遊戯王マスターデュエル とあるシャドール使いの格付戦奮闘記 (咲夜泪)
しおりを挟む

01vs『ドライトロン宣告者(デクレアラー)

 今日の最強カード

 《崇光なる宣告者》
 儀式・効果モンスター
 星12/光属性/天使族/攻2000/守3000
 「宣告者の神託」により降臨。
 このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。
 (1):手札から天使族モンスター1体を墓地へ送って以下の効果を発動できる。
 ●相手がモンスターの効果・魔法・罠カードを発動した時に発動できる。
 その発動を無効にし破壊する。
 ●相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。
 その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。

 ※本日の間違い
 《ラーの翼神竜-球体形》で召喚権使っていたのに《召喚師アレイスター》で更に召喚権を使っていた。チートかな!
 芝刈り時の枚数も間違ってました。修正!



 ――『ドライトロン宣告者(デクレアラー)』。

 

 遊戯王マスターデュエルにおいて、誰もが口を揃えて断言出来る、問答無用なまでの強さを誇る『Tier1』デッキである。

 

『――手札から《竜輝巧(ドライトロン)-バンα》の効果発動、このカード以外の『ドライトロン』モンスター《竜輝巧-アルζ》をリリースし、このカードを手札から守備表示で特殊召喚する。その後、デッキから儀式モンスター《サイバー・エンジェル-弁天-》を手札に加える』

 

 ランクマッチで一番良く遭遇する『お友達』であり、その存在を認識した瞬間に吐き気を催す決闘者も数多いだろう。

 ……なお、もうこの時点で、この2枚初動が揃っている時点で、手札誘発などの妨害が無ければ『4妨害』以上の盤面が確定していたりする。

 

『墓地の《竜輝巧-アルζ》の効果発動、手札の《サイバー・エンジェル-弁天-》をリリースして墓地から守備表示で特殊召喚する。その後、デッキから儀式魔法『流星輝巧群(メテオニス・ドライトロン)』を手札に加える』

 

 ――曰く、コイツ相手に先攻を取られるのはプレミである。

 完全な運頼み要素の何処にプレイミス要素があるのか?と真顔でツッコみたくなるが、この上無く理不尽ながら真実なので無理矢理納得せざるを得ない。

 

『《サイバー・エンジェル-弁天-》がリリースされた場合に発動、デッキから天使族・光属性モンスター《宣告者の神巫(デクレアラー・ディヴァイナー)》を手札に加える』

 

 ――曰く、コイツ相手に手札誘発を握ってないのはプレミである。

 現代遊戯王においてどのデッキにも言える事なので、何も出来ない後攻の時点でサレンダーを選ぶべきじゃないだろうか?

 

 ……ちなみに、現時点において『私』は手札誘発を1枚も握ってない。遊戯王をする資格が、人権すら無いのだ……!

 

『《宣告者の神巫》を通常召喚し、効果発動。デッキ・EXデッキから天使族モンスター《虹光の宣告者(アーク・デクレアラー)》を墓地に送る。このカードのレベルはターン終了時までそのモンスターのレベル分だけ上がる』

 

 《宣告者の神巫》のレベルが2から6に上がり、更に墓地に送られてしまったレベル4のシンクロモンスター《虹光の宣告者》の効果も発動する。

 

 ……これは余談だが、ドライトロンにはとってつけたようなデメリット(笑)として『この効果を発動するターン、自分は通常召喚出来ないモンスターしか特殊召喚出来ない』とあるが、これに引っ掛かる条件など極僅かなのでデメリットとして一切働いてない事で有名だ。

 事実、無法の儀式召喚をしまくる事だけで飽き足らず、至極簡単にリンク4を立てたり出来る。殺しに来る時のリンク4《ヴァレルソード・ドラゴン》とかに何度殺された事やら。

 ……ただ、この一文のお陰でデッキ編成時から『壊獣』の投入可能性が断たれるのは注目すべきポイントだろう。

 

『墓地に送られた《虹光の宣告者》の効果発動、デッキから儀式モンスター《サイバー・エンジェル-弁天-》を手札に加える』

 

 どうして通常召喚しただけでEXデッキからモンスターを直接墓地に落とせるのか、書いている事の全てが理不尽の塊である《宣告者の神巫》を眺めながら――通常召喚しただけでEXデッキの『エルシャドール』を墓地に落とす下級『シャドール』追加しても良くね?と思う。

 『シャドール』にも夢の1枚初動欲しいと思います!と現実逃避したりする。

 

『レベル1の《竜輝巧-バンα》と《竜輝巧-アルζ》でエクシーズ召喚、ランク1《竜輝巧-ファフμβ’》。このカードがエクシーズ召喚に成功した場合に発動、デッキから《竜輝巧-エルγ》を墓地に送る』

 

 そして現れる『ドライトロン』のエクシーズモンスター。コイツもアドしか産まない、おかしなエクシーズモンスターである。というか、入っているカードの全部が全部おかしいのは気の所為じゃない。

 

『手札から儀式魔法『流星輝巧群』を発動、攻撃力の合計が儀式召喚するモンスターの攻撃以上になるように手札・フィールドの機械族モンスターをリリースし、自分の手札・墓地から儀式モンスター1体を儀式召喚する』

 

 何でさらっと墓地から儀式モンスターを儀式召喚出来るんですかね? 更に理不尽な点は――。

 

『――儀式召喚を行う場合、そのリリースするモンスターを《竜輝巧-ファフμβ’》のエクシーズ素材から取り除く事も出来る。エクシーズ素材の《竜輝巧-バンα》を儀式素材に墓地の《サイバー・エンジェル-弁天-》を儀式召喚』

 

 エクシーズ素材すらも儀式素材に出来る理不尽さよりもなお鼻につくのは――何でさらっとドライトロン以外の儀式モンスターも普通に儀式召喚出来るんですかね!

 そんなのが許されるなら融合モンスターのカテゴリー指定無しのデッキ融合、許されても良くね?

 

 ……さて、戯言はともかく、これでヤツの場にレベル6のモンスターが2体揃ってしまった。来るぞ遊馬!

 

『レベル6の《サイバー・エンジェル-弁天-》と《宣告者の神巫》でエクシーズ召喚、ランク6《永遠の淑女 ベアトリーチェ》』

 

 儀式魔法or儀式モンスターをサーチするだけじゃなく、レベル6にまでなる《宣告者の神巫》の奇跡的な噛み合わせ――いや、どう考えても製作者サイドにとって想定外の組み合わせだよね? この『ドライトロン宣告者』は……。

 

『《永遠の淑女 ベアトリーチェ》の効果発動、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、デッキから《竜輝巧-ルタδ》を墓地に送る』

 

 この『おろかな埋葬』効果は相手ターンにも使用出来る。ランク4で自分のターンにしか『おろかな埋葬』効果使えない《ラヴァルバル・チェイン》は禁止なのに《永遠の淑女 ベアトリーチェ》が許されているのは何故なのかね? ランク6だからか? ランク6の割に良く見かけるんだが!

 

『墓地の《竜輝巧-エルγ》の効果発動、手札の儀式モンスター《サイバー・エンジェル-弁天-》をリリースして守備表示で特殊召喚。その後、墓地の《竜輝巧-アルζ》を特殊召喚する』

 

 ……どのカードが一番悪さしているか、という議論は無意味だ。何故ならば全部のカードが悪さしているのだから。

 でも、流石に《サイバー・エンジェル-弁天-》のリリースされた際の効果、1ターンに1度とエラッタした方が良いんじゃね?

 

『リリースされた《サイバー・エンジェル-弁天-》の効果発動、デッキから天使族・光属性モンスター《崇光なる宣告者》を手札に加える』

 

 ……ぐっ、最早存在を確認するだけで動悸が激しくなる儀式モンスターが手札に。コイツが八年前のカードってマジ?

 

『墓地の儀式魔法『流星輝巧群』の効果発動、自分フィールドの《竜輝巧-エルγ》の攻撃力を相手ターン終了時まで1000下げ、墓地の『流星輝巧群』を手札に加える』

 

 ……あの儀式魔法、1ターンに1度しか使用出来ないのは墓地から回収する効果の方で、儀式召喚する方には何の制約も掛かってないの、おかしいと思います!

 つーか、何から何まで全部理不尽カードで構成されているんじゃがっ!?

 

『墓地の《竜輝巧-ルタδ》の効果発動、手札の《崇光なる宣告者》をリリースして守備表示で特殊召喚。その後、手札の儀式魔法『流星輝巧群』を相手に見せてデッキから1枚ドローする』

 

 そしてついでの如く行われるアド稼ぎ。何が理不尽って、コイツら墓地からも動けるから、次のターンも同じ動き出来るんだよね。アンデットよりアンデットしている。

 

『《竜輝巧-エルγ》と《竜輝巧-アルζ》でリンク召喚、召喚条件は種族または属性が同じモンスター2体、リンク2《ユニオン・キャリアー》』

 

 このリンクモンスター、ユニオン救済のカードだった筈だけど、正しい使い方されているの、見た記憶が無いなー。

 

『《ユニオン・キャリアー》の効果発動、光属性《竜輝巧-ルタδ》を対象に、同じ属性のモンスター《イーバ》をデッキから攻撃力1000アップの装備カード扱いにして装備する』

 

 そして装備カード扱いで出てくる害悪宇宙人、なんでコイツ天使族なんだろ?

 

 

『儀式魔法『流星輝巧群』を発動、《竜輝巧-ファフμβ’》のエクシーズ素材の《竜輝巧-バンα》をリリースして墓地からレベル12《崇光なる宣告者(アルティメット・デクレアラー)》を守備表示で儀式召喚する』

 

 

 遂に出てくる現代遊戯王最強級の制圧モンスター。その効果は、

 

 《崇光なる宣告者》

 儀式・効果モンスター

 星12/光属性/天使族/攻2000/守3000

 「宣告者の神託」により降臨。

 このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。

 (1):手札から天使族モンスター1体を墓地へ送って以下の効果を発動できる。

 ●相手がモンスターの効果・魔法・罠カードを発動した時に発動できる。

 その発動を無効にし破壊する。

 ●相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。

 その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

 出た当初は出しづらい上に無効化の玉確保が出来なかったが、今は『ドライトロン』のせいで簡単に出てくる上に――。

 

『《竜輝巧-ファフμβ’》と《竜輝巧-ルタδ》でリンク召喚、召喚条件はリンクモンスター以外のモンスター2体、リンク2《I:Pマスカレーナ》』

 

 ついでの如く出されるは相手のメインフェイズにリンク召喚出来るリンクモンスター、出す先は大体リンク3の《トロイメア・ユニコーン》での対象を取らないバウンスであり、これで妨害が一つ増えて――本命の《イーバ》が墓地に送られる。

 

『墓地に送られた《イーバ》の効果発動、墓地の《宣告者の神巫》と《虹光の宣告者》を除外し、デッキから《朱光の宣告者(バーミリオン・デクレアラー)》と《宣告者の神巫》を手札に加えてターンエンド』

 

 

 『ドライトロン宣告者』

 LP8000

 手札6枚(《朱光の宣告者》《宣告者の神巫》)

 EXモンスターゾーン

 《ユニオン・キャリアー》リンク2/光属性/機械族/攻1000

 メインモンスターゾーン

 《I:Pマスカレーナ》リンク2/闇属性/サイバース族/攻800

 《永遠の淑女 ベアトリーチェ》ランク6/光属性/天使族/攻2500/守2800 ORU1

 《崇光なる宣告者》星12/光属性/天使族/攻2000/守3000

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

 これが現代遊戯王における《崇光なる宣告者》のコストが豊富な所以である。

 この《イーバ》から幾らでも天使族を供給出来るのである。ちなみに《永遠の淑女 ベアトリーチェ》の効果で、『私』のターンでもデッキから直接《イーバ》を墓地に打ち込める。

 ……現在、見えている範囲で《崇光なる宣告者》の2妨害(実質4妨害の上に《崇光なる宣告者》を除去してもモンスター効果2妨害)+《I:Pマスカレーナ》からのリンク召喚からのリンク3《トロイメア・ユニコーン》で1妨害という始末。

 残りの4枚は不明だが、伏せてないので速攻魔法の『墓穴の指名者』や『抹殺の指名者』、サイクロン系の速攻魔法でもない、場が空いてないと使えない『無限泡影』でもない。

 展開に使わなかったという時点で後攻捲り用のカード――そして《灰流うらら》や《増殖するG》などの手札誘発であろう。

 

 

 ――遊戯王の歴史は長く、こういった制圧デッキが環境を制する事は数多くあった。

 

 

 悪い意味で最も印象深いのは『EMEm』時代だろうか。今でも禁止の《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》+神の宣告警告通告がん伏せの地獄は古の決闘者なら経験した事があるだろう。

 あの当時は『EMem』を含めて、後攻から捲れるデッキは存在しなかった。先攻で制圧したら勝利、それ故の『遊戯王は先攻絶対有利』という名言さえ存在する。

 

 ――だが、時代は進む。良くも悪くも進み続ける。

 幾多の暗黒期を乗り越えて、決闘者はひたすら進み続ける。過去の亡霊如きに負けるかと、切なる思いを胸に。

 

「――遊戯王において2番目に楽しい事は、先攻制圧する事。相手に何も出来なくさせるのは非常に快感だ。されるのは御免被るがね」

 

 ……さて、此処まで長々と『ドライトロン宣告者』のソリティアに付き合った理由は唯一つである。

 

「――そして1番楽しい事はね、こういう先攻制圧盤面を捲くる事さ!」

 

 今回は非常に運が良い事に、ほぼ確実に捲れる手札だったからである――!

 

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードはダメ押しの《PSYフレームギア・γ》であり――スタンバイフェイズが終わり、すぐにメインフェイズに入る。

 どうやら相手は慢心したか、タイミングを忘れて《永遠の淑女 ベアトリーチェ》の効果を使わなかったようだ。非常にありがたい。まずは邪魔な3体から葬ろう。

 

 

「《I:Pマスカレーナ》《永遠の淑女 ベアトリーチェ》《崇光なる宣告者》の3体を生贄に――相手フィールドに《ラーの翼神竜-球体形(スフィア・モード)》をアドバンス召喚!」

 

 

 チェーンブロックを作らずに3体リリースという最強級の除去、対『ドライトロン宣告者』用に入れた後攻捲り用の1枚である。

 『壊獣』では1体しかリリース出来ずに物足りない。《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の2体でも物足りない皆様にオススメ、特殊召喚を封じられても使えるよ!

 その代償に、貴重な通常召喚権を使う事と相手の場に3体以上いないと使えない欠点も持ち合わせているので、長所短所は吟味して使うべし。

 

 ――これで相手の妨害はモンスター効果を無効にする《朱光の宣告者》と、手札誘発ぐらいである。

 

「フィールド魔法『暴走魔法陣』を発動! 発動時の効果処理としてデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加える」

 

 まずは《灰流うらら》チェック……邪魔されずに効果が通る。此処で早打ちしてくれると嬉しかったのだが、温存したようだ。

 

 ……通常召喚権使ってるから当然と言えば当然か。

 

 《灰流うらら》を握ってないから打たないのでは? そんな淡い前提など抱かず、ある前提で動くのが現代遊戯王である。

 薄い線だが、《ドロール&ロックバード》も無いようだ。あれはあれで打たれたら中々厄介である。回っている『シャドール』だと止まらない場合もあるが。

 

「手札から魔法カード『隣の芝刈り』を発動! デッキの枚数が相手と同じになるように自分のデッキの上から墓地に送る! 私のデッキは53枚! 従って――」

『手札から《灰流うらら》を墓地に捨てて発動、デッキからカードを墓地に送る効果を無効にする』

 

 此処で当然《灰流うらら》を切ってくるのは流石である。だが、無意味だ。

 

「チェーンして手札の《PSYフレームギア・γ》の効果発動、自分フィールドにモンスターが存在せず、相手モンスターの効果が発動した時に発動、手札のこのカードと自分の手札・デッキ・墓地の《PSYフレーム・ドライバー》を特殊召喚し、その発動を無効にして破壊する」

『相手がモンスターの効果を発動した時、手札の《朱光の宣告者》と天使族モンスター《宣告者の神巫》を捨てて効果発動、その発動を無効にして破壊する』

 

 まぁ其処で使うよね。だが、無意味だ。

 

「チェーンして速攻魔法『墓穴の指名者』発動、相手墓地の《朱光の宣告者》を除外。次のターン終了時まで《朱光の宣告者》の効果は無効化される」

 

 遊戯王マスターデュエルでは珍しくない、大量のチェーン合戦の処理が終わり、相手の手札誘発効果が無効化した上でデッキから大量のカードが墓地に送られる。

 

「……え? シャドールモンスター1体も墓地に落ちなかった……!? 珍しい事もあるもんだ」

 

 運が悪い事に効果で墓地に落ちたらアドを稼ぐ『シャドール』モンスターが1体も落ちなかった。

 発動しただけで上振れ確定のエンドカードである『隣の芝刈り』にしてはお粗末すぎる下振れである。

 だが、今回に関しては何の問題も無い――! 『シャドール』が『シャドール』たる所以はこのカードにこそある!

 

「手札から魔法カード『影依融合(シャドール・フュージョン)』発動! 自分の手札・フィールドから『シャドール』融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。――EXデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合、自分のデッキのモンスターも融合素材にする事が出来る!」

 

 此処で本命を叩きつける。

 相手の場にはエクストラから出したリンクモンスター《ユニオン・キャリアー》がいるので、『シャドール』の特権たるデッキ融合が可能なのである!

 なお既にフィールド魔法『暴走魔法陣』を貼っている為、この融合を妨害する事は不可能である。

 

 

「デッキから《シャドール・リザード》と光属性《妖精伝姫(フェアリーテイル)-シラユキ》を融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》を融合召喚!」

 

 

 冤罪()で長らく禁止にされ、時代が追いついて(追い抜かれて)無制限となった、シャドールのエースモンスター。コイツがいなくちゃ何もかも始まらない!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、素材として墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動。《シャドール・リザード》の効果でデッキから通常罠『影光の聖選士(レーシャドール・インカーネーション)』を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《影霊の翼(リーシャドール) ウェンディ》を墓地に」

 

 『隣の芝刈り』の効果で墓地に『影依の偽典』が送られていたので、落ちてなかった『影光の聖選士』を墓地に放り込む。

 

「効果で墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動、デッキから《影霊の翼 ウェンディ》以外の『シャドール』モンスター《シャドール・ビースト》を裏守備表示で特殊召喚する」

 

 アドを稼ぐ為に《シャドール・ビースト》をデッキから引っ張り出して、っと。

 《エルシャドール・ネフィリム》の効果に合わせて《エフェクト・ヴェーラー》が飛んで来なかったので、もう手札誘発は握ってないだろう。

 

「墓地の通常罠『影光の聖選士』の効果発動、このカードと墓地の《シャドール・リザード》を除外し、自分フィールドの裏側表示モンスター《シャドール・ビースト》を表側守備表示にする」

 

 ぶっ壊れというほどのカードパワーは秘めてないが、罠カードなので、好きなタイミングで裏表に出来る『影光の聖選士』はとても便利であり、使い方一つで戦局が変わりかねないいぶし銀のカードである。

 『シャドール』ストラクでは良い新規を数多く貰ったもんだ。

 

「《シャドール・ビースト》のリバース効果発動、2枚ドローして1枚、《影依の巫女 エリアル》を捨てて効果発動、相手の墓地の《崇光なる宣告者》《サイバー・エンジェル-弁天-》『流星輝巧群』を除外する」

 

 そして逆転の可能性を一つ一つ潰していく。『ドライトロン宣告者』において除外されたカードを再利用出来るギミックは存在しない。

 攻撃力2000の下級ドライトロンはほぼ全種墓地にいるので除外しきれないが、メインの《崇光なる宣告者》、1~2枚しか投入されていない儀式魔法、《サイバー・エンジェル-那沙帝弥》のコストになる《サイバー・エンジェル-弁天-》は全除去したい。

 

 ――まだ《サイバー・エンジェル-弁天-》は1枚残っているので、さっき《シャドール・ビースト》の効果で引き込んだ1枚を盤面に叩きつける。

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』を発動! 融合モンスターによって決められた融合素材を手札から墓地に送り、融合モンスターをEXデッキから融合召喚する。――『召喚獣』融合モンスターを融合召喚する場合、自分フィールド及び自分・相手の墓地モンスターから除外して融合素材にする事も出来る!」

 

 ちなみにこの『召喚獣』融合モンスターはほぼ全部《召喚師アレイスター》を融合素材とする。

 『シャドール』モンスターは『隣の芝刈り』で墓地に落ちなかったが、もう1枚の《召喚師アレイスター》は墓地に送られている。つまりは後半の融合条件はとっくに成立しているのだ。

 

「自分の墓地の《召喚師アレイスター》と、相手の墓地の光属性《サイバー・エンジェル-弁天-》を除外して融合召喚! レベル9《召喚獣メルカバー》!」

 

 1枚初動で出てくる愛用の制圧モンスター。

 1ターンに1度しか効果を無効に出来ず、尚且つ無効するカードと同じ種類、モンスターカード・魔法カード・罠カードが無ければ無効除外に出来ないが――。

 

「『召喚魔術』が墓地に存在し、除外されている自分の《召喚師アレイスター》を対象に発動出来る。『召喚魔術』をデッキに戻し、《召喚師アレイスター》を手札に戻す」

 

 専用ギミックで確定回収出来るモンスターカードの《召喚師アレイスター》は確保出来る為、使い勝手は便利な類である。

 

 ……さて、展開し続けているが、このターンに決着を付ける事は出来ない。

 《ラーの翼神竜-球体形》の処理は中々厄介である。相手の攻撃・効果の対象にならない耐性への回答はデッキの中に幾つかあるが、対象を取らない除去はこのターン、生憎と用意出来ない。

 

 なので、このターンの捲りは相手の盤面破壊した上での逆制圧という事になる。

 

「レベル8の《エルシャドール・ネフィリム》にレベル2の《PSYフレームギア・γ》をチューニング! シンクロ召喚! 現れろレベル10《フルール・ド・バロネス》!」

 

 此処で出すのは紙で大暴れし、遂にマスターデュエルで実装されたシンクロ版の《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》、『シャドール』においては《エルシャドール・ネフィリム》を出しただけで簡単に出せるので名誉『シャドール』ではないだろうか?

 その驚異の効果は、

 

 《フルール・ド・バロネス》

 シンクロ・効果モンスター

 星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 (1):1ターンに1度、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。

 そのカードを破壊する。

 (2):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、

 魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。

 その発動を無効にし破壊する。

 (3):お互いのスタンバイフェイズに、自分の墓地のレベル9以下のモンスター1体を対象として発動できる。

 このカードを持ち主のEXデッキに戻し、そのモンスターを特殊召喚する。

 

 強い事しか書かれてないね! ちなみに出すだけなら《ハリファイバー》を出せるデッキなら全部出てくる。1体だけ並べてもすぐ除去されるが。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地の永続罠『影依の偽典』を手札に加える」

 

 そして『隣の芝刈り』で落ちていた『大本命』を回収する。

 ――これが現代の『シャドール』における最強カード。マジでぶっ千切って頭おかしい超強力カードである。

 

「《フルール・ド・バロネス》の効果発動、《ユニオン・キャリアー》を破壊し、1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに《PSYフレーム・ドライバー》は除外される」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札2枚(《召喚師アレイスター》2枚)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 《シャドール・ビースト》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守1700

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(『影依の偽典』)

 フィールド魔法『暴走魔法陣』

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 

 『ドライトロン宣告者』

 LP8000

 手札3枚→4枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《ラーの翼神竜-球体形》星10/神属性/幻神獣族/攻 ?/守 ?

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

 さて、お相手は何をしてくるやら。

 

『墓地の《竜輝巧-アルζ》の効果発動、手札の《サイバー・エンジェル-那沙帝弥》をリリースし、このカードを守備表示で特殊召喚する』

 

 おやおやおや、余りにも迂闊すぎね? その特殊召喚は勿論通すとも。それの効果で儀式魔法もサーチ出来て反撃の狼煙が立つね。――其処から先、一回でも特殊召喚出来ればの話だが。

 

 

「――チェーンして永続罠『影依の偽典(シャドールーク)』発動! 墓地から《影霊の翼 ウェンディ》と闇属性《シャドール・ファルコン》を除外して融合召喚! 現れろレベル5、《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 

 墓地除外から相手ターンに融合召喚という無法行為を可能とするぶっ壊れ永続罠『影依の偽典』から現れるは『シャドール』黎明時代から屋台骨として支え続け、《ネフィリム》禁止の暗黒期も戦い抜いた『シャドール』の代名詞、《エルシャドール・ミドラーシュ》である。

 攻撃力2200という高くもない数字だが、その効果は――。

 

「――改めて言うまでもないが、《エルシャドール・ミドラーシュ》がモンスターゾーンに存在する限り、1ターンに1度しかモンスターを特殊召喚出来ない」

 

 いやぁ、相手の特殊召喚に合わせて《ミドラーシュ》を融合召喚するのは快感だねぇ! この停止具合、画面越しから相手の動揺が見て取れる――程無くして相手はサレンダーを選んだ。

 

「……なんだ、『冥王結界波』か『禁じられた一滴』握ってなかったのか」

 

 ふぅ、と緊張感を解いて深くため息を吐く。

 結局この決闘、何方のライフが削られる事無く、決着ついてしまったのだった――。

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『ドライトロン宣告者』

 『芝刈り召喚シャドール』が先攻の場合、《エルシャドール・ミドラーシュ》を立てれれば『ドライトロン宣告者』側のほぼ全ギミックが停止して9割勝利。
 しかし、手札事故で融合出来なければ9割以上ワンキルされる。

 『ドライトロン宣告者』が先攻の場合、8割以上の確率で先攻制圧され、9割以上そのまま封殺される。
 後攻で捲れるケースは1割未満であり、捲ったとしても《エルシャドール・ミドラーシュ》で蓋しなかった場合、9割以上捲り返される。

 総評、先攻取った方が勝つ。
 安定性は圧倒的なまでに『ドライトロン宣告者』側が優勢である。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

02vs『LL(リリカル・ルスキニア)鉄獣戦線(トライブリゲード)

 本日の最強カード

 『鉄獣の抗戦(トライブリゲード・リボルト)
 通常罠
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、
 獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを任意の数だけ選んで効果を無効にして特殊召喚し、
 そのモンスターのみを素材として「トライブリゲード」リンクモンスター1体をリンク召喚する。



 ――『LL(リリカル・ルスキニア)鉄獣戦線(トライブリゲード)』。

 

 これもまた遊戯王マスターデュエルで良く遭遇する『お友達』の一つである。

 鳥獣族と言えば、昔はクロウの『BF(ブラックフェザー)』、黒咲さんの『RR(レイド・ラプターズ)』を思い浮かべる決闘者も多いと思うが、現在で見かける鳥獣族テーマと言えばもう黒咲さんの妹の『LL(リリカル・ルスキニア)』一択であり、必然的に組んでいるのは『鉄獣戦線(トライブリゲード)』である。

 

『永続魔法『炎舞-「天璣』を発動。このカードの発動時の効果処理として、デッキからレベル4以下の獣戦士族モンスター《鉄獣戦線 フラクトール》を手札に加える』

 

 後半の『自分フィールドの獣戦士族モンスターの攻撃力は100アップする』の効果は忘れていい。

 この最初の効果処理こそ獣戦士族を主体とするデッキにとっての万能サーチであり、サーチするのは当然『鉄獣戦線』における1枚初動のカード《鉄獣戦線 フラクトール》である。

 

『手札の《鉄獣戦線 フラクトール》を墓地に送って発動、デッキからレベル3以下の獣族《鉄獣戦線 キット》を墓地に送る。墓地に送った《鉄獣戦線 キット》の効果発動、デッキから《鉄獣戦線 キット》以外の『トライブリゲード』カード、《鉄獣戦線 ナーベル》を墓地に送る。墓地に送った《鉄獣戦線 ナーベル》の効果でデッキから《鉄獣戦線 ナーベル》以外の『トライブリゲード』モンスター《鉄獣戦線 ケラス》を手札に加える』

 

 この1枚初動、文字通り、1枚から『トライブリゲード』の下級モンスター全種にアクセスしながら墓地肥やし出来るという、第11期を象徴するような驚嘆すべき恐ろしい動きをする。

 

『手札の《鉄獣戦線 ケラス》の効果発動、このカード以外の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を捨て、《鉄獣戦線 ケラス》を特殊召喚する』

 

 この時点で、相手の墓地に獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターが4体揃ってしまっている。

 

『《鉄獣戦線 ケラス》の効果発動、墓地の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを4枚除外し、同じ数のリンクマーカーを持つ《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》をEXデッキから特殊召喚する』

 

 ……この墓地除外からのリンク召喚じゃないリンクモンスターの特殊召喚という、何処からツッコんだら良いのか全くわからない効果がトライブリゲードの下級モンスターの共通効果である。まるで意味が解らないぞっ! ……デメリットとして蘇生制限に引っ掛かる、という事を覚えておけばOKである。

 モンスター1体からの効果で簡単に出てくるリンク4はテーマ内でのエースと呼ぶに相応しい除去効果持ちの3000打点だが、今回はもう一つの、墓地に送られた際の効果目当てだろう。

 

『《鉄獣戦線 ケラス》と《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》でリンク召喚、召喚条件は獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター2体、リンク2《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》』

 

 リンク4を素材にリンク2をリンク召喚するという他のデッキにとっては100%の暴挙なのだが――。

 

『墓地に送られた《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の効果発動、除外されている自分の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターの数以下のレベルを持つ獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターをデッキから手札に加える。レベル1・鳥獣族の《LL-コバルト・スパロー》を手札に加える』

 

 効果の対象にならない耐性を突き抜ける、選べる除外持ちの3000打点の癖に、墓地に送られた際に万能サーチで戦線を支えるという、盛られに盛られまくったエースモンスターの鑑。

 いやいや、マジふざけんなよ。なんでカテゴリー外のカードをサーチしてやがるの!? 頭KONMAIか!?

 

『《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》の効果発動、手札からレベル4以下の《LL-コバルト・スパロー》を特殊召喚する。《LL-コバルト・スパロー》の効果発動、特殊召喚に成功した場合、デッキから鳥獣族・レベル1モンスター《LL-セレスト・ワグテイル》を手札に加える』

 

 戦線維持のバトンを他カテゴリーのテーマに鮮やかに渡しやがりましたよ。ホント、芸術的なまでのテーマ融合である。

 

『《LL-セレスト・ワグテイル》を通常召喚し、レベル1の《LL-コバルト・スパロー》と《LL-セレスト・ワグテイル》でエクシーズ召喚、ランク1《LL-リサイト・スターリング》』

 

 ……昔の『LL』の印象と言えば、冤罪禁止カードを生み出した罪深き融合モンスター《LL-インディペンデント・ナイチンゲール》しかないが、今は『トライブリゲード』と手を組んで罪深き悪行をダース単位で量産している。

 

『《LL-リサイト・スターリング》の効果発動、エクシーズ素材を一つ取り除き、デッキから鳥獣族・レベル1モンスター《LL-ベリル・カナリー》を手札に加える』

 

 レベル1だから許された展開力は、最早圧倒的なまでの暴力でしかない。

 

 ――そうそう、このデッキに手札誘発を打つなら、初動の《鉄獣戦線 フラクトール》のサーチを《灰流うらら》で止めるか、『トライブリゲード』の下級モンスターがフィールドで効果発動して墓地のモンスターを除外した時に《エフェクト・ヴェーラー》を打ち込むのが効果的だ。コストで除外するから、そのタイミングで効果無効にすればコストだけ払い損で大打撃である。

 

 勿論、環境デッキを名乗るからには1枚程度の手札誘発では止まらないが、最終盤面に著しく影響を及ぼす事が出来る。手札の事故っぷり次第では完全停止してターンを渡してくれるので祈りながら手札誘発を投げると良いだろう。

 

 なお、今回も私の初期手札には手札誘発が無い。《灰流うらら》も《エフェクト・ヴェーラー》も《幽鬼うさぎ》も《増殖するG》も休暇取ってベガス行ってやがる。デッキの枚数が60枚だから仕方ないと言えば仕方ない事だね!

 

『《LL-リサイト・スターリング》とリンク2《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》の2体でリンク召喚、召喚条件は鳥獣族モンスターを含むモンスター2体以上、リンク3《王神鳥シムルグ》』

 

 そして現れるはリンク3とは思えない性能の害鳥。その効果は、

 

 《王神鳥シムルグ》

 リンク・効果モンスター

 リンク3/風属性/鳥獣族/攻2400

 【リンクマーカー:左下/下/右下】

 鳥獣族モンスターを含むモンスター2体以上

 このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 このカードはリンク素材にできない。

 (1):このカード及びこのカードのリンク先の鳥獣族モンスターは相手の効果の対象にならない。

 (2):このカードが戦闘で破壊される場合、

 代わりに自分フィールドの「シムルグ」カード1枚を破壊できる。

 (3):自分・相手のエンドフェイズに発動できる。

 使用していない自分・相手の魔法&罠ゾーンの数以下のレベルを持つ、

 鳥獣族モンスター1体を手札・デッキから特殊召喚する。

 

 (1)の効果の対象にならない耐性付与も地味に厄介だが、このカードのぶっ壊れ効果は(3)のエンドフェイズ時のデッキからの特殊召喚である。

 1ターン目に使えば確実に5~10ぐらい魔法&罠ゾーンが空いている為、そのレベル以下の鳥獣族がデッキから現れる訳だ。主に現れるのは2体、どっちも眉を顰めたくなる制圧モンスターが来る訳なのだ。

 ……まぁ、此処で止まってくれるなら単なる1妨害で処理出来るのだが――。

 

『手札の《LL-ベリル・カナリー》の効果発動、手札の《LL-ベリル・カナリー》と墓地の《LL-セレスト・ワグテイル》を特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時までエクシーズモンスターしかEXデッキから特殊召喚出来ない』

 

 リンクモンスター出し切ってからエクシーズモンスター限定縛りとか、随分と都合良いデメリット()である。

 

『《LL-ベリル・カナリー》の特殊召喚に成功した場合に発動、デッキから『LL』魔法カード、『LL-バード・コール』を手札に加える』

 

 大量に展開して横並びになるレベル1、量産されるランク1、終点に誰が待つかは至極容易に察せられるであろう。……昔は出されたら拍手喝采して迎えたが、あのカードが出たばかりに……。

 

『レベル1の《LL-ベリル・カナリー》と《LL-セレスト・ワグテイル》でエクシーズ召喚、ランク1《LL-リサイト・スターリング》』

 

 そしてまた出てくる、さっきと同じランク1。ちなみにその効果には――。

 

『《LL-リサイト・スターリング》の効果発動、エクシーズ素材を一つ取り除き、デッキから鳥獣族・レベル1モンスター《LL-ターコイズ・ワーブラー》を手札に加える』

 

 名称付きのターン1縛りを入れ忘れている。……いや、黒咲さんのランク4《RR-フォース・ストリクス》と同じなのは兄妹の絆を感じるのだが……ねぇ?

 

『魔法カード『LL-バード・コール』発動、デッキから《LL-サファイア・スワロー》を手札に加え、手札の《LL-ターコイズ・ワーブラー》を特殊召喚して効果発動、自分の墓地の《LL-リサイト・スターリング》を特殊召喚』

 

 此処らへんの展開は『LL』に詳しくないので何とも説明し難い。一人でやってるよ―と、非常に長いソリティアを眺めているだけで効果や手順を覚えられたら苦労はしない。

 大切なのは過程よりも最終盤面さ! 何せ手札誘発という人権握ってないからね、今!

 

『墓地の《LL-セレスト・ワグテイル》の効果発動、自分フィールドの『LL』エクシーズモンスター《LL-リサイト・スターリング》のエクシーズ素材となり、効果発動。エクシーズ素材を1つ取り除いてデッキから《鉄獣戦線 ナーベル》を手札に加える』

 

 遂には墓地にいた『LL』エクシーズを蘇生し、更にはエクシーズ素材つけてサーチだぁ? やってる事が滅茶苦茶過ぎるぞー!

 んでもって、相手の場に同じランクのエクシーズモンスターが2体揃ってしまった。来るぞ遊馬っ!

 

『『No.』モンスター以外の、同じランク1の《LL-リサイト・スターリング》2体でエクシーズ召喚、ランク0《FNo.0 未来皇ホープ》――このカードは自分フィールドの《FNo.0 未来皇ホープ》の上に重ねてエクシーズ召喚する事が出来る。更に重ねてエクシーズ召喚、ランク0《FNo.0 未来龍皇ホープ》』

 

 マジで来たぞ、遊馬自身とすら呼べるホープ! そしてその進化系である殺意に満ちた新ホープが!

 

 

 《FNo.0 未来龍皇ホープ》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク0/光属性/戦士族/攻3000/守2000

 「No.」モンスター以外の同じランクのXモンスター×3

 ルール上、このカードのランクは1として扱い、

 このカード名は「未来皇ホープ」カードとしても扱う。

 このカードは自分フィールドの「FNo.0 未来皇ホープ」の上に重ねてX召喚する事もできる。

 (1):このカードは戦闘・効果では破壊されない。

 (2):1ターンに1度、相手がモンスターの効果を発動した時、

 このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

 その発動を無効にする。

 この効果でフィールドのモンスターの効果の発動を無効にした場合、さらにそのコントロールを得る。

 

 

 コイツ、同期に歴代最強最悪の超ぶっ壊れ融合モンスター《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》がいたせいで注目されなかったが、普通に考えて3000打点で戦闘・効果で破壊されない超耐性に万能無効効果に永続寝取り効果までついてやがる。

 制圧モンスターに超耐性つけるの、勘弁願いたいのだが! じゃが!

 まぁこのモンスターの弱点を述べるとすれば、『光属性』である事ぐらいだね!

 

『手札の《LL-サファイア・スワロー》の効果発動、このカードと《鉄獣戦線 ナーベル》を特殊召喚する』

 

 そして最後の仕上げと言わんばかりにまた展開する。どんだけ展開力あるんだよ、この2テーマは。

 

『レベル1の《鉄獣戦線 ナーベル》と《LL-ターコイズ・ワーブラー》と《LL-サファイア・スワロー》でエクシーズ召喚、ランク1《LL-アンサンブルー・ロビン》』

 

 最後に出てくるのは、『LL』でありながらさっきとは別のエクシーズモンスターであり――。

 

 《LL-アンサンブルー・ロビン》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク1/風属性/鳥獣族/攻 0/守 0

 レベル1モンスター×2体以上

 (1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×500アップする。

 (2):相手がモンスターの特殊召喚に成功した場合、

 このカードのX素材を1つ取り除き、その特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。

 そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

 (3):このカードが相手によって墓地へ送られた場合、

 このカード以外の自分の墓地の「LL」モンスター1体を対象として発動できる。

 そのモンスターを手札に加える。

 

『フィールドの《LL-サファイア・スワロー》をエクシーズ素材にした時の効果、エクシーズ召喚に成功した場合、自分の墓地の『LL』モンスター1体をエクシーズ素材とする』

 

 これで《LL-アンサンブルー・ロビン》のエクシーズ素材が4つ、攻撃力が2000となり――まぁつまり、特殊召喚されたモンスターを4回バウンス出来る畜生なのである。

 この制圧効果ですら予備プランなのが恐ろしい。何故ならば――。

 

『魔法&罠ゾーンにカードを1枚伏せてターンエンド――エンドフェイズ、《王神鳥シムルグ》の効果発動、使用していない自分・相手の魔法&罠ゾーンの数以下のレベルの鳥獣族モンスターをデッキから特殊召喚する。レベル4《烈風の結界像》』

 

 最後に守備表示で現れるは古の決闘者も覚えているであろう、あの『結界像』の一体だ。トラウマに残っている決闘者なら覚えていると思うが、最近の決闘者には馴染み無い古臭いカード。その効果テキストは非常に短くシンプルだ。

 

 《烈風の結界像》

 効果モンスター

 星4/風属性/鳥獣族/攻1000/守1000

 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

 お互いは風属性モンスターしか特殊召喚できない。

 

 シンプルだからと言って弱いとは言ってない。むしろこの1枚でデッキの全ギミックが機能不全になりかねないぐらいやばい特殊召喚縛りである。

 

 『LL鉄獣戦線』

 LP8000

 手札2枚

 EXモンスターゾーン

 《王神鳥シムルグ》リンク3/風属性/鳥獣族/攻2400

 メインモンスターゾーン

 《FNo.0 未来龍皇ホープ》ランク0/光属性/戦士族/攻3000/守2000 ORU3

 《LL-アンサンブルー・ロビン》ランク1/風属性/鳥獣族/攻2000/守 0 ORU4

 《烈風の結界像》星4/風属性/鳥獣族/攻1000/守1000

 魔法・罠カードゾーン

 『炎舞-「天璣』

 伏せカード1枚

 

 風属性以外の特殊召喚封じ、ターン1だが3回分のモンスター効果無効、ターン縛りなく特殊召喚したモンスター4回バウンスという中々の制圧っぷり。

 此方のターンが終わるまでに《王神鳥シムルグ》を処理出来なければデッキから万能効果無効1回が飛んでくる始末だ。

 

 ――そして何よりも、あの伏せカード。99%の確率で専用罠『鉄獣の抗戦』だろう。『LL鉄獣戦線』での伏せカードなんてそれ一択と考えて良いだろう。どうしてあんなぶっ壊れパワーカードが許されているのか、理解出来ないね! 『シャドール』にとっては鴨だけど。

 

 『ドライトロン宣告者』の制圧が一枚依存、《崇光なる宣告者》ありきであり、この1枚さえ何とかすれば突破口が見える類のものだったが、『LL鉄獣戦線』の制圧は多種多様な角度からの集団制圧。まさに連合軍という有様だ。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 しかし、『ドライトロン宣告者』と比べて穴が多い。例えば、魔法に対しての無効効果が無い処とか。

 この手厚くも隙だらけな布陣、1枚1枚はいでいくとしよう!

 

「デッキから10枚裏側表示で除外して魔法カード『強欲で貪欲な壺』発動、2枚ドローする!」

 

 皆大好き、強欲な壺シリーズの1枚。デッキ10枚裏側除外という再利用不可能なコストを支払って2枚ドロー。ノーコストでの2枚ドローは未来永劫許されなんだ。

 40枚でのデッキで使うには非常に躊躇うデメリットだが、無駄にデッキ枚数が多い芝刈り型なら容易に採用出来るドローソースである。……いや、必須カードがまるまる除外されて機能不全になる事もあるけど。其処は運だよ運。

 さてさて、この2枚ドローに対して、相手は――。

 

『手札から《灰流うらら》を捨てて効果発動、デッキからカードを手札に加える効果を無効にする』

 

 やっぱり握っていたか《灰流うらら》! 此方は手札誘発を全然握れないのに相手はほぼ100%握っている不具合、修正してくれないかな!

 まぁでも完全に予想通りだ。むしろ使ってくれないと困っていた処だ。

 

「手札から速攻魔法『墓穴の指名者』発動! 相手の墓地の《灰流うらら》を除外し、次のターン終了時までその効果を無効化する!」

 

 幸運な事に『墓穴の指名者』を握っているんだなぁ。ホント、お前だけが頼りだ。

 

 ……さて、まだチェーン解決していない私のフィールドには魔法カード『強欲で貪欲な壺』と速攻魔法『墓穴の指名者』の2枚が魔法&罠ゾーンに配置されている。

 此処に、更にチェーンを重ねる!

 

 

「――更にチェーンして速攻魔法『禁じられた一滴』発動! フィールドの『強欲で貪欲な壺』と『墓穴の指名者』を墓地に送り、その数だけ選んで、《LL-アンサンブルー・ロビン》と《王神鳥シムルグ》の2体の攻撃力をターン終了時まで半分にし、効果を無効化する!」

 

 

 この1枚こそ現代遊戯王における最強の捲り札! 効果の対象にならない耐性をすり抜ける『選んで』の効果に、コストに使った種類のチェーンを封じる封殺効果もあるが、今回は必要無い。

 『禁じられた一滴』の効果が通り、《LL-アンサンブルー・ロビン》と《王神鳥シムルグ》の効果が無効化され、攻撃力も半分になる。

 なお《LL-アンサンブルー・ロビン》の効果が無効化された際に攻撃力0になるのでは?と思われるが、攻撃力を半分にする事が最初に入り、続いて効果が無効になるという処理の関係上、攻撃力は2000の半分の1000になる。訳解らない裁定だね!

 

 ――さて、多くの決闘者は「あ、コイツ、普通にプレイミスしやがったぞ」とぷーくすくすと笑っているのではないだろうか。

 

 コストに出来るのが2枚だけだったとしても、《烈風の結界像》と《FNo.0 未来龍皇ホープ》の効果を無効化させた方が動けるだろうと多くの決闘者は思っているであろう。

 それはある一面では間違ってはいないが、実は大間違いだ。

 

 此処での負け筋は伏せカードが『鉄獣の抗戦』だった場合。フリーチェーンでリンク4《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》を出されて除外効果を通されたらその時点で巻き返しようがなくなり、ゲームセットである。

 相手の特殊召喚も縛ってくれるから、《烈風の結界像》の封殺効果は此方にとっても必要なのだ。

 ならば厄介な制圧効果持ちの《FNo.0 未来龍皇ホープ》は? HAHAHA、確かにコイツには最優先で『禁じられた一滴』ぶっかけた方が良いだろう。――別の除去手段が無ければ、という前提の話だが。

 

 ――『シャドール』にとって相手のフィールドにいる光属性モンスターなんていつの時代もボーナス対象に過ぎない!

 

「《シャドール・リザード》を通常召喚し、バトル! 《シャドール・リザード》で《烈風の結界像》を攻撃!」

 

 効果の発動が無ければ《FNo.0 未来龍皇ホープ》もただのカカシであり――守備力1000の《烈風の結界像》を戦闘破壊するのは結構容易だ。……まぁ此処の打点が超えられなかった時点で詰みなのだが。

 何はともあれ、攻撃が通って《烈風の結界像》が戦闘破壊され、風属性のみの特殊召喚縛りが解除される。

 

 

「――手札を1枚捨てて、速攻魔法『超融合』発動! このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動出来ない! 自分の場の《シャドール・リザード》と相手の場の光属性《FNo.0 未来龍皇ホープ》を素材に融合召喚! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 

 『シャドール』を使っていて2番目に楽しい事は『影依融合』でデッキ融合する事。そして1番目は『超融合』で相手モンスターを除去しながら融合する事だ!

 無敵に等しい耐性を持っていた《FNo.0 未来龍皇ホープ》を飲み込み、『シャドール』のエースにして展開の起点、《エルシャドール・ネフィリム》を叩きつける。

 

「《エルシャドール・ネフィリム》の特殊召喚された際の効果発動、効果によって墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動! 何方もデッキから『シャドール』カードを1枚墓地に落とす!」

 

 さて、あの伏せカードが読み通りなら、此処で使ってくる筈だが――。

 

 

『チェーンして罠カード『鉄獣の抗戦(トライブリゲード・リボルト)』発動。自分の墓地及び除外されているモンスターの中から獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを任意の数だけ選んで効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターのみを素材として『トライブリゲード』リンクモンスターをリンク召喚する』

 

 

 『鉄獣の抗戦(トライブリゲード・リボルト)

 通常罠

 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

 (1):自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、

 獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを任意の数だけ選んで効果を無効にして特殊召喚し、

 そのモンスターのみを素材として「トライブリゲード」リンクモンスター1体をリンク召喚する。

 

 

 本日の最強カード。墓地のモンスターを除外してリンク召喚を繰り返す『トライブリゲード』、そのコスト概念を根本から覆すぶっ壊れ罠カードが『鉄獣の抗戦』である。

 何これ、ふざけてんの? なんで除外されたモンスターを平然と特殊召喚して、更には普通に墓地に戻す? リンク4を出しながら墓地に送られた際の効果、全部起動するんだけど?

 何を考えてこんな超パワーカードが許されているのか、まるでわからんぞっ! チートだチート! こんなん使われたら勝てないじゃないかぁ――!

 

 

「……んふふっ、くふふふふ、ひゃーっははははっ! なぁーんちゃって!」

 

 

 可笑しくって腹痛いわぁ……! お前が今、相手しているのは『シャドール』なんですけど!

 

 

「チェーンして速攻魔法『神の写し身との接触(エルシャドール・フュージョン)』発動! 自分の手札・フィールドから『シャドール』融合モンスターによって決められた融合素材を墓地に送り、その融合モンスターをEXデッキから融合召喚する! フィールドの《エルシャドール・ネフィリム》と手札の闇属性《シャドール・ヘッジホッグ》を融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 《エルシャドール・ネフィリム》から《エルシャドール・ミドラーシュ》に。攻撃力2800から攻撃力2200に、打点を減らしただけのように見えるが――。 

 

 速攻魔法の『神の写し身との接触』から《エルシャドール・ミドラーシュ》が着地し、次のチェーンの相手の『鉄獣の抗戦』が微動だにせず、何の効果も発動出来ずに効果処理を終える。

 

「墓地及び除外されたモンスターを『特殊召喚』し、そのモンスターだけを素材にまた『特殊召喚』する。効果処理に2回『特殊召喚』があるからね、――《エルシャドール・ミドラーシュ》が場に存在する限り特殊召喚は1ターンに1回のみだ。よって最初の特殊召喚すら効果処理されずに墓地に送られる」

 

 そもそも《エルシャドール・ミドラーシュ》が場に存在するだけで『鉄獣の抗戦』は発動出来ない。効果処理中に《エルシャドール・ミドラーシュ》が特殊召喚されたら不発に終わるのだ。 

 

「《シャドール・リザード》の効果でデッキから永続罠『影依の偽典』を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果で《シャドール・ビースト》を墓地に送る」

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》と《シャドール・ヘッジホッグ》の効果と《シャドール・ビースト》の効果発動、《シャドール・ビースト》の効果で1枚ドロー、《シャドール・ヘッジホッグ》の効果でデッキから《シャドール・ファルコン》を手札に加え、《エルシャドール・ネフィリム》の効果で墓地から永続罠『影依の偽典』を手札に加える」

 

「《エルシャドール・ミドラーシュ》で《王神鳥シムルグ》を攻撃!」

 

 《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃力は2200、《王神鳥シムルグ》の攻撃力は元々2400だが、『禁じられた一滴』で攻撃力が半減しているので1200、下剋上だオラァッ!

 

 『LL鉄獣戦線』

 LP8000→7000

 

「《王神鳥シムルグ》爆殺!」

 

 なんか普通に戦闘するの、逆に新鮮だなぁー。最近は戦闘する前に決着つくデュエルが多いせいで、新しいデイリーが消化出来ない事もしばしば……。

 

「墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、墓地のカード7枚除外、墓地から特殊召喚する! そして《LL-アンサンブルー・ロビン》に攻撃!」

 

 半減して攻撃力1000になっている《LL-アンサンブルー・ロビン》に攻撃力1850の《妖精伝姫-シラユキ》で殴りかかり、相手の場のモンスターを全部破壊して捲くる!

 

 『LL鉄獣戦線』

 LP7000→6250 

 

『戦闘破壊された《LL-アンサンブルー・ロビン》の効果発動、自分の墓地の『LL』モンスター、《LL-ターコイズ・ワーブラー》を手札に加える』

 

 展開札を戻されたが、《エルシャドール・ミドラーシュ》がいる限り特に問題無い。此処からの負け筋があるとすれば――。

 

「メイン2、カードを1枚セットしてターンエンド!」

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札2枚(《シャドール・ファルコン》)

 EXモンスターゾーン

 《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800

 メインモンスターゾーン

 《妖精伝姫-シラユキ》星4/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(『影依の偽典』)

 

 『LL鉄獣戦線』

 LP8000→6250

 手札2枚(《LL-ターコイズ・ワーブラー》)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

 『炎舞-「天璣』

 

『私のターン、ドロー』

 

 長らく沈黙が続く。このターンに特殊召喚は1回しか出来ない。その1回で此方の《エルシャドール・ミドラーシュ》を除去しなければならない。

 大半のテーマなら此処で終わるが、生憎と『トライブリゲード』はとにかくしぶとい。《エルシャドール・ミドラーシュ》さえ除去出来れば再展開して捲り返すなど朝飯前だろう。

 環境テーマに居座る連中は一回盤面破壊した処で、其処で終わってくれない。リカバリー力も異常にあるのだ。

 

『《鉄獣戦線 フラクトール》を通常召喚』

 

 そして相手は最適解を選んだ。なるほど、墓地は肥えに肥えまくっている。墓地から4体除外してリンク4《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》を出せば効果による破壊耐性持ちの《エルシャドール・ミドラーシュ》の耐性を無視して除外して処理出来る。

 

 ――うん、勿論通さないとも!

 

「チェーンして永続罠『影依の偽典』発動! 墓地の光属性《エルシャドール・ネフィリム》と闇属性《シャドール・ビースト》を除外し、融合召喚! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 《妖精伝姫-シラユキ》の除外で残した2体を使って融合召喚、その融合素材条件は属性が異なる『シャドール』モンスター2体だ――!

 

「《エルシャドール・アプカローネ》が特殊召喚に成功した場合、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動出来る。そのカードの効果を無効にする」

 

 此処で相手はサレンダー。何とか勝利を拾えたのだった。 

 

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『LL鉄獣戦線』

 『芝刈り召喚シャドール』が先攻の場合、《エルシャドール・ミドラーシュ》を立てればほぼ勝利。
 稀に捲られるが、汎用の捲り札(冥王結界波や禁じられた一滴)がほぼ必須。サーチ出来ない汎用札が欲しい時にあるなんて稀だよね。
 『LL鉄獣戦線』が先行の場合、先攻制圧して終わり。手札誘発で止まってくれる事を祈れ。

 総評、先攻取った方が勝つ。
 あと、己(手札事故)に勝利した者が勝つ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ー/『芝刈り召喚シャドール』への挑戦(先攻)

 本日の最強カード

 『隣の芝刈り』
 通常魔法(準制限カード)
 (1):自分のデッキの枚数が相手よりも多い場合に発動できる。
 デッキの枚数が相手と同じになるように、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。


 ――遊戯王は先攻絶対有利。

 

 その理はいつの時代も変わりない、絶対の真理だ。

 例え先攻がドロー出来なくなっても、先んじて動ける利の前では取るに足らぬ些事だ。

 後攻で捲くるカードが増えた今でも有利なのは変わらない。

 さて、今宵は本編では多分描かれない、『芝刈り召喚シャドール』の先攻展開例をお見せしよう。

 

 ――これは、これを見る決闘者諸君への『挑戦状』でもある。是非、この布陣の数々を突破してくれたまえ。

 

 

 れべる1『《シャドール・ビースト》《シャドール・ファルコン》《ラーの翼神竜-球体形》《シャドール・ハウンド》《PSYフレーム・ドライバー》』

 

 

「……ぇー?」

 

 なぁにこれぇ? う、動けん。融合出来ない処か、一切動きようが無い手札事故だ!

 通常召喚出来るのは《シャドール・ファルコン》と《シャドール・ハウンド》だが、初手で伏せる旨味が一切無い。両方のリバース効果が不発に終わる始末だ。

 残りは《シャドール・ビースト(レベル5)》《PSYフレーム・ドライバー(レベル6の上に通常モンスター)》《ラーの翼神竜-球体形(3体の生贄何処よ?)》……。

 裏守備表示で出すメリットは欠片も無い上に、今の環境だと『壊獣』に変えられて1キル要因になったり、『ヌメロン』の殴り役になって1キルされかねない。

 

何もせずにターンエンド!(くっ、殺せ!)

 

 ターンが帰ってくる事を祈るしか無い!

 

 

 れべる2『『影依融合』『神の写し身への接触』『超融合』『召喚魔( 緑 一 色 )術』『ルドラの魔導書』』

 

 

「な ぁ に こ れ ぇ ?」

 

 なんでこう、絶妙に動けない魔法一色なの!? 幾らデッキの数を60枚にしているとは言え、酷すぎない!?

 

私は2枚(『超融合』(ミラー来い)『神の写し身への接触』)(ミラー来い)伏せてターンエンド!(ミラー来い)

 

 

 レベル3『『暴走魔法陣』《シャドール・リザード》『影依融合』《灰流うらら》『墓穴の指名者』』

 

 

「フィールド魔法『暴走魔法陣』を発動、効果処理としてデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加える」

 

 《灰流うらら》チェックも兼ねての『暴走魔法陣』から1枚初動。更には『シャドール』融合モンスターにもアクセス出来る理想的な手札である。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動、デッキから『召喚魔術』を手札に加える。そして《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター1体。リンク1《聖魔の乙女(マギストス・メイデン)アルテミス》」

 

 いつもの動き。そうそう、《召喚師アレイスター》が召喚されたら即座に《増殖するG》を投げる事をオススメする。《召喚獣メルカバー》を立てるまでに2ドロー出来るし、もしかしたらこのターン、何もせずに終わってくれるかもしれない。

 今回は『墓穴の指名者』を握っているので手札誘発を踏み倒せるが。

 

「手札から魔法カード『影依融合』発動! 手札の《シャドール・リザード》と光属性《聖魔の乙女アルテミス》を融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 『召喚獣』単体の動きなら場に出て除外するだけの《聖魔の乙女アルテミス》だが、『シャドール』が組み合わさると除外する前に《エルシャドール・ネフィリム》の融合素材になれる。

 

「《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動。《シャドール・リザード》の効果でデッキから永続罠『影依の偽典』を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果で《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送る」

 

 墓地を肥やしながら本命の『影依の偽典』を墓地に、アド稼ぎ用に《影霊の翼 ウェンディ》から――。

 

「墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚」

 

 《シャドール・ビースト》のリバース効果が発動すれば2枚ドローして1枚捨てるという『シャドール』にとって3アド稼ぐ動きが出来る。

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』発動! 墓地の《召喚師アレイスター》と光属性《聖魔の乙女アルテミス》を除外して融合! レベル9《召喚獣メルカバー》を守備表示で融合召喚!」

 

 此処で大事なのは守備表示で出す事だ。守備力2100と、攻撃力2500より低い数字だが、大抵のデッキに1枚以上突っ込んである魔法カード『ライトニング・ストーム』の全体除去を守備表示にするだけで回避出来るのは非常に大きい事だ。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に戻し、『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 これで次のターンでも同じ流れで『召喚獣』融合モンスターを出す事が出来る。場合によっては手札誘発として切る羽目になるが、其処ら辺はケースバイケースだ。

 

「そして《エルシャドール・ネフィリム》1体でリンク召喚! 召喚条件はリンクモンスター以外のEXモンスターゾーンのモンスター1体! リンク1《グラビティ・コントローラー》! 」

 

 此処で大切なのは《エルシャドール・ネフィリム》の召喚位置をEXモンスターゾーンに配置しておく事だ。こうやって能動的に墓地送り出来るからだ。

 本当に便利なリンク1だこと《グラビティ・コントローラー》。お前も名誉『シャドール』だ。君も『シャドール』にならないか?

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果で墓地の永続罠『影依の偽典』を手札に加える」

 

 そして目的の『影依の偽典』を回収っと。これが無いと始まらない。

 

「1枚伏せてターンエンド!」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札3枚(《灰流うらら》《召喚師アレイスター》『墓穴の指名者』

 EXモンスターゾーン

 《グラビティ・コントローラー》リンク1/闇属性/サイキック族/攻1000

 メインモンスターゾーン

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

  裏側守備表示のモンスター《シャドール・ビースト》

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(永続罠『影依の偽典)』

 

 これが『芝刈り召喚シャドール』における基本的な布陣。

 《召喚獣メルカバー》による1妨害(モンスターor魔法効果限定)に永続罠『影依の偽典』による相手ターン《エルシャドール・ミドラーシュ》(特殊召喚1回限定)である。

 《エルシャドール・ミドラーシュ》が刺さらないデッキなら、相手ターン《エルシャドール・ネフィリム》(好きな『シャドール』カードをデッキから墓地へ)、または《エルシャドール・アプカローネ》(この効果無効は永続で1ターン限りではない)で臨機応変に立ち回れる。

 最悪、『影依の偽典』で出した『シャドール』融合モンスターが破壊されても墓地から『シャドール』魔法・罠カードを回収出来るし、融合モンスター限定の攻撃力1000アップする手札誘発《召喚師アレイスター》も温存すれば次のターンにまた『召喚獣』融合モンスターを出せる。

 

 先攻制圧とは呼べない、非常に簡素な布陣であるが、墓地は非常に肥えているので継戦能力は中々な感じである。

 まさしく『高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処すべし』だね!

 

 

 レベル4『『隣の芝刈り』『墓穴の指名者』『影依融合』『神の写し(宇宙盤面)身との接触』『召喚魔術』』

 

 

「手札から魔法カード『隣の芝刈り』を発動! デッキから20枚墓地に送る!」

 

 最初からエンドカードを叩きつける。『墓穴の指名者』も握っているので、相手が《灰流うらら》を握っていても安心だ!

 此処から生み出されるアドは普通に20アド以上である。

 

「墓地に送られた《シャドール・ビースト》《シャドール・リザード》《影霊の翼 ウェンディ》《シャドール・ヘッジホッグ》《影依の巫女 エリアル》の効果発動」

 

 あ、墓地に《妖精伝姫-シラユキ》《召喚師アレイスター》『影依の偽典』落ちたわ。

 

「《影依の巫女 エリアル》の効果で墓地の『隣の芝刈り』を除外、《シャドール・ヘッジホッグ》の効果で《シャドール・ドラゴン》を手札に、《影霊の翼 ウェンディ》の効果で《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示で特殊召喚、《シャドール・リザード》の効果でデッキから《シャドール・ハウンド》を墓地に送り、《シャドール・ビースト》の効果で1枚ドロー」

 

 チェーンの最後に《影依の巫女 エリアル》を置いておく理由は一応相手の妨害対策である。

 

「《シャドール・ハウンド》の効果で《シャドール・ファルコン》を表側攻撃表示に変更、リバース効果発動、墓地の《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 あのシンクロモンスターが実装されてからは召喚権を使わずに如何に《シャドール・ファルコン》を表側表示にするかにかかっている。

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』発動、墓地の《召喚師アレイスター》と光属性《幽鬼うさぎ》を除外して融合、レベル9《召喚獣メルカバー》を守備表示で融合召喚!」

 

 5回召喚・特殊召喚する前に《召喚獣メルカバー》を着地っと。これで《原始生命態ニビル》対策は大丈夫。『シャドール』は基本的に《ニビル》打たれてもアド回収出来るので痛手にはならない方だが。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す。そして《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動、デッキから『召喚魔術』を手札に加え――《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、リンク1《聖魔の乙女アルテミス》」

 

 うわぁ、おぞましいぐらい邪悪な動きしているー。

 

「魔法カード『影依融合』発動、手札の《シャドール・ドラゴン》と光属性《聖魔の乙女アルテミス》を融合、レベル8《エルシャドール・ネフィリム》。特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果で、デッキから『シャドール』カード、通常罠『影光の聖選士』を墓地に送る」

 

 もうこのターン、下級『シャドール』モンスターの効果はほぼ使い切ったので、次のターンに能動的に動けるように『影光の聖選士』を墓地に落としておく。

 これは何かと便利で、罠カードなので好きなタイミングで場のモンスターを裏表に出来るし、墓地の『シャドール』を対象にして悪さをするカードに対し、先にコストで『シャドール』カードを除外するというサクリファイス・エスケープ的な事も出来る。

 

「レベル8の《エルシャドール・ネフィリム》にレベル2の《シャドール・ファルコン》をチューニング! シンクロ召喚、レベル10《フルール・ド・バロネス》! 墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果で墓地の永続罠『影依の偽典』を手札に加える」

 

 いやはや、我ながら邪悪な動きだねぇ。うん、やっぱり《ネフィリム》1枚から出せる《フルール・ド・バロネス》は名誉『シャドール』だよ!

 

「『召喚魔術』発動、墓地の《召喚師アレイスター》と融合モンスター《エルシャドール・ネフィリム》を除外して融合! レベル8《召喚獣アウゴエイデス》!」

 

 そして最後に2体目の『召喚獣』融合モンスターを構えておく。コイツは相手の特殊召喚に反応してモンスターを破壊する効果を持っている。

 普通なら、たかが1妨害に過ぎないが、『シャドール』を前に出来る特殊召喚は1回のみだよ?

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札2枚(『墓穴の指名者』)

 EXモンスターゾーン

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 メインモンスターゾーン

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 《召喚獣アウゴエイデス》星8/光属性/天使族/攻2000/守2800

  裏側守備表示のモンスター《シャドール・ビースト》

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード2枚(永続罠『影依の偽典』速攻魔法『神の写し身との接触』)

 

 《フルール・ド・バロネス》の万能妨害、《召喚獣メルカバー》のカードの種類による疑似万能妨害、《召喚獣アウゴエイデス》の相手の特殊召喚に反応して発動するモンスター破壊効果――ざっと3妨害+相手ターン《ミドラーシュ》、+墓地に『影光の聖選士』に《妖精伝姫-シラユキ》、《シラユキ》に至っては3回ぐらい墓地から特殊召喚出来るぞー!

 

 

「ふぅははははははぁー! この圧倒的な制圧盤面、覆せるもんなら覆してみろぉっ!」

 

 

 ……いや、まぁ、割りと何とでも突破されそうになるのが今の現代遊戯王である。

 

 

 




 箸休め回。本編で大体先攻じゃない理由がこれです。
 結局融合出来ない時は呆気無く負けるので、『芝刈り召喚シャドール』はTier2~3ぐらいのデッキです。
 下振れた時は半端無く脆いですが、上振れた時は天敵すら捲れます。ふわんだりぃず? 無理ぞ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

03vs『ヌメロン』

 本日の最強カード(ネタバレ)

 《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》
 エクシーズ・効果モンスター
 ランク12/光属性/悪魔族/攻 ?/守 ?
 レベル12モンスター×5
 (1):お互いのターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
 フィールドの他のモンスター1体を選んで破壊する。
 (2):バトルフェイズ終了時に発動する。
 フィールドの他のモンスターを全て破壊する。
 その後、相手の墓地からモンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚できる。
 (3):X素材を持っているこのカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
 EXデッキから「CiNo.1000 夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア」1体を特殊召喚し、
 このカードをそのX素材とする。

 ※本日の間違い
 正規にエクシーズ召喚されていない《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》を『死者蘇生』で特殊召喚してました。
 《ファントム・オブ・カオス》で代用。
 おのれドン・サウザンド。絶対許せねぇ!(八つ当たり)


 ――珍しく此方の先攻。だが、一瞬だけ対戦相手に優先権が渡る。

 

「え? この段階で使える手札誘発握っている?」

 

 此方の何もないスタンバイフェイズで打てる手札誘発は数少ない。

 大抵の手札誘発には発動する為の条件があり――5体モンスターを召喚・特殊召喚されたり、デッキに触れる効果を使ったり、相手のカードに反応して発動条件が成立するのが普通だ。

 一番有名なのは《増殖するG》、これは好きなタイミングで打てる。相手の特殊召喚に合わせて打つのが常道だが、チェーンブロックを作らない特殊召喚も多々あるので、これの打ち時の見極めは決闘者の腕次第という訳だ。……最近、コイツの効果通った覚えが極端に少ないのは気の所為じゃない。いつも《灰流うらら》や『墓穴の指名者』で止められている気がする。

 

「うーん、《増殖するG》じゃないな? もしかして《ディメンション・アトラクター》?」

 

 次のターンの終了時まで墓地に送られるカードは墓地には行かず除外される、『芝刈り召喚シャドール』にとって打たれたら死を意味するその誘発は、除外をメインギミックとするデッキでなければ運用出来ないので、まず無いと考えて良い。

 

「――あー、うん、コイツ『ヌメロン』だな」

 

 それ+今回の相手はコイントスで勝利したのに関わらず、敢えて後攻を選んだ。後攻の方が良い=後攻に1キル出来るとなれば――お相手は《ヌメロン・ウォール》を握っているか。

 

 《ヌメロン・ウォール》

 効果モンスター

 星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

 このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 (1):「ヌメロン・ウォール」以外のカードが自分フィールドに存在しない場合、

 手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。

 手札・デッキから「ヌメロン・ネットワーク」1枚を選んで発動する。

 この効果は相手ターンでも発動できる。

 (2):自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。

 このカードを手札から特殊召喚し、そのダメージステップ終了後にバトルフェイズを終了する。

 

 キーカードの『ヌメロン・ネットワーク』を《灰流うらら》の妨害条件を掻い潜ってデッキから即時発動出来るカテゴリー専用の手札誘発――。

 

 『ヌメロン』相手に半端な展開は死を招く。かと言って、相手のデッキが『ヌメロン』じゃなかった場合――『サイバー・ドラゴン』だったら問答無用で1キルになるか。

 

「《シャドール・リザード》を通常召喚」

 

 敢えて裏側守備表示で出さずに通常召喚して反応を探る。やはり相手側に優先権が渡り――数秒の空白をもって此方に操作権が帰ってくる。

 わざわざ表で出しているのは、表側表示じゃないと駄目だからだ。

 

「やっぱり《増殖するG》じゃないか……なら、《灰流うらら》チェックもしておこう。手札から魔法カード『ルドラの魔導書』を発動、自分フィールドの魔法使い族モンスター1体、《シャドール・リザード》を墓地に送り、2枚ドローする」

 

 やや使い勝手の悪いドローソースだが、『シャドール』にとっては効果で墓地に送る事が出来るので、『シャドール』モンスターの2つ目の効果で送られた際の効果を融合を経由せずに自発的に発動出来る利点がある。

 ……ただし、《灰流うらら》で止められた際、効果で墓地に送れなくなるので、普通の場合はディスアドバンテージが少なく済む利点が、効果で墓地に送れないという二重苦になってしまうが。

 

「《灰流うらら》無しか――2枚ドロー、そして《シャドール・リザード》の効果発動、デッキから《シャドール・ヘッジホッグ》を墓地に送り、更に効果発動、《シャドール・ビースト》を手札に加える」

 

 通常なら《影霊の翼 ウェンディ》を経由して裏側守備表示で《シャドール・ビースト》を出すが、今回は場に出さない。

 フィールドにモンスターを残しておいては『壊獣』でリリースされてサンドバックにされるだろう。

 相手の嫌がる事を積極的にしよう、デュエルに勝つには対戦相手より邪悪に立ち振る舞うしかない。

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

『エンドフェイズ、手札の《ヌメロン・ウォール》の効果発動、このカードを墓地に送り、デッキからフィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』を発動する』

 

 やはり『ヌメロン』だったか! そしてその中核のフィールド魔法が発動する。『ヌメロン』デッキはこのフィールド魔法を発動しないと始まらない。

 

 『ヌメロン・ネットワーク』

 フィールド魔法

 このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 (1):自分メインフェイズに、発動条件を満たしている「ヌメロン」通常魔法カード1枚をデッキから墓地へ送って発動できる。

 この効果は、その魔法カード発動時の効果と同じになる。

 (2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、

 自分フィールドの「ヌメロン」XモンスターがX素材を取り除いて効果を発動する場合、

X素材を取り除かずに発動する事もできる。

 

 このカードは遊戯王アニメ4作目の『遊戯王ZEXAL』のラスボス、ドン・サウザンドが使っていたフィールド魔法である。

 アニメ版とは違い、流石に相手ターンに『ヌメロン』と名の付いたカードの発動こそ出来ないが、それ以外の効果はほぼ忠実に再現されている。ヲーの良く死ぬ竜が恨めしそうに見ているぞ。刷られた時代さえ違っていれば、あるいは……。

 

『私のターン、ドロー』

 

 さて『ハーピィの羽根箒』などの魔法除去カードが無ければ良いのだが――。

 

『フィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』の効果発動、自分メインフェイズに発動条件を満たしている『ヌメロン』通常魔法『ヌメロン・ダイレクト』を墓地に送る』

 

 これにより、墓地に送られた魔法カード『ヌメロン・ダイレクト』の効果が発動する。

 

『自分フィールドに『ヌメロン・ネットワーク』が存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動出来る。EXデッキから『ゲート・オブ・ヌメロン』エクシーズモンスターを4体まで特殊召喚する』

 

 うん、原作でも思ったけどさ――それエクシーズじゃないよね!? エクシーズモンスターをいきなり4体も横に並べるとかインチキ効果も大概にしろォ!

 

『この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに除外され――この効果の発動後、ターン終了時まで自分は1回しかモンスターを召喚・特殊召喚出来ない』

 

 さて、このタイミングでチェーンして《エルシャドール・ミドラーシュ》を融合召喚する事も出来るが、死ぬのでやりません。

 何故ならこの特殊召喚は――。

 

『《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》

《No.2 ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》

《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》

《No.4 ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》の4体を特殊召喚する』

 

 

 お の れ ド ン ・ サ ウ ザ ン ド 。 絶 対 許 せ ね ぇ !

 

 

 『ヌメロン』

 LP8000

 手札5枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》ランク1/光属性/機械族/攻1000/守 100 ORU無し

 《No.2 ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》ランク1/光属性/機械族/攻1000/守 100 ORU無し

 《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》ランク1/光属性/機械族/攻1000/守 100 ORU無し

 《No.4 ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》ランク1/光属性/機械族/攻1000/守 100 ORU無し

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 フィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』

 

 

 以前の『鉄獣の抗戦』とは違い、4体同時に出てくる、1回の特殊召喚だからだ。その1回で《エルシャドール・ミドラーシュ》を轢き殺してワンキルしてくるんだから性質が悪い。暴虐的な暴漢の前に《ミドラーシュ》は立てれねぇ。

 

 そしてこの4体のエクシーズモンスターの効果は珍しい事に全部共通である。

 

 《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク1/光属性/機械族/攻1000/守 100

 レベル1モンスター×3

 (1):このカードは戦闘では破壊されない。

 (2):このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時に、

 このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

 自分フィールドの全ての「ヌメロン」モンスターの攻撃力はターン終了時まで倍になる。

 

 《No.2 ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク1/光属性/機械族/攻1000/守 100

 レベル1モンスター×3

 (1):このカードは戦闘では破壊されない。

 (2):このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時に、

 このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

 自分フィールドの全ての「ヌメロン」モンスターの攻撃力はターン終了時まで倍になる。

 

 《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク1/光属性/機械族/攻1000/守 100

 レベル1モンスター×3

 (1):このカードは戦闘では破壊されない。

 (2):このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時に、

 このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

 自分フィールドの全ての「ヌメロン」モンスターの攻撃力はターン終了時まで倍になる。

 

 《No.4 ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク1/光属性/機械族/攻1000/守 100

 レベル1モンスター×3

 (1):このカードは戦闘では破壊されない。

 (2):このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時に、

 このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

 自分フィールドの全ての「ヌメロン」モンスターの攻撃力はターン終了時まで倍になる。

 

 普通にエクシーズさせる気の無い、レベル1モンスター×3はツッコまないとして、戦闘では破壊されない耐性は『No.』エクシーズ特有の効果だったのにむしろ強化されている。

 そして(2)の効果は相手モンスターと戦闘したら4体の『ヌメロン』エクシーズ全員が『リミッター解除』1回分の強化である。原作効果通りだけど、頭おかしくね? 『ヌメロン・ネットワーク』で効果とか既に書き換えられてね?

 

「いやいや、正規にエクシーズしてないから4体ともエクシーズ素材持ってない。が、原作通り『ヌメロン・ネットワーク』がある限り問題無い……」

 

 あのカードがフィールドに存在する限り、『ヌメロン』エクシーズモンスターはエクシーズ素材を取り除かずにエクシーズ効果を使う事が出来るのだ!

 エクシーズのラスボスが使うエクシーズの既存概念ガン無視のエクシーズモンスターとは一体、うごご……!

 

 ――ようするに、至極単純な話、2回相手モンスター殴れば残り2体が攻撃力4000でダイレクトアタック、3回相手モンスターを殴れば最後の1体が攻撃力8000でダイレクトアタックしてくるのだ。脳筋此処に極まれりである。

 

 仮に、守備力999以下のモンスター1体を場に構えていた場合は1回しかモンスターを殴れないので、攻撃力2000×3回攻撃で6000で済む。……『リミッター解除』使われなければ、だが。

 守備力1000以上だった場合、2回サンドバックにされてしまい、後攻1ターンキルとなる。

 3回は言わずがな。中途半端に展開していたら攻撃力1000、攻撃力2000、攻撃力4000、攻撃力8000で殴られて死亡である。

 

「全く、打点に関しては低いからなぁ、このデッキは」

 

 今回、場にモンスターを展開しなかったのは、相手モンスターを殴らなければ攻撃力を倍に出来ないので、攻撃力1000×4の4000ダメージで済むという訳である。

 ……まぁ次のターンに3000のバーンダメージが飛んでくるけど。

 

『――バトル。《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》でダイレクトアタック』

 

 まぁ通さない。その為にバトルフェイズまで待っていた。

 

「リバースカードオープン、速攻魔法『神の写し身との接触』発動! 手札の《シャドール・ビースト》と異なる属性の《影霊の翼 ウェンディ》を融合! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》を守備表示で融合召喚!」

 

 さぁ、『シャドール』お得意、相手ターンに悪さをしようじゃないか!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動、《シャドール・ビースト》の効果発動!」

 

 『シャドール』の融合時の処理は一番通したい効果をチェーン1に、最後に発動する効果は基本的に止められても良い効果を置いておくと良い。

 妨害でモンスター効果を無効にされても被害に遭うのは基本的に最後にチェーンした効果であり、その他の効果はほぼ確実に通るようになる。

 ……まぁ墓地除外して次のターンまで効果無効にする『墓穴の指名者』などで突き抜けるカードもあるが。

 さて、今回妨害は――無いようだ。妨害の選択肢を少しでも減らしたいからバトルフェイズで動いた訳だし。

 

「《シャドール・ビースト》の効果でデッキから1枚ドロー、《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示で特殊召喚、《エルシャドール・アプカローネ》の効果でフィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』の効果を無効にする」

 

 ――此処で相手、少し硬直する。

 そりゃそうだ。『ヌメロン・ネットワーク』の効果が無効化された以上、其処の場にいる『ヌメロン』エクシーズモンスターはエクシーズ素材を持たぬが故にエクシーズ効果を発動出来ない、戦闘破壊だけされないバニラ同然の攻撃力1000の雑魚モンスター!

 バトルフェイズ中だから、例え手札にもう1枚『ヌメロン・ネットワーク』が眠っていたとしても張り替える事の出来るのはバトルフェイズ後のメインフェイズ2だ。

 

『バトルフェイズ終了、メインフェイズ2へ』

 

 問題は、相手が制約で残り一回限りの特殊召喚を使って何を出してくるかだ。4体素材使ってリンク4《召命の神弓-アポロウーサ》か、重ねてエクシーズの《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》か。

 モンスター効果を最大4回無効にする《アポロウーサ》は単体なら簡単に料理出来るので、フィールドのモンスター全除外の《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》の方が辛いが、さて――?

 

『《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》《No.2 ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》の3体でリンク召喚。召喚条件はエクシーズモンスター3体――リンク3《無限起動要塞メガトンゲイル》』

 

 珍しいのが来たぞアストラル!? そしてかなりやばいぞこれ!?

 

 《無限起動要塞メガトンゲイル》

 リンク・効果モンスター

 リンク3/地属性/機械族/攻4000

 【リンクマーカー:右/左下/右下】

 Xモンスター3体

 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 (1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、

 このカード及びXモンスター以外のモンスターの効果を受けず、

 Xモンスター以外のモンスターとの戦闘では破壊されない。

 (2):自分の墓地のXモンスター1体と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。

 その墓地のXモンスターを特殊召喚し、その相手のカードを下に重ねてX素材とする。

 この効果の発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは半分になる。

 

 4000打点の時点で戦闘破壊する手段が非常に限られているし、おまけにコイツの耐性、エクシーズモンスター以外の効果を受けず、エクシーズモンスター以外のモンスターの戦闘では破壊されない――。

 打点で上回っても意味無いし、何よりも、私のデッキ、エクシーズモンスター1枚も入ってないのだ……!

 

「ぐぬぬ、きっつぅ! 最近の除去は能動的に出せるモンスター効果に頼っているからなぁ……!」

 

 突如出てくる超耐性持ちに対応出来ないケースも多々ある訳だ。

 モンスター効果以外となると、手札に回答無し。EXデッキに回答無し――リンク2《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》がいればまるっと解決出来たが、入れる枠が無かった事と近い将来確実に禁止(紙では4月制限で禁止行き)になる事が確定しているので入れてない。

 デッキに極僅かながら回答がある程度。それらのカードは基本的にサーチ出来ない汎用札が殆どだ。

 サーチ出来る札であれを除去するには――非常に回りくどいルートをやり遂げる必要がある。1回妨害されただけで達成出来る気がしない。

 『超融合』や『禁じられた一滴』でトップ解決してくれれば話が早いのだが――久しぶりに長いデュエルになりそうだ。

 

『カードを1枚セットしてターンエンド。エンドフェイズ時、『ヌメロン・ダイレクト』の効果で特殊召喚された《No.4 ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》は除外される』

 

 『ヌメロン』

 LP8000

 手札4枚

 EXモンスターゾーン

 《無限起動要塞メガトンゲイル》リンク3/地属性/機械族/攻4000

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚

 フィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札4枚

 EXモンスターゾーン

 《エルシャドール・アプカローネ》星6/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター《シャドール・ファルコン》

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードは……《無限起動要塞メガトンゲイル》を葬れるカードではない。まぁ仕方ない。ゆっくり片付けるとしよう。

 

「《シャドール・ファルコン》を攻撃表示に変更、リバース効果発動、墓地の《シャドール・ヘッジホッグ》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 低打点を棒立ちさせるのはよろしくないが、相手の場に《無限起動要塞メガトンゲイル》が居座っている以上、また『ヌメロン』エクシーズモンスターを再展開される心配は少ない。別の懸念があるにはあるが――。

 

「《エルシャドール・アプカローネ》1体でリンク召喚、召喚条件はリンクモンスター以外のEXモンスターゾーンのモンスター1体。リンク1《グラビティ・コントローラー》」

 

 何はともあれ、《エルシャドール・アプカローネ》を無造作に墓地に送り、その効果を発動させる。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、自分のデッキから魔法カード『影依融合』を手札に加え、手札を1枚捨てる」

 

 他の『シャドール』融合モンスターと違い、『シャドール』ストラクで新規に刷られた《エルシャドール・アプカローネ》の墓地送りされた際の効果は少し違う。

 墓地・デッキから好きな『シャドール』カードを手札に加え、尚且つ手札1枚捨てられるという『シャドール』にとってアドしかない効果。他の『シャドール』融合モンスターの『シャドール』魔法・罠カード回収効果と違って、名称付きターン1指定なのが傷だが。

 

「魔法カード『影依融合』を発動! EXデッキから出た《無限起動要塞メガトンゲイル》がいるのでデッキ融合! デッキの《シャドール・リザード》と地属性《増殖するG》を融合! レベル10《エルシャドール・シェキナーガ》!」

 

 此処で出すのはいつもの《エルシャドール・ネフィリム》ではなく、使われる頻度が低くなった《エルシャドール・シェキナーガ》である。

 

 《エルシャドール・シェキナーガ》

 融合・効果モンスター

 星10/地属性/機械族/攻2600/守3000

 「シャドール」モンスター+地属性モンスター

 このカードは融合召喚でのみEXデッキから特殊召喚できる。

 このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 (1):特殊召喚されたモンスターの効果が発動した時に発動できる。

 その発動を無効にし破壊する。

 その後、手札から「シャドール」カード1枚を墓地へ送る。

 (2):このカードが墓地へ送られた場合、

 自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。

 そのカードを手札に加える。

 

 特殊召喚されたモンスターの効果を無効にして破壊する事が出来るのだが、正直使い辛い。

 『シャドール』のモンスターカードなんて墓地に落としてナンボだから手札に残っているケースが少ないし、展開するなら真っ先に《エルシャドール・ネフィリム》のが優先されるし、相手の効果を無効にしたいなら《エルシャドール・アプカローネ》、蓋をしたいなら《エルシャドール・ミドラーシュ》なので、必然的に使う機会が無いのだ。

 

 ――まぁコイツを入れている理由は唯一つ、地属性だからである。デッキ融合で融合素材は墓地に送ったし、あとはこのカードを再びEXデッキに戻すだけだ。EXデッキに1枚しか入れてないしね!

 

「墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動、デッキから《シャドール・ハウンド》を墓地に送って効果発動、裏側守備表示の《シャドール・ヘッジホッグ》を攻撃表示に変更してリバース効果発動、デッキから永続罠『影依の偽典』を手札に加える」

 

 賢明な読者なら何をしたいか、もうこの時点で察しただろう。すっごい回りくどい事をしているという事も……。

 基本的に1ターンで完結出来ないコンボなんて産業廃棄物も良い処だ。今回のようにデュエルが停滞してないと実現不可能も良い処だ。

 

「バトル、《エルシャドール・シェキナーガ》で《無限起動要塞メガトンゲイル》を攻撃!」

 

 攻撃力2600で攻撃力4000に攻撃、《無限起動要塞メガトンゲイル》の耐性以前の前に、結果は言わずがな。

 

「当然、太刀打ち出来ずに戦闘破壊され、1400ダメージ。だが、墓地に送られた《エルシャドール・シェキナーガ》の効果発動、墓地の速攻魔法『神の写し身との接触』を手札に加えさせて貰う」

 

 以前なら《ハリファイバー》入れていたから、チューナーさえいれば自発的に墓地に送れたんだが。

 今は極限までリンク枠を削っている為、リンク2《水晶機巧-ハリファイバー》リンク3《神聖魔皇后セレーネ》からのリンク4《アクセスコード・トーカー》の殺意漲る黄金ルートは採用していない。

 

「バトルフェイズ終了、メインフェイズ2、カードを2枚セットしてターンエンド」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP6600

 手札4枚

 EXモンスターゾーン

 《グラビティ・コントローラー》リンク1/闇属性/サイキック族/攻1000

 メインモンスターゾーン

 《シャドール・ファルコン》星2/闇属性/魔法使い族/攻 600/守1400

 《シャドール・ヘッジホッグ》星3/闇属性/魔法使い族/攻 800/守 200

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード2枚(速攻魔法『神の写し身との接触』・永続罠『影依の偽典』)

 

 

『私のターン、ドロー。バトルフェイズに移行』

「メインフェイズ1終了前、リバースオープン、速攻魔法『神の写し身との接触』、そしてチェーンして永続罠『影依の偽典』発動!」

 

 まぁ相手からしたら殴るしかないよね! つーか、早っ。もっと悩んで!

 『影依の偽典』は永続罠だが、墓地融合出来るタイミングはメインフェイズのみだ。バトルフェイズでは墓地融合出来ないので、このタイミングで使うしかない。

 

「墓地の《影霊の翼 ウェンディ》と異なる属性《シャドール・リザード》を除外して融合召喚! 二度現れよ、レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 盛大にリソース消費して《エルシャドール・アプカローネ》を融合召喚、今回に限っては特殊召喚成功時の効果は必要無いので――。

 

「――そして、その《エルシャドール・アプカローネ》とフィールドの闇属性《グラビティ・コントローラー》を融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》を守備表示で融合召喚!」

 

 即座に融合素材になって墓地送りして本命効果を起動!

 

「墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果で、自分の墓地の《エルシャドール・シェキナーガ》をEXデッキに戻す」

 

 よし、これでエクシーズモンスター以外の効果が通らない無敵の《無限起動要塞メガトンゲイル》を葬る準備は整った。まぁ次のターン以降なんだけどね!

 

『――バトルフェイズ、《無限起動要塞メガトンゲイル》で《シャドール・ヘッジホッグ》を攻撃』

「《ミドラーシュ》ではなく、そっちという事は――やっぱり『リミッター解除』、握っていたか!」

 

 此処からの唯一の負け筋は速攻魔法『リミッター解除』によって攻撃力2倍、攻撃力8000になって殴り殺される事のみ、だが、甘かったな!

 

「――攻撃宣言時、墓地の『影光の聖選士』の効果発動! このカードと墓地の《シャドール・ビースト》を除外し、自分フィールドの表側表示の《シャドール・ヘッジホッグ》を裏側守備表示にする」

 

 一回目の《エルシャドール・アプカローネ》の墓地効果の時に、密かに墓地に送っておいたのさ! これにより攻撃表示から裏側守備表示になって戦闘ダメージは発生せず、尚且つ――。

 

「《シャドール・ヘッジホッグ》のリバース効果発動、デッキから魔法カード『影依融合』を手札に加える」

 

 戦闘破壊こそされるが、『シャドール』の核たるデッキ融合カードを再び手札にサーチする。

 

『バトルフェイズ終了、メインフェイズ2、《惑星探査車》を通常召喚し、リリース。デッキからフィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』を手札に加え、発動。ターンエンド」

 

 

 『ヌメロン』

 LP8000

 手札4枚

 EXモンスターゾーン

 《無限起動要塞メガトンゲイル》リンク3/地属性/機械族/攻4000

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚

 フィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』

 

 

 効果が無効になった『ヌメロン・ネットワーク』を墓地送りにし、新しく張り替える。だが、最早勝利の方程式は我が手中に収まった!

 

「私のターン、ドロー!」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP6600

 手札5枚(『影依融合』)

 EXモンスターゾーン

 《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800

 メインモンスターゾーン

 《シャドール・ファルコン》星2/闇属性/魔法使い族/攻 600/守1400

 魔法・罠カードゾーン

 永続罠『影依の偽典』

 

 

「魔法カード『影依融合』発動! デッキの《シャドール・ドラゴン》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 此処で決めるとしよう。久しぶりに長いデュエルになったものだ!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・ドラゴン》の効果発動! 《シャドール・ドラゴン》の効果でフィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』を破壊、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《シャドール・リザード》を墓地に送り、《シャドール・リザード》の効果でデッキから通常罠『影光の聖選士』を墓地に送る」

 

 さて、此処で自分の場に《エルシャドール・ミドラーシュ》がいるので、特殊召喚1回を使い切ってしまい、これ以上展開出来ない――なんて初歩的なプレイミスを『シャドール』使いの私が犯すと思ったか! ……いやぁ、何度も自分の《ミドラーシュ》に邪魔された覚えはあるけどね?

 

「墓地の通常罠『影光の聖選士』の効果発動! 自身と墓地の《シャドール・ドラゴン》を除外し、《エルシャドール・ミドラーシュ》を裏側守備表示に変更する!」

 

 いやぁ、痒い処に手が届くとはまさにこの事だ。これで特殊召喚縛りは無くなった!

 

 

「永続罠『影依の偽典』の効果発動、墓地の《シャドール・リザード》と地属性《増殖するG》を除外して融合召喚! レベル10《エルシャドール・シェキナーガ》!」

 

 

 『影依の偽典』の効果で地属性の《エルシャドール・シェキナーガ》を融合召喚する。いやぁ、長かった。めっちゃ経由したもんね。

 

「そして『影依の偽典』の隠されてない隠された効果! 特殊召喚されたモンスターと同じ属性の相手フィールドのモンスターを選んで墓地に送る事が出来る! 《エルシャドール・シェキナーガ》の属性は地属性、よって相手の場の地属性モンスター《無限起動要塞メガトンゲイル》を墓地に送る!」

 

 これで忌々しい超耐性とはおさらばだ! 《無限起動要塞メガトンゲイル》は何の抵抗すら出来ずに墓地送りされる。

 

「レベル8の《エルシャドール・ネフィリム》にレベル2の《シャドール・ファルコン》をチューニング! シンクロ召喚! レベル10《フルール・ド・バロネス》!」

 

 ついでの如く万能無効効果持ちのシンクロモンスター《フルール・ド・バロネス》をシンクロ召喚――やっぱりコイツ、シャドールの新規じゃね? おいおいコナミさん、『シャドール』魔法・罠カードの回収効果、つけ忘れているよ?

 

「《エルシャドール・ネフィリム》の墓地効果で、速攻魔法『神の写し身との接触』を手札に加える」

 

 さて、これでLP8000を吹っ飛ばす打点は揃った。バトルフェイズ――と行きたい処だが、慢心はいけない。まだ相手の場に正体不明の伏せカードが残っているじゃないか。

 今まで発動してないから本当に正体不明だが、念の為に除去っておこう。

 

「《フルール・ド・バロネス》の効果発動、その伏せカードを破壊!」

『破壊された通常罠『やぶ蛇』の効果発動、セットされているこのカードが相手の効果でフィールドから離れた場合に発動出来る。デッキ・EXデッキからモンスター1体を特殊召喚する』

 

 え? なん、え!?

 

「『やぶ蛇』!? 《フルール・ド・バロネス》の効果で無効だ無効!」

 

 うわ、計算狂った!? 此処で1回限りの《フルール・ド・バロネス》の無効効果を使わされるだとォ?!

 ぐっ、だが、無効にしないとどんな制圧モンスターが出されるか、わかったもんじゃない。此処は使わざるを得ない。

 

「……ぐぬぬ、《バロネス》の無効効果は温存しておきたかったが――」

 

 このターンで仕留めきれるか? 相手の手札は4枚。何を握っているのかは今一解らないが――。

 

「……墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、墓地のカード7枚除外して自身を特殊召喚する。裏側守備表示の《エルシャドール・ミドラーシュ》を攻撃表示にしてバトル!」

 

 《エルシャドール・シェキナーガ》は『影依の偽典』のデメリットでダイレクトアタック出来ないが、3000+2200+1850――そして速攻魔法『神の写し身への接触』を握っているので、更に2800打点加わって終わりだァ!

 

『相手モンスターの直接攻撃宣言時にこのカードを手札から捨てて発動出来る――《速攻のかかし》』

「ぐっ、やっぱり握っていたか。攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了される手札誘発……!」

 

 『ヌメロン』デッキにおいて相手ターンにフィールドががら空きになるのは日常茶飯事、その対策の1つや2つぐらい、デッキに投入しているのは当然だ。

 『やぶ蛇』を踏んでしまったが故に仕留めれなんだ……! これはプレイミス? 完全な判断ミス? いや、結果論だ。あれが戦闘反応系の罠である可能性も捨てれなかった……いや、《シェキナーガ》の攻撃で反応してなかったからその可能性は捨てれた? いやいや、あの時は単なる自爆特攻だったから発動しなかっただろう。

 

「いや、落ち着け。相手の『ヌメロン・ネットワーク』は2枚墓地だ。それに相手ターンに割る方法もあるし、大丈夫だろう――」

 

 余命が1ターン伸びただけに過ぎない。だが、いや、理屈抜きで仕留め損なった事実が重くのしかかる。

 現代遊戯王において仕留め損なった相手決闘者が何をしてくるかだって? そんなの、いつの世も決まってるじゃないか……!

 

「カードを1枚伏せてターンエンド……!」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP6600

 手札4枚

 EXモンスターゾーン

 《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800

 メインモンスターゾーン

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 《妖精伝姫-シラユキ》星4/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000

 《エルシャドール・シェキナーガ》星10/地属性/機械族/攻2600/守3000

 魔法・罠カードゾーン

 永続罠『影依の偽典』

  伏せカード1枚(速攻魔法『神の写し身への接触』)

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 

 『ヌメロン』

 LP8000

 手札4枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

『魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動、デッキの上から10枚除外し、2枚ドロー』

 

 ぐぅ、此処で手札増強カードか……必要カードが除外される事を祈るしかない。

 

『魔法カード『ナイト・ショット』を発動。相手フィールドにセットされた魔法・罠カードを破壊する。このカードの発動に対して相手は対象のカードを発動出来ない』

「チェーン不可の魔法除去だとぉ!?」

 

 んな馬鹿な、そんな懐かしいカードで速攻魔法『神の写し身との接触』が!?

 

 

『相手フィールドの《エルシャドール・ミドラーシュ》をリリースし、相手フィールドに《海亀壊獣ガメシエル》を攻撃表示で特殊召喚する』

 

 

 やっぱり握っていた、相手のモンスターを無慈悲にリリースする『壊獣』!

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果で速攻魔法『神の写し身との接触』を手札に加える!」

 

 だが、これのお陰で手札に『シャドール』カードが加わったぞ!

 

『《ファントム・オブ・カオス》を通常召喚』

「え? ファン、ええぇっ!?」

 

 思わず二度見してしまう。それほどまでに懐かしい昔のカードであり――。

 

『《ファントム・オブ・カオス》の効果発動、墓地の《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》を除外し、エンドフェイズまで同名カードとして扱い、同じ攻撃力と効果を得る』

 

 これは、とにかくまずいっ!?  

 

「チェーンして永続罠『影依の偽典』発動! 墓地の――」

『――チェーンしてLP1000払って速攻魔法『コズミック・サイクロン』を発動、永続罠『影依の偽典』を除外する』

 

 同じ闇属性の《エルシャドール・ミドラーシュ》を出して墓地送りにするという咄嗟の思いつきは、着地する事無く阻止される。

 そりゃそうだ、やられると解っているなら的確なタイミングで妨害されるよなぁ!?

 

『自分フィールドの《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》扱いの《ファントム・オブ・カオス》1体でオーバーレイ・ネットワークを再構築、エクシーズ召喚――現れろ、CNo.1。全ての秩序を破壊し、混沌なる闇へ。世界を真なる姿へ導け。《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》』

 

 そして現れるは重ねてエクシーズの1体。その厄介極まる効果は――。

 

『《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》がエクシーズ召喚に成功した場合に発動する。フィールドのモンスターを全て除外する』

 

 これを通して現在のフィールドのモンスターを全除外されたら立て直せない。

 だが、これを止める手段はある。というよりも出来た。《エルシャドール・ミドラーシュ》をリリースした貴様の自業自得でな!

 

「っ、《エルシャドール・シェキナーガ》の効果発動! 特殊召喚されたモンスターの効果を無効にして破壊する! その後、手札からシャドールカード『神の写し身との接触』を墓地に捨てる!」

 

 全体除外効果を止めて勝利を確信する。これで相手は止まった――!

 

 

 ――愚かな。まだ気付いておらぬようだな。自らが更なる絶望の扉を開けた事を。

 

 

『手札から魔法カード『ヌメロン・カオス・リチューアル』を発動。自分フィールドの表側表示の《CNo.1 ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》がモンスター効果で破壊されたターン、自分の墓地のカード及び除外されている自分のカードの中から『ヌメロン・ネットワーク』1枚と『No.』エクシーズモンスター4体を素材にオーバーレイ。エクシーズ召喚。――現れろ、CNo.1000。混沌の憂えは浅ましき人の業。天壌の夢は無窮の幻。虚ろの神よ、闇をもて光に鉄槌を。ランク12《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》』

 

 え? 手札の最後の1枚がそのロマンカードで、あのロマン枠がEXデッキに入っている!?

 

『『ヌメロン・カオス・リチューアル』の効果で特殊召喚された《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》の攻撃力・守備力は――』

「攻撃力10000のランク12エクシーズモンスターだとぉ!?」

 

 

 『ヌメロン』

 LP7000

 手札0枚

 EXモンスターゾーン

 《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》ランク12/光属性/悪魔族/攻10000/守1000 ORU5

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

『――バトル。《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》で攻撃』

 

 ……あ、どのモンスター攻撃されても終わりだわこれ。

 

「ぬわー!?」

 

 ――その日、久々にLPを0にされて敗北したのだった。

 だが、苦々しい敗北感よりも「非常に珍しいええものを見れた……」という奇妙な満足感の方が若干上回ったのだった。

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『ヌメロン』

 1キルすれば『ヌメロン』の勝ち、出来なければ『芝刈り召喚シャドール』の勝ち。
 有利・不利は特になく、一期一会のマスターデュエルでは大体五分じゃないだろうか。
 ただし、変わり種で『閃刀姫』と悪魔合体しているケースもあり、序盤で相手デッキを『閃刀姫』だと誤認して轢き殺されるケースも存在する。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

04vs『エルドリッチ』

 『王宮の勅命』
 永続罠(禁止カード)
 このカードのコントローラーはお互いのスタンバイフェイズ毎に700LPを払う。
 700LP払えない場合このカードを破壊する。
 (1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
 フィールドの全ての魔法カードの効果は無効化される。

 4月制限で、エラッタされて復帰したカードにも関わらず、再び禁止入りするという伝説を作った。
 なお、エラッタ前は、

 『王宮の勅命』
 永続罠(エラッタ前)
 このカードがフィールド上に存在する限り、
 フィールド上の魔法カードの効果を無効にする。
 このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に700ライフポイントを払う。
 または、700ライフポイント払わずにこのカードを破壊する。

 このとち狂った制圧効果を自分の都合の良いタイミングで破壊出来た。
 この頃はエラッタされる前の《処刑人-マキュラ》も現役だったので、手札から『王宮の勅命』で、というSAN値直葬の行為が普通に行われていた。暗黒期かな? 一番最初の暗黒期である。

 ……作者の前作に、これを思う存分使った畜生デュエルがあったりします。宣伝宣伝。

 遊戯王ARC-Ⅴ 混沌統べる覇者 -舞網チャンピオンシップ・バトルロワイヤル編-
 https://syosetu.org/novel/51133/


『――魔法カード『強欲で金満な壺』を発動、自分のEXデッキのカードを6枚ランダムに裏側表示で除外し、2枚ドローする』

 

 ……さて、いきなりデッキが特定出来そうな強欲な壺シリーズを使用された訳だが。

 EXデッキを使わないデッキ特有の、無償2枚ドロー……これをやってくる環境デッキは『真竜』や『エルドリッチ』であろう。

 

『カードを5枚セットしてターンエンド』

 

 ああ、はいはい。100%『エルドリッチ』ですよね!?

 

 ――『エルドリッチ』、それはレベル10のアンデット族モンスター《黄金卿エルドリッチ》を主軸とした現代版罠ビートである。

 

 歴戦の決闘者に一言で説明するなら、クリフォート以上に『スキルドレイン』を上手く使える訳の解らないヤツである。

 

 『エルドリッチ』

 LP8000

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード5枚

 

「私のターン、ドロー」

 

 さて、5枚も伏せられているとなると――ほぼ確実に永続罠『スキルドレイン』と『王宮の勅命』があると考えて良いだろう。

 良く手札事故で魔法一色になる事が多い『芝刈り召喚シャドール』にとって『王宮の勅命』は致命的なカードであるが、あるという前提で動くなら、対処出来ないカードではない!

 

「フィールド魔法『暴走魔法陣』を発動! 効果処理でデッキから《召喚師アレイスター》を――」

『リバースカードオープン、永続罠『王宮の勅命』発動。このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、フィールドの全ての魔法カードの効果は無効化される』

 

 『王宮の勅命』の厄介な処は、相手が魔法カードを使った後に発動して無効化という、最強の後出しじゃんけんが出来る事だ。

 ――しかし、このタイミングこそ唯一、『王宮の勅命』に対する後出しじゃんけんが出来るタイミングである。

 

「チェーンして速攻魔法『神の写し身との接触』発動!」

 

 『シャドール』の融合魔法カードである『影依融合』と『神の写し身との接触』、どっちが強いかという議論がある。

 条件次第でデッキ融合出来る『影依融合』という意見も多いが、速攻魔法である『神の写し身との接触』はあらゆる状況に対応出来る応用力こそ真価であり、使い方一つで化けるカードでもある。

 さて、相手の魔法&罠ゾーンには『スキルドレイン』は――。

 

『チェーンして、LP1000払って永続罠『スキルドレイン』を発動、このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される』

 

 やはりあったか。古から数多の決闘者を泣かせてきた、モンスター効果無効という強大な制圧効果! サーチ出来ない罠だからこそ許された効果である。

 

「手札の《影霊の翼 ウェンディ》と属性の異なる《影依の巫女 エリアル》を融合! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》を融合召喚!」

 

 『スキルドレイン』が無ければ《エルシャドール・アプカローネ》の効果で『王宮の勅命』の効果を無効化にして終わったんだが、まぁ通らんよね。

 

「墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》と《影依の巫女 エリアル》の効果に、特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動!」

 

 間違って相手、《エルシャドール・アプカローネ》をフィールド以外の場所に除去してくれないかな? くれないよねー。

 

「《エルシャドール・アプカローネ》の効果は『スキルドレイン』の効果で無効、《影依の巫女 エリアル》の効果で相手の墓地の『強欲で金満な壺』を除外、《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《影依の巫女 エリアル》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 今回の主役を密かに仕込んでおく事にする。

 

「バトル、《エルシャドール・アプカローネ》でダイレクトアタック」

 

 まぁ決まるとは思えないが、罠カードを使わせて出させておこう。

 

『リバースカードオープン、通常罠『紅き血染めのエルドリクシル』発動。自分のデッキからアンデット族モンスター1体を選んで特殊召喚する――自分フィールドに『エルドリッチ』モンスターが存在しない場合、『エルドリッチ』モンスターしか特殊召喚出来ない』

 

 なんという無意味なデメリット文だ……! というか、『エルドリッチ』にアンデット族モンスターなんて《灰流うらら》以外に1種類しかないだろうに! 

 

 

『デッキからレベル10《黄金卿エルドリッチ》を守備表示で特殊召喚』

 

 

 デッキからいきなり出てくる攻撃力2500守備力2800のレベル10アンデット族モンスターとか、時代を感じるよね。悪い意味で。

 これで伏せカード5枚の内、3枚が明らかになったか。『スキドレ』『勅命』の時点で畜生盤面だけど。

 ……残り2枚は何を伏せられているやら。

 

 ――さて、今、このフィールドは魔法カードの効果が無効化され、モンスター効果も無効化されている。

 

 だが、この効果も完璧な封殺効果ではない。

 融合した時の事を思い出して欲しい。フィールドの《エルシャドール・アプカローネ》の効果は無効化されたが、墓地に送られた2体の『シャドール』モンスターの効果は阻害される事無く発動した。

 

 そう、効果の解決時にフィールドにいなければ良いのだ。これがこの完璧と思われる布陣への打開策、所謂抜け道である。

 

「バトル中断、メインフェイズ2――《エルシャドール・アプカローネ》1体でリンク召喚、召喚条件はリンクモンスター以外のEXモンスターゾーンのモンスター1体。リンク1《グラビティ・コントローラー》!」

 

 フィールドの《グラビティ・コントローラー》の効果は無効化されるが――。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動! デッキから《シャドール・リザード》を手札に加え、1枚手札を捨てる。――そのまま《シャドール・リザード》を墓地に送って効果発動、デッキから《シャドール・ドラゴン》を墓地に送り効果発動! フィールドの『スキルドレイン』を破壊する!」

 

 墓地で悪さをする『シャドール』を制圧するには若干足りないんだよね! まずはモンスター効果を無効化する『スキルドレイン』の方を破壊する。

 

「手札を2枚伏せてターンエンド」

『エンドフェイズ、永続罠『黄金郷のコンキスタドール』を発動、このカードは発動後、通常モンスターとなり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する。――自分フィールドに《黄金卿エルドリッチ》が存在する場合、更にフィールドの表側表示のカード《グラビティ・コントローラー》を破壊する』

 

 ついでの破壊効果は中々厄介だが、破壊出来るのは表側表示のカードだけなので特に問題無い。……いや、融合効果発動時に『影依の偽典』を破壊されたら困るが。それだけは致命傷だが。

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札0枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター(《影依の巫女 エリアル》)

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード2枚

 フィールド魔法『暴走魔法陣』

 

『私のターン、ドロー。スタンバイフェイズ時、『王宮の勅命』の効果でLP700払う』

 

 『エルドリッチ』

 LP6300

 手札2枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《黄金卿エルドリッチ》星10/光属性/アンデット族/攻2500/守2800

 《黄金郷のコンキスタドール》星5/光属性/アンデット族/攻 500/守1800

 魔法・罠カードゾーン

  永続罠『王宮の勅命』

  伏せカード1枚

 

『手札から《黄金卿エルドリッチ》と罠カード1枚を墓地に送り、効果発動、フィールドのカード1枚を墓地に送る』

 

 げっ、手札からの《黄金卿エルドリッチ》、普通に素引きしていたか。対象は……『影光の聖選士』の方か。もう一つの方じゃなくて助かった助かった。

 

「チェーンして通常罠『影光の聖選士』を発動、墓地の《エルシャドール・アプカローネ》を特殊召喚する!」

 

 さぁ『王宮の勅命』の効果も無効化してやるぜー!

 

『チェーンして罠カード『天龍雪獄』発動、相手の《エルシャドール・アプカローネ》を対象に発動出来る。そのモンスターの効果を無効にして自分フィールドに特殊召喚する』

 

 中々厄介や罠を置いていたか。その後に同じ種族を除外する効果もあるが、今はいないので関係無い。

 此方の蘇生対象を失わせる、一石二鳥の妨害、流石だと言いたい処だが、甘いぞ遊戯!

 

「更にチェーンして永続罠『影依の偽典』発動! 自分の墓地の《エルシャドール・アプカローネ》と異なる属性の《影霊の翼 ウェンディ》を除外して融合召喚! 二度現れよ、レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 これで『天龍雪獄』での蘇生対象が先に除外されて空打ちになり――。

 

「《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、『王宮の勅命』の効果を無効にする!」

 

 ホント、コイツの無効化効果(永続)には何度も救われる。これで厄介な制圧効果は全部無効化した! あ・と・は――《エルドリッチ》の居場所は除外ゾーンこそ相応しいと思うんだが? 異論は聞かん。

 

『墓地の《黄金卿エルドリッチ》の効果発動、自分フィールドの罠カード『黄金郷のコンキスタドール』を墓地に送り、このカードを手札に加える。その後、手札からアンデット族モンスター《黄金卿エルドリッチ》を特殊召喚する。その効果で特殊召喚されたモンスターは相手ターン終了時まで攻撃力・守備力が1000アップし、効果では破壊されない』

 

 ちなみにこの効果、スキドレ環境下でも適応される畜生効果である。何で効果が無効化されているのに打点3500になって、尚且つ効果で破壊されない耐性までつくんかね?

 だが、今は関係無い。何気に戦闘破壊耐性のある《エルシャドール・アプカローネ》を守備表示にしているので、相手は何も出来まい! ……ん? あれ、このターン、アンデット族しか特殊召喚出来ない縛りない……?

 

『レベル10の《黄金卿エルドリッチ》2体でエクシーズ召喚、ランク10《No.35 ラベノス・タランチュラ》――続けて重ねてエクシーズ、このカードは自分フィールドのエクシーズ素材を2つ以上持ったランク8~10の闇属性エクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚する事も出来る。ランク11《No.84 ペイン・ゲイナー》』

 

 げっ、この懐かしのルートは……!

 

『このカードは自分フィールドのランク10・11の闇属性エクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚する事が出来る。――ランク12《No.77 ザ・セブン・シンズ》』

 

 最初の『強欲で金満な壺』の効果で除外されてないんかよ! 6枚除外されているというのに!

 

 《No.77 ザ・セブン・シンズ》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク12/闇属性/悪魔族/攻4000/守3000

 レベル12モンスター×2

 このカードは自分フィールドのランク10・11の闇属性Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。

 この方法で特殊召喚したターン、このカードの(1)の効果は発動できない。

 (1):1ターンに1度、このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。

 相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て除外し、

 その後、除外したモンスターの中から1体を選んでこのカードの下に重ねてX素材とする。

 (2):フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊される場合、

代わりにこのカードのX素材を1つ取り除く事ができる。

 

 いや、コイツ自体は今となっては何の問題も無い。戦闘破壊・効果破壊への耐性も『影依の偽典』での墓地送りで一発で葬れるし。

 問題なのは――。

 

『バトル。《No.77 ザ・セブン・シンズ》で裏側守備表示のモンスターを攻撃』

「っ、《影依の巫女 エリアル》のリバース効果発動、除外されている《影霊の翼 ウェンディ》を裏側守備表示で特殊召喚する!」

 

 《影依の巫女 エリアル》が戦闘破壊され、かわりに除外ゾーンから《影霊の翼 ウェンディ》を戻す。

 本来なら除外された《エルシャドール・アプカローネ》を再利用しようと画策していたが、同時に墓地送りされるなら意味無いので見送る。

 

 ――そう、現代遊戯王でエクシーズモンスターが攻撃したという事は総じてアイツになるという事――!

 

 

『メインフェイズ2、《No.77 ザ・セブン・シンズ》1体でエクシーズ召喚。――このカードは、エクシーズモンスターが戦闘を行ったターンに1度、自分フィールドのエクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚出来る。ランク12《天霆號アーゼウス》』

 

 

 出てきたのは現代遊戯王におけるエクシーズモンスターの終点。バトルを経由した時点で、あらゆるエクシーズモンスターがなれる正体不明のロボットだ! 

 原初ではわくわくメルフィーズのお供として突如現れて森ごと焼き払い、最近では寿司職人に転職していたりする!

 ランクアップを重ねてきたので、素材5つの《アーゼウス》だよ。まさか『エルドリッチ』で対峙するとは思わなんだ!

 

 

『《天霆號アーゼウス》の効果発動、エクシーズ素材を2つ取り除き、このカード以外のフィールドのカードを全て墓地に送る』

 

 

 エクシーズモンスターの攻撃が通った時点で、自分以外の全体除去、しかも破壊耐性を貫く墓地送りが来るのである。

 しかもこの効果、相手ターンにも使用出来て、何故かターン1指定すら無いというオーバースペックぷり……! 簡単に出てきて許される効果じゃねぇ!?

 

「墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》と《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動! 《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ファルコン》を裏守備表示で特殊召喚し、《エルシャドール・アプカローネ》の効果でデッキの《シャドール・ビースト》を手札に、そしてそのまま墓地に送り、《シャドール・ビースト》の墓地送り効果で1枚ドロー!」

 

 非常にまずいな、融合召喚を繰り返せる土壌が崩れてしまった。これはトップ解決に期待するしかない。

 それに対して相手は――。

 

『ターンエンド、エンドフェイズ、墓地の『黄金郷のコンキスタドール』『黄金郷のワッケーロ』『紅き血染めのエルドリクシル』の効果発動』

 

 『黄金郷のワッケーロ』? 一体いつの間に――手札から《黄金卿エルドリッチ》の墓地送り効果を使った時のコストか!

 怒涛の墓地の連続チェーン、これが『エルドリッチ』の継戦能力が異常な理由だ。使い切って墓地に送られた魔法・罠カードは――。

 

『墓地の『紅き血染めのエルドリクシル』を除外し、デッキからカウンター罠『永久に輝けし黄金郷』を自分フィールドにセット。『黄金郷のワッケーロ』を除外して罠カード『紅き血染めのエルドリクシル』をセット、『黄金郷のコンキスタドール』を除外して速攻魔法『白き宿命のエルドリクシル』をセット』

 

 『黄金郷』は『エルドリクシル』に、『エルドリクシル』は『黄金郷』に循環していく。

 フィールドでの効果と、墓地除外する効果の何方か、1ターンに1つしか使えない。そういう点は『シャドール』のリバース効果と墓地送り効果みたいに似ている。

 

「――私のターン、ドロー!」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札2枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター(《シャドール・ファルコン》)

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

『スタンバイフェイズ、速攻魔法『白き宿命のエルドリクシル』発動、自分の墓地のアンデット族モンスター《黄金卿エルドリッチ》を守備表示で特殊召喚する』

 

 

 『エルドリッチ』

 LP6300

 手札0枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《天霆號アーゼウス》ランク12/光属性/機械族/攻3000/守3000 ORU3

 《黄金卿エルドリッチ》星10/光属性/アンデット族/攻2500/守2800

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード2枚(『紅き血染めのエルドリクシル』『永久に輝けし黄金郷』)

 

 

 ちっ、カウンター罠『永久に輝けし黄金郷』の為のリリース素材の《黄金卿エルドリッチ》を用意してきたか。

 ――さて、相手の《黄金卿エルドリッチ》の所在は1枚がフィールド、1枚がエクシーズ素材として落とされて墓地に、1枚がデッキに眠っている。

 

 このターンの内に3枚除外するのは無理か。無理して2枚、後続を完全に断つと1枚か。いや、墓地に《黄金卿エルドリッチ》がいるという危険性を犯す方があれか。

 とりあえず、まずはカウンター罠『永久に輝けし黄金郷』を使わせよう。

 

「魔法カード『ハーピィの羽根箒』を発動、相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」

『カウンター罠『永久に輝けし黄金郷』発動。自分フィールドに『エルドリッチ』モンスターが存在し、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、自分フィールドのアンデット族モンスター《黄金卿エルドリッチ》をリリース。その発動を無効にして破壊する』

 

 よし、これで妨害は《アーゼウス》だけだ。そして後攻捲りの為の《アーゼウス》のお陰で此方は動く事が出来る……!

 『シャドール』相手にエクストラから出したモンスターを処理し終えてないのはプレイミスだ! ……ミラーだったらマジでどんな手段を使ってでもエクストラから出した自分モンスターは処理するからなぁ。

 まずは――。

 

「裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》を攻撃表示に変更し、リバース効果発動、墓地の《影依の巫女 エリアル》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 此処でぶっぱしてくれると非常に助かるのだが、手札の最後の1枚が判明してない以上、流石に先走らないか。ならば――。

 

「手札から魔法カード『影依融合』発動! 相手にEXデッキから出したモンスターがいるのでデッキ融合! デッキの《影霊の翼 ウェンディ》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を融合! 現れろレベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 相手は当然動かない。間違ったタイミングで《天霆號アーゼウス》の効果を使ってくれれば嬉しいが、その手のプレイミスは余り望めないな。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動――《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・リザード》を裏側守備表示で特殊召喚、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《シャドール・ヘッジホッグ》を墓地に送り、《シャドール・ヘッジホッグ》の効果で――」

『チェーンして罠カード『紅き血染めのエルドリクシル』発動、更にチェーンして《天霆號アーゼウス》の効果発動、このカードのエクシーズ素材を2つ取り除き、このカード以外のフィールドのカード全てを墓地送りにする』

 

 まぁ此処で使っておかないとレベル8の《エルシャドール・ネフィリム》とレベル2の《シャドール・ファルコン》でシンクロ召喚して《フルール・ド・バロネス》が出てくるからね。

 相手側にとってはベストのタイミングだ――これで動きが止まるとは言ってないがね!

 

 ――まずは《天霆號アーゼウス》の効果で《天霆號アーゼウス》以外のフィールドの全てが墓地送りとなり――。

 

『罠カード『紅き血染めのエルドリクシル』の効果でデッキから3枚目の《黄金卿エルドリッチ》を守備表示で特殊召喚する』

 

 此処はチェーンを間違えると《天霆號アーゼウス》の効果に巻き込まれるので、墓地送りしたい場合以外は必ず先にチェーンしておく必要がある。組んだチェーンは逆次処理だぜ!

 此方の盤面を一掃して安心――とはならない。何故ならばリバース効果を発動してない『シャドール』モンスターの効果とかが残っているからだ。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》と《シャドール・リザード》と《影依の巫女 エリアル》の効果発動! 《影依の巫女 エリアル》の効果で相手の墓地の《黄金卿エルドリッチ》2枚、『紅き血染めのエルドリクシル』を除外。《シャドール・リザード》の効果で2枚目の『影光の聖選士』を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果で永続罠『影依の偽典』を手札に加える」

 

 これで相手の《黄金卿エルドリッチ》はそのフィールドにいる1枚だ……! 虎視眈々とこの機会を狙っていたのだよ。

 墓地から無限に蘇生してくる《黄金卿エルドリッチ》に対して『シャドール』がする事? そんなの3枚とも墓地から除外に決まってるじゃないか!

 3枚の《黄金卿エルドリッチ》を除外された『エルドリッチ』など、ライフ差が幾らあろうがその時点で終わりだ! 更に――。

 

「さっきの《シャドール・ヘッジホッグ》の効果で手札に加えたのは《シャドール・ハウンド》――裏側守備表示でセットし、墓地の罠カード『影光の聖選士』の効果発動、自身と『シャドール』カード1枚、《シャドール・リザード》を除外し、裏側守備表示の《シャドール・ハウンド》を表側守備表示に変更、リバース効果発動、墓地の『シャドール』カード、2枚目の『影光の聖選士』を手札に加える」

 

 さぁ此処からは現代遊戯王に珍しい、地獄のトップ解決合戦だ!

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札0枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《シャドール・ハウンド》星4/闇属性/魔法使い族/攻1600/守 900

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード2枚(『影依の偽典』『影光の聖選士』)

 

 

  ……まぁとは言え、もうデッキに《影依の巫女 エリアル》は無い。デッキに2枚、2枚とも使い切って墓地だ。

 あと1枚デッキにあれば、次のターンに『影依の偽典』で光属性《エルシャドール・ネフィリム》出して光属性の《黄金卿エルドリッチ》を墓地送りにしてそのまま《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《影依の巫女 エリアル》落として除外でゲームエンドだったが、無いものは仕方ない。

 更には『シャドール』融合モンスターの残弾も心許ない。全く刺さらない《エルシャドール・ミドラーシュ》は2枚眠っているが、《エルシャドール・ネフィリム》はあと1枚、《エルシャドール・アプカローネ》は使い切って1枚墓地、1枚除外ゾーンだ。

 『シャドール』カードのリソースが豊富な60枚構成だが、前半の『スキルドレイン』『王宮の勅命』にリソースをかなり使い切ってしまい、一部のカードがデッキに眠ってなかったりする。

 

 ――ようは、残り一回の《エルシャドール・ネフィリム》で《黄金卿エルドリッチ》を墓地送りにし、蘇生される前に除外すれば良いだけの事。

 

『私のターン、ドロー』

 

 

 『エルドリッチ』

 LP6300

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《天霆號アーゼウス》ランク12/光属性/機械族/攻3000/守3000 ORU1

 《黄金卿エルドリッチ》星10/光属性/アンデット族/攻2500/守2800

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

『《天霆號アーゼウス》と《黄金卿エルドリッチ》を攻撃表示に変更――バトルフェイズ』

「メインフェイズ1終了前に永続罠『影依の偽典』の効果発動、墓地の《シャドール・ヘッジホッグ》と闇属性《シャドール・ファルコン》を除外してレベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》を守備表示で融合召喚!」

 

 此処で《エルシャドール・ネフィリム》を出さずに代打《エルシャドール・ミドラーシュ》――さぁて、是非とも戦闘破壊してくれたまえ。してもしなくても此方には大差無いが。

 

『《天霆號アーゼウス》で《シャドール・ハウンド》を攻撃』

「はいはい、戦闘破壊されるよー」

『《黄金卿エルドリッチ》で《エルシャドール・ミドラーシュ》を攻撃』

「戦闘破壊された事で《エルシャドール・ミドラーシュ》の墓地に送られた際の効果発動、墓地から速攻魔法『神の写し身との接触』を手札に加える」

 

 此方の準備は大体整った。あとは相手の引いたカード次第だが――。

 

『メインフェイズ2、墓地の速攻魔法『白き宿命のエルドリクシル』を除外し、デッキから永続罠『黄金郷のコンキスタドール』をセット、カードを1枚セットしてターンエンド』

「エンドフェイズに罠カード『影光の聖選士』の効果発動、墓地の《エルシャドール・ネフィリム》を守備表示で特殊召喚して効果発動! デッキから《シャドール・ファルコン》を墓地に送って更に効果発動、《シャドール・ファルコン》を裏守備表示で特殊召喚する」

 

 《ネフィリム》の墓地送り効果、実は融合召喚時じゃなく特殊召喚時なのよね。

 

「私のターン、ドロー」

『スタンバイフェイズ、永続罠『黄金郷のコンキスタドール』を発動、通常モンスターとして守備表示で特殊召喚し、表側表示の『影依の偽典』を破壊する』

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札2枚(『神の写し身との接触』)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500

  裏側守備表示びカード(《シャドール・ファルコン》)

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

 メインフェイズにしか使えない縛りがあるので、このタイミングで除去されては何も出来ない。……まぁもういらんけど。

 ちなみに『シャドール』側にとっては融合モンスターを出し続けられる限り、破壊されて墓地に送られた『影依の偽典』は何度でも回収出来るので、除外しない限り、あまり意味無いぞ!

 

「裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》を攻撃表示に変更し、リバース効果発動。墓地の《影依の巫女 エリアル》を裏側守備表示で特殊召喚する」

『チェーンして、LP1000払って永続罠『スキルドレイン』を発動、このカードが存在する限りフィールドの表側表示のモンスターの効果は無効化される』

 

 うお、さっき引いたカードは2枚目の『スキルドレイン』か。相手の手、光り輝いているんじゃないかな。もう遅いけど――。

 

「チェーンして墓地の《影光の聖選士》と『シャドール』カードを除外して表側攻撃表示の《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示に変更する――効果解決時には《シャドール・ファルコン》は表側表示ではなく、裏側表示なので蘇生効果は無効化されずに通る」

 

 相手の『スキルドレイン』の制圧効果をすり抜けて、今回のフィニッシャーの《影依の巫女 エリアル》を裏側守備表示で着地させる。

 

「《エルシャドール・ネフィリム》を攻撃表示に変更し、バトル! 《エルシャドール・ネフィリム》で《黄金卿エルドリッチ》を攻撃! 爆殺!」

 

 攻撃力2800で殴りかかり、特殊召喚されたモンスターを破壊する強制効果が発動するが、『スキルドレイン』があるので無効化され、攻撃力2500の《黄金卿エルドリッチ》を普通に殴り殺す。

 これで相手のLPは5000、まぁ特に関係無いけど。

 

「更に速攻魔法『神の写し身との接触』を発動、《影依の巫女 エリアル》と光属性《エルシャドール・ネフィリム》で融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》を融合召喚!」

 

 ひゃはははっ、《エルシャドール・ネフィリム》から《エルシャドール・ネフィリム》を融合召喚した時でしか得られない快感が此処にある!

 普段やったら一発でガス欠になるからやれないけどね! まぁ今回はこれでフィニッシュだ。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果で『影依の偽典』を手札に加えて――《影依の巫女 エリアル》の効果で3枚目の《黄金卿エルドリッチ》を除外する」

 

 お相手は此処でサレンダー、対戦ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『エルドリッチ』

 ほぼ互角であり、どれだけぶっ壊れカードを引けたかの勝負である。
 《エルシャドール・ミドラーシュ》の特殊召喚1回縛りは通用しないが、メインウェポンが一つ使えなくても対処方法は幾らでもある。
 豊富に出てくる手段のある《黄金卿エルドリッチ》を3枚ぐらい除外するなど朝飯前なのである。
 ただし、墓地から蘇生して3500打点になって殴りかかってくる時はネフィリムの特殊召喚絶対殺す効果も耐性で通用しない為、普通に殴り殺される。
 ……『シャドール』側も破壊しない除去、『超融合』や『影依の偽典』での墓地送りなど豊富なので、やっぱり互角であり、最後に物を言うのはプレイング次第、と言った処だろう。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

05vs『幻影騎士団(ファントム・ナイツ)

 本日の最強カード

 《No.86 H-C ロンゴミアント》
 エクシーズ・効果モンスター
 ランク4/闇属性/戦士族/攻1500/守1500
 戦士族レベル4モンスター×2体以上(最大5体まで)
 (1):相手エンドフェイズに発動する。
 このカードのX素材を1つ取り除く。
 (2):このカードのX素材の数によって、このカードは以下の効果を得る。
 ●1つ以上:このカードは戦闘では破壊されない。
 ●2つ以上:このカードの攻撃力・守備力は1500アップする。
 ●3つ以上:このカードは他のカードの効果を受けない。
 ●4つ以上:相手はモンスターを召喚・特殊召喚できない。
 ●5つ以上:1ターンに1度、発動できる。
 相手フィールドのカードを全て破壊する。


 ――『遊戯王』において、大型モンスターとはどういうものか?

 

 

 古参の決闘者は口を揃えてこう答えるであろう。――曰く『出しづらくて弱いモンスター』と。

 

 

 其処は出しづらい代わりに強いモンスターじゃないのかよ、ってツッコみたくなる気持ちは良く解る。良く思うとも。

 だが、環境では出しやすくて強いモンスターが蔓延っている。それはもう開始1ターン目でじゃんじゃん出てきて現在進行系で猛威を振るっている。

 

 ――例えば《召喚獣エリュシオン》。

 『召喚獣』融合モンスターの終着点みたいな扱いなのだが、如何せん融合召喚条件が重い。『召喚獣』+EXデッキから特殊召喚されたモンスターという、2回以上融合する必要がある時点で重すぎる。

 効果は神以外の全属性持ちで、除外した召喚獣モンスターと同じ属性をフィールドから全除外という豪快な即時誘発効果だが、前段階の『召喚獣』融合モンスターを使い分けている方が、むしろ横に並べた方が強いという本末転倒な事態になっている。ロマンなんだけどね。

 

 ――例えば《覇王龍ズァーク》。

 四天の竜を統べる頂点、その耐性も効果も強い事は強いのだが、ぶっちゃけ前段階の四天の竜並べているだけでデュエル終わるので、結局出番が無いというか、出せる状況下は出すまでもなく勝てる状況という非常に残念な事実が……。

 

 真の意味でのロマンカード――出しづらい代わりに強いモンスターなんて、素人の幻想に過ぎない。

 そういう事を認めて、決闘者達はまた一歩、大人になっていくのだ。より出しやすく、より強いモンスターへと、心の中の邪悪さをより澱ませて。

 

 

 ――さて、今回対峙する事になるその『カード』は、確かに昔は『出しづらくて弱いモンスター』だった。

 

 

 出した処で、その効果を十全に発揮出来なかった。その秘めたる超性能を引き出せなかった。環境が全く追い付いておらず、これを『完全体』で出せる状況なんて幾らでも勝てる状況下であるという、そんなロマンも陳腐に堕ちる感じだった。

 ……時代が進み、全く違うアプローチからこの『カード』の超性能を引き出せるコンボルートが開発されるも、そのロマンに辿り着くまでの道筋は尋常なものではなかった。まぁこの段階なら『出しづらいけど強いモンスター』認定には出来た。抜け道もあったので対処方法も存在していた。

 

 ――そして現代遊戯王『マスターデュエル』の環境下。デュエルは進化した。『リンクショック』を乗り越えて進化し続けてしまった。

 この『カード』にはもうロマンなど存在しない。入り込む余地すら存在しない。

 特定のデッキで『1ターンで出せる上に、この1枚で完全に詰む、回答が極限まで少ない害悪極まるモンスター』として周知される事となる――。

 

『《幻影騎士団ダスティローブ》を通常召喚』

「チェーンして《増殖するG》で」

 

 環境上位に君臨する『幻影騎士団』、このテーマがしてくる事は今や1つしかない。

 もうコイツ等はレジスタンスではなく、体制側の圧制者なのだ。『ドライトロン宣告者』と同レベルの忌々しさを感じる。

 

『更にチェーンして《灰流うらら》、《増殖するG》の効果を無効にする』

 

 ……さて、もうこの時点で即サレンダー案件なんだが、幸いな事にもう1枚『手札誘発』を握っている。致命的なタイミングで使えば最終盤面まで辿り着かないだろう。

 そもそも相手が事故っている可能性もまだある――。

 

『――自分フィールドに『幻影騎士団』モンスターが存在する場合、《幻影騎士団サイレントブーツ》は手札から特殊召喚出来る』

 

 無かったわ。適切なタイミングでこの『手札誘発』を使わなければ完全に詰む。『あれ』が5素材以上で出された場合の回答は、私のデッキには存在しない。むしろ回答のあるデッキなど、今の環境には存在しないだろう。

 さて、レベル3のモンスターが2体揃った。来るぞ遊馬! いや、エクシーズの方じゃなく、リンクの方だけど。まぁコイツさえ処理すれば――。

 

『――カードを1枚セット』

「――え?」

 

 目を見開いて引き攣る。コイツ、こっちの『手札誘発』がある前提で展開しているのか!? 環境ではほぼほぼ入ってない絶滅危惧種なのに! それともこっちの手札見えるチートでも使ってるのか……!?

 

『《幻影騎士団ダスティローブ》《幻影騎士団サイレントブーツ》の2体でリンク召喚。召喚条件はレベル3のモンスター2体。リンク2《彼岸の黒天使 ケルビーニ》』

 

 ……本来なら、コイツの除去に今握っている『手札誘発』を使いたかった。使いたかったが、あの伏せカードのせいで無意味となる。となると、次に使える機会は――。

 

『《彼岸の黒天使 ケルビーニ》の効果発動、デッキからレベル3のモンスター《彼岸の悪鬼 グラバースニッチ》を墓地に送って発動、《彼岸の黒天使 ケルビーニ》の攻撃力・守備力をターン終了時まで墓地に送ったモンスターの数値分アップする』

 

 この攻撃力上昇効果はどうでも良い。問題なのはデッキから好きなレベル3モンスターを墓地に送れる事と、この墓地送り効果は効果じゃなくコスト、なので《彼岸の黒天使 ケルビーニ》の効果を無効にしても本命の墓地送りは実行されるというぶっ壊れ効果である。

 デッキからの墓地送りがコストなので当然《灰流うらら》で止めれず、《エフェクト・ヴェーラー》や『無限泡影』で効果を無効化してもコストは払えるので無意味。ついでの『フィールドのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊される場合、代わりに自分フィールドのカード1枚を墓地へ送る事ができる』効果に殺されそうになっているのが今の自分である。

 

『墓地に送られた《彼岸の悪鬼 グラバースニッチ》の効果発動、デッキから《彼岸の悪鬼 グラバースニッチ》以外の『彼岸』モンスター《彼岸の悪鬼 ガトルホッグ》を特殊召喚する』

 

 ……昔はコイツ使って《ダンディライオン》(禁止カード)落として植物族トークン2体産ませてリンク2《アロマセラフィ-ジャスミン》出して悪さしていたのは秘密だよ?

 

『リンク2《彼岸の黒天使 ケルビーニ》と《彼岸の悪鬼 ガトルホッグ》でリンク召喚、召喚条件は闇属性モンスター2体以上。リンク3《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》』

 

 出てきたのは『幻影騎士団』のリンクモンスター。その効果は……。

 

 

 《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》

 リンク・効果モンスター

 リンク3/闇属性/戦士族/攻2100

 【リンクマーカー:右/左下/右下】

 闇属性モンスター2体以上

 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

 このカードはリンク素材にできない。

 (1):自分メインフェイズに発動できる。

 デッキから「幻影騎士団」モンスター1体を墓地へ送る。

 その後、デッキから「ファントム」魔法・罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットする。

 (2):このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、

 このカードのリンク先に闇属性Xモンスターが特殊召喚された場合、

 フィールドのカード1枚を対象として発動できる。

 そのカードを破壊する。

 

 

 なんでアドしかない効果なんですか? デッキから『幻影騎士団』限定の『おろかな埋葬』効果しながら、更にデッキから『ファントム』魔法・罠カードをセット? これ1枚で何アド稼いでるの?

 ――本来ならば、このカードが最大の止め処だ。この(1)の効果に《灰流うらら》、《エフェクト・ヴェーラー》、『無限泡影』、《PSYフレームギア・γ》、お好きな手札誘発で妨害すれば最終盤面に『アイツ』が出てくる事はないぞ。

 ……今回、私が握っている『手札誘発』は、コイツに打っても無駄になる類のものだ。

 

『墓地に送られた《彼岸の悪鬼 ガトルホッグ》の効果発動、このカード以外の自分の墓地の『彼岸』モンスター《彼岸の黒天使 ケルビーニ》を特殊召喚する』

 

 まぁこれはどうでも良い。次のターンに効果を使われる前に処理出来れば何も問題無い。出来なかったら『幻影騎士団』モンスターがゴキブリの如く湧いてくるけど。

 

『《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》の効果発動、デッキから『幻影騎士団』モンスター、《幻影騎士団ティアースケイル》を墓地に送る。その後、デッキから『ファントム』罠カード『幻影騎士団シェード・ブリガンダイン』をセットする』

 

 《幻影騎士団ティアースケイル》……紙の方では制限カード、『マスターデュエル』では無制限の野放し状態――脱獄囚が多すぎるぞ!? ちゃんと規制するかデュエルで拘束しろ!

 

『墓地の《幻影騎士団ダスティローブ》を除外して効果発動、デッキから《幻影騎士団ステンドグリーブ》を手札に加える。――『幻影騎士団』モンスターが除外された事で墓地の《幻影騎士団ティアースケイル》の効果発動、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚された《幻影騎士団ティアースケイル》はフィールドから離れた場合、除外される』

 

 『幻影騎士団』のモンスターは全部同じに見えて覚えきれないが、ちー知ってるよ。このフィールドから離れた場合に除外されるデメリット、エクシーズ召喚すると回避出来るって。

 何せエクシーズ素材となったモンスターの居場所はフィールドではないという謎裁定があり、フィールドから離れた扱いにならないのだ。決闘者必修科目の『KONMAI語』は未だに理解に苦しむ。

 

『墓地の《幻影騎士団サイレントブーツ》を除外して発動、デッキから『ファントム』罠カード『幻影翼』を手札に加える』

 

 ――『幻影騎士団』は倒れないとは、何処の言葉だったか。多分、アニメでの使い手であるユートのセリフだったか?

 確かに倒れても倒れても後続を呼び続けて戦い続ける亡霊達のモンスターは、劣勢を強いられるレジスタンスに相応しいテーマだったが、今の『幻影騎士団』は果たしてそうだろうか?

 

『手札を1枚捨ててフィールドの《幻影騎士団ティアースケイル》の効果発動、デッキから《幻影騎士団ラギッドグローブ》を墓地に送る』

 

 サーチしたばかりの『幻影翼』をコストに墓地に送り込む。確か『ファントム』魔法・罠カードは墓地で悪さする効果が大体ついていたような――。

 

『そして今墓地に送られた通常罠『幻影翼』を除外して効果発動、墓地の《幻影騎士団ラギッドグローブ》を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはフィールドから離れた場合、除外される』

 

 

 『幻影騎士団』

 LP8000

 手札2枚(《幻影騎士団ステンドグリーブ》)

 EXモンスターゾーン

 《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》リンク3/闇属性/戦士族/攻2100

 メインモンスターゾーン

 《彼岸の黒天使 ケルビーニ》リンク2/闇属性/天使族/攻 500

 《幻影騎士団ティアースケイル》星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1600

 《幻影騎士団ラギッドグローブ》星3/闇属性/戦士族/攻1000/守 500

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚

 

 

 ――ふむ、素材5個か。余裕余裕。レベル3のモンスターが2体、来るぞ遊馬!

 

 

『速攻魔法『緊急テレポート』を発動、デッキからレベル3以下のサイキック族モンスター《電脳堺姫-娘々》を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターンのエンドフェイズに除外される』

 

 ――は? ……嘘ぉ? 素材6個やん!? そいつはちょっと想定外だぞ。非常にまずい……!

 

 

『レベル3の《幻影騎士団ティアースケイル》《幻影騎士団ラギッドグローブ》《電脳堺姫-娘々》』の3体でエクシーズ召喚。ランク3《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》』

 

 

 そして『件』のカードがぶっ壊れた直接の原因が出される。コイツさえいなければ『アレ』も単なるロマンカードだったのに。

 

『自分の墓地に罠カードが存在しない場合、通常罠『幻影騎士団シェード・ブリガンダイン』はセットしたターンでも発動出来る。――発動後、通常モンスターとなり、モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する。更に、自分フィールドに『幻影騎士団』モンスターが特殊召喚された場合、手札の《幻影騎士団ステンドグリーブ》を特殊召喚する。その後、このカードのレベルを1つ上げる事が出来る』

 

 これでレベル4の戦士族モンスターが2体、場に揃ってしまった。――マジで来るぞ遊馬っ! 正真正銘最強の『No.』が!

 

 

『レベル4の戦士族モンスター『幻影騎士団シェード・ブリガンダイン』と《幻影騎士団ステンドグリーブ》でエクシーズ召喚、ランク4《No.86 H-C ロンゴミアント》』

 

 

 遊戯王史上、最強最悪の制圧モンスター。時代が追い付いてしまった怪物。これ1枚で9割9分のデッキが完全に詰む悪夢の化身。

 

 

 《No.86 H-C ロンゴミアント》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク4/闇属性/戦士族/攻1500/守1500

 戦士族レベル4モンスター×2体以上(最大5体まで)

 (1):相手エンドフェイズに発動する。

 このカードのX素材を1つ取り除く。

 (2):このカードのX素材の数によって、このカードは以下の効果を得る。

 ●1つ以上:このカードは戦闘では破壊されない。

 ●2つ以上:このカードの攻撃力・守備力は1500アップする。

 ●3つ以上:このカードは他のカードの効果を受けない。

 ●4つ以上:相手はモンスターを召喚・特殊召喚できない。

 ●5つ以上:1ターンに1度、発動できる。

 相手フィールドのカードを全て破壊する。

 

 

 エクシーズ素材があればあるほど本領を発揮するエクシーズモンスター。

 現在の素材は2つなので、戦闘では破壊されず、攻撃力・守備力が1500アップしているだけの3000打点の脳筋エクシーズモンスター。

 だが、ランク3《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》の登場で、事情が一変する。

 

『《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》の効果発動、このカード以外の自分フィールドの『No.』モンスター《No.86 H-C ロンゴミアント》の下に重ねてエクシーズ素材とする。――《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》がエクシーズ素材を持っている場合、それらも全て重ねてエクシーズ素材とする』

 

 そう、外部からエクシーズ素材を直接増やせる《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》のせいで、《No.86 H-C ロンゴミアント》のエクシーズ素材を簡単に5個以上に出来るのだ……!

 

 ――今回の《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》のエクシーズ素材は3つ、つまり4つ分のエクシーズ素材となり、《No.86 H-C ロンゴミアント》のエクシーズ素材が6つになってしまう。

 

 《No.86 H-C ロンゴミアント》には相手エンドフェイズにエクシーズ素材が1つ無くなるというデメリットを持っている。

 だが、3つ以上の時点で戦闘では破壊されず、他のカードの効果を受けない完全耐性。4つ以上で相手はモンスターを召喚・特殊召喚出来ないという最大級の制圧効果。召喚も特殊召喚も出来なければ『壊獣』でリリースして特殊召喚出来ないし、《ラーの翼神竜-球体形》でのリリースして通常召喚すら出来ない。5つ以上なら相手フィールドのカードを全て破壊する無慈悲な全体除去すら持ち合わせている。

 

 このまま通せば数えて6ターン、モンスターの召喚・特殊召喚が出来ない訳だ。まぁ其処まで耐えられる訳が無いので無意味な仮定だ。

 通したら文字通り完全に詰む。それが素材5個以上の《No.86 H-C ロンゴミアント》なのである。

 ――故に、私は最初から握っていた『最後の希望』を全力で叩きつける……!

 

 

「――フィールドのモンスターの効果が発動した時、手札の《幽鬼うさぎ》を墓地に送って効果発動、フィールドのそのカードを破壊する!」

 

 

 ――本当に、これだから《幽鬼うさぎ》はデッキから抜けないんだよなぁ。

 効果を無効に出来ずに通してしまうから弱いと嘲笑う者もいる。まぁその通りなんだが、こういう刺さる特定状況が好きでたまらないんだよね。

 

 今、モンスター効果を発動したのは《No.86 H-C ロンゴミアント》、ではなく、《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》! 正直どう処理されるのかは解らないが、このまま何もしなければ《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》は破壊されて墓地に行き、エクシーズ素材も全部墓地に落ちるので、エクシーズ素材として重なったとしても1つ。ただし、ヤツには隠された効果が――。

 

『――1ターンに1度、相手がモンスターの効果を発動した時、《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》のエクシーズ素材を2つ取り除いて発動、その効果を『お互いのプレイヤーはそれぞれデッキから1枚ドローする』に変更する』

 

 この効果により、《幽鬼うさぎ》では破壊されず、互いがドローする効果に変わる。非常に忌々しい。忌々しいが、これで――。

 

 

 『幻影騎士団』

 LP8000

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

 《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》リンク3/闇属性/戦士族/攻2100

 メインモンスターゾーン

 《彼岸の黒天使 ケルビーニ》リンク2/闇属性/天使族/攻 500

 《No.86 H-C ロンゴミアント》ランク4/闇属性/戦士族/攻3000/守3000 ORU4

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚

 

 

 エクシーズ素材を2個消費し、《No.86 H-C ロンゴミアント》の素材は4つとなる。……本来の予定では3つだったんだがなぁ。 

 

『私はこれでターンエンド』

 

 それでも戦闘では破壊されず、他のカードの効果を受けず、モンスターの召喚・特殊召喚が出来ない。完全耐性の制圧モンスター。だが、その肝心の制圧効果もこの1ターンのみだ……!

 

「私のターン、ドロー!」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札5枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠ゾーン

  無し

 

 

 さて、まずは《灰流うらら》チェックだ。相手のデッキ枚数は26枚だしねぇ?

 

「フィールド魔法『暴走魔法陣』発動、効果処理としてデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加える」

 

 ……特に反応無く《召喚師アレイスター》を確保する。召喚・特殊召喚出来ないから無視したのだろうか?

 

「魔法カード『強欲で貪欲な壺』発動! デッキから10枚裏側表示で除外し、2枚ドロー!」

 

 ……特に反応無く、2枚ドロー出来てしまう。どうやらあの1枚は《灰流うらら》では無いようだ。伏せカードもカウンター罠系じゃない?

 囮でデッキ10枚除外は少々重いが、この大本命を確実に通す為のコストと割り切ろう。――まだ此方のデッキは40枚あるしねぇ?

 さて、本命を叩きつけてやろう。最初から握っていた此方のエンドカードを――。

 

 

「――魔法カード『隣の芝刈り』発動、相手との差分、デッキから14枚墓地に送る!」

 

 

 相手視点で通ってはいけないカードが通り、デッキから14枚墓地に送られる。召喚・特殊召喚こそ封じられているが、その他の効果は阻害されてないしねぇ!

 

「墓地に送られた《シャドール・ビースト》、《シャドール・ヘッジホッグ》、《影依の巫女 エリアル》、《シャドール・ドラゴン》の効果発動!」

 

 不発に終わった《影霊の翼 ウェンディ》があったが、他の4効果は普通に通るぜ……!

 

「《シャドール・ドラゴン》の効果で相手の魔法&罠ゾーンの伏せカードを破壊。《影依の巫女 エリアル》の効果で相手の墓地の《幻影騎士団ティアースケイル》《幻影騎士団ラギッドグローブ》と自分の墓地の《召喚師アレイスター》を除外。――《シャドール・ヘッジホッグ》の効果でデッキから2枚目の《影依の巫女 エリアル》を手札に。《シャドール・ビースト》の効果で1枚ドロー」

 

 あの正体不明の伏せカードはっと……速攻魔法『RUM-幻影騎士団ラウンチ』? やっぱり《幽鬼うさぎ》ケアで伏せただけなのか? の割には本命の《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》に撃たれて無警戒だったが……?

 

「墓地の魔法カード『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に戻し、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 さて、このターンに出来る事はこれぐらいだろう。

 

「モンスターを裏側守備表示でセット、カードを2枚セット――ターンエンド」

『《No.86 H-C ロンゴミアント》の効果発動、相手エンドフェイズにこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除く』

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札5枚(《召喚師アレイスター》2枚)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター《影依の巫女 エリアル》

 魔法・罠ゾーン

  伏せカード2枚

 フィールド魔法『暴走魔法陣』

 

 

 『幻影騎士団』

 LP8000

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

 《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》リンク3/闇属性/戦士族/攻2100

 メインモンスターゾーン

 《彼岸の黒天使 ケルビーニ》リンク2/闇属性/天使族/攻 500

 《No.86 H-C ロンゴミアント》ランク4/闇属性/戦士族/攻3000/守3000 ORU3

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 これで《No.86 H-C ロンゴミアント》のエクシーズ素材の数が3となり、モンスターを召喚・特殊召喚出来ない制圧効果が無くなった……!

 

『私のターン、ドロー』

「――スタンバイフェイズ」

 

 今まで好き勝手に制圧してたんだ、何もせずにメインフェイズ1に入らす訳無いじゃないかー!

 

「この瞬間、手札を1枚捨てて速攻魔法『超融合』発動! 裏側守備表示の《影依の巫女 エリアル》と相手フィールドの闇属性モンスター《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》を融合! 現れよレベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 まだ《No.86 H-C ロンゴミアント》には他のカードの効果を受けない完全耐性があるので、如何に無敵の『超融合』と言えどもヤツを除去する事はまだ出来ない。代わりに厄介な『幻影騎士団』リンクを墓地からも除外するとしよう。

 

「《影依の巫女 エリアル》の墓地効果で《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》と《No.86 H-C ロンゴミアント》のエクシーズ素材として墓地に送られた《幻影騎士団ステンドグリーブ》、ついでに《シャドール・ドラゴン》の効果で破壊した『RUM-幻影騎士団ラウンチ』の3枚を除外!」

 

 逆転の目など一つ足りても残さない。これで現時点でヤツの墓地に『幻影騎士団』モンスターはいない。死人に口ありで有名な遊戯王であるが、墓地にすらいないなら何も出来まい!

 あと問題があるとすれば《彼岸の黒天使 ケルビーニ》の効果で何を落とされるかだが――。

 

『手札から速攻魔法『禁じられた一滴』を発動、手札を1枚捨てて《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃力を半分に、効果を無効化する』

 

 手札から捨てたのは速攻魔法『抹殺の指名者』――この『禁じられた一滴』にチェーン出来ないのは魔法カードと。

 おやおやおや、これは致命的なプレイングミスじゃないかな? 少なくとも先に《彼岸の黒天使 ケルビーニ》の効果使っていれば墓地に『幻影騎士団』モンスター送れたのに。

 効果処理され、フィールドの《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃力が2200から1100になり、効果が無効化され――。

 

「――速攻魔法『禁じられた一滴』の効果解決後にチェーンして罠カードオープン、永続罠『影依の偽典』発動! フィールドの《エルシャドール・ミドラーシュ》と墓地の闇属性《シャドール・ドラゴン》を除外し、融合召喚! 二度現れよレベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》! そして『影依の偽典』のオマケ効果で闇属性の《彼岸の黒天使 ケルビーニ》を墓地送りにする!」

 

 これは破壊じゃなく墓地送りだから《彼岸の黒天使 ケルビーニ》の身代わり効果も意味をなさない。

 これで相手の手札は0枚、フィールドには完全耐性(笑)の《No.86 H-C ロンゴミアント》が棒立ちしているのみ。確かに場に1体のみの《No.86 H-C ロンゴミアント》に対する回答は私のデッキには無いが――『壊獣』モンスター0枚だし。

 

『バトルフェイズ、《No.86 H-C ロンゴミアント》で《エルシャドール・ミドラーシュ》に攻撃』

「ダメージステップ開始時、手札から《召喚師アレイスター》を捨てて効果発動、フィールドの融合モンスター《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃力・守備力をターン終了時まで1000アップする。この効果は相手ターンでも発動出来る」

 

 《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃力が2200から3200になって返り討ちにするが、まだ戦闘破壊耐性があるので破壊されずに200ダメージに終わる。

 手札に《召喚師アレイスター》があるのに関わらず攻撃してくるという事は、素材4つ持ちのランク12《天霆號アーゼウス》になる気か……! 盤面を2回ふっ飛ばされるが、まぁ《No.86 H-C ロンゴミアント》と違って簡単に除去出来るから次のターンでワンキル出来るね!

 

『……ターンエンド』

 

 え? エクシーズモンスターで攻撃したのに《天霆號アーゼウス》にならないのか。余命1ターン伸びたが、停滞は死と変わらんよ?

 

「エンドフェイズ、墓地の罠カード『影光の聖選士』の効果発動、このカードと墓地の《シャドール・ヘッジホッグ》を除外し、フィールドの《エルシャドール・ミドラーシュ》を裏側守備表示に変更する」

 

 1ターンに特殊召喚1回縛りは展開するのに邪魔だからね、自分のターンには裏側守備表示にさせて貰うよ! 昔、こんな風に坊主めくりしてたデッキあったよね、神判デッキとかいう征竜魔導の片割れ。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 まぁ同情はしないよ、先に制圧したのはそっちだ。その後に捲られて制圧されても文句言うまい?

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札4枚(《召喚師アレイスター》)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター(《エルシャドール・ミドラーシュ》)

 魔法・罠ゾーン

  永続罠『影依の儀典』

 フィールド魔法『暴走魔法陣』

 

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に。そして《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使いモンスター1体。リンク1《聖魔の乙女アルテミス》!」

 

 さぁさぁ、最大展開出来るぞー。相手の妨害無いからやりたい放題だー!

 

「手札から魔法カード『ルドラの魔導書』発動、フィールドの魔法使い族モンスター《聖魔の乙女アルテミス》をリリースし、2枚ドロー」

 

 こういうムーブが強いから事故要因でも『ルドラの魔導書』を愛用してるんだよね。たまに《灰流うらら》チェックに使えるし。

 

「とっておきのダメ押しってヤツだ――魔法カード『影依融合』発動! デッキから《シャドール・ファルコン》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 まだEXデッキから特殊召喚された《No.86 H-C ロンゴミアント》がいるからね。『シャドール』を相手にEXデッキから出したモンスターを棒立ちは敗因に直結するぐらいNGよ。

 

「《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《シャドール・ハウンド》を墓地に送り、《シャドール・ファルコン》の効果で自身を裏側守備表示で特殊召喚、そして《シャドール・ハウンド》の効果で攻撃表示に変更――レベル8の《エルシャドール・ネフィリム》にレベル2の《シャドール・ファルコン》をチューニング! レベル10《フルール・ド・バロネス》!」

 

 既に『影依の儀典』があるので、遠慮無く《フルール・ド・バロネス》直結ルートを使う事が出来る。

 まずは万能無効効果、1妨害っと。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地の2枚目の『影光の聖選士』を手札に加える」

 

 ついでに拾っておけるものは拾っておこう。

 

「魔法カード『召喚魔術』を発動! 墓地の《召喚師アレイスター》と墓地の融合モンスター《エルシャドール・ネフィリム》を除外し、融合召喚! レベル8《召喚獣アウゴエイデス》!」

 

 次は特殊召喚に反応してモンスター破壊っと。《エルシャドール・ミドラーシュ》いるから1回しか出来ないけど。2妨害。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果で除外された《召喚師アレイスター》を手札に、『召喚魔術』をデッキに」

 

 忘れずに《召喚師アレイスター》を手札に戻しておく。これを忘れると『召喚獣』ギミックの循環が途切れるからね! これで融合モンスターの打点1000アップ。攻撃力2200と低い《エルシャドール・ミドラーシュ》も打点3200に!

 

「『ルドラの魔導書』で引いた2枚目の『召喚魔術』発動! 墓地の《召喚師アレイスター》と光属性《幽鬼うさぎ》を除外して融合召喚! レベル9《召喚獣メルカバー》!」

 

 擬似的な万能無効除外効果、3妨害っと。あと《妖精伝姫-シラユキ》いるから通常召喚された厄介な効果持ちモンスターを、効果を使われる前に裏側守備表示に出来るよ、4妨害っと。

 

「カードを1枚セット、裏側守備表示の《エルシャドール・ミドラーシュ》を攻撃表示に変更してターンエンド」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札3枚(《召喚師アレイスター》)

 EXモンスターゾーン

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 メインモンスターゾーン

 《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 《召喚獣アウゴエイデス》星8/光属性/天使族/攻2000/守2800

 魔法・罠ゾーン

  永続罠『影依の儀典』

  伏せカード1枚(『影光の聖選士』)

 フィールド魔法『暴走魔法陣』

 

 

『……エンドフェイズ、《No.86 H-C ロンゴミアント》の効果発動、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く』

 

 さ・て・と。これで他のカードの効果を受けない完全耐性が無くなった。もうただの攻撃力3000の戦闘耐性持っているだけのカカシだね!

 メインフェイズ1、何も出来ずにバトルフェイズに移行? ははは、完全耐性の無くなった闇属性モンスターが、バトルできるとでも?

 

「――『影依の偽典』発動! 墓地の《影依の巫女 エリアル》と異なる属性の《シャドール・ファルコン》を除外して融合召喚! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》! 更に同じ属性の――完全耐性が無くなった闇属性モンスター《No.86 H-C ロンゴミアント》を墓地送りにする!」

 

 無慈悲に墓地送りにし、相手のフィールドを一掃する。これであの1枚で『拮抗勝負』握っていたら格好良いなぁ、《フルール・ド・バロネス》と《召喚獣メルカバー》で無効に出来るけど。

 

『……ターンエンド』

 

 相手は何もせずにターンを回してくる。

 

「私のターン、ドロー。バトルフェイズ、《フルール・ド・バロネス》《エルシャドール・ミドラーシュ》《召喚獣メルカバー》《召喚獣アウゴエイデス》でダイレクトアタック!」

 

 3000+2200+2500+2000=9700で相手のライフを削り切ってデュエル終了。

 結果的に完全勝利だが、《幽鬼うさぎ》を引いてなければ完全制圧されて終わっていたデュエルだった、――さんきゅー《幽鬼うさぎ》。

 

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『幻影騎士団』

 先攻取って封殺した側が勝利。以上。
 『幻影騎士団』側の展開は手札誘発1回で致命傷を負うケースが多いので、そんなにはロンゴミを立てれない。……手札誘発を握ってない? 完全に詰みで即サレンダー案件。

 ロンゴミ以外の『幻影騎士団』エクシーズやダークリベリオン系列?
 滅多に使われた事がないので記憶に残ってない上に、出てきても処理に困った記憶が無いのd


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

06vs『閃刀姫』

 本日の最強カード

 『閃刀起動-エンゲージ』
 (1):自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動できる。
 デッキから「閃刀起動-エンゲージ」以外の「閃刀」カード1枚を手札に加える。
 その後、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、
自分はデッキから1枚ドローできる。



『魔法カード『トゥーンのもくじ』を発動、デッキから『トゥーンのもくじ』を手札に加える。更に2枚目の『トゥーンのもくじ』発動、3枚目の『トゥーンのもくじ』を手札に加えて発動、デッキから《トゥーン・サイバー・ドラゴン》を手札に加える』

 

 相変わらず先攻取れずに不貞腐れていると、奇妙な動きに遭遇する。

 さて、この手の事を最初に行ってくるデッキは大抵ろくなデッキじゃない。ほぼ100%『トゥーン』デッキじゃなく、デッキ圧縮が目的の1キルデッキか、はたまた違う目的の――。

 

『魔法カード『成金ゴブリン』発動、デッキから1枚ドローする。その後、相手は1000LP回復する』

 

 うーん、今流行りの『D.D.ダイナマイト』による爆殺デッキか? あのbotは勝っても負けても鬱陶しい事この上無い上に虚無なんだが? 手札的に阻止出来るので問題無いが。

 

『魔法カード『強欲で貪欲な壺』発動、自分のデッキの上のカード10枚を裏側表示で除外、デッキから2枚ドローする』

 

 ん? 此処でそれ? なら違うデッキか。

 しかし、良く40枚デッキでそれ使えるなぁ。デッキの重要パーツが裏側除外されるかもしれないし、何よりもデッキ枚数が極端に減ってしまうから『芝刈り』型の60枚デッキでしか使えないぞ、私的には。

 

『魔法カード『テラ・フォーミング』発動、デッキからフィールド魔法『閃刀空域-エリアゼロ』を手札に加える』

 

 と、此処で相手のデッキが判明。『閃刀姫』かぁ。

 なんか魔法カードで色々やってくる孤軍奮闘のデッキ。『シャドール』的には煮るなり焼くなり好きに出来る相手だ。何してくるんだろうなぁと気軽に構える。

 

『魔法カード『増援』発動、デッキからレベル4以下の戦士族モンスター《閃刀姫-レイ》を手札に加える』

 

 もう魔法カードが墓地に7枚か。随分とぶん回しているなぁ。

 

『魔法カード『閃刀起動-エンゲージ』発動、デッキから『閃刀起動-エンゲージ』以外の『閃刀』カード『閃刀機関-マルチロール』を手札に加える。その後、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、デッキから1枚ドロー出来る』

 

 1枚好きなカードをサーチ出来る『強欲の壺』ってどういう事だってばよ。このカードだけは理不尽過ぎて笑えない。しかもこのカード、名称ターン1縛り無いんだぜ?

 『シャドール』にも名称ターン1縛り無しのデッキから(EXデッキからも)好きな『シャドール』カードを墓地に送って1枚ドロー、みたいな『シャドール』魔法カードがあれば天下取れるんだが――ぶっ壊れすぎてすぐ禁止ですね、はい。

 

『《閃刀姫-レイ》を通常召喚、更に手札から永続魔法『閃刀機関-マルチロール』発動し、フィールド魔法『閃刀空域-エリアゼロ』を発動して《閃刀姫-レイ》を対象に効果発動、チェーンして《閃刀姫-レイ》をリリースして効果発動』

 

 平然と行われるコスト踏み倒し行為、私じゃなきゃ見逃しちゃうね!

 

『《閃刀姫-レイ》の効果、EXデッキから『閃刀姫』モンスター《閃刀姫-カガリ》をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動出来る――『閃刀空域-エリアゼロ』の効果、自分フィールドの《閃刀姫-レイ》を対象に発動、自分のデッキから3枚カードをめくる。その中から『閃刀』カード1枚、『閃刀機-ウィドウアンカー』を手札に加えて残りカードをデッキに戻す。『閃刀』カードがめくられた場合、更に対象のカードを墓地に送る』

 

 対象の《閃刀姫-レイ》は既に墓地に送られているので特に問題ない。だって、これコストじゃなくて効果で墓地送りだし。詐欺みたいな動きである。

 

『《閃刀姫-カガリ》が特殊召喚に成功した場合、自分の墓地の『閃刀』魔法カード1枚、『閃刀起動-エンゲージ』を手札に加えて魔法カード『閃刀起動-エンゲージ』発動、デッキから速攻魔法『閃刀機-シャークキャノン』を手札に加え、デッキから1枚ドロー』

 

 ……相手のデッキの残り枚数は12枚か。もうデッキリソース尽きてるも同然だけど、相手さん大丈夫?

 

『《閃刀姫-カガリ》でリンク召喚、召喚条件は水属性以外の『閃刀姫』モンスター1体。リンク1《閃刀姫-シズク》』

 

 目に見えている『閃刀機-シャークキャノン』『閃刀機-ウィドウアンカー』の妨害を掻い潜っただけで終了のお知らせにならない?

 

『カードを2枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ時、『閃刀機関-マルチロール』の効果、自分・相手のエンドフェイズに、このターン、このカードが表側表示で存在する間に自分が発動した『閃刀』魔法カードの数まで自分の墓地の『閃刀』魔法カード――墓地の『閃刀起動-エンゲージ』を自分フィールドにセットする。この効果でセットしたカードはフィールドから離れた場合に除外される』

 

 なんで禁止カードの『魔導書の神判』じみた効果が内蔵されているかな? まぁこの効果は『シャドール』には刺さらない。墓地に送られた『閃刀』魔法カードなんて一つ残らず除外するに決まってるじゃないかー。

 

『《閃刀姫-シズク》を特殊召喚したターンのエンドフェイズに発動出来る。デッキから同名カードが自分の墓地に存在しない『閃刀』魔法カード『閃刀起動-エンゲージ』を手札に加える』

 

 いやいや、次のターンに2回『閃刀起動-エンゲージ』使ったら――現在デッキ枚数11枚、ドローして10枚、2回『エンゲージ』使って6枚だけど大丈夫? サーチ先もう無くね?

 それとも《封印されしエクゾディア》でもデッキに投入しているのかな? いや、『強欲で貪欲な壺』搭載しているからまず無いか。

 

「私のターン、ドロー」

『スタンバイフェイズ、手札から《増殖するG》を墓地に送って効果発動、相手がモンスターの特殊召喚に成功する度に自分はデッキから1枚ドローしなければならない』

 

 マジかよ。そのデッキ枚数で《増殖するG》を使うの? おいおい、これじゃ――。

 

「おやおやおや、本当に良いのかい? 《増殖するG》の効果は強制効果だぜ? 引きたくなくても引かなきゃいけないんだぜ?」

 

 ――Meの勝ちじゃないか! お前に相応しい死に様は決まった!

 

「魔法カード『影依融合』発動、デッキから融合召喚する!」

 

 『閃刀姫』の戦術上、ほぼ確実にEXデッキから出したモンスターを棒立ちしているので、『シャドール』の十八番の『影依融合』でのデッキ融合の条件を簡単に揃えさせてくれている。

 この点からもガン有利と言わざるを得ない。ただし――。

 

『手札から《灰流うらら》を捨てて効果発動、デッキからモンスターを特殊召喚する効果を無効にする』

 

 融合に革命を齎した『影依融合』の唯一の弱点は《灰流うらら》に引っ掛かる事だ。……例えデッキ融合しない時でも無効化にされる理不尽さよ。ふぁっきん!

 全デッキに投入されている『手札誘発』で無効化される危険があるので――『シャドール』使いは如何にしてこのカードを通すか、いつもいつも苦心しているものさ! 通らない状況で打つかよ!

 

「自分フィールドにモンスターが存在せず、相手モンスターの効果が発動した時に《PSYフレームギア・γ》の効果を発動出来る! 手札のこのカードとデッキの《PSYフレーム・ドライバー》を特殊召喚し、その発動を無効にし破壊する!」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 これは2体同時に特殊召喚されるので1ドロー扱いである。《灰流うらら》の効果を無効にしつつ、特殊召喚の回数を稼ぐ。相手の残りのデッキ枚数は10枚である。

 

「デッキの《影霊の翼 ウェンディ》 と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を融合! 現れろレベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 相手の残りデッキ枚数9枚。さて、妨害入れてくるとしたら此処だろう。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、チェーンして《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動!」

『チェーンして速攻魔法『閃刀機-ウィドウアンカー』発動、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの効果モンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。その後、自分の墓地に魔法カード3枚以上存在する場合、そのモンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る事が出来る。――対象は《エルシャドール・ネフィリム》』

 

 まぁこのタイミングで使うよね。速攻魔法で効果を無効化される上に寝取りまでする、許されざるカードだ。

 これが通れば《エルシャドール・ネフィリム》の墓地送り効果が使えない上に相手フィールド行きだが、来ると解っている妨害なんて簡単に踏み潰せるさ!

 

「――チェーンして速攻魔法『神の写し身との接触』発動!」

 

 ……相手のチェーンは無し、っと。それでは逆時処理だ。

 

「フィールドの《エルシャドール・ネフィリム》と手札の異なる属性の《シャドール・ドラゴン》で融合! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー。……対象を失った『閃刀機-ウィドウアンカー』の効果は不発、墓地に送られる』

 

 相手の残りデッキ枚数8枚。サクリファイス・エスケープは『シャドール』の得意技よ!

 

「墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示で特殊召喚」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

「《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《シャドール・リザード》を墓地に送る」

 

 相手の残りデッキ枚数7枚。まだまだ行けるとも!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・ドラゴン》《シャドール・リザード》《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動! 《エルシャドール・ネフィリム》の効果の対象は墓地の速攻魔法『神の写し身との接触』、《シャドール・ドラゴン》の対象は当然その伏せカード――『閃刀機-シャークキャノン』だ」

 

 怒涛のチェーン組み――さて、相手は『閃刀機-シャークキャノン』で何を除外してくるかなぁ、まぁ《妖精伝姫-シラユキ》だろうけど。

 

 

『チェーンして手札から《原始生命態ニビル》の効果発動』

 

 

 あーはいはい、そういえば5体特殊召喚していたね。別に良いとも。基本的に『シャドール』に《原始生命態ニビル》されても致命傷にならないしなぁ。

 何もせず優先権を渡す。ほら、先に『閃刀機-シャークキャノン』使えよ。でないと使わずに破壊されて墓地行きだぞー?

 

『更にチェーンして速攻魔法『閃刀機-シャークキャノン』発動、相手の墓地のモンスター1体を対象に発動出来る。そのモンスターを除外する。自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、除外せずにそのモンスターを自分フィールドに特殊召喚出来る。対象は《妖精伝姫-シラユキ》』

「それなら更にチェーンして《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動!」

 

 此処でチェーン合戦が終了する。

 

 チェーン1《エルシャドール・アプカローネ》の効果無効(対象『閃刀機関-マルチロール』)

 チェーン2《シャドール・ドラゴン》のフィールドの魔法・罠カード破壊(対象『閃刀機-シャークキャノン』)

 チェーン3《シャドール・リザード》のデッキから『シャドール』カード墓地送り。

 チェーン4《エルシャドール・ネフィリム》の墓地の『シャドール』魔法・罠カードの回収(対象『神の写し身との接触』)

 チェーン5《原始生命態ニビル》の手札誘発効果。

 チェーン6『閃刀機-シャークキャノン』の相手墓地除外効果(対象《妖精伝姫-シラユキ》)

 チェーン7《妖精伝姫-シラユキ》の墓地からの効果。

 

 チェーンは逆順処理。最後から順々に効果適用だ。

 

「《妖精伝姫-シラユキ》の効果、墓地の《エルシャドール・ネフィリム》《シャドール・ドラゴン》《シャドール・リザード》『影依融合』《影霊の翼 ウェンディ》、フィールドの《PSYフレーム・ドライバー》《PSYフレームギア・γ》の7枚を除外し、墓地の《妖精伝姫-シラユキ》を特殊召喚」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー。対象を失った速攻魔法『閃刀機-シャークキャノン』の効果は不発』

 

 相手の残りデッキ枚数6枚。もう何を狙っているのかは気づいているよね? 目に見える妨害札を全部使い切ってるようだし、死神の鎌が首元に添えられているよ?

 

『相手が5体以上のモンスターを召喚・特殊召喚したターンのメインフェイズに《原始生命態ニビル》の効果を発動出来る。自分・相手フィールドの表側表示モンスターを可能な限りリリースし、このカードを手札から特殊召喚する。その後、相手フィールドに『原始生命態トークン』1体を特殊召喚する。そのトークンの攻撃力・守備力はこの効果でリリースしたモンスターの元々の攻撃力・守備力を合計した数値となる』

 

 この豪快な盤面リセットには敵ながら惚れ惚れする。特に意味無いけど。

 此方の場の《妖精伝姫-シラユキ》《エルシャドール・アプカローネ》――《シャドール・ファルコン》は裏側守備表示なのでリリースされない――相手の場の《閃刀姫-シズク》がリリースされ、相手の場に攻撃力3000の《原始生命態ニビル》が、此方の場に《原始生命態トークン》が守備表示で特殊召喚される。

 《原始生命態トークン》の現在の攻撃力・守備力? 使わないから計算しないよ。コイツの末路は除外コストになる事だし。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果で墓地の速攻魔法『神の写し身との接触』を手札に、《シャドール・リザード》の効果でデッキから《シャドール・ハウンド》を墓地に送り、《シャドール・ドラゴン》の効果で『閃刀機-シャークキャノン』を破壊、《エルシャドール・アプカローネ》の効果で永続魔法『閃刀機関-マルチロール』の効果を無効にする」

 

 チェーン7にも渡る処理が終わり、続いて更なる処理だー!

 

「墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》と《シャドール・ハウンド》の効果発動! 《シャドール・ハウンド》の効果で裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》を表側攻撃表示に変更、《エルシャドール・アプカローネ》の効果でデッキから《影依の巫女 エリアル》を手札に加え、手札から罠カード『影光の聖選士』を墓地に送る。――《シャドール・ファルコン》のリバース効果で墓地の《シャドール・ハウンド》を裏側守備表示で特殊召喚」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 相手の残りデッキ枚数5枚。

 うーむ、あとは此方のドロー次第か。――まぁ何か今、右手が光り輝いているが如く調子良いし、必然的に殺せるカードが引けるだろう!

 

「モンスターを裏側守備表示で通常召喚、墓地の『影光の聖選士』の効果発動、墓地のこのカードと《エルシャドール・アプカローネ》を除外し、フィールドの裏側守備表示の《影依の巫女 エリアル》を表側守備表示に変更してリバース効果発動、除外されている《エルシャドール・ネフィリム》を守備表示で特殊召喚して効果発動」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

「《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》を墓地に落として効果発動、1枚ドローする」

 

 相手の残りデッキ枚数4枚。

 さぁ、君の運命は(もう定まってるようなもんだが)このドローに委ねられた!

 

 

 ――シャイニングドロー! 引いたカードは魔法カード『召喚魔術』、……ハハハッ、運命は君の劇的な死を望んでいるようだ! 流石我がデッキだね! 実にエンタメだとも! 君に次のターンなど存在しない。

 

 

「レベル8の《エルシャドール・ネフィリム》にレベル2の《シャドール・ファルコン》をチューニング! シンクロ召喚! レベル10《フルール・ド・バロネス》!」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 相手の残りデッキ枚数3枚。《フルール・ド・バロネス》の召喚箇所はEXモンスターゾーンだ。本来ならばあと3回だったが――。

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』発動、手札の《召喚師アレイスター》を墓地に送り、墓地の光属性《エルシャドール・ネフィリム》を除外して融合召喚! レベル9《召喚獣メルカバー》!」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 相手の残りデッキ枚数2枚。

 この結末は相手の完全な自業自得なので、ゆっくり死んでいってね!

 

「《フルール・ド・バロネス》1体でリンク召喚、召喚条件はリンクモンスター以外のEXモンスターゾーンのモンスター1体、リンク1《グラビティ・コントローラー》」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 相手の残りデッキ枚数1枚。

 いやぁ、随分とデッキが少なくなったねぇ。デッキ枚数、少ないんじゃない? 60枚の方が良いよ! 君も『芝刈り』型にならないかい?

 

「墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、フィールドの《原始生命態トークン》《グラビティ・コントローラー》《影依の巫女 エリアル》、墓地の《召喚師アレイスター》『召喚魔術』《フルール・ド・バロネス》《シャドール・ファルコン》を除外して特殊召喚」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 これで相手の残りデッキ枚数0枚。最早ターンを渡すだけでドロー出来ずに終わるんだが、今回の我がデッキはこのターンで後攻ワンキルしろとお達しだ。

 

「最後に――《妖精伝姫-シラユキ》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター1体。リンク1《聖魔の乙女アルテミス》」

『……《増殖するG》の効果で1枚ドロー、出来ずに――』

「デッキからカードをドロー出来なかったプレイヤーは敗北となる!」

 

 これにてデュエル終了、皆もデッキ枚数に気をつけて《増殖するG》使うようにね!(敗北経験3回以上)

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『閃刀姫』

 『芝刈り召喚シャドール』ガン有利。《ミドラーシュ》は基本刺さらないが、エリアルを墓地に落とし続けて墓地の《閃刀姫レイ》『閃刀』魔法カードを除外し続ければ相手は何も出来ずに死ぬ。
 EXからのモンスターなのに『影依融合』を妨害出来ない、最近では逆に珍しいケース。
 ハリファイバーセレーネアクセスコード? 5300以下までライフ削られる方が悪い。

 ――『閃刀姫』に『強欲で貪欲な壺』は基本入らない。
 40枚デッキに入れるのは結構勇気のいる行為であり、ダイーザなどの除外ギミックが無ければ基本投入しないだろう。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

07vs『真竜』

 かつての最強カード

 《真竜剣皇マスターP》
 効果モンスター(禁止カード)
 星8/光属性/幻竜族/攻2950/守2950
 このカードを表側表示でアドバンス召喚する場合、
 モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。
 (1):このカードは、このカードのアドバンス召喚のためにリリースしたカードと
 元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカードの効果を受けない。
 (2):アドバンス召喚したこのカードが存在する場合、
 1ターンに1度、自分の墓地から永続魔法・永続罠カード1枚を除外し、
 このカード以外のフィールドのカード1枚を対象として発動できる。
 そのカードを破壊する。
 この効果は相手ターンでも発動できる。


 こんなパワーカードが無制限で許されていた時代があったらしい。
 狂乱の第9期、その終盤、リンクショック前のサバトだよ! 


「《フォトン・スラッシャー》は自分フィールドにモンスターが存在しない場合、特殊召喚出来る。更に《召喚師アレイスター》を通常召喚、デッキから『召喚魔術』を手札に加えてレベル4のモンスター2体でオーバーレイ、ランク4《十二獣ブルホーン》!」

 

 ――懐かしい、非常に懐かしい夢を見ている。

 

 今は禁止にされて久しい《十二獣ブルホーン》を使っているという事は、狂乱の第9期の終盤だったか。

 あの頃は《エルシャドール・ネフィリム》が無実の罪()で禁止送りとなり、『シャドール』使いにとっては冬の時代だった。

 その時の環境デッキとなんて太刀打ちすら出来ず、過去のテーマ扱いにされていたっけ。

 

「《十二獣ブルホーン》の効果発動、エクシーズ素材を1つ取り除き、デッキから通常召喚可能な獣戦士族《月光黒羊》を手札に加え、手札の《月光黒羊》を捨てて効果発動、デッキから魔法カード『融合』を手札に加える」

 

 ランク4を出したら無償で融合サーチ。今でも絶対に許されざる動きをしている。

 

「重ねてエクシーズ、《十二獣タイグリス》、更に重ねてエクシーズ《十二獣ブルホーン》、効果発動でデッキから《月光黒羊》を手札に加える」

 

 しかもこれ、1ターンに2回出来るんだ。頭おかしい。《十二獣ブルホーン》返してと思ったけど、やっぱり永遠に帰ってこなくていいや。

 

「手札から『召喚魔術』発動、墓地の《召喚師アレイスター》と闇属性《月光黒羊》を除外し、レベル4《召喚獣カリギュラ》を融合召喚する」

 

 この当時はリンク召喚が無かったから、今考えると色々不便だなぁと感じるのはインフレした現代に慣れすぎたが故の感覚か。

 まぁリンクショックで全デッキ見直す羽目になって頭抱えるんだけどね!

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに」

 

 いつもの動きをした後、さっきサーチしておいた『融合』をフィールドに叩きつける。

 

「魔法カード『融合』発動、召喚獣モンスター《召喚獣カリギュラ》とEXデッキから特殊召喚されたモンスター《十二獣ブルホーン》を融合! レベル10《召喚獣エリュシオン》!」

 

 そうそう、この時代、平然と1ターンで《召喚獣エリュシオン》が出てくる。しかも大した損失も無くだ。

 相手ターンに全除外を活用しながら除外した召喚獣を特殊召喚出来る『魔法名-「大いなる獣」』を活用していたっけ。

 

 ――今の時代ほど『召喚獣』と『シャドール』の相性は良く無く、むしろ『召喚獣』単体の方が回りかねない、そんなインフレ時代。

 その時のお相手はこの狂乱の第9期の最後に出てきた、最強のエクシーズ集団『十二獣』と張り合ったインチキ集団であり――。

 

 

 

 

『フィールド魔法『ドラゴニックD』を発動。1枚セットして効果発動、このカード以外の自分のフィールドのカード1枚を破壊し、デッキから『真竜』カード《真竜拳士ダイナマイトK》を手札に加える』

 

 ――『真竜』! おのれ『真竜』ぅぅぅぅ!

 

 昔からの仇敵を前にやや冷静さを失う。昔から不倶戴天の怨敵であり、今でも相性ガン不利の相手でもある。

 ……相手のEXデッキの枚数は0枚。ぐぇっ、『真帝王領域』か『帝王の溶撃』搭載型かよ……!

 

『永続魔法『真竜凰の使徒』を発動、自分メインフェイズに『真竜』モンスター1体を表側表示でアドバンス召喚する。――《真竜拳士ダイナマイトK》はモンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースしてアドバンス召喚出来る』

 

 何で平然と召喚権を使わずに永続魔法と永続罠をリリースしながらアドバンス召喚しやがりますかねぇ!

 昔から思っていたが理不尽極まる。特殊召喚じゃないので《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果が一切通じません。

 EXデッキから特殊召喚しないので『影依融合』のデッキ融合が一切使えません。

 おまけに今回は不発だったが、永続魔法と永続罠は墓地に送られた際、素敵な破壊効果も内蔵されている。まじふぁっきん。

 

『永続魔法『真竜の継承』発動、このターンにフィールドから墓地に送られた『真竜』カードの数だけ、自分はデッキからドローする。墓地に送られた『真竜』カードは『真竜皇の復活』『真竜凰の使徒』の2枚、よって2枚ドロー』

 

 フィールド『ドラゴニックD』で永続罠『真竜皇の復活』を破壊していたか……!

 どうして自分で消費したのに即座にドローしてアド損を取り戻せるんかねぇ!

 邪魔する手段が無いので、このターンは見ている事しか出来ない。どうしてこんな時に《灰流うらら》《幽鬼うさぎ》《エフェクト・ヴェーラー》《PSYフレームギア・γ》が手札に無いんだ……! あ、《増殖するG》と《原始生命態ニビル》は一切刺さらないので今回はデッキに眠っていてくれ。

 

『カードを2枚セットし、魔法カード『命削りの宝札』発動、手札が3枚になるようにデッキからドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0となり、このターンのエンドフェイズに自分の手札を全て墓地に送る』

 

 このカードを発動するターン、モンスターを特殊召喚出来ないデメリットがあるが、特殊召喚を一切しない『真竜』にこんな制約関係ねぇ!?

 無償で3枚ドローとかぶっ壊れだぶっ壊れ! ……相手のデッキ枚数は29枚か。

 

『永続魔法『真竜の継承』の効果発動、『真竜』モンスター1体を表側表示でアドバンス召喚する。『真竜の継承』をリリースして手札から《真竜導士マジェスティM》をアドバンス召喚』

 

 そうだ、昔から思っていたが――『真竜』魔法の効果、(1)(2)(3)はそれぞれ1ターンに1度しか使用出来ない……全部1回ずつ使えるんかよ! 普通、そんなぶっ壊れ効果、『シャドール』みたいにいずれか1つだろう!? まじふざけんなー! ……ぜぇぜぇ、積年の恨みで冷静さが保てない……!

 

『2枚伏せてターンエンド』

 

 

 『真竜』

 LP8000

 手札0枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《真竜拳士ダイナマイトK》星6/水属性/幻竜族/攻2800/守1500

 《真竜導士マジェスティM》星5/風属性/幻竜族/攻2600/守1800

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード4枚

 フィールド魔法『ドラゴニックD』

 

 

 ――さて、もうこの時点で心折れそうな盤面だが、諦めよりも今は怒りが上回っている……!

 積年の恨み、今此処で晴らすべきか! かつての全盛期と違い、『真竜』側は最強無敵のエースモンスター《真竜剣皇マスターP》は未だに禁止入り、リリースした2種類の完全耐性に相手ターンに使えるフリーチェーンのフィールドのカード破壊は許される訳がない。

 それに比べて、此方は全部の制限改定から解き放たれて《エルシャドール・ネフィリム》も戻ってきている。

 あの頃から弱くなった『真竜』に、今が全盛期の『シャドール』に勝てると思うなよ……! いや、今でも対面ガン不利だけど。

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

 

 さて、『真竜』の料理の仕方だが、まず全力をもって制限カードのフィールド魔法『ドラゴニックD』を除去する。

 これがあるとアドバンス召喚した『真竜』モンスターに1ターンに1度だけ戦闘耐性が付きやがる。厄介な事、この上無い。

 次にあの魔法・罠ゾーンのカード全部。ろくなカードじゃないし、墓地に送っても破壊効果使ってくる系が多いので此方の盤面に何も無い内に全除去するのが一番だろう。

 

「魔法カード『ライトニング・ストーム』発動、自分フィールドに表側表示のカードが存在しない場合、相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

 オラァ死に晒せぇ! 『真竜』は『エルドリッチ』の魔法・罠カードと違ってそれ単体にリカバリー効果は無い!

 

『カウンター罠『神の宣告』、LPを半分、4000払って発動、魔法カードの発動を無効にして破壊する』

 

 懐かしのカウンター罠で『ライトニング・ストーム』の全体除去が無効にされてしまった。……いやまぁ、最初から通るとは思ってなかったけど。

 4000ダメージのバーンカードを使ったって事で納得しよう。それじゃ本命っと。

 

「魔法カード『隣の芝刈り』発動、こっちのデッキは54枚、相手のデッキは29枚、25枚墓地に送る!」

 

 『命削りの宝札』の弱点は手札誘発を持ち越せない事だ。妨害など『神の宣告』みたいな1枚程度で済むだろう! ……『王宮の勅命』は無いよね?

 

『《真竜拳士ダイナマイトK》の効果発動、1ターンに1度、アドバンス召喚されたこのカードが存在し、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時に発動出来る。デッキから『真竜』永続罠カード1枚を選び、手札に加えるか自分フィールドに発動する』

 

 他に妨害は無かったようだ――そして、『真竜』モンスターの共通効果。相手の効果に反応してアド取るという、意味不明な効果が発動する。マジ理不尽なんだけど。

 勿論、この効果を通したらアド差で圧殺される。『真竜』において、このアド効果を通さないように立ち振る舞わなければならない。

 

「チェーンして速攻魔法『神の写し身との接触』発動、融合召喚する!」

『チェーンして《真竜導士マジェスティM》の効果発動、1ターンに1度、アドバンス召喚されたこのカードが存在し、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時に発動出来る。デッキから『真竜』モンスター1体を手札に加える』

 

 勿論、この両方の効果など通さない!

 

「更にチェーンして速攻魔法『禁じられた一滴』発動! 『隣の芝刈り』『神の写し身との接触』の2枚をリリースし、《真竜拳士ダイナマイトK》《真竜導士マジェスティM》の攻撃力を半分にして効果を無効にする!」

 

 これで《真竜拳士ダイナマイトK》の攻撃力が1400、《真竜導士マジェスティM》の攻撃力が1300になって効果も無効化された。このターンの内に始末しなければ!

 

 チェーン1『隣の芝刈り』

 チェーン2《真竜拳士ダイナマイトK》

 チェーン3『神の写し身との接触』

 チェーン4《真竜導士マジェスティM》

 チェーン5『禁じられた一滴』

 

 『禁じられた一滴』の効果で《真竜拳士ダイナマイトK》《真竜導士マジェスティM》の攻撃力が半分、効果は無効、次にチェーン3。

 

「手札の《影依の巫女 エリアル》と属性の異なる《影霊の翼 ウェンディ》を融合! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》を融合召喚する!」

 

 そして『隣の芝刈り』の効果が通って25枚墓地に送られる。

 さぁて、何が落ちたかなー!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果、墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》《シャドール・ファルコン》《シャドール・リザード》《シャドール・ビースト》《影依の巫女 エリアル》の効果発動!」

 

 《エルシャドール・アプカローネ》の効果対象は当然『ドラゴニックD』、《影依の巫女 エリアル》の対象は『真竜の継承』『真竜皇の復活』、そして自分の墓地の《召喚師アレイスター》だ。

 

『チェーンして永続罠『帝王の溶撃』、自分のEXデッキにカードが存在せず、自分フィールドにアドバンス召喚したモンスターが存在する場合に発動出来る。――このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、アドバンス召喚したモンスター以外のフィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される』

 

 やっぱり伏せてやがった、相手限定のスキドレ効果の帝王罠カード! だが、甘いぞ遊戯!

 

「更にチェーンして墓地の『影光の聖選士』発動! 墓地のこのカードと《シャドール・リザード》を除外し、フィールドの表側表示の《エルシャドール・アプカローネ》を裏側守備表示に変更!」

 

 これで《エルシャドール・アプカローネ》は表側表示のモンスターではなくなったので効果は無効にされない! 大喜利対決かな?

 

「《影依の巫女 エリアル》の効果で『真竜の継承』『真竜皇の復活』、自分の墓地の《召喚師アレイスター》を除外。《シャドール・ビースト》の効果で1枚ドロー、《シャドール・リザード》の効果でデッキの《シャドール・ハウンド》を墓地に送り、《シャドール・ファルコン》の効果で墓地から裏側守備表示で特殊召喚、《影霊の翼 ウェンディ》の効果で《シャドール・ヘッジホッグ》をデッキから裏側守備表示で特殊召喚。《エルシャドール・アプカローネ》の効果で『ドラゴニックD』の効果を無効!」

 

 これで『ドラゴニックD』の効果が無効化され、攻撃力・守備力300上がる効果も無くなったが、現在は『禁じられた一滴』で攻撃力が半減されて固定されているので、今はそのままだ。

 

「墓地に送られた《シャドール・ハウンド》の効果発動、裏側守備表示の《エルシャドール・アプカローネ》を攻撃表示に変更」

 

 魔法・罠カードを破壊する《シャドール・ドラゴン》を墓地に落とさなかったのは、アドバンス召喚された『真竜』モンスターをなるべく残したくないからだ。

 今は無効化されているが、次のターンになればまた使えるようになるので、何が何でも阻止せねばならない。

 ――《シャドール・ビースト》の効果でドローした1枚は、更なる可能性に手を伸ばすカードだ!

 

「魔法カード『強欲で貪欲な壺』発動、デッキから10枚除外し、2枚ドロー!」

 

 ……良し、あの伏せカードがあれでなければこのターンに殺せる……!

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 これで《召喚師アレイスター》が手札に。このターン、召喚権は使ってないが、まだ『帝王の溶撃』があるので今通常召喚しても意味が無い。

 

「――手札の魔法カード『召喚魔術』を発動! 墓地の2枚目の《召喚師アレイスター》と墓地の炎属性《灰流うらら》を除外! 融合召喚! レベル7《召喚獣プルガトリオ》!」

 

 モンスターの効果が使えないなら使わずとも発動している永続効果持ちを出すまでよ!

 

「このカードの攻撃力は相手フィールドのカード×200アップする。相手フィールドのカードは6枚、1200アップして攻撃力3500となる! 更にこのカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃出来る!」

 

 更には《召喚師アレイスター》の効果で攻撃力1000アップ出来るから4500だー!

 

「おら死ねェッ! バトル! 《真竜導士マジェスティM》に攻撃!」

『相手モンスターの攻撃宣言時、永続罠『真竜の黙示録』発動、《真竜拳士ダイナマイトK》を破壊し、相手フィールドの全ての表側表示モンスターの攻撃力・守備力を半分にする』

 

 やっぱり伏せてやがった!? おのれ、これで《召喚獣プルガトリオ》の攻撃力が――相手フィールドのカードが1枚減って3300、其処から半分の1650に、《エルシャドール・アプカローネ》の攻撃力が1250になってしまった。しかもこの半減、永続なんだよなぁこんちくしょう!

 

「だが、まだ《召喚獣プルガトリオ》の方が攻撃力は上だ! 戦闘破壊で350、《エルシャドール・アプカローネ》のダイレクトアタックで1250、合計1600ダメージで仕留められねぇ!?」

 

 モンスターを全除去する事は出来たが、仕留めきれなかったのはまずい。

 

「バトルフェイズ終了、メイン2、《エルシャドール・アプカローネ》1体でリンク召喚、召喚条件はリンクモンスター以外のEXモンスターゾーンのモンスター1体、リンク1《グラビティ・コントローラー》!」

 

 かつてのデュエルではいなかった新たな力を存分に使うとも! そっちには目新しい新規は無いようだがなァ! ……あれ、かつてより弱体化しているのに互角にしか持ち込めてないって冷静に考えておかしくね?

 

「墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、デッキから《シャドール・ドラゴン》を手札に加え、《シャドール・ドラゴン》を墓地に送って効果発動、永続罠『帝王の溶撃』を破壊!」

 

 これでアドバンス召喚されたモンスター以外効果無効化する理不尽な罠は排除した!

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動、デッキから『召喚魔術』を手札に加えてそのまま発動!」

 

 さて、何かしてくるか……? 『真竜皇の復活』でも握っていれば先にチェーンして発動して特殊召喚されるが――何もしてこない。あの伏せカードがそうじゃないのか、あるいはこっちのデッキに入ってないと判断したのか。

 

「フィールドの《召喚師アレイスター》と相手の墓地の風属性《真竜導士マジェスティM》を除外して融合召喚! レベル5《召喚獣ライディーン》!」

 

 何もしないなら遠慮無く除外じゃー! 割りとレアな『召喚獣』融合モンスターを出しておく。

 融合召喚する優先順序は低いけど、コイツの効果は『月の書』内蔵と言える効果だ。弱い訳がない。

 

「カードを1枚セットしてターンエンド!」

『エンドフェイズ、永続罠『真竜皇の復活』発動、自分の墓地の《真竜拳士ダイナマイトK》を守備表示で特殊召喚する』

 

 あ、やっぱりあったのか。ちなみにこの効果で特殊召喚した『真竜』モンスターはアドバンス召喚していないので、あのアド取り効果を使えない。

 つまりは通常モンスターと同然だ。

 

 

 『真竜』

 LP2400

 手札0枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《真竜拳士ダイナマイトK》星6/水属性/幻竜族/攻2500/守1500

 魔法・罠カードゾーン

  永続罠『真竜皇の復活』

  永続罠『真竜の黙示録』

 フィールド魔法『ドラゴニックD』

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札0枚

 EXモンスターゾーン

 《グラビティ・コントローラー》リンク1/闇属性/サイキック族/攻1000

 メインモンスターゾーン

 《召喚獣ライディーン》星5/風属性/戦士族/攻2200/守2400

 《召喚獣プルガトリオ》星7/炎属性/悪魔族/攻1550/守1000

  裏側守備表示のモンスター(《シャドール・ファルコン》)

  裏側守備表示のモンスター(《シャドール・ヘッジホッグ》)

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚

 

『私のターン、ドロー』

 

 さぁて、今の時代に珍しいトップ解決勝負だ。まぁこっちの方が『隣の芝刈り』分のアドで圧倒的に有利だけどね!

 何も出来ずに次のターンに来れば一方的に蹂躙出来るが、さて――?

 

 

『フィールドの《真竜拳士ダイナマイトK》『真竜皇の復活』『真竜の黙示録』をリリースして――《真竜機兵ダースメタトロン》をアドバンス召喚する』

 

 

 ……? ああ、そっちかぁ……。そういえばそっちは無制限だったね。今の今まで存在忘れていたけど。

 

『このカードを通常召喚する場合、モンスター3体をリリースして召喚しなければならず、モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリース出来る。――このカードはアドバンス召喚の為にリリースしたカードと元々の種類が同じカードの効果を受けない』

 

 物凄い残念なものを見る目で、あの懐かしのカードを見る。

 

「……あぁ、まぁ《真竜剣皇マスターP》は禁止のままだしなぁ」

 

 あの当時からして、モンスターを2体リリースしてアドバンス召喚する方がぶっ壊れだったのか、理解出来なかったしね。

 ちなみに、かつて、何度も立ち塞がった《真竜剣皇マスターP》の効果は――。

 

 

 《真竜剣皇マスターP》

 効果モンスター(禁止カード)

 星8/光属性/幻竜族/攻2950/守2950

 このカードを表側表示でアドバンス召喚する場合、

 モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。

 (1):このカードは、このカードのアドバンス召喚のためにリリースしたカードと

 元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカードの効果を受けない。

 (2):アドバンス召喚したこのカードが存在する場合、

 1ターンに1度、自分の墓地から永続魔法・永続罠カード1枚を除外し、

 このカード以外のフィールドのカード1枚を対象として発動できる。

 そのカードを破壊する。

 この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 何で2種類の完全耐性持ちのモンスターにフリーチェーンの破壊効果を内蔵しているんですかねぇ! 今でも禁止級の性能だから余りにも妥当過ぎる禁止カードだよ!

 

『墓地に送られた『真竜皇の復活』『真竜の黙示録』の効果発動、このカードが魔法&罠ゾーンから墓地に送られた場合、フィールドのモンスター1体を破壊する』

 

 対象は《召喚獣ライディーン》と裏側守備表示の《シャドール・ヘッジホッグ》か。まぁ《シャドール・ヘッジホッグ》のリバース効果を通したら死ぬもんね。

 

「破壊されて墓地に送られた《シャドール・ヘッジホッグ》の効果、デッキから《影依の巫女 エリアル》を手札に加える」

 

 だが、それが敗因となる。《シャドール・ヘッジホッグ》が破壊された事で手札コスト1枚が私の手に渡ってしまった。

 

「今の《真竜機兵ダースメタトロン》の耐性はモンスターと罠のみ。――手札を1枚捨てて速攻魔法『超融合』発動! 裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》と光属性《真竜機兵ダースメタトロン》を融合! 現れよレベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 今の『真竜』に《真竜剣皇マスターP》は禁止で無いが、今の『シャドール』には《エルシャドール・ネフィリム》が禁止から無制限に帰ってきている!

 

 程無くして相手はサレンダー。何とも時代の流れを感じるデュエルとなったのだった――。




 『芝刈り召喚シャドール』vs『真竜』

 圧倒的に『真竜』ガン有利。
 ネフィリムが無制限になって全力全開になってるのに、全盛期と比べて弱体化している『真竜』の方が有利。
 全盛期『十二獣』と張り合っていただけあって頭おかしいテーマ。
 


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

08vs『ドラグマ召喚シャドール』

 本日の最強カード

 『影依融合』
 通常魔法
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):自分の手札・フィールドから、「シャドール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
 EXデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合、自分のデッキのモンスターも融合素材とする事ができる。

 『シャドール』の代名詞であり、無限の可能性を秘めた融合魔法。
 デッキ融合を通す事は大体死を意味するエンドカードだが、デッキ融合じゃない時でも《灰流うらら》に無効にされるのは理不尽。


『――《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから魔法カード『召喚魔術』を手札に加える』

 

 ミラー!? いや、デッキの残り枚数は35枚だし、『召喚獣』要素を投入しているだけか? 何にせよ、その1枚初動は許さない!

 

「手札から《灰流うらら》を捨ててデッキからのサーチ効果を無効!」

 

 久々に初手で引いていた《灰流うらら》を叩きつける。ホント、私のデッキのお前は良く休暇取ってベガス行ってるよな!

 ……『抹殺の指名者』や『墓穴の指名者』は無いようだ。

 これでお互いに手札4枚、何をしてくる? 手札に『召喚魔術』握ってない事を祈るまでだが。

 

『《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、召喚条件は通常召喚された攻撃力1000以下のモンスター1体、リンク1《転生炎獣アルミラージ》』

 

 やっぱりミラー対決じゃないか! 《転生炎獣アルミラージ》から始めるとなると、相手の型は『ドラグマ召喚シャドール』かな?

 

『《転生炎獣アルミラージ》1体でリンク召喚、召喚条件はサイバース族リンクモンスター1体、リンク1《セキュア・ガードナー》』

 

 ……ドラグマかぁ。『天底の使徒』が無制限なら1枚初動として優秀だったが、制限カードになったから組む意味がなぁ。

 それに発動後の制約が地味に面倒だから、個人的には組みたいテーマとは思えない。

 

『墓地のリンクモンスター《転生炎獣アルミラージ》を除外し、手札から《教導の大神祇官》を守備表示で特殊召喚する』

 

 この時点で、相手はミラー対決だと気づいていないのは情報戦の観点から後攻有利と言えよう。

 

『《教導の大神祇官》の効果発動、自分のEXデッキからカード名が異なるモンスター2体を墓地に送る。相手は自身のEXデッキからモンスター2体を墓地に送る。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚出来ない』

 

 相手もシャドールだと解ってるなら《教導の大神祇官》の効果は絶対使わない。

 

『EXデッキから《エルシャドール・アプカローネ》と《灰燼竜バスタード》を墓地に送る』

「此方もEXデッキから《エルシャドール・アプカローネ》と《聖魔の乙女アルテミス》を墓地に送る」

 

 この瞬間、相手側にも『シャドール』ミラー対決だと発覚する。さぁ、此処からは全てプレイング次第だぜ!

 まぁこっちは完全に後出しジャンケンなんだけどね!

 

『墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動』

「墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動」

 

 持ってくるカードは確実に永続罠『影依の偽典』だが、捨てるカードで相手の手札をある程度推測出来る。

 まず『召喚魔術』は握ってない。あるなら《召喚獣メルカバー》を立ててる。《灰流うらら》や『墓穴の指名者』などの手札誘発も無い。あるなら此方の《エルシャドール・アプカローネ》の効果を無効にしている。

 問題は相手が握っている『シャドール』カードだ。

 

『自分のデッキから永続罠『影依の偽典』を手札に加え、その後、手札から《教導の聖女エクレシア》を墓地に送る』

 

 なるほど、ある程度透けた。

 相手の手札の3枚、うち1枚が今サーチした『影依の偽典』で、残り2枚は『シャドール』モンスターではない。……今、捨てても無駄になる《シャドール・ドラゴン》や《シャドール・ハウンド》の可能性も一応あるか。

 あの2枚は《増殖するG》か展開に使えないカード――事故寸前の手札と見た。ご愁傷さまだね! 対する此方は――。

 

「自分のデッキから永続罠『影依の偽典』を手札に加え、その後、手札から――《シャドール・リザード》を墓地に送る」

 

 確かに《エルシャドール・アプカローネ》と闇属性の《灰燼竜バスタード》を墓地に送れば、それだけで『ドラグマ』モンスターをサーチしつつ『影依の偽典』での相手ターン《エルシャドール・ミドラーシュ》の構えが出来る。――次のターンまで墓地にあればの話だが。

 

「墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果、デッキから《影依の巫女 エリアル》を墓地に送り、墓地に送られた《影依の巫女 エリアル》の効果発動、相手の墓地の《エルシャドール・アプカローネ》《灰燼竜バスタード》《召喚師アレイスター》を除外する」

 

 この時点で相手のデッキ構成において『シャドール』要素が少ないと推測する。

 最低限投入した派遣型だろうか? ……純粋に事故ってるケースもあるから断定は出来ないが。

 

 ――『シャドール』において『シャドール』カードは継戦能力そのものだ。

 40枚型と60枚型の時点で、圧倒的なまでに60枚型の『芝刈り召喚シャドール』の方が遥かに優れている。

 デッキを40枚になるようにしている時点で削りたくない『シャドール』カードを極限まで切り詰めているのは明々白々だ。『芝刈り』型は存分に投入出来るからね!

 

「さぁて、此処からどうやってEXデッキから特殊召喚した《セキュア・ガードナー》を処理するのか、見せて貰おうじゃないか。召喚権は既に使っているけど、私が思いつかない方法で処理してくれるんだろうなぁ」

 

 相手の『影依の偽典』は墓地に『シャドール』モンスターがいないので融合出来ない状態――何を仕掛けてくるかな?

 

『手札を2枚セットしてターンエンド』

 

 

 『ドラグマ召喚シャドール』

 LP8000

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

 《セキュア・ガードナー》リンク1/光属性/サイバース族/攻1000

 メインモンスターゾーン

 《教導の大神祇官》星8/光属性/魔法使い族/攻1500/守3000

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード2枚

 

 

「ふむ、伏せカードの1枚は確実に『影依の偽典』で良いとして――残りは何だろう? 『禁じられた一滴』? 『ドラグマ・パニッシュメント』? いや、もしかしたら『超融合』か……!?」

 

 一番嫌なのは『超融合』だが――とりあえず、ドローしてから考えよう。『シャドール』の展開はいつも高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変にだ!

 

「私のターン、ドロー!」

 

 うーむ、『ハーピィの羽根帚』や『ライトニング・ストーム』を引かなかったか。

 

「フィールド魔法『暴走魔法陣』発動、効果処理でデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加える」

 

 とりあえず、動きながら判断しよう。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 おっと、《聖魔の乙女アルテミス》は既に墓地に送ってあるからリンク召喚は出来ないし、する必要が無い。

 

「手札から魔法カード『ルドラの魔導書』を発動、フィールドの魔法使い族《召喚師アレイスター》をリリースし、2枚ドロー」

 

 ……普通に通るのか、これ。誘いが露骨すぎたかな? まぁいいや。

 

「――魔法カード『影依融合』発動! さて、EXから特殊召喚したモンスターをどう処理するんだ?」

 

 ……あるぇー? マジで処理出来ないの? ならアド差で押し潰されて死ぬしかないね!

 

「EXデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合、自分のデッキのモンスターも融合素材とする事が出来る。――デッキから《シャドール・ドラゴン》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を墓地に送って融合召喚! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 今回、《シャドール・リザード》を経由せずに《シャドール・ドラゴン》を融合素材にした理由は『暴走魔法陣』の隠された効果があるからだ。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、《シャドール・ドラゴン》の効果発動! ――同じカードを使う者同士、説明はいらないと思うが、『暴走魔法陣』がフィールドゾーンに存在する限り、融合モンスターを融合召喚する効果を含む効果を自分が発動した場合、その発動は無効化されず、その融合召喚成功時に相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動出来ない」

 

 つまり、このタイミングに限って言えば、絶対に妨害される事無く《シャドール・ドラゴン》の魔法・罠カード除去効果を一方的に通す事が出来るのだ!

 さぁ『影依の偽典』との2択だー!

 

「《シャドール・ドラゴン》の効果で伏せカードを1枚破壊! ――罠カード『ドラグマ・パニッシュメント』だったか」

 

 よーしよし、見事に踏み抜いたな! EXデッキのモンスターを墓地に送ってその攻撃力以下のモンスターを破壊する罠カードだったか。

 《旧神ヌトス》を墓地に送ればモンスター2体破壊になる厄介なドラグマ罠。……まぁ対象がいなくなればEXデッキからモンスター落とせなくなるんだけどね!

 

「《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《シャドール・リザード》を墓地に送って効果発動、デッキから……『影光の聖選士』を墓地に送る」

 

 《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送ってからの《シャドール・ビースト》での最大アド取りに行こうとしたが、ふと嫌な予感が過って『影光の聖選士』にする。

 

 ――果たして、融合召喚出来ないと確定している状況で『影依の偽典』を伏せるだろうか?

 

「深読みしすぎか? もし『影依の偽典』を伏せずに『超融合』だったら強かだったと褒めるべきか」

 

 どの道、このターンでは仕留められない。余力を残るように展開しつつ、相手側に展開させる隙を微塵も与えない。これで行こう。

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』を発動――墓地の《召喚師アレイスター》と相手の光属性モンスター《教導の聖女エクレシア》を除外し、レベル9《召喚獣メルカバー》を融合召喚!」

 

 ……『超融合』を使うならこの2体が並んだタイミングだが、使ってこないな。バトルフェイズに入るのを待っているのか?

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 とりあえず――。

 

「バトル! 《エルシャドール・ネフィリム》で《教導の大神祇官》を攻撃、そして効果発動、このカードが特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動、そのモンスターを破壊する」

 

 あれ、すんなり通ったな。やっぱり考え過ぎだったか。

 

「《召喚獣メルカバー》で《セキュア・ガードナー》を攻撃!」

『自分が戦闘・効果でダメージを受ける場合、《セキュア・ガードナー》の効果で1ターンに1度だけそのダメージを0にする』

 

 戦闘ダメージは0だが、破壊はされる、と。

 

「メインフェイズ2、《エルシャドール・ネフィリム》1体でリンク召喚、召喚条件はリンクモンスター以外のEXモンスターゾーンのモンスター1体、リンク1《グラビティ・コントローラー》。墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果で墓地の『影光の聖選士』を手札に加える」

 

 使い終わった《エルシャドール・ネフィリム》は即座に墓地に送って『シャドール』罠カードを回収っと。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 伏せたカードは『影光の聖選士』と『影依の偽典』。どんな状況でも対応出来る布陣だとも。

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札4枚(《召喚師アレイスター》)

 EXモンスターゾーン

 《グラビティ・コントローラー》リンク1/闇属性/サイキック族/攻1000

 メインモンスターゾーン

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード2枚(『影光の聖選士』『影依の偽典』)

 フィールド魔法『暴走魔法陣』

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 さて、何をしてくるかな?

 

『相手フィールドの《召喚獣メルカバー》をリリースし、相手フィールドに《壊星壊獣ジズキエル》を特殊召喚する』

 

 なるほど、握っていたのは『壊獣』モンスターか。これで《召喚獣メルカバー》は無償で処理出来た。……次のターン、また出せるけど。

 それで最後の1枚でどうするんだ? フィールド全部ふっ飛ばして墓地も除外しないと勝てないけど?

 

『魔法カード『影依融合』発動、EXデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合、自分のデッキのモンスターも融合素材とする事が出来る』

 

 ほうほう、トップ解決していたか。随分と引きが強くて羨ましいなぁ――無駄だが。

 

「知ってるよ、そしてこの場からいなくなるとも――墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、《グラビティ・コントローラー》を含む7枚を除外して墓地から特殊召喚する」

 

 これで此方の場にEXデッキから特殊召喚したモンスターはいなくなった。

 ――相手が『シャドール』なんだから、『影依融合』使われる時にEXデッキから特殊召喚されたモンスターを全部自己処理するぐらい普通する。

 

「手札は0枚、これでは何も融合召喚出来ないねぇ!」

 

 相手は此処でサレンダー。対戦ありがとうございました。




 『シャドール』ミラー戦。

 大抵の場合は後出しジャンケン、珍しい事に後攻側が若干有利。
 初手で《メルカバー》《ミドラーシュ》とかしても『超融合』1枚で処理出来るし、《ミドラーシュ》による特殊召喚1回縛りは基本融合召喚1回で処理出来る。
 『シャドール』使いにとって《ミドラーシュ》は要介護のひ弱な護衛対象。オレが守護らなければならぬ……!
 
 互いに回りだすと泥試合になり、現代遊戯王にも関わらず非常に長引く。
 其処まで行くとリソース勝負になるので基本60枚で『シャドール』カードが潤沢な『芝刈り召喚シャドール』型の方が有利。
 ……何方も、枕詞に事故らなければ、とつく。融合出来なかったら潔く死ぬしかあるまい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

09vs『ドライトロン宣告者』(2)

 本日の最強カード

 《召喚獣メルカバー》
 融合・効果モンスター
 星9/光属性/機械族/攻2500/守2100
 「召喚師アレイスター」+光属性モンスター
 (1):1ターンに1度、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、そのカードと同じ種類(モンスター・魔法・罠)の手札を1枚墓地へ送って発動できる。
 その発動を無効にし除外する。

 『召喚シャドール』の頼れる相棒。
 基本的に《エルシャドール・ミドラーシュ》の隣に立てておくと相手は苦悶する。
 が、使ってる側としては手札にある種類しか無効除外出来ないので、実質無効にできるのはモンスターor魔法の2択だったりする。
 コスト無しで万能無効使えるヤツが羨ましい。


 ――季節は移り変わる。

 4月が終わり、5月となり、本家のOCG版では新たな『暗黒期(スプライト)』の襲来に恐れ慄いている中、『遊戯王マスターデュエル』のランクマッチは煮詰めに煮詰め切った地獄の釜となっていた。

 

 まず変更点は1つ、いや、2つか。

 今までプラチナ帯が最高ランクだったが、その次のランク、ダイヤモンド帯が実装された。

 これだけなら今までプラチナ帯にいた猛者がそのままダイヤモンド帯に行くだけだろうと思われた。だが、2つの要因で現状は蠱毒の様相となっていた……!

 

 1つ目は同じランクとしかマッチングしなくなった事。

 今まではプラチナ1だったとしてもプラチナ5に当たったり、逆も然りだった為、悪く言えばプラチナに上がったばかりの者と多く当たって楽に勝ち進める場合もあった。

 だが、突如サイレント修正され、プラチナ1はプラチナ1としかマッチングしなくなり――デッキの質は元より、決闘者としても同レベルかそれ以上の者としかマッチングしなくなった。地獄かな?

 

 2つ目は『遊戯王マスターデュエル』における初の制限改定。

 これにより大きく弱体化を余儀なくされたTier1デッキが存在する。そう、《サイバー・エンジェル-弁天-》が制限にされた『ドライトロン宣告者』である。

 

 ……敵対側としては、明らかに甘い制限改定だった。《サイバー・エンジェル-弁天-》が制限になっても1ターン目から5妨害立てられるし、少し手札誘発に弱くなった程度の誤差だ。

 だが、その制限改定の実行日が5月9日――ランクマッチの切り替えが5月1日なのに、9日ぐらい猶予があったのだ。

 

 そうなると弱体化前にダイヤモンド1まで登り切ってしまおうと考えるのは決闘者として当然の考えであり、高ランク帯のランクマッチは10戦中7戦以上『ドライトロン宣告者』に当たるという地獄と化した!

 

「いやまぁ、コイントス切断対策はされたから以前より先攻『ドライトロン宣告者』に当たる確率は減ってるんだけどね!」

 

 それでも6回連続コイントスに負けて『ドライトロン・ドライトロン・ロンゴミ・ドライトロン・アダマシア・ドライトロン』に当たり続けて先攻制圧され、プラチナ1からプラチナ4まで転落し続けた時は正直心が折れそうになったね!

 

 もはや相手は確実に『ドライトロン宣告者』だという前提で覚悟しておいた方が良い環境である。

 ただ、誰もがテンプレ的な動きしかしない訳ではない。まさかの《幻獣機アウローラドン》を使って墓地に事前に送り込んだ『虚無空間』を回収して壊獣対策の特殊召喚まで封じられたり、《ユニオン・キャリアー》を使って《崇光なる宣告者》に《B-バスター・ドレイク》を装備して魔法カードの効果を無効にして『超融合』『冥王結界波』『禁じられた一滴』への対策を講じたり――《ラーの翼神竜-球体形》で纏めて処理出来たのは非常に運が良かったね、うんうん。まさに神のカードだね! ……本体? 未実装だよ。早くエラッタして。

 

 ――先攻取られて先攻制圧され、先攻取ったのに手札事故って『我はこれでターンエンド』でドローゴーして後攻1キルされたりしたが、何とかプラチナ1――あと1勝でダイヤモンド帯に突入という処まで這い上がってきた……!

 

 長く苦しい戦いだった。――さて、此処で1つ、『ガチ勢が密集し、地獄の釜と化しているランクマッチ』に何故走り続けているのか、疑問に思う者もいるだろう。

 少し待てば制限改定で他のデッキが弱体化される。『芝刈り召喚シャドール』に関しては被害0、他のトップ勢が軒並み弱体化食らう予定なので逆に強化だね。……流石に『エルドリッチ』の《黄金郷のコンキスタドール》の制限は何か違うような……? 脱獄犯(『王宮の勅命』《十二獣ドランシア》《真竜皇V.F.D.》《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》 )の禁止を真っ先にすべきだったと思うが。

 更に待てば待つほど上のランクに人が多くなり、言い方が悪いが、勝ちやすい相手も増える。上旬と下旬ではランクマッチの難易度は天と地ほどの差があると言っても過言じゃない。

 更に更に言えば、ダイヤモンド帯に行く理由も特に無い。報酬のジュエルも些細な量であるし、上に行けば行くほど『楽しいと思えるデュエル』から遠ざかるかもしれない。ワクワクを思い出せなくなった決闘者は基本的に眼が死んでいるよ!

 

「まぁ理由なんて特に無いよね。こういうのは登山家と一緒で、山(結末)があるから登る(ランクマる)だけだし」

 

 現状こそがより困難な道程であるが、逆に考えるんだ。全盛期の『ドライトロン宣告者』とデュエル出来る最後の機会であると。

 そういう絶対的強者をぶちのめさないと得られない心の栄養素が此処にあるんだ……!

 

「……って、さっきと同じ相手――『ドライトロン宣告者』確定じゃないか。でも珍しく先攻っと」

 

 初期手札は《幽鬼うさぎ》『強欲で貪欲な壺』『隣の芝刈り』『召喚魔術』『冥王結界波』……ふむ、微妙。現状、選択肢は2つだけ、『強欲で貪欲な壺』と『隣の芝刈り』、どっちを先に使うかという運命の選択肢だ。

 最大効率を求めるなら先に『隣の芝刈り』を使ってから『強欲で貪欲な壺』だ。『強欲で貪欲な壺』を先に使うと『隣の芝刈り』で墓地に送れるカードの枚数が12枚少なくなる。

 

「いや実はこれ、悩むまでもないんだけどね――魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動、コストでデッキから10枚除外」

『手札から《灰流うらら》を捨てて効果発動、デッキからカードを手札に加える効果を無効にする』

 

 もうこのランク帯になると相手が確実に《灰流うらら》以上を握っているという前提で動くべきだろう。

 2枚ドローで引いたキーカードに《灰流うらら》を使うか、それをドローされる可能性を事前に潰すか。大抵選ばれるのは後者だろう。既にキーカードを握っている可能性は無視せざるを得ない。

 

「魔法カード『隣の芝刈り』発動、デッキから10枚墓地に送る」

 

 墓地に送られたカードは『神の写し身との接触』《召喚師アレイスター》『強欲で貪欲な壺』『冥王結界波』『ルドラの魔導書』《灰流うらら》《ラーの翼神竜-球体形》《PSYフレームギア・γ》『ルドラの魔導書』『墓穴の指名者』……嘘だろ、『シャドール』モンスターカード1枚も落ちなかった!?

 一瞬動揺するも……《召喚師アレイスター》と光属性の《PSYフレームギア・γ》が墓地に落ちている! よっしゃ、『シャドール』ルートに欠片もアクセス出来ないが、動けるぞー!

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』を発動、墓地の《召喚師アレイスター》と光属性《PSYフレームギア・γ》を除外して融合召喚、レベル9《召喚獣メルカバー》!」

 

 ……相手に反応無し。唯一の懸念点だった《増殖するG》無し。《召喚獣メルカバー》が着地したのでもう手札誘発は怖くない。《朱光の宣告者》なら2枚損失になるので是非とも打って貰いたい。……捨てるカードが《イーバ》の場合は許されない。

 さて、召喚権を使わずに《召喚師アレイスター》が除外され、墓地に『召喚魔術』があるという事は――。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す。――《召喚師アレイスター》を通常召喚してデッキから『召喚魔術』を手札に加える!」

 

 さて、私のEXデッキの構成だが、リンクモンスターは2体、シンクロ1枚、残り全部融合モンスターという構成だ。『召喚シャドール』として極めて『召喚獣』モンスターを多く採用している型である。

 

「《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター、リンク1《聖魔の乙女アルテミス》!」

 

 足りない光属性を自己配給、そして此処から出る融合モンスターは当然!

 

「魔法カード『召喚魔術』発動! 墓地の《召喚師アレイスター》とフィールドの光属性《聖魔の乙女アルテミス》を除外して融合召喚! 2体目の《召喚獣メルカバー》!」

 

 当然2体とも守備表示。守備力2100という脆弱さを晒す事になるが、魔法カード『ライトニング・ストーム』対策の方が優先である。

 

「これでターンエンド!」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札2枚(《幽鬼うさぎ》『冥王結界波』)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

 今回は相手が『ドライトロン宣告者』と事前に解っているので、『壊獣』でリリースされる心配は皆無。

 手札はモンスターカード1枚と魔法カード1枚。これで相手を止めねば此方が死ぬ……!

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 

 相手の手札はこれで5枚、さぁ、どう出る?

 

『フィールド魔法『竜輝巧-ファフニール』発動』

 

 ……なんだっけ、このフィールド魔法。余り見た事無いな。えーと、テキストはっと。

 

 

 『竜輝巧-ファフニール』

 フィールド魔法

 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

 (1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「竜輝巧-ファフニール」以外の「ドライトロン」魔法・罠カード1枚を手札に加える事ができる。

 (2):儀式魔法カードの効果の発動及びその発動した効果は無効化されない。

 (3):1ターンに1度、自分フィールドに「ドライトロン」モンスターが存在する状態で、モンスターが表側表示で召喚・特殊召喚された場合に発動できる。

 このターン、その表側表示モンスターのレベルは、その攻撃力1000につき1つ下がる(最小1まで)。

 

 

 うーむ? ドライトロン版『暴走魔法陣』? 儀式魔法を無効にして除外する気満々だったが、此処で止めるか……?

 いや、通そう。囮の可能性がある。

 

『効果処理としてデッキから魔法カード『極超の竜輝巧』を手札に加える』

 

 えーと、デッキから『ドライトロン』モンスターを特殊召喚するカードだったか。あれは止め処かな?

 

『魔法カード『エマージェンシー・サイバー』発動、デッキから《サイバー・ドラゴン》、または通常召喚出来ない光属性・機械族モンスターを手札に加える』

 

 またサーチカードか。これで《サイバー・ドラゴン》をサーチされた経験無いんだよなぁ。此処で止めるか……? いや、これも本命じゃないな。2体《召喚獣メルカバー》がいるのに先に使ってくるカードなんて囮に決まってるだろう。

 

『《竜輝巧-バンα》を手札に加える』

 

 最優先で止めるべきカードを目視する。普通の無効化では次のターンに墓地から動き出してしまうが、今回こっちにいるのは無効にして除外する《召喚獣メルカバー》だ。『ドライトロン宣告者』と言えども除外ゾーンでは悪さ出来まい……!

 

『魔法カード『極超の竜輝巧』発動、デッキから『ドライトロン』モンスターを1体特殊召喚する』

 

 さて、これを止めるかどうか考える。

 現在、相手の手札は《竜輝巧-バンα》含めて4枚。《竜輝巧-バンα》は確定で無効にするから、残り3枚。

 負け筋は此処から《サイバー・エンジェル-弁天-》と儀式魔法を握られたら展開され続けて《ヴァレルソード・ドラゴン》で盤面崩されて《崇光なる宣告者》に蓋される。

 

「……危険だが、これもスルーだ。《召喚獣メルカバー》の効果を使わない」

『デッキから《竜輝巧-アルζ》を特殊召喚する』

 

 《竜輝巧-アルζ》の効果を使われたら儀式魔法をサーチされるか。うーむ、これ、しくじったか? やっぱり『極超の竜輝巧』で止めるべきだった。

 自分のプレイミスで死ぬと精神的に打ちのめされるんだがなぁ……。

 

『手札の《竜輝巧-バンα》の効果発動、手札の儀式モンスター《竜輝巧-メテオニス=QUA》をリリースし、守備表示で特殊召喚する』

 

 え? 場の《竜輝巧-アルζ》をリリースせずに手札の《竜輝巧-メテオニス=QUA》をリリース? あの儀式モンスターにリリースされた際のアド取り効果は無かったし、これで残りの手札2枚――さては相手、私以上のプレイミスを犯したな?

 《竜輝巧-メテオニス=QUA》をリリースせずに場の《竜輝巧-アルζ》をリリースしておけば、《竜輝巧-バンα》の効果を無効にされても墓地の《竜輝巧-アルζ》の効果使えて儀式魔法を手札に加える事が出来ただろうに。

 

「うーむ? 今まで使ったカードにその展開を遮るデメリット効果は無いな……? 何だろう、何か手札に握ってるのか?」

 

 訳が解らないが、とりあえず――。

 

「1体目の《召喚獣メルカバー》の効果発動、モンスターカードの《幽鬼うさぎ》を捨てて《竜輝巧-バンα》の効果を無効にして除外する」

 

 無造作に《竜輝巧-バンα》の効果を無効にして除外する。これでもう悪さ出来まい! さぁ、此処からどうする――?

 

『《竜輝巧-アルζ》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル1モンスター1体、リンク1《リンクリボー》』

 

 《リンクリボー》で《竜輝巧-アルζ》を墓地に送り――手札にまだ儀式モンスターか『ドライトロン』モンスター握っていたか……?

 

『魔法カード『儀式の準備』発動、デッキの7レベル以下の儀式モンスターを1体手札に加える』

 

 ああ、なるほど。これで《サイバー・エンジェル-弁天-》握ってリリースして儀式魔法サーチして――此方の最後の手札がモンスターカードと誤解していたのか。魔法カード止めなかったから。

 

「2体目の《召喚獣メルカバー》の効果発動、魔法カード『冥王結界波』を捨てて『儀式の準備』を無効にして除外する!」

 

 これで此方の妨害は全て使い切り、相手の手札は1枚……まだ動けるか?

 

『……私はこれでターンエンド』

 

 

 『ドライトロン宣告者』

 LP8000

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

 《リンクリボー》リンク1/闇属性/サイバース族/攻 300

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 フィールド魔法『竜輝巧-ファフニール』

 

 

「しゃーっ、乗り切った―! 私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードは《シャドール・ハウンド》か。リバース効果発動すれば墓地の速攻魔法『神の写し身との接触』を回収出来るが、その機会は訪れないな。これは素直に《召喚獣メルカバー》の効果発動コストにしよう。

 さて、ターンを跨いだ事により、墓地の『召喚魔術』の効果を使えるようになっている!

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す。そして《召喚師アレイスター》を召喚、デッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 通常召喚権を使うとは言え、この循環が出来るのが『召喚獣』ギミックの強みだ。流石誰でも寝る男《召喚師アレイスター》。

 

「ただ、ここから出せるのは《灰流うらら》除外して炎属性の《召喚獣プルガトリオ》か……」

 

 相手のフィールド魔法『竜輝巧-ファフニール』があるから打点2600、《召喚獣メルカバー》2体で5000の7600、足りない。《リンクリボー》の効果に《召喚獣メルカバー》の無効効果を使っても仕留められない始末か。……既に『召喚魔術』の《召喚師アレイスター》戻しの効果は使ったから本当にぎりぎり仕留めきれない。

 それで手札0枚で相手ターンに渡すなど自殺行為だ。だから此処は敢えて融合召喚しない!

 

「2体の《召喚獣メルカバー》を攻撃表示に変更――バトル、《召喚師アレイスター》で《リンクリボー》に攻撃!」

『《リンクリボー》の効果発動、相手の攻撃宣言時、このカードをリリースし、その相手モンスターの攻撃力をターン終了時まで0にする』

 

 当然スルー。

 

「2体の《召喚獣メルカバー》でダイレクトアタック! 5000ダメージだオラァ!」

 

 無難にライフを5000削って――。

 

「私はこれでターンエンド」

 

 さて、私の手札はモンスターカードの《シャドール・ハウンド》と魔法カード『召喚魔術』だ。これでモンスターカードと魔法カードの効果を1回ずつ無効に出来る!

 

『私のターン、ドロー』

 

 ラストターンだ、何をしてくる?

 

『墓地の《竜輝巧-アルζ》の効果発動、手札の《竜輝巧-ルタδ》をリリースし、墓地から守備表示で特殊召喚する』

「当然通さない。1体目の《召喚獣メルカバー》の効果発動、手札のモンスターカード《シャドール・ハウンド》を捨てて効果を無効にして除外する」

 

 此処で相手はサレンダーする。……最後の1枚、結局何だったんだ?

 今引いたカードは《竜輝巧-ルタδ》で確定だろうし。

 手札誘発ではない、『ドライトロン』モンスター及び儀式モンスター、更には儀式魔法でもないとなると……手札で腐っていた《イーバ》か、手札に天使族モンスターがいない為に効果を使えない《朱光の宣告者》だろうか?

 

「ふむふむ、『ドライトロン宣告者』でも事故る事あるんだなぁ」

 

 『シャドール』は基本的に3枚初動なので、1~2枚初動のデッキの事故率の低さには羨ましさを感じる。それこそ『隣の芝生』だろうか? 刈らないと。

 ――ともあれ、これでプラチナ帯から卒業してダイヤモンド帯だー! 目指すは頂、ダイヤモンド1! 何故其処に登るかって、其処が頂点だからさ!

 

 




 ダイヤモンド帯に突入したので箸休め回の『ドライトロン宣告者』。
 実際のデュエルをモチーフにして書くと楽です。

 ダイヤモンド帯で連続で同じ人とデュエルする事も珍しくないですが、3回連続『芝刈り召喚シャドール』のミラー対決になってびっくり。
 ひそかに『芝刈り召喚シャドール』が宣教されている……!?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10vs『芝刈り召喚シャドール』

 本日の最弱カード

 『隣の芝刈り』
 通常魔法(準制限カード)
 (1):自分のデッキの枚数が相手よりも多い場合に発動できる。
 デッキの枚数が相手と同じになるように、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。

 デッキが互いに60枚、あとは言わずもがな。


 ――ドライトロン・ドライトロン・ヌメロン・ドライトロン・電脳堺・ドライトロン・ロンゴミ・イグニスター・ドライトロン。

 

 地獄のような環境デッキとの殴り合いの果て、ダイヤモンド4まで這い上がり、コイントスが裏で後攻……2分の1の筈なのにやけに裏が出るのは何故だろうか? うわ、私の運命力低すぎ?

 

「……完璧な手札だ」

 

 初期手札、『超融合』『影依融合』『影依融合』『冥王結界波』『神の写し身との接触』、見事な緑一色である。

 相手がどんなに展開しようが捲れるぞー! この場合は『ドライトロン宣告者』は鴨だね鴨!

 

『私のターン。カードを2枚伏せてターンエンド』

 

 え? 何も展開して来ない? もしや『エルドリッチ』? ダイヤモンド帯に生きていたのか!?

 

「わ、私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードは《増殖するG》……何一つ動けねぇよ!? そんな馬鹿な!?

 

「我はこれでターンエンド」

 

 まさかの後攻でのドローゴーである。これは死んだな。サレンダーの準備は既に整っている。

 

『私のターン、ドロー。ターンエンド』

「え?」

 

 相手もドローゴー!? どういう事? 『エルドリッチ』じゃない? メタビート系のデッキか?

 

「わ、私のターン、ドロー」

 

 早くも4ターン目。自分の引いたカードは《原始生命態ニビル》……またもや動けねぇじゃないか! 『シャドール』モンスターが1枚でも来ればとりあえず動けるのに……!?

 

「ぐぬぬ、手札が7枚になっちゃったし、『神の写し身との接触』を伏せてターンエンド」

 

 事故りすぎて普通のデュエルなら5回は殺されてるぞ!?

 

『私のターン、ドロー。カードを1枚伏せてターンエンド』

 

 んー? なんか見覚えあるような動き。何でだろう、凄い既視感を覚える。

 これはメタビート系でも無い? 何だこれ、一体何のデッキなんだ?

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは罠カード『影光の聖選士』……だから『シャドール』モンスターがいないと一切動けないんだよ!? どうなってるの、我がデッキ!?

 

「また手札が溢れるなぁ……『影光の聖選士』を伏せてターンエンド」

 

 伏せても発動出来ないカードが2枚。なぁにこれぇ?

 

『私のターン、ドロー』

 

 おかしい、もう既に7ターン目だ。何なのだ、この状況は。相手のデッキは何なんだ!?

 

『フィールド魔法『暴走魔法陣』を発動、効果処理として《召喚師アレイスター》をデッキから手札に加える』

 

 ミラーかよ!? この既視感ってまさか……同様の手札事故をしていたというのか!? 文字通りの鏡写しかよ!?

 しかし、非常にまずい。これで相手に先手許してしまった。『超融合』も除去されたくないから伏せてないからこのターン、私は何も出来ないぞー!

 

『《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから魔法カード『召喚魔術』を手札に加える』

「チェーンして手札から《増殖するG》を捨てて効果発動、相手がモンスターを特殊召喚に成功する度にカードを1枚ドローしなければならない」

 

 《召喚師アレイスター》を見たら即座に《増殖するG》を投げないと間に合わないぞー。チェーンブロック作らずにリンク召喚してくるし。

 これで相手が《召喚獣メルカバー》まで出してきたら2枚ドロー出来るし、その2枚で何とか打開札を引きたい。

 

『――バトルフェイズに移行。《召喚師アレイスター》でダイレクトアタック』

「んな、融合せずに直接殴ってきた!? 痛ぇっ!?」

『ターンエンド』

 

 これで此方のLPは7000、このターン展開しなかったか……!? 無防備だと言いたいが、思い切りの良いプレイングだ。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 此処で私が引いたカードは魔法カード『隣の芝刈り』! よっし、此処でエンドカードを引けたのはでかい! これで一気に形勢逆転だ!

 

「私は魔法カード『隣の芝刈り』を発動! 相手のデッキ差分のカードをデッキから墓地に送る!」

 

 相手は何もしない! よっし、勝った! 第三部完!

 

 

 ――デッキから墓地に送られたカードは2枚目の『影光の聖選士』、この1枚のみ。

 

 

「……え? ほわい?」

 

 あれ、相手のデッキ枚数……50枚? 50枚!? まさかの『芝刈り召喚シャドール』のミラー戦かよ!? その1枚って《召喚師アレイスター》がサーチした『召喚魔術』の分じゃん!?

 このドライトロン地獄のランクマッチで自分の他に『芝刈り召喚シャドール』が居たとは……!

 

「い、いや、まだ最悪の事態ではない。相手が本当に『ミラー対決』なら――カードを1枚セットしてターンエンド!」

 

 伏せたカードは速攻魔法『超融合』、自分の場に融合素材が無いなら相手の場の素材を使えばいいじゃない。

 

『私のターン、ドロー。魔法カード『召喚魔術』発動。フィールドの《召喚師アレイスター》を除外し、手札の《PSYフレームギア・γ》を捨てて融合召喚、レベル9《召喚獣メルカバー》』

 

 ぐぬぬ、味方なら心強いが敵なら余りにも邪魔過ぎる! 昨日の友が今日の敵とはやってくれるのう、やってくれたのう!

 

『墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す』

 

 むぅ、相手はまだ通常召喚権を使ってないから《召喚師アレイスター》からの、また融合召喚が可能。前の『ドライトロン』の時みたいに《召喚獣メルカバー》を2体並べる気か……?

 

「その場合、《召喚師アレイスター》を通常召喚した時に『超融合』するタイミングがあるが、美味しくないな」

 

 『召喚魔術』はフィールド・墓地から除外してだから、『超融合』して墓地に送られても一切支障無い。同じく《召喚獣メルカバー》

を出しても相討ちされて相手の場に《召喚獣メルカバー》が1体残るだけだ。

 

『バトルフェイズに移行。《召喚獣メルカバー》でダイレクトアタック』

「あれ、展開せずに殴ってき、痛い!?」

 

 無防備な状況で殴られ、LPが4500まで削られる。……いや、此処まで無防備さを曝け出して死んでないのが不思議なんだけどね?

 

『メインフェイズ2、《召喚師アレイスター》を通常召喚して効果発動、デッキから『召喚魔術』を手札に加えてターンエンド』

 

 相手、動かなかったな。此方の『超融合』に警戒したのか? となると、相手側のEXデッキの『召喚獣』融合モンスター、結構少ないのかもしれない。……少ないという事は、リンクモンスターに割り振っているという事だ。《アナコンダ》やハリファイバーセレーネアクセスコードも仕込んでいそうだ。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードはまさかの『召喚魔術』! この局面で素引きするとは素敵だ!

 

「まずは手札の『影依融合』を捨てて速攻魔法『超融合』発動! 相手の場の《召喚師アレイスター》と光属性《召喚獣メルカバー》を融合! レベル9《召喚獣メルカバー》!」

 

 相手の場のみで融合する融合召喚は最高だね! やはり『超融合』は絶対無敵の力……!

 

「更に魔法カード『召喚魔術』発動!」

 

 ふはは、先に動いたのが運の尽きだったな……!

 

『手札から《増殖するG》を捨てて効果発動』

「通すよ、もう特殊召喚はしないからね。1枚ぐらいドローさせてやるさ」

『更に罠カード『アーティファクトの神智』発動、デッキから『アーティファクト』モンスター1体を特殊召喚する』

 

 ……あれ、このタイミングで《アーティファクト-デスサイズ》出されたら此方の『召喚魔術』が不発に終わるのでは……?

 

『デッキから《アーティファクト-ロンギヌス》を特殊召喚する』

 

 ……《アーティファクト-デスサイズ》じゃない? もしかしてその伏せカードの内のどっちかが《アーティファクト-デスサイズ》で、特殊召喚したくても出来なかったというオチ?

 

「相手の墓地の《召喚師アレイスター》と融合モンスター《召喚獣メルカバー》を除外して融合召喚! レベル8《召喚獣アウゴエイデス》!」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 《アーティファクト-ロンギヌス》は相手ターンにフィールドのそのカードをリリースして除外出来なくさせる効果。タイミングが遅いね! ……まぁ『超融合』してきた後に素引きの『召喚魔術』を使われるとは思わないよな。

 

「《召喚獣アウゴエイデス》の効果発動、特殊召喚に成功した場合、相手の場のモンスター1体《アーティファクト-ロンギヌス》を破壊する!」

『チェーンして《アーティファクト-ロンギヌス》をリリースして効果発動、このターン、互いにカードを除外出来ない』

 

 まぁどうでも良いね。これ以上展開出来ないし。

 

『バトル! 《召喚獣メルカバー》と《召喚獣アウゴエイデス》でダイレクトアタック! 合計で4500ダメージ! 私はこれでターンエンド』

 

 これで形勢逆転だ。さぁせいぜい足掻いてみせろ! 《召喚獣メルカバー》で万能無効(罠カード無し)に特殊召喚時に相手モンスターを破壊する《召喚獣アウゴエイデス》の2妨害をどうやって潜り抜けるかな!

 

『私のターン、ドロー。魔法カード『ハーピィの羽根帚』を発動、相手の魔法・罠カードを全て破壊する』

 

 んー、伏せカードは現在効果使えない『影光の聖選士』と素材が無くて融合出来ない『神の写し身との接触』、《召喚獣メルカバー》の効果を使う価値も無いので通しで。

 

『魔法カード『召喚魔術』を発動』

「ははは、通す訳無いだろう! 《召喚獣メルカバー》の効果発動、魔法カード『冥王結界波』を捨てて効果無効にして除外だ! これで《召喚師アレイスター》ギミックも崩壊だ! HAHAHAHA! って、あれ、何で無効されずに更には除外されないの?」

 

 ……そう、この時の私は完全に失念していたのだ。フィールド魔法『暴走魔法陣』の隠された効果、融合召喚の効果は無効化されず、融合召喚成功時にモンスター・魔法・罠の効果を発動出来ない事を……!

 

「……あれ、つまり私は《召喚獣メルカバー》の効果を無駄撃ちした上に……相手の融合召喚成功時に《召喚獣アウゴエイデス》の効果も発動出来ない!?」

 

 此処に至って取り返しようのない、致命的なプレイミスを犯している事にやっと気づいたのだった……! よりによって完全なミラー対決の時に!?

 

『手札の《エフェクト・ヴェーラー》と《PSYフレーム・ドライバー》で融合召喚、融合素材は同じ属性で種族の異なるモンスター2体。レベル4《沼地のドロゴン》』

 

 何か珍しいのが出てきた!? いや、相手モンスターのみを『超融合』する場合、結構役立つヤツだけど!

 苦肉の策でコイツを『召喚魔術』で出したんだが、まずい、これで『召喚魔術』が墓地に、《召喚師アレイスター》が除外されているので……!

 

『墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す』

 

 ぐぬぬ、まだ相手は通常召喚権を使ってない……!

 

『《召喚師アレイスター》を通常召喚して効果発動、デッキから『召喚魔術』を手札に加えて発動、フィールドの《召喚師アレイスター》と融合モンスター《沼地のドロゴン》を除外して融合、レベル8《召喚獣アウゴエイデス》を融合召喚する』

 

 ぐぐぐぐぐ、フィールド魔法『暴走魔法陣』のせいで此方の《召喚獣アウゴエイデス》の効果は発動出来ない。それに対して相手は一切阻害されずに効果を通せる……!

 

『特殊召喚された《召喚獣アウゴエイデス》の効果発動、相手の《召喚獣メルカバー》を破壊する』

 

 ぐおぉぉぉ、完全なプレイミスだぁー!? 『召喚魔術』じゃなく、《召喚師アレイスター》に《召喚獣メルカバー》の効果使っていれば相手に展開させなかったのに!?

 

『バトルフェイズに移行、《召喚獣アウゴエイデス》で《召喚獣アウゴエイデス》を攻撃』

 

 まずいまずいまずい、致命的にまずい。此方はまだ『シャドール』モンスター1体も無し、《召喚師アレイスター》へのアクセス手段すら無いのにフィールドを空にされたら何も出来ずに死ぬ……!

 何か、何か無いか!? つっても、こっちの墓地に落ちたモンスターなんて《増殖するG》のみで、あとは使えない『シャドール』魔法・罠カードのみだぞ!? ……って、使えるカードあった!

 

「墓地から罠カード『影光の聖選士』の効果発動! 墓地のこのカードと『神の写し身との接触』を除外し、フィールドの表側表示の《召喚獣アウゴエイデス》を裏側守備表示に変更! 《召喚獣アウゴエイデス》の攻撃力は2000で、守備力は2800! よって反射ダメージ800で戦闘破壊されない!」

 

 よっしゃ、ぎりぎりで守り切った! これで相手モンスターを墓地に送らずに済んだ!

 

『……カードを1枚伏せてターンエンド』

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードは《シャドール・ドラゴン》、やっと来た『シャドール』モンスターカードだが、遅いよ。相手の場にEXデッキから特殊召喚されたモンスターがある以上、『影依融合』のデッキ融合条件は整っている!

 

「手札から魔法カード『影依融合』発動! デッキ融合だー! デッキから《シャドール・リザード》と《妖精伝姫-シラユキ》で融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 此処で相手側はサレンダー、12ターンも続いた完全なミラー対決に決着がついたのだった。

 

 

 

  

 

 

 




 ダイヤモンド帯で遭遇したまさかのミラー対決。
 道理で、非常に既視感ある事故り方していた訳ですね。同じデッキなだけに、わかるってばよ……。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11vs『アダマシア』

 本日の最強カード

 《ブロックドラゴン》
 特殊召喚・効果モンスター
 星8/地属性/岩石族/攻2500/守3000
 このカードは通常召喚できない。
 自分の手札・墓地の地属性モンスター3体を除外した場合のみ手札・墓地から特殊召喚できる。
 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの岩石族モンスターは戦闘以外では破壊されない。
 (2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
 レベルの合計が8になるように、デッキから岩石族モンスターを3体まで選んで手札に加える。

 何でこの性能でシャバにいるの?と驚愕せざるを得ない超性能。
 何で手札・墓地から特殊召喚する効果、名称付きターン1も普通のターン1も無いの?
 そして(1)の効果で岩石族全部に耐性付与出来るの?
 全くもって意味不明なカードである。


「――ば、馬鹿な。あと1勝でダイヤモンド1だったのに……!」

 

 勝利が、この小さな手からすり抜けていく……!

 敗因は一体何だっただろうか。自分自身のプレイミスだっただろうか? 確かに、拙い点もあった。普段では犯さないようなミスを多発した覚えもある。

 

「……《PSYフレームギア・γ》 握った状態で確定で相手の効果無効に出来たのに、相手の効果誘う為に『強欲で貪欲な壺』発動したら除外された10枚の内に《PSYフレーム・ドライバー》 があったせいで手札誘発効果使えなかったり」

 

 気づけば、敗北に次ぐ敗北、ダイヤモンド2から5まで転落……!

 後攻・後攻・後攻・後攻・後攻、5回連続後攻でアルデク・アルデク・ロンゴミ・ロンゴミ・ザ・ビーストで先攻制圧され、先攻取っても事故って何も出来ずにドローゴーして後攻制圧されたり――。

 

「まぁそんな事もあるよね」

 

 苦々しい敗北感を一気に飲み込み、再びランクマッチに挑む。……心折れる? いや、別に。振り出しに戻ったのなら、また駆け上がるまでよ。

 

「大体、先攻取られた時点で敗色濃厚だしねー」

 

 先攻取られるのはプレミ、手札誘発握れないのはプレミ、先攻取ったのに手札事故で動けないのもまたプレミ――その上で、環境上位のデッキと殴り合うのだ。

 この程度の不利は先刻承知だとも。ただただ勝利を目指すなら、その時の最強のデッキ『ドライトロン宣告者』を握れば良い。そんな虚しい勝利など此方から願い下げだ。敵のデッキを使って勝つなど論外だ。

 

「私は『シャドール』でデュエルして勝つ。負け方は選べないが、勝ち方は自分の手で選べるとも」

 

 どうして昔から『シャドール』が好きなのか、いまいち判然としないが――ともかく、融合召喚が好きってのが念頭にあるのかも?

 そもそも融合召喚なんて、昔からディスアドバンテージの塊だ。素材2枚+融合魔法という、前提の時点で3枚消費して1枚のモンスターを出す、最初から構造的欠陥を孕んだ召喚方法だ。

 

 ――私が『シャドール』と出会ったのはその欠陥をデッキ融合&効果で墓地に送られた際に起動する効果で逆にアドバンテージに変えた融合の革命児としての絶頂期――ではなく、中核の《エルシャドール・ネフィリム》が禁止され、《エルシャドール・ミドラーシュ》や『神の写し身との接触』さえ制限や準制限にされた、零落れた最弱時代だった。

 

「まぁ一種の反骨心みたいなものかな? 勝利条件の厳しいデッキでの勝利こそ貴重と捉えたとか?」

 

 その時から『シャドール』との二人三脚が始まった。貧弱過ぎる《エルシャドール・ミドラーシュ》を守る為に《幻想の見習い魔導師》を入れてみたり、『ライトロード』と組んでランク4エクシーズに浮気してみたり、『捕食植物』と組んで相手フィールドのモンスターを喰らい尽くそうとして手札事故ったり、『召喚獣』と組んだが方向性の違いで分離したり、リンクショックで融合モンスターを横に並べられなくなってイジケたり、逆にリンクを取り入れてリンク型『シャドール』になったり――。

 

「マスターデュエルでも『シャドール』握って、今は『芝刈り召喚シャドール』かぁ――」

 

 まさかその時の環境デッキと殴り合える程度まで強くなるとは思わなんだね!

 気を取り直してダイヤモンド帯でのランクマッチを繰り返し、勝ったり負けたり勝ったりしながら、あと1勝でダイヤモンド2に行けるという処まで這い上がってきた。

 

 コイントスは裏、絶望の後攻である。

 初期手札は《灰流うらら》《シャドール・リザード》『超融合』『墓穴の指名者』『冥王結界波』――中々良い手札である。

 これならば後攻でも捲くる事が可能だろう。

 

『《魔救の分析者》を通常召喚、効果発動。自分のデッキの上からカードを5枚めくる。その中からチューナー以外のレベル4以下の岩石族モンスター1体を選んで特殊召喚出来る。残りのカードは好きな順番でデッキの一番下に戻す』

 

 げっ、『アダマシア』かよ。コイツ等のソリティアは長くて嫌いなんだよなぁ。この効果を通すとほぼ確実に『ハリラドン』で地獄を見る事になるので――。

 

「手札から《灰流うらら》を捨てて効果発動、デッキから特殊召喚する効果を無効にする」

 

 ダイヤモンド帯に上がってから、《灰流うらら》を投げても『墓穴の指名者』で無効化されたり、『抹殺の指名者』で指定されたり、《PSYフレームギア・δ》で無効化された上で破壊されて特殊召喚されたりと散々だったが――珍しく普通に通ったようだ。

 

『魔法カード『奇跡の穿孔』を発動、デッキからレベル4以下の岩石族モンスター《巌帯の美技-ゼノギタム》を墓地に送る。――墓地の地属性モンスター《巌帯の美技-ゼノギタム》を除外し、《ギガンテス》を特殊召喚する』

 

 これで『ハリラドン』阻止出来たと思ったが、全然止められなかったぜ!

 

『墓地から除外された《巌帯の美技-ゼノギタム》の効果発動、デッキから岩石族モンスター《ブロックドラゴン》を墓地に送る』

 

 うわぁ、『征竜』より頭おかしい事する《ブロックドラゴン》が墓地に送られてしまった。これは3妨害ぐらい立てられて終わったんじゃね?

 《ヴァレルロード・S・ドラゴン》 《フルール・ド・バロネス》以上だったら捲り切れないなぁ。

 

『《魔救の分析者》と《ギガンテス》の2体でリンク召喚、召喚条件はチューナーを含むモンスター2体、リンク2《水晶機巧-ハリファイバー》』

 

 来たな、リンク召喚の革命児! リンクショックで死んだシンクロを救うつもりが、リンク2するだけでリンク4になる訳の解らない超パワーカード。なんでこのカードが未だに禁止送りにされてないのか、余りにも不思議過ぎるカードだ。

 もうコイツに出来ないコンボルートは無いと言っても過言じゃないほど芸達者なリンク2。チューナーを含む2体が並んだだけで死を覚悟しないといけないのはおかしくない?

 

『《水晶機巧-ハリファイバー》がリンク召喚に成功した場合、デッキからレベル3以下のチューナーモンスター《幻獣機オライオン》を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン効果を発動出来ない』

 

 なお墓地に送ればその限りではないというのが最悪な処である。

 

『墓地の地属性《魔救の分析者》《ギガンテス》、手札の地属性《巌帯の美技-ゼノギタム》の3体の地属性モンスターを除外し、墓地から《ブロックドラゴン》を特殊召喚する』

 

 ん? 此処で手札の地属性モンスターを除外してまで出した? 素直に《幻獣機アウローラドン》を出さないのか?

 

『レベル2のチューナーモンスター《幻獣機オライオン》にレベル8の《ブロックドラゴン》をチューニング。シンクロ召喚、レベル10《フルール・ド・バロネス》』

 

 此処で先に《フルール・ド・バロネス》を出す? どういう意図だろう? 《原始生命態ニビル》ケアではない。《ブロックドラゴン》の時点で5回目の召喚・特殊召喚だし。

 

『墓地に送られた《幻獣機オライオン》と《ブロックドラゴン》の効果発動。《ブロックドラゴン》が墓地に送られた場合、レベルの合計が8レベルになるようにデッキから岩石族モンスターを3体まで――レベル2《魔救の探索者》、レベル2《魔救の追求者》、レベル4《魔救の分析者》を手札に加える。墓地に送られた《幻獣機オライオン》の効果、自分のフィールドに『幻獣機トークン』1体を特殊召喚する』

 

 何この頭おかしいサーチ効果。いつ見ても頭おかしい。大切な事なので二度言いました。

 だけど、なんで《幻獣機アウローラドン》出さないんだ? というか、《水晶機巧-ハリファイバー》で出すチューナーモンスター間違ってない? なんで先に《ブンボーグ001》出してソリティアしないんだ?

 

『『幻獣機トークン』1体でリンク召喚、召喚条件は通常モンスター1体、リンク1『リンク・スパイダー』、これでターンエンド』

 

 ? あれ、《フルール・ド・バロネス》だけ? 《ヴァレルロード・S・ドラゴン》 などを並べないとは舐めプかな?

 

「私のターン、ドロー……あ」

 

 引いたカードは『隣の芝刈り』、うん、確実に殺せって事だね我がデッキよ!

 

「魔法カード『冥王結界波』発動、このカードにモンスター効果は発動出来ない。相手フィールドの全ての表側表示モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。このカードの発動後、ターン終了時まで相手の受ける全てのダメージは0となる」

 

 まぁLP削る事が勝利に近づくという訳じゃないので、実質デメリット無しだね! 1キルショット出来るなら話は別だが、今の『シャドール』じゃ出来ないし。

 これで唯一の妨害だった《フルール・ド・バロネス》がただの攻撃力3000の置物と化した。

 

「此処で懸念すべきは《水晶機巧-ハリファイバー》、効果は無効になっているが、相手ターンに発動出来る効果使うとコストで除外するから、無効をすり抜けてEXデッキからシンクロチューナーモンスターを出されるんだよなぁ」

 

 この場合は《TG ワンダー・マジシャン》を出して魔法・罠カード除去してくる事を警戒しなきゃね。

 

「まぁいいや、魔法カード『隣の芝刈り』発動! デッキから23枚墓地に送る!」

『手札から《灰流うらら》を捨てて――』

「はいはい、速攻魔法『墓穴の指名者』発動、相手の墓地の《灰流うらら》を除外して次のターンの終了時までその効果を無効にする」

 

 いやはや、『墓穴の指名者』を握っている時の安心感は格別だね! さぁ宇宙を築いていくぞー!

 

「墓地の《シャドール・ファルコン》《影霊の翼 ウェンディ》《シャドール・ヘッジホッグ》《影依の巫女 エリアル》《シャドール・ハウンド》の効果発動!」

 

 チェーン1《シャドール・ファルコン》の裏側守備表示での特殊召喚。

 チェーン2《影霊の翼 ウェンディ》のデッキから『シャドール』モンスターの裏側守備表示での特殊召喚。

 チェーン3《シャドール・ヘッジホッグ》のデッキから『シャドール』モンスター1体を手札に加える。

 チェーン4《影依の巫女 エリアル》の相手の墓地の3枚《ブロックドラゴン》《幻獣機オライオン》ついでに『奇跡の穿孔』を除外。

 チェーン5《シャドール・ハウンド》の表示形式の変更。

 

「《シャドール・ハウンド》の効果で攻撃表示の《フルール・ド・バロネス》を守備表示に変更」

 

 この効果は正直どうでもいい。最後にいらない効果を配置しておく事で他のチェーン効果を守っただけの事。……まぁこれが万が一通らなかったら《フルール・ド・バロネス》を処理出来ないんだけどね!

 

「《影依の巫女 エリアル》の効果で相手の墓地の《ブロックドラゴン》《幻獣機オライオン》『奇跡の穿孔』を除外」

 

 次のターンに悪い事する《ブロックドラゴン》は除外するに限る。

 

「《シャドール・ヘッジホッグ》の効果でデッキから《シャドール・ファルコン》を手札に加える」

 

 本命のこれを密かにサーチしておく。

 

「《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・リザード》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 まだ効果を使ってない《シャドール・リザード》をデッキから呼び出しておく。

 

「《シャドール・ファルコン》を墓地から裏側守備表示で特殊召喚」

 

 今回はまぁまぁな墓地肥やしだった。《召喚師アレイスター》が墓地に送られたが、残念ながら『召喚魔術』は墓地に落ちなかった。少し残念。

 

「手札の《シャドール・リザード》を捨てて速攻魔法『超融合』発動! 自分のフィールドの裏側守備表示の《シャドール・リザード》と相手の場の地属性《リンク・スパイダー》を融合! レベル10《エルシャドール・シェキナーガ》!」

 

 実は相手の場で融合素材に出来るの、地属性の《リンク・スパイダー》だけだったりする。危ない危ない、それがいなければこのターン、融合召喚出来なかったよ。

 

「墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動、デッキから永続罠『影依の偽典』を墓地に送る」

 

 これで準備完了っと。さぁバトルフェイズだー!

 

「バトル、《エルシャドール・シェキナーガ》で守備表示の《フルール・ド・バロネス》を攻撃!」

 

 《エルシャドール・シェキナーガ》の攻撃力は2600、《フルール・ド・バロネス》の守備力は2400、戦闘破壊だー!

 

「メイン2、《エルシャドール・シェキナーガ》1体でリンク召喚、召喚条件はリンクモンスター以外のEXモンスターゾーンのモンスター1体、リンク1《グラビティ・コントローラー》」

 

 そして《エルシャドール・シェキナーガ》で墓地から回収する魔法・罠カードは当然『影依の偽典』――ではなく。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・シェキナーガ》の効果発動、墓地の『シャドール』魔法カード『影依融合』を手札に加える」

 

 そーいえばー、まだEXデッキから特殊召喚された《水晶機巧-ハリファイバー》が居たよねぇ?

 更に言えば、これを無効に出来る手札誘発の《灰流うらら》は既に使った上に『墓穴の指名者』で除外されていたよねぇ?

 

「魔法カード『影依融合』発動! デッキから《シャドール・ビースト》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 これなら『ハリラドン』されていても捲れたかな! あ、ザ・ビーストは勘弁な。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・ビースト》の効果発動、《シャドール・ビースト》の効果で1枚ドロー」

 

 あ、引いたカードは『召喚魔術』。おやおやおや、最強展開可能じゃないか!

 

「《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから『影光の聖選士』を墓地に送る」

 

 さぁて、動けるだけ動くのは当然だよねぇ!

 

「まずは手札から魔法カード『召喚魔術』発動! 墓地の《召喚師アレイスター》と光属性《PSYフレームギア・γ》を除外して融合召喚! レベル9《召喚獣メルカバー》!」

 

 これで手札にモンスターカード《シャドール・ファルコン》がいるのでモンスター効果を無効に出来る。更に更に!

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 そーいえば、まだ通常召喚権を使ってなかったなぁ?

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加えてそのまま発動、自分のフィールドの《召喚師アレイスター》と相手の墓地の風属性《フルール・ド・バロネス》を除外して融合召喚! レベル5《召喚獣ライディーン》!」

 

 出す機会の少ない『月の書』搭載の『召喚獣』融合モンスター。今、コイツが何を出来るかというと――と、まずはこれを出してからだ。

 

「墓地の『影光の聖選士』の効果発動、自身と《シャドール・ハウンド》を除外し、フィールドの裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》を表側守備表示にする」

 

 これでフィールドにレベル2のチューナーモンスターとレベル8のモンスターが揃った! 合計レベルは10、此処から出るモンスターは当然!

 

「レベル2のチューナーモンスター《シャドール・ファルコン》にレベル8の《エルシャドール・ネフィリム》をチューニング! シンクロ召喚! レベル10《フルール・ド・バロネス》!」

 

 ちなみに《フルール・ド・バロネス》の1回限りの万能無効効果は『このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動出来る。その発動を無効にして破壊する』である。

 つまりこの1回限りの効果を使い切った後に《召喚獣ライディーン》の効果で裏側守備表示に変更し、その後に2枚目の『影光の聖選士』で表側守備表示に変更されたらどうなると思う?

 この1回限りの万能無効効果、また使えるようになるんだよなぁ!

 

「おっと、忘れていた。墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果で墓地の永続罠『影依の偽典』を手札に加えて、1枚セット。ついでに《フルール・ド・バロネス》の効果で《水晶機巧-ハリファイバー》を破壊してターンエンド」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札1枚(《シャドール・ファルコン》)

 EXモンスターゾーン

 《グラビティ・コントローラー》リンク1/闇属性/サイキック族/攻1000

 メインモンスターゾーン

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 《召喚獣ライディーン》星5/風属性/戦士族/攻2200/守2400

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(『影依の偽典』)

 

 

 ――さて現状何回妨害出来るかと言うと。

 

 まず《召喚獣メルカバー》でモンスター効果無効除外1回、《フルール・ド・バロネス》の万能無効効果1回+《召喚獣ライディーン》の効果で裏返しして墓地の『影光の聖選士』で表にして+1回の2回、相手ターン『影依の偽典』からの《エルシャドール・ミドラーシュ》による特殊召喚1回縛り、墓地から7枚除外して裏側守備表示に変更出来る《妖精伝姫-シラユキ》がいるので5妨害となっております。

 

『私のターン、ドロー。相手の場にのみモンスターが存在する場合、手札から《魔救の分析者》を特殊召喚する』

 

 うーむ、相手、どうやら『アダマシア』握って間もないようだね。あの状況で『ハリラドン』展開して来ない理由なんて慣れてない以外に有り得ないだろう。

 このダイヤモンド帯になってから作って実地で試運転という処かな? まぁ手心など加えまい。

 

「チェーンして永続罠『影依の偽典』発動、墓地の《シャドール・ドラゴン》と闇属性《召喚師アレイスター》を除外して融合召喚! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 相手の特殊召喚に合わせて《エルシャドール・ミドラーシュ》を着地っと、これで君の特殊召喚1回は使い切ったね!

 此処で相手はサレンダー、対戦ありがとうございました。次は使い慣れたデッキでデュエルしたいね。

 

 

 

 

 

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『アダマシア』

 先攻取って事故らなかった者が勝つ、以上。
 『アダマシア』は先攻展開された《エルシャドール・ミドラーシュ》に回答無いし、『芝刈り召喚シャドール』も先攻制圧された盤面を突破する手段は中々無い。
 『ハリラドン』からボウテンコウを経由してサーチされる『竜星』カウンター罠『竜星の九支』が辛すぎる。

 ソリティアが余りにも長く、『ハリラドン』を止められなかったら基本終わる。
 《ブロックドラゴン》をサーチされても終わる。
 何なら『魔救』モンスターの坊主めくり効果が発動した時点で『ハリラドン』以上が確定なので終わる。
 本来は『ハリラドン』からバロネス・サベージ以上の、3~5妨害が並ぶ。
 が、ソリティアされる前に基本サレンダーするので完全展開された譜面、残念ながら1つも無かったy


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12vs『アダマシア』(2)

 本日の最強カード

 《水晶機巧-ハリファイバー》
 リンク・効果モンスター(制限カード)
 リンク2/水属性/機械族/攻1500
 【リンクマーカー:左下/右下】
 チューナーを含むモンスター2体
 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
 手札・デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。
 (2):相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外して発動できる。
 EXデッキからSモンスターのチューナー1体をS召喚扱いで特殊召喚する。

 『このカードはリンク素材に出来ない』という一文を意図的に省いたであろう最強級のパワーカード。
 大体のデュエルでコイツを素通ししたら死を覚悟しないといけない。

 コイツを出せばそのままリンク4(ハリセネーネアクセス)まで行けるし、《幻獣機アウローラドン》を出せば宇宙を築ける。

 ※本日の間違い

「『暴走魔法陣』がフィールドにある状態で『影依融合』! ふはは、誰も止めれないぞー!」
「甘いぜ! 手札から《灰流うらら》を捨てて発動! デッキから特殊召喚する効果を無効にするぜ!」

「? ???? 発動は無効化されない、効果を無効にする、一緒ではないのか!?」
「違うんだぜッ!」

 王宮の勅命で魔法カードの効果を無効化された場合、『影依融合』が発動すらしないのと同じ感じ……?
 KONMAI語は難しいですね。


 ――今日も今日とてランクマッチ。

 負けたり勝ったり負けたり勝ったりしながら、遂にあと1勝でダイヤモンド2昇格まで漕ぎ着けた。

 

 コイントスは――裏、無常の後攻……! 手札誘発は、無い!?

 

『《魔救の分析者》を通常召喚、効果発動、自分のデッキからカードを5枚めくり、その中からチューナー以外のレベル4以下の岩石族モンスター1体を特殊召喚する』

 

 しかも相手はまた『アダマシア』かよ!? よりによって、こんな大事な時に……!

 

『《コアキメイル・ガーディアン》を特殊召喚し、残りのカードは好きな順番でデッキの一番下に戻す』

 

 早くも『ハリラドン』ルート確定である。ちなみに捲られた残りのカードは『コズミック・サイクロン』《増殖するG》《魔救の追求者》『ハーピィの羽根帚』か。

 

『自分フィールドに《魔救の追求者》以外の『アダマシア』モンスターが存在する場合、《魔救の追求者》を特殊召喚する。効果発動し、5枚めくってチューナー以外のレベル4以下の岩石族モンスター1体を特殊召喚する』

 

 『禁じられた一滴』《魔救の分析者》《魔竜星-トウテツ》《コアキメイル・ガーディアン》、そして――。

 

『《プランキッズ・ロック》を特殊召喚し、残りのカードは好きな順番でデッキの一番下に戻す』

 

 うわ、すごくヤバい。『ハリラドン』行く前に《アポロウーサ》来るようだ。チラッと《魔竜星-トウテツ》も見えたし、今回の『アダマシア』使いは完全制圧してくるだろうなぁ。

 

『《プランキッズ・ロック》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の『プランキッズ』モンスター1体、リンク1《プランキッズ・ミュー》』

 

 『プランキッズ』は半分融合テーマだが、うん、何故か興味が沸かなかったんだよなぁ。やっている事、意味わかんないし。

 融合なら何でも好きかと思っていたが、これと『HERO』はあんまり好きじゃない。

 

『『プランキッズ』モンスターのリンク素材として墓地に送られた《プランキッズ・ロック》の効果発動、自分の手札を1枚除外し、デッキから1枚ドローする。その後、手札・デッキから《プランキッズ・ロック》以外の『プランキッズ』モンスター《プランキッズ・パルス》を特殊召喚する』

 

 ちなみに『プランキッズ』の動きを止めるだけなら、このタイミングで《灰流うらら》打てばいい。何も出来ずに棒立ちターンエンドしてくれる。

 

『《プランキッズ・ミュー》と《プランキッズ・パルス》でリンク召喚、召喚条件は『プランキッズ』モンスター2体。リンク2《プランキッズ・ドゥードゥル》』

 

 まぁ今回もうちの《灰流うらら》は特別休暇取ってバカンスに行ってるんだけどね! そろそろ休日出勤して全日出てくれないかな?

 

『『プランキッズ』モンスターのリンク素材として墓地に送られた《プランキッズ・パルス》の効果発動、デッキから《プランキッズ・パルス》以外の『プランキッズ』カード、《プランキッズ・ロック》を墓地に送る。その後、《プランキッズ・パルス》以外の『プランキッズ』モンスター、《プランキッズ・ロック》を特殊召喚する』

 

 《プランキッズ・ドゥードゥル》のリンク召喚成功時に『プランキッズ』魔法か罠をサーチする効果あった気がしたが、出張なのでデッキに入ってないようだ。そんな無駄な枠積めたら事故要素増えるしね。

 

『レベル4の《プランキッズ・ロック》と《コアキメイル・ガーディアン》でエクシーズ召喚、ランク4《御影志士》』

 

 『アダマシア』でレベル4のモンスターが2体並んだら当然出てくるのは《御影志士》だ。コーラを飲んでゲップをするより確実だね、無い時は手札に握ってる時だよ。

 

『《御影志士》の効果発動、エクシーズ素材を1つ取り除き、デッキから岩石族モンスター《ブロックドラゴン》を手札に加える』

 

 メインエンジンという名の違法物体の《ブロックドラゴン》が無事サーチされてしまう。

 コイツの説明は前回でし尽くしたからやる必要無いね。

 

『墓地の《プランキッズ・ミュー》《プランキッズ・ロック》2枚を除外し、手札から《ブロックドラゴン》を特殊召喚する』

 

 ちなみにもう5体以上召喚・特殊召喚されているので《原始生命態ニビル》を握っていたのなら此処で使うのも手だろう。その後の展開は止めれないが、少なくともこのリンク4が立つのを阻止は出来る。

 

『ランク2の《プランキッズ・ドゥードゥル》《御影志士》《ブロックドラゴン》でリンク召喚、召喚条件はトークン以外のカード名が異なるモンスター2体以上、リンク4《召命の神弓-アポロウーサ》』

 

 出てきたのはリンク4の制圧モンスター。まぁ無効に出来るのはモンスター効果だけで、どっかのアルデクと違って同一チェーンで1度しか無効に出来ないから可愛いもんよ。

 

『《召命の神弓-アポロウーサ》の攻撃力はリンク素材としたモンスターの数×800、2400となる』

 

 モンスター効果を無効にする毎に攻撃力800下がるので、3回無効に出来る。刺さる時は致命的なまでに刺さるが、まだ容易い類だ。

 コイツ単体では何とでもなるが、他と合わせて制圧するタイプだからなぁ。

 

『フィールドから墓地に送られた《ブロックドラゴン》の効果発動、レベルの合計が8になるようにデッキから岩石族モンスター3体まで選んで手札に加える。――レベル4《ギガンテス》レベル2《魔救の探索者》レベル2《魔救の追求者》』

 

 

 『アダマシア』

 LP8000

 手札6(《ギガンテス》《魔救の探索者》《魔救の追求者》)

 EXモンスターゾーン

 《召命の神弓-アポロウーサ》リンク4/風属性/天使族/攻2400

 メインモンスターゾーン

 《魔救の分析者》星4/地属性/岩石族/攻1500/守 700

 《魔救の追求者》星2/地属性/岩石族/攻1200/守1000

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

『《魔救の分析者》《魔救の追求者》2体でリンク召喚、召喚条件はチューナーを含むモンスター2体、リンク2《水晶機巧-ハリファイバー》』

 

 シンクロ召喚とは違って、チューナーモンスター2体でも出せるのは理不尽である。

 

『リンク召喚に成功した《水晶機巧-ハリファイバー》の効果発動、デッキからレベル3以下のチューナーモンスター《ブンボーグ001》を守備表示で特殊召喚する』

 

 《水晶機巧-ハリファイバー》、そろそろ禁止にならない? もう君とのお別れはとっくの昔に済ましたんだけどさ!

 

『リンク2《水晶機巧-ハリファイバー》と《ブンボーグ001》でリンク召喚、召喚条件は機械族モンスター2体以上、リンク3《幻獣機アウローラドン》』

 

 ですよねー。親の顔より見慣れた『ハリラドン』展開。此処からどこまで展開されるのか、戦々恐々だ。

 

『リンク召喚に成功した《幻獣機アウローラドン》の効果発動、自分フィールドに『幻獣機トークン』3体を特殊召喚する。このターン、自分はリンク召喚出来ない。――墓地の《ブンボーグ001》の効果発動、フィールドに機械族モンスターが2体以上同時に特殊召喚された場合、このカードを特殊召喚する』

 

 リンク召喚出来ない、いや、もうリンク召喚しないの間違いだろうに。此処から《フルール・ド・バロネス》出すだけで終わらないかな?

 

『《幻獣機アウローラドン》の効果発動、自分フィールドのモンスター《幻獣機アウローラドン》と『幻獣機トークン』の2体をリリースし、デッキから『幻獣機』モンスター《幻獣機オライオン》を特殊召喚する』

 

 ですよねー。それにしても、其処までデッキに詰め込んで良く事故らないなぁ。

 引きたくないカードをデッキに投入するのは構築段階からの縛りが加わるので、あんまり好きじゃない。引いてしまって事故る事が目に見えるからなぁ。

 

『レベル2のチューナーモンスター《幻獣機オライオン》にレベル3の『幻獣機トークン』をチューニング。シンクロ召喚、レベル5《源竜星-ボウテンコウ》』

 

 必須カードを1枚投入の場合、手札に来た時点で展開ルートが潰れてしまい、そうならないように2枚積みにするとより一層手札に来るようになって事故率がアップする。

 『ハリラドン』展開は強力だが、自ら事故率を上げている点は明確な弱点だろう。上振れた時は凄いけどね! 今がそれだよ!

 

『特殊召喚に成功した《源竜星-ボウテンコウ》の効果発動、デッキから『竜星』カード『竜星の九支』を手札に加える。墓地に送られた《幻獣機オライオン》の効果発動、自分フィールドに『幻獣機トークン』1体を特殊召喚する』

 

 今、サーチされたカードが『竜星』専用のカウンター罠であり、制圧に深みを増す1枚だ。『冥王結界波』だとカウンター罠で無効にされるし、『禁じられた一滴』でも罠カードをリリースしてないと無効にされてしまう。

 

『レベル5のシンクロチューナー《源竜星-ボウテンコウ》にレベル3の『幻獣機トークン』をチューニング、シンクロ召喚、レベル8《ヴァレルロード・S・ドラゴン》』

 

 一時期、ドラゴンリンクが全盛期の時は腐るほど見かけたが、今日に至ってはあんまり見ない制圧シンクロモンスター。でもまぁレベル8シンクロを出せるなら真っ先に候補にあがるぐらいには強い制圧モンスターなんだけどね。

 

『シンクロ召喚に成功した《ヴァレルロード・S・ドラゴン》の効果発動、墓地からリンクモンスター《幻獣機アウローラドン》を装備カード扱いとして装備し、リンクマーカーの数だけこのカードにヴァレルカウンターを置く。――表側表示でフィールドから離れた《源竜星-ボウテンコウ》の効果発動、デッキから『竜星』モンスター《魔竜星-トウテツ》を守備表示で特殊召喚する』

 

 これで3つヴァレルカウンターが乗った《ヴァレルロード・S・ドラゴン》は3回相手の発動した効果を無効に出来る。1ターンに1度だけだけどね! あれ、3体のレベルの合計が9? まさか……!?

 

『レベル1の《ブンボーグ001》にレベル3の『幻獣機トークン』とレベル5の《魔竜星-トウテツ》をチューニング、シンクロ召喚、レベル9《幻竜星-チョウホウ》』

 

 ……ふぅ、良かった。《トリシューラ》じゃなかったか。そうだよね、此処で『竜星』モンスターがいなくなると『竜星の九支』をサーチした意味無くなるもんね。

 ところであんまり見かけない《幻竜星-チョウホウ》の効果はっと?

 

 

 《幻竜星-チョウホウ》

 シンクロ・効果モンスター

 星9/光属性/幻竜族/攻2800/守2200

 チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

 (1):S召喚したこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、

 相手はこのカードのS素材とした「竜星」モンスターと元々の属性が同じモンスターの効果を発動できない。

 (2):S召喚したこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。

 デッキからチューナー1体を手札に加える。

 (3):1ターンに1度、相手フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された時に発動できる。

 そのモンスター1体と元々の属性が同じ幻竜族モンスター1体を自分のデッキから守備表示で特殊召喚する。

 

 

 あれ、シンクロ素材にした『竜星』モンスターの属性は闇? 完全な『シャドール』メタやんけ!? なんか知らない内に知らんメタがぶっ刺さってるんだけど!?

 

『墓地の地属性モンスター《御影志士》を除外し、手札の《ギガンテス》を特殊召喚する。自分フィールドに《魔救の探索者》以外の岩石族モンスターが存在する場合、《魔救の探索者》を特殊召喚する』

 

 ……まだ坊主めくりするのか。だるいなぁ。

 

『《魔救の探索者》の効果発動、デッキから5枚めくり、チューナー以外のレベル4以下の岩石族モンスター1体《コアキメイル・ガーディアン》を特殊召喚する』

 

 もう1回《ブロックドラゴン》を出すまでもなく、フィールドのモンスターのレベルの合計が10になってしまった。

 

『レベル2のチューナーモンスター《魔救の探索者》にレベル4の《ギガンテス》とレベル4の《コアキメイル・ガーディアン》でチューニング、シンクロ召喚、レベル10《フルール・ド・バロネス》』

 

 うわぁ、壮観だなぁ。――言うまでもないけど、対抗策が無かった時点でサレンダーしているから、完全に展開された状況を眺めるのはレアケースだ。

 

『カードを1枚セットしてターンエンド』

 

 

 『アダマシア』

 LP8000

 手札5枚(《魔救の追求者》)

 EXモンスターゾーン

 《召命の神弓-アポロウーサ》リンク4/風属性/天使族/攻2400

 メインモンスターゾーン

 《ヴァレルロード・S・ドラゴン》星8/闇属性/ドラゴン族/攻4050/守2500

 《幻竜星-チョウホウ》星9/光属性/幻竜族/攻2800/守2200

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 魔法・罠カードゾーン

 《幻獣機アウローラドン》

 伏せカード1枚(『竜星の九支』)

 

 

「私のターン、ドロー」

 

 ドローしたカードは《増殖するG》、1ターン来るのが遅いよ全く。

 この強固な盤面を捲くるのに必要なカードは2枚、いや、3枚あればOKだ。

 

 

「相手の場の《ヴァレルロード・S・ドラゴン》《幻竜星-チョウホウ》《フルール・ド・バロネス》3体を生贄に、相手の場に《ラーの翼神竜-球体形》を召喚する」

 

 

 やはり《ラーの翼神竜-球体形》は神のカード、大体これがあれば解決する……!

 これであとは使えなくなったカウンター罠1つに、可愛いだけの《召命の神弓-アポロウーサ》が1体。

 

「フィールド魔法『暴走魔法陣』発動、効果処理で《召喚師アレイスター》を手札に加える。――魔法カード『影依融合』発動、そっちの場にはEXデッキから特殊召喚された《召命の神弓-アポロウーサ》がいるからデッキ融合だー!」

 

 『暴走魔法陣』がフィールドにあれば《アルデク》が居座っていようが融合可能! そもそも《崇光なる宣告者》がいると『暴走魔法陣』通らないんだけどね!

 ……なお、《灰流うらら》を投げられた場合は無情にも止められる。発動は無効化されないが、効果は無効になる。どういう事だってばよ……。

 

「デッキから《影依の巫女 エリアル》と異なる属性《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送り、融合召喚! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 いつもの《エルシャドール・ネフィリム》ではなく、《エルシャドール・アプカローネ》の方を出す。

 

「《エルシャドール・アプカローネ》《影依の巫女 エリアル》《影霊の翼 ウェンディ》の順番でチェーン組むよー。あぁ、説明の必要無いと思うけど、『暴走魔法陣』の効果で《召命の神弓-アポロウーサ》の妨害は1回も入れれないよ」

 

 『シャドール』での《召命の神弓-アポロウーサ》は非常に対処しやすい。融合魔法は通してくれるし、融合召喚した際のチェーンブロックで一番必要無い効果を後のチェーンにおけば安全に本命通せるしね。

 今回の場合は全通しという酷い結果だが。

 

「墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ヘッジホッグ》を裏側守備表示で特殊召喚、《影依の巫女 エリアル》の効果で《ブンボーグ001》《フルール・ド・バロネス》《ブロックドラゴン》の3枚を除外。《エルシャドール・アプカローネ》の効果で《召命の神弓-アポロウーサ》の効果を無効にする」

 

 これで《召命の神弓-アポロウーサ》の攻撃力は0となる。まぁでも《ラーの翼神竜-球体形》に召喚権を使ったので、これ以上の展開は出来ないんだけどね。

 

「バトル、《エルシャドール・アプカローネ》で攻撃力0となった《召命の神弓-アポロウーサ》を攻撃」

 

 さくっと戦闘破壊して2500ダメージを食らわせておく。

 

「メイン2、《エルシャドール・アプカローネ》1体でリンク召喚、召喚条件はリンクモンスター以外のEXモンスターゾーンのモンスター1体、リンク1《グラビティ・コントローラー》」

 

 使い終わった『シャドール』融合モンスターはちゃっちゃと墓地に送ろうねー。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、デッキから『シャドール』永続罠『影依の偽典』を手札に加え、その後、手札から《シャドール・ハウンド》を墓地に送って効果発動、裏側守備表示の《シャドール・ヘッジホッグ》を攻撃表示に変更してリバース効果発動、デッキから『シャドール』速攻魔法『神の写し身との接触』を手札に加える」

 

 盤面を覆したのならば、あとは蓋だね!

 

「カードを3枚伏せてターンエンド」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札3枚(《召喚師アレイスター》《増殖するG》)

 EXモンスターゾーン

 《グラビティ・コントローラー》リンク1/闇属性/サイキック族/攻1000

 メインモンスターゾーン

 《シャドール・ヘッジホッグ》星3/闇属性/魔法使い族/攻 800/守 200

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード3枚(『神の写し身との接触』『影依の偽典』)

 フィールド魔法『暴走魔法陣』

 

 

『私のターン、ドロー』

「スタンバイフェイズ、手札から《増殖するG》を捨てて効果発動しておくよ」

 

 いやまぁ、相手が特殊召喚出来る回数は1回なんだけどね? 念の為、地属性を墓地に送って準備しておこう。

 ……いや、此処、普通にミスか? このタイミングで『墓穴の指名者』されたら何もせずに除外されて無効になるから、相手のメインフェイズで優先権が渡った瞬間に使うべきだったか。

 メインフェイズ中なら『影依の偽典』で墓地から除外出来るので『墓穴の指名者』の除外を躱せるし。

 

『手札から《魔救の追求者》を通常召喚、効果発動』

「チェーンして速攻魔法『神の写し身との接触』発動、フィールドの《シャドール・ヘッジホッグ》と闇属性《グラビティ・コントローラー》を融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 ……こっちの伏せカードの内の2枚が相手ターンに《エルシャドール・ミドラーシュ》を出せるカードと知っておきながら不用心に特殊召喚しようとする?

 

『5枚めくり、5枚ともデッキの一番下に戻す』

「墓地に送られた《シャドール・ヘッジホッグ》の効果でデッキから《シャドール・ファルコン》を手札に加える」

 

 5枚めくって5枚とも特殊召喚出来ないのは運が悪いとしか言いようがない。……相手の動きにきな臭さを感じる。

 

『魔法カード『貪欲な壺』発動、墓地の《源竜星-ボウテンコウ》《水晶機巧-ハリファイバー》《幻獣機オライオン》《幻獣機アウローラドン》《ヴァレルロード・S・ドラゴン》をデッキに戻し、2枚ドローする』

 

 あっ、これ『コズミック・サイクロン』と『禁じられた一滴』、両方握ってやがるな!? やらせるかよ!

 

「甘いぞ遊戯ィ! チェーンして速攻魔法『墓穴の指名者』発動! 墓地の《ヴァレルロード・S・ドラゴン》を除外! これにより戻す対象を失った『貪欲な壺』は残りのカードを戻す処理も行えず、当然ドローも出来ない!」

 

 あっぶねぇ。通したらまた『ハリラドン』展開で制圧されていた。流石に2回は突破出来ないぞ。あの布陣。

 

『チェーンして速攻魔法『禁じられた一滴』発動、『貪欲な壺』を墓地に送り、ターン終了時まで《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃力を半分にし、効果も無効化される』

 

 やっぱり握っていた『禁じられた一滴』、自分で使うのは良いが、相手に使われるのは厄介極まるな……!

 

『墓地の地属性《魔救の探索者》《魔救の分析者》《ギガンテス》を除外し、墓地から《ブロックドラゴン》を特殊召喚する』

「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」

 

 『影依の偽典』は使わない。使っても『コズミック・サイクロン』で除外されるだろうし、相手がミスってバトルフェイズ中に使わなければ伏せカードを並べ終わってメインフェイズ2を終了するタイミングで使える。

 

『バトルフェイズ、速攻魔法『コズミック・サイクロン』発動、1000LP払い、相手フィールドの伏せカード1枚を除外する』

 

 まぁこのタイミングで使うよねー! 『影依の偽典』は無情にも除外ゾーンへ。これをされると再利用も出来ないので非常に辛い。

 

『《ブロックドラゴン》で《エルシャドール・ミドラーシュ》を攻撃』

「戦闘破壊され、墓地に送られた《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果発動、墓地の『シャドール』魔法カード『影依融合』を手札に加える」

 

 効果が無効になっているのはフィールドにいる時だけだから、墓地に送られた際の効果は普通に発動するさ。死人に口ありってね!

 

『《魔救の追求者》でダイレクトアタック』

 

 痛い。1400+1200削られ、残りLP5400。まぁ現代遊戯王においては初期LPの8000から即死ラインだけどね!

 

『メインフェイズ2、レベル2のチューナーモンスター《魔救の追求者》にレベル8の《ブロックドラゴン》をチューニング、レベル10《フルール・ド・バロネス》』

「2体目かよ!? 《増殖するG》の効果で1枚ドロー」

 

 残り僅かなEXデッキに『アダマシア』シンクロモンスター以外のカードが眠っていたか……!

 

『墓地に送られた《ブロックドラゴン》の効果発動、デッキから《魔救の探索者》《魔救の分析者》《魔救の分析者》を手札に加える。ターンエンド』

 

 これは《増殖するG》でドローされる事を嫌って、展開を最低限に抑えたか。捲り返してきたのは流石だが、蓋出来なかったな!

 

「私のターン、ドロー!」

 

 《ラーの翼神竜-球体形》が戻ってくる。さて、このターンで殺し切るとしよう。

 

「魔法カード『影依融合』発動、デッキの《シャドール・リザード》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を墓地に送り、融合召喚! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 『暴走魔法陣』があるので《フルール・ド・バロネス》に邪魔される事無く着地っと。

 もう既に《妖精伝姫-シラユキ》が墓地にあるので、《フルール・ド・バロネス》の料理はいかようにでも、である。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》と墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動、《シャドール・リザード》の効果でデッキから《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから『影光の聖選士』を墓地に送る」

 

 この効果まではチェーン出来ない融合召喚時の効果である。

 

「《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 此処からは止められる効果だが、これを止めると《召喚師アレイスター》の通常召喚からの『召喚獣』融合を止められなくなるなぁ?

 

「墓地の『影光の聖選士』の効果発動、このカードと墓地の《シャドール・ヘッジホッグ》を除外し、フィールドの裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》を表側守備表示に変更し、リバース効果発動! 墓地の《影依の巫女 エリアル》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 何処で止めてくるかなー、何処で止めても無駄だけど。

 ほらほら、レベル2のチューナーモンスター《シャドール・ファルコン》とレベル8の《エルシャドール・ネフィリム》を表側表示で並べさせたら、出てくるのはあれしかないよねー。そっちの専売特許じゃないんだよ?

 

「レベル2のチューナーモンスター《シャドール・ファルコン》にレベル8の《エルシャドール・ネフィリム》をチューニング、シンクロ召喚! レベル10《フルール・ド・バロネス》!」

 

 墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果で『神の写し身との接触』を回収っと。

 

「《フルール・ド・バロネス》の効果発動、相手フィールドの《フルール・ド・バロネス》を破壊する!」

『《フルール・ド・バロネス》の効果発動、このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動出来る。その発動を無効にして破壊する』

「以下同文で同じ効果発動して破壊だー!」

 

 よし、これで相手の場は更地。墓地で悪さ出来るカードも無い。残りライフ4500を吹き飛ばすなんてお茶の子さいさいよ!

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから魔法カード『召喚魔術』を手札に加えてそのまま発動、自身のフィールドの《召喚師アレイスター》と相手の墓地の光属性《源竜星-ボウテンコウ》を除外して融合召喚、レベル9《召喚獣メルカバー》!」

 

 一応無効効果持ちを出しておこう。まぁ《原始生命態ニビル》を握ってるなら《フルール・ド・バロネス》の無効効果使った時点で打ってると思うけど。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻してバトル! 《フルール・ド・バロネス》と《召喚獣メルカバー》でダイレクトアタック!」

 

 珍しく相手のLPを0にし、デュエル終了。

 これでめでたくダイヤモンド2に昇格、頂上のダイヤモンド1まであと少しだー!

 




 大抵此処まで先攻制圧されたら捲れずにサレンダー。
 そもそも手札誘発が無く、アダマシアモンスターの坊主めくりをされた時点で即座にサレンダーなんですけどね。時間が勿体ない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13vs『電脳堺』

 本日の最強カード

 《電脳堺狐-仙々》
 シンクロ・効果モンスター
 星9/風属性/サイキック族/攻2800/守2400
 チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
 このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):フィールドから墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。
 (2):自分のモンスターの攻撃宣言時に発動できる。
 除外されている自分または相手のモンスター1体を選んで墓地に戻す。
 (3):このカード以外の、元々の種族・属性が異なるモンスター2体を自分の墓地から除外して発動できる。
 このカードを墓地から特殊召喚する。
 この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。


 一番の理不尽は、エクシーズ素材で墓地に投げ捨てられた後に自己蘇生する事ですね。


 

 ダイヤモンド2に昇格してから、勝ったり負けたり勝ったり負けたりで、中々連勝出来ずに悪戦苦闘する。

 流石にこの時期にダイヤモンド2に上がっただけあって、手強い相手しかいない。それでも何とか3連勝し、残り2勝でダイヤモンド1昇格という処まで這い上がってきた……!

 

「ぐぬぬ、また後攻か……!」

 

 初期手札は『墓穴の指名者』『ハーピィの羽根帚』《シャドール・リザード》《シャドール・ファルコン》『影依の偽典』……微妙である。

 大繁殖している『ドライトロン宣告者』や『ロンゴミ』で先攻制圧されると何も出来ずに死ぬ羽目になる手札だ……!

 

『永続魔法『電脳堺門-青龍』発動、手札の《電脳堺麟-麟々》の効果発動、このカードが手札に存在する場合、自分フィールドの『電脳堺』カード1枚を対象として発動出来る。このカードとは種類が異なる『電脳堺』カード1枚『電脳堺門-玄武』をデッキから墓地に送り、このカードを特殊召喚する』

「げぇっ、『電脳堺』……!? よりによって、こんな時に出遭うか……ッッ!」

 

 個人的に『ドライトロン宣告者』よりも苦手なデッキが『電脳堺』である――勝率は此方が先攻でも極めて低い。後攻なら尚更低い……!

 

『その後、対象のカード及び墓地へ送ったカードとは種類の異なる《電脳堺麟-麟々》以外の『電脳堺』カード、《電脳堺姫-娘々》をデッキから墓地へ送る事が出来る。このターン、自分はレベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚出来ない』

 

 このデメリット、何かデメリットになる? リンク1と2が出せない事ぐらい? 

 どうせこっからぐるぐる回って、いつの間にか《真竜皇V.F.D.》が立つんでしょ? サレンダーして次行くか――。

 

『手札から《灰流うらら》を通常召喚。レベル3の《灰流うらら》にレベル6の《電脳堺麟-麟々》をチューニング、シンクロ召喚、レベル9《電脳堺狐-仙々》』

 

 おや、おやおやおや? これはまさか事故ってる? 嘘ぉ? 『電脳堺』で事故ってるの、初めて見た……!

 

『手札を1枚伏せてターンエンド』

 

 ……でも最低限の畜生カードは立ってるんだよなぁ。あのレベル9のシンクロモンスター《電脳堺狐-仙々》、場合によっては《真竜皇V.F.D.》より厄介なんだけど。

 

 

 《電脳堺狐-仙々》

 シンクロ・効果モンスター

 星9/風属性/サイキック族/攻2800/守2400

 チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

 このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

 (1):フィールドから墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。

 (2):自分のモンスターの攻撃宣言時に発動できる。

 除外されている自分または相手のモンスター1体を選んで墓地に戻す。

 (3):このカード以外の、元々の種族・属性が異なるモンスター2体を自分の墓地から除外して発動できる。

 このカードを墓地から特殊召喚する。

 この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

 墓地ギミックを多用する『シャドール』にとって、除外効果は非常に辛い。フィールドから限定なのでまだ何とかなりそうだが――あの永続魔法『電脳堺門-青龍』も厄介極まる。

 

 

 『電脳堺門-青龍』

 永続魔法

 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

 (1):自分の墓地から「電脳堺」カード1枚を除外し、

 フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

 そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

 (2):墓地のこのカードを除外して発動できる。

 デッキから「電脳堺」モンスター1体を手札に加える。

 その後手札を1枚選んで墓地へ送る。

 

 

 この永続魔法で何回泣いた事か。先攻で《エルシャドール・ミドラーシュ》立てても、テーマ内のギミックで即座にサーチされ、効果を無効化されて延々とソリティアされてワンキルされた時のトラウマががが……!

 

 だが、事故っている以上、ぶん殴るチャンスだ……! こっちも半分事故ってるけど。

 融合出来るカード来い、融合出来るカード来い! もしくは『隣の芝刈り』!

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは――《影依の巫女 エリアル》……。

 

「終わりだ……」

 

 はっ、一瞬諦めそうになってしまったが、今更サレンダーなど出来るか! 徹底的に抗ってやるぞ!

 とりあえず、まずは挨拶だ。実際挨拶は大事だ。

 

「魔法カード『ハーピィの羽根帚』発動、相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

 『電脳堺』の魔法・罠は墓地から除外されたら悪さするタイプが多いが、今は相手自身の効果、《電脳堺狐-仙々》の除外効果で直接除外されるから安全に処理出来る……!

 

『チェーンして手札から《増殖するG》を捨てて効果発動』

 

 え? このターン、1回も特殊召喚行えないけど良いの? これで相手の手札は0枚――そして『ハーピィの羽根帚』が通り、『電脳堺門-青龍』ともう1枚、『抹殺の指名者』だったのか。危なすぎるカードが2枚除外ゾーンに。《増殖するG》も合わせて相手側3枚損失しているけど、これでも不利なのは何故かな!

 

「モンスターをセット、カードをセットしてターンエンド」

 

 伏せたカードは《シャドール・リザード》、速攻魔法『墓穴の指名者』――これは一体いつの時代のデュエルなのだろうか……? 私だけ第四期ぐらいまで遡ってね?

 

『私のターン、ドロー』

 

 事故れ事故れ事故れ事故れ……!

 

『魔法カード『電脳堺都-九竜』発動、デッキから電脳堺門カード『電脳堺門-朱雀』を自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く』

 

 げぇっ、効果無効の永続魔法処理したのにフリーチェーンで表側表示のカード破壊が来てしまった……!

 

 

 『電脳堺門-朱雀』

 永続罠

 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

 (1):フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。

 除外されている自分の「電脳堺」カード2枚を選んでデッキに戻す(同名カードは1枚まで)。

 その後、対象のカードを破壊する。

 (2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、

 自分フィールドの「電脳堺」モンスター1体を対象として発動できる。

 そのモンスターのレベルまたはランクをターン終了時まで3つ上げる、または下げる。

 

 

 ぐぬぬ、あればある限り、此方の永続罠『影依の偽典』が後出しで破壊されて無力化されてしまう……!

 『ライトニング・ストーム』か《シャドール・ドラゴン》を墓地に送らないと処理出来ないなぁ……。

 まぁとりあえずは《電脳堺狐-仙々》を処理しない事には始まらない。自らの手で自滅して貰おう。

 

『バトルフェイズ、《電脳堺狐-仙々》で裏側守備表示のモンスターを攻撃』

「伏せていたのは《シャドール・リザード》! リバース効果発動、フィールドのモンスター1体、《電脳堺狐-仙々》を対象! そのモンスターを破壊する!」

 

 リバース効果で破壊される方が先で、次に戦闘破壊される処理なのか? だから《シャドール・リザード》が墓地に送られたのかな?

 これで次のターン、墓地から復活しようとするから、コスト払わせてから速攻魔法『墓穴の指名者』で除外ゾーンに葬ろう。

 

『メインフェイズ2、ターンエンド』

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは《シャドール・ヘッジホッグ》……うーむ、動けん。とりあえず《シャドール・ファルコン》と『影依の偽典』を伏せてっと、あ……。

 

「モンスターをセット、カードをセットしてターンエンド!」

 

 何で私、《シャドール・ヘッジホッグ》を伏せて融合魔法サーチ狙わなかったんだろ?

 ただでさえシャレにならないほど事故ってるのにプレイミスとか、自殺したいんかな我ェ!

 

『私のターン、ドロー』

 

 デュ、デュエルはまだ始まったばかりで、自分が犯した以上のミスを相手がすれば或いは――。

 

『墓地の《電脳堺狐-仙々》の効果発動、このカード以外の元々の種族・属性が異なるモンスター2体、《増殖するG》と《灰流うらら》を除外し、このカードを墓地から特殊召喚する』

「チェーンして速攻魔法『墓穴の指名者』! 当然《電脳堺狐-仙々》を対象に発動!」

 

 よし、除外して終わりだー! まぁでもテーマのギミックで除外からEXデッキに戻るんだけどね。『エリアル』で何とかならないから『電脳堺』は嫌いだ。

 

『更にチェーンして墓地の『電脳堺門-玄武』の効果発動、このカードを除外し、自分の墓地の『電脳堺』モンスター《電脳堺狐-仙々》を対象に発動。そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚する。その後、手札を1枚選んで――《灰流うらら》を墓地に送る』

 

 え? そんなカードいつ墓地に――最初の展開の時かよ!?

 除外し損ねたが、効果は無効、除外されずには済むか。いや、攻撃力2800の時点で辛すぎる。

 

『バトルフェイズ、《電脳堺狐-仙々》で裏側守備表示のモンスターを攻撃』

「《シャドール・ファルコン》のリバース効果発動! 墓地の『シャドール』モンスター《シャドール・リザード》を裏側守備表示で特殊召喚する!」

 

 とりあえず、また破壊する算段は出来たが、『電脳堺門-朱雀』がある限り『影依の偽典』使えねぇ……。

 使えれば融合出来るのに……!

 

『メインフェイズ2、ターンエンド』

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードは《シャドール・ビースト》……ぐぬぬ、何も変わらねぇ!?

 

「《シャドール・リザード》を攻撃表示に変更、リバース効果発動! 《電脳堺狐-仙々》を破壊する!」

 

 うーむ、これ、自分から破壊しない方がターン稼げたか……?

 これ、墓地から自己蘇生されて除外効果復活して、より苦悶するだけ、自分で自分の首絞めたか……?

 

「バトル! 《シャドール・リザード》でダイレクトアタック!」

 

 1800削って残りLP6200、うーむ、8000削れる気がしない。

 

「メイン2、《シャドール・リザード》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター1体、リンク1《聖魔の乙女アルテミス》!」

 

 何か間違えて『電脳堺門-朱雀』の効果使ってくれないかなぁ。使った瞬間、『影依の偽典』使えるんだけどなー!

 おっと、前回間違えて伏せてなかった《シャドール・ヘッジホッグ》を伏せておこう。

 

「モンスターを伏せてターンエンド!」

『私のターン、ドロー。墓地の《電脳堺狐-仙々》の効果発動、《灰流うらら》と《電脳堺麟-麟々》を除外し、墓地から《電脳堺狐-仙々》を特殊召喚する』

 

 相手、全然事故ってるのに、使っているシンクロモンスターは無限復活してくるインチキカードなんだよなぁ……! 限定的な制圧効果持ちで自己復活してくるなよなぁ!

 

『更に速攻魔法『緊急テレポート』発動、デッキからレベル3以下のサイキック族モンスター《電脳堺姫-娘々》を特殊召喚する』

 

 げっ、遂に展開カード引かれた……!? あ、これは終わったか?

 

『墓地の《電脳堺姫-娘々》の効果発動、自分フィールドにレベル3モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動出来る。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードはチューナーとして扱い、フィールドを離れた場合、除外される』

 

 レベル3のモンスターが2体……! レベルかランクが3以上じゃないと出せない制約があるおかげで《ハリファイバー》出て来ないのか。

 

『バトルフェイズ、1体目の《電脳堺姫-娘々》で《聖魔の乙女アルテミス》を攻撃』

 

 戦闘破壊されて700ダメージ。貴重な光属性が除外されてしまう。

 

『2体目の《電脳堺姫-娘々》で裏側守備表示のモンスターを攻撃』

「《シャドール・ヘッジホッグ》のリバース効果発動! デッキから『シャドール』魔法『影依融合』を手札に加える!」

 

 戦闘破壊され、《シャドール・ヘッジホッグ》が除外されるが、やっと融合魔法を手札に加える事が出来た。

 手札には《影依の巫女 エリアル》と《シャドール・ビースト》、属性が異なる『シャドール』なので《エルシャドール・アプカローネ》が出せるな。

 

『《電脳堺狐-仙々》でダイレクトアタック』

 

 2800食らって残りLP4500、死ななきゃ安い。というか、よく死んでないな!?

 

『メインフェイズ2、レベル3のチューナー扱いの《電脳堺姫-娘々》にレベル3の《電脳堺姫-娘々》をチューニング、シンクロ召喚、レベル6《スターダスト・チャージ・ウォリアー》』

 

 『影依融合』が見えてるのにEXデッキから出してくれるんだ?

 相手の手札は0枚。これは私が犯してきた以上の、致命的なミスじゃないだろうか?

 

『《スターダスト・チャージ・ウォリアー》の効果発動、除外された《電脳堺姫-娘々》の効果発動』

 

 よっし、これで『電脳堺門-朱雀』を先打ちさせる算段が付いた……!

 

『《電脳堺姫-娘々》が除外された場合、このカード以外の除外されている『電脳堺門-青龍』をデッキに戻す。シンクロ召喚に成功した《スターダスト・チャージ・ウォリアー》の効果発動、デッキから1枚ドローする』

 

 最大の不確定要素はこのドローだが、まぁこれで死んだら運が悪かったと諦めよう。というか最初から事故っていたし。

 

『カードを1枚セットしてターンエンド』

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードは《シャドール・ハウンド》、最後までドロー運が無かったなぁ。

 

「魔法カード『影依融合』発動! 相手の場にEXデッキから特殊召喚されたモンスターがいるのでデッキから融合素材を墓地に送れる! デッキの《シャドール・リザード》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 デッキから墓地に送られる効果なので、《電脳堺狐-仙々》の効果で除外はされない。アイツはフィールドから除外だしね。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動!」

『チェーンして永続罠『電脳堺門-朱雀』の効果発動』

 

 ああ、やっぱり我慢出来ずに使ったねぇ? まぁ2回融合出来る状態になった時点でそっちの詰みよ。

 

『フィールドの表側表示のカード1枚、《エルシャドール・ネフィリム》を対象に発動、除外されている自分の『電脳堺』カード2枚《電脳堺姫-娘々》『電脳堺門-玄武』をデッキに戻す。その後、対象のカードを破壊する』

 

 デッキ融合された《エルシャドール・ネフィリム》は破壊されて除外、墓地から回収する『シャドール』魔法・罠は無いので、もう仕事は既に果たしている。

 

「《シャドール・リザード》の効果でデッキから《シャドール・ドラゴン》を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから罠カード『影光の聖選士』を墓地に送る!」

 

 準備完了っと。まずは最後の不確定要素を消すに限る。

 

「墓地に送られた《シャドール・ドラゴン》の効果発動、相手フィールドの伏せカードを破壊する!」

『チェーンして速攻魔法『墓穴の指名者』、《シャドール・リザード》を除外する』

 

 あー、うん、どっちにしろ意味の無いカードだったね。使うならデッキから墓地送りした時に使わないと。

 

「更にチェーンして永続罠『影依の偽典』発動!」

 

 まぁどうせ除外されるなら先に融合素材として除外するとも。

 

「墓地の《シャドール・リザード》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を除外し、融合召喚! 二度現れよ、レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 我慢に我慢を重ね、ミスにミスを重ね、ようやく辿り着いた唯一の機会! さぁ捲って蓋してやるぞー!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、デッキから《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送って効果発動、デッキから《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 ホント、なんでこの効果に名称付きターン1縛りないのか、不思議だなー。

 しかも融合召喚ではなく特殊召喚時という点が強すぎる。第9期の始まりにこの効果で刷られたの、割りと奇跡に等しいよね? 意図的に『征竜』級のテーマ作りたかったのかね?

 

「バトル! 《エルシャドール・ネフィリム》で《電脳堺狐-仙々》を攻撃! ダメージステップ開始時、《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動! 特殊召喚されたモンスターである《電脳堺狐-仙々》を破壊する!」

 

 《エルシャドール・ネフィリム》の戦闘破壊効果、久々に使ったなぁ。

 昔は《ホープ・ザ・ライトニング》が流行りすぎて、この効果使えずに終わっていた覚えがあるや。

 

「メイン2、墓地の『影光の聖選士』の効果発動、このカードと墓地の《シャドール・ドラゴン》を除外してフィールドの裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》を表側守備表示に変更してリバース効果発動! 墓地の《シャドール・リザード》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 これでフィールドのモンスターのレベルの合計が10になった……! 当然、出てくるのはアイツさ!

 

「レベル2のチューナーモンスター《シャドール・ファルコン》にレベル8の《エルシャドール・ネフィリム》をチューニング! シンクロ召喚、レベル10《フルール・ド・バロネス》!」

 

 此処で相手はサレンダー。あ、危なかった。こんな事故手札で『電脳堺』と戦いたくなかった……!

 これであと1勝でダイヤモンド1昇格だー!




 『芝刈り召喚シャドール』vs『電脳堺』

 1・9or2・8で『電脳堺』有利。
 自前のテーマギミックで罠によるフリーチェーン破壊、永続魔法による効果無効がある時点で『影依の偽典』が最悪のタイミングで破壊されるし、先攻で蓋した《エルシャドール・ミドラーシュ》が呆気なく効果無効にされる。
 前期における真の天敵。通常展開では当然『脱獄犯』が出てきて制圧してくる。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14vs『電脳堺』(2)

 本日の脱獄囚カード

 《真竜皇V.F.D.》
 エクシーズ・効果モンスター(禁止カード)
 ランク9/闇属性/幻竜族/攻3000/守3000
 レベル9モンスター×2体以上
 (1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、属性を1つ宣言して発動できる。
 このターン、以下の効果を適用する。
 この効果は相手ターンでも発動できる。
 ●フィールドの表側表示モンスターは宣言した属性になり、
 宣言した属性の相手モンスターは攻撃できず、効果を発動できない。
 (2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
 自分の手札の「真竜」モンスターの効果で破壊するモンスターを相手フィールドからも選ぶ事ができる。

 何で生きているの? と全世界の決闘者全員に思われている脱獄囚カード。
 効果の説明? いらんっしょ。使われたら死ぬ。


 

 ――あと1勝でダイヤモンド1に昇格。遂に此処まで駆け上がった。

 

 7割以上『ドライトロン宣告者』、あとは『ロンゴミ』『アダマシア』『イグニスター』などの環境トップのヤバい奴等と殴り合いながら、『芝刈り召喚シャドール』は此処まで辿り着いたよ……!

 まぁ1番ヤバい敵は自分自身の手札事故なんだけどね! そればかりはトップ解決以外対処不能である。

 

「長かったような短かったような。初の制限改定の5月9日が来る前に辿り着けるかなー!」

 

 環境トップのデッキが軒並み弱体化を食らう前に辿り着いてこそ、最も価値のある勝利だと信じる。

 原作の闇バクラの言う通り、気に入る勝ち方で勝ってこそ満足出来るってもんよ。敵が弱くなったから勝てましたじゃ片手落ちよ! ――なお、この当時の私は5月9日の制限改定と同時に『アイツ』が襲来する事を、まだ知らない。

 

「げっ、最後の最後までコイントス裏かよ……!」

 

 最後くらいは先攻制圧して完封勝利、というイージーゲームとはいかないか。

 まぁ良いとも。余りにも『ドライトロン宣告者』と戦い慣れたせいで、むしろ後攻から捲くるの楽だと錯覚するようになってるからね!

 ……いや、余りにも感覚麻痺しすぎてると思うけど。さぁ、最後のお相手のデッキは何だー!

 

『《電脳堺姫-娘々》を通常召喚、手札の《電脳堺媛-瑞々》の効果発動、フィールドの《電脳堺姫-娘々》を対象に、そのカードとは種類の異なる永続魔法『電脳堺門-青龍』をデッキから墓地に送り、特殊召喚する。その後、対象のカード及び墓地に送ったカードとは種類が異なる永続罠『電脳堺門-玄武』を手札に加える』

 

 また『電脳堺』かよ!? しかも今回は2枚初動揃ってやがる!?

 うわー、うわぁ……よりによって『電脳堺』、よりによって手札誘発無しかよ!?

 此方の初期手札は『影依の偽典』『影依の偽典』『超融合』《PSYフレーム・ドライバー》『墓穴の指名者』……この事故手札でどうしろと? 『シャドール』モンスターも《召喚師アレイスター》もいないから『超融合』腐ってるし、『影依の偽典』2枚あっても無駄過ぎるし、『シャドール』モンスターいないので墓地融合も出来ない。

 それに対して、相手は――。

 

『墓地の『電脳堺門-青龍』を除外して効果発動、デッキから《電脳堺悟-老々》を手札に加え、手札1枚――『電脳堺門-玄武』を墓地に送る』

 

 『電脳堺』の展開は良く解らないが、少なくとも『ヤツ』はほぼ確実に立つだろうなぁ。……サレンダーするか?

 

『レベル3のチューナーモンスター《電脳堺媛-瑞々》にレベル3の《電脳堺姫-娘々》をチューニング、シンクロ召喚、レベル6《電脳堺獣-鷲々》』

 

 ん? 出すの、レベル6のシンクロモンスター《瑚之龍》じゃないのか。というか『電脳堺』にレベル6のシンクロモンスター居たんだね。初めて見た。

 

『手札から《電脳堺悟-老々》の効果発動、自分フィールドの《電脳堺獣-鷲々》を対象に、デッキから種類の異なる永続罠『電脳堺門-朱雀』を墓地に送り、特殊召喚。その後、墓地に送ったカードとカード名が異なる『電脳堺』モンスター《電脳堺姫-娘々》を効果を無効にして守備表示で特殊召喚する』

 

 ……本来なら、この《電脳堺悟-老々》の効果に《灰流うらら》使って、横への展開止めるべきなんだろうなぁ。多分、此処を止めれば動けない気がする。

 相手の手札に他の『電脳堺』モンスターがいなければ、の話だが。

 

『レベル6のチューナーモンスター《電脳堺悟-老々》にレベル3の《電脳堺姫-娘々》をチューニング、シンクロ召喚、レベル9《飢鰐竜アーケティス》』

 

 お次は見慣れた《飢鰐竜アーケティス》が出てくる。アイツが出ると解っている上で見ている事しか出来ないのはもどかしいを通り越して絶望的だなぁ。

 

『《飢鰐竜アーケティス》がシンクロ召喚に成功した場合、そのシンクロ素材としたモンスターの内、チューナー以外のモンスターの数――1枚ドロー出来る』

 

 どうしてシンクロ連中はシンクロ召喚に成功したらドロー出来るヤツが多いんかねー。回数制限の無い《シャドール・ビースト》素材の融合と考えたら許されないと思うんだけど? 逆にそれ許されるんならやりたいんだけど!

 

『墓地の『電脳堺門-玄武』を除外して効果発動、自分の墓地の《電脳堺媛-瑞々》を効果を無効にして特殊召喚、その後、手札を1枚捨てる』

 

 捨てられたカードは《サイコトラッカー》……展開に使えるこれを捨てたという事は、《灰流うらら》か《増殖するG》あたりの手札誘発も握ってるなぁ。

 

『自分のフィールドにレベル3のモンスターが特殊召喚された事で墓地の《電脳堺姫-娘々》の効果発動、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚された《電脳堺姫-娘々》はチューナーとして扱い、フィールドから離れた場合に除外される』

 

 いや、むしろあの2枚初動の時点で必要無かった、という事か?

 

『レベル3のチューナーモンスター《電脳堺媛-瑞々》にレベル6の《電脳堺獣-鷲々》をチューニング、シンクロ召喚、レベル9《電脳堺狐-仙々》』

 

 そして出てくるフィールドから墓地に送られるカードを除外する《電脳堺狐-仙々》、忌々しい限りである。

 これでレベル9のモンスターが2体並んだ、来るぞ遊馬ッ!

 

『墓地の『電脳堺門-朱雀』を除外して効果発動、自分フィールドの《電脳堺狐-仙々》のレベルを、ターン終了時まで3下げて6にする』

 

 来ないぜアストラル!? って、え? なんか途轍も無く不穏な動きしてるんだけど?

 

『レベル3のチューナーとして扱う《電脳堺姫-娘々》にレベル6となった《電脳堺狐-仙々》をチューニング、シンクロ召喚、レベル9《浮鵺城》』

 

 は? 此処に至って最終盤面がどうなるかを一気に悟り、青褪める。

 おま、お前ッ、共に並べる気かよ!? そんな事をしちゃいけない!

 

『《浮鵺城》がシンクロ召喚に成功した時、自分の墓地のレベル9モンスター《電脳堺狐-仙々》を特殊召喚する』

 

 あ、あああ、これでレベル9のモンスターが3体……《電脳堺狐-仙々》を残しつつ、『アイツ』が出てくる……!

 

 

『――レベル9の《飢鰐竜アーケティス》と《浮鵺城》でオーバーレイ、エクシーズ召喚、ランク9《真竜皇V.F.D.》』

 

 

 OCGでは禁止にされて久しい第9期、最後の化け物。レベル9のモンスター2体という出し辛い召喚条件だからこそ許された制圧効果だったが、時代が追い付いて簡単に1ターン目から出てくるようになり、禁止送りとなった――というか、その出しやすかった主犯、『電脳堺』だよな!?

 

『カードを1枚セットしてターンエンド』

 

 

 『電脳堺』

 LP8000

 手札2枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《電脳堺狐-仙々》星9/風属性/サイキック族/攻2800/守2400

 《真竜皇V.F.D.》ランク9/闇属性/幻竜族/攻3000/守3000

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚

 

 

「最後の伏せカード、ほぼ間違いなく素引きした『電脳堺門-朱雀』……」

 

 除外されている『電脳堺』カードは4枚、2回、フリーチェーンの破壊が飛んでくるのかよ……。

 うん、この事故手札じゃ無理だね。さっさと諦めてサレンダーするか……いや、『シャドール』モンスターを引ければまだ何とか……?

 あ、あと、相手が光属性を指定すればワンチャン! 『ドライトロン宣告者』だらけだし、間違いなく光属性指定するだろー!

 

「私のターン、ドロー!」

『スタンバイフェイズ、《真竜皇V.F.D.》の効果発動、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、闇属性を宣言。――フィールドの表側表示モンスターは宣言した属性となり、宣言した属性の相手モンスターは攻撃出来ず、効果を発動出来ない。この効果は相手ターンでも発動出来る』

 

 ですよねー! デッキ60枚って見た時点で真っ先に『芝刈り召喚シャドール』疑うわ。

 

「か、勝てる訳が無い。アイツは伝説の脱獄囚なんだ……!」

 

 さて、肝心の引いたカードは――あっ、これ勝てるわ。諦めが反転し、相手に対する殺意に早変わりする。

 

「びば・トップ解決! 魔法カード『隣の芝刈り』発動ッ!」

『手札から《灰流うらら》を捨てて効果発動、デッキからカードを墓地に送る効果を無効にする』

「チェーンして速攻魔法『墓穴の指名者』発動! 相手の墓地の《灰流うらら》を除外して次のターン終了時まで効果を無効にする!」

 

 ありがとう、私のデッキ! あとは墓地に落ちるカード次第だ。あのカードさえ落ちれば……!

 

「私のデッキは54枚、相手は30枚、よって24枚墓地に送る!」

 

 確かに『シャドール』モンスターの大半は闇属性であり、《真竜皇V.F.D.》で闇属性を指定されたら『隣の芝刈り』で墓地に送られても効果は発動出来ない。

 だが、このデッキに入っている『シャドール』モンスターの内、2種類だけ、闇属性じゃないカードがある! ――よし、狙い通り墓地に落ちたァ!

 

「墓地に送られた風属性《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動! デッキから水属性《影依の巫女 エリアル》を裏側守備表示で特殊召喚する!」

 

 更にデッキから特殊召喚するのは闇属性じゃない《影依の巫女 エリアル》であり――まずは邪魔な除外効果から消してやろう!

 

「速攻魔法『超融合』発動! 手札を1枚捨てて、自分の場の《影依の巫女 エリアル》と相手の場の闇属性となっている《電脳堺狐-仙々》を融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 いらない《PSYフレーム・ドライバー》を捨てて、《真竜皇V.F.D.》ではなく、闇属性になっている《電脳堺狐-仙々》を融合素材にして墓地に送る。

 当然、墓地に残さない。コイツを残ったまんまにすると幾らでも湧いて出てくるからね!

 

「墓地に送られた《影依の巫女 エリアル》の効果発動、自分の墓地の《召喚師アレイスター》、相手の墓地の《電脳堺狐-仙々》《電脳堺獣-鷲々》の3枚を除外する」

 

 まぁ除外しても多分伏せているであろう『電脳堺門-朱雀』でEXデッキに戻されるが――相手の手札は残り1枚。再展開する余力は皆無と見た!

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 これでこっちの手札は《召喚師アレイスター》1枚に『影依の偽典』2枚。最初見た時は完全な手札事故だったが、トップ解決で引いた『隣の芝刈り』のお陰で最適解になるとは思わなんだ。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札1枚(《召喚師アレイスター》)

 EXモンスターゾーン

 《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード2枚(『影依の偽典』『影依の偽典』)

 

 

『私のターン、ドロー。スタンバイフェイズ、《真竜皇V.F.D.》の効果発動、闇属性を宣言』

「何もチェーンしないよ」

 

 これで手札の《召喚師アレイスター》の手札誘発効果を使う事が出来なくなるが、元々使わずとも《真竜皇V.F.D.》を葬れるので問題無い。

 

『バトルフェイズ』

「移行前のメインフェイズ、永続罠『影依の偽典』発動!」

『チェーンしてリバースカードオープン、永続罠『電脳堺門-朱雀』。フィールドの表側表示の『影依の偽典』を対象に発動、除外されている《電脳堺狐-仙々》《電脳堺獣-鷲々》をデッキに戻す。その後、対象のカードを破壊する』

 

 やっぱり伏せられていたカードは永続罠『電脳堺門-朱雀』、そして効果を思わず使ってしまったね? くくく、あっはっは、はぁーっはっはっはっ!

 

 引 っ か か っ た ね ?

 

 

「――ちぃなぁみぃにぃ、1枚目の『影依の偽典』は発動しただけで、効果はまだ使ってないよ? 名称付きのターン1縛りがかかるのは効果に対してだからねぇ」

 

 

 手札に2枚『影依の偽典』が来たのは事故だと思ったが、どうやら運命だったようだ!

 

「2枚目の『影依の偽典』発動して効果発動! 自分の墓地から《シャドール・リザード》と闇属性《シャドール・ハウンド》を除外して融合召喚! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 此処は《エルシャドール・アプカローネ》でも良かったが、念には念の為だ。『電脳堺』には効果を無効にする永続魔法があるからねぇ。

 

「『影依の偽典』で融合召喚を行った後、特殊召喚されたモンスターと同じ属性を持つ相手フィールドのモンスターを1体選んで墓地に送れる、さよなら《真竜皇V.F.D.》!」

 

 願わくは二度と遭わない事を望むよ! 

 

『……ターンエンド』

「エンドフェイズ、墓地から罠カード『影光の聖選士』と《シャドール・ヘッジホッグ》を除外し、『影依の偽典』で出した方の《エルシャドール・ミドラーシュ》を裏側守備表示に変更する」

 

 さて、相手は何もせずにターンエンド。サレンダーしないんだね?

 

「まさかと思うけど、このターンで死なないと思っているのかなー?」

 

 幾ら火力の低い『芝刈り召喚シャドール』でもねぇ、これだけ墓地が肥えていればワンショットキルは容易いんだよ?

 

「私のターン、ドロー」

『スタンバイフェイズ、『電脳堺門-朱雀』の効果で除外されている『電脳堺門-朱雀』『電脳堺門-青龍』をデッキに戻し、永続罠『影依の偽典』を破壊する』

 

 役目を終えた『影依の偽典』が破壊される。メインフェイズじゃない時に破壊されると何も出来ないし、元より使う必要無いんだけどね!

 

「《エルシャドール・ミドラーシュ》1体でリンク召喚、召喚条件はリンクモンスター以外のEXモンスターゾーンのモンスター1体、リンク1《グラビティ・コントローラー》」

 

 まずは展開に邪魔な《エルシャドール・ミドラーシュ》を墓地に送る。この子の特殊召喚1回縛りは自分にも効くからね!

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果で速攻魔法『神の写し身との接触』を手札に加える」

 

 もうこの時点で相手の視点からも8000オーバーの数値が見えているけど、続行のようだ。――潔し、積年の恨みを込めて殺してやろう(魂が薄汚れた決闘者の鑑)

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動。デッキから魔法カード『召喚魔術』を手札に加えてそのまま発動、フィールドの《召喚師アレイスター》と墓地の光属性《幽鬼うさぎ》を除外して融合召喚! レベル9《召喚獣メルカバー》!」

 

 いつもの流れである。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加え、『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 これで準備は整った!

 

「最後に《エルシャドール・ミドラーシュ》を反転召喚し、バトル! 《グラビティ・コントローラー》でダイレクトアタック、1000ダメージで残りLP7000」

 

 ぴしっと、僅かにLPが削れ――。

 

「続いて《召喚獣メルカバー》でダイレクトアタック、2500ダメージで残りLP4500」

 

 ダメージが加速し――。

 

「更に《エルシャドール・ミドラーシュ》でダイレクトアタック、2200で残りLP2300」

 

 この《エルシャドール・ミドラーシュ》は『影依の偽典』の効果で融合召喚されたが、墓地の『影光の聖選士』の効果で一回裏側守備表示になっているので、ダイレクトアタック出来ない制約は消え去っている。

 

「速攻魔法『神の写し身との接触』発動! 自分の場の《エルシャドール・ミドラーシュ》と光属性《召喚獣メルカバー》を融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 ようやく出せた《エルシャドール・ネフィリム》、締めはお前だ!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果発動」

 

 最早効果を使うまでもなく殴って終わりだと思うが、念の為だ。決闘者は息の根を完全に止めるまで油断出来ない。万が一、仕留め損なったら殺されるのは自分になるしね!

 

「《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果で墓地から永続罠『影依の偽典』を手札に加え、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《シャドール・ドラゴン》を墓地に送って効果発動、永続罠『電脳堺門-朱雀』を破壊する」

 

 無駄な展開だと解り切っていても、慢心と油断をして敗北するよりはマシ。最後まで兜の緒を締めよ、だね!

 

「《エルシャドール・ネフィリム》でダイレクトアタック!」

 

 《エルシャドール・ネフィリム》の攻撃力2800が通り、相手のLPを0にする。

 

「勝った、まさかの勝利……そして――」

 

 ようやく登り切ったよ、この魔境過ぎたランクマッチ、その頂点、『ダイヤモンド1』の頂に――。

 5月6日、新環境になるまであと3日という処で、現在の環境テーマが弱体化食らう前に登頂し切ったのだった。

 

 

 ――なお、5月9日の新制限と同時に、現実の環境を破壊し尽くした『アイツ』が早々に来る事が告知されたのは、これより少し後の事である。

 ……弱体化前の『ドライトロン宣告者』と全デッキから『アイツ』が出てくる新環境、どっちがマシだったかな?

 

 

 

 

 

 

 




 これにて5月9日までの旧制限でのデュエルは終わりです。
 次からは新制限でのデュエルになります。つまり、全デッキから『アイツ』が出張してきます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ー/デッキレシピ『芝刈り召喚シャドール(5/9制限前)』

 作者がランクマッチで使い、この小説でも使っていたデッキレシピです。
 5月9日以降は環境が激変したので違うレシピとなっています。


 モンスターカード29枚

 

 《PSYフレーム・ドライバー》×1

 《エフェクト・ヴェーラー》×1

 《増殖するG》×2

 《シャドール・ファルコン》×2

 《PSYフレームギア・γ》×2(準制限)

 《シャドール・ヘッジホッグ》×1

 《幽鬼うさぎ》×1

 《灰流うらら》×3

 《影霊の翼 ウェンディ》×2

 《シャドール・リザード》×2

 《シャドール・ドラゴン》×2

 《シャドール・ハウンド》×1

 《妖精伝姫-シラユキ》×1

 《召喚師アレイスター》×3

 《影依の巫女 エリアル》×2

 《シャドール・ビースト》×1

 《ダイナレスラー・パンクラトプス》×1(制限)

 《ラーの翼神竜-球体形》×1

 

 魔法カード27枚

 

 『サンダーボルト』×1(制限)

 『ハーピィの羽根帚』×1(制限)

 『影依融合』×3

 『強欲で貪欲な壺』×2

 『隣の芝刈り』×3

 『召喚魔術』×2

 『ルドラの魔導書』×2

 『冥王結界波』×2

 『ライトニング・ストーム』×1

 『暴走魔法陣』×2(準制限)

 『超融合』×2(準制限)

 『神の写し身との接触』×3

 『墓穴の指名者』×2(準制限)

 『禁じられた一滴』×1

 

 罠カード4枚

 

 『影光の聖選士』×2

 『影依の偽典』×2

 

 EXデッキ15枚

 

 《エルシャドール・ミドラーシュ》×2

 《召喚獣ライディーン》×1

 《エルシャドール・アプカローネ》×2

 《召喚獣プルガトリオ》×1

 《エルシャドール・ネフィリム》×2

 《召喚獣アウゴエイデス》×1

 《召喚獣メルカバー》×2

 《エルシャドール・シェキナーガ》×1

 《フルール・ド・バロネス》×1

 《グラビティ・コントローラー》×1

 《聖魔の乙女アルテミス》×1

 

 

 《増殖するG》は3枚入っていたが、《灰流うらら》や『墓穴の指名者』『抹殺の指名者』で大抵仕事出来ずに無効にされるので1枚減らし。

 囮役として見るなら3枚積みの方が良かったかも……?

 

 《エフェクト・ヴェーラー》は『ハリセレーネアクセス』の名残。光属性というだけで価値があるし、偶に刺さる。

 

 《シャドール・ヘッジホッグ》1枚。

 手札に欲しい『シャドール』モンスターカードをサーチする機会なんて1度で十分。

 リバース効果使って『シャドール』魔法・罠サーチも1度で十分という事から1枚まで削減。

 

 《シャドール・ビースト》1枚。

 コイツのリバース効果&墓地送り効果は積極的に運用したいが、最初の手札に来られてセットすら出来ない事故要因になるのは困るので1枚まで削減。

 

 《幽鬼うさぎ》1枚。

 お守り。でもたまぁに刺さる。『ロンゴミ』とか『イグニスター』で2回以上救われた。

 光属性なので《エルシャドール・ネフィリム》の素材になるお仕事もある。

 

 《ダイナレスラー・パンクラトプス》1枚。

 君、活躍出来たっけ……? 新環境になってから抜きましt

 

 『強欲で貪欲な壺』&『ルドラの魔導書』2枚ずつ。

 お手軽ドロー2枚。《灰流うらら》への囮要因&《灰流うらら》チェックに使える。

 『ルドラの魔導書』は《召喚師アレイスター》の展開で場に出た《聖魔の乙女アルテミス》を除外される前にリリースして2枚ドローするとお得感。

 ただ、次の環境では何方も同じカード(もちろん『アイツ』)のせいで難ありという評価に。現在調整中。

 

 『冥王結界波』&『禁じられた一滴』

 

 一番数が変わったカード。

 最初は『禁じられた一滴』3枚積み。後から『禁じられた一滴』枠を削って『冥王結界波』に。

 ワンキルする必要が無いと悟ってからは『冥王結界波』の方に比重が傾くが、やっぱり速攻魔法の『禁じられた一滴』の利点はかなり高い。

 枠調整に1番苦悩する、後攻捲り用のカードである。

 

 《エルシャドール・ネフィリム》2枚。

 《エルシャドール・アプカローネ》2枚。

 《エルシャドール・ミドラーシュ》2枚。

 

 対戦中に決して悟られてはならない、エルシャドールの残数。

 《エルシャドール・ネフィリム》の枚数を3枚にしたいが、EX枠がかっつかつ過ぎて泣く泣く諦める毎日。

 

 初期は《ハリファイバー》《セレーネ》《アクセスコード》が入っていたが、《フルール・ド・バロネス》が来てからは抜いて『召喚獣』融合モンスターを増やした。

 

 抜きたかった《エルシャドール・シェキナーガ》は『ヌメロン』が偶に出す《無限起動要塞メガトンゲイル》を『影依の偽典』で墓地送りにする為に抜く事が出来なかった。

 それ以外だと『サンダーボルト』『ライトニング・ストーム』『禁じられた一滴』『冥王結界波』しか回答が無い。

 

 『壊獣』&『溶岩魔神ラヴァゴーレム』

 採用したいが、処理に困るし、1~2体程度リリースしても解決しない場合が多い。

 故に神のカード《ラーの翼神竜-球体形》が! ……マジで役立ったんだよなぁ。




 『芝刈り召喚シャドール』

 Tier1の環境デッキと比べて遥かに事故率が大きいが、上振れした時は天敵すら捲れる強さがある。
 使っていて非常に楽しい、歴代最強級のデッキパワーを持った『シャドール』だと作者は個人的に満足している。
 


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ー/『芝刈り召喚シャドール』への挑戦(2)5/9制限(先攻)

 5月9日制限が施行され、新環境になります。


 

 

 

 ――2022年5月9日。『遊戯王マスターデュエル』は『環境の破壊者』の炎に包まれた。

 

 当初は制限改定だけで、Tier1デッキが弱体化するだけだと思われていたが、多くの決闘者の予想を反して同時に新セレクションパックが登場した。してしまった……!

 新たな環境テーマの襲来、新テーマの登場、既存テーマの強化――そして何よりも『ヤツ』が早々に来てしまった……!

 

 ……早い。余りにも早すぎる! 新パックが登場するまで3ヶ月も掛けた癖に何で一ヶ月足らずで出してしまうのか……!

 

「……制限改定食らって弱体化した後の環境をゆっくり楽しむつもりだったのになー」

 

 『芝刈り召喚シャドール』は今回の5月9日制限に何一つ引っ掛からなかったので、殆どの環境デッキが弱体化した事で相対的に強化されたのに、新パックの登場で環境が激変してしまった。

 

 ……果たして私はついてこれるだろうか、この環境の変化に……!

 

「私のターン、フィールド魔法『暴走魔法陣』を発動、効果処理でデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加え、そのまま通常召喚。効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 とは言え、やる事は大体変わらない。むしろ全デッキでやれる事が増えてしまったと言うべきか。

 

「《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター1体。リンク1《聖魔の乙女アルテミス》」

 

 いつもの動きで光属性モンスターを自己配給。感覚麻痺しているけど、バグってる動きだよね、この『召喚獣』融合ギミックの1枚初動。

 

「速攻魔法『神の写し身との接触』発動、手札の《シャドール・ファルコン》とフィールドの光属性《聖魔の乙女アルテミス》を融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 『シャドール』融合ギミックは3枚初動だが、その内の1枚が『召喚獣』融合ギミックと被っていると相変わらず凄い事になる。

 本来ならフィールドから除外する事になる《聖魔の乙女アルテミス》をフィールドでも活用出来るのは二度お得な感じである。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・ファルコン》の効果発動、墓地から《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示で特殊召喚して、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《シャドール・リザード》を墓地に送り、《シャドール・リザード》の効果でデッキから《シャドール・ハウンド》を墓地に送って効果発動、フィールドの裏側守備表示の《シャドール・ファルコン》を攻撃表示に変更する」

 

 今回は初期手札に『影依の偽典』があるので、サーチする必要無く――。

 

「レベル2のチューナーモンスター《シャドール・ファルコン》とレベル8の《エルシャドール・ネフィリム》をチューニング! シンクロ召喚、レベル10《フルール・ド・バロネス》!」

 

 《エルシャドール・ネフィリム》1枚で出せるから、やっぱりコイツは『シャドール』新規じゃね?

 《シャドール・ファルコン》がチューナーなのは『シャドール』シンクロモンスターを出す為だよ!

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果で墓地の速攻魔法『神の写し身との接触』を手札に加え、手札の魔法カード『召喚魔術』発動、墓地の《召喚師アレイスター》と光属性《聖魔の乙女アルテミス》を除外して融合! レベル9《召喚獣メルカバー》!」

 

 いつものお供を出しておく。今回は最終手札にモンスターカード《召喚師アレイスター》と魔法カード『神の写し身との接触』がある予定なので2種類妨害出来るぞー。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 さて、と。最後に使うカードは当然これだ。選ばし決闘者なら素引きして当然だよね! ……というか、何で準制限なのに皆素引きしているの? ドン引きよ。

 

「最後に魔法カード『フュージョン・デステニー』発動! 自分の手札・デッキから融合モンスターによって決められた融合素材を墓地に送り、『D-HERO』モンスターを融合素材とする融合モンスターをEXデッキから融合召喚する。……この効果で特殊召喚されたモンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊される。このカードの発動後、ターン終了時まで闇属性の『HERO』モンスターしか特殊召喚出来ない」

 

 何この悍ましいデッキ融合魔法カードは。完全な引き得。上振れの権現。デメリットが2つとも、全くデメリットしていない。

 発動後の縛りは展開の最後に使う事で完全回避出来るし、次のターンのエンドフェイズで自壊するデメリットは何の意味も成さない。

 

 何故ならば――このデッキ融合で出てくる融合モンスターは、自分と相手を破壊し尽くし、何度でも何度でも蘇る不死身の破壊者なのだからッ!

 

 

「デッキからレベル6の《D-HERO ダッシュガイ》と《D-HERO ディバインガイ》を融合! 現れろ環境の破壊者! 融合召喚、レベル8《D-HERO デストロイフェニックスガイ》!」

 

 

 今回の新パックの最大の目玉、新たなエースモンスターの登場だ! なお、全デッキから頻繁に出てくる模様。

 よく《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》の惨状を経た後にこんなの刷ったよね? 最小限の出張パーツでデッキ融合出来るギミックなんて、全決闘者が採用するに決まっているだろうに。

 さて、肝心のその効果は――。

 

 

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》

 融合・効果モンスター

 星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100

 レベル6以上の「HERO」モンスター+「D-HERO」モンスター

 このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

 (1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、

 自分の墓地の「HERO」カードの数×200ダウンする。

 (2):自分・相手ターンに発動できる。

 自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を選んで破壊する。

 (3):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。

 次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 

 

 どうしてフリーチェーンの破壊効果で、尚且つ効果の対象にならない耐性をすり抜ける『選んで』の効果なのかな?

 一見して自分のカード1枚をコストに相手のカード1枚を破壊するように見えるが、むしろ自分を好きなタイミングで破壊出来るのは利点だからね?

 厄介な除去が来た瞬間にフリーチェーンで自分を破壊してサクリファイス・エスケープする事が出来るし――何より、破壊されたら次のターンにコイツ自身が不死鳥の如く復活してくるんだよなぁ。

 

「しかもコイツの出張パーツ、EXデッキに《デスフェニ》1枚、メインデッキに4枚で済むんだよなぁ」

 

 ……普通、復活出来るのは自分以外の『D-HERO』じゃないの? ツッコミどころが多すぎてツッコミきれないが――まぁ使える新戦力は積極的に使い潰さないとね!

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札2枚(《召喚師アレイスター》『神の写し身との接触』)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(『影依の偽典』)

 フィールド魔法『暴走魔法陣』




 今期の最強カード

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》
 融合・効果モンスター
 星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100
 レベル6以上の「HERO」モンスター+「D-HERO」モンスター
 このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、
 自分の墓地の「HERO」カードの数×200ダウンする。
 (2):自分・相手ターンに発動できる。
 自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を選んで破壊する。
 (3):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
 次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 予想以上に早く到来してしまった環境の破壊者。
 現在進行系でほぼ全てのデッキから猛威を振るう事になる。
 ……コイツが入っているのにデッキ名が変わってない? 誰もが入れる汎用カードを入れただけでデッキ名が変わる訳無いじゃないですか。HAHAHAHA!

 コイツの活躍はこれから嫌というほど書くので省略しまs


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15vs『デスピア』(融合フェス)

 本日の最強カード

 《赫灼竜マスカレイド》
 融合・効果モンスター
 星8/闇属性/悪魔族/攻2500/守2000
 「デスピア」モンスター+光・闇属性モンスター
 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):融合召喚したこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、
 相手は600LPを払わなければ、カードの効果を発動できない。
 (2):このカードが墓地に存在し、相手フィールドに儀式・融合・S・X・リンクモンスターのいずれかが存在する場合に発動できる。
 このカードを特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
 この効果は相手ターンでも発動できる。

 やめてくれカカシ、こういうライフを払わないといけない永続効果は『シャドール』に致命的に刺さる。
 『トリックスター』のちくちくダメージ(致命傷)を思い出します。
 コイツが2体並ぶと、一回の効果発動するのに1200ダメージ、6回までしか効果を発動出来なくなります。
 『隣の芝刈り』すると《赫灼竜マスカレイド》の処理まで出来なくなり、逆に何も出来なくなって死にます。



 ――融合フェス。

 

 それはEXデッキ、融合モンスター限定の融合による融合の為の祭典である。その筈、である筈なんだが?

 

「失って、初めて解る便利さ……リンク召喚の無い『芝刈り召喚シャドール』なんて単なる弱体化どころの話じゃないんだよなぁ」

 

 《召喚師アレイスター》からリンク1《聖魔の乙女アルテミス》になる流れが出来ないせいで、我がデッキは深刻な光属性不足に陥り、貴重な1枚初動を失ったどころか《エルシャドール・ネフィリム》へのルートも狭められた。

 そして融合召喚した『シャドール』融合モンスターも、《アナコンダ》や《グラビティ・コントローラー》などで自主的に墓地に送れる手段が皆無の為、永続罠『影依の偽典』を初手で抱え込む動きが殆ど出来ない始末。

 

 ……なお、初手『フュージョン・デステニー』を引いていたら自主的に墓地に送れるよ。《デスフェニ》による2枚破壊で!

 アイツで破壊して『シャドール』モンスターの効果で墓地に送られた際の効果発動とか新発想過ぎたわ!

 

「むしろこれ、敢えて後攻選んで相手に融合モンスター出させた方が展開出来るんだよなぁ」

 

 この時点で『芝刈り』の基本であるデッキ60枚構築が足を引っ張る。40枚構築にして初期手札に『影依融合』がある確率を上げた方が良かった気がする。

 改善点は多く思いついたが、ぶっちゃけ限定環境だから改善する必要無いなぁと。

 

 ――ちなみにエクシーズフェスでは『ヌメロン』を握り、シンクロフェスでは『時械神』・『芝刈りワイト』を握っていたりする。シンクロは、うん、《バロネス》しか作ってないし。

 

「やっぱり召喚法縛りのフェスは性に合わないなぁ」

 

 やれる事が減る点だけ目につくので、どうも縛りプレイを強制されている感が強い。

 こういう窮屈感は余り好きじゃないだけに、今後は召喚法1つ縛りではなく、逆に縛らない祭典、禁止カード全開放祭りとかどう? 喜んで《ドラグーン》出張させるけど!

 

「まぁともあれデュエルだデュエル、ジュエルは回収せねば!」

 

 コイントスは珍しく勝利、よって後攻を選択。さぁばしばし融合モンスターを出してくれたまえ!

 初期手札は《シャドール・リザード》《ラーの翼神竜-球体形》『影依融合』『影依融合』『暴走魔法陣』……『影依融合』が来すぎだが、まぁ、融合出来る手札だ。

 さて、お相手はっと。

 

『《デスピアの導化アルベル》を通常召喚、効果発動。このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『烙印』魔法・罠カード1枚、フィールド魔法『烙印劇城デスピア』を手札に加える』

 

 『デスピア』かぁ。まだ万能デッキ融合たる『烙印融合』が来てないので本格化してないが、新規カードが何枚か追加されていたっけ。

 ……こっちは殆どリンクモンスターに頼らないから、実質フルパワーじゃね? こっちはリンクモンスター無くて弱体化しているのにずるくね?

 

『速攻魔法『烙印開幕』を発動、自分の手札《増殖するG》を捨てて、デッキから《デスピアの大導劇神》を特殊召喚する。このカードの発動後、ターン終了時まで自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚出来ない』

 

 なんと厳しい制約なんだ……って、何一つ阻害されてないじゃないか! まぁ融合召喚縛りとかは出張対策だろう。本当に必要な奴等にはその1文無いけど。

 

『フィールド魔法『烙印劇城デスピア』を発動、そして効果発動。自分の手札・フィールドからレベル8以上の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地に送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する』

 

 しかしレベル8以上の融合モンスターという縛りがあるとはいえ、カテゴリーに制限が無いのは最近特有のインフレ具合を感じる。

 融合するカードがフィールド魔法という点も珍しく、『テラ・フォーミング』からサーチも出来る。

 『シャドール』と『デスピア』、組み合わせると中々面白そうだが、本格的に混ぜるなら『烙印融合』が来た後かなー?

 

『フィールドの《デスピアの導化アルベル》と《デスピアの大導劇神》を融合。融合素材は『デスピア』モンスター+光・闇属性モンスター、融合召喚、レベル8《赫灼竜マスカレイド》』

 

 今回新規の融合モンスター。効果は非常に鬱陶しかった記憶がある。にしても、そのドラゴンっぽいなりで種族、悪魔族なのね、君。

 

『《デスピアの大導劇神》の効果発動、手札・フィールドのこのカードが融合召喚の素材となり、墓地に送られた場合、または除外された場合、このカードを特殊召喚する』

 

 融合素材になったら気軽に自己蘇生ってさ、攻撃力3000のモンスターがして良い効果じゃないと思うなぁ!

 しかもそいつ、融合・シンクロ・エクシーズ・リンクモンスターが特殊召喚された際にフィールドのモンスター1体の効果をターン終了時まで無効にする効果も持ってやがるし。

 デッキ融合から自己蘇生出来ないようにしているのは、うん、まぁ評価しよう。

 

『そして魔法カード『フュージョン・デステニー』発動』

 

 うわ、どうして私の対戦相手は毎回『フュージョン・デステニー』を素引きしているのかなっ! 理不尽だぞ!

 

『デッキからレベル6《D-HERO ダッシュガイ》《D-HERO ディバインガイ》を墓地に送って融合召喚、レベル8《D-HERO デストロイフェニックスガイ》』

 

 ……ふむ、モンスターを3体並べたか。

 

『ターンエンド』

「私のターン、ドロー」

 

 ドローしたカードは《灰流うらら》、ふむ、これで《D-HERO ディバインガイ》の2ドローを止めれるな。

 

「さて、此処は――」

 

 少し悩ましい。『影依融合』でデッキ融合してから《ラーの翼神竜-球体形》を投げるか……いや、《エルシャドール・ミドラーシュ》以外では《D-HERO デストロイフェニックスガイ》に破壊され、相手の場のモンスターが2体になってしまうし、《エルシャドール・ミドラーシュ》を出してもどの道《デスピアの大導劇神》で効果無効にされるから――『影依融合』でのデッキ融合は諦めよう。

 

「相手の場の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》《デスピアの大導劇神》《赫灼竜マスカレイド》3体を生贄に、《ラーの翼神竜-球体形》を相手の場にアドバンス召喚する」

 

 この手に限る。破壊じゃなくリリースなので《D-HERO デストロイフェニックスガイ》は墓地より舞い戻れない。

 

「フィールド魔法『暴走魔法陣』発動、効果処理としてデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加える」

 

 さて、ここで出来る事は『影依融合』使って《シャドール・リザード》と《召喚師アレイスター》を素材に《エルシャドール・ミドラーシュ》……微妙な。

 召喚権は《ラーの翼神竜-球体形》で使ってしまったから『召喚魔術』のサーチは出来ないし、こっちの融合モンスターをトリガーに墓地から2500打点の《赫灼竜マスカレイド》が自己蘇生してくるから微妙なんだよなぁ。

 

「此処は敢えて何も動かずにターンエンドだな」

 

 相手の手札は1枚だし、次のターンがあるだろう。

 

『私のターン、ドロー。――フィールド魔法『烙印劇城デスピア』の効果発動』

 

 え? 手札2枚で融合出来るだと?

 

『手札の《デスピアの凶劇》と光属性《エフェクト・ヴェーラー》を融合、レベル8《赫灼竜マスカレイド》を融合召喚する』

 

 げっ、また出てきたよ。しつこい奴だなぁ。

 

『《デスピアの凶劇》の効果発動、手札・フィールドのこのカードが融合召喚の素材となり、墓地に送られた場合、または除外された場合、自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から《デスピアの凶劇》以外の『デスピア』モンスター、またはレベル8以上の融合モンスター1体を特殊召喚する』

 

 ああ、確か今回の新規カードだったけ。……何か、さらっと頭おかしい効果書かれているのは気の所為? あれ、これってまさか!?

 

『墓地の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を特殊召喚する』

「はぁっ!? リリースして蘇らないようにしたのに復活して来やがった!?」

 

 ちょ、おまっ、完璧に除去した《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を再利用出来るとか、許されないよ!?

 

『墓地の《D-HERO ディバインガイ》の効果発動、自分の手札が0枚の場合、自分の墓地からこのカードと『D-HERO』モンスター1体、《D-HERO ダッシュガイ》を除外し、デッキから2枚ドローする。この効果はこのカードが墓地に送られたターンには発動出来ない』

 

 これが『フュージョン・デステニー』《D-HERO デストロイフェニックスガイ》《D-HERO ディバインガイ》《D-HERO ダッシュガイ》の出張セットが優秀な所以である。

 ただでさえ強くて厄介な《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を出すだけじゃ飽き足らず、1ターン間が開くとは言え、2枚ドローまで出来るとか破格である。

 

「手札から《灰流うらら》を捨てて効果発動、デッキからドローする効果を無効にする!」

『融合召喚した《赫灼竜マスカレイド》がモンスターゾーンに存在する限り、相手は600LPを払わなければカードの効果を発動出来ない』

 

 ぐぬっ、この600ダメージが非常に鬱陶しい……! たかが600程度と思うかもしれないが、積み重なるとあっという間にLPが消し飛ぶ!

 理想としては先程みたいにチェーンブロックを作らずにリリースしてしまえば楽だが、『壊獣』モンスターいれてないから、もう出来ない!

 

『バトルフェイズ、《赫灼竜マスカレイド》と《D-HERO デストロイフェニックスガイ》でダイレクトアタック』

 

 ぐぐぐ、5000ダメージで残りLP2400……3回以内に《赫灼竜マスカレイド》を除去しないと何も出来なくなる……!

 

『《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動、自分フィールドの《ラーの翼神竜-球体形》と相手フィールドのフィールド魔法『暴走魔法陣』を破壊する』

 

 ですよねー! まぁ元々効果の対象にならない耐性をすり抜ける『選んで』の破壊効果だから《ラーの翼神竜-球体形》は《D-HERO デストロイフェニックスガイ》に破壊される定めだが。

 

『これでターンエンド』

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードは《シャドール・ドラゴン》、とりあえずは――600LPを払う、残りLP1800!

 

「魔法カード『影依融合』発動! デッキから融合だー! デッキから《影依の巫女 エリアル》と属性の異なる《シャドール・ドラゴン》を墓地に送り、融合召喚! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 ぐぬぬ、融合素材送ってから気づいたが、これ、《影依の巫女 エリアル》か《シャドール・ドラゴン》、何方か片方しか効果発動出来ねぇ!

 厄介なフィールド魔法『烙印劇城デスピア』の破壊か、厄介な墓地効果の除外か、いや、後者だ!

 

「更に600LP払い――残りLP1200、墓地に送られた《影依の巫女 エリアル》の効果発動、相手の墓地の《赫灼竜マスカレイド》《デスピアの導化アルベル》『烙印開幕』を除外する!」

 

 まぁ《赫灼竜マスカレイド》はチェーンして復活してくるが。

 

「更に更に600LP払い――残りLP600! 特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動! フィールドの《赫灼竜マスカレイド》の効果を無効にする!」

『チェーンして墓地の《赫灼竜マスカレイド》の効果発動。このカードが墓地に存在し、相手フィールドに儀式・融合・シンクロ・エクシーズ・リンクモンスターのいずれかが存在する場合、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードがフィールドから離れた場合、除外される。この効果は相手ターンでも発動出来る』

 

 唯一の救いはカードの効果を使うのに600LP払う効果は、融合召喚された時だけの効果なので、自己復活した場合はバニラ同然だ。打点2500あるから結構痛いし、LP600というアニメでの鉄壁ライン、現環境においては致死ラインを超えているので非常にヤバいが。

 LPは非常にヤバいが、これでもう払う必要は無い!

 

「手札から《召喚師アレイスター》を通常召喚! 効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加えてそのまま発動!」

『チェーンして《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動、自分・相手ターンに発動出来る。自分フィールドのカード《D-HERO デストロイフェニックスガイ》と《エルシャドール・アプカローネ》を破壊する』

 

 このタイミングで打ってくれるのか。少し早まったな! 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》と《エルシャドール・アプカローネ》が共に爆散し――。

 

「フィールドの《召喚師アレイスター》と相手の墓地の融合モンスター《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を除外して融合! レベル8《召喚獣アウゴエイデス》!」

 

 これで除外したので《D-HERO デストロイフェニックスガイ》は墓地より舞い戻らない。……また《デスピアの凶劇》を融合素材にされたら復活してくるけど。

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を再利用出来るギミックが自前である『デスピア』が《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を一番上手く活用出来るのではないだろうか?

 

「特殊召喚された《召喚獣アウゴエイデス》の効果発動、墓地から特殊召喚された方の《赫灼竜マスカレイド》を対象に破壊! 更に墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動! デッキから永続罠『影依の偽典』を手札に加え、手札の《シャドール・ドラゴン》を墓地に送って効果発動、相手フィールドのフィールド魔法『烙印劇城デスピア』を破壊する!」

 

 これで1枚目の《赫灼竜マスカレイド》は除外され、相手の融合カードである『烙印劇城デスピア』は処理出来た。後は――。

 

「更に《召喚獣アウゴエイデス》の効果発動! 自分の墓地の融合モンスター《エルシャドール・アプカローネ》を除外し、除外したモンスターの攻撃力の数値分、2500アップして攻撃力4500となる!」

 

 これで《赫灼竜マスカレイド》の打点を超えた! 地味に2500打点とか面倒だよね。

 

「おっと、忘れぬ内に――墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 これを忘れると致命傷になるので、努々忘れないように気をつけないといけない。

 

「バトル! 攻撃力4500の《召喚獣アウゴエイデス》で攻撃力2500の《赫灼竜マスカレイド》を攻撃! 2000ダメージだー!」

 

 まぁ一回破壊しても復活してくるが、《召喚獣アウゴエイデス》の攻撃力アップの効果は相手ターン終了時までだから打点で負ける心配は無い。

 

「メイン2、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 当然伏せたカードは永続罠『影依の偽典』だ。これでいつでも相手ターン《エルシャドール・ミドラーシュ》しつつ闇属性墓地送り出来るって訳だ。

 

『私のターン、ドロー。……モンスターを伏せて、ターンエンド』

 

 まぁ早々トップ解決出来ないよね。じゃあ、死ぬがよい。

 

「私のターン、ドロー! 《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加える。更に魔法カード『影依融合』発動! 手札の《シャドール・リザード》とフィールドの闇属性《召喚師アレイスター》を融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》! 墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果でデッキから《影依の巫女 エリアル》を墓地に送って効果発動! 相手の墓地の《赫灼竜マスカレイド》《デスピアの凶劇》《デスピアの大導劇神》を除外する!」

 

 ほらほら、自己復活しないと除外しちゃうぞー。しても無駄だけど。

 

『チェーンして墓地の《赫灼竜マスカレイド》の効果発動、相手フィールドに融合モンスターが存在する場合、このカードを特殊召喚する』

 

 除外からは回避出来たが、まぁ結果は同じ事よ。

 

「相手フィールドにモンスターが特殊召喚された場合、《召喚獣アウゴエイデス》の効果発動! 相手フィールドの《赫灼竜マスカレイド》を破壊する!」

 

 このデュエルで散々苦しめられたが、これで破壊されて除外行きよ!

 

「更に魔法カード『召喚魔術』を発動! 自分の墓地の《召喚師アレイスター》と炎属性《灰流うらら》を除外して融合召喚! レベル7《召喚獣プルガトリオ》! 墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 さぁて、これで攻撃力2000の《召喚獣アウゴエイデス》、攻撃力2200の《エルシャドール・ミドラーシュ》、攻撃力2500の《召喚獣プルガトリオ》が並んだ。

 相手のLPは6000、《召喚獣プルガトリオ》には守備貫通効果があるし、手札の《召喚師アレイスター》の効果で攻撃力1000アップ出来るから――守備力1800あればぎりぎり生き残れるぞー?

 

「バトル! 《召喚獣プルガトリオ》で裏側守備表示のモンスターを攻撃! 伏せモンスターは……《悲劇のデスピアン》、守備力は400か。2100の貫通ダメージを受けて貰おう!」

 

 《灰流うらら》とか伏せられていたら殺せなかっただけに割りと紙一重だったか……?

 

「《召喚獣アウゴエイデス》でダイレクトアタックで2000ダメージ! そしてトドメの《エルシャドール・ミドラーシュ》のダイレクトアタックだー!」

 

 見事に相手のLPを全部消し飛ばし、勝利を飾ったのだった。

 LP600(鉄壁)からの逆転勝利とかアニメみたいだね? 内実は割りと酷いけど。




 『芝刈り召喚シャドール』vs『デスピア』

 最強の融合対決ッッ!(半ギレ)

 デスピア側に新規カードが更に追加されましたが、まだ『烙印融合』が来てないので本領発揮出来てない様子。
 諸々が追加され、フルパワーが発揮出来るようになってからが本番。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16vs『真竜』(融合フェス)

 本日の最強カード

 『帝王の溶撃』
 永続罠
 自分のエクストラデッキにカードが存在せず、
 自分フィールドにアドバンス召喚したモンスターが存在する場合にこのカードを発動できる。
 (1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
 アドバンス召喚したモンスター以外のフィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される。
 (2):自分エンドフェイズに、アドバンス召喚したモンスターが自分フィールドに存在しない場合に
 このカードは墓地へ送られる。


 どうして融合フェスでコイツと出遭わなければならないんだろ?


 

 ――融合フェスの経過は極めて順調だった。

 

 幾らダイヤモンド1の魔境に隔離されているとは言え、いつもと比べてリンク召喚出来ずに弱体化しているとは言え、それでも『芝刈り召喚シャドール』のデッキパワーは今までのフェス内では最強だし、あえて後攻選んで『影依融合』でデッキ融合、相手の場のモンスターのみで『超融合』、相手の墓地のモンスターを除外して『召喚魔術』、とどめの『フュージョン・デステニー』など、融合使えて勝率悪い訳無いよなぁ!(融合狂信者並の感想)

 

 まぁ今回も気前良く先攻渡してやった訳よ。そしたら相手のEXデッキ0枚だった時の私の気持ち――この気持ち、正しく殺意だ!

 

『魔法カード『テラ・フォーミング』発動、デッキからフィールド魔法『ドラゴニックD』を手札に加える』

 

 『帝王の溶撃』型の『真竜』と融合フェスで遭遇するとはね! 野郎ぶっ殺してやるぅ!

 しかし《真竜拳士ダイナマイトK》《真竜導士マジェスティM》『スキルドレイン』が制限なのに、良く『真竜』使おうとするなぁ。普段より格段に弱いだろうに。

 

『魔法カード『強欲で謙虚な壺』発動、デッキから3枚めくり、その中から1枚選んで手札に加え、残りのカードをデッキに戻す』

 

 懐かしいカード使うなぁ。使ったターン、特殊召喚出来なくなるが、『真竜』は特殊召喚しないので意味のないデメリットである。

 

『永続罠『真竜皇の復活』、永続罠『真竜の黙示録』、《増殖するG》、《増殖するG》を手札に加える』

 

 嫌な手札誘発を手札に持ってこられた。ちょうど『墓穴の指名者』が来てないんだよなぁ。

 

『フィールド魔法『ドラゴニックD』を発動、更に永続魔法『真竜鳳の使徒』発動し、更に1枚セット――フィールド魔法『ドラゴニックD』の効果発動、セットカードを破壊し、デッキから『真竜』カード1枚、永続魔法『真竜の継承』を手札に加える』

 

 インチキフィールド魔法からサーチ、この時代の破壊してサーチにはトラウマしかない。破壊されたセットカードは『真竜の黙示録』か。……コストにするカード間違えてね? それとも被っているのか?

 

『永続魔法『真竜鳳の使徒』の効果発動、『真竜』モンスター1体を表側表示でアドバンス召喚する――『真竜鳳の使徒』をリリースし、《真竜導士マジェスティM》をアドバンス召喚』

 

 制限カードなのに初期手札にあったか。あのモンスター枚数なら初手手札にモンスター無しでもおかしくないのになぁ。

 

『永続魔法『真竜の継承』発動、このターンにフィールドから墓地へ送られた『真竜』カードの種類の数だけ、自分はデッキからドローする。2枚ドロー』

 

 さて、何を引かれたかねぇ?

 

『1枚セットしてターンエンド』

 

 

 『真竜』

 LP8000

 手札2枚(《増殖するG》)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《真竜導士マジェスティM》星5/風属性/幻竜族/攻2600/守1800

 魔法・罠カードゾーン

  永続魔法『真竜の継承』

  伏せカード1枚

 フィールド魔法『ドラゴニックD』

 

 

「私のターン、ドロー」

『ドローフェイズ、手札から《増殖するG》を捨てて効果発動』

 

 むぅ、《灰流うらら》や『墓穴の指名者』が無い時に限って……!

 

「構うかッ! 魔法カード『隣の芝刈り』発動ゥ!」

『《真竜導士マジェスティM》の効果発動、1ターンに1度、アドバンス召喚したこのカードが存在し、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時に発動出来る。デッキから『真竜』モンスター《真竜拳士ダイナマイトK》を手札に加える』

 

 ふむ、相手は今のところ、手札誘発無しか。ただ、サーチされたから、相手ターンにアドバンス召喚してリリースした永続魔法or永続罠で魔法&罠orモンスター除去飛ばしてくる可能性も考慮しないとなぁ。

 

「相手のデッキは29枚、よって25枚墓地に送る!」

 

 何が落ちたかなー、って、《召喚師アレイスター》1枚落ちたけど『召喚魔術』無し、《D-HERO ダッシュガイ》が墓地に落ちてしまったか。これでこのデュエルでは《デスフェニ》出せないや。

 まぁ『隣の芝刈り』でのアドを考えると、《デスフェニ》が出せなくなってもお釣りが来る。

 

『墓地に送られた《シャドール・ドラゴン》、《シャドール・ヘッジホッグ》、《シャドール・リザード》、《シャドール・ファルコン》、《影依の巫女 エリアル》の効果発動!』

 

 チェーン1《シャドール・ドラゴン》のフィールドの魔法・罠カードの破壊、対象は《ドラゴニックD》。

 チェーン2《シャドール・ヘッジホッグ》のデッキから『シャドール』モンスターカードのサーチ。

 チェーン3《シャドール・リザード》のデッキから『シャドール』カードの墓地送り。

 チェーン4《シャドール・ファルコン》の墓地から裏側守備表示で特殊召喚。

 チェーン5《影依の巫女 エリアル》の墓地の3枚除外。対象は相手の墓地の永続魔法『真竜鳳の使徒』、永続罠『真竜の黙示録』、《増殖するG》。

 

「《影依の巫女 エリアル》で相手の墓地の『真竜鳳の使徒』『真竜の黙示録』《増殖するG》を除外」

 

 うーむ、思った以上に『シャドール』モンスターカード落ちたなぁ。《シャドール・ヘッジホッグ》はデッキに眠っていて欲しかったが。

 

「《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示で特殊召喚」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 相手の手札は3枚、ぐぬぬ、必要経費、必要経費。

 

「《シャドール・リザード》の効果でデッキから《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送る」

 

 これで更に引かせる事になるが、何もせずに死ぬぐらいなら最大展開して死んだ方がマシだ。

 

「《シャドール・ヘッジホッグ》の効果でデッキから《シャドール・ハウンド》を手札に加える」

 

 デッキの『シャドール』モンスターの残弾を確認しておく。うん、まずいぐらい少ないね! ちょっと落ちすぎた感じ。

 

「《シャドール・ドラゴン》の効果でフィールド魔法『ドラゴニックD』を破壊!」

 

 まずは生かせておけないフィールド魔法を破壊っと。

 

「《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚する」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 相手の手札はこれで4枚。

 

「墓地の罠カード『影光の聖選士』と《シャドール・ドラゴン》を除外し、フィールドの裏側守備表示のモンスター《シャドール・ビースト》を表側守備表示に変更し、リバース効果発動、2枚ドローして1枚《シャドール・ハウンド》を捨てて効果発動、《真竜導士マジェスティM》の表示形式を攻撃表示から守備表示へ変更する」

 

 ドローした2枚は《増殖するG》《灰流うらら》、うわぁ、来るの遅いよ……。

 これで現在の手札は《増殖するG》《増殖するG》《灰流うらら》『超融合』《影依の巫女 エリアル》『影光の聖選士』《影霊の翼 ウェンディ》かぁ。

 《真竜導士マジェスティM》の守備力1500、地味に高いなぁ。手札のモンスターの最大攻撃力は《ウェンディ》の1500、戦闘破壊出来ないじゃないか!

 

「《影霊の翼 ウェンディ》を通常召喚し、バトル! 速攻魔法『超融合』発動! 手札の《増殖するG》を捨てて自分のフィールドの《影霊の翼 ウェンディ》と属性の異なる《シャドール・ビースト》を融合! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 これで相手の手札5枚。『真竜』相手にこんなにドローさせたくないが、仕方ないね!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、相手フィールドの永続魔法『真竜の継承』の効果を無効にする!」

 

 ついでに無効化させておく。どうせリリースして破壊効果飛ばしてくるんだけどねー。

 

「《エルシャドール・アプカローネ》で守備表示の《真竜導士マジェスティM》を攻撃! 戦闘破壊!」

 

 出来るなら早めに除外したいところ。……リンク召喚があれば、即座に墓地に送れるんだが、もどかしい!

 

「メイン2、カードを1枚伏せてターンエンド!」

『エンドフェイズ、永続罠『真竜皇の復活』の効果発動、墓地の『真竜』モンスター《真竜導士マジェスティM》を守備表示で特殊召喚する』

「チェーンして手札から《増殖するG》を捨てて効果発動!」

 

 脳死で《増殖するG》を投げておく。……つーか、相手ターンにアドバンス召喚出来るのにやってこなかったか。

 手札に確定で《真竜拳士ダイナマイトK》がいるのに。使い慣れてないのかな?

 

「此方も《増殖するG》の効果で1枚ドローする」

 

 引いたカードは『フュージョン・デステニー』、って、墓地に《D-HERO ダッシュガイ》が落ちてるから使えないよ!

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札3枚(《影依の巫女 エリアル》《灰流うらら》『フュージョン・デステニー』)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《エルシャドール・アプカローネ》星6/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000

  裏側守備表示のモンスター(《シャドール・ファルコン》)

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(通常罠『影光の聖選士』)

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 これで相手の手札6枚かぁ。何とかなれば良いのだが。

 

『魔法カード『強欲で謙虚な壺』発動、3枚めくり――『成金ゴブリン』『真竜の黙示録』《真竜機兵ダースメタトロン》、《真竜機兵ダースメタトロン》を手札に加える』

 

 げっ、これは少し面倒な……!

 

 

『――フィールドのモンスターカード《真竜導士マジェスティM》、永続魔法『真竜の継承』、永続罠『真竜皇の復活』の3枚をリリースし、《真竜機兵ダースメタトロン》をアドバンス召喚する』

 

 

 完全耐性の3000打点かぁ。少し辛い。まぁ今リリースされた2つの永続魔法・永続罠ほどじゃないが。

 

『――《真竜機兵ダースメタトロン》はアドバンス召喚の為にリリースしたカードと元々の種類が同じ効果を受けない』

 

 うん、知ってる。その内、3000打点超えで殴りに行くから、せいぜい首洗ってろ。

 

『フィールドから墓地に送られた永続魔法『真竜の継承』、永続罠『真竜皇の復活』の効果発動』

 

 やめてくれ、カカシ。その墓地効果は私に効く。

 

『『真竜皇の復活』が魔法&罠ゾーンから墓地に送られた場合、フィールドのモンスターを対象に発動出来る。そのカードを破壊する。対象は《エルシャドール・アプカローネ》。『真竜の継承』が魔法&罠ゾーンから墓地に送られた場合、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象に発動出来る。そのカードを破壊する。対象は相手フィールドの伏せカード』

 

 あれ、そっちで良いの? 《エルシャドール・アプカローネ》は喜んで破壊されるとも。だが、この伏せカードは使わせて貰う!

 

「チェーンして罠カード『影光の聖選士』発動! 墓地の《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 どうにかして『召喚獣』側のギミックを手繰り寄せないといけないからドローソースを蘇生だー!

 

「破壊されて墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、デッキから『シャドール』カード『影依の偽典』を手札に加える。その後、手札の《影依の巫女 エリアル》を墓地に送って効果発動! 相手の墓地の《真竜導士マジェスティM》『真竜の継承』『真竜皇の復活』を除外する」

 

 これで制限カードの《真竜導士マジェスティM》は除外、『真竜』では除外されたカードを扱うギミックなんて無かろう!

 

『手札から永続魔法『真竜鳳の使徒』発動、効果発動、『真竜』モンスター1体を表側表示でアドバンス召喚する。『真竜鳳の使徒』をリリースし、《真竜拳士ダイナマイトK》をアドバンス召喚』

 

 あ、今頃出てきたか。こっちのターンで出しておけばよかったのに。

 

『バトルフェイズ、《真竜拳士ダイナマイトK》で裏側守備表示のモンスターを攻撃』

「? 《シャドール・ファルコン》のリバース効果発動、墓地の《エルシャドール・アプカローネ》を裏側守備表示で特殊召喚する。《シャドール・ファルコン》は戦闘破壊される」

 

 わざわざ此方の《シャドール・ファルコン》のリバース効果を発動させてくれるとは優しい。しかも自身のアド取り効果使えないタイミングで。

 

『《真竜機兵ダースメタトロン》で裏側守備表示のモンスターを攻撃』

「うん? 《エルシャドール・アプカローネ》は戦闘では破壊されないぞ?」

 

 『真竜』使ってるのに対『シャドール』に疎いのか? 相手ターンにアドバンス召喚しないあたり、『真竜』を使い慣れてないな? 

 ……いやまぁ、そんな変な動き出来るの、知ったの、『遊戯王マスターデュエル』で久々に『真竜』とデュエルした後の話だけど。

 

『メインフェイズ2、カードを3枚伏せてターンエンド』

 

 豪快に全伏せでエンドかぁ。やばいカードじゃなければ良いのだが。

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは『サンダー・ボルト』、今の完全耐性の《真竜機兵ダースメタトロン》を破壊出来ないから微妙な。

 とりあえずは、《真竜拳士ダイナマイトK》の効果使われる前に処理しよう。

 

「《エルシャドール・アプカローネ》を攻撃表示に変更、バトル、《エルシャドール・アプカローネ》で《真竜拳士ダイナマイトK》を攻撃」

 

 攻撃力はどっちも2500、だが《エルシャドール・アプカローネ》は戦闘では破壊されない。一方的に打ち倒せるのだ!

 

『リバースカードオープン――自分のEXデッキにカードが存在せず、自分フィールドにアドバンス召喚したモンスターが存在する場合、永続罠『帝王の溶撃』を発動出来る。このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、アドバンス召喚されたモンスター以外のフィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される』

 

 リアルで舌打ちが出る。相手限定のスキドレ、融合フェスなのに何でこれ無制限なのかねぇ?

 

「あ、でもラッキー。戦闘破壊された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、墓地から《シャドール・ドラゴン》を手札に加え、《シャドール・ドラゴン》を墓地に送って効果発動、永続罠『帝王の溶撃』を破壊する」

 

 よし、厄介な永続罠をそのターンの内に処理出来て良かった良かった。態々《エルシャドール・アプカローネ》を破壊してくれたんだから、完全に相手の自業自得である。

 

「メイン2、裏側守備表示の《シャドール・ビースト》を攻撃表示に変更、リバース効果発動」

『永続罠『帝王の溶撃』発動』

「は? 2枚目!?」

 

 処理したと思ったらもう1枚同じ罠伏せられていただと!? ……一応墓地に『影光の聖選士』があるから除外して裏側守備表示に変更すればドロー効果を通す事が出来るが、今回のデュエルにおいてキーカードになる『影光の聖選士』は、此処では除外出来ない。墓地効果を使わずにスルーする。

 

「チッ、《シャドール・ビースト》の効果は無効化され、ドロー出来ない。カードを伏せてターンエンド」

 

 前のターンにサーチした永続罠『影依の偽典』を伏せておく。『真竜』モンスターのアドバンス召喚で墓地に送られた『真竜』永続魔法で簡単に除去される為、心許ないが。

 

『私のターン、ドロー。……伏せカード『帝王の溶撃』をリリースし、《真竜戦士イグニスH》をアドバンス召喚する』

「伏せた3枚全部『帝王の溶撃』かよ!?」

 

 どんな偏りだよ、と思いつつも――それ、早計過ぎね? 『帝王の溶撃』を処理する回数、1回減ったぞ? どんだけ手間掛けて除去してると思ってんだか。

 

『バトルフェイズ、《真竜戦士イグニスH》で《シャドール・ビースト》を攻撃』

「戦闘破壊されて200ダメージ」

 

 -200でLP7800。蚊に刺された程度のダメージである。

 

『《真竜機兵ダースメタトロン》でダイレクトアタック』

 

 まだLPに余裕があるが、まぁ使っておくか。

 

「チェーンして墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動! 墓地から7枚除外し、自身を守備表示で特殊召喚する!」

 

 これで、此方の効果に反応して『真竜』のアド取り効果が誘発されるが――。

 

『チェーンして《真竜戦士イグニスH》の効果発動、デッキから『真竜』永続魔法を――』

「手札から《灰流うらら》を捨てて効果発動、無効だ!」

 

 やらせねぇよ。何も出来ずに死んでいけ。

 

『《真竜機兵ダースメタトロン》で《妖精伝姫-シラユキ》を攻撃』

「戦闘破壊されるよ」

 

 完全耐性の3000打点如きに翻弄されるのは不本意極まるが、すぐに戦闘破壊してやるから待っていろよ。

 

『メインフェイズ2、ターンエンド』

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードは《召喚師アレイスター》、よし、待っていたぞ!

 

「手札から魔法カード『サンダー・ボルト』発動、相手フィールドのモンスターを全て破壊する」

『チェーンして《真竜戦士イグニスH》の効果発動、デッキから永続魔法『真竜の継承』を手札に加える。《真竜戦士イグニスH》は破壊されるが、魔法カードをリリースしてアドバンス召喚された《真竜機兵ダースメタトロン》は魔法の効果を受けない』

 

 うん、知っている。すぐにその完全耐性の置物も葬ってやるさ。

 

「手札から《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動――チェーンして永続罠『影依の偽典』発動! 墓地の《シャドール・ファルコン》とフィールドの闇属性《召喚師アレイスター》を除外して融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 フィールドで発動する効果が封じられるなら、フィールド以外のゾーンに送れば良いじゃない。

 

「《召喚師アレイスター》の効果でデッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 ……まだ自分の墓地に『隣の芝刈り』の時に落ちた《召喚師アレイスター》が眠っているが、確実を期するなら、このターンは『召喚魔術』を使わずに温存するか。

 『帝王の溶撃』はすこぶる邪魔だし。

 

「バトル! 攻撃力2200の《エルシャドール・ミドラーシュ》で攻撃力3000の《真竜機兵ダースメタトロン》を攻撃! ダメージ800の上に戦闘破壊される。墓地に送られた《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果発動、墓地の罠カード『影光の聖選士』を手札に加える」

 

 《エルシャドール・ミドラーシュ》に自爆特攻させ――LPはこれで7000、だが、これで再び『影光の聖選士』が手元に戻る。

 

「メイン2、カードを1枚セットしてターンエンド」

『私のターン、ドロー』

 

 当然、伏せるのは『影光の聖選士』だ。

 

『永続魔法『真竜鳳の使徒』発動、効果発動、墓地の『真竜鳳の使徒』《真竜戦士イグニスH》《真竜拳士ダイナマイトK》をデッキに戻して1枚ドロー』

 

 ちっ、除外する前にデッキに戻ったか。まぁもう引けずに終わると思うがね。

 

『バトルフェイズ、《真竜機兵ダースメタトロン》でダイレクトアタック』

「罠カード発動、『影光の聖選士』! 墓地の《エルシャドール・アプカローネ》を守備表示で特殊召喚する」

 

 流石にさっきの焼き直しになるので、戦闘中断されると思うが――。

 

『《真竜機兵ダースメタトロン》で《エルシャドール・アプカローネ》を攻撃』

「おいおい、戦闘破壊してくれるのか。――墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、墓地の《シャドール・ドラゴン》を手札に加えて、手札から墓地に送って効果発動、永続罠『帝王の溶撃』を破壊する」

 

 こうなると解っていて、どうして殴ってくるのやら。『影依の偽典』を放置しているから『影光の聖選士』はまだまだ墓地から回収出来るぞー。

 

『メインフェイズ2、カードを1枚セット』

「チェーンして永続罠『影依の偽典』発動、墓地の《シャドール・ハウンド》と属性の異なる《影霊の翼 ウェンディ》を除外して融合召喚! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 それに直接出す事も可能。やっとモンスター効果無効の罠を全部除去しきったし、フィールドにある『真竜』永続魔法の効果を無効にしておこう。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果で『真竜鳳の使徒』の効果を無効にする」

『ターンエンド』

 

 さて、邪魔な罠を全部除去しきったし――。

 

「私のターン、ドロー! よーし、やっとぶっ殺せ――」

『ドローフェイズ、LPを1000払って永続罠『スキルドレイン』発動、このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される――罠カードをリリースしてアドバンス召喚された《真竜機兵ダースメタトロン》は罠の効果を受けない』

 

 相手のLPが7000となり――変なタイミングで『スキドレ』使ってきたなぁ、と。此方のモンスター効果発動するタイミングで使えばいいのに。

 

「――ふむ、ふむふむふむ。うん、いい加減死ぬが良い。魔法カード『召喚魔術』発動、墓地の《召喚師アレイスター》と光属性《PSYフレームギア・γ》を除外して融合召喚! レベル9《召喚獣メルカバー》」

 

 効果は無効になっているが、問題無い。本命は――。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 《召喚師アレイスター》の手札誘発効果なのだから。

 

「バトル! 《エルシャドール・アプカローネ》で《真竜機兵ダースメタトロン》を攻撃! 自爆特攻だー! 500ダメージ食らって戦闘破壊されて効果発動! 墓地の《シャドール・ドラゴン》を手札に加え、手札から捨てて効果発動! 永続罠『スキルドレイン』を破壊する!」

 

 いやはや、散々面倒な罠を張り続けてくれたものだ。覚悟は良いかね?

 

「《召喚獣メルカバー》で《真竜機兵ダースメタトロン》を攻撃、ダメージステップ開始時、手札から《召喚師アレイスター》を捨てて効果発動、自分フィールドの融合モンスター《召喚獣メルカバー》の攻撃力・守備力をターン終了時まで1000アップさせる!」

 

 攻撃力3500の《召喚獣メルカバー》が《真竜機兵ダースメタトロン》を戦闘破壊し、此処で相手はサレンダー。……何ともフラストレーションが溜まるデュエルだった。

 融合フェスなのに融合しない、ってのは百歩譲って別に良いが――召喚法縛りフェス、まだ続けるのなら、次からは『帝王の溶撃』、制限か禁止よろしく。

 




 召喚法限定縛りのフェスで『真竜』連中、全部禁止で良くね?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17vs『ドライトロン宣告者』(3)

 本日の最強カード

 《破壊剣-ドラゴンバスターブレード》
 チューナー・効果モンスター
 星1/闇属性/ドラゴン族/攻 400/守 300
 「破壊剣-ドラゴンバスターブレード」の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):自分メインフェイズに自分フィールドの「バスター・ブレイダー」1体を対象として発動できる。
 自分の手札・フィールドからこのモンスターを装備カード扱いとしてその自分のモンスターに装備する。
 (2):このカードが装備されている場合、相手はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
 (3):このカードが装備されている場合に発動できる。
 装備されているこのカードを特殊召喚する。

 装備カードとして装備されている場合、EXデッキからの特殊召喚を封じる、割りと洒落にならない封殺効果を持っている。
 本来は《バスター・ブレイダー》にしか装備出来ないが、とあるリンクモンスターが悪さして誰にでも装備される。
 あらゆる対処をEXデッキからのモンスターに頼っている以上、多くのデッキに刺さる。



 

 ――融合フェスも堪能し切ったので、いつものランクマッチに戻る。

 

 今は『ダイヤモンド1』に登り切り、6月への準備期間。新環境への順応期間中である。

 5/9制限改定からデッキの内容を大きく変更し、試運転している最中。数多のカードが恋しくなったり、逆にこのカードいらなくね?というのを選定する期間でもある。

 

 

『――手札から《竜輝巧-バンα》の効果発動、このカード以外の『ドライトロン』モンスター《竜輝巧-アルζ》をリリースし、このカードを手札から守備表示で特殊召喚する。その後、デッキから儀式モンスター《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》を手札に加える』

「あれ、『ドライトロン宣告者』とは珍しい。5/9制限改定以来、初めてじゃね? ……ん? 何故に《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》!?」

 

 制限改定で《サイバー・エンジェル-弁天-》を制限にされて完全に消え去ったと思われた『ドライトロン宣告者』との遭遇に、弱体化した今、何をしてくるのかなぁと思ったら、いきなり変な事してきたぞ?

 『宣告者』儀式モンスターや『サイバー・エンジェル』儀式モンスター、『ドライトロン』儀式モンスターではなく、なんで《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》?

 

『墓地の《竜輝巧-アルζ》の効果発動、手札の儀式モンスター《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》をリリースして墓地から守備表示で特殊召喚する。その後、デッキから儀式魔法『流星輝巧群』を手札に加える』

 

 いつもの動きなんだが、《サイバー・エンジェル-弁天-》じゃないのでリリースしたのにサーチ効果が使われない。

 何この違和感、すっごい弱い動きに見える。いや、普通に墓地から儀式魔法するインチキカードサーチで強いんだけど、今までが余りにも異常だっただけなんだろうけど。

 

『レベル1の《竜輝巧-バンα》と《竜輝巧-アルζ》でエクシーズ召喚、ランク1《竜輝巧-ファフμβ’》。このカードがエクシーズ召喚に成功した場合に発動、デッキから《竜輝巧-エルγ》を墓地に送る』

 

 現在、手札誘発が相変わらず有給休暇取っているので妨害入れれないが……多分、《竜輝巧-バンα》に《灰流うらら》を適当に打つだけで棒立ちエンドしてたんじゃね?

 《サイバー・エンジェル-弁天-》を素引きする確率低いし、その《サイバー・エンジェル-弁天-》からサーチしていた諸々の必須パーツの調達も滞る。……制限前はダメージが少ないという評価だったが、やっぱり致命傷だったんだなぁ。

 

『手札から儀式魔法『流星輝巧群』を発動、攻撃力の合計が儀式召喚するモンスターの攻撃以上になるように手札・フィールドの機械族モンスターをリリースし、自分の手札・墓地から儀式モンスター1体を儀式召喚する』

 

 ……それにしても、うん、変な動きをする。

 

『――儀式召喚を行う場合、そのリリースするモンスターを《竜輝巧-ファフμβ’》のエクシーズ素材から取り除く事も出来る。エクシーズ素材の《竜輝巧-バンα》《竜輝巧-アルζ》を儀式素材に墓地の《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》を儀式召喚する』

 

 1ターン目に《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》を立てて何がしたいんだろう?

 

 

 《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》

 儀式・効果モンスター

 星8/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守 0

 「カオス・フォーム」により降臨。

 このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。

 (1):このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。

 (2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、

 その守備力を攻撃力が超えた分の倍の数値だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

 《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》は劇場版『遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』で海馬社長が使用した『ブルーアイズ』の儀式モンスター。

 攻撃力4000で効果の対象にならず、効果では破壊されない強固な耐性を持ち、更には倍の貫通ダメージを与えるという、溢れんばかりの殺意の具現。……『友人』に守備力0のモンスターを『強制転移』で送られて8000ダメージオラァ!でワンキルされたトラウマが蘇る。

 確かに1キル要因としては奇襲性高いが、先攻で立てておく利点は余り無い。『壊獣』のリリース効果には無力だし、選んで除外、選んで墓地送りという強固な耐性をすり抜けて倒す手段など山ほどある。

 『芝刈り召喚シャドール』においては打点で超えるのは中々難しいが、『影依の偽典』での墓地送りで楽に対処出来たりする。

 

『墓地の《竜輝巧-エルγ》の効果発動、このカード以外の『ドライトロン』モンスター《竜輝巧-ファフμβ’》をリリースして墓地から守備表示で特殊召喚。その後、墓地の攻撃力2000の『ドライトロン』モンスター《竜輝巧-バンα》を特殊召喚する』

 

 エクシーズ素材を使い切った《竜輝巧-ファフμβ’》を餌に2体並べた――あー、この時点で何してくるか、大体察する。やっぱり『ドライトロン宣告者』使うヤツにはろくなヤツいねぇ。

 

『墓地の儀式魔法『流星輝巧群』の効果発動、自分フィールドの《竜輝巧-エルγ》の攻撃力を相手ターン終了時まで1000下げ、墓地の『流星輝巧群』を手札に加える』

 

 しかしこれ、やっぱり《崇光なる宣告者》でやった方が良いと思うのだが?

 

『《竜輝巧-エルγ》と《竜輝巧-バンα》でリンク召喚、召喚条件は種族または属性が同じモンスター2体、リンク2《ユニオン・キャリアー》』

 

 メインエンジンの《サイバー・エンジェル-弁天-》が制限カードにされて僅かに同情したが、うん、同情の必要は一切無いようだ。

 

『《ユニオン・キャリアー》の効果発動、自分フィールドの表側表示モンスター《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》を対象に発動、元々の種族が対象のモンスターと同じモンスター《破壊剣-ドラゴンバスターブレード》をデッキから選び、攻撃力1000アップの装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する』

 

 「お前もドラゴンか!?」でお馴染みの『破壊剣』モンスター、その装備された際の効果は相手のEXデッキからの特殊召喚を封じるもの。

 

 ――これで攻撃力5000の、効果で破壊されず、効果の対象にならない、EXデッキからの特殊召喚を封じる超大型モンスターが爆誕したと。

 

 やっている事は相変わらずえげつないなぁ。まじふざけんな。コイツに対するデッキの回答は2枚、博打で良いならあと3枚、2種類ずつ組み合わせるなら他に4枚しかないや。

 不運な事に現在の手札では対処出来ない。トップ解決も望めないな、サレンダーし――。

 

『魔法カード『フュージョン・デステニー』発動。自分の手札・デッキから融合モンスターによって決められた融合素材を墓地に送り、『D-HERO』モンスターを融合素材とする融合モンスターをEXデッキから融合召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊される。このカードの発動後、ターン終了時まで闇属性の『HERO』モンスターしか特殊召喚出来ない」

 

 あ、ラッキー。対処出来るようになったわ。相手にとって上振れ札だが、今回に至っては敗因オブ敗因だ。

 

『デッキからレベル6の《D-HERO ダッシュガイ》と《D-HERO ディバインガイ》を墓地に送り、融合召喚。レベル8《D-HERO デストロイフェニックスガイ》』

 

 当人としては良かれと思って新要素を投入したんだろうけど、事故要素増えるだけで利点少ないし、いらないと思うがねぇ。

 

『これでターンエンド』

 

 

 『ドライトロン宣告者』

 LP8000

 手札3枚(『流星輝巧群』)

 EXモンスターゾーン

 《ユニオン・キャリアー》リンク2/光属性/機械族/攻1000

 メインモンスターゾーン

 《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》星8/闇属性/ドラゴン族/攻5000/守 0

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100

 魔法・罠カードゾーン

 《破壊剣-ドラゴンバスターブレード》

 

 

「私のターン、ドロー。あの時と一緒だな――《デスフェニ》出さなければ良かったのに」

 

 相手のフィールドにはモンスターが『3体』並んでいる。『2体』なら対処出来なかったのにね。

 

 

「《ユニオン・キャリアー》《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の3体を生贄に――相手フィールドに《ラーの翼神竜-球体形》をアドバンス召喚!」

 

 

 『神』のカードの前にひれ伏すがいい。これなら《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》が《崇光なる宣告者》でも関係無かったね。

 ついでにリリースされた《D-HERO デストロイフェニックスガイ》は破壊されていないので墓地から舞い戻らない。仕事をされる前にリリースすれば何も問題無いね。

 

「魔法カード『影依融合』発動! ……『灰流うらら』も握ってないのか。手札の《影依の巫女 エリアル》と闇属性《シャドール・リザード》で融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 相手の場を更地にしたし、対『ドライトロン宣告者』において最強の蓋要因、《エルシャドール・ミドラーシュ》出せばほぼ詰みよ。

 

「墓地に送られた《影依の巫女 エリアル》と《シャドール・リザード》の効果発動! 《シャドール・リザード》の効果でデッキから《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送り、《影依の巫女 エリアル》の効果で相手の墓地の《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》《D-HERO ディバインガイ》《竜輝巧-バンα》を除外する」

 

 また墓地から儀式召喚されるのはうざいし、2枚ドローも許さんし、新たな儀式モンスターサーチも許さん。

 相手が弱体化しようが情状酌量の余地無し。逆転の可能性など徹底的に摘ませて貰おう。

 

「墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 ……まぁ味気無いとは感じる。前回の制限ならフィールドを更地にしたところで、手札から《朱光の宣告者》が2回ほど妨害してきただろうし、安定性も失ったんだろうなぁ。

 試すまでもなく『ドライトロン宣告者』が環境から消え去る訳だ。――今までやってきた暴虐的な制圧を考えれば、全くもって可哀想に思えないけど。

 

「手札を2枚伏せてターンエンド」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札0枚

 EXモンスターゾーン

 《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター(《シャドール・ビースト》)

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード2枚

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 メインギミックにおいて《エルシャドール・ミドラーシュ》を除去する方法が無い『ドライトロン宣告者』がどう足掻くか、見せて貰おうか。

 

『《宣告者の神巫》を通常召喚し、効果発動。デッキ・EXデッキから天使族モンスター《虹光の宣告者》を墓地に送る。このカードのレベルはターン終了時までそのモンスターのレベル分だけ上がる』

 

 引いたカードは《宣告者の神巫》か。ドロー力強いなぁ。

 

『墓地に送られた《虹光の宣告者》の効果発動、デッキから儀式モンスター《サイバー・エンジェル-弁天-》を手札に加える』

 

 最初のターンに《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》ではなく、《サイバー・エンジェル-弁天-》を優先していれば手札は充実していただろうに。……相手も試行錯誤している最中なんだろうなぁ。

 

 

『速攻魔法『禁じられた一滴』発動、フィールドの《宣告者の神巫》を墓地に送り、ターン終了時まで《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃力を半分にし、効果を無効にする』

 

 

 おや、相手側にとって唯一の回答が手札にあったのか。まずいなー、これで特殊召喚1回縛りが消え去ってしまったぞー。

 

『墓地の《竜輝巧-エルγ》の効果発動、手札の儀式モンスター《サイバー・エンジェル-弁天-》をリリースして発動』

 

 此処から怒涛の展開で《崇光なる宣告者》や《ヴァレルソード・ドラゴン》を出して1キル――とはいかないんだよなぁ。

 

「チェーンして速攻魔法『墓穴の指名者』で墓地の《サイバー・エンジェル-弁天-》を除外し、次のターンの終了時まで効果を無効にする」

 

 これで天使族をサーチ出来ず、制限カードの《サイバー・エンジェル-弁天-》が除外されて『宣告者』側のギミック完全崩壊。打ち処が此処まで解り易いと楽だねぇ。

 

「更にチェーンして永続罠『影依の偽典』発動! 効果発動で墓地の《影霊の翼 ウェンディ》と闇属性《シャドール・リザード》を除外して融合! 二度現れよ、レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 はい、おかわりだよ! 素引き『影依の偽典』からの回避不能の相手ターン《エルシャドール・ミドラーシュ》。《竜輝巧-エルγ》の特殊召喚でこのターンの特殊召喚は使い切りだ。

 

『……墓地の《竜輝巧-エルγ》を守備表示で特殊召喚。ターンエンド』

「エンドフェイズ、《ラーの翼神竜-球体形》は私のフィールドに戻ってくる」

 

 

 『ドライトロン宣告者』

 LP8000

 手札1枚(『流星輝巧群』)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《竜輝巧-エルγ》星1/光属性/機械族/攻2000/守 0

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは《影依の巫女 エリアル》か。いやぁ容赦無いね、我がデッキよ。

 

「裏側守備表示の《シャドール・ビースト》を攻撃表示に変更、リバース効果発動、2枚ドローして1枚、《影依の巫女 エリアル》を捨てる。効果発動、相手の墓地の《竜輝巧-アルζ》《竜輝巧-ファフμβ’》《宣告者の神巫》を除外する」

 

 これでフィールドの《竜輝巧-エルγ》以外の『ドライトロン』は除外した。

 もはや死体蹴り状態だなぁと思いつつ、《シャドール・ビースト》の効果で引いたカードは《灰流うらら》『暴走魔法陣』――良かったね、このターンで殺せるわ。無駄に苦しませるのも忍びなかったしねぇ。

 

「フィールド魔法『暴走魔法陣』発動、効果処理でデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加え、そのまま通常召喚、効果発動でデッキから魔法カード『召喚魔術』を手札に加える」

 

 さて、特殊召喚1回縛りは此方もだから、その1回で終わらせよう。

 

「魔法カード『召喚魔術』発動、フィールドの《召喚師アレイスター》を除外、手札の炎属性《灰流うらら》を墓地に送り、融合召喚! レベル7《召喚獣プルガトリオ》!」

 

 シンクロやエクシーズやリンクはその性質上、2回以上特殊召喚しないとEXデッキから特殊召喚出来ないので《エルシャドール・ミドラーシュ》がいる限り展開出来ない。……逆に1回の特殊召喚で攻撃力2200ラインを簡単に超える融合召喚とペンデュラム召喚には無力なんだけどね!

 

「バトル! 攻撃力2500の《召喚獣プルガトリオ》で《竜輝巧-エルγ》を攻撃! 《召喚獣プルガトリオ》は守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。《竜輝巧-エルγ》の守備力は0、よって2500ダメージ」

 

 8000-2500=5500。時代の流れは非情だなぁと思いながら、かつての強敵に引導を渡す。

 

「《シャドール・ビースト》でダイレクトアタック、《エルシャドール・ミドラーシュ》でダイレクトアタック! ……あ」

 

 -2200、-2200、更にダイレクトアタックでトドメだ―!と思ったが、この2体目の《エルシャドール・ミドラーシュ》は『影依の偽典』で出したからダイレクトアタック出来なかったや。

 

 ――ごめんごめん、このターンで仕留められなかったや。

 もう1ターンだけ待ってね? すぐにターンエンドしてくれたら楽に殺してやるから。

 

 と言った処で相手側サレンダー。対戦ありがとうございました。




 5/9以降の『ドライトロン宣告者』

 『ダイヤモンド1』帯では滅多に出遭わなくなる。
 《サイバー・エンジェル-弁天-》の制限は致命的で、手札誘発への耐性が著しく欠如し、1枚の手札誘発で止まりやすくなってしまった。
 制限改定の常、栄枯盛衰である。とは言え、未だに《崇光なる宣告者》を立てる事は可能である。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18vs『P.U.N.K.幻影騎士団』

 本日の最強カード

 《FNo.0 未来龍皇ホープ》
 エクシーズ・効果モンスター
 ランク0/光属性/戦士族/攻3000/守2000
 「No.」モンスター以外の同じランクのXモンスター×3
 ルール上、このカードのランクは1として扱い、
 このカード名は「未来皇ホープ」カードとしても扱う。
 このカードは自分フィールドの「FNo.0 未来皇ホープ」の上に重ねてX召喚する事もできる。
 (1):このカードは戦闘・効果では破壊されない。
 (2):1ターンに1度、相手がモンスターの効果を発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
 その発動を無効にする。
 この効果でフィールドのモンスターの効果の発動を無効にした場合、さらにそのコントロールを得る。

 悪名高き《ドラグーン》と一緒に収録された、当初は目立たなかったカード。
 だが、よくよく考えて頭おかしい効果。無効効果持ちに戦闘&効果破壊耐性を持たせるのは厄介極まると思います。
 更に寝取り効果もあるので、処理を間違えると大惨事となる。

 ※ネタバレ、出番無し。


 

 今日も今日とてランクマッチだー! ってまた後攻か。先攻取れないなぁ。

 

『手札の《No-P.U.N.K.オーガ・ナンバー》を墓地に送って効果発動、デッキからレベル8以外の『P.U.N.K.』モンスター《No-P.U.N.K.セアミン》を手札に加える』

 

 『P.U.N.K.』? 確か5/9で追加された新規テーマだったか。

 何をしてくるか良く解らんが、『幻影騎士団』と組んで悪さしている事は知っている。《ロンゴミ》禁止にされないかな。

 

『《No-P.U.N.K.セアミン》を通常召喚、LP600払って効果発動、デッキから《No-P.U.N.K.セアミン》以外の『P.U.N.K.』モンスター《No-P.U.N.K.フォクシー・チューン》を手札に加える』

 

 スルー。『P.U.N.K.』の動きを止める利点が一切無い。本命のルートに入ってから妨害するのが一番だろう。

 

『手札の《No-P.U.N.K.フォクシー・チューン》を墓地に送って効果発動、自分の手札を1枚選んで墓地に送り、デッキからレベル8以外の『P.U.N.K.』モンスター1体を特殊召喚する』

 

 しかし、何で『幻影騎士団』と組み合わせているんだろう? 初動安定するんだろうか? どの道、手札誘発による妨害耐性の向上には繋がってないように見えるが……?

 

『手札から《幻影騎士団ダスティローブ》を捨てて、デッキから《No-P.U.N.K.セアミン》を特殊召喚する』

 

 はいはい、やっぱり《ロンゴミ》ね。出させねぇし、ぶち殺してやんよ。

 

『レベル3の《No-P.U.N.K.セアミン》2体でリンク召喚、召喚条件はレベル3のモンスター2体、リンク2《彼岸の黒天使 ケルビーニ》』

 

 いつもの。……今、《彼岸の黒天使 ケルビーニ》の他にカードは無い。これは完全にプレイミスだね。以前にデュエルした『幻影騎士団』はちゃんとケアしていたのに。

 

『《彼岸の黒天使 ケルビーニ》の効果発動、デッキからレベル3モンスター《幻影騎士団ティアースケイル》を墓地に送り――』

「自分フィールドにモンスターが存在せず、相手モンスターの効果が発動した時、手札の《PSYフレームギア・γ》の効果発動。手札のこのカードと自分のデッキの《PSYフレーム・ドライバー》1体を選んで特殊召喚し、その発動を無効にして破壊する」

 

 はい、これで『幻影騎士団』のリンク3に繋がらないから、このターンで《ロンゴミ》出てくる事は無くなったね。

 コストでデッキから《幻影騎士団ティアースケイル》が墓地に送られるが、《ロンゴミ》出せない時のサブプランなどたかが知れている。精々《FNo.0 未来龍皇ホープ》ぐらいだろう。

 

『墓地の《幻影騎士団ダスティローブ》を除外して効果発動、デッキから《幻影騎士団ダスティローブ》以外の『幻影騎士団』カード1枚、《幻影騎士団サイレントブーツ》を手札に加える』

 

 《FNo.0 未来龍皇ホープ》の耐性とモンスター効果無効&寝取りはかなり厄介だが、1体程度ならそれほど問題ではない。

 

『自分の墓地から『幻影騎士団』モンスターが除外された事で墓地の《幻影騎士団ティアースケイル》の効果発動、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドから離れた場合に除外される』

 

 どうせエクシーズするから除外されないんだけどね。こういうデメリットになってないデメリットは嫌いだね。

 

『手札を1枚、《彼岸の悪鬼 グラバースニッチ》を捨てて《幻影騎士団ティアースケイル》の効果発動、デッキから『ファントム』魔法・罠カード1枚、罠カード『幻影翼』を墓地に送る』

 

 さて、どこまで展開出来るのか、高見の見物だ。

 

『自分フィールドに『幻影騎士団』モンスターが存在する場合、手札から《幻影騎士団サイレントブーツ》を特殊召喚出来る』

 

 レベル3のモンスターが2体、来るぞ遊馬!

 

『レベル3の《幻影騎士団ティアースケイル》と《幻影騎士団サイレントブーツ》でオーバーレイ、エクシーズ召喚、ランク3《虚空海竜リヴァイエール》』

 

 来たぞ遊馬、やっぱり《FNo.0 未来龍皇ホープ》出てくるな。

 

『《虚空海竜リヴァイエール》の効果発動、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を取り除き、除外されている自分または相手のレベル4以下のモンスター1体、《幻影騎士団ダスティローブ》を対象に発動出来る。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する』

 

 はいはい、いつもの。

 

『自分フィールドに《サイコウィールダー》以外のレベル3モンスターが存在する場合、手札から《サイコウィールダー》を守備表示で特殊召喚出来る』

 

 いつもの。此処から2体目の《虚空海竜リヴァイエール》が出てきて――。

 

『レベル3の《サイコウィールダー》と《幻影騎士団ダスティローブ》でオーバーレイ、エクシーズ召喚、ランク3《幻影騎士団ブレイクソード》』

 

 ……なんで此処で《幻影騎士団ブレイクソード》?

 

『《幻影騎士団ブレイクソード》の効果発動、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、自分フィールドの《幻影騎士団ブレイクソード》と相手フィールドの《PSYフレームギア・γ》を対象に発動出来る。そのカードを破壊する』

 

 ……エンドフェイズに勝手に除外される《PSYフレームギア・γ》をわざわざ破壊して何がしたいのだ?

 

『エクシーズ召喚された《幻影騎士団ブレイクソード》が破壊された場合、自分の墓地の同じレベルの『幻影騎士団』モンスター2体、《幻影騎士団ダスティローブ》《幻影騎士団サイレントブーツ》を対象に発動出来る。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは1つ上がる。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしか特殊召喚出来ない』

 

 自壊してレベル4のモンスター2体……ランク4を出す?

 

『レベル4となっている闇属性モンスター《幻影騎士団ダスティローブ》《幻影騎士団サイレントブーツ》でオーバーレイ、エクシーズ召喚、ランク4《ヴェルズ・ナイトメア》』

 

 なんか見慣れないランク4の『ヴェルズ』エクシーズモンスターが出てきた。何だろコイツ?

 

 

 《ヴェルズ・ナイトメア》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク4/闇属性/悪魔族/攻 950/守1950

 闇属性レベル4モンスター×2

 相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、

 このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

 その特殊召喚したモンスターを裏側守備表示にする。

 

 

 何この化石みたいなエクシーズ。裏側守備表示にして遅滞するだけ? 何メタなのか、解らないカードだなぁ。

 

『墓地の『幻影翼』を除外して自分の墓地の『幻影騎士団』モンスター《幻影騎士団ブレイクソード》を対象に発動、そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはフィールドから離れた場合に除外される』

 

 何か変な事しているなぁ。何したいんだろ?

 

『《虚空海竜リヴァイエール》《幻影騎士団ブレイクソード》の2体でリンク召喚、召喚条件は効果モンスター2体、リンク2《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》』

 

 ……あー、はいはい、あれを出したかったのか。……《FNo.0 未来龍皇ホープ》1体の方が遥かに厄介だったけど。

 

『LP2000払い、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の効果発動、デッキから『フュージョン・デステニー』を墓地に送って発動、この効果はその魔法カード発動時の効果と同じになる。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚出来ない』

 

 普段から《ロンゴミ》出す事しかやってないから、妨害された際の展開が弱々なのかな?

 

『デッキから《D-HERO ディバインガイ》《D-HERO ダッシュガイ》を墓地に送り、融合召喚、レベル8《D-HERO デストロイフェニックスガイ》』

 

 うん、なんかこう、勿体無いの一言。本命の次の本命を出さずに出すモンスターじゃないと思うんだがね?

 

『これでターンエンド』

 

 

 『P.U.N.K.幻影騎士団』

 LP5400

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

 《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》リンク2/闇属性/植物族/攻 500

 メインモンスターゾーン

 《ヴェルズ・ナイトメア》ランク4/闇属性/悪魔族/攻 950/守1950

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

「私のターン、ドロー」

 

 相手の意図は全然解らないが、とりあえず脳死で展開するとしよう。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 この時点で『召喚魔術』を使う前に《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が墓地に行ったら融合素材として除外される事を知らせておく。

 

「手札から魔法カード『影依融合』発動、デッキから《影霊の翼 ウェンディ》と異なる属性《シャドール・リザード》を墓地に送って融合! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 最初から『影依融合』握っていたから、《FNo.0 未来龍皇ホープ》出されていても何の問題も無かったんだよね。

 

「墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動、《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動、特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動! 対象は《ヴェルズ・ナイトメア》」

『チェーンして《ヴェルズ・ナイトメア》の効果発動、相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動出来る。その特殊召喚したモンスターを裏側守備表示にする』

 

 《エルシャドール・アプカローネ》が裏側守備表示になり、《ヴェルズ・ナイトメア》の効果が無効になる。

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果を無効にしない理由? する必要が無いからだ。

 

「《エルシャドール・アプカローネ》の効果で《ヴェルズ・ナイトメア》の効果を無効、《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚、《シャドール・リザード》の効果でデッキから《影依の巫女 エリアル》を墓地に送る」

 

 別にこの時点で《エルシャドール・アプカローネ》を破壊されても『影依の偽典』をサーチ出来るだけだし、『召喚魔術』で除外出来るので簡単に処理完了となる。

 

「墓地に送られた《影依の巫女 エリアル》の効果発動、相手の墓地の《幻影騎士団ダスティローブ》《幻影騎士団ティアースケイル》《D-HERO ディバインガイ》を除外する」

 

 この時点での唯一の正解は自分フィールドの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を破壊して此方の《エルシャドール・アプカローネ》を破壊しておく事だったかな?

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』発動、フィールドの《召喚師アレイスター》を除外、相手の墓地の光属性《No-P.U.N.K.フォクシー・チューン》を除外して融合召喚! レベル9《召喚獣メルカバー》!」

 

 『召喚魔術』を通した事で《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果を永遠に使えなくなった訳だ。

 

『チェーンして《ヴェルズ・ナイトメア》の効果発動、相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動出来る。その特殊召喚したモンスターを裏側守備表示にする』

「……いや、《エルシャドール・アプカローネ》の効果で無効になってるっしょ? エクシーズ素材の《幻影騎士団サイレントブーツ》を墓地に送りたかっただけか?」

『更にチェーンして《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動』

 

 ……はい? 何でこのタイミングで使うの?

 

「? 《召喚獣メルカバー》の効果発動、1ターンに1度、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、そのカードと同じ種類の手札を1枚《シャドール・ファルコン》を墓地に送り、その発動を無効にして除外する」

 

 『召喚魔術』で《召喚師アレイスター》を戻す前の、このタイミングで手札にモンスターカード握ってないと願ったのかな?

 不死身の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》は何も出来ずに除外される。何しに来たんだろ?

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に戻し、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 とりあえず、っと。

 

「バトル! 《召喚獣メルカバー》で《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を攻撃! 2000ダメージで残りLP3400、戦闘破壊!」

 

 エクシーズ素材の無い《ヴェルズ・ナイトメア》を無視して《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を殴り殺しておく。

 まぁもう無いと思うけど、また効果使われたら厄介どころの話じゃないしね!

 

「私はこれでターンエンド」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札3枚(《召喚師アレイスター》)

 EXモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター(《エルシャドール・アプカローネ》)

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター(《シャドール・ビースト》)

 《召喚獣メルカバー》星8/光属性/機械族/攻2500/守2100

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

『私のターン、ドロー。墓地の《D-HERO ダッシュガイ》の効果、ドローフェイズにモンスターカードをドローした場合、その1体をお互いに確認して自分フィールドに特殊召喚出来る。《増殖するG》を特殊召喚』

「?」

 

 本当に何してるんだろ? 《増殖するG》を特殊召喚した処で、それを素材に出せるの、あるの?

 

『墓地の《幻影騎士団サイレントブーツ》を除外して発動』

「そんなの通す訳無いだろう。《召喚獣メルカバー》の効果発動、手札の《D-HERO ディバインガイ》を捨てて《幻影騎士団サイレントブーツ》の効果を無効にする」

 

 これで墓地にある『幻影騎士団』モンスターは0枚となった。それでどうやって捲くるつもりだ?

 

『《ヴェルズ・ナイトメア》を攻撃表示に変更し、バトルフェイズ、裏側守備表示のモンスターを攻撃』

 

 うーむ? 自爆特攻? いや、諦めているなら《召喚獣メルカバー》の方に攻撃してくるか。

 

「《エルシャドール・アプカローネ》の守備力は2000、1050の反射ダメージだ。一体何がしたいんだ?」

 

 3400-1050=2350となり、ライフだけ削れてバトルフェイズが終了する。

 

『メインフェイズ2――《ヴェルズ・ナイトメア》1体でオーバーレイ、1体でエクシーズ召喚、エクシーズモンスターが戦闘を行ったターンに1度、自分フィールドのエクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚出来る、ランク12《天霆號アーゼウス》』

「なるほど、全体墓地送りで切り替えしてくるか」

 

 自暴自棄になったんじゃなく、最後まで諦めてない決闘者の動きだったか。

 《召喚獣メルカバー》の無効効果は使った後だから、《アーゼウス》の全体リセット効果は通してしまうな。

 まぁ墓地送りにされても1ドロー+デッキから『影依融合』サーチ出来るから、またデッキ融合で捲り返せるなー。

 

「……って、それじゃ何で……」

 

 ……えーと、今の《天霆號アーゼウス》のエクシーズ素材は1個。そう、1個である。さっき、効果無効になったのに関わらず無駄撃ちしていたから、効果発動する為に必要なエクシーズ素材足りないぞ……?

 

「……えー?」

 

 次の瞬間、相手はサレンダー。良く解らなかったけど、全く解らないデュエルだった。

 




 《ロンゴミ》出してくる以外、何してくるか解らないデッキ・パート2。
 出せなかった時のリカバリーで《FNo.0 未来龍皇ホープ》を出してくると思うが……なんで作中みたいな展開にしたのか、対戦相手の自分には解らないです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19vs『天威相剣』

 本日の最強カード

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》
 融合・効果モンスター
 星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100
 レベル6以上の「HERO」モンスター+「D-HERO」モンスター
 このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、
 自分の墓地の「HERO」カードの数×200ダウンする。
 (2):自分・相手ターンに発動できる。
 自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を選んで破壊する。
 (3):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
 次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 現環境において、ほぼ毎回見る事になるぶっ壊れ融合モンスター。
 これを如何にアド損せずに除去出来るかが勝利の鍵であり、必然的にコイツに盤面を返す為の処理能力を必ず割く必要がある。
 まさに出し得、何も出来ずに退場しても、その処理に使われたカードで最低限の仕事を果たせる。


 

 

 ――基本的に、デュエルにおいてプレミは付き物である。

 

 プレミにも種類あって、結果論的に間違っていたというものと、どう考えても自業自得の失敗、大体この2種類に分別される。

 前者は仕方ないとしても、後者は今後の改善の余地として処理出来る。何が言いたいかと言うと――相手より大きいプレミしなければ大体大丈夫、かもしれない? めいびー。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加える。《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター1体、リンク1《聖魔の乙女アルテミス》」

 

 珍しく先攻取ったのでいつもの動き。相手の反応から《灰流うらら》や《増殖するG》は握ってなさそうだ。

 ……この手札で『シャドール』モンスターを1枚でも握っていたら完璧だったのに。

 

「魔法カード『召喚魔術』発動、墓地の《召喚師アレイスター》、フィールドの《聖魔の乙女アルテミス》を除外して融合! レベル9《召喚獣メルカバー》を守備表示で融合召喚!」

 

 守備表示にしておく事で『ライトニング・ストーム』で破壊されないようにケアしておく。折角の無効効果を自身を守る為に使うなんて無駄だしね。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 いつもなら此処で終わりだが、運が悪い事にとあるカードを握っていてね。ああ、勿論、此処でいう運が悪いのは相手側なんだが。

 

 

「魔法カード『フュージョン・デステニー』発動、手札からレベル6《D-HERO ダッシュガイ》とデッキから《D-HERO ディバインガイ》を墓地に送って融合! レベル8《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を守備表示で融合召喚!」

 

 

 素引き『フュージョン・デステニー』は上振れ要素過ぎてヤバいね。……このカード、地味にデッキだけじゃなく、手札に来てしまった時も手札で融合出来るから高性能だね。

 

「これで私はターンエンド」

『私のターン、ドロー』

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札3枚(《召喚師アレイスター》)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

 まずまずの初期展開。『シャドール』要素にアクセス出来ないのは痛かったが、この2枚で何とかしのげるだろう。

 

『魔法カード『金満で謙虚な壺』を発動、自分のEXデッキのカード3枚または6枚を裏側表示で除外して発動出来る。除外した数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、その中から1枚選んで手札に加え、残りのカードを好きな順番でデッキの1番下に戻す。このカードの発動後、ターン終了時まで相手の受けるダメージは半分になる』

 

 ふむふむ、EXデッキのカードを6枚も削るこのカードを使うとなると、EXデッキに依存しないカテゴリー、つまりは――。

 

「ふむふむ、多分『エルドリッチ』か。なら『影依融合』腐るだろうし、コストにして無効にしちゃおう。《召喚獣メルカバー》の効果発動、魔法カード『影依融合』を捨てて魔法カード『金満で謙虚な壺』の発動を無効にして除外する!」

 

 『金満で謙虚な壺』を使うという事は普段サーチ出来ないカードを無理矢理手札に引き込む時ぐらい――『王宮の勅命』や『スキルドレイン』を引き込まれるのは嫌なので此処で使っておこう。

 

 

『――自分フィールドに効果モンスターが存在しない場合、手札から《天威龍-アーダラ》の効果発動、このカードを特殊召喚する』

 

 

 ……『天威』? あれ、『エルドリッチ』は?

 

「……あ。完全に読み違えた!? 『天威相剣』じゃん!? 『相剣』にも『金満で謙虚な壺』採用されるの!?」

 

 ――『天威相剣』、5/9制限と同時に収録された新テーマ『相剣』、それと組む事で環境に殴り込んできた新精鋭、一言で言えばヤバい奴等である!

 

「す、捨ててしまったァァァァッ!?」

 

 うわ、最悪!? 『影依融合』が大活躍出来るデッキじゃん!? 何で一瞬前の私は『影依融合』をコストにして墓地に捨てたんだ!?

 

「――た、確かコイツは即座にバニラのリンクモンスターになって墓地から悪さする幻竜族モンスター……《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動! 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》と《天威龍-アーダラ》を破壊する!」

 

 初動は動かれない内に潰すに限る。……これ以上動かないでくれよ? 事故れー、事故れー。

 

「効果で破壊された《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動、次のターンのスタンバイフェイズに自分の墓地から『D-HERO』モンスター1体を選んで特殊召喚する」

 

 この瞬間が《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が最もスキを晒す瞬間であり、《D.D.クロウ》や《屋敷わらし》や《PSYフレームギア・γ》などの手札誘発、速攻魔法『墓穴の指名者』で除外されたらおしまい、完全にお陀仏である。

 ……幸いにも、今回はすんなりと効果が通ったようだった。

 

『相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターの数より多い場合、《白の聖女エクレシア》は手札から特殊召喚出来る』

 

 うわ、すぐに超融合内蔵の子になる聖女。こりゃもうレベル8シンクロとレベル10シンクロが並ぶんじゃね?

 

『《白の聖女エクレシア》をリリースして発動、デッキから『相剣』モンスター《相剣師-莫邪》を特殊召喚する』

 

 《白の聖女エクレシア》のこの効果は自分・相手のメインフェイズ、フリーチェーンまがいの効果なので《エフェクト・ヴェーラー》などの対象を取る効果だと華麗に回避されるんだよなぁ。

 ……さて、と。着地してしまった『相剣』モンスター。そのインチキじみた共通効果は――。

 

『《相剣師-莫邪》が特殊召喚に成功した場合、手札の『相剣』モンスター《相剣師-泰阿》を相手に見せて効果発動、自分フィールドに『相剣トークン』(幻竜族・チューナー・水・星4・攻/守0)1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したトークンが存在する限り、自分はシンクロモンスターしかEXデッキから特殊召喚出来ない』

 

 なんで1枚からレベル4のチューナーモンスター生成してシンクロ召喚に繋げられるの? 頭おかしくね?

 今までのシンクロ召喚が何だったのかと言わんばかりの所業、チューナー引けずにシンクロ出来ずに涙を飲んだ全テーマに謝れ! ……『シャドール』でのシンクロ? 確定サーチで《シャドール・ファルコン》引っ張ってからの《フルール・ド・バロネス》ですが何か?

 

『レベル4のチューナーモンスター『相剣トークン』にレベル4の《相剣師-莫邪》をチューニング、シンクロ召喚、レベル8《相剣大師-赤霄》』

 

 そして出てくるレベル8のシンクロモンスター。汎用枠のレベル8でなく、同じテーマのコイツが最優先でシンクロ召喚されるのは、コイツはコイツで頭おかしい効果持ってるからだ。

 

『シンクロ召喚に成功した《相剣大師-赤霄》の効果発動、シンクロ素材として墓地に送られた《相剣師-莫邪》の効果発動』

 

 この時点で御分かりだと思うが、《相剣大師-赤霄》のサーチ効果に対して《灰流うらら》をぶち込めない。

 シンクロ召喚なのに『シャドール』が融合召喚した際みたいなチェーン処理がされて本命に届かないのだ。

 

『《相剣師-莫邪》でデッキから1枚ドロー、《相剣大師-赤霄》の効果でデッキから『相剣』カード1枚、《相剣軍師-龍淵》を手札に加える』

 

 ただでさえ厄介な効果を持っているのに、テーマ内での万能サーチ効果持っているとかどういう事?

 そしてそのサーチ効果から持ってこられる《相剣軍師-龍淵》は、『相剣』において最もインチキモンスターである。

 

『手札の《相剣軍師-龍淵》の効果発動、このカード以外の『相剣』カード《相剣師-泰阿》を捨て、このカードを手札から特殊召喚する。その後、自分フィールドに『相剣トークン』1体を特殊召喚する』

 

 《相剣軍師-龍淵》のレベルは6、生成される『相剣トークン』はレベル4のチューナー。

 1枚コストが必要とは言え、実質これ1枚でレベル10シンクロ出来るとか馬鹿じゃねぇの?

 レベル10のシンクロモンスターと言えば、そう、『ヤツ』が簡単に出せるのである。ただし、テーマ内に『ヤツ』より遥かに厄介なレベル10シンクロモンスターが――。

 

『レベル4の『相剣トークン』にレベル6の《相剣軍師-龍淵》をチューニング、シンクロ召喚、レベル10《フルール・ド・バロネス》』

 

 おっと、今回は素直に《バロネス》を出したか、《相剣大公-承影》じゃなくて良かった。アイツの方が遥かに処理し辛いし、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を簡単に除去出来てしまう。

 ……なんで《相剣大公-承影》出さなかったんだ? 相手。

 

『シンクロ素材として墓地に送られた《相剣軍師-龍淵》の効果発動、相手に1200ダメージを与える』

 

 ついでの如く、いきなり1200ものバーンダメージが飛んできて、残りライフ6800。

 今回の決闘におけるデスラインは当然LP1200である。そのラインまで削られると、《相剣軍師-龍淵》を素材にシンクロ召喚された時点で死ぬ。

 

『《フルール・ド・バロネス》の効果発動、《召喚師メルカバー》を破壊する』

 

 《相剣大公-承影》よりマシとは言え、《フルール・ド・バロネス》も厄介な事には変わらない。

 ぐぬぬ、『影依融合』さえ、『影依融合』さえ手札に残しておいたのなら……!

 

『バトルフェイズ、《フルール・ド・バロネス》と《相剣大師-赤霄》でダイレクトアタック』

 

 攻撃力3000、2800、とダイレクトアタックで削られて残りLP1000、早くも即死圏内である。

 次にレベル10シンクロされただけであの世行きとは心臓に悪い。

 これが闇のゲームなら意識混濁して絶望している感じだね! まじふぁっきん!

 

『バトルフェイズ終了、メインフェイズ2に移行、そのままターンエンド』

 

 

 『天威相剣』

 LP8000

 手札3枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《相剣大師-赤霄》星8/光属性/幻竜族/攻2800/守1000

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

「私のターン、ドロー! スタンバイフェイズ、不死鳥は墓地より舞い戻る! 前のターンの《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果で墓地より『D-HERO』モンスター1体を選んで特殊召喚する! かもん《D-HERO デストロイフェニックスガイ》!」

 

 これは既に発動している効果なので《フルール・ド・バロネス》で無効にされる事はない!

 ちなみに《相剣大師-赤霄》にもフリーチェーンで使える、モンスター効果を無効にする効果を持っている。厄介極まる。

 

「手札から《妖精伝姫-シラユキ》を通常召喚し、効果発動! このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象に発動出来る。そのモンスターを裏側守備表示にする。私は《相剣大師-赤霄》を対象にする!」

 

 さぁ、どうする? 裏側守備表示になれば守備力1000の《相剣大師-赤霄》は《妖精伝姫-シラユキ》でも戦闘破壊出来るようになる。

 《相剣大師-赤霄》の効果で無効にすれば《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を無効に出来ない。先に効果を使わなければならない、という時点で、後出しで《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の破壊効果を通せる。……まぁ《フルール・ド・バロネス》の無効効果食らうけど。

 此処で大事なのは《フルール・ド・バロネス》の無効効果を温存させない事だ。破壊されて墓地に送られた時に無効にされたら復活出来なくなる。

 

『――チェーンして《相剣大師-赤霄》の効果発動、墓地の幻竜族モンスター《天威龍-アーダラ》を除外し、このカード以外のフィールドの効果モンスター1体、《妖精伝姫-シラユキ》を対象として発動出来る。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。この効果は相手ターンでも発動出来る』

 

 まぁそうせざるを得ないよなぁ。大丈夫だ、何をしても結果は変わらない。

 

 ――初手で安定してレベル8シンクロとレベル10シンクロを立ててくる『相剣』だが、このテーマ、一度布陣を灰にされると大体立て直せない。

 

「バトル! 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》で《相剣大師-赤霄》を攻撃!」

 

 その1度崩すまでが大変なんだけどね!

 

「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の攻撃力は2500、《相剣大師-赤霄》の攻撃力は2800だが、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の隠されてない隠された永続効果、相手フィールドのモンスターの攻撃力は自分の墓地の『HERO』カードの数×200ダウンする。私の墓地には《D-HERO ダッシュガイ》と《D-HERO ディバインガイ》の2枚、よって400ダウンで攻撃力2400となっている!」

 

 攻撃が通り、戦闘破壊でダメージ100! 非情に些細なダメージだが――。

 

「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》で《相剣大師-赤霄》を粉砕! 続けて《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動! 自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を選んで破壊する。この効果は自分・相手ターンに発動出来るフリーチェーンだ!」

 

 まぁこれは嫌でも止めざるを得まい!

 

『《フルール・ド・バロネス》の効果発動、このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動出来る。その発動を無効にして破壊する』

 

 《相剣大公-承影》なら破壊効果に耐えた上で此方を除外出来ただろうにね。これは結果論じゃない、相手側の完全なプレミだ。

 

「だが、これで1度だけの万能無効効果を使わせた! 破壊された事で再び《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動! 次のターンのスタンバイフェイズに自分の墓地から『D-HERO』モンスターを1体選んで特殊召喚する!」

 

 《妖精伝姫-シラユキ》では攻撃力3000の《フルール・ド・バロネス》に太刀打ち出来ないのでバトル終了、このターン中にする事も無いので――。

 

「私はこのままターンエンド」

『私のターン、ドロー』

「スタンバイフェイズ、墓地より甦れ《D-HERO デストロイフェニックスガイ》》! そしてそのまま効果発動! 自分フィールドの《妖精伝姫-シラユキ》と《フルール・ド・バロネス》を破壊する!」

 

 《フルール・ド・バロネス》のスタンバイフェイズの効果を使われる前に破壊!

 ……でも、これってどういう扱いなんだろ? 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を特殊召喚して、そのまま優先権を渡さずに破壊出来たのか、相手側がスタンバイフェイズでの墓地からレベル9以下のモンスターを特殊召喚する効果をキャンセルしていたのだろうか?

 何はともあれ、攻撃力2500の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が立っている以上、このターンで死ぬ事は――。

 

『《相剣師-泰阿》を通常召喚、効果発動、自分の墓地から『相剣』カード1枚《相剣師-泰阿》を除外、自分フィールドに『相剣トークン』1体を特殊召喚する』

 

 あっるぇー、ヤバくね? またレベル8シンクロが飛んでくるよ。

 いやいや、《相剣大師-赤霄》出して効果無効にして戦闘破壊してもダメージ400だし、まだ生き残れ――。

 

『レベル4の『相剣トークン』にレベル4の《相剣師-泰阿》をチューニング、シンクロ召喚、レベル8《天威の龍鬼神》。シンクロ素材として墓地に送られた《相剣師-泰阿》でデッキから『相剣』カード1枚『相剣暗転』を墓地に送る』

 

 《天威の龍鬼神》? 何だそれは! えーと、テキスト確認っと。

 

 《天威の龍鬼神》

 シンクロ・効果モンスター

 星8/闇属性/幻竜族/攻3000/守 0

 チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

 (1):相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる。

 そのモンスターを除外する。

 (2):このカードの攻撃で効果モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。

 このカードの攻撃力は破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。

 このバトルフェイズ中、このカードはもう1度だけモンスターに攻撃できる。

 

 これは不味い。攻撃力3000だから、400下がっても2600、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の攻撃力2500を上回っている。

 それだけでなく、相手モンスターが効果を発動した時に除外する効果がぶっ刺さる。効果を無効にまでは出来ないが、此処で《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を失う事は敗北を意味する……!

 

『バトルフェイズ、攻撃力2600となっている《天威の龍鬼神》で攻撃力2500の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を攻撃』

 

 たぁだぁしぃ、相手は忘れないかい? この私が確定で手札に握っている《召喚師アレイスター》の存在を……!

 

「――ダメージステップ開始時、手札から《召喚師アレイスター》を墓地に送って効果発動! 自分フィールドの融合モンスター《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の攻撃力・守備力をターン終了時まで1000アップさせる! これで《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の攻撃力は3500! 返り討ちだー!」

 

 900ダメージで《天威の龍鬼神》を戦闘破壊、相手のLP7000となる。

 

「《天威の龍鬼神》の相手モンスターの効果が発動した時に除外する効果、ダメージステップ中には発動出来ないのか」

 

 ダメージステップ中は基本的にモンスターの攻撃力・守備力を増減させる効果とカウンター罠以外発動出来ないんだっけ? 長年遊戯王しているけど、此処らへんの処理、全然把握出来てないぜ!

 

『メインフェイズ2、魔法カード『ライトニング・ストーム』発動、自分フィールド二表側表示のカードが存在しない場合、以下の効果から1つを選択して発動出来る。――相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する』

「無駄だ! 破壊されて墓地に送られた《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動! 次のスタンバイフェイズに蘇る!」

 

 本当に無駄な事をしているなぁ。多分、この『ライトニング・ストーム』、最初のターンから手札で腐っていたんだろう。大抵、守備表示で出していたし。

 

『……ターンエンド』

 

 

 『天威相剣』

 LP7000

 手札2枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

「私のターン、ドロー! スタンバイフェイズ、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》は何度でも蘇る! 不死身の融合モンスターだ!」

 

 相手の場は更地、絶好の好機なんだが、このターンで相手のLPを全部消し飛ばす事は出来ないや。

 

「モンスターを1体伏せてバトル! 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》でダイレクトアタック!」

 

 2500削って残りLP4500。流石に此方もガス欠で削れないなぁ。

 

「私はこれでターンエンド」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP1000

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100

  裏側守備表示のモンスター

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 既に即死圏内なので気が抜けない。この先、より大きなプレミを犯した決闘者が敗北となるだろう!

 

『自分フィールドに効果モンスターが存在しな居場合、手札から《天威龍-アシュナ》を特殊召喚する』

 

 ……相手の手札はこの他に2枚、前のターンから展開に使ってこないという事は何らかの理由で腐っているカードだろう。

 やはり相手の動きは初動で潰すに限る!

 

「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》のエフェクト発動! 自身と《天威龍-アシュナ》を破壊する! そしてセメタリーより《D-HERO デストロイフェニックスガイ》のエフェクト発動! 次のターンのスタンバイフェイズに自分のセメタリーから『D-HERO』1体を選んで特殊召喚する!」

 

 さて、これが囮で《相剣軍師-龍淵》握っていたら死ぬが、どうだ!?

 

『……これでターンエンド』

 

 よーしよしよし、それじゃ殺そう。

 

「私のターン、ドロー! スタンバイフェイズにセメタリーより甦れ《D-HERO デストロイフェニックスガイ》!」

 

 ……ホント、一体何のデッキだってぐらい『D-HERO』融合モンスターが大活躍しているなぁ。

 コイツを野放しにするとこうなるのか。やっぱり最優先で除去せざるを得ないなぁ。

 

「――伏せていたカードは《シャドール・ドラゴン》、攻撃力は1900。《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の攻撃力は2500だから100足りない」

 

 先程、臆せず攻撃しておけば打点足りたんだけどね。

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が墓地に行った後の予備プラン&相手の魔法&罠ゾーンに伏せてきたら2枚破壊出来るプランだったんだよ。

 

 

「それでいて私の手札2枚はモンスターカードではない。この状況において――攻撃力100以上のモンスターを引けたら面白いよね?」

 

 

 あ、この展開、アニメで見た事あるや!

 

「カードを2枚セットし、墓地の《D-HERO ディバインガイ》の効果発動! 自分の手札が0枚の場合、自分の墓地からこのカードと『D-HERO』モンスター1体《D-HERO ダッシュガイ》を除外して発動出来る。自分はデッキから2枚ドローする!」

 

 さぁ、運命のドローだ! 祈れ! 2枚ドロォォォッ!

 ――引いたカードを見て、にっこり微笑む。天を見よ、見える筈だ、あの死兆星が!

 

「裏側守備表示の《シャドール・ドラゴン》を攻撃表示に変更し、バトル! 攻撃力1900の《シャドール・ドラゴン》でダイレクトアタック!」

 

 召喚せずにバトルフェイズ入りし、1900削って残りライフ2600。このままじゃ足りないねー。

 

「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》でダイレクトアタック! ――ダメージステップ開始時、手札の《召喚師アレイスター》を墓地に捨てて効果発動! 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の攻撃力・守備力を1000アップさせる!」

 

 私が引いたカードは《召喚師アレイスター》! その効果は言わずもがな!

 攻撃力3500となった《D-HERO デストロイフェニックスガイ》のダイレクトアタックが決まり、相手のLPを0にする。

 

「――ガッチャ、楽しいデュエルだったぜ!」

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『天威相剣』

 来月のランクマで最も遭遇するであろう、新鋭の環境デッキ。
 安定してレベル8シンクロ&レベル10シンクロ立てられるのはずるいと思う(小学生並みの感想)

 基本陣形の《バロネス》《赤霄》を処理出来れば、立て直す継戦能力は無いので何とかなるが、万能無効1回とモンスター効果無効をくぐり抜けて処理しろという難問。
 真面目に今期、『壊獣』か《ラヴァゴーレム》を投入するか、悩む一因となる。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20vs『ドラグニティ』

 本日の最強カード

 『禁じられた一滴』
 速攻魔法
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):自分の手札・フィールドから、
 このカード以外のカードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。
 その数だけ相手フィールドの効果モンスターを選ぶ。
 そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が半分になり、効果は無効化される。
 このカードの発動に対して、相手はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードと元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカードの効果を発動できない。

 現環境における最強の捲り札。
 『サンダー・ボルト』や『ライトニング・ストーム』で盤面を一掃出来ずに苦悶する貴方にオススメ!
 ほぼ全ての制圧モンスターにチェーンさせずに黙らせる事が出来ます。魔法耐性持ちや完全耐性持ちを除く。
 コストは重いが、他の魔法にチェーンする事で使用済みの魔法をリリースしてコストを浮かす事も出来る。




 

 

 

 ――『遊戯王』の歴史は壊れカードと共にある。

 

 いつの世も壊れカードが君臨し、規制されては消えて新たな壊れカードが環境を蹂躙する。

 インフレは世の常、決闘者は常に強いぶっ壊れカードを求める。

 だから、その時代での平均値などインフレについて行けずに消え去るのみ。思い出となって忘れ去られる。

 

『手札から《ドラグニティ-レムス》を捨てて効果発動、デッキからフィールド魔法『竜の渓谷』1枚を手札に加える』

 

 それでも現環境に殴り込む決闘者は確かに存在する。その思い入れの強さは余人には計り知れないだろう。

 

「――へぇ、『ドラグニティ』とは珍しい。『征竜』の餌扱いで、『竜の渓谷』を始めとしたデッキパーツが巻き添えで規制されていたって事しか覚えてないや」

 

 現在は規制は全部解かれているんだったけな。……何してくるデッキだったけ?

 

『フィールド魔法『竜の渓谷』発動、手札を1枚捨ててデッキからレベル4以下の『ドラグニティ』モンスター1枚、《ドラグニティ-セナート》を手札に加える』

 

 手札から《原始生命態ニビル》を捨てて……それ捨てて良いの? というか、『竜の渓谷』でデッキからドラゴン族モンスターを墓地に送らないの、初めて見た気がする。

 

『2枚目のフィールド魔法『竜の渓谷』発動、手札を1枚捨ててデッキからレベル4以下の《ドラグニティ-クーゼ》を手札に加える』

 

 流石古いカード、名称指定のターン1縛りが無いや。って、《灰流うらら》捨てて良いの? 多分、それ死因になるぞ? 炎属性だし。

 

『《ドラグニティ-セナート》を通常召喚』

「チェーンして手札から《増殖するG》を捨てて効果発動」

『更にチェーンして速攻魔法『墓穴の指名者』、対象は《増殖するG》――次のターンの終了時までこの効果で除外したモンスターの効果は無効化される』

 

 まぁ最後の1枚に握っているよねぇ、と《増殖するG》が相変わらず不発に終わる。

 手札誘発が無くなったので後は見ているだけだ。

 

『《ドラグニティ-セナート》の効果発動、手札から『ドラグニティ』カード1枚、《ドラグニティ-クーゼ》を捨てて発動、デッキから『ドラグニティ』チューナー1体《ドラグニティ-ファランクス》を選び、装備カード扱いとしてこのカードに装備する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はドラゴン族モンスターしかEXデッキから特殊召喚出来ない』

 

 ああ、思い出した。モンスターを装備して特殊召喚するテーマだったか。……此処でドラゴン族縛りあるんだ? 無けりゃ『ハリラドン』展開に行けるのに。

 

『装備カード扱いとして装備されている《ドラグニティ-ファランクス》の効果発動、装備されているこのカードを特殊召喚する』

 

 ドラゴン族限定となると、どうするんだろ? 今は『守護竜』とかいうイカれたぶっ壊れ禁止カード集団はいないし。

 

『レベル2のチューナーモンスター《ドラグニティ-ファランクス》にレベル4の《ドラグニティ-セナート》をチューニング、シンクロ召喚、レベル6《ドラグニティ-ガジャルグ》』

 

 『相剣』を見た後だと、普通にシンクロ召喚しているだけで驚くよね。

 

『《ドラグニティ-ガジャルグ》の効果発動、デッキからレベル4以下の、ドラゴン族または鳥獣族のモンスター1体を手札に加える。その後、手札からドラゴン族または鳥獣族のモンスター1体を選んで捨てる。――デッキから《BF-精鋭のゼピュロス》を手札に加え、《BF-精鋭のゼピュロス》を墓地に捨てる』

 

 『EMEm』時代で良く見たランク4要因に目を細める。

 

『墓地の《BF-精鋭のゼピュロス》の効果発動、デュエル中に1度だけ、自分フィールドの表側表示のカード1枚『竜の渓谷』を手札に戻して発動、このカードを墓地から特殊召喚し、自分は400ダメージを受ける』

 

 そんなアドしかないコストで蘇生してくんなとしか思えないね。デュエル中に1度だけでも多すぎだわ。

 

『墓地の《ドラグニティ-レムス》の効果発動、自分フィールドに『ドラグニティ』モンスターが存在する場合、このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。このターン、自分はドラゴン族モンスターしかEXデッキから特殊召喚出来ない』

 

 まぁ現在は《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》や《星守の騎士 プトレマイオス》――何方も禁止カード――になる事は無いし、ランク4で警戒するに値する制圧モンスターいないけど。

 ……あの時代、マジで狂っていたなぁ。現代の先攻制圧がぬるく思えるぐらいだし。

 

『レベル2のチューナーモンスター《ドラグニティ-レムス》にレベル4の《BF-精鋭のゼピュロス》をチューニング、シンクロ召喚、レベル6《ドラグニティナイト-ハールーン》』

 

 レベル6のシンクロモンスター……うん、そうだね。憎き『電脳堺』が使ってくるシンクロモンスターは厄介だから覚えているが、他は、うん、何一つ印象残ってないんだよなぁ。

 

『特殊召喚された《ドラグニティナイト-ハールーン》の効果発動、自分の墓地の『ドラグニティ』モンスター1体《ドラグニティ-クーゼ》を対象に発動、そのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する』

 

 いつもの動き。ターン1縛り無いけど、強そうじゃない動きだね。

 

『装備カード扱いとして装備されている《ドラグニティ-クーゼ》の効果発動、このカードを特殊召喚する』

 

 ……そりゃ嘗ては装備して相手破壊して更に展開してきた『甲虫装機』とか居たからなぁ。あっちも環境から消えて久しいけど。

 

『レベル6の《ドラグニティ-ガジャルグ》と《ドラグニティナイト-ハールーン》でオーバーレイ、エクシーズ召喚、ランク6《聖刻龍王-アトゥムス》』

 

 ああ、こんな奴も居たなぁ。《レダメ》をデッキから特殊召喚してくる奴。《レダメ》の方がエラッタされたけど。

 

『《聖刻龍王-アトゥムス》の効果発動、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、デッキからドラゴン族モンスター1体を選び、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する。この効果を発動するターン、このカードは攻撃出来ない。――デッキから《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》を特殊召喚する』

 

 今はエラッタされて無制限だが、嘗ての《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》には名称指定のターン1が無かったから、墓地経由すれば複数のドラゴン族を蘇生出来るパワーカードだったなぁ。

 

『《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》の効果発動、墓地から《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》以外のドラゴン族モンスター1体、《ドラグニティ-ガジャルグ》を選んで特殊召喚する』

 

 ――《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

 嘗てを知る身としては物足りないが、妥当なエラッタだと思うよ。『王宮の勅命』を見ながら妥当過ぎるエラッタだと思うよ!

 

『《聖刻龍王-アトゥムス》と《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》の2体でリンク召喚、召喚条件はトークン以外のドラゴン族・鳥獣族モンスター2体。リンク2《ドラグニティナイト-ロムルス》』

 

 リンクパックでリンクモンスター貰っていたね。他のデッキで悪用されていた気がするが。

 

『リンク召喚に成功した《ドラグニティナイト-ロムルス》の効果発動、デッキから『ドラグニティ』魔法『ドラグニティ・グロー』を手札に加える』

 

 主にこの効果で『竜の渓谷』をサーチして《嵐征竜-テンペスト》か《亡龍の戦慄-デストルドー》を墓地に送っていたっけ?

 懐かしいなぁ、『月光リンク』で悪用した覚えがあるや。最終的にエクストラリンクしたり、《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》並べたり出来て面白かったなぁ。

 

『魔法カード『ドラグニティ・グロー』発動、自分のデッキから《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》を手札に加える』

 

 しかし、まだ展開終わらないのか。長いなぁ。

 

『《ドラグニティ-ガジャルグ》の効果発動、デッキからレベル4以下の鳥獣族《ドラグニティ-レガトゥス》を手札に加え、《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》を墓地に捨てる』

 

 展開が見慣れず、最終図が見えないので逆に新鮮とは言え、こうも長いとダレるね。

 

『自分フィールドに『ドラグニティ』モンスターが存在する場合、手札から《ドラグニティ-レガトゥス》を特殊召喚する』

 

 《増殖するG》止められてなければ引いたカードに一喜一憂出来たのに。

 

『《ドラグニティ-クーゼ》はシンクロ素材にする場合、このカードのレベルを4レベルとして扱う事が出来る。――レベル4扱いの《ドラグニティ-クーゼ》にレベル4の《ドラグニティ-レガトゥス》をチューニング、シンクロ召喚、レベル8《ドラグニティナイト-バルーチャ》』

 

 レベル8なのに『ドラグニティ』シンクロモンスター。まだ中間点なのか。シンクロの展開は長すぎて好きになれないや。

 

『シンクロ召喚に成功した《ドラグニティナイト-バルーチャ》の効果発動、自分の墓地のドラゴン族の『ドラグニティ』モンスターを任意の数だけ対象として発動出来る。そのドラゴン族モンスターを装備扱いとしてこのカードに装備する。――《ドラグニティ-クーゼ》《ドラグニティナイト-ハールーン》《ドラグニティ-ファランクス》の3体を装備』

 

 ふむふむ、装備したという事は、当然――。

 

『装備カード扱いとなっている《ドラグニティ-クーゼ》と《ドラグニティ-ファランクス》の効果発動、特殊召喚する。墓地の魔法カード『ドラグニティ・グロー』を除外して発動、『ドラグニティ』モンスターが装備している自分の魔法&罠ゾーンのモンスターカード1枚《ドラグニティナイト-ハールーン》を対象にして発動出来る。そのカードを守備表示で特殊召喚する』

 

 まぁ3体ともフィールドに特殊召喚されるよね。やっと終わりが見えたか。

 

『《ドラグニティナイト-ハールーン》《ドラグニティナイト-ロムルス》の2体でリンク召喚、召喚条件はドラゴン族モンスター2体、リンク2《天球の聖刻印》』

 

 リンクパックで登場した、割りと厄介なリンク2モンスター。フリーチェーンの手札バウンスは結構痛いし、自分リリースしたらデッキからドラゴン族を更に特殊召喚もする。

 

『レベル2のチューナーモンスター《ドラグニティ-ファランクス》にレベル6のシンクロモンスター《ドラグニティ-ガジャルグ》をチューニング、シンクロ召喚、レベル8《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》』

 

 おや、懐かしいのが出てきた。モンスター限定で偏っているとは言え、厄介な制圧効果持ちなのに戦闘も無類に強いシンクロモンスターだ。

 昔はコイツを処理するのも一苦労だったなぁ。何せ《エルシャドール・ネフィリム》は禁止だし、先に出されたら対抗手段が無かったしね!

 

『レベル2の『ドラグニティ』チューナーモンスター《ドラグニティ-クーゼ》にレベル8の《ドラグニティナイト-バルーチャ》をチューニング、シンクロ召喚、レベル10《ドラグニティナイト-アラドヴァル》』

 

 レベル10なのに《フルール・ド・バロネス》じゃない……ああ、ドラゴン族縛りあったか。

 見慣れないコイツの効果は、っと。

 

 

 《ドラグニティナイト-アラドヴァル》

 シンクロ・効果モンスター

 星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守3200

 「ドラグニティ」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

 このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

 (1):相手がモンスターの効果を発動した時、

 自分の墓地から「ドラグニティ」モンスター1体を除外して発動できる。

 その発動を無効にし除外する。

 (2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。

 その相手モンスターを除外する。

 (3):S召喚したこのカードが相手によって破壊された場合に発動できる。

 相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

 

 

『私はこれでターンエンド』

 

 

 『ドラグニティ』

 LP7600

 手札1枚(『竜の渓谷』)

 EXモンスターゾーン

 《天球の聖刻印》リンク2/光属性/ドラゴン族/攻 0

 メインモンスターゾーン

 《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》星8/風属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

 《ドラグニティナイト-アラドヴァル》星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守3200

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

「私のターン、ドロー」

 

 つまり、今現在の相手はモンスター効果を2回妨害出来て、フリーチェーンの表側表示モンスターを1回バウンス出来る、か。

 モンスター効果に偏りすぎてね? これ魔法カードの『サンダー・ボルト』や『ライトニング・ストーム』あったら一発で更地に出来るぞ?

 

「――まぁ、今回はどっちも握ってないけどね。長い展開だったが、こっちはシンプルに行くよ」

 

 引いたカードは2枚目の『禁じられた一滴』、最初から捲り札握っていたから安心して眺めていた訳だ。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動」

『《ドラグニティナイト-アラドヴァル》の効果発動、相手がモンスターの効果を発動した時、自分の墓地から『ドラグニティ』モンスター1体を除外して発動出来る。その発動を無効にして除外する』

 

 ふむ、そこから使ってきたか。残念ながら、何処に使おうが無駄だ。

 

「速攻魔法『禁じられた一滴』発動、手札の『神の写し身との接触』2枚とフィールドの《召喚師アレイスター》の3枚を墓地に送り。相手フィールドの《天球の聖刻印》《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》《ドラグニティナイト-アラドヴァル》3体の攻撃力をターン終了時まで半分にし、効果を無効化する」

 

 ちなみに初期手札は《増殖するG》『禁じられた一滴』《召喚師アレイスター》『神の写し身との接触』『神の写し身との接触』である。凄い事故っぷりだ。

 

「この効果の発動に対して相手はこのカードを発動する為に墓地に送ったカードと元々の種類が同じカードの効果を発動出来ない。今回の場合はモンスター・魔法だね」

 

 ちなみに、相手の場の《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》と《ドラグニティナイト-アラドヴァル》は攻撃表示である。

 魔法カードに対処する方法が無いのに、それと『ライトニング・ストーム』を撃たれた経験が余り無いのかな?

 

「《ドラグニティナイト-アラドヴァル》の効果は無効化され、《召喚師アレイスター》の効果でデッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 相手の手札は『竜の渓谷』確定なので、勝利の方程式は既に出揃っている。

 

 

「魔法カード『召喚魔術』の効果発動、墓地の《召喚師アレイスター》と、相手の墓地の炎属性《灰流うらら》を除外して融合召喚! レベル7《召喚獣プルガトリオ》!」

 

 

 はい、これが相手側の最大の敗因である。炎属性は相手の墓地に《灰流うらら》1体だけ、最初の方に『竜の渓谷』でのコストで捨てたカードである。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 これで私の展開は終わりだ。実にシンプル・イズ・ベストでしょ?

 

「――バトル! 《召喚獣プルガトリオ》で《天球の聖刻印》を攻撃!」

『《天球の聖刻印》の効果発動、相手ターンに1度、このカードがEXモンスターゾーンに存在する場合、《天球の聖刻印》をリリースして発動出来る。フィールドの表側表示のカード1枚を選んで持ち主の手札に戻す』

 

 コストでリリースしているので墓地に行き、『禁じられた一滴』の無効化から逃れたように見えるが――。

 

「――確かにコストで自身をリリースして墓地に行っているけど、その効果はフィールドで発動する効果だろう? フィールドでの効果はターン終了時まで『禁じられた一滴』で無効になっている!」

 

 言っていて良く解らないけど、凄く解んない! サクリファイス・エスケープ出来てそうで出来てなかったらしく、《天球の聖刻印》のバウンス効果は無効として処理される。

 

「まぁでも、墓地から発動する効果は無効に出来ないけどね。死人に口あり。確かそれ、強制効果だったね――」

『リリースされた《天球の聖刻印》の効果発動、デッキからドラゴン族モンスター《嵐征竜-テンペスト》を攻撃力・守備力を0にして守備表示で特殊召喚する』

 

 《天球の聖刻印》がリリースされたら絶対に発動する効果なので、これは自業自得とかではなく、《天球の聖刻印》を使う上での必然だろう。

 

「攻撃が巻き戻って――《召喚獣プルガトリオ》で《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》を攻撃。ダメージステップ開始時、手札から《召喚師アレイスター》を墓地に送って効果発動、自分フィールドの融合モンスター《召喚獣プルガトリオ》の攻撃力・守備力をターン終了時まで1000アップする」

 

 《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》は『友人』が多様するだけあって、何度も苦汁を舐めたものだ。随分と殺意に満ちた『友情』のカードだね!

 

「攻撃力1000アップして攻撃力3300、更にこのカードは相手フィールドのカードの数×200、攻撃力がアップする。現在の攻撃力は600上がって3900だー!」

 

 でもまぁ、こうして普通に殴り殺せる日が来るとは正直思っていなかったよ!

 

『《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》がレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする』

「確かこれも強制効果だったけ。『禁じられた一滴』の効果で効果は無効になっており、そして攻撃力も3000から1500になっている!」

 

 速攻魔法『禁じられた一滴』はコストが重いが、『冥王結界波』と比べて利点は速攻魔法であるが故に応用性が高い事、攻撃力も半減出来る事と、ダメージも普通に与える事が出来る事だね。

 

「《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》を粉砕、2400ダメージ! 相手フィールドのカードが1枚減ったので《召喚獣プルガトリオ》の攻撃力は200ダウンして3700――《召喚獣プルガトリオ》は相手モンスター全てに1回ずつ攻撃出来る! 続けて《ドラグニティナイト-アラドヴァル》を攻撃! 元々の攻撃力は3300だが、半減で1650!」

 

 『禁じられた一滴』の効果で守備力は半減に出来ないので、1ターンキルに繋がったのは完全に相手側のプレミだ。戦闘において無類に強い《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》を守備表示にするというのは割りと酷な話であるが。

 

「《ドラグニティナイト-アラドヴァル》を玉砕! 2050ダメージで残りLP3150! 相手フィールドのカードが更に1枚減った事で《召喚獣プルガトリオ》の攻撃力は3500となる。最後の《嵐征竜-テンペスト》の攻撃力・守備力は0になっているが守備表示――《召喚獣プルガトリオ》は守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える貫通効果を持っている!」

 

 耐性も妨害効果も持ってないけど、墓地に炎属性――大抵《灰流うらら》――があるだけで膨大な戦闘ダメージを生み出す《召喚獣プルガトリオ》は、中々EXデッキから外せないんだよなぁ。

 

「攻撃力3500の《召喚獣プルガトリオ》で守備力0になっている《嵐征竜-テンペスト》を攻撃! 3500の戦闘ダメージで大喝采!」

 

 最後の一撃が決まり、デュエル終了。対戦ありがとうございました。

 

 




 『ドラグニティ』
 懐かしすぎて逆に対戦経験が皆無な相手。
 『征竜』の規制の被害に巻き込まれ、汎用ドラゴン族カードが制限になったりして「『竜の渓谷』返して!」と良く叫んでいたっけ。
 「《ネフィリム》返して!」と常々叫んでいたので、その気持ちはわかるってばよ……。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21vs『BFRR幻影騎士団』

 本日の最強カード

 《RR-アルティメット・ファルコン》
 エクシーズ・効果モンスター
 ランク10/闇属性/鳥獣族/攻3500/守2000
 鳥獣族レベル10モンスター×3
 (1):このカードは他のカードの効果を受けない。
 (2):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
 このターン、相手フィールドのモンスターの攻撃力は1000ダウンし、相手はカードの効果を発動できない。
 (3):このカードが「RR」モンスターをX素材としている場合、以下の効果を得る。
 ●お互いのエンドフェイズ毎に発動できる。
 相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力は1000ダウンする。
 相手フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合、相手に1000ダメージを与える。

 完全耐性の高打点って良いよね……『シャドール』融合モンスターにも完全耐性の切り札、欲しい(強欲で貪欲な決闘者並の感想)


 

 今日も今日とてデュエルじゃー、相変わらず先攻取れねぇ!

 

『《BF-残夜のクリス》を通常召喚――自分以外の『BF』モンスターがフィールドに存在する場合、このカードは手札から特殊召喚出来る。《BF-疾風のゲイル》《BF-突風のオロシ》《BF-砂塵のハルマッタン》を特殊召喚する』

 

 なんかいっぱい出てきた!? しかし、『BF』とはまた懐かしい。

 「インチキ効果もいい加減にしろ!」で御馴染み、クロウ・ホーガンのデッキテーマ。言っている本人がインチキ効果まみれだったのは最大の語り草である。

 

「……とは言え、私自身は『BF』とのデュエル経験、全く無いんだよなぁ」

 

 全盛期は世界大会も制したそうだが、今となっては何が強かったのかいまいち解らない。なので現代の『BF』が何をしてくるか、全く予想も付かない。

 

『特殊召喚に成功した《BF-砂塵のハルマッタン》の効果発動、このカード以外の自分フィールドの『BF』モンスター1体《BF-疾風のゲイル》を対象に発動、このカードのレベルをそのモンスターのレベル分だけ上げる。《BF-疾風のゲイル》のレベルは3、よって3レベルあがってレベル5となる』

 

 これでフィールドにレベル1のチューナーモンスター《BF-突風のオロシ》、レベル3のチューナーモンスター《BF-疾風のゲイル》、レベル4の《BF-残夜のクリス》にレベル5となっている《BF-砂塵のハルマッタン》か。なんでも出せそうだ。

 

『《BF-突風のオロシ》と《BF-砂塵のハルマッタン》でリンク召喚、召喚条件は鳥獣族・闇属性モンスター2体、リンク2《RR-ワイズ・ストリクス》』

 

 え? せっかくレベル上げたのに、シンクロじゃないの? それに同じ鳥獣族・闇属性・レベル4テーマの『RR』と組んでいるのか。

 『BF』はシンクロ主体、『RR』はエクシーズ主体であり、昔はランク4軸で『BFRR』を見たかなぁってレベルだ。どんなデッキもランク4出せば強かった時代だったし。『ファーニマル』でも『プトレノヴァインフィニティ』の破滅の呪文を唱える始末よ?

 

『リンク召喚に成功した《RR-ワイズ・ストリクス》の効果発動、デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体《BF-精鋭のゼピュロス》を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはリンク素材に出来ず、効果は無効化される』

 

 『月光』リンクの時に《RR-ワイズ・ストリクス》には世話になったものだ。……今や懐かしの《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》でも出てくるかな?

 

『レベル4の《BF-精鋭のゼピュロス》と《BF-残夜のクリス》でオーバーレイ、エクシーズ召喚、ランク4《RR-フォース・ストリクス》』

 

 やっぱり出てきた、黒咲さんお馴染みのランク4『RR』エクシーズ。

 

『《RR-フォース・ストリクス》の効果発動、エクシーズ素材を1つ取り除き、デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体《レイダーズ・ウィング》を手札に加える』

 

 名称ターン1指定が書かれてないせいでサーチして展開し、またエクシーズしてサーチする奴。『RR』はデッキコンセプトは大好物なんだけど、初動止められたら何も出来ないのが残念。

 ……なお、今回の初期手札に手札誘発無いよ! ドロー力が足りないね!

 

『自分の『RR』エクシーズモンスターの効果が発動した場合に《RR-ワイズ・ストリクス》の効果発動、デッキから《RUM》魔法カード1枚を自分フィールドにセットする。速攻魔法カードをセットした場合、そのカードはセットしたターンでも発動出来る。――デッキから通常魔法『RUM-ソウル・シェイブ・フォース』をセットする』

 

 『RUM』をサーチ出来るようになるなんて、時代が進んだものだ。……1番の問題児だった《SNo.0 ホープ・ゼアル》を禁止にしたから許されたサーチ効果だがね。

 

『手札の《レイダーズ・ウィング》の効果発動、自分フィールドの闇属性エクシーズモンスターのエクシーズ素材を1つ取り除き、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される』

 

 なおエクシーズ素材になれば除外されない模様。この手のデメリット、デメリットとして一切働いてないよ!

 

『墓地の《BF-精鋭のゼピュロス》の効果発動、デュエル中に1度だけ、自分フィールドの表側表示のカード1枚《BF-疾風のゲイル》を持ち主の手札に戻して発動、このカードを墓地から特殊召喚し、自分は400ダメージを受ける』

 

 なお、《BF-疾風のゲイル》の特殊召喚する効果にターン1縛りは無く――。

 

『《BF-疾風のゲイル》以外の『BF』モンスターがフィールドに存在する場合、このカードを手札から特殊召喚出来る』

 

 しかし、未だに最終図が見えないな。何を出してくるんだろ?

 

『レベル4の《レイダーズ・ウィング》と《BF-精鋭のゼピュロス》でオーバーレイ、エクシーズ召喚、ランク4、2枚目の《RR-フォース・ストリクス》』

 

 はいはい、いつもの。……しかし『RR』かぁ。懐かしいなぁ。こっちは使った事があるので動きは大体解る。

 ただ、時代が悪かった。『RR』エクシーズを出さず、汎用ランク4を出した方が強い時代だったんだ……。レベル4のモンスターが3体揃ったら誰だって《星守の騎士 プトレマイオス》出すよね! プトレノヴァインフィ、相手は死ぬ。

 

『1枚目の《RR-フォース・ストリクス》とリンク2の《RR-ワイズ・ストリクス》でリンク召喚、召喚条件は闇属性モンスター2体以上。リンク3《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》』

 

 む、今度はユートの『幻影騎士団』か。凄い混ざってるね。

 

『《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》の効果発動、デッキから『幻影騎士団』モンスター1体《幻影騎士団サイレントブーツ》を墓地に送る。その後、デッキから『ファントム』魔法・罠カード1枚、罠カード『幻影騎士団シェード・ブリガンダイン』を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットする』

 

 ……まさか此処から《ロンゴミ》出してくるとかは……いや、流石に無いか。レベル3は出しづらそうだし。

 

『墓地の《幻影騎士団サイレントブーツ》を除外して効果発動、デッキから『ファントム』魔法・罠カード1枚、速攻魔法『RUM-ファントム・フォース』を手札に加える』

 

 おお、普通に『RUM』魔法を使っていく感じなのか。最近というか昔から重ねてエクシーズの方が圧倒的に楽な上に強かったから、一周回って珍しい。

 

『2枚目の《RR-フォース・ストリクス》の効果発動、エクシーズ素材を1つ取り除き、デッキから《RR-ストラングル・レイニアス》を手札に加える』

 

 見覚えの無い『RR』モンスターだなぁ。初期の『RR』ではないようだが――。

 

『魔法カード『RUM-ファントム・フォース』を発動、自分・相手メインフェイズに、自分の墓地から闇属性モンスターを任意の数だけ除外し、自分フィールドの闇属性エクシーズモンスター1体を対象に発動出来る。除外した数だけ、その自分のモンスターよりランクの高い、『幻影騎士団』『RR』『エクシーズ・ドラゴン』エクシーズモンスター1体を対象のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はエクシーズモンスターしかEXデッキから特殊召喚出来ない。――墓地から《BF-精鋭のゼピュロス》《BF-砂塵のハルマッタン》《BF-残夜のクリス》の3体を除外し、ランク4《RR-フォース・ストリクス》1体でオーバーレイ・ネットワークを再構築、ランクアップ・エクシーズチェンジ、ランク7《RR-アーセナル・ファルコン》』

 

 この動き、黒咲……! 何故かは知らないが、『RUM』にはロマンがあるよね。相手ターンに《DDD双暁王カリ・ユガ》は許されないが。

 

『《RR-アーセナル・ファルコン》の効果発動、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、デッキから鳥獣族・レベル4モンスター1体《BF-黒槍のブラスト》を特殊召喚する』

 

 まだ展開してくるという事は中間地点か。

 

『自分フィールドに闇属性モンスターが存在する場合、手札の《RR-ストラングル・レイニアス》の効果発動、このカードを特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしか特殊召喚出来ない』

 

 エクシーズモンスターしかEXデッキから特殊召喚出来ず、更には闇属性縛りまでついたか。

 

『《RR-ストラングル・レイニアス》の効果発動、自分フィールドに闇属性エクシーズモンスターをエクシーズ素材としているエクシーズモンスターが存在する場合、自分の墓地のレベル4以下の『RR』モンスター1体《レイダーズ・ウィング》を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される』

 

 しかしエクシーズで闇属性、これで妨害出来るの、いたっけ? 全然思いつかないや。

 

『レベル4の《RR-ストラングル・レイニアス》と《レイダーズ・ウィング》でオーバーレイ、エクシーズ召喚、ランク4《ヴェルズ・ナイトメア》』

 

 って、最近見たエクシーズじゃん。割りと流行ってるのかな? 直接的な妨害ではないが、割りと裏側守備表示にされるのは鬱陶しいし。

 

『《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》の効果発動、このカードがモンスターゾーンに存在する状態でこのカードのリンク先に闇属性エクシーズモンスターが特殊召喚された場合、フィールドのカード1枚《RR-アーセナル・ファルコン》を対象として発動出来る。そのカードを破壊する』

 

 自分で自分のカードを破壊、いつもの遊戯王だね! 日常光景すぎて、破壊された際の効果がある事が察知出来たよ。

 

『『RR』モンスターをエクシーズ素材として持っている《RR-アーセナル・ファルコン》が墓地に送られた場合に発動出来る。EXデッキから《RR-アーセナル・ファルコン》以外の『RR』エクシーズモンスター1体――ランク10《RR-アルティメット・ファルコン》を特殊召喚し、墓地の《RR-アーセナル・ファルコン》をそのエクシーズモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする』

 

 うわ、出た。完全耐性の3500打点。割りと打点高いせいで戦闘破壊するのも一苦労なんだよなぁ。

 しかし、レベル1のあれから1枚で出てくる印象だが、遠回りして出てきたな。

 

『《RR-アルティメット・ファルコン》の効果発動、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、このターン、相手フィールドのモンスターの攻撃力は1000下がり、相手はカードの効果を発動出来ない』

 

 ……いや、今更その効果を使う? 此処まで妨害入れてないんだから、手札誘発0枚って察してるだろうに。

 

『セットしていた魔法カード『RUM-ソウル・シェイブ・フォース』を発動、LPの半分3800払い、自分の墓地の『RR』エクシーズモンスター1体《RR-アーセナル・ファルコン》を対象に発動出来る。そのモンスターを特殊召喚し、そのモンスターよりランクが2つ高いエクシーズモンスター1体を対象のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する』

 

 あったなぁ、ライフ半分払って墓地からランクアップ・エクシーズ。主にランク4の《フォース・ストリクス》を蘇生して《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》にしていたっけ。だが、《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》は光属性だから出せないし、そもそも今回はランク7の? 2つ足して9……ランク9!?

 

『――1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築。ランクアップエクシーズチェンジ、ランク9《真竜皇V.F.D.》』

 

 『BFRR』から何で《真竜皇V.F.D.》が出てくるんだよ!? 正直びっくりだよ!?

 

『私はこれでターンエンド』

 

 

 『BFRR幻影騎士団』

 LP3800

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

 《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》リンク3/闇属性/戦士族/攻2100

 メインモンスターゾーン

 《BF-疾風のゲイル》星3/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 400

 《RR-アルティメット・ファルコン》ランク10/闇属性/鳥獣族/攻3500/守2000 ORU0

 《ヴェルズ・ナイトメア》ランク4/闇属性/悪魔族/攻 950/守1950 ORU2

 《真竜皇V.F.D.》ランク9/闇属性/幻竜族/攻3000/守3000 ORU1

 《BF-黒槍のブラスト》星4/闇属性/鳥獣族/攻1700/守 800

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(『幻影騎士団シェード・ブリガンダイン』)

 

 

「私のターン、ドロー!」

『ドローフェイズ時、《真竜皇V.F.D.》の効果発動、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、光属性を宣言して発動――』

「通さないよ! チェーンして速攻魔法『禁じられた一滴』発動! 手札の『ルドラの魔導書』を墓地に送り、ターン終了時まで《真竜皇V.F.D.》の攻撃力を半分にし、効果を無効にする!」

 

 貴重なドローソース(兼《灰流うらら》ほいほい)をコストに使わざるを得ないな。《ヴェルズ・ナイトメア》の効果も無効にしておくべきだったか……? いや、他に捨てられるカード無いな。

 

「魔法カード『ライトニング・ストーム』発動! 自分フィールドに表側表示のカードが存在しない場合、以下の効果から1つを選択して発動出来る。――相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

 ……あれ、よくよく考えて、レベル4になる罠カードだけだったし、攻撃表示のモンスターは4体(《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》《BF-疾風のゲイル》《BF-黒槍のブラスト》に完全耐性の《RR-アルティメット・ファルコン》)、攻撃表示のモンスター全部破壊するか、これ『禁じられた一滴』のコストにすれば良かったんじゃ……?

 

 よ、良くあるプレミだ。まままままだ慌てるような時間じゃない。まだ致命的じゃない筈、だと思う。

 

「そして魔法カード『影依融合』発動! EXデッキから特殊召喚されたモンスターがいるのでデッキ融合! デッキから《シャドール・リザード》と《妖精伝姫-シラユキ》を墓地に送り、融合召喚! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 とりあえず《エルシャドール・ネフィリム》、《ネフィリム》は全てを解決する。まぁ『シャドール』要素で3500打点の完全耐性を除去する方法無いけど。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動!」

『相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、《ヴェルズ・ナイトメア》のエクシーズ素材を1つ取り除いて発動出来る。その特殊召喚されたモンスターを裏側守備表示にする』

 

 前も思ったけど、地味にうざい効果だなこれ! 効果を素通しする時点で妨害としては欠点だらけだが、その後のリンク召喚や戦闘に支障が出るじゃないか。

 この1ターンの内に2回出来る妨害は評価を改めないといけないか……。

 

「《シャドール・リザード》の効果でデッキから『シャドール』カード『影依の偽典』を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》を墓地に送る。――墓地に送られた《シャドール・ビースト》の効果発動! デッキから1枚ドローする!」

 

 今回はドロー優先だ。あのカードを引かないと話にならない。……が、駄目、引いたのは《シャドール・リザード》……今回は『シャドール』からサーチ出来るカードを求めてないんだよなぁ。

 

「モンスターを裏側守備表示でセットし、魔法カード『フュージョン・デステニー』発動! デッキからレベル6の《D-HERO ダッシュガイ》と《D-HERO ディバインガイ》を墓地に送って融合召喚! レベル8《D-HERO デストロイフェニックスガイ》!」

 

 いつもの。……いや、よくよく考えて、コイツをいつもの扱いするのは、うん、余りにも暴虐的よね?

 

『相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、《ヴェルズ・ナイトメア》のエクシーズ素材を1つ取り除いて発動出来る。その特殊召喚されたモンスターを裏側守備表示にする』

「チェーンして《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動! 裏側守備表示のモンスター《シャドール・ハウンド》と相手フィールドの《真竜皇V.F.D.》を破壊する!」

 

 いや、エクシーズ素材無くてバニラ同然だけど、積年の恨み補正があって真っ先に破壊してしまった。

 まぁこのターンの内に絶対処理しないといけないのは《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》だけだ。コイツの処理方法は――。

 

「破壊されて墓地に送られた《シャドール・ハウンド》の効果発動! 裏側守備表示の《エルシャドール・ネフィリム》の表示形式を変更し、攻撃表示にする」

 

 《エルシャドール・ネフィリム》で殴り殺そう。特殊召喚されたモンスター絶対殺すマンは伊達じゃない。

 

「バトル! 《エルシャドール・ネフィリム》で《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》を攻撃! 特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、そのモンスターを破壊する!」

 

 しかし、よくよく考えて、表にするの、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の方が良かったよね。このターンは破壊効果使っちゃったが、次のターンになれば使えるようになるし、普通にプレミじゃねぇか!?

 

「私はこれでターンエンド」

 

 相手の妨害をくぐり抜けて何とか《真竜皇V.F.D.》と《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》を破壊したが、全くもって蓋出来なかったなぁ。こりゃ死んだんじゃね?

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

 《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター(《D-HERO デストロイフェニックスガイ》)

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 相手の手札は2枚、何をしてくる……?

 

『《BF-黒槍のブラスト》《ヴェルズ・ナイトメア》《BF-疾風のゲイル》の3体でリンク召喚、召喚条件はカード名が異なるモンスター2体以上、リンク3《トロイメア・ユニコーン》』

 

 ……うん? 処理し損ねたモンスター3体も使って《トロイメア・ユニコーン》? 《アクセスコード・トーカー》に繋げて1キルしてくるか……!?

 

『《トロイメア・ユニコーン》のリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、フィールドのカード1枚《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を対象に発動出来る。そのカードを持ち主のデッキに戻す』

 

 捨てたカードは『黒い旋風』か。

 まぁこれは仕方ない。此方の完全なプレミだし。やっぱり表にするのを《ネフィリム》じゃなく《デスフェニ》にしておけば道連れに出来たなぁ。

 此処から《アクセスコード・トーカー》出して5300+3500打点で終了か。対戦ありがとうございまし――。

 

『バトルフェイズ、《RR-アルティメット・ファルコン》で《エルシャドール・ネフィリム》を攻撃』

「ダメージステップ開始時、《エルシャドール・ネフィリム》の効果が発動するが――」

『《RR-アルティメット・ファルコン》は他のカードの効果を受けない』

 

 ……入ってないのか。入ってないのにリンク3の《トロイメア・ユニコーン》を素出ししたの?

 

『《エルシャドール・ネフィリム》を戦闘破壊で700ダメージ』

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地の『影依融合』を手札に加える」

 

 《RR-アルティメット・ファルコン》の完全耐性は少し面倒臭い。制圧してこないから少しだけなんだが。

 攻撃力6000とかならまだしも、攻撃力3500程度を超える手段はあるさ! 『シャドール』じゃない要素で。つまり素引きする必要がある。

 

『《トロイメア・ユニコーン》でダイレクトアタック』

「2200ダメージで残りLP5100」

 

 なんで自分生きてるんだろう、と思いつつLPで受ける。死ななきゃ全部安い。

 

『バトルフェイズ終了、そのままターンエンド』

「私のターン、ドロー!」

 

 うーむ、引けなかったか。まぁいいや。とりあえず適当に展開して、デッキ圧縮しておこう。

 

「魔法カード『影依融合』発動! デッキから《影依の巫女 エリアル》と異なる属性《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送って融合! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 相手の場にはEXデッキから特殊召喚された《RR-アルティメット・ファルコン》が居座ってるし、デッキ融合し放題なんじゃー。

 

「墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動、《影依の巫女 エリアル》の効果発動、特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動」

 

 ……そろそろ『シャドール』にも完全耐性で攻撃力4000ぐらいの切り札、収録しても良いのじゃよ? 

 

「《エルシャドール・アプカローネ》の効果で《トロイメア・ユニコーン》の効果を無効にし、《影依の巫女 エリアル》の効果で相手の墓地の《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》『RUM-ファントム・フォース』を除外、《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 適当に相手の墓地を除外し、適当に《シャドール・ファルコン》を出しておく。

 

「バトル! 攻撃力2500の《エルシャドール・アプカローネ》で攻撃力2200の《トロイメア・ユニコーン》を攻撃! 戦闘破壊で300ダメージ!」

 

 ……一応リンク4に繋げられても嫌だし、戦闘破壊しておく。《エルシャドール・アプカローネ》には戦闘耐性があるから、《RR-アルティメット・ファルコン》に殴られてもLPが少し削られるだけだ。

 

「メイン2、モンスターを裏側守備表示でセット、ターンエンド!」

『私のターン、ドロー』

 

 《エルシャドール・アプカローネ》を墓地に送らずに棒立ちターンエンドとか、こっちとしても余りしたくない事だが――まぁ『シャドール』関連で状況を打開出来ないから、時間稼ぎするしかないね!

 

『《BF-南風のアウステル》を通常召喚、効果発動、このカードが召喚に成功した時、除外されている自分のレベル4以下の『BF』モンスター1体《BF-砂塵のハルマッタン》を対象に発動出来る。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する』

 

 ……ふむ、レベル10シンクロに繋がるな。止めないと死ぬか。

 

「チェーンして墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、墓地の『ルドラの魔導書』『禁じられた一滴』『ライトニング・ストーム』『フュージョン・デステニー』《シャドール・ハウンド》《シャドール・リザード》《シャドール・ビースト》の7枚を除外し、墓地から守備表示で特殊召喚する」

 

 削りたくない墓地リソースを削って《妖精伝姫-シラユキ》を特殊召喚、1番最初に《ネフィリム》をデッキ融合した時に墓地に送っていたのさ!

 

『特殊召喚に成功した《BF-砂塵のハルマッタン》の効果発動、自分フィールドの『BF』モンスター1体、《BF-南風のアウステル》のレベル分だけこのカードのレベルを上げる』

「特殊召喚に成功した《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、《BF-南風のアウステル》を裏側守備表示にする。対象を失った《BF-砂塵のハルマッタン》の効果は不発となる」

 

 これでリンク召喚もシンクロ召喚も出来まい。さぁ、どうする?

 

『バトルフェイズ、《RR-アルティメット・ファルコン》で裏側守備表示のモンスターを攻撃』

「《シャドール・ファルコン》のリバース効果発動! 墓地の《エルシャドール・ネフィリム》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 わざわざこのターンに《シャドール・ファルコン》のリバース効果を使わせてくれるとはありがたい。

 

『バトルフェイズ終了、ターンエンド』

「私のターン、ドロー!」

 

 此処で漸くあのカードに繋がる可能性を手にした。此処からは運だが、まぁ、まず落ちるだろう。

 

「魔法カード『隣の芝刈り』発動! デッキの枚数が相手と同じになるようにデッキのカードを上から墓地に送る! 私のデッキは42枚でそっちは26枚、よって16枚墓地に送る!」

 

 私の勝利条件はこの16枚で『3種類のカード』が墓地に落ちれば良い。42枚のうちの3枚・3枚・2枚、分の悪い賭けじゃない。

 

「墓地に送られた《影依の巫女 エリアル》の効果発動、《シャドール・ヘッジホッグ》の効果発動! 《シャドール・ヘッジホッグ》の効果でデッキから《シャドール・ドラゴン》を手札に加えて、《影依の巫女 エリアル》の効果で相手の墓地の《BF-黒槍のブラスト》《BF-疾風のゲイル》――そして私の墓地の《召喚師アレイスター》を除外する」

 

 今回のキーカードである《召喚師アレイスター》が墓地に送られ、更には――。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 『召喚魔術』も墓地に送られ、即座に効果発動して《召喚師アレイスター》を手札に呼び込む。

 完全耐性ってだけで《アルティメット・ファルコン》に良い顔をされたが、これで終わりだ。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加えてそのまま発動、墓地の《召喚師アレイスター》と炎属性《灰流うらら》を除外して融合! レベル7《召喚獣プルガトリオ》!」

 

 ただ、『召喚魔術』の効果は既に使ってしまったので、手札に《召喚師アレイスター》を呼び込んで攻撃力・守備力1000アップさせて攻撃力3500の《アルティメット・ファルコン》を殴り殺す事はこのターンには出来ないんだよなぁ。――いや、まぁ、する必要無いんだが。

 

「バトル! 攻撃力2900となっている《召喚獣プルガトリオ》で裏側守備表示のモンスターを攻撃! 《BF-南風のアウステル》の守備力は0、よって2900の貫通ダメージで残りLP600」

 

 やっぱり守備貫通で全モンスターに攻撃出来る《召喚獣プルガトリオ》は便利だわ。

 

「――《召喚獣プルガトリオ》は相手モンスター全てに1回ずつ攻撃出来る。相手フィールドのカードが1枚減って攻撃力2700になった《召喚獣プルガトリオ》で守備力800の《BF-砂塵のハルマッタン》を攻撃!」

 

 1900の貫通ダメージが炸裂し、見事勝利。……どうせなら《RR-アルティメット・ファルコン》を殴り殺して勝ちたかったが、仕留められる時に仕留めておかないと逆に殺されるから仕方ないね!




 相手のデッキ見たら、やっぱり《アクセスコード・トーカー》が入っており、通常召喚出来るモンスターカードを引かれていれば殺されてました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22vs『召喚サンダー・ドラゴン』

 本日の最強カード

 《増殖するG》
 効果モンスター
 星2/地属性/昆虫族/攻 500/守 200
 このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できず、相手ターンでも発動できる。
 (1):このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
 このターン、以下の効果を適用する。
 ●相手がモンスターの特殊召喚に成功する度に、
 自分はデッキから1枚ドローしなければならない。

 最強級の手札誘発カード。現代において特殊召喚を使わないデッキは極少数であり、ほぼ全デッキにぶっ刺さる。
 無視して展開する事も出来なくはないが、幾ら制圧盤面を作っても引かせてしまった枚数で押し潰されるだろう。……デッキを全て引かせるぐらい特殊召喚するなら話は別だが。

 効果を通してしまったのなら、展開をやめてターンエンドする、最小限の展開に留める、無視して展開するの3択を迫られる。

 割りと洒落にならない抑止力効果を持っているので、最優先で《灰流うらら》で無効にされたり、『墓穴の指名者』で除外される運命にある。
 ……ところで、なんでよりによってG(ゴキブr)にこんな必須効果を持たせたのか。それが解らない。


 ――融合、それはEXデッキを扱う中では最古の召喚法であり、最初期はもう産業廃棄物以外の何物でも無かった(3枚消費で1枚(雑魚モンスター)という酷い有様)が、時代と共に進化し続けている。

 

 我等の『シャドール』が誇るデッキ融合こそが最強の融合に相応しい(かなり罪深き)所業であり、2体モンスター揃えただけでデッキから融合魔法という無法(脱法行為)を行うリンクモンスター《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》に、ぶっ壊れ融合モンスターを出せるデッキ融合『フュージョン・デステニー』、そして『遊戯王マスターデュエル』ではまだ見ぬ究極のデッキ融合『烙印融合』――いつ実装されるか、ワクワクするよね!

 

 ――ただし、融合だからと言って、全部が全部、好きという訳ではない。

 

 実は『HERO』系の融合は大嫌いだ。特に闇属性で『マスク・チェンジ』で出てくる《M・HERO ダーク・ロウ》とか殺したくなるほど大嫌いであり、『HERO』デッキには一度も触ってなかったりする。ただし、自分で使う《D-HERO デストロイフェニックスガイ》だけは大好きだよ? 便利だし、厄介な除去(リリース・除外・墓地送り)を誘蛾灯の如く吸い込んでくれるし。我が身を犠牲にしてか弱い《ミドラーシュ》を守ってくれるとか、『HERO』の鏡だね!

 『プランキッズ』も微妙。半分融合している筈なんだが、何か無理。

 『剣闘獣』の融合は全然融合してない。《ABC-ドラゴン・バスター》、お前もだぞ? 何で融合面しているのかな? こんななんちゃって融合では融合の素晴らしさを堪能出来ない。

 

 ――あげればきりがない。ただ言えるのは今回の対戦相手の融合は大嫌いの部類である。だってあれ、全然融合してないし。

 

 逆に好印象な融合は、それこそ沢山ある。

 《ブラック・マジシャン》系列の融合は難易度も重なって、物凄い充実感を得られる。《竜騎士ブラック・マジシャン》『永遠の魂』『黒の魔導陣』を並べた時は絶頂すら覚える。

 『デストーイ』は最高だ。何度も『融合』して殺意溢れる融合モンスター達を並べてワンキルした時は最高の笑顔を浮かべられる。

 《覇王龍ズァーク》は出す難易度の難しさには挑戦し甲斐があるが、残念な事に出せる状況下なら既に他の方法で勝ってるという欠点が余りにも残念過ぎる。

 『アンティーク』は良い。あれこそ古き良き融合だ。『パワー・ボンド』で融合召喚した攻撃力9000の《古代の機械混沌巨人》とか全能感を味わえるね!

 『捕食植物』は早く新規カードを『マスターデュエル』で実装して欲しい。あの新規カードはもう最高だ。『捕食植物』を愛した者が創造したとしか思えない。相手モンスターを捕食して出す融合でしか得られない栄養素があるんじゃ!

 『召喚獣』? 『シャドール』と『召喚獣』はズッ友だよ。もはや名誉『シャドール』じゃないか?

 

「『サクリファイス』融合モンスターも出せれば凄く面白いんだけどなぁ」

 

 『簡易融合』が制限じゃなければ悪用するのになぁ。……『突然変異』が禁止から脱獄したりしない? 喜んで悪用するよ!

 

「――おや、珍しく先攻。フィールド魔法『暴走魔法陣』発動、効果処理としてデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加えるよー」

 

 いつもの動き。相手の誘発チェックも兼ねているが、今回は手札に『影依融合』はあれども『シャドール』モンスター1枚も来てないから刺さった時点で止まらざるを得ないがね。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加える」

『チェーンして《増殖するG》を手札から捨てて発動』

 

 うぐ、《灰流うらら》や『墓穴の指名者』が無い時の《増殖するG》ほど困るものはない。

 相手にドローさせたくないが、何も立てずに無防備な状態でターンを渡せば次のターンに無抵抗で殺されるのは必定の理。

 普段なら《召喚師アレイスター》からリンク召喚して融合だが、この流れだと2枚ドローされてしまうので、1枚ドローにしよう。

 

「魔法カード『召喚魔術』を発動、フィールドの《召喚師アレイスター》を除外し、手札の光属性《妖精伝姫-シラユキ》を墓地に送って融合! レベル9《召喚獣メルカバー》を守備表示で融合召喚」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 手札消費が嵩む結果だが、まぁ良しとしよう。手札は沢山ある方が嬉しいが、『シャドール』にとって墓地は第二の手札だ。

 墓地が肥えれば、後々に《妖精伝姫-シラユキ》が活躍してくれるだろう。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す。私はこれでターンエンド」

『エンドフェイズ、手札の《雷電龍-サンダー・ドラゴン》の効果発動、このカードを手札から捨てて発動出来る。デッキから《雷電龍-サンダー・ドラゴン》1体を手札に加える』

 

 うわぁっ、相手『サンダー・ドラゴン』かよ! 融合テーマだけど全然融合してないヤツ! 融合なのに、個人的に全然そそられないテーマである。

 

 ――《サンダー・ドラゴン》、それは遊戯王黎明期に登場したレベル5のモンスター。手札から捨てて、デッキから自身を2体まで手札に加える事の出来る、ただそれだけのカード。

 

 効果を使用すれば1枚手札を増やす事の出来る、ただそれだけの効果。それ故に単純なデッキ圧縮、手札コスト要因にしかなれない。

 ……そんな化石のようなカードが『サンダー・ドラゴン』というカテゴリーで魔改造されたのはいつの時期だったか、確かリンクショック後の10期だったか。

 

「《召喚獣メルカバー》の効果発動、手札からモンスターカード《PSYフレームギア・γ》を捨てて、《雷電龍-サンダー・ドラゴン》の効果の発動を無効にする」

 

 とりあえず、ターン1の無効効果を使って妨害しておこう。

 なお、発動した場所は手札で、現在は墓地に送られているので、《召喚獣メルカバー》の効果で無効にしても除外はされない。発動場所と現在位置が同じじゃないと除外出来ないのは何か理不尽。

 

『私のターン、ドロー』

 

 此方の手札は3枚、相手の手札は5枚、凌ぎ切れると良いのだが。

 

『フィールド魔法『暴走魔法陣』を発動、効果処理としてデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加える』

「チェーンして《増殖するG》を手札から捨てて効果発動!」

 

 げぇっ、『召喚獣』との混合か! 基本、『サンダー・ドラゴン』側で通常召喚権を使う事は無いので理想的な組み合わせか。

 とりあえず《増殖するG》を切っておくが、『召喚獣』ギミックは絶対に通さないぞ。

 

『《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動』

「勿論通さない。《召喚獣メルカバー》の効果発動! 手札のモンスターカード《召喚師アレイスター》を墓地に送り、その発動を無効にして除外する!」

 

 これで此方も『召喚獣』ギミックを使えなくなるが、構うものか。相手に使わせたら次のターンなど訪れない!

 ……これで此方の妨害は打ち切り、手札1枚。相手の手札はまだ4枚。非常にやばい。

 

『魔法カード『闇の誘惑』発動、自分はデッキから2枚ドローし、その後、手札の闇属性モンスター1体を除外する。手札に闇属性モンスターが無い場合、手札を全て墓地に送る――2枚ドロー、闇属性《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》を除外、除外された《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》の効果発動、デッキから『サンダー・ドラゴン』モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。デッキから《雷電龍-サンダー・ドラゴン》を守備表示で特殊召喚』

「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」

 

 ぐぬぬ、囮の『召喚獣』ギミックを使い終わったら次は本命の展開よね!? ドロー出来るのは嬉しいが、止まってくれた方が遥かに嬉しいぞー!?

 

『手札の《サンダー・ドラゴン》を捨てて効果発動、デッキから《サンダー・ドラゴン》を2体まで手札に加える。1枚加える』

 

 ……昔ならば、何の意味の無い1枚サーチ効果。それが現代だと――。

 

『フィールドの雷族モンスター《雷電龍-サンダー・ドラゴン》をリリースして融合召喚――このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚出来る。雷族モンスターの効果が手札で発動したターン、融合モンスター以外の自分フィールドの雷族の効果モンスター1体をリリースした場合にEXデッキから特殊召喚出来る。レベル8《超雷龍-サンダー・ドラゴン》』

「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」

 

 理不尽な制圧効果を持つ融合モンスターを融合召喚する条件になっている。何そのあってないような条件は。

 ちなみに《超雷龍-サンダー・ドラゴン》の効果は――。

 

 

 《超雷龍-サンダー・ドラゴン》

 融合・効果モンスター(制限カード)

 星8/闇属性/雷族/攻2600/守2400

 「サンダー・ドラゴン」+雷族モンスター

 このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。

 ●雷族モンスターの効果が手札で発動したターン、

 融合モンスター以外の自分フィールドの雷族の効果モンスター1体をリリースした場合にEXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。

 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

 相手はドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事ができない。

 (2):このカードが戦闘・効果で破壊される場合、

 代わりに自分の墓地の雷族モンスター1体を除外できる。

 

 

 『融合』は必要だろうに! まるでわかっちゃいない! 其処は必須だろうに!

 コイツの制圧効果は相手限定の《ライオウ》だよ。その時点で頭おかしい。刺さるデッキには致命的に刺さる。

 ちなみに『芝刈り召喚シャドール』においては初動にしか刺さらない。《ドロール&ロックバード》がほぼ刺さらない理由と同じだね。

 それでいて、ターン1指定の無い、戦闘・効果で破壊される場合に、代わりに自分の墓地の雷族モンスター1体を除外出来る耐性が余りにも強固過ぎる。

 制圧モンスターに耐性を付けるなと何度も言っているだろう! 《エルシャドール・ミドラーシュ》? あれは攻撃力2200しかない上に戦闘破壊耐性は無いから……。

 

『フィールドから墓地に送られた《雷電龍-サンダー・ドラゴン》の効果発動、デッキから《雷電龍-サンダー・ドラゴン》以外の『サンダー・ドラゴン』カード1枚、魔法カード『雷龍融合』を手札に加える』

 

 融合なのに全然融合じゃない融合カードをサーチされてしまった。これはもう1体の融合モンスターの方も来るか……?

 

『バトルフェイズ、攻撃力2600の《超雷龍-サンダー・ドラゴン》で守備力2100の《召喚獣メルカバー》を攻撃』

 

 出さないのか。いや、墓地に雷族のサンダー・ドラゴンが3体、除外ゾーンに1体、なるほど、耐性の方を優先したのか。……いや、手札5枚あってその内1枚は《サンダー・ドラゴン》だから、それ使って『雷龍融合』使えば良いのに。訳の解らないプレイングをするなぁ。

 

「まぁいいや、戦闘破壊されるよー」

 

 相手がプレミする分には何も言うまいよ。致命的な敗因にさせて貰うがね。

 

『メインフェイズ2、手札の《サンダー・ドラゴン》を捨てて効果発動、デッキから《サンダー・ドラゴン》を2体まで手札に加える。1枚加える。ターンエンド』

 

 ……『雷龍融合』使わないのか。あれかな、もしかして《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》ケア? 最近の環境だと『相剣』が暴れ回っているし、『壊獣』よりも優先度上がっているからありな選択肢かな? ――3体並んでくれないとリリース出来ないんだがなぁと手札で腐っている《ラーの翼神竜-球体形》を見ながら残念に思う。

 

 ……あ、忘れていた。そういえば《増殖するG》投げているんだった。ドローさせたくないから最小限の展開に、ってのは自分もやった事だった。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 ――引いたカードは『フュージョン・デステニー』、にやりと笑う。

 現在の手札は4枚、《シャドール・ドラゴン》《ラーの翼神竜-球体形》『フュージョン・デステニー』、そして――。

 

「魔法カード『影依融合』発動! 通らばデッキ融合だー!」

『手札から《増殖するG》を捨てて効果発動』

「またかよ!? ええい、構うものか! デッキから《影依の巫女 エリアル》と異なる属性《シャドール・ビースト》を墓地に送って融合召喚! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 《増殖するG》をまた撃たれてしまったので、本来しようとした展開ルートから即興で変更を加える。

 本来なら《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送って展開するつもりだったんだがなぁ。

 

「墓地に送られた《シャドール・ビースト》《影依の巫女 エリアル》、特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動!」

 

 フィールド魔法『暴走魔法陣』があるので、相手は此方の融合召喚成功時に何もチェーンする事が出来ない!

 

「《エルシャドール・アプカローネ》の効果で《超雷龍-サンダー・ドラゴン》の効果を無効にし、《影依の巫女 エリアル》の効果で相手の墓地の《増殖するG》2枚と『闇の誘惑』を除外、《シャドール・ビースト》の効果で1枚ドロー!」

 

 効果が永続的に無効になった事で《超雷龍-サンダー・ドラゴン》の厄介な耐性は綺麗さっぱり消え去った。

 なおデッキからカードを手札に加える事の出来ない制圧効果は、墓地経由する『シャドール』には全然刺さらない。《シャドール・ヘッジホッグ》でサーチ出来なくなるぐらいか。

 

「更に魔法カード『フュージョン・デステニー』発動! デッキからレベル6の《D-HERO ダッシュガイ》と《D-HERO ディバインガイ》墓地に送って融合! レベル8《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を融合召喚!」

『《増殖するG》の効果で1枚ドロー』

 

 《増殖するG》の効果で2枚ドローされるが、忌々しいが必要経費だ。

 

「バトル! 攻撃力2500の《エルシャドール・アプカローネ》で攻撃力2600の《超雷龍-サンダー・ドラゴン》を攻撃! 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果で墓地の『HERO』の数×200攻撃力がダウンしているので2200!」

 

 《超雷龍-サンダー・ドラゴン》を戦闘破壊して300ダメージ。残りLP7700。

 

「《超雷龍-サンダー・ドラゴン》粉砕! 続けて《D-HERO デストロイフェニックスガイ》でダイレクトアタックで2500! これで残りLP5200」

 

 地味に削っておこう。更に――。

 

「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動、自分フィールドのカード《エルシャドール・アプカローネ》と相手フィールドのフィールド魔法『暴走魔法陣』を破壊する!」

 

 相手の『暴走魔法陣』は邪魔なので、《エルシャドール・アプカローネ》と一緒に破壊しておこう。

 

「破壊されて墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動! デッキから永続罠『影依の偽典』を手札に加え、その後、《ラーの翼神竜-球体形》を墓地に捨てる」

 

 《増殖するG》を撃たれてないなら《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果で自身を破壊して、メインフェイズ2に《グラビティ・コントローラー》になって墓地送りした処だが、これ以上カードをドローされたくないので即興のセカンドプランだ。

 

「メイン2、カードを1枚セットしてターンエンド」

『私のターン、ドロー』

 

 当然、伏せたのは『影依の偽典』だ。これであの超耐性持ちの融合モンスターに対応出来る。

 

『魔法カード『召喚魔術』を発動、融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを手札から墓地に送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。――『召喚獣』融合モンスターを融合召喚する場合、自分フィールド及び自分・相手の墓地のモンスターを除外して融合素材とする事も出来る』

 

 まずい、1番引かれたくないカードを引かれていた……! 相手の『召喚獣』ギミックを回させたら間違いなく死ぬな……!

 

「相手の《召喚師アレイスター》は《召喚獣メルカバー》の効果で除外されて――此方の墓地の《召喚師アレイスター》を使う気か! やらせるか、墓地から《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動!」

 

 相手の手札に《召喚師アレイスター》はまず握ってない! あるなら最初に通常召喚してから展開し始める筈だ……ならば!

 

「墓地から《召喚師アレイスター》『フュージョン・デステニー』《増殖するG》《召喚獣メルカバー》『影依融合』《エルシャドール・アプカローネ》《ラーの翼神竜-球体形》の7枚を除外し、《妖精伝姫-シラユキ》を墓地から守備表示で特殊召喚する!」

 

 《召喚師アレイスター》を始め、念の為に墓地の融合モンスターを全部除外しておく。

 この状況で融合召喚出来るものならやってみやがれ! 融合召喚しない融合デッキだから、まぁ――。

 

『――融合出来るモンスターがいない為、『召喚魔術』の効果は不発、墓地に送られる』

 

 ただし、これで止まってない。むしろ、始まりなのが恐ろしい。いつもは自分が使う立場なのに、使われる立場になると厄介極まる動きだ。

 

『墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す』

 

 ですよねー、知っていた!

 

『《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動』

「手札から《灰流うらら》を捨てて効果発動! デッキからカードを手札に加える効果を無効にする!」

 

 だけど、残念! 言ってなかったけ、《シャドール・ビースト》のドロー効果でドローしたのは《灰流うらら》だって。全然言ってなかったね!

 

『《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター。リンク1《聖魔の乙女アルテミス》』

 

 とりあえず出した枠かな? あとは――。

 

『魔法カード『雷龍融合』発動。自分フィールド・墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、雷族の融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを持ち主のデッキに戻し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する――墓地の《サンダー・ドラゴン》2体と《超雷龍-サンダー・ドラゴン》をデッキに戻して融合召喚、融合素材は『サンダー・ドラゴン』モンスター×3、レベル10《雷神龍-サンダー・ドラゴン》』

 

 ――この融合魔法には文句を言いたい。激しく抗議したい。

 

 うん、フィールドは解るよ? 墓地のモンスターもぎりぎり解る。

 だけど、除外からは駄目だろう? 更に言うならば、なんで融合素材をデッキに戻すなの? どう考えてもおかしいだろう!

 

 そのインチキ融合()魔法で出てくる《雷神龍-サンダー・ドラゴン》は――。

 

 

 《雷神龍-サンダー・ドラゴン》

 融合・効果モンスター

 星10/光属性/雷族/攻3200/守3200

 「サンダー・ドラゴン」モンスター×3

 このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。

 ●手札の雷族モンスター1体と、「雷神龍-サンダー・ドラゴン」以外の自分フィールドの雷族の融合モンスター1体を除外した場合にEXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。

 (1):雷族モンスターの効果が手札で発動した時に発動できる(ダメージステップでも発動可能)。

 フィールドのカード1枚を選んで破壊する。

 (2):このカードが効果で破壊される場合、

 代わりに自分の墓地のカード2枚を除外できる。

 

 

 馬鹿げた耐性とターン1指定無しの対象を取らない破壊効果を持っているインチキ融合()である。

 だからさ、何度でも言うよ。融合モンスターを出すのに『融合』は必須だろうに! 融合が必要無い融合モンスターなんて融合じゃなくてエクシーズやシンクロやリンクで良いじゃん!?

 

 さて、この厄介な破壊耐性――相手の墓地のカードは6枚、3回破壊を防がれる始末。そして手札で雷族モンスターの効果が発動する度に破壊効果を飛ばしてくる。

 割りとイカれている性能で攻撃力3200、400下がっても2800なので《D-HERO デストロイフェニックスガイ》ではどう足掻いても太刀打ち出来ない。

 

 ――まぁ今回は出落ちに終わるんだけどね。

 相手、忘れてね? 前のターンに私がセットしたカードが何なのか。そんなの一択しか無いだろうに。

 

 

「融合召喚に成功した瞬間、永続罠『影依の偽典』発動! 墓地の《シャドール・ビースト》と光属性《PSYフレームギア・γ》を除外して融合召喚! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 

 融合相手に《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果は刺さらない。

 何故なら特殊召喚1回で2200以上の打点を持つモンスターを簡単に立てられるからだ。

 故に温存していたのはこの時の為よ。

 

「永続罠『影依の偽典』の隠されてない隠された効果! 『影依の偽典』の効果で特殊召喚したモンスターと同じ属性を持つ相手フィールドのモンスター1体を選んで墓地に送る――《エルシャドール・ネフィリム》は光属性、相手の場の光属性の《雷神龍-サンダー・ドラゴン》を墓地に送る。ばいばーい」

 

 その厄介な耐性は破壊効果にのみ有効、墓地送りには無力よ! 光or闇属性など『影依の偽典』の融合効果のついでに墓地送りされる定めよ……。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、デッキから《シャドール・リザード》を墓地に送る。効果で墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動、デッキから《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送る。《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動、デッキから《シャドール・ヘッジホッグ》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 相手の場を掃除したので悠々と相手ターンに展開する。本命を出す前に伏せた『影依の偽典』を処理しなかった相手が悪い。

 

「あ、ついでに《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動、自身と相手フィールドの《聖魔の乙女アルテミス》を破壊する。墓地の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動、このカードが破壊された場合に発動出来る。次のターンのスタンバイフェイズに自分の墓地から『D-HERO』モンスター1体を選んで特殊召喚する」

 

 解っていたが、『墓穴の指名者』は無いようだ。手札5枚もあるのに何も動けないのか。

 

『……ターンエンド』

「私のターン、ドロー! スタンバイフェイズ、墓地から《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を攻撃表示で特殊召喚する!」

 

 さて、相手の場は空だし、さくっと殺してやるか。

 

「裏側守備表示の《シャドール・ヘッジホッグ》を攻撃表示に変更してリバース効果発動、デッキから罠カード『影光の聖選士』を手札に加える」

 

 割りと意味の無いカードをサーチする。いや、本来サーチしようとしたカード、ドローしちゃったし。

 

「《妖精伝姫-シラユキ》を攻撃表示に変更し、バトル! 攻撃力2500の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》でダイレクトアタック! 残りLP2700」

 

 攻撃に反応する手札誘発の採用は稀だし、握ってないようだ。

 

「攻撃力1850の《妖精伝姫-シラユキ》でダイレクトアタック! 残りLP850」

 

 これで残り3桁。ただ、1000に限りなく近い3桁だから、まだ鉄壁ラインとは言えないね!

 

「攻撃力800の《シャドール・ヘッジホッグ》でダイレクトアタック! 残りLP50!」

 

 夢の2桁! これはアニメなら完全に鉄壁ラインっしょ! そう、アニメならば。

 

「そして最後は《エルシャドール・ネフィリム》で――あっと、この《ネフィリム》は『影依の偽典』で融合召喚したから制約でダイレクトアタックが出来ないぞー、これじゃ仕留められないなー」

 

 いやまぁ――今回のは最初から気づいていたけど。たまに素で忘れてやらかすけどね!

 

「――速攻魔法『神の写し身との接触』発動、フィールドの《エルシャドール・ネフィリム》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 やっぱりは融合はちゃんと融合魔法使って融合しないとね! この醍醐味、説明は敢えてしないけど解らないかなー!

 

「――攻撃力2800の《エルシャドール・ネフィリム》でダイレクトアタック!」

 

 相手のLPを削り切ってデュエル終了、やっぱり融合は最高だね!




 『芝刈り召喚シャドール』vs『サンダー・ドラゴン』

 基本的に『サンダー・ドラゴン』側有利。
 『サンダー・ドラゴン』の融合体に対し、『シャドール』側は非常に辛い。
 特殊召喚1回縛りも刺さらないし、墓地除外も全く刺さらない。《エルシャドール・アプカローネ》の無効効果と『影依の偽典』の墓地送り効果、『超融合』や『禁じられた一滴』をフルに活用するしかない。
 大抵は『超雷龍』と『雷神龍』の2体が並ぶので、超融合で《捕食植物ドラゴスタペリア》で両方とも吸えるが、EXデッキの枠的に融合フェスじゃない限り採用は難しい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

23vs『@イグニスター』

 本日の最強カード

 《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》
 リンク・効果モンスター
 リンク6/闇属性/サイバース族/攻 0
 【リンクマーカー:上/左/右/左下/下/右下】
 属性が異なるモンスター3体以上
 (1):「ジ・アライバル・サイバース@イグニスター」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
 (2):このカードの元々の攻撃力は、このカードのリンク素材としたモンスターの数×1000になる。
 (3):このカードは他のカードの効果を受けない。
 (4):1ターンに1度、このカード以外のフィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
 そのモンスターを破壊し、このカードのリンク先となる自分フィールドに「@イグニスタートークン」(サイバース族・闇・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。

 攻撃力4000~6000で出てくる完全耐性持ちの超大型モンスター。
 1枚初動で出て良いモンスターじゃないし、これが許されるなら『三幻神』や『三幻魔』の耐性、原作準拠でエラッタしてくれ。
 同じ完全耐性持ちの《ロンゴミ》とは違って戦闘破壊は可能。その高打点を超えられるのならば、の話。
 出されたら対処出来ないモンスター筆頭株。こういうモンスター、『シャドール』にも欲しい。
 


 ――5月が終わり、6月。再びランクマッチで駆け上がる日々が帰ってきた。

 

 先月、『ダイヤモンド1』に到達してから、私は常に飢えていた。

 数多の決闘者を討ち取って這い上がった者達とのデュエルは、何処か空虚で、何か物足りない……そんな事が多かった。

 

 それは何故か、理由は至極簡単だ――最高ランクに到達した先での敗北は、単なる結果でしかなく、何の痛手も無いからだ。

 

 極論から言えば、手札が悪ければ即座にサレンダーして次に行けば良い。手札誘発が無かったらサレンダーして次に、手札誘発が通らなかったらサレンダー。……何をするにも、即座に諦めが過る。

 リスクのない敗北は、デュエルの内容そのモノを薄めてしまう。頂点のランクには上澄みしかいない筈なのに、駆け上がっていた最中より弱く感じるのはその為か。

 

 ――それは相手側だけでなく、自分自身に対しても同じ事。

 

 『ダイヤモンド1』という最高ランクに到達した瞬間から、全ての決闘者は飢餓するのだろう。

 あのひりつく緊張感を、1挙動毎に一喜一憂する激動の瞬間を、打ちし枯れて敗北する屈辱の味を、勝利して得られる一瞬の快感を。

 

「――何はともあれ、今月は『プラチナ5』からスタートか。……『ゴールド5』からじゃなくて良かった良かった」

 

 巷では『放置bot』が問題視されているそうだが、生憎と一度も遭遇した事無いので何も言えない。

 ……『ダイヤモンド1』に『ワンキルbot』は結構いたよ? 「壁とやってろ」筆頭だから、勝っても負けても楽しくない害悪だね、早く滅びてどうぞ。

 

「やっぱり『天威相剣』が多いなぁ。メインギミック止めても『ハリラドン』展開されたんだけど?」

 

 モンスター効果無効の大型制圧モンスターを出される前に《原始生命態ニビル》で一掃したのにそのトークンを起点に展開されて再制圧されるのは勘弁願いたい。

 

「前回と比べて結構環境変わったけど――『ドライトロン宣告者』が完全に消えた事以外は群雄割拠しているなぁ」

 

 なお『黄金郷のコンキスタドール』を制限にされた『エルドリッチ』は全然減っていない。むしろ《天獄の王》実装でより一層厄介になってるよ。

 ちょうど6月1日が休日だったのでランクマッチに籠もった、のだが――『プラチナ5』→『プラチナ2』→『プラチナ4』、手札事故続きで連敗し続けて落ちに落ちた時は心折れそうになったね!

 まぁ痛くない敗北など味の無いガムと一緒、辛酸を舐めてこそ勝利の美酒が映えるってもんよ!

 

「……また後攻かぁ。連続で後攻になる不具合治らない? 初期手札は――幾らでも捲れそうだね」

 

 《ラーの翼神竜-球体形》『サンダー・ボルト』『ハーピィーの羽根箒』『神の写し身との接触』『隣の芝刈り』――制圧されても《ラーの翼神竜-球体形》で3体リリース出来るし、『サンダー・ボルト』と『ハーピィの羽根箒』で雑に相手の盤面全破壊出来る。『隣の芝刈り』さえ通せば勝利は目の前だね、勝ったなガハハ!

 

『――私のターン、《ピカリ@イグニスター》を通常召喚、効果発動』

 

 あ、やべ。手札誘発、何も握ってないのに通していけない1枚初動を通してしまった!

 

 ――『@イグニスター』、それはアニメ『遊戯王VRAINS』において主人公の相棒にしてラスボス『Ai』が使うテーマである。

 そんな事前情報は至極どうでもいい。この1枚初動を通してしまうと――攻撃力5000~6000の完全耐性持ちの超大型モンスターが出てくる、以上。

 『芝刈り召喚シャドール』にとって、そんなのに対処する方法は絶無であり、ほぼ詰み――これから超長いソリティアに付き合うぐらいなら即座にサレンダーして次のデュエルに向かった方が時間的も早く、労力も少なく済むだろう。

 

 ……『@イグニスター』とのデュエルなんて、此方が先攻取って《ミドラーシュ》立てて相手側サレンダーか、後攻で邪魔出来なかった時点でサレンダーの2択しかあるまい。

 

「――いや、そうじゃねぇだろう……!」

 

 即座にサレンダーしそうになった自分を叱咤する。先月の『ダイヤモンド1』帯で染み付いた諦め癖が鬱陶しい。

 勝ち筋が薄いから諦めてサレンダーする? ほぼ詰み? 何を言ってるんだ、デッキの中に解答が1つでもある以上、挑むのは当然だ……!

 顔を叩いて気合を入れ直す。諦めるという選択肢を放棄する。

 

「よーし、開き直った! 意地でも戦い抜いてやる! 持久戦に徹した『シャドール』の恐ろしさを味わせてやる!」

 

 さぁ、さっさとあの完全耐性の超大型モンスターを出せや!

 

『《ピカリ@イグニスター》が召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『Ai』魔法・罠カード1枚、『めぐり-Ai-』を手札に加える』

 

 相手が何をするか、大体解っているとは言え、『@イグニスター』とのデュエル経験はほぼ皆無である。

 何せほぼ最初のターンの見せ合いで勝負が決するので、まともにデュエルした事が無いからである。

 

『《ピカリ@イグニスター》1体でリンク召喚、アローヘッド確認、召喚条件はリンクモンスター以外の『@イグニスター』モンスター1体、リンク1《ダークインファント@イグニスター》』

 

 なので、どのモンスターがどんな効果を持っているか、全然把握してないのである。

 知らないテーマのカードって全部同じに見えるよね。そして興味も薄いから効果もあんまり覚えないという悪循環。良い機会だからじっくりと眺めていよう。

 

『リンク召喚に成功した《ダークインファント@イグニスター》の効果発動、デッキからフィールド魔法『イグニスターAiランド』を手札に加える』

 

 やっぱりリンク1のモンスターって悪さしかしないわ。簡単に専用フィールド魔法サーチとかやって良い事じゃないと思うなぁ。

 

『魔法カード『めぐり-Ai-』発動、手札・EXデッキの攻撃力2300のサイバース族モンスター1体を相手に見せ、そのモンスターと同じ属性を持つ『@イグニスター』モンスター1体をデッキから手札に加える。発動後、このターン中に自分がこの効果で見せたモンスターまたはその同名モンスターの特殊召喚に成功しなかった場合、エンドフェイズに自分は2300ダメージを受ける。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はサイバース族以外のモンスターの効果を発動出来ない』

 

 手札誘発以外、全部サイバース族だからほぼ関係無いデメリットである。

 手札誘発使えなくなるのが最大のデメリットだが、此方の手札に手札誘発無いからデメリットを突く事も出来ない……。

 

『EXデッキから炎属性の《ファイアフェニックス@イグニスター》を見せ、デッキから炎属性の《アチチ@イグニスター》を手札に加える』

 

 ちなみに『@イグニスター』は初動を手札誘発で止めると高確率で棒立ちエンドしてくれるから、一度止めたら勝利と思って良い。今回止められる手札誘発来てないけど。

 

『フィールド魔法『イグニスターAiランド』発動、効果発動、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、手札からレベル4以下の『@イグニスター』モンスター1体、炎属性の《アチチ@イグニスター》を特殊召喚する。このターン、自分は元々の属性が同じモンスター『イグニスターAiランド』の効果で特殊召喚出来ず、サイバース族モンスターしか特殊召喚出来ない』

 

 ……ねぇ、このフィールド魔法の特殊召喚、何処にもターン1書いてないんだけど?

 

『特殊召喚に成功した《アチチ@イグニスター》の効果発動、デッキから《アチチ@イグニスター》以外のレベル4以下の『@イグニスター』モンスター1体《ヒヤリ@イグニスター》を手札に加える』

 

 そのサーチ効果、当然のように召喚・特殊召喚の両方に対応しているの、時代を感じる。

 うちの《召喚師アレイスター》も特殊召喚された時も『召喚魔術』サーチしてくれない?

 

『《ダークインファント@イグニスター》と《アチチ@イグニスター》の2体でリンク召喚、召喚条件はサイバース族モンスター2体。リンク2《サイバース・ウィキッド》』

 

 ……どうにもサイバース族は好きになれない。リンクショックが齎したトラウマは、未だに決闘者の胸の内に蔓延っている。

 何で融合モンスターを複数並べるのにリンクモンスターを経由しないといけなかったんかね? 今考えてもあのルール改正は下の下策だったわ。

 

『フィールド魔法『イグニスターAiランド』の効果発動、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、手札からレベル4以下の『@イグニスター』モンスター1体、闇属性の《ドヨン@イグニスター》を特殊召喚する』

 

 やっぱり頭おかしい事しやがる。明らかにターン1付け忘れだろこれ。

 

『特殊召喚された《ドヨン@イグニスター》の効果発動、リンク先にモンスターが特殊召喚された《サイバース・ウィキッド》の効果発動』

 

 《増殖するG》があったら、凄い枚数引けただろうなぁと現実逃避する。

 

『《サイバース・ウィキッド》がモンスターゾーンに存在する状態でこのカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合、自分の墓地のサイバース族モンスター1体、《ダークインファント@イグニスター》を除外し、デッキからサイバース族チューナー1体《ブルル@イグニスター》を手札に加える』

 

 展開している筈なのに相手の手札が逆に増えてね?

 手札が一気に枯渇する『シャドール』から見たら羨ましい光景である。……いや、手札よりも墓地を肥えさせるプレイングしているから当然なんだが。

 

『特殊召喚された《ドヨン@イグニスター》の効果で墓地から『@イグニスター』モンスター1体、《ピカリ@イグニスター》を手札に加える』

 

 5枚から6枚。

 

『リンク2の《サイバース・ウィキッド》と《ドヨン@イグニスター》でリンク召喚、召喚条件は効果モンスター2体以上、リンク3《トランスコード・トーカー》』

 

 確か墓地蘇生出来る『コード・トーカー』リンクモンスターだったか。

 

『サイバース族リンクモンスターのリンク素材として墓地に送られた《ドヨン@イグニスター》の効果発動、自分の墓地の『Ai』魔法・罠カード1枚、『めぐり-Ai-』を手札に加える』

 

 6枚から7枚。だからなんで展開していて手札増えるんかね?

 

『フィールド魔法『イグニスターAiランド』の効果発動、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、手札からレベル4以下の『@イグニスター』モンスター1体、風属性の《ブルル@イグニスター》を特殊召喚する』

 

 このフィールド魔法、アニメでの展開の都合上用意した展開カードをそのままOCGに持ってきてね? いや、ある程度弱体化はしていると思うけど……。

 

『特殊召喚に成功した《ブルル@イグニスター》の効果発動、デッキから『@イグニスター』モンスター1体、《ガッチリ@イグニスター》を墓地に送る』

 

 何だったかな、確か墓地効果ある『@イグニスター』モンスターだったか。どれも同じに見えるから区別つかないや。

 

『《トランスコード・トーカー》の効果発動、《トランスコード・トーカー》以外の自分の墓地のリンク3以下のサイバース族リンクモンスター1体、《サイバース・ウィキッド》をこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。この効果を発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚出来ない』

 

 全部サイバース族モンスターだから、この縛り、欠片も意味無いな。

 

『《トランスコード・トーカー》と《サイバース・ウィキッド》と《ブルル@イグニスター》でリンク召喚、召喚条件はカード名が異なるモンスター3体、リンク3《ダークナイト@イグニスター》』

 

 リンク3とリンク2のモンスターを使ってリンク3を出すとは豪華な素材だ。

 

『フィールド魔法『イグニスターAiランド』の効果発動、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、手札からレベル4以下の『@イグニスター』モンスター1体、光属性の《ピカリ@イグニスター》を特殊召喚する』

 

 やっと手札が5枚、――さっき出てきた『@イグニスター』モンスターも手札に回収すれば改めてあのフィールド魔法で特殊召喚出来るのか。

 

『《ピカリ@イグニスター》1体でリンク召喚、召喚条件はリンクモンスター以外の『@イグニスター』モンスター1体、リンク1《ダークインファント@イグニスター》』

 

 またあのリンク1を出してきた?

 

『リンク先にモンスターが特殊召喚された《ダークナイト@イグニスター》の効果発動、自分の墓地からレベル4以下の『@イグニスター』モンスターを可能な限りこのカードのリンク先となる自分フィールドに効果を無効にして特殊召喚する』

 

 ふむふむ、《ダークナイト@イグニスター》のリンクマーカーは全部下側に向いているから、あと2体特殊召喚出来るという事か。

 

『チェーンして《ダークインファント@イグニスター》の効果発動、元々の攻撃力が2300のサイバース族モンスターが効果を発動した時に発動出来る。このカードの位置をこのカードのリンク先となる自分のメインモンスターゾーンに移動する。その後、このカードの属性をターン終了時まで任意の属性に変更出来る――神属性を選択』

 

 は? サイバース族の分際で神属性を僭称し、更には横にずれてリンクマーカー3箇所空けた?

 

『《ダークナイト@イグニスター》の効果で墓地から《ピカリ@イグニスター》《アチチ@イグニスター》《ブルル@イグニスター》を特殊召喚する』

 

 ……これ、フィールドから離れたら除外とか無いの? 無いみたいだね。

 

『レベル3のチューナーモンスター《ブルル@イグニスター》にレベル4の《ピカリ@イグニスター》をチューニング、シンクロ召喚、レベル7《ウィンドペガサス@イグニスター》』

 

 ああ、あの風属性のシンクロモンスターには見覚えある。墓地で悪さするヤツだ。

 どれどれ……《ウィンドペガサス@イグニスター》がフィールド・墓地に存在する状態で、このカード以外の自分フィールドのカードが戦闘、または相手の効果で破壊された場合、このカードを除外して相手フィールドのカード1枚をデッキに戻す?

 害悪過ぎて笑えない。優先的に除外しようっと。

 

『シンクロ素材として墓地に送られた《ブルル@イグニスター》の効果発動、《ブルル@イグニスター》以外の自分の墓地の、そのシンクロ召喚の素材としたモンスター1体《ピカリ@イグニスター》を特殊召喚する』

 

 もうこの時点でフィールドに5体、5属性が並んでいる訳だが。

 

『自分フィールドに『@イグニスター』モンスターが存在する場合、手札の《ヒヤリ@イグニスター》を特殊召喚する』

 

 6体で6属性になったわ! ヤツが出てくるか……!

 

『《ダークナイト@イグニスター》と《ヒヤリ@イグニスター》でリンク召喚、召喚条件はサイバース族モンスター2体、リンク2《スプラッシュ・メイジ》』

 

 まだ終点じゃないのかよ。一人でやってるよー。

 

『《スプラッシュ・メイジ》の効果発動、自分の墓地のサイバース族モンスター1体《ドヨン@イグニスター》を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚出来ない』

 

 この意味の無いデメリット、何とかならない? いやまぁ、展開の最後に『フュージョン・デステニー』から《デスフェニ》が出てこないのは幸いなんだけどさ?

 何はともあれ、また6体、6属性が揃った。今度こそ――『ヤツ』が出てくる。

 

 

『――神属性の《ダークインファント@イグニスター》、光属性の《ピカリ@イグニスター》、風属性の《ウィンドペガサス@イグニスター》、闇属性の《ドヨン@イグニスター》、炎属性の《アチチ@イグニスター》、水属性の《スプラッシュ・メイジ》の6体でリンク召喚、召喚条件は属性が異なるモンスター3体以上、リンク6《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》』

 

 

 ついに出てきた、『@イグニスター』が誇る超大型リンクモンスター。

 現状でも唯一のリンク6モンスターである。

 

『《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》は自分フィールドに1体しか表側表示で存在出来ない。このカードの元々の攻撃力は、このカードのリンク素材としたモンスターの数×1000――攻撃力6000となる。このカードは他のカードの効果を受けない』

 

 頭おかしい。この馬鹿みたいな打点で完全耐性とか、『芝刈り召喚シャドール』ではほぼほぼどうしようもない。

 《No.86 H-C ロンゴミアント》 と比べて制圧効果を持たないが、代わりにターン過ぎる毎に弱体化するような弱点が存在しない。

 ……こういうのを見る度に、『三幻神』をエラッタして原作効果に限りなく近づけても良い気がする。

 

『カードを1枚伏せてターンエンド――エンドフェイズ、『めぐり-Ai-』の効果、『めぐり-Ai-』の効果で見せたモンスターの特殊召喚に成功しなかった場合、2300ダメージを受ける』

 

 そういえば見せたカード召喚してなかったか。2300削れて残りLP5700。結構痛いダメージ入るんだなぁ。

 

 

 『@イグニスター』

 LP5700

 手札3枚

 EXモンスターゾーン

 《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》リンク6/闇属性/サイバース族/攻6000

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚

 フィールド魔法『イグニスターAiランド』

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

 引いたカードは《妖精伝姫-シラユキ》……! あれ、これ何気にシャイニング・ドローじゃね?

 

「手札から魔法カード『ハーピィの羽根箒』を発動! 相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」

『チェーンして速攻魔法『抹殺の指名者』発動、『ハーピィの羽根箒』を宣言し、デッキから宣言したカードを除外する。ターン終了時までこの効果で除外したカード及びそのカードと元々のカード名が同じカードの効果は無効化される』

 

 わざわざ自分の『ハーピィの羽根箒』を削ってまで無効化するの? そのフィールド魔法、自己回収効果も内蔵しているというのに。

 無効にされたが、露払いは出来た。後はこの本命が通るか、祈るだけだ。

 

「魔法カード『隣の芝刈り』発動! 私のデッキは54枚、相手のデッキは31枚、よってデッキから23枚墓地送りする!」

 

 よし、通った! 落ちたカードは――『シャドール』モンスターが《影霊の翼 ウェンディ》と現状効果使えない《シャドール・ハウンド》の2体だけ。『影依融合』1枚と『影光の聖選士』1枚と『影依の偽典』1枚と『神の写し身との接触』1枚、『フュージョン・デステニー』2枚とも落ちたから《デスフェニ》は出せない、《召喚師アレイスター》1枚落ちたけど『召喚魔術』は落ちなかった。残りは汎用魔法カードと手札誘発――これは、このデュエルに限っては最高の落ち方だ……!

 

「墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動、デッキから《影依の巫女 エリアル》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 即興で展開ルートを思い浮かべながら動き出す。『シャドール』に決まった展開ルートはないのでこういうのは大体フィーリングである。

 

「墓地の罠カード『影光の聖選士』の効果発動、このカードと墓地の『シャドール』カード1枚《シャドール・ハウンド》を除外し、自分フィールドの裏側守備表示のモンスター1体《影依の巫女 エリアル》を選んで表側守備表示にする。そして《影依の巫女 エリアル》のリバース効果発動、除外されている自分の『シャドール』モンスター1体《シャドール・ハウンド》を表側守備表示で特殊召喚する」

 

 これでフィールドに属性の違う『シャドール』モンスターが2体揃った!

 

「速攻魔法『神の写し身との接触』発動! 《影依の巫女 エリアル》と異なる属性の《シャドール・ハウンド》を融合! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 勿論、《エルシャドール・アプカローネ》の効果無効も完全耐性を持っている《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》には届かない。

 これから過労死する《エルシャドール・アプカローネ》の仕事は他の事だ。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動! 墓地に送られた《シャドール・ハウンド》の効果発動! 《シャドール・ハウンド》の効果で《エルシャドール・アプカローネ》を攻撃表示から守備表示に変更し、《エルシャドール・アプカローネ》の効果でフィールド魔法『イグニスターAiランド』の効果を無効にする」

 

 墓地から回収効果もあるフィールド魔法なら永続的に無効にすれば良い。

 ……勝ち筋から言えば、大量展開して欲しいのだが、無くても『3体』並べるぐらい楽だろう?

 

「《妖精伝姫-シラユキ》を通常召喚――《エルシャドール・アプカローネ》と《妖精伝姫-シラユキ》の2体でリンク召喚、召喚条件は効果モンスター2体、リンク2《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》!」

 

 前までは「どうせ禁止になるから」と使うのを拒否していたが、やっぱり禁止になるだけあって便利だよね《アナコンダ》君。たまにLPコストが致命傷になるけど。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、墓地の『影依融合』を手札に加え、その後、手札の『サンダー・ボルト』を墓地に捨てる」

 

 このデュエルにおいて意味の無い全体破壊カードをポイ捨てしておく。

 

「手札から魔法カード『影依融合』発動! 相手フィールドにEXデッキから特殊召喚されたモンスターがいるのでデッキ融合! 《シャドール・リザード》と光属性《PSYフレームギア・γ》を墓地に送り、レベル8《エルシャドール・ネフィリム》を守備表示で融合召喚!」

 

 今回の『芝刈り』で全然『シャドール』モンスター落ちなかったので、デッキリソースはフルに保たれている。

 全部使い切る勢いで活用するから、非常にありがたい話である。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動――《シャドール・リザード》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから『影光の聖選士』を墓地に送る。墓地に送られた《シャドール・ビースト》の効果で1枚ドロー」

 

 ――引いたカードは《増殖するG》、現状を打開出来るカードではないが、それを引く為の希望である。

 

「《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の効果発動! 2000LPを払い、デッキから『融合』通常・速攻魔法または『フュージョン』通常・速攻魔法カード1枚――『影依融合』を墓地に送って発動! この効果はその魔法カード発動時の効果と同じになる!」

『相手メインフェイズに、手札から《エフェクト・ヴェーラー》を墓地に送り、相手フィールドの効果モンスター1体《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を対象として発動、その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする』

 

 む、手札誘発を握っていたか。『相剣』が流行っているから前の環境よりも《エフェクト・ヴェーラー》と『無限泡影』増えているんだよなぁ。

 自分で使う分は刺さりが悪いが、相手に使われると致命的な箇所でぶっ刺さる。だが、甘いぞ遊戯!

 

「墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動! 墓地の『隣の芝刈り』『禁じられた一滴』『暴走魔法陣』『墓穴の指名者』2枚『ライトニング・ストーム』、そしてフィールドの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の7枚を除外して発動、《妖精伝姫-シラユキ》を特殊召喚する!」

 

 効果が無効になる前にフィールドからいなくなれば大丈夫、そういうサクリファイス・エスケープは得意技よ!

 

「《エフェクト・ヴェーラー》は対象を失い、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の効果で再び『影依融合』のデッキ融合発動! 《影霊の翼 ウェンディ》と異なる属性の《シャドール・ファルコン》を墓地に送り、レベル6《エルシャドール・アプカローネ》を守備表示で融合召喚!」

 

 ははは、1ターンに2回やるデッキ融合は気持ちが良いなァ! これで墓地に送った『シャドール』モンスター2体を更に展開し――。

 

「……あ、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の制約忘れていた。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚出来ない……」

 

 完全なプレミじゃん!? 1回目の『影依融合』で《エルシャドール・アプカローネ》出すべきだった……!

 やっぱり《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》使い慣れてないと、とんでもないミス犯すね!

 ま、まぁ、大丈夫、まだ致命傷じゃない……! 致命傷じゃないと良いなぁ。

 

「私はこれでターンエンド! さぁドロッドロの泥試合をしようぜ!」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP6000

 手札2枚(《増殖するG》《ラーの翼神竜-球体形》)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《エルシャドール・アプカローネ》星6/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000

 《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500

 《妖精伝姫-シラユキ》星4/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

 デッキの残り枚数22枚、墓地29枚、除外8枚。今回は全領域に気を配る必要があるので逐一チェックしておく。

 

『私のターン、ドロー』

「ドローフェイズ、手札から《増殖するG》を墓地に捨てて効果発動!」

 

 さぁ、存分に展開するが良い!

 

 ――さて、私の勝ち筋だが、現状2通りしかない。

 

 相手に3体以上展開して貰う事。その状態で私のターンに回ったのなら、即座に《ラーの翼神竜-球体形》でリリース出来る。幾ら完全耐性を誇ろうが、ルールでのリリース効果には無力なのだ。

 もう1つは単純明快だ。《ロンゴミ》と違って《ジ・アライバル》には戦闘耐性は無い。なので攻撃力6000を超えて上から殴れば良いのだ。……いや、それが至難だから苦労しているのだが。

 一応、私のデッキで打点6000を超える手段は1つだけある。出来るかは知らん。やらないと死ぬだけだね!

 

『魔法カード『めぐり-Ai-』発動、EXデッキの光属性《ライトドラゴン@イグニスター》を見せて、デッキから光属性《ピカリ@イグニスター》を手札に加える』

 

 お、《増殖するG》を使ってるのに相手展開する気満々だな。良いぞ、どんどん展開して神の餌になれ!

 

『《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》の効果発動、1ターンに1度、このカード以外のフィールドのモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを破壊し、このカードのリンク先となる自分フィールドに『@イグニスタートークン』(サイバース族・闇・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。――《エルシャドール・アプカローネ》を破壊』

 

 まぁこの効果はどうでもいい。同じくほぼ完全耐性を持っていた《アポクリフォート・キラー》の強制墓地送りより全然生温い効果だ。

 

「《増殖するG》の効果で1枚ドロー、そして墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動! 墓地から《影依の巫女 エリアル》を手札に加え、《影依の巫女 エリアル》を捨てて効果発動、相手の墓地の《ウィンドペガサス@イグニスター》《ダークナイト@イグニスター》《トランスコード・トーカー》を除外する」

 

 《エルシャドール・アプカローネ》を墓地に落とすという事は、相手ターンに悪さ出来るって事なんだがね!

 《シャドール・リザード》経由しないのはデッキリソースも墓地リソースも極限まで使う事を想定しているのでデッキの中に温存する方向性だからである。

 

『チェーンして速攻魔法『Aiドリング・ボーン』発動、自分の墓地の『@イグニスター』モンスター1体《ダークナイト@イグニスター》を対象として発動出来る。そのモンスターを特殊召喚する。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚出来ない』

「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」

 

 ちっ、1体除外逃れたか。こういうのがあるから、相手の墓地のモンスターを徹底的に除外したいんだよなぁ。

 

『『@イグニスタートークン』をリリースし、《ダンマリ@イグニスター》をアドバンス召喚――リンク3の《ダークナイト@イグニスター》と《ダンマリ@イグニスター》でリンク召喚、召喚条件は効果モンスター2体以上、リンク4《アクセスコード・トーカー》』

「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」

 

 うわ、相手の場に3体モンスターが並んだとしめしめと思っていたら、また超火力のリンクモンスターが来たか……!

 

『《アクセスコード・トーカー》の効果の発動に対して、相手は効果を発動出来ない』

 

 しかし、同じシリーズのラスボスの最後の切り札と、主人公の最後の切り札が同じ盤面に登場しているのは中々にエモい光景ではないだろうか。

 なお、隠れてない殺意は見ないものとする。余裕で耐えられるけど、普通に死ねる盤面だしね。

 

『リンク召喚に成功した《アクセスコード・トーカー》の効果発動、そのリンク素材としたリンクモンスター1体《ダークナイト@イグニスター》1体を対象として発動出来る、このカードの攻撃力は、そのモンスターのリンクマーカーの数×1000アップする――《ダークナイト@イグニスター》のリンクマーカーは3つ、よって3000アップして攻撃力5300となる』

 

 懐かしいなぁ、《ハリファイバー》《セレーネ》《アクセスコード》で使っていた時期があった。

 この殺意の高さに除去能力は超優秀で、ワンキル要因として役立ったなぁ。

 今の環境だと《ハリファイバー》から《幻獣機アウローラドン》 出した方が厄介な盤面作れるので、《アクセスコード・トーカー》を見る機会はめっきり減ったが。

 

『《アクセスコード・トーカー》の効果発動、自分のフィールド・墓地からリンクモンスター、闇属性《サイバース・ウィキッド》を除外して発動出来る。相手フィールドのカード1枚を選んで破壊する。このターン、自分の《アクセスコード・トーカー》の効果を発動する為に同じ属性のモンスターを除外する事は出来ない。――《エルシャドール・ネフィリム》を破壊する』

「破壊されて墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動! 墓地から《影依融合》を手札に加える!」

 

 とは言え、それは《アクセスコード・トーカー》が厄介極まる事には変わりない。

 この破壊効果にチェーン出来ない上に、墓地にあるリンクモンスターの属性の種類の数だけ破壊効果を発動出来るんだから、打点も合わせてワンキル前の露払いとして完璧な仕事をされるんだよなぁ。

 

『《アクセスコード・トーカー》の効果発動、墓地のリンクモンスター、水属性《スプラッシュ・メイジ》を除外し、《妖精伝姫-シラユキ》を選んで破壊する』

 

 しかも選んで破壊だから効果の対象にならない耐性もすり抜ける優秀さ。

 何もかも強い事しか書かれてないな! 流石、一番最初からエースモンスター()を禁止にされる主人公様のカードは違うね! おのれ遊作ぅ!

 

『バトルフェイズ』

「墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動! 墓地の『超融合』2枚、『フュージョン・デステニー』2枚、『暴走魔法陣』、『隣の芝刈り』、『ハーピィの羽根箒』の7枚を除外して守備表示で特殊召喚!」

 

 だが、仕留められると思ったら大間違いだ。墓地リソースが尽きぬ限り、《妖精伝姫-シラユキ》は何度でも蘇る!

 

『攻撃力5300の《アクセスコード・トーカー》で守備力1000の《妖精伝姫-シラユキ》を攻撃』

「戦闘破壊されて墓地へ」

『攻撃力6000の《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》でダイレクトアタック』

 

 そして《妖精伝姫-シラユキ》の特殊召喚の効果にはターン1指定など無い!

 

「――墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動! 墓地の《増殖するG》2枚、《PSYフレームギア・γ》2枚、『サンダー・ボルト』、《シャドール・ファルコン》、手札の《D-HERO ディバインガイ》の7枚を除外して墓地から守備表示で特殊召喚!」

 

 《D-HERO ディバインガイ》はこのデュエル中、活用手段が無いので手札から除外コストになって貰おう。

 

『攻撃力6000の《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》で守備力1000の《妖精伝姫-シラユキ》を攻撃』

「戦闘破壊されるよー」

『メインフェイズ2、ターンエンド――エンドフェイズ時、魔法カード『めぐり-Ai-』の効果で2300ダメージを受ける』

 

 

 『@イグニスター』

 LP3400

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

 《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》リンク6/闇属性/サイバース族/攻6000

 メインモンスターゾーン

 《アクセスコード・トーカー》リンク4/闇属性/サイバース族/攻5300

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 フィールド魔法『イグニスターAiランド』

 

 

 このターンで仕留めきれると思ったら大間違いだ。しかし2体か。《ラーの翼神竜-球体形》でリリース出来ないな。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 ただまぁ《アクセスコード・トーカー》は残しておくとやばいので除去せねば。

 それにLPを3400まで減らしてきたか。これは――もしかしたら、新たな勝機が生まれたかもしれないな。迂闊にLP減らしすぎだ。

 

 デッキ枚数は18枚、墓地は19枚、除外は22枚、手札は5枚でフィールドは更地。LPは6000で即死圏内。いや、8000でも即死圏内だったけど。

 

 ――何の何の、まだまだ行けるぜ! フィールドを更地にした程度で『シャドール』が黙る訳無いだろう!

 

「手札から魔法カード『影依融合』発動! デッキから《影依の巫女 エリアル》と光属性《原始生命態ニビル》を墓地に送り、融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》を守備表示で融合召喚!」

 

 まずは挨拶のデッキ融合。常にデッキ融合出来るとか幸せな空間だね。攻撃力6000の完全耐性で無ければの話だが。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《影依の巫女 エリアル》の効果発動――相手の墓地の《ダークナイト@イグニスター》《ダークインファイト@イグニスター》『Aiドリング・ボーン』の3枚を除外する。《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから永続罠『影依の偽典』を墓地に送る」

 

 何を優先して除外したら良いのか、全く解らないから片っ端から除外していこう! 全部除外すれば墓地で悪さするヤツ、いなくなるよね!

 

「《シャドール・ファルコン》を通常召喚し、――レベル2のチューナーモンスター《シャドール・ファルコン》にレベル8の《エルシャドール・ネフィリム》をチューニング! シンクロ召喚! レベル10《フルール・ド・バロネス》!」

 

 やっぱりコイツ、『シャドール』じゃね? シンクロした回数=《バロネス》を出した回数だったりする。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地の『影光の聖選士』を手札に加える」

 

 今回において『影依の偽典』は墓地リソースを削ってしまうので役に立たない。最後の『影光の聖選士』には擦り切れるまで活用せねばなるまい。

 

「《フルール・ド・バロネス》の効果発動、《アクセスコード・トーカー》を破壊する!」

 

 棒立ちの《アクセスコード・トーカー》など、ただの的に過ぎん! それを出すからには確実に仕留めないとねェ!

 

「更に魔法カード『召喚魔術』を発動! 墓地の《召喚師アレイスター》と相手の墓地の光属性《ピカリ@イグニスター》を除外して融合! レベル9《召喚獣メルカバー》を守備表示で融合召喚!」

 

 相手の墓地のモンスターを除外して出す融合は最高だぜ。

 

「カードを1枚セット、そして墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻してターンエンド」

 

 よし、これでキーカードの《召喚師アレイスター》を1枚手札に確保出来た。

 《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》を正面から突破するには、少なくとも手札に《召喚師アレイスター》が2枚必要だからね!

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP6000

 手札3枚(《ラーの翼神竜-球体形》《召喚師アレイスター》《原始生命態ニビル》)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 《召喚獣メルカバー》星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(『影光の聖選士』)

 

 

『私のターン、ドロー』

「スタンバイフェイズ、《フルール・ド・バロネス》の効果発動! 自分の墓地のレベル9以下のモンスター1体、《エルシャドール・アプカローネ》を対象として発動、《フルール・ド・バロネス》をEXデッキに戻し、《エルシャドール・アプカローネ》を守備表示で特殊召喚する!」

 

 1回限りの無効効果残しているけど、余り効果無いので《バロネス》には早期退勤して貰い、《アプカローネ》に過労死して貰おう。……文字通り死んで貰うまでが仕事なんだ。

 

『《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》の効果発動、《エルシャドール・アプカローネ》を破壊し、自分フィールドに『@イグニスタートークン』を守備表示で特殊召喚する』

「破壊されて墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動! 墓地の《影依の巫女 エリアル》を手札に加え、その後、《影依の巫女 エリアル》を墓地に送って効果発動! 相手の墓地の《アクセスコード・トーカー》『めぐり-Ai-』《ガッチリ@イグニスター》を除外する!」

 

 さぁ調子に乗ってあと1体モンスター出してしまえ。そうすれば真の神を拝ませてやるんだが――。

 

『バトルフェイズ、攻撃力6000の《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》で守備力2100の《召喚獣メルカバー》を攻撃』

「戦闘破壊されるよ」

 

 再び更地にされるも、極限まで消費を抑えられた。……守備表示の守備力0のトークンに、相手の残りLP3400。あれ、攻撃力6000の完全耐性を無視して殺せるんじゃね?

 

『バトルフェイズ終了、メインフェイズ2、ターンエンド』

「エンドフェイズ、罠カード『影光の聖選士』発動、墓地の《エルシャドール・アプカローネ》を守備表示で特殊召喚する」

 

 《エルシャドール・アプカローネ》は何度でも蘇るよ! 株式会社『シャドール』に労基など存在しない。元々社員確保の為に死体とかを『シャドール』化してるしね!

 

「私のターン、ドロー!」

 

 《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》は確かに無敵のモンスターだ。だが、プレイヤーは無敵ではない!

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 いやぁ、本来の予定なら《ジ・アライバル》を攻略して格好良く決める予定だったが、殺せるチャンスが他にあるなら殺さないとね? 殺せる時に殺さないと決闘者として恥ずかしいでしょ?

 

「魔法カード『召喚魔術』発動、自分のフィールドの《召喚師アレイスター》と――」

『チェーンして墓地の《ダンマリ@イグニスター》の効果発動、自分フィールドにリンク6モンスターが存在する場合、墓地のこのカードを除外し、相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動出来る。そのカードの効果をターン終了時まで無効にする。この効果は相手ターンでも発動出来る。対象は『召喚魔術』』

 

 んな、フリーチェーンで無効効果が墓地に眠ってたのか!? 特殊召喚から効果発動するから《アプカローネ》じゃ出来ない事を出来ちゃうの!?

 これは《ダンマリ@イグニスター》の効果を見逃して除外してなかった私の完全なミスだが――甘いぞ遊戯!

 

「更にチェーンして墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動! 墓地の《シャドール・リザード》《シャドール・ハウンド》《影霊の翼 ウェンディ》《PSYフレーム・ドライバー》『影依融合』《シャドール・ビースト》、そしてフィールドの『召喚魔術』を除外して《妖精伝姫-シラユキ》を守備表示で特殊召喚する!」

 

 対象がいなくなれば無効効果も不発だな! つまり、この融合召喚が通る!

 

「これで対象を失った《ダンマリ@イグニスター》の効果は不発! 『召喚魔術』の効果が通り、フィールドの《召喚師アレイスター》と相手の墓地の炎属性《アチチ@イグニスター》を除外して融合召喚! レベル7《召喚獣プルガトリオ》!」

 

 よーし、勝った! 第三部完!

 

「相手フィールドのカードは3枚、よって《召喚獣プルガトリオ》の攻撃力は600アップして2900、更に墓地から『召喚魔術』の効果を発動して除外されている《召喚師アレイスター》を手札に回収すれば――!」

 

 《召喚師アレイスター》の手札誘発効果で打点1000アップして、3400まですり減らしてくれたLPを一発で削り取れるって寸法だァ!

 さて、『召喚魔術』の更なる効果を発動して、除外された《召喚師アレイスター》を回収――。

 

 

「……あ、《シラユキ》の効果で『召喚魔術』除外しているから回収効果使えねぇ!?」

 

 

 あ、あ、あ。計算狂った!? これは、ああ、ああああああ!

 

「……うわ、うわぁっ、500足りねぇ!? というか、《影依の巫女 エリアル》の効果で《ダンマリ@イグニスター》を除外していれば勝ってたじゃねぇか!?」

 

 仕留められる唯一の機会を、自らのプレミで逃したのか……! ぐ、ぐぬぬ、ウボァー!?

 

「バ、バトル。攻撃力2900の《召喚獣プルガトリオ》で守備力0の『@イグニスタートークン』を攻撃、2900の貫通ダメージで残りLP500、『@イグニスタートークン』が戦闘破壊された事で《召喚獣プルガトリオ》の攻撃力が200下がって2700となる」

 

 相手の残りLP500、うわぁ、鉄壁ラインだね。本当にこれ以上削り取れる見込みが無いからマジで鉄壁なんだが。

 

「……私はこれでターンエンド」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP6000

 手札3枚(《ラーの翼神竜-球体形》《召喚師アレイスター》《シャドール・リザード》)

 EXモンスターゾーン

 《召喚獣プルガトリオ》星7/炎属性/悪魔族/攻2700/守2000

 メインモンスターゾーン

 《エルシャドール・アプカローネ》星6/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000

 《妖精伝姫-シラユキ》星4/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

 デッキ枚数14枚、墓地17枚、除外30枚、手札3枚、絶好の機会を無駄にし、墓地リソースを著しく削ってしまった。正直ヤバい。

 

『私のターン、ドロー』

 

 7ターン目。相手の手札は3枚、デッキ枚数は27枚なのでデッキ切れは到底望めず、EXデッキの残り枚数は6枚、墓地はあらかた除外し尽くしたので5枚。

 

 ……一番ヤバいのは、攻撃力2700に過ぎない《召喚獣プルガトリオ》、攻撃表示のまま……!

 

『手札から速攻魔法『禁じられた一滴』発動、フィールドの『イグニスターAiランド』をリリースし、《召喚獣プルガトリオ》の攻撃力を半分にし、効果を無効化する』

 

 効果を無効にしている『イグニスターAiランド』をコストに、《召喚獣プルガトリオ》の攻撃力を半分にされて攻撃力1350、まだ攻撃力6000の《ジ・アライバル》に殴られても生き残れるが――。

 

『墓地の『イグニスターAiランド』の効果発動、墓地の《ヒヤリ@イグニスター》を除外し、このカードをフィールドにセットする。そして効果発動、手札から光属性《ピカリ@イグニスター》を特殊召喚して効果発動、デッキから魔法カード『めぐり-Ai-』を手札に加える』

 

 うわ、相手さん、不穏な動きをし始めたぞー。

 

『魔法カード『めぐり-Ai-』を発動、EXデッキの炎属性《ファイアフェニックス@イグニスター》を見せ、デッキから炎属性《アチチ@イグニスター》を手札に加える』

 

 先程から自傷ダメージを受け続けたサーチカードを再び使用――つまり、このターンの内に絶対《ファイアフェニックス@イグニスター》を出すという事か。

 えーと、《ファイアフェニックス@イグニスター》の効果は、っと。

 

 

 《ファイアフェニックス@イグニスター》

 リンク・効果モンスター

 リンク3/炎属性/サイバース族/攻2300

 【リンクマーカー:左/右/下】

 サイバース族モンスター2体以上

 このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

 (1):このカードが攻撃するダメージ計算時に発動できる。

 このカードの攻撃力分のダメージを相手に与え、

 その戦闘で発生する相手への戦闘ダメージは0になる。

 (2):このカードが効果で破壊された場合に発動できる。

 相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊する。

 (3):リンク召喚したこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、

 次のスタンバイフェイズに発動できる。

 このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

 あかん。直火焼きで焼き殺される!? でも(3)の蘇生効果、リンク召喚の時限定だから《デスフェニ》より優しいね。なんで《デスフェニ》もそうしなかったんだ……?

 

『《アチチ@イグニスター》を通常召喚し、効果発動。デッキから《ピカリ@イグニスター》を手札に加える』

 

 これで場に2体だが――どうして場に3体モンスターがいる状態でターン渡して来ないんかねぇ? まさかの《ラーの翼神竜-球体形》ケア!?

 

『《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》の効果発動、《妖精伝姫-シラユキ》を破壊し、『@イグニスタートークン』を特殊召喚する』

 

 割りと隙の多い破壊効果だが、展開補助まで出来るからかなり鬱陶しいなこれ。

 

『《アチチ@イグニスター》《ピカリ@イグニスター》『@イグニスタートークン』の3体でリンク召喚、召喚条件はサイバース族モンスター2体以上、リンク3《ファイアフェニックス@イグニスター》』

 

 ぐぬぬ、やっぱり3体並ばない! 3体さえ、3体さえ並べばお前なんてリリース出来るのにぃぃぃ!

 

『バトルフェイズ、攻撃力6000の《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》で攻撃力1350の《召喚獣プルガトリオ》を攻撃』

 

 さて、これを通してしまうと、このターンで死ぬ。

 ――とれる選択肢は2つ。墓地に送られた《妖精伝姫-シラユキ》の効果を使って《召喚獣プルガトリオ》を除外するか、もう1つの最終手段を使うかだ。

 墓地の枚数は18枚……いや、此処で使えば後が無くなる。使いたくないが、もう1つの札を切るしかない……!

 

「墓地から罠カード『影光の聖選士』の効果を発動! このカードと墓地の『神の写し身との接触』を除外し、攻撃表示の《召喚獣プルガトリオ》を裏側守備表示に変更する!」

 

 ……これで2枚しか入ってない『影光の聖選士』が揃って除外され、墓地の『シャドール』融合モンスターを蘇生する手段が消え去った。

 既に《エルシャドール・アプカローネ》と《エルシャドール・ネフィリム》は出し切っているので、非常に不味い。

 

「戦闘破壊されるが、守備表示なので戦闘ダメージは発生しない!」

『攻撃力2300の《ファイアフェニックス@イグニスター》で守備力2000の《エルシャドール・アプカローネ》を攻撃――効果発動、このカードが攻撃するダメージ計算時に発動出来る。このカードの攻撃力分のダメージを相手に与え、その戦闘で発生する相手への戦闘ダメージは0となる』

「《エルシャドール・アプカローネ》は戦闘では破壊されない! 2300削られて残りLP3700」

 

 何とか凌ぎ切ったか。……攻撃力2300程度のリンクモンスターを棒立ち? あれ、これ《ジ・アライバル》を無視して殺しに行けるのでは?

 今の直火焼き効果、攻撃した時限定で、攻撃された時は発動しないよな? いや、《召喚師アレイスター》を回収出来なかったから打点足りないや。

 

『メインフェイズ2、ターンエンド』

「私のターン、ドロー!」

 

 ――此処で引いたカードは、まさかの《召喚師アレイスター》!

 

 よし、予定変更してプランBだ! このターンで決着を付ける! 不用意に展開したのが運の尽きよ!

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加えてそのまま発動! フィールドの《召喚師アレイスター》と墓地の融合モンスター《召喚獣プルガトリオ》を除外して融合召喚! レベル8《召喚獣アウゴエイデス》!」

 

 我がデッキに眠る、《ジ・アライバル》を正面から打倒し得る唯一の可能性。それを此処で投入する!

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 本来ならば《召喚師アレイスター》が手札に2枚来るまで粘る予定だったが、殺せる機会があるなら逃さずに掴み取るのが決闘者よ!

 

「《召喚獣アウゴエイデス》の効果発動! 自分の墓地の融合モンスター《エルシャドール・ネフィリム》を除外し、ターン終了時まで除外したモンスターの攻撃力の数値分アップする! 《エルシャドール・ネフィリム》の攻撃力は2800、よって《召喚獣アウゴエイデス》の攻撃力は4800となる!」

 

 相手の残りLPは500、《ファイアフェニックス@イグニスター》の攻撃力は2300、もう1枚、《召喚師アレイスター》を確保するまでもなく決着だ!

 

 

「――バトル! 攻撃力4800の《召喚獣アウゴエイデス》で攻撃力2300の《ファイアフェニックス@イグニスター》を攻撃! 今度こそ勝ったァ!」

 

 

 唯一の心残りは、完全耐性の《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》を最後まで仕留められなかった事だが――。

 

『墓地の《アチチ@イグニスター》の効果発動』

「……え? ソイツに墓地効果あるの?」

『自分のサイバース族モンスターが戦闘を行うダメージステップ開始時に、墓地の《アチチ@イグニスター》を除外して発動出来る。その自分のモンスターを破壊する』

「――は?」

 

 自分のモンスターを破壊する墓地効果……? あ、あ、あ、攻撃対象が無くなって戦闘ダメージが発生しない……!?

 

『《ファイアフェニックス@イグニスター》が効果で破壊された場合に発動出来る。相手フィールドのモンスター1体、《召喚獣アウゴエイデス》を選んで破壊する』

 

 我がデッキにおける唯一の解答が、《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》を戦闘破壊出来る可能性を秘めた融合モンスターが、無惨にも墓地に送られる。

 此処から蘇生する手段? 私のデッキには無いよ……。

 

「あ、あ、あっ……た、ターンエンド……」

『私のターン、ドロー』

 

 放心しながらターンを渡し、ドローフェイズからスタンバイフェイズ、そしてメインフェイズに入る。

 

「《ファイアフェニックス@イグニスター》の蘇生効果を使わなかった……!?」

 

 そうだよな、使わないよな。2300程度の打点を立てたら、今度こそ《召喚師アレイスター》の攻撃力1000アップで仕留められるからな、畜生!

 

『カードを1枚セットし、ターンエンド』

「わ、私のターン、ドロー」

 

 何もせずにターンエンドだと? 此方の動きに警戒したのか――だが、これは此方にとって最悪の最適解だ。

 仮に、このまま全部のターン、棒立ちエンドされたとしよう。それをされたら逆転の可能性すらなく、デッキ切れで終わる。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加え、魔法カード『ルドラの魔導書』発動、自分フィールドの魔法使い族モンスター《召喚師アレイスター》を墓地に送り、デッキから2枚ドローする」

 

 ほぼほぼ打つ手が無くなり、ほぼ詰みの状況。だが、それは自分視点であり、相手視点ではそうではない。

 

 ……さて、この自分視点、EXデッキにもう出せる『召喚獣』融合モンスターがなく、文字通り命を削りながら解答の無いデッキからドローする愚挙。相手視点からはどう映るか?

 

 即ちデッキにある解答を引き当てようとする行為に他ならない。

 棒立ちでエンドしていては解答札を引かれる可能性がある。その前に仕留めようと――動かざるを得ないよなぁ?

 

「速攻魔法『神の写し身との接触』発動、フィールドの《エルシャドール・アプカローネ》と手札の闇属性《シャドール・リザード》を融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》を守備表示で融合召喚」

 

 EXデッキの残り枚数は6枚、残りの『シャドール』融合モンスターは2枚、《エルシャドール・ミドラーシュ》と《エルシャドール・シェキナーガ》だけである。

 残りは出せる見込みがほぼ無い《フルール・ド・バロネス》、出しても意味がないリンクモンスター《聖魔の乙女アルテミス》《グラビティ・コントローラー》、そして出せるルートが喪失した《D-HERO デストロイフェニックスガイ》だけである。

 

「墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動、《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動――墓地の『影依の偽典』を手札に加え、手札の『召喚魔術』を墓地に送る。《シャドール・リザード》の効果でデッキから《シャドール・ドラゴン》を墓地に送って効果発動、相手フィールドの伏せカードを破壊する」

 

 破壊した伏せカードは『抹殺の指名者』か。どうでも良いな。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 正規ルートで《ジ・アライバル》を戦闘破壊する手段は潰えた。あとは――初手から手札で眠っている《ラーの翼神竜-球体形》に全てを託すしかあるまい。

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

『私のターン、ドロー』

 

 問題があるとすれば、2回連続、仕留めようと動いてるから、相手の警戒心が頂点に達している事なんだよなぁ。

 

『バトルフェイズ、攻撃力6000の《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》で守備力800の《エルシャドール・ミドラーシュ》を攻撃』

「戦闘破壊されて墓地に送られた《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果発動、墓地の『影依融合』を手札に加える」

 

 ぐぬぬ、《ミドラーシュ》破壊耐性あるから、相手の展開効果使えないじゃん。噛み合わないものだ……。

 

『メインフェイズ2、ターンエンド』

「私のターン、ドロー!」

 

 12ターン目。デッキの残り枚数8枚、墓地21枚、除外33枚、手札6枚か。

 

「永続罠『影依の偽典』発動! 墓地の《影霊の翼 ウェンディ》と闇属性《召喚師アレイスター》を除外して融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》を守備表示で融合召喚、私はこれでターンエンド……」

『私のターン、ドロー』

 

 手札には《召喚師アレイスター》2枚あるが、攻撃力3000の融合モンスターなんていないから、例え3枚集まっても攻撃力6000の《ジ・アライバル》に届かない……!

 

『バトルフェイズ、攻撃力6000の《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》で守備力800の《エルシャドール・ミドラーシュ》を攻撃』

「戦闘破壊されて墓地に送られた《エルシャドール・ミドラーシュ》の効果発動、墓地の『神の写し身との接触』を手札に加える」

 

 先程の焼き直し――此方のリソースだけ削れて終わった。回収した『神の写し身との接触』も、使い道が無い。

 

『メインフェイズ2、ターンエンド』

「私のターン、ドロー」

 

 さて、最後の賭けに出るとしよう。これで相手が何も出さなかったら、相手の勝利だ。

 

「魔法カード『影依融合』発動! デッキから《シャドール・ヘッジホッグ》と地属性《増殖するG》を墓地に送って融合! レベル10《エルシャドール・シェキナーガ》を守備表示で融合召喚!」

 

 これでデッキの残り枚数5枚、相手のデッキは21枚なので――現状、相手は何も展開せず、棒立ちエンドするだけで勝利する。

 

「墓地に送られた《シャドール・ヘッジホッグ》の効果は使えない。もうデッキに『シャドール』モンスターが完全に尽きたからね……私はこれでターンエンド、エンドフェイズ時、手札が7枚なので『召喚魔術』を墓地に捨てる」

『私のターン、ドロー』

 

 手札は6枚、墓地は23枚――さぁ、展開しろ!

 

『《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》の効果発動、《エルシャドール・シェキナーガ》を破壊し、『@イグニスタートークン』を特殊召喚する』

「破壊されて墓地に送られた《エルシャドール・シェキナーガ》の効果発動、墓地の『影依融合』を手札に加える」

 

 よし、2体、さぁ、次を出せ……!

 

『手札から《ピカリ@イグニスター》を通常召喚、効果発動』

 

 来た! だが、此処からリンク召喚されたら、また2体とかになってしまうだろう。故に――。

 

「チェーンして墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動! 墓地の《原始生命態ニビル》『影依融合』《灰流うらら》『影依の偽典』『ルドラの魔導書』『神の写し身との接触』《シャドール・リザード》の7枚を除外して守備表示で特殊召喚!」

『《ピカリ@イグニスター》の効果でデッキから『めぐり-Ai-』を手札に加える』

 

 蘇生魔法はもう入ってないようだ。よし、これで――。

 

「特殊召喚された《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、《ピカリ@イグニスター》を裏側守備表示にする!」

 

 リンク召喚の弱点の一つは裏側守備表示にされるとリンク素材に出来ない事だ。融合なら裏だろうが表だろうが融合素材に出来るけどねぇ!

 

『カードを1枚セットしてバトルフェイズ、攻撃力6000の《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》で守備力1000の《妖精伝姫-シラユキ》を攻撃』

「戦闘破壊されるよ」

『メインフェイズ2、ターンエンド』

 

 

 『@イグニスター』

 LP500

 手札4枚

 EXモンスターゾーン

 《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》リンク6/闇属性/サイバース族/攻6000

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター(《ピカリ@イグニスター》)

 『@イグニスタートークン』星1/闇属性/サイバース族/攻 0/守 0

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚

 フィールド魔法『イグニスターAiランド』

 

 

「――私のターン、ドロー」

 

 

 長かった。最初のターンから握っていたが、ただの一回も条件が揃わなかった。

 だが、今、相手の場にモンスターが3体並んでいる。完全耐性? そんなもの、ルールの前では関係無い。

 さぁ、神の降臨の為の贄となれ!

 

 

「――相手フィールドの裏側守備表示のモンスター、『@イグニスタートークン』、そして《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》の3体を生贄に、レベル10《ラーの翼神竜 球体形》を相手のフィールドに召喚する!」

 

 

 電子の海に揺蕩うまやかしの神を、真なる神が駆逐する。やはり《ラーの翼神竜-球体形》は神のカード……《ヲー》? 早くエラッタして。

 

『手札から《アーティファクト-ロンギヌス》の効果発動、相手ターンに手札のこのカードをリリースして発動出来る。このターン、お互いにカードを除外出来ない』

 

 ふむ、なるほど、手札で腐っていたのか。

 《妖精伝姫-シラユキ》が墓地除外で蘇生するのは相手ターン、相手側視点で自分のターンだから《ロンギヌス》の除外出来なくさせる効果を打ちたくても腐っていたと。

 今、このターンで打っても無駄なんだが、無敵の《ジ・アライバル》をリリースされて焦ったのかなァ?

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 とりあえず召喚権を使ったし、融合モンスターは全部使い切ったのでやれる事は無い。

 

「カードを2枚セットしてターンエンド」

『私のターン、ドロー』

 

 さぁ、事実上のラストターンだ。打開出来るもんならやってみろ! 勿論、何もさせないがね!

 

『《アチチ@イグニスター》を通常召喚』

「チェーンして墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動! 《影依の巫女 エリアル》2枚《エルシャドール・アプカローネ》《エルシャドール・ネフィリム》《シャドール・ファルコン》《召喚獣メルカバー》《召喚獣アウゴエイデス》の7枚を除外し、墓地から守備表示で特殊召喚」

 

 これで墓地の残り枚数は7枚、除外されたカードは48枚だよ。

 

「特殊召喚された《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、《アチチ@イグニスター》を裏側守備表示にする」

『チェーンして手札から《幽鬼うさぎ》を捨てて効果発動、フィールドのモンスターの効果が発動した時、またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、手札のこのカードを墓地に送って発動出来る。フィールドのそのカードを破壊する』

「何を無駄な事を――」

 

 《幽鬼うさぎ》の弱点だが、破壊しても効果は止められない。そもそも《妖精伝姫-シラユキ》を破壊しても意味無いような――。

 

『チェーンして罠カード『無限泡影』発動、相手フィールドの表側表示モンスター1体、《妖精伝姫-シラユキ》を対象として発動出来る。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする』

「んな!?」

 

 何気なく伏せられていたの、『無限泡影』だったのかよ!

 

「えーと、『無限泡影』の効果で《妖精伝姫-シラユキ》の効果がターン終了時まで無効化され、《幽鬼うさぎ》で更に破壊されて墓地に送られると」

 

 びっくりしたが、うん、特に意味の無い足掻きか。

 

『カードを2枚セット、バトルフェイズ、攻撃力800の《アチチ@イグニスター》でダイレクトアタック』

「LPで受ける。残りLP2900」

 

 此処に来て、互いにリソースが尽きたと見える。《ラーの翼神竜-球体形》と2体でリンク召喚出来るモンスター、入ってなかったようだね。EXデッキ5枚だし、枯渇しきったのだろう。

 

『メインフェイズ2、ターンエンド』

「エンドフェイズ時、墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、《エルシャドール・アプカローネ》《シャドール・ドラゴン》《エルシャドール・ミドラーシュ》2枚《増殖するG》《シャドール・ヘッジホッグ》《エルシャドール・シェキナーガ》の7枚を除外し、《妖精伝姫-シラユキ》を攻撃表示で特殊召喚する」

 

 墓地を全部除外しきって最後のフィニッシャー《妖精伝姫-シラユキ》を特殊召喚する。

 墓地0枚で除外ゾーン55枚とか、二度と見ない数字だぞ?

 

「更に《ラーの翼神竜-球体形》は私のフィールドに帰還する」

 

 さて、もう展開するまでもない。あの伏せたカードが『ミラーフォース』のような攻撃反応型の罠だったとしてもフィールドと手札除外で再び《妖精伝姫-シラユキ》を蘇生出来るしね!

 

「私のターン、ドロー。バトル、攻撃力1850の《妖精伝姫-シラユキ》で攻撃力800の《アチチ@イグニスター》を攻撃! トドメじゃー!」

 

 最後の一撃は甘くせつない。『ダイヤモンド5』に突入してからの最初のデュエル、全身全霊を尽くして勝利をもぎ取り、その日は精魂共に燃え尽きて力尽きたのだった。

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『@イグニスター』

 先攻取った方の勝ちであり、最後までやるまでもなく初動で決着がつく。
 故に本編のように泥試合になるのは非常に稀である。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

24vs『召喚シャドール』

 本日の最強カード

 《エルシャドール・ミドラーシュ》
 融合・効果モンスター
 星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800
 「シャドール」モンスター+闇属性モンスター
 このカードは融合召喚でのみEXデッキから特殊召喚できる。
 (1):フィールドのこのカードは相手の効果では破壊されない。
 (2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
 その間はお互いに1ターンに1度しかモンスターを特殊召喚できない。
 (3):このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
 そのカードを手札に加える。

 皆(『シャドール』使い限定)大好き『シャドール』が誇る制圧モンスター。
 か弱いので全力で守護らなければならない……ッッ!
 効果による破壊耐性を持っているが、相手の効果限定なので『ブラックホール』だと一緒に破壊しちゃうよ?(1敗)

 最近の環境は墓地送り、除外、リリースとか、除去方法が酷いので横に制圧モンスター並べておいてヘイトをそらしておくと生き残れる可能性高まるかも?


 

 

 ――先月のランクマッチと比べて、遥かに楽に感じるのは、やっぱりフルパワーの『ドライトロン宣告者』が消え去ったからであろう。

 

 というか、その頃は切断対策がされてなかったので、必ずと言って良いほど先攻の『ドライトロン宣告者』だったから苦戦したに過ぎず、《サイバー・エンジェル-弁天-》が制限に規制された後は数えるほどしか遭遇していない。

 ……此方が先攻取って《エルシャドール・ミドラーシュ》を立てたら即サレンダーした中に含まれていたかもしれないので、まぁもう忘れて良い存在だろう。

 

 今期の脅威は『相剣天威』、『電脳堺』、『エルドリッチ』である。……『黄金郷のコンキスタドール』が制限にされたからきついという前評判は、他の厄介極まる罠を入れれる枠となっただけで更に厄介さが増したというオチに終わった。

 

 前回と比べて数を減らしている『鉄獣』は、ほぼ全デッキに出張している《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が致命的に刺さる。先に出しておけば出てきた下級『鉄獣』モンスターの効果を使わせずに破壊出来るから対処が大分楽になったし、対『相剣』のせいで採用が多くなった『無限泡影』《エフェクト・ヴェーラー》という逆風もある。

 

 また《原始生命態ニビル》の採用も増えているように思える。対『相剣』では《フルール・ド・バロネス》を出される前に撃てるので、2枚以上投入している決闘者も多いようだ。……なお、それで止まるとは言ってない。

 

「……前回の突然の新パックから一ヶ月、もしかしたらあの2大(害悪)テーマの実装が近づいているかもなぁ。……あ、後攻か」

 

 さて、今回の相手は――。

 

『魔法カード『おろかな埋葬』発動、デッキからモンスター《シャドール・リザード》を墓地に送る。効果で墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動、デッキから『シャドール』カード、永続罠『影依の偽典』を墓地に送る』

 

 珍しい。ミラー対決か。相手のデッキ枚数は39枚、『芝刈り』型じゃない『シャドール』か。

 『おろかな埋葬』はデッキから好きな『シャドール』モンスターを墓地に送れる万能のサーチ要因なんだが、結局は制限カード、素引きしなきゃ意味の無いサーチカードという扱いなので採用を見送っている。『テラ・フォーミング』も同じ扱いだ。60枚の中に入れる枠が無い。

 

『手札から《シャドール・リザード》を通常召喚、《シャドール・リザード》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター1体、リンク1《聖魔の乙女アルテミス》』

 

 召喚権を使ってまで光属性を用意、となると、次は融合か。

 

『魔法カード『影依融合』発動、手札の《シャドール・ビースト》と光属性《聖魔の乙女アルテミス》を融合、レベル8《エルシャドール・ネフィリム》』

 

 見慣れた動き。やっぱり『シャドール』は《エルシャドール・ネフィリム》出してからが本番だよね!

 

『特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・ビースト》の効果発動。《シャドール・ビースト》の効果で1枚ドロー、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送る。《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動、デッキから《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚、ターンエンド』

 

 ……え? そのEXモンスターゾーンに出した《エルシャドール・ネフィリム》、《グラビティ・コントローラー》にして墓地送りにして『影依の偽典』回収しないの?

 

「それをしないという事は、そもそもEXデッキに入ってない? となると、『超融合』用に《スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴン》、『ハリセレーネアクセス』が入ってるのかな?」

 

 

 『召喚シャドール』

 LP8000

 手札2枚

 EXモンスターゾーン

 《エルシャドール・ネフィリム》星8/光属性/天使族/攻2800/守2500

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター(《シャドール・ビースト》)

 魔法・罠カードゾーン

  無し

 

 

「私のターン、ドロー」

 

 ふむふむ、ならその墓地の『影依融合』『影依の偽典』、手札に回収する事は無いよ?

 

「フィールド魔法『暴走魔法陣』発動、効果処理としてデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加える」

 

 棒立ちターンエンド同然なので好き勝手に展開しよう。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動。デッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 《灰流うらら》チェック確認、《増殖するG》も多分無し。《エフェクト・ヴェーラー》も無いのだろう。

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』発動、融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを手札から墓地に送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。手札の《シャドール・リザード》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を墓地に送って融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 『召喚魔術』の便利なところは手札融合なら『召喚獣』縛りは無いという事だ。《召喚師アレイスター》がいるからと言って、必ずしも『召喚獣』を出す必要は無いのだ。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動! 《シャドール・リザード》の効果でデッキから永続罠『影依の偽典』を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果で《影依の巫女 エリアル》を墓地に送って効果発動、相手の墓地の『影依融合』『影依の偽典』《影霊の翼 ウェンディ》を除外する」

 

 『シャドール』ミラーは後攻有利たる所以は、後出しで相手の墓地リソースを削られるからだ。

 自分のターンの内に『影依の偽典』回収しなかったんだから、自業自得よな。

 

「バトル、《エルシャドール・ネフィリム》で裏側守備表示のモンスターを攻撃、特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、そのモンスターを破壊する」

『破壊されて墓地に送られた《シャドール・ビースト》の効果発動、デッキから1枚ドローする』

 

 《シャドール・ビースト》のリバース効果を発動させてしまった場合、2枚ドローの上に1枚効果で墓地に送れるという3アドを稼がせてしまうので、《エルシャドール・ネフィリム》で効果破壊して1枚ドローという1アドに留める。

 

「メイン2、《エルシャドール・ネフィリム》と《召喚師アレイスター》2体でリンク召喚、召喚条件は効果モンスター2体、リンク2《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》」

 

 相手の《エルシャドール・ネフィリム》? 勿論処理するとも。『シャドール』融合モンスターを処理する時は墓地に『シャドール』魔法・罠カードが無い時が一番効率的だ。後続を出せなくなるからね……何だか、自分自身の弱点を告白しているような気分だなぁ。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地の永続罠『影依の偽典』を手札に加える」

 

 リンク召喚で自主的に墓地に送れるのに、それをやらずにセルフ融合フェス縛りしている相手とは違うのだよ。

 

「《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の効果発動、2000LPを払い、『フュージョン・デステニー』を墓地に送って発動! 手札から《D-HERO ディバインガイ》、デッキから《D-HERO ダッシュガイ》を墓地に送って融合! レベル8《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を守備表示で特殊召喚!」

 

 君達はずっと友達だよ! ――どれか、多分《アナコンダ》が禁止にされるまでの仲、だけど。

 

「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動、自分フィールドの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を破壊し、相手フィールドの《エルシャドール・ネフィリム》を破壊する――相手の墓地に回収出来る『シャドール』魔法・罠カードが無い為、墓地に送られた際の効果は発動出来ない」

 

 棒立ちの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を放置するのは危険なので、ついでに破壊しておく。

 どうせ次のターンに復活するんだから《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を破壊した方が良い?

 いやいや、コイツが最も隙を晒すのは墓地にいる時だ。相手の『墓穴の指名者』を使わせる仕事もあるが、もう一仕事させる為にフィールドに残すプレイングを敢えて取る。

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP6000

 手札2枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 《D-HERO デストロイフェニックスガイ》星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(『影依の偽典』)

 フィールド魔法『暴走魔法陣』

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 相手の手札は4枚、さて、何をしてくるやら。

 

『フィールド魔法『暴走魔法陣』発動』

「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動、自身と相手フィールドの『暴走魔法陣』を破壊する。効果処理中にフィールドから離れてしまっては《召喚師アレイスター》のサーチは行えない」

 

 ふむふむ、ほぼほぼミラー戦確定か。なら手の内は全部透けているようなものだ。

 

「効果で破壊された《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動」

『速攻魔法『墓穴の指名者』発動、相手の墓地の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を除外する。次のターン終了時まで。この効果で除外したモンスターの効果は無効化される』

 

 『暴走魔法陣』を破壊して《召喚師アレイスター》をサーチさせず、『墓穴の指名者』を使わせたのなら良い仕事をしただろう。特にチェーンする事無く除外される。

 

『《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動』

 

 最初から手札に握っていたか。相手の手札は残り1枚だし――『召喚魔術』で融合させないよ?

 ミラー対決と解った時点で、自分の場からEXデッキから特殊召喚したモンスターをどけるギミックぐらい用意しているさ! これはそのちょっとした応用だ。

 

「チェーンして永続罠『影依の偽典』発動! さらにチェーンして墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動! 墓地の『フュージョン・デステニー』《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》《D-HERO ディバインガイ》《D-HERO ダッシュガイ》《召喚師アレイスター》《シャドール・リザード》、フィールドの『暴走魔法陣』の7枚を除外して《妖精伝姫-シラユキ》を特殊召喚」

 

 『召喚獣』融合モンスターを出す為の素材は《召喚師アレイスター》と+『α』、それに該当するのは炎属性・光属性・融合モンスターだ。

 

「永続罠『影依の偽典』の効果で墓地から《影依の巫女 エリアル》と光属性《エルシャドール・ネフィリム》を除外して融合召喚! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

『《召喚師アレイスター》の効果でデッキから『召喚魔術』を手札に加える』

 

 炎属性モンスターはお互いの墓地に最初から無い。光属性と融合モンスターは今の一連の動きで此方の墓地から完全に消え去った。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、特殊召喚された《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動! 《妖精伝姫-シラユキ》の効果で相手の場の《召喚師アレイスター》を裏側守備表示に変更し、《エルシャドール・ネフィリム》の効果でデッキから《影依の巫女 エリアル》を墓地に送って効果発動、相手の墓地の《聖魔の乙女アルテミス》《エルシャドール・ネフィリム》《シャドール・ビースト》を除外する」

 

 無いとは思うが、《召喚師アレイスター》をついでに裏側守備表示にする事で1体でのリンク召喚を出来なくする。

 これで相手の墓地からも光属性・融合モンスターが完全に消え去る。この状態で『召喚魔術』で融合出来るもんなら大したもんだ。

 

『……私はこれでターンエンド』

「私のターン、ドロー」

 

 思い通りにデュエルを進められるのは気持ち良いねぇ。相手からしたらたまったもんじゃないと思うけど。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 とは言え、此方の墓地の『シャドール』モンスターも《影依の巫女 エリアル》だけになってしまっているので、相当な痛手なんだけどね!

 

「《シャドール・ファルコン》を通常召喚――レベル2のチューナーモンスター《シャドール・ファルコン》にレベル8の《エルシャドール・ネフィリム》をチューニング! シンクロ召喚、レベル10《フルール・ド・バロネス》」

 

 なお、墓地に『シャドール』魔法・罠カードが無いので、《エルシャドール・ネフィリム》の墓地送りされた際の回収効果を使えない。非常に勿体無いね!

 

「《妖精伝姫-シラユキ》を攻撃表示に変更し、《フルール・ド・バロネス》の効果発動、相手フィールドの裏側守備表示の《召喚師アレイスター》を破壊する」

 

 ちなみに《召喚師アレイスター》の『召喚魔術』サーチ効果、特殊召喚には対応してない癖にリバース時には対応していたりする。

 これが今回、《召喚師アレイスター》を出さずに《シャドール・ファルコン》を通常召喚して《フルール・ド・バロネス》を出した最大の理由だね。

 

「バトル、攻撃力3000の《フルール・ド・バロネス》と攻撃力1850の《妖精伝姫-シラユキ》でダイレクトアタック、残りLP3150」

 

 さて、あと出来る事は『影依の偽典』で『シャドール』融合モンスターを出す事ぐらいだが、墓地の『シャドール』モンスターは《エルシャドール・ネフィリム》《シャドール・ファルコン》《影依の巫女 エリアル》、何でも出せるが、無理に出して墓地リソースを減らす必要はあるまい。

 

「私はこれでターンエンド」

 

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP6000

 手札3枚(《召喚師アレイスター》)

 EXモンスターゾーン

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 メインモンスターゾーン

 《妖精伝姫-シラユキ》星4/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000

 魔法・罠カードゾーン

  永続罠『影依の偽典』

 

 

『私のターン、ドロー』

 

 さぁ、ラストターンだ。何をしてくるかな!

 

『魔法カード『召喚魔術』発動』

「《フルール・ド・バロネス》の効果発動、このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動出来る。その発動を無効にして破壊する」

 

 通る訳無いだろう。これで《召喚師アレイスター》を除外しない限り『召喚魔術』の墓地効果を使えまい。

 

『モンスターを裏側守備表示でセット――』

「メインフェイズ終了前、永続罠『影依の偽典』の効果発動、墓地の《シャドール・ファルコン》と異なる属性の《影依の巫女 エリアル》を除外し、融合召喚。レベル6《エルシャドール・アプカローネ》」

 

 終わりのようだね。おそらく伏せたカードは『シャドール』モンスター。

 リバース効果が厄介なのは破壊効果持ちの《シャドール・リザード》とバウンス効果持ちの《シャドール・ドラゴン》、蘇生効果持ちの《シャドール・ファルコン》も厄介だし、《影霊の翼 ウェンディ》だったら好きな『シャドール』モンスターを裏側守備表示で呼んでこれる。

 ……よくよく考えて、厄介じゃないリバース効果は皆無だね!

 

『ターンエンド』

「私のターン、ドロー。スタンバイフェイズ、《フルール・ド・バロネス》の効果発動、自分の墓地のレベル9以下のモンスター1体《エルシャドール・ネフィリム》を対象に発動、《フルール・ド・バロネス》をEXデッキに戻し、《エルシャドール・ネフィリム》を特殊召喚する」

 

 まぁそのカードが何であれ、もう関係無いんだけどね! 万能無効効果を使い切った《フルール・ド・バロネス》を戻して《エルシャドール・ネフィリム》に戻す。

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、デッキから《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送って効果発動、デッキから《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 『シャドール』は融合してなんぼ、その循環を止められたら何も出来ないよね。

 

「《エルシャドール・アプカローネ》をリリースしてモンスターを裏側守備表示でセット、墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、デッキから『神の写し身との接触』を手札に加え、その後、手札から『フュージョン・デステニー』を墓地に捨てる」

 

 これで準備は整った。さぁ結果の決まり切った最終局面だ。

 

「――バトル、攻撃力1850の《妖精伝姫-シラユキ》で裏側守備表示のモンスターを攻撃」

『守備力1000の《影霊の翼 ウェンディ》は戦闘破壊されるが――リバース効果発動、デッキから《影霊の巫女 エリアル》を裏側守備表示で特殊召喚する』

 

 ふむふむ、《影依の巫女 エリアル》だったか。後続に《影依の巫女 エリアル》?

 ……あ、舐めプしすぎていた。これ、《シャドール・ファルコン》持ってこられていたら殺せなかったじゃん。危ない危ない。

 ダイレクトアタック出来なくなる制約がつくとは言え、『影依の偽典』の出し惜しみはやめておくべきだね。メインフェイズ中にしか発動出来ないし。

 

「《エルシャドール・ネフィリム》で裏側守備表示の《影依の巫女 エリアル》を攻撃、特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に効果発動、そのモンスターを破壊する」

『効果で墓地に送られた《影依の巫女 エリアル》の効果発動、自分の墓地の《召喚師アレイスター》と相手の墓地の《エルシャドール・アプカローネ》《影霊の翼 ウェンディ》を除外する』

 

 此方の墓地の『シャドール』モンスターが全て除外され、尚且つ自分の《召喚師アレイスター》が除外した事で『召喚獣』融合ギミックを使って展開する事が出来る。

 実に見事だと言いたい処だが――。

 

「――残念、次のターンなどない。速攻魔法『神の写し身との接触』発動、フィールドの裏側守備表示の《シャドール・ビースト》と《シャドール・ファルコン》を融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 デッキから手札に加えた『神の写し身との接触』を忘れたとは言わせないよ?

 いやはや、まだLPが3150残っているから生き残れると思っちゃったのかな? というか、忘れてない? 私の手札には今回のデュエルで最初以外使わずに温存しているモンスターがいる事を。

 

「墓地に送られた《シャドール・ファルコン》の効果発動、《シャドール・ビースト》の効果発動、《シャドール・ビースト》の効果でデッキから1枚ドロー、《シャドール・ファルコン》の効果で墓地の《シャドール・ファルコン》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 此処で引いたカードは――3枚目の《召喚師アレイスター》か。時々思うんだけど、我がデッキ、殺意半端無いよね?

 

「攻撃力2200の《エルシャドール・ミドラーシュ》でダイレクトアタック――手札から《召喚師アレイスター》を墓地に送って効果発動、《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃力・守備力を1000アップさせる」

 

 まぁ最初から見えている情報だけで、確定で死ぬ状況なのに《影依の巫女 エリアル》を裏側守備表示で特殊召喚したのは完全なプレミだ。

 

「ついでにもう1枚《召喚師アレイスター》の効果発動! 更に1枚発動! 攻撃力5200となった《エルシャドール・ミドラーシュ》でダイレクトアタックー!」

 

 何はともあれ、最大火力となった《エルシャドール・ミドラーシュ》でオーバーキルし、デュエル終了。《ミドラーシュ》で引導を渡されるのなら『シャドール』使いとして満足でしょ。




 今月は6月5日の時点で『ダイヤモンド1』に到達。
 ……なお、『ダイヤモンド1』での最初の相手は愉快な自害集団の『イグナイト』ワンキルbot。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

25vs『EM魔術師』

 本日の最強カード

 《原始生命態ニビル》
 効果モンスター
 星11/光属性/岩石族/攻3000/守 600
 このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):相手が5体以上のモンスターを召喚・特殊召喚したターンのメインフェイズに発動できる。
 自分・相手フィールドの表側表示モンスターを可能な限りリリースし、このカードを手札から特殊召喚する。
 その後、相手フィールドに「原始生命態トークン」(岩石族・光・星11・攻/守?)1体を特殊召喚する。
 このトークンの攻撃力・守備力は、この効果でリリースしたモンスターの元々の攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値になる。
 この効果は相手ターンでも発動できる。

 5回以内にモンスター効果無効持ちを出す『ニビルケア』を生み出すほどには環境に影響を与えているカード。
 無効持ちを出される前に隕石降らせて絶滅させても、大量展開されるのが現代遊戯王の定め。
 これを使ってなおワンキルされるなら、潔く相手を褒めるべきだろう。


 

「パック名が『ブレイブリー・ウィングス』なのに『勇者』と『ふわんだりぃず』が紹介されてない……?」

 

 6月10日に予想通り、新パックが追加されるのだが――どういう事だ? これは高度な情報戦か? 実装しないと見せかけて実装しないとか、普通に入っているとか、どっちなんだ……?

 

「……来たら確実に環境が荒れる事は確定だし、個人的に来なくて良いけど」

 

 この2テーマを出さないで、先に『烙印融合』と『捕食植物』新規を実装しない? 現実のOCG版の方と同じ過ちなんて繰り返す必要、無くね?

 先に『ティアラメンツ』の先行実装でも大歓迎だよ! などと馬鹿話をしている間に、珍しく先攻。……ただし、微妙な手札だ。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 『影依融合』あるけど『シャドール』モンスターが手札に無いのが残念な限り。

 ……あれ、《召喚師アレイスター》の効果、普通に通るんだ。最近は《灰流うらら》や《エフェクト・ヴェーラー》、『無限泡影』がほぼ確実に飛んでくるから『召喚獣』ギミックからスタートだとまず挫かれるんだよなぁ。

 ……チッ、今回に限っては手札誘発で妨害して欲しかった。

 

「《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター1体、リンク1《聖魔の乙女アルテミス》」

 

 今回は最低限の事しか出来ない始末。こりゃ後攻に殺されたな。

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』発動、墓地の《召喚師アレイスター》とフィールドの光属性《聖魔の乙女アルテミス》を除外して融合、レベル9《召喚獣メルカバー》を守備表示で融合召喚」

 

 最低限の消費で最低限の妨害を立てるぐらいしか出来ない。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す。私はこれでターンエンド」

『私のターン、ドロー』

 

 手札は5枚、2妨害、状況次第で3妨害だが、さて、どうなる?

 

『手札からスケール2の《EMペンデュラム・マジシャン》をペンデュラムゾーンに発動。更に魔法カード『デュエリスト・アドベント』発動、自分または相手のペンデュラムゾーンにカードが存在する場合、デッキから『ペンデュラム』ペンデュラムモンスター1体、または『ペンデュラム』魔法・罠カード1枚を手札に加える。デッキから《竜剣士ラスターP》を手札に加える』

 

 うわ、懐かしい。『EM魔術師』か。未だに絶滅していなかったんだね。

 狂乱の第9期の覇者、まごうことなき『過ち』そのものを体現した連中――これが『遊戯王ARC-V』の主人公のテーマだったとは驚きよな。

 

 遊戯王に第三の暗黒期を到来させ、アニメ由来のテーマながら環境を一色に染め上げた。

 

 その代償はペンデュラム召喚そのもののルール改変にまで及んだから、コイツ等の爪痕は未だに根深く残っていると言えよう。

 

『手札からスケール5の《竜剣士ラスターP》をペンデュラムゾーンに発動。更に《竜剣士ラスターP》のペンデュラム効果発動、1ターンに1度、もう片方の自分のペンデュラムゾーンにカードが存在する場合に発動出来る。そのカードを破壊し、そのカードと同名カード1枚をデッキから手札に加える。ペンデュラムゾーンの《EMペンデュラム・マジシャン》を破壊し、デッキから《EMペンデュラム・マジシャン》を手札に加える』

 

 ……懐かしい。ペンデュラムカード名物、破壊してサーチ&サーチ。サーチカードをサーチするな。

 

 ちなみにルール改変により、そもそも『特別枠(ペンデュラムゾーン)』自体が廃止され、魔法&罠ゾーンの両端に設置する事になる。これにより魔法&罠ゾーンを2枠消費するという永続的圧迫を受ける事となる。

 

『《EMドクロバット・ジョーカー》を通常召喚し、効果発動。このカードが召喚に成功した時、デッキから《EMドクロバット・ジョーカー》以外の『EM』モンスター、『魔術師』ペンデュラムモンスター、『オッドアイズ』モンスターの内、いずれか1体を手札に加える。――『魔術師』ペンデュラムモンスター《調弦の魔術師》を手札に加える』

 

 ペンデュラム召喚の構造上、2枚のスケールを揃えない事には始まらないからとは言え、サーチカードが余りにも多すぎる。

 結局、このペンデュラム召喚はペンデュラム召喚出来ずに産業廃棄物になるか、ぶっ壊れるかの2択しか無かった訳だ。余りにも構造的欠陥過ぎる。

 

『手札からスケール2の《EMペンデュラム・マジシャン》をペンデュラムゾーンに発動。更に永続魔法『星霜のペンデュラムグラフ』を発動、このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドの魔法使い族モンスターを相手は魔法カードの効果の対象に出来ない』

 

 ……一応デッキ組んでいたから、やってくる事は解るが――リンクショック後は手付けてないからなぁ。それにしても目新しい事は何一つしてこないようだが。

 

 

『スケール5とスケール2でペンデュラム召喚、3~4レベルのモンスターを特殊召喚可能――EXデッキからレベル4《EMペンデュラム・マジシャン》、手札からレベル4《調弦の魔術師》レベル4《覇王眷竜ダークヴルム》の3体をペンデュラム召喚する』

 

 

 リンクショックを経て、2020年4月1日から改訂された『マスタールール』になってから、融合・シンクロ・エクシーズモンスターはEXモンスターゾーンやリンクマーカーに関係無く、従来通りにメインモンスターゾーンに出せるように戻ったが、ペンデュラム召喚だけは許されなかった。

 ペンデュラム召喚だけはEXデッキから特殊召喚出来るのはEXモンスターゾーンとリンクマーカー先のみという、廃止された『新マスタールール』のまま、据え置き処置となった。……まぁ余りにも妥当過ぎる制裁だね。EXデッキから5体ペンデュラム召喚出来たのが間違いだわ。

 

『特殊召喚に成功した《EMペンデュラム・マジシャン》の効果発動、手札からペンデュラム召喚に成功した《調弦の魔術師》の効果発動、特殊召喚に成功した《覇王眷竜ダークヴルム》の効果発動』

 

 従来通りの動きが出来なくなり、ほぼあらゆるペンデュラムテーマは死滅したが、元凶だけは唯一生き残っているのは皮肉過ぎる。

 

『《覇王眷竜ダークヴルム》の効果でデッキから『覇王門』ペンデュラムモンスター1体、《覇王門零》を手札に加える。《調弦の魔術師》の効果でデッキから《調弦の魔術師》以外の『魔術師』ペンデュラムモンスター《賤竜の魔術師》を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、フィールドから離れた場合に除外される。――《EMペンデュラム・マジシャン》の効果、自分フィールドのカードを2枚、ペンデュラムゾーンの《EMペンデュラム・マジシャン》《竜剣士ラスターP》を対象に発動、そのカードを破壊し、破壊した数だけデッキから《EMペンデュラム・マジシャン》以外の『EM』モンスターを手札に加える。デッキから《EMオッドアイズ・シンクロン》《EMオッドアイズ・ディゾルヴァ―》を手札に加える』

 

 

 『EM魔術師』

 LP8000

 手札4枚(《EMオッドアイズ・シンクロン》《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》《覇王門零》)

 EXモンスターゾーン

 《EMペンデュラム・マジシャン》星4/地属性/魔法使い族/攻1500/守 800

 メインモンスターゾーン

 《覇王眷竜ダークヴルム》星4/闇属性/ドラゴン族/攻1800/守1200

 《調弦の魔術師》星4/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0

 《EMドクロバット・ジョーカー》星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 100

 《賤竜の魔術師》星6/風属性/魔法使い族/攻2100/守1400

 魔法・罠カードゾーン

  永続魔法『星霜のペンデュラムグラフ』

 

 

 さて、此処から《フルール・ド・バロネス》を出してから超アド取りリンクモンスター出して、ペンデュラムの反復横跳び野郎が出てきて融合使わない融合モンスター出てきて更に超アド取るリンクモンスターの効果になって超アド取って適当にワンキルする流れが見える。

 相変わらず頭おかしい。とりあえず、《フルール・ド・バロネス》を出される最後の瞬間なので、その前にこの手札誘発を叩きつけよう。

 

 

「相手が5体以上のモンスターを召喚・特殊召喚したターンのメインフェイズに手札から《原始生命態ニビル》の効果発動、自分・相手フィールドの表側表示モンスターを可能な限りリリースし、このカードを手札から特殊召喚する。その後、相手フィールドに『原始生命態トークン』(岩石族・光・星11・攻/守?)1体を特殊召喚する。このトークンの攻撃力・守備力は、この効果でリリースしたモンスターの元々の攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値になる。この効果は相手ターンでも発動出来る」

 

 

 自分の場の無効効果を使ってない《召喚獣メルカバー》諸共リリースだが、まぁ《召喚獣メルカバー》の効果発動のコスト払いたくないし、良いだろう。

 

「フィールドの全モンスターをリリースして《原始生命態ニビル》を攻撃表示で特殊召喚し、相手のフィールドに攻撃力9700・守備力5600の『原始生命態トークン』を守備表示で特殊召喚する」

 

 隕石を降らせて盤面を綺麗に一掃するが、まぁこの程度では止まらないだろうなぁ。

 

『表側表示の『魔術師』ペンデュラムモンスターが自分のモンスターゾーンから離れた場合、永続魔法『星霜のペンデュラムグラフ』の効果発動、デッキから『魔術師』ペンデュラムモンスター1体《黒牙の魔術師》を手札に加える』

 

 かつての全盛期と比べて見る影も無く零落しているとは言え、未だに環境級の力は残ってるんだよなぁ。

 

『手札からスケール4の《EMオッドアイズ・ディゾルヴァ―》をペンデュラムゾーンに発動、ペンデュラム効果発動、自分の手札・フィールドからドラゴン族の融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを墓地に送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。――手札から『オッドアイズ』モンスター《EMオッドアイズ・シンクロン》とペンデュラムモンスター《覇王門零》を墓地に送って融合、レベル7《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を攻撃表示で融合召喚』

 

 早速万能無効破壊の1妨害か。特殊召喚時のバウンス効果は使わないか。

 

『手札からスケール8の《黒牙の魔術師》をペンデュラムゾーンに発動、ペンデュラム効果発動、相手フィールドの表側表示モンスター《原始生命態ニビル》の攻撃力をターン終了時まで半分にする。その後、《黒牙の魔術師》を破壊する』

 

 ペンデュラム効果でペンデュラムゾーンの自身が破壊されるのは良いんだけどさ、魔法カード扱いのカードが破壊されたら、何で破壊された際に起動するモンスター効果が発動するんかね。

 

『効果で破壊された《黒牙の魔術師》の効果発動、自分の墓地の魔法使い族・闇属性モンスター1体《EMオッドアイズ・シンクロン》を特殊召喚する』

 

 手札で融合したからEXデッキじゃなく墓地に送られていたか。

 

『《EMオッドアイズ・シンクロン》の効果発動、自分のペンデュラムゾーンのカード《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》を対象として発動出来る。そのカードを効果を無効にして特殊召喚し、そのカードとこのカードのみを素材としてシンクロモンスター1体をシンクロ召喚する』

 

 げっ、そこで10シンクロ出来るのかよ。

 

『レベル2のチューナーモンスター《EMオッドアイズ・シンクロン》にレベル8の《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》をチューニング、シンクロ召喚、レベル10《フルール・ド・バロネス》』

 

 折角阻止したのに出てくるか。……まぁ万能無効効果持ちが2体で2妨害だが、残り手札1枚、《原始生命態ニビル》を打った甲斐があってワンキル阻止出来たね。

 

『《フルール・ド・バロネス》の効果発動、《原始生命態ニビル》を破壊する』

 

 攻撃力9700の『原始生命態トークン』は守備表示で特殊召喚しているので、これに殴られる心配は無いよ。……間違っても『原始生命態トークン』を攻撃表示で特殊召喚したら駄目だぞ?(1敗)

 

『バトルフェイズ、攻撃力3000の《フルール・ド・バロネス》と攻撃力2500の《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》でダイレクトアタック』

 

 5500ダメージで残りLP2500、死ななきゃ安い安い。

 

『メインフェイズ2、ターンエンド』

 

 

 『EM魔術師』

 LP8000

 手札1枚

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

 『原始生命態トークン』星11/光属性/岩石族/攻9700/守5600

 《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》星7/風属性/ドラゴン族/攻2500/守3000

 《フルール・ド・バロネス》星10/風属性/戦士族/攻3000/守2400

 魔法・罠カードゾーン

  永続魔法『星霜のペンデュラムグラフ』

 

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは《D-HERO ダッシュガイ》、舌打ちしたくなるほど無駄ドローである。

 『デスフェニ』出張パーツはメインに4枚だけでコンパクトだが、『D-HERO』モンスターは手札に来て欲しくないだけに、来る頻度が非常に多い気がする。

 

 

「……しかし《原始生命態ニビル》を使ったのに2妨害とは――見る影も無く衰えたものだなぁ。かつての全盛期なら相手ターン《外神アザトート》の構えまで再展開して完全に蓋出来ただろうに」

 

 盛者必衰の理とは虚しいものよのう。さて、捲って蓋してやろうか。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動」

『このカード以外のモンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》の効果を発動出来る。自分のEXデッキから表側表示のペンデュラムモンスター1体《調弦の魔術師》をデッキに戻し、その発動を無効にして破壊する』

 

 囮に反応して《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》の無効効果を使わせる。まぁ通ったら通ったで本命になるから、止めざるを得ないよね。これであとは《フルール・ド・バロネス》の1妨害のみ。

 

「手札から魔法カード『影依融合』発動」

『《フルール・ド・バロネス》の効果発動、このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動出来る。その発動を無効にして破壊する』

 

 まぁデッキ融合は絶対止めるよね。例え、こっちの場にモンスターがいなくても――。

 

「――自分フィールドにモンスターが存在せず、相手モンスターの効果が発動した時、手札から《PSYフレームギア・γ》の効果を発動出来る。手札のこのカードと自分のデッキの《PSYフレーム・ドライバー》1体を選んで特殊召喚し、その発動を無効にして破壊する。この効果で特殊召喚したモンスターは全てエンドフェイズに除外される」

 

 はい、これで相手の妨害は全部踏み抜いた。あとは蹂躙の時間だ。

 

「《フルール・ド・バロネス》の効果は無効となって破壊され、『影依融合』のデッキ融合が通る! デッキから《シャドール・リザード》と光属性《妖精伝姫-シラユキ》を墓地に送って融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 あの頃とは違って、こっちには《エルシャドール・ネフィリム》が無制限に戻ってきてるんだよなぁ! 時代の流れとは残酷だねぇ!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動! 《シャドール・リザード》の効果でデッキから《シャドール・ドラゴン》を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果で《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送る」

 

 そして『シャドール』は全部無制限になって更には優秀な新規カードを得て飛躍し――対する『EM魔術師』はろくな新規カードを貰えず、未だに数多くの主力カードが制限・準制限となっている。

 まぁかつてのように環境で暴れられても困るし、運営側も慎重になるよなぁ。

 

「墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果発動、《シャドール・ドラゴン》の効果発動――《シャドール・ドラゴン》の効果で相手フィールドの永続魔法『星霜のペンデュラムグラフ』を破壊する。《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚する」

 

 ストラク産の《影霊の翼 ウェンディ》が無かった時はどう動いていたか、最早思い出せないレベルだよ。これのお陰で展開力が増したし、更に柔軟に動けるようになったなー。

 

「バトル、攻撃力2800の《エルシャドール・ネフィリム》で守備力5600の『原始生命態トークン』を攻撃、ダメージステップ開始時に《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、特殊召喚されたモンスターである『原始生命態トークン』を破壊する」

 

 特殊召喚されたモンスターを絶対殺すマン、相手の攻撃力・守備力が幾ら高かろうが無駄無駄よ!

 

「攻撃力2500の《PSYフレーム・ドライバー》で攻撃力2500の《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を攻撃、相討ちで両方とも戦闘破壊される」

 

 どうせターン終了時までフィールドにいたら除外されるので、此処で戦闘破壊されたら墓地行きになるので2度お得である。

 

「攻撃力1000の《PSYフレームギア・γ》でダイレクトアタック、1000ダメージ」

 

 ついでにLP1000削っておく。些細なダメージだが、まぁ関係無いよね。此処から何も出来なくなるんだから。

 

「メイン2、レベル2のチューナーモンスター《PSYフレームギア・γ》にレベル8の《エルシャドール・ネフィリム》をチューニング、シンクロ召喚、レベル10《フルール・ド・バロネス》!」

 

 そっちも使ってきたんだから、こっちが使っても文句は言うまい?

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》の効果で墓地の『影依融合』を手札に加える」

 

 次のターン以降での展開札を墓地から回収し――。

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

 伏せたカードは当然、永続罠『影依の偽典』だ。最初のターンから素引きしていたのだ。

 これで相手ターン《ミドラーシュ》、スケールを揃えてペンデュラム召喚しそうになったら相手ターン《エルシャドール・ネフィリム》で《シャドール・ドラゴン》落として破壊出来る。

 

 《フルール・ド・バロネス》の万能無効効果、永続罠『影依の偽典』による相手ターン『シャドール』融合召喚、更には墓地に《妖精伝姫-シラユキ》が眠っているよ!

 

『私のターン、ドロー』

 

 相手はドローして手札2枚となり――まぁ何引いても無駄だろう。『EM魔術師』に1枚初動無いし、魔法カード『ペンデュラム・コール』をシャイニングドローしたとしても《フルール・ド・バロネス》で無効にするだけだしね。

 相手は即座にサレンダー、対戦ありがとうございました。

 

 

 

 

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『EM魔術師』

 普通にきつい。《ミドラーシュ》の特殊召喚1回縛りもペンデュラム召喚で簡単に乗り越えてくる。
 今回は出てこなかったペンデュラムモンスター2体で出てくるあのリンクモンスターのアド取りは許されて良い性能ではない。
 しかも即座に覇王眷竜スターヴで同じアド取りを行えるとか、正気の沙汰じゃない。
 LINK VRAINS PACK出身のぶっ壊れリンク、そろそろ禁止で良いんじゃないだろうか? ねぇ、ハリファイバー君?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

26vs『ヌメロン』(2)

「――わぁお、《水晶機巧-ハリファイバー》《餅カエル》『虚無空間』が禁止かぁ。『マスターデュエル』でも早く禁止になれば良いのに」

 

 その日、遊戯王OCGでの2022/7/1制限改正が発表され、結構大胆な規制が行われた。

 《餅カエル》は現環境での環境デッキ『スプライト』への規制、『虚無空間』は直接サーチが可能になった事が影響しているだろうか。

 そして登場した当初からぶっ壊れリンクモンスターとして活躍し続けた《水晶機巧-ハリファイバー》の禁止は、多くの決闘者に「今までありがとう、眠るが良い」と惜しまれつつも晴れやかに見送られたのだった。

 

「というか、あの『魔導書の神判』制限復帰って良いの? 絶対悪さするだろうに」

 

 たった1枚で中堅デッキを2強環境のトップに押し上げた禁断のカード、『魔導書の神判』の制限復帰は多くの決闘者を二重の意味で驚かせた。……主に、復帰して良いカードなのかと、更には現環境が『魔導書の神判』を使っても許されるほどインフレしている事を暗に告げているのだと。

 

「……まぁぶっちゃけ現環境で『征竜』全復帰しても大した事無いだろうしなぁ」

 

 と、思ったが、《水晶機巧-ハリファイバー》亡き後にランク7エクシーズして《No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホーク》からの《幻獣機アウローラドン》やれるから、こっちは帰ってくる事は無いな。

 

「出張パーツに『魔導書』追加してドロー加速しながら《昇霊術師 ジョウゲン》……魔法カード主体のデッキなら色々悪さ出来るな?」

 

 今回の規制で全く影響の無いトップ、更には新規ぶっ壊れカードも約束されている『イシズティアラメンツ(シャドール)』に対してどれほど食い下がれるか、非常に興味深い処である。

 

 ……まぁ『マスターデュエル』の方で来るのは相当先だろうし、こっちの制限改定がどうなるかなんて未知数だけどね!

 

「……あ、コイントス裏。しかし、先攻を渡された? 『ヌメロン』か『サイバー・ドラゴン』かな?」

 

 初期手札は《召喚師アレイスター》『超融合』『神の写し身との接触』『禁じられた一滴』『影光の聖選士』……『シャドール』モンスターが1体でもいれば完璧だったなぁ。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加える」

『チェーンして手札から《増殖するG》を捨てて効果発動』

 

 む、一番嫌なタイミングで《増殖するG》を使われたか。

 これで『墓穴の指名者』《灰流うらら》を握ってない事も判明してしまうので情報戦の観点から見ても相当な痛手である。

 此処から《聖魔の乙女アルテミス》《召喚獣メルカバー》で2ドローさせるのはどう考えても割に合わない。かと言って、《召喚師アレイスター》棒立ち状態でターンを渡せば間違いなく死ぬだろう。

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

 伏せたカードは速攻魔法『超融合』、相手が光属性のモンスターを出してくれれば相手ターンに《召喚獣メルカバー》を出す事が出来る。

 『禁じられた一滴』を伏せなかったのは『ハーピィの羽根箒』で一掃されたら立て直し出来なくなるからだ。……出し惜しんで死ぬケースもあるから、ケースバイケースだが。

 

『私のターン、ドロー』

 

 さて、相手のデッキは何かねー?

 

『フィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』発動』

 

 やっぱり『ヌメロン』か。良かった良かった、このターンでワンキルされる事は無いようだ。

 最近はめっきり数を減らして稀にしか出遭わなくなったなぁ。相手ターンに破壊効果撒き散らせる《D-HERO デストロイフェニックスガイ》のせいで『ヌメロン・ネットワーク』を割られる事が多いから減少したのかな?

 

『――『ヌメロン・ネットワーク』の効果発動、発動条件を満たしている『ヌメロン・ダイレクト』をデッキから墓地に送り、その効果を発動。EXデッキから『ゲート・オブ・ヌメロン』エクシーズモンスターを4体まで特殊召喚する。――《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》《No.2 ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》《No.4 ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》』

 

 この4体同時召喚からのワンキルの流れもワンパターンというか、これが通らなければ負けという、潔いデッキよね。

 

「――速攻魔法『超融合』発動、手札の『影光の聖選士』を墓地に捨てて、《召喚師アレイスター》と相手の場の光属性《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》を融合! レベル9《召喚獣メルカバー》を守備表示で融合召喚!」

 

 当然、素材にするのは《No.1》である。重ねてエクシーズ出来るのは《No.1》だけだしね。

 さて、これで2回まで攻撃受けれて攻撃力4000のダイレクトアタック食らうだけで次のターン迎えられるな。

 

『《No.2 ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》《No.4 ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》の3体でリンク召喚、召喚条件はエクシーズモンスター3体、リンク3《無限起動要塞メガトンゲイル》』

 

 ……ああ、なるほど。こっちの手札にモンスターカードがある前提で、先にそっちを出したか。

 確かに1回無効にすれば《召喚獣メルカバー》を戦闘破壊すら出来ないからね。手札にモンスターカード無いけど。

 

『バトルフェイズ、攻撃力4000の《無限起動要塞メガトンゲイル》で守備力2100の《召喚獣メルカバー》を攻撃』

「戦闘破壊されるよー」

『私はこのままターンエンド』

 

 ふむ、『リミッター解除』無し、バック破壊出来るカードも無し、伏せられるカードも無し。どうやら相当事故っているな?

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは2枚目の『禁じられた一滴』……事故っているのは此方も同じだなぁ。

 

「手札から『召喚魔術』発動、墓地の《召喚師アレイスター》と融合モンスター《召喚獣メルカバー》を除外して融合! レベル8《召喚獣アウゴエイデス》」

 

 さて、何故『召喚魔術』がある時にチェーンして『禁じられた一滴』を使わなかったのか。単なる使い忘れのプレミではなく、手札のとあるカードを墓地に送りたかったからだ。

 

「特殊召喚に成功した《召喚獣アウゴエイデス》の効果発動、相手フィールドのモンスター《無限起動要塞メガトンゲイル》を破壊する。ただし、エクシーズモンスター以外のモンスター効果を受けない耐性があるから、このままで破壊出来ないので――チェーンして速攻魔法『禁じられた一滴』発動、手札の『神の写し身との接触』を墓地に送り、《無限起動要塞メガトンゲイル》の攻撃力を半分にして効果を無効にする」

 

 《無限起動要塞メガトンゲイル》の耐性は結構厄介だが、魔法カードに関しては何の耐性も無いのである。

 効果が無効になり、前回苦戦した《無限起動要塞メガトンゲイル》はあっさりと効果破壊される。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 このターン、まだ通常召喚を行っていないが――《召喚師アレイスター》は敢えて出さない。

 

「バトル、攻撃力2000の《召喚獣アウゴエイデス》でダイレクトアタック。2000ダメージ」

 

 ぶっちゃけ出しても意味が無いというか、現状、融合出来るモンスターいないんだよね。炎属性も無いし。

 それに、次のターン、また『ヌメロン』エクシーズモンスター4体来るしねー。

 

「メイン2、カードを1枚セットしてターンエンド」

 

 一応、《召喚師アレイスター》を出して、リンク2から《アナコンダ》出して《デスフェニ》ルートもあるが――『ヌメロン』相手にLPを削るのは結構危険だ。

 

『私のターン、ドロー』

 

 さて、どう攻めてくるかなー?

 

『手札から魔法カード『ヌメロン・ダイレクト』を発動。自分フィールドに『ヌメロン・ネットワーク』が存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動出来る。EXデッキから《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》《No.2 ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》《No.4 ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》を特殊召喚する』

 

 『ヌメロン・ダイレクト』を素引きとか、相当事故っているなぁ。同情はするけど容赦はしない。

 

「相手フィールドにモンスターが特殊召喚された場合、《召喚獣アウゴエイデス》の効果発動、《No.1 ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》を破壊する」

 

 さっくり破壊、これで『リミッター解除』が無い限り、相手は此方の《召喚獣アウゴエイデス》を確定で突破出来なくなった。

 

『バトルフェイズ、攻撃力1000の《No.2 ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》で攻撃力2000の《召喚獣アウゴエイデス》を攻撃』

 

 本来は戦闘耐性があるので戦闘破壊されず、『ヌメロン』モンスターの攻撃力を倍にする効果を発動出来るが――。

 

「速攻魔法『禁じられた一滴』発動、手札の《召喚師アレイスター》を墓地に送り、《No.2 ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》の攻撃力を半分にし、効果を無効にする――よって攻撃力500となり、返り討ちにして戦闘破壊する」

 

 1500ダメージで相手のLPは4500、攻撃力を倍にする効果が1回使えなくなったので相手の計算が狂った事だろう。

 

『攻撃力1000の《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》で攻撃力2000の《召喚獣アウゴエイデス》を攻撃』

「迎え撃って1000ダメージ」

『《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》は戦闘では破壊されない。ダメージステップ終了時に効果発動、自分フィールドの全ての『ヌメロン』モンスターの攻撃力はターン終了時まで倍になる』

 

 相手の残りLP3500、結構削られているねぇ。

 

『攻撃力2000となった《No.4 ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》で攻撃力2000の《召喚獣アウゴエイデス》を攻撃』

「――これで一方的に此方を戦闘破壊すると言いたいんだろうけど、『超融合』のコストで墓地に送ったカードと1枚目の『禁じられた一滴』で墓地に送ったカードを確かめておくべきだったね」

 

 『超融合』で墓地に送ったカードは『影光の聖選士』、1枚目の『禁じられた一滴』で敢えて墓地に送ったカードは『神の写し身との接触』だ。

 

「墓地の『影光の聖選士』の効果発動、墓地のこのカードと『シャドール』カード1枚、『神の写し身との接触』を除外し、自分フィールドの表側表示モンスター《召喚獣アウゴエイデス》を裏側守備表示にする」

 

 やっぱり『影光の聖選士』には無限の可能性を感じる。

 《召喚獣アウゴエイデス》の攻撃力は2000だけど、守備力は2800なんだよねぇ!

 

『……反射ダメージ800で残りLP2700、ターンエンド。エンドフェイズ、『ヌメロン・ダイレクト』の効果で特殊召喚された《No.3 ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》《No.4 ゲート・オブ・ヌメロン-チャトゥヴァーリ》は除外される』

「私のターン、ドロー」

 

 そして私の引いたカードは――。

 

 

「魔法カード『隣の芝刈り』発動、私のデッキは53枚、そっちのデッキは33枚だから20枚墓地に――」

 

 

 此処で相手サレンダー。割りと事故っていたが、上手く切り抜けられたデュエルだったね。対戦ありがとうございました。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

27vs『鉄獣戦線』

 ――デュエル、デュエルデュエルデュエル!

 

 『ダイヤモンド1』に到達しても終わりじゃない。

 まだ見ぬ強敵を求め、まだ至れぬ満足を求めてひたすらランクマッチに潜り続ける。

 

 16日に始まるリミットワン祭り、地味に楽しみだ。流石に芝刈り型は無理なので『召喚シャドールデスピア』で行こうと思うよ!

 

「また後攻かぁ……」

 

 初期手札は《増殖するG》、《シャドール・リザード》、《D-HERO ダッシュガイ》、『墓穴の指名者』、『影依の偽典』……事故っている。完全に事故っているなぁ。

 

「次のターン来ても融合出来ないし、《増殖するG》が通らなければ即サレンダーだな……」

 

 おまけに後攻、半分以上死んだなと思いながら相手の展開を眺めていこう。

 

『永続魔法『炎舞-天キ』発動、このカードの効果処理として、デッキからレベル4以下の獣戦士族モンスター1体、《鉄獣戦線 フラクトール》を手札に加える』

 

 相手は『鉄獣戦線』か。死んだな!

 

『手札から《鉄獣戦線 フラクトール》を墓地に送って効果発動、デッキからレベル3以下の獣族モンスター、レベル2《鉄獣戦線 キット》を墓地に送る。墓地に送られた《鉄獣戦線 キット》の効果発動、デッキからこのカード以外の『トライブリゲード』カード、《鉄獣戦線 ナーベル》を墓地に送って効果発動、デッキからこのカード以外の『トライブリゲード』モンスター1体、《鉄獣戦線 フラクトール》を手札に加える』

 

 あれ、既に効果を使った《鉄獣戦線 フラクトール》?

 

「……サーチするの、《鉄獣戦線 ケラス》じゃない? 既に手札に握っている? または他に獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを握ってない?」

 

 敵対者側の視点しかないから、展開については何とも言えないが、何だろう?

 

『《レスキューキャット》を通常召喚、効果発動、フィールドのこのカードを墓地に送り、デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚んされたモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに破壊される』

「手札から《増殖するG》を捨てて効果発動」

 

 ……お、《増殖するG》の効果通った。これで打開札引ければ良いのだが。

 

『デッキから《鉄獣戦線 キット》を2体特殊召喚する』

「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」

 

 引いたカードは『禁じられた一滴』か。捲り札じゃなくて展開札が欲しいなぁ。

 

『《鉄獣戦線 キット》2体でリンク召喚、召喚条件は『トライブリゲード』モンスター2体、リンク2《鉄獣戦線 塊撃のベアブルム》』

「《増殖するG》の効果で1枚ドロー」

 

 引いたカードは《灰流うらら》、違う、そうじゃない。

 

『私はこれでターンエンド』

 

 おや、中途半端に棒立ちエンドしてくれたか。これはドロー次第でワンチャンあるかな?

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは2枚目の『禁じられた一滴』……馬鹿な、これでどう戦えば良いんだ!?

 

「……と、とりあえず……《シャドール・リザード》を通常召喚してバトル、攻撃力1800の《シャドール・リザード》で攻撃力1700の《鉄獣戦線 塊撃のベアブルム》を攻撃。戦闘破壊して100ダメージ」

『墓地に送られた《鉄獣戦線 塊撃のベアブルム》の効果発動、デッキから『トライブリゲード』罠カード、『鉄獣の抗戦』を手札に加え、その後、手札を1枚選んでデッキの1番下に戻す』

 

 あ、致命的にやばいカードをサーチされる。こんな事故ってる時にあんなパワーカード発動されたら詰むね!

 

「メイン2、《シャドール・リザード》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター1体、リンク1《聖魔の乙女アルテミス》」

 

 苦肉の策だが、これでどうにか相手ターンに融合出来る素材は揃ったか。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド」

 

 伏せたカードは『墓穴の指名者』『禁じられた一滴』『影依の偽典』の3枚、『ハーピィの羽根箒』された瞬間に終わりである。

 

『私のターン、ドロー』

 

 事故り過ぎていて非常に苦しいデュエルだが、どうなる……?

 

『魔法カード『金満で謙虚な壺』を発動、EXデッキのカードを6枚裏側表示で除外し、その枚数分カードをめくり、その中から1枚選んで手札に加える。――『抹殺の指名者』《増殖するG》《レスキューキャット》『フュージョン・デステニー』《増殖するG》《灰流うらら》――『フュージョン・デステニー』を手札に加える』

 

 《灰流うらら》で潰しておくべきだったか……いや、既に手札に引かれている可能性の方が怖いか。《灰流うらら》は『フュージョン・デステニー』に使うとしよう。

 

『《鉄獣戦線 フラクトール》を通常召喚、効果発動、墓地の《鉄獣戦線 フラクトール》《鉄獣戦線 キット》《レスキューキャット》《鉄獣戦線 キット》を除外し、除外した数と同じ数のリンクマーカーを持つ獣族・獣戦士族・鳥獣族リンクモンスター1体をEXデッキから特殊召喚する』

「チェーンして速攻魔法『禁じられた一滴』発動! フィールドの《聖魔の乙女アルテミス》を墓地に送り、《鉄獣戦線 フラクトール》の攻撃力を半分にし、効果を無効化する!」

 

 よし、これで墓地4体を無駄に出来たか。

 

『《鉄獣戦線 フラクトール》を墓地に送って発動、デッキからレベル3以下の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を墓地に送る』

「……いやいや、それ、フィールドから発動した効果だろう? コストで墓地に送っても――ほら、無効だよ」

 

 無駄にリリースしただけで何やってるんだろうなぁと相手のプレミを眺める。

 

『魔法カード『フュージョン・デステニー』を発動――』

「手札から《灰流うらら》を捨てて効果を無効にする」

 

 デッキ融合の一番の弱点は《灰流うらら》に無効にされる事だよね。自分に使われる場合は忌々しいが、使う分には最高に気分が良いね。

 

『カードを1枚セット、ターンエン――』

「メインフェイズ終了前、永続罠『影依の偽典』発動! 墓地の《シャドール・リザード》と光属性《聖魔の乙女アルテミス》を除外して融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 さて、その伏せカード、当然、前のターンにサーチした『鉄獣の抗戦』だよね?

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、デッキから《シャドール・リザード》を墓地に送って効果発動、デッキから《シャドール・ドラゴン》を墓地に送って効果発動、伏せカードを破壊する!」

 

 破壊したカードは当然『鉄獣の抗戦』だった。

 思い通りにデュエルが進むのは気持ちが良いねぇ、あとはそれにドローが付いて来れば――!

 

『……ターンエンド』

「私のターン、ドロー!」

 

 ……引いたカードは2枚目の『影依の偽典』……い、いらねぇ。

 

「まずい、何も出来ねぇ……」

 

 いや、一応『影依の偽典』で『シャドール』融合モンスターを出す事は出来るが、ダイレクトアタック出来ない制約が地味に痛い。

 《ネフィリム》と《ミドラーシュ》の棒立ち……いや、『鉄獣戦線』モンスターが1体でも通常召喚された瞬間に突破されて蓋される。

 アド損を覚悟してでも動くしかないか……?

 

「永続罠『影依の偽典』発動、墓地の《シャドール・ドラゴン》と闇属性《シャドール・リザード》を除外し、融合召喚! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 これで墓地に『シャドール』モンスターは0体! おまけに回収出来る『シャドール』魔法・罠も無しだー!

 

「うわぁ、やりたくねぇ! 《エルシャドール・ミドラーシュ》と《エルシャドール・ネフィリム》の2体でリンク召喚! 召喚条件は効果モンスター2体、リンク2《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》!」

 

 本来なら2枚回収出来るのに何も出来ないという究極のアド損! でも仕方ないね!

 

「《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の効果発動、2000LP払ってデッキから『フュージョン・デステニー』を墓地に送って発動! 手札から《D-HERO ダッシュガイ》、デッキから《D-HERO ディバインガイ》を墓地に送って融合! レベル8《D-HERO デストロイフェニックスガイ》!」

 

 わー、こんな酷い展開ルート初めてだよー!? 何一つ美味しくねぇ!

 

「ええい、バトル! 攻撃力500の《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》と攻撃力2500の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》でダイレクトアタック! 3000ダメージで残りLP4900! ついでに《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動、自分フィールドの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》と相手フィールドの永続魔法『炎舞-「天キ」』を破壊! 私はこれでターンエンド!」

 

 ……2枚目の『禁じられた一滴』は、敢えて伏せない! ……出し惜しんだ結果の敗因になりそう。

 

『私のターン、ドロー』

 

 さぁ何でも来やがれー! 2~3妨害しか出来ないぞ!

 

『《鉄獣戦線 ケラス》を通常召喚』

「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動、自身と《鉄獣戦線 ケラス》を破壊する! そして破壊されて墓地に送られた《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動」

『チェーンして《PSYフレームギア・γ》の効果発動』

 

 げっ、モンスター効果無効&展開札! どうする? 此処で《ミドラーシュ》出して特殊召喚1回消費させるか? いや、戦闘破壊されて結局シンクロorリンクされてしまう。此処は敢えて出させてから――。

 

『手札から《PSYフレームギア・γ》とデッキから《PSYフレーム・ドライバー》を特殊召喚し、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果を無効』

 

 まぁ『鉄獣戦線』の本ルート展開を防いだから《デスフェニ》は仕事してくれただろう。ご苦労!

 

「永続罠『影依の偽典』発動! 墓地の《エルシャドール・ミドラーシュ》と光属性《エルシャドール・ネフィリム》を除外して融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》! 『影依の偽典』の隠された効果で、この効果で特殊召喚されたモンスターと同じ属性を持つ相手フィールドのモンスター1体を選んで墓地に送る! 私はチューナーモンスター《PSYフレームギア・γ》を選んで墓地に送る!」

 

 まさか『鉄獣戦線』で『ハリラドン』展開してくるとは思わないが、レベル8のシンクロモンスターは厄介なのが多い。万が一の目は潰しておくべきだろう。

 

「そして特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、デッキから《影霊の翼 ウェンディ》を墓地に送って効果発動、デッキから《影依の巫女 エリアル》を裏側守備表示で特殊召喚する!」

 

 これで相手が《影依の巫女 エリアル》を殴ってくれれば除外ゾーンから《エルシャドール・ネフィリム》を戻せるなぁ。是非とも殴って欲しいものだ。

 

『……このままターンエンド、エンドフェイズ時、《PSYフレームギア・γ》の効果で特殊召喚された《PSYフレーム・ドライバー》は除外される』

 

 よし、なんとかやり過ごした!

 

「私のターン、ドロー! ……おいおい、今更かよ」

 

 もうちょい早いターンに来てくれれば苦労しなかったんだけどなぁ!

 

「魔法カード『隣の芝刈り』発動! 相手のデッキは26枚、私のデッキは43枚、よって17枚墓地に送る!」

 

 オラァッ、とどめの時間じゃー! 序盤のアド取りを完全無視したオーバーキルとも言う。

 

「墓地に送られた《シャドール・ファルコン》、《シャドール・ビースト》《影依の巫女 エリアル》の効果発動!」

 

 まぁ何が落ちようが関係あるまい。このターンで死ぬんだからね!

 

「墓地に送られた《影依の巫女 エリアル》の効果で自分の墓地の《召喚師アレイスター》、相手の墓地の《鉄獣戦線 ケラス》《鉄獣戦線 フラクトール》を除外! 《シャドール・ビースト》の効果で1枚ドロー、《シャドール・ファルコン》で自身を裏側守備表示で特殊召喚する!」

 

 まぁ墓地に《召喚師アレイスター》と『召喚魔術』が一緒に落ちて、おまけに《影依の巫女 エリアル》まで落ちた時点でお膳立て完璧よね?

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 『召喚獣』融合ギミックを使わずとも手札に《召喚師アレイスター》をサーチ出来る当たり、『召喚』と『シャドール』の相性は完璧よね!

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加えてそのまま発動! フィールドの《召喚師アレイスター》と融合モンスター《エルシャドール・ネフィリム》を除外し、融合召喚! レベル8《召喚獣アウゴエイデス》!」

 

 ダイレクトアタック出来ない《エルシャドール・ネフィリム》を容赦無く素材にする。このターンで終わりだし、アド損なんて気にせずに派手に行こう。

 

「《召喚獣アウゴエイデス》の効果発動、墓地の融合モンスター《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を除外し、その攻撃力分、2500アップして攻撃力4500となる!」

 

 あと《影依の巫女 エリアル》の反転召喚残っていたけど、必要無いから良いや。

 

「バトル! 攻撃力4500の《召喚獣アウゴエイデス》でダイレクトアタック! これで残りLP400」

 

 おおっと、私のフィールドにはこれ以上攻撃出来るモンスターがいないぞー。これはプレミかなー? まぁそんな訳無いよね。

 

「――墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、墓地の7枚除外して自身を特殊召喚、攻撃力1850の《妖精伝姫-シラユキ》でダイレクトアタック!」

 

 対戦ありがとうございました。……やっぱり今の『鉄獣戦線』、《デスフェニ》が相当きついんかね?

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

28vs『相剣十二獣閃刀姫』(リミットワンフェス)

 本日の最強カード

 《召喚獣エリュシオン》
 融合・効果モンスター
 星10/光属性/天使族/攻3200/守4000
 「召喚獣」モンスター+エクストラデッキから特殊召喚されたモンスター
 このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードの属性は「闇」「地」「水」「炎」「風」としても扱う。
 (2):1ターンに1度、自分のフィールド・墓地の「召喚獣」モンスター1体を対象として発動できる。
 そのモンスター及びそのモンスターと同じ属性を持つ相手フィールドのモンスターを全て除外する。
 この効果は相手ターンでも発動できる。

 出す条件が厳しい割には一発屋。
 優秀な融合モンスターが揃っている『召喚獣』において、使わない方が強い枠という悲しみを背負っている。


 ――『リミットワンフェス』。

 

 それは禁止以外のあらゆるカードが制限、1枚限定となるハイランダーデッキ限定のフェス。

 流石に60枚前提の芝刈り型を組むのは無謀を通り越して絶対に回らないので、デッキ枚数を40枚にし、空いたスペースに違うテーマカードを存分にぶち込んでデュエルする事となる。

 

 さて、この『リミットワンフェス』における『シャドール』は、一言で語れる。弱い。

 

 なんせいつもの動き(ネフィリム・グラビティ・墓地の影依の偽典回収)をして、相手ターン《ミドラーシュ》したら息切れして動けなくなる。同名カード1枚だから、全部のカードが1回限りの使い切りであり、あっという間にリソース枯渇する。

 普段とは全く異なる立ち回りを要求され、最適解に至るまでの研究時間は与えられないという。まぁ気軽に組んで何度も玉砕しろって事さね。

 

「私の先攻、私は魔法カード『魔玩具補綴』発動、デッキから『融合』1枚と《エッジインプ・シザー》を手札に加える」

 

 『融合』をサーチ出来て融合素材まで持ってこれる使い得のパワーカード、相変わらず頭おかしい効果である。なお、今回のデッキに『デストーイ』融合モンスターは入ってない。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚し、効果発動。デッキから魔法カード『召喚魔術』を手札に加える」

 

 そして1枚初動の《召喚師アレイスター》はこの『リミットワンフェス』において最強級のカードであり、多分ほぼ全デッキに出張出来るほどの便利さを誇っている。

 コイツだけいつもの動き出来るんだから、当たり前だよなぁ。

 

『フィールドのモンスターの効果が発動した時、手札から《幽鬼うさぎ》を捨てて効果発動、フィールドのそのカードを破壊する』

 

 何故それを《召喚師アレイスター》に使ったんだろう?

 確かに破壊されると《聖魔の乙女アルテミス》をリンク召喚出来なくなるが、《幽鬼うさぎ》は光属性だから余り意味無いぞ?

 

「魔法カード『召喚魔術』発動、自分の墓地の《召喚師アレイスター》と相手の墓地の光属性《幽鬼うさぎ》を除外して融合、レベル9《召喚獣メルカバー》を守備表示で融合召喚。墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外された《召喚師アレイスター》を手札に加え、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 結局、出るものは同じで、単に手札を1枚減らしただけという。使い慣れてないのか、破壊して効果も無効に出来るとでも勘違いしたのかな?

 

「魔法カード『融合』発動、手札の《悲劇のデスピアン》と闇属性《エッジインプ・シザー》を融合! レベル8《赫灼竜マスカレイド》!」

 

 さて、余ったデッキ枠に投入した『デスピア』要素の登場だー! 前々から組み合わせたかったテーマなので楽しみである。

 

「効果で墓地に送られた《悲劇のデスピアン》の効果発動、デッキから《デスピアの導化アルベル》を手札に加える。――カードを1枚セットしてターンエンド」

 

 伏せたカードは『影依の偽典』。ただし、現在、墓地に『シャドール』モンスターカードが無いので墓地除外からの融合は出来ない。

 

『私のターン、ドロー』

 

 さて、相手は何をしてくるかなぁ?

 

『相手のフィールドの《召喚獣メルカバー》をリリースし、相手の場に《海亀壊獣ガメシエル》を特殊召喚する』

 

 げっ、『壊獣』かよ。このターンのうちに墓地に『シャドール』モンスターカードを送り込む算段が早くも崩れたぞー。

 

『手札の《相剣軍師-龍淵》の効果発動、このカード以外の『相剣』カード《相剣師-泰阿》を墓地に捨てて、このカードを特殊召喚する。その後、『相剣トークン』1体を特殊召喚する』

「融合召喚した《赫灼竜マスカレイド》がモンスターゾーンに存在する限り、相手は600LP払わなければカードの効果を発動出来ない」

 

 600ダメージで残りLP7400、そして相手『相剣』かぁ。リミットワンなのに普段と変わらない動きだなぁ。出てくるレベル10シンクロは当然――。

 

『レベル4のチューナーモンスター『相剣トークン』にレベル6の《相剣軍師-龍淵》をチューニング、シンクロ召喚、レベル10《相剣大公-承影》』

 

 げっ、そっちが出てきたか。処理が非常に辛い。

 

『《相剣軍師-龍淵》がシンクロ素材として墓地に送られた場合に発動出来る。相手に1200ダメージを与える』

「《赫灼竜マスカレイド》の効果で以下略」

 

 1200ダメージ食らって6800、相手も600削れて残りLP6800。

 

『バトルフェイズ、攻撃力3100になっている《相剣大公-承影》で攻撃力2500の《赫灼竜マスカレイド》を攻撃』

 

 普通に戦闘破壊されて600ダメージ、残りLP6100。

 

『メインフェイズ2、《十二獣クックル》を通常召喚、《十二獣クックル》1体でエクシーズ召喚、ランク4《十二獣ライカ》、更に《十二獣ライカ》1枚でエクシーズ召喚、ランク4《十二獣ドランシア》』

 

 ……なんでメインフェイズ2になってから『十二獣』展開してるんだ?

 

『《十二獣ドランシア》の効果発動、このカードのエクシーズ素材を取り除き、フィールドの表側表示のカード1枚、《海亀壊獣ガメシエル》を対象に発動出来る。そのカードを破壊する。この効果は相手ターンでも発動出来る』

 

 あ、うん、としか反応出来ない。わざわざ破壊する意味あった?

 

『私はこれでターンエンド』

「エンドフェイズ、墓地の《赫灼竜マスカレイド》の効果発動、相手フィールドに儀式・融合・シンクロ・エクシーズ・リンクモンスターのいずれかが存在する場合、墓地から《赫灼竜マスカレイド》を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合、除外される。この効果は相手ターンでも発動出来る」

 

 とりあえず自己蘇生しておこう。ただ、メインの600バーン効果は使えなくなるので、バニラの2500打点同然だが。敵に使われたら厄介だが、味方として使う分には心許無い効果である。

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは『ライトニング・ストーム』……使用条件が満たせないな。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動でデッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 さて、なんか変な動きをしているとは言え、相手ターンに破壊効果飛ばせられる《十二獣ドランシア》は鬱陶しい事この上無し。どうやって突破しようかなぁ。

 ……そういえば、余ったEXデッキの枠にロマンカード突っ込んでいたっけ。

 

「《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター、リンク1《聖魔の乙女アルテミス》」

 

 いつもの動き、だが、此処から出す融合モンスターはいつもと違うぞー!

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』発動。墓地の『召喚獣』モンスター《召喚獣メルカバー》とEXデッキから特殊召喚されたモンスター《聖魔の乙女アルテミス》を除外して融合! レベル10《召喚獣エリュシオン》!」

 

 『召喚獣』融合モンスターの中で最強のロマン枠、いやもうコイツを出せただけで結構満足なんだが!

 

『カードが除外された場合、《相剣大公-承影》の効果発動。相手フィールド及び墓地のカードをそれぞれ1枚ずつ選んで除外する』

「チェーンして《召喚獣エリュシオン》の効果発動、自分のフィールド・墓地の『召喚獣』モンスター1体《召喚獣エリュシオン》を対象に発動出来る。そのモンスターと同じ属性を持つ相手フィールドのモンスターを全て除外する。この効果は相手ターンでも発動出来る」

 

 ……え? なんで此処で《十二獣ドランシア》の効果使って破壊しに来ないの?

 

「《召喚獣エリュシオン》の元々の属性は光属性、ただし、《召喚獣エリュシオン》がモンスターゾーンに存在する限り、このカードの属性は『闇』『地』『水』『炎』『風』としても扱う。神属性以外除外なのに何でフリーチェーンで破壊しなかったんかね?」

 

 フィールドの《召喚獣エリュシオン》を破壊すれば、対象失って不発に終わるのにね。相手の《十二獣ドランシア》と厄介な耐性を持つ《相剣大公-承影》があっさり除外される。

 

『……《相剣大公-承影》の効果でフィールドの《赫灼竜マスカレイド》と墓地の『召喚魔術』を除外する』

「私はこれでターンエンド」

 

 流石にもう動けないので、がら空きの状態でターンを渡す。まぁ相手の手札1枚だし、どうにでもなるだろう。

 

『私のターン、ドロー。魔法カード『閃刀起動-エンゲージ』発動、デッキから《閃刀姫-レイ》を手札に加える』

 

 ……良く解らんデッキだなぁ。幾らリミットワンで複数テーマを混ぜれるとは言え、『相剣』と『十二獣』と『閃刀姫』なんて基本共存出来ない組み合わせでは?

 

『《閃刀姫-レイ》を通常召喚――バトルフェイズ、攻撃力1500の《閃刀姫-レイ》でダイレクトアタック』

 

 1500ダメージで残りLP4600。

 

『《閃刀姫-レイ》の効果発動、このカードをリリースし、EXデッキから『閃刀姫』モンスター1体《閃刀姫-カガリ》をEXモンスターゾーンに特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動出来る。特殊召喚された《閃刀姫-カガリ》の効果発動、自分の墓地の『閃刀』魔法カード『閃刀起動-エンゲージ』を手札に加える。――攻撃力1500の《閃刀姫-カガリ》でダイレクトアタック』

 

 また1500ダメージで残りLP3100。

 

『メインフェイズ2、魔法カード『閃刀起動-エンゲージ』発動、デッキから『閃刀機-ウィドウアンカー』を手札に加える。カードを1枚セットしてターンエンド』

 

 伏せたカードは速攻魔法『閃刀機-ウィドウアンカー』、フィールドの効果モンスターの効果をターン終了時まで無効にし、更に墓地に魔法カード3枚以上存在するならモンスターのコントロールをエンドフェイズまで強奪出来るが、相手の墓地の魔法カードは1枚である。

 

「何がしたいのやら。私のターン、ドロー。まずは魔法カード『ライトニング・ストーム』発動、相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する」

 

 破壊されて墓地に送られたカードは当然『閃刀機-ウィドウアンカー』であり、このターン、相手からの妨害はもう無いだろう。

 

「《デスピアの導化アルベル》を通常召喚して効果発動。デッキから『烙印』魔法カード『烙印劇城デスピア』を手札に加える。そしてフィールド魔法『烙印劇城デスピア』を発動!」

 

 『召喚獣』融合ギミックが出来なくなったから――『デスピア』融合ギミックの始まりだよ!

 

「フィールド魔法『烙印劇城デスピア』の効果発動、自分の手札・フィールドから、レベル8以上の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地に送り、EXデッキから融合召喚する。私はフィールドの《デスピアの導化アルベル》と手札の闇属性《シャドール・ドラゴン》を墓地に送って融合! レベル8《デスピアン・クエリティス》!」

 

 馴染む、実に馴染むぞぉ! 本当に便利なフィールド魔法だこと。

 

「《デスピアン・クエリティス》の効果発動、レベル8以上の融合モンスターを除く、フィールドのモンスターの攻撃力はターン終了時まで0になる」

 

 《閃刀姫-カガリ》の攻撃力を0にして、っと。さて、若干勿体無いが、今の私のフィールド・墓地に、光属性は《デスピアン・クエリティス》だけなんだよね。

 

「リバースカードオープン、永続罠『影依の偽典』発動! 墓地の《シャドール・ドラゴン》とフィールドの光属性《デスピアン・クエリティス》を除外して融合! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 さぁ此処からは『シャドール』融合ギミックの時間じゃー!

 ……何で《デスピアン・クエリティス》を除外してまで《エルシャドール・ネフィリム》を出したかというと、そりゃLP3100の状態で『閃刀姫』ギミックをされたら死にかねないからね? 憂いは根から削ぎ落とすべきだね!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・ネフィリム》の効果発動、デッキから《シャドール・リザード》を墓地に送って効果発動、デッキから《影依の巫女 エリアル》を墓地に送って効果発動、相手の墓地の『閃刀機-ウィドウアンカー』『閃刀起動-エンゲージ』《閃刀姫-レイ》の3枚を除外する」

 

 さよーならー。

 

「バトル、攻撃力2800の《エルシャドール・ネフィリム》で攻撃力0の《閃刀姫-カガリ》を攻撃……なんだが、《ネフィリム》の特殊召喚されたモンスター絶対破壊する効果は強制発動なんだよなぁ」

 

 ダメージを与えられずに破壊、メイン2。やる事無し。

 

「私はこれでターンエンド」

『私のターン、ドロー。《十二獣サラブレード》を通常召喚』

 

 ふむ、『閃刀姫』ギミックを潰してなかったら本当に死んでいたな。

 

「永続罠『影依の偽典』の効果発動、墓地の《シャドール・リザード》と闇属性《悲劇のデスピアン》を除外して融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》! そして効果で除外された《悲劇のデスピアン》の効果発動、デッキから《悲劇のデスピアン》以外の『デスピア』モンスター1体《デスピアの凶劇》を手札に加える」

 

 いやぁ、本当に『シャドール』と『デスピア』は噛み合っているね。除外してもサーチ効果飛ばせるとか優秀過ぎて普段でも欲しくなっちゃうよ。

 

『《十二獣サラブレード》1体でエクシーズ召喚、ランク4《十二獣ワイルドボウ》』

 

 いつ見ても1体でエクシーズ召喚とか反則臭い動きだなぁ。まぁ《エルシャドール・ミドラーシュ》出したから、これで君の特殊召喚は終わりなんだが。

 

『バトルフェイズ、《十二獣ワイルドボウ》は相手に直接攻撃出来る。攻撃力1600の《十二獣ワイルドボウ》でダイレクトアタック』

 

 1600ダメージで残りLP1500。

 

「本来ならば、其処から《アーゼウス》重ねて盤面ふっ飛ばしなんだろうけど、《ミドラーシュ》を処理しない限り不可能だねぇ!」

『……私はこれでターンエンド』

 

 さて、そろそろ殺すか。

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは《シャドール・ビースト》、現在の手札は《影霊の翼 ウィンディ》と《デスピアの凶劇》の3枚。

 

「フィールド魔法《烙印劇城デスピア》の効果発動、手札の『デスピア』モンスター《デスピアの凶劇》とフィールドの光属性《エルシャドール・ネフィリム》闇属性《エルシャドール・ミドラーシュ》の3体で融合! レベル11《デスピアン・プロスケニオン》を融合召喚!」

 

 これぞ『デスピア』における使い辛い切り札(?)枠! ……いや、必要な融合素材多い割に耐性無いし、効果も結構微妙だが――。

 

「手札の《デスピアの凶劇》が融合召喚の素材となり、墓地に送られた場合、自分の墓地のモンスター及び除外されているモンスターの中から《デスピアの凶劇》以外の『デスピア』モンスター、またはレベル8以上の融合モンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを特殊召喚する」

 

 いやはや、リミットワンフェス以外でコイツを使われて《デスフェニ》を蘇生された時は仰天したものよ。

 さて、此処で特殊召喚する融合モンスターは――。

 

「私は除外されているレベル10《召喚獣エリュシオン》を特殊召喚する!」

 

 まさか自分の効果で除外された《召喚獣エリュシオン》を再利用出来るとはね! 想定してなかった噛み合わせで感動している。

 さて、まだ打点足りないので――。

 

「永続罠『影依の偽典』発動、墓地の《影依の巫女 エリアル》と属性の異なる《エルシャドール・ミドラーシュ》を除外して融合! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 さて、もう此処まで来ればどんな末路を辿るか、理解出来たよね!

 

「特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、《十二獣ワイルドボウ》の効果を無効にする。『十二獣』エクシーズモンスターは自身の効果でエクシーズ素材としている『十二獣』モンスターの数値分、攻撃力・守備力がアップしている。――効果を無効にしたら、攻撃力・守備力が共に0になるのは解り切った結末よね」

 

 第9期の頃は好き勝手やられたが、時代の移り変わりは無情よねぇ!

 

「バトル! 攻撃力2500の《エルシャドール・アプカローネ》で攻撃力0の《十二獣ワイルドボウ》を攻撃!」

 

 『影依の偽典』で出した《エルシャドール・アプカローネ》にはダイレクトアタック出来ない制約があるので、攻撃力0で棒立ちしている《十二獣ワイルドボウ》を爆殺する。

 

「攻撃力3200の《デスピアン・プロスケニオン》と攻撃力3200の《召喚獣エリュシオン》でダイレクトアタック!」

 

 まさかのロマン枠2枚でトドメとなるとは、リミットワンフェス、大変大満足である。

 ……いやまぁ、普段とは違ったデュエルは味わえるが、やっぱり出来る事を制限されると不自由さの方が強いからねぇ。




 リミットワンフェスでの作者のデッキテーマは『召喚シャドールデスピア』です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

29vs『戦華十二獣鉄獣戦線』(リミットワンフェス)

 

 続けて『リミットワンフェス』……出来る事が減ってやや不満足だが、普段使っているテーマ以外のテーマを使えるのは新鮮ではある。

 

 むっ、後攻か。

 

「初期手札《影霊の翼 ウェンディ》《シャドール・ハウンド》『ハーピィの羽根箒』『召喚魔術』『赫の烙印』……」

 

 一応融合出来るが、微妙な初期手札……次のドローで『デスピア』モンスターを引けば何とかなるかな?

 

『手札から《鉄獣戦線 フラクトール》を墓地に送って効果発動、デッキから《鉄獣戦線 キット》を墓地に送って効果発動、デッキから《鉄獣戦線 ナーベル》を墓地に送って効果発動、デッキから《鉄獣戦線 ケラス》を手札に加える』

 

 相手は『トライブリゲード』かぁ。『リミットワンフェス』ではどうなんだろう? レベル3軸の『幻影騎士団』以外は全テーマ弱体化しているから、最終布陣は普段より優しいだろうけど。

 

『手札の《鉄獣戦線 ケラス》の効果発動、手札の獣戦士族モンスター《戦華の智-諸葛孔》を墓地に送り、《鉄獣戦線 ケラス》を特殊召喚する。そして効果発動、墓地の《鉄獣戦線 ナーベル》《鉄獣戦線 キット》を除外し、EXデッキからリンク2《鉄獣戦線 塊撃のベアブルム》を特殊召喚する』

 

 ふむふむ、素で『戦華』混ぜているのか。獣戦士族だからコストには困らないという訳か。

 

『《鉄獣戦線 塊撃のベアブルム》の効果発動、手札2枚、『ライトニング・ストーム』《戦華の徳-劉玄》を捨てて除外されている《鉄獣戦線 ナーベル》を特殊召喚する。《鉄獣戦線 ナーベル》の効果発動、墓地の《戦華の智-諸葛孔》《戦華の徳-劉玄》を除外し、EXデッキからリンク2《戦華盟将-双龍》を特殊召喚する』

 

 まずはフリーチェーンのバウンスか。あれの妨害は厄介ではあるが、何とでもなる。

 

『リンク2の《鉄獣戦線 塊撃のベアブルム》《鉄獣戦線 ケラス》《鉄獣戦線 ナーベル》の3体でリンク召喚、召喚条件はトークン以外のカード名が異なるモンスター2体以上、リンク4《召命の神弓-アポロウーサ》』

 

 同一チェーンでは発動出来ないが、合計3回モンスター効果を無効にする制圧リンクモンスターが来たか。『シャドール』だと対処しやすい相手だが、《戦華盟将-双龍》が一緒だとちょっと厄介。

 

『墓地に送られた《鉄獣戦線 塊撃のベアブルム》の効果発動、デッキから罠カード『鉄獣の抗戦』を手札に加え、その後、手札を1枚選んでデッキの一番下に戻す――カードをセットしてターンエンド』

 

 ……ふむ、3妨害か。普段より生易しいとは言え、この初期手札じゃどうにもならんな。

 

「私のターン、ドロー……!」

 

 カン☆コーンという効果音が脳内で鳴ったぞ! 来たぜ、ぬるりと!

 

「さて、まずは魔法カード『ハーピィの羽根箒』発動、相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する――君の正解は、まさかまさかの、その伏せカードを発動しない事なんだよなぁ」

 

 100%発動するだろうけど、100%『闇属性』のリンク4出してくるだろうけどさ!

 

『リバースカードオープン、『鉄獣の抗戦』発動。――《鉄獣戦線 キット》《鉄獣戦線 ナーベル》《戦華の智-諸葛孔》《鉄獣戦線 フラクトール》を特殊召喚し、リンク召喚。リンク4《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》』

 

 はい、ありがとう。これでこの布陣、突破可能となった。

 

「魔法カード『召喚魔術』発動、手札の《影霊の翼 ウェンディ》と属性の異なる《シャドール・ハウンド》を融合! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 ……墓地に送られた《鉄獣戦線 キット》の効果が発動しないのを見る限り、デッキに入っている『トライブリゲード』カード全部使い切ってるのね。持ち味の継戦能力が完全に損なわれている当たり、やっぱり『リミットワンフェス』の制限は好きになれないなぁ。

 

「チェーン1、特殊召喚された《エルシャドール・アプカローネ》の効果、効果無効の対象は当然《召命の神弓-アポロウーサ》。チェーン2、墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果、チェーン3、墓地に送られた《シャドール・ハウンド》の効果、対象は《エルシャドール・アプカローネ》」

 

 最後に《シャドール・ハウンド》の表示変更にしたのは前2つを妨害されないようにする為だ。

 

『チェーン4、相手がモンスターの効果を発動した時に《召命の神弓-アポロウーサ》の効果発動、このカードの攻撃力を800ダウンし、その発動を無効にする』

 

 こういうチェーンの組み方をすれば相手は無効にしても無意味な《シャドール・ハウンド》の効果しか《召命の神弓-アポロウーサ》で無効に出来ず、本命の《影霊の翼 ウェンディ》の効果と《エルシャドール・アプカローネ》の効果を妨害出来ない。

 《エルシャドール・アプカローネ》の効果が通れば《召命の神弓-アポロウーサ》の効果は無効となり、攻撃力も0となる。

 

『チェーン5、《戦華盟将-双龍》の効果発動、《召命の神弓-アポロウーサ》を墓地に送り、相手フィールドの表側表示のカード《エルシャドール・アプカローネ》を対象に発動出来る。そのカードを持ち主の手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動出来る』

 

 この相手ターンにも使えるバウンス効果を通してしまうと、何も出来ずに死ぬ事となる。まぁトップ解決したんだが。

 

 

「チェーン6――手札の『赫の烙印』を墓地に捨てて、速攻魔法『超融合』発動! 自分フィールドの《エルシャドール・アプカローネ》と相手フィールドの闇属性《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》を融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 

 これにより、対象を失った《戦華盟将-双龍》の効果は不発。コストで墓地に送られた《召命の神弓-アポロウーサ》は自身の攻撃力を下げられないので効果不発、同じく対象を失った《シャドール・ハウンド》の効果も不発――。

 

「墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚――《エルシャドール・アプカローネ》の効果は対象を失ったので不発」

 

 これで相手の場には効果を使い終わって棒立ちしている攻撃力1600の《戦華盟将-双龍》だけだ。

 

「墓地に送られた《エルシャドール・アプカローネ》の効果発動、デッキから《シャドール・ヘッジホッグ》を手札に加え、その後、《シャドール・ヘッジホッグ》を墓地に送って効果発動、デッキから《シャドール・ファルコン》を手札に加える」

 

 結果論でしかないが、『鉄獣の抗戦』を使って《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》を出すべきじゃなかったね。

 

「モンスターを裏側守備表示でセットし、バトル! 攻撃力2200の《エルシャドール・ミドラーシュ》で攻撃力1600の《戦華盟将-双龍》を攻撃! 爆☆殺! 600ダメージ。私はこれでターンエンド」

 

 さて、此方は実質《エルシャドール・ミドラーシュ》だけの布陣で手札も0枚。そっちは盤面全部消し飛んで手札0枚、トップ解決出来るもんならやってみろー!

 

『私のターン、ドロー』

 

 なお、1枚で突破出来るカードは結構あるんだよなぁ。引けるかどうかは相手の問題だが。

 

『《戦華の美-周公》を通常召喚』

 

 『戦華』ってあのリンク2モンスター以外見た事無いから、下級モンスターがどんな動きするか、知らないんだよね?

 

『バトルフェイズ、攻撃力1600の《戦華の美-周公》で裏側守備表示のモンスターを攻撃』

「……? 《シャドール・ビースト》の守備力は1700、戦闘破壊されずに100の反転ダメージ、《シャドール・ビースト》のリバース効果発動、デッキから2枚ドローし、1枚捨てる」

 

 引いたカードは『禁じられた一滴』と『影依の偽典』……どっちを捨てるか、非常に悩ましいカード――と、此処で相手サレンダー。

 

「……というか、今回のデュエル、『デスピア』要素、全然無い!? その他の隠し味に《妖精伝姫-カグヤ》《黄金卿エルドリッチ》もいれてるのになぁ」

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

30vs『ふわんだりぃず』

 本日の最強カード

 《アーティファクト-ロンギヌス》
 効果モンスター
 星5/光属性/天使族/攻1700/守2300
 (1):このカードは魔法カード扱いとして手札から魔法&罠ゾーンにセットできる。
 (2):魔法&罠ゾーンにセットされたこのカードが
 相手ターンに破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
 このカードを特殊召喚する。
 (3):相手ターンに、手札・フィールドのこのカードをリリースして発動できる。
 このターン、お互いにカードを除外できない。

 現環境における唯一の打開札。ただし、ジリ貧である。
 あと、このカードは相手ターンにしか発動出来ない為、自分のターンに使おうとして使えずに困惑してテキストを読み直して絶望するまでがテンプレ(1敗)


 ――『遊戯王』は先攻絶対有利。それはいつの世も変わらぬ、不変の真理。

 されども、いつの世も『例外』というものは少なからずとも存在していたりする。

 

「――フィールドのモンスターの効果を発動したね? 手札から《ティアラメンツ・ハゥフニス》の効果発動! 相手がフィールドのモンスターの効果を発動した時、このカードを手札から特殊召喚し、自分のデッキの上からカードを3枚墓地に送る」

 

 そう、それ即ち――『後攻0ターン目』である。一体何を言っているか、まるで意味不明だと思うが、私もそう思う。

 墓地に落ちたカードは《古尖兵ケルベク》《シャドール・リザード》『現世と冥界の逆転』……うん、このデュエル、もう終わったんじゃないかな?

 

「チェーン1でデッキから墓地に送られた《古尖兵ケルベク》の効果発動、チェーン2で効果で墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動。――《シャドール・リザード》の効果でデッキから永続罠『影依の偽典』を墓地に送る。――《古尖兵ケルベク》の効果、このカードが手札・デッキから墓地に送られた場合、お互いのデッキの上からカードを5枚墓地に送る。その後、自分の墓地に『現世と冥界の逆転』が存在する場合、自分の墓地から罠カード1枚『影依の偽典』を選んで自分フィールドにセット出来る」

 

 《古尖兵ケルベク》の効果で落ちたカードは《古衛兵アギド》《隣の芝刈り》《ティアラメンツ・レイノハート》《ティアラメンツ・シェイレーン》《アルバスの落胤》か。

 

「チェーン1で《ティアラメンツ・シェイレーン》の効果、チェーン2で《古衛兵アギド》の効果。――このカードが手札・デッキから墓地に送られた場合、お互いのデッキの上からカードを5枚墓地に送る。その後、自分の墓地に『現世と冥界の逆転』が存在する場合、自分または相手のデッキの上からカードを5枚墓地に送る事が出来る。当然自分のデッキから5枚送る。――効果で墓地に送られた《ティアラメンツ・シェイレーン》の効果発動、融合モンスターカードによって決められた、墓地のこのカードを含む融合素材モンスターを自分の手札・フィールド・墓地から好きな順番で持ち主のデッキの下に戻し、その融合モンスター1体をEXデッキから特殊召喚する。――墓地の《ティアラメンツ・シェイレーン》とフィールドの水族モンスター《ティアラメンツ・ハゥフニス》をデッキに戻し、融合召喚! レベル5《ティアラメンツ・キトカロス》!」

 

 墓地に送られただけで融合出来るとは良い時代になったものだ……いや、明らかにおかしくね? デッキ融合より滅茶苦茶な事をしていると思うのだが?

 《古衛兵アギド》の効果で更に10枚墓地に送られる。《妖精伝姫-シラユキ》『影依融合』《シャドール・ハウンド》『ハーピィの羽根帚』『サンダー・ボルト』《シャドール・ファルコン》《影霊の翼 ウェンディ》『神の写し身との接触』《ティアラメンツ・ハゥフニス》『壱世壊に奏でる哀唱』か。

 

「チェーン1で効果で墓地に送られた《ティアラメンツ・ハゥフニス》の効果発動、チェーン2で特殊召喚された《ティアラメンツ・キトカロス》の効果、チェーン3で効果で墓地に送られた《シャドール・ファルコン》の効果、チェーン4で《影霊の翼 ウェンディ》、チェーン5で『壱世壊に奏でる哀唱』――」

 

 凄いな、相手ターンなのに15枚以上もデッキから墓地に送られているぞ。

 

「効果で墓地に送られた『壱世壊に奏でる哀唱』の効果発動、デッキから『ティアラメンツ』モンスター《ティアラメンツ・レイノハート》を手札に加える。効果で墓地に送られた《影霊の翼 ウェンディ》の効果でデッキから《シャドール・ビースト》を裏側守備表示で特殊召喚、効果で墓地に送られた《シャドール・ファルコン》の効果発動、自身を裏側守備表示で特殊召喚、そして《ティアラメンツ・キトカロス》の効果発動、デッキから『ティアラメンツ』カードを1枚選び、手札に加えるか墓地に送る。私はデッキから《ティアラメンツ・メイルゥ》を墓地に送る。そして《ティアラメンツ・ハゥフニス》の効果発動、闇属性《ティアラメンツ・ハゥフニス》と墓地の《アルバスの落胤》をデッキの一番下に戻して融合召喚! レベル8《神炎竜ルベリオン》!」

 

 ただ、このルートだと《アルバスの落胤》がデッキに戻ってしまう為、《氷剣竜ミラジェイド》を出す事は出来ない。まぁ代わりに出てくるのは『アイツ』なんだが。

 

「チェーン1で《ティアラメンツ・メイルゥ》の効果、チェーン2で《神炎竜ルベリオン》の効果――《神炎竜ルベリオン》が融合召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて効果発動、自分のフィールド・墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から《神炎竜ルベリオン》を除くレベル8以下の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターをデッキに戻し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。このターン、このカードは攻撃出来ず、自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚出来ない。フィールドの融合モンスター《神炎竜ルベリオン》と墓地の闇属性《シャドール・ハウンド》をデッキに戻し、融合召喚、レベル8《捕食植物ドラゴスタペリア》」

 

 コイツ、実は2017年のカードなんだぜ? フリーチェーンで相手モンスターに捕食カウンターを置けて、捕食カウンターが置かれたモンスターのレベルは1となり、このカードが存在する限り効果が無効化される。

 融合モンスター+闇属性モンスターという融合素材が重すぎる事だけが弱点だったが、『イシズティアラメンツシャドール』においては何の損失無く出せる為、出し得の制圧モンスターと化す。

 そして最後に出す融合モンスターは当然――。

 

「――墓地の闇属性《ティアラメンツ・メイルゥ》と《シャドール・リザード》をデッキに戻して融合召喚! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 

 『芝刈りイシズティアラメンツシャドール』

 LP8000

 手札4枚(《ティアラメンツ・レイノハート》)

 EXモンスターゾーン

 《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800

 メインモンスターゾーン

  裏側守備表示のモンスター(《シャドール・ビースト》)

  裏側守備表示のモンスター(《シャドール・ファルコン》)

 《捕食植物ドラゴスタペリア》星8/闇属性/植物族/攻2700/守1900

 《ティアラメンツ・キトカロス》星5/闇属性/水族/攻2300/守1200

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(『影依の偽典』)

 

 

 何が酷いって、全部酷いよね。墓地に《妖精伝姫-シラユキ》眠っているから実質2妨害+特殊召喚1回だ。

 盤面破壊されても『禁じられた一滴』『烙印融合』握っているから、何とでもなるね!

 

「『DARKWING BLAST』買えなかったから、再販来たら組み直しだなー」

 

 予約してなかったし、仕事帰りではまぁ買えないよな。パックを剥く楽しみは変え難いので、基本的に箱買い派だよ。……近場にシングル売ってる店無いし。

 

 

 ……さて、リアルでのデッキを組み終わり、試運転も終わらせ――相当長い現実逃避を渋々終わらし、『遊戯王マスターデュエル』での惨状を語るとしよう。

 

 

 新パックで2大害悪テーマ『勇者』『ふわんだりぃず』が追加されたよ! 何方も『シャドール』に刺さりまくる天敵共だよ! ふぁっきん!

 

「……うん、辛い。非常に辛い。さっさと『烙印融合』と『ティアラメンツ』と『イシズ』を追加収録して? コイツ等なら正面から潰せるから」

 

 コイツ等への対策する為に採用していた手札誘発の構成を大幅に変更し、それが故に汎用性を失って大幅に弱体化したのが今の『芝刈り召喚シャドール』である。

 ……コイツ等が来る前にさっさと『ダイヤモンド1』に上がり、負けても代償無い『ダイヤモンド1』帯でひたすらデュエル出来た経験は来月に生かされるであろう。

 

「……結論としては今期『芝刈り召喚シャドール』握る意味無くね?という身も蓋も無い話だが」

 

 一応、『シャドール』に『勇者』を打ち込もうとしたが、『召喚』要素と著しく相性が悪く、『召喚』要素を捨ててまで『勇者』を入れるメリットが無く、泣く泣く不採用となり、『勇者』を搭載出来るテーマとのカードパワー格差が広がったという訳だ。

 

「……わぁ、後攻の上に初期手札《幽鬼うさぎ》《灰流うらら》《シャドール・リザード》《アーティファクト-ロンギヌス》《アーティファクト-ロンギヌス》……終わってるな」

 

 見るだけでやる気の下がる事故手札である。一応、邪魔出来るが、展開も出来ないという。

 

『――私のターン、手札から魔法カード『強欲で謙虚な壺』発動』

「『ふわんだりぃず』確定か。手札から《灰流うらら》を捨てて効果無効」

『速攻魔法『墓穴の指名者』発動』

「うるさい、相手ターンに手札から《アーティファクト-ロンギヌス》をリリースして効果発動、このターン、お互いにカードを除外出来ない。『墓穴の指名者』で《灰流うらら》を除外出来ないので効果無効に出来ないので『強欲で謙虚な壺』も効果無効だ」

 

 これは美味しい。スタンバイフェイズに《アーティファクト-ロンギヌス》をぶん投げるより相手に出血させる事に成功したぞー。

 なお、本来は除外がコストの壺系魔法の効果を発動させないようにスタンバイフェイズに投げておいた方が無難である。今回の場合はやっていたら『墓穴の指名者』使われるので2枚目を使わざるを得なくなったが。ターン1? 対『ふわんだりぃず』最終兵器の《ロンギヌス》にそんなもん無いよ。

 

『……カードを1枚セットしてターンエンド』

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは『無限泡影』……展開札が欲しいのだがなぁ。

 

「……うん、やりたくないが、相手の手札2枚だし、今の内か……《シャドール・リザード》を通常召喚、バトル、攻撃力1800の《シャドール・リザード》でダイレクトアタック」

 

 うわぁ、すっごいやる気無い事をやっている……。融合出来ない『シャドール』なんてただのカカシだよ……『遊戯王』のカカシは優秀だけどね!

 

『速攻魔法『月の書』発動、フィールドの表側表示モンスター《シャドール・リザード》を裏側守備表示にする』

 

 ……え? いやいや、たかが1800のダメージ回避に『月の書』はねぇよ。何故に自分の効果を確実に通す為に温存しないのだろう?

 

「……あー、はいはい。『シャドール』モンスターを自分から裏側守備表示にするとか、幾ら相性有利とは言え、うん、凄いプレイングだ。バトル終了、カードを1枚セットしてターンエンド」

 

 相手側の最大の敗因を冷めた目で見届けつつ、ターンを渡す。

 

『私のターン、ドロー。魔法カード『強欲で謙虚な壺』発動、デッキの上から3枚めくり、その中から1枚選んで手札に加え、その後、残りのカードをデッキに戻す。このカードは1ターンに1枚しか発動出来ず、このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚出来ない』

 

 この重い制約も、『ふわんだりぃず』にとっては何の制約にもなってないのが腹立たしい限りである。

 

 1枚目、『金満で謙虚な壺』。

 2枚目、《ディメンション・アトラクター》。

 3枚目、《烈風帝ライザー》。

 

 相手は『金満で謙虚な壺』を手札に加える。勿論、発動させない。

 

「手札から《アーティファクト-ロンギヌス》をリリースして効果発動、このターン、お互いにカードを除外出来ない」

 

 何の為に《アーティファクト-ロンギヌス》を3枚積みにしたと思っている? 完全に対『ふわんだりぃず』用だよ。ついでに『幻影勇者』にも刺さるし。

 

『《ふわんだりぃず×いぐるん》を通常召喚、効果発動。このカードが召喚に成功した場合、デッキからレベル7以上の鳥獣族モンスター1体を手札に加える。その後、鳥獣族モンスター1体を召喚出来る』

 

 どうして特殊召喚の如く召喚出来るのか、未だに解らない。脳が相手の効果理解を拒否するよ。

 この効果を通しても問題無いが、許さない。

 

「罠カード『無限泡影』発動、《ふわんだりぃず×いぐるん》の効果を無効にする」

 

 初動さえ止めてしまえば連続召喚される心配は無い。現在、更に除外出来ないのでアド回復もさせない。

 おそらくはレベル7以上の鳥獣族モンスターをサーチしつつ、『結界像』でも出すつもりだったんじゃないだろうか?

 

『……私はこれでターンエンド』

「私のターン、ドロー」

 

 さて、そろそろ打開札引かないと圧殺されるが――引いたカードは『暴走魔法陣』、よし、1枚初動に繋がるサーチカード! 通れば制圧出来る!

 

「《シャドール・リザード》を反転召喚、リバース効果発動、《ふわんだりぃず×いぐるん》を破壊する」

『表側表示の《ふわんだりぃず×いぐるん》がフィールドから離れた場合、除外される』

「フィールド魔法『暴走魔法陣』発動、効果処理としてデッキから《召喚師アレイスター》を手札に加える」

 

 よし、通ったか。もうこの段階、《灰流うらら》があるなら使っているよな。

 

「《召喚師アレイスター》を通常召喚、効果発動、デッキから『召喚魔術』を手札に加える」

 

 よし、《灰流うらら》無し。《エフェクト・ヴェーラー》無し、《γ》も無い!

 

「《召喚師アレイスター》1体でリンク召喚、召喚条件はレベル4以下の魔法使い族モンスター1体、リンク1《聖魔の乙女アルテミス》。更に《聖魔の乙女アルテミス》と《シャドール・リザード》2体でリンク召喚、召喚条件は効果モンスター2体、リンク2《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》!」

 

 やーっと動き出す事が出来たや。融合してなんぼだよ!

 

「手札から魔法カード『召喚魔術』発動、墓地の《召喚師アレイスター》と光属性《聖魔の乙女アルテミス》を除外して融合召喚! レベル9《召喚獣メルカバー》!」

 

 残り手札1枚は《幽鬼うさぎ》なので、此処で《原始生命態ニビル》が飛んできても大丈夫だ。……今回の環境変化で《ニビル》採用率減っているけど。『勇者』ギミック採用なら《原始生命態ニビル》の条件が揃う前に効果無効モンスター簡単に立つんだもの。

 

「墓地の『召喚魔術』の効果発動、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に戻し、墓地の『召喚魔術』をデッキに戻す」

 

 相手の手札は2枚、此方の妨害は3妨害だ。打ち所を間違わなければ終わるね。

 

「《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の効果発動、LP2000払い、デッキから『フュージョン・デステニー』を墓地に送って発動! 《D-HERO ディバインガイ》と《D-HERO ダッシュガイ》を融合! レベル8《D-HERO デストロイフェニックスガイ》!」

 

 やっぱり《アナコンダ》は便利だなぁ。リアルの方で禁止になっているのが残念で仕方ない。

 

「バトル! 攻撃力500の《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》、攻撃力2500の《召喚獣メルカバー》、攻撃力2500の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》でダイレクトアタック、5500ダメージ」

 

 これで相手のLPは2500、こっちのLPは6000。

 

「私はこれでターンエンド」

『私のターン、ドロー』

 

 さぁラストターンだ。

 

『魔法カード『金満で謙虚な壺』発動、自分のEXデッキのカードを6枚裏側表示で除外し、除外した数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、その中から1枚選んで手札に加え、残りのカードを好きな順番でデッキの一番下に戻す。このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受けるダメージは半分になる』

 

 1枚目、《ディメンション・アトラクター》。

 2枚目、『抹殺の指名者』。

 3枚目、《灰流うらら》。

 4枚目、《霧の谷の巨神鳥》。

 5枚目、《テラ・フォーミング》。

 6枚目、『金満で謙虚な壺』。

 

 相手は『テラ・フォーミング』を選択。《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果を其処で使わせる気なのだろう。

 

『魔法カード『テラ・フォーミング』発動、デッキからフィールド魔法『ふわんだりぃずと謎の地図』を手札に加える。そのままフィールド魔法『ふわんだりぃずと謎の地図』を発動し、効果発動』

「効果の説明は必要無いよ。――フィールドの既に表側表示で存在している魔法カードの効果が発動した時、手札から《幽鬼うさぎ》を墓地に送って効果発動、フィールドのそのカードを破壊する」

 

 改めて説明するまでもないが、永続魔法や永続罠が効果処理時に墓地に送られたら、その効果は不発に終わる。

 誰が召喚権を増やす畜生フィールド魔法を通すかってんだ。

 

『《ふわんだりぃず×いぐるん》を通常召喚、効果発動。チェーン2で除外されている2枚目の《ふわんだりぃず×いぐるん》の効果発動』

「更にチェーンして《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果発動!」

 

 『ふわんだりぃず』において、相手の場に2体下級モンスターを揃えさせる事は真面目に死を意味する。

 

「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果で《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》と相手フィールドの《ふわんだりぃず×いぐるん》を破壊する」

『破壊されてフィールドから離れた《ふわんだりぃず×いぐるん》は除外される。――除外されている《ふわんだりぃず×いぐるん》の効果、除外されている状態で自分フィールドに鳥獣族モンスターが召喚された場合、このカードを手札に加える』

 

 ……ホント、この効果、訳解らない。除外されたのに自力で戻ってくるんじゃねぇよ。

 

『《ふわんだりぃず×いぐるん》が召喚に成功した場合、デッキからレベル7以上の鳥獣族モンスター、レベル8《烈風帝ライザー》を手札に加える』

 

 ……だから、なんで鳥獣族はすぐカテゴリーを無視してサーチ出来る効果持たせるかねぇ? 『鉄獣戦線』と同じく嫌いである。

 しかもこれ、サーチするだけじゃなく――

 

『――その後、鳥獣族モンスター1体を召喚出来る。《ふわんだりぃず×すとりー》を召喚、効果発動、自分または相手の墓地のカード1枚を対象として発動出来る。そのカードを除外する。その後、鳥獣族モンスター1体を召喚出来る』

 

 このインチキ効果、何とかならない? まぁ今回は――。

 

「《召喚獣メルカバー》の効果発動、手札からモンスターカード《召喚師アレイスター》を墓地に送り、《ふわんだりぃず×すとりー》の効果発動を無効にして除外する」

 

 はい、終わり。お相手も此処でサレンダー。

 

「何が理不尽って、基本的な動きをされるだけでこっち圧殺されるんだよなぁ……」

 

 全力でメタっているのに勝率はすこぶる悪いし、メタったせいで他への刺さり具合が著しく低下しているのが何よりも我慢出来ない弱体要素である。

 『シャドール』要素を切り詰めすぎたせいで『隣の芝刈り』が発動出来たのに何も出来ずに負けた試合が2回連続で続いた時は唖然としたよ?




 『芝刈り召喚シャドール』vs『ふわんだりぃず』

 吐き気を及ぼすレベルで天敵。基本的な動きをされるだけで此方が勝手に死ぬレベル。
 今期の環境は『シャドール』にとって死ぬほど辛い。イシズティアラメンツ実装はよ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。