魔法少女リリカルなのは  無限のストーリー (高町 優希)
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無印編
第1話


なのは「お父さん、早く帰ろう。」

 

 

士郎「ハハ、そうだな。」

 

 

2人は買い物を終え家に帰る途中

 

 

なのは「あれ?」

 

 

士郎「どうした、なのは?」

 

 

なのは「うん、あの子…」

 

 

なのはは公園のベンチに座っている小さな子どもを見た。

 

 

士郎「あの子がどうかしたのか?」

 

 

なのは「さっき通った時もいたの。迷子かな?」

 

 

士郎「気になるのか?」

 

 

なのは「うん…」

 

 

士郎「わかった。声を掛けてみよう。迷子だったら大変だからな。」

 

 

なのは「うん!」

 

 

2人は子どもに近づいて行った。

 

 

なのは「ねぇ、何してるの?」

 

 

なのはは二歳位の子に声を掛けた。

 

 

?「……」

 

 

子どもはなのはを見たが無表情だった。

 

 

なのは「えーと、お父さんかお母さんは?」

 

 

?「・・・・・・」フルフル

 

 

子どもは首を横に振った。

 

 

なのは「えっと、お家?」

 

 

?「・・・・・・」フルフル

 

 

なのは「どうしょうお父さん?」

 

 

士郎「うーん、警察に届けるか…ん?」

 

 

士郎は子どもが着けているバッチを見た。

 

 

士郎「ひまわり園?」

 

 

なのは「お父さん知ってるの?」

 

 

士郎「あ、ああ…」

 

 

士郎は歯切れが悪かった。

 

 

なのは「お父さん?」

 

 

士郎「この子を家まで連れて行ってあげるか?」

 

 

なのは「うん!」

 

 

なのはは子どもの方を向き

 

 

なのは「行こう?お家まで連れて行ってあげる。」

 

 

なのはが子どもの手握ろうとしたら

 

 

?「!?」ビクッ!

 

 

子どもは後ずさった。

 

 

なのは「どうしたの?」

 

 

なのはがもう一度近づくと子どもは後ずさった。

 

 

なのは「ふぇ~!?何で?」

 

 

士郎「警戒してるんじゃないか?」

 

 

なのは「そっか!」

 

 

なのははしゃがんで目線を子どもと同じようにした。

 

 

なのは「大丈夫、何もしないよ。おいで?」

 

 

なのはが両手を前に出し子どもの目を見て言った。すると

 

 

?「・・・・・・」トコトコ

 

 

ギュッ

 

 

子どもはなのはに抱きついた。

 

 

なのは「可愛いよ~!」

 

 

士郎「懐いてくれたみたいだな?」

 

 

士郎が頭を撫でようとすると

 

 

?「ッ!」サッ!

 

 

子どもはなのはの後ろに隠れてしまった。

 

 

士郎「どうやら私は駄目みたいだな。取りあえずこの子を連れて行こう。」

 

 

なのは「うん!」

 

 

なのは達は公園をでた。

 

 

なのは「そうだ!お名前は言えるかな?」

 

 

なのはが子どもに聞いた。

 

 

?「……」

 

 

なのはが聞いても何も答えなかった。

 

 

士郎「しかし無口な子だな?」

 

 

士郎は子どもに違和感を感じていた。

 

 

なのは「私はね高町なのは。君のお名前を教えて欲しいな?」

 

 

なのはが根強く聞くと

 

 

?「ユウキ…」

 

 

なのは「!そっか~ユウキ君っていうの?」

 

 

ユウキ「・・・・・・」コクッ

 

 

なのは「お父さん、名前を教えてくれたよ~。ユウキ君っていうの!」

 

 

士郎「そうか、良かったな。」

 

 

なのは「うん!お父さん、後どれくらいで着く?」

 

 

士郎「もう着くぞ?ほらあそこだ。」

 

 

士郎はひまわり園を指した。

 

 

なのは「ホントだ!良かったね?」

 

 

ユウキ「……」

 

 

なのは「?」

 

 

士郎「なのは、悪いがユウキ君と入口で待っていてくれるか?」

 

 

なのは「うん、私はいいけど、ユウキ君もいい?」

 

 

ユウキ「コクッ」

 

 

士郎「じゃあちょっと確認してくる。」

 

 

士郎は一人でひまわり園に入って行った。

 



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第2話





 

 

士郎「すいません。」

 

 

職員「はい?」

 

 

士郎「こちらに二歳位の子でユウキと言う名前の子はいますか?」

 

 

職員「!優希君を知っているのですか!?」

 

 

士郎「ええ、公園に1人でいたので連れて来たのですが。」

 

 

職員「そうですか、ありがとうございます。それで優希君は?」

 

 

士郎「今、私の娘と一緒に入口にいます。」

 

 

士郎は職員と一緒に入口に向かった。

 

 

士郎「なのは。」

 

 

なのは「あ、お父さん!」

 

 

職員「優希君、1人で外に出たらダメでしょ?さあこっちにいらっしゃい。」

 

 

優希はなのはから離れなかった。

 

 

職員「優希君?」

 

 

職員がもう一度呼ぶと

 

 

優希「・・・・・・」ギュッ

 

 

優希はなのはにしがみついた。

 

 

なのは「ユウキ君?」

 

 

職員「!優希君が…」

 

 

職員は優希の行動に驚き、職員が何度呼んでも優希は動かなかった。

 

 

士郎「あの宜しかったら優希君の事を聞かせて貰えますか?」

 

 

職員「…わかりました、中へどうぞ。」

 

 

士郎達は中に入り、士郎は職員と話し始めた。

 

 

士郎「先ほど優希君の行動に驚いていましたが?」

 

 

職員「はい、優希君は今まで誰かに抱きついたり、しがみついたりした事が無いんです。」

 

 

士郎「ですが…」

 

 

職員「はい、ですから私も驚いています。所でなぜ優希君の名前を?」

 

 

士郎「娘が何度か聞いたら優希君が教えてくれたんです。」

 

 

職員「!優希君が自分から?」

 

 

士郎「はい、もしかして…」

 

 

職員「はい、優希君は誰とも喋ったりしないんです。それどころか、感情を出さないんです。」

 

 

士郎「そんな…」

 

 

職員「事実です。実際優希君がひまわり園に来てから誰にも心を開かなかったんです。」

 

 

士郎「……」

 

 

職員「それに優希君は育ての親から捨てられたんです。」

 

 

士郎「な!何故ですか?」

 

 

職員「あなたには優希君がいくつに見えますか?」

 

 

士郎「二歳位では?」

 

 

職員「七歳です…」

 

 

士郎「えっ!?」

 

 

士郎は優希の年齢を聞いて驚愕した。

 

 

職員「優希君は原因不明の病気で体が成長しないんです。それに精神年齢も止まっています。ですが知識は年相応にあるんです。」

 

 

士郎「……」

 

 

職員「その病気のせいで育ての親からこの施設に入れられたんです。」

 

 

士郎「実の親は?」

 

 

職員「詳しい事は解りませんが優希君が生まれてすぐに亡くなったそうです。」

 

 

士郎「……」

 

 

優希の過去を聞いて士郎はショックを受けていた。

 

 

職員「あの、そろそろ時間なので…」

 

 

士郎「ああ、すいません。」

 

 

士郎達はなのはと優希がいる部屋に向かった。

 

 

士郎「なのは、そろそろ帰ろう。」

 

 

なのは「うん、でも…」

 

 

優希はなのは服を掴んでいた。

 

 

士郎「優希君、明日もなのはと来るから今日は帰らせてくれないか?」

 

 

優希は士郎に言われてなのはを見た。

 

 

なのは「また明日くるね!」

 

 

優希「・・・・・・」パッ

 

 

優希は手を離した。

 

 

士郎「では失礼します。」

 

 

なのは「優希君、またね!」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎となのはは、帰って行った。

 

 

士郎達が家に帰宅し数時間、夕食を食べていた。

 

 

桃子「今日は帰りが遅かったけど何かあったの?」

 

 

士郎「実はな…」

 

 

士郎は桃子達に優希の事を話した。

 

 

桃子「そうだったの…」

 

 

美由希「かわいそう…」

 

 

恭也「……」

 

 

桃子達も優希の過去を聞いてショックを受けていた。

 

 

士郎「桃子、相談があるんだ。」

 

 

桃子「優希君を引き取りたいんでしょ?」

 

 

士郎「あ、ああ。」

 

 

桃子「私は賛成よ。美由希達は?」

 

 

美由希「私もいいよ。」

 

 

恭也「俺も構わない。」

 

 

士郎「ありがとう。」

 

 

なのは「どうしたの?」

 

 

士郎「ああ、簡単に言うと優希君がなのはの弟になる話をしていたんだよ。」

 

 

なのは「弟?」

 

 

桃子「そうよ、なのはが優希君のお姉ちゃんになるのよ。」

 

 

なのは「ホント!」

 

 

士郎「ああ、だから明日、優希君に相談してみような?」

 

 

なのは「うん!」

 



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第3話

次の日、なのはと士郎は優希に会うためひまわり園に来た。

 

 

士郎「こんにちは。」

 

 

職員「あ、昨日はどうも。」

 

 

士郎「実はご相談がありまして。」

 

 

職員「何でしょう?」

 

 

士郎「実は優希君を引き取りたいんです。」

 

 

職員「わかりました向こうで伺います。」

 

 

士郎「なのは、お父さんは職員の人と話してくるから。」

 

 

職員「この先の部屋に優希君がいますから宜しかったらそちらに。」

 

 

なのは「はい、ありがとうございます。」

 

 

なのはは優希がいる部屋に向かった。そこにはボールで遊んでいる優希がいた。

 

 

優希「……」

 

 

なのは「優希君!」

 

 

優希「!」トコトコ

 

 

ギュッ

 

 

なのはが優希を呼ぶと近づいてきて抱きついた。

 

 

なのは「1人で遊んでたの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのは「じゃあ私と遊ぼう?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのはは優希が持っていたボールで一緒に遊びだした。

 

 

なのは「優希君、はい!」

 

 

なのはが優希にボールを転がして優希がなのはにボールを投げて遊んでいた。すると優希が突然座り込んだ。

 

 

なのは「どうしたの?」

 

 

なのはが優希に近づくと…

 

 

優希「……」

 

 

優希は疲れたのか眠たそうな目をしていた。

 

 

なのは「眠たくなっちゃた?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのはが優希の隣に座り優希を膝の上にのせた。

 

 

なのは「少しお昼寝しようか?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

なのは「起きるまでそばにいるから大丈夫だよ?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのはが言うと優希は眠った。

 

 

なのは「少し疲れさせちゃったかな?」

 

 

なのはが優希の寝顔を覗き込んだ。

 

 

なのは「可愛い///」

 

 

なのはは優希の寝顔見て顔を赤らめていた。

 

 

優希が眠ってから10分程たった。すると士郎が戻って来た。

 

 

士郎「なのは、手続きが終わったぞ。」

 

 

なのは「お父さん、じゃあ!」

 

 

士郎「今日から優希君は家で暮らすぞ。」

 

 

なのは「やったー!!」

 

 

なのはが叫ぶと優希が目を覚ました。

 

 

優希「……」

 

 

優希が眠たそうな目でなのはを見た。

 

 

なのは「ごめんね?起こしちゃったね。」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

士郎「優希君。優希君はなのはと一緒にいたいかな?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「家で一緒に暮らさないか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希は少し考え頷いた。

 

 

士郎「じゃあ今日から優希は私の子だ。なのはがお姉ちゃんだよ。」

 

 

優希はなのはを見た。

 

 

なのは「うん、ずっと一緒だよ。」

 

 

優希「・・・・・・」ギュッ

 

 

優希はなのはに抱きついた

 

 

士郎「じゃあ、優希の荷物を取りに行こう。」

 

 

そこに職員がバックを持ってきた。

 

 

職員「大丈夫ですよ、これが優希君の荷物です。」

 

 

士郎「ありがとうございます。」

 

 

職員「優希君、良かったね。」

 

 

優希「コクッ」

 

 

士郎「では私達はそろそろ。」

 

 

職員「はい、では入口までご一緒します。」

 

 

士郎達は入口に向かった。

 

 

職員「優希君、元気でね。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「じゃあ行こうか。」

 

 

士郎達は歩き出した。すると優希が止まった。

 

 

なのは「どうしたの?」

 

 

優希は職員の所に戻った。

 

 

職員「どうしたの優希君?」

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

優希は職員の服を引っ張った。

 

 

職員「どうしたの?」

 

 

優希「・・・・・・」ギュッ

 

 

優希はしゃがんだ職員に抱きついた。

 

 

職員「!優希君…」

 

 

職員は涙を流した。

 

 

士郎「あなたにも心を開いていたようですね。」

 

 

職員「はい!ありがとう、優希君。さあ行きなさい。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎達は再び歩き出し自宅に向かった。職員は優希が見えなくなるまでずっとその場を動かなかった。

 



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第4話

 

 

士郎「ここが優希が新しく住む場所だよ」

 

 

優希は高町家を見た。

 

 

なのは「さあ、中に入ろう!」

 

 

なのはは優希と一緒に家に入った。

 

 

なのは「ただいま~!!」

 

 

桃子「お帰りなさい。」

 

 

中から桃子が出てきた。

 

 

士郎「ただいま、桃子この子が優希だよ。」

 

 

桃子「よろしくね、優希?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「さあ、居間で美由希達が待っているわ。」

 

 

なのは達は居間に向かった。

 

 

ガチャ

 

 

なのは「ただいま。」

 

 

美由希「おかえりー」

 

 

恭也「おかえり」

 

 

高町家の全員が居間に揃った。

 

 

士郎「この子が今日から新しい家族の優希だ。」

 

 

士郎が全員に優希は紹介した。

 

 

美由希「可愛い~」

 

 

美由希が優希を抱っこしようとすると…

 

 

優希「!?」ビクッ

 

 

優希はなのはの影に隠れた。

 

 

美由希「あれ?」

 

 

なのは「大丈夫だよ。」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

士郎「この子はなぜかなのはにしか懐いていないんだ。」

 

 

桃子「そうみたいね。」

 

 

美由希「そんな…」

 

 

恭也「慣れるまでまつしかない。」

 

 

桃子「今日からはなのはもお姉ちゃんよ?」

 

 

なのは「私がお姉ちゃん…うん!!」

 

 

なのはが優希を見て

 

 

なのは「今日から私がお姉ちゃんだよ?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

ギュッ

 

 

優希は頷いてなのはに抱きついた。

 

 

美由希「いいな~。」

 

 

恭也「しかし無口だな?」

 

 

桃子「そうね、そろそろごはんの準備をしなきゃ。」

 

 

恭也「俺達も鍛錬をするか。」

 

 

美由希「うん。」

 

 

桃子達は居間を出て行った。

 

 

なのは「私達はここにいようね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのはと優希は居間に残った。

 

 

なのは「そうだ、優希君。今日からユウって呼んでいい?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのは「じゃあ私の事はなのはお姉ちゃんって呼んでね?」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希「なの姉…」

 

 

なのは「うん!!」

 

 

なのはは優希に呼ばれて喜んでいた。

 

 

桃子「なのは~ごはん出来たからお父さん達を呼んできてくれる?」

 

 

なのは「うん。ユウはここで待っていてね。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのはは士郎達を呼びに行った。

 

 

桃子「私達はここで待ってましょうね。」

 

 

優希「コクッ」

 

 

桃子「ねぇ優希、明日一緒に買い物に行かない?」

 

 

優希「?」

 

 

優希は首を傾げた。

 

 

桃子「優希の好き物を知りたいの。いい?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「ありがとう。」

 

 

なのは「お母さん、みんな呼んできたよ。」

 

 

桃子「じゃあごはんにしましょう。」

 

 

なのは「うん、ユウ~、おいで~!」

 

 

なのはが呼ぶと

 

 

優希「・・・・・・」テテテ

 

 

ギュッ

 

 

優希はなのはに抱きついた。

 

 

なのは「にゃ~///やっぱり可愛い~」

 

 

桃子「確かに今のは可愛いわね///」

 

 

桃子は内心、なのはが羨ましかった。

 

 

なのは「お母さん、ユウのイスはどうするの?」

 

 

桃子「どうしましょう?まだ用意してなかったわ。」

 

 

士郎「誰かと一緒に座るしかないな。」

 

 

なのは「私じゃむりかな?」

 

 

恭也「なのはが食べれないぞ。」

 

 

美由希「じゃあ私の膝の上においで~!」

 

 

美由希が優希を呼んでみたが

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

優希は嫌がった。

 

 

美由希「優希が嫌な事はしないから。」

 

 

なのは「ユウ、今日だけ我慢して?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希は美由希の所に向かった。

 

 

美由希「ちょっとだけ、抱っこするけどいい?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由紀「うゎ♪軽い♪」

 

 

美由希は優希に聞いてから抱っこして自分の膝に座らせた。

 

 

桃子「じゃあ食べましょう!」

 

 

ようやく食事が始まった。

 

 

美由希「そういえばなのは、いつから優希をユウって呼んでいるの?」

 

 

なのは「さっきからだよ。ユウは私をなの姉って呼んでくれたの!」

 

 

なのはが嬉しそうに言った。

 

 

美由希「いいな~、ねぇ優希私もお姉ちゃんって呼んで?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

士郎「やはりなのはにしか懐いてないな。」

 

 

桃子「私もお母さんって呼んで欲しいわね。」

 

 

恭也「まあ、いつか呼んでくれるだろう。」

 

 

こうして食事は進んでいった。



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第5話

食事を終えなのはは優希と一緒にテレビを見ていた。

 

 

優希「……」コクリ

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希はうたた寝をしていた。

 

 

桃子「もう遅いからなのはも寝たら。」

 

 

なのは「うん、ユウお部屋で寝よう?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのは「お母さん、おやすみなさい。」

 

 

桃子「ええ、おやすみ。」

 

 

なのはが優希を連れて優希の部屋に行った。

 

 

なのは「ほら、ちゃんと布団に入って。」

 

 

なのはが優希を何とか布団に入れた

 

 

なのは「ユウ、おやすみ。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのはは自分の部屋に戻っていった。

 

 

なのは「ふぁ~、私も寝よう。」

 

 

なのはもベッドに入って寝ようとして

 

 

コンコン

 

 

なのは「はーい。」

 

 

ガチャ

 

 

優希が入ってきた。

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

ギュッ

 

 

なのは「どうしたの?」

 

 

優希はなのはにしがみついた。

 

 

優希「……」

 

 

なのは「寝れないの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのは「一緒に寝ようか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのはは優希を自分のベッドに入れた。

 

 

なのは「ユウ、おやすみ。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのはと優希は一緒に眠りについた。

 

 

次の日の朝、なのはが一人で起きてきた。

 

 

なのは「おはよう。」

 

 

桃子「おはよう、優希は?」

 

 

なのは「まだ寝てるよ///」

 

 

美由希「どうしたの?顔が赤いけど風邪?」

 

 

恭也「大丈夫か?」

 

 

なのは「ち、違うよ!?あのねユウの寝顔がすごく可愛かったの///」

 

 

美由希「そんなに可愛かった?」

 

 

なのは「うん!!」

 

 

美由希「私も見てこよう!」

 

 

美由希は優希の寝顔を見に行った。

 

 

桃子「なのは、ごはん食べないと遅刻するわよ。」

 

 

なのは「はーい。」

 

 

なのはがごはんを食べ始めると美由希が戻ってきた。

 

 

美由希「確かにあれは可愛いわね///」

 

 

美由希も顔を赤らめて戻ってきた。

 

 

なのは「お母さん、ユウはどうするの?」

 

 

桃子「お店は今日休みだから私が見てるわ。」

 

 

なのは「うん。」

 

 

桃子「ほら、そろそろ時間よ。」

 

 

なのは「はーい、行ってきまーす!」

 

 

なのは達が学校に行って30分程たったら優希が起きてきた。

 

 

ガチャ

 

 

優希「……」

 

 

桃子「あら、起きたの?おはよう優希。」

 

 

優希「・・・・・・」キョロキョロ

 

 

桃子「なのは?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「なのは達は学校に行ったぞ。」

 

 

桃子「だから私達と一緒にいましょうね。ごはん食べる?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「じゃあちょっとだけ待っていてね。」

 

 

士郎「よく眠れたみたいだな。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「それは良かったわ。はい、優希ごはんよ。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希は手を合わせてごはんを食べ始めた。

 

 

桃子「優希、おいしい?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「沢山食べてね。」

 

 

優希はゆっくりだがちゃんと食べていた。

 

 

士郎「さて久しぶりの休みだからどうするか?」

 

 

桃子「私は優希と買い物に行くけど士郎さんも行く?」

 

 

士郎「そうだな。」

 

 

桃子「優希、士郎さんも一緒に行ってもいい?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「じゃあ決まりね!」

 

 

すると優希が手を合わせてお辞儀をした。

 

 

桃子「美味しかった?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「じゃあ休んだら買い物に行きましょうね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子は優希が返事するのを見て片付けを始めた。

 



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第6話

 

桃子「優希、これは?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「じゃあこっちは?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

桃子達はスーパーに来ており桃子は優希に好きなものを聞いていた。

 

 

士郎「優希は甘いものが好きみたいだな。」

 

 

桃子「ええ、苦いものはダメみたいね。」

 

 

士郎「今日は何にする?」

 

 

桃子「そうね、優希は何か食べたいものある?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

士郎「遠慮しなくていいんだぞ。」

 

 

桃子「じゃあ優希が欲しいものを取ってきなさい。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ、トコトコ

 

 

優希は探しに向かった。

 

 

士郎「私達も今のうちに買い物してしまおう。」

 

 

桃子「そうね。」

 

 

桃子達は買い物を再開した。

 

 

 

 

 

 

士郎「これ位だな。」

 

 

桃子「そうね。」

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

桃子「ん?」

 

 

桃子が下を見ると優希が戻ってきていた。

 

 

桃子「優希、何かいいものあった?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希は桃子に持ってきたもの見せた。

 

 

桃子「オレンジジュース?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「よし、優希も戻ってきたし帰るか。」

 

 

桃子「そうね、じゃあレジに行きましょう。」

 

 

桃子達はレジを済まし帰宅し、買い物から帰ってきた桃子達は昼ご飯終え居間でくつろいでいた。

 

 

ガチャ

 

 

優希「……」

 

 

優希が居間に入ってきた。

 

 

桃子「あらどうしたの?」

 

 

優希が居間に来て外を指した。

 

 

優希「・・・・・・」スッ

 

 

桃子「外に行きたいの?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

桃子「違うの?」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ、クイックイッ

 

 

優希は桃子の袖を引っ張った。

 

 

桃子「どうしたの?」

 

 

優希は桃子を引っ張っり窓際まで連れてきた。

 

 

優希「……」スッ

 

 

優希は空を指差した。

 

 

桃子「あら?雨がパラついてるわ!」

 

 

桃子は洗濯物を急いで取り込んだ。

 

 

桃子「ありがとう、優希!」

 

 

優希「!?」ビクッ

 

 

トタトタトタトタ

 

 

桃子は優希の頭を撫でようとしたが優希は逃げてソファーの後ろに隠れた。

 

 

桃子「優希、出てきて?」

 

 

優希「……」

 

 

優希はソファーの影から出てきた。

 

 

桃子「びっくりさせちゃったわね。」

 

 

優希「・・・・・・フルフル」

 

 

桃子「ねぇ、優希は私達の事好き?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「ねぇ優希。すぐじゃなくてもいいから少しずつなれてね。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子は優希に少しでもいいから自分達になれて欲しい事を伝えた。

 

 

なのは「ただいま~」

 

 

優希「……」トコトコ

 

 

優希はなのはが帰ってきたので出迎えた。

 

 

なのは「ユウ、ただいま。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「なのはおかえり。」

 

 

なのは「お母さん、ただいま。」

 

 

桃子「優希、お母さんはごはんの準備するからなのはと遊んでてね。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのは「じゃあ、向こうで遊ぼーね?」

 

 

優希「コクッ」

 

 

トコトコ

 

 

なのは「優希~待って~。」

 

 

なのはは優希を追いかけて行った。

 

 

桃子「ふふ、本当に仲が良いわね。」

 

 

美由希「ただいま~。」

 

 

桃子「あら、おかえり。」

 

 

美由希「お母さん、こんな所で何してるの?」

 

 

桃子「なのはと優希は仲がいいと思っていたのよ。」

 

 

美由希「本当に、私達にも慣れてくれるといいけど…」

 

 

桃子「大丈夫よ、優希は私達の事好きって事を教えてくれたわよ。」

 

 

美由希「そうなの?」

 

 

桃子「ええ、ちょっと前に優希に聞いたのよ。」

 

 

美由希「じゃあ私もなのはみたいに懐いてくれるように優希と遊んでこよう!」

 

 

美由希も優希のもとに向かった。

 

 

桃子「さあ、私もごはんの準備をしましょう。」

 

 

桃子もキッチンに向かった。それから夕食も無事終え1日が過ぎていった。



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第7話

 

そして優希が高町家に来てから1ヶ月が過ぎた。なのはがユーノと出会い魔法を覚えてジュエルシード探しを手伝ってた。

 

 

-翠屋-

 

 

桃子「優希、退屈じゃない?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

優希は翠屋が営業日の日は桃子達と一緒に翠屋に来ていて、カウンターに座ってじっとしていた。

 

 

桃子「今日はお客さんが少ないわね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「桃子、砂糖が無くなりそうだぞ?」

 

 

桃子「あらやだ、じゃあ今から買ってくるからお店お願いしていいかしら?」

 

 

士郎「いや、私が買ってくるよ。」

 

 

桃子「じゃあお願いします。」

 

 

士郎「ああ、ちょっと行ってくる。優希、お父さん買い物に行ってくるからお母さんをよろしく頼むぞ。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希は頷いて返事をした。

 

 

士郎「じゃあ、行ってくる。」

 

 

士郎は買い物に向かった。

 

 

桃子「私達で店番してましょうね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子はお客さんが少ないので優希と話しをしていた。

 

 

桃子「優希、お腹空いてない?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「まだ平気?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「士郎さんが帰ってきたらお昼にしましょうね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子が優希と話していると入口が開く音が聞こえた。

 

 

カランカラン

 

 

桃子「いらっしゃいませ!」

 

 

2人の男が店に入って来てカウンターにいる桃子に刃物を突きつけた。

 

 

男1「金を出せ!」

 

 

客「キャー!?」

 

 

男2「静かにしろ!」

 

 

強盗の1人は客を脅していた。

 

 

男1「早く金を出せ!」

 

 

桃子「あなた達に渡すお金なんてないわ!」

 

 

桃子は強盗に反論した。

 

 

男1「いいからとっと出せ!死にたいのか!」

 

 

男はさらに刃物を突きつけた。すると…

 

 

優希「・・・・・・」ガブッ

 

 

男1「いて!?」

 

 

男が足を見ると優希が噛みついていた。

 

 

男1「このガキ!」ドコッ

 

 

ガシャッーン

 

 

桃子「優希!」

 

 

優希は男に蹴り飛ばされテーブルにぶつかった。その時に切ったらしく優希のおでこから血がでていた。

 

 

桃子「子どもに何て事するの!」

 

 

男1「うるせえ、さっさと出せ!」

 

 

桃子「ッ…」

 

 

桃子は優希のケガが心配だったのでレジからお金を出そうした。その時…

 

 

男1「ガッ…」

 

 

ドサッ

 

 

男が急に倒れるとそこには士郎が戻ってきていた。

 

 

桃子「士郎さん!」

 

 

士郎「桃子、無事か!」

 

 

桃子「私より優希を!」

 

 

士郎は優希を捜した。

 

 

男2「動くな~!このガキがどうなってもいいのか!」

 

 

男2は優希に刃物を突きつけて人質にしていた。

 

 

士郎「優希!」

 

 

男2「動くなよ!」

 

 

男は優希を人質にし店を出ようとしていた。

 

 

優希「・・・・・・」ガブッ

 

 

優希は男の手に噛みついた。

 

 

男2「いて!?」

 

 

士郎「ッ!」

 

 

士郎は一瞬で男に近づき・・・

 

 

士郎「ハァ!」ドカッ

 

 

男を殴り倒し優希を助けた。

 

 

士郎「優希!大丈夫か!?」

 

 

士郎が呼ぶが優希は意識を失っていた。

 

 

士郎「桃子、救急車!」

 

 

桃子「はい!」

 

 

桃子は救急車をび、救急車はすぐにきて優希は病院に運ばれた。

 



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第8話

 

-病院-

 

 

なのは「お父さん!ユウは!?」

 

 

なのは達も連絡を受け病院にきた。

 

 

士郎「おでこの上を少し切ったが大丈夫だ。今桃子が一緒にいる」

 

 

美由希「何があったの?」

 

 

士郎は美由希達に説明をした。

 

 

恭也「最低な奴等だな…」

 

 

士郎「今は桃子が一緒にいるから私達は待合室にいよう。」

 

 

士郎達は待合室に向かった。

 

 

-病室-

 

 

優希「……」

 

 

桃子「優希…」

 

 

桃子は優希のケガを見て責任を感じていた。

 

 

桃子「私のせいで…」

 

 

優希「・・・・・・」モゾッ

 

 

桃子は優希に目を向けると優希が起き上がった。

 

 

桃子「優希!大丈夫?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「優希、ごめんね…お母さんのせいで…」

 

 

桃子はベットに頭を乗せて涙を流していた。

 

 

優希「!」ナデナデ

 

 

優希は桃子の頭を撫でた。

 

 

桃子「優希…」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

桃子「ありがとう、慰めてくれたのね。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「士郎さんに知らせてくるわね?」

 

 

優希「・・・・・・」ギュッ

 

 

桃子「優希?」

 

 

優希は桃子の袖を掴んでいた。

 

 

桃子「どうしたの?」

 

 

優希「……」スッ

 

 

優希は桃子に両手を伸ばした。

 

 

桃子「抱っこ?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「いいの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「わかったわ。」ひょい

 

 

桃子は優希を抱っこした。

 

 

桃子「優希は軽いわね?」

 

 

優希「……」

 

 

桃子「優希も士郎さんの所に行く?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「じゃあ一緒に行きましょうか。」

 

 

桃子が優希と一緒に病室を出ようとしていた時…

 

 

優希「ママ…」

 

 

優希がママと呟いた。

 

 

桃子「!優希、今ママって呼んだ?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「私をママって呼んでくれるの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「もう一度呼んで?」

 

 

桃子は確かめるように聞いた。

 

 

優希「ママ」

 

 

桃子「優希!」

 

 

桃子は優希を抱きしめた。

 

 

優希「……」

 

 

桃子「さあ、士郎さんの所に行きましょう。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子は優希を連れて待合室に向かった。

 

 

桃子「士郎さん!」

 

 

桃子が声をかけると士郎達は近づいてきた。

 

 

士郎「優希!気がついたか。」

 

 

美由希「大丈夫?」

 

 

恭也「もういいのか?」

 

 

全員が心配する中、なのはが

 

 

なのは「お母さんがユウを抱っこしてる!」

 

 

違う所に驚いていた。

 

 

士郎「これは一体?」

 

 

桃子「優希が心を開いてくれたのよ。」

 

 

美由希「いいなぁ~、優希おいで~」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

恭也「美由希はダメみたいだな…」

 

 

美由希「なんで~!?」

 

 

美由希は優希に拒否され落ち込んだ。

 

 

なのは「お姉ちゃん、元気出して?」

 

 

なのはが美由希は慰めていた。

 

 

桃子「後ね、ママって呼んでくれたわよ。」

 

 

士郎「本当か?」

 

 

桃子「ええ、優希私の事呼んで?」

 

 

優希「ママ」

 

 

桃子以外「!」

 

 

桃子「ありがとう、優希。」

 

 

士郎「私達もいつか呼んでくれるといいが。」

 

 

恭也「そうだな。」

 

 

桃子「優希も目を覚ましたし帰りましょうか。」

 

 

美由希「平気なの?」

 

 

士郎「医者の話しだと目を覚ませば、平気と言っていたぞ。」

 

 

恭也「なら安心だな。」

 

 

桃子「ええ、早く帰りましょう。」

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

桃子「どうしたの?」

 

 

優希「……」クウ~

 

 

優希のお腹が鳴った。

 

 

桃子「お腹空いた?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「そういえば昼食べてないな?」

 

 

桃子「そうね、どっかで食べて行きましょうか。」

 

 

なのは「どこに行くの?」

 

 

恭也「近くでいいんじゃないか?」

 

 

美由希「賛成~」

 

 

士郎「じゃあ行くか。」

 

 

桃子「そうね。」

 

 

高町家全員で近くのレストランに向かった。

 



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第9話

 

 

優希がケガをしてから一週間。優希のケガも治り普通の生活をしていた。

 

 

恭也「なのはー、まだか?」

 

 

なのは「すぐ行く~!」

 

 

美由希「あれ?恭ちゃんお出掛け?」

 

 

恭也「ああ、なのはがすずかちゃんに誘いを受けたんで付き添いだ。」

 

 

美由希「それで恭ちゃんは忍さん?」

 

 

恭也「……」

 

 

恭也は否定しなかった。

 

 

なのは「お兄ちゃんお待たせ。」

 

 

ユーノを肩に乗せたなのはがきた。

 

 

恭也「優希は?」

 

 

なのは「あれ?ユウ~?」

 

 

優希「・・・・・・」トタトタトタトタ

 

 

なのはが呼ぶと優希が走ってきた。

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ、行くよ?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

恭也「なら行くか。」

 

 

美由希「行ってらっしゃーい!」

 

 

なのは達はすずかの家に向かった。

 

 

ピンポーン

 

 

ノエル「はい、どちらさまですか?」

 

 

恭也「高町です。」

 

 

ノエル「どうぞ、中にお入りください。」

 

 

門が開きなのは達は中に入った。

 

 

すずか「なのはちゃんいらっしゃい!」

 

 

ノエル「恭也様、忍様がお部屋でお待ちです。」

 

 

恭也「なのは、俺は忍の所に行ってくる。」

 

 

恭也はノエルと一緒に忍の所に向かった。

 

 

すずか「なのはちゃん、アリサちゃんも待ってるから行こう。」

 

 

なのは「うん!」

 

 

なのは達もアリサが待つ庭に向かった。

 

 

なのは達が庭に着くと…

 

 

アリサ「なのは遅い!」

 

 

なのは「ごめんね、アリサちゃん。」

 

 

すずか「それよりなのはちゃん、紹介してほしいな?」

 

 

すずかは優希を見ながら言った。

 

 

アリサ「私も!」

 

 

なのは「うん、この子が私の弟になった優希だよ。ユウ挨拶して?」

 

 

優希「・・・・・・」ペコ

 

 

優希はお辞儀をした。

 

 

すずか「可愛い!」

 

 

アリサ「確かに可愛いわね。」

 

 

アリサが優希を撫でようとするが…

 

 

優希「!?」ビクッ

 

 

なのはの後ろに隠れてしまった。

 

 

アリサ「え?私何かした?」

 

 

なのは「ううん、ユウは自分が許した相手以外は触らしてくれないの」

 

 

すずか「そうなんだ。優希君、私は月村すずかだよ。」

 

 

アリサ「私はアリサ・バニングスよ。」

 

 

すずか達は優希に自己紹介をした。

 

 

なのは「ユウ、アリサちゃん達は大丈夫だよ?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

すずか「慣れてないからしょうがないよ、それよりお茶にしよ?」

 

 

アリサ「そうね。」

 

 

なのは「うん。」

 

 

なのは達はみんなでお茶会を始めた。

 

 

アリサ「ねぇすずか?また猫増えてない?」

 

 

すずか「うん、ちょっと増えてたかな。」

 

 

なのは「凄いよね~」

 

 

ユーノ「キュー!?」

 

 

ユーノは猫達に追われていた。

 

 

なのは「ユーノ君!」

 

 

すずか「あー、みんなダメだよ~!」

 

 

すずかが猫達を注意したがユーノは追われていた。

 

 

アリサ「ねぇなのは?」

 

 

なのは「何?」

 

 

アリサ「優希は?」

 

 

すずか「あそこにいるよ。」

 

 

優希はなのは達から離れて、猫と戯れていた。

 

 

なのは「ユウ~、おいで~!」

 

 

優希「……」トタトタ

 

 

ギュッ

 

 

なのは「ふにゃ~///」

 

 

すずか「可愛い~///」

 

 

アリサ「///」

 

 

優希はなのはに呼ばれて抱きついた。そして3人は優希の仕草に落ちた。

 

 

アリサ「なのはが羨ましいわね///」

 

 

すずか「うん、私も抱っこしてみたい。」

 

 

アリサ達が羨ましがっていると

 

 

ユーノ『なのは!ジュエルシードだ!』

 

 

ユーノの念話がなのは届いた。

 

 

なのは『うん、でもどうしょう…』

 

 

ユーノ『任せて』

 

 

ユーノはジュエルシードの反応感じてなのはに知らせ…

 

 

ユーノ「キュー!」

 

 

ユーノは鳴きながら林に向かった。

 

 

なのは「ユーノ君!」

 

 

アリサ「どうしたの?」

 

 

なのは「何か見つけたみたい。ちょっと行ってくるね?」

 

 

すずか「一緒に行こうか?」

 

 

なのは「ううん、大丈夫だよ。ユウ、待っててね。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのははユーノを追って林に向かった。



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第10話

 

すずか「なのはちゃん大丈夫かな?」

 

 

アリサ「大丈夫でしょ。」

 

 

すずか「うん、そうだね。」

 

 

アリサ「優希~おいで?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

すずか「アリサちゃん、すぐは無理だよ?」

 

 

アリサ「でも抱っこしてみたいじゃない!」

 

 

アリサは何とかして優希を抱っこしようとしていた。

 

 

すずか「アリサちゃん?」

 

 

アリサ「優希、あれなに!」

 

 

優希はアリサが指差した方を見た。

 

 

優希「・・・・・・」キョロキョロ

 

 

アリサ「隙あり!」ダキッ

 

 

アリサは優希がよそ見をした隙に抱っこした。

 

 

アリサ「軽いわね~!」

 

 

優希「!?」ジタバタジタバタ

 

 

優希が突然暴れ出した。

 

 

アリサ「優希!?」

 

 

アリサは優希が暴れ出したので降ろすと・・・

 

 

優希「!」トタトタトタトタ

 

 

優希は走って逃げ出した。

 

 

すずか「優希君!待って~!」

 

 

アリサ「優希!?」

 

 

優希は体は小さいが実際は7才なので筋力はそれなりにあったので早かった。

 

 

すずか「アリサちゃん!」

 

 

アリサ「悪かったわよ!とにかく追うわよ!」

 

 

アリサ達は優希を追いかけた。

 

 

すずか「優希君、待って~!」

 

 

アリサ「待ちなさ~い!」

 

 

現在優希はすずかの家の中を逃げている。

 

 

優希「……」ガチャ

 

 

アリサ「部屋に入った!」

 

 

すずか「うん、あそこで追い詰めよう?」

 

 

アリサ「そうね!」

 

 

アリサ達は優希を追って部屋に入った。

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「追い詰めたわよ、優希!」

 

 

すずか「優希君、もう抱っこしないからこっちにきて?」

 

 

優希「……」

 

 

優希はアリサ達が近づいてきたので後ずさった。

 

 

アリサ「もう逃げらんないわよ?」

 

 

すずか「いい子だからね?」

 

 

優希「……」ガラガラ

 

 

優希はベランダに逃げた。

 

 

すずか「優希君!」

 

 

アリサ「待ちなさい!」

 

 

すずか達もベランダに出た。すると…

 

 

優希「……」

 

 

すずか「優希君!?危ないから戻ってきて!」

 

 

アリサ「危ないわよ!戻ってきなさい!」

 

 

優希はベランダの隙間から出て二階の壁ずたいに端まで逃げた。

 

 

すずか「アリサちゃんどうしょう?」

 

 

アリサ「下手に動けないわね。」

 

 

これ以上近づくと優希が落ちる可能性があるのでアリサ達は動けなかった。

 

 

ノエル「すずかお嬢様、どうかなさったのですか?」

 

 

ファリン「何かあったんですか?」

 

 

ノエル達が騒ぎを聞きつけて部屋に入ってきた。2人もベランダに出て現状を理解した。

 

 

すずか「ノエル、恭也さん呼んできて!」

 

 

ノエル「かしこまりました。」

 

 

ノエルは部屋を出て忍の部屋に向かった。

 

 

コンコン

 

 

忍「はい?」

 

 

ノエル「失礼します。」

 

 

忍「ノエル?どうしたの?」

 

 

ノエル「恭也様、優希様が…」

 

 

ノエルは恭也達に説明した。

 

 

恭也「わかった…」

 

 

忍「恭也、私も行く!」

 

 

3人はすずか達のもとに向かった。

 

 

恭也「優希!」

 

 

恭也がベランダに出て優希を呼ぶが動かなかった。

 

 

恭也「やはり、なのはじゃないと駄目か…」

 

 

忍「恭也じゃ駄目なの?」

 

 

恭也「優希はまだなのはと母さんにしか懐いていないんだ。」

 

 

忍「すずか、なのはちゃんは?」

 

 

すずか「実は…」

 

 

すずかはなのはが林に向かった事を伝えた。

 

 

恭也「仕方ない、捜しに行くか。」

 

 

忍「私も行く、ノエルは残って。ファリンは私達と一緒になのはちゃんを捜すわよ!」

 

 

ノエル「はい。」

 

 

ファリン「わかりました。」

 

 

すずか「お姉ちゃん、私達は何とか説得してみる。」

 

 

忍「わかった。」

 

 

恭也「頼む。こっちもなのはを見つけしだいすぐに戻ってくる。」

 

 

恭也はなのはを捜しに林へ向かった。

 

 

すずか「優希君、お願いこっちに戻ってきて!」

 

 

アリサ「私が悪かったわ!」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ達は優希を説得しているが優希は動かなかった。

 

 

すずか「ノエル、何か方法ないかな?」

 

 

ノエル「難しいですね…」

 

 

アリサ「優希、お願い!危ないから戻って!」

 

 

すずか「アリサちゃ…」

 

 

すずかがアリサを見るとアリサが涙を流し座り込んでいた。

 

 

アリサ「もうしないから…」

 

 

優希「……」トコトコ

 

 

アリサの涙を見て優希はゆっくり戻ってきた。

 

 

すずか「優希君!」

 

 

アリサ「優希…」

 

 

優希「……」

 

 

ゆっくり戻ってきた優希はアリサに近づいた。

 

 

優希「・・・・・・」ナデナデ

 

 

アリサ「優希?」

 

 

すずか「アリサちゃんを慰めているんじゃないかな?」

 

 

アリサ「そうなの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

アリサ「ありがとう優希。」

 

 

優希「・・・・・・」ギュッ

 

 

アリサ「優希?」

 

 

優希はアリサに抱きついた。

 

 

すずか「アリサちゃんに懐いたみたいだね?」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「優希、抱っこしていい?」

 

 

優希「・・・・・・ 」コクッ

 

 

アリサ「優希は軽いわね。」

 

 

アリサが抱っこすると優希は暴れなかった。

 

 

すずか「良かったねアリサちゃん。」

 

 

アリサ「ええ、しかも優希ったら抱き心地いいわね!!」

 

 

すずか「いいなぁ~アリサちゃん。」

 

 

すずかは優希を抱っこして喜んでいるアリサが羨ましかった。すると…

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

アリサ「優希?降りたいの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

アリサは優希を下に降ろした。

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

ギュッ

 

 

すずか「優希君?」

 

 

今度はすずかに抱きついた。

 

 

アリサ「すずかにも懐いたみたいね。」

 

 

すずか「抱っこしていい?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

すずかも優希を抱っこして

 

 

すずか「アリサちゃんの言うとおり抱き心地いいね~」

 

 

忍「こっちは無事に解決したみたいね。」

 

 

いつの間にか忍が戻ってきていた。

 

 

すずか「お姉ちゃん、恭也さんは?」

 

 

忍「実は…」

 

 

忍はなのはが林の中で気を失っていた事話した。

 

 

すずか「アリサちゃん、私達も行こ?」

 

 

アリサ「そうね。」

 

 

すずか達もなのはがいる部屋に向かった。

 



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第11話

 

 

コンコン

 

 

ガチャ

 

 

すずか「恭也さん、なのはちゃんは?」

 

 

恭也「すぐに目を覚ますはずだ。」

 

 

アリサ「良かった。」

 

 

恭也「そっちも無事解決したみたいだな。」

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

すずか「降りる?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希はすずかから降りるとなのはに近づいた。

 

 

優希「……」

 

 

恭也「大丈夫だ、どこもケガはしていない。優希は大丈夫だったか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

恭也「お前も大事な弟だ、心配したぞ。」

 

 

優希「にぃ…」

 

 

その時、優希が呟いた。

 

 

恭也「!俺を兄と呼んでくれたのか?」

 

 

忍「良かったわね恭也?」

 

 

恭也「ああ、嬉しいものだな。」

 

 

恭也は表情は変わらなかったが内心は喜んでいた。

 

 

すずか「……」

 

 

アリサ「……」

 

 

2人は自分も呼んでほしいと考えていた。

 

 

恭也「そろそろ帰るか?」

 

 

優希「コクッ」

 

 

アリサ「だったら家の車で送ります。」

 

 

恭也「助かる。」

 

 

それからアリサの家の車が来て恭也達は自宅まで送ってもらった。余談だが優希が恭也に懐いているのを見て美由希が落ち込んだのは全くの余談である。

 

 

桃子「これ位かしら?」

 

 

優希「……」

 

 

桃子は休憩時間を利用して優希と買い物に来ていた。

 

 

桃子「そろそろお店に戻りましょうか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子と優希がレジに向かう途中・・・

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

桃子「なに?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は菓子パンの棚にあるドーナツを指差した。

 

 

桃子「欲しいの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「いいわよ、持ってきて。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希はドーナツを取ってきた。

 

 

桃子「さあ行きましょう。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子はレジに向かい会計を済ませて外に出た。

 

 

桃子「優希はドーナツ好きなの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「今まで言わなかったのは我慢してたの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「ねぇ優希、もっとわがままを言ったり甘えたりしていいのよ?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

桃子「どうして?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は俯いた。

 

 

桃子「大丈夫よ、優希を嫌ったりしないわよ?」

 

 

優希「・・・・・・」ビクッ

 

 

桃子「やっぱり、嫌われると思ってたのね?大丈夫だから、ね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「帰ったら食べましょうね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子は優希と手を繋いで店に戻った。

 

 

桃子「ただいま。」

 

 

優希「……」

 

 

士郎「おかえり。」

 

 

桃子達は翠屋に戻ってきた。

 

 

桃子「どう?」

 

 

士郎「やはり客足が減ったな遠のいているな」

 

 

桃子「やっぱり…」

 

 

桃子達は最近客足が遠のいていた。

 

 

 



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第12話

士郎「どうにかしないとな…」

 

 

桃子「そうね…」

 

 

桃子は考えていると優希が目に入った。

 

 

桃子「そうだわ!」

 

 

士郎「どうした?」

 

 

桃子「優希、ちょっとお手伝いしてくれる?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

カランカラン

 

 

女性が入ってきた。

 

 

桃子「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ。」

 

 

女性客「すいませんおしぼりもらえますか?」

 

 

桃子「かしこまりました。優希~おしぼり持ってきて~」

 

 

優希「……」トコトコ

 

 

ネコミミとしっぽを着けた優希がきた。

 

 

女性客「かわいい~///」

 

 

桃子「ご注文は?」

 

 

女性客「あの子を!」

 

 

桃子「それは出来ませんがケーキを3つ以上注文のお客様にはこちらをプレゼントしております。」

 

 

桃子はいつ撮ったのか優希の写真を見せた。

 

 

女性客「ケーキ3つ。おまかせで!」

 

 

桃子「かしこまりました。優希、士郎さんに渡してきて。」

 

 

優希「・・・・・・」トタトタ

 

 

優希は伝票を持って士郎の所に向かった。

 

 

優希が手伝いを始めて二時間、噂がものすごい速さで広まり翠屋は満席になっていた。

 

 

桃子「優希、もういいわよ。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「そのままでカウンターにいてね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希は自分がいつも座っている席に戻ると

 

 

カランカラン

 

 

なのは「ただいま~」

 

 

なのはがアリサ達と一緒にきた。

 

 

桃子「なのは、おかえり。アリサちゃん達もいらっしゃい。」

 

 

すずか「今日はお客さん多いですね?」

 

 

アリサ「そうね。」

 

 

桃子「うふふ、あれのおかげよ♪♪」

 

 

桃子は優希を指差した。

 

 

3人「かわいい~///」

 

 

3人は優希を見て悶えた。

 

 

桃子「優希、お手伝いありがとうね。はい、ドーナツよ」

 

 

優希「!」

 

 

桃子「食べていいわよ。」

 

 

優希「パクッ」

 

 

その時ドーナツを食べた優希に変化が起きた。

 

 

優希「♪♪♪」

 

 

バタバタバタバタ

 

 

普段無表情の優希が満面の笑顔になっていた。そのせいで客が数人倒れた。

 

 

桃子「優希の笑顔を始めて見たけど、凄い破壊力ね///」

 

 

なのは「にゃ~///」

 

 

アリサ「可愛すぎ///」

 

 

すずか「///」

 

 

桃子達も優希の笑顔にやられていた。

 

 

優希「♪♪♪」

 

 

優希は2つ目のドーナツを食べ終わった。するとなのは達が…

 

 

なのは「ユウ~おいで!」

 

 

アリサ「優希~!」

 

 

すずか「優希君、おいで~!」

 

 

3人が呼ぶと優希は誰に行けばいいのか迷っていた。

 

 

なのは「ユウ~、お姉ちゃんの所においで~♪」

 

 

アリサ「優希~こっちいらっしゃ~い♪」

 

 

すずか「優希君、こっちおいで~♪」

 

 

優希「!」トタトタ

 

 

優希はすずかの所に行った。

 

 

なのは「なんで~!?」

 

 

アリサ「どうしてよ!?」

 

 

すずか「♪♪♪」

 

 

なのはとアリサはすずかの手にあるドーナツに気づいた。

 

 

なのは「すずかちゃん、ずるい!」

 

 

アリサ「卑怯よ!」

 

 

すずか「聞こえな~い♪♪♪」

 

 

すずかは優希にドーナツを食べさせた。

 

 

すずか「優希君、あ~ん!」

 

 

優希「♪♪♪」

 

 

なのは「う~…」

 

 

アリサ「……」

 

 

なのはとアリサは悔しがっていた。そこに桃子がきて

 

 

桃子「優希、残りはまた今度ね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ、トコトコ、ギュッ

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希はすずかから離れ、なのはに抱きついた。

 

 

優希「……」

 

なのは「眠たいの?」

 

 

優希「コクッ」

 

 

なのは「おいで~♪」

 

 

なのはは優希を見て眠たそうだったので椅子に座り優希を呼んで抱っこした。

 

 

なのは「ユウ~♪」

 

 

優希はなのはの膝の上で寝ていた。

 

 

アリサ「なのは、代わりなさいよ!」

 

 

すずか「アリサちゃん、優希君起きちゃうよ。」

 

 

アリサ「ッ~…」

 

 

アリサは優希を抱っこしたかったが優希を起こすのは可哀相なので、我慢した。

 

 

すずか「寝顔かわいい~♪」

 

 

アリサ「ホントかわいいわね♪」パシャ

 

 

なのは「アリサちゃん?」

 

 

すずか「私も携帯持ってくれば良かった~…」

 

 

アリサは携帯で優希の寝顔を撮っていた。

 

 

アリサ「♪♪♪」

 

 

すずか「アリサちゃん、後で送って~!」

 

 

アリサ「どうしようかしらね~♪」

 

 

すずか「おねがい~!」

 

 

アリサ「わかったわよ、後で送っておくわよ。」

 

 

すずかは優希の寝顔写真を貰う約束をした。

 

 

すずか「アリサちゃん、そろそろ塾の時間だよ。」

 

 

アリサ「そうね、行きましょうか。」

 

 

すずか「なのはちゃん、またね?」

 

 

アリサ「じゃあね。」

 

 

なのは「うん、またね。」

 

 

アリサ達は塾に向かった。

 

 

なのは「お母さん、ユウどうしよう?」

 

 

桃子「そうね、そのまま寝かせてあげましょう。」

 

 

なのは「うん。」

 

 

優希は家に着くまで眠っていた。



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第13話

 

桃子「なのはがいないと寂しいわね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

あれからなのははジュエルシードを集める為に現在アースラに行っている。

 

 

士郎「どうした?」

 

 

桃子「優希と話しをしてたのよ。ね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子が優希と話しをしていると士郎が入ってきた。

 

 

桃子「士郎さんも準備できた?」

 

 

士郎「ああ、今終わった所だ。」

 

 

優希「……」

 

 

優希は首を傾げた。

 

 

桃子「士郎さん達はね、体を鍛える為に山に行くのよ。」

 

 

優希「……」

 

 

桃子「そうだわ、士郎さん、優希も連れて行ったら?」

 

 

士郎「優希を?」

 

 

桃子「ええ、士郎さんと美由希にはまだ懐いてないでしょう?いい機会じゃないかしら?」

 

 

士郎「そうだな、優希行くか?」

 

 

優希「…コクッ」

 

 

優希は少し考えたが頷いた。

 

 

桃子「優希の着替えの準備してくるわね。」

 

 

桃子は優希の部屋に向かった。

 

 

桃子「これ位でいいかしら?」

 

 

桃子は準備を終え下に戻ろうとした。

 

 

桃子「あら?これは…」

 

 

桃子はタンスの中からブレスレットとネックレスを見つけた。

 

 

桃子「優希のかしら?」

 

 

桃子は2つを持って下に戻った。

 

 

桃子「優希。」

 

 

優希「……」

 

 

桃子「これは優希のかしら?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「着けないの?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

桃子「付け方がわからないの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「じゃあ付けてあげる。」

 

 

桃子は優希にブレスレットとネックレスを着けた。

 

 

桃子「よく似合っているわよ。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「じゃあ下に行っておやつにしましょう。今日は優希の好きなドーナツよ♪」

 

 

優希「!」

 

 

優希は桃子と一緒に下に降りていった。

 

 

優希「♪♪」クイクイ!

 

 

桃子「ハイハイ、ちょっと待ってね?」

 

 

優希は自分のプラスチックのお皿を持って待っていた。しかし…

 

 

桃子「あら?ドーナツがない。」

 

 

優希「!?」

 

 

美由希「お母さん、どうしたの?」

 

 

桃子「あ、美由希。ここにあったドーナツ知らない?」

 

 

美由希「ドーナツ?食べちゃったけど?」

 

 

カランカラン

 

 

優希「……」

 

 

優希はショックでお皿を落とした。

 

 

桃子「あのドーナツ優希のおやつよ?しかも大好物の…」

 

 

美由希「え!?」

 

 

優希「……」

 

 

美由希が優希を見ると明らかに落ち込んでいた。

 

 

美由希「ゆ、優希ごめんね!?」

 

 

優希「(怒)!」プイッ

 

 

優希は美由希から顔を背けた。

 

 

美由希「優希~(泣)」

 

 

桃子「最近は感情豊でいいわね~。」

 

 

美由希「お母さん、関心してないで助けて~(泣)」

 

 

桃子「優希、機嫌直して?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

桃子「美由希、諦めなさい。」

 

 

美由希「そんな~(泣)優希~、お姉ちゃんが悪かったから許して~(泣)」

 

 

優希「・・・・・・」プイッ

 

 

桃子「距離を縮める前に広げてどうするの?」

 

 

美由希「だって~(泣)」

 

 

恭也「どうした?」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ、ギュッ

 

 

優希「にぃ~」

 

 

恭也「優希どうした?」

 

 

桃子「実はね…」

 

 

桃子は恭也に説明をした。

 

 

恭也「ハァ、お前は何をやっているんだ。」

 

 

恭也は呆れていた。

 

 

美由希「でも~…」

 

 

恭也「何とかするしかないな、自分で。」

 

 

美由希「恭ちゃ~ん(泣)」

 

 

桃子「頑張りなさい。」

 

 

美由希「そんな~(泣)」

 

 

美由希の悲しい叫びが周りに響いた。



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第14話

美由希「優希~みかんだよ~!」

 

 

優希「……」

 

 

美由希は昨日からずっと優希の機嫌を取ろうとするが優希の機嫌は治らなかった。

 

 

士郎「優希、そろそろ許してやったらどうだ?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

恭也「今度、ドーナツを沢山買って貰うのはどうだ?」

 

 

優希「!」コクッ

 

 

恭也「良かったな美由希。それで許してくれるそうだ。」

 

 

美由希「嬉しいけど、お小遣いが~(泣)」

 

 

恭也「諦めろ、因みに貸さないぞ。」

 

 

美由希「そんな~、お父さ~ん(泣)」

 

 

士郎「前借りはないぞ。」

 

 

美由希「優希~来月でもいい?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

美由希「う~(泣)」

 

 

美由希は山に着くまで落ち込んでいた。

 

 

 

 

 

一時間後

 

 

士郎「さて、着いたな。」

 

 

優希「・・・・・・」キョロキョロ

 

 

士郎「優希、いい所だろう?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希は車から降りて綺麗な景色を眺めていた。

 

 

士郎「よし、そうしたら、私はテントを張るから恭也は水くみ、美由希は薪を拾ってきてくれ。」

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

士郎「優希、どうした?」

 

 

優希「……」

 

 

美由希「優希もお手伝いしたいんじゃないかな?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「うーん、じゃあ美由希と一緒に薪を拾ってきてくれるか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希「じゃあ優希、行くよ。」

 

 

優希は美由希と一緒に薪集めに向かった。

 

 

優希「……」

 

 

美由希「優希、一度戻ろうか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希「沢山集めたね。」

 

 

優希「!?」

 

 

ドサッ

 

 

美由希「優希、大丈夫?」

 

 

優希は石につまづいて転んだ。

 

 

優希「!」キョロキョロ

 

 

美由希「優希?どうしたの?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は首もとを指差した。

 

 

美由希「ネックレスがなくなったの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希「一緒に探そう。」

 

 

美由希は優希と一緒にネックレスを探し始めた。

 

 

 

美由希「ないな~。優希あったー?」

 

 

シーン

 

 

美由希「優希?」

 

 

美由希が周りを見渡すと優希は斜面にあるネックレスの所まで降りようとしてた。

 

 

美由希「優希!」

 

 

優希「!」ビクッ、ズルッ

 

 

美由希「優希!?」

 

 

優希は美由希の声に驚いて足を滑らした。

 

 

美由希「じっとしてて!」

 

 

美由希は優希を助ける為に斜面を降りた。

 

 

優希「……」

 

 

美由希「大丈夫、優希?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希「ネックレスは私が取るから待ってて?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希「一度、上がろうね。」

 

 

美由希は優希を抱っこして斜面を上がろうとしたが…

 

 

ズルッ

 

 

美由希「キャッ!」

 

 

優希「!」

 

 

美由希は優希を抱っこしたまま斜面を転がって落ちていった。

 

 

優希と美由希は斜面を3メートル程落ちた。

 

 

優希「……」ムクッ

 

 

ユサユサ

 

 

美由希「……」

 

 

優希「……」

 

 

優希は起き上がり気絶している美由希を揺すったが美由希は起きなかった。

 

 

優希「……」ズルッ

 

 

優希は斜面を登ろうとしたが滑って上手く登れずにいた。

 

 

優希「……」

 

 

恭也「父さん、美由希達遅くないか?」

 

 

士郎「確かにそうだな。」

 

 

恭也「捜しに行ってこようか?」

 

 

士郎「そうだな、手分けしてさ「ガサガサ」ん?」

 

 

士郎が音のした方を見ると所々傷ついた優希がいた。

 

 

恭也「優希?」

 

 

優希「・・・・・・」トタトタトタトタ

 

 

優希は士郎に近付き・・・

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

優希は士郎のズボンを引っ張った。

 

 

恭也「どうした優希?」

 

 

士郎「美由希は一緒じゃないのか?」

 

 

優希「……」クイックイッ

 

 

恭也「優希、もしかして美由希に何かあったのか?」

 

 

優希「!」コクッ

 

 

士郎「わかった、優希はここで待ってろ!」

 

 

士郎と恭也は優希が来た方にむかおうとしたが…

 

 

優希「……」ギュッ

 

 

優希が士郎の足に抱きついて止めた。

 

 

士郎「優希?」

 

 

優希「……」

 

 

優希はロープを指差した。

 

 

恭也「ロープが必要なのか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「わかった。」

 

 

優希「……」

 

 

優希は士郎に向かって両手を伸ばした。

 

 

士郎「お前も行くのか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「わかった、ちゃんと掴まっていろ?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「恭也、行くぞ!」

 

 

恭也「ああ!」

 

 

士郎は恭也にロープを持たせて、優希抱えて森に向かった。

 

 

美由希「ん…」

 

 

恭也「気がついたか?」

 

 

美由希「恭ちゃん?私は一体?」

 

 

恭也「気絶していたお前を父さんと俺で運んで来たんだ。」

 

 

美由希「そうなんだ、ありがとう恭ちゃん。」

 

 

恭也「礼なら優希に言え。」

 

 

美由希「優希に?」

 

 

恭也「ああ、お前が気絶しているのを教えてくれたのは優希だ。」

 

 

美由希「優希は?」

 

 

恭也「後ろを見てみろ。」

 

 

美由希は後ろを見ると優希が寝ていた。

 

 

美由希「優希…」

 

 

恭也「お前の事が心配だったんだろう、ずっとそばにいたぞ。」

 

 

美由希「優希、ありがとう…」

 

 

美由希は寝ている優希に礼を言った。

 

 

恭也「じゃあ、俺は父さんの所に行ってくるから優希を頼むぞ。」

 

 

美由希「うん。任せて。」

 

 

恭也は優希を美由希に任せて、テントを出た。

 

 

優希「……」

 

 

美由希「私も恭ちゃんの事言えないな~」

 

 

美由希は自分がブラコンになっている事に気づいた。

 

 

モゾッ

 

 

優希「……」

 

 

美由希「起きた?」

 

 

優希「!?」ギュッ

 

 

美由希「優希ごめんね?心配かけちゃたね。」

 

 

優希は美由希が起きているのを見ると抱きついた。

 

 

美由希「もう大丈夫だよ、お父さん達の所に行こうか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希「優希おいで、抱っこしてあげる。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ、ギュッ

 

 

美由希「優希いいの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希は冗談で言ったつもりが優希は美由希に抱きついた。

 

 

美由希「優希、お姉ちゃんって呼んで?」

 

 

優希「みゆ姉…」

 

 

美由希「優希~♪」

 

 

美由希は優希に姉と呼ばれ嬉しくて優希を抱きしめた。



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第15話

 

士郎「今日の鍛錬はここまでにして食料を調達するか。」

 

 

恭也「わかった。」

 

 

美由希「うん。」

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

美由希「優希どうしたの?」

 

 

優希「……」スッ

 

 

優希は美由希に近づいてある物を指差した。

 

 

美由希「釣り竿?」

 

 

優希「?」

 

 

美由希「あれは魚を釣る道具だよ。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

美由希「やってみる?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希「お父さん、優希と釣りに行ってくるね?」

 

 

士郎「わかった。ちゃんと釣ってきてくれよ。」

 

 

美由希「わかってる、優希行こう。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希は優希を連れて川に向かった。

 

 

美由希「この辺にしようかな、優希釣り竿を貸して?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

美由希「エサを付けて後は優希にお任せ。」

 

 

美由希はエサを付けた竿を優希に渡した

 

 

美由希「そしたらこの浮きまで川に入れて。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

ポチャン

 

 

美由希「あの浮きが沈んだら魚が来た合図だから沈んだら竿を上に上げてね、わかった?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希「私もはじめようかな。」

 

 

美由希は優希と一緒に釣りを始めた。そして夕食時・・・

 

 

恭也「父さん、新鮮な魚は旨いな。」

 

 

士郎「そうだな。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希「う~」

 

 

恭也「本当に旨いな、優希の釣った魚は。」

 

 

士郎「初めてなのにな。」

 

 

美由希「優希~(泣)恭ちゃん達がいじめるよう~(泣)」

 

 

優希「……」ナデナデ

 

 

美由希は恭也達に遊ばれていた。理由は美由希が0匹、優希が5匹魚を釣った為に遊ばれていた。

 

 

恭也「父さん、明日はどうする?」

 

 

士郎「そうだな、早めに帰るか。」

 

 

恭也「わかった。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

美由希「うん。」

 

 

士郎「交代で火の番をするか。」

 

 

美由希「じゃあ、私が最初にやるよ。」

 

 

士郎「恭也はどうする?」

 

 

恭也「父さんは車の運転があるから俺は最後にするよ。」

 

 

士郎「わかった。じゃあ美由希、交代の時間になったら教えてくれ。」

 

 

美由希「うん、わかった。」

 

 

恭也「優希、寝るぞ。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎達は順番に仮眠を取り無事一夜を過ごし帰路についた。

 

 

そして次の日・・・

 

 

桃子「優希~、おやつよ~?」

 

 

トコトコ

 

 

優希「……」

 

 

桃子「今日はケーキよ。」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希はおやつのケーキを食べ始めた。

 

 

桃子「おいしい?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

優希がケーキを食べていると…

 

 

なのは「ただいま~!」

 

 

桃子「優希、なのはが帰ってきたわよ。」

 

 

トタトタトタトタ

 

 

桃子が優希に声を掛けると同時に優希はなのはの元に向かった。

 

 

なのは「ユウ~ただいま!」

 

 

優希「なの姉…」ギュッ

 

 

なのは「ユウ。」

 

 

桃子「おかえり、なのは。」

 

 

なのは「ただいま、お母さん。」

 

 

桃子「大切な用事は終わったの?」

 

 

なのは「うん!」

 

 

桃子「そう、今度はお姉ちゃんを頑張ってね。」

 

 

なのは「なんで?」

 

 

桃子「なのはがいない間に優希は美由希に懐いてるわよ。」

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「今日は一緒に寝ようね!」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのはは美由希に優希を盗られると思いすぐに動いた。夜になのはと美由希で優希の取り合いがあったのは全くの余談である。

 

 

士郎「う〜ん・・・」

 

 

桃子「どうしたの士郎さん?」

 

 

士郎「いやな、どうしたら優希が懐いてくれるか考えているんだ」

 

 

桃子「そうね〜・・・」

 

 

優希「・・・・・・」テテテ

 

 

すると優希が何かを持ってやって来た。

 

 

桃子「どうしたの?」

 

 

優希「・・・・・・」バッ

 

 

優希は玩具店のチラシを見せた。

 

 

士郎「ん?最近出来たお店のチラシか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

桃子「それでどうしたの?行きたいの?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「何か欲しいのか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希はおねだりしていいのか悩んでいた。

 

 

桃子「士郎さん」ボソボソ

 

 

士郎「ん?」

 

 

桃子「明日、優希と一緒に出掛けてみたら?」ボソボソ

 

 

士郎「明日か?」ボソボソ

 

 

桃子「いい機会だと思うの。優希がわがままを言うのが少ないからこれを機会に」ボソボソ

 

 

士郎「よし!優希、明日そこに行くか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッコクッ

 

 

余程行きたかったのか優希は二度頷いた。そして次の日・・・

 

 

優希「♪〜」テテテ

 

 

士郎「あんまり急ぐと転ぶぞ?」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

士郎に注意された優希は小走りをやめてゆっくり歩き出した。

 

 

♪〜

 

 

優希「・・・・・・」キラキラ

 

 

お店に着くと傍目からはわからないが優希の目は輝いていた。

 

 

士郎「優希、何が見たいんだ?」

 

 

優希「・・・・・・」ゴソゴソ

 

 

優希はリュックからチラシを出すと士郎に商品を指差して見せた。

 

 

士郎「・・・この合体ロボットか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「よし、探すか」

 

 

士郎は優希と一緒に店内を探すとお目当ての物が見付かった。

 

 

優希「♪」

 

 

優希は見付けるとすぐにロボットが入った箱を抱きしめた。なんせ最後の一個だったので。

 

 

士郎「そんなに欲しいのか?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ!

 

 

優希は力強く頷いた。

 

 

士郎「でも買うとは言ってないぞ?」

 

 

優希「!?」ガーン!!

 

 

優希はこの世の終わりを迎えた気分になった。

 

 

士郎「冗談だ。普段いい子にしてるからご褒美だ」

 

 

優希「・・・・・・」パァ!

 

 

優希は途端に明るくなった。その時・・・

 

 

子供「やだ〜!」

 

 

お母さん「しょうがないでしょ?売り切れなんだから」

 

 

後ろからは泣き声が聞こえると振り向き、ロボットが置いてあった棚の前で子供が泣いていた。

 

 

子供「や〜だ〜!欲しい〜!」

 

 

子供が棚の前で泣き叫んでいた。

 

 

士郎「どうやらあの子も欲しかったみたいだな」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

お母さん「さぁ、帰ろう?」

 

 

子供「やだ〜!」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ、スッ

 

 

すると優希は自身が抱えてたロボットの箱を子供に差し出した。

 

 

子供「ふぇ?」

 

 

士郎「優希?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は子供にロボットを渡すと・・・

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

店外に歩き出した。

 

 

士郎「優希!」

 

 

士郎も慌てて優希を追い掛けた。

 

 

優希「・・・・・・」ショボン

 

 

士郎「優希?良かったのか?あげてしまって」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

士郎「お前も欲しかったんだろ?」

 

 

優希「・・・僕、お兄ちゃん」

 

 

士郎「優希・・・」

 

 

普段喋らない優希が喋ったのに驚いたがそれよりも優希が我慢してまで他の子の為に自分を犠牲にした事に士郎は感激していた。

 

 

士郎「・・・よし!優希、他の店に行こう!」

 

 

優希「?」

 

 

士郎「まだ他の店にならあるかもしれないからな」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は悩んでいた。これ以上わがままを言っていいのかどうか・・・

 

 

士郎「行くぞ!」

 

 

士郎は優希の手を握ると歩き出した。そして何軒もの玩具店をまわった結果・・・

 

 

優希「♪〜」

 

 

最後の店でお目当てのロボットを無事手に入れた。

 

 

士郎「よかったな」

 

 

士郎は疲れはしたが優希の嬉しそうな姿に癒された。

 

 

優希「・・・パパ」

 

 

士郎「優希?」

 

 

優希「ありがとう」

 

 

士郎「あぁ」

 

 

優希の言葉に士郎も嬉しそうにして一緒に帰って行った。余談ではあるが帰ってからずっとロボットを嬉しそうに眺めていた。

 

 

なのは「ユウ〜」

 

 

優希「?」ひょこ

 

 

優希はなのはに呼ばれたのでソファーの影から頭を出した。

 

 

なのは「お散歩に行こう?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのは「ねぇユウ?」

 

 

優希「?」

 

 

なのは「お母さん達には慣れた?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

なのは「そっか♪」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「これからも一緒に仲良く色んな事しようね?」

 

 

優希「・・・・・・」コクッ

 

 

二人は嬉しそうに手を繋ぎ歩いていった。

 

 



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As編
第16話


なのは「ユウ~行くよ~。」

 

 

優希「……」トコトコ

 

 

なのは「じゃあ行こうか?」

 

 

優希「……」クイッ

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希「・・・・・・」ナデナデ

 

 

なのはがしゃがむと優希はなのはを撫でた。

 

 

なのは「お姉ちゃん、元気無いように見える?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「大丈夫だよ、フェイトちゃん達が待ってるから行こう?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのはは先日、ヴィータ達に襲われその時にフェイトと再会を果たしフェイト達が引っ越してくるマンションに向かう所だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

アリサ「なのは遅い!」

 

 

すずか「何かあったの?」

 

 

なのは「ごめんね?ユウとちょっとお話してたの。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「まあいいわ、早く行くわよ。」

 

 

なのは「うん。」

 

 

なのは達はフェイトが待つマンションに向かった。

 

 

すずか「なのはちゃん、優希君はいつからアクセサリーを着け始めたの?」

 

 

なのは「私が用事でいない時くらいかな?」

 

 

アリサ「ふ~ん、でも似合ってるわね。」

 

 

なのは「うん、ネックレスも綺麗だけど、ブレスレットが凄く綺麗なの!」

 

 

すずか「本当だね~。」

 

 

優希「……」カチャ

 

 

カチッ

 

 

なのは「優希?」

 

 

優希はブレスレットを外してなのはの手に付けた。

 

 

なのは「優希どうしたの?」

 

 

優希「なの姉…」

 

 

なのは「くれるの?」

 

 

優希「コクッ」

 

 

なのは「ありがとう、ユウ。」

 

 

アリサ「羨ましいわね…」

 

 

すずか「うん…」

 

 

アリサ達から黒いオーラが出ていた。すると…

 

 

優希「・・・・・・」ギュッギュッ

 

 

アリサ「優希?」

 

 

すずか「優希君?」

 

 

優希はアリサ達の間に入り2人と手を繋いだ。

 

 

アリサ「よし、このまま行くわよ。」

 

 

すずか「そうだね。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「2人ともずるいよ~!?」

 

 

アリサ「あんたはブレスレットを貰ったでしょ?」

 

 

すずか「だから優希君と手を繋いで行くのは私達だよ。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「う~、今は我慢するよ。」

 

 

なのははアリサ達を羨ましく思うが自分もブレスレットを貰ったので強く出られなかった。

 

 

アリサ「さあ、行くわよ。」

 

 

なのは達はマンションに向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

なのは「フェイトちゃん!」

 

 

フェイト「いらっしゃいなのは。」

 

 

なのは「うん、今日はお友達も連れてきたんだよ。紹介するね…」

 

 

 

なのは達はお互いに自己紹介をした。

 

 

フェイト「さあ、中に入って。」

 

 

フェイトはなのは達 を案内する為マンションに入って行った。

 

 

なのは「ほらフェイトちゃん、あそこが私のお家だよ!」

 

 

フェイト「本当に近いね。」

 

 

優希「・・・・・・」クイクイ

 

 

なのは「優希?」

 

 

優希「……」くぅ〜

 

 

なのは「お腹すいたの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

フェイト「ドーナツならあるけど食べる?」

 

 

優希「!」

 

 

トコトコ

 

 

ギュッ

 

 

優希「・・・・・・」コク!

 

 

フェイト「急にどうしたの優希?」

 

 

なのは「ドーナツはユウの大好物なの。」

 

 

フェイト「そうなんだ、ちょっと待っててね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

フェイトはドーナツを取りに行った。

 

 

なのは「よかったね、ユウ。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

フェイト「お待たせ。」

 

 

フェイトはドーナツを持ってきた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

フェイト「さあどうぞ。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はフェイトにドーナツを貰い食べ始めた。

 

 

優希「♪♪♪」

 

 

フェイト「ふぇ///」

 

 

なのは「///可愛いでしょ?」

 

 

フェイト「うん///」

 

 

アリサ「破壊力抜群よね///」

 

 

すずか「うん、可愛いよね///」

 

 

4人は優希の笑顔に赤面していた。

 

 

アリサ「いけない、そろそろ塾の時間だわ。」

 

 

すずか「私も。」

 

 

なのは「そうなの?」

 

 

アリサ「悪いけど、そろそろ帰るわね。」

 

 

すずか「なのはちゃん、フェイトちゃんまたね。」

 

 

フェイト「またね。」

 

 

なのは「うん、またね。」

 

 

アリサ達は帰って行った。



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第17話

 

リンディ「お友達は帰っちゃったのかしら?」

 

 

なのは「はい。」

 

 

アリサ達と入れかわりにリンディ達が入ってきた。

 

 

クロノ「所でその子は?」

 

 

エイミィ「わぁ、かわいい♪」

 

 

優希「!」ビクッ!サッ!

 

 

エイミィ「あれ?」

 

 

エイミィが撫でようとしたら、優希はなのはの影に隠れた。

 

 

なのは「ごめんなさい、ユウは懐いてる人以外には触られたりするのが嫌みたいなんです。」

 

 

リンディ「そうなの?」

 

 

エイミィ「かわいいのに~」

 

 

クロノ「所でなのはが付けているブレスレットは?」

 

 

なのは「これ?ユウに貰ったの。」

 

 

リンディ「何か気になるの?」

 

 

クロノ「はい…」

 

 

リンディ「じゃあ向こうで話しましょうか。」

 

 

なのは「ユウ、ちょっと待っててね。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは達は隣の部屋に向かった。

 

 

リンディ「それでクロノ、何が気になるの?」

 

 

クロノ「はい、なのはが付けているブレスレットはデバイスだと思うんです。」

 

 

リンディ「なのはさん、見せてもらっていいかしら?」

 

 

なのは「はい。」

 

 

なのははリンディにブレスレットを渡した。

 

 

リンディ「エイミィ、調べてみて。」

 

 

エイミィ「はい!」

 

 

エイミィはリンディからブレスレットを預かり調べ始めた。

 

 

クロノ「それと優希から魔力を感じました。」

 

 

リンディ「本当に?」

 

 

クロノ「はい、近くに行かないと詳しくは解りませんが…」

 

 

なのは「でも私は何も感じなかったよ?」

 

 

クロノ「だが・・・」

 

 

リンディ「なら優希君に魔力があるか調べてみましょう。」

 

 

クロノ「でも誰がやるんです?」

 

 

リンディ「そうね、アルフさんにお願いするわ。」

 

 

アルフ「ワタシかい?」

 

 

リンディ「ええ、アルフさんなら警戒しないと思うわ。」

 

 

クロノ「なるほど。」

 

 

アルフ「わかったよ、じゃあちょっくら行ってくるよ。」

 

 

フェイト「私も行くよ。」

 

 

フェイトとアルフは優希のいる部屋に向かった。

 

 

ガチャ

 

 

フェイトと狼の姿をしたアルフがきた。

 

 

フェイト「優希」

 

 

優希「?」

 

 

フェイト「ごめんね、お話がもう少しかかるからアルフと一緒にいてね。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

フェイト『アルフお願いね?』

 

 

アルフ『あいよ、任しといて。』

 

 

フェイト「終わったらまたくるね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

アルフ「・・・・・・」

 

 

優希「・・・・・・」じー

 

 

アルフ「?」

 

 

優希「・・・・・・」じーー!

 

 

アルフ「わ、わん?」

 

 

優希「・・・・・・」そ〜、ちょん

 

 

アルフ「わん」スタスタ、ストン

 

 

アルフは優希に近寄ると怖がられないように座った。

 

 

優希「・・・・・・」ナデナデ

 

 

アルフ「グルル♪」

 

 

優希「・・・・・・」サワサワ

 

 

アルフ「わふ」ひょい、トスン

 

 

アルフは優希の襟首をくわえると自分の背中に優希を乗せて・・・

 

 

アルフ「わふ」トコトコトコトコ

 

 

部屋の中を歩き回って優希を楽しませた。

 

 

ーなのはsideー

 

 

ガチャ

 

 

クロノ「どうだった?」

 

 

フェイト「うん、今アルフと一緒にいるよ。」

 

 

クロノ「なら少し待つか。」

 

 

リンディ「そうね。」

 

 

ガチャ

 

 

エイミィ「艦長、結果が出ました。」

 

 

ブレスレットを調べていたエイミィが戻ってきた。

 

 

リンディ「どうだったの?」

 

 

エイミィ「クロノ君の言うとおりデバイスでした。」

 

 

クロノ「他には何かわかったか?」

 

 

エイミィ「後は解らなかったよ。何をやっても起動しないの。」

 

 

クロノ「起動しない?」

 

 

エイミィ「うん。」

 

 

リンディ「とりあえずブレスレットはなのはさんに返しましょう。」

 

 

エイミィはなのはにブレスレットを返した。

 

 

アルフ『フェイト!』

 

 

フェイト『アルフ?』

 

 

アルフ『フェイト、この子確かに魔力があるよ。』

 

 

フェイト『本当に?』

 

 

アルフ『しかも近くにいないと解らない位に。』

 

 

フェイト『低いの?』

 

 

アルフ『逆だよ、フェイト達より遥かに高い!』

 

 

フェイト『でもこっちでは感じないよ?』

 

 

アルフ『でも確かに高いよこの子。』

 

 

フェイト『アルフ、もう少し見てて。』

 

 

アルフ『あいよ。』

 

 

フェイト「今アルフから連絡がありました。」

 

 

フェイトは全員にアルフから受けた連絡を報告した。

 

 

リンディ「不思議ね、魔力が高いのに近くにいないと解らないなんて。」

 

 

クロノ「艦長、護衛をつけた方がいいのでは?」

 

 

なのは「何で!?」

 

 

リンディ「そうね、魔力が高いと今回の事件に巻き込まれる可能性があるわね。」

 

 

なのは「だったら私がやります。」

 

 

リンディ「わかりました。フェイトさんもお願いね。」

 

 

フェイト「はい。」

 

 

リンディ「犯人が出るまでは優希君の護衛。犯人が現れたら現場に急行してね。」

 

 

2人「「はい!」」

 

 

リンディ「じゃあここまでにしましょう。」

 

 

話し合いを終え全員で優希の待つ部屋に行った。

 

 

なのは「ユウ、お待たせ。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ、ギュッ

 

 

なのは「そろそろ帰ろうか?」

 

 

優希「コクッ」

 

 

なのは「リンディさん、私達帰りますね。」

 

 

リンディ「ええ、気をつけてね。」

 

 

フェイト「またね、優希。」

 

 

優希「・・・・・・」フリフリ

 

 

エイミィ「優希君バイバーイ!」

 

 

優希「……」

 

 

フェイトには手を振り、エイミィには反応しない優希だった。

 

 

エイミィ「う~」

 

 

クロノ「諦めるんだな。」

 

 

なのは達は帰路についた。



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第18話

 

 

なのは「ただいま~」

 

 

優希「……」

 

 

桃子「おかえりなのは、優希。」

 

 

なのはが達が家に着くと桃子が出迎えた。

 

 

桃子「もう少しでごはんが出来るから待っててね。」

 

 

なのは「うん。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

美由紀「優希~♪」ギュッ

 

 

居間に入ると美由紀が優希に抱き着いてきた。

 

 

美由紀「おかえり!」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「あ~!!お姉ちゃん、ユウに抱きついちゃダメなの!」

 

 

美由紀「早い者勝ちだよ。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのはと美由紀はそのまま優希の取り合いを始めた。

 

 

桃子「優希、お姉ちゃん達はほっといていいかわよ。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

優希はなのは達を置いて自分の部屋に向かった。なのは達は優希がいないのに気づいたのは5分程たってからだった。

 

 

桃子「♪♪♪」

 

 

優希「……」クイックイッ

 

 

桃子「優希、どうしたの?」

 

 

優希「……」

 

 

ある日優希は桃子が洗い物しているとピンクの包みと財布を見せた。

 

 

桃子「あら、美由紀のお財布とお弁当!あの子忘れたのね。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

桃子「今日はお店があるしどうしようかしら?」

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

桃子「優希?」

 

 

優希は自分を指差した。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

桃子「まさか優希が持って行くの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク!

 

 

桃子「でも、知らない人が沢山いるのよ。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

桃子「頑張れる?」

 

 

優希「・・・・・・」コク!

 

 

桃子「じゃあお願いね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

桃子はリュックにお財布とお弁当をいれた。

 

 

桃子「車に気をつけてね。後、これが地図ね。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

桃子「気をつけていってらっしゃい!」

 

 

優希「・・・・・・」フリフリ

 

 

 

 

 

優希は桃子に手を振ると、美由紀のお弁当と財布を持って、初めてのお使いに出かけた。

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

美由紀「う~…」

 

 

女子「美由紀どうしたの?」

 

 

美由紀「お弁当忘れた~…」

 

 

女子「購買にいけば?」

 

 

美由紀「お財布忘れた…」

 

 

女子「・・・・・・」

 

 

流石に女子はかける言葉を無くした。

 

 

教師「こら~!待ちなさ~い!」

 

 

女子「?何か廊下が騒がしいね?」

 

 

美由紀「誰か悪さしたんじゃないかな?」

 

 

女子「見に行こう。」

 

 

美由紀「うん…」

 

 

美由紀は友達と廊下に出た。

 

 

教師「待て~!!」

 

 

トタトタトタトタ

 

 

女子「あ!こっちにくる。」

 

 

美由紀「どれどれ?」

 

 

美由紀も友達の言う方を見た。そこには…

 

 

優希「!!」トタトタトタトタ

 

 

教師「待ちなさ~い!」

 

 

教師から必死に逃げる優希がいた。

 

 

美由紀「優希!?」

 

 

女子「え?」

 

 

美由紀「優希!」

 

 

優希「!」トタトタトタトタ

 

 

ギュッ

 

 

優希は美由紀を見つけると、一目散に抱きついた。

 

 

美由紀「わっと、優希何でいるの?」

 

 

教師「高町、知り合いか?」

 

 

美由紀「はい、弟です。」

 

 

教師「早く帰しなさい。」

 

 

美由紀「でも、どうやって?」

 

 

優希は美由紀にしがみついていた。

 

 

女子「怖がらせたのは先生ですし…」

 

 

教師「…わかった。早めに帰すように。」

 

 

教師はそう言うと去っていった。

 

 

美由紀「ねー優希?何でここにいるの?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は美由紀にリュックを渡し中を見せた。

 

 

美由紀「私のお弁当と財布?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

美由紀「持ってきてくれたの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

美由紀「ありがとう、優希♪」ナデナデ

 

 

優希「♪」

 

 

女子「ねぇ美由紀?その子…」

 

 

美由紀「この子?私の弟で優希っていうの。」

 

 

女子「そうなんだ。」そ〜

 

 

優希「ビクッ」

 

 

女子が優希を撫でようとしたら優希は美由紀の影に隠れた。

 

 

美由紀「ごめん、この子、人見知りが激しいんだ。」

 

 

女子「そうなんだ。」

 

 

美由紀「優希、ごはんは?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

美由紀「一緒に食べる?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

美由紀「じゃあ、購買でドーナツを買ってくるね。」

 

 

優希「・・・・・・」コクコク!

 

 

美由紀「ちょっと購買に行ってくるね。」

 

 

女子「優希君はどうするの?」

 

 

美由紀「触ろうとしたり抱っこしなければ大丈夫。」

 

 

女子「わかった。見てるね。」

 

 

美由紀「お願い、優希すぐ戻ってくるね。」

 

 

優希「・・・・・・」フリフリ

 

 

優希に見送られ、美由紀は購買にドーナツを買いに行った。

 

 

美由紀「優希~お待たせ。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

美由紀「食べようか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

美由紀「おいで。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

美由紀は自分の席に座ると膝の上に優希を座らせた。

 

 

美由紀「優希、はいドーナツ。」

 

 

優希「♪♪♪」

 

 

美由紀「///おいしい?」

 

 

優希「♪」コク

 

 

女子「かわいい///」

 

 

美由紀「でしょ///」

 

 

女子「抱っこしたい!」

 

 

美由紀「優希どうする?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

美由紀「ダメだって。」

 

 

女子「う~…」

 

 

美由紀「次の授業は何だっけ?」

 

 

女子「数学よ。」

 

 

美由紀「ハァ、数学か~…」

 

 

女子「ねぇ美由紀。」

 

 

美由紀「なに?」

 

 

女子「優希君…」

 

 

美由紀「優希?」

 

 

美由紀は言われて優希を見ると膝の上で優希は寝ていた。

 

 

女子「どうするの?」

 

 

美由紀「起こすのも可哀想だから、先生に頼んでみる。」

 

 

その後美由紀は先生に頼み込んで許可得た。しかし優希は家に着くまで起きなかった。

 



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第19話

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

優希は現在一人で散歩をしていると…

 

 

すずか「あれ?優希君」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「一人でお散歩?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「そうなんだ。」

 

 

優希「・・・・・・」クイッ

 

 

優希はすずかの袖を掴んだ。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「どうしたの?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「うーん、もしかして私が何をしているか、聞きたいの?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「私はね、これから図書館にいくんだ。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「優希君も行く?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「じゃあ行こう。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希とすずかは並んで歩き出した。

 

 

すずか「優希君は何か見たいものある?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

すずか「じゃあ私と一緒に面白い本探そうか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希とすずかは一緒に本を探し始めた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「優希君、何かあった?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

すずか「ゆっくり探そうね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「今日はこれしよう。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「優希君、いいのあった?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

すずか「沢山あるから迷っちゃうよね。」

 

 

優希「・・・・・・コク」

 

 

?「あれ?すずかちゃん。」

 

 

すずか「はやてちゃん。」

 

 

はやて「すずかちゃんも本探し?」

 

 

すずか「うん。はやてちゃんも?」

 

 

はやて「ウチは決まったよ。」

 

 

すずか「そうなんだ。」

 

 

はやて「所ですずかちゃんの後ろにいる子は誰なん?」

 

 

すずか「この子は友達の弟で高町優希君っていうの。」

 

 

はやて「そうなん、ウチは八神はやてって言うんや。よろしゅうな?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

はやて「どないしたん?」

 

 

優希ははやてをジッと見つめていた。

 

 

はやて「可愛いなぁ~」

 

 

ナデナデ

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「あれ?」

 

 

はやて「すずかちゃん、どうかしたん?」

 

 

すずか「うん、優希君はね人見知りが激しいんだ。だから人に触られるのを嫌うんだけど…」

 

 

はやて「そうなん?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希ははやてに撫でられていた。

 

 

すずか「そう言えばはやてちゃん、今日一人?」

 

 

はやて「うん、今日はみんな出かけてるんよ。」

 

 

すずか「そうなんだ、はやてちゃんはもう帰るの?」

 

 

はやて「うん、いい本見つかったし。すずかちゃんは?」

 

 

すずか「私も見つかったよ。今は優希君の探してるんだ。」

 

 

はやて「いいの無いん?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「どうしようか?もう少し探す?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

すずか「今日はやめとく?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「ほなら、途中まで一緒に帰ろか?」

 

 

すずか「うん!」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて達は本を借りて図書館を出た。

 

 

すずか「はやてちゃん今度遊びに行ってもいい?」

 

 

はやて「ええよ、いつでも来てな。」

 

 

すずか「うん。」

 

 

はやて「優希君も来てな?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「ほな、ウチはこっちやから。」

 

 

すずか「うん、またねはやてちゃん。」

 

 

はやて「優希君もまたね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて達はそれぞれ帰路についた。

 



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第20話

 

ガチャ

 

 

優希「……」

 

 

なのは「おかえり、ユウ。」

 

 

家に着くとなのはが笑顔で迎えた。

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「所でユウ、どこに行ってたの?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「ん?(黒笑)」

 

 

優希「!?」トタトタトタトタ!!

 

 

なのは「あ!ユウ!」

 

 

優希はなのはの笑顔を見た瞬間、本能的に逃げ出しなのはも追いかけた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

トタトタトタトタ

 

 

なのは「ユウ~!」

 

 

優希「!」トタトタトタトタ

 

 

ギュッ

 

 

美由紀「キャッ!?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

美由紀「優希?」

 

 

優希は美由紀を見つけると影に隠れた。

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

美由紀「なのは、どうしたの?」

 

 

なのは「あのね・・・」

 

 

なのはは美由紀に追いかけた訳を話した。

 

 

美由紀「うーん、優希も散歩したかったんじゃないかな?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「う~・・・」

 

 

美由紀「優希も散歩に行くときは誰かに言ってからいこうね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

美由紀「解決だね。じゃあ向こうで一緒にテレビ見ようか。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「お姉ちゃん待って~!」

 

 

美由紀は優希を抱っこして居間に行った。

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

はやて「あれ、優希君?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希が散歩していると、はやてと出会った。

 

 

はやて「こんにちは。」

 

 

優希「コクッ」

 

 

はやて「散歩してるんか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「ウチも一緒にええか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「ありがと、なら行こか。」

 

 

優希ははやてと一緒に散歩をする事にした。

 

 

優希「……」

 

 

はやて「優希君は散歩好きなんか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「そっか~、ウチも好きやで」

 

 

2人で散歩をしていると…

 

 

?「はやて~!」

 

 

はやて「ヴィータどないしたん?」

 

 

ヴィ「シグナムが帰りが遅いから心配してうるさいんだ。はやてその子は?」

 

 

はやて「この子は優希君っていうや。」

 

 

ヴィ「ふーん、アタシはヴィータだ。よろしくな。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「ほなら、優希君また散歩しよな?」ナデナデ

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやては優希の頭撫でた。

 

 

ヴィ「じゃあな。」

 

 

優希「!?」ビクッ!

 

 

ヴィータが撫でようとすると優希ははやての影に隠れた。

 

 

ヴィ「はやて、アタシ何かした?」

 

 

はやて「優希君は人見知りするんや、優希君ヴィータは酷い事せえへんよ。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「ヴィータ、優希君わかってくれたよ。」

 

 

ヴィ「驚かして悪かった。」ナデナデ

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ヴィ「ッ!」

 

 

優希「?」

 

 

ヴィータ「(コイツ、魔力がメチャクチャ高い!)」

 

 

はやて「ヴィータどないしたん?」

 

 

ヴィータ「何でもないよ、はやて。」

 

 

はやて「そか、なら帰ろか。優希君はまたな。」

 

 

優希「・・・・・・」フリフリ

 

 

優希ははやてと別れて帰路についた。

 

 

はやて「ただいま~」

 

 

シグナム「お帰りなさい、主はやて。」

 

 

はやて「ただいま、シャマルは?」

 

 

シグナム「今買い物に行っています。」

 

 

はやて「そか、じゃあウチは夕食の準備してるな。」

 

 

シグナム「はい。」

 

 

はやてはキッチンに向かった。

 

 

ヴィ「シグナム…」

 

 

シグナム「どうした?」

 

 

ヴィ「魔力が高い奴を見つけた。」

 

 

シグナム「なに?」

 

 

ヴィータ「50ページはいくと思う。」

 

 

シグナム「本当か!?」

 

 

シグナムはヴィータの知らせに驚いていた。

 

 

ヴィータ「どうする?」

 

 

シグナム「今すぐ向かおう。」

 

 

ヴィータ「わかった。」

 

 

シグナム達は優希のもとに向かった。

 

 

優希「……」

 

 

トコトコ

 

 

シグナム「あの子供か?」

 

 

ヴィータ「ああ、しかも近くに行かないとわからない。」

 

 

シャマル「シグナム。」

 

 

シグナム「シャマルきたか。」

 

 

シャマル「ターゲットは?」

 

 

シグナム「あの子供だ。」

 

 

シャマル「あの子?」

 

 

シグナム「そうだ、魔力を調べて見てくれ。」

 

 

シャマル「わかったわ。」

 

 

シャマルは魔法を発動させて優希の魔力を調べた。

 

 

シグナム「どうだ?」

 

 

シャマル「かなり高いわ、それにわかりにくい用に隠蔽してあるわ。」

 

 

シグナム「よし、シャマル頼めるか?」

 

 

シャマル「ええ!」

 

 

優希「ッ!?」

 

 

シャマルは優希から蒐集を始めた。

 

 

優希「……」

 

 

シャマル「凄いわ!50ページ分は超えるわ。」

 

 

シグナム「よし。」

 

 

シグナムは予想外の蒐集に喜んでいた。しかし…

 

 

ヴィ「シグナム…何か様子がおかしくないか?」

 

 

シグナム「なに?」

 

 

シグナムは優希の方を見た。

 

 

優希「……」

 

 

優希は目見開いてグッタリしていた。

 

 

シグナム「シャマル中止しろ!」

 

 

シャマル「え?は、はい!」

 

 

シグナム「様子がおかしい、治療を!」

 

 

シャマル「わかったわ!」

 

 

シャマルは優希に治療魔法をかけた。

 



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第21話

 

なのはside

 

 

なのは「ユウ~!」

 

 

フェイト「なのは!」

 

 

なのは「フェイトちゃん。」

 

 

フェイト「優希いた?」

 

 

なのは「ううん、いないの。」

 

 

なのははフェイトと一緒に帰りが遅い優希を捜している。

 

 

?「マスターの身に危険を感知。セットアップ!」

 

 

なのは「え?キャッ!?」

 

 

なのはのブレスレットが光りなのは達の前に機械で出来た狼が現れた。

 

 

フェイト「なに!?」

 

 

狼「マスター!」

 

 

狼はどこかに向かった。

 

 

フェイト「なのは追いかけよう!」

 

 

なのは「うん!」

 

 

なのは達もバリアジャケットは着て狼を追った。

 

 

シグナム「シャマルどうだ?」

 

 

シャマル「ダメ!原因がわからないの!」

 

 

シグナム「クッ!どうすれば…」

 

 

狼「マスター!」

 

 

シグナム、ヴィータ、シャマル「!」

 

 

シグナム達の前に狼が現れた。

 

 

狼「マスターから離れなさい!」

 

 

シグナム「シャマル!」

 

 

シャマル「ッ!」

 

 

狼は優希からシャマルを引き離した。

 

 

狼「マスター!しっかり!」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

フェイト「ハア~!!」

 

 

なのは達も追いつきなのはは優希に近づきフェイトはシグナム達に切りかかった。

 

 

シグナム「クッ!ここは引くぞ!」

 

 

シャマル「ええ!」

 

 

ヴィ「わかった。!」

 

 

シグナム達は転移して消えた。

 

 

なのはが「しっかりして、ユウ!」

 

 

フェイト「なのは、アースラに運ぼう!」

 

 

なのは「うん!」

 

 

医務室

 

 

なのは「エイミィさん、ユウは?」

 

 

エイミィ「魔力が少ない以外は異常がないの。」

 

 

クロノ「原因不明か…」

 

 

リンディ「あなたには原因が解るんじゃないかしら?」

 

 

リンディは狼を見て尋ねた。

 

 

狼「マスターの今の状態は魔力が急激に減ったのが原因です。」

 

 

リンディ「なら時間が立てば治るのかしら?」

 

 

狼「解りません、それにこのままだと精神が危険です。」

 

 

なのは「どうして!?」

 

 

狼「マスターは現在魔力を封印されています。それなのに無理矢理魔力を引き出した為に負担がさらに増えている状態です。」

 

 

なのは「そんな…」

 

 

リンディ「助ける方法はないのかしら?」

 

 

狼「あります、しかしあなた方には教えられません。」

 

 

クロノ「それはなぜだ?」

 

 

狼「マスターの過去にかかわります。親しい人以外に教える訳にはいきません。」

 

 

なのは「わたしは?」

 

 

狼「なのは様にはお話できます。」

 

 

なのは「じゃあ、話して!」

 

 

狼「わかりました、他の部屋に行きましょう。」

 

 

なのは「リンディさん。」

 

 

リンディ「隣の部屋を使っていいわよ。」

 

 

なのは「ありがとうございます。」

 

 

狼「では行きましょう。」

 

 

なのは達は隣の部屋に向かった。

 

 

クロノ「エイミィ、部屋の様子を。」

 

 

エイミィ「了解。」

 

 

クロノ達はなのは達の様子をモニターで監視し始めた。

 

 

なのは「ユウについて教えて!」

 

 

狼「わかりました、その前に質問があります。」

 

 

なのは「なに?」

 

 

狼「なのは様はこれからも管理局に協力をするのですか?」

 

 

なのは「うん。」

 

 

狼「そうですか、なら教える訳にはいきません。」

 

 

なのは「どうして!」

 

 

狼「人の話を盗み見る連中を信用出来ません、その仲間も。」

 

 

なのは「え?」

 

 

クロノ『何故わかった?』

 

 

なのは「クロノ君!」

 

 

なのはの前に複数のモニターが現れた。

 

 

狼「秘密です。」

 

 

クロノ『そうなると君を危険とみなし拘束をしないといけなくなる。』

 

 

なのは「クロノ君!?」

 

 

狼「出来るならどうぞ?」

 

 

クロノ『なに?』

 

 

狼「私を捕らえればマスターを助ける事を出来なくなりますよ?」

 

 

なのは「そんな!?」

 

 

クロノ『クッ!』

 

 

狼「どうします?捕まえますか?」

 

 

リンディ『いえ、私達の負けね』

 

 

クロノ『艦長?』

 

 

狼「そうですか、では私はこれで失礼します。」

 

 

なのは「えっ!?待って!」

 

 

狼は部屋を出て行き、なのはもそれを追った。

 



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第22話

 

-医務室-

 

 

優希「……」

 

 

狼「マスター…」

 

 

狼は優希を背中に乗せて医務室を出ようとした。

 

 

なのは「待って!ユウをどこに連れて行くの?」

 

 

狼「マスターを助ける為に家に連れて帰るのですけど?」

 

 

クロノ「それは許可出来ないな。」

 

 

なのは「クロノ君!?」

 

 

医務室の入口にクロノ達来ていた。

 

 

狼「ならどうします?」

 

 

クロノ「君を拘束させてもらう!」

 

 

狼「どうぞ?その代わりマスターは死にますけど…」

 

 

なのは「クロノ君やめて!!」

 

 

クロノ「しかし…」

 

 

リンディ「クロノ、やめなさい。」

 

 

クロノ「艦長?」

 

 

リンディ「今の私達では優希君を助ける事は出来ないわ…」

 

 

クロノ「しかし!?」

 

 

リンディ「なら優希君を見殺しにする?」

 

 

クロノ「……」

 

 

クロノはリンディに言われ何も言えなくなった。

 

 

狼「では失礼します。」

 

 

なのは「待って!私も!」

 

 

狼「先程も言いましたが、管理局は信用出来ません。」

 

 

なのは「でも!?」

 

 

狼「とにかく私はマスターを家に連れて帰り、ご家族に説明をしてマスターを助けます。」

 

 

そう言うと狼は部屋を出ようとした。

 

 

リンディ「待って、あなたはご家族に魔法の事を話す気?」

 

 

狼「はい、そうしなければマスターを助ける事は出来ません。」

 

 

リンディ「そう…話すのは家族だけかしら?」

 

 

狼「いえ、後2人程います。」

 

 

リンディ「わかりました、その人達以外には魔法の事は伏せてください。」

 

 

狼「わかりました。」

 

 

なのは「……」

 

 

狼「なのは様、まだ何か?」

 

 

なのはは狼の前に出た。

 

 

なのは「お願い、私も連れて行って!」

 

 

狼「…先程も言いましたが私は管理局を信用していません。」

 

 

なのは「でも、ユウは私の大切な家族なの!!」

 

 

狼「わかりました、リンディさんお願いがあります。」

 

 

リンディ「何かしら?出来る事なら協力するけど?」

 

 

狼「フェイト様をお借りしたいんです。」

 

 

リンディ「フェイトさんを?」

 

 

狼「はい。」

 

 

リンディ「わかったわ、フェイトさん行ってくれる?」

 

 

フェイト「はい!」

 

 

なのは「フェイトちゃん、ありがとう。」

 

 

フェイト「ううん、私も優希を助けたいから。」

 

 

狼「では、行きましょう。お二人とも私のそばに。」

 

 

2人「うん!」

 

 

狼「では、行きます!」

 

 

なのは達は転移でその場から消えた。

 

 

高町家の前

 

 

 

狼「着きました。」

 

 

なのは「それでどうするの?」

 

 

狼「まずは皆さんにマスターの状態を説明します。それとなのは様、アリサ様とすずか様を呼んでもらえますか?」

 

 

なのは「ふぇ?なんでアリサちゃん達の事知ってるの?」

 

 

狼「マスターの記憶を見ました。」

 

 

フェイト「そんな事をしていいの?」

 

 

狼「本来ならいけません。しかしマスターを助ける為なので…」

 

 

フェイト「あ、ごめんなさい。」

 

 

狼「いえ、気にしないでください。ではなのは様、お願いします。」

 

 

なのは「うん!」

 

 

なのは達は家に入って行った。

 

 

リビングには高町家、フェイト、アリサ、すずか達が集まった。

 

 

なのは「みんな集まったよ?」

 

 

狼「はい。ではなのは様、まず魔法について説明をお願いします。」

 

 

なのは「ふぇ!?わたし?」

 

 

狼「はい、私はその後にマスターの事を説明をします。」

 

 

なのは「うん、わかった。」

 

 

なのはが魔法について説明を始め、優希の状態についても説明をした。

 

 

桃子「……」

 

 

士郎「……」

 

 

恭也「……」

 

 

美由希「……」

 

 

アリサ「……」

 

 

すずか「……」

 

 

優希の状態を聞いた者は全員黙っていた。

 

 

狼「では、マスターの過去について話しますが皆さんはマスターにどんな過去があろうとも家族でいられますか?」

 

 

士郎「ああ。」

 

 

桃子「ええ。」

 

 

恭也「当然だ。」

 

 

美由希「うん。」

 

 

なのは「大丈夫だよ。」

 

 

狼「わかりました、ではお話しします。まずマスターは普通の人間ではありません。」

 

 

全員「え?」

 

 

狼「マスターは人造魔導師です。」

 

 

フェイト「ッ!!」

 

 

士郎「どうゆう事だ?」

 

 

狼「マスターは実験で作られた存在です。」

 

 

なのは「そんな!?」

 

 

狼「事実です、マスターはある目的の為に作られました。」

 

 

桃子「目的?」

 

 

狼「はい、最強の魔導師作りです。しかしマスターは魔力は無限に近い程ありますが体が耐えきれていません。」

 

 

恭也「だが優希は普通に過ごしているぞ?」

 

 

狼「それは魔力を封印してさらに周りに解らない用に隠蔽してあるから今までは大丈夫でした。」

 

 

士郎「今までは?」

 

 

狼「はい、先ほどマスターは襲われて魔力を吸い出されてしまいました。そのせいでマスターは危険な状態です。」

 

 

美由希「助ける方法はないの!?」

 

 

狼「2つありますが…」

 

 

士郎「危険な事なのか?」

 

 

狼「少しだけ、では説明します。一つは今まで通り魔力を封印する方法です。しかし代償として体は成長せず精神も3歳児のままです。」

 

 

なのは「もう一つは?」

 

 

狼「もう一つはマスターの封印を解いて本来の状態に戻す方法です。しかしまた襲われる可能性があります。」

 

 

全員「……」

 

 

狼「どちらになさいますか?」

 

 

士郎「桃子…」

 

 

桃子「難しいわね…」

 

 

狼「どうしますか?」

 

 

なのは「ユウの封印を解いて!」

 

 

桃子「なのは?」

 

 

なのはが狼に言った。

 

 

なのは「大きくなれないなんて可哀想だもん!わたしがユウを守る!」

 

 

士郎「なのは…」

 

 

桃子「士郎さん。」

 

 

士郎「ああ、なのはの言うとおりだな。」

 

 

恭也「そうだな。」

 

 

美由希「私達で守ればいいもんね!」

 

 

狼「わかりました、ではマスターの封印を外します。」

 

 

狼「では、なのは様達とアリサ様達に協力をお願いします。」

 

 

なのは「うん!」

 

 

フェイト「どうすればいいの?」

 

 

狼「なのは様達にはマスターの魔力が暴走しないように結界を張ってもらいます。」

 

 

アリサ「私達は?」

 

 

すずか「どうすればいいのかな?」

 

 

狼「アリサ様達はマスターの精神の中に入ってもらいマスターを探し起こしてもらいます。」

 

 

アリサ「探す?」

 

 

狼「はい、マスターは今自分で起きることが出来ない状態です。ですからアリサ様達にマスターを探してもらいます。」

 

 

すずか「でもそれなら恭也さん達の方がいいんじゃないかな?」

 

 

アリサ「そうよね。」

 

 

狼「確かにそうなんですが高町家の方はなのは様以外魔力が無いに等しいのです。」

 

 

恭也「魔力が無いと駄目なのか?」

 

 

狼「はい、魔力が無いと私の方で補助が難しくなって失敗する可能性が高くなってしまうのです。」

 

 

恭也「そうか…」

 

 

狼「はい、では始めましょう。なのは様達はマスターの魔力が暴走しないように外側から抑えて下さい。」

 

 

なのは達「うん。」

 

 

狼「ではアリサ様達は私に触れて下さい。」

 

 

アリサ「わかったわ。」

 

 

すずか「うん。」

 

 

アリサ達は狼の背中に触れた。

 

 

狼「では行きますよ?」

 

 

アリサ達「ええ(うん)!」

 

 

狼「ではなのは様達もお願いします。」

 

 

なのは達「うん!」

 

 

狼「行きます!」

 

 

狼がそう言うとアリサ達は眠ったように動かなくなった。

 

 



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第23話

ー精神世界ー

 

 

アリサ「ここは?」

 

 

すずか「何にもないね?」

 

 

狼「ここがマスターの精神世界です。」

 

 

アリサ「それでどうやって優希を探すのよ?」

 

 

狼「わかりません。」

 

 

すずか「えっ!?」

 

 

アリサ「ハア!?」

 

 

狼「ですからお二人に来てもらったのです。」

 

 

すずか「うーん、アリサちゃんどうやって探す?」

 

 

アリサ「そんなのわたしが聞きたいわよ!」

 

 

すずか「そうだよね…、ねぇ狼さん。」

 

 

狼「はい?」

 

 

すずか「ここは優希君の中なんだよね?」

 

 

狼「はい、そうです。」

 

 

すずか「だったら呼べば優希君が起きる可能性はあるかな?」

 

 

狼「可能性はあると思います。」

 

 

すずか「なら、やってみよう。」

 

 

アリサ「そうね、他に方法もないし。」

 

 

すずか「決まりだね。」

 

 

アリサ「優希~!」

 

 

すずか「優希君~!」

 

 

シーーン

 

 

アリサ「駄目ね…」

 

 

すずか「でも他に方法は無いよ?」

 

 

アリサ達は優希を呼んでいるが全く反応が無い。

 

 

アリサ「もう!優希~!!出てきなさーい!」

 

 

すずか「アリサちゃん!?いきなり大声出さないで!」

 

 

アリサ「悪かったわよ。優希が出てこないから、つい…」

 

 

すずか「だからって叫んで「ドサッ」も…えっ?」

 

 

アリサ「なに!?」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ達の前に耳を抑えた優希が現れた。

 

 

すずか「えーと、どうゆうこと?」

 

 

狼「ここはマスターの中ですからアリサ様の大声が届いたみたいですね。」

 

 

アリサ「えっと、優希大丈夫?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「良かった、優希君みんなの所に戻ろう?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「みんな心配してるわよ?さあ戻るわよ?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

優希はアリサ達の言葉に拒否を示した。

 

 

アリサ「優希?」

 

 

すずか「どうして?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希はアリサ達を見ず視線をそらしていた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「優希、どうして戻らないの?」

 

 

すずか「戻ろう?みんな心配しているよ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

狼「・・・私の記憶を見られたのですね?」

 

 

優希「・・・・・・」ビクッ

 

 

アリサ「どうゆう事?」

 

 

狼「私がマスターの記憶を見た時にマスターも私の記憶を見てしまったのです。」

 

 

すずか「じゃあ・・・」

 

 

狼「はい、マスターは全てを知ってしまったのです。」

 

 

すずか「そんな・・・」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「だから?優希は優希でしょ!」

 

 

すずか「そうだね!優希君帰ろ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「それとも私達の事嫌いになった?」

 

 

優希「!?」フルフル!!

 

 

優希はすずかの言葉に反応した。

 

 

すずか「良かった、私達も優希君が好きだから帰ろう?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

アリサ「さあ、帰るわよ。」

 

 

すずか「うん!」

 

 

狼「では戻ります。」

 

 

アリサ達が光、その場から消えていった。

 

 

なのは「フェイトちゃん大丈夫?」

 

 

フェイト「うん、でも優希の魔力がこんなに多いとは思わなかったね。」

 

 

なのは「うん、2人でなんとか抑えているけど、早く目を覚まさないかな?」

 

 

フェイト「そうだね・・・!?なのは、優希の魔力が!」

 

 

なのは「うん、落ち着いてきたね?」

 

 

狼「なのは様、もう大丈夫ですよ。」

 

 

なのは「ふぇ!?」

 

 

急に狼が起き出した。

 

 

フェイト「そうなの?」

 

 

狼「はい、マスターもすぐに目を覚まします。」

 

 

そう聞くとなのは達は結界を解いた。

 

 

アリサ「うっ・・・」

 

 

すずか「うーん・・・」

 

 

なのは「アリサちゃん、すずかちゃん!?」

 

 

アリサ達も目を覚ました。

 

 

優希「・・・」モゾモゾ

 

 

高町家「優希(ユウ)?」

 

 

優希「!?」トタトタトタトタ

 

 

優希は起きるとすずかの後ろに隠れた。

 

 

桃子「優希?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は桃子を見るが近付こうとはしなかった。

 

 

すずか「大丈夫だよ、桃子さん達も優希君のそばにいてくれるよ!」

 

 

桃子「優希、いらっしゃい」

 

 

桃子がしゃがんで両手を広げると

 

 

優希「・・・・・・」トタトタ

 

 

ボスン

 

 

優希は桃子に抱きついた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

桃子「良かった、無事で。」

 

 

優希「ママ・・・」

 

 

桃子「なに?」

 

 

優希「・・・ごめん・・・なさい・・・」

 

 

桃子「いいのよ、優希は何も悪くないんだから。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「何かユウの雰囲気が違うね?」

 

 

狼「精神への負担が無くなったので前よりは喋れると思います。」

 

 

なのは「そうなんだ~」

 

 

狼「はい、取りあえず今後についてなんですが魔法のコントロールはなのは様とフェイト様にお願いしたいのですが?」

 

 

なのは「うん、いいよ。」

 

 

フェイト「私も。」

 

 

狼「では私はマスターに魔法の知識と使い方を教えておきます。」

 

 

桃子「私達はどうすればいいのかしら?」

 

 

狼「今まで通りに過ごして下さい。」

 

 

士郎「そうか、なら大丈夫だな。」

 

 

優希「ママ・・・」

 

 

桃子「なに?」

 

 

優希「・・・・・・」グゥ~

 

 

桃子「お腹すいたの?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

桃子「わかったわ、今美味しいご飯を作るからね」

 

 

士郎「私も手伝おう。」

 

 

なのは「ユウ~、ご飯が出来るまで私達と遊んでよ?」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

ギュッ

 

 

なのは「向こうに行こうか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

桃子「じゃあお願いね?」

 

 

なのは「うん!」

 

 

なのは達は居間に向かった。



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第24話

 

 

なのは「ねぇ狼さん、ところで名前は?」

 

 

狼「まだありません。」

 

 

なのは「そっか、じゃあユウ?狼さんの名前を考えようか?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

なのは「えっ?名前付けないの?」

 

 

優希「ルネ・・・」

 

 

なのは「ルネ?」

 

 

すずか「名前じゃないかな?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「ありがとうございます、マスター。」

 

 

なのは「もう決めてあったの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「そっか~。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「所でルネ?ユウのデバイスはどうするの?」

 

 

ルネ「大丈夫です、マスターには杖があります。」

 

 

フェイト「杖?」

 

 

ルネ「はい、マスター専用の杖です。」

 

 

なのは「じゃあ、デバイスは必要ないの?」

 

 

ルネ「はい、今は必要ありません。」

 

 

なのは「そっか、じゃあ明日から練習しようね?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

桃子「優希、ご飯出来たわよ?みんなも食べていってね。」

 

 

フェイト達「ありがとうございます!」

 

 

フェイト達も一緒に食事をして帰っていった。

 

 

次の日、朝からなのは達は優希に魔法のコントロールを教える為公園に来ていた。

 

 

なのは「ねぇルネ?ユウには魔法の使い方はいつ教えるの?」

 

 

ルネ「もう教えましたよ?」

 

 

フェイト「えっ?」

 

 

ルネ「昨日の夜、マスターが寝ている間に私が知っている事を全部マスターに移しましたよ?」

 

 

フェイト「そんな事して大丈夫なの?」

 

 

ルネ「いえ、大丈夫だと思ったのですが流石に全部は多すぎたみたいで・・・」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネの隣には少し元気のない優希がいた。

 

 

フェイト「だからいつもより元気がなかったんだ。」

 

 

ルネ「はい・・・」

 

 

なのは「取りあえず練習を始めようか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「ユウはどんな魔法が使えるの?」

 

 

ルネ「今使えるのは、なのは様のアクセルシューターに似ているのが使えるだけですね。」

 

 

なのは「そっか、なら最初はそれを操る練習をしようか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「マスター、杖です。」

 

 

ルネが優希に先端に丸い水晶が付いた形の杖を渡した。

 

 

なのは「綺麗な杖だよね?」

 

 

フェイト「うん、何か見とれちゃうね。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「じゃあ、始めよう。ユウ、取りあえず出してみようか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希が杖を持って魔法を発動させると優希の前にニメートル位の魔力玉が出てきた。

 

 

なのは「・・・・・・」

 

 

フェイト「・・・・・・」

 

 

なのは達もあまりの大きさに言葉が出なかった。

 

 

優希「?」

 

 

なのは「・・・えーと、ユウもう少し小さく出来る?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はなのはに言われ魔力玉をソフトボール位の大きさにした。

 

 

なのは「うん、それでいいよ。じゃあまずはあそこにある空き缶に当ててみようか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は空き缶を目掛けて杖を降った。しかし…

 

 

スカッ

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

当たらなかった。

 

 

なのは「最初はしょうがないよ?ユウはまだ魔法になれていないんだからね?」

 

 

フェイト「そうだよ、これから練習をしていけばいいんだから。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「じゃあもう一回やってみようか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はもう一度杖を降った。すると…

 

 

ドーーン!!

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「えっと・・・」

 

 

フェイト「ねぇルネ?何であんなに威力があるの?」

 

 

ルネ「多分ですけど魔力玉を小さくしただけで威力はそのままみたいですね・・・」

 

 

なのは「えーとねユウ、もう少し威力を小さく出来る?」

 

 

優希「?」

 

 

フェイト「なのは、コントロールが出来てないから難しいじゃないかな?」

 

 

ルネ「そうですね。」

 

 

なのは「そうだよね・・・でも威力がありすぎてこのままだと危ないよ?」

 

 

フェイト「どうしようか?」

 

 

なのは「うーん、何か制御する方法があればいいんだけど…」

 

 

ルネ「取りあえず今日の練習はここまでにして、制御の事を考えましょう。」

 

 

フェイト「そうだね。」

 

 

なのは「うん、ユウ今日は終わりにして帰ろう?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

フェイト「なのは、また後でね?」

 

 

なのは「うん、後でね。」

 

 

フェイトは一度家に戻って行った。

 

 

なのは「じゃあ私たちも帰ろ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは達も家に戻って行った。

 

 

なのは「ユウ、学校に行って来るからルネと一緒にいてね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「じゃあ、いってきまーす!」

 

 

優希「・・・・・・」フリフリ

 

 

ルネ「いってらっしゃいませ。」

 

 

なのは達は学校がある為、優希の護衛はルネがしている状態になっていた。

 

 

ルネ「マスターこれからどうしますか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「お散歩ですか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

恭也「どこかに行くのか?」

 

 

優希がルネと話していると恭也が来た。

 

 

ルネ「はい、マスターが散歩に行きたいそうなので。」

 

 

恭也「そうか、なら俺も一緒に行こう。」

 

 

ルネ「ありがとうございます。私も犬の外見に化けて行きます。」

 

 

恭也「そうだな、じゃあ行くか優希?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「マスター落ちないようにちゃんと捕まっていて下さいね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はルネの背中に乗って散歩をしていた。

 

 

ルネ「どうですか?いつもとは違う景色は?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「楽しいですか。」

 

 

恭也「ルネは優希が言っている事が解るのか?」

 

 

ルネ「はい、大体わかりますよ。」

 

 

恭也「どうやってわかるんだ?」

 

 

ルネ「表情を見ていると微妙な変化があるんですよ。」

 

 

恭也「なるほど、参考になるな。」

 

 

ルネ「お役にたてて良かったです。」

 

 

優希「にぃ~」

 

 

恭也「どうした優希?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は公園を指差した。

 

 

恭也「遊んでいくか?」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

恭也「優希は元気だな。」

 

 

優希「?」

 

 

恭也「気にするな。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

優希は公園の中を歩き回って遊び恭也達はそれを眺めていた。

 

 

恭也「ところで優希の体は大丈夫なのか?」

 

 

ルネ「はい、まだ魔法のコントロールは出来ませんけど体に異常はないです。」

 

 

恭也「そうか。」

 

 

優希「・・・・・・」クイクイ

 

 

恭也「どうした優希?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は他の子供が遊んでいる物を指差した。

 

 

恭也「ん?あれが気になるのか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

恭也「あれはブーメランだ。」

 

 

優希「?」

 

 

恭也「あれはな、投げると戻ってくる物だ。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

恭也「欲しいのか?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

恭也「違うのか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

恭也「なら、いいがそろそろ帰るか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は頷くとルネに近づいた。

 

 

ルネ「はい、どうぞ。」

 

 

ルネがしゃがむと優希はルネの背中に乗った。

 

 

恭也「よし帰るぞ。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「はい、マスター?ちゃんと捕まっていて下さいね?」

 

 

ルネは優希に注意をして歩き出し帰路についた。



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第25話

散歩から帰って来た優希が突然・・・

 

 

優希「ルネ・・・」

 

 

ルネ「どうしたんですかマスター?」

 

 

優希「デバイス・・・」

 

 

ルネ「デバイス?もしかして欲しいのですか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「どうしたんですか急に?」

 

 

優希「コントロール・・・」

 

 

ルネ「コントロールする為に欲しいのですか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「管理局に頼むのですか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「ではどうしますか?」

 

 

優希「作る」

 

 

ルネ「作る!?マスター、知識はありますが経験はないんですよ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「それに材料はどうするのですか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希が若干悲しい目をした。

 

 

ルネ「うっ・・・わかりました。何とかします・・・」

 

 

ルネは優希の目を見て何とかする約束をしてしまった。

 

 

-その日の夜-

 

 

ルネ「恭也様、美由希様明日の予定は空いていますか?」

 

 

恭也「俺は空いているぞ?」

 

 

美由希「私も空いてるよ?」

 

 

ルネ「実はお願いがあるのです…」

 

 

ルネは優希とのやり取りを説明した。

 

 

恭也「なるほどな。」

 

 

美由希「ルネは優希には甘いね~。」

 

 

ルネ「うっ・・・美由希様も同じじゃないですか・・・」

 

 

美由希「そ、そんな事ないよ!?」

 

 

ルネ「そうですか~、確か昨日の夜…」

 

 

美由希「わ~!?」

 

 

恭也「うるさい・・・」

 

 

美由希「う~・・・」

 

 

恭也「それでルネ、俺達の予定を聞いてどうしたんだ?」

 

 

ルネ「恭也様達のお力をお借りしたいのです。」

 

 

美由希「私たちの力?」

 

 

ルネ「はい、実はマスターのデバイスを作る為の材料を取りに行くのにある場所に行きたいのですが…」

 

 

恭也「ある場所?」

 

 

ルネ「マスターが生まれた研究所です…」

 

 

2人「!?」

 

 

ルネ「そこに行けば必要な物が手にはいるはずなんです。」

 

 

恭也「しかし何故そこなんだ?他では手に入らないのか?」

 

 

ルネ「入りますけど、そこは信用出来ません。」

 

 

恭也「なるほど。しかし俺達で役に立てるのか?」

 

 

ルネ「はい、研究所は魔法が使えないようになっているので格闘戦が主体になってしまうのです。」

 

 

恭也「ふむ、なら行くか?」

 

 

美由希「うん、私もいいよ!」

 

 

ルネ「ありがとうございます、では明日の朝からでいいですか?」

 

 

2人「ああ(うん)」

 

 

ルネ「ではお願いします。」

 

 

ー次の日ー

 

 

ルネ「では行きましょうか?」

 

 

恭也「ああ。」

 

 

美由希「うん!」

 

 

優希「・・・・・・」コク!

 

 

美由希「って!優希!?」

 

 

恭也「何で優希が?」

 

 

ルネ「いえ、マスターがいないと防衛システムを止められないので。」

 

 

美由希「そうなの?」

 

 

ルネ「はい、マスターの事を登録出来ればシステムも止まります。」

 

 

恭也「そうか、ならルネは優希の護衛だな。俺達は防衛システムを破壊する。」

 

 

美由希「うん、ねぇルネ?防衛システムってどんな物なの?」

 

 

ルネ「ほとんど人型のロボットです。」

 

 

恭也「なるほど、いい鍛錬になりそうだな。」

 

 

美由希「そうだね。」

 

 

ルネ「では行きましょう。」

 

 

ルネがそう言うと全員転移して消えた。

 

 

-研究所-

 

 

ルネ「ではマスターは私に乗ってください。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

恭也「では俺達も行くぞ。」

 

 

美由希「いつでもいいよ、恭ちゃん!」

 

 

ルネ「案内は私がします。防衛システムはお願いします。」

 

 

恭也「任せろ!」

 

 

ルネ「では行きましょう!」

 

 

恭也達が先陣でルネに乗った優希が付いていった。

 

 

ルネ「次を右です!」

 

 

恭也「わかった!」

 

 

研究所の着いてから三十分、恭也達は防衛システムを破壊しながら進んでいた。

 

 

美由希「恭ちゃん!」

 

 

恭也「ふっ!」ガシャン!

 

 

恭也達は簡単に防衛システムを破壊し進んでいた。

 

 

ルネ「次を左に!」

 

 

恭也「わかった!」

 

 

恭也達が曲がると・・・

 

 

ルネ「その部屋です!」

 

 

恭也「よし!」

 

 

恭也達が部屋に入ると…

 

 

ルネ「マスター、そこにある機械に手を!」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネは急いで防衛システムを止める作業にはいった。

 

 

恭也「どれくらいだ?」

 

 

ルネ「3分位です。」

 

 

美由希「じゃあもう大丈夫だね~」

 

 

美由希が呑気に言っていると…

 

 

カシャ

 

 

一体のロボットが入ってきた。

 

 

恭也「チッ!」

 

 

美由希「任せて!」

 

 

美由希が一気にロボットに挑んだ。

 

 

美由希「ハッ!」

 

 

しかし…

 

 

ガキィン!

 

 

美由希「えっ!?」

 

 

ロボットは美由希の攻撃を受け止めた。

 

 

恭也「ふっ!」

 

 

恭也もロボットに挑んだが…

 

 

ガキィン!

 

 

恭也「チッ!」

 

 

恭也の攻撃も止められた。

 

 

美由希「恭ちゃん…」

 

 

恭也「ああ、コイツは今までのロボットとは違うみたいだな。」

 

 

美由希「ルネ!後どれ位!?」

 

 

ルネ「二分程です!」

 

 

美由希「二分か~・・・」

 

 

恭也「やるしかないか・・・」

 

 

美由希「そうだね・・・」

 

 

恭也「行くぞ!」

 

 

美由希「うん!」

 

 

恭也達は同時に挑んだ。

 

 

恭也「ふっ!」ガキィン!

 

 

美由希「ハッ!」ガキィン!

 

 

恭也達が同時に挑んでいるがロボットは全部防いでいた。

 

 

恭也「チッ!」

 

 

美由希「どうするの恭ちゃん?」

 

 

恭也「こちらの手が全部読まれているな・・・」

 

 

ルネ「恭也様!後1分ほど耐えてください!そうすればあのロボットを停止できます。」

 

 

恭也「よし!美由希、何とか時間をかせぐぞ!」

 

 

美由希「うん!」

 

 

恭也達が再び挑んだが・・・

 

 

ドン!

 

 

恭也「グッ!?」

 

 

美由希「恭ちゃん!?」

 

 

恭也の攻撃が当たる前にロボットの攻撃が恭也を捉えた。

 

 

美由希「何で?さっきと動きが違う。」

 

 

恭也「多分学習しているのだろう。」

 

 

恭也達が話しているとロボットは優希達に向かっていった。

 

 

美由希「恭ちゃん!」

 

 

恭也「とにかく優希達を守るぞ!」

 

 

バシンバシン

 

 

恭也「グッ!?」ドサッ!

 

 

美由希「うっ!?」ドサッ!

 

 

恭也「美由希大丈夫か?」

 

 

美由希「何とか…って恭ちゃん前!」

 

 

恭也「しまった!?」

 

 

恭也の前にロボットが迫っておりトドメを刺す為にロボットは拳を振り上げていた。

 

 

恭也「クッ!?」

 

 

美由希「恭ちゃん!」

 

 

ロボットは拳を振り下ろしたが…

 

 

ルネ「何とか間に合いましたね。」

 

 

ロボットの拳は恭也の頭上で止まっていた。

 

 

恭也「ふぅ~・・・助かった、ルネ。」

 

 

美由希「良かった~」

 

 

ルネ「間に合って良かったです。」

 

 

恭也「そっちは終わったのか?」

 

 

ルネ「はい、後は必要な物を持って帰るだけです。恭也様達は大丈夫ですか?」

 

 

恭也「ああ、これ位何ともない。」

 

 

美由希「大丈夫だよ。」

 

 

ルネ「では私はマスターと一緒に必要な機材を集めてきますので恭也様達はゆっくり休んでいて下さい。」

 

 

恭也「いや、これ位問題ない。俺も手伝おう。」

 

 

美由希「私も手伝うよ。」

 

 

ルネ「ではお願いします。」

 

 

恭也達もルネに聞きながら機材を探した。

 

 

ルネ「これ位ですね。」

 

 

恭也「これだけでいいのか?」

 

 

恭也達の前にはノートパソコンみたいな物が2つ、ビデオデッキ位の大きさの六角形の形をした物が置いてあった。

 

 

ルネ「はい、これだけで大丈夫です。」

 

 

美由希「これで作れるの?」

 

 

ルネ「はい、大丈夫です。マスター、ペンダントを。」

 

 

優希「コクッ」

 

 

優希はルネに言われた通りにペンダントを外した。すると機械はペンダントに収納された。

 

 

美由希「わぁ~。」

 

 

ルネ「マスターもういいですよ。」

 

 

優希「コクッ」

 

 

ルネ「では帰りましょうか?」

 

 

恭也「そうだな、今日はいい経験になった。」

 

 

美由希「そうだね~。」

 

 

ルネ「さっきの防衛システムなら訓練用に直してマスターの訓練に使いますけど、恭也様もお使いになります?」

 

 

恭也「いいのか?」

 

 

ルネ「はい、直り次第教えいたします。では帰りましょう。」

 

 

優希「コクッ」

 

 

美由希「うん!」

 

 

恭也達はルネに近寄り、転移して家に帰っていった。



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第26話

 

 

研究所から戻ってきて1日、優希はバリアジャケットのデザインに悩んでいた。

 

 

ルネ「マスター、お散歩に行きましょう?そしたらいい案もでますよ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「では行きましょう!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター、少しは考えるのを止めた方が…」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

ルネ「マスター・・・」

 

 

ルネは優希に気分転換をさせたかったが優希はずっと考えこんでいた。

 

 

なのは「あれ、ユウ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「なのは様、お帰りなさい。」

 

 

なのは「ただいま、所でユウは散歩?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター、なのは様に手伝ってもらっては?」

 

 

なのは「どうかしたの?」

 

 

ルネ「実は・・・」

 

 

ルネはなのはに優希がバリアジャケットのデザインに悩んでいる事を伝えた。

 

 

なのは「ならみんなにも手伝ってもらおう!今日はアリサちゃん達も来るから。」

 

 

ルネ「良かったですね、マスター?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「では帰りましょうか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希達は自宅に戻った。

 

 

なのは「うーん…」

 

 

フェイト「こんなのは?」

 

 

すずか「可愛いすぎじゃないかな?」

 

 

アリサ「優希を見てると、どうしても可愛いのになっちゅうわね。」

 

 

なのは達も優希のバリアジャケットのデザインを考えているが優希と同じで悩んでいた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「ねぇルネ、ユウのデバイスはどんな物なの?」

 

 

ルネ「私もまだ聞いていません。」

 

 

フェイト「そうなの?」

 

 

ルネ「はい。」

 

 

なのは「ねぇユウ、どんなの作るの?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

なのは「教えてくれないの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

フェイト「どうして?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「多分出来上がってから見せたいのでは?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「ならしょうがないね。」

 

 

すずか「ねぇ優希君、こんなのは?」

 

 

すずかは優希にバリアジャケットのデザインを見せた。

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「気に入った?」

 

 

すずかが優希に見せたデザインは黒いマントに青いジャケットとズボン、ズボンには白い線が二本ずつ入っている。

 

 

なのは「わぁ~、似合いそうだね。」

 

 

フェイト「そうだね。」

 

 

アリサ「優希、出来たら私たちにちゃんと見せなさいよ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

そして次の日・・・

 

 

優希「・・・・・・」カタカタカタカタ

 

 

ルネ「マスター、魔力のコントロールはどうしますか?」

 

 

優希「ルネ」

 

 

ルネ「えっ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「まさか私ですか!?無理ですよ!?私にはそんな機能ないんですよ!」

 

 

優希「・・・・・・」じりじり

 

 

優希が工具を持ってルネに近づいていった。

 

 

ルネ「マスター!?待ってください!?いや!?ちょっと!いや~~!!」

 

 

ルネの悲しい叫びが辺りに響いた。

 

 

ルネ「グス、マスター酷いですよ…」

 

 

優希「・・・・・・」ナデナデ

 

 

ルネ「せめて心の準備をさせて欲しかったですよ・・・」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「ではちょっとチェックしますね?」

 

 

ルネはそう言うと自分の機能をチェックを始めた。

 

 

ルネ「マスター?普段の魔力はどうするのですか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希はルネに指輪を見せた。

 

 

ルネ「慣れるまではそれで抑えるのですね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「わかりました、私の方もチェックが終わりました。色々な機能を付けたのですね。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「じゃあこれでお終いですね。少し休みますか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は外を指差した。

 

 

ルネ「お外に行くのですか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「わかりました。では行きましょう。」

 

 

ルネ「マスターどちらに行きますか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「アリサ様に会いに行くのですか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「わかりました。では乗ってください。」

 

 

ルネがしゃがむと優希はルネの背中に乗った。

 

 

ルネ「じゃあ行きます。」

 

 

ルネは優希を乗せて なのはの下に向かった。

 

 

なのはside

 

 

なのは「アリサちゃん、今日は塾おやすみ?」

 

 

アリサ「休みよ。」

 

 

すずか「私も。」

 

 

フェイト「じゃあみんなでどこかに行く?」

 

 

アリサ「そうね、でもどこに?」

 

 

なのは「うーん、どうしようか?」

 

 

すずか「そうだね~…あれ?向こうから来るのって優希君?」

 

 

優希を乗せたルネがなのは達の前に来た。

 

 

なのは「ユウどうしたの?」

 

 

ルネ「マスターがアリサ様に用あるそうです。」

 

 

アリサ「私に?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は頷くとアリサに指輪を見せた。

 

 

アリサ「指輪?」

 

 

フェイト「デバイスが出来たの?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「でもどうして?」

 

 

優希「約束・・・」

 

 

アリサ「約束?もしかして出来たら見せてって言ったやつ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

アリサ「じゃあ見せてもらおうかしら」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「じゃあ一緒に公園に行こう。」

 

 

なのはが優希にそう言うと優希も一緒に公園に向かった。

 

 

アリサ「じゃあ優希、見せてちょうだい?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは達は人通りの少ない公園の奥まで来ていた。

 

 

優希「セットアップ・・・」

 

 

優希がデバイスを起動させると優希の服装がバリアジャケットに変わった。

 

 

なのは「わぁ~!!」

 

 

フェイト「似合っているよ、優希。」

 

 

アリサ「良く似合ってるわよ。」

 

 

すずか「うん、かっこいいよ。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はみんなに誉められ見た目では解らないが喜んでいた。

 

 

ルネ「良かったですね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は頷くとバリアジャケットを解除した。

 

 

すずか「でも、優希君も魔法使いか~、ちょっと羨ましいな。」

 

 

アリサ「そうね。」

 

 

なのは「そうかな?」

 

 

フェイト「どうかな?」

 

 

アリサ「あんたたちはもうなってるでしょ!!」

 

 

なのは「にゃ-!?」

 

 

アリサはなのはの肩を掴んで揺さぶった。

 

 

フェイト「なのは!?」

 

 

すずか「アリサちゃんストップ!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希だけは姉の惨事を見ていた。しかし優希は、この後になのはとの間に最悪な出来事が起こることをまだ知らなかった・・・



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第27話

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター、今日も気持ちいいですね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は最近の日課になっている散歩をしていた。すると…

 

 

はやて「あれ、優希君?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

はやてが近づいてきた。

 

 

はやて「こんにちは優希君。散歩か?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「所でその子は?」

 

 

はやてはルネを見ながら優希に訪ねた。

 

 

優希「ルネ」

 

 

はやて「そっか、ルネって言うか~。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希がはやてにルネの事を教えると…

 

 

優希「・・・・・・」クゥ~

 

 

優希のお腹が鳴った。

 

 

はやて「お腹すいたんか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「なら家でお茶しよか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は悩んだ。

 

 

はやて「遠慮しなくてもええんよ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は悩んだが頷いた。

 

 

はやて「なら行こか!」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希ははやてと一緒にはやての家に向かった。

 

 

はやての家に着いた優希は…

 

 

はやて「どうや?おいしい?」

 

 

優希「♪」コク

 

 

はやてがくれたクッキーを喜んで食べていた。

 

 

はやて「優希君はかわええな~!」

 

 

優希「?」

 

 

優希ははやてが言っている意味があまりわからなかった。

 

 

はやて「気にしないでええよ。」

 

 

優希「?」コク

 

 

優希は再びクッキーを食べ始めた。

 

 

優希「?」トコトコ

 

 

クイックイッ

 

 

はやて「どうしたんや?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は近くに飾ってある写真を指差した。

 

 

はやて「あれか?あれに写っているのはウチの大事な家族や!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

はやて「優希君はヴィータとは会った事はあるやね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「ならこの人がシグナム、シャマル、ザフィーラやで?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

はやては写真を見ながら一人ずつ指を指して教えた。

 

 

はやて「ウチはな小さい時に両親が亡くなって寂しかったんや…でもな今はシグナム達がいるから毎日が楽しいんや。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

はやて「と言っても優希君には難しかったかな?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

はやて「言っている事わかるんか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「そっか~、優希君は賢いんやね。」ナデナデ

 

 

そう言ってはやては優希の頭を撫でた。

 

 

はやて「一人で帰れる?」

 

 

優希「・・・・・・」コク、ナデナデ

 

 

優希は頷いてルネを撫でた。

 

 

はやて「そっか、ルネが一緒なんやね。なら平気やね。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「また遊びにきてな?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は頷くとルネと一緒に帰路についた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター、楽しかったですか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はルネと話しながら帰っていると…

 

 

優希「!?」

 

 

優希は突如何かを感じとった。

 

 

ルネ「!近くで戦闘がおきているみたいですね…」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希はルネから降りてルネを見つめた。

 

 

ルネ「駄目ですよ…マスターには知識はあっても戦闘経験がないから連れて行けませんよ?」

 

 

優希「命令・・・」

 

 

ルネ「うっ…わかりました。ですが危険と判断したらすぐに逃げますからね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「では行きましょう。」

 

 

優希「セットアップ」

 

 

優希はバリアジャケットを着けルネにまたがった。

 

 

ルネ「行きます!」

 

 

ルネは転移して戦闘区域に向かった。

 

 

シュン

 

 

ルネ「あちらですね。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希達は少し離れた場所にいた。

 

 

ルネ「あのままでは彼女達は捕まりますね…」

 

 

優希「・・・・・・」カチャ

 

 

優希はブーメランを手に構えた。

 

 

ルネ「マスター!?何をするきですか?」

 

 

優希「助ける・・・」

 

 

ルネ「わかりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シグナム「まずいな・・・」

 

 

ヴィータ「どうすんだよ?」

 

 

シャマル「何とかしないと・・・」

 

 

ザフィーラ「しかしこの結界では逃げられんぞ。」

 

 

なのは「武装を解除してください!」

 

 

クロノ「今日こそ捕まってもらうぞ!」

 

 

シグナム「クッ」

 

 

シグナムが打開策を考えていると…

 

 

シュルシュルシュルシュル

 

 

フェイト「!」

 

 

クロノ「クッ」

 

 

フェイトとクロノは突然の不意打ちをデバイスで攻撃を防いだ。

 

 

クロノ「誰だ!」

 

 

クロノが叫ぶとシグナム達の前に優希が現れた。

 

 

3人「優希(ユウ)!?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

シグナム「お前は・・・」

 

 

ルネ「訳は後です!とにかく今あなた達を逃がします。」

 

 

ヴィータ「ハッ?」

 

 

シャマル「なんで?」

 

 

ザフィーラ「どういうつもりだ?」

 

 

ルネ「とにかく逃げますからね!!」

 

 

ルネは優希を残し、シグナム達と一緒に転移した。

 

 

なのは「ユウ!なんでこんな事するの!?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

フェイト「優希、なんで邪魔したの?」

 

 

優希「駄目」

 

 

なのは「えっ?」

 

 

フェイト「どうゆう事?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「ユウ、あの人達をどこへやったの?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

クロノ「そうか、なら君を拘束させてもらう!」

 

 

フェイト「クロノ!?」

 

 

クロノ「理由はどうあれ優希がやった事は問題だ!」

 

 

なのは「ユウ、教えて!じゃないと怒るよ!!」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

なのは「ユウがした事は悪い事なんだよ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「どうして教えてくれないの?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「悪い事するユウなんて嫌いだよ。」

 

 

優希「!」

 

 

なのはが嫌いと言った瞬間、優希は俯いた。

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

なのはが優希に声をかけると…

 

 

ポタ

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は涙を流していた。

 

 

フェイト「優希!?」

 

 

なのは「ユウ・・・」

 

 

優希「ッ・・・」

 

 

優希は自分の杖を出し魔力玉を出した。

 

 

クロノ「な!?」

 

 

フェイト「嘘…」

 

 

優希の周りには大量の魔力玉を出し…

 

 

優希「行け」

 

 

優希は魔力玉をなのは達に向けて放った。

 

 

ドーーン!!

 

 

クロノ「クッ!」

 

 

フェイト「ッ!」

 

 

なのは「キャッ!?」

 

 

なのは達は優希の魔力玉を防いだ。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター!?」

 

 

ルネが優希の下に戻ってきた。

 

 

ルネ「・・・・・・」

 

 

なのは「ルネ!」

 

 

ルネ「マスターを泣かせたのは、誰ですか?」

 

 

優希の泣き顔を見たルネは雰囲気が変わった。

 

 

なのは「えっと・・・」

 

 

ルネ「・・・マスター行きましょう。」

 

 

フェイト「待って!」

 

 

クロノ「行かせる訳にはいかない!」

 

 

ルネ「邪魔をするなら、容赦しませんよ?」

 

 

3人「!!」

 

 

ルネは普段と違い敵意を出していた。

 

 

ルネ「マスター行きましょう。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希はルネに乗った。

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのはが呼んでも優希は、なのはを見ようとせず転移して行った。



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第28話

-公園-

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター・・・」

 

 

優希は日が落ちても家には帰ろうとはしなかった。

 

 

ルネ「何があったのですか?」

 

 

優希「なの姉・・・」

 

 

ルネ「なのは様?」

 

 

優希「嫌いって・・・」

 

 

ルネ「なのは様に嫌いって言われたのですか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「だから帰りたくないのですね…」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「わかりました、とりあえず場所を移動しましょう。」

 

 

ルネは優希を乗せて歩き出した。

 

 

ルネ「これからどうしますか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

優希は落ち込んだままだった

 

 

ルネ「マスター・・・」

 

 

すずか「あれ、優希君?」

 

 

優希達が歩いているとすずかに出会った。

 

 

ルネ「こんばんは、すずか様。」

 

 

すずか「こんばんわ、どうしたの?帰らないの?」

 

 

ルネ「えっと・・・」

 

 

すずか「私で良かったら相談にのるよ?」

 

 

ルネ「すずか様、訳は後で説明しますのでマスターを泊めてもらえませんか?」

 

 

すずか「いいけど、なのはちゃんに言わなくて平気?」

 

 

優希「・・・・・・」ビクッ

 

 

ルネ「マスター・・・」

 

 

すずか「よくわからないけど、家に行こうか?」

 

 

ルネ「ありがとうございます。」

 

 

すずかは優希とルネを連れて家に向かった。

 

 

-月村家-

 

 

すずか「そんな事あったんだ・・・」

 

 

ルネ「はい・・・」

 

 

ルネは家に着くまでにすずかに事情を説明した。

 

 

すずか「それでこれからどうするの?」

 

 

ルネ「私はマスターの着替えを取りに行ってくるので、マスターをお願い出来ますか?」

 

 

すずか「うん、いいよ。」

 

 

ルネ「ではお願いします。」

 

 

ルネはすずかに優希を預けて高町家に向かった。

 

 

-高町家-

 

 

なのは「ただいま・・・」

 

 

桃子「おかえり、なのは。優希と一緒じゃなかったの?」

 

 

なのは「えっ?ユウ帰ってきてないの?」

 

 

桃子「ええ、何処に行ったのかしら・・・」

 

 

なのは「私探し「必要ありません」て・・・」

 

 

桃子「ルネ?」

 

 

なのはの後ろにルネが転移してきた。

 

 

ルネ「本日はマスターは戻られません。」

 

 

桃子「どうして?」

 

 

ルネ「それはなのは様が知っています。」

 

 

桃子「なのはが?」

 

 

なのは「ルネ、ユウの所に連れて行って!」

 

 

ルネ「お断りします。」

 

 

なのは「どうして?」

 

 

ルネ「無理に【嫌いな】人間に会う必要はないでしょう?」

 

 

なのは「ッ・・・」

 

 

ルネは嫌いの所だけを強調した。

 

 

桃子「どうゆう事?」

 

 

ルネ「なのは様がマスターを傷つけたのです。」

 

 

なのは「ちが・・・」

 

 

ルネ「違うと言えますか?マスターは泣いているのですよ?」

 

 

ルネはなのはの反論を許さなかった。

 

 

桃子「優希が泣いたの?」

 

 

ルネ「はい。桃子様、マスターの着替えをお願いします。」

 

 

桃子「優希を連れてこれないかしら?」

 

 

ルネ「マスターが帰ると言わない限り、私が連れてくる事はありません。」

 

 

桃子「そう…じゃあ着替えを持ってくるわね。」

 

 

桃子は優希の着替えを取りに向かった。

 

 

なのは「ルネ、ユウは何処にいるの?」

 

 

ルネ「知ってどうするのです?」

 

 

なのは「ユウに謝りたいの!」

 

 

ルネ「今は無理ですね。」

 

 

なのは「どうして?」

 

 

ルネ「マスターが落ち着くの待ってください。」

 

 

なのは「うん…」

 

 

桃子「ルネ、これを。」

 

 

桃子が優希の着替えを持ってきた。

 

 

ルネ「ありがとうございます。」

 

 

桃子「後、優希にこれを渡して?」

 

 

桃子はルネにおにぎりを渡した。

 

 

桃子「優希、何も食べてないでしょ?」

 

 

ルネ「はい、ありがとうございます。」

 

 

桃子「ルネ、優希をお願いね…」

 

 

ルネ「はい、では失礼します。」

 

 

ルネは荷物を持って優希の下に向かった。

 

 

優希side

 

 

すずか「優希君、元気だして?」

 

 

優希「……」

 

 

すずかはルネが着替えを取りに行ってから優希を励ましていたが、優希は落ち込んだままだった。

 

 

すずか「優希君・・・」

 

 

ルネ「ただいま戻りました。」

 

 

すずか「おかえり、ルネ」

 

 

ルネ「マスター、桃子様からです。」

 

 

ルネは桃子から預かったおにぎりを渡した。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「おにぎりを食べてください。これからの事は食べてから考えましょう?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はルネに言われるとおにぎりを食べ始めた。

 

 

すずか「これからどうするの?」

 

 

ルネ「わかりません。マスターの答えしだいです。」

 

 

すずか「そっか・・・」

 

 

優希「・・・・・・」クイクイ

 

 

すると優希はすずかの袖を引っ張った。

 

 

すずか「どうしたの?」

 

 

優希「一緒・・・」

 

 

すずか「えっ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「一緒にいてほしいの?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「じゃあ今日は一緒にいようね?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

すずか「違うの?」

 

 

優希「ずっと・・・」

 

 

すずか「ずっと?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「うん、会える時は一緒だよ!」

 

 

優希「・・・・・・」コク、ギュッ

 

 

すずかが答えると優希は抱きついた。

 

 

すずか「優希君?」

 

 

優希「スゥ・・・」

 

 

優希はすずかに抱きついたまま眠ってしまった。

 

 

すずか「寝ちゃったね?」

 

 

ルネ「はい、でもマスターが帰りたくない理由がわかりました。」

 

 

すずか「本当?」

 

 

ルネ「多分ですがマスターは嫌いって言われたのを、一緒にいたくないと受け止めてしまったのかもしれません。」

 

 

すずか「そっか!だからさっき・・・」

 

 

ルネ「はい、すずか様のお考え通りです。」

 

 

すずか「ならなのはちゃんに!」

 

 

ルネ「いえ、これはマスターとなのは様の問題です。私達は見守りましょう。」

 

 

すずか「でも・・・」

 

 

ルネ「確かに私達が話せば解決するかもしれません。ですが二人の為になりません。」

 

 

すずか「そうだね・・・」

 

 

ルネ「今は様子を見ましょう。」

 

 

すずか「うん!」

 



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第29話

 

クリスマス、優希がすずかの家に来てから3日、優希は帰ろうとはしなかった。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「今日もいい天気ですね?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター・・・」

 

 

優希はこの3日間ずっと外ばかり眺めていた。

 

 

優希「・・・!」ピクッ!

 

 

ルネ「何処かで大きな戦闘が始まっているようですね…」

 

 

優希「!!」

 

 

ルネ「多分なのはが様達とあの人達が戦っているのでしょうね。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

ルネ「何処へ行くのですか?」

 

 

部屋を出ようとする優希の前にルネが立ちふさがった。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「また行く気ですか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「またなのは様と敵対する事になりますよ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「それでも行くのですか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「わかりました。最悪なのは様達と戦いになったら私がお守りします。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「では行きましょう。」

 

 

優希「セットアップ」

 

 

優希はバリアジャケットを着てルネに乗った。

 

 

ルネ「行きます!」

 

 

ルネは優希を乗せて転移して向かった。

 

 

-海上-

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「どうやら無事に解決したみたいですね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希達はなのは達から少し離れた場所に現れた。

 

 

なのはside

 

 

なのは「終わったね?」

 

 

フェイト「うん!」

 

 

クロノ「なら帰艦しよう。君達も来てもらうぞ?」

 

 

シグナム「ああ。」

 

 

はやて「ええよ。」

 

 

クロノ「なら・・・」

 

 

エイミィ「クロノ君!近くに転移反応!気をつけて!!」

 

 

クロノ「なに!?」

 

 

クロノがエイミィの通信を受けたのと同時に優希達が現れた。

 

 

なのは「ユウ・・・」

 

 

はやて「優希君も魔導師やったんか!?」

 

 

優希が魔法を使える事を知らなかったはやては驚いていた。

 

 

優希「ルネ・・・」

 

 

ルネ「はい。」

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希はなのはにゆっくり近づいていったが・・・

 

 

優希「!?」

 

 

ルネ「マスター!」

 

 

優希はバインドで動けなくなった。

 

 

クロノ「悪いが拘束させてもらうぞ?」

 

 

フェイト「クロノ!?」

 

 

なのは「クロノ君、ユウを離して!」

 

 

クロノ「それは出来ない。彼は局員に攻撃をし、さらに犯人を逃がすと許されない事をしているんだぞ!」

 

 

なのは「それは・・・」

 

 

なのははクロノが正しい事を言っているので反論出来なかった。

 

 

クロノ「君も来てもらうぞ。」

 

 

優希「~~!?」

 

 

優希はバインドから逃げようと足掻いていた。

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

優希「なの姉…」

 

 

クロノ「さあ行くぞ。」

 

 

なのは「クロノ君、バインドを外して!」

 

 

クロノ「駄目だ、今回ばかりは見逃す訳にはいかない。」

 

 

なのは「でも!」

 

 

クロノ「とにかく優希は一度アースラに連れて行く。」

 

 

ルネ「ハア~!!」

 

 

クロノ「クッ!」ガキィン!

 

 

今まで見守っていたルネがクロノに襲いかかった。

 

 

なのは「ルネ!?」

 

 

ルネ「先程から聞いていれば、管理局は相変わらず自分達の事しか考えていないのですね。」

 

 

クロノ「何!」

 

 

ルネ「とにかくマスターのバインドを解いて下さい。でないと・・・」

 

 

クロノ「答えは変わらない。」

 

 

ルネ「そうですか、なら!」ガキィン!

 

 

クロノ「チッ、スティンガースナイプ!」

 

 

クロノはルネと距離を取ると同時にルネの足止めしそのまま…

 

 

クロノ「ブレイズキャノン!」

 

 

を放った。

 

 

ドーーン!

 

 

見事に当たりルネは海面に落下していった。

 

 

優希「ルネ…」

 

 

優希は海面に落ちていくルネを見ていた。

 

 

クロノ「フェイト、回収を頼む。」

 

 

フェイト「クロノ、やり過ぎじゃないかな?」

 

 

クロノ「だがあれ位じゃないと止められなかった。」

 

 

フェイト「でも…」

 

 

クロノ「とりあえず優希を「ヤ~~!!」な!?」

 

 

ボッ!

 

 

突然優希が叫び魔力のオーラに包まれた。

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

クロノ「一体何が・・・」

 

 

バサッ!

 

 

オーラが治まるとそこには七歳位の男の子になった優希がいた。

 

 

全員「な!?(えっ!?)」

 

 

優希「お前、嫌い!」シュルシュルシュルシュル

 

 

ガキィン!

 

 

優希はクロノを指差すと同時にブーメランで攻撃をした!

 

 

クロノ「チッ」

 

 

優希「許さない」

 

 

優希は戻ってきたブーメラン取りクロノに切りかかった。

 

 

クロノ「クッ!」ガキィン!

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

バッ!

 

 

シュルシュルシュルシュル

 

 

クロノ「クッ!」

 

 

クロノは飛んできたブーメランを避けたが…

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は魔力玉を大量に出し杖を構えていた。

 

 

優希「終わり」

 

 

優希は杖を振り上げクロノに魔力玉を放とうとしたが…

 

 

なのは「駄目~!!」

 

 

なのはが優希とクロノの間に割って入った。

 

 

優希「なの姉」

 

 

なのは「ユウ、もうやめて。」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

 

なのは「確かにユウが怒るのはわかるけど、これ以上は駄目!」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は渋々だが頷いた。

 

 

なのは「ユウ・・・」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「ユウ、嫌いなんて言ってごめんね。」

 

 

なのはは優希を傷つけた事を謝りだした。

 

 

なのは「もう、絶対に言わないから!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希「一緒・・・」

 

 

なのは「えっ?」

 

 

優希「ずっと」

 

 

なのは「うん!一緒だよ。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は頷きなのはに近寄っていったが…

 

 

優希「ッ!?」

 

 

優希は突然意識をなくし落下した。

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

なのはが急いで優希を助けようとしたがそれより早く…

 

 

ルネ「危ない所でした。」

 

 

ルネが優希を助けた。

 

 

なのは「ルネ!」

 

 

ルネ「間に合って良かった。」

 

 

なのは「ルネ、大丈夫?」

 

 

ルネ「大丈夫ですよ。それよりマスターを助けましょう。」

 

 

なのは「うん、ユウはどうしちゃったの?」

 

 

ルネ「無理にリミッターを外してさらに戦闘までしたので体に負荷がかかってそれで気絶したと思います。」

 

 

フェイト「なら優希が大きくなったのは?」

 

 

はやて「ウチ達にも聞かせて?」

 

 

ルネがなのはに説明しているとフェイト達が来た。

 

 

ルネ「マスターが大きくなったのは魔力を一気に解放したのが原因です。」

 

 

フェイト「もう小さくはならないの?」

 

 

ルネ「リミッターを付けなければ今のままですね。」

 

 

なのは「じゃあこのままでも・・・」

 

 

ルネ「ですが威力のコントロール出来なくなります」

 

 

フェイト「もしかして・・・」

 

 

ルネ「はい、フェイト様が考えている通りです。」

 

 

フェイト「やっぱり」

 

 

フェイトは優希の魔力玉の威力を思い出していた。

 

 

ルネ「しばらくはリミッターを付けた方がいいですね。」

 

 

なのは「そうだね。」

 

 

ルネ「では始めますね。」

 

 

なのはが「お願いね、ルネ?」

 

 

ルネ「はい、任せて下さい。」

 

 

ルネはなのはに返事を帰すと光に包まれ、ブレスレットになり優希の左手に装着されていた。

 

 

フェイト「良かったね、なのは?」

 

 

なのは「うん!」

 

 

なのは達が話していると優希が光に包まれ小さくなった。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

ルネ「少ししたら目を覚ましますよ。」

 

 

なのは「ルネ、ありがとう。」

 

 

なのはがルネに礼を言うとルネを狼の姿になった。

 

 

ルネ「では、私はマスターを連れて戻りますね。」

 

 

クロノ「悪いがそうはいかない。」

 

 

ルネ「ハァ~…まだやる気ですか?」

 

 

クロノは再び優希を捕まえようとするが…

 

 

リンディ「クロノ、やめなさい。」

 

 

クロノの前に通信が入り、リンディが止めた。

 

 

クロノ「艦長!?」

 

 

リンディ「ルネさん、悪いんだけれどアースラまで来てもらえないかしら?」

 

 

ルネ「何故ですか?」

 

 

リンディ「優希君が今後安全に暮らす為の話しをしたいの。」

 

 

ルネ「わかりました。」

 

 

リンディ「ありがとう、なら今からみんなと一緒にアースラまで転移するわね。」

 

リンディがそう言うと全員がアースラに転移した。



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第30話

 

-アースラ-

 

 

ルネ「それで先程の話しですが…」

 

 

ルネはリンディと一緒に艦長室にいた。

 

 

リンディ「ええ、実は優希君に管理局に入ってほしいの。」

 

 

ルネ「それは私が管理局嫌いなのを知っていて言っているのでしょうね?」

 

 

リンディ「ええ、でも判断はそちらに任せるわ。」

 

 

ルネ「わかりました。なら聞きましょう。」

 

 

リンディ「ありがとう。優希君には私直属の部下になって他の部署から守る形にしたいの。」

 

 

ルネ「なるほど、ですがあなたより上の者達から命令が来たらどうするですか?」

 

 

リンディ「その辺も大丈夫よ。」

 

 

ルネ「まあ、あなたの事ですから色々な根回しをしているのでしょうね。」

 

 

リンディ「それでどうかしら?」

 

 

ルネ「マスター次第ですね。」

 

 

リンディ「わかったわ。それと一つ聞きたい事があるの。」

 

 

ルネ「何ですか?」

 

 

リンディ「どうして管理局が嫌いなの?」

 

 

ルネ「・・・・・・」

 

 

リンディ「話してもらえないかしら?」

 

 

ルネ「わかりました。マスターが人造魔導師と言うのは聞いていますよね?」

 

 

リンディ「ええ、フェイトさん達から。」

 

 

ルネ「その研究をしていたのが昔の管理局なんですよ」

 

 

リンディ「!!」

 

 

リンディは予想外の事に驚いていた。

 

 

リンディ「そんな・・・」

 

 

ルネ「事実ですよ、これでわかってもらえましたか?」

 

 

リンディ「確かにそれなら管理局を嫌うのも無理はないわね」

 

 

ルネ「ええ、この話しはここまでにしましょう。」

 

 

リンディ「そうね、管理局に入るか入らないの話しはなのはさん達には言わないでもらえないかしら?」

 

 

ルネ「わかりました、では失礼します。」

 

 

ルネは艦長室から出て行き優希の所に向かった。

 

 

-医務室-

 

 

優希「……」

 

 

なのは「フェイトちゃん大丈夫?」

 

 

フェイト「大丈夫だよ、なのは。」

 

 

なのは達は医務室で治療を受けて休んでいた。すると…

 

 

優希「?」モゾモゾ

 

 

優希が目を覚ました。

 

 

なのは「ユウ、気がついた?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

フェイト「何処も痛くない?」

 

 

優希「・・・・・・」コク、トコトコ

 

 

ギュッ

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希はベッドから降りてなのはに抱きついた。

 

 

優希「一緒」

 

 

なのは「うん、一緒だよ!」

 

 

フェイト「良かったね、優希。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

フェイト「優希?」

 

 

優希はなのはに抱きついたままフェイトを見つめ・・・

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

ギュッ

 

 

フェイト「どうしたの優希?」

 

 

フェイトに抱きついた。

 

 

優希「一緒?」

 

 

フェイト「うん、私も一緒だよ!」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「良かったですね、マスター。」

 

 

なのは「ルネ?」

 

 

ルネが医務室に入ってきた。

 

 

ルネ「マスター、そろそろ帰りましょう。」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

ルネ「桃子様が心配してますよ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「では帰りましょう。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

ルネに言われ優希はルネの背中に乗った。

 

 

なのは「気を付けてね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

フェイト「今度遊びに行くからね。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「では行きましょう。」

 

 

ルネは優希を連れて転移していった。

 

 

-月村家-

 

 

優希「?」キョロキョロ

 

 

ルネ「先にすずか様に挨拶をしてから帰りましょう。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

コンコン

 

 

すずか「はーい?」

 

 

ガチャ

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「優希君?どうしたの?」

 

 

優希「帰る」

 

 

すずか「えっ?」

 

 

ルネ「なのは様と仲直り出来たので帰ろうと思います。」

 

 

すずか「そうなの?」

 

 

ルネ「はい。」

 

 

すずか「良かったね、優希君。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「でもちょっと寂しいかな?弟が出来たみたいで楽しかったから・・・」

 

 

すずかが少し沈んでいると…

 

 

優希「すず姉」

 

 

すずか「えっ!?」

 

 

優希「?」

 

 

すずか「えっと、優希君もう一回言って?」

 

 

優希「すず姉。」

 

 

すずか「私の事お姉ちゃんって呼んでくれるの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「いいの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「ありがとう♪」ナデナデ

 

 

すずかは嬉しくて優希の頭を撫でた。

 

 

ルネ「ではそろそろ行きましょう。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「いつでも遊びに来てね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「すずか様、ありがとうございました。では失礼します。」

 

 

ルネはすずかに挨拶をし転移していった。



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第31話

 

 

-高町家-

 

 

シュン

 

 

ルネ「さあ、着きましたよ。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「入り辛いですか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「とにかく中に入って謝りましょう?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ガチャ

 

 

優希は覚悟を決めて家に入った。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「ただいま戻りました。」

 

 

優希の代わりにルネが挨拶をすると…

 

 

パタパタ

 

 

桃子「優希?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

桃子「おかえり。」

 

 

優希「ママ」

 

 

桃子「何?」

 

 

優希「ごめん・・・なさい・・・」

 

 

桃子「みんな心配したのよ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

桃子「今度からママにちゃんと相談してね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

桃子「わかってくれたならいいのよ。お腹は空いてる?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

桃子「じゃあ今から作るからリビングで待っててね。」

 

 

優希「・・・・・・」コク、トコトコ

 

 

優希はリビングに向かった。

 

 

-リビング-

 

 

ガチャ

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希がリビングに入ると・・・

 

 

美由希「優希!」

 

 

優希「!」ギュッ

 

 

美由希が優希を抱きしめた。

 

 

美由希「良かった~、帰ってこないから心配したんだよ?」

 

 

優希「ごめんなさい」

 

 

美由希「謝らなくていいよ。優希も辛かったんでしょ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

美由希「ほら、元気だして一緒にテレビを見よ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は美由希の膝の上に座り一緒にテレビを見始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃子「優希、ご飯出来たわよ。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

優希は桃子に呼ばれて美由希と一緒に向かった。

 

 

その日の夜・・・

 

 

ルネ「マスター、大事な話があります。」

 

 

食事を終えた優希は自分の部屋で休んでいるとルネが優希の前に座り話し出した。

 

 

優希「?」

 

 

ルネ「実はリンディ様から・・・」

 

 

ルネはリンディに言われた事を優希に話した。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「どうしますか?」

 

 

優希「入る」

 

 

ルネ「わかりました、ですが気をつけて下さい。管理局の中には信用出来ない人もいるので。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「返事は私がしておきますね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「さあ、今日は色々ありましたから早めに休みましょう?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はベッドに入り横になった。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「私は今からアースラに行って来ます。マスターはゆっくり休んで下さい。では、おやすみなさい。」シュン

 

 

ルネは転移していった。

 

 

優希「・・・・・・」ゴロゴロ

 

 

モゾモゾ

 

 

トコトコ

 

 

ガチャ

 

 

コンコン

 

 

美由希「はい?」

 

 

ガチャ

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

美由希「優希?」

 

 

トコトコ

 

 

モゾモゾ

 

 

優希は美由希のベッドに入った。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

美由希「えっと、一緒に寝たいの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

美由希「じゃあ、一緒に寝ようね~♪」

 

 

美由希もベッドに入り横になった。

 

 

美由紀「優希と一緒に寝るのは初めてだね〜」ギュッ

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

美由希「優希は温かいね?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

美由希「優希?」

 

 

美由希が優希の顔を見ると…

 

 

優希「スゥ…」

 

 

優希はすでに眠っていた。

 

 

美由希「おやすみ。」

 

 

美由希も目を閉じ眠りについた。

 

 

 

-アースラ艦長室-

 

 

シュン

 

 

ルネ「失礼します。」

 

 

リンディ「あら、ルネさんいらっしゃい。」

 

 

ルネ「入局に対しての返事をお伝えにきました。」

 

 

リンディ「ありがとう、それで返事は?」

 

 

ルネ「マスターは入局するそうです。」

 

 

リンディ「わかりました。後はこちらでやっておきます。」

 

 

ルネ「それと一つお願いがあるのですが・・・」

 

 

リンディ「何かしら?」

 

 

ルネ「しばらくの間は魔法の訓練に集中したいので任務は・・・」

 

 

リンディ「わかりました、優希君がちゃんと使えるようになるまでは任務は無しにしましょう。」

 

 

ルネ「ありがとうございます。」

 

 

リンディ「とりあえず優希君の所属は私直属の特務隊員として登録しておきます。」

 

 

ルネ「わかりました、では失礼します。」

 

 

シュン

 

 

ルネは転移して帰った。

 

 

リンディ「さあ、ここから大変ね」

 

 

リンディは優希の為に色々な根回しの準備を始めた。

 

 

-次の日-

 

 

ルネ「マスター、今日から頑張りましょうね。」

 

 

優希「コクッ」

 

 

なのは「じゃあ練習を始めよー!」

 

 

優希はなのはと一緒に魔法の練習を再開し普通の生活に戻った。

 

 



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オリジナル編
第32話


闇の書事件から6年なのは達は中学3年生になりそれぞれの道を目指していた。

そして優希は…

 

 

 

-異空間-

 

 

キィン

 

 

ルネ「マスター、もっと周りを見てください。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

シュルシュルシュルシュル

 

 

ドーーン!

 

 

ルネ「さあ、次を出しますよ。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はルネと訓練をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルネ「今日はここまでにしましょう?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「では帰りましょう。」シュン

 

 

ルネは優希を連れて転移した。

 

 

-高町家-

 

 

シュン

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「桃子様達はお店に行っているみたいですね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク、トコトコ

 

 

ルネ「マスター?」

 

 

優希が自分の部屋に向かったのでルネも付いて行った。

 

 

優希「・・・・・・」カタカタカタカタ

 

 

ルネ「何をしているのですか?」

 

 

優希「出来た。」

 

 

ルネ「出来た?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希はルネに赤、蒼、翠、紫の宝石の付いた指輪を見せた。

 

 

ルネ「デバイスですか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は頷くと紫の指輪以外をはめた。

 

 

ルネ「それはどうするのですか?」

 

 

優希「・・・・・・」ゴソゴソ

 

 

優希は残った指輪をポケットにしまった。

 

 

優希「・・・・・・」くぅ〜

 

 

ルネ「そろそろ桃子様の所に行きましょうか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク、トコトコ

 

 

ルネ「ちゃんと捕まっていてくださいね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネは優希を乗せて翠屋に向かった。

 

 

ー翠屋ー

 

 

カランカラン

 

 

桃子「いらっしゃいませー。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

桃子「あら優希。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

優希は自分の席に向かった。ルネはブレスレットになり優希の左手にいた。

 

 

桃子「お腹空いた?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

桃子「今持ってくるからちょっと待っててね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

桃子は優希の食事を取りに行った。

 

 

桃子「はい、どうぞ。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は手を合わせてご飯を食べ始めた。

 

 

桃子「おいしい?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

桃子「優希、悪いんだけど食べ終わったら少し手伝ってくれる?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

そのまま優希は黙々と食事を続けた。そして・・・

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は手を合わせてお辞儀をした。

 

 

桃子「足りた?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

桃子「休んだら手伝ってね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は頷くと奥のスタッフルームに入って行った。

 

 

士郎「おっ?優希どうした?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は士郎にエプロンとネコ耳とシッポを見せた。

 

 

士郎「手伝ってくれるのか?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はエプロンとネコ耳を付けシッポを付けようとしたが…

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

上手く付けられなかった。

 

 

士郎「ほら、優希こっちに来なさい。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

ゴソゴソ

 

 

士郎「付いたぞ。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

士郎「頑張ってな?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

トタトタトタトタ

 

 

優希は桃子の所に向かった。

 



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第33話

 

桃子「優希~、お絞り持ってきて。」

 

 

優希「……」トタトタトタトタ

 

 

桃子「ありがとう、士郎さんにこれを渡して?」

 

 

優希「・・・・・・」コク、トタトタトタトタ

 

 

桃子は伝票を渡し、優希は士郎の下に向かった。

 

 

桃子「優希、お疲れ様。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はカウンターに座り、ジュースを飲んでいると…

 

 

カランカラン

 

 

なのは「ただいま~!」

 

 

桃子「おかえりなのは。」

 

 

なのはがフェイト達と一緒に帰ってきた。

 

 

なのは「お母さん、席空いてる?」

 

 

桃子「奥が空いてるわよ。」

 

 

なのは「ありがとう。」

 

 

なのははフェイト達と一緒に席に向かった。

 

 

桃子「優希、お姉ちゃん達にお絞り持っていってくれる?」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

なのは「ユウ、ありがとう。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「優希君も一緒にお茶せえへんか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希はフェイト達を見ると皆が笑顔だったので…

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

頷いて返事をした。

 

 

なのは「♪♪♪」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは達は皆でお茶を楽しんでいる。優希はなのはの膝の上に座っていた。

 

 

フェイト「なのは、私にも抱っこさせて?」

 

 

なのは「ユウ、どうする?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは「はい、フェイトちゃん。」

 

 

なのははフェイトに優希を渡した。

 

 

フェイト「やっぱり優希は抱き心地いいね。」

 

 

はやて「フェイトちゃんウチにも抱っこさせて?」

 

 

フェイト「うん、はい」

 

 

はやて「よっと、はぁ~。優希君は抱き心地ええな~」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

はやて「そや、優希君?ちょっと聞きたい事があるんやけど?」

 

 

フェイト「どうしたの?」

 

 

はやて「前から聞きたかったんやけど、優希君ってウチと初めて会ったとき人見知りしなかったよね?何でや?」

 

 

優希「・・・・・・」スッ

 

 

なのは「ん?」

 

 

優希「なの姉と同じ感じがした」

 

 

はやて「ウチとなのはちゃんが同じ?」

 

 

なのは「何でかな?」

 

 

はやて「わからんな~・・・」

 

 

優希「雰囲気」

 

 

なのは「似てるの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「優希君から見たらウチらは同じ感じがするんやね」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは達が納得していると・・・

 

 

優希「降りる。」

 

 

はやて「何でや?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は空になったコップを指差した。

 

 

すずか「ジュース?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「じゃあ私がもらってきてあげるね?」

 

 

すずかは優希のコップを持って桃子の所に行った。

 

 

なのは「ねぇ、アリサちゃん。」

 

 

アリサ「何?」

 

 

なのは「私達以外でユウが仲良くしている人って見た事無いかな?」

 

 

アリサ「急にどうしたのよ?」

 

 

なのは「時々ね、ユウがお泊まりに出掛けるんだけどね?相手を教えてくれないの…」

 

 

フェイト「その子と仲いいの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

はやて「ウチらに教えてくれへん?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

はやてが頼んでみたが優希は拒否をした。

 

 

なのは「こんな感じで教えてくれないの…」

 

 

すずか「はい、優希君。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

なのは達が話していると、すずかが優希のジュースを持って帰ってきた。

 

 

なのは「ねぇ、すずかちゃん?」

 

 

すずか「なに?なのはちゃん。」

 

 

なのは「あのね・・・」

 

 

なのははすずかにも聞いてみた。

 

 

すずか「うん、知ってるよ?」

 

 

なのは「そうだよね、知って・・・るの!?」

 

 

すずか「うん♪」

 

 

なのは「教えて!?」

 

 

フェイト「私も!」

 

 

はやて「ウチにも!」

 

 

アリサ「早く教えなさいよ!」

 

 

すずか以外興味津々だった。

 

 

すずか「私だよ♪」

 

 

すずか以外「えっ?」

 

 

優希「・・・・・・」ソ~・・・

 

 

はやて「どこに行くん?」ガシッ

 

 

なのは「ユウ、ちょっと大人しくしててね?」

 

 

優希「・・・・・・」ビクッ

 

 

優希はなのは達の笑顔が怖くて動かなくなった。

 

 

アリサ「すずか、早く言いなさい!」

 

 

すずか「2人で遊んだりするのは前からだったけど、泊まりに来るようになったのは最近だよ?」

 

 

はやて「ホォ~・・・」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

はやてが優希を見つめていると・・・

 

 

アリサ「優希、アタシんとこにも泊まりにきなさい!」

 

 

優希「?」

 

 

優希は何で?という顔をしていた。

 

 

アリサ「ドーナツ買ってあげるわよ。」

 

 

優希「行く!」

 

 

優希はドーナツと聞いて即答した。

 

 

なのは、フェイト、はやて「優希(君、ユウ)!?」

 

 

アリサ「じゃあ、いつにしようかしら?」

 

 

アリサが悩んでいると・・・

 

 

すずか「アリサちゃん、今日は優希君、私の家に泊まるけどアリサちゃんも来る?」

 

 

アリサ「そうね、行くわ。」

 

 

すずか「優希君もいい?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「決定だね!」

 

 

アリサ「じゃあ、その時にドーナツを買いましょう。」

 

 

優希「・・・・・・」コクコク

 

 

こうしてお泊まりの約束をした優希だが・・・

 

 

なのは「ユウ、いつからすずかちゃんと」

 

 

フェイト「あんなに仲良くなったのか」

 

 

はやて「話してもらうで?」

 

 

優希「・・・・・・」ビクッ

 

 

3人は笑顔だが背中から黒いオーラが出ていた。

 



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第34話

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

すずか「大丈夫?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「疲れたら言いなさい?抱っこしてあげるから。」

 

 

あの後優希は、なのは達から二時間程尋問され疲れていたが、なんとか歩いていた。

 

 

すずか「そう言えば魔法の練習はどう?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「最近はほとんど実戦的な練習をしていますよ。」

 

 

優希の代わりにブレスレット状態のルネが答えた。

 

 

アリサ「あまり無茶をしたら駄目よ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

3人が話しながら歩いていると・・・

 

 

優希「!?」コテン、ドサッ

 

 

優希が石に躓いて転んだ。

 

 

すずか「大丈夫?優希君?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

アリサ「膝擦りむいているじゃない!」

 

 

アリサがしゃがんで優希に着いた砂を払っていると膝から血が出ていた。

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

アリサ「優希、待ちなさい。」

 

 

優希「?」

 

 

優希は怪我を気にせず歩き出したがアリサに止められた。

 

 

優希「・・・・・・」ひょい

 

 

アリサが優希を抱っこして歩き出した。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「相変わらず優希は抱き心地いいわね~」

 

 

すずか「アリサちゃん代って?」

 

 

アリサ「駄目よ♪」

 

 

すずかはアリサに代ってもらおうとしたが拒否された。

 

 

すずか「アリサちゃ~ん・・・」

 

 

アリサ「嫌よ♪」

 

 

2人がそんなやり取りをしていると突然…

 

 

キィン

 

 

優希「!?」

 

 

ルネ「マスター!」

 

 

優希達は結界に閉じこめられた。

 

 

アリサ「何!?」

 

 

?「見つけたぞ。」

 

 

すずか「誰ですか!」

 

 

優希達の前に謎の男が現れた。

 

 

男「貴様等に用はない、そいつを渡してもらおうか。」

 

 

男は優希を指差しアリサに言った。

 

 

アリサ「何であんたに優希を渡さないといけないのよ!!」

 

 

男「優希?フッ、作られた道具に名前をつけるとはな」

 

 

アリサ「なっ!!」

 

 

すずか「優希君は道具じゃありません!」

 

 

男「そんな事はどうでもいい、No.1を渡せ!」

 

 

すずか「お断りします!」

 

 

アリサ「誰がアンタなんかに!」

 

 

男「そうか、なら!」パチン!

 

 

男が指を鳴らすと人型のロボットが5機現れた。

 

 

男「No.1を連れて戻って来い!女は殺しても構わん。」シュン

 

 

男はロボットに指示をすると転移して消えた。

 

 

アリサ「すずか!」

 

 

すずか「逃げよう!」

 

 

ルネ「セットアップ!」

 

 

ルネは狼の姿になった。

 

 

ルネ「マスター、どうしますか?」

 

 

優希「転移」スタッ

 

 

優希はアリサから降りルネに指示をするが・・・

 

 

ルネ「・・・駄目です、結界が邪魔をして出来ません!」

 

 

優希「倒す。」

 

 

優希はロボットの方を向き・・・

 

 

優希「セットアップ!」

 

 

バリアジャケットを来た。

 

 

優希「・・・・・・」ブン

 

 

優希は杖を出し魔力玉を出した。

 

 

優希「行け!」

 

 

ドーーン!

 

 

優希は魔力玉をロボット達に向けて放ったが・・・

 

 

ロボット「・・・・・・」

 

 

煙りが晴れると無傷で立っていた。

 

 

ルネ「どうやら魔法が効かないみたいですね」

 

 

優希「・・・・・・」クルリ

 

 

アリサ「優希?」

 

 

すずか「優希君?」

 

 

トン!

 

 

キィン!

 

 

すずか「えっ!?」

 

 

アリサ「優希!?」

 

 

優希は杖を地面に刺しバリアを張った。

 

 

ルネ「アリサ様達はそこにいて下さい。」

 

 

優希「行く!」

 

 

ルネ「はい!」

 

 

優希とルネはロボットに向かって行った。

 

 

優希「・・・・・・」シュルシュルシュルシュル

 

 

ドーーン

 

 

優希「?」

 

 

ルネ「ハアー!!」ザシュ!ザシュ!

 

 

ドーーン!

 

 

優希はブーメラン、ルネは爪でロボットを破壊していった。

 

 

ルネ「マスター」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希達はロボットが抵抗しないことに疑問を持った。

 

 

ロボット「・・・・・・」

 

 

ルネ「どうやらデータを集めていたみたいですね」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「どうしますか?」

 

 

優希「同時」

 

 

ルネ「わかりました。」

 

 

ルネが返事をすると同時に二人が仕掛けたが・・・

 

 

ガシッ!

 

 

優希「!」

 

 

ルネ「なっ!?」

 

 

ロボットは優希達の攻撃を簡単に止めると・・・

 

 

カチャ

 

 

ロボットの胸の部分が開き・・・

 

 

優希「!?」

 

 

ルネ「しまっ…」

 

 

ドーーン!!

 

 

砲撃をまともに食らった。

 

 

アリサ「優希!?」

 

 

すずか「優希君!」

 

 

ドサッ!ドサッ!

 

 

アリサ達の前にボロボロになった優希とルネが落ちてきた。

 

 

ガチャ!ガチャ!

 

 

ロボットは優希にゆっくり近づいてきた。

 

 

ルネ「クッ!マスター!」

 

 

ルネは立ち上がろうとしたが先程の砲撃のせいで体に異常が起き立てなかった。

 

 

アリサ「優希、逃げなさい!」

 

 

すずか「優希君!」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

優希は立ち上がりルネに近づいた。

 

 

ルネ「マスター?」

 

 

優希「ブレスレット」

 

 

ルネ「?わかりました。」

 

 

ルネがブレスレット状態になると優希は

 

 

優希「・・・・・・」ポイッ

 

 

すずか「えっ?」

 

 

すずかに向かってルネを投げた。

 

 

ルネ「マスター!?」

 

 

優希「・・・・・・」ダッ!

 

 

優希は一人でロボットに向かい・・・

 

 

ガシッ!

 

 

ロボットにしがみつきバリアを張って…

 

 

ルネ「!マスター!?」

 

 

優希「ッ!」

 

 

ドガーン!!

 

 

爆発した。

 

 

アリサ「優希!?」

 

 

すずか「優希君!?」

 

 

アリサ達は煙りが晴れるのを待っていると・・・

 

 

キィン…

 

 

煙りが晴れると同時に結界が解け・・・

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は血だらけになって倒れていた。

 

 

アリサ「優希!」

 

 

すずか「優希君!」

 

 

アリサ達は優希に駆け寄り抱き上げた。

 

 

アリサ「すずか、救急車!」

 

 

すずか「うん!」

 

 

すずかが救急車を呼ぼうとすると…

 

 

ルネ「駄目です!」

 

 

ルネが止めた。

 

 

アリサ「どうしてよ!!」

 

 

ルネ「どうやって怪我の説明するのですか?」

 

 

アリサ「じゃあどうするのよ!!このままじゃ優希が・・・」

 

 

ルネ「な・・・のは・・・様の・・・所・・・に・・・」

 

 

すずか「ルネ!?」

 

 

ルネ「マ・・・タ・・・お・・・願い・・・」

 

 

すずか「ルネ?」

 

 

アリサ「すずか、行くわよ!」

 

 

すずか「えっ!?」

 

 

アリサ「なのはの所に急ぐわよ!」

 

 

すずか「う、うん!」ダッ!

 

 

2人は優希とルネを連れて翠屋に急いだ。



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第35話

 

 

-翠屋-

 

 

カランカラン

 

 

桃子「すいません、今日はもう・・・」

 

 

アリサ「桃子さん!なのはを!!」

 

 

桃子「アリサちゃん?優希!?」

 

 

すずか「桃子さん、なのはちゃんを!!」

 

 

桃子「えっ!?ええ、なのは!!」

 

 

桃子が慌ててなのはを呼んだ。

 

 

なのは「どうしたのお母さん?」

 

 

アリサ「なのは!!優希が!!」

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

シャマル「もう大丈夫ですよ。」

 

 

なのは「良かった~」

 

 

あの後なのはが、はやてに念話をしてシャマルに来てもらい優希の治療をしてもらった。

 

 

はやて「それでアリサちゃん、一体何があったんや?」

 

 

アリサ「さっき・・・」

 

 

アリサ達は先程の事をはやて達に説明した。

 

 

なのは「そんな・・・」

 

 

はやて「全然気づけへんかった・・・」

 

 

なのは達が俯いていると…

 

 

カランカラン

 

 

フェイト「優希!?」

 

 

アルフ「大丈夫かい!?」

 

 

フェイト達が駆けつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイト「そんな・・・」

 

 

クロノ「センサーにも反応しない結界か・・・」

 

 

フェイト達も事情を聞いてショックを受けていた。

 

 

リンディ「せめて相手の事が少しでも分かれば・・・」

 

 

リンディがぼやいていると・・・

 

 

カッ!

 

 

ルネ「私も説明しましょう。」

 

 

すずか「ルネ!大丈夫なの!?」

 

 

突然ルネが狼の状態になった。

 

 

ルネ「ご心配おかけしてすいません。あまりのダメージにシステムがダウンしてしまいました。」

 

 

リンディ「じゃあお願い出来るかしら?」

 

 

ルネ「はい、映像を出しますので見て下さい。」

 

 

ルネの目が光ると空中に映像が現れ先ほどの様子を映し出した。

 

 

クロノ「なるほど」

 

 

リンディ「ルネさん、一ついいかしら?」

 

 

ルネ「何でしょう?」

 

 

リンディ「優希君が自爆をしたのは何故かしら?」

 

 

ルネ「あれは自爆ではありません。」

 

 

全員「えっ!?」

 

 

ルネ「あれはマスター自身の魔力を一気に解放して爆発を起こす技です」

 

 

なのは「技なの!?」

 

 

ルネ「はい、ですがマスターには使わせたく無い技です」

 

 

フェイト「どう言う事?」

 

 

ルネ「まだ未完成なんです、しかも自分もダメージを受ける危険な技です。」

 

 

リンディ「そうだったの」

 

 

ルネ「ではあの男について説明しましょう。」

 

 

クロノ「知っているのか?」

 

 

ルネ「はい、あの男はジン・レストです。」

 

 

リンディ「なっ!?」

 

 

はやて「リンディさん?」

 

 

クロノ「知っているんですか?」

 

 

リンディ「ジン・レスト。ロストロギアと人間の融合の実験をして管理局を追放されると同時に指名手配された人物よ。」

 

 

クロノ「局員だったんですか!?」

 

 

なのは「何でそんな人がユウを狙うの?」

 

 

ルネ「この人はマスターが生まれる研究に関わった人です。ですからマスターを手に入れて何かしらの実験をしようとしていると思います。」

 

 

リンディ「そうなると護衛が必要ね」

 

 

なのは「私が!」

 

 

リンディ「いえ、今回はシグナムさんとヴィータさんに任せましょう。」

 

 

なのは「私も「やめるんだ。」クロノ君?」

 

 

クロノ「優希は戦いに慣れてないから負けたが実際に魔法が効かない相手ならシグナム達に任せた方がいいだろう。」

 

 

なのは「でも…」

 

 

ヴィータ「安心しろなのは、アタシ達が優希を守ってやるから。」

 

 

シグナム「機械如きに私達が負けると思うか?」

 

 

はやて「なのはちゃん、今回は任せよう?」

 

 

なのは「うん・・・」

 

 

リンディ「優希君はしばらくは外出は控えた方がいいわね。」

 

 

なのは「わかりました。」

 

 

優希が襲われてから一週間、ジンはあれいらい襲ってこなく平和に過ごしていたが一つの問題が起きていた…

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

トコトコ

 

 

シグナム「何処に行く?」

 

 

優希は外を指差し・・・

 

 

優希「散歩。」

 

 

シグナム「駄目だ。」

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

優希は引き返し・・・

 

 

優希「(怒)」

 

 

部屋でふてくされていた。

 

 

ヴィータ「なあシグナム?少し位外出した方がいいんじゃないか?」

 

 

シグナム「いつ敵が来るか解らん。迂闊に出しては危険だ。」

 

 

ヴィータ「だけどよ~」

 

 

シグナム「だから他の者が今ジンの行方を探しているのだろう?」

 

 

ヴィータ「そうだけどよ~、優希の奴かなりストレスが溜まってるぜ?」

 

 

シグナム「そうだが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「えっと、ジュースを貰ってきますね…」

 

 

ルネは部屋を出て行った。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター、ジュースを持ってきましたよ~。」

 

 

ルネはジュースを持って部屋に戻ってくると…

 

 

シーーン

 

 

ルネ「マスター?」キョロキョロ

 

 

バタバタ

 

 

優希の姿が無く窓が開いていた。

 

 

ルネ「マスター!?」

 

 

シグナム「どうした!」

 

 

ルネ「マスターがいなくなりました!」

 

 

ヴィータ「ハァ!?」

 

 

シグナム「ヴィータ行くぞ!」

 

 

ヴィータ「わかった!」



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第36話

優希「♪」

 

 

優希は部屋から抜け出して散歩していると…

 

 

優希「!」トタトタトタトタ

 

ギュッ

 

 

すずか「キャッ!?」

 

 

アリサ「なに?」

 

 

アリサが下を見ると…

 

 

優希「♪」

 

 

アリサ「優希!?」

 

 

すずか「えっ!?優希君!?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「何で優希君がここに?」

 

 

優希「散歩。」

 

 

アリサ「シグナムさん達は?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

すずか「一人!?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

アリサ「ハァ~、送ってあげるから帰るわよ?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

すずか「危ないから帰ろ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はしぶしぶ頷いてアリサ達と一緒に歩き出した。

 

 

-高町家付近-

 

 

すずか「優希君、もう抜け出しちゃ駄目だよ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

アリサ「今度やったら・・・」

 

 

優希「!?」ビクッ

 

 

優希はアリサ達に抜け出した事を話した為に説教されながら帰ってきた。

 

 

優希「!」ゴソゴソ

 

 

アリサ「優希、どうしたの?」

 

 

すずか「優希君?」

 

 

優希何かを思い出し突然ポケットをあさった。

 

 

優希「・・・・・・」クイックイッ

 

 

すずか「どうしたの?」

 

 

すずかがしゃがむと・・・

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希はすずかに紫の宝石が付いた指輪を渡した。

 

 

すずか「これは?」

 

 

優希「デバイス。」

 

 

すずか「作ってくれたの?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

アリサ「どう言う事よ、すずか?」

 

 

すずか「前にね、優希君にデバイスを作って見せてって頼んだんだ。」

 

 

アリサ「ふーん、優希私にも作りなさい!」

 

 

すずか「どうしたのアリサちゃん?」

 

 

アリサ「優希を守る為によ。」

 

 

すずか「えっ?」

 

 

アリサ「こないだ私は優希に戦わせて見ている事しか出来なかったわ。だから今度は私が守ってあげたいのよ!!」

 

 

すずか「アリサちゃん・・・」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「お願い、優希。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は頷いてアリサの頼みを引き受けた。

 

 

アリサ「ありがとうね、優希。」

 

 

すずか「行こ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希達が話し終わると・・・

 

 

シグナム「随分と楽しそうだな?」

 

 

優希「!?」ビクッ!

 

 

ヴィータ「アタシ達が捜し回っていたって言うのにな?」

 

 

ルネ「覚悟して下さいね?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

シグナム達が優希の後ろに立っていた。

 

 

すずか「じゃあ私達も帰ろう?」

 

 

アリサ「そうね、優希またね?」

 

 

すずか「またね?」

 

 

優希「・・・・・・」フリフリ

 

 

アリサ達が帰ろうとすると・・・

 

 

キィン

 

 

シグナム「結界か!?」

 

 

全員が結界に閉じ込められた。

 

 

ジン「やっと出てきたかNo.1」

 

 

上空にジンが現れた。

 

 

シグナム「クッ!やはり現れたか!」

 

 

ヴィータ「優希は渡さねー!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希達はデバイスを起動させて戦闘態勢をとるが…

 

 

ジン「フッ・・・」

 

 

シグナム「何がおかしい!」

 

 

ジン「後ろを見てみろ。」

 

 

優希達が後ろを見るとアリサ達が小さな結界に閉じ込められていた。

 

 

シグナム「クッ!」

 

 

ヴィータ「テメー卑怯だぞ!」

 

 

ヴィータがジンに向かって叫ぶが・・・

 

 

ジン「私が貴様等と戦っても勝ち目はないからな。確実にNo.1を手に入れる方法取らせてもらった。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ジン「さあどうする?貴様が私の下に来ればその2人は助けてやろう。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希はアリサ達を見てからジンに近づいていった。

 

 

ヴィータ「優希!」

 

 

シグナム「よせ!」

 

 

アリサ「やめなさい優希!」

 

 

すずか「優希君駄目!!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ジン「さあ行くぞ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター!!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

シュン

 

 

優希はジンと一緒に転移して消えた。

 



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第37話

 

 

-アースラ-

 

 

リンディ「そう・・・優希君が自分で・・・」

 

 

シグナム「はい、申し訳ありません。」

 

 

シグナムはリンディに先程の事を伝えた。

 

 

ヴィータ「なのは、すまねぇ」

 

 

なのは「大丈夫だよヴィータちゃん。」

 

 

なのはがヴィータに返事をするが無理をしているのが隠せていなかった。

 

 

リンディ「しかし困ったわね・・・」

 

 

クロノ「そうですね、優希が連れて行かれた以上ジンが現れる事は無いですね・・・」

 

 

フェイト「でも何かしら手があるはずだよ!」

 

 

はやて「せめて手がかり「捕らえた!」が・・・」

 

 

今まで黙っていたルネが突然叫んだ。

 

 

なのは「ルネ!?」

 

 

ルネ「マスターの魔力を感知しました!」

 

 

なのは「本当!?」

 

 

ルネ「はい、私はすぐに向かいます。」

 

 

なのは「私も!」

 

 

なのははルネに近寄った。

 

 

クロノ「待て!いくら何でも危険だぞ。」

 

 

ルネ「時間が立てばマスターの方が危険です!」

 

 

フェイト「私も連れて行って!」

 

 

はやて「うちらも!」

 

 

リンディ「わかりました。許可します。」

 

 

クロノ「艦長!?」

 

 

リンディ「ルネさん、着いたら座標を送ってね?」

 

 

ルネ「わかりました、では行きます!」

 

 

シュン

 

 

ルネはなのは達を連れて転移した。

 

 

-???-

 

 

シュン

 

 

なのは「ここは?」

 

 

ルネ「わかりません、とにかくリンディさんに座標を送ったので行きましょう。」

 

 

フェイト「それで優希は何処にいるの?」

 

 

ルネ「反応はあの建物からです。」

 

 

はやて「何か研究所みたいやな。」

 

 

ルネ「はい、多分私達が来ているのはバレているので正面から行きましょう。」

 

 

全員「うん(ああ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-研究所内-

 

 

なのは達が研究所に入ってから地下に進んでいると最下層に着いた。

 

 

なのは「何にここ?」

 

 

フェイト「闘技場みたいだね・・・」

 

 

なのは達が周りを警戒していると・・・

 

 

ジン「ようこそ管理局の方々。」

 

 

全員「!?」

 

 

ジンが姿を現した。

 

 

はやて「ジン・レスト、アナタを誘拐、及び違法研究の罪で逮捕します。」

 

 

ジン「フッ、出来るかな?」

 

 

シグナム「何?」

 

 

ジン「貴様らの相手はコイツ等だ。」パチン!

 

 

ジンが指を鳴らすとなのは達の前にロボットが大量に現れた。

 

 

シグナム「主はやて、ここは我々に任せて下さい。」

 

 

シグナムが言うなり守護騎士達が前に出た。

 

 

ヴィータ「なのは達も優希の所に行け!」

 

 

ザフィーラ「主、行って下さい。」

 

 

シャマル「さあ、早く!」

 

 

はやて「みんな、頼んだで!」

 

 

なのは達は優希を捜しに行こうとしたが・・・

 

 

ジン「何処に行く?」

 

 

なのは達の行く手をロボット達が遮った。

 

 

フェイト「クッ!」

 

 

なのは「邪魔しないで!」

 

 

ジン「そんなにNo.1に会いたいか?」

 

 

なのは「えっ!?」

 

 

ジンがそう言うと・・・

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希が現れたが、優希の目に光は無く虚ろだった。

 

 

なのは「ユウ!!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ジン「無駄だ。」

 

 

フェイト「優希に何をした!」

 

 

ジン「何、実験とマインドコントロールをしただけだ。」

 

 

はやて「何が【だけ】や!アンタ人間を何だと思ってんねん!!」

 

 

ジン「コイツは人間では無い。ただの道具だ。」

 

 

はやて「な!?」

 

 

ジン「無駄話も終わりだ。さあ行け!」

 

 

ジンがロボット達に指示を出すとなのは達に一斉に襲いかかった。

 

 

ジン「No.1、奴等にお前の力を見せてやれ!」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希が頷くと、風が優希を包み隠し中から現れたのはニメートル位の白い虎だった。

 

 

全員「!?」

 

 

ジン「見たか!これが実験の成果だ!」

 

 

なのは「ユウに何をしたの!!」

 

 

ジン「コイツの体内に四神の宝玉を融合させたんだよ!」

 

 

なのは「ユウを元に戻して!!」

 

 

ジン「不可能だ。さあNo.1、奴等を倒せ!」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希がなのは達に襲いかかったが…

 

 

ドカッ!

 

 

ルネ「マスター!」

 

 

ルネが体当たりをして止めた。

 

 

ルネ「なのは様、マスターは私が押さえます。なのは様達はジンとロボット達をお願いします。」

 

 

ジン「ただのデバイスに何が出来る!」

 

 

ルネ「確かに【ただのデバイス】なら無理ですね…」

 

 

なのは「ルネ?」

 

 

普段と違うルネになのはは、不安を覚えた。



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第38話

 

ルネ「私の本来の姿を見せてあげます。」

 

 

ジン「何?」

 

 

ルネが言うなり黒い光に包まれた。

 

 

ルネ「・・・・・・」

 

 

光が消えるとルネの姿は頭が三つになっていて体長は3メートル程にになっていた。

 

 

ジン「!?貴様はケルベロス!!」

 

 

ルネ「やっと気づきましたか?」

 

 

ジン「何故だ!?貴様が何故生きている!!」

 

 

ルネ「あなたが知る必要はありません。マスターは返してもらいますよ?」

 

 

ルネを体を低くくして戦闘態勢に入った。

 

 

ジン「クッ!No.1、奴を消せ!貴様等も行け!」

 

 

ジンは優希とロボット達に命令を出した。

 

 

ルネ「なのは様、後はお願いします!」

 

 

なのは「私も!!」

 

 

はやて「シグナム達はロボットを、ウチらはルネと一緒に優希君を止める!」

 

 

シグナム「わかりました。」

 

 

シグナムが返事をし、ロボット達に向かっていった。

 

 

はやて「ほなら、ウチらも頑張ろか?」

 

 

フェイト「そうだね!」

 

 

なのは「行こう!」

 

 

なのは達もデバイスを構えて優希に向かっていった。

 

 

ヴァルケンリッターside

 

 

シグナム「ハッ!」

 

 

ドーーン!

 

 

ヴィータ「オラー!」

 

 

ドーーン!

 

 

ザフィーラ「ふん!!」

 

 

ドーーン!

 

 

守護騎士達は余裕でロボット達を倒していた。

 

 

シャマル「みんな、後一体よ!」

 

 

シグナム「よし!」

 

 

ジン「無駄だ。貴様等の戦闘データは取れた!貴様等に勝ち目は無い!行け、オメガ!」

 

 

ジンが言うとオメガが守護騎士に向かっていった。

 

 

なのはside

 

 

なのは「ユウ、お姉ちゃんだよ!!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

フェイト「優希、わからないの?」

 

 

はやて「優希君やめて!!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは達が優希に呼びかけるが何も反応しなかった。

 

 

ルネ「マスター!」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ガキィン!

 

 

ルネも呼びかけるが反応が無く、お互いに爪で交戦していた。

 

 

優希「・・・・・・」フッ

 

 

ルネ「ッ!?」フッ

 

 

なのは「えっ!?」

 

 

優希が突然消えるとルネも消えて…

 

 

ガキィン!ガキィン!

 

 

なのは達の周りで金属音が響いた。

 

 

はやて「な、何がおきてるん!?」

 

 

フェイト「2人が物凄い速さで動いている。」

 

 

はやて「なあ、フェイトちゃん?フェイトちゃんならあのスピードに付いて行けへん?」

 

 

フェイト「ソニックフォームなら行けると思う。」

 

 

はやて「ならお願いや。ウチらも何とか援護するから。」

 

 

なのは「フェイトちゃん、お願い。」

 

 

フェイト「うん、バルディッシュ!」

 

 

バルディッシュ「イエス、サー。」

 

 

フェイトはバルディッシュをザンバーフォームにして優希に向かった。

 

 

はやて「さてウチらも何か手を考えよか?」

 

 

なのは「うん。」

 

 

ルネ「マスター!!」

 

 

ガキィン!

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

フェイト「優希、目を覚まして!!」

 

 

ルネと一緒にフェイトが呼びかけるが優希に変化はなかった。

 

 

はやて『フェイトちゃん!』

 

 

フェイト『はやて?』

 

 

はやて『優希君をウチらの方に誘導してくれへん?』

 

 

フェイト『何かあるの?』

 

 

はやて『今、設置型のバインドを仕掛けたから誘導して…』

 

 

なのは「はやてちゃん危ない!」ドン!

 

 

はやて「キャッ!?」

 

 

優希がはやてに体当たりをしようとしたのではやてを突き飛ばし、なのはが身代わりになった。

 

 

フェイト「なのは!」

 

 

フェイトがなのはに近付こうとしたがそれより早く…

 

 

ドン!

 

 

なのは「うっ!!」

 

 

優希「……」

 

 

優希が前足でなのはを押さえつけてトドメを刺そうとするが…

 

 

優希「……」

 

 

なのは「?」

 

 

優希はなのはを見つめていた。

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

フェイト「ルネ、どう言う事?もしかして…」

 

 

ルネ「ハイ!マスターが元に戻せるかもしれません。」

 

 

はやて「ならウチらも!」

 

 

ルネ「ええ、行きましょう。」

 

 

なのは「ユウ、お姉ちゃんだよ?分かる?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

フェイト「優希!私だよ!フェイトだよ!」

 

 

はやて「優希君、ウチや!はやてや!わかるか?」

 

 

ルネ「マスター!!」

 

 

優希「な・・・の・・・姉・・・?」

 

 

なのは「!?そうだよ!!お姉ちゃんだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジン「チッ、オメガ!No.1を消せ!!」

 

 

オメガ「了解」ガチャ

 

 

ドン!

 

 

オメガはなのは達に向けて砲撃を放った。

 

 

シグナム「しまった!」

 

 

ヴィータ「なのは!!」

 

 

なのは「えっ?」

 

 

砲撃はすでになのは達の前まで来ており・・・

 

 

ドーーン!

 

 

シグナム「主はやて!!テスタロッサ!」

 

 

ヴィータ「なのは!!」

 

 

シグナム達はなのは達の方を見て、煙りが晴れると…

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

白虎の優希が盾になって、なのは達を砲撃から守った。



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第39話

なのは、フェイト、はやて「優希(君、ユウ)!!」

 

 

優希「・・・・・・」カッ!

 

 

優希の姿が光ると元の姿に戻り・・・

 

 

優希「・・・・・・」ドサッ

 

 

倒れた。

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

なのはが優希に駆け寄り抱きかかえた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

なのは「ユウ、何でこんな無茶したの!!」

 

 

優希「な・・・姉・・・助・・・た・・・かっ・・・」

 

 

なのは「ユウ・・・」

 

 

ギュッ

 

 

なのはは優希を抱きしめ、涙を流した。

 

 

優希「・・・・・・」ナデナデ

 

 

なのは「ユウ・・・」

 

 

シグナム「ハァー!!」

 

 

ヴィータ「この野郎、よくも優希を!!」

 

 

オメガ「!?」

 

 

シグナム「紫電一閃!!」

 

 

ヴィータ「ギガントシュトラーク!!」

 

 

ドーーン!!

 

 

シグナムとヴィータの連続攻撃でオメガはジンの所まで飛ばされた。

 

 

ジン「チッ、役立たずが!!」ゲシッ!

 

 

バチッ!

 

 

ジンは飛ばされて来たオメガの頭部を蹴った。

 

 

フェイト「さあ、武装を解除して下さい。」

 

 

ジン「まだだ!まだお「ザシュ!」わ・・・グッ!?」

 

 

ジンが最後の抵抗をしようとしたが・・・

 

 

オメガ「・・・・・・」

 

 

オメガの腕がジンの腹部を貫いた・・・

 

 

全員「えっ(なっ)!?」

 

 

予想外な事になのは達は驚いていた。

 

 

オメガ「・・・・・・」ブン!ドサッ!

 

 

ジン「・・・・・・」

 

 

オメガはジンを投げ捨て優希を見て近付こうとしたが…

 

 

全員「・・・・・・」

 

 

なのは達がデバイスを構えた。

 

 

オメガ「戦略的撤退。」シュン

 

 

オメガは転移してその場から消えた。

 

 

なのは「逃げたの?」

 

 

はやて「そうみたいやね」

 

 

フェイト「そうだ、ジンは!?」

 

 

シグナム「駄目だ、既に・・・」

 

 

シャマル「ほぼ即死ですね」

 

 

はやて「そっか・・・とにかく今は戻ろうか?」

 

 

フェイト「そうだね、あのロボットが戻ってくるかもしれないし」

 

 

なのは「ルネ、アースラに転移出来る?」

 

 

ルネ「はい、では戻りましょう。」

 

 

なのは達は転移してアースラに戻った。

 

 

-アースラ-

 

 

リンディ「そう・・・」

 

 

なのは達はリンディに今までの事を話していた。

 

 

クロノ「それで優希は?」

 

 

はやて「今、シャマルが見てる。」

 

 

クロノ「そうか」

 

 

フェイト「クロノ、四神の宝玉について何かわかった?」

 

 

エイミィ「ハイハ~イ、それについては私が説明するね?」

 

 

フェイトの疑問に対してエイミィが答えた。

 

 

なのは「エイミィさん?」

 

 

エイミィ「じゃあ説明するね?四神の宝玉は使用者に2つの力を与えるの。」

 

 

なのは「2の力?」

 

 

エイミィ「そう、1つは聖獣化。もう1つは属性付加。」

 

 

フェイト「聖獣化は解るけど」

 

 

エイミィ「聖獣化は1つじゃ無いよ?」

 

 

フェイト「えっ?」

 

 

エイミィ「みんなが見たのは白虎だけでしょ?」

 

 

はやて「他にもあるんか?」

 

 

エイミィ「他に、青龍、朱雀、玄武があるんだよ?」

 

 

なのは「あんな力が他にもあったんだ。」

 

 

ヴィータ「それで属性付加ってのは?」

 

 

ヴィータがもう1つの力が気になりエイミィに訪ねた。

 

 

エイミィ「属性付加は、火、風、水、地の力を魔法に付加出来る用になるんだよ。」

 

 

なのは「それでユウの体から出す事は…」

 

 

なのはが恐る恐る聞くと…

 

 

エイミィ「ごめんね…優希君と分離させるのは出来ないの。」

 

 

なのは「そんな!?どうして何ですか!?」

 

 

エイミィ「リンカーコアと直接融合しているの…無理に分離させるとどんな影響が出るか解らないの。」

 

 

なのは「そんな・・・」

 

 

なのはがよろめくとフェイトが支えた。

 

 

フェイト「なのは大丈夫?」

 

 

なのは「うん・・・」

 

 

エイミィ「救いなのは、暴走の危険が無い事なんだよね」

 

 

なのは「そうですか、ありがとうございます。」

 

 

リンディ「じゃあ、次はルネさんに聞きたいのだけど・・・」

 

 

ルネ「私の正体ですね?」

 

 

リンディ「ええ、教えてもらえるかしら?」

 

 

ルネ「ここまで来たら隠すの無理ですね。私の本来の名前はケルベロスです。」

 

 

クロノ「ケルベロス?まさか!?」

 

 

ルネ「そうです、危険ランクS級ロストロギアです。」

 

 

クロノ「だがケルベロスに意志は無いはずだが?」

 

 

ルネ「ジンがしていた実験は?」

 

 

全員「!!」

 

 

リンディ「じゃあルネさんは・・・」

 

 

ルネ「はい、元は人間です。実験No.2です。」

 

 

ルネの返答に場の空気が重い中・・・

 

 

はやて「No.2って事はルネは優希君の妹になるんか?」

 

 

ルネ「いえ、どちらかと言うと先に出来たのは私ですから姉になると思います。」

 

 

なのは「そうなの?」

 

 

ルネ「はい、私達はほとんど同時に造られたんです。」

 

 

なのは「ルネ、他にもいるの?」

 

 

ルネ「はい、後1人いますよ。」

 

 

フェイト「その子は?」

 

 

ルネ「まだ目覚めていません。」

 

 

シグナム「今は何処にいるんだ?」

 

 

ルネ「私達が生まれた研究所です。」

 

 

ヴィータ「連れて来なくていいのかよ?」

 

 

ルネ「まだ分かりません。マスターに必要と判断した場合に起こそうと思っています。」

 

 

リンディ「そう言う事なら仕方ないわね。所でルネさん?人の姿にはなれないのかしら?」

 

 

ルネ「なれますよ?」

 

 

リンディ「一度見せてもらっていいかしら?」

 

 

ルネ「構いませんよ。」

 

 

ルネが返事をすると同時に光りに包まれた。

 




一部の誤字の修正いたしました。



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第40話

 

ルネ「これが私の人間の姿です。」

 

 

光りが晴れるとそこには背中まである黒い髪に、和服姿の女性がいた。

 

 

なのは「えっと・・・ルネ?」

 

 

ルネ「そうですよ、何処か変ですか?」

 

 

ルネは自分の体を見回した。

 

 

フェイト「う、ううん!?」

 

 

はやて「そ、そんな事ないで!?」

 

 

2人は慌てて答えた。

 

 

ルネ「?」

 

 

ルネはフェイト達の反応に疑問を持ったが気にしない事にした。

 

 

なのは「所でユウはルネがその姿になれる事知ってるの?」

 

 

ルネ「いえ、知りません。」

 

 

なのは「見せないの?」

 

 

ルネ「はい、マスターに見せたら私の事をデバイスとして扱わず人として扱うと思います。」

 

 

なのは「でも・・・」

 

 

ルネ「いいんです。私は姉でありますけどデバイスとしてマスターを守ると決めたのですから」

 

 

なのは「ルネ・・・」

 

 

なのはが悲しそうに呼ぶと・・・

 

 

ウィーン

 

 

シャマル「失礼します。」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希の検査を終えたシャマルが戻ってきた。

 

 

シャマル「あら?はやてちゃん、そちらの方は?」

 

 

はやて「あ、えっと・・・」

 

 

はやてが返答に迷っていると・・・

 

 

ルネ「では、報告は以上なので失礼します。」

 

 

ルネが機転を利かせて部屋を出ようとした。

 

 

優希「・・・・・・」ギュッ

 

 

が、優希がルネの服を掴んだ。

 

 

ルネ「僕、何かな?」

 

 

ルネが優希に訊ねると・・・

 

 

優希「・・・ルネ」

 

 

ルネ「えっ!?」

 

 

シャマル「えっ!?えっ!?」

 

 

シャマルは意味が解らずキョロキョロしていた。

 

 

ルネ「マスター?何故わかったのですか?」

 

 

優希「雰囲気と・・・」

 

 

ルネ「雰囲気と?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「・・・・・・」

 

 

ゴクッ

 

 

周りが息を呑んで優希の返答を待っていると・・・

 

 

優希「知ってた」

 

 

ドテッ

 

 

優希の返答になのは達はコケた。

 

 

なのは「ちょっとルネ!?知らないんじゃ無かったの!?」

 

 

ルネ「マスター?どうして知っているのですか?」

 

 

優希「記憶を見たとき」

 

 

ルネ「あっ」

 

 

なのは達「・・・・・・」

 

 

呆気なくバレた為になのは達は呆然として…

 

 

シャマル「どう言う事ですか~!?」

 

 

シャマルが1人だけが付いていけなかった。

 

 

ルネ「それで皆さんはこれからどうされるのですか?」

 

 

はやて「ウチらはまだ事後処理とかしなアカンから帰るのはまだ先やね…」

 

 

ルネ「そうですか、マスター?私達はどうしますか?」

 

 

優希「帰る。」

 

 

ルネ「わかりました。」

 

 

カッ!

 

 

ルネが光ると普段の狼の姿になった。

 

 

ルネ「さあ、乗ってくださいマスター。」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

ルネ「私の事は気にしないで下さい。」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希はルネの背中に乗り・・・

 

 

ルネ「では先に戻っています。」

 

 

なのは「うん、お母さん達によろしくね。」

 

 

フェイト「気をつけてね?」

 

 

ルネ「はい、では失礼します。」

 

 

ルネは優希と一緒に転移して帰った。

 

 

 

桃子「優希!心配したのよ!」

 

 

美由紀「怪我してない!?」

 

 

士郎「無事でなによりだ」

 

 

優希「・・・・・・」グテッ

 

 

ルネ「大丈夫ですか?」

 

 

優希は帰って来ると同時に、桃子達にもみくちゃにされた為に疲れ気味になっていた。

 

 

ルネ「マスター、疲れている時に言うのも何ですが、まだアリサ様達にも会わないと・・・」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネに言われ優希は少し落ち込んだ。

 

 

アリサ「すずか、なのは達から連絡はあった?」

 

 

すずか「ううん、優希君が助かったっていうメール以外は何も・・・」

 

 

アリサ「全く、早く帰ってきなさいよ」

 

 

アリサ達はメールで優希の無事を確認はしたが、まだ会えないでいた。

 

 

トコトコ

 

 

すずか「ん?」

 

 

アリサ「すずか?」

 

 

すずかは止まり振り返った。

 

 

すずか「あっ、ごめんね?」

 

 

アリサ「いいけど、どうしたのよ?」

 

 

すずか「今、誰かいた気がしたんだけど…」

 

 

アリサ「本当に?」

 

 

アリサも後ろを見るが誰もいなかった。

 

 

すずか「気のせいだったみたい、帰ろ?」

 

 

アリサ「そうね。」

 

 

アリサ達は再び歩き出した。

 

 

トコトコ

 

 

アリサ「ん?」クルッ

 

 

サッ

 

 

アリサ「誰!!」

 

 

すずか「アリサちゃん?」

 

 

アリサ「誰かいるわね・・・」

 

 

すずか「えっ!?」

 

 

アリサ「すずか、歩くわよ」

 

 

すずか「う、うん」

 

 

トコ

 

 

バッ!

 

 

2人が勢いよく振り向くと・・・

 

 

優希「!?」

 

 

アリサ「えっ?」

 

 

すずか「優希君?」

 

 

優希がいた。

 



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第41話

アリサ「全く、帰って来たならすぐに来なさいよね」

 

 

優希「ごめんなさない」

 

 

すずか「でも無事で良かった。」

 

 

優希「すず姉」

 

 

すずか「ね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希がすずかと2人の世界に入っていると…

 

 

アリサ「ちょっと、すずか?」ガシッ!

 

 

すずか「あ、アリサちゃん?」

 

 

アリサがすずかの肩を掴んだ。

 

 

アリサ「どうして優希が、すずかの事を【お姉ちゃん】って呼んでいるのか説明してもらうわよ?」

 

 

すずか「そ、それは・・・」

 

 

アリサ「さあ、ゆっくり語りましょうか?」

 

 

後にすずかは語った。死ぬほど怖かったと・・・

 

 

アリサ「全く、自分だけ抜け駆けして」

 

 

すずか「ごめんね、アリサちゃん?」

 

 

すずかはアリサに姉と呼ばれるきっかけを全部話した。

 

 

アリサ「ねぇ優希、私の事もお姉ちゃんって呼びなさい!」

 

 

アリサは笑顔だが目が笑っていなかった。

 

 

優希「!」コクコク!

 

 

優希は怯えながら頷いた。

 

 

アリサ「じゃあ、呼んでみなさい」

 

 

優希「アリサ・・・姉?」

 

 

アリサ「・・・・・・」

 

 

優希「?」

 

 

優希がアリサを呼んでみたが・・・

 

 

アリサ「///」

 

 

顔が真っ赤になって放心していた。

 

 

すずか「アリサちゃん?」

 

 

アリサ「///ハッ!!」

 

 

すずか「えっと、大丈夫?」

 

 

アリサ「ええ、お姉ちゃんなんて呼ばれた事が無いからちょっと意識が飛んだわ///」

 

 

優希「?」

 

 

すずか「優希君は気にしなくていいからね?」

 

 

優希「?」コク

 

 

アリサ「そうだ優希、デバイスってどうなったの?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

すずか「まだ出来てないのかな?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

アリサ「そう」

 

 

優希「すず姉」

 

 

すずか「優希君、何?」

 

 

優希「デバイス貸して」

 

 

すずか「うん」

 

 

すずかは指輪を外して優希に渡した。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「どうするの?」

 

 

すずかは気になり優希に聞いてみた。

 

 

優希「改良」

 

 

すずか「改良?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

アリサ「所で優希、明日は暇?」

 

 

優希「?」

 

 

アリサ「明日私達が行くから時間を空けといてくれる?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「じゃあまた明日ね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

トタトタ

 

 

優希はアリサ達と別れて帰った。

 

 

優希「・・・・・・」カタカタカタカタ

 

 

コンコン

 

 

優希「?」

 

 

ルネ「マスター、アリサ様達がいらっしゃいましたよ」

 

 

アリサ「こんにちは優希」

 

 

すずか「こんにちは優希君」

 

 

ルネ「今日はどうしたのですか?」

 

 

アリサ「ルネ、私達に魔法を教えてほしいのよ」

 

 

ルネ「それは構いませんが、デバイスはどうするのですか?」

 

 

すずか「今優希君が作ってくれてるんだけど・・・」

 

 

皆が優希を見て・・・

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

カタカタ

 

 

ブォン

 

 

優希が自分のパソコンをいじると空中にモニターが現れた。

 

 

すずか「優希君、これは?」

 

 

モニターに写っているのは杖とナックル型のデバイスが写っていた。

 

 

アリサ「もしかして私達の?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「後どれ位で出来るのかな?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

すずか「優希君?」

 

 

優希「出来てる」

 

 

アリサ「なら・・・」

 

 

優希「やっぱり渡せない」

 

 

アリサ、すずか「えっ?」

 

 

優希の予想外の返答に2人は驚いていた。

 

 

アリサ「どうしてよ優希!」

 

 

優希が渡せないと言うなりアリサが凄い剣幕で怒鳴った。

 

 

すずか「ちょっと落ち着いてアリサちゃん」

 

 

すずかは慌ててアリサを抑えた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスターはお二人の事を心配しているのですよ」

 

 

ルネが優希の代わりに答えた。

 

 

すずか「私達の事?」

 

 

ルネ「はい、下手をすると日常に戻れなくなります」

 

 

アリサ「優希・・・」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「私、前に言ったわよね?優希を守るって、ちゃんと覚悟も出来てるわ」

 

 

すずか「私もだよ」

 

 

アリサ「だからお願い」

 

 

アリサ達は優希を見つめながら自分の覚悟を話した。

 

 

優希「・・・・・・」トコトコ

 

 

カチャカチャ

 

 

優希は紫と赤の指輪を2人に渡した。

 

 

アリサ「これが私の?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

すずか「でも1日でよく出来たね?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「それは元々自分のをアリサ様用に改良したんですよ」

 

 

アリサ「そうなの?でもどうして?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「私も気になっていたのですが、どうしてですか?」

 

 

皆が聞いてきたので優希は・・・

 

 

優希「使えない」

 

 

ルネ「デバイスをですか?」

 

 

優希「魔法」

 

 

ルネ「えっ!?」

 

 

優希の言った事にルネは驚いていた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「マスター何故早く言ってくれなかったのですか!?」

 

 

優希「昨日わかった」

 

 

ルネ「そうですか、アリサ様魔法は明日以降でもいいですか?」

 

 

アリサ「ええ、今は優希の方を」

 

 

ルネ「はい、マスター魔法使ってみて下さい」カッ

 

 

ルネは言うなりブレスレットになり優希の左手に着いた。

 

 

優希「・・・・・・」サッ

 

 

優希は杖を出し魔法を発動させようとしたが・・・

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

発動しなかった。

 

 

カッ

 

 

ルネ「・・・・・・」

 

 

ルネは狼の姿に戻った。

 

 

すずか「ルネ?」

 

 

ルネ「マスター、詳しく調べないと解りませんが異常な所がありました」

 

 

優希「本当?」

 

 

ルネ「はい、魔力を込めるのは異常はありませんでした。ですが以前よりコントロールが出来なくなっています」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「ですから杖の補助では魔法は使えません」

 

 

優希「もう使えない?」

 

 

ルネ「・・・・・・」

 

 

優希の問いにルネは・・・

 

 

ルネ「一つだけ方法があります・・・」

 

 

優希「それは?」

 

 

ルネ「私達が生まれた研究所にもう1人、No.3が眠っています。あの子ならマスターの助けになってくれるはずです」

 

 

優希「行く」

 

 

ルネ「わかりました、ですが覚悟して下さい。辛い場所になりますから」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「では行きましょう」

 

 

ルネは優希を連れて研究所に向かおうとすると・・・

 

 

アリサ「ルネ、私達も連れて行って」

 

 

アリサ達も行くと言い出した。

 

 

ルネ「それは・・・」

 

 

すずか「お願い、私達も優希君の過去を受けとめたいの」

 

 

アリサ達の頼みにルネは・・・

 

 

ルネ「マスターどうしますか?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「大丈夫、優希の過去に何があっても一緒にいるから私達を信じなさい」

 

 

すずか「そうだよ、だから連れて行って」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希は頷きルネを見た。

 

 

ルネ「わかりました、では行きましょう」

 

 

ルネは言うなり転移で自分の生まれた研究所に向かった。

 

 

-研究所-

 

 

シュン

 

 

ルネ「着きました」

 

 

アリサ「ここが・・・」

 

 

すずか「優希君が生まれた場所・・・」

 

 

アリサ達は周りを不思議そうに見回した。

 

 

ルネ「こちらです」

 

 

ルネは優希を乗せて歩き出し、アリサ達も後から付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルネ「ここです」

 

 

ルネはある部屋の前で止まった。

 

 

優希「・・・・・・」ウィーン

 

 

優希はルネから降りて部屋の中に入った。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

アリサ「これ・・・は・・・」

 

 

アリサ達も入って来て中には3つの円柱のポットがあり、3つの内2つは空になっており1つだけに茶髪でワンピースを着た30センチ位の女の子が入っていた。

 

 

すずか「ルネ、この子は?」

 

 

ルネ「No.3です。この子は私と同時に完成した特別なデバイスです」

 

 

アリサ「特別?」

 

 

ルネ「はい、マスターの為に造られたのです」

 

 

優希「・・・・・・」カタカタ

 

 

カシャン

 

 

優希は機械を操作してNo.3を出した。

 

 

すずか「出したはいいけど、どうやって起こすの?」

 

 

ルネ「ポットから出せば自然に起きるはずです」

 

 

ルネがすずかに説明していると・・・

 

 

No.3「ん・・・」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

No.3「ふぁ~、あれ?」キョロキョロ

 

 

No.3は起きると辺りを見回した。

 

 

ルネ「起きましたか、No.3」

 

 

No.3「ん?あれ、ケルちゃん久しぶり~」

 

 

ルネ「久しぶりですね、それと私はケルベロスでは無く今はルネと言う名です」

 

 

No.3「ルネ?新しい名前って事は優希ちゃんが目覚めたの!?」

 

 

No.3が興奮気味にルネに優希の事を聞いてきた。

 

 

ルネ「ええ、マスター」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネに言われて前に出ると・・・

 

 

No.3「優希ちゃん!?いゃ~ん///かわいい!!」ナデナデ

 

 

No.3はふわりと浮かび優希の頭に乗り撫で回した。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「No.3、少し落ち着きなさい」

 

 

No.3「は~い。それで私を起こしたって事は何かあったの?」

 

 

ルネ「実は・・・」

 

 

ルネは今までの事を話した。

 

 

No.3「そう、わかった。優希ちゃん、私に名前をちょうだい。そうすればアナタをマスターとして登録できるから、可愛いのでお願いね?」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希は頷き考え始めた。

 

 

優希「・・・!」

 

 

No.3「決まった?」

 

 

優希「リナ」

 

 

リナ「は~い、登録完了。よろしくね優希ちゃん」

 

 

リナは優希の回りを飛び回った。

 

 

ルネ「では一度戻りましょう」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

シュン

 

 

優希達はルネに近寄り転移した。



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第42話

 

 

-高町家-

 

 

シュン

 

 

ルネ「では明日から練習を始めましょう。問題はありませんね?」

 

 

アリサ「ええ大丈夫よ」

 

 

すずか「アリサちゃん、塾とかは?」

 

 

アリサ「辞めるわよ」

 

 

すずか「え~!?」

 

 

アリサ「当たり前でしょ?」

 

 

すずか「そうだよね、うん!私も辞める」

 

 

アリサ達は自分達の進む道を決めた。

 

 

アリサ「じゃあ、また明日ね」

 

 

すずか「優希君明日ね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

アリサ達は明日に備えて帰っていった。

 

 

 

 

優希「ルネ」

 

 

ルネ「はい。リナ、マスターの体を診てもらえますか?」

 

 

リナ「おっけ~、行くよ?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

リナ「ユニゾン、イン!」

 

 

リナは優希とユニゾンをして優希の体を調べ始めた。

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

ルネ「・・・・・・」

 

 

優希がリナとユニゾンしてから五分…

 

 

カッ

 

 

リナ「ヨイショ、っと」

 

 

リナはユニゾンを解除して優希の体から出て来た。

 

 

ルネ「リナ、どうでした?」

 

 

リナ「・・・・・・」

 

 

ルネ「リナ?」

 

 

リナ「はっきり言うね?優希ちゃんはもう魔法は普通に使えないよ」

 

 

優希「!?」

 

 

ルネ「どう言う事ですか?」

 

 

リナ「ロストロギアが原因だね」

 

 

ルネ「やはりロストロギアですか…」

 

 

リナ「うん、無理矢理融合させたみたいだから…」

 

 

ルネ「治す方法は?」

 

 

ルネが治療の方法を聞いてみるが…

 

 

リナ「私には無理かな」

 

 

ルネ「そう・・・ですか」

 

 

ルネが落ち込んでいると・・・

 

 

優希「・・・・・・」ナデナデ

 

 

ルネ「マスター?」

 

 

優希がルネの頭を撫でた。

 

 

優希「使える方法を探す」

 

 

ルネ「マスター・・・」

 

 

優希「だから平気」

 

 

ルネ「わかりました、私達もお手伝いします」

 

 

リナ「頑張ろうね、優希ちゃん」

 

 

優希達は魔法を再び使える用になる為、新しい方法を探す事にした。

 

 

リナ「それで優希ちゃん、まずはどうする?」

 

 

優希「リナの機能」

 

 

リナ「私?私はね、優希ちゃん専用の鎧だよ」

 

 

優希「鎧?」

 

 

リナ「そうだよ、これを見て」

 

 

リナがパソコンに繋がっているツールに乗るとモニターに鎧が写った。

 

 

リナ「これが優希ちゃんとユニゾンした時の私の姿だよ」

 

 

優希「・・・・・・」

 

 

優希はモニターを見つめて・・・

 

 

リナ「優希ちゃん?」

 

 

優希「改良出来る?」

 

 

リナ「うん、データさえ作れば出来るよ?」

 

 

リナが優希の質問に答えると・・・

 

 

カタカタカタカタ

 

 

優希「これ・・・」

 

 

リナ「どうしたの?」

 

 

優希はパソコンを操作してあるデータを見せた。

 

 

優希「出来る?」

 

 

リナ「うん、時間はかかるけど出来るよ」

 

 

優希「作る」

 

 

リナ「じゃあ頑張ろうね」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

ルネ「これからの方針も決まったので食事にしましょう」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

リナ「私は隠れてた方がいいかな?」

 

 

優希「紹介する」

 

 

ルネ「そうですね、では行きましょう」

 

 

優希はリナを連れて下に降りていった。

 

 

優希「ママ」

 

 

桃子「あら優希?もう少しでご飯出来るからちょっと待っててね?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

桃子「待てない?」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

桃子「違うの?」

 

 

桃子は優希が何を言いたいのか解らず次の言葉を待った。

 

 

優希「家族」

 

 

桃子「家族?」

 

 

優希「増えてもいい?」

 

 

桃子「えっ?」

 

 

優希「リナ」

 

 

桃子が驚いている間に優希がリナを呼んだ。

 

 

桃子「優希、この子は?」

 

 

リナ「私は優希ちゃんのデバイスでリナっていいます」

 

 

桃子「私は桃子です」

 

 

リナ「私は優希ちゃんを助ける為に目覚めました」

 

 

桃子「優希を助ける?」

 

 

ルネ「それは皆さんが揃ってから説明しましょう」

 

 

桃子「深刻な話しみたいね」

 

 

ルネ「はい・・・」

 

 

桃子「とりあえず優希」

 

 

優希「?」

 

 

桃子「リナちゃんが家族になるのはいいわよ」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

リナ「ありがとうございます」

 

 

桃子「じゃあ、居間で待っててね」

 

 

優希「・・・・・・」コク、トコトコ

 

 

優希はルネ達と一緒に居間に向かった。

 

 

桃子「そう、そんな事になっていたの・・・」

 

 

ルネ「はい、幸い生活に支障はありません」

 

 

ルネは桃子達に優希の体の事を話した。

 

 

士郎「悪化する可能性と後遺症は?」

 

 

リナ「悪化する事はありません。ただ後遺症として魔法が使えません」

 

 

美由希「じゃあ優希はもう魔法を使えないの?」

 

 

リナ「リハビリをすれば身体強化位は出来ると思います」

 

 

美由希「そうなんだ・・・」

 

 

美由希が複雑そうな顔をしていると・・・

 

 

優希「・・・・・・」ナデナデ

 

 

優希が美由希の頭を撫でた。

 

 

美由希「ありがとう優希」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

美由希「ねぇ優希?約束して?無理はしないって」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

美由希「約束だよ?」

 

 

桃子「じゃあご飯にしましょう」

 

 

士郎「そうだな」

 

 

美由希「うん、優希~お姉ちゃんの所においで」

 

 

優希「・・・・・・」フルフル

 

 

美由希「うっ、今日も駄目…」

 

 

ルネ「み、美由希様…」

 

 

美由希は優希を膝の上に乗せようとしたが、拒否されて落ち込んでいた。

 

 

桃子「優希、ほっといていいからね?」

 

 

優希「・・・・・・」コク

 

 

優希達は落ち込んでいる美由希を無視して食事を始めた。

 

 

次の日、優希の部屋にアリサ達が来ていた。

 

 

ルネ「さて今日から魔法の練習を始めますが何か質問はありますか?」

 

 

アリサ「無いわよ」

 

 

すずか「私も大丈夫だよ」

 

 

ルネ「最初は知識の勉強を、次に訓練と進みます」

 

 

アリサ「わかったわ」

 

 

すずか「所でルネ?優希君は?」

 

 

ルネが優希と一緒に居ないことを不思議に思いルネに尋ねた。

 

 

ルネ「マスターはリナと一緒にデバイスを作っています」

 

 

すずか「デバイス?」

 

 

ルネ「はい、マスターは現在魔法を使えないので、使える用になる為に新しいデバイスを作っています」

 

 

すずか「そっか、優希君も頑張っているんだね…」

 

 

アリサ「私達も負けていられないわね」

 

 

すずか「そうだね、頑張ろう!」

 

 

ルネ「では早速始めましょう」

 

 

2人「ええ(うん)」

 

 

2人は決意を胸に取りかかった。そして2人が管理局に入るのは遠くない未来である。



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strikers 無限の力編
第43話


 

 

コンコン

 

 

リンディ「どうぞ」

 

 

?「失礼します」

 

 

?2「失礼します」

 

 

リンディ「急に呼び出してごめんなさいね?」

 

 

?「いえ、それより用件は?」

 

 

リンディ「実はねあなた達に機動六課に行ってもらいたいの」

 

 

?2「でもあそこは…」

 

 

リンディ「ええ、人員的には問題はないのよ。でも先の事を考えると戦力的に少し心配なのよ」

 

 

?「でもアレはどうするですか?」

 

 

リンディ「それは私の方で調べておきます」

 

 

?「わかりました、それで何時からですか?」

 

 

リンディ「明日からよ♪」

 

 

?2「えっ!?」

 

 

リンディ「手続きは済ませてあるからよろしくね♪」

 

 

?「いつの間に…」

 

 

リンディ「お願いねアリサさん、すずかさん」

 

 

アリサ「わかりました」

 

 

すずか「はい」

 

 

すずか「アリサちゃんどう思う?」

 

 

アリサ「何が?」

 

 

すずか「今回の事件について」

 

 

すずかは自分達の出向について疑問を感じていた。

 

 

アリサ「確かにね、はやて達の部隊は戦力的には問題ない筈なのに私達が行くって事は何かあるんでしょうね…」

 

 

すずか「うん…」

 

 

アリサ「とにかく今は考えても情報が少ないしこれ以上考えても無理ね」

 

 

すずか「そうだね」

 

 

アリサ「とりあえず優希の所に行くわよ」

 

 

すずか「うん、荷物も纏めないとね」

 

 

アリサ「ええ、それになのは達の驚く顔が楽しみね♪」

 

 

すずか「そうだね♪」

 

 

アリサ達はそんな話をしながら自分達の部屋に戻って行った。

 

 

カシュ

 

 

アリサ「優希ー」

 

 

すずか「優希君、ただいま~」

 

 

リナ「2人ともおかえり~」

 

 

アリサ達が戻って来るとリナが出迎えてくれた。

 

 

すずか「リナ、優希君は?」

 

 

リナ「優希ちゃんならルネと一緒に街に出掛けたよ?」

 

 

アリサ「はぁ!?」

 

 

すずか「仕事は?」

 

 

リナ「ちゃんと終わってるよ」

 

 

すずか「ならいいけど」

 

 

アリサ「まったく…」

 

 

リナ「アリサちゃん?」

 

 

アリサ「リナ、悪いんだけど私達3人明日から出向だから優希の荷物を纏めてちょうだい」

 

 

すずか「私達も自分達の荷物を用意してくるから」

 

 

リナ「は~い、まかせて」

 

 

リナは優希の荷物を纏めに行った。

 

 

アリサ「まったくあの子は…」

 

 

すずか「アリサちゃん私達も荷造りしよ?」

 

 

アリサ「そうね」

 

 

アリサ達も荷造りをする為自分達の部屋に戻って行った。

 

 

ルネ「良かったですねマスター」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希はルネと一緒にクラナガンまで買い物に来ていた。

 

 

ルネ「そろそろ戻りましょうか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希達が帰ろうとすると…

 

 

ドカー---ン!!

 

 

優希「!?」

 

 

優希が爆発した方を見ると大量のガジェットがいた…

 

 

-ヘリの中-

 

 

スバル「なのはさん、ガジェットが街に現れたんですか?」

 

 

なのは「そうだよ」

 

 

ティアナ「ロストロギアですか?」

 

 

フェイト「違うよ、急に現れたみたい」

 

 

エリオ「じゃあ…」

 

 

なのは達がフォワード陣に説明していると…

 

 

はやて「なのはちゃん、フェイトちゃん」

 

 

はやてから通信が入った。

 

 

フェイト「どうしたの?」

 

 

はやて「新しい情報が入ったんよ。何か子供が追いかけられてるみたいなんや」

 

 

フェイト「子供?」

 

 

はやて「そや、とにかく保護をお願い」

 

 

なのは「うん、フォワード陣の皆は子供の保護をお願い。」

 

 

FW陣「はい!」



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第44話

 

ルネ「マスター、どうします?」

 

 

優希「このまま逃げる」

 

 

優希はルネに乗りガジェットから逃げていた。

 

 

ルネ「ですが数が多いので逃げきれるかどうか…」

 

 

優希「助け呼ぶ…」ゴソゴソ

 

 

優希はポケットをあさり万帳を取り出して、8、1、9、OKを押した。

 

 

優希「後は逃げる」

 

 

ルネ「はい!」

 

 

優希はルネに乗り逃げ出した。

 

 

リナ「これでいいかな」

 

 

リナが荷造りを終えると…

 

 

ブォォン!

 

 

リナ「えっ!?」

 

 

ロードチェイサーのエンジン音が聞こえ発進して行った。

 

 

リナ「大変!!」

 

 

リナは部屋を飛び出した。

 

 

アリサ「すずか終わった?」

 

 

すずか「うん、優希君は帰ってきたかな?」

 

 

アリサ「そうね、見に行くわよ」

 

 

すずか「うん」

 

 

2人が部屋を出ようとしたら…

 

 

リナ「大変~!!」

 

 

リナが部屋に飛び込んで来た。

 

 

アリサ「どうしたのよ、リナ」

 

 

リナ「ロードチェイサーが発進して行ったの~!!」

 

 

アリサ「ロードチェイサーが?」

 

 

すずか「大変!!」

 

 

アリサ「すずか?」

 

 

すずかは部屋を飛び出しアリサとリナも追った。

 

 

アリサ「どうしたのよ?」

 

 

すずか「優希君、魔力診断でバレない用にリミッターを付けたままだよ」

 

 

アリサ「あっ!?」

 

 

すずか「優希君が襲われてたら大変!!」

 

 

アリサ「そうね、急ぐわよ!リナはリンディさんの所に行って優希のリミッターを外してもらってきて」

 

 

リナ「うん!」

 

 

アリサ達はリナと別れて優希の元に向かった。

 

 

すずか「アリサちゃん、街にガジェットが出たみたい。」

 

 

アリサ「って事はやっぱり優希が襲われている可能性があるわね」

 

 

すずか「うん、アリサちゃん!飛行許可出たよ!」

 

 

アリサ「よし!イフリート!」

 

 

イフ「はい、お嬢様」

 

 

すずか「ウンディーネ!」

 

 

ウンディ「はい、すずか様」

 

 

2人『セットアップ!!』

 

 

二機『はい!!』

 

 

2人はバリアジャケットを着けクラナガンに向かった。

 

 

ドォーン!!

 

 

優希「しつこい」

 

 

ルネ「全くですね」

 

 

ルネは優希を乗せながら逃げていると…

 

 

ドォーン!

 

 

優希「来た?」

 

 

スバル「ティア~、見つけたよ~」

 

 

ティアナ「スバル、うっさい!」

 

 

ガジェットが爆発しフォワード陣が現れた。

 

 

エリオ「ティアナさん、どうしますか?」

 

 

キャロ「大丈夫?」

 

 

ティアナ「キャロはその子を、私達は隊長達が来るまでガジェットを抑えるわよ」

 

 

スバル「うん!」

 

 

エリオ「はい!」

 

 

キャロ「わかりました」

 

 

フォワード陣はガジェットを迎撃しだした。

 

 

優希「……」

 

 

キャロ「大丈夫だった?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希がスバル達の方を見ると数のせいで苦戦していた。

 

 

キャロ「どうしよう、街中じゃあフリードはダメだし…」

 

 

キャロがスバル達を援護する方法を考えていると優希がルネから降りた。

 

 

優希「ルネ…」

 

 

ルネ「わかりました、じっとしていて下さいね」

 

 

ルネはガジェットの群れに向かって行った。



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第45話

 

スバル「ハァ~!!」

 

 

ドォーン!

 

 

エリオ「やぁ~!」

 

 

ドォーン!

 

 

ティアナ「っ!」

 

 

ドォーン!

 

 

ティアナ「全く何体いるのよ!」

 

 

ティアナが愚痴っていると…

 

 

スバル「ティア後ろ!」

 

 

ティアナ「!しまっ…」

 

 

ティアナが後ろを見るとすぐそこまでガジェットが来ていたが…

 

 

ドォーン!

 

 

ルネ「大丈夫ですか?」

 

 

ティアナ「あんたはさっきの…犬?」

 

 

ルネ「私はデバイスです」

 

 

ティアナ「とにかく助かったわ」

 

 

ルネ「いえ、マスターの頼みで援護します」

 

 

ティアナ「助かるわ」

 

 

ルネ「では行きましょう」

 

 

ティアナ「ええ」

 

 

ルネとティアナは再びガジェットの群れに向かって行った。

 

 

キャロ「あれは君のデバイス?」

 

 

優希「……」コク

 

 

キャロ「君も魔導師なの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希がキャロの質問に答えているとガジェットが数機が近くまで来ていた。

 

 

キャロ「フリード、ブラストフレア!」

 

 

フリード「きゅく〜!」ゴォォ~

 

 

フリードが火を噴きガジェットに当たると爆発した。

 

 

キャロ「やった?」

 

 

キャロが様子を見ていると…

 

 

ビュンビュン

 

 

ガジェットが煙の中から出てきた。

 

 

キャロ「えっ!?」

 

 

ガジェットはキャロに向かって一直線に向かって来た。

 

 

エリオ「キャロ!」

 

 

スバ、ティア「!!」

 

 

エリオの叫びスバル達も気づいたが距離が離れてしまっていた。

 

 

ティアナ「っ!」

 

 

ティアナがクロスミラージュを構えるが…

 

 

ルネ「大丈夫ですよ」

 

 

ティアナ「えっ!?」

 

 

ドォーン!

 

 

ガジェットが爆発した。

 

 

キャロ「えっ!?」

 

 

キャロの横で優希がフリーダムを構えていた。

 

 

優希「……」

 

 

キャロ「助けてくれたの?」

 

 

優希「大丈夫?」

 

 

キャロ「うん、ありがとう」

 

 

優希「……」コク

 

 

キャロが礼を言うと同時に…

 

 

ガシッ!

 

 

優希「?」

 

 

ビュン

 

 

優希「!!」

 

 

優希がガジェットのアームに捕らわれて連れていかれた。

 

 

キャロ「あっ!?」

 

 

キャロもガジェットを追いかけるが、向こうは飛んでいるので離されて行った。

 

 

スバル「ティア!」

 

 

ティアナ「わかってる、先にエリオと一緒に追って!」

 

 

スバル「うん」

 

 

エリオ「はい」

 

 

スバルとエリオもガジェットを追いかけだした。

 

 

ティアナ「私達も」

 

 

ルネ「はい」

 

 

ティアナ達も追いかけだした。

 

 

なのはside

 

 

なのは「ディバインバスター!」

 

 

フェイト「サンダースマッシャー!」

 

 

ドォー-ン!!

 

 

なのは「これで全部かな?」

 

 

フェイト「そうだね、みんなは無事かな?」

 

 

ティアナ『なのは隊長!』

 

 

なのは達が話しているとティアナから通信が入った。

 

 

なのは「ティアナどうしたの?」

 

 

ティアナ『すいません、子供を一度保護したんですけどガジェットに連れ去られてしまい現在追跡中です』

 

 

なのは「了解、私達も追いかけるね」

 

 

ティアナ『はい』

 

 

ティアナからの通信が切れて…

 

 

なのは「フェイトちゃん!」

 

 

フェイト「うん、行こう!」

 

 

なのは達もティアナ達と合流する為に向かった。

 

 

ティアナ「このままじゃあどうしようも無いわね…」

 

 

キャロ「ですけどあのままじゃあ攻撃出来ませんよ?」

 

 

キャロはルネに乗せてもらい追っていた。

 

 

ティアナ「しかしあの子、こんな状況なのに良く泣かないわね?」

 

 

ルネ「信じているのですよ、必ず助けに来てくれると」

 

 

ティアナ「助け?」

 

 

ルネがティアナと話していると…

 

 

ブォーン!!

 

 

ロードチェイサーが追い抜いていった。

 

 

ティアナ「何今の?」

 

 

ルネ「あれはマスターのですよ」

 

 

キャロ「えっと…」

 

 

キャロがルネに聞こうとしたら…

 

 

ビュン!ビュン!

 

 

2つの影がティアナを抜いて…

 

 

ティアナ「今度は何よ?」

 

 

アリサ「イフリート!」

 

 

イフ「カートリッジロード」

 

 

カシャン!

 

 

アリサ「ファイヤーシューター!」

 

 

アリサが魔法を放ち優希を捕まえているガジェット以外を破壊し…

 

 

すずか「やぁ~!」

 

 

スパッ!

 

 

すずかが優希を捕まえているアームを切ると…

 

 

優希「……」

 

 

優希が落ちる位置に…

 

 

ブォーン!

 

 

ポスン

 

 

ロードチェイサーが止まりシートの上に優希が落ちて来た。

 

 

アリサ「優希大丈夫?」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

すずか「ケガはしてない?」

 

 

優希「上手くキャッチしてくれた」ナデナデ

 

 

ブォン!

 

 

優希が撫でるとロードチェイサーがエンジン音で応えた。

 

 

 

ティアナ「あの~…」

 

 

アリサ「何?」

 

 

アリサ達が優希の無事を確認しているとティアナが声を掛けてきた。

 

 

ティアナ「あなた達は?」

 

 

すずか「私達は…」

 

 

なのは「みんな!」

 

 

すずかが自己紹介をしようとしたらなのは達が降りてきた。

 

 

フェイト「大丈夫だった?」

 

 

スバル「えっと、この人達が助けてくれました」

 

 

フェイト「えっ!?アリサ!?」

 

 

なのは「すずかちゃん!?」

 

 

アリサ「私達だけじゃないわよ」

 

 

アリサが優希を抱っこして見せた。

 

 

なの、フェイ「優希(ユウ)!?」

 

 

なのは達は優希までいる事に驚いていた。

 

 

なのは「どうしてユウがいるの!?」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「秘密よ、今日はこれから用があるから又ね」

 

 

すずか「ごめんね?」

 

 

ルネ「では転移します」

 

 

シュン

 

 

アリサ達は転移してその場を後にした。



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第46話

 

なのは「どうなってるの?」

 

 

エリオ「フェイトさん、さっきの人達は知り合いなんですか?」

 

 

フェイト「うん、幼なじみなんだけど」

 

 

キャロ「どうしたですか?」

 

 

フェイト「2人は魔法は使えないはずなんだ…」

 

 

エリオ「でも…」

 

 

スバル「魔法を使ってましたよ」

 

 

ティアナ「ガジェットを簡単に破壊してましたよ?」

 

 

フェイト「うーん…」

 

 

なのは「とにかく戻ってはやてちゃんに報告しよ」

 

 

フェイト「そうだね」

 

 

なのは「みんな、六課に戻ろう」

 

 

FW陣「はい!」

 

 

なのは達もアリサ達の事を報告する為、六課に戻っていった。

 

 

優希side

 

 

シュン

 

 

ルネ「到着しました」

 

 

アリサ「イフリート、モードリリース」

 

 

イフ「はい、お嬢様」カッ!

 

 

すずか「アリサちゃんお疲れ様」

 

 

アリサ「すずかもね」

 

 

お互いに労っていると…

 

 

リナ「優希ちゃ~ん!!」

 

 

リナが部屋に飛び込んで来た。

 

 

優希「リナ?」

 

 

リナ「ケガは?痛い所は?」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

リナは部屋に飛び込んでくるなり優希の体をチェックしだした。

 

 

アリサ「相変わらずのブラコンね…」

 

 

すずか「そ、そうだね…」

 

 

アリサ達が若干呆れてると…

 

 

リナ「あ!優希ちゃんに明日の事言った?」

 

 

アリサ「そうだったわ、優希。明日から特務隊は機動六課に出向になったから」

 

 

優希「……」コク

 

 

すずか「又なのはちゃん達と一緒だよ」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「優希?」

 

 

優希「……」

 

 

優希の様子が普段より元気が無くなったのがわかったが、アリサはあえて触れなかった。

 

 

はやて「今日はどんな人が来るんやろ?」

 

 

リィン「楽しみですねはやてちゃん」

 

 

コンコン

 

 

はやてがリィンと話していたら…

 

 

はやて「どうぞ~」

 

 

なの、フェ「失礼します」

 

 

なのは達がやってきた。

 

 

はやて「2人とも急に呼び出してごめんな?」

 

 

なのは「それはいいけど、どうしたの?」

 

 

はやて「実は今日新しい人が来るんや」

 

 

なのは「新人?」

 

 

はやて「リンディさんの紹介で特務隊の人が3人や」

 

 

フェイト「お母さんの?」

 

 

はやて「そや、万が一を考えてリンディさんが出向にしてくれたんや」

 

 

なのは「それでどんな人達なの?」

 

 

はやて「ごめんな?ウチも会って見ないとわからないんよ」

 

 

フェイト「そっか、ねぇはやて?アリサ達の事わかった?」

 

 

はやて「駄目やった…何処にも2人のデータはなかったわ」

 

 

はやて達が話していると…

 

 

コンコン

 

 

はやて「来たみたいやね、どうぞ~」

 

 

アリ、すず「失礼します」

 

 

入ってきたのはアリサ達だった。

 

 

なの、フェ、はや「えっ!?」

 

 

アリサ「本日付で配属されました特務隊隊長、アリサ・バニングスです!」

 

 

すずか「同じく特務隊副隊長、月村すずかです!」

 

 

優希「…高町優希」

 

 

アリサ達は名乗りをし敬礼した。

 

 

はやて「ど、どう言う事なん?」

 

 

アリサ「だから私達が特務隊で出向してきたのよ」

 

 

なの、フェ、はや「えっ~!?」

 

 

すずか「やっぱり驚いてるね♪」

 

 

しばしの間、なのは達は驚いていた。

 

 

はやて「つまりウチらを驚かす為に今まで黙ってたと…」

 

 

すずか「うん♪」

 

 

フェイト「でも驚いたよ」

 

 

フェイト達話している中…

 

 

なのは「ユウ~、お姉ちゃんが悪かったから許して~(泣)」

 

 

優希「プイ」

 

 

はやて「あれは何してるん?」

 

 

アリサ「あれは全然連絡しないし、帰って来ないはで優希の機嫌を損ねたのよ」

 

 

はやて「なのはちゃん…」

 

 

すずか「とにかく止める?」

 

 

アリサ「そうね、優希いらっしゃい」

 

 

優希「!」トコトコトコトコ

 

 

優希はアリサに近寄った。

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「全く、何してるのよ」

 

 

なのは「だって~(泣)」

 

 

優希「アリサ姉」

 

 

アリサ「何?」

 

 

優希「部屋は?」

 

 

アリサ「そうだった、はやて私達の部屋は?」

 

 

なの、フェ、はや「……」

 

 

アリサが声を掛けてもなのは達は呆然としていた。

 

 

すずか「どうしたの?」

 

 

なのは「ユウが」

 

 

フェイト「アリサの事」

 

 

はやて「お姉ちゃんって呼んどる」

 

 

すずか「あ~…」

 

 

アリサ「優希、あれは誰?」

 

 

アリサがすずかを指差すと…

 

 

優希「すず姉」

 

 

なの、フェ、はや「すずか(ちゃん)まで…」

 

 

アリサは落ち込んでいるなのは達にトドメを刺した。

 

 

すずか「アリサちゃん」

 

 

アリサ「ちょっとやりすぎたかしら?」

 

 

またしばしの間、落ち込んだ。



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第47話

 

 

すずか「落ち着いた?」

 

 

はやて「ありがとなすずかちゃん。それ3人の部屋だけど用意出来てるで、リィン」

 

 

リィン「ハイです!リィンが案内するですよ~」

 

 

はやて「なら荷物を置いたら戻って来てな?FW陣に紹介するから」

 

 

アリサ「わかったわ」

 

 

アリサ達はリィンに付いて行った。

 

 

アリサ「ここが訓練所?」

 

 

なのは「そうだよ」

 

 

すずか「広いね~」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「♪♪♪」

 

 

現在優希はフェイトに抱っこされていた。

 

 

なのは「ユウ~、お姉ちゃんも…」

 

 

優希「フルフル」

 

 

なのは「ユウ~(泣)」

 

 

今だになのはは優希に許してもらえなかった。

 

 

すずか「あはは~」

 

 

アリサ「とりあえずFW陣を紹介してくれる?」

 

 

フェイト「うん、みんな集合!」

 

 

フェイトが呼ぶとFW陣が集まった。

 

 

フェイト「今日から一緒に働く事になった…」

 

 

アリサ「特務隊隊長、アリサ・バニングスよ」

 

 

すずか「同じく特務隊副隊長、月村すずかです」

 

 

FW陣「よろしくお願いします!」

 

 

アリサ「私達の事はなのは達と同じ用に接してくれていいわよ」

 

 

すずか「そうだね♪」

 

 

スバル「あの~」

 

 

アリサ「何?」

 

 

ティアナ「なのはさんは何でイジケてるんですか?」

 

 

すずか「えっ?」

 

 

皆がなのはの方を見ると座り込んでイジケていた。

 

 

アリサ「優希、いい加減許してあげなさい」

 

 

優希「……」

 

 

すずか「優希君、許してあげて?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷いてなのはの方を見て…

 

 

優希「なの姉」

 

 

なのは「!」

 

 

ビュン!

 

 

なのはは優希に呼ばれた瞬間物凄いスピードで近寄った。

 

 

なのは「ユウ~(泣)許してくれる!?」

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは「ありがとう~」ギュッ

 

 

なのははフェイトから優希を奪った。

 

 

スバル「えっと…」

 

 

ティアナ「昨日の子供?」

 

 

アリサ「あの子は高町優希。なのはの弟よ」

 

 

FW陣「えっ~~!?」

 

 

ティアナ「なのはさんに弟がいたんですか?」

 

 

すずか「今の内に言っておくけど優希君はあれでも17才だよ?」

 

 

FW陣「えっ~!?」

 

 

エリオ「僕達より…」

 

 

キャロ「年上…」

 

 

優希の年齢を聞いた瞬間FW陣はかなり驚いていた

 

 

アリサ「まぁ、驚くわね…」

 

 

すずか「そうだね」

 

 

フェイト「所でアリサ達はランクはどれ位なの?」

 

 

アリサ「私達は2人とも空戦Sランクよ」

 

 

フェイト「2人ともSランクなの?」

 

 

すずか「そうだよ、因みに優希君は総合でSSだよ」

 

 

フェイト「はやてと同じ?」

 

 

アリサ「まあね、何だったら優希の力見てみる?」

 

 

フェイト「ちょっと見てみたいかな」

 

 

アリサ「なら、優希」

 

 

優希「?」

 

 

優希はなのはに抱っこされたままアリサを見た。

 

 

アリサ「今からFW陣と模擬戦をしてくれる?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「本気でやりなさいよ」

 

 

優希「わかった」

 

 

すずか「だったら…」

 

 

すずかは通信モニターを開いた。

 

 

はやて『すずかちゃんどないしたん?』

 

 

すずか「今から優希とFW陣の模擬戦をするんだけどはやてちゃんもくる?」

 

 

はやて『そやね、優希君の力を見てみたいから今からそっちに行くわ』

 

 

すずか「うん、待ってるね」

 

 

すずかは通信モニターを閉じた。

 

 

アリサ「優希、リミッターは外れてるから問題ないわね」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「みんな準備はいい?」

 

 

FW陣「ハイ」

 

 

フェイト「優希は?」

 

 

優希「…セットアップ」

 

 

優希もバリアジャケットを身に付けた。

 

 

フェイト「優希デバイスは?」

 

 

優希「……」カチャ

 

 

優希は腰に付いていたフリーダムを外してフェイトに見せた。

 

 

フェイト「新しいデバイス?」

 

 

優希「コク」

 

 

すずか「性能は見てのお楽しみだよ」

 

 

フェイト「うん、じゃあ始めるからみんな位置について」

 

 

FW陣「はい!」

 

 

優希「コク」

 

 

優希とFW陣はお互いに自分達の位置についた。

 

 

なのは「お互いに頑張ってね?じゃあいくよ?模擬戦始め!」

 

 

優希VSFW陣の模擬戦が始まった。



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第48話

 

FW陣side

 

 

スバル「ティアどうする?」

 

 

ティアナ「スバルとエリオが先行して、あの子銃型のデバイスを使ってるから接近戦に持ち込んで。私とキャロが後方支援するから」

 

 

スバル「うん!」

 

 

エリオ「はい!」

 

 

スバルとエリオが優希に向かっていった。

 

 

ルネ「マスターどうしますか?」

 

 

ブレスレット状態のルネが優希にどう動くか聞いてきた。

 

 

優希「リナ出て来て」

 

 

リナ「は~い、優希ちゃん♪ユニゾン?」

 

 

リナが優希のペンダントから出て来た。

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷いてフリーダムで地面を撃つと土煙で優希は見えなくなり近づいていたスバル達は警戒して止まった。

 

 

スバル「ティアどうする?」

 

 

ティアナ「様子を見ましょ」

 

 

 

なのはside

 

 

はやて「アリサちゃん、優希君は何をしようとしてるん?」

 

 

はやてがアリサに優希の行動について尋ねると…

 

 

アリサ「なのは達も良く見ときなさい」

 

 

アリサに言われてなのは達が再びモニターを見ると…

 

 

優希「…リナ行くよ?」

 

 

土煙の中から本来の青年の姿に戻った優希が出て来た。

 

 

リナ「うん♪ユニゾン、イン!」

 

 

リナが優希の体内に入ると鎧が現れた。

 

 

 

スバル「嘘!?」

 

 

ティアナ「落ち着きなさい!とりあえず作戦はそのままで行くわよ!」

 

 

スバル「うん!」

 

 

エリオ「はい!」

 

 

スバル達は再び優希に向かっていった。

 

 

優希「……」

 

 

ドンドンドン!

 

 

優希は近づきながらフリーダムでスバル達に向かって撃った。

 

 

スバル「ハァ~!!」

 

 

エリオ「やぁ~!!」

 

 

優希「っ!」

 

 

ガチャン!

 

 

ブン!

 

 

優希はフリーダムをソードモードにして魔力刃を出した。

 

 

スバル「ええ!?」

 

 

優希「フッ!」

 

 

ドカッ!

 

 

ガキン!

 

 

スバル「うっ!?」

 

 

エリオ「クッ!」

 

 

優希は先に来たスバルを蹴り飛ばし、エリオのストラーダを魔力刃で受け止めた。

 

 

ティアナ「エリオ!どいて!!」

 

 

エリオ「!!」

 

 

バッ!

 

 

エリオが優希から離れると同時に…

 

 

ティアナ「クロスファイヤー、シュート!」

 

 

優希「チッ!」

 

 

ガチャン!

 

 

ドンドンドンドン!

 

 

優希はフリーダムを銃に戻すとティアナが放った魔法を何とか相殺したが…

 

 

スバル「一撃必倒、ディバイ~ン、バスター!」

 

 

スバルが間髪入れず砲撃を放ってきた。

 

 

なのはside

 

 

はやて「あかんな、これで優希君も終わりやな…」

 

 

フェイト「そうだね」

 

 

なのは「流石にね…」

 

 

なのは達はモニターで見ており優希が負けると思っているが…

 

 

優希「…フッ」

 

 

優希が微笑むと…

 

 

キューン

 

 

スバル「え~!!」

 

 

優希はスバルが放ったディバインバスターを吸収した。

 

 

優希「お返し」

 

 

優希の右手のクリスタルが光り…

 

 

優希「リターン…バスター!」

 

 

優希が右手から砲撃を放った。

 

 

スバル「ちょ!!」

 

 

スバルは慌てて避けた。

 

 

スバル「ティア~(泣)」

 

 

ティアナ「参ったわね、魔法を吸収する何て反則じゃない!」

 

 

ティアナが愚痴っていると…

 

 

エリオ「どうしますか?ティアナさん」

 

 

キャロ「フリードの攻撃も吸収されちゃいますよね…」

 

 

FW陣が悩んでいる頃…

 

 

なのはside

 

 

なのは「アリサちゃん、あれは?」

 

 

アリサ「あれは相手の魔法を吸収して打ち返すリターンバスターよ」

 

 

はやて「そんなんあり?ウチなんか勝ち目ないやん…」

 

 

なのは「私も辛いかも…」

 

 

すずか「そうだね、優希君と戦えるのはこの中じゃフェイトちゃんかアリサちゃん位かも」

 

 

リナ『優希ちゃん、次はどうする?』

 

 

優希「白虎フォームで決める」

 

 

リナ『は~い!』

 

 

カッ!

 

 

リナが返事すると同時に鎧が白虎フォームに変わった。

 

 

 

 

スバル「鎧が…」

 

 

エリオ「変わった…」

 

 

優希「……」ダッ!

 

 

スバル「速い!」

 

 

優希は一瞬でスバルとエリオに近づき…

 

 

ザシュ!ザシュ!

 

 

スバル「うぐっ!?」

 

 

エリオ「っ!?」

 

 

2人を白虎爪で斬りつけてそのままティアナに近づき…

 

 

カチャ

 

 

白虎爪を首もとに突きつけた。

 

 

ティアナ「……」

 

 

なのは「そこまで!」

 

 

決着がつき、なのはが終了を告げた。

 

 

フェイト「みんなお疲れ様」

 

 

なのは「どうだった?」

 

 

ティアナ「魔法を吸収する相手は始めてだったんで…」

 

 

はやて「そやね、普通はおらへんよ」

 

 

スバル「所で…」

 

 

キョロキョロ

 

 

スバルが辺りを見回して優希を探していると…

 

 

スタ

 

 

ユニゾンを解除した優希が戻ってきた。

 

 

アリサ「優希お疲れ様」

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「えっと…優希?」

 

 

優希「?」

 

 

優希がフェイトの方を見ると…

 

 

フェイト「///」

 

 

フェイトは顔を真っ赤にしていた。

 

 

優希「……」

 

 

カッ!

 

 

優希は子供の姿になった。

 

 

はやて「優希君、何でちっちゃくなるん?」

 

 

優希「……」ビシッ

 

 

優希はすずかを指差した。

 

 

すずか「それはね、私達以外の人が寄って来ないためだよ」

 

 

なのは「どう言う事?」

 

 

アリサ「ああなるからよ」

 

 

アリサはフェイトを指差した。

 

 

フェイト「優希、もう一回見せて?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

フェイト「お願い」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

すずか「アリサちゃん…」

 

 

アリサ「ええ、完全に落ちたわね…」

 

 

アリサ達はフェイトが優希に恋心を持ったのに気が付いていた。



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第49話

はやて「でも、大人の優希君は格好ええな」

 

 

アリサ「駄目よ」

 

 

はやて「まだ何も言ってへんよ!?」

 

 

すずか「優希君は私達のだよ?」

 

 

なのは「すずかちゃん!?ユウは私の弟だよ!!」

 

 

アリサ「私達が言いたいのはこっちよ」

 

 

アリサとすずかが左手の薬指を見せた。

 

 

はやて「まさか!?」

 

 

すずか「婚約しちゃった♪」

 

 

なの、フェ、はや「ええ~~!?」

 

 

アリサ達の爆弾発言になのは達は絶叫し…

 

 

なのは「駄目!反対!却下!」

 

 

アリサ「無理よ、桃子さん公認だから」

 

 

なのは「そ、そんな…」

 

 

なのはは落胆し、フェイト達は…

 

 

フェイト「ぅ~…」

 

 

はやて「ええな~…」

 

 

羨ましがっていた。

 

 

優希「……」クイッ

 

 

はやて「ん?優希君どうしたん?」

 

 

優希「お願い…」

 

 

すると優希がはやての服を引っ張っりお願いしてきた。

 

 

はやて「ウチに?」

 

 

優希「……」コク

 

 

はやて「言うてみて、ウチに出来る事ならするから」

 

 

優希「倉庫欲しい…」

 

 

はやて「倉庫?うーん、どやったかな?リィンわかる?」

 

 

リィン「確か一ヶ所空いてるです!」

 

 

はやて「なら使ってええな、優希君これでええ?」

 

 

優希「ありがとう…」

 

 

優希が礼を言うと…

 

 

はやて「優希君、ウチもお姉ちゃんて呼んで欲しいやけど…駄目?」

 

 

アリサ「流石に無理よ」

 

 

すずか「そうだね」

 

 

しかしアリサ達の予想を裏切り…

 

 

優希「はやて姉?」

 

 

はやて「!」

 

 

アリサ「嘘!?」

 

 

すずか「何で?」

 

 

はやて「うん♪ありがとうな♪」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「ヤバいわね…」

 

 

すずか「うん…」

 

 

アリサ達は自分達の有利さが無くなってきたので危険を感じてきていた。

 

 

スバル「あの~…」

 

 

はやて「スバルどないしたん?」

 

 

ティアナ「えっと…あちらを…」

 

 

ティアナに言われた方を見ると…

 

 

なのは「ユウ~…お姉ちゃんは…」

 

 

フェイト「グス、私だけ…(泣)」

 

 

なのはとフェイトはお互いに座り込んでイジケていた。

 

 

すずか「どうしょうアリサちゃん?」

 

 

アリサ「少したてば元に戻るわよ」

 

 

はやて「そやね、優希君行こか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

エリオ「あのままでいいんですか?」

 

 

アリサ「大丈夫よ」

 

 

キャロ「でも…」

 

 

はやて「大丈夫やから気にせん時」

 

 

キャロ「はい…」

 

 

はやて達はFW陣を連れて隊舎に向かった。

 

 

優希「……」カタカタカタカタ

 

 

優希「ロードチェイサー、どう?」

 

 

ブォン!

 

 

倉庫に来た優希はロードチェイサーを六課の倉庫に移し自分のパソコンをチェイサーのコンピューターに繋いで整備をしていると…

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ~」

 

 

なのはがやって来た。

 

 

なのは「ユウ、はやてちゃんが呼んでるから一緒に来てくれる?」

 

 

優希「コク」

 

 

カチャカチャ

 

 

優希はパソコンを外しペンダントにしまった。

 

 

なのは「じゃあ行こう?」

 

 

優希「……」

 

 

優希はなのはと一緒に食堂に向かい…

 

 

なのは「ここだよ、さあ入って」

 

 

優希「?」

 

 

優希はなのはに言われ食堂に入った。すると…

 

 

パパパパン!!

 

 

優希「!?」

 

 

優希が入ると同時にクラッカーが鳴った。

 

 

六課メンバー「ようこそ!機動六課へ!!」

 

 

優希「?」

 

 

アリサ「やっぱり驚いてないわね」

 

 

すずか「これは私たちの歓迎会だよ」

 

 

優希「……」

 

 

はやて「さぁ、みんな早よう座って」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「優希、おいで~」

 

 

優希「……」トコトコ

 

 

優希はフェイトに近づき一緒座った。

 

 

はやて「では、新しいメンバーと一緒にこれから頑張りましょう!カンパ~イ!!」

 

 

全員「カンパ~イ!!」

 

 

スバル「ガツガツ!」

 

 

ティアナ「スバル!もう少し落ち着いて食べなさい!」

 

 

 

エリオ「美味しいねキャロ」

 

 

キャロ「これも美味しいよエリオ君」

 

 

FW陣は各々で料理を楽しみ…

 

 

シグナム「久し振りだな」

 

 

アリサ「ええ本当に」

 

 

シャマル「すずかちゃんも久し振りね」

 

 

すずか「はい、ヴィータちゃんも元気だった?」

 

 

ヴィータ「おう!」

 

 

アリサ達は守護騎士と楽しみ、優希は…

 

 

フェイト「あ~ん」

 

 

優希「…パク」

 

 

フェイト「次はどれがいい?」

 

 

優希「自分で…」

 

 

フェイト「嫌だった?(泣)」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

優希は自分で食べようとしたがフェイトが泣き顔になったので諦めた。

 

 

なのは「フェイトちゃん代わってよ~」

 

 

フェイト「駄目!優希、あ~ん」

 

 

優希「…パク」

 

 

なのは「う~…」

 

 

はやて「なのはちゃん今日はフェイトちゃんに譲ったろ?」

 

 

なのは「でも~…」

 

 

はやて「フェイトちゃんだけ呼んでもらってないやろ?」

 

 

なのは「そうだね…」

 

 

シグナム「所で今日は新人達と優希が模擬戦をしたと聞いたんだが」

 

 

フェイト「ええ、優希の力を知る為に」

 

 

シャーリー「はいは~い、映像見ます?」

 

 

シグナムとフェイトが話しているとシャーリーが来て映像をシグナムに見せた。

 

 

シグナム「優希私と勝負しろ」

 

 

ヴィータ「バトルマニアめ」

 

 

フェイト「どうする優希?」

 

 

優希「今度」

 

 

シグナム「わかった」

 

 

シグナムは優希と模擬戦をする約束した。




誤字修正しました。


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第50話

シャーリー「所でお二人が使っているカートリッジは何処で手に入れてるんですか?」

 

 

シャーリーはアリサ達にカートリッジの事を聞いてきた。

 

 

なのは「どうしたの急に?」

 

 

シャーリー「特務隊が使っているカートリッジで特殊な物なんですよ!?」

 

 

はやて「特殊?」

 

 

シャーリー「はい、一つは属性付きのカートリッジでもう1つは普通のカートリッジの十倍の威力が出せるんですよ!!」

 

 

なのは「十倍?」

 

 

はやて「凄いなそれは」

 

 

アリサ「それなら製作者がそこにいるわよ」

 

 

アリサは優希を指差した。

 

 

優希「…モグ?」

 

 

優希はみんなが自分を見ていたので食べるのを中断し周りを見た。

 

 

シャーリー「え~!?彼なんですか!?」

 

 

すずか「そうだよ、私たちのデバイスを作ったのも優希君だよ」

 

 

シャーリー「凄~い、データを見せてもらえませんか?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

シャーリー「少しでいいんです!」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

シャーリー「お願いします!!」

 

 

ガシッ!

 

 

優希の両手握った。

 

 

なのは「あっ!」

 

 

アリサ「離れなさい!」

 

 

アリサ達が急いで注意するが…

 

 

優希「!?」ビクッ!

 

 

フェイト「優希?キャッ!?」

 

 

がしゃ~ん!

 

 

優希が暴れ…

 

 

トタトタトタトタ

 

 

食堂から出て行った。

 

 

アリサ「優希!?」

 

 

すずか「待って!!」

 

 

タタタタ

 

 

アリサ達は優希を追いかけた。

 

 

シャーリー「えっと…」

 

 

状況が掴めないシャーリーに…

 

 

なのは「シャーリー大丈夫?」

 

 

シャーリー「はい…」

 

 

スバル「なのはさん一体何が?」

 

 

なのは「みんなに説明しないといけないね…」

 

 

はやて「そやね、シグナム達はアリサちゃん達に協力してあげて」

 

 

シグナム「わかりました」

 

 

シグナム達も食堂から出て行った。

 

 

なのは「ユウは昔から自分が許した人以外に触られるのを極端に嫌がるの」

 

 

ティアナ「どうしてですか?」

 

 

なのは「私にも解らないんだ…」

 

 

フェイト「多分怖いんだよ…」

 

 

はやて「フェイトちゃんどう言う事なん?」

 

 

フェイト「うん、嫌がると言うより怯えてるように震えてた」

 

 

なのは「怯えてる?」

 

 

フェイト「うん、心当たりある?」

 

 

なのは「ううん…」

 

 

優希「……」

 

 

トタトタトタトタ

 

 

アリサ「優希止まりなさい!」

 

 

すずか「優希君止まって!!」

 

 

シグナム「あの体であのスピードか」

 

 

ヴィータ「関心してないで優希を止めろ!」

 

 

シグナムは優希のスピードに関心してヴィータに怒鳴られていた。

 

 

アリサ「ルネ、リナ、優希を止めなさい!」

 

 

カッ!

 

 

 

ルネ「マスター止まって下さい!」

 

 

リナ「優希ちゃん落ち着いて!!」

 

 

優希「!!」

 

 

ヒラリ

 

 

優希は出て来たルネ達を交わし…

 

 

トタトタトタトタ

 

 

倉庫に逃げ込んだ。

 

 

アリサ「よし!」

 

 

すずか「優希君!」

 

 

アリサ達が倉庫に入ろうとした瞬間…

 

 

ダダダダ!!

 

 

バッ

 

 

アリサ「何!?」

 

 

すずか「アリサちゃん、あれ!!」

 

 

入り口に向かって魔力弾を発砲したのはロードチェイサーだった。

 

 

アリサ「何でロードチェイサーが私たちを攻撃するのよ!?」

 

 

すずか「アリサちゃん見て…」

 

 

すずかに言われてアリサが中を見て見ると…

 

 

優希「……」

 

 

優希はロードチェイサーの影に隠れていた。

 

 

アリサ「優希を守ってるわけね…」

 

 

すずか「うん…」

 

 

シグナム「それでどうするのだ?」

 

 

ヴィータ「一気に行くか?」

 

 

すずか「それは駄目かな、下手に刺激すると…」

 

 

ヴィータ「じゃあどうすんだよ?」

 

 

アリサ「とにかく優希を落ち着かせるわよ」

 

 

すずか「そうだね」

 

 

アリサ達は説得を始め…

 

 

シグナム「主に連絡をするぞ」

 

 

ヴィータ「ああ」

 

 

なのはside

 

 

なのは「ユウ…」

 

 

はやて「大丈夫やよ、みんながきっと…」

 

 

はやてがなのはと会話していると…

 

 

ヴィータ『はやて!』

 

 

はやて「どうしたんヴィータ?」

 

 

ヴィータ『優希が倉庫に立てこもった』

 

 

はやて「倉庫に?」

 

 

ヴィータ『うん』

 

 

はやて「わかった、ウチらも行くわ」

 

 

ヴィータ『うん』

 

 

はやては通信を切り…

 

 

はやて「ウチらも行こう」

 

 

なの、フェ「うん」

 

 

アリサ「優希、大丈夫だから出て来なさい」

 

 

優希「……」トコトコ

 

 

すずか「もう大丈夫だよ」ひょい

 

 

出て来た所をすずかが抱き上げた。

 

 

ヴィータ「大丈夫か優希?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は落ち着いた様子で頷いた。すると…

 

 

はやて「何や解決したみたいやね」

 

 

なのは「ユウおいで」

 

 

優希「……」

 

 

すずかは優希をなのはに渡した。

 

 

なのは「大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「……」

 

 

はやて「ほな今日はこれで締めよか?」

 

 

なのは「そうだね」

 

 

はやて「ほな、また明日から頑張ろうって事で解散」

 

 

メンバーは各々の部屋に戻っていった。

 

 

優希「……」

 

 

カタカタカタカタ

 

 

部屋に戻った優希はパソコンをいじっていた。

 

 

ビー

 

 

優希「?」

 

 

カシュ

 

 

優希がドアを開けるとフェイトがいた。

 

 

フェイト「こんばんは、優希」

 

 

優希「?」

 

 

フェイト「ちょっとお話がしたいんだけどいいかな?」

 

 

優希「?」コク

 

 

フェイトの真剣な目を見て優希は頷いた。

 

 

フェイト「優希に話したい事があるんだ」

 

 

優希「?」

 

 

フェイト「私はね…」

 

 

フェイトは自分の過去について話した。

 

 

 

フェイト「…私も優希と同じで人造魔導師なんだよ」

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「優希?」

 

 

優希「同じ…?」

 

 

フェイト「そうだよ、ねぇ優希?」

 

 

優希「?」

 

 

フェイト「管理局の人は怖い?」

 

 

フェイトは気になっていた事を優希に尋ねた。

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「大丈夫、ここにいる人は信用出来るよ」

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「すぐじゃなくてもいい。ここにいる人達を信じてみて」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「ありがとう優希」ナデナデ

 

 

フェイトが優希の頭を撫でると優希は目を細めて気持ち良さそうな表情をした。

 

 

優希「♪」

 

 

フェイト「(かわいい///)」

 

 

 

優希「?」

 

 

優希はフェイトが何故顔を赤らめているのかわからなかった。

 

 

フェイト「もう少し撫でさせて」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希はそのまま夜が更けるまでフェイトに撫でられていた。

 



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第51話

 

フェイト「んっ…」

 

 

チュンチュン

 

 

フェイト「あれ?」キョロキョロ

 

 

フェイトは辺りを見回した。

 

 

フェイト「そっか、優希の部屋に泊まったんだっけ」

 

 

モゾモゾ

 

 

フェイト「ん?」

 

 

フェイトが布団を捲ると…

 

 

優希「スゥ~…」

 

 

優希が眠っていた。

 

 

フェイト「優希おき…」

 

 

ルネ「フェイト様」

 

 

ブレスレットのルネが小声で話しかけてきた。

 

 

フェイト「ルネ?」

 

 

ルネ「マスターは寝起きが悪いので気をつけてください」

 

 

フェイト「わかった」

 

 

フェイトは再び…

 

 

フェイト「優希朝だよ、起きて」ユサユサ

 

 

優希「……」モゾモゾ、ムク

 

 

フェイト「おはよう優希」

 

 

優希「……」

 

 

ゴロン

 

 

優希「スゥ~…」

 

 

フェイト「ちょっと優希!?」

 

 

ユサユサ

 

 

優希は一度起きたが再び寝始めた。

 

 

優希「スゥ~」

 

 

フェイト「遅刻しちゃうよ起きて優希~!?」

 

 

フェイトは頑張って優希を起こした。

 

 

フェイト「ハァ~…」

 

 

ルネ「大丈夫ですか?」

 

 

あれからフェイトは優希を起こすのに30分かかった。

 

 

フェイト「ルネも大変だね…」

 

 

ルネ「なれましたよ…」

 

 

優希「……」

 

 

フェイトは優希を抱っこして食堂に入っていくとなのは達が座っている席に向かった。

 

 

なのは「おはようフェ…イ…トちゃん…」

 

 

フェイト「どうしたのなのは?」

 

 

フェイトを見て固まってるなのはに声をかけると…

 

 

なのは「フェイトちゃん何で朝からユウを抱っこしてるのかな?(黒笑)」

 

 

フェイト「そ、それは」

 

 

なのは「しかも昨日の夜は何処に行ってたの?」

 

 

フェイト「えっと」

 

 

優希「一緒だった」

 

 

ピシッ!

 

 

優希の発言になのは達は…

 

 

なのは「フェイトちゃん、ちょっとお話しようか?(黒笑)」

 

 

フェイト「な、なのは」

 

 

なのはがフェイトを連れて行こうとしたら…

 

 

優希「!?」

 

 

ゴン!!

 

 

なのはがフェイトの腕を引っ張ると優希がバランスを崩して落ちた。

 

 

優希「(怒)」

 

 

なのは「ユウごめんね…」

 

 

優希「……」プイ!

 

 

なのは「ユウ~(泣)」

 

 

なのはは優希に謝っているが優希の怒りは治まらなかった。するとアリサ達が近寄り…

 

 

アリサ「優希、私達本局に会議で戻るから書類関係お願いね?」

 

 

すずか「終わったら自由にしていいからね」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ達は優希に会議の事を言うと本局に向かった。

 

 

優希「……」トコトコ

 

 

優希も食事を終え食堂を出て行った。

 

 

なのは「ユウ~(泣)」

 

 

なのはは優希を呼ぶが相手にされなかった。

 

 

カタカタカタカタ

 

 

優希「……」

 

 

カタカタカタカタ

 

 

 

FW陣は休暇なので優希は一人でデスクワークをしていた。

 

 

優希「……」

 

 

カタカタ

 

 

優希「終わった」

 

 

ルネ「お疲れ様ですマスター」

 

 

優希「……」

 

 

ビー!ビー!

 

 

優希「!」

 

トタトタトタトタ

 

 

優希が休憩をしようとしたら突然アラートが鳴り響いた。

 

 

 

 

 

カシュ

 

 

優希「……」

 

 

はやて「あっ、優希君」

 

 

指令室に入るとはやてが声をかけてきた。

 

 

はやて「今連絡があってな、女の子にレリックが繋がっててライトニングの2人に保護されたんや」

 

 

優希「それで?」

 

 

はやて「今はFW陣が地下に入って残りのレリックを探しとる」

 

 

優希「なの姉達は?」

 

 

はやて「FW陣に合流に向かったけどガジェットが出とるからそっちを先に対応しとる」

 

 

優希「出る?」

 

 

はやて「そやね、何か嫌な予感もするしウチも行くわ。優希君はFW陣の所に。」

 

 

優希「……」コク

 

 

はやて「グリフィス君、後お願いな」

 

 

グリフィス「はい、お気をつけて」

 

 

 

優希とはやては現場に向かった。

 



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第52話

 

 

優希「ルネ後どれ位?」

 

 

優希はリナとユニゾンし朱雀フォームで向かっていた。

 

 

ルネ「このままでいけば五分程で着きます」

 

 

優希「わかった」

 

 

優希がルネと話していると…

 

 

リナ「優希ちゃん!転移反応、何かくるよ!!」

 

 

シュン

 

 

リナが言い終えると同時に転移してきた。その相手は…

 

 

オメガ「……」

 

 

優希「オメガ…」

 

 

カッ!

 

 

ルネ「マスター…」

 

 

ルネは狼の姿になり戦闘態勢になった。

 

 

優希「アリサ姉に連絡、後はここから引き離す」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

優希「行くよ!」

 

 

優希とルネは市街とは逆の方に飛んで行き、オメガを人気のない所まで誘導した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリサ「何とかアイツの居場所がわかればいいんだけど」

 

 

すずか「何か案は無いですか?」

 

 

リンディ「そうね…けど見つけてもかなり危険よ?Sランクの人間がもう5人も殺されているのよ?」

 

 

アリサ「わかってます、多分なのは達と私達が協力しても互角ですから…」

 

 

すずか「そうだね…」

 

 

アリサ達がリンディと話していると…

 

 

ピピッ

 

 

アリサ「メール?誰からよ」

 

 

アリサがメールをチェックすると…

 

 

アリサ「なっ!?」

 

 

すずか「アリサちゃん?」

 

 

アリサ「すずか!すぐに戻るわよ!!」

 

 

すずか「急にどうしたの?」

 

 

アリサ「オメガが優希と接触したのよ!」

 

 

すずか「えっ!?」

 

 

アリサ「リンディさん、すいません行きます」

 

 

リンディ「ええ、気をつけて」

 

 

アリサ達は会議を終えて優希の下に向かった。

 

 

優希「……」バンバン!

 

 

オメガ「……」

 

 

バシュ

 

 

優希「クッ…」

 

 

優希達はオメガを廃墟した街まで誘導し戦闘を開始し、朱雀銃で応戦したがオメガは昔と違い動きも早く手こずっていた。

 

 

ルネ「ハァ~!!」

 

 

ザシュ!

 

 

オメガ「!?」

 

 

ルネがオメガの隙を付き爪で攻撃をし…

 

 

優希「ぉお~!!」

 

 

ドカッ!

 

 

ドーーン!!

 

 

優希が蹴り落とした。

 

 

オメガ「No.1…」

 

 

優希「リナ、青龍フォーム」

 

 

リナ『はい』

 

 

優希「……」

 

 

優希は鎧を青龍フォームに変えオメガに向かった。

 

 

ダッ!

 

 

オメガ「抹消」

 

 

ザッ!

 

 

ガキィン!ガキィン!

 

 

優希「クッ…」

 

 

ルネ「マスター!」

 

 

優希「ルネ、ケルベロスモード!」

 

 

ルネ「はい!」カッ!

 

 

ルネは優希に言われると同時にケルベロスモードに変わった。

 

 

優希「行くよ、幻影舞刃」

 

 

優希は幻影をいくつも出しオメガに切りかかった。

 

 

ザシュザシュザシュ!

 

 

オメガ「!?」

 

 

ルネK「ウォ~~ン!!」

 

 

ルネが吠えると黒い魔力砲がオメガを包み込んだ。

 

 

 

優希「どう?」

 

 

ルネK「少しは効いているはずです」

 

 

煙りが晴れるのを待っていると…

 

 

優希「!リナ、玄武フォーム!」

 

 

リナ『はい!』

 

 

優希は鎧を変えるとルネの前に立った。

 

 

ドーーン!!

 

 

優希「ルネ大丈夫?」

 

 

ルネK「はい」

 

 

煙りの中からの砲撃を防いだ。

 

 

オメガ「No.1抹消」

 

 

ガシャ、ガシャ

 

 

優希「無傷」

 

 

ルネK「ですね…」

 

 

煙りの中からオメガが出て来たが無傷であった。

 

 

優希「行くよ」

 

 

カチャ

 

 

優希は左手に付いている玄武アックスを外してオメガに向かった。

 

 

ルネK「はい」

 

 

ルネもオメガに向かっていった。

 

 

優希「ハァ~!!」

 

 

ガキィン!

 

 

ドカッ!

 

 

オメガ「……」

 

 

ドコッ!

 

 

優希「クッ」

 

 

バキッ!

 

 

優希「カハッ!?」

 

 

ルネ「マスター!」

 

 

ドカッ!

 

 

優希が挑んだが返り討ちになりルネが体当たりをしてオメガを弾き飛ばした。

 

 

ルネ「マスター大丈夫ですか?」

 

 

優希「大丈夫…」

 

 

リナ『優希ちゃん無理しないで!玄武フォームでここまでダメージを食らって大丈夫な訳無いでしょ!?』

 

 

優希「……」

 

 

オメガの攻撃力は玄武フォームの防御力を上回っており優希にかなりのダメージを与えていた。

 

 

優希「ルネ、姉さん達は後どれ位でくる?」

 

 

ルネK「早くて後10分ですね…」

 

 

優希「それまで持ちこたえる」

 

 

ルネK「わかりました、ですが無理はしないでください」

 

 

優希「うん。リナ、ノーマルフォーム」

 

 

リナ『うん、無理しちゃ駄目だよ?』

 

 

優希「コク」

 

 

ダッ!

 

 

優希はフリーダムを構えてもう一度オメガに向かった。

 

 

オメガ「……」

 

 

ブォン

 

 

 

優希「!」

 

 

カチャン

 

 

バンバン!

 

 

ザシュザシュ!

 

 

オメガが魔力刃を出してきたので咄嗟にフリーダムで撃ったが、オメガは魔力刃で魔力弾を切った。

 

 

優希「何で魔力刃が…」

 

 

ルネK「わかりません、以前のオメガにはあんな機能ありませんでした。」

 

 

オメガ「抹消」

 

 

シュン

 

 

優希「!?」

 

 

ガキィン!

 

 

ルネ「なっ!?」

 

 

スピードを上げて襲ってきたオメガを優希はギリギリ防いだ。

 

 

優希「ッ!速くなった!?」

 

 

ルネK「はい、このままでは…」

 

 

優希「……」

 

 

優希はこのままでは自分達が負ける事がわかり…

 

 

優希「ルネ…」

 

 

ルネ「はい?」

 

 

優希「姉さん達に来るなって連絡して…」

 

 

 

ルネK「なっ!?マスター何を…」

 

 

優希「早く!このままじゃ姉さん達も危ないから…」

 

 

ルネK「ですが!」

 

 

優希「命令だ!」

 

 

ルネK「ッ!?わかりました…」

 

 

優希が声を荒げた為ルネは優希の指示に従った。

 

 

ルネK「マスター、連絡しておきました。」

 

 

優希「ごめんね…ルネ」

 

 

ルネ「いえ…」

 

 

優希「さぁ、行くよ!」

 

 

ルネ「はい!」

 

 

アリサside

 

 

アリサ「すずか、後どれ位?」

 

 

すずか「後5分位だよ」

 

 

アリサ達が優希の下に向かっていると…

 

 

なのは「アリサちゃん!」

 

 

アリサ「なのは」

 

 

フェイト「何があったの?」

 

 

はやて「急にどうしたん?」

 

 

なのは達も合流した。

 

 

すずか「みんな、オメガって覚えてる?」

 

 

フェイト「オメガって優希を狙っていたロボットの事?」

 

 

すずか「そう、今優希君がオメガと戦っているの」

 

 

なのは「一人で!?」

 

 

アリサ「そうよ、いくら何でも無茶よ。だからなのは達を呼んだのよ」

 

 

はやて「なるほどな…」

 

 

アリサ達が説明していると…

 

 

イフ「お嬢様…」

 

 

アリサ「なに?」

 

 

イフ「優希様から来るなと連絡が来ました」

 

 

アリサ「どう言う事よ!!」

 

 

イフ「わかりません、確認しようとしたのですが連絡が取れません」

 

 

アリサ「連絡が取れない?」

 

 

アリサがイフリートに文句を言っていると…

 

 

なのは「みんな急ごう…」

 

 

フェイト「なのは?」

 

 

なのは「何だか嫌な予感がするの…」

 

 

はやて「そやね、みんな急ごう」

 

 

なのは達は速度上げて優希の所に向かった。

 

 

優希side

 

 

優希「ハァ、ハァ、ハァ…」

 

 

ルネ「マスター、一旦逃げましょう」

 

 

優希「駄目、ここで逃げたら姉さん達が危ない」

 

 

優希の体はあちこちから血が出ていた。

 

 

ルネ「ですがこのままでは…」

 

 

優希「わかってるけど……ルネ!!」

 

 

ドカッ!

 

 

ドーーン!!

 

 

ルネ「ッ、マスター何を…」

 

 

ルネが優希の方を見ると…

 

 

オメガ「……」

 

 

優希「カハッ…」

 

 

オメガの魔力刃が優希の胸部を貫いていた。

 

 

ルネ「マスタ~!!」

 

 

オメガ「……」

 

 

ドサッ

 

 

優希「……」

 

 

ルネが叫ぶとオメガは優希を地面に落とした。

 

 

ルネ「キサマ~!!」

 

 

オメガ「任務完了」

 

 

シュン

 

 

ルネがオメガに襲いかかったがそれよりも早く転移して消えた。

 

 

ルネ「クッ…マスター!?」

 

 

カッ!

 

 

ルネは人型になり優希の所に向かった。

 

 

優希「……」

 

 

ルネ「マスター!?しっかりして下さい!」

 

 

カッ!

 

 

リナ「ルネちゃん落ち着いて!今治癒魔法をかけるから」

 

 

リナがユニゾンを解除して優希に治癒魔法をかけ始めた。

 

 

ルネ「どうですかリナ?」

 

 

リナ「大丈夫…と言いたい所だけどかなり非道い…」

 

 

ルネ「そんな…」

 

 

リナ「大丈夫、必ず助ける。ルネちゃん悪いけど治癒魔法に集中するから周りの警戒お願いね?」

 

 

ルネ「わかりました、任せて下さい」

 

 

リナは治癒魔法に集中し優希の怪我を治し始めた。

 

 

リナ「優希ちゃん…」

 

 

ルネ「マスター…」

 

 

ルネが優希の体を心配していると…

 

 

なのは「ユウ!!」

 

 

なのは達が来た。

 

 

アリサ「何があったの…」

 

 

ルネ「それは…」

 

 

ルネがオメガの事を話した。自分達より強くなっており、以前にはなかった機能があった事を話した。

 

 

アリサ「そう、とにかく優希を六課に連れて行くわよ」

 

 

ルネ「はい…」

 

 

それから少ししてヘリが着いて優希を六課に運んでいった。



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第53話

それから優希がオメガに襲われてから3日、怪我も無事に治り…

 

 

優希「……」

 

 

トコトコ

 

 

本局内を歩いていた。

 

 

コンコン

 

 

リンディ「どうぞ」

 

 

優希「……」

 

 

優希はドアをノックして入った。

 

 

リンディ「優希君?怪我は大丈夫なの?」

 

 

優希「リナが頑張ってくれた」

 

 

リナは優希の怪我を治す為に魔力を使い過ぎた為、現在六課で休んでいる。

 

 

リンディ「そう、それで今日はどうしたのかしら?」

 

 

優希「お願い…」

 

 

リンディ「何かしら?」

 

 

優希「ルネのリミッターを外してください」

 

 

リンディ「…それほど強いの?」

 

 

優希「…コク」

 

 

リンディ「わかりました」

 

 

優希「後…」

 

 

リンディ「これでしょ?」

 

 

ゴトッ

 

 

リンディは言うなりリボルバー型の銃と日本刀らしき物を出した。

 

 

優希「……」コク

 

 

リンディ「優希君が本気を出すのは久しぶりね?」

 

 

優希「負けられないから…」

 

 

リンディ「そうね…」

 

 

優希「また来る」ゴソゴソ

 

 

優希は銃をリュックにしまい刀は引きずって部屋を出ていった。

 

 

機動六課

 

 

なのは「じゃあみんなで食堂に行こうか?」

 

 

ヴィヴィオ「うん!」

 

 

フェイト「そうだね」

 

 

フェイトはヴィヴィオを下ろしてみんなで食堂に行こうとすると…

 

 

優希「……」

 

 

優希がやってきた。

 

 

なのは「ユウどうしたの?」

 

 

優希「自分の訓練」

 

 

なのは「今から?」

 

 

優希「コク」

 

 

優希が頷いてなのは達から離れようとすると…

 

 

リナ「優希ちゃ~ん!!」

 

 

リナが飛んできた。

 

 

優希「大丈夫?」

 

 

リナ「大丈夫だよ♪」

 

 

優希「良かった」

 

 

リナ「それで優希ちゃんはお昼?」

 

 

優希「訓練」

 

 

カチャ

 

 

優希は背中に背負っている刀を見せた。

 

 

リナ「!!優希ちゃん…」

 

 

優希「リナ、ターゲットの操作お願い」

 

 

リナ「…うん、数と強さは?」

 

 

優希「数は50、強さはS…」

 

 

優希はそう言って訓練所の中心に向かった。

 

 

リナ『ルネちゃん…』

 

 

ルネ『ええ、オメガだけは私達が倒さなければ…』

 

 

ルネ達は念話で今後の事を話した。

 

 

優希「……」

 

 

カチャカチャカチャ

 

 

優希はリボルバー型デバイス、業火に弾を入れて構えた。

 

 

優希「……」

 

 

ドン!

 

 

優希が業火でガジェットを撃つと…

 

 

ドーーン!!

 

 

10体ほどを纏めて倒した。

 

 

優希「……」

 

 

ドン!ドン!

 

 

優希はそのまま連続で撃ち出した。

 

 

ギンガ「スバルあの子は?」

 

 

スバル「なのはさんの弟で優希って言うんだよギン姉」

 

 

ギンガ「凄いわね…」

 

 

優希「……」

 

 

カチャン

 

 

カッ!

 

 

優希は業火をホルダーにしまうと本来の姿に戻り刀型デバイス、月光を構えた。

 

 

ギンガ「ええ~!?」

 

 

スバル「ギン姉、落ち着いて」

 

 

ギンガ「だって…」

 

 

スバル「あれが優希の本当の姿なんだって」

 

 

ギンガ「本当の姿?」

 

 

スバル「うん、詳しい事は解らないけど」

 

 

スバルの説明を聞いたギンガは再び優希の方を見た。

 

 

優希「……」

 

 

リナ「じゃあ次行くよ~」

 

 

リナはそう言うとガジェットを再び50程を出した。

 

 

優希「……」

 

 

ダッ!

 

 

優希はガジェットに向かって行きガジェットを次々に切っていった。

 

 

フェイト「凄い、あれが優希の本気…」

 

 

ヴィータ「ああ、剣術ならシグナムと互角かもな…」

 

 

フェイト「どんな訓練したのかな?」

 

 

ヴィータ「わかんねー、相当訓練したんだろ」

 

 

なのは「……」

 

 

フェイト達が話している中、なのはだけは険しい表情をしていた。

 

 

優希「……」

 

 

リナ「次行くよ~」

 

 

優希「コク」

 

 

優希が頷くとガジェットが先程と同じ位現れた。

 

 

フェイト「えっ、ルネちょっとやりすぎじゃ…」

 

 

ルネ「いえ、以前にに比べれば少ないです」

 

 

ヴィータ「ハァ?あれで少ないのかよ?」

 

 

リナ「うん、以前のはかなりキツいからね」

 

 

ティアナ「でも無茶しすぎなんじゃ…」

 

 

リナ「それは大丈夫、ちゃんと計算して訓練しているから」

 

 

ルネ達がフェイト達に優希の訓練の事を話していると…

 

 

フッ

 

 

優希「!?」

 

 

ガジェットが突然消えた。

 

 

なのは「ユウ、そんな訓練していたら体を壊すよ?」

 

 

優希「なの姉」

 

 

なのはがパネルを操作してガジェットを消していた。

 

 

優希「リナ、もう一度」

 

 

リナ「うん」

 

 

リナがガジェットを出そうとしたが…

 

 

なのは「ユウ、駄目だよ?こんな訓練許可出来ないよ」

 

 

優希「なの姉邪魔しないで…」

 

 

なのは「邪魔?私はユウの体を心配してるだよ?」

 

 

優希「大丈夫だから」

 

 

なのは「駄目だよ、許可出来ないよ」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ね?だから…」

 

 

優希「ルネ、相手して」

 

 

ルネ「はい、マスター」

 

 

優希はなのはを無視してルネと訓練をしようとした。

 

 

なのは「ねぇユウ?何でお姉ちゃんの言う事聞けないのかな?体壊すよ?」

 

 

優希「なの姉には関係ない…」

 

 

なのは「えっ!?」

 

 

優希の思いがけない言葉になのはは動揺した。

 

 

優希「これ以上邪魔しないで…」

 

 

なのは「そう…だったらユウ、ちょっと頭冷やそうか?」

 

 

なのははデバイスを構えて優希の前に立ちはだかった。

 

 

リナ「優希ちゃん!」

 

 

優希「リナ、離れてて」

 

 

リナ「優希ちゃん?」

 

 

優希「ルネ、フェンリルアーマー…」

 

 

リナ「優希ちゃん!?」

 

 

ルネ「了解、セットアップ」

 

 

ルネが返事をすると狼形態が光り、優希を包んだ。

 

 

優希「……」

 

 

優希はフェンリルアーマーを纏いなのはと対峙した。

 

 

なのは「ユウ、どうしちゃったの?」

 

 

優希「オメガは僕が倒す」

 

 

なのは「だからあんな訓練をしてたの?あれじゃあオメガと戦う前にユウが倒れるよ?」

 

 

優希「わかってる、けど!」

 

 

なのは「ユウ、本気で怒るよ?」

 

 

優希「……」

 

 

カチャ

 

 

優希が月光を持ち構えると…

 

 

?「それ以上駄々をこねるなら私達も相手するわよ?」

 

 

優希「!?」

 

 

優希が振り向くと…

 

 

すずか「優希君…」

 

 

アリサとすずかがバリアジャケットを纏っていた。

 



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第54話

 

優希「……」

 

 

リナ「優希ちゃん、やっぱりなのはちゃん達に頼もう?」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ、何を隠しているの?」

 

 

アリサ「優希話してみなさい」

 

 

すずか「何を悩んでいるの?」

 

 

ルネ「マスターどうしますか?」

 

 

優希「……」

 

 

優希が黙っていると…

 

 

リナ「今のままではオメガに勝てないんだよ…」

 

 

優希「リナ!!」

 

 

リナ「ごめんね…でも言った方がいいと思うから」

 

 

リナ「こないだオメガと戦ってわかったんだけどね、以前よりも強くなっていてね最初は特務隊と六課のメンバーで倒せると思ったんだけどね…」

 

 

アリサ「倒せないの?」

 

 

リナ「うん、だから優希ちゃんは自分で倒す為にリミッターを外して武器を用意したんだよ」

 

 

すずか「リミッター?」

 

 

リナ「ルネちゃんとのユニゾン、今の姿だよ」

 

 

アリサ「それで一人で勝てるの?」

 

 

リナ「無理かな…」

 

 

すずか「なら何で一人で?」

 

 

リナ「簡単だよ…オメガの強さは圧倒的、倒す為にはみんなを巻き込まず倒す方法はただ1つ…」

 

 

なのは「何かあるの?」

 

 

リナ「アリサちゃん達は見たはずだよ優希ちゃんの最強の技…」

 

 

アリサ「あったかしら?」

 

 

すずか「……」

 

 

アリサが悩んでいるとすずかが優希に近寄り…

 

 

優希「?」

 

 

すずか「ッ!」

 

 

ドカッ

 

 

ドーーン!!

 

 

すずかはウンディーネをセカンドフォームに変えると同時に優希を叩き落とした。

 

 

アリサ「ちょっとすずか!?」

 

 

なのは「何してるの!?」

 

 

すずかの突然の行動になのは達は驚いていた。

 

 

リナ「すずかちゃんは優希ちゃんが何をしようとしたのかわかったみたいね?」

 

 

アリサ「どう言う事?」

 

 

すずか「アリサちゃん、私達は一度だけ見てるよ…優希君がその身を犠牲にした技を」

 

 

アリサ「!まさか!?」

 

 

すずかの言葉にアリサも気付き…

 

 

リナ「アリサちゃんも気付いたね?そう優希ちゃんはあの技を使おうと考えていたの」

 

 

なのは「でも確か未完成だったよね?」

 

 

リナ「ううん、もう完成しているの」

 

 

なのは「でも使うと…」

 

 

リナ「うん、自分にもダメージがあるよ…」

 

 

アリサ「ちょっと説教しないと駄目ね…」

 

 

なのは「そうだね…」

 

 

なのは達もすずかと同じように険しい表情になるが…

 

 

リナ「あの~…」

 

 

アリサ「何?」

 

 

リナ「今ルネちゃんから念話が来たんだけどね、優希ちゃん気絶したみたい…」

 

 

なのは達「えっ!?」

 

 

リナ「すずかちゃんの一撃が当たり所が良かったみたいで…」

 

 

なのは、アリサ「……」

 

 

すずか「優希く~ん!?」

 

 

なのは達がすずかを冷たい視線で見ると、すずかは慌てて優希の下に向かったが優希は目を覚まさずそのまま医務室に運ばれた。

 

 

優希「…!!」バッ!

 

 

シャマル「あ、起きた?」

 

 

優希「?」キョロキョロ

 

 

シャマル「覚えてない?すずかちゃんに殴られて気絶したのよ?」

 

 

優希「!」

 

 

シャマル「思い出した?」

 

 

優希「……」コク

 

 

カッ!

 

 

優希は頷くと小さい姿になった。

 

 

シャマル「もう大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

シャマル「怪我には気を付けてね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くと医務室から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はやて「すずかちゃんもやるな~」

 

 

すずか「ぅ~…」

 

 

フェイト「優希を一撃で落とすなんて…」

 

 

アリサ「白い悪魔以上ね…」

 

 

なのは「アリサちゃん!?それどう言う意味!?」

 

 

アリサ「一言もなのはとは言って無いわよ?」

 

 

なのは「うっ…」

 

 

はやて「それで優希君は大丈夫なん?」

 

 

アリサ「ええ、そろそろ目を覚ましてるはずよ」

 

 

アリサ達が医務室に向かっていると前から優希が歩いて来た。

 

 

アリサ「あ、優希!」

 

 

優希「!」

 

 

トコトコトコトコ

 

 

優希はアリサに呼ばれて近づいたが…

 

 

すずか「優希君大丈夫?」

 

 

優希「!」ビクッ!

 

 

トタトタトタトタ

 

 

すずかを見た瞬間逃げ出した。

 

 

すずか「えっ!?」

 

 

アリサ「すずか、嫌われたわね…」

 

 

アリサの無慈悲な言葉に…

 

 

すずか「優希君待って~!!」

 

 

すずかは優希を追い掛けた。

 

 

すずか「良かったよ~(泣)」

 

 

あれからすずかは優希を捕まえて謝り、仲直りし現在優希を抱っこしていた。

 

 

はやて「なぁ優希君、お願いがあるんやけど」

 

 

優希「?」

 

 

はやて「優希君特製のカートリッジを隊長陣に作って欲しいんよ」

 

 

優希「……」

 

 

はやて「駄目?」

 

 

優希は少し悩み…

 

 

優希「作る…」

 

 

はやて「ホンマに!?」

 

 

優希「でも…」

 

 

はやて「?」

 

 

優希「なの姉のは作らない」

 

 

優希の発言になのはが…

 

 

なのは「どうして?さっきの事まだ怒ってるの?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

なのは「違うの?」

 

 

優希「なの姉の体が危険…」

 

 

なのは「えっ…」

 

 

アリサ「今のなのはじゃ、カートリッジの出力に耐えられないよ」

 

 

優希の代わりにアリサが答えた。

 

 

なのは「私なら大丈夫だよ」

 

 

アリサ「無理に使えば魔法が使えなくなるわよ?」

 

 

なのは「でも…」

 

 

はやて「じゃあ三人分だけお願いや」

 

 

なのは「はやてちゃん!?」

 

 

はやて「なのはちゃん、無理はやめとこ?」

 

 

なのは「……」

 

 

優希「……」カチャカチャ

 

 

優希はカートリッジに魔力を込める為弾丸を箱に詰めて…

 

 

パタン、カチッカチッ、パチッ!

 

 

優希「よし」

 

 

箱を閉め右手にブレスレットを付けて箱とコードで繋ぎスイッチを入れて待つだけになった。

 

 

リナ「こんなに大量に作るのは久し振りだね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ルネ「以前はアリサ様達が訓練でかなりの数を消費してましたからね」

 

 

優希「でも慣れた」

 

 

ルネ「そうですね」

 

 

優希がルネ達と和んでいると…

 

 

コンコン

 

 

リナ「?は~い」

 

 

リナがドアまで飛んで行き開けるとなのはが立っていた。

 

 

なのは「ユウいる?」

 

 

リナ「うん、いるよ~。優希ちゃん、なのはちゃんだよ~」

 

 

なのは「こんばんは、ユウ」

 

 

優希「なの姉?」

 

 

なのは「ねぇユウ、お姉ちゃんのも…」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

なのはが言い切る前に優希は首を振った。

 

 

なのは「どうしてもダメ?」

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは「ユウ…」

 

 

優希「今日は帰って…」

 

 

なのは「ユウお願い!」

 

 

優希「……」カタカタカタカタ

 

 

優希はなのはから視線を外しパソコンを

弄り出した。

 

 

なのは「……」

 

 

リナ「なのはちゃん行こう」

 

 

なのははリナと一緒に部屋を出た。

 

 

なのは「……」

 

 

リナ「なのはちゃん元気だして」

 

 

なのは「うん…」

 

 

リナ「大丈夫だよ、優希ちゃんはちゃんとなのはちゃんのを用意してくれるよ」

 

 

なのは「でもさっき…」

 

 

リナ「さっき優希ちゃんが言ってたでしょ?【今日は】って」

 

 

なのは「そういえば…」

 

 

リナ「ホント優希ちゃんはお姉ちゃん思いで不器用だよね~」

 

 

なのは「ユウ…」

 

 

なのはは優希の優しさを改めて実感していた。

 

 

リナ「だから少し待ってあげてね?」

 

 

なのは「うん」

 

 

リナ「それじゃあね~」

 

 

リナはそう言うと部屋に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リナ「ただいま~」

 

 

優希「おかえり」

 

 

リナ「うん♪」

 

 

ナデナデ

 

 

リナは優希の肩に座り撫でられていた。

 

 

ピッピッ

 

 

優希「出来た」

 

 

ルネ「続きは明日にして今日は休みましょう」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希はベットに入り休んだ。



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第55話

カチャカチャ

 

 

優希は朝起きるなり魔力を込めた弾丸をスピードローダーとマガジン型に込めていた。

 

 

優希「ルネ、出来たから行こ」

 

 

ルネ「はい」

 

 

優希はカートリッジを持って訓練所に向かった。

 

 

なのは「はい、じゃあ今朝はここまで」

 

 

FW陣「あ、ありがとうございました~…」

 

 

FW陣はなのは達の訓練が終わりその場に座り込むと同時に優希がやって来た。

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「どうしたの優希?」

 

 

優希「コレ」

 

 

フェイト「はやてが頼んだカートリッジ?」

 

 

優希「……」コク

 

 

シグナム「どうしたテスタロッサ?」

 

 

ヴィータ「何かあったのか?」

 

 

フェイト「昨日…」

 

 

フェイトははやてが優希にカートリッジの作成を依頼した事を話した。

 

 

シグナム「主はやてが…」

 

 

ヴィータ「なぁ優希、アタシ達の分は無いのか?」

 

 

ヴィータが優希に訪ねると…

 

 

優希「ある」

 

 

優希はヴィータ達の分も出した。

 

 

シグナム「コレが…」

 

 

優希「気をつけて」

 

 

ヴィータ「ああ、任せとけ」ナデナデ

 

 

優希「♪」

 

 

優希は頭を撫でられていた。

 

 

シグナム「優希、私と模擬戦をしろ」

 

 

優希「試す?」

 

 

シグナム「ああ、すぐにでも使いこなしたいのでな」

 

 

優希「わかった」

 

 

シグナム「よし、今からするぞ」

 

 

優希「コク」

 

 

シグナムの申し出を了承し模擬戦をする事になった。

 

 

優希「リナ」

 

 

リナ「わたし?」

 

 

優希「コレをはやて姉に」

 

 

優希はそう言うとリナに封筒を渡した。

 

 

リナ「は~い、じゃあ行ってくるね」

 

 

リナははやての下に飛んで行き…

 

 

優希「ルネ、フェンリルアーマー」

 

 

ルネ「はい」

 

 

ルネは優希が元の姿になると同時にユニゾンし鎧になった。

 

 

シグナム「ほぉ、こないだとは違う鎧だな?」

 

 

優希「本気」

 

 

シグナム「ほぉ、それは楽しみだな」

 

 

シグナムはレヴァティンを構え…

 

 

優希「こっちも」

 

 

優希も月光を構えた。

 

 

シグナム「いざ」

 

 

優希「勝負!」

 

 

ダッ!

 

 

ガキィン!

 

 

シグナム「やるな?」

 

 

優希「これから」

 

 

シグナム「面白い!」

 

 

ガキィン!ガキィン!

 

 

2人の模擬戦が徐々に激戦へと変わろうとしていた。

 

 

-部隊長室-

 

 

はやて「なぁリィン、今日はこれでお終い?」

 

 

リィン「はいです、今日はこれで全部ですよ」

 

 

はやて「なんや、今日はやけに少ないな~」

 

 

リィン「そうですね~」

 

 

書類が少ない事に疑問を持ちつつ2人が和んでいると…

 

 

ビー

 

 

はやて「どうぞ~」

 

 

リナ「失礼しま~す」

 

 

リナが入って来た。

 

 

リィン「あ~、リナちゃんです~」

 

 

リナ「こんにちは、リィンちゃん」

 

 

リィン「こんにちはです~」

 

 

2人が挨拶を交わして…

 

 

はやて「どないしたん?」

 

 

リナ「はい、優希ちゃんからラブレター♪」

 

 

リナは封筒をはやてに渡した。

 

 

はやて「えっ///」

 

 

リナ「冗談♪」

 

 

はやて「リナ~!」

 

 

リナ「キャ~♪」

 

 

リナははやてをからかっていた。

 

 

はやて「全く…」

 

 

はやてがリナに文句を言いながら封筒を開けると…

 

 

ピキッ!

 

 

固まった。

 

 

リィン「?どうしたですかはやてちゃん?」

 

 

リィンが尋ねると…

 

 

はやて「リナ、コレ…」

 

 

リナ「なに?」

 

 

リナは近寄り封筒の中身を見せて貰うとカートリッジの請求書であった。

 

 

はやて「この金額マジなん…?」

 

 

リナ「そうだよ~、特製だから普通のカートリッジとは全然違うよ?」

 

 

はやて「あかん予算を軽く超えとる…」

 

 

はやてはカートリッジの値段が予想より高くて驚いていた。(桁が7つ書かれていた。)

 

 

はやて「どないしょ」

 

 

リナ「ねぇはやてちゃん…」

 

 

リナが恐る恐るはやてに声を掛けた。

 

 

はやて「ちょっと待ってな?ウチ今どうしたら良いかを…」

 

 

リナ「急いで訓練所に行った方が…」

 

 

はやて「なんでや?」

 

 

リナ「今、優希ちゃんとシグナムさん、そのカートリッジの訓練してるよ?もし使い切って新しく注文となると…」

 

 

サ~…

 

 

はやて「あかん…」

 

 

バトルマニアのシグナムが終わり次に同じバトルマニアのフェイトが使い切ったらと考えたら、はやての血の気が引いた。

 

 

はやて「リィン、リナ!急いで訓練所に行くで!」

 

 

慌てて訓練所に向かった。

 

 

リィン「はやてちゃ~ん!?待ってくださいです!」

 

 

リナ「置いてかないで~!!」

 

 

リナ達も飛んではやてを追い掛けた。

 

 

シグナム「ハァ~!!」

 

 

優希「タァ~!!」

 

 

ガキィン!ガキィン!

 

 

シグナム「レヴァティン!」

 

 

レヴァ「カートリッジロード」

 

 

ガチャン!

 

 

シグナム「紫電一閃!」

 

 

優希「…グッ!?」

 

 

優希は最初は紫電一閃を受け止めたがシグナムにそのまま押し切られ…

 

 

ドーーン!

 

 

吹き飛ばされた。

 

 

シグナム「ハァハァ、やったか?」

 

 

シグナムが優希が落ちた所を見ていると…

 

 

バッ!

 

 

粉塵の中から優希が飛び出してきた。

 

 

優希「ハァハァ…」

 

 

シグナム「どうやら限界のようだな?」

 

 

優希「まだまだ」

 

 

優希はそう言うとマガジンを出し…

 

 

シグナム「ん?」

 

 

カチャン!

 

 

アクセルシステムにマガジンを差し込んだ。

 

 

優希「行くよ」

 

 

シグナム「こい!」

 

 

優希「ルネ!」

 

 

ガチャン!

 

 

ルネ「アクセル、ON」

 

 

シュン!

 

 

シグナム「な!?消えただと!?」

 

 

シグナムが驚いていると…

 

 

ドス!

 

 

シグナム「!?カハッ…」

 

 

腹部を殴られ、そのまま…

 

 

ドガガガガガッ!

 

 

連続で攻撃を受け甲冑がボロボロになった。

 

 

ルネ「3.2.1.0!終了します」

 

 

優希「ハァハァ…」

 

 

時間を終え、優希が姿を現した。

 

 

シグナム「クッ、今のは一体?」

 

 

優希「…超高速機動」

 

 

シグナム「なるほど、しかし今ので大分体力を消耗したらしいな?」

 

 

優希「お互い様…」

 

 

シグナム「そうだな…」

 

 

優希「次で終わり」

 

 

チャキ!

 

 

シグナム「いいだろう」

 

 

チャキ!

 

 

お互いに構えて…

 

 

シグナム「レヴァティン」

 

 

レヴァ「カートリッジロード」

 

 

ガシャン!

 

 

優希「……」

 

 

ボッ!

 

 

優希の刀が炎を纏い…

 

 

シグナム「紫電一閃!」

 

 

優希「月光、炎一閃!」

 

 

ドカーーン!!

 

 

2人の技がぶつかり爆発した。

 

 

ヴィータ「どっちだ?」

 

 

フェイト「立っているのは…」

 

 

シグナム「私の勝ちだな」

 

 

煙りが晴れシグナムが倒れている優希に剣を突きつけていた。

 

 

優希「……」コク

 

 

シグナム「いい戦いだった。又やるぞ?」

 

 

優希「考えとく」

 

 

模擬戦の勝敗はシグナムの勝利で終わった。

 



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第56話

はやて「あぁ~、遅かった…」

 

 

フェイト「はやて?どうしたの?」

 

 

はやて「フェイトちゃん、これ見て…」

 

 

はやてはフェイトに請求書を渡しなのは達も一緒に請求書を見て…

 

 

なのは「はやてちゃんこれ…」

 

 

はやて「予算を軽く超えてもうた…」

 

 

全員「ええ~!?」

 

 

シグナム「ん?どうした?」

 

 

シグナムとユニゾンを解きルネの背中に乗った小さい優希が戻ってきた。

 

 

はやて「なぁ優希君、これ桁合うてる?」

 

 

優希「コク」

 

 

はやて「やっぱり…」

 

 

はやての一律の望みが消えたと思われたが…

 

 

アリサ「こんな所に集まって何をしてるのよ?」

 

 

すずか「何かあったの?」

 

 

本局で会議を終えたアリサ達が戻ってきた。

 

 

フェイト「実は…」

 

 

フェイトははやてが注文したカートリッジが予算を超えて問題になっている事を話した。

 

 

アリサ「予算オーバー?」

 

 

すずか「ちょっと請求書を見せてくれる?」

 

 

フェイト「うん」

 

 

フェイトから請求書を受け取りアリサ達が見て…

 

 

アリサ「なるほどね」

 

 

すずか「割引を頼まなかったの?」

 

 

はやて以外「えっ?」

 

 

はやて「割引あるん!?」

 

 

はやてが物凄い勢いですずかに近寄った。

 

 

すずか「うん、あるよ?」

 

 

アリサ「私達もそれを利用してるのよ」

 

 

はやて「なら!」

 

 

アリサ「でも難しいわよ?」

 

 

はやて「えっ!?」

 

 

はやてが優希に割引を頼もうとするがアリサの一言で止まった。

 

 

アリサ「私は割引の代わりに優希が出る会議に代わって出ていて…」

 

 

すずか「私は手料理をご馳走だよ?」

 

 

はやて「料理なら自信あるんやけど…」

 

 

はやては手料理以外を考えるが思いつかず…

 

 

はやて「ぅ~、こうなったらウチの体で…」

 

 

スパ~ン!!

 

 

はやて「痛!?」

 

 

アリサが物凄い勢いではやてをハリセンで叩き…

 

 

アリサ「もう一回言ってくれるはやて(黒笑)?」

 

 

はやて「冗談やのに…」

 

 

アリサ「とにかく別のを探す事ね」

 

 

はやて「うん…」

 

 

はやてが落ち込んでいると…

 

 

クイッ

 

 

優希「はやて姉」

 

 

はやて「優希君?」

 

 

優希がすずかを指差し…

 

 

優希「同じでいい」

 

 

はやて「!!それはすずかちゃんと同じ条件でいいって事?」

 

 

優希「……」コク

 

 

はやて「ありがとな優希君!」

 

 

ギュッ!

 

 

はやては嬉しくて優希を抱きしめた。

 

 

はやて「さてみんな揃ってる事やし地上本部警備に備えて明後日から先行して向かってもらいたいんや」

 

 

なのは「八神部隊長、先行するメンバーは?」

 

 

全員に緊張が走り…

 

 

はやて「先行するのは特務隊、次になのは隊長、ヴィータ副隊長、リィン曹長、FW陣や」

 

 

先行メンバー「了解!」

 

 

フェイト「私達は次の日だから」

 

 

シグナム「それまで頼むぞ」

 

 

FW陣「はい!」

 

 

はやて「ほなら、みんなで食事に行こか?」

 

 

なのは「じゃあ私はヴィヴィオ連れて来るね」

 

 

シグナム「主はやて、私とヴィータは用があるのですみませんが…」

 

 

はやて「そっか、残念やね…」

 

 

フェイト「じゃあ行こうか?」

 

 

ギンガ「そうですね」

 

 

各々に別れた。

 

 

2日後

 

 

なのは「じゃあ先に行ってるね」

 

 

フェイト「うん、気をつけて」

 

 

はやて「ウチらも早めに行くから」

 

 

フェイト達が見送っていると…

 

 

ヴィヴィオ「ママ…」

 

 

ヴィヴィオとアイナがやってきた。

 

 

なのは「ヴィヴィオ?」

 

 

アイナ「ごめんなさい、ヴィヴィオちゃんがどうしてもママの見送りをするって」

 

 

なのははしゃがみこんでヴィヴィオと視線を合わせて…

 

 

なのは「ヴィヴィオ、アイナさんに迷惑かけちゃ駄目でしょ?」

 

 

ヴィヴィオ「ごめんなさい…」

 

 

フェイト「ヴィヴィオも不安なんだよ、なのはが夜勤でいないのは初めてだから」

 

 

なのは「そっか、大丈夫。なのはママ明日には帰ってくるから」

 

 

ヴィヴィオ「ホント?」

 

 

なのは「うん♪だからいい子で待っててね?」

 

 

なのはは笑顔で答えた。

 

 

ヴィヴィオ「うん、いい子で待ってる♪」

 

 

ヴィヴィオも笑顔になり答えた。

 

 

なのは「みんな行こうか」

 

 

なのは達はヘリに乗り込んで出発した。

 

 

スバル「所でアリサさん」

 

 

アリサ「何?」

 

 

スバル「優希は一緒じゃないんですか?」

 

 

スバルはヘリの中に優希がいない事を尋ねた。

 

 

アリサ「優希ならバイクで向かったわよ」

 

 

ティアナ「バイクですか?」

 

 

すずか「うん、優希は密閉した乗り物が駄目なの」

 

 

スバル「そうなんですか?」

 

 

アリサ「ええ、だから優希は先にバイクで向かったのよ」

 

 

すずか「それに先に行って色々調べてるんだけどね」

 

 

エリオ「何か調べてるんですか?」

 

 

アリサ「本局でね」

 

 

キャロ「本局で?」

 

 

すずか「うん、大丈夫だと思うけどね…不審な人がいないかどうかをね?」

 

 

ティアナ「一人で大丈夫なんですか?」

 

 

アリサ「大丈夫よ」

 

 

すずか「誰も優希が特務隊の人って思わないから」

 

 

ティアナ「確かに…」

 

 

ティアナは優希の容姿を思い浮かべた。

 

 

すずか「本来の姿だと危ないけどね」

 

 

ティアナ「……」ポッ

 

 

ティアナは優希の本来の姿を思いだし頬を赤く染めた。

 

 

ガシッ!

 

 

アリサ「ティアナ?何で顔が赤いのかしらね?」

 

 

ティアナ「い、いえこれは///」

 

 

アリサ「着くまでゆっくり話しましょ?」

 

 

ヘリが着くまでティアナはアリサに尋問され続けた。

 

 

機動六課と特務隊が警備に付き隊長達が内部警備に、残りのメンバーは外部警備に付いていた。

 

 

ヴィータ「このまま終わってくれりゃいいんだけどよ」

 

 

優希「……」

 

 

優希達が話していると…

 

 

ドーーン!!

 

 

全員「!?」

 

 

突然爆発が起きた。

 

 

優希「!?」

 

 

本局局員「こ…ら…地……部…多……ガ…ェ…ト…襲……受け………至急……」

 

 

ヴィータ「何でもっと早く気づかないんだよ!!」

 

 

ティアナ「ヴィータ副隊長!」

 

 

ヴィータ「とにかく応戦するぞ!」

 

 

優希「コク」

 

 

FW陣「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィータ「チッ、数が減らねー!」

 

 

リィン「切りがないですよ~」

 

 

ヴィータ「ロングアーチ、内部の情報は!?」

 

 

アルト『通信妨害が酷く連絡が取れません!』

 

 

ヴィータ「クソ!」

 

 

アルト『!?こちらロングアーチ、航空オーバーS反応が地上本部に向かっています』

 

 

ヴィータ「こんな時に!」

 

 

ヴィータは隊長達の救出、オーバーSの対応、ガジェットの殲滅に 頭を悩ませた。

 

 

優希「ここ引き受ける」

 

 

ヴィータ「何?」

 

 

優希「行って」

 

 

ヴィータは少し考え…

 

 

ヴィータ「…わかった。アタシはオーバーSの所に行く、FW陣は隊長達の所に行け」

 

 

FW陣「了解」

 

 

ヴィータは空に、FW陣は隊長達の所に向かった。

 

 

優希「リナ、ユニゾン」

 

 

リナ「は~い、ユニゾンイン!」

 

 

優希はリナとユニゾンし…

 

 

優希「リナ、朱雀フォーム」

 

 

リナ『はい、朱雀フォーム』

 

 

カッ!

 

 

優希「ルネ、情報お願い」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

ブレスレット状態のルネが答えた。

 

 

優希「行くよ」

 

 

優希は朱雀銃を構えて、ガジェットの大群に向かって行った。

 

 

 

 



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第57話

優希「中々減らない」

 

 

リナ『まるでゴキちゃんみたい』

 

 

優希「確かに」

 

 

優希がガジェットの相手をしていたが数が多い為、中々減らないでいた。

 

 

リナ『優希ちゃんどうする?』

 

 

優希「一気に撃ち落とす」

 

 

カシャン

 

 

優希は朱雀銃を合わせて…

 

 

優希「シュート」

 

 

ドォン!

 

 

砲撃を放ちガジェットを一掃した。

 

 

優希「ふぅ、ルネどう?」

 

 

ルネ「この辺の敵はほとんど残っていません」

 

 

リナ『優希ちゃんどうする?』

 

 

優希「みんなは?」

 

 

ルネ「…ヴィータ様はオーバーSと交戦中、それとライトニングが六課の方に移動中、スターズが地下を移動中です」

 

 

リナ『良くそこまでわかるね…』

 

 

ルネの的確な情報にリナが驚いていた。

 

 

ルネ「リナ、管理局の機械より私達の方が性能が上なんですよ?」

 

 

リナ『まあね』

 

 

優希「ルネ、危険な所ある?」

 

 

ルネ「そうですね…!?マスター、ギンガ様の魔力がかなり少ないです!未確認の魔力が3つ、スターズが向かっていますが…」

 

 

優希「僕達は?」

 

 

ルネ「向かった方がいいかもしれません」

 

 

優希「なら行く」

 

 

優希は急いで地下に向かった。

 

 

リナ『でも優希ちゃん?地下の入口なんてこの辺にないよ?』

 

 

優希「なら作る」

 

 

リナ『えっ?』

 

 

優希「リナ、玄武フォーム」

 

 

リナ『優希ちゃんまさか…』

 

 

優希「ブチ抜く」

 

 

リナ『やっぱり~』

 

 

カッ!

 

 

リナは玄武フォームに変えて…

 

 

優希「ぉお~!!」

 

 

優希は玄武アックスを振り下ろして急降下して行った。

 

 

なのは「スバル、しっかり!」

 

 

ティアナ「しっかりしなさい!」

 

 

スバル「……」

 

 

なのは達が呆然としてるスバルに声を掛けていると…

 

 

ドーーン!!

 

 

なのは「何!?」

 

 

ティアナ「敵!?」

 

 

優希「見つけた」

 

 

天井をブチ抜いて優希が現れた。

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

ティアナ「えっと…」

 

 

優希の荒業にティアナは若干ひいていた。

 

 

優希「リナ、ユニゾン解除。見てあげて」

 

 

カッ!

 

 

リナ「は~い」

 

 

リナは優希とユニゾンを解き、スバルの治療を始めた。

 

 

優希「もう1人は?」

 

 

なのは「ギンガは連れて行かれた見たい…」

 

 

なのはが俯きながら話すと…

 

 

優希「ルネ…」

 

 

ルネ「微弱ですが北西1キロにギンガ様の魔力を感じます」

 

 

優希「ルネ、ユニゾン。リナは残って」

 

 

リナ「うん、気をつけて」

 

 

カッ!

 

 

優希はルネとユニゾンし…

 

 

なのは「ユウ!?何する気?」

 

 

優希「追いかける、ルネ!」

 

 

ガシャン!ガシャン!ガシャン!

 

 

ルネ『アクセル、スタート!』

 

 

シュン!

 

 

ギンガを追いかけた。

 

 

ウェンディ「成果は上々すっネ!」

 

 

セイン「でも、チンク姉が…」

 

 

ノーヴェ「あの鉢巻き…」

 

 

ナンバーズが帰還していると…

 

 

セイン「ん!?高い魔力反応!こっちに向かってくる!」

 

 

ウェ、ノーヴェ「ッ!?」

 

 

ウェンディとノーヴェはセインが言う方向を警戒するが…

 

 

優希「何処見てるの?」

 

 

ナンバーズ「!?」

 

 

バッ!

 

 

3人が振り返るとギンガを抱き上げた優希がいた。

 

 

ノーヴェ「コイツ何時の間に」

 

 

ウェンディ「しかもタイプゼロまで」

 

 

セイン「何で?感知してからここまで来るのが速い!」

 

 

優希「ルネどう?」

 

 

ルネ『早く連れて帰らないと危険ですね…』

 

 

ルネはギンガの状態を調べて優希に説明した。

 

 

ノーヴェ「無視すんな!!」

 

 

ノーヴェが殴りかかるが…

 

 

優希「邪魔だよ」

 

 

ドカッ!

 

 

ノーヴェを蹴り飛ばした。

 

 

ウェンディ「ノーヴェ!?」

 

 

優希「今は見逃す、でもこれ以上邪魔するなら容赦しない」

 

 

ウェ、セイ「……」

 

 

優希「ルネ」

 

 

ガシャン!ガシャン!ガシャン!

 

 

ルネ『アクセル、スタート!』

 

 

シュン

 

 

ウェンディとセインは動く事が出来ず優希が去るのを見ている事しか出来なかった。



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第58話

なのは「……」

 

 

フェイト「なのは…」

 

 

なのは「フェイトちゃん…」

 

 

襲撃から2日、地上本部は多大な損害を受け機動六課は隊舎を破壊されヴィヴィオを連れ去られた。又、FW陣もボロボロになりギンガも入院していた。

 

 

フェイト「なのは、元気出して?ヴィヴィオはきっと無事だよ」

 

 

なのは「ッ…」ギュッ

 

 

なのはがフェイトに抱きつき…

 

 

なのは「私あの子が1人を嫌いなの知ってるのに、守るって決めてたのに!」

 

 

フェイト「なのは…」

 

 

フェイトもなのはを抱き締め落ち着くまで一緒にいた。

 

 

優希「……」トコトコ

 

 

その光景を優希が見ていて、2人に気づかれないように去って行った。

 

 

優希「……」トコトコ

 

 

スバル「そんな!?何とかならないですか?」

 

 

優希「?」

 

 

マリエル「ごめんなさい、探してはいるけど…」

 

 

スバル「そんな…」

 

 

優希が病院内を歩いているとスバルの声が聞こえてきた。

 

 

優希「……」

 

 

クイックイッ

 

 

ティアナ「何…なんだ優希」

 

 

優希「何?」

 

 

優希はマリエルとスバルを指差した。

 

 

ティアナ「優希はスバルとギンガさんが戦闘機人て事もう知ってるんでしょ?」

 

 

優希「コク」

 

 

ティアナ「それでギンガさんの治療をするのにパーツが足りないのよ…」

 

 

ティアナは優希に事の成り行きを説明した。

 

 

優希「……」トコトコ

 

 

ティアナ「優希?」

 

 

優希「……」

 

 

マリエル「ん?」

 

 

マリエルに優希が近づいて…

 

 

優希「見せて…」

 

 

マリエル「えっ?」

 

 

優希「リスト…」

 

 

マリエル「あっ、はい」

 

 

優希はマリエルからリストを見せてもらい…

 

 

優希「これがあれば助かる?」

 

 

優希はリストにチェックされていない部品を指差した。

 

 

マリエル「ええ…」

 

 

優希「わかった…」トコトコ

 

 

優希「…リナ」

 

 

リナ「は~い♪パソコンとコレね」

 

 

優希に呼ばれてペンダントからリナが出てきて、優希にパソコンと六角形の機械を渡した。

 

 

優希「……」

 

 

優希は近くの椅子に座り、パソコンと作製機を繋ぎ…

 

 

カタカタカタカタカタカタカタカタ

 

 

パソコンを操作し始めた。

 

 

ティアナ「ちょっと優希?何してるのよ?」

 

 

優希「部品作る」

 

 

カタカタカタカタカタカタカタカタ

 

 

優希はティアナに話しながらパソコンを操作していた。

 

 

マリエル「作るってコレをですか!?」

 

 

優希「コク」

 

 

ティアナ「マリエルさん難しいんですか?」

 

 

ティアナの質問に…

 

 

マリエル「熟知した人間でも2日はかかります…」

 

 

ティアナ「2日?それなら…」

 

 

マリエル「2日じゃ間に合わないです…遅くても明日の朝までに必要なんです…」

 

 

ティアナ「明日の朝って…」

 

 

ティアナが時計を見て…

 

 

ティアナ「後半日しか…」

 

 

マリエル「はい、ですから間に合う可能性は…」

 

 

ティアナ達が諦めかけていると…

 

 

優希「…なら諦める?」

 

 

パソコンを操作しながら優希が声をかけてきた。

 

 

スバル「えっ…?」

 

 

優希「大切な…大好き人が危険なのに何もしないで待ってる?」

 

 

スバ、ティ「!?」

 

 

優希の言葉にティアナ達は衝撃を受けていた。

 

 

スバル「…そうだよね、私が諦めちゃ駄目だよね!!」

 

 

ティアナ「そうね、優希の言う通りだわ!」

 

 

マリエル「私ももう一度心当たりを探してみます!」

 

 

優希の言葉にティアナ達は普段通りなり…

 

 

スバル「優希、私に出来る事ない?」

 

 

ティアナ「アンタだけに無理はさせないわよ」

 

 

優希「別に…」

 

 

無いと言おうとしたが…

 

 

グゥ~

 

 

優希「……」

 

 

優希のお腹が鳴った。

 

 

ティアナ「クスッ、何か食べる物探して来るわね。リクエストある?」

 

 

優希「…オニギリ」

 

 

スバル「うん、じゃあ探して来るね?」

 

 

ティアナ達は売店を探しに向かった。

 

 

チュンチュン

 

 

カタカタカタカタカタカタカタカタ

 

 

優希「……」

 

 

スバル「スゥ~」

 

 

ティアナ「ん…」

 

 

マリエル「スゥ~」

 

 

まだ日が上らず、外が少し明るくなりティアナ達が眠っていると…

 

 

カタカタカタカタカタカタ…カチ!

 

 

優希「出来た…」

 

 

優希が徹夜して部品を完成させた。

 

 

トコトコ

 

 

ユサユサ

 

 

マリエル「ん…?」

 

 

優希はマリエルを揺すって起こした。

 

 

マリエル「どうしたんですか?」

 

 

マリエルはメガネを外し目をこすっている。

 

 

優希「出来た」

 

 

優希はマリエルに部品を差し出した。

 

 

マリエル「!?本当に…ではすぐに!」

 

 

マリエルは部品を受け取り走ってギンガの所に向かった。

 

 

ティアナ「…うるさいわね、何よ一体?」

 

 

マリエルが走って行くとティアナが起きてきた。

 

 

優希「部品出来た」

 

 

ティアナ「えっ!?ちょっとスバル起きない!」

 

 

スバル「?ティアどうしたの~…?」

 

 

ティアナ「部品が出来たのよ!!早く起きなさい!」

 

 

寝ぼけ眼のスバルだったが…

 

 

スバル「ホント!?」

 

 

飛び起きた。

 

 

ティアナ「ええ、それで部品は?」

 

 

優希「持っていった」

 

 

優希はマリエルに渡した事を伝えた。

 

 

スバル「ティア、私行ってくるね!」

 

 

そう言うとスバルはギンガの病室に向かった。

 

 

ティアナ「私も行くけど優希はどうする?」

 

 

優希「行く」

 

 

優希もティアナについて行った。

 

 

-手術室-

 

 

スバル「ギン姉…」

 

 

あの後ギンガは手術室に入りすぐに手術が始まった。

 

 

ティアナ「……」

 

 

優希「……」

 

 

3人が手術室の前で待っていると…

 

 

マリエル「ふぅ~」

 

 

マリエルが手術室から出て来た。

 

 

スバル「マリエルさん!ギン姉は!?」

 

 

マリエル「大丈夫、無事に終わったわ。少し立てば目が覚めるはずよ」

 

 

スバル「良かった~」

 

 

マリエル「お礼ならそこにいる優希君に言って。彼が部品を用意してくれたから手術が間に合ったんだから」

 

 

スバル「ありがとう優希~!!」

 

 

ギュッ!!

 

 

スバルは嬉しさの余り優希を抱き締めた。

 

 

ティアナ「ちょっとスバル!?」

 

 

ティアナは優希が暴れる前にスバルを引き離したが…

 

 

優希「……」

 

 

優希が暴れる気配はなかった。

 

 

ティアナ「優希?」

 

 

ティアナは優希が暴れないのを不思議に思った。

 

 

スバル「もしかして私が触っても大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

スバルの問いに優希は頷いて答えた。

 

 

スバル「やった~!!」

 

 

ティアナ「スバル、うっさい!病院内よ!」

 

 

叫ぶスバルにティアナが注意した。

 

 

スバル「だって嬉しいんだもん!!」

 

 

ティアナ「だからって…」

 

 

 

スバル「そうだ、ねぇ優希?ティアもいい?」

 

 

ティアナ「ちょっとスバル!?」

 

 

スバルの問いに優希は…

 

 

優希「……」コク

 

 

頷いて答えた。

 

 

スバル「やったねティア♪」

 

 

ティアナ「アンタねぇ…」

 

 

 

ティアナは呆れた顔をしていたが、内心は嬉しかった。

 

 

スバル「ティア照れてる?」

 

 

ティアナ「ッ!?///」

 

 

ポカッ!

 

 

スバル「痛~い何するの!?」

 

 

スバルは頭を抑えてティアナに抗議した。

 

 

ティアナ「アンタが変な事言うからよ!!///」

 

 

2人がじゃれあっていると…

 

 

マリエル「2人ともギンガが目を覚ましたわよ」

 

 

ギンガの様子を見ていたマリエルが病室から出て来た。

 

 

スバル「ホント!?会ってもいいですか?」

 

 

マリエル「いいわよ、でも病み上がりだから無理はさせないでね」

 

 

ティアナ「わかりました」

 

 

優希「……」コク

 

 

3人は病室に入って行った。

 

 

スバル「ギン姉~(泣)」

 

 

ギンガ「スバル…心配かけてごめんね?」

 

 

ギンガは上半身を起こしてベッドに腰掛けていた。

 

 

ティアナ「無事で良かったです」

 

 

ギンガ「ええ、それもアナタのお陰ね」

 

 

ギンガは優希を見ながら答えた。

 

 

優希「フルフル」

 

 

ギンガ「謙遜しないで?アナタのお陰で私は助かったんだから」

 

 

スバル「それでギン姉、どの位入院するの?」

 

 

ギンガ「思いの外ダメージが大きいからしばらくは入院ね…」

 

 

ティアナ「そうですか…」

 

 

ギンガ「こんな大事な時に戦えないなんて…」

 

 

ギンガは俯き拳を奮わせていた。

 

 

スバル「ギン姉…」

 

 

ティアナ「今は体を治す事に専念しましょう?」

 

 

ギンガ「そうね…」

 

 

ギンガは横になり…

 

 

スバル「じゃあギン姉、私達は戻るね」

 

 

ギンガ「ええ、気をつけてね」

 

 

ティアナ「はい、またきますね」

 

 

優希「……」

 

 

優希もティアナ達に付いて行き病室を出て行った。

 

 

ギンガ「ハァ~…」

 

 

ギンガは溜め息をつき、外を眺めた。



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第59話

ギンガ「ん…あれ?私眠ってたんだ…」

 

 

ギンガはスバル達が帰ってから眠ってしまい、日が沈みかけていた。

 

 

コンコン

 

 

ギンガ「?はい、どうぞ」

 

 

トコトコ

 

 

優希「……」

 

 

ギンガ「優希?」

 

 

ギンガが返事をすると優希が入ってきた。

 

 

優希「…どう?」

 

 

ギンガ「大丈夫、心配して来てくれたの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ギンガ「ありがとうね?でも私の所に来て大丈夫なの?」

 

 

決戦前の大事な時に優希が自分の所に来て大丈夫なのか気になった。

 

 

優希「……コク」

 

 

ギンガ「そう、私も戦えれば…」

 

 

ギンガが悔しそうに呟くと…

 

 

優希「戦いたい?」

 

 

ギンガ「…え?」

 

 

優希はギンガに戦いたいのか尋ねた。

 

 

優希「戦いたい?」

 

 

優希はもう一度尋ねた。

 

 

ギンガ「私は………戦いたい!」

 

 

リナ「なら治してあげる♪」

 

 

ギンガが自分の意志を伝えると、リナが現れた。

 

 

ギンガ「でもどうやって…」

 

 

リナ「大丈夫♪ユニゾン、イン!」

 

 

リナが優希とユニゾンし青龍フォームになった。

 

 

優希「リナ」

 

 

リナ『は~い♪』

 

 

リナは優希の魔力を使い治癒魔法をかけ始めた。

 

 

ギンガ「でも大丈夫?今魔力を使ったら…」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

ギンガ「でも…」

 

 

ギンガは決戦前に優希が疲れてしまうのではと心配していた。

 

 

優希「平気」

 

 

ギンガ「どうしてそこまでしてくれるの?」

 

 

ギンガは優希が自分の為に何故ここまでしてくれるのか尋ねた。

 

 

優希「…心配してるから」

 

 

ギンガ「えっ?」

 

 

リナ『スバルちゃんが心配してるからだよ。お姉ちゃんが怪我をして心配する気持ちが分かるから』

 

 

リナが優希の代わりに答えた。

 

 

ギンガ「…ありがとう」

 

 

優希「……」

 

 

ギンガ「優希は優しいのね」

 

 

優希「!」プイ

 

 

優希はギンガに突然優しいと言われて顔を反らした。

 

 

ギンガ「照れてる?」

 

 

ギンガがイタズラっぽく言うと…

 

 

ビシッ

 

 

ギンガ「イタッ!」

 

 

ギンガは優希にデコピンをされ額を押さえた。

 

 

優希「……」

 

 

優希も照れ臭いのかそのまま無言で治療をした。

 

 

-アースラ-

 

 

はやて「みんなこの事件、これで終わらせるで」

 

 

六課メンバー「はい!」

 

 

スバル達がギンガの見舞いに行ってから数日たった。機動六課はいよいよスカルエッティ逮捕とヴィヴィオ救出に乗り出し、はやてが出撃の合図をかけようとした時…

 

 

はやて「機動六課出…」

 

 

グリフィス「大変です八神部隊長!」

 

 

グリフィスが遮った。

 

 

はやて「どうしたん!?」

 

 

グリフィス「ゆりかごから多数のガジェットがこちらに向かって来ています!」

 

 

はやて「数は?」

 

 

グリフィス「数は二百です…」

 

 

なのは「二百!?」

 

 

なのはが驚いていると追い討ちをかけるように…

 

 

グリフィス「!更に市街地にもガジェットが向かっています!」

 

 

フェイト「なら先にガジェットを…」

 

 

はやて「あかん!みんなは魔力を温存せな」

 

 

シグナム「しかし主…」

 

 

はやて「ウチが出る…」

 

 

ヴィータ「はやて1人で!?無茶だよ」

 

 

はやて「それ以外方法が無いんや。大丈夫やて、みんながゆりかごに着くまでは持ちこたえてみせるから…」

 

 

はやてがそう言って指令室から出ようとすると…

 

 

アリサ「それも却下よ」

 

 

アリサがはやてを止めた。

 

 

はやて「アリサちゃん?」

 

 

アリサ「外のガジェットは私達に任せなさい」

 

 

すずか「みんなはゆりかごに向かって?」

 

 

アリサ達が前に出た。

 

 

はやて「ウチも…」

 

 

アリサ「却下よ。はやて、アナタは部隊長なのよ?」

 

 

はやて「……」

 

 

アリサ「すずか行くわよ?」

 

 

すずか「うん、アリサちゃんはどっちに?」

 

 

アリサ「アタシは市街地に行くわ」

 

 

アリサ達がどちらに行くか話していると…

 

 

優希「ここ引き受ける」

 

 

優希が指令室に入って来た。

 

 

アリサ「優希?」

 

 

すずか「どこに行ってたの?」

 

 

すずかは優希がどこにいたのか聞くと…

 

 

優希「助っ人…」

 

 

すずか「助っ人?」

 

 

ギンガ「失礼します」

 

 

スバル「ギン姉!?」

 

 

ギンガが指令室に入ってきた。

 

 

スバル「ギン姉、体は大丈夫なの?」

 

 

ギンガ「ええ、優希が治療をしてくれたの」

 

 

アリサ「そう、優希ここを引き受けるっていうのは?」

 

 

リナ「ここは私達に任せて」

 

 

すずか「リナ?」

 

 

リナ「アリサちゃん達は市街地に向かって」

 

 

すずか「でも…」

 

 

リナ「大丈夫、優希ちゃんは私達が必ず守るから」

 

 

リナは強い眼差しでアリサ達は見た。

 

 

ルネ「アリサ様私達を信じて下さい」

 

 

リナ「ルネちゃん♪」

 

 

リナが話している所にルネが人の姿で入ってきた。

 

 

アリサ「ルネ?」

 

 

ルネ「マスター、持って来ました。こちらでいいのですよね?」

 

 

ルネが持ってきたケースを見せた。

 

 

優希「……」

 

 

すずか「本当に3人で大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

すずかの問いに優希は頷いて見せた。

 

 

アリサ「わかったわ、危なくなったら必ず連絡しなさい?いいわね?」

 

 

優希「コク」

 

 

アリサは優希の意志を尊重した。

 

 

アリサ「はやて、外のガジェットと市街地のガジェットは私達特務隊が引き受けるわ」

 

 

すずか「みんなはゆりかごに行って」

 

 

はやて「…わかった。無理せんといてな?」

 

 

アリサ「ええ、すずか行くわよ」

 

 

すずか「うん、優希君こっちはお願いね」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ達はFW陣、ギンガを連れて市街に向かって行った。

 

 

ルネ「では私達も行きましょう!」

 

 

優希達もなのは達と一緒に外に向かった。



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第60話

優希「……」

 

 

なのは「ユウ、本当に大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ガチャ

 

 

カチャカチャ

 

 

優希はトランクを開けるとフリーダムに何かを取り付けた。

 

 

フェイト「優希、それは?」

 

 

優希「Bユニット(バスターユニット)」

 

 

フェイト「Bユニット?」

 

 

ヴィータ「なぁシグナム、嫌な予感がするんだけど」

 

 

シグナム「奇遇だな、私もだ」

 

 

ヴィータがそんな事を言っていると…

 

 

ガチャ

 

 

優希がフリーダムBを構えて…

 

 

優希「発射」

 

 

ドーン!!

 

 

優希がフリーダムBで砲撃を放つとガジェットの大半が消えた。

 

 

隊長陣「……」

 

 

優希「?道が出来た」

 

 

なのは「う、うん」

 

 

フェイト「あ、ありがとう優希」

 

 

なのはとフェイトは若干引きながらも優希に礼を言い…

 

 

シグナム「デタラメだな」

 

 

ヴィータ「優希の奴、二代目の悪魔になるな…」

 

 

シグナム達は呆れていた。

 

 

なのは「ユウ、後はお願いね」

 

 

優希「……」コク

 

 

シグナム「主達を頼むぞ」

 

 

なのは達は優希が作った道を飛んで行きゆりかごに向かった。

 

 

ルネ「マスター、頑張りましょう」

 

 

優希「……」コク

 

 

ガチャン

 

 

カチャカチャ

 

 

優希はフリーダムからBユニットを外し違うユニットを取り付けた。

 

 

ルネ「今度はGユニット(ガトリングユニット)ですか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

カッ!

 

 

優希「近付かせない」

 

 

ルネ「はい!」

 

 

優希が元の姿に戻ると…

 

 

リナ「優希ちゃん!」

 

 

優希「リナ?」

 

 

ペンダントからリナが出てきた。

 

 

リナ「ガジェットが来るよ!」

 

 

リナが指差した方を見ると先程と同じ位の数のガジェットが向かって来た。

 

 

ルネ「マスター、どうしますか?」

 

 

優希「これで減らす」

 

 

ガチャ

 

 

 

ガガガガガガガガ!!

 

 

優希はそう言うなり、いきなりフリーダムGを撃ち出しガジェットをどんどん破壊していった。

 

 

優希「ハァハァ…」

 

 

ルネ「マスター大丈夫ですか?」

 

 

リナ『無理しないで?』

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは達を送り出してからかなりの時間が過ぎ、優希とリナはユニゾンしアースラに向かって来ていたガジェットを一掃していた。

 

 

優希「ルネ、残りは?」

 

 

ルネ「索敵しましたが今の所反応はありません。今の内に休みましょう」

 

 

優希「……」コク

 

 

三人が話していると…

 

 

はやて『優希君』

 

 

優希「はやて姉?」

 

 

はやてから通信が来た。

 

 

はやて『優希君、無事解決したからもう大丈夫やで』

 

 

優希「なの姉達は?」

 

 

はやて『なのはちゃん達は今医務室で治療しとる。たいした怪我じゃないから大丈夫。アリサちゃん達も今こっちに向かっとるよ』

 

 

優希「わかった、今から戻…」

 

 

優希が戻ると言おうとした時…

 

 

 

シュン

 

 

オメガ「……」

 

 

ルネ「マスター…」

 

 

優希「…はやて姉、帰るの遅くなる」

 

 

優希はそう言うと通信を切った。

 

 

はやて「優希君!?」

 

 

指令室では優希から通信を突然切られはやては慌てていた。

 

 

はやて「どうしたんや急に…」

 

 

グリフィス「八神部隊長!」

 

 

はやて「どうしたん?」

 

 

グリフィス「高町特務隊員の所に以前現れたオメガの反応が出ています!」

 

 

はやて「なんやて!?」

 

 

優希「リナ、ルネと交代」

 

 

リナ『うん、気をつけて』

 

 

カッ!

 

 

リナはユニゾンを解きルネと代わり、優希はフェンリルアーマーを纏った。

 

 

優希「リナ危ないから中に入って」

 

 

リナ「うん」

 

 

リナはペンダントに入り優希は月光を取り出した。

 

 

カチャ

 

 

優希「ルネ行くよ」

 

 

ルネ『はい!』

 

 

優希が月光を構えるとオメガも魔力刃出し…

 

 

優希「……」

 

 

オメガ「……」

 

 

ガキィン!

 

 

同時に切りかかった。

 

 

カチャ

 

 

オメガ「!」

 

 

ドドドドドドン!!

 

 

バッ!

 

 

優希「……」

 

 

優希は業火をゼロ距離で発砲しオメガから距離を取った。

 

 

オメガ「…損傷軽微」

 

 

優希「……」

 

 

ボッ

 

 

優希「これなら?炎一閃!」

 

 

ドーン!!

 

 

優希は切りかかりオメガは再び爆発した。

 

 

優希「どう?」

 

 

優希が様子を見ていると…

 

 

アリ、すず「優希(君)!」

 

 

アリサ達がやって来た。

 



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第61話

すずか「大丈夫?」

 

 

アリサ「オメガは?」

 

 

アリサ達もオメガが爆発した場所を見ると…

 

 

オメガ「敵戦力、増大。任務続行」

 

 

アリサ「簡単に終わりそうにないわね…」

 

 

すずか「うん…」

 

 

優希「行く!」

 

 

優希がオメガに向かうとアリサ達も続いて向かった。

 

 

優希「……」

 

 

ガキィン!ガキィン!

 

 

アリサ「タァ!!」

 

 

優希がオメガと斬り合いをしているとアリサが接近し…

 

 

優希「!」

 

 

バッ!

 

 

ドカッ!!

 

 

オメガを殴り飛ばし…

 

 

すずか「アクアシューター!」

 

 

ドーン!!

 

 

バランスを崩したオメガにすずかのアクアシューターが当たり爆発した。

 

 

アリサ「どう!?」

 

 

すずか「少しは効いてると思う…」

 

 

2人が見ていると…

 

 

優希「まだ…」

 

 

オメガ「……」

 

 

優希が言うと同時に煙の中からオメガが出てきた。

 

 

オメガ「任務続行」

 

 

アリサ「随分頑丈ね…」

 

 

すずか「少しは効いてると思ったんだけど、まだ駄目みたいだね…」

 

 

アリサ「すずか大きいの行くわよ」

 

 

すずか「うん。優希君、時間を稼いでくれる?」

 

 

優希「コク」

 

 

 

ガチャン!ガチャン!ガチャン!ガチャン!ガチャン!ガチャン!

 

 

ルネ『アクセル、スタート!』

 

 

シュン!

 

優希はカートリッジを全てロードしオメガに向かった。

 

 

オメガ「!?」

 

 

ガガガガガガガガ!!

 

 

優希の連続攻撃でオメガのボディは少しずつボロボロになり…

ルネ『3、2、1、0!』

 

 

優希「ハァハァハァ…」

 

 

アリサ「優希!どきなさい!」

 

 

優希「!」

 

 

バッ!

 

 

アリサ「ファイヤー、バスター!」

 

 

すずか「アクア、バスター!」

 

 

優希が離れると同時に2人が砲撃を放ち、オメガは爆発した。

 

 

アリサ「これなら!」

 

 

すずか「効いてるはずだね」

 

 

2人が見ていると…

 

 

オメガ「…任務続行、困難…」

 

 

ボロボロになったオメガが出てきた。

 

 

優希「…いい」

 

 

すずか「優希君…?」

 

 

優希「もういい…」

 

 

ルネ『オメガ…もういいでしょう。ジンは死んだのですよ?彼の命令を聞くのは終わりにし、本来の主………マスターの元に戻りなさい』

 

 

オメガ「…?」

 

 

ルネの言葉にオメガは動きを止め…

 

 

アリサ「ちょっとルネ!?どう言う事よ!?」

 

 

アリサの問いにルネは…

 

 

ルネ『…後でご説明します』

 

 

少し迷いながらも答えた。

 

 

優希「オメガ…」

 

 

オメガ「No.1…抹殺…?……主…?」

 

 

バチッ!

 

 

オメガは混乱している所為か回路がショートし始めていた。

 

 

ルネ『マスター…』

 

 

優希「……」コク

 

 

カチャ

 

 

優希はフリーダムを構えて…

 

 

ドン!

 

 

オメガ「!?」

 

 

オメガの頭部を撃ち抜き…

 

 

優希「ルネ…」

 

 

ルネ『はい…』

 

 

シュン!

 

 

ルネはオメガを別の場所に転移させた。

 

 

ルネ『マスター…』

 

 

優希「戻るよ…」

 

 

ルネ『はい…』

 

 

優希はアリサ達と共にアースラに戻っていった。

 

 

-アースラ内会議室-

 

 

アリサ「さぁルネ?さっきのはどう言う事?説明してもらうわよ?」

 

 

ルネ「わかりました、まずは何が知りたいですか?」

 

 

すずか「オメガについて教えて?私達は優希君を狙っているとしか聞かされてないから」

 

 

ルネ「はい、オメガは元々マスターを守護する機兵でした。ですがジンに発見され改造されたのです」

 

 

ルネは淡々と話し始めた。

 

 

ルネ「改造されたオメガはジンを守護する用になりました。ですが倒れたオメガを蹴った事によりオメガの回路に異常をきたし暴走状態になってしまいました」

 

 

はやて「オメガの事はわかったけど、オメガをどこに転移させたんや?」

 

 

ルネ「それは言えません」

 

 

フェイト「どうして?」

 

 

ルネ「オメガを直す為です」

 

 

はやて「ウチらが知ったらいかんの?」

 

ルネの言った事に対しはやてが聞くと…

 

 

ルネ「管理局に場所を特定されない為です」

 

 

はやて「それはウチらも信用出来ないちゅう事?」

 

 

ルネ「はやて様達は信用出来ますが管理局は信用出来ないので話せません」

 

 

ルネがはやてに説明すると突然通信モニターが開いた。

 

 

クロノ『話し合い中にすまない。高町特務隊員はそこにいるか?』

 

 

はやて「クロノ提督?居ますが何か?」

 

 

はやてが質問すると…

 

 

クロノ『高町特務隊員、オメガを引き渡してくれ』

 

 

優希「……」フルフル

 

 

クロノの要求に優希は拒否を示した。

 

 

クロノ『君はわかっているのか?あれは危険な兵器なんだぞ!?』

 

 

優希「危険じゃない、オメガは僕が直す」

 

 

優希の発言に…

 

 

クロノ『なっ!?そんな事許可出来ない!』

 

 

はやて「そやで優希君?だからオメガを渡して?」

 

 

優希「……」

 

 

はやて「優希君?」

 

 

優希「…ルネ、後お願い」

 

 

ルネ「わかりました、お任せ下さい」

 

 

優希はそう言うと話し合い中にも関わらず部屋を出て行った。

 

 

クロノ『待てまだ話「私が聞きましょう」…何?』

 

 

ルネ「まずオメガを管理局には渡せません」

 

 

クロノ『君達はわかっているのか!?あれがどれほど危険か!?』

 

 

ルネ「その原因を作ったのは管理局ですよ?」

 

 

クロノ『何?』

 

 

ルネ「何故オメガは昔以上に強く改良されていたのでしょうね?」

 

 

クロノ『…何が言いたい?』

 

 

ルネ「これを見てもらいましょう」

 

 

ルネはある部品を取り出しクロノに見せた。

 

 

クロノ『それは?』

 

 

ルネ「オメガに使われていた部品です。これは管理局でしか使われない部品です」

 

 

クロノ『なっ!?』

 

 

ルネ「私が何を言いたいのかお分かりですね?」

 

 

クロノ『そんな事…』

 

 

ルネ「有り得ないですか?ならこれならどうです?」

 

 

ブゥン

 

 

ルネはそう言うとある映像を映し出した。

 

 

フェイト「これは…」

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

映像に映っていたのは優希と数人の魔導師だった。

 

 

ルネ「これはマスターが管理局員に襲われた映像です」

 

 

クロノ『何!?』

 

 

ルネ「管理局はマスターを捕まえようとしたのですよ?そんな事をする組織にオメガを渡せると思いますか?」

 

 

クロノ『しかしだからと言って…』

 

 

ルネ「…まだ分からないのですか?こんな事をする連中がいる限り管理局は昔と同じなんですよ」

 

 

クロノ『だがこの事を報告すれば…』

 

 

ルネ「変わりますか?あり得ませんね」

 

 

クロノ『そんな事はない!人は間違いに気づけばやり直せる!』

 

 

クロノがそう言うと…

 

 

優希「ならオメガは?」

 

 

優希が会議室に戻ってきた。

 

 

 



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第62話

クロノ『あれは兵器だぞ?人ではない』

 

 

優希「じゃあ僕達は?」

 

 

クロノ『?』

 

 

優希「僕達は人じゃ無い…戦う為に造られた…」

 

 

なのは「ユウ!?ユウは人間だよ?」

 

 

フェイト「そうだよ!」

 

 

優希「僕は人造魔導師…ロストロギアと融合した…」

 

 

カッ!

 

 

優希が光に包まれると白虎の姿になった。

 

 

優希「僕もルネもリナも人間じゃない、だけど家族…オメガも…」

 

 

ルネ「マスター…」

 

 

カッ!

 

 

優希は人の姿に戻った。

 

 

リナ「優希ちゃん、私達は大丈夫だから」

 

 

リナもペンダントから出て来て優希の頭を撫でていた。

 

 

ルネ「クロノ提督、マスターの意志を聞いてもまだオメガを回収しますか?」

 

 

クロノ『君達の言いたい事はわかる。だがオメガに関しては個人の意志で自由で出来る物ではない。優希、君も局員なら分かるだろ?』

 

 

優希「……」

 

 

優希は俯き…

 

 

なのは「ユウ…」

 

 

なのはが近寄ると頭を上げると突然…

 

 

優希「辞める」

 

 

全員「えっ!?」

 

 

優希「管理局辞める」

 

 

爆弾発言をした。

 

 

クロノ『意味をわかっていて言っているのか?』

 

 

優希「……」コク

 

 

クロノ『…わかった、八神部隊長…』

 

 

はやて「はい?」

 

 

クロノ『高町特務隊員を拘束してくれ』

 

 

全員「!?」

 

 

優希の返答を聞いたクロノは、はやてに優希は拘束する用に指示出した。

 

 

フェイト「クロノ!?」

 

 

なのは「待って!」

 

 

なのは達がクロノに意見しようとするが…

 

 

クロノ『これは命令だ。現在高町特務隊員は犯人逃亡補助をしているんだ』

 

 

なのは「でも…」

 

 

クロノ『下手をすればまた犠牲者が出る』

 

 

なのは「……」

 

 

クロノは反論を許さなかった。

 

 

なのは「わかった、ユウ…」

 

 

優希「……」

 

 

なのはは優希を見て…

 

 

なのは「オメガを引き渡して?」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

優希「なの姉…」

 

 

なのは「何?」

 

 

優希「どっちの味方?」

 

 

なのは「何を言ってるの!?味方とかそんなの…」

 

 

優希「なの姉が守るのは何?」

 

 

なのは「えっ!?」

 

 

なのはは優希の一言に戸惑った。

 

 

優希「僕は家族を守る。それで罪に問われても…」

 

 

優希は自分の決意をなのはに伝えた。

 

 

なのは「ユウ!?オメガは危険なロボットなんだよ!だから管理局に…」

 

 

優希「嫌だ。なの姉は管理局の味方…」

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

カッ!

 

 

優希「だから…ルネ!!」

 

 

ルネ「はい!」

 

 

優希は本来の姿に戻りルネを呼んだ。

 

 

優希「転移の準備」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

ルネが転移の準備を始めるが…

 

 

優希「!?」

 

 

なのは「行かせない!」

 

 

バリアジャケットを着たなのはが優希にバインドをかけた。

 

 

優希「…リナ」

 

 

リナ「任せて♪」

 

 

リナは出て来ると同時にバインドを解除した。

 

 

優希「ルネ、転移中止。セットアップ!」

 

 

ルネ「はい!」

 

 

優希もフェンリルアーマーを纏い…

 

 

優希「……」

 

 

なのはと対峙した。

 

 

アリサ「やめなさい!」

 

 

フェイト「優希!」

 

 

すずか「優希君やめて!」

 

 

アリサ達もバリアジャケットを着てなのはの横に並んだ。

 

 

優希「……」

 

 

ルネ『アリサ様達も管理局に味方をするのですか?』

 

 

アリサ「オメガは危険よ」

 

 

すずか「だから渡して?」

 

 

ルネ『どうしますか、マスター?』

 

 

優希「アクセル…」

 

 

ルネ『はい、アクセル、スタート!』

 

 

シュン!

 

 

なのは達「!?」

 

 

優希は姿を消し…

 

 

すずか「えっ!?」

 

 

アリサ「ちょっ!?」

 

 

ルネ『アクセル、終了します』

 

 

なのは達の前に現れた優希の手にはイフリートとウンディーネが握られていた。

 

 

優希「イフリート、ウンディーネモードリリース…」

 

 

カッ!

 

 

優希が言うと同時にイフリートとウンディーネは指輪に戻りアリサ達のバリアジャケットも解除された。

 

 

アリサ「なっ!!」

 

 

すずか「優希君!?」

 

 

優希「……」

 

 

ルネ『あなた方にイフリート達を持つ資格はありません』

 

 

アリサ「どう言う事よ!?」

 

 

ルネ『マスターと敵対したあなた方にマスターが作ったデバイスを持つ資格はないと言っているのです』

 

 

優希「……」

 

 

ルネが言い終わると優希はそのままアースラの外に出て行った。

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「待って!」

 

 

優希が後ろを見るとフェイトとなのはがいた。

 

 

なのは「ユウ、戻って!今なら…」

 

 

優希「…ルネ、ユニゾン解除」

 

 

カッ!

 

 

ルネ「……」

 

 

優希「答えは変わらない」

 

 

フェイト「そう…」

 

 

なのは「だったら…」

 

 

なのは達がデバイスを構えた。

 

 

優希「リナ、ルネ本気で行く、ケルベロスアーマー」

 

 

リナ「うん!」

 

 

ルネ「はい!!」

 

 

カッ!

 

 

優希はルネとリナとユニゾンしケルベロスアーマーを身に纏った。

 

 

優希「どうする?」

 

 

なの、フェ「っ!」

 

 

バッ!

 

 

なのは達は距離を取り…

 

 

フェイト「なのは、援護お願い」

 

 

なのは「うん」

 

 

フェイトは距離を詰めて優希に接近戦を挑んだ。

 

 

ガキィン!

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「ハァ~!!」

 

 

優希とフェイトは斬り合いをし…

 

 

なのは「アクセルシューター!」

 

 

なのはは遠距離の援護をしていた。

 

 

フェイト「ハァハァハァ…」

 

 

なのは「ハァハァ…」

 

 

優希「まだやる?」

 

 

フェイト「何で?」

 

 

なのは「シグナムさんと戦ってた時より強い…」

 

 

優希「……」

 

 

なのは達が優希に挑んでから時間がかなり経ったがなのは達は優希にダメージを与える事が出来ずにいた。

 

 

-アースラ内-

 

 

はやて「……」

 

 

スバル「強い…」

 

 

ティアナ「なのはさん達が…」

 

 

エリオ「押されてる…」

 

 

ヴィータ「はやて、アタシ達も…」

 

 

はやて「駄目や…」

 

 

シグナム「何故ですか主はやて!?」

 

 

はやて「ウチらが戦ったら自分達を否定する事になってまう…」

 

 

はやては優希が人間じゃない自分達を家族と言った事を気にしていた。

 

 

フェイト「なのは…」

 

 

なのは「フェイトちゃん、大きなのを同時に…」

 

 

フェイト「わかった…」

 

 

なのは達は優希と距離を取り…

 

 

なのは「全力全開!スターライト…」

 

 

フェイト「雷光一閃!プラズマザンバー…」

 

 

なの、フェ「ブレイカー!」

 

 

なのは達の最大魔法が優希に向かっていった。

 

 

優希「……」

 

 

スゥ…

 

 

優希は両手のクリスタルを前に出し…

 

 

なの、フェ「ッ!?」

 

 

なのは達の砲撃を吸収し…

 

 

優希「リターン、バスター!」

 

 

ドーーン!!

 

 

砲撃を撃ち返した。

 

 

優希「……」

 

 

優希はその場から離れようとしたが…

 

 

なのは「ユウ待って!」

 

 

優希「……」

 

 

優希が振り向くとボロボロになったなのは達がいた。

 

 

フェイト「行かせないよ優希」

 

 

優希「……」

 

 

カチッ!

 

 

ルネ『アクセル、スタート!』

 

 

シュン!

 

 

ガガガガガガガ!

 

 

なのは「キャッ!」

 

 

フェイト「ッ!?」

 

 

優希はアクセルシステムを使いなのは達に追い討ちをかけた。

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ハァハァ…」

 

 

フェイト「ハァハァ…」

 

 

2人の魔力が限界に来ており、戦うのは無理な状態になっていた。

 

 

優希「まだやる?」

 

 

優希が言うと…

 

 

リンディ『待って!』

 

 

優希の前に通信モニターが開いた。



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第63話

優希「……」

 

 

リンディ『優希君、これ以上は駄目よ』

 

 

リンディが止めに入った。

 

 

優希「……」

 

 

リンディ『優希君、戦うのを止めてくれるかしら?』

 

 

ルネ『リンディ様、何か御用ですか?』

 

 

リンディ『……』

 

 

ルネ『そのご様子を見ると調べがついたみたいですね?』

 

 

リンディ『ええ、ルネさんの言う通りだったわ…』

 

 

ルネ『それで?』

 

 

リンディ『関わっていた人達は逮捕して、オメガに関しては…』

 

 

優希「……」

 

 

リンディ『優希君に任せます』

 

 

クロノ『リンディ統括官!?』

 

 

リンディ『クロノ提督。これはミゼット提督、他3提督の決定よ?』

 

 

ルネ『ですがそのご様子を見ると他にもあるのではないですか?』

 

 

リンディ『ええ、襲撃の事を許して欲しいの…駄目かしら?』

 

 

ルネ『随分勝手ですね?』

 

 

リンディ『都合の言い事を言ってるのはわかっているわ…』

 

 

ルネ『どうしますかマスター?』

 

 

優希「……」

 

 

リンディ『……』

 

 

優希は少し考え…

 

 

優希「次はない…」

 

 

リンディ『!?わかりました。今後こんな事が無い用にします』

 

 

優希「コク」

 

 

リンディは今後、同じ用な事が無い用にする事を優希に誓った。

 

 

優希「ルネ、リナ…ユニゾン解除」

 

 

カッ!

 

 

優希はユニゾンを解除した。

 

 

ルネ「これからどうしますか?」

 

 

優希「荷物を取りに行く…」

 

 

ルネ「わかりました、転移の準備をします」

 

 

ルネが言うと足下に魔法陣が現れた。

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

なのはが優希に近づくが…

 

 

バン!

 

 

なのは「えっ…」

 

 

優希「……」

 

 

優希はなのはに向けてフリーダムを威嚇射撃をした。

 

 

フェイト「優希何を…!!」

 

 

フェイトが優希を見ると優希の目は自分達を敵視していた。

 

 

優希「近づくと…撃つ」

 

 

優希はフェイトにフリーダムを向けた。

 

 

フェイト「どうして!?」

 

 

優希「敵…」

 

 

フェイト「違う!!私達は…」

 

 

優希「誰も味方しなかった…」

 

 

フェイト「ッ!?それは…」

 

 

優希「だから僕も信じない」

 

 

フェイト「そんな!?」

 

 

優希「ルネ…」

 

 

ルネ「準備出来ました」

 

 

優希はフェイトを無視し…

 

 

優希「…サヨナラ」

 

 

なのは「ユウ待って!」

 

 

なのはが優希に近づくが…

 

 

優希「サヨナラ、なの姉」

 

 

なのは「!!」

 

 

転移して消えた。

 

 

 

 

なのは「そ…ん…な…ユウ~!!」

 

 

そしてなのはは、その場に泣き崩れた。

 

 

優希が機動六課を去ってから一週間。機動六課のメンバーは優希の行方を捜したが全く掴めずにいた。

 

 

はやて「フェイトちゃん、どやった?」

 

 

フェイト「駄目。全く手がかりがない…」

 

 

はやて「そっか…なのはちゃんはどや?」

 

 

フェイト「みんなの前では普通にしているけど…」

 

 

はやて「やっぱり少し休ませた方がええなぁ…」

 

 

フェイト「うん…」

 

 

はやてとフェイトも優希が居なくなったのが辛く、悲しい表情をしていた。

 

 

アリサ「失礼します」

 

 

すずか「失礼します」

 

 

フェイト達が話しているとアリサ達が部隊長室に入ってきた。

 

 

はやて「2人ともどうしたん?」

 

 

アリサ「そっちはどう?」

 

 

すずか「優希君について何かわかった?」

 

 

フェイト「……」

 

 

はやて「……」

 

 

アリサ「そう…」

 

 

アリサ達ははやて達の反応を見て悟った。

 

 

はやて「みんなも少し休んでや?」

 

 

フェイト「でも…」

 

 

すずか「フェイトちゃん、少し休も?」

 

 

すずかもはやての意見に賛成しフェイトを休ませようとした。

 

 

アリサ「フェイト。アンタも少し休みなさい。私達の中で一番動いているんだから」

 

 

フェイト「わかった…」

 

 

フェイトはみんなに言われて納得をし休む事にした。

 

 

フェイト「ふぅ~…」

 

 

フェイトは気分転換をする為、外を歩いていたが…

 

 

フェイト「優希…」

 

 

優希の事を考えてしまうようだった。

 

 

ガサガサ

 

 

フェイト「ん?」

 

 

白猫「……」

 

 

フェイトが音のした方を見ると小さな巾着袋をくわえた白い子猫がいた。

 

 

フェイト「ん?何をくわえてるの?」

 

 

フェイトが屈むと子猫はくわえていた袋をフェイトの前に置いた。

 

 

フェイト「何?」

 

 

フェイトが袋を開けると中に紙切れが入っていた。

 

 

フェイト「これは!?」

 

 

フェイトが紙切れを見ると…

 

 

-もし僕に会いたいならその猫に付いて来て。優希-

 

 

フェイト「えっ!?」

 

 

フェイトが猫を見ると…

 

 

タタタタ

 

 

猫は既に走り出していた。

 

 

フェイト「待って!」

 

 

フェイトも慌てて子猫を追い掛けた。

 

 

フェイト「ハァハァハァ…」

 

 

白猫「……」

 

フェイトは白猫を追いかけ、六課から少し離れてしまっていた。

 

 

フェイト「ここは?」

 

 

フェイトが辺りを見回すと人気の少ない公園だった。

 

 

フェイト「ねぇ、優希はここにいるの?」

 

 

フェイトが白猫に話しかけると…

 

 

白猫?「…何で僕を捜してるの?」

 

 

フェイト「えっ!?」

 

 

カッ!

 

 

白猫が光ると、光は人の形になり中から青年の優希が出て来た。

 

 

フェイト「優希!」

 

 

優希「何で捜してるの?」

 

 

フェイト「みんな心配してるよ?戻ろう?」

 

 

優希「戻らない」

 

 

フェイト「どうして!?」

 

 

フェイトは優希の返答に納得がいかず優希に詰め寄った。

 

 

優希「誰も信じてくれなかった…」

 

 

フェイト「そ、それは…」

 

 

優希「だから戻らない」

 

 

優希はフェイトから離れて去ろうとするが…

 

 

フェイト「待って!なのはに会って…」

 

 

優希「会う気ない」

 

 

フェイト「そんな!?」

 

 

優希「もう行く」

 

 

フェイト「優希!」

 

 

優希「じゃあね、フェイ姉…」

 

 

優希はそのまま歩いて何処かへ消えた。

 

 

フェイト「優希…」

 

 

フェイトも優希を止める事が出来ずに見送った。

 

 

はやて「そっか…」

 

 

フェイト「はやて、ごめん…優希を説得出来なかった」

 

 

フェイトは先程の優希との接触の事を話した。

 

 

はやて「フェイトちゃんの所為やあらへん。ウチらにも責任はあるんやから…」

 

 

アリサ「そうよ、それにまた捜せばいいわよ」

 

 

すずか「だから気にしないで?」

 

 

はやて「今日は休んで明日から頑張ろ?」

 

 

すずか「そうだね、優希君を見つけてもう一度話さなきゃ!」

 

 

フェイト「そうだね、なのはの為にも」

 

 

アリサ「じゃあ明日から又頑張るわよ?」

 

 

4人「おぉ~!!」

 

 

4人は優希を捜すの一からやり直し、そして見つけ出す決意をした。

 

 

 

はやて「そう言えば気になってたんやけど…」

 

 

すずか「どうしたの?」

 

 

はやて「何時どうやって優希君と婚約したん?」

 

 

すずか「私達が十六になったときだよ」

 

 

アリサ「あぁ…それと優希の説得は、優希にドーナツを沢山貢いだのよ」

 

 

フェイト「それだけで!?」

 

 

アリサ「優希が理解する頃にはもう手遅れね」

 

 

はやて「桃子さんはどうやって?」

 

 

すずか「そっちは、【お母さんと呼ばせて下さい】ってストレートに」

 

 

はやて「そんなんあり!?」

 

 

アリサ「根回しもバッチリよ」

 

 

すずか「それに一夫多妻がある世界も見つけてあるしね」

 

 

ここでフェイトがある事に気付いた。

 

 

フェイト「でも婚約…解消されるんじゃ…」

 

 

アリサ、すずか「……ハッ!!」

 

 

はやて「残念やったね♪」

 

 

アリサ「ちょっと裏に行きましょ?は・や・て?」

 

 

すずか「たまには三人で【お話】しよう?」

 

 

はやて「フェイトちゃん!助け…」

 

 

シーン

 

 

既にフェイトは逃げ出していた。

 

 

はやて「誰か〜!?助けて〜!」

 

 

はやての悲しい叫びが六課に響き渡った。

 

 

 



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もう一人の王
第64話


 

 

クロノ「集まったか」

 

 

はやて「集まったでクロノ君」

 

 

 

 

クロノの前には機動六課の隊長陣とヴォルケンリッターが集まっていた。

 

 

クロノ「実は君達に任務が来てる」

 

 

はやて「任務?」

 

 

なのは「場所は?」

 

 

クロノ「地球の初音島だ」

 

 

なのは「地球!?」

 

 

フェイト「最近戻ってなかったけど…何か様変わりしたんだよね?」

 

 

アリサ「えぇ。何でも【門】というのが開いたらしく神界と魔界に繋がったらしいわよ」

 

 

すずか「一部の地域では魔法が親しまれてきているみたい」

 

 

アリサ「アンタ達は全然戻ってこないからわからないわよね」

 

 

なのは「アハハ…」

 

 

はやて「それで任務やけど…」

 

 

クロノ「神界と魔界の王族のお姫様と婚約者の護衛。それと調査をしてもらいたい」

 

 

フェイト「護衛は分かるけど調査?」

 

 

クロノ「ああ、高い魔力反応がある。ロストロギアの可能性がある」

 

 

アリサ「私達が呼ばれた理由は?」

 

 

すずか「聞く限りだと私達は必要無いのでは?」

 

 

アリサ達は自分達が呼ばれた理由がわからなかった。

 

 

クロノ「優希の反応が地球で確認された」

 

 

全員「!!」

 

 

なのは「クロノ君本当!?」

 

 

クロノ「ああ、微弱だが確認された」

 

 

クロノは優希の手掛かりを話した。

 

 

クロノ「それともう1つ。カリムから新しい予言が出たそうだ」

 

 

はやて「予言が?」

 

 

クロノ「ああ。内容は【4つの獣暴れし時、5つ目の獣が目覚め、無限の力を持ちし者を王へと覚醒せん】だ…」

 

 

なのは「それって…」

 

 

クロノ「ああ、優希の事だろう」

 

 

フェイト「王って?」

 

 

クロノ「わからん、とにかく優希を見つけてくれ」

 

 

アリサ「すずか…」

 

 

すずか「うん…」

 

 

クロノ「皆行ってくれるな?」

 

 

全員「うん(ああ、はい)」

 

 

全員はクロノに返事をした。

 

 

ー地球ー

 

 

はやて「確かこの辺やけど…」

 

 

すぐさま地球にやって来たはやて達だが地図を見ながらキョロキョロしていた。

 

 

アリサ「はやて大丈夫なの?」

 

 

すずか「誰かに聞いた方が…」

 

 

はやて「そやね…あ!すいませ~ん!」

 

 

はやては近くにいた女性に声をかけた。

 

 

?「はい?」

 

 

はやて「すいません、この住所を探しているんですけど…」

 

 

?「えっと…ここなら家の隣なんで案内しますね」

 

 

はやて「ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「こちらですよ」

 

 

はやて「ありがとうございます」

 

 

?「いえ、じゃあ失礼します」

 

 

女性は挨拶をして去っていった。

 

 

はやて「ほなら…」

 

 

ピンポーン

 

 

 

?「どちら様かな?」

 

 

インターホンを押すと耳が細長い長身の男性が出て来た。

 

 

はやて「時空管理局の者です」

 

 

?「待ってたよ、さぁ中に入ってくれるかい?」

 

 

はやて「はい」

 

 

はやて達は男性の後に続いて中に入っていった。

 

 

はやて達は屋敷の中に入り各々がテーブルに座り、ヴァルケンリッター達は立っていた。向かい側には先程の男性と隣にガタいのいい男性が座っていた。

 

 

?「さて、まずは自己紹介だね。私の名前はフォーベシー、魔界の王をしている」

 

 

?2「次は俺だな?俺はユーストマ。神界の王をやっている」

 

 

魔王の隣に座っていた男性が立ち上がった。

 

 

魔王「さて、君達は任務の内容は聞いているのかな?」

 

 

はやて「はい、娘さんと婚約者の護衛と…」

 

 

神王「おう、家のシアと…」

 

 

魔王「ネリネちゃんだよ」

 

 

フェイト「婚約者の名前は?」

 

 

魔王「土見稟と言う一般人だよ」

 

 

なのは「一般人…ですか?」

 

 

神王「ああ、そうだ。俺達はシア達が選んだ相手と結婚させたい」

 

 

魔王「ただ、それが原因で反神魔王派に狙われてしまってね」

 

 

魔王は稟が狙われている訳を話した。

 

 

はやて「わかりました。ですが護衛なら私達以外でも良かったのでは?」

 

 

はやては疑問に思っていた事を尋ねた。

 

 

魔王「これを見てくれるかい?」

 

 

魔王ははやて達に写真を見せた。

 

 

なのは「これって…ガジェット!?」

 

 

神王「そうだ。おめえさん達の方がこれに詳しいはずだ」

 

 

なのは達は意外な物が出て来た事に驚いていた。

 

 

魔王「それと、これも見てくれるかい?」

 

 

魔王はもう一枚出した。そこに写っていたのは…

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

写真を見ると写っていたのは小さな優希だった。

 

 

魔王「知っているのかい?」

 

 

なのは「私の弟です…」

 

 

魔王「そうか、先日この機械が光陽町に向かっている最中に、この子に撃墜されたんだよ」

 

 

なのは「ユウが?」

 

 

フェイト「でもどうして?」

 

 

はやて「他に何かありませんか?」

 

 

魔王「そうだね、後は海鳴市の方から来た位かな?」

 

 

はやて「もしかして…」

 

 

神王「何かわかったのか?」

 

 

なのは「はやてちゃん?」

 

 

はやて「多分やけど海鳴市を守ろうとしたんやと思う」

 

 

魔王「何故だい?」

 

 

なのは「海鳴市は私達が育った町なんです」

 

 

神王「なるほどな」

 

 

魔王「それなら納得出来るね。さて…」

 

 

魔王の表情が変わった瞬間…

 

 

ビュン!

 

 

バリーン!

 

 

小さな魔力玉を窓に向かって放った。

 

 

はやて「魔王様!?」

 

 

魔王「先程から盗み聞きしていたからね」

 

 

なのは「えっ!?」

 

 

皆が外を見ると…

 

 

白猫「……」

 

 

タッ

 

 

フェイト「!!待って!」

 

 

はやて「フェイトちゃん!?」

 

 

フェイト「はやて、ちょっと行ってくる!」

 

 

すずか「フェイトちゃん待って!」

 

 

フェイトが外に向かって行き、すずかもそれを追った。

 



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第65話

 

 

フェイト「確かこの辺に来たはず…」

 

 

フェイトは近くの河原まで来ていた。

 

 

すずか「フェイトちゃん一体どうしたの?」

 

 

すずかがフェイトに声をかけると…

 

 

フェイト「優希いるんでしょ!?出て来て!!」

 

 

すずか「えっ…」

 

 

フェイトが叫ぶと…

 

 

ガサガサ

 

 

白猫「……」

 

 

左前脚を怪我した白猫、もとい優希が出て来た。

 

 

カッ!

 

 

優希「フェイ姉…」

 

 

優希は子供の姿になった。

 

 

フェイト「優希!」

 

 

フェイトが優希に近づこうとしたが…

 

 

カチャ

 

 

優希「……」

 

 

フリーダムを構え…

 

 

すずか「優希君!?」

 

 

優希「来るな…」

 

 

優希は拒んだ。

 

 

フェイト「撃ちたかったら撃って」

 

 

フェイトは優希に近づいていった。

 

 

優希「!?」

 

 

カチャ

 

 

優希がフリーダムを構えるが…

 

 

フェイト「……」

 

 

フェイトは気にせずに近づいた。

 

 

優希「……」

 

 

スゥ…

 

 

優希は構えを解いた。

 

 

ヒョイ

 

 

フェイト「優希、怪我した所を見せて?」

 

 

フェイトは優希を抱っこし近くにあったベンチに座った。

 

 

優希「……」

 

 

優希は左手を見せた。

 

 

フェイト「じっとしててね」

 

 

フェイトはハンカチを取り出し優希の腕に巻いた。

 

 

優希「…ありがとう」

 

 

フェイト「どういたしまして♪」

 

 

すずか「優希君…」

 

 

すずかが優希に近づいてきた。

 

 

優希「……」

 

 

すずか「ごめんなさい!」

 

 

優希「!?」

 

 

すずかは優希に謝りだした。

 

 

すずか「謝ってすむ事じゃないけど、ごめんなさい!」

 

 

優希「……」

 

 

すずか「優希君…」

 

 

優希「今回だけ…」

 

 

すずか「ありがとう優希君…」

 

 

優希「帰る」

 

 

すずか「優希君、私達と一緒…」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

優希はすずか言い終わる前に返事をした。

 

 

すずか「又会える?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は返事をせず…

 

 

ポイッ

 

 

すずか「えっ?」

 

 

すずかに向かって何かを投げ、優希はそのまま去っていった。

 

 

すずか「これは…」

 

 

すずかは優希が投げた物を見ると、待機状態のウンディーネだった。

 

 

すずか「ウンディーネ!?」

 

 

ウンディ「お久しぶりです、すずか様」

 

 

すずか「どうして…?」

 

 

ウンディ「優希様がすずか様を許されたからだと思います」

 

 

すずか「そっか…♪」

 

 

すずかはウンディーネの言葉を聞き喜びがこみ上げてきた。

 

 

フェイト「すずか、戻ろ?」

 

 

すずか「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はやて「フェイトちゃん!何してたん?」

 

 

フェイト「はやてごめん、所で皆は何でここに?」

 

 

フェイト達が戻ろうとしていると、途中ではやて達と合流した。

 

 

はやて「実は…」

 

 

はやてから大変な事が告げられる。

 

 

フェ、すず「ええ~!?泊まる所がない!?」

 

はやて「そうなんよ…」

 

 

はやて達は光陽町に来たまでは良かったのだが、泊まる所が用意されていなかった。

 

 

なのは「どうするのはやてちゃん?」

 

 

アリサ「海鳴市までは二駅も先よ?」

 

 

シグナム「歩いて向かいますか?」

 

 

ヴィータ「マジでか?」

 

 

なのは達が話し合っているのを少し離れた場所で見ている者がいた。

 

 

優希「…無計画?」

 

 

リナ「そうみたい」

 

 

優希とリナが見ていた。

 

 

リナ「どうする?」

 

 

優希「…助ける」

 

 

優希は左手を見ながら言った。

 

 

リナ「後でルネちゃんに怒られるよ?」

 

 

優希「(泣)」ウルウル

 

 

リナ「うっ、私も手伝ってあげるからそんな目で見ないで///」

 

 

リナは優希の潤んだ目を見て顔を真っ赤にしていた。

 

 

優希「……」コク

 

 

リナ「優希ちゃん、誰に嘘泣き教わったの?」

 

 

優希「?ママ」

 

 

リナ「桃子さん…」

 

 

リナは桃子に対して初めて恨めしく思った。

 

 

はやて「どないしょう…」

 

 

はやてが悩んでいると…

 

 

ガサガサ

 

 

白猫「……」

 

 

なのは「さっきの…」

 

 

白猫「ミ~」

 

 

優希はフェイトに向かって鳴いた。

 

 

フェイト「なに?」

 

 

フェイトがしゃがむと…

 

 

クイッ

 

 

フェイトの袖を引っ張った。

 

 

フェイト「ついて来いって言ってるの…?」

 

 

フェイトが尋ねると…

 

 

タッ

 

 

優希は走り出した。

 

 

フェイト「追いかけよう!」

 

 

はやて「ちょっ!?フェイトちゃん!」

 

 

フェイトを先頭になのは達は優希(白猫)を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「ここは?」

 

 

アリサ「誰の家よ?」

 

 

表札を見ると…

 

 

-高町-

 

 

全員?「っ!?」

 

 

はやて「なのはちゃん!」

 

 

はやてがなのはに聞こうとしたが………いなかった。

 

 

シャマル「はやてちゃん、あちらに…」

 

 

シャマルが指差した方を見ると…

 

 

なのは「ハァハァハァ…」

 

 

なのはが壁伝いに歩いてきて…

 

 

なのは「みんな、酷い、よ~…」

 

 

疲れ果てていた。

 

 

なのは「高…町…」

 

 

なのはも表札を見て驚いていた。

 

 

はやて「なのはちゃんも知らんかったみたいやね」

 

 

チリ~ン

 

 

フェイト「ん?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は鍵をくわえてフェイトに近寄った。

 

 

優希『…使って』

 

 

フェイト『いいの?』

 

 

優希は念話でフェイトに話しかけた。

 

 

優希「ミ~」

 

 

優希は鍵を置き、一度鳴くとそのまま去っていった。

 

 

フェイト「とにかく入ろう?」

 

 

フェイトはみんなに声をかけ、中に入った。

 

 

はやて「フェイトちゃん、ここが誰の家か知ってると違う?」

 

 

フェイト「……」

 

 

フェイトは少し考え…

 

 

フェイト「はやては気付いているんじゃない?」

 

 

はやて「!!ならやっぱり…ここは優希君の家」

 

 

なの、アリ「!?」

 

 

はやての発言になのはとアリサが反応した。

 

 

なのは「本当なの?」

 

 

はやて「ウチらの知り合いで高町言うたら優希君しかおらへん」

 

 

フェイト「はやての言う通り、ここを貸してくれたのは優希だよ」

 

 

なのは「フェイトちゃん!ユウは!?」

 

 

なのはがフェイトに詰め寄った。

 

 

フェイト「ごめんなのは。私もわからない」

 

 

なのは「そっか…」

 

 

なのはは優希に会えないと分かると落胆した。

 

 

はやて「ほなら明日からのウチらの行動を決めるで」

 

 

はやて以外「……」

 

 

はやて「まず高い魔力反応の調査をシグナム達に…」

 

 

シグナム「わかりました」

 

 

ヴィータ「任せてはやて」

 

 

シャマル「はい」

 

 

ザフィーラ「……」

 

 

シグナム達が返事をし…

 

 

はやて「ウチら隊長陣はお姫様と婚約者の護衛や」

 

 

なのは「でもどうやって?」

 

 

はやて「ウチらも学校に通って身辺警護をするで」

 

 

フェイト「学校に?」

 

 

はやて「そや、今魔王様達が手続きをしてくれてる」

 

 

アリサ「それでいつから?」

 

 

はやて「明日からや」

 

 

すずか「制服とかは?」

 

 

はやて「それも魔王様が用意してくれとる」

 

 

はやては淡々と話して言った。

 

 

はやて「後、今はデバイスが無いから無理はせんといてな?」

 

 

全員のデバイスは先の戦いでかなりのダメージがあった為、現在は管理局でメンテナンス中。終わり次第FW陣が持ってくる予定になっている。

 

 

はやて「ほな明日からみんなお願い」

 

 

全員「了解!」

 

 

こうして機動六課の新しい任務が始まった。

 



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第66話

なのは「ここが…」

 

 

フェイト「風見…」

 

 

はやて「バーベナ…」

 

 

アリサ「学園…」

 

 

すずか「大きいね…」

 

 

5人が驚いていると…

 

 

男子集団「待て~!!土見稟~!!桜井義之~!!」

 

 

稟「待つか!」

 

 

義之「全くだ!」

 

 

2人の男子が男子集団に追われている逆鬼ごっこを見た。

 

 

なのは「何…あれ?」

 

 

フェイト「さぁ?」

 

 

はやて「とにかく職員室に行こか?」

 

 

すずか「そうだね」

 

 

アリサ「行くわよ」

 

 

なのは達は職員室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅女史「私が担任の紅薔薇撫子です。あなた方の事は神王様達から伺っています」

 

 

はやて「よろしくお願いします。後、私達は生徒になるので扱いは他の生徒と一緒に…」

 

 

紅女史「わかりました。では時間になったので教室に行くぞ」

 

 

なのは達「はい!」

 

 

麻弓「ビッグニュースなのですよ~!!」

 

 

麻弓が叫びながら教室に入って来た。

 

 

シア「どうしたの麻弓ちゃん?」

 

 

麻弓「転校生が来るのですよ!」

 

 

ネリネ「転校生ですか?」

 

 

楓「随分半端な時期ですね」

 

 

茜「うーん…訳ありかな?」

 

 

小恋「でも4月に転校は変だよ」

 

 

杏「私達が考えるだけ無駄よ。杉並は何か知ってるんじゃない?」

 

 

みんなが1人男子生徒を見た。

 

 

杉並「いや、今回は俺の情報網にも引っかからなかったのでな。俺にもわからん」

 

 

ななか「それで転校生は男子?それとも女子?」

 

 

ななかが麻弓に聞くと…

 

 

麻弓「転校生は「女子だね!!」…」

 

 

緑葉「俺様の美少女センサーが反応している!しかも極上だね!!」

 

 

茜「麻弓ちゃんそうなの?」

 

 

麻弓「残念ながら当たりなのですよ~」

 

 

麻弓達が話していると…

 

 

ガラガラ

 

 

紅女史「全員席つけ~!座らない奴は校庭50週だぞ?」

 

 

紅女史が入って来たと同時に生徒達は座り…

 

麻弓「なっちゃん!早く転校生を!!」

 

 

紅女史「全く、もう広まっているのか…緑葉!」

 

 

緑葉「何ですか紅女史?」

 

 

紅女史「騒いだらわかっているな?」

 

 

緑葉「安心して下さい紅女史!」

 

 

紅女史「ハァ…よし入って来い」

 

 

ガラガラ

 

 

男子生徒達「おぉ~!」

 

 

なのは達が入って来ると歓声が上がり、「春が来た~!」「女神だ~!」とか騒ぎ出した。

 

 

紅女史「静かにしろ~!」

 

 

シ~ン

 

 

紅女史の一言で生徒達は静かになった。

 

 

紅女史「よし、自己紹介をしろ」

 

 

なのは達が一歩前にでて…

 

 

なのは「高町なのはです」

 

 

フェイト「フェイト・T・ハラオワンです」

 

 

はやて「八神はやてです」

 

 

アリサ「アリサ・バニングスよ」

 

 

すずか「月村すずかです」

 

 

なのは達「よろしくお願いします」

 

 

男子生徒達「お願いされちゃいま~す!!」

 

 

杏「馬鹿ばかりね」

 

 

緑葉「お嬢さん方、俺様と…」

 

 

緑葉がなのは達に近づくと…

 

 

紅女史「麻弓」

 

 

麻弓「はいなのですよ~♪エビフリャ~」

 

 

緑葉「グェ…」

 

 

緑葉は麻弓のロープで簀巻きにされ、なのは達は唖然と見ていた。

 

 

紅女史「一限目は私の時間だが自習にする。麻弓、杉並、後は任せるが騒ぐなよ?」

 

 

麻弓「お任せなのですよ」

 

 

杉並「了解した」

 

 

紅女史は教室を出て行き…

 

 

麻弓「さぁ、質問タイムなのですよ~♪」

 

 

こうして麻弓の質問責めが始まった。

 

 

昼休み。なのは達は土見ラバーズ、桜井ラバーズと屋上で一緒に昼食を食べていた。

 

 

土見ラバーズ「稟(君、様、ちゃん)ア~ン」

 

 

稟「……」

 

 

桜井ラバーズ「義之(君、弟君、兄さん)ア~ン」

 

 

義之「……」

 

 

なのは「えっと…」

 

 

はやて「凄い光景やね…」

 

 

なのは達が驚いていて…

 

 

緑葉「稟、義之。殴っていいかい?床が赤く染まる程激しく!」

 

 

稟、義之「断る!!」

 

 

緑葉の嫉妬が全開になっていた。

 

 

麻弓「そう言えばなのはちゃん達に一つ聞き忘れてたのですよ」

 

 

なのは「なに?」

 

 

麻弓「ズバリ、彼氏はいるのですか!?もしくは好きな人!」

 

 

麻弓が聞いた瞬間…

 

 

ピシッ!

 

 

場の空気が凍った。

 

 

なの、はや、アリ「……」

 

 

緑葉「麻弓どうする気だい!?」ボソボソ

 

 

麻弓「私もこんな空気になるとは予想してなかったのですよ~(泣)」ボソボソ

 

 

フェイト「えっと」

 

 

すずか「みんな元気出して、ね?」

 

 

フェイトはフォローに困り、すずかは元気付けようとしていた。すると…

 

 

ドーーン!!

 

 

なのは達「!?」

 

 

校庭で爆発がおきた。

 

 

なのは「なに!?」

 

 

なのは達が校庭を見ると数十体のガジェットがいた。

 

 

フェイト「はやて!」

 

 

はやて『あかん!今のウチらじゃ何もでけへん。他の生徒達だけでも避難させるんや!』

 

 

はやてがなのは達に念話で指示を出していると…

 

 

紅女史『全校生徒に告ぐ、速やかに体育館に避難しなさい!』

 

 

紅女史が放送で生徒達に呼びかけるが…

 

 

はやて『駄目や、避難が間に合わん…何とかせんと』

 

 

はやてが悩んでいると…

 

 

すずか『はやてちゃん、私が時間を稼ぐよ』

 

 

はやて『すずかちゃん何言うてんの!?デバイスが無いと…』

 

 

すずか『デバイスならあるよ』

 

 

すずかはウンディーネを見せた。

 

 

アリサ『ちょっとすずか!?何でウンディーネを持ってるのよ!!』

 

 

すずか『昨日優希君に会ってもう一度貰ったの』

 

 

なのは『ユウに会ったの!?』

 

 

すずか『うん、詳しい事は後で話すね?はやてちゃん!』

 

 

はやて『わかった、無理せんといてな?』

 

 

すずか『うん』

 

 

すずかは走り出し…

 

 

すずか「ウンディーネ、セットアップ!」

 

 

ウンディ「はい、すずか様」

 

 

すずかはバリアジャケットを纏いガジェットに向かっていった。

 

 

すずか「アクアシューター!」

 

 

すずかは校舎を守りながらガジェットを撃墜しているが数が多い為苦戦していた。

 

 

ガジェット「……」

 

 

ビュン!ビュン!

 

 

すずか「ッ!?ウンディーネ、セカンドフォーム!」

 

 

ウンディ「了解」

 

 

すずかはウンディーネを薙刀に変え近づいてきたガジェットを切っていた。

 

 

 

 

稟「あれは一体?」

 

 

緑葉「あれは確か管理局のデバイスのはずだよ」

 

 

義之「デバイス?」

 

 

緑葉「魔法の補助をする武器みたいな物だよ」

 

 

麻弓「でもどうしてすずかちゃんが?」

 

 

緑葉「それは俺様に聞くより…」

 

 

緑葉はそう言うとなのは達を見た。

 

 

なのは「はやてちゃん…」

 

 

はやて「みんな、後で説明するから今は…」

 

 

避難してと言おうとしたが…

 

 

ドーーン!!

 

 

校庭で爆発がおきた。

 

 

シア「あれ!」

 

 

シアが指差した方を見ると…

 

 

すずか「ッ…」

 

 

ボロボロになったすずかが膝を着いており、右足から血を流していた。

 

 

アリサ「すずか!」

 

 

すずか「ウンディーネ、まだいける?」

 

 

ウンディ「私は平気ですがすずか様が…」

 

 

すずかは立つことが出来ず、ガジェットがすずかを包囲して…

 

 

ドーーン!!

 

 

ビームを放った。

 

 

フェイト「すずか!!」

 

 

フェイトが叫び皆が校庭を見ると煙りが晴れ、すずかがいた所に黒い半球体があった。

 

 

ネリネ「あれは一体?」

 

 

皆が見ていると…

 

 

バサッ!

 

 

優希「……」

 

 

なのは達「!!」

 

 

黒い半球体は中から出てきた優希のマントになり、すずかを守った。

 

 

すずか「優希…君?」

 

 

優希「すず姉…大丈夫?」

 

 

すずか「助けてくれたの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くと周りを見て…

 

 

優希「うじゃうじゃ…」

 

 

8、1、9、OK

 

 

1、0、7、OK

 

 

電子手帳を取り出し番号を入力した。

 

 

優希「すず姉、立てる?」

 

 

すずか「ちょっと無理かな…」

 

 

優希「ルネ」

 

 

ルネ「はい」

 

 

すずかの状態を見て優希はルネに話し掛けた。

 

 

優希「ここお願い」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

ルネは返事をするとガジェットに向かっていった。

 

 

優希「……」

 

 

カッ!

 

 

優希「リナ、朱雀フォーム」

 

 

リナ「うん♪」

 

 

すずか「えっ!?キャッ///」

 

 

優希は本来の姿になりリナとユニゾンすると、すずかをお姫様抱っこし校舎の屋上に飛んでいった。

 

 

スタッ

 

 

すずか「ありがとう、優希君」

 

 

アリサ「すずか!!」

 

 

優希がすずかを下ろすとアリサ達が近寄った。

 

 

なのは「ユウ…」

 

 

なのはは優希に近寄るが何て声かけたらいいのか悩んだ。

 

 

優希「ガジェットは引き受ける」

 

 

優希がそう言うと…

 

 

はやて「!!優希君危ない!」

 

 

ガジェットが優希に迫っていた。が…

 

 

ガガガガガガ!

 

 

ドーーン!!

 

 

ビュン!

 

 

破壊され黒い物体が通り過ぎていった。

 

 

なのは「何…今の?」

 

 

優希「…ソニックファルコン」

 

 

なのは「ソニックファルコン?」

 

 

優希が校庭を見ると、ロードチェイサーも来ておりルネと一緒にガジェットと交戦していた。

 

 

優希「……」

 

 

カチャ

 

 

優希は朱雀銃を合わせて…

 

 

優希「ルネ!チェイサー!」

 

 

ドン!

 

 

ドォーーン!!

 

 

ルネ達が離れたのを確認すると優希は砲撃を放ちガジェットを一掃した。

 

 

優希「リナ、解除」

 

 

カッ!

 

 

優希はユニゾンを解除し小さい姿になった。

 

 

優希「……」

 

 

優希は踵を返し帰ろうとしたが…

 

 

なのは「ユウ待って!」

 

 

なのはが呼びとめた。

 

 

優希「……」

 

 

優希は一度なのはを見るが、再び歩き出した。が…

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

ギュッ!!

 

 

なのはは膝を着いて優希を抱きしめた。

 

 

なのは「ユウ、お願いだから待って…」

 

 

優希「……」

 

 

優希は振りほどこうとしたが…

 

 

ポタポタ

 

 

優希「!!」

 

 

優希は頬に当たった物を確認すると、なのはの涙だった。

 

 

なのは「ごめんね…ユウの気持ちを考えずに酷い事言ったよね…」

 

 

なのはの目から涙が零れ落ちていた。

 

 

優希「……」

 

 

優希はなのはの方を向き…

 

 

なのは「ユウ…?」

 

 

スッ

 

 

なのはの涙をすくった。

 

 

優希「…泣かないで」

 

 

なのは「…ユウ」

 

 

ギュッ

 

 

なのはは優希を抱きしめた。

 

 

ルネ「マスター」

 

 

優希「ルネ」

 

 

なのはが優希を抱きしめていると、ルネが戻ってきた。

 

 

ルネ「仲直り出来たみたいですね」

 

 

優希「コク」

 

 

優希は頷き…

 

 

優希「なの姉」

 

 

なのは「なに?」

 

 

優希は両手を上げた。

 

 

なのは「うん、わかった♪」

 

 

なのはは優希を抱っこし皆の方に向かった。すると…

 

 

神王「シア~!!」

 

 

魔王「ネリネちゃ~ん!!」

 

 

両王が屋上にやってきた。

 

 

シア、ネリネ「お父(様、さん)!?」

 

 

神王「大丈夫か!?」

 

 

魔王「巨大な魔力を感じて飛んできたんだよ!」

 

 

シア「えっと…」

 

 

ネリネ「その…」

 

 

稟「2人ともどうしたんだ?」

 

 

シア「えっと稟君達はわからないと思うけどね?あの子が大きくなった時にね…」

 

 

ネリネ「魔力がものすごく大きくなったんです」

 

 

義之「それってどれ位にだ?」

 

 

義之が聞くと…

 

 

ネリネ「リムちゃんより遥かに高いです…」

 

 

なのは達を除く全員「!?」

 

 

魔王「だから私たちが来たんだよ」

 

 

そう言うと両王は優希を見た。

 

 

優希「……」

 

 

なのは「えっと…」

 

 

魔王「詳しい事は帰ってから聞こうか?学校がこれではね?」

 

 

校庭は所々に穴が空いており、その日は途中で下校になった。

 



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第67話

 

魔王「さて、まずは彼女達について話すよ」

 

 

魔王の屋敷に着いたメンバーはテーブルに座り、魔王は稟達を見て話し出した。

 

 

魔王「まず彼女達は時空管理局の人達だよ」

 

 

稟「何でそんな人達がここに?」

 

 

神王「それは稟殿達を守る為だ」

 

 

稟「な!?何でですか!?」

 

 

魔王「それは稟ちゃんが両世界の王候補だからだよ。それを良く思わない連中が稟ちゃんを狙う可能性が高いんだよ」

 

 

稟「……」

 

 

稟は自分の知らない所でそんな事になっているとは思わなかった。

 

 

魔王「さて、なら次は君について聞きたいんだけど?」

 

 

両王は優希を見た。

 

 

なのは「この子は高町優希。私の弟です」

 

 

楓「なのはちゃんの弟何ですか?」

 

 

なのは「うん」

 

 

なのははそう言うと膝の上で座っている優希を撫でた。

 

 

魔王「その子の魔力がかなり高いのは何故だい?普通では有り得ない高さだよ?」

 

 

なのは「えっと…」

 

 

なのはが説明に悩んでいると…

 

 

優希「無限の魔力…」

 

 

神王「無限の魔力だと!?」

 

 

魔王「凄いじゃないか!!」

 

 

両王は驚き驚愕した。そして魔王は優希にある提案を出した。

 

 

魔王「良かったら少し体を調べさせてくれないかい?」

 

 

カチャ

 

 

魔王が言い終わった瞬間、優希はフリーダムを構えルネとリナが優希の左右に出てきた。

 

 

神王「どう言うつもりだ?」

 

 

ルネ「マスターを実験の対象にはさせません」

 

 

魔王「そんな事はしないよ。ただ少しデーターが欲しいだけだよ」

 

 

リナ「そんな事させない。優希ちゃんにそういう事をする気なら…」

 

 

カッ!

 

 

ルネはケルベロス形態になり、リナもバリアジャケットを纏った。

 

 

なのは「ちょっと2人とも!?」

 

 

優希はなのはに捕まり立てずにいた。

 

 

ルネK「どうしますか?」

 

 

魔王「わかった、そこまで嫌がるという事は訳があるみたいだね…悪かったね」

 

 

魔王は謝り、優希もフリーダムをしまった。

 

 

魔王「話しはここまでにしようか?」

 

 

魔王がそう言うと、麻弓が突然…

 

 

麻弓「難しい話は終わりにして歓迎会をするのですよ~!!」

 

 

…と言い出した。

 

 

樹「麻弓、急に何を言い出すだい?」

 

 

麻弓「なのはちゃん達の歓迎会をまだやってないのですよ~!!」

 

 

麻弓の一言から歓迎会と言う名の宴会が始まった。

 

 

両王「ア~ハッハッハッハ」

 

 

両王は既に出来上がっていた。

 

 

楓「稟君、大丈夫ですか?」

 

 

小恋「義之も大丈夫?」

 

 

稟「大丈夫だよ…」

 

 

義之「大丈夫だ…」

 

 

2人は両王に飲まされてグロッキーになっていた。

 

 

音姫「かわいいね?私は朝倉音姫って言うの。よろしくね」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ほらユウも挨拶して?」

 

 

なのはが優希を前に出そうとしたが、後ろに隠れて出て来なかった。

 

 

茜「ほら出ておいで~?」

 

 

茜もしゃがんで呼ぶが出てこなかった。

 

 

フェイト「優希、おいで~♪」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希はフェイトに呼ばれるとフェイトに抱きつき、抱っこされた。

 

 

フェイト「ほら優希大丈夫だから、ね?」

 

 

フェイトも優希に他の人に馴れさせる為に、優希を抱っこしたまま音姫と茜に近寄った。

 

 

優希「……」

 

 

優希は恐る恐る音姫の頬に触った。

 

 

フェイト「ね?大丈夫でしょ?」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイトが優希を下ろすと、優希は音姫に近づいて…

 

 

優希「……」

 

 

両手を上げた。

 

 

音姫「えっ?」

 

 

音姫が困っていると…

 

 

なのは「音姫さん、それは優希が触ってもいいって合図なんです」

 

 

音姫「いいの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

音姫は優希に確認し、抱っこした。

 

 

音姫「軽~い♪しかも抱き心地いい♪」

 

 

茜「音姫先輩いい~な~…」

 

 

優希「……」

 

 

優希は茜を見ると、両手を茜に向けた。

 

 

茜「いいの!?」

 

 

音姫「はい、花咲さん」

 

 

音姫は優希を茜に渡した。

 

 

茜「や~ん、かわいい///」

 

 

優希「!?」バタバタ

 

 

杏「茜、苦しがっているわよ」

 

 

茜「あ!ごめんね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

茜は強く抱きしめたのを謝った。

 

 

渉「くそ~!?羨ましいぞ」

 

 

樹「全くだね」

 

 

2人の変人が優希を羨ましく見ていた。

 

 

杏「見ちゃ駄目よ」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希が頷くと…

 

 

茜「かわいい///」ナデナデ

 

 

優希の頭を撫でた。

 

 

リナ「優希ちゃ~ん♪はい♪」

 

 

リナが紙袋を優希に渡し、優希が中を見るとドーナツが入っていた。

 

 

優希「♪♪♪」

 

 

女性陣「///」

 

 

優希が満面の笑顔で食べ始め、女性陣は顔を赤らめていた。

 

 

なのは「ユウ、おいで」

 

 

優希「……」

 

 

優希は茜から離れてなのはの所に戻った。

 

 

稟「そろそろ終わりにしないか?」

 

 

義之「そうだな、明日も学校あるしな」

 

 

2人が言うと周りも納得し片付けを始め解散となった。

 

 

はやて「シグナム、どやった?」

 

 

なのは達は帰って来ると会議を始めた。

 

 

シャマル「島全体に魔力が感知されるので場所が特定出来ないんです」

 

 

はやて「そっか、そうなると難しいな…」

 

 

ヴィータ「はやて達の方はどうだった?」

 

 

フェイト「こっちは…」

 

 

フェイトはガジェットが襲撃してきた事を話した。

 

 

シグナム「やはりデバイスが無いと…」

 

 

デバイスが無い事にシグナムが悩んでいると…

 

 

アリサ「優希、私にイフリートを渡して」

 

 

優希「……」プイ

 

 

アリサの言葉に優希は拒否を示した。

 

 

アリサ「すずかに渡せて私には渡せないの!?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサの言葉に優希は頷いた。

 

 

アリサ「なっ!?」

 

 

すずか「落ち着いてアリサちゃん」

 

 

アリサ「ならいいわよ!アンタ何か知らないから!!」

 

 

アリサは怒り、部屋を出て行った。

 

 

すずか「待ってアリサちゃん!!」

 

 

すずかも追いかけて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すずか「アリサちゃん待って!」

 

 

アリサ「何よ!!」

 

 

アリサは止まりすずかを見た。

 

 

すずか「今のはアリサちゃんが悪いよ」

 

 

アリサ「はぁ!?何でよ!?」

 

 

すずか「優希君に謝った?」

 

 

アリサ「!!」

 

 

アリサはすずかに言われ、優希に謝っていない事に気付いた。

 

 

はやて「優希君、アリサちゃんにデバイスを渡してもらえへん?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

なのは「でもどうしよう、又何時ガジェットが襲って来るか…」

 

 

なのはがそう言うと…

 

 

ティアナ『八神部隊長』

 

 

ティアナから通信が入った。

 

 

はやて「ティアナ、どうしたん?」

 

 

ティアナ『実はデバイスのメンテナンスが終わったんですが、そちらに行くのに次元航行出来る艦が無いんです…』

 

 

はやて「な!?どう言う事や?」

 

 

はやては大きな事件がおきたのか気になった。

 

 

ティアナ『メンテンスやら事件の為に一隻も無いんです…』

 

 

はやて「わかった、兎に角来れるようになったら直ぐこっち向かって来れる?」

 

 

ティアナ『わかりました』

 

 

ティアナからの通信が切れた。

 

 

はやて「弱ったな~…」

 

 

ヴィータ「どうするのはやて?」

 

 

はやて「取りあえず現状で頑張るしかないな」

 

 

はやてがそう言うと…

 

 

優希「……」クイッ

 

 

なのは「なに?」

 

 

優希「出かける」

 

 

なのは「もう夜だよ?どこに行くの?」

 

 

優希「秘密、ルネ」

 

 

ルネ「はい、転移します」

 

 

優希は転移して消えた。

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

なのは達は解らず見送った。

 



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第68話

-???-

 

 

シュン

 

 

優希はルネと一緒に暗い部屋に転移してきた。

 

 

優希「…ラン」

 

 

ラン「優希様!お呼びですか♪」

 

 

優希が呼ぶと部屋が明るくなり1人の女性が出て来た。

 

 

リナ「ランちゃんひっさ~♪」

 

 

ラン「これはリナお姉様、お久しぶりです」

 

 

ルネ「元気にしてましたか?」

 

 

ラン「はい、ルネお姉様もお元気そうで」

 

 

優希「ラン、動ける?」

 

 

ラン「はい、優希様の御命令とあれば何時でも。どちらに向かわれますか?」

 

 

ルネ「管理局の本局まで行ってもらいたいのです」

 

 

ラン「かしこまりました。では優希様。御命令を」

 

 

優希「エタニティ、発進」

 

 

ラン「了解しました。発進します」

 

 

優希が声をかけると部屋が揺れ動き、巨大な戦艦が発進した。

 

 

-四時間後-

 

 

ティアナ「さて弱ったわね?」

 

 

スバル「でも何時行けるかわかんないよ?」

 

 

エリオ「何か方法があれば良いんですけど…」

 

キャロ「あれ?ギンガさん?」

 

 

FW陣が話しているとギンガが慌てた様子でやって来た。

 

 

スバル「ギン姉どうしてここに?」

 

 

ギンガ「捜査資料を届けに来たんだけど、それ所じゃ無くなったのよ」

 

 

ティアナ「何かあったんですか?」

 

 

ギンガ「所属不明の戦艦が本局の直ぐそばで止まっているの」

 

 

スバル「戦艦?」

 

 

エリオ「何でそんなのが?」

 

 

皆が話していると…

 

 

ギュッ

 

 

ギンガ「キャッ!?」

 

 

ギンガの背中に何かくっ付いた。

 

 

ギンガ「な、何!?」

 

 

キャロ「優希さん!?」

 

 

キャロがギンガの背中を見ると優希がいた。

 

 

優希「……」

 

 

ティアナ「何で優希がここにいるの?」

 

 

スバル「ほら優希離れて?」

 

 

スバルはギンガの背中から優希を引き剥がし、抱っこした。

 

 

エリオ「優希さんが何でここに?」

 

 

優希「迎えに来た」

 

 

ティアナ「迎えに?」

 

 

優希「……」コク

 

 

スバル「でもどうやって?管理局の艦は無いんだよ?」

 

 

優希「…自分の」

 

 

優希の発言に…

 

 

ティアナ「優希、もしかして所属不明の艦ってまさか…」

 

 

優希「……」コク

 

 

ティアナ「やっぱり…」

 

 

ティアナは自分の感が当たり、頭を抑えた。

 

 

ティアナ「兎に角ここから離れた方が良さそうね」

 

 

スバル「そうだね、優希何とか出来る?

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くと…

 

 

優希「ルネ、転移」

 

 

ルネ「はい、マスター」

 

 

ルネが返事をすると優希達は転移した。

 

 

シュン

 

 

エリオ「ここは?」

 

 

優希「戦艦の中…」

 

 

キャロ「中ですか?」

 

 

エリオ達が優希に聞いていると…

 

 

ギンガ「何で私まで?」

 

 

 

ギンガも連れて来られた。

 

 

優希「戦力」

 

 

ギンガ「えっ?」

 

 

ギンガが聞こうとしたが…

 

 

優希「ラン…」

 

 

ラン「はい、優希様♪」

 

 

ギンガ、FW陣「!?」

 

 

ギンガとFW陣は見知らぬ女性が突然現れたのに驚いた。

 

 

優希「帰る」

 

 

ラン「かしこまりました、エタニティ発進します」

 

 

エタニティは本局から離れ、地球に戻って行った。

 

 

-優希邸-

 

 

なのは「う~…」

 

 

すずか「眠いよ~…」

 

 

アリサ「アンタ達ずっと起きてたの?」

 

 

なのは「ユウが帰って来ないんだよ!?」

 

 

すずか「心配で寝てられないよ…」

 

 

はやて「完全な姉馬鹿やね…そう言えばフェイトちゃんはどうしたん?」

 

 

はやてが周りを見ると…

 

 

フェイト「シグナム放して!」

 

 

シグナム「落ち着けテスタロッサ!!」

 

 

フェイト「優希が誘拐されたかもしれないんですよ!?」

 

 

ヴィータ「優希なら大丈夫だって!」

 

 

シャマル「ルネちゃん達も付いているんですから!」

 

 

シグナム達に取り押さえられていた。

 

 

はやて「あっちも重症やな…」

 

 

はやてが呆れていると…

 

 

シュン

 

 

優希「……」

 

 

優希がギンガとFW陣を連れて戻って来た。

 

 

なの、フェ、すず「優希(君、ユウ)!!」

 

 

ギュッ

 

 

なのは「何処に行ってたの心配したんだよ!?」

 

 

優希はなのはに抱き締められた。

 

 

優希「連れて来た」

 

 

優希はFW陣を指差した。

 

 

フェイト「連れて来てくれたの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは「ありがとうユウ」

 

 

ナデナデ

 

 

なのはは優希の頭を撫でているが、優希の一言に固まった。

 

 

優希「学校は?」

 

 

なのは達「…あっ!!」

 

 

なのは達が時計を見ると…

 

 

8時5分

 

 

なのは「遅刻~!?」

 

 

ドタバタドタバタ!!

 

 

なのは達は慌ただしく出て行き…

 

 

優希「……」

 

 

ギンガ「私はどうしたらいいの?」

 

 

FW陣はシグナム達と一緒に調査に向かい、ギンガは1人残されていた。

 

 

優希「……」

 

 

ギンガ「優希?」

 

 

優希は1人で部屋を出て行ったので、ギンガも後を追った。

 

 

優希「……」ゴソゴソ

 

 

優希はキッチンに着くと冷蔵庫をあさりだした。

 

 

ギンガ「優希お腹空いたの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ギンガ「ちょっと待ってね?」

 

 

ギンガは冷蔵庫の中を見ると…

 

 

ギンガ「う~ん、チャーハン位なら作れるから食べる?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ギンガ「ちょっと待ってて。すぐに作ってあげるから」

 

 

ギンガはそう言うと材料を取り出し、料理を始めた。

 

 

優希「……」

 

 

優希も椅子に座り大人しく待っていた。

 

 

ギンガ「はい、どうぞ」

 

 

ギンガはチャーハンを優希の前に置いた。

 

 

優希「……」

 

 

優希は手を合わせて食べ始めた。

 

 

優希「……」

 

 

ギンガ「ねぇ優希、どこに行くの?」

 

 

食事を終えた優希は商店街をルネに乗り歩いていた。

 

 

優希「……」

 

 

優希が服屋を指差した。

 

 

ギンガ「服屋さん?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くとギンガに財布を差し出した。

 

 

ギンガ「えっ?」

 

 

ギンガが戸惑っていると…

 

 

ルネ「ギンガ様は変えの服が無いのでそのお金で用意して下さい」

 

 

ギンガ「えっ、でも…」

 

 

ギンガは断ろうとするが…

 

 

優希「こっちのお金ある?」

 

 

ギンガ「あっ…」

 

 

ギンガは優希に言われ、こちらの世界のお金を持っていない事に気付いた。

 

 

ルネ「そういう事ですから使って下さい」

 

 

ギンガ「うん、ありがとう」

 

 

ギンガは優希にお礼を言うと店の中に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギンガ「ありがとう優希」

 

 

ギンガは一時間程見て何着か洋服を買った。

 

 

優希「……」コク

 

 

優希が返事をすると…

 

 

ルネ「マスター、戦闘反応がありますが?」

 

 

優希「……」

 

 

ギンガ「戦闘反応!?」

 

 

ギンガに緊張が走り…

 

 

優希「…様子見る」

 

 

ルネ「わかりました、取りあえず目視出来る所まで向かいます」

 

 

ギンガ「私も!」

 

 

ギンガもルネを追って走り出した。

 

 

ルネ「マスター、あちらです」

 

 

ルネは近くの山林に着き、ギンガも一緒に見ると、戦闘していたのはシグナム達とFW陣がガジェットと戦闘していた。

 

 

ギンガ「ねぇ優希?何かおかしくない?」

 

 

ギンガは戦闘を見ると違和感を感じた。

 

 

優希「一体ずつ…」

 

 

ギンガ「一体ずつ?」

 

 

ルネ「FW陣がガジェットを一体ずつ相手をするなら分かりますが、シグナム様達も一体ずつ相手をするのは変ですね?」

 

 

ギンガ「!?そっか!!」

 

 

ルネに言われ、ギンガも違和感に気付いた。

 

 

ルネ「どうしますか?」

 

 

優希「データ取る」

 

 

優希の発言に…

 

 

ギンガ「助けないの!?」

 

 

優希「大丈夫…」

 

 

ギンガ「でも!!」

 

 

ルネ「苦戦はすると思いますが大丈夫ですよ」

 

 

ギンガ「わかった…」

 

 

ギンガも優希を信じ、見守る事にし…

 

 

優希「……」

 

 

優希はデータを取り続けた。

 

 

ギンガ「あ!優希、終わったよ」

 

 

戦闘が終わり、シグナム達とFW陣は座り込んでいた。

 

 

優希「帰る」

 

 

ルネ「はい」

 

 

優希は帰り出した。

 

 

ギンガ「優希!?」

 

 

ギンガも優希追って行った。

 

 

シグナム「…以上です。主はやて」

 

 

はやて「そっか、でも良かった。シグナム達が無事で」

 

 

シグナムはガジェットとの戦闘の事を報告した。

 

 

ヴィータ「だけどはやて?アタシ達でも倒すのに苦戦したんだ。FW陣には…」

 

 

はやて「そやね、でもここで戦力を削ったら、相手の思うつぼやし…」

 

 

はやては今のままでは力が足りない事に頭を悩ませていた。

 

 

フェイト「そうだ!優希、【あの】カートリッジ無い!?」

 

 

優希「…ある」

 

 

フェイト「本当?そしたら…」

 

 

優希「でも無理」

 

 

フェイト「えっ?」

 

 

優希の発言にフェイトは戸惑った。

 

 

優希「意味ない…」

 

 

なのは「どう言う事?」

 

 

リナ「皆が強くならないとカートリッジを変えても同じって言いたいんだよね?」

 

 

優希「コク」

 

 

優希はリナの説明に頷いた。

 

 

はやて「せやけど…」

 

 

全員が悩んでいると…

 

 

優希「なの姉」

 

 

なのは「なにユウ?」

 

 

優希は歩き出し…

 

 

カチッ

 

 

優希が壁を触ると壁が開き階段が現れた。

 

 

優希「付いて来て」

 

 

優希は階段を降りていき、なのは達も付いて行った。

 

 

なのは「ユウここは?」

 

 

優希「訓練所」

 

 

なのは達が階段を降りると広い空間に出た。

 

 

優希「これ」

 

 

フェイト「これは?」

 

 

優希はなのは達に1人ずつに4つのリングを渡した。

 

 

優希「手足」

 

 

リナ「皆それを手足に着けて」

 

 

なのは達はリナに言われた通りにリングを着けた。

 

 

リナ「皆にはこれから魔力を込めてコントロールする訓練をしてもらうね」

 

 

シグナム「具体的には何をするのだ?」

 

 

リナ「優希ちゃん」

 

 

優希「……」

 

 

優希は皆から離れた所で止まった。

 

 

リナ「皆にはこれから優希ちゃんを捕まえてもらうね」

 

 

ヴィータ「ハァ?」

 

 

シグナム「それが何の訓練になるのだ?」

 

 

ルネ「それはマスターを捕まえてもらえばわかります」

 

 

スバル「よ~し!」

 

 

そう言うとスバルが走り出した。が…

 

 

スバル「!?」

 

 

ドサッ!

 

 

スバルが突然転んだ。

 

 

ティアナ「スバル!?」

 

 

エリオ「スバルさん!?」

 

 

ティアナ達がスバルに近付いたが…

 

 

ティアナ達「!?」

 

 

ティアナ達も転んだ。

 

 

なのは「一体何が?」

 

 

リナ「皆も行ってみるとわかるよ。何がおきているか」

 

 

リナに言われなのは達もスバル達に近付いた。すると…

 

 

なのは達「!?」

 

 

なのは達も地面に倒れた。

 

 

なのは「な、何これ!?重い」

 

 

シグナム「どうなっているのだ!?」

 

 

なのは達が混乱していると…

 

 

リナ「じゃあ頑張ってね~♪」

 

 

リナはそう言うと優希のペンダントに戻って行った。

 

 

ヴィータ「おい!どうするのか説明していけ!!」

 

 

ヴィータが怒鳴ると…

 

 

優希「説明してある」

 

 

優希が答えた。

 

 

フェイト「説明してある?」

 

 

フェイトは考え込むと…

 

 

なのは、フェイト、はやて、ギンガ「!!」

 

 

一部の人間は気付くと立ち上がった。

 

 

優希「……」

 

 

タッ!

 

 

優希はそれを見ると逃げ出した。

 

 

フェイト、ギンガ「待って!!」

 

 

フェイトとギンガは優希を追いかけ…

 

 

はやて「皆リングに魔力を込めてみて」

 

 

はやてに言われ皆もリングに魔力を込めると軽くなり立ち上がった。

 

 

優希「……」

 

 

なのは達「待って(待て、待ちなさい)~!!」

 

 

なのは達が四方八方から優希を捕まえようとするが捕まらなかった。

 

 

フェイト「速い…」

 

 

なのは達が優希を捕まえるのに苦戦していると…

 

 

ルネ「今日はここまでにしましょう」

 

 

シグナム「なに?」

 

 

ルネ「続きは明日にしましょう」

 

 

ルネは訓練を中断した。

 

 

シャマル「何でですか?」

 

 

ルネ「なのは様達は明日も学校がありますから」

 

 

はやて「そやね、今日はここまでにして続きは明日にしよか」

 

はやての意見に皆も賛同しリングを外した。すると…

 

 

なのは達「!?」

 

 

なのは達は突然その場に座り込んだ。

 

 

ルネ「魔力を使い続けて体力も消耗しているのでゆっくり休んでください」

 

 

なのは達は頷きヨロヨロと立ち上がり部屋に戻って行った。

 

 

ルネ「マスターも部屋に戻りましょう」

 

 

優希「コク」

 

 

優希もリングを外してルネに乗った。

 

 

ルネ「では行きましょう」

 

 

ルネは優希を乗せ部屋に向かい優希と一緒に眠った。

 



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第69話

 

優希「……」

 

 

-7時50分-

 

 

朝になり優希は居間で座っていたが誰も起きて来なかった。

 

 

優希「……」

 

 

優希はソファーから降りて二階に上がった。

 

 

優希「……」

 

 

コンコン

 

 

シ~ン

 

 

優希「……」

 

 

ガチャ

 

 

返事が無いので優希は部屋に入った。

 

 

なのは「すぅ~…」

 

 

優希「……」

 

 

ユサユサ

 

 

なのは「う~ん…」

 

 

優希はなのはを揺すって起こそうとしたが起きなかった。

 

 

優希「……」

 

 

すると優希は一度部屋を出て、手に何かを持ち…

 

 

カン!カン!カン!カン!

 

 

なのは「にゃ~!?な、なに!?」

 

 

なのはが飛び起き音の発生源を探すとリナがフライパンを持って飛んでおり、優希がお玉を持っていた。

 

 

優希「起きた?」

 

 

なのは「ユウ…もうちょっと優しく起こして…」

 

 

なのはが優希に文句を言っていると…

 

 

優希「時間」

 

 

優希は目覚まし時計を見せた。

 

 

なのは「…ユウ、これ時間合ってる?」

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは「遅刻~!?」

 

 

なのはは慌てて着替え始め…

 

 

なのは「ユウ皆は!?」

 

 

優希「寝てる」

 

 

なのは「代わりに起こしてくれる?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷き部屋を出ると…

 

 

ドン!

 

 

銃声が響いた。

 

 

フェイト「なに!?」

 

 

はやて「なんや!?」

 

 

フェイト達を筆頭に全員が起きてきた。

 

 

優希「……」

 

 

すずか「優希君?」

 

 

通路には業火を持った優希がいた。

 

 

優希「……」

 

 

優希は全員が起きたのを確認すると…

 

 

優希「なの姉、起きた」

 

 

なのはに報告した。

 

 

なのは「皆時間!!」

 

 

なのはは皆に時計を見せるとフェイト達も慌てて着替え始めた。

 

 

優希「……」

 

 

優希は下に降りてお盆を持って玄関前で立っていた。するとなのは達が急いで降りてきた。

 

 

優希「なの姉」

 

 

優希がお盆を差し出し、上にはおにぎりが乗っていた。

 

 

なのは「ありがとうユウ!」

 

 

なのは達はおにぎりを受け取り出掛けて行った。

 

 

スバル「優希私達もご飯にしよう?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希はスバルに抱っこされリビングに向かった。

 

 

エリオ「凄い…」

 

 

キャロ「沢山…」

 

 

皆がリビングに着くと沢山の料理が並んでいた。

 

 

スバル「凄~い!!誰が作ったの!?」

 

 

ヴィータ「まさか…」

 

 

ヴィータは恐る恐るシャマルを見た。

 

 

シャマル「ヴィータちゃんが言いたい事は分かるけど私じゃ無いの」

 

 

ザフィーラ「では誰が一体?」

 

 

すると優希が手を上げた。

 

 

優希「作った」

 

 

ティアナ「優希って料理出来たの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

スバル「ティア~、早く食べよー」

 

 

いつの間にかスバルが座っていた。

 

 

ティアナ「アンタは…」

 

 

ティアナは呆れていた。

 

 

優希「?」

 

 

ティアナ「ハァ、私達も行きましょう」

 

 

ティアナと優希も座り食事が始まった。

 

 

 

優希「……」

 

 

トントントントン

 

 

食事を終え優希は皆が調査に行くのを確認すると、本来の姿になり台所で料理をしていた。

 

 

リナ「いい匂い♪」

 

 

優希「……」

 

 

優希はリナにスプーンを差し出した。

 

 

リナ「…うん、美味しい♪」

 

 

ルネ「全く、リナ?少しは手伝ったらどうなの?」

 

 

人型になったルネは優希と一緒に料理をしていた。

 

 

リナ「手伝う?」

 

 

ルネ「…いえ、やはりやめておきましょう」

 

 

リナ「ヒドッ!」

 

 

ルネは少し考えてリナの手伝いを遠慮した。

 

 

優希「リナ、これ詰めて」

 

 

リナ「優希ちゃん♪うん、任せて♪」

 

 

リナは優希とルネが作った料理を重箱に詰めていった。

 

 

-学園-

 

 

麻弓「お昼なのですよ~!」

 

 

授業が終わると同時に麻弓が叫んで立ち上がった。すると…

 

 

紅女史「つっちーはいるか?」

 

 

紅女史が教室に入って来た。

 

 

稟「何ですか?」

 

 

紅女史「この子はつっちーの関係者か?」

 

 

優希「~~!!」

 

 

ジタバタジタバタ

 

 

襟を持たれ宙に浮いている為優希は逃げられずにいた。

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

紅女史「高町の知り合いか?」

 

 

なのは「はい…」

 

 

紅女史「そうか」

 

 

紅女史はなのはに優希を渡した。

 

 

ヒシッ!

 

 

優希「……」ブルブル

 

 

なのは「大丈夫だよユウ」ナデナデ

 

 

なのはは抱きついている優希の頭を優しく撫でた。

 

 

紅女史「何か怖がられる用な事したか?」

 

 

なのは「いえ、ユウは慣れてない人に触られるのが駄目なんです」

 

 

紅女史「そうか、知らないとは言え悪い事をしてしまったな。許可は取っておくから落ち着くまで一緒にいてやれ」

 

 

紅女史はそう言うと教室を出て行った。

 

 

なのは「ユウ、どうして学園に来たの?」

 

 

屋上にやってきたなのは達、土見ラバーズ、桜井ラバーズ。

 

 

優希「…これ」

 

 

優希は重箱を出した。

 

 

フェイト「これは?」

 

 

優希「お弁当」

 

 

すずか「持ってきてくれたの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷きなのは達に箸を渡していった。

 

 

はやて「優希君、ウチらも食べてええの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「私達の事、嫌じゃ無いの?」

 

 

アリサは思っている事を優希に聞いた。

 

 

優希「反省してるから」

 

 

アリサ「許してくれるの?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は頷き、なのはから降りようとするが…

 

 

ピピ

 

 

優希「?」

 

 

優希は電子手帳を取り出した。

 

 

なのは「どうしたの?」

 

 

優希「ガジェット来る」

 

 

なのは達「!!」

 

 

はやて「優希君、解るんか!?」

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「場所は解る?」

 

 

優希「アッチから来る」

 

 

優希はガジェットが来る方向を指さした。

 

 

なのは「わかった。はやてちゃん!」

 

 

はやて「うん、お願い!」

 

 

優希「アリサ姉」

 

 

優希はアリサにイフリートを渡した。

 

 

アリサ「いいの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「ありがとう、よし!行くわよ!!」

 

 

なのは達ははやてを残しガジェットの下に向かった。

 

 

優希「……」

 

 

はやて「優希君どうしたん?」

 

 

優希「変…」

 

 

はやて「変?」

 

 

優希「襲撃の意味ない」

 

 

はやて「どう言う事なん?」

 

 

優希の口数が少ない為、はやてはいまいち解らなかった。

 

 

リナ「襲うつもりならこっちに解らない用にするのが普通でしょ?」

 

 

リナがペンダントから出て来て代わりに話し出した。

 

 

はやて「!!まさか陽動!?」

 

 

優希「……」コク

 

 

はやて「アカン!皆校舎に入って!」

 

 

はやてが皆に言うが一足遅く…

 

 

ガジェットが大量に現れた。

 

 

優希「リナ」

 

 

リナ「は~い♪」

 

 

優希は本来の姿になり、リナとユニゾンした。

 

 

はやて「優希君!」

 

 

優希「任せて」

 

 

優希はそう言うと屋上から飛び降りガジェットに向かっていった。

 

 

稟「俺達は守られているだけなのか…」

 

 

義之「情けねぇ…」

 

 

稟と義之は自分達の弱さに手を握り締めていた。

 



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第70話

 

優希「……」

 

 

ザシュ!ダン!ダン

 

 

優希はフリーダムを巧みに使い、ガジェットを切り裂き撃ち抜いていった。

 

 

優希「後は…ッ!?」

 

 

優希は何かに気付き走り出した。

 

 

はやて「アカンな…」

 

 

はやてもバリアジャケットを纏いリィンとユニゾンして優希を援護していたが、ガジェットが屋上に集まっていた。

 

 

はやて「皆だけでも早よ逃げて!」

 

 

稟「けど!」

 

 

はやてが余所見をした瞬間ガジェットが一気に近づいて来た。

 

 

はやて「しもうた!!」

 

 

ガジェットがはやてに近付くが…

 

 

ドン!ドン!ドン!

 

 

銃声が響いたと同時に業火を持った優希が屋上に現れた。

 

 

優希「大丈夫!?」

 

 

はやて「優希君、ありがとうな。助かったよ」

 

 

ガン!

 

 

安心したのも束の間優希はガジェットのアームに業火を弾き飛ばされた。

 

 

優希「…行く」

 

 

優希はガジェットに再び向かっていった。

 

 

稟「あれは…」

 

 

稟は業火を拾い上げた。

 

 

義之「八神さん!危ない!」

 

 

はやて「!?」

 

 

義之が声を上げた時には遅くガジェットがはやての背後から迫っていた。

 

 

稟「ッ!?」

 

 

稟は咄嗟に業火を構えて撃ったが、銃を使った事の無い稟では狙いが上手くいくはずも無く魔法弾ははやてに向かって行き…

 

 

シア「危ない!」

 

 

はやて「ッ!?」

 

 

はやては魔法弾とガジェットに挟まれ動けずにいた。が…

 

 

優希「タァ!」

 

 

ドーン!

 

 

白虎フォームになった優希がガジェットを切り裂き…

 

 

ドーン!

 

 

はやての盾になった。

 

 

優希「……」

 

 

カッ!

 

 

グラッ

 

 

はやて「優希君!?」

 

 

優希は小さくなり、よろめくとそのまま落下しはやては慌てて優希を抱き止めた。

 

 

はやて「優希君しっかりして!!」

 

 

優希「……」

 

 

はやてが優希に呼びかけていると…

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

なのは達が戻った。

 

 

フェイト「はやて、何があったの?」

 

 

はやて「その…」

 

 

はやてが説明をしていると…

 

 

すずか「ガジェット…」

 

 

十数機のガジェットが校庭に再び現れた。

 

 

アリサ「あれは私に任せなさい…」

 

 

アリサはそう言うと校庭に飛び降りた。

 

 

フェイト「アリサ!?」

 

 

フェイトがアリサを追い掛けるが…

 

 

すずか「フェイトちゃん待って!」

 

 

すずかが止めた。

 

 

フェイト「すずか?」

 

 

すずか「今は行かない方がいいよ」

 

 

フェイト「どうして!?」

 

 

すずか「あれを見れば解るよ」

 

 

皆が校庭を見るとアリサはガジェットの前に立っていた。

 

 

アリサ「イフリート、ファイヤーカートリッジ…」

 

 

イフ「はい、お嬢様」

 

 

ガシャン!×6

 

 

アリサはカートリッジを全部使い…

 

 

アリサ「ファイヤー、ウォール!」

 

 

アリサが拳を地面に叩きつけると、地面から炎が上がりガジェットを一掃した。

 

 

フェイト「すずか」

 

 

すずか「うん、もの凄く怒ってるみたい…」

 

 

アリサの行動にすずかとフェイトは若干震えていた。

 

 

アリサ「リナ優希は?」

 

 

アリサは屋上に戻って来ると優希の容態を聞いた。

 

 

リナ「体に異常は無いよ。でも業火の魔法弾をモロに受けたからかなりの魔力ダメージがあると思う」

 

 

アリサ「そう…」

 

 

アリサは稟に近付き…

 

 

パーン!

 

 

全員「!?」

 

 

稟「……」

 

 

稟の頬を叩いた。

 

 

ネリネ「アリサさん!?何をなされるのですか!?」

 

 

稟を叩いたアリサに対してネリネは怒りを露わにしたが…

 

 

アリサ「アンタ自分が何をしたか解る?」

 

 

稟「……」

 

 

アリサはネリネを無視し稟に問いかけた。

 

 

アリサ「一歩間違えば大怪我じゃすまないのよ!」

 

 

楓「待ってください!稟君は助けようと…」

 

 

アリサ「その結果がこれよ?使えもしない武器を使って助ける所か逆に怪我をさせているのよ」

 

 

楓「それは…」

 

 

渉「まあまあ対した怪我がなかったんだからいいじゃんか」

 

 

渉がフォローに入るが…

 

 

アリサ「渉、優希のあの状態を見て良く言えるわね!」

 

 

アリサは優希を指差しながら怒鳴った。

 

 

アリサ「…もういいわ」

 

 

アリサはそう言うと優希を抱き上げた。

 

 

なのは「アリサちゃん?」

 

 

アリサ「優希を保健室で寝かせてくるわ…」

 

 

アリサはそのまま優希を連れていった。

 

 

亜沙「何もあそこまで言わなくてもいいのに」

 

 

渉「いくら自分が戦えるからって偉そうに」

 

 

渉がそう言うとすずかが…

 

 

すずか「それは違うよ。私たちは最初から魔法を使えた訳じゃないよ」

 

 

茜「でも…」

 

 

すずか「私達はある事件で人質になって、私達を助ける為に優希君が身代わりになったの…」

 

 

すずかは自分達が魔法を覚えるきっかけを話し出した。

 

 

小恋「身代わり?」

 

 

すずか「そう…その結果、優希君は実験の道具にされて体を滅茶苦茶にされたの」

 

 

稟達「!?」

 

 

すずか「優希君は魔法を使えなくなり、体の中には危険な魔法具を埋め込まれたの。それでも優希君は私達を守る為にリハビリをして、魔法が使える方法探したの…」

 

 

稟達「……」

 

 

すずか「私とアリサちゃんも優希君を守る為に一生懸命魔法覚えたの。稟君が皆を守りたい気持ちはわかるよ…でも強くなる努力をした?」

 

 

稟「ッ!?」

 

 

すずかに言われ稟は衝撃を受けていた。

 

 

すずか「それにね?強くなるのもいいけど、稟君にしか出来ない守り方があるはずだよ」

 

 

稟「俺にしか出来ない守り方…」

 

 

すずか「そう、だからまずはそれを探して見て?強くなる事だけじゃないから」

 

 

稟「わかった…」

 

 

稟はすずかの言葉を受け止めた。

 

 

なのは「そろそろ教室に戻ろう?」

 

 

はやて「そやね」

 

 

なのは達は昼食を食べ終え教室に戻って行った。

 



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第71話

 

 

-放課後、保健室-

 

 

なのは「失礼します」

 

 

なのは達は優希を迎えに保健室を訪れた。

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

なのはがベットに近寄り声をかけると…

 

 

優希「……」モゾモゾ

 

 

優希は起きたがまだ眠そうだった。

 

 

フェイト「優希大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

リナ「まだダメージが抜けてないみたいだね?体力もその所為で殆どないから眠たいんでしょ?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は返事を返すが反応が鈍かった。

 

 

なのは「ほらおいで」

 

 

なのはは優希を抱き上げた。

 

 

なのは「家まで抱っこしてあげるから寝てていいよ?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くとなのはの腕の中で眠った。

 

 

なのは「♪~」

 

 

音姫「なのはちゃんご機嫌だね?」

 

 

はやて「多分優希君の寝顔を見れたのが嬉しいんやと思います」

 

 

ななか「もしかしてなのはちゃんって…」

 

 

アリサ「ブラコンよ」

 

 

ななかが控えめに聞いたが、アリサがバッサリ言い放った。

 

 

フェイト「なのは腕疲れない?代わるよ?」

 

 

なのは「平気だよフェイトちゃん」

 

 

フェイトも優希を抱っこしたいのか代わろう考えていたが…

 

 

親衛隊「「土見稟~!!桜井義之~!!」」

 

 

親衛隊が現れ皆の前に出てくるがその大声の所為で…

 

 

優希「……」

 

 

優希が目を覚ました。

 

 

なのは「ユウ!?寝てていいよ!」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

優希は首を振るとなのはから降りた。

 

 

なのは「……」

 

 

優希「!?」

 

 

フェイト「優希?キャッ!?」

 

 

優希はなのはの顔を見た瞬間フェイトに抱きついた。

 

 

なのは「せっかくユウの寝顔が見れたのに!」

 

 

なのははバリアジャケットを纏い…

 

 

親衛隊「「撤退~!」」

 

 

なのは「ディバインバスター!」

 

 

ド~~ン!!

 

 

親衛隊「「ギャ~!!!!」」

 

 

親衛隊を壊滅状態にした。

 

 

はやて「シグナム今日はどやった?」

 

 

帰宅したなのは達は集まり会議をしていた。

 

 

シグナム「もうしわけありません…」

 

 

シャマル「島を広範囲に探しているけど見つからないの…」

 

 

はやて「そっか…地道に探すしかなさそうやね」

 

 

スバル「あの八神部隊長」

 

 

はやて「なんやスバル?」

 

 

スバル「高町教導官は?」

 

 

はやて「ちょっとな…」

 

 

フェイト「スバル、今は聞かない方がいいよ」

 

 

はやては目を背け、フェイトはスバルの質問を止めた。その頃なのはは…

 

 

なのは「ふぇ~ん!!はやてちゃんの馬鹿~!?」

 

 

親衛隊に魔法を使った為、大量の始末書を書いていた。

 

 

はやて「なんかいい方法があればええんやけど…」

 

 

すずか「ねぇ優希君、何かいいのない?」

 

 

優希「……」

 

 

ゴソゴソ

 

 

優希は電子手帳を取り出し、5、3、7、OKを押すと…

 

 

?「お呼びですかい旦那!!」

 

 

声がするとテーブルの上に機械のネズミが現れた。

 

 

フェイト「優希コレは?」

 

 

優希「チュウ太」

 

 

アリサ「チュウ太?」

 

 

優希「コク」

 

 

はやて「それでこのネズミをどうするん?」

 

 

リナ「この子達は探索に長けているの」

 

 

チュウ太「姐さん」

 

 

フェイト「この子達って事は他にもいるの?」

 

 

リナ「うん、一番から二十番までいて、チュウ太はその隊長なの」

 

 

はやて「ネズミの部隊なん?」

 

 

リナ「そう!名付けて…」

 

 

優希「探しマウス隊」

 

 

優希が名前を言った瞬間…

 

 

スパーン!!

 

 

はやて「ダジャレかい!!」

 

 

はやてはハリセンで優希の頭を叩いた。

 

 

優希「!?」

 

 

ダッ!

 

 

優希は頭を抑えて部屋を出て行った。

 

 

フェイト「皆逃げるよ!」

 

 

ティアナ「どうしてですか?」

 

 

すずか「優希君が向かったのはなのはちゃんの部屋の方だよ…」

 

 

サ~

 

 

全員の血の気が引き…

 

 

なのは「はやてちゃん、ちょっとお話ししようか?(黒笑)」

 

 

はやて「な、なのはちゃん落ち着こ?」

 

 

なのはがバリアジャケットを纏ってやってきた。

 

 

なのは「私は落ち着いてるよ?」

 

 

はやて「(アカン)フェイトちゃん助け…」

 

 

はやてが周りを見るが既に誰もいなくなっていた。シグナム達は残ろうとしたがフェイト達に連れていかれた。

 

 

はやて「みんなの薄情もの~!!」

 

 

はやての悲しい叫びだけが響いた。

 

 

なのは「ユウ、お願いね?」

 

 

フェイト「何かあったら連絡して?」

 

 

優希「……」コク

 

 

次の日、なのは達は探索の手伝いを優希に頼み学園に向かった。

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「へい旦那!後はあっしらにお任せくだせえ~」

 

 

チュウ太は子分?のネズミメカを従え探索を始めた。

 

 

優希「……」

 

 

優希も外に出掛けた。

 

 

リナ「優希ちゃんどうするの?」

 

 

ルネ「どちらに向かいますか?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は指差しルネは優希を乗せて歩き出した。

 

 

優希「……」

 

 

優希は人気の無い場所までやってくると…

 

 

優希「出て来たら?」

 

 

優希の声に神族と魔族の男が現れた。

 

 

ルネ「私達に何か用ですか?」

 

 

神族「これ以上私達の邪魔をしないでもらえますか?」

 

 

魔族「まだ我らの邪魔をするなら…」

 

 

魔族の男は魔力玉を作り上げた。

 

 

優希「…リナ」

 

 

カッ!

 

 

優希は本来の姿になると同時にリナとユニゾンした。

 

 

優希「どうする?」

 

 

魔族「死ね!!」

 

 

ドーーン!

 

 

優希「もうやめたら?」

 

 

神族「クッ」

 

 

魔族「チッ」

 

 

結果は一目瞭然であった。魔法しか使わない神族、魔族は優希に勝てる方法はなかった。

 

 

神族「クッ、こんな子供に…」

 

 

魔族「しかし時間は稼げた」

 

 

ルネ「どう言う意味ですか?」

 

 

魔族「学園はもうすぐ吹き飛ぶ。結界を張り中で魔法具が爆発するようになっている」

 

 

優希「ルネ、後お願い」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

優希「リナ、朱雀フォーム」

 

 

リナ『うん♪』

 

 

優希は鎧を朱雀フォームに変えると学園に向かった。その頃学園では…

 

 

なのは「ディバインバスター!」

 

 

フェイト「サンダースマッシャー!」

 

 

はやて「フレースベルグ!」

 

 

すずか「アクアバスター!」

 

 

アリサ「ファイヤーバスター!」

 

 

ドーーン!!

 

 

結界を破壊しようとしていた。

 

 

フェイト「駄目、効いてない」

 

 

はやて「どれだけ頑丈やねん」

 

 

すずか「私達の魔法でも効かないなんて…」

 

 

なのは「どうする?」

 

 

フェイト「私達の力じゃ壊れそうにないし…」

 

 

はやて「そうなるとウチらだけじゃ…」

 

 

なのは達が話していると…

 

 

優希「アレ?」

 

 

リナ『うん、結界が張られてるね』

 

 

優希達が学園に着くと結界が張られておりモヤが掛かっていた。

 

 

優希「壊す」

 

 

ガシャン!

 

 

ドーーン!

 

 

優希は朱雀銃を合わせて撃ったが破壊出来なかった。

 

 

優希「リナ、中と連絡出来る?」

 

 

リナ『駄目、結界が邪魔しているみたい。どうする優希ちゃん?』

 

 

優希「リナ、玄武フォーム」

 

 

リナ『うん♪』

 

 

カッ!

 

 

優希は鎧を玄武フォームに変えると玄武アックスを振り下ろしながら落下していった。それを見ていたなのは達は…

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

なのはが優希を呼ぶがなのはの声は届かなかった。

 

 

はやて「駄目やね、こっちの声は聞こえてないみたいや…」

 

 

すずか「優希君無理しないで…」

 

 

なのは達は優希に頼るしかなかった。

 

 

バチバチバチバチ!

 

 

優希「ッ!」

 

 

リナ『優希ちゃん無理しないで!予想以上に固いよ!』

 

 

優希が結界を破壊しようと玄武アックスで攻撃したが破壊出来なかった。

 

 

義之「今の音は!?」

 

 

なのは達が屋上で優希を見守っていると義之達がやってきた。

 

 

アリサ「今優希が結界を破壊しようとしている所よ」

 

 

アリサが稟達に説明した。

 

 

茜「優希君が?」

 

 

亜沙「それで優希ちゃんは?」

 

 

フェイト「向こうに」

 

 

フェイトが優希のいる方を指差し、稟達もその方向を見た。

 

 

 

 

 

 

優希「固い…」

 

 

リナ『玄武アックスでも駄目だね…』

 

 

優希「なら…」

 

 

優希はペンダントから月光を出した。

 

 

リナ『月光?』

 

 

優希「リナ、行くよ」

 

 

優希は再び結界に近づき月光を振り下ろし…

 

 

バチバチバチバチ!

 

 

優希「まだ!」

 

 

優希は月光に魔力を更に込めた。

 

 

バチバチバチバチ…ピシッ!ピシッ!

 

 

リナ『優希ちゃん!』

 

 

結界に罅が入ったが月光にも罅が入った。

 

 

優希「ッ~!!」

 

 

バリィン!

 

 

優希が力を込めると結界が壊れ、月光も砕け散った。

 

 

優希「……」

 

 

リナ『優希ちゃん、なのはちゃん達が向こうにいるよ』

 

 

優希「……」

 

 

優希はそのままなのは達の所に向かった。

 



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第72話

 

 

なのは「ユウ、大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は屋上に着くと同時に小さくなった。

 

 

優希「?なの姉魔力少ない…」

 

 

なのは「うん、みんなで結界を壊そうとしたんだけど…」

 

 

優希がなのはと話していると…

 

 

レイ『マスター!魔力弾が来ます!!』

 

 

なのは「みんな!!」

 

 

ドーーン!!

 

 

なのは達が咄嗟にプロテクションを張ると同時に魔力弾が着弾した。

 

 

小恋「ケホ、何がおきたの!?」

 

 

ななか「わかんない!?みんなは!?」

 

 

煙りが晴れるとフェイト、はやて、アリサ、すずかは稟達を守り、なのはは優希を庇って倒れていた。

 

 

優希「なの姉…!?」

 

 

なのは「大丈…夫だ…た…?」

 

 

優希はなのはに近寄り…

 

 

神族「もう少しで成功でしたのに」

 

 

魔族「とんだ邪魔が入ったな」

 

 

優希「……」

 

 

リナ「優希ちゃん?」

 

 

優希は立ち上がり…

 

 

カッ!

 

 

優希「…コレはお前達がやったのか?」

 

 

神族「そうです」

 

 

魔族「王女と婚約者を消す為にな。まぁ邪魔な奴らを倒せたのは好都合だったな」

 

 

優希「…貴様ら~!!」

 

 

カッ!

 

 

ズド~ン!!

 

 

玄武「グォォ~~!!」

 

 

優希が怒り、フルサイズの玄武になった。

 

 

リナ「優希ちゃん!?落ち着いて!!」

 

 

玄武「グォォ~~!!」

 

 

神、魔族「「グァァ~~!?」」

 

 

神族と魔族は玄武の攻撃に飲み込まれた。

 

 

玄武「グォォ~~!!」

 

 

リナ「駄目…怒りで力が暴走しかけてる…」

 

 

フェイト「止めないと…」

 

 

フェイト達が立ち上がろうとするが…

 

 

由姫「駄目ですよ!そんな怪我で行ったら危ないですよ!」

 

 

すずか「でも…」

 

 

それでも行こうとするフェイト達に…

 

 

リナ「フェイトちゃん達はそこにいて。優希ちゃんは私が止めるから」

 

 

アリサ「リナどうする気?」

 

 

リナ「呼びかけるだけだよ?」

 

 

全員「…えっ?」

 

 

全員が呆然としていると…

 

 

リナ「優希ちゃん!なのはちゃん達を傷付けた相手はいなくなったよ!」

 

 

玄武「グルル~~…」

 

 

リナ「もう大丈夫だから、ね?」

 

 

玄武「グォォ~~!!」

 

 

リナ「ッ!!」

 

 

リナは優希を落ち着かせようとしたが優希はリナに威嚇しリナは耳を塞ぎ稟達も塞いでいた。

 

 

リナ「やっぱり駄目か~…なら、ユニゾン!」

 

 

リナは優希に強制的にユニゾンし…

 

 

玄武「!?」

 

 

カッ!

 

 

優希を元の姿に戻した。

 

 

優希「……」

 

 

リナ「優希ちゃん!しっかり!」

 

 

リナが優希を揺さぶって見るが優希は起きなかった。

 

 

なのは「大丈夫?」

 

 

なのは達が屋上から校庭にやってきて、リナに尋ねると…

 

 

リナ「うん、無理に力を使った所為で体に負担が出ただけだよ」

 

 

茜「保健室に運ぼうか?」

 

 

リナ「お願いしていい?」

 

 

茜「うん♪」

 

 

茜は優希を抱き上げて保健室に向かうとしたが…

 

 

両王「「シア(ネリネちゃん)~!!」」

 

 

両王がやってきた。

 

 

神王「何があった!?」

 

 

シア「お父さん?」

 

 

神王の慌てぶりにシアは疑問に思い…

 

 

魔王「優希ちゃんの魔力がかなり放出されているのを感じて飛んで来たんだよ」

 

 

ネリネ「優希様の魔力が?でも私達には感じられませんでしたよ?」

 

 

リナ「それは結界の所為だと思うよ?」

 

 

ネリネの疑問にリナが答えた。

 

 

優希「ぅ…」

 

 

リナ「優希ちゃん?」

 

 

リナが優希に近付き額に手を乗せると…

 

 

リナ「いけない!」

 

 

リナは慌てると…

 

 

リナ『ルネちゃん!すぐ来て!!優希ちゃんが大変!』

 

 

ルネ『わかりました!』

 

 

リナはルネに念話をした。

 

 

なのは「リナ?」

 

 

リナ「ごめん!後で話すね!」

 

 

リナはそう言うと転移して来たルネと一緒に消えた。

 

 

なのは「リナ、一体何があったの?」

 

 

なのは達は稟達と学園から帰ると突然消えたリナに問いただしていた。

 

 

リナ「優希ちゃんの体が危ないの…」

 

 

なのは「!?どう言う事!?」

 

 

リナの発言になのはが慌て出した。

 

 

リナ「優希ちゃんの中にある四神の宝玉が暴走しかけてるの…」

 

 

フェイト「どうして?アレは暴走の危険性は無かったよね?」

 

 

リナ「うん…でもさっき優希ちゃんが暴走しかけた所為で四神の宝玉が安定してないの…」

 

 

はやて「優希君を助ける方法は無いんか?」

 

 

はやての問いに…

 

 

ルネ「有りますが危険性が高いです」

 

 

リナ「ルネちゃん!優希ちゃんは?」

 

 

リナが皆に説明しているとルネがやってきた。

 

 

ルネ「ランに任せてきました。何かあれば連絡をくれます」

 

 

すずか「ランって、誰?」

 

 

ルネ「それは後で説明します。今はマスターの方を優先します。助ける方法は2つ。1つは以前の様にマスターの力を封印するか、四神の宝玉を覚醒させるかのどちらかです…」

 

 

アリサ「覚醒?」

 

 

ルネ「はい…」

 

 

ルネは小さく返事をした。

 

 

なのは「覚醒ってどう言う事?」

 

 

リナ「四神の宝玉は力が封印された状態で優希ちゃんに融合されている事がわかったの…」

 

 

はやて「あれで封印された状態なんか!?」

 

 

ルネ「いえ、正確には1つだけ力が解放されていないのです」

 

 

アリサ「1つだけ?」

 

 

ルネ「はい、名前を黄龍と言います」

 

 

すずか「確か四聖獣の中心を司る龍だっけ?」

 

 

リナ「そうだよ、中心の力が封印されているからバランスが取れていなかったの…」

 

 

フェイト「その封印を解けば優希は助かるの?」

 

 

ルネ「はい…」

 

 

アリサ「でもルネ?危険性があるって言ったわよね?あれはどう言う意味?」

 

 

ルネ「それは…」

 

 

ルネが悩んでいると…

 

 

なのは「ルネ教えて。ユウを助ける方法を!」

 

 

ルネ「…わかりました。まず封印に関しては以前の用に力も精神も封印する事です。覚醒に関しては莫大な魔力が必要です…」

 

 

すずか「莫大な魔力ってどれ位?」

 

 

リナ「なのはちゃん達の魔力を全部足して足りるかどうか位かな…」

 

 

フェイト「そんなに!?」

 

 

ルネ「はい…しかも失敗すればマスターも助かりませんし、なのは様達も魔法が使えなくなる可能性があります…それでもやりますか?」

 

 

ルネの問いになのは達は…

 

 

なのは「私はやるよ。ユウを助ける為に」

 

 

ルネ「他の…聞くまでも無いみたいですね」

 

 

フェイト達もやるという目つきだった。

 

 

ルネ「ではマスターを連れて来ます」

 

 

ルネが転移しようとしたが…

 

 

ラン「それには及びません、ルネお姉様」

 

 

ランが優希を抱っこして転移してきた。

 

 

リナ「ランちゃん?」

 

 

ラン「申し訳ありません。お姉様達の会話をモニターしていました。内容を伺い優希様をお連れいたしました」

 

 

ルネ「そうですか。ではマスターを」

 

 

ラン「はい、ルネお姉様」

 

 

ランは優希をそっとソファに寝かせた。

 

 

ルネ「では皆さん、合図したらマスターに魔力を注いで下さい」

 

 

なのは達「コク」

 

 

なのは達は頷きバリアジャケットを纏った。

 

 

ルネ「ではお願いします!」

 

 

ルネの合図になのは達は優希に魔力を注ぎ始めた。

 

 

リナ「みんな、頑張って!」

 

 

なのは達が魔力を注いでいる間、ルネ、リナ、ランは優希の力が暴走しないように外側からコントロールしていた。

 

 

アリサ「ルネ!まだなの!?」

 

 

ルネ「後少しです!」

 

 

アリサ「少しって…」

 

 

すずか「こっちも…」

 

 

はやて「限界やで…」

 

 

なのは達は優希に魔力を注いでいたが、限界が近づいていた。

 

 

リナ「ルネちゃん!これ以上は…」

 

 

ルネ「ですが…」

 

 

リナはこれ以上はなのは達が危険と判断していた。

 

 

なのは「私は大丈夫だから、続けよ…?」

 

 

なのはは続けると言ったが誰から見ても限界に見えるのに続けると言い出した。

 

 

リナ「駄目だよ!?これ以上やったらなのはちゃんの体が危険だよ!?」

 

 

なのは「ユウを助けたいの…約束したから。守るって!」

 

 

なのはの決意に…

 

 

シュン!

 

 

ソニックファルコンと見たこと無いメカが二台、転移してきた。

 

 

ルネ「ソニックファルコン?」

 

 

リナ「アイスドルフィン?」

 

 

ラン「アーマーペガサス?」

 

 

なのは「なに?」

 

 

ルネ「アナタ達が何故ここに?」

 

 

ルネが聞くとソニックファルコン達は小さな光の玉になり、なのはにアーマーペガサス、フェイトにソニックファルコン、はやてにアイスドルフィンがぶつかった。

 

 

フェイト「何…これ?」

 

 

なのは達が自分の体を見るとバリアジャケットの上に鎧が展開されていた。

 

 

はやて「何やの…?」

 

 

ルネ「それはマスターが作ったなのは様達用の鎧です」

 

 

なのは「私達の?」

 

 

リナ「うん、どう?」

 

 

フェイト「魔力が回復してる?」

 

 

はやて「これなら!」

 

 

なのは達は回復した魔力で、再び優希に魔力を注ぎ始めた。

 

 

ラン「これなら!ルネお姉様!」

 

 

ルネ「ええ、リナ!」

 

 

リナ「任せて!」

 

 

リナは優希にユニゾンし封印を内側から外し始めた。

 

 

ルネ「皆様!止めて下さい!」

 

 

ルネの合図になのは達は魔力を注ぐのを止めた。

 

 

ルネ「……」

 

 

ルネが見守っていると…

 

 

~~~

 

 

優希から暖かく透き通っていて重みのある魔力風が流れ出した。

 

 

優希「…?」

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

なのはは優希が目覚めたのを確認すると優希を抱き締めた。

 

 

優希「!?」バタバタバタバタ

 

 

なのは「あっ!?ごめんね?」

 

 

強く抱き締めた為優希が苦しがったのでなのはは謝った。

 

 

ルネ「マスター、お体の調子はどうですか?」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

優希が頷くと…

 

 

カッ!

 

 

なのは達の鎧になっていたソニックファルコン達は元の姿になり転移して消えた。

 

 

なのは「あれ?」

 

 

優希「まだ早いから…?」

 

 

優希が説明していると、優希は自分の胸に違和感があるのか手を当てた。

 

 

フェイト「どうしたの?」

 

 

優希「変…」

 

 

リナ「優希ちゃん。実はね…」

 

 

リナは優希の体の事を話した。

 

 

優希「……」

 

 

リナ「わかった?」

 

 

優希「……」コク

 

 

リナ「解らない事はある?」

 

 

優希「魔法使える?」

 

 

リナ「うん、四神の宝玉が覚醒してるから大丈夫。使えるよ♪」

 

 

なのは「良かったねユウ♪」

 

 

優希「……」コク

 

 

はやて「……」

 

 

フェイト「はやて?どうしたの?」

 

 

先程から黙っているはやてにフェイトが声をかけた。

 

 

はやて「あ、うん…カリムの予言が気になってな…」

 

 

アリサ「あの王って奴?」

 

 

すずか「でもどう言う意味何だろう?」

 

 

はやて達が優希を見ると…

 

 

なのは「♪~」

 

 

優希「~~!?」バタバタバタバタ

 

 

優希はずっとなのはに抱きしめられたままだった。

 

 



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第73話

優希「♪~~」ふわふわ

 

 

なのは「こらユウ!ちゃんと歩かないと駄目だよ」

 

 

優希の体が元に戻ってから2日、魔法が使える用になったのが嬉しいのか優希は歩かずに浮いて移動するようになった。

 

 

フェイト「なのは、優希も魔法が使える用になったのが嬉しいんだから多目に見てあげたら?」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイトのフォローに優希は頷いていた。

 

 

なのは「フェイトちゃん、甘やかしちゃあ駄目だよ?ほらユウ?」

 

 

優希「……」プイ

 

 

なのは「お姉ちゃん怒るよ?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は浮いたまま移動するとフェイトの背中に隠れた。

 

 

フェイト「優希?」

 

 

優希「フェイ姉…(涙目)」

 

 

フェイト「ッ///」

 

 

フェイトは優希の涙目に顔を赤らめ、抱き締めたいのを我慢していた。

 

 

フェイト「な、なのは多目に見てあげよ、ね?」

 

 

なのは「駄目だよ」

 

 

なのはが一歩も引かずにいると…

 

 

優希「(涙目)」ウルウル

 

 

なのは「うっ///」

 

 

優希「(涙目)」ウルウルウルウル

 

 

なのは「わかったからユウ、そんな目で見ないで///」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は桃子直伝の嘘泣きを使いなのはを陥落させた。

 

 

優希「…ルネ」

 

 

ルネ「はい?」

 

 

優希「何で?」

 

 

ルネ「私にも…」

 

 

はやて「とにかく一度カリムの所に優希君と行ってくるわ」

 

 

話は前日に戻り…

 

 

-回想-

 

 

なのは「じゃあユウ、魔法の練習しようか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

訓練所ではなのは、はやて、フェイトがいた。

 

 

はやて「優希君の魔法ってどんなのがあるん?」

 

 

フェイト「確かなのはのアクセルシューターに似ているのかな?」

 

 

はやて「それだけなん?」

 

 

フェイト「うん」

 

 

はやて「魔力光って何色なん?」

 

 

フェイト「えっと…」

 

 

フェイトは優希の魔力光を思い出してみるが…

 

 

フェイト「ごめん、覚えてない」

 

 

はやて「そっか~、なら!優希君~!!」

 

 

優希「?」

 

 

はやて「優希君の魔力光見せてくれへん?」

 

 

優希「コク」

 

 

はやてのこの一言が思わぬ方向になった。

 

 

優希「……」

 

 

優希が魔力を高めると…

 

 

なのは達「!?」

 

 

虹色に輝いていた。

 

 

-回想終了-

 

 

はやて「ほなら優希君の艦で行こか?」

 

 

優希「!?何の事…」

 

 

優希は目を反らした。

 

 

はやて「嘘ついても駄目やで?スバルにアイスをあげたら話してくれたで?」

 

 

優希「…」

 

 

カチャ!

 

 

優希はフリーダムBユニットを持って部屋を出ようとした。が…

 

 

ルネ「マスター、外に転移反応です!」

 

 

優希「……」

 

 

優希は頷くと外に向かい、なのは達も後を追った。

 

 

優希「何か用?」

 

 

優希達が外に出ると管理局員が5人程いた。

 

 

局員1「高町優希だな?」

 

 

優希「……」コク

 

 

局員2「ロストロギア不法所持で逮捕する!」

 

 

はやて「待って下さい!こちらは機動六課、八神です。何故高町特務隊員が逮捕されるのですか?」

 

 

はやてが間に入った。

 

 

局員1「彼は既に局員では無い!確かに体内のロストロギアに関しては管理局から許可が出ているがそこのロストロギアに関しては報告されていない!」

 

 

局員1がルネを指差しながら言い放った。

 

 

局員2「よって彼を逮捕する!」

 

 

局員達はデバイスを構えた。

 

 

優希「本当の目的は?」

 

 

局員1「何?」

 

 

ルネ「あなた方の本当の目的は私では無くマスターの力が目的では無いのですか?」

 

 

局員1「……」

 

 

ルネ「大方、また上層部の人間がマスターの力を我が物にしようとしているのでしょう?」

 

 

黙っていた局員は…

 

 

局員1「ハハハハハ~!!その通りだよ!その力があれば我々は無敵だ!」

 

 

笑い出し認めた。

 

 

優希「……」

 

 

優希は無言で杖を出し、魔力弾を局員達の上空に大量に出した。

 

 

優希「消えて」

 

 

ドドドドドド!

 

 

魔力弾は雨の用に降り、局員達に降りそそいだ。

 

 

局員達「「グワ~~!?」」

 

 

優希「……」

 

 

優希は杖をしまい帰ろうとしたが…

 

 

局員2「待て!!」

 

 

局員の1人がまだボロボロで立っていた。

 

 

優希「ルネ、フェンリルアーマー」

 

 

ルネ「はい!」

 

 

カッ!

 

 

優希「アクセル」

 

 

ルネ『アクセルスタート!』

 

 

シュン!

 

 

局員「ガハッ!?」

 

 

優希はアクセルシステムを使い瞬殺した。

 

 

優希「……」

 

 

カッ!

 

 

優希はユニゾンを解いた。しかし怒っているのか優希の体からは虹色の魔力光が溢れていた。

 

 

優希「……」

 

 

はやて「優希君?」

 

 

はやてが声をかけるが優希はそのまま家に戻っていき…

 

 

なのは「ユウ待って!」

 

 

なのは達も後を追った。

 

 

はやて「どやった?」

 

 

なのは「駄目、部屋にいるけど出て来てくれない…」

 

 

なのは達が話していると…

 

 

カチャ

 

 

優希「……」

 

 

優希が部屋から出て来た。

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「優希、何してたの?」

 

 

優希「作ってた」

 

 

優希はフリーダムを見せた。

 

 

はやて「?優希君、フリーダムを改良してたんか?」

 

 

優希「フルフル」

 

 

優希は首を振ると腰に付いていたフリーダムを見せた。

 

 

なのは「もう1つ?」

 

 

優希「コク」

 

 

フェイト「どうしてもう1つ作ったの?」

 

 

優希「念の為」

 

 

なのは「念の為?」

 

 

優希「……」コク

 

 

はやて「所で優希君、ウチと一緒に…」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

はやてが最後まで言う前に優希は首を振り拒否を示した。

 

 

ルネ「はやて様、今日は止めてもらえますか?」

 

 

はやて「そやね、わかった。優希君無理言ってごめんな?」

 

 

優希「……」

 

 

はやては報告書を提出して、優希を聖王教会に連れて行くのを止めた。

 



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第74話

スバル「おいしい~♪」

 

 

ティアナ「少しは静かにしなさい!」

 

 

桃子「元気な子達ね?」

 

 

はやて「すんません、騒がしくして」

 

 

桃子「いいのよ、気にしないで」

 

 

なのは達は最近調査や護衛などで働き詰めだったので交代で休む事にし、調査はチュー太が引き受け、護衛は守護騎士達とアリサ達が引き受けていた。

 

 

美由希「優希元気にしてた?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ヴィヴィオ「♪~~」

 

 

なのは「ほらヴィヴィオ、クリームが着いてるよ?」

 

 

フェイト「ほらこっち向いて?」

 

 

ヴィヴィオ「ん~~」

 

 

美由希は優希と姉弟で話しており、なのは達も桃子に預けていたヴィヴィオと会って久しぶりの親子を満喫していた。が…

 

 

カランカラン

 

 

桃子「いらっしゃいませ~」

 

 

入口の方を見るとクロノが入って来ていた。

 

 

フェイト「クロノ?」

 

 

はやて「どうしたん?」

 

 

入って来たクロノはいつもより険しい表情をして立っており…

 

 

クロノ「なのは、君に大事な話がある…」

 

 

なのは達「……」

 

 

クロノの重い雰囲気になのは達にも緊張が走っていた。

 

 

なのは「それでクロノ君、大事な話って?」

 

 

なのは達は店の端の席に移動しヴィヴィオは美由希と一緒に席を外した。

 

 

クロノ「ヴィヴィオと優希の事だ…」

 

 

はやて「!!クロノ君、まさか…」

 

 

はやてはクロノが来た理由に気づいた。

 

 

クロノ「聖王教会からヴィヴィオか優希を渡して欲しいと要請が来た」

 

 

なのは「そんな!?どうして!?」

 

 

クロノ「聖王の血を受け継いでいる2人が管理局側にいるのが問題視されている」

 

 

なのは「そんな!?今まで何も…」

 

 

クロノ「今まではヴィヴィオ1人だけだったが、優希まで聖王の血を流しているとなると流石に聖王教会の方でも妥協は出来ないそうだ」

 

 

フェイト「それで聖王教会の方から何か案が来てるの?」

 

 

クロノ「さっき言ったようにヴィヴィオか優希、どちらかを聖王教会に引き渡してくれればもう1人に付いては現状のままでいいそうだ」

 

 

はやて「クロノ君、2人を残す事は出来へんの?」

 

 

クロノ「無理だ、騎士カリムのお陰でどちらかを渡す話で収まったらしい」

 

なのは「そんな…」

 

 

なのはがショックを受けていると…

 

 

ヴィヴィオ「やだ~~!!」

 

 

ヴィヴィオがなのはに抱きついた。

 

 

なのは「ヴィヴィオ!?」

 

 

ヴィヴィオ「ママと離れたくない~!!」

 

 

なのは「ヴィヴィオ…」

 

 

ヴィヴィオはそのまま泣き続けた。

 

 

 

なのは「……」

 

 

フェイト「なのは…」

 

 

なのはがベランダで風に当たっているとフェイト、はやて、アリサ、すずかがやって来た。

 

 

なのは「フェイトちゃん…ヴィヴィオは?」

 

 

フェイト「泣き疲れたみたいで眠ってるよ」

 

 

なのは「そう…」

 

 

アリサ「話は聞いたわ…」

 

 

すずか「辛いよね…」

 

 

アリサ達も戻って来てから話を聞かされていた。

 

 

なのは「私、どうしたらいいの!?ヴィヴィオか優希、どちらか何て選べないよ!!」

 

 

なのはは涙を流し俯き…

 

 

フェイト「なのは…」

 

 

フェイトに肩を抱かれなのはは泣き崩れた。

 

 

優希「……」

 

 

優希はなのは達から見えない所で様子を見ていた。

 

 

ルネ「マスター…」

 

 

リナ「優希ちゃん…」

 

 

優希「…ルネ、転移」

 

 

ルネ「…どちらに?」

 

 

優希「ママの所に…」

 

 

リナ「優希ちゃん!?まさか…」

 

 

ルネ「…わかりました」

 

 

リナ「ルネちゃん!?」

 

 

ルネ「リナ、マスターも辛いのですよ?なら私達はマスターの決意を無駄にしないようにしましょう」

 

 

リナ「…うん」

 

 

リナも頷き、その場から転移していなくなった。

 

 

-高町家-

 

 

ルネ「マスター着きました」

 

 

優希「…待ってて」

 

 

ルネ「…わかりました」

 

 

リナ「…うん」

 

 

優希はルネ達を残し中に入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優希「…ママ」

 

 

桃子「優希!?」

 

 

桃子は突然来た優希に驚き、その声に驚いた士郎と美由希が居間にやって来た。

 

 

桃子「どうしたの優希?」

 

 

桃子はしゃがみ、優希に目線を合わせると…

 

 

ヒシッ!

 

 

桃子「優希?」

 

 

桃子は突然優希に抱きつかれて戸惑い、美由希、士郎にも抱きついた。

 

 

桃子「優希、もしかしてヴィヴィオの代わりに行く気なの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

美由希「そんな!?駄目だよ優希!」

 

 

美由希は行かせまいと優希を抱き締めた。

 

 

優希「……」フルフル

 

 

優希は首を振り…

 

 

優希「なの姉、苦しめたくない」

 

 

士郎「優希、お前は辛く無いのか?」

 

 

優希「大丈夫。ヴィヴィオ小さい。だからなの姉が必要」

 

 

桃子「もう行くの?」

 

 

優希「…明日の朝」

 

 

桃子「わかった。見送りさせてね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷き高町家を後にした。

 

 

なのは「ユウ~?」

 

 

フェイト「なのは、優希いた?」

 

 

なのは「ううん、いない…」

 

 

翌日の朝、なのは達は朝から優希がいないのに気付き探していた。

 

 

はやて「なのはちゃん!」

 

 

なのは「はやてちゃん、どうだった?」

 

 

はやて「こっちも見つからなかったわ」

 

 

なのは「そう…」

 

 

アリサ「イフリート、優希と連絡ついた?」

 

 

イフ「……」

 

 

すずか「ウンディーネは?」

 

 

ウンディ「……」

 

 

アリサ「アンタ達、何か知ってるわね?」

 

 

ウンディ「イフリート…」

 

 

イフ「もう良いでしょう。優希様は聖王教会に向かわれました」

 

 

なのは達「…えっ!?」

 

 

ウンディ「もう出発する頃ですね」

 

 

すずか「ウンディーネ!優希君はどこにいるの!?」

 

 

ウンディ「優希様の命令によりお答え出来ません」

 

 

アリサ「イフリート!?」

 

 

イフ「申し訳ありませんお嬢様」

 

 

なのは「お願い教えて!!」

 

 

なのはの叫びに…

 

 

ウンディ「…すずか様、システムにエラーが発生しました」

 

 

ウンディーネがそう言うと空中に地図が現れ赤い点が光っていた。

 

 

すずか「ウンディーネ?」

 

 

ウンディ「申し訳ありませんすずか様。システムに異常が出た為に機密情報が漏れやすい状態になってしまいました」

 

 

イフ「ウンディーネ!?何を…」

 

 

ウンディ「優希様は今、御実家の近くの公園にいます」

 

 

なのは「ありがとう!」

 

 

なのはは優希の居場所を聞くとバリアジャケットを纏い一目散に飛んで行った。

 

 

フェイト「なのは!?」

 

 

フェイト達もバリアジャケットを纏いなのはを追いかけた。

 

 

桃子「優希、体に気をつけるのよ?」

 

 

優希「……」コク

 

 

士郎「いつでも帰ってきていいんだからな」

 

 

優希「……」コク

 

 

美由希「連絡するだよ?何かあったらすぐに言ってね?お姉ちゃんが助けてあげるから」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷き…

 

 

優希「ラン」

 

 

ラン『はい、優希様』

 

 

空に向かってランを呼ぶとエタニティが現れた。

 

 

美由希「凄い…」

 

 

美由希はエタニティに驚き、桃子達も眺めていた。

 

 

優希「行く…」

 

 

桃子「気をつけてね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷きエタニティに乗ろうとしたが…

 

 

なのは「ユウ~!!」

 

 

なのは達がやって来た。

 

 

なのは「ユウ待って!」

 

 

優希「なの姉…」

 

 

なのは「行かないで!」

 

 

優希「……」

 

 

優希は答えず…

 

 

カッ!

 

 

元の姿になった。

 

 

優希「なら、ヴィヴィオを犠牲にする?」

 

 

なのは「ッ!でも他に方法があるはずだよ!!」

 

 

優希「どんな?」

 

 

なのは「それは…」

 

 

なのはは言葉に詰まった。

 

 

優希「行くね…」

 

 

優希は行こうとするが…

 

 

なのは「駄目!」

 

 

なのはは優希に抱きついた。

 

 

優希「…なのは姉さん、聞き分けて」

 

 

なのは「やだ…よ…」

 

 

優希「なのは姉さん、わがまま言わないで」

 

 

優希はなのはを振りほどいた。

 

 

なのは「駄目!」

 

 

優希「!」

 

 

なのはは優希にバインドを掛けた。

 

 

フェイト「なのは!?」

 

 

優希「ッ!」

 

 

優希は魔力を込めると無理矢理バインドを破壊した。

 

 

はやて「なのはちゃん何してるん!?」

 

 

はやてはなのはの行為を咎めるが…

 

 

なのは「行かせない!」

 

 

なのははレイジングハートを構えており、既に冷静さを無くしていた。

 

 

優希「セットアップ」

 

 

優希もバリアジャケットを纏い杖を構えた。

 

 

すずか「優希君!?」

 

 

すずかは2人を止めようとしたが…

 

 

アリサ「止めなさいすずか」

 

 

アリサがすずかを止めた。

 

 

アリサ「これは2人の問題よ。私達は見守りましょう」

 

 

アリサの言葉にフェイト達はなのはと優希を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

優希「なのは姉さん…」

 

 

なのは「ユウ考え直して!」

 

 

優希「考えは変えないよ」

 

 

なのは「なら無理にでも止める!」

 

 

なのはは自分の周りにアクセルシューターを出し…

 

 

優希「……」

 

 

優希も大量の魔力弾を出し…

 

 

なのは、優希「ッ!」

 

 

ドドドドドドドドドド!!

 

 

同時に撃ち出した。

 

 

なのは「ッ!」

 

 

魔力弾同士がぶつかり合い煙りが辺りを包み、なのはが先に飛び出してきた。

 

 

ボッ

 

 

優希「……」

 

 

優希も後を追う用に出て来て、両手にはフリーダムをソードモードにしてなのはに斬りかかった。

 

なのは「!?レイジングハート!」

 

 

レイ「プロテクション」

 

 

バチバチバチバチ!

 

 

優希「……」

 

 

優希は一度距離をとった。

 

 

優希「……」

 

 

優希は再び杖を取り出し…

 

 

優希「行け」

 

 

魔力弾をなのはに放った。

 

 

なのは「ッ!」

 

 

なのははそれを交わして優希にレイジングハートを向け…

 

 

なのは「ディバイン、バスター!」

 

 

優希「!?」

 

 

優希はディバインバスターをギリギリの所で交わした。

 

 

なのは「アクセルシューター!」

 

 

そこになのははアクセルシューターを撃ち、追い討ちをかけた。

 

 

優希「クッ!?」

 

 

優希はフリーダムをソードモードで迫るアクセルシューターを斬り防ぎ、なのはに迫った。

 

 

なのは「……」

 

 

なのはは優希が近づくのに合わせて後ろに下がって行き、優希も追いかけた。が…

 

 

優希「!!」

 

 

優希は設置型のバインドに捕まった。

 

 

なのは「ディバインバスター!」

 

 

優希「ッ!」

 

 

ドーーン!!

 

 

なのはのディバインバスターを正面からモロに食らった。

 

 

なのは「……」

 

 

優希「ハァハァハァハァ…」

 

 

煙りが晴れ、ボロボロになった優希はまだバインドで拘束されていた。

 

 

なのは「ユウ、考え直して…」

 

 

優希「ハァハァ…変え…い…」

 

 

なのは「そう…なら!」

 

 

なのははレイジングハートをエクセリオンモードにして…

 

 

なのは「全力全開!スターライト…ブレイカー!!」

 

 

を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前…

 

 

-地上side-

 

 

フェイト「なのは…」

 

 

地上ではフェイト達見守っており空ではボロボロになった優希が捕まっていた。

 

 

はやて「もうこれ以上は無理やね…」

 

 

はやては優希の状態を見て言った。誰が見ても決着はついていた。しかし…

 

 

アリサ「ちょっ!?」

 

 

すずか「駄目!」

 

 

なのはがスターライトブレイカーを撃とうとしていた。

 

 

アリサ「ッ!行くわよ!!」

 

 

アリサ達が優希を助けに行こうとしたがそれより早く…

 

 

ドーーン!!

 

 

優希にスターライトブレイカーが当たった。が…

 

 

フェイト「何?今の…」

 

 

フェイトには何か見え、アリサ達がフェイトの視線の先を見ると…

 

 

?「……」

 

 

優希「…?」

 

 

優希は自分に衝撃が来ないの変に思い前を見るとメイド服を着た女性がいた。

 

 

優希「…ラン?」

 

 

優希の前にランがいた。

 

 

ラン「はい、ご無事ですか優希様?」

 

 

ランはバインドを軽々と片手で握り締め破壊した。

 

 

優希「……」

 

 

フラッ

 

 

ラン「優希様!?」

 

 

ランは優希が落下する

前に優希をキャッチした。

 

 

優希「大丈夫…」

 

 

ラン「優希様、エタニティに」

 

 

優希「うん、運んでくれる?」

 

 

ラン「かしこまりました」

 

 

ランは優希に肩を貸してエタニティに向かったが…

 

 

なのは「待って!」

 

 

なのはが前に立ちはだかった。

 

 

ラン「邪魔です!」

 

 

なのは「ッ!」

 

 

ドーーン!!

 

 

なのはは咄嗟にシールドを張るが…

 

 

ドーーン!!

 

 

撃ち破られ、自分に直撃した。

 

 

優希「ラン!?」

 

 

ラン「出力は抑えました。ご安心下さい」

 

 

優希「ありがとう…」

 

 

ラン「いえ、私は優希様が望む結果にしただけです」

 

 

ランはなのはを傷つければ優希が悲しむと思い手加減をして撃っていた。

 

 

優希「ルネ、リナ」

 

 

ルネ「はい」

 

 

リナ「うん」

 

 

優希が呼ぶとルネとリナは優希に近付きエタニティに向かった。

 

 

優希「……」

 

 

カッ!

 

 

優希は小さくなって、桃子達に手を振った。桃子達もそれに応えて手を振った。

 

 

優希「……」

 

 

優希はそれを確認すると少しだけ微笑んでエタニティに乗り込んだ。

 

 

ラン「優希様」

 

 

優希「向かって…」

 

 

ラン「かしこまりました。エタニティ、発進します」

 

 

ランは人の姿になると優希に指示をもらいエタニティを発進させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのは「んっ…」

 

 

フェイト「なのは、気がついた?」

 

 

なのは「…フェイトちゃん?」

 

 

なのはは周りを見て…

 

 

なのは「フェイトちゃん!?ユウは!?」

 

 

アリサ「優希ならもういないわよ…」

 

 

なのは「そんな…」

 

 

フェイトにしがみついていたなのははゆっくり手を離し…

 

 

なのは「ユ…ウ……ウワァァァ」

 

 

そのまま泣き崩れた。

 

 

アリサ達「……」

 

 

アリサ達も辛そうな表情をし、落ち着くまでなのはの側にいた。

 



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第75話

-聖王教会-

 

 

優希「ここ?」

 

 

ルネ「はい」

 

 

あれから優希達はエタニティで聖王教会に到着した。

 

 

優希「入る…」

 

 

優希はルネに乗り、リナは優希の肩に座って中に入って行こうしたが…

 

 

騎士「ここに何か?」

 

 

入口にいた騎士が優希達の前に立ち道を遮った。

 

 

ルネ「カリム・グラシア様に取り次ぎを。高町優希が来たと言って頂ければわかると思います」

 

 

騎士「わかった。確認するのでここで待っていろ」

 

 

騎士はそう言って中に入って行った。

 

 

カリム「はぁ…」

 

 

シャッハ「騎士カリムどうしました?」

 

 

カリム「シャッハ?いえ、高町教導官の事が気になって…」

 

 

シャッハ「しかし騎士カリム…」

 

 

シャッハがカリムに何か言おうとすると…

 

 

コンコン

 

 

カリム「はい?」

 

 

騎士「失礼します」

 

 

カリム達が話していると先程の騎士が入って来た。

 

 

シャッハ「どうしました?」

 

 

騎士「はい、入口に小さな子供が来ていましてカリム様に会いたいと…」

 

 

カリム「子供?」

 

 

騎士「はい、高町優希と名乗っていました」

 

 

カリム達「!?」ガタッ

 

 

カリムは立ち上がり…

 

 

カリム「その子…その方は今何処に!?」

 

 

騎士「は、はい!?入口に…」

 

 

カリム「シャッハ!」

 

 

シャッハ「はい!!」

 

 

カリムとシャッハは急いで入口に向かった。

 

 

優希「……」

 

 

リナ「♪~」

 

 

騎士がいなくなってから優希は退屈なのかリナとじゃれあっていた。すると…

 

 

 

バタバタバタバタ!

 

 

優希「?」

 

 

優希が騒がしい方を見ると…

 

 

カリム「聖王陛下!」

 

 

カリムとシャッハが慌ただしく走って来た。

 

 

カリム「申し訳ありません!この様な場所でお待たせして申し訳ありません」

 

 

優希「?」

 

 

優希は誰?と言いたそうな表情をしていた。

 

 

ルネ「カリム様でよろしいのですか?」

 

 

カリム「これは失礼しました。私がカリム・グラシアです。そしてこちらにいるのが…」

 

 

シャッハ「シャッハ・ヌエラと言います」

 

 

2人の紹介が終わると…

 

 

優希「高町優希」

 

 

優希も自己紹介をした。

 

 

カリム「本日いらっしゃったのは…」

 

 

優希「ヴィヴィオの代わり」

 

 

カリム「!!わかりました。では中へお入り下さい」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷いてカリムの後に付いて行った。

 

 

カリム「では先程の話の続きをしたいのですが…よろしいでしょうか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

カリム「ではお聞きしますが、聖王陛下がいらっしゃったのは…」

 

 

優希「ヴィヴィオの代わり」

 

 

カリム「それは教会に来てくださると受け取ってよろしいのでしょうか?」

 

 

優希「その代わり…」

 

 

カリム「その代わり?」

 

 

優希「ヴィヴィオはなの姉の所に」

 

 

優希は交換条件をカリムに出した。

 

 

カリム「わかりました」

 

 

優希「それと…」

 

 

カリム「何かありますか陛下?」

 

 

優希「それ」

 

 

カリム「えっ?」

 

 

ルネ「マスターはその呼び方を変えて欲しいのです」

 

 

カリム「しかし…」

 

 

優希「変えて」

 

 

カリム「ですが…」

 

 

カリムが渋っていると…

 

 

優希「(涙)」

 

 

優希が上目遣いでカリムを見上げた。

 

 

カリム「あの///」

 

 

優希「(涙)」ウルウル

 

 

カリム「わ、わかりました」

 

 

優希「……」

 

 

カリムの返事を聞いた優希は嘘泣きを止めた。

 

 

カリム「ではどうお呼びしたらいいですか?」

 

 

優希「呼び捨てでいい」

 

 

カリム「わかりました。せめて優希様と呼ばせて下さい」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷いて了承した。

 

 

優希「……」

 

 

リナ「ほら優希ちゃんシャキッとして」

 

 

ルネ「マスター、後少しですから」

 

 

優希が聖王教会に来て二週間。カリムとシャッハに連れられて色々な貴族と会っていたが、疲れた為に少しダラケていた。

 

 

コンコン

 

 

ルネ「はい?」

 

 

カリム「失礼します」

 

 

ルネ「カリム様?まだ予定の時間では無いと思いますが?」

 

 

カリム「はい、よろしければ気分転換にお茶などご一緒にいかがですか?」

 

 

優希「行く」

 

 

優希はカリムの誘いに乗り一緒にお茶を飲む事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カリム「優希様、こちらでの生活はいかがですか?何か不便な事はありませんか?」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

カリム「何かありましたら遠慮なく申し付けて下さい」

 

 

優希「……」コク

 

 

コンコン

 

 

シャッハ「失礼します」

 

 

カリムと雑談をしているとシャッハが何かを持ってやって来た。

 

 

シャッハ「お茶請けにいかがですか?」

 

 

シャッハがそう言うとテーブルの上にクッキーを置いた。

 

 

優希「もぐもぐ」

 

 

シャッハ「お味はどうですか聖王陛下?」

 

 

優希「美味しい」

 

 

シャッハ「お口に合って良かったです」

 

 

優希達が雑談していると…

 

 

ドーーン!!

 

 

優希達「!?」

 

 

爆発音がして建物が揺れた。

 

 

カリム「何事です!?」

 

 

カリムが通信モニターを開き、警備をしている騎士に繋いだ。

 

 

騎士『謎の武装集団が攻めて来ています!現在応戦しており中への進入を阻止しております』

 

 

カリム「わかりました。決して中に入れないで下さい」

 

 

騎士『了解しました!』

 

 

シャッハ「騎士カリム!私も…」

 

 

カリム「いえ、シャッハには優希様の護衛を」

 

 

シャッハ「わかりました!」

 

 

カリムがシャッハに指示していると…

 

 

ドカン!!

 

 

シャッハ「!?」

 

 

ドアが破壊されシャッハはデバイスを起動させシャッハは優希とカリムを守る用に前に出た。

 

 

男1「聖王だな?その命もらうぜ!!」

 

 

男2「死ね~!!」

 

 

シャッハ「させません!」

 

 

2人が向かってくると同時にシャッハも相手に近づいた。

 

 

優希「ルネ」

 

 

ルネ「はい」

 

 

カリム「優希様!?何を!?」

 

 

優希「戦う」

 

 

カリム「いけません!優希様が戦うなど!」

 

 

優希が戦うと言い出したらカリムが驚き、優希の意見を却下した。

 

 

優希「でも…」

 

 

カリム「シャッハなら大丈夫ですから」

 

 

シャッハ「私がどうかされたのですか?」

 

 

優希「!?」

 

 

優希とカリムが話しているとシスターの姿に戻ったシャッハが来た。

 

 

カリム「シャッハ、侵入者は?」

 

 

シャッハ「あちらに…」

 

 

シャッハが手をかざした方を見ると…

 

 

男達「……」

 

 

ボロボロになった男達がいた。

 

 

優希「……」

 

 

カリム「シャッハ、雇い主を聞き出してくれる?」

 

 

シャッハ「かしこまりました。では…」

 

 

シャッハは返事をすると男達を連れて行った。

 

 

カリム「そちらはどうですか?」

 

 

騎士『はっ!こちらは襲撃者達を全員捕らえました。負傷者が何人か出ましたが問題ありません』

 

 

カリムは通信モニターを開くと外の様子を尋ねた。

 

 

カリム「わかりました。負傷した騎士達に安静にする用伝えて下さい」

 

 

騎士『はっ!』

 

 

カリム「優希様は一度ご自分の部屋に」

 

 

優希「……」コク

 

 

カリムは通信を切り優希と一緒に部屋を出た。

 

 

リナ「……」

 

 

カタカタカタカタ

 

 

ルネ「リナ?何をしてるのですか?」

 

 

リナ「うん?優希ちゃんのデバイスを作ってるの」

 

 

ルネ「デバイスを?」

 

 

リナ「うん、こないだみたいな事がまたあるかもしれないし」

 

 

先日の聖王教会襲撃から一週間、教会は事後処理をしておりリナはデバイスを作成していた。

 

 

ルネ「ですがマスターにはデバイスがあるのですよ?」

 

 

リナ「うん、本来の姿のはね?でも小さい姿用のは無いでしょ?」

 

 

ルネ「フリーダムがありますよ?」

 

 

リナ「ルネちゃんに質問。優希ちゃんが小さい姿の時にフリーダムを使ってるの何回見た?」

 

 

ルネ「!!2、3度しか見ていないですね…」

 

 

リナ「でしょ?フリーダムは小さい姿だと体に負担があるみたいなの。だから優希ちゃんは普段、戦う時は元の姿になるでしょ?」

 

 

ルネ「確かに…」

 

 

リナ「小さい姿の時に使えるデバイスが無いと、もし本来の姿に戻る余裕が無いと優希ちゃんは自分を守る手段が無いの」

 

 

ルネ「そうですね…」

 

 

リナ「だから作ってるの…」

 

 

ルネ「わかりました。そちらはリナに任せます」

 

 

リナ「ルネちゃん?何処に行くの?」

 

 

ルネ「マスターと少し【お話し】を…」

 

 

ルネは部屋を出て行った。

 

 

リナ「…私もしかして地雷踏んだ?」

 

 

リナが呟くと…

 

 

ルネ「マスター!!あれほど体を大事にして下さいって言ったじゃないですか!!」

 

 

優希「!?!?!?」

 

 

優希はルネから逃げ、聖王教会を走り回っていた。

 

 

優希「……」

 

 

リナ「あの~優希ちゃん」

 

 

優希「なに?」

 

 

現在リナはヒモで結ばれて天井から吊されていた。

 

 

リナ「ごめんね!?優希ちゃん私が悪かったから許して~(泣)」

 

 

リナの前にはバリアジャケットを着た優希がいたが、その姿はいつもと違い頭に猫耳、シッポ、半ズボン、ジャケットに変わっていた。

 

 

優希「駄目」

 

 

リナ「うぇ~ん(泣)ルネちゃん助けて~(泣)」

 

 

ルネ「無理です」

 

 

リナ「即答!?ルネちゃんだって可愛いって言ったじゃん!」

 

 

ルネ「ちょっ!?」

 

 

優希「…ルネ?」

 

 

ルネ「ま、マスター」

 

 

優希「共犯?」

 

 

ルネ「違います!」

 

 

リナ「ルネちゃん!?」

 

 

優希「リナ?」

 

 

リナ「ちょっとした出来心だったの~(泣)」

 

 

優希「元に戻して」

 

 

リナ「その~…無理だったり…して?」

 

 

リナは笑って誤魔化そうとしたが…

 

 

優希「反省!」

 

 

優希はそのまま部屋を出て行き…

 

 

ルネ「マスター」

 

 

ルネも返事を出て行った。

 

 

リナ「優希ちゃん!?ルネちゃん!?下ろして~(泣)」

 

 

リナの悲しい叫びは届かずそのまま夜まで吊されていた。

 

 

カリム「えっ!?他の世界にですか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

カリム「突然ですね?何かあったのですか?」

 

 

優希が聖王教会に来てから一月。優希が突然他の世界に行きたいと言い出した。

 

 

優希「これ」

 

 

優希は一冊の本を開いてカリムに見せた。

 

 

カリム「これは【聖王の剣】!?まさかこれを取りに行かれる気ですか!?」

 

 

優希「……」コク

 

 

カリム「いけません!剣がある遺跡は以前調査しましたが見つからず、その上色々な仕掛けがされており危険です!」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

カリム「しかし!!」

 

 

カリムが反対していると…

 

 

優希「護衛が入ればいい?」

 

 

カリム「護衛…ですか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

カリム「…わかりました。ですが誰に護衛を頼むのですか?」

 

 

優希「姉達」

 

 

カリム「姉?」

 

 

優希「特務隊」

 

 

カリム「!なるほど、その方達なら確かに安心ですね…」

 

 

優希「いい?」

 

 

カリム「はい、ですが何かあったら必ず連絡をして下さい!それが条件です」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷いて部屋を出て行った。

 



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第76話

-風見バーベナ学園-

 

 

なのは「……」

 

 

優希がいなくなってから一月。なのはは周りが心配する程落ち込んでいた。

 

 

楓「優希君とはまだ連絡が取れないんですか?」

 

 

はやて「流石に王様になると会うのも難しいんや…」

 

 

音姫「そうなんだ…」

 

 

はやてが説明していると…

 

 

イフ「お嬢様、メールが届きました」

 

 

アリサ「メール?呼んでちょうだい」

 

 

イフ「はい、【アリサ姉、キャッチして】以上です」

 

 

アリサ「ハァ!?」

 

 

アリサが変な声を出すと…

 

 

ウン「すずか様、上空に転移反応です」

 

 

すずか「えっ!?」

 

 

全員が空を見上げると何か落ちてきた。

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

優希が空から落ちてくるのを確認するとなのはがバリアジャケットを纏い空に上がり…

 

 

優希「なの姉!」

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

優希をキャッチした。

 

 

なのは「ユウ!ユウ!」

 

 

優希「!?」

 

 

ギュッ~!!

 

 

なのは「ユウ!ユウ!」

 

 

なのはが優希を強く抱きしめた為…

 

 

優希「……」

 

 

優希は気絶した。

 

 

アリサ「それで優希?何かあったの?」

 

 

優希「アリサ姉にお願い」

 

 

アリサ「私に?言ってみなさい」

 

 

優希「あの…」

 

 

優希は聖王の剣を取りに行くのに反対されアリサとすずかに護衛を頼む事で許可が出た事を話した。

 

 

すずか「私はいいけど、アリサちゃんは?」

 

 

アリサ「私も良いわよ」

 

 

優希「じゃあ…」

 

 

優希が何かを言おうとすると…

 

 

なのは「ユウ、お姉ちゃんも連れて行って?」

 

 

なのはが頼むが…

 

 

優希「……」フルフル

 

 

拒否された。

 

 

なのは「どうして!?」

 

 

優希「なの姉、任務」

 

 

なのは「うっ…」

 

 

なのはが俯くと…

 

 

魔王「なら私達が一緒に行くのはどうだい?」

 

 

魔王と神王がやって来た。

 

 

シア、ネリネ「お父さん(お父様)!?」

 

 

魔王「なに、優希君の魔力を感じて見に来たんだよ」

 

 

神王「そしたら何か面白そうな話しをしてるじゃねえか?」

 

 

魔王「良かったら私達も連れて行ってくれないかい?他の世界の遺跡に少し興味が湧いてね」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

優希が拒否を示すが…

 

 

魔王「そちらの指示に従うし勝手に遺跡の物を持ち出さないから…駄目かな?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は諦めて頷いた。

 

 

麻弓「凄いのですよ~!!」

 

 

優希達は聖王の剣が有る遺跡に行くためエタニティに乗り次元を移動していた。

 

 

杉並「これは一体誰が作ったのだ?」

 

 

杉並の質問に…

 

 

ラン「私を含めエタニティも支援メカ達も全て優希様がお作りになっています」

 

 

「「ええ~!?」」

 

 

ランの発言にアリサとすずか以外は驚いていた。

 

 

茜「アリサちゃん達は驚かないの!?」

 

 

アリサ「当然よ。私達のデバイスを作ったのは優希なのよ?」

 

 

亜沙「そうなの!?」

 

 

すずか「はい」

 

 

アリサ達が説明していると…

 

 

優希「……」ギュッ

 

 

アリサ「優希?」

 

 

優希は浮かび上がるとアリサに抱きついた。

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「…悪かったわよ。少し喋り過ぎたわね」

 

 

アリサが優希の顔を見て返事をした。それを見ていたななか達は…

 

 

ななか「アリサちゃん達って優希君の顔を見ただけで何を言ってるかわかるの?」

 

 

すずか「うん、大体はわかるよ」

 

 

ななか「じゃあ私も♪」

 

 

ななかは優希を見つめた。

 

 

優希「?」

 

 

優希は何?と言いたそうな表情でななかを見た。

 

 

ななか「ん~…可愛い!」

 

 

ななかが優希を抱き締めようとした瞬間…

 

 

優希「!?」

 

 

バッ

 

 

優希はアリサから離れて天井まで浮かび上がった。

 

 

ななか「あれ?」

 

 

アリサ「あの子が懐かない限り触るのは無理よ」

 

 

ななか「じゃあ、アリサちゃん達しか触れないの?」

 

 

すずか「この中では私達と音姫先輩と茜ちゃんかな?」

 

 

ななか「いいな~」

 

 

ななかが近くにいた茜を見た。

 

 

茜「私が呼んだら来てくれるかな?」

 

 

アリサ「多分平気よ」

 

 

茜「じゃあ、優希く~ん♪おいで~」

 

 

優希「……」コク

 

 

ギュッ

 

 

優希は茜に近寄り抱きついた。

 

 

茜「あは♪いい子♪」ナデナデ

 

 

ななか「いいな~…」

 

 

優希「……」

 

 

優希はななかを見ると浮かび上がり近づいた。

 

 

ソォ~

 

 

チョン

 

 

優希は少しだけななかに触った。

 

 

ななか「ん?」

 

 

優希「ビクッ!?」

 

 

ななかが反応した瞬間、優希はななかから離れた。

 

 

ななか「どうしたの?」

 

 

優希「……」

 

 

優希はななかを見つめた。

 

 

ななか「えっと…」

 

 

優希「……」

 

 

優希がななかを見つめていると…

 

 

麻弓「かっこいいのですよ~!!急速潜行!なんちゃって♪」

 

 

麻弓がエタニティの操舵席に座って叫んだ瞬間…

 

 

ガタガタガタガタ!!

 

 

エタニティが麻弓の指示で突然揺れ出した。

 

 

 

はやて「な、なんや!?」

 

 

優希「ラン!!」

 

 

ラン「優希様大変です!エタニティが予定の航路から外れ出しました!このままではどこに出るか解りません!」

 

 

優希「ッ!?どいて!!」

 

 

麻弓「キャッ!?」

 

 

優希は麻弓どかし操舵席に座った。

 

 

優希「ラン!!」

 

 

ラン「はい!出力全開、軌道修正入ります!」

 

 

ガタガタガタガタ!!

 

 

ランがエタニティの航路修正を行うが…

 

 

ラン「駄目です!修正出来ません!」

 

 

優希「全エネルギーをエンジンに!」

 

 

ラン「優希様!?そんな事したらエンジンが!?」

 

 

優希「姉達の安全を優先」

 

 

ラン「かしこまりました。全エネルギーエンジンへ、出力最大!」

 

 

ランは優希の指示通りに全エネルギーをエンジンに廻して航路修正を始めた。

 

 

優希「どう!?」

 

 

ラン「軌道修正…現状維持が限界です!」

 

 

優希「転移は!?」

 

 

ラン「目的地への転移は可能です。しかし転移後のエタニティの安全性が…」

 

 

優希「やって!!」

 

 

ラン「はい!エタニティを強制転移します!」

 

 

ランはエタニティを目的地に転移させた。

 

 

-???-

 

 

シュン!

 

 

ラン「優希様、目的地に到着しました!」

 

 

優希「ルネ!外に転移!」

 

 

ルネ「はい!皆さん私の側に!」

 

 

全員がルネの側により…

 

 

ルネ「マスター!」

 

 

優希「先に行って!!」

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

アリサ「アンタも早く来なさい!」

 

 

優希「ルネ!」

 

 

ルネ「はい!」

 

 

ルネは返事をすると転移した。

 

 

優希「ラン、着陸出来る?」

 

 

ラン「2時の方向に海が確認出来ました。そこならエタニティのダメージも少ないかと…」

 

 

優希「コク」

 

 

優希は頷いてエタニティを海の方向に舵を取った。

 

 

ラン「後30秒で着水します。優希様、衝撃に備えて下さい」

 

 

優希「コク」

 

 

優希が頷いた後、少ししてエタニティは着水した。そしてなのは達は…

 

 

シュン!

 

 

なのは「ルネ!?どうして!?」

 

 

なのはがルネに問いかけると…

 

 

ドボ~ン!!

 

 

なのは「!?」

 

 

エタニティが着水した。

 

 

なのは「ユウ!!」

 

 

なのは達はバリアジャケットを纏いエタニティに近付いて行った。

 

 

フェイト「優希~」

 

 

はやて「優希く~ん」

 

 

なのは達がエタニティに近づくと…

 

 

ドバ~ン!!

 

 

?「……」

 

 

すずか「なに!?」

 

 

赤い鳥が通り過ぎ、なのは達が戦闘態勢に入ると…

 

 

カッ!

 

 

姿が変わりランになった。

 

 

ラン「…周囲の安全を確認」

 

 

ランがそういうと背中のリュックから優希が出て来てランに抱っこされた。

 

 

優希「ラン、ありがとう」

 

 

ラン「いえ、優希様をお守りするのが私の役目です」

 

 

ランはルネ達がいる所に降りていきなのは達も続いた。

 

 

ルネ「マスター!」

 

 

リナ「優希ちゃん!」

 

 

ランはルネの前に降り、膝を着いて優希を下に降ろすとランは麻弓を見て…

 

 

ラン「…死になさい!」

 

 

麻弓「えっ…」

 

 

ランは突然麻弓に拳を振り下ろした。が…

 

 

ガシッ!

 

 

優希「ラン…」

 

 

ラン「優希様何を!?」

 

 

優希はキャットクローをランの腕に巻き付け、ルネがワイヤーをくわえて踏ん張っていた。

 

 

リナ「ランちゃんこそ何をしてるの?」

 

 

リナが麻弓を守るようにランの前に出て来た。

 

 

ラン「この者の所為で優希様が怪我をなさる所だったのですよ!?ましてや操舵席に座らないように注意しておいたにも関わらず座り、あまつさえエタニティがあの状態です!!」

 

 

ランは少しずつ沈んでいるエタニティを指差した。

 

 

優希「ラン、落ち着いて」

 

 

ラン「しかし優希様!?」

 

 

優希「ラン…」

 

 

ラン「…はい」

 

 

ランは優希に注意され落ち込んだ。

 

 

優希「……」

 

 

優希は浮かび上がるとランの頭を撫でた。

 

 

ラン「優希様?」

 

 

優希「ありがとう」

 

 

優希は自分の事を心配してくれたランに礼を言った。

 

 

ラン「いえ」

 

 

アリサ「さて問題はこれからどうするかね…」

 

 

はやて「そやね、兎に角周辺の安全を確認しよか?」

 

 

なのは達「「了解」」

 

 

なのは達は散開して辺りを調べ…

 

 

優希「ラン、エタニティ修復にどれくらい?」

 

 

ラン「外装の損傷率20%ですが問題ありません。ですがエンジンの損傷率が72%の為動かすのは危険です」

 

 

優希「直る?」

 

 

ラン「はい、既に自己修復システムを起動させてあります。3日程で直るかと…」

 

 

優希「コク」

 

 

ラン「優希様私達はどうなさいますか?」

 

 

優希「ルネ転移出来る?」

 

 

ルネ「エタニティの中にですか?可能ですが転移しますか?」

 

 

優希「コク」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

ルネは頷いてエタニティに転移した。

 

 

はやて「みんなどうやった?」

 

 

なのは「周辺に危険はないよ」

 

 

フェイト「あれ?優希は?」

 

 

シア「優希君なら」

 

 

ネリネ「あちらに…」

 

 

ネリネがエタニティを指差した。

 

 

アリサ「エタニティに?」

 

 

アリサが優希の行動に疑問に思っていると…

 

 

優希「……」

 

 

優希が戻って来た。

 

 

すずか「優希君何してたの?」

 

 

優希「これ」

 

 

優希はペンダントの中から沢山のバックなどを出した。

 

 

亜沙「これって私達の荷物?」

 

 

稟「わざわざ取って来てくれたのか?」

 

 

優希「コク」

 

 

優希が頷き、稟達は自分の荷物を取った。すると突然…

 

 

すずか「ん~♪可愛い///」

 

 

ナデナデ♪

 

 

優希「?」

 

 

すずかが優希を撫でだした。

 

 

杏「確かに可愛いわね」

 

 

キャットクローを纏った優希を初めてみた、すずか達は各々の感想を言っていた。

 

 

小恋「でも前に着てたのと違うよね?」

 

 

義之「確かに違うな」

 

 

由姫「でも可愛いですよ?」

 

 

優希「はやて姉、どうする?」

 

 

優希ははやてに今後の事を聞いた。

 

 

 

はやて「兎に角みんなが安全に休める所を探そか?」

 

 

全員「はい(おう)!」

 

 

義之「音姉、大丈夫?」

 

 

稟「プリムラも大丈夫か?」

 

 

音姫「大丈夫だよ弟君」

 

 

プリムラ「大丈夫だよお兄ちゃん♪」

 

 

稟と義之は互いに身内に気遣っていた。しかし一部では…

 

 

茜「義之く~ん♪」

 

 

亜沙「稟ちゃ~ん♪」

 

 

亜、茜「荷物もって~♪」

 

 

稟「亜沙先輩、だから荷物が多いって言ったじゃないですか…」

 

 

亜沙「稟ちゃん♪女の子には必要な物が沢山あるんだよ?」

 

 

茜「そうだよ♪」

 

 

義之「だけど俺達も自分の荷物で…」

 

 

茜「そこはほら?気合いで…」

 

 

稟、義「「無茶言うな!!」」

 

 

稟達がそんなやり取りをしていると…

 

 

優希「……」

 

 

茜「優希君?」

 

 

優希が茜に近づいた。

 

 

優希「…貸して」

 

 

優希は茜の荷物を指差した。

 

 

茜「えっ!?大丈夫だよ!優希君じゃ持てないよ?」

 

 

優希「平気」

 

 

優希はペンダントの中に茜の荷物をしまった。

 

 

茜「ふぇ!?」

 

 

優希「中にしまった」

 

 

優希は混乱している茜に説明した。

 

 

茜「凄~い♪」

 

 

茜は驚き…

 

 

亜沙「優希ちゃん♪私のもお願い♪」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

亜沙も頼むが優希は拒否した。

 

 

亜沙「ぅ~…優希ちゃんのイジワル」

 

 

フェイト「優希?イジワルしたら、めっ!」

 

 

優希「・・・」ショボン

 

 

フェイトが注意すると優希は落ち込み、猫耳も垂れ下がった。

 

 

フェイト「ゆ、優希別に怒ってる訳じゃないから、ね?」

 

 

優希「…ホント?」

 

 

フェイト「ホントだよ」ナデナデ

 

 

フェイトが優希の頭を撫でると…

 

 

優希「♪♪♪」パタパタ

 

 

優希の尻尾が左右に揺れ動いた。

 

 

すずか「可愛い///」

 

 

すずかも撫でるが…

 

 

優希「……」

 

 

尻尾は揺れなかった。

 

 

すずか「どうして!?」

 

 

リナ「う~ん、多分フェイトちゃんの撫で方が上手いじゃないかな?」

 

 

すずか「ぅ~…」

 

 

すずかは尻尾を振ってもらえず落ち込んだ。

 

 

アリサ「全く何しているのよ?」

 

 

すずか「だって~…」

 

 

アリサはすずかを見て少しだけ呆れていた。

 

 

由夢「所で優希さんって誰に一番懐いているんですか?」

 

 

アリサ「なのはよ。あの子が一番最初に懐いたのもなのはだし」

 

 

なのは「うん」

 

 

由夢「一番最初に懐いたってのは?」

 

 

なのは「私とユウは本当の姉弟じゃないの。ユウが小さい時に家で引き取ったの」

 

 

由夢「す、すいません…」

 

 

なのは「気にしないで?」

 

 

なのはが由夢に自分達の事を話していると…

 

 

楓「あの~…」

 

 

フェイト「どうしたの?」

 

 

楓「優希君がいないですけど…」

 

 

なのは達「えっ!?」

 

 

なのは達が辺りを見回すと優希の姿は何処にもなかった。

 

 

アリサ「全く、なのは…」

 

 

なのは「うん、ユウ~!!」

 

 

なのはが優希の名を呼ぶと…

 

 

ガサガサ

 

 

優希「……」ギュッ

 

 

優希が戻って来てなのはに抱きついた。

 

 

なのは「駄目でしょユウ?一人で先に行ったら」

 

 

優希「一緒」

 

 

優希は待機状態のルネを見せた。

 

 

なのは「今は団体行動でしょ?」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「少しは他の人にも慣れないと…」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

なのは「でもね…」

 

 

ギュッ

 

 

優希がなのはに抱きついて…

 

 

優希「姉達がいればいい…」

 

 

そう呟いた。

 

 

なのは「駄目だよ?他の人にも慣れないと…そうだ!」

 

 

優希「?」

 

 

優希はなのはの顔を見ると嫌な予感がした。

 

 

なのは「せっかくだから皆に抱っこしてもらって慣れてみよう?」

 

 

優希「!」フルフル!!

 

 

なのはのとんでもない発言に優希は思いっきり拒否を示した。

 

 

なのは「大丈夫♪お姉ちゃんも一緒だから」

 

 

なのははそう言うとななかに近づいた。

 

 

優希「!?!?!?」バタバタバタバタ!

 

 

優希が暴れて抵抗していると…

 

 

アリサ「なのは止めなさい!」

 

 

アリサがなのはの前に出た。

 

 

なのは「アリサちゃん?」

 

 

アリサ「アンタ何無茶な事してんの?優希を見てみなさい」

 

 

なのはが優希を見ると…

 

 

優希「~~!!」

 

 

優希が必死になのはから離れようとしていた。

 

 

アリサ「優希がどれだけ他の人が苦手かアンタが一番解ってるでしょ?」

 

 

なのは「大丈夫だよ♪お姉ちゃんと一緒なら大丈夫だよね?」

 

 

ガブッ

 

 

なのは「イタッ!?」

 

 

なのはが優希に聞くと優希がなのはに噛み付いた。

 

 

優希「(怒)」

 

 

なのはが優希を離すと優希はなのはから距離を取り、なのはを睨んだ。

 

 

なのは「ユウ!何するの!?」

 

 

優希「フ~!」

 

 

アリサ「アンタが悪いんでしょ?」

 

 

なのは「何で?私は優希の事を思って…」

 

 

アリサ「だったら何で優希があんなに怒ってるのよ!!」

 

 

優希「フー!(怒)」

 

 

アリサが優希が指差すと、優希は完全になのはを敵視していた。

 

 

なのは「ユウ…」

 

 

なのはが優希を見ると…

 

 

優希「……」

 

 

シュタ

 

 

優希は一人で何処かに走り去った。

 



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第77話

アリサ「優希!ラン、ここは私達に任せて優希を追いかけなさい!」

 

 

ラン「了解しました!」

 

 

ランは優希を追いかけ…

 

 

はやて「ギンガとFW陣も一緒に追いかけて!」

 

 

ギ、FW陣「了解」

 

 

ギンガ達も優希を追いかけて行った。

 

 

なのは「私も!」

 

 

なのはも追いかけようとするが…

 

 

アリサ「アンタはダメよ」

 

 

なのは「アリサちゃん!邪魔しないで!」

 

 

アリサ「優希を追い詰めたのは誰!?少しは反省しなさい!」

 

 

なのは「でも…」

 

 

アリサ「優希の気持ちを考えないで失敗した事をアンタは忘れたの!?」

 

 

なのは「ッ!?」

 

 

なのはは以前優希がいなくなった時の事を思い出した。

 

 

すずか「優希君の事はラン達に任せて私達は休める所を探そう?」

 

 

フェイト「そうだね」

 

 

なのは達は再び休める所を探しだした。そして優希は…

 

 

優希「……」シュタ、シュタ

 

 

木の枝から枝えと飛び移って移動していた。

 

 

ラン「優希様!お待ち下さい!」

 

 

ランは見失わない様に優希を追いかけていた。

 

 

スバル「ティア!?このままじゃ見失っちゃうよ!!」

 

 

ティアナ「解ってるわよ!!スバルとギンガさんで先回りして!」

 

 

スバル「うん!」

 

 

ギンガ「ええ!」

 

 

スバルとギンガはウイングロードを展開して別々の方向に進んだ。

 

 

スバル「優希!」

 

 

優希「!?」

 

 

ギュッ

 

 

スバルが優希の前に出て捕まえたが…

 

 

優希「フ〜!」

 

 

バッ!

 

 

優希は身体強化でスバルから逃げ出すが…

 

 

ギンガ「甘い!」

 

 

ギュッ!

 

 

優希「!?」

 

 

すぐにギンガに捕まった。

 

 

ギンガ「大人しくして!」

 

 

優希「(怒)!」

 

 

ガブッ!

 

 

ギンガ「イタッ!?」

 

 

スバル「ギン姉!?」

 

 

ギンガ「大丈夫」

 

 

ギンガは優希に噛まれたままスバルに返事をし…

 

 

ギンガ「大丈夫、大丈夫」

 

 

ギンガは優希の頭を優しく撫で落ち着かせた。

 

 

優希「……」

 

 

優希はゆっくり噛むのを止めた。

 

 

ギンガ「大丈夫、優希が怖い事はしないから」

 

 

優希「・・・」ナデナデ

 

 

優希は落ち着いたのか噛み付いた所を撫でだした。

 

 

ティアナ「ギンガさん!」

 

 

ギンガ「優希を無事保護したから皆の所に戻りましょ?」

 

 

ティアナ「はい」

 

 

ラン「優希様こちらに」

 

 

ランが優希に手を伸ばすと…

 

 

優希「……」

 

 

優希はランの背中に周り右肩にもたれかかった。

 

 

ラン「では他の方々と合流しましょう」

 

 

ランは優希を肩に乗せて歩き出した。

 

 

優希「…アッチ」

 

 

優希は電子手帳を取り出しある方角を指差した。

 

 

ティアナ「優希、アッチに何かあるの?」

 

 

ラン「いえ、優希様はイフリート達の反応を探し場所を教えてくれたのです」

 

 

エリオ「凄いですね」

 

 

ラン「技術的なら管理局に負けません。むしろ勝ちますよ?」

 

 

ギンガ達「えっ…」

 

 

ギンガ達はランの発言に言葉を失った。

 

 

ラン「優希様、しっかり掴まっていて下さい」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希が頷き、その後ろでは…

 

 

ティアナ「速いわよ!!」

 

 

キャロ「ハァハァハァハァ…」

 

 

ティアナ達が追い掛けていたが、キャロは既に息が切れていた。

 

 

優希「…ラン」

 

 

ラン「かしこまりました」

 

 

ランは返事をするとスピードを落とし歩き出した。

 

 

優希「大丈夫?」

 

 

キャロ「は、はい…大…丈夫…です」

 

 

ラン「優希様、他の方々の反応が止まっています。多分休憩しているのかと…」

 

 

優希「……」コク

 

 

ラン「では、今の内に追い付きます」

 

 

優希達は歩いて進み出した。

 

 

優希「?」

 

 

ラン「優希様?」

 

 

ギンガ「どうしたの?」

 

 

優希「……」

 

 

優希が指差す方向を見ると…

 

 

ラン「洞窟みたいですね」

 

 

優希「ラン」

 

 

ラン「はい、私が調べてまいりますので優希様は他の方々に合流して下さい」

 

 

優希「コク」

 

 

優希は頷きランから降りた。

 

 

ラン「では、行ってまいります」

 

 

ランは洞窟に向かい、優希達はなのは達の所に向かった。

 

 

優希「アリサ姉」

 

 

アリサ「優希、大丈夫?」

 

 

優希は合流するとすぐにアリサに近寄った。

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ…」

 

 

なのはは優希に近付いた。

 

 

なのは「ごめんね…お姉ちゃん…また…」

 

 

優希「……」

 

 

優希は浮かび上がり…

 

 

優希「…もうしない?」

 

 

なのは「うん…」

 

 

優希「約束」

 

 

優希は小指を差し出し…

 

 

なのは「うん、約束♪」

 

 

なのはも小指を出し指切りをした。

 

 

ラン「優希様」

 

 

優希「……」

 

 

洞窟を調べていたランが戻り…

 

 

ラン「洞窟内に危険性はありませんでした。あの場所なら皆様が休めると思います」

 

 

すずか「休める所が見つかったの?」

 

 

ラン「はい、あちらなら雨風を凌げると思います」

 

 

アリサ「ならそこに移動しましょ」

 

 

アリサの声に全員が立ち、ランを先頭に洞窟を向かった。

 

 

はやて「みんな大丈夫?」

 

 

全員「はい(うん、ああ)」

 

 

はやてが全員に不調が無いか聞くと…

 

 

くぅ~

 

 

優希「……」

 

 

優希の腹が鳴った。

 

 

すずか「お腹減ったの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「あっ…」

 

 

シグナム「どうしたテスタロッサ?」

 

 

フェイトが何かに気づき…

 

 

フェイト「食料がない…」

 

 

全員「!?!?」

 

 

フェイトの言葉に全員が固まった。

 

 

渉「ちょっ!?じゃあこれからどうするだよ!?」

 

 

杉並「落ち着け板橋」

 

 

樹「だけど食料がないのは問題だね?」

 

 

義之「だけどどうする?」

 

 

杉並「調達するしかあるまい」

 

 

稟「確かに…」

 

 

魔王「女の子達はここに残って男性が探しに行くのがベストかな?」

 

 

神王「だな、なら手分けして探すか?」

 

 

はやて「ウチらも二手に分かれて行動しよか」

 

 

はやての指示でスターズ分隊、はやて、リィン、ザフィーラが食料捜索班。ライトニング分隊、特務隊、ギンガ、シャマルが護衛に残る事になった。

 

 

優希「ルネ、リナ、ラン」

 

 

ル、リ、ラ「はい」

 

 

優希「二手…」

 

 

ルネ「わかりました。でしたら私とランで遺跡を探します」

 

 

優希「……」コク

 

 

リナ「私は優希ちゃんと一緒にいるね」

 

 

ルネ「頼みましたよ?ラン、私達も行きましょう」

 

 

ラン「はい、ルネお姉様」

 

 

ルネとランも遺跡を探しに向かい…

 

 

リナ「私達も行こう優希ちゃん?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希とリナも食料を探しに向かった。

 

 

優希「リナ…」

 

 

リナ「うん、これは食べれるよ♪」

 

 

優希「少ない」

 

 

リナ「そうだね、実はなっているのに数は少ないね?」

 

 

優希とリナは木の実を探しているがそんなに見つからず…

 

 

優希「他の所」

 

 

リナ「探そうか?」

 

 

場所を移動する事にした。

 

 

優希「……」

 

 

リナ「う~ん、こっちも無いのかな?」

 

 

優希は浮かびながら移動しリナは優希の頭に座っていた。

 

 

優希「無い」

 

 

リナ「うん、皆食べられちゃったのかな?」

 

 

優希達が移動して探したが見つからなかった。

 

 

リナ「あ、優希ちゃん!」

 

 

優希「?」

 

 

リナが優希の前に浮かび何処かを指差した。

 

 

優希「湖?」

 

 

リナ「そうみたい」

 

 

優希「行く」

 

 

リナ「うん♪」

 

 

優希はリナと一緒に湖に近づいた。

 

 

優希「魚」

 

 

リナ「釣るの?」

 

 

優希「捕る」

 

 

リナ「捕る?」

 

 

リナが優希と話していると…

 

 

はやて「優希君どないしたん?」

 

 

ザフィーラ「……」

 

 

はやてとザフィーラがやって来た。

 

 

優希「はやて姉」

 

 

優希は両手を上げて…

 

 

はやて「抱っこ?」

 

 

はやては優希を抱き上げ…

 

 

優希「リナ」

 

 

リナ「うん。はやてちゃん、優希ちゃんを抱き上げたままついて来て」

 

 

はやて「?ええけど…」

 

 

はやてはリナに言われた通りリナに付いて行った。

 

 

はやて「なぁリナ?」

 

 

リナ「何はやてちゃん?」

 

 

はやて「何するん?」

 

 

リナとはやては湖の上をゆっくり飛んで優希はキャットクローのワイヤーを湖に垂らしていた。

 

 

リナ「う~ん、優希ちゃんもういい?」

 

 

優希「コク」

 

 

リナ「じゃあはやてちゃん、岸に戻ろう♪」

 

 

はやて「?」

 

 

リナとはやては岸にいるザフィーラの下に戻り…

 

 

優希「はやて姉」

 

 

はやて「降りるん?」

 

 

優希「……」コク

 

 

はやては優希を下ろした。

 

 

優希「~!!」

 

 

すると優希はキャットクローのワイヤーを引いた。が…

 

 

優希「~~!?」

 

 

引けなかった。

 

 

はやて「引っ張っるんか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ザフィ「主、私が」

 

 

はやてが手伝おうとするとザフィーラが声をかけてきた。

 

 

はやて「お願いしてええか?」

 

 

ザフィ「はい」

 

 

ザフィーラは人型になりワイヤーを引っ張った。

 

 

バシャバシャバシャバシャ!

 

 

するとワイヤーが網の用に編んであり中に大量の魚がいた。

 

 

優希「……」

 

 

はやて「優希君?」

 

 

優希は網の中から小さな魚を逃がした。

 

 

優希「…戻る」

 

 

はやて「じゃあ行こか?」

 

 

優希達が戻ろうとした時…

 

 

キャロ『こちらライトニング4、人型の謎の生物に襲撃を受けてただいま交戦中。数は4体。救援をお願いします!』

 

 

キャロから全体通信がきた。

 

 

はやて「あかん!ザフィーラ、優希君!行くで!」

 

 

はやて達は急いで洞窟に向かった。その頃フェイト達は…

 

 

フェイト「ハッ!」

 

 

シュン!

 

 

シグナム「そこ!」

 

 

シュン!

 

 

アリサ「全然当たらないわね…」

 

 

フェイト「うん、私より速い…」

 

 

フェイト達はすずか、シャマル、エリオ、キャロに女性陣の守りを任せ謎の生物と交戦していた。

 

 

アリサ「それでどうする?」

 

 

シグナム「救援が来るまで時間を稼ぐしかないな…」

 

 

ギンガ「来ます!」

 

 

フェイト達「ッ!?」

 

 

ギンガの声に全員が再び謎の生物に向かった。

 

 

シュン!

 

 

フェイト「何!?カハッ!?」

 

 

シグナム「テスタロッサ!」

 

 

謎の生物は更にスピードを上げてフェイト達を襲いかかった。

 

 

シグナム「クッ!」

 

 

アリサ「この!!」

 

 

ギンガ「ッ!?」

 

 

シグナム達は相手が単調な動き方をしているので防ぐ事が出来ているがスピードが違い過ぎて攻撃を当てられずにいた。

 

 

アリサ「このままじゃジリ貧じゃない!!」

 

 

ギンガ「ですけど…」

 

 

シグナム「カウンターを狙うか?」

 

 

フェイト「もし外したらこちらが無防備になりますよ?」

 

 

シグナム「しかし他に方法は…」

 

 

フェイト達が作戦を練っていると…

 

 

「グルル…」

 

 

人型の生物達は唸り声を出し…

 

 

シュン!

 

 

フェイト「クッ…」

 

 

シグナム「ハッ!」

 

 

アリサ「この!!」

 

 

ギンガ「タァ!」

 

 

再びフェイト達に襲いかかり、フェイト達が反撃をするとそれを避けフェイト達から距離をとると…

 

 

謎の生物達「!?グルル~!!」

 

 

フェイト「何?」

 

 

シグナム「何かに警戒しているみたいだな…」

 

 

謎の生物達は突然フェイト達から目を離し森の方を警戒し始めた。

 

 

ギンガ「いったい…」

 

 

アリサ「イフリート!」

 

 

イフ「優希様が高速で接近しています!」

 

 

フェイト「優希?」

 

 

フェイトが聞いた瞬間…

 

 

シュン!

 

 

ガキィン!ガキィン!ガキィン!ガキィン!

 

 

フェイト達の前から生物達が消えてフェイト達の周りでは金属音が鳴り響いた後…

 

 

ザザ~!!

 

 

優希「……」

 

 

「グルル~!」

 

 

白虎フォームの優希が現れた。

 

 

優希「大丈夫?」

 

 

フェイト「うん」

 

 

「グルル~!!」

 

 

優希「……」

 

 

シュン!

 

 

優希が消えると敵も消えた。が…

 

 

ガキィン!ガキィン!

 

 

ドサッ~!!

 

 

優希が吹っ飛んで現れた。

 

 

シグナム「大丈夫か?」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

優希は立ち上がった。

 

 

アリサ「優希、何か方法ある?」

 

 

優希「合図したら攻撃して」

 

 

フェイト「わかった」

 

 

優希「行く」

 

 

シュン!

 

 

ガキィン!ガキィン!ガキィン!ガキィン!

 

 

ドカッ!!

 

 

優希「今!」

 

 

優希は4体を空中に吹き飛ばすと姿を現した。

 

 

フェイト「ハァ~!!」

 

 

シグナム「ハッ!」

 

 

アリサ「フッ!」

 

 

ギンガ「タァ!」

 

 

空中に浮かんだ謎の生物達をフェイト達がトドメを刺した。

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「優希?」

 

 

フェイトが優希に近付こうとしたら…

 

 

ドカッ!!

 

 

優希「!?」

 

 

フェイト「優希!?カハッ…」

 

 

シグナム「テスタロッサ!?」

 

 

優希とフェイトが突然吹き飛ばされた。

 

 

フェイト「いったい…」

 

 

優希「何かいる」

 

 

アリサ「何か?」

 

 

すると優希達の前に先程と同じ謎の生物がいた。

 

 

ギンガ「まだ…」

 

 

フェイト「さっきの4体より遥かに速い!!」

 

 

優希「リナ…」

 

 

リナ『なに?』

 

 

優希「【アレ】使う」

 

 

リナ『!?駄目だよ!?まだアレには武器が無いんだよ!!』

 

 

優希「フリーダムを使う」

 

 

リナ『わかったよ…』

 

 

アリサ「優希、アンタ又無茶する気じゃ…」

 

 

優希「違う。リナ、黄龍フォーム」

 

 

カッ!

 

 

優希は鎧を変えた。

 

 

フェイト「優希!?」

 

 

リナ『優希ちゃんの新しいフォームだよ♪そして…』

 

 

優希「ストームフォーム」

 

 

カッ!

 

 

優希は更にフォームを変えた。

 

 

シグナム「その姿は?」

 

 

優希「白虎フォーム強化版」

 

 

優希は答えると…

 

 

優希「リナ、行くよ」

 

 

カチッ

 

 

リナ『アクセル、スタート!!』

 

 

シュン!

 

 

ガキィン!ガキィン!ガキィン!

 

 

ギンガ「一体何が?」

 

 

アリサ「アクセルシステム。超高速戦闘が出来るシステムよ」

 

 

アリサが説明をしていると…

 

 

リナ『3、2、1、0!アクセル終了!!』

 

 

優希「……」

 

 

優希が姿を現すと人型の生物も姿を見せた。

 

 

フェイト「優希!?」

 

 

優希「不利」

 

 

シグナム「何?」

 

 

リナ『同じスピードで数は向こうが上。ちょっとまずいかな?』

 

 

ギンガ「何か方法がないの?」

 

 

優希「……」

 

 

ゴソゴソ

 

 

リナ『優希ちゃん?何を喚ぶの?』

 

 

優希「ソニックファルコン」

 

 

リナ『優希ちゃん…エタニティは海の中だよ?ソニックファルコンに水中は無理だよ…』

 

 

優希「なら…」

 

 

8、5、2、OK

 

 

リナ『ちょっと優希ちゃん!?』

 

 

優希「?」

 

 

リナは優希の押した番号に慌てた。

 

 

フェイト「どうしたのリナ?」

 

 

リナ『みんな…凄いのが来るよ…』

 

 

アリサ「凄いの?」

 

 

アリサが聞くと…

 

 

クェ~!!

 

 

シグナム「な!?」

 

 

ギンガ「……」

 

 

シグナムが驚き、ギンガは絶句していた。空から巨大なペンギン型ロボットが降りて来た。

 

 

アリサ「…優希、何これ?」

 

 

アリサは巨大なペンギン型ロボットを指差した。

 

 

優希「キャリーペンギン」

 

 

リナ『優希ちゃんが造った支援メカ運搬ロボットだよ…』

 

 

リナは疲れた声で説明した。

 

 

優希「キャリー、3番」

 

 

キャリー「クェ~」

 

 

キャリーペンギンが鳴くと腹の部分からソニックファルコンを発進させた。

 

 

優希「ファル」

 

 

優希がファルコンを呼ぶと…

 

 

カッ!

 

 

フェイト「ええ!?」

 

 

フェイトの鎧になった。

 

 

優希「フェイト姉さんも行く」

 

 

フェイト「私も!?」

 

 

リナ『大丈夫、ソニックファルコン達にもアクセルシステムが付いているよ』

 

 

フェイト「そうなの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

カチッ

 

 

リナ『アクセル、スタート!!』

 

 

フェイト「私も!」

 

 

カチッ

 

 

フェイトも優希に続いてアクセルシステムを使い消えた。

 

 

優希、フェイトside

 

 

優希「フッ」

 

 

フェイト「凄い、これがアクセルシステム!」

 

 

ガキィン!ガキィン!

 

 

優希「お返し」

 

 

ドカッ!!

 

 

優希は人型生物を蹴り飛ばし…

 

 

フェイト「ハァ!」

 

 

フェイトはバルディシュで斬り払った。

 

 

優希、フェイトside終了

 

 

ドサッ!!

 

 

リナ『3、2、1、0!アクセル終了!』

 

 

ギンガ「凄い…」

 

 

人型生物が現れると優希とフェイトも同時に姿を現した。

 

 

シグナム「今度は優勢のようだな」

 

 

シグナムは戦況を瞬時に理解した。

 

 

「グルル~…」

 

 

シュン!

 

 

人型生物達は唸り声を上げるとその場から消えた。

 

 

フェイト「待て!」

 

 

フェイトが後を追いかけようとしたが…

 

 

優希「駄目」

 

 

優希が止めた。

 

 

フェイト「優希?」

 

 

優希「深追いは危険」

 

 

フェイト「…そうだね」

 

 

フェイトが納得すると…

 

 

カッ!

 

 

ソニックファルコンはフェイトから離れキャリーペンギンの中に戻った。

 

 

優希「リナ」

 

 

リナ『ユニゾン、解除』

 

 

カッ!

 

 

優希もユニゾンを解除し小さい姿になった。

 



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第78話

優希「……」

 

 

ペタン

 

 

フェイト「優希?」

 

 

クゥ~

 

 

ギンガ「お腹すいたの?」

 

 

リナ「無理ないよ~…お腹すいた状態で戦闘したんだから」

 

 

リナはそう言うと…

 

 

カッ!

 

 

リナ「おいで優希ちゃん♪」

 

 

リナが大きくなり優希を抱っこした。

 

 

フェイト「リナ…?大きくなれたの?」

 

 

リナ「?あ~…フェイトちゃん達に見せるのは初めてだっけ?」

 

 

シグナム「ああ」

 

 

リナ「まぁ、普段は小さい姿の方が良いけど…」

 

 

フェイト「何で?」

 

 

リナ「もちろん、優希ちゃんにずっと抱きついていられるから♪」

 

 

フェイト達「……」

 

 

この時フェイト達は心の中でリナがブラコンだと改めて確信した。

 

 

優希「リナ」

 

 

リナ「うん、みんなの所に行く?」

 

 

優希「……」コク

 

 

カッ!

 

 

リナは優希が頷いたのを確認すると、優希を下ろして小さくなった。

 

 

優希「……」

 

 

リナ「みんなもいこう♪」

 

 

優希を先頭に洞窟に戻っていった。

 

 

「ええ~~!?」

 

 

優希達が洞窟に近づくと女性陣の叫びが聞こえた。

 

 

優希「?」

 

 

フェイト「何?」

 

 

優希達が洞窟に入ると…

 

 

稟「みんなごめん…」

 

 

義之「全然見つからなかった…」

 

 

楓「そんな稟君は悪くないです!」

 

 

音姫「そうだよ!」

 

 

稟達が謝っていた。

 

 

フェイト「どうしたの?」

 

 

なのは「食べ物が見つからなかったの…私達も…」

 

 

先に戻っていたなのは達が説明してくれた。そこに…

 

 

はやて「みんなどうしたん

?」

 

 

はやて達も戻ってきた。

 

 

なのは「あのね…」

 

 

なのはがはやてにも説明すると…

 

 

はやて「優希君は?」

 

 

フェイト「優希?優希なら…」

 

 

優希「?」

 

 

優希が近づいて来た。

 

 

はやて「優希君、魚はどうしたん?」

 

 

優希「……」

 

 

優希はペンダントを指差した。

 

 

はやて「何で出さないん?」

 

 

優希「…勝負」

 

 

優希が渉を指差すと…

 

 

男性陣「……」

 

 

女性陣が渉を見ると渉が目をそらした。

 

 

杏「渉?またくだらない事をしたんじゃないでしょうね?」

 

 

渉「その…」

 

 

杏「早く言いなさい(黒笑)」

 

 

杏の笑顔に…

 

 

渉「ハイ」

 

 

渉が説明を始めた。

 

 

-回想-

 

 

渉「どうせなら誰が一番食糧を探せるか勝負しようぜ」

 

 

義之「はぁ?」

 

 

稟「何で?」

 

 

優希「……」

 

 

渉「女の子にアピールする為に決まっているだろ!」

 

 

杉並「面白そうだな。桜井と土見は自分とラバーズの分、板橋は…」

 

 

渉「俺は他の女の子達の分だ!」

 

 

杉並「ふむ、わかった。我々は自分達の分を探す」

 

 

渉「分けたりするの無しだからな!」

 

 

-回想終了-

 

 

杏「アンタは…」

 

 

茜「渉君最低…」

 

 

小恋「渉君…」

 

 

他の女性陣「……」

 

 

渉に女性陣の冷たい視線が刺さった。

 

 

渉「で、でも優希にはラバーズはいないからみんなで…」

 

 

分けようとしたが…

 

 

優希「いる」

 

 

麻弓「それは初耳なのですよ~♪」

 

 

優希「……」

 

 

優希は浮かんでアリサとすずかの下に行き、アリサに抱っこされ…

 

 

アリサ「私達よ」

 

 

すずか「正確には恋人じゃなくて婚約者だけど」

 

 

すずかは優希の頭を撫でながら説明した。

 

 

アリサ「それで優希、魚は沢山取れたの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ドサドサ

 

 

優希は頷いて魚を出した。

 

 

フェイト「沢山…全員分はあるね?」

 

 

なのは「ねぇユウ?みんなにも分けてくる?」

 

 

なのはとフェイトが優希を説得し始めた。

 

 

優希「勝負」

 

 

フェイト「でもね優希、みんなもお腹空いているから分けて欲しいんだ?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は少しだけ悩み頷いた。

 

 

なのは「ありがとうユウ」

 

 

優希「♪」

 

 

なのはがお礼を言いながら頭を撫でると優希は嬉しそうだった。

 

 

はやて「なら早速調理しよか?」

 

 

全員「は~い(おう)」

 

 

はやての言葉を合図に各々に動き始めた。

 

 

優希「♪~」

 

 

パチパチ

 

 

あれから火をおこし、優希達は魚が焼き上がるのを待っていた。

 

 

魔王「もういいんじゃないかな?」

 

 

渉「一番デカいの貰った~!!」

 

 

魔王の出来上がり発言に渉が魚を取ろうとしたが…

 

 

優希「……」ひょい

 

 

優希が渉より早く魚を取り…

 

 

優希「……」

 

 

ザフィ「ん?」

 

 

ザフィーラに大きい魚を二匹おいた。

 

 

渉「おい優希!!何で犬に大きい魚をやるんだ!?」

 

 

渉が文句を言うと…

 

 

優希「リナ」

 

 

リナ「私が説明するね?ザフィーラの協力で魚が沢山取れたんだから一番大きい魚を食べるのは当たり前って言いたいんだよね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

杏「確かにそうね、負け犬の渉は黙ってなさい」

 

 

渉「負け犬!?」

 

 

杏「そうでしょ?勝負に負けて魚も貰っているんだから」

 

 

渉「くそ~!?」

 

 

渉は杏の言葉に落ち込み座りこんだ。

 

 

優希「負け犬?」

 

 

杏「そうよ、あれを負け犬って言うのよ、わかった?」

 

 

杏は渉を指差した。

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは「杏ちゃん!?ユウに変な事を教えないで!?」

 

 

こうして優希の中で渉=負け犬として認識された。

 

 

優希「もぐもぐ」

 

 

はやて「♪~」

 

 

なのは達「……」

 

 

稟ラバーズ「稟(ちゃん、君、様)あ~ん」

 

 

義之ラバーズ「義之(君、弟君、兄さん)あ~ん」

 

 

優希ははやてと、稟と義之は自分達のラバーズと一緒に食事をしていた。

 

 

アリサ「所で優希、お願いがあるんだけど」

 

 

優希「?」

 

 

すずか「奥に水が湧いている所があるんだけど…」

 

 

優希「?」

 

 

アリサ「そこで幾つか水が湧いているから一ヶ所をお湯に変えてくれる?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「じゃ行きましょ。今日はかなり汗をかいたし」

 

 

アリサとすずかが立ち上がり優希も一緒について行こうとすると…

 

 

なのは「ちょっとアリサちゃん!?まさかユウと…」

 

 

アリサ「一緒に入るわよ?」

 

 

フェイト「それは流石に…」

 

 

すずか「じゃあ私達だけで入るけど…」

 

 

と言った瞬間なのは達も立ち上がった。

 

 

アリサ「決まりね」

 

 

なのは達も一緒に奥に向かいそれから、稟ラバーズ、義之ラバーズ、男性の順番で入った。

 

 

 

ルネ「マスター、ただいま戻りました」

 

 

ラン「優希様~♪」

 

 

優希達がくつろいでいるとルネとランが戻ってきた。

 

 

優希「どうだった?」

 

 

ルネ「はい、カリム様に教えてもらった座標に遺跡があり確認出来ました」

 

 

優希「ありがとう」

 

 

優希がルネを撫でていると…

 

 

ラン「……」

 

 

ランが羨ましそうな表情で見ていた。

 

 

優希「ラン」

 

 

優希はルネを撫で終わると両手をランに向けた。

 

 

ラン「はい♪」

 

 

ランは優希を抱っこすると抱きしめた。

 

 

優希「ありがとう」

 

 

ラン「いえ、優希様の為ならどんな事でもいたします///」

 

 

ランは頬を赤く染めながら言った。

 

 

優希「無理は駄目」

 

 

ラン「はい♪」

 

 

ランが嬉しそうに返事をすると…

 

 

優希「ふぁ~~」

 

 

優希が欠伸をした。

 

 

ラン「眠いのですか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ラン「でしたら…」

 

 

ランは座り優希に膝枕をした。

 

 

ラン「さぁ、優希様どうぞお休みください」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希はそのまま眠り、他のメンバーも眠りについた。

 

 

ルネ「マスター、朝ですよ?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は眠たそう表情だが起きた。

 

 

ルネ「マスター、皆さんの所に行きましょう?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希はルネと一緒に皆の所に向かった。

 

 

なのは「ん?ユウ、おはよう」

 

 

優希「……」コク

 

 

魔王「さて、そろそろ行こうか?」

 

 

はやて「はい、ほなら皆行こか?」

 

 

ルネ「では皆さん私の側に」

 

 

全員がルネの周りに集まり、遺跡まで転移した。

 

 

 

 

ルネ「マスター、こちらです」

 

 

優希達は遺跡の前に着き、ルネが入り口に案内した。

 

 

魔王「では、私達と優希ちゃん、アリサちゃん、すずかちゃんで入り残りの人はここに待機しようか」

 

 

アリサ「そうですね」

 

 

麻弓「私達も行きたいのですよ~」

 

 

神王「そいつは無理だ」

 

 

渉「何で!?」

 

 

魔王「中にどんな仕掛けがあるか解らないし、昨日襲ってきた魔物もいるかもしれないからね」

 

 

すずか「だから最低限自分の身を守る事が出来る人が入った方が安全だから」

 

 

杉並「確かにその通りだな」

 

 

樹「俺様達には戦う所か自分の身すら守る事が出来ないからね」

 

 

皆が納得し…

 

 

なのは「アリサちゃん、すずかちゃん。ユウをお願いね?」

 

 

アリサ「任せなさい」

 

 

すずか「任せて」

 

 

優希「リナ、ランは残って」

 

 

ラン「かしこまりました」

 

 

リナ「何かあったら呼んでね?」

 

 

優希「後は…」

 

 

8、5、2、OK

 

 

優希はキャリーペンギンを喚んだ。

 

 

 

神王「なら行くか」

 

 

神王達が遺跡の入り口に向かおうとするが…

 

 

優希「?」

 

 

優希だけ動かなかった。

 

 

すずか「優希君?」

 

 

優希「何で?」

 

 

アリサ「えっ?」

 

 

優希「何でそっちに行くの?」

 

 

すずか「優希君どういう意味?」

 

 

優希「2つある」

 

 

魔王「!!神ちゃん、悪いんだけど入り口の前に立ってくれるかい?」

 

 

魔王は何かに気付き…

 

 

神王「わかった」

 

 

魔王「優希ちゃん、君には入口が2つ見えるんじゃないかい?」

 

 

優希「……」コク

 

 

魔王「やはり!優希ちゃん、神ちゃんと違う入口に立ってくれるかい?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くともう一つの入口の前に立った。

 

 

魔王「……」

 

 

魔王は近づいて目の前の壁に触れようとしたが…

 

 

魔王「やはり!」

 

 

触れる事が出来なかった。

 

 

アリサ「魔王様…」

 

 

魔王「どうやらこっちが本当の入口のようだね」

 

 

すずか「じゃあ…」

 

 

魔王「ああ、ここから行こうか」

 

 

優希達は見えない入口から入り遺跡の中に入って行った。

 

 

アリサ「何もありませんね?」

 

 

神王「あぁ、まー坊どう思う?」

 

 

魔王「そうだね、私は当たりだと思うね」

 

 

すずか「何でですか?」

 

 

魔王「宝があると言われてトラップが沢山あると実際にあると思い込んでしまうだろ?でも今は隠された入口、優希ちゃんにしか見えなかった。逆に私はこちらの方が怪しいな」

 

 

すずか「なるほど」

 

 

魔王「それで優希ちゃん?何か見えるかい?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

魔王は優希を見るが優希は首を振った。

 

 

魔王「もし、何か…ん?」

 

 

魔王が何か言おうとしたら前方に光が見えた。

 

 

神王「どうやら部屋のようだな」

 

 

アリサ「すずか」

 

 

すずか「うん」

 

 

アリサとすずかが先行し部屋の中に入り…

 

 

アリサ「大丈夫そうね…」

 

 

すずか「そうだね、魔王様、神王様どうぞ」

 

 

アリサ「優希もいらっしゃい」

 

 

神王「おう」

 

 

魔王「すまないね、君達に安全確認をさせてしまって」

 

 

すずか「気にしないで下さい」

 

 

神王達を招き入れた。

 

 

アリサ「何もないわね…」

 

 

すずか「アリサちゃん、あっち見て」

 

 

アリサがすずかの視線を追うと祭壇があった。

 

 

魔王「当たりのようだね」

 

 

優希「……」

 

 

カッ!

 

 

優希は本来の姿に戻り祭壇に近づいた。

 

 

優希「…あった」

 

 

優希が祭壇に近づくと剣があった。優希が剣に触り持ち上げると…

 

 

優希「……」

 

 

何も起こらなかった。

 

 

アリサ「何もおきないわね…」

 

 

すずか「うん…」

 

 

神王「まー坊、どうする?」

 

 

魔王「優希ちゃん、少しこの辺りを調べてもいいかい?」

 

 

優希「…少しだけなら」

 

 

優希が許可をすると魔王達は辺りを調べ始めた。

 

 

アリサ「良かったわね優希」

 

 

優希「ありがとうアリサ姉さん」

 

 

すずか「これからどうするの?」

 

 

すずかは暗い表情で優希に聞いた。

 

 

優希「聖王教会に戻るよ」

 

 

すずか「…そっか」

 

 

アリサ「優希、今護衛はいるの?」

 

 

優希「いないよ」

 

 

すずか「アリサちゃん?」

 

 

アリサ「だったら私達を連れて行きなさい」

 

 

優希「!?管理局はどうするの?」

 

 

優希はアリサの発言に驚き…

 

 

アリサ「忘れたの?私達は優希を守る為に管理局に入ったのよ?優希が聖王教会に行くなら私達も行くわよ!」

 

 

すずか「アリサちゃん…」

 

 

すずかは自分が思いつかなかった案に驚いていた。

 

 

魔王「お待たせ、そろそろ戻ろうか?」

 

 

辺りを調べていた神王と魔王が戻ってきた。

 

 

すずか「わかりました」

 

 

アリサ「では行きましょう」

 

 

アリサとすずかを先頭に優希達は外に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのは「ユウ!」

 

 

優希達が外に出るとなのは達が近寄ってきた。

 

 

フェイト「どうだった?」

 

 

優希「あったよ」

 

 

優希はなのは達に剣を見せた。

 

 

シグナム「ほぅ、いい剣だな」

 

 

優希「うん」

 

 

ピピ

 

 

優希が剣を見せていると突然通信が開いた。

 

 

チュウ太「旦那!!急いで地球に来てくだせー!!」

 

 

優希「チュウ太?」

 

 

チュウ太「このままだと地球が…」

 

 

プツン

 

 

チュウ太からの通信が切れ…

 

 

優希「はやて姉さん」

 

 

はやて「急いで戻った方が良さそうやね、よろしいですか?」

 

 

神王「ああ」

 

 

魔王「急いで戻ろうか?」

 

 

優希「ラン!」

 

 

ラン「エタニティは航行可能ですが完全ではありません」

 

 

優希「構わない」

 

 

ラン「かしこまりました」

 

 

ランはエタニティを呼び寄せ、優希達は急いで地球に向かった。

 



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第79話

-地球、初音島上空-

 

 

なのは「な、何これ…」

 

 

フェイト「街が…」

 

 

優希達が地球に着くと街は瓦礫とかしていた。

 

 

神王「コイツは一体…」

 

 

魔王「街の人達は…」

 

 

優希「ラン」

 

 

ラン「……」

 

 

ランは首を横に振り…

 

 

ラン「街はおろか地球の全てに生体反応がありません」

 

 

はやて「そんな!?」

 

 

稟達「……」

 

 

稟達はその一言を聞き自分達の家族も消えた事に絶望した。

 

 

シグナム「一体誰が!!」

 

 

ビービー!!

 

 

シグナムが憤怒していると突然警報が鳴り…

 

 

優希「!?ラン!」

 

 

ラン「高エネルギーが急接近しています!…シールド間に合いません!」

 

 

ドーーン!!

 

 

エタニティに高エネルギーがぶつかりエタニティは爆発した。

 

 

シュン

 

 

優希「全員大丈夫?」

 

 

なのは「ありがとうユウ」

 

 

エタニティが爆発する直前にルネが転移魔法を発動し全員を助けると同時に、優希はルネとリナとユニゾンしケルベロスアーマーを纏っていた。

 

 

フェイト「さっきの攻撃はどこから?」

 

 

優希「わからない、ランが気づいてくれなければ危なかった」

 

 

ラン「いえ、ですが私達姉妹のセンサーに気づかれずにあんな攻撃を放つ事が可能と考えるとただ者ではない気がいたします」

 

 

優希「とりあえずどこか安全な…!?」

 

 

キィン!ドーーン!!

 

 

優希がシールドを張ると同時に爆発した。

 

 

優希「ラン!」

 

 

ラン「駄目です!近くに反応がありません!」

 

 

優希「ルネ、リナ!」

 

 

ルネ『私の方も…』

 

 

リナ『ごめん私も…』

 

 

はやて「とにかくウチらも周りを囲んで防衛するで!」

 

 

はやて達も周りを警戒するが…

 

 

スバル「姿が見えない!」

 

 

ティアナ「こっちも!」

 

 

敵を確認する事が出来なかった。

 

 

優希『ラン』

 

 

ラン『優希様?』

 

 

優希『僕ら以外の魔力反応を探して』

 

 

ラン『!?かしこまりました』

 

 

優希がランに念話で指示すると、ランは優希の考えがわかり探査を始めた。

 

 

優希「姉さん達」

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希「一度だけシールドを張るのを代わって」

 

 

アリサ「何か思い付いたの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

すずか「わかった、任せて」

 

 

なのは達は優希に代わりシールドを張ると…

 

 

ドーーン!!

 

 

再び攻撃がきた。

 

 

優希「ラン!」

 

 

ラン「北西一キロに反応がありました!」

 

 

カチッ

 

 

ルネ『アクセル、スタート!』

 

 

シュン!

 

 

優希はアクセルシステムを使い魔力反応があった場所に向かった。

 

 

ルネ『3、2、1、0アクセル終了します』

 

 

優希「コレは…」

 

 

優希が魔力反応があった場所に着くと大きな桜の木があった。

 

 

さくら『君は!?』

 

 

優希「!?」

 

 

バッ!

 

 

優希は桜の木の念話に戦闘体制になった。

 

 

さくら『待って!私の話しを聞いて!!』

 

 

優希「……」

 

 

優希が警戒を解くと…

 

 

さくら『お願い!みんなを助けて!』

 

 

優希「どういう事?」

 

 

優希が訳を聞こうとした時…

 

 

カッ!

 

 

巨大な光の柱が昇った。

 

 

さくら『いけない!みんなが消えちゃう!!』

 

 

優希「!?姉さん!!」

 

 

カチッ

 

 

シュン!

 

 

優希はアクセルシステムを使いなのは達の下に向かった。

 

 

 

 

なのはside

 

 

なのは「ユウ…」

 

 

フェイト「なのは、優希なら大丈夫だよ」

 

 

はやて「とにかくウチらも…」

 

 

なのは達が優希の下に向かおうとした時…

 

 

カッ!

 

 

足元が光り、空まで伸びた。

 

 

はやて「なんや!?」

 

 

なのは達の足元が光るとなのは達の体も光始めた。

 

 

フェイト「力が…」

 

 

アリサ「抜ける…」

 

 

なのは達がひざを附くと…

 

 

優希「姉さん!!」

 

 

声が聞こえた瞬間、なのは、フェイト、はやて、アリサ、すずかは優希とソニックファルコン、アイスドルフィン、アーマーペガサスにはじき飛ばされた。

 

 

優希「逃げて!」

 

 

優希が叫ぶと同時に

 

 

ドカッ!

 

 

優希「!?」

 

 

優希もはじき飛ばされた。優希が後ろを見るとキャリーペンギンがいた。

 

 

優希「キャリー!?」

 

 

優希がキャリーペンギン達を助けに行こうとしたが…

 

 

ブォン!!

 

 

ロードチェイサーが優希の前に止まり優希を引き止めた。

 

 

優希「チェイサー!?」

 

 

それと同時に、守護騎士、FW陣、稟達が消えた。

 

 

なのは「みんなが…」

 

 

はやて「消えてもうた…」

 

 

優希「…姉さん達移動しよう」

 

 

なのは達は力なく立ち上がり優希と一緒に桜の木まで移動した。

 

 

優希「説明して」

 

 

優希は桜の木に着くなり問いただした。

 

 

さくら『2日前、みんなが他の世界に行ってからが事の始まりだった。君達は知らないと思うけどこの桜の木は人願いを叶えるんだ』

 

 

優希「願いを?」

 

 

さくら『そう…本来は純粋な願いしか叶えないだけど、この桜に異常が出で悪い願いも叶えるようになりだしてたの』

 

 

優希「それで?」

 

 

さくら『私はいち早く気づいて桜の異常を直そうとした…でも直す前にもの凄い負の力が桜の力に干渉して人々が消え始めた…』

 

 

優希「負の力?」

 

 

さくら『うん、でも私には何の力かは解らなかった。でもこのままだと人々が消えちゅうから桜の木と同化して止めようとしたけど…』

 

 

優希「出来なかった?」

 

 

さくら『うん、僕に出来たのはこれ位だった…』

 

 

優希の前に小さな黒い結晶が現れた。

 

 

優希「コレは?」

 

 

さくら『干渉した負の力を結晶化したものだよ。それを調べてその力の持ち主を過去に行って探して欲しいんだ』

 

 

優希「どうやって?」

 

 

さくら『君なら出来るでしょ?ううん、君にしか出来ない!』

 

 

なのは「どういう事?」

 

 

なのは達も座ったままだが会話に参加し始めた。

 

 

さくら『君は時間を操る事が出来るでしょ?』

 

 

優希「えっ…」

 

 

さくら『君自身は気づいていないけど君は姿を自由に変えられるね?』

 

 

優希「……」

 

 

優希は頷き

 

 

さくら『それは君自身の時間を操り変えていたんだよ?自覚はないと思うけど』

 

 

はやて「時間を操るなんて出来るんか?」

 

 

さくら『地球にも失われた魔法がいくつもあるんだ、その一つが時間を操る魔法』

 

 

アリサ「でもどうして優希が?」

 

 

さくら『僕にもわからない、でもみんなを助けるには過去に行って、負の力を消して欲しい』

 

 

優希「わかった」

 

 

さくら『ありがとう…僕に出来るのは後これ位だから』

 

 

カッ!

 

 

優希「!?」

 

 

さくら『大丈夫、君自身に眠る時間の魔法を覚醒させただけだから…コツは自分で探してね、僕にもわからない魔法だから』

 

 

優希「わかった、姉さん達行こう!」

 

 

優希が後ろを見るとなのは達が消え始めていた。

 

 

優希「姉さん…?」

 

 

なのは「ごめんねユウ…一緒に行けそうにないの」

 

 

なのは達は少しずつ消え始めていた。

 

 

優希「そんな…」

 

 

フェイト「優希、後はお願い」

 

 

優希「そんな!?」

 

 

なのは「大丈夫、ユウは1人じゃないから」

 

 

優希「でも!」

 

 

なのは「レイジングハート、私に代わってユウを守って」

 

 

レイ「マスター…」

 

 

なのはは優希にレイジングハートを渡し

 

 

なのは「お願い」

 

 

レイ「イエス、マスター」

 

 

フェイト「バルディッシュもお願い」

 

 

バル「イエス、サー」

 

 

フェイトも優希にバルディシュを渡した。

 

 

はやて「リィン」

 

 

はやてはユニゾンを解き…

 

 

はやて「ウチの代わりに優希君を守ってな?」

 

 

リィン「はやてちゃん…」

 

 

はやて「頼んだで?」

 

 

リィン「はいです!」

 

 

はやてはリィンに夜天の書を渡し、リィンは泣きながら返事をした。

 

 

アリサ「イフリート」

 

 

イフ「お嬢様…」

 

 

アリサ「頼むわよ?」

 

 

イフ「お任せを」

 

 

すずか「ウンディーネ、後はお願い」

 

 

ウン「はい、すずか様」

 

 

交わす言葉は少ないアリサとすずかだがイフリート達には伝わった。

 

 

なのは「ユウ?ちゃんと人に慣れるんだよ?触られても大丈夫になってね?伝えたい事はちゃんと言葉にするんだよ?」

 

 

優希「姉さん…」

 

 

なのは「ごめんね?ユウにだけ辛い思いさせて…後はお願いね」

 

 

デバイスを託し、笑顔でなのは達は消えた。

 

 

優希「姉さん…」

 

 

優希は涙を流し膝をついた。

 

 

リィン「優希ちゃん元気だすです!優希ちゃんが落ち込んでたらはやてちゃん達が悲しむです!」

 

 

優希「リィン?」

 

 

リィン「頑張ってみんなを助けるです!」

 

 

優希は立ち上がり…

 

 

優希「そうだね、リィン中に入ってて」

 

 

リィン「はいです!」

 

 

優希はリィンとデバイス達をペンダントに入れた。

 

 

さくら『行くんだね…』

 

 

優希「……」コク

 

 

さくら『気をつけて』

 

 

優希「ランもユニゾンして」

 

 

ラン「はい」

 

 

優希はケルベロスアーマーの上にランを纏い

 

 

優希「チェイサーは僕のそばに」

 

 

ロードチェイサーは優希のそばについた。

 

 

ルネ『マスター、どうやって時間を超えるのですか?』

 

 

優希「小さくなる時のやり方で自分にではなく前の空間にやってみる」

 

 

リナ『出来るの?』

 

 

優希「ぶっつけ本番…」

 

 

ラン『補助はお任せ下さい』

 

 

優希「やるよ?」

 

 

そして優希は魔法を発動した。

 

 

優希「くっ!?」

 

 

ルネ『マスター大丈夫ですか?』

 

 

普段と違う使い方をしているせいで優希にかなりの負担がかかっていた。

 

 

優希「大丈夫…」

 

 

さくら『!?いけない!急いで!!』

 

 

さくらが叫ぶと優希の足下が光り始めた。

 

 

さくら『(このままじゃ間に合わない!どうしたら…!?そうだ!!)』

 

 

優希「?」

 

 

桜の木が光りだし

 

 

さくら『今から私に残った力全てで補助するから!』

 

 

優希「そんな事したら!?」

 

 

さくら『いいの…だから後はお願い』

 

 

すると優希の後ろで空間が裂けて…

 

 

優希「わぁ~!?」

 

 

優希とロードチェイサーは飲み込まれた。

 

 

さくら『後はお願い…』

 

 

優希が消えた後、桜の木は枯れ、世界はゆっくりと消えた。

 

 

 

 

 



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アナザーストーリー
第80話


優希「わぁ~!?」

 

 

ガバッ!

 

 

優希「???」

 

 

優希が意識を取り戻すと優希は小さくなってベットの中にいた。

 

 

優希「なんで?」

 

 

バタバタバタバタ!

 

 

バン!

 

 

桃子「優希!?」

 

 

桃子が優希の叫び声を聞いて部屋に駆けつけた。

 

 

優希「ママ…?」

 

 

桃子「何かあったの!?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

桃子「じゃあ怖い夢でも見た?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は状況が解らないので桃子の言う事に頷いた。

 

 

桃子「大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

桃子「何かあったらママの所にいらっしゃい?」

 

 

桃子は優希に言うとお店に戻った。

 

 

優希「ルネ、リナ、ラン何処?」

 

 

ルネ「はい」

 

 

リナ「ここにいるよ♪」

 

 

ラン「お呼びですか?」

 

 

優希が呼ぶとルネ達が現れた。

 

 

優希「どういう事?」

 

 

ラン「優希様、私がご説明いたします」

 

 

優希「お願い」

 

 

ラン「優希様が目覚める1時間程前に私達は過去に着きました。その間に過去の優希様を探しましたが見つかりませんでした」

 

 

優希「僕がいない?」

 

 

ラン「はい」

 

 

優希「どうして?」

 

 

ラン「憶測でよろしければ…」

 

 

優希「お願い」

 

 

ラン「恐らくですが私達が過去に来る直前消えかけたのは覚えていますか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ラン「その時に過去と繋がり本来優希様が消えるはずでしたが消えずに過去の優希様と私達が消えたと思われます」

 

 

優希「私達?」

 

 

ラン「はい、私達も優希様とユニゾンをしていた影響なのか過去の私達が存在しません」

 

 

優希「リィン!」

 

 

リィン「はいです~」

 

 

優希がリィンを呼ぶとペンダントから元気に出てきた。

 

 

優希「良かった」

 

 

優希はレイジングハートとバルディシュを出し三機の無事を確認し安堵した。

 

 

リナ「優希ちゃん?これからどうする?」

 

 

優希「ラン」

 

 

ラン「はい」

 

 

優希「お願い」

 

 

ラン「なんでしょうか?」

 

 

優希「ジンを探して管理局に置いてきて」

 

 

ラン「かしこまりました。ではただちに探し出し管理局に」

 

 

ランは膝をつき頭を下げると転移して消えた。

 

 

リナ「私達はどうする?」

 

 

優希「リナはリィン達を診て」

 

 

リナ「任せて♪」

 

 

リナはリィン達と一緒にペンダントに入った。

 

 

優希「ルネ」

 

 

ルネ「はい?」

 

 

優希「異常は幾つ出てる?」

 

 

ルネ「ッ!?気づいていたのですね…」

 

 

優希「……」コク

 

 

ルネ「アクセルシステムと転移機能にエラーがでています」

 

 

優希「損傷率は?」

 

 

ルネ「20%程です」

 

 

優希「わかった、メンテナンスする」

 

 

ルネ「いえ、自己修復でも…」

 

 

優希「ダメ」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

ルネはブレスレットになり、優希はペンダントからパソコンを出しルネの修理と調整を始めた。

 

 

優希「無理はだめ」

 

 

ルネ『しかし私はマスターを守る…』

 

 

優希「ルネはデバイス…でも僕のお姉ちゃん」

 

 

ルネ『しかしマスター!私は…』

 

 

ルネは自分は人間では無いと言おうとしたが…

 

 

優希「関係ない」

 

 

ルネ『マスター…』

 

 

優希「わかった?」

 

 

ルネ『わかりました』

 

 

優希「ゆっくり休んで…ルネ姉」

 

 

優希が休む様に言うと…

 

 

ルネ『!?わかりました、スリープモードにはいります。お休みなさない優希』

 

 

ルネは初めて姉と呼ばれて驚き、自身も初めて優希を名前で呼んだ。

 

 

 

 



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第81話

桃子「…戻してらっしゃい」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

士郎「どうした桃子?」

 

 

優希と桃子が玄関で言い争い?をしていると士郎がやってきた。

 

 

桃子「士郎さん、優希が犬を拾ってきたのよ」

 

 

士郎「犬?」

 

 

士郎は優希の後ろにいる犬(ルネ狼形態)を見た。

 

 

桃子「優希、家では面倒見れないから戻してらっしゃい」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

士郎「私達はお店があるから面倒見ることが出来ないだろ?」

 

 

優希「僕が見る」

 

 

桃子「優希では無理よ」

 

 

優希「出来る」

 

 

士郎「優希?」

 

 

士郎は普段喋らない優希がここまで反論するのに驚いていた。

 

 

桃子「駄目よ」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

桃子「ワガママを言わないの!」

 

 

優希「!!」

 

 

ガチャン!

 

 

桃子が怒ると優希はドアを開けて飛び出した。

 

 

桃子「優希!?」

 

 

士郎「優希!?」

 

 

桃子達も外に出るが既に優希は何処にもいなかった。

 

 

 

-夜-

 

 

美由希「恭ちゃんいた!?」

 

 

恭也「駄目だ、こっちにもいなかった」

 

 

士郎「恭也!美由希!」

 

 

2人が話していると士郎がやってきた。

 

 

士郎「どうだ?」

 

 

恭也「見つからない」

 

 

美由希「私の方も…」

 

 

優希が家を飛び出してから夜になったが、優希は帰って来なかった。

 

 

美由希「お父さん、お母さんの様子は?」

 

 

士郎「…まだ落ち込んでいるよ」

 

 

美由希「そう…」

 

 

士郎「とにかくもう一度優希を探そう」

 

 

恭、美「ああ(うん)」

 

 

3人は別れて再び優希を探しに向かった。

 

 

その頃優希は…

 

 

優希「もぐもぐ」

 

 

アリサ「美味しい?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサの家で食事をしていた。

 

 

アリサ「ゆっくり食べなさい」

 

 

優希「……」コク

 

 

何故優希がアリサの家で食事をしている訳は1時間程前に遡る。

 

 

アリサ「すっかり遅くなっちゃったわね」

 

 

鮫島「申し訳ありません、お嬢様」

 

 

アリサ「いいわよ。道が混んでいたのは仕方無いんだから」

 

 

アリサ「……」

 

 

アリサが塾の帰り、車の窓から外を見ており公園の前を通った時…

 

 

アリサ「?鮫島、ちょっと止めて」

 

 

鮫島「?わかりました」

 

 

アリサは車が止まると降りて公園のベンチに向かった。

 

 

アリサ「優希、どうしたの?」

 

 

アリサはベンチに座っている優希に話し掛けた。

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「なのはは?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

アリサ「一人?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「送ってあげるから帰るわよ」

 

 

優希「…帰りたくない」

 

 

アリサ「帰りたくないの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「弱ったわね」

 

 

アリサが困っていると…

 

 

鮫島「お嬢様、お電話しましょうか?」

 

 

優希「!?」

 

 

鮫島が提案を出した。それを聞いた優希は走って逃げ出そうとしたが…

 

 

アリサ「待ちなさい!」

 

 

それより早くアリサに捕まった。

 

 

アリサ「鮫島、優希を家に連れて行くわよ」

 

 

鮫島「お嬢様?」

 

 

アリサ「置いてく訳にもいかないし、それに何か事情があるみたいだし」

 

 

アリサが優希を見ながら言うと…

 

 

優希「一緒…」

 

 

優希は隣に座っているルネの抱きついた。

 

 

アリサ「優希の犬?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「いいわよ」

 

 

アリサは了承し、優希とルネを連れて帰った。

 



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第82話

桃子「優希…」

 

 

桃子は優希を叱った事を後悔していた。

 

 

なのは「お母さん…」

 

 

桃子「なのは?」

 

 

なのは「ユウは?」

 

 

桃子「……」

 

 

桃子は首を横に振って応えた。

 

 

なのは「ユウ帰って来るよね?」

 

 

桃子「大丈夫、今お父さん達が捜してるからすぐに帰ってくるわよ」

 

 

なのは「うん…」

 

 

ガチャ

 

 

二人が話していて玄関が開く音がすると…

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

なのはは玄関に走って行った。

 

 

士郎「……」

 

 

なのは「お父さん!ユウは!?」

 

 

士郎「すまん、見付からなかった」

 

 

なのは「そんな……」

 

 

なのはが落ち込んでいると…

 

 

♪~~

 

 

なのはの携帯が鳴った

 

 

なのは「もしもし?」

 

 

アリサ『もしもしなのは?』

 

 

なのは「アリサちゃん?どうしたの?」

 

 

アリサ『なのは、今優希いないでしょ?』

 

 

なのは「何で知ってるの!?」

 

 

アリサ『実は今家にいるのよ』

 

 

なのは「ふぇっ!?何でアリサちゃんの所に?」

 

 

アリサ「実は…」

 

 

アリサは優希を保護した経緯を話した。

 

 

アリサ『…と言うわけよ』

 

 

なのは「ごめんねアリサちゃん」

 

 

アリサ『気にしなくて良いわよ。明日なのはの家に連れて行くから』

 

 

なのは「うん、ありがとう」

 

 

アリサ『じゃあ又明日』

 

 

なのは「うん、バイバイアリサちゃん」

 

 

士郎「どうしたなのは?」

 

 

なのはが電話を切ると士郎が話かけてきた。

 

 

なのは「あのね…」

 

 

なのははアリサとのやり取りを話した。

 

 

士郎「そうか、優希は無事か」

 

 

なのは「うん、明日アリサちゃんが連れてきてくれるって」

 

 

士郎「そうしたらなのははお母さんに知らせてくれるか?お父さんはお兄ちゃん達に知らせるから」

 

 

なのは「うん♪」

 

 

なのはは桃子の所に向かい、士郎は恭也達に連絡をした。

 

 

 

 

 

アリサ「ほら諦めなさい!」

 

 

優希「~~!」

 

 

アリサ「私も一緒に行ってあげるから」

 

 

アリサが優希を家に連れて行こうとするが優希は嫌がり抵抗していた。

 

 

鮫島「お嬢様、月村様がいらっしゃいましたが…」

 

 

アリサ「すずかが?…あ!今日はすずかと約束していたんだった」

 

 

鮫島「どうなさいますか?」

 

 

アリサ「いいわ、優希?すずかが来たけど会う?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「ならついてきなさい」

 

 

優希はアリサと一緒に玄関に向かうと…

 

 

すずか「こんにちは、アリサちゃん。…と優希君?」

 

 

すずか「何でアリサちゃんの家に?」

 

 

アリサ「ちょっとね、それで悪いんだけど優希をなのはの所に連れて行かなきゃいけないのよ」

 

 

すずか「なら私も一緒に行っていい?」

 

 

アリサ「優希いい?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は諦めたのか頷いた。

 

 

アリサ「なら行きましょ」

 

 

アリサはすずかと一緒に優希を連れて翠屋に向かった。

 

 

 

 

 

すずか「それでアリサちゃん家にいたんだ」

 

 

アリサ「そうなのよ」

 

 

すずか「それでどうして帰りたくないの?」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「この調子で何も教えてくれないのよ」

 

 

アリサが説明をしているとその時!

 

 

キキ~!

 

 

優希達の前に黒いワゴンが止まり中から黒い服装の男達が出てきて…

 

 

アリサ「何よアンタ達!」

 

 

すずか「離して!」

 

 

優希「ッ~~!!」

 

 

優希達を車に乗せて走り去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのは「ユウ、まだかな?」

 

 

士郎「もうすぐ来るだろう」

 

 

♪~~

 

 

なのは達が話していると恭也の電話が鳴った。

 

 

恭也「もしもし?」

 

 

忍『もしもし恭也?』

 

 

恭也「どうした忍?」

 

 

忍『実はすずかが拐われたの…』

 

 

恭也「何!?」

 

 

忍『それでね言いづらいんだけどね…』

 

 

恭也「どうした?」

 

 

忍は申し訳なさそうに…

 

 

忍『一緒にいたアリサちゃんと優希君も拐われたみたいなの』

 

 

言った。

 

 

恭也「…わかった、今からそっちに行く」

 

 

恭也は電話を切ると…

 

 

士郎「何かあったのか?」

 

 

恭也「ああ…」

 

 

恭也は電話の内容を話した。

 



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第83話

 

忍「すずか…」

 

 

ノエル「忍お嬢様、恭也様達がお見えになりました」

 

 

恭也「忍、大丈夫か?」

 

 

忍が部屋の入口を見ると高町家と鮫島がいた。

 

 

忍「皆さん、この度は巻き込んでしまい申し訳ありません」

 

 

士郎「それで何か進展は?」

 

 

忍「犯人からはまだ…ですが目的は分かります」

 

 

桃子「それは?」

 

 

忍「月村家の財産です…」

 

 

恭也「忍…」

 

 

恭也は月村家の事情をしっているだけに辛そうな表情をした。その頃、優希達は…

 

 

優希「……?」

 

 

アリサ「気がついた?」

 

 

すずか「大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

すずか「ごめんね…私のせいで…」

 

 

アリサ「別にいいわよ、私が狙われた可能性だってあるし」

 

 

すずか「うん…」

 

 

アリサ「問題はどうやって逃げるかね」

 

 

すずか「でも、どうやって?」

 

 

3人はロープで縛られていた。

 

 

優希「……」

 

 

優希が辺りを見回すと窓が見えそこに何かの影が見えた。

 

 

アリサ「どうしたの優希?」

 

 

優希「ルネ」

 

 

ルネ「ワン(マスター)」

 

 

優希が呼ぶとルネは窓から侵入して…

 

 

すずか「犬?」

 

 

優希「ルネ」

 

 

優希が背中を向けると、ルネがロープを噛み始め…

 

 

ブチ!

 

 

優希のロープを切った。

 

 

優希「……」

 

 

優希は立ち上がりアリサ達のロープをほどいた。

 

 

アリサ「急いで逃げるわよ!」

 

 

すずか「うん、優希君も早く!」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希達はルネが入ってきた窓から逃げ出した。

 

 

 

すずか「二人とも頑張って!」

 

 

優希達は逃げ出し月村邸の前まで来ていた。

 

 

ルネ「(マスター、このままでは追い付かれます)」

 

 

優希達は逃げ出してから後をつけられているのに気付いていた。

 

 

優希「(ルネ、お願い)」

 

 

優希が降りるとルネは後ろに向かった。

 

 

アリサ「ちょっと優希?どうしたのよ?」

 

 

優希「早く!」

 

 

すずか「うん、二人とも入って!」

 

 

すずかが門を開けると二人は急いで入った。それと同時刻…

 

 

ノエル「!?忍お嬢様、敷地内に侵入者です」

 

 

忍「数は?」

 

 

ノエル「3です」

 

 

恭也「俺が行こう…」

 

 

恭也が席を立つと士郎と美由希も立ち上がり視線を交わしお互いに頷いた。

 

 

忍「私も行くわ、ノエルとファリンはここに残って」

 

 

忍も立ち上がり恭也達と一緒に外に向かい庭先に出ると…

 

 

すずか「お姉ちゃん!」

 

 

忍「すずか!?」

 

 

忍はすずかを見つけると抱き締めた。

 

 

美由紀「アリサちゃんも大丈夫!?」

 

 

アリサ「大丈夫です」

 

 

士郎「優希大丈夫か?」

 

 

優希「……」

 

 

士郎が優希を心配したが、優希は無視をした。その時…

 

 

?「全く、計画が台無しだ」

 

 

恭也「誰だ!」

 

 

全員が声のした方を見ると一人の男が立っていた。

 

 

忍「家の分家の一人よ、財産を狙っているね…」

 

 

男「確かにそうだが今はどうでもいい」

 

 

忍「どういう意味?」

 

 

男「そこの小僧をもらっていく」

 

 

忍「な!?優希くんは関係ないでしょ!」

 

 

男「気づいていないようだな」

 

 

パチン!

 

 

男が指を鳴らすと男の周りに20体のマネキンの用な人形が現れた。

 

 

忍「自動人形…」

 

 

恭也「忍、任せろ」

 

 

恭也、美由紀、士郎は小太刀を構え自動人形に向かっていった。

 

 

忍「みんなは私の後ろに」

 

 

アリサとすずかは忍の後ろに隠れるが優希は隠れなかった。

 

 

忍「優希君こっちに来て!」

 

 

忍が優希を呼ぶが優希は近付かず、すると1体の人形が優希を捕まえようと近付いてきたが…

 

 

ガシッ!

 

 

ラン「邪魔です…」

 

 

ランが現れて人形を蹴り飛ばした。

 

 

ラン「優希様、お怪我はありませんか?」

 

 

優希「コク」

 

 

ラン「あの人形はどういたしますか?」

 

 

優希「黙らせて…」

 

 

ラン「かしこまりました、優希様はこちらでお待ちください」

 

 

優希「……」コク

 

 

ランは優希が頷くのを確認すると近くにいる自動人形を破壊し始めた。

 

 

優希「リナ」

 

 

リナ「なに優希ちゃん?」

 

 

優希が呼ぶとリナがペンダントから出てきた。

 

 

優希「ランを手伝って」

 

 

リナ「任せて♪」

 

 

リナもフルサイズになりランと一緒に人形を破壊し始めると二人は瞬く間に人形を破壊し終えた。

 

 

男「貴様ら動くな!」

 

 

カチャ

 

 

全員が声のした方を見ると男が優希に銃を突き付けていた。

 

 

男「まさかこんな餓鬼に護衛が二人も着いていたとわな」

 

 

ラン「二人?」

 

 

リナ「一人忘れてるよ?三人だよ」

 

 

男「何!?…カハッ!!」

 

 

次の瞬間男は地面にひれ伏しそのまま気絶した。

 

 

ルネ「ワン(おまたせしました)」

 

 

優希「ルネ」

 

 

優希はルネに抱きつきそのままルネに乗った。

 

 

ラン「優希様お待たせしまして申し訳ありませんでした」

 

 

優希「どうだった?」

 

 

ラン「優希様の指示どうりにいたしました」

 

 

優希「ありがとう」

 

 

恭也「お前達は何者だ?」

 

 

恭也達は小太刀を構えながら優希達を取り囲んだ。

 

 

ラン「何のおつもりですか?」

 

 

士郎「優希?お前は何故あの状況で平然としていられた?」

 

 

優希「……」

 

 

恭也「答えられないのか?」

 

 

優希が黙っていると…

 

 

ラン「いい加減になさい」

 

 

恭也「何?」

 

 

ラン「これ以上私達に武器を構えるなら敵意が有ると見なし容赦しませんよ?」

 

 

恭也「それは俺達に勝てるといいたいのか?」

 

 

ラン「そうですが何か?」

 

 

恭也「なめるな!」

 

 

恭也がランと戦い始めると美由紀とリナ、士郎とルネがにらみ合いを始めた。

 

 

優希「……」

 

 

優希が両手を前に出し何かをしようとしたとき…

 

 

バチッ!バチバチバチバチ!!

 

 

優希「!?!?」

 

 

優希に電流が走り優希の後ろにはスタンガンを持った男が立っていた。

 

 

ルネ「マスター!!」

 

 

それを見たルネはすぐさま優希に近付いた。

 

 

ルネ「マスター!?マスター!?」

 

 

男「いいきみだ」

 

 

ルネ「キサマ~!」

 

 

ルネが叫ぶとケルベロス形態になった。

 

 

男「なっ!?」

 

 

ルネK「死になさい!」

 

 

男が驚いているとルネは砲撃を放った。

 

 

ド~~ン!

 

 

砲撃で男は消し飛んだかに思えたが…

 

 

フェイト「時空管理局です。武装を解除して下さい」

 

 

フェイトがシールドを張り男を守り、両隣にアルフとクロノが立っていた。

 

 

ルネK「何故管理局が介入するのですか?ここは管理外世界のはずですよ?」

 

 

クロノ「君こそ何を言っている、ここは第97管理世界だ」

 

 

ルネK「えっ?(これは一体どういう事なのか調べる必要がありますね。『リナ、ランここは退きますよ』)」

 

 

リナ「(でもどうやって?)」

 

 

ルネ達は管理局と恭也達に囲まれていた。

 

 

ヒラ

 

 

すると突然、空から桜の花びらが降ってきて…

 

 

ブッワと竜巻がおこり優希とルネ達の姿はなかった。

 

 

クロノ「なっ、消えた!?エイミイ!」

 

 

エイミイ『駄目、反応ロスト』

 

 

クロノ「わかった、みなさん無事ですか?」

 

 

士郎「こちらは特に」

 

 

クロノ「そうですか。アルフ、すまないがその男をこの世界の管理局支部に連行してくれるか?」

 

 

アルフ「あいよ」

 

 

アルフが男を連れていくと

 

 

なのは「お父さん、ユウは!?」

 

 

士郎「何処かに連れていかれてしまった」

 

 

なのは「どういう事!?」

 

 

フェイト「なのは、落ち着いて」

 

 

なのは「フェイトちゃん?それにクロノ君!?」

 

 

士郎「なのは?管理局と知り合いなのか?」

 

 

なのは「えっと、その…」

 

 

なのはは魔法の事、PT事件の事を家族に打ち明けた。

 



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第84話

その頃優希たちは…

 

 

ルネ「ここは一体?」

 

 

ルネ達は辺りを見回すと桜の木が一本だけある空間にいた。

 

 

さくら『よかったよ、間に合って』

 

 

リナ「さくらちゃん?」

 

 

ルネ達が声のした方を見ると体が少し透けているさくらがいた。

 

 

さくら『時間がないから手短に話すね?今皆がいるのは過去の世界だけど正しくは過去の平行世界なんだ』

 

 

ルネ「なるほど…」

 

 

ルネは先程の違和感に納得したようだ。

 

 

さくら『転移した時に座標がずれて平行世界に着いちゃったみたいなんだ』

 

 

ルネ「ではここには私達の世界を破壊した闇はいないのですか?」

 

 

さくら『ううん、闇は存在するよ。その世界の闇を倒せば他の世界の闇も消えるはずだよ…』

 

 

ルネ「何か他に問題があるのですね?」

 

 

さくら『流石ルネちゃん、はっきり言うね?優希くんにこれ以上時の魔法を使わせないで…』

 

 

ルネ「どういう意味ですか?」

 

 

さくら『それは…』

 

 

さくらはゆっくりと語りだした。

 

 

さくら『時の魔法はね?ちゃんと使えると様々な時間を操る事が出来る事がわかったんだ。でもその代わりに副作用が使用者を襲うんだ』

 

 

ルネ「副作用はなんですか?」

 

 

ルネは不安な気持ちを抑えて聞いた。

 

 

さくら『使用者の時間の停止だよ…』

 

 

ルネ「えっ…」

 

 

さくら『使用者は時間から取り残され、永久に生き続ける…不老の存在となるんだ』

 

 

リナ「そんな!助ける方法はないの!?」

 

 

今まで黙って聞いていたリナが叫んだ。

 

 

さくら『ごめんね、僕にも解らないんだ』

 

 

ルネ「後何回使うとマスターの時間は停止するのですか?」

 

 

さくら『恐らく一回、元の姿に戻ったら優希くんは不老の存在になるよ』

 

 

ルネ「リナ、ラン。今後マスターに戦闘をさせないようにしますよ?どんな事があろうと私達がマスターを守りとうします。いいですね?」

 

 

リナ「うん」

 

 

ラン「この身に代えてもお守りいたします」

 

 

ルネ「リィンもいいですね?」

 

 

リィン「はいです!リィンも頑張るですよ!」

 

 

リィンは優希のペンダントから出てくると元気に返事をした。

 

 

ルネ「この事はマスターには内密に、いいですね?」

 

 

3人「はい(です)!」

 

 

さくら『じゃあ後はお願いするね?僕の力も限界みたいだから』

 

 

さくらはゆっくりと消え始めた。

 

 

ルネ「はい」

 

 

さくら『ありがとう…』

 

 

そう言ってさくらは消えルネ達も消えた。

 

 

 

 

 

優希「・・・」カタカタ

 

 

優希達はあの後公園で野宿し次の日、朝食をすませると図書館に来ていた。

 

 

リィン「優希ちゃんどうですか?」

 

 

優希がパソコンを操作しているとフルサイズになっているリィンが近付いてきた。

 

 

優希「今レイとバルの調整中、後は乱舞だけ」

 

 

リィン「聖王の剣の名前も決まったですか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

リィン「それはそうと優希ちゃん、気になる記事を見つけたです」

 

 

リィンが新聞を見せるとそこには[怪奇!!ライダーのいない走るバイク]と書かれていた。

 

 

優希「チェイサー?」

 

 

リィン「そうだと思うです・・・」

 

 

優希は一緒に来た筈のロードチェイサーがいない事を心配していたが思わない所で情報が手に入った。

 

 

優希「何処か故障してる?」

 

 

リィン「多分すぐに来ないところを考えるとセンサー系のトラブルだと思うです」

 

 

優希「わかった、リィンはこのまま同じような記事と出現場所の特定をして。僕はこっちを早く終わらせる」

 

 

優希はそういうとパソコンの操作を早めた。

 

 

リィン「わかったです!」

 

 

リィンも資料探しに向かった。

 

 

 

優希「この辺?」

 

 

リィン「はいです、この辺を中心に動いてるみたいですよ」

 

 

優希達は夜になるのを待ちチェイサーが現れる位置を予測し待機していた。

 

 

優希「なら待機」

 

 

リィン「了解です、優希ちゃんお茶いるですか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くとお茶をゆっくり飲み出した。

 

 

リィン「所で優希ちゃん、闇の書の方はほっといてもいいのですか?」

 

 

優希「…僕達の目的はあくまでも【闇】を倒すこと。それに…」

 

 

リィン「それに?」

 

 

優希「僕の考えが正しければもっと厄介な事になってるかもしれない」

 

 

リィン「それは何ですか?」

 

 

優希「それは…」

 

 

ォオ~~~!!

 

 

優希が答えようとした時エンジン音が聴こえてきた。

 

 

優希「リィン!」

 

 

リィン「はいです!…確認、ロードチェイサーです!」

 

 

優希「わかった」

 

 

優希は道路の真ん中にたった。

 

 

キキ~~!!

 

 

するとチェイサーは優希に手前で止まり…

 

 

チュウ太「旦那…やっと見つけてくれやしたね」

 

 

チェイサーの上にはチュウ太がボロボロな状態でいた。

 

 

 

優希「チュウ太!?」

 

 

リィン「一体何があったですか?」

 

 

チュウ太「あっしらは旦那が時空を越えるギリギリの所で一緒に転移してきやした」

 

 

優希「あっしら?」

 

 

チュウ太「へい、キャリーも一緒でさー。あの後キャリー達も自力で戻ってきやした。しかしあっしらは時空を越えるエネルギーに耐えきれずこの有り様でさー」

 

 

優希「ごめん、チュウ太」

 

 

チュウ太「旦那が謝る必要はないですぜ?反応が無ければ壊れたと思っててもおかしくありやせん」

 

 

リィン「それでキャリーは今何処にいるですか?」

 

 

チュウ太「この先の森に隠してありやす」

 

 

優希「わかった、チュウ太。今修理するから待ってて」

 

 

チュウ太「旦那お願いがありやす。あっしを強化してくだせえ、あっしはもっと旦那のお役にたちてえんです」

 

 

優希「わかった、まかせて」

 

 

チュウ太「では、スリープモードにはいりやす」

 

 

チュウ太がそう言うと機能を停止させた。

 

 

優希「今は休んでチュウ太」

 

 

優希はチュウ太をポケットにしまうと…

 

 

優希「リィン、空から何処か人がこない廃屋を探して」

 

 

リィン「了解です~」

 

 

リィンは飛んでいった。

 

 

ラン「優希様、私が運転をしますので後ろにお乗りください」

 

 

優希「うん、チェイサーもう少しだけ頑張って」

 

 

ブォン

 

 

チェイサーはエンジンで答え…

 

 

ラン「では行きましょう優希様」

 

 

優希も後ろに乗りキャリーペンギンの下に向かった。



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第85話

 

カチカチカチカチ

 

 

優希「・・・」

 

 

リィン「優希ちゃん、キャリーのメンテナス完了です~」

 

 

優希「うん」

 

 

リィン「次は何しますか?」

 

 

優希「休んでいいよ」

 

 

優希がリィンに休憩を言うと・・・

 

 

リィン「私は大丈夫ですよ」

 

 

優希「でも・・・」

 

 

リィン「優希ちゃんの方が休んだ方が良いですよ」

 

 

優希はリィンが見つけた廃屋に移ってから作業を休みなく続けていた。

 

 

優希「でも・・・」

 

 

リィン「いいから少し休んで下さいです!」

 

 

優希「わかった・・・」

 

 

優希は寝袋に入り横になった。

 

 

リィン「やっと休んでくれたです・・・」

 

 

ルネ「リィン、ご苦労様です」

 

 

リィン「優希ちゃんに比べれば全然ですよ」

 

 

ルネ「そうですか、私とランはマスターの魔力を全力で抑えるので普段のマスターをお願いしますよ」

 

 

リィン「はいです、リナちゃんの方はどうなんですか?」

 

 

ラン「リナお姉様は各地で闇を探していますがまだ発見出来てないようです」

 

 

ルネの代わりにランが答えた。

 

 

リィン「そうですか・・・」

 

 

ルネ「見つかるまではリィン、マスターの事を任せましたよ」

 

 

リィン「任せてくださいです!」

 

 

ルネ「お願いしましたよ」

 

 

 

 

 

 

優希「チュウ太、調子はどう?」

 

 

優希は一冊の機械で出来た本に話しかけた。

 

 

チュウ太「各部チェック・・・異常ありやせん。しかし旦那も凄い改造と言うか、殆ど別物ですぜ」

 

 

優希「元に戻す?」

 

 

カシャン

 

 

チュウ太「いやいや、あっしは気に入ってやす」

 

 

優希が不安そうに聞くと本が形を変え鼠になり、器用に、前足をだし首を振った。

 

 

リィン「優希ちゃん起きたですか~?」

 

 

優希「おはよう、リィン」

 

 

優希が手を出すとリィンはその上に座った。

 

 

リィン「ちゃんと休んだですか優希ちゃん?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は頷くとリィンを肩に乗せた。

 

 

優希「チュウ太、早速調べて欲しいんだけど」

 

 

チュウ太「がってん」

 

 

カシャン

 

 

チュウ太「それで何を調べやすか?」

 

 

チュウ太は本形態になると優希にたずねた。

 

 

優希「僕の戸籍を調べてみて」

 

 

チュウ太「わかりやした」

 

 

チュウ太が調べ出すと・・・

 

 

リィン「どうしてそんなこと調べるですか?」

 

 

優希「ちょっとね・・・」

 

 

チュウ太「・・・旦那調べ終わりやした」

 

 

優希「どうだった?」

 

 

チュウ太「何もありやせん」

 

 

リィン「え?」

 

 

チュウ太「(この世界)に旦那に関するものは何もありやせん」

 

 

チュウ太が辛そうに報告した。

 

 

リィン「どうしてないですか!?」

 

 

チュウ太「あっしにもわかりやせん・・・」

 

 

優希「落ち着いてリィン」

 

 

リィン「ですけど!」

 

 

優希「今説明するから・・・」

 

 

リィン「優希ちゃん?」

 

 

優希「この世界は僕達が来ようとした世界とは別の世界。いわゆる平行世界」

 

 

リィン「そうです」

 

 

優希「そう、だからここは(僕)が存在しない世界だから」

 

 

リィン「でも皆優希ちゃんの事知っていたですよ?」

 

 

優希「仮説でよければ聞く?」

 

 

リィン「聞くです!」

 

 

優希「僕の時の魔法による影響って考えるのが一番しっくりする」

 

 

リィン「ならこの世界に未来を壊した【闇】はいないですか?」

 

 

優希「ううん、この世界にもいる」

 

 

優希はペンダントからクリスタルを出した。

 

 

優希「これがある以上闇は必ずいる。僕達の目標はその闇を消して未来を助ける」

 

 

リィン「了解です!」

 

 

優希「ルネ、ランもいい?」

 

 

ルネ、ラン「はい」

 

 



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第86話

なのは「えっ・・・存在しないって?」

 

 

クロノ「そのままの意味なんだ。【高町優希】という人間はこの世界には存在しないんだ」

 

 

なのは「でも私達にはユウと過ごした記憶があるよ!」

 

 

士郎「ああ、私がなのはと一緒にひまわり園で引き取ってきたからな」

 

 

クロノ「しかし彼に関するデータは何もありませんでした。戸籍も調べましたが引き取った記録もありませでした」

 

 

桃子「そんな・・・」

 

 

クロノ「彼がどういった理由で高町家にいたかは不明ですが管理局で今全力で捜索しています」

 

 

士郎「お願いします」

 

 

士郎が頭を下げるとクロノは帰っていった。

 

 

なのは「ユウ・・・」

 

 

美由紀「大丈夫、優希は必ず帰ってくるよ」

 

 

美由紀はなのはを抱き締めた。

 

 

なのは「お姉ちゃん?」

 

 

恭也「俺達も探してみるからなのはは安心してろ」

 

 

なのは「・・・うん」

 

 

桃子「さあ、今日は休みましょう」

 

 

高町家は優希の事を心配しつつ、必ず帰って来ると信じて就寝した。

 

 

 

 

 

リナ「優希ちゃ~ん!」

 

 

優希「リナ?」

 

 

リナ「ただいまただいま~!!」

 

 

優希「見つかった?」

 

 

優希はリナに任せていた闇の探索の報告を聞き始めた。

 

 

リナ「全然反応なし」

 

 

優希「そう・・・」

 

 

リナ「それでね優希ちゃん?あくまで推測なんだけど・・・」

 

 

優希「?」

 

 

リナ「闇はまだいないんじゃないかな?あちこち探して私ですら見付けられないなんておかしいもん」

 

 

優希「確かに・・・」

 

 

ルネ「ですがこの時代にいるのも確かです」

 

 

リナ「案外寝てたりして~」

 

 

リナが冗談ぽく言うが・・・

 

 

優希「?!・・・闇、寝てる、封印、この時代、闇の書!!」

 

 

優希の中で確実な物になった。

 

 

リナ「ふぇ~!?」

 

 

優希「ルネ、この時代の夜天の書は今何処!!」

 

 

ルネ「すぐに・・・反応がありません」

 

 

優希「結界は!?」

 

 

ルネ「・・・ありました病院中心に張られています」

 

 

優希「出遅れた!」

 

 

優希が走り出すと同時に

 

 

優希「リィン、ユニゾン!」

 

 

リィン「はいです!」

 

 

リィンとユニゾンし屋根を跳んで向かった。

 

 

優希「遅かった」

 

 

ルネ「申し訳ありません」

 

 

優希がたどり着くとすでに覚醒していて戦闘が始まっていた。

 

 

優希「ルネのせいじゃない」

 

 

ラン「優希様、これからどうなさいますか?」

 

 

優希「戦う」

 

 

優希がキャットクローを展開しようとすると・・・

 

 

ルネ「マスター、御待ちください」

 

 

優希「何?」

 

 

ルネ「マスター、闇との戦闘は私達に任せては頂けないでしょうか?」

 

 

優希「・・・何を言ってるのか解ってる?」

 

 

ルネ「解っています。マスターが自身の手で闇を倒したいのは重々承知しています!ですがそれでもお願いいたします!」

 

 

優希「どうしてそこまで僕を戦わせたくないの?」

 

 

ルネ「それは・・・」

 

 

優希「僕の体の事でしょ?」

 

 

ルネ「マスター、まさか・・・」

 

 

優希「起きてたよ、だからわかる」

 

 

ルネ「それでしたら解るはずです!本来の姿に戻ったらどうなるかを!」

 

優希「それでも【姉達】の敵は取りたい・・・」

 

 

ラン「しかし優希様!?」

 

 

優希「でもルネ達が心配するのもわかる・・・だからルネ達では倒せないと判断したら僕も戦う。それでいい?」

 

 

ルネ「はい、必ず倒してみせます」

 

 

リナ「私達にまかせて♪」

 

 

ラン「お任せください」

 

 

 

ルネ「それではマスター、行ってまいります」

 

 

ルネ達が行こうとするが・・・

 

 

優希「まだダメ」

 

 

ラン「優希様?」

 

 

リナ「なんで止めるの?」

 

 

優希「暴走プログラムが破壊されるまで待って」

 

 

ルネ「何故ですか?」

 

 

優希「多分生き残るはずだからこっちも温存」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

優希「それまでに作戦」

 

 

ルネ「はい、リナは近距離、ランは遠距離、私は状況に応じて攻めます。二人ともいいですね?」

 

 

リナ、ラン「うん(はい)」

 

 

ルネ「リィンはマスターの護衛を」

 

 

リィン「はいです!」

 

 

優希「無理はしないこと」

 

 

ルネ「マスターが言わないでください。それではいいですね?」

 

 

ルネ達が作戦を決め終わると同時に暴走プログラムも転移され消えた。

 

 

ラン「反応消えました」

 

 

優希「でも生きてる」

 

 

優希がクリスタルをだすと光っていた。

 

 

ラン「では何処に?」

 

 

優希「ラン、海の中に結界かシールドが張られてるはずだから探してみて」

 

 

ラン「はい・・・微弱ですがシールドを確認しました」

 

 

優希の指示に従い海中を探すと反応が見付かった。

 

 

優希「僕がシールドを破壊するから」

 

 

ルネ「わかりました、マスターのリミッターを解除します」

 

 

ルネとリナが優希の魔力を解放すると同時に・・・

 

 

優希「レイ!」

 

 

レイ「ディバインバスター」

 

 

レイジングハートを起動させてシールドに向かってディバインバスターを放った。

 

 

優希「行って」

 

 

ルネ達「はい」

 

 

優希の掛け声と同時にルネはケルベロス、リナはフルサイズ、ランはフェニックスになり闇の所に向かった。

 



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第87話

なのは「これで終わりだね」

 

 

クロノ「ああ、後は…」

 

 

クロノが帰還の合図をしようとした時…

 

 

エイミィ『皆避けて!!砲撃が向かってるよ!!』

 

 

エイミィの知らせと同時になのは達が回避すると砲撃が海面に当たった。

 

 

フェイト「なに!?」

 

 

エイミィ『距離500に魔力反応確認!!さらにそっちに魔力ランクS S が3つ向かってるよ!?え~!?さらに海面に魔力反応!!これは…暴走プログラム!!』

 

 

クロノ「一体何がどうなっているんだ!?」

 

 

エイミィ『こっちが聞きたいよ~』

 

 

なのは「皆見て!?」

 

 

なのはの声に皆が海面を見ると海面に球体が現れ、その姿を見る見ると変えるとリィンフォースに変わった。だがその姿は似ているが肌は黒く髪も黒かった。

 

 

はやて「リィンフォース!?」

 

 

リィン「どうやら私の姿をコピーしたようです」

 

 

プログラム「………」

 

 

プログラムはルネ達の方を見るとそちらに向かって行った。

 

 

リンディ『クロノ、皆無事?』

 

 

クロノ「はい、全員無事です」

 

 

リンディ『良かった、それでそちらはどうなっているのかしら?』

 

 

クロノ「以前、高町優希を連れ去った者と思われる者達が暴走プログラムと戦闘を開始しました」

 

 

リンディ『そう、それからこれを見てくれる?』

 

 

モニターが切り替わるとそこに優希が写っていた。

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

リンディ『現状ではあの戦闘を停止するのは不可能でしょう…ですから優希君だけでも保護してほしいの…』

 

 

クロノ「わかりました、直ちに保護に向かいます」

 

 

リンディ『何があるか解らないから全員で向かってくれる?』

 

 

クロノ「わかりました、皆いいか?」

 

 

クロノが皆を見ると頷いたのを確認すると優希の所に向かった。

 

 

 

優希「……」

 

 

リィンⅡ『優希ちゃん、魔力反応が複数こちらに向かって来てるですよ』

 

 

優希「わかった、リィン手伝って」

 

 

リィンⅡ『はい、頑張るですよ!!』

 

 

スタッ

 

 

するとクロノ達が優希を囲む様に降りてきた。

 

 

クロノ「時空管理局だ。高町優希だな?」

 

 

優希「コク」

 

 

クロノ「君を保護しにきた、一緒に来てもらおうか?」

 

 

優希「ヤダ」

 

 

なのは「ユウ、一緒に行こう?ねっ?」

 

 

優希「フルフル」

 

 

フェイト「でもここは危ないから、一緒に避難しよ」

 

 

優希「……」

 

 

しかし優希はそれでも動かなかった。

 

 

クロノ「仕方ない…」

 

 

バシッ!!

 

 

クロノが優希にバインドをかけた瞬間…

 

 

トン…

 

 

優希はなのは達から離れてレイジングハートを構えた。

 

 

なのは「ふぇ!?レイジングハート!?」

 

 

優希「邪魔するなら容赦しない」

 

 

クロノ「何故君がなのはと同じデバイスを持ってるんだ?」

 

 

エイミィ『クロノ君、優希君が持ってるレイジングハートとなのはちゃんが持ってるレイジングハートも同じ反応が出てるよ』

 

 

優希「秘密」

 

 

クロノ「ならもう1つ、僕達が邪魔と言ったがそれはどう言う意味だ?」

 

 

優希「僕達の目的はアイツを倒す事」

 

 

優希はレイジングハートを暴走プログラムに向けて言った。

 

 

優希「わかったなら早く逃げて」

 

 

なのは「ユウを置いていけないよ!!」

 

 

 

優希「いても邪魔」

 

 

ヴィータ「それはあたしらが弱いって言いたいのか!?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

シグナム「ではどう言う意味だ?」

 

 

優希「これは僕達の戦い」

 

 

シャマル「どうして君達が戦うの?」

 

 

ザフィーラ「何か関係があるのか?」

 

 

優希「…これは復讐」

 

 

はやて「復讐ってどう言う事なん!?」

 

 

優希「知る必要ない…ッ!!」

 

 

優希が説明していると突然魔力弾が飛んできたが優希がシールドを張り防いだ。

 

 

優希「リィン…」

 

 

リィンⅡ『プログラムがルネさん達を無視してこっちに向かって来てるです!!』

 

 

優希「キャットクロー、セットアップ。リィン行くよ!!」

 

 

リィンⅡ『了解です!!』

 

 

優希はキャットクローを展開するとプログラムに向かって行った。

 



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第88話

ルネside

 

 

リナ「ハァ~!!セイッ!!」

 

 

リナはプログラムに一気に近づくとパンチとキックを物凄い勢いで繰り出した。

 

 

プログラム「クッ!?貴様ら何者だ!?何故私の事がわかった!!」

 

 

ランF「答える義務はありません!!貴方にはここで消えてもらいます!!」

 

 

プログラムはリナから距離を取るが今度はランが羽を操作してプログラムに向けて放った。

 

 

プログラム「この程度!!」

 

 

しかしプログラムはそれを両手で巧みに防いだ。

 

 

ルネK「ならこれはどうです?」

 

 

プログラム「なに!?」

 

 

ルネが真後ろから砲撃を放ちプログラムを海面に叩き付けた。

 

 

リナ「やった?」

 

 

ルネK「いえ、どうやら効いてないようです」

 

 

ランF「なら効くまでやるだけです!!」

 

 

リナ「うん!!」

 

 

リナは再びプログラムに近づいて行き、ランも攻撃を再開した。

 

 

 

ルネK「…そうですね、私達は負けられませんしね」

 

 

ルネも攻撃を再開する為、プログラムに向かった。

 

 

プログラム「さあ、どうした?さっきまでの威勢はどうした?」

 

 

リナ「まだまだ~!!」

 

 

ランF「これならどうです!!」

 

 

ルネK「(いけませんね…やはり私達より戦闘能力が上ですね)」

 

 

ルネ達はプログラムに休む隙を与えない様に攻めているが一向にダメージを与えられずにいた。

 

 

ルネK「(リナ達も焦り出していますしこのままではマスターが来てしまいます…何とかしないと)」

 

 

しかしルネの思いは虚しく…

 

 

プログラム「お前達、何をそんなに焦っている?」

 

 

リナ「ッ…」

 

 

リナはプログラムの問いに一瞬、優希を見てしまった。

 

 

プログラム「なるほど!?あの子供がお前達の弱点か!!」

 

 

リナ「しまった!!」

 

 

プログラムはルネ達を無視して優希に向かって行った。

 

 

プログラムは優希に近づくと攻撃しながら話しかけた。

 

 

プログラム「お前か?私の存在に気付いたのは?」

 

 

優希「そう」

 

 

プログラム「何故わかった!?」

 

 

優希「教えない」

 

 

プログラム「ならお前を消すまでだ!!」

 

 

プログラムは優希の腕を掴むと、勢い良く海に向かって投げた。

 

 

リィンⅡ『優希ちゃん!!』

 

 

優希「大丈夫」

 

 

優希はレイジングハートを海に向けると…

 

 

優希「凍れ」

 

 

プログラム「なに!?」

 

 

海が凍り付き優希は着地した。

 

 

ルネK「マスター、これは一体?」

 

 

優希「考えていた保険」

 

 

ルネK「そうですか」

 

 

優希「ルネ達は大丈夫?」

 

 

ルネK「……」

 

 

優希「もう…」

 

 

ランF「大丈夫です!!まだ戦えます!!」

 

 

優希「でも…」

 

 

リナ「必ず勝つから優希ちゃんはここにいて!!」

 

 

優希「…わかった、僕も戦う」

 

 

ルネK「マスター!?」

 

 

優希「大丈夫、この姿で戦うから」

 

 

ルネK「しかし!?」

 

 

優希「このままじゃ勝ち目ない」

 

 

ルネK「ですが…」

 

 

優希「ルネ」

 

 

ルネK「わかりました、ですが絶対に本来の姿にはならないで下さい」

 

 

優希「わかった、なら行くよ!!」

 

 

優希は掛け声と共に爪を飛ばし、ルネ達も攻撃を再開した。

 

 

優希「レイ」

 

 

レイ「スターライトブレイカー」

 

 

プログラム「クッ!?」

 

 

プログラムは優希の砲撃を回避すると…

 

 

リナ「今度はそっちが焦っているみたいだけど?」

 

 

プログラム「何なんだあの子供は!?化け物か!!」

 

 

リナ「あの子は普通の子だよ!!」

 

 

するとリナが横に飛び…

 

 

プログラム「なっ!!」

 

 

砲撃がプログラムに直撃した。

 

 

優希「レイ!!バル!!リィン!!」

 

 

レイジングハート「スターライトブレイカー」

 

 

バルディッシュ「プラズマザンバーブレイカー」

 

 

リィンⅡ『ラグナロクブレイカー』

 

 

優希はここが最大のチャンスと思い3つの最大砲撃を展開して…

 

 

優希「発射!!」

 

 

 

プログラムに向かって撃ち放った。

 

 

リィンⅡ『優希ちゃん、レイジングハートが!!』

 

 

リィンⅡの声に優希がレイジングハートを見ると煙を出していた。

 

 

優希「レイは休んで」

 

 

レイジングハート「わかりました」

 

 

優希はレイジングハートを待機状態にしてしまった。

 

 

優希「バルは大丈夫?」

 

 

 

バルディッシュ「問題ありません」

 

 

優希「もう少しだけ頑張って」

 

 

バルディッシュ「イエス、サー」

 

 

優希バルディッシュを両手で持ち何時で戦闘を再開出来る状態にさた。

 

 

優希「おかしい」

 

 

ルネK「どうしたのですかマスター?」

 

 

優希「出てこない」

 

 

リナ「倒したとか?」

 

 

優希「あれ位でやられるなら…ッ!?」

 

 

煙が晴れるとプログラムの姿は消えていた。

 

 

優希「何処に」

 

 

辺りを見回していると…

 

 

なのは「キャァ~!?」

 

 

優希「!?」

 

 

声がした方を見るとなのは達はバインドで捕らえられ、プログラムはなのはを捕まえて魔力を吸いとっていた。

 

 

優希「ラン!!」

 

 

ランF「はい!!」

 

 

優希はランの背中に乗るとなのは達の下に向かった。

 



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第89話

なのはside

 

 

なのは「凄い…」

 

 

クロノ「だがあのままではあの子の体が持たない」

 

 

はやて「どういう事なん?」

 

 

クロノ「あれだけの砲撃を連続で撃ち続けていたら体に物凄い負担が掛かるはすだ。君達も実際に撃っているから分かるだろ?」

 

 

フェイト「なら早く止めさせないと!!」

 

 

クロノ「無理だ。あの攻撃のなか無闇に近づいたらこっちがあぶない」

 

 

エイミィ『そうだよ。それにこっちで計測したらなのはちゃんとほぼ同じ威力だったよ』

 

 

クロノ「今の僕達が当たったりすれば間違いなく落とされる」

 

 

すると優希がバルディッシュを出して…

 

 

フェイト「バルディッシュ!?」

 

 

アルフ「あの子、本当に一体何者なんだい!?」

 

 

はやて「もしかして、ラグナロク!?」

 

 

3つの魔法陣を展開して放った。

 

 

クロノ「エイミィ…」

 

 

エイミィ『…うん、なのはちゃん達が撃ったのと殆ど同じ威力』

 

 

なのは「でもこれなら!!」

 

 

しかし煙が晴れるとプログラムの姿は消えていた。

 

 

フェイト「倒したの?」

 

 

プログラム「貴様の魔力貰うぞ!!」

 

 

なのは「キャァ~!?」

 

 

フェイト達「!?」

 

 

プログラムが突然現れなのは以外を拘束し、なのはから魔力を吸いとっていた。

 

 

優希「この~!!」

 

 

プログラム「ちっ!!」

 

 

優希がバルディッシュで斬ろうとしたが、それより僅かに早くプログラムはなのはから離れた。

 

 

優希「大丈夫!?」

 

 

なのは「うっ…」

 

 

優希がなのはに声を掛けるが、苦しそうにうめき声をだし胸を押さえていた。

 

 

ランF「優希様、このままでは危険です。早く治療しないと…」

 

 

優希「ルネ、リナ!!」

 

 

優希はこの場を離脱しようとルネ達を呼ぶが…

 

 

プログラム「させるかー!!」

 

 

プログラムに新しく結界を張られて離脱出来なくなってしまった。

 

 

優希「クッ!?ルネ!!」

 

 

ルネK「駄目です!!この結界、簡単には壊れそうにありません!!」

 

 

フェイト「優希!!なのはは!?」

 

 

フェイト達もバインドを解き集まって来た。

 

 

優希「ラン、行って」

 

 

ランF「しかし…」

 

 

優希「僕はこの結界を破壊するから時間を稼いで」

 

 

ランはプログラムに向かって行った。

 

 

優希「バル!!撃ち抜け雷神!!」

 

 

バルディッシュ「ジェットザンバー」

 

 

優希がジェットザンバーを放つが…

 

 

優希「!?」

 

 

しかし斬撃は結界に届く前に消えてしまった。

 

 

リィンⅡ『斬撃が消えちゃったですよ!?』

 

 

優希「チュウ太、解析して」

 

 

チュウ太「ガッテン!!」

 

 

優希はチュウ太を出すと結界の解析を急いで頼んだ。

 

 

フェイト「優希!!なのはが!!」

 

 

優希がなのはを見ると顔色が蒼白になってきていた。

 

 

優希「チュウ太!!」

 

 

チュウ太「完全には解析出来ていやせんがとりあえず破壊する方法はありやす!!」

 

 

優希「方法は!?」

 

 

チュウ太「…ハウリングブレイカーなら壊せるはずです」

 

 

リィンⅡ『駄目です!!その技は本来の優希ちゃんにならないと撃てないです!!』

 

 

チュウ太「しかしこの方法以外、破壊する方法がありやせん…」

 

 

優希「それしかない?」

 

 

チュウ太「時間があれば他の方法が見付かるかもしれやせんが…」

 

 

優希「…」

 

 

なのはを見ると時間が無いのが解ると…

 

 

優希「リィン…ユニゾン解除」

 

 

リィンⅡ『優希ちゃん!?』

 

 

優希がユニゾンを解除するとルネ達も優希の側に現れた。

 

 

ルネK「マスター…」

 

 

優希「念話で聞いてたでしょ?」

 

 

リナ「でも…」

 

 

優希「この世界の人を犠牲に出来ない」

 

 

ルネK「わかりました…」

 

 

リナ「ルネちゃん!?」

 

 

ルネK「リナ…」

 

 

リナ「わかった…」

 

 

ルネがリナを見つめると、リナも頷いた。

 

 

優希「いくよ」

 

 

優希の掛け声と共にルネとリナがユニゾンしケルベロスフォームになった。

 

 

優希「ランとリィンは待っていて」

 

 

ランF「はい…」

 

 

リィンⅡ「はいです…」

 

 

カチッ

 

 

優希はアクセルシステムで一気にプログラムに近づいた。

 

 

プログラム「貴様人間か!?何だその魔力は!?」

 

 

優希「悪いけど相手をしてる訳にいかないから終わらせてもらうよ」

 

 

カチッ

 

 

プログラム「なに…カハッ!?」

 

 

優希はアクセルシステムを使うと物凄い勢いで攻め込んだ。

 

 

プログラム「一体なにが…!?」

 

 

プログラムが動揺していると両手足をバインドで拘束され、そこから離れた場所に優希が現れた。

 

 

 

優希「これで終わり…」

 

 

優希は体の左側を前にして左手を前出すと端が丸で出来た逆三角形の魔法陣が現れ…

 

 

優希「吠えろ!!番犬の咆哮!!」

 

 

ルネ、リナ『ハウリングブレイカー!!』

 

 

砲撃を放った。

 

 

プログラム「や、やめ…」

 

 

砲撃がプログラムを飲み込み結界に当たると…

 

 

キィィ~ン!!

 

 

当たった音がハウリングし、結界が破壊された。

 

 

優希「…」

 

 

カチッ

 

 

優希は結界が消えるのを見届けるとなのは達の下に向かった。

 

 

フェイト「なのはしっかり!」

 

 

はやて「なのはちゃん!!」

 

 

優希「転移するよ、掴まって!!」

 

 

優希が現れるとすぐに転移して、他の者達も遅れてアースラに転移した。

 



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第90話

クロノ「さて君に聞きたい事がある」

 

 

優希「…」

 

 

アースラに着くとなのはは医務室に運ばれ、優希は指令室に連れてこられた。

 

 

クロノ「とりあえずバリアジャケットを解除してもらえるか?」

 

 

優希「ルネ、リナ、ユニゾン解除。それとルネとランは待機状態に」

 

 

ルネ「はい、マスター」

 

 

ラン「わかりました優希様」

 

 

優希が指示するとふたりはブレスレットになり、優希の手首に装着され…

 

 

優希「ん…」

 

 

カッ!!

 

 

優希自身も小さくなり両肩にリナとリィンⅡが座った。

 

 

クロノ「さて君に聞きたいが、さっきのあの戦闘の相手

は何だ?」

 

 

優希「闇の書の【闇】」

 

 

クロノ「それは防衛プログラムの事か?」

 

 

優希「……」コク

 

 

クロノ「では君と防衛プログラムとの関係は?」

 

 

優希「…復讐」

 

 

クロノ「具体的には?」

 

 

優希「姉の仇」

 

 

フェイト「姉ってなのはの事?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

クロノ「では一体誰の事だ?」

 

 

優希「言えない」

 

 

クロノ「ではもう1つ。君は(この世界)に存在しないのに、なのはやフェイト達に君と過ごした記憶が存在するがこれは一体?」

 

 

優希「僕がこの世界に来た時に魔法の事故で植え付けらた」

 

 

クロノ「魔法の事故?」

 

 

優希「……」コク

 

 

クロノ「それはどんな魔法何だ?」

 

 

優希「時間を操る魔法」

 

 

クロノ「時間を!?そんな事…」

 

 

優希「僕の姿が証拠」

 

 

クロノ「確かに…」

 

 

信じられないが優希の姿が何よりの証拠になった。

 

 

クロノ「艦長、彼はどうしますか?」

 

 

リンディ「そうね、艦の中にいてくれると助かるのよね」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

リンディの提案に優希は拒否を示した。

 

 

クロノ「しかしな…」

 

 

フェイト「待ってクロノ…」

 

 

すると真剣な表情をしたフェイトが話に割り込んだ。

 

 

クロノ「フェイト?」

 

 

フェイト「優希、ちゃんと答えてほしいだけど、優希は魔法の事故でこの世界に来たんだよね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「それは時間の魔法?」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「という事は優希は【時間】を越えて来たって事だよね?」

 

 

優希「ッ!?」

 

 

予想外の質問に優希は動揺した。

 

 

フェイト「しかも私達と同じデバイスを持っているって事は…優希は未来から来たの?」

 

 

優希「…」

 

 

フェイト「過去から来ていたら私達はデバイスを持っていない。でも未来からなら私達のデバイスを貰ったりしていればおかしくない、どう?」

 

 

優希「その通り、僕は未来から来た。そしてこのデバイスと未来を託された」

 

 

優希はそう言って自分の周りに未来のなのは達から託されたデバイスを浮かべた。

 

 

クロノ「この2つは一体誰のデバイス何だ?」

 

 

優希「ラン」

 

 

トン!

 

 

優希は自分の杖を出し床を叩くとランが魔法陣を展開した。

 

 

クロノ「何をする気だ!?」

 

 

優希「持ち主を喚ぶ」

 

 

優希が魔法発動させると…

 

 

アリサ「えっ!?」

 

 

すずか「あれ!?」

 

 

アリサ達が転移してきた。

 

 

優希「この二人が持ち主」

 

 

フェイト「アリサ達が!?」

 

 

アリサ「一体何!?」

 

 

すずか「フェイトちゃん…」

 

 

急に召喚されたアリサ達は混乱し怯えていた。

 

 

フェイト「アリサ、すずか、実はね…」

 

 

フェイトは二人に魔法の事、今回の事件、アリサ達がこの場に呼ばれた理由を話た。

 

 

アリサ「つまり優希は未来から来たと」

 

 

フェイト「そう」

 

 

すずか「それで優希君は未来からきた人間って事でいいのかな?」

 

 

優希「少し違うけど当たり」

 

 

フェイト「優希、何処が違うの?」

 

 

優希「僕は平行世界の未来から来た」

 

 

はやて「平行世界って、もしかしたら違う結末になっていたとかの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「もうなにがなんだか…」

 

 

クロノ「彼女達の事はとりあえず、君には艦にいてもらいたいんだが…」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

フェイト「ねぇ優希?何で嫌なの?」

 

 

優希「嫌だから」

 

 

フェイト「そんな事言わないで…」

 

 

優希「ヤ」

 

 

頑なに優希は拒否した。

 

 

クロノ「ならせめて君がいる場所だけ教えてくれ」

 

 

クロノが妥協案をだすと…

 

 

優希「ここにいる」

 

 

優希は地図を出し自分の拠点を教えた。

 

 

アリサ「ここって確か…」

 

 

すずか「廃ビルがある場所だよね?」

 

 

優希「野宿してる」

 

 

はやて「野宿!?あかんよ!!優希君はまだ小さいのに危ないやんか!!」

 

 

優希「護衛ならいる」

 

 

優希は両手のルネとランを見せた。

 

 

クロノ「確かにそうだが…」

 

 

アリサ「ねぇ優希?何で家に戻らないの?」

 

 

優希「この世界にある僕に関する記憶は事故により植え付けられた物、だからこの世界では他人になる」

 

 

アリサ「だから何!?」

 

 

 

優希「!?」

 

 

アリサ「例え事故による植え付けられた記憶でも、それはもう私の一部なのよ!!それとも優希は私達が嫌いなわけ!?」

 

 

優希「それは…」

 

 

優希が口ごもると…

 

 

アリサ「はっきりしないのはこの口!?」

 

 

アリサに両頬を引っ張られた。

 

 

優希「~~」

 

 

優希はバタバタと暴れ逃れようとするが…

 

 

アリサ「ほらはっきりしなさい!!」

 

 

すずか「あの、アリサちゃん?それじゃ優希君喋れないと思うけど」

 

 

アリサ「…そうね」

 

 

アリサはすずかの注意を受け両手を離した。

 

 

アリサ「それで優希どっちなの?」

 

 

優希「…嫌いじゃないけど」

 

 

アリサ「なら…」

 

 

優希「でも僕には使命がある」

 

 

フェイト「使命?」

 

 

優希「復讐」

 

 

すずか「復讐…?」

 

 

フェイト「でも優希…」

 

 

優希「復讐なんて駄目って言いたい?」

 

 

フェイト「うん…」

 

 

優希「でも僕には大切な人達だった。それにあの闇を放ってはおけない」

 

 

はやて「ならウチらにも手伝わせてくれへん?あの闇を外に出したのはウチらやし」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

シグナム「それは何故だ?」

 

 

リナ「じゃあ逆に聞くけど、みんなはあの闘いを見て勝てる見込みある?」

 

 

ヴィータ「それはアタシ達が弱いって言いたいのか!?」

 

 

リナ「はっきり言うとそうだよ」

 

 

リィンⅡ「今の皆さんでは無理です」

 

 

シャマル「でも皆で力を合わせれば…」

 

 

優希「それでも無理、僕達の方で闇の力を計測したけど少なく見積もってもSSクラスが数人必要」

 

 

リンディ「…そんなに巨大な闇なの!?」

 

 

優希「何十…何百の年数のなかで人の闇を喰らい続けてきた結果」

 

 

はやて「うちはそんな闇を放ってしまったんか…」

 

 

リィンⅠ「主…すみません」

 

 

はやて「リィンフォースは悪かない!!決めたのはうちや!!」

 

 

はやてがそう言うと…

 

 

優希「二人は悪くない、あれがベスト」

 

 

はやて「せやけどそのせいで優希君や他の人にも迷惑を…」

 

 

優希「それはいい、それに僕達が倒せば問題は解決」

 

 

リィンⅠ「しかし倒せるのか?」

 

 

優希「今から作戦を立てる。だから任せて」

 

 

優希は強い眼差しで答えた。

 

 

 

優希「じゃあ帰る」

 

 

ガシッ

 

 

優希「?」

 

 

優希は腕を捕まえられたのでその捕まえてる手を見ると…

 

 

アリサ「優希君、家にきなさい」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

アリサ「家なら広いからあんた達が来ても問題ないわよ」

 

 

優希「いつ襲われるかわからない…」

 

 

アリサ「そんなの何処にいても一緒でしょ?なら体調が整えやすい場所にいるのが一番でしょ、違う?」

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「優希が言い負かされた…」

 

 

アリサ「どうなの?」

 

 

優希「降参」

 

 

優希は両手を上げてアリサの案に従う事にした。

 

 

優希「でもその前に…」

 

 

優希はそう言うと指令室を出ていった。

 

 

フェイト「優希?」

 

 

フェイト達も優希の後を追っていった。

 

 

医務室

 

 

なのは「……」

 

 

 

優希「……」

 

 

優希は医務室に来ると、なのはの横に立ち…

 

 

優希「ん…」

 

 

なのはの手を握り魔力を供給した。

 

 

フェイト「優希?何をしたの?」

 

 

優希「魔力が少なくなっていたから補給した」

 

 

アルフ「そんな事してアンタは平気なのかい?」

 

 

優希「問題ない、すこしたてばなのはさんも目覚める」

 

 

フェイト「ねぇ優希?なんでお姉ちゃんって呼ばないの?」

 

 

優希「言ったはず、僕の魔法で記憶に植え付けられたって。だから僕達は他人だよ」

 

 

フェイト「でも…」

 

 

優希「僕の家族はもういない…元の世界も消滅した…それに…」

 

 

フェイト「それに?」

 

 

優希「闇を消したら僕達はこの世界から去る」

 

 

フェイト「どうして!?」

 

 

優希「僕はこの世界にいるべき存在じゃないから」

 

 

フェイト「そんな事ない!!」

 

 

優希「考えてみて、あの闇を倒したら次に驚異になるものを」

 

 

シグナム「そう言う事か…」

 

 

はやて「どういうことなん、シグナム?」

 

 

ヴィータ「あの闇を消したら優希が次に危険な存在になる。しかも誰も手出しが出来ない存在」

 

 

はやて「優希がそんな事するわけ…」

 

 

シャマル「私達が言っても周りが納得しないと思います…」

 

 

ザフィーラ「全てわかっていたのか?」

 

 

優希「途中から」

 

 

リィンⅠ「執務官、どうにか出来ないか?」

 

 

クロノ「少数なら可能だが今回の事件では市街地まで影響が出ている…隠すのは難しい」

 

 

優希「とにかく闇が出てきたら僕達が相手するから無闇に関わらないでね…」

 

 

優希はアリサとすずかの手をとり…

 

 

優希「じゃあね」

 

 

転移して消えた。

 



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第91話

優希「チュウ太、次はエンジンの調整」

 

 

チュウ太「ガッテン!!15番から20番に作業させやす!!」

 

 

優希「同時に駆動系もやって」

 

 

チュウ太「あいさ!!7番から12番が始めやす!!」

 

 

すずか「すごいね」

 

 

優希「……」

 

 

優希がアリサの家に来て3日、闇の捜索をルネ達に任せて優希はチュウ太とチュウナーズを使いロードチェイサーのメンテナンスをしていた。

 

 

アリサ「家にも欲しいわね」

 

 

優希「あげない」

 

 

アリサ「そうよね、それで優希?なのはに会わなくていいの?」

 

 

優希「会うとなのはさんが辛くなる」

 

 

アリサ「優希自身はどうなの?」

 

 

すずか「優希君だって会いたいでしょ?」

 

 

優希「二人が何を望んでるかは解るけど今はその時じゃないから」

 

 

アリサ「じゃあ解決したら話をするのね?」

 

 

優希「……」

 

 

すずか「沈黙は了承と取るよ」

 

 

優希「僕には責任があるからね」

 

 

アリサ「ならさっさと事件を解決しちゃいなさい」

 

 

優希「そうしたいけど…」

 

 

すずか「無理なの?」

 

 

優希「かなり深手を負っているからしばらくは動けないはず、なら今のうちに見つければ倒しやすい。わかった?」

 

 

優希はそう言うと空を見上げた。

 

 

 

クロノ『気付いていたのか?』

 

 

優希の前にモニターが現れ…

 

 

優希「僕達を甘く見ないで、技術力ならそっちより上だから」

 

 

クロノ『そのようだな』

 

 

優希「こっちはまだ見つからないけど、そっちはどうなの?」

 

 

クロノ『こちらも進展はない』

 

 

優希「見つけても手を出さないで」

 

 

クロノ『それは出来ない』

 

 

優希「じゃないと僕達の戦闘に巻き込まれるよ?」

 

 

クロノ『だが…』

 

 

優希「良く考えて?相手はSSランクを束でかからないといけない相手だよ、今の管理局にそんな戦力ある?」

 

 

クロノ『確かに僕達にはそんな戦力はないな…』

 

 

優希「相手は弱っているけど油断出来ない…僕達も次は最初から全力で仕掛ける」

 

 

クロノ『わかった、こっちは結界などの補助をできるだけ用意しておく』

 

 

優希「なら戦闘は任せて、その分集中できるから」

 

 

クロノ『ああ、何かあったら又連絡する』

 

 

優希「……」コク

 

 

優希が頷くとモニターは消えた。

 

 

アリサ「優希…」

 

 

優希「大丈夫、必ず倒すから」

 

 

アリサ「違うわよ」

 

 

優希「?」

 

 

アリサ「無理だと思ったら皆に頼りなさい」

 

 

優希「僕達だけで十分」

 

 

すずか「そうかな?私たちには無理しているように見えるよ?」

 

 

優希「……そうかも知れない。でも僕達の手で倒さないと僕の決意が意味なくなる」

 

 

アリサ「復讐したいから?」

 

 

優希「そう」

 

 

すずか「その後はどうするの?」

 

 

優希「言ったはず、この世界から去るって」

 

 

アリサ「なのははどうするの?」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「事故とはいえ私たちには優希との記憶があるのよ!?それを放って自分だけ逃げるの!!」

 

 

優希「なら僕にどうして欲しいだよ!?」

 

 

ズドン!!

 

 

優希が怒鳴ると魔力で地面が陥没した。

 

 

すずか「簡単だよ、私たちを見て」

 

 

優希「?」

 

 

すずか「私たちは優希君のお姉ちゃんとは別人だよ。重ねて見ないで、私たちを別人として見て」

 

 

優希「!?そっか…」

 

 

アリサ「わかった見たいね…」

 

 

優希「僕は重ねて見ていたんだね…」

 

 

アリサ「納得したかしら?」

 

 

優希「うん、まさか年下に悟らされるなんてね…」

 

 

アリサ、すずか「えっ!?」

 

 

優希「ありがとう、まだ踏ん切りはつかないけど納得したよ」

 

 

優希自身が納得したが…

 

 

アリサ「優希、アンタ今私たちの事を年下って言った?」

 

 

優希「……」コク

 

 

 

すずか「優希君って今いくつ?」

 

 

 

優希「18だけど…」

 

 

アリサ「ハァ!?アンタその身体で18なの!?」

 

 

優希「……あぁ…バブー?」

 

 

スパァン!!

 

 

アリサ「優希どういう事?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は頭を押さえてしゃがんでいたが、アリサは気にせず問い詰めた。

 

 

優希「僕は普段この姿でいるのは、力を抑える為と、姉さん達の指示でなっているから」

 

 

すずか「最初のは解るけど次のが今一わからないな」

 

 

優希「僕もわからない、姉さん達には自分達の前以外ではなるべく本来の姿にはなるなとしか言われてないから」

 

 

アリサ「なら試しに今、戻って見たらいいじゃない」

 

 

すずか「うん、ちょっと見てみたいし」

 

 

優希「わかった…」

 

 

カッ!!

 

 

優希はアリサ達に言われて本来の姿になった。

 

 

アリサ「///あぁ…意味わかったわ」

 

 

すずか「///うん、私も」

 

 

優希「?何か変か?」

 

 

優希は自身を見回したが特に変な所はなかった。

 

 

アリサ「そんな事ないわよ、やっぱり小さな方が良いわよ」

 

 

すずか「うん、そうだね!!その方が良いよ」

 

 

アリサ達互いに目で会話して、互いに秘密にしようと考えた。

 

 

優希「そうか?こっちの方が動きやすいんだが…」

 

 

アリサ「いいから小さくなりなさい!!」

 

 

優希「わかった…」

 

 

カッ!!

 

 

優希は小さくなった。

 

 

優希「さて…」

 

 

バタン

 

 

優希がチュウ太を閉じると…

 

 

すずか「作業は終わり?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「ならお茶にしましょ♪」

 

 

優希「見回り…」

 

 

アリサ「却下♪」

 

 

優希は見回りに行こうとしたが即座に却下され…

 

 

すずか「さ♪行こう♪」

 

 

強制連行された。

 

 

優希「それでどうだった?」

 

 

ルネ「街を手分けして捜索しましたが見付かりませんでした」

 

 

リナ「海の方も探して見たけど反応はないよ」

 

 

ラン「消滅したとは思えません。優希様の砲撃をまともに受けた以上深手を負っているのは確実です」

 

夜になってルネ達の探査の報告を聞いたが手掛かりはなかった。

 

 

優希「回復する前に消したいけど…」

 

 

ルネ「ここまで巧みに気配を消されては私達も手が出せません」

 

 

優希「なら誘き寄せるしかないか…」

 

 

ラン「ですが優希様?どの様に誘き寄せるのですか?私達の探査でも見つからない者をどの様にして誘き寄せますか?」

 

 

優希「出てこなければいけない状況にすればいい」

 

 

リナ「優希ちゃん、何か考えがあるの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

リナ「どうするルネちゃん?」

 

 

ルネ「探査でも見つからない以上他に手はありません。マスターに任せる他にないでしょう」

 

 

ラン「では優希様、指示をお願いいたします。私達はどの様に動けばいいでしょうか」

 

 

優希「説明するよ?」

 

 

そのまま優希はルネ達に作戦を説明して次の日に備えた。そして次の日…

 



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第92話

優希「吠えろ!!番犬の咆哮!!」

 

 

クロノ『止すんだ!!そんな砲撃を放ったら街が壊滅するぞ!?』

 

 

海鳴市上空で優希が街に向けて最大出力のハウリングブレイカー放とうとしていた。

 

 

優希「あの闇を逃がせばこの世界が壊滅する」

 

 

なのは「やめてユウ!!」

 

 

優希「邪魔するなら一緒に吹き飛ばす」

 

 

フェイト「ダメだよ優希!!こんな事したら!!」

 

 

なのは達は海鳴市を守るように優希の前に立ちはだかるが…

 

 

優希「ハウリング…ブレイカー!!」

 

 

優希はなのは達に構わずハウリングブレイカーを放った。それと同時に…

 

 

プログラム「クッ!?」

 

 

地下からプログラムが姿を現した。

 

 

優希「いまだ!!」

 

 

ラン「プログラム起動!!ハウリングブレイカー…バースト!!」

 

 

それに合わせてランがハウリングブレイカーの前に現れ術式を展開してハウリングブレイカーを分裂させてプログラムに向けて再度放った。

 

 

プログラム「何!?」

 

 

 

ズドン!!

 

 

ランが放ったハウリングブレイカーが全弾当たり…

 

 

闇「……」

 

 

プログラムが消えて闇の球体だけが残った。

 

 

なのは「どういう事?」

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「どうなってるの優希?」

 

 

ラン「私が説明します。優希様は闇を誘きだす為にわざと街を破壊するフリをしたのです」

 

 

なのは「えっと…」

 

 

ラン「つまり演技です」

 

 

フェイト「じゃあ…」

 

 

ラン「はい、闇を誘きだす為に皆様も騙していました」

 

 

なのは、フェイト「ええ~!?」

 

 

ラン「闇に作戦を知られない為に皆様も騙す必要があったのです」

 

 

フェイト「私達にも教えてよ!!」

 

 

ラン「何分優希様の思いつきの作戦でしたので…」

 

 

なのは、フェイト「う~…」

 

 

優希「……」

 

 

優希は二人の抗議の眼差しを無視して…

 

 

優希「フッ!!」

 

 

ザシュ!!

 

 

優希は乱舞を取り出すと同時に闇を切ると…

 

 

 

ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!

 

 

連続して切り裂いた。

 

 

 

優希「?」

 

 

フェイト「どうしたの優希?」

 

 

優希「おかしい」

 

 

なのは「何がおかしいの?」

 

 

優希「弱り過ぎてる…」

 

 

その時…

 

 

ガタガタガタガタ!!

 

 

地上が大きく揺れだした。

 

 

エイミィ『大変!!地下に高エネルギー反応を確認!このままだと次元震に発展する可能性あり!!』

 

 

優希「厄介な事を!!」

 

 

優希が飛び立つとなのは達も続いた。

 

 

なのは「どういう事ユウ!?」

 

 

優希「闇の仕業だ!!地下に何かしらのエネルギーを残していたんだ!自分が負けた時この街を巻き込む為に!!」

 

 

フェイト「じゃあこのままだと…」

 

 

優希「街が壊滅する」

 

 

なのは「どうするの!?」

 

 

優希「俺が地下に入ってその高エネルギーを消す!!」

 

 

フェイト「1人じゃ危険だよ!!」

 

 

優希「時間がない!」

 

 

なのは「私も行く!」

 

 

優希「ダメだ」

 

 

フェイト「私も行くよ」

 

 

優希「……わかった、但し危険と判断したら退避する事、いい?」

 

 

なのは、フェイト「うん!」

 

 

優希「なら一気に行くぞ!!吠えろ!!番犬の咆哮!!ハウリングブレイカー!!」

 

 

優希はハウリングブレイカーで地下までの道を作り…

 

 

優希「急げ!!」

 

 

突入していった。

 

 

 

優希「急げ!!」

 

 

ビュン!!

 

 

ビュン!!ビュン!!

 

 

優希の後を追うようになのは達も追いかけた。

 

 

優希「チュウ太、後どれくらいだ!?」

 

 

チュウ太「データ照合…目視で確認できやす!!」

 

 

優希「あれか!」

 

 

優希達がたどり着くと赤い結晶が高エネルギーを発していた。

 

 

優希「時間がない!ルネ、リナ!ユニゾン解除!!」

 

 

ルネ「どうするのですかマスター?」

 

 

優希「周りから封印処理して落ち着かせてそのまま封印する!」

 

 

ルネ、リナ「はい!!」

 

 

そう言うと優希達は封印処理を始めた。

 

 

なのは「私達も手伝う!!」

 

 

フェイト「封印処理は経験しているからね♪」

 

 

優希「わかった、リィンユニゾンを!フォローを頼む」

 

 

リィンⅡ「はいです!ユニゾン、イン!」

 

 

優希もリィンⅡとユニゾンをして効率を上げた。

 

 

 

 

優希「まずはこのエネルギーを落ち着かせて…」

 

 

優希も魔力高めてエネルギーを抑え付け始めた。

 

 

優希「俺が抑え付けているうちに封印処理を」

 

 

なのは「うん!レイジングハート!!」

 

 

フェイト「バルディシュ!!」

 

 

ルネ「私達も始めましょう!!」

 

 

なのは達による封印作業が始まった。

 

 

優希「……」

 

 

なのは「フェイトちゃん」

 

 

フェイト「ルネ、私達にタイミング合わせてくれる?」

 

 

ルネ「お任せください」

 

 

なのは「ディバイ~ン…」

 

 

フェイト「サンダー…」

 

 

なのは「バスター!!」

 

 

フェイト「スマシャー!!」

 

 

二人の砲撃で結晶が弱まり…

 

 

ルネ「術式固定…封印作業終了しました」

 

 

優希「フゥ…」

 

 

なのは「疲れたの」

 

 

フェイト「私も」

 

 

優希「さぁ戻ろう」

 

 

優希が飛び立つとなのは達も飛び立ち地上に向かった。

 

 

クロノ「さて、君たちついてだが…」

 

 

優希「拘束?」

 

 

リンディ「それに近いわね、やはり危険性があるとして隔離、又は拘束の指示が来ているわ」

 

 

なのは「ユウは街を守ってくれたのにどうして!?」

 

 

リンディ「上の人達はその力を恐れているの…いつ自分達に刃を向けられるかわからないから」

 

 

フェイト「優希はそんな事しないです!」

 

 

リンディ「私たちもそう思うけど…」

 

 

優希「僕は拘束されるつもりはない」

 

 

リンディ「私たちもしたくないけど…命令だから…」

 

 

優希「なら…」

 

 

トン

 

 

優希は杖を出すと魔方陣を展開して…

 

 

優希「逃げる」

 

 

優希が離脱すると同時に…

 

 

なのは「ユウ!!」

 

 

フェイト「優希!!」

 

 

なのは達も飛び込み一緒に転移した。

 

 

リンディ「……」

 

 

クロノ「よかったんですか?」

 

 

リンディ「今の私たちに優希君を拘束できる戦力はありませんからね…それに…」

 

 

クロノ「それに?」

 

 

リンディ「優希君の力なら私たちを壊滅できるのに、彼はあえて逃走してくれました」

 

 

クロノ「僕達に被害を出さないように」

 

 

リンディ「ええ、ですから私たちも彼が逃げる時間を稼ぎましょう」

 

 

クロノ「はい、お手伝いします」

 



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第93話

山中

 

 

優希「何でついてきたの?」

 

 

なのは「家族だもん」

 

 

フェイト「ほっとけないから」

 

 

優希「僕達はこれから旅支度するから…」

 

 

優希が歩き出すと…

 

 

なのは「ユウ、私も連れていって!」

 

 

コテン

 

 

なのはの発言に優希は思わず転んだ。

 

 

優希「何を言っているの?家族はどうするの?」

 

 

なのは「優希1人じゃ心配だもん」

 

 

フェイト「なら私も行く!」

 

 

優希「二人ともわかっているの?僕達はこれから管理局に追われる事になるんだよ?一生逃げ続けるんだよ?」

 

 

フェイト「わかってる、私は優希だけを行かせたくない…だから付いていく」

 

 

なのは「ねぇユウ?私たちも連れていって?私たちもユウともっと一緒にいたいんだ」

 

 

優希「家族はどうするの?」

 

 

なのは「説得するよ?ダメだったら家出しちゃうもん♪」

 

 

フェイト「アルフもきっと一緒に行くよ♪」

 

 

優希「一生戻ってこれないんだよ!?」

 

 

なのは「わかってるよ」

 

 

優希「なら…」

 

 

なのは「それでも…」

 

 

フェイト「私たち…」

 

 

なのは、フェイト「ユウ(優希)と一緒にいたいんだよ」

 

 

優希「……明日の夕方」

 

 

なのは「え?」

 

 

優希「明日の夕方には出発する」

 

 

なのは「うん!わかった!!」

 

 

なのはは急いで自宅に戻った。

 

 

フェイト「私たちはどうする?」

 

 

優希「アリサさんの所に戻る」

 

 

フェイト「じゃあ私も行くよ」

 

 

優希達も一度戻っていった。

 

 

 

 

 

 

アリサ「何でアンタはそうやって勝手に大事な事を決めるのかしらね~!?」

 

 

ギュ~

 

 

優希「~~!?!?」

 

 

優希が戻るとアリサに説明したが逆に叱られる事になった。

 

 

すずか「本当だよ!!何で勝手に決めちゃうの!!」

 

 

今回に限ってはすずかの怒りにも触れたらしい。

 

 

優希「……」スリスリ

 

 

優希が頬をさすっていると…

 

 

アリサ「それで?いつ出発するの?」

 

 

優希「明日の夕方」

 

 

スパン!!スパン!!

 

 

優希「~~!?」

 

 

今回はすずかにまで叩かれた。

 

 

すずか「優希君、少しは周りの事考えてる!?」

 

 

優希「……」

 

 

すずか「私たちの事も考えてくれてる!?」

 

 

優希「…ごめんなさい」

 

 

普段怒らない人間が怒るとかなり怖い…

 

 

アリサ「それでここに残る事は出来ないわけ?」

 

 

優希「管理局も馬鹿じゃないし、僕がここに残ればアリサさんを使ってでも僕を捕まえにくる」

 

 

アリサ「私?」

 

 

優希「例えば人質」

 

 

すずか「そんな事…」

 

 

優希「しないと言い切れない」

 

 

アリサ「わかったわ」

 

 

すずか「アリサちゃん?」

 

 

アリサ「いくら私たちが言ってももう決めてるんでしょ?」

 

 

優希「僕達が長くここに留まればアリサさん達も捕まえられる可能性がある」

 

 

アリサ「出発する前にちゃんと会いに来なさい、いい?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「すずか、行くわよ」

 

 

すずか「ちょっとアリサちゃん!?」

 

 

 

アリサはすずかの手を取り部屋を出た。

 

 

アリサ「すずか」

 

 

すずか「なに?」

 

 

アリサ「アンタはどうするの?」

 

 

すずか「アリサちゃんまさか…」

 

 

アリサ「付いていくつもりよ」

 

 

すずか「本気!?」

 

 

アリサ「ええ、私には優希を放って置くなんて出来ない」

 

 

すずか「でも…」

 

 

アリサ「わかっているわよ、家族と会えなくなるのは辛いわ」

 

 

すずか「うん…」

 

 

アリサ「私の中では優希が一番になっているのよ」

 

 

すずか「アリサちゃん…」

 

 

アリサ「私も準備してくるわ」

 

 

アリサも自分の部屋に戻っていった。

 

 

すずか「……」

 

 

すずかも1人自宅に戻っていった。

 

 

士郎「自分が何を言っているのかわかっているのか!?」

 

 

なのは「うん…」

 

 

恭也「ダメに決まっているだろ!!」

 

 

なのは「でもユウを放って置くなんて出来ないもん!!」

 

 

なのはは家に着くと家族へ説得を始めた。

 

 

士郎「だが優希と私達は…」

 

 

なのは「今は私がユウのお姉ちゃんだもん!!」

 

 

恭也「それでもダメだ!!一生戻ってこれないだぞ!?」

 

 

なのは「じゃあお兄ちゃんはユウだけに辛い思いをさせて、私たちは幸せに暮らせればそれでいいの!?」

 

 

恭也「それは…」

 

 

士郎「しかしな…」

 

 

桃子「…行って来なさい、なのは」

 

 

恭也「母さん!?」

 

 

なのは「お母さん!!」

 

 

桃子「優希を守りたいんでしょ?」

 

 

恭也「母さん!?何を…」

 

 

桃子「恭也、なのはがここまで自分で決意したのよ?なら私達もなのはの為に後押ししてあげましょう」

 

 

士郎「だが…」

 

 

桃子「士郎さん…」

 

 

士郎「…わかった」

 

 

恭也「父さんまで!?」

 

 

美由紀「反対しているの恭ちゃんだけだよ?」

 

 

恭也「美由紀まで!?」

 

 

美由紀「恭ちゃんが心配するのもわかるけど、なのはがここまでワガママを言うの初めてなんだよ?だったら最初で最後のワガママを聞いてあげようよ?」

 

 

恭也「だが…」

 

 

桃子「なのは、お兄ちゃんは私達が説得するから準備をしてきなさい」

 

 

なのは「ありがとう、お母さん!!」

 

 

なのははそのまま部屋に向かった。

 

 

恭也「なのは!?」

 

 

桃子「恭也、行かせてあげなさい」

 

 

恭也「母さん!!」

 

 

桃子「あの子が選んだ答なんだから行かせてあげましょう」

 

 

恭也「……」

 

 

桃子「恭也」

 

 

恭也「わかった…」

 

 

恭也も最後まで粘ったがついに折れた。

 

 

優希「……」カタカタカタカタ

 

 

リィンⅡ「優希ちゃん?何してるです?」

 

 

優希「どうしてキャリー達だけ戻ってこれたのか調べてる」

 

 

リィンⅡ「わかったですか!?」

 

 

優希「僕にも解析出来ない。データの損傷が激しい」

 

 

優希はキャリーペンギン達が戻れた理由を探していたがデータの損傷で解析は出来なかった。

 

 

優希「姉さん達を助けられると思ったんだけどね」

 

 

リィンⅡ「優希ちゃん…」

 

 

優希「無理な事は仕方ない」

 

 

優希はパソコンの操作をやめて荷造りを始めた。

 

 

優希「……」

 

 

リィンⅡ「優希ちゃん後悔しているですか?」

 

 

優希が荷物を纏めているとリィンが心配そうに声をかけてきた。

 

 

優希「…なにに?」

 

 

リィンⅡ「なのはちゃん達を連れて行く事ですよ」

 

 

優希「……少しだけね」

 

 

リィンⅡ「今ならまだ間に合うですよ?」

 

 

優希「ううん…それをしたら二人の決意を無駄にする事になるから」

 

 

リィンⅡ「そうですね」

 

 

優希「リィンはどうする?」

 

 

リィンⅡ「なにがです?」

 

 

優希「ここに留まれば、はやてさんと一緒にいる事ができるよ?」

 

 

リィンⅡ「何を言っているですか!?今のリィンのマスターは優希ちゃんなんですよ!!」

 

 

優希「そうだね…一緒に来てくれる?」

 

 

リィンⅡ「はいです!ずっと一緒にいるですよ!!」

 

 

 

 

 

優希「…本気?」

 

 

アリサ「当然、冗談でここまでしないわよ」

 

 

出発の時間になるとアリサがキャリーバックを持って現れた。

 

 

アリサ「アタシが自分で決めたの。それに両親も説得してあるわよ」

 

 

優希「でも…」

 

 

アリサ「優希が何と言っても私は付いていくわよ」

 

 

優希「…覚悟は?」

 

 

アリサ「あるわよ」

 

 

優希「…わかった」

 

 

なのは「ユウ~!!」

 

 

アリサの次になのはが現れた。

 

 

優希「準備は?」

 

 

なのは「大丈夫!ってアリサちゃん?その荷物…」

 

 

アリサ「私も行く事にしたから」

 

 

なのは「ええ~!?」

 

 

なのはが驚いていると…

 

 

フェイト「お待たせ優希」

 

 

フェイトとアルフも来た。

 

 

アルフ「アタシらが最後かい?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ルネ「マスター、そろそろ時間です」

 

 

優希「…わかった」

 

 

トン

 

 

優希がⅠかⅩⅡまで書かれた丸い魔方陣を展開した。

 

 

優希「準備はいい?」

 

 

優希が皆に確認すると…

 

 

すずか「待って!!」

 

 

すずかが魔方陣の中に飛び込んできた。

 

 

なのは「すずかちゃん!?」

 

 

なのは達が驚いている間に魔法が発動してしまい、その場から優希達は姿を消した。

 

 

 

時空間

 

 

優希「……何で?」

 

 

すずか「私も連れていって!」

 

 

優希「もう魔法が発動しているから戻るのは無理」

 

 

なのは「すずかちゃんまで…」

 

 

すずか「私も優希君と離れたくなかったから」

 

 

アリサ「やっぱり来たわね」

 

 

すずか「悩んだけどね」

 

 

優希「みんないいんだね?」

 

 

なのは「うん♪」

 

 

フェイト「行こう♪」

 

 

アリサ「覚悟は出来てるわ♪」

 

 

すずか「優希君と一緒に行くよ♪」

 

 

優希「わかった…行くよ」

 

 

優希達は時空間の中に消えていった。

 

 

 



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IS編
第94話


 

 

優希「気をつけて」

 

 

なのは「本当に大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

 

フェイト「やっぱり1人位残った方が…」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

アリサ「わかったわ、何かあったら連絡しなさい」

 

 

すずか「すぐに駆けつけるから」

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは「じゃあいってきます♪」

 

 

なのは達優希に背を向け歩きだした。

 

 

 

 

一夏「専用機を持っている一般生徒?」

 

 

鈴「そう!学園には専用機を登録しているのに一度も乗っていないそうよ」

 

 

セシリア「おかしいですわね?一般生徒で専用機を所持しているのも変ですのに乗らないなんて」

 

 

鈴「でしょ?授業でも乗らないらしいし」

 

 

箒「本当に所持しているのか?」

 

 

鈴「一部ではそう言う声が出ているのよ」

 

 

一夏「乗れない理由があるんじゃないか?」

 

 

???「その通りよ」

 

 

鈴「アンタ…」

 

 

アリサ「三組のアリサ・バニングスよ」

 

 

鈴「まさか噂の人間が出てくるなんてね」

 

 

アリサ「偶々よ、歩いていたら私たちの事が話題になっていたいんだから」

 

 

一夏「俺は…」

 

 

アリサ「織斑一夏でしょ?それにセシリア・オルコット、凰鈴音、篠ノ之箒でしょ?代表候補生位わかるわ」

 

 

鈴「それで?私たちに用があって話かけたんでしょ?」

 

 

アリサ「偶々って言ったでしょ?ついでにそっちの疑問に答えただけだし」

 

 

一夏「じゃあ本当に代表候補生じゃあないのか?」

 

 

アリサ「ええ、私達は違うわよ、それにあなた達ならわかるんじゃない?」

 

 

鈴「何がよ?」

 

 

アリサ「コアの数」

 

 

鈴、セシリア「!?」

 

 

アリサ「私が何を言いたいのかわかったみたいね」

 

 

アリサの笑顔に鈴とセシリアは生徒ではなく代表候補生の表情になった。

 

 

 

鈴「ありえない!!コアのないISなんて!?」

 

 

アリサ「だから言ったでしょ?【専用機】だって」

 

 

セシリア「まさか…」

 

 

一夏「どうしたセシリア?」

 

 

アリサ「わかったみたいね?」

 

 

セシリア「…ISと同等なんですの?」

 

 

鈴「!?そう言う事…どうなのよ?」

 

 

アリサ「使う人によるわね」

 

 

セシリア「質問を変えますわ、アナタが乗ったらどうなんですの?」

 

 

アリサ「それは…」

 

 

すずか「そこまでだよ、アリサちゃん」

 

 

アリサ「すずか」

 

 

すずか「それ以上は優希君に怒られるよ?」

 

 

アリサ「そうね…わかったわ」

 

 

鈴「ちょっと!?そこまで言っておいて終わるつもり!?」

 

 

アリサ「そうね…すずか、データを取るならちょうどいいんじゃない?」

 

 

すずか「優希君に許可を貰わないと…」

 

 

アリサ「説得ならアタシがするわよ」

 

 

すずか「怒らてもしらないよ?」

 

 

すずかは諦めぎみに言った。

 

 

アリサ「という訳…どう?」

 

 

セシリア「よろしくてよ?」

 

 

鈴「私も」

 

 

アリサ「ならアリーナの使用許可がおりたら連絡するわ」

 

 

アリサがそう言ってすずかと一緒に去っていった。

 

 

 

 

一夏「なぁ?結局なんなんだ?」

 

 

セシリア「一夏さん…」

 

 

鈴「一夏…もう少し勉強しなさいよ」

 

 

一夏「なんでだよ!?」

 

 

セシリア「いいですか一夏さん?ISのコアは各国に決まった数しかありませんの」

 

 

一夏「ああ、授業でも言ってたな」

 

 

鈴「それなのに代表候補生でも無い彼女は【専用機】を持っている。この意味わかる?」

 

 

一夏「コアのない専用機?」

 

 

セシリア「そうですわ…それが本当なら大問題ですのよ?」

 

 

箒「何が問題なのだ?」

 

 

鈴「つもりIS以外にISと同等の兵器が存在するって事」

 

 

一夏「それって凄い事なんじゃ…」

 

 

鈴「凄い所じゃないわよ!!彼女達の後ろにはそれ程凄い研究者がいる。そして…」

 

 

セシリア「各国はその研究者を欲しがるでしょう」

 

 

箒「なぜ欲しがるのだ?」

 

 

鈴「ISを作った篠ノ之束が行方不明、そこにISと同等の性能の兵器を作れる研究者なんていたら各国で欲しがる」

 

 

一夏「でも向こうもデータ取りだけって言ってたし」

 

 

セシリア「一夏さん、私には黙ってみている事は出来ませんのよ?」

 

 

鈴「その技術力かなり気になるしね」

 

 

セシリア「もし技術力が本物なら自国に欲しいと思います」

 

 

鈴「代表候補生としてね」

 

 

普段と、違う二人に一夏も少し緊張していた。

 



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第95話

 

ピピ♪

 

 

優希『……』

 

 

アリサ「元気にしてた、優希?」

 

 

アリサ達は人目がない場所に移動すると優希に通信を繋げた。

 

 

優希『……』コク

 

 

アリサ「お願いがあるんだけど」

 

 

優希『?』

 

 

アリサ「イフリートを持って来て欲しいんだけど…」

 

 

プツン

 

 

アリサがお願いした瞬間通信が切られた。

 

 

アリサ「ちょっと!?」

 

 

すずか「やっぱり…」

 

 

ピピ

 

 

優希『なに?』

 

 

アリサ「いきなり通信切らなくてもいいじゃない!!」

 

 

すずか「落ち着いてアリサちゃん、それで優希君デバイスなんだけど…」

 

 

優希『……』フルフル

 

 

すずか「優希君がダメって言うのもわかるけどデータ取りのチャンスが出来たの…これを逃すといつ出来るかわからないし、どうかな?」

 

 

優希『……』

 

 

アリサ「優希、お願い」

 

 

優希『…わかった、持って行く』

 

 

アリサ「じゃあ日にちがわかり次第連絡するわ」

 

 

優希『……』コク

 

 

 

すずか「会ったら一緒にご飯食べようね♪」

 

 

優希『……』コク

 

 

優希は頷くと通信を切った。

 

 

アリサ「助かったわ、すずか」

 

 

すずか「もうアリサちゃん、少しは考えてから話してよ?」

 

 

アリサ「悪かったわよ、でもいい機会が出来たわ、なのは達にも知らせましょう」

 

 

すずか「そうだね、二人とも優希に会えるってわかれば喜ぶしね」

 

 

二人はそのまま談笑しながら教室に戻った。

 

 

 

 

千冬「所属不明機?」

 

 

真耶「はい、学園に向かってきています。教師部隊が向かい相手に停止行動を呼び掛けましたけど、呼び掛けに応じす真っ直ぐこちらに向かってきています」

 

 

千冬「何が目的かだな」

 

 

ちょうどその時、教師部隊から通信が入った。

 

 

教師1『……こちら偵察部隊』

 

 

真耶「はい!どうしました!?」

 

 

教師1『停止を再度呼び掛けたが応じず、強制停止を実行したが、こちらの武装を破壊され逃走された!現在追跡しているがダメージがひどく、離されて来ている』

 

 

 

真耶「了解しました、織斑先生」

 

 

千冬「確か第2ピットに専用機持ちが集まっていたな」

 

 

真耶「織斑先生!?」

 

 

千冬「相手は教師部隊を追い込んだ奴だ。生半可な機体では役にたたん、通信を」

 

 

真耶「わかりました、通信繋ぎます」

 

 

 

 

千冬『織斑、オルコット、凰聞こえているな』

 

 

一夏「千冬姉?」

 

 

千冬『先生だ馬鹿者』

 

 

一夏「はい!織斑先生!」

 

 

千冬『今学園に所属不明機が向かってきている。お前達に迎撃してもらいたい』

 

 

セシリア「停止ではないのですか?」

 

 

千冬『既に教師部隊が停止を呼び掛けたが停止せず、教師部隊を振り切り向かっている』

 

 

鈴「わかりました、相手の武装はわかっているんですか?」

 

 

千冬『いや、不明だ。しかし教師部隊の装備を破壊して振り切る程の相手だ。用心しろ』

 

 

セシリア「わかりました、ただちに向かいます」

 

 

通信が切れると一夏達はISを起動してピットから出ていった。

 

 

 

ラン「優希様、後二分程で到着いたします」

 

 

優希「……」コク

 

 

リィン『でもよかったですか?』

 

 

優希「?」

 

 

リィン『さっきの人達を撃墜させた事ですよ!』

 

 

優希「不慮の事故…」

 

 

リィン『どこがですか!?勝手に空域に入ったの私たちですよ!?それどころか撃墜しちゃうなんて…!?前方から機影三機向かってきています優希ちゃん!!』

 

 

優希「……二手に別れる、ランはお姉ちゃん達にデバイスを届けて。僕とリィンはここで迎撃」

 

 

ラン「かしこまりました」

 

 

優希が離れるとランは人型になって地上に降りた。

 

 

優希「リィン、牽制で一発いくよ?」

 

 

リィン『どうなっても知らないですよ!?』

 

 

優希「ブラッディーダガー」

 

 

優希は前方に向けて12発放った。

 

 

優希「このまま接近戦に持ち込む!!」

 

 

リィン『優希ちゃん、無茶せずに引いてくださいですよ~』

 

 

優希「わかった」

 

 

リィンも諦めて、優希は両手にフリーダムを持ちスピードを上げた。

 

 

 

一夏「うぉ!?」

 

 

鈴「エネルギー兵器!?」

 

 

セシリア「一夏さん!!」

 

 

一夏「!?」

 

 

バチィ!!

 

 

一夏達がブラッディーダガーを避けると優希が一夏に斬りかかった。

 

 

優希「甘い」

 

 

優希がもう片方のフリーダムで一夏を斬ろうとしたが…

 

 

鈴「一夏!!」

 

 

鈴が受け止めた。

 

 

一夏「子供!?」

 

 

優希「…ブラッディダガー」

 

 

優希が再びブラッディダガーをだすが…

 

 

セシリア「ハッ!!」

 

 

優希「!?」

 

 

セシリアが狙撃して優希を引き離した。

 

 

一夏「何で子供が…」

 

 

優希「……」

 

 

セシリア「アナタはどちらの国の所属でして?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

鈴「秘密ってわけ?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

リィン『何答えてるんですか!!』

 

 

優希「…つい」

 

 

鈴「つい?何言ってるのよ?」

 

 

優希「こっちの話」

 

 

カチャ

 

 

優希がフリーダムを構えると…

 

 

セシリア「無駄な抵抗でしてよ?」

 

 

一夏達は優希を囲むが…

 

 

優希「……」

 

 

ビュン!!

 

 

優希は急上昇した。

 

 

セシリア「お待ちなさい!!」

 

 

ドン!ドン!ドン!

 

 

セシリアがビームライフルで優希は巧みに避けながら…

 

 

優希「リィン」

 

 

リィン『ブラッディダガー』

 

 

一夏達に向かってブラッディダガーを放った。

 

 

一夏「うぉ!?一体なんなんだ?これ!?」

 

 

鈴「新手の新兵器?でもこんなの聞いた事ない!」

 

 

セシリア「兵装もエネルギーソード以外に見当たりませんわ」

 

 

鈴「これは確かに専用機じゃないときついわね」

 

 

優希「余裕?」

 

 

鈴「なっ!?速い!!」

 

 

優希は旋回すると鈴と斬り合いながら下降した。

 

 

一夏「鈴!!」

 

 

そこに一夏も加わるが…

 

 

優希「……」

 

 

キィン!!キィン!!キィン!!

 

 

優希もフリーダムを巧みに使い鈴と一夏を同時に相手した。

 

 

 

一夏「ハァハァハァ…」

 

 

鈴「一体なんなのよ、この子供…」

 

 

セシリア「兵装も1つだけですのに攻撃は多種…それに一番おかしいのは装甲ですわ!?なぜスーツだけですの!!」

 

 

優希「……」

 

 

リィン『優希ちゃん、準備出来たです!』

 

 

優希『やって』

 

 

バシュ!!バシュ!!バシュ!!

 

 

一夏「何だこれ!?」

 

 

セシリア「動けませんわ!!」

 

 

鈴「どうなってんのよ!?」

 

 

優希が合図するとリィンは一夏達にバインドを掛けた。

 

 

リィン『優希ちゃんどうするですか?』

 

 

優希『追われると嫌だからここで壊していく』

 

 

優希はフリーダムを銃モードにして一夏達を狙うが…

 

 

なのは「そこまでだよ、ユウ」

 

 

優希「お姉ちゃん」

 

 

なのはが間に入り戦闘を停止させた。

 

 

会議室

 

 

アリサ「アンタはどうして後先考えないのかしらね!?」

 

 

ギュ~!!

 

 

優希「~~!!」ジタバタジタバタ!!

 

 

なのは「本当にすいません!!」

 

 

あの後優希はなのはに連れられIS学園に入ると、優希はアリサに説教され、なのはは千冬に頭を下げるという光景が出来た。

 

 

千冬「流石にすいませんでは終わらないぞ?何せ学園のISを破壊されたとあっては」

 

 

フェイト「あのどうなるでしょうか?」

 

 

千冬「IS委員会につき出すか、ISの修理費を全額だすかだな」

 

 

フェイト「えっと…どれ位になります?」

 

 

千冬「ざっと五億」

 

 

一夏「ごっ!?」

 

 

セシリア「あら」

 

 

鈴「以外と少ないですね?」

 

 

千冬「装備と機体の一部の損傷ですんだからな、でどうする?」

 

 

フェイト「五億ですか…すずかどう?」

 

 

すずか「う~ん…私たちには無理な金額かな~」

 

 

アリサ「仕方ない…優希自分で支払いなさい」

 

 

優希はえ~ 、と言いたそうな表情をしたが…

 

 

アリサ「アンタが悪いんだから諦めなさい」

 

 

優希「……」ごそごそ

 

 

優希は諦めカードを取り出し千冬に渡した。

 

 

千冬「分割にするか?」

 

 

優希「一回で」

 

 

千冬「わかった」

 

 

千冬はカードを預かり部屋を出ていった。

 

 

 

 

真耶「それでその子は一体…」

 

 

なのは「あ!すいませんこの子は…」

 

 

なのはは優希を抱っこすると…

 

 

なのは「この子は高町優希、私の弟になります」

 

 

真耶「まぁ姉弟だったんですか?」

 

 

なのは「はい、そして…」

 

 

なのは達がデバイスだけ起動すると…

 

 

フェイト「私達の専属研究者って所です」

 

 

見せ付けるように起動させた。

 

 

セシリア「それがアナタ方の【専用機】ですのね?」

 

 

アリサ「えぇ、そうよ。性能は体験してわかったと思うけど?」

 

 

鈴「痛い位ね」

 

 

鈴が皮肉を込めて言うと…

 

 

優希「……」グイグイ

 

 

なのは「ん?」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「……うん、私は大丈夫だよ、みんなデバイスに不具合は?」

 

 

すずか「ウンディーネがエネルギー伝達が少し悪いみたい」

 

 

優希「……チュウ太」

 

 

チュウ太「ヘイ!!1番から3番をだしやす」

 

 

優希「チュウ太はモニターを、ウンディーネデータを出して」

 

 

チュウ太「チュウナーズの視覚をだしやす」

 

 

ウンディーネ「優希様、E23の部分になります」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希がその場で修理を始めると…

 

 

一夏「なぁ?今その武器喋らなかったか?」

 

 

セシリア「喋りましたわ…」

 

 

すずか「それはAIが入っているからね♪」

 

 

鈴「AIですって!?」

 

 

セシリア「まだどこも開発出来ていないのに!?」

 

 

真耶「凄いですね?」

 

 

一夏「なぁ、もう1つ聞きたいんだけど、何でその子はスーツだけで飛んでいたんだ?」

 

 

フェイト「スーツだけで?優希、

さっきの映像だせる?」

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「ヘイ!!モニターをだしやす!!」

 

 

チュウ太がモニターをだすと…

 

 

フェイト「もしかしてこれの事?」

 

 

フェイトがバリアジャケットを指差すと…

 

 

セシリア「それですわ!」

 

 

なのは「みんなの言い方をするならこれが私たちの装甲だよ」

 

 

真耶「こんなに薄いのがですか!?」

 

 

アリサ「えぇ、まぁ技術力の差ね」

 

 

鈴「一体何世代なのよ…」

 

 

セシリア「ここまで差があるとは思いませんでしたわ…」

 

 

 

優希「終了」

 

 

バタン!!

 

 

優希はチュウ太を閉じるとすずかに伝えた。

 

 

すずか「ありがとう、ウンディーネ調子はどう?」

 

 

ウンディーネ「全体チェック……問題ありません」

 

 

アリサ「じゃあデータ取りでもしましょう」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

アリサ「優希?」

 

 

チュウ太「姐さん、データなら先ほどの戦闘で録れておりやす!!」

 

 

アリサ「……アンタは!?それじゃあ私たちがデバイスを頼んだ意味ないでしょ!!」

 

 

優希「……的をだす」

 

 

アリサ「何も無いよりは良いわね、お願い出来る?」

 

 

フェイト「アナタ達は優希との戦闘で疲れているでしょ?だから今日の話は無しでいい?」

 

 

セシリア「かまいませんわ」

 

 

すずか「先生、そう言うわけで私たちがアリーナを使いますけどいいですか?」

 

 

真耶「かまいませんよ、元々使用許可はでているので」

 

 

千冬「待たせたな」

 

 

千冬が優希のカードを持って戻ってきた。

 

 

優希「……」

 

 

優希はカードをしまうと……

 

 

ピョン!!

 

 

アリサ「ん、しっかりつかまっていなさい」

 

 

アリサの肩に後ろから手を前に出してぶら下がった。

 

 

アリサ達が優希を連れて会議室を出て行くと…

 

 

真耶「実はですね?」

 

 

千冬にいない間の事を話し…

 

 

千冬「面白い、私達も見せてもらうか」

 

 

千冬達も指令室でアリーナを観戦する事にした。

 

 

 

 

優希「的は全部で400」

 

 

アリサ「1人100ずつね」

 

 

フェイト「タイムは?」

 

 

優希「60」

 

 

すずか「いいよ」

 

 

なのは「ユウ、合図を」

 

 

優希「よーい…」

 

 

ドン!!

 

 

優希が業火を鳴らすと…

 

 

なのは達は散開してターゲットを破壊し始めた。

 

 

優希「チュウ太、リィン」

 

 

リィン「ターゲット…次々に破壊されてるです。順調ですよ♪」

 

 

チュウ太「データも順次更新してやす」

 

 

優希「簡単過ぎた?」

 

 

リィン「そんなことないですよ」

 

 

優希「……」

 

 

優希が見ていると、なのはとすずかは射撃、アリサとフェイトは近接でどんどん破壊していた。

 

 

優希「チュウ太、後お願い」

 

 

チュウ太「旦那はどちらに?」

 

 

優希「行ってくる」

 

 

チュウ太「わかりやした」

 

 

リィン「リィンも行くです♪」

 

 

優希「キャトクロー展開」

 

 

優希がキャトクローを展開し…

 

 

リィン「ユニゾン、イン!!」

 

 

リィンとユニゾンした。

 

 

 

優希「派手にいくよ?遠き地にて、闇に沈め…」

 

 

夜天の書を出して…

 

 

リィン『捕捉完了です!』

 

 

優希「デアボリック、エミッション!!」

 

 

広域魔法を放つが…

 

 

リィン『…回避されたです!』

 

 

優希「じゃあ行くよ」

 

 

リィン『はいです!!』

 

 

優希はなのは達に向かって行った。

 



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第96話

 

 

なのはside

 

 

なのは「これで全部かな?」

 

 

アリサ「まあまあね♪」

 

 

レイジングハート「マスター!!」

 

 

なのは「なに!?」

 

 

ズドン!!

 

 

なのは達は散開して回避すると…

 

 

フェイト「これはデアボリックエミッション!?優希!」

 

 

すずか「アリサちゃん後ろ!!」

 

 

アリサ「ッ!!」

 

 

ガキィン!!

 

 

アリサは咄嗟に背後に拳を突き出した。

 

 

優希「お見事」

 

 

アリサ「第2ラウンドかしら?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「その挑戦、買ったー!」

 

 

ガンガンガンガン!!

 

 

優希「ッ!!」

 

 

すずか「アクアシューター!!」

 

 

なのは「アクセルシューター!!」

 

 

優希はいち早く気付くと急上昇した。

 

 

 

サッ!!サッ!!サッ!!

 

 

なのは達のシューターを避けながら進んでいると…

 

 

フェイト「逃がさない!!」

 

 

バルディシュ「ハーケンセイバー」

 

 

 

優希「リィン!!」

 

 

リィン『プロテクション!!』

 

 

ズドン!!

 

 

ハーケンセイバーが優希に当たり爆発した。しかし…

 

 

優希「まだまだ」

 

 

リィン『まだいけるですよ~!!』

 

 

優希「バル!!」

 

 

バルディシュⅡ「ハーケンセイバー」

 

 

優希「お返し」

 

 

優希はその場で回転すると、4つのハーケンセイバーを放った。

 

 

なのは「ちょっ!?」

 

 

ズドン!!ズドン!!ズドン!!ズドン!!

 

 

今度はなのは達に命中した。

 

 

優希「リィン!!」

 

 

リィン『今確認しているです!!』

 

 

リィンが確認していると…

 

 

ガシィ!!

 

 

優希「ッ!!」

 

 

リィン『バインド!?』

 

 

なのは「ディバイン~」

 

 

フェイト「サンダー…」

 

 

アリサ「ファイヤー…」

 

 

すずか「アクア~」

 

 

なのは、アリサ、すずか「バスター!!」

 

 

フェイト「スマッシャー!!」

 

 

優希「ッ!!」

 

 

リィン『ちょっ!?それはキツイですよ~!!』

 

 

優希「乱舞!!」

 

 

バインドを解き、優希はペンダントから乱舞を取り出すと…

 

 

優希「炎一閃!!」

 

 

バチィ!!

 

 

砲撃とぶつかるが…

 

 

リィン『押し負けるです!!』

 

 

ドカン!!

 

 

出力差で負けた。

 

 

優希「……」

 

 

カチャ

 

 

優希が乱舞を構え再び突撃しようとしたが…

 

 

千冬『そこまでだ!!』

 

 

アリーナに千冬の声が響き終了した。

 

 

 

 

 

 

千冬「やり過ぎだ」

 

 

なのは「すいません」

 

 

アリサ「ちょっと気分が乗って…」

 

 

フェイト「優希?」

 

 

シュタ!!

 

 

フェイトが呼ぶと直ぐに現れた。

 

 

すずか「どうしたの?」

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「あっしを忘れているでしょ」

 

 

優希「それよりデータは?」

 

 

チュウ太「ちゃんと記録してありやす」

 

 

ピットに入ると千冬と代表候補生だが集まっていた。

 

 

優希「何で止めたの?」

 

 

千冬「これを見ればわかる」

 

 

ピットの端末をいじるとアリーナの観客席が映り、かなりの生徒が集まっていた。

 

 

アリサ「派手にやり過ぎたかしら…」

 

 

すずか「うん、中には携帯で連絡している人もいるね…」

 

 

なのは「私達の事が話題になっちゃうね」

 

 

フェイト「問題はそれだけじゃないよ、なのは」

 

 

なのは「フェイトちゃん?」

 

 

アリサ「さっきの戦闘を見られたって事は【優希】を見られたって事よ?」

 

 

すずか「私達は新型を使っているってだけで済むけど、優希はそうはいかないよ?」

 

 

アリサ「予定より早いけど優希を開発者として発表するしかないわね…優希」

 

 

優希「……」コク

 

 

すずか「しばらく安全な場所に隠れてくれる?」

 

 

優希「……」コク

 

 

千冬「それなら学園に入ればいい」

 

 

なのは「いいんですか?」

 

 

真耶「IS学園に入れば少なくても三年は手出し出来ませんから、大丈夫ですよ♪」

 

 

千冬「だが急だからな、部屋を用意する事は出来んぞ」

 

 

なのは「それなら私達の部屋か…」

 

 

アリサ「私達の部屋で面倒見ます」

 

 

千冬「なら、決まりだな」

 

 

こうして優希もIS学園にとどまる事になった。

 

 

 

食堂

 

 

アリサ「さて今後はどうする?」

 

 

すずか「デバイスは新型って事で通すとして、優希君をどうやって発表するかだね…」

 

 

優希「まかせて」

 

 

チュウ太「情報操作ならあっしにお任せでさ~」

 

 

フェイト「ならお願い」

 

 

なのは「じゃあ後は…」

 

 

アリサ「この視線ね…」

 

 

食堂で話していると、辺りはなのは達のデバイスが気になって注目を浴びていた。そこに…

 

 

セシリア「よろしいかしら?」

 

 

一夏、箒、セシリア、鈴がやってきた。

 

 

アリサ「どうぞ」

 

 

鈴「さっそく有名人みたいね」

 

 

アリサ「そうね、でもこの子は全然気にしてないのよね」

 

 

優希「……」モグモグ

 

 

優希は辺りを気にせずパンを食べていた。

 

 

一夏「この位の子なら当たり前じゃないか?」

 

 

フェイト「みんな誤解してるみたいだけど…」

 

 

アリサ「この子は私達より年上よ」

 

 

一夏達「え~!?」

 

 

鈴「じゃあアンタ達も…」

 

 

すずか「私達はみんなと同じだよ~」

 

 

なのは「色々と訳があってね?今はユウのお姉さんでいるんだ」なでなで

 

 

優希「♪」

 

 

優希が撫でられていると…

 

 

リィン『優希ちゃん…私もお腹すいたですよ~!!』

 

 

優希「出てきていいよ」

 

 

リィン「わーい♪」

 

 

優希はパンをちぎって…

 

 

優希「はい」

 

 

リィン「ありがとうですよ♪」

 

 

リィンに渡した。

 

 

一夏「なぁ…」

 

 

箒「何だ?」

 

 

一夏「あれって何だ?」

 

 

箒「私が知るか」

 

 

アリサ「ハァ…」

 

 

すずか「優希君、少しは考えてよ…」

 

 

優希がリィンを突然出したので又ややこしくなった。

 

 

すずか「その子はリィンフォースⅡ、優希君の補助、及び支援がメインのデバイスで、自立行動が出来る子なの」

 

 

鈴「デバイスって?」

 

 

アリサ「私達が使っている新型よ」

 

 

セシリア「成る程…ですからあれだけの戦闘をする事が出来たのですわね」

 

 

フェイト「優希は沢山のデバイスを持っているからね」

 

 

鈴「どのくらい持っているのよ?

 

 

すずか「そこは企業秘密♪」

 

 

なのは「ユウ、データはどんな感じ?」

 

 

優希「チュウ太、データをだして」

 

 

チュウ太「ヘイ!!」

 

 

優希がチュウ太を開くとモニターがなのは達の前にいくつも出た。

 

 

優希「問題は特にない、みんな安定してる」

 

 

一夏「すげぇ…何が書いてあるのか分かんねぇ」

 

 

アリサ「解るのは私たち位よ」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「ん?あぁ、良いわよ。リィンと必ず一緒にいること!」

 

 

優希「……」コク

 

 

箒「今のは?」

 

 

フェイト「あぁ、優希は普段余り喋らないから、今のはリィンと必ず一緒にいる事で出歩く事を許可したんだよ」

 

 

箒「表情を見ただけでわかるのか?」

 

 

なのは「そこは慣れかな?」

 

 

優希「?」

 

 

なのは「ユウは気にしなくていいんだよ♪」

 

 

優希「……」コク

 

 

バタン

 

 

優希はチュウ太を閉じると再びパンを食べ始めた。

 

 



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第97話

 

優希「……」

 

 

リィン「優希ちゃん?昨日のデータを見て何をしてるですか?」

 

 

優希「ここ」

 

 

優希はリィンに昨日の模擬戦の映像を見せた。

 

 

リィン「これは最後に打ち負けた所ですね」

 

 

優希「何か威力を上げる方法ない?」

 

 

リィン「優希ちゃん自身の魔力で十分じゃないですか?」

 

 

優希「魔力は十分だけど僕の場合、威力がないから」

 

 

リィン「そしたらカートリッジを付けるですか?」

 

 

優希「どれに?」

 

 

リィン「そうです、優希ちゃんのはみんな魔力に耐えるのが限界ですよね」

 

 

優希「僕のは場合は特殊だからね」

 

 

リィン「現状ではどれが一番強度があるですか?」

 

 

優希「乱舞」

 

 

優希はリィンの質問に答えるように乱舞を取り出した。

 

 

リィン「流石にロストロギアを改造するのは…」

 

 

優希「これは無理」

 

 

リィン「ですよね~…」

 

 

優希「……チュウ太」

 

 

チュウ太「ヘイ!!」

 

 

優希「検索……威力強化」

 

 

チュウ太「ガッテン!!過去のデータから検索……ヒット!!検索に該当するものがありやす」

 

 

 

 

優希「?何のデータ?」

 

 

チュウ太「ブラスターシステムでさ~」

 

 

リィン「ダメです!それは使っちゃダメですよ!!」

 

 

優希「リィン?」

 

 

リィン「それは使用者に負担が大きいシステムですよ!!」

 

 

チュウ太「ですが現状ではこれしかありやせん」

 

 

リィン「優希ちゃん、これはダメです!」

 

 

優希「リィン、大丈夫。流石にこれは僕も使いたくない」

 

 

リィン「優希ちゃん」

 

 

優希「自己ブースト何か掛けて魔力が暴走なんかしたら…」

 

 

リィン「したら…」

 

 

チュウ太「この辺は簡単に吹き飛びますな~」

 

 

リィン「なに笑顔で簡単に言っているですか!?全然笑えないですよ!!」

 

 

優希「でもブラスターシステムは良いかも知れない」

 

 

リィン「優希ちゃん!?さっきと言っている事が…」

 

 

優希「最後まで聞いて。僕自身にブーストを掛けるんじゃなく、武器自身に掛ける」

 

 

チュウ太「でも、それですと魔力を込めているのは旦那ですから結局旦那に負担が出るのでは?

 

 

優希「カートリッジを使う」

 

 

リィン「なるほど!!優希ちゃんの魔力を使わず、他から供給するですね!!」

 

 

チュウ太「それでしたら………可能ですが、問題がありやす」

 

 

優希「何か出た?」

 

 

チュウ太「一番の問題は武器の強度でさ~、それにカートリッジシステムの追加…どちらもクリア出来るデバイスは現状ではありやせん」

 

 

優希「チュウ太、それを2つに分けたら?」

 

 

チュウ太「2つに?」

 

 

優希「そう、カートリッジシステムとブラスターシステムを積んだ武器。そこから別の武器にブーストを付与させる」

 

 

チュウ太「なるほど、それでしたら可能です、ただ2つのシステムを積んだ武器の強度に問題がでやす」

 

 

優希「乱舞を解析する」

 

 

リィン「ちょっ!?優希ちゃん!?」

 

 

チュウ太「なるほど、乱舞と同じ強度で2つのシステム。そこから乱舞に付与………可能でさ~」

 

 

優希「ならさっそく…」

 

 

リィン「何がさっそくですか!?優希ちゃん自分が何を作ろうとしているのか解っているですか!!」

 

 

優希「?武器♪」

 

 

リィン「武器♪じゃないですよ!!乱舞と同じって事はロストロギアを作ろうとしているですよ!!」

 

 

優希「リィン、ダメ………?」

 

 

優希が目をウルウルさせてリィンを見た。

 

 

リィン「だ、ダメですよ、そんな目でリィンを見ても…」

 

 

優希「……」ウルウルウルウル

 

 

リィン「そんな目でリィンを見ないで下さい!リィンが悪いみたいじゃないですか!?」

 

 

優希「……」ウルウルウルウルウルウルウルウル

 

 

リィン「わかりました!わかりましたからその目でリィンを見ないで下さい!」

 

 

優希「勝利」

 

 

リィン「絶対優希ちゃんは桃子さん似ですよ…」

 

 

リィンは力なくいった。

 

 

アリサ「ハァ…」

 

 

すずか「フゥ…」

 

 

なのは「二人とも、眠そうだね?」

 

 

アリサ「あぁ、優希が中々寝ないのよ」

 

 

フェイト「優希が?」

 

 

なのは「アリサちゃん達の所でも?」

 

 

すずか「もしかして…」

 

 

フェイト「私たちの部屋に居るときも中々寝ないの」

 

 

一夏「よう、一緒にいいか?」

 

 

なのは達が話していると一夏達がやって来たが今日は1人多かった。

 

 

アリサ「噂の転校生?」

 

 

シャルル「シャルル・デュノアです、よろしく」

 

 

フェイト「よろしく、私たちは」

 

 

シャルル「新型、デバイスというのを使っているフェイト・テスタロッサさん、高町なのはさん、アリサ・バニングスさん、月村すずかさんでしょ?」

 

 

アリサ「アンタ…何者?」

 

 

シャルル「僕はデュノア社のパイロットなんだ、だから君達の事は知っているよ」

 

 

すずか「それなら納得」

 

 

一夏「どうしたんだ?」

 

 

なのは「あはは、一夏君はもう少し勉強した方がいいよ?」

 

 

すずか「私たちの事はまだ国か企業位にしか情報を流していないから」

 

 

一夏「あぁ、だからシャルルがお前達の事を知っている事を変に思ったわけだ」

 

 

フェイト「そう言うこと」

 

 

なのは達に一夏達が加わりお昼を食べていると…

 

 

トテトテトテトテトテトテ!!

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ~」

 

 

優希が走ってきてなのはの横にちょこんと座った。

 

 

アリサ「遅かったけど何していたの?」

 

 

優希「デバイス作ってた」

 

 

一夏達「ブッ!?」

 

 

優希「汚ない」

 

 

なのは「あれが普通の反応だと思うよ?」

 

 

セシリア「その、重要ですと思いますけど」

 

 

フェイト「優希はそう言うこと気にしないから…」

 

 

すずか「こっちが大変だよ…」

 

 

アリサ「アンタまさか最近寝るのが遅いのはそれが原因?」

 

 

優希「もう少しで試験出来る」

 

 

アリサ「だったら早めに寝なさい!!」

 

 

ギュ~!!

 

 

優希「!?」

 

 

ジタバタジタバタ!!

 

 

鈴「ねぇ、今試験が出来るって言ってたけどそんなに簡単に作れるの?」

 

 

すずか「私も勉強しながら自分のデバイスはメンテナンスするけど大変だよ」

 

 

アリサ「この子が変なだけよ」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「はいはい、悪かったわよ」なでなで♪

 

 

優希「♪」

 

 

チュウ太「旦那~!!」

 

 

優希が和んでいるとチュウ太とチュウナーズが数匹がかりでなにかを運んで来た。

 

 

 

優希「チュウ太!!」

 

 

チュウ太「旦那!!」

 

 

ギュ!!

 

 

チュウ太が優希に抱きつき、優希がチュウ太を抱きしめると…

 

 

スパァン!!

 

 

アリサ「何くだらない事してんのよ!!」

 

 

アリサにおもいっきり叩かれ…

 

 

優希「……」

 

 

チュウ太「クォ~…姐さんの愛は強烈でさ…」

 

 

ゲシ!!

 

 

チュウ太「旦那~!!」

 

 

優希は悶えて、チュウ太は二度目のボケをやるが今度は蹴り飛ばされた。

 

 

アリサ「で?アンタの子分が運んでいるのは?」

 

 

チュウ太「……ヘイ、旦那の新型が完成しやしたが、旦那が戻って来ないので運んでまいりやした」

 

 

タフなのか直ぐに戻ってきて説明を始めた。

 

 

優希「リィンは?」

 

 

チュウ太「疲れているみたいでまだ寝てやした」

 

 

優希「そう」

 

 

カチャ

 

 

すずか「盾?」

 

 

優希が持ち上げたのは小さな逆三角形の形をした盾だった。

 

 

優希「乱舞」

 

 

優希は乱舞を取り出すと…

 

 

カチャン

 

 

全護に収納した。

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「ヘイ!!」

 

 

優希「試験をやるからデータ録り…」

 

 

フェイト「コラ」

 

 

優希が試験をしようとしたがフェイトに止められた。

 

 

フェイト「ちゃんとお昼を食べてからやりなさい」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くと今度はフェイトの隣に座り、パンをまた食べ始めた。

 

 

鈴「何かアンタ達見てると姉弟というより親子よね」

 

 

アリサ「やめて、笑えないわよ」

 

 

優希「?」

 

 

すずか「優希君は気にしなくていいんだよ」

 

 

なのは「ユウ、試験するなら私達もいた方が良い?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

フェイト「大丈夫?」

 

 

優希「リィンが起きるまで待つ」

 

 

アリサ「それなら良いわ、1人でやるより安全だし」

 

 

すずか「気を付けてやるんだよ?」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「良い子だ、チュ♪」

 

 

フェイトは優希のおでこにキスすると…

 

 

フェイト「時間だから行くね♪」

 

 

なのは達は授業に向かった。

 

 

リィン「お待たせです♪」

 

 

 

 

 

優希「じゃあ始めるよ?」

 

 

チュウ太「ヘイ!!データの方はあっしがキチンと収集しやす!!」

 

 

リィン「リィンはどうするですか?」

 

 

優希「万一に備えてユニゾンして」

 

 

リィン「了解です♪ユニゾン、イン!!」

 

 

優希「いくよ」

 

 

リィン『はいです!!』

 

 

優希「ブラスター…1!」

 

 

ガチャン!!

 

 

優希「炎一閃!」

 

 

ザシュ!

 

 

あらかじめ出していた的が簡単に切れた。

 

 

優希「リィン」

 

 

リィン『優希ちゃんの負担はないです!!』

 

 

優希「次いくよ、ブラスター、2!」

 

 

ガチャン×2

 

 

ザシュ!!

 

 

リィン『ブラスター2も数値安定してるです!』

 

 

優希「最後いくよ?」

 

 

リィン『はいです!』

 

 

優希「ブラスター、3!」

 

 

ガチャン×3

 

 

優希「っ…」

 

 

カタカカタカタカタ!!

 

 

リィン『魔力不安定!?優希ちゃん中断してください!』

 

 

優希「だ、大丈夫……炎一閃!」

 

 

ズドン!!

 

 

優希が無理に技を放った為、的と一緒に爆発した。

 

 

 

真耶「つまりISは……」

 

 

なのは『ねぇ、フェイトちゃん』

 

 

フェイト『なのは、どうしたの?』

 

 

なのは『今、魔力の高まりを感じなかった?』

 

 

 

フェイト『多分優希が試運転してるんじゃないかな?』

 

 

なのは達が話していると…

 

 

ズン

 

 

なのは『また?さっきより高くなってる』

 

 

フェイト『確かにこれはおかしいね短時間でこの上がり方は…』

 

 

そんな話をしてると…

 

 

ズン!!

 

 

フェイト『更に上がった!?』

 

 

なのは『これってちょっとおかしいよね?』

 

 

ズドン!!

 

 

真耶「きゃ、爆発!?」

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

アリーナの方から爆発音がし校舎まで響いた。

 

 

ダッ!!

 

 

真耶「高町さん!?」

 

 

なのはは席から立ち上がりアリーナに向かった。

 

 

なのは「ハアハアハア…」

 

 

なのはが走っていると…

 

 

チュウ太「どいた!どいた!」

 

 

前から優希とリィンを担いだチュウナーズと先頭を走るチュウ太が校舎に駆け込んできた。

 

 

なのは「チュウ太!」

 

 

チュウ太「姐さん!?ちょうどいい所で!!旦那が!?」

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

チュウ太「急いで治療を!」

 

 

なのはは優希を抱えると保健室に向かった。

 

 

 

保険医「大丈夫、気をうしなっているだけたがら、直ぐに目を覚ますわよ」

 

 

なのは「ありがとうございます」

 

 

なのはが優希を見てると…

 

 

フェイト「なのは~」

 

 

フェイト達も授業を終えてやって来た。

 

 

なのは「フェイトちゃん」

 

 

念話で連絡を受けていたフェイト達も優希の様子を見に来た。

 

 

アリサ「よく眠ってるわね」

 

 

なのは「うん、寝不足もあるみたい」

 

 

すずか「それで何があったの?」

 

 

なのは「チュウ太、説明してくれる?」

 

 

チュウ太「ヘイ、姐さん達もご存知の通り旦那は新型のテストをしてやした」

 

 

なのは「でもリィンがいたならあんなことにはならないじゃないかな?」

 

 

チュウ太「最初は何の問題もありやせんでした」

 

 

チュウ太がモニターを出しながら説明を始めた。

 

 

チュウ太「問題がおきたのは最後です」

 

 

フェイト「カートリッジシステム?優希には不要なシステムじゃない?」

 

 

チュウ太「これに内臓されているのはカートリッジシステムだけではありやせん」

 

 

アリサ「何を入れたの?」

 

 

チュウ太「ブラスターシステムでさ~」

 

 

すずか「ブラスターシステム?そんなの聞いた事ないけど、なのはちゃん達は?」

 

 

フェイト「私もない」

 

 

なのは「どんなシステムなの?」

 

 

チュウ太「使用者の一撃の威力を高めるシステムでさ~」

 

 

すずか「それって、無理矢理出力を上げるって事じゃ!?」

 

 

チュウ太「本来の使い方だとそうですが旦那の体に負担をかけない為にカートリッジシステムで補っている訳です」

 

 

すずか「なるほど、それなら優希君に負担はかからないね」

 

 

アリサ「で?失敗した原因は?」

 

 

チュウ太「コントロール出来なかっただけだと思いやす」

 

 

フェイト「危険度は?」

 

 

チュウ太「低いでさ、リィン嬢ちゃん辺りに任せておけば問題ありやせん」

 

 

なのは「そう、よかった」

 

 

優希の体に負担がないとわかるとなのは達は安心した。

 

 

 

 

 

一夏「結局昨日の爆発はなんだったんだ?」

 

 

アリサ「ただの失敗よ…」

 

 

セシリア「お体は大丈夫なんですの?」

 

 

アリサ「こんだけ元気に動いているしね」

 

 

優希「……」

 

 

シャルル「結局何を作ろうとしていたの?」

 

 

すずか「それはちょっと…」

 

 

シャルルの質問を軽くすずかは交わした。

 

 

優希「……」

 

 

鈴「そう言えばさっきから何を読んでるのよ?」

 

 

優希「これ」

 

 

チュウ太を見ていた優希だかモニターを出すと皆に見える様にした。

 

 

シャルル「これって部品?」

 

 

優希「カタログ」

 

 

箒「また何かを作るのか?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

なのは「何かわからないけど、何処かのメーカーで新しい部品が出るとカタログを見てるの」

 

 

鈴「流石、研究者って所ね」

 

 

 

優希「……」ぐいぐい

 

 

なのは「なに?」

 

 

優希「……」

 

 

優希はなのはに向けてカタログを見せた。

 

 

なのは「欲しいの?」

 

 

優希「見に行きたい」

 

 

 

なのは「じゃあ、明日は学園が休みだからみんなでいこうか?」

 

 

アリサ「いいわね、たまには外の空気を吸わないと」

 

 

すずか「アリサちゃん…」

 

 

フェイト「じゃあ、明日はウインドウショッピングだね」

 

 

シャルル「……」

 

 

なのは達が話しているなかシャルルだけは、表情が固かった。

 

 



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第98話

 

 

アリサ「さぁ、いくわよ♪」

 

 

フェイト「久しぶりの外だからね♪」

 

 

なのは達は揃って外出した。

 

 

?「行ったね…」

 

 

ガチガチ

 

 

?「やっぱり鍵をかけてるよね…」

 

 

カチャカチャ

 

 

すると?は周りに人がいないのを確認すると鍵をピッキングで開け始めた。

 

 

?「……よし」

 

 

カチャン

 

 

ドアの鍵が開くと?は素早く部屋に入った。

 

 

?「帰って来るまでに見つけないと……」

 

 

?は部屋にある本を出しては戻しを繰り返し…

 

 

?「……やっぱりこの中かな」

 

 

カタカタカタカタ

 

 

部屋にあったパソコンをいじり始めた。

 

 

?「…………あった!」

 

 

そこには【デバイス記録ファイル】と書かれていた。

 

 

カタカタ

 

 

マウスをいじりファイルを開くと

 

 

ヂャラ!!

 

 

?「!?」

 

 

ガシッ!

 

 

チェーンバインドが床から伸び…

 

 

?「なにこれ!?」

 

 

?を拘束した。

 

 

優希「残念」

 

 

?「っ!!」

 

 

?が首だけを動かすと優希が立っていた。

 

 

優希「もう逃げられない」

 

 

?「何で…」

 

 

アリサ「ここにいるのかしらね

?シャルル・デュノア」

 

 

シャルル「!!」

 

 

声がした方を見ると今度はなのは達全員が立っていた。

 

 

アリサ「当ててあげましょうか?」

 

 

シャルル「……」

 

 

すずか「狙いは私たちのデバイスの稼働データかな?」

 

 

シャルル「……そうだよ」

 

 

フェイト「でも残念だけど、そこには、なにも入ってないよ」

 

 

シャルル「えっ?」

 

 

なのは「大切なデータは…」

 

 

優希「僕が持ってる」

 

 

優希はそう言うとチュウ太を見せた。

 

 

アリサ「さて、何でこんな事をしたのかしら?」

 

 

シャルル「……」

 

 

フェイト「スパイって事かな?」

 

 

シャルル「……そうだよ、僕は君達のデバイスのデータを盗もうとした」

 

 

シャルルは諦めたのか話始めた。

 

 

シャルル「僕は会社の指示で一夏のISのデータか、新しく出来た君達のデバイスのデータを盗んでくるように命令されたんだ」

 

 

アリサ「デュノア社の命令?アナタ確か社長の子どもよね?」

 

 

シャルル「僕はね…愛人の子どもなんだ」

 

 

アリサ「そう…でもだからといって、ISのデータならまだわかるわ。でも私たちのデバイスのデータまで必要があるのかしら…」

 

 

シャルル「簡単だよ、デュノア社が経営危機たから…」

 

 

すずか「そっか、それなら私たちのデバイスのデータが欲しいのもわかるかな」

 

 

アリサ「何それ!?会社の建て直しの為に自分の子どもにこんな事させるなんて!!」

 

 

シャルル「愛人の子どもだからしょうがないよ」

 

 

フェイト「子どもに愛人もなにも関係ないよ!!」

 

 

なのは「何とか出来ないかなユウ?」

 

 

優希「……どうしたい?」

 

 

シャルル「えっ?」

 

 

優希「アナタはどうしたい?」

 

 

シャルル「どうしたいって言われても…」

 

 

優希「僕には助ける事も見捨てる事も出来る。でもお姉ちゃん達が助けてと言えば助ける。でもアナタが望まないなら僕は助けない」

 

 

シャルル「僕は…」

 

 

優希「アナタは何を望む?」

 

 

シャルル「……助けて…」

 

 

優希「……」

 

 

シャルル「助けて!!こんなの嫌だ!!お願い!!」

 

 

優希「……チュウ太」

 

 

チュウ太「ヘイ!!」

 

 

優希「デュノア社の事全て検索、何でもいいから見つけて」

 

 

チュウ太「ガッテン!!」

 

 

優希はチュウ太に命令するとデュノア社を徹底的に調べ始めた。

 

シャルル「…どうして僕を助けてくれるの?こんな事したのに」

 

 

なのは「だって友達だもん♪」

 

 

フェイト「そうだね」

 

 

アリサ「この二人は何年たっても変わらないわね」

 

 

すずか「アリサちゃんだって嫌じゃないくせに♪」

 

 

アリサ「すずか///」

 

 

優希「……」

 

 

チュウ太「……旦那、検索結果でさ~交渉に使えそうな物は五件、別に一件ありやす」

 

 

優希「別に?」

 

 

チュウ太「ヘイ、そちらの坊っちゃん…イヤ嬢ちゃんの事でさ~」

 

 

優希達「嬢ちゃん!?」

 

 

シャルル「……」

 

 

アリサ「シャルル?」

 

 

シャルル「ごめんなさい!!僕…実は女です…」

 

 

すずか「本当に?」

 

 

シャルル「うん、本当の名前はシャルロット・デュノア」

 

 

チュウ太「間違いありやせん」

 

 

アリサ「ここまでやると呆れるは…」

 

 

優希「チュウ太、このデータをランに送って。直ぐに対応させて」

 

 

チュウ太「ガッテン!!データを整理して送っておきやす」

 

 

優希「それとルネ達に元気にやってると伝えて」

 

 

チュウ太「あいさ~」

 

 

シャルロット「あの~…こんな事言えた事じゃないけど、これを何とかしてもらいたいですけど…」

 

 

アリサ「そうね、優希」

 

 

パチン♪

 

 

優希が指を鳴らすとチェーンバインドが解けた。

 

 

 

アリサ「さて、今後はどうするかね…」

 

 

すずか「流石に女の子を男の子と一緒にさせておくのは…」

 

 

優希「バラせばいい」

 

 

フェイト「優希?」

 

 

優希「後の事は引き受ける、だから女の子として通えばいい」

 

 

アリサ「なら、織斑先生に言って女の子として学園に通うようにしましょ」

 

 

シャルロット「いいの?」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

シャルロット「ありがとう!」

 

 

ぎゅ~

 

 

優希「…苦しい」

 

 

シャルロット「あぁ、ごめん!?」

 

 

なのは「ユウ、お姉ちゃん達に出来る事ある?」

 

 

優希「外は引き受ける、中の事おねがい」

 

 

なのは「わかった、学園への説明は私たちがやるね」

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは達はこの後、千冬にこれまでのいきさつを話して、シャルロットを女の子として学園に通うように頼みこんだ。

 



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第99話

 

 

 

アリサ「ドイツの代表候補生に叩かれた?」

 

 

一夏「おう」

 

 

アリサ「避けなさいよ…」

 

 

一夏「だって急だぜ?」

 

 

シャルロット「でも、一夏?よほどの事がないと叩かれないんじゃないかな?」

 

 

一夏「あぁ…」

 

 

一夏は心当たりがあるのか若干返事が固かった。

 

 

鈴「でも、シャルロットの事がインパクトがあったばかりなのに、ドイツの代表候補生って」

 

 

セシリア「一夏さん、もう少し周りを気にして下さい」

 

 

一夏「いや、マジでシャルロットの事はわからなかったんだって」

 

 

鈴「本当に?アンタ一緒にいたかったとかじゃないの!?」

 

 

セシリア「そうなんですの!?」

 

 

一夏「ンな訳あるか!」

 

 

シャルロット「あはは…」

 

 

流石にシャルロットも渇いた笑いしか出来ず…

 

 

箒「……」

 

 

皆が楽しく騒いでいるなか箒だけは固い表情だった。

 

 

 

フェイト「学年別トーナメントで優勝したら一夏と付き合える?」

 

 

シャルロット「そう、今その噂で学園中大変だよ」

 

 

夜になるとなのは達と一緒に集まったシャルロットが噂を話始めた。

 

 

アリサ「この学園の人間は好きねそういうの…」

 

 

すずか「まぁ、それはそれとして私たちもペアを決めないと…」

 

 

なのは「そうだね、他の生徒と一緒には出来ないもんね」

 

 

フェイト「なら、早めに決めないと…」

 

 

アリサ「アタシはすずかと組むわ」

 

 

すずか「うん♪」

 

 

なのは「じゃあ、私はフェイトちゃんとだね」

 

 

フェイト「任せて♪」

 

 

シャルロット「……」

 

 

シャルロットはその様子をちょっと羨ましく思っていた。

 

 

なのは「シャルちゃんは誰と組むの?」

 

 

シャルロット「まだ考えてないよ」

 

 

アリサ「確か、ペアが決まらなかったら抽選になるわね」

 

 

シャルロット「それでもいいと思っているしね」

 

 

すずか「鈴ちゃんやセシリアさんは?」

 

 

シャルロット「あの二人はほら、一夏狙いだから…」

 

 

フェイト「そうなると、箒は?」

 

 

なのは「それも同じだね…」

 

 

優希「残念だけどシャルさんには学年別トーナメントは諦めて欲しい」

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

なのは達が話しているなか、優希が少し険しい表情をして部屋に入ってきた。

 

 

 

アリサ「どういう事?」

 

 

優希「ISを返さないといけない」

 

 

フェイト「どうして!?」

 

 

優希「デュノア社の方は押さえた。でもシャルさんが持っているのは【デュノア社のIS】だから、それを手放してもらわないと…」

 

 

シャルロット「ラファールを渡せばいいのかな?」

 

 

優希「……それを向こうに渡せばもう関係は絶ち切れる」

 

 

シャルロット「わかった、はい」

 

 

シャルロットは待機状態のラファールを優希に渡した。

 

 

優希「確かに……リィン」

 

 

リィン「転送しておくです♪」

 

 

シャルロット「色々ありがとう」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウはこれからどうする?」

 

 

優希「寝る…」

 

 

なのは「おいで♪」

 

 

なのははベットに腰掛けると、横をポンポンと叩きながら優希を呼んだ。

 

 

優希「……」もぞもぞ

 

 

優希はベットに乗ると猫の様に丸まり眠った。

 

 

シャルロット「早いね…」

 

 

なのは「うん…結構頑張ってくれたみたいだから」

 

 

アリサ「この子は自分の事より周りを気にして疲れてるのよ…」

 

 

シャルロット「何かあったの?」

 

 

すずか「うん、私達をここまで見てくれたのは優希君なんだよ…」

 

 

フェイト「私たちもちょっと複雑でね、今は家族がいないの」

 

 

なのは「でもね、ユウは一度全てを失っているの、家族も…大切な人も…」

 

 

シャルロット「こんな小さな子が…」

 

 

アリサ「そっか、アンタはまだ知らなかったわね…優希は私たちより年上よ」

 

 

シャルロット「えぇ~!?」

 

 

すずか「今はこんな姿だけどね…」

 

 

シャルロット「今は?」

 

 

 

なのは「うん、その辺もちょっと複雑なんだけど…」

 

 

 

シャルロット「そっか、無理して話さなくていいよ」

 

 

なのは「ごめんね、ユウの事はちょっと特殊だから…」

 

 

シャルロット「気にしないで」

 

 

シャルロット「すごい数だね~」

 

 

アリサ「国、企業が成果とスカウト目的で集まっているから、優希」

 

 

シュタ

 

 

優希「……」

 

 

ピットで話しているなか、アリサが呼ぶと優希が現れた。

 

 

フェイト「私たちはどうする?」

 

 

優希「普通にやって大丈夫」

 

 

アリサ「そう、なら遠慮なくやれるわね…」

 

 

フェイト「そうだね…」

 

 

アリサ、フェイト「フフフ…」

 

 

シャルロット「えっと…」

 

 

すずか「あの二人今戦績が引き分けてるから」

 

 

なのは「ここでリードしたいんじゃないかな…」

 

 

シャルロット「そ、そうなんだ…」

 

 

優希「……」

 

 

すずか「優希君は観客席に行かないの?」

 

 

優希「ここで見てる」

 

 

なのは「そうだね、下手に観客席に行くと国や企業の人につかまるかもしれないしね?」

 

 

優希「……出た」

 

 

優希がモニターを指差すとトーナメント表が発表された。

 

 

なのは「私とフェイトちゃんは…Cー2だね」

 

 

すずか「私たちは……Eー5だよ」

 

 

アリサ「当たるのは準決勝ね…」

 

 

フェイト「ちゃんと上がってきてね♪」

 

 

アリサ「そっちこそ♪」

 

 

バチバチバチバチ!!

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ?何か気になる?」

 

 

優希「あれ」

 

 

優希がトーナメント表を指差し、そこにはAー1、織斑一夏、シャルロット・デュノア対篠ノ之箒、ラウラ・ボーデヴィッヒと映しだされていた。

 

 

 

シャルロット「うゎ~…」

 

 

フェイト「いきなりな対戦だね」

 

 

アリサ「全員、くじ運が良いのか悪いのかわからないわね」

 

 

シャルロット「あはは…」

 

 

なのは「でも訓練機じゃ辛い相手だね」

 

 

シャルロット「そこは頑張るよ」

 

 

優希「……」

 

 

ゴトン

 

 

すると優希はペンダントから大きなトランクを出した。

 

 

シャルロット「えっと…」

 

 

優希「これ」

 

 

シャルロット「おっと…」

 

 

優希はトランクの中から連火と疾風を投げて渡した。

 

 

なのは「ユウ、それって…」

 

 

優希「新型デバイス、でも僕用に作ってあるから扱い辛いけど使う?」

 

 

シャルロット「ありがとう、使わせてもらうよ」

 

 

優希「これも…」

 

 

優希がガンホルダーを渡すとシャルロットは自分の身体に着けた。

 

 

優希「使う時、注意。手の部分はISを解除しないと使えない」

 

 

シャルロット「わかった」

 

 

シャルロットは優希から使い方をレクチャーされるとピットから出ていった。

 

 

 

アリサ「…それで優希?なぜシャルにアレを渡したの?」

 

 

アリサがモニターを見ながら試合が始まると話しかけた。

 

 

優希「あのデバイスがISに効くかどうか知りたかったから」

 

 

フェイト「それなら私たちでも…」

 

 

優希「お姉ちゃん達銃を使えない」

 

 

すずか「だからシャルちゃんに任せた訳だ」

 

 

なのは「でも大丈夫なの?」

 

 

優希「アレはそんな威力ない」

 

 

優希が説明しているとモニターに写っているシャルが連火と疾風を使い始めた。

 

 

すずか「AICを貫通!?」

 

 

優希「連火と疾風の弾丸は魔力。AICは物体に対しては強いけど魔力、エネルギーには効果は薄い」

 

 

なのは「あはは…お姉ちゃん達には難しいよ…」

 

 

優希「勉強する?」

 

 

なのは「……遠慮したいかな?」

 

 

フェイト「!?みんな見て!」

 

 

フェイトの声にモニターを見るとラウラのISがぐにゃぐにゃと形を変え始め、観客席には防護壁が展開されモニターも消された。

 

 

アリサ「ちょっとヤバそうね…」

 

 

優希「チュウ太、チュウナーズを何匹か偵察に」

 

 

チュウ太「ヘイ!!一番から五番までをアリーナに向かわせやす!」

 

 

フェイト「優希、アレは何かわかる?」

 

 

優希「パッと見ただけだから、多分何かしらの形態変化だと思う」

 

 

すずか「ISにそんな事出来ないはず」

 

 

チュウ太「旦那、チュウナーズ各所に展開」

 

 

優希「映像だして」

 

 

チュウ太「ヘイ!!チュウナーズの視角をモニターに出しやす」

 

 

空中にモニターが映しだされ、黒い人型にISを解除された一夏が向かっていた。

 

 

アリサ「アイツは何をやっているのよ!」

 

 

すると一夏は箒に止められ口論しているとシャルロットが近づいて何かを話始めた。

 

 

すずか「何をする気だろう?」

 

 

優希「…エネルギーの補給」

 

 

一夏がシャルロットからエネルギーを貰い腕と武器だけを出した。

 

 

なのは「あれだけで向かうの!?」

 

 

優希「…おかしい」

 

 

フェイト「確かにアレは…」

 

 

優希「そっちじゃない!」

 

 

すずか「えっ!?」

 

 

アリサ「アンタ達気付かないの?なぜあの黒い人型は【攻撃】しないのか…」

 

 

なのは達「っ!?」

 

 

全員がモニターを見ると一夏が黒い人型を切った。すると中からラウラが出てきた。

 

 

なのは「大丈夫みたい…」

 

 

優希「違う…」

 

 

ラウラと切り離された黒い人型は再びぐにゃぐにゃと形を変え始めた。

 

 

チュウ太「!これは…旦那!魔力反応が出ておりやす!」

 

 

すずか「そんな!?ISから?」

 

 

チュウ太「……ISとは別のエネルギー体を確認!こいつが魔力を発している可能性が大でさ~」

 

 

すると黒い人型は形を変え動物の姿になったが所々おかしかった。

 

 

なのは「ライオン!?」

 

 

フェイト「でも翼があるし尻尾も変だ」

 

 

アリサ「……まるでキメラね」

 

 

そう言っているとキメラが一夏達の方に向きをかえた。

 

 

優希「リィン!!」

 

 

リィン「ユニゾン、イン!」

 

 

優希「チェーンバインド!」

 

 

リィン『遠隔召喚!』

 

 

するとモニターに写っているキメラの脚元にミッドチルダ式の魔法陣が現れてそこからチェーンバインドがキメラを縛りあげた。

 

 

アリサ「すずかは織斑先生に連絡!なのはとフェイトは私と一緒にキメラを」

 

 

なのは「わかった」

 

 

フェイト「優希、もう少し頑張って」

 

 

アリサ「行くわよ、イフリート!」

 

 

フェイト「バルディシュ!」

 

 

なのは「レイジングハート!」

 

 

なのは達「セットアップ!」

 

 

バリアジャケットを着るとなのは達はアリーナに向かった。

 



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第100話

 

 

すずか「織斑先生!」

 

 

千冬『今は緊急時だ、用なら後に…』

 

 

すずか「アリーナにいる黒い物体の事です!」

 

 

千冬『…お前達、ハッキングしたのか?』

 

 

すずか「似たようなとこです。今はあの黒い物体です、私達が出て対応します」

 

 

千冬『何?』

 

 

すずか「普通のISでは役に立ちません」

 

 

千冬『アレが何か分かるのか?』

 

 

すずか「後程お話します、では」

 

 

千冬『おい…』

 

 

すずかは通信を切ると…

 

 

優希「お姉ちゃん達、到着」

 

 

すずか「なら、私達も行こう。ウンディーネ!」

 

 

ウンディーネ「はい、すずか様」

 

 

すずか「セットアップ!」

 

 

優希「キャットクロー、セットアップ」

 

 

タッ!

 

 

二人はバリアジャケットを着るとなのは達の方に向かった。

 

 

 

 

アリサ「ふっ!」

 

 

ズドン!

 

 

キメラ「グガ!?」

 

 

 

アリサ「…硬いわね」

 

 

キメラ「グルル…」

 

 

アリサが拳を叩き込むが効かず…

 

 

フェイト「なら…」

 

 

バルディシュ「ハーケンフォーム」

 

 

フェイト「ハァァ!!」

 

 

ズバッ!

 

 

キメラ「ギャ!?」

 

 

次にフェイトがバルディシュで斬るとキメラの身体に傷をつけた。

 

 

アリサ「なのはが一夏達を逃がすまでは持ちこたえたいわね」

 

 

フェイト「うん」

 

 

なのは「みんな大丈夫?」

 

 

一夏「俺達は大丈夫だけど、アレは…」

 

 

なのは「ごめんね、説明したいけど今は時間が無いから」

 

 

シャルロット「とにかく今は脱出をしよう、一夏。ISに乗れない僕達じゃ足手まといだよ」

 

 

箒「行くぞ一夏」

 

 

一夏「お、おう」

 

 

一夏はラウラを抱えると箒達に続いて非常口に向かった。

 

 

なのは「レイジングハート!」

 

 

レイジングハート「プロテクション」

 

 

ドドン!

 

 

一夏「うぉ!?」

 

 

一夏達が逃げようとしたがキメラはアリサとフェイトの攻撃の合間に一夏達を攻撃してきた。

 

 

なのは「みんな大丈夫?」

 

 

シャルロット「前!!」

 

 

なのは「アクセルシューター!」

 

 

ドドドドン!

 

 

なのはがアクセルシューターを放つが…

 

 

キメラはダメージを気にせず突撃してきた。

 

 

ガシッ!!

 

 

なのはがレイジングハートを構えるとキメラが噛みついた。

 

 

なのは「クッ…」

 

 

シャルロット「なのは!」

 

 

なのはが押され始めると…

 

 

ザザザ~!!

 

 

優希「…たまや~」

 

 

ドン!

 

 

優希がキメラの下に滑り込むと怒涛を撃ち込んだ。

 

 

キメラ「グゲェ!?」

 

 

すずか「アクアバスター!!」

 

 

キメラが浮かび上がった所ですずかが砲撃を放った。

 

 

優希「大丈夫?」

 

 

なのは「ありがとう、ユウ」

 

 

リィン『優希ちゃん!』

 

 

優希「!!」

 

 

ドン!

 

 

キメラ「グゲ!!」

 

 

キメラが奇襲してきたが優希はすかさず怒涛を撃ち込んだ。

 

 

カチャン!カチャカチャ

 

 

シャルロット「優希!?」

 

 

シャルロットが驚いていると優希は怒涛の弾を交換しながら…

 

 

優希「お姉ちゃんどうする?」

 

 

なのは「そうだね、みんなの避難をお願いしていい?」

 

 

優希「わかった」

 

 

なのはと交代して優希は一夏達と非常口に向かった。

 

 

 

優希「後は任せて、ここから逃げて」

 

 

優希は非常口まで一夏達を連れて来ると避難を促した。

 

 

シャルロット「優希も…」

 

 

優希「僕は戻る」

 

 

シャルロット「何を言ってるの!?あぶないよ!」

 

 

優希「慣れてる」

 

 

ドン!ドン!

 

 

シャルロット「!?」

 

 

その言葉を聞いてシャルロットは以前なのは達が言っていた事を思い出した。

 

 

カチャン!カチャカチャ

 

 

シャルロット「優希が辛い思いをしたって、もしかして……こんな戦いの事?」

 

 

ドン!ドン!

 

 

優希「……誰かに聞いた?」

 

 

優希は援護しながら応えた。

 

 

シャルロット「えっと…」

 

 

優希「取り合えず逃げて、話しは後」

 

 

優希は話を終えるたと全護を装備すると、なのは達の方に向かった。

 

 

優希「お姉ちゃん」

 

 

アリサ「優希?一夏達の避難は?」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

フェイト「それで優希、あのキメラはどうする?」

 

 

優希「出来たらコアを回収したい」

 

 

すずか「コアだけでいいの?」

 

 

優希「ついでにISのコアも」

 

 

なのは「わかった、ユウはここで待ってて」

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは「じゃあ、行くよ~、アクセルシューター!!」

 

 

なのははキメラに五つのアクセルシューターを撃ち込んだ。

 

 

キメラ「!」

 

 

すずか「逃がさないよ!アクアシューター!!」

 

 

キメラはアクセルシューターを回避するがすずかが先を読んでアクアシューターを撃ち込んだ。

 

 

ドドン!

 

 

フェイト「ハァァ!!」

 

 

ズバッ!

 

 

アクアシューターが命中すると、フェイトがバルディシュでキメラの羽を切り落とした。

 

 

ズドン!

 

 

キメラ「グルル…」

 

 

キメラが羽を再生しようとするが…

 

 

リィン『氷結変換!』

 

 

優希「チェーンバインド」

 

 

ヂャラ

 

 

チェーンバインドに捕まり、所々氷ついていた。

 

 

 

アリサ「イフリート、コアの位置は?」

 

 

イフリート「胴体に二つ並んでいます」

 

 

アリサ「そう…なら!」

 

 

バチ!!

 

 

アリサが胴体からコアを抜き出そうとしたがシールドを張って防いだ。

 

 

アリサ「なら、ファイヤーカートリッジ」

 

 

ガシャン!

 

 

アリサ「ファイヤーナックル!!」

 

 

ズボッ

 

 

アリサがシールドを突き破るとコアを取り出すと…

 

 

優希「リィン」

 

 

リィン『氷結加速!』

 

 

優希がキメラを氷結させた。

 

 

アリサ「ほら優希」

 

 

アリサはキメラから抜き出したコアを優希に渡した。

 

 

会議室

 

 

千冬「さて説明してもらおうか?」

 

 

アリサ「説明と言われても…」

 

 

すずか「私たちに分かるのはあのキメラが私たちと同じエネルギーで動いている事位で…」

 

 

フェイト「今は優希が解析中ですから私たちも結果待ちなんです」

 

 

千冬「それで高町弟は?」

 

 

なのは「呼んでいるのでもう来ると思います」

 

 

なのは達が話していると…

 

 

ウィーン

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ、どうだった?」

 

 

優希「…やっぱり僕達と同じエネルギーだった」

 

 

千冬「という事はお前達の技術と同じなのか?」

 

 

優希「違う」

 

 

アリサ「具体的には?」

 

 

優希「多分エネルギーとして使いたかったがISのエネルギーには向かず喧嘩したと思う」

 

 

すずか「喧嘩?」

 

 

優希「水と油みたいな関係」

 

 

フェイト「なるほど」

 

 

真耶「でも何でそんな物が…」

 

 

優希「わからない」

 

 

なのは「私たちのデータが盗られた?」

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「ありえやせん、あっしにアクセスしてデータを盗れるのは旦那位でさ~。それにあっしのセキュリティを突破するのは少なくても今の技術では無理です」

 

 

千冬「ではドイツがお前達と同じ技術を開発した可能性はあるか?」

 

 

優希「ない」

 

 

千冬「とにかく、この事はドイツに問いただすが…コアを渡してくれるか?」

 

 

優希「…ISのコアは渡す」

 

 

千冬「二つともだ」

 

 

優希「ダメ」

 

 

千冬「これは重要な問題だ、渡せ」

 

 

優希「だったら…」

 

 

スッ

 

 

パキン!

 

 

優希は魔力の結晶をだすと目の前で砕いた。

 

 

 

千冬「…お前何をしたかわかっているのか?」

 

 

優希「解析データは後で渡す。けどあのコアを渡す訳にいかなかった」

 

 

千冬「だからと言って…」

 

 

優希「アレを解析するのは僕達以外無理、それに下手するとISみたいに学園が乗っ取られる可能性があった」

 

 

真耶「あの小さなコアでですか!?」

 

 

優希「そう」

 

 

千冬「わかった、不問にするがデータは必ず渡せ、いいな?」

 

 

優希「……」コク

 

 

千冬「なら、話しはここまでだ。解散」

 

 

話が終わると皆部屋を出ていった。

 



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第101話

 

 

アリサ「それで優希?急にどうしたの?私たちを集めて」

 

 

 

夜になると優希はなのは達を集めた。

 

 

リィン「防音結界OKです」

 

 

フェイト「結界?そんなに重要な事?」

 

 

優希「時間がないから簡潔に話すよ?【闇】が現れた」

 

 

なのは、フェイト「!!」

 

 

アリサ「闇?」

 

 

すずか「どういう事?」

 

 

フェイト「夜天の魔導書の防衛プログラム…」

 

 

なのは「なんで!?この世界にあるの!!」

 

 

優希「違う…」

 

 

フェイト「違う?」

 

 

優希「多分復活した」

 

 

なのは「なんでわかるの?」

 

 

優希「これ」

 

 

優希はペンダントから未来の闇の結晶を取り出した。

 

 

アリサ「それは?」

 

 

優希「闇の結晶体」

 

 

すずか「光ってる?」

 

 

優希「まだ小さいけど復活しかけてる」

 

 

なのは「なんで!?ユウが倒したのに!!」

 

 

優希「わからない、でも僕は行かなきゃならない」

 

 

フェイト「どこに?」

 

 

優希「闇が復活した世界に」

 

 

アリサ「世界?この世界じゃないの?」

 

 

優希「調べたら別の時空からだった」

 

 

アリサ「それで何時行くの?」

 

 

優希「今すぐ…」

 

 

すずか「すぐ!?じゃあ、荷物を纏めないと…」

 

 

優希「待って」

 

 

フェイト「どうしたの?」

 

 

優希「お姉ちゃん達には残ってもらう」

 

 

アリサ「ハァ!?どういう事よ!」

 

 

優希「お姉ちゃん達に守ってもらいたい物がある」

 

 

なのは「守ってもらいたい物?」

 

 

優希「今、ルネ達が作っているもの。もし誰かに発見されたら困る」

 

 

すずか「何を作っているの?」

 

 

優希「まだ言えない。けどお姉ちゃん達にルネ達の代わりに守ってもらいたい」

 

 

なのは「ルネ達も行くの?」

 

 

優希「時空を越えるならルネ達のサポートが必要」

 

 

アリサ「ちゃんと帰って来るんでしょうね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「わかったわ、なら行って来なさい」

 

 

優希「ありがとう」

 

 

なのは「気をつけてね?」

 

 

優希「わかった、リィン」

 

 

リィン「防音結界、解除。ユニゾン、イン!」

 

 

優希はリィンとユニゾンすると…

 

 

優希「行ってくる」

 

 

窓から飛び立った。

 

 

 

優希「……」

 

 

ルネ「マスター、お待たせしました」

 

 

リナ「久しぶり、優希ちゃん、リィンちゃん」

 

 

リィン『お久しぶりです♪』

 

 

ラン「優希様、すぐに?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

カッ!

 

 

ルネが返事をするとランと一緒に待機状態になった。

 

 

リナ「じゃあ、私も…」

 

 

リナはペンダントの中に入った。

 

 

優希「行くよ」

 

 

トン

 

 

優希が杖を出すと魔法陣が展開された。

 

 

ラン「術式安定しています」

 

 

ルネ「マスター、発動可能です」

 

 

優希「……」

 

 

優希は魔法が発動するとその場から消えた。

 

 

 

 

 

海鳴市上空

 

 

リィンフォース「クッ…あああ~~!!」

 

 

はやて「リィンフォース!!リィンフォース!!」

 

 

ヴィータ「ダメだはやて!」

 

 

シャマル「今はやてちゃんが近付いたらはやてちゃんまで飲み込まれちゃいます!」

 

 

はやて「せやけど、リィンフォースが!」

 

 

シグナム「すみません、主はやて!」

 

 

するとシグナムははやてを抱えてその場から離れた。

 

 

はやて「シグナム離して!リィンフォース~!!」

 

 

ザフィーラ「シグナムどうする?」

 

 

シグナム「管理局が来るのを待つしか…」

 

 

ヴィータ「でもこのままじゃ、リィンフォースが…」

 

 

ザフィーラ「我らには見ている事しか…」

 

 

はやて「何か出来るはずや!」

 

 

シグナム「しかし我々が近付いたら確実に取り込まれてしまいます」

 

 

はやて「せやけど…」

 

 

シャマル「!上空に転移反応!?」

 

 

ヴィータ「管理局か!?」

 

 

ザフィーラ「……違うな」

 

 

はやて「なんやの…」

 

 

優希side

 

 

優希「…なんで?」

 

 

ひゅ~

 

 

リィン『何を冷静に考えているですか!?』

 

 

優希「落ちてる事」

 

 

リィン『誰が考えている事を聞いたですか!?』

 

 

優希「リィン?」

 

 

リィン『疑問系ですか!』

 

 

優希「それはおいといて、リィン」

 

 

リィン『ハイです。魔力反応感知…映像だします』

 

 

優希「リィンフォース!?」

 

 

リィン『そうみたいです』

 

 

優希「破壊されなかった?」

 

 

リィン『少し離れた場所にはやてちゃん達がいます』

 

 

優希「聞きたい事があるけど…」

 

 

リィン『まず、初代リィンフォースを何とかしないとです!』

 

 

優希「やっぱり防衛プログラムが再構築されている」

 

 

リィン『どうするですか?』

 

 

優希「取り合えず氷結させて強制的に停止させる」

 

 

リィン『了解です!氷結加速!』

 

 

優希「チェーンバインド」

 

 

優希はリィンに氷結変換を頼み、チェーンバインドを発動すると…

 

 

 

リィンフォース「あ、あ……」

 

 

リィンフォースを氷の中に閉じ込めた。

 

 

 

優希「聞きたい事が…」

 

 

はやて「優希君!!」

 

 

ガバッ!!

 

 

優希がはやて達に近付くとはやてに抱き締められた。

 

 

優希「覚えてるの?」

 

 

はやて「ウチの事忘れたんか!?はやてや!八神はやて!!」

 

 

優希「…覚えている」

 

 

はやて「優希君助けて!リィンフォースが…」

 

 

優希「防衛プログラムが再構築されているでしょ?」

 

 

はやて「わかるんか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

はやて「優希君なら何とか出来るやろ!?」

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「解析しやす!」

 

 

はやて「優希君、それは…」

 

 

優希「見てて」

 

 

チュウ太「……解析終了しやした」

 

 

優希「どう?」

 

 

チュウ太「かなり侵食されていやす。今ならまだ間に合いやすが…」

 

 

はやて「助かるんか!!」

 

 

チュウ太「防衛プログラムを外すしかありやせん」

 

 

優希「でも、また再構築される?」

 

 

チュウ太「その通り、ですからいっその事、新しいプログラムを作ってみてはどうでしょ?」

 

 

優希「……」

 

 

はやて「優希君?」

 

 

優希「余裕は?」

 

 

チュウ太「二、三日って所でさ」

 

 

優希「ギリギリ」

 

 

はやて「出来るんか!?」

 

 

優希「何とか…」

 

 

はやて「ならお願いや!!ウチに出来る事なら何でもする!!だからリィンフォースを助けて!!」

 

 

優希「わかった」

 

 

 

優希はリィンフォースを助ける為、プログラムを作る事になった。



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第102話

 

優希「……」

 

 

カタカタカタカタ

 

 

はやて「優希君、サンドイッチやで~」

 

 

リィン「わ~い♪美味しそうです♪」

 

 

はやてが持ってきたサンドイッチにリィンが近付くと1つ持ち上げて…

 

 

リィン「優希ちゃん食べるです」

 

 

優希「…もぐもぐ」

 

 

作業しながら食べた。

 

 

はやて「どないな感じ?」

 

 

優希「ボチボチ」

 

 

はやて「そっか…」

 

 

優希「…心配?」

 

 

はやて「…そやね、優希君なら助けてくれるって分かってても、やっぱり心配やね」

 

 

優希「そっか…」

 

 

ヴィータ「はやて~」

 

 

はやて「どないしたんヴィータ?」

 

 

ヴィータ「シグナムと代わって戻って来たけど、リィンフォースは今の所変わりはないよ」

 

 

はやて「そか、ありがとうな?」

 

 

ヴィータ「良いって、それでそっちは…」

 

 

優希「ボチボチ進んでいる」

 

 

ヴィータ「そうか…頼むな」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くと作業を早めた。

 

 

 

 

 

 

優希「……」

 

 

カチャン、カチャカチャ

 

 

シグナム「何をしているのだ?」

 

 

優希「準備中」

 

 

カチャン、カチャン

 

 

優希が来て三日目の朝、優希は怒涛、疾風、連火に弾を補充していた。

 

 

シグナム「準備?では出来たのか!?」

 

 

優希「……」コク

 

 

シグナム「なら主はやてに…」

 

 

優希「僕一人で行く」

 

 

シグナム「なに?」

 

 

優希「今みんなが近付くと危険。だから僕が一人でやる」

 

 

シグナム「しかし…」

 

 

優希「取り込まれたら僕でも助けられない。だから…」

 

 

シグナム「ん?」

 

 

優希「皆で結界を張って」

 

 

シグナム「結界を?」

 

 

優希「なるべく集中したいから」

 

 

シグナム「わかった、頼むぞ」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くと準備を整えた。

 

 

 

優希「いい?まず僕がリィンフォースに近付いたら、魔力ダメージで防衛プログラムを切り離す」

 

 

リィン「そしたら優希ちゃんはリィンフォースに新しいプログラムを、はやてちゃん達は切り離された防衛プログラムの相手をしてください。切り離された防衛プログラムにはやてちゃん達を取り込む力は残ってないので安心して戦ってください」

 

 

はやて「わかった、お願いな?」

 

 

優希「気をつけてね?」

 

 

ヴィータ「安心しろ、こっちは任せろ!」

 

 

ザフィーラ「そちらは任す」

 

 

シャマル「お願いしますね」

 

 

優希「じゃあ、行ってくる」

 

 

優希ははやて達と離れると…

 

 

優希「リィン」

 

 

リィン「リィンでいいんですか?」

 

 

優希「うん、行くよ」

 

 

リィン「ハイです、ユニゾン、イン!」

 

 

優希はリィンとユニゾンするとリィンフォースに向かって飛び立った。

 

 

 

リィン『優希ちゃん、リィンフォースが見えて来たです』

 

 

優希「行くよ」

 

 

優希は怒涛を取り出すと…

 

 

ドン!

 

 

ズドン!!

 

 

リィンフォースを撃った。

 

 

リィン『…防衛プログラム、切り離されたです!』

 

 

出来て日が浅いせいか球体の姿をしていた。

 

 

優希「よし」

 

 

優希がリィンフォースに近付くと…

 

 

ビュン!

 

 

切り離された防衛プログラムがリィンフォースに戻ろうとしたが…

 

 

優希「させない」

 

 

パパパパパパパパパ!

 

 

優希は疾風を撃ちながらリィンフォースに近付いて守りながら防衛プログラムを離した。

 

 

優希「……」

 

 

パパパパパパパパパ…カチ

 

 

 

ビュン!

 

 

疾風が弾切れになると防衛プログラムが一気に近付いてくるが、そこに…

 

 

ヴィータ「ラケーテン、ハンマー!!」

 

 

ガキィン!!

 

 

ヴィータが駆け付け防衛プログラムを打ち払った。

 

 

 

優希「いいタイミング」

 

 

シグナム「こちらは任せろ、リィンフォースを頼むぞ」

 

 

優希「リィン」

 

 

リィン『術式展開、プログラムをリィンフォースへ転送』

 

 

優希がプログラムを転送して、はやて達は…

 

 

シグナム「紫電一閃!」

 

 

ズドン!!

 

 

ヴィータ「何だこいつ?全然よえ~」

 

 

シャマル「多分、まだ出来てから日が浅いから」

 

 

ザフィーラ「これなら我らだけで十分だな」

 

 

はやて「ほなら今のうちに破壊しよか」

 

 

防衛プログラム「!」

 

 

ビュン!

 

 

 

すると防衛プログラムはその場から逃げ出した。

 

 

ヴィータ「あっ…まて!!」

 

 

はやて達も後を追うが…

 

 

キッ!!ビュン!!

 

 

はやて「しもうた!!」

 

 

防衛プログラムは急に方向を変え、優希達に向かった。

 

 

シャマル「いけない!!」

 

 

優希「……」

 

 

パン!パン!パン!

 

 

優希は近付いた防衛プログラムに連火で牽制した。

 

 

はやて「ごめんな、優希君」

 

 

優希「油断大敵」

 

 

ザフィーラ「そちらはどうだ?」

 

 

優希「もう終わる」

 

 

シグナム「なら、こちらも早く終わらせよう」

 

 

ガチャン!

 

 

シグナム「飛竜、一閃!」

 

 

ビュン!

 

 

防衛プログラムが必死に避けるなか…

 

 

ザフィーラ「縛れ鋼の軛!」

 

 

ザフィーラに、拘束され…

 

 

ガチャン!!

 

 

ヴィータ「轟天爆砕!ギガント、シュラーク!!」

 

 

ズドン!!

 

 

ヴィータによって潰された。

 

 

 

はやて「これで終わりや♪」

 

 

優希「まだ!」

 

 

するとグラーフアイゼンの下から防衛プログラムが多数の小さい球体になって逃げ出した。

 

 

シャマル「いけない!!皆捕まえて!!」

 

 

シャマルの指示より早く…

 

 

優希「ブラスター1!」

 

 

ガチャン

 

 

優希が全護と乱舞を取り出した。

 

 

ヂャラ!!

 

 

優希「連閃、烈風!!」

 

 

乱舞を蛇腹にすると優希はその場で回転し多数の斬撃を放った。

 

 

ドドドドドドドドン!!

 

 

はやて「すごい…」

 

 

シャマル「全部……撃破、反応もないわ」

 

 

優希「終わり」

 

 

ヂャラ…ガチャン

 

 

優希も乱舞を蛇腹から剣に戻して全護にしまった。

 

 

はやて「これで本当に終わりや♪」

 

 

優希「……」

 

 

シグナム「何処に行く?」

 

 

優希がそっと去ろうとした時、シグナムは優希を呼び止めた。

 

 

優希「リィンフォースも新しいプログラムでもう大丈夫。僕のすべき事は終わった」

 

 

はやて「優希君、またいなくなるんか?」

 

 

優希「僕は防衛プログラムの破壊が目的、それが終わった今ここにいる理由はない」

 

 

はやて「せやけど…」

 

 

優希「それにお姉ちゃん達を待たせているから」

 

 

はやて「なのはちゃん達は元気なんか?」

 

 

優希「今は安全な世界で暮らしているよ」

 

 

はやて「そうなんか…」

 

 

優希「じゃあね」

 

 

優希は去ろうとしたが…

 

 

はやて「……優希君、ウチも連れて行ってくれへん?」

 

 

はやてが呼び止めた。

 



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第103話

 

優希「…冗談」

 

 

はやて「冗談な訳あるわけないやろ…本気や!」

 

 

優希「なお悪い」

 

 

はやて「皆は連れて行ってウチは駄目なんか?」

 

 

優希「……」

 

 

はやて「どうなん?」

 

 

優希「はやてさんには覚悟はある?この世界を捨てる覚悟は?管理局から逃げる覚悟は?」

 

 

はやて「…あるで!」

 

 

優希「わかった、なら準備をして」

 

 

はやて「わかった、皆も準備をしよ」

 

 

シグナム「よらしいのですか?」

 

 

はやて「当たり前やないか♪」

 

 

ザフィーラ「我ら守護騎士、どこまでもついてはいきます」

 

 

シャマル「私たち家族ですから」

 

 

はやて「なら戻ろうか」

 

 

はやて達は意気揚々と帰っていき、優希もついていった。

 

 

 

はやて「これやろ、後これやろ…」

 

 

ヴィータ「はやて、これも持って行っていい?」

 

 

はやて「どやろ、優希君?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ヴィータ「よし♪」

 

 

シャマル「はやてちゃん、こっちはどうします~」

 

 

はやて「それは…」

 

 

はやて達は優希に着いていく為荷物を纏めていた。

 

 

リィンフォース「小さな勇者」

 

 

優希「?」

 

 

リィンフォース「少しいいか?」

 

 

優希はリィンフォースと一緒に庭に出た。

 

 

リィンフォース「すまなかった。また迷惑をかけた」

 

 

優希「気にしなくていい」

 

 

リィンフォース「しかし…」

 

 

優希「誰にだって生きる権利はある。貴女にも」

 

 

リィンフォース「そう言ってくれると助かる」

 

 

優希「それにこの子も悲しむ、ねぇリィン」

 

 

リィン「ハイです♪」

 

 

リィンフォース「その者は…」

 

 

リィン「こうやって話すのは初めてですね。リィンはリィンフォースⅡです」

 

 

リィンフォース「私と同じ名か」

 

 

優希「そう」

 

 

リィンフォース「小さな勇者、私に何か出来る事はないか?せめて何か恩を返したい」

 

 

優希「気にしなくていい」

 

 

リィンフォース「それでは私が納得できない」

 

 

優希「……」

 

 

優希は少し考えると…

 

 

優希「頑張って生きて」

 

 

リィンフォース「なに?」

 

 

優希「はやてさんの為に」

 

 

リィンフォース「わかった」

 

 

 

優希「準備はいい?」

 

 

はやて「大丈夫や」

 

 

リィンフォース「我々も大丈夫だ」

 

 

優希「ルネ、ラン行くよ」

 

 

ルネ「座標軸確認」

 

 

ラン「術式展開」

 

 

優希「発動」

 

 

シュン

 

 

優希は時の魔法発動させるとはやて達と一緒に消えた。

 

 

時空間

 

 

はやて「ハァ~、凄いな~」

 

 

はやてが辺りを見回すと沢山の時計があった。

 

 

優希「気をつけてね」

 

 

リィン「回りにある時計は世界その物です。触るとその世界に落ちるから注意してくださいです」

 

 

優希は先に歩き出しはやて達も続いた。

 

 

ヴィータ「なぁ、どんな世界に行くんだ?」

 

 

優希「地球の平行世界」

 

 

シャマル「それなら私たちも大丈夫ですね」

 

 

優希「少し近未来的」

 

 

はやて「楽しみやな♪」

 

 

優希「ここ」

 

 

すると優希は1つの時計の前で止まった。

 

 

シグナム「そこなのか?」

 

 

優希「そう」

 

 

優希に続いてはやて達も時計に触れて世界に入った。

 

 

 

優希「到着」

 

 

優希達はある一軒家の前に現れた。

 

 

はやて「ここは?」

 

 

優希「僕達の家」

 

 

そう言って優希は中に入って行くと…

 

 

アルフ「おや、優希じゃないか。転移してきた反応があったから誰かと思ったよ」

 

 

優希「お客さん」

 

 

アルフ「お客さん?ってアンタ達は!?」

 

 

アルフがはやて達に驚いていると…

 

 

優希「説明する」

 

 

アルフ「あぁ、わかったよ」

 

 

優希はそう言ってはやて達と一緒に家の中に入って行った。

 

 

優希「…という訳」

 

 

アルフ「なるほどね、ここで暮らしてもらうのはいいけど」

 

 

優希「僕はお姉ちゃん達の所に戻る」

 

 

はやて「なのはちゃん達とは一緒に暮らしてないんか?」

 

 

優希「皆学園の寮に入ってる」

 

 

はやて「ウチはどうしたらいいんやろか?」

 

 

優希「好きにしていい」

 

 

はやて「好きにしていいって言われても…皆と同じ学園に入る事は出来ないんか?」

 

 

優希「勉強が必要」

 

 

はやて「…そんなに難しいんか?」

 

 

優希「専門知識が必要」

 

 

はやて「うっ…難しいそうやな…」

 

 

優希「どうする?」

 

 

はやて「…やる!皆と一緒に通いたいしな」

 

 

優希「わかった、明日から勉強」

 

 

はやて「わかった、頑張る」

 

 

こうしてはやてはなのは達と同じ学園に入る為に勉強する事になった。

 

 

優希「……」

 

 

はやて「優希君、ちょっと休まへん?」

 

 

優希「却下」

 

 

はやて「う~、もう二時間もやっているで…」

 

 

優希「そこ間違ってる」

 

 

はやて「ひ~(泣)、スパルタや~(泣)」

 

 

優希「頑張る」

 

 

はやて「無理や~」

 

 

優希「気合い」

 

 

はやて「勉強は根性では出来へん!!」

 

 

優希「恐怖心でやる?」

 

 

カチャ

 

 

すると優希は業火と連火を取り出した。

 

 

はやて「ごめんなさい、根性で我慢します」

 

 

優希「じゃあ、少し休憩」

 

 

はやて「ハァ~、疲れた~(泣)」

 

 

優希「お姉ちゃん達もこれで頑張った」

 

 

はやて「なのはちゃん達に激しく同情するで…」

 

 

優希「もっと増やす?」

 

 

はやて「ごめんなさい、もう言わへんからそれだけは勘弁して~」

 

 

優希「なら文句言わない」

 

 

こうして1日はやては優希に勉強を見られて終わった。

 

 

はやて「ドキドキや…」

 

 

はやての手には入学合否通知書が握られていた。

 

 

シャマル「大丈夫ですよ、はやてちゃん!!」

 

 

リィンフォース「そうです、あれだけ勉学に打ち込まれたのですから」

 

 

シグナム「さぁ、主はやて」

 

 

はやて「開けるで!!」

 

 

はやては封を切り中にある用紙を見ると…

 

 

優希「残念!」

 

 

はやて「うわぁ~(泣)やっぱり駄目やったんや~(泣)」

 

 

ゴチン!!

 

 

ヴィータ「何してんだ!?まだ見てないだろ!!」

 

 

優希「ッ~~」

 

 

はやて「うわぁ~…って優希君!?洒落にならへんよ!!」

 

 

優希ははやてが結果を見る前に言ってしまった為にその場が重くなりかけたがヴィータがいち早く気付いた為、すぐに場はおさまった。

 

 

ザフィーラ「主、結果は?」

 

 

はやて「今度こそ…」

 

 

はやてが結果を見ると…

 

 

合格

 

 

はやて「やった~!!」

 

 

はやては結果を見ると飛び跳ねて喜んだ。

 

 

シャマル「あら、はやてちゃん?他にも何か書いてありますよ」

 

 

はやて「お祝いのメッセージか♪」

 

 

はやてがもう一度見ると…

 

 

この度は入学おめでとうございます。あなた様は推薦入学が決まっているなか編入試験に変更し多大な功績を残し…

 

 

はやて「推薦入学!?変更!?どういう事や!?」

 

 

優希「……」ソロ~

 

 

ガシッ!!

 

 

はやて「優希君♪ウチ優希君に大切な話があるんやけど?」

 

 

優希「……」

 

 

はやてはものすごい笑顔で優希を捕まえていたが…

 

 

優希「じゃ♪」

 

 

はやて「待て~!!」

 

 

優希は逃げ出し、はやても追いかけての鬼ごっこが1日行われた。

 

 

 

優希「仕事をする?」

 

 

シグナム「そうだ」

 

 

シャマル「私たちもただ何もせずに暮らしているのもちょっと…」

 

 

優希「……無理だと思う」

 

 

ヴィータ「何でだ?」

 

 

優希「学歴ない」

 

 

シグナム「うっ…」

 

 

優希「経験ない」

 

 

ヴィータ「うっ…」

 

 

優希「出来る事ある?」

 

 

シャマル「でも…」

 

 

優希「……」

 

 

優希が考えていると…

 

 

優希「ウチで働く?」

 

 

シグナム「しかし私は家事など出来ないが…」

 

 

リィン「違うですよ。優希ちゃんの会社で働くと言う意味です」

 

 

シャマル「どんな事をしているの?」

 

 

リィン「デバイスを新型として紹介して売りに出しているですが、人気は今一です。まぁ優希ちゃんもそんなに売りに出すつもりもないのでしょうがないですが」

 

 

ヴィータ「それならアタシらが働く意味はあるのか?」

 

 

優希「ある」

 

 

リィン「仕事としては戦技指導、護衛、秘書とあるですよ」

 

 

シャマル「それなら私たちも出来そうね」

 

 

優希「ザフィーラは?」

 

 

ザフィーラ「私が出来る事があるのか?」

 

 

リィン「優希ちゃんの護衛でどうですか?」

 

 

ザフィーラ「それなら私でも出来るな」

 

 

リィン「決まりです♪シグナムとヴィータちゃんには戦技指導、シャマルには秘書で決定するです♪」

 

 

こうしてシグナム達も仕事を見付けて働く事になった。

 

 

はやて「八神はやていいます。今日からよろしくお願いします♪」

 

 

なのは達「えっ!?」

 

 

はやてが突然に現れた為になのは達は驚いていた。

 

 

昼休み

 

 

アリサ「さぁ優希、説明してくれる?」

 

 

すずか「どうしてはやてちゃんがいるの?」

 

 

優希「防衛プログラム倒した。そしたら付いてきた」

 

 

フェイト「そんなオマケみたいに…」

 

 

なのは「ともかく防衛プログラムはもう大丈夫なの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「ならいいわ。それで今後はどうするの?」

 

 

優希「特にない」

 

 

アリサ「そう、ならしばらくはゆっくり出来るわね」

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは「ユウは?」

 

 

優希「僕は新型の調整が残っている」

 

 

すずか「何か作ったの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「私たちもいた方がいい?」

 

 

優希「どっちでも大丈夫」

 

 

はやて「優希君は発明家さんやな~」

 

 

優希「まあね」

 

 

はやての問題も片付き優希はゆっくりとする事になった。

 



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第104話

 

カチャカチャカチャ

 

 

一夏「何してるだ?」

 

 

優希がアリーナで機械を弄っていると一夏達がやってきた。

 

 

優希「……」

 

 

シャルロット「こら」

 

 

優希が無視しているとシャルロットが優希を抱えた。

 

 

シャルロット「駄目だよ、ちゃんと挨拶しなきゃ」

 

 

優希「……ちゃ」

 

 

セシリア「ちゃ?」

 

 

シャルロット「今のは、こんにちはを短くした挨拶みたい」

 

 

鈴「シャルロットはわかるの?」

 

 

シャルロット「みんなより優希と話しているから」

 

 

ラウラ「それで嫁が言っていたが何を作っていたのだ?」

 

 

優希「嫁?」

 

 

一夏「気にするな、で?何作ってるんだ?」

 

 

優希「シミュレータ」

 

 

箒「シミュレータ?」

 

 

シャルロット「そんな小さな物が?」

 

 

優希「見てて」

 

 

ピ、ピ、ピ

 

 

優希「えい」

 

 

優希がボールの機械を投げると…

 

 

ピー!

 

 

アリーナに市街地が浮かび上がった。

 

 

一夏「すげ~!!」

 

 

コン、コン

 

 

ラウラ「ほぉ~、感触まで、本物に近いな」

 

 

優希「商品」

 

 

シャルロット「売りに出すの?」

 

 

優希「予定」

 

 

セシリア「でしたら是非…」

 

 

アリサ「ストップ」

 

 

優希達が話しているとなのは達がやってきた。

 

 

はやて「優希君、おいで~」

 

 

 

ピョン

 

 

はやてが呼ぶと優希はジャンプしてはやてに抱き抱えられた。

 

 

 

すずか「駄目でしょ?私たちがいない時にそういう事しちゃ」

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「わかった?」

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは「でも、ユウ。また凄い物作ったね」

 

 

優希「自信作」

 

 

アリサ「やり過ぎに気をつけなさい」

 

 

ナデナデ

 

 

優希「わかった」

 

 

セシリア「せっかくのチャンスが…」

 

 

アリサ「悪いわね、私たちも把握してない事をやらせられないから」

 

 

一夏「少し過保護なんじゃないか?」

 

 

すずか「一夏君は優希君の危険性がわかってないんだね。

優希君がどこかの国や企業に属したら大変なんだよ?

ましてや何かを売ってそことの繋がりが出来たら他の国や企業だって求めてくるよ。

そうなったら私たちじゃどうにも出来なくなっちゃうよ」

 

 

一夏「ややこしいな?」

 

 

鈴「でも、このシミュレータは何処の国や企業でも欲しがるわよ」

 

 

箒「確かに凄いがそんなに欲しがる物なのか?」

 

 

シャルロット「これがあれば訓練する時にかなり役立つよ。

これだけ精巧に出来たら軍なんか欲しがるよ」

 

 

ラウラ「そうだな、これだけ精巧に作られていたら、市街地を想定した訓練が今まで以上に出来る。

多少の額でも我が隊に欲しいくらいだ」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「駄目よ、まだ試験すらしてないのに」

 

 

はやて「いつも誰が試験しとるん?」

 

 

フェイト「主に私とアリサでだよ」

 

 

はやて「優希君はやらへんの?」

 

 

アリサ「冗談、優希と戦って勝った例がないわよ」

 

 

箒「そんなに強い様には見えないが?」

 

 

フェイト「見た目はね?でも私たち以外に負けた人達もいるし」

 

 

一夏「まぁ…」

 

 

鈴「偶然よ!!」

 

 

セシリア「そうですわ!」

 

 

優希「実力」

 

 

鈴「なんですって!?」

 

 

優希「……」プイ

 

 

鈴「ならもう一度勝負しましょ!!

実力の差を見せてあげるわ!!」

 

 

優希「わかった」

 

 

こうして鈴VS優希の模擬戦が決まった。

 

 

優希「お姉ちゃん下ろして」

 

 

はやて「わかった」

 

 

はやてが優希を下ろすと…

 

 

優希『ルネ、リナ』

 

 

ルネ『マスター?どうしました?』

 

 

リナ『何?優希ちゃん?』

 

 

優希はルネ達に念話を繋いだ。

 

 

優希『そっちの進み具合はどう?』

 

 

ルネ『ほぼ完成しています』

 

 

リナ『後はシステムのチェックだけだよ』

 

 

優希『そしたらシステムチェックはランに任せて、ルネとリナは僕の所に来て』

 

 

ルネ『何か問題が?』

 

 

優希『ちょっとね』

 

 

リナ『わかった、五分位で向かうね』

 

 

優希『待ってる』

 

 

優希は念話を切ると…

 

 

優希「準備」

 

 

鈴「じゃあ、私は着替えてくるわ」

 

鈴はロッカー室に向かった。

 

 

アリサ「それで優希?何を考えていたの?」

 

 

優希「違う、ルネとリナを呼んだ」

 

 

なのは「えっ!?駄目だよユウ!!本気でやる気!?」

 

 

優希「大丈夫、加減はする」

 

 

一夏「なぁ、何を話しているんだ?」

 

 

すずか「優希君が自分の専用機を呼んじゃったの」

 

 

箒「何かまずいのか?」

 

 

フェイト「優希は沢山のデバイスを持っているけど、三つだけ別な物があるの。

今回はその三つのデバイスで本気で戦う装備でやるみたい」

 

 

セシリア「お待ちになって?

その発言が正しいなら、優希さんは以前私たちと戦っていた時は本気ではなかったと?」

 

 

フェイト「優希が本気で戦ったら私たちじゃ勝てないよ。

五人で戦って勝てるかどうか…」

 

 

一夏「鈴の奴大丈夫か?」

 

 

シャルロット「今から止めた方がいいんじゃ…」

 

 

ラウラ「無理だろうな。

仮にも代表候補生、ここで引き下がる訳にもいかないだろ」

 

 

はやて「優希君もやる気みたいやし」

 

 

優希「……」

 

 

優希は空を見つめ、ルネとリナを待った。

 

 

優希「…来た」

 

 

シュタ

 

 

ルネ「マスターお待たせしました」

 

 

リナ「元気にしてた?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ルネ「それでマスター、私たち呼んだ理由は?」

 

 

優希「…リンク」

 

 

優希はルネとリナとリンクすると…

 

 

ルネ「…わかりました」

 

 

リナ「わかったけど、本当にケルベロスでやるの?」

 

 

優希「二人ともこないだ送ったデータは?」

 

 

リナ「インストールしてあるよ」

 

 

ルネ「なるほど、それも試すつもりで呼んだのですね?」

 

 

優希「そう、じゃあいくよ?」

 

 

三人「ユニゾン、イン!!」

 

 

優希はルネ達とユニゾンすると今までと違い…

 

 

優希「成功」

 

 

チビ優希の姿でケルベロスアーマーを纏っていた。

 

 

なのは「かわいい♪ユウそれは?」

 

 

優希「ミニフォーム。出力は落ちるけどこの姿でいろんなフォームになれる」

 

 

フェイト「いつの間に?」

 

 

優希「ちょっとずつ作ってた」

 

 

アリサ「まぁ…優希も準備出来たし、向こうもいいみたいね」

 

 

アリサの見ている方を見ると、鈴が甲龍に乗ってやってきた。

 

 

すずか「じゃあ、私たちは離れているね」

 

 

優希を残してなのは達もその場から離れた。

 

 

鈴「準備は?」

 

 

優希「いつでも」

 

 

鈴「なら、始めましょう」

 

 

優希「落ちたらスタート」

 

 

ピン

 

 

優希がコインを上に投げると…

 

 

鈴「……」

 

 

優希「……」

 

 

二人は戦闘態勢になりコインが落ちるのを待った。

 

 

チャリン

 

 

カチッ

 

 

ルネ『アクセルスタート』

 

 

ドカッ!!

 

 

鈴「カハッ!?」

 

 

ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ

 

 

鈴が後ろに吹き飛ばされたまま、何度も切りつけられながら飛んでいき…

 

 

優希「連閃…」

 

 

ヂャラ

 

 

優希は鈴が飛んでいく先に現れて…

 

 

優希「烈風!!」

 

 

ズガガガガガガ!!

 

 

 

最後に連撃を決め、鈴のシールドエネルギーを0にした。

 

 

アリサ「終わったわね」

 

 

一夏達「……」

 

 

あまりに一方的な結果に一夏達は唖然としていた。

 

 

すずか「行こうか」

 

 

なのは達は優希の所に向かい一夏達も鈴の所に向かった。

 

 

優希「お姉ちゃん」

 

 

フェイト「大丈夫?」

 

 

優希「僕はなんともない」

 

 

鈴「…一体何が起きたの?」

 

 

アリサ「高速戦闘よ」

 

 

シャルロット「高速戦闘?」

 

 

すずか「優希君が使ったのはアクセルシステム。高速戦闘を可能にするの」

 

 

フェイト「そのスピードは知覚すら難しいよ」

 

 

セシリア「そんな技術が…」

 

 

なのは「私たちの所では実現しているの」

 

 

アリサ「私たちはまだ使えないけど…」

 

 

優希「もう少し待ってて」

 

 

すずか「うん」

 

 

アリサ「それで鈴、優希の実力はわかったかしら?」

 

 

鈴「……」

 

 

フェイト「アリサ、そのくらいで…」

 

 

ラウラ「凄まじいな、代表生と同じ…いや、それ以上か」

 

 

鈴「私の負けよ…」

 

 

なのは「鈴ちゃん、怪我はない?」

 

 

鈴「大丈夫よ」

 

 

優希「じゃあ…」

 

 

ヒュン

 

 

すると優希の手元にシミュレータが戻ってきた。

 

 

優希「ルネ、リナ」

 

 

カッ

 

 

ルネはブレスレットになり、リナも優希の肩に座った。

 

 

リィン「リナちゃんです♪」

 

 

リィンも出てきて、反対の肩に座った。

 

 

一夏「しかし凄いな」

 

 

優希「?」

 

 

セシリア「アレだけの科学力を見せられると圧巻ですわ」

 

 

鈴「特にアクセルシステムだっけ?あんなの何処の国も作れないわよ」

 

 

アリサ「そうでしょうね」

 

 

すずか「作れたとしてもコストがかかりすぎて実用するのは難しいと思うよ」

 

 

一夏「前から聞きたかったんだけどそっちは専用機はあるけど量産機はないのか?」

 

 

フェイト「基本的に個人に合わせて作るから量産機はないよ」

 

 

ラウラ「これが量産されたらある意味世界中が混乱するな」

 

 

ラン『優希様、聞こえますか?』

 

 

皆で話していると優希にランから念話が届いた。

 

 

優希『どうしたの?』

 

 

ラン『申し訳ありません、目を離した隙にキャリーペンギン達が脱走しました』

 

 

優希『脱走?』

 

 

ラン『はい、メンテナンスをしようと準備していましたが、私では嫌がり優希様の下に向かったと思われます』

 

 

優希『わかった、こっちで何とかするから気にしなくていいよ』

 

 

ラン『ありがとうございます。アレに関しては順調に進んでいます』

 

 

優希『うん、お願い』

 

 

ラン『はい、受けたわりました。では』

 

 

ランとの念話が終わると…

 

 

優希「問題発生」

 

 

なのは達「!!」

 

 

優希はなのは達に問題を話した。

 

 

 

アリサ「それで優希、キャリーペンギン達がここに向かっているのは確かなの?」

 

 

優希「ランのメンテナンスを嫌がったって事は多分僕のメンテナンスを受けたいからだと思う」

 

 

すずか「でもここに来れるの?」

 

 

なのは「場所知らないよね?」

 

 

優希「これがある」

 

 

優希はポケットから電子手帳を取り出した。

 

 

フェイト「それでわかるんだ」

 

 

優希「……」コク

 

 

真耶「何を話しているんですか?」

 

 

優希達が話していると山田先生がやってきた。

 

 

なのは「先生、お願いがあるんですけど…」

 

 

真耶「何ですか?」

 

 

なのははうまくごまかし、キャリーペンギン達が荷物として届くという事にした。

 

 

真耶「わかりました。職員室には私から連絡しておきます」

 

 

なのは「ありがとうございます。ほらユウも」

 

 

優希「ありがとう」

 

 

真耶「どういたしまして」

 

 

真耶はそういうと優希の頭を撫でた。

 

 

 

真耶「所で皆さんは期末試験の準備は大丈夫ですか?」

 

 

一夏「あっ…」

 

 

若干一名ヤバそうな声を上げた。

 

 

真耶「訓練もいいですが、勉強も頑張らないと駄目ですよ?」

 

 

一夏「はい…」

 

 

鈴「アンタ達は大丈夫なの?」

 

 

アリサ「大丈夫よ」

 

 

すずか「勉強もちゃんとやっているよ」

 

 

箒「余裕そうだな」

 

 

フェイト「猛勉強したからね…」

 

 

なのは「アハハ…」

 

 

優希「赤点は許さない」

 

 

ラウラ「当然だな」

 

 

はやて「あの勉強はもう嫌や」

 

 

一人だけトラウマになりかけていた。

 

 

優希「もし、前回より点数が低かったら…」

 

 

フェイト「ひ、低かったら?」

 

 

ポン

 

 

優希「これをやってもらう」

 

 

優希は辞書の厚さ位ある問題集を取り出した。

 

 

はやて「優希君、それはちょっと…」

 

 

なのは「辛いかな…」

 

 

優希「頑張る」

 

 

はやて「鬼がおる…」

 

 

優希の厳しさをなのは達は改めて知った。

 

 

アリサ「そこ違うわよ」

 

 

シャルロット「あ、本当だありがとう」

 

 

カリカリ、カリカリ

 

 

優希「……スゥ…」

 

 

なのは「う~ん…フェイトちゃん分かる?」

 

 

フェイト「ここはね…」

 

 

はやて「優希君はええなぁ…ゆっくりお昼寝出来て…」

 

 

すずか「まぁまぁ、愚痴ってもしょうがないよ?」

 

 

はやて「せやな…」

 

 

期末テストが間近な休日、なのは達はテストに向けて勉強会をしていた。

優希も最初は起きていたがあまり教える事がないと分かると部屋の中にハンモックを設置して昼寝を始めた。

 

 

シャルロット「でも、こうやって見ると小さな子供だよね」

 

 

すずか「中身は大人だけど、ほとんど子供と同じだよ」

 

 

なのは「だけど安心するよ、今のユウを見てるとゆっくりしてるんだもん」

 

 

シャルロット「そうなの?」

 

 

アリサ「まあね、優希は色々な問題を抱えてるしね」

 

 

シャルロット「問題?」

 

 

フェイト「今じゃ世界的に狙われてるからね」

 

 

シャルロット「世界から!?」

 

 

すずか「小数とはいえ、ISと同等のデバイス。技術力なら世界一とも言えるからね」

 

 

なのは「心休まる時は少なかったんじゃないかな」

 

 

 

シャルロット「そっか…」

 

 

シャルロットは優希に近づき撫でようとしたが…

 

 

ゴロン

 

 

優希がハンモックの上で器用に寝返りシャルロットの手を避けた。

 

 

シャルロット「……」

 

 

ゴロン

 

 

もう一度撫でようとするが又も寝返りをしてシャルロットの手を避けた。

 

 

シャルロット「起きてる?」

 

 

優希「……スゥ…」

 

 

シャルロットは優希が起きてると思ったが寝息は聞こえているので寝ていると思えるが、何故か負けた気がしてならないシャルロットであった。

 

 



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第105話

 

アリサ「ファイヤー、ナックル!!」

 

 

フェイト「バルディシュ!!」

 

 

バルディシュ『プロテクション』

 

 

ズドン!!

 

 

なのは「二人とも派手にやってるな~」

 

 

優希「良いデータが録れる」

 

 

すずか「ストレス発散にもなってるから、それで優希君?シミュレータの方はどう?」

 

 

優希「良い出来」

 

 

優希達はアリサ達の方を再びみた。

 

 

フェイト「いくよ!!」

 

 

バルディシュ『ハーケンセイバー』

 

 

アリサ「こっちだって!!」

 

 

イフリート『ファイヤーナックル』

 

 

ズドン!!

 

 

二人の技がぶつかるとシミュレータで出来た市街地がどんどん壊れていった。

 

 

はやて「あの二人が街中で喧嘩したら街はこうなるんかな?優希君?」

 

 

優希「…多分、強度も普通の建物と一緒だから」

 

 

すずか「大丈夫だよ。二人とも仲良いから♪」

 

 

なのは「女の子の友情は固いんだから♪」

 

 

優希「……」

 

 

そのわりに自分が寝る部屋を決める時は壮絶な言い合いをするくせにと思いつつ口には出さない優希であった。

 

 

はやて「それで優希君?この戦闘はいつ終わるん?」

 

 

優希「…決着がつくか、二人が飽きるまで」

 

 

はやて「ようするにガチでやってるんやな」

 

 

優希「そうとも言う」

 

 

なのは「二人とも負けず嫌いだから」

 

 

すずか「また引き分けになるんじゃないかな?」

 

 

今までも決着がつかず引き分けになる事があったが最近は実力的に同じな為に引き分ける回数が増えて来ていた。

 

 

優希「……終わる」

 

 

ズガガガン!!

 

 

アリサ「……」

 

 

フェイト「……」

 

 

激しいぶつかりがおき、二人の動きが止まるとアリサの首もとでバルディシュが止まっており、フェイトの顔の前でアリサの拳が止まっていた。

 

 

優希『そこまで、終わり』

 

 

優希が終了宣言をすると二人は構えを解き優希達の所に戻ってきた。

 

 

 

アリサ「優希、どう?データは録れた?」

 

 

フェイト「どうだった?」

 

 

優希「よく録れた」

 

 

優希はチュウ太を見せながら答えた。

 

 

優希「でも…」

 

 

優希がアリーナを見るとボロボロになった市街地があった。

これがシミュレータじゃないと思うとゾッとする。

 

 

優希「やり過ぎ」

 

 

アリサ「まぁ…」

 

 

フェイト「ちょっとストレスが…」

 

 

ストレス発散で街を破壊出来る力を出すのは問題である気がするのは自分だけだろうか?

 

 

優希「それでどうだった?」

 

 

アリサ「そうね、感触も本物に近いし、良いと思うわ」

 

 

フェイト「うん、ビルが壊れた時に粉塵が舞うのも良かったよ」

 

 

優希「良かった」

 

 

感想を聞くと優希はシミュレータを手元に戻した。

 

 

なのは「じゃあ次は私たちかな?」

 

 

すずか「そうだね。最近動いてないから、少しは動かないと」

 

 

優希「…太った?」

 

 

ゴチン!!

 

 

すずか「うん?何か言った優希君?」

 

 

優希「~~!!」

 

 

物凄い早さで優希はすずかに拳骨を食らった。

 

 

はやて「自業自得やな」

 

 

はやては呆れながらも優希の頭を撫でて痛みを和らげていた。

 

 

 

優希「次は…」

 

 

ピ、ピ、ピ!

 

 

優希「えぃ」

 

 

優希がシミュレータを投げると今度は森がアリーナに現れた。

 

 

なのは「今度は森か~」

 

 

すずか「市街地に比べればやりやすいかな」

 

 

優希「一本勝負」

 

 

なのは「うん、いいよ」

 

 

すずか「私もいいよ」

 

 

優希「じゃあ始める」

 

 

なのは「空に上がるね?」

 

 

なのはとすずかはバリアジャケット纏うと空に上がった。

 

 

優希『レディ…ゴウ!!』

 

 

優希が念話で合図すると模擬戦を開始した。

 

 

なのは「レイジングハート!!」

 

 

すずか「ウンディーネ!!」

 

 

レイジングハート『アクセルシューター』

 

 

ウンディーネ『アクアシューター』

 

 

ズドドドドン!!

 

 

激しいシューターのぶつかり合いの後、その場からすずかが飛び立ちその後を追うようになのはが飛び追跡した。

 

 

アリサ「優希、アンタはこの戦闘どっちが勝つと思う?」

 

 

優希「魔法の技術ならなのはお姉ちゃんが有利。でも戦略ならすずかお姉ちゃんが有利」

 

 

フェイト「つまりどっちが勝ってもおかしくないわけだ」

 

 

はやて「今回も引き分けるんやないか?」

 

 

三人が空を見上げると激しい撃ち合いが行われていた。

 

 

なのは「ディバイ~ン、バスター!!」

 

 

すずか「ウンディーネ!!」

 

 

ウンディーネ『プロテクション』

 

 

ズドン!!

 

 

すずかはシールドを張るとそのままなのはに押され地面激突した。

 

 

フェイト「すずか!?」

 

 

アリサ「おかしいわね?すずかならアレ位避けれるはず」

 

 

はやて「確かに」

 

 

すずかが落下した地点の煙が晴れるとそこにすずかの姿はなかった。

 

 

なのは「いない!?」

 

 

ウンディーネ『リングバインド』

 

 

ガシッ!!

 

 

なのは「バインド!?」

 

 

すずか「ウンディーネ!!」

 

 

ウンディーネ『アクアバスター』

 

 

ズドン!!

 

 

バインドでなのはの動きを止めたすずかは後ろに回り、砲撃を放った。

 

 

 

すずか「やった…かな?」

 

 

 

ウンディーネ『いえ、まだのようです』

 

 

ウンディーネの知らせに呼応するようになのはが空に上がってきた。

 

 

なのは「流石だね、すずかちゃん」

 

 

すずか「なのはちゃんもね」

 

 

二人が向かい合っていると優希が念話で話かけてきた。

 

 

優希『お姉ちゃん達』

 

 

なのは『ユウ?』

 

 

すずか『どうしたの?』

 

 

優希『時間』

 

 

アリサ『アリーナの使用時間が来たのよ』

 

 

優希の代わりにアリサがなのは達の質問に答えた。

 

 

なのは「じゃあ…」

 

 

すずか「ここまでだね」

 

 

なのは達はゆっくりと優希の側に降りた。

 

 

優希「ごめんなさい」

 

 

すずか「いいよ、優希君」

 

 

なのは「データは録れた?」

 

 

優希「ばっちり」

 

 

フェイト「優希、デバイスは預けた方がいい?」

 

 

優希「大丈夫、今は調整しなくても大丈夫」

 

 

アリサ「ならいいわね」

 

 

ビュン

 

 

優希「これも完成」

 

 

優希は手元にシミュレータを戻した。

 

 

はやて「ほな、部屋に戻ろか?」

 

 

なのは「そうだね」

 

 

なのは達は部屋に戻っていった。

 

 

 

優希「メッ!!」

 

 

 

キャリーペンギン「クェ~…」

 

 

キャリーバイソン「モォ…」

 

 

異様な光景である。優希が自分よりも巨体なロボットを叱っているのである。

 

 

一夏「何だこれ?」

 

 

アリサ「ちょっと説教中なのよ」

 

 

セシリア「ロボットにですの?」

 

 

すずか「あの子達もAI積んでるから」

 

 

鈴「ねぇ、相談なんだけど…」

 

 

すずか「技術提供ならしないよ」

 

 

鈴が頼もうとした事を先にすずかが遮った。

 

 

シャルロット「それでアレは何なのかな?」

 

 

フェイト「アレは運搬専用のロボットだよ。あの中には私達の装備が入ってるの」

 

 

箒「デバイスという奴か?」

 

 

なのは「それに近いかな。ユウ~」

 

 

優希「?」

 

 

なのは「お説教はそれくらいにして、そろそろアリサちゃん達の装備を見せて」

 

 

優希「…わかった」

 

 

シャルロット「なのは達も見るの始めてなの?」

 

 

アリサ「そうよ、私達のは後から作られたから」

 

 

なのは達の視線が優希に集まると優希はキャリーバイソンに声をかけた。

 

 

優希「バイソン、今週のビッ…」

 

 

スパン!!

 

 

はやて「あかん!!そんな分かる人が少ないネタを使ったら」

 

 

シャルロット「……優希ってボケ担当?」

 

 

すずか「優希君の性格からしてそれは無いんだけど…」

 

 

アリサ「はやてが来てから変な影響を受けたみたいね」

 

 

頭を押さえてる優希にはやてはお笑いについて熱く語っていた。

 

 

アリサ「仕方ないわね」

 

 

はやて「優希君!!お笑いちゅうのは人を常に楽しませるものや!何時如何なる時にも笑いを忘れたらいかん!ええな!」

 

 

スパン!!

 

 

今度ははやてが頭を押さえてしゃがんでいた。

 

 

アリサ「少し静かにしてなさい」

 

 

のたうち回るはやてにアリサ淡々言い放った。

 

 

すずか「優希君、お願い」

 

 

優希「…バイソン、出して」

 

 

キャリーバイソン「モォ!!」

 

 

優希に声をかけられたキャリーバイソンは二体のマシンをだした。

 

 

アリサ「これが…」

 

 

すずか「鎧…」

 

 

優希「バーニングベア、ウォーターポーラー」

 

 

アリサ「…スペックは?」

 

 

優希「ペガサス達と同じ」

 

 

すずか「十分だよ」

 

 

ここでなのはがある事に気付いた。

 

 

なのは「ねぇユウ?あの七番には何が入ってるの?」

 

 

優希「……」

 

 

優希はなのは達から目を反らした。

 

 

 

アリサ「優希、何が入ってるの?」

 

 

優希「……」

 

 

シュン

 

 

バルディシュ『ソニックムーブ』

 

 

ガシッ!!

 

 

優希が身体強化で逃げようとしたがフェイトがソニックムーブで即座に動き捕まえた。

 

 

アリサ「さぁ優希、答えなさい。場合によっては覚悟は出来てるわね?」

 

 

優希「ちょっと気分がのって…」

 

 

すずか「それで何を作ったの?」

 

 

優希「……」

 

 

優希は皆から目を反らした。

 

 

アリサ「こっちを見なさい」

 

 

アリサが手で顔の向きを変えると優希は涙目で怒るの?とアリサに訴えていた。

 

 

アリサ「うっ…」

 

 

優希「……」ウルウル

 

 

アリサ「わかったわよ、怒らないから説明はしなさい」

 

 

優希「わかった、バイソン出して」

 

 

キャリーバイソン「モォ!!」

 

 

優希の合図にバイソンは七番のマシンを出した。

 

 

はやて「……タイガー?」

 

 

優希「ボンバータイガー」

 

 

すずか「名前が物騒なんだけど…」

 

 

優希「スペックはこの通り♪」

 

 

優希はチュウ太にボンバータイガーのスペックを表示させてなのは達に見せた。

 

 

なのは「…う~ん、これは誰が着ける事を前提に作ったの?」

 

 

優希「誰も。この子は武器さえ使えれば誰でも使える」

 

 

はやて「広域ならウチと相性がええけど」

 

 

優希「この子は単体でも広域攻撃が出来るから」

 

 

フェイト「しばらくは保留だね」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「それで優希?」

 

 

すずか「私たちも武装のチェックしたいんだけど」

 

 

優希「わかった、ペンギン。二番から四番を出して」

 

 

今度はキャリーペンギンに合図を出すとアーマーペガサス、ソニックファルコン、アイスドルフィンを出した。

 

 

なのは「私たちもいいの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

シャルロット「何か嬉しそうだね?」

 

 

フェイト「うん、私たちも着ける許可が出なかったから」

 

 

鈴「なんでよ?」

 

 

なのは「鈴ちゃん達ならわかるでしょ?アクセルシステムがどれ程凄いシステムか」

 

 

セシリア「多様しないって事ですのね」

 

 

フェイト「そんな感じかな」

 

 

優希「準備はいい?」

 

 

なのは「うん、いいよ」

 

 

なのは達はセットアップを完了すると並んで立った。

 

 

優希「アーマーセットアップ」

 

 

優希が声をかけるとペガサス達はなのは達のアーマーになった。

 

 

優希「どう?」

 

 

フェイト「問題ないよ」

 

 

優希「なら、タイガー」

 

 

ボンバータイガー「がぅ」

 

 

優希「全弾発射」

 

 

ボンバータイガー「がぉ!!」

 

 

ボンバータイガーは距離を取ると優希達に向かってミサイルを放った。

 

 

はやて「ちょっと!?」

 

 

アリサ「ぼさっとしない!」

 

 

カチッ

 

 

すずか「私たちも!!」

 

 

カチッ

 

 

アリサがアクセルシステムを使うとすずか達も続いてアクセルシステムを使った。

すると瞬く間にミサイルが撃墜された。

 

 

アリサ「ふぅ」

 

 

するとなのは達は優希の前に一瞬で現れた。

 

 

なのは「もう、ユウ?いきなりはビックリしたよ」

 

 

優希「でも、問題なかったでしょ?」

 

 

すずか「うん、なかったよ」

 

 

アリサ「やっぱり凄いシステムね」

 

 

優希「アーマー解除」

 

 

優希が声をかけるとペガサス達はマシンの姿に戻った。

 

 

一夏「凄いな」

 

 

セシリア「そうですわね、この技術力は喉から手が出るほど欲しいですわ」

 

 

ラウラ「優希、我がドイツに来ないか?」

 

 

セシリア「抜け駆けですわ!!是非イギリスに!」

 

 

鈴「ちょっと!?中国に来なさいよ」

 

 

優希「……考えておく」

 

 

優希の意外な答えにセシリア達は喜んだ。

 

 

アリサ「優希、どういうつもり?」

 

 

優希「重要だから」

 

 

すずか「でも、関わりをもつと余計にややこしくなるよ?」

 

 

優希「このままじゃいけないから」

 

 

フェイト「なんで?」

 

 

優希「……」

 

 

カサカサ

 

 

優希は無言で財布を出すと逆さまにして財布を振った。

 

 

はやて「……マジで?」

 

 

優希「そろそろ蓄えたい」

 

 

なのは「余裕ないの?」

 

 

優希「二三年なら余裕」

 

 

アリサ「それなら…」

 

 

優希「僕が開発しない事が前提」

 

 

なのは「なんで急に無くなったの?」

 

 

優希「こないだの弁償で」

 

 

すずか「あ~…納得。それ以外に方法ないの?」

 

 

優希「後は、ランが株で資金を調達してくれてる」

 

 

フェイト「成果が出るのは?」

 

 

優希「来月位」

 

 

アリサ「なら、優希。少し休みなさい」

 

 

優希「?」

 

 

アリサ「アンタは少し働きすぎ。だからここいらで一度休みなさい」

 

 

優希「でも…」

 

 

なのは「もしもの時は私達も働くから。ユウは少し休んで」

 

 

優希「…わかった」

 

 

協議の結果なのは達は優希を休ませる事にした。

だがここで否をとなえてきたのは誘ったセシリア達であった。

 

 

鈴「ちょっと!?せっかくのチャンスを!!」

 

 

セシリア「そうですわ!!優希さんは世界に必要です!!」

 

 

ラウラ「そうだな。優希が研究から手を引いたら世界的な損害だ」

 

 

フェイト「何を言っているの?優希はこれまで働き続けているんだよ?優希だって人間だよ、この辺で休ませたいし」

 

 

なのは「もしこれ以上優希を働かせるつもりなら友達でも許さないよ?」

 

 

一触即発な状態にシャルロットが待ったをかけた。

 

 

シャルロット「みんな、落ち着いて!!」

 

 

シャルロットが間に入り険悪なムードを止めた。

 

 

優希「なら、こうしよう」

 

 

すると優希は妥協案を出した。

 

 

優希「僕の休日が終わり、技術提供が欲しい国は料金しだいで動く」

 

 

ラウラ「それは一番高い値をつけた国に技術を提供するということか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

鈴「なるほど、資金を確保しつつ自分の自由も確保するわけ」

 

 

セシリア「これは私達だけでは決められませんわ…」

 

 

セシリア達は優希の条件を伝える為にそれぞれの国に連絡をした。

 

 

アリサ「まぁ、私達が許可するまでは開発は中止だし。しばらくはゆっくり羽を伸ばしなさい」

 

 

アリサの言葉に優希は頷きしばらくは休日を満喫する事に決めた。

 

 

 

優希「水着?」

 

 

アリサ「そう、今年の新作が欲しいの」

 

 

優希「去年のがあるでしょ」

 

 

すずか「駄目だよ優希君!!」

 

 

はやて「女の子には新作は必需品なんやで!!」

 

 

優希「それを経費からだせと?」

 

 

フェイト「やっぱりダメ?」

 

 

優希「経費から出るわけないでしょ…」

 

 

なのは「そこをなんとか!!」

 

 

優希「お小遣いあるでしょ」

 

 

アリサ「それは…」

 

 

すずか「おしゃれには…」

 

 

はやて「お金がかかるんや…」

 

 

優希「…却下」

 

 

なのは「ユウ、お願い!!」

 

 

なのはは優希に向かって拝んだ。

 

 

優希「……ハァ…わかった。経費から出すよ。けど自重してよ?」

 

 

なのは「ありがとう、ユウ♪」

 

 

はやて「ほなら早速買いに行こう♪」

 

 

優希「はい」

 

 

優希は財布を出すとなのはに預けた。

 

 

フェイト「じゃあ行ってくるね♪」

 

 

軍資金を手に入れたなのは達は意気揚々に出掛けていった。

 

 

 

優希「……」

 

 

シャルロット「何をしてるの優希?」

 

 

優希「散歩」

 

 

優希が歩いているとシャルロットが優希を見つけ声をかけてきた。

 

 

シャルロット「なのは達と一緒じゃないの?」

 

 

優希「買い物にいった」

 

 

シャルロット「優希はついて行かなかったの?」

 

 

優希「長いから嫌」

 

 

シャルロット「アハハ…」

 

 

心当たりがあるのかシャルロットは乾いた笑いをした。

 

 

優希「それで何かよう?」

 

 

シャルロット「ううん、歩いているのが見えたから声をかけたんだ」

 

 

優希「シャルロットさんは準備は終わったの?」

 

 

シャルロット「準備?あぁ、課外授業の事だね。うん、終わったよ。優希はついていくの?」

 

 

優希「……」コク

 

 

シャルロット「じゃあ向こうに着いたら一緒に遊ぼう♪」

 

 

優希「……」コク

 

 

シャルロット「優希は泳げるの?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

シャルロット「じゃあ一緒に練習しようか?」

 

 

優希「……嫌」

 

 

シャルロットの誘いにOKを出した優希だが、泳ぎの練習は拒否反応をしめした。

 

 

シャルロット「なんで?泳げた方が楽しいよ?」

 

 

優希「砂浜で遊ぶからいい」

 

 

シャルロット「楽しいのに」

 

 

優希が嫌がっているのが分かるとシャルロットは無理には誘わなかった。

 

 

シャルロット「優希、今暇なんでしょ?お茶しない?」

 

 

優希「……」コク

 

 

シャルロット「決まりだね♪じゃあ行こうか♪」

 

 

シャルロットがお茶に誘い、なのは達が帰って来るまで優希はシャルロットと一緒に過ごした。

 

 



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第106話

 

 

リナ「夏だ♪」

 

 

リィン「海です♪」

 

 

はやて「そして水着や♪」

 

 

スパン!!スパン!!スパン!!

 

 

アリサ「全く…何をしてるのよ」

 

 

はやて「アリサちゃん、どこから出したんそのハリセン…」

 

 

アリサ「乙女の秘密よ」

 

 

アリサにハリセンで叩かれたはやて達はうずくまり、はやてはハリセンの謎をアリサ訊ねた。

 

 

優希「…乙女?」

 

 

スパン!!

 

 

アリサ「文句ある?」

 

 

優希が疑問したら迷わずアリサが先ほどより強めに優希を叩き、優希は頭を押さえて座り込んだ。

 

 

優希「…ないです」

 

 

アリサ「よろしい、それで優希?私達の水着に感想はないのかしら?」

 

 

優希「ノーコメント」

 

 

感想を求められた優希だが照れているため返答を濁した。

 

 

なのは「それじゃあ泳ごうよ、ユウはどうする?」

 

 

優希「ここにいる」

 

 

フェイト「じゃあちょっと泳いでくるね」

 

 

なのは達が海に入るのを確認すると優希は砂山を作りちょっとずつ削り始めた。

 

 

リィン「優希ちゃん、リィンもやっていいです?」

 

 

リナ「私も♪」

 

 

優希「……」コク

 

 

 

リナとリィンも優希と一緒に遊び始めた。

 

 

優希「……」

 

 

シャルロット「ゆ~う~き♪」

 

 

優希「?」

 

 

呼ばれた方を見ると水着姿のシャルロットがいた。

 

 

シャルロット「なにしてるの?」

 

 

優希「砂の城作ってる」

 

 

シャルロット「優希は作ることが好きなんだね」

 

 

優希「まあね」

 

 

シャルロットが見てると砂山が段々と城になっていった。

 

 

シャルロット「り、リアルだね」

 

 

優希「そう?」

 

 

リィン「優希ちゃん、こっちは出来たですよ♪」

 

 

リナ「私も出来たよ♪」

 

 

優希「……出来た」

 

 

シャルロット「はや!?」

 

 

リィン「優希ちゃん、次は何をするです?」

 

 

優希「ゆっくりする」

 

 

シートに寝転がると優希はゴロゴロした。

 

 

シャルロット「じゃあ私もご一緒しようかな」

 

 

シャルロットは優希と一緒にゆっくり過ごした。

 

 

 

千冬「では、これより専用機持ちの訓練を開始する」

 

 

鈴「先生、シャルロットと箒は専用機をもっていませんが?」

 

 

千冬「デュノアは専用機を持っていた経験があるから第三者の意見がお前達も聞けると思い呼んだ。篠ノ之は…」

 

 

?「ち~ちゃ~ん!!」

 

 

物凄い勢いで機械のウサミミを着けた女性が走ってきて、少し離れた位置からジャンプすると千冬に飛びついた。

 

 

千冬「うるさいぞ束」

 

 

しかし千冬は飛びついた束をアイアンクローでキャチした。流石にこの光景についていけない一夏達となのは達は呆然と見ていた。

 

 

千冬「束、自己紹介位しろ」

 

 

束「え~…私が天才科学者の篠ノ之束さんだよ~♪」

 

 

自己紹介を簡単にすると箒に近付いた。

 

 

束「箒ちゃん大きくなったね?特に…」

 

 

バキッ!!

 

 

ある部分を見ながら言った束を箒はどこから出したのか木刀で殴った。

 

 

箒「殴りますよ」

 

 

束「殴ってから言った~!!まぁいいや。それより君が高町優希だね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

すぐに立ち直ると束は優希に近付いた。

 

 

束「デバイスって兵器を作り、小規模ではあるけどISと同等に作りあげた…君は何?」

 

 

優希「僕はただ作るのが好きなだけ。世界なんて知らない」

 

 

束「アハハ♪そっか♪」

 

 

束は優希の答えに満足すると少し離れ空を指差した。

 

 

束「さぁ、ご覧あれ!!これが束さんが開発した第4世代のIS、赤椿!!」

 

 

束が口上を言うとISが空から降ってきた。

 

 

束「さぁ箒ちゃん、最適化しようか」

 

 

呼ばれた箒は赤椿に乗ると束は最適化を始め機動チェックも始めた。

一夏達はその性能に驚いていた。すると突然真耶が走りこんできた。

 

 

真耶「織斑先生!!大変です!!」

 

 

情報端末を千冬に渡すとすぐに指示かきた。

 

 

千冬「訓練中止!!お前達にやってもらいたい事がある」

 

 

千冬の指示を受けた一夏達となのは達は旅館に急いで戻った。

 

 

 

優希「ぶ~…」

 

 

なのは達が千冬に連れて行かれてしまった為に優希は暇をもて余した。すると…

 

 

チュウ太「旦那~」

 

 

優希「どうだった?」

 

 

チュウ太「情報を盗ってきやした。チュウナーズも一匹置いてきやした」

 

 

チュウ太は本形態になると優希に情報を見せた。

 

 

優希「実験開発中の福音が暴走?」

 

 

チュウ太「旦那?何かありやす?」

 

 

優希「福音の暴走を止める役目は…一夏さんと箒さん?何でこんな経験が浅い二人を…発案者は束さん?…チュウ太福音の暴走の原因調べて」

 

 

チュウ太「旦那はどうするんで?」

 

 

優希「福音の様子を見に行く」

 

 

チュウ太「旦那が行く必要あるんすか?」

 

 

優希「戦闘経験が浅い二人を戦場に出すのはおかしい。だからついでに二人の様子を見に行く」

 

 

チュウ太「わかりやした、あっしはペンダントで作業してやす」

 

 

優希「リナ」

 

 

リナ「はいは~い♪何時でも行けるよ」

 

 

優希がリナを呼ぶとペンダントから出てきた。

 

 

優希「もうすぐ出発するみたいだから僕達も行く」

 

 

リナ「わかった、行くよ~」

 

 

優希、リナ「ユニゾン、イン」

 

 

リナとユニゾンするとチビ黄龍フォームになると空に上がり一夏達に見つからないようにチビストームフォームになり後をついていった。

 

 

 

優希「リナ、どう?」

 

 

リナ『大丈夫♪ちゃんと反応を追ってるよ』

 

 

優希「?リナ、浮かれてない?」

 

 

一夏達を追っている優希だかリナの様子がちょっとおかしい為に優希はリナの心配をした。

 

 

リナ『ちょっとね、優希ちゃんと二人きりになるの久し振りだから』

 

 

優希「しっかりして」

 

 

リナ『大丈夫、これでも私は優希ちゃんのお姉ちゃんなんだよ!!』

 

 

優希「もうすぐ戦闘区域にはいる?」

 

 

リナ『そうだね、サーチャーを付けているからこの辺で待機しようか』

 

 

優希「いつのまに…」

 

 

リナ『私だって優希ちゃんを守るデバイスだよ?それに優希ちゃん気付いてないと思うけどこの先の戦闘区域は衛星からも見張られてるよ』

 

 

優希「衛星から?何でわざわざそんなこと」

 

 

リナ『多分各国でも福音の性能に興味があるんじゃないかな?って優希ちゃん、どうやら戦闘が始まったみたいだよ』

 

 

優希「モニター出して」

 

 

リナ『はいは~い』

 

 

リナは返事をすると優希の前にモニターを出した。

 

 

優希「……」

 

 

優希がモニターを見ると一夏と箒は連携で福音に立ち向かっていた。

 

 

リナ『無人機にしては中々の性能だね』

 

 

優希「この世界ではね」

 

 

優希達が話していると一夏達に異変がおきた。

 

 

リナ『どうしたのかな?』

 

 

優希「…リナ、一夏さんの下拡大して」

 

 

モニターを拡大すると一夏の下に船が写っていた。

 

 

リナ『何で!?この辺は封鎖されているのに!!』

 

 

優希「多分、密漁船」

 

 

リナ『見て優希ちゃん!!箒ちゃんが!!』

 

 

箒の赤椿がエネルギー切れをおこし始めた。

それを見た福音は箒は攻撃するが一夏が盾になり被弾しシールドエネルギーを超えるダメージをおって箒と一緒に落下し始めた。

 

 

優希「まずいな、リナ行くよ」

 

 

リナ『でも!!』

 

 

優希「監視を気にしてる場合じゃない、チュウ太」

 

 

チュウ太「へい!!」

 

 

チュウ太はペンダントから出てくると優希の肩に掴まった。

 

 

優希「お姉ちゃん達に映像送って、チュウ太はキツいと思うけどしっかり掴まっていて」

 

 

チュウ太「がってん!!」

 

 

優希「リナ、バーニングフォーム」

 

 

リナ『了解!!』

 

 

優希「ファンネル展開、その間に一夏さんと箒さんを回収」

 

 

リナ『ファンネル展開!!制御は任せて!!』

 

 

ファンネルを展開させると優希は一夏達の回収に向かった。

 



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第107話

 

真耶「織斑君!!篠ノ之さん!!」

 

 

真耶が通信で呼び掛けるが反応は返ってこなかった。

 

 

千冬「…教師部隊に救援を」

 

 

レイジングハート「マスター」

 

 

なのは「レイジングハート?」

 

 

レイジングハート「優希様から中継映像が届いています」

 

 

真耶「織斑先生、区域に不明機の反応出てます」

 

 

なのは「まさか!?レイジングハート!映像出して」

 

 

レイジングハートが映像を出すとチュウ太から送られた映像が写し出された。

 

 

チュウ太『旦那!!通信繋がりやした!!』

 

 

優希『お姉ちゃん聞こえる?』

 

 

アリサ「優希!!アンタ何をしてるのよ!!」

 

 

優希『お説教は後!怪我人一名』

 

 

千冬「現状を説明しろ!!」

 

 

優希『チュウ太』

 

 

チュウ太『福音と戦闘していた二名が負傷、一夏坊っちゃんが重症でさ』

 

 

セシリア「一夏さんが!?」

 

 

チュウ太『旦那が回収しやしたが現在福音に追撃されてやす!!』

 

 

真耶「すぐに教師部隊を」

 

 

チュウ太『どの位でさ!?』

 

 

真耶「早くても二十分は…」

 

 

優希『ちょっとキツイ』

 

 

チュウ太『旦那どうしやす?』

 

 

優希『お姉ちゃん』

 

 

なのは「なに?」

 

 

優希『ちょっと無茶する』

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

アリサ「かまわないわ、無事に帰ってきなさい」

 

 

なのは「アリサちゃん!!」

 

 

すずか「今は優希君の無事と一夏君達の回収が優先だよ」

 

 

なのは「でも!!」

 

 

優希『チュウ太、手帳出して』

 

 

チュウ太はポケットから手帳引っ張り出した。

 

 

優希『048を押して』

 

 

チュウ太『へい!!』

 

 

チュウ太はボタンを押すと手帳をしまった。

 

 

すずか「大丈夫?」

 

 

優希『正直キツイ』

 

 

優希は反撃しながら何とか福音を引き離そうとしているが二人も抱えている為に逃げ切れずにいた。

 

 

 

優希「この!!」

 

 

優希は魔力砲で牽制するが福音はかわすとどんどん近付いてきていた。

 

 

チュウ太「旦那!!」

 

 

優希「このままじゃ僕達も落とされる」

 

 

チュウ太「旦那!!さっき呼んだマシンは何でこないんすか!?」

 

 

優希「多分向かってる最中、流石にもうもたない…」

 

 

なのは『がんばってユウ!!』

 

 

アリサ『…優希、リミッターを外しなさい』

 

 

チュウ太『姐さん!?』

 

 

すずか『…でも』

 

 

アリサ『優希の無事が優先よ』

 

 

チュウ太「旦那!!後ろ!!」

 

 

優希「!?」

 

 

優希が後ろを向くと福音がシルバーベルを展開し優希に向けて放った……がそれと同時に優希の前を巨大なマシンが通った。

 

 

 

チュウ太「な、なんすかこれ!?」

 

 

優希「間に合った」

 

 

ポー!!

 

 

チュウ太「SL?」

 

 

巨大マシン。優希が設計したSL型マシン、タイムトラベラー。

 

 

ラン「優希様!!」

 

 

優希「二人をお願い」

 

 

優希は屋根に立っているランに一夏達を渡した。

 

 

チュウ太「旦那!!後ろに又来やす!!」

 

 

優希「調子に…」

 

 

そのまま後ろに振り向き福音の頭を掴むとその顔に…

 

 

優希「のるな!!」

 

 

手を放したと同時に蹴りを放ち福音を蹴り飛ばした。

 

 

優希「リナ!!」

 

 

リナ『ファンネルいくよ~!!』

 

 

更にリナがファンネルを放ち福音を追い詰めた。

 

 

 

なのは「な、何あれ!?」

 

 

フェイト「電車?」

 

 

はやて「あれはSLやな」

 

 

アリサ「すずか、何か聞いてる?」

 

 

すずか「私が聞きたい位だよ~!!」

 

 

なのは達が混乱していると更に混乱した鈴達がいた。

 

 

鈴「なんなのよアレは!?」

 

 

セシリア「電車が飛んでますわ…」

 

 

ラウラ「優希の科学力はここまで凄いのか…」

 

 

シャルロット「凄いな~…」

 

 

千冬「…福音は?」

 

 

千冬も驚いているが表には出さず、モニターを操作しているなのはに声をかけた。

 

 

なのは「は、はい!ユウ!!」

 

 

チュウ太『なんすか姐さん?』

 

 

なのは「福音は?」

 

 

チュウ太『旦那が今迎撃してやす。今度は優勢でさ~!!』

 

 

なのは「だそうです」

 

 

千冬「撃墜は可能か?」

 

 

なのは「ユウ、撃墜出来る?」

 

 

優希『壊していいの?』

 

 

優希の返答は可能である事を告げていた。

 

 

千冬「可能であれば撃墜しろ、更に可能であれば捕獲しろ」

 

 

なのは「ユウ、聞こえた?」

 

 

優希『わかった。バル、起きて』

 

 

バルディシュⅡ『イエス、サー』

 

 

優希『リナ、ブリザードフォーム』

 

 

優希はフォームを変えるとバルディシュを構えた。

 

 

優希『ファランクス』

 

 

優希が魔法の準備をすると優希の周りにスフィアが二十個展開された。

 

 

優希『撃ち…砕け!!』

 

 

優希が魔法を放つと若干一名、赤面していた。

 

 

フェイト「なんで!?優希知ってるの~///」

 

 

毎秒五発、二十個のスフィアから撃ち出される魔法は十秒続いた。

 

 

シャルロット「うわ~…」

 

 

鈴「…福音無事?」

 

 

セシリア「跡形もないと思いますわ…」

 

 

ラウラ「あの武装…いい」

 

 

若干一名、違う所に関心していた。

 

 

千冬「…福音はどうなった?」

 

 

真耶「こちらのレーダーでは反応ありません」

 

 

なのは「ユウ、福音は?」

 

 

モニターの中で優希が指差すと煙が晴れ、ルネに腕を噛まれてぶら下がっている福音が写し出された。

 

 

優希『停止させた』

 

 

千冬「なら持ち帰ってくれ」

 

 

優希『わかった』

 

 

通信が切れると指令室内の空気が千冬の一言で和んだ。

 

 

千冬「作戦終了」

 

 

鈴「はぁ~…って一夏は!?」

 

 

なのは「大丈夫だよユウが運んでくれてるよ」

 

 

なのはの言葉に鈴達は安堵した。

 

 

 

優希「…なんで?」

 

 

アリサ「(お説教は後)って言ったわよね?」

 

 

優希「やるの…?」

 

 

海岸で正座させられている優希は本当にお説教するとは思わず後悔していた。

 

 

アリサ「あったり前でしょうが!!何を勝手に戦闘区域に行ってるの!!何かあったらどうする気!?しかもアレは何!!あんなの作っているからお金がなくなるんでしょうが!!」

 

 

優希「…ごめんなさい」

 

 

アリサ「全く、アレは誤魔化し効かないわよ」

 

 

優希「渾身の作品」

 

 

スパン!!

 

 

アリサ「誉めてないわよ」

 

 

優希「う~…」

 

 

頭を押さえている優希に鈴が詰め寄った。

 

 

鈴「優希!!一夏は!?」

 

 

優希「中」

 

 

鈴達がタイムトラベラーの中に入ろうとするがランがそれを遮った。

 

 

ラン「優希様の許可を得ていない方を入れる訳にはいきません」

 

 

鈴「どきなさいよ!!」

 

 

セシリア「おどきなさい!!」

 

 

すずか「駄目だよ二人とも」

 

 

鈴「なんでよ!!」

 

 

すずか「この中は優希君の科学力が沢山詰まっているんだよ?簡単には見せられないよ」

 

 

鈴「そんなの興味ないわよ!!」

 

 

すずか「それは代表候補生としての言葉として受け止めていいのかな?」

 

 

鈴「うっ…」

 

 

ここで鈴達は自分の立場が初めて憎く思った。

 

 

セシリア「何とかなりませんの?」

 

 

すずか「ランちゃん、中はどうなの?」

 

 

ラン「すずか様のおっしゃる通り中は優希様のお力がふんだんに使われています。最先端といっても過言ではありません」

 

 

ラウラ「せめて具合だけでも教えてもらえないか?」

 

 

優希「ラン」

 

 

ラン「はい、優希様。先程の男性なら医療ポットで治療中です。早ければ明日には出れるでしょう」

 

 

シャルロット「医療ポット?」

 

 

優希「自己治癒を促進させて回復力を高める機械」

 

 

 

シャルロット「そんなの作ったの?」

 

 

優希「必要だから、ラン。もう一人は?」

 

 

ラン「軽傷でしたので先程旅館にお運びいたしました」

 

 

優希「ありがとう」

 

 

ラン「いえ、それで私は今後どうしましょうか?」

 

 

優希「そばにいて」

 

 

ラン「かしこまりました♪」

 

 

アリサ「後はこれをどうするかね…」

 

 

アリサはタイムトラベラーを眺めると溜め息をついた。

 

 

 

なのは「でも、ユウ?一体いつ作ったの?」

 

 

優希「コツコツと作ってた」

 

 

フェイト「こんな大きな物よく作れたね?」

 

 

優希「廃棄された工場を買って改修してそこで作った」

 

 

すずか「工場を買ったの!?」

 

 

ラウラ「ほう、興味あるな…何処にあるのだ?」

 

 

優希「秘密」

 

 

アリサ「後で私達には教えなさい」

 

 

シャルロット「アリサ達も知らなかったの?」

 

 

はやて「ウチは知らんかったな~、なのはちゃん知ってた?」

 

 

なのは「私も初耳だよ」

 

 

鈴「どんだけ極秘なのよ」

 

 

優希「驚かすのも発明の内」

 

 

すずか「私達には言ってよ?」

 

 

優希「努力する……中に入る?」

 

 

アリサ「そうね、把握したいし。優希、性能を教えてちょうだい」

 

 

優希「ラン」

 

 

ラン「はい、優希様」

 

 

ランは優希を抱っこすると1両目に歩いて行くと扉を開けなのは達を中に入れると最後に自分も入った。

 

 

すずか「うわ~♪」

 

 

なのは「これは…」

 

 

フェイト「凄いね」

 

 

アリサ「さぁ、説明してちょうだい」

 

 

ラン「では、私が。このマシンの名前はタイムトラベラー。時空を越える事が出来るマシンです。エネルギーは新型の魔力エンジンから供給されています」

 

 

はやて「時空を越えるってのは?」

 

 

ラン「皆さまも一度通った事がある時空間の事です。時空間の中を走行出来る機能があります」

 

 

すずか「他の機能は?」

 

 

ラン「こちらをご覧下さい」

 

 

ランが端末を操作するとモニターが表れタイムトラベラーの内部構造を表示した。

 

 

フェイト「…まるで宇宙船、いや次元航行艦みたい」

 

 

ラン「はい、次元航行も宇宙空間の航行も可能です」

 

 

なのは「でも何でこんなの作ったの?」

 

 

ラン「優希様の趣味です」

 

 

アリサ「アンタは趣味で作ったの!?」

 

 

ガクガク

 

 

優希「う~!?」

 

 

すずか「落ち着いてアリサちゃん」

 

 

アリサ「全く、で?こんなの何処に置いておくの?」

 

 

優希「あ…」

 

 

なのは「ユウ、考えてなかったの!?」

 

 

フェイト「あった所に戻すのは?」

 

 

ラン「それは無理です」

 

 

アリサ「なぜ?」

 

 

ラン「発進するさいに工場は機密保持の為に廃棄しました」

 

 

すずか「学園に頼んで置かせてもらうしかないかな」

 

 

はやて「これって誰でも運転出来るんか?」

 

 

ラン「いえ、マニュアルなら優希様だけ。後自動走行なら優希様の下に行くだけなら可能です」

 

 

すずか「なら、少し安全かな」

 

 

アリサ「分かっているとは思うけど他の人を入れる場合は私達に許可を得てからにしなさい」

 

 

優希「わかった」

 

 

なのは「なら、外に出よう」

 

 

話し合いが終わりなのは達は外に出ると待っていた鈴達と共に旅館に戻った。

 

 



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第108話

 

アリサ「各国からの勧誘…ですか?」

 

 

課外授業から戻ったなのは達はすぐに職員室に呼ばれアリサが代表で赴いた。

 

 

千冬「そうだ、学園にメールやらなにやらで、学園にも影響が出てきている。何とかしろ」

 

 

アリサ「…分かりました。本人に伝えておきます」

 

 

アリサは職員室から出るとなのは達にも呼び出された内容を話した。

 

 

すずか「早いね、やっぱり福音の時が原因かな」

 

 

フェイト「でも今は休ませないと」

 

 

はやて「そやけど学園にきてる勧誘も何とかせえへんと」

 

 

なのは「メールとかならチュウ太に任せるのは?」

 

 

アリサ「そうね、あの子なら適任ね、それで優希は今何処に?」

 

 

なのは「多分屋上じゃないかな」

 

 

アリサ「なら行ってみましょう」

 

 

そう言うとなのは達は屋上に向かった。

 

 

ガヤガヤガヤガヤ

 

 

なのは「なにこれ?」

 

 

なのは達が屋上に着くと人ごみが出来ていた。

 

 

シュタ

 

 

優希「……」

 

 

すると人ごみから優希が飛び越えて現れた。

 

 

アリサ「何があったの?」

 

 

優希「勧誘」

 

 

すずか「なるほどね、私達がいない所を狙った訳だ」

 

 

優希「しつこい」

 

 

フェイト「それは国の為だもん」

 

 

アリサ「それで悪いのだけど、こっちも似たような用件なんだけど…」

 

 

アリサは千冬に言われた用件を優希に伝えた。

 

 

優希「わかった、チュウ太」

 

 

チュウ太「あっしにお任せくだせ~」

 

 

女子「高町さん」

 

 

なのは「ん?」

 

 

女子「お話が…」

 

 

なのは「ユウの事?」

 

 

女子「えっと…」

 

 

アリサ「優希はしばらく休暇に入るから勧誘しても無駄よ」

 

 

アリサの言葉に周りがざわついた。

 

 

すずか「そう伝えてくれる?」

 

 

女子2「でも休暇が終れば…」

 

 

 

フェイト「今の所、長期的に休ませる予定だから」

 

 

フェイトの言葉を聞くと携帯を片手に連絡しながら生徒達は屋上を去っていった。

 

 

ー屋上ー

 

 

一夏「……」

 

 

箒「一夏…」

 

 

福音の暴走から数日、一夏の怪我は治ったが普段の様子とはかけ離れた状態だった。

 

 

一夏「…なぁ箒?俺は何がしたいんだろな…力を手に入れたと思ったけど実は全然強くなっちゃいなかった。福音の暴走も止める事も出来なかったし…自分でやると言って返り討ちにされて…」

 

 

箒「違う!!アレは私が浮かれたせいで…」

 

 

一夏「箒を守る事も出来なかった」

 

 

箒「そんな事はない!!一夏は私を守った!!」

 

 

一夏「……」

 

 

箒「……」

 

 

気まずい空気が流れるとそこに優希が現れた。

 

 

優希「……」

 

 

一夏「…優希?」

 

 

優希「何時まで落ち込んでる」

 

 

一夏「ッ!?」

 

 

箒「優希!!」

 

 

突然の物言いに箒は優希の胸ぐらを掴み優希は宙に浮いた。

 

 

優希「前の一夏さんなら訓練してたよ」

 

 

一夏「?」

 

 

優希「たった一度の失敗で何を落ち込んでる。まだやれる事があるでしょ」

 

 

一夏「優希…」

 

 

優希「世の中にはもうやり直せない事もある。でも一夏さんはまだ出来る事があるでしょ」

 

 

ここで一夏は気付いた。優希が自身を励ましてくれている事に。

 

 

一夏「優希…」

 

 

優希「それだけ」

 

 

バッ

 

 

箒の手を振りほどくと優希は着地し、入口に歩いて行った。

 

 

一夏「待ってくれ優希」

 

 

優希「?」

 

 

一夏「…模擬戦してくれないか?」

 

 

優希「…理由は?」

 

 

一夏「一歩でも前に進む為に」

 

 

優希「勝てる見込みが無くても?」

 

 

一夏「やってみなきゃ分からないだろ?」

 

 

優希「わかった、アリーナで待ってる。二人とも準備して」

 

 

箒「私もか!?」

 

 

優希「互角でやりたかったらね」

 

 

一夏「後悔するなよ?」

 

 

優希「させてみて」

 

 

優希はそう言って屋上を去った。

 

 

 

優希「準備はいい?」

 

 

一夏「おう」

 

 

箒「大丈夫だ」

 

 

アリーナに着くと一夏達はISを纏うと優希の前に立った。

 

 

優希「ルネ、リナ」

 

 

優希もセットアップをすると空に上がった。

 

 

一夏「なら、行くぜ~!!」

 

 

キィン!!キィン!!キィン!!

 

 

優希「まだまだ」

 

 

一夏が優希に斬りかかるが優希は軽くいなしていた。

 

 

箒「私もいるぞ!!」

 

 

キィン!!キィン!!キィン!!

 

 

更に箒も加わるが優希は余裕で相手をしていた。

 

 

優希「動きが甘い」

 

 

ドカッ!!ドカッ!!

 

 

優希は一夏達を軽々と蹴飛ばした。

 

 

箒「大丈夫か一夏?」

 

 

一夏「やっぱり強いな…」

 

 

優希「連閃、烈風!!」

 

 

ジャラ!!

 

 

一夏「げっ!?」

 

 

箒「一夏止まるな!!」

 

 

優希が乱舞を取りだし広範囲に斬撃を放つと一夏達は回避に専念した。

 

 

優希「判断が甘い」

 

 

箒「なっ!?」

 

 

先回りしていた優希は箒が来ると同時に箒に斬り込んだ。

 

 

一夏「箒!!」

 

 

慌てて一夏が救援に入るが赤椿のシールドエネルギーは半分以上削られていた。

 

 

一夏「大丈夫か?」

 

 

箒「私は大丈夫だ、しかし強いな」

 

 

一夏達は改めて優希の強さを知った。

 

 

一夏「どれだけの訓練をしたか想像つかないな」

 

 

箒「全くだ、自分の強さに自信があったが全部崩された」

 

 

優希「…話は終わった?」

 

 

一夏「箒…」

 

 

箒「分かっている、私達に出来る事は…」

 

 

一夏「近付いて…斬る!!」

 

 

一夏は叫ぶと再び優希に斬り込んだ。

 

 

優希「勢いだけじゃ無理」

 

 

しかし優希には通用せず返り討ちに合う。

 

 

一夏「(どうしたらいい!?どうしたら追い付ける!?どうしたら勝てる!!)」

 

 

一夏が悩んでいると何処からともなく女性の声が聞こえた。

 

 

?『力を欲しますか?』

 

 

一夏「何だ!?」

 

 

?『力を欲しますか?』

 

 

 

一夏「一体…」

 

 

一夏が謎の声に悩んでいると…

 

 

箒「ぐぅ!?」

 

 

箒が優希に押されていた。

 

 

一夏「箒!!」

 

 

?『力を欲しますか?』

 

 

一夏「(欲しい、守れる力が欲しい…箒を守れる力を!!)」

 

 

一夏が強く思うと白式が光に包まれた。

 

 

箒「一夏!!」

 

 

一夏「大丈夫だ箒」

 

 

光が収まると白式がセカンドシフトし第二形態、雪羅に変化した。

 

 

一夏「行くぜ優希。第二ラウンド開始だ!!」

 

 

先程より加速が速く瞬時に優希に近付いた。

 

 

優希「まだまだ」

 

 

しかし優希は簡単にかわすとエネルギーの少ない箒を狙った。

 

 

一夏「させるか!!」

 

 

一夏も瞬時に戻ると箒の前に戻った。

 

 

優希「……」

 

 

キィン!!

 

 

一夏「今度こそ、箒を守る!!」

 

 

優希「やってみて」

 

 

箒「一夏…」

 

 

キィン!!キィン!!キィン!!

 

 

一夏と優希は斬り合いながら上昇していった。

 

 

箒「一夏」

 

 

それを箒は眺めていると願った。

 

 

箒「(守りたい。私を守ると言った一夏を…私は守りたい!!)」

 

 

すると赤椿が黄金に輝きだし、ワンオフアビリティ、絢爛舞踏が発動しエネルギーを回復した。

 

 

箒「よし!!」

 

 

箒も一夏の後を追いかけた。

 

 

キィン!!キィン!!

 

 

優希「それじゃあエネルギーの無駄遣い」

 

 

一夏「くそ~」

 

 

優希と戦っていた一夏はエネルギーの浪費が早かった。

 

 

優希「終わり…ッ!?」

 

 

優希が止めを刺そうとしたが箒が現れ一夏と引き離された。

 

 

箒「受け取れ一夏!!」

 

 

箒は一夏と手を繋ぐとエネルギーを回復させた。

 

 

箒「さぁ優希。こちらはエネルギーの心配はなくなったぞ」

 

 

優希「で?」

 

 

箒「こちらは二人。エネルギーの心配はない。優希に勝ち目はないぞ」

 

 

優希「そう…」

 

 

シュタ

 

 

箒「降参か?」

 

 

優希が地上に降りると箒は一夏と下まで降り優希に確認。

 

 

優希「まさか…教えてあげる」

 

 

一夏「何をだ?」

 

 

優希「本当の無限と……僕の本気を!!ぁぁああ

~!!」

 

 

すると優希は強制的にリミッターを外そうと力を高め始めた。

 

 



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第109話

 

 

学食

 

 

なのは「やっぱりお茶はいいね~」

 

 

はやて「なのはちゃん、聞いてると婆臭いで~」

 

 

なのは「ひどいよ、はやてちゃん」

 

 

アリサ「たまにはゆっくりティータイムを楽しみたいわよ」

 

 

フェイト「勧誘が多かったもんね」

 

 

すずか「これで優希君も入れば良かったのに」

 

 

シャルロット「何処にいったんだろうね?」

 

 

鈴「一夏もいないし」

 

 

セシリア「最近は落ち込んでいましたから気分転換にお誘いしたかったですわ」

 

 

ラウラ「今はそっとしておくのが一番だな」

 

 

なのは達がティータイムを楽しんでいると…

 

 

カタカタ…ガタガタ!!

 

 

はやて「地震か?」

 

 

ガチャン!!

 

 

地響きが起きると同時になのは、フェイト、アリサ、すずかが倒れこみ苦しみだした。

 

 

アリサ「これは…」

 

 

なのは「ゆ、ユウ!?」

 

 

はやて「どないしたんみんな!?」

 

 

アリサ「はやて!!優希を探して!!」

 

 

はやて「優希君を?」

 

 

すずか「今優希君がリミッターを強制解除しようとしているの…」

 

 

鈴「何でアンタ達が苦しんでいるのよ!?」

 

 

アリサ「私達は特殊な方法で優希の力を抑えているの…」

 

 

なのは「今私達はリミッターを解除させない為にこらえているけどこのままじゃ解除されちゃう…」

 

 

フェイト「だからはやて、優希の安否を確認して。場合によっては解除するから…早く!!」

 

 

はやて「わ、わかった!!」

 

 

はやてが駆け出すとリィンフォースが現れた。

 

 

リィンフォース「主はやて!!」

 

 

はやて「リィンフォース、優希君の魔力を探して!!」

 

 

リィンフォース「既に。アリーナの方で小さな勇者の力を感じます」

 

 

はやて「走ってたら間に合わん!!上がるで!!リィンフォース!!」

 

 

リィンフォース「はい、ユニゾン、イン」

 

 

はやては空に上がるとアリーナまで全速力で向かった。

 

 

はやて「見えた!!優希君は……いた!!」

 

 

アリーナの中心地で優希はリミッターを解除しようとしていたが…

 

 

はやて「優希君やめて!!みんな苦しがっているんや!!」

 

 

優希「ッ!?」

 

 

優希ははやての言葉を聞くと強制解除を中止した。

 

 

 

優希「お姉ちゃん!!」

 

 

食堂に優希があわてて飛び込んできた。

 

 

アリサ「優希…」

 

 

既に椅子に座っていたなのは達に優希は申し訳なさそうにしていた。

 

 

優希「ごめんなさい」

 

 

すずか「いいよ、何か訳があったんでしょ?」

 

 

疲れているがなのは達は大丈夫そうであった。

 

 

優希「……」フルフル

 

 

一夏「大丈夫か?」

 

 

一夏達も食堂に着くとアリーナで何があったのか説明した。

 

 

アリサ「たまには優希も全力を出したいわよね…」

 

 

すずか「ずっとリミッターを付けてるの辛いよね」

 

 

優希「大丈夫、気にしないで」

 

 

ラウラ「少しいいか?」

 

 

なのは「なに?」

 

 

ラウラ「リミッターの付け方は企業秘密だろうが、リミッターを付けている理由を聞いても構わないか?」

 

 

優希「…リィン」

 

 

リィン「はいです♪」

 

 

優希「説明お願い」

 

 

リィン「はいです♪えっと優希ちゃんがリミッターを付けている理由はエネルギーに関係してるです」

 

 

鈴「アンタ達の特殊なエネルギーが?」

 

 

リィン「そうです。優希ちゃんのエネルギーは無尽蔵…つまり無限なのです」

 

 

セシリア「無限!?」

 

 

ラウラ「なるほど、だからリミッターを付けて機能を制限しているのか」

 

 

リィン「そうです。出力を抑える事で優希ちゃんの身を守っている意味合いもあるです」

 

 

セシリア「ご自身を?」

 

 

リィン「皆さんなら分かるはずです。エネルギー兵器にエネルギーを過剰に与えるとどうなるか?」

 

 

ラウラ「決まっている。兵器自体が耐えきれず…ッ!?」

 

 

ラウラ達は優希のリミッターを付けている理由がようやくわかった。

 

 

リィン「優希ちゃんの体は兵器。意味が分かってもらえたですか?」

 

 

バン!!

 

 

鈴「バカじゃないの!?そんなの外しなさいよ!!」

 

 

リィン「それは出来ないですよ…」

 

 

セシリア「どうしてですの?」

 

 

リィン「優希ちゃんのエネルギー源は体内にあるです」

 

 

一夏達「ッ!?」

 

 

流石に一夏達はこの解答に息を呑んだ。

 

 

リィン「だから取り出す事は不可能なのです」

 

 

シャルロット「何でそんな事に…」

 

 

リィン「優希ちゃんも被害者です」

 

 

一夏「被害者…」

 

 

リィン「優希ちゃんは無から造られた存在。最強の兵器として産み出された存在です」

 

 

ラウラ「兵器として…」

 

 

鈴「そんな事が許されるの!!誰がそんな事を!」

 

 

セシリア「そうですわ!!すぐに警察に…」

 

 

リィン「優希ちゃんを造った人はもういないですよ…」

 

 

一夏達はその言葉に納得してしまった。

 

 

 

優希「気にする必要ない」

 

 

シャルロット「優希は辛くないの

?」

 

 

優希「……もう馴れた」

 

 

ギュ

 

 

なのは「そんな悲しい事言わないで」

 

 

なのはがそっと優希を抱き締めた。

 

 

フェイト「リミッターだって私達が付けようって言った事だから」

 

 

すずか「本当は付けなくても大丈夫なんだよね?」

 

 

アリサ「私達を安心させる為に付けているんでしょ?」

 

 

優希「僕の自己満足…」

 

 

なのは「そんな事ないよ…ユウは優しいから」

 

 

鈴「何でアンタ達がそこまで優希を?」

 

 

なのは「鈴ちゃん達なら分かるでしょ?好きな人の為って言えば…」

 

 

ラウラ「なるほど、愛するが故にリミッターを…」

 

 

フェイト「うん、優希はいつ自己崩壊をしてもおかしくないから…」

 

 

すずか「それだけは防ぎたいから」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

アリサ「それでも私達は心配なのよ」

 

 

優希「わかった」

 

 

ナデナデ

 

 

なのは「わがままでごめんね」

 

 

優希「お互い様」

 

 

なのはは優希を撫でるとそっと降ろした。

 

 

アリサ「さぁ、この話はここまでにしましょ」

 

 

優希「……」

 

 

すると優希が手を挙げた。

 

 

アリサ「何、優希?」

 

 

優希「お祝い」

 

 

すずか「お祝い?なんの?」

 

 

優希「一夏さんが告白した」

 

 

なのは達「え~~!!」

 

 

鈴「どういう事よ一夏!!」

 

 

セシリア「どういう事ですの!?」

 

 

ラウラ「お前は私の嫁だろ!!」

 

 

鈴達は物凄い勢いで一夏を囲んだ。

 

 

 

アリサ「面白いわね、優希。説明しなさい」

 

 

優希「(今度こそ箒を守る!!)って言ってた」

 

 

鈴「それだけ!?」

 

 

優希「欲しい、守れる力が欲しい…箒を守れる力を!!って強くISに願ってた」

 

 

一夏「何で知ってるんだよ!?」

 

 

優希「聞いてた」

 

 

一夏「俺は喋ってないぞ!?」

 

 

優希「でも聞こえた」

 

 

なのは「何で聞こえたの?」

 

 

優希「多分プライベートチャンネルに乗った」

 

 

すずか「でも私達はプライベートチャンネルを使えないよ?」

 

 

優希「念話と波長が合ったんだと思う」

 

 

鈴「念話って何よ?」

 

 

フェイト「私達専用のプライベートチャンネルと思って」

 

 

ラウラ「なるほど」

 

 

アリサ「まぁいいわ。それで?」

 

 

アリサ達の視線は箒に集中した。

 

 

箒「な、何だ!?」

 

 

はやて「返事♪」

 

 

なのは「何て返事したの?」

 

 

箒「な!な、な、な…」

 

 

なのは達の問いに箒は顔を真っ赤にして動揺していた。

 

 

 

一夏「ま、まぁこの辺で…」

 

 

優希「返事聞きたくない?」

 

 

一夏「いや、たがらな?」

 

 

はやて「まさか遊びやったんか!?」

 

 

一夏「ややこしくするな!!」

 

 

アリサ「はっきりしなさいよ、男でしょ」

 

 

一夏「うっ…」

 

 

一夏がチラリと箒を見ると目が合い互いに真っ赤になっていた。

 

 

アリサ「アンタ達は小学生なの!?好きならはっきりしなさいよ!!」

 

 

一夏「だぁ~~!!好きだよ悪いか!!」

 

 

なのは達「お~~!!」

 

 

なのは達が歓声をあげると今度は箒を見ていた。

 

 

箒「わ、私は…」

 

 

箒が悩んでいるとなのは達はわくわくしながら見ており、鈴達はハラハラしながら見ていた。

 

 

箒「わ、私も好きだ…」

 

 

ボソボソと返事を返した。

 

 

 

鈴「ハァ…」

 

 

セシリア「あら、鈴さん」

 

 

鈴「何よセシリア?」

 

 

学園の屋上で一人でいた鈴にセシリアは声をかけた。

 

 

セシリア「こんな所で合うなんて奇遇ですわね」

 

 

鈴「…気分転換よ」

 

 

セシリア「本当に奇遇ですわね、私もそうなんですわ」

 

 

鈴「本当に奇遇ね」

 

 

二人はフェンスに寄りかかると空を眺めた。

 

 

セシリア「一夏さん…」

 

 

鈴「……」

 

 

セシリア「嬉しそうでしたわね…」

 

 

何が?と言わなくても鈴とセシリアは分かりあっていた。

 

 

鈴「…セシリアはどうするの?」

 

 

セシリア「わかりませんわ、初めての経験ですし」

 

 

鈴「私もよ…」

 

 

ラウラ「何を落ち込んでいる」

 

 

鈴達が話ているとラウラもやって来た。

 

 

鈴「別に、そういうアンタは何をしてるのよ」

 

 

ラウラ「優希を探している」

 

 

鈴「まだ、来てないけど?」

 

 

ラウラ「そうか、話があったのだがな」

 

 

鈴「話?」

 

 

ラウラ「そうだ、優希を新しい嫁にしようと思っていた」

 

 

鈴「ハァ!?アンタ一夏の事が好きじゃなかったの!?」

 

 

ラウラ「そうだな、私も一晩中悩んだ。だが一夏が出した答えだ。私達に文句が言える訳がない」

 

 

セシリア「簡単に替えるのもどうかと思いますわ」

 

 

ラウラ「そうなのか?恋愛感情とは難しいな」

 

 

鈴「アンタのそれは気に入ってるだけで恋愛感情とは別物よ」

 

 

ラウラ「そうなのか?ならお前達はどうなのだ?」

 

 

鈴「私は…」

 

 

セシリア「その…」

 

 

優希「何してる?」

 

 

すると優希が現れた。

 

 

 

ラウラ「実はな…」

 

 

鈴「ちょっと!」

 

 

セシリア「何をする気ですの!!」

 

 

ラウラ「優希は経験豊富だ、アドバイスを貰うのもいいだろう」

 

 

優希「?」

 

 

ラウラ「優希、失恋の経験はあるか?」

 

 

鈴「優希にあるわけ…」

 

 

優希「……あるけど?」

 

 

セシリア「あるんですの?」

 

 

優希「皆より長く生きてるからね」

 

 

鈴「そういえば優希は幾つなの?」

 

 

優希「23だけど?」

 

 

セシリア「えっ!?」

 

 

鈴「見えないわ」

 

 

年上なのは知っていたがそこまで上だとは思わなかった二人は少し驚いていた。

 

 

優希「まあね、それで失恋の話?」

 

 

ラウラ「そうだ、優希はどうやって乗り越えたのだ?」

 

 

優希「僕の場合は時間が解決してくれた」

 

 

鈴「それはこの状態のままでいろって事?」

 

 

優希「僕は別の目的が出来たからそれに集中していた」

 

 

セシリア「つまり優希さんは何か別の事に集中してこの状態を抜け出せば良いと言いたいのですね?」

 

 

優希「そう、もしくは…」

 

 

鈴「もしくは?」

 

 

優希「新しい恋を見付けて見せ付ける。自分は前より素敵な恋を見付けたって」

 

 

鈴「なるほど、私を選ばなかった事を後悔させればいいのね!!」

 

 

優希「そんな所」

 

 

セシリア「そうですわ!!私を選ばなかった事後悔させてあげますわ!!」

 

 

優希の言葉に二人は普段の調子を取り戻した。

 

 

ラウラ「それで優希。話があるのだが」

 

 

優希「なに?」

 

 

ラウラ「私の嫁にならないか?」

 

 

優希「それを言うなら婿でしょ」

 

 

ラウラ「だが、日本では気に入った相手を自分の嫁にすると聞いたぞ?」

 

 

優希「それは昔の話。そもそも嫁ってのは女性の事。男は婿」

 

 

ラウラ「ふむ、なら言い換える。優希、私の婿にならないか?」

 

 

優希「無理」

 

 

ラウラ「なぜだ?」

 

 

優希「お姉ちゃん達にも返事してない」

 

 

ラウラ「なのは達か?」

 

 

優希「そう」

 

 

鈴「アンタ告白されたの?」

 

 

優希「されてない。けど気持ちは分かってる」

 

 

なのは達の気持ちに気付いている優希は返答に悩んでいた。

 

 

鈴「その辺は一夏よりましね」

 

 

優希「あれは病気」

 

 

セシリア「そうですわね」

 

 

ラウラ「ふむ、なら私も待とう」

 

 

優希「いつ答えが出るか分からない」

 

 

ラウラ「かまわん。それに優希は将来的にいい男になりそうだからな?」

 

 

優希「いい男?」

 

 

鈴「格好いい男になるって事よ」

 

 

優希「リミッターさえ無ければ僕だって普通の大人」

 

 

セシリア「どういう事ですの?」

 

 

優希「はい」

 

 

すると優希は一枚の写真を取りだし鈴達に見せた。

 

 

 

鈴「これってなのは達よね」

 

 

写真には小さい頃のなのは達が写っていて真ん中に大人の優希が写っていた。

 

 

セシリア「真ん中に写っている男性は?」

 

 

優希「リミッターを付けていない僕」

 

 

鈴、セシリア「えっ!?」

 

 

ラウラ「ほう…」

 

 

鈴「冗談でしょ?」

 

 

優希「本当」

 

 

セシリア「信じられませんわ…」

 

 

セシリアは写真と優希を交互に見比べた。

 

 

鈴「どうやったらこんな姿になるのよ」

 

 

優希「秘密」

 

 

ラウラ「今はこの姿になる事は出来ないのか?」

 

 

優希「リミッターがあるから無理」

 

 

ラウラ「それは残念だ」

 

 

ラウラは少し残念そうにした。

 

 

 

鈴「これが優希の大人の姿(これは一夏とは違った大人の魅力ね///)」

 

 

セシリア「大人の優希さん(大人の優希さんは凛々しいですわね///)」

 

 

優希「もういい?」

 

 

ラウラ「何か予定があるのか?」

 

 

優希「人探し」

 

 

鈴「誰を探してるのよ?」

 

 

優希「商品を買ってくれる人」

 

 

セシリア「商品ですの?」

 

 

優希「これを販売するから」

 

 

優希はシミュレータを見せた。

 

 

ラウラ「完成したのか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

ラウラ「なら私の部隊で買えるか交渉してみるか?」

 

 

優希「…お願いしていい?」

 

 

ラウラ「任せろ、国に連絡しておくから任せろ」

 

 

鈴「待ちなさいよ、だったら私も国に連絡してみるわよ(今の内に優希との関わりを強くしておくのが得策ね)」

 

 

セシリア「でしたら私も(優希さんとの関係を少し強くしておくのも重要ですわ)」

 

 

優希「そっちも任せていい?追加で作るから」

 

 

鈴「任せて」

 

 

セシリア「お任せください」

 

 

二人もラウラと同じく国に連絡を取ることになった。

 

 



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第110話

 

アリーナ

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「どうしやした?」

 

 

優希「みんな頑張るね」

 

 

チュウ太「そうっすね~」

 

 

優希はアリーナの隅でシミュレータを眺めており、中では鈴、セシリア、ラウラが優希の出したターゲットを破壊しながらシミュレータの感触を調べていた。

 

 

優希「あんなに気に入ってもらえて良かった」

 

 

チュウ太「シミュレータだけじゃないと思いやすけど」

 

 

優希「?」

 

 

チュウ太「旦那って変な所で鈍いっすね…」

 

 

優希「何が?」

 

 

チュウ太の言っている意味が分からない優希はチュウ太に聞くが教えて貰えず話ている間に鈴達が戻ってきた。

 

 

鈴「終わったわよ」

 

 

優希「どうだった?」

 

 

ラウラ「感触を確めたが本物に近かったぞ。これなら文句は出ないだろう」

 

 

セシリア「これは訓練に最適ですわ。様々な場所を想定出来ますし」

 

 

優希「良かった」

 

 

ラウラ「それと優希。買い取りの件だが軍の方で買わせて貰うそうだ。優希の名前を出したら早い返答だったぞ」

 

 

鈴「こっちもよ、繋がりが欲しいのか粗相な無いようにって念を押されたわ」

 

 

セシリア「私の方も似た感じですわ。是非我が国にと連絡が来ましたわ」

 

 

チュウ太「何処の国も必死でさ~」

 

 

優希「だね」

 

 

ラウラ「当たり前だろう」

 

 

鈴「優希ほどの天才と繋がりが出来るなら国だって必死になるわよ」

 

 

優希「やっぱり?」

 

 

セシリア「それに…(個人的にも)」

 

 

優希「それに?」

 

 

セシリア「いえ、お気になさらず」

 

 

優希「?わかった」

 

 

きゅ~

 

 

鈴達と話ていると優希のお腹が鳴った。

 

 

鈴「優希、お腹減ってるの?」

 

 

時計を見るとちょうどお昼を差していた。

 

 

優希「……」コク

 

 

鈴「お昼はどうするの?」

 

 

優希「食堂」

 

 

鈴「だ、だったら」

 

 

優希「?」

 

 

鈴「お昼作り過ぎたから分けて上げるわよ」

 

 

セシリア「わ、私も少し作り過ぎたのでよろしかったらどうぞ」

 

 

優希「いいの?」

 

 

鈴「いいわよ、余ってももったいないし」

 

 

セシリア「でしたら日当たりのいい屋上に参りましょう」

 

 

こうして優希は鈴達とお昼を食べる事になった。

 

 

 

鈴「ほら優希、食べなさい」

 

 

鈴はお弁当を出すと優希に差し出した。

 

 

優希「食べていい?」

 

 

鈴「いいわよ」

 

 

優希「モグモグ」

 

 

優希はお弁当を受け取ると美味しそうに食べ始めた。

 

 

 

セシリア「優希さん、宜しければこちらもどうぞ」

 

 

バスケットを出すとセシリアは優希に差し出した。

 

 

鈴「優希、やめといた方が良いわよ…」

 

 

ボソボソと鈴が優希に注意をした。

 

 

優希「……」

 

 

パクっ

 

 

パタン

 

 

食べた瞬間、優希は倒れた。

 

 

セシリア「優希さん!?」

 

 

鈴「アンタ何を食わせたのよ!?」

 

 

鈴達は慌てて優希を介抱した。

 

 

優希「……個性的な味」

 

 

セシリア「その優しさが痛いですわ…」

 

 

鈴「その言葉を貰えただけでもありがたいと思いなさいよ」

 

 

セシリアは落ち込み優希は若干やつれた。

 

 

ラウラ「婿」

 

 

優希「…僕?」

 

 

ラウラ「そうだ」

 

 

売店に行っていたラウラが戻ってきた。

 

 

ラウラ「売店にドーナツがあったから買ってきたぞ」

 

 

優希「!!」

 

 

シュタ!!

 

 

優希はラウラに近付くとドーナツを凝視していた。

 

 

ラウラ「さぁ、食べるといい」

 

 

優希「モグモグ♪」

 

 

鈴「どういう事?」

 

 

ラウラ「なのは達に聞いたのだ。優希の大好物はドーナツだとな」

 

 

鈴「うっ…」

 

 

セシリア「その手がありましたわ…」

 

 

ラウラ「情報収集は重要だぞ」

 

 

優希「モグモグ?」

 

 

ラウラ「気にせず食べるといい」

 

 

優希「モグモグ♪」

 

 

鈴とセシリアは敗北した気分になり、ラウラは勝ち誇った表情でいた。

 

 

 

シャルロット「いい天気だね~」

 

 

なのは「そうだね~」

 

 

なのは達と合流したシャルロットは廊下の窓に近寄り窓越しに外を見ていると…

 

 

ガラリ

 

 

優希「にゃ~」

 

 

シャルロット「キャア~~!!」

 

 

キャットクローを着けた優希が窓から入り、盛大にシャルロットが悲鳴をあげた。

 

 

優希「……」イジイジ

 

 

なのは「ゆ、ユウ!?」

 

 

出会いがしらに悲鳴をあげられた優希は廊下の隅でいじけた。

 

 

アリサ「あ~あ、いじけた」

 

 

シャルロット「だってここ二階だよ!?それに窓からなんて分かる訳ないよ!?」

 

 

フェイト「ほら優希、元気出してシャルも悪気があった訳じゃないから」

 

 

シャルロット「何でみんなは驚かないの?」

 

 

すずか「慣れだよ。だって優希君、色んな所から出てくるんだもん」

 

 

はやて「そうなん?」

 

 

アリサ「…本気で泣きそうになった事もあったわよ」

 

 

はやて「どんななん?」

 

 

すずか「肝試しで森に行って、地面から出てきて足を掴まれた時は本当に怖かったよ…」

 

 

はやて「怖すぎるで…」

 

 

シャルロット「それは嫌だね…」

 

 

想像したはやてとシャルロットは少し震えていた。

 

 

アリサ「それで優希?何か用があって来たんじゃないの?」

 

 

優希「お姉ちゃん達の新しい装備が出来た」

 

 

すずか「装備?何を作ったの?」

 

 

優希「萎えた」

 

 

なのは「って!!そこまで言って止めるの?」

 

 

優希「……」

 

 

優希はイジケルとチラリとシャルロットを見た。

 

 

アリサ「シャルロット」

 

 

シャルロット「僕が悪いの!?」

 

 

優希「……」イジイジ

 

 

優希は遂にのの字まで書き始めた。

 

 

ラウラ「何をしているのだ?」

 

 

優希がいじけているとラウラがやって来た。

 

 

 

優希「……」

 

 

ラウラ「ふむ、姉たちに新作を持ってきたがシャルロットに悲鳴をあげられていじけているのだな?」

 

 

シャルロット「何でわかるの!?」

 

 

ラウラ「学習したのだ、優希の表情を見れば大体の事は分かるぞ」

 

 

なのは「いつのまに?」

 

 

ラウラ「婿の事だ、すぐに覚えた。コミュニケーションは夫婦に必要だからな」

 

 

なのは達「婿!?夫婦!?」

 

 

ラウラの言葉になのは達は過剰に反応した。

 

 

アリサ「どういう事、優希?」

 

 

思いっきりアリサに睨まれた優希だが、気にせず説明した。

 

 

優希「気に入られた」

 

 

フェイト「それだけ?」

 

 

ラウラ「日本では昔、気に入った相手を嫁にすると聞いた。だからそれに習い優希を婿にする事にした」

 

 

すずか「何をしたの優希君?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

はやて「何もしてないんか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「また、ややこしい事になったわね…」

 

 

ラウラ「ふっ」

 

 

ラウラがほくそ笑むとなのは達との間に火花が散った。

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ん?分かったよ、じゃあアリーナに行こうか?」

 

 

シャルロット「みんな凄いね、本当に優希の表情だけで会話が出来るんだね」

 

 

優希がアリーナに行こうと訴えるとなのはがすぐに気付きアリーナに向かった。

 

 

フェイト「それで優希?何を作ったの?」

 

 

優希「補助デバイス」

 

 

はやて「補助?」

 

 

すずか「補助って言っても私達に何か足りないのかな?」

 

 

優希「そんな訳じゃない」

 

 

アリサ「技術的な物じゃないのね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

なのは「とにかくアリーナに行こう」

 

 

なのは達は話ながらアリーナに向かった。

 

 

アリサ「それで?どうすればいいの?」

 

 

なのは達はセットアップすると優希の前に並んだ。

 

 

優希「片手を前に出して」

 

 

なのは「こう?」

 

 

優希「えい」

 

 

カチャン

 

 

なのは達が腕を前に出すと優希が何かを投げた。見てみるとなのは達の手首の辺りに機械で出来たブレスレットが付いていた。

 

 

すずか「優希君、これは?」

 

 

優希「エネルギー補給デバイス」

 

 

フェイト「…つまり私達のエネルギーが無くなったらこれから補給出来るんだね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

はやて「どの位の量なん?」

 

 

優希「僕とリンクするから無限」

 

 

アリサ「アンタは…それじゃあ優希に負担がかかるでしょうが」

 

 

優希「大丈夫、エネルギーを吸い出されるだけだから負担にはならない」

 

 

すずか「でも…」

 

 

優希「あくまでも非常用、あって損じゃない」

 

 

フェイト「そうだけど…」

 

 

納得が出来ずにいるが優希の言い分も分かるため、なのは達しぶしぶと受け取った。

 

 

シャルロット「優希って本当に何でも作るね?」

 

 

優希「趣味だから」

 

 

アリサ「所で優希?お説教があるんだけど?」

 

 

優希「?」

 

 

優希は分からない表情をしていた。

 

 

アリサ「言ったわよね?開発は私達が許可するまで禁止って?」

 

 

優希「……」

 

 

シュタ!!

 

 

アリサ「待ちなさい!!」

 

 

優希が逃げるとアリサも後を追いかけの鬼ごっこが始まった。

 

 

すずか「旅行?」

 

 

優希「……」コク

 

 

夏休みが始まり、優希はなのは達と集まりティータイムをしていた。

 

 

アリサ「何処に行くのよ?」

 

 

優希「何処が良い?」

 

 

なのは「う~ん」

 

 

なのは達が悩んでいるとラウラが話しかけてきた。

 

 

ラウラ「旅行か?行くあてが無いのならドイツに来ないか?」

 

 

鈴「それなら中国に来なさいよ」

 

 

セシリア「是非イギリスに!」

 

 

フェイト「どうする?」

 

 

優希「…いっそ国内」

 

 

アリサ「それが無難ね」

 

 

ラウラ「ふむ、なら私も連れていけ婿」

 

 

優希「いいけど」

 

 

鈴「ちょっと!?私も連れていきなさいよ」

 

 

セシリア「私も!!」

 

 

鈴達が自分も行くと主張してきた。

 

 

優希「シャルロットさんは?」

 

 

シャルロット「僕?僕は行けないよ、そんな余裕ないし」

 

 

優希「旅費位なら出すよ」

 

 

シャルロット「そんな悪いよ!!」

 

 

優希「僕と行くの嫌?」

 

 

ウルウルと涙を潤ませてシャルロットを直視する優希。

 

 

シャルロット「そう言う訳じゃ…」

 

 

優希「嫌?」

 

 

シャルロット「……行かせて貰います」

 

 

優希「……」グッ

 

 

シャルロット「凄い敗北感」

 

 

はやて「アレには勝てへんよ」

 

 

はやてはシャルロットの肩に手を置き慰めた。

 

 

アリサ「じゃあ何処がいいか探しましょ」

 

 

優希「まだ」

 

 

アリサ「何かあるの?」

 

 

優希「新発明」

 

 

アリサ「それなら帰ってから聞くわ」

 

 

いつもの事と思いなのは達はパンフレットを探しに行こうとしたが優希の一言で止まった。

 

 

優希「折角作ったのに……痩せる薬」

 

 

なのは「ユウ…それってどんな効果があるの!?」

 

 

物凄い勢いでなのはが食い付いた。

 

 



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第111話

 

 

優希「個人差はあるけど一粒で一、ニキロ位」

 

 

はやて「一粒?錠剤なんか!?」

 

 

優希「そうだけど」

 

 

はやて「ちょうだい♪」

 

 

優希「却下」

 

 

アリサ「何でよ!?」

 

 

優希「商品だから」

 

 

すずか「なら私が実験するから、実験しないと危ないし」

 

 

優希「もうした」

 

 

フェイト「誰が!?」

 

 

なのは達は互いを見あった。

 

 

優希「シャルロットさん」

 

 

なのは達は一斉にシャルロットを睨んだ。

 

 

シャルロット「え~!?あの薬がそうなの!?」

 

 

アリサ「どういう事?」

 

 

シャルロット「少し前に優希からアルバイトで安全な薬の試飲を頼まれたんだ」

 

 

優希「でも副作用もある」

 

 

すずか「どんな?」

 

 

シャルロット「凄い頭痛だったよ。風邪をひいたみたいな頭痛が二三日続いたよ」

 

 

なのは「……それくらいなら、ユウ。お姉ちゃんにちょうだい♪」

 

 

優希「商品だから駄目」

 

 

フェイト「優希、商品なら私が買うのは有り?」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「いくら?」

 

 

優希「お姉ちゃん達の一月のおこづかいの半分」

 

 

鈴「なのは達のおこづかいっていくら?」

 

 

なのは「みんな優希の実験を手伝っているから大体五万くらいかな…」

 

 

ダッ!!

 

 

なのは達と鈴達は互いを各々を見ると部屋に走り出した。

 

 

ラウラ「一体何なのだ?」

 

 

優希「乙女の悩み」

 

 

ラウラ「私には分からんな」

 

 

優希「知らない方がいい」

 

 

ラウラ「そうか、なら婿よ。私とティータイムしよう」

 

 

優希「分かった」

 

 

優希はなのは達が戻ってくるまで優希はラウラとティータイムを楽しんだ。しかしそれは嵐の前の静けさだった。

 

 

はやて「薬はウチが貰った~!!」

 

 

一番乗りのはやては一目散に優希に近付くと瓶を取ろうとしたが…

 

 

すずか「させないよ!!」

 

 

すずかが足払いをしてはやてを転ばせた。

 

 

はやて「ピギャ!?」

 

 

すずか「優希君、ちょうだい!!」

 

 

優希がすずかに瓶を渡そうとするが…

 

 

フェイト「貰うよ♪」

 

 

フェイトが横取りした。

 

 

すずか「あ~!!」

 

 

フェイト「はい、優希」

 

 

優希「毎度」

 

 

見事にフェイトが買い取り女性達の熱い戦いは終わった。

 

 

すずか「ずるいよ!!フェイトちゃん!!」

 

 

フェイト「買ったもの勝ちだよ♪」

 

 

アリサ「遅かった!!」

 

 

なのは「ずるいよフェイトちゃん!!」

 

 

遅れてなのはとアリサがやって来た。更に遅れてセシリアと鈴がやって来た。

 

 

鈴「何て速さよ…」

 

 

セシリア「まったく勝てませんわ…」

 

 

フェイト「ふふ♪」

 

 

はやて「優希君!?薬はもっとないんか!?」

 

 

優希「ない」

 

 

はやて「あるはずや~!!」

 

 

ブンブン

 

 

優希「う~…」

 

 

はやては優希を抱えると上下に振り揺すった。すると瓶が一つ落っこちた。

 

 

カチャン

 

 

はやて「何やあるやないか♪」

 

 

優希「駄目」

 

 

優希は瓶を回収するとポケットにしまった。

 

 

すずか「優希君、今のは何?」

 

 

優希「ひ、秘密…」

 

 

アリサ「…気になるわね」

 

 

優希「……」

 

 

優希は逃げようと思ったが女性達に取り囲まれた。

 

 

なのは「ユウ♪今のは何?」

 

 

優希「知らない方が…」

 

 

鈴「教えなさいよ!!」

 

 

優希「これは…」

 

 

セシリア「これは?」

 

 

優希「胸が大きくなる薬…」

 

 

女性達「……よこせ~~!!」

 

 

優希「にゃ~~!!」

 

 

優希は咄嗟に天井に張り付いた。

 

 

なのは「ユウ~♪降りておいで~♪」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

なのは達の目は血走っており、優希は恐怖で降りれずにいた。

 

 

アリサ「アンタ達はどきなさい。優希が怖がっているから」

 

 

アリサが前に出るとなのは達を下がらせようとするがなのは達は下がらなかった。

 

 

なのは「駄目だよアリサちゃん、そういって薬を先に取るつもりでしょ」

 

 

優希「……」

 

 

コソコソ

 

 

優希が皆が牽制しあっている間に優希は部屋から逃げようとするがそれは許されなかった。

 

 

シャルロット「どこ行くの?」

 

 

優希「……」

 

 

あと少しという所でシャルロットに声をかけられた。

 

 

シャルロット「どこ行くの?」

 

 

普段ならこの綺麗な笑顔に見とれるが今はこの笑顔が恐い…

 

 

優希「……分かった」

 

 

シュタ

 

 

優希は天井から降りると窓を開き…

 

 

優希「これがあるからいけないんだ」

 

 

ポイ

 

 

女性達「あ~~!!」

 

 

優希「これで解決」

 

 

はやて「何をしてるんや!?」

 

 

なのは「勿体ない!!」

 

 

ラウラを残し女性達は外に目掛けて走り出した。

 

 

ラウラ「良かったのか?発明品を捨てて?」

 

 

優希「これ?」

 

 

ラウラ「!?さっき捨てたのは?」

 

 

優希「ただの風邪薬」

 

 

ラウラ「すり替えたのか?」

 

 

優希「そう」

 

 

ラウラ「さすが婿だな」

 

 

窓の下を見るとなのは達が必死に瓶を探し回っていた。

 

 

ラウラ「皆、必死だな」

 

 

優希「分からないでもない」

 

 

優希達はなのは達を眺めながらお茶を楽しんだ。

 

 

 

 

優希「……」

 

 

ボォー

 

 

鈴「凄いわね~♪」

 

 

タイムトラベラーの中になのは達の他、鈴達も乗っていた。

なぜ鈴達が乗っているかと言うと…

 

 

三日前

 

 

鈴「何よこれ?」

 

 

セシリア「カードですか?」

 

 

優希に呼び出された鈴達はある物を渡されていた。

 

 

優希「乗車カード」

 

 

ラウラ「乗車?何に乗るのだ?」

 

 

優希「タイムトラベラー」

 

 

鈴「乗っていいの!?」

 

 

優希「特別」

 

 

セシリア「アリサさん達の許可が必要でしたのでわ?」

 

 

優希「乗れるのは寝台車のみ」

 

 

ラウラ「なるほど、機密を守りつつ私達をのせる方法がこれなのだな?」

 

 

優希「そう、無くしたら再発行は出来ない」

 

 

鈴「分かったわ」

 

 

セシリア「大事に保管しますわ」

 

 

ラウラ「それで旅行の行き先は決まったのか?」

 

 

優希「箱根辺りに」

 

 

セシリア「辺りに?どうして曖昧なのですか?」

 

 

優希「別荘があるから」

 

 

鈴「別荘!?アンタそんなのまで持ってるの?」

 

 

セシリア「でしたら場所は特定出来るのでわ?」

 

 

優希「周りを見て」

 

 

周りを見ると耳をすませている生徒が多数いた。

 

 

ラウラ「なるほど」

 

 

優希「だから場所は秘密。当日まで我慢して」

 

 

セシリア「構いませんわ。連れて行って貰えるだけでも嬉しいのですから」

 

 

ラウラ「どの位滞在するのだ?」

 

 

優希「夏休み一杯はいる予定。平気?」

 

 

ラウラ「私は大丈夫だ」

 

 

セシリア「私も構いませんわ」

 

 

鈴「問題ないわよ」

 

 

優希「なら三日後に出発。タイムトラベラーの前にきて」

 

 

優希は伝えると去っていった。

 

 

 

なのは「ユウ、後どれくらい?」

 

 

優希「三十分もかからない」

 

 

優希がタイムトラベラーを運転しているとなのはがやって来た。

 

 

なのは「でも、ユウ。何で別荘の事言わなかったの?」

 

 

優希「サプライズのつもりだった」

 

 

なのは「ユウは本当に驚かせるのが好きなんだから」

 

 

優希「別にそういうつもりはない」

 

 

なのは「ねぇ、ユウ…」

 

 

優希「何?」

 

 

なのは「…まだ私達の事信用出来ない?」

 

 

優希「そんな事ない」

 

 

なのは「だったら私達に全部…」

 

 

優希「僕は追われる身だよ。お姉ちゃん達は(僕が)無理やり連れてきた」

 

 

なのは「何言ってるの!?私達は…」

 

 

優希「万が一、僕が捕まってもお姉ちゃん達は大丈夫」

 

 

なのは「ユウ、まさか…」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「見付かったの?」

 

 

優希「まだ見付かってない」

 

 

なのは「じゃあ…」

 

 

優希「今捕まってもお姉ちゃん達は共犯にならずにすむ」

 

 

なのは「違うよ!!私達は自分の意思で…」

 

 

優希「でも、管理局はそうは思わない」

 

 

なのは「でも!!」

 

 

優希「大丈夫、この世界にいる限り見付かる事はない」

 

 

なのは「本当に?」

 

 

優希「うん」

 

 

なのははまだ納得出来なかった。

 

 

優希「この世界から出ていく時はちゃんと教える」

 

 

なのは「約束だよ?」

 

 

優希「うん、もう少しで着くから皆と降りる準備して」

 

 

なのは「分かった」

 

 

なのはは運転席から離れると皆に教えに向かった。

 

 

 

アリサ「良い所ね♪」

 

 

別荘に着くとなのは達は景色に喜んだ。

 

 

フェイト「よく見付けたね優希」

 

 

優希「たまたま」

 

 

優希が入口に近付くと扉が開いた。

 

 

アルフ「お、やっと来たのかい」

 

 

フェイト「アルフ!?」

 

 

アルフ「フェイト♪」

 

 

二人が抱き締めあっていると…

 

 

シャマル「皆さんいらっしゃい♪」

 

 

はやて「シャマル!?」

 

 

優希「サプライズ2」

 

 

今度はシャマルが出てきた。

 

 

優希「全員集合」

 

 

はやて「全員って…」

 

 

シャマル「シグナム達も一緒ですよ♪」

 

 

優希「今は?」

 

 

シャマル「買い物に行ってもらってます」

 

 

優希「荷物置く」

 

 

すずか「そうだね、荷物おこうか?」

 

 

アルフ「さぁ、入んな。中の掃除は終わっているから」

 

 

優希「後任せる」

 

 

シャマル「優希君はどちらに?」

 

 

優希「これのチェック」

 

 

優希は手で三角形を作りシャマルに見せると森に入っていった。

 

 

シャマル「わかりました」

 

 

はやて「シャマル?今のは?」

 

 

シャマル「アレは防犯のサインですよ」

 

 

はやて「すぐに戻ってくるんか?」

 

 

シャマル「はい、私達も確認はしたので大丈夫だと思いますよ」

 

 

アリサ「取り合えず中に入りましょ」

 

 

アリサを先頭になのは達は別荘に入っていった。

 

 

フェイト「広いね~、部屋はどれ位あるの?」

 

 

アルフ「部屋は二階と三階に八部屋ずつあるよ」

 

 

なのは「部屋割りしようか?」

 

 

シャマル「私達は三階を使っています」

 

 

はやて「ならウチが三階に行くよ」

 

 

なのは「いいの?」

 

 

フェイト「私も行くよ。アルフもいるし」

 

 

アリサ「なら残りは二階を使いましょう」

 

 

優希「終わった?」

 

 

部屋割りが終わると優希が戻ってきた。

 

 

優希「シャマル」

 

 

シャマル「何ですか?」

 

 

優希「買い物は頼んどいた奴?」

 

 

 

シャマル「そうですよ」

 

 

すずか「頼んだ奴って?」

 

 

優希「バーベキュー」

 

 

鈴「良いわね~♪」

 

 

ヴィータ「シャマル~、買ってきたぞ」

 

 

話しているとヴィータ達が帰ってきた。

 

 

はやて「おかえり~」

 

 

ヴィータ「はやて♪」

 

 

シグナム「お疲れさまです、主はやて」

 

 

はやて「そや、リィンフォースも出てきたらどうや?」

 

 

リィンフォース『よろしいのですか?』

 

 

はやて「かまへんよ」

 

 

リィンフォース「わかりました」

 

 

優希「リィン、リナ」

 

 

リィン「リィンもいいのですか?」

 

 

リナ「わ~い♪」

 

 

優希「ルネとランはどうする?」

 

 

ルネ「よろしいのですか?」

 

 

優希「全員集合」

 

 

ルネ「わかりました、ラン」

 

 

ラン「はい」

 

 

ルネとランも出てきて優希の横に並んだ。

 

 



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第112話

 

 

はやて「ほらヴィータ、優希君。焼けたで~」

 

 

優希「モグモグ」

 

 

ヴィータ「ギガうめ~♪」

 

 

シャマル「はやてちゃん、後は私がやりますよ」

 

 

はやて「…大丈夫なんか?」

 

 

シャマル「どういう意味ですか!?」

 

 

アルフ「大丈夫だよ、今は」

 

 

セシリア「今は?」

 

 

優希「前は駄目だった」

 

 

シャマル「優希君!?」

 

 

優希「真実」

 

 

シャマル「う~…」

 

 

優希の発言にシャマルは泣く寸前だった。

 

 

鈴「アンタ達って大所帯だったのね」

 

 

アリサ「まあね、ほら優希」

 

 

優希「♪」

 

 

優希が串を取ろうとしたがアリサが先に気付き串を取って渡した。

 

 

セシリア「皆さん、優希さんへのフォローも慣れていますわね?」

 

 

すずか「危ないからね。優希君、ちゃんと野菜も食べるんだよ」

 

 

優希「……」

 

 

肉ばかり食べていると注意された優希は皿を差し出した。

 

 

すずか「はい、ちゃんと食べるんだよ」

 

 

鈴「本当に姉弟って言うより母子って感じよね」

 

 

なのは「そんな事ないって言えないのが辛いかな~」

 

 

ラウラ「だが絆は深く感じるぞ」

 

 

フェイト「長く一緒にいるからね

 

 

優希「♪」

 

 

フェイトは優希を抱き上げると優希が取りやすいようにテーブルに近寄った。

 

 

ラウラ「しかしお前達は力があるのだな?」

 

 

フェイト「なんで?」

 

 

ラウラ「婿を軽々と持ち上げているではないか」

 

 

なのは「あ~…、ラウラちゃんはユウを抱っこしたこと無いんだっけ?」

 

 

ラウラ「ないな」

 

 

フェイト「優希、いい?」

 

 

優希「……」コク

 

 

フェイト「ラウラ、抱っこしてみて」

 

 

ラウラ「分かった」

 

 

フェイトは優希をラウラに渡した。

 

 

ラウラ「?やけに軽いな」

 

 

なのは「でしょ?だから私達も簡単に抱き上げれるんだよ」

 

 

鈴「そんなに軽いの?」

 

 

ラウラ「ああ、片手でも余裕だ」

 

 

鈴「私も抱っこしてみたいんだけど」

 

 

ラウラ「どうする婿?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希が頷くとラウラは鈴に優希を渡した。

 

 

鈴「本当に軽いわね」

 

 

フェイト「皆見てて」

 

 

フェイトは優希を預かると…

 

 

フェイト「えい」

 

 

優希を上に投げた。

 

 

セシリア「ちょっ!?」

 

 

セシリアが慌てて駆け寄るが…

 

 

優希「……」

 

 

優希は宙に浮くと鈴達が呆気にとられた。

 

 

 

 

セシリア「どうなっているんですか…?」

 

 

鈴「宙に浮いてる…」

 

 

ラウラ「これが婿が軽い理由か?」

 

 

フェイト「そう、優希は自分自身を宙に浮かべて私達が抱えても負担にならないようにしてくれてるんだ」

 

 

鈴「何で人間が浮くのよ…」

 

 

なのは「ユウはデバイスを起動しなくてもある程度の機能は使えるんだ」

 

 

鈴「なるほど、だから宙に浮いてるの」

 

 

ラウラ「それは起動が間に合わなくても一時的に何とか出来る為か?」

 

 

フェイト「そうだね、万が一の防犯にもなってるよ。おいで、優希」

 

 

優希はゆっくり降りてきてフェイトに抱えられた。

 

 

なのは「納得出来た?」

 

 

セシリア「ええ、驚きましたが納得出来ましたわ」

 

 

優希「もういい?」

 

 

フェイト「ごめんね、もういいよ」

 

 

優希「モグモグ」

 

 

フェイトの許可をもらうと優希は食事を再開した。

 

 

なのは「食べ過ぎないようにね」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くと食べるスピードを落とした。

 

 

シャルロット「でも、優希って沢山食べるんだね?」

 

 

アリサ「珍しいくらいよ」

 

 

優希「けぷ」

 

 

優希は満足したのか皿を置き椅子に座った。

 

 

すずか「満足した?」

 

 

優希「……」コク

 

 

すずか「ちゃんと食休みするんだよ」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷くと椅子でゆっくりとしていた。

 

 

 

 

シャルロット「……」

 

 

カチャカチャ

 

 

シャマル「手伝いましょうか?」

 

 

シャルロット「大丈夫です。皆さんは休んでてください」

 

 

シャマル「でもお客さまに後片付けをやってもらうのは…」

 

 

シャルロット「いえ、旅費を出してもらっている以上これくらいは手伝わせてください」

 

 

優希「……」

 

 

シャマル「あら優希君?どうしたんですか?」

 

 

優希「シャルロットさん」

 

 

シャルロット「僕?」

 

 

優希「めっ!!」

 

 

シャルロット「え?」

 

 

突然の事にシャルロットは困惑した。

 

 

シャマル「多分シャルロットちゃんが働いているのを怒っているんだと思いますよ」

 

 

シャルロット「でも優希…」

 

 

優希「休みにならない」

 

 

シャルロット「休み?」

 

 

優希「皆が休まる為の旅行」

 

 

シャルロット「僕の場合は旅費を出してもらっているし…」

 

 

優希「気にしなくて良いって言った」

 

 

シャルロット「そんな訳にはいかないよ」

 

 

優希「…グス」

 

 

 

シャルロット「うぇ!?」

 

 

トタトタ!!

 

 

優希は二階に走っていった。

 

 

シャルロット「えっと…」

 

 

ドタドタ!!

 

 

なのは「だれ!?ユウを泣かせたのは!!」

 

 

シャルロット「ええ~!?」

 

 

優希が二階に行くと物凄い勢いでなのはが降りてきた。

 

 

優希「……」

 

 

抱き抱えられた優希の手には目薬があった。しかも器用になのはにだけ見えないように持っていた。

 

 

なのは「まさかシャルちゃん?」

 

 

シャルロット「いや、何と言いますか…」

 

 

なのはの迫力に思わず口調が丁寧になってしまうシャルロット。

 

 

なのは「どうなのユウ?」

 

 

ビッ

 

 

優希は迷う事なくシャルロットを指差した。

 

 

シャルロット「ちょっ!?」

 

 

なのは「シャルちゃん♪ちょっとお話ししようか?」

 

 

シャルロット「アハハ…」

 

 

なのはの笑顔にシャルロットはただ笑うしかなかった。

 

 

なのは「なるほどね、駄目だよシャルちゃん。ちゃんと休まないと」

 

 

シャルロット「でも…」

 

 

なのは「でもシャルちゃんの言い分もわかるな」

 

 

シャルロット「でしょ?」

 

 

優希「お姉ちゃんが寝返った…」

 

 

なのは「違うよ!?お姉ちゃんはあくまで中立で…」

 

 

優希「……」じ~

 

 

なのは「そんな目でお姉ちゃんを見ないで!?」

 

 

優希はなのはの事を冷めた目で見ていた。

 

 

なのは「う~…お姉ちゃんは中立なのに…」

 

 

優希「…分かった」

 

 

なのは「なに?」

 

 

優希「シャルロットさんが前みたいに収入があれば問題無し?」

 

 

シャルロット「まぁ…」

 

 

優希「ならウチで働けばいい」

 

 

なのは「ちょっ!?」

 

 

流石にこれにはなのはも驚いた。

 

 

優希「という事で…」

 

 

ポン

 

 

シャルロット「なに?」

 

 

優希「面接」

 

 

優希は書類を出すと椅子に座った。

 

 

シャルロット「えっと…」

 

 

優希「座って」

 

 

シャルロット「うん」

 

 

優希「まずは、スリーサイズ…」

 

 

スパン!!

 

 

なのは「何を聞いているの!?」

 

 

優希「だってはやてお姉ちゃんが、【男子なら女性のスリーサイズ位知ってなきゃあかん!!】って」

 

 

なのは「はやてちゃん…」

 

 

なのははその場からいなくなると…

 

 

はやて「ジョークやったんや~!?」

 

 

三階からはやての断末魔が聞こえた。

 

 

優希「……」グッ

 

 

シャルロット「優希?何で嬉しそうなの?」

 

 

優希「はやてお姉ちゃんは何時も変な事吹き込むから」

 

 

シャルロット「もしかしてなのはがいるから、わざと言った?」

 

 

優希「……」コク

 

 

シャルロット「うゎ~…」

 

 

ここでシャルロットは優希の恐ろしさを少し理解した。

 

 

優希「じゃあ真面目に、シャルロットさんは何が得意?」

 

 

シャルロット「ボク?う~ん、一通りの事は出来るよ」

 

 

優希「じゃあどんな仕事をしてみたい?」

 

 

シャルロット「う~ん、まだ考えた事ないかな」

 

 

優希「う~ん…」

 

 

優希が悩んでいると…

 

 

優希「!!」

 

 

シャルロット「どうしたの?」

 

 

優希「……」

 

 

ワキワキ

 

 

何を思いついたのか優希はシャルロットを見ると両手を開いたり閉じたりしてちょっとずつシャルロットに近付いた。

 

 

シャルロット「ゆ、優希!?」

 

 

シャルロットは自分の身体を抱くと少しずつ優希から距離をとった。

 

 

優希「にゃ~!!」

 

 

シャルロット「きゃ~!?」

 

 

スタッ

 

 

優希がシャルロットに向かって飛ぶが手前に着地すると…

 

 

優希「なんちゃって…」

 

 

ゴチン!!

 

 

アリサ「何をしてるのよ!!」

 

 

頬を赤くしたアリサに拳骨をくらった。

 

 

 

アリサ「まったく…はやてが何を吹き込んだか知らないけど今のはちょっと駄目よ優希」

 

 

優希「……」スリスリ

 

 

優希は頭を擦りながらアリサを見た。

 

 

アリサ「女性はデリケートなんだから、もっと優しくエスコートしなさい」

 

 

シャルロット「今の所を見てて感想がそれ!?」

 

 

アリサ「当たり前じゃない。だって、優希が女性を襲うなんてまずないもの」

 

 

シャルロット「どうして?」

 

 

アリサ「一緒に寝てるアタシ達にすら手を出さないのに他の女性に手を出す訳ないでしょ」

 

 

余程自信があるのかアリサは胸を張って言い切った。

 

 

シャルロット「それって言い替えるとアリサ達に興味が…」

 

 

アリサ「なに?」

 

 

アリサは笑顔で拳を握った。

 

 

シャルロット「ごめんなさい、何でもないです」

 

 

思わず謝ってしまうシャルロット。

 

 

優希「乙女心は難しい」

 

 

アリサ「そうね、優希。なら私とデートしなさい」

 

 

優希「どうして?」

 

 

アリサ「アタシが女性のエスコートの仕方を教えてあげる」

 

 

優希「この姿で?」

 

 

アリサ「そうだったわね、ならリミッターを解除しましょうか」

 

 

シャルロット「そんな理由でリミッターを解除していいの?」

 

 

アリサ「良いのよ」

 

 

優希「僕の安全は…」

 

 

アリサ「戦闘をしなければ大丈夫でしょ?」

 

 

優希「他のお姉ちゃん達はどうやって説得する?」

 

 

アリサ「それが問題ね」

 

 

アリサが悩んでいるとシャルロットが話を戻そうとした。

 

 

シャルロット「僕の面接は?」

 

 

優希「う~…」

 

 

アリサ「面接?」

 

 

シャルロット「うん、実は…」

 

 

シャルロットはアリサに面接の話をした。

 

 

アリサ「そういう事…で?何かあるの優希?」

 

 

優希「有ると言えば有る」

 

 

シャルロット「何かな?」

 

 

リィン「優希ちゃんの周りのお世話です」

 

 

アリサ「リィン?」

 

 

リィンは飛びながら部屋に入って来ると優希の肩に座った。

 

 

リィン「ランちゃんがお世話しきれない所をフォローしてもらいたいですよ」

 

 

アリサ「具体的には?」

 

 

リィン「優希ちゃんはお部屋の掃除が出来ないので掃除をしたり、朝を起こしたりしてほしいですよ」

 

 

アリサ「メイドみたいね」

 

 

リィン「そうですね、簡単に言うとそうです」

 

 

シャルロット「メイドか~」

 

 

シャルロットは少し悩んでいた。

 

 

 

優希「平日は学業優先、土日がメインでどう?」

 

 

リィン「どうですか?」

 

 

シャルロット「ちなみにお給料ってどの位?」

 

 

優希「…これでどう?」

 

 

優希は電卓で金額を出すとシャルロットに見せた。

 

 

シャルロット「…本当に?」

 

 

リィン「優希ちゃんはある意味要人ですから、ちなみに警護もすると…」

 

 

リィンはポチポチと電卓を押すと更に金額を増やした。

 

 

シャルロット「…やります!!」

 

 

リィン「決定です!!」

 

 

アリサ「…優希」

 

 

優希「?」

 

 

アリサ「私のお小遣いもアップ…」

 

 

優希「却下」

 

 

アリサ「何でよ!?良いじゃない!!」

 

 

優希「これ以上は駄目」

 

 

アリサ「お願い、ね?」

 

 

優希「媚売っても駄目」

 

 

アリサ「けち!」

 

 

優希「…お小遣い減らされたい?」

 

 

アリサ「ちょっ!?横暴よ!!」

 

 

優希「とにかく駄目」

 

 

アリサ「お願い、ちょっと狙ってるアクセサリーがあるのよ。だからね?」

 

 

優希「駄目なものは駄目」

 

 

アリサ「ドケチ」

 

 

優希「…お小遣い四割カット」

 

 

アリサ「ちょっと!!いくら何でも横暴よ!!」

 

 

優希「自業自得」

 

 

アリサ「ごめん、謝るからカットは許して」

 

 

アクセサリーが欲しいのかアリサはお小遣いカットだけは阻止しようとした。

 

 

優希「…そんなに欲しいの?」

 

 

アリサ「まぁ…」

 

 

シャルロット「いくらするの?」

 

 

アリサ「な、七万…」

 

 

シャルロット「七万!?」

 

 

優希「お小遣い貯めれば直ぐに買えるでしょ」

 

 

アリサ「一品物なのよ、だから何時売れてもおかしくないの」

 

 

優希「……」

 

 

優希は何かを考えるとアリサにある提案を出してきた。

 

 

優希「…買ってあげようか?」

 

 

アリサ「本当!?」

 

 

優希「そのかわり…」

 

 

アリサ「そのかわり?」

 

 

優希「僕の開発を許してくれるのが条件」

 

 

アリサ「ちょっと待ってなさい、今みんなを説得してくるから」

 

 

アリサは上の階に行きなのは達の説得に向かった。

 

 

シャルロット「行っちゃったね」

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「ほら優希。見なさい」

 

 

すぐに戻ってきたアリサが紙を見せると開発の許可をすると書かれていてなのは達のサインがあった。

 

 

アリサ「これでいい?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は紙を受け取ると…

 

 

優希「はい」

 

 

優希は封筒を渡した。

 

 

バシュ!!

 

 

アリサ「バインド!?」

 

 

すずか「何これアリサちゃん?」

 

 

優希が封筒を渡すと同時になのはがアリサにバインドをして、捕まったアリサは、封筒を奪われた。

 

 

アリサ「返しなさいよ!?」

 

 

はやて「中身は…」

 

 

フェイト「お金?しかもこんなに!?」

 

 

なのは「ユウ、このお金は?」

 

 

優希「…アリサお姉ちゃんに買い物頼んだ」

 

 

優希はアリサを守るため嘘をついた。

 

 

すずか「本当に?」

 

 

優希「……」コク

 

 

すずか「ほ・ん・と・う・に?」

 

 

優希「……」コクコク

 

 

優希が必死に庇うが…

 

 

なのは「ユウ、嘘は駄目だよ」

 

 

なのはは嘘を見抜いていた。

 

 

すずか「さっきアリサちゃんが開発の許可を取りに来たけどそれと関係あるでしょ?」

 

 

優希「……」フルフル

 

 

フェイト「優希?これ以上嘘をつくと…」

 

 

優希「?」

 

 

フェイト「お仕置きするよ?」

 

 

優希「交換条件で開発の許可とアクセサリーのお金を渡した」

 

 

アリサ「優希!?」

 

 

お仕置きと聞いた優希はアッサリと白状した。

 

 

なのは「アクセサリー?」

 

 

リィン「アリサちゃんがアクセサリーが欲しいと言ったので、優希ちゃんがアクセサリーを買うので開発の許可を条件にだしたです」

 

 

なのは「ズルイ!!」

 

 

アリサ「良いじゃない!!アタシと優希の交渉なんだから」

 

 

はやて「そういえば…優希君って経費とは別にお小遣い持っているんやろ?いくら位持ってるんや?」

 

すると突然はやては疑問になった優希のお小遣いが気になった。

 

 

優希「リィン」

 

 

リィン「ちょっと待っててくださいです」

 

 

リィンはペンダントに入ると何かを持って出てきた。

 

 

すずか「通帳?」

 

 

優希「そう」

 

 

5つの通帳をはやてに見せた。

 

 

はやて「どれど…れ……」

 

 

金額を見たはやては固まった。

 

 

なのは「どうしたのはやてちゃん?」

 

 

なのは達も見ると固まった。

 

 

優希「?」

 

 

なのは「ユウ、これって…」

 

 

優希「僕のお小遣い全額」

 

 

5つの通帳を合わせれば軽く国家予算に届きそうな金額である。

 

 

ダッ!!

 

 

なのは達は通帳を放り出すと各々の部屋に戻った。

 

 

優希「ほっ」

 

 

優希は通帳をキャッチするとリィンに渡ししまった。

 

 

ダダダ!!

 

 

なのは「ユウ!!お姉ちゃんこの…」

 

 

フェイト「優希!!私この…」

 

 

はやて「優希君!!ウチはこれ…」

 

 

すずか「優希君!!私この…」

 

 

なのは達は戻って来るとカタログを優希に見せ始めた。

 

 

優希「……」

 

 

優希がなのは達の目を見ると¥マークが映っていた。

 

 

優希「…買わないよ」

 

 

なのは「アリサちゃんは買って貰えたのに!?」

 

 

優希「それは交渉したから」

 

 

フェイト「じゃあ私達も許可を出す代わりに…」

 

 

優希「もう駄目。サインは貰ったから」

 

 

はやて「なぁ~♪ええやろ~♪優希君♪」

 

 

優希「却下」

 

 

はやて「ケチや!!」

 

 

優希「お小遣い四割カット」

 

 

はやて「卑怯や!?」

 

 

優希「お姉ちゃん達はどうする?」

 

 

なのは「アハハ…ごめんなさい」

 

 

フェイト「諦めるよ」

 

 

すずか「う~…」

 

 

優希「じゃあ、おしまい。シャルロットさん」

 

 

シャルロット「何?」

 

 

優希「いつから働きたい?」

 

 

シャルロット「う~ん、夏休みが終わったらでも平気?」

 

 

優希「……」コク

 

 

シャルロット「じゃあそれでお願い」

 

 

優希「…ラン」

 

 

ラン「はい」

 

 

優希「これに書いてあること、今月中に出来る?」

 

 

優希は一枚の紙を渡した。

 

 

ラン「…はい、大丈夫です。すぐに取り掛かりますか?」

 

 

優希「来月には始めたいからそれに合わせて」

 

 

ラン「かしこまりました」

 

 

優希「それとシャルロットお姉ちゃんに服の用意を」

 

 

シャルロット「服?」

 

 

ラン「メイド服です」

 

 

シャルロット「僕も着るの?」

 

 

ラン「当然です。優希様のお世話をするなら衣装からはいります」

 

 

シャルロット「…優希の趣味?」

 

 

優希「ランの趣味」

 

 

シャルロット「着なきゃ駄目?」

 

 

ラン「仕事着ですから」

 

 

シャルロット「仕事着ならしょうがないか」

 

 

シャルロットは諦めてメイド服を着ることにした。

 

 

 



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第113話

 

優希「……」

 

 

リィン「優希ちゃん、こっちは数え終ったですよ」

 

 

優希とリィンはせっせと沢山の封筒を用意していた。

 

 

なのは「おはよー」

 

 

するとなのは達も起き出してきた。

 

 

優希「お姉ちゃん」

 

 

なのは「なに?」

 

 

優希「お小遣い日&給料日」

 

 

フェイト「そっか今日は月始めだったね」

 

 

優希「はい、お小遣い」

 

 

優希はなのは達にお小遣いを渡した。するとはやてから文句が出た。

 

 

はやて「優希君、なんかウチのお小遣い少ないやけど…」

 

 

優希「四割カット」

 

 

はやて「マジだったんか!?」

 

 

優希「当然」

 

 

はやて「お願いや~!!許して~!!」

 

 

スリスリ

 

 

はやては優希を抱き締めると頬擦りした。

 

 

優希「ハハハ、見せしめじゃ~」

 

 

はやて「思いっきり棒読みやん!!」

 

 

優希「…チッ」

 

 

はやて「舌打ちされた!?」

 

 

リィン「優希ちゃん許してあげるですよ」

 

 

優希「わかった」

 

 

はやて「良かった~♪」

 

 

優希「次は…」

 

 

リィン「シグナム達の分ですよ~」

 

 

シグナム「すまんな」

 

 

ヴィータ「サンキュ」

 

 

シャマル「ありがとうございます」

 

 

ザフィーラ「感謝する」

 

 

優希「はい、リィン」

 

 

リィン「ありがとうですよ~♪」

 

 

全員に渡すと優希は外に向かった。

 

 

リィン「お散歩ですか?」

 

 

優希「ちょっと外の空気を吸ってくる」

 

 

優希はそう言うとトコトコと散歩に出掛けた。

 

 

優希「♪~」

 

 

優希は楽しそうに山道を登っていた。

 

 

がさがさ

 

 

優希「?」

 

 

優希は物音が気になり草むらに近付くがそこは…

 

 

ズル!!

 

 

優希「!?」

 

 

崖になっており優希は咄嗟に浮くことが出来ず崖から落ちた。

 

 

 

優希「…しくじった」

 

 

崖から落ちた優希は頭から血が流れており、意識も朦朧としていた。

 

 

優希「誰か気付いて…」

 

 

ドン!!ドン!!ドン!!

 

 

優希は業火を腰のホルダーから抜くと三発だけ弾をこめると空に向かい撃った。すると弾は空で破裂して赤い煙が登った。

 

 

優希「……」

 

 

優希はそれを見終えると意識を失った。その頃…

 

 

なのは「遅いな、ユウ」

 

 

鈴「何してるのよ優希は」

 

 

ラウラ「探しに行くか?」

 

 

あの後、鈴達も起き出してきて朝食の準備も終わり皆優希の帰りを待っていた。

 

 

アリサ「先に食べましょ」

 

 

セシリア「所でなのはさん」

 

 

なのは「うん?何セシリアちゃん」

 

 

セシリア「この辺でお祭りでもあるのですか?」

 

 

なのは「なんで?」

 

 

セシリア「いえ、彼方に赤い煙が登ったので」

 

 

チュウ太「マジですか!?」

 

 

突然チュウ太が声を上げると窓に近付き空を見上げた。

 

 

アリサ「どうしたのよ」

 

 

チュウ太「てえへんだ!!チュウ太より支援マシンに緊急連絡!!旦那より救助シグナル確認!!各機緊急発進されたし!!」

 

 

チュウ太は通信を開くと支援マシンに緊急連絡した。

 

 

フェイト「どうしたの急に…」

 

 

チュウ太「あれは旦那からの救助シグナルでさ!!」

 

 

ガタッ!!

 

 

なのは「それってユウに何かあったって事!?」

 

 

フェイト「優希!!応答して!!」

 

 

フェイトが通信を開くが優希から返事は無かった。

 

 

アリサ「チュウ太!!優希の位置は!?」

 

 

チュウ太「…駄目です!!結界が邪魔して旦那を確認出来やせん!!」

 

 

アリサ「私達も行くわよ!!」

 

 

チュウ太「既にルネさん達も出ていやす!!」

 

 

鈴「私達も手伝うわよ!!」

 

 

なのは達は空に上がり、鈴達は地上からの捜索が始まった。

 

 

 

なのは「ユウ~!!」

 

 

フェイト「優希!!」

 

 

はやて「なのはちゃん!!いた!?」

 

 

なのは「だめ…」

 

 

アリサ「見つかった!?」

 

 

すずか「駄目…見付からない」

 

 

アリサ達も合流するが優希は見付からなかった。

 

 

フェイト「お願い、出て優希!!」

 

 

フェイトは探索しながら通信を何度も呼び掛けた。

 

 

優希『…おね…ちゃん…』

 

 

フェイト「繋がった!!」

 

 

なのは「ユウ!!何処にいるの!?」

 

 

優希『……』

 

 

はやて「様子がおかしいで」

 

 

アリサ「優希!!何処なの!!」

 

 

ドン!!

 

 

すると銃声が響いた。

 

 

すずか「今のは優希君!!」

 

 

 

なのは達は銃声が響いた方に向かった。

 

 

なのは「確かこの辺で…」

 

 

フェイト「優希!!優希!!」

 

 

フェイトは何度も優希を呼び続けた。

 

 

ドン!!

 

 

アリサ「降りるわよ!!」

 

 

銃声がした近くに降りるとなのは達は付近を探した。

 

 

フェイト「いた!!」

 

 

するとフェイトが崖下で優希を見つけた。

 

 

なのは「ユウ!!」

 

 

なのはが抱き上げようとするが…

 

 

すずか「駄目だよなのはちゃん!!」

 

 

なのは「どうして!?」

 

 

すずか「頭を打ってる。変に動かしたら駄目だよ、はやてちゃん」

 

 

はやて「今シャマルに向かってもらっとる」

 

 

はやてはシャマルに連絡をして到着を待った。

 

 

 

シャマル「頭を少し切っていますが大丈夫ですよ。すぐに目が覚めると思います」

 

 

なのは「良かった~」

 

 

アリサ「なら今のうちに話をしましょうか」

 

 

すずか「そうだね」

 

 

はやて「なんかあるんか?」

 

 

アリサ「結界の事よ。アレのせいで優希の発見が遅れたのだから」

 

 

すずか「一歩間違えば危ないよ」

 

 

フェイト「確かに…」

 

 

はやて「シグナム、結界はどの位の範囲なん?」

 

 

シグナム「この山全体です」

 

 

フェイト「山全体?この建物の為にそこまで必要かな?」

 

 

ヴィータ「必要だろ。土地っての含めば」

 

 

はやて「ちょいまって?この建物から何処までが優希君の土地なん?」

 

 

アルフ「この山全体位だよ」

 

 

なのは「ユウ…別荘を買ったんじゃなくて山を買ったんだ…」

 

 

すずか「優希君に一度、お金の使い方教えた方がいいかも…」

 

 

アリサ「そうね、それはいいとして結界は解除させた方がいいわね」

 

 

なのは「そうだね」

 

 

話し合いの結果、優希に結界を解除させる事に決まった。

 

 

はやて「ザフィーラ、優希君の事見ててくれるか?」

 

 

ザフィーラ「承知しました」

 

 

アルフ「アタシも残るよ」

 

 

なのは達はアルフ達に優希を任せて部屋を出ていった。

 

 

鈴「なのは、優希は?」

 

 

なのは「大丈夫だよ、たいした怪我じゃないから」

 

 

ラウラ「それは良かった。婿に何かあっては困るからな」

 

 

セシリア「安心しましたわ」

 

 

ラン「優希様~」

 

 

なのは達がダイニングで話いるとランが戻ってきた。

 

 

なのは「お帰りランちゃん」

 

 

ラン「優希様は?」

 

 

フェイト「優希なら怪我して、今部屋で寝て…」

 

 

ラン「優希様~!?」

 

 

ランは荷物を放り投げ優希の下に向かった。

 

 

シャルロット「……何?」

 

 

すずか「あ~…ランちゃんは優希君大好きっ子だから」

 

 

すずかは散らばった荷物を集めていると一つの書類が目についた。

 

 

すずか「土地売買契約書?」

 

 

アリサ「また何処かの土地を買おうとしてるの優希は?」

 

 

フェイト「場所は?」

 

 

すずか「えっと、学園の近くだね」

 

 

なのは「学園の?」

 

 

すずか「うん、後は…建物は工場?」

 

 

はやて「また何か作るんか?」

 

 

アリサ「もしくはタイムトラベラーの置き場か…」

 

 

書類を読むがそれ以上は解らず優希が目覚めるのを待つことになった。

 

 

 

 

優希「お姉ちゃん」

 

 

日がくれてきた頃アルフに抱っこされた優希がダイニングにやって来た。

 

 

なのは「大丈夫?」

 

 

優希「ありがとう」

 

 

優希は助けに来てくれた事に感謝した。

 

 

フェイト「所で優希、聞きたい事があるんだけど」

 

 

優希「?」

 

 

すずか「コレは何?また何か作るの?」

 

 

すずかは優希に土地売買契約書を見せた。

 

 

 

優希「ちょっと安定した収入源を確保しようと」

 

 

はやて「何を作るん?」

 

 

優希「電子機器を主に」

 

 

アリサ「まぁ、安定した収入は必要ね」

 

 

優希「それとチュウ太見なかった?」

 

 

チュウ太「お呼びですか旦那!!」

 

 

呼ばれたチュウ太はアルフの足下に現れ…

 

 

チュウ太「…オレンジ」

 

 

ゲシッ!!

 

 

アルフ「優希?壊していいかい?」

 

 

優希「駄目」

 

 

アルフはミニスカートだった。

 

 

チュウ太「そ、それで旦那?あっしをお呼びで」

 

 

優希「コレ」

 

 

ドン

 

 

優希はテーブルにチュウ太と同じ機械で出来た本を置いた。しかし厚さはチュウ太よりも分厚い。

 

 

なのは「何これ?」

 

 

優希「チュウ太の拡張パック」

 

 

チュウ太「ではさっそく♪」

 

 

チュウ太は拡張パックとリンクしだした。

 

 

はやて「拡張パック?」

 

 

優希「チュウナーズ百匹」

 

 

すずか「百匹!?何でそんなに作ったの?」

 

 

優希「工場での作業員」

 

 

フェイト「そっか、ウチは他の人は雇えないもんね」

 

 

チュウ太「旦那!!リンク終わりやした。何時でもチュウナーズを動かせやす」

 

 

優希「ラン」

 

 

ラン「はい、優希様」

 

 

優希「チュウ太を連れて作業を進めて」

 

 

ラン「かしこまりました。チュウ太、行きますよ」

 

 

チュウ太「あいさ~」

 

 

ランはチュウ太と拡張パックを持つと部屋を出ていった。

 

 

リィン「優希ちゃ~ん♪」

 

 

優希「……」

 

 

入れ違いにお風呂から出てきたリィンは肌クリームを持って飛んできた。

 

 

リィン「これ返すです」

 

 

優希はリィンからクリームを受け取った。

 

 

なのは「それはなに?」

 

 

優希「前に作った発明、美肌クリーム」

 

 

はやて「美肌!?」

 

 

優希「これを塗ればお肌ツルツル」

 

 

リィン「ツルツルです!!」

 

 

フェイト「優希、ちょっと貸して?」

 

 

優希「駄目」

 

 

フェイト「そんな意地悪しないで、ね?」

 

 

優希「これはリィンの分だから貸せない」

 

 

すずか「余分にないの?」

 

 

優希「…ない」

 

 

アリサ「……」

 

 

ゆさゆさ

 

 

アリサは無言で優希を持ち上げると揺すった。

 

 

 

アリサ「出てこないわね…」

 

 

優希「欲しい?」

 

 

はやて「まだ若いから大丈夫やもん」

 

 

フェイト「ちょうだい」

 

 

優希「はい」

 

 

素直に答えたフェイトに優希は美肌クリームを渡した。

 

 

なのは「ユウ、お姉ちゃんにも!!」

 

 

優希ははやてとアリサ以外に渡した。

 

 

はやて「私達のは?」

 

 

優希「若いんでしょ?」

 

 

アリサ「私は?」

 

 

優希「揺すったから駄目」

 

 

アリサ「お願い、ね?」

 

 

優希「……」ブルブル

 

 

アリサが媚うった瞬間、体を抱き締め震えた。

 

 

ガシッ!

 

 

アリサ「今の反応は何かしらね?優希?」

 

 

優希「……」

 

 

アリサは優希の両肩を掴むと正面から向き合い目をじっと見つめた。

 

 

優希「気にしたら負け」

 

 

アリサ「余計に気になるわよ!!」

 

 

優希「怒ると…」

 

 

アリサ「怒ると何よ?」

 

 

優希「美人が台無し」

 

 

アリサ「美人!?」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「そっか~♪優希には私が美人に見えてるのね♪」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「♪」

 

 

すっかり上機嫌になったアリサは優希への怒りを無くしていた。

 

 

なのは「最近アリサちゃんばっかり優遇されてると思うんだけど…」

 

 

フェイト「そうだね…」

 

 

優希「お姉ちゃん達は言わなくても分かると思ってた」

 

 

すずか「それって内心は私達が綺麗って言ってる?」

 

 

優希「……」コク

 

 

すずか「そっか~♪」

 

 

なのは達も上機嫌になった。

 

 

はやて「ウチは?」

 

 

優希「…残念」

 

 

はやて「残念ってなんやねん!?ウチは見た目は美少女やで!!」

 

 

優希「存在が…」

 

 

はやて「ガーン!?ウチって存在が駄目やったんか…」

 

 

床に手をついてはやては落ち込んだ。

 

 

 

 

優希「第一回ボーナス争奪戦」

 

 

リィン「見付けたらウハウハです!!」

 

 

アリサ「…はぁ?」

 

 

すずか「何するの?」

 

 

突然の事になのは達は疑問を浮かべた。

 

 

リィン「だからボーナスです!!」

 

 

フェイト「ボーナス?給料とは別に貰える奴だよね?」

 

 

リィン「そうです!!皆にもボーナスが出るですよ!!」

 

 

はやて「ほんまに!?」

 

 

優希「ただし」

 

 

リィン「この別荘の何処かに隠してあるです」

 

 

なのは「宝探しって事かな?」

 

 

リィン「はいです♪見付けたらお小遣いに出来るです」

 

 

アリサ「まぁ暇潰しには…」

 

 

リィン「因みに金額は皆さんのお小遣いの2倍です!!」

 

 

アリサ「ルールは!?」

 

 

優希「ルールは簡単、封筒に入ったボーナスを探すだけ。制限時間はお昼まで」

 

 

なのは「よくそんなに隠せたね?」

 

 

優希「?」

 

 

リィン「違うですよ」

 

 

なのは「違う?」

 

 

リィン「ボーナスが貰えるのは一人だけですよ」

 

 

バチッ

 

 

なのは達の間に火花が散った。

 

 

優希「よーい…」

 

 

リィン「ドンです!!」

 

 

ダッ!!

 

 

なのは達は一斉に部屋中を探し始めた。

 

 

ガサガサ

 

 

ガタガタ

 

 

リィン「…予想以上に皆頑張るですね」

 

 

優希「…お小遣い少ない?」

 

 

リィン「一般家庭に比べたら高過ぎるですよ」

 

 

優希「来月からお小遣い減らそうかな…」

 

 

優希が呟いた瞬間…

 

 

なのは「反対!!」

 

 

フェイト「現状維持で!!」

 

 

はやて「減額反対!!」

 

 

アリサ「むしろアップして!!」

 

 

すずか「減らさないで!!」

 

 

宝探しそっちのけで優希に迫った。

 

 

優希「贅沢は…」

 

 

はやて「一番お小遣い多いのは優希君やから」

 

 

優希「どうするリィン?」

 

 

リィン「リィンに振るですか!?」

 

 

 

なのは達「……」

 

 

今にも視線だけで刺されそうな鋭い目付きでリィンを睨むなのは達。

 

 

リィン「やっぱり多いと…」

 

 

ギン!!

 

 

リィン「ヒッ!?」

 

 

なのは達の視線が鋭くなり、リィンは怯えて優希の後ろに隠れた。

 

 

優希「睨んだら、めっ!!」

 

 

なのは「でもね、ユウ。お姉ちゃん達のお小遣いを減らすのはやめてほしいかな?」

 

 

優希「う~ん」

 

 

フェイト「ね?」

 

 

フェイトは優希を抱っこすると頭を撫でてご機嫌をとろうしていた。

 

 

フェイト「あれ?」

 

 

フェイトは優希を抱っこすると、優希の背中に違和感を覚え優希の背中を見ると封筒が張り付いていた。

 

 

優希「……」

 

 

フェイト「……」

 

 

バッ!!

 

 

優希は途端に逃げ出した。

 

 

なのは達「待て~!!」

 

 

優希「……」

 

 

なのは達も優希の背中に封筒があるのに気付き優希を追いかけ始めた。

 

 

アリサ「どこが宝探しなのよ!!」

 

 

優希「僕は建物の中って言った」

 

 

すずか「屁理屈だよ!!」

 

 

文句を言いつつ必死に優希を追いかけた。

 

 

優希「……」

 

 

シュタ!!

 

 

優希は天井に張り付いた。

 

 

カサカサカサカサ

 

 

はやて「ゴキブリか!?」

 

 

天井に張り付いた優希の動きを見たはやては思わず突っ込んだ。

 

 

なのは「逃がさないよ!!」

 

 

キィン!!

 

 

なのはが優希にバインドを掛けるがそれが間違いだった。

 

 

ポトッ

 

 

ゴン!!

 

 

優希「ッ~!?」

 

 

バインドを掛けられた優希は天井から落下して頭を床に思いっきりぶつけた。

 

 

なのは「ユウ大丈夫!?」

 

 

転げ回る優希になのはは慌てて駆け寄る。

 

 

優希「お姉ちゃんがイジメた…」

 

 

なのは「誤解だよ!?」

 

 

優希「痛い」

 

 

なのは「ごめんね?」

 

 

なのはは優希の頭を撫でながら謝った。

 

 

はやて「……」

 

 

優希「人でなし…」

 

 

はやて「誤解や!?」

 

 

こっそり封筒を取ろうしたはやてに優希は容赦ない言葉を浴びせた。

 

 

優希「言い訳は見苦しい」

 

 

はやて「そこまで言わんでも!?」

 

 

優希の物言いに若干泣きそうになるはやて。

 

 

優希「あ」

 

 

フェイト「どうしたの?」

 

 

ビー!!

 

 

リィン「時間てす!!」

 

 

お昼になりボーナス争奪戦は終わった。

 

 

 

なのは「え~!?時間切れ!?」

 

 

優希「残念」

 

 

すずか「延長戦は…」

 

 

優希「ない」

 

 

アリサ「ねぇ優希♪おねがい♪」

 

 

アリサは優希を抱っこすると甘える様に優希に頼みこんだ。

 

 

優希「だったら」

 

 

アリサ「だったら?」

 

 

優希「コレは皆の服飾代にしようか?」

 

 

フェイト「それって服を買ってくれるって事!?」

 

 

優希「そう、このボーナスを皆で使うこと」

 

 

はやて「何を買おうかな♪」

 

 

なのは「夏の新作かな♪やっぱり♪」

 

 

もう買い物に行く事になっているなのは達は上機嫌でカタログを見たりしていた。

 

 

優希「どこから出したの?」

 

 

すずか「気にしない気にしない♪」

 

 

優希「……」

 

 

チュウ太「旦那~」

 

 

優希「お帰り」

 

 

チュウ太は優希の足から登り一気に肩まで登り止まった。

 

 

チュウ太「チュウナーズを置いてきたんで工場の生産は大丈夫でさ~」

 

 

優希「ランは?」

 

 

チュウ太「ランの姐さんは工場で指揮をとっていやす」

 

 

優希「任せて大丈夫そうだね」

 

 

チュウ太「旦那の指示通りやっておりやすから、余程の事がない限り旦那の手を煩わせる事は無いと思いやす」

 

 

優希「アレの完成予定日は?」

 

 

チュウ太「一月程で完成する予定てさ~」

 

 

優希「わかった。お姉ちゃん」

 

 

なのは「なに?」

 

 

優希「買うの決まったら教えて」

 

 

フェイト「わかったよ」

 

 

優希はそのまま自分の部屋に戻っていった。

 

 

 

優希「……」

 

 

リィン「決まったですか?」

 

 

優希「どうしよう?」

 

 

ある服を優希は選らんでいるが悩んで決まらずにいた。

 

 

コンコン

 

 

なのは「ユウ~、今大丈夫?」

 

 

優希「……」

 

 

カチャ

 

 

なのは「入っても大丈夫?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希はなのは達を部屋にいれた。

 

 

優希「決まった?」

 

 

フェイト「うん、注文してもいい?」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

すずか「じゃあ注文しておくね」

 

 

アリサ「それで?優希は何をしてたの?」

 

 

優希「悩み中」

 

 

はやて「何を悩んでるん?」

 

 

優希「あれ」

 

 

優希は壁にかかっている二着のスーツを指差した。

 

 

なのは「スーツ?よくあったねこんな小さなサイズ」

 

 

優希「特注」

 

 

アリサ「それで?何を悩んでいるの?」

 

 

優希「どっちを着るか」

 

 

はやて「目的が分かれば判断しやすいんやけど」

 

 

優希「お見合い」

 

 

なのは「そっか~、お見…」

 

 

少しの間をおき…

 

 

なのは達「お見合い!?」

 

 

なのは達は叫ぶと優希に詰め寄った。

 

 

フェイト「どういう事優希!?私というものがいるのに他の女の人とお見合いって!?私の事は遊びだったの!?」

 

 

優希「…人聞きの悪い」

 

 

すずか「それより答えて!!お見合いってどういう事!?」

 

 

リィン「国が繋がりが欲しいために強引に進めてきたです」

 

 

はやて「断る事は出来ないんか?」

 

 

リィン「国ですから…無下には出来ないです」

 

 

なのは「だからって…」

 

 

優希「取り合えず、会うだけ会うことにして破談に持っていく」

 

 

 

アリサ「相手は何処の誰なのよ?」

 

 

優希「さぁ?多分それなりの経歴がある人だと思うよ」

 

 

なのは達「……」

 

 

優希「付いてきちゃ駄目だからね」

 

 

なのは「や、やだな~ユウ…」

 

 

なのは達は優希から目を反らした。

 

 

優希「怪しい…」

 

 

不安を覚える優希であった。

 

 



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第114話

 

 

リィン「な、何ですか皆さん…」

 

 

優希が眠った後、リィンはなのは達に呼び出され囲まれていた。

 

 

なのは「…リィン」

 

 

フェイト「わかってるよね?」

 

 

リィン「な、何をですか?」

 

 

はやて「今回のお見合い…」

 

 

アリサ「必ず破談にしてきなさい」

 

 

リィン「リィンがですか!?」

 

 

すずか「そうだよ、リィンしか付いて行けないんだから」

 

 

リィン「嫌ですよ!?リィンが優希ちゃんから怒られるですよ!!」

 

 

なのは「私達の全力の砲撃喰らいたい?」

 

 

カチャ

 

 

なのは達はデバイスを構えるとリィンに向けて構えた。

 

 

リィン「ヒィ!?」

 

 

フェイト「どうする?」

 

 

なのは達の目はマジだった。

 

 

リィン「う~…頑張るです…」

 

 

リィンは項垂れて集まりは幕を閉じた。そして次の日…

 

 

優希「行ってくる」

 

 

優希は別荘から出ていくとお見合いの場所に向かった。

 

 

 

優希「……」

 

 

何本か乗り継ぎして優希はお見合いが行われる会場に着いた。

 

 

案内「こちらでお待ち下さい」

 

 

優希は通された部屋に入ると正座して相手を待った。

 

 

優希「リィン」

 

 

リィン「なんですか?」

 

 

優希「お見合い中に出てきちゃ駄目だからね」

 

 

リィン「えっ!?」

 

 

優希「わかった?」

 

 

リィン「でも優希ちゃん一人にするのは…」

 

 

優希「相手側がどんな人か分からない以上迂闊に出るのは情報的な意味でも危ない」

 

 

リィン「ですけど…」

 

 

優希「どうせお姉ちゃん達に妨害してこいって言われたんでしょ?」

 

 

リィン「あぅ、バレてたです…」

 

 

優希「お姉ちゃん達が考えそうな事。取り合えずリィンはペンダントで待機、わかった?フォローはしてあげるから」

 

 

リィン「了解です」

 

 

リィンがペンダントに入ると優希は相手を待とうと思ったが…

 

 

案内「失礼します、お連れ様をご案内致しました」

 

 

相手が到着した。

 

 

 

真耶「あの、日本政府からのご紹介で来ました山田真耶です。宜しくお願いいたします」

 

 

来たのは和服を着た真耶だった。

 

 

優希「デバイス開発者の高町優希です」

 

 

真耶「えっ!?」

 

 

優希「ちゃ」

 

 

驚いている真耶に優希は挨拶をした。

 

 

真耶「優希君がお見合いの相手なんですか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

真耶「ちょっとだけ安心しました」

 

 

優希「なんで?」

 

 

真耶「だって知らない人とお見合いなんて緊張するじゃないですか」

 

 

優希「確かに。立ち話もなんですから取り合えず座って下さい」

 

 

真耶「ありがとうございます。失礼します」

 

 

真耶は優希の向かいに座った。

 

 

真耶「優希君はお見合いに慣れているんですか?」

 

 

優希「初めて」

 

 

真耶「そうなんですか?とても落ち着いているのでてっきり…」

 

 

優希「場数は踏んでるからね」

 

 

真耶「そうなんですか?」

 

 

優希「色んな権力者と会ったりしてるから」

 

 

真耶「優希君は何を目指しているんですか?」

 

 

優希「ただ皆と一緒に居たいだけ。皆には不自由な思いさせたくないし」

 

 

真耶「家族思いですか♪素敵ですね」

 

 

優希「ところで山田先生は何故お見合いを?」

 

 

真耶「お恥ずかしい理由ですが学園の教師をしてるとそれなりに忙しく、異性と出会うきっかけがないんです。だから今回のお見合いは渡りに舟と言いますかチャンスかなと思いまして」

 

 

優希「でも何で日本政府から?」

 

 

真耶「私前は代表候補生だったんです。その関係で日本政府との繋がりも多少残っているんです」

 

 

優希「なるほど(全くの他人を寄越さずそれなりの顔見知りを寄越す事で縁談を良い方に持ってくのが狙いか)」

 

 

優希は政府の考えが分かりこれからの行動を考えた。

このままお見合いを破談に持っていくのは少し難しい、真耶に落ち度が全くないのだ。

 

 

真耶「どうしました?」

 

 

優希「なんでもない、取り合えず」

 

 

パンパン

 

 

優希が手を叩くと料理が運ばれてきた。

 

 

真耶「な、慣れてますね」

 

 

優希の動作に真耶は驚くばかりである。

 

 

優希「たしなみ」

 

 

優希の動作に真耶はただ圧巻していた。

 

 

 

 

真耶「美味しいですね♪」

 

 

優希「気に入って貰えて良かった」

 

 

真耶「日本政府も良いところをセッティングしてくれましたね?」

 

 

優希「あ~…」

 

 

真耶「どうしました?」

 

 

優希「ここは僕のお店」

 

 

真耶「そうなんですか?」

 

 

ちょっと意外そうな表情で真耶は優希を見た。

 

 

優希「信じられない?」

 

 

真耶「ええ、優希君は科学者ってイメージが強いので」

 

 

優希「……」

 

 

ガチャ

 

 

優希はおもむろに室内の電話を取ると…

 

 

優希「僕だけど、支配人に来てくれるように言ってくれる」

 

 

ガチャン

 

 

真耶「えっと優希君?」

 

 

優希「待ってて」

 

 

支配人「失礼します、お呼びでしょうか?」

 

 

そんなに待たずして支配人が部屋を訪ねてきた。

 

 

優希「忙しいのにごめんね。彼女に僕のここでの立場を話してもらえる?」

 

 

支配人「はい、高町オーナーはこのお店のオーナーでございます。運営は私の方に一任して頂いていますが所有権は高町オーナーにございます」

 

 

真耶「優希君は幅広く色々な事をしてるんですね」

 

 

真耶は納得し優希を見た。

 

 

優希「ありがとう、もういいよ」

 

 

支配人「はい、ご用がありましたら何時でもお呼び下さい」

 

 

そう言って支配人は退室した。

 

 

真耶「は~…優希君は凄いんですね~」

 

 

優希「そう?」

 

 

真耶「優希君に出来ない事ってないんじゃないんですか?」

 

 

 

優希「僕は完璧じゃない、出来ない事も守る事が出来なかった事も沢山あった」

 

 

少し悲しげな瞳で優希外を見た。

 

 

 

 

真耶「優希君、無理は駄目ですよ」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

真耶「優希君が無理をしたら高町さん達が悲しみますよ?」

 

 

優希「わかってる。でもお姉ちゃん達は僕のせいで悲しい思いした。だから僕に出来る事はお姉ちゃん達に不自由ない生活をさせる事、それが僕に出来るお姉ちゃん達への償い」

 

 

真耶「…それは違うではないでしょうか」

 

 

優希「違う?」

 

 

優希は真耶の言葉に反応した。

 

 

真耶「高町さん達が望んでいるのは償いではなく一緒に幸せになる事じゃないですか?」

 

 

優希「お姉ちゃん達の気持ちはわかってる。でも…」

 

 

真耶「私は優希君の過去を知りません。だから優希君が抱えてる辛さがどれ程の物かわかりません。」

 

 

優希「知らない方がいい」

 

 

真耶「そんなに辛い事なんですか?」

 

 

優希「まあね、僕が見たのは地獄」

 

 

真耶「地獄?」

 

 

優希「そう…」

 

 

優希が話を続けようとした時…

 

 

優希「!!伏せて!!」

 

 

パリン!!

 

 

咄嗟に二人が伏せると窓に穴が空きコップが割れた。

 

 

真耶「これは…狙撃!?」

 

 

バン!!

 

 

優希はテーブルを横に立てると料理が落ち、優希と真耶はテーブルの影に隠れた。

 

 

真耶「大丈夫ですか優希君?」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

カチャ

 

 

優希はスーツの裏から連火を取り出した。

 

 

真耶「どうするですか?」

 

 

優希「犯人を捕まえる。リィン、出てきて」

 

 

リィン「はいです!!」

 

 

優希が戦闘態勢になると…

 

 

真耶「待って下さい!私も手伝います!!」

 

 

優希「狙われてるのは僕。無関係の人を巻き込みたくない」

 

 

真耶「優希君は要人です。一人で危険な事をさせる訳にはいきません!!」

 

 

優希「わかった、これ使って」

 

 

優希は連火を真耶に渡すと優希は腰から業火を出し構えた。

 

 

真耶「私が先行します、優希君は後から付いてきて下さい」

 

 

優希「わかった、リィン。先生の補助にまわって」

 

 

リィン「了解です!!」

 

 

真耶とリィンは同時に飛び出し狙撃場所に向かった。

 

 

 

優希「……」

 

 

真耶「いませんね…」

 

 

優希達はリィンが詮索した狙撃場所に着くと辺りを警戒して捜しまわった。

 

 

真耶「優希君」

 

 

優希「何かあった?」

 

 

優希が近付くと真耶はある物を拾い優希に見せた。

 

 

優希「薬莢…ここで間違いな…」

 

 

カン!!

 

 

真耶「優希君!!」

 

 

急に撃たれた優希達は咄嗟に物影に隠れた。

 

 

優希『リィン、場所わかる?』

 

 

リィン『音が小さいので特定が難しいです』

 

 

優希『わかった』

 

 

ダッ!!

 

 

カン!!カン!!カン!!

 

 

真耶「優希君!?」

 

 

優希は物影から出ると走り出し他の物影に走った。

 

 

リィン『特定出来たですが無茶しないで下さいです!!』

 

 

優希『場所は?』

 

 

リィン『優希ちゃんから右40°です!!』

 

 

ドン!!ドンドンドン!!

 

 

男「くっ!?」

 

 

物影から男が飛び出し、逃げ出した。

 

 

優希「……」

 

 

真耶「優希君!!」

 

 

それを優希は追いかけ真耶も追いかけだした。

 

 

優希「……」

 

 

ドンドン!!

 

 

カチャ 、カチャン!!

 

 

優希は追いかけながらスピードローダーで業火の弾を交換すると

 

 

ドン!!

 

 

男「カハッ!?」

 

 

男の頭を撃ち、倒れた男に近寄った。

 

 

真耶「優希君!!」

 

 

優希「終わった」

 

 

真耶「終わったじゃありません!!何で先に一人で行っちゃうんですか!!」

 

 

優希「その格好じゃ走れない」

 

 

真耶「そうですけど、優希君一人で危険な事をしないで下さい!」

 

 

優希「慣れてる」

 

 

真耶「そういう問題じゃ…」

 

 

優希「っ!?危ない!!」

 

 

ドン!!

 

 

バスッ!!

 

 

優希「クッ!!」

 

 

咄嗟に真耶を突飛ばした優希だが自分は右肩を撃たれた。

 

 

リィン「優希ちゃん!?」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

真耶「じっとして下さい!今止血します!!」

 

 

優希「そんな暇ない」

 

 

優希達が物影に隠れているともう一人別の男が近寄ってきた。

 

 

真耶「もう一人いたんですね…」

 

 

優希「逃げて」

 

 

真耶「何を言ってるんですか!?」

 

 

優希「狙われてるのは僕だけ。だから先生だけでも…」

 

 

真耶「大丈夫です!!私が守ってあげます!!」

 

 

パンパン!!

 

 

 

真耶は男に向かって連火を撃ち牽制した。撃たれた男も物影に隠れてこちらの様子を見ていた。

 

 

リィン「優希ちゃん、しっかりするです!!」

 

 

優希「大丈夫、先生」

 

 

真耶「何ですか?」

 

 

優希「牽制してくれる?」

 

 

真耶「何かあるんですね?」

 

 

優希「……」コク

 

 

真耶「わかりました、いきます!!」

 

 

バンバンバンバンバンバン!!

 

 

ピン!!

 

 

ズドン!!

 

 

優希が丸い物からピンを抜くと男に向かって投げると落ちた瞬間爆発した。

 

 

真耶「爆弾!?」

 

 

優希「試作品」

 

 

男は気絶し真耶は二人の男を優希が取り出したロープで縛った。

 

 

真耶「警察と救急車を呼びました。もう少し我慢して下さい」

 

 

しばらくして警察と救急車が到着し優希は病院に搬送された。

 

 

バン!!

 

 

なのは「ユウ!!」

 

 

勢いよく現れたのはなのは達であった。優希が撃たれたと聞いて飛んできたのである。しかし…

 

 

優希「……」

 

 

寝ている優希の顔は白い布で覆われていた。

 

 

フェイト「ゆ、優希…」

 

 

リィン「出血が多すぎたです」

 

 

すずか「嘘でしょ…」

 

 

アリサ「こんな事って…」

 

 

はやて「こんなん悪い夢や…」

 

 

鈴「優希…」

 

 

セシリア「酷いですわ…」

 

 

ラウラ「何処のどいつが!!」

 

 

シャル「優希~…」

 

 

皆うつむき涙をこらえていた。

 

 

サッ

 

 

何か動いた気配を感じたなのは達は顔を上げると…

 

 

優希「ちゃ」

 

 

左手で何かを持っておりそれには【ドッキリ大成功】と書いてあった。

 

 

なのは達「……」

 

 

それを見たなのは達は…

 

 

スパン!!×9

 

 

優希「暴力反対」

 

 

なのは「何をしてるの!!思いっきり心配したんだよ!!」

 

 

フェイト「優希?ちょっとお仕置きが必要かな?」

 

 

アリサ「私達を怒らせるとどうなるかわかっているわよね?」

 

 

なのは達はお仕置きをしようとしたがすずかが止めにはいった。

 

 

すずか「優希君、駄目でしょ?こんな事しちゃ?怪我みせて、皆も少し落ち着いて」

 

 

優希「……」

 

 

優希は起き上がると右手が吊るされていた。

 

 

シャル「怪我の具合は?」

 

 

優希「全治二週間」

 

 

ラウラ「犯人はどうしたのだ?」

 

 

リィン「警察に渡したです。ただ…」

 

 

はやて「ただ?どうしたん?」

 

 

優希「……」

 

 

パチン♪

 

 

優希は左手で指を鳴らすと結界を張った。

 

 

鈴「なにこれ?」

 

 

景色の色が変わって鈴達は驚いた。

 

 

優希「防音処置」

 

 

アリサ「何かあるのね?」

 

 

なのは達が真剣な表情になると鈴達も真剣な表情になり優希を見た。

 

 

優希「リィン」

 

 

リィン「はいです。犯人は警察に渡しましたが多分意味がないです」

 

 

フェイト「なんで?」

 

 

リィン「お見合いの話を出したのは日本政府です。そして狙撃されたって事はあの場所に優希ちゃんが来る事を知っている人は?」

 

 

すずか「お見合いを持ち掛けた人物…しかも日本政府の」

 

 

リィン「そうです…このまま日本にいるのは危険かもしれないです」

 

 

はやて「黒幕はわからないんか?」

 

 

リィン「個人なら探すのは難しいです。もし日本政府自体が狙ってきたのなら…」

 

 

なのは「国で揉み消しされる…」

 

 

アリサ「……どうするの?」

 

 

優希「今開発しているものが完成しだい引っ越した方がいい」

 

 

すずか「開発場所を移す事は出来ないの?」

 

 

優希「可能、でもそれなりの費用がかかる」

 

 

フェイト「…優希の安全を優先しよう」

 

 

はやて「うちらに出来る事は?」

 

 

優希「ルネ達に工場の引っ越しを頼むからお姉ちゃん達にはしばらく僕の護衛を頼みたい」

 

 

シャル「僕も手伝うよ」

 

 

なのは「引っ越し先は?」

 

 

優希「秘密基地に移動する」

 

 

なのは達「秘密基地?」

 

 

なのは達は聞きなれない単語に少し驚いていた。

 

 

 

優希「出来たら使いたくなかった」

 

 

アリサ「何かあるの?その秘密基地に?」

 

 

優希「聞いたら後戻り出来ない」

 

 

なのは「そう言うこと」

 

 

なのは達は鈴達を見た。

 

 

フェイト「鈴達はどうする?多分これを聞くと色々な問題が出ると思うよ」

 

 

シャル「僕は大丈夫だよ。国とは繋がり無くなったし」

 

 

鈴「そういう事…」

 

 

セシリア「優希さんとの関係はどうなりますの?」

 

 

優希「僕はこれから日本政府に抗議する。場合によっては日本政府を敵にまわす。下手すると僕と一緒に命を狙われる」

 

 

ラウラ「聞かなかった場合は?」

 

 

優希「一定の距離を保った関係」

 

 

ラウラ「なら聞こう。婿が狙われてるなら妻が助ける」

 

 

鈴「私もよ。この位で怖じけついてたら優希と一緒にいられないじゃない」

 

 

セシリア「私も。使える権力は多くないですが優希さんに協力しますわ」

 

 

優希「わかった、お姉ちゃん」

 

 

なのは「なに?」

 

 

優希「どうする?」

 

 

なのは「決まってるよ」

 

 

アリサ「私達は」

 

 

フェイト「優希と一緒に」

 

 

すずか「行くよ」

 

 

はやて「それがどんな道でも」

 

 

優希「わかった、じゃあお姉ちゃんにある物を見せるよ」

 

 

優希は空間モニターを操作するとある物を写し出した。

 

 

なのは「電車?」

 

 

はやて「でも一両だけやで」

 

 

優希「さらにこれを見て」

 

 

モニターの中に何かを追加した。

 

 

フェイト「小さいね?これは…」

 

 

すずか「タイム…トラベラー!?」

 

 

アリサ「まさか!?」

 

 

なのは達はまじまじとモニターを見た。

 

 

優希「ステーションライナー」

 

 

すずか「大きさが尋常じゃないよ!?」

 

 

優希「全長四百メートル」

 

 

鈴「でか!?」

 

 

優希「タイムトラベラーを格納出来る」

 

 

フェイト「一体何時作ったの?」

 

 

優希「タイムトラベラーを作る前に」

 

 

なのは「なんの為に作ったの?」

 

 

優希「決戦兵器」

 

 

セシリア「決戦兵器?」

 

 

優希「見付かった時の為の物」

 

 

なのは「!そういう事…」

 

 

なのは達は意味がわかり納得した。

 

 

優希「僕はここを拠点にかえる」

 

 

すずか「学園は?」

 

 

優希「そっちは普通にする」

 

 

はやて「シグナム達はどうするん?」

 

 

優希「取り合えず現状待機」

 

 

フェイト「わかった、連絡しておくね」

 

 

優希「アリサお姉ちゃん」

 

 

アリサ「なに?」

 

 

優希「僕の退院手続きをお願い」

 

 

アリサ「大丈夫なの?」

 

 

優希「また狙われる可能性がある以上、ここにいるのは危険」

 

 

アリサ「待ってなさい、手続きしてくるから」

 

 

アリサは病室を出ていき…

 

 

なのは「ユウも着替えようか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希達は退院の準備を始めた。

 

 



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第115話

 

優希「さぁ、答えを聞かせてくれる?」

 

 

要人「で、ですから我々は今回の件に関して関係…」

 

 

優希「そっちの不手際でこっちは命を狙われたんだ。それなりの誠意を見せろって言ってる」

 

 

翌日、優希は日本政府に抗議する為に通信を行っていた。

 

 

要人「しかし…」

 

 

優希「こっちは関係を断ち切っても問題ないんだ」

 

 

要人「時間を頂けませんか?」

 

 

優希「明日の朝までに返答しろ。それ以上は待たない、また返答次第では関係を断ち切る」

 

 

要人「わかりました、高町博士」

 

 

優希は通信を切ると椅子にもたれかかった。

 

 

すずか「お疲れさま、優希君」

 

 

優希「後は日本政府次第」

 

 

すずか「どんな返答してくるかな?」

 

 

優希「お見合いを持ち掛けた人物の辞職、和解金。それ位だと思うよ」

 

 

すずか「でも何で優希君の命が狙われたのかな?」

 

 

優希「他の国に技術提供される位なら…」

 

 

すずか「なるほど、いっそ亡き者に…」

 

 

優希「そう」

 

 

すずか「でも日本政府がそんな事する?」

 

 

優希「しないよ」

 

 

すずか「じゃあ…」

 

 

優希「多分他の国と関係を持ってる人物が日本政府を貶めるつもり」

 

 

すずか「じゃあ日本政府は…」

 

 

優希「無関係」

 

 

すずか「そこまでわかってるのに、どうして日本政府に抗議を?」

 

 

優希「理由は二つ。一つは日本の問題は日本に、もう一つは…」

 

 

すずか「もう一つは?」

 

 

優希「貸しを作っておけば後々役にたつ」

 

 

すずか「うゎ~…」

 

 

優希の真っ黒な考えに思わずすずかはひいた。

 

 

優希「ご飯」

 

 

すずか「じゃあ皆の所に行こうか」

 

 

すずかは優希を抱っこすると部屋を出ていった。

 

 

 

 

アリサ「じゃあ優希?引っ越しは中止?」

 

 

優希「いい機会だから拠点も変える。だから引っ越しは継続」

 

 

なのは「お家はどうするの?」

 

 

優希「そのまま、ステーションライナーに行くのは僕だけ」

 

 

はやて「うちらは駄目なんか?」

 

 

優希「大丈夫、お姉ちゃん達も出入り出来る」

 

 

シャル「僕は?」

 

 

優希「大丈夫、シャルロットさんも入れる」

 

 

シャル「ねぇ優希?優希も僕の事はシャルで良いよ」

 

 

シャルロットは優希に愛称で呼ぶように頼んだ。

 

 

優希「わかった」

 

 

シャル「(よし!!)」

 

 

さりげなくシャルは優希との距離を縮めた。

 

 

はやて「でも優希君?ステーションライナーは何処に置くん?」

 

 

優希「学園の隣」

 

 

なのは「隣?でもユウ?隣は海だよ」

 

 

優希「お姉ちゃん達忘れてない?」

 

 

すずか「何を?」

 

 

優希「タイムトラベラーは何処でも活動出来るんだよ?ステーションライナーに出来ない訳ないでしょ」

 

 

アリサ「そうだったわね…」

 

 

フェイト「優希に作れない物あるの?」

 

 

優希「わからない」

 

 

すずか「まぁ、それは良いとして引っ越しは順調なの?」

 

 

優希「チュウ太がチュウナーズと一緒に頑張ってくれてる」

 

 

アリサ「いつ頃終わるの?」

 

 

優希「早ければ今日中」

 

 

なのは「早いね」

 

 

優希「夏休みが終わる前には全部終わらせたい」

 

 

優希の一言でなのは達は落胆した。

 

 

はやて「夏休みももう終わりか~」

 

 

優希「シャマル」

 

 

シャマル「なんですか?」

 

 

優希「これを」

 

 

優希は小さな輪っかを渡した。

 

 

ヴィータ「なんだコレ?」

 

 

優希「ステーションライナーへの転移装置」

 

 

シグナム「どうすれば使えるのだ?」

 

 

優希「ドアのぶに引っ掻けるだけでいい」

 

 

シャマル「簡単ですね♪」

 

 

優希「名付けて、どこ…」

 

 

はやて「アカ~ン!!色々な意味でアカン!!」

 

 

優希「?」

 

 

アリサ「優希のネーミングセンスはある意味で爆弾ね…」

 

 

すずか「私達はどうやって行くの?」

 

 

優希「学園についたら僕が設置しておく」

 

 

鈴「ねぇ優希?私達はやっぱり入れないの?」

 

 

優希「アリサお姉ちゃん」

 

 

優希はアリサにどうするのか判断を任せた。

 

 

 

 

アリサ「そうね…なるべくなら内部は秘密にしたいし…」

 

 

アリサは腕をくみ悩んだ。

 

 

すずか「見られたら困る物はある?」

 

 

優希「研究室位」

 

 

アリサ「他には?」

 

 

優希「特にない」

 

 

アリサ「…なら、こうしましょう、許可された場所以外に入らない事。もし破った場合は優希との関係を断ち切ってもらう、それに加えて国とも関係を結ばない」

 

 

鈴「いいわ」

 

 

セシリア「異論ありませんわ」

 

 

ラウラ「問題ない」

 

 

話が決まるとチュウ太から通信が入った。

 

 

優希「どうしたの?」

 

 

チュウ太『旦那、引っ越し作業完了しやした。工場も廃棄完了っす』

 

 

優希「わかった、今から向かうから発進準備しておいて」

 

 

チュウ太『あいさ~』

 

 

優希は通信を切ると…

 

 

優希「行ってくる」

 

 

なのは「待ってユウ、お姉ちゃん達も行っていい?」

 

 

優希「いいけど」

 

 

フェイト「なら荷物纏めてくるね」

 

 

鈴「私達は?」

 

 

優希「いい」

 

 

セシリア「では私達も」

 

 

なのは達は荷物を纏めに向かった。

 

 

優希「アルフ」

 

 

アルフ「なんだい?」

 

 

優希「ここの戸締まりを」

 

 

アルフ「あいよ」

 

 

シグナム「所で優希」

 

 

優希「?」

 

 

シグナムはなのは達が居なくなるのを見計らい頼み事をした。

 

 

シグナム「何処か訓練出来る場所はないか?」

 

 

優希「ステーションライナーの訓練室なら可能」

 

 

シグナム「引っ越しが終わったら借りられるか?」

 

 

優希「好きに使って」

 

 

シグナム「感謝する」

 

 

シグナムは優希に礼を言うと荷物を纏めに向かった。

 

 

 

アルフ「戸締まりはOKだよ」

 

 

優希「なら皆タイムトラベラーに」

 

 

なのは達は一両目に向かい鈴達も三両目に向かうが…

 

 

アリサ「アンタ達もこっちに来なさい」

 

 

鈴「いいの?」

 

 

アリサ「えぇ、大丈夫よ」

 

 

鈴達も一両目に乗り優希は扉を閉めた。

 

 

優希「じゃあ行くよ、タイムトラベラー発進」

 

 

ゆっくりと走り出したタイムトラベラーは徐々に加速しステーションライナーに向かった。

 

 

すずか「う~ん…」

 

 

セシリア「どうしましたの?」

 

 

すずか「ステーションライナーの隠し場所を考えてたの」

 

 

アリサ「何か気になるの?」

 

 

すずか「だってあんなに巨大な物だよ?普通に考えて隠し場所は地上には無理だよ?目立ち過ぎるし」

 

 

フェイト「今むかってるのは…」

 

 

フェイトがパネルを操作し地図をだした。

 

 

なのは「東京?」

 

 

優希「みんな」

 

 

はやて「どうしたん?」

 

 

優希「目を回さないようにね」

 

 

なのは「へ?」

 

 

すると突然優希はタイムトラベラーを操作し螺旋上に上りどんどん加速していった。

 

 

なのは「にゃ~!?」

 

 

アリサ「ちょっと!?」

 

 

なのは達に物凄いGがかかり立っていられなかった。

 

 

ラウラ「婿よ!!これでは全員もたないぞ!!」

 

 

優希「もう少し」

 

 

優希はさらに加速させた。

 

 

なのは「うっ…」

 

 

フェイト「もう…」

 

 

はやて「アカン…」

 

 

なのは達が限界を迎える直前…

 

 

優希「着いた」

 

 

優希はタイムトラベラーを停車した。するとなのは達の体が浮いた。

 

 

すずか「なに!?」

 

 

優希「外を見て」

 

 

なのは達はなんとか体の向きを変えると外を見た。すると青い物が見えた。

 

 

アリサ「地球…ハァ!?宇宙!?」

 

 

優希「正解」

 

 

すずか「まさか!?ステーションライナーの隠し場所って…」

 

 

優希「ここなら簡単には見付からない」

 

 

なのは「うぅ~…ユウ…もうちょっとやさしく来れないの?」

 

 

優希「……ない」

 

 

はやて「今の間はなんや!!」

 

 

皆から文句が集中してきた。

 

 

優希「文句は後で、チュウ太」

 

 

チュウ太『あいさ~!!ステルスモード解除しやす』

 

 

優希はチュウ太に指示を出すとステーションライナーが姿を現した。

 

 

 

 

優希「ステーションライナーに入るよ」

 

 

優希はタイムトラベラーをステーションライナーに格納した。

 

 

シャル「わぁ~広いね~」

 

 

優希「こっち」

 

 

優希はエレベーターに向かうと全員が乗ると最上階まで向かった。

 

 

はやて「なんで優希君はそんなに慣れた動きなん?」

 

 

優希「慣れ」

 

 

はやて「だからそれを聞いてるんや!!」

 

 

優希「僕は普段から宙に浮いているから」

 

 

フェイト「納得」

 

 

最上階に着くと優希は司令室に向かった。

 

 

チュウ太「旦那、お待ちしてやした」

 

 

優希「準備は?」

 

 

チュウ太「既に完了しやした」

 

 

鈴「へぇ~」

 

 

ラウラ「これは凄いな」

 

 

鈴達は物珍しいのか辺りを見ていた。

 

 

優希「出発するよ」

 

 

なのは「えっ!?ちょっと!?」

 

 

優希「チュウ太、メインエンジン始動!!出力上げて全力で発進!!」

 

 

なのはが制止するより早く優希はステーションライナーを発進させた。

 

 

フェイト「っ…アレ?Gがない?」

 

 

チュウ太「衝撃緩和装置、正常に作動確認」

 

 

優希「このままIS学園まで」

 

 

チュウ太「了解、大気圏に突入しやす」

 

 

シャル「大丈夫なの!?」

 

 

シャルの心配をよそにステーションライナーは大気圏に突入した。

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「へい」

 

 

優希「IS学園に連絡」

 

 

チュウ太「あいさ~」

 

 

優希「アリサお姉ちゃん」

 

 

アリサ「許可を貰えばいいのかしら?」

 

 

優希「……」コク

 

 

真耶『はい、こちらIS学園』

 

 

アリサ「山田先生」

 

 

真耶『バニングスさん?どうしました?』

 

 

アリサ「今から優希の研究室を運ぶので」

 

 

真耶『へ?』

 

 

アリサ「いいですよね?」

 

 

真耶『え?え?ちょっと待って下さい!?簡単には許可出来ませんよ!?』

 

 

アリサ「大丈夫です、学園の隣に置くので」

 

 

真耶『それなら…って学園の隣!?』

 

 

真耶は混乱して段々分からなくなってきた。

 

 

チュウ太「大気圏突破!!IS学園まで後三分」

 

 

アリサ「そういう事なんでまた後に」

 

 

真耶『ちょっと待って下さい!?』

 

 

アリサは通信を切った。

 

 

アリサ「優希、置いちゃいなさい」

 

 

すずか「アリサちゃん…優希君と似てアバウトになったね」

 

 

アリサ「優希の色に染まったって言って欲しいわね」

 

 

優希「なのはお姉ちゃん」

 

 

なのは「なに?」

 

 

優希「しっかりつかまっていてね」

 

 

なのは「まさか…」

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「着水しやす!!」

 

 

ステーションライナーが着水すると水しぶきが立った。

 

 



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第116話

 

 

優希「到着…どうしたの?」

 

 

はやて「あほか~!!」

 

 

スパン!!

 

 

なのは「うぅ~…お尻打った~」

 

 

ステーションライナーを急停止させた為になのは達は全員どこかしらをぶつけていた。

 

 

優希「危険な事は何時も飛び込み…」

 

 

すずか「優希君が気を付ければ大丈夫な話だよ!!」

 

 

すずかも腰をおさえて優希に文句を言った。

 

 

優希「…すずかお姉ちゃん」

 

 

すずか「なに?」

 

 

若干不機嫌なすずかに優希は…

 

 

優希「ごろごろ」

 

 

キャットクローを装着して猫の様に甘えて機嫌を良くしようとした。

 

 

すずか「ご、誤魔化されないよ…」

 

 

フェイト「優希~、フェイトお姉ちゃんの所においで~♪」

 

 

優希「ごろにゃ~」

 

 

鈴「優希って23よね?」

 

 

ラウラ「ドイツの副官が言っていた」

 

 

鈴「なによ?」

 

 

ラウラ「可愛いは正義だと」

 

 

セシリア「確かに…」

 

 

すずか「うぅ~…優希君!!私の所においで!!」

 

 

すずかも普段甘えない優希が甘えてる姿に我慢が出来なかった。

 

 

アリサ「ほら、いい加減外に行くわよ」

 

 

優希「……」

 

 

アリサは優希の服の襟を持つとそのまま優希を運んでいった。

 

 

アリサ「所で優希、この無重力はいつまで続くの?」

 

 

優希「ステーションライナーの内部は殆ど無重力、一部の部屋を除いて」

 

 

アリサ「なんで?」

 

 

優希「移動が楽でしょ」

 

 

アリサ「慣れたらね」

 

 

アリサを先頭にタイムトラベラーに荷物を取りに向かった。

 

 

チュウ太「旦那~」

 

 

優希「どうしたの?」

 

 

チュウ太「あっしはどうしやす?」

 

 

優希「一緒に降りる」

 

 

チュウ太「あいさ~」

 

 

チュウ太は優希の肩に掴まると一緒にステーションライナーから降りた。

 

 

 

千冬「全く、何を考えている」

 

 

優希「昔からよく言う」

 

 

千冬「ん?」

 

 

優希「バカと天才は紙一重…」

 

 

ゴチン!!

 

 

優希「~~!?」

 

 

ステーションライナーを持ち込んだ為に優希は千冬に怒られていたがふざけた為に頭を叩かれた。

 

 

千冬「まぁ学園の外にある以上こちらは文句は言えんな」

 

 

真耶「ですが日本政府から抗議がくると…」

 

 

優希「大丈夫、日本政府は文句言えない」

 

 

真耶「……あ~」

 

 

事情がわかった真耶は納得してしまった。

 

 

優希「じゃあ僕はステーションライナーに戻る」

 

 

なのは「私達は荷物を置きに寮に行くね」

 

 

優希「僕も一段落したら戻る」

 

 

優希はステーションライナーに戻った。

 

 

優希「チュウ太、ステーションライナーに異常は?」

 

 

チュウ太「ありやせん、頑丈さならタイムトラベラーより上ですぜ」

 

 

優希「システムは?」

 

 

チュウ太「……チェック終了。何処も異常は出ていやせん」

 

 

優希「後は…」

 

 

チュウ太「リボルエリアの車両なら既にメンテナンスしていやす」

 

 

優希「出来たばかりだから心配だった」

 

 

チュウ太「運ぶの苦労しやしたんで、今はチュウナーズが総動員でメンテナンスしていやす」

 

 

優希「後でチーズ型バッテリーあげる」

 

 

チュウ太「どうも♪」

 

 

優希「チュウ太、僕に平穏って来るのかな…」

 

 

優希はふと今の辛さを吐き出した。

 

 

チュウ太「あっしら、マシン一同旦那を守る為なら命を賭けやす。旦那が望む事は出来る限り実現させやす」

 

 

そんな優希にチュウ太は即座に返答した。

 

 

優希「そうだね、皆一緒に」

 

 

チュウ太「へい」

 

 

優希は微笑みステーションライナーを出た。

 

 

 

優希「……」

 

 

ある日の朝、優希は新聞を見ているとある記事を見てポケットから紙切れを出した。

 

 

トタトタトタトタ!!

 

 

優希は走り出すと何処かに向かった。場所は変わってなのは達の教室。

 

 

なのは「う~ん、フェイトちゃん」

 

 

フェイト「どうしたの?」

 

 

なのは「どっちが似合うかな?」

 

 

なのははフェイトにカタログを見せるとワンピースを見せた。

 

 

フェイト「白かな?」

 

 

はやて「たまにはピンクもいいんやないか?」

 

 

アリサ「こっちのも良いじゃない?」

 

 

すずか「これはどうかな?」

 

 

なのは達がカタログを見ていると…

 

 

優希「……」

 

 

がらがら

 

 

優希は窓から教室に入るとなのはの膝に座った。

 

 

なのは「っと、どうしたの?」

 

 

優希「大変」

 

 

アリサ「何かあったの?」

 

 

アリサは真剣な表情をするが…

 

 

優希「当たった」

 

 

優希は先程の紙切れを出した。

 

 

はやて「宝くじ?」

 

 

優希「そう」

 

 

アリサ「あんなの低いのしか当たらないのよ」

 

 

アリサがジュースを口に含むと…

 

 

優希「一等」

 

 

アリサ「ぶっ!!」

 

 

はやて「にぎゃ!?」

 

 

吹き出しはやてに吹っ掛けた。

 

 

すずか「本当?」

 

 

優希「本当」

 

優希は新聞を広げ宝くじの当選の番号と宝くじを見せた。

 

 

フェイト「……当たってる」

 

 

なのは「一等…一億円」

 

 

優希「換金に行く」

 

 

アリサ「放課後に行くわよ」

 

 

優希「?」

 

 

優希はえ?と言いたそうだった。

 

 

すずか「まだ授業残ってるよ」

 

 

すずかも苦笑いして優希を見た。

 

 

優希「じゃあ一人で行く」

 

 

フェイト「大丈夫?」

 

 

優希「一人で行って買い物してくる。お姉ちゃん達にも何か買ってあげようと思ったのに…」

 

 

はやて「優希君!!うちが行ったる!!」

 

 

なのは「はやてちゃん…」

 

 

アリサ「駄目に決まってるでしょ」

 

 

優希「…今ならアリサお姉ちゃんが欲しがってたあのネックレス…」

 

 

アリサ「ちゃちゃと帰るわよ」

 

 

すずか「アリサちゃん!?」

 

 

千冬「何をしてるか馬鹿者」

 

 

バシン!!バシン!!

 

 

アリサとはやては頭を叩かれた。

 

 

千冬「私の授業をサボるとはいい度胸だ。補習をしてやろうか?」

 

 

はやて「すんません」

 

 

はやてとアリサは自分達の席に戻り…

 

千冬「高町弟、どうする?授業に参加するか?」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は頷き、なのはの席で一緒に授業を受けた。

 

 

 

 

はやて「いや~♪買い物はええな~♪」

 

 

放課後、なのは達は宝くじの換金をすると買い物に出かけ優希に沢山の物を買って貰った。

 

 

アリサ「優希も良いところあるわよね~♪」

 

 

もう皆ご機嫌がいいので優希を誉めちぎる。

 

 

優希「モグモグ」

 

 

フェイト「美味しい?」

 

 

優希はフェイトに抱っこされ屋店で買った串焼きを食べていた。そこに…

 

 

ピピッ♪

 

 

なのは「ユウ、通信が鳴ってるよ?」

 

 

優希「日本政府だから放っといて平気」

 

 

なのは「でもちゃんと出ないと、せっかく連絡して来てくれてるのに」

 

 

ピピッ

 

 

優希「ん?」

 

 

フェイト「どうしたの?」

 

 

優希「今度はIS学園から」

 

 

すずか「何だろう?」

 

 

優希「……」

 

 

優希が通信を繋ぐと真耶からだった。

 

 

真耶『良かった!!繋がりました!!』

 

 

アリサ「先生?何か急用ですか?」

 

 

真耶『大至急学園に戻って来て下さい!!』

 

 

はやて「え?でも…」

 

 

真耶『緊急なのでお願いします』

 

 

アリサ「優希」

 

 

優希「……」コク

 

 

アリサ「すぐに戻ります」

 

 

通信を切るとなのは達は学園に向かって走り出した。

すると鈴達が走って来て合流すると一緒に学園に向かった。

 

 

鈴「アンタ達も呼び出されたの?」

 

 

アリサ「ええ」

 

 

セシリア「とにかく急ぎましょう」

 

 

優希「なのはお姉ちゃん」

 

 

なのは「みんな速いよ~(泣)」

 

 

なのはが最後尾で頑張ってるが離されていた。

 

 

優希「フェイトお姉ちゃん放して」

 

 

フェイト「わかった」

 

 

フェイトが優希を放すと優希は宙を浮かびなのはの頭上で止まった。

 

 

優希「掴まって」

 

 

なのは「うん」

 

 

なのはが優希の手を掴むと優希はキャットクローをセットアップしてなのはを飛んで連れて行った。

 

 

はやて「なのはちゃん、セコイ!!」

 

 

なのは「ユウが優しいんだもん♪」

 

 

そのまま学園に着いたなのは達はすぐに通信室に向かった。

 

 

 

 

アリサ「先生、揃いましたけど」

 

 

通信室になのは達と一夏達専用機持ちが揃っていた。

 

 

千冬「高町弟」

 

 

優希「出てく?」

 

 

千冬「いや、今回は居てもらう」

 

 

優希「……」コク

 

 

優希は浮かびすずかに抱っこされた。

 

 

千冬「では、始める。先程日本政府と国際宇宙センターから特命レベルSの任務要請がきた」

 

 

鈴「特命レベルS!?専用機持ちは必ず参加の…」

 

 

千冬「そうだ」

 

 

ラウラ「教官、何があったのですか?」

 

 

千冬「これを見てくれ」

 

 

千冬はモニターを操作してなのは達に見せた。

 

 

アリサ「これは地球ですよね?」

 

 

モニターに大きな円と少し離れた場所に小さな円が多数あった。

 

 

千冬「そうだ」

 

 

シャル「こっちの小さな円は…」

 

 

千冬「地球に向かっている隕石だ」

 

 

一夏「隕石!?」

 

 

セシリア「それで私達が呼ばれた理由は?」

 

 

千冬「お前達にこの隕石を破壊してもらいたい」

 

 

なのは達「えっ!?」

 

 

千冬「この隕石群が地球に……日本に落ちたら壊滅的だ」

 

 

はやて「でもこれだけなら大丈夫なんじゃ?」

 

 

千冬「言っておく、モニターに映ってるだけではない」

 

 

箒「ではどれ位なのですか?」

 

 

千冬「……」

 

 

ラウラ「教官?」

 

 

千冬「…ざっと千」

 

 

すずか「千!?なんでそんな数が近付くのに気付かなかったんですか?」

 

 

真耶「この隕石群は特殊な磁場を発生しています」

 

 

アリサ「なるほど、その磁場でセンターのレーダーに反応しなかったと」

 

 

優希『チュウ太』

 

 

チュウ太『すでにステーションライナーから探査してやす』

 

 

なのは「あの、他の国の救助は…」

 

 

優希「ないと思う」

 

 

なのは「ユウ?」

 

 

優希「日本【国内】ならISの数は世界一」

 

 

すずか「でもIS学園は何処の国にも属さないよね」

 

 

優希「問題はそこ」

 

 

千冬「やはり気付いたか」

 

 

アリサ「優希、説明して」

 

 

優希「世界で一番ISの数を所有してるのはIS学園。そしてIS学園があるのは日本。他の国に救助を要請しても日本にはISがあるから大丈夫と判断される」

 

 

はやて「そんな!?」

 

 

優希「それに」

 

 

フェイト「それに?」

 

 

優希「磁場のせいで数の把握が出来ない以上、自分の国に落ちる可能性もある。下手に自国の戦力を無くせない」

 

 

シャル「じゃあ僕達だけで…」

 

 

千冬「後、教師も出るが…」

 

 

一夏「でも、これだけのISと専用機がでれば…」

 

 

優希「……90%」

 

 

鈴「成功率?高いじゃ…」

 

 

優希「失敗する」

 

 

なのは達「……」

 

 

優希の言葉に全員黙りこんだ。

 

 



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第117話

 

 

すずか「……優希君、何とか出来ない?」

 

 

優希「僕が出した計算はあくまで【ISだけ】の計算」

 

 

アリサ「!優希も意地悪ね…」

 

 

ラウラ「!そう言う事か婿よ」

 

 

はやて「どうしたん?」

 

 

アリサ「優希、正確に答えて。私達が手伝った場合の成功率は?」

 

 

シャル「そっか!!」

 

 

優希「50%」

 

 

フェイト「五分五分…」

 

 

鈴「でもさっきよりは…」

 

 

優希「でも危険」

 

 

なのは「ユウ、アーマーの使用許可をだして」

 

 

優希「……」

 

 

なのはがアーマーの使用許可を頼むが…

 

 

優希「お姉ちゃん達はこの作戦に参加するの?」

 

 

なのは「だって全員…」

 

 

優希「強制参加はISを持っている人、お姉ちゃん達は関係ない」

 

 

フェイト「でも私達が手伝ったら日本は助かるかも…」

 

 

優希「お姉ちゃん達が死ぬ可能性もある」

 

 

すずか「だから許可を出したくないんだね…」

 

 

アリサ「大丈夫よ、そんなに心配しなくても」

 

 

優希「でも…」

 

 

なのは「お願い、ユウ。お姉ちゃん達にアーマーを」

 

 

優希「…わかった」

 

アリサ「先生、隕石の到達時刻は?」

 

 

優希「明日の午後」

 

 

すずか「明日の午後!?」

 

 

一夏「なんで優希にわかるんだ?」

 

 

優希「ステーションライナーからの情報を逐一見てる」

 

 

箒「ステーションライナー?」

 

 

優希「僕はステーションライナーに戻る」

 

 

優希はステーションライナーに戻り情報を整理しようと戻るが…

 

 

すずか「私達も手伝うよ」

 

 

優希「お姉ちゃん達は明日に備えて、何かあったら皆に連絡する」

 

 

優希は部屋を出ていった。

 

 

 

 

優希「……」

 

 

ステーションライナーの司令室に戻った優希はルネ、リナ、ラン、リィンと話をしていた。

 

 

ルネ「マスター、これからどうしますか?」

 

 

リィン「ふぇ?優希ちゃんも手伝うじゃないですか?」

 

リナ「リィンちゃん、優希ちゃんは手伝う事出来ないよ…」

 

 

リィン「どうしてですか!?」

 

 

リナの言葉にリィンは驚き詰め寄った。

 

 

ラン「優希様がもしこの作戦に出たりしたら日本をひいきしたと思われます。その結果…」

 

 

ルネ「多国がマスターとの関係を築こうとするでしょう。しかもこちらは断る事が出来ないように」

 

 

リィン「じゃあなのはちゃん達はどうなるですか?」

 

 

ラン「…運が良ければ助かります」

 

 

リィン「そんな!?優希ちゃん!!何とか出来ないですか!!」

 

 

優希「目立つけど僕が全部の隕石群を落とす」

 

 

ラン「しかしそれでは優希様のご負担が…」

 

 

優希「多分ただじゃ済まない」

 

 

リィン「だったらリィンだけでも!!」

 

 

ルネ「リィン、貴方のマスターは?」

 

 

リィン「優希ちゃんです…」

 

 

ルネ「貴方が参加した場合どうなるかわかりますね?」

 

 

リィン「うぅ…」

 

 

八方塞がりのリィンに優希は…

 

 

優希「だからって無視は出来ないよね?」

 

 

優希はリィンを両手で優しく包むと抱き締めた。

 

 

リィン「優希ちゃん…」

 

 

優希「犠牲が僕だけで済むなら…」

 

 

ルネ「マスター…」

 

 

優希「わかってる、ルネ達は反対でしょ?」

 

 

リナ「それでもやるんでしょ」

 

 

優希「傍観出来ないからね、お姉ちゃん達が参加する以上」

 

 

ルネ「なのは様達も見過ごせないでしょうから」

 

 

優希「守る、誰かを失う辛さを誰にも味会わせない為に」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

リナ「でもリミッターはどうするの?」

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「へい、既に解除済みでさ~、姐さん達の所にはダミーを送ってありやす」

 

 

優希「ありがとう」

 

 

ルネ「ではマスター、情報の整理は私達がやっておきます。先に御休み下さい」

 

 

優希「わかった」

 

 

優希は司令室を出ていった。

 

 

 

 

すずか「後30分…」

 

 

アリサ「全員準備はいい?」

 

 

なのは「大丈夫だよ」

 

 

一夏「こっちもOKだ」

 

 

全員の準備が整うと…

 

 

はやて「……」

 

 

フェイト「大丈夫?」

 

 

はやて「アハハ…やっぱり緊張するな、日本の命運がかかってると…」

 

 

はやてが緊張していると…

 

 

優希「大丈夫」

 

 

なのは「ユウ!?」

 

 

なのは達の前に優希が現れた。

 

 

アリサ「下がりなさい優希。アンタは下で待機してなさい」

 

 

優希「そう言う訳にはいかない。隕石群は僕が落とす」

 

 

セシリア「危険ですわよ」

 

 

優希「僕がやる、皆は防衛ラインまで下がって」

 

 

すずか「駄目だよ、優希君にそんな事させられない」

 

 

優希「リミッターを外す」

 

 

アリサ「解除しないわよ」

 

 

優希「ルネ」

 

 

ルネ「リミッター解除」

 

 

ズン!!

 

 

なのは「なっ!?なんでリミッターが外れてるの!?」

 

 

優希「僕が作ったリミッターだよ、僕に外せない訳がない」

 

 

フェイト「それでもやらせない!!」

 

 

優希「お姉ちゃん達も知っているでしょ?僕の本気を」

 

 

すずか「無理だよ!!優希君が本気を出しても…」

 

 

優希「更に上がある」

 

 

なのは「えっ!?」

 

 

優希「ルネ、リナ、ユニゾンイン!!」

 

 

優希は本来の姿になるとケルベロスフォームなった。

 

 

優希「ラン、ユニゾン」

 

 

更にユニゾンをすると優希は…

 

 

アリサ「まだ上があるの…」

 

 

優希「リィン、ユニゾンイン!!」

 

 

はやて「更にユニゾン!?危険や!!」

 

 

リィンとユニゾンすると髪は銀髪になった。

 

 

優希「カルテットフォーム」

 

 

すずか「補助が四人…だから四重奏」

 

 

優希「レイ、バル、セットアップ」

 

 

レイ「イエスマスター」

 

 

バル「イエスサー」

 

 

優希はレイジングハートⅡとバルディッシュⅡを持つと…

 

 

優希「皆、下がって」

 

 

優希は魔法陣を展開すると…

 

 

優希「バル、フォトンランサー、ファランクスシフト。レイ、アクセルシューター、バニシングシフト」

 

 

 

すずか「同時展開!?」

 

 

優希「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ」

 

 

はやて「ちゃう!!複数展開!!あかん!!優希君、無茶や!!」

 

 

優希「フレースヴェルグ!!」

 

 

ズドドドドン!!

 

 

優希は隕石群に向かって放つと隕石群の第一陣を破壊した。

 

 

優希「バル、ファランクスシフト発射!!」

 

 

ドドドドドン!!

 

 

第二陣も破壊するがいくつかうち漏らした。

 

 

優希「レイ!!」

 

 

更にアクセルシューターでうち漏らした隕石を破壊した。

 

 

 

 

優希「レイ、バル!!ランダムシフト!!」

 

 

優希は大量の魔力弾を作ると…

 

 

優希「放て!!」

 

 

ドドドドド!!

 

 

隕石群の第三陣、第四陣を破壊しつくした。

 

 

優希「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」

 

 

一夏「スゲェ…これが優希の本気…」

 

 

優希「ルネ、ラン。隕石群は?」

 

 

ルネ『反応ありません』

 

 

ラン『優希様、無理はしないで下さい!』

 

 

優希「リナ、被害は?」

 

 

リナ『10キロ圏内を探査したけど被害無しだよ』

 

 

優希「…リィン、僕達のシンクロ率は?」

 

 

リィン『92%です。まだ維持は可能です』

 

 

なのは「ユウ!!」

 

 

優希が休んでいるとなのは達が近付いてきた。

 

 

フェイト「優希もういい!!後は私達が…」

 

 

優希「大丈夫…」

 

 

チュウ太『旦那!!大変っす!!』

 

 

優希「チュウ太?」

 

 

チュウ太から通信が入るがその様子はかなり緊迫していた。

 

 

チュウ太『全長約100メートルの隕石が近付いていやす!!』

 

 

はやて「100メートル!?」

 

 

優希「破壊する方法は?」

 

 

 

チュウ太『不可能っす!!大きさが違いすぎやす!!』

 

 

優希「落下させる訳にはいかない!!」

 

 

チュウ太『破壊する事は不可能っす!!ですが海に落とせれば被害はないはずでさ!!』

 

 

優希「その方法は?」

 

 

チュウ太『ファイターで軌道を変えれば』

 

 

優希「わかった」

 

 

電子手帳の0、4、8を押すとタイムトラベラーを呼んだ。

 

 

すずか「どうするの?」

 

 

優希「軌道を変える」

 

 

ボー♪

 

 

優希「ふっ」

 

 

優希はタイムトラベラーが到着すると6両目に入った。

 

 

優希「システム起動!!タイムファイター!!」

 

 

ガシャン

 

 

6両目が離れると車両の後ろが半分の位置で回転し、縦に四分の三に別れると足になり、前部が×字に亀裂が入り後ろに向かって倒れると左右の部分はコの字からまっすぐに伸びて腕になった。次に上下が倒れると胸部と背部になった。起き上がると頭部が体から出てきてタイムファイターの完成である。

 

 

アリサ「ロボット!?」

 

 

優希「お姉ちゃん達は離れていて」

 

 

タイムファイターは隕石に向かって飛んでいった。

 

 

 

 

優希「……あれか」

 

 

タイムファイターで飛んでいると巨大な隕石が見えてきた。

 

 

ルネ『マスター』

 

 

優希「わかってる、いくよ」

 

 

タイムファイターが隕石の側面に向かい…

 

 

優希「……」

 

 

両手を隕石にそえるとブースターを吹かした。

 

 

優希「出力全開!!」

 

 

出力を全開にすると隕石が少しずつ軌道を変えていった。

 

 

優希「っ!!」

 

 

バチバチ!!

 

 

優希「慣らしてないから無理だったかな…」

 

 

ラン『何を悠長な事を言ってるのですか!!早く脱出して下さい!』

 

 

タイムファイターはあちこちで火花を上げていた。

 

 

優希「今僕が抜けたらこの隕石はどうなるの?」

 

 

ラン『それは…』

 

 

優希「危険だけど僕達がやらなきゃ!!」

 

 

優希はタイムファイターの出力を更に上げて押し始めた。

 

 

リナ『優希ちゃん、軌道修正完了まで後30°!!』

 

 

優希「わかった」

 

 

優希はタイムファイターを操作し少しずつ軌道を変えていった。

 

 

バチバチ!!

 

 

優希「タイムファイター、頑張って」

 

 

リィン『頑張るです!!』

 

 

優希「もう少し!!」

 

 

リナ『軌道修正完了まで、3、2、1、0!!優希ちゃん!!離れて!!』

 

 

優希「わかった!!」

 

 

タイムファイターが離脱すると隕石は海に向かって落下していった。

 

 

優希「リナ、津波の可能性は?」

 

 

リナ『あると思う』

 

 

優希「だったら」

 

 

優希はタイムファイターから出ると…

 

 

優希「仄白き雪の王、銀の翼以て、眼下の大地を白銀に染めよ。来よ、氷結の息吹…」

 

 

リナ『巨大隕石、海面に着弾!!津波…発生!!』

 

 

優希「アーテム・デス・アイセス!!」

 

 

優希は津波を確認すると海面を凍らせた。

 

 

ラン『海面の氷結を確認!!津波…発生阻止しました!!』

 

 

優希「終わり…かな」

 

 

タイムファイターは車両に戻るとタイムトラベラーと連結し、ステーションライナーに戻っていった。

 

 

 

 

なのは「ユウ!!」

 

 

優希が休んでいるとなのは達が近付いてきた。

 

 

フェイト「何でこんな無茶したの!?」

 

 

胸ぐらを掴むとフェイトは優希の胸に頭を預けた。

 

 

優希「お姉ちゃん達を死なせる訳にはいかないから」

 

 

フェイト「だからって優希がこんな無茶したら!!」

 

 

優希「ごめんね、お姉ちゃん」

 

 

フェイト「優希…」

 

 

優希とフェイトが見つめあっていると…

 

 

アリサ「いつまでやってるのかしらね(怒)…」

 

 

フェイト「ずっと♪」

 

 

優希「取り合えず下に降りよ。ほらフェイトお姉ちゃんも離れて」

 

 

優希がフェイトと離れようとしたが…

 

 

フェイト「や♪」

 

 

フェイトは更に抱き付いてきた。

 

 

はやて「フェイトちゃん!!早く離れんかい!!」

 

 

はやてがフェイトを引き離そうとするが、フェイトは優希に抱き付いて離れなかった。

 

 

優希「しかたない」

 

 

フェイト「キャ!?」

 

 

優希はフェイトをお姫様抱っこで抱えると下に降りた。

 

 

なのは「ユウ!!フェイトちゃんばかりズルいよ!!お姉ちゃんも!!」

 

 

下に降りたらなのはの抗議が即座にきた。

 

 

優希「何を…」

 

 

ガク

 

 

フェイト「キャ!?優希!?」

 

 

優希は突然しゃがみ、膝をついた優希だがフェイトは落とさなかった。

 

 

優希「ごめん、フェイトお姉ちゃん。自分で立ってくれる?」

 

 

はやて「フェイトちゃん…重た…」

 

 

フェイト「はやて?それ以上言ったら撃つよ♪」

 

 

バルディッシュをはやての顔に突きつけて笑顔で脅した。

 

 

優希「ユニゾン解除」

 

 

ユニゾンを解除すると周りにルネ達が現れた。

 

 

リィン「大丈夫ですか優希ちゃん!?」

 

 

優希「やっぱりキツかった見たいだね…」

 

 

リナ「とにかく部屋に行って休もう!!」

 

 

優希は急いでなのは達の部屋に運ばれた。

 

 

優希「……」

 

 

リナ「39.5度…リィンちゃん、氷枕の準備して」

 

 

リィン「はいです!!」

 

 

リナ「ルネちゃんとランちゃんは、優希ちゃんの魔力を抑えてくれる?」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

ルネとランは待機状態になり優希の魔力を抑え始めた。

 

 

なのは「ユウは大丈夫なの?」

 

 

リナ「大丈夫、カルテットフォームの反動が出ただけだから」

 

 

はやて「危険なフォームなんか?」

 

 

リナ「まだ体に馴染んでないからね…慣れれば大丈夫なんだけど」

 

 

アリサ「大事にならなくて良かったわよ」

 

 

アリサがそっと優希の頭を撫でると…

 

 

優希「なの姉…」

 

 

優希は呟いた。

 

 

 

 

シャル「なのは、呼んでるよ」

 

 

鈴「寝言で呼ばれるなんていいわね…」

 

 

鈴達が軽い嫉妬をだすが…

 

 

なのは「…違うよ」

 

 

セシリア「何がですの?」

 

 

なのは「今のは私の事を呼んだんじゃないよ」

 

 

シャル「でも…」

 

 

アリサ「今呼んだのは優希の本当のお姉さんよ」

 

 

鈴「本当のお姉さん?」

 

 

フェイト「高町なのは…」

 

 

なのは「私と同じ同姓同名の人」

 

 

ラウラ「そうか、だから先程呼び方が違っていたのだな」

 

 

すずか「うん、優希君は私達の事を【お姉ちゃん】って呼ぶの。本当のお姉さんは【姉さん】って付けるの」

 

 

鈴「じゃあ本当のお姉さんは今どうしてるのよ?」

 

 

なのは「わかんない…」

 

 

ラウラ「行方不明なのか?」

 

 

フェイト「優希が教えてくれないの…」

 

 

セシリア「語りたくないのでしょうか?」

 

 

アリサ「リィン…」

 

 

リィン「ごめんなさい、リィンの口からは言えないです…」

 

 

はやて「優希君は何で語りたくないんやろ?」

 

 

すずか「多分、私達には重い話かもしれないね…」

 

 

優希「ん…」

 

 

リィン「起きたですか?」

 

 

優希「う…ん…」

 

 

まだ寝ぼけていた。

 

 

リィン「優希ちゃん、小さくなって下さい」

 

 

優希「ん」

 

 

優希はリィンに言われると小さくなり…

 

 

リィン「ほら、よしよし」

 

 

リィンはフルサイズになると優希を抱っこした。

 

 

優希「ん~…」

 

 

リィン「眠っていいですよ」

 

 

優希はそのままリィンの腕に抱かれて眠った。

 

 

 

 



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第118話

 

優希「……」

 

 

リナ「ほら♪笑って優希ちゃん♪」

 

 

優希「…拷問」

 

 

女性陣「可愛い~♪」

 

 

隕石落下事件から数日。優希は無茶をしたとしてリナにお仕置き…もといリナのイタズラ、赤ちゃんプレイに付き合わされていた。

 

 

リナ「ほら優希ちゃん♪ミルクでちゅよ~♪」

 

 

赤ちゃんプレイ。

 

 

優希「リナの趣味がわからない」

 

 

リナ「いいから、はい♪ミルクでちゅよ~♪」

 

 

ここで優希も反撃に出た。

 

 

優希「違うミルクがいい」

 

 

リナ「違うミルク?」

 

 

優希「人間のミルク」

 

 

ボン!!

 

 

優希の発言を聞いた瞬間、女性陣は顔を真っ赤にした。

 

 

リナ「ゆ、優希ちゃん!?」

 

 

優希「無理でしょ」

 

 

だがここで優希の予想を超える者が現れた。

 

 

フェイト「もう、しょうがないな~///」

 

 

フェイトは制服のボタンを外し始めた。

 

 

優希「何してるの?」

 

 

フェイト「ミルク飲みたいんだよね?」

 

 

なのは「だめ~!」

 

 

優希「なのはお姉ちゃん」

 

 

なのはが止めにはいるが…

 

 

なのは「私があげるの!!」

 

 

優希「少しでも期待した自分が馬鹿だった…」

 

 

優希はなのはに期待した事を後悔した。

 

 

はやて「うちが!」

 

 

アリサ「私よ!!」

 

 

すずか「私だよ!!」

 

 

結局夜まで騒ぎ千冬に説教を食らった。

 

 

 

 

優希「……」

 

 

リナ「あの優希ちゃん?」

 

 

優希「何?」

 

 

リナ「何をするの?」

 

 

訓練室になのは達、鈴達が集まると優希は普通のバリアジャケットをセットアップしてリナと対峙していた。

 

 

優希「…仕返しは必要だと僕は思う」

 

 

リナ「えっ!?」

 

 

優希「いくよ(逝くよ)?」

 

 

リナ「発音は正しいけど意味は別だよね!?」

 

 

シュン!!

 

 

リナが突っ込みをいれた瞬間、横を何かが通りすぎた。

 

 

優希「…ちっ」

 

 

リナ「本気!?」

 

 

優希「本気と書いてマジと読む」

 

 

リナ「そんな解説…」

 

 

シュン!シュン!シュン!

 

 

リナ「っ!!」

 

 

リナは咄嗟に横に飛ぶとそのまま逃げ出した。

 

 

優希「逃がさない」

 

 

優希は戻ってきた物、ブーメランをキャッチするとまた投げた。ちゃっかりもう一本追加して…

 

 

リナ「優希ちゃんの鬼畜~!」

 

 

リナは優希に抗議と言う名の暴言を吐いた。しかしそれは火に油…ガソリンをかけたに等しかった。

 

 

優希「ラン」

 

 

ラン「はい、優希様」

 

 

優希「ユニゾン」

 

 

ラン「優希様!?流石にそれは…」

 

 

ランは姉を心配して優希に中止を頼もうとするが…

 

 

優希「1日ハグ許可」

 

 

ラン「セットアップします!」

 

 

リナ「ランちゃんの薄情もの~!」

 

 

目の前の誘惑に負け、姉を売った。

 

 

優希「ラン、ウイングファンネル。全部射出」

 

 

ラン『射出します!』

 

 

羽を射出するとランは四方八方からリナを狙った。

 

 

リナ「無理むり~!死んじゃうよ~!!」

 

 

優希「大丈夫、簡単には死なせない」

 

 

リナ「こうなったら最後の手段!!」

 

 

優希「終わり」

 

 

羽がリナを囲むが…

 

 

リナ「アリサちゃんの部屋の本棚の後ろ!!」

 

 

ピタッ!

 

 

リナの発言に優希は止まった。

 

 

 

 

アリサ「私の本棚?」

 

 

リナ「そこに優希ちゃんのお宝本がかく…」

 

 

パン!

 

 

優希「……」

 

 

カシャン

 

 

優希はいつの間にかライフルを構えておりリナを狙撃したようだ。

 

 

はやて「……」

 

 

キィン

 

 

優希「!?」

 

 

ドサッ!

 

 

優希は倒れるとバインドで床に固定され…

 

 

はやて「みんな!!優希君にバインドかけて!!」

 

 

なのは「はやてちゃん?」

 

 

はやて「早く!!」

 

 

なのは達は言われるまま優希の両手足にバインドをかけた。

 

 

アリサ「どうしたのよ、はやて?」

 

 

はやて「みんな、リナが最後に言ってた言葉覚えとる?」

 

 

すずか「お宝本だっけ?」

 

 

はやて「そう!しかも隠されてる本と言えば!」

 

 

フェイト「まさか…」

 

 

はやて「エッチな本に決まってる!!」

 

 

アリサ「それくらい…」

 

 

当たり前と言いたそうなアリサだが…

 

 

はやて「甘い!」

 

 

アリサ「な、何よ…」

 

 

はやて「あの優希君やで!もしかしたら優希君の好みのタイプの本に決まってる!!」

 

 

ピシャ~ン!!

 

 

カミナリが落ちた。

 

 

ギギギ…

 

 

優希「……」

 

 

なのは達の視線が優希に集まり…

 

 

ダッ!!

 

 

なのは達は走り出すとアリサの部屋に向かった。

 

 

優希「プライバシー侵害!!」

 

 

優希の訴えは虚しく響いた。

 

 

 

 

はやて「アリサちゃん、早く!!」

 

 

アリサ「少し落ち着きなさいよ」

 

 

ガチャン

 

 

アリサが鍵を開けると…

 

 

優希「……」

 

 

はやて「優希君!?」

 

 

優希が紙袋を抱えてベランダのふちに立っていた。

 

 

優希「じゃ」

 

 

シュタ

 

 

はやて「待て~!」

 

 

はやても策を飛び越え優希を追うが…

 

 

優希「またね」

 

 

はやて「な!?」

 

 

優希は飛び降りてなく、ふちに掴まっていた。

 

 

優希「……」

 

 

シュタ、シュタ

 

 

優希はベランダを登り上の階に登っていった。

 

 

なのは「器用だな~」

 

 

フェイト「香港のアクションスターになるのかな?」

 

 

すずか「そのネタ、分かる人いる?」

 

 

アリサ「でも、ここまでして隠されると中身が気になるわね…」

 

 

なのは達「……」

 

 

ダッ!!

 

 

なのは達も部屋を出ると上の階に向かった。

 

 

優希「……」

 

 

シュタ!

 

 

優希が屋上に着くと…

 

 

鈴「待ってたわよ!」

 

 

鈴、セシリア、シャル、ラウラが待ち構えていた。

 

 

優希「……」

 

 

鈴達は優希を囲うとジリジリと狭めて優希に近寄ってきた。

 

 

優希「何?」

 

 

優希は紙袋を守るように抱えて辺りを警戒した。

 

 

鈴「それを寄越しなさい」

 

 

優希「やだ、プライバシー侵害」

 

 

シャル「優希♪渡して♪」

 

 

笑顔だ。笑顔だけど含みのある笑顔を鈴達はしている。

 

 

優希「やだ」

 

 

ラウラ「なら力づくで盗る!」

 

 

鈴達は優希に飛びかかった。

 

 

 

 

優希「甘い」

 

 

じゃらじゃら

 

 

優希は魔方陣を展開すると鈴達をチェーンバインドで拘束した。

 

 

鈴「ちょっ!!卑怯よ!!」

 

 

優希「……」ニコ

 

 

優希は何故か微笑むとシャルに近付き、耳元で何か囁いた。

 

 

シャル「はぅ///」

 

 

するとシャルは力なく倒れた。

 

 

ラウラ「シャルロット!?」

 

 

セシリア「何をしたんですの!?」

 

 

優希「……」

 

 

鈴「何で黙るのよ!?」

 

 

そこに突然…

 

 

アリサ「もらった!!」

 

 

パシッ!

 

 

アリサが不意討ちで飛びかかり優希が持っていた袋を盗った。

 

 

優希「……」

 

 

はやて「これで優希君の好みがわかる!!」

 

 

はやてが嬉しそうに袋を開けて中から本を出すとそこには…

 

 

なのは達「うっ…」

 

 

優希「花咲~、薔薇ですね」

 

 

なのは達「……」

 

 

ドシャ

 

 

なのは達は本を見ただけで倒れた。

 

 

優希「本物はこっち」

 

 

優希はもう1つの袋を取り出した。

 

 

アリサ「うぅ、何て物を見せるのよ…」

 

 

優希「人のプライバシーを壊そうとするから」

 

 

そして優希はおもむろに袋を開けて…

 

 

優希「はい」

 

 

優希は本をなのはに渡した。

 

 

 

 

なのは「み、見ていいの?」

 

 

優希「いい」

 

 

なのは「い、いくよ」

 

 

なのはが本を開くと…

 

 

ブン

 

 

沢山の映像が映し出された。

 

 

すずか「これは…」

 

 

フェイト「アルバム?」

 

 

優希「そう」

 

 

優希は本受け取ると懐かしそうに映像を眺めた。

 

 

 

優希「お姉ちゃん達との思い出」

 

 

はやて「ウチのもある」

 

 

優希「僕の大切な宝物」

 

 

優希は大切そうに抱いた。

 

 

アリサ「優希…」

 

 

優希「けど…」

 

 

なのは達「?」

 

 

優希「お姉ちゃん達は僕の宝物を何だと思ってたのかな?」

 

 

ビクッ!

 

 

なのは達が固まると優希は更に追い詰めた。

 

 

優希「一体何だと思ったのかな?」

 

 

なのは「えっと…」

 

 

優希「お姉ちゃん達の育て方間違えたかな?」

 

 

アリサ「は、はやてが最初に!」

 

 

はやて「ちょっ!?皆も一緒に追いかけたやん!!」

 

 

なのは達は責任を押し付け始めた。

 

 

優希「でも一番悪いのは…リナ」

 

 

優希が呼ぶとリナが気まずそうに出てきた。

 

 

優希「覚悟はいい?」

 

 

リナ「……いや~!」

 

 

優希「逃がさない」

 

 

リナにバインドをかけると優希はリナに近付き…

 

 

こちょこちょこちょこちょ

 

 

リナ「きゃはははは!?」

 

 

優希は羽を出すとリナをくすぐり始めた。

 

 

リナ「ひひひ!?ごめんなさい!ごめんなさい!許して~!」

 

 

優希「皆に勘違いさせた罰」

 

 

リナ「にゃはははは!?」

 

 

優希は容赦なくリナをくすぐり続けた。

 

 

なのは達「……」

 

 

一歩間違えば自分達がと思うとなのは達はゾッとした。

 

 

 



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第119話

 

 

ラン「システム、チェック。どうですか?ロードチェイサー」

 

 

ブン

 

 

ランがロードチェイサーのシステムをチェックするとエラーの文字が出た。

 

 

ラン「エラー?どこがですか?」

 

 

【エラー、優希様を呼ぶ必要があります。】

 

 

ラン「優希様を?そんな異常がどこに?」

 

 

【エラー、優希様を呼ぶ必要があります。】

ロードチェイサーはそれしか表示しなかった。所変わってなのは達の教室…

 

 

 

真耶「皆さん、これで今日の授業はおしまいです」

 

 

真耶が教室を出ると…

 

 

優希「スゥ…」

 

 

フェイト「ふふ、よく寝てる♪」

 

 

フェイトは自分の膝に座りながら寝てる優希を見ると嬉しそうにした。

 

 

なのは「昨日は夜更かししたの?」

 

 

はやて「昨日は一緒に寝たから遅くはあらへんよ」

 

 

ピピ

 

 

するとそこに優希の通信端末が鳴った。

 

 

優希「にゃ?」

 

 

はやて「猫か?」

 

 

すずか「優希君、通信がきてるよ」

 

 

優希「……」

 

 

優希が通信端末を操作するとランが映し出された。

 

 

ラン『優希様、申し訳ありませんがステーションライナーにお戻りいただけませんでしょうか?』

 

 

優希「トラブル?」

 

 

ラン『はい、ロードチェイサーの整備をしていたのですが…』

 

 

優希「チェイサーの?どこか故障?」

 

 

ラン『それが優希様をお呼びしろとしか答えず、こちらの操作を一切受付ません』

 

 

優希「わかった、お姉ちゃん達と少ししたら戻る」

 

 

ラン『お待ちしています』

 

 

優希は通信を切ると…

 

 

優希「お姉ちゃん達も行く?」

 

 

なのは「そうだね、行くね」

 

 

ホームルームが終わるのを待った。

 

 

 

優希「……」

 

 

アリサ「それで優希?故障の原因は予想ついた?」

 

 

優希「わからない、僕がこないだ整備した時は異常はなかった」

 

 

すずか「でも異常が出たんだよね?」

 

 

優希「だから謎」

 

 

フェイト「とにかく戻って調べるしかないんだよね」

 

 

優希「そう」

 

 

優希達がステーションライナーに戻ろうとしていると…

 

 

鈴「お揃いでどうしたのよ?」

 

 

鈴、セシリア、シャル、ラウラが歩いてきた。

 

 

なのは「今からステーションライナーに行く所なの」

 

 

ラウラ「何かあったのか?」

 

 

優希「ちょっとしたトラブル」

 

 

シャル「トラブル?僕もいた方がいい?」

 

 

優希「う~、でもシフトではシャルさん休み」

 

 

シャル「困った時はお互い様でしょ?」

 

 

優希「じゃあ、来てくれる?」

 

 

シャル「うん♪」

 

 

ラウラ「なら、私も行こう。何か手伝えるかもしれないからな」

 

 

ラウラ達も一緒に行く事になりステーションライナーに向かった。

 

 

 

 

優希「ラン、お待たせ」

 

 

ラン「お待ちしてました優希様」

 

 

開発室に入るとランとロードチェイサーが待っていた。

 

 

鈴「へぇ、これが優希のバイクなの。格好いいじゃない」

 

 

優希「チェイサー、何処が悪いの?」

 

 

優希は机に座るとパソコンを操作しながらロードチェイサーに尋ねた。

 

 

ピピ

 

 

するとパソコンに大量のデータが送られてきた。

 

 

優希「……」

 

 

すずか「どう?」

 

 

優希「チェイサー、どういうつもり?」

 

 

優希が険しい表情をするとロードチェイサーを睨んだ。

 

 

ブォン!

 

 

ピピ

 

 

【お願いします、優希様】

 

 

はやて「一体どうしたん?」

 

 

ただ事ではないとなのは達は感じとった。

 

 

優希「チェイサーは改造プランとシステムの改造を申し出てきた」

 

 

なのは「悪い事なの?」

 

 

優希「外装の改造は問題ない。けどシステムの改造はリスクが高い」

 

 

すずか「優希君でも?」

 

 

ピピ

 

 

【優希様なら可能なはずです】

 

 

優希「チェイサー、何でこのデータを知っているの?」

 

 

ピピ

 

 

【チュウ太のデータを観覧しました】

 

 

優希「なるほど、でもこの改造はチェイサーにとって危険があるよ」

 

 

ピピ

 

 

【構いません】

 

 

鈴「ただの改造でしょ?何で悩むのよ?」

 

 

優希「チェイサーが申し出てきた改造は僕がまだ完成したばかりのパーツをメインにした物」

 

 

セシリア「危険な品物なんですの?」

 

 

優希「詳しくは言えないけど、本気なのチェイサー?」

 

 

【お願いします、私を強化して下さい】

 

 

優希「何でそこまで強化にこだわるの?」

 

 

優希はチェイサーの強化に悩んだ。

 

 

 

 

【私は旧型です。今のままではお役にたてません】

 

 

優希「でもこの世界ではほぼ最先端」

 

 

【この世界ではです。しかし優希様の開発した中では古いタイプです】

 

 

優希「それは…」

 

 

【お願いします、優希様。どうか強化して下さい】

 

 

優希「わかった」

 

 

優希はなのは達の方を見ると…

 

 

優希「僕はしばらくここにこもるから」

 

 

なのは「お姉ちゃん達に手伝える事はある?」

 

 

優希「パーツの買い物くらい」

 

 

すずか「それくらいなら手伝えるね」

 

 

優希「でも買うものが沢山ある」

 

 

アリサ「どれくらいなの?」

 

 

優希「ちょっと待って」

 

 

カタカタカタカタ

 

 

優希はパーツのリストを作るとなのはに渡した。

 

 

なのは「多!?」

 

 

パーツの多さになのは達は驚いた。

 

 

優希「調達出来る?」

 

 

シャル「なら僕達も手伝うよ」

 

 

リストの1枚をシャルが受け取るとリストを見た。

 

 

ラウラ「ではこちらは任せろ」

 

 

優希「お願い、ラン」

 

 

ラン「はい」

 

 

優希「準備を」

 

 

ラン「ただちに」

 

 

優希「お姉ちゃん達もお願い」

 

 

優希は買い物を頼むとロードチェイサーの改造の準備を始めた。

 

 

 

 

なのは「皆どう?」

 

 

アリサ「とりあえず買ってきた物を確認しましょう」

 

 

喫茶店に集まったなのは達はリストを照らし合わせていた。

 

 

ラウラ「ふむ、大体半分は集まったな」

 

 

シャル「ほとんどお店の人に聞かないとわからない物が多いしね」

 

 

すずか「その分私はわかるから皆よりは楽かな」

 

 

はやて「それに荷物は宅配便で運んでもらえるからウチらが持たなくても平気やし」

 

 

なのは「これを普段はランちゃんが1人でやってるのが驚きだよね」

 

 

シャル「凄いよね、優希が呼んだらどんな時でも必ず現れるから」

 

 

セシリア「凄いメイドさんですわね」

 

 

フェイト「でもランにも出来ない事があるよ」

 

 

鈴「へぇ、あの完璧な子に不得意があるなんて予想つかないわ」

 

 

アリサ「あの子、ああ見えて料理はからっきし駄目だし」

 

 

鈴「そうなの?栄養管理とかしてくれそうだけど」

 

 

すずか「それが裏目になっちゃってるの。栄養管理に気をとられて味が二の次になっちゃってるの」

 

 

シャル「何でだろうね?」

 

 

はやて「優希君が大事過ぎるやろね」

 

 

アリサ「さて、休憩はこれくらいにして残りを探しましょう」

 

 

なのは達はまた別れると残りのパーツを探しに向かった。

 

 

 

 

優希「ラン、五番から九番までつないで」

 

 

ラン「はい!」

 

 

優希「リィン、そこは二十番」

 

 

リィン「はいです!」

 

 

リナ「優希ちゃん、こっちは終わったよ」

 

 

優希「わかった」

 

 

ルネ「マスター、五十番と三十九番の反応が出ません」

 

 

優希「αのシステムを使ってみて」

 

 

ルネ「わかりました」

 

 

優希「これを…」

 

 

ガチャガチャ

 

 

優希は慣れた手つきでどんどんパーツをつないでいた。

 

 

優希「こっちは…」

 

 

ガチャガチャ

 

 

ピピ

 

 

ルネ「マスター、休憩時間です」

 

 

優希「わかった」

 

 

優希がパーツをつけ終えると

 

 

ラン「優希様、お手を」

 

 

優希「ワン」

 

 

リナ「そのお手じゃないよ」

 

 

優希のボケにリナは突っ込みながら自分の手を拭いた。

 

 

リィン「確実にはやてちゃんの影響を受けてるです」

 

 

優希「……」チュー

 

 

優希は椅子に座るとジュースを飲みながらパソコンを見た。

 

 

カタカタ

 

 

優希は片手でパソコンを操作するとデータを見ながら次の段階の話を始めた。

 

 

優希「今日中に内部を完成、明日以降は外装にかかり3日で完成予定。システムに関しては僕がやる」

 

 

リナ「オッケー」

 

 

ラン「わかりました」

 

 

リィン「頑張るです」

 

 

優希「いい?外装は内部と直結させるから普段以上に気をつけて」

 

 

ルネ「はい、わかりました」

 

 

優希達は休憩が終わるとまた作業に戻った。

 

 

 

 

カタカタカタカタカタカタカタカタ

 

 

真耶「えっと…」

 

 

カタカタカタカタカタカタカタカタ

 

 

優希「……」

 

 

真耶「その…高町さん」

 

 

なのは「ゆ、ユウ!?もう少し静かに」

 

 

優希「……わかった」

 

 

優希はキーボードからタッチパネルに切り替えると…

 

 

ピピピピピピピピピピピピピピピピ

 

 

真耶「えっと…」

 

 

フェイト「優希!音消して!」

 

 

優希「う」

 

 

今度こそ静かになった。

 

 

真耶「では授業を再開します」

 

 

キーンコーン…

 

 

真耶「……」

 

 

無情にも終業の鐘がなった。

 

 

真耶「うぅ…」

 

 

真耶は落ち込みながら教室を出ていった。

 

 

すずか「優希君駄目でしょ?授業を妨害しちゃ」

 

 

優希「…ごめんなさい」

 

 

すずか「よろしい」

 

 

はやて「でも優希君?何でここで作業してるん?」

 

 

優希「ルネに研究室にこもると出て来なくなるからお姉ちゃん達の所に居ろって言われた」

 

 

アリサ「納得。取り敢えず食堂に行きましょう、喉も渇いたし」

 

 

カタカタカタカタカタカタカタカタ

 

 

優希は片手でパソコンを持つと片手でキーボードを打った。

 

 

ヨロヨロ

 

 

フェイト「ほら危ないよ」

 

 

フェイトは優希を抱っこした。

 

 

はやて「相変わらずフェイトちゃんは過保護やな」

 

 

フェイト「何かほっとけなくて」

 

 

優希「フェイトお姉ちゃんの愛を感じる」

 

 

ピタッ!

 

 

優希の発言になのは達は立ち止まった。

 

 

 

 

フェイト「そんな~♪愛だなんて///」

 

 

シュバ

 

 

なのは「ユウ~♪」

 

 

なのはがフェイトから優希を奪うと…

 

 

優希「なのはお姉ちゃんから愛憎を感じる」

 

 

なのは「なんで!?」

 

 

はやて「甘いでなのはちゃん。優希君、今日は一緒にシャワー浴びような?」

 

 

優希「はやてお姉ちゃんから下心を感じる」

 

 

はやて「グハ…」

 

 

すずか「優希君、今日は何食べたい?久しぶりに作ってあげるよ」

 

 

優希「すずかお姉ちゃんから愛を感じる」

 

 

アリサ「優希、後で私の部屋に来なさい。久しぶりに耳掃除をしてあげる」

 

 

優希「今日はアリサお姉ちゃんと寝る」

 

 

アリサ以外「ちょっと待った!」

 

 

優希「にゃ?」

 

 

なのは「何でアリサちゃんだけそんなにポイント高いの!?」

 

 

アリサ「アンタ達知らないの?」

 

 

なのは「何が?」

 

 

アリサ「優希は耳掃除してもらうのがドーナツの次に好きなのよ」

 

 

フェイト「アリサがなんでそんな事知ってるの?」

 

 

アリサ「二、三年前かしら?優希が耳を掃除してるのを見てやってあげるって言ったらドーナツを食べた時と同じ笑顔になったのよ」

 

 

すずか「それで優希君が耳掃除をしてもらうのが好きってわかったんだ」

 

 

アリサ「そう言う事、てっきりアンタ達も知っていると思ってたわよ」

 

 

なのは「今度から私もやってあげるからね♪」

 

 

優希「……」コク

 

 

そんな約束をするとなのは達は食堂に入っていった。

 

 

 

 

優希「……」

 

 

カタカタカタカタカタカタ

 

 

はやて「それで?ロードチェイサーの改造はどうなん?」

 

 

優希「外装はルネ達に任せてあるから今日明日に出来る。後はシステムの改良が終われば完成」

 

 

すずか「どんな改良するの?」

 

 

チュー

 

 

優希「ん、全体の向上。それと会話出来るように音声の増設」

 

 

優希はジュースを飲みながら説明をした。

 

 

はやて「バイクに会話が必要なん?」

 

 

優希「チェイサーの希望。僕と普通におしゃべりしたいって」

 

 

アリサ「なるほどね」

 

 

そんな話をしていると…

 

 

鈴「いたいた」

 

 

鈴達がやってきた。

 

 

フェイト「どうしたの?」

 

 

セシリア「優希さんに呼ばれましたのよ」

 

 

ラウラ「婿の呼びだしだ。来ない訳にはいくまい」

 

 

なのは「ユウが?」

 

 

優希「呼んだ」

 

 

シャル「それで優希?僕達に用事って?」

 

 

優希「相談」

 

 

セシリア「優希さんが私達に?」

 

 

優希「そう。今僕が新しいマシンの開発をしているのは知っているよね」

 

 

鈴「えぇ、手伝ったからね」

 

 

優希「話があるのはソコの部分。鈴さん達が協力した事を公表する?」

 

 

シャル「協力って言っても買い物しただけだよ?」

 

 

優希「まぁね、でも協力した事にかわりない」

 

 

ラウラ「なるほど、公表すれば私達に婿との繋がりがある事を世界に公表出来る訳だな」

 

 

優希「前に繋がりが欲しいって言ってたから」

 

 

鈴「まぁ、確かに繋がりは欲しいけど大した事してないのよね」

 

 

セシリア「そうですわね」

 

 

優希「だったらこうする?」

 

 

ラウラ「何か良い案があるのか?」

 

 

優希「協力者とだけ公表する」

 

 

シャル「そうするとどうなるの?」

 

 

優希「開発には手を貸していないけど友好関係である事を発表」

 

 

ラウラ「それなら後からでも繋がりを強く出来る訳だな」

 

 

優希「そう」

 

 

鈴「じゃあそれでお願い」

 

 

優希「わかった」

 

 

チュー

 

 

優希「う!」 

 

 

なのは「どうしたの?」

 

 

優希「空になった」

 

 

すずか「まだ飲む?」

 

 

優希「飲む」

 

 

すずか「ちょっと待っててね」

 

 

すずかは席を立つとジュースを買いに行った。

 

 

 

 

優希「そうだ」

 

 

なのは「どうしたの?」 

 

 

優希「お姉ちゃん達に言い忘れた事があった」

 

 

フェイト「大事な話?」

 

 

優希「大した事じゃない」

 

 

はやて「そうなん?なら後でも…」

 

 

優希「お姉ちゃん達のお小遣い50%カット」

 

 

すずか以外「ちょっと待て!」

 

 

優希「?」

 

 

アリサ「何でお小遣いがそんなに減るのよ!」

 

 

優希「お姉ちゃん達、最近実験を手伝ってないから」

 

 

フェイト「でもそれは優希が…」

 

 

優希「チュウナーズも増えたしここらで経費削減」

 

 

フェイト「あのね、急に減らすのは…」

 

 

優希「まだ減る」

 

 

はやて「さ、最終的にどのくらい?」

 

 

はやてが恐る恐る聞くと…

 

 

優希「80%カット」

 

 

すずか以外「断固反対!!」

 

 

優希「わがまま」

 

 

なのは「減らさない方法はないの?」

 

 

優希「あるけど…」

 

 

すずか「どんな?」

 

 

そこにすずかがジュースを持って戻ってきた。

 

 

優希「でもお小遣い減らさないとお姉ちゃん達が困る」

 

 

すずか「私達が?」

 

 

優希「お姉ちゃん達のお小遣いは…」

 

 

なのは「お小遣いは?」

 

 

優希「結婚式の費用から出てる」

 

 

なのは達「ちょっと待てい!!」

 

 

なのは達の表情が怖くなった。

 

 

 

 

なのは「何で結婚式費用がお小遣いなの!?おかしいでしょ!」

 

 

優希「そう?」

 

 

アリサ「そう言えば優希は他の人と感覚がズレてるんだった…」

 

 

フェイト「結婚式費用って男の人が出す物じゃないの?」

 

 

優希「男女平等」

 

 

はやて「正しいけど納得できへん」

 

 

アリサ「いい優希?」

 

 

優希「?」

 

 

アリサが優希の両肩を掴むと…

 

 

アリサ「女の人はね、結婚する準備にもお金がかかるの。それにね、男の人が結婚式費用を出すのは女の人に対する愛を表現するの」

 

 

優希「愛の表現?」

 

 

アリサ「そう!男の人が結婚式にかけた費用が大きい程愛の大きさがわかるの」

 

 

優希「じゃあ貧乏の人は愛が小さい?」

 

 

アリサ「いいえ、例えお金が無くても相手を喜ばす結婚式にすればポイントが上乗せされるわ!」

 

 

優希「どうすればいい?」

 

 

アリサ「結婚式費用は私達の支度金にするの。でもそこからお小遣いを引くのは間違いよ」

 

 

優希「でもそうするとお姉ちゃん達のお小遣いがなくなる」

 

 

アリサ「他の所から調達出来ないの?」

 

 

優希「ちょっと待って」

 

 

カタカタカタカタカタカタ

 

 

優希はパソコンをいじるとお金の管理表を出した。

 

 

 

 

優希「う~ん」

 

 

なのは「どれどれ?」

 

 

なのは達も経費を見た。

 

 

はやて「細かいな~」

 

 

優希「どこから…」

 

 

優希はなのは達のお小遣いを何処の経費から出そうか悩んでいると…

 

 

フェイト「普通に人件費じゃ駄目なの?」

 

 

優希「それしかないかな」

 

 

はやて「優希君のお小遣いってどこから出てるん?」

 

 

優希「僕の?会社の経費とか貯金したりして余ったお金」

 

 

すずか「…ちょっと待って。優希君、月のお小遣いっていくら位?」

 

 

優希「僕の月のお小遣い?大体二千万位」

 

 

なのは達「ちょっと待てい!!」

 

 

優希「うにゃ?」

 

 

フェイト「何で優希のお小遣いがそんなに高いの!?」

 

 

優希「会社のトップだから」

 

 

アリサ「そんなにあるなら私達のお小遣いを増やしたっていいじゃない!」

 

 

優希「若い頃から贅沢は駄目」

 

 

はやて「優希君だって若いやん」

 

 

優希「僕、高町グループの会長だもん」

 

 

なのは「ちょっと待って?高町グループって何?」

 

 

優希「僕が経営してる工場、飲食店の総称」

 

 

アリサ「飲食店は初耳なんだけど?」

 

 

優希「言ってないもん」

 

 

すずか「どうして?」

 

 

優希「だってトップシークレットだから」

 

 

はやて「ウチらは知っちゃいけないん?」

 

 

優希「お姉ちゃん達の立場上、詳しくは言えない」

 

 

優希は少し真剣な表情で注意した。

 

 

 

 

なのは「どうして言えないの?」

 

 

優希「それは…」

 

 

なのは達「それは?」

 

 

優希「飲食店は僕のお小遣いで経営している」

 

 

はやて「暴露してるやん!!」

 

 

優希「…しまった」

 

 

アリサ「まぁいいんじゃない?自分のお小遣いでお店をやるのは…金額は納得出来ないけど」

 

 

優希「……」コクコク

 

 

話が平和的に終わるかに見えたが…

 

 

すずか「優希君、一つ聞きたいんだけど」

 

 

優希「?」

 

 

すずか「飲食店は優希君のお小遣いで経営しているんだよね?」

 

 

優希「うん」

 

 

すずか「じゃあプラスになった利益は何処にいってるの?」

 

 

優希「……」びくびく

 

 

なのは「…ユウ?」

 

 

優希「……」

 

 

優希はなのは達から視線をそらした。

 

 

優希「さぁ、システム作らなきゃ」

 

 

フェイト「こっちを見なさい」

 

 

優希「はい…」

 

 

優希は誤魔化そうとしたがなのは達の迫力に負けた。

 

 

アリサ「優希?すずかの質問に答えなさい」

 

 

優希「僕のお小遣いに…」

 

 

なのは「その収入額は?」

 

 

優希「……」

 

 

はやて「いくらなん?」

 

 

優希「…六千万」

 

 

なのは達「……」

 

 

なのは達が少しの間黙ると…

 

 

アリサ「優希、私はお小遣いアップを要求するわ!!」

 

 

優希「それとこれとは別」

 

 

アリサ「いいじゃない!」

 

 

優希「駄目な物は駄目」

 

 

なのは「え~!?ユウは沢山お小遣いあるのに!?」

 

 

優希「第一…」

 

 

はやて「第一?」

 

 

優希「お姉ちゃん達、お小遣いアップの話を却下した」

 

 

フェイト「そんな覚えないよ!?」

 

 

なのは達は優希の言葉に激しく反応した。

 

 

アリサ「お小遣いアップの話なんて何時したのよ!?」

 

 

優希「IS学園に入るとき」

 

 

なのは「学園に?」

 

 

なのは達は記憶を辿るが心当たりなかった。

 

 

優希「僕、ちゃんと聞いた。アルバイトする?って」

 

 

はやて以外「あっ!!」

 

 

アリサ「ちょっと待ちなさい!あれがお小遣いアップの話だったの!?」

 

 

優希「そう」

 

 

なのは「うぅ~…そんな話したよ」

 

 

なのは達は思い出したのか段々と後悔してきた。

 

 

優希「アルバイトしたらお小遣いアップってちゃんと言った」

 

 

すずか「うぅ、でも私達既に優希君の所で手伝いしてたよ…」

 

 

優希「月に二、三回でしょ」

 

 

フェイト「でも…」

 

 

優希「それに…」

 

 

なのは「それに?」

 

 

優希「もうシャルさん雇ったからお姉ちゃん達のアルバイトはない」

 

 

なのは達「……」

 

 

優希「シャルさんは優秀。細かい所まで気がきくし」

 

 

シャル「そんな~///」

 

 

優希に褒められるとシャルは照れてしまった。

 

 

 

 

優希「お給料アップも考えてもいい」

 

 

シャル「ホント!?」

 

 

アリサ「私達のお小遣いは減るのに何でシャルの給料は増えるのよ!?」

 

 

優希「シャルさんは働いているから。それに警護もやってる」

 

 

なのは「シャルちゃんのお給料っていくらなの?」

 

 

優希「聞かない方が身のため」

 

 

はやて「そんなに高いんか?」

 

 

優希「……」チラ

 

 

シャル「言ってもいいよ」

 

 

優希の視線にシャルは答えた。

 

 

優希「シャルさんの給料は固定給で百万、プラスα」

 

 

フェイト「優希のお世話ってそんなに高いの!?」

 

 

シャル「でも優希の部屋を掃除するの大変だよ?ほっとくと直ぐに散らかすから」

 

 

すずか「優希君、自分の部屋の片付け下手だもんね」

 

 

シャル「でも研究室とかは綺麗なんだよね」

 

 

そんな話をしてると…

 

 

ガシッ

 

 

アリサ「シャル」

 

 

シャル「な、何?」

 

 

肩を掴まれたシャルが怯えると…

 

 

アリサ「さっき大変って言ったわよね?」

 

 

シャル「えっと…」

 

 

アリサ「大変って事は人手が足りないって事よね」

 

 

シャル「そんな…」

 

 

アリサ「た、い、へ、ん、よね?」

 

 

シャル「大変です…」

 

 

アリサの迫力にシャルは負けた。

 

 

アリサ「優希、シャルは1人だと大変らしいわよ」

 

 

優希「無理矢理言わせてた」

 

 

アリサ「でも大変らしいわよ」

 

 

優希「それで?」

 

 

アリサ「私がアルバイトで働くわ」

 

 

アリサ以外「ちょっと待った!」

 

 

アリサの発言になのは達が待ったをかけた。

 

 

 

 

なのは「抜け駆けはズルいよ!」

 

 

フェイト「アリサだけなんてズルい!」

 

 

優希「まだ雇うなんて言ってない」

 

 

アリサ「いいじゃない、減るもんじゃないし」

 

 

優希「減る」

 

 

すずか「何が?」

 

 

優希「僕のお小遣い」

 

 

はやて「十分過ぎる程あるやん」

 

 

優希「とにかくアルバイトは増やさない」

 

 

なのは達「ブーブー」

 

 

優希「ぶーたれても駄目な物は駄目」

 

 

なのは「ユウのケチ」

 

 

優希「ケチじゃない」

 

 

フェイト「優希、お小遣いアップして?何でもするから」

 

 

優希「何でも?」

 

 

フェイト「う、うん」

 

 

優希「だったら…」

 

 

なのは「だったら?」

 

 

優希「…やってもらう事がない」

 

 

コケッ

 

 

アリサ「何もないの?」

 

 

優希「う~ん、ない」

 

 

優希は悩むが結局答えは出なかった。

 

 

 

 

カタカタカタカタカタカタ

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウ~、ジュース持ってきたよ」

 

 

優希「ありがとう」

 

 

お小遣いアップ騒動の次の日、優希は朝からシステムを作っていた。

 

 

なのは「……」

 

 

優希「どうかした?」

 

 

優希はなのは様子がおかしいと感じた。

 

 

なのは「あのねユウ…」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウは私達をお嫁に出したいの?」

 

 

優希「いきなり」

 

 

なのは「そうだけど…」

 

 

優希「お姉ちゃんは何が不安なの?」

 

 

なのは「ユウは私達の気持ち、わかってるでしょ…」

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ユウは私達の事をどう思ってるの?」

 

 

優希「それを今聞いていいの?」

 

 

なのは「え?」

 

 

優希「お姉ちゃんは今、不安って気持ちだけで答えを急いでる感じ」

 

 

なのは「それは…」

 

 

優希「落ち着いて、ね?」

 

 

なのは「うん…」

 

 

優希「今はまだ答えは言えない。だからもう少し待ってて」

 

 

なのは「わかった」

 

 

そう言ってなのはは部屋から出て行った。

 

 

優希「……」

 

 

カタカタカタカタカタカタ

 

 

優希は作業を再開すると…

 

 

優希「答え…か」

 

 

ポツリと囁くと作業に集中した。

 



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第120話

 

 

 

優希「流石、IS学園」

 

 

はやて「起動実験の事を聞き付ける何て」

 

 

優希達がアリーナにロードチェイサーの起動実験の為に集まると観客席に生徒が溢れていた。

 

 

セシリア「世界のトップに近い優希さんが作ったマシンが見れるとなると集まりますわ」

 

 

シャル「でも何処から漏れたのかな?」

 

 

ラウラ「多分職員室だろう。実験を知ってるのは我々と職員だけだからな」

 

 

鈴「それで誰が実験するの?」

 

 

優希「僕」

 

 

ラウラ「自らやるのか?」

 

 

優希「作った者の責任」

 

 

シュン

 

 

すると優希はアリーナの中央に移動した。

 

 

優希「さぁ、ご覧あれ」

 

 

優希が空を指差すと…

 

 

一夏「何かデジャビュを感じる」

 

 

箒「奇遇だな、私もだ」

 

 

すると空からコンテナが降ってきた。

 

 

アリサ「ちょっ!?」

 

 

すずか「直撃コース!?」

 

 

コンテナは優希に向けて落下していた。

 

 

フェイト「バルディシュ!!」

 

 

バルディシュ「ソニックムーブ」

 

 

シュバ!!

 

 

フェイトはバリアジャケットを纏うと優希に向かって飛んだ。

 

 

フェイト「間に合わない!避けて優希!」

 

 

フェイトが叫ぶと…

 

 

ボコッ

 

 

優希の足下から何かが出てきた。

 

 

ズン

 

 

フェイト「な、な…」

 

 

フェイトは優希の前に立ち止まった。

 

 

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「ガッテン!さぁ!ご紹介しやす、旦那の新メカ!」

 

 

チュウ太はマイクを持つと紹介を始めた。

 

 

チュウ太「まずはゴリラ型のフィーア、フュンフ」

 

 

二体のマシンは吠えると優希の後ろに移動した。

 

 

チュウ太「お次はコイツ!サイ型のゼクス」

 

 

バコン!!

 

 

コンテナを突き破って出てきたゼクスはフィーアとフュンフの間に止まった。

 

 

チュウ太「お次はコイツら!!アザラシ型のズィーベン、アシカ型のアハト!!」

 

 

パチパチパチパチ

 

 

ズィーベンとアハトは優希の前に器用に立つと拍手した。

 

 

パチパチパチパチ

 

 

するとアリーナにいた生徒もつられて拍手した。

 

 

チュウ太「お次はコイツ!ラッコ型のノイン!」

 

 

カンカンカンカン

 

 

ノインは貝を打ち付けながら優希の頭上で止まった。

 

 

チュウ太「まだまだいきやすぜ!!お次はコイツ、旦那の為なら例え深海の中、マグマの中!フェラーリ型のツェーン!」

 

 

ファンファンファンファンファン

 

 

アリーナの搬入口からサイレンを流しながら赤い車が入ってきた。

 

 

チュウ太「最後はコイツ!旦那の為に危険な改造を受けた健気なマシン!ロードチェイサー改めて、レオンチェイサー!!」

 

 

がぉ~ん!!

 

 

別の搬入口から獅子を型どったハーレー型バイク、レオンチェイサーが入ってきた。

 

 

 

 

チュウ太「さぁ!性能のご紹介!!フィーアからノインは鎧となり装着者をパワーアップ!装着すれば二億トン迄なら楽に持ち上げ、耐久力なら三億トンまでの衝撃に耐えられやす」

 

 

チュウ太はどんどん性能を発表していた。

 

 

チュウ太「ツェーンとレオンチェイサーは旦那の新開発した金属を使ったマシン、ほとんどの損傷を自己治癒能力で回復するマシン!旦那が呼べはどんな場所にでも駆けつける!」

 

 

チュウ太が解説を終らせようとした時…

 

 

優希「チュウ太、キャリーエレファンを忘れてる」

 

 

チュウ太「おっと失礼しやした。フィーア達を運搬するマシン、キャリーエレファン!」

 

 

ひゅ~

 

 

優希「…あぶない」

 

 

フェイト「優希!」

 

 

フェイトが優希を抱えるとフィーア達もその場から退避した。

 

 

ズドン!!

 

 

エレファン「パォーン!」

 

 

チュウ太「やい!キャリーエレファン!!俺に何の恨みがあるんでい!」

 

 

もう少しで踏まれる所だったチュウ太はキャリーエレファンに向かって怒鳴った。

 

 

優希「紹介を忘れたからだって」

 

 

チュウ太「男がそんな事気にするな!」

 

 

エレファン「パォ」

 

 

優希「チュウ太、キャリーエレファンはメス」

 

 

チュウ太「…さぁ!気を取り直して!いよいよ性能チェックでさ~!」

 

 

優希「リナ、出番」

 

 

リナ「いくよー!ユニゾン、イン」

 

 

リナはユニゾンすると玄武フォームになった。

 

 

 

 

優希「ツェーンとレオンチェイサーとキャリーエレファンは離れて」

 

 

レオンチェイサー達が離れると…

 

 

優希「…いくよ?」

 

 

シュン

 

 

ズドン!!

 

 

優希はフィーアの前に現れパンチを繰り出すとフィーアもパンチを繰り出し、衝撃で地面が凹んだ。

 

 

優希「!!ふっ!」

 

 

ズドン!!

 

 

今度はフュンフが優希の背後に現れパンチを繰り出すが優希は後ろを向くと同時に蹴りを放った。

 

 

ビュー!!×2

 

 

すると今度はズィーベンとアハトが口から水をを勢いよく吹き出し優希に当て、水圧で優希は一気にアリーナの端まで飛ばされた。

 

 

カンカンカンカンカンカン!!

 

 

キィーン!

 

 

優希「あぶない」

 

 

ノインが優希に向かって音波攻撃をすると優希は即座に避けた。

 

 

優希が油断していると背後からゼクスが突進してきた。

 

 

リナ『優希ちゃん!!あぶない!』

 

 

優希「!?」

 

 

優希が気付いた時には既に遅くゼクスが直ぐ側まで来ていたが…

 

 

レオン「ガォ~ン!!」

 

 

ガキィン!

 

 

レオンチェイサーが間に入り優希を守った。

 

 

レオン「優希様、やり過ぎです!これ以上は危険と判断します」

 

 

ツェーン「キング、私もこれ以上は危険だと」

 

 

するとツェーンも近付き優希に中止を求めた。

 

 

優希「わかった」

 

 

優希はユニゾンを解除するとレオンチェイサーのシートに座り…

 

 

優希「お姉ちゃん達の所まで」

 

 

レオン「了解」

 

 

キィー

 

 

レオンチェイサーは急加速すると一気になのは達の所に向かいツェーンも後を追いかけた。

 

 

 

 

優希「ただいま」

 

 

優希はツェーンとレオンチェイサーとなのは達の所に戻ると…

 

 

なのは達「……」

 

 

優希「?」

 

 

アリサ「…アンタはどうして毎回何も知らせないでやるのかしらね!?」

 

 

ガクガクガクガクガクガク

 

 

優希「にゃ~~~~!?」

 

 

アリサは優希の胸ぐらを掴むと前後に揺すった。

 

 

アリサ「あんなにマシン作る費用があるなら私達のお小遣いもアップしなさいよ!!」

 

 

本音が出た。

 

 

優希「うにゃ~…」

 

 

優希が目を回していると…

 

 

シャル「大丈夫?」

 

 

優希「う~、シャルさん優しい。正社員にならない?」

 

 

はやて「優希君、シャルちゃんに甘いで」

 

 

優希「優しい女性には優しく、これ基本」

 

 

フェイト「それって私達が優しくないって言ってる?」

 

 

優希「最近のお姉ちゃん達はお小遣いの事ばかり」

 

 

なのは達「うっ」

 

 

優希「仕方ない、お姉ちゃん達のお小遣いアップを考えよう」

 

 

なのは達「本当!?」

 

 

優希「これを売って」

 

 

すると優希は小さな箱を出した。

 

 

なのは「ユウ、それって…」

 

 

優希「結婚指輪」

 

 

パカッ

 

 

なのは達「お~!」

 

 

優希が中を見せると中には大きなダイヤの指輪が入っていた。

 

 

優希「僕のお小遣い、三ヶ月分」

 

 

フェイト「三ヶ月分!?」

 

 

優希「でもこれを売る日が来るなんて」

 

 

なのは達「うっ」

 

 

優希「じゃあ売りに…」

 

 

アリサ「優希!ちょっと待った!」

 

 

アリサが待ったをかけるとなのは達は円陣で相談を始めた。

 

 

なのは「あれって私達と結婚する気があるって事だよね?」

 

 

はやて「流石に冗談であんなのは用意出来へんよ」

 

 

フェイト「でもお小遣いアップするとアレ売られちゃうよ」

 

 

すずか「優希君の事だから同じ物は買ってくれないと思うし」

 

 

アリサ「じゃあ現状維持でいいわね?」

 

 

なのは達は頷くと優希を見て…

 

 

アリサ「優希、お小遣いは現状維持で」

 

 

優希「いいの?」

 

 

すずか「いいよ」

 

 

優希「わかった」

 

 

優希は指輪をしまった。

 

 

 



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第121話

 

 

優希「♪~」

 

 

ラウラ「婿よ、何処に行くのだ?」

 

 

シャル「リィンは一緒じゃないの?」

 

 

優希「街に行く」

 

 

シャル「1人で!?駄目だよ!!」

 

 

優希「う~…」

 

 

ラウラ「なら私が付き添うぞ」

 

 

優希「ホント?」

 

 

ラウラ「大事な婿だ」

 

 

シャル「じゃあ僕も護衛として行くよ」

 

 

優希「なら、ツェーン」

 

 

優希はサモナーリングでツェーンを呼ぶと…

 

 

キィー!

 

 

直ぐに現れて優希達の前でツェーンが止まった。

 

 

優希「乗って」

 

 

ラウラは運転席、シャルは助手席に座り優希はラウラの膝に座った。

 

 

ツェーン「キング、どちらに?」

 

 

優希「街まで行って、場所は電気街」

 

 

ツェーン「イエスサー、直ぐに向かいます」

 

 

ツェーンは走りだすと街に向かった。

 

 

シャル「やっぱり凄いね、自動走行って」

 

 

ラウラ「ジャンプは出来ないのか?」

 

 

シャル「流石に車にジャンプは…」

 

 

優希「出来る、サスペンションを利用して二メートル位の高さなら越えられる」

 

 

ラウラ「やはりな。自動走行の次はジャンプも出来んとな」

 

 

シャル「あれ?僕の認識がおかしいの?」

 

 

唯一まともなシャルだけが疑問に思いながら街に着いた。

 

 

 

 

優希「ツェーンはここで待ってて」

 

 

ツェーン「わかりました、キング」

 

 

優希はツェーンをコインパーキングに止めると電気街に向かった。

 

 

シャル「それで優希?何を買いに来たの?」

 

 

優希「ウィンドウショッピング」

 

 

ラウラ「なら、色々と見ていくか」

 

 

優希を先頭にシャル達は後を追いかけた。

 

 

シャル「…ラウラ、気付いてる?」

 

 

ラウラ「ああ、先程からいるな」

 

 

二人は優希に聞こえないように会話していた。

 

 

ラウラ「おそらく婿も気付いているだろう。しばらくは様子を見よう」

 

 

シャル「狙いは優希だと思うし」

 

 

二人は後をつけられている事に気付き警戒しながら優希を見ていた。

 

 

優希「にゃ♪」

 

 

すると突然優希が走り出した。

 

 

シャル「優希!?」

 

 

ラウラ「待つのだ婿よ!」

 

 

二人も慌てて追いかけた。

 

 

優希「♪~」

 

 

すると優希はデザート店の前で立ち止まった。

 

 

シャル「寄ってく?」

 

 

優希「……」コクコク

 

 

カランカラン

 

 

優希がお店に入ると…

 

 

強盗「……」

 

 

カチャ

 

 

強盗の真っ最中だった。

 

 

シャル「優希!!」

 

 

強盗「動くな!!動くと撃つぞ!」

 

 

人質になる優希だった。

 

 

ラウラ「おい貴様」

 

 

強盗「なんだ!?」

 

 

ラウラ「貴様が銃を突きつけている相手がわかっているのか?」

 

 

強盗「ただのガキだろ」

 

 

ラウラ「そこにいるのは高町優希。デバイスを作った科学者だ。貴様テレビで見たろ」

 

 

強盗「なるほど」

 

 

ラウラ「わかったか、愚か者」

 

 

強盗「コイツを連れてけば身代金が増える訳だな」

 

 

そう言って強盗は優希を連れて外に出ると…

 

 

キキー!

 

 

車が止まり強盗は優希を乗せて後部座席に乗り逃げた。

 

 

ラウラ「む?なぜだ?」

 

 

優希が連れ去られた事に疑問するが…

 

 

シャル「ラウラ!追いかけよう!」

 

 

シャルが追いかけようとするがラウラは…

 

 

ラウラ「こっちだ!」

 

 

ラウラは別の方に走りシャルも追いかけた。

 

 

 

 

ラウラ「ツェーン!」

 

 

ツェーン「これはどうしました?」

 

 

シャル「優希が拐われたんだ!」

 

 

ツェーン「キングが!?わかりました、私はただちにキングを追います」

 

 

シャル「僕達を乗せていって」

 

 

ツェーン「では乗って下さい」

 

 

ツェーンがドアを開けるとシャル達が乗り込むと急発進した。

 

 

シャル「優希の位置わかるの?」

 

 

ツェーン「はい、キングの位置はサモナーリングの信号でわかります」

 

 

ラウラ「やはりな」

 

 

シャル「そっか!僕達じゃ追いかけられないけどツェーンなら!!」

 

 

ラウラ「そういうことだ」

 

 

ラウラの考えがシャルにも伝わった。

 

 

ツェーン「追い付きました」

 

 

ラウラ「このまま追いかけてくれるか」

 

 

ツェーン「構いませんが向こうも気付いたようでスピードを上げています」

 

 

シャル「離れての追跡は出来る?」

 

 

ツェーン「可能ですがキングの安全を考えると…」

 

 

ツェーンは優希の安全を第一に考えるため離れての追跡を渋った。

その頃、優希は…

 

 

優希「……」

 

 

強盗1「おい!急げ!!」

 

 

強盗2「わかってるよ!!けど後ろ見て見ろ!」

 

 

強盗1が後ろを見るとツェーンがピッタリと追跡していた。

 

 

強盗1「何だ?あの車は?」

 

 

強盗2「ずっと追いかけて来てる!!」

 

 

強盗1「とにかく逃げるんだよ!」

 

 

優希「……」

 

 

強盗2はスピードを上げて街を逃げ始めた。

 

 

 

 

ピピ

 

 

ツェーン「これは…」

 

 

シャル「どうしたの?」

 

 

ツェーン「キングからのメールが届きました」

 

 

ラウラ「婿から?」

 

 

ツェーン「はい」

 

 

シャル「優希はなんて?」

 

 

ツェーン「後部座席の窓を割ってと」

 

 

シャル「割ってって言われても…」

 

 

ラウラ「街中でISを使う訳にもいかぬし」

 

 

ツェーン「でしたら」

 

 

ツェーンは路肩に止まった。

 

 

シャル「ツェーン!?」

 

 

ツェーン「トランクの中の物をお使い下さい」

 

 

シャルとラウラがトランクの中を見ると…

 

 

ラウラ「流石だな」

 

 

シャル「優希ってばもう…」

 

 

銃満載。

 

 

ラウラ「だがこれで婿の救出は可能だ」

 

 

シャル「とにかく急ごう!」

 

 

二人はツェーンに乗ると追跡を再開した。

 

 

ラウラ「ツェーン、三メートル位まで近づいてくれるか」

 

 

ツェーン「わかりました」

 

 

ツェーンは逃走車に近付きピッタリ三メートルに合わせて…

 

 

シャル「ラウラ!」

 

 

パンパンパンパン!!

 

 

シャルとラウラは逃走車に向けて発砲した。

 

 

 

 

強盗1「何だアイツら!?撃ってきやがった!こっちに人質がいるの忘れてるのか!?」

 

 

強盗2「正気かよ!?」

 

 

そんな事を強盗達が叫んでいると…

 

 

パリン!!

 

 

後部座席の窓が割られた。

 

 

優希「……」

 

 

バッ!

 

 

優希はトランクの上に立つと…

 

 

ピョン

 

 

強盗1「なっ!?」

 

 

優希は飛びツェーンの屋根に飛び移った。

 

 

強盗1「何だあのガキ!?」

 

 

強盗2「おい!」

 

 

強盗1「何だ…うゎ!!」

 

 

強盗達が前見ると警察がバリケードを展開しており逃走車がバリケードの前で止まると包囲され御用となった。

 

 

ラウラ「無事か婿よ」

 

 

優希「大丈夫」

 

 

ツェーンも止まるとラウラは優希の無事を確認した。

 

 

シャル「良かった、怪我してたら大変だもんね」

 

 

優希「ツェーン」

 

 

ツェーン「キング、ご無事でなによりです」

 

 

優希達も事情を聞かれる為警察に向かった。

 

 

 

 

アリサ「全く、いっそのこと外出禁止にしたほうがいいのかしら」

 

 

優希が帰宅した後、今日の出来事をシャルとラウラから聞いたアリサは頭を抑えた。

 

 

優希「僕悪くない」

 

 

アリサ「わかってるわよ、流石にアタシもそこまでやりたくないわよ」

 

 

すずか「優希君、後をつけてた方に心当たりない?」

 

 

すずかはもう一つの気がかりについて優希にたずねた。

 

 

優希「考えられるのはどっかの国のスパイ、又は使い」

 

 

はやて「根拠は?」

 

 

優希「新装備が出来てからだから」

 

 

フェイト「優希が1人になるのを待ってたって事?」

 

 

優希「多分」

 

 

なのは「ユウ、なるべく1人で出掛けるのは控えてくれる」

 

 

優希「…わかった」

 

 

アリサ「私達もなるべく優希と一緒にいるようにしましょう」

 

 

アリサ以外「うん」

 

 

なのは達も頷き話は終わった。

 

 

 

 

それはささやかな事から始まった。

 

 

優希「そろそろ結婚しようかな」

 

 

ピクッ!!

 

 

なのは「ユウ!!とうとうその気になってくれたの!!」

 

 

フェイト「私だよね!!」

 

 

優希「じょ…」

 

 

アリサ「アタシに決まってるじゃない!」

 

 

優希「……」

 

 

後に引けなくなった優希は自分の言葉に後悔してきた。

 

 

すずか「優希君♪式場はどこにする♪」

 

 

優希「どこから出したの?」

 

 

はやて「じゃあ優希君、これにサインして」

 

 

はやては1枚の紙を出した。

 

 

優希「婚姻届け…」

 

 

その時…

 

 

鈴「ちょっと待った~!」

 

 

セシリア「お待ちなさい!」

 

 

シャル「待った~!」

 

 

ラウラ「待て~!」

 

 

鈴達が乱入してきた。

 

 

アリサ「なんでアンタ達がステーションライナーにいるのよ!?」

 

 

セシリア「そんな事どうでもいいですわ!!」

 

 

ラウラ「婿よ!!誰と結婚するのだ!」

 

 

優希は女性陣に囲まれると一言…

 

 

優希「…リィン」

 

 

ピシッ

 

 

女性陣は固まった。

 

 

 

 

アリサ「リィン、表に出てきなさい…」

 

 

優希のペンダントに向かって話かけるが…

 

 

リィン『遠慮するです!』

 

 

リィンは立てこもった。

 

 

すずか「大切なお話しだから出てきて?」

 

 

ちょっとだけ声が低く感じるのは気のせいではないなと優希は思った。

 

 

リィン『優希ちゃん、逃げるです!リィンの為に!』

 

 

タタタタタタ!

 

 

すると優希はリィンに言われた通り部屋の中から逃げ始めた。

 

 

なのは達「待て~!(待ちなさい!、お待ちなさい!)」

 

 

優希「……」

 

 

リィン『どうするですか!?』 

 

 

 

事の重大さにリィンも怒るが…

 

 

優希「今から冗談じゃ無理かな?」

 

 

リィン『内容だけに無理だと思うです、それに優希ちゃんの身も危険になるですよ』

 

 

優希「…逃げる」

 

 

はやて「見つけた!」

 

 

すると優希の前にはやてが現れた。

 

 

優希「……」

 

 

ズサ~!

 

 

優希はスライディングをしてはやての足下を抜けた。

 

 

はやて「なんちゅう事するねん///」

 

 

優希「…あばよ、とっ…」

 

 

はやて「逃がすか~!ってかそのネタはアウトや!!」

 

 

優希「……」

 

 

ボケとツッコミをやりつつ追いかけっこが行われた。

 

 

アリサ「ここまでよ!」

 

 

フェイト「止まりなさい!」

 

 

優希「……」

 

 

ズサ~!

 

 

カシャッ!

 

 

何か電子音が聞こえた。

 

 

アリサ「ちょっと///」

 

 

フェイト「どこ撮ってるの!?」

 

 

優希「ネットに流す」

 

 

アリサ、フェイト「やめて///」

 

 

優希「…じゃ」

 

 

優希が再び逃げ出すとさっき以上の気迫で追いかけられた。

 

 

 

 

優希「チュウ太」

 

 

チュウ太「楽しそうですな旦那」

 

 

優希「そんなチュウ太に、はい」

 

 

ペンダントから出てきたチュウ太にデジカメを優希は渡した。

 

 

チュウ太「旦那?」

 

 

優希「後は任せた」

 

 

ポイ

 

 

優希はチュウ太を置いて逃げた。

 

 

チュウ太「ちょっ!?」

 

 

優希「デジカメを守ってね、因みに命令だから」

 

 

チュウ太「旦那の鬼~!」

 

 

チュウ太は優希を追いかけようとしたが…

 

 

アリサ「チュウ太?」

 

 

フェイト「それ渡してくれる?」

 

 

アリサ達がやってきた。

 

 

チュウ太「そうしたいのは山々何ですが…旦那の命令である以上渡す訳にはいきやせん!」

 

 

チュウ太はデジカメを紐で体にくくりつけると…

 

 

チュウ太「さいなら~!」

 

 

優希とは別の方向に逃げた。

 

 

アリサ「待ちなさい!」

 

 

フェイト「デジカメを渡して~!」

 

 

アリサ達は優希を追いかけたいがデジカメのデータを流出するわけにもいかないのでチュウ太を追う事にした。

 

 

その頃優希は…

 

 

優希「……」

 

 

なのは「ここまでだよ」

 

 

すずか「もう逃げられないよ」

 

 

なのは達に囲まれた。

 

 

 

 

優希「……」

 

 

なのは「さぁユウ?リィンを渡して?」

 

 

優希「じゃ!」

 

 

シュタ!

 

 

優希は天井に足を着けるとそのまま走り出した。

 

 

すずか「待って!!」

 

 

なのは「相変わらず器用なの!」

 

 

シュタ!

 

 

優希は天井から降りると通路を曲がり…

 

 

カチッ

 

 

優希は壁を押すと何かスイッチが入り…

 

 

なのは「逃がさないよ!」

 

 

すずか「いい加減…」

 

 

ガシャン

 

 

なのは「へ?」

 

 

すずか「きゃぁ~!?」

 

 

落とし穴に落ちていった。

 

 

優希「勝利」

 

 

リィン『いつの間に作ったですか?』

 

 

優希「コツコツと」

 

 

リィン『油断ならないです』

 

 

優希「備えあればこそ」

 

 

鈴「見つけた~!」

 

 

ラウラ「見つけたぞ婿!」

 

 

今度は鈴とラウラが挟みこむ形で現れた。

 

 

優希「……」

 

 

ジリ

 

 

ジリ

 

 

鈴「さぁ優希」

 

 

ラウラ「覚悟しろ」

 

 

ダッ!!

 

 

優希「甘い」

 

 

ゴーン!

 

 

二人の頭に巨大な金だらいが落ちてきて衝撃で気を失った。

 

 

 

 

リィン『コントですか?』

 

 

優希「勝てばいい、さぁ逃げよう」

 

 

タッタッタッ

 

 

優希はその場から逃げ出すと…

 

 

セシリア「見つけましたわ!」

 

 

シャル「逃がさないよ!」

 

 

セシリアとシャルが現れた。

 

 

優希「……」

 

 

ダッ!!

 

 

優希はシャル達に向かって駆け出すと…

 

 

シャル「行かせないよ!」

 

 

シャルは優希がスライディングの態勢になるのを見破り咄嗟にしゃがむがそれは囮で…

 

 

ダン!!

 

 

優希は無理矢理ジャンプした。

 

 

セシリア「行かせませんわ!」

 

 

今度はセシリアがジャンプして優希を捕まえようとしたが…

 

 

スカ

 

 

セシリア「クッ」

 

 

僅かに届かなかった。

 

 

シュタ

 

 

優希「またね」

 

 

優希はそのまま走りだしシャル達から逃げた。

 

 

 

 

アリサ「さぁ、追い詰めたわよ」

 

 

なのは「もう逃がさないよ」

 

 

鈴「さぁリィンを渡しなさい」

 

 

優希「こうなったら」

 

 

はやて「ここから逃げられると思っているんか?」

 

 

優希は完全に囲まれていた。

 

 

優希「……」

 

 

カキカキカキカキ

 

 

優希は紙とペンをだすと何かを書き始めた。

 

 

シャル「何書いてるの?」

 

 

優希「……」

 

 

ビシッ!

 

 

すずか「そ、それは!?」

 

 

紙にはこう書かれていた。

 

 

婚姻届け。

 

 

優希「えい」

 

 

優希は婚姻届けを紙飛行機にして飛ばした。

 

 

なのは達「待て~!」

 

 

なのは達は紙飛行機を追いかけ互いに邪魔しながら奪いあった。

 

 

リィン「助かったですか?」

 

 

優希「これでもう大丈夫」

 

 

リィン「でも誰かが手に入れたら優希ちゃんは結婚ですよ」

 

 

優希「これの事?」

 

 

優希は懐から紙を出した。

 

 

リィン「じゃあさっきのは…」

 

 

優希「気付く頃にはボロボロ」

 

 

リィン「策士です」

 

 

優希「さぁお茶でも飲もう」

 

 

優希がその場から立ち去ろうとすると…

 

 

リィン「所で優希ちゃん」

 

 

リィンが肩に座ってきた。

 

 

リィン「さっきの結婚するならリィンと言ってくれたですが本気ですか?」

 

 

リィンが不安そうに聞くと優希は…

 

 

優希「秘密」

 

 

リィン「え~!?教えて下さいです!」

 

 

優希「教えない。けど…」

 

 

リィン「?」

 

 

優希「ずっと一緒にいたいね」

 

 

優希はそっと微笑むとなのは達を眺めた。このまま幸せが続くようにと願いながら。

 

 

それから数十年…

 

 

リィン「皆、逝ってしまったですね」

 

 

優希「幸せにできたかな?」

 

 

リィン「幸せでしたです。リィンも、なのはさん達も」

 

 

優希達は見晴らしのいい土地を買いそこに五つのお墓を建てた。

 

 

優希「ありがとう、お姉ちゃん。最後まで一緒に居てくれて」

 

 

優希はしゃがんで手を合わせた。

 

 

優希「僕は旅に出るけどまた会いにくるからね」

 

 

花を添えて優希は立ち上がり背を向けた。

 

 

優希「いってきます」

 

 

【行ってらっしゃい】

 

 

優希「!?」クルッ!

 

 

声が聞こえたが誰も居なかった。

 

 

優希「…いってきます」クルッ

 

 

優希は背を向け、その場を後にした。

 

 

リィン「優希ちゃん、これからどうするです?」

 

 

優希「さぁ?気の向くままに旅に行こう」

 

 

リィン「じゃあリィンと新婚旅行です!」

 

 

優希「…はい?」

 

 

リィン「リィンは尽くすですよ?」

 

 

優希「何で結婚?」

 

 

リィン「忘れたですか?優希ちゃん、結婚するならリィンが良いって言ったですよ?」

 

 

優希「覚えてる」

 

 

リィン「さあ、責任をとって下さいです」

 

 

リィンは婚姻届を出してきた。自分を場所にサインしたやつを。

 

 

優希「…わかった」カキカキ

 

 

優希は婚姻届にサインをした。

 

 

リィン「わーい♪これでリィンは優希ちゃんのお嫁さんです~!」

 

 

優希「提出出来ないけどね」

 

 

リィン「それでもいいです!」

 

 

優希「さあ、行こうか」

 

 

リィン「はいです!」

 

 

優希はリィンを連れて時空間に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 



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