あの走りに憧れて (雪印のフラン)
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プロローグ《転生前》

ふと外を走っていたら思い付いた作品。まだ『有坂優斗は優斗となる』が残っているけど、そっちと並行して投稿していきます。
※注意※ なんか色々書くのが面倒なので一言『作者はバカです!!』それでも良い方はどうぞ!!


物心ついた頃、それが何時で自分が何歳なのかは覚えていない。でもそんな自分が覚えている事が一つあった。

「…………凄い!!」 

それはサイレンススズカ(異次元の逃亡者)の走りであった。その走りに惹かれた。そんな風に走りたいと憧れた。

「凄いだろ、パパも始めて見たときは驚いたよ」

父も自慢気に話している。

「……パパ」

「ん?どうしたんだい?」

「会ってみたい!!あのお馬さんに!!」

「……ごめんな■■。あのお馬さん……サイレンススズカにはな……もう会えないんだ」 

「え!?……そんなぁ……」

憧れていた、そのときはまだ名前も知らない馬……そんな存在に会えないと知って自分は悲しんだ。そんな自分に父は声をかけてくれた。

「……■■、サイレンススズカにはな会えないだけだよ」 

「……会えないなら意味はないじゃん」

「いいや、意味はあるよ。そこにいたという記録があるし、その走りを見てパパや■■のように心を動かされた人達もいるからな。例え会えないとしても消えちゃたとしても必ず意味はあるんだよ」

「……意味はある」

「そう、■■はあの走りを見てどう思ったんだい?」

「……あのお馬さん……サイレンススズカみたいに走ってみたい!!」

「そうか、サイレンススズカみたいにか……なれるように頑張らないとな」

「うん!!」

 

それから自分はたくさん走った。種族は違うけれどあの背中に追い付けるように。そんな届かない夢を抱えて走り続けた。自分は物凄く速かった訳ではなかった。それでも走り続けた。

 

中学3年生の夏だった。交通事故に遭った。走っている途中にトラックに引かれそうになった子供を庇ったからだ。幸い子供は無傷であった。しかし自分は大怪我をして後遺症が残った。()()()()()()()()()()

(そんなの嘘だ、嘘に決まってる)

自分はたくさんリハビリをした。それでも()()()()()()()()()()()()()()()()()

何でだよ……何でなんだよ!!

行き場のないどうしようもない怒りだった。ただ悔しかった。自分がもう少し早ければ……もっと早く気づいていれば。そんな風に悔しさを募らせる日々だった。そんなある日、自殺をしようとした。こんな日々が続くのであれば死んでしまった方がマシだと思ったからだ。しかし自殺は出来なかった。自分はもう走れないと分かっていてもそれでもまだ、()()()()……()()()()()()()()

 

自殺できずに今も生きている自分は……俺は変わろうと努力した。今まであまり触れてこなかった、走ること以外にも挑戦しようとした。不幸中の幸いと言うべきか、走らなくなったので時間はたくさんある。今までは走るだけで通りすぎていった町などを歩いて見たり、アニメなども見たりしていた。そこで驚いた、まさかあのサイレンススズカが可愛い女の子になっているとは思いもしなかった。そうして彼女を見て思った。

(俺もこんな風に走りたかった)

 

そんなある日だった、走れなくなってはいるが散歩などには定期的に行っている。そんなときだった、トラックに引かれそうになっている子供を見つけたのだった。光景は前と殆ど同じ。違う点があるとすれば、()()()()()()()()()()()ということ。それでも俺は()()()()()()()()()()()()()

ッッ!!

痛みに苦しみながらも俺は足で思い切り地面を蹴った。前ほどスピードは出ないし、蹴る度に激痛が走る。それでも……

(……充分だ)

ギリギリであった。子供はどうにか突き飛ばすができた。しかし今回は前回と違い目の前にトラックが。そして俺の体はなす術なく宙にまうのであった。

(ごめん……父さん……母さん……俺は二人に何も返せなかった……こんな親不孝な息子でごめん)

そして願う。

(もし……次があるならば………)

思い浮かべるのは幼い頃からずっと憧れていた。アニメで走る姿を見て羨み、嫉妬し、そして《《自身の叶わぬ願い》を託した………

(……彼女(サイレンススズカ)みたいになりたい)

 

『いいよ、その願い叶えてあげる』

 

(え?何?ちょっと待っ………)

 

突如としてはっきり声が聞こえた。その声は女のものであり、優しく、温かで、聞く人が安心する……そんな声であった。しかしその声の主が誰か分からぬまま■■は意識を閉ざすのであった。

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただいてありがとうございました。次回は転生してお役目が始まる前ぐらいまで書くつもりです。それではまた何処かでお会いしましょう。


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転生したぜ……あれ?無いし、ある?

どうも雪印のフランです。今季の春アニメは豊作というか、見るのがたくさんありますね。皆さんのオススメは何かありますか?自分は【SPY×FAMILY】ですね。まさか【俺ガイル】コンビの声優で驚きました。さてさてそれでは、本編どうぞ!!


(ん?……俺はトラックに引かれたはず)

何も見えない。暗闇の中にいた。暗所恐怖症ではないのだが、流石に怖い。耳を澄ます。

トクン トクン トクン

一定のリズムで何かが聞こえてくる。これは……

(……心臓の鼓動?)

確かに聞こえてくる。その鼓動を聞くととても安心する。()()()()()()()()()()()()()()。そうして俺は意識を落とす。次に目が覚める頃には

(この景色が終わってるといいな)

 

 

まだ、何も見えない。しかし心臓の音以外にも別の音が聞こえる。

頑張れ、頑張れ

もう少しです。奥さん頑張ってください

ッッ!!

詳しくは聞こえない……でも、確かに人の声だ。すると暗闇の中に光が見えてくる。思わず手を伸ばそうとする。しかし手を伸ばすことは出来なかった。体が思うように動かないのだ。そんなときだった。光から何かが迫ってくる。その何かは俺を掴むと光の方へと連れて行く。その眩しさに目を瞑る。そして次に目をに開けたとき、そこは病室であった。

見えたのは、自分を持っている看護婦、そして涙を流しながらこちらを見ている男と女。女はベッドで寝ていた。多分、あの女の人が俺の母親なのであろう。というか……

(……サイレンススズカに似てるな)

そっくりである。ウマ娘のサイレンススズカに。もしかしてだが……

(……俺の願い叶ってる?)

サイレンススズカになってるのだろうか?

奥さん、旦那さん。元気で可愛い男の子ですよ

良かった、本当に良かった。良く頑張ったな

えぇ、本当によかった

耳が完全には機能していないのだろう、はっきりとは聞こえない。それでも次の言葉ははっきりと聞こえた。

  「「生まれてきてくれてありがとう」」  

その言葉をきっと一生……俺は忘れることは無いだろう。

 

 

この日、【静浦涼翔(しずうらすずか)】という人間が祝福されながら、誕生した日であった。

(静浦涼風って……サイレンススズカだよな?)

 

しばらくして、成長して一人でトイレに行けるようになったとき気づいた。

(あれ?無いけど、ある?)

鏡を見たとき、自分の容姿がウマ娘のサイレンススズカにそっくりだも気づく。しかし、俺には()()()()()()()()()があった。簡潔に述べよう、()()()()()()のである。

「嘘でしょ」

はて?何故男なのだろう?

 

 

(……彼女(サイレンススズカ)みたいになりたい)

 

(これ(最後の願い)かぁぁぁぁぁぁ!!……サイレンススズカ()()()にって言ったからか?)

どうやら、思ったより正確に願いは叶っていたそうだ。

「まぁ……男で困ることは無いだろう」

(俺はこの世界でサイレンススズカのように走る!!)

「頑張る!!」

 

「ねぇあなた、涼翔ったらまた独り言をしかもトイレで……」

「ふむ、どうするべきか?医者に連れていった方がいいのか?」

「………」

その前にこの親からの誤解をなんとかしなければ……

 

 

最近になって読み書きができるような年になった。俺は別に無双系主人公を目指してるわけではない。ただ、何にも縛られることなく走りたいだけなのだ。だからこそ、変なことをして医者にでも連れていかれたらたまったもんじゃない。なので年相応の対応をとっている。そうして何気なく親の見てるテレビを見ているととある異変に気づいた。

(ん?四国の情報しか流れてない)

これまでの人生でここが前いた(現代?)日本に近い事が分かっている。だからサイレンススズカにはまた会えなさそうである。まぁその話は置いといて、普通テレビであれば四国以外の情報も出るだろう。しかし、全くもって四国以外の情報を耳にしたことがない。それ以外にも可笑しい点がある。

(神樹様?神世紀?)

この世界では度々耳にする言葉であった。しかし、その言葉は俺には聞き馴染みがない。聞いたことがあるとすれば前世の知り合いのA君がテストを受けとる前に言っていたような気がする。

『頼みます、神様、仏様、神樹様!!』

その後のA君は絶望した顔をしていた。もしかしたらAくんは神世紀?と呼ばれる時代から来たのかもしれない。もしくは……A君は極度の鬱魔法少女オタクだったから、もしかしてここは……

「……鬱魔法少女世界?」

ヤバい、一般人には厳しい世界ランキングのわりと上位に組み込む鬱魔法少女世界なんて!!

だが、落ち着け俺、自分はまだ幼稚園にも通っていないような子供だ。こんな幼子が戦うだろうか?いや戦うわけがない。それにあれだ、俺は男だ。魔法()()だろ、そうだ、戦うのは少女だけなんだ。よし、ならば大丈夫だろう。俺は戦わない。

 

 

 

 

 

そう思っていた時期が俺にもありました。あれから俺はこの世界の常識などを学んだり、走っていたりしていた。また、自分の足で走れることに感動した。初めて走ったときには涙を流し、両親に心配されたぐらいだ。それぐらい走れる事が俺には嬉しかった。今では毎日走っており、親に心配されている。

小6になる前の春休み、俺はいつものように走っていた。家の前にくると1台の車が止まっていた。黒塗りの高級車であった。

(なんだろう?)

そんなことを考えて家に入るとそこには仮面を着けた数人の大人が玄関にいた。そうして俺は両親に連れられて仮面の人の話を聞くことになった。

 

「神樹様より神託がくだりました。お二人の息子である涼翔様に【勇者】としての適正があると」

 

 

(戦うなんて聞いてないよ~!?)*1

 

 

声には流石に出さなかったがそれぐらい驚いた。そうですよね、ナイナイの岡○さんもプリ○ュアになれるんだったらそりゃあサイレンススズカ(男)だって魔法少女みたいなのになれますよね。ところで【勇者】ってなんぞや?俺は別に剣を抜いたりはしてないけど?なに?抜けるの?そんなくだらないことを考えながら、ふと親の顔をみると涙を流していた。

「……そんな……どうして涼翔はこんな見た目や名前でも男の子何ですよ!?」

こんな名前って……自覚あったんかい!!

そうだよね、俺も生きてて【すずか】っていう男の人にあったこと無いもん。お薬手帳みたいなのが女の子っぽい奴だし、病院でもちゃん付けで呼ばれるもん。*2

「それは我々も分かりません。ですが、お役目に選ばれたからには涼翔様に勇者として世界の為に戦って貰わなければなりません。それに当たりまして、涼翔様には【有坂家】へと養子に来てもらうことになっています。」

「勝手に決めないでください!!」

初めてだ、初めてここまで本気で怒っている母や父を見た。その母親と父親は今、俺を強く抱き締めている。決して離さないように。……それほど俺のことを大切に思ってくれているだろう。

「……元とはいえ、大赦に所属していた奥様や今も所属している旦那様なら分かるでしょう。お役目の重大さを」

「「ッッ!!」」

しかし仮面の方は無感情で言い放つ。ロボットのようだとそう感じてしまう。

「……私は構いません」

「「涼翔!?」」

俺の発言に驚く両親。

今さらだが話すときの一人称は【私】である。サイレンススズカの見た目で【俺】はちょっと違和感あるもんね。

「こんな私でも世界の為に役立てるのならば、私は勇者になります」

「勇気ある決断に感謝を致します」

「待て涼翔!!分かっているのか!?死ぬかもしれないんだぞ!?」

「そうよ!!今からでも考え直して!!」

「ごめん……でもさ、断ったら二人が大変なことになるんでしょ」

「「ッッ!?」」

「これまで何も出来なかったからさ、これくらいはさせてよ」

この気持ちは本当である。俺は前世同様両親に何もできていなかった。ならばせめて今世ぐらいでは前世の分も合わせて親の役に立ちたかった。

「……バカ者が、親の心配を無視して」

「……」

「……本当にね、バカ涼翔」

「それでも……バカなお前を誇りに思うよ、涼翔」

「それはお母さんも一緒。それにね涼翔、貴方が生きてくれて育っているだけでも私達はとても幸せなのよ」

「……お父さん……お母さん」

 

次の日、俺は静浦の家を去って、有坂の家へと向かった。そのとき俺の要望により名前は変わらないまま、俺は【有坂涼翔】となった。これも養子先の母親である【有坂遥(ありさかはるか)】さんが優しかったこともあるだろう。そうして俺は他の勇者がいる神樹館に通うことになった。

 

こうして色々と手続きなどをしている間にいつの間にか春休みは終わっており、新学期になった。クラスわけで決まったようだがどうやら俺だけ他の勇者とクラスが違うらしい。一緒にしてくれよ……そんな仲良くない人と一緒に戦うのかよ。そんな俺でも友達はできた。

「…どうしたの?そんなにこっちを凝視して」

「いや、何でもない」

リアル目隠れである【山伏しずく(やまぶししずく)】である。一人でいたところを話かけたら意外と愉快な奴だった。こうして今日も今日とて平和な日常が過ぎていく……

 

 

 

 

筈だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
プリズマイ○ヤ風

*2
作者の体験




ボケようとしたけどそこまでおもしくないですね。ここまで見ていただいてありがとうございました。次回は戦闘に入ります。(【有坂優斗は勇者となる】でも同じような終わり方をしたような気が……)  ←PSすいませんいきませんでした。


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変身……ってこれってまさか!!

どうも、筋肉痛なのか肉離れなのかとりあえず身体中が痛い雪印のフランです。まじで痛いです。皆さんは運動してて身体が痛いと感じたらすぐに休みましょう。マホメド・ア○イJr.みたいな、治療方は駄目です。「スゴイね人体♥️」になんてなりませんから。まぁ、マニアックなバキトークはおいといて、本編をお楽しみにください。


<涼翔side>

今日も今日とて義務教育(地獄)である。正直に言おう、苦痛であると。何故、一回受けたことをもう一度受けなければいけないんだ。体が縮んだ高校生探偵の気持ちがわかった。それにこの体になってからじっとすることが難しくなってきているのである。座っていたとしても、何故か左回りをしそうになってしまう。この体はあれだ自転をしようとしてしまうのだ。まぁ、そんか下らないことを考えているといつの間にか自分の教室の前の(The・ヘルゲート)に到着する。流石にここまで来たのに帰るわけにはいかない。そうして俺は教室に入る。何人かのクラスメートと挨拶をしてから俺は自分の席へと向かい鞄をおろす。そうしてから俺は我らがしずくさんの元へと向かう。これが俺のルーティンである。

「おはよう、しずく」

「……おはよう」

少し素っ気ない反応に思えるがそうでもない。一回だけ朝に彼女に話し掛けることが出来ない日があった。すると彼女は次の休み時間に

「何で……朝こっちに来てくれなかったの?」

と涙目で頬を膨らませながら言ってきたのである。そのとき俺は感じた。

(……これが……萌えか)

それと同時に彼女は俺が守護(まも)らねばと公園最強の生物みたいなことを思ったものだ。そうして今日も今日とて何気ない話に花を咲かせている。

「そういえば……涼翔って今日は暇?」

「……今日?今日は別に何も予定は無いけど」

「ならさ……一緒にイネスに行こうよ」

「イネス?」

「そう、育ててくれてる人がジェラートのクーポン券を貰ってさ……友達と行ってきてって言ってたから」

「それは嬉しいけど……私でいいの?」

「涼翔がいい」

(何だこの可愛い生物は!?)

そんなことを考えていると同時に変わったなと実感をする。出会って最初の頃は全くもってこっちに興味がなかったりした。しかし()()()()でしずくとも()()とも仲良くなることが出来た。多分、今も頑張るのはしずくが居てくれるからというのもあるだろう。

「うん、わかった。楽しみにしてるね♪」

「うん♪」

そうしてチャイムが鳴る。

「それじゃあしずく、そろそろ戻るね」

「うん……また」

そうして俺は自分の席へと戻る。今日はきっと良い日になるであろう。そんなことを考えていると担任が入ってくる。それに反応して今日の日直が号令をかける。

「起立、気をつけ、礼。神樹様に、拝」

この世界独特の号令がかかり、今日もいつも通りの1日が始まる……はずだった。

「……あれ?」

自分以外誰も動かなくなったのである。

「しずく?……皆?」

声をかけるが反応はない……ただの屍のよう……っとふざけている場合ではない。

「もしかして……ついに私にスタンドがぁ!」

俺以外の時が停止(The・world)したんだ、きっとそうに違いない。

「……もしかしてこれカンニングし放題?」

そんな幼稚なことを考えて筆箱からペンを取り出そうとする。あ、駄目だジッパーが動かない。持ち物を確認していく動くのは

「これだけか」

謎の仮面の組織『大祓』から受け取ったスマホである。……小学生にスマホは早くないか?そう考えていたがこの神樹館の生徒、お金持ちの親が多くて意外とみんな持ってた。進んでるね!!そうこうしてるうちに辺りが光で包まれる。

「何だ……これ?」

思わず素が出てしまうぐらい驚く。辺りは大きな植物など、現実離れしており、これが本当に現実なのかを疑ってしまう。そんなことを考えて辺りをみていると人影が見える。

「……あれは……たしか……」

養父から聞いていた、自分と同じくお役目を担う者が三人いると。おそらくその三人であろう。

(本当にあんな少女達が戦うのか……)

たった十数年程しか生きていない少々達が世界の為に戦わなくてはならない。

(……悲しい世界)

だからこそ

「必ず……守ってみせる」

 

 

<side鷲尾須美>

ついにお役目をするときがきた。私はこの世界に入ってからそう考えていた。目の前には見慣れない樹海の様子に驚いて興奮している乃木さんと三ノ輪さん。

(あと、一人は何処だろう?)

私は父親からお役目は()()で行うと聞いていた。確か、あともう一人の名前は……

(……有坂涼翔(ありさかすずか))

私と同じように養子へと出された、()()()()。男の勇者についてかつて()()()()()()()()()()()。それはともかく、有坂涼翔という人物について私はあまり知らなかった。クラスも隣であり、会話をしたことなどは一度も無い。知っているのは男のものとは思えない可愛いらしい容姿だけであった。……果たしてそんな、名前だけしか知らないような人と協力など出来るだろうか?……いやするしかないのだ。しなければこの世界が滅んでしまうのだから。

「……あれ?そういえば、あと一人居るんじゃなかったけ?」

「それって……私のことかな?」 

「わ!?」

「へぇ~」 

「え!?」

乃木さんでも、三ノ輪さんでもない第三者の声が聞こえてくる。その声の方向をみると有坂涼翔、その人物がそこにいた。

(……いつの間に!?)  

「一様話しかけたのだけど……誰も反応しなくて……」

気まずそうに話し掛ける彼に私達は

「「すみません」」

「ごめんね~」

謝るのであった。

 

 

 

 

<涼翔side>

なんとか三人に話し掛けることができた。さっきまでは二人はなんか興奮していて、一人はめっちゃ考えこんでいて話し掛けても何の反応がなかった。時が止まってる人にも反応してもらえないし、時が止まってる世界でも動いてる人に反応してもらえない。悲しいね。

「えぇっと、有坂涼翔くんでいいのよね?」

「あぁ、はいそうです」

「おぉ~聞いてたとおり女の子みたいだね」

「本当にそれな……まぁとりあえずよろしくなスズカ、アタシは三ノ輪銀(みのわぎん)

(典型的な人気者タイプだな、この人)

「私は乃木園子(のぎそのこ)なんよ、よろしくスズカん」 

「す、スズカん?」

(何だろう……つかみどころがない?よくわからないタイプ?)

「私は鷲尾須美(わしおすみ)、一緒にお役目をはたしましょう」

(真面目ちゃんだ……というかでかい())

三人と初めて話した印象であったが、あれだな良くも悪くも個性的なメンツが集まったな。あと、全員美少女とは。三人のそれぞれの噂は聞いていた。

「じゃあ……改めて有坂涼翔(ありさかすずか)です。こんな見た目でも男の子です」

そうして自分達の紹介が終わったときであった。この世界に新たなる()()()が現れた。

 

人類の敵……【バーテックス】である。スマホにも【アクエリアス・バーテックス】と表示されている。

【アクエリアス】……英語では水瓶座を意味する言葉……何故星にちなんで名付けられたのであろうか?

(……って今は余計な思考だな)

今はこいつをどうやって倒すのか……それが重要である。そうしていると俺達全員が勇者アプリを起動する。

鷲尾須美は……白菊

三ノ輪銀は……牡丹

乃木園子は……バラ

そして俺は()()をモチーフにした勇者の装飾へと変身した……いや鈴蘭というよこれ……

(原作スズカさんじゃね?)

そう、俺の格好は殆ど原作スズカさんなのである。

(男の俺がスカートだと!!)

いくら、似合ってるからといってスカートを履きたいわけがない。

「おお、すごいカッコいい!!」

「……スカート……何故、スカート?……」

「似合ってるよスッズー」

「あ、ありがとう…」

今の俺の笑みは引きっているであろう。そこで俺は辺りを見回して気づく。

(あれ……武器無くね)

そう、三ノ輪銀は自身を上回るような巨大な斧のようなもの。乃木園子は穂先が浮遊している槍のようなもの。鷲尾須美は白銀の大きな弓のようなものなど様々な武器を持っていたが自分にはそんなものが存在しない。……もしかしてだが……

(俺ってあの化け物に格闘しないといけないのぉ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘までいきませんでしたね、すみません。次回はしっかりと戦闘へと入るのでそこまでお待ちください。それでは今回も見て頂いてありありがとうございました。次回もお楽しみに


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戦闘の景色は譲らない(キリッ!!)

どうもどうも、雪印のフランです。『有坂優斗は勇者となる』とこの『あの走りに憧れて』を交互に投稿していくつもりでしたが、自分はまだ、『わすゆ』をアニメでしか見たことが無いので無理ですね。まぁ気にしてる方にはいないと思いますが……。まぁ、自虐はさておき、いよいよ戦闘のへと入りますね。それでは本編をどうぞ!!
……あとどうでもいいですけど、今回は書き方が途中まで、有坂優斗よりです。


(OK、落ち着こう。こんなときには素数を数えるんだ、素数は自分と1でしかわることができない孤独な数字)

状況はこうだ。

《敵出現》→《変身》→《勿論俺らは抵抗するで……拳で!》←現在ここ。

(無理だ、いくら【グラップラー刃○】を見たからって勝てるわけがないよ)

そう、涼翔は前世では基本的に走ることにしか興味がなく。他の物事にも興味を持ち出した頃には彼は事故の後であり、格闘技なんてとても出来なかった。それでも……

(……やるしか無いよな)

拳を固く握る。恐怖はまだある。しかし、折れる訳にはいかない。家族や友人……世界の命まで掛かっているのだ。

「よし、行こ…「てやぁあああ!!」………」

決意を言おうとしたときに先に銀が特攻しに行った。

「……戦闘(せんとう)の景色は……譲らない!!」

「ちょっと二人とも!?先に私が牽制して相手の手の内を……」

「……聞いてないね、二人とも」

銀の後を追って、涼翔も走り出す。またたくまに二人の影が小さくなっていくのを園子と須美は見ることしかできなかった。

「……フフフ、先ずはこの銀さまが!……」

ビュンッ

「はやッ!!ってあれスズカか!?」

バーテックスに近づいていっている銀の横を涼翔が走っていく。その速度は勇者となって視力が強化された銀の目がどうにか捕捉することができるものであった。正体を知って感心している銀に対して涼翔は……

(……これ、どうやって止まるんだろう?)

単純に止まり方が分からなかった。フリー○と同じである。有り余るスピードを自分でも制御出来ないのである。そんなことを考えていると、既にバーテックスは眼前にいた。

「……あ」

くるであろう衝撃に備えて目を瞑った。しかし、いくら待っても衝撃は来なかった。少しずつを目を開けてみると……自身の後ろにバーテックスが居たのである。

(か……か……貫通したぁぁぁぁ!?)

バーテックスの体を抉っていき涼翔は貫通したのである。

これには、全員驚きを隠せない。

しかし、バーテックスの抉られた場所がだんだん再生していく。

「……再生するのかこいつ」

「一番手はスズカに取られちゃったけど、アタシも」

そう言って銀は自身の持っている斧で敵をスライスしていく。

「思ったより、脆い。これならいける!!」

「油断したら駄目、三ノ輪さん。それは……」

ギュルン

そんな音をたてながらバーテックスは完全再生をする。それを見て須美はすかさず矢を放つ。

「うわっと!……まずい!」

銀が一度大きく後退すると、それに合わせてバーテックスも前進してきたのである。そのせいで須美の矢も外れてしまう。さらに、バーテックスは初めてともいえる攻撃をしてきたのである。左右に巨大な水球を作り出した。

「させない!」

片方は涼翔が高所から蹴りを繰り出して破壊する。しかし、もう片方の水球は破壊されず、銀にそのまま押しつけられて水球の中に閉じ込められてしまう。

「……!!」

中から斧で叩き割ろうとしても水球はビクともしない。須美の射撃でも水球は矢を弾いてしまう。涼翔も水球を蹴るが少ししか削ることができない。もっと強く蹴ってしまうと銀に当たる可能性があり上手く蹴れない。そうこう、している内にバーテックスは涼翔の与えたダメージも再生して、新たな水球を園子へと押し付けようとしていた。

「わっー!?」

園子も慌てて避けるが、水球は園子を追尾してくる。その攻撃には明確な殺意が込められていた。

「…っ!間に合わない」

「乃木さん!もっと後退して!」

須美の叫び、涼翔も向かおうとするが、距離があきすぎており、間に合わない。

しかし、園子は……

 

「あっ!ピッカーンと閃いた!」

「ピッカーン?」

などということを口にして、水球へと突っ込んでいく。そして、水球の前で槍を頭上で高速回転させる。勇者の身体能力をもってすれば槍の回転で竜巻を作ることも容易であった。

水球は竜巻に巻き上げられていった。

「……凄い」

「……!乃木さん」

その横で涼翔は隣の銀を見る、すると銀はあろうことか、水球を飲んでいたのである。そして全てを飲み干した銀は敵を豪快に投げ飛ばした。

「………」

「……はぁ……はぁ……うぅ~気持ち悪い」

「ま、まさか三ノ輪さん……自分を閉じ込めていた水を、全部飲んだの?」

勇者の力をもってしたら、大量の水を飲み干すことも可能……であるのか、普通はやらない。

「ミノさん、大丈夫?」

園子が銀に駆け寄る。飲み干す場面に直面した涼翔はいまだに呆然としていた。

「うん、はじめはサイダーだったけれど、途中からウーロン茶的な味わいに変化したから飽きずに飲めたわ」

「味のレビューを聞いてるんじゃなくて……で、でも無事なら良かった~」

「……初めはサイダー……後はウーロン茶」

(……飲んでみたい)

「……スッズー飲んじゃ駄目だからね~」

(何故ばれた!?)

「三人とも危ない!!」

危機にいち早く須美が気づいて、矢で皆を狙撃する。それにより、三人はその場から弾かれる。するとさっきまで居た場所にバーテックスがプレス攻撃をしてきた。

「……鷲尾さんが気づかなかったら、今頃ミンチか……」

「ひぇぇぇ……ありがとう鷲尾さん。この、敵めぇ……!!」

「えぇぇぇい!!」

左右から園子と銀、正面から涼翔が攻撃を仕掛ける。須美も援護をする。銀の烈火のような怒涛のラッシュ。園子の急所や関節を狙った的確な動き。須美の的確な援護射撃。

(……ハハハ、情けないな)

彼女らの動きはとても小学生のものとは思えなかった。きっと相当な訓練をつんでここにいのだうと思った。前世を含めた歳でいえば、涼翔は彼女達の倍は生きている。それに自分は男である。訓練も別に特別なことなどは一切していない。していたことはただの基礎的なトレーニングと趣味であり、好きなことである走るということだけ。それだけである。

だからこそ、涼翔は自分に情けなさを感じていた。

……ならば

「……追いつかないと」

(目指す場所は……誰も追いつけない……先頭の景色(あの場所)!!)

そして涼翔は大きく後退する。その様子を全員驚いた様子で見ている。そうして後退した涼翔はクラウチングの構えをとる。そんな無防備な涼翔にバーテックスはとても巨大な水球を作り出して涼翔へ向かって押し付ける。

「有坂くん!!」

須美が叫ぶ、しかし涼翔は未だに動こうとしない。そんな涼翔に水球が衝突する直前。

「……先頭の景色は……譲らない!!」

ビュンッ

先程にもあった緑色の閃光が水球を貫き、バーテックスをも貫いた。バーテックスは巨大な穴が空いた体で撤退をしていく。やがてバーテックスが結界の外へ出ていくのを確認した。勇者達四人に課せられているお役目はバーテックスの撃破ではなく撃退であった。つまり、お役目達成である。

「「「やったー!!!」」」

抱き合う須美、銀、園子の三人。そして少し離れた場所にいた涼翔は

「……本当だ、確かにソーダから烏龍茶に」

そう呟いていたのだった。

 

 

<銀side>

戦闘終了後、街は樹海から戻り、日常を取り戻していた。アタシ達勇者は学校の保険室で検査を受けていた。特にバーテックスの水球を飲んだアタシと水球に突っ込んでいってその際に水球を口にしたスズカは時間がかかった。戦闘終了後に

「確かに、ソーダから烏龍茶だったよ」

そう言ってサムズアップする涼翔には驚いたものだ。そこから、鷲尾さんのお説教を二人してくらったのであった。こうしてアタシ達二人の検査は放課後まで続いたのであった。そうして検査が終わり、保健室から出ていく。

「三ノ輪さんお役目ご苦労様、よく頑張ったわね」

そう言って安芸先生が送り出してくれる。

「ありがとうございます、安芸先生」

そうして辺りを見回す、ん?

「……あれ?そう言えば、先生」

「ん?どうしたの?」

「スズカは?」

アタシと同じく検査をしていたスズカがこの場にはいなかった。

「スズカ……あぁ、有坂くんのことね……彼は……

 

ーー数分前ーー

「お役目ご苦労様、有坂くん」

「ありがとうございます……安芸先生でしたよね」

「えぇ、そうよ。転校してきたばかりでクラスが違うのによく覚えてくれてたわね」

「えぇ、流石に全員は無理ですけど覚えられる範囲は覚えようと考えているので」

「フフフ、いい心掛けね」

「そう言ってもらえると嬉しいです。ところで安芸先生、今って何時ですか?」

「今?……そうね貴方と三ノ輪さんの検査は長引いたから……丁度放課後ね」

「放課後!?……すみません安芸先生、自分はこれで失礼します!!」

「え、ちょっと有坂く……って早っ!?」

ーー ーー

 

みたいな感じで走って行ったわよ」

「……そうすか」

何やっているんだアイツは?

「どう?有坂くんの印象は」

「……そうっすね」

有坂涼翔の印象……戦闘だけでいえば、最後の走り以外でいえば、初めてやったような何処か覚束ない素人ような感じであった。まるで戦ったのが初めてかのような。それで何処か……

「……()()()()()()()()とそう感じましたね」

「あら?それはどうして?」

「なんだろう、アタシはバカだから上手くは言えないんですけど、こうなんだろう?困っている人がほっとけないとか?」

駄目だ、アタシの語彙力では言い表せない。なんだろうな本当に。でもわかる、アタシとスズカは()()()()()()()

「ごめんなさい、初対面の人の印象なんて難しいわよね」

「全然良いですよ……あ!あともう一つありました」

「ん?それは何?」

「アイツ、なんか幼いというか弟みたいですね」

「弟みたい?」

「はい、スズカを見ていると何だろうな……ほうっておいたらどっかに行っちゃって帰ってこないというか……目を離したらいけないみたいな感じが……」

何を言ってるのだろうと途中でアタシも思ったが、安芸先生を黙って聞いてくれた。

「……成る程ね、弟みたい。放っておいたらどっかに行っちゃうってね……あながち間違っては無いわね」

「ん?どういうことですか?」

「……実は彼ね、前の学校の遠足のときに迷子になったそうよ」

「そうなんですか!?」

スズカとは会って数時間であるが納得できた。彼ならあり得そうだと。

「そう、それで6時間後に教職員達や親御さん、警察までもが総動員して捜索した結果、15km離れた海岸で寝ていたそうよ」

「マジですか!?」

何をやっているのだろうアイツは?そしてそれを聞いて尚更、放っておけないとそう改めて考えた。そうして話し終わった後、アタシは家へと帰ったのであった。

 

<涼翔side>

「それで……何か言うことは」

「遅れてすみませんでした」

現在、俺は遅れたことをしずくに叱られていたのだった。なんか今日はよく叱られている気がする。

「……遅れたのは減点……でも約束は覚えてくれてた……だから許す」

「……ありがとう」

減点とは言われたが、どうやら許して貰えたようだ。そうして俺達はイネスのジェラート店へと向かった。そこで俺はイチゴ味のジェラートをしずくは徳島ラーメン味(なにそれ?)を食べていた。

「……それって美味しいの?」

「……うん……食べる?」

「いや、大丈夫」

「……美味しいのに

俺は難聴系主人公ではないので勿論聞こえてる。いくら何でも徳島ラーメン味という地雷満載な味を食べる訳にはいかない。メニューを見ると普通のジェラートも勿論あるのだが、【醤油味】、【徳島ラーメン味】、【讃岐うどん味】……何を思もって店主はこれを作ったのであろう。するとしずくがこちらを見ている。じっとこちらを見ている。仲間にしてほしそうにこちらを……違うな俺じゃないジェラートだ。イチゴ味のジェラートを見ている。

「しずく、一口食べる?」

「!……いいの?」

「いいよ」

可愛いしずくさんの為だ、それに元々はしずくのお母さんがこのジェラート店のクーポン券を貰ってきてくれたからである。

「はい、どうぞ」

そうして俺はジェラートを手渡す。完璧だな。

「………」

おや?どうやらしずくさんは少しご機嫌斜めだぞ、どうしたんだ一体?訳もわからず、しずくにジェラートが突き返される。

「……しずく?ジェラート溶けるよ?」

「……食べさせて」

ん?今何て言った?

「……しずく?」

「……だから食べさせて」

おやおや、どうやら家のお姫様はあ~んをご所望のようだ。全く、困ったお姫様だぜ。ここは余裕な大人の対応で……

「あ、あ~ん」

「あ~ん」

しずくは差し出された。イチゴのジェラートを食べる。何だろうな何か負けた気がする。

「ヒューヒュー、やるねスッズー」

「そ、そんなあ~んなんて……は、破廉恥な///」

「「ん?」」

(今、隣で知っている声が……)

そうして隣を向くとそこにはこちらを向いて楽しそうに笑っている園子とこちらを見て、顔を赤くしてその顔を手覆っていてるが指の隙間から見えるポーズをやっている須美がいた。

「ヤッホー!スッズー」

「……涼翔……どういうこと?

あぁ神樹様、頼みますからこの定規を何とかしてください。

 

 

 

 

 

 

 




はい、仲間外れの銀ちゃんを残して今回はここまでです。次回もまだ、日常かな?(鷲尾須美は勇者であるをまだ、完全には読みきってない)まぁとりあえずまた次回にお会いしましょう。


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えっ!?こんな状況でも入れる保険があるんですか?(諦め)

どうも、最近ようやく【魔法少女まどか☆マギカ】を見ています。魔法少女はブラック企業ですね、給料貰えないのに猪木……間違えた命を賭けるなんて……まぁ自分男なんですけどね。では本編スタート。


<涼翔side>

皆さんは修羅場というものを体験したことがあるだろうか?現在進行形で俺は体験している。

「………」

「~♪」

「……///」

「………」

フォントが変わるほど機嫌が悪いしずくさん。何故か愉快そうにしている園子(元凶)さん。先程の『ア~ン』を見て恥ずかしがっている須美さん。そして最後に震えている(スズカ)。今更だけど、俺の名前はスズカって表示した方がいいのかな?漢字だとわからない人もいるかもしれないし、なので今日から俺は!!【スズカ】と表示しています。

「……スズカ?もう一度だけ聞くよ……どういうこと?」

「そ、その……えっと……」

「スッズーと私達はかけがえのない仲間なんよ~」

「あ?」

(お前ぇぇぇぇぇぇ(乃木園子)!!何、火に油を注いでくれちゃってんの!?しずくさんとんでもない殺気出てるんだけど、しずくさんの筈なのにシズクさんなんだけど!?)

お、お、お、落ち着け俺。ここにはまだ、鷲尾さん家の須美さんが居るではないか、そうだきっと彼女ならなんとかしてくれる筈。

そんな小学生の男女が『あ~ん』なんて破廉恥な///そもそも有坂くんとその子は付き合っているの?以内としたら、余計破廉恥///そもそもそのスプーンさっきまで有坂くんが使っていたものよね、それってか、間接キスってことよね///……」

(須美さぁァァァァん!!)

辞めてくれ聞いて見ているこっちが恥ずかしくなってくる。

「っ!?」

(なんか更に寒さがましたような?)

…スズカ……早く質問にこたえろ

(やべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)

人間ってこんなに殺意を込めた声が出せるのか!?だが、しかしこんなことがあろうかと先程掲示板に書き込んでおいた。皆の力があれば怖いものなどあんまりない!!

 

 

1:修羅場転生者 ID:BSroSbLJ5

修羅場になりましたどうすればいいですか?

 

2:転生者 ID:DRlfQX8Wp

諦めろ

 

3:転生者 ID:fD/e+JZ0j

終わったな

 

4:転生者 ID:50W4CuUgR

葬式の予約しとくわ

 

5:無名勇者 ID:0dIeYebtK

俺も知りたい

 

6:転生者 ID:tpwi4DPl2

リア充死すべし慈悲はない

 

7:転生者 ID:Jk+h7J9Zz

爆発しろ

 

8:妹系勇者 ID:L2eowiUPZ

今の【修羅場転生者】さんを占ったところ【恋人】の逆位置です。意味は【失敗】、【愚かな計画】です。諦めてください。

 

9:転生者 ID:8i4GgcZsd

キャンディ…あのねパパが2つしかくれないの

 

10:転生者 ID:82K+dJ4XX

そんなあなたに今入れる保険があります

 

 

 

えっ!?こんな状況でも入れる保険があるんですか?……じゃねぇよ!!殆ど役に立たねぇじゃねぇか!!殆ど俺に諦めろじゃねぇか!?あと【無名勇者さん】は何があった!?妹系勇者さんは態々占ってくれてありがとう、できればどうすればいいのかも占って欲しかったかな。あと一人死刑囚混じってない?敗北を知って幼児化した死刑囚がいるんだけど!!

 

 

 

その後なんとかことなきを得た……しずくのコブラツイストで

 

「あの、すいませんお義父さん、お義母さん」

「ん?どうしたんだスズカ?」

「どうかしたの?スズカくん?」

「頼みがあります……今日のお役目で自分自身の未熟さを知りました。だからお願いします……私に格闘術を習わせてください」

あれから家に帰って晩餐を食べ終わった後の団欒の時間に俺は養父と養母に頼みをしていた。今日の戦いで俺は己の未熟さを知った。そして思ったこのままでは駄目だと。だから俺は強くならないとそう考えてこの頼みに振り切った。

「顔を上げてくれスズカ……正直に言ってそれについては私達も迷っていたんだ。もしもの事があったら()()()()に顔向け出来ないと……そうだよな、このままでは駄目だよな」

「……お義父さん」

「分かった、格闘術の教師に関しては私が探しておく」

「!ありがとうございます!」

「構わんよ、養子とはいえ大事な息子の為だ」

「そうですよ、それにスズカくんは少し他人行儀です。養子とはいえ家族は家族です。だから私のことはママと呼んでもいいんですよ」

「それは勘弁してください」

(流石に精神年齢で言えば30以上なのにママ呼びはちょっと)

こうして俺に格闘術を習うことになった。一様、有坂家にも格闘術と呼べるものがあるらしいが難易度が高いらしく、先ずは一般的なことを教師を雇って行うらしい。

(少しでも早く、彼女達に追いつかないと)

そう決意を固めた俺であった。……それともう一つ

(しずくのコブラツイストがまだ痛い)

果たして今日は早く寝れるのであろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。即席で書きあげたものなのでいつもより更に低クオリティだと思います。そんなんでも最後まで見てくださりありがとうございました。また、次回お会いしましょう。


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重役出勤じゃ……駄目ですよね

どもども、雪印さん家のフランさんです。最近全然お出かけしてないので何処か遠くへお出かけしたいです。ちなみに行ってみたいのは四国と千葉。それでは本編どうぞ!!


<涼翔side>

「んんん!!(やべぇ遅刻する!!)」

(私は有坂涼翔、今をときめく男子小学生。今……遅刻ギリギリです!!)

メロンパンを咥えて走っている俺……遅刻しそうです。少女マンガ風に自己紹介してる場合では全くない。食パンは無かった、だから妥協してメロンパンを咥えて走っている。というか咥えて走っているとめっちゃボロボロ落ちていくんですけどメロンパン。だが決して離さない!正直に言って邪魔だし走りにくいことこの上ない。しかしここで離してしまったら負けな気がする。そんなことを思いながら走っていると目の前に神樹館の生徒。俺と同じく走っているというかあれは……

「んんんん、んんん(おはよう、三ノ輪さん)」 

「ん?……ってスズカ!なんでメロンパンを?」

三ノ輪さんがこちらに気づく。このメロンパン邪魔だな。そうして俺は咥えているメロンパンをたべきる。

「家にこれしかなかったから三ノ輪さんは?」

「銀アタシは……まぁ色々あるんだよ。それにしても意外だなスズカは真面目そうだから遅刻なんてしないと思ってたは」

「そうでもないよ、私も結構遅刻するから」

ちなみに本当である。俺は学校の登校中でも気になる道があれば進んでしまう。分団登校でなくて本当によかった。

「へぇ、具体的には?」

「三ノ輪さん、貴方は今まで食べたパンの枚数を覚えてるかしら?」

「そ、そこに痺れないし、憧れもしねぇ!」

「そういう三ノ輪さんは?」

「スズカ、お前は今まで食べた米粒の数を覚えているか?」

「そ、そこに痺れないし、憧れもしないわね」

((何だろう……めっちゃ気が合う気がする))

転生して……というか産まれて初めてかもしれないこんなに気が合いそうな相手は。

「そういえばスズカ、アタシのことは呼び捨てでいいぞ、その方が呼びやすいだろ?」

「それもそうか……じゃあ改めてよろしく銀」

「おうよ!」

こうして俺達は並走して神樹館へと向かう。結果は……

「「ギリギリセーフ!」」

「「アウトです」」

この日神樹館にて2つのクラスで同時に遅刻して同時に怒られたという伝説が出来たとか出来なかったとか。

(重役出勤じゃ……駄目ですよね)

 

 

時はキングクリムゾンして放課後。今日はしずくが用事があるため1人で帰ることになった。格闘技の先生が来るのは明日であるので暇である。そんな日にやることは決まっている。

(よし、走ろう)

そうして帰りの会が終わったので急いで帰りの用意をする。

さぁ今日も新な景色へと……

 

「そう思っていた時期が私にもありました」

「なに言ってるの?スッズー?」

はい、俺は今イネスにいます。しかも昨日の件があったのにまたあのジェラート屋さんにいます。しかも勇者の皆さんと一緒です。うん、ハーレムかな?すみません自意識過剰ですね。事の顛末はこうだ。

俺帰る→銀に捕まる→鷲尾さん、乃木さんと合流→イネスへ

という訳である。

「どうだ、ここがイネスマスターのアタシがオススメのジェラート屋さんだ!」

今は全員でジェラートを食べている。鷲尾さんは【宇治金時味】、乃木さんが【メロン味】、銀が【しょうゆ味】である。昨日の俺よ、居たぞここにしょうゆ味というマニアックなものを頼む人が。ちなみに俺はというと【徳島ラーメン味】であった。違うよ、俺頼んでないよ。でもジェラート屋の店員さんが俺のことを覚えていたらしく、勝手に【徳島ラーメン味】にされた。解せぬ。あとは銀が注文するときな「いつもの」で通じたのでそれほど通うぐらい気に入ってるのだろう。……しょうゆ味ってそんな何回も食べるものかね?なんやかんやでジェラートを口にする。

「……美味しいだと!?」

あれだ味は冷たい徳島ラーメンという違和感ましましなのだが全然不味くないのである。

「そうだろ、なんだって私のイチオシだからな」

「最高、最高だよミノさん!ジェラートがこんなに美味しいなんて」

あれだ乃木さんが感動のあまり涙を流していた。どうやら今まで食べたものなかでもトップクラスに美味しかったそうだ。それに対して鷲尾さんはジェラートに対してガンを飛ばしている。

「どうしたの?鷲尾さん。ジェラートを睨み付けても何もおきないよ?」

「別に睨んでいるわけじゃないの……ただこのジェラートがとても美味しくて。私はいつもおやつは和菓子かところてんだったから」

お婆ちゃんだろうか?いや、最近のお婆ちゃんでも洋菓子は食べると思う。

「気に入ってくれたなら良かったよ」

そうして全員ジェラートを食べ進めていく。

「このほろ苦い抹茶味とあんこの甘さの調和が絶妙だわ」

この人食レポ上手いな。

「フフフ、鷲尾さんっておもしろっ!」

「ね~。もうちょっと怖い人かと思ってた」

多分、鷲尾さんは真面目すぎるのであろう。会話した回数は少ないがそれでもわかる。だからこそ勘違いされたりするのであろう。

「なんか、わっしーの食べっぷりを見てると宇治金時味も美味しそう……」

「それじゃあ一口貰えばいーじゃん。鷲尾さんに恵んであげなよ♪」

おっと目の前で百合展開が起きそうである。

「それだ!という訳でわっしー、一口ちょうだい。ほら、昨日のスッズーみたいに」

「っ!!」

昨日の傷が

「ん?昨日のスズカ?何かあったの?」

「あのね、昨日ねスッズーが白い髪の女の子にね【イチゴ味】のジェラートをあ~んで食べさせてたの♪」

「ほほう、いやぁスズカさんもすみにおけませんな、このこの♪」

銀が肩でつついてくる。なんか急に中学生男子みたいなノリになった。

「今はその話はおいといて、ジェラートでしょ。ほら、鷲尾さん乃木さんに食べさせてあげなよ」

俺は早口で言う。これ以上この話はしたくない。あのコブラツイストを思い出してしまうから。

「ええっと///こういうのは恥ずかしいけど、憧れでもあるのでやらせていただきます///」

そうして乃木さんはあ~んと口を開く。それに少しの間フリーズしていた鷲尾さんが恐る恐るジェラートの入ったスプーンを差し出す。

「……もむ……んむ、うん、美味しい~!」

そうして顔を輝かせる乃木さん。

「じゃあわっしー!私のメロン味のも食べてみて~」

そう言って乃木さんが鷲尾さんにスプーンを差し出す。またしても鷲尾さんがフリーズする。しばらくして意を決したのか

「あ、あーん……」

こうして俺と銀は公衆の面前で食べさしあいをしている少女を見せられたのであった。

((私達は何を見せられているのであろう?))

そう思っても仕方ないとおもう。

「なんだか初々しいし。もしかしてガチの恋人?」

「それだったら二人きりにした方がよかったかな?」

銀が笑いながら突っ込み、俺は苦笑いしながら言う。

「違うわよ!……メロン味も美味しい」

「だよねだよね~」

「ふふん、確かに宇治金時味もメロン味も超素敵だよ。だかしかし!このフードコート最強と言っても過言ではないのは今、アタシが食べている。このしょうゆ味ジェラート!マジ!これしか勝たん!」

「か、勝たん?」

(その言葉今でもあるんだ)

意味がわからず首をかしげる鷲尾さん。俺はというと【勝たん】という言葉に感心している。そうしている内に銀は鷲尾さんと乃木さんの口にジェラートをねじこんでいく。

「どうどう?ピッカーンときた乃木さん?」

「……うぅーん~なんだか難しい味だね~」

「あれ?」

「いい味だけど大人向けかもしれないわね」

「ぐぬぬ、鷲尾さんまで……ならば、スズカ!」

「え?ちょっ……」

有無を言わさずにしょうゆジェラートがねじこまれる。

「……もぐもく」

こ、これは!?

「お、美味しいだと!?」

「だよな、な!」

しょうゆ味なんて意味不明だと思っていたが、これは美味しい。銀がハマるわけだ。

「銀……貴方に会えて本当に良かったわ」

最大限の感謝を述べて俺は右手を差し出す。

「スズカ……」

そう言って銀が俺の手を強くを握り返す。

「これで」

「アタシ達は」

「「親友ね(だな)!!」」

 

「私達は何を見せられてるのかしら?」

「そうだね~小説のネタになるかも」

(ところでわっしーもミノさんもスッズーも気付いてるのかな?間接キスのこと)

 

 

後日、俺に武術を教えてくれる先生が来たのである。そこにいたのは二人であり、1人は体格のがっしりとした男性でもう1人は自分と歳が変わらないくらいの少女であった。

「初めまして、事情は貴方のお父上から聞きました。私は結城智久(ゆうきともひさ)です。そしてこの子は私の娘の……」

結城友奈(ゆうきゆうな)です!」

 

 

<■■side>

こうして物語は紡がれていく……この先にどんな未来が訪れるのかは()さえも分からない。

……しかしこれだけは分かる。

その未来に……静浦涼翔はいないであろう

それは阻止しなければならない……しかしそれをするためには

力が足りない




はい、今回はここまでです。まさかの登場ですね。友奈ちゃんのパパは名前が出てないので完全な妄想ですね。それでは今回も最後まで見ていただきありがとうございました。また、次回お会いしましょう!


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ピ……ピンク髪だぁぁ!!

どうも、投稿が遅れてすみません。雪印のフランです。大変私事なのですが、ちょっとした負傷をしてそれを我慢していたせいで1ヶ月間走れなくなりました(悲しみ)。これを通して言いたいことがあります。皆さんは足に違和感を感じたら我慢せずに休みましょう。自分みたいになります。それでは本編どうぞ!!


<涼翔side>

俺は内心で恐怖していた。その理由とは現在目の前にいるピンク髪(赤じゃね?)の少女のせいだ。

(見たらわかるこの人、絶対主人公やん!!)

ピンク髪が出てくる魔法少女世界は鬱だって相場が決まっているとAくんも言っていた。それに、【結城友奈】という少女をみた瞬間俺は謎の力を感じ取った。しかしそう考えると一つ疑問ができた。

(ん?……じゃあ俺達のポジションはなんなんだ?)

この友奈という少女が主人公だとして主人公は大体最初からメンバーにいるものだ。それなのに俺は神樹館でこの少女を見たことがない。それに勇者は銀と鷲尾さん、乃木さんと俺だといっている。ならば無関係、あるいは……

 

(()()()()()()

そう、俺達四人は常に死ぬ可能性のある戦いをしている。当然誰かが死んでしまう可能性だってある。というかその可能性の方が遥かに高い。……ならば、せめて

 

「……誰かが死ぬなら俺が

 

自分でも気づかない内に声に出していた。智久さんには聞こえなかったようだ。それに安堵してため息をつく。しかし、俺は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に気づけなかった。

 

 

智久さんは格闘の基本となることを教えてくれた。この体は幼いからこそ、物事の覚えが早かった。そのお陰ですぐに基本から応用へと入れた。

(……それにしても)

「えいっ!!」

友奈が拳を放つ。それが俺が着けているミットに当たる。

(同年代の女子でこの重さ!!)

友奈とは彼女の人柄のお陰かすぐに仲良くなることができた。そして彼女と俺が同じ歳なのがわかった。そんな少女のパンチだがそこら辺の少年の拳よりかは遥かに重い。彼女は小柄で力も弱い、しかしそれを補う速度と技術である。そんなこんなで俺も着実と格闘技を身に付けていった。

 

それから合同訓練が始まってのことだった。

「ごめんごめん、お待たせ!」

銀は8分遅刻をして来ていた。

「重役出勤とは偉くなったものね、銀」

「そう言ってる有坂くんも五分の重役出勤よ」

ふざけた口調で俺は言う。それに対して鷲尾さんがジト目でツッコミを入れてくる。

「それで、銀。どうして遅れたのかしら」

今の鷲尾さんに何故か角が生えて怒っているイメージが見えてくる。これは相当キレてらっしゃる。ちなみに俺は銀がくるまで説教を受けていました。

「え、ええと……や、何を言おうが遅れたのは自分のミスだし……ごめん、気を付けるよ!」

銀は遅れたさいにいつもこう言って謝るだけで理由を言おうとしない。ちなみに俺は寝坊やら寄り道やらが遅れる原因である。それを聞くと鷲尾さんは説教の時間は伸びる。

「全く、勇者としての自覚を持たないと。私達はこの国を守るべく……」

(あ、これ長くなるパターンだ)

俺はこっそりこの場を離れようとする。すると肩をがっしり捕まれる。

「有坂くん、言っとくけどあなたにも言っているのよ……それなのに何処にいこうとしてたのかしら?

「すみませんでした!!」

こうして俺と銀は一緒に説教を受けたのであった。

 

【今日の園子】

「……Zzz……スッズーそれうどんやない……バーテックスや」

(……何を食っているんだ俺は?)

 

<須美side>

銀がどうして遅れるのかその原因をなんとかしなければならない。

「というわけで協力して貰うわよ、有坂くん」

「……どいうわけ?」

「だから、銀が遅刻する理由を調査するのよ。そのっちには了承を得たは」

そうして私は手でそのっちの方を示す。そのっちはこくり、こくりとしてくれている。

「……了承ではないのでは?」

「次に文句を言うのであれば柱に張り付けに…「有坂涼翔、微力ながら力添えさせていただきます」

有坂くんの了承も得たことだし早速行動に移そう。

 

休日

私とそのっちと有坂くんは銀の家の前に来ていた。

「……それで有坂くん、その格好は?」

「今日の占いで頭上注意、ラッキーアイテムはヘルメットだったから」

有坂くんはなんかヘルメットをしていた。ヘルメットから緑色のリボンが飛び出して耳のように見える。まあその奇抜な格好はおいといて三ノ輪家の方を見る。周囲を散策して見れば小学生の子供二人がうろうろと遊んでいるだけである。

「私の家とは全然違うわね」

「私も~」

「私の家とは似てるところが多いね」

どうやら乃木家と鷲尾家は豪邸のようで三ノ輪家と有坂家は日本家屋のようだ。

「見て~、わっしー、スッズー。あれあれ」

そうして園子が指を指す。そこには銀が赤ん坊をあやしている姿があった。

(弟がいるとは聞いていたけど、ここまで幼いとは)

「……弟の世話をしていたのね、銀は」

「……あの子何処かで見たような?」

その後、銀は家事を手伝いを行ってお使いへと向かうようだ。

「働き者だわ……お使いも、ついて行ってみましょう」

 

そこで更に私達は更に驚く光景を目撃した。銀の目の前で自転車の子供が転んでしまいそれを彼女が助けた。その後に銀の目の前にお婆さんが腰痛で座り込んだ。

「こ、これはいわゆるトラブル体質~?」

「遅刻の理由が判明したわね……」

「それはそうとして手伝わないと」

そうして私達は銀とお婆さんのもとへ向かった。

「お~い、ミノさ~ん!」

「ん、って園子!?須美にスズ……何そのヘルメット?」

 

 

そうして私達はお婆さんを無事家まで送った。有坂くんがお婆さんをおんぶしていたので意外と力はあるのかと考えていた。

「じゃあ三人とも最初から見てたの?わぁ恥ずかしいなぁソレ」

「むしろ誇るべきことじゃない人を助けて遅刻なんて」

「そうだよ、偉いよ~」

「遅れるのはこういう理由があったからなのね」

「まぁ……ね」

「だったら言ってくれればいいのに~」

「いやぁ……それはなんか、弟や道行くお婆さんのせいにしてるみたいで……何があろうと遅れたのは、自分の責任なんだしさ」

「そうね、理由が何であれ、遅れていいわけではないわ」

「トホホ……ごもっともです、ハイ」

そうして四人で並んで話していると

「危ない!!」

大きな声が上から聞こえてくる。すると上から金槌が落ちてくる。その軌道上、落ちてくるのは

(私の位置に!?)

恐怖を感じる。あんなものが頭に当たれば確実に怪我をするし、もしかしたら死んでしまうかもしれない。そんな恐怖に震えていると。

「鷲尾さんごめん!」

「キャッ!」

有坂くんのそんな声がしたあと、彼は私を突き飛ばす。そして私がいた位置に今は有坂くんがいる。

「「スズカ(スッズー)!!」

私は思わず目を瞑る。激しい音がしたあと金槌が地面に落ちた音がする。

「鷲尾さん怪我はない?ごめん、ちょっと力強く押しすぎたかも」

「私は大丈夫だけど……それよりもあなたは!?」

「私はヘルメットをしてたから大丈夫、それよりも鷲尾さん何処か怪我をしたなら手当てを……」

大丈夫なわけがない。ヘルメットととは防弾服と同じで衝撃が防げるわけではない。あれだけ激しい音がしたのだから衝撃も相当なものである。しかし、有坂くんは自分より先に

、私の心配をしてきた。そこで私はどこか【()()()()()()()()()()()()()】を感じた。

 




今回はここまでです。涼翔の異常性が少し見えてきましたね。それでは見ていただきありがとうございました。次回もお楽しみに


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人は…………飛べません

皆さんお久しぶりです。雪印のフランです。テスト週間とゲームのイベントにより投稿をサボっておりました。イベントはまだやっている途中ですけど


<園子side>

 

「どうしたの三人とも?早くしないとアイス溶けちゃうよ」

スッズーがそう言う。あれから私達四人は金槌を落とした男性にお詫びとしてアイスを買って貰った。スッズーは美味しそうに食べていっているけど私達はとてもそんな気分にはなれなかった。もしかしたら友達が重症……当たり所が悪ければ死んでいたかもしれないのだ。それなのに被害にあったスッズーは「アイスを買ってもらえるなんてラッキー」と呑気に言っている。それが不思議で不気味で仕方なかった。多分、わっしーやミノさんも同じ気持ちだろう。

「……ねぇ、有坂く……」

わっしーが何かを言おうとしたとき、空間が制止する。

「これって……樹海化!?」

「もう!折角の休日が台無し!」

そうして瞬く間に世界は樹海へと姿を変えていった。

 

 

 

<side out>

 

涼翔達が勇者へと変身したときバーテックスは現れる。

「何……あのフォルムは、天秤?」

「飛んでいるだと?」

20メートルもの巨体で空中に浮かんでいるバーテックス……天秤座の名前を冠した【ライブラ・バーテックス】である。

「全く、どんなウイルスの中にいればあんなのが育つのかね?」

銀が二丁斧を構えて攻撃の体勢をとる。

「全く同感だわ」

そう言って涼翔も武術の構えをとる。

「銀、有坂くん。訓練通りにいくわよ」

「そうだった忘れてた」 

「そうだね、鷲尾さんよろしく」

この二人、ある意味単純であり危なっかしい。

「そもそも、何処が顔なんだろう?」

園子は園子で敵のフォルムの観察をしている。

「向こう側へ戻りなさい!」

そう言って須美は矢を放つ。

(これで引き返してくれたらいいのだけど)

敵目掛けて放たれた矢であったが、敵の分銅のような部分に磁石のように吸い込まれてしまった。しかもその分銅ような部分は無傷であった。

「なっ!?……もう一度!」

もう一度矢を放つが結果はさっきと同じで吸い寄せられてしまう。

(そ、そんな……)

須美の矢は今回の敵に通用しないのである。それに対して須美はショックをうける。そんなことはお構い無しに敵は前進し続けている。

「ミノさん、スッズー、あの敵、体と体が繋がっている部分が細くて脆いかも!」

「接続部を狙ってね攻撃、了解!」

「なるほど接続部……」

そうして三人は攻撃を仕掛けようとする。するとバーテックスは、分銅を振り回すように大回転を始めた。その竜巻のような防御壁に三人は弾き飛ばされる。

「くっ、こいつ、近づけない……!」

さらに敵はその遠心力を利用して分銅部分に刺さっている須美の矢を須美方に射出していた。

「矢をそんな風に返すなんて!」

「環境利用闘法だと!?」

須美は素早く体をひねり、その矢をかわす。かわした矢はそのまま飛んでいき樹海を傷つけた。

「樹海が……!私の矢で……!」

樹海でのダメージは現実世界にも影響する。そのため長引かせるほど現実世界への被害も大きくなってしまう。

「こうなったら!」

すると涼翔は突然回転し始める。するとバーテックスのように緑色の竜巻が発生する。そうして竜巻どうしが衝突を始める。

「おぉ……ベイ○レード?」

竜巻同士の衝突により敵の進行は止まる。……しかし

「……無理……吐きそう」

涼翔の三半規管が持たず、そのまま弾き飛ばされた。

「有坂くん!」

「スズカ!」

「スッズー!」

急いで涼翔の救出に向かう須美と銀と園子。涼翔は三半規管の酔いによってぐったりしている。このままではバーテックスが

四国へ上陸してしまう。そんな時に園子が口を開く。

「ぴっかーんと閃いた。わっしー、ミノさん、スッズー、台風に目ってあるよね。この回転も周囲に強くても、頭上がお留守かもしれない!」

「なるほど頭上……どうやって行くの?」

「……スッズーって飛べないかな?」

「乃木さん……人は飛べません!」

「やってる場合か!!」

「そうよ!それに竜巻に飛び込んでいくようなものだから相当危ないわけで……」

「やってみせろよ、銀ティー!」

「何とでもなる筈だ!!」

「新型のバーテックスだと!?」

「ちょっと!三人とも!?」

須美が心配するなか○フティー構文をする三人。須美は本気で三人を心配する。

「大丈夫だよ。須美援護よろしく……いくぞスズカ!」

「了解!」

「銀、有坂くん、ちょっと待って……!」

須美の返答も聞かずに大きく跳躍する二人。

「「はぁぁぁあああああ!!!!!」」

二人して声を上げて竜巻の中に身を投じていく。

「ぎ、銀……あ、有坂くん……」

大きな音がして敵の動きが止まる。敵の頭上には斧が突き刺さっていた。風の刃で切り裂かれていた二人の体は血だらけだった。その様子に須美は戦いであることを忘れてしまっていた。

「今だ!!!」

園子が敵の中へ踏み込み突撃をする。その様子で我を取り戻した須美も敵への攻撃を始める。

「フフフ、止まっているのならば外すわけがない。喰らえ、友奈直伝勇者パンチー!」

涼翔は友奈から教えて貰ったパンチで敵を粉砕していく。友奈いわく、勇気がでるパンチだとかなんとか。こうして勇者達が攻撃を続ける。やがてバーテックスは進行をやめて、追い返されるように撤退していった。

 

 

<涼翔side>

戦いが終わった後、俺達四人はぐったりと横たわっていた。先程の攻撃により体力を使い果たしたのである。

「銀、有坂くん……傷は大丈夫?」

「何度目の質問だよ、大丈夫だって」

「そうそう、別に大したことないよ」

「そう……ごめんなさい。矢が通じなくて、結果、二人に突っ込ませてしまって」

「そんなの相性もあるし、気にするなって。それにアタシやスズカは武器的に突っ込むのが仕事だから」

「私、武器ないんだけどね」

「お口チャックだよ、スッズー」

「突っ込むのが仕事……か。もしかしたら、私達って、あまり仲良くならない方がいいのかな……」

鷲尾さんが突然そんなことを言う。

「え、ど、どうしたのわっしー」

「な、なんだよいきなり……」

「!?」

その発言に驚きを隠せない俺達三人

「だって……銀と有坂くんが竜巻の中に飛び込んでいったとき、心配で……心配で……動きが鈍くなっちゃたら……」

気がつけば鷲尾さんは涙を流していた。彼女は真面目で優しい。だからこそ、俺達のことを本当に心配していたのだろう。

「須美……」

「鷲尾さん……」

「あっ、あぁぁ、わっしー、な、泣かないで」

乃木さんが慰めようとするが鷲尾さんの涙は止まらない。今回の戦いで須美は色々とショックなことが多かったのだろう。真面目な彼女だからこそ抱え込んでしまうのだろう。

「私の矢がちゃんと通じていれば……うぅ」

乃木さんが鷲尾さんの手を握る。

「……須美」

「お前、どれだけアタシ達の事を信用してないんだよ、勇者システムも接近専用のタフなやつに仕上がってるんだから大丈夫だって、なぁスズカ」

「うん、心配だろうけどさ私達は全然大丈夫だから」

よしよしと銀が須美を撫でて、俺は鷲尾さんに微笑みかける。

「……まぁでも、時々練習に遅れてりゃ、そりゃ本番でも不安がられるか」

「時々どころ話じゃないけどね」

「スッズーが言える話でもないよ」

「……コホン、分かったよ須美。アタシ、家をでる時間をもっと早くするよ。それならトラブルにあっても間に合うだろうしさ」

「……銀」

「だからさ、もっと仲良くなろうよ。須美、アタシは敵の攻撃より、さっきの須美の言葉の方が傷ついたよ」

「うんうん、私もだよわっしー」

「銀……そのっち……」

「鷲尾さん……鷲尾さんは私のことが嫌い?」

「そんなことはないわ!」 

「だったらさ、信用してほしいな。頼りないし迷惑ばっかかけるかもしれないけどさ、私達()()なんだから」

「有坂くん……ごめん、ごめんね……」

銀は鷲尾さんが泣き止むまで強く抱き締めたのであった。

 

やがて鷲尾さんが泣き止んだ。

「……ありがとう、銀」

「気にするなって、さっきスズカが言ってたように友達だろ」

「!……うん!」

鷲尾さんの表情は晴れている。もう、心配しなくていいかな。

「それよりも、スッズー」

「ん、どうしたの乃木さん?」

「その()()()()っての辞めてほしいな、友達なのにさん付けっていうのが」

「それは私も思ったわ、」

どうやら乃木さんと鷲尾さんは自分の呼び方があまり気に入らないようだ。

「ん……それじゃあ『そのちゃん』と『須美ちゃん』でどうかな?」

「おぉ、いいね『そのちゃん』」

「うん、私もそれで構わないわ」

「だったら須美もスズカのことを別の言い方で呼ぶべきだよな」

「……それもそうね……『スズカくん』……これでいいかしら?」

「うん、いいよ。改めてよろしくね、須美ちゃん、そのちゃん、銀」

「「「うん(おう)」」」

こうし俺達の絆は深まったのであった。

 

 

「あ!!しまった!」

「どうしたの、スッズー?」

「あ、アイスが……」

「アイスかよ!!」

「ヘルメットも……」

「はぁ……ヘルメットはともかくアイスはもう無理でしょうね」

「そんなぁ……」

「というかアタシも腹減った……よし!スズカのヘルメットを取りに行ってから飯を食いに行こうぜ」

「何処に?」

「もちろん、イネスさ!」

「ふぁ~疲れた、スッズーおんぶして行って」

「こら、そのっち!」

「しょうがないなぁ」

そうして俺はそのちゃんをおんぶする。

「スズカくんも!」

「よし、早く行こうぜ!」

そうして銀が走っていく。

「スッズー全速力で」

「了解、では激しい揺れにご注意ください」

そうして俺もそのちゃんをおんぶしながら走る。

「速い!?……ってコラ、待ちなさい!」

 

そうして俺達のお役目はまだまだ続く。敵はまさしく星の数ほどいるのだから

 

 

 




はい、今回も最後まで見ていただいてありがとうございます。まさかのストーリーの進行度合いでいえば後から始めたこっちが前から投稿しているのより進んでいるという不思議。嘘、私の進行具合遅すぎっ!!というわけで以上です。また、次回お会いしましょう。


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夢とは不思議なもの

お久しぶりです、雪印のフランです。ネタが思い浮かばずスランプのような状態になっていました。なので、今回はいつも以上にクオリティなどが低いかもしれないので先に謝っておきます。すみませんでした。それでは本編どうぞ!


<涼翔side>

さっきまで教室にいたはずなのに俺は何故か樹海にいた。目の前にはバーテックスが3体いる。それに向き合うように銀が一人仁王立ちをしていた。

「……銀?」

そうして銀は3体のバーテックスに向かって突撃した。

「お……私も」

銀を助けようと動こうとするが、動けなかった。

「な、なんだよこれ?」

足に黒色の何かがまとわりついて動こうと踠くが動けなかった。

「どうしてだよ!友達が危険な目にあってだよ動けよ!」

力の限り足を動かそうとするがびくともしない。まるでかつての怪我のようだった。転生をする前にした大怪我、医者にも両親にも止められていたが走ろうとしたことがあった。そのときもだった、走ろうと思っていたら何かに邪魔をされた。そんな俺のこと気にするわけもなく時間は無慈悲に進んでいく。銀はバーテックスの猛攻を受けて、その身を自身の血で汚していく。しかし彼女は諦めることなくバーテックスへと立ち向かっていく。時間がたった……俺にとってはとても長い時間がたったように感じたが、実際はほんの数分の出来事であった。銀がバーテックスの撃退に成功したのである。それなのに俺は喜べなかった。銀は壁の方向を向いたまま微動だにせず立っていた。その彼女には()()()()()()()()()()()()。誰だって見てわかる彼女はもう()()()()()()()

「……銀」

拳を血がでるくらい思い切り握る。何も出来なかった、見るだけしか出来なかったのだ。悔しさが無力感が血とともに滲む。やがてそのちゃんと須美ちゃんが銀のもとへやって来る。二人も銀ほどではないとはいえ血塗れであった。

……そ'れなのに自分はどうだった。彼女達……自分よりも年齢も低い少女が血塗れになって戦っているというのに自分は見るだけだった。動かなった。

そうして俺の視界は暗闇に染まっていった。しかしそんな暗闇の中でも右手には微かながら温かく優しい光があった。

 

「!?」

目を開ける。そこはさっきまでいた教室であった。

「……夢か……?」

夢であったことに安心して右手を見る。そこには同じ体制で寝ていたしずくの手があった。他に生徒は居なかったので放課後なのであろう。俺は気持ち良さそうに寝ている彼女の頭を撫でた。するとしずくは嬉しそうな顔になった。きっとあの光はしずくだったのであろう。

「……ありがとうしずく」

 

 

 

日付は変わって放課後、俺達勇者4人組は図書室で勉強会を行っていた。どうやら銀の小テストの結果が悪かったらしく須美ちゃんがつきっきりで教えている。

「なぁ、勉強より先にイネスに行かないか?あそこのフードコートが私を読んでいる」

「駄目よ銀」

「須美ってば取り付く島もないっショ」

「何それ新キャラ?ほら集中して銀」

「そんなことより鷲尾先生、勉強会と言いながら本を読んでいるスズカくんと寝ている園子ちゃんはいいんですか?」

そう俺は本を読んでおり、そのちゃんは寝ているのである。勉強会なのに勉強しているのは二人だけである。

「この二人は意外と頭がいいのよ……見えないけど」

「スズカの裏切り者ォォ!!」

「悪いね銀、遅刻はしても授業は聞いてるから」

「まず、遅刻しないようにしなさい!」

ちなみに俺達以外に図書室に生徒はいないためある程度であれば騒いでもいい。

「おのれ天才少女とマグロ男の娘(やろう)*1「ま、まぐろ?」……耳元で害虫の名前をひたすら囁いてナイトメアを見せてくれようか、いひひ」

「魔女かなにかかな?」

「よくそんな鬼のような発想ができるわね。自分がされたらどう思うの」

「アタシ平気だもんGとか」

「……やるじゃない」

「勇者ですから。須美とスズカはどう?G」

「……どうしてウイルスで絶滅してくれなかったのか……恨むばかりね」

「私も……ちょっとフォルムがねぇ……」

男とはいえど Gにはちょっと苦手意識がある。あとは夏に落ちている蝉の死骸とこかも苦手である。

「お、苦手なんだ二人とも。やだー可愛いー」

「話を逸らそうとしても駄目よ銀。さぁ、歴史の勉強の続きよ」

勉強会が再開し始めたので俺も読書を再開する。読書は嫌いではない。入院の期間中にあまりにも暇だったので読書をしていた時期があった。読書ならではの先入観があった、自分ならこうするとか何故こうなったのだろうとかそんな感じなことを。

「……そういえばスズカって小テスト何点だったの?」

「ん?」

「いやぁ、スズカが頭がいいのがどうしても納得いかなくてさ。ちなみにアタシは52で須美が92で園子が0」

「そのちゃん!?」

0点とは銀よりも悲惨な点数なのだが。

「そのっちは記入方法が違っただけで正式な方法なら満点だったのよ」

「……そうなんだ」

天才なのかバカなのか、本当によくわからない少女である。

「それでスズカは?」

「私は84点だったよ」

「ふ、普通に高得点だった!?」

前世の知識とは少し違うけれども全く違うなんてのとはないので普通に高得点は狙える。

「ミノさん……だいすき……zzz」

突如としてその

ちゃんが話し出す。どうやら寝言のようだ、その顔はとても穏やかである。

「ど、どんな夢を見てるんだこやつ。ははは、大好きとかいわれると照れるな」

あからさまに照れている銀。

「……行かないで……スッズー……zzz」

先ほどの銀とはうって変わり、今度は不安そうな声でスズカのことを呼んだ。

「……本当にどんな夢を見てるのかな?……大丈夫だよそのちゃん……私はここにいるから」

そうして俺はそのちゃんの頭を撫でる。すると表情が不安そうな顔から穏やかな顔へと戻った。

「ほほう、やりますなスズカさんや」

「からかわないでよ銀」

「私は?ねぇそのっち私は?」

「須美ちゃん、気持ちよく寝てるからあまり揺らさないであげてね」

「……ってもうすぐ鍛練の時間じゃん」

「えぇ、そうねしっかりと鍛えましょう」

そうして私達はそのちゃんを起こして鍛練へと向かうのだった。

*1
鮪は常に動かないと死ぬのをスズカが常に走っていることから




はい、今回はここまでです。再度言いますが更新が遅くなり申し訳ございませんでした。もう一つのほうも更新をしないといけないですね。というわけで最後まで見ていただきありがとうございました。また次回お会いしましょう


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夏の強化合宿

どうも、大分久しぶり雪印のフランです。自分が夏休みに追われて忙しい時期のなかに色々ありましたね。(現在10月)本来なら8月の最後のほうにもうひとつの有坂優斗のほうと一緒に編集して投稿する予定でしたが自分が想像の数十倍忙しいなかなので全然投稿できませんた。待ってくれていた方々には深く謝罪申し上げます。それでは本編どうぞ


俺達勇者は安芸先生に呼び出された。安芸先生はいつも俺達勇者を訓練場に送ってくれたりしてくれている。他の三人はクラスの担任でもあるから交流は多いだろうが、俺はまだ数回しか喋ったことはない。そんな俺でも生徒のことを大事にしてくれる思いやりのある先生だというのがわかる。それにしずくもお世話になったと前に言っていた。それに比べてうちのクラスの担任は何をしているのだろう。まぁそれはおいといて、今は話に集中しよう。

「今回呼びだしたのは大事な話が2つありそれをするためです」

「大事な話……銀、また遅刻したの?」

「げ、なんで知って……ってそれじゃあアタシだけ呼び出されるだろう!」

「その話は終わったら聞くとして「げっ!」……というか有坂くんも人のことは言えないでしょう、今日はしてないとはいえ、昨日は2限目から来たそうですね」

「な、なんで知って……あ、」

スズカくん?

「やーい、スズカ。お前も人のこと言えないじゃないか」

「スッズーは一体何してたの?」

「……青色の烏を見つけたからつい追いかけちゃって」

こちらを見つめている青い鳥がいたのでつい追いかけてしまった。ちなみに青い鳥には全力で逃げられた。

「……話が反れてしまったわね。今回は二人の遅刻の件じゃないわ。今度の週末に三連休があるのは知っているわよね」

「はい」

え、知らない

バカ!スズカまた須美の説教が増えるぞ

「その三連休にあなた達のチームワークを鍛えるために大赦の運営している旅館で強化合宿を行ってもらいます」

「効率的に鍛えられますね、助かります」

「合宿……うわぁ、お泊まり会だ~やった!」

「……合宿」

「ん、どうしたスズカ?」

「……いや、何でもないよ」

合宿……思えば前世でも参加したことはなかった。何処か別の場所で寝るよりも、やはり自分の家で寝るほうがぐっすり眠れる。そういう意味では有坂の家で寝るのに慣れるのは結構苦労した。

「それで、合宿をするにあたってあなた達には隊長を決めてもらわなくちゃいけないのだけれど。乃木さん頼めるかしら?」

「え、わ、私……ですか~」

そのちゃんが驚いた顔をしてその後に須美ちゃんを見ている。須美ちゃんも最初は驚いた顔をしていたがすぐに笑顔でそのちゃんに返答をしていた。

「アタシかスズカじゃなければ、どっちでもいいよ」

「私もそうですね……って銀」

「だって向かないだろ、アタシら誰かに指示とか」

「まぁ、そうだけど」

「三人とも…わ、私にできるかなぁ~」

「さてと伝達は以上よ」

「「よし、遊びにいこう!」」

俺と銀が二人でこの場から去ろうとすると安芸先生に腕を捕まれる。

 

「その前に二人には()()があるわ」

「「……あ」」

 

 

 

<side安芸>

この子達をみて、私は頼もしいと感じていた。勇者のお役目は責任重大である。全員が真面目すぎては責任によって潰されてしまう。だからといって全員がふざけていてもいけない。そういう意味ではこの四人はある意味理想的な配分なのかもしれない。……いや、鷲尾さんに苦労が物凄くいくけど。それよりも安心したのは有坂くんがすっかり彼女達と馴染めていることである。

 

有坂涼翔(ありさかすずか)』……突如として勇者の適正が発覚した。……いや、もしかしたら()()()()()()もあり、故意的に隠されていたのかもしれない。その後に急遽、有坂家の養子として神樹館へ転校してきた。その為色々と手続きが間に合わず、他の子達とは別のクラスになってしまった。そんな中でもクラスの子は勿論、勇者達の子とも馴染めて、あの子……山伏さんとも仲良くできている。授業態度も良く、遅刻はするものの良い子であるのは確かだろう。いや、有坂くんだけではない。鷲尾さんも乃木さんも三ノ輪さんも全員が良い子である。誰一人として欠けていい存在ではない。だから……戦うことのできない大人(私達)はこんなことしかできない。

「……神樹様、あの子達をどうかお守りください」

そう、私は神樹様へと祈った。

 

 

 

 

 

<sideスズカ>

「夏だ!!」

「海だ!!」

「そして~」

「「「タツr「いわせないわよ!」……」」」

我々、勇者は現在海に来ていた。今日から2泊3日の合宿である。

そして現在は打ち出される球に銀や俺が当たらないように援護する特訓である。ちなみに俺は休憩である。

「って痛い!」

丁度銀が今、死角からきた球に当たった。

「クソォ!」

 

そうしてそれから交代して自分の番になる。

 

「それじゃあ次に有坂くん」

「よし」

(全速力で走り抜ける)

「ちなみに、全速力で走るのはなしよ」

「え?」

「スッズー!前!」

「え?」

安芸先生の言葉により俺は一旦停止してしまう。次にそのちゃんの言葉で前を向くとそこに球が。

「グハッ!」

「スッズー!」

顔面に直撃である。

 

何回して後数メートルでゴールである。

(よし、あと少しで)

ズキッ

突如として頭痛がはしる、するととある光景が見える。その光景では死角からくる球に当たる自分が見える。

「スズカくん!」

「っ!!」

意識が現実へと戻る。そして咄嗟にしゃがむ。頭上には何かが高速で飛んできた。

「……危なかった」

そうして俺はゴールへと歩を進めた。

「すごいなスズカ!最後の球を避けるなんて」

「本当、スッズーは後ろに目でもついてるの~」

「さすがについてないよ、それに須美ちゃんの声が聞こえたからね」

「そんな、本来なら私が防がなきゃいけないのに……」

「ううん、あの球は須美ちゃんの声があったからこそ避けれたんだよ」

俺だけであったら何も理解出来ずにあのイメージの通り球に当たっていただろう。須美ちゃんの声があったこそ現実へと意識が戻り、そうして避けることができた。

「だからさ、ありがとう須美ちゃん」

「……うん」

 

そうして日中の訓練が終わり、現在は温泉にいる。

「いい湯だ」

前世からお風呂は好きであった。そして今、この場は貸し切りであり、俺以外は誰もいない。

「……大赦様々かな」

本来なら三連休、自分達以外にもお客さんがいたと思うのに貸し切りである。初めは、仮面も着けており幼い子供を戦わせる怪しい組織だと思っていた。しかし有坂家で遥さんや秀さん*1を見て印象が変わった。あぁ見えても二人大赦では結構な名家らしい。義理とはいえ息子の前で物凄くイチャイチャしている。まぁそれを見ているとだいたい俺も巻き込まれるんだけどね。『スズカくんも義理とはいえ、私の息子なんですから』とか『あの二人になることはできないがあの二人の代わりぐらいなら全力でやらせてもらうつもりだ』とか言ってくれる。本当に優しい人達である。ただし、遅刻したときの説教は怖い、笑顔に圧を感じる。

「さてと……もうそろそろ出るか」

風呂は好きではあるが長風呂しすぎるとのぼせてしまう。

 

風呂から上がり、現在は部屋にいるのだが……

「それで、貸し切りなら別の部屋にするべきなのでは」

そう、なんと俺と他の三人が同じ部屋なのだ。

「アタシは大丈夫だぜ、スズカはそんなことしないだろ」

「それはそうだけど」

「大丈夫だよスッズー、私もわっしーもスッズーのことを信頼してるよ」

「私も恥ずかしいけれどこれも交流を深めるため、それにそのっちの言う通りスズカくんのことは信頼しているわ」

「……三人が良いのなら」

 

そうして俺達はそれぞれの布団に入っていく。

 

「お前ら、簡単に寝られると思ってる?」

「私はいついかなるときでも寝れるよ」

「同じく、もう疲れたよ銀ラッシュ……なんだが眠くなってきちゃったよ」

「スズカくんはともかくとして。明日も朝早いのよ銀、ほら目を閉じなさい。そして素数か戦艦の名前を頭で唱えれば寝れるわ」

「いやだ」

寝ようとした矢先に銀が全員に話をかけてくる。

「好きな人の言い合いっこしよう!」

おや、とんでもない爆弾が落とされた。

これは……

「銀、好きな人って……」

「も・ち・ろ・ん。お父さんとかお母さんとか身内で濁した奴は、勇者の称号剥奪な!」

「そ、そういう銀はどうなの?」

「どきどき~……」

銀はしばらくの間をあけてドヤ顔で言いはなつ。

「いない!」

「それはずるいよ~」

「私もいないからおあいこね。そのっちは?」

「ふ、ふ、ふ。私はいるよ~」

「おおっ!コイバナきたんじゃないか?」

「だ……誰?クラスの人?」

「うん、わっしーとミノさんそれにクラスは違うけどスッズーも」

「……そうだと思ったわ」

「女子三人がこれでいいのかね?……でも大トリは残ってるからなス・ズ・カ 」

「!?…………zzz」

「おい、逃げるな、知ってるぞ起きてること」

そう、俺は現在寝たふりをしている。

「ギクッ!?…………zzz」

「おい、今思い切りギクッって言ったぞ。そうか、そうかそっちがその気なら……園子、やっておしまい!」

「了解なんよ~……アイキャン、フラ~イ!」

「……zzってみぞおちっ!!」

そのちゃんがまさかみぞおち目掛けて飛び付いてきた。

「よし、起きたな。全くうら若き乙女の会話を聞くだけ聞いて自分が逃げるとかそんなことはないよなスズカく~ん。さぁお前の好きな人を吐くのだ」

「私も好きな人……いないよ」

「またまたスズカさん、そんなこと言っちゃて前に山伏さんと一緒にジェラートを食べてたって前科があるじゃないですか」

「……全科」

「他にも、この前にピンク色っぽいような赤色っぽい髪の女の子と一緒に遊んでるのが目撃されてますぜ」

友奈と遊んでいたときの!?何でバレてるの?

「おぉ!!スッズーの周りはハーレムなんよ~」

「そんな複数の女性と///……ふ、不潔よ///」

「須美さん、大分誤解してませんかね?」

「へいへい、さっさと吐けってスズカさんや」

「だから違うからぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
初めて名前が出るけど有坂家の父親




はい、夏合宿編ですね。それにしてもゆゆゆ業界では自分が休んでいるなかで色々ありましたね。ゆゆゆいサ終からのゆゆゆい家庭ゲーム化、『芙蓉友奈は勇者ではない』の新プロジェクト、モンストまどマギコラボ(関係ない)と様々ですね。←(モンストと遅れた理由の一つである……だって全キャラ欲しかったんだもん、無事に課金パック以外のキャラは集めれました)それでは今回はここまでです。次回は、もっと早く作れるように善処します。


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別に、あれを倒してしまっても構わんのだろう?

どうも雪印のフランです。もう随分と寒くなりましたね。布団が自分を離してくれません。そんなこんなでもう11月後半です。だが、この物語は夏。それでは本編どうぞ


強化合宿の夜、突然時間が止まった。

「なっ!?ここからいいところだったのに」

良かった、このままだと永遠に銀の質問攻めを受けているところだった。

「さぁ、話は後で行こうか!!」

「よし、出撃なんよ〜」

旅館から大橋までやって来た。そうするとバーテックスが現れた。

 

 

〈Side out〉

「来たっ、おぉ今度はビジュアル系なルックスしているね」

「と、尖っていて強そう〜」

現れたバーテックスは山羊座の名を関するもの【カプリコーン・バーテックス】。

「矢で攻撃してみるわ」

須美が、気合を込めて弓を引き絞る。

「今回こそ……!!」

バーテックスに向かって矢が飛んでいったが、しかしバーテックスが小刻みに震え始めた。それによって樹海全体が大きく揺れる。

「スッズー、あれって…」

「うん、間違い無い…」

「「グラ○ラの実だ!!」」

「言ってる場合か!?」

バーテックスの振動により須美の放った矢は弾かれてしまう。

「う、また通じないというの……?」

「落ち込んでいる暇はないよ、わっしー!この地震を止めないと!敵に近づくよ〜!」

「え、ええ」

「なら、私が先行する」

「お願いスッズー、私達が着くまでの足止めでいいから」

「了解……ところでそのちゃん隊長」

「……?」

「足止めって言うけど……別に、あれ倒してしまっても構わんのだろう?」

「おぉ、言うねぇスズカさん」

そうして、スズカは力強く1歩を踏み出した

……が、地面が揺れていることを忘れておりそのまま転んでしまう。

「「「………」」」

「///」

立ち上がったスズカは心なしかいつもより速かった。

「……私達も行こうか」

「「……うん(おう)」」

触れないことが彼女たちが出来る最大限の配慮だった。一方バーテックスは、スズカが近づいていくのを感じると上昇していった。

そのためスズカの攻撃は外れてしまう。

「何!?」

「なんだ?止まったけど……このまま逃げる気か!?降りてこいコラァー!」

月の光を受けて敵の体が鈍く光る。

「!……ミノさん、スッズー、敵が何かを仕掛けてくるよ!ミノさんは斧で防御!スッズーは一旦退避!」

「えっ……んなっ!」

「これは……まずいっ!」

バーテックスは上空から雨を降らした。正確にいうとそれは雨と形容できるほどの光弾であった。

「避けたら橋も樹海もやばい!上っ等!!野球は結構好きなのよね!!」

銀は二つの斧で光弾を打ち返した。

「敵を撃ち落とすぐらいしなければ……!」

上空にむけて弓を構えるそんな須美の目に信じられない光景が目に写った。バーテックスが、すかさず次の攻撃手段に移行している。

「銀、大きいのがくるわよ!」

須美の叫びと同時だった。今度はレーザーじみた怪光線を真下に向けて垂直に打ち込んできた。その方向には丁度、銀がいた。銀は二つの銀をあわせて盾がわりとして、その光線を受け止める。

「んぐぐぐ……!こ、これはキツイ」

照射の的になっている銀は、なんとか受け止め続けている。

「ミノさん、その光線どれくらい受け止められる〜?」

「あ、あと十秒っ……!? き、気合をだせば、じゅっ…十二秒ぐ、ら、い、は……」

既にギリギリそうな銀の声。

(どうする!?銀を助けて一度間合いをとって、体勢を建て直すか……それとも一気に攻め込むか、でもそれじゃ銀が)

「なら、私とわっしーとスッズーで上空の敵を叩くよ〜!行こう二人とも!」

「了解」

園子とスズカが敵に跳躍し、遅れて須美が続く。須美は弓を構える、銀の限界はこうしている間にも近づいている。

「わっしー!狙うのは胴体じゃないよ〜」

そう言い園子は指を指す。その先は敵の胴体ではなく……。

「なるほど……過激なことを考えるわね!」

狙った場所はバーテックスの怪光線の発射口である。須美の矢によりバーテックスは大爆発とともに弾け飛ぶ。

「やった……」

「よし!スッズー追撃いこうか〜」

「了解」

まだかろうじて宙に浮いているバーテックスに向けてスズカは走っていく。

「私が意味もなくONE○IECEを読んでいたわけじゃないんだよ」

そうしてスズカは空を()()()。正確には落ちる前に空気を足場として使用してそのまま跳躍しているのである。

「……すごい」

「一緒に読んで良かったんよ〜」

「まさかの白ひ○の件は伏線だった」

そのままスズカは敵の真上にいく。

「墜ちろ!」

そうして銀のいる方向とは少しずらしてバーテックスを蹴り墜とす。

「後は任せて〜…!!」

墜落したバーテックスに園子が突撃する。そこからは全員のなりふりの構わない攻めによりバーテックスの体はどんどん損傷していく。そうしてボロボロになったバーテックスは壁の外へ撤退していった。やがて、時間が経って樹海化も解除されて、気がつくと大橋の見える公園にいた。

 

 

〈須美Side〉

私達は樹海化解除されてから私達は公園の芝生で倒れていた。訓練の後であるし夜ももう遅い。本来なら寝ているはずだった。

「ミノさん、大丈夫?」

「なんかこう、腰にくる戦いだった……上空からのビームを防ぎ続けるとか、地味すぎる……しくしく」

「この間大活躍だったからいいじゃん〜。それにああして攻撃を受け止めてくれていたから、私も攻め込めたんだもん」

「同じく〜」

「そのっちは……あの短い時間でよく決断できたわね、攻め込もうって……スズカくんもそれに同意して素早く動けてたし」

「だってミノさんが十秒持つって言ったんだから、十秒もつじゃん?それぐらいあれば、なんとかなると思って〜。火力ある敵だから長引かせるのは危険そうだからさ」

「私は銀なら大丈夫だと信じてたし、そのちゃんの作戦なら必ず成功すると思ったからね」

「……!」

二人にあって私にはなかったもの。銀への揺るがない信頼。敵の特性を把握しての素早い判断。私はあのときまだ迷っていた。そうか、きっと先生は見抜いていたんだ。私達の中で最も閃きが早いのはそのっちだ。それに比べて私は肝心なときに迷いがある。私は家柄によってそのっちが隊長に選ばれたと思っていた。

「そのっち……凄いわね」

「え?私は?」

「スズカ、いいところだから」

私は深く己を恥じた、だからこそここは心からの称賛を

「貴方こそ、隊長よ、本当に」

「えぇ、そのちゃんがあってこその勝利だったし」

「ね。ここぞって時にやってくれる!」

「あは、あははは〜///」

そうよ、普段は私がしっかりとサポートすればいいだけの事ね……そのっちの器量なら、そうしている間に、立派な隊長に……

 

そうと決まれば…私の使命は、この隊長を立派に支えてみせる!!

 

「須美が熱い瞳でお前を見つめてるぞ園子」

「な、なんだか視線をそらしたら襲われそう。よ〜し、見つめ返すぞ〜!」

「何やってるの?」

そうして見つめ合う私とそのっち。そして私は力強くそのっちの手を握る。

「はうっ〜?」

「何かがまとまったらしいな須美の中で」

「そのっちは……園子は私が育てるわ」

「そ、育てる〜?」

「あはは、なんじゃそりゃ!母親!?」

「ふふふ、面白いことになっちゃったね、そのちゃん」

「勿論、銀もスズカくんもよ」

「「げっ」」

「二人も立派に私が育ててみせるわ」

「いや〜アタシはいいかな〜って」

「私も大丈夫……それよりそのちゃんを…」

「いや、ミノさんもスッズーにも受けてもらうよわっしーの指導を」

「「園子さん!?」

「ふふふ、旅は道連れ世は情けなんよ〜」

「そうね、それじゃあ早速……」

「「勘弁して(くれ)」」

そうして私は迎えがくるまでみんなを立派に育てるために指導をしたのだった。

 

 

 




合宿が終わったのでわすゆの物語を知っている方ならご存知だと思いますが日常編です。国防仮面どうしよう……まあとはしずくや友奈、あともう二人くらい絡ませたい人もいますし、もう一つ書いてる【有坂優斗は勇者となる】とも繋げていきたいとかいろいろあります。ただし指は一向に進まないという。取り敢えず今回はここまでです。最後まで見ていただきありがとうございます。また、次回お会いしましょう。


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