家庭教師ヒットマンREBORN! ー鳳凰神と暁の炎ー (二首犬)
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第一話 ありふれた日常と暗躍する者達

 何度も作品を削除したりしてすみません。いい作品を書こうとしているのですが、現状上手く行きません。


 ここは日本の並盛と呼ばれる街である。そこに一人の少年が友達の二人と歩きながら学校に向かっていた。真ん中にいるオレンジのボサボサ髪の少年、沢田綱吉は顔を上げて、感慨深げに呟いた。

 

「あと少しで、俺…いや、俺達は中学を卒業するんだな」

「そうっすね!十代目!中一の時から大きく変わりましたもんすから。確か、十代目は並盛高校に進学するんすよね?」

「そうだよ。獄寺君も同じだよね?」

「そうっす!」

 

 同意したのは銀髪のセミドレッドヘアーで、煙草を吸っている美少年、獄寺隼人である。彼はボンゴレファミリー十代目、綱吉の嵐の守護者を勤めている。なお、UMA等の希少生物好きでもある。

 

「獄寺の言う通りだな。来年、高校生になったら俺は甲子園を目指すぜ」

「そう言えばいいの?確か山本には野球の強豪高校からの推薦があったんでしょ?」

「それよりも、その高校と戦う方が面白そうだから辞退したんだぜ!」

 

 綱吉の問いに爽やかに答えた少年は山本武、彼も隼人同様にボンゴレファミリーの一員で、雨の守護者を勤めている。彼は根っからの野球好きであり、彼も中学卒業後は並盛高校に進学する予定だ。

 

「そうだ。昨日もランボが小学校で手榴弾を爆発させたらしい」

「あのアホ牛また小学校で問題起こしたんすか!」

「そうだね…イーピンも呆れていたよ」

「まあまあ!ランボも小学生なんだし多少は大目に見ようぜ」

「ハァ!それしかないか」

 

 ランボとはイタリアの中小マフィア、ボヴィーノファミリーのヒットマンでリボーンを殺すために来日したが、いつのまにやら、綱吉の家、沢田家の居候兼ボンゴレファミリーの雷の守護者となった。

 イーピンは格闘家兼暗殺者で、最初は綱吉を暗殺するために来日したが、人違いだと分かり、自己鍛錬のためにそのまま沢田家に居候することとなった。

 二人とも今年から並盛小学校に通っているが、ランボは我儘な性格のせいで、イーピンは日本語が話せないために、二人とも小学校で苦労している。

 

「おはよう、ツナ君」

「おはこんにちは」

「ああ!おはようエンマ。それと、しとっぴちゃんも」

 

 この二人はボンゴレファミリーと古くから交流があるマフィア、シモンファミリーである。エンマこと古里炎真はそのファミリーのボスであり、しとっぴちゃんことSHITT・P!はそこで沼の守護者を勤めている。

 なお、エンマとツナは訳があって一時は敵対関係であったが、現在は大親友とも呼べる中である。

 

「そういえば、エンマたちも並盛高校に進学するんだっけ?」

「もちろんだよ。紅葉やアーデル達もいるからね」

 

 紅葉とアーデルはシモンファミリーの一員であり。紅葉は森、アーデルこと鈴木アーデルハイトは氷河の守護者を勤めている少女も並盛高校に進学している。

 

「このところ何もないね、こんな日が続けばいいのに」

「そうだね、争いごととかもうまっぴらだしね」

 

 ツナが溜息を吐いて呟くとエンマもそれに同意した。この二人いや、ツナは二年生の頃から大事件をいくつも経験していた。まず、六道骸の事件から始まり、XANXASとボンゴレの後継者を巡った継承戦。世界を支配しようとする白蘭との未来での戦い。ボンゴレの強化に拘ったD・スペードとの戦い。アルコバレーノにかけられた呪いをとく戦い、虹の代理戦争。

 最後に、封印から解放されて世界の破滅を目論んだ邪神ロヴィーノと激突したロヴィーノ事件などがあった。

 

「この平和もいつまでも続いてたらいいのにね」

「そうだね!」

 

 二人がそう呟いているとどこからか声が聞こえた。

 

「ねぇ!君達、いつまで群れてるつもりだい?」

「ひ、雲雀さん、どうしてここに?」

「中学校の方が気になったから見に来ただけだよ。小動物」

 

 雲雀はトンファーを取り出して、構えてきた。

 

「このまま群れているなら嚙み殺す!」

「に、逃げようエンマ!」

「そ、そうだね!」

 

 全員が大慌てで走り去ろうとすると雲雀も「逃がさないよ」と追い続けてきた。

ツナは思った。この平穏がいつまでも続けばいいなと。しかし、彼はまだ知らない、この平穏が仮のモノであることを。

 

 

 

「ふっふっふ、ようやく総理大臣の椅子を手に入れた」

 

 その日の夜、永田町にある国会議事堂の総理の部屋にて、一人の男が不気味にほくそ笑んでいた。彼の名は烏丸黒男、つい最近総理大臣になった男である。

 彼が上機嫌で椅子にふんぞり返っていると彼の携帯から着信が入った。

 

「はい、こちら……!」

『総理大臣の椅子の座り心地はどうだ?』

「これは大将軍様ではありませんか。いかなる御用でしょうか?」

 

 大将軍と呼ばれた男は淡々と言葉を続けた。

 

『今からデータを送る。そいつを何としても探し出して殺せ』

 

 黒男は自分のノートパソコンを開き送られてきたデータを確認した。その人物は金髪ロングの美女であった。外見から考えて二十代と思われる。

 

『警察を総動員してこの女を秘密裏に捕らえよ』

「それは構いませんが、この女が貴方様に何をしたんですか?」

『お前が知る必要のないことだ。この女はまだ東京にいるハズだ。何としても捕らえよ』

「分かりました」

 

 黒男はそう言うと電話を切った。すると苛ついたような口調でボヤいた。

 

「アイツは人使いが荒いなあ。総理大臣になる手伝いをしてくれたことは感謝しているが俺に理由の一つでも教えてくれたらいいモノなのに。取り合えずやるとするか、写真から見るにいい女のようだしな。へぇへぇ、俺の女にでもしようかな……!」

 

 黒男はいやらしい目で標的の女の顔を見ていた。

 

 東京タワー近くの公園で二人の男女がベンチに座りながら談話していた。女の方は大将軍が探している美女であった。まず男の方が口を開いた。

 

「ネフティス、どうやら大将軍は総理を動かして、君を捕えようとしているようだ。早く東京を去ったほうがいいんじゃないかい?」

「それはできないわよ。間違いなくそのバカはどこに逃げようとも私を捕えようとするでしょ?」

「それはそうだけど……!」

 

 男はネフティスと呼ばれた美女に返されると答えられなかった。

 

「それにしてもロヴィーノはとんでもないモノの封印を壊してしまったわね。あの怪物は近いうちに蘇るわ」

「そうだな。でもその邪神を倒せた沢田綱吉ならあの怪物も倒せるんじゃないのかい?」

「それはわかるけど。万が一に備えてよ。カイ」

「分かった。君も気を付けろよ。相手は国家権力だ」

「心配ないわ。それより貴方はあの炎、暁の炎を宿す者を探し出して頂戴」

「了解だ!」

 

 それだけ言うとネフティスは立ち上がり、どこかに歩き始めた。

 カイと呼ばれた男はポケットからチョコレートを取り出し、それを食べながらぼやいた。

 

「彼女の願いを無駄にしないためにも暁の炎の宿主を探すか。それにしても異世界まで絡んでくるとは思わなかったなー」

 

 カイはポケットから暁色の宝石が埋め込まれたリングを取り出すとそれを上に上げた下から眺めた。

 

 一方、この時間誰もいない東京スカイツリーの展望台に、中世のヨーロッパ貴族の服に眼帯をした痩身の中年男性がいた。彼はただ一人で夜空を眺めていた。

 

「新たなる物語が動き出すか。ジョット、お前との約束は絶対に果たそうこの不動の名に誓ってな」

 

 不動という男は金色の鳥の刺青が彫られた右の掌を見た。するとその刺青は金色に輝き出した。そして、そこから神々しい金色の炎が灯った。

 




 今回はここまでです。家庭教師ヒットマンREBORN!の原作を読んで思いましたが、ランボとイーピンは学校に通っているのか知りたいです。


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第二話 雨の守護者と擬宝珠家

 サブタイトル通りに今回の話にこち亀の擬宝珠家が出てきます。


 土曜日、ツナは母親や隼人達と沢田家の片付けをしていた。なお、ランボはフゥ太に頼んでイーピンと共に散歩に行かせていた。ビアンキは顔を見ると隼人が倒れてしまうので、マスクを着けて作業していた。

 

「かあさん、この荷物は向こうに持って行けばいいんだよね?」

「そうよ、ツっ君お願いね」

「十代目の母上、これは捨てていいやつですか?」

「それは友達からの贈り物だから捨てないで!」

「分かりました」

 

 一通り終えると一休みすることにした。ツナ達はお茶を飲みながら雑談していた。

 

「それにしても一通り片付いたね」

「そうですね十代目」

「私にかかればこんなの楽勝よ」

「二人が手伝ってくれるだけでもありがたいよ。それと明聖もありがとう」

「いいえ、気にしないで下さい」

 

 この明聖という少女はツナのかつての敵である光城輝夜の妹である。輝夜は死ぬ前にツナに彼女を託した。そして、現在は沢田家に居候している。

 

「そう言えば、ツナさん、掃除中にこんなモノを見つけたんですけど」

「ん!」

 

 明聖は何やら紙のようなモノをツナに渡した。

 その紙には巨大で炎を纏った鳥の絵が描かれていた。

 

「この鳥は何だろう、獄寺君は知らない?」

 

 ツナはUMA好きの隼人にこの絵を見せた。

 

「すいません十代目、俺でもよくわからないんです。ただ炎を纏った感じから不死鳥つまりフェニックスのように見えるっスね」

「そうなんだ!」

 

 ツナはそうかと頷いた。すると後ろからツナの母親の沢田奈々が声をかけてきた。

 

「この絵は私の御先祖様が描いた絵なのよ」

「そうなの、俺、そんな話一度も聞いたことないんだけど」

「だってツっ君があまり興味を示さないような物だと思ったからよ」

 

 奈々はやれやれといった感じで話した。

 

「けどこの絵って、すごい出来っス!十代目の母上の御先祖様は画家だったんすか?」

「違うわよ。この絵を描いた御先祖様は僧侶だったらしいわ」

「僧侶って、お寺のお坊さんのこと?」

「ええ!」

 

 ツナは母方の御先祖が僧侶だったことに驚いた。そして、そう思うと自分の中に流れている血は変な感じがした。ただでさえ自分の父方の御先祖はマフィアのボスなのだから。

 休憩を終わらせ掃除を再開しようとするとツナに電話がかかってきた。相手は武だった。

 

『よっツナ!』

「どうしたの山本、野球部で練習しているんじゃ」

『それが早く終わっちまってな。それより明日練習試合をすることになったんだぜ!』

「どこの中学と?」

『栄冠大学付属中学だ!』

「栄冠って!」

 

 ツナは対戦相手の名前を聞いて驚いた。栄冠大学付属中学と言えば中学野球最強と謳われている学校である。そして、多数のプロを輩出していることでも有名だ。

 

「よく練習試合の申し出を引き受けてくれたね?」

 

 ツナの疑問は最もであり、普通はそんな強豪校は普通の都立校とは絶対に練習試合をしないのが一般的である。

 

『なんかそこの二軍が俺達の相手らしいんだ』

「……それって凄く舐められているよね」

 

 ツナは納得した。つまり、栄冠大学側は二軍の肩慣らしの相手に偶々、並盛中学を選んだだけである。

 今度は気になったことを訊ねた。

 

「山本はともかく、他の部員はどうなの?」

『ビビッている奴が多いなぁ!だから、俺と薫で引っ張っていくぜ!』

「そっか!やっぱり山本はそうじゃなきゃな」

『もしよければ、見に来ないかツナ?』

「わかった。他の皆も連れて見に行くよ」

 

 ツナは武との電話を終えると隼人がツナに訊いてきた。

 

「山本からなんて言われたんすか?」

「明日、栄冠大学付属中学との練習試合をすることになったから見に来ないかって誘いだよ」

「そこって滅茶苦茶野球が強いところじゃないっすか。アイツ大丈夫っすかね」

「山本なら大丈夫だよ。水野君もいるしね。ん!?」

 

 テレビのニュースがツナの目に留まった。それには美女の映像が写っていた。

 

『ここ最近、頻繁に起きている行方不明事件の犯人がこの映像の女性であることが警察の調べで明らかとなりました。そして、警視庁はこの犯人を全国指名手配にすることを発表しました』

 

「行方不明事件って恐らくアレでしょ!」

「十中八九アレっスよね、十代目」

 

 行方不明事件というのはここロヴィーノ事件が終わった少し後から、日本で起きている事件である。

 その名の通り、日本全国、特に東京在住の人間が突然行方不明になっている。

 被害者たちはいずれも一般人であり、特に人間関係に問題は無かった。被害届は幾つも出ており、警察は総力を挙げて捜査していたが、今まで犯人の尻尾すら捕まえられなかった。

 

「この事件の背後にはロヴィーノ教団がいたりするのかな?」

「それは無いんじゃないのかしら。リーダーである光城輝夜は死に、大罪の七人(ベッカート・セッテ)復讐者(ヴィンディチェ)の牢獄に幽閉されているから、今更、行動を起こす意味が分からないわ」

 

 ツナの疑問にビアンキは素っ気なく返した。

 彼女の言う通りロヴィーノ教団に現在そこまで力はない。

 

「もしかして、別の勢力が動いているのかな。エンマ達を影から操っていたD・スペードのような存在が!」

「そうだとしても、俺達で倒すだけっス!」

「……そうだねっ!」

 

 ツナは自分の不安が杞憂に終わってくれることを期待していたがそんなことにはならなかった。見えてないところで、刻一刻と危機は迫っていた。

 

 

 

「さぁ~て、明日の準備も終わったし、早く寝っかな!」

 

 夜になり、武は自宅でユニフォームなどの野球道具を揃えていると携帯電話が鳴っていたので出ることにした。名前を見ると「擬宝珠纏」だった。

 

『よっ!武!』

「纏ねぇ久しぶり、元気してたか?」

『当たり前だよ!それより明日試合何だってな?』

「ああ!栄冠大学付属中学との練習試合だぜ」

『そいつは凄いな!あ、そうだ。その練習試合が終わったらウチに来ないか?ばぁちゃんもお前に会いたがってるし!』

「ゲパばぁって今年で百三歳だろ。元気なのか?」

『元気だよ。あたし達、擬宝珠家にとってもお前は家族同然だからな。ばあちゃんも久しぶりに会いたがってるんだ来てくれよ』

「わかった。じゃあ、明日な」

 

 電話を終えた纏は家族達に声をかけた。

 

「明日の練習試合の後に、武はウチに寄るってさ」

「纏、それは本当か?武は本当に来るのか?」

「当然だろ檸檬。アイツはぬけてるところはあるけど、約束は絶対に守る男だからな」

 

 纏と呼ばれたポニーテールの美女は妹の檸檬に伝えた。すると今度は厳格そうな老女―纏の祖母で超神田寿司の女将である夏春都が口を開いた。

 

「武は元気にやっているのかい?」

「ああ、今も野球を続けてるようだよ」

「そうかい!憂鬱にも会って欲しかったんだけどね……」

「仕方ないよ!兄貴は今京都にいるんだしさ。まぁ武の野球の師だからな」

 

 纏の兄―擬宝珠憂鬱は現在、京都にある料亭「超雅」で修業している。武の父―山本剛は昔、超神田寿司で修業をしていた。

その縁で武も擬宝珠家と交流があり。憂鬱から野球について教えられていた。

 

「それより、アイツはどうすんだい?」

「武を勘吉に会わせない方がいいと思うけど、武に悪影響を与えそうだし……」

「けど勘吉は現在、日本にはいないんだったね?」

「どうやら少し前に部長を怒らせたとかで、カナダでメープルシロップ作りをしているらしいけど、もう少ししたら帰国するらしいよ!」

「ソイツはよかった。武と会わないでくれるなら万々歳だよ」

 

 夏春都は嬉しそうな表情を浮かべた。

 纏が言った勘吉とは彼女の親戚であり、葛飾区亀有公園前派出所の警官の両津勘吉である。彼はこの店で板前としても働いている。この数日前に普通のメープルシロップを高級メープルシロップと偽って販売していた。しかしそのことを知った部長は激怒して、メープルシロップ作りの苦労を味わえとカナダにあるメープルシロップの工場に飛ばされた。

 

「だぁー、だぁー」

「そう言えば、武は蜜柑ちゃんに会うのは初めてじゃろうな」

「そうだね~」

「檸檬の言う通りだな。さぁ、明日のために今日はもう寝るよ。お休み!」

「お休み、纏」

「お休みなのじゃ、纏」

 

 纏は自室に向かい、布団を敷くとすぐに寝た。

 一方、カナダでは両眉毛が繋がった中年男性―両津勘吉がカナダの工場でせっせと働いていた。

 

「あと少し、あと少しでワシは日本に帰れるぞ」

Don't hit the waste(無駄口を叩くな)

 

 両津のぼやきに反応した工場長は両津を叱った。

 大空と人情味あふれるこの悪徳警官が邂逅する日もそう遠くない。

 




 今回の話はここまでです。今回の話に出てきた栄冠大学付属中学のモデルは特にありません。なお、ツナ達の住んでいる並盛は西東京市にある設定です(原作に出てる並盛中学は都立だったので)。
 今回の小説に特殊刑事課も出したいと考えています。


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第三話 最強警官と動き始めた闇

 リアルが忙しい二首犬です。


 日曜日、栄冠大学付属中学との練習試合の日が訪れた。武達の並盛中学野球部に、ツナ達応援団も栄冠大学付属中学に到着した。グラウンドの外れでは野球部の部員が円陣を組んでいた。

 

「栄冠ファイトォー!」

『ファイトォー!』

 

 そう叫んだ彼らは走り出した。どうやらさっきの掛け声はランニング前の気合入れのようだ。

 一方で、武と薫は栄冠の野球部の設備に驚いていた。

 

「さっすが栄冠だ。設備が半端ねぇな」

「そうだな。最新鋭のバッティングマシーンにトレーニングマシーン。また雨天の時のための室内練習所。正に至れり尽くせりだ」

 

 二人が会話していると彼らの前に栄冠のユニフォームを着たサングラスをかけた厳つい男性が近づいてきた。外見からして50代と思われる。

 

「君が並盛中学野球部の主将の山本武君かい?」

「はい!そうすっけど!」

「俺は栄冠大学付属中学野球部の監督の銀城和樹だ。今日の試合よろしく頼むよ」

「分かりました。よろしくお願いします」

 

 和樹はそれだけ言うと自分のベンチに戻っていった。

 少しして、ツナ達も栄冠大学付属中学に到着した。今日のメンバーは雲雀と骸を除いた十代目ファミリーとシモンファミリーである。

 

「ここが栄冠か、やっぱりすごく広いなー」

「まあ、ここは名門私立スから、設備に力を入れるのは当然っス」

「俺の聞いた話ではボクシング部も極限に強いと聞いてるぞ」

「何か迷子になっちゃいそう……」

 

 ツナ、隼人、了平、クロームの四人は感想を口にした。

 了平の言葉通り、栄冠は野球部だけでなく、全運動部に力を注いでいる。ボクシング部も例外ではない。

 

「何か緊張するな……」

「ツナ君、大丈夫だよ。薫や山本君だけでなく他の部員たちも今日に備えて頑張ってきたんだから!」

「…エンマの言う通りだよ。ツナさん信じよう」

「らうじも言ってるんだし大丈夫よ」

「アーデルハイトさん……。そうだね、なんか弱気になっていてゴメン」

 

 ツナはアーデルハイトに謝罪すると応援席に座った。

 野球場を見ると両野球部が敬礼をしていた。そして、試合が始まった。

 

 

 

「はひ~、何とか勝ちました」

「ホント凄い試合だったね!」

 

 試合は並盛中学の勝利で終わった。

 序盤、並盛中学の選手達はプレッシャーに負けてぎこちない動きをしていたが、武と薫の檄や活躍で緊張が解れて、いつもの動きに戻っていった。

 中盤になり、並盛中学が四対二と二点リードしていると和樹は不機嫌な様子で、選手交代をして、栄冠の選手は二軍から一軍へと変わった。そして反撃の狼煙を上げ。一気に四対六と逆転を許してしまった。このまま並盛の敗北と思われたが武と薫のホームランによって何とか同点になった。

 試合はようやく終盤を迎えた。薫は栄冠側のバッターの癖や苦手なコースを見極めて、投げ続けた。そして同点のまま延長戦に突入したが、最後に山本のソロホームランで並盛中学の勝利となった。

 試合が終わり両者は『ありがとうございました』と敬礼をした。

 

「何とか勝ってよかったぜー!」

「そうだな!」

「山本君、ちょっといいかな?」

「あ……栄冠の監督さん。どうしたんスか?」

 

 武と薫が喜んでいると和樹が近づいて、申し訳なさそうな様子で声をかけた。

 

「今日の試合はすまなかった。君らを甘く見ていたよ」

「気にしなくていいっスよ!」

 

 武が明るい表情で返すとサングラスを外した。

 

「今度、戦うことがあれば。出し惜しみせず全力で戦おう!」

「ハイ!その時はお願いします」

 

 試合が終わり着替えた武と薫はツナ達に「頑張ったな」「凄いな!」などの労いの言葉をかけられた。

 

「皆!ありがとな。そうだ、俺、これから神田に住んでいる知り合いに会いに行くけど、皆も一緒に行かないか?」

「え……一緒に行って大丈夫なの?」

「大丈夫だと思うぜ。皆にも擬宝珠家の人達にあってほしいからなっ!」

「じゃあ、お言葉に甘えて。みんな行くけどいいよな」

『もちろん!!』

「じゃあ、行こうぜ」

 

 全員で超神田寿司に向かうことになった。

 電車で移動中に武は皆に擬宝珠家の人達について教えていた。

 

「俺の親父は竹寿司を開く前は超神田寿司で働いていたんだ!」

「超神田寿司って、あの江戸時代から続く老舗の寿司屋だったよな?」

「そうっす!」

 

 ジュリーの疑問を武は普通に答えると説明を続けた。

 

「その縁で、俺も何度か超神田寿司に遊びに行って、擬宝珠家の人達と交流を持つようになったんだぜ」

「はひ~!そうだったんですか。疑問があるんですが?確かそこの大女将って百三歳って聞いたんですけど?」

「ああ!前に会ったときは百二歳だったけど。今年で百三歳になったんだ」

「百三歳……って、タルボさんほどじゃないけどかなり高齢だな……!」

 

 ツナが口にしたタルボとは代々ボンゴレファミリーに仕えている彫金師であり、リボーンから聞いた話では初代ボンゴレファミリーのボスージョットの代から生きているらしい。

 

「ゲパばぁは元気すぎてな。とても百三歳とは思えねぇよ」

「正に老黄忠ってヤツだな」

「その言葉って、元気な老人って意味っすよね。リボーンさん!」

「そうだぞ。獄寺」

 

 

 それからしばらくして、超神田寿司に到着した。玄関では夏春都、纏、檸檬、そして檸檬が抱えている蜜柑の四人が出迎えてくれた。

 

「おお~!みんな、久しぶりー!」

「ようやく来たのかい」

「今回は友達も連れてきたんだな」

「武、元気そうで何よりじゃ!」

「だぁー、だぁー」

「こうして会うのは初めてだな蜜柑。ヨロシクな!」

 

 再会を終えた武は夏春都達に仲間について紹介した。

 

「ここにいるのが、俺の友達だぜ」

「そうっか。かなり個性的な連中だな」

「初めまして、俺は山本の友達の沢田綱吉って言います。こちらが……!」

 

 それから、全員の自己紹介を終えると今度は擬宝珠家側の自己紹介が始まった。

 

「私は擬宝珠夏春都。この超神田寿司で大女将をしているよ」

「アタシは擬宝珠纏。普段は葛飾署で婦警をしている。武の姉貴分だ!」

「檸檬は檸檬じゃ。そして、抱いているのは蜜柑ちゃんじゃ」

「だぁーだぁー」

「よろしくね。蜜柑ちゃん」

「だぁーだぁー」

 

 ツナは優しく蜜柑に語り掛け、彼女の手を軽く握った。

 庭から「ワンワン」と犬の鳴き声がしたのか思えば、二匹の子犬が武に走って近づいてきた。

 

「雪丸。ソレイユ、元気か?折角だからアイツを紹介するぜ!」

 

 武の身に着けているネックレスが輝いたかと思えば武の相棒の一匹の次郎が出てきた。

 

『ワンワン!』

「すぐ仲良くなったな!」

「雪丸、ソレイユ、友達ができて良かったのうー」

「へーっ!今日は武もいるのか!?」

「その声は……!」

 

 その声がした方に振り返ると坊主頭で長身の美男子がいた。

 

「憂鬱にぃ、来ていたのか!?」

「まぁな!久しぶりに家族に会いたくなってな。武もあれから野球を続けているんだな?」

「そうだぜ!」

「あっ!自己紹介が遅れたな、俺は擬宝珠憂鬱。擬宝珠家の長男だ。よろしくな!」

「はい!俺は山本の友達の沢田綱吉って言います」

 

 他のメンバーも自己紹介を終えると。夏春都はツナを見つめた。

 

「お、俺に何か用ですか……?」

「いや…。なぁーに。ティモッテオと同じ空気を纏っているなと思ったんだよ」

「その人って…どんな人ですか?」

 

 リボーンはやれやれといった表情を浮かべた。

 

「それはIX世(ノーノ)の本名だぞ、忘れんな。それでお前とはどんな関係だ?」

「アイツはこの超神田寿司の常連客で、若いころから来日の際はいつもここに食べに来るんだよ」

「そ、そうですか…!」

 

 ツナは気まずそうに答えると纏が口を開いた。

 

「お前等、昼飯まだなんだろ。ウチで食べないか?」

「いいんですか?」

「ああ!ばぁちゃんいいよな?」

「いいよ!」

『やったー!!』

 

 ツナ達は超神田寿司特製のちらし寿司を頂いた。やはり、老舗の名店の名に恥じぬ味であった。

 

「口に合ったかい?」

「はい!美味しかったです」

「ソイツは良かったよ!」

 

 ツナの答えを聞いた夏春都は嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

「オイ、お前等、まだ時間はあるか?」

「ええ!まだ13:30ですので、時間はありますよ。そう言えば、他の皆はどうなんだ?」

 

他の全員も頷いた。

 

「だったら、アタシが今働いている葛飾署に案内するよついてきな」

「…葛飾署といえば、聞きたいことがあるんですけど?」

「ん、何について聞きたいんだ?」

「葛飾署といえば、あの超問題児の警官が働いているところですよね?」

 

 京子の問いに対し、纏は呆れた表情で頷いた。

 

「そうだけど、今のアイツは問題起こして、カナダにいるから署にはいないよ!」

「そうですかっ……」

 

 ツナ達はヒソヒソ声で会話していた。

 

「超問題児警官って、有名なあの人だよね?」

「間違いないっス。日本、いや世界一の借金王の…」

「俺が聞いた話だと指名手配犯達と野球の対決をしたことがあるらしいぜ!」

「俺は極限にゴリラ以上の剛腕の持ち主だと聞いている」

「…なんか、なぜ解雇されないのか、わからない」

 

 ツナ達ボンゴレ組に続いて、エンマ達シモン側も口を開いた。

 

「そういえば、ジュリーって、その人と仲がいいって聞いてるけど?」

「いやなぁ~~に、ギャンブルの必勝法について相談することがある…(ドガ)いてぇ~!アーデル。殴らなくてもいいだろ」

「ジュリー、ギャンブルもそこまでにしなさい。連日問題を起こしてはマスコミで取り上げられているわよね」

「オイラは子供には優しいって聞いたよ」

「私はすご~~いバカだときいてるよ~」

「何でも、究極に高い生命力の持ち主だとか」

「ああ、あれか、大爆発に巻き込まれても死ななかったってぃぅ」

 

 シモン側でも知らない人はいないようだった。

 

 

 

 カナダの空港ではクタクタな感じの低身長で、筋肉質の中年男性がいた。

 

「よ~やく帰れるぞぉ~~!部長のヤツ、あそこまでキレなくていいだろ」

 

 この男こそ先ほどマフィア側の話題に上がっていた超問題警官の両津勘吉である。

 カナダにいる理由は普通のメープルシロップを高級メープルシロップとして売っていたため、それにキレた上司の大原大次郎部長からメープルシロップの作り方を学び直せとメープルシロップの本場カナダに送り込まれた。

 今はメープルシロップの工房から脱走し、カナダ警察の目をかいくぐって飛行機に密航して帰国しようとしている最中である。

 

 

 

「部長大変です。先輩が工房から脱走したと連絡がありました」

「やっぱり、あのバカは脱走したのか!(# ゚Д゚)」

 

 勘吉が勤務している葛飾区亀有公園前派出所では長身のイケメン警官が大原大次郎部長に声をかけていた。このイケメン警官の名前は中川圭一、世界的に有名な中川財閥の御曹司でもある。また、両津の後輩でもあった。

 

「けど圭ちゃん!両ちゃんの身体能力のデータは予め送っているわよね?」

「そのハズなんだけど……」

 

 圭一に話をかけたスタイル抜群で容姿端麗な婦人警官の名前は秋山・カトリーヌ・麗子。彼女もまた世界的な企業・秋山貿易の社長令嬢でもある。

 二人は両津がカナダの工房から脱走を試みると思い。予め勘吉の身体能力や性格のデータを送っていた。

 

「……両さんにデータなんて意味なかったんじゃないのかな?あの人には常識が通用しないんだし」

 

 平凡を絵にかいたような男性―丸井ヤング館はそのように呟いた。

 

「全く!ロヴィーノ事件が解決し、今度は行方不明事件が多発しているんだ。こんな時にアイツが戻ってきたら。さらなる混乱が起こるに決まってる」

「そう言えば、ロヴィーノ事件では先輩は参加しなかったんですか?」

「それは私も疑問に思ったわ。ロヴィーノ討伐のために両ちゃんだけでなく特殊刑事課を動かすことも検討されていたのに変よね!」

 

 ロヴィーノが世界に宣戦布告した際には日本側は討伐部隊の戦力として、両津を出されるだろうと思われていたが、何者かがロヴィーノを討ったためにその計画は白紙となった。

 

「それについてはどうやら上から圧力がかかっていたそうだ」

「上からって、警視総監からですか?」

「いや!さらに上の指示らしい」

 

 寺井が気になったことに対し、部長は深刻そうな表情を浮かべた。

 

「兎に角、日本に戻ることを署長に報告せねば」

 

 

 

「大原君!それは本当かね?」

『間違いなく、日本に帰るようです』

「全く!頭が痛い」

 

大原部長の上司で新葛飾書の署長―屯田五目須(とんだごめす)は大原部長からの報告を受けた彼も頭を抱えていた。

 

「はぁ~1腹をくくるしかないk(Pullll~)。この電話番号は?」

 

 署の固定電話に電話がかかってきた。

 

「はい!こちら新葛飾署d『久しぶりだね屯田署長』警視総監?」

『これは私の命令だ。両津勘吉を解雇しろ』

「ええ~」

『あの男は問題ばかり起こしている。これ以上彼を野放しにすると警察の威厳に関わる。だから即刻、クビにしろ!』

「分かりました」

 

 取り合えず了承した署長は電話を切った。

 

「両津を解雇(クビ)にしろとはずいぶん急だな…?」

 

 両津はこれ以外でも数多くの問題を起こしていた。しかし何故か解雇されなかった。そのため署長は警視総監が直々に自分に命令したことに違和感を抱いていた。

 

 

 

「これでよろしいのでしょうか藤原議員?」

 

 警視総監は総監室にいる藤原と呼ばれた男性議員に声をかけた。藤原は外見からして五十代くらいの年齢である。

 

「上出来だ!」

「有難うございます。しかし、何故あの男を今すぐ解雇するのですか?」

「余計な詮索は止めたほうがいいぞ。社会的に抹殺されたくないなら、なおさらだろ!」

「そ……そうですねっ……!」

 

 総監が藤原に従っている理由は総監の暴力団との癒着という弱味を握られている。そのことが明るみになれば今の地位を失う。だけでなく逮捕され刑務所に送られる可能性もある。

 

「取り合えず、よくやったと言っておく。……ではな!」

 

 それだけ言うと藤原は扉を開けて総監室から出て行った。ただ一人残った総監はあまりの怒りで拳を強く握りしめていた。

 

「藤原め!……何を考えているのか知らんが、そう遠くないうちに貴様を失脚させてやる!」

 

 

 

「どうせあの男は私にいずれ復讐しようなどとほざいているだろうよ!」

「先生に復讐を考えるとは馬鹿な男ですね」

 

 藤原はベンツに乗っており、運転手兼秘書の男と話し合っていた。

 

「警察はどうにでもなる。それよりあの連中の居場所は突き止めたか?」

「すみません!依然行方不明です。ただ東京にいるのは間違いないのですが」

「全てはあの御方の完全復活のため何としても……!

 

 藤原は内ポケットから高級葉巻を取り出し、それを吸いながら窓ガラス越しから街と夜空を眺めた。

 




 今回はここまでです。暇があるときはまた投稿する予定です。


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第四話 動き出した者

 ようやく少し暇があったので書いてみました。


「今日はいい日だったな」

「その言葉、親父くせぇぞツナ!」

「別にいいだろ!」

 

 超神田寿司で昼食を終えた後は全員で纏の案内で葛飾署を訪れた。そこで柔道の猛者で有名な左近寺竜之介や元傭兵の経歴を持つボルボ西郷、京都の武家の名家での婦人警官-磯鷲早矢など数多くの有名人に会った。しかし、亀有公園前派出所には時間の関係で行けなかった。

 それからお開きとなり一行は並盛に帰った。夕食を終えたツナは明日に備えて寝ようとしていた。

 

「それにしても、明日から学校かぁ~!」

「お前は元々学生なんだ。甘ったれるんじゃねぇぞ」

「…わかってるよ。けどそろそろ夏休みが近づいているんだよなぁ~」

 

 まだ夏休みが来ないことに憂鬱を感じてしまうが泣き言ばかり口にできなかった。

 

「リボーン、一つ訊くけど今年の夏休み、俺達をマフィアランドに連れて意向だなんて考えてないよな?」

「どうだろうなぁ~(・∀・)ニヤニヤ」

「やっぱり!連れて行こうとしているんだな。絶対に行くk(ドゴォォォォォーーン)この音って?」

 

 家の外から爆発音が聞こえた。ランボがいつも使っている手榴弾の爆発音以上のモノである。

 

「何があったんだ?もしかしてお前が絡んでいるのかリボーン!?」

「いや、俺じゃねぇぞ!」

「んっ!」

 

 外から『ピーポー、ピーポー』と警報が流れていて、爆発現場には消防車やパトカーが向かっていた。

 

「どこで爆発したんだ?」

「爆発音とパトカーの向かっている場所からして並盛中学のようだな」

「……雲雀さん、絶対に黙っていないだろうなぁっ………。(pipi)ン!」

 

 ツナが不安そうに呟いているとツナの携帯電話から着信音が聞こえたため出ることにした。発信者は隼人だった。

 

「獄寺君どうしたの?」

『十代目、大変っス。並盛中学で爆発事故があったようっス』

「それは知っているけど原因は知っているの?」

『どうやら並盛中学のグラウンドの地下に不発弾があって、それが爆発したようです』

「偶然の事故だったのか…、てっきりどっかの組織がやったことだとおもったよ」

 

 ツナは自分の杞憂だったと安心した様子だった。しかし、この爆発は新たな戦いの狼煙になることを彼はまだ知らなかった。

 

 

 

 並盛中学から少し離れたマンションの屋上で誰か双眼鏡で爆発現場を見ながら通話していた。その謎の人物は黒いコートに般若の仮面をつけていた。

 

『どうなっている!明日の朝礼の時間にセットしたのではなかったのか?』

「申し訳ありません。多分、爆弾の信管にモグラかどこかの地中生物が触れたのでしょう」

十代目(デーチモ)は仕留めそこなったかぁ……。だがまあいい。このまま並盛中学生徒として逐一、奴らの動きを見逃すな〈自由(フリーダム)〉』

「わかりました」

 

 会話を終えた〈自由〉は爆発現場を見ながら目を細めた。

 

「次はどう動くんです。沢田綱吉いや十代目(デーチモ)

 

 

 

「あ~~、最近依頼来ねぇなぁ~~」

 

 新宿のとあるマンションの一室で長身の男がだらけていた。この男の名前は冴羽獠。新宿を拠点に活動している裏社会№1のプロのスイーパー(始末屋)である。彼がなぜだらけているのかというと。最近依頼がないためである。というのも、彼は基本、美女絡みか「心が震えた時」しか仕事をしないためである。

 

「仕方ねぇ、ナンパでもすっかなt『いい加減真面目に依頼をうけなさい!』ホゲェーー!」

 

 外出しようとした獠の頭に100tと書かれたハンマーが落ちた。

 

「いい加減男からの依頼も引き受けなさいよ!」

「けどよぉ~!最近男からの依頼で美女絡みの依頼がないんだぜ。香」

 

 獠を100tハンマーで殴った女性は槇村香といい。獠の相棒で彼にとって頭が上がらない相手でもある。

 

「だってよぉ~~、この前の男の依頼なんて横領の濡れ衣を着せた上司への復讐とか、次の男の依頼は自分の経営するコンビニでバイトテロを起こした悪ガキ共への制裁とか。ふざけたモノばっかじゃん。これじゃヤル気でねぇな」

「いい加減しなさいよ。ずっと仕事をしてないせいでコッチは金欠なのよ!」

 

 香がハァ~と溜息をついていると彼女のスマートフォンから着信音が聞こえてきた。

 

「え~と何々『明日の10時に『キャッツアイ』で依頼をしたいので来てもらえないでしょうか?』ようやく依頼が来たわね」

「俺パス。どうせ依頼人はまた男だろうsホゲェ!」

「いいから明日は絶対に行くわよ」

 

 ヤル気を見せない獠を100tハンマーで殴った香は明日獠を引きずっても行かせようとしていた。

 

 

 

「あの新入りは、やっぱり座ったままなのか?」

「ああ、話をかけても無反応だし、あの眼は誰も信用してねぇ人間の眼だなぁ」

 

 新宿中央公園ではホームレス達が少し前から居座り続けている若いホームレスの青年を見てヒソヒソ話をしていた。

その青年は非常に若く年齢も20歳ぐらいである。容姿は非常に端麗であるが汚れ切った服と髪がそれを台無しにしている。

 

「………………!」

 

 その青年はただ自然と夜空の星を眺めていた。

 この青年もまた綱吉と共に新しい事件の渦中に引きずり込まれる。

 




 今日のところはここまでです。いいアイディアが浮かばなくて執筆に苦労しています。


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