superman EVILSON (パbrokun)
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第1章:絶望

スピンオフ第一弾はこれ!


日本 とある森の中

冷たい風が頬を撫で周りの木々がゆらゆらと揺れる。虫の音は聞こえず妙に静かな森だった。1人の男はその森を進む。どんどんと先に進み森の奥へと歩みを進める。

 

「見えてきたかな」

 

男がそういった目線の先には今までの光景とは全く違うものがあった。木々は倒れ何かが落ちてきた衝撃でクレーターが出来ている。

 

「これは、、、」

 

男は落ちてきた物を見て唖然とする。それは隕石などではなかった。かといって飛行機から落ちた部品などでもない。だがそれは人工物だった。地球のものではない人工物。

 

プシュゥゥゥ!!!

 

やがてその人工物が開き出す。そこには青と赤がメインのヒーロースーツのようなものが入っていた。Sのようなマークが印象的である。すると

 

モゾッ!

 

そのスーツが動いた。男はそれに近づきそれを取り除く。するとそこには赤ん坊がいたのだ。どこからどうみても普通の人間の男の子だ。

 

スッ

 

男は自然に手が伸びてその赤ん坊を抱えた。別に重いという訳ではない。やはり普通の赤ん坊だ。だが、、、

 

「僕が育てよう。」

 

男はそういった。不敵な笑みを浮かべながら、、、、

 

数年後

ニュースキャスター「オールマイト!!!勝利のスタンディングです!!!」

 

場所は神野。ヒーローとヴィランが溢れるこの世界の二代巨頭が戦い。今ヒーローが勝利した。民衆は感動しヒーローは力を失っていた。

 

「ふ、、、ふ、、」

 

その時そのヒーロー。オールマイトは自分が今打ちのめした巨悪。AFOにまだ意識があることに気づいた。

 

オールマイト「貴様まだ!!!」

 

オールマイトはAFOにもう一度拳を叩き込もうとする。その時だった!

 

ジュッ!

 

そんな何かが焼ける音がした。民衆は皆唖然としている。すると笑い声が聞こえ出した。

 

AFO「フフ、、、フフフ!は、、は、、僕の勝ちだね。」

 

オールマイトの胸には二つの穴が開いていた。穴は大きくないがオールマイトは口から大量の血を噴き出す。AFOがやったのではない。それは空から降りて来たものが行ったのだ。

 

「あれは、、、」

 

その場にいたすべての民衆がそれを見る。空から舞い降りる太陽に照らされたその男を。黒いマントを携え、胸元にSのようなマークをしたスーツを来るその男を、、、、

 

オールマイト「お、、、お前、、は、、」

 

ザシュン!!!!

 

その時その男の手がオールマイトを貫通する。その時日本の平和の象徴はこの世を去ったのだ。

 

数十年前

AFO「世界は腐ってる。ヒーローという夢見がちな連中が蔓延り世界を蝕み人々の生活を犯しているんだよ。彼らは人を守るという。だがそれは逆に犯罪者を呼び、彼らが動く事で死者も増える。それが正義だと思うかい?」

 

「よくわからないよ、、、パパ。」

 

そこは薄暗い闇。その場にはAFOとAFOをパパと呼ぶ1人の少年がいた。

 

AFO「今はそれでいいんだ。だが覚えておいて欲しいんだ。この世に必要なのはヒーローじゃない。絶対的な力なんだ、、、、パパはそれに邪魔な病原菌を退治するのが使命なんだよ。」

 

少年は目を輝かせる。

 

「やっぱパパはいい人なんだね!この地球を救おうって!ヒーローっていう悪から!」

 

するとAFOは笑みを浮かべてその少年の頭を撫でる。その笑みは邪悪な物だった。吐き気を催すような、、、生まれながらの邪悪なものの笑みだった。

 

AFO「そうだよカル。その為にお前の力も必要なんだ!」

 

時は戻り神野

「お!オールマイトがぁ!!!オールマイトがぁぁ!!!!」

 

その現場では絶叫が広がる。周りの人々は逃げ惑いその状況はテレビで全国に放送されていた。するとオールマイト殺害の犯人はAFOに近づいていく。

 

AFO「やぁカル、、、流石だよ!」

 

カル「えぇ。巨悪は落ちました。」

 

そしてAFOの肩を持ち立ち上がらせる。カルは周りを見てそして耳を澄ませてからAFOに問う。

 

カル「皆逃げ惑う。父さん、、、、この程度じゃあ駄目なのか?」

 

その時そこにNo.2ヒーローエンデヴァーやエッジショットなど多くのプロが駆けつけて来た。するとカルの目が赤く光る。そして

 

ビィィィィィン!!!!

 

目から熱線が放たれた。その熱線を右から左へ流れるように放つ。そして熱線を打ちやめた時カルの前にもうプロヒーローはいなかった。

 

きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

 

そこには上半身と下半身で切断されたエンデヴァーや頭が焼き切れたエッジショット。そんな亡骸になったヒーローがあったのだ。すると

 

エンデヴァー「き、、、さ、、ま、、」

 

エンデヴァーは歯を食いしばり目を充血させ口から血を吐きカルを睨んだ。そして上半身だけで内臓を引き摺りながらもカルに向かう。だが

 

グシャァァァァァァ!!!!

 

カル「ゴミが。」

 

エンデヴァーの頭はまるでメロンのように踏み潰された。そこから脳みそが四方に飛び散った。指はピクピクとまだ微かに動いていた。それを見ていた雄英生は皆絶望した。その突如現れた残酷な悪魔に、、、、、

 

数年後

ヒュゥゥゥゥゥ〜〜〜〜〜

 

周りは荒れた荒野でタンブルウィードが右から左へ転がっていく。

 

バァァァン!!!

 

そこを数台の車が駆け抜けていった。どの車も古くボロいがまだまだ現役だ。

 

「こちらデク。そっちは?」

 

「問題ねぇ。爆豪そっちは?」

 

「問題ねぇよ、、、、てめぇはてめぇで集中しろ。」

 

「見えて来たぜ。」

 

その4台の車にはそれぞれ緑谷と峰田、轟と八百万、爆豪と障子、切島と砂糖が乗っていた。そして彼らが向かう方向には洞窟に設けられたシェルターがあった。そこには2人の男女と何人かの兵士が立っている。

 

「久しぶりだな雄英。」

 

緑谷「あぁ。久しぶり肉倉。」

 

その場にいたのは士傑高校の生徒だった人達だった。その中心には肉倉精児、現見ケミィの2人がいた。

 

現見「車は?つけられてない?」

 

ケミィは依然とは変わっていてギャル語などは使わず見た目も大人になっていた。

 

八百万「問題ないですわ。車も鉛製で透視もさせません。発信機の類も確認してありますわ。」

 

肉倉「そうか。」

 

そこまでいうと爆豪が前に出て言う。

 

爆豪「それよりブツは?」

 

肉倉「あぁすまない。こっちだ。」

 

すると肉倉達は歩き出し洞窟に入っていった。緑谷達もそれについていく。障子は常時複製腕を使いもしもを警戒する。

 

峰田「なぁケミィめっちゃいい体になってねぇか?」

 

峰田はそう緑谷に問いかける。緑谷は『今そんな無駄なことを言うな』と冷たく答えた。そして

 

肉倉「これだ。」

 

肉倉達が案内した場所にあったのは一つの箱だった。それを開けると、、、、

 

轟「これが、、、」

 

現見「えぇ最後の個性ブースト剤。それが20本。」

 

そうそこに入っていたのは個性を強制的に増強するブースト剤だった。依然は闇市で出回っていた商品だ。そして爆豪がその箱を持った。すると

 

肉倉「本当に挑むのか?スーパーマンに、、、、」

 

肉倉がそう問いかけた。爆豪達は足を止める。

 

肉倉「あの戦いで、、、多くのヒーロー、、そして仲間が死んだ。手も足も出ずに、、、忘れたわけじゃあないだろう?お前達の傷はそれを覚えてる筈だ。」

 

数年前に起こった戦い。その戦いは神野の事件後、世界から集まったヒーロー。そしてあらゆるヒーロー科の学生でスーパーマンに挑んだ。だが勝つことは叶わず参加した90%の者は皆死亡した。そして、、、

 

爆豪「忘れねぇよ、、、俺の右目は今もあいつを見てる、、、」

 

爆豪は右目を失い

 

轟「あぁ俺の右手もずっと震えてやがる。」

 

轟は右手を失い氷の義手を

 

切島「俺もだぜ、、、」

 

切島も左足を失って義足になっていた。そして何より、、、、

 

(デクくん、、、、生きて、、)

 

緑谷「忘れるもんか、、」

 

緑谷は拳を強く握りしめた。その目はどこか憎しみと悲しみを孕んでいた。そして雄英生達はその場を離れていった。肉倉達は緑谷達を見送っている。

 

現見「精児、、、、私達はどうする?」

 

肉倉「俺らは何も出来ん、、、ただ見守るだけだ。」

 

だがその時だった!

 

ズシィィィィン!ズシィィィィン!!

 

肉倉達のシェルターが揺れ天井からは砂や石が崩れ落ちて来ていた。そして

 

ドッゴォォォォォォォォォォォォン!!

 

シェルターの扉が殴り開けられた。その場には1人の男が立っていた。全身黒いスーツを纏い胸にはSのマークがある男、、、、そうスーパーマンだ。

 

肉倉「スーパーマン。何故ここに?」

 

肉倉は恐れずスーパーマンに寄っていきそう尋ねる。すると

 

スーパーマン「貴様らが個性ブースト剤を強奪したと聞いた。本当か?」

 

少し沈黙が走り肉倉が答える。

 

肉倉「いや、、、それは真っ赤な嘘だ。私達はそんなことはしていない。」

 

スーパーマンは肉倉を見つめる。すると

 

スーパーマン「そうだな。お前の心拍は上がっていない。嘘はついていないようだ。」

 

肉倉は内心安心する。だが現実は厳しいものだった。

 

スーパーマン「だがそこの男の心拍が微妙に上がっていた。貴様らは反逆者だ。」

 

その時スーパーマンは一気に上空は飛んだ。そして洞窟を貫きそのまま外へ出る。中にいた何人もの人は騒ぎ逃げ出す。だが

 

ダダダダダダダダダ!!!!!!

 

外で待ち構えていた軍人に皆銃殺されていた。肉倉と現見はその場で立ち尽くしている。

 

現見「私達、、、もう終わりね。」

 

すると段々洞窟が崩れ出した。スーパーマンが外からヒートビジョンで破壊を始めたのだ。

 

肉倉「そうだな、、、、、こんな時イナサならなんて言ったか、、」

 

肉倉は死んだ友の事を思い浮かべてそういった。すると現見は笑みを浮かべて言う。

 

現見「さぁ、、、希望は潰えないっす!とかかな、、」

 

すると肉倉も笑みを浮かべる。そして2人は見つめ合い抱きしめあった。

 

ドスゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!

 

そして2人は瓦礫に押し潰されたのだった。

 

スーパーマンの城

スーパーマンは城の王座にどうどうと座っていた。周りには何人もの従者がいる。だが、、、

 

スーパーマン「父さん、、、世界は平和に向かっているよ。」

 

その場にAFOはいなかった。それどころかヴィラン連合の者もいない。何故なら、、、、彼らも皆スーパーマンに殺害されていたからだ。

 

数年前

カル「父さん。世界は本当に平和になるんですか?」

 

カルは燃える街を見ながらそう問いかける。隣にはワイングラスを片手にするAFOがいた。いやその姿は死柄木だった。

 

AFO「あぁ問題ないさカル。世界は着実に平和に向かっている。」

 

カルはわからなかった。平和とは何かを、、、、本当に平和が訪れるのかを?そして気づいた。自分がずっと父に騙されていたことを、、、、本当の正義は、、、

 

ブシュゥゥゥゥゥ!!!!

 

カル「絶対的な存在が世界を統治する事。それが正義だ。」

 

カルはそう言いAFOの頭を木っ端微塵に吹き飛ばした。

 

現在

緑谷達は自分達の基地に戻って来ていた。それは昔ワイルドワイルドプッシーキャッツが所有していた森一つの山だった。だが今は草木はなくただの荒野のようになっていた。基地に入ると1人の男が話しかけてくる。

 

「思ったより早かったね。」

 

緑谷「あぁ洸太。何か変わったことは?」

 

その男は林間合宿で緑谷が救ったあの洸太だった。今はもう高校生ぐらいの年齢になっている。

 

洸太「いや特に無い。敵もここの半径5キロ以内には入ってきていない。」

 

緑谷「そうか。」

 

その洞窟の中は入り口からは想像は出来ないほど広いものだった。中には多くの居住地があり畑や数頭の牛などがいる牧場があった。そして多くの人が住んでいる。そこには子供の姿もあった。ここは最後の砦。スーパーマンに対抗した者や新しい世界で生きていけないとなった者が集まる場所だった。

 

轟「緑谷。どうやら士傑は堕ちたらしい。」

 

轟が緑谷の耳元でそういった。さっきの情報がもう来ていたのだ。

 

緑谷「そう、、か。全員を明日の朝に集めよう。」

 

すると

 

「緑谷!どうだった?」

 

緑谷達に話しかけるものがいた。その方向を見るとそこには上鳴と椅子に座る耳郎がいた。耳郎のお腹は膨らんでいた。

 

緑谷「取ってきたよ。士傑は堕ちたけどね。」

 

上鳴「そう、、、か、、」

 

すると八百万が耳郎に近づいていく。そして膨らんだお腹に触る。

 

八百万「もうすぐでしたっけ?」

 

耳郎「うん。予定日は5日後かな、、、」

 

上鳴「こんな世界で、、、悪いな。」

 

すると上鳴も耳郎のお腹に手を当てそう言った。そして耳郎の肩に手を回す。

 

緑谷「変えてみせる、、、、、僕らがこの世界を。」

 

その時緑谷は拳を握ってそう言った。他の者も覚悟の目をしていた。すると

 

「おい緑谷!こっち来てくれ!」

 

そこにいたのは1年B組だった回原旋がいた。どこか焦っているような表情を見せている。

 

緑谷「どうした?何かあったのか?!」

 

回原「天喰先輩が、、、」

 

そう言われその場にいた者は回原についていく。そして着いたのは医療室。そこには右手と左足を失い、腹部を一部削がれている天喰の姿があった。

 

切島「天喰、、先輩、、、」

 

一番早く駆けつけたのは切島だった。この戦争が始まった時天喰と一番行動していたのが切島だったからだ。

 

天喰「切、、、島、、」

 

すると天喰の口が開きそう名を呼んだ。掠れた今にも途切れそうな声だった。切島は天喰の残っている方の手を握る。

 

切島「先輩!ここにいます!」

 

切島の目には涙が溢れていた。周りで見ている者の何人かも目に涙を浮かべる。すると天喰は口を開く。

 

天喰「切、、、島、、ねじ、、れ、、を、、助け、、て、やって、、くれ、、」

 

それだけいうと天喰の手から力が消える。そして心電図は完全に動かなくなった。切島は頭を疼くめ手を握りしめた。どうやら天喰は外での物資回収任務の際、子供を守って重傷を負ったらしい。

 

爆豪「キラーエンジンかデスエンジェルの仕業か、、、」

 

爆豪がそう問いかけると回原は『その両方だ』と返答した。爆豪は顔を顰め轟はその場を去った。八百万はそれを追っていく。そして皆が残る時間を各々で過ごす事にした。

 

轟サイド

「パパもママもお帰りぃぃ!!」

 

轟と八百万が入っていった居住地には子供がいた。その子は2人にそう言って抱きついていく。

 

轟「あぁただいま千火」

 

八百万「いい子にしてましたか?」

 

千火「うん!」

 

2人の間には5歳になる娘がいた。この混沌のような世界で生まれた子供。それ依然の平和な世界を知らない子供。2人は千火に寄り添い抱きしめ合った。

 

爆豪サイド

爆豪は一人外を見渡せる監視台に来ていた。もう日は沈み空には星が見える。爆豪の右手にはビール瓶があり左には一枚の写真があった。その写真は最後に撮った家族との写真であった。その写真の自分は太々しい顔つきだった。

 

爆豪「クソが、、、、」

 

爆豪はそう一言言ってからビールを飲んだ。

 

緑谷サイド

緑谷は一人一番奥の居住地に向かっていた。そこは一番開発場に近い場所でもあった。すると

 

「出久さん!おかえりなさい!」

 

一人の女性がそう言って緑谷の元に歩み寄ってきた。髪がピンク色で身体中煤まみれの女性だった。

 

緑谷「うん。ただいま明。」

 

そして二人は二人の我が家に入って行った。家の中は他の物と変わらず広くも狭くもない場所だった。トイレに風呂、リビングがあり寝室がある。こんな世界にしては豪華なものだ。

 

緑谷「明さんはお風呂に入ってくれば?僕がご飯作るからさ!」

 

緑谷がそう言うと発目は緑谷をジッと見て顔を近づける。そして

 

発目「ダメです!出久さんは今帰ってきたばかりなので疲れてる筈です!私は後でいいので先入っててください。夜は私が作ります。」

 

そして発目に風呂に叩き込まれる。緑谷は笑みを浮かべシャワーを浴びる。

 

ジャージャージャージャー

 

緑谷は立ちながら立てかけたシャワーを浴びる。体には幾つもの傷が見て取れた。そして緑谷は胸の傷を見る。

 

うわぁぁぁぁぁ!!!!きゃぁぁぁあ!!!

 

数々の人の悲鳴が聞こえる。助けを求める声も、苦痛の声も、、、そして、、

 

(デクくん!!)

 

そんな自分を呼びかける声が聞こえる。何度も聞いた女性の声、、、、

 

(デクくん!デクくん!)

 

「出久さん!」

 

その時緑谷はこっちに戻ってきた。頭に響くその声を発目が消し去ったのだ。

 

緑谷「ど、、、どうしたの明?」

 

発目「もう長風呂すぎです。」

 

緑谷「あっ、、、」

 

そして緑谷はすぐに風呂を出る。そして二人で夕飯を食べて寝室に行く。

 

発目「明日、、、、行くんですか、、」

 

すると突然発目が悲しそうな声でそう問いかけてきた。緑谷は一言『うん』と答えた。すると発目は緑谷を抱きしめる。だが何も言わない。ただ抱きしめた。

 

緑谷「明、、、」

 

緑谷がそう呼びかけると発目は顔を上げる。そして二人はキスをした。

 

発目「出久さん、、、、抱いて、、ください、、」

 

すると発目がうるうるした目でそう言った。緑谷は無言で発目をベッドに押し倒した。

 

数年前

緑谷「はぁ、、はぁ、、、、はぁ、、」

 

緑谷は体をボロボロにして地面を這っていた。周りでは沢山の人が死んでいる。

 

緑谷「瀬呂、、、くん、、、」

 

緑谷の目の前には体が変な方向に折れ曲がっている瀬呂の死体があった。その目は開いていて光はない。そして今も、、、、

 

ビィィィィィィィン!!!!

 

きゃぁぁぁぁ!!!ぐぁぁぁぁ!!!!

 

悪魔が空から人々を殺していた。その時悪魔が地面を這いずっている緑谷のことを見る。緑谷はそれを見て絶望する。悪魔の目は光り今にも熱線が放たれようとしていた。その時、、、、

 

「デクくん!!」

 

ビュン!

 

誰かが緑谷の前に現れヒートビジョンが体を貫通した。その人物はそのまま緑谷の上に倒れてきた。

 

緑谷「うら、、、麗日、、さん、、」

 

そうその人物は麗日だった。緑谷はまだ理解が追いついていない。すると

 

プスッ!

 

麗日が緑谷に何かを刺した。その瞬間緑谷に凄まじい眠気が襲う。そして緑谷の薄れゆく意識の中で最後に聞こえたのは

 

麗日「デク、、、くん、、生きて、、、」

 

そんな麗日の声だった。

 

「這いずっていた奴は死んだか?」

 

悪魔は透視を使い緑谷達を見る。両者の心臓は完全に停止していた。そう麗日は緑谷に仮死剤を打ったのだ。それは一瞬心臓を止める事が出来る薬だった。そこから蘇生された緑谷はその場で麗日の亡骸を抱え

 

 

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 

 

絶望し泣き叫んだのだった。その叫びは地球中に轟と言っていいほど凄まじいものだった。




ということで書きました!多分全3章とかになるかな?それでは!


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第2章:家族

発目「出久、、、さん?」

 

真夜中、、行為を終えて眠っていた時に緑谷は突如発目に抱きついて泣いていた。普段の緑谷は皆を指揮する立場。リーダーであり弱さを見せれず強気で全てに挑まないと行けない。そんな男でも心の傷というものには敵わなかった。唯一今の自分を包み込んでくれる存在に自分の弱さを曝け出すのだ。そんな存在が緑谷には必要だった。

 

緑谷「僕は、、僕は、、、、」

 

緑谷は目から大粒の涙を零し発目を強く抱きしめる。まるで子供のように、、、すると発目は優しく緑谷の頭を撫でる。

 

発目「大丈夫ですよ、、、私がいますから、、」

 

それはまるで聖母のような存在だった。緑谷はこの時間だけ全てに救われるのだ。

 

スーパーマンの城

スーパーマンことカル=エルは自室の窓から外を眺めている。そこには大きな都市が広がっていた。『スーパーマンシティ』彼が統治する街だ。そこでは全くもって犯罪のない街だった。何故なら犯罪をすれば殺されるから、、、、、圧倒的な恐怖と力による統治体制を取っていたからだ。

 

「どうしたんですか?何か、、、気に触りました?」

 

背後からそんな声が聞こえてくる。するとカルは『いやそんなことはない』と言ってベッドに向かっていった。

 

スーパーマンシティ

「お前さぁ!この前の奴見たか?」

 

「おぅ見た見た!やっぱスーパーマン様は凄いよなぁ!」

 

街では多くの人が平和に暮らしている。皆笑顔で何不自由なく暮らしている。そこにはヴィランもなくヒーローもない。今までの世界とは違いまた大昔の世界が戻ってきたような物だった。

 

「グッドモーニング!!スーパーマンシティの諸君!!今日もニュースをやってくぜぇ!」

 

大音量でニュースが流れる。だが誰も気にしない。今喋っているこの男が元プロヒーロープレゼントマイクだったことなど、、、、

 

バンッ!

 

誰かがビルから叩き出されていた。手には多くの書類があった。

 

「元々プロヒーローだったなんてどうでもいいんだよ!会社で使えなきゃあクビだッ!」

 

「そこを、、、あっ、、」

 

周りの人々はその光景を見て笑う。スマホで写真を撮る者もいた。その女性が元No.2ヒーローエンデヴァーのサイドキックバーニンとも知らず、、、、

 

「おいお前ッ!何だそれは!塗装が甘々じゃあないか!」

 

また別の建築現場では一人の男性が若手をそう怒鳴りつけていた。

 

「なぁあの人マジでウザイよな、、、」

 

「あぁ、、なんか元々プロヒーローだったとかよぉ、、、どうでもいいだろ、、」

 

悪口・陰口を言われる嫌われ者の男性。元々は皆に好かれる心優しいヒーローセメントス。だがそんなこともう誰も覚えていない。

 

「おうおういいねぇ!もっとケツをこっちに!おぉ!!」

 

とあるストリップバーでもそんなヒーローがいる。その女性はほぼ全裸のような格好で男性客の前で卑猥な踊りをする。

 

「元々プロの頃から気になっとったんじゃよ!ほれこれで奥の部屋で頼もうか!」

 

男に渡された10万円を見てその女性は笑みを浮かべて奥の部屋に男性を案内する。

 

 

 

 

「ふぅ、、、いやぁ気持ちよかったよルミちゃん!今度もよろしくのぅ!」

 

誰ももう気にしない。今自分が抱いた女があの勝気なバニーヒーローミルコだった女性とは、、、、

 

とある砂漠地帯

「こっちかな、、、、そろそろ着くと思ってたけど、、」

 

砂漠の真ん中で水を飲み地図を見ている一人の女性がいた。

 

レジスタンスの基地 朝

緑谷「よし。全員集まったな。」

 

その場にはレジスタンスの戦闘員が全員集まっていた。皆大きなテーブルを囲み立っている。テーブルには地図と色々な資料が置いてあった。

 

轟「頼んでた援軍の方は?」

 

轟は洸太にそう問いかけた。すると洸太は手元の資料を見ながら言う。

 

洸太「援軍として参加してくれそうな人を当たりましたが、、、、皆戦う気はなく、、」

 

爆豪「ケッ、、、チキンどもがよ、、」

 

援軍は望めない。正直絶望的と言って構わない状況だった。すると

 

「だがスーパーマンシティ内に協力者がいるだけマシだな、、、そんな悲観はするな。」

 

一人の男性がそういった。その男は昔若手の有望株と言われた翼を持つヒーローホークスだった。だが今の彼の翼は一つしか生えていない、、、

 

「といっても本当に信用できるかしら?結構怪しいと思うけど、、、、」

 

そうホークスに問いかけたのは低身長の赤髪の女性。昔ジェントルというヴィランと共に活動したラブラバだった。

 

「それなら安心しろお前らッ!俺が保証する!」

 

彼は元ヴィラン連合のトゥワイス。相変わらずマスクをつけている。ホークスとは相棒のような間柄だった。その時

 

「はっ!馬鹿ばかしいぜッ!どうせ何も出来ず死ぬだけだ、、ヒック!」

 

その声がする方に顔を向けるとそこには椅子にドッシリと座って片手に酒瓶を持つ男の姿があった。右足は義足になっていて髭が凄く髪も不清潔といったところだ。その男は、、、、

 

ホークス「イレイザー、、、飲み過ぎだ。」

 

そうイレイザーヘッドこと相澤消太だった。今の彼はまるで別人かのような人間に変わってしまっていた。毎日酒を飲む酔っぱらい、不衛生な見た目(それはあまり変わらないが、、)人によく怒鳴りかける。

 

相澤「うるせぇホークス!てめぇは黙っていやがれ!!」

 

そう怒鳴って相澤は立ち上がる。だが足はフラフラで倒れてしまった。周りが心配して近寄るが相澤はそれを払い退ける。

 

緑谷「相澤先生、、、、酒を飲んで逃げるのはもうやめてくれよ。そんなことしたって心操くんh「黙れッ!!

 

緑谷が言葉を言い終わる前に相澤がそう怒鳴って立ち上がり緑谷を殴り飛ばした。

 

発目「出久さん!」

 

轟「先生ッ!」

 

発目は緑谷の元に轟や八百万が相澤先生を拘束した。緑谷は殴られた頬に触れてから差し伸べられた洸太の手を握り立ち上がる。

 

相澤「てめぇなら、、、てめぇならわかんだろ?!なんで、、ふざけんなよ!」

 

緑谷は何も言わずただ相澤を見ていた。緑谷の隣に発目が現れ相澤に言う。

 

発目「出久さんもわかってます!皆んなの気持ちが!先生の気持ちが!でも、、、、でも自分が背負う物が大きくて、、、それでもずっと耐えて頑張ってるんです!」

 

段々発目の目に涙が見えてきた。相澤は何も言わずただ発目の声を聞いている。

 

発目「皆んな辛くて、、、それでも頑張って生きて!いつかどうにか変えようって、、、、先生こそ、、あなたこそ何もわかってない!出久さんの気持ちも考えてください!一番逃げてるのはあなたです!」

 

そこまでいうと轟と八百万に『もぅ大丈夫だ。』と一言言った。そして二人は相澤を離す。

 

相澤「すまないな、、、今ので酒が抜けたよ。」

 

そう言って相澤はその場から離れていった。皆は乱れた机や椅子を元の位置に戻す。

 

発目「大丈夫ですか出久さん?」

 

緑谷「うん。大丈夫だよ明。」

 

その時だった。一人の救護員が血相を変えて会議の場に入ってきた。皆が動揺し何があったかを問う。すると

 

「実は、、、、グラントリノの容態が、、」

 

それを聞いたと同時に緑谷はすぐさま動いて救護室に向かった。

 

救護室

緑谷はグラントリノの寝るベッドの隣で座る。グラントリノの心拍はか弱いものだった。

 

緑谷「後どのぐらいなんですか、、、、」

 

緑谷が聞くと医療員は少し澱んでから言う。

 

「いつでもおかしくありません。」

 

緑谷は『そうですか』と言ってから二人にしてほしいとお願いした。そして緑谷はグラントリノに寄り添う。

 

緑谷「グラントリノ、、、、」

 

緑谷がそう呼びかけるとグラントリノの目が開く。そして緑谷を見て言った。

 

グラントリノ「おぉ、、、俊典ぃ、、どうしたぁ、、」

 

グラントリノは不治の病に襲われていてかつ認知症も患っていた。緑谷は笑顔で会話を続ける。

 

緑谷「今日、、、戦いに出るんだ。最後になるかもしれない、、でも、、、やらなきゃ駄目なんだ。」

 

緑谷がそういうとグラントリノは大きく息を吸って吐いてから言う。

 

グラントリノ「そう、、、、かぁ、、戦い、、わしも、、行けたら、、、いいが、、体が、、、なぁ、、」

 

緑谷の目には涙が見え始めていた。緑谷はグラントリノの手を握って言う。

 

緑谷「絶対勝って、、、、世界を取り戻すよ。」

 

するとグラントリノも緑谷の手を握り返す。

 

グラントリノ「そう、、だな、、、、お前、、は、、平和の象徴だ、、、俊典、、」

 

緑谷は頷きながら手を強く握る。その目にはさっきよりも大粒の涙が見えていた。するとグラントリノの手から力が抜けた。

 

グラントリノ 死去

 

緑谷は一人外を眺めている。するとそこに爆豪が寄って行った。

 

爆豪「もう行くぞデク。遅れんな。」

 

緑谷「うん。わかってる。」

 

爆豪は緑谷の後ろ姿を見て下を向きそれから言った。

 

爆豪「絶対勝つぞ。」

 

すると緑谷はこちらを向いて

 

緑谷「あぁ!」

 

そう力強く言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパーマンの城

「ねぇお父さん?どうしたの?」

 

カル「ん?」

 

「なんか浮かない顔してるから、、、私相談乗ろっか?」

 

カルことスーパーマン。今彼は二人で食事を取っていた。相手は自分の事をお父さんと呼ぶが実の子供ではない。

 

カル「いや大丈夫だよ。それこそどうだ学校は?」

 

「退屈、、、、お父さんと一緒の方が楽しいからなー、、そうだ!今日遊ばない!」

 

するとカルは笑みを浮かべて朝食を食べ終える。そしてカルはその娘に言う。

 

カル「今日は忙しいからな、、、また今度遊んであげるさ。今日はお母さんと遊びなさい。」

 

「むぅーつまんないのぉ、、、でもお母さんも大好きだからいっか!」

 

そして二人で笑みを浮かべる。この娘はカルのスーパーマンの顔をあまり知らない。だから彼女にとっては彼は理想の父でありヒーローなのだ。本当のヒーロー、、、そしてスーパーマンもこちらではただのカル。良き父なのだ。するとカルは服を着替えて言う。

 

スーパーマン「それじゃあお母さん達を困らせるなよ壊理

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レジスタンス基地

緑谷「作戦はもう述べたようにあちらについて協力者に裏ルートでシティに入れてもらう。そして数日の偵察及び仲間の勧誘を行い、、、、本丸を落とす。」

 

そこにはフル装備をした緑谷達がいた。それはヒーローの時とは違い銃なども携帯している。皆目に強い意志を持っていた。

 

轟「今日の為に俺達はあらゆる準備をした。何人もの人が犠牲になり、、、、そして掴んだこのチャンス。」

 

爆豪「ぜってぇ失敗は許されねぇ、、、てめぇら全員死んでも戦え!!」

 

皆の熱が上がっていく。そして段々と基地の入り口が開いていった。皆が専用のバギーに乗る。鉛製で光学迷彩を使った対スーパーマン用のステルス機である。全部発目製だった。そして皆が最後かもしれないと残る者に言葉を残す。

 

上鳴「響香。ぜってぇ生きてかえっから、、、」

 

耳郎「当たり前だよ。死んだら殺すから!」

 

二人は笑みを浮かべお互いにキスをする。そして上鳴は耳郎のお腹に触れて言う。

 

上鳴「パパ行ってくるよ。」

 

するとその場に八百万達が現れる。どうやら娘を耳郎に任せるようだ。耳郎も喜んで受け入れる。

 

千火「パパ、、、、ママ、、いつ帰ってくるの?」

 

千火はちょっと涙目でそう聞いた。八百万と轟は笑みを浮かべて千火の頭を撫でる。

 

轟「すぐ帰ってくるさ千火。」

 

八百万「えぇ!悪者をママ達がパパッと倒してくるだけですから!」

 

二人は出来る限り娘を安心させようと心がける。千火の顔にもだんだん笑みが戻ってきていた。そして

 

緑谷「行ってくるよ。明、、、」

 

発目「私とこの子は何があろうと待ってるので、、、、絶対帰って来てくださいね!」

 

発目は笑顔でそう言い放った。緑谷もそれに返して笑みを浮かべる。そして二人でキスをする。その時緑谷の頭に?が浮かんだ。この子?すると

 

発目「あっ、、、口走っちゃいましたね、、、、その、、実は私と出久さんの子が、、」

 

そう言って発目は自分のお腹に触る。緑谷は久しぶりに顔を赤くする。すると発目に水をかけられた。

 

発目「しっかりしてくださいパパさん。平和の象徴として!」

 

そう言われ緑谷の頭の中にグラントリノとの会話が流れる。そして拳を握りしめまた言った。

 

緑谷「行ってくる!!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

 

緑谷達が乗るバギーはどんどんと進んでいく。発目達はそれを手を振りながら見送っていた。すると

 

ブォォォォォン!!!!

 

また一台基地から出る物がいた。そのバギーはどんどんと緑谷達の元に近づいていく。緑谷達はそれに気づき段々とスピードを落としていく。それは

 

泡瀬「相澤先生、、、、」

 

そう相澤先生がこっちに向かって来ていたのだ。基地から300mぐらい進んだ所で皆が止まった。そして相澤のバギーも到着する。

 

八百万「相澤先生、、、やっぱり来てくれるんですね!」

 

八百万がそういうと相澤は言った。

 

相澤「いや違う。お前らを止めにきた。」

 

皆に衝撃が走る。だが相澤の主張は変わらず話を続ける。

 

相澤「お前らがやろうとしてることは自殺行為だ。俺は生徒をそんな目には合わせられない。」

 

爆豪「生徒だぁ?もう学校なんてねぇのによぉ、、まだ酔っ払ってんのか?!」

 

爆豪がそういうと相澤は以前と気迫を取り戻していて爆豪に圧をかける。目を赤くして個性を使っていた。

 

相澤「どちらにしろ、、、俺はお前らを死なせる訳には行かねぇんだよ。」

 

緑谷「相澤先生、、、」

 

緑谷がそう言って相澤に近づこうとした時だった。

 

ビュオンッ!!

 

突如空中に何かが通った。皆がそれを見て一瞬で理解した。

 

轟「スーパーマンだ!全員バギーに乗れ!」

 

そう奴だ。全員が一瞬でバギーに乗りスーパーマンの目から逃れる。だが、、、、スーパーマンが狙っていたのは緑谷達ではなかった。

 

ドゴォォォォォォォン!!!!

 

スーパーマンはレジスタンスの基地に突入したのだ。緑谷達の背筋が凍る。

 

切島「不味い、、、おいあれ不味いって!!」

 

緑谷「戻らないと!!」

 

その時!

 

ボッゴォォォォォォォォォォン!!!

 

基地が大爆発した。それと同時にスーパーマンがその爆炎の中から飛び出してそのままスーパーマンシティの方角に飛んでいった。その光景を理解するのに数秒がかかった。そして何人かが基地の方に歩み出す。

 

八百万「千火?千、、、千火、、千火ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

最初に理性を失い叫んで走り出したのは八百万だった。するとそれを轟が後ろから抱きしめて止める。

 

八百万「何するんですか焦凍さん!千火が!早く、、早く行かないと!!」

 

その顔は絶望と悲しみと焦りあらゆる悲しみの感情が合わさった顔だった。轟は強い力で八百万を抱きしめる。

 

轟「無理だ、、、百、、あいつは、、絶対に誰も生かさない!!」

 

すると爆発現場に軍隊のようなものが現れた。それはスーパーマン直属の軍であり残りを排除する為に送られるものだった。

 

八百万「そんなのありえません!!千火は、、千火はぁぁ!!!」

 

八百万はその場に泣き崩れる。轟はずっと八百万を抱きしめ大量の涙を流していた。

 

上鳴「嘘、、、だ、、」

 

上鳴は目の前の状況が理解出来ずその場に膝を落とす。そして段々涙が溢れて来ていた。すると

 

緑谷「行くぞ。」

 

緑谷がそう言った。その言葉を聞いて上鳴と八百万は緑谷を見る。

 

上鳴「お前、、、何言って、、」

 

その時上鳴の言葉は止まった。緑谷の顔を見たからだ。緑谷は涙を流し下唇から大量に血を流しながら泣き叫ぶのを堪えていたのだ。握る拳も凄まじく手から血が滴っていた。そう、、、、彼らに残る道はただ作戦を遂行する。それしかなかったのだ。すると

 

相澤「俺は行かないぞ、、、、、」

 

相澤がそう言った。すると爆豪が相澤に掴みかかって言った。

 

爆豪「てめぇ、、、あれ見ても何も思わねぇのか!!」

 

すると相澤は思いっきり爆豪に頭突きした。爆豪は後退する。そして相澤は言った。

 

相澤「何もわかってねぇんだお前らは!!俺は、、俺はもぉ、、もぉ絶対、、、誰かが死ぬのは見たくねぇ、、、」

 

相澤はそう言って一人違う方にバギーを走らせた。だが誰も止めようとしない。いや止められなかったのだ、、、、そして彼らは進む悲しみを抱いてスーパーマンシティへ

 

夜 元レジスタンス基地

「跡形もない、、、か、、」

 

旅する一人の女性が元レジスタンス基地だった所に足を踏み入れる。そこにはほぼ塵しかなかった。

 

スーパーマンシティ

ここは中心地からは少し離れた安いアパートだった。時間は夜。もう多くの人は寝ている時間。

 

ガチャ!

 

「ただいまぁ」

 

そこに一人帰ってくる。そう言うが誰も声を返さない。少し進むと明かりが見えた。一人の男性が子供を寝かしつけていた。

 

「おかえりルミ。今寝た所だよ。」

 

ルミ「そっか、、、ありがとな本当に」

 

ルミことミルコは夫にそう言った。家事はほとんど出来ないミルコに変わり夫は仕事をしながらも家事をしてくれていたのだ。だが

 

ルミ「本当にごめんな、、、、家事も出来ないのにろくに稼いでこないで、、」

 

ルミは元ヒーロー。普通の職業ではなかった。そんな彼女はこの世界になって上手くついて行けていなかった。出来ることと言ったら力仕事と夜の女の仕事しかなかった。

 

ルミ「ほら。これあんたにやるよ。」

 

するとルミは10万円を夫に渡す。

 

「これ、、、またあの人と?」

 

ルミ「話したくない」

 

そう言ってルミは風呂に向かう。それを夫が腕を掴んで止めた。

 

「もう、、、そんな辛いことはしないでくれよルミ。僕、、頑張るからさ」

 

するとルミはその手を払い除けて言う。

 

ルミ「あんたばっかに任せられないだろ、、、、これが一番稼げるんだ、、、」

 

そしてルミは風呂に入っていった。

 

スーパーマンの城

スーパーマンの部屋。そこには1人の美女が裸で寝ていた。だがスーパーマンの姿はそこにない。彼はテラスに出て外の夜景を眺めていた。車が行き交い多くの人が通りを歩く。犯罪は無い。だが、、、、、

 

壊理「お父さん?」

 

するとそこに壊理が歩いて来た。

 

カル「どうしたんだい壊理?早く寝ないと明日遅れるぞ?」

 

壊理「大丈夫。それよりお父さん最近ここいるよね」

 

壊理にそう言われカルはただ『そうだな』と答えた。

 

壊理「私もここ好きなの。スッゴイ綺麗だよねぇ、、、色々考えるんだ。ここで、、、、」

 

するとカルは壊理を抱き寄せて言う。

 

カル「お父さんも一緒だよ。」

 

空には流れ星が流れる。壊理はそれを見て願い事をした。

 

壊理「お父さんとお母さん達とずっと幸せに暮らせますように!」

 

その光景を裸の女性はじっと見ていた。




全3章構成にしようと思ってましたが全然終わらんと思う


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第3章:幸せ

一応現状の『レジスタンス』メンバー表です。

緑谷出久
ワンフォーオール最後の継承者。雄英の生き残りで作られた『レジスタンス』を指揮する。

爆豪勝己
『レジスタンス』の特攻隊長。最初の大きな戦いに置いて右目を失っている。親族は死んでいる。

轟焦凍
『レジスタンス』の参謀。最初の大きな戦いで右腕を失う。エンデヴァーや荼毘、母に兄や姉は死んでいる。

切島鋭二郎
『レジスタンス』の切込隊長。最初の大きな戦いで左足を失っており義足になっている。芦戸とはいい関係になっていたがスーパーマンに殺されている。

八百万百
『レジスタンス』の参謀補佐。

峰田実
『レジスタンス』の構成員の一人で容姿はほぼ変わっていない。その中身も同様。

障子眼蔵
『レジスタンス』の偵察隊隊長。最初の戦いにおいて喉を失い喋る事が出来なくなっている。

砂糖力道
『レジスタンス』の切込部隊の一人であり切島の相棒。

上鳴電気
『レジスタンス』のメンバーであり特攻部隊員の一人。

回原旋
『レジスタンス』のメンバーであり第二部隊の隊長を務めている。物間や鉄哲は最初の戦いで死亡している。

取蔭切奈
『レジスタンス』の隠密部隊隊長であり第二部隊の参謀。泡瀬と同棲している。

小大唯
『レジスタンス』のメンバーであり第二部隊の切込隊長。最初の戦いで左目を失っていて眼帯をつけている。

庄田二連撃
『レジスタンス』のメンバーであり第二部隊の特攻隊長。

鱗飛龍
『レジスタンス』のメンバーであり第二部隊の切込部隊員。右手を失っている。

角取ポニー
『レジスタンス』のメンバーであり第二部隊の特攻隊員。顔の半分を火傷している。

泡瀬洋雪
『レジスタンス』のメンバーであり第二部隊のメカニック。取蔭と同棲している。

洸太
『レジスタンス』のメンバーであり情報を主に取り扱っている。プッシーキャッツの面々は洸太を守り死亡している。

ホークス
『レジスタンス』のメンバーでありNo.2。左の翼を失っている。

トゥワイス
『レジスタンス』のメンバーでありホークスの相棒。マスクはつけているがどんどん前向きになって来ている。

ラブラバ
『レジスタンス』のメンバーでありハッカー。ジェントルはスーパーマンに殺されている。



緑谷は死体の山の中、血の海の中、自分を助け自分の目の前で死んだ麗日の亡骸を抱え歩いていた。だがすぐに力尽きてその場に倒れ込む。

 

発目「緑谷、、、さん?」

 

目を覚ました時最初に目が合ったのは発目明だった。この戦いでの数少ない生き残りの一人だった。

 

発目「よかった!生きてたんですね!」

 

発目は涙目でそう言った。だが緑谷の目は虚だった。何もそこにはないかのように、、、、

 

発目「緑谷さん!今日は車椅子から立って見ましょう!」

 

それからの日々は発目が緑谷を介護していた。リハビリにも付き合っていた。だが緑谷の目は長い間虚を見ていた。そんなある日の夜。いつも通り発目は緑谷をベッドに横にさせた。そしていつもならそのまま部屋を出ていくのにその日は違った。発目は隣に座って話出す。

 

発目「緑谷さん、、、、今から私、、残酷な話をします。」

 

緑谷に反応はない。ずっと虚を見ている。

 

発目「皆んな死にました。オールマイトも、エンデヴァーも、ベストジーニストも、校長も、ミッドナイトも、多くの生徒、、、多くのヒーロー、、、、そして、、麗日さんもです。」

 

緑谷の指がピクッと動く。だが依然虚を眺めている。反応はない。

 

発目「辛いですよね。わかります。いや、、、私にはわからないかもですね、、、、、あなたの気持ちは、、」

 

発目は緑谷にそう言うと抱きしめる。強く強く抱きしめた。

 

発目「でも、、、でも私は、、、、、私は緑谷さんの側にずっといます!麗日さんの分も、、、死んでいった皆んなの分も!あなたを、、、、支えます!それが、、、麗日さんとの約束だから!」

 

発目は最初の戦いが始まった時麗日にそう言われていた。それが何故だったか、、、、今では答えはわからない。だがどちらも、、、彼を大事な人だと思っていたからかもしれない、、、

 

発目「緑谷さん!私は、、、、私がいますからッ!!どうか、、、どうか生きてください、、、」

 

発目は緑谷を抱きしめながら泣いていた。その涙が緑谷の頬に落ちると段々緑谷の目からも涙が溢れて来た。そして、、、、二人で泣き叫んだのだ。

 

(私が、、、いますから!!)

 

(私はずっと隣にいますから、、、)

 

(しっかりしてくださいね!パパさん!)

 

(いってらっしゃい!)

 

緑谷の頭の中になんどもそんな声がこだまする。そして見えるのは自分の前で無惨に死んでいる麗日、そして発目の姿だった。

 

緑谷「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!

 

その時緑谷は目を覚ました。今はスーパーマンシティの向かっている途中。一時夜になったのでキャンプを作っていた。そしてキャンプを張っている場所はMt.レディの白骨遺体の目の穴だった。

 

爆豪「うるせぇぞデク。」

 

緑谷が目を覚ました時はまだ深夜。大半のものは寝静まっていた。だが見張りの爆豪は起きていた。

 

緑谷「ごめん、、、少し、、取り乱した。」

 

緑谷がそういうと爆豪は持っていた小型の水筒の水を飲む。

 

爆豪「皆んなうなされてるぜ、、おめぇみたいに。」

 

周りを見ると轟と八百万は抱き合いながら両方とも涙を流しながら寝ていた。上鳴も涙を流して寝ている。すると爆豪は手に持っていたベリーを手渡す。

 

緑谷「これは?」

 

爆豪「黙って食え。ちょっとは気が楽になる。」

 

緑谷はそれを口に放る。どこか冷静になる感じの清涼感だった。だが正直気休めにもならない。

 

爆豪「本当にちょっとだろ?それでも無ぇよりマシさ。」

 

すると爆豪はそのベリーをまるで薬物中毒者のようにほうばる。彼も余裕などではないのだ。精神的に参っているのは皆同じ事だった。

 

緑谷「ありがとう。かっちゃん、、、」

 

すると口に放り込んでいたベリーを飲み込んだ爆豪は言う。

 

爆豪「もう絶対誰も死なせやしねぇ、、、、」

 

そう言った爆豪の目は何があろうとそうするという意志があった。もう絶対、、、絶対誰にも死んでほしくないのだ、、、、

 

 

 

 

 

 

 

スーパーマンの城

スーパーマンの部屋には二人の男女がいた。二人は裸でベッドに横になっている。一人はスーパーマンことカル。もう一人は彼の妻だった。

 

「何故そんな暗い顔をしているのですか?」

 

その女性はカルに寄り添いそう言った。するとカルは立ち上がり窓の前に立つ。

 

カル「私は、、、最近考えるんだ。自分のしていることが正しいのかを。」

 

女性はベッドの端に座り話を聞き続ける。

 

カル「街を見れば確かに平和は保たれている。犯罪などない、、、私が統治していなかった時期と比べれば、、、、確実にここは平和になっている。だが皆が幸せかと聞かれれば答えはNOだ。」

 

すると女性は口を開く。

 

「でもそれは昔の世の中も変わらないと思います。皆が幸せには、、、、正直言うと無理な話だと私は思います。」

 

カルは『そうだな』と言ってからその女性の方を見る。そして言った。

 

カル「ならば君は今幸せか、、、一佳。」

 

その言葉をかけられ一佳、、、拳藤一佳は固まる。するとカルは続ける。

 

カル「確かに私の世は平和で、一見すると素晴らしい世界だ。だが、、、、それは私が殺して来た者の死体の上にある。それだから私を恨み反乱を起こそうとするレジスタンスが生まれるのは私の運命だ、、、、だが私は彼らを殺さねばならない。この街を守るため、、娘を守るため、、、、君を守るため。」

 

するとカルは下を向く一佳に近づいていく。

 

カル「だがこの前、、、彼らの基地を襲い大勢の人を殺した時私は実感した、、、、、、私は今、、他人の幸せを奪っているのだと、、」

 

カルは下を向き続ける一佳の肩に手を置きもう一度問いかけた。

 

カル「私は、、、、君の大事な友を大勢殺した。なのに君は今私と共にいて更には体すらも捧げている。恨むべき相手に、、、なのに私はそれに気づかず今まで過ごして来た。まるでそれが当たり前かのように、、、、君の全てを奪ったのに、、、、だから、、君に言いたかった、、、、本当に、、すまなk」

 

カルが言葉を続ける前に一佳は思いっきり怒鳴った。

 

拳藤「黙れッ!!

 

カルはその言葉通り口を閉ざす。すると一佳は立ち上がってカルを突き飛ばし言う。

 

拳藤「謝罪なんか!何の意味もないんだよ!!さんざん人を殺しといて、、、心変わりしましたすみません。じゃあねぇんだよ!!

 

カルは何も言わず一佳を見て言葉を聞いている。一佳は止まる事なく言う。

 

拳藤「私は、、私は今もあんたを恨んでる!心の底で絶対あんたを殺してやるって思ってる!!皆んなの仇を取りたいって!!でも、、、、

 

すると一佳は涙を流しながら言う。

 

拳藤「例え、、、例えあんたを殺せても、、、、、今の私にはあなたを殺せない、、」

 

そして一佳はその場で腰を落としてヘタりとする。

 

拳藤「最初はずっと、、、、憎くて、、ずっと殺すことばっか考えてた、、でも、、、、何年も一緒に暮らしてて、、本当の家族みたいだった、、壊理ちゃんといるあんたはいいお父さんで、、壊理ちゃんも私のこと、、、お母さんって、、呼んでくれて、、」

 

一佳はボロボロ涙を流しながら続ける。

 

拳藤「あの悪夢が、、本当に悪夢で、、、あんたと壊理ちゃんとの暮らしが本当の世界なんじゃあって何度も思った、、、私達と一緒の時のあんたは、、本当に優しくて、、、、心の底から私達を愛してくれた、、だから殺せない、、、少しでも、、、ちょっとでも幸せだって感じちゃったから、、、そんな自分が許せない、、でも、、それでも!この幸せだけは失いたくない、、例えあんたが憎むべき相手でも、、、だから謝らないで、、、もう私から何も奪わないで、、、」

 

そして溢れ出る涙を手で拭う一佳をカルは優しく抱きしめた。そして一佳に語りかける。

 

カル「あぁ、、、わかった!わかったよ一佳、、だから絶対守り抜く、、この幸せだけは。何をしようと。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパーマンシティ

私は何で生きてるんだろう、、、、最近はよくそう考える。新しい世の中になって私の居場所はなくなった。昔はエンデヴァーの右腕として皆んなに指示をして優秀な上司って評判だった。でも今はただの無能、、無職、、、どこに行っても厄介払い。お金は無く大家に最後の忠告をされる。借金もある、、、今の私は、、、

 

 

 

 

      ただの抜け殻だ

 

 

 

ゴキッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ聞いた?隣の上路さん自殺したんだって、、」

 

「そうなんですか?知りませんでした、、、お気の毒ですねぇ。」

 

「昔はバーニンって名で活躍したのに、、、この世界じゃあ生きずらかったんですかねぇ、、」

 

上路萌は自室で首をつり自殺していた。その死体は取立てに来た大家によって発見されたと言う。だが世界は平和だ。犯罪はない。ただただ平和な日々が続いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブロロロ!!!!

 

レジスタンスの乗るバギーがどんどんと進んでいく。その眼前には大きな壁で囲まれたスーパーマンシティがあった。

 

轟「見えて来たな、、、、」

 

緑谷「あぁ。」

 

その一団は上手く動き気づかれにくい場所を通りスーパーマンシティ北東付近の壁を目指す。そしてその場につくとそこには大きな岩があった。

 

爆豪「これなのか?」

 

ホークス「あぁ。情報によれば」

 

そしてその岩に向けてバギーを進める。すると!

 

ガァァァァァァァ!!!!!!

 

その岩が開き出した。緑谷達は警戒を怠らないよう気をつけてその岩の中に入っていった。

 

ラブラバ「意外に広いわね、、、、」

 

回原「何だ?」

 

その時揺れが起こったそれと同時に段々と足場が下がっていく。

 

砂糖「なるほど、、、エレベーターか、、、、」

 

そして下にたどり着く。そこにはもっと広い空間があった。そして一人の男性がそこにいた。

 

「やぁやぁレジスタンスの諸君!ようこそスーパーマンシティの地下、、、我ら異能解放軍のケイブヘ!」

 

緑谷「あぁリ・デストロ。今回はありがとう。」

 

リ・デストロ「いやいや、、、緑谷君には色々お世話になってるからね!発目くんは元気かね?」

 

すると周りの空気が暗くなり緑谷も歯を噛み締める。するとリ・デストロは何があったかを察して言う。

 

リ・デストロ「お悔やみを、、、、惜しい人を亡くしたな、、」

 

そしてリ・デストロは後ろを向いて歩き出す。緑谷達もそれについて行った。

 

リ・デストロ「ここはどう使って貰っても構わない。作戦決行まで自由に使ってくれ。私はスーパーマンを出来る限り足止めすることに注力しよう。」

 

そこには一人一人の部屋に風呂にトイレ、武器庫など充実した物が多くあった。しかも完全防音によりスーパーマンには聞かれず、鉛製の壁で透視もさせないというものになっていた。

 

リ・デストロ「それでは私は行かねばならないのでこれで。」

 

そしてリ・デストロは別のエレベーターに乗り地上に向かった。緑谷達は広間に集まり自分達の荷物を置く。皆口を開こうとしない。すると

 

八百万「皆さん、、、、紅茶、、お淹れしましょうか?」

 

八百万がそう口を開いた。皆八百万が一番最初に口を開くとは思わず驚いている。だが

 

轟「あぁ、、頼む百。」

 

轟が最初に答えた。すると他の何人かもそれに続いて八百万に紅茶を頼む。頼まねばならないと、、、、そう思った。八百万はゆっくりと台所に向かう。

 

緑谷「それじゃあ、、、作戦を確認しよう。」

 

八百万が台所に向かったところで緑谷がそう言った。そして資料を机に広げる。

 

緑谷「まずは仲間集め、、、それが必要だ。この街に残っている元ヒーロー、ヴィランに協力を仰ぐ。決戦前は全員で街を散策し協力者を探していく。」

 

皆が頷く。

 

緑谷「そして決戦時の説明に入る。」

 

そして説明が始まった。作戦は次の通りだ。まず上鳴と庄田、回原で街の電波及び電力塔に向かいそれをジャックする。そして街が停電した所でスーパーマンの城に向かう。そこで2部隊に分かれる。一部体は緑谷、轟、爆豪、砂糖、切島、上鳴、洸太、庄田、小大、角取、鱗、回原で構成され正面から相手の兵力を減らす。もう一部体は、、、、

 

緑谷「そしてもう一部体、、、隠密部隊はスーパーマンの金庫からあれを取って来てもらう。」

 

取蔭「あれ、、、クリプトナイトだよね。」

 

緑谷「あぁその通りだ。」

 

クリプトナイト それは昔ゾッドというスーパーマンと同じ宇宙人が襲来した時(ゾッド達はすぐにスーパーマン達によって殺されたが、、、)船に積まれていた積荷の一つ。そしてそれはスーパーマンの肉体を弱らせるのだ。

 

緑谷「そしてその隠密部隊は残りのもの、、取蔭、八百万、泡瀬、峰田、障子、ホークス、トゥワイス、ラブラバに行ってもらう。増えた分の仲間は出来る限り正面部隊に追加しようと思う。」

 

皆がお互いの顔を見て頷いた。その時

 

八百万「皆さん。紅茶を淹れました。」

 

八百万が紅茶を皆んなに出し始める。

 

八百万「ゴールドティップインペリアルです。いいものがありよかったです。」

 

するとラブラバは目の前の紅茶を見て思いを馳せる。自分が好きだった男との日々を、、、、

 

ラブラバ「ジェントルが言ってた紅茶ね、、、こんな時に飲めるなんて、、」

 

そして皆が紅茶を飲み干した。皆の心には熱い意志が宿っていた。すると

 

切島「ちょっといいか緑谷?」

 

その場で声を出したのは切島だった。緑谷は『なんだ?』と問いかける。

 

切島「俺、、、環先輩と約束したんだ。ねじれ先輩を助けるって、、、、、だから俺は最初の仲間探し、、ねじれ先輩を探したい。構わないか?」

 

すると緑谷は少し考えてからいう。

 

緑谷「あぁ問題ないよ。それにねじれ先輩も十分に戦力になってくれるだろうからね。」

 

緑谷の目にはもう優しさはなかった。任務を遂行する、、、、それだけを考えている目だった。

 

緑谷「それでは作戦会議は終了、、、各自明日からの計画のため十分に休んでくれ。」

 

それぞれに思うことがある。だが皆の心の中で決まっていることが一つあった。それは、、、スーパーマンをなぶり殺すこと。憎しみを全てぶつけ奴の苦痛の表情を見ること。内臓を撒き散らし許しをこう奴の顔を見ること。そんな実に残酷なものだった。




いつもより短めでした。後3話あるかも、、、それでは!


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第4章:遺産

ちょっと遅くなったけど!


数年前

拳藤一佳は何人かの女性と一緒に並ばされている。周りには多くの人がいた。ここは奴隷市場。皆首に爆弾が仕掛けられた首輪をつけている。そして拳藤も奴隷としてここで売られていたのだ。ヒーロー社会が崩れ、スーパーマンが帝国を築き上げる少し前のことだった。

 

奴隷商「さぁさぁよってらっしゃい見てらっしゃい!今回の奴隷は上者だよぉ!!」

 

多くの人が拳藤や周りの女性のことを見る。すると一人の男が拳藤を見て奴隷商に問いかける。

 

「なぁ!このオレンジ髪の子、、、中々いいじゃあねぇの!」

 

その言葉を聞いて無感情だった拳藤の体がビクッと動く。

 

奴隷商「お客さん!中々いい目で!この女は元雄英生でしてね!中々の美貌とプロポーションでしょう!」

 

奴隷商や客の男はニヤニヤと話を進める。拳藤の心拍はどくどくと上がっていく。

 

奴隷商「何でもしますよこの奴隷は!元雄英生ということで戦闘もできる!しかも優秀で家事なども出来るでしょう!そして、、、、なんと処女!」

 

客からオオオ!!!という声が上がる。周りの他の客も興味を見せてきているようだ。

 

奴隷商「労働奴隷としても戦闘奴隷としても性奴隷としても一級品だと保証しましょう!」

 

すると最初の客が言う。

 

「買ったぜ!その子買うよ!」

 

そうして拳藤はその男に買われた。するとその奴隷はとんでもないことを言う。

 

「よし!じゃあ今ここで本当に処女か確かめるぜ奴隷商さん!もし違ったら金は一部返してもらうぜッ!」

 

その瞬間拳藤の頭はサァァァァっと真っ白になる。そして地面に押さえつけられる。対抗しようとするが

 

「おっとやめときな!首の爆弾が爆発するぜぇ!」

 

そう脅されどうにも出来なくなる。拳藤は息を荒くして目に涙を浮かべる。そして男のベルトを緩まる音が聞こえる。その時!!

 

ドッゴォォォォォォォォォォォォン!!

 

背後でそんな轟音が鳴り響く。そして次の時には拳藤は血まみれだった。それは拳藤の血ではなかった。自分を辱めようとした男の切断された首から飛び散ったものだった。その時拳藤の目にはこちらに手を差し伸べる復習するべき憎き悪魔が天使のように見えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねぇお母さん!ねぇ!!お母さん!!

 

 

 

 

 

 

     壊理「お母さん!!!

 

拳藤は目をパチパチさせて目の前の壊理を見る。すると壊理は頬を膨らませて言う。

 

壊理「ずっと呼んでたのに何で無視したの!」

 

すると拳藤は『ごめんごめん!』と壊理を宥めた。

 

拳藤「ちょっと色々昔を思い出してたんだ、、、」

 

拳藤がそういうと壊理は笑みを浮かべてウキウキで聞いてくる。

 

壊理「ねぇねぇ!それってお父さんとのこと?ねぇ!聞かせてよー」

 

壊理は拳藤にそう言い寄った。その時拳藤はスーパーマンのことを思い出す。そして顔を青ざめさせた。

 

壊理「どう、、、したの?お母さん?」

 

そんな拳藤を見て壊理はそう心配そうに問いかけた。拳藤はすぐに笑みを浮かべて言う。

 

拳藤「大丈夫!ただちょっと、、、気分が悪くなっただけだから!」

 

すると壊理は心配そうに『本当?』と言う。拳藤は頷いて笑みを浮かべた。

 

壊理「それじゃあさぁ、、教えてよー二人の話ー」

 

壊理がまたそう問いかける。拳藤は拳を強く握りしめてからゆっくりと話出した。

 

拳藤「お父さんと私は、、、、、、」

 

壊理「いつ好きになったのぉ!告白したのはどっちぃー?どんなとこが好きなのぉ?」

 

無邪気なその質問に拳藤は苦しむ。そして握っていた拳からは血が流れ出していた。思い出すのが辛いのだ。それは今の自分を苦しめるもの、、、、その幸せを蝕むもの、、、、彼女はカルを愛してはいない。だが今の生活には幸せを感じている。だからこそ、、、、この記憶は辛いものなのだ。だが、、

 

拳藤「告白したのは、、、お父さん、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カル「私の、、、、妻にならないか。」

 

カルは自分の城で使用人として働かせていた拳藤にそう問いかけた。

 

拳藤「それは、、、どういうことで?」

 

カル「いや、、、そのままの意味だ。君がいやなら、、、」

 

拳藤「いえ。私は使用人なので、、、、カル様が言うなら。」

 

だが拳藤はその時も拳を強く握りしめ流血していた。

 

 

 

 

 

 

壊理「それでぇ?それからぁ?!お父さんの好きな所はぁ?」

 

拳藤「お父さんの、、、好きな、所は、、、」

 

拳藤の頭の中でカル=エルの姿とスーパーマンの姿が何度も交差する。友達やヒーローを惨殺する悪魔と、家族に優しい面倒見のいい夫。そして自分は、、

 

拳藤「優しい、、、所、、かな、、、」

 

あんな悪魔が本当はいい人、、、心の根幹はいい人間だと思っていた。そう信じているのだった。すると

 

カル「二人共!ご飯出来たぞ!」

 

壊理「は〜〜い!お母さんも早く!」

 

そして壊理はカルの方に走っていく。拳藤は地面に座りながらカルを見る。すると彼は笑みを浮かべ

 

カル「一佳!食べよ!」

 

そう言ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷(これだけ探してるのに、、、、、やっぱり殆どの人はもう、、、)

 

そう緑谷達は今スーパーマンシティで仲間を集めていた。だが緑谷は未だ誰も見つけられていない。そう思っていた時だった。

 

マイク「レディィィスアンドジェントルメェェェン!!!」

 

そんな声がスーパーマンシティに響き渡る。その声は誰だかすぐにわかった。いつも聞いていた声だった。

 

 

 

テレビ局

「プレゼントマイク!これ次の予定です。」

 

マイク「あぁ、、、わかった。ちょっと外の風浴びてくる。」

 

マイクはそう言って屋上に行った。そして手すりを掴みタバコを吸う。すると

 

緑谷「プレゼントマイク。」

 

背後からそんな声が聞こえ出した。マイクはすぐに後ろを向く。そして持っていたタバコを落とした。

 

マイク「お、、、、おめぇは、、」

 

すると緑谷はマイクの方に歩いていく。そして隣の手すりを掴む。

 

マイク「お、、、お前、、スーパーマンにバレたら、、」

 

緑谷「いや。その心配は無い。色々用意はしてある。」

 

そうして緑谷はマイクの方を見た。そして語り出す。

 

緑谷「単刀直入に言う。レジスタンスに参加してくれ。」

 

するとマイクは鼻で笑って別のタバコを取り出す。そして火をつけ吸って口から離し言う。

 

マイク「んなもん無理に決まってんだろ緑谷。俺はもうこの世界で生きてくんだよ。」

 

その言葉を聞いて緑谷はマイクを睨んだ。だがマイクはそんなの気にせず続ける。

 

マイク「確かに元ヒーローとして、、、仲間を殺されたこと、、それは悔しいしずっとあいつを恨んでる。だけど今、、、、俺は生きてる。ヒーローの時よりも裕福にな。テレビにも出てる。ヒーローの次にやりたかった仕事が出来てるってわけだ。」

 

すると緑谷はマイクを掴んでフェンスにマイクを叩きつける。

 

緑谷「なんで、、、なんでそんなこと言えるんですか?あなた、、、ヒーローで先生でしょ!!」

 

するとマイクは言う。

 

マイク「人間はなぁ、、、緑谷。世界の変化に対応するしかないんだよ、、、、」

 

緑谷はそれを聞くと歯を食いしばり手を離した。

 

マイク「お前も、、、もう諦めるこった、、」

 

マイクがそう言って顔を上げた時にはもう緑谷はその場にはいなかった。マイクはため息をついてタバコに火をつける。

 

マイク(白雲ぉ、、、お前は俺達をどう思ってんだ、、)

 

マイクは夜空を眺めながらそう心の中で死んだ友にそう語りかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある建築現場

セメントス「俺はもうやめたんだ、、、、昔の俺はもういない。」

 

泡瀬「でも、、先生!」

 

取蔭「このままでいいんですか?!」

 

背中を向けたセメントスに泡瀬と取蔭が訴えかける。するとセメントスは歩みを止めていった。

 

セメントス「もうこのままでいさせてくれ、、、、」

 

そうして歩みを続けた。2人は何も言えなかった。ただその場で立ち尽くすだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあこれねルミちゃん!また来週ねぇ〜」

 

ルミ「ありがとうございました。」

 

元ヒーローミルコは夜の仕事を終え家に帰っている。途中色々な店を見て子供の誕生日に何を買ってあげようか考える。

 

ルミ(今日は給料出たし、、、、何か買って帰ってやっか!)

 

そして娘と夫の為にちょっとしたものでもプレゼントを買いルミは家に帰ってきた。だがその時何かに気づいた。

 

ルミ(なんだ、、、、誰かいる、、)

 

ルミは匂いと音で誰かが自分達の家に入ってきていることを察知する。そして

 

バァァァン!!!

 

ルミ「2人共!!大丈夫、、、、」

 

そして一気に扉を開けて入ってきたルミは目の前に広がる光景に言葉を失う。そこにいたのは昔のヒーロー仲間だった。そしてその目の前には椅子に座ってホークスと話していたであろう夫がいた。

 

ホークス「ミルコさん。久しぶりっす。」

 

ルミ「やめろその呼び方、、、私はもうただのルミだ。」

 

ルミは荷物を置くと夫に聞く。

 

ルミ「こいつに何か言われた?」

 

「いや、、、ちょうど今訪ねてきた所で、、、、だからまだ何も。」

 

するとルミは『そう、、、』と呟いてから夫に娘の部屋に行ってもらうことにした。この男と2人で話す為に、、、、

 

ホークス「すいませんねぇ急におしかけちゃって!」

 

ホークスは机にある端末を置いてから笑みを浮かべてそう言った。ルミが『これは?』と問うとどうやら会話を聞かれない為の物らしい。あのスーパーマンから、、、、

 

ホークス「それじゃあ話といきたいんですが、、、」

 

ルミ「私は行かないぞ、、、ホークス。」

 

ルミは先程の笑みの裏にあった考えを感じ取ってそう答えた。するとホークスの目が変わる。笑みも消してルミを見た。

 

ホークス「計画は完璧だし人員も集まってきてる、、、今なら勝てるかもしれないんだぞ。」

 

そしてそう言う。だがルミは逆に笑みを見せて言い返した。

 

ルミ「人員って?片方の翼しかない鳥さんとボロボロの元雄英生が?どうせ他の人員なんて集まってねぇんだろ?」

 

そこまで言われるとホークスは拳を握りしめるだけで何も言わない。ルミは続ける。

 

ルミ「それに作戦?どんな?作戦を立てた所で勝てない、、、、勝てなかったろ?前も!結局同じなんだよ、、、」

 

ホークス「あんた、、、本当に変わりましたね。」

 

ホークスはそう小さく言った。するとルミは言う。

 

ルミ「あぁ変わったよ。そうじゃあねぇと生きてけないんだよ、、、、こっちの世界じゃ。」

 

ルミがそういうとホークスは写真を出す。それはルミが良く相手する客の昔の写真だった。

 

ホークス「見覚えありますよね?あんたがよく相手する客です。世界がこうなる前は未成年の子を誘拐して売っていた。自分で楽しんでからな、、、、、」

 

ホークスがそこまで言うとルミはホークスを見て一言言った。

 

ルミ「で?」

 

それを言われホークスは何も言えなくなってしまった。するとルミは続ける。

 

ルミ「そいつがどんなクズかはどうでもいいんだよ、、、それにもう過去の話だしな。だけど今は私の常連、、、、いい客なんだよ。正直助かってるぜ、、体使わせてやるだけで金を恵んでくれるんだ。今ならわかるよ、、お客さまは神様だ!!ってね、、、お前知ってっか?あのおっさんマジ神だぜ!口でするだけでr『もういいやめろ!!』

 

するとホークスが話の途中でそう叫んだ。ルミは口を閉じてホークスを見る。するとホークスは言った。

 

ホークス「わかりましたよ、、、、、一応決行は明日の夜です。来るならイーストサイドの33番街の電話ボックスに来てください。それじゃあ、、」

 

そしてリビングから廊下への扉に触れる。その時ルミは言った。

 

ルミ「私だって好きでやってんじゃねぇんだよ。生きる為に、、、家族養う為にやってんだ、、だから無理なんだよ、、もう絶望に自分から突っ込んで死ぬかもしれない、、いや確実に死ぬとわかってるような戦いに足を踏み入れられないんだよ。夫を、、、娘を、、愛してるから、、」

 

ルミは拳を握りしめ頭を下げて机を見ながらそういった。その机には涙が落ちていた。ホークスは何も言わず、、、、いや何も言えず家を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある路地裏

切島(波動先輩!!いったいどこなんだ?!)

 

切島は1人街を駆け巡り波動先輩を探していた。だが一向にして波動先輩を見つけられないでいた。その時

 

「おい!てめぇ何そこで寝てんだ?ここはベッドじゃあねぇんだよ!」

 

「す、、、すみません、、」

 

切島は何人かの男に怒鳴られているホームレスを見た。最初は何も思わなかった。ただのホームレス、、昔の世の中にもいた。誰も助けようとはしない、、、今も昔も、、、、、だが

 

「住む場所、、、ないんです、、」

 

切島の耳にはその人物の声に聞き覚えがあった。ゆえに見てしまう。その方向を、、、、そして見えたのは水色の髪の美女だった。

 

「お前さん、、、、顔も体もいいんだから体売っちまえよ!それなら住む場所出来るんじゃあねぇか?」

 

「い、、、いや、、そういうのは、、、、」

 

「あぁ?往生際が悪ぃ女だなぁ!」

 

そして男が暴力を振るおうとした時

 

切島「やめとけよ、、、、その辺で。」

 

切島がそう言って男の腕を掴んだ。男は『あぁん?』と言って切島を見る。だが、、、、

 

切島「やめろよ。」

 

切島に睨まれ男達は怖気付きその場から離れていった。そして、、、

 

切島「久しぶりですね、、、波動先輩!」

 

切島は笑みを浮かべて波動先輩にそう言った。だが波動先輩は何も返さない。目は虚で無気力だった。

 

切島「は、、、波動、、先輩?」

 

そして切島は波動の肩に軽く触れる。その時

 

波動「やだ!やめて!!ご、、ごめんなさい!ごめんなさい!ぼ、、暴力は、、やめ、、て、、、、」

 

急にそう大声を上げた。切島は余りの豹変に驚き手を下げる。波動は息を荒くして目からは涙が流れていた。

 

切島「ど、、、どうしたんですか、、波動先輩、、、俺のこと、、忘れちゃいました?」

 

切島がそう問うと波動は顔を上げる。その時切島は全てを理解した。波動はさっきから虚を見ていたと思っていた、、、だが違った。本当の虚を見ていた。そう、、、、、

 

波動「誰、、、なの?私、、何も、、、見えないの、、」

 

そう彼女は失明していたのだ。ショックだった。だが切島は波動に語りかける。

 

切島「波動先輩、、、俺は、、切島です。雄英の、、後輩です。」

 

波動「切島、、、くん?あの、、硬い?」

 

切島は『そうです。』と一言言った。すると波動の目からは涙が溢れ出し、そして切島に抱きついた。

 

波動「やっと、、、やっと会えた!知ってる、、、人に、、、、、」

 

泣きながらそう言う波動に切島は何も言わずただただ抱き返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後波動先輩を秘密基地まで連れて行き、一体何があったのかを聞いた。彼女は最初言いたげではなかったが段々話し始めてくれた。

 

波動「最初の戦いの時、、、、皆んなと別れた後すぐに凄まじい光が発せられて、、私は光を失った。そこから、、、、彷徨って彷徨って、、一度施設に入れられた。でもそこの施設が満員になると、、、、私は一人暮らしを強要された。でも、、、そう簡単にいかないよ!だって一人暮らしもしたことなかったし、、、目も見えないんだよ?だから、、、そのまま家も追い出されて、、、、今だよ、、」

 

波動はそこまで言うと淹れてもらった紅茶を飲む。波動は涙を浮かべる。

 

波動「久しぶりだ、、、、こんな美味しくて温かい飲み物、、、」

 

すると波動がそういえばと切島に聞いた。

 

波動「どうして私を探しにきてくれたの?」

 

切島は少しの間何も言えなかった。どう言っていいかわからなかった。だが諦めて口を開く。

 

切島「天喰先輩が、、、、」

 

波動「環くんが?!!」

 

その時波動は体を乗り出してそう聞いた。そして続けて聞く。

 

波動「環くんがいるの?!どこに?!!環くんは生きてたんだね!」

 

だが切島は何も答えない。ただ目に手を当て下を見ている。その沈黙に波動は嫌な予感を察知した。

 

波動「ね、、、ねぇ切島くん?なんで、、、、、なんで何も言わないの?た、、環君は?いるん、、だよね?ここに、、、いる、、、生きてるんだよね?!」

 

だが切島は中々答えない。波動は見えないながら切島のいるだろう方に手をやって切島を掴む。そしてゆすりながら言う。

 

波動「ねぇ、、生きて、、るんだよね!」

 

切島「波動先輩、、、、」

 

切島はやっと口を開いて波動の手を握った。そして言う。

 

切島「天喰先輩は、、、、もう、、」

 

その瞬間波動の動きは止まった。手から力は抜け声も出さなかった。いや出せなかった。ただ涙を流すことしか今の彼女には出来なかったのだ。切島も涙を流しながら波動を抱きしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある賃貸

トゥワイス「なぁおいスピナー!話聞いてくれって!」

 

伊口「話しかけるな!スピナーは死んだ!ステインとともにな!」

 

トゥワイスは階段を登っていくスピナーを見ながらその場で足を止める。いや今は伊口と言った所か、、、

 

トゥワイス「また、、、引きこもりに逆戻りか?」

 

そう言うと伊口は足を止めた。そしてこちらを振り向いて言う。

 

伊口「俺達は、、、何か出来る。世界を変えれるって思ってた、、だけどそんなのはただの夢だったのさ。俺らには何も出来ない。」

 

トゥワイス「だけど!俺たちは、、、生きてんじゃあねぇか!天が生かしてくれたんだよ!何かを成し遂げろって!お前はそう思わねぇのか?!今こそ俺達が変えるんじゃあねぇのか?!」

 

トゥワイスはそう返した。だが伊口は止まることなく自分の部屋の前に来て鍵をポケットから出しながら言う。

 

伊口「俺たちは遺産(レガシー)なんだよ。過去のもの、、、栄光のヒーローの時代の悪の遺産。生き延びた意味なんてのは、、、ねぇんだよ。」

 

そして伊口は鍵を開けて部屋に入っていった。トゥワイスは何も言えなかった。ただ部屋に入っていく伊口を見ていることしか、、、、、、

 

伊口「はぁ、、なんなんだよ、、、」

 

伊口は自分の部屋に上がりふととある押し入れを見る。そこには昔の自分のコスチュームがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

マイクの家

マイクは1人酒を飲みながら緑谷に会ったことを思い出す。そしてその手には酒の入ったグラスだけでなく昔の友と3人で写る写真があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ルミの家

「機嫌、、、、悪そうじゃないかルミ。」

 

夫はルミを見てそう言った。そして紅茶を一杯手渡す。ルミは『ありがとう』といってそれを飲み干した。

 

「昔の、、友達なんだろ?」

 

ルミ「いや、、、、友達ってまでじゃない、、、、同業者だっただけだよ。」

 

すると夫は椅子に座りルミのことを見て聞く。

 

「それで?彼は君になんて言ったんだい?」

 

夫は優しい顔でそう聞いてきた。ルミはその顔を見てため息をついてから話出す。

 

ルミ「バカなことだよ、、、復讐したいんだってよ、、この国の王様に。」

 

ルミがそういうと夫は『そうか、、、、』と一言だけ言った。夫は続けて聞いてきた。

 

「ルミは、、、、もし僕達がいなかったら行くのかい?」

 

ルミはその言葉を聞いて口を紡ぐ。そして夫の方を見た。

 

ルミ「わからない、、、、でも、、行ってるかもね。少なくとも、、ヒーローに戻りたいって、、、、どっかで思ってるかもな、、、」

 

ルミは自分の拳を握りしめ開きその掌を眺めた。すると夫はその手を握ってルミに言う。

 

「僕は、、、君に惚れた。兎山ルミに、、、、、」

 

ルミ「ば!何言ってんだよ、、、」

 

ルミは頬を赤らめて恥ずかしがる。だが夫は真面目な表情で続ける。

 

「でも君は、、兎山ルミであるのと同時にヒーローミルコなんだ。それをずっと忘れてた、、、」

 

ルミ「な、、、何言ってんだよ、、ミルコはもう、、、」

 

「生きてるよ。君の中でずっと。」

 

そう言われルミの心が揺れる。そして思い出す。街で暴力を振られている人がいたら助けに行こうと毎回思うこと、、、、たまに蹴りの練習をしていること、、、そしてたまにヒーロースーツを取り出してそれを眺めていたこと、、、

 

「だから君がミルコになりたいなら、、、、僕は応援する。」

 

ルミ「何、、、言ってんだよ!もし私がミルコに戻ったら、、、、お前も、、あの娘も、、、皆んな死ぬかもしんないんだぞ!!」

 

ルミは目に涙を浮かべながらそう怒鳴った。すると夫は優しい目で、だが強い意志を持つ目で言った。

 

「ラミは、、、僕が命に変えても守り抜く。僕は何があっても君についていくって、、、そう思って君と結婚したんだ。だからもし、、、君がミルコになって戦うというのなら、、僕は君を止めないよ。その代わり、、、、絶対生きて帰って来てもらうけどね!」

 

夫は笑みを浮かべてそういった。ルミは何も言わずただ涙を流すことしか出来なかった。どこまで私はこの人に助けられるのだろうか、、、、、そう思っていたのだ。

 

ルミ「私は、、、、私は、、」

 

ルミの頭の中に色々な情景が浮かぶ。スーパーマンに挑んで敗北したこと、友や知り合い、家族が奴に殺されたこと、、、、そしてそれによって生まれた今の生活の幸せと苦痛を、、、、すると

 

ラミ「ママ?」

 

娘がルミの服を掴んでいた。どうやらさっき怒鳴ったせいで起きてしまったようだ。

 

ラミ「なんで泣いてるの?大丈夫?」

 

ルミは涙を拭って笑みを浮かべる。そしてラミの頭を撫でた。

 

ルミ「大丈夫、、、、ママちょっと、、考え事しててね、、」

 

そして娘を見て思う。自分は本当にミルコになっていいのだろうか?ミルコになれば生活は苦しくなるだろうし最悪皆んなが死ぬことになる。もし死ぬのが自分だけでも娘には悲しみを与えてしまう。自分がヒーローだった時は家族なんて考えていなかったから死地に飛び込めた。だがやはり今は違う、、、、だがその時

 

ラミ「ママ、、、後悔はしちゃやぁよ?」

 

娘にそう言われたのだ。それはたまに自分が娘に言っている言葉。そしてヒーローの時からの信念だった。後悔はするな私のモットー   そしてその時ルミは頭の中に変わった世界を思い描く。全てを変えて夜の仕事もせず娘と今までより一緒にいられる世界を、、、、そして笑みを浮かべたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決行日 夜

「やっぱ似合ってるなルミ、、、」

 

「やめろ恥ずかしい///」

 

ラミ「ママカッコいい!!」

 

ルミは昔のヒーロースーツを着ている。出産して少し太ったからか昔よりムチっとしている。だが流石の着こなしだった。そして扉を開けて言う。

 

ミルコ「ヒーローミルコ、、、一夜限りの復活だ!!」




ということで4話です!後3話ぐらいあるかもです!


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第5章:悲劇

久しぶりの投稿です!内容は変わらず胸糞!


ミルコ「で、、、、集まってんのはこんだけか、、、、」

 

ミルコは言われた場所に行き電話ボックス型のエレベーターで地下に来ていた。そこには雄英生とホークス。そして元ヴィランが2名いるだけだった。

 

爆豪「チッ、、、結局こんなもんかよ、、、、来たのはババア1人か、、、」

 

ミルコ「誰がババアだ帰るぞッ!」

 

ミルコがそう言うとホークスが宥める。各々が自分達の成果を話していた。そして、、、

 

取蔭「波動先輩が見つかったのは良かったけど、、、失明してるとはね、、、」

 

大きな戦力になると踏んでいた先輩が失明していて戦いに出れないというのは実に厳しい状況だった。

 

角取「今1人デスけど、、、置いていって大丈夫デショウカ、、、」

 

すると緑谷は洸太の事を見た。

 

緑谷「洸太、、、、お前は残るんだ。」

 

洸太はその言葉を聞いたと同時に『は?』と一言言った。すると緑谷は続ける。

 

緑谷「この場において一番戦闘なれしていないのは、、、洸太。お前だ。だから洸太はここに残って先輩をr『何言ってんだよ!!』

 

洸太は緑谷の言葉を遮ってそう言い放った。その目は強い力を誇っていた。

 

洸太「ふざけんなよ!俺だって戦うって決めたんだ!死んでいった皆んなの為に、、、、俺は戦わなきゃあならないんだ!!」

 

すると緑谷は洸太の肩に手を乗せて言う。

 

緑谷「洸太。お前の気持ちはよくわかる。だけど、、、先輩を残してはいけないんだ。」

 

洸太「でも、、、」

 

緑谷「お前は、、、僕達の希望なんだよ洸太。」

 

すると洸太は顔を上げる。そして周りを見る。皆が洸太の事を見ていた。

 

緑谷「何があっても、、、お前には生きてて欲しいんだ。もし僕達が死んだ時、、、、、次の未来を任せる者を、、死なせたくはないんだ。」

 

洸太は歯を食いしばる。握っている拳からも血が出て来ていた。その後も洸太は何も言わなかった。そして自分の部屋に戻っていった。

 

ミルコ「おい、、、、あいつ大丈夫なのか?」

 

ホークス「大丈夫ですよ。あの子は、、、、強いです。」

 

すると緑谷はテーブルに計画表を広げる。

 

緑谷「最後にもう一度作戦の確認だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパーマンの城

カル「なん、、、だって?」

 

カルは持っていたスプーンを手から落としそう言った。

 

拳藤「今言った通りです。」

 

目の前には拳藤がいる。そして隣に座る壊理は目を輝かせていた。

 

カル「子供、、、僕と、、君のかい?」

 

拳藤「はい。」

 

壊理「やったぁぁぁぁぁ!!!」

 

壊理は大きな声でそう言い放った。そして拳藤を見て聞く。

 

壊理「ねぇねぇお母さん!妹なの?それとも弟?」

 

拳藤「それはまだちょっとわからないかなぁ、、、妊娠がわかったばっかだから。」

 

壊理はつまらなそうにしているが心から喜んでいた。自分に下の子が出来るというのは彼女にとって嬉しいことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を食べた後、カルは外に出ていた。すると拳藤は後ろから歩いてきてカルの隣に立つ。

 

カル「子供、、、か、、」

 

拳藤「あれだけしておいて出来ない方がおかしいと思いますけどね。」

 

カルは微笑んでから拳藤を見る。すると拳藤は口を開く。

 

拳藤「今も、、、あなたに思う気持ちはかわらない。恨んでるし好きでもない。」

 

カルは目線を下に向けて暗い顔をする。だが

 

拳藤「だけど、、、あなたとこれからも暮らしていく。それが幸せで、、、、この子も大事だから。」

 

そして拳藤はお腹を触る。そしてカルの手を持ってそこに合わせた。

 

拳藤「だから、、、」

 

カル「わかってる。わかってるよ、、、、一佳。」

 

そう言って2人は抱きしめあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秘密基地

全員集まっての作戦の説明が行われていた。作戦の手順は変わりなかった。すると

 

ミルコ「でもよぉ、、、ここまで動いてバレずに済むのか?まず前提としてスーパーマンをどうにかしねぇと、、、」

 

すると緑谷は『それについては、、、』といって写真を出す。

 

緑谷「リ・デストロこと、四ツ橋力也に頼む。」

 

そこに写っていたのはこの秘密基地の提供者であるリ・デストロだった。

 

ホークス「彼には彼の会社のこれからの事業をするにあたってスーパーマンと会って話しておきたいという旨で会合を開いて貰った。そこを突く。」

 

そうリ・デストロは丁度今、スーパーマンの城に赴いていた。スーツを着込み案内人に続く。

 

「こちらでお待ちを。」

 

四ツ橋「あぁ。ありがとう。」

 

そしてリ・デストロは会合の部屋に入り椅子に座った。周りを見て状況と最悪の場合に備える。

 

四ツ橋(緑谷、、、、失敗はするなよ、、)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷サイド

緑谷「まず落とすは電波塔。相手の通信を断つのが目的だ。」

 

電波塔に上鳴一行が向かって行っていた。皆特殊な服を着て武器を持ち急ぐ。

 

ミルコ「そんなんしたらスーパーマンにバレるんじゃねぇか?大丈夫なのかよ?」

 

ホークス「そこについては大丈夫です。スーパーマンには四ツ橋がいますし、何より特殊な細工はしてあります。」

 

リ・デストロは会合の部屋で1人、バレないようテーブルの裏にとある装置を設置した。それは音声遮断装置だった。これにより外部の音はスーパーマンに聞こえない。だが、、、

 

ミルコ「でもそれじゃあ、、、逆に怪しまれるんじゃ?まさかそんなてきとうな作戦で私を誘ったわけじゃあねぇよな?!」

 

ミルコがそう言うとホークスは続けて言う。

 

ホークス「大丈夫です。ダミーの音声をその装置から流します。スーパーマンには外部から聞こえている音と錯覚させられます。」

 

そこまで聞くとミルコは口を閉じてまた椅子にドサッと座る。その頃上鳴一行は順調に目的地に向かっていた。

 

上鳴「回原、庄田!絶対やり抜くぞ!!」

 

回原「あぁ、わかってるッ!」

 

庄田「失敗は許されない!!」

 

3人は電波塔に到達していた。それは300mはある光り輝く塔だった。3人は顔を見合わせその塔を駆け登り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷サイド数分後

緑谷「結構までの予定時刻も迫ってきた、、、僕達も所定の場所に移動するぞ。」

 

緑谷がそう言い立ち上がると他の者達も立ち上がりそして最後の準備を始める。数分後、準備が終わった一向は地上に現れる。するとそこには

 

トゥワイス「お前、、、、スピナー!」

 

スピナー「チッ」

 

スピナーがいたのだ。昔ヴィラン連合の一員として動いていた時と同じ服装、同じ武器を携えたスピナーだった。

 

爆豪「クソトカゲ、、、てめぇ何で来た?」

 

トゥワイス「来ないって、、、お前、、」

 

するとスピナーはトゥワイスを見て言う。

 

スピナー「俺はもう、、、、逃げない。隠れない、、このマスクを目につけた日から、、そう誓ってた筈だった。でも俺は、、、結局また殻に戻っちまった。昔のようなグズにな、、、だがそんな時お前が来た。あの時俺はお前に俺たちは遺産(レガシー)だって言ったな。確かにそうだ。その考えを変えるつもりはねぇ。だがよぉ、、俺達は、、、、俺は、、やっぱ自分を変えたかった。」

 

そこまでスピナーが言い終えるとトゥワイスがスピナーに抱きついていった。目からは涙が溢れている。

 

トゥワイス「お前!お前って奴はよぉ!もおおお!!!」

 

スピナー「離れろトゥワイス!離れろ!!」

 

「スピナーか、、、、まぁ今になってはヒーローもヴィランも関係ないな。」

 

突然スピナーの背後からどこか聞いたことがある声が聞こえてきた。その方向を見ればそこには大柄な頭の四角い人物がいた。その人物は、、、、

 

切島「セメントス、、、、先生!!」

 

そう元雄英高校教師のセメントスだった。先生を見るや否や何人かの生徒が一気に抱きついていく。セメントスは突然抱きつかれ少し戸惑う。だが改めて色々思い出してしまったのか、、、、、、涙を流し始めてしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上鳴サイド

上鳴達は難なく電波塔への侵入に成功する。だが問題は今回のミッションで行かねばならないのはその最上階であること、エレベーターも使う事は出来ず、ここからが本番だった。

 

回原「作戦は変わらず、、、、やるぞ!」

 

上鳴&庄田「勿論!!」

 

3人は階段を使って途中設置されているカメラを機能停止して進んでいく。だがそう簡単にも行かない。途中で階段から移動しなければならない時もある。そんな時は、、、、、

 

庄田「下は見ない下は見ない、、、、」

 

上鳴「庄田、、、言うんじゃねぇよぉ、、、」

 

回原「とにかく登れぇぇ!!」

 

外の外壁のとっかかりを掴んで上に登り始めていた。最初に回原が進み手や足の置き場を作る。残りの2人がそこに合わせるように進んでいた。命綱などはない。落ちれば終わりだ。

 

上鳴「このまま、、、天辺に!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四ツ橋サイド

スーパーマン「遅れたな四ツ橋さん。」

 

四ツ橋の待っていた部屋にスーパーマンが現れる。四ツ橋は立ち上がって一礼する。

 

四ツ橋「この度は私の話に耳を傾けてくださりありがとうございます。有益な時間に出来るよう精進いたします。」

 

スーパーマン「やめてくれ堅苦しい。とにかくまずは座ってくれ。」

 

スーパーマンがそう言って座るようハンドサインを送ると四ツ橋はそれの通り椅子に座った。するとスーパーマンも椅子に座る。

 

スーパーマン「それで今回の話だが、、、、」

 

四ツ橋「はい。個性使用に関する条例改正について、、、そしてそれに伴う新事業についてです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷サイド

緑谷「スピナーやセメントス先生にも説明は終わった。いよいよ時間も迫ってる。早速待機地点に向かうぞ。」

 

周りの仲間は皆頷き動き始める。そして途中で2部隊にわかれて進んでいった。各々の気持ちを胸に皆が向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地下施設

今波動と洸太しかいない地下施設はまるで誰もいないかのように、虫の羽音すらしていなかった。1人

広間の椅子に座る波動は無言だった。今の現状は洸太から話されていた。そして彼女は自分の無力さと、自分が立たされている現実に今なお絶望していた。すると

 

洸太「先輩。大丈夫ですか、、、」

 

洸太が波動の隣に座った。波動は失明していても声のする方に顔を向ける。洸太は改めてその波動の目を見て息を呑む。目に光がなく、涙がポロポロと流れているその姿を見て、、、、、

 

波動「私、、、情けないよね、、こんな、、、何も、、出来なくて、、、、こんな姿、、2人には見せられないな、、」

 

波動の頭には通形と天喰の顔が浮かんでいた。すると洸太はそんな波動を見て言う。

 

洸太「先輩は、、、情けなくなんてないですよ、、、情けないのは僕の方です。何も出来ないのは、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上鳴サイド

屋上までついた3人は隠密でより天辺を目指す。一番大事な場所ということで多くの警備兵が滞在している。回原は警備兵を見ると上鳴と庄田にハンドサインを送る。すると上鳴と庄田はゆっくりと背後から警備兵に近づく。そして

 

BZZZZ!!!!!ゴギッ!!ギャゴゴッ!

 

上鳴は警備員の頭に触れ電撃で脳を燃やしきり、回原は指を回転させ喉を貫き、庄田は相手の首をへし折った。

 

回原「よし。進むぞ。」

 

3人は順調に進んでいく。目指すは屋上にある塔の天辺。そこから上鳴の放電を放つ。そしてその場所まで残りは数メートルだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四ツ橋サイド

スーパーマン「成る程な。そちらの提案する所はわかった。確かにその事業が成功すれば私、、、嫌この世界に大変有益な状況を作れるな。」

 

四ツ橋「はい。わかって頂き光栄の極みです。」

 

2人の会談は順調に進んでいた。四ツ橋も体温を上げたり、心拍数を上昇させたりせず良好なコンディションでいられている。

 

四ツ橋「それでわかって頂けたなら条例の件は、、、」

 

スーパーマン「あぁ、、前向きに検討させて頂くよ。」

 

その言葉を聞いて四ツ橋は笑みを浮かべて体を乗り出す。

 

四ツ橋「本当ですか?!いやぁ何と言ったらいいか、、、感激としか言えません。」

 

スーパーマン「そうか。取り敢えず落ち着いて席に座りたまえ。」

 

すると四ツ橋はその言葉で我に返り謝罪してから椅子に座り直す。四ツ橋にとってはこの会合、作戦の為のものだが、作戦の失敗時に備えてのものでもあった。

 

四ツ橋(こちらは順調、、、、さぁ緑谷君。君達の方は上手く言っているのかどうか、、、)

「それではこれからの詳しい話を、、、」

 

四ツ橋がそう思ってかは口を開いた時だった。

 

スーパーマン「その前にいいかな?」

 

スーパーマンが四ツ橋の言葉を遮ってそう言った。四ツ橋は快くそれに答え言葉を譲る。するとスーパーマンが口を開く。

 

スーパーマン「先程君の案に私は前向きに検討すると言った。それは事実。君の案は私達にとって実に有意義なものだからな。」

 

四ツ橋「は、、はい。なので、、「しかしだ。」

 

スーパーマンがまた四ツ橋の言葉を遮ってそういった。しかも強い声でそう言った。四ツ橋の体もその言葉に体をビクッと震わせてしまう。

 

スーパーマン「私も今になっては事実上この国のトップ。嫌、世界のトップなのだ。君のことを詳しく調べないとでも?」

 

四ツ橋の額から汗が滴り落ちる。

 

スーパーマン「四ツ橋力也。別名はリ・デストロ。君の父親はあのデストロなんだってね。今回の個性に対する条例についての改善は、、、、、君の父親から受け継いできた個性解放思想の実現とも関係があるのだろう?」

 

そこまで言われると先程までの冷静でポーカーフェイスだった四ツ橋の顔は消えていた。だが彼も只者ではない。ここで根を上げるわけにはいかない。

 

四ツ橋「えぇ、、、仰る通り。私はデストロの血を引くものリ・デストロ。確かに今回の件に私個人の私的な思想が含まれていないとは言いません。ですが今回の新事業の本質とは全く関係のないことです!私は真にこの国を良くしたい。この世界に今以上の平和を与えたい!その考えの賜物なのです。」

 

四ツ橋はそこまで言うと頭を深々と下げる。

 

四ツ橋「今回の件において、私の私情から貴方様の気分を害してしまったのならここで深く謝罪いたします!どんな処分も受けます!!ですがこのプロジェクトだけは、、、、成功させたいのです!!」

 

四ツ橋はスーパーマンにそう訴えかける。顔は冷や汗がダラダラと流れていた。すると

 

スーパーマン「顔を上げたまえ四ツ橋君。君の気持ち、、、しかと受け止めたよ。」

 

四ツ橋はその言葉を聞いて内心安堵する。そしてゆっくりと顔を上げた。すると

 

スーパーマン「さぁ座ってくれ。これからについて話そう。君には興味が湧いた。」

 

スーパーマンは笑みを浮かべ椅子に座るよう促していた。四ツ橋は心から安堵し椅子に座る。その時!

 

スーパーマン「だから残念だよ、、、、君を殺さなくてはいけなくなって。」

 

その瞬間四ツ橋の顔は一気に青ざめた。そしてスーパーマンは話を続ける。

 

スーパーマン「私が君達の小細工に気づかないとでも?君達の作戦を?馬鹿馬鹿しい。君が私に接触した時から君と雄英残党の関係はわかっていた。」

 

四ツ橋は息を荒くして額からは凄まじい量の冷や汗が流れ落ちていた。

 

 

上鳴「よし!もう着くな!!」

 

回原「あぁ!気を抜くな!」

 

庄田「ん?おい、、、まさr」

 

ザシュン!!!

 

 

スーパーマン「では何故ここまで私が手を出さなかったから、、、、、気になるよね?理由は簡単だ。君達が作戦を決行し全員が動く時、君達全員を一気に始末できるからだ。」

 

 

轟「おい緑谷、、、予定の時間が、、」

 

緑谷「あぁ、、遅れてる。連絡は、、、」

 

バリリィィィィィン!!

 

 

スーパーマン「これで終われる。やっと真の平和の世界がやってくるんだ。ありがとう四ツ橋君。そして、、、」

 

四ツ橋はヤケ糞で体を自分の個性ストレスで巨大化させようとする。だがその時背後に何者かが現れる。そして

 

スーパーマン「さようなら。」

 

BAAN!!!!!!!!

 

次の瞬間四ツ橋は脳天に風穴が空いて地面に倒れる。その後ろに立っていたのは膝からスナイパーライフルを展開している女性だった。

 

スーパーマン「素晴らしいなナガン。」

 

ナガン「はい。ありがとうございますマスター。次はあの者達を?」

 

するとナガンはビルの窓から下を見る。そこには雄英生の姿があった。

 

スーパーマン「いやあれはあの2人が片付ける。君は地下倉庫に向かってくれ。わかったかな?」

 

ナガン「はい。マイマスター。」

 

一瞬でナガンは姿を消した。するとスーパーマンは窓の方に歩きそこから下にいる雄英生を眺めた。

 

スーパーマン(さぁ、、、最後の戦いだ雄英生。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷サイド

轟「作戦がバレてたか!!」

 

爆豪「クソッ!あのハゲ頭がバラしたか?!」

 

緑谷「いやそんな筈は、、、、」

 

その時緑谷達の目の前に二つの影が現れる。一つは凄まじい棘の生えた、鞭のような髪を携えた女性。もう1人は全体的にゴツく脹脛に赤いエンジンがついている男。そして女の髪は真っ赤に血濡れていて所々に人間の皮膚がついていた。男の体にも返り血が飛び散っていて、上鳴の生首を掴んでいたのだった。

 

キラーエンジン「スーパーマンに楯突く愚か者どもは、、、、」 

 

デスエンジェル「ただちに磔刑です。」

 

キラーエンジン 本名:飯田天哉

デスエンジェル 本名:塩崎茨




ということで最後の最後で最悪な事になっていきましたね。一話でも言及されたキラーエンジン、デスエンジェル。天喰先輩を瀕死にさせた犯人です!次回がいつになるかわかりませんが、、、、それでは!


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第6章:浄化

久しぶりの投稿!!なのに雑です笑


塔の天辺、目標の場所に今到着するという時だった。上鳴達の目の前に、突如として茨のようなものが出現した。

 

上鳴「おい嘘だろクソッ!!」

 

回原「作戦が漏れてたのか?!!」

 

すると上鳴、回原、庄田は戦闘体制に入る。その額からは冷や汗が滴り始めていて、皆の心拍も上昇していた。そして!

 

「我らの崇高なる御方(スーパーマン)に反逆しようと試みる愚か者は、、、、直ちに磔刑です。」

 

3人の目の前には茨のような大量の髪の毛を携え、天使のような純白な衣を着、だが悪魔のような冷たい目をした女がいた。彼女の名はデスエンジェル。その名の通り、死を運んでから美しき天使だ。

 

回原「上鳴ィィ!!!お前は引け!!こうなったら一旦引かねぇと上手く行かねぇ!お前は、、、、死んでいった妻や子の代わりにも、こんなとこで簡単に死んでいい奴じゃあねぇんだよッ!!」

 

回原は咄嗟に上鳴にそう言い放つ。上鳴はその言葉に衝撃を受けるが、簡単には引けないでいた。だが自分があの女と戦っても足を引っ張るだけだとわかっていた。すると

 

庄田「ボーッとしてんなよ!!!」

 

ドンッ!!!

 

そう言って庄田が上鳴を突き飛ばす。上鳴はそれで後ろに飛ばされる。するとその瞬間!!!

 

グォォォォォォォォン!!!!!

 

一瞬にして茨の髪が迫ってきた。だがそれと同時に庄田の個性が作動して、上鳴をまた少し後ろに吹っ飛ばす。それにより上鳴はその攻撃を回避したが、、、、

 

ブチッ!!!

 

突如何かが弾けるような音がした。そしてそれと同時に茨の奥から血が噴き出した。上鳴はそれを見て、歯を食いしばり塔を降りる為走り出す。

 

上鳴(クソッ!!何でだよ!ここまで来て!!ここまで来たのに!!!クソ!!俺はこんなところで死んでちゃ、、、、)

 

グオオオンッ!!

 

その瞬間上鳴の目の前に何かが現れる。それは脹脛から煙を吹かせ、身体中を鎧のようなもので覆い、顔に角の生えた甲冑のようなものを付けていた。それはまるで空を切るように迫ってきている。その名を、、、、キラーエンジン。本名を、、、

 

上鳴「飯田ァァァァァァァァァ!!!!!

 

上鳴がそう叫び、手に電気を纏った時にはキラーエンジンの放った蹴りが上鳴の顔間近に迫っていた。そして、、、、

 

ドゴォォンッ!!!

 

その時上鳴の瞳には倒れていく自分の体が見えた。

 

上鳴(響香、、、、すまん、、俺、、)

 

そしてキラーエンジンは上鳴の生首を掴み取ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在

爆豪「クソッタレがぁぁぁ!!!!!」

 

まず最初に動いたのは爆豪だった。爆速ターボを使い一気にキラーエンジンに距離を詰め、両手を合わせる。すると汗の粒一つ一つが反応し、、、、、

 

ボッガァァァァァァァァン!!!!

 

大爆発を引き起こした。だが!

 

爆豪「がっ!!!」

 

突如投げられたものが爆豪の腹に直撃する。爆豪はそれで後退し、爆煙が開けたところには焦げた茨があった。そして、、、、

 

ドチャ!

 

爆豪に投げられたソレが地面に落ちる。そこには落下したことで潰れた上鳴の頭があったのだ。

 

轟「飯田ァァァァァァァァァ!!!!

 

次に動いたのは轟だった。轟はキラーエンジンに向かってそう言いながら氷を放出する。その氷は凄まじい勢いで2人の敵に向かっていくがキラーエンジンは一瞬でその氷を避け、それに沿って逆に轟に向かっていく。そして!

 

ドッゴォォォォン!!!!

 

キラーエンジンの凄まじい蹴りが炸裂する。だがそれは轟には当たらず、硬化した切島に直撃した。切島はぶっ飛び、後ろにいた砂藤にキャッチされる。

 

砂藤「大丈夫か切島!」

 

切島「あぁ、、、なんとか、、、」

 

するとキラーエンジンはそのまま進路を変更して切島達の方に向かっていく。そしてエンジンを加速させ、さっきよりも重い一撃を与えようとしていた。だが!

 

緑谷「これ以上はもうさせないッ!!」

 

そう言い放った緑谷にキラーエンジンはぶっ飛ばされたのだ。緑谷の顔はまるで鬼のようだった。目は血走り、歯を血が出るほど食いしばっている。

 

キラーエンジン「下等な馬鹿どもが、、、、」

 

デスエンジェル「情けない、、、私がすぐさま処罰いたしましょう。」

 

デスエンジェルは髪の茨を一気に伸ばしてくる。伸ばすと同時に、茨の棘は伸びていきより殺傷性をあげたのだ。それらは一気に雄英生に向かっていく。すると!

 

バァァァァァァン!!!!!

 

突如巨大化した鉄の板がその茨を防いだのだ。これは小大唯の個性サイズだった。すると小大は手に持っていた釘をデスエンジェル達の方に投げて言った。

 

小大「死ね。」

 

その瞬間投げた釘は一気に巨大化し、2人に向かっていく。

 

キラーエンジン「小癪な。」

 

デスエンジェル「死に損ないめ。」

 

だが2人はそう言い放ちキラーエンジンはそのまま蹴りを、デスエンジェルは茨を絡ませた。すると

 

ドギュゥゥゥゥゥゥゥン!!!バギィィィィィン!!!!

 

キラーエンジンは釘を蹴り返し、デスエンジェルは釘をへし折ったのだ。

 

爆豪「クソがぁぁ!!!!」

 

爆豪はそう言って蹴り返された釘を爆破で吹き飛ばす。だがその爆煙の中から一気に詰めてきたキラーエンジンが迫る。

 

爆豪「くっ!」

 

そしてキラーエンジンは爆豪の頭めがけて蹴りを放とうとする。

 

角取「危ないッ!!」

 

そこを角取が個性の角砲(ホーンほう)で爆豪を持ち上げる。蹴りは爆豪の頭の軌道をそれ空を切る。

 

角取「ここで終わりデス。2人共!!!」

 

すると角取は凄まじい数の角を展開し、一気に2人に放ち始めた。デスエンジェルは髪で防御壁を作り、キラーエンジンもその後ろに隠れる。

 

デスエンジェル「そろそろ厄介ですね、、、」

 

キラーエンジン「全くだ。ん?」

 

その時2人の真上に鱗が現れる。角取の角砲(ホーンほう)の一つに乗って飛んできたのだ。

 

鱗「ここで死ね!!!悪魔共!!」

 

そして鱗は一気に体を硬質化させて2人の方に向かっていく。まるで手を剣のように尖らせ2人の首を刈ろうとしていたのだ。

 

鱗(ここで終わらせるッ!!!)

 

ザンッ!!!

 

その時緑谷達の方に何かが飛んでくる。それは地面に落ちてからバウンドし小大と角取の目の前に転がってくる。そこには左脳が丸見えになり、眼球が飛び出している鱗の頭があった。

 

デスエンジェル「これで2頭完成ですね、、、、フフ」

 

デスエンジェルがそう言って微笑んだ時、小大と角取は歯を食いしばり目を血走らせる。そして

 

小大「殺す!!殺す殺す殺す!!!」

 

角取「脳味噌引きずり出してやるデス!このクソ女(ビッチ)!!!」

 

凄まじい勢いで2人はデスエンジェルに攻撃を仕掛ける。角取はとにかく角砲(ホーンほう)を、小大は持っていた全てを投げ飛ばす。

 

デスエンジェル「ほんっとうに、、、しつこいクズどもですねッ!!」

 

デスエンジェルは自分の髪でその攻撃をいなしていく。キラーエンジンも何とか牽制しながらそれを避ける。

 

デスエンジェル(こんなことしても意味がないのに、、、何故?この子達も本当のバカじゃあない。何か考えが?)

 

デスエンジェルがそんな事を考えながら攻撃をいなしていたその時だった!!

 

キラーエンジン「不味いエンジェルッ!これr」

 

小大「解除ッ!!」

 

ボッガァァァァァァァン!!!!!

 

突如キラーエンジンとデスエンジェルの周りで大爆発が発生したのだ。そう、これら小大の個性による攻撃だった。彼女の個性はサイズ。生き物以外のあらゆるものの大きさを変える。彼女はこの個性を使い、装備していた手榴弾を小さく小さくして投げていたのだ。その手榴弾はよぉく見れば見えなくもないが、大きくした他のものと一緒に投げることで、注意を逸らしたのだった!

 

角取「良し!!これで木っ端微塵デス!!」

 

小大(今の爆発、、、くらったら確実に死ぬはず。しかも今のは防御の内側からの爆破、、、避けられた筈がない!)

 

そして爆煙が晴れ始める。するとそこには2人の姿はなかった。だが、、、、

 

角取「穴?」

 

そう、地面に穴が開いていたのだ。そして次の瞬間!!

 

ドッゴォォォォン!!!!

 

小大と角取の目の前、否!真下から2人が現れたのだ。2人は地面を掘りながら進み、爆破を耐え忍んで一気に反撃に来たのだ!

 

デスエンジェル「フフフッ!!今殺してあげる!!」

 

そう言ったデスエンジェルは邪悪な笑みを浮かべていた。その顔の左側は火傷を負っている。キラーエンジンも身体中のスーツを焦がしていた。

 

デスエンジェル「今!!死ぬのですッ!!」

 

デスエンジェルとキラーエンジンの両方が角取と小大を殺そうと攻撃を仕掛け始めていた。緑谷達もすぐに助けに行こうとするが間に合わない。そしてキラーエンジンの蹴りが、デスエンジェルの髪が迫ろうとしていた、、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年前

森は焼け、周りの土地は抉れていた。そして周りからは焦げ臭い匂いと、人の血の匂いが立ち込めていた。

 

はぁ!!はぁ!!!

 

そんな中、周りの死体を息を荒くしながら這う女がいた。女の髪は焼け焦げていて体の隅々を怪我していた。右足も折れている。女は息を荒くしながら震えながら這っている。その女性はまるで地獄に堕ちた天使のようだった。女性の名は塩崎茨、、、、

 

塩崎「何故、、、何故こんなことにィ!!」

 

塩崎はそう叫びながら進んでいく。すると目の前に知った顔の死体があった。

 

塩崎「鉄哲、、、さん、、」

 

そうそれは同級生の鉄哲徹鐵の死体だった。彼の頭は陥没していたが、身元はすぐにわかった。そしてよく見ると周りには他の同級生の死体もあったのだ。

 

塩崎「いや、、、嫌嫌嫌!!なんで?!あぁ、、、神よ、、何故、、何故こんなことぉぉぉ!!!!ああああああああああ!!!!!」

 

そして塩崎は遂に発狂し始めた。空を見上げ、まるで神に訴えかけるように発狂したのだ。目からは涙が溢れ、塩崎は体を掻きむしり始めた。だがその時!

 

「まるで地獄に堕ちた天使のようだな、、、、」

 

塩崎が眺めた空に一つの人影が現れた。それはゆっくりと塩崎の方に降りてくる。

 

塩崎「ああ!!ああああ!!!!」

 

それを見て塩崎はより慌てふためき出した。体をガクガクと震わせ目を見開く。そこにいたのはスーパーマン。この大惨事を引き起こした張本人だった。すると、、、、

 

ジョワァァ

 

塩崎の周りに水が広がる。

 

スーパーマン「恐怖で失禁か、、、、、実に情けなくか弱いな。」

 

塩崎「いや、、、やめて、、やだ、、、神様、、どうか、、どうか私に救いを、、」

 

塩崎は失禁し、震える体でもスーパーマンを見ながらそう神に願った。だがその時塩崎は気づいたのだ。太陽に照らされるスーパーマンを見て、、、、、

 

塩崎「あ、、、ああ!か、、神様、、、」

 

目の前にいるそれこそが神なのだと、、、、

 

塩崎「私は、、、、私は何てことを!!真なる神になんて無礼な、、私達は間違いを、、、間違いを犯していたのですね、、これは裁き!私達への裁きなのですね!!あぁ、、私は、、、どうかお赦しを神様!!私は、、何も知らなかったのです!!どうか!!どうかぁぁ!!」

 

塩崎はスーパーマンにそう訴えかける。するとスーパーマンは笑みを浮かべ、手を差し伸べた。

 

スーパーマン「良かろう。君を赦すよ。」

 

塩崎「ああ!!何て慈悲深いのでしょうか!!私達は崇高なる貴方様に対して何て無礼なことを、、、私の信仰心は貴方へのもの!よろしければ、、、私を、、私を貴方様の使徒にしては頂けないでしょうか!」

 

これこそがデスエンジェル誕生の瞬間である。塩崎茨は真の信仰を得る事により、生まれ変わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飯田(僕は、、、一体、、何故生きている?何の為に戦っていたんだ、、、、、)

 

飯田は身体中に火傷を負い、左腕を欠損しながら地面に倒れていた。周りには多くのヒーローや友達の肉片が飛び散っている。

 

飯田(何でこうなった、、、僕達は何をしてたんだ、、)

 

飯田は動こうとするも体は全く動かなかった。その時だった。飯田の元に二つの足音が近づいてきた。何やら話しているようだが良く聞き取れない。だがその音はどんどん飯田の方に近づいてきている。

 

「・・・・・様・・あれ・・・思います」

 

「そ・・・成る程・・・・・いっ・・・・こい」

 

するとそんな声が聞こえて来る。その声がしたと思ったら次は一つの足音が近づいてくる。優しい足音だ。女性だろうか?

 

「生きておりますか?貴方は、、、飯田さんでしたよね。」

 

その声には聞き覚えがあった。飯田はその声の主の顔を見る。

 

飯田「君、、、は、、B組、の、、」

 

塩崎「えぇ。塩崎茨です。」

 

すると塩崎は腰を落とし飯田の顔を覗き込むように見る。そしてまるで天使のような笑みを浮かべたのだ。

 

飯田「塩、、崎、さん、、、、他の皆んなは、、」

 

飯田はそんな塩崎にそう問いかけた。すると塩崎は周りを見渡しながら言う。

 

塩崎「そうですねぇ、、、この辺の人は皆んな死んでいますね。一般人もプロも先生も、、、そして同級生も。」

 

塩崎がそこまで言うと飯田の瞳からは涙が溢れ出していた。自分の無力さを実感し、絶望していたのだ。

 

飯田「何故、、、何故こんな、、、、こんなことに!!」

 

飯田は絶望しながらそう言った。だがその時目に入った塩崎の表情を見て言葉を失う。そしてその塩崎に問いかけた。

 

飯田「塩崎、、、、さん、、君は、、なぜ、、笑みを浮かべられるんだ?」

 

そう塩崎は満面の笑みを浮かべていた。周りからは血の匂いがし、プロも市民も、そして何より同級生も死んでいるというのに塩崎は笑っていたのだ。すると塩崎はキョトンとして口を開いた。

 

塩崎「何故?逆に何故ですか?」

 

飯田は理解出来なかった。少しの間何も言えなかったが、もう一度口を開く。

 

飯田「何故っ、、、て、、君は、、周りの状況を見て、、何も思わないのかい?」

 

その言葉を聞いて塩崎はまた周りを見る。そして口を開く。

 

塩崎「そうですねぇ、、、、んん、、残念です。」

 

飯田「残念?え、、、それ、、だけなのか?」

 

飯田はやはり理解出来ない。こんなことが起こっていて残念だけ?怒りも憎しみも、悲しみも苦しみも何も浮かばないと?すると塩崎は飯田の反応を見てから言う。

 

塩崎「だって飯田さん。彼らは新たな世界に選ばれなかったのですよ、、、、とても残念なことです。」

 

飯田「は?」

 

塩崎「彼らは新しい世界には選ばれなかった、、、これは選定式だったのです。神様による次の世界への選定式。私は選ばれた!そして貴方も!だから残念なのです!彼らは選ばれなかった!!友も先生も家族も!死んでいってしまった!でもそれはしょうがないこと、、、神に選ばれなかったから、、、、だから残念です。本当に、、心の底から、、、、」

 

塩崎は涙を流しながらそう言った。その様子を見ていた飯田は何を見ているのか理解出来ていなかった。そして何も言えなかった。むしろ目の前の塩崎に恐怖すら感じていたのだ。

 

塩崎「でも!あなたは生きていた!選ばれたのです!!なんて嬉しいんでしょう!私とあなたは新しい世界に生きる権利を得たのです!!あの方に選ばれて!」

 

すると塩崎は自分の後ろの方に手を向けた。飯田は頭を横にしてその方向を見る。するとそこには見知った男が立っていた。黒いマントとスーツを身に纏い、筋骨隆々の体を持ったその悪魔、、、、、

 

飯田「スーパーマン!!!」

 

飯田はその悪魔、スーパーマンを見た瞬間そう怒鳴り体を無理矢理にも起こそうとした。すると

 

塩崎「駄目ですよ飯田さん。安静にしないと、、、」

 

塩崎がそういって飯田を抑えたのだ。すると飯田は塩崎を睨んで言う。

 

飯田「君は何を言っているんだ!!奴がいるんだぞ!!奴が!!」

 

すると塩崎はまたキョトンとした顔を見せる。それからスーパーマンの方を見てから納得の顔をする。そして

 

塩崎「確かにそうですね!我が主神に向かって少し失礼でした。神よ、、、貴方様を置いて盛り上がってしまい、申し訳ございませんでした。」

 

塩崎は手を組んでそう祈るように謝罪したのだ。飯田はますます理解出来ない。一体何をしているんだ?!神?一体何を、、、、

 

飯田「何を、、してるんだ?あの、、、あの悪魔(・・)が神だと?!ふざけるのも大概にr」

 

塩崎「神に何て失礼な言葉をッ!!この愚か者が!!」

 

ドゴォォン!!!

 

飯田「グフッ?!!」

 

飯田がそう言った瞬間だった。塩崎は鬼のような形相になり、飯田の腹を思いっきり蹴ったのだ。

 

塩崎「あなた正気ですか?!せっかく新世界に選ばれたのに、、、、神にあんな失礼を!!私達は選ばれたのです!死んでいった子達は選ばれなかったのに、、、あなたのそれは彼らへの冒涜でもあるのですよ!!償いなさい!!訂正しなさい!!このゴミクズがッ!!!」

 

塩崎はその後もそう言いながら飯田を蹴りまくる。ただでさえ瀕死の飯田を蹴りまくったのだ。だが

 

スーパーマン「やめるんだ。」

 

スーパーマンがそう言った瞬間塩崎の動きが止まった。そして塩崎はスーパーマンの方を向いて謝罪する。

 

塩崎「も、、、申し訳ございません!つ、、、つい興奮してしまって汚い言葉を!!」

 

するとスーパーマンは塩崎の方に歩み出し彼女の髪に触れる。どこか恍惚とした表情をした塩崎にスーパーマンは言う。

 

スーパーマン「いいんだ。君を赦す。」

 

塩崎はそう言われると笑みを浮かべる。そしてスーパーマンは飯田の元に歩いていく。

 

スーパーマン「酷い傷だな。腕の欠損と全身火傷以外にも肋骨損傷、寛骨粉砕、腎臓破裂、、、、」

 

飯田の体を色々な目で見たスーパーマンはそう言ってから飯田と目を合わせる。

 

飯田「おお、、ま、、お、え、、は」

 

スーパーマン「あぁそうだ私は君の仇だ。じゃあどうする?」

 

スーパーマンは飯田と目を合わせてそう問いかけた。

 

飯田「お、、れ、、、、、、ま、、こ、、ろ、、」

 

飯田は掠れた声で何かを言っているがよくわからない。塩崎は先程と同じように嫌悪の目で飯田を見る。するとスーパーマンは飯田に言った。

 

スーパーマン「私には部下が必要でね、、、、それも優秀で強い部下が。どうだろう、、、私と新しい世界を築かないか?君なら役に立つはずだ。」

 

だが飯田の目は変わらない。スーパーマンを憎む目、今にも喉に噛みつきそうな目だ。

 

スーパーマン「そう気分を高めるな少年。よく考えるんだ、、、、、ヒーローやヴィラン。もう古い考えだ。暴力が無く、圧倒的な力が支配する世界。そこは平和で、、、、愛の溢れる世界だと思わないか?もうこれ以上、、、人の手により人が死ぬ事はないんだ。」

 

飯田「な、、、、に、、を、、さんざん、、殺し、、た、、、く、せ、、、、に、、」

 

スーパーマン「あぁ。大勢の人を殺した。だが無駄じゃない。その死によりこれ以上の死を避けられるんだ。私もこれ以上無駄な殺しはしたくない。」

 

スーパーマンは至って真面目に、真剣な眼差しで飯田にそう言っていた。

 

スーパーマン「確かに反抗する者は殺さねばならない。だが考えてみてくれ、、、、平和になった世界で、それを統治する者とそれに反抗して世界を混乱させる者。どちらが悪だと思う?正義と悪も、状況が変われば一転するんだ。さぁ、私の手を握るんだ。一緒に新たな世界を築こう、、、、これ以上の犠牲を出さない為にも、、、」

 

断ることは出来なかった。ここで断れば確実に死んでいたから?いや、、、奴の言葉に感化されたから?いや違う。最初はここで生き永らえて反撃を考えた。だが奴と一緒にいるにつれ、絶対に勝てない事を改めて実感したし、スーパーマンの考えにも納得するようになっていった。彼の言う通り、あれから世界は平和だ。犯罪はないし暴力もほぼない。確実にこれまでの世界とは違って平和だった。政治面でもそうだ。彼は優秀な政治家でもあった。ただの力だけの統治者ではなく、頭のキレる大統領だった。雇用問題や貧困問題はほぼ改善され、病気に苦しむ人すら減った。そして何より彼は、スーパーマンことカル=エルは良き父親であったのだ。度々彼の家に招かれ彼の家族と食事をとる。その時の彼らは実に幸せそうだった。壊理ちゃんはスーパーマンを慕っていて、拳藤さんも笑みを絶やさなかった。そして彼も2人を愛していた。ある時拳藤さんに聞いてみた。君はあの事があって正直どう思っているのかと、、、、、

 

拳藤「恨んでるよ。愛してなんかいないし殺したいとも思ってた。でも、、、、、この暮らしは幸せ。こんなこと思ってる私は異常だと思うし、死んでった皆んなに恨まれるとも思う。でも、、、もうこれ以上幸せを奪われたくないんだ。」

 

彼女の話を聞いて思った。世界にはこういう幸せの形も存在するのだと、、、、

 

飯田「もう諦めるんだ、、、、天喰先輩。僕もあなたを傷つけたくない。」

 

天喰「いや、、、諦めない。皆んなが待ってる、、、平和を、、平和を取り戻すんだ!!」

 

その時気づいた。自分は変わったのだと、、、、天喰先輩が言う事が全く理解出来なかった。この男は反逆者。そうとしか考えられなくなっていた。彼の意見がただの自己中な発言、新しい世界を拒絶し適応できなかった負け犬の遠吠えにしか聞こえなかったのだ。そして今の僕がある。今の僕は死を呼ぶエンジン、、、

 

 

 

 

 

 

     キラーエンジンだ




シーハルクの予告出ましたねー アボミネーション登場ならウォンも出てくるかな?それでは!


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第7章:希望

久しぶりの投稿で短いです、、、


隠密部隊サイド

取蔭「今スッゴイ音したけど、、、あっち大丈夫なのか?」

 

隠密部隊は裏側からスーパーマンビルに侵入し、地下倉庫を目指していた。

 

ホークス「信じるしかない。今はそれだけしか出来ないよ。」

 

ホークスがそう言うと、皆口を閉じて目的の場所に向かっていく。そして少しすると、その目的の場所にたどり着いた。

 

八百万「ここが、、、、」

 

トゥワイス「クソ野郎のオモチャ箱、、、最後の希望、、」

 

全員の前には、巨大な扉があった。そこは倉庫に通ずる唯一の扉であり、超鋼鉄を何重にも重ね、衝撃吸収を備えた最強の扉だった。スーパーマンでも簡単には壊せなくなっている。そして開けるにはスーパーマンの手形が必要だった。

 

峰田「なぁ、、、、障子。音は?」

 

峰田は障子にそう問いかけた。障子は複製腕で耳を作り扉に当てる。だが、、、

 

障子「いや、、、防音性も完璧だな。何も聞こえない。」

 

そう、この壁は音すら外に出さないものだった。徹底している。すると

 

ラブラバ「それじゃあ私の出番ね。」

 

そう言ってパソコンを持ったラブラバが扉の方に歩いていった。するとラブラバは扉の横にあった端末の近くに座り込み、それを開いた。

 

ラブラバ「フン!思ったより手緩いセキュリティね。」

 

ラブラバはそう言ってパソコンを使い始めた。凄まじいスピードで指を動かしていく。

 

八百万「ラブラバさん、、、流石ですね、、」

 

周りで見ていた者達は、改めてラブラバのその技術に驚かされる。実際彼女のハッキングスキルは世界トップレベルと言っても過言ではない。そして

 

ラブラバ「開いたわ。」

 

ラブラバはそういった。皆はその言葉に驚くが何も言わず扉を見た。すると、、、、

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!

 

扉が開き始めたのだ。扉はゆっくりと開いていく。

 

泡瀬「ここが、、、、スーパーマンの倉庫、、、」

 

そして扉は完全に開き切ったのだ。隠密部隊一行はゆっくりと倉庫内に足を踏み入れていく。

 

トゥワイス「てかよぉ、、、ここ馬鹿暗くねぇか?」

 

トゥワイスがそう口にした。確かにトゥワイスの言う通りこの倉庫は暗く、照明一つなかったのだ。どれだけ広いのか、何があるのかもよくわからない。だがその時だった、、、、

 

取蔭「ん?何か見え、、、、?!!!」

 

ドッゴォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!

 

何かが隠密部隊を襲ったのだ。その何かは暴れ回り、周りの物を破壊していく。すると全員は目の前にいるそれをやっと視認する。その大きく、真っ黒な魔獣を!!

 

トゥワイス「おっ!!おい!!こいつは!!!」

 

グワァァァァァァァァ!!!!!

 

八百万「ダークシャドウッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年前

常闇「ダークシャドウゥゥッ!!!!

 

常闇はダークシャドウを出現させスーパーマンの部隊と戦っていた。背後には負傷しているヒーロー達がいる。

 

常闇(ここは俺が守らねばッ!!!)

 

常闇は自分の出せる力全てを使い戦った。だがスーパーマンの部隊は一人一人が強く、そしてなにより数が多かった。だが、、、

 

常闇(俺は絶対負けられないッ!!!)

 

自分の背後で負傷し動けないヒーロー達の事を頭に浮かべ、体を奮い立たせ戦い続けたのだ。

 

常闇(負けられない!!負けられない!!負けられない!!)「負けられないんだッ!!!

 

その瞬間、常闇の体からダークシャドウがまるで洪水のように溢れ出したのだ。

 

ドッゴォォォォォォォォォォォォン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後

常闇「ぐっ?!!ぐっ!!」

 

常闇は地面でもがき苦しんでいた。暗闇でのダークシャドウの使用を酷使しすぎたのだ。体からはダークシャドウの一部が溢れ、今にも常闇を飲み込みそうだった。その時!

 

「どうやら自分の個性に飲み込まれる寸前のようだな、、、、、哀れな男だ。」

 

常闇の見る方向にその男は宙から現れた。その男はスーパーマン。この悪夢の元凶だ。

 

常闇「きっ!!貴様ァァァァ!!!!」

 

目を血走らせ、スーパーマンにそう叫んだ。それと同時に常闇のダークシャドウがまた溢れ出しそうになる。常闇は苦痛の表情を浮かべ吐血する。

 

スーパーマン「落ち着け少年。それ以上暴れると自我を失うぞ。」

 

常闇は今にもこの男の喉に噛み付きたいほどだったが、スーパーマンの言う通り今ここで感情を露わにして暴れたら確実に全てが終わるとわかっていた。

 

常闇「お前、、、を、、絶対、、、、殺してやる!」

 

だがそんか中でも常闇の目は死なない。今動けずとも、絶対に殺す。そういう意思がはっきりと読み取れた。

 

スーパーマン「君のその意志の強さは誉めてやる。だが、、、周りをよく見てはどうだ?」

 

常闇「何?」

 

スーパーマンを見てそう呟いた常闇は最悪な想像をする。その瞬間体に悪寒が走り冷や汗がブワッと湧き出してくる。そして、、、、、

 

スーパーマン「それは君がやったんだ。私が手を下した訳ではない。君がその個性を暴走させてしまったが為の犠牲だよ。」

 

スーパーマンは後ろを振り向いている常闇にそう言った。そしてその常闇は自分の背後を見て言葉を失い、口を震わせていた。

 

常闇「あ!!ああ!!ああああ!!!!」

 

そこには死体があったのだ。先程まで自分が庇っていた多くの負傷していたヒーロー達の死体が、、、、、どれも体が裂けていてまるで肉塊のようになっていたのだ。

 

常闇「ああああああ!!!あが!!あがぁぁ!!!ぐぁぁあ!!!!

 

常闇は叫ぶ。涙が溢れ、血も噴き出す。凄まじい、まるで獣の雄叫びのような叫びが響き渡っていく。そして!

 

常闇「グォォォォォォォォォォォ!!!!!

 

ダークシャドウが一気に放出された。それは瞬く間に常闇を覆い尽くし、一体の黒い化け物に変わっていたのだ。そう、常闇は己の個性に支配され自我を失い、ただの怪物に成り果てていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在、常闇はただの怒れる怪物に成り果てスーパーマンのペット兼、地下倉庫の番人になっていたのだ!!!

 

トゥワイス「おいおいこいつはやばいんじゃあねぇか?!」

 

トゥワイスはダークシャドウを見てそう叫んだ。周りの人達も同じような表情を浮かべている。

 

泡瀬「話には聞いてたけど、、、、」

 

取蔭「常闇、、、、」

 

ラブラバ「もうただの化け物ね、、、」

 

ドッゴォォォォォォォォン!!!

 

するとダークシャドウが攻撃を仕掛けてきた。八百万達は何とかそれに対応して攻撃を避けるが、相手の攻撃は止むことを知らなかった。

 

ホークス「やばいな、、、、この場所じゃあ部が悪すぎる!」

 

ここは地下の暗い倉庫。ダークシャドウにとっては最高な場所であり、部屋も狭いので今の巨大なダークシャドウの攻撃を避けるのもやっとのことだったのだ。

 

障子「このままじゃあ埒が開かないな、、、」

 

障子は周りの状況を鑑みてそう判断した。そして

 

障子「二手に別れよう!片方は常闇に対応!もう片方はクリプトナイトの奪取だ!」

 

そう全員に向けていったのだ。各々その提案に頷き、いつのまにか自然に二手にわかれていたのだ。一方は障子、八百万、峰田、トゥワイスからなる対常闇組。もう一方は泡瀬、取蔭、ラブラバ、ホークスからなるクリプトナイト奪取組だ。

 

泡瀬「お前ら絶対しぬなよ!!」

 

2組がわかれるときに泡瀬はそう言った。

 

八百万「どうかそちらも!」

 

それに八百万はそう返したのだった。だんだん2組が離れていく。クリプトナイト奪取組の目の前には下へと降る階段があった。

 

ラブラバ「そこからより深部に行けそうね。」

 

ラブラバがそう言い、他の3人はそれについていくように階段を降りていく。

 

取蔭(八百万、、、どうか無事で、、)

 

階段の降り際に後ろをチラッと見た取蔭は言葉を失う。何故ならそこには、ただただ闇が広がっていたのだから、、、、、

 

ドッゴォォォォン!!!!

 

その時その闇からダークジャドウの攻撃が迫ってきた。それは天井に直撃し、階段を瓦礫で塞いだのだ。

 

ホークス「クソ!退路を塞がれたか!」

 

だが止まることは出来ない。ただただ前に進まねばならなかった。後ろでは暴れるダークジャドウの音が響き渡っている。すると

 

泡瀬「見えてきたぞッ!!」

 

目の前に目的の部屋の扉が見えたのだ。そしてそこに着くと、、、、

 

ラブラバ「やはりここも入り口と同じよう厳重ね。」

 

ラブラバがそういった。そう、その扉は先程と同じくスーパーマンでも容易くは壊せない代物だ。だが

 

ホークス「といっても開けられるんだろう?」

 

ラブラバ「当たり前よ。」

 

ラブラバはまるで当たり前かのようにそう言ってパソコンを取り出した。そして先程と同じように、神業で扉のロックを解除していく。

 

泡瀬「本当に神業だな、、、、これが個性じゃないってのが、、」

 

その時泡瀬は来た道を眺めながら不安な顔をしている取蔭を見る。息を荒くし、左腕を強く握りしめていた。

 

泡瀬「切奈、、、、」

 

すると泡瀬はそんな取蔭の方に手を置いて呼びかけた。取蔭はゆっくりと泡瀬の顔を見る。

 

取蔭「洋っちゃん、、、私、、」

 

取蔭の顔はどこか今にも泣き出しそうになっていた。彼女は怖いのだ。今置かれているこの状況も、戦う相手も、そして何より周りの人が死んでいくことが、、、

 

取蔭「もう何度も経験してるのに、、、、それでも、、やっぱり、、、、やっぱり、、」

 

息は上がり、冷や汗もどんどん流れていく。一番恐れていることになるのではないのかと、、、、皆が死に、結局意味無く終わっていくということに、、

 

泡瀬「大丈夫だ切奈、、、、大丈夫、、、」

 

泡瀬はそれしか言えなかった。ただそれだけ言い、今にも泣きそうな取蔭を抱きしめることしか出来なかった。すると

 

ラブラバ「そこのお二人さん。熱々に慰め合うのはいいけどもう開くよ。」

 

そう言ってラブラバはEnterキーを押したのだ。その瞬間に重々しい扉が開いていく。

 

ラブラバ「開いたわ。私達の希望のお出ましよ。それじゃあ3人とも、、、、行くわr ドォォォォォン!!!

 

その時突如そんな音が聞こえた。それは銃声、、、扉が開いた時、その奥には1人の女性が膝から煙を出していた。そして

 

ホークス「ラブラバ、、、、」

 

ラブラバの額から血が溢れ出していた。しかも、、、後頭部に穴が開いていて、その穴から奥が見えたのだ。

 

ドサッ!

 

その時ラブラバは地面に倒れる。周りの3人はまだちゃんと状況を飲み込めずにいた。すると扉の奥の女性が口を開く。

 

ナガン「やっと来たか。希望なんかないよ。前時代の落とし物、、、、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年前 タルタロス

BEEEEPBEEEEPBEEEPBEEEEPBEEPBEEEEEP

 

タルタロスでは警報が鳴り響く。照明は点滅し、牢屋の扉は開いていた。だが誰一人として脱獄はしていない。代わりに廊下で死体になっていたのだ。そんな中ナガンは1人自分の牢屋の中でベッドに座っていた。外の廊下には多くの死体が転がっている。すると

 

カツン!カツン!カツン!カツン!

 

廊下の方から足音が聞こえてきた。その足音はどんどんナガンのいる牢屋に近づき、ついには目の前まで来た。そこにいたのは、、、、

 

「君がレディナガンか、、、、」

 

ナガン「あぁそうだよ、、、スーパーマン。」

 

そう、スーパーマンだ。するとスーパーマンはナガンの牢屋に入ってくる。だがナガンは特に動じることもなかった。これから殺されるとしても死に恐怖を抱いていなかったのだ。

 

スーパーマン「私が怖くないのか?」

 

スーパーマンは心拍の音からそう判断し言った。するとナガンはスーパーマンを見て言う。

 

ナガン「怖くないね。それに、恐れたところでどうなることでもないし、、、、速く殺しなよ。私はいつでもいいから。」

 

スーパーマンを見るその目は何の恐怖もなく、強い意志を持った目だった。すると

 

スーパーマン「何を言うかと思えば、、、、殺さないさレディナガン。」

 

そう言ったのだ。ナガンは驚き『なぜ?』と頭を傾ける。スーパーマンは口を開き答える。

 

スーパーマン「簡単な事だ。私がこの世から消したいのはヒーローとヴィラン。この世に混沌を巻き起こす悩みの種だ。だが君は違う。ヒーローでも、、、ヴィランでもない。」

 

そう告げるスーパーマンをナガンはただただ見つめる。

 

スーパーマン「君みたいな人間が必要なんだ。ここに来たのは一種のスカウトだよ。私と共に、一つの力が抑止力になる平和な世界を築かないか?」

 

そしてスーパーマンは手を差し伸べる。ナガンはスーパーマンから目を離し、その手を見た。

 

ナガン「本当にそんな世界が築けると?本気で思ってるの?」

 

ナガンは再びスーパーマンの目を見てそういった。スーパーマンは口を開かず、ただ頷いた。

 

ナガン「そうかよ、、、、まぁ私に選択肢なんかないしな。乗ってやるよ。あんたの世界に。」

 

そしてナガンはスーパーマンの手を握ったのだ。彼の中に希望を感じて、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正面組

そこには粉塵が舞っていた。周りはよく見えず、先程キラーエンジンとデスエンジェルが放った攻撃が小大達に直撃したのかもわからない。

 

緑谷「小大さん!!」

 

ミルコ「どうなってる!全然見てねぇ、、、、」

 

すると段々と粉塵が薄くなっていった。そしてそこで見えたのは、、、、

 

キラーエンジン「ぐっ!!」

 

デスエンジェル「個性が!!」

 

足を布のようなもので拘束されたキラーエンジンと、向けた髪が元に戻り体を拘束されたデスエンジェルがいたのだ。そして!

 

轟「あの捕縛布、、、、」

 

「てめぇらはやっぱり、、、、手がかかるなッ!!」

 

上からそんな声が聞こえてくる。皆が見上げるとそこには、電灯の上で目を赤くし、捕縛布を握る相澤の姿があったのだ!

 

相澤「すまん!遅くなったッ!!!」




後2章で完結させます!それでは!!


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第8章:覚悟

久々の投稿ですが結構雑です。


相澤が緑谷達から離れて数十時間後

相澤はバギーであそこから数十キロ遠くのところまで来ていた。周りはほぼ荒野で所々に岩がある。相澤はその岩に寄りかかり、右手に持っていた酒瓶を口のほうまで持って行って中身を飲み干した。

 

相澤「あの馬鹿共、、、、」

 

相澤は緑谷達の今の状況を考える。頭に浮かんできたのは、無惨に殺されている全員の姿だった。そして

 

相澤「クソがッ!!!」

 

そう言って空の酒瓶を地面に投げつけた。そして相澤はバギーに乗り、また荒野を進み始めたのだ。

 

 

 

 

それから一日後

相澤は一つの小さな村まで来ていた。ここはスーパーマンに反抗的な物が集う村だった。そこには数十件の家と、数件の店、一つの小さな協会、一つの酒場しかなかった。相澤は一直線で酒場に入って行った。

 

ガラッ

 

酒場に入ると、中には10人ぐらいの客がいた。相澤は何にも目を向けず目の前のカウンター前の席まで行って座った。

 

店主「いらっしゃい。何を?」

 

相澤「酒を。酒なら何でもいい。これで買える分ありったけ、、、、」

 

相澤はそれだけ言ってなけなしの金をカウンターにだした。だが、、、

 

店主「お客さん、、、、こんなんじゃあ一杯も出せねぇよ。この時代酒なんて高級品こんなもんじゃあ買えねぇよ。」

 

店主がそう言うと相澤は口を開く。

 

相澤「いいから出せ。」

 

店主「え?」

 

相澤「いいから出せって言ってんだッ!!!!」

 

そして立ち上がり店主の服を掴み上げた。目を赤くし、今にも喉に噛みつきそうだ。すると

 

「離してやんなよあんた。私が奢ってやるから。」

 

相澤の2つ隣の席に座っていた者がそう言ってカウンターに金を出した。すると相澤は手を離し、店主は金を見てその者に礼を言った。

 

「礼はいいよ。それより酒を2つ。私とこいつに。」

 

そう言われ店主は酒を準備し始めた。まだ立っている相澤は自分に酒を奢ると言った奴を見る。

 

「あんたももう座んな。」

 

するとその者にそう言われた。相澤は言われた通り椅子に座る。そしてそいつを見る。よく見てみると体格は細く、身長は普通だ。色々プレートを服の下に入れているようだ。フードを被っていて口にマスクのようなものを付けている。

 

相澤「てめぇ誰だ。」

 

相澤はそれに向かってそう言った。するとそいつは相澤の方を見る。正面から見てもマスクをつけていて誰だかはわからない。だが何故か相澤はその相手に懐かしさを感じたのだ。

 

「私を忘れるなんて、、、酷いじゃないかイレイザー。」

 

するとそいつはそう言ってフードを取った。すると綺麗なエメラルドグリーンの髪が現れた。そして

 

「久しぶりだなイレイザー。」

 

マスクを取ったその顔は相澤の良く知る者の顔だった。確かに、以前とは違って右目のあたりに酷い火傷の跡があるし、左の唇は裂けていた。だが相澤はこいつを知っている。その顔を知っている。そう、、、この女を知っているのだ。

 

相澤「ジョーク、、、、笑なのか、、」

 

相澤は目を見開き口をポカンと空けている。その姿を見た女は笑みを浮かべた。

 

ジョーク「こんな美人の顔忘れたってのかよ!まぁ今じゃあ酷い有様だったか、、、、でもわかってくれたな!」

 

その笑みを見て相澤は確信を得た。目の前にいるこの女が、Ms.ジョーク、、、、福門笑だということを、、

 

相澤「お前、、、何で生きて、、、、」

 

ジョーク「まぁさ、、、まずは飲めよ。」

 

そう言ってジョークは目の前に出されていた酒の入ったグラスを手に持った。

 

 

 

 

 

 

相澤「それで、、、、、何でお前、、生きてるんだ。」

 

酒を一杯飲んだ相澤はそう言った。するとジョークは口を開く。

 

ジョーク「そうだね、、、、まぁあれで生きてんのも可笑しな話だしな。」

 

そういって一杯酒を飲んでからその事を話し始めた。

 

 

 

数年前

相澤「おいジョーク!!!てめぇ早く来い!!」

 

相澤とジョークは燃え盛る建物の中にいた。相澤は怪我している人を2人抱えていた。建物は崩れ掛け、今にも崩れ落ちそうだった。すると

 

ジョーク「消太!!!」

 

ジョークがそう叫んだ。その声を聞いて後ろを見た相澤の目の前には投げられた負傷者がいた。相澤はそれを捕縛布で絡めとる。

 

相澤「お前!!何してる!!」

 

その時相澤は目にした。ジョークの右足が折れ曲がり、骨が剥き出しになっているのを、、、、

 

相澤「お前、、、それ、、」

 

ジョーク「戦いでガタが来てたんだろうな、、、さっきその人抱えながら無理な動きして、、この通りよ。」

 

そんなことを言ってる今も周りの火は強くなり、建物は崩れ掛けている。

 

相澤「くそ!待ってろ!!!!すぐこいつら出して助けにr「無理だよ。」

 

相澤が言ってる途中でジョークはそう言った。でも確かにジョークの言う通りだ。もう残された時間はない。

 

相澤「なっ、、、なら!」

 

ジョーク「いいんだ消太。早く行ってくれ。」

 

そう言ったジョークは笑みを浮かべていた。だが目には涙が溢れている。

 

相澤「そ、、そんなこと、、、て、、てめぇ、、」

 

ジョーク「早く行けよ消太、、、、後、、大好き!」

 

相澤「おまっr『ボッゴォォォォォォォォォン!!!!!!

 

 

 

 

時間は戻り酒場

ジョーク「あの時あの場所で、あんたの目の前で私は確かに爆発に巻き込まれた。まぁあの爆発じゃあ普通死んでるよな、、、、、」

 

相澤「あぁその通りだ。だからあの後どうやって、、、、、」

 

するとジョークは酒の入ったグラスを揺らす。そして口を開いた。

 

ジョーク「あの後、、、、私凄い火傷を負って、、まぁ見ればわかると思うけど、、、ほら」

 

ジョークはそう言って服をたくしあげる。するとジョークの腹には凄まじい火傷の痕があった。

 

ジョーク「それに火傷だけじゃなくて、、、、足も。」

 

そう言ってジョークは左足を見せた。そう義足の足だ。

 

ジョーク「こうなった私は本当に、、、本当に奇跡的に瓦礫の倒壊からだけは免れられて、、、、地面に横たわってた。虫の息でね、、、」

 

相澤は片手に酒の入ったグラスをただ持ちながら話を黙々と聞いていた。そしてジョークは話を続ける。

 

ジョーク「その時たまたま私が倒れてる所にさ、、、寄せ集めヴィランのバンが通りかかったんだ、、あの時はまだスーパーマンの治世じゃなかったし犯罪も普通にあった。だから、、、、、」

 

するとジョークは自分の腕を握りしめた。まるで思い出したくないものを思い出し、苦しんでいるような、、、、

 

ジョーク「だからそいつら、、、私を見つけるや否やバンに乗せて、まるで玩具みたいに私の体を、、、」

 

それは、やはり思い出したくない辛い過去だった。

 

ジョーク「もう半分混沌だった世界だし、、、大火傷してたり足がなくても関係なかったんだよ、、、私はただの穴、、アイツらにとっての、、、、、ただの解消道具だったんだ。でも皮肉なことだよ、、、私が今生きてるのも、私のが結構良くて人気だったからって理由なんだぜ?笑えるよな!」

 

最後の方のジョークは涙を流しながらも声を張り上げ、笑みを浮かべていた。そんな姿を見た相澤は何も言えなかった。

 

ジョーク「あぁ〜本当!私の体が人気でよかっr」

 

その時相澤はジョークを抱き寄せた。ジョークの話を途中で妨げ、強く抱きしめたのだ。

 

ジョーク「消太、、、離して、、」

 

相澤「あぁ、、わかってる。わかってる。だから、、、もうやめろ。」

 

相澤がそういうとジョークは頷いた。そして相澤もジョークを離す。すると2人はまた椅子に座り、グラスの酒を飲み干した。

 

ジョーク「とにかくそれで私は生き延びた。一応ね、、、でも今まで生きてこられた理由は他にあるんだ。そう、、彼らに助けられた。」

 

そう言ってジョークは背後を指差した。そこには!!

 

スナイプ「久しぶりだなイレイザー。」

 

マニュアル「無事でよかったです。」

 

キメラ「無事?クソに成り果ててるだろ。」

 

スナイプ、マニュアル、キメラがいたのだ。その背後にはまた何人かの元ヒーローと元ヴィランがいた。全員昔の面影はあるが、ほぼ変わっている。

 

相澤「お前ら、、、一体今まで何処にいたんだ?」

 

相澤は全員にそう問うた。

 

スナイプ「世界中だよ。世界中を渡り歩いてた。」

 

するとスナイプはそう答える。どうやら日本だけじゃなく、アメリカ、中国、ロシア、アフリカ、あらゆる国と地域を転々としていたようだ。

 

相澤「それで、、、お前達は一体何をしてたんだ、、何を考えてる?」

 

そう相澤が言うと、その酒場に続々と人が入ってきた。そこには、日本人じゃない人も多く集まっていた。すると隣に座っていたジョークが立ち上がり相澤に言う。

 

ジョーク「私達はずっと世界を回って仲間を集めてた、、、、反乱の、、スーパーマンの帝国を潰す為に!」

 

そう言ったジョークは相澤に手を差し伸べる。

 

ジョーク「さぁ消太、、、、手をとってくれ。そして復帰だ、、、ヒーロー、、イレイザーヘッドのな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在

緑谷「先生!!」

 

電灯の上にいた相澤はデスエンジェル、キラーエンジンの個性を封じながら捕縛布を締め上げていく。

 

相澤(このまま絞め殺すッ!!)

 

そうして首元を一気に引き締めていった。二人からは苦痛の声が響いてくる。実に苦しそうだ。そんな状況を見ながら、かつてクラスメイトだった時のことを思い出し、緑谷達は歯を食いしばり拳を握りしめた。

 

バキバキッ!!

 

するとキラーエンジンのマスクにヒビが入っていく。それと同時に苦痛の声も響き渡る。

 

いやぁぁぁぁぁぁぁあくるしいぃぃ!!!いたいぃぃぃ!!!

 

デスエンジェルも口から血を噴き出しながらそう苦痛の声を上げる。骨の折れる音も聞こえてくる。相澤はその光景を見ながら歯を食いしばる。どんなに今は敵で、多くの人を殺していたとしても、今目の前で自分が絞め殺そうとしている二人は元生徒なのだから、、、、

 

バギィィンッ!!!

 

するとその時、キラーエンジンのマスクが砕け散った。そして、懐かしい飯田の顔が姿を現したのだ。その顔は左目が焼け爛れ、昔のそれとは大きく違っていた。だが一眼見ただけでわかる。飯田天哉だ。

 

相澤「飯田、、、、お前は、、お前らは、、なんで!」

 

そういう相澤の目からは涙が溢れていた。そしてそう訴えかける。すると

 

キラーエンジン「先、、、、、生、、、、」

 

キラーエンジンが声を出した。相澤はその声に反応してキラーエンジンを見る。キラーエンジンの目からは大量に涙が溢れていた。そして再び口を開き、言った。

 

キラーエンジン「先、、、生、、ま、、だ、、、、じにたぐ、、、ない、、」

 

その瞬間だった。涙を流し、そういった飯田を見て相澤は、、、、、、つい拘束を緩めてしまったのだ。

 

爆豪「バカ野郎ッ!!」

 

緑谷「先生!!」

 

ビュッ!!!!

 

その瞬間、キラーエンジンは口の中の血を相澤の目に向けて吐きかけたのだ。相澤はその血により目を閉じてしまう。そして!

 

ギュオッ!!!

 

キラーエンジンとデスエンジェルは一瞬で拘束を解き、キラーエンジンは相澤の目の前で蹴りを放つ体勢に入っていたのだ。

 

キラーエンジン「先生が心優しい先生でよかったです。」

 

そしてそう言い、蹴りを放とうとした時!

 

セメントス「イレイザー!!!!!!」

 

セメントスがそう叫び、足元から伸ばしたコンクリートの壁を相澤の目の前にやって蹴りを防ごうとしたのだ。だが、それが間違いだった。

 

ギャルンッ!!!!

 

キラーエンジンは途中で動きを変えそのコンクリートの壁を滑るように走り出したのだ。その向かう先は勿論、その壁が発生した場所にあるセメントスだった。

 

セメントス「まずrドグシャァァァァァン!!!!

 

キラーエンジンの放った蹴りはセメントスの顔面に突き刺さり、セメントスはその場で死亡した。

 

砂藤「クソッ、、、クソがぁぁぁぁ!!!!」

 

すると砂藤はそう言って大量の砂糖を口に放り込もうとする。だが!

 

ギュガッ!!!

 

突如背後から迫っていたツルが口の中に入ってきた。そのツルはどんどんと砂藤の中に入っていき、そして、、、、

 

ブシャァァァァァァァァン!!!

 

内部から砂藤を破裂させたのだ。

 

デスエンジェル「もう、、、磔刑では許されない、、神の使徒である私に、、、、このような苦しみを、、、」

 

緑谷「クソ!こんな、、、、相澤先r、、、、」

 

その時緑谷は相澤先生の方を見てつい言葉を失う。何故なら、相澤先生の瞼が焼け爛れていたからだ!先程向きを変えた時に、マフラーから出る炎で焼かれてしまったのだ。

 

相澤「く、、、そ、、俺、、は、、」

 

相澤は歯を食いしばり拳を握りしめる。その掌からは血が溢れ出ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地下室サイド

グガァァァァァァァァァァァァァァ!!!!

 

峰田「やべぇぜ本当!!どう止めるよこいつ!!」

 

峰田は頭のモギモギをダークシャドウに投げながらそう叫ぶ。モギモギはダークシャドウにくっつくが、ついたと共についた場所を消し、モギモギを無力化していた。

 

障子「ダークシャドウの弱点は光!それで抑え込むしかないな!」

 

トゥワイス「ってことはヤオモッちゃんの出番ってことだな!」

 

八百万「その呼び方やめてください!」

 

そう言った八百万は何かを創造しダークシャドウに向かって投げる。すると!

 

バァァァァァァァァン!!!!!

 

それは突如として発光した。それと共に迫ってきていたダークシャドウも悲鳴を上げて退いた。

 

八百万「フラッシュグレネードですわ!威力をできる限り高めた代物、、、、効果はありましたわね!ですが、、、」

 

ダークシャドウ「ぐぐぐぐが、、、、グギャァァァァ!!!

 

そう、ダークシャドウはすぐさま回復し、しかもむしろ凶暴になっていたのだ。

 

障子「不味いな、、、、八百万!フラッシュグレネード以上の光系武器は創造出来るか?!」

 

八百万「そうですね、、、、私の創造だけでつくれる最大の光になり得るのは、、、、、、巨大な火炎放射器ぐらいですわ。でも創造に時間が、、、」

 

すると障子とトゥワイスは後ろを向いてダークシャドウの方を向いた。

 

峰田「お、、おめぇら、、」

 

トゥワイス「とにかく創造する時間稼げばいいんだろ!」

 

障子「あぁ!命に変えても時間を稼ぐぞッ!!」

 

二人はそう言い放った。そんな二人を見た峰田は歯を食いしばってから後ろを向く。

 

峰田「俺は障子達のバックアップにつくぜ!八百万は全力で創造頼む!!」

 

すると八百万は何も言わず頷いてから創造を開始した。障子は右側から攻め、トゥワイスは左側から攻めた。

 

障子「オクトブロー!!」

 

障子は先手として複製腕でのラッシュを打ち込む。だが効果は今ひとつで、すぐにぶっ飛ばされてしまった。

 

トゥワイス「おし!絶対止めるぜぇぇ!!」

 

トゥワイスは鉄線を張り、ダークシャドウに攻撃を仕掛ける。だがそれも簡単にぶっ飛ばされてしまう。

 

峰田「まじぃな、、、全然止まらねぇ!」

 

すると峰田はトゥワイスに複製してもらった鉄線の両端にモギモギを付け、片方を天井に、もう片方をダークシャドウにつけた。すると

 

ドゴォォォォォォォォン!!!!

 

ダークシャドウが前に出ると同時に天井が割れ、コンクリートがダークシャドウに一気に落ちてきた。だが、、、、

 

ガラガラガラガラ、、、、、

 

ダークシャドウは何事もなかったかのように瓦礫から起き上がってきたのだ。しかも、体は先程より一回り大きくなっていた。

 

峰田「マジ、、、、かよ、、、」

 

峰田は後ろに後退しながら背後を見る。まだ八百万は創造を続けていた。すると!

 

トゥワイス「サッドマンズパレード!!!

 

突如峰田の目の前に現れたトゥワイスが突如そう叫んだのだ。するとその瞬間、峰田の目の前に凄まじい量のトゥワイスが現れたのだ。

 

峰田「お、、お前らトラウマとかあったんじゃ、、、」

 

トゥワイス「そんなこと言ってらんねぇ!!俺は前の仲間を、、、、救えなかった、、もし俺がこんなトラウマなんか克服してて、あの時俺を増やせてたら、、そんな事を毎日毎日考えてたんだ!だから今回は、、絶対に間違ったりしねぇんだよぉぉ!!!!」

 

そう言ったトゥワイスはまだまだ増えていく。そしてそれは、ダークシャドウと対になる、もう一つの黒い塊のようになっていった。

 

トゥワイス「さぁやろうぜ怪獣バトル!!黒鳥ちゃんよぉ!!!」

 

そしてダークシャドウとトゥワイスの塊は正面から衝突したのだ。だが、、、、

 

ギョワァァァァァァ!!!

 

やはりダークシャドウは強く、トゥワイスの塊はどんどんと消滅していく。だがトゥワイスも負けてはいない!消滅していくと同時に倍に倍に自分を増やしていったのだ。

 

峰田「八百万!まだ出来ねぇのかよ?!トゥワイスもう限界だよ!」

 

峰田の言う通り、トゥワイスは個性の酷使によりどんどんと弱ってしまっていた。

 

八百万「すみません、、、、でも、、まだ、、後、、もう少し、、なんです、、、」

 

だが八百万も頑張っている。最大限の力で火炎放射器を創造しているのだ。それを聞いた峰田は頭のモギモギをとった構える。

 

峰田「オイラも、、、できる限りのことはしねぇと!!」

 

そして峰田はモギモギをダークシャドウの地面に大量に投げていく。そうしてダークシャドウの足は地面にくっついていく。だがやはり、、、、

 

バギン!!!バギィィィン!!

 

ダークシャドウにとって最早それを大した意味を持つ妨害ではなかったのだ。地面ごと思いっきり破壊していく。

 

峰田「だ、、、だめだ、、、オイラの個性じゃあ、、」

 

トゥワイス「ぐ、、ぐぐがが!!」

 

トゥワイスももう限界が近かった。その時!!

 

障子「グオオオオオオオオオオオオ!!!!

 

ダークシャドウの後ろから障子の雄叫びが聞こえてきた。そしてその声と同時に、ダークシャドウの後ろから、凄まじい量の巨大な手が現れたのだ。それはダークシャドウを掴み、思いっきり抑え込む。

 

峰田「障子!」

 

そう、それは障子の個性複製腕の力だった。だがそれにしても個性の力が強すぎる。その答えは障子の足元に転がっていた。

 

峰田「障子!!お前!!」

 

そこには士傑生から仕入れた個性ブースト剤があったのだ。しかもそれが2本!個性ブースト剤、これは以前裏で出回っていた物よりも強力なものだった。短時間だが個性を数十倍にも引き上げるのだ。だがその一方、一本でも使えば使用者は薬の効果が切れた瞬間に死ぬ恐れがあったのだ。その死亡率は85%。よって仕入れたこれは、、、、最後の手段。玉砕覚悟のものだったのだ。しかも障子はそのブースト剤を2本使っている。それはつまり、、、、、彼は凄まじい力を得る代わり、確実に死亡するのだ。

 

障子「八百万!!!!早く、、、やるんだ!!!」

 

峰田と八百万の目からは涙が流れている。仲間の死が確定したからだ。すると

 

トゥワイス「へへ、、、、負けてらんねぇよなぁ!!」

 

そう言ってトゥワイスも自分に個性ブースト剤を投与したのだ。するとまた一気にトゥワイスが増えていく。

 

峰田「トゥワイス!お前まで、、、、」

 

トゥワイス「ヘッ!泣いてんじゃあねぇぜグレープジュース!俺の命は今日このためにあったって思えてるからよぉ!!」

 

トゥワイスと障子の個性ブーストによる猛攻により、ダークシャドウもどんどんと弱まってきていた。だがそれでも、まだ強く、少しでも力を抜いたらまた一からになってしまうような、、、、、そんな強大な力だった。するとその時!

 

八百万「出来ましたわ!!」

 

ついに八百万の火炎放射器、、、、いや、最早レーザー砲のようなそれが完成した。

 

八百万「分倍河原さん!障子さん!早く、、、早くそこから離れてください!!」

 

八百万はそれの発射ボタンに手を置きながら二人にそう呼びかける。が、、、、

 

トゥワイス「何いっちゃってんだぁヤオモっち!俺達離れたら終わりっしょ!」

 

障子「トゥワイスの言う通りだ!!俺たちが少しでも力を抜いたらこいつは一気に周りを破壊する!!全員お陀仏だ!!」

 

二人はそう言ってその場から離れない。

 

八百万「で、、、でもそれでは二人が、、」

 

八百万がそこまで言った時、二人が怒鳴るように言う。

 

トゥワイス「仇打つんだろヤオモっち!!なら絶対生きろ!ついでに俺の分の仇もうってくれ!!」

 

障子「お前達は生きるんだ!!俺達ごと、、、、そのまま焼き尽くせ!!!」

 

そう言い放たれた八百万の頬を、涙の雫がながれ落ちていく。そして!

 

八百万「二人共、、、、、またいつの日か、、会いましょう。」

 

八百万はそう言ってレーザー砲のようなそれのボタンを押したのだった。

 

峰田「あばよ。2人共、、、、、」

 

そしてその瞬間、地下室中を真っ白な光が包み込んだのだった。




なんか前回後2章で完結させますとか言いましたが、、、、あれは嘘だ


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