黒い雪 〜幼なじみのおっぱいが見たい〜 (雨宮照)
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黒い雪 〜幼なじみのおっぱいが見たい〜

「あ、ブラしてくるの忘れちゃった」

 

 部屋に入るなり、幼なじみのユキが言った。

 ユキがブラをして俺の家に来た記憶の方が少ない気がするけど、気にしてるのは今日の勉強会に集まるのが俺とユキだけじゃなく、男友達のシンジもだからだろう。

 

「んー……今から家まで取りに帰ってもいいけど……めんどくさい」

 

 言いながらユキは来た服装のまま俺のベッドにダイブ。

 デニムのミニスカートからはすらりと健康的な脚が覗き……

 その先には、純白の布地が。

 

「……あ。今見てたでしょ、ヘンタイ」

 

 スカートを手で押さえながらユキ。

 ふむ、雪のように真っ白なパンツであった。

 ……ユキだけに。

 なんて、脳内で先ほど見た光景を何度も繰り返し再生していると、

 

「まあいいわ……あ、そうだ! この家にブラの代わりになるものない?」

 

 ユキがベッドから立ち上がりながらそんなことを口にする。

 

「そんなものあるわけないだろ」

「えー、大丈夫よ。きっとなにかあるはず! 少し探させてもらうわね!」

 

 言うやいなや、俺の部屋を捜索し出すユキ。

 棚の上やベッドの下。

 ときどき隠しているエッチな本を発掘しながら探していく。

 

「……うーん……まあ、これでいいわ」

 

 と最終的に手に取ったのはイヤーマフ。

 耳に装着して周囲の音を小さく聞こえるようにする防音器具だ。

 

「いやいやさすがにそれをブラにするのは無理だろう」

「いいえ、こうしてベルトを通して固定すれば……ちょっと後ろ向いてなさい」

 

 言われるがまま彼女から視線を逸らす。

 そして衣擦れの音や吐息を感じながら待つこと数分。

 

「……できたわ!」

 

 振り返るとそこにあったのは、イヤーマフにきつく絞められて窮屈そうにしている、マシュマロのように柔らかくこれまた真っ白い雪のようなふわふわおっぱいであった。

 

「ああ。おっぱいだ!」

「ふふん、ほらね、イヤーマフでもブラの代わりになるでしょう?」

「いや……違和感すごいだろう」

 

 まだユキは服を着ていないけど、服を着たところで誤魔化せる形やサイズじゃない。

 それに、少し動いたらイヤーマフからおっぱいがこぼれ落ちてしまいそうだ。

(どうにかして……先端を見たい!)

 眺めていると当然、そんな考えが頭に浮かぶ。

 どうしても、そのユートピアを覗いてみたくなる。

 

「……? どうしたの?」

 

 不思議そうに首を傾げるユキを横目に、俺は考えた。

 しかし彼女の先端を見る手段などすぐに思いつこうはずもない。

 もし乱暴に掴みかかりでもしてしまったらただの犯罪者だ。

 ……いや、乱暴じゃなくともやってることは変わらんが。

 だから俺は、あくまでも自然におっぱいを拝む作戦を立てるため部屋を後にする。

 

「ユキ、ちょっと待っててくれ。勉強会に出す食べ物がないか見てくるよ」

「わかったわ! もう少しなにか代わりになるものがないか探しながら待ってるわね!」

 

 そして俺はとりあえず心を落ち着けるためキッチンへ。

 冷蔵庫から牛乳を取り出し、コップについで飲む。

 ……と、そこで目が合ってしまった。

 直感的に思いつく、最良の手段。

 これを実行すれば……ユキのおっぱいを拝める!

 

   *

 

「あ、待ってたわよ。結局これが一番いいみたい」

 

 俺がお盆を手に部屋に戻ると、ユキはまだ胸にイヤーマフをつけただけの状態でいてくれた。しめしめ、と思いながらお皿に乗ったきゅうりをちゃぶ台に置く。

 そして、塩とコショウを手に取り、まずは塩をふりかけ……

 さらに、コショウを一瓶部屋中にぶちまけた!

 

「うわぁ……ごめん、手が滑って……!」

「ゲホッ……ゲホゲホ……アンタなにやって……って、きゃあっ!」

 

 咳き込みながら苦しむユキ。

 激しく動きながらコショウと格闘するが――その動きがまずかった。

 激しい動きに耐えかねたイヤーマフが、ベルトから外れて飛んでいく。

 そして――ついに、ピンク色のユキの先端があらわになった!

 やったぞ! 人類の勝利だ!

 と、拳を握って突き上げたところで、

 

「……ふふふ、死にたいようね。それじゃあ今からこの大量の幼なじみもののエッチな本を撮影してクラスのグループに流すわ……。じゃあ、ご機嫌よう」

 

 今までに見たことのないくらい黒い笑顔を浮かべたユキが、さっさと上着を被って部屋から出て行ってしまった。

 部屋に取り残された俺は、とりあえず彼女の白いパンツとピンク色の先端を思い出しながらきゅうりをかじる。そして、自分の愚かな行為を反省するのであった。

 

 後にも先にも、黒い雪を見たのはこのときだけだった。

 

 終わり。



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