俺とは比べたらダメか。

 

 

入国しようと並んでいたら、予想的中。

 

 

「おい、お前ら!そこを譲りな!死にたくなかったらな!」

「は?」

 

なんか絡まれた。これが差別というやつか。

さてどうするかというと…

 

 

『アオォーン!』

 

後ろからでかい声。リムルかな?と思ったらそうだったらしい。ちなみにその雄叫びだけで数人失神、何人か逃亡、数十人が精神崩壊。ヒ、ヒドイ!誰がこんなことを!

 

「おい、お前らぢょっと来い。」

「あ、すみませんでしたっ!」

 

門番らしき人が出てきて俺たちは連行された。鼻血出てんのかわいそう。ちなみに俺だけ丁重に扱われた。理由は女の子だからだ。って。

俺男だぞ…

牢屋に入れられた。誰かー助けてー!じゃないとこの門番さんがー!

 

「それじゃあ、スライムとゴブリンと嬢ちゃん、お前らは裁判にかけられる。なんか死刑とか物騒なこと言ってるる輩がいるらしい。ま、頑張れよ。」

 

って言われた。俺一体どうなっちゃうの…

 



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ラズの大暴走

投稿頻度落ちてすみません!勉強が…勉強が…


 

side リムル

 

 

 

んーと、どうしてこうなったんだっけね。

今俺とゴブタ、ラズは檻の中に居る。ゴブタは全てを諦めたような顔をしているし、俺もそうだ。ラズはどうしてそんな余裕そうなの?

とか言ってたら人が入ってきた。

 

 

「それじゃあゴブリンとスライムと嬢ちゃん、お前らは裁判にかけられる。死刑とか物騒なこと言ってる輩がいるらしい。ま、がんばれよ。」

 

 

えええ?!俺何かしました?!いきなり死刑なんて、ひどい…

じゃなくで十分やらかしてるわ、俺。入国するとき割り込まれたから餓狼族に変身して威圧で脅したらかなりの犠牲を出してしまったんだよ。

いや、けどそうしないとラズのエネルギーがどんどん高まってたからしょうがないじゃん。けど死刑はないだろ!日本の優しさはないと言うのかー!

 

「あ、そうですか。」

 

 

なんでラズはそんなに余裕なのかなー?

 

 

「ウェぇぇぇ?!ひどいっす、ありえないっすよそんなの!オイラまだ死にたくないっす!」

 

よく言ったゴブタ!俺だってそうさ!この新たなる人生、いやスライム生がこんな早く終わりたくねーよ!

 

 

「って言われてもな…うぉわ?!」

「すみません!15番大隊長はどこにいますか!ここにいると聞いたんですが!」

「あ、あのー…君が踏みつけてるドアの下に…」

「え?あ!すみません!」

 

バゴン!と言う音とともにドアを蹴り倒して兵士が入ってきた。

なんかのゲームに開けろ!うんたらかんたらだ!ってなかったっけな?それに似てた。

 

 

 

 

《それはおそらくアメリカ……

 

 

(それよりここから出る方法を教えてくれよ!)

 

 

告。その質問には答えられません。》

 

 

 

「お前な……まあいい。それで、どうした?」

「推定ランクB-の魔物が出現して、多くの怪我人が出たそうで、沢山の回復薬(ポーション)が必要なのですが、圧倒的に数が足りないんです!」

「なんだと?!貯蔵庫にもないのか?!」

 

 

どうやらなんか魔物が出たようで回復薬がいるのに全然ないらしい。そうだ!

 

 

「へいへい、お兄さんたち?これが必要なんじゃないかい?」

 

 

回復薬で恩を売る!これしかない!

だからまずは怪しくないように声をかける。会社の取引でも大事なのは心労だったし、怪しまれないようにするのは大切だ。

 

 

「ん?なんだ…それは、ポーション?!」

「これが必要なんだろ?これ持っていっていいから裁判で証言してくれよ。」

 

 

俺が要求する対価は有利な証言をしてもらうこと。ま、それでいいでしょ。

 

 

「隊長!んな奴の言うこと信用することありませんよ!」

「いや、待て。…わかった、信じよう。お前にとって有利な証言をすればいいんだな?」

「いいのか?!助かる!」

 

と、交渉が成立した瞬間また兵士が入ってきた。忙しいなこの国は。いや、俺のせいになる…のかな?魔物は違うけどね。

 

 

 

「出て来い!これより、我がドワルゴンの国王たるガゼル・ドワルゴ様立ち会いの元で裁判を行う!」

「それじゃあ、頼んだぞ!」

 

 

結構裁判の準備が早いんだな。じゃなくてね、大丈夫かな?

 

《告。正当性はこちらにあるので、危険は少ないと予想されます。》

 

大賢者がそう言うなら大丈夫なのかな?ま、成り行きを見守るとしようかね。

 

 

 

「罪人三名を連れてきました!」

 

 

そう兵士が言うと共に扉が開く。裁判をするところはかなり広々とした作りになっていて、日本の裁判所に似ている。

だが大きく違うところは俺たちの前、つまり裁判官はその国の重役で最も高い場所に座ってこちらを見ているのはガチガチの武装をしている王様っぽい人。いや、ドワーフかな?

こいつがガゼル・ドワルゴなのかな?うわーこわ。

 

 

「それでは、裁判を始める!」

「えーとですね、一つ言いたいことがあるんですけどいいですかねー?」

 

 

いきなりラズが話すのか!こいつは一体何を考えてるんだろうか…?

 

 

「あ、まあ許可いらないよね。うーんとね、じゃあ言うけど。ここって魔物も人間も同じ、と言う扱い方をしているので間違いないんですよね?」

「なんだ貴様いきなり!」

「いや、それ確認しとかないとこの裁判が公平ではなくなるかな、ってね。」

「うぐぐ…」

 

確かに大切なことだ。どうやらあいつらは魔物の信用のなさを強調しようとしていたようだね。

いやいやいや、魔物だっていい奴多いんだぞ?いやまあ俺だって謎のスライムと美少女にそう言われても魔物だから信用できないか。

ちなみに俺はラズが男の魂なのは知ってるけどやっぱり美少女だからそう言ってる。いや、マジで東京どころか日本、いや世界でもいないような美少女だからな?

…俺が自慢することではないか。

 

 

「それで、まずは…原告、だっけ?言うことあるならさっさとして。」

「被告が話す時間では…」

「うるさいな、口だけで他は何もしないような人たちは黙っててよ。それになんで王の前で許可なくあんたらが話してるのか俺は気になるな。王に許可されないと話してはいけないんじゃなかったかな?偉そうにふんぞり帰ってるけどね、お前らだってこっち(罪人)側だってことを忘れずにやれよ?」

「おい、落ち着けってラズ!」

「そうっすよ!流石にやばいっす!そんなに偉そうにしてたら殺されるっすよ!」

 

 

なんでラズはこんなに偉そうにできるんだ!今裁判中だってわかってるのか?!

 

 

「き、貴様…」

「よせ。確かにこのものの言うことは理にかなっておる。確かに貴様らが口を出すようなことではないな。」

「ぐ…わかりました、王よ。」

「それで、もう話していいよな。リムル様、なんか言うことある?」

「お、おう…まあ俺から言うことがあるとしたら、あっちが順番を抜かしてきてさらに恐喝もしてきたから仕方なく抵抗した、ってだけなんだよな…」

「ん、それで原告の奴らが何も言ってないから無罪でいいかな?いいよね、それじゃあへいてーい。」

 

 

いや、強引すぎない?もうラズが裁判官じゃん。

というかもうゴブタが何も喋れなくなってる。ラズが余裕だったのはこれが要因だったのね…

 

 

《告。今の話し方から演算を進めた結果個体名:ラズは二重人格だということが予想できます。》

 

二重人格って…まあ、大賢者みたいなもんか

 

 

「行きますよー、二人とも。」

「本当にいいのか…ええ…まあもういいか。ゴブタ、行くぞ!」

 

 

そして勢い良くドアを開けて裁判所を出た。なんかモヤモヤが残ったが…うん、ほっとこ。

 

 

「それで、どうしますかね?誰かアテがあるんですか?」

「うーん…ゴブタは知り合いいたり…しないのね。どうすっかなー。」

 

ゴブタが何回かきたことあるってことなので聞いたのだが、勢い良く首を振ってやがる。

ゴブタが使えないことはわかったんだが…困ったな。そう思って地下 ー山の中をくり抜いて作っているらしいー の街を歩いていると、声をかけられた。

 

 

「お!そこのあんた!ちょっといいかい?」

「あ゛あ゛?!」

「ヒィ!すいませんでした!…じゃなくて!そこのスライムさん!」

 

ラズはガラが悪すぎるだろう…いきなりあ゛あ゛?!は誰だって驚くって。

で、これはドワーフかな?会ったことないんだけど、なんだろう。カツアゲかなんかかな?いや、ないない。だとしたら一体…?

 

 

「お前ら一体なんだ?」

「俺たちは!

「あんたの薬で助けてもらったやつさ!

「ウンウン!

ありがとなー!(ウンウン!)」」」

 

 

まさかのだな。

あの分けた薬でこんな縁ができるとは思わなかったな…

 

「聞いた話じゃあ腕のいい職人を探してるとか。

「俺らがいいやつ知ってるから紹介するよ!

ウンウン!」」」

 

 

めんどくさい話し方するなこいつら。まあいいか。腕がいいっていうんだからそうなんだろうと俺は思いつつついていくことにきめたのだった。

 



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エルフとドワーフ

ぷがー
むがー
ぺがー
ぽがー
うにゃー
むにゅ…?


どうしますかね。俺って、実はリースも人格の一つにしてみたんだよね。そしたら起きたことが、なんと!なんと!な!ん!と!ですよ。

 

 

裁判で大暴走しちゃったんだよねぇ…

 

 

詳しくは前回をミテネ!

 

 

 

で、今どうなってるか教えてやろう。なんかカイジンとかいうドワーフの鍛冶屋の元に向かっている。リムルが牢獄でお薬あげてたじゃん、あれの恩返しだって。どうやらあれで命を救われたらしく。

それで、カイジンが紹介されたってわけ、さ☆

 

 

「いや、お前ら本当にいいのか?ありがたいんだが…」

「いやあ、命の恩人ですから当然ですよ!」

「恩は一生って言うしな!」

「うんうん!」

「おい、お前さっきから『ウンウン』しか言っとらんやんけ!」

 

 

本当に紹介してくれるらしい。あ、いる場所がわかるかって言われたらまあわからないよね。

まず、そもそもの問題として、このドワルゴンは天使の軍勢?から守るために山の中を掘ってできた国なの。あ、山頂はドラゴンがいっぱいいるから立入禁止区域なんだって。

…ドラゴンって竜種とは違うんだよね?

 

 

ま、話を戻そう。山の中に作ったから狭いんだよね、ここ。だからすごく入り組んでるってこと…らしい。実は知らない。

 

俺はそれよりドラゴンと天使の軍勢が気になる。

まさかフェルトかザラが暴走して、なんてことはないよね。

 

「それじゃあ案内するからついてきてくれ!」

「ここは広いから迷ったら大変だぞ!」

「ウンウン!」

「だからそれ以外話せっつーの!」

 

 

なんでかな、ウンウンで大体意味がわかる。共通語か何かなのかなぁ?

それで、かれこれ15分は歩いたと感じていた時に一際目立つ…いや、ひときわ暑い店の前にたどり着いた。

 

 

「ここだべ。さ、入ってくれ。

「おーい、怪人の兄貴ー!

ウンウン!」

 

そうやって三兄弟が叫ぶと…一人叫んでないが気にしないでおこう。奥から縦よりも横が長そうな見た目のドワーフが出てきた。

けどその腕は太っていると言うより筋肉質で、傷が数箇所あることから職人としての風格を感じた。

 

 

「ああ、どうしたんだお前ら…この二人は一体?」

「おーい、俺のこと忘れてないかー?」

「おお、悪い悪い。スライムなんて珍しくってよ、入って来なかったぜ。」

 

 

どうやらこいつがカイジンらしい。多分、武器を主に売ってるのかな?

にしてもゴブタが静かだな。一も騒いでるってのにどうしたんだろうかね。

 

 

「にしてもなんでこの三人がここに?ゴブリンとスライムはまあいいとして、こんな暑苦しいところ嬢ちゃんみたいな綺麗な人が来る場所じゃねーぜ?それにお前らが連れてきたってのも気になるしよ。鉱山で死にかけたって聞いたぜ?大丈夫なのか?」

 

 

俺の見た目が美しいってみんな言うけどそんなにか?と言うか俺って男だから美しいでも嬢ちゃんでもない気がするんだけど。

 

《私がだいぶ昔こっそり変えてただけですよ。》

 

おいリースふざけんな。

 

《いや、別にいいじゃないですか。性別なんてないものですし。》

 

そうだけどさ、気分的に、ね?

 

 

どうやら主犯がリースらしい。思い出したよ、変わってしまった時ルドラとギィに散々いじられてグリンとザードにめちゃくちゃ引っ張られて大変だったんだよ。

あいつら力強いからな…

 

 

 

「兄貴、このスライムが俺たちを助けてくれたんですよ!」

「いやいや、回復薬をあげただけだって。」

「それより僕を嬢ちゃんって呼ぶのやめてくれません?性別はないけど精神としては男寄りなので。」

「おう、悪かったな。嬢ちゃん?」

「だからそう呼ばないで…もしかしてわざとか?」

 

 

嬢ちゃん呼びをやめろと言ったところ、それでいじられることになった。

なんで…?

 

《いやぁ、マスターほどの存在をいじるほど楽しいことはありませんよ…!》

 

 

謎の感覚だろそれは。俺ほどの存在って言うけど俺って大したやつではないような…いや、十分おかしい部類に入ってるのかな?

だからってやめて?

 

 

《やめられない!止まらない!》

 

 

人間らしくなったよなお前…俺は心配だよ。

まあ一度それは置いておきたくはないし追求したい気持ちでいっぱいだが置いておこう。

いま奥でリムルがなんか怪人と交渉している。怪人っていうのは俺のこと嬢ちゃんって呼んでくるからその仕返しだ。

 

 

 

「よう、交渉成立したぞー!」

「それよりリムルの旦那!ご馳走させてくれ!こいつらの恩もあるし俺の恩もあるからよ!いい店知ってるぜ!エルフの姉ちゃんがいっぱいいる夜の蝶ってとこなんだ!」

「おお!エルフ?!行こう行こう、すぐ行こう!」

「マジっすかァァァァァァ?!」

 

 

リムルぅ…欲丸出しかよ。少しは抑えて欲しいもんだな。

というかゴブタが復活したぞ今の一言で。欲に忠実なんだな…

それで、確かエルフってのはナーヴァが生み出した神祖とかいう吸血鬼最初の個体が実験してたら生まれたハイエルフの劣化体だったよな。

で、そいつが今の魔王の一人、ルミナスを生み出して滅ぼされたと。

今のうちに魔王をおさらいしておこう。

最古の魔王たる

ギィ

ミリム

ラミリス

覚醒魔王の

ダグリュール

レオン

ルミナス

ディーノ

魔王種の

フレイ

カリオン

クレイマン

だったかな?

確かダグリュールっていうのは巨人族の王で、ナーヴァが

 

「巨人族の王従えたー!」

 

っ言ってたような。

レオンは知らん。ディーノは多分…まあ置いておくというか、ほっておこう。

で、後の三人は全員どっかの国の王だった気がする様な。まあいいや、いつかわかるでしょ。

 

 

「ついたぜ、旦那。ここがエルフの店の夜の蝶だ。」

「おお、ここが。」

「おいらたちの…!」

 

 

なんかついてた。歩きながらだったしまあそれもそうか。

俺エルフ興味ないのに…いや、あの神祖とやらの生み出したものだし生態については興味がある。いや、けどそういうところではないだろうしなぁ…

 

 

「ヨゥ!姉ちゃん!」

「あら〜!カイジンさん、仕事は終ったんですか〜?」

「おう、このスライムさんのおかげでな!だから連れてきたってわけさ!あっはっは!」

「そういうことだったのー!じゃぁ早速一緒に遊びましょう!」

 

 

店に入ると早速露出度高めのエルフが出迎えて席に案内された。妹二人にこの様な服を着せたくないな…

そして何人ものエルフが来て、一緒にお酒を飲んだりし始めた。ドワーフ4人とリムルにゴブタはもう夢見心地の様だ。あいつらなにしてるの…?

ゴブタに至っては曲芸を披露している。

よくわからない体勢で頭にグラスを乗っけてその上に何個もグラスを重ねて落ちない様バランスを取っている。おーっと、ここでエルフのうちの一人がたかそうなお酒の入ったワイングラスを追加したーっ!

 

 

「これ、結構高いの…落としたら、体で支払ってね♡」

「ヒョほぉぉ〜!っ!…付き合ってください。」

「あら〜嬉しいわぁ〜でもごめんなさい、だめよ。」

「あぁ…」

 

 

ゴブタ、死亡。ゴブタが地面に倒れて色が抜け落ちた。あ、今リムルはエルフたちに引っ張りだこで幸せそう。え、俺はって思ったやついる?いるよね?

こっそり店の端っこでお酒を飲んでいるよ。

 

 

《マスター、一緒に飲みませんか?》

 

 

お前口ないし飲めないだろ

 

 

《失礼な、並列存在があればいけます!》

 

 

でもだめ

 

 

《粉バナナ》

 

 

という会話をリースとしていたら後ろから脇をもたれてヒョイっと持ち上げられた。

 

 

「君、何か考え事?」

「んぁい?ああ、まあそんなところ…」

「お姉さんが話を聞いてあげようじゃないか!ふふん、あっちのみんなとは違って私はこの店のマスターですからね!そっちの方が得意なんですよ!」

 

店のマスターだった。

けどさ、リースと会話してたから話すことないんだよね。

 

「と言っても特に話すことはあるかなぁ…?」

「何か君はあのスライムさんに隠し事をしてるように見えたからね、聞きに来たのだ!大丈夫、誰にも言わないから。」

「うーん…隠し事、ねえ…一つだけあるけど、聞いても後悔しない?」「しない」

 

 

隠してることひとつだけあるんだよな…

言ってもいいものか…

 

 

《行ってみよう!》

 

 

お前ほんとに酒飲んでない?

まあいいや、言ってみますかね。この際この人には全て言ってしまえ!

 

 

 

「えーと、じゃあ話すけど…」

「うんうん。」

「僕…いや俺って実は。」

「うんうん!」

 

 

 

 

 

 

「竜種なんですよね…」

 

 

 

 




マスターデュエルたのちい
バスク景気様神
ナポエモン様神


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技とか武器のアンケートふざけて入れてるのばっかなのに遊戯王のやつとか呪術とかに票入ってるのこわい


感想くだちい…


「実は竜種。」

 

 

 

俺がそういうとエルフ全員が固まった。だがマスターが指示を出すとすぐに動き始めた。

エルフって耳いいんだなぁ…リムル気がついてないし。

 

 

 

「え、と、え?」

「だから竜種」

「えーと、竜種ってあの今4体確認されてるっていう?」

「それ…だと思う。」

「イマナンサイナノキミィ。」

「数えてないけど数千万はいってると思う。だってあいつが産まれたのつい最近だし。」

 

 

 

歳を聞かれたから正直に答える。というかカタコトだったよね今。

リムルには聞こえていない様で何より。

このマスター、頭がいい様だが情報量に回転が追いついていないからか頭から湯気が出ていて今にもどカーンと爆発しそう。

 

 

「うーん、うーん、まあ、君が竜種なのは一応そうだとしよう。それじゃあ四人のうちの誰なの?」

「誰だと思う?」

「ヴェルダナーヴァ様」

「違う」

「ヴェルザード様」

「のー」

「ヴェルグリンド様」

「いいえ」

「じゃあ封印されてるっていうヴェルドラ様?」

「違うよ」

「じゃあ竜種ではないんじゃ?」

「答えは本当の1番目の竜種、ヴェルプラズ…って知らないか。おいおいおいおい大丈夫?頭が燃えそうになってるけど。」

 

 

 

よかったー、クイズ出す時に

「質問を質問で返すなぁぁぁ!」

って言われなくて。というかこれ正解できるやつほとんどいないだろ。ギィが何故か俺の存在を隠してるって聞いたし。なんでって聞いても答えてくれないんだよなぁ…

 

 

《誰だってそうします。私もそうします。》

 

 

いや、だからなんでよ。

 

 

 

《それはまあ有限の無限、個による全たるマスターですからそんなのがいるって知れ渡ったらどうなると思います?世界中が大パニックでしょう。》

 

 

うーん、そうかなぁ…?

 

 

《ではギィが教えてくれなかった理由を教えましょう。それは、マスターがそれを否定すると思ったからですよ。》

 

 

えー、マジでそうなの…?というかさっき無限と夢幻、有限の無限とか言ってたけどそれいつの称号だよ。ずーっと昔に誰かに言われたんだろそれは。

というか、俺竜種だってこと言ってしもたんだけどどうしよう…

 

「ヴェルプラズ…?ぐ、頭が…」

「ええ…(困惑)なんで…?(疑問)あ、わかった!(理解)」

「マスタぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

店のマスターが泡吹いて倒れた。これだから秘密明かしてはいけないって言ったのに…

このままではこの様な被害者が増えてしまうんだよね…

どうしよ。

 

《では、マスターの記憶消しますね!》

 

 

えっおいちょっと待ってどこからどこを消すって

 

 

《もちろん、あのリムルと会う以前の記憶全てを消します!もっと細かくいうと、ラズと名乗り始めた時より先とこの会話です!では、いつか思い出してください!その時まで口出ししないので!では〜》

 

 

おい待てこらふざけんな!あばばばばっばば!

ここで俺に電流走る。

 

 

《あ、やっぱ口出ししますね!》

 

 

 

オイこらふざけんなリィィィィィス!おーい!待てー!うわァァァァァァ…

 

 

 

 

 

…ここはどこだっ!俺は誰だっ!うーん、さっきまで誰かと話してた様な。

まあいいか!切り替えが早いのが俺のいいところだと信じて今日を生きていこうとしよう、そうしよう!

今どう言う状況だっけ。あ、そうだそうだリムルたちと一緒に怪人に連れられて夜の蝶っていうところに来てたんだった。やばいそこから覚えていない。

 

 

「うーん、俺の名前とかは覚えてるんだけど…一番大切なことを忘れているような…」

「おーい!嬢ちゃん!どうしたー?」

「ラズ〜!楽しんでるかー?」

「あ、うん楽しんでいるかはわかんないけど大丈夫ではある。まあいいや、酒飲んでよ。」

 

 

 

カイジンとリムルはもうだめだあれは助からない。飲みすぎて頭ん中パァになってる。

あーあ、なんか面白いことでもないですかねぇ。ゴブタは最初にギブアップしてるから俺の横で横たわって死んでる。いや、死んではいないけど死んでる。

死因は、興奮による出血多量ってところか?

 

 

マスターは奥の部屋で寝ている様だ。

死因は情報多量ってところか。

 

 

「邪魔するぞ!」

 

 

誰だあいつ。カッコつけてドアを蹴り飛ばして入ってきたぞ。

すごい偉そうだし研究者みたいだし傲慢そうだし。

 

 

 

「んん?カイジンじゃあないか。もう仕事は終わったのかなぁ?まさか、カイジンともあろうものが仕事を放棄して遊んでいるぅ〜なんてぇことはないだろうねぇ〜?」

「ああ?ベスターか。もう終わったよ、このスライムのおかげでな。」

「ふーむ…スライムねぇ…」

 

 

 

ベスターって言うんだって。どうやらカイジンに仕事を頼んでいたらしい。

にしてはすごく高圧的だよなぁ…仕事を頼んでいる側には見えないし、嫌がらせかなんかなのかな?

 

 

「まさかカイジンがスライムの様な下等で薄汚い魔物の力を借りるとは!これは傑作だ!」

「ああ?!てめえいまなんつった?!」

「だから、カイジンが下等で!薄汚い!スライムの様な魔物の手を借りるとはなぁー!ハハ!それで、奥の君!君はここの新入りかなぁ?うん、10点だ!あ、もしかしてカイジンのつれだったのかなぁ?そんなスライムなんかの手を借りる様な奴よりこの大臣たるベスター様についてきた方がいい!」

 

 

え、なんか勝手にこの店の人だと勘違いされた挙句カイジンとリムルのことを馬鹿にされたんだけど、キレていいよね?

というか俺一応男に精神が偏ってるんだけどね…

 

 

「てめえ聞いてれば好き勝手に言いやがって!」

「んん?何か文句でもあるかな?それなら言うといいさ。この通り好きに殴っていい。そのあと君たちがどうなるかは知らないがね〜?」

「ぐぅ…あんたたちには迷惑はかけられねぇ…」

 

 

こいつ、法という盾を使ってきやがった。

まあ俺には法は関係ないんだけどね…俺はどうやらメチャクチャに強いらしい。権能を見たら『空想之神』と『永遠之神』があった。情報はあった。

空想の神とやらが

 

『空間操作』『天候支配』『空想創造』『天地創造』『空間作成』『日光操作』『炎熱支配』『確率支配』『次元断絶』『次元結界』『概念法則』

『時間操作』『固定加速』『虚無天壊』『虚数空間』 『原初世界』

 

で、

永遠の神とやらが

 

『永遠付与』『黄金回転』『終焉世界』

 

 

なんだよね。あ、けど永遠の神は使えないよ。

 

で、話を戻そう。概念法則があるから関係ないっぽい。

だから、俺は怒っている。まだ怒り足りねえぜ!こんなことを言われて頭にこねえ奴はいねえ!

 

 

 

「ん、カイジンどいて。」

「お、どうしたんだい?私と来る気になったのかな?」

「いや、そんなことないじゃないですか。頭にきたんで殴り飛ばそうかと。」

「ふん、好きにしろ。そのあとどうなっても知らないがな。」

 

 

いいか聞いたらオッケーって言われたから殴り飛ばそうと思う。

 

 

「ほほ、近づいてくるのか。法律による処罰があると知ってこのベスターに狼藉を行おうと近づいてくるのか!」

「近づきゃなきゃ、てめえをぶちのめせないんでな!」

「君の様な子供、しかも女に殴られたところで痛くも痒くもないがねぇ。」

 

 

うんうん、ノーガードだな。ボディーから頭にかけてガラ空きだぜ!

殴る時は体を捻って腕を曲げ、突き出す手と逆の方の足を前に出し捻って置いた体を戻して腕をまっすぐにする!そのままフルパワーでぶん殴る!

死ねぃ!

 

 

「ぶち抜かせてもらうぜ!オラァ!」

「無駄だ…グボァ!?」

「まだまだ怒り足りねえぜ!WRYYY!」

「ガッフ、グエゴフッ!」

「待て!流石にもうやめておけ、ラズ!そいつ死んじゃうから!」

 

 

は、気づいたら5発ぐらい殴ってた!

あららもう虫の息だねこの大臣さん。どうしよ、またあの法廷に行かなくちゃいけないのかめんどくさい。

 

 

 

「ぐ、ぬ…ハッ!フハハ、これで貴様らは終わりだ!ゴ、今謝ればゆるじてやるぞ!どうした?ほら言えよ、早く言えよごめんなさいって。そう言えば許してやるぞ?」

「…だが断る!うらぁぁぁぁ!」

「後悔することにっ…!ギャッハ!ぬおおおお…」

 

 

思いっきり殴ってやったら飛んでいって見えなくなってしまった。

店に迷惑かけちゃったな。いやまあ死刑になったらリムルとゴブタ連れて逃げますかねぇ…

 

 

「あーあ、どうしよう…」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「よしよし、元気そうですね…それでは私も行動を始めるとしましょうかね。彼の方の願いを叶えるため…まずは奴に連絡をとりましょうかね。」

 

『遂に出たか。では、行動を開始するとしようかね、頼んだぞ、『ダレス』。我らの目的のため!』

 

「ええ、よろしくお願いしますよ、『ミカエル』、そして『ウェイ』。」

 

『ではまずは…あの赤を潰す。『宴』を開くのだ。』

 

「それはいいですね。それで、あのリムルとかいう特殊なスライムはどうしますか?私的には危険だと思いますが。」

 

『放っておけ。どうしてもというならまあいいけどね。』

 

「そこまでではないですよ。」

 

『それではまたいずれ。次は『宴』の後に。』

 

「了解です。ではー。」

 

 

 

 

水面下でまた一つの陰謀が動き始めるのだった。

 

 

 

 

 




下の方のは結構真面目に描いてます。


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ひとつの記憶

今回は下にスペック説明あり


200人突破ありがとナス!


 

「…どうしよ、リムル?」

 

 

とりあえず、リムルにどうしようか聞いてみる。

こいう時リムルは頼りになるはず!そうに違いない!そう俺の感がいってる!

 

「お前やっちまったな…まあやってしまったもんはどうにもならないし…この店の人たちに味方してもらってなんとかするしかないか…?」

「大丈夫、私たちは味方よ!」

 

 

味方を 獲得 した!

どうやら裁判で証言してくれるようだ、これは助かるな。

リムルはいっつも大事なのは信頼性だといっているしこれほど心強い味方はいないだろう、なんか俺をみる目が崇拝しているような目なのは気のせいかな?

 

 

(竜種、ヴェルプラズ…あの竜は私たちの故郷をあの真なる人間たちから守ってくれた守護神…なんでこんなところにいるんでしょうかね…)

(さあ?でも私たちはかの方には多大な恩があるし、味方するのが勝ちってものよ!)

 

 

なんか話してるけど聞こえねえ…もっと大きな声で話せー!

まあいいや。それで、一つ重要なことが今判明した。どうやら俺のスキル、『空想之神』には制限がかかっているらしく、一部の力が使えなくなっているようだ。

永遠之神も、情報が見えるだけで他は特に何もないな。

 

 

[えーと、聞こえるか?]

 

 

ァァァシャベッタァァァァ!!

 

 

[よう、ラズ?俺は…プラズ、それでいいか。まず大切なことをひとつ。俺とお前は、同じ。それだけ覚えておけばいいさ。]

 

 

マタシャベッタァァァァ‼︎

 

 

[おい、聞いてる?あのー、え?聞いてた?ああ後もう一つ言うことがあるとしたら力が制限されてるのは俺がお前だからだよ。って、おい待て!リース!やめろ!せっかく頑張って作ったサブが!おいっ!何する!聞け!最後に言うが、お前の権能はお前が必要とした時に力を貸してくれる!だがその時がお前がお前でいられる時が終わる!そこから先はお前は端的に言うと、おそらく『消える』から本当に必要な時だけにしろ!いいな?!あ、リースちょっと待って…]

 

 

なんだったんだ今の…リースってなんのことだろう?

と言うか俺が消える?俺がお前?同じ?何をいってるんだ?とりあえず覚えておこう。と言うかサブって言ってたけどどう言うことだ…?

考えるだけ無駄かな?

 

 

 

「とりあえず、俺たちはこの店を出るぞ。ここに迷惑はかけられないからな、行くぞラズ、ゴブタ。」

 

 

やっとこの物理的にも精神的にも暑苦しい所を出るらしい。

 

「貴様ら、ついてこい。貴様ら3名には暴行の容疑がかけられている。無駄な抵抗はやめておけ。」

「あーい」

「ひえええっ!」

「なんで俺だけではなくリムルとゴブタまで?」

 

 

あれ?あの野郎をボッコボコに殴ったのって俺だけだよね?この2人って冤罪なのでは?

というか煽ってきたのあっちだしさ、俺殴っていいと許可もらっているし…

ほら、「好きにしろ」とか「殴ってこい」とかほざいてたよね。みんなも聞いたよね?ね?ね?あの、ベスター?だったよね?って確か大臣だったよね。大臣ってのは公爵とかがなるものだったし、多分貴族なんだろう。

まあ貴族だったらあの態度にも納得だ。だけど俺を女と勘違いしたりあの店の人たちを馬鹿にしたり俺を見下したりカイジンとリムル馬鹿にしてたあいつを殴ったことに後悔はない。

これから起こる事柄に僕は後悔はない…訳ではなくもないくもない…

 

 

 

 

そしてそのあと、数十分ほど歩いて一番大きな建物、先ほども来た建物に到着した。たった1日でここに何度もお世話になることになるとは思っていなかった。

そして!さっきも来た!既視感流でかい扉の前に到着した、さっきもここ来たよ俺たち。ゴブタはまた気絶しているようで泡を吹いている。

リムルは少し焦っているけど、まあ落ち着いている方だよな。どっちかというと誰かに話を聞いてそれを聞いているような感じだけど。なんだろう、もう一個人格があるとかあのプラズとか名乗ってたあの声の主みたいなのがいるのかな?

 

 

「ドワルゴン捕縛治安維持保護隊一番隊隊長、シテルス・ペルグマ、ただいま被告者を3名、連れてきました!特に目立っている抵抗はなく、従順な様子を見せています!」

 

 

そうシテルスとかいうやつが扉の前で言い終わると同時に、音も無く扉が重々しく開き始める。

さっきまでこんな機能なかったのに、勝手に自動ドアでもつけられたか?自動ドアってなんなんだ一体!それで、さっきと同じ面々が上から…いや、違うな。さっきの奴らと似ているが微妙に違う。

おそらくあのベスターとかいうやつが買収かなんかでもしたんだろう、金に貪欲な目をしている。俺はこれからどうなるんだろぅう。

数個ストーリーを立ててみよう!

 

 

プラン1!主導権奪取!

 

いきなり場の空気を支配

そしたら主導権ゲット!

けど王とかあの上の奴らがキレる

死刑とか私刑になる

バットエンド‼︎

 

 

プランB!従う

 

 

とりあえず全部認めてみる!

なんか優しくなる(王様が)

他の奴らが騒ぎ始める

王が優しくなくなる

私刑で死刑

オワタ\(^o^)/

 

 

とっておき学生割プラン!にーげるんだよぉ〜!ドワールゴー!

 

 

逃げる

逃亡成功

けど敵と見做される

死刑と私刑

勝ったっ!第3部、完!(死亡)

 

 

 

…おわてる。

あのベスターとかいうやつが買収したであろう奴らが邪魔で邪魔で仕方ないんだよな…

 

 

 

「それでは、ドワルゴ様立ち会いのもと、裁判を開始する!」

「王よ、考えることはありません!私はこの通り、この者に殴られたのです!あの夜の蝶の店員達は信用なりません!所詮は路頭に迷うエルフ!あのような者どもと私ではどちらの方が信用に足るかは一目瞭然でしょう!」

「そうですな、ベスター殿のいう通りですよ。あのような魔物の言うことなど信用できません。王よ、かの者達を十年間の地下労働にしてはどうでしょうか?」

 

 

くそ、あのやろぉ!もっと強く殴っておけばよかったァァァ‼︎記憶がなくなるまでぇ!

 

 

[まあ落ち着けよ。俺の言う通りにすれば大丈夫だろう。幸い、あの王は『聡明』なようだからな。]

 

 

おい、お前一体なんなんだよ!意味わからんのだが?!

 

 

[え、この体の持ち主ですけど。悪い?ねえねえ悪い?まあ多分信用できないだろうけど。ま、すげえ人程度に思っとけよ。俺はお前のスキルを『全て』『完全に』使うことができるから。この間言ったように、これに、願えばお前と引き換えに助けてくれると思うよ。]

 

あらそう。でも、お高いんでしょう?

 

[うんまあだってお前自身だし。生きて戻れるかはわかんないから、本当に大事な時にしとけよ?ああ、あと俺が話してる理由だけど、本当は俺ではない、あいつがお前を助けてくれるはずだったんだけどね。いないから俺がきた。けど、今回限りだ。それで、どうすればいいか伝えるぞ。

…何もするな、それだけだ。]

 

 

え、けど死ぬって…

 

 

[どうせ王が黙れって言うさ。ま、見とけよ。]

 

 

 

「黙っておれ、貴様ら。いつもは俺は口出ししないが、今回は別だ。」

「な…?!わ、わかりました。」

「それで、このベスターを殴った、と言うのは本当か?」

 

 

 

[うんまあ肯定しとけ、プランBってやつでいいよ。…ちょっと行ってくる。]

 

行くってどこにだよ!なんなんだお前ぇ!

まあいいや、プランBで進めればいいって言ってたし信じてみるが。本当に大丈夫なのかな…?

 

 

 

「ええ、確かに殴りました。ですがこのスライム、リムルやカイジンを馬鹿にしたり俺自身を侮辱された上での行動です。それを了承した上で話を進めてください。」

「王よ、このような者どもの話すことなど…」

「うるさい、黙っていろ!ぐ、こ、これは…」

 

 

その時、実はプラズがガゼルの『独裁者』による読心に介入していた。その時の会話の内容である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さて、と。このものが何を考えているかな…)

『よう、他人の心に土足で踏み入るたぁいい度胸してるね。それで、なんのようかな?あ、基本俺は嘘つかないよ。そう指示したから。』

(…?!誰だお前は。俺のスキルに介入するとは…)

『俺は、ヴェルプラズ 。この世の最初、始まりだ。』

(まさか、あの初代ドワルゴンの王が一度だけあったと言う…?!あの竜なのか?!)

『ああ、あのドワーフか。酒の勝負で負けたよ。会うなりいきなり勝負挑んでくるからボコしてやったら酒で勝負仕掛けてきやがってよ。俺結構お酒苦手なんだよ…』

(確かに本物のようだ。では、邪魔した。)

『ん、じゃあな。もう手出しするんじゃあないぞ。したら、わかるな?まあこっちからってことはないと思うけど。』

(…!了承した。)

 

 

 

この会話も知らずにラズは裁判を続ける。

 

 

 

「もう良い、全てわかった…」

「では、まさか!」

「ああ、この三人を『3週間の国外追放』とする!さっさと目の前から消えよ!」

 

 

 

え、罪軽くない?!まあいいや、ラッキーだったってことで。

 

 

「行くぞ、ついて来い。」

「では、解散とする!待て、ベスターは残れ。」

 

 

そして俺は1人の騎士について行き、最初に入ってきた門にたどり着く。

 

 

「では、すぐに出て行くがいい。」

「待ってくれ、旦那!俺も行くぜ!それと、こいつらもだ!いいか?!」

 

 

出て行こうとしたその時、後ろから声をかけられた。

カイジンと、ドワーフ三兄弟だった。どうやら俺たちについて行きたいらしい。国を出る決心がもうついたのか…すげえな、ドワーフって。というかさっきの騎士はどこに行ったんだ?いつの間にか消えていたが…まあいいか。それで、リムルはカイジンと三兄弟を快く迎えるようで、カイジンが実の弟らしい門番と何か話している。少し待っていると話が終わったようで俺に近づいてきた。

 

 

「これからよろしくな、()()()()

「だから嬢ちゃんじゃないっつーの…まあいいや、よろしくな、カイジン?」

 

 

そうして俺たち三人はジュラの森へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 




はい、感想でお願いされてたのでとりあえずプラズのスペック説明!

プラズ

名前 ヴェルプラズ
種族 原初の竜種
存在値 314億1592万6535
スキル 『空想之神』・・・『空間操作』『天候支配』『空想創造』『天地創造』『空間作成』『日光操作』『炎熱支配』『確率支配』『次元断絶』『次元結界』『概念法則』
『時間操作』『固定加速』『虚無天壊』『虚数空間』 『原初世界』

『永遠之神』・・・『永遠付与』『黄金回転』『終焉世界』



ラズ(ヴェルプラズの記憶喪失状態)

名前 ヴェルダ・ラズ
種族 原竜人
存在値 31万4159
スキル 『空想之神』(一部の権能が使用不可能)
・・・『空間操作』『天候支配』『空間作成』『日光操作』『炎熱支配』『次元結界』『次元断絶』『概念法則』『虚数空間』『固定加速』

永遠之神(使用不可能)


ウィ!


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『運命』との邂逅

ジョジョがおもしろい


 

 

 

 

俺とリムル、カイジンとドワーフ三兄弟はやっと元の街に着いた。と思ったら、目に入った光景は悲惨なものだった。

家は崩れ、柵と塔だけが機能し、人が倒れている。

側から見たら何処かから攻撃されたように見えるが、柵が無傷だということは違うようだし、一体何があったのか、となるところだが俺たちは違う。

 

 

(ああ、また家づくりに失敗したんだろうなぁ…)

 

 

 

隣に家の残骸があるところから推測するに、家を建てようとして何か失敗して崩落、そのまま全滅といった感じかな?

こいつら筋肉だけはあるのに知能が足りないんだよなぁ…

そこで、リムルはあの四人を出した!

 

 

「いけ、お前ら!」

 

「あいよ!」

 

「任せな!」

 

「おう!」

 

「ウンウン!」

 

 

せめて声だけでも統一しなさいよ!

 

 

 

「それで、こうなるのか…」

 

 

あいつらがやり方を教えたらすぐにみんなが覚えてリムルがいた世界の、なんつったけな?モンゴル?とかいう国の移動民族のテントみたいな家がたくさんできた。

これで、衣食住は完成だね!それで、俺が次に何をいうと思う?…腹減ったに決まってんだろぉぉ!食事を摂る必要がないわけではあるが吸いてえに決まってんだろうが馬鹿野郎!

 

 

 

「リムル、俺飯とってくるわ!じゃあな、頑張って教えてやれよ!」

「教えてんの俺ではないんだけど…というかいつからあんな感じになったんだ最初敬語だったのに…ま、別にいいか。」

 

 

げ、敬語取れてんのバレた。ま、敬語使ってたのなんていつの話だって感じだし大丈夫でしょう!

それでは、飯を取りに行きましょう!料理するって言ってたし、料理器具は多分作ってくれてるでしょ。そうと決まればレッツラゴー。

 

 

 

「では装備を確認する!

刀!

以上!

…『私』一人で何やってるんだろう?」

 

 

うん、私一人だと恥ずかしい。

恥ずかしいならやらなくていいでしょ。ま、刀ぐらいしか持つものないしね。この刀が何かって?もちろん、なんか持ってた。持ったら頭の中に名前が浮かんだんだよね。

 

『雷空』(サン)って。

 

凄い見た目してるんだよね。普通の刀って鉄とかだから銀色とかに鈍く光ってるじゃない?この刀、刃が透明なんだけど。

試しに力を入れてみたら色を持ったんだ。

それがリムルの前だったから驚いてたよねー。

 

「お前なんだそれ!」

 

って。それで、思いっきり力を流し込んでみたら黄色とかに光ってた刀の刀身が金色に光り始めて、雷?みたいなものを纏い始めたんだよ。

そしたらリムルが

 

「お前波紋って使えるのか?」

 

って聞いてきた。思わず意味はわからないけど

 

「クラッカーヴォレイ!」

 

って叫んじゃった。そしたらめっちゃ笑われたよ。なんでさ。それでそれを見てたカイジンが目を見開いてたんだよね。

まあこの刀の話は放っておくとして。

村を出てから結構な距離を歩いた。そしたら少しだけ整備されて木とかがない道を発見。大通りってやつかな?せっかくだからそこを歩いていたらこととは起きた。

 

 

「今日もジュラは平和です…って何事?!」

 

 

爆発音。それと同時に凄まじい炎が違っているのを見た。

これは、行かなくては…

 

 

「行かなくては!楽しそうだぞー!」

 

 

決して楽しみなんかではないからね?決して、私は、何が起こっているかが楽しみとか、そう言ったわけではないから、そこんところよろしく。ほんとだよ?楽しみだなんて言ってない、言ってない。

 

 

それで、仕方なく、その炎の発生源近くにきた。

そこで右から聞こえる声っ!そして地響き!何が来るのか!

 

 

 

「「「助けてぇぇぇぇー!」」」

 

 

四人組の人間のパーティーが現れた!

魔法使いらしき少女、

盗賊みたいな見た目のおっさん、

青い鎧を身につけた剣士、

仮面を付けた女性。

さっきの悲鳴は仮面の人を除く三人ね。

 

 

 

「こんにちはー。どうしたんですかー?」

「君!早く逃げろ!後ろから…あ、きたぁ!」

 

 

え、後ろ?そうしてその人たちの後ろを振り返った結果俺の目に入ってきたのは、

『赤色の火蟻』(レットアント)の大群であった。こいつらって確か巣を刺激したりしなければ決して群れで襲ってくるはずはなかったんだよね。つまり、こいつら多分巣に入ったんだろうな…

 

 

 

「何やってるんだろう…まあいいや。『空想之神』起動!ふんぬぅぅぅ!」

「ちょ、君何を…」

 

 

雷空に空想之神の次元断絶を付与した。

この次元断絶は私が使用して込めた力に比例して範囲が広がる。今回の場合、100%を込めたから前の奴らぐらいは全部薙ぎ払えるだろう。そしてこの次元断絶のいいところがこの刀にもその込めた力が適用される、というところである。

この刀さっき説明し忘れていたがなんか究極能力、『流動之王』(レイ)持ってる。なんで武器が持ってるのか不思議でしかない。

で、この権能は『流動』『適応』『波紋』『同調』を持っていて、これの『同調』で私の次元断絶に回した力に同調してコピー、『適応』で次元断絶で使う本来刀には込めない別種のエネルギーを使えるようにしているようだ。何を言ってるかわからねーと思うが、俺もわからない。

だから刀は黄金の光と雷を纏い、次元断絶は黒と金が混じった斬撃となった。

 

 

 

「す、凄い…」

「き、君本当に子供?」

「あの悪魔よりも、強い…?」

「それよりも。助かったでやんすねぇ…」

 

 

ああ、よかったね…と言いたいところだが、悪いが私が限界。う、意識が…ぐっ…

そして私の意識は闇に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ん、ちょっと行ってくる。』

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次に起きた時私の目に映ったのは…水色の髪の美少女。誰ですか。

 

 

「お前、やっと起きたのか…起きたと思ったらすぐにねやがって…」

「あんた誰よ…」

「はぁ?お前も知ってるだろ、リムルだよ。リームールー。わかる?」

「え、リムルが人の姿?ないないないない。なーいないない。だって私が寝てる間にそんなことがあるはずが…」

「え、私?お前って一人称「俺」じゃなかったか?」

 

 

さっきから話が噛み合わない。『私』の一人称は前から『私』だったはずだ。俺だなんてことがあるはずがない。

というか寝てる間に何があったんだ?というか、ここどこだよ…いや、テントの中かな?いやまああの人たちが運んでくれたんだろうけど…というかあの人たち何してるんだろう。

 

 

「まあいいや、リムル。あの冒険者『4人』に会わせてくれる?」

「ん、わかった。あっちのテントにいるぞ。」

 

 

あっちってどこだよ…って思ったらなんか場所がわかる。これ便利だね。

 

 

「起きたよー。元気ー?」

「ああ、起きたんですか…」

「俺たちは今、」

「絶賛落ち込み中でやんす…」

「何があったんだ一体…」

「あなたは知ってるってリムルさんに聞きましたけど…?」

 

 

だから私が何を知ってるっていうんだ!というか、一人足りなくないか?

 

 

「というか、一人足りなくないか?あの仮面の人は?」

「シズさんのことですか?ならなおさら…シズさんは、死にました…寿命で…」

 

 

寿命?と思ったがこの世界には魔法とかで寿命を伸ばしたり見た目を固定するなんて朝飯前らしいからそれもあるか、と納得。

だがまさか私が寝てる間にな…私ってどれぐらい寝てたんだろう。

 

 

「私ってどれぐらい寝てたんだ?」

「えーっと、まずあの日が一昨日だから…1日寝て、そのあと起きて2日寝て今って感じです!」

「起きた?私は起きてないよ?」

「ええ?そんなはずは…まあいいです。わたしたちはもうそろそろ行きますね。」

 

 

 

話がやはり噛み合わない。俺が寝てる間に何があったんだ…?

そのあたり気になるが、まあそれはいつか知ることができるだろう。気になってしょうがないが…今わたしたちは衣食住が出来たばかり、問題は山積み。

私一人の些細な問題よりそっちを片付けることを優先にしたほうがいいでしょ。

だからこのことは一旦忘れよう。

 

 

 

 

 

この時、ラズは気づいていなかった…自分の口調や記憶など、全てが食い違っていたことで判明するであろう、『もう一つの人格』に…

 

 

「ま、俺なんだけどね!」

 

 

 




はい、あいつです。
ヴェルプラズ 「俺だよ!」
作者「黙っとれ!で、今回は新設新しいコーナー。『作者とプラズの雑談会。』」
ヴェルプラズ 「ここでは、私ヴェルプラズ と作者がだいぶタガを外して話していく予定です。今回の記憶と意見の食い違い、ま、原因は俺!次回で明かされるからそんな思い詰めんなよ!」
作者「この小説をそんな真面目に考えてくれるいい人がいるか。まあいいや、おわり〜!」


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炎の精霊VS雷の竜

 

 

クワッ!っと目が空いた。えーと、俺は…うん、『ラズ』は寝てるみたいだな。それで、あいつが力を使い過ぎてぶっ倒れたってのは知ってるんだけど、そのあとどうなったんだ?

 

空が赤く燃えてるし、空が見えるってことはそこが外であることは明らかだからな…どうなってるんだ?もしかしてそのまま放置されてた?

とりあえず状況確認。あ、周り見たら近くに家があったし、運ばれてたみたい。それで…お、リグルドがいた。丁度いい、何があったか聞いておこう。

 

 

「おーい、リグルドー。これ何があったのー?敵襲ー?」

 

「んん?起きたか。とりあえず順序立てて説明する。冒険者が来ているのは知っていただろう、そのうちの一人のうちに宿っていた…」

 

「ん、ああそういうこと。その一人に宿っていた炎の精霊(イフリート)がぼうそうした、ってかんじね。それで、リムルが今戦っていると言うわけか。んで、俺は寝てたままで危ないから避難してたってこと。じゃあ、俺はリムルのほうに行けばいいのかな?」

 

「んん?!そ、そうだ。だがリムル様に助太刀しても邪魔になるだけだと…」

 

「んー、大丈夫。俺、リムルより強いし。んじゃーいってくるわー。」

 

 

 

えーと、どうやらイフリートが宿ってる人がいたみたいでそいつが暴走してるのにリムルが対応してるんだって。イフリートは炎属性なんだけど水かけたら水蒸気爆発でなんも残らなくなるっぽいね。

 

だからリムルが苦労してるのかな?それで、リムルが戦っているところに到着したわけですが。うん、やばそうだね。リムルがなんとか氷の矢で対抗しているが聞いてないっぽいし。と言うかどこで習得したんだそれかっこいいぞ俺もやりたい。

と言っても、俺は雷専門なんだよなぁ…この怒りはあいつにぶつけよう。

 

 

「おーい、大丈夫そうー?『召雷弾』」

 

「おう、起きたか!見ての通り、全然大丈夫ではない!って言うかお前また一人称変わってる…それと雷?おい、『大賢者』。雷なんてあったのか?」

 

「んー、ほっとけ。それでどうすんの?ここら一体吹き飛ばしていいってならいくらでも処理できるけど。」

 

 

みんな、俺の手にかかれば一瞬で精霊なんて粉砕できると思ったでしょ?残念だったな、無理なんだよ。

 

『空間操作』『天候支配』『空想創造』『天地創造』『空間作成』『日光操作』『炎熱支配』『確率支配』『次元断絶』『次元結界』『概念法則』

『時間操作』『固定加速』『虚無天壊』『虚数空間』 『原初世界』

 

 

これの中に打開策はいくらでもあるが、火力が高すぎる。

天候支配は雨を降らすぐらいしかないけど大爆発。

空間創造で閉じ込めてもリムル巻き込む。

天地創造は地図が変わる羽目になるし日光操作に炎熱支配は効かない。

確率支配は役立たずだし。

次元断絶なんて使おうものならジュラの大森林が異次元になる。

固定加速も不安定だし、虚無天壊は世界を壊すことになる。

原初世界を使えば村どころかジュラの大森林が草の根一本残らず根絶やしにされるし…

 

 

…はっ!いいこと考えた!

 

 

 

「リムル〜!俺いいこと考えた!周りに被害出さない方法!」

 

「お、なんだ?!言ってみてくれ!最悪は俺が捕食するが…」

 

「俺が、ぶん殴るっ!オラオラオラオラオラオラオラオラァ!死ねぃイフリート!UURYYYY!」

 

 

殴ればいいじゃん!幸い、『黄金の回転』と『波紋』はもう使えるし、腕の関節を外して回し、そこに黄金の回転を付与して無限のエネルギー。

これだけで動かそうとした方向に一瞬で動く手の完成だがそこに波紋を流すと、波紋のエネルギーも増幅する。しかも波紋のエネルギーは人体に影響がないから元の体の、冒険者にも影響はない!と信じたい!

 

 

「おい、まさか!」

 

「その通り!無限のエネルギー、無限の波紋!『雷帝の波紋疾走』(サンダーボルトオーバードライブ)これで、いいはず!」

 

 

殴る殴る殴る!俺の手が速すぎて20本に見えてきた!これでとどめ!リムルに正体がバレない程度のパワーで抑える!

と言う制限の中で最大限に加速した腕と、最大限に増幅した波紋!これを一気に叩き込む!オォラァー!

 

そして俺の腕は、ズドゴォン!と言う音を立ててイフリートの胴体に突き刺さった。とても殴った音とは思えないが人じゃないしいいであろう。そうしてイフリートは一人の人間と分離して、その場に留まった。

 

 

「シズさん!」

 

 

落ちていった人間は大丈夫そうだね。無傷でよかった。多分あの人を依代にしていたからボッコボコに殴ってたし最悪あの人にダメージがいくとかになったらどうしよ、っと思ってたけど杞憂だったみたい。波紋ってすげー。

 

 

それで…問題はイフリート。依代がないのに留まられていては少し、いやかなり困る。

というか現在進行形でどんどんエネルギーが増えていっている。プラズスカウターによると、三十万…四十万…おっと、膨れ上がって百万…134万5965?!ラズより数倍強いじゃん!

いや、それ言ったらラズの一千倍の 314億1592万6535と言うエネルギーを誇る俺はどうなんだって話。まあ、そんなのは昔からだ、諦めておけ。

 

 

 

「ねーねーイフリート君、君依代ないよね?」

 

『黙れ、ただの魔人如きが。あの仮面によって力を制御されていたがもうそれはない。お前に負けることなどもう万に一つも無くなったのだ。』

 

「わあ、意思疎通できた。結構俺に敵意あるねぇ。さっきのが結構効いたかな?」

 

「黙れ!『エグゾードフレイム』」

 

「あ、あちちち!暑っ!あっつ!」

 

 

話ができるようだから話そうとしたら攻撃された。対話もできないのか、できるのに。波紋が思ったより応えていたようでお怒りのご様子。

いきなり技を撃たれた。暑い。おこです。

 

と言うわけで、とりあえず殴った。そしたら地面に落ちていった。悲しきかな…

あれ、けどそこシズさんがいる…なーんか、リムルが生きていた世界の漫画…ジョジョ、って言ったっけな?出会ったような気がするなこんな感じの。

 

 

『グヌォォ…グハッ!』

 

 

とりあえず地面に落ちていったところまでは確認できた。けど土煙で様子が見えない。

地上に降り立って近づいて行こうとした、その時。煙の中から声が聞こえてきた。

 

そして煙が腫れた時、俺の目に入ってきたのは…シズさんとやらの体に指をぶっ刺して虹色のエネルギーを吸っているイフリートの姿。

俺は別に怒ってたりはしないけどリムル多分怒ってるよね。

 

 

「ふぅぅぅ…さぁ、最終ラウンドを始めようか。」

 

「お前何やってんの…(ドン引き)」

 

 

いや、怒ってないとは言った!けど、ドン引きはするよ!だってさ、女性の体に指ぶっ刺して力吸うってただの変態じゃん!

しかも光ったと思ったらシズさん?とやらと合体したし!キモ!

 

 

「んん?見ての通りこの女の力を吸っているだけだが?おっと、搾りカスだ…数十年前にこの女の肉体を手に入れたがこれほどまでにいい気分だったことはなかったな…にしてもほんっとうにシズの能力はよく馴染むっ!最っ高にハイってやつだ…ハハハ!」

 

 

ここまできたらただ単にこいつがヤバいやつなんだよな…おっと、またエネルギーが増えている。200万ね、了解。

俺の敵じゃーねえなぁ?!

 

 

 

「なあ、イフリート。こんな言葉を知っているか?」

 

「?言ってみろ」

 

「『ぶっ殺す。そう思った時、すでに行動は終わっている』って言う言葉だ。これの意味はわかるな?」

 

「ふん、もう俺が死んでいるとでも…?そんなわけがないだろう?もうつまらん話は終わりだ!『ゴッドブレイズキャノン』焼き尽くしてや…なんだ?体の動きが鈍いぞ?違う!これは鈍いのではない!」

 

「お前は次に、『う、動けん…馬、馬鹿な…』と言う!」

 

「う、動けん…馬、馬鹿な…はっ?!」

 

 

 

説明しよう、どうしてあいつが動けないのか。理由は簡単。もうあいつ死んでるから、動けない。

さっき打ち込んだ波紋。あれがまだ体に残っているのが見てたらわかったから長く話してたの。もう全身に回ったようで動けなくなったみたいだね。

 

…波紋ってすげー。いやまあこんな長時間残ってなお全身に回るだけの量を残すレベルの波紋を練る俺もなのだろうがそれは前からおかしいので知らん。

 

 

 

「行け、捕食者!喰らい尽くせっ!」

 

 

 

リムルは行動が早い。あいつが動けなくなったと見たらすぐにスキルを発動して喰らい尽くした。

そしてちゃんとシズさんの肉体自体はあるのね…

 

んがっ?!あ、もうそろそろあいつが起きるようだね。早く終わってくれるといいんだけど。

ん、なんか二人が話してる。

 

 

 

「お願い、スライムさん。」

 

「ーーわかった。喰らい尽くせ、捕食者。安らかに眠れ、シズさん。」

 

 

あ、リムルがシズさん食べた。けど死んでたし頼まれたとかそう言う理由があったんだろう、と考える。いやまあさっき未来を見たからそれは確定なんだけど、それは言ったら…ね?

 

 

「終わったか、リムル?」

 

「ああ、シズさんは逝ったよ…」

 

「じゃあ俺も変わるか。じゃ、ラズによろしくー。」

 

「よろしく?あいつ、ほんとに不思議なやつだな…」

 

 

 

 

 

 

こうして今に至るのであった。

 




ジョジョだらけだけど嫌いにならないで…


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食事と大鬼族

やっと周回終わったなり


 

 

「それで、リグルド。俺はな、ついに『味覚』を手に入れたんだよ!この意味がわかるか?!」

 

「おお、つまり今夜は…」

 

 

「「宴だぁぁぁぁー!」」

『いやっパァァァァぁぃぃシャァァァ!』

 

 

 

 

 

リグルドとリムルがそう言った瞬間、周りから歓声が起こる。…なんか歓声がおかしいような気もしたが気のせいだ。

それで、全く状況がわからない。気がついたらこうなってた。

 

あの、リムルに何があったか教えてもらってから情報量が多すぎて頭がショートしてた、というのを前提として話す。

何も覚えてないというかなんというか、と言った感じになっていて絶賛混乱中である。

みんな宴宴いうけど最近ほぼ毎日だよね、そうだよね。リグルドっていつも何かとあっては宴と言ってるから宴がなんなのかわからなくなってくるというのが最近の悩み。

 

(宴と言ってもお酒の種類は少ないし製造方法不明のやつだからあまり飲みたくないんだよなー。とゆーかそんなに好きなわけでもないし…)

 

というかリムルに味覚がないなんて初耳。スライムでもあるもんだと思ってたし、かなり驚いたよね。え、ないに決まってるだろって?

いやー、嘘つくなってどうせみんなもあると思ってたんでしょ?ないと思ってた人は好きにしてくださいよー。ねえ待って冗談だからやめてそのガスバーナーやら刀はどこから持ってきたの痛い、ねえ痛いってば。

 

 

 

 

「うん、ラズ?どうした?」

 

「ああいや気にしないでもらって…」

 

 

 

けどこう考えてみるとスライムって不思議。

 

あの水分量おそらく99%にゼラチン1%の体、そして弾力。

柔軟さや凶悪なスキルを持っているのなんてあの見た目では想像できないし、自由自在に変形したり体を操ることができる。

しかも再生能力も高い、と来たよ。あと関節。

「私」が寝ている時のリムルに聞いた話の腕の関節を外して無限のエネルギーを使って攻撃する、という技は腕を外す手間がスライムなら必要なくなる。

 

 

(寝てる時の私ってそんなに強いのかな…?それならこれからは寝てる時の私に期待しよう、そうしよう。ーー腕を外すなんてことはやめてほしいけど。)

 

 

腕を外すというのはかなり痛い。だってさ、自分の一部をバキッて外すんだよ、絶対痛いじゃん。

そうそうスライムには痛覚もないらしくて、試しに殴ってみたけどぷにゅー…と手が中に入ってぷにっと弾き返された。どうだと自慢げに言われたのがうざかったから波紋を流し込みながら殴り続けていたのは別のお話。

 

あ、ちゃんと心にダメージは入るから精神攻撃は効くって。これリムルの弱点ね。いや、確かに他にも弱点らしい弱点は見つかった。

例えばあの再生能力だけど多分消し飛ばせば再生できないだろう。他にも魔力切れや別の空間に閉じ込める、精神体や魂を砕くとかはあるにはある。

けど一番簡単なのは消し飛ばす。え、精神攻撃だろって?いゃ〜私何言ってるのかわからない今日耳日曜。

 

 

「リムルって消し飛ばせば再生できないのかな…?」ほ

 

「?!なんだいきなり怖いなお前!」

 

 

どうやら思っていたことが言葉に出てしまったらしい。

反省しよう。次は声に出さない…!

 

 

「まあそれよりも、何かあるんじゃないのかなー。」

 

「何かって…ああ、そういやあれまだだったな。リグルド、ちょっと行ってくる。晩飯楽しみに待ってるからなー!期待してるぞー!」

 

「わかりました!お任せください!」

 

 

 

話を逸らすつもりで言ったのに本当に何かあった様子。

 

ん、ついてくとしますよ。だってそうしないといけない気がしたんだもん。けど怖いから行くのやめようかな…はいそうですかダメですか行きますよ分かりましたよ。

で、ついて行ったら謎の洞窟に到着した。う、なぜか既視感がした。それで奥から轟音。とか思ってたら黒い炎。あのスライムは何をやってるんだと言いかけてしまう。

 

やべ、スライムじゃないリムルだ…年取ったな…

 

 

 

 

………誰か励ましてよ。

はいそうですか自惚れるなってことですかそうですか。私だって年は気にするよ、いや化け物には年齢関係ないっていうなよ永遠の17歳(実年齢数千億歳)なんだからなぁ?!

 

 

 

「…わかった、すぐ行くから待ってろ!」

 

 

あら、もう出る模様。話からして何かあったようだし、ついてくか。別に気づかれても問題ないけど気づかれないように行ってみよう。

こういうスパイみたいなのって結構好きなんだよね、わかる?

というかリムル走るの早くない?え、人間の体に慣れるの早いよね?というか木の上を飛び移りながらリムルを見失わないようにするの難しい。あ゛っ!落ちかけた!あぶね。

 

なんとか両足引っ掛けて木から落ちないようにできた。落ちたら恥ずかしいね。

 

それで、一旦上を見たら…ランガが飛んでた。あいつ飛べるんだ…というかあの黒いヤバめな雷バンバン撃ってたけど何、今それ流行ってるの?

 

 

 

「ランガ、大丈夫か?!」

 

「心配ありません、我が主人よ!ですが、あちらのゴブタが先ほどあの白髪に攻撃を受けて戦線を離脱しています。」

 

「そうか、わかった。ゴブタ!これでも飲んどけ!」

 

 

 

ゴブタが足スパーンされてたのに回復薬ぶっかけるだけで繋がった。あ、けどゾンビの出てくるゲームの最新作でも回復薬でなんでも治るか、イーサンのように。

 

 

「あっ、ちょっと待っー」

 

 

あっちをみるのに集中しすぎて落っこちてしまった。頭をさすりながら身体を起こす。…起ききった瞬間に上半身を逸らし、手に波紋を纏わせて目の前に拳を振り抜く。外した。

一瞬殺気を感じたから警戒していたら首を落としにきた。よく見えなかったがおそらく白髪のやつだろう。あの刀が物語っている。

 

 

 

「ふむ、外した…やはりわしも衰えましたな、若。」

 

「ラズ、なんでここに…いや、助かった!そのまま赤髪と白髪を抑えててくれ!」

 

 

え、今なんて言った?赤いのとこの白髪?明らかに赤髪は一番強いし、白髪も技術が高いから油断できないんですが?

絶対面倒だから私に押し付けただろう…

 

しゃーない、言われたからにはやるか。雷空を抜いて、波紋を纏わせ片手で持って構える。この刀は刀身が透明なおかげで軽い軽い。

だから片手の方が使いやすいし、多分威力も出る。重くないと力を込めても振りにくいからね。しょうがないね。

 

 

鬼王の妖炎(オーガフレイム)!燃え尽きろ!」

 

「うわ、暑苦しい。最近流行ってるのかな…前のやつもそうだったらしいし…」

 

「前、何のことだ?それに、暑苦しいだと…?!貴様らが我らの里に火を放ったのだろう!あの時の俺らは熱い、などのものではなかった!それなのに貴様…!」

 

「何言ってんだお前意味わかんねえなそんなんだからモテねえんだよ。」

 

 

 

なんかいきなり冤罪?らしきものをかけられている。リムル、お前が何かやったんだな、そうに違いない!何をしたんだこのやろう!言ってみろ!怒らないから!怒らないって言ってんだろうがよ!オォイ!

 

 

 

「若、私が前で隙を作るので若がとどめを!」

「ああ、わかった!」

 

「作戦会議は終わったかぁ?!さあ、行くぞ!(豹変)」

 

何言ってるか聞こえんかったけどどうやら白髪が前を勤めるらしい。『俺』に隙を生み出そうって狙いだろう。その証拠にさっきとは違って首ではなく足や胴体を狙ってきている。

雷空を鞘にしまい、突撃してきた低姿勢の白髪を肘打ちで地面に叩き落とす。

 

 

「フン!」

 

「ぐ、ぬぉん!」

 

 

あれれ〜?倒れてるのに気合いで刀振ってきたぞー?

その根性は認めよう。

 

だが甘い!刀を踏んで叩き折った後、一瞬の見事な判断で刀を離し、立ちあがろうとしていた白髪をローキックで吹っ飛ばす。

そして追撃…と思ったが、赤髪が邪魔してきたし既に戦力にはならなそうだからやめる。

赤髪はまだ若いのと何のことかはわからないが「仮面、仮面」と言いながら切れている状態で切り掛かってきているから対処は余裕。スルスルと避けつつ隙を探していく。

 

 

「貴様、よくも白を!」

 

「は、先に来たのはそっちでしょうに…おっと、隙あり。」

 

 

話ながら戦っていると技術や経験の少ない方が先にボロが出るものであり、やはりあちらが先にボロを出した。怒っているからか先程から大振りが多かったのだが、鋭さが失われ振り終わりの硬直が伸びているというとても初歩的なミスである。

今のは横の大ぶりだったからしゃがんで腹に重い拳を一発叩き込む。体重移動を意識して、腕を直角から上にいきなり伸ばす。ビシビシ、という音がした次の瞬間赤い鎧が砕け散ったのがわかった。そしてそのまま俺の拳は赤いのの腹にめり込んだ。

 

 

「ぐはぉ!だが、引っかかったな、薄汚い魔人め!」

 

「はあ?いや、流石に俺も傷つくよ?」

 

「ふん、これで終わりだ!死ね!」

 

 

耐えられた上に罠だったようでカウンターが飛んできた。というかそんなに罵倒されたら俺も傷つくって豆腐メンタルなの俺。

オラオコッタゾーということで、カウンターをぬるっと避けて反撃。ぬるっとって何だと思ったそこの君。ぬるっとはサラッと避けずにスルッと避けるイメージだが、少しスルッと避けるのより遅いんだ。まあそれは置いておいて。

 

縦ぶりのカウンターをぬるっと避けて、赤いのの顔を掴む。そのまま森の中を超高速で飛行し、高さ20mはあるだろう巨岩の真ん中に叩きつける。そして赤いのを中心としてその岩に放物線状の形の凹みが直径17mぐらいでできた。

 

 

 

(生きてるかな…?)

 

 

 

流石に怒ったとはいえ、私もやりすぎたか。

それで、リムルの方を見に行ったわけだが…リムルが黒い炎と黒い雷を出していた。

 

 

 

 

 

…………なんでそうなった?

 

 

 



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魔王との邂逅

クレイマン出落ち回


あのあと、大鬼族達はリムルの圧倒的な力を見て降参、事情を聞いたところオーク?とかいう種族の群れに里を滅ぼされたらしい。その時に仮面の魔神を見たからおんなじような仮面をかぶっていたリムルを疑ったという。

 

 

人間のランク分けによると、オークはcの下位であるため上位のAに位置する大鬼族を攻撃することはまずあり得ないとのこと、あり得るんじゃないのあり得てる分けだし

 

 

 

そしてリムルが大鬼族達に名前を付けて、案の定どろっとアイスのように溶けた。それで寝ようとしたからテントから引き摺り出してぶん回してみたら、起きた。

 

 

「うわあああああ!やめろおおおお!」

 

「アハハハハハハ!もっと回すよー!」

 

 

結局リムルが失神するまで回していてみんなに怒られたというのは別の話。なんかもっと主人を尊敬しろとか言われた

私の主人はリムルじゃないのに…

 

 

 

それで、大鬼族の進化が終了した。すると何と、美形揃いじゃないか!リムルは赤い髪をベニマル、青をソウエイ、紫をシオン、ピンクをシュナ、白髪をハクロウ、一般通過大鬼族男性を九郎兵衛と名づけたようだ。あ、間違えたクロベエ。

 

 

 

 

何とクロベエを除き全員が美形!いや、ハクロウも除く!

で、今どうなっているかというと…リムルはシュナとシオンに引っ張られ、ちぎれそうになっている。お、まわってねじれてる。シオンって結構怪力だと思うんだけど、女性陣って屈強。

 

 

「待って、痛い痛い!ラズ助けて!シオンシュナやめて!」

 

「うふふ、姫様?リムル様のお世話係は私ですよ?それにリムル様も困っていますし、その手を離してください。早く。」

 

「シオン、先程からずっとリムル様を独占していますよね?リムル様はみんなのものなんですから、そちらこそその手を離してください。」

 

 

リムルが「俺は誰のものでもねーよ?!」と言っているが聞き届かなかった様子、無念。ご冥福をお祈りいたす。とか思ってたらスルッと二人の腕から脱出して私の後ろに隠れた。私は盾ではない。そこを退け。

 

 

「助けてラズ!二人が怖い!」

 

 

「「ラズ、リムル様を出しなさい?」」

 

 

「うーん、リムル…差し出してイイ?あ、だめですかそうですか。そこで。とっておきの作戦がある!とっておきの作戦がたった一つだけ、な…やる?」

 

 

「なんか嫌な予感がするんだけど…?!」

 

 

「逃さん、その作戦とは!『逃げる』!」

 

 

とりあえず即逃亡。リムルを抱えつつ転移した後に転移の跡を見て結界の痕跡を解析して追いかけられるのを懸念して転移した後に、もう何度かそこで転移を繰り返す。その後走る。

 

リムルが悲鳴をあげてる?関係ない、行け。

ふう、洞窟まで来れば安心となるだろう。

 

 

「ふぅん、こいつが、下等なゴブリンの村のこれまた下等なスライムか…だが、隣の魔人はなかなかだし、顔もいい。どうだ、裏切るなら受け入れてやるぞ?」

 

 

「誰あんた、というかまずは自己紹介じゃないの?」

 

 

「さあな、誰だと思う?」

 

 

「質問を質問で返すなァァ!学校で疑問文には疑問文で返せと教えているのか?!で、誰だよ。さっさと答えろ。質問は拷問に代わっているんだよ、あくしろよ。」

 

 

 

と言いながら拷問(笑)のために右ストーレェェェト!奴の右側頭部をぶん殴る。

そのまま顔を左の拳で撃ち抜く。そしてその勢いで今自分が可能な速度で殴り続ける。拳が当たるほど、速く、鋭く…成長を止めずに進化を続ける。

 

 

そして、最後に拳を叩き込みやすい角度からの顔への重いとどめの一撃。どぎゃあという音を立てて奴が吹っ飛び、岩に叩きつけられる。

 

 

 

「グゥ…ハァ…効いた、効いたぞ貴様よくもぉ…」

 

「だから誰なんだよ、聞きながら殴った私も悪いけどいきなりこんなところで人を馬鹿にしたあんたも悪いよ?」

 

「ふん、いいだろう。私は魔王クレイマン。マリオネットクレイマン!以後、お見知り置きを。そして貴様らは?」

 

「俺はリムル。お前の言う下等なスライムだがこれでもゴブリンの村の長をやっているんだ!それでこいつはラズ。かなり強いぞ?」

 

「それは今のでわかっている…が、私よりは弱い。この通り先ほどのダメージはないぞ?そして、喰らえ!『永龍脈心操波』(ドラゴニックマリオネット)!貴様ら如きがこの支配の力に耐えれるかな?!この支配の波動には竜種だろうと何だろうと関係はない!たとえ、あの人だろうとな!フハハハハ!」

 

 

ドラゴニックマリオネットとか言う長ったらしいうざったい名前の技を使ってきた。それで、効果は支配のようだが私には関係ない。だって私は耐性が気持ち悪いくらいあるし…それに、波紋を纏っているからね。ただの綺麗な光程度なんだけど…リムルがやばい。と感じたから前のクレイマンとか言う魔王に投げつける。

 

 

すると、ニタっとクレイマンが笑い、リムルから表情が消えた。と思ったけどスライムだから表情ねーわ、アハハ。何で人間になるのさ。私の言ってることが違ってたみたいじゃないか酷いぞ表情あるじゃないか無って感じなんだあれ支配されてるんじゃないの?

 

 

「フハハ、やはりこの程度…貴様が支配から逃れることは予想していた、どんな手を使ったかは知らんがな…」

 

「目に悪かったとおもった」

 

 

綺麗なことは認めるよ、けどね。

 

多分あれ目に悪いよね…

 

とある黄色い電気タイプの電気ネズミがデータで出来ている不思議な生物に乗ってわるいやつらに電撃を放ち、それの光の明滅が原因で頭痛などの体調不良を訴える続出した事件の時みたいに。

 

 

 

「ふん、そうか。ならまあいい。今回は仕留めきれぬようだし引くとするか…行くぞ。」

 

「あはっ、今のが通じなかっただけで諦めちゃうのかなー?だよねだよね、自分の一番強い技が通じなかったんだもんねー!仕方ない仕方ない!」

 

「何だと、貴様…!この私に向かって!『龍脈魔神砲』(デモニックバスター)!」

 

「やっぱりその程度じゃん。ここで、私の新たなる技をお見せしましょう。『真空結界』(ゼロエア)

 

「何だその技は?そんな貧弱な結界一枚程度で、この技が止められるとでも?」

 

「そんなわけないじゃん。これは止めるんじゃあない。通すんだよ。これが私の『永遠之神』と『空想之神』を生贄にして獲得した、『『天空之王』(シュー)さ。」

 

 

この『天空之王』、権能は

『天空支配』

『空間支配』

『不可視』

『真空作成』

『天候操作』

『空間破壊』

『天変地異』

『気象操作』

『重力支配』

『真空神化』

 

となっている。まあ権能の詳細は自分で考えてくれ、使うときに説明するから。

え、何で二つとも使ってしまったの?って言われても、永遠之神は邪魔なだけだし、永遠之神だと全く新しい能力を作るには足りないと聞いたから空想之神は埋め合わせ。

というわけで、みんなは勿体無いというかもしれないけど私からしたらあのような自分に合わない力より、自分に合う能力の方がいいから。

 

 

 

 

 

 

 

「何?!私の龍脈魔神砲が!貴様…!」

 

 

「これ以上やる?ま、もちろん逃さないけど。」

 

 

「グヌヌヌヌ…!ここは一旦引くとしようか。かなり不愉快だが、この技では貴様には通用しないであろうことがわかっただけでも良しとしてやる。せっかくの手駒を手放すのは惜しいのだが…それも仕方がない。行け!」

 

 

一人でペラペラ喋って勝手にどこかに転移した。別に逃げてもいいと思ってたんだけど、リムルがいたわ。ちょっとしか台詞もらっていない上に支配されていたリムルが。

助けなきゃいけないよな…めんどくさい…どうやったらいいか見当もつかない…アニメのミラクル☆パワーも期待できないし…とりあえずやるだけやって、ダメだったら諦めよう!

そしてリムルが動く。どうやら人型で相手をしてくれるらしい。やったぜ、めっさ楽だ。

 

 

「人型でいいのかな、リムル?悪いけど手加減はしないよ!」

 

「頼むぞ、ラズ!」

 

「リムル話せんのかよぉぉぉ!」

 

「けど体は動かせないから、頼んだ!特に言うことはない!傍観してるぞ!」

 

「ふざけるなぁァァァ!!!!!!!!!!」

 

 

 

こうして、私とリムルの戦いが始まったのであった…

喋れるのに体も動かせないのか…

 

 



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魔術と魔法と能力と

え、原作を則って書け?
…できればそうしたかったけど思いついてたことを書いていたらこうなった、後悔はしていない


「がんばーれ、がんばーれ、がんばーれ。」

「その無責任な応援やめて?せめて体取り返せないかーとか頑張って欲しいんだけど?今のところ突破方がわからんのよ…リムルってすごい速度で再生するけど消し飛ばせば再生しないよね?」

 

「その怖い発想をやめろ」

 

 

 

はい、リムルと戦っています。何でこうなったかって?前回を読め(無責任)

相手をするのにすごく困るんだよね。だって中途半端に強いんだもん。攻撃は基本ヤバそうな雷、ヤバそうな炎、捕食?とやらだけだし。一番危険なのは捕食だよね、そっち系のスキルを持っていないから対抗手段がない。

 

 

 

「いや、悪いのはあのクレイマンとかいう奴だろ。だから俺は悪くない!」

 

「油断したそっちにも非があるでしょうに!というかその炎と雷を同時に打つのやめてよ!こっちだってすぐに結界張れるわけではないんだからな?!」

 

「いやー、それの仕組み聞いてもよくわからないんだよねー。だから多分体も確かめようとしてるんじゃないか?」

「今すぐやめて!」

 

 

私のゼロエアの仕組みは、真空操作を使うことによって風という自然現象の声質を持った強固な結界になるんだよね。水は蒸発しやすいし、放電しやすいし、液体によって熱は伝えられないし、酸素はないし。だからかなり強い結界になるんだ。

けれど、呼吸が必要な生物に対しては無類の強さを誇る。

 

 

消し飛ばそうとしたら消滅するし、手加減したら通じない。だからその間の技を作り出すしかないんだけど…うん、そんな時間も余裕もない。

 

 

 

「うーん、ここまできたらあれしかないよねなぁ…?」

 

「なんかあるの?!おしえろ!」

 

「普通に俺を消しとばしてみてくれ。おい待てやめろなんだその目はミルナ!俺をそんな目で見るなァァァ!」

「いや、何かに目覚めたのかなって…」

「それはないぞ!?

まあ、よくないがいい。それは後にして、俺を消しとばしてみればいいんじゃないのって話。多分できると思うんだけど…なんかできそうな技ってある?」

 

 

 

本人の意向でリムルを消し飛ばすことになったよ!

もちろん、ある。なかなかに使いずらい技だけどね。ま、私に取っては朝飯前、いやその前の日の夕飯の焼肉前だね!ずっと洞窟で戦ってるけど外って今朝なのかな…

 

うん、夜だと信じよう。で、もう消し飛ばしていいのかな?

 

 

「じゃあ行くよ。『真空破壊』」

 

「えおい!また心の準備が…うわああああ?!」

 

 

 

 

そしてリムルは爆散した。生きていますように…

ちなみにこの技は空間破壊と真空作成と重力操作の合わせ技だ。真空作成で対象の周りを真空にし、重力操作で強制的に動けなくして、使い勝手の難しい代わりに一撃必殺の威力を持った空間破壊でチェックメイトという技である。

 

 

 

「うにゅにゅにゅにゅにむ…リムルくん、ふっかーつ!」

 

「おー」

 

「じゃねえよ!何だあの技は!というか心の準備というものがあってだな、いきなりされて心臓止まるかと思ったわ!心臓ないとかは関係なく!」

 

「生きてるんだからいいじゃん!それで、どうなの?戻ったでしょ?」

 

 

どうやらリムルは生きていたようで、一安心。

そして周りを見渡すと…何と、あんなに天然感溢れた洞窟が、爆破工事さながらのボッコボコ地形になっているではありませんか!驚きのビフォーアフターですね!

やりすぎだと言われてもしょうがない気がする。

 

 

「やりすぎだよな、これは…」

「ああ、お前はもっと加減できるようになれ。」

 

「って言われても加減すべきはリムルの方だし…で、どうしたのソウエイ。」

 

「お前少しは驚けよ!で、どうしたんだ?」

 

「リムル様、ドライアドのトレイニーと名乗るドライアド、森の管理者が現れました。それと舐めた態度のリザードマンも。どうしますか?」

「わかった。ラズはリザードマンの方、俺はドライアドの方に行く。行くぞ!」

 

「うーい」

 

 

リムルは元気だな…消し飛ばされてすぐなのに…それで、そのリザードマンとやらの場所は…『魔力感知』!

 

ここから北東の門に見たことのないちょっと高めのエネルギー反応が100程度、そこにベニマルやゴブタ、ランガも混じっているな。

距離で言うと大体1km。転移ですぐ!

 

と言うわけで転移した結果…ゴブタとリザードマンが戦いそうになっていた。

 

 

「行くっすよ!」

 

 

ゴブタがそう言って槍を投げる。

そこに割り込んで槍を叩き割る。ついでに威圧。

 

 

「って何するんすかラズ!勝ったら武器作って貰えるのに!」

 

「あっそ、私は知らない。それでお前は誰?リザードマンお前に聞いてるんだよ。ちなみに私はお前のお探しであろうリムルではないぞ?まあリムルよりは強いが…」

 

「ほう、では貴女は何と言うのかな?この餓狼族を束ねているものではないらしいが…」

 

「私は、ラズ。ヴェルダ・ラズ。この名前を名乗るのは初めてだな…それで、ゴブタと戦っていたが私と戦う?なら相手になるけど?」

 

「我輩はリザードマンのガビル!高位なリザードマンの中でもさらに上の『名持ち』(ネームド)のガビルである!まあ、流石の我輩も貴女のようなものとは戦いたくはないのですが…そうだ、そのリムルとやらに伝えておいてください。『明後日オークの軍勢と戦う時に援軍を頼む』と。おっと、オークの軍勢は大体30000程度ですので、覚えておいてくださいね?では、行くぞ!」

 

 

風のような奴だったな…そして、すごく偉そう。多分リザードマンっていうのは強い魔物で、その中でも名前を持ってるから増長しちゃってるのかな?けど流石にそれより上の魔神たる私には喧嘩は売らなかったようだけどリムルは見下してるな…

まあ人任せで、無責任で、自分で消しとばすなと言ったくせに自分から消しとばしてと言って消しとばしたら文句言ってくるリムルだし、ザマミローといった感じかな。

 

 

 

〜その頃一方リムルは〜

 

 

 

 

「ふぁっくしゅん!んん、風邪か…?」

 

「大丈夫ですか?やはり、今もボロボロですし休んでからの方が…」

 

「いや、いいよ。続けてくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで、話は終わり!

明後日に向けて準備しようかな…と思ったら、後ろから肩を掴まれた。

 

 

「ラズ?貴女がリムル様より強いというのは本当ですか?!なら、修行の相手になってください!さあ、行きますよ!ベニマルも一緒に行きましょう!」

 

「7時半から空手の稽古があるの付き合えないわ」

「今日は休め」

「さあ、行きましょうか!」

 

 

俺は何故かこの後次の日の朝までぶっ通しでベニマルとシオンをボッコボコにし続けるのだった…

まあスキルの練習ができたと考えれば、まぁ…!まぁ…!許せなくも…!なくもないっ…!いや、あの2人も一応私に届きうる攻撃は持ち合わせているからねぇ…うん、普通に相手するのは慎重にならないといけなかった。それに2人同時ってのもあるし。

 

いつの間にかできてた温泉きもつぃぃぃ…ふぃぃぃぃ…朝風呂っていいですなぁ…そしてリムル貴様みているな?!

 

なんてことがあった。そうしてあっけなく戦いの前日は瞬く間に過ぎていったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 



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オークとの戦い

さあ、みんなは今日が何の日か知っているかな?!

そう、沼地へピクニック(大戦争)へ行く日だよ!みんな、各自準備はいいかな?しおりはもった?武器は研いである?おやつはおやつに入りません。

 

 

「さあ、みんな!行くぞー!」

 

『オォー!』

 

 

このようにして私たちは餓狼族に乗って約束の地(沼地)へ、全速全身だ!

にしても餓狼族は早い早い。風の音がビュンビュンとしてる。あ、待って耳痛っ。と思ってたらソウエイがいきなり、またもや、現れた。

 

「リムル様、向こうにオークとリザードマンが戦っています。リザードマンに加勢しようと思っているのですが、よろしいでしょうが?」

 

「ああ、わかった!頼んだぞ!ランガ、あっちの方向に行ってくれ!」

「御意」

「わかりました!」

 

 

というわけで、オーク50対リザードマン5の戦いにソウエイが加勢する様子。ちょうどいいし、相手のオークがどれぐらい強いのか試そう。ソウエイにどれぐらい持つのか、勝てるのか。

ソウエイが負けたら倒せるのは私、リムル、ベニマル、シオンぐらいなもんだけど…

 

と思っていたらもう着いた様子。それなりに近いのかと思ったが忘れていた、私は餓狼族に乗っていたのだ。

 

「着いたぞ!ソウエイ、大丈夫か?」

 

「もう終わりました。」

 

 

えー、結果を報告します…惨状が生まれていました、グロすぎはしませんかねぇ?

 

そこかしこに月の光で輝いているソウエイの綱糸が所々オークの血で赤く染まっている。そして倒れているオークは全て五体満足ではなく、ほぼ全ての奴が首を落とされている様子…

うん、怖。

リムルが色々リザードマンと話している間に私の餓狼族と会話する。

 

「お疲れ様。」

「わぁん!」

 

この餓狼族は、唯一私に懐いてくれた子である。他の子は私が乗ると脚がガタついて歩けなくなってしまったんだよね。

ちなみにどうやらあのリムルが首スパーンしてしまった餓狼族の元リーダーの娘らしい。え、ランガの兄妹じゃないかって?残念だったな、姉弟だよ。どうやら双子らしく、こっちの方が年上らしい。それなのにランガに負けていて可哀想だったから名付けをしてみたところ、異常な進化を遂げた。

 

ランガたちが餓狼族のままだったのにこの子だけ雷風族(テンペスト)という種族に進化した。さっき餓狼族といっていた?チョットナニイッテイルカワカラナイ。

名前ぇ?ライにしておいた。ネーミングセンスないとかは関係ない。

 

 

「おーいラズー?リザードマンと同盟組んだからー。」

 

「わかったー。」

 

 

おっと、この子の自慢をしていた間に話が終わってしまったようです。さあ、どうしましょう。

 

もちろん一緒に連れて行く…のではなく、リザードマンの女性 ー後で聞くと総領の娘だったらしいー を案内役にして、ソウエイが先にリザードマンの首領と話をつけてくるんだって。さすがイケメン、有能である。

 

 

「にしても、お前の雷尾ってランガとも比べても全然違うよなぁ。何でだろう?」

 

「知らん、個体差って奴じゃない?」

 

 

リムル、その話は今すぐやめろ…ランガがすげえ唸っている…こっちをすごい形相で睨んでいて、雷尾に今すぐ噛みつきそう。緊張感、なさすぎ?

 

 

「さあ、行くぞ!」

 

 

そして数分の間、周りの景色を眺めつつ沼地の方へ向かう。木ばっかりでつまらないな…と思い始めた頃にちょうど沼地に着いた。

敵を探すと、きっちり奥から剣と鎧がぶつかり合う金属音が鮮明に聞こえてきた。後ついでに何十個ものそこそこの魔力の塊も。威力はお粗末なものでまだまだだね。

 

 

「おっと、!行ってくる!」

 

 

よく見るとどうやらそれを撃たれているのは舐めた態度をとっていたリザードマンのようだった。

 

どうやらリムルに見とれているようだ。あれぐらい受けてもあの…ガビルだっけ?は死ななそうなんだけどね…リムルは心配性なんだな、と今更ながら思った。

 

 

「さーて、私はどうするかね…む、あそこに強そうなやつを発見!行ってきまーす!」

 

「おい、待て!って、もう行きやがった…」

 

 

どうしたものかと辺りを見回すと向こうのほうに強そうな一回り大きいオークを発見した。かなり他のやつより魔力量が多いし、あいつが幹部とかかな?四天王とかかも。

 

 

「こんにちはぁ!私はラズ。貴方は?」

 

「何だこの小娘!はは、やっちまおうぜぇ!豚頭将軍様が出るまでもないですよ!」

 

未だにこのでかいやつは私を見向きもしない。

おお、私も舐められたものだ…それほど衰えてはおらんよ、全盛期に比べれば流石に衰えはあるがね…年上はもっと労らんかい!(無慈悲)

というか、豚頭将軍っていうのか、初めて知った。

 

そして邪魔な豚の頭を殴る。するとあら不思議、なくなったじゃありませんか!

いや結構グロい。なるべく視界に入れないように心がける。

 

と、やっと興味を持ったのかこっちを見てくれた。

 

「お、今俺を見たな!これでお前とも縁が出来た!さあ、行くよ!」

 

野生のオークジェネラルと目があった、もちろん必ずやる、逃さない!

 

 

「オロハクサムヲムッコロス!」

 

 

『光熱支配』によるソーラービー○!を撃ったら、簡単に倒せてしまった。そうだ、いいこと考えた。

 

まず、上から光を落としてきて、体に溜める。そうすると体が発光してくる。このままでは何も効果がないというのはわかっているだろうけど、これは太陽の熱を直で取り込んでいる。つまり超高温のアーマーになるんだよ。

その証拠に体から湯気が上がっている。

 

多分、予想図は某ドラゴンでボールなアニメのスーパーでサイヤな人みたいに金色のオーラを纏っているけど、あれのあまり意味のないオーラとは違い、これ自体が高温である。

そして、この技はこれだけでは止まらない。その光と熱を体で循環させることで、全ての攻撃に熱と光が乗るようにする。そうして循環させているうちにいらなくなった熱と光が周りに放たれる。それだけで相手に圧力をかけられるけど、さらにその熱と光をエネルギーに変える。

 

 

「はああああ!UURWYYYYYYY!」

 

「グオオオ!あ、熱い?!」

 

 

こう何というか…熱と力が…高まる…!溢れる…!体の体温もかなり上がっているからか、相手の動きがゆっくりに見えるし、体が軽い軽い。

 

そして、体の中でサンカウント。

1.2.3.…スタート!同時に、前にいる奴らを蹴飛ばす。エネルギーの消費が大きいがまあ気にすることではない…はず。

 

「死、死体を食え!同胞の死体を!そうして耐性を「そんな仕組みなの…」モガッ?!」

 

どうやらオークたちは自分の友達とか家族とか仲間の死体を食べると相手の攻撃に耐性を得ることができるらしい。環境には配慮しているけどモラルには反しているんだよね…

 

 

「うっしゃぁぁぁあぁ!最高にハイってやつだ!」

 

 

こんな感じで、オークたちを薙ぎ倒していると前の方に紫色の光が動くのが見えた。リムル間に合っているかなーとか考えていたところ、ちゃんとガビルを守っているね、よしよし。

ガビルが何か神でも見るような目でリムルを見ているけど、そいつは神ではない。スライムだ。人型ですごく強いけど、スライムだ。

 

 

「リムルぅーそいつ大丈夫ー?失神してるだけかーなら良いねー!じゃぁ!」

 

「おい待て!今からオークロードと戦うことになりそうだから来てくれって!」

 

 

リムルがそういうから一度周りを見渡すと、確かに遠くからオークジェネラルよりもさらに大きい奴がいた。うん、まさに魔王。事前情報で魔王級と聞いていたからね…

 

 

「ゲルドよ!早く魔王に進化し、そこのやつを消し去ってしまえ!」

 

 

お、なんかイキリ散らかしていた魔人がオークロード、ゲルド?に命令したね!

さてと、どうやって進化するのかな…と思って観察していたら、オークロードゲルドは腕をおおきく振りかぶって…

 

 

魔人の首を刎ねた。

 

 

 

「…?」

 

 

えぇ…?

 

 



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戻る記憶、気付く雷帝

オークロードのゲルドが自分の名付け親の首を刎ねた。全員が固まる。そんな中オークロードはその魔人の肉体を食べ始めた。

 

 

「止めろっ!」

 

 

ベニマルがそう言ってその行動を止めに入ったが時すでに遅し。オークロードゲルドは上位魔人を食べることにより魔王へと進化した。いや、進化してしまった。

ゲルドは紫色の光に包まれ、魔力が増大する。体が耐えきれていないのか、魔力が外に漏れ出している。なんだかその魔力は紫色に禍々しく光っているようにも見えた。

目に黒はあらず、完全に白く染まっていた。それはつまり正気ではないことを示す。

 

 

「ふぅ…進化した…これで、俺はオークロードゲルドではない!魔王、ゲルドだ!」

 

 

 

進化の光が収まるとそうオークロードが言い放つ。確かに今のオークロードにはその風格があった。姿は前よりツノのような突起が増え、魔力の量は前とは比較にならない。

魔王の宣言が終了して訪れる静寂。それを破ったのはシオンだった。

 

 

「豚風情が…魔王だと?!思い上がるなぁ!」

 

「おい、ちょ!シオン!」

 

 

シオンがいままでのことを思い出したのが激昂し、切り掛かる。だがそのシオンの一撃は軽く防がれてしまった。巨体にそぐわぬスピードとパワー。腕に痕も残っていないことから防御力も格段に上昇している。

シオンを跳ね返し、ニヤリと薄く笑いを浮かべるオークロード。

 

 

「シオンの攻撃も防がれるのか…!」

 

「うん、そうみたいだね。」

 

 

リムルの独り言であろう言葉に返答し、またオークロードを見る。実は今リムルと一緒に上空で待機している。まあ上空と言っても高さ10m程度。

オークロードがこちらを向いて来た瞬間、ハクロウが動く。地面を滑るように走り、刀を抜いて回りながらジャンプ。的確にオークロードの首を切り落とし、刀をしまう。オークロードの動きが止まり、ボトっ、と鈍い音を立てて首が落ちる。

 

「超速再生まで持っているのか!」

 

「うえ、食事中に見たらいけない…」

 

 

と思ったらオークロードの体が頭を拾い抱えると首の断面から黄色の粘液のようなものがうにょおと出て来て首を持ち、くっついてしまう。リムルによると超速再生らしいが頭が生えるのではなく頭がくっつくこともあるようだ。

いや、普通に生えてほしい。それはそれであれだけどそっちの方がマシな気がする。

まあ置いておくとしてベニマルとソウエイは冷静なようで攻撃を仕掛けずに相手の出方を窺っている。

なんで実況を繰り広げていたらリムルが地面に降り立ってしまった。待て待て待て、まだ相手の手の内がわかっていないのに戦うのは悪手だといつも言ってるだろう。リムルが。

 

 

「いいのかい?相手の手の内がわかっていないうちに戦ってしまって。」

 

「いや、相手の出方を窺っているうちに一瞬でこちらがやられる可能性も考えての行動だ。ラズ、お前は後ろで待っていてくれ。お前は切り札みたいなもんだからな。」

 

「切り札。たいそうな名前をつけられたなあ。そういうことなら後ろで待っていることにするよ。」

 

「まあやばくなったら助けてくれ。じゃあ、行ってくる!」

 

 

リムルはそういうとオークロードのほうへ走り出す。

正直に言うと、心配。だがそれと同時に安心もあった。2つの完全に反対の心が入れ混じっている。それはまるで、()()2()()()()()()()()()()いや、俺はヴェルプラズ。

それに、『ラズ』とは−−−

 

 

その瞬間、頭にここ数週間の情報が流れ込んでくる。

 

 

 

(ああ、そういうことだったのか。なるほどねえ。急にイフリートらしきやつと戦わされたり今いきなり戦場に出てきていたりしたのはこれが原因か。なるほど、だからあいつが…)

 

 

 

俺の未来視が正しいのだとしたら、相当この世は混乱することになるだろう。それに未だにナーヴァが復活すると信じているものもいるようだ。そいつらが敵に回るとなると、可能性は…ギィ、ミリム、原初、あとは魔王に一部の人間と竜種か。

 

まあけどあっち側も戦力はアイツラだけじゃすまないだろう。

これからの未来を見ると、少なくとも、魔王級が十何人か、竜種が2か3、竜種級が4あたりになるだろう。

ちなみに運命というのはすでに俺とナーヴァが決定している。この先何がどうなるかを。だが、すでにその運命からは外れており未来を見ないとこの先に何が起こるかはわからない。

 

 

 

さすがの未来視でも未来を見るのが限界でその場ですぐに変えることはできない。

だが、『過去』から少しづつ変えていけば未来を変えることができる。

 

 

この世界は因果と法則、概念が絡んだ『道』の上に物質が存在している。そして、その『道』は最初からすでに最後まで決まっている。

 

その道、いや運命の変更。その変更をする権限、それを担うのが…

 

 

究極権能である。

 

そして、それを上回る権限、つまり未来の『先の未来』を決定する権限を持っているのが超越権能である。

その超越権能を持っている者たちがそれぞれの権能で未来を作り出し、それを統合した結果が先の未来となるのだ。まあ念の為俺の『空想之神』だけは未来視で未来を見ることができるんだけど。

 

 

まあそれはおいておいて。

その他のユニークスキルなどはその権能が魂の輪廻に入るために弱体化したものだ。

 

 

 

これがユニークスキルでは究極権能に勝てないと言われる所以だ。

 

 

運命を変えられるかどうか。

それが決定的な違いだ。

理由はどうあれ、世界を変えられるような意志の力を持つものだけが究極権能を得られる。

これを言いたかった。

 

 

 

だが、今のリムルもオークロードも究極権能を所持していない。

 

 

つまり、俺が見た未来が本物になる。

他の究極権能を所持しているやつの介入、もしくはオークロードの究極権能の獲得が起きたりしなければの話だが。

 

オークロードも究極権能を獲得する可能性が低いとは言い切れない。なぜなら、おそらくイフリートがあのとき獲得していたからだ。

あの時は俺が目覚めたからなんとか対処できたが、最悪リムルも、リムルの中にいたヴェルドラも消えていただろう。村も、だ。

更には近隣の国を滅ぼしていた可能性も高かった。

 

 

 

そんなチカラをイフリートのような決して上位の魔物には属していないようなものが追い詰められただけで獲得するようになれば、世界が持たない。

イフリートでさえもあれほどのチカラを獲得していたのだ。魔王種を手にしたオークロードが獲得すれば俺とオークロードの戦いの余波でここら一体が更地になるだろう。

 

 

 

え?主に俺がオーバーキルをしすぎるからそんな被害が出るんだろう?

 

 

 

……とにかく、面倒なことになる前に倒す方がいいのだろう。

 

 

まあ俺の役目は雑魚刈りをしつつ,リムルがヤバそうだったら援護だろう。

というわけで雷をまとわせて敵に突っ込むことにした。

 

 

突っ込むだけで数百のオークロードをなぎ倒す。

そしてそのまま周り一体に雷を落とし、地面を伝わせて逆に空に向かって雷を打つ。その行動を1秒にも満たない時間で行動し、回りを吹き飛ばす。

 

 

「あれ、ラズ?!さっきとは動きが違いすぎませんか?!」

 

 

「ああ、シオン。済まない、巻き込みそうになってしまった。それについてはまあ、気にしないでおいて。」

 

 

ちょうど剣を振り回していたシオンに雷を当てかけた。だが、シオンはそれよりも俺の動きが良くなっていることについて疑問を持ったようで。

まああそれについては中の人が変わっているので仕方がない。エネルギーや能力については隠しているので気が付かれていないようで助かった。

 

雷を落としたことによって舞い上がった土煙が晴れる。

そしたらリムルとオークロードの戦いが見えるのだ。

 

 

だからリムルとオークロードの方を見る。

そこには

 

 

 

リムルが捕食勝負で今にも食われそうになり、焦る姿と高らかに嗤うオークロードの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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魔王の進化、魔王への進化

くそっ、油断した!

オークロードは笑っている。

 

 

《告。ただいま、相手側の『侵食』により身体を構成している物質の消失50%を確認しました。》

 

 

大賢者!なんとかできないのか?!

 

 

《告。個体名:リムル・テンペストの残存エネルギーと所持スキルではこの状況の打開は不可能。》

 

 

おい、まじかよ!

捕食を辞めるのはできないのか?!

 

 

《了。施行します。…失敗しました。個体名:オークロードゲルドの『侵食』によりこちらの介入が防がれています。》

 

 

だめか…

他に手はないのか?

 

 

《了。『この状況を打開する方法』…検索。検索結果、1件ヒット。》

 

 

 

まじかよ?!

それは何だ?

 

 

《告。只今身体の80%の消失を確認しました。》

 

 

 

今はいいから!

早くその方法を教えてくれ!

 

 

《了。その方法は…》

 

 

 

轟音が鳴り響く。

そして視界が一気にひらけ、体が再生するのを感じた。

そして俺のポヨポヨの体は地面に落ち、誰かに抱えられて少し後ろに下がらせられる。

 

 

 

顔を上げ、誰が介入してきたのかを確かめると、そこには見知った顔があった。

ラズである。

 

 

《丸投げ、です。》 

 

 

それはともかく、本当にラズなのだろうか?明らかにさっきよりもエネルギーが増大しているし、さっきから雰囲気が以前と違いすぎる。

だが、外見や思考、何もかもラズだ。

 

違うのは性格とそのチカラだけ。

 

ラズが俺を下ろす。

瞳の色は金から透き通るような虹色に変化しており、その目は太陽のように輝いている。それに髪の色も一層鮮やかになった。

 

くっそこの美人が。

 

 

 

「やらかしたねぇ、後始末は任せな?」

 

 

「うっせ!ちょっと油断しただけだっつーの!」

 

 

「うん、軽口を叩く余裕があるなら大丈夫そうだね。で、どこかの誰かさんがミスをしたせいでそこの魔王が覚醒してるけど、どうする?」

 

 

「どうする、とは?」

 

 

「ここで覚醒を無理やり止めるか、こちらの準備を終わらせたあとに全員で叩くか。ちなみに前者を選ぶとリザードマンの湿地が焼け野原になるけど?どうする?」

 

 

 

「どうする、って後者しかねーじゃん。まあいいか、俺たちは一旦引いて回復するぞ。」

 

 

一旦飛んで後ろに下がると、オークロードと地面が自然に目に入る。

オークロードは凄まじい速度で進化していて、それに比例してエネルギーもどんどん増えていっている。だがそれ以上に目を引くのは地面だ。

 

ラズが介入したときのものなのだろうが、凄まじい凹み方をしている。

 

 

「お前何したら地面があんなことになるんだよ…」

 

 

「蹴っただけだよ。オークロードが侵食している箇所を狙ったからね。まあああなったわけだよ。」

 

 

なんでもないことかのように語るラズ。それを後ろで戦いながらも聞いていたベニマルやハクロウ、ゴブタはドン引きしていた。わかるぞその気持ち。

 

 

『グオォォォォォッ!』

 

 

その少し緩んだ空気にオークロードの雄叫びが響き渡る。

どうやら進化が完了したようだな。大賢者、解析鑑定を頼む!

 

《告。個体名:オークロードゲルドは人間の魂の代わりにオークの魂を使用することで覚醒魔王に進化した模様。魔素量は、現在のマスターの約20倍程度と予測されます。》

 

 

まじかよ?!というか予測ってことは、大賢者さんでも図りきれないってことか…

ラズはどうなんだ?

 

 

《告。個体名:ヴェ…ラズ…の現在の魔素量は、測定不能です。》

 

 

はあ?!どういうこと?!ていうかなんで名前にノイズが走ってるの?!

 

 

《告。個体名:ヴェ…ラズ…の情報については、行為の権限により解析鑑定などができなくなっております。ですが先程の一撃を見て計算をした結果、少なくとも792億は超えていると予測されます。》

 

 

え、待って?792億?せめて万とかじゃなくて?

…何も帰ってこないってことはそういうことなのか…?

 

 

あれ?だとしたら全てラズに丸投げでいいんじゃね?

 

《告。その案については先程私が…》

 

言ってたねそうだね!わかってるから言うな!悲しいだろ!

 

 

 

で…丸投げしよう。

 

 

「ラズ。ちょっといいか?」

 

 

「うん?」

 

 

「あれ全部お前に丸投げしていい「いいよ。もともとそのつもりさ、こっちに被害出したくはないんだ。」…おう。頼んだ。」

 

 

「あ、でも止めはリムルのスキルでお願い。そうしないと魂が逃げちゃうし、食べればリムルも強くなる。いいでしょ?」

 

 

「おう。そういうことなら、止めはさせてもらうさ。」

 

 

「それじゃあ行ってくるね。合図したら捕食して。」

 

 

 

というわけでラズが全てやってくれることとなった。

ラズがオークロードに突っ込んでいく。

 

 

「ふん、小娘一匹でこの覚醒した俺を倒せるとでも…グバァ?!」

 

「よいしょっ」

 

 

オークロードが言い切る前に殴る。その一撃で殴られた顔の一部が消し飛んだ。

そのまま蹴りを混ぜながら殴り続ける。一撃一撃が重く、当たった場所を消し飛ばしている。だがオークロードはその再生力で耐えながら、その肉包丁を振り回すが速いラズには当たらない。

 

 

「ヌウゥ…ちょこまかとォ…『破食』!」

 

 

しびれを切らしたオークロードがあたり一面をが範囲となる技の破食を繰り出す。

 

《解。破食とは、オークが得意とする技で、通常のオークが使用してもそこまでの威力は出ませんが個体名:オークロードゲルドが使用した場合、空間ごと噛みちぎることができるようです。》

 

なにそれ怖い。というかそれを受けてノーダメージのラズもっと怖い。

 

 

「何ぃ?!」

 

「良い技だね。鍛えていたんだろう。」

 

「舐めるなぁ!」

 

 

ラズが相手を褒める。おそらく本心なのだろうが、今の状況だと挑発にしかならない。

 

 

「本気で褒めてたのに…まあいいや、そっちが技を見せたんだからこちらも見せないといけないだろう。行くぞ、『虚無天壊』」

 

 

ラズも技を使う。

宣言をした瞬間、オークロードの体が爆ぜた。

 

(今だよ、リムル。)

 

そうラズが念話で伝えてくる。

 

 

「『捕食』!」

 

 

捕食を発動させてオークロードの板あたりに展開し、そのあたりを飲み込むとオークロードの魂そのものが捕食できた。

 

《告。個体名:オークロードゲルドの魂の捕食に成功。解析鑑定を開始します。》

 

待て、魂だけ?あれ?前大賢者さんが魂は肉体、精神体、星幽体に包まれていて、肉体と精神帯の破壊は容易だが星幽体の破壊は容易ではないって言ってたよね?

なのに、魂だけ?

 

《解。個体名:ラズは本来精神体までしか効果のない技をエネルギーを過剰に乗せることで星幽体の破壊が可能な領域まで押し上げたようです。》

 

力技じゃねーか!

 

《告。個体名:オークロードゲルドの解析鑑定が終了しました。結果、個体名:リムル=テンペストは魔王種を獲得。新たに、『飢餓者』を取得しました。そして『飢餓者』と『捕食者』を統合し、『暴食者』を獲得…成功しました。》

 

何勝手にスキル統合してんの?!

まあいいか、大賢者さんが一方通行なのはいつもどおりだし。

 

と、大賢者さんの報告が終わると同時にラズが倒れる。

 

 

「ラズ?!」

 

 

近寄って支えると、規則正しい呼吸音が聞こえてくる。

 

寝ているようだ。まあ、今回のMVP貼らずなわけだし、このまま寝かせておいてあげようと思った。

 

 

その後、全てのオークを受け入れたり、それによって全員に名前をつける羽目になったり、自分がジュラも森大同盟の盟主になったりといろいろなことが起きたが、その間もラズが起きることはなかった。

 

 

 



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誘拐犯はギィっさ

カリュブディス?…プラズがヴェルドラの魔素抑えてたからいないよ。

映画見ましたか?作者は友達と

「やはり紅蓮の絆編か…いつ出発する?私も同行する」

してきました。




 

 

あのあと、リムルたちと一緒に森へ帰った。

その後、オークたちの処分やらなんやらで成り行きでリムルがジュラの森大同盟の盟主になった。これは実質的にジュラの森の王になったのと同じである。

 

更に、魔王が来た。ミリムとか言ったけな。

初対面の私に

 

「久しぶりなのだー!」

 

といって抱きついてきた。

私は魔王とあったことは…あるなぁ…けど別人だよね…?

 

 

 

でもミリムはあのいけ好かない紳士風ではなく、子供である。そもそも性別からして違うし、強さも全然違った。

いやあ、危なかったよね。リムルが来るまで一対一で戦ったからね。

え?私じゃ魔王とは一対一では戦えないだろって?後で説明する。

ちなみにミリムとかいう魔王はリムルが手なづけた。子供は甘いものに弱い、はっきり分かんだね。ミリムはリムルと

 

 

「マブダチなのだぁー!うわぁーはっはっはー!」

 

 

といっていた。よく遊びに来るし、最近ではこっちに寝泊まりもしている。

とはいえ、風呂で泳ぐな。

 

 

 

 

 

さらにさらに、街にフォビオとかいうやつがめっちゃ偉そうにしてて

 

 

「ここはカリオン様が支配するにふさわしい…そうは思わんか?」

 

 

とリグルドに問い、

リグルドが

 

 

「ご、ご冗談を…」

 

 

と返したら殴ったらしい。

で、怒ったミリムにグーで制裁された。なおリムルがカリオン連れて出直せとか言ったらしい。度胸あるね。

今そんな状況じゃないけど。

 

ちなみにそのフォビオは後々とある魔人に騙されてまた魔王化して街を襲ってきたけど私が殲滅した。リムルはイングラシアに行ってたからね、しょうがないね。

なおフォビオは助けた。そしたらリムルから何かかり音が来たと可燃龍が飛んできたけど無視だ、無視。

え?そもそも魔王に私では勝てないだろって?

説明するって言ってんだろ。

 

 

まあとりあえず、私がなぜミリム相手に時間稼ぎをすることができたのか(ミリム曰く、結構強めにやったらしい。私まじで死ぬところだった危ない。)とか、なぜ魔王化してるやつを殲滅できたのかとか色々話そう。

 

その理由は、

 

 

「んで、なんでてめえがそんな事になってんだ?」

 

 

「ハハハ、よくわかんないんだよね。けどこの体にしたのはザードだからね?」

 

 

私の代わりに最強の魔王+竜種と話している、このプラズと言うやつである。

プラズ、めちゃくちゃ強い。使っている技もスキルも体も全部同じなのに出力がぜんぜん違う。本人は

 

『まあ僕だからね』

 

といっていたが、使うものの魂によってこんなにも差が出るのかと思ってしまう。理由を聞いてもプラズは

 

『使い慣れているから。ラズも、使い方を覚えれば簡単だよ。』

 

といっていたが全然できない。というか『空想之神』自体が難しい。

プラズは簡単に制御しているが、私は制御することで精一杯である。まあ力を開放するだけでも十分強いのだが。

ちなみに今やっているようにプラズと私は意識の切り替えが可能である。

 

 

そして、今目の前でプラズとお茶会をしながら話している赤い髪の男性はギィ・クリムゾンといい、最強の魔王らしい。隣に立っている女性はヴェルザードというらしく、この世に『4体』存在すると言われている竜種が一体で、長女の白氷竜というらしい。

 

なぜこの二人とお茶会をする羽目になっているか。

それは、突然のことであった。

 

 

朝、日課となっている散歩をしているとき。

 

 

「今日も風が気持ちよくて、いい天気でいいな〜♪」

 

 

風に揺れる葉っぱや、飛んでいる鳥を見ながら歩いていると。

いきなり風景が止まる。これは比喩表現ではなく、本当に空を飛ぶ鳥は空中で静止し、草木は一切動かず、魔法も何も発動しない。

そんな中で私は動くことが可能であった。

 

 

不思議に思っていると。

 

 

「よぉ、ちょっと話があるんだ、来てもらうぜ」

 

 

とうしろから声をかけられ、振り向くと手刀が迫っているのが見えたのである。

そこで私の記憶は途切れているが、その後の状況をプラズに見せてもらった。どうやらあの一瞬でプラズに切り替わり、手刀を掴んで止めたらしい。

立っていたのは赤い髪の男だった。

 

 

「なに?いきなり。」

 

 

プラズが必死に私の真似をしている。

正直に言うと面白い。

 

 

「ほほう、やるじゃぁねぇか。今から俺とお前とあと一人でお茶会でもしようと思ってな、拒否権はないぜ。おら、行くぞ。」

 

 

そしていきなり風景が氷でできた城に変化する。

そこで私の意識とプラズが切り替わったようだ。

 

 

「それで、要件は?」

 

 

「あぁ、ない。」

 

 

「え??」

 

 

「ちょっとギィ、言い方が悪いわよ。誰だって困惑するわ。」

 

 

 

「あー…簡単に言うと、お前に用はないが用はあるってことだ。まぁ言うよりも呼んだほうが早いか。ほーれ、でてこーい。」

 

 

 

でてこい?私の周りに何かが隠れているのだろうか。

そのまま数秒が立つ。何も出てこない。

 

 

「チッ…しょうがねぇな、いい加減出てきやがれ、『ヴェルプラズ』。話すことがあるんだ。」

 

 

すると、私の意識がまたもや落ちる。

そうして、この状況に至るというわけだ。

 

 

(さっきまで意識なかったのになんでいきなり?ていうか体の主導権プラズだし…)

 

 

『それについては、多分ラズが「慣れた」からじゃないかな。このまま慣れていけば、多分

あれを使うときや出力最大で技を打つときに制御がまあまあ楽になるよ?』

 

 

突然だが、私は普段スキルや技を使うときにはプラズに制御を手伝ってもらっている。

というかそうしないと私の『天空之王』が制御できない。このスキル、不思議なことに出力を最大にすると能力が変わって段違いに強くなるんだよね。

 

プラズによると、流石に出力は無限大ではないらしいけど、私のエネルギー量では半分も引き出せないほど。それでも国の一つや二つは一撃で消し飛ばせるから怖いんだけど。

前に、

 

『100%の出力見てみる?』

 

って提案されたけど、どこに打つ気なんだ。

 

 

話を戻そう。

プラズさん、ヴェルプラズって誰?

 

 

『ボクだよ。』

 

 

あなたって、もしかして竜種?

 

 

『企業秘密、といっておくよ。』

 

 

目の前の二人とはどういった関係で?

 

 

『友達と兄妹。』

 

 

女性の方ってどう見てもヴェルザード様だよね?

 

 

『そうだよ?』

 

 

つまり竜種だよね?

 

 

『…ナンノコトカナー、ボクチョットワカラナイナー。』

 

 

竜種ってヴェルドラ様、ヴェルザード様、ヴェルグリンド様、そして創造神ヴェルダナーヴァ様の4体って常識だよね?それ教えたのプラズだもんね?

 

 

『ほら、それよりも魔王様のお話聞こうよ?』

 

 

話しそらしてるよ…

まあ今は許してあげよう。

 

 

 

「おい、ヴェルプラズ。端的に言おう。ジュラの森大同盟とクレイマンの野郎のジスターヴが戦争状態に入った。それで、クレイマンの呼びかけで近々魔王たちの宴が開かれる予定だ。それに、俺と一緒に参加しろ。」

 

 

「ちなみにミザリー、レインと一緒に私も料理するわ。これでも練習していたのよ!」

 

 

 

 

 

え?!リムルたちとあのバカ魔王が戦争始めたの?!

なんで?!

 

 

『うん、まあ簡単に言うとあのバカめっちゃリムルにちょっかいかけたりファルムス操って戦争仕掛けさせたりして、リムルがキレた。ちなみに、ラズはだいぶ眠ってたから知らないと思うよ。』

 

 

ええ…

もしかしてリムルってそれに呼び出し食らってる?

 

『うん。まあ、魔王に覚醒したっぽいし大丈夫でしょ。』

 

え、覚醒したのか…覚醒ってなんだ…わからんことだらけだ…

 

 

 

「ほーほー。ちなみに、誰が賛同しているんだい?色々、説明がほしいな。」

 

 

「チッ、お前なら調べればわかるだろうがよ…まあいい、説明してやる。

まず、今回の提案者はクレイマンだ。傀儡国ジスターヴの王だな。

議題は、『魔王を名乗る不届き者への処分。』そいつがあいつと戦争しているジュラの森大同盟の盟主をやっている。なんでも、ヴェルドラを手懐けたそうだ。

で、賛同者はクレイマン、フレイ、そしてミリムだ。

不思議じゃないか?ミリムとフレイはかなり賢い。なのに、こんな薄っぺらい議題に賛同してるんだぜ?まぁ、ミリムの方はただただ暇つぶしの可能性もあるがな…」

 

 

 

 

「兄さんも探ってみて。ヴェルドラちゃん、復活しているでしょう?だいぶ反応が弱いから弱っているみたいだけ「いや、オーラを隠せるようになっているだけみたいだね。ヴェルザードを騙せるようになるとは、成長したね。」…兄さんが言うのなら、本当のようね。にしてもあの娘、暴れることしか興味ないと思っていたのだけどねぇ…?」

 

 

 

「うーん、まぁ参加するよ。で、それはいつからだい?」

 

 

 

「今からだ」

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

すると、横に扉と二人のメイド服を着た悪魔が出現した。

どうやらこの扉が会場へのテレポート用らしい。

 

にしても、あの二人強いなー。

見ればわかる、その練り上げられた魔力…貴様ら、原初の悪魔だな?

 

 

『そうだよ』

 

 

そうなの。じゃあ、二人が緑と青か。

他の5人にもあってみたいな。

 

 

『目の前の魔王が赤だよ』

 

 

え?

 

 

『黒にはいずれ会えるよ?』

 

 

そうなのか…

 

 

『ラズは一旦、寝てて!』

 

はい?

いくらなんでも話が急すぎる、チョット待てと講義しようとするが抵抗虚しく私の意識は闇に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いきなり変わる設定にはなれてくださぁい


来週の雷帝の龍と素晴らしき世界は〜?
論破王リムル、
クレイマンフルボッコだドン、
もう一回遊べるドン!
の三本立てでお送りしまーす!


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