自分を大蛇丸と信じて止まない一般男性がゴブリンスレイヤーtrpgのRTA「疾風剣客チャート」で優勝します (狂胡椒)
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疾走剣客1-キャラメイク-

ご存じの通りN番煎じもいいところだけれど 私の尊敬する二代目扉間様(ラスト・ダンサー兄貴)の疾走っぷりを見てンギモヂイイ!! になってしまったので初投稿よ。
 前を走っている兄貴達に負けない立派な走者になれる様に完走を目指し優勝するわね。



「潜影蛇手!!」でゴリ押すRTA、はーじまーるよー。

ということで今回はゴブリンスレイヤーtrpgのRTAで優勝することにするわね。

 

 cv梅原裕一郎とcv小倉唯の2重奏からなる素晴らしいタイトルコールを途中で切って迷うことなくニューゲームを選択したら

タイマー(木の葉崩し)スタートよ!

 本RTAは偉大なる先駆者(私の尊敬する)ラスト・ダンサー兄貴(二代目扉間様)のレギュレーションを潜影蛇手したもので、トロフィー【小鬼殺し3号】を取得と同時にタイムアタック終了となるわよ。

 

 詳しく言うと小鬼王戦後までに「ゴブリンを100体討伐」、「小鬼英雄単独撃破」、「小鬼王戦の判定:大成功で終了」で手に入るトロフィー【小鬼殺し3号】を取得と同時にタイマーストップ(ハイエドテン)となるわけ。

 

 まずはキャラクリエイトをしていくわね。

 

 私の尊敬する諸先輩兄貴姉貴の皆様が様々な種族でこのゲームのRTAをプレイしているわ。私が知っているだけでも、只人・森人・蜥蜴人・獣人・吸血鬼……とほとんどの種族でRTAのプレイ済みなのが実情よ。

 

 おかげさまで公式DLC(サプリという)に新たな神格としてルタ神とタスカリヤ神が追加された位だわ。

 まぁ真相なんて私はサッパリ知らないんですけどねぇ~。

 

 という事で今回は諸先輩兄貴姉貴達が未だ疾走していない圃人の男性キャラで優勝していく事にするわね!

 

 圃人は技量と魂魄、反射度に+補正がある反面、体力、集中度に-補正がある種族。

 個人的には割と癖がある種族よ。魔法耐性と回避能力に秀でている反面、フィジカル面とインテリジェンスに欠ける種族と言えそうね。

 

 斥候職にするときは感知判定に使う知力集中の部分を埋め合わせる必要があるわ。

 第六感判定については反射度が優れている為問題は無いのだけれど、斥候が天職だとは必ずしも言い難いわね。

 まぁ術師か回避系ファイターとしての運用が安定じゃないかしら。

 

 その上で今回はさらにクルースニクという吸血鬼に関わりのある種族も追加しようと思うわ。この種族は邪悪な敵と戦うとき限定で内に秘めた聖なる力を開放して戦うことができるわ。まるで九尾を封印されているナルト君の様ね。

 

 しかも戦士として成長を続ければ私の欲しくてたまらないイタチ君の写輪眼のような技能、魔眼を習得する事も出来るわ。天照に月詠……これは採用確定ね!

 

 優勝する為の種族も決まったことだし、能力ステータスを決めていくわね……。

 

 三面サイコロ7つをフライパンの中に、

 

 潜影蛇手!!

 

 A.Y.I.D.Y(アラヤダ!イイデメ、ヤダー!!)

 

 出てきた出目は左から順に3.3.3.2.3.3.3。素晴らしいわ! 思わず、私の次の体にしちゃいたい位にはいい出目ね。この出目に種族補正値を追加していくわよ。

 

 

 はいデン! ステータスなやーつー!

【 体力点:2 】【 魂魄点:5 】【 技量点:5 】【 知力点:2 】

【 集中度:2 】【 持久度:3 】【 反射度:5 】

[体力集中度: 4 ] [ 体力持久度: 5 ] [体力反射度: 7 ]

[魂魄集中度: 7 ] [ 魂魄持久度: 8 ] [魂魄反射度: 10 ]

[技量集中度: 7 ] [ 技量持久度: 8 ] [技量反射度: 10 ]

[知力集中度: 4 ] [ 知力持久度: 5 ] [知力反射度: 7 ]

 

 

 なかなかどうして理想的な走者になっているでしょう、猿飛先生ェ? *1

 

 次に六面サイコロ二つを三回に分けて潜影蛇手するわね。

 出た出目をそれぞれ生命力、移動力、魔法使用回数に割り振るわよ。

 

 

 そしてデン!割り振ったステータスがこちら、

  生命力:【 17 】生命力2倍:【 34 】 

  移動力:【 33 】呪文使用回数:【 1 】

  呪文抵抗基準値(魂魄反射+冒険者LV+技能補正):【 11 】

  回避基準値(技量反射+回避可能な職業LV+技能補正) :【 12 】

 

 

 魔法戦士としては、少し回避型の前衛向きなパラメーターでまぁまぁ悪くないんじゃないかしら。ちなみに生命力の2倍以上のダメージを受けると死んでしまうから気を付ける事ね。

 

 経歴(ライフパス)の決定も今、行ってしまいましょう。六面サイコロ二つを三回に分けて潜影蛇手するわね。

 

 経歴はそれぞれ【 無頼 / 箱入 / 部下 】世間知らずのヤクザなお家のお坊ちゃんといった感じかしら?

 それが家を飛び出して、冒険者になるなんて、おつきの人や部下の人が苦労するわね。

 

 

 次は職業の選択よ! ステータス的に見て適性のある職業は武闘家、神官、精霊遣いといったところかしら。

 

 経歴の無頼から武闘家が初期でLv1だからこれを伸ばしていくのがよさそうね。

 武闘家Lvをさらに上げて2に、神官と精霊遣いにも経験点を使ったわ。

 最終的に職業レベルは【 武闘家:2 】【 神官:1 】【 精霊使い:1 】になったわ。

 

 全体的に種族特性の強みを生かした職業のキャラクターになったわねえ。

 

 私的にはこのキャラに斥候の経験も積ませて4重複合クラスにしたいところだけど、まぁそれはおいおい決めていきましょうね。

 

 次は技能を取得していくわ。技能は直接的に冒険に役立つ技能と一般教養もしくは種族特性的な技能の二つに大別されるわ。前者は武器術の技能や呪文詠唱の技能、後者は、労働や暗視、交渉術等ね。

 

 

 取得した技能の一覧を公開するわよ。

冒険者技能

【 隠密 】【 機先 】【武器:片手剣】【 発勁 】

一般技能

 【 料理 】【芸能(歌劇)】【先入観無】【 暗視 】:初歩 技能:超感覚の習得に伴い自動習得

クルースニクの技能

【邪悪感知】【 再生 】【超感覚 】

 

 

 はいここオロチポイント、疾走剣客は本来圃人なので「技能:暗視」を習得することは出来ないわ。

 

でもクルースニクの種族技能を習得する事でおまけで暗視も習得出来たってワケ。

 

これで他の人よりも多くの技能をキャラメイクの段階で獲得することが出来たわ。

 

ただクルースニクの技能を実際に扱うには、悪魔・アンデット・獣憑き(人柱力)の敵と戦闘中でないといけないから、活用するのはなかなかに難しいわね。

 でもその分戦闘ではかなりの活躍が見込めるから楽しみにしておくことね。

 

 

 最後に習得する呪文と武技、名前を決めるわよ。

 

 呪文は口寄せ(使役)精霊術()と解毒の奇跡(医療忍術)にしたわ。どうせ今は一回しか使えないから口寄せさえあればいいんですけどねー。

 

 武技について詳しく説明するわね、新しい種族等と一緒にDLCで追加された要素なんだけど、簡単に言えば戦士職が扱うことができる必殺技ね。

 例えば、某銀河の騎士よろしく、剣で射撃を払いのけたり、敵の攻撃に合わせてカウンター攻撃する事で判定勝ちすれば無傷で敵にダメージを与えたりできるわ。

 

武闘家なら北〇百〇拳したり、か〇は〇波したり、もうやりたい放題よ。

 

 

 初めてのゲイ君の武技には片手剣術に武道家の技術を組み合わせる事が出来る「刀指剣掌」を習得したわ。

 

 この技能は本来武闘家に適性のない片手剣の武器を十二分に使用できるようにする技能なのだけど。これが結構えげつないのよ。

 

 同じ職業レベルの片手剣装備の戦士や斥候と比べると武闘家技能:発勁によるダメージが上乗せされるから片手剣装備の武闘家の方が威力が高いわ。

 

 また使用できる武技の方面でも片手剣と格闘武器の両方が利用できるからより取り見取りってワケ。将来的な攻撃力を強化したってところかしら。

 

 

 最後に疾走剣客君の名前をゲイン、略してゲイ君に決定するわ。

 

 さて、ゲイン君の基本ステータスはできたことだし、今度は彼の経歴(ライフパス)を確認しながら、どうして彼は冒険者を志したのかをOPを通して確認していくことにするわね。(ロスかもしれないけどガバではないわ。己の意思と決意を再確認する必要があるだけよ)

 

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 子沢山な小金持ちのやくざ者のボンボンに生まれ、組に所属する沢山のヤクザに傅かれながら乳母日傘で育てられた圃人の少年、ゲイン。

 

 いずれ組と家業を背負って立つ若頭として英才教育を受けながら大切に育てられた彼はとある趣味に楽しみを見出す。

 

 英雄譚や冒険譚の蒐集、調査に鑑賞。吟遊詩人に小遣いを与えて、古今東西の様々な勲詩をどん欲に聞いてまわった。

 多くの少年にとってありふれた趣味の一つであるそれは若き圃人の少年にとって大切な財宝でありライフワークでもあったのだ。

 

 成人を経て、巨大任侠組織の頭にまで成り上がった親父に将来の展望を問われたとき彼は言った。

 

「僕は昔からいつ吹いたのか、いつ吹くのかも分からない風が風車を回すのを見るのが大好きだった。

 動いているモノを見るのは何でも面白い。でも、止まっていたらつまらない。

 回ってない風車なんか見るに値せずってね。 

 けど、そうかと思えば止まっている物を見るのも情緒があっていい時もある。

 今の僕はね、自らが風のように疾走して自分だけの風車(冒険譚)を回したいんだ。だから今の僕には自分の心を密閉するような選択は出来ない。

 冒険者という風になって僕が風車を回して見せる。 

 そして知りたいんだ。猛き風となって数々の風車を回した果てに一体何があるのかを、先達である数多の旋風が何を思ったのかを、ただ……知りたいんだ。」

 

 理解を示してくれた父親に家を勘当された僕は、冒険者として一旗揚げる為、銀貨100枚の手切れ金と共に辺境の街へ出発することにしたのだ。

 

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 …………何かを知りたいと思う事は良い事だと思いませんか? 猿飛先生ェ?*2

 

 ウフフフフフ…………中々どうして、私好みのいい男に育ったじゃあないの、ゲイン君…………ここまで、覚悟ガンギマリな啖呵をヤクザな親父さんへ切れるとは、優勝への私の情熱も昂ると言うもの。

 

 これは(RTAとの)負けられない戦いになるわねぇ。

 

 OPをしかと見届けたら、冒険者ギルドをスルーして隣の武具屋に直行よ。

 会計カウンターにいるおいちゃんに向かって口寄せの術!

 私位の忍者になったら人を使ったアイテムの口寄せなんて、造作もない事よ。

 おいちゃんを使って、突剣と短剣に綿鎧、解毒薬に精霊鞄を口寄せしたら、お金を払って装備するわ。

 

 装備した後クイックターンで店を出て冒険者ギルドに直行よ。

 この私がここで冒険者セットなんて買うわけないじゃない。

 

 人参色の長髪に洒落た帽子を被った圃人がいるわね…………ゲイ君よ。

 綿鎧も相まって、三銃士みたいな恰好をしているわ。顔立ちも乙女ゲーに出てきそうな見てくれをしているわね。

 

 

 さて冒険者登録をするわよ。 受付嬢…………の列ではなく監督官の列に並んでおきましょう。こちらの方が空いているし、何より私はあまり受付嬢が好きではないのよね。

 なんというか”冒険は自己責任”を自覚なく悪用しているような気がするわ(偏見)。

 

 冒険者ギルドにとって、冒険者とは商売道具じゃぁないのかしら?

 

 あの子、自分の商売道具を杜撰なほど雑に扱っておきながら「最近、実力のある中堅冒険者がこのギルドにいなくて困っているんですぅ」とか宣うし、脳味噌がゴブリンスレイヤーさんガチ恋一色な所とかを見ると、よっぽど私の穢土転生の触媒になりたくて仕方がないみたいねぇ(一方的な解釈)。

 

 私としては受付嬢としてもう少し明確で毅然とした働きぶりに期待するわ。

 冒険者が依頼を受ける為の条件をギルド側からもしっかりと提示するとかね。

 さもなくば私の次の体にするわよ?

 まぁこの受付嬢(頭ガチ恋勢)の尻拭いは私がしっかりぬかりなく行うんですけどねぇー。

 

 

 とりあえず監督官ちゃんに冒険者登録の手続きをしてもらうわね。恙無く上手くいったわ。

 登録後どうするのかですって?仲間を集めて冒険するわよ、当然じゃない。けどこれは私のRTAだから好きにやらせなさい。 いいわね(威圧)?

 

 監督官ちゃんを脅しつけたところで、クエストボードの前に行くわよ。

 

 今日はどんな依頼があるかな、ハム太郎? *3

 

 

 クエストを決めずに一定時間ロビーで待機していると王都に悪魔デーモンが現れただの、膂力を上げる為にはどうすりゃいいかなだのとチュートリアルめいたPC達の会話を聞きこえてくるわ。

 会話が聞こえ始めたら、ある女の神官ちゃんが冒険者登録の手続きをしはじめるわ。手続きを完了したらその子……変なの2号こと女神官ちゃんが共に冒険する仲間を募集するためにこちらにやって来るわ。

 

 

 彼女の登録が終わるまで暇だからここで女神官の解説をしようかしら?

 

 この時点では神殿から出てきたばかりの女神官。耐久はまだ変なのに薦められて鎖帷子を装備していませんのでゲイ君に負けず劣らず紙装甲よ。身体能力も同年代の一般人とほとんど変わらないわ。むしろ若干劣っているくらいよ、いったいどうしてこんな無謀な職業に就こうと思ったんだか。序盤は彼女に敵を近づけてはならないわ。ちょっとしたダメージでも怯んで動けなくなってしまうからねぇ。

 

 

 しかし彼女はこう見えて神官レベル3のエリートなの。出自【神官】により最初から神官レベル1なのに加えて、初期ポイントを神官レベルに全振りしているわ。さらには来歴【神殿】により神学技能を保持、さらに分かっているだけでもお馴染みの小癒ヒールと聖光ホーリーライトを覚えている他、3回も呪文を唱えられるなど、原作と同じく支援特化の優秀なヒーラーよ。

 ちなみに周回によるプレイキャラの技能持ち越しをした場合、前の周回で変なのが死亡していると、この時点で女神官が金等級並に超強化された修羅モードで出現するわ。流行りの死に戻りかしら?

 

 

 彼女は人喰鬼(オーガ)くらいなら単独討伐するヤベー奴らしいわ。興味があったら出現させてその力を見るのも一興ね。

 ちなみに検証した兄貴は彼女の地雷を踏み抜き聖擊ホーリースマイトで消し炭にされたわ。まるで我愛羅君の砂漠葬送みたいねぇ?

 

 

 女神官の登録が終わったのを確認したら、例のパーティーが話しかける前に彼女に向かって話を潜影蛇手!!

 選択肢はよほど変なものでなければ適当で大丈夫よ。というか、さっきからゲイ君の2人称がバンビーノかバンビーナしかないのはどういう事かしら。これが最近の流行なのかしらねぇ。

 

 ある程度会話を進めると横から剣士、武闘家、魔術師のパーティーが小鬼退治の勧誘を持ち掛けてくるので、これを受けることで小鬼殺しルートのフラグが立ちます……が!!

 

 あらやだどうしてこのタイミングで他の見ず知らずの白磁モブが群がってくるのやだー!!

 

 これは新手のガバね……偉大なる先駆者(私の尊敬する)ラスト・ダンサー兄貴(二代目扉間様)をはじめ、疾走したご自身のキャラをこのゲームにて放流される事が完走兄貴・姉貴の皆様の最近のトレンドなの。

 大体同じようなタイミングで原作一党メンバーに加入しようと試みてくるわ。

 最悪なのは女神官ちゃんをお持ち帰り(語弊のある言い方)した挙句そのまま流れるように原作一党メンバーの一員に加入してそのまま、ハイエドテンすることよ。

 

 具体的に説明すると一党に参加するのに交渉判定(何でも可”威圧だと好感度が落ちる”)で目標値11以上を出した上位二名が一党に参加できるわよ。

(自分の得意な技能や技で一党の役に立ちそうな事をわかりやすくプレゼンすると達成値にボーナス)

 

 だから私達、後続走者は偉大なる先駆者(私の尊敬する)ラスト・ダンサー兄貴(二代目扉間様)をはじめとする完走兄貴・姉貴pc達から勝ち取らなければいけないのよ、この就活戦線から一党メンバー(内定)をね! 

 

(「ゴブリンと戦う前に就活と戦うなんて……これもうわかんねぇな」BY一般神談)

 

 もちろん私は、この就活で内定を勝ち取るために必要な対策はしっかり行っているわ。

 

 どうして私がこのRTAで圃人を選んだか分かりますか……猿飛先生ェ?*4

 

 高い魂魄値から繰り出す交渉技能・誘惑を使えば、自己PRなんて完璧ね。

 内定に必要なのは志望動機じゃなくて人柄と魅力だって、それ六道仙人も言ってたから。

 

 ゲイ君は暗視(初歩)と精霊術と奇跡、そしてさらに斥候の真似事もできる(出来るとは言っていない)とプレゼンを魂魄反射による交渉:誘惑(2d6+10)で

 

潜影蛇手!!してやれば、ジャストコミュニケーションで一党に加入できるわ。

 

 やはりゴブリン……いつ出発するの?私も同行するわね(余裕綽々大蛇丸感)

 

 申し訳ないけど、動画の尺的にここまででいったん終わりにするわね。次回は交渉成功後からゴブリン退治をして優勝する予定よ。

 

 今日はとっても楽しかったね。明日はもっと楽しくなるよね、ハム太郎! *5

 

 という事でお疲れさまでした、ハイエドテン!

*1
ぬぉ!?

*2
ぬぉ!?

*3
ピケッ!

*4
ぬぉ!?

*5
ピケッ!




今回使用したキャラ 疾走剣客のキャラシ
https://trpgsession.click/character-detail.php?c=164695325768bdAmDV8eHMYcDA6&s=bdAmDV8eHMYcDA6

このキャラをフリーキャラとして解放したいと思います。このキャラは上記の通り大蛇丸が作ったキャラなので、俺が作ったキャラだから!とさも自分で作ったかのように主張したり、商業利用(1銭の価値もないと思うが)しなければ、自由に使ってもらって構いません。
話数を踏むごとにキャラを強化する予定ですのでそのつもりで、ハイ!エドテン。


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疾走剣客2-ザ・ガントレット-疾走剣客の場合

 ということで今回もゴブリンスレイヤーtrpgのRTAで優勝することにするわね。
 前回、まさか必要になるとは思わなかった交渉判定を振って見事成功させたところから再開よ。 判定ではリアルにダイスを振ってプレイを進めていくからそのつもりでいる事ね。(つまり優勝失敗(屍鬼封尽)する可能性が常にあるという事よ)
 
 まぁこの動画を見ている貴方達、実際にプレイしている私に出来る事は精々このくらいでしょうねぇ。 
 絶望するな、ただ祈れ。
 あと実際にクエストを始めるときはGMというのが必要なのだけど(詳しくは本編)今回はある、スペシャルな方々にお願いしているわ。
 楽しみにしておくことね……。


 今回、(初の実戦ながら)首尾よくできた内容ですが欲で汚い様です。なゴブリンスレイヤーtrpg始めるわよ。*1

 ということで今回もゴブリンスレイヤーtrpgのRTAで優勝することにするわね。

 前回、ゲイ君は青年剣士一党のメンバーに内定したわ。さすが私のPCね。

 という事で、決定した青年剣士一党のメンバーを紹介するわよ。

 まずは青年剣士君(引っかけるやつ)よ。 

 デン! ステータスな奴!

 

 青年剣士 戦士レベル2

 【 体力点:3 】【 魂魄点:2 】【 技量点:3 】【 知力点:3 】

【 集中度:2 】【 持久度:4 】【 反射度:2 】

 生命力【21】 移動力【27】 呪文抵抗【5】 命中【6】 回避【7】

  冒険技能 過重行動 頑健 幸運 投擲 猿の如く 挑発 :全て初歩

 習得武技

 《 憤激 》

 武器:片手剣 両手剣

 条件:無し 技能:片手剣 両手剣

 効果:①受けている消耗点+1だけ命中とダメージ増加 ②【武器】技能に等しいダメージボーナス。

 消費:1

 《 撓め斬り 》

 武器: 片手剣 両手剣

 条件: 敵から近接攻撃を受けている 対象の攻撃手段が武器である。

 技能:

 効果:カウンター攻撃を行う、達成値の+4点差で敵は命中とダメージ-1の追加ペナルティ

 消費:1R2回まで

 

 この世界線では長剣に胸甲を装備しているわ。幼馴染みの女武闘家から借金でもしたのかしら?専業戦士として前線で戦うわ。無闇に突撃しない様にしっかり面倒を見なくちゃあねぇ。

 今一つ武器の命中と回避の値が振るわないけれど、そこは武技と斬撃耐性のある重装甲でカバーするのでしょうね。

 

 次、女武闘家ちゃん(勇敢だけど可哀想な娘)

 デン! ステータスな奴!

 

  女武闘家 武闘家レベル3

 【 体力点:4 】【 魂魄点:2 】【 技量点:4 】【 知力点:2 】

【 集中度:3 】【 持久度:3 】【 反射度:3 】

 生命力【16】 移動力【23】 呪文抵抗【6】 命中【9】 回避【10】

  冒険技能 過重行動 幸運 投擲 格闘武器 体術 :全て初歩

 《 鬼走 》

  武器:近接攻撃武器

 条件:無し

 技能:無し

 効果:威力・命中+1 攻撃前に行う移動距離を3m延長可能 敵の飛行・壁走りを一時的に無効化

 消費:消耗1点

 《 無念無想 》

 武器:無し

 条件:武道家lv2以上

 技能:技能の祈祷か瞑想を習得で使用回数が二回に増える

 効果:武道家か冒険者lvが使える判定で判定後使用できる。他武技と併用可能。達成値に自分の魂魄点分のボーナスを追加できる

 消費:1戦闘に1回

 

 綿鎧に鉄靴を装備しているわ。キックで戦うわ。食らったら痛そうね。専業の武闘家よ。

 習得した武技の効果もあって物理アタッカーとしてはなかなかに悪くないんじゃあないかしら。

 

 次、女魔法使いちゃん(不運なエリートたわわ眼鏡娘)

 デン! ステータスな奴!

 

 女魔法使い 魔術士レベル3

 【 体力点:2 】【 魂魄点:3 】【 技量点:1 】【 知力点:5 】

【 集中度:3 】【 持久度:3 】【 反射度:1 】

 生命力【15】 移動力【15】 呪文回数【4】

 呪文抵抗【6】 命中【5】 回避【1】 呪文行使【12】

  冒険技能 過重行動 幸運 投擲 魔法の才 魔法習熟:破壊 :全て初歩

 

 呪文は火球.火矢.開錠が使えるわ。この一党の主砲にして切り札ね!

 破壊魔法のみ呪文行使が【13】よ。火矢で強敵に攻撃してもよし火球で複数を一掃してもよしだわ。

 でもこの子の装甲は薄く、回避は出来ないものと思った方がいいわね。味方の援護と守りが必要不可欠よ。

 とりあえずこの子に松明を持ってもらいましょう。装備は紅玉の杖と旅人の外套よ。 

 

 次魔法剣士君(ジキヨシャさんのプレイヤーキャラよ)*2

 デン! ステータスな奴!

 

 魔法剣士 戦士レベル2 魔術師レベル2

 【 体力点:3 】【 魂魄点:2 】【 技量点:2 】【 知力点:4 】

【 集中度:2 】【 持久度:4 】【 反射度:2 】

 生命力【18】 移動力【24】 呪文回数【2】

 呪文抵抗【5】 命中【4】 回避【6】 防御【12】 

 冒険技能 過重行動 投擲 忍耐 魔法の才

 

 習得武技

《 盾の城 》*3

  武器:なし

 条件:盾装備

 技能:

 効果:盾受けを体力持久に変更する+消耗することで装甲値2d3上昇

 消費:1 (装甲値上昇を発動時のみ)

 

 呪文は粘糸(スパイダーウェブ)察知(センスリスク)が使えるわ

 皮鎧に円盾に小剣を装備しているわ。 剣と魔法で戦うわ。 戦士と魔術師の複合職よ。魔法剣士は必要なスキルが多くて成長が大変だけど夢のあるビルディングよね。

 いざという時は後衛を守る盾役としての技も備えているようね。

 

 次女神官ちゃん(変なの2号)。言わずと知れた原作キャラクターよ。

 デン! ステータスな奴!

 

 女神官 神官(地母神)レベル3

 【 体力点:3 】【 魂魄点:4 】【 技量点:2 】【 知力点:3 】

【 集中度:3 】【 持久度:4 】【 反射度:2 】

  生命力【18】 移動力【15】 呪文回数【4】

 呪文抵抗【7】 命中【8】 回避【3】 呪文行使【11】

 冒険技能 過重行動 投擲 応急処置 魔法の才

 

 呪文は小癒.聖光.聖壁が使えるわ。この一党の生命線ね!

 この子技能魔法の才をとっているから4回呪文がつかえるのね。何気に原作越えじゃない。

 やっぱり後衛職だから、装甲は薄く、回避は出来ないものと思った方がいいわね。 

 錫杖と神官の外套、女武闘家ちゃんからもらった投石紐一式を装備しているわ。 

 

 この一党にゲイ君が加わるわ! もう勝ったも同然ね…………。

 

 ということで今回はゴブリンスレイヤーTRPGクエスト「ザ・ガントレット」で優勝していく事にするわね!

 まず、セッションを進めるにあたり新しいメンバーを紹介するわね!*4

 まずはGMから! どうぞ―!

 「このセッションでは、杖を振り回したり、野蛮な呪文を唱えるようなことはしない。 いいかな。マグルが遊ぶゴブリンスレイヤーTRPGの微妙な運命と偶然の織り成す、芸術的な妙技を諸君が理解できるとは期待していない。 だが、興味のある選ばれた者には伝授してやろう。人の心を操り感覚を惑わせる大いなる喜劇を。 ロールプレイを瓶の中に詰め、参加者全員の一体感を醸造しビデオゲームにすら引けを取らない感動的な遊びを。 吾輩はこの『自分を大蛇丸と信じて止まない一般男性がゴブリンスレイヤーtrpgのRTA「疾風剣客チャート」で優勝します』キャンペーンでGMを行う、セブルス・スネイプだ。 私の目の黒い内は、マンチプレイが通用するとはよもや思うまいな?」*5

 つづいてサブGMの方、どうぞー!

 「そう、脅かさずともよいではないか、セブルス…………。 俺様はセブルスと共にGMを行う闇の帝王ヴォルデモート卿だ。今回のキャンペーンでは主にNPCの駒を動かしていく予定だ、大蛇丸と共に盛上げて行くので楽しみにしているがいいぞ。俺様からお前達にTRPGのセッションに参加する時について一言教えてやろう。*6TRPGのセッションは礼に始まり礼に終わる。 ダンブルドアは礼儀作法にうるさかろう? 諸君らも実際にTRPGセッションに参加する際はそこに注意を払い、他の参加者と仲良くしながらゲームを進めるといいぞ。 ということで、お辞儀をするのだぁ!《磔の呪文》」

 お二人ともありがとうございます。そしてこれからどうぞよろしくお願いするわね。

 

 ということで早速クエスト「ザ・ガントレットある冒険者の挑戦(非公式原液版)」を進めていくわね。

 

 青年剣士君が依頼票を受付嬢にもっていったわ。 原作とは違いすんなり一党の依頼受注を受理したわね。(6人パーティーだと承諾が早いって、ちゃあんとチャートに書いておかなくっちゃぁねぇ)

 とりあえず今回戦うモンスター『小鬼』について確認してみようかしら。

 「それでは大蛇丸、目標値10の怪物知識判定を行うのだ。」

 わかったわ…………。

 潜影蛇手!! 達成値13で成功よ。

 「よかろう。教科書574ページ、小鬼のデータを確認するといい。 ただ、これ以上の事は受付嬢から説明しないしできぬ。というのも、受付職員は別に小鬼の専門家でもなければ、怪物辞典にも小鬼についてさほど多くの記述は無い為だ。ゴブリンというのは、やはり怪物の中でも最弱の存在なのだ」

 

 大蛇丸データ閲覧中…………。 今の私や青年剣士君、魔法戦士君では少し攻撃に不安が残るわね。

 私は今回、短剣で戦おうかしら? 今はこちらの方が、どちらかと言えばダメージの期待値が大きいからねぇ。

 

 「では諸君ら一党は、直ちに小鬼の巣穴へと出発するだろう。目標値13の【長距離移動(体力持久+冒険者LV+長距離移動)】の判定を行いたまえ」 

 

  潜影蛇手!! A・Y・C・Y(アラヤダ、クリティカル!? ヤダー!)クリティカルで成功よ。

 「よろしいでは、諸君ら一党は皆、元気溌剌に巣穴へたどり着くだろう。

  続けてPC達に目標値15の【観察(知力集中+野伏or斥候LV+観察)】判定か、

  目標値16の【第六感(知力反射+野伏or斥候or精霊使いLV+第六感)】の判定を行いたまえ」

 それじゃあ、第六感判定を行うわね…………。

 潜影蛇手!! 達成値16でギリ成功よ。

 

 「よろしい、では諸君ら一党は巣穴の入り口の影に隠れるようにしてゴブリンの物見がいる事に気づく。 諸君らは一気呵成に接近し小鬼を倒すだろう。 省略戦闘だ、経戦カウンターを1つ加点したまえ」

 

 ここの処理、リアルでガバしちゃったわ。先の判定で失敗しておけば、ゴブリン物見が生還できるから、洞窟の中でゴブリンの奇襲フラグが発生するの。

 これによって、洞窟の深くまで潜る事なく小鬼戦力の半分と戦う事ができてある程度戦力を減らす事ができる+ダンジョンの最深部までショートカットできる通路を使ってタイム短縮できたのよ。

 元々ゴブリン奇襲フラグを発生させる事想定してチャート組んでいたから、これは不味いわね。

 

 「処理し終わったな? 

  洞窟の中に一歩踏み入ると、むっとした汗や獣の臭いに加え、

  じっとりとした湿気、そして暗闇がPC達に覆いかぶさってくる。

  足元は土の他に蟲の死骸や蝙蝠や鼠の糞が堆積し、頭上には木の根っこが張っていて、

  PCの頭がかすめると、ところどころからポロポロと土が溢れる。

  この洞窟はとても狭く、戦うことを考えると隊列は一列にならざるを得ないだろう。

  また圃人や、あるいは際立って体格が小さいという設定のPC以外は、

  目標値13の【技量集中+武道家or野伏or斥候LV+体術】判定を行いたまえ。

  失敗すると狭苦しい場所を通るのに苦労し、1点の消耗を受けてしまうだろう。」

 「俺様が振るのだ!」

 カラコロ

 「ああ、我が君…………女武闘家以外全員失敗ですぞ」

 「フン! まあ良い、この後の俺様の華麗なプレイングを披露すればノーカンなのだ」

 

 私が、隊列の先頭で松明と短剣をもって探索していくわね。 

 疾走剣客・青年剣士・女武闘家・女魔術師・女神官・魔法戦士の順で行くわよ。

 

 「加えて目標値13の【観察(知力集中+野伏or斥候LV+観察)】判定を行うのだ。この判定には野伏、斥候の他に戦士技能を用いる事が可能だ。

  この洞窟は薄暗いため、松明など何らかの光源を持たないと、暗視能力を持たないPCは視界が通じなくなるのだ。

  この通路ではゴブリンの物見を排除できたので何も起こらないのだ。」

  潜影蛇手!! あら失敗よ。

 「俺様が振るのだ! まずは青年剣士だ」

アバダ・ケタブラァ!! 達成値17で成功なのだ。

 「おお……我が君、成功しましたな。では成功した者は洞窟が狭く、圃人以外の種族が武器を両手で振り回すと、命中判定に-1の修正が加わり、また味方と隣接することができない事に気づくだろう」

 「最悪ではないか、セブルス!」

 「おお……我が君お許しを」

 「よい、俺様がお前の忠誠を疑ったことはない」

 「おお……我が君、ありがたき幸せ

  もしゴブリンの物見を排除していた場合はこちらの状況が発生するのだ。洞窟はしばらくすると二股に分かれ、左右に通路が伸びている。

  左右のどちらを見ても、あまり比較できるような要素はなく、どちらからも饐えた異臭が漂っているのだ。

  もし目標値15の【観察(知力集中+野伏or斥候LV+観察)】判定に成功したなら、左側*7の地面が踏み荒らされ、大人数が往来していた事に気がつけるであろう」

 この判定は女神官がクリティカルを出したわ。せっかくだから、そちらの左側を先に調査しようかしらね?

 「よろしい。諸君らはゴブリンの詰め所に到着した。

  しばらく洞窟を進むと、やや開けた小部屋のような空間に出た。

  地面には申し訳程度にござが敷かれ、そこここには雑然と、粗末な武器や、食べ物の喰い滓などが放り出されている。

  汗や汚物、ゴミ、獣の臭いなどの入り混じった臭いも漂っている。奥には道が一本伸びていて、そこからはさらに強烈な臭いが流れてきている。

  目の前には小鬼と小鬼の弓兵が1匹ずついた。出会い頭にばったりと遭遇する事になったのだ。

  PLである諸君らには説明しておく

  このゴブリンのデータは小鬼(P574)に等しいが、「毒武器」の特殊能力を保有している。

  不意打ちを受けた場合はPCの誰かが毒武器の効果を受けるまで気づく事はできないが、

  襲撃に気づいていた場合は目標値13の【知力反射+観察】判定に成功したならば、

  ゴブリンの刃がぬらぬらと怪しげに濡れている事に気が付けるだろう。 

  ・毒武器

   武器もしくは投擲武器でダメージを受けた対象は体力抵抗判定(体力反射)を行い、

   失敗すると即座に生命力が「1D6」点減少する。

   以後30分(60ラウンド)の間、ラウンド終了毎に1点の毒ダメージを受ける。

   この効果は、毒属性として扱い、治療されるまでの間、口を用いた全行動が取れなくなる。

  これより、戦闘を開始する。吾輩がTRPGをするのに便利なツール『ユドナリウム』で戦闘マップを用意したのでこれを使う。 では所定の位置にキャラの駒を置きたまえ。 準備が整い次第先制ロールを全員が行い戦闘開始だ。」

 いよいよ、最初の戦闘が始まったわ。戦闘のシーンについてはダイジェストで説明するわね。先制ロールで出た出目の順番で自分のターンが回って来るわ。このRTAではGMのスネイプ先生卓のハウスルール*8により基本的には冒険者が先手をとれるようになっているわ。スネイプ先生卓のハウスルールについては機会があったら説明するわね。

 

戦闘ログ

 先制順 冒険者一党→敵の順番 (先制ロールで上回っていた場合を除く) 

1ターン目

 疾走剣客7 青年剣士8 女武闘家5 女魔術師6 魔法戦士8 女神官3

 

 小鬼1 小鬼弓兵6

 

 青年剣士 ミス 小鬼を挑発、成功

 魔法戦士 ミス

 疾走剣客 小鬼に短剣で攻撃、7のダメージ 

 女魔術士 パス

 小鬼弓兵 女魔術士に弓矢攻撃 1ダメージ

 女武闘家 小鬼弓兵に鉄靴キック攻撃 5ダメージ

 女神官  小鬼弓兵に投石紐による投石攻撃 2ダメージ

 小鬼   青年剣士に攻撃(毒)  武技『撓め斬り』使用で反撃痛打、ダメージ5。小鬼死亡 青年剣士消耗+①

 

2タ-ン目

 疾走剣客7 青年剣士8 女武闘家5 女魔術師6 魔法戦士8 女神官11

 小鬼弓兵

 女神官 小鬼弓兵に投石攻撃 小鬼弓兵は死亡

戦闘終了 累計 継戦値3 累計消耗点 青年剣士2 疾走剣客と女武闘家0 それ以外1

 

 初の戦闘だったわね。とりあえず緊張したわ。ゲイ君はしっかり活躍していたわ。このゲーム、命中に対するペナルティが結構きついわね。青年剣士と魔法戦士が自分の手番で攻撃を外したのはそのせいよ。

 命中ロールは2d6に技量集中と戦士系の職業レベル+武器の命中補正+技能効果を足すんだけど剣の命中補正は短剣等の一部例外を除き大体-2以上なのよね。 私がゲイ君に短剣を持たせた意味わかって貰えたかしら?

 あと、命中ロールは一定値毎にダメージボーナスが1d6が一つずつ入って来るから、だいぶ大事なのよね。投石紐による投石も強いわね。 武器の命中補正が+2で更に投石玉を使うと命中補正が+1入るから実質+3になるわよ。女神官ちゃんが意外に活躍したのもそこが理由ね。

 さて、奥に部屋があるようだけれどGMの描写を聞くに碌なもんじゃなさそうだから、さっきの分かれ道のもう一方の部屋をのぞいてみましょうか。

 おっともうこんな時間! 動画の尺的に今回はここまででいったん終わりにするわね。次回は分かれ道右の部屋の探索から始めるわよ。

 今日はとっても楽しかったね。明日はもっと楽しくなるよね、ハム太郎! *9

 

 という事でお疲れさまでした、ハイエドテン!

 

 

*1
ここは感心するべきか?

*2
『ゴブリンスレイヤー 実況プレイ』の作者、猩々さんのPCよ

*3
猩々さんが公開されたキャラシには武技の設定がなかったので、こちらで暫定的に設定させてもらったわ。 申し訳ないけれどよろしくお願いします

*4
今後レギュラーメンバーとしてちょくちょく登場するから、みんなよろしくお願いするわね…………

*5
青ざめるロン

*6
はいここ! 闇の帝王ポイント

*7
(4.ゴブリンの詰め所)

*8
ハウスルール:テーブルゲームのローカルルールみたいなもの

*9
ピケッ!




スネイプGM卓のハウスルールは
TRPGオンラインセッションSNSのコミュニティ『ゴブスレTRPG』のハウスルールを一部借用
〇 先制同値はPL先攻 先制判定時、同種族の敵は代表1体が判定実施し同じ値を適用する
〇 因果点11点以下は経験点+500のルールが浸透している(因果点周りのもめ事を減らす為)

〇 基本的に理由がない限り、経験点は1000(因果点で+500)、成長3点、依頼自体の報酬銀貨は等級基本報酬の1倍から3倍
〇 キャラシは、外部URLを張り付けただけではなく、オンセンキャラシのテンプレに則って記入した物である必要がある(誰が見ても見やすい物)


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疾走剣客3-ザ・ガントレット②-疾走剣客の場合

やっと! やっとクエストクリアしたわ!

お待たせしたわね。 口寄せ! 新規投稿!!


たった一つの判定成功ガバで何もかもが間延びする(ついでにゴブスレさん未登場フラグがありそうな)、ゴブリンスレイヤーtrpg始めるわよ。

 

女神官ちゃんのクリティカルで小鬼の出入りが多い部屋を一通り探索した私達は、分かれ道に戻った後、まだ探索していない右側の部屋を探索する事にしたわ。

 

 

「では描写に移る。

 しばらく洞窟を進むと、ぽかりと少し開けた小部屋のような空間に出る。

 何やらごちゃごちゃとガラクタが散らばっており、不潔な場所であることに変わりはない。

 冒険者の諸君は壁にかけられた、糞尿で模様を塗りたくったカラスやネズミの頭蓋骨が、異様な雰囲気を漂わせていると感じるであろう。

 冒険者諸君には目標値を明かさず*1、【博識(知力集中+魔術師LV+博識)】判定か*2、【怪物知識(知力集中+呪文遣い系LV+怪物知識)】判定を行ってもらう。

 もし冒険者諸君が【博識】判定に成功したなら、何らかの宗教的シンボルであること、また【怪物知識】判定に成功したなら、これはゴブリンシャーマンによるトーテムである事がわかるであろう。

 そしてここを詳しく調べたなら、器に盛られた黒い粘液を見つけ出す事ができるであろう。目標値13の【博識(知力集中+魔術師LV+博識)】判定に成功したなら、これがゴブリン達の用いる毒である事を冒険者諸君は見抜く。武器一つに塗るには十分な量があり、これを塗布した武器は戦闘1回か洗い流すまでの間、この洞窟のゴブリン達が用いる「毒攻撃」の能力を獲得するであろう。

 もっとも、諸君らの新品の武器に汚らわしい汚物毒を塗りたくる事が出来ればの話だが」

 

 わかったわ。ここは、女魔術師ちゃんに頼りましょう。 ゲイ君はここでは役に立たないわ。

「よかろう、では俺様が女魔術師、の判定を博識、怪物知識、博識の順番に振るのだ。

 アバダ・ケタブラァ!!

 達成値21(博識)とクリティカル(怪物知識)と達成値22(博識)で成功なのだ。

 問題なく、全ての情報をレジリメンス(全抜き)できたのだ」

 

A.Y.I.D.Y(アラヤダ!イイデメ、ヤダー!!)

 

 やっぱり賢者の学院を主席卒業した才媛の頭脳は伊達じゃあないわね。もしかして、さっきの小鬼が持っていた武器にもついていたのかしら?

 後、その毒をこのさっきまで使っていた短剣に塗っておきたいわね。 これでこの武器の攻撃能力がアップしたわよ。

「では、先程の小鬼が装備していた武器を女魔術師に確認してもらった所、この場所で作られた毒と同じ物がこの武器にも塗られている事に諸君らは気づく、小鬼は馬鹿だが、間抜けでは無い事に気づき諸君らは一層の警戒と共にこの場所からつながる奥へと進むだろう」

 

 「では、諸君らがゴブリンシャーマンの部屋を抜け奥へ向かうとそこは水場になっていた。

  地下水脈とつながっているらしく、綺麗な水が川のように左から右へと流れている。

  水は冷たく心地良く、深さも只人の足首くらいなので溺れるような心配はない。

  だが、よく見ると岸からそう遠くない岩場に何か黒いものが引っかかっている。

  諸君らには目標値を伏せた*3の【観察(知力集中+野伏or斥候LV+観察)】判定を行ってもらう。失敗しても、それが酷く痛めつけられた只人の死体である事がわかるだろう」

 それじゃあ、ゲイ君と女魔術師さんで観察判定を行うわよ。

 潜影蛇手!!達成値13で成功ね。

 「俺様が振るまでもなかったな」

 「成功したなら、その死体に縄が絡みついている事がわかるだろう」

 「遺体を調べるわ」

 

 「では諸君らがその死体を回収したり、調べようと近づいたなら、

  死体に絡みついていた縄が蠢きだして襲いかかってきた。

  1体をボスとした蔦縄(P584)3体の群れだ。

  ゴブリン達が飼育しているという事はなく、体よく飽きた玩具の処理に活用していたのであろう。

  蔦縄を倒して死体を取り戻したら、白磁等級の認識票を回収することができる。

  冒険者ギルドへと持ち帰る事ができたら、何かしらの報酬が貰えるかもしれぬ」

 

戦闘 冒険者一党VSローパーA.B.C

 

疾走剣客 青年剣士 魔法剣士 女魔術士 

女武闘家 女神官

ローパーA.B.C

 

1ターン目

疾走剣客6 青年剣士6 魔法剣士10 女魔術士2 

女武闘家6 女神官8

 

ローパーABC 0

 

魔法剣士の攻撃 ローパーAに6ダメージ

女武闘家の攻撃 ファンブル!

青年剣士の攻撃 ローパーBに20ダメージ! 倒した

疾走剣客のレイピア攻撃 ローパーAに7ダメージ

女神官の攻撃 ローパーAに6ダメージ 倒した!

女魔術士は様子を見ている。

ローパーCの触手攻撃 魔法剣士は回避した!

 

2ターン目

疾走剣客8 青年剣士7 魔法剣士7 女魔術士5 

女武闘家9 女神官5

 

ローパーC 3

 

女武闘家の攻撃 クリティカル効力値25超え

ローパー転倒+行動不能+16ダメージ!

敵は全滅した。

 

累計継戦カウンターが5になったので疲労+1

累計消耗点 青年剣士3 疾走剣客と女武闘家1 それ以外2

戦利品 白磁等級認識票

 

 「認識票を見る限り彼女は只人の自由戦士で、何らかの目的で旅をしていたものの、

  運悪くゴブリンたちに襲われてしまったのであろう。」

  

  「さて、奥へと続く通路は分かれ道になっている。 一方からは汗や汚物、ゴミ、獣の臭いなどの入り混じった強烈な臭いが流れてきている。 構造的に、小鬼と戦った部屋と繋がっているようだ」

 

 臭い部屋に入る必要はないわね。このクエストに動画3本も使っているしそろそろケリをつけておきたいからねぇ。もう一方の通路に進むわ。

 

 

 「よろしい、諸君らが進んだ通路にはごく何の変哲もない洞窟の通路が伸びています。

  奥の方向からは、何かギャイギャイとゴブリン達が騒いでいる様子が伺えよう。 ここは割と広い通路なので自由に隊列を組むと良い。 なお、気づいていると思うがそろそろボス戦だ。 気を引き締めてかかるとよい。」

 

 面白くなってきたじゃない。ボス戦が近づいてきたようね。隊列を組むと同時に戦闘教義(ガンピット・ドクトリン)を定めておこうかしらね。今回のキャンペーンだと基本的にゲイ君以外のキャラクターは全員NPCになるわ。だから他のキャラクターはAIの操作に頼ることになるから。AIが効率よく戦えるようにプログラムを書いてやろうというわけ。

 今回のガンピットはこんな感じで組んでみようかしらねぇ…………。

 

 青年剣士 優先度1>4

 ①敵の攻撃:撓め切り ②ボスの支援をする敵:挑発

 ③目の前の敵:戦う ④HPが一番高い敵:憤激

 

 女武闘家 優先度1>4

 ①敵の攻撃:回避(武技無念無想も使用) ②ボスの支援をする敵:戦う

 ③目の前の敵:戦う ④HPが一番高い敵:鬼走

 

 魔法剣士 優先度1>4

 ①敵の攻撃:防御(武技盾の城も使用) ②呪文を使う敵:粘糸

 ③HPが一番高い敵:粘糸 ④リーダーの敵:戦う

 

 女魔術師 優先度1>4

 ①HPが一番多い敵:火球 ②敵数が多い列:火球

 ③モブの敵:火球 ④リーダーの敵:火矢

 

 女神官 優先度1>4

 ①毒状態の味方:解毒薬 ②負傷点>生命力の味方:小癒 

 ③呪文維持系呪文詠唱:呪文維持 ④敵全体:聖光

 

 ガンピットを組み終わったわ。先制値の高い者順で条件に当てはまる行動をとってくれるわね。

 ゲイ君は(このRTAの)リーダーってことになるわね。

 

 「では描写を続ける。 諸君らには目標値を明示しない、*4【観察(知力集中+野伏or斥候LV+観察)】判定を行ってもらう。成功したら、足元に切れかけた縄が張ってある事に気が付きます。何かの罠だろう。(誰かが気づいた時点で手仕事判定に移る)

 これは目標値15の【手仕事(技量集中+斥候or野伏LV+手仕事)】判定によって解除することが可能だ。

  どちらかの判定に失敗してしまった場合、縄が切れて罠が作動するであろう」

 

 「では女魔術師が観察判定をするのだ

 アバダ・ケタブラァ!!達成値18で成功なのだ。」

 ゲイ君が手仕事判定をするわ。

 潜影蛇手!!達成値16で成功ね。

 

「無力化したので関係ないが、ここの罠について俺様が教えて進ぜよう。罠は洞窟の天井、木の根に括り付けられていた鶴嘴や鍬が振り子のように襲いかかるというものなのだ。

  小鬼の身長に合わせて調整してあるため、かがんでいたり、圃人や、極端に体格が小さい設定のPCには命中しない。

 そうでないキャラ達は目標値14の【第六感:知力反射+野伏or斥候or精霊使いLV+第六感】判定を行うのだ。ダンブルドアは判定に厳しかろう? 失敗した場合、2d6/刺のダメージを受けるのだぁ!」

 

 「もし罠の作動後、あるいは解除後によく見ると、高さの調整を誤ったのか、ややのっぽのゴブリンの死体が、頭を罠に貫かれてぶら下がっている事に気が付くであろう。縄が切れそうになっていたのは、この重量のせいだったのであろうな。

 罠が作動してしまった場合、その音を聞きつけて奥の大広間にいるゴブリン達はPCの接近に気がつき待ち伏せを始める。何か作戦を立てない限り、PC達による不意打ちは難しくなるであろう」

 

 

 ボス戦前の戦闘準備よ、貯めていたリソースを全部、潜影蛇手するわよ。

 土遁口寄せの術、もとい土遁使役の術(コントロールスピリッツ)よ。

 潜影蛇手!!達成値18で成功ね。(残り呪文回数0)

 自由精霊(土)を召喚したわ。呪文達成値15 呪文回数3回(石弾と隧道)が使える優秀な召喚獣よ*5 

 女神官ちゃんにゲイ君の手持ちの毒消しを渡し、ゴブリンの攻撃で負傷した味方に最初使うように伝えたわ。 あと、ゲイ君の武器をレイピアから毒塗短剣に切り替えたわ。

 準備が整ったわ。 これからボス戦へダイナミックエントリーするわよ。

 

 「ボス部屋の大広間について描写する。そこはゴブリンの長たるゴブリンシャーマンが君臨する大広間だ。 多くのゴブリン達が集まって、今まさに攫われた村娘へおぞましい行為をせんとしている所だ。 ゴブリンシャーマンは獣や人の骨を組み合わせた玉座に腰かけ、その様を愉快そうに眺めています。

 PC達には理解できませんが、ゴブリンなりの儀式か何か――あるいは余興なのかもしれません。ゴブリンの奇襲が発生していないなら、この広間にいるゴブリンは合計で19体となる。

 またゴブリンの物見を倒していないなら、2ラウンド目には増援として諸君らの背後から駆けつけるであろう。

 加えて4.ゴブリン詰め所(あるいは3.シャーマンの部屋)の小鬼と小鬼の弓兵を倒していなかったなら、3ラウンド目には彼らが増援として背後から駆けつけるであろう。

 物見のゴブリン、小鬼の弓兵、ホブゴブリン、ゴブリンシャーマンを除いたゴブリン達は7匹なら4(1D6)匹、13匹なら7(2D6)匹、19匹なら10(3D6)匹が、「毒武器」の能力を保有している。 不意打ちを受けた場合は誰かが毒武器の効果を受けるまで気づく事はできませんが、襲撃に気づいていた場合は目標値13の【知力反射+観察】判定に成功したならばゴブリンの刃がぬらぬらと怪しげに濡れている事に気がつくはずだ。

  ・毒武器

   武器もしくは投擲武器でダメージを受けた対象は体力抵抗判定13(体力反射)を行い、

   失敗すると即座に生命力が「1D6」点減少する。

   以後30分(60ラウンド)の間、ラウンド終了毎に1点の毒ダメージを受ける。

   この効果は、毒属性として扱い、治療されるまでの間、口を用いたあらゆる行動が取れなくなる。

 諸君らが、勢いよく内部に突入したので戦闘を開始するのである。 先生判定を振り給え。

 今回は面倒なので怪物知識判定を省略するのだ」

 

怪物情報

ゴブリンシャーマン 最後列 ボス④

 

ホブゴブリン 中列 ボス③ 

 

ゴブリン(4)中列 

ゴブリン(5)×3前列 汎用2d6+1

 

 

ボス戦闘 冒険者一党VSゴブリンシャーマン+ホブゴブリン+ゴブリン(5)A.B.C+ゴブリン(4)D

 

前  疾走剣客 青年剣士 魔法剣士 女武闘家 土の自由精霊 

後  女魔術士 女神官

 

 

前  ゴブリン(5)A.B.C

中  ホブゴブリン+ゴブリン(4)D

後  ゴブリンシャーマン

 

前衛間の距離4m 各敵列の距離 4m

 

1ターン目 冒険者>敵の優先順位

疾走剣客5 青年剣士2 魔法剣士9 女武闘家10 土の自由精霊5

女魔術士6 女神官7 

 

ゴブリンABCD 2

ホブゴブリン 10

ゴブリンシャーマン 7

 

 女武闘家 後列に移動し女神官から投石紐をもらう。

 ホブゴブリン 前列に移動しゴブリンAから3体の支援を受けて魔法剣士に攻撃! 命中 19で威力は2d6+6+3+命中ボーナス1d6=18 魔法剣士は防御+武技:盾の城発動! 達成値18で防御成功し2+3+2d3(4)=9 18-9で9のダメージ

 魔法剣士 2d6+8=18で呪文:粘糸を発動!(2回から1回) 中列のゴブリンを中心とした半径5mの円状にトリモチめいたスパイダーウェブが広がる! 

 女神官 奇跡:聖光を達成値20で発動!(4回から3回へ) サーチライトめいて集束した聖なる光が敵全員の視界を潰す! 目標値15で目晦まし抵抗判定、シャーマン成功 ホブ失敗 ゴブ失敗!

 ゴブリンシャーマン 粘糸からの脱出判定! 11で失敗!

 土の自由精霊 ゴブリンDを中心に達成値15で半径5mの球状に精霊術の呪文:石弾を発動!2d6 (6)+3+3=12 範囲内の敵それぞれに12−装甲ダメージ! ゴブリンABCD全滅 ホブゴブリンに6ダメージ シャーマンに8ダメージ

 疾走剣客 毒付短剣でホブゴブリンを攻撃! 達成値2d6+10=18で命中! 1d6+1d3+4=7-敵装甲6で、1のダメージ! そして毒武器でダメージを与えたため目標値13の体力抵抗判定、失敗! 追加で毒による1d6(3)の装甲無効ダメージを受ける! ホブゴブリンに3+1で計4点のダメージ

 女魔術士 呪文:火矢を2d6+13でホブゴブリンへ発射。 効力値21なので6d6 (19)+3=21! ホブゴブリン死亡! 火矢の火が粘糸に引火し粘糸解除。

 青年剣士の挑発 シャーマンは無視した。

 

 累計継戦カウンターが6になったので

累計消耗点 青年剣士と魔法剣士3 疾走剣客と女武闘家1 それ以外2

 

2ターン目 冒険者>敵の優先順位

疾走剣客12 青年剣士8 魔法剣士8 女武闘家3 土の自由精霊3

女魔術士6 女神官9 

 

ゴブリンシャーマン7

 

 疾走剣客 毒付き短剣で攻撃、2d6(7)+10=17 1d6(6)+1d3(1)+4=11-装甲値4=7 そして毒武器でダメージを与えたため目標値13の体力抵抗判定、成功。

 女神官 呪文維持

 青年剣士 攻撃+武技:憤激発動! 2d6(9)+6+3=18 命中! 2d6(6)+3+4=13 13-装甲値4=9 

ゴブリンシャーマンを撃破! 消耗+1 青年剣士消耗+4にする。戦闘終了につき罫線カウンターを+7に消耗+1。

累計消耗点 青年剣士5 魔法剣士4 疾走剣客と女武闘家2 それ以外3

 

 

 女神官が魔法剣士に接触して小癒を行使(残り2回) 2d6(8)+11=19 効力値24で4d6(16)+8=24回復。

 

 「ボス戦後、諸君らおまちかねの|小鬼殺し≪ゴブリンスレイヤー≫殿の登場だ。 彼は諸君らとの会話もそこそこに宝物庫に潜んでいた小鬼の幼体を全て惨殺すると、宝物庫の中にあった物を全て君たちに差し出した。

 確認すると盗まれた糧秣や、略奪した金品などが詰め込まれていた。調べれば銀貨が4d6(17)枚ほど見つかるだろう。また、あの死亡した白磁等級冒険者のものらしい湾刀(P371)が無造作に放り込まれています。 して着いてこいと諸君らを小鬼が用意していた壁抜きの通路へと誘導し出口へ案内した。」

 

 「脱出の道中、ゴブリンの手練手管について詳細に説明した後、この風変わりな銀等級は諸君らを労いギルドにも報告するだろう。

 諸君らが冒険を無事に終えて冒険者ギルドへ帰還すると、受付の職員はことのほか喜んで出迎えてくれよう。また白磁等級冒険者の認識票を回収していたなら、その費用として一党全体に銀貨合計20枚を支払ってもらえるだろう。

 そして初めての冒険を無事切り抜けたPC達は、1人あたり1000点+因果点ボーナス500点ずつの経験点と、3点の成長点を獲得しこの冒険を終えるのであった。」

 

 ゴブリンスレイヤーtrpgのRTA疾走剣客チャート クエスト①「ある冒険者達の挑戦 ザ・ガントレット」 クリア。

 リザルト 銀貨37/6+10枚 経験点1500点 成長点3点 戦利品:大金棒(売却:一人当たり5枚)と湾刀(青年剣士に贈呈)

 

 ということで初クエスト優勝したわよ!ゲイ君は銀貨22枚と経験点1500点と成長点3点を得たわ。

 この子なんちゃって斥候をするには、知力が低すぎるわね。でも第六感判定ではちゃんと仕事ができたから良しとしましょうか。この後は成長処理を色々しなくっちゃあねぇ。今から、楽しみすぎてシミになりそうよ。

 おっともうこんな時間! 動画の尺的に今回はここまででいったん終わりにするわね。次回はゲイ君視点の冒険と成長処理を始めるわよ。

 

 今日はとっても楽しかったね。明日はもっと楽しくなるよね、ハム太郎!*6 

 

 

 

 という事でお疲れさまでした、ハイエドテン! 

 

 

*1
目標値15

*2
目標値13

*3
目標値12

*4
目標値15

*5
まぁ、この召喚獣の見てくれは紫ピクミン(蕾)なんですけどねー!

*6
へけっ!




書き溜めが全くないわ! 
みんなどうやっているのかしら?


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閑話 風変わりな一般神がみんなと一緒に新しく遊び始めた話

RTA小説の中で言及されているゲームソフト。実際にプレイできるもんだとばかり思ってた。(RTA小説にわか勢ワイ、実際にゾン〇マとかで売られていると思ってた)


ここではないどこか。ずっと遠くて、すごく近い場所で。

 

 ころころ、からころ、神々はサイコロを振っていました。最初は勝負だったはずなのですが、それは今や建前。愛しい世界で泣き、笑い、生き、死んでいく愛しい駒たちを眺めることの方がずっと大事で面白いのです。

 

 それに時々誰かが新しい遊びを考えたり、全然サイコロを振らせない変な駒が生まれたりするので飽きるという事はありません。気付いたらいつの間にかそこにいた外なる神も一緒になって、楽しく遊んでいました。

 そうして遊んでいたある日、アルティーエとイム・ジッキョウとジキヨシャが新しい神様を連れてきました。というよりも、隅っこでもじもじとしながらこちらを覗きこんでいたその神様に彼らは話しかけてみたのです。 

 その子曰く、一緒に遊びたかったから道具を揃えたものの遊び方が分からず遠くから眺めていたとの事です。 

 遊び方も分からないし、みんなが楽しそうにしているという事しか知らない。

 それに私が持っている道具は、みんなの物とは違う物のようだ。

 消え入りそうな声でそのように心配しているその子に、イム・ジッキョウの友人の一人である人間出身の神様が話しかけました。

 死の闘技場の支配人にしてブレインズウォーカーの一人。「半純血のプリンス」です。

 

 「君の持っている遊び道具はアルティーエ、イム・ジッキョウ、ジキヨシャの持つ遊び道具とはいささか形態は異なるが、問題なく遊べる代物だ。吾輩はこの手の古風なゲームに詳しい故、君の遊びに協力しようと思う。 さあ、卓につき給え。盤を始めようではないか」

 

 遊び方は教えてあげるし、遠慮せずその楽しそうにしているみんなの中に加わればいいのです。アルティーエみたいな遊び方をするのならみんなで考えながら遊べばいいのです。大事なのはみんなで楽しく遊び、愛しい世界と愛しい駒たちを見守ることなのですから!

 

 こうして新しく加わった神様の為に、神々は四方世界を基にした別の四方世界を用意しました。この神様は遊んでる神々を見てはいましたが、盤の方は全く見ていなかったのです。

 

 駒たちの物語を見ずにいたなんて、なんてもったいない!そう思った《幻想》と《真実》と「半純血のプリンス」はこの四方世界で、もう一度過去にやった冒険セッションを行うつもりでした。

 

 ただし、今度は新しい神様の作った駒を加えての冒険です。盤面を見てこなかったという事はこれから何が起きるか知らないと言う事です。そんな神の作った駒がいる事で、本来の流れとどんな変化が起きるのか。新しい英雄が生まれるのか、残念なことにすぐ死んでしまうのか。神々は今から楽しみでワクワクしてきます。

 

 試行錯誤しながら遊び始め、やっと満足のいく自分の走者を完成させた頃、「半純血のプリンス」の友人の一人「死の飛翔卿」が近くを通りかかりました。

 

 新し物の好きで遊び好きな「死の飛翔卿」はアルティーエ達や「半純潔のプリンス」から事の経緯を聞き出すと自分も遊びに参加するとして卓につき「半純血のプリンス」の指示に従い始めました。彼はあくまでもホストである「半純血のプリンス」の手伝いとしてこの遊びに参加するようです。

 

 準備が整ったころ「死の飛翔卿」はゲストである新しい神様に尋ねました。

 

 「名はなんだ」と

 

 そういえば聞いてなかったと一同が注目する中、新しい神様は自己紹介をしました。

 「私は優勝神オロティマー、今回はゴブリンスレイヤーtrpgのRTAで優勝する事にするわね!」と

 

 自分の大好きな物をモノマネしながら自己紹介したオロティマーに皆がドッと沸きました。 その瞬間からオロティマーと皆は長年遊んできた友人のように一気に打ち解けるのでした。

 



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疾走剣客-裏1-

春とは、多くの新人冒険者がギルドへ来るゲームが始まる季節である。
 そう先輩から言われたのは、果たしていつ頃であったかと受付業務中の監督官は長いため息を吐いた。


草木が萌え、動物たちの活動が始まる季節・・・春。

長い冬の間の鬱憤を晴らすかのように人類も活発に動き始める。

そしてそれは所謂祈らぬ者(ノンプレイヤー)共も同じこと。

どうしても重なりあってしまう活動範囲。それは城砦が襲われる様な大きなものではないにしろ人びとを苛む。

畑を荒らされたり、家畜が食い殺されたり、ゴブリンに村娘が拐かされたり。

それを見込んでか、それとも雪篭る村の長老の家で聞いた吟遊詩人の英雄譚に憧れたか、はたまた単純に食い詰めたか、この三寒四温の時期に多くの若人が冒険者になる事を決意する。

 

故に、春とは多くの新人冒険者がギルドへ来るゲームが始まる季節である。

 

 この辺境の街でも例外ではない。乗合馬車か、徒歩か、そこまでは分からない。しかし故郷を後にした多くの若人がギルドへの登録を行いに並ぶ。

時刻は昼前、辺境の街の冒険者ギルドではその日だけで実に10人もの血気盛んな白磁を送り出している。

その中の幾人が志を遂げることなく果てるか、それはこの四方世界の神々さえも知り得ぬ事。

そこで受付する監督官(わたし)も受付嬢もあまりの忙しさに「ソレ」が何を意味するのかも気付かないほど、朝食を取る間もなくの働き詰め、ようやく人が途切れてきた。

一息付けようとパニーニの軽食と冷めきった紅茶に手を伸ばしていた所に影が掛かる。

また新しい冒険者か……。

 

 真新しい洒落た綿鎧に身を包み、同じく真新しい突剣と短剣を持っていて、羽根つき帽子を被った圃人の伊達男、-最近はやりの三銃士のよう-緊張と期待からちょっと硬いが興奮した面持ちをしている。恰好以外はよくいる新人で、よくある反応だ。

 

恐らく、いや間違いなくこの後も大勢押し寄せてくる新人冒険者追加業務を想像し内心気合いを入れ直す。

「ようこそ冒険者ギルドへ! 本日はどのようなご用件ですか?」

「冒険者になりたいんだ」

「あ、はい。文字は書けますか?」

「もちろんさ、バンビーナ(お嬢さん)

 バンビーナ……………ね。 奇妙な言い回しに最初は私も警戒していたけれど、それもすぐに杞憂である事が分かった。

 礼儀正しく話をしてくれる彼は冒険者としてだけではなく、人として、とても好印象だった。

 

「職業は疾走剣客……剣を使う武闘家ですか」

 

「僕は生まれも育ちもヤクザのボンボンなんだけどね。 家業よりも冒険者として、親父みたいに一旗揚げたくなったのさ。 できれば世のため人のため、皆にちやほやされる職業でさ」

 

 そう言いながら苦笑いしている様子の彼。

……成る程、彼も訳ありの一人ということなのでだろう。動く姿には何やら武芸の経験を積んでいるような気がするのもたしかだ。

 

「はい、ではこれが冒険者ギルドでの身分証となります。冒険の最中に何かあった時に身元を照合するのにも使いますから、無くさないでくださいね」

 

「了解だよ」

 

 手渡すなり素早く首に身分証をかける彼は動作がとても素早い。癖なのかな? いや、そんなことはどうでもいいか。

 

「依頼はあちらの掲示板に貼り出されています。等級に見合った物を選ぶのが基本です。決まりましたら受付にいらしてください」

 

「ありがとうございました。それじゃあまた後で伺うよ」

 

 手続きを全て終えた後、彼はそう言って頭を下げて、掲示板へと向かっていった。

 

 ああいう素直な冒険者はこちらとしてもやりやすい。

ああ、この季節ですからね。冒険譚にでも触発されたんでしょう

 あの突飛な恰好と女衒めいた言い回しのせいで人相がとても怪しいのは玉に瑕ですけど……。出来れば彼にも生き残って欲しいなあ。

 

気を抜いたらすぐに次の冒険者志望が来た。この調子で頑張らないと。

 

「冒険者ギルドへようこそ!どういったご用件でしょうか!」

 そう思いながら私は再び職務へと戻った。

 

 

【女神官side】

 

「君も新人かい? シスターのバンビーナ(お嬢さん)

 

「えっ、あ、はい」

 

 一瞬何を言われたのか分からず混乱しかけたが、文脈からおおよその意味を推測し女神官は言葉を返す。

 

 珍しい武器――――――多分剣の一種だと思うが――――――と短剣を腰から下げ、洒落ているが風変わりな服装をしている圃人の彼もまた自分と同じく真っ白な認識票を首から下げている。

 

「その錫杖を見るに、バンビーナ(お嬢さん)は地母神様に仕えとる神官さんだね」

 

「はい!」 

 

 思わず大きな声を上げて、恥ずかしくなった女神官は慌てて自分の口を押さえる。自分と共通点のある人がいるというだけで少し舞い上がってしまった。

 彼自身、見た目が洒落ている所以外は取り立てておかしなところもなく、所作は温和な物だ。少なくとも悪い人ではなさそうだな、と思わせる程度には。

 

「気持ちはわかるよ。僕も他の神様とはいえ神職がいるのは安心するからね」

 

 ニコッ、と笑いながら彼に言われ、ますます恥ずかしくなってしまう。

 

 だが同じ白磁の新人で、神は違えど同じく神を信じる―――――彼は神官ではなく、単に信者だそうだが。兎にも角にもその共通点は大いに気持ちを楽にしてくれた。

 

 見知らぬ相手には変わりないが、何か一つでも通じる点があるというだけで何となく親しみが湧いてくるから不思議なものだ。

 

 その後は幾分気安く雑談を―――――時々よく分からない言い回しも出てきたけれど―――――交わし、互いに今日登録したばかりの新人であると知った。

 

「ごめんよ、バンビーナ(お嬢さん)修道女(シスター)ではなく女神官(プリーステス)だったんだね。 故郷だと修道女さんばっかりだったからてっきり」

 

「いえいえ気にしないでください」

 

 ならばこれも何かの縁、一緒に新人向けの依頼でも受けようかという話になった時――――――

 

「失礼ですが、あなたがたも新人ですか?」

 

「あ、はい。今日登録したばかりで……」

 

「そうだよ」

 

「そうですか。この後のご予定は?」

 

「僕は、仲間を集めて一党を作ってから、決めるつもりだよ。」

 

「いいえ、私は特にまだ……そちらのご予定は?」

 

「こちらもまだです。文無しになる寸前ですので、多少なりとも稼ぎのいい依頼を受けなければいけないのですが」 

 

「なるほどね、僕も武器に装備に鎧と薬を買ったらお財布の中身が空っぽさ。 文無し仲間だ」

 

 託宣(ハンドアウト)に従ったというのに一文無しというのはどうなのでしょうね、と小さく呟く。神に仕える身としてはその言葉は聞き逃せず、思わず反応してしまう。

 

「託宣ですか?」

 

「ええ。格別信仰している神がいるわけでもないのですが、ある日突然啓示を受けまして。聞いた事もない名前の神だったので、邪神の類かと思ったのですがそうでもないようですので。それに従い先週冒険者になったのですが……」

 

「あっ、僕もそれあった! 託宣ってやつ! さっき言った買い物をしてる時に頭の中で『カウンターにいるおいちゃんに向かって口寄せの術!』とか『私くらいの忍者になったら人を使ったアイテムの口寄せなんて、造作もない事よ』とか事ある毎に『潜影蛇手』とかばっかり言っててほんとやかましいんだよね。 何買うか迷ってた時に買う物を決められたのはいい事だけど」 

 

「そちらも大変ですね。 自分は魔法剣士です。 魔術の心得と剣術も付け焼刃ですが心得があります」

 

「すごいねぇ! 僕は疾走剣客、剣を使う武闘家さ! 一応精霊の口寄せ術と知識神様から解毒の奇跡も賜っているよ」

 

 見知らぬ相手には変わりないけれど、何か一つでも通じる点を見つけ出して意気投合する。これこそが冒険者なのかもしれない。と女神官は思った。

 

 魔法剣士さん曰く、冒険者になってから受けた託宣は、なんとドブさらいをしろという物だったと言う。それに従い一週間ドブさらいに精を出したそうだが、生活費の方が収入より高くもうすぐ素寒貧になるところだそうだ。

 

 これには私も、疾走剣客さんも困惑した。疾走剣客さんにも確認してみたがそんなお告げはなかったらしい。

 

 ひょっとしたら邪神の類に騙されているのではないか?忠告してあげた方がいいのだろうか。そう思って話しかけた矢先

 

「なあ、君達新人だろ?俺達の一党に加わってくれないか?」 

 

「ふぇっ?」

 

「うん?」

 

「おや?」

 

 不意に声をかけられた。三人揃って声のした方を見れば、鉢巻きを巻いて腰に剣を吊るした若者が近くに立っている。自分や今話していた疾走剣客さんと同じく、首から白磁の小板を提げている。つまり自分達同様新人だろう。

 

 急ぎの依頼でゴブリン退治に行くのに、聖職者が欲しい。だから神官服に身を包んだ女神官に声をかけたんだ。―青年剣士と名乗った若者はそう言った。―彼の背後には2人の少女がいた。恐らくは武道家らしき少女と、見るからに魔術師と思わしき少女の2人だ。

 

 思わず三人して顔を見合わせる。というのもこの一党で新人向けの依頼を受けようか、という話にはなっていたが、ゴブリン退治ではなく下水道に行こうと言っていた所なのだ。

 

 というのも、受付嬢がゴブリン退治について触れた時に何とも言えない雰囲気を発していた。それを女神官はハッキリ覚えていたからだ。魔法剣士さんも似たような話を聞いたらしい。だからドブさらいしていたのか。

 

 疾走剣客さんは特に話を聞いてはいなかったらしいが、それならば今は避けるのが賢明だろうという流れになっていたのだが……。

 

「僕は構わないが、二人はどうする?二人が受けないのなら僕も断るけど」

 と疾走剣客さんが私と魔法剣士さんに確認する。

 魔法剣士さんの方は何やら渋る様子を見せた。その理由を補足するかのように、受付嬢が声をかけてくる。もう少しすれば他の冒険者も来ると。

 

 経験者が1人ぐらいはいた方がいい、と魔法剣士も言う。確かに自分達――――魔法剣士だけは一応ドブさらいをこなしているが――――は冒険の経験が全くなく、先達がいた方がいいのではないだろうかという気持ちになる。

 

 私たちがどうしようか決めかねていると、途中で別の方角から新たな人物が鉢巻をした青年に話しかけてきた。

 

「もしよければ貴公らの一党に加えてはもらえぬか? 女神官がいるのだろう?」

「丁度いいですね。私も参加できますか?」

「おやおや、面白い話をしているようだね。これが噂に聞く只人のナンパかい? 僕も話に混ぜてくれよ」

「ゴブリン殺スベシ。慈悲ハナイ」

「ほう、一刻を争う小鬼退治とな? 義を見てせざるは勇無きなり、某も一枚噛ませて頂けますかな?」

 

 5人の新人冒険者が青年剣士さんに話しかけていました。 みんな神官がいる一党ならば安心して冒険できるし下水道の中を冒険するよりずっとましと思っているみたいです。

 

 人がたくさん集まってきて収拾がつかなくなってきました。そんな時

 

 「ゴブリン退治に参加したい白磁等級のみんな! 注目!」

 と疾走剣客さんが鶴の一声を放ちました。

 

 

 【青年剣士side】

 

 ゴブリン退治に行く所の騒ぎじゃなくなった俺たちを落ち着かせ、場を取り仕切ったのは疾走剣客だった。

 不意に疾走剣客が口を開いた。

 

「一つ確認だけど。この一党の頭目は君だよね?」

 

「ああ? そうだけど、それがどうかしたか?」

 

「いや、それならいいんだ。頭目がはっきりしてれば大丈夫」

 

 そういって疾走剣客は俺から目線を外し、全体を見渡し。語り掛ける。

 

「よしよし。それじゃあ、自分は何者でどんな装備をしていて、どんな事が出来るのか、今までどんな事をして何が得意なのかを一人ずつ順番に落ち着いて青年剣士君に自己紹介をするんだ。 青年剣士君は自己紹介をしたみんなの中から3人を選んで一緒に冒険をする。 これでこの冒険に参加する奴を青年剣士君に決めて貰おうじゃないか?」

 

「えっ、ちょっと何勝手に」とんでもないことを言い出した疾走剣客に俺は食って掛かる。

 

「いやいや、そっちこそ今更何言ってるんだい。

 こうでもしなきゃこの集まりは収拾がつかないよ。それにこうすれば君は8人の冒険者の得意や不得意な事を知る事が出来るし、当然それに合わせて今回一緒に冒険する奴をそっちで考えて都合よく決められるんだから、別に悪いことじゃないだろう? 一応、公平に一人ひとり自分の事をしっかり自己紹介できるようにしているんだからさ。

 それにさっき君は一党の頭目なんだろう? 一緒に冒険する仲間くらいしっかり決めて貰わなくちゃ。」

 

「二人と相談するのはいいよな?」

 

「もちろん。 みんなの意見を聞くのは頭目として大事だと僕は思うよ」

 

 恐らく、四方世界で初めて行われたであろう自己PRによるオーディションが始まった。

 

 斥候の心得がある戦士や両手に盾を持ち、防御力に特化した騎士。

 

 精霊術と魔術を扱う森人の詩人と祖龍術と呼ばれる神官の奇跡のような術を扱う蜥蜴人の司祭

 

 日に4度地母神の奇跡を使う事が出来る女神官と魔術の心得と剣術を修めた魔法剣士。

 

 斥候と武闘家の格闘術が使える狼獣人の忍者。

 

 そして口八丁でこの場を取り仕切り皆をまとめ上げた人物。 剣を使う武闘家にして精霊の口寄せ術と解毒の奇跡、暗視と斥候の才能がある圃人、疾走剣客。

 

 この8人の内、今回ともに冒険をする3人を―女武闘家と女魔術師の意見を聞いて―青年剣士は女神官、魔法剣士、疾走剣客を選んだのだった。

 出発の間際、疾走剣客が怪物図鑑を確認したいと言い出した。

「せっかくだからゴブリンがどんな生き物か見ていきたいんだ。図鑑をね、ちょっとだけ」

「ゴブリンなんて、わざわざ調べていくほどのものじゃないでしょ?」

「いいだろ? 本物を見る前に、図鑑にはどう書いてあるのか、って知りたいんだ」

 

                                         

 

 近隣とは言っても四方世界の近隣の意味は広い。道はそこそこの距離となり、冒険者稼業の代名詞「歩き」を要求された。

 

 そしてそんな時間を無言で過ごすのは少年少女には辛いものであり、道すがら初めての依頼で浮足立った一党は暫くは雑談めいた自己紹介の続きと空想話に花を咲かせていた。

いつかは竜を、そして財宝を!と言った和気あいあいとした様々な話をすることとなった。

 

 そんな中でも疾走剣客の話は皆を驚かせた。圃人である彼は小柄な体躯に温和で若々しい優男めいた風貌の割に、年齢は30で実は一党の誰よりも年長だというのだ。

 なんでも只人は15歳で成人するのに対し、圃人は30で成人するのだという。

 青年剣士はこの話を聞いて疾走剣客が行った、出発前の一党の編成の采配や怪物図鑑の確認といった、そつなくテキパキと問題を解決する立ち振る舞いが出来た訳にやっと腑に落ちたのだった。

 

「君達からすれば圃人はどいつもこいつも、のんべんたらりとしているように見えるかもだけど、実は僕も伊達に年を食っていないってだけさ。 僕の方が君達よりは人生経験があるんだよ」

 尊敬してくれてもいいんだぜ?と冗談めかして嘯く疾走剣客。

 やたらめったらに自分を主張しない。しかしそれでいて彼は周囲への注意を欠かさず、要所要所で軽んじられない程度に自己主張を忘れないのは彼の年の功の一端なのかもしれないと女魔術師は思った。

 

 やがて雑談と空想の話は飽きたのか、青年剣士の昔話が始まったのを皮切りに一党全員が冒険者になったきっかけや過去が聞かれるように流れが変わっていく。

 人を助けるために、冒険譚を聞いて、ほっとけない幼馴染の為に、知を追い求めていつか竜ですら倒して見せる、と言った十人十色な動機が話されていき、最後に実はこの中で最も年長者(なんと30歳)である疾走剣客に順番が回ってきた。

 

「僕は金持ちのやくざの家に生まれたお坊ちゃんなんだけどね。 青年剣士君と同じように英雄譚とか冒険譚が大好きでさ、ずっと夢中になってたんだ。 大人になったある日、親父に呼び出されて将来の事を聞かれて気づいたんだ。 今の僕は、自らが風のように疾走して自分だけの風車(冒険譚)を回したいんだってね。 いつか僕が猛き風(英雄)となって数々の風車を回した果てに一体何があるのかを、僕はただ知りたい。そのために僕は冒険者になったんだ」

 

「なるほど、わかんね」

 

「なんか、すっごいね」

 

「結構、詩的なのね」

 

「つまり偉大な冒険者になりたいってことですか」

 

「それも物語になるような大冒険をした英雄になって生き抜いてみたいってことでしょうね」

 

「ああ! そういうことかぁ。 なんか言い回しが小難しく気取ってたからよくわかんなかったわ」

 

「みんな、ありがとうね。ちょっと照れ臭いな……。 頭目は後で〆る」

 

「なんでだよ!」

 

 期待に胸を膨らませ、笑いの絶えない道中であった。

 

「今は色々興味の幅が広がってさ、昔は誰かの冒険譚や英雄譚を聞くことが楽しみだった。

でも今は自分が冒険者になって、大冒険がしたいという楽しみが出来たんだ。 みんなだってそうだろう?」

 

 

 ゴブリン退治に向かった彼ら一党は、皆これが初の冒険であった。

 

 夢を果たせるか、はたまたここであえなく倒れるのか。それは運命と宿命のみが知っている。




裏話も2~3部構成になりそうね…………。センセンシャル!

というか、ゴブスレルルブサプリを確認したらゴブリンチャンピョンが怪物level9で強スギィ! ってなったわね。 今度このRTAの根幹に関わるアンケートを取るわね!


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疾走剣客-裏2-

お待たせしてごめんなさいねぇ…………。

今回の話も頑張って書き終わったわ。1万字超えたけれど悪く思わないでね。

次回から、疾走剣客の成長と次のクエストの話を進めるわよ。

口寄せ! 穢土転生!


 小鬼の被害にあった村へと辿り着き、そこで一党は村長から小鬼の巣穴の詳細な位置を確かめる。

 

 村を出て小鬼の巣穴がある森に踏み込む時、一党の皆に向かって疾走剣客が語り掛ける。

 「さて、そろそろ狩りの時間だ」

 気を引き締めていこうよ、と言って疾走剣客の雰囲気が堅気のものから剣呑なそれに一変する。

 

 いっそ冒険者と名乗るにはだらしない程微笑みを浮かべていた頬は引き締まり、その目は魂を()る鉄砲玉めいた武侠の物へと転じている。

 今の今までゆるゆるのガバガバだった筈の疾走剣客の変わりようは先ほどまで浮ついていた一党の気を引き締めるのには十分だった。

 ゴブリンに対する「雑魚」という先入観は消えずとも、皆己が持つ武器に対して力を込め、口数が減る程に彼の雰囲気が場を支配したのだ。

 

「よ、よし……先頭は疾走剣客、頼むぞ。 皆は俺の後ろをついてきてくれ」

 

 頭目としての役割を果たそうと緊張感の混じった青年剣士の号令に強張った顔で一党の女性陣が頷き森の中へ分け入っていく。

 

 

 

がさがさと藪をかき分け林の中を進んでいくと、洞窟が見えた。

 

「あっ、小鬼《ゴブリン》!!」

 

「GORURU!?」

 

 剣士が声を上げるのと、小鬼《ゴブリン》がこちらを見て驚くのとは同時だった。

小鬼は慌てて背中を見せると、

 

(タマ)獲ったらぁ!」

 

洞窟の中へと逃げる間もなく、短剣(ドス)を構え突進した疾走剣客に勢いよく突き倒されると、そのまま馬乗りになった疾走剣客によってとどめを刺された。

 

「うわぁ…………」

仲間が手早く繰り広げた、あまりの光景に呻いたまま絶句する女性陣。

 

「しっ疾走剣客さん!? これは」

 

「勝手に突っ走ってごめん。 でもとりあえずこいつを逃がしちゃ不味いと思って」

 

「どういう事?」

問いかける魔術師に、疾走剣客は答える。

「ゴブリンは、見張りを立てるんだっけ? って思ってさ」

 

「そういえば……」

 考え込むようなしぐさと生返事を返す女魔術師

―ギルドで確認した怪物図鑑には、そんな話は書いてなかった―

 

「そういう事ですか、助かりました」

 

「洞窟でもこの調子で頼むぜ」

 

 

 

目の前の洞窟を一瞥して女武闘家が呟く。

 

「さらわれた洞窟はここで間違いないみたいね……」

 

「そうだね」

 

「気をつけて進みましょう」

 

「ええ、小鬼の見張りやこの妙な飾りを立てた小鬼が中にいる筈よ。 気を付けて一つずつ進みましょう」

妙な飾り(トーテム)の意味は分からなかったが、簡単な工作ができるゴブリンがいる。という情報を得て、一党は進み始める。

 

「暗闇は危険だ。 僕が一番先頭になる。 自己紹介で行ったように夜目が利くからね」

 

「先頭は任せたぞ。 一番後ろは…………魔法剣士、頼む」

 

「任せてください。 青年剣士さんもその長剣を洞窟の中で振り回して戦えるのか確認してくださいね」

 

「女神官ちゃん、いざって時は私の代わりにこれを使って戦ってくれる? 私は松明をもって前に向かうから」

 

「わかりました。 やり方さえ分かれば、できるはずです」

 

「じゃあ私がうしろ側の松明を持つわ。…………ただ。」

 

「……どうかしたの?」

 

「ええ……女を攫い、巣の中で繁殖する」

 

 ぽつりと女魔術師が漏らした言葉に、一党の空気が一気に下がった。

 

「図鑑にはそう書いてあった。でも逆に見張りを立てるだなんて、一言も書いてないわ……」

 

「……気をつけて進もう。女の子のみんなは俺と魔法剣士の間に」

 

「頼りにしてるわよ、頭目」

いつも勝気で強い幼馴染の不安げな声に青年剣士はどきっとなった。

 


 

 

 

 

 洞窟に潜って一体どれくらいの時間がたっただろうか。

 

 

 洞窟の中に一歩踏み入ると、むっとした汗や獣の臭いに加え、じっとりとした湿気、そして暗闇が一党の皆に覆いかぶさってくる。

 足元は土の他に蟲の死骸や蝙蝠や鼠の糞が堆積して不潔だし、頭上には木の根っこが張っていて、誰かの頭がかすめると、ところどころからポロポロと土が溢れる。イライラした溜息と手で埃を払うような音が聞こえたがもうあきらめたのか。 次第に聞こえなくなった。

 

 この洞窟の通路はとても狭く、戦うことを考えると隊列は一列にならざるを得ないだろう。

 この一党に圃人である疾走剣客以上に体格が小さい人間はいない。他の皆は狭苦しいこの通路を通るのに四苦八苦しており、消耗してしまっていた。

 

 疾走剣客からすれば辺境の町から被害を受けた村へ向かう道の方がずっと疲れやすい行程だっただろうと思っていた。フィールド間の長距離移動を難なくこなして見せた一党だが、すわ戦闘かと気を張り詰めながら暗く狭苦しい不潔な洞窟を慎重に進むことが新人冒険者たちにとって予想以上に堪えたに違いなかった。

 

 ようやく通路を抜け、一党は分かれ道に差し掛かった。水筒の水を飲みリフレッシュした一党はどちらから探索するか決めていた。たまたま女神官が松明に照らされている地面の足跡に気づいたおかげで一党は小鬼の往来が多いであろう左側から探索を始めた。

 

 しばらく進むと、やや開けた小部屋のような空間に出た。地面には申し訳程度にござが敷かれ、そこここには雑然と、粗末な武器や、食べ物の喰い滓などが放り出されている。汗や汚物、ゴミ、獣の臭いなどの入り混じった臭いも漂っている。奥には道が一本伸びていて、そこからはさらに強烈な臭いが流れてきている。

 目の前には小鬼と小鬼の弓兵が1匹ずついた。出会い頭にばったりと遭遇する事になったのだ。

 

 「「小鬼(ゴブリン)!?」」

 「「GOB!?」」

 

 慌てて戦闘態勢を取る両者。隊列を整え武器を構える。

 

 幸運にも一番初めに行動が出来たのは青年剣士だった。

 

 「俺が倒してやる! このッ! オラァァァッ!」

 両手で大上段に構えた長剣による裂帛の一撃を目の前の小鬼はそそくさとよける。

 小鬼が隙だらけの青年剣士に攻撃しようとするのに合わせて魔法剣士が小鬼に攻撃を行う。

 「たあっ!」

 魔法剣士の攻撃も外れるが、小鬼の攻撃を阻止した。

 

 「この臆病者が! 痛いのが怖くて冒険者出来るかよ! とっとと逃げてすっこんでろ! ザーコ」

 

 「GOBOUURUB!!」

 

 青年剣士の挑発が思いのほか効いたらしい。 小鬼は顔を真っ赤にして怒り狂っている。

 そんな隙だらけの小鬼を疾走剣客は逃さず追撃する。

 「せぃっ!」

 短剣を素早く一突きして翻るように後退する。深手を負わせた。

 前衛の注目が目の前の小鬼に全て集中していて気づいていなかった。

 

 小鬼弓兵の攻撃

 「あっ!」

 女魔術師の肩口を射られる。幸い、旅人が使う厚手の外套を着ていたおかげで軽傷で済んだ。

 「女魔術師さん!?」

 「私はいいから、早く小鬼(ゴブリン)を倒して!」

 助走を取ってから放つ大飛び蹴りで小鬼弓兵を攻撃する女武闘家

 「よくもやったわね! どりゃー!」

 「GOB!?」

 大きくよろめいた小鬼弓兵に投石攻撃が迫る。

 「それっ!」

 「GOB!?」

 弓矢を手放し満身創痍の小鬼弓兵。

 一方前衛の冒険者と小鬼の戦いも白熱していた。

 小鬼の毒付きの短剣攻撃が青年剣士に迫る。

 「GOBOUURUB!!」

 青年剣士に向かっていやらしく笑う小鬼

 対する青年剣士も苦し紛れで掬い上げるような逆袈裟斬りを勢いよく放つ。

 

 クリティカル!

 

 「GOB!?」

 煌めく一閃は吸い込まれるように小鬼の首を断ち切った。

 「よし! 小鬼をやっつけたぞ! 残りは弓矢のやつだけだ!」

 青年剣士が叫ぶと小鬼弓兵は逃げ出しますが、女神官の投石を背後から受けて死にました。

 

 不快で不自由な洞窟の環境で消耗した後に行った、初の戦闘と初勝利。 

 皆がぐったりとしている中で動き回っているのが女魔術師と女神官だ。

 「女神官ちゃん投石攻撃上手かったよ! 助かった」

 「ありがとうございます」

 「水を飲んで深呼吸しなさい。 ゆっくりね」

 「女魔術師さん、お怪我は大丈夫ですか」

 「あざになっているだけだから、とりあえず大丈夫よ。 武具屋の店主の勧め通り厚手の外套を装備して正解だった」

 それに、ちょっとこれ見て。と小鬼(ゴブリン)が装備していた武器を手に取りながら女神官に話しかける。

 「短剣の刃の部分に何か塗ってあるみたいですね」

 「ええ、これはおそらく毒のような物だと思うわ。 もし違っていたとしても碌な物じゃないことは確かね。 本当に小鬼ってなんて不潔なのかしら。 矢に何も塗られていなかったから私は大丈夫だけど、とりあえず貴女には皆に怪我をしていないかの確認と小鬼(ゴブリン)が使う武器に注意するように伝えてくれる?」

 「わかりました。 皆に伝えますね女魔術師さん」

 

 女神官によって一党は小鬼が毒武器を使っている情報を共有できた。

 

 「奥にも空間があるみたいだがかなり匂うな。 碌なもんでもなさそうだ。 別の道を行くべきだと思う」

 「…………確かに、ずっといたら気分悪くなりそうだな。 疾走剣客の言う通りもう一方の道を進もうか」

 

 一党は分かれ道まで戻りもう一方の通路を進んだ。

 

 しばらく洞窟を進むと、ぽかりと少し開けた小部屋のような空間に出た。

 何やらごちゃごちゃとガラクタが散らばっており、不潔な場所であることに変わりはない。

 冒険者の諸君は壁にかけられた、糞尿で模様を塗りたくったカラスやネズミの頭蓋骨が、異様な雰囲気を漂わせていると感じるであろう。

 「この部屋は一体何のための部屋なのでしょうか」

 「調べてみるわね、二人一組になって、警戒しながら探しましょう」

 疾走剣客と女魔術師、女武闘家と女神官、青年剣士と魔法剣士の組にそれぞれ分かれて調査を開始した。

 暫くすると、疾走剣客と女魔術師は器に盛られた黒い粘液を見つけ出す事ができた。

 「これは、ゴブリン達が使ってた武器に塗られた毒?」

 「本当かい?」

 「おそらくね。 不潔な毒の刃で傷つける。 小鬼って想像以上に恐ろしい怪物ね」

 「確かにその通りだと思うよ。 奴らはずる賢い卑怯者みたいだ。 でもちゃんと知る事が出来たら、もう怖くないよね」

 「そうね、あなたの言う通りよ。 ちゃんと知って、ちゃんと学ぶ。そうすれば怖くないわね。 少し、想定外の事が多くて狼狽えていたわ」

 「そっか、それにこの毒は僕たちが使っても何も問題がないよね」

 そういうと疾走剣客は装備していた短剣に小鬼の毒をべっとりと塗りたくった。

 「えっ? ちょっとあなた一体何してるの?」

 

 「剣に毒を塗りたくってる。 一回ぽっちだけど、こうすれば僕が攻撃した時に相手を毒で苦しめる事が出来るからね」

 「それはそうだけど、それ買ったばかりの新品でしょう? そんなことして平気なの」

 「別にいいよ。これは単なる数合わせだから。 いらなくなったら捨てるだけさ」

 「……凄く、思い切りがいいのね」

 「お褒めに預かり光栄だよ、バンビーナ(お嬢さん)

 「その呼び方、やめて」

 やりたい放題の疾走剣客にため息をつく女魔術師だった。

 

 全員の調査結果をまとめ上げた結果、ここは恐らく小鬼の呪術師(ゴブリンシャーマン)のいた部屋だということが分かった。 トーテムや毒以外には特に意味のあるものはなかったので、一党は部屋から洞窟の奥に繋がる通路を進んでいく。

 

 小鬼の呪術師(ゴブリンシャーマン)の部屋を抜け奥へ向かうとそこは水場になっていた。地下水脈とつながっているらしく、綺麗な水が川のように左から右へと流れている。水は冷たく心地良く、深さも只人の足首くらいなので溺れるような心配はない。だが、よく見ると岸からそう遠くない岩場に何か黒いものが引っかかっている。それは酷く痛めつけられた只人の死体であった。その死体には縄が絡みついていた。

 

 「酷い……」

 

 「遺体を調べよう。 冒険者なら認識票があるかもしれない」

 

 疾走剣客がその死体を回収したり、調べようと近づいたその時、死体に絡みついていた縄が蠢きだして襲いかかってきた。

 

 「縄が!」女魔術師の驚いた声が聞こえる。

 

 「蔦縄だ!」正体を看破した魔法剣士が叫ぶ。

 

 慌てて武器を抜き一党は戦闘に突入した。

 

 一番初めに動いたのは魔法剣士だった。掛け声と共に剣を振るう。

 「それっ!」

 斬撃は蔦縄を深く切り裂き、一部を切断した。

 

 次に動いたのは女武闘家である。

 「続けていくわよ! きゃぁ」

 助走をつけた飛び蹴りで攻撃しようとして、切断された蔦縄の一部が足首に巻き付きそのまま水場で盛大に転倒した。

 

 青年剣士が転倒した女武闘家に迫る別の蔦縄を攻撃する。

 「ずえりゃぁぁぁ!」

 ズンバらり

 長剣のなぎ払い攻撃で蔦縄は根元から刈り取られ絶命した。一撃である。

 

 疾走剣客は毒付き短剣から突剣(レイピア)に持ち替え、手負いの蔦縄を攻撃した。

 「たぁっ!」

 仕留めきることはできなかった。蔦縄には刺突攻撃の相性が今一つ良くない様だ。

 手負いの蔦縄は女神官の投石攻撃によってしっかり打ち取られるのであった。

 

 女魔術師は女武闘家の元に駆け寄ると両足を縛っている蔦縄に対し

 「インフラマラエ」

 と唱え、蔦縄を指先で焼き切ると女武闘家を抱え起こした。

 

 「ありがとう、うわ服がびちゃびちゃ」

 

 「災難だったわね、いける?」

 

 「もちろん! やられた分はぶっちめてやらなくちゃ」

 

 そういうと誰よりも早く行動し、たっぷり助走をつけた飛び蹴りを魔法剣士に襲い掛かっていた無傷の蔦縄に向かって繰り出したのだった。

 

 当然、蔦縄は一撃死(クリティカル)だった。

 

 戦闘は終わった。しかし、二度の戦闘を経て一党の皆の表情には消耗の色が見え隠れしていた。

 

 「終わったね」突剣を鞘に納めながら疾走剣客がつぶやく。

 

 「終わったな」大きく息をついて青年剣士が答える。

 

 「何か死んでしまったこの人の事を知らせる事は出来ないかな」と武闘家

 

 「それなら何か身分証を回収しましょう。 万が一の時は身分証をギルドに提出する事になっているらしいので」と魔法剣士。やはり溝漁りだけとはいえ、一党の中で冒険者ギルドに少し早く所属している分詳しかった。

 

 「これ、私たちと同じ白磁の認識票ね。 冒険者だったんだ」と女魔術師。

 

 「あと、私は埋葬をしたいと思います」という女神官の提案に従い全員で協力し簡素だが埋葬をする。

 

 一党は冒険を再開した。皆の表情は暗い。亡くなった只人を通じて小鬼(ゴブリン)の恐ろしさを垣間見る事になったからである。

 

 「ねぇ武闘家、立ち位置を入れ替わってもらえる?」と女魔術師。

 

 二つ返事で女武闘家は女魔術師と入れ替わった。

 

 「どうしたんだ?」と青年剣士

 「今更だけど、この一党に野伏や斥候がいないことが不安になってね。 疾走剣客には悪いけれど後悔したくないから」ばつの悪そうな硬い表情で女魔術師は話す。

 「いいよ、僕も少し荷が重いなって思ったんだ。助かるよ」と疾走剣客

 

 探索を続ける一党。 激臭が漂っていない通路へ進んでいく。進んだ通路にはごく何の変哲もない洞窟が伸びていた。しかし、奥の方向からは、何かギャイギャイと小鬼(ゴブリン)達が騒いでいる様子が確認できる。大勢の小鬼(ゴブリン)の喚き声が聞こえる事から、今までよりもっとずっと激しい戦闘が起こる事を予感させた。

 

 「作戦を決めよう。 このまま普通に戦ったら不味いかもしれない」青年剣士は決断し一党に告げた。

 

 「それもそうね。 たしか呪文自体はみんな一度も使っていないはずよ、どうすればいいかしら」と女魔術師

 

 「そうだねぇ、まずは僕たちはそれぞれ何が出来るかをしっかりわかっておくべきじゃないかな」と疾走剣客

 

 「私は二回だけですが粘糸(スパイダーウェブ)の呪文が使えます。 敵を動けなくさせる範囲呪文なのでうまくやれば大勢のゴブリンを動けなくさせられるのではないでしょうか」

 

 「そうだね、魔法剣士君のその呪文は大事な切り札になりそうだ。 僕は精霊を口寄せする術と解毒の奇跡がどちらか一度だけ使える。今回は口寄せの術を使おうと思う 口寄せをする精霊にはいろいろあって、地水火風それぞれの属性の一番下っ端からうまくすればちょっと強い奴を召喚できるかもしれない。 精霊はそれぞれの属性呪文を唱えられる筈だ。 沢山の敵に攻撃する為に石を勢いよく沢山飛ばせる土の精霊がいいと思う。 ただ危ないから戦士達が小鬼(ゴブリン)と戦う前に術で攻撃させたいね。 そうすれば安全だし小鬼(ゴブリン)の数も減らせるかもしれない」

 

 「私は、火矢と火球と開錠が使えるわ。 火矢は燃え盛る火の玉を一体に飛ばす魔法で威力は折り紙付きよ。 火球は爆発する大きな火の玉で広い範囲を攻撃する呪文よ。 状況に応じて使い分けようと思うけど、火球を先に唱えた方がよさそうよね?」

 

 「そうですね。 どちらの呪文を唱えるかについては女魔術師さんに任せた方がいいと自分は思います」

 

 「女神官ちゃんはどんな術が使えるの?」

 

 「私は治癒の奇跡と聖壁の奇跡、聖光の奇跡が使えます。 怪我を治したり攻撃を防ぐ壁が作れたりします。最後の聖光の奇跡は周囲を太陽の光のように周囲を明るく照らすだけなので、あまり役に立たないかもしれません。 その分投石攻撃を行って皆さんの援護をした方がいいかもしれません」

 

 「うーん、それじゃあ女神官ちゃんには投石攻撃をしてもらった方がいいかなぁ?」と青年剣士。

 

 「ねぇ、ちょっと待って。 この洞窟の暗闇が太陽の光のように明るくなったら、小鬼(ゴブリン)は眩しくて仕方が無いんじゃない?」

 「確かに、僕たちは松明をつけて明るくしていますが小鬼(ゴブリン)は違いました」

 「使えそうだね」

 

 

 「作戦が出来上がったわ、みんな、よく聞いて」皆の意見を聞いて考え込んでいた女魔術師がみんなの意見を取りまとめ作戦を伝えます。

 


 

 小鬼の呪術師(ゴブリンシャーマン)はご機嫌でした。見た目も肉付きも生きもいい旬な雌がなんと3匹も手に入ったからです。 食べてよし、遊んでよし、増やしてよしな雌達の怯え号泣する様を見ていれば自然と顔も綻ぶという物。

 

 前回は残念でした。見た目も肉付きも生きもいい旬な雌が1匹しか手に入りませんでした。しかもその雌は生きがよすぎて暴れまわり仲間をたっぷりと殺して回る始末。減った仲間はその雌を使って増やそうとしますが、それでは生き残ったやつらが納得しません。結局沢山増やしたり、遊んだりやりたい放題したりした結果。小鬼の呪術師(ゴブリンシャーマン)が思っていた以上にすぐにダメになってしまう始末。

 

 仕方が無いので前回増えた分も使って雌をさらってきた結果のとても大漁な今回。きっとこの雌3匹を取り戻す為に冒険者とかいう自分から餌や玩具になりにきてくれる馬鹿な奴らが大勢来てくれるに違いありません。もしかしたら馬鹿な雌も大勢来てくれるかもしれません。この雌を囮にして更に沢山の雌と餌を得る。そしてゆくゆくは村全体を町全体を襲い沢山の小鬼を従える統率者になる。

 小鬼の呪術師(ゴブリンシャーマン)はそれが楽しみで楽しみで仕方が無いのです。

 


 

 「(手で亥 戌 酉 申 未 印を結びながら) 口寄せの術!」

 疾走剣客は口寄せの術で土の自由精霊を召喚しました。

 「初めて見たけどなんかずんぐりむっくりしてて、ちょっとかわいいわね」

 「そうですか?」

 「まぁ、うまくいってちょっと強い奴が呼べたから、任せてくれ給えよ。 そうだ、女神官ちゃんに解毒薬を渡しとくよ、けが人が出たらまずこれを使うんだ」

 「準備できたな! よし、突入!」

 

 大勢のゴブリンと囚われた三人の村娘がいる部屋に一党はなだれ込みます。

 待ち構えていた小鬼の田舎者は盾を構えた生意気な雄を攻撃しますが、仕留められませんでした。

 一党の全員が持ち場についた直後。

 「いと慈悲深き地母神よ、闇に迷えるわたしどもに、聖なる光をお恵みください!」

 「アラ―ネア・リガ―トゥル・ファキオ! 粘糸(スパイダーウェブ)ッ!!」

 強烈な閃光と共に粘ついた網のようなものが小鬼(ゴブリン)全体に掛けられる。

 「今です! 畳みかけろ!」魔法剣士の合図とともに次の切り札が切られる。

 「仕事だ仕事だノームども! 口寄せの術!!」

 疾走剣客が印を使って自由精霊に指示を出し大勢の小鬼を大量の土砂で攻撃する。

 「とんでもなく大きいのと杖を持った偉そうな小鬼以外、単なる小鬼は全滅だわ!」

 「よっしゃ! それじゃ、突撃ー!」青年剣士の合図を元に青年剣士と疾走剣客が小鬼の田舎者へ突撃します!

 

 「これでもくらえ!」毒付き短剣で素早く一突きする疾走剣客。 

 「ッ! こいつ、堅い! 魔術師のバンビーナ(お嬢さん)!」

 「その呼び方で私を呼ぶな! サジタ・インフラマラエ・ラディウス……火矢ッ!!」

 勢いよく飛来する火矢に貫かれて粘糸だらけの田舎小鬼が絶命します。

 

 「頭目! あの子鬼をやっちゃいなさい!」

 

 「任せろ!」

 

 ズンバらり

 あんなに上機嫌に自分の野望を膨らませていた小鬼の呪術師(ゴブリンシャーマン)は、大した抵抗もできず、青年剣士の大上段からの大ぶりな一撃でむなしく絶命するのでした。

 

                                                  

「――……驚いたな。小鬼の数がかなりいる巣穴のはずだが、全員無事とは上出来だ。 手際が良いな」

 

 そいつは、冷たい声音でそう言った。

 

 薄汚れた鉄兜と革鎧、鎖帷子を纏った前身は、怪物の血潮で赤黒く染まっている。使い込まれて傷だらけの小盾と、中途半端な長さの剣……新人の自分たちのほうがよっぽどいい装備をしていると思ってしまうような、装備に身を固めている。しかし首にぶら下がった小板は、銀。

 

「……ッ、あの、あなたは……?」

 

 女神官が意を決して誰何した。

 

小鬼を殺す者(ゴブリンスレイヤー)

 

 ――竜や吸血鬼ではなく、最弱の怪物である小鬼を殺すもの。

 平素に聞いたら笑ってしまうほど滑稽な名前でも、ゴブリンと初めて戦った彼らにとって、まったく笑えるようなものではなかった。

 

「ええと……なんで銀の冒険者が、こんなところにいるんだい?」

 

「ゴブリンを殺しに来た」

「なんで?」

「ゴブリンがいたからだ」

「なるほど」

 話が通じない人なんだね? と疾走剣客は諦める。

 

「トーテムがあった」

「うん、あの妙な飾りのことだね?」

「そうだ、あれがあるとシャーマンがいる」

「そうかい」

 

「襲ってきたゴブリンはこれで全部か?」

「そうだよ」

「そうか」

「うん」

 

 疾走剣客は人好きのする笑顔を張りつけて、女神官のほうへと向き直る。

「ダメだこりゃ、僕にはもう無理。 任せたよ! バンビーナ(お嬢さん)女神官(プリーステス)なんだろ?」

「えっ、ええっ?」

「僕は思うんだ。ああいう手合いも、いつか懺悔しに神殿にくるだろうって。遅かれ早かれ、いずれ出会うのなら君の経験にしてほしいと思ってさ」

「えぇ……?」

 失礼だとは承知の上だが、妙な詭弁を弄するあたりが女の子を騙くらかす女衒みたい、と思ってしまった。

「私もまだ未熟な身なんですけど……」

「そうは言うけど、みんな始めは未熟者から始まるんだぜ?」

「いや、確かにそうですけど」

「頼むよ〜、一生のお願い」

 

 魔術師は思わずため息をつく。

「取り込んでるとこ悪いけど、あの銀等級どっか言ったわよ」

「「えっ!?」」

 

 

「落石か。 全て小鬼の頭を潰しているな。 上位種はどうだ」

 

 

小鬼の死体を一瞥し、小鬼殺しは辺りをうろつき始める。

「上位種は無駄にしぶとい。 死体の確認は念入りに行え。 あの一刀両断されている小鬼の呪術師(ゴブリンシャーマン)は必要ないが」

 死んだふりをしていた田舎小鬼(ホブゴブリン)の頭を叩き割ると、ゴブリンスレイヤーはひとりごちる。話の内容や言い回しから察するに、あれで教えているつもりなのかもしれない。

「君はゴブリンしか頭にないんだね」

「ああ」

 

 死体の確認を終えた小鬼殺しが小鬼の呪術師(ゴブリンシャーマン)が作らせたのだろう、人骨の玉座を蹴り砕く。バラバラになったその椅子の影に、腐った戸板があった。

 

「へぇ、小鬼の宝物殿か」

「いやただの倉庫でしょ……」

「はは、物は言いようだよ」

 

「興味ない」

 只人ならばかがまねば入れない小ささの、そこの扉を蹴破った。

 

 そこには小鬼の幼体が両手では足りぬほどぎっしりと詰まっていた。まるで命乞いをするようにか細く鳴いては小さな手で身を庇うもの、石を握り明確に敵意を持って向かうもの、中には土下座をして命乞いをするものもいた。

 女魔術師と女神官、青年剣士と疾走剣客が小鬼殺しの後ろから入っていく。

 

「――……子供ね」

 

「ゴブリンだ」

 

 大きさなど関係ないとばかりに、彼は棍棒を振り上げた。

 

「子供も……殺すんですか……!」

 

「当然だ」

 

「マジかよ……」と青年剣士

 

 眉をひそめる女魔術師。

 

「まぁ、ありがちだけどしょうがないよね。 変に生き残られてもどうせ歯向かってくるんだし奇麗さっぱりさせた方が後腐れなくて都合がいい。 人間(ヤクザ)だってそうなんだから」

ましてや小鬼(ゴブリン)だもんねェ。と疾走剣客。

 

「奴らは恨みを一生忘れん。生き残れば、学習し、知恵をつける。そして巣をつくり、村を襲う。生かしておく理由がない」

 

「善良な小鬼が、いたとしても……?」

 

「探せばいるかもしれん……だが、人前に出てこないゴブリンだけが、良いゴブリンだ」

 

 振り下ろした棍棒が、ゴブリンの頭を砕き、脳漿をまき散らした。

 

「分かった。 けどそのやり方じゃ非効率だと思うわ。 小鬼殺し」

 

女魔術師は小鬼殺しを退かすと小鬼の幼体へ向かって

「カリブンクルス・クレスクント・ヤクタ!」

火球を放った。

 


 

 こうして、「ある冒険者達の挑戦」は終わった。

 青年剣士一党は、『銀等級第三位』小鬼殺しを伴って冒険者ギルドに帰還。事後報告(アフターセッション)を終える。

 報酬(リザルト)として一人当たり銀貨22枚 経験点1500点 成長点3点 戦利品:大金棒(一人当たり銀貨5枚で売却)と湾刀(青年剣士に贈呈)を獲得した。

 

 このクエストで死亡した人間はいなかった(・・・・・)

 

 



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疾走剣客4-下水道の魔術師-疾走剣客の場合


 ※今回の怪物のデータはルルブを見て頂戴ね………………。


 労働で金策もしたいが、タイムを縮めたいのでゴブリン殺しをゴリ押すRTA、はーじまーるよー。

 ということで今回もゴブリンスレイヤーtrpgのRTAで優勝することにするわね。

 

 という事で疾走剣客ゲイ君の成長フェースから始めていくわね。

 

 ザ・ガントレット(濃縮還元)をクリアしたことで以下の報酬が手に入ったわ。

 銀貨22枚、経験点1500点と成長点3点獲得。更に冒険者Level2になった事で成長点15点をゲットしたわ。

 

 武闘家レベルを3に上昇させて、武技:鶺鴒の尾を獲得したわよ。

 技能【猿の如く】:初歩【 体術 】:初歩【 挑発 】:初歩 【長距離移動】:初歩 クルースニクスキル【超命中】:初歩 【超反射】:初歩を獲得。

 

 武技と技能の説明をするわね。

 武技:鶺鴒の尾は通常攻撃をした相手へ更に挑発を仕掛ける事が出来る技能よ。挑発されている相手に対して攻撃する時は命中に+3のボーナスが付くわ。

 重要なのは挑発技能と組み合わせる事で1ラウンドで2回挑発が出来るってわけ。前衛の仕事としては大事な事ね。

 続いて、技能:体術と技能:猿の如くについてよ。

 技能:体術は運動系判定に+1のボーナスを与えるわ。重要なのは運動系判定に回避も含まれる事ね。

 技能:猿の如く*1は命中補正にマイナスが付いた武器の命中補正を体力点×一定倍率して算出されたポイント分だけ改善する技能よ。倍率については技能の習得段階で変化するの、疾走剣客(ゲイ)君は初歩を習得したから倍率は1/4ね。今後この技能を更に習得を進めると強力な特典が付くから楽しみね。

 あと技能:長距離移動判定は長距離移動判定に+1する技能ね。 クルースニク技能については実際に使うときになったら説明するわ。 基本的にアンデットやデーモンなどと戦わない限り使わない技能ね。

 

 さて、説明が終わったところで今日の1日が始まり、疾走剣客ゲイ君が起き出してきたわ。 ギルドに行くわよ。

 ギルドに入って早々受付から声を掛けられたわ。

「最近は冒険者としても少し慣れてきたみたいだね?」

 あら疾走剣客ゲイ君の手続きをしてくれた監督官ちゃんじゃない。

「冒険者なりたての白磁だったころと比べると顔つきが変わったように見えるよ?」

 あらやだ、ありがとう! 

「ギルドから皆さんの昇格試験を用意しました」

 

|A.Y.S.D.Y《アラヤダ! 昇格試験ですって! ヤダー!!》

 

「依頼内容は行方不明者2名の捜索です。 あなたの他にも受験者が1d3人いるので協力して依頼を達成してください、この依頼を達成できれば黒曜と認めます」

 あら、面白そうじゃない。

「どうですか? 受けますか?」

 

 この依頼を受けない手はないわね。 とりあえずスネイプGMにダイスを振ってもらうわよ

 

エクスペリアームズ! 

 3名参加するようね。

 

「受けるということだね。この依頼を放棄するとギルドの信頼を失ってしまうので注意するんだよ」

 

「依頼はこれ」

 監督官ちゃんは、掲示板に貼りだしていないクエスト案内を取り出すわ。

 

 ・依頼内容:魔術学院の地下下水道で行方不明になった男女2名の捜索

 ・場所:魔術学院の地下下水道

 ・報酬:銀貨15枚

 ・備考:(ギルドより)解毒薬、応急手当キットの携帯を推奨

 ・因果点:5点スタート

 

 四方世界に広がる大半の街は過去の遺跡の上に立地しているわ。そしてその遺跡の一部を地下水道として下水道や上水道みたいにわけて利用しているのね。

 遺跡といっても規模がまちまちだったりするけれど、多くの冒険者が御用達にしているお手軽なダンジョンといえるでしょうね。

 

「下水道に住み着いたモンスターの討伐依頼が冒険ギルドに届くのもよくあることですが、今回は未熟な学生とはいえ魔術師が2名行方不明になっています。もしかすると何かが潜んでいるのかもしれません」

 

 ですって、奥さん聞きました? や―ねぇ。

 

「詳しい話は学院の先生から聞いてね」

 

「既に冒険を経験した貴方ならきっと達成できると信じているからどうか気をつけて」

 

 おや、監督官ちゃんを愛でていたら、真っ白な僧衣に身を包んだ圃人の少女がやって来たわ。もしかして彼女が一緒に冒険する1人目かしら。

「ほっ、圃人白魔導士……さっき依頼人に付き添って依頼を出した白磁等級冒険者です。 黒曜等級の昇格試験があると聞いてここに来ました。 えっと、ここで合っていますか」*2

A.Y.K.Yアラヤダ! カワイイ! ヤダー!!

 ここはちゃんとアイサツと自己紹介をするわよ。*3

 あらぁ、和やかに会話できているじゃない。良い子ねぇ。この大蛇丸ともあろうものがほっこりとした気持ちになるなんて。人生何があるか分かったものじゃないわねぇ……。

 圃人白魔導士ちゃんは太陽神の神官で、太陽神の奇跡を扱うだけでなく精霊術師として鎌鼬や酩酊、命水を扱う事が出来る万能術師のようね。何より、その人となりに人として好感が持てる点が優勝ものね。

 

 そのまま圃人白魔導士と話をしていたら、わがままボディをクラシカルな衣装とコルセットに詰め込んだ妙齢の女エロフがやってきたわね。 彼女が二人目かしら? 

「あなたが、一緒に昇格依頼を受ける冒険者? 圃人の女神官に、圃人の剣士ね……まぁとりあえずよろしく」*4

 あらあら、来て早々ゲイ君にケンカを売ってるのかしらこのエロフ。薄い本の中に屍鬼封尽してやるわよ。武器は投矢銃ダートガンを扱う野伏のようだけど、この子防具何もつけてないわ!? 正気なの? 

「私は、乙女銃士。 武器は投石紐と投矢銃を使う。 今まで誰かと一緒に冒険した事はないけれど小鬼退治の依頼を一人でこなしたわ。 下水道の冒険は不潔で臭いから不本意だけど昇格試験だから仕方ないわね」

 気位が高くていけ好かないけれどまぁ致し方がないわね。よろしくやっていくわよ。

 多少ぎこちないけれど、会話をしているわ。内容を聞くとどうも乙女銃士は初めての冒険が小鬼退治だったらしいわね。ソロで潜ったんですって。かなりの死亡フラグを立てているけれど生きて帰ってきている辺り実力は確かなようね。大小鬼ホブゴブリンと戦ってそいつの分捕った武器を売って、報酬はほぼ全て投矢と矢筒の帯に替えたらしいわ。専業の野伏でレベル4なんですって。

 防具を装備していないことに白魔導士ちゃんが質問したら、「一人で小鬼の巣を皆殺しにした野伏に鎧は必要ない」ですってよ。随分と天狗になっているようだけど大丈夫なのかしらね。

 

「一緒に黒曜等級の昇格試験を受ける冒険者ってのはあんたらか? 兎人戦士だ。 よろしく頼む」*5

 あら、三人目が黒光りする大斧を担いだ筋肉ムキムキ、ウサミミが付いた強面マッチョイケメンが現れたわ。顰めっ面の強面で近寄りがたい雰囲気ね。でも…………

 

どうしてバニーボーイさんの格好をしているの? (ゆっくりくそデカボイス)

 

 とりあえず筋肉ムキムキマッチョな兎人戦士バニーマンの人となりを見定めるために、ゲイ君の直感判定を行うわよ。ぱっと見で判定するから魂魄反射で2d6+10ね。

 からころ、達成値17が出たわ。 目標値は伏せられていたけれど判定は成功*6。 恰好以外はごく普通の青年で戦士としてはそこそこ優れる*7ようね。

 

『疾走剣客さん! 兎戦士さんのあの格好は多分、故郷の装束なんですよ! 背負っている大斧と相まってとっても強そうですね』

 アラやだ、そうだったの? 私ったら気が付かなかったわ。 

 

「兎人の戦士? 随分露出の激しい鎧装束を着ているけれど、部族の衣装なのかしら?」

 

「ああ、よく分かったな。 自力でこの格好の意味に一発で気づいたのはあんたらが初めてだ。 ここの奴らはどいつもこいつも俺を露出狂の変態扱いしやがるからな」

 苦労していらっしゃるのね。謹んで反省するわ。聞くところによると、彼は頸狩り兎人ヴォ―バル・バニーの異名を持つ兎人族の出身らしくて一族単位で戦女神を進行しているらしいわ。

 彼自身も何れ功徳を積んで兎人の神官戦士になりたいんですって。

 

 

 

 下水道によくいるモンスターの情報を監督官が教えてくれたわ。モンスターごとに怪物知識判定が必要よ。

 

 ・ジャイアントラット p.582 *8

 ・ジャイアントローチ p.585 *9

 ・粘菌 p.583 *10

 カラコロッ

 出目は上から11・8・6が出たわ。 乙女銃士が全情報をすっぱ抜いて見せたわね。

 

 受付嬢さんが、手当道具や化膿止め軟膏や解毒薬が必要だと言っていたけれどみんなお金がすっからかんだから。ゲイ君は何も買わないことにするわね。*11

 

 さて、準備が整ったところで魔術学院へいっくどー! (でででてーっでっでっ!)

 


 

 事件が起きた魔術学院はこの街のの外周部にあるわ。ここみたいなありふれた地方都市って感じの辺境の街にも存在するんだから、王国自体が町の住民の教育に力を入れているのかそれとも魔術師ギルドみたいな機関がチェーン経営して多数の学校を展開しているのかしらねぇ? 

 あたし気になっちゃうわ。

 ということでゲイ君で博識判定を潜影蛇手しちゃうわね。目標値は13ですって。 

 

潜影蛇手! 

 

 妖怪イチタリナイが出てきて判定を失敗してしまったわ。残念ね。

 でも一緒に調べてくれた圃人白魔導士ちゃんがちゃあんと教えてくれたわ。

 王都にある『賢者の学院』以外の魔術学院は魔術師ギルドが経営している私塾予備校みたいな感じなんですって。*12

 なるほどねぇ。一般的な魔術師はここに通うか、実家で親とかから学ぶかのどちらかなんですって。ちなみに白魔導士ちゃんは後者らしいわよ。白魔導士ちゃんの術師先輩である圃人魔導士さんは魔術師ギルド直営の学校に通っていたらしいですよ。今は母校で教鞭をとっているんですって。

 

 今回の依頼は白魔導士さんの先輩、圃人魔導士先生の担当クラスから何人かの生徒が行方不明になってしまったということで白魔導士ちゃんの手を借りて先生がギルドにお願いしたんだそうよ。生徒さんを何とかして見つけ出しておきたいわね。

 

 圃人魔導士先生と街中で落ち合った私たちはそのまま先生の案内で魔術学院に移動するわ。

 街の外周部に存在する、高い塀で囲まれた一画が魔術学院よ。魔術学院はいくつかの校舎と学生寮で構成されているわ。

 行方不明になった学生をはじめとした、学生達の居室は学生寮にあるようね。

 

 圃人先生の説明を聞くわ。

「二人がいなくなったのは昨日の夕方です」

「行方不明になった生徒が食事の時間に現れなかったので騒ぎになり、当該生徒が下水道を探索するんだと言って昨日の昼頃に下水道へ入っていったことを当該生徒の友人の一人が教えてくれました」

「すぐにでも探しに行きたかったのですが、下水道にはモンスターが住み着いていることが多く、魔術師だけで乗り込んでもまた犠牲が増えるかもしれないと判断して、ギルドに依頼しました」

 先生も大変ねぇ。 心配かもしれないけれど、すぐ見つけ出して戻ってくるから待っていることね。

 

 地下下水道の地図ももらっておいたから安心ね。 それじゃあ、早く依頼を済ませましょうか。

 


 ■下水道

 

 学生寮の近くに物々しい扉のついた地下へと続く階段があるわ。扉の鍵は錆び付いて壊れてしまっているから誰でも簡単に外すことができるわね。

 扉を開けると臭気と共に湿った薄暗い階段を下りていくことになるわ。燭台はあるが何もかかっていないため、暗視技能等があれば別だけど、灯りが無ければ何も見えないでしょうね。

 

 肥溜めのような臭気の中を進んでいくわ。気を抜くと吐いてしまいそう。

 スネイプGMから目標値15の《魂魄持久+冒険者lv+長距離移動》で算出する、長距離移動判定が出されたわ。成功で消耗1、失敗すると消耗1d3よ。酸っぱいものをこらえて……

 

潜影蛇手! 

 カラコロッ

 出目は4だわ。疾走剣客ゲイ君と圃人白魔導士は何とかこらえながら探索を進めているようだけど乙女銃士と兎人戦士はだめね。種族的に五感の感覚が鋭い分とても苦しそうよ。疾走剣客ゲイ君と圃人白魔導士は消耗が①、乙女銃士と兎人戦士は消耗が②追加されたわ。

 

 階段は学生寮の下へ向かう形で進んでいく、途中で一度、誰かの頭に階段の裏から水滴が落ちてきたわ。

 ただ、その水は少なくとも黒ずんではいないが、透明であったか茶色に濁っていたかは圃人白魔導士ちゃんが持つ松明の灯りだけでは判断できなかったようね。*13

 

 階段を降りきると、切り口が2m四方の通路が奥まで続いているわ。松明の明かりでは奥まで見通すことができないわね。

 二人か三人までなら横に並ぶことができるだろうけど、天井は低いから通常の身長であればぶつからないけど余裕はほとんどないわ。

 地面には黒ずんだ泥のようなものがこびりついていて、水がその隙間に溜まっているわね。

 

「地面に向かい観察判定<(野伏or斥候)+知識集中+観察> をしたまえ。目標は照明や技能ありで12点だ」

 

潜影蛇手! 

 カラコロッ

 出目は9が出たわ。判定は全員クリアしたわね。地面の泥をよく見ると、二人分の足跡が奥まで続いていることが分かる。

 

 足跡を追って先へ進んでいくわよ。ところで天井にはところどころ穴ぼこ*14が空いているけどあれは何かしら*15? 

 

 乙女銃士が穴を調べるらしいわ、やめとけって言うのはもう遅いわね。

 

「乙女銃士は第六感判定<(野伏or斥候)+知識反射+第六感> を行うのだ。 目標値は伏せることとする」

潜影蛇手! 

 カラコロッ

 出目が7で達成値18。目標値*16を超えたようね。

「穴から水で流された排泄物*17が落ちてくるのだ。 何が落ちてきたか吾輩が<1d6>でダイス*18して決める。第六感判定に失敗したら、汚物はplに直撃するが、当たってもゲーム上は特にない。 諸君らのPCが汚物まみれになるだけだ」

 

エクスペリアームズ! 

 小便だったようね。乙女銃士はひどい表情をしているけれど、汚物まみれにならないだけましじゃあないかしら。そしてトイレ掃除の時間に合わせてゴキブリがやってくるようね。*19

 

 時折、天井に開いた穴からぼとぼとと汚物が落ちてくるわ。地面や壁についた黒い泥が何からできているのか、嫌でも分かってしまうわね。

 また、足跡は上から落ちてきた汚物に埋もれて分からなくなってしまったわ。私達は落ちてくる汚物を避けながら、松明の灯りを頼りに奥へと進んでいくわよ。

 

「さて、上から降ってくる汚物をよけながら君達には目標値18の観察判定を行ってもらう。 今回は上から降ってくるうんこに、気を取られながらの長距離にわたる探索と観察をするので<(野伏Lv or 斥候Lv)+知力持久+観察>で達成値を求めてもらう」

 

潜影蛇手! 

 カラコロッ

 出目が4で全員全滅ね。 みんな落ちてくるうんこに気を取られて探索に集中できなかったみたい。

 

 程なくして天井から汚物の落下は止み、そして眼前の通路が崩落により塞がっているのが見えるわね。どうやら天井が落ちて崩れてしまっているようね。ただし完全に塞がっている訳ではないから、岩の隙間から奥を覗くことができるわね。

 

 覗くと、数匹のゴブリンが赤髪の女の子を相手にハッスル! ハッスル! (意味深)している様子が観察できるわ。ただ向こうも、瓦礫の隙間から漏れ出た松明の灯りに気づいたのかギィギィと騒ぎ始めているわね。どうにかしてこの瓦礫の山を何とかできないかしら。

 

「壁の崩落について調べるのであれば、魔法知識判定<魔術師レベル+知識集中>に成功すると、ストーンブラストの呪文でできたものだと分かる。 ストーンブラストの呪文により岩を吹き飛ばし道を開くことができるであろう。 ただしこの場合は女の子を巻き込む可能性があることに留意するように。 そのほか、諸君らに腹案があるのであれば遠慮なく提案したまえ」

 まずは魔法知識判定を

潜影蛇手! 

 カラコロッ

 出目は5だったわ。 乙女銃士の魔法知識でこの瓦礫がストーンブラストの呪文でできたものだと分かったわ。

 とりあえず、ゲイ君の口寄せ・使役コントロール・スピリッツの術で土の精霊を呼んでみましょうか。

 精霊術呪文行使2d6+8

口寄せの術! 

 カラコロッ

 効力値16で土の自由精霊を召喚よ! 土の自由精霊にトンネルの呪文を使わせれば問題ないはずだわ。

 

 あら? 第六感判定? なんでかしら? 

 <第六感、(野伏or斥候)+知識反射> 目標15*20

 第六感判定 最後尾 乙女銃士2d6+11 圃人白魔導士2d6+9

潜影蛇手! 

 カラコロッ

 出目10 両者成功

 

ギャア! 

 

 冒険者の背後から黒く平たい物が静かな羽音を立てて飛来してくるムービーが入ってきたわ。

 PTの最後列にいる乙女銃士と圃人白魔導士に巨大なゴキブリが襲い掛かってくるわ。ショッキングね! 

 松明の灯りを受けて鈍く黒光りする甲殻、平たいが体長は50cmほどもある巨大な虫の怪物、これはジャイアントローチね。

 

 

 戦闘開始よ! 

 戦闘条件はこんな感じ。

 ・ジャイアントローチが12匹現れたわ。横に並べるのは4匹までよ。

 ・第1ラウンドはジャイアントローチと第六感に成功した冒険者のみが参加できるわ。

 ・失敗して取りつかれた冒険者は回避できないものとする。GM曰く、<脱出判定>は不要らしいわ。

 ・<群れ>のスキルを持つため、仲間の一匹にバフをかけることもできる。

 ・<病毒>のスキルを持つため、近接攻撃で殺すと毒の判定になる。近距離乱戦なので全員を対象とする。

 ・トーチやランタンを雑に置く場合は自由行動、そっと置く場合は主行動

 

 1ターン目 先制値

 乙女銃士10 圃人白魔導士10

 V S

 ジャイアントローチA(1-4)B(1-4)C(1-4) 前後間隔4m(前からABC) 

 

 圃人白魔導士が鎌鼬を唱えた! 2d6+11で効力値19 装甲-2 呪文抵抗失敗で効力値と8以上差がある為、鎌鼬の追加効果:痛打発動! 斬属性痛打効果:2、効力値+6! ダメージは効力値25で計算。

 威力 2d6(10)+4+3=17 ジャイアントローチ全滅。

 

 圃人白魔導士の鎌鼬はジャイアントローチの群れを粉微塵に切り裂いた。噴き出した赤黒い液体が飛散し、辺りに飛び散る。向こう側へ吹き飛ばす感じに発動させたから。汚汁おつゆまみれにならず済んだようね。

 ワンターンキルよ。

 

 

 戦闘後、土の自由精霊がトンネルの術を使ってがれきの壁に通路を作って見せたわ。

 

 


 ■左の部屋

 トンネルでできた通路を歩いていくと、開けた部屋に出たわ。天井も今までの通路より高いわね。

 位置関係から、恐らく先ほど岩の隙間から見えていた部屋でしょうね。

 裸の女の子が床に転がっている姿も確認できるわ。ハッスル!  ハッスル!  していたゴブリンの姿は見えないわね。

 冒険者が部屋の中に入ると、先ほどまでと同じ黒い泥に加えて、部屋の右奥隅に集められた白い骨、奥側中央に裸の少女、左側には服や武器、防具などが乱雑に置かれているわ。

 さて、少し調べてみましょうか……乙女銃士ちゃんを中心に調査を、白魔導士ちゃんには救護をお願いするわね。

 

 ・白い骨

 たくさんの骨が集められているわね。長さも太さもバラバラで、いったい何の骨なのかしら? 

 調べるには目標値18の博識判定*21が必要ね。

 出目5+固定値8で13。失敗ね。 たくさんの骨が有ってよくわからなかったわ。

 

 次は左側のアイテム類を調べるわ。

 誰が持ち込んだのかしら、冒険者が身に着けていたであろう装備やアイテムが放り出されているわ。

 その中には金属の錠前のついた丈夫そうな旅行鞄が一つある。また、魔術学院の学生服が男用と女用で2着ずつあるわね。

 丈夫そうな旅行鞄は施錠されているわ。残念だけど私達の中に斥候がいないし、鍵開け道具もないから中身を確認することはできないわね。とりあえず女の子と一緒に調査を終えたら持ち帰りましょうか。

 

 白魔導士ちゃんが裸の少女の救護を行うわ。

 詳細な描写はしないけれど、何かの液体でべっとりしており、話しかけても返事をしないわ。

 細いけれど息はしているわ。 まず治癒の為に命水を唱えるわね。

潜影蛇手! 

 2d6+11、達成値15で成功ね。精霊の力で消耗点と生命力が回復する水が完成したわ

 

 その水をかけると目を覚ましたわ。彼女は、小さな声で「殺して」と呟いたきり、黙り込んでしまうわ。まずは治癒の為に命水の水を飲ませてあげましょう。

 回復量4d6+5、出目が9で14点回復 消耗2点回復ね

 

 そのあと質問をすればぐったりとしたまま力ない声で彼女は答えてくれる。

「ちょっとした冒険のつもりだったの。下水道に潜むモンスターを退治しよう、なんて考えて」

「でも途中でゴブリンに襲われて、必死に逃げていたらこの部屋まで来てしまって」

「彼が……粘菌に溶かされて……私も、ゴブリンに捕まって……ひどいことをされて……」

 このあたりまでしゃべったら言葉が途切れ、すすり泣き始める。おいたわしいわね。

 

 ちょうど私達からは死角になっていた通路からゴブリンの集団が現れたわ。

 短剣を持つもの、弓を持つもの、そして一番奥には、先が二股になったところに石を投げるための紐を通した杖*22を持つ小鬼がいるわ。

 ・ゴブリン(短剣)*10、ゴブリン(弓)*10、ゴブリンシャーマン*1 ref) p.576

 

 トンネルの効果は切れてしまったから戦わざる負えないわね。

 

 ゴブリンシャーマンが、その二股の杖を掲げて「ギギッ」と短く声を挙げる。

 その声に応えるように、部屋の天井から冒険者を目掛けて何かが落下してくる。それは粘性の高い液体で、青い色をしていた。

 

 <第六感判定目標値16、知力反射+(野伏or斥候)+第六感>

 出目が10出たから兎人戦士以外は成功よ。

 

 死角から降ってきた人間大の粘液を乙女銃士、女神官、疾走剣客ゲイ君はよけきって見せる。が、第六感に失敗した兎人戦士は頭の上から上半身ぐらいまでを裸の少女と共にその青い粘液粘菌に覆われてしまったわ。

 

 

 追いつめられた冒険者達を笑うようにゴブリンシャーマンが「ゲヒッゲヒッ」と声を挙げるが、

 不意に入り口左手の壁の岩が弾け飛び、モブのゴブリン達数匹を巻き込んで崩落した通路の方へと飛んでいくわ。

 冒険者には運よく当たらなかったが、巻き込まれたゴブリン達の多くは物言わぬ肉片となって通路に転がっていたわ。

 生き残ったゴブリンも手足が欠けて通路周辺の床をのたうち回っているわね。

 

 岩の飛んできた方向に視線を戻すと、先ほど天井から落ちてきた青い粘液と同じような粘液の塊がいたわ。

 ただしその色は青色ではなく血のように鮮やかな朱色をしているわ。

 

 ・戦闘開始前に、第六感に失敗した冒険者は、粘菌に<取り込み>を受ける。生命力1d6ダメージよ。

 ・脱出は戦闘開始後に自分の手番で<脱出判定、体力集中+(戦士or武道家)+過重行動>目標値11する必要があるわ。成功したら少女も救出できたことになるわ。

 ・戦闘に参加するモンスターは、以下の五種類よ

 粘菌 p.583 4匹 二列目

 赤粘菌 p.587 1匹 //行方不明の片割れ 最後列

 ゴブリンシャーマン p.576 1匹 最後列

 ゴブリン(短剣)*8、 一列目

 ゴブリン(弓)*8 後列

 ・裸の少女の生命力は14/28とし、冒険者達が治療したので負傷点が0になっているわ。

 ・ゴブリンシャーマンは粘菌を4匹まで統率でき、既に支援しているわね。赤粘菌は統率されず独自に動くみたいね。

 先制判定を行うわ。あと、戦闘前に召喚された自由精霊は1d2判定の結果まだこの場に存在しているわ。だからストーンブラストも出来るわね。

 

 前列、疾走剣客ゲイ君(先制値5)と兎人戦士(先制値6)土の自由精霊(先制値5)。

 後列、乙女銃士(先制値8→統率され11)と圃人白魔導士先制値11*23(疾走剣客ゲイ君を統率)。

 

 圃人白魔導士ちゃんは統率技能習熟を持っているようね、この技能は習熟に達すると味方1人の先制値を自分と同じポイントまで引き上げることが出来るスキルよ。疾走剣客ゲイ君君も持っておきたい技能ね。

 

 敵の先制値が振られるわ。

 ①ゴブリン先制値1

 ②粘菌先制値5

 ③ゴブリン弓先制値2

 ④ゴブリンシャーマン先制値10、赤粘菌先制値2

 列と列の間隔は4m開いているわ。 

 


 戦闘開始よ! 

「ゴブリン、粘菌、ゴブリンアーチャー! 赤粘菌、ゴブリンシャーマンです! 乙女銃士さん、赤粘菌に攻撃をお願いします!」怪物判定にすべて成功した圃人白魔導士ちゃんが叫ぶわ。

「オッケー! まっかせなさい!」

 

 初手、乙女銃士の後込滑腔式投矢銃による射撃、命中2d6+18→効力値28! 威力4d6+6、出目合計19-装甲のダメージ! 赤粘菌の残りHPは9よ! 乙女銃士の正確無比な鋭い射撃が赤粘菌の核を傷つけたわ。赤粘菌は半ば形状崩壊しているようね。

 

 次、圃人白魔導士が精霊術:鎌鼬をゴブリン弓に向けて潜影蛇手! するわ! 触媒に上質な鎌鼬の触媒、イタチの尾を使っての詠唱ね! 精霊術呪文行使2d6(7)+11+1で達成値19で威力12の風刃がゴブリン弓、粘菌、ゴブリンシャーマン、赤粘菌に襲い掛かるわ! 

 敵の呪文抵抗の判定よ。

 粘菌、呪文抵抗失敗、痛打発動、呪文貫通装甲-2で11ダメージ残りHP8

 ゴブリン弓、呪文抵抗失敗、痛打発動、呪文貫通装甲-2で12ダメージ。全滅! 

 ゴブリンシャーマン、呪文抵抗2d6+8=14で失敗、呪文貫通-2で10ダメージ! 残りHP8

 赤粘菌、呪文抵抗2d6+5=12で失敗、痛打発動、呪文貫通-2で11ダメージ! 撃破! 

 呪文抵抗失敗で効力値と8以上差がある場合、鎌鼬の追加効果:痛打が発動するわ! 斬属性痛打効果⑤:片足を切り裂かれ転倒よ。

「唸れ烈風、大気の刃よ! 切り刻め鎌鼬ウィンドカッター!」

 鎌鼬の触媒、上質なイタチの尾が虚空に解けて消える。するとたちまち猛烈な旋風が刃となってゴブリンアーチャーのいる場所を中心に炸裂する。粉砕剣カシナードが如き旋風はゴブリンアーチャーを一掃し半ば形状崩壊しかけていた赤粘菌を仕留めたのであった。それ以外のゴブリンシャーマンも深手を負い、粘菌も半ば形状崩壊を起こしていた。

 

 ゴブリンシャーマンのターンよ。

 鎌鼬で切り刻まれたゴブリンシャーマンは恨みのこもったまなざしで圃人白魔導士を見つめ火矢で攻撃してくるわ。飛んできた2d6+8-4で達成値8の火矢に対し女圃人神官は呪文抵抗を行い成功させるわ。

 3d6+4/2=10-装甲2で8のダメージよ。

 

 勢いよく自分の元へ飛んでくる火矢を圃人白魔導士は何とか解呪し威力を減衰させる。しかしかなりの火傷を負ってしまった。

 

 次は兎人戦士の手番よ。目標値11の脱出判定を行うわ。

 脱出判定2d6+14=17で脱出成功、出目が危なかったわね。兎人戦士が戦線に復帰したわね。

 兎人戦士は少女と共に粘菌から脱出する。「悪い! しくじっちまった!」

「大丈夫、問題ないわ」

 

 土の自由精霊の手番よ。精霊術:石弾で粘菌とゴブリンを一掃しましょう。

 呪文達成値15で石弾を発動させるわ。(残り回数1回)を中心に達成値15で半径5mの球状に精霊術の呪文:石弾を発動! 全員呪文抵抗失敗! 2d6+3+3=15で範囲内の敵それぞれに15−装甲ダメージ! 

 ゴブリンは15-装甲2=13のダメージで全滅、

 粘菌は対呪装甲で装甲+3、15-3=12のダメージでこちらも全滅。

 

 最後は疾走剣客ゲイ君よ! ゴブリンシャーマンにとどめを刺すわ! 

 2d6+10で達成値18因果点を使って出目の向上を試みるわ! 成功よ*24! 2d6+10+2で再判定し達成値22! 命中ね! 効力値ボーナス2d6+1d6+4で威力12、装甲分を引いて8ダメージ! ゴブリンシャーマンを撃破したわ。

 疾走剣客ゲイ君は鉄砲玉のように勢いよく飛び出したかと思うと

「でやぁぁぁ!」

 猿叫を上げレイピアでゴブリンシャーマンを突き出した。レイピアは顎から頭を貫き抜く致命傷を与えた。

 

 戦闘終了よ。

 さて、小鬼たちが出てきた部屋も調べておきましょうか。圃人白魔導士ちゃんは命水の水を飲んでおきましょうね。出目合計18で全回復。


 

 ■右の部屋

 通路の先は少し開けた空間になっている。左の部屋と同じ感じのレイアウトね。

 ただし部屋の奥に祭壇らしきものが一つあるのが異なっているわね。

 探索するわよ。祭壇を調べると祭壇の下に穴が掘られていて、子供のゴブリンが3匹いるわ。*25小鬼は怯えた様子で震えており、命乞いをしているわ。

 パッパと始末したら。少女を連れて脱出ね。と思ったけど土の自由精霊がいなくなってしまったから手作業で瓦礫をどかすしかないわね(兎人戦士が)。

 

 ■エンディング

 冒険者は裸の少女を背負い、通路を引き返していくわ。

 時折落下する汚物にこの哀れな少女が当たってしまい、彼女は小さくうめき声をあげた。

 階段を上り、ようやく外にたどり着いたころには、もう夜になっていたわ。

 

 冒険者は少女を学生寮に送り届けた。教員は冒険者たちの発するひどい臭いに顔をしかめながらも、

 丁寧にお礼を言って少女を引き取った。

 偶然通りかかった学生は、ひどい臭いと少女の悲惨な様子を見て耐えきれず嘔吐した。

 もう遅いし、体を洗った方がいいだろうから、いくつかある空き部屋に泊まっていってはどうかと教員に提案される。

 一党は宿泊しお風呂で身を清めギルドへの報告を明日にすることにしたわ。

 兎人戦士君の兎人戦士は頸狩り兎のように滅茶苦茶、凶悪な代物だったわ。お嫁さんは大変ね。

 


 

 ギルドに報告するわ。

 ・少女の生存

 ・ゴブリンシャーマンの撃破

 の2つの条件を満たしていたから、満場一致で白磁から黒曜へと昇格できたわ。

 

「お疲れ様でした。まさかゴブリンシャーマンまでいるとは思いませんでした」

「救出された少女によると、一緒に入った男の子は、天井から落ちてきた粘菌に捕まってそのまま取り込まれ、赤粘菌になってしまったようです」

「粘菌は知性をもたないモンスターですが、魔術師を取り込んで赤粘菌となった個体は、魔術を使うようになるそうですね」

「ともあれ、ギルドは人命救助とゴブリンシャーマンを討伐した功績を認め、皆さんの黒曜等級昇格を承認しました。おめでとうございます」

 

 リザルトに移るわね。まずクエスト報酬よ。

 ・基本報酬/一人当たり銀貨15枚、EXP+1000、成長点+3、因果点による追加報酬としてEXP+500点よ

 旅行鞄に入っていた肖像画をギルドに提出すると、行方不明になっていた人物の遺品として引き取られ、報酬として銀貨20枚*26がPTに支払われるわ。まぁ鞄ごと渡したから支払ってもらえたわね。

 銀貨20枚の収入を得られたわ。

 

 という事でこの辺でハイエドテン! 

 

*1
読み方はましらのごとくよ。なのに「ましら」とパソコンで打っても猿と変換されないのは、一体どういうことなのかしら猿飛先生ぇ? 

*2
CV花澤〇菜

*3
アイサツが大事って、それ忍界でも一番言われているから

*4
CV水〇かおり

*5
CV細谷〇正

*6
目標値15でクリア

*7
戦士レベル4 薙ぎ払い持ち

*8
目標値は11+1

*9
目標値は11+2

*10
目標値は11+1

*11
兎人戦士君は解毒薬を1個、買っているようね

*12
学費とかお高いのかしらね? 

*13
普段圃人は素足で生活をするんだけど、今回の依頼ではちゃんとなれない靴を履いて探索をしているようね。素足で汚物ロードを歩く圃人はいなかったわ。とりあえずよかったわね。

*14
壺にためたうんこを穴に流し込むイメージ

*15
まさか便所直結? 

*16
12

*17
ちょうどトイレ掃除の時間なのでちょいちょいうんこ降ってくるのだ。

*18
奇数:小便 偶数:大便 6:下痢

*19
そういえばエルフって昆虫食だったわね……ないわー。

*20
ゴキブリの接近に気づけるかどうか

*21
:知力集中+魔術師レベル+博識技能

*22
スリングスタッフ

*23
先制値7だったので因果点を行使し2d6+2+1で再判定し先制値11、因果点が6に上昇

*24
因果点7

*25
時期的に裸の少女前に犠牲者がいたようね

*26
一人当たり5枚




圃人白魔導士
https://trpgsession.click/character-detail.php?c=164000489573bdAmDV8eHMYcDA6&s=bdAmDV8eHMYcDA6
乙女銃士
https://trpgsession.click/character-detail.php?c=164661973123bdAmDV8eHMYcDA6&s=bdAmDV8eHMYcDA6
兎人戦士
https://trpgsession.click/character-detail.php?c=164695325768bdAmDV8eHMYcDA6&s=bdAmDV8eHMYcDA6


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疾走剣客5-村娘と小鬼-疾走剣客の場合


 前回までで累計20+4+8+1+3=36体の小鬼を倒した疾走剣客君(ゲイ君)
 精霊さんをパシッてゴブリンを虐殺するのが楽しくなってきたみたいで何よりね。
 という事で今回は諸先輩方が行ってこなかったゴブリン穴のソロチャレンジをしてみようと思うわ。
 この子まだ、ゲーム時間内で1週間たったか経ってないか位なのにかなりガンギマリしているようね。
 それじゃァ、本編を口寄せの術。
 


 下水道の冒険を終えた後、気晴らしにゲイ君は薬草採取の依頼を受けたわ。自然豊かな野原にて行ったクエストで気分はすっかり風遁・花散舞*1って感じね。

 しかも冒険の最中に巨大な猛牛が現れたんだけど、その牛をバーベキューにしてみんなで美味しく食べてしまったわ。ゲイ君はなんてパリピなのかしら。

 というわけで薬草採取の依頼をエドテンした後、冒険者になって初めて一週間の休養と労働をしてみたわ。ゲイ君ったら歌の才能があるのね、所持金が銀貨101枚に増えたわ。ついでに原作冒険者のみんなと仲良く(コミュ)したわ。

青年剣士一党に、少年戦士と見習い聖女、重戦士の一党といった方々よ。

 

 青年剣士一党はこれから湖畔の街へ長期出張の依頼を受けに行くみたいよ。女魔術師と魔法剣士君はわけあって一時離脱してしまったけれど代わりに森人の疾走狂戦士*2と鉱人の盾戦士と魔弓使いちゃん*3が新しく一党に加わって弱点がなくなりつつあるわ。あの冒険で一皮むけたって感じかしら。

 

 魔法剣士君と女魔術師ちゃんは青年剣士一党から離れ、銀等級第四位「ならず者を殺す者(ローグハンター)*4」の一党に加わって師事を受けているらしいわ。二人とも、最初の冒険で斥候役がいなかった点をかなり重く見ていたらしく合流してからはすっかり意気投合したみたい。女魔術師ちゃんの身のこなしがかなり良くなってて驚いたわね。

 

 女神官ちゃんは青年剣士一党の他にも銀等級第三位の小鬼殺し氏と行動を共にすることが多くなったみたい。青年剣士一党のみんなもたまに行動を共にしているんですって。いくつか野伏の心得を教えてもらっているみたいよ?だから投石紐を装備しているのね。

 

 少年戦士と見習い聖女はもうちょっとで一皮むけそうな感じなのよね頑張ってほしいわぁ。

 やっぱり二人きりで冒険となると色々厳しいものがあるみたい。槍使い一党やローグハンター 一党のように上手くいくとは限らないわよねぇ。

 よく周りを見れば下水道に潜る一党は何人かいるみたいだから一緒に誘ってみたらどうか提案しといたわ。

 

 重戦士一党とは、酒場で辻歌手をしていたらちょうど知り合ったのその中の女騎士に気に入られて彼らの訓練に飛び入りで参加させてもらうことができたわ。女騎士や森人軽戦士に体捌きや体術のキレ、身のこなしの軽さを褒められて重戦士からは「少年斥候にゲイ君の爪の垢を煎じて飲ませたい」とまで言われたわ!(アラヤダ! BLフラグかしらん?)

 

 一週間の労働はタイム的にはまず味でしょうけれど、RTAとエンジョイを両立させたいし急いては事を仕損ずるって言うものねぇ。いずれ彼らともまた冒険するかもしれないわね。

 


 名前:【 ゲイン 】

 種族:【 クルースニクの圃人 】

 性別:【 男 】年齢:【 30 】

 経歴:【 無頼 / 箱入 / 部下 】

 身体的特徴:【 人参色の長髪 洒落た帽子 】

 

◆冒険者レベル:【 3 】

 職業レベル

【 武闘家:4 】【 知識神官:2 】

【 精霊使い:1 】

 等級:【 黒曜級 】 冒険回数:【 3 】冒険達成数:【 3 】

 経験点:【 0 / 7500 】成長点:【 21 / 50 】


 

 それじゃあレベル上げとスキルアップをするわよ、職業は武闘家と知識神官のレベルを上げて、武技松風*5と奇跡真灯を習得するわね。ついでに錫杖と聖印も買うわ。残金は銀貨1枚よ、技能は発勁と片手剣術を習熟に上昇させ祈祷を習得したわ。これでステータス強化はおしまいね。戦法としてはこうよ、真灯で回避ダイスを安定させながら攻撃を避けまくるわそのあと松風を潜影蛇手して蝶のように舞い、蜂のように刺すが如く敵を鏖殺するつもりよ。それが終わったら冒険に行くわよ。

 

 さて、今回の子鬼退治の依頼はどんな感じかしらっと……(依頼書物色中)

 

 探していたら受付嬢に呼ばれたわね。話を聞くと未帰還の白磁等級一党が受けた小鬼退治の依頼があってそちらに行って欲しいとの事よ。

 

 一緒に行ってくれそうな同期の桜たちはみんな出払っているわね。残念だわ。

 

 受付嬢からは「疾走剣客さんなら大丈夫です!」ですって。遠回しに死んでまえってことなのかしら…………(蛇だけに邪推したくなるわね)。

 まぁ一つ借りって事にして冒険にイクゾー!

 

 という事で今回はクエスト:簡単なゴブリン退治さ!(ソロ・ハードモード)で優勝していく事にするわね。

 

 ゲイ君は依頼を受けたゴブリン退治に向かう為に現場まで移動するわよ。馬車を借りて……(所持金確認)……借りたいところなんだけど、 ここはチャート上の止むに止まれぬ事情から走るわよ!挽回できるのでロスではないわねぇ。

 ちなみに今回のGMはヴォルデモート卿にお願いしているわ。因果点は7点スタートよ。

 

 ヴォルデモート「PCのすむ拠点から歩いて向かう場合、PCは目標値15の「長距離判定(基本161項)」を行うのだ。

 失敗したなら1の消耗を受けるぞ。成功または騎乗や馬車などで移動した場合は消耗しないがな」

 

潜影蛇手!! 達成値17で成功よ。

 

 とりあえず、村まで行って、ちょっとした情報収集(新しい情報は出なかったから割愛)してそのまま洞窟近くまでたどり着いたわ

 

【バトル① 見張りをサボるゴブリン】

 

 ヴォルデモート「PCは情報のあったゴブリンの住む洞窟を発見した。横穴の前には見張りのゴブリンがいるが、勤勉という言葉を知らぬゴブリンがまじめに見張りをするわけあるまい? こいつもまた昼寝をしているぞ。 間抜けには相応の代償を払わせなければなぁ…………(期待のまなざし)不意打ち判定をするのだ、成功すれば省略戦闘にしてやろう。 見張りゴブリンは寝ているので不意打ち判定に−2の修正をする」

 

潜影蛇手!! 達成値達成値の比べ合いで勝利したわ。

 

 ヴォルデモート「良かろう、戦闘を省略してやる。 継戦カウンターを+1するのだ」

 

 

【イベント② 洞窟内は暗い】

 

 ヴォルデモート「見張りのゴブリンを仕留めたPCはそのまま洞窟の中に入って行く。洞窟内は暗く暗視又は明かりなどの準備がないと判定に−3の修正を受けるが、問題はないようだな。 しばらく進むとゴブリンと正面から接敵するぞ。 怪物知識判定と先制判定をするのだ」

〜バトル②開始〜

 敵:?ゴブリン×1 ?ゴブリン×2

 状況:洞窟内。一人で武器を振るうのに問題は無い程度の広さ

 条件 暗闇修正を受けている場合、ゴブリンと第六感の達成値の較べ合いの不意打ち判定を行う。明かりなどによって、−修正を受けていない場合、彼我の距離20mで戦闘開始。

 

 怪物知識判定を潜影蛇手!! ファンブルしてしまったわね。

 続いて先制判定を潜影蛇手!! 先制値は8のようね。

 

 ヴォルデモート「よろしい、疾走剣客は幾度かのゴブリン退治を経て今回の敵もゴブリンであることには気づいたようだ。ただそれ以外の情報は全く分からないがな。 行動順は以下のように決定したぞ、それでは戦闘開始だ。 因果点は7点だぞ」

 

 1ターン目

 疾走剣客:8 ?*6ゴブリン(ボス):6 ?*7ゴブリン①②:10

 

 ゴブリン①、ゴブリン(ボス)に特殊能力「毒を塗る」を使用し疾走剣客に接近。

 ゴブリン②接近して疾走剣客を攻撃するが、回避。

 疾走剣客、ゴブリン②をレイピアで攻撃、武技:松風を発動。命中/威力それぞれ+1強化、打点19-装甲値3で16のダメージ。ゴブリン②死亡。

 ゴブリン(ボス)、ゴブリン①から支援をもらい疾走剣客を攻撃、回避される。

 継戦カウンター+1

 

 2ターン目

 疾走剣客:7 ?*8ゴブリン(ボス):12 ?*9ゴブリン①:7

 ゴブリン(ボス)、ゴブリン①から支援をもらい疾走剣客を攻撃、回避。

 疾走剣客、ゴブリン(ボス)に武技松風を発動させレイピアで攻撃、2度回避しているので命中/威力それぞれ+4強化して命中達成値が26*10、ゴブリン(ボス)の回避は失敗したようだから打点4d6+11のレイピア攻撃がさく裂するわよ!!

 

 喰らいなさぁい!潜影蛇手!!因果点を使用して成功した結果打点は4,5,2,6 (合計:28)でダメージは22のようね。因果点は8点になったけどゴブリン(ボス)を撃破したわ

 

 ゴブリン①、疾走剣客を攻撃するも回避される。

 

 3ターン目

 疾走剣客:7 ?*11ゴブリン①:8

 ?ゴブリン①攻撃するが回避される。

 疾走剣客の攻撃、?ゴブリン①に武技松風を発動させレイピアで攻撃、2度回避しているので命中/威力それぞれ+4強化、命中達成値が26で命中。打点22-装甲値3で19のダメージ。ゴブリン①死亡。

 

 戦闘終了 累計継戦カウンター④、消耗0

 

 今回は疾走剣客君にとって理想的な戦闘が出来たわね。ひたすら攻撃を回避して、松風を使った反撃で一体ずつ確殺していく…………実に剣客らしい戦いだと思いませんか? 猿飛先生ェ?*12

 新しく武技が習得出来たら今度は銀車輪の術でも習得しましょうかねェ…………。

 

【イベント③ 悪臭が吹く】

 

 ヴォルデモート「バトル②を終了後、移動すると奥から風が吹き、悪臭が流れてくる。PCは目標値14の「体力抵抗判定(基本148項)」を行う。失敗すると1の消耗。成功すると問題なく耐えられる」

 

 問題なく成功したわね…………。ただ、そろそろクライマックス戦闘に突入するでしょうから奇跡:真灯を使用したいわね。

 

 ヴォルデモート「よいぞ、俺様が許そう」

 

 奇跡用の呪文行使基本値、2d6+11で潜影蛇手!!成功よ、その結果2d6を使う判定に1d6+4を使えるようになったわ。これでファンブルは無くなったわね

 

 最奥に突入よ!

 

【バトル③ ボス戦:ゴブリンファイターが率いる群】

 

 ヴォルデモート「悪臭に耐えて、洞窟を進むと曲がり角の奥から明かりが射している。 中を窺うと大柄のゴブリンが他のゴブリンを侍らしながら食事をしている。どうやらさらわれた村人と負けた白磁等級冒険者が食われているようであるな。 大柄のゴブリンはどこかから逃げてきたのか鎧は壊れ、足を庇っているようだ。 しかし取り巻きを含めたこの小鬼との戦いはここまでの継戦や消耗で疲れているなら苦戦する強敵だろう! 先に怪物知識判定をするのだ!」

 

 怪物知識判定をした結果、取り巻きのゴブリンたちの情報が分かったわ。

 なんてことはないわね…………私の疾走剣客に死角はないわ!

 落ち延びたゴブリンにとどめを刺してしまうわね。

 

〜バトル③開始〜

敵:(ボス)敗走してきた?ゴブリン(基本575項)×1体*13ホブゴブリン×1体 ヴェノムゴブリン×1体 ゴブリンプリースト×1体

     

状況:天井が崩れ明るい大部屋

条件:ゴブリンファイターは怪我をしており、いくつかの値に修正がかかっている。

 

 ボス戦

 1ターン目

 疾走剣客:8 (ボス)?ゴブリン*14:3 ホブゴブリン:9 ヴェノムゴブリン:8 ゴブリンプリースト:7

 疾走剣客の攻撃でヴェノムゴブリン撃破。

 ゴブプリの聖撃で疾走剣客は11ダメージ

 ホブゴブリンの支援を受けた(ボス)ゴブリンの攻撃を回避 継戦+1と消耗+1

 

 2ターン目

 疾走剣客:9 (ボス)?ゴブリン:7 

 ホブゴブリン:7 ゴブリンプリースト:9

 疾走剣客の攻撃で命中結果向上の因果点使用し成功因果点は9点、ゴブリンプリースト撃破。

 ホブゴブリンの支援を受けた(ボス)ゴブリンの攻撃を回避(2度目) 継戦+1

 

 3ターン目

 疾走剣客:9 (ボス)?ゴブリン:7 ホブゴブリン:7

 疾走剣客は(ボス)ゴブリンの攻撃を回避。

 疾走剣客の攻撃、武技松風を発動させレイピアで攻撃するわ。2度回避しているので命中/威力それぞれ+4強化されているわね。命中して(ボス)ゴブリンに24ダメージ。 継戦+1

 

 4ターン目

 疾走剣客:9 (ボス)?ゴブリン:7 ホブゴブリン:7

 (ボス)ゴブリンの攻撃回避。

 疾走剣客の攻撃、武技松風を発動させレイピアで攻撃するわ。3度回避しているので命中/威力それぞれ+8に強化されているわね。命中して21ダメージ与えて(ボス)ゴブリンを撃破! 継戦+1 消耗+1

 

 5ターン目

 疾走剣客:7 ホブゴブリン:8

 ホブ攻撃回避

 ホブに反撃22ダメージ 継戦+1

 

 6ターン目

 疾走剣客:12 ホブゴブリン:12

 ホブ撃破 継戦+1

 

 戦闘終了ね! ゴブリンプリーストから聖撃を受けた時はどうなる事かと思ったわ。

 

 とりあえず、最初に依頼を受けた白磁冒険者一党(男 女 女)と村娘の死体を発見したわ

 経験点1500点と成長点3点、報酬銀貨45枚 大金棒2本(両方売って銀貨60枚)を獲得したわね。 

 この報酬全部ひとり占めだなんてすごくない!? あっという間に所持金が潤ったわね。

 

 という事で今回のクエストはあっという間に完了ね! お疲れ様でした。 ハイエドテン! 

 

 


 

 冒険は終わったけれど続けて、原作冒険者のみんなと仲良く(コミュ)するの楽しかったからまた冒険外の収入を得るために労働しようと思うわ。今まで説明していなかったからするけど労働判定には『職人』『芸能』『労働』のいずれかの技能が必要よ。また各種技能に設定されている体力、魂魄、技量、知力のいずれかと好きな第二能力値を組み合わせた値に2d6を足して達成値を求めるわ。効力値毎にそれぞれ獲得できる銀貨の枚数が決まっていてさらに収入が得られるって感じね。仕事の種類としては多彩だから選ぶのに迷っちゃうわね。

 

 疾走剣客君は魂魄と反射が高いからアドリブありありの辻オペラをしてもらうわ。前回もみんなに大うけだったから期待できそうね。

 

 《疾走剣客、熱演中………………》

 

 効力値が16で18枚の収入になったわ。案外儲からなかったわね。まぁいいわ切り替えていきましょう(日本代表感)。

 

 疾走剣客君が今日のお昼御飯は何にしようかしらって歩いていたら悲壮な顔つきの新米戦士君と見習い聖女ちゃんが道端に座り込んでいるじゃない。アラヤダ、いったいどうしたのかしら?私に話してみない?

 

 武器を無くして依頼を失敗、おまけに金欠………………\(^o^)/オワタって感じよね。武器を貸してほしいって聞いて回っているけれど成果はないって事なのね。受付嬢から冒険者に相談したら?って言われてゴブリンスレイヤーさんに相談したら棍棒のような鈍器を進められたけどお金*15が足りなかったというわけなのね。

 

 ここで使ってない短剣を貸すのは簡単だけど、それだと意味がない気がするわね。とりあえず一緒に武器屋へ行ってみましょうか。

 

 新米戦士君と色々相談した結果、所持金の端数と労働で得た全額、短剣の売却額の合計27枚の銀貨を渡してあげたわ。新米戦士君は全額はたいてヘビーメイスを購入。下水道探索へと乗り出したわ。魔女さんから物探しの蠟燭も貰っているらしいから、剣も見つかるかもしれないわね。私も一緒に卍型投げナイフを買ってみたわ。所持金が銀貨60枚になったわね。

 

 という事で今回の動画はこれにておしまい、お疲れさまでした。 ハイッエドテン!

 

 

*1
これは花吹雪をまとわせた竜巻で敵の目をくらまし、吹き飛ばす術よ。 つまりばっちいクエストばっかりで溜まったストレスがスッキリ吹き飛んだってことね

*2
二次小説「ゴブリンスレイヤーRTA 狂戦士チャート」(花咲爺氏作)より許可を頂き出典。

*3
ゴブリンスレイヤーtrpgのP137より出典

*4
恋人である銀髪の女武闘家とコンビで主に悪党退治の依頼ばかり受けている凄腕の冒険者。騎士の服装に頭巾を目深にかぶった只人の男性。 二次小説「SLAYER'S CREED」(EGO氏作)より許可を頂き出典。アサシンクリードとゴブリンスレイやーが合体した良作

*5
重戦士一党と訓練した時に習得出来るようになったわ

*6
ホブ

*7
ヴェノム

*8
ホブ

*9
ヴェノム

*10
出目10

*11
ヴェノム

*12
ヌオッ!?

*13
装甲値、回避、命中−2

*14
ファイター

*15
ちなみに所持金は銀貨3枚らしいわよ







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疾走剣客裏3 ー下水道の魔術師ー

 幕間:レベルアップ、精神と時の領域にて優勝神との会合、繊維と琴線、語られざる修練(明晰夢)

 

 「あら? 案外来るのが遅かったじゃない……。 時間には正確であれと御父上に厳しく躾けられていたのではなくて?」

 

 目が覚めると妙に聞き覚えのある声の人物が俺の目の前に立っていた。 ネギトロめいたおどろおどろしい見知らぬ場所に見知らぬ人物と共に二人して立っている。

 

 ああ、そうか

 

 「あんたが、俺に託宣を送ってきていたのかい」 

 

 「ご名答。 先入観のない直感が鋭くて幸いしたわ。 説明したところで理解してもらえるか不安だったからねェ」

 

 「こんなところに俺を呼び出して一体何の用だ」

 

 「一つご教示してあげたいと思うの、貴方の今日の活躍を見る限り遠からずして私の優勝がご破産してしまいそうだからねェ」

 

 「へぇ、そりゃあありがたいね? 一体、報酬に何を支払えばいいのかな」

 

 「貴方の貴方だけの強く疾き冒険譚()を求めるわ」

 

 「それは期待していてほしいな!」

 

 「よろしい! では貴方の光明(スパーク)にして貴方の真灯、貴方だけの風車たるこの優勝神大蛇丸(オロティマー)が一手指南して差し上げましょう」

 

 


 

 潜影蛇手! 潜影多蛇手!!

 

 左右の袖口から放たれる大蛇と多頭蛇の突撃を辛くも躱し続ける。 蛇たちの突撃を有機的な効率の良い攻撃に昇華させている。

 

 左から放たれる多頭蛇の突撃はバラバラな放射状に広がり移動の自由と回避の余裕を削っていく。

 

 狙いすました右の大蛇の突撃が疾走剣客を的確に追い詰めていく。

 

 「接近しながらでもしっかりと回避できているようね………………いいじゃない」

 

 疾走剣客に喋る余裕はなかった。

 

 わずかに垣間見えた間隙を縫って大蛇丸に駆け寄ると平素の疾走剣客では思いもよらないめちゃくちゃな態勢から意外な威力の一撃を放った。

 

 「あら予想より早く『猿の如く』の技能を体得できたようね………………という事で今回のお稽古は是にてお終い。 お疲れさまでした、ハイエドテン!」

 

 目が覚めると止まっていた宿の寝台の上であった。 壮快な目覚めであった。

 

 


 

 幕間:新たな冒険、新たな誼、新たな仲間

 

 疾走剣客は身支度を整え、ギルドに向かった。ギルドに入って早々受付ブースから呼び出しを受ける。

 

「最近は冒険者としても少し慣れてきたみたいだね?」

 

 声の主は疾走剣客の冒険者加入手続きをしてくれた監督官であった。

 

「まぁ、おかげさまでね。 日々是精進って感じだな」

 

「冒険者なりたての白磁だったころと比べると顔つきが変わったように見えるよ?」

 

「そりゃどうも、お嬢さん(バンビーナ)」 

 

 少し世間話を続けた後、咳払いをして監督官は真面目な口調で告げた。

 

 

「ギルドから貴方の昇格試験を用意しました」

 

『アラヤダ! 昇格試験ですって! ヤダー!!』

 

嗚呼、今日も頭の中がやかましい。

 

 

「依頼内容は行方不明者2名の捜索です。 あなたの他にも受験者が3人いるので協力して依頼を達成してください、この依頼を達成できれば黒曜と認めます」

 

「なるほどね、行方不明者の捜索か」

 

「どうですか? 受けますか?」

 

 

 

「勿論、受注するよ。 今回の僕の仲間について教えてくれないかな?」

 


 

 色々取り込んでいて手が離せないとの事で、監督官に簡素な待合室兼応接間へ案内された。メンバーもそこで合流するように取り計らってくれるのだとか。

 

 取り敢えず部屋にあった水さじと木のコップから水を飲んで待っていると、ノックが鳴り「どうぞ」と答えると真っ白な僧衣に身を包んだ圃人の少女がやって来た。

 

 彼女が一緒に冒険する仲間の一人なのだろう。

 

「ほっ、圃人白魔導士……さっき依頼人に付き添って今回の行方不明者捜索依頼を出した白磁等級冒険者です。 この依頼が私たちの黒曜等級の昇格試験になると聞いてここに来ました。 えっと、ここで合っていますか」

 

「うん、合っているよ。 僕は疾走剣客。 武闘家の技術で突剣を振るう剣士さ。 同じ圃人の冒険者と知り合えるなんて嬉しいよ。 仲良くしてね」

 

 

『アラヤダ! カワイイ! ヤダー!!』

 

 頭の中で黄色い歓声が上がっている。正直もう少し音量を下げてほしいところだ。 あと彼女と圃人街などの世間話している間。 勝手にホッコリしないでほしい。ちょっとイラっとする。

 

 

 圃人白魔導士ちゃんは太陽神に仕える女神官で、太陽神の奇跡を扱うだけでなく精霊術師としての修行も修めているそうだ。

 精霊術としては鎌鼬や酩酊、命水といった幅広い術を扱う事が出来る上に呪文の使用可能回数も4回とかなりの回数使えるので冒険する時にかなり頼りになる万能術師である。

 人となりも力量に負けず劣らず素晴らしくとても好感が持てる。 徳のある女神官なのだろう。 

 話題がお互いがした冒険についてに変わると、実はお互い小鬼退治をしていたことが判明したのだが………………。

 

 

 

 「一緒に冒険をした、眼帯を付けた只人の狩人のお兄さんがもうとってもとってもハンサムでイケメンで男前で素敵だったんですよぉ!」

 

 

 

 なぜかその時に冒険した男性冒険者への色恋話(コイバナ)にいつの間にか変わっていた………………。

 

 『どうしてこうなったんだろうね………………』 『あらやだ、ワタシと仲良くなれそうじゃなぁい?』

 

 

 彼女の話を要約すると眼帯を付けた筋肉ムキムキマッチョマンの只人狩人に優しくお兄ちゃんっぽくエスコートしてもらって「お兄ちゃん……トゥンク…………」と一目惚れしてしまったとの事

 

 『只人狩人系お兄ちゃん型ムキムキマッチョ色男………………乙女ゲー的に有り寄りの有りのアリ・オリ・ハベリ・イマソガリって感じね』

 

 うるせーよ。

 

 

 「お兄さん、マッチョでがっしりとした体つきなんですけど、只人だからすらっと背が高くてドワーフみたいなガチムチ樽マッチョとかとは大違いなんです! いや、マッチョなのは事実ですけど上背もすらっとしたシルエットで逆三角形だから最強の色男に見えるんです! しかも狩人さんとか戦士さんたちの服って結構肌にぴっちりしてるじゃないですかぁ…………。 もうね肩幅とか、広くて分厚くてしっかりしてて、肩にも肉団子みたいな筋肉がしっかりついてるし、腕も筋肉すごいし、力こぶとか骨付きのお肉みたいだし、弓を引くときに大きな背中がギュイ! ってするんですよ!! ギュイって! わたし、お兄ちゃんの兎さん*1になりたい!」

 

 

 圃人白魔導士は疾走剣客を置いてきぼりで一人独演会の構えである。 疾走剣客には彼女の話す内容がえげつなかったのだ………………。

 

 「わたしこの前、訓練中のお兄さんを見かけて命水で作ったお水を上げたんですよ。 汗でドロドロだったから今度から手ぬぐいも持って行こうと思うんですよね。 えっ? 『命水で濡らした手拭いで汗かいた場所拭いてあげればいいじゃん』ですって? やだ! そんなはしたなくて恥ずかしい事出来るわけないじゃないですかぁ! 確かに、一石二鳥ですけど………………。」

 

 『誰に話してるんだ、誰に』疾走剣客は思った。

 

 

 「まぁ、そんなに優しい伊達男ならそこら辺気にしないとは思うけどね………………*2

 

 「そうですかね?」

 

 圃人白魔導士と話をしていたら、クラシカルな衣装とコルセットを身に纏った妙齢の女森人がやってきた。 その体つきは実に豊満であった。 

 

 

 「あなたが、一緒に昇格依頼を受ける冒険者? 圃人の女神官に、圃人の剣士ね……まぁとりあえずよろしく」

 

 なるほど、故郷の手下が言っていた森人森人している森人とはこの女性のような人物を示すのか。 気位が高くて、内心ではあまりいけ好かないけれどまぁ致し方がない。俺の好みではないがよろしくやっていこう。 

 

 森人のお嬢様が使う武器といえば弩弓と相場が決まっているが、彼女は投矢銃(ダートガン)を扱うらしい、密偵気取りなのだろう。 使う武器は人それぞれだから放っておくとして問題なのは防具を何もつけてないところだ。 

 さっきまで「お兄ちゃん」にお熱だった圃人白魔導士と顔を見合わせる。

 

 その様子が癪に障ったのかぶっきらぼうに自己紹介をする。

 

 「私は、乙女銃士。 武器は投石紐と投矢銃を使う。 今まで誰かと一緒に冒険した事はないけれど小鬼退治の依頼を一人でこなしたわ。 下水道の冒険は不潔で臭いから不本意だけど昇格試験だから仕方ないわね」

 

 

 多少ぎこちないけれど、会話をしている。 初めての冒険の内容を聞くとどうも乙女銃士は初めての冒険が小鬼退治だったらしい。 本当にソロで潜ったらしい。

 かなりの無茶をしているけれど生きて帰ってきている辺り実力は確かなのだろう。 大小鬼(ホブゴブリン)と戦ってそいつの分捕った武器を売って、報酬はほぼ全て投矢と矢筒の帯に替えたのだとか、専業の野伏で等級にしてはなかなかの腕前(レベル4)のようだ。

 

 「あの平服以外着ていらっしゃらない様ですけれど、鎧とかは使わないんですか?」

 

 防具を装備していないことに白魔導士が質問する。

 

 「一人で小鬼の巣を皆殺しにした野伏に鎧なんか別に必要ないでしょ?」

 

 

 個性豊かな(クセがすごい)仲間たちと今回冒険する事になって疾走剣客は別の面で不安になっていた。 

 

 正直乙女銃士が来てから少し気まずい。

 

 そんな中、三人目の冒険者が現れた。

 

 

 

 「一緒に黒曜等級の昇格試験を受ける冒険者ってのはあんたらか? 兎人戦士だ。 よろしく頼む」

 

 

 

 


 

 

 

 一般論として、兎人の戦士とは大多数がこのような風体である。

 

 『小柄で、片手武器と盾と鎧を装備した兎耳の愛らしい軽装戦士』

 

 

 

 兎人戦士、名をヨシマサと名乗るこの男は違った。

 

 

 彼は身の丈六尺の偉丈夫で熊人の大男が使うような黒光りする大斧を担いだ筋骨隆々、屈強な丈夫であった。

 なるほど一般的な兎人戦士とはかけ離れてはいるものの彼の武威や屈強な体躯と巨大な得物は獣人の戦士として確固たる存在価値を示しているであろう。

 信じがたいことに彼が兎人である証拠になる長い兎耳は ――彼の男前な強面に致命的に似合わなかったけれど―― しっかりと生えていた。

 目を白黒している疾走剣客達を前に兎人戦士は男前の強面を顰めっ面にして近寄りがたい雰囲気を放っていた。

 なるほど確かに毎度毎度、一党を組む度にこのようなリアクションを取られていたら不愉快にもなるだろう。

 

 

だが……そのいかがわしいを通り越して淫奔な領域にまで昇華されてしまったその格好については理解が追い付かないぞ! 疾走剣客心の叫び③

 

 

『疾走剣客さん! 兎人戦士さんのあの格好は多分、故郷の装束なんですよ! 背負っている大斧と相まってとっても強そうですね』

 

 あわてた口調で圃人白魔導士が耳打ちする。

 

 なるほどそういう事か、気が付かなかった。であるならば本当に難儀な青年と言えよう。 

 

 

 

「兎人の戦士? 確かに熊人とか虎人以上の体格してるわね。 随分露出の激しい鎧装束を着ているけれど、貴方の部族の衣装なのかしら?」

 

 

 

 乙女銃士の質問に虚を突かれた様子で兎人戦士は答える。

「ああ、よく分かったな。 自力でこの格好の意味に一発で気づいたのはあんたらが初めてだ。 ここの奴らはどいつもこいつも俺を露出狂の変態扱いしやがるからな」

 

「あらあら、大変だったわね。 見る目の無い(ガラス玉の)定命のバカなんかほっとけばいいのよ。 どうせいつかは消えるんだし」

 

 話を聞くに恰好以外は至極普通の純朴な青年で冒険者としてはかなり優秀な戦士のようだ。 乙女銃士曰く「前衛として申し分がないわ」との事。

 

 彼も初めての冒険は小鬼退治だったらしいが今回の依頼を受けるまでに何人もの同期の冒険者に同行を拒否されていたらしい。

 疾走剣客は慣れない土地で世知辛い苦労をした彼に対して色眼鏡で見ていた事を謝罪し、その上で一緒に冒険をしたい旨を兎人戦士に持ち掛けた。兎人戦士は快活な笑顔を浮かべ2つ返事で了承した。

 彼は頸狩り兎人(ヴォ―バル・バニー)の異名を持つ兎人部族の出身らしく一族単位で戦女神を信仰しているらしい。

 彼自身も何れ兎人の神官戦士や突撃戦士(アサルト・ウォリアー)*3になりたいそうだ。

 

 冒険時の陣形から、それぞれの身の上話までたっぷりと語り合っていると、気づけば4人は意気投合しすっかり一党として馴染んでしまった

 

 話が済んだところで監督官が入室してきた。 仕事の詳細な依頼が聞けるのだろう。

 

 

「依頼はこれ」

 

 監督官は、掲示板に貼りだしていないクエスト案内を取り出した。

 

 

 ・依頼内容:魔術学院の地下下水道で行方不明になった男女2名の捜索

 

 ・場所:魔術学院の地下下水道

 

 ・報酬:銀貨15枚

 

 ・備考:(ギルドより)解毒薬、応急手当キットの形態を推奨

 

                              』

 

 「皆もある程度知っているとは思うけれどこの四方世界に広がる大半の街は過去の遺跡の上に立地しているわ。 そしてその遺跡の一部を地下水道として下水道や上水道みたいに別々に分けて利用しているのね。 遺跡といっても規模がまちまちだったりするけれど、多くのまだ経験の浅い冒険者が利用しているお手軽なダンジョンといえるでしょうね」

 

 

 

「下水道に住み着いたモンスターの討伐依頼が冒険ギルドに届くのもよくあることなんだけど、今回は未熟な学生とはいえこの町の魔術学院に所属している魔術師が2名行方不明になっているの。もしかすると何かが潜んでいるのかもしれないわ」

 

『ですってよ、奥さん聞きました? や―ねぇ。』

『うるせーよ』 

 

「詳しい話は学院の先生から聞いてね」

 

 

 

「既に冒険を経験した貴方達ならきっと達成できると信じているからどうか気をつけてね。 この依頼を放棄するとギルドの信頼を失ってしまうので注意するんだよ」

 

 

 

 下水道によくいるモンスターの情報は監督官が教えてくれた。

 

 ・ジャイアントラット p.582 *8

 ・ジャイアントローチ p.585 *9

 ・粘菌 p.583 *10

 

 乙女銃士が怪物についての情報を把握していた。

 

 「これから不潔で汚らわしい場所に行かなきゃいけないと思うと気乗りがしないわね」

 

 監督官が、手当道具や化膿止め軟膏や解毒薬が必要だと言っていたけれどみなお金がすっからかんのみであることは変わらない。疾走剣客と圃人白魔導士が神官で解毒の奇跡と治癒の奇跡、解毒薬を持っている事で監督官には納得してもらいは何も買わずに出発する事にした。

 

 

 

 

 事件が起きた魔術学院はこの街の外周部にある。この辺境の街のようにありふれた地方都市といった見た目の町にもこのような教育機関が存在することが、疾走剣客には新鮮であった。

 故郷は現在進行形で経済発展と町の規模が拡大していっている状態なのでまだ魔術学院は存在しない。きっと臨海にある故郷の庄にもいずれこのような教育機関が設立されるのであろう。その頃には自分は高名な冒険者として吟遊詩人に歌われるような冒険譚を多数引っ提げ故郷に凱旋するのだろう。疾走剣客は自身の将来が楽しみであった。

 

 「こういう魔術学院を色んな町に建てているのは一体どんな人間なんだろうな?

町に住んでいる人の教育に力を入れるために王国が頑張っているのか? それとも魔術師のギルドみたいな組合が金を出して経営して沢山の学校を開いているのかな?」

 移動中の雑談として疾走剣客が気になった事を話す。

 

 その疑問は圃人白魔導士が教えてくれた。

 「王都にある『賢者の学院』以外の魔術学院は魔術師ギルドが経営している私塾予備校みたいな感じなんですよ。 一般的な魔術師や精霊使いはここに通うか、実家で親とかから学ぶかのどちらかなんです。ちなみに私は実家で親から基本的なところは教わりました。 とはいえ私もたまに親の伝手でここに通う事もあったので今回の依頼人とは知り合いで手続きの手伝いをしたんです。 今回の依頼人、私の術師先輩である圃人魔導士*4さんはここの学校を卒業後、魔術師ギルド直営の学校に進学したらしいですよ。 今はこちらで教鞭をとっているんです。 冒険者になりたいんですって」

 

 今回の依頼は白魔導士さんの先輩、圃人魔導士先生の担当クラスから何人かの生徒が行方不明になってしまったということで白魔導士ちゃんの手を借りて先生がギルドに依頼したそうだ。生徒さんを何とかして見つけ出しておきたい。

 

 圃人魔導士先生と街中で落ち合った疾走剣客達はそのまま先生の案内で魔術学院に移動する。

 街の外周部に存在する、高い塀で囲まれた一画が魔術学院だ。魔術学院はいくつかの校舎と学生寮で構成されていた。

 行方不明になった学生をはじめとした、学生達の居室は学生寮にあるようだった。

 

 一党は圃人先生の説明を聞いた。

「二人がいなくなったのは昨日の夕方なんだよ」

「行方不明になった生徒が食事の時間に現れなかったので蜂の巣をつついたような騒ぎになった、当該生徒が下水道を探索するんだと言って昨日の昼頃に下水道へ入っていった事を当該生徒の友人の一人が教えてくれたんだけどね」

「勿論僕たち先生方はすぐにでも探しに行きたかったのだけど、下水道にはモンスターが住み着いていることが多く、魔術師だけで乗り込んでもまた犠牲が増えるかもしれないという圃人白魔導士さんの意見から判断して、ギルドに依頼したんだ」

 

「先生も大変ねぇ。 まっ心配かもしれないけれど、すぐ見つけ出して戻るから待っていることね」

 乙女銃士が一党を代表して感想を述べた。

 

 圃人魔導士先生から乙女銃士が地下下水道の地図をもらった。 早く依頼を済ませてしまおう。

 

 


 

 ■下水道

 

 学生寮の近くに物々しい扉のついた地下へと続く階段があった。扉の鍵は錆び付いて壊れてしまっているから誰でも簡単に外すことができるだろう。

 扉を開けると臭気と共に湿った薄暗い階段を下りていくことになるわ。燭台はあるが何もかかっていないため、暗視技能等があれば別だけど、灯りが無ければほぼ何も見えない。

 

 肥溜めのような臭気の中を進んでいくわ。気を抜くと吐いてしまいそうだ。

 酸っぱいものをこらえて……疾走剣客ゲイ君と圃人白魔導士は何とか探索を進めているが乙女銃士と兎人戦士はかなり辛そうだ。種族的に五感の感覚が鋭い分とても苦しいのだろう。

 

 「だから嫌だったのよ下水道は!」乙女銃士がぶー垂れる。

 

 「鼻が………………もげそうだ……グプッ」

 

 

 階段は学生寮の下へ向かう形で進んでいく、途中で一度、誰かの頭に階段の裏から水滴が落ちてきた。

 ただ、その水は少なくとも黒ずんではいないが、透明であったか茶色に濁っていたかは圃人白魔導士ちゃんが持つ松明の灯りだけでは判断できなかった。皆が今日は風呂に入ってしっかり衣服を選択する事を心に決めた瞬間であった。

 

 階段を降りきると、切り口が2m四方の通路が奥まで続いている。松明の明かりでは奥まで見通すことができなかった。

 二人か三人までなら横に並ぶことができるだろう、また天井は低いから通常の身長であればぶつからないけど余裕はほとんどない。 幸いなことに兎人戦士は長い兎耳を折りたたむ事で問題がなかった。

 地面には黒ずんだ泥のようなものがこびりついていて、水がその隙間に溜まっていた。

 

 

 皆が注意深く探索する事で地面の泥の中によく見ると、二人分の足跡が奥まで続いていることが分かった。足跡を追って先へ進んでいく。

 

 「天井にところどころ穴ぼこが空いているけどあれは何かしら?」 

 

 乙女銃士が穴を調べるらしい、やめとけと言うのはもう遅かった。

 

 乙女銃士の目の前に小便が降ってきた。乙女銃士はひどい表情をしていたけれど、汚物まみれにならなかっただけ不幸中の幸いだった。

 そしてトイレ掃除の時間に合わせてゴキブリがやってくるらしい。

 

 エルフ語の典雅な罵声が聞こえる………………そっとしておこう。

 

 時折、天井に開いた穴からぼとぼとと汚物が落ちてくる。疾走剣客達は地面や壁についた黒い泥が何からできているのか、嫌でも分かってしまった。疾走剣客は今回、汚れてもいい靴を履いてきた自分を自画自賛したのであった。

 また、足跡は上から落ちてきた汚物に埋もれて分からなくなってしまった。落ちてくる汚物を避けながら、松明の灯りを頼りに奥へと進んでいく。皆落ちてくるうんこに気を取られて探索に集中できなかった。

 

 程なくして天井から汚物の落下と汚物の舗装は止み、そして眼前の通路が崩落により塞がっているのが見えた。どうやら天井が落ちて崩れてしまっているようだ。ただし完全に塞がっている訳ではないから、岩の隙間から奥を覗くことができた。

 

 覗くと、数匹のゴブリンが赤髪の女の子を相手におぞましい行為をしている様子が観察できた。ただ向こうも、瓦礫の隙間から漏れ出た松明の灯りに気づいたのかギィギィと騒ぎ始めている。

 

「どうにかこの瓦礫の山を何とかできないか」険しい表情で兎人戦士が言った

 

「ストーンブラストの呪文で出来た物のようね。 同じストーンブラストの呪文を使えば岩を吹き飛ばし道を開くことができるでしょうけれど、女の子を巻き込む可能性があるわ。 別の手立てを考えなくちゃ」

 

「よし、なら僕の口寄せの術で土の自由精霊を呼んで隧道の術を使わせよう。 みんな少し離れて」

 

 土遁・口寄せの術!!

 

 土の自由精霊を召喚した! 土の自由精霊に隧道の呪文を使わせ一党は中に突入しようとする。

 

 その時、冒険者の背後から黒く平たい物の大群がが静かな羽音を立てて飛来してきた。

 PTの最後列にいる乙女銃士と圃人白魔導士に巨大なゴキブリが襲い掛かってくる。ショッキングな光景だ。 

 松明の灯りを受けて鈍く黒光りする甲殻、平たいが体長は50cmほどもある巨大な虫の怪物、ジャイアントローチの襲撃である。 

 

「唸れ烈風、大気の刃よ! 切り刻め鎌鼬(ウィンドカッター)

 

 あわてずに圃人白魔導士が風の精霊術、妖物を媒介にして行う攻撃魔法を唱えた!

 鎌鼬はジャイアントローチの群れを粉微塵に切り裂いた。噴き出した赤黒い液体が飛散し、辺りに飛び散る。向こう側へ吹き飛ばす感じに発動させたから汚汁(おつゆ)まみれにならず済んだ。

 目にもとまらぬ早業であった。

 

 戦闘後、土の自由精霊がトンネルの術を使ってがれきの壁に通路を作って見せた。

 

 ■左の部屋

 トンネルでできた通路を歩いていくと、天井が今までの通路より高い開けた部屋に出た。

 先ほど岩の隙間から見えていた部屋である。

 裸の女の子が床に転がっている姿も確認できるがゴブリンの姿は見えない。

 冒険者が部屋の中に入ると、部屋の右奥隅に集められた白い骨、奥側中央に裸の少女、左側には服や武器、防具などが乱雑に置かれていた。

 乙女銃士を中心に調査を、白魔導士には救護をお願いした。

 

 ・白い骨

 長さも太さもバラバラのたくさんの骨が集められていた。調べてみるも多種多様な骨が有るが、特に手掛かりはなかった。いったい何の骨だろうか? 

 

 次に左側のアイテム類を調べた。誰が持ち込んだのか、冒険者が身に着けていたであろう装備やアイテムが放り出されていた。

 その中には金属の錠前のついた丈夫そうな旅行鞄が一つある。また、魔術学院の学生服が男用と女用で2着ずつあった。

 丈夫そうな旅行鞄は施錠されているわ。残念ながら一党の中に斥候がいないし、鍵開け道具もないから中身を確認することはできなかった。とりあえず女の子と一緒に一通りの調査を終えたら持ち帰ることにする。

 

 白魔導士が裸の少女の救護を行った。

 詳細な描写はしないが、何かの液体でべっとりしており、話しかけても返事はなかった。

 細いけれど息はしているのでまず治癒の為に命水を唱え手当をする。

 完成した、消耗点と生命力が回復する精霊の力が宿る水を少女にかけると目を覚ました。

 彼女は、小さな声で「殺して」と呟いたきり、黙り込んでしまうわ。まずは治癒の為に命水の水を飲ませた。

 

 そのあと質問をすればぐったりとしたまま力ない声で彼女は答えてくれる。

「ちょっとした冒険のつもりだったの。下水道に潜むモンスターを退治しよう、なんて考えて」

「でも途中でゴブリンに襲われて、必死に逃げていたらこの部屋まで来てしまって」

「彼が……粘菌に溶かされて……私も、ゴブリンに捕まって……ひどいことをされて……」

 このあたりまでしゃべったら言葉が途切れ、すすり泣き始める。かける言葉もなかった。

 

 ちょうど一党からは死角になっていた通路からゴブリンの集団が現れた。

 短剣を持つ者、弓を持つ者、そして一番奥には、先が二股になったところに石を投げるための紐を通した杖*22を持つ小鬼がいた。

 

 

 隧道の効果は切れてしまっており退路は無い。戦わざる負えない。

 

 ゴブリンシャーマンが、その二股の杖を掲げて「ギギッ」と短く声を挙げる。

 その声に応えるように、部屋の天井から冒険者を目掛けて何かが落下してくる。それは粘性の高い液体で、青い色をしていた。

 

 

 死角から降ってきた人間大の粘液を乙女銃士、女神官、疾走剣客はよけきって見せる。が、察知に失敗した兎人戦士は頭の上から上半身ぐらいまでを裸の少女と共にその青い粘液粘菌に覆われてしまった。

 

 一党の前衛が要救助者と共に無力化されたことで浮足立つ白磁冒険者達。しかし戦況はもっと混沌とする。

 

 追いつめられた冒険者達を笑うようにゴブリンシャーマンが「ゲヒッゲヒッ」と声を挙げるが、

 不意に入り口左手の壁の岩が弾け飛び、モブのゴブリン達数匹を巻き込んで崩落した通路の方へと飛んでいく。

 冒険者には運よく当たらなかったが、巻き込まれたゴブリン達の多くは物言わぬ肉片となって通路に転がっていった。

 生き残ったゴブリンも手足が欠けて通路周辺の床をのたうち回っている。

 

 岩の飛んできた方向に視線を戻すと、先ほど天井から落ちてきた青い粘液と同じような粘液の塊がいたわ。

 ただしその色は青色ではなく血のように鮮やかな朱色をしているわ。

 

 粘菌 p.583 4匹 二列目

 赤粘菌 p.587 1匹 //行方不明の片割れ 最後列

 ゴブリンシャーマン p.576 1匹 最後列

 ゴブリン(短剣)*8、 一列目

 ゴブリン(弓)*8 後列

 ・ゴブリンシャーマンは粘菌を4匹まで統率でき、既に支援をうけている。赤粘菌は統率されず独自に動くようだ。

 幸いなことに、戦闘前に召喚された自由精霊はまだこの場に存在していた。

 

 前列、疾走剣客と兎人戦士、土の自由精霊

 後列、乙女銃士と圃人白魔導士

 

 圃人白魔導士の指揮のもと迎撃準備を整える冒険者たち。

 

 

 冒険者一党と怪物たちの距離やそれぞれの仲間との距離の間隔は4m開いていた。 

 

 戦闘がはじまった。 

「ゴブリン、粘菌、ゴブリンアーチャー! 赤粘菌、ゴブリンシャーマンです! 乙女銃士さん、赤粘菌に攻撃をお願いします!」怪物判定にすべて成功した圃人白魔導士ちゃんが叫ぶ。

 

「オッケー! まっかせなさい!」

 

 初手、乙女銃士の後込滑腔式投矢銃による射撃、乙女銃士の正確無比な鋭い射撃が赤粘菌の核を傷つけた。赤粘菌は半ば形状崩壊しているようだ。

 

「続けていきます! 唸れ烈風、大気の刃よ! 切り刻め鎌鼬(ウィンドカッター)!」 

 

 次、圃人白魔導士が触媒に上質な鎌鼬の触媒、イタチの尾を使って精霊術:鎌鼬をゴブリン弓に向けての詠唱した。 鎌鼬の触媒、上質なイタチの尾が虚空に解けて消える。 

 するとたちまち猛烈な旋風が刃となってゴブリン弓のいる場所を中心に炸裂し、妖物の権能で生み出された鋭利で強力な風刃がゴブリン弓、粘菌、ゴブリンシャーマン、赤粘菌に襲い掛かる。 

 粉砕剣カシナードが如き旋風はゴブリン弓を一掃し半ば形状崩壊しかけていた赤粘菌を仕留めたのであった。それ以外のゴブリンシャーマンも深手を負い、粘菌も半ば形状崩壊を起こしていた。

 

 強烈な攻撃にさらされながら、ゴブリンシャーマンも必死の反撃を行う。

 鎌鼬で切り刻まれたゴブリンシャーマンは恨みのこもったまなざしで圃人白魔導士を見つめ火矢を放つ。

 勢いよく自分の元へ飛んでくる火矢を圃人白魔導士は何とか解呪し威力を減衰させる。しかしかなりの火傷を負ってしまった。

 

 兎人戦士は少女と共に粘菌から脱出する。

「悪い! しくじっちまった!」

 

「大丈夫、問題ないわ」

 

「いけ、自由精霊! 土遁・石弾の術!」

 

 土の自由精霊が精霊術:石弾で粘菌とゴブリンを一掃する。

 ゴブリンは石弾の弾幕で全滅、粘菌も全滅した。

 

 最後は疾走剣客がゴブリンシャーマンにとどめを刺す。 

 疾走剣客が鉄砲玉のように勢いよく飛び出したかと思うと

「でやぁぁぁ!」

 猿叫を上げレイピアでゴブリンシャーマンを突き出した。レイピアは顎から頭を貫き抜く致命傷を与えた。

 

 戦闘は終了した。

 圃人白魔導士は命水の水を飲み傷を癒し、小鬼たちが出てきた部屋を調べる事にする。

 

 ■右の部屋

 通路の先は少し開けた空間になっている。左の部屋と同じ感じのレイアウトになっていた。

 ただし唯一異なっているのが部屋の奥に祭壇らしきものだ。

 

「さて、こっちも調べるわよ」

 

 野伏である乙女銃士は探索でも本当に優秀だ。 ある程度の距離さえあれば戦闘すらも一人で十二分にこなせるのであろう。

 祭壇を調べると祭壇の下に穴が掘られていて、子供のゴブリンが3匹いた。 ゴブリンは怯えた様子で震えており命乞いをしている。

 問答無用で手早く始末したあと少女を連れて脱出する事になった。が、土の自由精霊がいなくなってしまった為兎人戦士が手作業で瓦礫をどかさざる負えなくなった。

 

「今回、いいとこ無しだったからこのくらい気にするな」と本人は言っていた。

 

 ■エンディング

 冒険者一党は兎人戦士が裸の少女を背負い、通路を引き返していく。

 時折落下する汚物にこの哀れな少女が当たってしまい、彼女は小さくうめき声をあげた。

 階段を上り、ようやく外にたどり着いたころには、もう夜になっていた。

 

 冒険者は少女を学生寮に送り届けた。依頼人は冒険者たちの発するひどい臭いに顔をしかめながらも、

 丁寧にお礼を言って少女を引き取った。

 偶然通りかかった学生は、ひどい臭いと少女の悲惨な様子を見て耐えきれず嘔吐した。

 もう遅いし、体を洗った方がいいだろうから、いくつかある空き部屋に泊まっていってはどうかと教員に提案される。

 一党は宿泊しお風呂で身を清めギルドへの報告を明日にすることにした。

 

 

 帰還後、疾走剣客は兎人戦士と大浴場で一緒になった。やはり彼は本当に屈強な長身で只人の大男や虎人、熊人、狼人にも負けず劣らない見事な体躯をしていた。

 正直、同性からみてもとても雄々しい彼の頭に大きな兎耳(ロップイヤー)が付いているのがいつみても違和感があるがさすがに一度同じ冒険をしてきたからか大分慣れてきたらしい。

 それよりも、

 

『ウホッ! イイ男!! 食べてしまいたいわね!』

 

『アラヤダおいしそうやだー! 圃人白魔導士ちゃん的に兎人戦士君はどうなのかしらん? 気になって眠れないわね』

 

『兎人戦士はそのマッチョなボディと同じく頸狩り兎のように滅茶苦茶、凶悪な代物を持っているのね………………お嫁さんは大変だわ』

 

 等とオロティマが煩悩全開の戯言をワーワーと叫んでくるのが本当に苦痛だった。

 百面相していたせいか兎人戦士にも気を遣われ、誤解を解くために事情を話して顔を青くさせたことは正直、本当にすまなかったと思っている。

 

 「疾走剣客」と兎人戦士に呼ばれたので振り向くと、

 

「お前も胡散臭い男好きの神様に目をつけられて難儀だなぁ。 俺のことは別に気にしなくていいから今後ともよろしく頼むな」

 

 オロティマに感謝するのは癪だがこの素朴で気風のいい兎人の男と友達になれてよかったと疾走剣客は思った。

 

 ギルドに報告した結果。

 ・少女の生存

 ・ゴブリンシャーマンの撃破

 の2つの条件を満たしていたから、満場一致で白磁から黒曜へと昇格できたわ。

 

「お疲れ様でした。まさかゴブリンシャーマンまでいるとは思いませんでした」

「救出された少女によると、一緒に入った男の子は、天井から落ちてきた粘菌に捕まってそのまま取り込まれ、赤粘菌になってしまったようです」

「粘菌は知性をもたないモンスターですが、魔術師を取り込んで赤粘菌となった個体は、魔術を使うようになるそうですね」

「ともあれ、ギルドは人命救助とゴブリンシャーマンを討伐した功績を認め、皆さんの黒曜等級昇格を承認しました。おめでとうございます」

 

 報告を終え、報酬の精算に移る。

 ・基本報酬/一人当たり銀貨15枚、旅行鞄に入っていた肖像画をギルドに提出すると、行方不明になっていた人物の遺品として引き取られ、報酬として銀貨20枚がPTに支払われた。

 まぁ解除できなかったため鞄ごと渡したところ、ギルドの鍵屋が開錠しその結果として支払ってもらえた。

 銀貨20枚の収入を得られた。

 

 という事で報酬の分配を適切に行った後一党は解散した。

 

 その後もちょくちょく圃人白魔導士や兎人戦士とは交流を深めている。

 乙女銃士は何回か交流するもすぐに旅立ってしまった。また会えることもあるだろう。

 

 疾走剣客も仲間に負けずに精進を続けていく。

 

 

 

 

 

 

*1
嫁さんじゃないんかい! 喰われる前提なのかい!! by疾走剣客心の叫び①

*2
爆発しろ(ガイギャックス)! リア充め! 疾走剣客心の叫び②

*3
斥候の技を修めた戦士の事、敵の隙を縫って突撃し一網打尽にする戦いをするらしい

*4
ゴブリンスレイヤーtrpg37ページより出典のキャラクター



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疾走剣士6 小鬼山

 流石にゴブスレさん差し置いて、まっとうなtrpgをすることはできなかったよ………………(即落ちtrpg)。

 今回の冒険に参加する鋼鉄級冒険者の簡易キャラシ

 少年剣士 戦士レベル6(5+1)経験点0/10500
 騎士/孤児/婚約者
【 体力点:4 】【 魂魄点:3 】【 技量点:4 】【 知力点:3 】
【 集中度:3 】【 持久度:5 】【 反射度:2 】
 生命力【20/40】移動力【17】呪文抵抗【8】   
 命中【15】回避【10】装甲値【5】
 防御判定【20】防御力【5】成長3/52
 冒険技能 過重行動 投擲 忍耐 騎乗
 猿の如く❷ 武器剣❷ 強打攻撃斬❷ 
 労働 礼儀作法 挑発 長距離移動

 武具 残り2(借金134)円
 頸狩剣45円 ①
 大盾 80円
 小札鎧195円 回避-2移動-4
 解毒薬10円
 
 攻撃スペック
 ①剣攻撃 命中:2d6+15(19)/威力1d6+8

 習得武技
 《 憤激 》 戦士レベル2
 武器:片手剣 両手剣
 条件:無し 技能:片手剣 両手剣
 効果:①受けた消耗点+1命中とダメージ増加  
 ②【武器】技能に等しいダメージボーナス。
 消費:1

《 楯の城 》戦士レベル3
 武器:特になし
 条件:盾装備&保持、敵の命中判定後使用。
 他武技と併用可能。
 技能:
 消費:1(ダメージ決定後1点消耗する事で装甲値を+2d3する。)
 効果:
 盾受け判定値を技量反射から体力持久に変更する
 /追加196P
 【フレーバーテキスト】

《呪文偏向》戦士レベル4
 参照P.S 205
 武器:
 条件:盾装備中
 技能:盾
 効果:呪文攻撃を盾で防御できる
 消費:
【フレーバーテキスト】

《“鶺鴒の尾”》
 参照P.S203、戦士レベル5で習得  
武器:自由
条件:  
技能:  
効果:挑発しつつ攻撃+その敵への命中+2
消費:①

奥義《 斬打印 》
 武器: 重の片手剣 両手剣 格闘武器
 条件:そのラウンドで移動していない
 技能:
 効果:使用者から好きな方向へ10mの直線状にいるすべての対象に使用武器で近接攻撃。命中判定は1度だけその達成値を全ての対象に適応この攻撃では効力値+8 威力+4のボーナスを得る
 消費:消耗2点 1戦闘1回まで

 少年戦士 戦士レベル3+1 斥候レベル3
 騎士/孤児/師匠 経験点1500/10500
【 体力点:3 】【 魂魄点:1 】【 技量点:4 】【 知力点:3 】
【 集中度:3 】【 持久度:4 】【 反射度:3 】
 生命力【23/46】移動力【30-4】
 呪文抵抗【7】命中【13】回避【12】
 装甲【3斬耐性】防御判定【17】防御力【4】
 成長3/55
 冒険技能 過重行動 投擲 忍耐 騎乗 
 料理 頑健 料理職人 長距離移動
 武器槍❷  強打攻撃斬❷ 猿の如く❷

 武具 残り40(100)円
 鯨尾槍30円①
 短槍15円②
 投槍20円③(投げ用)
 胸甲85円
 ベルトポーチ5円 以下中身(すぐに出せる。)
 水薬3点セット❶ 30円
 投槍器5円③ 威力+2命中+1射程+20m

 攻撃スペック
 ①鯨尾槍攻撃 命中:2d6+13(16)/威力2d6+6
 ②短槍攻撃 命中:2d6+13/威力1d6+6
 ③投槍投擲 命中:2d6+12/威力1d3+10 射程40m

 習得武技
 《 一傑の打:槍 》/参照P.S197、戦士レベル2.3で習得
 武器:習得時に指定した武器種
 条件:常時発動型
 技能:特になし
 効果:ダメージ+1もう一度習得で+2
 武器種ごとに別スキル扱い
 消費:特になし
  【フレーバーテキスト】
 物心着いてから一度も槍を持たない日は無かった。両親に教わった宝物は今も彼の中に息づいている。

 《 鏡面 “反らし”》戦士レベル4
 武器:近接武器
 条件:
 技能:【武器:○○】技能分防御判定ボーナス
 効果:盾代わりに防御する重武器で盾受け(4.4)
 消費:1ラウンド1回まで

 《 槍投げ 》斥候レベル2
 武器:槍
 条件:
 技能:武器槍・投擲武器(両技能ボーナス適用)
 効果:投擲不可の槍を投げる騎乗中+2
 対象がアンデッドや魔神であれば効力値+2
 消費:1 ()

 《 時の剣 》 斥候レベル3
 武器: 近接攻撃武器
 条件:
 技能:
 効果:命中時ボスの支援効果無効
 消費:

 少女野伏 野伏5 経験点2500/10500
 下級貴族¥550/孤児/婚約者
【 体力点:2 】【 魂魄点:2 】【 技量点:4 】【 知力点:4 】
【 集中度:3 】【 持久度:5 】【 反射度:3 】
 生命力【17】 移動力【30-4】 
 呪文抵抗【8】命中【15】回避【9】防御【0】
 装甲値【3】成長3/55
 冒険技能 過重行動 投擲 忍耐 
 統率❷ 木工 看護 機先 観察 長距離移動
 応急手当 生体知識 武器弩弓❷ 速射 曲射
 
 武具 残り40(114)円
 短弓+1 &矢20本 +矢筒2 316円 ①
 短剣 10円②
 狩人の衣+1 300円
 ベルトポーチ5円
 化膿止め1 +手当道具5+止血軟膏1 25円
 水薬3点セット 30円
 調理道具5円

 攻撃スペック
 ①弓射撃 命中:2d6+15/威力1d6+1+5+2

 習得武技
 《 一傑の打:弩弓 》/参照P.S197、野伏レベル2.3で習得
 武器:習得時に指定した武器種
 条件:常時発動型
 技能:特になし
 効果:ダメージ+1もう一度習得で+2 武器種ごとに別スキル扱い
 消費:特になし
  【フレーバーテキスト】
 物心着いてから一度も弓を持たない日は無かった。両親に教わったかけがえのない宝物は今も彼女の中に息づいている。

 《 月兎撃ち 》/参照P.S 野伏レベル4で習得
 武器:弩弓(クロスボウ系、抱大筒は不可)
 条件:味方が接敵していると命中ペナが発生。
 技能:速射 曲射
 効果:複数の敵(2体)に攻撃。速射技能併用で更に増加(+1ずつ)味方が近接距離で戦っていると命中ペナルティ(-2 曲射技能で解消可能)
 消費:消耗1 攻撃した、敵の数分の矢
【フレーバーテキスト】

 《紅蓮の鏑矢》野伏レベル5
  武器:弩弓
 条件:遠隔攻撃武器を準備していて発射できる。
 技能:
 効果:味方先制力+1 敵先制力-1 強化で±3に
 消費:5回まで/1戦闘

「兎人戦士」https://trpgsession.click/character-detail.php?c=164228208563bdAmDV8eHMYcDA6&s=bdAmDV8eHMYcDA6

「圃人白魔導士」https://trpgsession.click/character-detail.php?c=164000489573bdAmDV8eHMYcDA6&s=bdAmDV8eHMYcDA6

「豚人術師」https://trpgsession.click/character-detail.php?c=167023786696bdAmDV8eHMYcDA6&s=bdAmDV8eHMYcDA6


 どうも御機嫌よう……大蛇丸よ…………。 最近寒いけれどみんなは体調を崩したりしていないかしら? 毎回この時期になると風邪やインフルエンザのような病気が流行りだして大変よね。 特に最近はまるで狙いすましたかのようにコロナウイルス感染症とインフルエンザがバットでナイスなタイミングで流行りだしているらしくて近所の木の葉病院で働いている綱手がてんてこ舞いになっていたわ。

 ちなみにこれ大蛇ポイントなんだけど空気の乾燥が気になるそこのあなたはニトリに行って卓上加湿器を口寄せしてくることね。これによって私は快適な室内でゲームをプレイしながら音隠れの里長としてお仕事をしているわ……ちなみに具合はいい感じよ…………*1。 

 綱手がうるさいからさっさと本編を始めていくとするわね………………。

 


 

 まず初めに残念なお知らせをしなければならないわ。小鬼殺しクエスト「山砦炎上」小鬼殺し先生ェが山の廃砦ごと大量の火矢で焼き討ちにした挙句女神官ちゃんが聖壁で小鬼を中で屍鬼封尽(みっぺい)したため、シナリオ破綻!小鬼全滅!取れ高0!という素敵コンボが爆誕したわね。

 疾走剣客君がやったことと言えば、火打石で矢に火をつけたり(着火の精霊術覚えてなかったりや着火が使える精霊がいなくてつらかったわね)精霊術で水の自由精霊を呼びだして消火活動をしたりしたわよ。

 

 スネイプGMに今回の案件は疾走剣客君の小鬼討伐数に加算されるのか聞いたところ満面の笑みで一笑に付されたわ。 という事で今回の小鬼殺しクエストはnot! エドテン、not!優勝だったわよ、むしろ大敗北、一回戦敗退とも言うべきかしら………………。

 小鬼討伐数が稼げなかったのは残念だったけれど、とりあえず報酬に経験点1500点と成長点3点がもらえたから良しとしようかしら? とりあえず抜け目なくステータスあっぽよ!

 武闘家のレベルを大台の5に上げて武技で無念無想取得するわ。この武技は武道家もしくは冒険者lvが使える判定でを行った際にサイコロを振った後で使用することができるわ。具体的な数値に直すとすでに出した達成値+自分の魂魄点ボーナスで再判定する感じね。ちなみに他の武技と併用が可能になるの。これを発動する事で当たらなかった攻撃を当てたり、回避できなかった攻撃を回避出来るわね…………。*2

次は冒険者技能、頑健を習得したわ。 いくら物理攻撃を回避できるからと言っても術や奇跡を回避する事はほぼ無理だからねぇ………………。重戦士一党の訓練でしごかれたのも堪えたのでしょうね。私としては疾走剣客君がさらにマッチョになって脱いだらすごい系男子になってくれて大喜びよ………………。

 

 というわけで翌日、今日も今日とて冒険冒険! 今依頼を求めてギルドへ全力疾走している圃人の青年君は鋼鉄等級なりたてのごく一般的な冒険者、強いて違うところを上げるとするならば、ゴブリンスレイヤーtrpgのRTAをしているってところかな? 彼の名前は疾走剣客君…………私の最近のお気にいりの子なの。

 そんなわけで冒険者ギルドにやってきたのだけど中に入ったら受付ブースで受付嬢と依頼人が揉めてるわね。

 

 

 

「私を煩わすからにはよほどの訳があるのでしょうね?」

 

 

 

あらあらあらぁ? 朝っぱらから脳内花畑なあの受付嬢と依頼人がバトってらっしゃるわ。 しかも見るからに上等な衣服*3を着こんだ女性よ、あらあらあの子の先は長くないわね(暗黒微笑)。

 

「あの実業夫人*4、小鬼退治の依頼で白磁から鋼鉄等級までが対象の依頼でならばここまでの高額な報酬は必要ございません。 またこの金額の報酬であれば、本ギルドに所属しております銀等級第三位小鬼を殺す者(ゴブリンスレイヤー)を雇う事も十二分に可能なのですがいかがでしょうか?」

 

「何を言うかと思えば、そのことですか…………無論その件に関しては十分に検討を行いました。 その結果……4つの点から彼には依頼しない事に決めたのですよ。

 1つは費用の問題。 元々産鬼山の存在以外にあの方面の農地開拓・開墾事業は土地に対する投資に見合った利益が取れない事が原因で頓挫しています。 交易が産鬼山のせいで出来ない以上結局得られる利益なぞたかが知れているのですよ。 今回の依頼による出費だって出来るだけ安く済ませたいというのが人情というもの。 そして小鬼討伐の依頼が頻発していた産鬼山といえど所詮、小鬼退治なのです。 私も若い時は冒険者をしていましたからそちらの金銭感覚(・・・・)はしっかりと把握しています。

 次に失敗の危険と不安と達成に必要な労力の問題。もしお前が言ったように未だ産鬼山が巨大な小鬼の巣窟(・・・・・・・・)であるならばいくら銀等級で小鬼退治の専門家だからと言って1人の人間を雑に使いへやって万事解決するとは私には到底思えないですね。 だからとて六人編成の銀等級一党*5を雇うだけの金子を払いたくないのです。 私が思うにあの山の脅威には職人(エキスパート)ではなく大勢の冒険者がとにかく必要なのですよ。 

 3つ目、小鬼殺し殿が請け負ったここ2年の小鬼討伐の事後報告書を全て閲覧しました。 なるほど、確かに彼は小鬼退治の職人ですね。 だがそれ相当に反則的な手段を行っている。 意図的な洞窟の爆破に河川から水を引っ張っての水攻め、意図的な土砂崩れの発生、放火や貴重な転移魔法の巻物を海中に繋げての水攻め――お前は海水に含まれる塩気が農作物の不作を引き起こす事を知っていますか?――彼が小鬼退治に手段を選ばない分、その周辺地域では土砂崩れや山火事、地母神の不興を買う(土壌汚染や土壌変化)などの災害が度々発生している事は私のその地域の依頼を解決した他の冒険者の事後報告書を閲覧した調査で判明しています。

 もし彼に依頼した結果、産鬼山で土砂崩れが発生して旧街道が交易路として完全に使えなくなったらその損害(オトシマエ)はどこがつけてくれるのかしら?

 4つ目、最近のそちらは冒険者の本質を見誤っている。 そもそも冒険者とは死狂いなのです。 竜の巣穴に潜らない冒険者に存在価値なぞ、無いのですよ。 竜の巣穴に潜ったうえで上手く竜を出し抜いて財貨を得るから冒険者なのです。 下級冒険者を都市で飼い殺しにして只の破落戸予備軍にしているのはそちらでしょう? 冒険者は抱えていればそれでいい只の愛玩物じゃあない! 強力な問題解決装置(トラブルバスター)にして安価な労働力なんですよ? 冒険者は使わなくては意味がない! 高い金かけてこんな役所をばら撒く様に造ったのは使う為でしょう? 下級冒険者を飼い殺しにして単なる貧民にしているくらいならとりあえず雑多な依頼を多く回して少しでも下級冒険者に金が回る様にしたほうが建設的でしょう。 

 まぁそれはそれとしてとりあえず今回の依頼に於いて現段階で彼は必要ありません。 何か質問があるかしら?」

 

「いえ、ございません………………」

 

「では最後に一つだけ」

 

 

 

「お前のような、小娘の意見を一体私がいつ聞いたというの? いいから私の意向に従って速やかに手配をしなさい! 宮仕えするしか能のない端女が!」(くそデカブチ切れボイス)

 

 

 

 いきなり、エッグイ修羅場だったわね。面白半分で見ていたけど、ちょっと後悔したわ。

 とりあえず今日の依頼を探しましょ。と思ったら監督官ちゃんに呼ばれてしまったわ。しょうがないからお呼ばれしておきましょう。鋼鉄等級以下の冒険者が揃っていることからさっきのお局……ゲフンゲフン女大商人からの依頼でしょうからね…………。

 

 皆様と疾走剣客君は「一体…………何が始まるんです!?」って感じだと思うので

 み な さ ま の た め に ぃ ~。今回依頼を受けるクエストについて説明することにするわね。

 今回挑戦するクエスト名はズバリ!! 小鬼の山(キンゴリルストルンマー)*6よ!

 このクエストは小鬼殺しのクエストラインを「水の都の小鬼殺し」まで進めておらずまた「牧場防衛戦」が発生していない状態でゴブリンの累計討伐数が40体以上に達していると発生する隠しクエストなのよね…………。見つけた時私も思わず「アイェェ!?」って叫んじゃったわ。 

 どうしてクエスト発生フラグがこんなに面倒臭いのかについては、優勝しながらじっくり話していこうと思うから楽しみにしていくことね。

 

 とりあえず、今回の依頼内容はこちら

 

 依頼目標

 ①交易路上に存在する山「産鬼山」の小鬼群の見敵一掃。

 ②旧交易路の地図の更新(古地図と地図製作用具を支給するので現地にて最新の地図を制作する事)

 

 隣国とのキャラバン交易を復活させるため交易路の途中に存在する

 小さな山「産鬼山」の小鬼の群れを一掃し山を制圧する。

 鋼鉄級以下の複数の一党と多数の冒険者を求める。

 報酬 等級相当の依頼料。

 もし財宝や価値のある物品があれば所有権を認める

 (買取希望の際はブラックブライア商会が正当な値段で行う)

       B.Bホールディングス 総帥メイビン・ブラックブライア』

 

 疾走剣客君は今、指名された冒険者たちと一緒に1番豪華なギルドの応接間で依頼人を待っているわ。

 この依頼で今回指名された冒険者を紹介するわよ

 

 兎人戦士一党(3人 1人病欠) 乙女銃士の代わりに獣人の術師が参加しているようね。顔馴染みのみんなは鋼鉄等級に昇級。新顔の豚人術師は黒曜等級の冒険者みたい。なんだかみんないつの間にか昇級してしまったわね。大斧を振り回しながら突貫する兎人戦士を乙女銃士と圃人白魔導士が支援して戦う一党ね。今回、さらに豚人術師が加入したことで呪文の厚みが増したのだけど、今度は前衛不足で困っているみたい。今回はその穴を埋めるために疾走剣客が臨時の一党メンバーとして参加するみたいね。ちなみに乙女銃士は前回の冒険の後から具合が悪くなってしまって寝込んでいるんですって。この冒険が終わったらお見舞いに行かないといけないわね。少年剣士一党とはその冒険で知り合ったらしいわ。

 

 少年剣士一党(3人フルメンバー)白磁の頃から小鬼殺しを専門に請け負う鋼鉄等級の一党よ! 重装剣士と化した少年剣士が最前線で防御を固め、その間隙を縫って少年戦士の電光石火の槍撃と少女野伏の弓術で戦う一党ね。*7どうも兎人戦士一党とは別の小鬼退治のクエストで力を合わせて戦ったみたいね。ちょっとジェラシー感じちゃうわ。今度詳しく聞いてみないといけないわね。

 

 新参一党(4人組)戦槌の新前戦士、弩を持った新参魔術師、薙刀を持つ見習戦乙女*8と野伏の只人軍曹*9で構成された一党ね。 今回が初めての冒険なのだそうだけど呪文と前後衛が持つ攻撃力のバランスがいい白磁の一党ね。

 

 ”登録したて”の新来一党(4人組)*10只人戦士、弓持ちで野伏の只人斥候、戦女神を信仰する半森人の神官、圃人の女魔術師*11で構成された一党。「登録したて」の異名は彼らが初めて挑戦したクエストが原因でつけられたの。白磁等級ながら思慮深くとんでもない状況下でも機転が利き見事生還を果たしたことから、ギルドも期待している一党ね。

 

 今回の依頼(クエスト)は総勢15名の冒険者が挑戦しなければいけない冒険のようね。

 今までにない仕様だからワクワクするわね。

 

 おっとギルド職員の制服を着たあまり顔を見たことがない男性*12が今回の依頼人女傑大商人にしてB.Bホールディングス総帥のメイビン夫人が来たわ。

 

 「お集まり頂いた冒険者の皆さん、御機嫌よう。 私の名はメイビン・ブラックブライア。 今回皆さんにある地域のある山を根城にしている小鬼を退治するように依頼した者です」

 なんか普通にしゃべっているだけなのに大商人の風格というか(プレッシャー)が皆を圧倒しているわね。

 息を吞む冒険者達を前にメイビン夫人は自嘲気味に苦笑すると

 「別にそこまで恐縮しなくてもよいのですよ? あなた方を取って喰う怪物ではないのですから。 

むしろ私もかつて性奴隷上がりの冒険者として今の貴方達のように東奔西走していたのです。 まぁ、今となってはいい思い出ですね。」

 

 

 

 えー! メイビン夫人あんた元冒険者だったんか! てか性奴隷上がりってまじポン!? うっそだろおい!!(くそデカ仰天ボイス)

 

 

 

 という一幕を挟みつつ、疾走剣客を始めとした総勢15名の冒険者は荷馬車に乗って産鬼山のふもとまでやってきたのであった。

 

 


 ハイここで大蛇ポイント! 荷馬車に揺られる冒険者諸君とみ な さ ま の た め に ぃ ~。 今回の冒険の舞台になる産鬼山の背景事情について簡単にレクチャーするわね………………。

 

 辺境のとある地域に、地元の人間から"産鬼(うぶき)山"(キンゴリルストルンマー)と呼ばれている山があったの。

 

 元々は知識神ゆかりの麓からも見えるような大きな修道院があったありがたい山だったらしいわ。

 でも名も知らぬ貴族(どっかのバカ)が起こした反乱と焼き討ち(バーベキュー)事件以降、そのような逸話は忘れられて久しいわ。

 

 そんな、忘れられた山に今更そんな名前(ドキュンネーム)が付いたのかといえば、そこでは尋常ではない頻度で小鬼の発生が見られたからなの。冒険者ギルドの記録によると最初に産鬼山周辺の小鬼退治の依頼が出てから合計数百件。月に一度のペースで依頼が出ていたんですって。

 

 規模も様々存在し、ごく小規模の場合もあれば複数の冒険者一党を巻き込んだ大規模案件も発生していた、あまりにも小鬼が多く生まれることから、その山を通るような物好きすらいなくなり交易路として有望だった街道は廃れ周辺の人々も遠方へと引っ越し…………名の由来もいつしか忘れられていってしまったそうよ。

 そして今日、山の中には祈りし者が知らぬ間にかつて無い規模の小鬼の群れが生まれてしまっていたわ。理由は簡単、ついに"小鬼の王"が誕生してしまったからよ。

 彼は群れを率いて遠征を繰り返し*13、女を攫って来ては群れの拡大を繰り返していた。 

 

 このまま行けば、そう遠くない内に大規模な群れがついに近隣の都市に向けて進行を開始するだろう。

 と思った矢先、何か通りすがりの凄いのにそれはもうケチョンケチョンに返り討ちにされたわ。私も思わずムービーを見て笑ってしまったわね。

 

 まぁあと三ヶ月もあれば勝てたかも……いや、手傷を与え一矢報いた…………疲れさせることは出来たかもしれないわねぇ………………。

 

 ともあれ王は討たれ、群れの拡大は停滞しましたとさ………………。

 

 そう――まだ群れは消えていなかったのよ。

 

 生き残った小鬼の中で、最も頭の良い呪術師は賢い自分こそが群れを率いるべきだと主張したわ。

 生き残った小鬼の中で、最も力強い戦士は強い自分こそが群れを率いるべきだと主張したわ。

 

 他の小鬼達もどちらに付けば、よりうまい汁を吸えるかを考え、群れは真っ二つに…………日和見も含めて3つ………………4つ……………………群れは総数をそのままに四方八方沢山の小集団に別れたわ。 

 

 あと1月もすればメイビン夫人の見立て通り、群れは雲散霧消に分裂して、山の中には常識的な規模の群れだけになっていたでしょうね。

 何が悪いということではない、ただ単に巡り合わせだけがかなり悪かった。

 事の始まりはにらみ合いを続ける小鬼達の元に、珍しく起きていた見張りから報告が入った事よ。

 提案したのはどちらだったか、あるいは全く別の最近こちらに来た渡りの小鬼(よそもの)かも知れないわね。

 

 「あの獲物を多く捕らえた方が次のボスでいいだろう」

 

 彼らの頭にはとても合理的な提案に思えたようね。

 

 提案をして小鬼戦士と小鬼呪術師を見事言いくるめて見せた知能の高い(・・・・・)渡りの小鬼が手八丁口八丁を用いて、そして曲がりなりにも勢力をかつての規模にまで糾合させて見せた為、その小鬼は小鬼達の統率者に躍り出ました。*14

 

 はてさて、そんな曰く付きの悪名高い山が冒険者ギルドの話題に上ったのには理由があるわ。まぁ冒険者ギルドの受付で発生していたあの修羅場の事なんですけどねぇ~。

 さる富豪にして実業家である大商人ブラックブライア*15が子会社に所属している街間商人のキャラバン隊を使ってこの産鬼山の旧街道を再活用して隣国との交易を復活させようとしていたの。

 そのために悪名高きこの山に今なお潜んでいるであろう小鬼の群れを一掃してかつての実り豊かな交易路を自分の手で取り戻してしまいたいと考え冒険者ギルドに依頼をしたというわけなのね。

 

 『大昔とは言え、小鬼が余りにも多すぎて街道として使われなくなった山ですよ?』

 『確かに最近は大きな被害も聞きませんし、先日も冒険者が無事に通過したそうですが、僕たちのような商人が投資するにはリスクが大きすぎます』

 『同感ダ 小鬼は弱い………………ダガ数多く群れた時の危険度は決して低くない、奴らの縄張りに踏み込むのは相応に危険ダ』

 という社の上層部を一人一人説得しメイビン夫人は今回の依頼を発注したのでした。 交易路復活は彼ら冒険者の双肩にかかっています。

 むしろメイビン夫人としては小遣い程度の金銭で事業の成否を占う試金石として活用しているのかもしれないですね。

 

 

 という事で今回は小鬼殺しクエストラインの隠しクエスト小鬼の山(キンゴリルストルンマー)で優勝していくことにするわね!

 

 なおこのシナリオは「小さな勇者のRPG ウタカゼ」のシナリオ構造をベースにしているわよ。

 

 み な さ ま の た め に ぃ ~。 

 簡単なウタカゼシステムの説明するわね。

 ・イベントマス毎に指定された判定を振る

 (全員で一人成功、全員で全員成功、代表一名、達成値の合計 etc.)

 ・成功したら次のイベントへ進むわよ

 ・失敗したらダメージを受けたり、戦闘になったり、消耗したり、ルートが分岐したりするわそのうえで次のイベントへ進むわ。

 ・最後のイベントにたどり着いたらボス戦が始まるわよ

 

 その性質上、GMがPLを兼任出来るのでやる夫スレ向きのTRPGになっているそうよ本作のような形式でもいい感じなんじゃないかしら?

 

 おっと、疾走剣客君達が荷馬車から降りているわね。 いよいよクエストスタートかしら。

 

  いよいよここからが小鬼を生み出す山の入口なのね。早速山の中入るのはさすがに危険すぎるから、まずは街道沿いを調査していこうかしら?

 今、冒険者たちが持っている地図は産鬼山が街道として使われていた時代の物だからだいぶ昔の地図なのよね。

 まずは地図の更新から行って現在の状態から問題なく交易路として復旧できるかどうかを確認するのは夫人の交易路の復旧という目的に沿うと思うわ。

 何よりイザという時、巣穴が見つからない時や想定以上の群れだった場合に判断を誤らないためにも街道沿いから確認することは重要ね。

 白磁の「新参一党」がちょっと不満そうだったけれど只人軍曹が「帰り道を見失ってから後悔するのは遅い」と諫めてくれたので皆がこの方針で動くことに決まったわね。

 地図役はそれぞれの冒険者の中から一人ずつ出すことになったわ。

 

 


 山道を改造して作られた廃街道を往く冒険者達の目の前に森が差しかかる。小鬼が出るとしたらここ辺りからかしらねぇ?

 

 

   隠れることないわ。 出てらっしゃいな。

 

 

 

 来たわね、1匹……2匹……3匹……4……5……6……7……8……9匹!どんどん数が増えていくわ!

 

 「え、嘘…………幾らなんでも…………」

 

 あと新手も出現してきたわね! 親の顔よりも見た大小鬼のお出ましよ!

 「あれは、大小鬼! 実物は初めて見ました」

 

 「あれが大小鬼? なんてデカさだよ」

 

 「とすると、あれが群れのボスか?」

 

 しかもそれが3匹!

 

 これは白磁等級にはまずいのではないかしら?

 しかもそれと同じグループが3重の隊伍を組んで迫ってきているわね!

 

 「引くぞ! これは手に追える規模じゃない!!」

 

 「鋼鉄等級一党が殿だ! 他は一気に山を駆け下りるんだ!!」

 

 兎人戦士と少年剣士の指示のもと一斉に山を駆け降りる白磁冒険者達。でも事態はどんどん悪化していくわね。

 

  ドンガラガッシャ-ン

 大規模な落石が白磁等級冒険者が進んでいた退路を断ち切ってしまったわ!

 

 なるほど崖の上を見ると10匹ほどのゴブリンが崖の上から岩を降らし、局所的な土砂崩れを起こしたのね。 

 こうなると中央を突破して敵中から脱出するしかないわね。

 

 「あいつらぁ…………」

 

 「か、帰り道が、どこか……どこかに活路は…………」

 

 「侮っていたつもりは無かったが、まさか小鬼がここまでするとは………………」

 

 まずいわね、経験の浅い白磁一党の士気がかなりぐらついているわ。

 

 「やべえな、もう完璧に寄せにかけてやがる」

 

 27匹の小鬼と9匹の大小鬼に包囲されてしまっているのだから当然ね。何とか活路を見出さなくちゃ!

 

 

     導入 産鬼山:山の入口

 

イベント① 小鬼の包囲網

 

 因みに各判定でpcの冒険者の半数が判定に失敗すると白磁一党がそれぞれ壊滅ロール1d3(①無事、②半壊、③壊滅)を振らなければいけないから注意が必要よ。 とりあえずイベント③まで頑張って守り抜いて頂戴ね。

 

 

         ①観察判定 目標値:14*16(一人突破でクリア)

           少年剣士9で失敗

           少年戦士15で成功

           少女野伏20で成功

           兎人戦士15で成功

           圃人白魔導士10で失敗

           豚人術師19で成功

           疾走剣客9で失敗

 

 

 「見えた! あそこよ! 集中攻撃して強行突破しましょう!」と少女野伏ちゃんが包囲網の弱点を看破してくれたおかげで活路が見いだせたわね!

 

 イベント①クリア

 

①判定成功した場合、判定②へ 

 「あ、あそこ! 少し小鬼の包囲が薄いです!!」 白磁等級冒険者のみんなも気づいたようね。 よかったわ。

 

 「各員! 先輩方の後ろに続け! 死ぬ気で全員走りこめ!!」

 

 少女野伏ちゃんの指示を受けた冒険者たちは小鬼包囲網の一角へ前衛職を先頭にして一気に突撃するわよ!

 

 

         ②移動妨害への対抗判定 目標値:16(全員突破でクリア)*17

(補助7人)圃人白魔導士 8+4+14で成功

(補助6人)豚人術師 7+8+12で成功

  (補助5人)少女野伏 4+7+10で成功

         (補助4人)少年戦士 8+10+8で成功

(補助3人)疾走剣客 8+12+6で成功

(補助2人)少年剣士 5+13+4で成功

  (補助1人)兎人戦士 7+15+2で成功

 

 少年剣士、疾走剣客、少年戦士が小鬼包囲網の一角に集中攻撃を行い陣形を突き崩した刹那。

 小鬼達の死角を縫うように兎人戦士が小鬼達の崩れた陣形の中心に立つと

 

 「頸狩兎のー撃だ!! circle of cusinart(回転斬り)!!」

 

 頸狩兎(ボーバルバニー)一族の必殺奥義が一、”回転斬り”を繰り出しすわ。*18

 兎人戦士を中心にフードプロセッサーめいた斬撃の嵐が吹き荒び。 

 正に、雲散霧消といった具合に小鬼が斬撃の嵐に飲み込まれてそのまま血霧を残して消えていくわね。

 辺り一面が小鬼のネギトロとスムージーで覆われる地獄絵図と化したわ。

 頸狩兎に相応しい必殺奥義(フェイバリットホールド)と言えるわね。

 

 白磁等級冒険者も脱出していきますが…………

 「回り込まれた!」

 やはり多勢に無勢、すんなり脱出とはいかないわね。

 

 「後輩諸君! 早く行き給え、小鬼は私達が抑える!」

 

 「つっても大小鬼に追いつかれたら終わりだ! 急げよ!」

 

 という事で何とか、鋼鉄等級冒険者の支援もあり犠牲者0で小鬼包囲網の一角を突破する事に成功したわ!

 

 

      イベント① 小鬼の包囲網 Clear

 

         長距離移動判定 目標値:14 成功で消耗1 失敗で1d2

           少年剣士13+3:成功

           少年戦士11+7:成功

           少女野伏11+7:成功

           兎人戦士12+3:成功

           圃人白魔導士7+7:成功

           豚人術師6+ファンブル:大失敗

           疾走剣客9+6:成功

 

 豚人術師のみ、消耗が2点加算されるわ。 血霧漂う修羅場を潜り抜けたのは繊細な質の豚人術師にとって結構堪えたのかも知れないわね。

 それ以外の皆は消耗が1点加算されるわね。

 


メタ情報;このクエストは西部辺境のなんかへんなの向け案件、ぶっちゃけ事前情報があったら軍隊向け案件

 

 とりあえず、小鬼包囲網から参加者全員の脱出に成功した冒険者一党。 適当なところで小休止を取っているわ。

 

 「奴ら追って来ませんね、振り切ったのでしょうか?」と豚人術師。

 「何とも言えないな、考えがあって泳がされている可能性もありそうだ」と少年剣士が推測する。

 「面白くねぇがそれでも進むしかねーよ」と少年戦士が面白くなさそうな口調で返す。

 「現状、そうするしかないよね…………それで、道はどうかしら? 恐らくは大きくは外れずにはいると思うのだけど」少女野伏が現在の状況を確認する。

 

 「どうだったかな? 豚人術師(ピレグット)、地図を見せてくれ」

 

 小鬼の追撃を振り切って今後どうするのかについて少女野伏と豚人術師が作った地図を見比べながら、白磁等級代表者と共に検討をしているわ。

 

 とりあえず疾走剣客は圃人白魔導士と一緒に白磁等級冒険者の様子を見に行きましょうか。

 先輩冒険者として後輩のメンタルケアも大事な仕事なのよ。

 いきなりの修羅場をくぐり抜けた白磁等級冒険者たちが思い思いの場所で休憩して安堵しているわ。 

 

 「うーん、小鬼も集まるとこんなにヤバイのね、骨身に染みたわ」と見習戦乙女

 「まさかこんなことになるなんで」と新参術師

 「来てしまった物は仕方ないさ、ここからどうするか――それが重要だ。差し当たって先輩方の指示に従って冷静に行動していこう」と只人軍曹

 

 「考えようによっては誰も気づいていない群れを早期に発見出来た、というのは依頼人に報告できる、十分な成果だと思うよ」と圃人の女魔術師がフォローしているわ。

 「まぁ、まだ誰も死んでねーんだ。後悔するにゃまだ早いんじゃないか?」道もそこまで大きく外れてないしなと只人斥候が結ぶ。

 

 思ったより顔色がよくて安心ね。 検討会が終わったみたいね。行動を再開するわよ。

 

 「みんな行動を再開するよ? 用意はいいかな?」

 疾走剣客が確認したら皆の士気が回復していて安心だわ。

 

産鬼山:山道

イベント② 罠と小鬼乗り手の襲撃

         第六感か観察判定 目標値:15

           少年剣士5+6失敗

           少年戦士9+5イチタリナイで失敗

           少女野伏12+7成功

           兎人戦士6+12大成功*19したので圃人白魔導士の失敗相殺

           圃人白魔導士10+3失敗

           豚人術師9+12大成功*20したので疾走剣客の失敗相殺

           疾走剣客7+7イチタリナイで失敗

 

失敗した場合、各罠作動。pcの半数が失敗した場合、白磁一党それぞれの壊滅ロールを行う。

           失敗者

           少年剣士出目5 釣り縄鳴子作動

           少年戦士出目12でセーフ。

 

          お品書き

          2:毒矢→1D6+夾竹桃毒

          3~5:釣り縄鳴子の罠 失敗+省略戦闘+1。

          6~8:打ち付け罠・鈍器→3d6+3の殴りダメージ(防御可能)

          9~11:足掛け縄 →転倒

          12:何もなし

 

罠を作動させると省略戦闘発生(釣り縄鳴子の効果で2回発生)

 

         怪物は小鬼の乗り手pc数*21(犬に乗っている)

 

 「敵襲! 術師や神官、野伏を内側に円陣を組め!」

 小鬼の血化粧で真っ赤になった兎人戦士の号令によって冒険者達は迅速に円陣を組み迎撃態勢を整える。

 「小鬼乗り手です!」正体を看破した豚人術師が叫ぶ。

 襲い掛かってきたのは小鬼の巡回警邏隊であった。*22

 

 

 言い忘れていたけれどスネイプ卓でのハウスルールにより、省略戦闘では戦士職(戦士、武闘家、斥候、野伏)の職業を持つキャラクター数に応じて1ラウンドで減らせる敵の頭数が異なって来るわ。

 今回は豚人術師と圃人白魔導士以外の5人のキャラが省略戦闘に参加できるから1ラウンド中に5体のモンスターを撃破できるわね。

 まぁ範囲魔法を持っている術師がリソースと引き換えに戦闘を無条件で1ラウンド目で終了させてもいいのだけど、リソースが少しもったいないわよね。

 今回は14体の小鬼乗り手の一団に襲われたから継戦カウンターがこれによって3点上昇するわよ。

 

 「何とかなったな。 すまない俺がしくじった」と少年剣士。

 

 「まぁ凌げたから問題ねーよ。 先行こうぜ。 罠に注意しろよ」と少年戦士。

 

 「終わったなら出発しましょう。そろそろ下りに入るはずです」と豚人術師。

 

 「豚人術師さん大丈夫ですか? 顔色が悪いですよ?」圃人白魔導士が尋ねると豚人術師は微笑み「今はまだ大丈夫。 心配かけてすみません」と答えていたわ。

 

         イベントマス② 罠と小鬼騎手(ゴブリンライダー) Clear

 

         長距離移動判定 目標値:14 成功で消耗1 失敗で1d2

           少年剣士13+5:成功

           少年戦士11+8:成功

           少女野伏11+8:成功

           兎人戦士12+8:成功

           圃人白魔導士7+10:成功

           豚人術師6+6:失敗 

           疾走剣客9+7:成功

 豚人術師のみ、消耗が2点加算されるわ。 それ以外の皆は消耗が1点加算されるわね。

 冒険者としての経験の差が如実に出てくるところね。 白磁等級もまあ何とか食らいついて来てくれているわ。

 


 

罠が多数設置されている山道を抜けた冒険者たちの前にはボロボロの吊り橋がかかっていました。

 

 「……なあ、ここしかないのかよ?」と少年戦士

 

 「はい……地図にある道を進むならここしかありません」と豚人術師。

 

 「今にも落ちそうな襤褸橋だなぁ…………」と橋をじっと見つめながらつぶやく少年剣士。 石橋を叩いて渡ろうしているかのようです。

 

 「ちなみに下は川みたいな沢になっているわね」と少女野伏が自作の地図と古地図を比べながら話す。

 

 「崖に沿って下るとどうなりますか?」と少女野伏に確認する圃人白魔導士。

 

 「逆に上流は地図から外れるので分からないけど、この分だと何処かで対岸に渡れる場所があるかも知れないわ。 グルっと回って入り口近くに行けるんじゃない?」と少女野伏が結ぶ。

 

 「悩ましい事だね…………悩んでる時間も無いというのに…………」疾走剣客が呻くようにつぶやきます。

 

 「とりあえず渡ってみて、何かあったら臨機応変に対処でいいんじゃないか?」と兎人戦士が提案します

 

 「とは言え行ってみるしかない上流に行って、追い詰められたらそれこそ詰みだぞ」と少年剣士が兎人戦士を諫めますが、

 

 「見た目はともかく橋自体の作りはしっかりしてますね」だからまぁ、渡ってもいいんじゃない? と少女野伏が提案します。

 

 「ええ、それにここまで来て初めて見える物もある。例えばあそこ、崖下に降りれそうな道がありますね」と目端の利く豚人術師がしっかりと発見します。

 

 「でも対岸に登れそうな場所は…………少なくとも見える限りではないね。 あったら戻って下を通ることも出来るんだけどね」

 

取り敢えず冒険者たちは協議の結果、吊り橋を渡る事にしました。 向こう岸の安全を確保するため先に鋼鉄等級一党が越橋します。

 

その瞬間、事が起こりました。

 

 「急いで渡ってって! 小鬼が何か狙っている!」野伏少女が見つけて叫ばなかったらひとたまりもなかったでしょう

 

 多数の投擲物が吊り橋に飛来します。

 

 「いけない! 橋を崩すつもりか!!」疾走剣客がぎょっとしながら、たくらみを看破します。

 

 「急いで渡れぇ!」兎人戦士が叫び皆をせかします。

 

         イベント③ 吊橋崩れ

         判定①観察判定、あるいは第六感判定 目標値:15

誰か①成功で全員判定②へ

           少年剣士6+7失敗

           少年戦士9+7成功

           少女野伏12+7成功

           兎人戦士8+8成功

           圃人白魔導士10+3失敗

           豚人術師9+6成功

           疾走剣客7+8成功

 

判定②先制判定+移動力 目標値:20(統率技能使用可能)

           少年剣士17+10成功

           少年戦士26+9成功

           少女野伏26+8成功

           兎人戦士31+11成功

           圃人白魔導士23+10成功

           豚人術師21+3成功

           疾走剣客31+5成功 

            全員成功

 

鋼鉄等級冒険者一党は辛くも難を逃れましたが、白磁等級一党とは分断されてしまい当初の目論見が完全に裏目に出てしまった

 

「つーか、まじか!あいつら真面なのか!? この橋つかってんじゃねーのかよ!?」と少年戦士が叫びます。

 

白磁等級冒険者は襲い掛かってきた小鬼18体+大小鬼3体の部隊と戦闘を行いながら只人軍曹の指揮で撤退戦に移っています。

 

新参魔術師が”成長”の真言を一つ用いた簡易伝令で「崖下に降り、対岸に渡れる場所を捜索しそのまま入口まで撤退する」と連絡してきました。

そして連絡した通り白磁にしては見事な手腕で小鬼達を蹴散らした後、崖に沿って下りながら撤退していきました。

 

恐らく疲労はしていても呪文資源(リソース)を一切消費していない新来一党と新参一党は小鬼の襲撃を掻い潜りながら無事に撤退を成功させ、現時点で得られている情報を確実に依頼人へ届けてくれることでしょう。*23

ここから先は白磁等級が撤退したため鋼鉄等級一党のみの冒険となります。

 

失敗した人は処理②へ進む*24

 

         イベント③ 吊橋崩れ Clear

 

           

という事で、今回は長くなりすぎてしまったからここまで! 具体的に言うとこれ書き終わった頃には私もうコロナ治っちゃったのよねぇ~。 最長編なんじゃないかしら?

 次回は吊り橋崩れのイベントクリア後からどうして小鬼山の真相へと冒険者たちが近づくわ。

 皆もINTロールの用意をしておくことね…………。

 という事で今回は大蛇丸から皆様よりクリスマス代わりにこちらを口寄せしたわよ。

 今日はとっても楽しかったね。明日はもっと楽しくなるよね、ハム太郎!*25

 

 

 

 という事でお疲れさまでした、ハイエドテン!

 

 

*1
こんなところで世間話をするな大蛇丸! というかお前コロナ感染症にかかってしまったのか! なぜもっと早く私に相談を(中略)

*2
なんだか変わり身の術のみたいに便利な武技ね

*3
茶色い上等なキルトね

*4
人物設定は後書きを参照する事ね。

*5
金額にして255×6で1500枚強

*6
◆WRVdP.MTx6さんが仮作成した小鬼の山のシナリオをとりあえず回せるように手直しと改修をした物。所々に漂うスカイリムエッセンスは改修者の趣味である。ドラゴン語を訳すとキン(生まれる)ゴリル(小鬼が)ストルンマー(山)となり産鬼山の逸話と一致する

*7
ダラ毛虫先生の作品『ゴブリンスレイヤー:ワンイヤー・ビフォア』で登場した冒険者一党よ。小鬼に故郷を滅ぼされた過去があるわ! 順調に実績を重ねて鋼鉄等級になった彼らは装備を改良しているみたいね。

*8
原作小説一巻で、ゴブスレさんを装備ぼろーい、とか陰で言ってた白磁等級の一党。未帰還。なお彼らが向かって帰らなかったゴブリンの巣は、ゴブスレさんに行殺された。しかし今回、彼ら一党に軍服を纏った只人の銃士が原作とは異なり仲間に加入している。戦闘経験豊かな彼の存在が彼らの命運を好転させることは想像に難くない

*9
竜騎兵先生の作品『四方世界のグランド・アルメ』から登場。ワーテルローの戦いで戦死しかけた異世界転移者。満身創痍の状態で四方世界に転移するも宿屋を営む只人の男性に保護され、回復する。元の世界に戻る方法が見つける為に、かつての愛銃の代わりに湾刀と空気銃(ダートガン)を携え冒険者になった。

*10
ゴブリンスレイヤーTRPGの冒頭小説や各章扉小説に登場する冒険者一党。頭目の只人戦士、弓持ちで野伏の只人斥候、戦女神を信仰する外套と下着鎧を身に付けた半森人の神官で構成されている。新人でありながらゴブリン相手に慢心せず、呪文が使えなくても戦える冒険者を勧誘しようとした。ゴブリン退治しにゴブリンの巣にやって来たのはいいものの、実は《転移》の罠が仕掛けられた、邪神官の根城であった。薬と装備を整えたものの、水や食料をそんなに買えず、更に魔法職を勧誘しなかった事が仇となって苦戦する。邪神官を討伐し、迷宮を脱出した途端にドラゴンと遭遇してしまうが、何とか生き延びた。生還後は反省を活かし、新たに圃人の女魔術師を仲間に加える。

*11
クエスト:下水道の魔術師で登場した圃人魔導士その人である

*12
先輩受付ミスト・レックス

*13
彼が頻繁に遠征を繰り返していたのには理由があるわ

*14
というわけで小鬼の呪術師と配下の小鬼たちを束ねて見せた小鬼の統率者が群れの暫定ボスなのよ、でも"小鬼だけしかいないわけじゃない"からその点の注意は必要ね。まあ先に諸君らに言っておくとデーモン、悪党の類は今回、登場しない。舞台設定に合わないからねぇ

*15
1d5(1ブラックブライア,2シルバーブラッド,3シャッターシールド,4バトル・ボーン,5エリクール)

*16
失敗すると小鬼9体+大小鬼3体との省略戦闘が発生し自動クリア

*17
失敗すると小鬼9体+大小鬼3体との省略戦闘が発生しイベント①自動クリア

*18
ここで使用した回転斬りはロールプレイ上の演出だから消耗点は加算しないわよ

*19
大成功は失敗者1名分を帳消しにできる

*20
大成功は失敗者1名分を帳消しにできる

*21
7体登場

*22
冒険者達にとってはそんなこと知る由もないけれどおそらく産鬼山の要所を巡回し警備しているのでしょうね。 小鬼包囲網の件もあったし侵入者の報告を察知した小鬼側の手によって警備を強化していたのかもしれない

*23
壊滅ロール1d3が両一党とも1で無事に生還できたことを暗示したため

*24
処理②:失敗者+(参加者)と小鬼9体+大小鬼3体の省略戦闘

*25
ピケッ!






依頼人:実業婦人 本名メイビン・ブラックブライア
 小鬼退治の依頼で、白磁から鋼鉄までの冒険者を金等級相当の依頼料(350枚)で雇えるだけ雇いたいといって受付嬢ともめていた人。メイビン婦人は銀貨750枚くらいまでならポンと出せてしまう位には成功した大商人。元は奴隷から成りあがった元冒険者で冒険者等級相応の依頼料を熟知している。
 そのため『小鬼退治』で『白磁から鋼鉄級』の冒険者を一定数確保するために、このような依頼を行っているが担当した受付嬢(頭お花畑)の差し出がましい忠告のせいで無駄な時間を取られている。

B,Bホールディングスを取り仕切る女傑。
複数の農場や鉱山や製材所と蜂蜜酒醸造所、リンゴ酒醸造所、を所有している奴隷上がりにして冒険者出身(ダイ・カタナ時代)の女傑。彼女が指パッチンすると闇の一党や盗賊ギルド、密偵ギルドに国軍まですぐにすっ飛んでくるのだとか。


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小鬼の山:後編(疾走剣客の場合)

 という事でごきげんよう。 大蛇丸よ。
 今回の実況プレイでは皆さんに戦闘風景とか戦闘マップのイメージをわかりやすく伝えるためにAA?風の戦闘マップを用意してみたわ。
 ただスマホの縦画面で閲覧していらっしゃる場合AAの表示がが崩れてしまうと思うから、適宜画面を横表示にしながら読み進めていただけると嬉しいわね。


 という事で今回も小鬼殺しクエストラインの隠しクエスト『小鬼の山(キンゴリルストルンマー)』で優勝していくことにするわね!

 

 橋を壊した小鬼や白磁冒険者達がいなくなった後、今後の方針を詰めていくことにします。

 

 「この橋を破壊したことについてだけど、対岸に渡る場所が他にあるのかもしれないな」と少年剣士が考察すると

 

 「じゃあさっき見つけた場所から降りてみますか?」圃人白魔導士が確認する。

 

なんだかんだ言って組織的な小鬼達の襲撃に対して割となんとかなってるのがすごいわね。流石鋼鉄等級冒険者って感じがするわ…………。

 

 「いえ、さっきの攻撃を見る限り下に追い込もうとしているようにも思えます。 当てがあるわけではありませんが崖沿いに上流に向かってみては如何でしょうか」豚人術師が却下し提案します

 

 「そうね、すでに対岸に小鬼がいるなら下を通れば矢を射かけられながら進むことにもなるから、そっちに賛成」

 

 「上でまずいのは行き止まった場合…………ああ、いやそれは下も同じなのか」

 

 「どっちが正解か実際に行くまで分かんないだから、とりあえず上でいいんじゃないか? このままだべっていても僕はしょうがないと思うね」

 

 「だな! 迷ってる時間が勿体ねぇ。上流に向かうぞ」

 

 「とは言え、遭難しては元も子もないから地図役の二人はよろしく頼むよ」

 

 「任されました!」「任せなさい」

 

 

 

 長距離移動判定 目標値:14 成功で消耗1 失敗で1d2

 少年剣士13+9:成功

 少年戦士11+6:成功

 少女野伏11+6:成功

 兎人戦士12+6:成功

 圃人白魔導士7+10:成功

 豚人術師6+7:失敗 

 疾走剣客9+10:成功

 

 豚人術師が失敗したけれど消耗点は1点で済んだわ。現在までの消耗点の合計が豚人術師は5点、他は3点で継戦カウンターはみんな3点加算されているわ。豚人術師がそろそろ消耗ランク①に突入しそうね。消耗ランク①に突入するとすべての判定に-1ペナルティが付いてしまうから注意が必要よ

イベント④ 川の終着点 

巣穴入り口にトーテム2つある

判定①怪物知識判定 目標値:トーテム①13/トーテム②18*1

 少年剣士6+6:失敗

 少年戦士6+5:失敗

 少女野伏7+5:失敗

 兎人戦士5+3:失敗

 圃人白魔導士9+5:成功

 豚人術師13+9:成功全抜き 

 疾走剣客5+7:失敗

 

 「コレって、連中の巣穴だよな?」

 

 「だな。普段なら踏み込むが、今の状況で踏み込んで良いものか…………」

 

 「楽観的に考えれば、僕たちを追い込むために多数の小鬼が出払っているので、現状巣穴は手薄な可能性が高いでしょう。 問題はその上で更に僕たちを追い詰めるだけの十分な戦力が残っている可能性がある事とココ以外の出口が無ければ袋のネズミだということですね」

 

 「出口については風の精霊さんに聞けば教えてくれます…………うん、少なくとも流れはあるみたいですね。 戦力については何とも…………」

 「あれ? これ、何だっけ? 圃人白魔導士ちゃんわかる?」

 「トーテムですね、つまり呪術師がいるってことなのでしょう。こんな大規模の群れならいて当然なんでしょうけど…………私、その脇の倒れたトーテムが気になります」

 「そんな、まさか…………」

 

 「なんだよ、2本あるとやばいのか?」

 「いや、そんな話は聞いたことないが」

 

 「えっと、トーテムという物の意匠(デザイン)はバラバラなんですが、同格の怪物だと割と似たようなのを作ります。そのうえで、こちらの倒れたトーテムが昔、僕が一度だけ資料で見た王種(ロード)の物に酷似しているんです。 王種の小鬼が率いていた小鬼の勢力だと考えれば、今まで遭遇してきた状況や予想以上に巧妙で悪辣な罠やこちらを翻弄する組織的な小鬼達の戦術の数々が出来た理由に納得してしまい、衝撃に打ちひしがれてしまったんです。 僕たちは小鬼達の襲撃を割となんとか凌ぎ掻い潜っていますがさほど余裕はありません。 僕は…………どうすれば」そう捲し立てる様に説明した後青ざめた顔で震え始めた豚人術師。1点消耗してしまいます。消耗ランク①に突入したわ*2

 

 「ええっと、つまりどういう事なんだい?」

 

 「えっとですね、元々は"小鬼王"率いる大規模な群れだったんだと思います。 でも、理由は分かりませんが王が死んで……それで今は呪術師がボスなんだと思います」

 「呪術師の率いる規模ではないのは、王の率いてた軍勢が生き残っていたためでしょう。そして仕掛けられた罠の数々や翻弄する組織的な戦術もまた王の遺産だと思います。 つまり、小鬼の数自体はまだまだいる可能性があります」

 「でもコッチが倒れてるということは群れのボスが入れ替わってるということですよね、確かに豚人術師さんの懸念はもっともだと思いますが、私たちは鋼鉄等級の冒険者一党です。 上に立つボスがある程度隠したならば、問題なくやっつける事が出来るはずです。 だから大丈夫ですよ?」

そう、豚人術師が所属している冒険者一党は鋼鉄等級。そこそこに場数を踏んだ経験ある冒険者の一党よ。それにもう一つの一党だって小鬼退治に関しては小鬼殺しの後継者とも目される位に精通している少年剣士一党よ。それに何よりこの大蛇丸が手塩にかけて育てた疾走剣客君がいるのだから、なぁんにも問題はないわ。という事で、

 

 怖くなくなったかしらぁ? ビビり君?

 

 「となると、巣もそれだけ広大な可能性があるわよね? これ、中で迷ったらそれこそ出てこれないんじゃ無いかしら?」

 「よし、とりあえず止めだ! ここに入るのは止め!!」

 「そうなるとこのままさらに上流へ登るか」

 

 

巣穴入り口からさらに上流へ沢にそって上へ登る、そこには断崖絶壁と滝がある。

 

 「んで、速攻行き止まりかよ!」

 「向こうは相変わらず崖ですね。 こちら側だけが低くなってるなんて」

 

 

小鬼に崖上から弓矢で襲撃された! 逃げなくては!

観察判定 目標値:14

 少年剣士6+9で成功

 少年戦士9+10で成功

 少女野伏13+6で成功

 兎人戦士8+6で成功

 圃人白魔導士4+11成功

 豚人術師10-1+8で成功

 疾走剣客3+9で失敗

 

成功すると滝の裏に洞窟がある事が分かる。

失敗した場合は1d3消耗しながら洞窟の中へ入る。

 疾走剣客が失敗をしているから、今の今まで存在を忘れていた因果点を振っておくわね…………。

 

 潜影蛇手!!

 

 出た出目が4、初期因果が3だったので成功ね…………。

 

        疾走剣客君は矢の豪雨にギリギリで気づいて命からがら、洞窟の中へ逃げ込めたわ。もう、何やっているのかしら。

 

イベント④ 川の終着点 Clear

 


・滝壺の洞窟に飛び込み小鬼の追手を洞窟内で巻くことが出来た。(巣穴の裏口だと思われる)もしくは巣穴の入り口は地下迷宮へと続いていた。

・手当や短時間休憩などが出来る安全な部屋に到着する。

 とりあえずこの段階で因果点以外のリソースを使っていないから圃人白魔導士ちゃんに命水の呪文を使ってもらおうかしら?(呪文回数5->4へ)

 

 「ウンディーネにアクエリアス、おいしいお水をありがとう。 命水」水の入ったみんなのコップに圃人白魔導士が精霊術を行使するわ。

 彼女の精霊術の呪文行使基準値が2d6+13だから上手くいけばだいぶ回復できそうね。

 

 という事で潜影蛇手!結果的にダメージ14点と消耗2点が回復するわね。

 

 負傷自体はしていないから特に関係ないけどメンバー全員の消耗2点の回復はありがたいわね。おかげで消耗点の合計が豚人術師は4点、他は1点に抑える事が出来たわ。後、少年戦士君が豚人術師に自分の強壮水薬を渡して飲ませていたわ。彼、後輩思いのいい兄貴分になりそうね…………。これで豚人術師も消耗点が3点になったうえで次のイベントでは消耗点加算が無しになるわ。冒険を再開するわよ。

 

イベント⑤ 地下迷宮 

第六感判定 目標値:16/17/18 3回分判定が発生するわ。一気に判定するわよ

罠の種類【2D6で決定】

  2:石化の罠:魂魄抵抗判定:17 失敗で石化(体力/技量それぞれ1d3減少、どちらかが0になったキャラは自発行動不能、毒として扱う)

  3~5:消耗ガス:その場で即座に消耗1d4点

  6~8:電撃罠:ダメージ1d6(呪文抵抗判定:目標14で半減)

  9~11:酩酊ガス:体力抵抗判定:15 失敗で以降の判定全て-2(毒)

  12:何もなし

1回目 

 少年剣士15失敗 石化の罠発動 クリティカルでセーフ

 少年戦士13失敗 電撃罠 失敗 5-装甲で2点ダメージ

 少女野伏19成功

 兎人戦士14失敗 消耗ガス 4点消耗

 圃人白魔導士19成功

 豚人術師14失敗 消耗ガス 3点消耗

 疾走剣客11失敗 何もなし

 

2回目

 少年剣士7大失敗 酩酊ガス ファンブルなので抵抗不能 以降判定すべて-2ぺナ(毒)

 少年戦士14失敗 消耗ガス 1点消耗

 少女野伏19成功

 兎人戦士13失敗 電撃罠 3-装甲でノーダメージ

 圃人白魔導士21成功

 豚人術師15失敗 消耗ガス 3点消耗

 疾走剣客11失敗 酩酊ガス 抵抗成功!

 

3回目

 少年剣士9失敗 酩酊ガス ファンブルなので抵抗不能 以降判定すべて-2ぺナ(毒)

 少年戦士17失敗 酩酊ガス 抵抗成功

 少女野伏19成功

 兎人戦士11失敗 電撃罠 6-装甲で3点ダメージ

 圃人白魔導士19成功

 豚人術師19成功

 疾走剣客9大失敗 何もなし

 

これはひどい有様ね…………。

 

状況を整理するわよ…………。

少年剣士、全判定-4ぺナ(毒)。 これは毒消しで全て治るから疾走剣客君の毒消しを使って回復してもらいましょう。

少年戦士、ダメージ2点と消耗+1点*3。 なんだかんだ少年剣士一党は技能「忍耐」を持っているから、相対的に軽い被害で収まってよかったわ。

兎人戦士、ダメージ3点と消耗+4点*4。 消耗+4点は重たいけれど技能「忍耐」を持っているから、何とかなるわね。

豚人術師は休憩スポットで強壮水薬を飲んでいたからこのイベント中の消耗点加算が無しになるわ。 危うく消耗ランク③になる所だったから危なかったわね。

やばかった4人をとりあえずピックアップしたわよ。 とりあえず被害がそこまでなくてよかったわ。

 

イベント⑤ 地下迷宮クリア


 

 

「門だな、しかもやたらとでっかい」

 

「明らかな金属だというのに…………錆びてはいない。 随分と場違いな物ですね」

 

「もしかしたらこの先に小鬼王が作った小鬼勢力誕生の秘密があるのかもしれませんね。 私、気になります」

 

「こんなとこで芋引いたら、あの後輩冒険者達に顔向けできねぇ。 冒険者としてのメンツにかかわる。 いっちょ拝んでやろうぜ! その秘密ってやつをよ」

 

「これぞ冒険者冥利に尽きる話だよね。 お膳立ては整っている、あとは僕らがどう成し遂げるかにかかって来るね」

 

「迷宮・・・というよりも、どこかのお城か修道院のようですね」

 

城カ・・・実際、そうナノかも知れんナそうならバ、我々は裏口カラ正門ヲ目指ス事ニなるが

 

なるほど!そうなると道順も何となく分かってきますね

 

 

ラストイベント:鬼の巣

 

 

 

「なるほど、道理で地下にいないわけだ」

 

「ここで待ち構えていたわけね…………」

 

「い、いえ…………それどころか……アレが……群れの長のようですね」豚人術師が怪物知識判定2d6+14を圃人白魔導士も怪物知識判定2d6+10行います。

一番高い目標値が15に対し二人が出した値は両方19でした。見事全ての敵の正体をつかむことに成功しました。

 

「小鬼の統率者ですね。 なるほど、ここまでの勢力を維持出来るわけです。 実力もさることながら、他の小鬼を従えて見せるその統率力が一番の脅威です」小鬼統率者の正体を看破した豚人術師が警告します。

 

「側近も小鬼呪術師に小鬼僧侶と小鬼呪文使いと上位種の他にもかなり術師系小鬼をそろっていますね。 一気に勝負を決めないと厄介ですが、前衛の大小鬼をはじめ集団戦闘に長けた小鬼達を何とかする必要がありますね」

 

 小鬼統率者:0/40

 怪物「小鬼統率者」データに以下を追加。

 統率者6 知能高い 先制2d6+2

 武技戦士の手(三叉槍) 統率者6

 三叉槍 命中2d6+14 威力2d6+4

 防御陣形 指揮:統制射撃*5

 

 小鬼呪術師:0/18 呪文 雷矢 捕縛 燦光*6

 小鬼僧侶:0/19 奇跡 小癒 祝福 凶刃*7

 大小鬼:0/20

 小鬼呪文遣い:0/10 呪文 矢避 力矢

 小鬼呪文遣い:0/10 呪文 抗魔 粘糸

 弓小鬼A:0/8+3(小鬼統率者を支援)

 弓小鬼B:0/8+3(小鬼統率者を支援)

 弓小鬼C:0/8+3(小鬼統率者を支援)

 弓小鬼E:0/8+3(小鬼統率者を支援)

 弓小鬼F:0/8+3(小鬼統率者を支援)

 弓小鬼G:0/8+3(小鬼統率者を支援)

 群れ小鬼A:0/10*8

 群れ小鬼B:0/10

 

「でも、それだけの戦力をそろえているのに結局バカなのよね。 この配置見れば明らかじゃない?」少女野伏が辺りを見回します。マップと各キャラクターの位置関係については以下の通りです。

 


マップ 1マス当たり3*3m

                                      ①:兎人戦士

         ┏━━━━━鏡━━━━━┓                    ②:少年戦士

  ←2Fへ. │││││|||││││││││ →2Fへ              ③:少女野伏

        |│││§│▲▲▲|Φ│││                  ④:少年剣士

      ┣━┷┷┷┷┷╋▲★▲╋┷┷┷┷━━━━━┓           ⑤:圃人白魔導士

      ┃□□□□□□┠◆▲◆┨□□□□□□□□□┃           ⑥:豚人術師

      ┃□□□□□□┠─●─┨□□□□□□□□□門   ⑦:疾走剣客

      ┃□□□□□□┠―▼―┨□□□□□□□□□門 ★:小鬼統率者  

      ┃□□□□□□□□▼□□□□□□□□□□□門      §:呪術師 

      ┃□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□門           Φ:僧侶

      ┃□□□□□□□②①④□□□□□□□□□□┃           ●:大小鬼

      ┃□□□□□□□③⑤⑦□□□□□□□□□□┃          ◆:呪文小鬼AB

      ┗━━━━━━━階⑥段━━━━━━━━━━┛          ▲:弓小鬼AF

▼:群小鬼AB

 

 

 

「恐らく巣への入り口が2階にあるのでしょうが…………無視して門から逃げてしまえば終わりですね」

 

「門にはみたところ南京錠がありますが、あれなら地下の門よりは楽でしょう、 小鬼が間抜けで助かりましたね」

 

「本当にそう思うのか? 俺様が他の小鬼達と同じ愚図な間抜けだとでも? あの閉じた門を開けて小鬼が雪崩込んでこない保証がどこにある?」

 

「小鬼が共通語を喋った…………!?」

 

「無い知恵絞ってよく考えろ、肉袋共…………お前らが一つでもしくじればそのまま阿呆なお前たちの冒険はここで終わってしまうのだからな、そして我々は辺境の町に進発し征服する! 私はさらに巨大な勢力を統率する君主になるのだ!」

 

小鬼の首領が喋っている小鬼の側近同士で会話しているようですが、意図的にゴブリン語を使って会話している為、内容は聞き取れませんでした。

 

「どうせ、獲物の分配位だろ、聞いても気分が悪くなるだけだ」

 

「その早合点で後悔しないといいがな…………お前たちを調理するために俺様は必勝の策を用意するだけだ」

 

双方武器を構え戦闘か始まりました。

 

1ラウンド目先制フェイス

少年剣士3

少年戦士7

少女野伏9

兎人戦士6

圃人白魔導師8

豚人術師10

疾走剣客18

 

統率者9、

呪術師9、

僧侶9(紅蓮の嚆矢による-1)、

大小鬼8、

呪文使い7、

群れ小鬼3、

弓小鬼6(統率者を支援+統率者に統率される)

 

冒険者先攻で戦闘が開始です。

 

最初に動いたのは兎人戦士でした。

圃人白魔導士が懸念していた、前衛の大小鬼をはじめ集団戦闘に長けた小鬼達の排除に頸狩り兎の奥義を引っ提げ乗り出します!

 

「そういう事なら俺に任せな! 頸狩り兎のお通りだ! かっ飛べ! 斬打印ッ!!」

 

自分の正面に縦列で布陣する小鬼の前衛集団に頸狩り兎が奥義「斬打印」を撃ち込みます。 10mの攻撃範囲は前衛の小鬼達を全て切り裂くでしょう。

 

命中ロール! 達成値19が出たので全ての敵に対して成功です。しかし出目が3だったので因果点を使用します。目標値が4、出目が7だったので成功。因果点が上昇し5になります。

 

その結果、達成値が23で効力値が強打攻撃斬で+4、斬打印効果により+8により効力値35でダメージボーナスが4d6。

更に斬打印効果威力+4が加わったことでダメージ合計5d6+17!! 最終ダメージ31!

 

大小鬼と群れ小鬼はあっけなく消し飛んだわね…………(大蛇並感)兎人戦士は2の消耗を受けるわ。消耗6点で消耗ランクが①になったけどいい仕事をしたわね。

 

前衛の小鬼達が兎人戦士の斬打印であっけなく全員首切りされてしまって小鬼統率者は驚きを隠せない様ね。 

 

実際、後衛の術師が丸裸になってしまっているから焦っているのかもしれないわね。 間髪入れず豚人術師が更に呪文で追撃するわよ。

 

「ホラ・セメル・シレント…………タイムアルター!! 二重停滞(デュアルスタグネイト)!」

 

2d6+15 出目は9だったから効力値は24。豚人術師を中心に半径30m内の対象全て*9が移動力半減と全ての判定に-3のペナルティを課せられることになりました。

 

これに怒った小鬼統率者、側近の呪術師に小鬼語で命令します。

 

呪術師の雷矢が達成値15で豚人術師に向かって飛んでいきます。

 

 すかさず豚人術師が停滞呪文の術式維持を一時中断し抗魔を詠唱します。2d6+12、出目が22で呪術師の雷矢を無力化します。

 すぐに術式維持を再開し戦場を支配しています。

 

 今度は小鬼僧侶の手番です。外なる神『覚知神』を信奉するこの小鬼は小鬼統率者の三叉槍に殺刃の奇跡を付与します。これによってこの小鬼の持つ三叉槍は威力+5の補正が加わります。

 

 冒険者たちの思いもよらぬ抵抗に業を煮やした小鬼統率者は配下の小鬼達を『鼓舞』した後、指揮下の弓小鬼達に命じて兎人戦士*10に対し統制射撃をかけてきました。弓小鬼達の弓攻撃は命中12の威力1d3+1です。その上に小鬼統率者が受けた支援と特殊能力『鼓舞』や豚人術師の呪文『停滞』の効果を重ねた結果、命中17/威力1d3+9の攻撃が6回飛んできます。

 

『いまだ! 放て!』小鬼語による号令一下、一斉射が一気に兎人戦士に襲い掛かります。これに対して兎人戦士、武技:反らしを使った防御を行います。2d6+11+6の盾受け判定です。クリティカル!!

 

小鬼統率者と弓小鬼隊による弓の一斉射撃は兎人戦士のダイナミックな防御によって全て防がれてしまいました。

 

一党の頭目への援護と攻撃した小鬼統率者と弓小鬼隊に対して反撃すべく圃人白魔導士が呪文『鎌鼬』を行います。

 小鬼統率者を中心とした半径5m以内にいる弓小鬼達と小鬼の呪文使いに対して風の刃が炸裂します。

達成値は2d6+15、出目は9で達成値は24、小鬼統率者の抵抗値は18-2だったので痛打5『片足切断』&直撃。範囲内のモンスターに2d6+8のダメージ出目が10なので18ダメージです。使った上質な触媒は消滅しました。

 

 結果的に弓小鬼と小鬼呪文使いは全滅、小鬼統率者は12ダメージを負い残り28ポイントです。

 

次は疾走剣客のアンブッシュ攻撃です。 

少年剣士の影に隠れていた疾走剣客が南蛮投げナイフをに投擲します。2d6+16-1で達成値24、小鬼の呪術師に命中しました。10ダメージを与えました。

 

冒険者側が圧倒的に有利じゃないの。草生えるわね。

 

続いて少年戦士の攻撃、投槍を手負いの呪術師に投擲します。命中値2d6+12で20が出たので命中です。ダメージダイスの結果19ダメージ!!

小鬼呪術師が撃破されました。

 

次、少女野伏が小鬼僧侶を速射で射抜いて仕留めます。命中がそれぞれ2d6+15と2d6+11です。結果1回目が19、2回目がクリティカルで28刺属性痛打表で1が出たのでさらに+11で効力値39に装甲無効が付きます。相手は死ぬ(小並感)。ダメージは1回目が11-4で2回目が装甲無効で23、合計30ダメージでした。

 

少女野伏が放った矢を小鬼僧侶は必死で躱そうとする。一射目をよけきれず体制が崩れた状態の小鬼僧侶の顔面に必殺の第二射が突き刺さる。 一射絶命というべき致命の一撃であった。

 

必殺の陣容を供えた小鬼統率者の手勢が、大して長くもない戦闘時間の中で鎧袖一触といった具合に悉く鏖殺され生き残っていているのがたまたま足に深手を負った自分のみが生き残ったのだと悟った小鬼統率者は絶望した。

 

 そんな小鬼統率者を追撃するため少年剣士が手負いの小鬼統率者に近づきます。

 強打攻撃斬が乗った武技憤激を発動させ攻撃します。命中が2d6+19です。少年剣士の命中達成値が26で小鬼統率者の回避が20だったので命中します。命中したため強打攻撃斬❷の効果で効力値が30になります。ダメージロールは5d6+10で装甲分を引いた合計ダメージが22ダメージでした。

 

 かなりの深手を負った小鬼統率者ですがまだなお戦意を失っておらず冒険者をせせら笑います

「俺様を殺せるのが、そんなにうれしいか? 残念だが俺を殺せたところでお前たちの冒険がここで終わることは変わりない。 俺様の後ろの鏡を見るがいいあれは転移の魔道具だ。 戦闘が始まる前に我らの住処である緑の月の領域に接続してある。 俺を殺したところでじきに小鬼達ですりつぶされるだろうよ」

 

継戦カウンターが1上昇します。

 

このボスバトルのギミックとクリア条件が判明しました!

 

ギミック1【転移鏡門・接続先:緑の月】*11

 

各ラウンドごとに転移門から小鬼が召喚されます。召喚期間は【1d6:6】ラウンドです 

各ラウンドの最後に鏡から自動発生します

         【2D6:5】

         2:小鬼戦士(2体目以降は大小鬼)

         3:小鬼の呪術師(2体目以降は小鬼の呪文遣い)

         4:小鬼僧侶

         5:大小鬼

         6:小鬼の呪文遣い

         7:小鬼×3

         8:小鬼の弓使い×3

         9:小鬼×2

         10:小鬼の弓使い

         11:小鬼

         12:出ない

 

クリア条件:鏡の破壊チャレンジか魔術的操作(要:魔法知識か博識判定目標値25のクリアと敵の全滅)で辺境の町へ脱出

 ・鏡は動かない、回避しない、装甲もない、ついでに痛打も受けない

 ・ただし近距離攻撃以外、出目が7以下はファンブル扱いとして攻撃が吸い込まれる(因果点で命中には出来る)

 ・HPは42でそんなに高くない

 

今回は圃人白魔導士と豚人術師がいるので魔術的操作で鏡をハッキングして辺境の町へ脱出しましょう! 

この鏡をメイビン夫人に連絡したらさらに特別報酬がもらえるかもしれないわね…………。

 


マップ

                                      ①:兎人戦士

         ┏━━━━━鏡━━━━━┓                    ②:少年戦士

  ←2Fへ. │││││|||●│││││││ →2Fへ              ③:少女野伏

        |│││|│|││||│││                  ④:少年剣士

      ┣━┷┷┷┷┷╋─★─╋┷┷┷┷━━━━━┓           ⑤:圃人白魔導士

      ┃□□□□□□┠─―④┨□□□□□□□□□┃⑥:豚人術師

      ┃□□□□□□┠─―─┨□□□□□□□□□門⑦:疾走剣客

      ┃□□□□□□┠―――┨□□□□□□□□□門 ★:小鬼統率者:34/40  

      ┃□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□門 ●:大小鬼 

      ┃□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□門      

      ┃□□□□□□□②①□□□□□□□□□□□┃        

      ┃□□□□□□□③⑤⑦□□□□□□□□□□┃          

      ┗━━━━━━━階⑥━━━━━━━━━━┛          

 

ラウンド2目先制フェイス

少年剣士3

少年戦士7

少女野伏9

兎人戦士6

圃人白魔導師8

豚人術師10

疾走剣客18

 

統率者7

大小鬼11

 

疾走剣客が既に敗北した小鬼統率者にとどめを刺すわ。突剣による刺突攻撃よ! 命中が2d6+12で20が出たわ。 小鬼統率者に判定したから3d6+8で18ダメージ!! 間違いなく小鬼統率者を撃破したわ。

 

次大小鬼が疾走剣客を攻撃するわ。判定に勝ったから回避成功よ。

 

次少女野伏が速射で大小鬼に二連続射撃をするわ。 命中が1回目は2d6+15で2回目は2d6+11よ。それぞれ達成値が22と19でどちらも大小鬼に命中したわ。合計して27ダメージで大小鬼を撃破したわ。

 

敵がいなくなった戦場を豚人術師が全力疾走して持ち前の魔法知識を生かして転移鏡門のハッキングを開始するわ。

 

豚人術師の魔法知識判定2d6+12→19で失敗、祈念による因果点の行使成功! 判定が成功に覆ります。 ハッキングが成功して転移先を緑の月から拠点にしている辺境の町に変更する事が出来たわ。

 

戦闘は終了しているので皆辺境の町へ転移鏡門を通って帰還します! そして、デンッ!!!!

 

GMケジメ案件シナリオ『小鬼の山(キンゴリルストルンマー)』をクリアしました。 という事で小鬼統率者と小鬼達の巣を砂漠葬送!! という事で、ハイッエドテン。

疾走剣客君と兎人戦士・少年剣士両一党は経験点3000と成長点5点、報酬一人頭、銀貨75枚を獲得したわ。

 


 

という事で鋼鉄等級一党と疾走剣客君達は古代の魔道具『転移鏡門』を使って辺境の町へ脱出する事に成功したのだけどそこからがもう、本当に大変!

白磁等級冒険者達から報告された産鬼山に蔓延る、小鬼勢力の規模と疾走剣客君達の報告によって事の重大さに気づいた冒険者ギルドは自費で報酬を用意したうえで鋼鉄等級以上の冒険者たちの複数派遣を行い本格的な小鬼の掃討作戦を敢行したわ。またメイビン夫人もBBホールディングスの傭兵部門から傭兵部隊を派遣して冒険者達と協同するとともにすぐさまお抱えの高位魔術師や鑑定団を派遣して転移鏡門の確保と保全をしてみせたわ。あの転移鏡門は様々なパワーゲームがあったみたいだけどひとまずメイビン夫人の財産になったみたいね。

 

メイビン夫人から今後は安全な運用のための整備点検を行い、無事運用が成功した暁には旧産鬼山とその周辺地域の再開発を推進し最終的に流通の大動脈になるような貿易都市を構築するとの事でした。

 

以上のことをメイビン夫人直々に教えていただいた疾走剣客君と少年剣士一党と兎人戦士一党。

正直話が進むにつれて壮大な話になったため皆、「はぇ~すっごい(宇宙猫)」って表情になっています。

しかしあの苛烈な女傑としての印象が強烈な夫人が今にも小躍りしそうな喜びようで皆に語り掛ける様子から依頼人の要望以上の成果を持ち帰って依頼を達成できたのだとわかりました。

 

「ああ、そういえば私からの報酬がまだでしたね…………。 冒険者ギルドからは貰っているのでしょうが、今回貴方達は私の依頼に対して特に十二分の貢献をしました。 よって貴方達の献身をたたえここに賞与を授けます」

「現金での賞与ではなく現物支給となりますが、今後の皆様の活躍を祈り私含め社が厳選した品物になっています。 どうぞお納めください」

 

 皆に渡されたのは人数分の魔法の武具+1等の品物の数々でした*12

 疾走剣客君は鑑定書付きの魔法の突剣+1と夾竹桃毒、馬銭毒、鳥兜毒獲ーを入手したわよ。鑑定書を見るとこの仕込杖のような拵えの突剣は古代の名刀『草薙剣』の一振りらしいわ。持ち主の人となりや魂を写し取っていき、使い手の霊力に相応しい真の姿へと“昇華する”剣なんですって…………。

 ただ成長した剣を鞘から抜くには合言葉とその剣の真名が必要なのだけど誰もそれを成し遂げたものはいないのですって。

 まぁ、鑑定書にそう書いてあるってだけなので本当かどうか分からないんですけどねぇー。

 まぁ、どんどん冒険を重ねていけばいい感じになるんじゃないかしら?この仕込杖風の見た目も私がサスケ君にあげた草薙の剣にそっくりね…………。

 

 兎人戦士君は魔法の大斧+1と投斧を貰ってご満悦だし豚人術師君は紅玉の杖(ガーネットスタッフ)紅玉の杖+1(サンストーンスタッフ)に変えたみたい。

 圃人白魔導士ちゃんは太陽神の司教杖と司教服、習得している精霊術の上質な触媒が1つずつに鎌鼬の高級触媒を貰えたようね。

 

 少年剣士一党は少年剣士君が一党メンバーの戦士君と野伏ちゃんから借金の全てを返すために今回の魔法の品を泣く泣く手放すみたい。まぁしょうがないわよね。

 少年戦士君が鋭い煌めきと馬銭毒と夾竹桃毒、止血軟膏を入手していました。投槍攻撃が思った以上に強力だったため毒でより強化するみたいね。

 少女野伏ちゃんは魔法の狩人服+1と腰に下げる事が出来る機能的なランプを選んだみたい。今後の小鬼退治に役立ちそうね。

 

 という事で特別報酬を有難く頂いたことだし、今回一緒に産鬼山の冒険をしたみんなでたっぷりと盛大な打ち上げをしてきょうはここまで!

 

 それにしても疾走剣客君たらなんか最近ゴブリンを殺していないわね。ちょっと弛んでいる気がするわ。OHANASIが必要なようね……。

 

 明日はもっと素敵な日になるよね? ハム太郎?*13

 

*1
「①から呪術師がボス/②から小鬼王"率いる大規模な群れだった、数を維持しているし巣もそれだけ広い」とわかる。

*2
これはINTロールでやらかしてしまったようね

*3
消耗の合計が2点

*4
消耗の合計が5点

*5
対象1体に統率した弓小鬼全員が弓攻撃を加える。 弓攻撃は「鼓舞」の効果と統率者が受けた支援が適用され各判定を弓小鬼全員が全てダイスロールする。防御・回避判定は一発振り

*6
解説:上位種にゴマをすり、便利に立ち回る事に特化した小鬼です。一番よりもナンバー2が最も得をするという人生哲学を確信しています。

*7
解説:上位種にゴマをすり、便利に立ち回る事に特化した小鬼です。一番よりもナンバー2が最も得をするという人生哲学を確信しています。

*8
名前:群れ小鬼 怪物レベル:3 下記参照

生命力:10 呪文抵抗力:11 分類:小鬼

移動力:15 先制力:1d6 知能:低い モラル:0

攻撃/粗悪な武器 タイプ:近接 射程:10m(投擲適用) 達成値:12 威力/属性 1d3+1/刺

防御/ 回避:9 盾受け:なし 装甲:0

支援効果:ボス1体の命中判定、威力、装甲値、移動判定に+2する/5m

特殊能力:

『暗視(初歩)』『鉄壁(習熟)』

『巨大』:近接攻撃や移動妨害が可能な距離が10mとして扱う。

『過多集合』:この怪物に対する、2点以上のダメージは1回につき「1」になる。ただし、薙ぎ払い攻撃等複数攻撃の場合、対象の数だけダメージを与え、範囲攻撃の場合、半径(射程)mだけダメージを与える。

解説:

多くの小鬼が群れとなった小鬼群れとなります。

小鬼の中でも特に弱い小鬼が集い、一匹の強敵となります。

小鬼禍に巻き込まれた人たちはこの弱い小鬼たちの餌食となるでしょう。

「粗悪な武器×1d6個」を持っています

コンセプトは小鬼の群れの簡易表現との事。

*9
味方を除く

*10
小鬼を多く殺した冒険者

*11
ここに登場する転移鏡門は原作ゴブリンスレイヤーの水の町の小鬼退治で最後に登場した『転移(ゲート)』の鏡と同型のアイテムです。 原作に登場した大道具が使われているからこその隠しクエストなんですね(メガトン構文)

*12
私の目利きだと銀貨350枚位じゃないかしら?

*13
ピケッ!




次回予告
翌日、冒険者ギルド受付にて

「だ~か~ら~、オルクボルグよ! オルクボルグ! あとスティング! ここの冒険者ギルドに居るって聞いたわよ?」

「かーっ、耳長言葉が只人に通じる訳なかろうて! かみきり丸につらぬき丸じゃ嬢ちゃん、これでわからんか?」

「あの……すみませんよく分からないです」

「おっとっと、見ない顔の冒険者だね? 事情はよく分からないけれど小鬼殺し殿をお探しなのかな? こういっては何だが異国の地で御国言葉全開で相手に質問するのはお勧めしないよ? 特にここに住む同胞や圃人がいない時はね?」

「あー!! あんた、あんた、スティングでしょう! きっとそうに違いないわ!! 吟遊詩人の詩とおんなじだもの」

「けったいな森人だなぁ君は…………あのねぇ、俺には疾走剣客(ゲイル)っていうちゃんとした名前があるの! 赤の他人を武器の名前で呼ぶんじゃないよ」

という事で、ゴブリンスレイヤーtrpg大蛇丸RTA「疾走剣客チャート」次回は小鬼殺しクエストライン第三クエスト『旅の仲間たち(ザ・フェローシップ)』で優勝していくことにするわね…………。


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疾走剣士裏4―村娘と小鬼―

元祖一般大蛇丸様が、盲腸で入院して、退院して再発して手術して健康になった状態で動画投稿を再開してくださったので初投稿です(by薬師カブト)


 

 疾走剣客がギルドの裏に出ると先客がいた。

 演習場で模擬戦をしているのは、銀等級の『女騎士』と新人と思われる四人だ。

 一人目は女騎士の一党の斥候。

 二人目は一緒に初めての冒険をした、頭に鉢巻きを巻いた青年剣士。

 三人目は魔法剣士。彼も、青年剣士達と一緒に初めて冒険をした仲間だ。

ーーというには水滴みたいな形の兜を被ったせいで、実際に後で話しかけるまで分からなかったがーー 

 そして四人目は見覚えのない新米戦士。

 四人が果敢にも挑んでいくが、女騎士はものともせずに蹴散らしていく。

 

「盾を下げるな! 頭を割られたいのか!」

 

「はい!」

 

「流しが早い! もっと引き付けろ!」

 

「は、はいっ!」

 

「連携攻撃ならもっとタイミングを合わせろ!」

 

「はい!」

 

「もっと動きをひねって効率よく攻撃しろ!」

 

「わ、わかったよ! 姐さん!」

 

「そもそも返事をする余裕があるなら手と頭を動かせ!」

 

 新米剣士に始まり魔法剣士や新米戦士、あとは重戦士一党の少年斥候も伸されている。

 完全に意識を刈り取られているのか、誰一人として微動だにしない。

 

「えっと……同期のみんなが粗方伸されているのに1人突っ立っているのも忍びないので、ここは一手指南賜りたく思います」

 

「その意気やよし! いつでも来い!」

 

 剣道三倍段という言葉がある。

 「武器術において、槍術(または薙刀)を相手にするために剣術の使い手は相手の三倍の技量(三倍の段に相当する実力)が必要である」という武術の大前提である。

 

 今回の訓練も一言で言えばそれで説明がつく物であった。

 相手は只人の女性、身長は170cm程だろうか。対するこちらは圃人、なんとか身長が100cmを超えた程度である。

 相手は銀等級。対するこちらは白磁に毛が生えた程度の冒険者である。

 

 結果は分かりきっていた。

 

 結果として女騎士や森人軽戦士に体捌きや体術のキレ、身のこなしの軽さを褒められて重戦士からは「少年斥候にお前の爪の垢を煎じて飲ませたい」とまで言われた

 

 幕間:女神官ちゃん一党を二股しない!(誤解を招く表現) の巻

 

 初めての冒険をしてから、かれこれ2週間位が経った。

 あの冒険以降その場にいた冒険者達と臨時の一党をいい感じに組み冒険を重ねていって、つい先日あった昇級審査の面談で黒曜等級に昇格できた!

 しかも薬草採集の依頼で行った先で肉が高級食材な牛のモンスターを討伐し依頼を達成した後、仲間たちとその肉でバーベキューを楽しんだ。 我ながら、この生活に早くも馴染んできた気がする。

 

 そんな訳で僕は今、実に冒険者稼業を楽しみながら生きている…………のだが…………。

 

「えっ!? 君たち一党解散したの!? なんで!?」

 

「いや、なんでって言われても……成り行きかな……?」

 

「喧嘩別れしたとか仲たがいしたとかそういうんじゃないから安心して」

葉物野菜が歯に挟まったような微妙な物言いをする青年剣士と女武闘家を前に思わず僕は顔をしかめてしまう。そんな僕を見て女武闘家ちゃんが経緯を詳しく話し始めた。

 

「きっかけは女神官ちゃんが小鬼殺しさんに師事するって言って一党を飛び出しちゃったのが始まりかな」

 


 あの洞窟の冒険を終えた翌日、青年剣士と女武闘家がギルドにやってくると女神官と女魔術師に魔法剣士が話し込んでいるのが見えた。雰囲気がどことなく深刻で青年剣士たちには気づいていなさそうだ。

 

 おはようと青年剣士が声をかけてようやっと3人は気づいた。少しバツが悪そうに挨拶を返す。

 

 少し気まずそうな女神官達と世間話を交わし今日受ける依頼を物色していると意を決した表情で女神官が話す。

「私、小鬼殺し(ゴブリンスレイヤー)さんの弟子になります」


 

「冒険の後、魔法剣士と女魔術師の間でずっと俺たちの一党の事についてずっと話していたんだって。 二人ともあの冒険で斥候の大切さが身に染みたらしくてさ、新しく斥候を仲間にするか誰かが弟子入りして修行するかって事になっていたんだ。 その話を聞いた女神官ちゃんがあの小鬼殺しさんに弟子入りするって話になっちゃって、朝っぱらからもめていたんだとさ。 まあお前のこともあるから別に固定の一党じゃなきゃダメなわけじゃないから気にしなくていいって言ったんだ」

 

「なるほどねぇ…………」

 

「みんな自分ならもっとうまく出来るって冒険する前は多かれ少なかれ思っていたところがあっただろうから、色々思うところはあると思ったんだよね。 という事で女神官ちゃんが小鬼殺しさんにそのまま弟子入りして、あの人の一党として冒険に専念。 魔法剣士君と女魔術師ちゃんも次に受けた下水道のクエストまでは一緒だったけれど新しい斥候役の人が見つからなかったから、二人は『ならず者を殺し(ローグハンター)』に弟子入りするために抜けちゃったわ」

 

「そっかぁ、大変だったねぇ…………それでその『ならず者を殺し』さんってどんな人なんだい?」

 

「女魔術師が言うにはこの町の銀等級第四位冒険者で黒い頭巾を被った斥候の男で銀髪の女武闘家とずっとコンビを組んでいるだって。 山賊、盗賊討伐を専門にしているらしいんだ。 5年前に冒険者始めてからほぼずっと山賊、盗賊討伐ばっかりしているらしくてさ、何でも只人なのに森人みたいな軽業とかが出来るんだってよ」

 

「そうなんだ、凄腕の斥候で銀等級の相棒がいるのはいい事だと思うけど…………ならず者退治ねぇ……通名がかなり物騒だけど……大丈夫なのかい」

 

「まぁそこは魔法剣士もいるから何とかなるさ。 今もちょくちょく二人に会っているけど結構いい感じみたいだぜ?」

 

「私達もやっと新しい仲間の当てが出来たからこれから顔合わせなのよ。 疾走狂戦士さんと鉱人盾戦士に魔弓使いちゃんとね。 森人の野伏、鉱人の重装戦士、弓持ちの女魔術師なの。 この三人と一緒にとある湖畔の町に2か月くらい長期滞在して町の依頼をこなす長期依頼を受けているからこの町にいるのは今日が最後なのよね」

 

「ええ〜っ! それも聞いてないよ僕は! 新しい仲間と一緒に頑張ってな。 いいメンバーが入ったんだね。 君たちが鋼鉄等級に上がるのを楽しみにしているよ」

 

「おう! すぐ追い抜いてやるから待ってろよ」

 

幕間:諦めたらそこで冒険者廃業ですよ? という話。

 

「終わった……終わっちまったよ、真っ白にな…………ここで俺たちの冒険は、お終いなんだ」

真っ白に燃え尽きてしまった新米戦士とそんな彼を叱咤激励する見習い聖女

「ふざけんじゃないわよ、たかだか一回冒険にしくじって装備無くして金欠になったくらいで冒険がお終いになるわけないでしょ!」

 

 同期の白磁等級冒険者の皆に武器借りれないか確認したり、受付さん(有能ミストさん)に下水道の魔物の倒し方について教えてもらったり、たまたま受付の近くにいた槍使いさんと魔女さんにも相談に乗ってもらって物探しの蝋燭を譲ってもらったりした。

 最近仲良くなった青年剣士から紹介してもらった小鬼殺しさんからは、安くて使いやすい武器として棍棒を紹介されていよいよ再挑戦の目途が立ってきたというのに……。

 

「どうして俺の財布、穴が空いちゃっているのぉ? お金足んないじゃあん! ノゾミガタタレター!!」

 

「言っとくけど生活費に手を付けるのは無しだからね? わかってるだろうけど」

 

びぇぇぇ! と周りが引くくらいに男泣きする新米戦士。

見かねた見習聖女が呆れた様子で提案する。

 

「じゃあ、魔女さんからもらった蝋燭売って新しい武器買えばいいじゃん」

 

「そんな情けねぇ事出来るかァ!」

 

イヤ、今でも十分情けないと思いますケド……。

とは冒険者の情けで言わないでおいた。

見習聖女が『目は口程に物を言う』という事実を知るのは今少し先である。

 

「誰かと思ったら、ちょっと前に一緒に女騎士先生に稽古を付けてもらった新米戦士君じゃないか!」

 

「まったくさっきから道端でビィビィとやかましいったらありゃしないね。 いったいどうしたんだい? 同じ同期の誼だ。 相談に乗ろうじゃないか」

 

「あなたは……疾走剣客さんだったっけ」見習い聖女が確認を取る。

 

「いかにも、優勝目指して冒険する疾走剣客とは僕のことだよ?」

 

「実は」

 

  ~~聖女、事情説明中~~

 

「なるほど、そんなことがあったんだね。 それはついていなかったね。 でもそういうことならばこの疾走剣客が義によって助太刀いたそうじゃあないか」

 

「本当か!」

 

「ああ、もちろん! 別に僕が戦士君の武器代を資金カンパしてしまっても構わんのだろう?」

 

「見返りに何が欲しいの?」

 

「そこで戦士君に相談なのだがねえ」

 

「おっ俺?」

 

「その通りだともこの幸運野郎、早くこちらにそのヘタレ面を貸したまえよ」

 

「ヘタレ面は余計だよ!」

 

  ~~疾走剣客・新米戦士密談中~~*1

 

「では、武具屋に行こうじゃないか」

 

「男同士で何話してたの?」見習聖女は新米戦士に聞く

 

「わっ悪いけど、これは男同士の約束だから話せないぞ」

 

「あっそ、じゃあいいわ」

 

武具屋にて、

「小鬼殺しさんが君に棍棒を薦めたのには激しく同意するよ。

 結局、道具は使い慣れていたり単純に使いやすい物であることが一番だからねぇ。 見栄えがしないけど手斧とか棍棒とかの方が使いやすいとは思うよ。 盾持ちながら使えるし」

 

 使い慣れているなら剣でもいいと思うけども、と言いながら。店の中に入る。

店主に短剣の売却を頼んだ後、疾走剣客が新米戦士に進めたのは棍棒ではなかった。

 

「これは?」

槌鉾(ヘビーメイス)、棍棒より2段階くらい強力な武器だな。 片手で使える武器で扱いやすく威力も申し分ないからいいと思うよ?」

 

「なるほど」

 

「けど重たいんでしょう? 本当に片手で振り回せるの?」

 

「使い方を覚えれば、剣より戦いやすいと思うよ僕はね。

 重心が先端にあって重たいからあまり力を入れずに振り下ろすだけでもいい一撃が出せる。

 むしろ槌鉾(ヘビーメイス)は棍棒よりも腕力やスタミナを使って振り回さなくても強力な攻撃ができるようになっている武器なんだ。

 

「振って当てればダメージになる……か。 小鬼殺しさんも言っていたよな」

 

「しかも棍棒と違ってぶつける場所も尖っていたり鋭かったりするから威力もその分高いよ、振り回すだけでも強力な武器になると思うね」

 

「なるほど、それなら初心者冒険者向けかもしれないわね」

 

「じゃあお金渡すからいい物、買ってきなよ」

 

「おう!」

 

「さーて僕も南蛮飛刀買おうかな!」

 

武具屋を出たあと疾走剣客に連れられて新米戦士と見習聖女がやってきたのは冒険者ギルドのそばにある冒険者が訓練場所替わりにしている空き地だった、

 

「こんなところに連れてきて、いったいどうしたんだ?」

 

「結局、武器は所詮道具だから使い方が肝心な訳よ、ということで新米剣士君のためにヘビーメイスの使い方のコツを指南してくれる人を紹介したいと思います! 

いつもこの時間帯はここで訓練していたと思うんだけど……いた! おーい! 乙女剣士さーん」

 

「あら? いつぞやの圃人の剣士さんじゃない?

何か御用かしら?」

 

「こいつ、僕の同期の新米戦士っていうんですけど彼に槌鉾(ヘビーメイス)の使い方を一つご指南いただきたいんですよ。

 乙女剣士さん元傭兵だから一家言あると思いまして」

 

「なるほどね、いいわ気分転換に付き合ってあげる」

 

~~新米戦士君 槌鉾(ヘビーメイス)訓練中~~

 

「正しくメイスを使うには、タイミングと勢いが一番重要なのよ。

 メイスの一振りが始まると、止めるのも速度を落とすのも難しい。

 戦士は攻撃だけではなくて、そのあとの次の攻撃の準備にも全力を出さなければいけないわ」

 

「メイスは肩の高さで構えなさい。

 攻撃前の巻き上げは、肩から手の幅の距離以上は持ち上げないほうがいいわね。

 振り下ろすときは、肘を先行させること。

 肘が鎖骨の高さを超えたところで、前腕を鞭のように伸ばしてごらんなさい。

 ーーそう、その調子よ。 続けてーー

 加算された勢いがメイスをさらに早く、さらに強く動かし、遥かに多くのダメージを与えられるわ」

 

「衝突する瞬間は、必ず手首の力を抜くこと。

 メイスが跳ね返って、手首を痛めてしまうわ。

 むしろ攻撃の反動を使ってメイスを構えの位置に戻すといいわ。

 それによって素早い2度目の攻撃準備ができるはずよ」

 

~~新米剣士君 槌鉾(ヘビーメイス)訓練終了~~

 

「「「ありがとうございましたー!」」」

 

「それじゃあ、最後は仲間を探しに行こうか? さすがに二人だけで冒険するのは難しいと思うからさ」

 

「そうだな、俺もそう思う」

 

「でも一緒に冒険してくれる人なんているのかしら」

 

「心配ご無用!

 なんせこれから冒険する場所は下水道だからね、君たちと同じ初心者冒険者がたくさんいると思うよ?」

 

 〜〜新米戦士君、一党メンバー募集中〜〜

 

「下水道の依頼を受けたんだけど、もしよかったら一緒に冒険しない? 仲間に戦士がいて、私は神官なんだけど」

 

弓矢を携えた少女*2に見習聖女が話しかける。 快諾してもらえたようだ。

 

「ひょっとして仲間を探しているのか」

 

新米戦士の背後から若い男の声が聞こえた。 振り返ると天然パーマの身軽そうな剣士*3が立っていた。

 

「ああ、神官と2人組なんだけど流石に手が足りなくてさ。 もしよかったら俺達と一緒に冒険しないか? 見たところ君も剣士だろう」

 

「もちろん。 こちらこそよろしく頼むよ。 正直困ってたんだ、斥候が魔術師とか戦士募集! なんて、言いづらくてさ困ってたんだ 」

 

「斥候なのか! ちょうど足りなかったからすごく助かるよ。 あと実は探し物もしたいんだ。 この前下水道で武器無くしちゃってさ、そっちでもよろしく頼むよ」

 

「もちろん! それじゃ決まりだ! 僕は活劇剣士(レイ・オールドバレー)! よろしくな」

 

 〜〜新米戦士一党 メンバー募集完了〜〜

 

新米戦士一党の4人は『行方不明者捜索』『大鼠・大黒虫・粘菌討伐』の依頼を受け下水道に潜入した。

 

 彼らがどんな冒険をしたのかはまた後で語られるだろう。

 

 

 

*1
「聞くところによると新米戦士君、キミは銀等級冒険者の麗しの魔女様とお話しになったそうじゃあないか! しかも地母神の恩寵豊かなおパーイから()()の物探しの蝋燭が迫り上がってくる様を目の前で見たとか!! 僕への報酬はその様をじっくり事細かに詳細な説明をしてくれればそれでいいとも! どうだい、破格だろう!!」

鼻息荒く早口で一息で話し終える疾走剣客に新米戦士は

「疾走剣客……お前、優男な感じで女受け良さそうなのにそんな奴だったんだな……」と幻滅して呟いた。

*2
推定:加賀(艦これ)

*3
推定アムロ・レイ(冒険王)




青年剣士一党4人から out;魔法剣士、女魔術師、女神官 in:疾走狂戦士、鉱人盾戦士、軍属少女 令嬢蛇娘(旅先で知り合う)

新米戦士一党 in:令嬢射手と活劇剣士(『ぼくもゴブリンスレイヤーのあんこスレやりたいです!』より)

魔弓使い 嗜虐神官 ←差し替えと修正しました。 


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