虹色クリスタルスカイ (通りすがりの邪教徒)
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4月
EP1 新生活と入学式


続くかわからないけど描いてみました。

他のアニメのネタとかも入れたりしたので楽しんでくれると嬉しいです。


 

 

 

「やっとお台場に着いた」

 

 季節は春

 世間では出会いと別れの季節とか新生活の時期と言われてるよね、因みにこの俺星野遊星も現在もともと住んでいた群馬県から父の仕事の関係で東京に引っ越すことになった。

 母はどうしたのかというと俺が小学生の頃に父と喧嘩をして離婚したらしいが俺はまだ小さかったし全く覚えてない。

 

 俺は今年の3月に中学を卒業その後は本来なら地元の高校を受け入学と思ったけど12月頃に引っ越しの話をされたので向こうの学校の受験をすることにした。

 受験した高校の名前は虹ヶ咲学園で俺の代から共学になるしこれから住む家から近いということもありちょうど良いやと思い受けることにした。

 

 調べたところによるとこと虹ヶ咲には様々な学科がある普通科、ライフデザイン学科、国際交流学科、音楽科、情報処理学科など、があり俺はその中で情報処理学科を選んだ。

 あと数多くの部活・同好会がありその数は100を超えるとか超えないとか……いやいやいくら何でも多すぎじゃね?

 

「取り敢えず新居に行かないとな!着いたら先ずは引っ越しの片付けをしよう」

 

 先程父と共に引っ越しと言ったが俺は今1人でお台場に来ている。

 なぜかと言うと父の新しい勤め先は出張が多いらしく早速仕事で今は九州の方に行ってるとつい最近知った。

 父からは元の家にあった家電や寝具等の物は既に引っ越し先のマンションに設置してあるが自分の私物は自分で整理整頓するように言われた。

 父はしばらく帰ってこない日が多くなるみたいだし実質一人暮らしじゃね?

 

 お台場は小さい頃によく父と遊びに行く程度でしか来たことがなかったしちょっと不安だった。でもこれから東京に住むんだと思うとクソど田舎の群馬県民出身の俺からすると憧れでもあった。

 

 

 

 駅を出てしばらく歩きようやくマンションに着いた。

 

「それにしても大きいマンションだな〜……流石は東京だ」

 

 取り敢えず部屋に入って片付けをしてその後は食料品の買い出しに行ってあとは学校に備えて勉強しなければ。

 学校まであと1週間あるしなる早で東京に慣れないとな。

 

 

 

 

ーー♦︎♢♦︎♢♦︎ーー

 

 

 

 

 引っ越しをした日から1週間が経った。

 ここで余談なんだけど東京って物価高くないか?食品とか地元にあるものより高かった気がするな。

 

 今日は虹ヶ咲学園の入学式があり式終了後各々自分達の教室へ向かう

 入学式で思ったんだけど女子多くね?というか自分のクラスの殆ど女子じゃね?

 

 自分で言うのもなんだが俺はオタクだし中学時代はコミュ障で友達がいなくあまり馴染むことができなったし、ましてや女子と話すなんて恥ずかしくて話すことすらできなかった……がしかし高校生になった今俺は変わろうと思った。

 

 友達をたくさん作る!そのための第一ミッションとして隣の人に話しかける、先ずは自己紹介を聞いてからと思ってたが……

 

(自己紹介聞き逃したんじゃね?)

 

 隣の席の女の子ピンク色の髪で見た感じ低身長でまるで今期春アニメのキャラに感じが似てるなと思った。

 女の子が鞄からノートを出した名前は天王寺さんか……よし、話しかけるぞ!

 

「天王寺さんおはよう。隣の席よろしくね」ドキドキ

 

 話しかけてこっちを向いてくれた天王寺さんだったが表情を変えず黒板の方に向いてしまった。

 

(無視されてね?)

 

 何故?そうか俺の顔が怖かったんだ。笑顔の練習してきたじゃないか笑顔……笑顔……笑顔よし!

 

「良い天気だね天王寺さん」

 

 天王寺さんはまたこっちを向いてくれたが返事はなくまた無表情のまま黒板の方を向いた。

 

(ダメじゃね?)

 

 いや諦めちゃダメだ!この一歩には俺の華々しい高校生活がかかってるんだ!

 それから色々話した。部活のことや購買に販売されてる商品のこと、だが天王寺さんは俺の方を見るも全く返事がなかった。

 くじけちゃダメだ!もう高校デビューなんて高望みはしない、返事ひとつもらえればそれでいい。

 

 結局学校が終わるまで天王寺さんからの返事はひとつもなく残念な結果に終わってしまった。今日はもう帰ろう……ぶっちゃけ泣きそうです。

 

「じゃあね、天王寺さんバイバイまた明日」

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

 俺が帰ろうとしたとき後ろから声が聞こえた。その声の主は天王寺さんだった。

 

「て……天王寺さん。何かな?」

 

「その、ごめんなさい……さっきは君が……星野くんが話しかけてくれたのに無視しちゃって、私昔から表情を上手く顔に出せなくて、そもそも男の子と話すことが全然なかったから緊張しちゃって、でも初対面でしかもこんな無表情な私にいっぱい話しかけてくれて嬉しかった。だからありがとう!」

 

 そうだったのか……相手の気も知らずに俺はなんてことを……

 

「いや、こっちの方こそごめん。天王寺さんの気も知らずに……実は俺この街に最近引っ越してきたばかりでさ、ちょっと不安だったけど新しい学校に入ったら新しい友達を作ろうと思って……それで隣の席の天王寺さんに勇気を出して話しかけたんだ。まぁ俺もあんま女の子と喋ったこと無いしそもそも地元でも友達1人もいなかったし……」

 

「そういう事だったんだ。じゃあ私と友達にならない?星野くん」

 

「もちろん構わないよ。それとこれからは友達になるんだし俺のこと名前で呼んでくれ!」

 

「分かった遊星くん。それと私のことも璃奈って名前で呼んでくれると嬉しいな」

 

 やった!遂に初めての友達ができた!それにしても改めて見ると璃奈って身長小さいしなんだか物理的に距離感を感じるな……後よく見ると可愛い。

 

「じゃあ璃奈。取り敢えず学校も終わってるし一緒に帰ろ?」

 

「うん、良いよ」

 

 こうして俺と璃奈は一緒に帰ることになった。帰ってる途中で色々なことを話した。

 自分の趣味や好きな物についてなど、璃奈はどうやらゲームやアニメが好きらしく俺と共通の趣味があり今期の春に放送されてるアニメについてもたくさん語れて俺もとても楽しい時間だった。

 今俺がやっているアプリゲームでもフレンドになってくれた。

 

「じゃあまたね璃奈。また明日」

 

「うん……バイバイ、今度一緒にゲームセンター行こうね」

 

「分かった約束だ」

 

 友達とゲーセン行く約束をしてしまった。しかもあんな可愛い子と!これってデートじゃね?

 

 

 




いかがでしたでしょうか?

因みに遊星くんと璃奈ちゃんがフレンド交換したゲームは現在でも流行っているウマを育成するゲームとウマのゲームを開発している会社の同じゲームで女の子が沢山出てきます!(2期面白かったよね)
遊星くんの推しウマはキタちゃんブラックとセイウンスーとナイスなネーチャンだそうです。
作者の一推しは芦毛の怪物ですw

最後に……続くと良いな


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EP2 初バイトとすやぴ先輩


なんとか頑張って書いたぜ!

3話書き終わってからから2話投稿しようと思ったんですけど3日間沼津旅行してたので書くのを休んでました。

因みに作者はバイトをした事がないので他の作品のを参考にしつつもこんな感じかな〜と思いながら独断と偏見で書きました。


 

 学校生活から1週間が経った。あれから璃奈とはお昼の時間は一緒にご飯を食べたり学校帰りにゲーセンで一緒に遊んだりこの街に引っ越したばかりの俺にお台場の色々な場所を紹介してくれた。

 

 ぶっちゃけお台場に来たことあるって言ってたけど俺が行ったことがあるのってフジテレビとかそこら辺だったからな。あと大きいガンダム確かユニコーンだっけ?それも見たことがある(アニメは好きだけどガンダムは詳しくないしそもそも見たこと無い……にわかでごめん)

 そしてとある火曜日の放課後、俺は璃奈といつも通り一緒に帰るつもりだったが今日は用事がある。

 

「ねぇ、璃奈」

 

「何?遊星くん」

 

「実は今日バイトがあるんだ。この前面接して受かって今日から初仕事なんだ。これからはバイトがない日にしか一緒に帰れないかもしれないけどそれでも良いかな?」

 

「私は別に構わないよ。お小遣厳しいの?」

 

 まあそんなところだな。親は生活費やら俺のお小遣いなどを口座に振り込んではくれるが正直言って自分の趣味などにもっと使うとなると足りなくなってくるのでバイトをすることにしたのだ。

 

「それじゃあまた明日、気を付けて帰ってね」

 

「うん、遊星くんもバイト頑張って!」

 

「おう!」

 

 お互いに手を振り俺はバイト先へと向かった。

 

 

 

ーー ♪⌒ワ⌒♪ ーー

 

 

 

 因みに俺のバイト先は「SOROR」というショッピングモール内にある食品売り場だ。

 買い物に来た際にバイト募集のチラシを見たのがきっかけで時給もそれなりに良かったのでここで働こうと思った。

 

「今日からよろしくお願いします。星野遊星です」

 

「私はバイトリーダーの大神美冬。よろしくね遊星くん!」

 

 美冬さんは自己紹介をし笑顔で対応してくれた。バイトリーダーさんはとても優しそうで真面目そうな人だ。

 

「さてと、仕事内容を覚えてもらう為に教育担当の子をつけさせてもらうわよ。彼方ちゃん入ってきて!」

 

「は〜い♪」

 

 名前を呼ばれゆるい感じの声で返事をすると共に休憩室へ入ってきた人はウェーブの掛かったオレンジブラウンの柔らかいロングヘアーの女の子だった。

 

「紹介するわね、近江彼方ちゃん。君と同じ虹ヶ咲学園の……たしか今年で3年生だっけ?」

 

「はい、そうです。君ネクタイの色が黄色ってことは新入生だね〜?改めて自己紹介するよ。ライフデザイン学科3年の近江彼方。よろしくね〜♪」

 

 この人が自己紹介した後に俺が思ったこと……めっちゃ可愛くね?おっとり系な性格といい俺よりは背が低いけど年上というのが個人的にポイントが高い!今にも寝ちゃいそうな垂れ目も315です!

 あと声が可愛い!俺の好きな声優さんの声にクリソツだし、もうトニカクカワイイ!!

 おっと取り乱したな……俺も自己紹介せねば!

 

「は……はい!情報処理学科1年の星野遊星です!よろしくお願いします近江先輩!」

 

「まあまあそんなに堅くならずに、苗字で呼ばれるの慣れないし〜気軽に彼方の方で呼んでよ♪」

 

「了解です。えーっとじゃあ彼方さんで!」

 

「うむ、よろしい!」

 

「じゃあ彼方ちゃん後はよろしくね!遊星くんも頑張ってね!」

 

「はい、頑張ります!」

 

「じゃあ着替えたら行こっか♪」

 

 

 

ーー ノレcイ´=ω=) ーー

 

 

 

 人生初めてのバイトは引っ越しの時みたく最初はちょっと不安だった。でも彼方さんが優しい声で優しく教えてくれたお陰でさっきまで抱いていた不安感が和らいでいった。

 そして初バイトから数時間後ようやっと終わったぜ!なんか長いようで短かったな。

 

「遊星くん。お疲れ様〜♪どうだった?バイト初日は?」

 

「覚えること多くて結構大変ですね、でも彼方さんの教え方が分かりやすかったのでなんとか乗り切れました!ありがとうございます。」

 

「どういたしまして。遊星くんこの後帰り?なんなら一緒に帰ろうぜ〜♪」

 

 こんな可愛い先輩から一緒に帰るというお誘いをされてしまった!断るわけないじゃん!

 

「はい!喜んで!」

 

「ふふ、じゃあもし先に着替え終わったらたら外で待っててね〜♪」

 

 僕は更衣室に向かい速攻で着替え外でタイキシャトルしつつ後は彼方さんが出てくるのを待つだけだ。

 彼方さんの着替えが終わるまでウマの育成をしながら待つか……今日もホーム画面のセイちゃんが可愛いな〜

 

「お待たせ〜……おやおや?何してるのかな?」

 

「あ、彼方さん!これは去年リリースされて一年たった今でもブームになっている実在する競走馬を女の子に擬人化した育成ゲームです」

 

「それ彼方ちゃんも知ってる〜!テレビのCMでよく流れてるのをよく見るよ〜!好きなの?」

 

「はい!リリース当時からやってるのでかなり思い入れのあるゲームなんです」

 

「そんなんだね〜♪それよりもう暗いし早く帰ろっか♪」

 

 こうして俺は彼方さんと一緒に帰ることになりました。それからはそれぞれお互いのことを話し合い彼方さんについて分かったことが沢山あった。

 

 彼方さんは元々東雲学園にいて今年の春に虹ヶ咲学園に転校し更には特待生らしい、母親の仕事が忙しく家計を支える為に2つ歳下の妹さんの為に週5日でアルバイトをしていると教えてくれた。

 そして奨学金のために夜遅くに勉強もしていて更には同好会の活動もしてるなんて……すごく尊敬できるけど大丈夫かなこの人?いつか体を壊しそうでなんだかすごく心配になってきたぞ!

 

「おかげで学校だと授業や家事みたいな大事時以外は寝て過ごしてるんだよね〜」

 

「そうなんですか……でもあまり無茶はしないでくださいね。彼方さんが倒れてしまったら悲しむのは彼方さんの家族だけじゃないですから」

 

「彼方ちゃんの事心配してくれるの?良い後輩くんを持ちましたな〜。遊星くんは優しいんだね♪」

 

 彼方さんは嬉しくなったのか優しく微笑みながら俺の頭を撫でてきた。は……恥ずい……でもなんだかすごく幸せな気分になる。これがガチもんの姉オーラってやつなのだろうか?

 

「あ、あの彼方さん恥ずかしい……です」

 

「照れちゃって〜可愛い〜♪」

 

「頬を突かないでくだひゃい」

 

 これ若干揶揄われてね?からかい上手の近江さんかな?こんないたずら心も持ち合わせているなんて彼方さんがだんだんセイちゃんに見えてきた。……声も地味に似てるし。

 

 

 

 

「じゃあ彼方ちゃんこっちだから、またね遊星くん」

 

「はい、彼方さん。お気を付けて……あの彼方さん最後にお願いしたい事があるのですが」

 

「ん〜?何かな?」

 

「この台詞を言ってほしいんですけど良いですか?」

 

 俺は先程やってたゲームのホーム画面に映っているキャラの真似をしてほしいと頼んだ。流石に図々しかったかな?

 

「どれどれ〜?うん、分かった♪コホン『おや、セイちゃんの好感度が…?ぴろぴろぴ…ぶぶー、ざんねーん。そんな簡単に上がりませんよーだ。』……どうかな?」

 

 ありがとうございます!!!しかも体での表現も真似てくれるなんてなんて素晴らしいサービスなのでしょう!ヤバっ尊死しそう……しゅき。

 

「オタクの我儘聞いてくれてありがとうございます。それじゃあ今度こそ」

 

「うん、遊星くんとは学校でも会えると良いんだけど……そうだ!連絡先交換しよっか?」

 

 連絡先の交換!?こんな綺麗な先輩から、断るはずが無い!

 その後俺と彼方さんは連絡先を交換しそれぞれ自宅へ、今週の金曜日一緒にお昼を食べる約束もしちゃった。楽しみだな〜

 

 

 

ーー ノレcイ´=ω=) ーー

 

 

 

 帰宅後

 俺は自宅に着き夕食はバイトの休憩時間に食べたので後は風呂や歯磨きを済ませ自分の部屋で勉強をしてた。

 勉強中に彼方さんからメッセージが来た。

 

 

『今日はありがとうね〜♪楽しかったよ!』

 

『こちらこそ今日は楽しかったです!ありがとうございました!』

 

『どういたしまして♪じゃあまた明日おやすみ〜』

 

『おやすみなさい、彼方さん』

 

 

 一息吐き時計を見たら時刻は22時になっていた。そういえば璃奈とはまだ連絡先を交換してなかったな……明日聞くか。

 

 

「取り敢えずギャバンの最新話見て寝よ」

 

 




今回は3年生の彼方ちゃんが初登場しました!
彼方ちゃんのだぜ口調好きなんだけど分かるぅ?

遊星くんオタク全開だったなwそれよりも彼方ちゃんとバイトしたい人生でした。(因みに遊星くんの身長は166cmです。エマさんと同じ身長にしたよ!)
そして店長さんの名前はプリ○ネに登場するキャラからお借りしました!(CVはウマ娘で皇帝の異名を持つカイチョーですw)

誤字報告お気に入り登録感想等よろしくお願いします!


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EP3 表情筋と金髪ギャル


今回は長いです。なんと4000文字越え!
文字数は増えたり減ったりするかも知れないけど許してちょ♪

最近パリピ孔明ってアニメ見てるんだけどめちゃくちゃ面白いよね!主題歌とED両方とも癖になって特に主題歌なんかチキチキバンバンが頭の中から離れないんだよなw

それではどうぞ!


 昨日の初バイト日から1日が経過し現在は学校のお昼休み、俺はいつも通り璃奈と昼食を食べていた。

 今日もいい天気だ。こう天気がいいと弁当がより美味く感じる。

 

「あむ。んっ。んっんっんん〜……。」

 

「ど……どうしたの?璃奈」

 

 璃奈が先ほど箸で掴んでいたミートボールを一口食べた途端いきなり立ち上がり急に璃奈の身体や手脚がガクガクと震え始めた。

 呼びかけても返事がない……これは、アレだ!悪魔憑き!璃奈に悪魔が憑依してしまったんだ。

 すると璃奈が手を震わせながら指を刺した。その先にあったのは俺が座っている隣に置いてあった昼休み前に自販機で購入したばかりの水だった。

 なるほど聖水的なやつか!璃奈は自ら悪魔を祓おうとしているんだ。

 

「どうぞ」

 

「ゴクゴクゴク……ふぅ〜」

 

「だ……大丈夫?」

 

「ご飯が喉に詰まっちゃって、お水ありがとう」

 

「……悪魔につかれてたんじゃないの?」

 

 俺がそう質問すると璃奈は頷いた。じゃあ十字架はいらない?お経も?と質問を続けたがどうやら違うらしい。

 

「よかった。ゆっくり食べようね(危ない危ない、Amazonで十字架を買うところだった)」

 

「うん」

 

 いや……良くない……これはもしかしたら大事故に繋がりかねない事だ。次はもっと早く気づけるようにしないと、しかし璃奈はお世辞にも表情が豊かとは言い難いし俺の力だけでは限界がある……だから!

 

「璃奈このままじゃ良くない、表情を作る練習をしないか?」

 

「やってみる!」

 

「人に気持ちを伝えるのに最も重要なのは表情だ。表情が豊かになるように一緒に練習をしよう!不安な気持ちもわかる、でも安心してほしい。俺は毎日表情の練習を作る練習をしているんだ。俺に任せてくれ」

 

 璃奈が頷き俺たちの表情を作るための練習が始まった。

 

「まず基本は笑顔、俺の顔の真似をしてくれ……(ニコー) よし、やってみて!」

 

「うん……(ニコー)」

 

「よし、いい調子だよ。次の練習にいこう」

 

「分かった!」

 

「人間の表情を作るもの、それは顔の筋肉"表情筋"なんだ。それをマッサージして柔らかくするんだ。マッサージするよ?」

 

「どうぞ!」

 

 俺は璃奈の顔をとにかくマッサージした。よし、柔らかくなってきた。

 マッサージをすること約3分……柔らかくなりすぎじゃね?

 

 

 

「次は、表情といえば"感情"感情を動かす訓練のために感動するドラマを見よう!璃奈は仮面ライダー好き?」

 

「うん、大好き!今でもニチアサは欠かさず観てるよ。特に仮面ライダーはオーズとエグゼイドが好き」

 

 なるほど……アニメは好きって聞いたけど特撮も好きだったか、これはますます璃奈と趣味があうな。

 という訳で俺は璃奈と仮面ライダーオーズの最終回を見ることに、やっぱりラストのあのシーンは何度見ても泣ける……ヤバい涙が……。一方璃奈はというと目からぽろぽろと涙を流していた。

 いい調子だ璃奈!やっぱりオーズの最終回はライダー好きなら涙するよな……

 

「よし、もっといろいろやってみよう!」

 

 

 

 それからは璃奈をビックリ箱で驚かせてみたりホラー動画を観て恐怖の感情練習を一発ギャグで笑いの表情の練習などいろいろやった。

 そして次はいよいよ最後の仕上げだ。その最終練習は……

 

 

 

「にらめっこだ!にらめっこで俺と勝負して勝てばもういうことはない!言っとくけど俺はかーなーり強いよ?」

 

 さぁ璃奈よ師匠の俺を倒してみろ!

 こうして俺と璃奈によるにらめっこ対決が始まった。 

 にらめっこ対決をスタートさせてから約1分……璃奈。なんて面白い顔をするんだ!もう吹き出す寸前だ……だがまだだ!

 

「どうした璃奈。もっと変顔して見せてよ!」

 

「変顔……(プクー)」

 

「ブフォ!!!まいった……俺の負けだから……その顔やめて……」

 

「やった!私の勝ち♪」

 

 

 

「おめでとう璃奈。もう教えることは何もないよ。これからは声に出さなくても璃奈の考えてること分かるよ。そうだ!記念に写真を撮ろう!笑って笑って〜」パシャーッ

 

 俺はスマホで璃奈と一緒に自撮りをすることにした。璃奈は両手でピースを作って撮ることに。

 

「前に撮った写真と比べて自分の成長を確かめようね」

 

 今見比べてるんだけど……変わってなくね?

 だが表情を鍛える練習は俺にとって無駄ではなかった。この練習のお陰で俺は璃奈の表情を読み取る力が上がっていったからだ。

 

 

 

ーー 从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

 放課後

 今日はバイトが無かったので俺はいつも通り璃奈と一緒に帰ろうと声をかけようとした時、璃奈が制服のポケットから東京ジョイポリスの割引券を取り出した。

 

「璃奈。その割引券は?」

 

「遊星くん……実は私クラスの子と一緒にゲーセンに遊びに行こうって考えてて……勇気を出して声を掛けてみようって思ったの!だから遊星くんは先に帰ってても大丈夫だよ。」

 

 ……そんなまさか璃奈。本気の目だ!あんな必死な璃奈は見たことがない!

 璃奈ついに覚悟を決めたんだね!だとしたら止めるまい……

 

「どうして泣いてるの?」

 

「いや、なんでも……分かったよ璃奈。俺は先に帰るけど何か困ったことがあったら連絡……っとそういえば璃奈の連絡先まだ持ってなかったな。良かったら教えてくれ」

 

「分かった。これが私のLINE」

 

 俺は璃奈の連絡先をゲットした後先に帰ることに……しようと思ったが璃奈がめちゃくちゃ心配だ。気配を殺して璃奈の様子を見よう!

 クラスメイトの女の子3人組からゲーセンへ行こうなどという話し声が聞こえてくる。ちょうどいいな……璃奈よ今こそ話しかけるチャンスだ。

 

「あ……あの!」

 

「ん?」

 

 璃奈が話しかけ女の子たちが璃奈の方を向いた。

 だがしかし璃奈は口籠もってしまい次に出そうとする言葉が出なくなっていた。

 

「……なんでもない」

 

 璃奈はゲーセンへのお誘いをすることが出来ず教室を出てしまった。

 まだ璃奈にはハードルが高かったかのな?友達になりたいとか遊びに行こうって気軽に話したり特に璃奈の場合だと思いを伝えようとすることって難しいことだったよね。

 

 璃奈は校舎の外へ俺は心配で後を追うことに……決してストーカーでは無いぞ!

 すると璃奈は立ち止まりポケットから割引券を取り出し俯きながら券を見ていた。

 今なら忘れ物を取りに行って帰ろうとしたら偶然璃奈と接触ってことにしようと思い話しかけようとしたその時だった。

 

「どうしたの?……ふふっ♪」

 

 璃奈が金髪の女の子に声を掛けられた。俺はその女の子のリボンの色が赤色であることを確認した。

 赤ということは2年生か、しかもなんだか見た感じギャルっぽいし何より璃奈が怖がっている……助けに行かないと!

 

「怖くないよ!」

 

「おーい!璃奈!」

 

「ん?」

 

「あれ?遊星くん!?先に帰ったんじゃ……」

 

「いやぁ、教室に財布忘れちゃってさ。トイレに行った時に気付いて助かったよ〜」

 

「そ……そうだったんだ。お財布ないと大変だもんね」

 

「ねぇ、もしかして君この子の友達?」

 

「はい、そうです。情報処理学科1年の星野遊星っていいます。あなたは?」

 

「アタシは情報処理学科2年の宮下愛だよ!星野遊星か……じゃあほっしーで!」

 

「ほ……ほっしー?」

 

「うん!名前に星って漢字2つあるでしょ?だからほっしーだよ!」

 

 確かにあるけど、なんか変なあだ名付けられたな……それにしても話した感じ悪い人では無い?やっぱり人は見た目で判断しちゃダメだな。

 

「まぁあだ名は良しとして……璃奈に何か用でも?」

 

「この子璃奈って言うんだね。じゃありなりーだ!いやぁなんだか元気なさそうだったし話しかけようかなって!」

 

「そうだったんですね(やっぱりめっちゃ良い人じゃね?)」

 

「おっ!ジョイポリの割引券じゃん!ここって楽しいよね!」

 

「ッ……!お友達と行ってください」

 

 宮下さんが璃奈の持っている割引券に気付き璃奈は宮下さんに割引券を譲ろうとしていた。

 

「う〜ん……じゃあ一緒に行こっか!ほっしーも一緒にさ!」

 

「えっ?」

 

「俺も良いんですか?」

 

「うん!皆んなで行った方が楽しいでしょ!ほらほらレッツゴー!」

 

 こうして俺と璃奈は宮下さんに手を繋がれながら東京ジョイポリスへと向かうことに……女の子と初めて手を繋いじゃった。

 

 

 

ーー ζ㎗òヮóリ ーー

 

 

 

「ふぅ〜!楽しかったー!りなりーとほっしーはどうだった?」

 

「うん、楽しかった!」

 

「俺もです!ジョイポリスには初めて来たので凄く楽しめました。」

 

 めっっっちゃ楽しかったです!特にあのシューティングゲームはめっちゃアガッたわ。

 あとクレーンゲームで欲しい縫いぐるみが沢山あったので取りまくりました。

 

「良かった良かった!じゃあもう遅いし帰ろっか!カエルが鳴くからかーえる♪帰るだけに!あっはははは!」

 

 この人自分で駄洒落言って自分で笑っていやがる……たわけ副会長のやる気が下がりナイスネーチャンのやる気が上がった……気がしました。

 

「じゃあ私はここで」

 

「うん、また明日」

 

「バイバイ!りなりー!」

 

 途中で璃奈と別れ俺は宮下さんと2人きりになった。

 

「あの……宮下さん」

 

「ん?どうしたのほっしー?それとアタシのことは愛さんで良いよ!」

 

「じゃあ愛さんで……その、ごめんなさい!」

 

「うわぁ!?どうしたの急に!?」

 

「実は俺、愛さんのこと少し誤解してました。最初は見た目ギャルだし凄く近寄り難いな〜って思ってたんですけど……でも話してみたら凄く良い人で……璃奈もジョイポリスでは凄く楽しそうにしてたし、本当にありがとうございました。」

 

「……そっか、別に私は気にして無いよ!それに愛さんギャルっぽくて近寄り難いって他の子とかに言われてるし!」

 

「そうなんですか……あっ、そうだ!愛さん。これさっきクレーンゲームで取った縫いぐるみです。良かったらどうぞ!」

 

「え?良いの!?」

 

 俺は袋から縫いぐるみを2つ取り出し、一緒に遊んでくれたお礼として愛さんにプレゼントした。

 

「はい、俺たちもう友達ですし!遠慮しないでもらってください!」

 

「ありがとう!ほっしー!」

 

「どういたしまして、それじゃあ俺こっちの道なんでまた。」

 

「うん!ねぇほっしー。実は愛さん家もんじゃのお店やってるんだ!「もんじゃみやした」って名前だからりなりーにも教えてあげて機会があったら遊びに来てよ!愛さんのお勧めご馳走しちゃうから!」

 

「はい!その時はお邪魔します。」

 

「いつでも待ってるよ!じゃあねー!」

 

 

 

 愛さんと別れ俺は家に向かって歩き始めた。もんじゃか……最近食べてないな……休みの日にでも行こうかな。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

遊星くんと璃奈ちゃんは屋上でご飯を食べてます。
因みに璃奈とのにらめっこ対決なんですが璃奈の表情は全く動いてませんでした。でも遊星くんは面白かったそうですw

そして後半は今回は愛さん登場させました!
アニメ第6話にあった冒頭の璃奈ちゃん回想シーンをモチーフにしました。
そして遊星くんが愛さんにあげた縫いぐるみは駄洒落好きの皇帝会長と爆逃げコンビのメジロじゃ無い方です。
愛さんってルドルフとヘリオスを出して2で割ったって感じだよねw

次回は俺が虹学で一推ししてるキャラを出ているのでお楽しみに!
お気に入り感想評価もよろしく!


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EP4 すやぴ先輩とお昼ごはんそして生徒会長


今日は一日で映画2回見てきました!シン・ウルトラマンとゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー観てきたよ!どっちも面白かったな〜

今回は彼方さんとまったりお昼ごはん!そして俺の推しが登場!
のんびりマイペース投稿ですが何卒温かい目で見守ってニ♪

それではどうぞ!



 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

 授業終了のチャイムが鳴りお昼休みになった。今日は金曜日 俺のバイト先の先輩である彼方さんと中庭で一緒にお昼を食べる約束をした日である。

 

「璃奈。今日はバイト先の先輩とお昼食べる約束したから愛さんと2人で食べてて?」

 

「うん、分かった。ここの学校に同じバイトの人がいたんだね」

 

「ああ、俺もバイトに初めて行った時まさか同じ学校の人だとは思わなくてさ。じゃあまた午後の授業でね」

 

「いってらっしゃい」

 

 俺が教室を出て暫く歩いていると途中で愛さんにバッタリ会った。

 

「あれ、ほっしー?今日はりなりーと一緒じゃないんだ。」

 

「今日はバイト先の先輩とお昼ごはんを食べようと思いまして」

 

「へえ〜!ほっしーってバイトしてたんだね!」

 

「はい!それじゃあ先輩を待たせたくないので俺はここで、璃奈のことよろしくお願いします。」

 

「うん、愛さんに任せて!」

 

 璃奈のことを愛さんに任せて俺は彼方さんのいる中庭へと向かった。

 取り敢えず彼方さんに連絡をしよう。

 

 

 

『彼方さん。今向かいますね!』

 

『彼方ちゃんのんびり待ってるからゆっくりでいいよ〜。もしすやぴしてたら起こしてね♪』

 

『了解です。』

 

 

 

    ーー ノレcイ´=ω=) ーー

 

 

 

 中庭に到着し彼方さんを探す。どこだ?……あっ、いた!

 彼方さんは弁当を片手にベンチで横になって眠っていた。マイ枕まで持参しているとは、準備がいいなこの先輩……。

 

「すや〜……すぴ〜……」

 

「幸せそうな顔して寝てるな……起こすのは可哀想だけど仕方ないよね。おーい!彼方さん起きてくださーい!」

 

「う……う〜ん……遥ちゃん。あと5分だけ〜」

 

「遥さんって妹ちゃんの名前かな?いやそんなことより、彼方さん!お昼ご飯食べる時間が無くなっちゃいますよ!」ユサユサッ

 

「う……う〜ん?あっ、遊星くんだ〜おはよ〜♪」

 

 彼方さんは身体を起こし背伸びをしその後にあくびをした。それにしても彼方さんの寝顔めっちゃ可愛かった……あとあくびも可愛いな。

 

「彼方さん、おはようございます。それじゃ食べましょうか!」

 

「そだね〜♪」

 

 俺は彼方さんの隣に座りお互いに弁当箱の蓋を開け俺は彼方さんの弁当の中身が気になりチラッと見た。

 

「おお!彼方さんの弁当すごく美味しそうですね!」

 

「遊星くんのも美味しそうだね〜♪お母さんの手作りなの?」

 

「いえ、これは俺が作ったんです。母は俺が小学生の頃に父と離婚して今では地元から引っ越してきて2人暮らし……のはずだったんですけど、その父は仕事が忙しく今は遠くに出張に行っててなかなか家に帰ってこなくて、今の俺は実質1人暮らしみたいなもんです」

 

「そ……そうだったんだ……ごめんね。彼方ちゃん失礼なこと聞いちゃって」

 

 こっちもすみません。そんな悲しい顔しないでください!貴女にその顔は似合わないです。

 

「大丈夫ですよ。別に気にしてませんし俺は当時まだ小さかったし全然覚えてないので」

 

「そう?でも何か悩み事とか辛いことがあったら彼方ちゃんいつでも相談に乗るよ?」

 

 そう言うと彼方さんは優しく微笑みながら俺の頭を優しく撫でてきた。

 不思議だ……あのバイト帰りの時になでなでされた時は恥ずかしかったのに今ではそれを感じない、彼方さんの手の温もりがむしろすごく落ち着く……まだ会って少ししか時間経ってないのになんて優しい先輩なんだろうか……ヤバい泣きそう。

 

「はい、その時はよろしくお願いします」

 

「ささっ、早くご飯食べよ。お昼休みの時間どんどん削られちゃうしね」

 

 少ししんみりしちゃったけど彼方さんに決して悪気はない、こんな暗い話題を持ち出しちゃった俺のせいだし。

 

「それにしても遊星くんのお弁当美味しそうだね〜。そのミートボールひとつちょうだい♪」

 

「どうぞ!お口に合うと良いですが……」

 

「じゃあ頂くね。はむっ……うーん!」

 

「どうですか?」

 

「すごく美味しいよ〜!タレが甘じょっぱくてお米に合いますな〜。それに多分作ってから半日経ってるはずなのにまだ温かい……なんでだろ?」

 

「実はこの弁当箱ランチジャーって奴でステンレス製の保温容器になっててごはんとスープの熱を保つことができるんです」

 

「へぇ〜!そのお弁当箱便利なんだね〜。お返しに彼方ちゃん特性ミニハンバーグをあげよう♪」

 

「ありがとうございます。はむっ……うん!めっちゃ美味いっす!ハンバーグって熱々の肉汁が出まくるのも良いですけど。常温だと美味しさが全部ぎゅーっと閉じ込めちゃった!って感じがして、また良いですよね!」

 

「分かる分かる〜!常温のハンバーグ美味しいよね〜♪(何その謎食レポ)」

 

 最近とあるアニメを見返しててそのアニメに出てくる書記ちゃんが言っていた常温ハンバーグが美味しいって言ってた気持ちめっちゃわかりみです。

 

 お互い昼ご飯を食べ終わり彼方さんは隣で眠たそうにうとうとしていた。

 

「彼方さん。眠いんですか?良かったら俺の肩使って良いですよ」

 

「ふわ〜……じゃあお言葉に甘えて……おやすみ〜」

 

「おやすみなさい」

 

「すや〜……すぴ〜……」

 

 もう寝ちゃった。きっと疲れてるんだろうな……今はゆっくり休ませてあげよう。

 俺は昼休み終了の直前のチャイムが鳴るまで昨日途中まで見ていたジュウレンジャーの続きを見ることにした。

 おっと彼方さんを起こさないように骨伝導イヤホンを付けておこう。

 

 

 

    ーー ノレcイ´=ω=) ーー

 

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

 

「彼方さん。起きてくださーい!チャイム鳴りましたよ!」

 

「う〜ん……まだ眠い〜……おんぶして教室まで連れてって〜」

 

 おんぶって……彼方さんってばいざって時は頼りになるお姉さん感出てるのに今は我儘で甘えん坊のスヤリス姫ならぬカナリス姫って感じだな。

 それに彼方さんの教室の場所分かんないし、聞きながら行くしかないよね。

 

「分かりました。ほら、俺の背中に乗ってください」

 

「ありがと〜。遊星くんは本当に優しいね」

 

 こうして俺は彼方さんを背負いながら教室に向かうことに……あのね。おんぶするのは良いんですよ。でもね俺の背中に彼方さんのアレがダイレクトに当ってんのよ……マジで柔らかくてヤバいですね☆

 移動してる時の周囲の目が痛いぜ!

 

「誰に教室の場所を聞けば、あそこの人に聞いてみるか……あのすいません!」

 

「は、はい!私ですか?」

 

 俺は目の前にいた黒髪で三つ編みに眼鏡をかけている女の子に声を掛けることに、リボンの色は赤ってことは2年生か……あれ?でもこの人何処かで見たような……何処だっけ?

 

「そうです!実は聞きたいことがありまして」

 

「良いですよ(なぜ彼方さんが1年生のしかも男の子に背負われてるのでしょうか?)」

 

「実は今背負ってる人とお昼を食べてまして、眠いから教室まで送ってってほしいとお願いされたので3年生の教室へ行こうと思ったのですが……場所分かりますか?」

 

「そう言うことだったんですね、それでしたら私が案内しますよ。着いてきてください!」

 

 良かった〜!一時はどうなるかと思ったがこれで一安心だな。

 

「ありがとうございます!俺は情報処理学科1年の星野遊星です。えっと……」

 

「私は中川菜々と言います。普通科の2年で現在生徒会長をやっています。」

 

 そうだ思い出したぞ!生徒会の挨拶運動でよく見る人だ。

 

「生徒会長さんだったんですね。すみませんお仕事とかで忙しそうなのに呼び止めてしまって」

 

「全然大丈夫ですよ。生徒が困っているのを助けるのも生徒会の務めですからね!」ペカー

 

 なんて優しい生徒会長さんなんだろうか。それと今してる笑顔がめちゃくちゃ可愛いっす!三つ編み眼鏡って地味な組み合わせだけど俺は結構好きだな。あと声も好きだな……今日は帰ったら先輩がうざい後輩の話を見返そう。

 中川さんの後に続いて暫く俺はやっと彼方さんのクラスに辿り着いた。

 

「ここが今星野さんが背負ってる方の教室です。それでは私はここで」

 

「教えていただき本当にありがとうございました!」

 

「困ったことがあればまた頼ってくださいね」

 

 はい!いつでも頼らせていただきます!

 中川さんは自分の教室へと向かい俺は彼方さんのクラスメイトの方に席を教えてもらい席に彼方さんをそっと座らせた後に自分の教室へと向かうのであった。

 




今回は中川菜々ちゃんに登場してもらいました。

遊星くんの謎食レポは藤原書記に影響されてますねw
何故この話で会長を出したのかというとまぁエマさんがいつ留学したかも知らないし果林さんは方向音痴だから迷いそうだしなんなら全生徒の名前を覚えられるくらい何でも知ってそうな中川会長に出てもらいました!
早く遊星くんを菜々ちゃんとオタ話させたいものですw
遊星くんは彼方さんを椅子に触らせる際机には彼方さんのマイ枕を置いてあげました。

次回は休日回!
お気に入り登録、感想、評価もよろしくお願いします!
あと虹学のメンバー設定とか知ってる人教えてくれると嬉しいです。


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EP5 休日に迷子のお姉さんともんじゃみやした


今回はあのラブライブシリーズ1の高身長を持つあのセクシーお姉さんが登場します!

それではどうぞ!


 

 今日は日曜日、休日である。昨日は土曜日だったけどバイトがあったからな……バイトもだいぶ慣れてきたし教えてくれてる彼方さんには感謝しかないな。

 

 日曜の朝。俺はいつも通り朝食を食べながらニチアサで放送されてるデパプリとリバイスとドンブラザーズを見終わり後は特にやることが無かったので勉強をすることに。

 勉強をすること1時間が経過、するとスマホから通知音が鳴り画面を見ると璃奈からメッセージが来ていた。

 

『ねぇ遊星くん。今日暇?』

 

『うん、さっきちょうど勉強がキリのいいところで終わって暇してた』

 

『そうなんだ……良かったら今日一緒に遊ばない?またジョイポリスに行きたいしクレーンゲームで新しいのが出たのが欲しくて』

 

『分かった。じゃあ12時に愛さんのもんじゃ屋に集合でいいかな?お昼も近いし食べた後に行こっか?』

 

 メッセージのやり取りをして最後に璃奈からタイキシャトルの「OK!」という音声付きのが送られてきた。

 それに対して俺はスペちゃんの「ありがとうございます!」の音声付きスタンプを送りました。友達とスタンプを使って会話するのめっちゃ楽しいな。

 メッセージ送り終わり俺はすぐに着替えて家を出た。

 

 この前はシューティングゲーム楽しかったし今回もやりたいな。

 それにまだやってないゲームやアトラクションもあるし今日は遊び倒すぞ!

 

 

 

 

「う〜ん……おかしいわね。地図アプリの情報だと確かにこの辺りのはずなのに……道間違えちゃったかしら」

 

 俺がマンションを出て愛さんの実家である「もんじゃみやした」に向かっている途中スマホの画面を見て時々キョロキョロと周りを見ているスタイル抜群のセクシーお姉さんがいた。

 身長は俺と比べるとほんの少し高いくらいか?それと雰囲気からして大学生って感じがする。

 

「はぁ……このままじゃ時間通りに着かないわ」

 

 お姉さんの独り言を聞く限り道に迷ってるぽいな……どうしようここで声をかけたら怪しまれてしまうだろうか……でも困ってる人は放っておけないしと俺の頭の中で助けに行くか行かないかの葛藤が繰り広げられていた。

 

 でもこのまま助けに行かなかったらあの人はずっと迷子のままだし、助けに行かなかったことを後悔するだろう……そう思った俺は覚悟を決めセクシーお姉さんに声をかけることにした。

 よし!今日から俺はお助け遊星くんだ!

 

「そ……そこのウルフカットの大学生お姉さん。お困りですか!?」

 

「えッ!?わ……私?」

 

 ウルフカットのお姉さんは驚きながら俺の方を向いた。まぁ知らない人にましてや異性に声かけられたら驚くよね。

 

「そうです。見た感じお姉さんが道に迷ってた感オーラ出してたんで……良かったら案内しましょうか?」

 

 案内なんてお台場に来たばかりの俺が言うのもなんだが……これでも璃奈にお台場のこと色々教えてもらってるし今の俺なら大丈夫な気がする……多分!

 

「でもいいの?あなただって用事とかあるんじゃないのかしら?」

 

「大丈夫です!約束の時間まで余裕ありますし、それで何処へ?」

 

「なら頼らせてもらうわ。ここなのだけれど……」

 

 ウルフカットのお姉さんがスマホの地図アプリを開いた状態の画面を俺に見せてきた。

 ふむふむ……ここは俺が行こうとしてる所と同じ道だ。

 

「ここなら俺の向かってる先と同じ方向なので一緒に行きましょう!」

 

「本当にありがとう!助かるわ♪」

 

「いえいえ、困ったときはお互い様様です。それじゃあ行きましょうかお姉さん!」

 

「朝香果林、私の名前よ。さっき貴方が私を大学生のお姉さんとか呼んでたけど、こう見えても高校3年生なの」

 

「ほぇ〜高校生だったんですね!雰囲気的に大学生かと思いました……」

 

「ふふっ、よく言われるわ。それであなたの名前は?」

 

「俺は星野遊星です。今年の4月に虹ヶ咲学園に入ったばかりの高校1年生です」

 

「へぇ、じゃあピカピカの新入生くんってことね。よろしく遊星くん」

 

 いきなり名前呼び!?こんな綺麗なお姉さんに名前で呼ばれるとちょっとドキッとしますな。

 こうして俺はウルフカットのお姉さんこと朝香果林さんと目的の場所まで一緒に行くことになった。

 

 

 

 朝香さんと一緒に歩いてしばらく……目的地手前まで着いた。

 ぶっちゃけここまで大変だった。朝香さん地図見るの苦手っぽかったし、というかこの人方向音痴か?もう別れちゃうけどこの後も迷わないかと思うと心配である。

 

「ここまで道案内してくれてありがとう。もう大丈夫よ」

 

「そうですか?でも本当に困ったりしたら近くにいる人に声をかけて教えてもらうとか周りを頼ってもいいんですよ?」

 

「そうね。今度からそうすることにするわ」

 

「それでは朝香さん。お気を付けて!」

 

「遊星くんもね、また会いましょう。その時はお礼させてちょうだい♪」

 

「は……はい?」

 

 それじゃと言い残し朝香さんは俺の元を去っていった。

 また会いましょう……どうゆう意味なのだろうか?

 

 

 

 ーー (ζル ˘ ᴗ ˚ ルヘ ー→ ζ㎗òヮóリ ーー

 

 

 

「ここが「もんじゃみやした」か……外からでもめっちゃ美味しそうな匂いがするな〜」

 

 前にも言ったがもんじゃ焼きを食べるのは久しぶりである。

 だが作り方の手順は覚えている。因みにうちの地元には伊勢崎もんじゃというのがあり、もんじゃにいちごシロップが入っているんだけど……正直俺は食う気にはなれなかったしそもそも食ったことがないんだよな。

 だっていちごシロップだぜ?見た目や名前からして食欲を失うわ!

 

「取り敢えず入りますか……お邪魔しまーす!」

 

「いらっしゃい……ってほっしーじゃん!」

 

 店内に入るとお店の制服に身を包んだ愛さんがいた。

 ほぉ……これはこれは、いつもの愛さんとは違っていいですねぇ。

 上の服がオレンジ色ってのがまさしく元気いっぱいな愛さんって感じがして最高だね!見た目のギャルっぽさがいいアクセントになってる。

 

「来てくれてありがとう!今日は1人?」

 

「いや、もう1人来ますよ」

 

 俺は愛さんに席へ案内され出されたお冷を飲みながら待つこと5分くらい扉の開く音が聞こえ振り向くと璃奈がお店に入ってきた。

 

「お邪魔します」

 

「おっ!来たか璃奈!」

 

「りなりーも来てくれたの!?いらっしゃい!」

 

「こんにちは、遊星くんに愛さん」

 

「ささ!りなりーも座って座って!」

 

 璃奈は愛さんに誘導されて俺の席の向かい側に座った。

 なんていうかお昼はいつも隣で食べてるからこうやって向かい合って食べるのは新鮮だな。

 

「じゃあ注文決まったら呼んでね〜!」

 

 さてさてメニューはどんな感じかな?

 ふむふむ……数種類のもんじゃ焼きやお好み焼きそして焼きそば……うちの地元にあったもんじゃとお好み焼き専門のローカルチェーン店とメニュー構成はちょっとだけそっくりといったところか……ん?チーズたこ焼き?ほほうこれは興味深い。

 

 あとは愛さんのお勧めとかお好み焼きも食べてみたいし足りるか分からないけど……よし決まった。

 

「璃奈は何にするか決めたか?俺はこれとこれとこれにするんだけど」

 

「私焼きそば食べたい!」

 

「焼きそば良いね!分かった。愛さーん!」

 

「はーい!2人とも決まった?」

 

「特性お好み焼きとチーズたこ焼き、あと焼きそば……それと愛さんのお勧めもんじゃはなんですか?」

 

「愛さんのお勧めは、みやしたもんじゃスペシャルだよ!」

 

「じゃあそれをひとつ後はドリンクで烏龍茶をお願いします。璃奈は何飲みたい?」

 

「じゃあ私も烏龍茶で」

 

「注文はそれで良い?」

 

「取り敢えず以上でお願いします」

 

「かしこまり!じゃあ出来るまで待っててね〜!ドリンクは直ぐに持ってくるから!」

 

 注文が決まり後はもんじゃやお好み焼きが出来るまで璃奈とさっき頼んでから直ぐに来た烏龍茶を飲みながら最近のアニメやニチアサで放送されてるリバイスとドンブラーザズの話をしながら待つことに。

 

「この前やったリバイスの声優祭り面白かったよね!鈴村さんも神谷さんも楽しそうだったな。でもまさかあの回が重要な内容だとは思わなかったな!」

 

「うん!あれは衝撃だった。リバイスどんどん面白くなってくるよね。あとドンブラザーズも凄く面白い!」

 

「ぶっちゃけドンブラザーズ始まる前は心配だったんだよね。井上敏樹さんの脚本が現代のこの雰囲気とハマるかな〜?って思ってたんだけど大変失礼しましたって感じでさ」

 

「私はそれも思ってた。どのお話も面白いし新しい展開を無理矢理入れたり無茶苦茶な感じが井上敏樹さんっぽくて好き!ロボタロウも楽しみだよね!」

 

 などと最近のニチアサの感想を璃奈と語り合っていた。

 やっぱり楽しいな、こうやって同じ趣味を持つ友達とこんなにも熱く語れるのは実に気分がいい!

 

「2人ともお待たせ!先ずはもんじゃとお好み焼きね。焼きそばとたこ焼きも直ぐ持ってくるね!」

 

 注文した品が2品来てその後に続き焼きそばとたこ焼きも来た。

 

「じゃあもんじゃは愛さんが作ってあげる!お好み焼きとかはどうする?」

 

「じゃあ他は俺と璃奈でやります。それで良いかな?」

 

「私は良いよ」

 

 先ずはもんじゃだ!流石は愛さん流れるような手捌きだな……土手を作りその中にタネを流す。

 一つ一つの作業に無駄がない……もんじゃがどんどん出来始めたぞ。ソースの焦げた匂いが食欲をそそる。

 

「はい、出来たよ!2人とも召し上がれ!」

 

「「いただきます」」

 

 もんじゃ用の小さいヘラで掬い一口頬張る。う……美味すぎる!なんじゃこれ!地元で食べたもんじゃより最高なんだが!

 

「愛さん。めっちゃ美味いっす!」

 

「美味しい……愛さん凄い!」

 

「ふふん♪どんなもんじゃい!もんじゃだけに!」

 

 相変わらず息をするように駄洒落を吐くなこの人は……でもそれが愛さんの面白いところでもある。

 愛さんは他のことがあるので後は自分達で自由にすることに。

 

「じゃあこれ食べたら俺がお好み焼き焼くから璃奈は空いてるスペースで焼きそばをお願い」

 

「ロジャー!」

 

 もんじゃを食べ終わった後は俺が焼いたお好み焼を食べ璃奈は凄く美味しいと言ってくれた。

 そして璃奈が焼いてくれた焼きそばも最高だった。

 チーズたこ焼きは俺が焼くことになり愛さんからは「たこ焼き丸めるの上手いね!」と褒められた。アザス!後めっちゃ美味いっす。

 

 

 

「「ごちそうさまでした」」

 

 いやぁ満族だ!結局俺的に足りなかったのでカレーもんじゃとかもち明太チーズもんじゃとか色々食べました。

 

「愛さん。お勘定!」

 

「はーい!どうだった家のもんじゃとかは?」

 

「どれも美味しかったです。」

 

「私も大満足。遊星くんいっぱい食べてたね。流石男の子」

 

 いやぁ育ち盛りなものでつい食べすぎてしまいました。

 

「じゃあ会計は俺が出すよ」

 

「えっ……良いの?」

 

「おう!奢らせてくれ!」

 

「ありがとう!遊星くん」

 

 

 

   ーー ζ㎗òヮóリーー从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

「2人とも来てくれてありがとう!また遊びにきてね!」

 

「はい、またお邪魔します」

 

「また明日学校で」

 

 俺と璃奈は「もんじゃみやした」を後にし東京ジョイポリスへと向かうことに。

 そしてジョイポリスにて体験していなかったアトラクションやプレイしてなかったゲームの数々を2人で遊び倒した。

 あっという間に楽しい時間が過ぎ現在時刻は午後の16時を回っていた。

 

「ビートセイバーアクションってやつ楽しかったな!」

 

「私は前やったVRのシューティングゲームが楽しかった。あと縫いぐるみもいっぱい取れて満足♪」

 

 ジョイポリスでの出来事を帰りながら話し合う俺と璃奈、本当に今日は楽しかった。

 今朝璃奈からの遊ぼうメッセが無かったら俺は今日一日中家に引きこもってたな……サンキュー天王寺!

 

「じゃあまた明日学校で」

 

「うん、また明日」

 

 

 

 俺は璃奈と別れた後に1週間分の食材を買いにスーパーへ寄った後にマンションへの帰路を歩き始めた。

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!

今回は朝香果林さんに登場してもらいました。遊星くんをエマさんと接触させる為にも出てもらったようなものですw
そしてもんじゃみやしたのメニュー内容は門前仲町三久を参考にしました。行ったことないけどこんな感じかなと思いながら書きましたw

次回は遊星くんが住んでるマンションの隣人が明らかに!?
お楽しみに!
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EP6 留学生とお悩み生徒会長


今回は現在阿波連さんでふたばちゃんの声を担当してる声優さんのキャラが登場するよ!

あとわたてんの花ちゃんも好きですねぇ〜
恋アスの舞ちゃんもええよなぁ〜

それではどうぞ!


 

 

 休日から2日経った水曜日 現在はお昼休みで俺は初めて学校内の食堂「学食・カフェレインボー」に来ていた。

 不覚にも今日は弁当を作るのを忘れてしまった。まあでもこんな日もあって良いよね?答えは聞いてない!(誰に言ってんねん)

 

 因みに璃奈は愛さんと一緒に屋上でお昼ご飯を食べている。

 流石は虹ヶ咲学園校舎が広ければ学食エリアまでも広いとはな……内装もオシャレだし入学前に読んだパンフレットによると席を詰めればザッと1000人入るくらいの広さで安い早い美味いの三拍子、メニューは多彩でジャンルも豊富。近隣住民でも普通に利用できるよう解放されてるらしい。

 

「それにしてもメニュー多すぎじゃね?コスパ良いしどれにしようかな。気分的にガツンと丼物が食べたけど……へぇ〜ニジガク丼か面白そうだな」

 

「あら、貴方は……」

 

「ん?」

 

 ぶつぶつと独り言を喋りながらメニューを見ていると後ろから聞き覚えのある色気のある声が聞こえた。

 つい最近聞いた声だ。そう思い後ろを振り返るとそこにいたのは……。

 

「3日ぶりね。遊星くん」

 

「あ……朝香さん!どうしてこんな所に!?」

 

「どうしてって……私がこの学校の生徒だからよ♪」

 

 そう言えばこの前 別れ際にまた会いましょ的なこと言ってたのはこのことだったのか……。

 

「ところで貴方はこれからお昼ご飯かしら?」

 

「はい いつもお昼は弁当持ってきて友達と食べてるんですけど今日はうっかり忘れてきてしまって……あはは」

 

「そうなのね……良かったら私と一緒に食べない?それとお昼奢らせてくれないかしら?道案内をしてくれた恩返しもしたいの(騒がしいのは好きじゃないけど偶には良いわよね)」

 

「でも悪いですよ……それに女性に奢ってもらうとか男としてどうかと思うし……」

 

「お願い!お礼しなきゃ気が済まないの!」

 

 こう必死にお願いされたらこんな綺麗なお姉さんでも断りにくいな。

 仕方ない、ここは朝香さんに従いますか!

 

「じゃあゴチになります」

 

「決まりね!それでどれにするのかしら?」

 

「じゃあニジガク丼ってやつにします」

 

 ニジガク丼を頼み俺は朝香さんと一緒に朝香さんがいつも座っているという席に着いて食事を取ることに。

 俺が食事をしてる時に気付いたけど朝香さんのご飯の量少なかったな……今は食べ終わっててコーヒーを飲んでるけどあれだけで足りたのだろうか?もしかしてダイエットとか……いやいやそこまで深く考えるのはやめとこう 朝香さんというか女性の皆様に失礼だしね。

 

 

 

 

「この前はありがとう!」

 

「あら、貴方はこの前の」

 

「ん?」モグモグ

 

 食事中に後ろから突然声が聞こえたので俺は気になってそちらを向くとそこには赤毛に三つ編みで頬にはそばかすが付いている女の子が立っていた。

 リボンの色が緑ってことは彼方さんや朝香さんと同じ3年生だな。そして見た感じからして外国の人……話し方もおっとりしててあと何がとは言わないがデカいです。

 

「朝香さんのお知り合いですか?」

 

「ええ、この前学生寮の場所を教えたのよ。私も寮住みだから」

 

 そういえばこの学校は寮もあるんだった。

 確か各部屋の内装はエアコン、ベッド、テレビ台と棚、テーブルと椅子がそれぞれ二脚ずつそしてクローゼットなどの家具がそれぞれ取り付けられてるという……許可を取れば寮生でなくても宿泊が可能と聞いた。

 学内だけでなく寮の環境も良いとかこの学校リッチすぎじゃね?

 

「友達と食事中みたいだったけど良かったら一緒に食べても良い?」

 

「好きにしたら?」

 

「俺は大丈夫ですよ。良ければ隣どうぞ」

 

「うふふ、ありがとう!」

 

 先輩は俺の隣に座る。お盆には白ご飯が入った丼に醤油そして生卵……この組み合わせはTKGしかないよな。

 こんなメニューもあるんですね。

 

「よろしくね。私は国際交流学科3年のエマ・ヴェルデ 最近スイスから留学してきたの」

 

「留学生さんだったんですね。俺は情報処理学科1年の星野遊星です」

 

「じゃあ私も自己紹介するわ。ライフデザイン学科3年の朝香果林よ」

 

 朝香さんはライフデザイン学科だったのか……彼方さんと同じ学科なんだ。

 

「自己紹介は済んだとして……それって?」

 

「これスイスにいた時からずっと憧れてたの♪」

 

 ほうエマさんはスイスから来たのか……スイスは数多くの湖、村、アルプスの高峰を擁する、山岳地帯に覆われた中央ヨーロッパの国と中学の時に地理で習ったぞ。

 俺は外国に行ったことが無いからエマさんにスイスの事聞いてみたいな。

 

 エマさんは卵をご飯の上で割り醤油をかけ混ぜてそれをかき込む感じで食べる。

 

「う〜ん……buono♪」

 

「あはは、それを食べるためにわざわざ日本へ?」

 

「え?ううん!そうじゃなくて」

 

「冗談よ」

 

「な〜んだ。私ねスクールアイドルになりたくて日本に来たの」

 

「「スクールアイドル?」」

 

 初めて聞いた単語である。地元ではそのようなコンテンツは目立ってなかったしそもそもテレビはアニメや特撮しか見るのに使ってないし。

 

「小さい頃 日本のアイドルの動画を見て心がぽかぽかってなったことがあったの。だから私もそんなことが出来るアイドルになれたらって思って」

 

「それで日本まで?やるじゃない!」

 

「素敵な夢ですね」

 

「えっへへ」

 

「あの……朝香果林さんですか?」

 

「うん?え……ええ」

 

 3人で喋っていると俺と同じ1年生の女の子2人組が朝香さんに話しかけた。

 朝香さんが本人であると言った途端2人はパァっと笑顔になる。

 

「私たち雑誌でよく見てて」

 

「ファンなんです!」

 

「ありがとう」

 

「これからも頑張ってください!」

 

 女の子たちは朝香さんにお礼をした後にその場を去っていった。

 

「朝香さんモデルか何かやってるんすか?(そうだとしたら食事の量が少ないのも納得がいく)」

 

「ええ、読者モデルだけどね」

 

「すごーい!」

 

「アイドルだって凄いじゃない!お互い頑張りましょ!」

 

「俺もエマさんの夢応援します!」

 

「2人とも……ありがとう!」

 

 

 

 ーー (ζル ˘ ᴗ ˚ ルヘ ー╰*(..•ヮ•.. ) *╯ーー

 

 

 

「じゃあ俺は食べ終わったのでここで失礼しますね。朝香さん奢ってくれてありがとうございます。エマさんはアイドル頑張ってください!縁があったらまた会いましょう」

 

「どういたしまして。またね遊星くん」

 

「バイバイ遊星くん」

 

 朝香さんとエマさんと別れ学食を出た俺はこの後何をするかを考えていた。

 まだ昼休みが終わるまで時間があるし……そうだ!この学校の探索をしよう。

 部室棟ってのもあるみたいだけど あそこはまた後にするとして、この前みたいに生徒会長さんに迷惑かけないように色々な場所を覚えておかないと!

 

 というわけで色々回ることにしました。

 図書館、視聴覚室、家庭科室、放送室に保健室といったどの学校にもある教室はもちろんのことレコーディング室や俺ら情報処理学科の生徒が使うコンピュータルームなどの学びの環境として最適な教室も多数ある。

 

「それにしても広いな。こりゃ新入生どころか今いる先輩達でも迷いそうだな……朝香さんとか特に。ん?あれは……」

 

 資料室の前を通りかかると多くの資料を両手で重たそうに持ちながら出てくる中川さんの姿があった。

 

「中川さんこんにちは!」

 

「ん?あ、星野さんじゃないですか!どうしたんですか?こんなところで」

 

「実は昼休み終わるまで時間あるので軽く学校の探索しようと思って、中川さんは生徒会の仕事ですか?」

 

「そうです。今からこの資料を生徒会室に持っていくのですが……これが重くて」

 

「確かに重そうですね。俺が手伝いましょうか?」

 

「わ……悪いですよ!(それに困ったらいつでも力になるとか言ったのに逆に助けられるのも恥ずかしですし)」

 

「大丈夫です!それに中川さんも生徒会長である前に1人の人間です。困った時は俺が力になりますよ」

 

「……ありがとうございます。それでは半分持ってくれますか?」

 

「分かりました!」

 

 俺は中川さんが持っている資料を半分持ち一緒に生徒会室に向かうことに。

 今日は他の生徒会の人はどうしたのだろうか?と聞くと体調を崩して休んだり部活のことで色々忙しいみたい。

 

「それは大変ですね。こんな大きな学校で尚更なんじゃないですか?」

 

「はい。人数的にも少しキツくて……放課後までに完成させなきゃいけない案件もあって大変です」

 

「じゃあその仕事 俺も手伝いますよ!放課後にも来ますし今日はバイトもないので」

 

「いえ、これ以上は頼めません!星野さんに迷惑かけてしまいます!」

 

「迷惑だなんて思ってません!それに俺 誰かの力になりたいんです」

 

「……分かりました。それではよろしくお願いします。星野さん」ペカー

 

 やっぱり良いな……中川さんの笑顔 すごく好きだ。

 

 俺と中川さんは生徒会室に着き資料を整理してから仕事を手伝うことに 昼休みが終わり学校の授業も終わり放課後 俺は用事があると璃奈に告げ生徒会室へ再び向かい中川さんと仕事を再開させることに。

 

 そして生徒会業務が終わり時刻は17時半を回っており現在俺は中川さんと下校中である。

 

「すみません。こんな遅くまで付き合わせてしまって……おかげで早く終わりました!」

 

「良いんですよ。中川さんの力になれて俺も満足です。また困ったことがあったら呼んでください!」

 

「ありがとうございます。それにしても星野さんはパソコンが得意なんですね!タイピングやデータ処理も早くて流石は情報処理学科の生徒さんといったところでしょうか?」

 

「まあ昔からパソコン関係は得意だったので……よく父にWordやExcelの扱い方とかも教えてもらってて 最近は映像編集にも興味があって入学時に出来た同じ学科の友達が機械に強いのでその技術なんかも教えてくれるんです」

 

「あの……星野さんにお願いがあるのですが……」

 

「なんでしょう?」

 

「貴方の能力を生徒会で生かしてみませんか?生徒会の会計としてスカウトさせてください!バイトなどで忙しい時は仕事を持ち帰りでこなしてくれても構いません!」

 

 真剣な顔でお願いしてくる中川さん。

 俺は自分の得意な事で誰かの役に立てた事が嬉しかった。

 そして中川さんは今その俺を頼ってくれる答えはもちろんただ一つ……。

 

「分かりました。俺で宜しければ生徒会のメンバーとして全力全開で頑張ります!」

 

「ありがとうございます!これからよろしくお願いします!」

 

「こちらこそ!」

 

 中川さんは真剣な顔つきからパァっと明るい笑顔になり手を差し出した。

 俺は中川さんと熱い握手を交わす。なんていうかこれが青春ってやつなのかな?知らんけど。

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

「それにしても俺と中川さん帰りの道結構一緒なんですね」

 

「そうですね。私はもうすぐで着きます」

 

「俺もなんですよ……ここです。俺の住んでるマンションで……」

 

「え!?……私が住んでるのもこのマンションです!」

 

 そうなのでございますか!?いやぁ偶然にしてはウルトラ凄いですねぇ。

 そして俺と中川さんはエレベーターに乗り自分が降りる階のボタンを押す。

 

「ん!?」

 

「ど……どうしました?」

 

「私もこの階なんです!まさかここまで一緒とは……驚きです」

 

「もしかして隣同士だったりして」

 

「ま……まさかそんな事は……」

 

 ありました。俺と中川さんは家が隣同士でした。

 ヴェ!?って言いそうになったけど流石に時間も時間だし近所に迷惑なのでお互い抑えました。

 でもなんで今まで気付かなかったんだろう?俺が気にしてなかっただけかもしれないし。

 

「多分 私と星野さんは家を出る時間が違うからかもしれません。生徒会は朝が早いですからね」

 

「そうですよね。挨拶運動やら学校のことで色々大変ですもんね。」

 

「そうだ!私と連絡先の交換をしませんか?これからは星野さんも生徒会の仲間ですし 明日は先生にも話をつけたり生徒会の皆さんに星野さんを紹介したりもしたいので」

 

「分かりました。どうぞ!」

 

 

 

 俺は中川さんはお互い連絡先を交換した後にそれぞれ家の中へ、これからますます楽しくなりそうだ。

 

 

 




この小説で初めてスクールアイドルというラブライブにおいての重要ワードを初めて出しましたw

そして遊星くんが生徒会のメンバーになりました。
生徒会の朝は早いは俺の偏見です。
隣人設定にしたのはただ単に俺が推しの隣の家に住みたいなと思ったからです!

因みにデータ処理の凄さはかぐや様の石上くんと同じくらいの設定にしております!
同好会崩壊前の中川さんは明るい感じにしてみました。
次回は誰出すか迷うな……アニメ本編に入る前にGW編とか中間テスト編とかも書きたい所です。

最後に2話で出てきた真冬さんを店長という設定にしてたのですがバイトリーダーという役職に変更しました。

あとお気に入り登録お願いします!あと感想も欲しいです。


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EP7 生徒会とGWの予定


今回はGW編前です!
連休に色々なイベントを起こせたら良いなと思っております!

皆さんは今年のGWは何処に行きましたか?
僕は2泊3日の沼津旅行へ行きました。あれは楽しかったな〜

それではどうぞ!



 

 

 朝の5時 俺は珍しく6時前に起きた。

 理由は2つで一つは今日から生徒会のことについて中川さんから色々教わるためである。

 もう一つは昨日 中川さんから『明日は挨拶運動があるので一緒に登校しましょう』というメッセージが来たためだ。

 そして朝の6時半 現在 俺は中川さんと登校中である。

 

「今日から生徒会か……なんだか緊張してきました」

 

「そんなに堅くならなくても大丈夫ですよ。生徒会の皆さんはとても良い方たちなので星野さんならすぐに馴染めると思いますよ?」

 

「中川さんありがとうございます。なんだか自分に自信がついて来ました!」

 

「それは良かったです。では先ず生徒会顧問の先生に星野さんの承認をもらった後に生徒会室へ向かいましょう」

 

 東京に引っ越してそして入学してからもうすぐで1ヶ月が経つ……いろいろな事があったな。

 初めて友達が出来てからバイト始めたり生徒会に入ったりなんだか中学より今の方がすごく充実してて楽しい。

 コミュ力も上がって来てるし何より誰かと話すのが今となっては凄く楽しくなっていってる気がする。

 

 もうあの中学時代の頃のコミュ障陰キャボッチの俺とは違う!今の俺には璃奈、彼方さん、愛さん、朝香さん、エマさん、そして中川さんという最高の友達がいるんだ。

 

 これから起こることは楽しかったり辛かったり苦しかったりそんな日々が待ち受けているのかもしれない……それでも俺は皆んなと前に進んでみせる!

 先ず今日は生徒会の一員として中川さんのために全力全開で頑張るぞ!

 

 

 

 学校に到着し職員室へと向かう。顧問の先生一体どんな人なのだろうか?

 

「ここが職員室です。失礼します!普通科2年の中川菜々です。現士実似々花先生はいらっしゃいますか?」

 

 あれ?現士実似々花?その名前どっかで聞いたことあるような……中川さんに呼ばれた先生が職員室から出てきた。

 

「あ……貴方は 遊星!」

 

「やっぱり聞いたことある名前だと思ったら似々花さんだったんですね!今は生徒会の顧問やってるんですね!」

 

「まさかこの学校に貴方が入学していたとは……流石の私も驚きです」

 

「元気そうで良かったで……」

 

「あ……あの!」

 

「「ん?」」

 

「星野さんと似々花先生はお知り合いなのですか?」

 

 現士実似々花さんは俺が中学時代の時に勉強を教えてくれたお姉さん的存在な人である。

 特に国語、数学、英語の教え方がとても分かりやすくテストでは高得点を取っていた。

 でも俺が中学3年生になった春に似々花さんは先生になるために東京へと行ってしまったのだ。

 まさかこんな場所で再開できるとは……これぞまさしく運命!

 

「それで中川さん。私に何か?」

 

「実は星野さんが生徒会に入りたいと昨日おっしゃっていたので先生の承認を貰いに来ました」

 

「成程そう言う事でしたか……分かりました。遊星を本日より生徒会のメンバーとして迎えましょう。頑張りなさい!」

 

「はい!またお世話になります。似々花さん……いや似々花先生」

 

「それでは星野さん 生徒会室へ向かいましょう」

 

 似々花先生は他にも仕事があるため職員室へと戻り俺と中川さんで生徒会室へ行く事に。

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

「おはようございます!」

 

 俺は現在 挨拶運動の真っ最中だ。

 先程腕章をもらい他の生徒会メンバーを中川さんが紹介してくれた。

 

 中川さんと同じ2年生で生徒会副会長の杉山里穂さん。3年生で生徒会書記を務める佐藤左月さんと佐藤右月さんの双子姉妹そして会長の中川さんと会計の俺を含め生徒会は合計5人となった。

 

 それにしても俺以外全員眼鏡じゃね?とは思ったけど皆さん優しくて温かく俺を向かい入れてくれてとても嬉しかったです。

 生徒たちに挨拶をしてしばらく璃奈と愛さんが登校してくるのが見えた。

 

「璃奈おはよう!愛さんもおはようございます!」

 

「ほっしー おはよう!」

 

「おはよう 遊星くん……あれ?その腕につけてるのは?」

 

「ああ これか!俺は今日から生徒会の会計になったんだよね」

 

「え!?ほっしー生徒会に入ったんだ!何で?」

 

「昨日 生徒会の手伝いをしたら腕を見込まれてスカウトされたんですよ」

 

「そうなんだ。これから大変かもしれないけど頑張ってね」

 

「ありがとう璃奈また教室でね。今日はお弁当ちゃんと待ってきたしいつもの場所で食べようね」

 

「うん」

 

「またね!ほっしー!」

 

 

 

 璃奈と愛さんは校舎に向かいしばらくまたもや知ってる人物が歩いて来た。

 あれは彼方さんだ!めっちゃ眠たそうにしてるよ……大丈夫かな?

 

「おお〜そこにいるのは遊星くんではないか〜おはよ〜♪」

 

「彼方さん おはようございます。眠そうですね大丈夫ですか?」

 

「問題ないぜ〜教室ではちょっとだけすやぴするけど……ところで何で遊星くんが生徒会の腕章を着けてるの?」

 

「俺 今日から生徒会の一員になりまして、これからは挨拶運動がある日は朝から会えますね!」

 

「そうだね〜それにしてもバイトをしてるのに生徒会もやるとは……遊星くんも大変ですな〜」

 

「彼方さん程ではないですよ。ささ、早く教室に行ってください!すやぴできる時間減っちゃいますよ?」

 

「おっとそうだった!じゃまたバイトで会おうね〜♪」

 

 

 

 彼方さんはゆったりと校舎に向かい次は朝香さんとエマさんが登校して来た。

 

「あら、遊星くんじゃない。おはよう」

 

「遊星くん。おはよう」

 

「朝香さんおはようございます。エマさんもBuon giorno」

 

「イタリア語だ!遊星くん発音上手だね」

 

「昨日エマさんの母国話聞いてたらスイスに興味が湧きまして、挨拶とかもネットで調べて練習してみたんですよ」

 

「ふふ、それにしても遊星くんが生徒会の人だったなんて驚きね」

 

「まあ今日からなんですけどね……」

 

「そうなんだ!じゃあまたね遊星くん」

 

「生徒会 頑張りなさい」

 

「はい!お2人も頑張ってくださいね!」

 

 

 

 朝香さんとエマさんも校舎に向かい中川さんが俺の元へとやって来た。

 

「星野さん、お疲れ様です。もうすぐでチャイムが鳴るので教室へ戻って大丈夫ですよ。あとお昼休みに会議をするので食べたら早めにきてくださいね」

 

「分かりました。またお昼休みの会議に!」

 

 

 

 俺は中川さんの元を去り急いで教室へと向かい中に入ると璃奈が自分の席で本を読んでいた。

 

「璃奈。おいっす〜!」

 

「あ 遊星くん、挨拶運動終わったんだね。お疲れ様」

 

「サンキュ!昼休みには会議があるから一緒に弁当食べたら俺は生徒会室に行かないといけないんだ」

 

「初日から大変だね」

 

「まあ無理しない程度で頑張るさ。そんで何読んでるの?」

 

「SPY×FAMILYの9巻だよ。この前 遊星くんと遊んだ帰りに買った」

 

「最新巻出てたんだね。俺も早く買って読みたいな(9巻出てたのすっかり忘れてた)」

 

「そういえば虹ヶ咲には書店もあったはず。あそこには漫画や雑誌も売ってたような」

 

 マジで!?ここの学校は本屋さんまであるのか……何でもありだな本当に。

 

「そっか……バイト行くついでに寄って買うか」

 

「そういえば明日からGWだけど遊星くんは何か予定あるの?」

 

「連休でも普通にバイトとかある日はあるしな……そういえば父ちゃんが折角の10連休なんだし何処か旅行にでもいけば?って言って結構お金振り込んでくれたんだった」

 

「そうなんだ。それで何処に行くか目星はついてるの?」

 

「出来れば近場がいいかな?鎌倉か江ノ島辺りに行こうかなって」

 

 俺は兎に角 海を見に行きたい!お台場にも海はあるけどなんか違うんだよね。

 景色が綺麗な海を見たいんだ俺は!海無し県出身なもので海を見るとテンション上がるんだよ わかる?

 「海は広いな大きいな〜」って歌あるでしょ?あの歌詞を作った人は群馬出身の人なんだよね。きっと海に憧れてたんだろうな……。

 

「まあ ゆっくり考えるさ。んで 璃奈はどっか行くのか?」

 

「私は家族と肉フェスに行こうと思ってる」 

 

「おお!良いね〜!お互い良い連休にしような。お土産買ってくるよ」

 

「楽しみにしてる♪」

 

 

 

      ーー 从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

 昼休みが始まり数十分が経過した現在 俺は昼食後の生徒会会議に出席していた。

 分からないとこは兎に角メモしまくった。

 

「それでは以上で会議を終了します。何か質問はありますか?」

 

「特にありません」

 

 副会長が返す。

 

「星野さんは?」

 

「大丈夫です!」

 

「分かりました。それではこれにて解散とします。明日から連休なので気を付けてお過ごしください」

 

 副会長と書記の2人が生徒会室を出て行き、俺は温かいお茶を飲みながら一息つこうと思い生徒会室で休む事に、今は中川さんと2人きりである。

 何処回ろうかな……久々に江ノ島水族館行ったりしらすパンとかしらす丼食べたいし初日は江ノ島で2日目は鎌倉に行こうかな?

 

「ズズっ……う〜ん……」

 

「何か悩み事ですか?」

 

「いや 別に大したことではないんですけどね。連休に鎌倉と江ノ島辺りに旅行へ行こうと思いまして どこを回るか考えてました」

 

「成程。旅行好きなんですか?(江ノ島と言ったら青ブタの聖地じゃないですか!私も行きたいです!)」

 

「好きですよ。昔はよく父と群馬から東京や横浜とかに遊びに行ったり水族館にもよく行ってました。今回は1人で行きますけど」

 

「1人でですか……親御さんは?」

 

「父は連休でも仕事で忙しいみたいで、一緒に行けない代わりに何処か旅行にでもいけば?って言われてそれ用のお金を振り込んでくれたんです」

 

「そうなんですか。良い旅行になると良いですね。くれぐれもお気を付けて」

 

「ありがとうございます。それではそろそろチャイムが鳴るので俺はここで……生徒会の皆さんにお土産買って来ますね」

 

 俺は生徒会室を出てゆっくりと教室へ向かう。

 お土産は何が良いかな?鎌倉と言ったら鳩サブレだよね。

 それと旅行へ行く前は何して過ごそうかな……そういえば今さっき思い出した事があった。

 今月は引っ越しの片付けや東京とか学校に慣れたりしないといけなかったのですっかり忘れてしまってた。

 

 確か俺の一つ歳上の従姉弟と幼馴染が住んでるマンションが豊洲駅ら辺にあるって引っ越す前に父ちゃんが言ってたっけ?昔遊びに行ったことはあるけど住んでいた場所は昔のことすぎて忘れちゃったしそこは父ちゃんに聞くとして、10年ぶりに会いに行こうかな?

 

 

 





現士実似々花(うつしみねねか)
(CV.井口裕香)
現在デパプリのキュアヤムヤムの声を担当してますね!
24歳で大人の雰囲気はあるけど身長は149㎝と小柄でよく子供と間違われるのでロリババアと小馬鹿にすると静かな怒りで消し飛ばされるかも?
だが煽られるのに耐性が無いところが可愛いらしいところだとか
どこかプリ○ネのミラーミラーの人に似てるとのこと

副会長には名前が無かったので声優さんの名前から拝借させていただきました。

そして最後の従姉弟と幼馴染は一体誰なんだ!?
あとかすかすごめんお前を出すのはまだ先や!

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EP8 従姉弟と幼馴染(GW編①)


GW編 STARTでございます!

今回は初日です。
新キャラ出てくるよ!誰もが知ってるあの2人だ!

それではどうぞ!


 

 

 

 今日からGWが始まる。

 皆それぞれ自分たちの休日を満喫している者もいれば仕事などで忙しい人もいるであろう。

 そんな中俺は初日からバイトをしていて今は休憩中です。

 ふはは GWでも普通に働く俺 面構えが違うぜ !その他のお仕事中の方もお疲れさんです。

 それに明日はとても楽しみにしているものがある。

 

「遊星くんおつかれ〜おや?今日は随分とご機嫌ですな〜」

 

「彼方さんお疲れ様です。俺そんな楽しそうな顔してました?」

 

「してたしてた〜!何か良いことあったの〜?」

 

「実は今やってるソシャゲの新ガチャが俺の推しキャラだったので それでちょっとワクワクしてました」

 

 ガチャは明日から、今年も564ウィークで石大量ゲット出来るから今まで貯めて来たジュエルを解放する時だ。

 天井分はあるけど出来れば早めに当ててやりたいな。

 俺は絶対にチアガールネイチャを当ててやるぜ!

 

「おお〜遊星くん燃えてるね〜!」

 

「これも推しへの愛です!でも普通に引くのもつまらないし旅行先で引こうかな?」

 

「旅行?連休中に何処か行くの?」

 

「はい!来週の木曜と金曜に江ノ島と鎌倉を巡ろうと思いまして(1人でだけど)」

 

「良いな〜彼方ちゃんも行きたいな〜」

 

「彼方さんは連休 何か予定あるんです?」

 

「彼方ちゃんはね〜明後日 遥ちゃんとピクニックに行こうと思ってるのだ〜」

 

「妹さんとですか!良いですね。俺 遥さんに一度会ってみたいです」

 

「じゃあ遊星くんも来る?来るなら遊星くんの分もお弁当作ってあげるよ〜」

 

「え!?良いんですか?せっかくの家族水いらずの空間に俺が行っても?」

 

「もちのろんだよ〜遊星くんとももっとお話ししたいしね〜」

 

 彼方さんが両手でダブルサムズアップをする。彼方さんもしかしてウマ娘のゲームやってます?

 

「では当日お邪魔します」

 

「決定だね!帰ったら遥ちゃんに伝えなきゃ〜」

 

 それにしても彼方さんのお弁当か……この前食べたハンバーグ美味しかったし楽しみだな。

 休憩室で飲み物を飲みながら彼方さんと雑談をしているとバイトリーダーの美冬さんが部屋の中に入って来た。

 

 

「随分と楽しそうな話をしているわね」

 

「美冬さんお疲れ様です」

 

「お疲れ様で〜す」

 

「お疲れ様!で、何の話をしてたの?」

 

「連休中に何処へ行くのかという話をしてたんです」

 

「そう言うことね。私も弟や妹たち連れて何処かに行こうかしら?」

 

 美冬さんの家族は父と母そして弟が2人で妹が2人以上のいわゆる大家族というやつだ。

 美冬さんは20歳の現役大学生でこのお店でバイトをしていた際に見事な働きぶりを評価されバイトリーダーに任命されているとか……過去には凄いバイトをしていたらしい。

 

「家族で旅行 良いですね〜」

 

「そうですね。あ、そろそろ持ち場に戻りましょうか?」

 

「2人とも、残り時間も頑張ってね!」

 

 

 俺と彼方さんは持ち場に戻り仕事を再開させる。

 従姉弟と幼馴染に会うのはバイトが終わってからにしよう。

 昨日 父ちゃんに場所は聞いたからこっそりサプライズで行ってやろうかね……どんな反応するかな〜?

 

 

 

     ーー ノレcイ´=ω=) ーー

 

 

 

「それではお先に失礼します」

 

「お疲れ様でした〜」

 

「2人ともお疲れ様!いい連休を」

 

 バイトが終わりいつも通り彼方さんと帰ることに、最近バイト終わりの楽しみの一つが彼方さんと帰ることになってる。

 この時間は俺にとっての癒しであり至福の一時なのだ。

 だってこんなトニカクカワイイ先輩と帰れるんだもん!幸せ以外の何者でも無いよね。

 

「お弁当のおかずで遊星くんは何食べたい?」

 

「そうですね……彼方さんの作ったミートボール食べてみたいです!」

 

「ミートボールか〜いつも遊星くんのお弁当に入ってるよね〜」

 

「大好物の1つなんで」

 

「おーけー!じゃあ作っとくね♪」

 

 やった!明後日がすごく楽しみだ。

 あと彼方さんの妹ちゃんの遥さんに会うのも楽しみだ。

 休憩してる時に彼方さんが遥さんの話をよくするし写真とか見せてくれたけどめちゃくちゃ可愛かったな。

 可愛い妹ちゃんですね!と言ったら「でしょでしょ〜?」と自慢しててとても仲の良い姉妹なんだなと思った。

 なんて言うか微笑ましいですな〜。

 

「おっと、じゃあ俺はここで」

 

「おや?いつもは彼方ちゃんが先に別れるのに……どこか寄るの?」

 

「はい、ちょっと」

 

「そっか〜じゃあまた明後日ね〜」

 

「彼方さん。お気を付けて!」

 

 

 

 俺は彼方さんと別れ従姉弟と幼馴染の住んでいるマンションに向かうために取り敢えず豊洲駅前に向かう。

 確か父ちゃんから教えてもらった場所だとここら辺だったかな?

 俺は地図アプリを頼りに歩く。流石に朝香さんでは無いのであっさりと着いた。

 

「ここだここだ!でも何階だったかな?」

 

 困った時は入り口の郵便受けを見よう!これを見れば一発である。

 えっと高咲……高咲はと……あった!この階だな!さあ行くぞ!

 

 

 

「すぅ〜はぁ〜……なんだか緊張するな」

 

 深呼吸をする俺 着いたのは良いもののなんだかインターフォン押すの凄くドキドキしてきた。

 サプライズとか意気込んでたくせに何弱気になってんだろ…‥さっさと押せよ俺!

 

 ピンポーン

 

 震える指がボタンに触れ遂に押してしまった。

 慌てふためく俺だったが中から「はーい!」と言う返事と共に扉が開いた。

 その中から出てきたのは部屋着を着たツインテールの女の子だった。

 

「どちら様ですか?」

 

「あ……あの……貴女は高咲侑さんという名前……でしょうか?」

 

「は……はい?そうですけど……どうして私の名前を?」

 

「やっぱり……!俺だよ星野遊星。ほら、10年前に夏は釣りキャンプとかしたり年末と正月の時に遊びに来たじゃない!」

 

「星野遊星……あっ!もしかして私と歩夢の側からずっとくっついて離れなかったあの遊星!?」

 

「そうだよ!久しぶりだね。ゆー姉」

 

「本当に……遊星だ……久しぶりぃぃいい!!!」

 

「おわっ!」

 

 歓喜の声と共にゆー姉が思いっきり俺の胸に向かって抱きついてきた。

 その勢いで俺は少しだけ後ろから倒れそうになったがなんとかギリギリまで頑張って踏ん張った。

 

 彼女の名前は高咲侑、俺の従姉弟だ。

 ゆー姉の母ちゃんの弟が俺の父ちゃんで10年前にまだ仲が良かった父と母そして俺の3人でゆー姉のマンションへと遊びに行った事があるのだ。

 

「それにしても凄く久しぶりだよね!急に家に来てどうしたの!?」

 

 顔が近い顔が近い!

 

「実は今年の春からこっちに引っ越してきてさ、土地や学校の事で色々慣れなきゃいけなくって、ゆー姉がここら辺に住んでたのすっかり忘れちゃっててな……すまない」

 

「そうだったんだ。ううん、良いんだよ。こうして思い出して会いに来てくれて私 凄く嬉しいよ!」

 

 ゆー姉の抱きつく力が少しだけ強くなる。

 それにしてもしばらく会わない間にいろいろ成長したな……身長はもちろんだけどゆー姉の成長したお胸様がダイレクトに当たっている。

 あと声が俺が今やってるゲームの推しキャラの声にクリソツになってる。

 

 昔はゆー姉と幼馴染の娘よりも身長が小さくて一緒に遊んだのを思い出す。

 今は俺の方が10cmくらい高いんじゃないか?

 

「そう言えばあゆ姉は?」

 

「そうだ!歩夢に遊星が来たって知らせなきゃ!遊星は私の部屋で待ってて!歩夢ー!」

 

 抱きついてたゆー姉は俺から離れ隣の家へと向かう。

 そう言えばあゆ姉とは隣同士だったんだっけ?そこまでは覚えてないな。

 

 

 

 俺は高咲家にお邪魔し中に入るとゆー姉のお母さんがいた。

 

「……お邪魔しま〜す」

 

「あら?侑のお友達?」

 

「叔母さん俺です。星野遊星!」

 

「ウソ!?あの遊星くん!?見違える程大きくなったわね〜……それに凄くカッコよくなってるじゃない!」

 

「そんな事無いですよ〜!それよりゆー姉の部屋はどこですか?」

 

「侑の部屋はそこよ」

 

 俺は叔母さんに案内されゆー姉の部屋に入る。

 

 中に入るとまさしくザ・普通といった感じの部屋であった。

 バランスボールと本棚そして勉強机があり俺は取り敢えずソファベッドに座り ゆー姉を待つことに。

 

 因みに俺の部屋はテレビやパソコンがあり壁にはアニメやら特撮のポスターやタペストリーが飾ってたりあとフィギュアや変身玩具なんかも棚などに飾っていていわゆるオタク部屋といった感じになっている。

 本棚には多くの単行本があり最近は阿波連さんとSPY×FAMILYをよく読んでいる。

 

 ベッドの敷きパッドは引っ越す前にしま○らで買ったウマ娘コラボのものである。

 テイオー、マック、ライス、ブルボンの全4種類持ってます。

 

 

「お待たせー!ほら歩夢。遊星だよ!」

 

 ゲームをしながら待とうと思ってスマホを手にした途端 扉が開き ゆー姉が入ってきてその後に続いてもう1人ライトピンクの髪色で右サイドは三つ編みお団子で纏められている女の子が入って来た。

 

「ほ……本当に遊星くん……なの?」

 

「そうだよ!久しぶりだね。あゆ姉」

 

「遊星くん!」

 

「おわっ!」

 

 俺が本人だと言うとあゆ姉の顔が明るい笑顔になりその後思いっきり抱きついてきてその勢いで俺は後ろから倒れた。ソファベッドに座ってて良かった。

 

 あとゆー姉と同様あゆ姉のお胸様も成長しててめっちゃ当たってる……マジヤベーイ!

 あゆ姉こと上原歩夢はゆー姉の幼馴染で俺が初めて会ったのは年末である。

 

「あゆ姉 一旦離れて!」

 

「あ ごめんごめん……それにしても本当に大きくなったね。昔の頃から印象変わりすぎてわからなかったよ。でもあゆ姉って呼ぶの遊星くんだけだしすぐわかっちゃった!」

 

「それ私も!ゆー姉って呼ばれるまで本当に遊星なのかな?って思ったし」

 

「それは俺も同じさ。2人とも変わりすぎ(それにめっちゃ可愛くなったな)」

 

「そういえば引っ越して来たって言ってたけど学校は何処に通ってるの?」

 

「虹ヶ咲学園だけど」

 

「「うんうん……ええぇぇ!?」」

 

 ゆー姉の質問に答えると2人がめちゃくちゃ驚いていた。

 何で驚いてるの?と聞くと2人も虹ヶ咲に通っているからだそうで……ってマジか!?まあうちの学校は校舎広すぎるしすれ違ったとしても顔覚えてなかったかもしれないしね。

 

 

 

  ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

 俺は引っ越してから今まで起こった学校での出来事や引っ越す前のこと、今は父ちゃんと母ちゃんが離婚してしまい父ちゃんが暫く遠くで仕事をしていて今は1人で暮らしている事も話した。

 

「そうなんだ……今まで大変だったんだね」

 

「あゆ姉 そんな悲しい顔しないで?俺は今が凄く幸せだからさ……それに楽しい事だって沢山あったんだから!」

 

「遊星……何か困った事があったら何時でも私が相談に乗るからね!」

 

「寂しい時とか辛い時があったら私の事も呼んでくれて良いんだからね?」

 

「2人とも……ありがとう!なんか落ち着いたらお腹空いて来ちゃったよ」

 

「ちょうど夕飯時だもんね」

 

「あはは、良かったら家で食べてく?」

 

「良いの?」

 

「勿論だよ!歩夢はどうする?」

 

「じゃあ私も一緒に。お母さんからは侑ちゃんのお家で食べるって私から言っておくよ」

 

 という訳で高咲家にて夕食を共にすることになりました。

 ゆー姉の父ちゃんは主張中らしいので4人で食べることに。

 叔母さんの料理すごく美味しかったし あゆ姉が作ったと言った卵焼きも凄く美味しかったです。

 

 

「ごちそうさまでした!ふぅ〜お腹いっぱいだ」

 

「ねぇ、良かったらこのまま泊まってく?もう時間的にも遅いしさ」

 

「いや 流石にそこまでは……それに着替とか下着とか寝巻きとか持って来てないし……」

 

「じゃあ服と下着は洗濯してすぐ乾燥させれば今日の下着は直ぐ使えるし、寝巻きは私の父さんのを使えば?」

 

「……じゃあ、そうさせてもらうよ」

 

 

 

 急に来ちゃったのに泊めてくれるなんて……ゆー姉大好き!あゆ姉も泊まるみたいなので凄く楽しみです。

 

 

 




大神美冬(おおがみみふゆ)
(CV.田所あずさ)
明智大学に通う20歳の現役女子大生で現在は遊星くんや彼方さんの働いてるスーパーでバイトリーダーをしている
過去のバイトというのが、紛争地域でゲリラと戦うとか、明らかにバイトの範疇に入らないものを多く含む
因みに趣味は節約だそうです。
何処かプリ○ネに出てくる効率厨に似てるとか?

今回はゆうぽむ出しましたよ!こんな可愛い年上の従姉弟と幼馴染がいたらなと思って追加要素で書きました。

次回はゆうぽむとお出かけにしようかな?と思います。
歩夢ちゃんが遊星くんに抱きついた所については1期11話のアレを想像してください笑

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次回もお楽しみに!


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EP9 ゆうぽむとお出かけ(GW編②)


今回は仲良くお出かけ回です。

実はここだけの話俺の本名は由(ゆう)なんですよねw
高咲侑ちゃんと読み方が一緒なのでアニメで自分の名前を呼ばれてる気がしてなんだかむずむずしますw

それではどうぞ!




 

 お風呂に入り直ぐに洗濯し乾燥させた下着とゆー姉の父ちゃんの寝巻きを着てゆー姉の部屋に入る。

 

 入ると寝巻き姿で髪を下ろしたゆー姉とあゆ姉がソファベッドに座って楽しそうな話をしていた。

 因みに俺は2人の後に入りました……決して残り湯を堪能とか考えてないんだからね!

 

「お 来た来た!遊星。私と歩夢の間においで!」

 

 おいおいマジかよ……恥ずかしいけどゆー姉に引っ張られて間に座らされました。

 

「そんじゃ……失礼。それで 何の話ししてたんだ?」

 

 2人とも距離近すぎる!肩と肩くっついてるし風呂上がりだからか凄く甘い香もするぅ……これが両手に花ってやつか?

 

「明日 私と侑ちゃんと遊星くんで何処か遊びに行こうかって話をしてたの。行きたいとことかある?」

 

「そうだな……じゃあダイバーシティ東京で映画を見てその後はゲーセンで遊ぶとかショッピングとかはどう?」

 

「良いねそれ!映画は何観る?遊星が今観たいのでも良いけど?」

 

 俺が今見たいやつか 確かにあるけど……俺の趣味にこの2人を付き合わせてしまって本当にいいのだろうか?

 

「本当に良いの?俺の好きなやつで?」

 

「良いんだよ。それに遊星くんが引っ越して来た記念だし!今の遊星くんは何が好きなのか知りたいな!」

 

「あゆ姉……ありがとう。実は今これが観たいんだけどさ」

 

 俺はスマホで観たい映画を検索して2人に見せる。

 

「機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー?」

 

「遊星って今は特撮が好きなんだ!」

 

「うん、昔からハマってて今でも観てるんだよね。あとアニメもよく観るし」

 

「そうなんだ。じゃあそれで決定だね!」

 

 2人とも凄く優しいな……それにしても3人だけでどっかに出かけて遊ぶってのが何気に初めてなんだよな。

 明日は良い1日になるといいな。

 

 

 

「そういえばさ……」

 

「ん?」

 

「どうしたの?遊星くん」

 

「何で布団が3枚敷かれてんの?」

 

「何でって 一緒に寝るために決まってるじゃん!」

 

「ファっ!?」

 

「久しぶりに一緒に寝ようよ♪」

 

 えーーーーー!?ちょままちょまままちょっと待ってちょっと!一緒に寝るだ!?

 確かに10年前の年末の時は一緒に寝てたけど あれはまだ小さい頃で今一緒に寝たら俺が死ぬ!別の意味で!

 

 抵抗したけど上目遣い攻撃でお願いされたので断れませんでした。

 明かりを消して俺はゆー姉とあゆ姉に挟まれる感じで 端的に還元すると川の字で寝ることに。

 

「こうやって一緒に寝るのも10年ぶりだね!」

 

「ソダネ……」

 

「私が先に起きた時 寝てる遊星くんが侑ちゃんに抱きついてたのを思い出すよ。可愛かったな〜」

 

 何でそんなことまで覚えてんの!?あゆ姉の記憶力が恐ろしいデース。

 

 明かりを消して暫くすると2人は既に寝てしまった。こんな……こんなんで寝れるかな?と思ったけど。

 

 

 

「すや〜……すぴ〜……」

 

 

 

 意外にも何時もより心地のいい眠りにつけた気がしました。

 

 

 

  ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

「う……う〜ん……」

 

 目が覚めると先ず目に入ったのがまだ寝ているあゆ姉であった。

 寝顔可愛いな……スマホを手に取り時刻を見ると朝の6時半であった。

 

「なんだか後頭部の部分がやけに柔らかいな……あとなんだか身動きがとれな……いぃ!?」

 

 なんと!ゆー姉が俺を抱き枕にして寝てるではありませんか!なんて思ってる場合じゃ無い!

 ゆー姉のお胸様が俺の後頭部に当たってなんかヤバい凄くヤバいわよ。

 兎に角 振り解かないと 俺はゆー姉を起こさないように動こうとしたが……。

 

「う〜ん……ふわぁ〜……あれ?遊星 起きてるの?おはよう」

 

「お……おはよう……」

 

 ゆー姉が起きてしまった。

 取り敢えずあゆ姉 起こしたいから振り解いてくれない?と言うと「あ ごめんごめん」と言いながらゆー姉が離れる。

 その時ゆー姉の顔を見ると頬が少しだけ赤くなっていたのは気のせいだろうか?

 

「あゆ姉。起きてー!」

 

「んぁ?……朝ですか?朝食はパンでお願いします。珈琲はミルクと砂糖多めで、ヨーグルトには蜂蜜かけてください……」

 

「歩夢。何言ってるの?」

 

「ファっ!?ご……ごめん!変な夢見て寝ぼけちゃってた。あはは……」

 

「も〜う 何の夢見てたの?」

 

 ゆー姉が苦笑気味であゆ姉に聞く。

 

「忘れちゃった〜」

 

 忘れたんかい!それにしてもあゆ姉の寝ぼけ台詞どっかで聞いたことあるんだけど……あ 思い出したわ!まさかめんどくさいヒーラーにでも取り憑かれてるのか?

 そんなことを思っていると部屋の扉が開き叔母さんが入ってきた。

 

 

「あら?3人とも起きてたの?おはよう」

 

「母さん。おはよう!」

 

「「おはようございます!」」

 

「朝ごはん出来てるから食べちゃいなさい!」

 

 こうして4人で朝食を食べることに。

 因みに今日の朝食の中にあゆ姉が寝ぼけ台詞で言ってたパンと珈琲と蜂蜜入りヨーグルトが出てきました。

 偶然すぎじゃね?まさか叔母さんさっきのアレ聞いてた?

 

 

 

 朝食を食べ終え暫くして現在時刻は午前9時 俺は私服に着替え高咲家のテレビを借りて今日の「ウルトラマンクロニクルD」を私服姿のゆー姉と一緒に観ている。

 あゆ姉は自分の家に一旦戻って出かける為の準備をしている。

 

「へぇ〜 今のウルトラマンってこんな感じなんだ!」

 

「そうだよ。そういえば今月はシン・ウルトラマンの映画が公開されるし7月には新しいのが始まるんだったわ」

 

「そうなんだ!私も観てみようかな〜?」

 

 ゆー姉がウルトラマンに興味を!?なんだかすごく嬉しい。

 

 ウルトラマンを観終わり時刻は9時半 準備を済ませたあゆ姉が戻ってきた。

 

「それじゃあそろそろ行こっか!」

 

「そうだね。それじゃあ母さん行ってきます!」

 

「叔母さん急に来ちゃったのに泊めてくれてありがとうございました」

 

「良いのよ。また何かあったら遊びに来なさい」

 

 

 

 俺たち3人は高咲家を出て先ず最初はダイバーシティ東京内の映画館へと向かう為に電車に乗ることに。

 

 俺は東京テレポート駅に到着するまでゲームをしていると隣に座ってるゆー姉が気になる目で覗いてきた。

 

「何のゲームしてるの?」

 

「ウマ娘だよ。ほら1年前から今でも流行ってるじゃない(肩めっちゃくっ付いてるし顔近っ!)」

 

「あ それ知ってる!アニメとか漫画も大人気だよね!CMでもゲームの宣伝とかよく見るし テレビの特集とかでも見た気がする」

 

「私のクラスでも周りにやってる人いた気がする」

 

「へぇ〜 で遊星はどのウマ娘が好きなの?」

 

「俺の推しは3人いるけど一番はキタサンブラックかな?」

 

 俺はホーム画面に映るキタサンブラックを見せる。

 あと声も聴かせ俺はいつかゆー姉に「張り切って行こう!」って言わせたいと思った瞬間である。

 

「なんだか侑ちゃんにそっくりだね。雰囲気とか声とか」

 

「そうかな?」

 

『次は東京テレポート 東京テレポートお出口は右側です』

 

「そろそろ着くから降りる準備するか」

 

「そうだね!」

 

「遊星と歩夢と映画観るの楽しみだな〜!」

 

 

 

 映画館に着きチケットを購入し入場時間になるまでポップコーンとドリンクを買うことにした。

 

「俺は安定の塩バターかな」

 

「私はキャラメルがいいな〜」

 

「映画終わったらお昼ご飯の時間になっちゃうしハーフ&ハーフにして3人で分けて食べるのはどうかな?」

 

「あゆ姉ナイスアイデア!」

 

 ポップコーンをとドリンク買い入場時間になったので劇場に入って5分経ち他の映画の予告ムービーが流れ終わり映画本編が始まる。

 

 

 

「めっちゃ面白かった〜!」

 

「初めて戦隊モノとか見たけど私も凄く笑っちゃった!特にあの万力とか面白すぎて今思い出すだけでも……プフッ」

 

 ゆー姉には時雨さんの万力ネタがすごくツボだったらしい。

 確かにあのシーンはキラメイジャー全話見た俺でも不意打ちすぎて笑ってしまった。

 

 上映中は大声が出せないけどあんなにも抑えてまでゲラゲラ笑うゆー姉は初めて見た。

 やっぱりゼンカイ脳は初めて見る人にも強烈全開だな。

 あとあゆ姉もくすくすと笑っていたのを俺は聞き逃していないぞ。

 

「私はあの映画見てたら なんだか焼肉食べたくなっちゃたよ!」

 

「歩夢も?実は私も食べたいって思ってたんだ!今度3人で行こうよ!」

 

「良いな焼肉! 俺も久々に食べたくなってきたよ!」

 

 上映中にポップコーンを食べていたのに映画のシーンに出てきた焼肉のせいでお腹が空いたので俺たちは映画館を出てダイバーシティ東京内にある飲食店が多い階へと移動することにした。

 フードコートも良かったのだがゆったりと食べたかったのでレストラン街で見つけようと3人で決めた。

 

「2人は何食べたい?」

 

「私は……そうだな〜あそこなんてどうかな?」

 

 ゆー姉が指を刺したお店は「串家○語 」串カツだけじゃなくて惣菜やデザートなんかが食べ放題のお店だよね。

 昔は父ちゃんと東京に遊び行った時は決まってここかシェイ○ーズに行ってたな……コスパが良いからって意味で。

 

「良いね。あゆ姉は?」

 

「私も串家で大丈夫だよ!」

 

 決まった所で一先ず入ることに なんだかこの店内の雰囲気久しぶりだな。

 

 店員さんの案内で俺たちは席に座り食べ放題なのでそれぞれ好きなものを取り食べることに。

 

「うん やっぱり美味しいな」

 

「ゆ……遊星?それ何本目?」

 

「え?50本目だけど?」

 

「昨日の夕飯は私たちと同じくらいの量だったのに……もしかして抑えてたの?」

 

「いや 今日は特別お腹が空きまくってただけだ(育ち盛りだしあと元取りたいし)」

 

 

 

 お腹も膨れ会計を済ませ次はゲームセンターに行くことに。

 クレーンゲームコーナーに行くと競走馬縫いぐるみの台を見つけた。

 

 おお この縫いぐるみ可愛いな……よしコレを取るか!俺は500円玉を投入してクレーンゲームを始める。

 

「い……いきなり500円!?」

 

「遊星。やる気満々だね!」

 

 最近は璃奈のアドバイスのお陰かクレーンの腕が上達している気がする。

 俺は今まで1回で1個しか取れなかったが2個どりのコツを伝授してくれた璃奈に感謝ですわ。

 

「すごーい!いっぱい取れたね!」

 

「はいこれ ゆー姉とあゆ姉にあげる」

 

「良いの?」

 

「うん!遊んでくれてありがとうのお礼さ。受け取ってほしいな」

 

「じゃあ有り難く貰うね。それにしてもこの縫いぐるみ可愛いね!」

 

「そうだね。遊星くんありがとう!大事にするよ」

 

 

 クレーンゲームをやった後は色々なゲームをやってその後に服屋や本屋などに寄り気付くと時間は午後の15時を回っていた。

 

 

 

 ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

 現在 俺たち3人は帰りの電車に乗りながら今日のことを話していた。

 本当に楽しかったな また遊びたいし学校でも会えたらいなと話すとゆー姉が。

 

「ねえ 遊星。連絡先交換しない?今度学校でお昼一緒に食べようよ!」

 

「良いよ。あゆ姉のも良いかな?」

 

「もちろんだよ。はい これが私の連絡先だよ」

 

 俺は2人の連絡先をゲットした。

 

「俺は次の駅で降りるから。昨日と今日 本当にありがとね。凄く楽しかったよ」

 

「私たちもだよ。またね遊星」

 

「今度は遊星くんのお家にも遊びに行くね!」

 

 いつでも大歓迎である。

 

 

 

 2人と別れ電車を降り駅を出て暫く歩きマンションに到着すると隣人の中川さんにバッタリ会った。

 

「中川さん。こんにちは」

 

「星野さん。こんにちは 昨日は帰ってきてなかったみたいでしたが何処に行かれてたんですか?」

 

「実は10年ぶりに従姉弟の家に行ってまして そこで泊めてもらって今日は幼馴染も含めて3人で遊んでました」

 

「10年も会っていなかったんですか!?結構年月が過ぎてますね……久しぶりに楽しめましたか?」

 

「はい!とてもリラックスできましたよ」

 

「それは良かったですね!それでは星野さんまた」

 

 

 俺と中川さんはそれぞれ家の中に入る。

 明日は彼方さんとピクニックか……遥さんに会うの凄く楽しみだな。

 





遊星くんは心の声で出したい言葉を爆発全開させてます。

皆さんは大型ショッピングモールで昼食を食べる時はフードコート派ですか?それともレストラン街派ですか?

次回は近江遥ちゃんが登場するよ!
本渡楓さん現在はパリピ公明でも大活躍中ですよね。
遥ちゃんは歌う時声が96猫さんになるのかな?

それでは次回もお楽しみに!
お気に入りと感想と評価お願いします。誤字があったら報告もお願いします!


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EP10 近江姉妹とピクニック&カラオケ(GW編③)


今回は5000文字行きそうなくらいマジで長く描きすぎたかもw

今回で記念すべき10話目です!
お気に入り登録してくれる方達そして感想をくれる方本当にありがとうございます。
いつも励みになっております!

そして遥ちゃんが登場しますよ!タイトルや前のお話読んでくれた人は分かるよねw

それではどうぞ!



 

 

 

 ゆー姉とあゆ姉と遊び終わり帰宅をして現在俺はテレビで、まちカドまぞくの2期を見ながら夕飯を食べていた。

 

 今晩は麻婆豆腐を食べている……もうちょっと辛い方がよかったかな?

 俺はちゃんと自炊はしているし料理だって普通にできる。

 この料理スキルは完全に仮面ライダーカブトやジャンプで昔やってた料理漫画の影響である。

 

 それにしてもまちカドまぞくは面白い。

 原作も何気に全部買ってるし円盤の絵もすごく可愛かったのでつい買ってしまった。

 因みに俺は千代田桃推しである。

 

「やっぱり桃ちゃん可愛いよなぁ〜。あかりんの低音ボイス最高だわ……ん?彼方さんから電話だ。取り敢えずアニメは一時停止してと……はいもしもーし?」

 

『もしもし遊星くん。今お食事中かな?』

 

 突然彼方さんから電話が来てびっくりしたけど彼方さんの声を聞くとなんだか凄く耳が心地いい。

 声だけで一瞬あかりん本人から電話来たんじゃないかと思ってしまった。

 

「いえ問題ないですよ。それで何か?(あんま気を遣わせないようにしないと)」

 

『いや〜大した事じゃないんだけどね。遥ちゃんに遊星くんのこと話したら凄く楽しみにしてたよ〜』

 

「そうなんですね。俺も楽しみにしてるって伝いといてください」

 

『分かったよ〜それともう一つ伝えたいことがあってさ。遥ちゃんがカラオケの割引券3枚持ってるんだけど……お昼食べて休んだらカラオケ行かない?』

 

 カラオケか……そういえば俺って自分な好きな歌を歌うのは口ずさんでる程度だけどカラオケって行ったことないんだよな。

 地元でも何時かは行ってみたいと思ってたことが何回かあるけどなかなか一人カラオケをする勇気がなかったな。

 

「全然OKですよ。でも俺カラオケって行ったこと無いんで色々教えてくださいね!」

 

『うん 分かったよ〜。じゃあ遥ちゃんに伝えとくね〜』

 

「集合場所は11時半にお台場レインボー公園で良いんでしたっけ?」

 

『そだよ〜』

 

「了解です。それではまた明日」

 

『おやすみ〜♪』

 

 通話が切れ俺は一時停止していたまちカドまぞくを再生させ食事を続ける。

 この回を観たらブレンド・Sでも見ようかね。

 

「山椒ちょっとだけ足すか……うん!丁度良い辛さだ!」

 

 

 

 夕食を食べ終え風呂や歯磨きを済ませた後に小一時間ほど勉強をしてからベッドの上で寝転がりながら仮面ライダーエグゼイドを観ることに。

 3話と4話って事はスナイプとレーザーが出てきた回だな、俺はエグゼイドだとブレイブとパラドが好きだ。

 

 エグゼイドを観ていると璃奈からメッセージの通知が来た。

 内容は肉フェスのものだった。

 やめてくれ璃奈よ……この時間で食べ物の写真はお腹が空いてしまう。

 

『サーロインステーキ美味しかった』

 

『美味そうだな……なんかお腹空いてくるw』

 

『私も写真見てたらお腹空いてきちゃった』

 

『おいおいマジかよwそういえば今日ゼンキラセンパイ見てきたぜ』

 

『どうだった?』

 

『めちゃくちゃ笑ったわ。2回目見たい気分だし良かったら今度一緒に観に行くか?』

 

『分かった。楽しみにしてる!』

 

『じゃあ俺もう寝るわ。おやすみ』

 

 と送ると璃奈からマルゼンスキーの「おやすみっ」スタンプが送られた。

 マルゼンスキー良いよね俺も好きだぜ、好きだけに!……このネタ愛さん笑うかな?

 まあどうでもいっか!明日の為にさっさと寝よ。

 

 

 

      ーー ノレcイ´=ω=) ーー

 

 

 

 目を覚ましスマホを見ると月が変わっており今日から5月が始まる。

 彼方さんと約束した時間は11時半で俺が今起きた時間は6時だ。

 時間に余裕はあるけど早めに朝食を済ませてニチアサのスーパーヒーロータイムを観ながらのんびりしますか。

 

 

 

「今回のラブコフ可愛すぎじゃね?一人称があたいとか最高じゃん」

 

 あとアギレラ様がウィークエンドに加入する展開も凄く良かったな。

 そしてドンブラザーズでは遂にタロウがロボタロウにパワーアップしてますます面白くなってきた。

 

 来週から他のお供もロボタロウになるしその次の回できっとドンオニタイジンが出で来るんだろう。

 俺は玩具屋や電気屋さんで予約しようとしたけど凄く人気すぎて1週間遅れで購入する羽目になってしまった。

 

「ニンニンジャーは帰ってから観るか」

 

 俺は家の掃除をしてから彼方さんと待ち合わせをしているレインボー公園へと向かった。

 

 

 

「お〜い!遊星くん。こっちこっち〜!」

 

 俺がレインボー公園に到着するとレジャーシートに座っている彼方さんと明るい茶髪でツインテールにしている女の子がいた。

 あの娘が彼方さんが写真で見せていた遥さんか。

 

「こんにちは彼方さん。えっと……貴女が近江遥さんですか?」

 

「はい、そうです。東雲学園1年の近江遥です。お姉ちゃんから家でよく星野さんの話は聞いてます」

 

「今日はよろしくお願いします。ってか俺ら同じ学年で同い年なんだしフランクに接しても良いよね?遥ちゃんって呼んでもいいかな?」

 

「もちろんです。じゃあ私も……今日はよろしくね。遊星くん!」

 

 写真で見るよりかっ……可愛い!確かに彼方さんが言ってた通りめちゃくちゃ可愛い!

 

「ふふっ 2人とも早速仲良くなってるね〜彼方ちゃんは嬉しいぜ〜」

 

 と言いながら胸を張る彼方さん……うむ相変わらず大きいな。

 

「それじゃあ、お昼食べちゃおうか!遊星くんの大好きなミートボールもちゃんと作ってきたぞ〜♪」

 

 前一緒にお弁当を食べた時も思ったが相変わらず凄く美味しそうだ。

 主食のおにぎりやおかずにはミートボールの他にも卵焼きや唐揚げやカボチャの煮物などのお弁当の定番惣菜が揃っておりどれも凄く美味しそうだ。

 

「それじゃあ、いただきます!」

 

「いただきます!」

 

「おあがりよ〜♪」

 

 先ずはおにぎりを手に取る。 

 今朝デパプリを観てたからちょうど食べたいと思ってた。

 最近はキュアヤムヤムも加わって遂に3人勢揃いで激アツ展開になっててこれからすごく楽しみだな。

 

「はむっ……うん、美味い!」

 

「うん!やっぱりお姉ちゃんの料理は美味しいな〜」

 

「良かった良かった。うん美味しくできてる♪」

 

 弁当を食べながら彼方さんや遥ちゃんと色々な話をした。

 

 遥ちゃんはなんと東雲学園でスクールアイドルをやっているとのこと、そして彼方さんも虹ヶ咲のスクールアイドル同好会の一員である事も……と言う事はエマさんと一緒って事だよな。

 姉妹揃ってスクールアイドルか……なんだか素敵だな。

 

「それでね。彼方ちゃん達 来月にお披露目ライブをする事になったんだ〜。その日は午前授業だし丁度良いよねってみんなで話してたの!」

 

「私その日は通常授業だから観に行けないのが残念だよ。でもライブ成功すると良いね!」

 

「じゃあ俺 その日の彼方さん達の晴れ舞台を楽しみにしてますね。絶対に観に行くって約束しますから、スクールアイドル頑張ってください!」

 

「おおー!2人の応援で彼方ちゃん100倍は頑張れそうだよー!」

 

 俺と遥ちゃんは向かい合って笑い合い俺が「料理も上手で素敵なお姉さんだね」と小声で言うと「うん!私の自慢のお姉ちゃんだよ!」と小声で返した。

 

「な〜にコソコソ話してるの〜?」

 

「「うわっ!?」」

 

「なっ……何でも無いっすよ!」

 

「そっ……そうだよ!お姉ちゃん!」

 

「んふふ……怪しいなぁ〜そんな2人には……」

 

「「2人には?」」

 

「こうだ〜!こちょこちょこちょ〜!!」

 

「あっちょ!彼方さっ……あっはははは!くっ……くすぐったいっす!」

 

「お……お姉ちゃん!あっはははは!そっ……そこはダメ〜!」

 

「うりうり〜!何を話してたのか正直に吐くのだ〜!」

 

 2人して彼方さんのくすぐり攻撃を受けてレジャーシートにぐったりと倒れ込んでしまいました。

 何を話してたかはお互い何とか吐かずに阻止することができ彼方さんはくすぐるのが疲れたのかいつの間にか眠ってしまっていた。

 

「はぁはぁ……俺くすぐられるのは苦手なんだよね」

 

「私も……脇腹とか弱い所結構やられちゃったよ……」

 

「すや〜……すぴ〜……」

 

 

 

 彼方さんが寝ている合間に俺と遥ちゃんでお互いの学校やゲームの話なんかで盛り上がっていた。

 もちろん彼方さんが起きないくらいの声で喋る事に。

 

「遊星くんって生徒会に入ってるんだね。凄いな〜」

 

「いやいや、そんな大層なものじゃ無いよ。入ったのはついこの間だし」

 

「でも自分の得意な事で誰かの役に立ってるのは凄く良い事だよ!これからもがんばってね。遊星くん」

 

「遥ちゃんもね。お互い頑張ろうぜ!ところで遥ちゃんってさ何かゲームとかしてる?」

 

「そうだね〜……スマホのゲームだとウマ娘とかやってるよ」

 

「遥ちゃんもやってんるんだ。俺もやってるからフレンドにならない?」

 

 遥ちゃんがウマ娘やってるの驚いたわ。

 ホーム画面がセイウンスカイになっていて遥ちゃん一推しのウマ娘なんだとか。

 あとポケモンもやってて好きなポケモンはアチャモらしい……遥だけに?なんて思った。

 

 

 

   ーーノレcイ´=ω=)ーーζ(*^ᴗ^*)ζ ーー

 

 

 

 彼方さんがお昼寝を開始してから暫くして現在午後13時半を回っており彼方さんは目を覚ましてこの後は3人でもう一つの目的であるカラオケに行く事に。

 

 カラオケ屋に着いた時俺は何を歌おうかな?俺って最近の曲や世間で流行っている曲って全然知らないしアニソンと特ソンしか歌えないから浮かないか心配だなと考えていた。

 

「じゃあ先ずは私から歌うね!」

 

 遥ちゃんがマイクをとり1番手で歌う事になった。

 選んだ曲は「さくらんぼ」こ……この曲は!俺が保育園の頃にめちゃくちゃ聴いていた思い出の曲じゃあないか!てか遥ちゃん歌上手いな。

 なんか96猫さんみたいな声になっててつい聴き入ってしまう。

 

「ふぅ〜……どうだった?」

 

「遥ちゃん凄く上手だよ〜」

 

「なんて言うか……保育園の頃に聴いてたのを思い出して感動したよ」

 

「えへへ、2人ともありがとう!」

 

「よ〜し!次は彼方ちゃんの番だ〜!」

 

 次は彼方さんがマイクを取りコンポからイントロが流れる。

 彼方さんが選んだのは「怪物」この曲はBEASTASというアニメの主題歌でかなり癖になる曲だ。

 そして彼方さんも遥ちゃん同様歌がすごく上手い……何時もまったりしてる彼方さんが凄く格好良く見えるぜ!

 

「どうだった〜?彼方ちゃんの歌は?」

 

「凄く良かったです。彼方さんの声癖になりそうです!」

 

「お姉ちゃん格好良い!」

 

「いや〜それ程でも〜♪」

 

「じゃあ次は遊星くんだね!」

 

「あっ……実は俺カラオケ初めてだからさ、機械の操作とか教えてくれないかな?」

 

「うん、良いよ。先ずねこれでジャンルを選択出来たりここお押せば自分の歌いたい曲を検索できるんだよ」

 

 へぇ〜最近のカラオケって凄いんだね。

 おお!特撮の曲も沢山あるしアニメ映像?ってなんだろう?

 何だか面白そうだし取り敢えずこの曲にしますか!

 

「さてさて遊星くんは何を歌うのかな〜?」

 

「楽しみだね。お姉ちゃん!」

 

 あんまりハードル上げられると緊張してくるな。

 俺が選んだ曲は「Justiφ's」仮面ライダー555(ファイズ)の主題歌だ。

 画面にファイズが映ってる!アニメ映像ってこう言う事か……ん?何だか映像の上に変な横棒みたいなのが付いてるのはなんなんだろう?まぁ良いか、取り敢えず歌おう!

 

「ふぃ〜……好きな歌を歌えるなんてカラオケなんだか癖に……ってあれ?遥ちゃんどうした?」

 

「す……凄いよ!遊星くん!98点も取っちゃうなんて、歌すごく上手いんだね!」

 

 点数?よく分からないまま画面を見ると98点と映されていた。

 カラオケって歌の点数機能もあるのか……知らなかった。

 

「遊星くん歌凄く上手だね〜!彼方ちゃん聴き入っちゃったよ♪」

 

「あ……ありがとうございます(何だか照れるな)」

 

 その後は自分達の好きな歌を熱唱しまくったり、俺と遥ちゃんの2人で「気分上々↑↑」をduetしたりしてめちゃくちゃ楽しかった。

 

 

 

「ん〜!楽しかった〜!」

 

 カラオケ屋を出て彼方さんが大きな背伸びをする。

 

「楽しかったね!遊星くんは?」

 

「俺も凄く楽しかった。今日はカラオケについて色々教えてくれてありがとう!また良かったら一緒に遊ぼうね」

 

「そうだ!私と連絡先交換しようよ!」

 

「うん、良いよ」

 

「じゃあ遊星くん。またバイトの時にね〜」

 

「はい!お2人ともお気を付けて!」

 

 

 

 俺は遥ちゃんと連絡先を交換した後に近江姉妹と別れマンションへの帰路を歩き始める。

 

 

 




自分の中で遥ちゃんのキャラ像ってのが固まってなかったんですけどアニメ見ててこんな感じかなと思いながら書きました。

やっぱり同い年だしフランクに接して欲しいと思いましたね。
大きいリボンの娘とプリティーキュートなあの娘との絡みを考えるのも凄く楽しみです!

次回は遊星くん江ノ島と鎌倉へ!アニメの2期10話の皆んなより先に行っちゃいます!
最後にお気に入りと感想と評価等よろしくお願いします!


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5月
EP11 鎌倉と一粒の雫(GW編④)



今回は遊星くん江ノ島と鎌倉に降臨満を辞して!

今回は新キャラ出ますよ!鎌倉と言ったらあの娘ですよね。

それではどうぞ!


 

 

 

「財布良し、スマホ良し、モバイルバッテリーとアダプター良し、着替えセット良し、ショルダーバック良し、そして家の火の元も良し、最後に……鍵も掛けた。準備は万端だ!」

 

 近江姉妹とのピクニック&カラオケをした日曜日から3日が経った木曜日の朝7時半でのこと。

 俺は事前に準備をしておいた旅行セットを詰め込んだキャリーケースを引きながら鎌倉行くための電車に乗る為に駅へと向かっていた。

 

「さてと……家を出たのは良いがお腹が空いてきたな」

 

 近くに何かないかな?朝マクドでも良いから寄ろうかと考えていると吉野家を発見した。

 吉野家か……俺が住んでいた町にはもう吉○家が一軒も無くずっとあそこの牛丼が久々に食べたかったと思っていた……よし!此処にするか!

 

 

 

「ふぅ〜……美味しかった。牛丼を食べるつもりだったが、まさか吉○家で親子丼が食べられるとはな……大満足だ!」

 

 腹ごしらえも済んだし後は駅に向かって先ずは江ノ島に向かおう!

 

 確か先ずは臨海線で大崎駅まで行ってそこから埼京線に乗りかえて新宿へ向かってそこから小田急電鉄で小田急江ノ島線に乗り換えれば良いんだったよね。

 中学の時に行ったことがあるからめちゃくちゃ記憶に残っているので電車の乗り換えは心配いらないな!

 

 

 

「うーん!着いたぞー!」

 

 駅を出た瞬間海の香りがしてくる。

 これこれ!俺が見たかったのはこの大きく広がる綺麗な海なのだ。

 後でゆー姉やあゆ姉とかに写真を撮って送ろうかな?

 

「よーし!今日は江ノ島を堪能し尽くしてやる!」

 

 大きいコインロッカーにキャリーケースを入れてショルダーバックには財布やスマホなどの必要最低限の物を入れ取り敢えず午前は江ノ島水族館へ行こう!

 

 俺は水族館の中に入り当時を思い出しながら水族館内の水槽で泳いでる魚達を見ることに。

 それにしても周りはGWと言ううこともあるのか親子連れやカップルが多いな……でも1人旅というのも気楽で良い物である。

 

 誰にも気を使わずに気ままにのんびり出来るけど……今度旅行する時は友達や父ちゃんとも行けたら良いなぁ〜

 

『まもなくイルカショーが始まります』

 

「おっと……そろそろイルカショーの時間だな!」

 

 イルカショーを見てその次にアシカショーを観てその後は館内を数分回った後に俺は水族館を後にすることに。

 そして島方面の橋を歩き途中で海の写真を撮りゆー姉とあゆ姉のグループLINEに送る。

 

『江ノ島Now!』

 

『遊星。江ノ島に来てるんだ!良いなぁ〜』

 

『明日は鎌倉に行く予定さ』

 

『てことはお泊まり?もしかして1人で来てるの?』

 

『そうだよ。あゆ姉』

 

『そうなんだ。くれぐれも気を付けてね?』

 

『心配してくれてありがとう』

 

『お土産とか楽しみにしてるね!』

 

『多分だけど定番土産になるけど良いかな?ゆー姉』

 

 と送るとゆー姉から可愛らしい「OK」スタンプが送られてきた。

 お腹が空いてきたな……ちょうどお昼ご飯の時間だし、生しらす丼としらすパンを食べに行こう!

 

 

 

 お昼を食べてその後は江ノ島の頂上を目指しにエスカレーターに乗り歩いていると道中で日本で初めてのフレンチトースト店という興味深いお店を見つけたので一服しようと思いロイヤルミルクティーと一緒に頼んで食べることにした。

 ぶっちゃけ味は言う程のものではありませんでした。(あくまで個人の感想です)

 

 十分に江ノ島を堪能した後にコインロッカーからキャリーケースを取り出した俺は2日目に回る予定の鎌倉に向かい事前に予約していたホテルにチェックインし夕飯をお店で食べて現在はホテルでのんびりウマ娘のイベント周回をしている。

 ふぅ〜今日は楽しかったな〜!そうだ!今日撮った写真を今度は璃奈に送ろう!

 

『今日は江ノ島 最高に楽しかったぜ!』

 

『おお!綺麗な海だね!』

 

『俺さ海無し県出身だったから綺麗な海を見れて久々にテンション上がったよ!』

 

『それは良かったね。お昼は何食べたの?』

 

『生しらす丼だ。めちゃくちゃ美味かったわ』

 

『私も海の幸とか食べてたいな』

 

『あとフレンチトーストも食べたんだ!』

 

『いいなぁ……なんか写真無いのに想像するとお腹空いてきちゃう〜』

 

『お前って食いしん坊キャラだっけ?』

 

『そんなことは……ない!』

 

『あはは、今度は一緒に行こうな?』

 

『うん、約束!』

 

 取り敢えず明日も早いので早めに寝ることに、明日は何処を巡ろうかな?

 

 

 

      ーー 从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

 旅行2日目、今日は鎌倉観光だ。

 ホテルで朝食を食べてキャリーケースを引きながら鎌倉の大仏などを見に行くことに。

 大仏を見たのは小学6年生の修学旅行以来だな。

 相変わらず凄く大きかったな……記念に写真も撮っておいた。

 

 それから暫くしてお昼を食べた後、午後は何をしようかと考えていた道中での出来事だった。

 

 

 

「オフィーリア!オフィーリア!何処に行ってしまったの……私が目をちょっと放したばかりに……」

 

 腰まで届くダークブラウンのロングヘアをお嬢様結びにし、赤いリボンで纏めている女の子が涙目になりながら誰かを探してるかのように周りをキョロキョロしながらその名前を呼ぶ。

 

 友達か?いや名前からしてペットか?今は旅行中だけど……それでも目の前で困ってる人は放っておけない!

 

「あの!何かお困りですか?」

 

「ッ!?なっ……何でしょうか?」

 

「いや……君が誰かの名前を必死に呼んでいたのでもしかしたら誰かと逸れたのかな?と思いまして、それで貴女に声をかけました」

 

「そ……そうなのですか。はい、貴方の仰る通りです。私の家で飼っている犬と散歩をしていたのですが、ほんの少し目を離した時に逸れてしまいまして、それで一生懸命探しているのですが中々見つからず……」

 

「成程……それは大変ですね。良かったら俺も一緒に探しましょうか?」

 

「えっ!?でも貴方が持ってるのキャリーケースですよね?旅行中なんじゃないですか?それに見ず知らずの人に助けてもらうのは……」

 

「俺は別に旅行中だろうが構いませんよ。俺が助けたいから助ける。ただそれだけです!」

 

 手が届くのに手を伸ばさなかったら死ぬほど後悔する。

 それに誰かを助けるのに理由は要らないと俺は思っている。

 

「本当に……良いんですか?」

 

「もちろんです!それで貴女の飼っている犬の種類と……名前は確かさっきオフィーリアって叫んでましたよね?」

 

「ありがとうございます。はい、家で飼っているオフィーリアはゴールデンレトリバーです。写真もあるので見せておきますね」

 

 女の子は自分のスマホに保存してある写真を見せる。

 写真があるとは……これは助かるな、でも俺のスマホにもその写真が見れれば良いのだがどうすれば?

 

「それでは私とLINEを交換してくれれば写真を貴方に送ります。どうでしょうか?」

 

「その手があった!じゃあお願いします」

 

 俺は女の子とLINEを交換し写真を受け取ることに。

 

「へぇ……変わった苗字ですね。桜坂(さくらざか)しずくさん?」

 

「桜坂(おうさか)です!」

 

「あっ……ごめん間違えました」

 

「いえ、気にしないで下さい。学校で苗字を呼ばれるとき間違われることも偶にあるので」

 

「そうなんですね。まあ取り敢えず貴女の大切な家族を探しに行いましょう!」

 

「そうですね。ここは二手に分かれて探しましょう。見つけたら連絡お願いします!」

 

「了解!」

 

 

 

 闇雲に探し回っても時間がかかるし周りの人に写真を見せながら聞き込み調査だ。

 

「あの、この写真の犬見ませんでしたか?ゴールデンレトリバーで赤い首輪着けてるんですけど」

 

「う〜ん……ごめんなさい。見てないですね」

 

「呼び止めてすみません。ありがとうございます」

 

「いえいえ、そのワンちゃん見つかると良いですね」

 

 これをひたすら繰り返して自分でも出来るだけ周りを見渡して探すことに。

 そして公園の子ども達にもダメ元で聞いてみることにすると……。

 

「あっ!その写真のワンちゃんさっき見たよ!」

 

「そうなの!?何処にいたのか教えてくれる?」

 

「あっちで見たの!」

 

「そうか……サンキュー少年!」

 

 俺は少年が指差した方向へと全速力で走ると赤い首輪を着けたゴールデンレトリバーを見つけた。

 

「よーしよし!捕まえたぞ。早速桜坂さんに連絡しなきゃ!」

 

 俺はまた逃げないようにリードを掴みオフィーリアの頭を優しく撫でる。

 可愛いな……昔飼っていた犬を思い出す。

 

 

 

      ーー jΣミイ˶º ᴗº˶リ ーー

 

 

 

「桜坂さん。こっちですこっち!」

 

「オフィーリア!良かった……本当に良かった……」

 

 桜坂さんがオフィーリアに抱きつき頭を撫でる、うん良い笑顔だ。

 なんだかこうやって人の助けになると心の底から嬉しくなって、くしゃってなるな俺の顔……あまり人には見せないけど。

 

「ありがとうございます。星野さん」

 

「大切な家族が見つかって良かったですね。じゃあ俺はここで」

 

 と俺が去ろうとしたその時のことだった。

 

「あの!待ってください!このご恩は忘れません。良ければお礼をさせてください!」

 

「いや大丈夫です。貴女の笑顔が最高のお礼ですよ!」

 

「で……でも……」

 

「そうだな……じゃあ俺と友達になりませんか?」

 

「と……友達になる?そんな事で良いんですか?」

 

「駄目でしたか?」

 

「いえ!私で良ければ!」

 

「じゃあ、手を出して」

 

「こうですか?」

 

 俺は桜坂さんと握手をして、次に親指を軸に回して握り直し手を一度離した後グーを作って桜坂さんの手に真っ直ぐポンとして次に上下からポンッとして、最後にもう一度上下からポンッとした。

 

「今のは?」

 

「これは小さい頃に俺が尊敬しているヒーローから教えてもらった友情の証です」

 

「友情の証……凄く素敵ですね!」

 

「それでは俺はこれにて」

 

「また星野さんに会えるでしょうか?」

 

「地球は丸い!また何処かで会えますよ。それに連絡先も交換してますしね」

 

「そうですよね。星野さんお気を付けて」

 

「桜坂さんもね。今度は離さないようにしっかりと掴んでてくださいね!」

 

 

 

 こうして俺は桜坂さんと別れ1泊2日の江ノ島&鎌倉旅行を満喫し、皆んなに渡すお土産として鳩サブレを購入した後にお台場へと帰宅するのであった。

 

 

 

「はぁ……チアネイチャ天井したわ……」

 

 

 





count the連絡先!遊星くんが今持ってる連絡先は?
個別(璃奈、彼方さん、愛さん、中川会長、侑ちゃん、ぽむ、遥ちゃん、桜坂さん)
グループ(ゆうぽむ、生徒会)
まだ果林姉さんとエマさんのは持ってません

桜坂さんと遊星くんがまた会えると良いですね!

お気に入り登録と感想と評価よろしくお願いします!
次回もお楽しみに!

はぁ……イナリ天井したわ……なんで200連目で出るんだ……


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EP12 マイティとゆうぽむ家に来る(GW編⑤)


今回は遊星くんのお家に侑ちゃんと歩夢が遊びに来ます。

すみません先の展開を描きまくってたら遅れました!
ストックは増やしておかないとだからな!
次回でGWが終わりますが、この先どうしようかな……まだアニメ本編には入らないかもw

それではどうぞ!


 

 

 

 旅行中から帰宅し家の中に入った俺は旅行疲れか部屋に向かいベッドにDIVE!した。

 本当に楽しかったな……2日目の午後は桜坂さんの笑顔を見れて良かった。

 あの後ちゃんとオフィーリアと一緒に無事に帰れただろうか?

 

 そんな事を思っているとスマホから着信音が鳴った。

 誰からだろ?こんな時間に。

 

「ゆー姉だ。もしもーし?」

 

『あ、もしもし遊星。まだ鎌倉にいるの?』

 

「いや、今さっき帰ってきたばかりだ。そんで何か?」

 

『実は明日、遊星の家に遊びに行こう!って歩夢と話してたんだけど……旅行で疲れてるよね?また今度にしようか?』

 

「全然大丈夫だよ。俺はいつでも大歓迎だよ。それにお土産話とかも聞かせたいし」

 

『ありがとう!じゃあ明日行くね。歩夢!遊星が来ても良いって!』

 

「そっか、じゃあ切っても良い?片付けとかしなきゃいけないし、それに眠いし」

 

『分かったよ。じゃあ10時くらいにいくね。おやすみ!』

 

「おやすみ〜」

 

 電話を切りお風呂を沸かし入った後に旅行の後片付け、そして皆んなに配るお土産を再度確認する。

 先ずは璃奈と愛さんのそして生徒会用とゆー姉とあゆ姉の分の鳩サブレ全部あるな……ヨシ!

 

「ふわ〜……ヤバっ眠い……」

 

 俺はお土産を確認した後にradikoでラジレンジャーを聴きながらベッドの上で横になるといつの間にか寝落ちしてしまった。

 

 

 

  ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

「う〜ん……よく寝たー!今何時だ?」

 

 スマホを手に取り画面を見ると午前8時になっていた。

 めっちゃ寝れたわと前向き全開に考えながら朝食を済ませて、ゆー姉とあゆ姉が来るのを待つことに。

 場所に関しては住所を教えてあるので問題ないだろう。

 

「ゲームでもして待ってるか、久々にマイティアクションXをやろう!」

 

 マイティアクションXは3DSで遊べる「オール仮面ライダーライダーレボリューション」の特典コードを入力する事でゲット出来るが今では入手困難な激レアと言われているゲームとなっている。

 

 最近YouTubeのエグゼイドを観て無性にやりたくなってしまった。

 

「今でも3DS持ってる人少なそうだよなぁ……璃奈とか持ってるかな?」

 

 よし、GAME STARTだ!

 因みにマイティアクションXのゲーム内容は1頭身のキャラクター「マイティ」がお菓子の国を冒険する横スクロールアクションゲームである。

 

 得意技はキックで、お菓子を食べる事でパワーアップする。

 最後にボスキャラの「ソルティはくしゃく」を倒せばGAME CLEARだ!

 マリオやカービィが元ネタになってるっぽいけど……マリオ成分の方が多い気がするな。

 

「バグスターを倒すの爽快だわ〜」

 

 俺はどちらかと言うとアクションゲームが好きだ。

 RPGや音ゲーも好きだけど、やっぱり自分でキャラを動かして敵と戦う系が最高に楽しい。

 

「よし……出たなソルティ。いけマイティ!」

 

 もうすぐで体力を削り切れる。

 おっ!必殺ゲージが溜まってる、フィニッシュは必殺技で決まりだ!

 

「喰らえ!キメ技……」

 

 ピンポーン!

 

 キメ技ボタンを押そうとした瞬間だった。

 インターホンが鳴ったのでゲームを中断して玄関へと向かうことに。

 今は9時半だけど2人が早く来た可能性は大である。

 ドアスコープを除くと予想通りゆー姉とあゆ姉がドアの前に立っていた。

 

「今開けるね!いらっしゃい2人とも」

 

「おはよう。遊星!」

 

「おはよう。遊星くん」

 

「約束の時間より30分早いね」

 

「居ても立っても居られなくてさ!つい早く来ちゃったよ!」

 

「そうなんだ。取り敢えず中に入って!」

 

「お邪魔しまーす。おお、随分綺麗だね!」

 

「引っ越してまだそんなに経ってないしね。それに掃除もマメにやってるし」

 

「そうなんだ。遊星くんの部屋はどこ?」

 

「俺の部屋はそこの扉だよ。飲み物持ってくるから待っててよ」

 

「手伝おうか?」

 

「大丈夫だよ。あゆ姉は俺の部屋でゆー姉とゆっくりしてて」

 

 俺はキッチンに向かい今日はちょっと暑いのでアイスティーにしよう。

 お菓子は鎌倉で買ってきた鳩サブレでいいだろう。

 

 

 

「お待ちー」

 

 部屋に入ると棚に飾られている仮面ライダーのフィギュアや壁に飾ってあるアニメキャラのタペストリーなどに興味津々の2人が目に入る。

 今更自分の家に招いといてなんだが、こうまじまじ見られると恥ずいな……ぶっちゃけこのオタク部屋引かれてないだろうか?

 

「遊星……」

 

「何?」

 

「凄い部屋だね。遊星の大好きが凄く詰まってて凄く良い部屋だと思うよ!」

 

「そ……そうか?」

 

「うん!このタペストリーのキャラとか可愛いね。ん?このスケッチブックは?」

 

「あっ!それは!」

 

「なになに?」

 

 ベットの近くに落ちていたスケッチブックを見つけたあゆ姉が手に取り中を見ようとするのを止めようとしたが遅かった。

 そのスケッチブックには俺が描いたアニメキャラ(主にウマ娘)や特撮キャラ(主に仮面ライダー)などのイラストたちだ。

 

「おおー!これって遊星が描いたの!?」

 

「そ……そうだけど……(それは最近描いたばかりのキタサトじゃん!)」

 

「凄く上手だね。これって前に遊星くんが見せてくれたキタサンブラックちゃんだっけ?それと隣のキャラは髪にトランプのダイヤみたいな模様があるけどこの娘は?」

 

「あゆ姉ありがとう。その娘はサトノダイヤモンドだよ。キタちゃんの大親友でライバルでもあるんだ(あゆ姉に褒められて俺にっこり)」

 

「へぇ〜ダイヤちゃんか〜」

 

 絵を描くのは好きだし最近はデジタルで絵を描いててTwitterや pixivにもアップしてたりするけど皆んなには内緒である。

 自分で言うのもなんだけど結構コメントやいいねを貰うな……大体がウマ娘だと「尊い」とかアグネスデジタルが尊死してるネタ画像が送られてたりする。

 あと偶に野良の公式とか言われる事もある。

 

「はい、これアイスティーと鳩サブレね。それと2人の分もお土産で買ったから家族で食べて」

 

「ありがとう!遊星」

 

「私の分も……遊星くん。ありがとうね」

 

 2人が笑顔でお礼を言ってくる。

 かっ……可愛い!やっぱり笑顔っていいもんだよな……お茶美味しい。

 

「鳩サブレ初めて食べたけど美味しい!」

 

「このアイスティーに合うね!」

 

「それで、旅行はどうだった?」

 

 俺はゆー姉に旅行のことを聞かれたのでお土産話をたくさんした。

 江ノ島では水族館に行った時に撮った魚やペンギンそしてイルカショーの写真を見せたりした。

 2日目の鎌倉ではペット探しと言う名の人助けをした話をすると。

 

「旅行中に人助けしちゃうなんて、遊星やるじゃん!」

 

「体が勝手に動いちゃってさ……」

 

「遊星くん頑張ったね。よしよし」

 

 あゆ姉が俺が座ってる所に近づいて優しい笑みで頭を撫でてくる。

 撫でてくれるのは嬉しいんですけど凄く恥ずかしいよ。

 それにあゆ姉から何だか知らんけど母性が溢れ出てる気がする……マジヤベーイ!

 

「遊星。顔真っ赤だよ?」

 

「うっせ!」

 

「も〜う逃げなくても良いのに!」

 

 俺はあゆ姉の手から逃げてゆー姉に揶揄われて顔が熱い。

 

 土産話をした後は3人で漫画を読んだりゲーム(アソビ大全)をしたりアニメを観たりした。

 そして気付けば時間は12時になっておりそろそろお腹が空く時間である。

 

「お昼食べてく?俺が作るよ」

 

「遊星。料理出来るの?」

 

「まぁね。出来た方が良いかなって思ってさ」

 

 昨日2人が来ると知った時にお昼を食べさせようと思い朝から仕込んでおいたのだ。

 今度は手伝いたいとゆー姉とあゆ姉が言ってたのでお言葉に甘えることにした。

 

 

 

 今日の昼ごはんは蟹炒飯とデパプリ観てて飲みたかったので野菜と卵の中華スープそしてドリンクに冷たい烏龍茶である。

 

 

「「いただきます!」」

 

「ご賞味あれ」

 

「はむっ……この蟹炒飯 お米パラパラで凄く美味しい!」

 

「このスープも美味しいよ。お野菜の出汁が効いてるし卵はふわふわ」

 

 ゆー姉とあゆ姉がそれぞれ味の感想を述べる。

 なんだかそう言ってくれると作る側としてめちゃくちゃ嬉しいな。

 

「サンキュー2人とも。そうだ!そのスープに粗挽き黒胡椒入れてみてよ。結構イケるぜ?」

 

「どれどれ?……うん!風味が変わって最高だね!」

 

「ちょっとだけピリッとしてて良いね」

 

 ほかほかハートが溢れてて良いな。

 キュアプレシャスのご飯は笑顔って良い言葉だよな。

 

 

 

「「ごちそうさまでした!」」

 

「お粗末!」

 

「美味しかったー!」

 

「遊星くんが料理出来るの凄くビックリしたな〜」

 

「デザート食べる?モロ○フのプリンあるけど?」

 

「食べたい!ここのお店のプリン美味しいよね!」

 

「じゃあ私も貰おうかな?」

 

 ゆー姉がキラキラした目で食べたいと挙手する。

 あゆ姉も食べたいみたいなので人数分出すことになった。

 やっぱりデザートは別腹だよな。

 

 

 

  ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

 プリンも食べ終わり3人で後片付けをすることに。

 その後はゆー姉が仮面ライダーを観てみたいと言ったのでテレビでエグゼイド1話からを今回は6話までを観た。

 実は俺 最近TTFC(東映特撮ファンクラブ)に入会しました。

 

「レベル1の見た目凄いよね。衝撃受けちゃった」

 

「ゆー姉の気持ち分かるわ。俺もあのデザインを当時初見で見た時はビックリしたよ」

 

「特撮って子供向けって思ってたけど、ストーリーが作り込まれてて何だか夢中になりそう!」

 

「でしょ?あゆ姉。大きくなって改めて見ると凄く面白いのが特撮なのさ」

 

 エグゼイドを観ながら話してるとあっという間に午後の14時半を回っており2人は帰ることになった。

 

「今日はありがとう。また遊びに来るね!」

 

「遊星くん。明後日から学校がまた始まるけど、お昼は私たちと食べない?」

 

「う〜ん……そうだな……」

 

「友達と食べたいならそっち優先でも構わないけど」

 

「相談してみるよ。じゃあまた学校で」

 

「うん、またね。遊星」

 

「バイバイ」

 

 2人を見送り自分の家のドアの前に着くと中川さんにバッタリ会った。

 

「こんにちは。中川さん」

 

「こんにちは。星野さん」

 

「今からお買い物ですか?」

 

「はい、本屋さんに」

 

「そうですか、気を付けて行ってらっしゃい」

 

「ふふ、ありがとうございます。」

 

 

 

 今度こそ中に入りパソコンを起動させUSBメモリをセットする。 

 さてと……生徒会の仕事でも片付けますかね。

 

 

 





マイティアクションX俺は結構好きです。

連休最終日は誰を出すか?かすみは出すタイミングが難しいな……遊星くんが音楽出来る設定にした方が良いかな?
音楽出来ればそれなりに同好会に貢献できそうだし侑ちゃんの力になれるかも?

それではまた次回!
多くの感想とお気に入り登録と評価お待ちしております!
感想はいっぱい欲しいな……


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EP13 連休最終日と中川会長(GW編⑥)


今回でGW編終了という事で最終日は俺が推してるキャラと過ごしてもらうことにします。

アニメ本編はまだ待ってて!色々とオリジナルの展開を考えていますのでw

それではどうぞ!


 

 

 

 ゆー姉とあゆ姉が帰ってから暫くして俺は現在 自室で生徒会の仕事をしている最中だ。

 提出するための資料にひたすらキーボードで文字を打ち込む。

 

「ふぅ……あっつー」

 

 部屋が暑かったので冷房をつけようと思いリモコンを手に取るが温度計付きの時計を見ると室内の温度は25度であることを確認した。

 

 出来るだけ電気代は節約したいしこのくらいの温度で冷房をつけてしまってはこの先の夏は乗り切れないと思いリモコンを机に置きキッチンに行き冷凍庫からチョコモ○カジャンボを取り出し食べながら仕事を再開することに。

 

 室内にパソコンのキーボードをカタカタと打つ音が響く。

 仕事の大半が終わり俺はゲーミングチェアの背もたれに寄りかかる。

 

 俺は仕事を中断させてSwitchでアソビ大全51をして休憩することに。

 色々な遊びがゲームの中で出来るの良いよね。

 

「ん?」

 

 ゲームをしていると微かにぶ〜んと言う羽音が聞こえた。

 

「虫だ!」

 

 俺は殺虫スプレーを手に取りに行き戻ると部屋から羽音が消えていた。

 気を取り直して今度は最近買った阿波連さんの新巻を読むことに。

 

「暑いな……」

 

 俺は冷蔵庫からペットボトル入りのコーラを出してコップに注いで飲みながら仕事を再開させる。

 

「ふぅ〜終わった〜。何だか目が疲れて来たな……明日ブルーライトカットの眼鏡でも買おうかな?」

 

 と考えていると再び先程も聞こえた羽音が室内に響いた。

 「動くなよ〜」と言いながら殺虫スプレーを手に取った瞬間また虫の羽音が消えてしまった。

 

「もう無理」

 

 暑さに耐えられず冷房をつけて夕食にすることにした。

 めっちゃ涼しいわ……取り敢えず飯作らねぇと。

 

 

 

 夕飯食べながら気付いたんだけど、俺って眼鏡買ったことないしどうすれば良いか分からないんだよね。

 どうしようか……そうだ!身近で眼鏡かけてると言ったら中川さんだよな、あの人に相談してみるか。

 

 夕飯を食べ終わり後片付けをした後にお風呂が沸くまで中川さんに電話で相談することにした。

 

『もしもし、中川です。どうかしましたか?星野さん』

 

「中川さんって明日の休み予定あります?」

 

『いえ全然。明日はれん……ゴホン。両親が出かけて帰りも遅いので特に予定はありませんが』

 

「良かった。実は明日眼鏡を買おうと思いまして、俺 眼鏡を買ったことがないのでどんなのがいいかな?って分からないんですよね」

 

『成程……でも星野さんって視力良かったですよね?』

 

「そうなんですけど、さっきまで生徒会の作業してたら目が疲れちゃいまして……そこでブルーライトカットの眼鏡を買おうかなと」

 

『そう言うことでしたか、分かりました。微力ながら私がお供させていただきます』

 

「ありがとうございます。じゃあ明日の朝10時半に行きましょう!」

 

『どういたしまして。では明日 私の方から星野さんのお家に伺いますね』

 

「了解です!それではそろそろ切りますね。おやすみなさい」

 

『おやすみなさい。星野さん』

 

 通話を切り明日のGW最終日の予定が決まった。

 朝10時半にした理由はニチアサをちゃんと見るためと掃除をするためである。

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 ピンポーン

 

 

 

「はーい!」

 

 午前10時半になりインターホンの音が鳴ったのでドアを開けると中川さんが扉の隣に立っていた。

 

「おはようございます。中川さん」

 

「おはようございます。星野さん、それでは行きましょうか!」

 

「はい!」

 

 俺と中川さんは駅に向かい電車に乗り目的の眼鏡店があるダイバーシティ東京へと向かうことに。

 

 

 

「着きました。ここです!」

 

「ここか……中川さん的にはどれがお勧めですか?」

 

「そうですね……この99%カットの物はどうでしょうか?」

 

「99%ですか……これ良さそうですね。これにします(100%って無いのかな?)」

 

「色が2種類ありますけど、どうします?」

 

 色はマゼンタとシアンの全2色だ。

 何処ぞの世界の破壊者と盗人ストーカーが変身してるライダーの色じゃんと思った。

 

「じゃあこの色にします!」

 

「マゼンタですか……じゃあそれで決まりですね」

 

「早速買って来ます!」

 

「では私はお店の外で待ってますね」

 

 俺はレジに向かい会計を済ませた。

 案外早く決まってしまったが……マゼンタって良いよな。

 なんて言うかこれで色々な世界を通りすがれる気がするでも無いな。

 

「お待たせしました。早速着けてみますね……どうでしょうか?」

 

「似合ってますよ!星野さんにピッタリの色ですね!」

 

「あ……ありがとうございます(照れるな)」

 

 この後はどうしようかな?時間は11時半だしお昼にはまだ早い気がするけど……でも俺的にはお腹空いてきたというかなんというか。

 

「それでは少し早いですがフードコートに行きませんか?」

 

「フードコートですか……じゃあそうしましょう!」

 

 俺と中川会長はフードコートへと移動してちょっと早めの昼食を食べることにした。

 偶にはフードコートもありだな……そういえば久々にダイバーシティ東京のフードコートへは行くけど今はんなお店があるんだろ?と思ったけどあんま変わってなかった。

 

 

 

「星野さんは食べたいの決まりましたか?」

 

「はい!中川さんは?」

 

「私もです。それではテーブルに私が持ってきた水筒を置いておきましょう。これなら席を取られる心配もありませんし直ぐにこの席だという目印になります」

 

「良いですね。それでは行ってきます」

 

 お互いに席を離れてお互い食べたい料理の店へと向かう。

 昨日 先輩がうざい後輩の話のアニメを見て気分的に月見うどんが食べたいので、はな○うどんで良いか……あれ?

 

「中川さんもはな○うどんですか?」

 

「はい、月見うどんが食べたい気分だったので(アニメの影響とか言えません)」

 

「奇遇ですね。俺も月見うどんにしようと思ってたんですよ!」

 

 俺と中川さんは受け取り口で月見うどんを受け取り中川さんの水筒が置いてある席に着いてうどんを食べる。

 そういえばこうやって中川さんとお昼を食べるのって初めてだったな。

 中川さんも同じ事を思ってたそうです。

 

「星野さん。連休前に渡した生徒会の資料の進捗状況はどうですか?」

 

「もう出来てます。今日確認してもらうのは可能ですか?」

 

「もちろん大丈夫ですよ。不備が無ければ明日私から似々花先生に提出しておきますね」

 

「じゃあ帰ったらデータが入ってるUSBメモリをお渡ししますね」

 

 うどんを食べ終わってお盆を返却口に戻し次は何しようかと考えながらダイバーシティ内を中川さんとウロウロしているとゲームセンターの近くを通りかかる。

 そうだ!今日付き合ってくれたお礼にクレーンゲームで縫いぐるみを取って中川さんにプレゼントしよう! 

 

「中川さん。ゲームセンター寄っても良いですか?」

 

「私は構いませんよ」

 

 という事で俺はクレーンゲームの台で中川さんに渡す縫いぐるみを探す。

 そういえば中川さんって何が好きなんだろ?アニメとかが好きというイメージは無さそうだし……あっ!新しい競走馬BIG縫いぐるみが出てるじゃん!ダイワスカーレットとウオッカか……一応動物の縫いぐるみだし良さそうかも。

 

「それじゃ……やりますか!」

 

「おお……いつも真面目でしっかりしている星野さんの雰囲気とは違います」ボソッ

 

 小声で言ってるけどしっかりと聞こえてますよー!てか俺って中川さんからそう思われてたんだ。

 何だか気恥ずかしいような嬉しいような……100円玉を投入して器用にアームの爪をタグの穴に通して容易くゲットする事が出来た。

 

「クレーンゲーム上手なんですね!」

 

「狙いを定めるのは結構得意なので……はいコレあげます」

 

「えっ?良いんですか?」

 

「はい!今日 眼鏡選びを一緒にしてくれたお礼です。遠慮なく受け取って欲しいです」

 

「それでは有り難く頂戴しますね。(はわわ……ダイワスカーレット凄く可愛いですね。しかも桜花賞の頃のですか)」

 

 次も同じ台で俺が日本ダービーのウオッカの縫いぐるみを取ってゲームセンターを後にしました。

 次は中川さんの行きたい所にでも行こうかな?

 

「中川さんは何処か寄りたいところってありますか?俺のに付き合わせちゃったんで次は中川さんの行きたいところでも良いですよ?」

 

「そうですね……じゃあ本屋さんに行きたいです」

 

「あれ?昨日も本屋に行ってませんでしたっけ?」

 

「今日はこの前注文していた小説(ラノベ)が届いたと連絡が来たのでそれを受け取りに行きたいんです」

 

「中川さんは読書が趣味なんですね、わかりました。行きましょう!」

 

 次の目的地は中川さんがよく行く本屋 くま○わ書店へと向かう。

 く○ざわ書店は俺も漫画本や宇宙船という特撮雑誌を買うときは良く使ってるお店です。

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 くまざ○書店に寄り中川さんは目的の小説を購入した。

 タイトルはよくブックカバーで隠れて見えなかったけどそんなことは気にせず俺もついでに何か買おうと思い探していると風都探偵の新刊が出ていたので買うことにした。

 

 今のところ風都探偵はU-NEXTでの独占配信と東京MXでの放送される事が分かっているためこの事を知れた俺は東京に越してきた事に改めて良かったと思うのであった。

 

「それではそろそろ帰りましょう!」

 

「連休最終日なのに付き合ってくれてありがとうございました!」

 

「私も今日は楽しかったですし気にしないでください。それに可愛いお馬さんの縫いぐるみもありがとうございます!」ペカー

 

 はぁ〜偶に見せるその笑顔可愛すぎかよ……誰かこの可愛さに気づいてくれ!なんかとある一部の生徒から「鬼のイジワル生徒会長」って廊下を歩ってた時に偶々聞こえたけど……そんな事ないYO!

 めっちゃ優しい人だから一度でもいいから話しかけてみてください。

 うちの生徒会長は普段クールだけど凄く可愛いよ。

 

 俺と中川さんは電車に乗り家へと一緒に帰宅する。

 

「そういえば両親が遅くなると昨日言ってましたよね。夕飯はどうするんですか?」

 

「お金を貰っているので何処かで食べようかなと」

 

「そうですか……良かったら俺の家で食べますか?作りますよ」

 

 帰ったら資料の入ったUSBメモリも渡したいし中川さんは両親から貰ったお金が浮くし俺はお世話になってる中川さんに尽くしたいと思っている。

 それに俺は中川さんに健康的な生活を送って欲しいと考えているのだ。

 

「……分かりました。星野さんのお言葉に甘えますね」

 

 家に帰りUSBメモリを渡したあとに中川さんに夕飯をご馳走した。

 今晩のおかずで唐揚げを出すと本人が大好物だと言う事で凄く嬉しそうに食べてくれてくれて俺も凄く嬉しかった。

 

「ごちそうさまでした!資料の方もありがとうございます。明日は挨拶運動があるので忘れないでくださいね」

 

「了解です。それではおやすみなさい」

 

「おやすみなさい。星野さん」

 

 明日から連休明け久々の学校だ。

 璃奈にも久々に会うし凄く楽しみだな……どんな連休を過ごしたかの話もいっぱい出来たら良いな。

 

 

 





因みに遊星くんが偶々聞いた「鬼のイジワル生徒会長」と言っていた娘の特徴は灰色のショートヘアの女の子だったそうです。
リボンの色は黄色だったので同学年の方ですね笑

因みに遊星くんは中川さんを自分の部屋に入れてないのでまだオタク同志だと言う事が不明になってます。

今後の展開として、そろそろKSMさんを出さないと可哀想なので遊星くんと同好会を絡まそうかとか中間テストの話とかも色々と考えています。

次回もお楽しみに!
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EP14 連休明けと音楽室


今回は新キャラだけど新キャラじゃ無いキャラが出てきます。
誰かな〜?

それではどうぞ!


 

 

 

「おはようございます!」

 

 連休が明けて初日の月曜日 現時刻は朝の7時半で今日も良い天気である。

 俺は生徒会の挨拶運動に全力で取り組んでおります。

 

 昨日確認してもらった資料は中川さんのチェックが通り似々花先生の元まで無事に提出する事ができ、先生からは「流石は遊星です」と頭を撫でられた。

 子供扱いされてるようで恥ずかしいし中川さんより背低いくせに……なんて言うと静かな怒りで消されそうなので言いませんでした。

 

 挨拶を色々な生徒にしていくと遠くから見慣れた人物が見えた。

 ピンク色の髪にアホ毛が生えてる久々に会うアイツである。

 

「璃奈おはよう!久しぶりだね。元気してたか?」

 

「遊星くん。おはよう 私は元気だよ!」

 

「ほっしー!りなりー!おっはよー!」

 

 璃奈に挨拶を交わすとその後に続き駄洒落ギャルこと愛さんもやって来た。

 この人に会うのも久しぶりだな、相変わらず元気いっぱいなおかげで朝からこっちも元気になるよ。

 

「愛さん。おはよう」

 

「おはようございます。愛さん」

 

「2人とも元気してた?」

 

「もちろん!」

 

「俺も絶好調です。そんな事より早く教室に行かないと遅れますよ?璃奈。積もる話は教室でしような?あと相談したい事があるんだけど良いか?」

 

「分かった!また教室でね」

 

「ほっしー。バイバーイ!」

 

 

 

 璃奈と愛さんが校舎に向かい続いてやってきたのは眠そうに歩いてくる彼方さんが見えた。

 

 

「おはようございます。彼方さん」

 

「ふわぁ……遊星くん。おっはよ〜♪」

 

「あの時はありがとうございました。ピクニックに初めてのカラオケ最高に楽しかったですよ!」

 

「良いってことよ〜♪遥ちゃんも楽しかったって言ってたし、また遊星くんと遊びたいとも言ってたぞ〜」

 

 遥ちゃんがそんな事言っていたのか……ウルトラ嬉しいでございます。

 俺も遥ちゃんと色々な話で盛り上がりたいし、またカラオケに行きたい。

 

「じゃあ彼方ちゃんは教室に行くね。さらばだ〜!」

 

 

 

 彼方さんが校舎に向かい次は一昨日家に遊びに来てくれた従姉弟と幼馴染が歩いてくる姿が見えた。

 ゆー姉が俺を見て手を振ってくれたので俺も振り返した。

 

「ゆー姉にあゆ姉。おはよ!」

 

「遊星。おはよう!」

 

「遊星くん。おはよう!生徒会のお仕事お疲れ様」

 

「ありがとうね。あゆ姉」

 

「それにしても、制服姿の遊星を初めて見るけど……結構様になってるじゃん!」

 

「そうかい、ありがとう。ゆー姉」

 

 因みに2人には俺が生徒会で会計をやっているという事は再開した時に伝えてある。

 コレを話した時2人ともめっちゃ驚いた顔してて面白かった。

 

「じゃあ、お昼一緒に食べれたら連絡してね!」

 

「遊星。生徒会頑張れ!」

 

「おう!またな!」

 

 

 

 ゆー姉とあゆ姉が校舎へ向かってちょっとだけ経つと璃奈と愛さん同様久々に会う人が2人歩いてきた。

 

「朝香さん エマさん。おはようございます!」

 

「あら遊星くん おはよう。連休前ぶりね」

 

「おはよう。遊星くん!久しぶりだね♪」

 

「お2人とも連休は如何でしたか?」

 

「そうね。私はモデルの仕事が二、三日あったくらいかしら?」

 

「私は一旦スイスに帰省して、帰ってからは同好会で練習してたよ。あと同好会の娘達と昨日一緒に遊んだくらいかな?」

 

「そうなんですね。あっ!そうだ。エマさんエマさん耳貸してください」

 

「ん?」

 

「来月のお披露目ライブ頑張ってくださいね」

 

「え!?なんで知ってるの!?」

 

「何の話をしてるのかしら?」

 

「いえ何でもありません。それより教室へ行かないと遅れますよ」

 

「そうだね。バイバイ遊星くん……ん?」

 

 

 

 朝香さんと疑問を抱えたままのエマさんが校舎に向かいまた生徒達に挨拶を続ける。

 そろそろ教室に戻る時間だな、中川さんが向こうから来る頃だろう。

 

「星野さん。挨拶運動の時間は終了したので、一緒に戻りませんか?」

 

「良いですよ。行きましょう」

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

「中川さん。お疲れ様でした!俺はここで」

 

「はい、星野さん。あの 最後に良いですか?」

 

「はい?」

 

 俺と中川さんが校舎を歩いて暫くして学年の違う俺たちは途中で別れることになる。

 去り際に中川さんが最後に伝えたい事があるそうなので聞くことに。

 

「お昼休みは時間空けられますか?」

 

「お昼食べてからなら良いですけど?」

 

「分かりました。それでは昼食を済ませてからでも良いので生徒会室に来てもらえませんか?生徒会のルールについて説明したいので」

 

「そういえばまだ聞いてなかったですね。分かりました。それでは今度こそ」

 

「はい、お疲れ様でした。またお昼休みに」

 

 

 

 教室に入り席に座ると久々に璃奈と連休の事について話す事を話した。

 それとお土産に鳩サブレも渡した。

 

「ありがとう。家族と食べるね!」

 

「おう!それで相談なんだけどさ、今日の昼ご飯は従姉弟と幼馴染と食べようと約束しててさ」

 

「え!?遊星くんに従姉弟と幼馴染いたんだ。しかも同じ学校ってバイトの先輩の時といい凄く偶然だね……分かった。今日は愛さんと食べるよ」

 

「ありがとう。璃奈!今日の放課後は生徒会もバイトも予定無いから久々に一緒に帰ろうな!ゲーセンにでも寄ろうぜ?」

 

「OK!」

 

 璃奈のサムズアップで承諾を貰い俺はゆー姉とあゆ姉のグループに「一緒に食べれるよ」と送った瞬間に授業開始のチャイムが鳴り1時間目が始まった。

 

 

 

 お昼休みになり俺は弁当を持って2人と待ち合わせをしている中庭に向かう。

 

「よっ!お二人さん!」

 

「遊星くんだ!」

 

「やっほー!遊星!」

 

 俺が2人の座っているベンチに向かうとゆー姉が左にずれて真ん中が空いた。

 もしかして……と思ったらこの前泊まった時みたいに間に座らされました。

 この2人俺にどんだけ両手に花をさせたいんですか!?

 

「そうだ。俺 昼ごはん食べたら生徒会室に行かなきゃだからそんなに一緒に居られないかも」

 

「気にしないで!遊星には遊星のやるべき事があるもんね!」

 

「ありがとう。ゆー姉」

 

 俺たち3人は弁当を食べ始めて、俺はあゆ姉に卵焼きを貰ったり俺が作ったミートボールをあげたりして楽しい話をする昼休みを過ごしていた。

 やっぱりあゆ姉の卵焼きすごく美味しくて好きです。

 

「ごちそうさま。じゃあ俺はここで!」

 

「遊星!」

 

「何?」

 

「午後も張り切って行こー!……似てたかな?」

 

「バッチリだ!2人ともまたね!」

 

 

 

 俺は中庭を後にして生徒会室へと向かった。

 生徒会室の前で扉をノックして入ると中川さんが小説を読んでいた。

 

「あっ……星野さん。待ってましたよ」

 

「それって昨日買った本ですか?」

 

「そうですよ。では今朝の件についての話を始めましょうか!」

 

 という訳で生徒会の事について詳しく知るための解説が始まった。

 解説のうちのひとつ音楽室やレコーディング室などの特別教室は生徒会の使用許可を得ると使えるらしい。

 生徒会のメンバーなら誰でも良いという事は会計の俺でも良いということか……ん?ちょ待てよ?

 

「じゃあ俺が音楽室使いたいって時は如何すれば良いですか?」

 

「ではその場合は私に言ってくれれば大丈夫ですよ。連絡先もありますし電話でも構いません!」

 

「了解しました。音楽室か……そういえばピアノ暫く弾いてないな」

 

「星野さんはピアノ弾けるんですか?」

 

「まぁ小学生時代にピアノ教室通ってましたし中学の頃は楽器店で弾いてましたね。特に自分の好きな曲を弾いている時が凄く最高なんですよ(YouTubeの弾いてみた動画を観たきっかけで特撮やアニメの曲をピアノで弾いてみたいから通ってたとか中川さんに言えない)」

 

「じゃあ、このあと音楽室使いますか?お昼休みの時間はまだ余裕ありますし、使用許可出しますよ?」

 

 マジか!じゃあ音楽室行ってみようかな?久々に感覚を取り戻したい所だしな。

 

「それじゃ、早速音楽室に行きます!生徒会の解説もありがとうございました!」

 

「どういたしまして……(こっそり聴いてみますかね?でもこの姿で聴くと星野さんの中の私のイメージが盗み聴きする生徒会長と認識されそうですし……コレしかありませんね!)」

 

 

 

 俺は中川さんに音楽室の使用許可を貰ってピアノを弾きに行く事にした。

 何弾こうかな?最近のドンブラザーズの曲も良いけど中学の時に思いついて作ったオリジナルの曲を弾くのもありだな。

 

 音楽室に着き中に入ると中には誰もいなく大きな窓際に大きなグランドピアノが置いてあった。

 広いし音楽室の窓から見る景色がすごく綺麗だし、夜になったら街の明かりとかで凄いんだろうな……写真に収めたいくらいだ。

 

「さてと、それじゃ失礼して……先ずは腕慣らしに初代仮面ライダーの曲でも弾くか!」

 

 俺は感覚を取り戻すために「レッツゴー‼︎ライダーキック」をfullで弾き始める。

 だんだん慣れ始めると他の曲をメドレー感覚で弾き続ける。

 因みに楽譜は無く徐々に思い出しながら弾いてる感じである。

 

「おっし!ここからは平成ライダーメドレーだ!」

 

 先ず一曲目は仮面ライダービルドの主題歌「Be the One」からスタートして二曲目からはランダムで最後に「仮面ライダークウガ」で締めるのが俺の平成ライダーメドレーだ。

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 クウガの主題歌を弾き終わり鍵盤から手を離し平成ライダーメドレーを終わらせた。

 つい楽しくなって途中オーズの主題歌を弾いたあたりから歌っちゃったな。

 すると外から人の気配を感じた気がしたので誰かが居るかの確認をしる。

 

「そこにいるのは誰?」

 

「すっ……すみません!盗み聴きするつもりは無かったんです!」

 

 すると元々開いていた扉から女の子がひょっこりと姿を現した。

 見た目は黒髪のストレートロングヘアーで右の髪を一房くくったヘアスタイルとなっており、リボンの色が赤なので2年生だという事が分かった。

 

「そうですか……でも俺は、別に気にしてませんよ」

 

「本当ですか?それよりもさっき弾いてた曲って仮面ライダーの主題歌たちですよね!しかも平成の!聴いてて感動しちゃいました!仮面ライダー好きなんですか?」

 

「そうですね。仮面ライダーも好きですけどスーパー戦隊とかウルトラマンとか他の特撮作品も幅広く観てますね。昭和も結構知ってますよ。あとアニメもよく観ますし」

 

「おお!アニメも好きなんですか!?私も大好きなんですよ!(星野さんがアニメと特撮好きだったなんて……凄く嬉しいです!)」

 

 女の子はキラキラした目でハキハキと喋りながら俺の方に顔を近づけてくる。

 ちっ……近い!それよりも何故だかこの人とは初めて会った気がしないし声も誰かに似てるような気がする。

 

「あ、あの!それよりも貴女は?」

 

「そう言えば自己紹介遅れましたね。私は優木せつ菜です。よろしくお願いします!」ペカー

 

「あれ?もしかして中川さん?」

 

「い、いえ!ち、違います!私は優木せつ菜ですよ!」

 

 優木せつ菜と名乗る彼女に中川さんか?と尋ねると少しばかりか動揺した。

 あ、これ1000%中川さんだわ……顔のパーツや身長も一緒だし、何よりその笑顔は中川さんにしか出来ないんだよなぁ。

 見た目や声優さんみたいに声質を変えたとしても俺の目と耳は誤魔化せませんよ。

 

 でも彼女自身がウルトラマンのように正体を隠しているのならば俺は中川さんの演技に乗るしか無いと考えた。

 

「すみません、人違いでしたね。俺は星野遊星です。よろしくお願いします」

 

「遊星さんですか!こちらこそ!私のことはせつ菜で良いですよ(ほっ……危なかったです。バレてません……よね?)」

 

「せつ菜さんですか。カッコいい名前ですね!」

 

「あ……ありがとうございます!」

 

 キーンコーンカーンコーン

 

「もう直ぐでお昼休みが終わっちゃいますね。俺はここで」

 

「あの!」

 

 音楽室から去ろうとするとせつ菜さんが俺を呼び止めた。

 

「何ですか?」

 

「また音楽室に来た時は聴きに来ても良いですか?」

 

「俺のピアノで良ければいつでも弾きますよ」

 

「楽しみにしてます!」

 

 

 

 俺は音楽室を離れて自分の教室へと向かう途中である事を思い出した。

 そう言えばドンブラザーズの曲とオリジナルの曲弾くの忘れてね?

 

 

 





優木せつ菜ついに登場!して早速 遊星くんに正体がバレるぅ?
生徒会に入ってまもない遊星くんですが親密な人の声は声質が変わっても直ぐに分かってしまうのだ。(アニメ見て声聞いて声質変わっても知ってる人だとこの声この人だと言い当てるレベル)

遊星くんのオリジナル曲とは何なのか!?

次回は遊星くんスクールアイドル同好会に勧誘される!?遊星くんの答えやいかに!お楽しに! 

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EP15 スクールアイドル同好会と再会


今回はなんと5000文字を超えてしまいましたw
覚悟して読んでくださね!?

そしてついにKSMが登場そして遊星くんあの子と再会?

それではどうぞ!


 

 

 

 優木せつ菜と名乗る中川さん?と出会ってから2日が経った水曜日の昼休み、現在俺は久しぶりに璃奈と愛さんの2人と一緒に弁当を食べていた。

 

 昨日今日朝家を出て中川さんと登校していたり生徒会室にいる時の彼女は何も変わらず俺に接してくれていた。

 何故彼女は自分の正体を隠してまで俺に接近して来たのだろうか?

 

「ねぇ、ほっしー如何したの?悩み事?」

 

「い いえ、何でもありませんよ!」

 

「本当に大丈夫?何か考え事があるなら遊星くんの力になりたい!何時も助けてもらってるし」

 

「璃奈……ありがとう!でも本当に大丈夫だから気にしないでね。でももし何か困った事があったら璃奈だけじゃなくて愛さんにも力を借りるよ?」

 

「もちろんだよ!愛さんたち友達だからね!」

 

 嬉しいこと言ってくれるじゃあないか……なんだか心が少しだけ軽くなった。

 そうだ中川さんが何者であろうとも俺は全力であの人の全て受け止めよう!

 いつか中川さんの姿でも分かり合いたいものだ。

 まさか中川さんが俺と同じオタクの同志だったとはな。

 

「そういえば話変わるけど、今週の土曜日からシン・ウルトラマン公開されるけど遊星くんはその日空いてる?」

 

「バイトも無いし特に用事もないぞ?一緒に観に行くか?」

 

「うん!実は愛さんとも行きたいと思ってて良い?」

 

「分かったよ!その日空けておくね!」

 

 そうだ!今週はシン・ウルトラマンがあるんだった。

 そうだな……今日 中川さんに連絡して音楽室に行こう!ウルトラマンメドレーでも弾こうかな?

 

「俺この映画の為に初代ウルトラマンを見直したんだ」

 

「私もGW中に全話見た。TSUBURAYA IMAGINATIONに入ってるから」

 

「璃奈もウルトラサブスクに入ってるんだね!俺もなんだわ」

 

「ねぇ!愛さんウルトラマンとか初めて観るけど楽しめるかな?」

 

 心配するな愛さん!今回の映画は初めてウルトラマンを見る人にも楽しめるって聞いたから大丈夫だと思うぜ!

 

「ウルトラマン初心者でも大丈夫だよ」

 

「そうなんだ!楽しみだなー!」

 

 

 

 弁当を食べ終わり愛さんは別の用事で途中から別れて璃奈は図書館に用事があるらしいので途中で別れた。

 俺は音楽室前に行き中川さんに音楽室の使用許可を貰う為に連絡を取る事にした。

 

「もしもし、中川さん」

 

『中川です。何ですか?』

 

「実は音楽室を使いたくて……良いですか?」

 

『大丈夫ですよ。私から許可します』

 

「ありがとうございます。それでは!」

 

『はい!(また彼のピアノを聴きに行きましょう!)』

 

 

 

  ーー ζ㎗òヮóリーー从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

 音楽室に入りウルトラマンの曲を数曲くらい弾いていると途中からせつ菜さんが音楽室の中に入ってきたので、せつ菜さんにリクエストを聞いてその曲を弾く事になった。

 

「せつ菜さんは何が聴きたいですか?」

 

「じゃあウルトラマンオーブの主題歌が聴きたいです!」

 

「分かりました。オーブの祈りですね」

 

「そういえば楽譜は?」

 

「楽譜はいりません。頭の中で次に触れる鍵盤は把握してるので」

 

「す……凄いですね!」

 

 俺はリクエストに答えてオーブの祈りを弾き始める。

 この曲はイントロからテンションがアガるし水木一郎アニキの歌声がカッコいい印象がある。

 曲はサビに入り気付いたら途中から2人で歌うようになっていた。

 

「「世界中が君を待っている 闇夜を照らせ光の戦士よ……♪」」

 

 オーブの祈りを弾き終わり、せつ菜さんから大きな拍手が送られた。

 

「素晴らしいです!遊星さん凄いです!!」

 

「ありがとうございます……実は俺 小学生の頃に作ってた曲があるんですけど聴いてくれますか?しかも歌詞付きです!」

 

「はい!是非聴いてみたいです!」

 

 俺は曲を弾き初めて歌を歌い始める。

 この曲は俺が数々の特撮ソングやアニソンを聴いてインスピレーションを受け参考にした曲だ。

 なので曲調もちょっとだけアニソンチックになっている。

 ちゃんとした楽曲データは家のUSBメモリに大事に保管されている。

 

 

 

「走り出した!思いは強くするよ 悩んだら君の手を握ろう なりたい自分を我慢しないでいいよ 夢はいつか ほら輝き出すんだ!」

 

 

 

 曲をfullで弾き終わり鍵盤から手を離しせつ菜さんの顔を見ると彼女の目から涙が出ていた。

 

「せ……せつ菜さん?」

 

「はっ!?すみません。感動して思わず涙が!それに歌詞が胸にグッと刺さりました!」

 

 そ……そんなに凄かったのか?俺の作った音楽がせつ菜さんの心を動かしたのか?

 そう思うとなんだか心の底から嬉しくなってくる。

 

「あの……涙はコレで拭いてください」

 

「ありがとうございます。あの……遊星さんに頼みがあるのですが」

 

「何ですか?」

 

「遊星さんはスクールアイドルをご存知ですか?実は私スクールアイドル同好会の一員なんです」

 

「まぁ名前だけなら聞いたことあります。それ以外は何も知りませんけど、俺の知り合いがこの学校でスクールアイドル同好会に入ってるのは知ってますけど……まさか!」

 

「はい、そのまさかです!遊星さん。貴方をスクールアイドル同好会で作曲兼マネージャーとしてスカウトさせてください!」

 

 やっぱりか……なんか中川さんの姿の時に生徒会へスカウトされた時もこんな感じだったな。

 でもスクールアイドル同好会か、あそこには彼方さんとエマさんがいるし何やかんや安心できるかも?

 

「ちょっとだけ考えさせてくれませんか?それと同好会の見学もしてみたいです」

 

「それでも大丈夫ですよ。今日の放課後は何か用事はありますか?」

 

「いえ、特に何も無いです。生徒会の用事もないので」

 

「それでは、放課後に部室棟前で待ってますね!」

 

 

 

 せつ菜さんとを約束した後に俺は教室へと戻る事にした。

 戻って早々 璃奈に放課後用事ができてしまったと告げて俺は放課後に部室棟へと向かった。

 

 そういえば部室棟には初めて入った気がするな。

 部活や同好会には入る予定とかが無かったので来たことがないし前に校内の探索をしてた時にも見逃していた場所でもある。

 

「遊星さん!こっちです!」

 

「お待たせしました。せつ菜さん」

 

「いえいえ、私も今来た所ですので」

 

 なんかデートの待ち合わせでよく聞くテンプレ台詞だな。

 

 

 

「せつ菜せんぱーい!」

 

 俺はスクールアイドル同好会の部室へ行くためにせつ菜さんの後について行くと後ろから声が聞こえた。

 声がした方を振り向くと灰色のショートヘアでリボンの色が黄色であったため同い年だと分かる。

 あれ?この娘何処かで見たような気がするが……うん、気のせいだな。

 

「こんにちは。かすみさん!」

 

「せつ菜先輩の隣にいる男の人は誰ですか?もしかして……彼氏!?」

 

「違いますよ!」

 

「じゃあ何なんですか?」

 

「コホン……それでは遊星さん自己紹介お願いします」

 

「分かりました。初めまして、俺は情報処理学科1年の星野遊星です。同じ学年だし気軽に接しても良いよね?せつ菜さんには音楽の腕を見込まれてスカウトされた感じだな。でも今回は見学だけどね」

 

「成程そう言うことでしたか!じゃあかすみんも自己紹介するね。私は普通科1年の中須かすみです!かすみんって呼んでね?よろしくね、ゆー介!」

 

 ゆー介!?なんか変なあだ名つけられたけど、2000の技を持つ男感あってコレはコレで有りだな。

 今度名刺でも作って冒険野郎 星野遊介とか悪くねぇな。

 

 そして見るからにこの中須かすみと名乗る娘はぶりっ子って感じがするな……多分自分で自分のこと可愛いって言いそうなタイプだわ。

 中須かすみか……俺もあだ名で呼んでみるかと思い咄嗟に閃いたあだ名が……。

 

「おう!よろしくな。かすかす!」

 

「うがー!かすかすじゃ無くてかすみんだよ!」

 

「中須かすみだから、かすかすかな〜?って思って」

 

「だ・か・ら!かすみんだってばー!」

 

 おっ?此奴中々面白い奴だな。

 それと子犬みたいにきゃんきゃん騒いでるのも可愛い。

 

「悪い悪い じゃあかすみで良い?」

 

「うむ!それでも宜しい!」

 

「ふふ、早速仲良くなりましたね。それでは部室へと向かいましょう!」

 

 

 

 せつ菜さんとかすみと一緒に歩いて暫くしてスクールアイドル同好会の部室前に辿り着いた。

 ここに来るまでに色々な部活や同好会があるなと思った。

 中には意味不明なやつもあったな……絡まりイヤホン解き同好会とか下校時白線だけ踏む同好会ってなんなんだよ!

 

「それでは入りましょう!」

 

「こんにちはー!」

 

「おっ!かすみちゃん。やっほ〜♪」

 

「せつ菜ちゃんもこんにちは!」

 

 せつ菜さんが扉を開けてかすみが中にいる部員さんに挨拶をする。

 ドアの外からでも聞こえる聞き覚えのある声、これは彼方さんとエマさんだな。

 

「実は今日 見学に来てくれた子が来ましたよ!」

 

「おっ?だれだれ〜?」

 

「あの、もう入って大丈夫ですか?」

 

「あ〜!」

 

「嘘!?遊星くんだー!」

 

 俺が入った途端に彼方さんとエマさんが凄く驚いた表情をした。

 彼方さんに至ってはお眠の目がバッチリ開眼した感ある。

 まぁ 知り合いが何も言わずに見学に来たら驚くよな。

 

「どうして遊星くんが!?」

 

「ちょっと待って!彼方先輩にエマ先輩ってゆー介とか知り合いだったんですか!?」

 

「彼方さんとはバイト仲間でエマさんとは先月食堂で偶然知り合ったんだ」

 

「ほえ〜」

 

「事情は全員が揃ってからにしましょう」

 

「全員?まだいるんですか?」

 

「はい!あと1人います」

 

「そういえば、しず子 遅いですね」

 

「演劇部の打ち合わせで少し遅れるみたいなのでもう少し待ちましょう」

 

 しず子は多分かすみがつけたあだ名なのだろう。

 と言うことは俺とかすみと同い年の娘が最後の1人なんだ。

 

 

 

「はぁはぁ……遅れてすみません!」

 

「お、しずくちゃん来たよ〜」

 

 ん?しずくって名前何処かで……まさかと思い扉の方を振り返ると。

 

「う……嘘でしょ。貴女は!」

 

「……っ!?ほ……星野さん?」

 

 間違いない!この娘は鎌倉旅行で出会ったあの桜坂さんだった。

 まさかこの学校の生徒だったなんて。

 

「えっ?えっ?もしかしてゆー介ってしず子とも知り合い!?」

 

 かすみが戸惑っていたので俺は詳しい説明を皆んなに話す事になった。

 

 

 

  ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーーjΣミイ˶º ᴗº˶リ ーー

 

 

 

「そういうことだったんだ〜」

 

「旅行先で偶然知り合いまさかの学校で奇跡の再会!なんと感動的なんでしょう!」

 

「凄い奇跡だね!」

 

「はい、あの時 星野さんと一緒に探してなかったらオフィーリアは見つかりませんでした。それにしても同じ学校で同じ学年だなんてさらに驚きです」

 

「それは俺もだわ……てか同い年なんだしフランクに接して良いよ。それとしずくって呼んでも良いかな?俺のことは名前で読んでくれて構わないし」

 

「うん、もちろん良いよ!これからは学校でもよろしくね。遊星くん!」

 

 なんていうか改めてしずくを見るとめちゃくちゃ可愛いな。

 フランクに接してくれるとナイスなネイチャさん感あって堪らないですね。

 

「それで遊星くんはどうして見学しに来たの〜?」

 

「遊星さんの事については私が」

 

 せつ菜さんが俺の見学の件について解説をしてくれた。

 

 せつ菜さんが音楽室でピアノを弾いている俺を偶然見つけてそれに感動し今日の昼休みにオリジナルの曲を披露した時にピカッとヒラメクイーン!して俺をスクールアイドル同好会の一員として迎えたいと考えていたらしい。

 偶然て……知ってて来たんじゃないんですか?中川さん?なんて言わないよ。

 

「遊星くんってピアノ弾けたんだね!凄いね!」

 

「エマさん。ありがとうございます」

 

「でも大丈夫〜?バイトや生徒会もやってて同好会に入っても?」

 

「生徒会?……もしかしてゆー介って生徒会の人なの!?そういえば男子生徒が生徒会長と偶に一緒にいるなと思ったけどゆー介だったんだ!」

 

「ああ、会長にスカウトされて今は会計をやっている」

 

 ん?その発言から察するにかすみは恐らくせつ菜さんの本当の正体が中川さんだと分からないのか?

 

「そうですね……せつ菜さん」

 

「何でしょう?」

 

 俺は昼休みに勧誘されてからずっと考えに考えた結果をせつ菜さんに伝えることにした。

 

「同好会に入るのまだ考えても良いですか?」

 

「構いませんが……理由を聞いても?」

 

「勿論です。俺はそもそもスクールアイドルというものを知らないです。でも彼方さんが来月にお披露目ライブをやると教えてくれたのでそのライブを見てスクールアイドルの凄さを実感したその瞬間 俺は同好会に入るかどうかを決めたいと思います」

 

「彼方ちゃんが遊星くんに教えてたからお披露目ライブのこと知ってたんだね!」

 

「そうです。どうですか?せつ菜さん」

 

「……分かりました。これは来月のライブ成功させませんとね!」

 

 せつ菜さんの一言でかすみ達が頷く、これはライブが益々楽しみになって来た。

 

 

 





ここまで読んでくれた読者の皆様お疲れ様です。

遊星くんのオリジナル曲があるもう1人物の心を動かすきっかけになるとはまだ誰も知らない…… そしてこの曲はまだ名前が無い

次回は遊星くんとしずくそしてかすみとの絡ませる回にしたいと思います。

それではまた次回!
お気に入り、感想、評価よろしくお願いします!


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EP16 コッペパンとCHASE!


今回は遊星くんがしずくちゃんに彼方さんにお願いしたのと同じお願いをするそうです。

それではどうぞ!


 

 

 

「それでは練習を始めましょう!と言いたい所ですが、今回はお休みにします」

 

「何でですか!?せつ菜先輩!」

 

「今回は遊星さんを紹介したかったので皆さんを呼ばせていただきました。それに再来週は中間テストが控えてますからね!」

 

「そ……そういえば、ありましたね……」

 

 かすみの顔が引き攣っているけどもしかして勉強ピンチなのか?

 

「私たち学生の本文だからね。ちゃんと勉強もしないとめっ!だよ?かすみさん」

 

「うっ……分かってるよ。しず子〜」

 

 という訳で今回はお開きという事になりかすみ、しずく、彼方さん、エマさんが部室を出て行き、俺はせつ菜さんに話があるので2人でちょっとだけ残る事にした。

 それと4人が帰る前に俺はかすみとエマさんの連絡先を手に入れた。

 

 

 

 俺はせつ菜さんがスクールアイドルをやっていると知った時からある事を考えていた。

 

「それで何ですか?遊星さん」

 

「せつ菜さん。今日の昼休みに俺がオリジナルの曲を弾いたじゃ無いですか?」

 

「はい、あの曲凄く良かったです!」

 

「実はあの曲をせつ菜さんにプレゼントしたいと思ってまして」

 

「え!?良いんですか?遊星さんが作った曲なのに……」

 

 いや俺は寧ろせつ菜さんに歌ってほしいと思っている。

 あの曲がせつ菜さん達のスクールアイドル活動の為になるのなら、この曲を彼女に託したい。

 

「実はまだあの曲には名前が無いんです。ちゃんと録音されてる奴と歌詞のデータは家にあるのでそれを持って来ます。それとせつ菜さんなりにアレンジしても構いませんし、名前も付けてくれても良いですよ?」

 

 せつ菜さんは考え込み出した答えは。

 

「……分かりました。遊星さんの曲は今後のためにライブなどで大切に歌わせていただきます!」 

 

 

 

 こうして話は終わり曲を渡す日を明日の昼休みに決めた俺は同好会の部室を後にした。

 さてと今日は久々に1人で帰りますか……俺が部室棟から出るとポケットのスマホから通知音が鳴ったので確認すると中川さんからメッセージが来ていた。

 

『星野さん。今学校にいますか?』

 

『はい、今は部室棟前にいますけど。もしかして中川さんもまだ学校に?』

 

『奇遇ですね。実は生徒会の用事でちょうど部室棟の中にいまして、良ければ一緒に帰りませんか?』

 

『良いですよ。部室棟の出入り口で待ってますね』

 

 生徒会の用事ね……中川さんは嘘がめっちゃヘタだな。

 でも彼女自身はバレてないと思ってるかもしれないし暫くそっとしておこう。

 

 

 

「お待たせしました。星野さん」

 

「俺は大丈夫ですよ。じゃあ行きましょうか?」

 

「そうですね!」

 

 俺は中川さんと部室棟を離れて一緒に帰る事になった。

 俺が中川さんの顔を見ると凄くご機嫌な顔をしていた。

 曲をプレゼントすると言ったのがそんなにも嬉しかったのだろうか?何だか俺までも嬉しくなって来るな。

 

「そう言えばスクールアイドル同好会は如何でしたか?」

 

「中川さん。何で俺がスクールアイドル同好会に行ったって知ってるんです?」

 

「そ、それは……優木さんが生徒会に来て星野さんをスカウトしたいと言いに来たからですよ!」

 

「へぇ……てか中川さんってせつ菜さんと知り合いだったんですね」

 

 ちょっとだけ口調が震えてるな……やっぱりこの人嘘ヘタっぴだわ。

 いつか皆んなにバレるんじゃ無いだろうか?と心配になって来た。

 暫くして俺と中川さんはマンションに着いた。

 

「あの、中川さん」

 

「何ですか?星野さん」

 

「再来週は中間テストじゃないですか?それでなんですけど、勉強で分からない所とか教えてくれませんか?」

 

「私で良ければ構いませんよ。それではまた明日」

 

「はい、おやすみなさい。中川さん」

 

 

 

 俺は夕食を済ませお風呂に入り洗濯物を片付けて歯を磨き1時間勉強をした後にベッドで横になる。

 今日は色々と急展開すぎて流石に疲れて来ちゃったな。

 瞼が重くなり寝そうになった瞬間だった。

 

「はっ!電話だ。誰からだ?」

 

 着信音として設定したケータロス着信音のおかげで眠そうになった目が冴えた。

 スマホの画面を見るとしずくからだった。

 起き上がるのが面倒臭いので横になりながら応答ボタンを押す。

 

「はい、もしもし遊星だけど」

 

『もしもし、遊星くん。ごめんね?こんな遅い時間に電話しちゃって』

 

「大丈夫だ。で、何か用事?」

 

『うん、実は明日のお昼休みなんだけど食堂でかすみさんと食べる約束してて、良かったら遊星くんもどうかな?ってかすみさんも言ってて』

 

「分かった。じゃあ明日行けたら連絡するわ」

 

『ありがとう!じゃあ遊星くん。おやすみ』

 

「おう、おやすみ〜」

 

 俺はしずくとの通話を切った後に速攻でYouTubeを開いた。

 サンキュー しずく!お前のお陰で今日の仮面ライダーBLACK RXが観れるぜ!もう直ぐで最終回だけど次は何配信するんだろ?初代仮面ライダーだったら嬉しいな。

 今日のBLACK RXを観た後に俺はすぐ眠りについた。

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 スクールアイドル同好会にお邪魔して1日が経過した木曜の昼休み、今日は食堂でしずくとかすみの2人でご飯を食べる事になっており今朝は弁当を作るのを休んで食堂で何か買って食べようという事にした。

 

「という訳で、璃奈。今日は一緒に弁当を食べれない、ごめんな?」

 

「ううん、私は愛さんと食べるし大丈夫だから。行ってらっしゃい!」

 

「璃奈。本当にありがとうね」

 

 

 

 と言い残し俺はしずくにメッセージを送って待ち合わせをしている食堂へと向かった。

 目的地に着いてしずくを探すと途中でかすみにバッタリ会った。

 

「あ!ゆー介だ。やっほー!」

 

「おいっすー!かすみ。しずくは何処だ?」

 

「しず子ならあっちだよ。一緒に来て!」

 

 俺はかすみに連れられてしずくが座っている席に着いた。

 もしかしてかすみ、俺を迎えに来てくれるために……嬉しい。

 

「こんにちは遊星くん」

 

「よっ!しずく。じゃあ俺 何か買いに行ってくるわ」

 

「ゆー介。ちょっと待って!」

 

「ん?なんだ?」

 

 かすみが俺を呼び止めて自分の鞄をゴソゴソと漁る。

 すると鞄の中から具が挟んであるコッペパンが出て来た。

 

「はい、コレ!お近づきの印にかすみん特性コッペパンを食べさせてあげる!」

 

「これってかすみの手作りなの?」

 

「そうだよ!かすみんの趣味はパン作りだからね♪」

 

 パン作りが趣味って凄いなこいつ……しかもめっちゃ美味しそうだし。

 コッペパンに挟まれているのはレタスと卵焼きとミニハンバーグだ。

 

「じゃあ、いただきます。あむっ……うん!美味い!かすみ お前の凄いな!」

 

「ふふん♪それ程でもあるよ〜」

 

 と言いながらドヤ顔をして胸を張るかすみが凄く可愛い。

 お前は多分そのまんまでも十分可愛いと思うぞ。

 

「まだあるけど食べる?」

 

「じゃあ有り難くいただくよ。そういえばしずくって鎌倉の実家から態々学校に来てるの?」

 

「そうだよ」

 

「遠いから大変なんじゃないの?」

 

「まぁ、最近はちょっとづつ慣れて来たかな?」

 

「へぇ……そう言えば演劇部にも入ってるって聞いたけど掛け持ちなの?なんで?」

 

「実は私 将来は役者を目指してるんだ。スクールアイドルの活動はお芝居に通ずる所があって勉強になるなと思って入ってるんだ」

 

「成程ね……役者とは素敵な夢だな。じゃあかすみは何でスクールアイドルに?」

 

「かすみんはね、ファンの皆んなに可愛いかすみんをいっぱい見せたいのと、昔から世界一のスクールアイドルになりたいってのも入った理由の一つかな?」

 

 ふむふむ……2人とも素敵な夢持ってるじゃあないか!

 俺もしずくやかすみに負けてられないな。

 

「ごちそうさま!コッペパン美味しかったよ」

 

「またゆー介に作って来てあげるね!」

 

「ねぇ、しずく。お願いがあるんだけどいいかな?」

 

「出来ることなら何でも良いよ!」

 

「じゃあこのゲームキャラの台詞を言ってくれない?出来るだけ気怠い感じで」

 

「気怠い感じにね……分かった!『お馴染み3着……なんちゃって……』どうかな?」

 

 やっぱり俺の耳に狂いはなかった!ありがとうございます!オタクの我儘聞いてくれちゃって!今度にんじんハンバーグ奢ります。

 

「な……何コレ?」

 

 かすみが表情が少々苦笑気味になる。

 

「サンキューな。じゃあ俺はせつ菜さんと音楽室で待ち合わせしてるから」

 

「うん、またね遊星くん」

 

 俺は席から立ちしずくとかすみの2人と別れて食堂の入り口前へと行き中川さんに電話をして音楽室の許可を取る。

 

 

 

  ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーーjΣミイ˶º ᴗº˶リ ーー

 

 

 

 音楽室に着きピアノを弾いていると扉が開きせつ菜さんが入ってきた。

 

「お待たせしました!」

 

「俺は大丈夫ですよ。はいこれ、約束の物です」

 

「本当にありがとうございます。実は昨日の夜あの曲の名前を考えてたんです」

 

「そうなんですね。それでどんな名前にするか決まったんですか?」

 

「はい!「CHASE!」というのはどうでしょうか?」

 

 成程「CHASE!」か……意味は確か追跡だったな。

 この曲にせつ菜さんの歌とパフォーマンスが加わると思うとますます楽しみになって来た。

 

「カッコ良い名前ですね。せつ菜さん、スクールアイドルの活動頑張ってくださいね」

 

「はい!この曲でライブを大成功させて、遊星さんをスクールアイドルの虜にして見せますよ!」

 

「上等です。それじゃあまだ昼休み終了まで時間ありますし、今日はスーパー戦隊の曲弾きますよ!」

 

「凄く楽しみです!」ペカー

 

 うっ……中川さんの姿の時もそうだけどその笑顔やっぱり反則だよ。

 これは俺も張り切っちゃいますわ!

 

「それじゃ先ずは俺こそオンリーワンにします!」

 

「良いですね!私ダンス踊りますよ!」

 

 俺が曲を弾き始めるとせつ菜さんがドンブラダンスをしてくれた。

 流石はせつ菜さん スクールアイドルなだけあってダンス完璧だな。

 

「はぁはぁ……どうでしたか?」

 

「パーフェクトです!せつ菜さんがドンブラダンス踊れるなんてビックリです!」

 

「YouTubeにアップされていたのを見て練習しましたからね。因みに過去の戦隊のダンスもいけますよ?」

 

 凄いな……まぁ俺も踊れるけど一応今回は弾きながら歌った。

 こんな楽しい話をせつ菜さんの姿じゃなくて中川さんの姿でも出来たらなと思っている。

 その後にドンブラーザズのEDやゼンカイジャーの主題歌も弾いた。

 

 

 

「そろそろ時間ですね。それではまた」

 

「はい、遊星さんが作ってくれた曲で皆さんに大好きな気持ちを届けたいと思います!」

 

 皆んなに大好きを届けるか、きっとそれがせつ菜さん……いや中川さんの夢なのだろう。

 俺がもしスクールアイドル同好会に入れたら、その時は中川さんや他の皆んなの役に立てたられたら良いな。

 

 

 





この小説ってさ……食べるシーン多くね?
次次回からは中間テストのための勉強会編です
しずくにタメ口で会話されたいと思ったことはありますか?

次回は璃奈と愛さんの2人でシン・ウルトラマンを見に行く会を用意してあります。

それではまた次回!
お気に入りと感想と評価よろしくお願いします!
感想たくさん欲しいです!


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EP17 璃奈と久々のおでけけwith愛さん


今回は普通の日常回です。

この回を読むにあたり今回はシン・ウルトラマンの内容のネタバレも含まれているのでまだ見てないよー!と言う人はこの回を読むの考えてくださいw

それではどうぞ!


 

 

 

 学校のすべての授業が終わり金曜日の放課後のこと。

 俺と璃奈は帰りの支度をして教室を一緒に出て帰ることに。

 今日はバイトも生徒会も無いし同好会の見学はまた今度にする事にした。

 因みに昨日は中川さんと帰っており彼女の顔はいつにも増して最高の笑顔であった。

 

「今日は久々に一緒に帰るね。遊星くん色々とお疲れ様」

 

「璃奈ありがとうね。明日は愛さんと映画楽しみだね」

 

「うん!おでけけ楽しみ!」

 

「ぷふっ……璃奈。それってアーニャの真似か?」

 

「うん♪」

 

 なんか璃奈がおでけけと言うだけでめちゃくちゃ可愛いし声もアーニャに寄せてるのすこすこですわ。

 同じピンク色の髪だし身長のせいでもあるのかな?

 

「それでさ……」

 

「おーい!ほっしー!りなりー!」

 

「愛さんだ」

 

「愛さん。こんにちは!」

 

 俺が璃奈と明日のことを話していると後ろから声が聞こえたので振り返ると愛さんが手を振りながら走って来た。

 

「なーんの話してたの!?」

 

「明日のお出掛け楽しみだねって話をしてました」

 

「そうなんだ!愛さんも明日のこと考えてたんだ!」

 

 奇遇ですねぇ……よっぽどシン・ウルトラマンが楽しみなんだろうな、俺も璃奈も楽しみだけどね。

 いつか2人を家に招いて一緒にアニメ見たりゲームとかもしたいな。

 

「ねえ遊星くん」

 

「ん?なんだ璃奈?」

 

「映画観終わったらなんだけど……遊星くんのお家に遊びに行きたい!いいかな?」

 

 マジか!さっきいつか家に招きたいと考えていた所だったんだが……うっ!上目遣いで聞かれたら断れねぇ。

 

「愛さんもほっしーの家行ってみたーい!」

 

「……分かりました。実は映画観終わったら相談したいことがあったんでちょうど良いや」

 

「相談したいこと?なになに?」

 

「それについては明日俺の家でいいですか?」

 

「もちろん良いよ!」

 

「分かった。遊星くん」

 

 途中で別れ道になり俺は璃奈と愛さんと別れてマンションに着くと夕食などを済ませてYouTubeでテツワン探偵ロボタックを視聴後に眠りについた。

 

 

 

 ーー ζ㎗òヮóリーー从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

 目が覚めて時計を確認したら時刻は朝6時を回っていた。

 璃奈と愛さんとは朝イチの公開時間に約束したので早めに起きたのだ。

 俺は軽めの朝食を済ませて今日着て行く服を選ぶ。

 

「今日はウルトラマン見に行くし……やっぱりウルトラマンのTシャツだよな!」

 

 俺は地元にいた時に買ったウルトラマンショップ限定のウルトラマンTシャツを着て行くことに決めた。

 

 

 家を出て待ち合わせのイ○ン豊洲の中に入り映画館の前で待つこと暫くして璃奈がやってきた。

 

「璃奈。おはよう!」

 

「おはよう遊星くん。そのTシャツってジョイ○ル本田とコラボしてたウルトラマンショップのTシャツだよね!」

 

「そうだよ。地元にいた時に買ったんだよね!そういう璃奈が着てるのって前にユニ○ロに置いてあったウルトラマンTシャツだよね!俺もティガとベリアルのやつ持ってる!」

 

 璃奈が着ているのはゼロとセブンの親子がデザインされたTシャツだ。

 めちゃくちゃ似合ってて超可愛いんだが!

 

 あとは愛さんが来るまで待つことにして2人で椅子に座ってゲームをしながら待つことにした。

 チケットとポップコーンとドリンクは全員揃ってから買おうと決めた。

 最近アイネスフウジンが来たんだけどめちゃくちゃ欲しい!でも石少ないし……。

 

「璃奈そういえば最近ウマ娘どんな感じ?俺最近チアネイチャ天井しちゃったよ……頑張ってジュエル貯めたのにー!」

 

「そうなんだ……私も最近アイネスちゃん貯めた石で天井しちゃったしお互いドンマイだね。よしよし♪」

 

「あの……慰めてくれるのは良いんだけど撫でられるのは恥ずかいよ」

 

「遊星くんの頭って撫で心地がいいね」

 

「話聞いてる?」

 

「はい、ママですよ〜♪」

 

「唐突なコッコロママの真似はやめて!?」

 

 璃奈のやつなんだか知らんけど俺で楽しんでるだろ。

 表情は変わってないけど口調がノリノリなんだよなぁ。

 それといつもより距離とか近くないですかね?てかもう引っ付いてるし。

 

「授業終わりの10分休みとかは話し合ったりしてるけど、最近は遊星くんともお昼食べれなかったり帰れなかったりで一緒にいる時間が減ってる気がして……その……構って欲しくて」

 

 そうだったのか……璃奈よ本当にすまない!お前は俺の高校で出来た初めての友達だからな。

 これからは璃奈との時間もできるだけ確保しないとと心に誓う俺である。

 

「最近は忙しくてな。本当にすまない」

 

「ううん、遊星くん。もし疲れてたら私を1番に頼っても良いんだよ?」

 

「璃奈……ありがと〜」

 

 俺は嬉しさのあまり璃奈の頭を撫で始める。

 撫でてる時にアホ毛がペシャてなって凄く良いわ。

 

「ゆ、遊星くん……恥ずかしい」

 

 璃奈の頬の辺りがほんのりと赤くなっており俺もちょっぴり恥ずかしくなった。

 実は人の頭を撫でるという行為自体が初めてだからだろうか?

 

「あの〜……2人とも?」

 

「「はっ!?愛さんいつの間に!」」

 

「ほっしーがりなりーの頭撫でるところからいたけど……愛さんお邪魔だったかな〜?」

 

「愛さん揶揄わないで!」

 

「そうですよ!」

 

「あっはは!ごめんごめん!冗談だよ〜!」

 

 チッ……見られてたのか、声掛けてくれよう!めっちゃ恥ずかしいじゃん!璃奈だって表情変わってないけど微かに顔赤くなってるし。

 それとそのにやにやした顔は辞めてくれませんかねぇ、余計恥ずかしいんだわ。

 

「それじゃあ、チケットとポップコーン買いに行こうか!」

 

「そうですね。行こうか?璃奈」

 

「う、うん!」

 

 チケットを購入してポップコーンとドリンクを購入して3人で映画館に入り様々な映画の予告ムービーを見ながらポップコーンを摘んでいた。

 味は安定の塩バターでドリンクはメロンソーダにして璃奈はカルピスで愛さんはコーラにした。

 

「来年はシン・仮面ライダーも楽しみだね」

 

「うん。一緒に観に行こうか?」

 

「愛さんも行っていいかな?」

 

「「もちろん」」

 

 一応映画館内なので声はできるだけ抑えて小声で会話をする。

 この映画観終わったら家で遊ぶの凄く楽しみだな……お昼は何食べさせてあげようかな?と考えていると予告ムービーが終了してシン・ウルトラマンが始まった。

 

 

 

 映画本編が終わり今は曲と共にエンドロールが流れている。

 最初の映像で「シン・ゴジラ」とタイトルが出たためか観に来る映画間違えたんじゃないかと思ったらそのタイトルを塗り替えての「シン・ウルトラマン」この演出凄いわ。

 それに続き次々と用意されてるサプライズの数々にテンションが上がった。

 初っ端からウルトラQの怪獣オンパレードとか凄いな。

 

 普通ウルトラマンは地球上では3分間しか戦えなくカラータイマー無いのにどうやってエネルギー現象を表現するのかと思ったが、まさか赤いラインの色が変わる表現で来るとは予想外だった。

 戦闘シーンのCGも凝ってたし最初から最後まで傑作だったな。

 シンウルの映画主題歌「M 87」も凄く良い曲だ。

 

 エンドロールが終わり館内が明るくなって3人で映画館を出る。

 

「すっごく!面白かったー!!」

 

「私も凄く感動した。ゼットンが大きくてビックリした」

 

「ヤバいな……今のところ今年1の最高傑作映画だったわ」

 

「ウルトラマン始めてる愛さんも最初から最後まで大興奮だったよ!何だかウルトラマンにハマりそう!」

 

 お互いに感想を語り合った後に俺は璃奈と一緒にシン・ウルトラマンのパンフレットを買いに行くことにした。

 

「それじゃあ俺の家に行こうか!」

 

「そうだね。遊星くんのお家楽しみ!」

 

 イ○ン豊洲を後にして俺達3人は次に自宅へと向かう予定だったのだが今日の昼ご飯に使う食材を買ってから向かうことにした。

 

「今日はこれで2人に料理を振る舞うよ」

 

「ほっしー料理出来るんだ!楽しみー!」

 

「わくわく♪」

 

「ん?アーニャが居るぞ?」

 

 

 

 家に着いて俺は2人を自分のへと誘導した後に食材を冷蔵庫に入れてキッチンで紅茶を淹れてから2人が待ってくれている部屋へと向かう。

 

 中に入ると仮面ライダーのフィギュアを眺めている璃奈とタペストリーを眺める愛さんの姿が目に入った。

 

「遊星くん。このムテキゲーマーとパラドクスのS.H.Figuartsの置き方がクロノス戦のシーンを再現してて凄く良いね!」

 

「エグゼイドとパラドの共闘シーンあれは最高だよな」

 

「ねぇねぇ!ほっしー!このタペストリーのキャラ超可愛いね!」

 

「それはプリコネってゲームのキャラで俺の一推しコッコロちゃんです」

 

 俺はキッチンで淹れた紅茶をテーブルの上に置いて昨日の相談についての話をすることにした。

 

「それで相談なんですけど……再来週からテストがあるの知ってますよね?」

 

「うん、あるね。それで?」

 

「もしかして勉強回をしようって事?」

 

「そうです。愛さん」

 

「そういう事だったのかー!良いよ。それでいつ勉強回する?」

 

「そうですね。今度の土曜に家で勉強回はどうですか?」

 

「分かった!私はそれでも良いよ。良い結果を出そうね!」

 

「おう!そうだな。今日は取り敢えず昼ごはん食べたらゲームで遊ぼうぜ!」

 

 

 

 ーー ζ㎗òヮóリーー从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

 今日のお昼はとあるアニメを観て作ろうと思ったアレにする事にした。

 ちゃんと再現するために隠し味の調味料としてコイツも使う。

 

「お待たせ!オムレツライスだよ!」

 

「ええ!?オムライスじゃなくて!?」

 

「私この料理見たことある」

 

 オムレツとライスでオムレツライスこれ作ってみたかったんだよね。

 愛さんが俺の料理の材料に卵とケチャップとお米があったのでオムライスが出来ると思ってたらしい。

 

「じゃあ……いただきます!」

 

「いただきます」

 

「おお!卵を割ったら焼豚と輪切りのネギがたっぷり入ってる!はむっ……う〜ん!中の卵半熟で美味しい!」

 

「もしかしてアニメ通りにあの調味料混ぜたの?」

 

「璃奈。大正解だ!その中には半練りタイプの味覇を入れてるんだ」

 

「ほっしー凄いよ!ケチャップ少ないから心配だったけどこれなら問題ないね!」

 

「ライスが進む。アニメの中の料理が食べられるなんて……幸せ」

 

 2人とも喜んでくれて何よりだ。

 俺も一口食べる……うん、味付けも上手くいって良かった良かった。

 気がつけば璃奈と愛さんはものの数分でオムレツライスを完食していた。

 

「「ごちそうさまでした!」」

 

「お粗末さま」

 

「美味しかったー!」

 

「私も大満足♪」

 

 

 

 ご飯の後片付けをして一休みした後に3人でゲームをした。

 今回は「仮面ライダークライマックスファイターズ」で対戦する事にした。

 先ずは俺と璃奈の対決で俺は1番好きなオーズを選んで璃奈がエグゼイドを選んだ。

 

「くっ!璃奈。なかなかやるじゃん」

 

「遊星くんもね」

 

「いっけー!2人ともー!」

 

「フィニッシュは必殺技で決まり!」

 

 俺はトドメにムテキゲーマーのキメ技で負けてしまった。

 

「ぐあ!負けたー!」

 

「イェーイ♪」

 

「良い勝負だったね。次のほっしーの相手は愛さんだね!じゃあこの金色のライダーにしよっと!」

 

「私が操作方法教える」

 

「ありがとう!りなりー」

 

 愛さんが選んだのはアギトか……かなり脳筋タイプのライダーを選んだな。

 じゃあ俺はBLACKにするか……BLACKも多分アギトと似た感じだしね。

 

「キングストーンフラッシュ!」

 

「なんの!真っ赤なアギトにチェンジだ!」

 

「バーニングフォームか……うわっ!ヤバい!」

 

 アギトの近接攻撃に体力がゴリゴリと削られていく。

 

「スキあり!ライダーパンチ&キック!」

 

「うわー!やられちゃったー!」

 

「愛さん。初めてとは思えないくらい凄かったですよ?」

 

 危ない危ない、なんとか勝つことが出来てホッとする。

 この後も何戦かして璃奈との対決をもう一回したら勝つことが出来た。

 

 

 

「遊星くん。今日は楽しかったよ」

 

「ありがとね。ほっしー!」

 

「2人とも来てくれてありがとう。俺も凄く楽しかった」

 

「今度は私の家にも遊びに来てね?」

 

「約束だ」

 

 

 

 俺は2人を見送って自分の家へと戻りテスト勉強を始めるのだった。

 

 

 





シン・ウルトラマンめちゃくちゃ面白かったな……
あれはどんな人が見ても楽しめる作品なのでまだ見てない人にお勧めしたい!

次回から色々なキャラたちとテスト勉強回にする予定です。
因みに遊星くんは頭良い設定にしたいと思います。理由は順位発表のシーンの時にある人物の名前だけを出したいからです。

それではまた次回お会いしましょう!
お気に入りと評価と感想いっぱい欲しいです!


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EP18 テスト勉強と近江家


今回は久々に遥ちゃん出ますよ!

彼方さんのエプロン姿はまさしく新妻!

それではどうぞ!


 

 

 

 虹ヶ咲学園の今回の中間テストは来週の月曜日と火曜日の2日間に分けられている。

 中間テストまであと6日この時間を最大限に活用して最高点数を叩き出してやる。

 

 因みに俺の中学時代での成績は似々花先生が勉強を教えてくれていたため成績はすこぶる良かった方だ。

 東京に行ってしまい先生がいなかった中学3年生の時は兎に角猛勉強しまくった。

 特に教科だと国数英は大の得意分野であり理科や社会などの暗記するような科目は頭に刷り込むくらいやった記憶がある。

 

 俺は確かにオタクではあるがやる時はきっちりとやると決めている。

 実際高校生になってからも予習と復習は欠かさずやっている。

 

 

 

「彼方さん。ここはこの公式を使うんです」

 

「おお〜!出来た出来た〜!」

 

 俺は璃奈と昼ごはんを食べた後に現在 学校の図書館で彼方さんと勉強をしている。

 

 他の日にも昨日の日曜日に知り合いと勉強会をする約束をしており火曜はしずくとかすみ、水曜は中川さん、木曜はゆー姉とあゆ姉、そして金曜はエマさんと朝香さん、土曜に璃奈と愛さんと勉強する予定にしてある。

 

 彼方さんは特待生なので良い成績を残さなければならないため俺は彼方さんに特にピンチと言っていた数学を教えている。

 お前3年生の数学できるの?と思われるかもしれないけど問題を見る限り数1や数Aの応用で構成されてる問題もあるので1年の俺でも解ける問題もある。

 

「遊星くん。ありがとね〜♪」

 

「いえいえ……彼方さん。ここ教えてくれませんか?」

 

「どれどれ〜?コレはね……」

 

 因みに俺は彼方さんには社会を見てもらっている。

 教え方が凄く分かりやすくてスラスラと解けていく。

 

「ねぇねぇ遊星くん」

 

「何ですか?」

 

「今日バイト帰りに家に寄ってかない?」

 

 なんで?と思ったけど、どうやら遥ちゃんが通っている東雲学園でもテストが近いらしく遥ちゃんに勉強を教えて欲しいそうだ。

 遥ちゃんも数学で分からない問題があるらしい。

 

「了解です!」

 

「ありがとう!遊星く〜ん!」

 

「うおっ!」

 

 彼方さんは嬉しかったのか俺の腕に抱きついてきて彼方さんの柔らかい胸やら何やらが俺の腕に密着する。

 一瞬頭がまっしろわーるどになってワケワカンナイヨー状態になった。

 

「彼方さん?あの……色々当たってます」

 

「え〜?何が当たってるって〜?」

 

「わざとやってます?」

 

 図書館の中という事もあり声を抑えて彼方さんに突っ込む。

 俺ってもしかして彼方さんからは男として見られてないのか?

 

「いや〜遊星くんが弟みたいにみえたからついね〜」

 

「そうですかい……もう直ぐで昼休み終わるな。じゃあ彼方さんまたバイトで」

 

「うん!遥ちゃんに遊星くんが家に来るって伝えとくね〜」

 

 そういや遥ちゃんに会うのはGWのピクニック以来だったな。

 

 

 

 

  ーーノレcイ´=ω=)ーーζ(*^ᴗ^*)ζ ーー

 

 

 

「美冬さん。お疲れ様でした!」

 

「お疲れ様でした〜♪」

 

「遊星くんと彼方ちゃんもね。中間テスト勉強頑張ってね!」

 

 バイトが終わり俺は彼方さんと一緒に近江家へと向かう事に。

 遥ちゃんはもう家に着いており勉強を開始していると連絡が来たと彼方さんが教えてくれた。

 

「そういえば、この前せつ菜ちゃんが部室で遊星くんが作ったオリジナル曲をプレゼントしてくれたって喜んでたよ〜」

 

「そうなんですか、それで調子は?」

 

「曲に会うダンスを考えててね。あの曲 彼方ちゃん達も聴いたけど凄く良い曲だね!皆んなも感動してたよ。もし遊星くんが同好会に入ったら彼方ちゃん達の曲も作って〜♪」

 

「良いですよ」

 

 実は俺スクールアイドルのライブを見るなら先ず第一に虹ヶ咲のが観たいと考えており他のスクールアイドルの動画は観ていないのだ。

 

「まあ今週はテスト近いから殆どの部活や同好会はお休みだし、今は勉強に集中しようぜ〜!」

 

「そうですね!よし!やるぞー!」

 

「お〜!」

 

 

 

「遥ちゃん。ただいま〜♪」

 

「遥ちゃん。こんばんは!」

 

「おかえり!お姉ちゃん。遊星くんもいらっしゃい!」

 

 近江家に到着して中に入ると片手にシャーペンを持った部屋着姿の遥ちゃんが笑顔で出迎えてくれた。

 俺は遥ちゃんに早速勉強を教えてその間に彼方さんは部屋着に着替えて夕食の準備をしていた。

 今晩 遥ちゃんに勉強を教えてくれるお礼でご馳走してくれるとのことだったのでお言葉に甘える事にした。

 

 

 

「凄い!簡単に出来ちゃった!」

 

「な?どうってことないでしょ?」

 

「うん!この解き方なら良い点が取れそうだよ。ありがとう!」

 

 おっふ……可愛い!彼方さんが過保護になってしまうのも分かる気がする。

 これで誕生日が俺の方が先だと遥ちゃんが妹に見えちゃうかも?なんつって。

 

「遥ちゃんは誕生日いつなの?」

 

「私は11月11日だよ。遊星くんは?」

 

「あっ……3月10日だ……キタサンブラックと同じ」

 

「キタちゃんと一緒!?凄い奇跡だね!」

 

 俺もウマ娘を初めて一緒だと知った時は何だか嬉しい気分にはなった。

 でもなんか変に妄想した自分が凄く恥ずかしいんですけど。

 

「2人とも〜晩ご飯できたぞ〜!」

 

「「はーい!」」

 

 エプロン姿の彼方さんが部屋に入ってきて俺と遥ちゃんはリビングへと移動する。

 それにしてもエプロン着た彼方さんめっちゃ良いわ。

 なんつーか、お母さん感あるっていうか新妻感あるっていうか……もう!トニカクカワイイ!!

 

 リビングに入ると彼方さんは白米を装っておりテーブルには肉じゃがと味噌汁が置いてあった。

 

「遊星くん。いっぱい食べると思って……はい!ご飯大盛りだよ!」

 

「おわっ!?良いんですかこんなに?」

 

「うん!遊星くんとお昼食べた時とかピクニックに行ってた時によく食べてたからね。おかわりもして良いんだよ?遥ちゃんは普通で良いよね?」

 

「うん、いつも通りでお願い!」

 

「本当にありがとうございます!」

 

「良いの良いの!それじゃあ食べよっか♪」

 

 俺は遥ちゃんの隣に座って向かいに彼方さんが座り手を合わせる。

 

「「「いただきまーす!」」」

 

 俺は先ずは肉じゃがの中のじゃがいもを一口食べる。

 じゃがいもはほくほくしてて出汁がよく染みておりご飯にめっちゃ合う。

 

「お姉ちゃん。今日も美味しいよ!」

 

「遥ちゃんありがと〜。遊星くんはどう?」

 

「凄く美味いです。人参や玉ねぎも甘くて肉も最高だ。味付けもちょうどいいし何より彼方さんの愛情もこもってて凄く良いと思います」

 

「そこまでベタ褒めされると彼方ちゃん流石に照れちゃうぜ〜♪」

 

「良かったね。お姉ちゃん」

 

 それにしてもやっぱり誰か一緒にご飯を食べるって凄く良いよな。

 昼は誰かと食べるけど朝ごはんはいつも1人だし夕飯はこの前中川さんに1回ご馳走したけど1人で食べることが多いからな。

 

「そういえば彼方さんたちのお母さんは?」

 

「夜勤で出てるから帰ってくるのは明日だね〜」

 

 そういえばこの前お母さんの仕事結構忙しいって言ってたな。

 夜勤も含むくらい多忙な仕事なんだ。

 

「何だかこんなやり取りしてると家族が増えたみたいだね」

 

「そうだね〜遊星くんは末っ子かな?」

 

「誕生日が遥ちゃんより後なんでそうなりますね」

 

「そういえば遊星くんのご両親は何をしてるの?」

 

「俺今年の春にここに引っ越してきてね。父ちゃんは今遠くで働いてて暫く帰ってこないんだよね。母ちゃんは昔離婚しちゃって今は家で一人暮らしみたいなもんかな」

 

「そ、そうなんだ……ごめんね!無神経なこと聞いちゃって!」

 

「良いんだ。もう過ぎたことだし俺は気にしてないよ」

 

 ああ……遥ちゃんそんな悲しい顔をしないでおくれ、俺の方こそごめんよ。

 

「それにしても一人暮らしか……寂しいって時はないの?」

 

「全然大丈夫だよ。もう慣れちゃったし……と言っても偶にあるかな?そんな時は友達(璃奈)と通話しながらゲームをして気を紛らわせてるし」

 

「そうなんだ……もし良かったら私にも通話しても良いんだよ?私も遊星くんの友達だしね!」

 

 遥ちゃんの顔が悲しそうな顔から天使のような優しい笑顔に変わった。

 ヤバい……近江家 姉妹揃って良い人すぎるんですけど……なんか泣きそう。

 

「ふふっ、それで遥ちゃん。勉強の方はどう?」

 

「遊星くんの教え方が上手で難しいって思ってた問題があっという間に出来たんだ!」

 

「良かったね〜遥ちゃん。遊星くん本当にありがとうね♪」

 

「どういたしまして。俺で良かったらいつでも教えてあげるよ……彼方さん。ご飯のおかわりお願いします」

 

「はいは〜い♪」

 

 この教え方は家の生徒会顧問の先生に似たのかね?似々花先生に感謝しなきゃな。

 

「はい、どうぞ〜」

 

「ありがとうございます」

 

 

 

「ふぅ……ごちそうさまでした!」

 

「遊星くん。いっぱい食べたね」

 

「肉じゃがもおかわりしてたもんね〜流石は男の子!」

 

「まぁ、育ち盛りなもので」

 

「ねぇ良かったらデザートにケーキあるんだけど食べる?」

 

 まさかデザートも頂けるとは……本当にありがとうございます!

 

「う〜ん……美味しい〜!」

 

「うん!美味いですね。何処のケーキですか?」

 

「ふっふっふー。実はこのケーキ彼方ちゃんの手作りなのだー!」

 

「ダニィ!?」

 

 確か彼方さんはライフデザイン学科ではフードデザインを選択してるんだったよね。

 フードデザインは栄養学などを学べて、学校行事にあるスイーツ発表会では一般の客をたくさん招く本格的なで店も行うと聞いた。

 きっと授業の調理実習でお菓子作りも慣れているのだろう。

 

 

 

  ーーノレcイ´=ω=)ーーζ(*^ᴗ^*)ζ ーー

 

 

 

 彼方さん特性のケーキを食べて暫く休んだ後に俺は彼方さんと遥ちゃんの3人で勉強を始める。

 

「お姉ちゃん。ここ教えて?」

 

「ここはね〜」

 

「あっ、もうこんな時間か……すみませんが俺はそろそろ帰ります」

 

 俺は立ち上がって変える準備をして玄関へと向かう。

 

「遊星くん。今日は本当にありがとう!お互いテスト頑張ろうね!」

 

「こちらこそ今日は楽しかったよ!それじゃあ彼方さん。また明日」

 

「うん、帰り道気を付けてね?」

 

「はい!それでは」

 

 

 

 俺は近江家を出てマンションに向かって歩き始める。

 それにしてもとても癒される空間だったな……また機会があったら遊びに行きたいし遥ちゃんに会いたい。

 

 帰ってる途中でポケットに入れておいたスマホから通知音が鳴った。

 画面を見ると相手はかすみからだった。

 

『ねぇ、ゆー介。明日のしず子との勉強会のことで相談があるんだけど良かったらお昼休みにスクールアイドル同好会の部室に来てくれない?』

 

『良いぞ。友達と弁当食べてからでも良いか?』

 

『全然OKだよ。行ける時に連絡くれれば良いし!』

 

『分かった。じゃあまた明日ね』

 

 の後に俺はマルゼンスキーの『おやすみっ』ボイス付きスタンプを送ると、かすみからも可愛らしいおやすみなさいスタンプが送られてきた。

 

 

 





遊星くんは昔から計算が得意というか好きで小学校の算数、中学の数学では何時も満点を取るくらい凄いのだ。(似々花先生の教えのおかげで数検1級持ち)
たしかスクスタで愛さんが彼方さんに数学教えてたよね?

そして遊星くんの誕生日が明かされました。ななななんとかすみよりも後と言う……ミアが来るまでは最年少だぞ!

次回はしずかすと勉強会だけど楽しい感じに出来たらと思ってます。

それではまた次回!


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EP19 しずかすとお泊まり勉強会!?


今回はしずくとかすみとお勉強会だ!

それではどうぞ!


 

 

 

 近江家にお邪魔して一晩経った火曜日の昼休み、今日は璃奈と何時もの場所で弁当を食べている。

 愛さんは別の友達と約束をしているので今日は久々の2人っきりである。

 

「なんだかこうして2人で食べるのも久々だよね」

 

「そうだな……入学して愛さんに出会うまではいつもこんな感じだったよな」

 

 俺と璃奈がお昼に弁当を食べている時に話していることは大体がアニメやゲーム系が多いけど、寧ろこれがいつも通りのスタイルである。

 

「璃奈。勉強の方はどうだ?」

 

「ぼちぼちって感じかな。遊星くんは?」

 

「数学に関しては楽勝だな。もちろん他の教科もめっちゃ頑張ってるよ!」

 

「そっか……ねぇ、遊星くん。日曜日なんだけど私の家で一緒に勉強しない?」

 

「日曜日か……うん、良いよ。璃奈の家めっちゃ楽しみだな〜」

 

 という訳でテスト前日の日曜日は璃奈の家で一緒にテスト勉強になった。

 愛さんは呼ぶの?と聞くと、その日は愛さん、お店の手伝いがあるらしいので無理っぽいらしい。

 

「お昼に私の手料理ご馳走する。この前食べたオムレツライスのお返ししたい!」

 

「ありがとうね。その日を楽しみにしてるよ!」

 

 

 

 弁当を食べ終わると璃奈はやる事があるらしいので俺はかすみとしずくがいるスクールアイドル同好会の部室に行くために部室棟へと向かうことにした。

 連絡をしようと思いかすみに電話をする。

 

「もしもし、かすみ。遊星だけど」

 

『は〜い♪可愛い可愛いかすみんだよ〜♪』

 

「あはは……今から部室向かうんだけど、そこにしずくもいるの?」

 

『もちろんいるよ!さっきお昼食べ終わったからしず子と待ってるね!』

 

「はいよ〜」

 

 電話を切って俺は部室棟へと歩き出す。

 やっぱりあいつ自分のこと可愛いって言ったな……まぁ、こういうのは言ったもん勝ちって言うし、でも俺はぶりっ子してるかすみも可愛くて好きだけどね。

 

 

 

  ーー从||>ᴗ<||从ー→从cι˘σ ᴗ σ˘*ーー

 

 

 

 スクールアイドル同好会の部室前に着いた俺は扉の前に立ちノックをする。

 すると中から「どうぞ!」という声が聞こえた。

 この中世的かつアミューズの狂犬っぽいこの声は間違いなくしずくだな。

 

「失礼しまーす。あっ!エマさんも居たんですね。こんにちは!」

 

「遊星くん、こんにちは!実はしずくちゃんと一緒にかすみちゃんの勉強を見てたんだ♪」

 

「そうなんですか、そんで……どうだかすみ?勉強の調子は?」

 

「うう……全然分かんないよー!ゆー介も問題の解き方教えてー!」

 

「はいよ。見せてみー?」

 

 かすみは頭を抱えてめちゃくちゃ苦戦してます!って感じの分かりやすい表情をしている。

 今更だけどかすみって表情豊かで面白いよな……まるでプリコネのキャルちゃんみたいだ。

 

「かすみさん頑張って!赤点取って追試になったらかすみさんの同好会活動時間が減っちゃうよ!」

 

「ありがとう……しず子〜」

 

「そういえば昨日相談したいことあるってメールで言ってたけど、あの件について教えてくれないか?」

 

「その事なんだけどね。実は……」

 

 相談の内容はなんと今日俺の家でお泊まり勉強会をしたいとの事だった。

 しずくは急に押しかけちゃ迷惑なんじゃない?と言っていたらしいが俺からしたら大歓迎である。

 

「良いよ。家に来ても」

 

「やったー!ゆー介ありがとう!」

 

「本当に良いの?遊星くん?」

 

「構わん!かすみとしずくの成績向上に繋がるなら協力するよ!」

 

「良かったね。しず子!念のためにお泊まりセット持ってきた甲斐があったね!」

 

「そうだね。遊星くん、ありがとう!」

 

「準備良いなお前ら……」

 

 俺がOK出すのを前提でそのお泊まりセットを持ってきたのか?きっと俺がNOを出したらかすみが駄々をこねたり可愛い子アピールでお願いしてくるんじゃないのかな?知らんけど。

 

「遊星くんのお家か〜。今度私も行ってみたいな!」

 

「良いですよ。そうだ!金曜日は朝香さんと勉強会しますし、その日家に来ませんか?」

 

「良いねそれ!寮に帰ったら果林ちゃんに相談してみるよ!」

 

 う〜ん……エマさん可愛い!その笑顔をみただけでなんだか心がぽかぽかして来る。

 その日に家に招待した時はエマさんにスイスのこといっぱい聞こうかな?

 それと朝香さんは頭良さそうだし分からない問題とか聞こうかな?

 

「じゃあ今日の授業が終わったら虹ヶ咲書店前に集合ね!」

 

 昼休みが終わって教室に戻った俺は璃奈に今日は一緒に帰れない事を話す。

 璃奈も今日は家でやりたい事があるそうなのでOKしてくれた。

 

「じゃあ璃奈。また明日」

 

「うん、バイバイ」

 

 

 

 俺は教室を出て虹ヶ咲書店前へと向かう。

 それにしても友達を家に招いた事はあるけど泊まらせるのは今回が初めてだな。

 虹ヶ咲書店前に着いたがまだ2人の姿が見えないのでかすみに連絡をする。

 

『書店前に着いたよ』

 

『今しず子と向かってるからもうちょっとだけ待ってて!』

 

『分かった。そんなに焦らなくて良いぞ』

 

『ゆー介ありがとう♡』

 

 スマホでウマ娘の育成をしてしばらく待つ事になった。

 チアネイチャの育成途中だったのでちょうど良かったわ。

 

「おっし……UGランク達成だ!良い感じのステータスにスキルだな。コレで次のチャンミも怖くないぞ!」

 

「わっ!」

 

「にょぴゃああ!!」

 

 ゲームに夢中になっていると背後から両肩に何者かの手が添えられびっくりした俺は変な声が出てしまった。

 

「だっ、誰……!?」

 

「ふふん、かすみんだよ〜♪」

 

「お待たせ、遊星くん!」

 

「あっ、お前らか……てゆか、待ってかすみ、いきなり背後から現れンのやめてくんない。びっくりして思わず癖強めの電波キャラみたいなみたいな声出ちゃったじゃねぇかムッコロスぞコノヤロウ!」

 

「ごめんね〜♪でも〜可愛いかすみんの顔に免じて許して〜♡」

 

「ふふっ、遊星くんも可愛いところあるんだね」

 

「しずく、男に可愛いは褒め言葉じゃあねぇぞ……プー……まぁ良いけどさ、んじゃ行くか」

 

 なんかクロエっぽい返し方しちゃったけどちょっとキャラになりきるの楽しいな。

 帰ってる途中かすみがさっきの電波キャラ声を弄ってきてウザいと思ったけどそれがまた可愛いのだ。

 しずくもクスクス笑ってたけど……まぁ面白ければいっか。

 

 

 

「着いたよ。どうぞ〜」

 

「「お邪魔しまーす」」

 

「勉強の前に先ずは晩ごはんにするか……」

 

「あれ?遊星くんのご両親は?」

 

「親なら遠くで仕事してて暫く帰って来ないから今は一人暮らしみたいなもんさ、洗面の部屋はあの扉だから手洗いうがいしたらリビングに来な」

 

「うん、分かった」

 

「ゆー介。ありがとー!」

 

 2人が洗面のある部屋に入って俺はキッチンへと向かい俺はそこで手洗いうがいをしてから夕飯の準備をする。

 今日のごはんは昨日の晩から仕込んでいたビーフシチューだ。

 

「それにしても2人とも遅いな……手洗いに何分掛かってるんだ?」

 

「お待たせ!ゆー介!」

 

「う〜ん……美味しそうな香り」

 

 2人の声が聞こえたので扉の方を見ると制服姿から部屋着にコスチュームチェンジしたかすみとしずくが入ってきた。

 あっ!着替えてたから遅かったのね……てか2人とも可愛すぎないか!?

 

「遊星くん。今日の晩ごはんは何なの?」

 

「ビーフシチューだ。もちろん俺の手作りな」

 

 かすみとしずくがキッチンに来て俺が鍋の蓋を開けると2人が中を除く。

 このビーフシチューは昔ジャンプでやってた某料理漫画で主人公が作ったのを真似しただけである。

 あの漫画いろんな創作料理があって面白いよね!

 

「うわー!美味しそーう!かすみんも手伝うよ!」

 

「私も何かしようか?」

 

「じゃあかすみは盛り付けたやつを運んでくれ、しずくはこの食器を運んで!」

 

 

 テーブルの上にはビーフシチューとご飯そしてサラダもある。

 因みに俺はビーフシチューと食べるならパンよりご飯派である。

 てゆか、ご飯に合うように作ったんだけどね。

 

「「「いただきまーす!」」」

 

 先ずはかすみとしずくがスプーンでビーフシチューを掬い一口頬張る。

 すると2人の体が一瞬ビクッと震えて飲み込むと数秒くらい無言になる。

 

「ど、どうだ?」

 

「「美味しいー!」」

 

「ほっ……」

 

「口に牛肉を含んだ瞬間ホロっと崩れて最高!ゆー介。やるじゃん!」

 

「それに……はむっ……ビーフシチューってけっこう酸味が強いイメージあったけど、遊星くんのは、ものすごくまろやか!」

 

 しずくはどうやら隠し味に気付いたようなのでその正体を明かす。

 

「実は隠し味に白味噌を使ってるのさ!」

 

「「味噌ぉ!?」」

 

 ビーフシチュー特有の酸味はトマトそのもの……人によってはそれが苦手って場合もある。

 煮込みの最後に白味噌を加えることでその尖った酸味が丸くなって……より日本人好みの美味しさに仕上がると2人に説明した。

 まぁ……これも漫画から得た知識なんだけどね!

 

「すごい……!凄いよ!!こんな美味しいビーフシチューかすみん初めて!」

 

「気に入ってくれて良かったわ〜。うん!美味い!」

 

 

 

「「「ごちそうさまでした!」」」

 

「美味しかったー!」

 

「遊星くんのビーフシチューの虜になっちゃったよ……」

 

 さてと……後片付けでもしますか!2人が手伝おうか?と聞いてきたが俺は大丈夫だから少しだけ休むように言った。

 

 最近は自由時間を増やすために食洗機を買ったので皿を洗う煩わしい時間ともおさらば出来るし手も荒れないから最高だね。

 近々掃除機ロボットも買おうかな?と考えている。

 

「じゃあお風呂沸かすから、それまで勉強するか?」

 

「そうだね!かすみさん。お勉強タ〜イムだよ?」

 

「うう……勉強は嫌だけど、スクールアイドルの為に頑張らないと!」

 

「その粋だぞ!じゃあ俺の部屋に移動だ!」

 

 かすみとしずくを自分の部屋に案内して俺は風呂を沸かす。

 部屋に入ると2人は早速勉強を始めていたので俺も教科書と問題集を鞄から取り出して勉強を始める。

 

「ねぇ、ゆー介ここ教えて?」

 

「数学なら任せろ。ここはな……この公式を使ってみろ」

 

「解けたー!ありがとう!」

 

「他のも似た感じだし同じようにやってみ。しずくは大丈夫か?」

 

「うん、今の所は大丈夫だよ」

 

 流石はしずくだな……普段から落ち着いてるし自分の家でもちゃんと勉強してると感じさせる。

 途中で勉強にやる気を無くしそうになったかすみに俺が「良い点取ったらご褒美にかすみの曲作ってやるぞ!」と言うとかすみはめちゃくちゃやる気を出した。

 

 

 

  ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーーjΣミイ˶º ᴗº˶リ ーー

 

 

 

 お風呂が沸いて最初に俺が入ってその次にしずくが入り最後にかすみが入ると言う順番になり今はかすみが入浴中のため、今はしずくと俺の部屋で2人っきりだ。

 

「いちご牛乳、フルーツ牛乳、コーヒー牛乳の3種類あるんだけど……どれにする?」

 

「じゃあ、いちご牛乳を貰おうかな?」

 

「はいよ」

 

「ありがとう!……ふぅ〜」

 

 しずくはいちご牛乳を飲んで一息つく。

 こうして風呂上がりのしずくを見るとドキドキしてくる。

 

「今日は本当にありがとう。かすみさんの我儘にも付き合ってくれて」

 

「良いんだよ。俺もすっごく楽しかったからさ」

 

「私も遊星くんといっぱいお話し出来て楽しかった。同好会に入ったら楽しい事たくさんしようね!」

 

「そうだな……」

 

 しずくと雑談をしていると風呂上がりのかすみが部屋に入ってきた。

 

「良いお湯だったー!かすみん喉乾いちゃった〜」

 

「3種類の牛乳あるけどどれにする?」

 

「じゃあフルーツ牛乳で!」

 

 かすみがフルーツ牛乳を飲みひと休憩した後に再び勉強を再開させて1時間くらいが経ち歯を磨いた後に今日のテスト勉強は終わりにすることにした。

 あまりやり過ぎても良くないって言うしね。

 時刻は22時になっており23時になるまで俺はベットで、かすみとしずくは床に敷いた布団でそれぞれ自由時間を過ごす。

 

「じゃあもう時間だし寝ようか?」

 

「そうだね。おやすみ遊星くん」

 

「ふわぁ〜おやすみ〜」

 

 

 電気を消して俺はかすみの曲のことを考えながら眠りについた。

 

 

 





エッチなハプニングは起こさない!

エマさんと朝香さんをお家に招けるか!?
そして遊星くんはかすみにテストの点数が良ければ曲を作る約束をしました。マジです!
遊星くんは約束は絶対に守る男なのだ。

なんやかんやで次回は第20話ですか……続くかな?なんて1話で言っておりましたがここまで続くとは思ってませんでしたw

次回は中川さんと勉強会です!お楽しみに!


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EP20 中川さんと秘密の約束


とうとう20話か……オリジナルの話をここまで考えるのに結構頭使ったな……
お気に入り登録と感想をくれる人本当にありがとうございます!これからも頑張ります!

このお話で遊星くんと璃奈ちゃんの担任の先生が登場しますよ!

それではどうぞ!


 

 

 

 スマホの目覚まし設定としてセットした曲「仮面ライダーBLACK RX」が流れて俺は目を覚ます。

 最近平日の日は基本5時に起きるようにしているのだ。

 

「う〜ん……ふわぁ〜」

 

 大きな背伸びをした後に大きなあくびをすると布団で寝ていたしずくが起き上がる。

 かすみはまだ隣で幸せそな顔でぐっすりと寝ている。

 

「おはよう。しずく」

 

「……ん?あっ!おはよう。遊星くん」

 

「取り敢えずリビングに向かうか、かすみはもうちょっとだけ寝かせよう」

 

「そうだね。静かに行こうか」

 

 俺としずくは小声で会話をしてこっそりと物音を立てないように部屋を出る。

 それにしてもしずくって結構早起きなんだな……まぁ鎌倉から来てるし普段もこのぐらいの時間に起きてるんだろうな。

 

「しずくって毎朝何時に起きてるの?」

 

「私は平日だと毎朝5時起きだよ。遊星くんも?」

 

「まぁ最近はね。生徒会にも入ってるからさ」

 

「そういえば会計だったよね?仕事大変なの?」

 

「まぁそうでもないかな?お陰様で会長によく褒められてるよ」

 

 リビングに入って俺は先ずお茶を作りながら朝ごはんの準備をする。

 しずくにはTVでも観ながら待っててと言っておいた。

 緑茶が出来てマグカップに注いでしずくの隣に座ってお茶を渡す。

 やっぱり日本人の朝と言っら緑茶だよね。

 

「はい、お茶どうぞ」

 

「ありがとう」

 

 俺としずくはTVを観ながら温かいお茶を啜りほっと同時にひと息つく。

 

「なんだかこうして2人っきりでいると……同棲してるみたいだね♪」

 

「ゴフッ!ゲホッ……な、ななな何言ってんのさ!?」

 

「あっはは、冗談だよ。遊星くん大丈夫?」

 

「お前が変なこと言うからだろ……!」

 

「ごめんごめん。あっ!かすみさんおはよう」

 

 しずくに揶揄われていると、かすみがまだ眠そうな感じでリビングに入ってきた。

 

「おはよ〜……しず子……あとゆー介も」

 

「なんかついでみたいに言われたな、まぁ良いか……おはよう」

 

 俺はかすみにも温かい緑茶の入ったマグカップを渡して俺は朝ごはんを作り始める。

 今日はご飯と味噌汁そしてベーコンエッグという簡単なメニューである。

 朝食を食べ終えて食洗機を動かした後に俺たち3人は歯を磨いて制服へと着替え学校へと向かう。

 

 

 

  ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーーjΣミイ˶º ᴗº˶リ ーー

 

 

 

 学校に着き教室が別の2人とは途中で別れて俺も教室へと歩き出す。

 今日は中川さんと勉強会をする予定になっているため昼休みに生徒会室でお弁当を食べる約束もしていている。

 

 教室に着き中に入ると早く来たため生徒の人数は少ない。

 俺は席に着いてHRの時間になるまで勉強をしよう……と思ったけどイヤホンで仮面ライダーWの主題歌や挿入歌を聴きながら風都探偵の漫画を読み始めた。

 おやっさんが歌う「Nobody's Perfect」とか結構好きです。

 

 暫くすると生徒たちが次々と教室に入って来て室内が賑やかになる。

 

「おはよう。遊星くん」

 

「ん?おう!おはよう璃奈」

 

「その漫画って風都探偵だよね?アニメが凄く楽しみ!」

 

「マジそれな。仮面ライダーがアニメでどんな感じに動くのか興味深いよな」

 

「そうだね。ゾクゾクするね」

 

「それで璃奈。俺、今日の昼は会長とご飯食べてその後一緒に勉強する約束してるんだけど良いかな?明日は一緒に食べようね」

 

「うん、良いよ。私は愛さんと食べるから」

 

 

 

「はーい、皆んな!HRを始めるわよー!」

 

 チャイムが鳴り俺達クラスの担任の先生である支倉伊織先生が入ってきてHRが始まる。

 因みに伊織先生の担当教科は国語で一部の生徒からはイオちゃん先生とかちゃんイオなんて風に呼ばれている。

 若い先生や仲良くなった先生にあだ名みたいなの付ける人偶にいるよね。

 

 

 

「はい、今日はここまで!」

 

 HRから暫く時間が経ち4時間目の国語が終わった。

 俺は席から立ち上がり鞄から弁当と勉強道具をまとめたトートバッグを持つ。

 

「じゃあ璃奈。また5時間目に」

 

「うん、行ってらっしゃい」

 

 俺は教室から出て行き中川さんと待ち合わせをしてる生徒会室へと向かう。

 扉の前に立ちノックをすると中川さんの「どうぞ」と言う声が聞こえたので室内へと入る。

 

「失礼します。こんにちは、中川さん!」

 

「よく来ましたね。どうぞ、私の隣に」

 

 中川さんは生徒会長が座る椅子ではなく何時も会議で会計の俺や副会長さんなどが座っているソファで待ってくれていた。

 

「それではお弁当を食べてその後は約束通り一緒に勉強を始めましょうか!」

 

「そうですね。中川さん」

 

 

 

 お弁当を食べ終わり早速勉強に取り掛かることになり、俺は今回理科をやっていて中川さんは国語をやっていた。

 

「星野さん。テスト勉強は順調ですか?」

 

「あぁ……はい今の所出された範囲の半分くらいまで進んでます。中川さんは如何ですか?」

 

「私もです。来週の試験良い結果が出せれば良いですね」

 

「はい!1番狙うつもりで頑張ります!」

 

「その粋ですよ……あの、星野さん?」

 

「はい?なんでしょう?」

 

 中川さんが俺を呼んだので隣を振り向くと中川さんがモジモジしていた。

 

「少々席を外します。直ぐに戻りますから!」

 

「ゆっくりで良いですよー!(多分お花摘みだな)」

 

 中川さんが急いでソファから立ち上がり生徒会室を出て行ったので現在室内にいるのは俺1人だ。

 勉強は中川さんが戻って来るまで一旦休憩にしようと思い俺は中川さんがいつも座っている生徒会長の席の方を見る。

 あそこに座るとどんな気分になるのか興味本位で座ってみることにした。

 

「おお……これは中々良いな……なんだか時の王者になった気分だわ〜。なんか行ける気がする!……なんつって」

 

 俺が生徒会長の玉座に座っていていると床にブックカバー付きの本が落ちていたのでそれを拾う。

 この本のサイズだと漫画かそれとも小説か?本を開くと先ず出てきたのはこの本のタイトルであった。

 ラノベか……しかも俺が今絶賛アニメで見返してる「俺ガイル」じゃん!俺は雪ノ下推しだぞ!はやみんの声が好きです。

 

 ふ〜ん……ラノベってこんな感じなんだな……内容本編の前にキャラのイラストとかがある感じなのか。

 読み進めていくと途中でキャラのイラストとかもあるんだね。

 

 因みに俺の家にあるのは好きな作品の漫画と仮面ライダーの小説が全部家の本棚にあるくらいでラノベは一冊も無いのだ……お前それでもオタクか?と疑われそうだけど俺は絵がいっぱいある漫画の方が好きなんです!

 あとインクの匂い?みたいなのが結構好きだな……わかりみの人いるかな?

 あとアニメ見て気に入った作品の原作漫画はつい買いたくなっちゃうんだよね。

 

 俺はつい夢中になってしまい生徒会長玉座に座ったまま拾ったラノベを読んでいた。

 アニメでこの作品を初めて知って観てたけど小説だとこんな感じになってるんだな……ラノベとは実に興味深い。

 

「あ、あの……星野さん?どうして私がいつも座ってるの椅子に?」

 

「……ん?って、にゃあああ!?」

 

 前から声がしたのでラノベを途中で閉じて真正面を向くと苦笑気味の中川さんが立っていたのに気付いて思わずびっくりしてしまいその勢いのあまり椅子から滑り落ちて尻餅をついた。

 

「だ、大丈夫ですか!?星野さん!」

 

「いってて……俺は大丈夫です。すみません」

 

 中川さんが俺のそばに来て手を差し伸べてくれたので中川の手を掴んで起き上がる。

 

「それで……何をしてたんですか?」

 

「つい出来心で生徒会長の椅子に座ってみたいな〜と思って……それで床に落ちてたこの本を拾って開いてみたら俺の好きな作品のラノベだったのでつい夢中になって読んでしまいました……」

 

「はぁ……そういう事でしたか……(まさか星野さんもこの作品が好きだったとは!語り合いたいですが今はせつ菜では無く生徒会長の菜々です。ここはビシッと行かないと!)」

 

「あの……中川さん」

 

「何ですか?」

 

「この本ってもしかして中川さんのですか?」

 

「い、いえ!違いますよ。別の人のじゃ……」

 

「あ、栞が落ちちゃった……この栞に中川菜々って書いてありますよ?」

 

 と俺が言うと中川さんは額から冷や汗を出していた。

 まぁ、貴女がオタクであるということはせつ菜さんの姿でもう分かってるんですけどね。

 ここは上手く演技をして俺が貴女の正体を知らないと誤魔化さねばな。

 

「中川さんってアニメ好きなんですか?」

 

「あ、いや……その……はい、大好きです(ついに言ってしまいました。でもこの状況言い逃れ出来ませんし……星野さんに幻滅されるかも)」

 

「そうなんですね!実は俺もアニメとか大好きなんです!まさか中川さんも俺と同じだったなんて……嬉しいなー!」

 

「あ、あれ?(幻滅されてない?むしろ喜んでいる?)」

 

「中川さんって今季のアニメはチェックしてるんですか!?」

 

「ほ、星野さん……」

 

「ん?どうしました?」

 

「変だとは思わないんですか?生徒会長がアニメ好きだなんて……」

 

「?俺は別に変だとは思ってませんよ。そもそも好きな物に性別も年齢もどんなに偉い人でも関係ありませんし、何より俺は中川さんの好きな物が知れて良かったなって思ってます」

 

 俺が最初の頃に思っていた生徒会長中川菜々さんは優しくて真面目でクールで笑顔が素敵な……そんな人物だ。

 でも今はせつ菜さんと出逢ってから中川さんの姿でオタク話をすることが出来るのを心待ちにしてる自分がいた。

 

「俺は中川さんの事もっと知りたいし、もっと仲良くなりたい!どんな中川さんでも俺は嫌いになんてなりませんよ。全部ひっくるめて中川菜々さんなんですから……って、ゔぇ!?」

 

 俺が中川さんに対して色々と喋っていたら中川さんの目から涙が出ていた。

 

「す、すみません中川さん!俺何か変なこと言いました!?」

 

「い、いえ……違うんです!こんな事言われたの生まれて初めてだったので……凄く嬉しくて……ありがとうございます!」ペカー

 

 中川さんは涙を拭った後に満面の笑みでお礼を言ってきた。

 はぁぁ……その笑顔やっぱり素敵だなと思っていると昼休み終了前のチャイムが鳴る。

 

「中川さん。もうそろそろ午後の授業始まりすし教室に戻りましょうか」

 

「あの!星野さん!」

 

 俺が生徒会室から出ようとした時に中川さんに呼び止められた。

 

「今日は……その……一緒に帰りませんか?」

 

「はい、そうしましょうか!じゃあ放課後に生徒会室で会いましょう」

 

 

 

ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 6時間目の授業が終わり終礼をした後に俺は璃奈に生徒会長に呼び出されたので今日は一緒には帰れないと告げた。

 

「じゃあ、また明日ね璃奈」

 

「うん、バイバイ」

 

 

 

「お待たせしました!」

 

「星野さん……それでは帰りましょうか」

 

 マンションまでの帰り道に俺と中川さんはアニメの話で盛り上がっていて特撮の事についても熱く語りあった。

 楽しい……中川さんと話すのが凄く楽しい!話すのについ夢中になっており気付けばとっくにマンションに着いてしまった。

 俺が家の中に入ろうとすると中川さんがある約束をしてほしいと言った。

 

「あの……他の皆さんには私がアニメ好きなのは秘密にして欲しいんです」

 

「やっぱり恥ずかしいとかですか?」

 

 中川さんはコクリと頷く。

 

「分かりました。約束します!でもいつかは話せると良いですね。中川さんの好きな事を」

 

「はい!それではまた明日!」

 

 俺と中川さんは指切りをした後にお互い家の中に入る。

 夕食を食べて風呂や歯磨きを済ませてベッドの上でくつろいでスマホをいじりながらいると突然あゆ姉から電話が掛かってきた。

 

『もしもし遊星くん。今大丈夫?』

 

「ああ……てかあゆ姉から電話って珍しいというか初めてだな」

 

『ふふっ、そうだね。それで明日の勉強会なんだけど私の家でやらない?侑ちゃんとはもう話してるんだ』

 

「あゆ姉の家か……分かった!でも明日は友達と帰りながらあゆ姉の家に向かうでも良いかな?」

 

『それでも良いよ。じゃあまた明日ね』

 

「うん、おやすみ〜」

 

 

 俺は部屋の明かりを消して目を閉じて眠りについた。

 テストが終わったら中川さんを家に招いて一緒にアニメでも観ようかな。

 

 

 




支倉伊織(はせくらいお)
CV.伊藤静
今年の春虹ヶ咲学園に先生の1人として入ってきた新米教師で遊星と璃奈のクラス担任である。
担当教科は国語で色気のある声が特徴的なのか色々な生徒からも大人気な先生だ。

中川さんが知られた秘密とはせつ菜ではなくオタクだということ……でも遊星くんにせつ菜だと見抜かれてることは知らない
好きな物に性別も年齢も関係ない……私の好きな言葉です。

沢山の感想お待ちしております!

次回はゆうぽむ回です!またね!


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EP21 雨の日とゆうぽむ


今日はゆうぽむと勉強会です。

皆さんは雨はどう思いますか?

それではどうぞ!


 

 

 

 目が覚めると外からザーザーと音が聞こえたのでカーテンを開けて外を確認すると雨が降っていた。

 そういえば昨日の朝TVで今日は一日中雨の予報って言ってたな。

 雨は正直好きでもあれば嫌いでもあったりする。

 

 雨の好きなところといえば気温が低く涼しいのと休日の時だと家でのんびり出来るってのが好きなくらいだな。

 嫌いなところは湿気でじめじめしたりするし、何より洗濯物が乾きにくい。

 

 俺は朝食を済ませた後に制服へと着替えてスクールバッグと折り畳み傘そして雨で濡れたらと思い念の為着替えを持って玄関へと向かう。

 

「なんか気が重いけど学校行くか……」

 

 扉を開けて鍵をかけてエレベーターまで歩いていると後ろから足音が聞こえてきた。

 振り向くとそこには中川さんが俺の方に歩いて来るのが見えた。

 

「星野さーん!」

 

「おお、中川さん。おはようございます」

 

「おはようございます。今日は生憎の天気ですね」

 

「そうですね。じめじめした暑さとか俺好きじゃないんですよね」

 

「それ何となく分かります。それに雨の日だと私の場合は髪が広がったりうねったりして本当に参ってしまいます」

 

「女性で特にロングヘアの人とか大変そうですよね」

 

 と会話をしながら俺と中川さんは傘をさしてマンションを出て学校へと向かう。

 知り合いでロングヘアの人といえばしずくと後はあのツインテを解けばゆー姉も長髪に入るよな?それと目の前にいる中川さんとかだな。

 

「ショートヘアの人でもなる人でも苦労する人とかもいるんですよ。くせ毛になったりとか」

 

「へぇ……あ、それと洗濯物を干しても乾きが悪くてこれも大変です」

 

「それには私の母も洗濯物に関してはよく悩んでます」

 

 全国の主婦の悩みだよね……まぁ雨の話は置いておいてアニメの話をしよう。

 楽しいことを話せば天気は悪くても心は晴れるかもしれないしね。

 

「そういえば中川さんは今季の阿波連さん観てますか?」

 

「もちろんです!阿波連さんとライドウくんの距離感には毎回ドキドキしっぱなしですし何よりライドウくんの妄想が凄く面白くてつい笑ってしまいます」

 

「分かります。毎度狂気じみてますよね」

 

「ふふっ、何だか好きなことを話してると雨がどうでも良くなってきましたね。やっぱりアニメを語り合うのは最高です!(いつかはスクールアイドルについても詳しいことを教えたいです)」

 

「俺も凄く楽しいです!」

 

 今季のアニメの話をしているうちにあっという間に学校に着いてしまった。

 もっともっと話し合いたいのだがまた今度にしよう。

 

 俺はご機嫌顔の中川さんと別れていつものように教室へと向かい教室で阿波連さんのEDを小音で聴きながらテスト勉強をすることにした。

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 お昼休みになり俺は璃奈と昼食を食べることにするのだが……外は雨だしいつもの屋上は無理ということで教室で机同士をくっつけて食べることにした。

 

「今朝に比べてだいぶ降りが増してるね。璃奈は雨って好き?」

 

「う〜ん……あんまり好きじゃないかな。気分が落ちると言うか」

 

「やっぱり雨が好きじゃないって人多いのかな……」

 

「あと髪がくせ毛になったしするし……でも休日で何もしない日に家でのんびりゲームが出来るという点で考えると雨の日も悪くないと思ったりもするよ」

 

 髪の悩み以外雨が良いなと思ったことが俺とほぼ同じ考えじゃん……まぁ天気悪いとテンションが下がるのは分かるわ。

 

「璃奈。食べ終わったら一緒に音楽室行かないか?」

 

「音楽室に?」

 

「うん、勉強はしすぎても良くないし気分転換にピアノを弾きたくてさ」

 

「遊星くんってピアノ弾けたの?」

 

「ああ、昔YouTubeで特撮の曲弾いてみた動画をきっかけでピアノ教室に通ってたんだよね。仮面ライダーの主題歌や挿入歌とか弾けるしよ。来るか?」

 

「うん!遊星くんのピアノ聴いてみたい!」

 

「よし、決まりだな!」

 

 弁当を食べ終わった後に俺と璃奈は教室を出て音楽室に向かう。

 道中で会長に電話をして許可を取ろうとしたが偶然にも書記で双子の佐藤姉妹に出会いちょうど良かったのでこの2人から許可をもらった。

 

「何聴きたい?」

 

「じゃあエグゼイドの曲できる?」

 

「良いぞ!じゃあ早速「EXCITE」からだ!」

 

 俺は「EXCITE」から弾き始めて途中からエグゼイドの挿入歌に切り替えるメドレー形式で弾くことにした。

 挿入歌は「PEOPLE GAME」「Wish in the dark」「Real Game」「JUSTICE」「Time of Victory」の5曲を弾いた後に最後に劇場版主題歌の「Life is Beautiful」で締めた。

 エグゼイドメドレーを弾き終わると目を輝かせた璃奈が拍手をしてくれた。

 

「凄いよ!遊星くん!最後に「Life is Beautiful」を持って来るのは鳥肌立った」

 

「ありがとう!……って、もうこんな時間か、璃奈また機会があったら他にも好きな曲弾くよ!」

 

「うん!楽しみにしてる!」

 

 教室に戻る途中に璃奈は次に弾いてほしい曲をいっぱいあげてくれた。

 オーズのコンボソングメドレーもやってあげよう。

 

 

 

 放課後になり窓の外を見るとまだ雨が降っている。

 俺は帰る準備をして璃奈と一緒に教室から出て帰ることに。

 

「よし、行くか……璃奈」

 

「うん!」

 

 お互いに鞄から折り畳み傘を出して開いて歩きだす。

 俺は今日あゆ姉の家へと行くことになっているのでいつもとは違う道で璃奈と別れることになった。

 

「じゃあ璃奈。雨だから足元とか車に気を付けてね」

 

「心配してくれてありがとう。遊星くんも気を付けてね」

 

 

 

 電車に乗って東京テレポート駅に到着した俺は駅の外に出てバス停の近くでゲームをしながらバスの到着を待つ事に。

 

「ふぅ〜」

 

「ひゃん!」

 

 骨伝導イアホンを着けながらゲームをしていると何者かが耳に息を吹きかけられたので変な声が出てしまった。

 

「だっ……誰!?」

 

「私だよ遊星!な〜に?「ひゃん!」って……プフッ」

 

「ゆー姉かよ……ってか笑うなー!」

 

「でも可愛かったよ?」

 

「可愛くないわー!ったく……あれ?あゆ姉は?」

 

「歩夢なら……遊星の後ろだよ」

 

「ん?おわっ!?いつの間に……」

 

「うふふっ、さっきの遊星くん女の子みたいな声出てたよ?」

 

「忘れろー!あゆ姉忘れろー!」

 

 にゃぁ〜!恥・ず・か・し・い・け、ど……ゲームに夢中になってた俺も悪いしな……。

 

「あっ!バス来たよ。さっさと乗るぞ!」

 

 俺たち3人はバスの中に乗り込み1番後ろの席に座る。

 バス内でも先ほどの変な声のことを特にゆー姉に弄られて恥ずかしかった。

 

 

 

 バスから降りてゆー姉は自分の家で着替えてからあゆ姉の家に来るとのことで俺が先に上原家にお邪魔させてもらった。

 

「ただいま!」

 

「お邪魔しまーす」

 

「歩夢おかえりなさい。あれ?その男の子は?」

 

「お母さん、遊星くんだよ」

 

「……思い出したわ!あの星野さんの!立派になったわね〜」

 

「はい、めっちゃお久しぶりです」

 

 俺はあゆ姉の母ちゃんに挨拶した後にあゆ姉の部屋へと案内された。

 部屋に入るとまさしく可愛らしい女の子の部屋という感じであった。

 紫色の蛇の縫いぐるみの隣に俺が前にクレーンゲームで取ってプレゼントした緑の面子が特徴的なサイレンススズカの競走馬縫いぐるみが置いてあった。

 

「ここに座って待ってて!飲み物持って来るから」

 

「ありがとう」

 

 あゆ姉が部屋を出て俺は部屋を見渡す。

 それにしても本当に可愛らしい部屋だな……あゆ姉って結構女子力高くなったな。

 

「お待たせー!飲み物持ってきたよ。ほら、侑ちゃんも入って」

 

「うん、じゃあテスト勉強始めよっか!」

 

 制服から着替え勉強道具を持ってきたゆー姉があゆ姉と一緒に入ってきた。

 

「そうだな!」

 

 という訳で、あゆ姉の部屋で勉強会が始まった。

 勉強中に2人が1年生だったころのテスト結果を聞いたところによると、ゆー姉は平均点を取る事が多くて、あゆ姉は結構点数が良いとゆー姉が言った。

 

「なるほどな……」

 

「遊星くんは中学の頃はどうだったの?」

 

「俺か?そうだな……結構上位だったよ。偶に総合1位とか取ったことあるし」

 

「「ふ〜ん……い、1位!?」」

 

「遊星って…….そんなに頭良かったんだ!」

 

「教えてくれた先生が良かったんだな〜って思ってるよ」

 

「その先生って遊星くんが群馬にいた頃の?」

 

「そうだよ。中学3年の時はその先生が東京で教師になるために群馬から離れちゃったんだけど偶然にも虹ヶ咲で会っちゃってさ!しかも生徒会の顧問もしてるんだ!」

 

「あ〜……似々花先生のことか……」

 

「え、知ってるの?」

 

「うん!だって私のクラスの担任だからね!」

 

「似々花先生って頭の回転早いよね。遊星が頭良いのも納得がいく」

 

 へぇ……あの人今は2年生のしかもあゆ姉のクラス担任もしてたんだ。

 担当教科は数学でゆー姉のクラスでも授業をしてるから知ってるらしい。

 あの人の今に関しては生徒会の顧問をしてること以外何も知らない。

 

「2人から見た似々花先生どんな感じよ?」

 

「そうだね。いつも冷静で授業も凄く分かりやすいよ」

 

「あと台を使わないと黒板の上が届かないくらい身長が低いから、つい可愛いって思っちゃうんだ!」

 

「ゆー姉。あの人に背小さいとか思うのは良いけど言うのはやめとけよ……恐ろしいことが起こるから」

 

 俺がガチトーンで言うと2人の背筋が震え顔が青ざめると首を縦に2回早く降った。

 

 

 

 

 ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

 勉強会から数時間経ち、ゆー姉は自分の家へと戻り俺は上原家にて夕飯をご馳走してもらった。

 今日の夕飯はあゆ姉が作ってくれたハンバーグがすごく美味しかった。

 

「じゃあ俺は帰るよ」

 

「外まだ雨が降ってるけど大丈夫?」

 

「多分大丈夫だろ。んじゃ!」

 

 と言うと同時に玄関の扉を開けると雨の勢いがあゆ姉の家に入る前よりものすごく増していた。

 最っ悪だ……でも頑張って帰らないと……。

 

「ねぇ遊星くん」

 

「ん?何?」

 

「家に泊まってく?この勢いじゃ道中危ないだろうし……」

 

「じゃあ……お世話になります」

 

 カッコよく出て行こうとしたのにこのザマとか……めっちゃ恥ずい。

 

「じゃあお風呂沸いてるし入ってきて?ワイシャツとか下着とか洗濯しておくよ」

 

「ありがとう……あゆ姉」

 

 あゆ姉の慈愛の笑顔が眩しすぎて涙が出そうだ。

 もし雨で服とかが濡れたらと思って着替えとか持ってきといて良かったわ。

 

 

 

「風呂上がったよ。あゆ姉」

 

「分かった。じゃあ私も入って来るね」

 

 あゆ姉が風呂に入りに行ったので俺は部屋でTTFCを開いて最近見始めたビーファイターの続きを見る事にした。

 ギャバンやメタルダーなどのメタルヒーローシリーズなんかを見てるとTwitterで呟くと昭和生まれですか?と言われたりする。

 

 バリバリの平成生まれなんですけどねぇ……昔の特撮は色々な工夫がされてて面白いんだ。

 

「ふぅ〜さっぱりした〜」

 

 数十分くらい経って次は仮面ライダー龍騎の王蛇初登場回を観ている時に風呂上がりのあゆ姉が部屋に入ってきた。

 前にゆー姉の家に泊まりに来たときに着てた全体的にピンク色のパジャマが女の子らしくて可愛い。

 

「何見てるの?」

 

 あゆ姉が俺の近くに座ってきて俺のスマホを覗く……あゆ姉から甘い香りがする。

 

「仮面ライダー龍騎だよ。平成の3作目」

 

「ふ〜ん……この紫色の蛇サスケみたい」

 

「サスケ?」

 

「うん!あの蛇の縫いぐるみだよ」

 

 あれか……確かに色がベノスネーカーと同じ紫だもんな。

 そんな事を考えていると疲れたのか大きなあくびをした。

 

「明日も学校だしもう寝よっか?」

 

「そうだね。歯磨いて来るよ」

 

「私も一緒に!」

 

 俺はあゆ姉と一緒に歯を磨いたので後は寝るだけなのでベッドの隣に敷かれた布団で寝る事にした。

 

「じゃあ、おやすみ」

 

「うん……あゆ姉おやすみ」

 

 

 

 電気が消えて俺は眠りにつく……寝てる時にお腹辺りにマシュマロのような柔らかい何かがあたっている違和感を感じたが朝になるまでその正体がなんなのかは不明であった。

 

 

 





エグゼイドの挿入歌って神曲揃いだと思いますね。マイティブラザーズが活躍した時に流れた「Let's Try Together」も結構いい曲ですよ!

ゆうぽむは遊星くんの後ろ姿を発見して後をつけて驚かそうと考えてたそうです(ゆー姉考案)

大雨のためやむおえず上原家に泊まる事になった遊星くん
皆んなは龍騎だとどのライダーが好き?僕は王者ですね。ガンバライドでパーフェクトレア当てたのがいい思い出だ

遊星くんが寝ている時に感じたお腹にあたる何かの違和感は次回分かるよ!

そして次回はエマさんと久々の果林姉さんが登場するのでお楽しみに!


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EP22 3年生のお姉さんと過ごす週末


投稿遅れてすみません!遅れた理由はなのですが今25話までを書いてて、23と24は出来てて現在は途中保存されてる状態です。
夢中に考えまくって書いてて話数のストックを増やそうと念のためやってたら投稿するのすっかり忘れてましたw

今回はエマさんと久々の果林さん登場ですよ!

それではどうぞ!


 

 

 

「う……う〜ん……もう朝か?」

 

 俺はスマホから鳴るアラームで目を覚ましてカーテンの隙間からは明るい光が差し込んでいる。

 知らない天井だなと思ったがそういえば俺ってあゆ姉の家に泊まったんだよな?とふと我に帰る。

 

「そろそろ起きねぇと……ん?」

 

 起きようとするが少々身動きが取れなくなんならお腹辺りに柔らかい感触と温もりを感じる。

 おかしいな……あゆ姉はベッドで寝てるしまさかね……横になりながら首を下に向けるとあゆ姉が俺に抱き枕のようにして寝ていた。

 

「は!?」

 

 お腹の変な柔らか感触はあゆ姉のおっぱいが俺の腹に当たっていたからだったのか!

 ヤバい……オタクの俺には刺激がツエーイ!

 

「う〜ん……遊星くん?おは……よ……」

 

「「うわぁぁーー!!」」

 

「何であゆ姉が俺が寝てる布団の中に!?」

 

「わ、分かんな……はっ!そういえば!」

 

 あゆ姉は戸惑っていたがちょっとだけ落ち着いて何で俺の布団に入ったのかを思い出したらしい。

 夜中にお手洗いに行っていて自分のベッドに戻ろうとしたが寝ぼけてつい俺の布団の中に潜り込んでしまったという……うんうんそれなら仕方ない……ってそうはならんやろ。

 

「と、取り敢えず離れて!」

 

「うん……ごめんね。遊星くん……ぷしゅ〜……(顔が熱い)」

 

 俺から離れたあゆ姉は両手を頬にくっつけて顔を真っ赤にしてぐるぐる目になっており、何だかプリコネに出てくるユイちゃんみたいで可愛い。

 いえ怒っておりませんし、寧ろありがとうございます。

 それと頭からなんか湯気みたいなん出てるけど大丈夫か?

 

「じゃあ私キッチンで朝ごはんとお弁当作りに行ってくるから遊星くんは部屋でゆっくりしててね。出来たら呼ぶからね!」

 

 とまだ顔を真っ赤にしながらあゆ姉は自分の制服を持ちながらそそくさと部屋を出て行った。

 

 カーテンを開けて外を見ると昨日の夜に降ってた大雨からは一変しており眩しい太陽と雲一つない青空が広がっていた。

 こんな天気の良い日は重い荷物を枕にして芝生の上に寝転がりたいもんだな……そんでもって青空に向かってサムズアップをしたい。

 

 俺は制服に着替えて暫くのんびりしていると制服の上にピンク色のエプロンを着たあゆ姉が入って来た。

 

「ん?ご飯できたの?」

 

「もうちょっとだよ。その前に侑ちゃんにモーニングコールしなきゃ」

 

「ゆー姉に?」

 

「うん、侑ちゃん朝に弱いからね。遊星くんは結構早起きなの?」

 

「まぁ最近平日は5時起きだし休日は6時か7時に起きるな」

 

「遊星くんはちゃんと自分で起きられて偉いね」

 

 昔はニチアサの特撮の前にやってたアニメを観るために早起きしたもんだ。

 あゆ姉はゆー姉を起こすために着信ボタンを押した後にベランダへと移動したので俺もその後に続くて行く。

 

「おはよう侑ちゃん」

 

「ふわぁ〜……おはよう歩夢……ってなんで遊星もいるの!?」

 

「おはよ!まぁ詳しい話は登校中にしようぜ?」

 

 俺とあゆ姉そしてあゆ姉の母ちゃんと朝食を食べた後に玄関から出てマンションの外でゆー姉を待つ事になった。

 

 

 

  ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

 登校中のバス内で俺があゆ姉の家に泊まっていた理由をゆー姉に話す。

 

「成程ね。確かに昨日は雨強かったからしょうがないよね……で、何で2人とも顔がちょっぴり赤いの?」

 

「「ナンデモナイヨ」」

 

「そ、そう?(何かあったなコレは)」

 

 俺とあゆ姉カタコトになっちゃった。

 まぁ気持ちは分かるよ……幼馴染とはいえ年頃の男女が同じ布団で寝てたんだもん。

 

 学校に着いた俺たち3人はそれぞれ自分の教室に向かう事になった。

 俺が自分のクラスがある教室の方向へと歩こうとした時あゆ姉に呼び止められた。

 

「ねぇ遊星くん!」

 

「何?」

 

「あの……これお弁当!遊星くんが昨日お風呂入ってる時に遊星くんのお弁当箱洗って今朝作ったの」

 

「これは俺の弁当箱だ。あ、ありがとう」

 

「じゃあ今日も頑張ろうね!」

 

「うん、またね」

 

「バイバイ、遊星!」

 

 

 

 俺はあゆ姉から弁当を貰って鞄に入れてから教室へと向かった。

 今日はゆっくり来たため教室に入ると璃奈は既に教室にいてスマホをいじっていた。

 

「璃奈おはよう」

 

「おはよう。遊星くん」

 

「昨日の夜は雨が凄かったな」

 

「でも今日は晴れてよかったね」

 

「そうだな。今日はいつもの場所で食べようか?」

 

「うん、良いよ」

 

 璃奈と話していると机の上に置いたスマホから着信音が鳴った。

 画面を見るとエマさんからだったので俺は教室の外に出て電話をする事に。

 

「はい、もしもし、遊星です」

 

『あっ!遊星くん。おはよう』

 

「おはようございます。エマさん、それで何か?」

 

『火曜日に果林ちゃんと遊星くんの家に行くって言ってた話なんだけど、果林ちゃん大丈夫だって!』

 

「それは良かったです。じゃあ今日の放課後に学校のコンビニの所で待ち合わせしましょう」

 

『分かった。果林ちゃんにも伝えておくね!』

 

「よろしくお願いします。それでは!」

 

『またね♪』

 

 通話を切って教室に戻り席に座るとちょうどチャイムが鳴りHRが始まった。

 

 

 

 午前の授業が終了しお昼休みの時間になったので俺は璃奈と一緒に屋上へと向かう。

 途中で偶然 愛さんと出会ったので愛さんも加えた3人で弁当を食べた。

 

「今日のほっしーのお弁当可愛らしいね」

 

「これは幼馴染が作ってくれたんです。昨日従姉弟と幼馴染と勉強会をしに2人が住んでるマンションに行ったんですけど、帰る時すごい大雨で泊めてもらうことになって、それで今朝、幼馴染が弁当を作ってくれたんです」

 

「ほっしーって幼馴染に従姉弟いるの?」

 

「はい、GWの時に10年ぶりに会ったんです。2人とも一つ年上なので愛さんと同じ学年ですね。普通科の娘ですけど(あゆ姉の卵焼き美味いわ〜)」

 

「10年ぶり……確か遊星くんって今年の春に引っ越して来たって言ってたよね?」

 

「そうなんだ!元々どこに住んでたの?」

 

「群馬県ですよ。東京には父ちゃんの仕事の都合で来たんです」

 

「そうなんだ。昔のほっしーってどんな感じだったの?」

 

「そうですね。今と比べたら結構変わったなって実感はあります。昔は友達1人もいなくてずっと家でゲームしたりアニメ観てました」

 

「友達多そうだと思ったけど、以外だな〜……今は学校楽しい?」

 

「はい!璃奈と初めて友達になって愛さんに会ってそれからバイトを始めたり生徒会に入ったり色々な人と友達になれて……毎日がとても楽しいです」

 

「私もあの時遊星くんに話しかけられなかったら今の私は無いと思ってる。本当にありがとう」

 

「お礼を言いたいのはこっちもだよ。友達になってくれてありがとう」

 

「うん!(遊星くんの手あったかい……それに凄く落ち着く)」

 

 弁当を食べ終わった俺はお礼を言いながら璃奈の頭をつい撫でてしまったが、この前撫でた時恥ずかしいと言っていた璃奈はこの行為を何故か素直に受け入れてくれた。

 やっぱ璃奈の頭は撫で心地が良いですな〜。

 

「ふふっ、2人とも相変わらず仲がいいね〜」

 

「俺たち大親友だもんな!」

 

「うん!」

 

 あれ?今一瞬だけ璃奈の表情が笑ったような……気のせいか?

 取り敢えず弁当を食べ終わった俺たち3人はそれぞれ教室へと戻り午後の授業の準備を始めた。

 

「そうだ……あゆ姉に美味しかったって送っとこ!」

 

 あゆ姉に美味しかったと送るとすぐにメッセージが返ってきた。

 

『ありがとう。また機会があったら作ってあげるね!』

 

 

 

 

 午後の授業が終わり放課後になったので俺はエマさんと朝香さんと待ち合わせをしている学校内にあるコンビニへと向かう前に璃奈とちょっとだけお話し。

 

「璃奈。今日は用事があるから一緒には帰れないけど明日の愛さんとの勉強会楽しみにしてるね」

 

「分かった。また明日ね」

 

「おう!サラバーイ♪」

 

 ツーカイザーことゾックスが場から去る時に使う台詞を残して俺は教室を後にした。

 

 コンビニ付近に着いた俺はエマさんと朝香さんを探す。

 

「えっと……どこだ?」

 

「おーい!遊星くーん!」

 

「エマさん!それに朝香さんも、こんにちは!」

 

「遊星くん何だか久しぶりね。元気にしてたかしら?」

 

 朝香さんに会うのはマジで久しぶりだな……連休明けの挨拶運動以来だけど、相変わらずのナイスバディですね。

 

「はい!ウルトラ元気ですよ。それでは行きましょうか!」

 

「遊星くんのお家楽しみだね。果林ちゃん」

 

「そうね」

 

 こうしてエマさんと朝香さんと一緒にマンションへと向かうことになった。

 

 

 

 ーー (ζル ˘ ᴗ ˚ ルヘ ー╰*(..•ヮ•.. ) *╯ーー

 

 

 

「ここが遊星くんが住んでるマンションか〜」

 

「はい、今年の春に引っ越してきて親が遠くで働いてるので今はここで一人暮らししてます」

 

「遊星くんは大変ね。生徒会もやってるのに」

 

「もう慣れちゃいましたよ。ささ、どうぞ!」

 

「「お邪魔しまーす!」」

 

 俺はエマさんと朝香さんを中に通して2人には俺の部屋で待ってもらうことになり、飲み物を淹れにキッチンへと向かった。

 2人の注文でマグカップに朝香さんには珈琲をエマさんにはココアそして俺のには紅茶を淹れた。

 

「お待たせしました」

 

「ありがとう遊星くん……う〜んBuono!」

 

「このコーヒーいい香りね……美味しいわ」

 

「それにしても遊星くんの部屋って凄いね!アニメのグッズでいっぱい!」

 

「日本のアニメ最高ですよ。エマさんも好きになると思いますよ」

 

「今度お勧めのアニメ教えてね?」

 

「良いですよ。それじゃあ、それ飲みながら勉強しましょうか!」

 

「ゔっ!そ、そうね!」

 

 あれ?朝香さん若干焦ってませんか?額にちょっとだけ汗が出てますよ。

 まさかとは思うけど……かすみと同じで勉強ピンチなのか?

 朝香さんは今数学をやっており俺とエマさんは英語を勉強してる。

 

「朝香さん、そこ間違ってます」

 

「遊星くん、3年生の数学わかるの!?」

 

 朝香さんは冷静な表情を保ちながら驚いた声を出す。

 

「はい、この前も数学がピンチって言ってた3年生の先輩にも教えた事あったんで」

 

「遊星くん凄いね!(もしかして彼方ちゃんの事かな?)」

 

 数時間くらい勉強を続けていると時間は18時を回っており、そろそろお腹が空く時間だろう。

 

「お腹空いてきたね」

 

「良かったら家で食べてきますか?」

 

「いいの?遊星くん?」

 

「はい!せっかく来てくれたんですから食べてってください!」

 

 俺はエマさんと朝香さんをリビングへと案内して夕食を作る準備をする。

 今日のご飯はおかずに鯖缶を使った鯖バーグとスルメで出汁をとった卵スープそしてサラダだ。

 

「美味しそーう!」

 

「そうね。早速いただきましょう!」

 

「「「いただきます!」」」

 

「はむっ……う〜んBuono!」

 

「これ本当に鯖缶で出来たハンバーグなの!?肉を使われていると言われたら信じちゃうくらい肉厚ね!」

 

「この卵スープもBuono!」

 

 エマさんと朝香さんに喜んでくれて俺は凄く嬉しいな。

 特にエマさんなんかとっても美味しそうに食べるその顔が可愛いです。

 

 

 

 夕食を食べ終わり後片付けをした後に再び勉強を再開させる。

 

「エマさん。日本には慣れました?」

 

「うん!果林ちゃんや同好会の皆んなに日本のこと色々教えてもらってるおかげでだいぶ慣れてきたよ」

 

「そういえば朝香さんも寮生ですよね?どこ出身なんですか?」

 

「私は八丈島出身なの。遊星くんは?」

 

「俺は群馬からです。海無し県なので海を見た時はテンション上がりましたね」

 

「なんか分かるかも!スイスって湖はあるけど内陸国だから海ないんだよね〜」

 

 地元トークをしながら勉強をしていると時間は19時を回っていた。

 

「じゃあ私たちはこの辺で帰らせてもらうわね」

 

「そうですね。今日はありがとうございました」

 

「遊星くん。来週のテスト頑張ろうね!」

 

「あっ、それと……コレ私の連絡先よ。まだ交換してなかったわよね?」

 

「確かにまだでしたね!」

 

 俺は朝香さんの連絡先をゲットして、エマさんと朝香さんを見送るために一緒に玄関へと向かう。

 あと朝香さんに名前で呼んでほしいと言われたので今度からは果林さんと呼ぶことにした。

 

「それじゃあ、遊星くんバイバイ!」

 

「はい!夜道にはお気をつけてくださいね。エマさんに果林さん!」

 

 

 

 俺は2人を見送り部屋に戻るとテスト勉強を再開させるのであった。

 

 

 





遊星くんに歩夢お姉ちゃんのお胸は刺激が強すぎましたw

皆んなは果↑林↓さんなどと呼んでいますが遊星くんは果林さんのことは果↓林↑さんと呼んでます。

この回で遊星くんの連絡先には一期に登場するメインキャラの連絡先をコンプしました。

次回もお楽しみにちゅん♪



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EP23 土日と天王寺家にキター!


今回は考えて考え抜いた結果2日分の内容をこの1話にまとめました。

璃奈ちゃんのペットが出てきます。
更新遅れた理由は後書きにて!

それではどうぞ!


 

 

 

 今日は璃奈と愛さんの2人とテスト勉強をする約束をした土曜日だ。

 俺はいつものように起きて朝食を済ませると、ソファで横になりながら TVで「ウルトラマンクロニクルD」を視聴して寛いでいた。

 

 新しいウルトラマンのウルトラマンD(デッカー)めっちゃ楽しみだな。

 主人公の名前がアスミカナタということで知り合いと同じ名前してるのジワるね。

 放送は7月3日からだし主題歌もどんな感じになるのかも気になるところだ。

 歌詞の中にウルトラマンダイナの主題歌みたくフラッシュ、ストロング、ミラクルが入ってたら感動する自信あるわ。

 

「確か10時くらいに来るって約束してたな?あと30分くらいか……」

 

 俺はウルトラマンを観た後に2人が来るまで家の掃除を始めた。

 終わった後はのんびりと東映ファンクラブのアプリで仮面ライダー剣(ブレイド)を観ていた。

 

 ピンポーン

 

「はーい!」

 

 インターホンの音が鳴ったので俺はスマホをポッケに入れて玄関へと向かいドアスコープを確認すると璃奈と愛さんが扉の前に立っていた。

 

「おはよう遊星くん」

 

「来たよ!ほっしー!」

 

「璃奈に愛さん。おはようございます。どうぞ中に」

 

 璃奈と愛さんを家の中に入れて俺の部屋へと案内した後に飲み物を淹れにキッチンへと向かう。

 お茶を入れ終わり俺は2人が待ってくれている部屋の中に入る。

 

「お待たせ!はい、烏龍茶ね」

 

「ありがとう!ほっしー!」

 

「ありがとう。遊星くん」

 

 こうしてお茶を飲みながらのテスト勉強会が始まった。

 テスト本番まで今日を入れて後2日だ……気を引き締めないとな。

 2人のテスト勉強の進捗を聞くと璃奈はもう少しで出された範囲は終わるらしく、愛さんは全部終わってて今までのを見直しをしてる感じだった。

 

「遊星くんこの問題分かる?」

 

「おお、これはね……こうだよ」

 

「ありがとう!」

 

「ほっしーは分からないところある?」

 

「じゃあこの問題教えてください」

 

「OK!愛さんに任せて!」

 

 俺は璃奈に問題の解き方を教えた後に愛さんに分からないところを教えてもらった。

 愛さんの教え方は非常に分かりやすくスラスラと解けていく。

 

「愛さん。ありがとうございます」

 

「良いの良いの!分からないところあったら遠慮なく聞いてね?りなりーもね?」

 

「うん、分かった!」

 

 そして勉強に集中して約2時間くらいが経ち時刻は12時を回っていた。

 

 

 

  ーー ζ㎗òヮóリーー从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

 お昼を食べた後にまたまた勉強会を再開させる。

 そして勉強を進めていくとあっという間に数時間が経過した。

 

「あっ、テスト範囲終わっちゃった」

 

「俺もだ。これで明後日のテストに全力で臨めるね」

 

 でも明日は璃奈の家で勉強する約束してるもんな……じゃあその日は見直しをしつつ息抜きで一緒にゲームでもしようかな?

 

「うん、そうしよっか。私の家の住所教えるね」

 

「ありがとう。璃奈」

 

「愛さんも行きたかったけどお店が忙しいから……」

 

「しょうがないですよ。愛さんは愛さんのやるべき事を頑張ってください!」

 

「……そうだね!ほっしーありがとう!」

 

 すると愛さんは嬉しかったのか俺の背後からハグをしてきた。

 グハッ……愛さんの柔らかい2つの山が俺の背中を刺激してくる……それに加えて柑橘系の香りが俺の鼻を刺激する。

 

「あの……愛さん?ちょっと恥ずかしいっす」

 

「ええ〜?よく聞こえないぞ〜?」

 

 わざとやってる?すると璃奈が立ち上がって俺の膝の上に座ってきた。

 天王寺さーん?何をしておらっしゃるのですか?

 

「遊星くんの膝、座り心地良い」

 

「さいですか……」

 

 勉強後は息抜きで暫くゲームをして2人は自分の家へと帰って行った。

 明日は璃奈の家に行くの凄く楽しみだな。

 

 

 

 翌朝、俺は璃奈に渡された住所を頼りに歩きマンションへと辿り着いた。

 

「ここが璃奈が住んでるマンションか……デカいな」

 

 取り敢えず璃奈に着いたって連絡を入れなきゃな、入り口まで来てもらおう。

 俺はスマホを取り出して璃奈に電話をする。

 

「もしもし、璃奈?遊星だ」

 

『遊星くん。もしかしてもうマンションに着いた?』

 

「うん、それでなんだけど入り口まで出迎えてくれないかな?」

 

『分かった。今から行くね』

 

 通話が切れてゲームをしながら暫く待っていると璃奈が来てくれた。

 

「お待たせ、じゃあ行こう?」

 

「おう!出迎えサンキューな!」

 

 璃奈の後をついて行き天王寺家がある33階に着いた。

 すると璃奈がスマホを取り出して画面を操作するとドアからピコンという音が鳴った。

 

「ん?これは?」

 

「家のことは全部こんな風に出来るようにしてあるの。私が設定した」

 

「お、お邪魔します……」

 

 えっ……璃奈お前すげぇな……天才か?機械いじったら右に出るものいないんじゃないの?

 プログラミングでアプリも作れちゃうし動画編集や3DCGなんかも作成できて……情報処理学科に相応しい物を持っていて……なんていうか恐れ入ります。

 璃奈は多分だけど機械工学の技術力に関しては高校生のレベルを遥かに変えてると思う。

 

「ここが私の部屋だよ。入って入って♪」

 

「うん、うわぁ!部屋広い!それとなんか機械の猫が居るんだけど!」

 

「あれはペットの猫ロボットで名前は「アラン」っていうの」

 

 なんかアランと言う名前を聞くと仮面ライダーゴーストに出て来るたこ焼き好きのアラン様のイメージしか無いんだよなぁ……ネクロム結構好きです。

 璃奈曰くアランはお行儀がよく天王寺家を探索し目がカメラになっており人の顔を忘れず、音声入力による写真撮影の機能も付いてるとか。

 

「それにしても大きいモニターだな。それにこのPCかなり高スペックだぞ?」

 

「このモニターはゲームを快適にするために設置したの。因みにこのPCは自作だよ」

 

 改めて俺の友達の凄さを実感した。

 なんだろう……凄い以外に言葉が出てこないわ……璃奈こそ才能の塊じゃね?

 まぁ一旦璃奈の部屋の内装のことは置いといて勉強を始めようか。

 

「何か飲みたいのある?」

 

「じゃあ冷たいお茶で良いよ」

 

「分かった。淹れてくるね」

 

「手伝おうか?」

 

「大丈夫だから、ゆっくりしてて」

 

 璃奈は部屋を出て行って俺は勉強道具を広げてテスト勉強の振り返りを先に始めることにした。

 勉強をしてるとアランが俺の方へと近づいてきた。

 

「えっと……お、お手?」

 

 俺が右手を差し出すとアランが片方の前足を上げて乗っけてきた。

 かっ……可愛い!ロボットなのに俺の言うことが分かるとか……まさかAI入ってる?

 

「お待たせ遊星くん。アランと遊んでたの?」

 

「ああ、近づいてきたから試しにお手をしたら反応してくれたんだ。可愛いなアラン様!」

 

「でしょ!(様付けなのはもしかしてゴーストに出て来るアラン様のことかな?)」

 

 璃奈が飲み物を起き勉強道具を出すと特にこの問題は詰んだなと思った所を一緒におさらいすることにした。

 

 

 

「うーん……璃奈ここ分かる?」

 

「これは、ここにかかってるから……」

 

「あぁなるほど。前に言ってたあれね。じゃあ……こうだね」

 

「うん、出来てる」

 

「おっ……全教科のおさらい終わった。これで明日のテストは安心だな。ありがとう」

 

「私も遊星くんに勉強教えてもらったから、ここまで出来た……ねぇ、ちょっと近くに来て?」

 

 手招きをされたので、なんだ?と思い俺は璃奈の近くに行くと璃奈がいきなりハグをしてきた。

 

「ちょっ璃奈?どうしたの?」

 

「私でも遊星くんの役に立てて、嬉しくて、入学してから今まで遊星くんは私の為に教科書を忘れた時は見せてくれたりして、私は機械のことを教えてあげるくらいしか出来なくて、私 頼ってばっかだったから……お返しが出来て嬉しいの」

 

「そっか……でも俺は璃奈に助けられてる時だってあるし、俺も頼ってるよ。いつもありがとうね……だからその……そろそろ離してくれないか?」

 

 璃奈のハグをする力が増して行き俺の首が締まりそうになる。

 ヤバっ……苦しい……息ができねぇ。

 

「あ、ごめん」

 

「大丈夫だよ」

 

「もうお昼の時間だね。お腹空はいてる?」

 

「あ、そういえばそんな時間か……うん、空いてるよ」

 

「分かった作ってくるから遊星くんはTVでも観てゆっくりしててね」

 

 俺は璃奈と一緒にリビングへと行きTVを観てのんびりしてたが、途中から手伝うことになった。

 

 

 

      ーー 从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

「「いただきます!」」

 

 今日のお昼に璃奈が作ってくれたのはチキンカレーだった。

 チキンカレーは俺的にカレーの中では一番好きなカレーだったので凄く嬉しかった。

 

「美味い!鶏肉が柔らかくて辛さもちょうど良いな……璃奈、最高全開!」

 

「ほっ……レシピ本通りに作ったから上手くできて良かった。おかわりもあるよ?」

 

 璃奈特製のチキンカレーが美味すぎて気付けば2回くらいおかわりしていた。

 

「ごちそうさまでした。ふぅ……大満足だ!」

 

「遊星くんにいっぱい食べてもらって私 凄く嬉しい!」

 

 この後は一緒に後片付けをしてソファに座ってひと休憩しながら次は何をしようか考えていた。

 

「ねぇ遊星くん、この後は息抜きに私の作ったゲームやってみる?」

 

「璃奈が作ったゲームか……面白そうだな!やってみたい!」

 

 俺たちはリビングから璃奈の部屋へと移動して璃奈が俺をゲーミングチェアに座らせてくれた。

 

「はい、コントローラーだよ」

 

「ありがとう!何のゲームだろ?」

 

「遊星くんが好きなジャンルだよ。アクションゲーム好きでしょ?」

 

「うん!……ってこれマイティアクションXじゃね!?でも何かが違うな?」

 

 モニターに映されたゲームタイトルは「マイティアクションX withエグゼイドライダーズ」と言うものだ。

 

「驚くのはまだ早いよ。早速STARTボタンを押して」

 

 取り敢えず璃奈の指示通りSTARTボタンを押すとキャラセレクトの画面になりエグゼイドの他にもブレイブやスナイプなどの全エグゼイドライダーズが勢揃いで選べるようになっている。

 ライダーたちの等身はライダーレボリューションと似通っていた。

 

「この中から好きな仮面ライダーを選んでマイティアクションXの世界でバグスターを倒す感じにしたの。各ステージにボスもいるし操作方法はライダーレボリューションと同じ感じにしてある」

 

「マジか……じゃあレーザーにしようかな(レーザーとレーザーターボは別々なんだ)」

 

 俺はレーザーを選んで画面が切り替わりキャラ操作ができるようになっていた。

 最近クリスマス回を見てしまい現在貴利矢ロスになっているのだ。

 

「レベル1スタートなのか」

 

「敵を倒してゲージが溜まるとレベルアップもできるよ。Lボタンを押しながらXボタン押してみて」

 

「じゃあ3速のチャンバラゲーマーにレベルアップだ!」

 

 レベルアップしたら変身音が鳴ったんだけど……こいつ相当作り込んだな?

 

「ねぇ……このゲーム作るのにどれくらい掛かった?」

 

「5年くらいだよ。結構大変だった」

 

「凄い年月掛かってるな……」

 

 取り敢えず現れていくバグスターたちをガシャコンスパローの鎌モードでズバズバと倒していく。

 そしてステージボス戦になりキメ技ゲージに関しては未だに使わないで取っといてある。

 

「キメ技はどのボタン?」

 

「LとRのボタンの同時押しでXボタンだよ」

 

 ボタンの同時押すとギリギリクリティカルフィニッシュが発動し残り少ないボスの体力を削り切った。

 

「どうだった?」

 

「面白かった。再現度とかヤバいな」

 

「今度追加でゲンムに無双ゲーマーも新しく入れようと思ってるの」

 

「めっちゃ楽しみにしてるよ」

 

 璃奈が作成したゲームに夢中になり気付けば午後の16時になっていたので俺はそろそろ帰ることになった。

 

「じゃあ、また明日ね」

 

「うん、お互いテストでいい結果出そうね。遊星くん」

 

 

 

 こうして天王寺家を出た俺は明日のテストに向けて闘志を燃やすのであった。

 

 

 





ウルトラマンデッカーめちゃくちゃ面白かったー!影山さんのエンディングがまた良いんだよなぁ〜

今までの話では遊星くんが璃奈ちゃんを助けるシーンは無かったんですけど細かいことは気にするな。
遊星くんは他にも隣の席をくっ付けて黒板を見えやすくしたりもさせてるのだ。(アニメでは璃奈ちゃんは1番前の席だけどこの小説では2人の席が窓際の1番端っこという設定にしてあります)

璃奈ちゃんって結構凄いよね。多分あいつも頭良いと俺は勝手に思ってる。
因みにりなりーが作ったゲームのラスボスはゲムデウスです。


ここから遅れた理由
話数ストック増やすのに更新しない日が多くなると思います。思い浮かんだネタを忘れたくないなとアニメ本編のシナリオを狂わせたいので……試行錯誤する時間をください!
これからは出来るだけ4000以上5000文字以内に収めた良いんですよね〜
ついでにリアルでも忙しいので書き溜めてるのも理由の一つなのでご了承ください!それに好きなタイミングで投稿できるしねw

次回はテスト本番!遊星くんは皆んなと勉強した日々を結果に結びつけられるのか!?


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EP24 中間テストと順位発表


戦わなければ生き残れない

虹ヶ咲ってひと学年でもかなり人数いるけどテストの内容に関しては独断と偏見なので許してください!

それではどうぞ!


 

 

 

 ついにこの日がやって来た……そう中間テスト本番である。

 勝負の2日間 俺は絶対に栄光を掴んでみせる!その為に色々な人たちと勉強をして来たんだ。

 

「遊星くん、燃えてるね」

 

「おお、璃奈……今日明日は大事な日だからね。お互いに気を引き締めて行こう!」

 

「うん!頑張って50位以内目指す!」

 

 中間テスト初日は英語、数学、社会で2日目は国語、理科という予定になっており俺と璃奈は一緒に単語帳を見直していた。

 

 教室で他の生徒たちを見渡すと教科書を見て見直している者も居れば友達同士で「テスト勉強やって来た?」などという会話をしているのが聞こえてくる。

 偶にいるのが「テスト勉強とか全然してないわ〜」と言いながらいい点数取る人って居たりするよね。

 そんな人ほどきっと裏で凄く努力をしているのだろう。

 

 先程テスト開始時間前にトイレを済まして出ると偶々かすみとしずくに遭遇してかすみからは「いい点取ったら絶対にかすみんの曲作ってよね!」と念を押されたが、もちろんあの約束に関しては忘れてはいない。

 しずくは「かすみさん凄く頑張ってたよ」と言っていたので必死に勉強してたのだろう……その証拠に右手に鉛筆の汚れがついている。

 取り敢えず「お互い頑張ろうぜ!」とだけ言い残して俺は教室へと戻り現在教室で見直しをしてるって所だ。

 

 チャイムが鳴り生徒たちはシャーペンと消しゴムを机の上に出し伊織先生が問題用事と解答用紙の入った封筒を持って教室へと入って来た。

 

「はい、それでは皆さん、今日から2日間頑張りましょう!各教科で成績の悪かった人は追試となりますので、追試にならないように頑張ってください」

 

 伊織先生の言葉で教室が少しだけザワッとする。

 そりゃ追試というワードをこんな時に出されたら焦るやついるよな……てか勉強に自信無い人とかにそのワードを今は言わないでくれよ伊織ちゃん先生よ。

 

 問題用事と解答用紙が配られ伊織先生の「初めてください」と言うアイズと共に生徒たちはシャーペンを持ち解答用紙に答えをコツコツと書く音が教室中に響く。

 

「あっ……ここの英文はエマさんに教わったやつだ。ありがとうございます(スペル間違ってる。危ない危ない)」

 

 1時間目の英語が終わり次の2時間目は俺の大得意の数学だ。

 この問題はしずくと一緒にかすみに散々教えた問題だな……楽勝楽勝!

 数学に関しては問題なくスラスラと解けていったので全問題が終了した後に時計を確認したらテスト終了時間まで残り10分だったので見直しをしてちょっとだけ寝るとチャイムという名のアラームで目が覚めた。

 

 3時間目の社会は彼方さんが教えてくれた場所が出てきてマジで助かった。

 ありがとう彼方さん……そして遥ちゃん、君たち姉妹と勉強したあの日は無駄にならなかったよ!なんかいける気がする。

 今度2人を家に招いておもてなしをしたいもんだな。

 

 こうして試験の1日目が終了し俺は璃奈と一緒に今日のテストの出来を話しながら帰ることになった。

 

 

 

  ーー╰*(..•ヮ•.. ) *╯ーノレcイ´=ω=)ーー

 

 

 

 今日はテスト2日目の朝 俺は現在中川さんと登校中である。

 

「星野さん、昨日のテストは如何でしたか?」

 

「バッチリです。答案用紙全部埋めてやりましたよ(ちょっとだけ英語と社会不安だけど)」

 

「凄いですね!その調子で今日の最終日も頑張りましょう!」

 

 今日は国語と理科だからな……理科に関しては中川さんに分からない部分を教えてもらいましたから、いい結果を出せるよう全力全開で頑張るぞ!

 

「ふふっ、気合十分ですね♪」

 

「もちろんです。油断できませんからね!」

 

「それでは……健闘を祈ります。星野さん」

 

「中川さんも頑張ってください!」

 

「はい!」

 

 学校に着いて中川さんと別れる際に熱いグータッチを交わし俺は教室へと向かった。

 

 

 

「なぁ璃奈、今日のテストが終わったらさゲーセン行かないか?割引券3枚あるからね、愛さんも誘って久々にジョイポリスとかどうよ?」

 

「うん、良いよ!」

 

 やっぱりテスト終わりは羽目を外すしてパーっと遊ぶに限るよな!中学時代の時は家でゲームにアニメ三昧したけど……今は友達と思いっきりゲーセンで遊びたい気分だ。

 

 

 

 1時間目の国語が始まった。

 

 最初の漢字問題は楽々突破して次は文を読み各問いに答える文章問題だ……昔は苦手だったが今の俺は違う。

 物語の中でキャラの心情やキャラの行動に何の意味があるのか、これに関しては文をよく読めば大体わかる。

 普段は仮面ライダー小説を読み慣れているので問題はないな……このテストの結末は俺が決める!

 

 続いては2時間目の理科だ。

 

 今回は物理か解明が範囲に入っていたのでちょっと難しい問題が出てきたけど中川さんが教えてくれたおかげで問題の答えを解くことができた。よし……勝利の法則は決まった!

 

「しゃー!終わったー!」

 

 俺は大きな背伸びをした後に璃奈が座っている席の方を向く。

 

「璃奈、お疲れ様!」

 

「遊星くんもお疲れ様♪」

 

 この後は終礼があり伊織先生からの連絡でテストは2日間にわたって全て返却され順位の結果発表は集計完了次第、今週中に電光掲示板に順位発表の掲示するんだとか。

 

「この後は一緒にご飯食べに行ってその後にジョイポリス行くか?」

 

「遊星くん、一緒に行けるか愛さんにメッセージ送ったらOKだって」

 

「良かった〜。んじゃあ学校の入り口前に集合って伝えておいてくれ!」

 

「ロジャー!」

 

 璃奈と共に校舎から出て愛さんを待つこと5分くらい経ち愛さんと合流したのでテストのことを話しながら先ずはお昼を食べる為にお店を探すことにした。

 

「いやー!今回のテストは手応え有りって感じだったよー!2人は如何だった?」

 

「愛さんと同じくです。全力を出し切ったつもりです!」

 

「私も2人に教えてもらったおかげで結構出来たよ。本当にありがとう」

 

「良いってことよ!ところで何処で食べる?」

 

「あっ!じゃあ、あのお店にしない?」

 

 そう言って愛さんが指差したお店はマクドか……俺はキングの方が好きだけど偶には良いかも。

 久々にジャンクフード食べるけど……そういえば、ちょうどスマホにマクドのアプリあるしまだ使ってないクーポンもあったわ。

 

「良いですよ。璃奈は?」

 

「うん、良いよ!」

 

 璃奈がサムズアップをしたのでマクドに入ってお昼を食べることになった。

 

 

 

「ふぅ……久々のハンバーガー最高だった!」

 

「クーポン使わせてくれてありがとう」

 

「大丈夫だ!(ちょうど期限も切れそうだったしな)」

 

「それじゃ!ジョイポリスに行くぞー!」

 

 こうしてマクドからそのまま3人でジョイポリスへと向かった。

 この場所に来ると自然と心が踊る、シューティングゲームとビートセイバーアクションはやっぱり楽しいな。

 あと初めてやったジョイポリ探検隊っていうのも最高だった。

 

「うーん!楽しかったねー!」

 

「そうですね。テストの後の開放感最高です!」

 

「私も凄く楽しかった。遊星くん、今日は誘ってくれてありがとう」

 

「ああ!また一緒に来ようぜ!」

 

 ジョイポリスを満喫した俺たち3人はそれぞれ家へと帰ることになった。

 

 

 

 テスト終了から2日間が経ち全ての全教科のテスト用紙が帰ってきた。

 結果は国語99点、数学100点、英語97点、社会94点、理科98点という結果となり合計して488点となった。

 この中だと社会は苦戦したな……もっと頑張らないと。

 

「ゆー介、凄いじゃん!数学100点だよ!」

 

「他の教科も90点代か〜。遊星くん頑張ったね〜」

 

 俺は現在かすみと彼方さんと食堂でお茶をしながらテスト結果を話し合っていた。

 

「俺だけの力じゃありませんよ。皆んなで力を合わせて頑張った結果です」

 

「彼方ちゃんは遊星くんのおかげで数学すごく良い点数取れたよ〜」

 

「かすみんも何とか赤点回避できたよ。ゆー介ありがとうね!それと約束ちゃんと守ってよね!」

 

「わかったわかった!よく頑張ったな!」

 

「えっへへ〜もっと褒めて〜」

 

 俺がかすみの頭を撫でるとかすみの頬がほんのり赤くなり口元が緩んでいく、こいつチョロ可愛いな……あとなんだか子犬みたい。

 

「ねぇ約束って?」

 

「テストで良い点取ったらかすみの曲を作るって約束したんですよ。でも曲を作るのにかすみを時々頼るかもしれないけど良いか?」

 

「もちろんだよ!」

 

「そうだったんだ〜。かすみちゃん良かったね〜♪」

 

 よし、先ずは曲の構成を練らないといけないな……かすみの個性を活かした最高の曲を作ろう。

 かすみと言えばやっぱり「可愛い」これがキーワードになる。

 

「かすみさーん!遊星くーん!」

 

 曲のことを考えていると途中からしずくがやって来た。

 

「しずくか、どした?金色の麦茶でも飲みたくなった?」

 

「そうそう息抜きに「プシュッ!」と……ってもう!そうじゃないよ!それに私たちまだ未成年だし!」

 

 しずくを揶揄ったらほっぺたがプクーッと膨れて超可愛い。

 俺的にしずくは将来酒豪になるんじゃないだろうか?と勝手に思ってる。

 

「悪い悪い……んでなに?」

 

「1年生のテスト順位が掲示板に出たみたい。見に行こ?」

 

「本当か!かすみ行くぞ!」

 

「分かった。うぅ……なんかドキドキするね」

 

「そうだな、それじゃあ彼方さん、またバイトで会いましょう」

 

「ばいば〜い」

 

 

 

  ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーーjΣミイ˶º ᴗº˶リ ーー

 

 

 

 俺とかすみはしずくに結果が映されている電光掲示板のある場所に一緒に行くと自分たちの名前を探すことになった。

 

「あっ!かすみんは……下から数えれば早い順位じゃなくて良かった〜」

 

「えっと……私は、ありました!惜しいです。もう直ぐで50位以内だったのに……次は頑張ります!」

 

 2人はもう見つけたみたいだ。

 俺のは……あっ璃奈の名前発見!48位か……目標の50位以内に入れて良かったな。

 

「あっ……あったわ!」

 

「「えっ!2位!?」」

 

「うわぁ……後3点あったら1番だったのか……」

 

「ゆー介……やっぱり凄い……」

 

「そ、そうだね。じゃあ私この後ちょっと演劇部に用事あるからまたね!」

 

「かすみんもちょっと用事あるから!」

 

「そうか!じゃあね!」

 

 2人が結果を見た後に去って行き暫く掲示板に映された順位表を見ながら考えていると後ろから誰かに抱きつかれた。

 

「遊星くん!」

 

「おお……璃奈か!お前結構良い順位だったよ!」

 

「うん、見たよ。それと遊星くんの順位もね。2位おめでとう!」

 

「ありがとうね。じゃあ教室に戻ろうか?」

 

「うん!」

 

 それにしても1位のやつすごく気になるな……。一体どんなやつなんだろうか?俺はその人物の名を呟く。

 

 

 

 

 

 

 

「三船栞子か……」

 

 

 

 

 

 

「?……誰かに呼ばれた気がしましたが、気のせいでしょうか?」

 

 

 





栞子ちゃんにサプライズ登場してもらいました!(暫く出番はないです)

遊星くんは問題を解くごとに仮面ライダーの決め台詞を心の中で言うことが多いです。
社会にジオウを持ってきたのはソウゴが歴史得意だから
国語にセイバーは物語と言ったら神山先生だよね
理科にビルドは戦兎と言ったら天才物理学者だからね
英語と数学は特に考えてない

しずくの声でプシュ!は完全に前田ですねw

惜しくも八重歯娘に一位の座を取られた遊星くんは期末テストで挽回することができるのか!?

次回は遊星くんとかすみがお出かけする回にしたいと思ってます!本編にだいぶ近づいて来た感じしませんか?
それではお楽しみに!サラバーイ♪


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EP25 かすみんと遊ぼう!


今回はかすみんとデート?

それではどうぞ!


 

 

 

 今日はテスト結果が明けた土曜日の朝9時半。俺はゲームをしながら虹ヶ咲学園駅前にてある人物との待ち合わせをしていた。

 それは遡ること昨日の放課後での出来事である。

 

 

 

「なぁ、かすみ。明日の休みって何か予定はあるか?」

 

「特に何もないけど」

 

 璃奈は家に帰って受け取らなければいけない荷物があるそうなので、現在俺は暇そうにし廊下を彷徨いていたかすみを誘って食堂のカフェでケーキを食べながらお茶をしていた。

 しずくは如何した?と聞くと演劇部の稽古があるらしいので一緒にいなかったみたい。

 

 どうやら試験終わりの鋭気を養おうという事で今日から3日は同好会を休みにしようと菜々(せつ菜)さんが言ったらしい。

 

「そっか……明日さ一緒に遊びに行かないか?」

 

「遊びに……ってゆー介と2人きりでってこと?何で何で?」

 

 かすみが不思議そうに聞いてくるのでその質問に答えることにした。

 理由は2つある。1つ目はかすみとより親睦を深めること、そして2つ目はかすみと一緒に遊ぶことで曲のヒントを見つけようという作戦だ。

 

「成程ね……分かった!かすみんは賛成だよ♪」

 

 説明をしたら、かすみは納得してくれた。

 

「よし、決まりだな!かすみは何処か行きたい所あるか?」

 

「う〜ん……っは!じゃあかすみん遊園地に行きたーい!」

 

 遊園地ね……そういえばこの前テストが終わったら見に行こうと思ってたシアターGロッソのドンブラザーズショーのチケット応募を念のため2回してどっちも当選したんだった。

 ショーを見た後に色々なアトラクションを楽しむのも悪くないかもな。

 

「じゃあ東京ドームシティに行かないか?実はヒーローショーのチケット2枚あるんだけど良かったらかすみも見るか?」

 

「ヒーローショーか〜……かすみん初めて見るけど楽しめるかな〜?」

 

「大丈夫だ!それにヒーローショーが終わったらかすみの好きな所回ってやるぞ!」

 

「本当!?やったー!ゆー介、大好き!」

 

「ゴフッ……!」

 

「うわぁ!大丈夫!?」

 

「へ、平気だ……!」

 

 だ、だい大好き……!?これってどんな意味での大好きなのかな?

 まぁ、そんな事は置いといて明日の予定を立てとかないと。

 

 という事で次の日の朝9時半に虹ヶ咲学園駅前に集合という約束をした。

 

「明日は可愛い可愛いかすみんとお出かけ出来るのを楽しみにしててよね♪」

 

「はいよ!んじゃケーキ食い終わったしこいつ返却したら俺はそろそろ帰るわ」

 

「ちょっと待ってよー!かすみんも一緒に帰るー!」

 

 そして俺とかすみは明日の遊園地での計画を立てながら一緒に帰った。

 因みにかすみと2人きりで帰るのはこれが初めてであった。

 

 

 

 ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーー

 

 

 

 そして現在に至る。俺は駅前でかすみが来るのを待ってるってわけさ。

 

「おーい!ゆー介!」

 

 俺の名を呼ぶ声が聞こえたので、声の主の方を降り向くとパステルイエローのワンピの上に薄緑のボタン付き半袖パーカーを着たかすみがやって来た。

 

「よっ!かすみ、おはよう」

 

「待った?」

 

「いや、ちょうどさっき来たところだ」

 

「そっか!それじゃあレッツゴー!」

 

「ちょっと待って!」

 

「何?」

 

「その服めっちゃ似合ってるよ。可愛いぞ」

 

「ふぇ!?と、当然じゃん!かすみんは何を着ても超可愛いんだから!……あ、ありがとう……」

 

 かすみの顔がほんのりと赤くなった。どうやら不意の「可愛い」という言葉には凄く弱いらしいな。

 

「ほら、早く行くよ!電車が来ちゃうから!」

 

「はいよ。そんな慌てると転ぶぞ!」

 

 スマホの中に入ってるSuicaで改札を通ってベンチに座って電車が来るのを待つ。

 

「ゆー介、気が早いけど今日のお昼ご飯はかすみん手作りのコッペパン弁当持って来たんだ!」

 

「へぇ〜そりゃ楽しみだな。中身を見るのは昼までに取っとくか」

 

「ふふん♪今回のはかなりの自信作なの!」

 

 こんな風に話し込んでいると電車が到着して中へと乗り込み東京ドームシティへと向かうことに。

 

 

 

「よし、着いたな!先ずはヒーローショーの時間が近いからシアターGロッソに向かうぞ!」

 

「そういえば、Gロッソでヒーローショーの宣伝をTVで見たことあるけど……どれくらい前からやってたの?」

 

「じゃあ詳しく解説しよう(長くなるけど)」

 

 そもそもシアターGロッソで初めてやったヒーローショーが当時2009年に放送されていた「侍戦隊シンケンジャー」からである。

 東京ドームシティは昔「後楽園ゆうえんち」という名前で2003年4月13日に改名された。

 

 1979年〜2000年代までは園内の野外劇場でヒーローショーをやっていて、当時は「スーパー戦隊」同士の共演や、宇宙刑事ギャバンなどの「メタルヒーローシリーズ」、「仮面ライダーシリーズ」など、異なるシリーズも含めた複数の特撮ヒーローの豪華共演が見られる「後楽園ゆうえんち」のCMは当時の子供達をワクワクさせていたみたいです。

 

 CMの最後で歴代のレッドが「君たち、後楽園ゆうえんち(または東京ドームシティorシアターGロッソ)で僕と握手」というキャッチコピーと言うのを見たことがある人は多いのではないだろうか?

 

 そして後楽園ゆうえんちの野外劇場は屋内劇場へと移動しシアターGロッソとなって新しくオープンし「スーパー戦隊シリーズ」ヒーローショー用劇になったのだ。

 

「因みに2000年のタイムレンジャーから2008年のゴーオンジャーまではスカイシアターという場所でヒーローショーをやってたんだ」

 

「へぇ〜……ゆー介、よくそんな昔のことも知ってるね……(熱く語ってるのがせつ菜先輩にそっくりじゃん!もしゆー介が同好会に入ったらせつ菜先輩との長いオタク話を近くでたくさん聞く事になるだろうな〜)」

 

「オタクだからな!あっ……始まったぞ!」

 

 こうして長話をした後に俺とかすみはGロッソ内に入り暫く待つとドンブラザーズショーの幕が開けた。

 

「さぁさぁ祭りの始まりだー!」

 

「あはは……(ハイテンションな所もせつ菜先輩そっくり……)」

 

 俺が盛り上がってる様を見てかすみは苦笑していた。

 

 

 

 ヒーローショーが終わって俺とかすみはGロッソを出るとパラシュートゾーンへと移動して休憩することにした。

 

「面白かったー!かすみはどうだった?」

 

 俺的にTVでイヌブラザーとキジブラザーの頭身を見慣れてたのでヒーローショーでのあの2人の衣装はCMを観た時から驚いてた。そして、かすみにも感想を聞くと。

 

「うん!最高だったよ!正直戦隊なんて子供向けとか思って舐めて掛かってたけど……あんなにも見入っちゃうなんて……特にアクションのとことか!」

 

「分かる!アクターさんのキレが最高だったよな!」

 

 ヒーローショーに関して色々と語り合っていると腹の虫が鳴った。 

 

「ゆー介、お腹すいたの?」

 

「ああ、ってもう昼なのか……」

 

「それじゃ……はい!かすみん特性コッペパン弁当だよ!」

 

「おっ!ありがとう。うわぁ〜凄く美味そうだ!」

 

 弁当箱の中身を開けると中に入ってたのは具が挟んであるミニコッペパン3種類にフライドポテトそしてブロッコリーにミニトマトもあって彩りが良いな。

 

「ち・な・み・に!これがたまごサラダサンドで、これがミートボールサンドそしてこのホットドッグは食べてからのお楽しみ!(にひひ……!そのホットドッグには隠し味で辛いソースが入ってるの!ゆー介のリアクションが楽しみです♪)」

 

 なんだか知らんが、かすみが後ろを降り向いて何か良からぬ事を企んでる感出してるけど……まぁいっか!

 

「いただきます!先ずはこのたまごサラダから……うん!コクがあってもっちりしたパン生地にもあって食べやすいな。美味い!」

 

 そしてミートボールサンドは3つ挟まれており一口サイズで食べやすいしフライドポテトは塩加減もちょうどいい。

 そして最後のホットドッグにはいったい何が入ってるんだ?

 

「はむっ……めっちゃ美味いな!」

 

「えっ……えぇ!?」

 

 かすみが驚いた表情をする。別に変なものは入ってないし、ピリッとするだけだな……あっ!このピリッとする辛さ分かった。

 

「成程な、隠し味にタバスコか……ん?タバスコってこともしかして……貴様〜!俺に辛いの食わせてヒーヒー言わせたいとか企んでたな〜?」

 

「ヴッ!え〜?な、なんのことかな〜?かすみん分かんな〜い!」

 

 ふっ……やっぱりか、お前すぐ表情で出やすいから何考えてるか結構分かっちゃうんだよね〜。

 これはお仕置きが必要だな。俺はかすみの近くに行き両方のほっぺたを引っ張る。

 

「こんの〜!お前って奴は!」

 

「いひゃ〜い!いひゃい!ゆー介ごめ〜ん!」

 

 かすみのほっぺたモチモチしててめっちゃ良いわ〜……この感じはまるで中二恋2期CMのシーンの六花ちゃんを彷彿とさせる。

 

「もう!いつまで触ってるの!いい加減離してよー!」

 

「ご、ごめん!かすみの反応が可愛くてついな……」

 

「こんなの全然可愛くないよー!プイッ!」

 

「俺も悪かったからそう拗ねるな。あの店に売ってるうさぎカステラ買ってやるから!」

 

「ホント!?じゃあ許す!」

 

「良かった……(チョロいな)」

 

 この後うさぎカステラを買って機嫌を直したかすみと一緒に園内のアトラクションを回ることになった。

 ジェットコースターやメリーゴーランド、コーヒーカップなど遊園地ではありきたりなアトラクションを回ったが、地元よりも凄かったので倍楽しめた気がする。

 お化け屋敷に行こうと考えていたが、かすみが看板を見て顔を青ざめさせてたのでスルーしてあげた。

 

 他にも変わったアトラクションの数々に目移りしてしまい気付けば時刻は15時半になっていた。

 

「ねぇ、ゆー介!最後は観覧車に乗らない?」

 

「いいぞ!じゃあ行くか!」

 

 最後に観覧車に乗ろうと相談して来たかすみに俺はサムズアップで即決した。

 

 

 

 ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーー

 

 

 

 観覧車に2人で乗り暫く経つと一番高いところまで来て、窓を見ると綺麗な景色が広がっていた。

 

「うわぁ〜!景色きれ〜い!」

 

「かすみ、景色をバックに写真撮ってやるよ!」

 

「可愛く撮ってね♪」

 

「はいよ!」

 

 俺は写真を撮りかすみに見せると彼女はとてもご満悦だった。実は他のアトラクションに乗ってるかすみの写真も結構撮った。

 

「で、曲のヒント見つかった?」

 

「ああ、だいたいイメージは固まってきた。なぁ遊園地出た後に寄りたいとこあるんだけど良い?」

 

「良いけど……どこ寄るの?」

 

 観覧車を降りて俺たちは東京ドームシティを後にすると本日最後の目的地へと向かった。そのお店は……。

 

「楽器店?」

 

「うん!ピアノを買おうと思ってな……今後のかすみ達の為にね♪」

 

「ゆー介……!かすみんの曲 楽しみにしてるから!そしてその曲で可愛いかすみんの歌とパフォーマンスでファンだけじゃなくて、ゆー介の事もかすみんの虜にしちゃうんだから!」

 

「ふっ……やれるもんならやってみろ。期待してるぞ!」

 

「うん!」

 

「じゃあピアノ買ったら、この後はどっかで食べてくか?奢ってやる」

 

「良いの!?ゆー介ありがとう!」

 

 俺は楽器店で電子ピアノを購入し後日家へと送ってもらうようお願いして、夕飯にラーメンを奢りその後は電車に乗ってそれぞれ帰宅をした。

 

「ゆー介じゃあねー!今日は楽しかったよ♪」

 

「おう!帰り道気を付けろよー!」

 

 俺はかすみに手を振ってマンションへと向かうことに。

 

 

 

 まさかこんな楽しかった休み明けの週にあんな事が起こるとは俺でさえも予想がつかなかった。

 この展開は、俺だけじゃない……周りの人物達の運命の歯車が大きく動き始める事になるだろう。

 

 

 





イチャイチャさせてみました。此奴ら付き合ってないんだぜ?

この世界の虹学にはテレビで仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマンが普通に放送されてるでコスモスと聞くと
璃奈「コスモス?ウルトラマンのこと?」になりますw
因みに僕がドームで初めて見たヒーローショーがGロッソのシンケンジャーでした。シンケンゴールドがカッコよかった!

かすみの服装に関しては総合マガジンの「かすみちゃんとこんなデートがしたい!」のやつを想像してくれれば良いです。
分からない人は「中須かすみ デート」と調べてみてください!

お待たせしました!次回からアニメ本編?に入るかも?
お楽しみに!


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6月(本編スタート)
EP26 曲作りと同好会メンバーの異変?



今回から自分的に本編です。

それではどうぞ!


 

 

 

 かすみとの楽しい遊園地デート?をしてから1日が経過した日曜日の昼前。俺は楽器店で買った電子ピアノが家に届いたので部屋に設置をして早速かすみに渡す為の曲の構想を練っていた。

 かすみと過ごして分かったこと、あいつは可愛いし悪戯癖もあり自己主張が激しいけど意外と周りを見る目があるんだよね。

 

「それに、かすみは可愛い自分をファンにアピールしたいとかも言ってたっけ……他の可愛らしいアニソンとか聴いてヒントを得ようかな?」

 

 俺が「CHASE!」を作ってた時も色々な曲を参考にして「この音程いいな」とか「このBGMの部分も取り入れてみよう」など試行錯誤した上で完成した曲である。

 あの曲はカッコいい感じを意識して作ったので今度のは可愛い感じをイメージして作る必要があると俺は考えている。

 

 因みに「CHASE!」の詩に感しては俺が今まで感銘を受けたヒーロー達の言葉達を書き込み、俺の好きな男性声優さんの「好きを公言するのは良いことだ」とラジオで聴いた時にその言葉に感動してそれもイメージして書いた。

 

 まさしくこの曲は大好きを届けたいという野望を持っている菜々(せつ菜)さんにピッタリだと思ったので、それがこの曲をプレゼントをした理由の一つでもあった。

 

「可愛いをお届け……世界中にアピール……世界の果てまで可愛いを……はっ!これだ!」

 

 俺のイマジネーションが段々と高まって行き次々とメロディが浮かんでくる。

 曲の感じはポップを弾ませるそんな感覚でピアノを弾いて行くと頭の中でかすみの可愛いワンダーランドのイメージを掴んだ。

 

「曲調は決まった。同時に歌詞も少しではあるが浮かんできたぞ!」

 

 歌詞を書いてる途中で腹の虫が鳴いたので時計を見たら昼を回っていた。

 そう言えば曲のことに夢中になってニチアサを見逃しちゃってたな……録画してあるし食べながら見よっと。

 

 

 

 今回のリバイスめっちゃ泣いたんだけど!ヒロミさんの「ただいま」につい「おかえりなさい!」と言ってしまった。それと大二くん、君は休んだ方が良いよ……。

 そしてドンブラザーズは怒涛の展開でドンモモ退場とかマジっすか……しかも次回予告に追加戦士みたいな奴出て来たんですけど。

 

 何はともあれヒロミさんが帰って来たシーンを見て感動した俺は活力が湧いてきて曲作りに没頭する事ができた。

 

 

 

 ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーー

 

 

 

 休み明けの月曜日の昼休み。俺はいつも通り屋上で璃奈とお昼ご飯を食べていた。

 愛さんはこの前運動部の助っ人をした時に仲良くなった子達と食べる約束をしていたらしいので今は2人きりだ。

 

「璃奈、昨日のリバイス最高だったよな!ヒロミさんが大二の拳を止めて「ただいま」って言ったシーンがヤバかった!」

 

「激アツだった。私つい涙出ちゃった」

 

「めっちゃわかりみ!ヒロミさん好きなキャラだから戻って来た時は嬉しかったな〜」

 

「きっとラブちゃんも凄く喜んでるよね♪」

 

 お昼ご飯を食べ終わり、俺は朝にかすみと音楽室で会う約束をしたので璃奈とは途中で別れることになった。

 

「じゃあ午後の授業でね」

 

「うん」

 

 俺は音楽室へと向かう途中で中川さんに音楽室の許可を取る連絡をしようとポケットからスマホを出したが、偶然にも副会長に遭遇したので副会長から許可をもらった。

 

 

 

「よっ!かすみ!」

 

「やっほー!ゆー介、それでかすみんを音楽室に呼び出したのはなんで?」

 

「実は、かすみの曲が少しだけ出来たんだ!まだ試作途中だし歌詞とかも考えて思い浮かびはしてるんだが……ちょっと苦戦中だ」

 

 いわゆるテレビサイズの主題歌みたいなものだな。ちょっとずつ試行錯誤していきたいと思っている。

 

「ホント!?聴きたい聴きたい!」

 

「よし、じゃあいくぞ!」

 

 俺は鍵盤の上に手を乗せてかすみに渡す為の曲を弾き始める。

 歌詞はまだ完全に出来てないけど、これからどんどん完成に向かって近づけようと思ってる。

 そして曲が弾き終わりかすみの方を見ると彼女の顔は最高の笑顔になっていた。

 

「どうだった?」

 

「すっごく良かったよ!なんだか聴いてるこっちも楽しい気分になった!」

 

「そりゃ良かった。じゃあ完成するまで楽しみにしてろよ!」

 

「うん!かすみん、すっごく楽しみにしてるね!」

 

「おう!じゃあ今週の金曜日にやるライブ楽しみにしてるよ。頑張ってね!」

 

「うん!ゆー介を絶対にスクールアイドル同好会の仲間にするぞー!」

 

 昼休みが終わり俺とかすみは別れてそれぞれ教室へと向かった。

 そして午後の授業が終わり放課後になったので俺はいつも通り璃奈と一緒に帰ることにした。

 

 

 

 そして次の日の朝。俺は朝食を済ませて家の火の元や玄関を出るとちょうど中川さんも家から出て来たので朝の挨拶をする。

 

「中川さん、おはようございます!」

 

「……あっ!星野さんおはよう……ございます」

 

 あれ?中川さん心なしか元気がないような気がするが、気のせいかな? 

 顔色も悪いし体調でも悪いのか?とか何か悩みでもあるのか?と心配になってしまう。

 

「中川さん、元気ないですけど大丈夫ですか?体調が悪かったら無理しないでくださいね?」

 

「いえ、健康なので大丈夫です」

 

「じゃあ何か悩み事ですか?良かったら相談に乗りますよ?」

 

「心配していただきありがとうございます。悩みはありますが、これは私の問題ですので」

 

「そうですか……あまり無理しないでくださいね?」

 

「はい……(昨日かすみさんと口論になってしまい同好会を活動休止した上にライブは私1人でやる事にした。なんてせつ菜になっても言えません!)」

 

 

 

 中川さんの事が気になりつつも俺はいつも通り午前の授業を受けて今日は昼食をエマさんと一緒に食べる約束をしたので食堂へと向かった。

 

「エマさん、こんにちは」

 

「遊星くん……こんにちは!」

 

「隣失礼しますね」

 

「うん……」

 

 あれ?エマさんも元気なさげですね。エマさんも何か悩みを抱えているのだろうか?

 それと何時もはよく食べるエマさんの食事の量が少ない気がする……ダイエットかな?

 

「エマさん、この前のテスト勉強はありがとうございました。エマさんが教えてくれたところが出て来てお陰で97点も取れちゃいました!」

 

「すごーい!遊星くん頑張ったね♪」

 

 エマさんは曇った顔からいつもの明るい笑顔になって頭を撫でて来た。

 何故だか変な気にはならなく、この人からはあゆ姉以上の母性を感じる気がする。

 

「それじゃ食べちゃいましょ!」

 

「そうだね!(遊星くんに昨日のこと相談したいけど、きっと迷惑かけちゃうかもしれないし……今はこの子がいる前でも明るくいなきゃ!)」

 

 俺は元気のないエマさんに疑問を持ちつつも楽しい昼食の時間を過ごした。

 食べ終わった後にエマさんが家族やペットの写真も見せてくれた。

 ヴェルデ家は美冬さん以上の大家族なんですね!それとヤギがペットとはな……スイスって感じするわ。

 

 

 

「明日もまた同じ日が来るのだろう!幸福は一生来ないのだ。けれども……」

 

「ん?なんだ?」

 

 食堂を出て俺が廊下を歩いていると空き教室から声が聞こえたので中を見たらしずくが1人で演技の練習をしていた。

 

「よっ!しずく!」

 

「ん……?はっ!遊星くん!」

 

「演劇部の自主練か?性が出るな」

 

「まさか見てたの?」

 

「空き教室から声が聞こえたもんだからついね……ごめん」

 

「ううん……夢中になってた私も悪いんだし気にしないで?」

 

 良かった……しずくはいつも通り元気そうだな。それにしても先ほど見た彼女の演技には見惚れてしまっていた。

 

「それにしても演技上手いな。素人の俺が見ても凄かったぜ」

 

「ふふっ、ありがとう」

 

「そんな頑張ってるしずくに、BOSSのフルーツティーをあげよう。じゃあな!」

 

「あ、ありがとう……またね!(遊星くん、ごめんね。でも同好会の活動が再開したら今度は部室で会えたら良いな)」

 

 俺が空き教室から出た瞬間にしずくの顔を見ると表情が曇ったものに変わっていた。

 あいつもしや演技で隠してたな?さっきからスクールアイドル同好会のメンバー達の元気が無いのが偶然とは思えない……スクールアイドル同好会で何かあったか?

 今日はバイトあるし彼方さんにでも聞いてみますかね。

 

 

 

  ーーjΣミイ˶º ᴗº˶リ ーー╰*(..•ヮ•.. ) *╯ーー

 

 

 

 学校からバイト先へと向かい俺と彼方さんはいつも通り棚に食料品などを並べたりレジ打ちの作業をこなしていく。

 休憩中も彼方さんの顔を見ると少しばかり曇っていた。

 

「お疲れ様でした!」

 

「美冬さん、お先に失礼しま〜す!」

 

「2人ともお疲れ様!またよろしくね!」

 

 休憩中に聞き出せなかったけど帰りの時はちゃんと聞かねば!

 

「あの……彼方さん?」

 

「な〜に?遊星くん」

 

「ライブの練習は如何ですか?」

 

「……うん、順調だよ」

 

 あれ?少し間があったな……でも彼方さんが順調って言うなら大丈夫か!

 

「そうですか!当日楽しみにしてますね!」

 

 そうか……謎が解けた気がするぞ。さっきから同好会のメンバー達が元気なさげにしてたのはライブが近いからピリピリしてたに違いない。

 ライブも近いし緊張もしてたんだな。上手く歌えるかとかパフォーマンス大丈夫かなとか考えてたんだきっと。

 

「うん!楽しみにしててね〜♪(同好会が活動休止になったなんて言ったら遊星くんショック受けちゃうだろうな……ここは心配かけないようにしなきゃ)」

 

「はい!そう言えば遥ちゃんのテストどうでした?」

 

「高得点取れたって喜んでたよ〜。今度遊星くんにお礼したいって言ってた〜」

 

 そっか……喜んでくれたなら俺も凄く嬉しいな。お礼は君の笑顔で大丈夫です。

 

「それじゃあ俺はこっちなので、また明日」

 

「ばいば〜い♪」

 

 

 

 俺は彼方さんと別れてマンションへと向かうことに。

 帰って夕飯食べ終わり、かすみに渡す曲作りに取り掛かった。

 

 

 

 そして時が経ちライブ前日の木曜の夜10時。ついに……ついに完成したぞ!かすみの曲が!

 早速かすみに報告しよう!きっと喜ぶぞと思い俺はスマホでかすみに電話をする事にした。

 

「ん?出ないな……きっと明日に備えて寝ちゃったんだな」

 

 俺はこれ以上電話すると迷惑になるだろうと思いスマホを枕元に置いて、出来たこの曲に早速名前をつける事にした。そうだな……歌詞の中から取るか。

 

 

 

「名前は…… 「Poppin' Up!」にしよう!」

 

 名前が決まり一安心した俺は部屋を暗くして明日のライブのことを考えながら眠りについた。

 

 

 





やっと本編ですよ。皆さんお待たせしました。

アニメと似通った感じにしつつもオリジナリティを出したいので「このシーンアニメと違うじゃねえか」とかはなしでお願いします。
でもアニメのシーンやセリフには頼らせていただきます。

因みに遊星くんが言ってた好きな男性声優は鈴村健一さんです。

同好会メンバーは遊星くんに気を遣って同好会活動休止のことを言いづらかったそうです。

かすみの曲を完成させた時の遊星くんは自称神のテンションになっていた。

それではまた次回!


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EP27 トキメキと廃部


頑張って長く書きすぎたわー!

今回は1期1話の内容に入ります。

それではどうぞ!


 

 

 

 6月になり今日は金曜日。待ちに待った虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のお披露目ライブの日である。

 開催場所はダイバーシティ東京プラザ2階のフェスティバル広場で開始時間は15時と聞いたので先ずはこの午前授業を乗り越えなければならない。

 

「ねぇ璃奈、今月から衣替えなのに……その格好暑くないの?」

 

「ん?大丈夫だけど?」

 

「そ、そうなんだ……」

 

 ワイシャツの上に長袖のパーカー見るからに暑そうな服に俺は驚くが、そう言えば女の子は冷え性って聞いたことあるし、きっと璃奈がそうなのだろう。

 

 

 

 午前授業が終了して俺は璃奈と一緒に帰り、ライブへは一回家に帰って着替えてから行くことにした。

 制服のまま着替えずに行くのも考えたが金曜日だし明日は休みだから、ライブの前にダイバーシティで外食でもしようかと考えていた。

 

 

 

 荷物の入ったショルダーバッグを持ち俺は家からダイバーシティ東京へと足を運んだ。

 着いた時に時計を見ると時間にまだ余裕があったのでちょっと遅めの昼ご飯を食べて、中にある色々なお店を回りながら時間潰しをした。

 

「おっ!そういやドラゴンボールの映画もうすぐだったな。今度は中川さんと観に行こうかな〜」

 

 と映画館の前を通りポスターを見ながらそう呟きスマホの時計を見ると14時50分を回っていた。

 

「ヤバっ!そろそろ行かないと!」

 

 俺は急足でフェスティバル会場へと向かい着くと既に数人くらいのお客さんらしき人たちが来ていた。

 中にはうちの学校の制服を着た生徒達がちらほらいたので間違いなくお客さんだな。

 

 そして15時になりライブ衣装に身を包んだせつ菜さんが1人で階段から降りて来た。

 会場のお客からは黄色い声援が飛び交い「せつ菜ちゃん頑張れー!」と言う声が聞こえて来る。

 あっ、せつ菜さんと目があった。でもなんだか違和感がある……何故かすみ達も出てこないんだ?

 

「あれ?せつ菜ちゃん1人?」

 

「新しいグループのお披露目だったよね?」

 

 と近くのお客さんの話し声が聞こえて来た。他の人たちも多分グループでのライブをやる予定と聞いてたのね……あの4人もしかして体調不良かな?

 

 

 

「走り出した!思いは強くするよ 悩んだら君の手を握ろう……」

 

 

 

 曲が始まった。今は考えるのはやめてライブを楽しもうじゃないか。それにしてもせつ菜さんの歌声すごく綺麗だ。

 俺の作った曲にせつ菜さんの歌とパフォーマンスが加わって最高なものに変わっていた。

 

「す、凄い……!これがスクールアイドルなのか!心が躍るなぁ……!」

 

 今までに感じたことのないワクワクが溢れた。胸の奥でもの凄いトキメキというものを感じた。

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 曲が終わり周りのお客さんから拍手が鳴り響いた。中には「せつ菜ちゃんカッコいい!」や「歌詞に心打たれた」などと言う話し声も聞こえて来た。

 何より「この曲聴いたら明日も頑張れそう!」と言うお客さんの声に俺は心の底から嬉しくなった。

 俺の作った曲をせつ菜さんが歌ってここにいる人たちに勇気を与えたのだと思うと何だか泣きそうになるな。

 

 歌いながらパフォーマンスをし疲れて息を切らせたせつ菜さんはお客さんたちに一礼をして階段を登って行った。

 

「よし……決めた!俺はスクールアイドル同好会に入るぞ!」

 

 俺はこのライブをきっかけにスクールアイドル同好会に入る決意を決めた。

 何だか今の自分の夢を見つけたような気がする。それは俺の作った曲をせつ菜さん達が歌い聴いてくれた人がまた明日頑張れるような……そんな曲をこれからも同好会で作っていきたいと思った。

 

「だよね、凄かったよね!カッコよかった!可愛かった!ヤバいよ、あんな子がいるんだね!」

 

「う、うん……」

 

「何だろうこの気持ち……すっごいトキメキ!」

 

 うんうんそうだよね。せつ菜さんヤバかったよな……ん?なんだか聞き覚えある声が少し離れた場所から聞こえてきたので振り向いたら……。

 

「あれ?ゆー姉にあゆ姉じゃん!」

 

「あっ!遊星!」

 

「遊星くん、何でここに?」

 

「それはこっちの台詞さ、もしかして2人もこのライブの存在を知って見に来たのか?」

 

「いや、これは偶々偶然なんだ。遊星は?」

 

「俺は生徒会の仕事で部室へ行った時に見にこないかって誘われて来たんだよね(最初はバイトの先輩に誘われたけど部室に行った時も改めて誘われたけどね)」

 

 2人の話によると学校帰りにダイバーシティ東京でウインドウショッピングをした後に外でコッペパンを食べていたら遠くから大音量の音が聴こえてそれが気になり来てみたら、せつ菜さんのライブをつい夢中になって見ていたらしい。

 

「そうだったのか……で、ライブはどうだった?」

 

「もう最高だったよ!歌もパフォーマンスもカッコよくて、それに曲も凄く心に刺さったよ!」

 

「ち、近い……(ゆー姉にそこまで言われると嬉しいな)」

 

「なんて子なんだろ?」

 

「あっちにポスターあるから見てくれば?」

 

 俺は後ろにあるポスターの方に指を刺すと、ゆー姉があゆ姉の手を引っ張ってポスターを見に行き、俺はその後をついていく。

 

「これは……虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会?」

 

「虹ヶ咲って……」

 

「「うちの高校だー!!」」

 

 あれ?もしかしてこの2人はうちの学校にスクールアイドル同好会あるの知らなかったのか……まあ同好会が出来てそんなに経ってないって中川さんから聞いたし知らないのもしょうがないか。

 

「因みになんだが……2人はスクールアイドル初めて知った系?」

 

「そうだね。遊星はスクールアイドルについては何か知ってる?」

 

「いや、名前だけならね。ただライブを見たのはこれが初だ」

 

「そうだったんだ。ねえ侑ちゃん、この後どうする?」

 

「う〜ん……特に予定ないからな〜。このまま帰ろっか!」

 

「そうだね。遊星くんはこの後どうするの?私服だけどこの後寄るところでも?」

 

「いや無いな。ライブ見た後は何するか特に考えてなかったし」

 

「そっか……じゃあまたね。遊星!」

 

「おう、また学校でな。あゆ姉も気を付けてな!」

 

「遊星くん、ばいばい!」

 

 俺はゆー姉とあゆ姉と別れて、せつ菜さんのライブの余韻に浸りながらマンションへと帰って行った。この心が躍る気持ちが忘れられず俺は早速新しい曲を幾つか作る事にした。

 皆んなの明日を応援できるようなそんな曲をたくさん作るぞ!

 

 

 

 そしてお披露目ライブから1日が経った土曜の夜21時半ごろ。俺が新たな曲を作っている途中ゆー姉から通話が来たので出る事にした。

 

「もしもし?ゆー姉なんか用?」

 

『聞きたいことがあるんだ。遊星ってスクールアイドル同好会のこと知ってるぽかったけど、良かったら教えてくれない?』

 

「それなら良いぜ。あの同好会はバイトの先輩や生徒会絡みでも知ったし部員の人も会ったことあるから知ってるよ……まさかとは思うが、ゆー姉スクールアイドルにハマったか?」

 

『そうなの!まぁ昨日までスクールアイドルって存在は知らなかったけど、ライブの後に帰ってから動画とかいっぱい観たんだよね!』

 

「そうなんだ……ま、俺も昨日は色々とスクールアイドルの動画は観たしな。ゆー姉はどう思った?」

 

 遥ちゃんが通ってる東雲のスクールアイドルの動画も見たけど、すごく良かったな。

 でも俺的には生で見たせつ菜さんのライブが一番好きだな。

 

『皆んなカッコよくて……可愛くて……輝いていて……最っ高にときめいちゃった!』

 

 電話越しでもゆー姉は絶対に目をキラキラさせてるんだろうなと思う。

 それにしてもトキメキか……ゆー姉はアバレキラーか……それともポッピーかな?

 

「俺もまぁ同じ感じの気持ちだな。心が躍る……そんな感覚だ!」

 

『でもやっぱり一番はあの人!名前何だろう?って思って……そこでもう一つ聞きたいのが昨日ライブしてたあの人の名前なの!同好会に行って会ったことあるなら、遊星知ってるでしょ?』

 

 ゆー姉も俺と同じくせつ菜さんが一番なのか……あの人は本当にモノスゲーな。

 

「そゆことね……あの人は優木せつ菜さんだよ。神出鬼没のニジガク謎のスクールアイドルって他の生徒から喋ってるのを偶然聞いたことがあるし……まぁ俺が知ってるのはこのくらいだな。それとゆー姉やあゆ姉とは同学年だよ」

 

『そうなの!?優木せつ菜ちゃんか……教えてくれてありがとう!サインとか欲しいな〜……』

 

「良かったらなんだけどさ……月曜日の放課後に行ってみないか?スクールアイドル同好会にね!」

 

『えっ!ホント!?分かった。じゃあその日は授業が終わり次第部室棟前で集合ね!』

 

「分かった。じゃあおやすみ」

 

『うん!月曜日はよろしくね!』

 

 と言い残しゆー姉が電話を切った。色々と話し込んだら結構時間が経ってしまったな……それにしても、ゆー姉がスクールアイドルに興味を持つとは意外だったな。

 ま、あのライブであんなに興奮してたんだ。ハマるよな……俺が初めてTVで仮面ライダーを観た時と同じ感じだったし。

 

 

 

 ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

 翌週の月曜日。俺はゆー姉と待ち合わせをしている部室棟前で待っていた。

 璃奈には従姉弟に部室棟の案内をすると約束をしたので一緒には帰れないと言ったが、璃奈は愛さんと用事があるらしいので大丈夫と返してくれた。

 

「おーい!遊星!」

 

「おっ、来たか……ってあゆ姉も来たの!?」

 

「うん、付き添いだけどね」

 

「それにしても……部室棟って初めて来たけど広いなー!」

 

「俺も初めて来た時はこの広さにはビックリしたよ。それじゃ2人とも後に着いてきて?」

 

「うん!せつ菜ちゃんに会うの楽しみだな〜!」

 

 俺はゆー姉とあゆ姉をスクールアイドル同好会の部室へと案内する為に歩き始めた。

 途中で流しそうめん同好会の部室を通った時にあることを思い出した。

 

「2人とも同好会へ行く前にちょっとだけ良いかな?」

 

「うん、良いよ。生徒会の仕事?」

 

「まあそんな所だ。すみませーん!」

 

 俺は流しそうめん同好会の扉をノックすると「どうぞ!」という声が聞こえたので中に入った。

 

「失礼しまーす」

 

「あっ!星野くんだ。何しに来たの?」

 

「どうもっす。部長さん!」

 

 中に入ると部員の皆さんが素麺を美味しそうに啜っていた。

 相変わらず美味そうだな……前来た時に食べさせてもらったけど素麺はどの季節でも美味しいな。

 

「予算申請書の提出日が今週の金曜日なんでなる早でお願いしますね」

 

「了解!ねぇ素麺食べてかない?」

 

「ありがたいですが、この後ちょいと用事がありましてね。また今度で……」

 

「分かった。またね!」

 

「お待たせ!そんじゃ行きますか!」

 

「遊星くん、何だか社会人みたいだね」

 

「そうか?」

 

「うん!カリスマ営業マンみたいな感じだったよ!」

 

「あっそ……もう直ぐで着くよ」

 

 俺たち3人は暫く歩いてスクールアイドル同好会の部室前へと着いた。

 

「ここが……虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会!」

 

「それじゃ……」

 

「何をしてるんですか?普通科2年の高咲侑さん、上原歩夢さん、それと星野さんもこんにちは」

 

 俺がスクールアイドル同好会の扉をノックしようとした瞬間、声が聞こえたので後ろを振り向くと中川さんが歩いてきた。

 

「こんにちは、中川さん」

 

「えっ?会ったことありましたっけ?」

 

「生徒会長たるもの全生徒の名前を覚えているものです」

 

「「えっ!生徒会長!?」」

 

「中川菜々といいます」

 

 えっ……この人全生徒の名前覚えてるの……俺でさえ全ウマ娘の名前を覚えられるのでもやっとなのに……。

 

「この同好会にご用ですか?」

 

「はい、せつ菜さんに会いたいって言ってたので連れてきたんです」

 

「彼女はもう……ここには来ませんよ。スクールアイドルは辞めたそうです」

 

「「え?」」

 

「彼女だけではありません……この同好会は只今を持って廃部となりました」

 

 え?今なんて言った?廃部……だと……俺はいま今年一初めて動揺している。

 ゆー姉の顔を見ると「そんな……」と言いながら絶望的な表情をしていた。

 

「失礼します。それと星野さん、この後渡したい仕事があるので一緒に生徒会室に来てくれませんか?」

 

「は、はい!2人ともごめんね。俺はここで……あゆ姉、ゆー姉をお願い」

 

 俺は小声であゆ姉の耳元にそっと囁いた。

 

「う、うん……頑張ってね。遊星くん」

 

 俺は2人と別れとてつもない虚無感に包まれながらも中川さんと生徒会室へと向かった。

 

 

 

 一体これからどうなってしまうのだろうか……かすみたち大丈夫かな。

 

 

 





今回のアニメとこの回で違ったところは本来なら璃奈と愛さんが同好会の場所を教えるはずが遊星くんが案内する形になりました。

せつ菜ちゃんのライブの影響で夢を見つけた遊星くんだったが突然の廃部にという衝撃展開勃発!……どうなる!?

遊星くんは全同好会ではないが生徒会絡みでもいくつかは面識があったりする。

次回もお楽しみに!
お気に入りと感想よろしくです。感想来るとやる気出ます。


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EP28 迷い猫とかすみん奮闘記


はんぺん出てきます。

それではどうぞ!


 

 

 

 スクールアイドル同好会が廃部になったと突然の出来事に信じられずにいた俺は中川さんと一緒に生徒会室へと向かっている。

 

 それにしても廃部だなんて……いったい同好会で何があったというんだ?もしかして先週みんなの元気が無かったのはこれのことだったりして……だとしたら俺はとんでもない勘違いをしていた。

 

 何がライブ前だから緊張してるだよ……でも過ぎたことを悔いていても仕方ない、今はこの置かれた状況をなんとかしないと。

 そうだ!先ずはかすみに聞き出そう!あいつなら何か知って……。

 

「うおっ!」

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

 俺は考え事に夢中で階段を降りる際に踏み外してズルっと転びそうになった。

 

「平気っす。つい考え事を」

 

「はぁ……ちゃんと前を向いて歩かないと危ないですよ?気を付けてくださいね!」

 

「はい、すんません……」

 

「あの、その考え事とはスクールアイドル同好会のこと……ですか?」

 

「はい、さっき中川さんが「廃部になりました」って言った時は驚いちゃいました。いったい何があったんだろ……」

 

「同好会は優木さんとの話し合いの結果……廃部になりました(ごめんなさい……星野さん)」

 

 話し合いって……これ正体が知られちゃってたらその訳は通用しませんよ。

 暫く歩いて俺と中川さんは生徒会室に着いて会計の仕事をもらった。

 

「それでは、お願いします」

 

「分かりました。それでは……」

 

「あの!星野さん!」

 

「どうしました?」

 

「今日は一緒に帰ってくれますか?この後は予定も無いので……GAMERSにでも行こうかと思いまして」

 

 中川さんは生徒会室に移動してた時は曇った表情をしていたが今は明るい笑顔になっていた。

 

 俺を心配させない為だろうか?その笑顔が作り笑いに見えてしまい俺は心のどこかで寂しさを感じた。

 俺は純粋で無邪気に心から笑う中川さんの笑顔が好きなのに……。

 

「良いですよ。俺もちょうど阿波連さんの新巻が出たので買いに行きたかったので」

 

「そうですか、じゃあ早速行きましょうか!」

 

「はい!」

 

 俺と中川さんは学校を後にして一緒にお台場のGAMERSへと向かいそれぞれ目的のものを購入した。

 

「阿波連さんとライドウくんが水遊びをする表紙が可愛いですね」

 

「ふふっ、そうですね!」

 

 何があったかはまだ知らないけど俺はできるだけ中川さんの近くに寄り添おう。余計なお世話かもしれない、でも彼女の心の支えになれればと思った。

 

 そして俺は廃部の原因をかすみ達に聞き出して貴女を絶対にスクールアイドルに戻してみせるとここに誓おう!

 

「それでは、また明日」

 

「遊星さん、おやすみなさい」

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 衝撃展開から1日が経ち俺は現在、大親友の璃奈と駄洒落ギャルでお馴染みの愛さんとお昼ご飯を食べていた。

 

「ねぇ、遊星くん……相談があるんだけど」

 

「実は愛さんからも、りなりーと同じお願いがあるんだ!」

 

「お?良いぞ。力になれるならできる範囲で協力するよ!それに愛さんからも相談とは珍しいですね」

 

「ありがとう。でもご飯食べ終わってからでも良い?」

 

「うん、分かった!」

 

 その相談ってもしかして璃奈が座ってる隣に置いてあるキャットフードとお皿と関係があるのかにゃ?

 璃奈は飼育係でも無いしそもそも学校には動物を飼育してる場所もなかったけど……まさかとは思うけど何処かで猫を飼っているとかか?

 

 弁当を食べ終わって俺は2人の後をついて行き着いた場所は中庭であった。

 

「はんぺーん!」

 

 璃奈がそう叫ぶと茂みの中から白くて小さい子猫が鳴きながら姿を現した。

 そして子猫は飛びついてきて璃奈が手に持ったキャットフードとお皿を置いて子猫を受け止めた。

 

「相談したいのってこの猫のことか?」

 

「うん、学校の近くで捨てられてて……私のマンションじゃ飼えなくて……因みに名前は「はんぺん」だよ」

 

 捨て猫か……全く!酷いことをする人もいるもんだね!命はちゃんと大切にしなきゃ駄目だよ。それにまだこんなに小さいのに……可哀想だ。名前はきっと白いからはんぺんなんだな……黒だったらキャルって付けてたわ。

 

 俺がはんぺんの顎をゴロゴロと撫でると気持ちよさそうにする……癒されるわ〜。

 

「成程な。愛さんは……飲食店だから無理ですね」

 

「そうなんだよね〜。そこでほっしーの家で飼えないかな?」

 

「すみません……家のマンションもペットは飼えないんですよ。残念ながら……」

 

「そう……なんだ」

 

 璃奈はお皿にキャットフードを入れてはんぺんに食べさせる。

 璃奈の表情は相変わらず変わってないけど残念な気持ちが伝わってくる。

 

 かと言ってこのまま内緒で放し飼いをしてると、いつかは生徒会に見つかる。校則で放し飼いはダメって書いてあったからな……って俺生徒会の一員だったわ。

 

「なぁ璃奈、この件について会長に相談しても良いか?」

 

「えっ!?生徒会長に?」

 

「ああ、いつ目を付けられてもおかしく無いからな……なるべく早くこの子の件に関して何とかしないとだし」

 

「大丈夫……かな?」

 

「大丈夫だよ!中川さん初見は怖いイメージあったけど凄く優しいからさ!俺が補償するぜ?」

 

「ほっしーを信じてみよ?りなりー」

 

「うん、分かった。私、遊星くんを信じるよ!」

 

「よし、じゃあ早速中川さんを呼ぼう!」

 

「「今から!?」」

 

 俺はポケットからスマホを出して中川さんに連絡をとった。

 

「なるべく早くって言っただろ?……もしもし中川さん、中庭に来てくれませんか?頼みたい事がありまして」

 

『分かりました。直ぐそちらに向かいますね』

 

「ありがとうございます。それでは……中川さん直ぐに来るってさ」

 

 そして俺と璃奈、愛さんの3人ではんぺんを愛ながら待ち暫くすると中川さんがやって来てくれた。

 

「こんにちは、中川さん」

 

「こんにちは、星野さん、それと情報処理学科1年の天王寺璃奈さんに同じく2年の宮下愛さん……それで相談の件は?」

 

「あれ?会長って愛さんたちと会うの初めてだよね?」

 

「生徒の名前全員覚えてるみたいです。実はこの猫に関してなのですが……」

 

 はんぺんを璃奈に渡して立ち上がり、ちょっと離れた場所でことの事情を全て話した。

 飼ってやれないのは悲しいけれど小さな命でも救ってやりたいんだ。

 

「成程……事情は分かりました。飼うのは本来であれば駄目ですが特別に許可しますよ。学校の一員として迎えるのは校則違反ではありませんしね」

 

「本当ですか!ありがとうございます!(屁理屈には聞こえるが良い屁理屈だな)」

 

「それでは私はこれで、あの猫さん可愛がってくださいね」

 

「了解です!」

 

 中川さんは俺との話し合いをすませると校舎内へと戻って行き俺は璃奈と愛さんの元へと戻っていった。

 

「どうだった?」

 

「ふっふっふっ……はんぺん、おめでとう!君は今日から生徒会お散歩役員だよ!」

 

「てことは……!」

 

「学校で飼って良いってこと!?」

 

 俺が無言で頷くと愛さんは「ヤッター!」と大きな声で喜んでおり璃奈は、はんぺんをそっと下ろして俺に思いっきり抱きついて来た。

 

「ありがとう……ありがとう!遊星くん!」

 

「良いってことよ。中川さん良い人だったでしょ?」

 

「うん!」

 

 俺は璃奈の頭を撫でていると昼休み終了前のチャイムが鳴った。

 

「それじゃ教室に戻るか、はんぺんまた会おうな」

 

 最後にはんぺんの頭を撫でて俺たち3人は自分達の教室へと向かった。

 

 

 

 そして、はんぺんの件から時間が経ち午後の授業が終わると生徒達は鞄を持ってそれぞれ教室を出て行った。

 

「ねぇ遊星くん、今日のお礼したいんだけど一緒に帰れる?」

 

「そうだな……ん?」

 

 俺が璃奈と話しているとスマホから通知音が鳴りスマホを見るとかすみからだった。

 内容は「今から会えないか?」というものであり俺も今ちょうど会いたかった所だ。

 

「ごめん璃奈、ちょっと野暮用が出来たから今日は帰れない」

 

「そう……なんだ」

 

「ごめんな。じゃあお礼はまた今度でも良いかな?」

 

「分かった。約束ね」

 

 

 

 ーー ζ㎗òヮóリーー从||>ᴗ<||从 ーー

  

 

 

 俺は足早で教室を出てかすみが待っていると言っていたコンビニ前へと向かった。

 目的地に着くとかすみが暗い顔で俯きながらスマホを触っていた。

 

「かすみ?」

 

「ゆー介……会いだがっだー!」

 

「うおっ!よしよし……」

 

 かすみは俺に会えて一安心したのか泣きながら思いっきり抱きついて来た。おいおい人の目もあるんだぞ!その他の男子からの目線が痛い……。

 俺たちは取り敢えず別の場所に移動して2人でベンチに座る。

 

「落ち着いたか?」

 

「グスっ……うん……」

 

「昨日さ中川さんから同好会が廃部になったって聞いたんだけど……何があった?」

 

「は、廃部!?暫く活動休止にするって言ってたのに……何で廃部に……」

 

 かすみの話によると先週の月曜日にお披露目ライブへの練習をしていると思わぬ方向性の違いでせつ菜さんと口喧嘩になってしまい、同好会は活動休止になり、そしてケジメをつけるとして先週末のライブを一人でやると言ったらしい。

 

「だからあの時のライブは1人だったのか」

 

「ゆー介、ライブ見に行ったんだ」

 

「それより、何でこのこと言ってくれなかったの?」

 

「それは……ゆー介がライブ凄く楽しみにしてたし、ショック受けたら嫌だなって思って言いづらかったの」

 

 そうなのか、俺の為に……ってことはエマさんもしずくも彼方さんもそれに中川さんも俺に気を遣ってこの事が言えなかったんだ。

 でもここで考えまくってたら立ち止まるばかりだ……ここは切り替えていかないと。

 

「かすみ、ひとつ質問していいか?」

 

「ふぇ?」

 

「お前は廃部って聞いてこの後はどうするの?このまま諦めるか?」

 

「ううん、諦めない!かすみんは世界一可愛いスクールアイドルになるって夢があるもん!ここで立ち止まったら……今までが無駄になっちゃうから」

 

 本気だ……本気の目だ。俺はかすみの夢を手助けしてやりたい、だから俺は……。

 

「じゃあさ、ここからまた始めてみないか?協力させてくれ」

 

「えっ!良いの!?」

 

「前に言っただろ?スクールアイドルの凄さを実感したら同好会に入るって……俺にかすみの夢を応援させてくれ……俺がかすみの最後の希望だ」

 

「ゆー介……うん、そうだね。またここから始めよう!」

 

「それじゃ覚悟を決めたかすみにこいつを渡そう」

 

 俺はポケットから音楽データの入ったUSBメモリをかすみに手渡した。

 

「これはもしかして……かすみんの曲!?出来たんだ!」

 

「おう!歌詞も全部できたからあとで持ち帰って見てくれ!」

 

「ありがとう!頑張って練習するぞー!」

 

「そういや、言い忘れた事があった」

 

「何?」

 

 今は同好会が廃部になってしまったのでドアプレートは現在生徒会長が座ってる椅子の引き出しに入っていると教えた。

 

「じゃあ先ずはドアプレートを取り戻したい!」

 

「それなら良い作戦があるんだけど……乗ってくれるか?」

 

「もちろんだよ!」

 

 

 

 こうして俺とかすみの同好会復活作戦が始まった。悪いなはんぺん今回の作戦はお前に協力してもらうぜ……。

 

 

 





はい、という事ではんぺん問題を早くも解決させちゃいました。
これぞ生徒会の一員で璃奈の親友だからこそできる行動なんじゃないかと思いました。

そして遊星くんはかすみに口論の内容をまだ聞いてない

それではまた次回!


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EP29 ミッションと誕生!2代目部長?


1期2話の内容に入ります。

それではどうぞ!


 

 

 

 翌日の昼休み。俺は現在お昼ご飯を食べ終え生徒会室のソファに座って中川さんと事務作業をしていた。

 今日がドアプレートを取り戻す作戦の日という事で上手くいけば良いのだけれど……。

 

 事務作業を進めていると外からノックの音が聞こえた。かすみか?それとも誰か用事かな?

 

「どうぞ!」

 

「失礼します」

 

 そう言い中に入ってきたのは予想外の人物であった。

 

「か、果林さん!?」

 

「こんにちは、遊星くん」

 

「……何のご用ですか?ライフデザイン学科3年の朝香果林さん」

 

「うっふふ、生徒全員の名前を覚えてるって本当なのね。じゃあ、優木せつ菜さんのことも知ってる?」

 

 果林さんがせつ菜さんを?いったいどうして……はっ!もしかしてエマさんの頼みか!親友のために協力するなんて……なんて熱い友情なんだ。

 

「ええ……」

 

「スクールアイドルに興味があって……でも誰に聞いても学科もクラスも分からないのよね?」

 

 それもそのはずです。何てったってせつ菜さんは果林さんの目の前にいますしね。

 

「同好会は優木さんとの話し合いの結果、廃部となりました。スクールアイドルの話なら彼女は会わないと思いますよ」

 

 と中川さんが言うと果林さんは俺が座ってる後ろに置いてある資料がたくさん入った棚の方をチラッと見る。

 ちょっと作戦的に狂ったけどちょうどいいぜ。俺はかすみにミッション開始のメッセージを送った。

 

「ご用件はそれだ……」

 

「きゃー!猫よー!」

 

「ん?猫?」

 

 中川さんが生徒会室の扉を開けるとはんぺんが中川さんの顔面に向かってDIVE!してきた。すまないはんぺん……そして璃奈。

 

「あっ!待ちなさい!」

 

 はんぺんは中川さんの顔から離れて逃げ出していった。

 

「追わなくて良いの?」

 

「追いますよ……それより、これをどうぞ」

 

 俺は棚の中から生徒名簿を出して果林さんへと手渡した。

 

「えっ?良いの?」

 

「はい、果林さんも自分なりに動いてるっぽかったので、俺も出来る限り動いてみますよ……なのでお願いします。それとこの事は内緒で」

 

「ええ、分かったわ」

 

 俺は果林さんと生徒会室へと出て行きはんぺんを追う中川さんの後をついていくことにした。

 

 

 

「はぉはぁ……見失ってしまいました。全く誰がこんなことを」

 

「すみません捕まえられなくて、でもはんぺんがなんで校舎の中に……(すっとぼけ)」

 

「おや?扉が開いてますね。誰かいるのでしょうか?」

 

 俺と中川さんが生徒会室の扉の隙間を覗くとサングラスにマスクをした不審者風のかすみがスクールアイドル同好会のプレートを手に持っていた。

 それを見た中川さんはこっそりとかすみの背後に移動した。

 

「何をしてるんですか……?」

 

「ひゃあああ!もう戻ってきたんですかぁー!?しかし、目的は果たしました。さらば!」

 

「あぁ……お待ちなさい!」

 

 かすみはプレートを持ったまま生徒会室から素早く去っていった。

 

「中川さん、きっとあの子は同好会の部室に行ったに違いありません!追いましょう!」

 

「そうですね」

 

 こうして俺と中川さんは部室棟へと向かうことになった。かすみよバレはしたがお前はよくやったぞ!グッジョブだ。

 

 

 

 ー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ー

 

 

 

 部室棟の元スクールアイドル同好会があった部室前に行くとかすみが扉を見てから膝をついて絶句していたので何でだろう?と思い扉を見ると「ワンダーフォーゲル部」というネームプレートがセットされていた。

 

「普通科1年……中須かすみさん、何を言いたいかは分かっていますよね?」

 

「はわわわわ……ガクッ!」

 

 そう言い残して中川さんは去っていった。俺はこの子に聞きたい事があると中川さんに言い承諾を得て残ることにした。

 

「かすみ、お疲れさん。部室のことは残念だったな……でも目的の一つは達成したんだ。取り敢えず場所を変えようか?」

 

「うん……そうだね」

 

 俺は落ち込んでいるかすみと一緒に部室棟から離れて食堂へと移動することにした。

 ちょうど小腹も空いてたしケーキでも食べたい気分だったし。

 

「あれ?遊星くん、それにかすみさんも!」

 

「おお、しずくじゃあないか!どうした?」

 

「ちょっとお茶をしにね。かすみさん元気ないけどどうしたの?」

 

「……まぁ事情は席に着いてからにしようか?」

 

 2人は先に飲み物を買って席に向かい俺はブラックコーヒーとケーキを買い2人の席へと向かうとかすみが勢いよくコッペパンを齧っており、しずくが頭を撫でていた。

 

「んぐっ!あの意地悪生徒会長……!」

 

「怖かったね。でも生徒会室に忍び込んだりするからだよ?」

 

「いや、この件に関しては作戦を立てた俺が悪かったんだ。怖い思いさせたな……すまない!」

 

「ううん……ゆー介がかすみんのために考えてくれたんだもん。寧ろありがとう!」

 

「部室……無くなったんだ……」

 

「こうなったら徹底抗戦だよ!しず子!」

 

「あはは……気持ちはわかるよ。せつ菜さんには相談した?」

 

「する訳ないじゃん!そもそも部室以外で会った事ないし!」

 

 そりゃそうだ。四六時中せつ菜さんの姿でいれば中川さんがせつ菜さんってバレるのも時間の問題だからね。

 すると足音がこちらに聞こえてきたのでその方向を向くと演劇部の部長さんがやって来た。

 

「おお!部長さん、どうも!」

 

「こんにちは、星野くん!これ申請書ね?」

 

「提出ありがとうございます!」

 

「しずく、そろそろ行こっか?」

 

「あっ、はい!……ごめんなさい。演劇部の稽古に行かなくちゃ。後でまた連絡するね?」

 

「あっ……ちょっと!」

 

 しずくが演劇部の用事で行ってしまったので俺とかすみは学校のコンビニへと移動して課金カードを買った後にスマホ内にチャージした。

 かすみはというとまたコッペパンを勢いよく齧っていた。

 

「んぐっ!しず子の薄情者ー!」

 

「まぁまぁお茶でも飲んで落ち着けや」

 

「あ、ありがとう」

 

「ねぇ他の人には連絡したの?」

 

「したんだけどエマ先輩も彼方先輩も連絡取れないの……」

 

「そっか……」

 

「こうなったら、かすみんが部長になるしかないね!」

 

「まぁ……心のままにやってみなよ」

 

 同好会の件について話し合っていると見慣れた知り合いが偶然前を通りかかった。

 

「スクールアイドルってどうやってなるんだろう?」

 

「スクールっていうくらいだから部に入らないとダメなんだろうけど……」

 

 するとかすみが立ち上がり2人の女の子の肩を掴んだ。

 そう……俺の従姉弟のゆー姉と幼馴染のあゆ姉である。

 

「せんぱ〜い!スクールアイドルにご興味があるんですか〜?」

 

「「ん?」」

 

「よっ!2人とも!」

 

「遊星!?」

 

「遊星くん……何で!?」

 

「あれ?ゆー介ってこの先輩達と知り合いなの?」

 

 かすみが戸惑っていたので一旦落ち着かせてお互いに自己紹介をすることになった。

 この2人は俺の従姉弟と幼馴染だと紹介するとかすみは「成程!」と納得してくれた。

 

「かすみんはスクールアイドル同好会2代目部長のかすみんこと中須かすみでーす!」

 

「スクールアイドル同好会!?私、高咲侑です!」

 

「上原歩夢です。でも同好会って廃部になったんじゃ?それと遊星くんってこの子とはどんな関係なの?」

 

「同好会に行った時に知り合ったんだ。言いそびれたんだけど……実は俺、作曲として入ってくれないかってせつ菜さんにスカウトされたんだよね」

 

「えっ!作曲!?遊星って音楽出来たっけ?」

 

「昔からオタク趣味のひとつでピアノをしててね。音楽室で偶々せつ菜さんに出会ってそこでな。それとこの前ライブでせつ菜さんが歌った曲は俺が作ったんだ」

 

「「えっ……えぇぇぇぇ!?」」

 

「遊星が……あの曲を!?」

 

 俺の口から衝撃のカミングアウトをした瞬間2人は口を開けたまま一瞬だけ固まっていた。

 

「うん、小学生のころに作って歌詞も自分で考えたの。驚いた?」

 

「当たり前じゃん!あんなに凄い曲を私の従姉弟が作っちゃうなんて……ってもしかして遊星って同好会の一員だったの!?」

 

「いや、違うな。俺はあのライブの時までは同好会の一員じゃ無かったんだ」

 

「じゃあ何で遊星が作った曲をせつ菜ちゃんが?」

 

 俺は今までのことを2人に説明した。俺がスクールアイドル同好会にスカウトされたこと。ライブを見てスクールアイドルの凄さを知ったその瞬間に入るかどうかを考えると言ったこと。

 せつ菜さんた達を応援するために曲をプレゼントしたこと。そしてライブを見て心が躍り、スクールアイドル同好会に入りたいと思ったことを包み隠さず話したのだ。

 

「でもあの時2人を同好会までに案内して、中川さんの口から同好会が廃部になったって聞いて、めっちゃ動揺してさ」

 

「そうだったんだ……」

 

 俺が話してる間にかすみはお近づきの印としてゆー姉とあゆ姉にコッペパンを渡して食べながら聞いていた。

 

「それにしても、あゆ姉がスクールアイドルやりたいとは驚きだな。どんな進展があったんだ?」

 

「まぁ、色々あったの。色々と……」

 

「そっか、まぁ何はともあれ俺もあゆ姉を応援するよ!」

 

「ふふっ、ありがとう!」

 

「じゃあ、ゆー姉もスクールアイドルに?」

 

「ううん、私はアイドル志望じゃなくて歩夢を応援したいんだ!」

 

「それって専属マネージャーって事ですか?」

 

「えっ?そうなのかな〜?」

 

「ずるいです!それなら、かすみんの応援もしてください!スクールアイドルとしてはかすみんの方が先輩ですからね。部長には絶対服従ですよ♪」

 

「分かったよ。中須さん」

 

「もっと気軽に読んでくださいよ〜!」

 

「だったらかすかすだね?」

 

「んあ!かすかすじゃなくてかすみんです!」

 

「中須かすみだから、かすかすかなって?」

 

「もう!かすみんって散々アピールしてるんですからそれでお願いしますよ……なんだかゆー介と初めて会った時のこと思い出しました」

 

「アピールだったんだ……それよりゆー介って遊星のあだ名?」

 

「そうだよ。だから俺もこいつのことあだ名で呼ぼうと咄嗟に思いついたのがかすかすでね。あの時はめっちゃ怒られた気がするよ」

 

「あはは……そうなんだ……」

 

 

 

 ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

「あっ!そう言えばこの後バイトがあったんだ。3人ともゴメンだけど俺はここで!」

 

「えぇー!?この後は練習場所を探して、自己紹介動画を撮る予定だったのに!」

 

「悪いけど何かあったら連絡してくれないかな?大丈夫!俺はいつでもかすみの味方だからね。じゃあまた明日」

 

「うん、バイト頑張ってね。遊星くん」

 

「あとは任せて!」

 

 

 

 俺は今日この後も一緒にいられないことを悔やみながらバイト先へと向かった。

 到着して着替え終えて更衣室から出ると隣の女性用更衣室の扉が開き彼方さんと出るタイミングが偶然一緒だった。

 

「どうも、彼方さん」

 

「やっほ〜。遊星くん、今日も頑張ろー!」

 

「あの、彼方さん、帰る時にお話があるんですが宜しいですか?」

 

「うん、良いよ〜♪」

 

 

 

 バイトから暫く時間が経ち、俺と彼方さんは更衣室で着替えて美冬さんに挨拶をしてから外へと出る。

 

「それで話って……同好会のことかな?」

 

「はい、その通りです。話は全てかすみから聞きました」

 

「ごめんね。休止になったの言い出せなくって……」

 

「いえ、俺も彼方さん達と同じ立場だったらそうしてたかもしれませんし……謝らないでください」

 

「それで、かすみちゃんは元気にしてる?」

 

「最初は落ち込んでましたが今は同好会を復活させるぞ!って前向きに頑張ってますよ。俺も協力してるので安心してください」

 

「ほっ……良かった〜。彼方ちゃんはそれを聞いただけでも一安心だよ〜」

 

 彼方さんの不安が晴れて良かった。でもこの人はまだ悩みを抱えてるに違いない……そうせつ菜さんのことだ。

 

「彼方さんはまだスクールアイドル諦めてませんか?」

 

「もちろんだよ。それにせつ菜ちゃんにも戻ってきてほしいって思ってるし!」

 

「そうですか……実は俺お披露目ライブを見て夢が出来ました。それは俺たちが作った音楽でみんなを笑顔にすることです!だからそのためにも同好会だけじゃない……せつ菜さんを絶対に連れ戻しましょう!」

 

「遊星くん……うん、そうだね。よ〜し!ここはお姉さんとして一肌脱ぎますか!彼方ちゃんでも出来ることの精一杯をやるよ〜!」

 

 彼方さんのやる気ある声を聞くとなんだか頼もしい限りだ。

 

「遊星くん、彼方ちゃん達のためにありがとうね〜。ぎゅー!」

 

「うぎゃあ!抱きつくなぁ!当たってますからー!」

 

 

 

 やっぱ……大丈夫かな?

 

 

 





果林さんにこっそりと協力した遊星くん。これも会長のためだ。

はんぺんにはお礼として後で結構良いキャットフードを買ってあげました。

今回は自己紹介を撮るところは割愛させていただきました。理由は長くなりそうだったからです。

そして侑と歩夢に今までの全てを打ち明けた遊星くんに2人はかなりの衝撃を受けたそうです。

次回もお楽しみに!
感想欲しいな……


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EP30 歩む幼馴染とPoppin' Up!


今回で2話の内容が終了します

それではどうぞ!


 

 

 

 彼方さんの枕のようなふわふわ柔らかい体に抱きつかれ振り解いてから暫く経ち俺は現在自宅で夕飯を食べた後に、風呂を済ませて上がるとコーヒー牛乳を飲みながらiPadに入れてある東映特撮ファンクラブのアプリで仮面ライダーアギトを観ていた。

 

「皆んなの帰るべき場所を守る……か、歯を磨いて続きも観ますか!」

 

 歯を磨いてあとは寝るだけなので俺はアギトの続きを観ていたら枕元に置いてあったスマホが鳴り画面を見たら、かすみからだった。

 

「もしもし、かすみ何かあったか?」

 

『……ゆー介、かすみんとんでもないことをしちゃったかもしれない……』

 

「は?どゆこと?俺がバイトに行ってる間何があったか教えてくれ!」

 

 かすみの話によると俺がバイトに行った後に予定通り練習場所を探して、何とか見つけた公園で自己紹介動画の撮影を開始した。

 

 自分の自己紹介をあゆ姉に見本として見せて次はあゆ姉の番になったのは良かったのだが当の本人は恥ずかしがり、可愛いのに慣れていなかった為か声が小さかったり大きかったりで大変だったらしい。

 仕方なくかすみがアドバイスとして両手を頭の上に乗っけて語尾にぴょんを付けようと発言したとのこと。

 

「なにそれ?めっちゃ見てみたいんだが!」

 

『ゆー介、話はまだ途中だよ!』

 

「ご、ごめん!」

 

『それでね……』

 

 その後のあゆ姉は「可愛い怖い可愛い怖い」と小声で何度も連呼していたらしい……あゆ姉大丈夫か〜?

 そしてゆー姉に同好会がなぜ廃部になったかを聞かれ、かすみは質問に答えた。

 

「そう言えば俺、口論の内容聞いてなかったな……あの時どんな感じだったか教えて?」

 

『せつ菜先輩が「こんなパフォーマンスでは、ファンの皆さんに大好きな気持ちは届きませんよ!」って、だからかすみんもムキーってなっちゃって……そのまま活動休止になったの』

 

 ふむふむ、かすみもせつ菜さんもファンに届けたいものがあるんだな。

 

「それで?」

 

 ゆー姉の質問に答えた後にかすみが「より一層可愛くなるために」と言ったらあゆ姉が「可愛いって何?可愛いって難しい……」と頭を抱えて呟いていたらしい……あゆ姉が鬱になるんじゃないかと心配になってきた。

 

「そんな歩夢先輩に「そんなんじゃファンの皆んなに可愛いは届きませんよ」って言ったら気付いちゃったの」

 

「あっ!察したわ……。自分もせつ菜さんと同じことしたんじゃないか?って後悔してるんだろ?」

 

『大正解……それでその後は侑先輩達とは解散になったの』

 

「そうか……まぁ自分で気付けただけでも凄く良い事だよ。成長したな、かすみ」

 

「あ、ありがとう。ゆー介」

 

「それじゃ明日はちゃんとこの事を2人に話そうぜ?バイト無いから付き合ってやるよ」

 

『ホント!?それじゃあ放課後に「夕陽の塔」に集合ね?』

 

 俺は遅れそうになったら連絡をすると言った後に通話を切って明日に備えて寝ることにした。

 

 

 

  ー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーー@cメ*◉ _ ◉リ ー

 

 

 

「はんぺん、たくさんお食べ〜!」

 

「昨日は、はんぺんが校舎内にいたから驚いた。いったい誰が外から連れて来たんだろう?」

 

 翌日の放課後。俺は現在、璃奈と愛さんとはんぺんに餌を与えており愛さんは写真を撮っていた。

 その件に関しては俺が悪いです。本当にごめんなさい!

 因みにかすみには遅れると連絡を入れました。

 

「ねぇ、俺この後急ぎの用事があるから直ぐに行かなきゃなんだ」

 

「そうなんだ。なら仕方ないね」

 

「本当にごめんな。またねはんぺん!」

 

「にゃ〜♪」

 

 

 

 俺は最後にはんぺんの頭を撫でてかすみが待っている夕陽の塔へと向かう途中で偶然果林さんと出会った。

 

「果林さん、こんにちは」

 

「遊星くんじゃない、この前は生徒名簿ありがとうね(道に迷ったなんて言えないわ)」

 

「どうでした?名簿にせつ菜さんの名前はありました?」

 

「いえ、見つからなかったわ。いないはずのせつ菜とどうやって廃部のやり取りをしたのかしらね?」

 

 ついに果林さんが中川さんの正体に辿り着いたか……まぁ俺が手回ししたんだけどね。

 どうやら今日この後エマさん、彼方さん、しずくを連れて生徒会室へと問い正しに行くらしい。

 

「そうですか……せつ菜さんが中川さんだったなんて……(嘘を貫いていくぅ!)」

 

「ええ、それで遊星くんにも来てくれるかしら?」

 

「行きたい!と言いたいところですが……すみません。この後友人と待ち合わせをしてるので、後はお願いできますか?」

 

「ええ、分かったわ……約束ならしょうがないものね。お姉さんに任せなさい!」

 

「それにしても果林さんは頼りになるな〜!」

 

「そう言えば貴方だけ私の名前のイントネーションが変なんだけど気のせいかしら?」

 

「果↓林↑さんって呼んだ方が俺的に呼びやすかったので……駄目ですか?」

 

「ま、好きにしなさい……ん?何か声が聞こえるわね?」

 

 俺が果林さんと話し込んでいると曲がり角の方から聞き覚えのある声が聞こえた。この可愛らしくも時々腹を立てさせるようなヒーラーの声はあの人しかいないよなぁ……。

 

「新人スクールアイドルの歩夢だぴょん!臆病だから寂しいと泣いちゃう〜!ぴょん♪暖かく……」

 

「あ、あゆ姉……何やってんの?」

 

 俺があゆ姉に声をかけると顔から大量の冷や汗を流しながら首をガクガクとさせて俺と果林さんの方を向く。

 

「ゆゆゆ……遊星くん!?(一番みられたくない人のうちの1人に見られた。この黒歴史は一生ものだよ〜!死にたい……プシュ〜……)」

 

「あら?遊星くんの知り合い?」

 

「幼馴染ですよ。それで今さっきしてたのってもしかしてスクールアイドルの自己紹介か?」

 

 あゆ姉は目をぐるぐるさせ顔を真っ赤にしながら「うんうん!」と首を縦に何回も高速で振った。

 あゆ姉……頭から湯気出てるけど大丈夫か?それにヘッドバンキングは首を痛めやすいからやめろよ?

 

「ふふっ、そいういこと。ごめんなさいね?とっておきの可愛いところ見ちゃって、私はここで失礼して良いかしら?頑張ってね♪」

 

 と言い残して果林さんは何処かへ行ってしまった。

 檀黎斗神様へどうか果林さんが道に迷いませんように!と両手を合わせてどこぞの自称神に祈った。

 

「ああ、はい!お疲れさんです。それじゃああゆ姉そろそろかすみ達のところに行くか?」

 

「その……もうちょっとだけ練習させてくれない?」

 

「良いけど。う〜ん……でもあの自己紹介ってあゆ姉の本音なの?」

 

「ふぇ?」

 

「俺のアドバイスだけど、もっと伝える相手のことを意識したほうがいいと思うよ?」

 

「頭では分かってても今の私にファンなんて居ないし……はっ!応援してくれる人ならいるよ!」

 

「それってゆー姉のこと?」

 

「うん!でもね……侑ちゃんだけじゃないよ。その中に遊星くんもちゃんといるからね!」

 

「……嬉しい事言ってくれるじゃあないか!よし!自己紹介の特訓に俺も付き合うよ!」

 

「その事なんだけど、もう大丈夫だよ。さっきピコンって閃いて、なんだか今の私なら行ける気がするって思ったの!」

 

 あゆ姉は先程の恥ずかしがり顔から一変して全てを振り切ったような最高の笑顔に変わっていた。

 それに行ける気がするって……もしかしてジオウでも観たか?

 

「そうか、じゃあ行くか!」

 

「分かった!」

 

「なぁ……あゆ姉、聞きたいことがあるんだけど良い?」

 

「うん、良いよ!」

 

「さっきのぴょんって……ウサギをイメージした系かな?超可愛かったよ!」

 

「あわわわわ……さっきのは忘れて!(遊星くんに可愛いって言われて嬉しいけど、なんか違う!)」

 

「いやいや!無理に決まってるじゃん!あんなに可愛いの忘れられるわけないだろ!」

 

「じゃあ言わないで!お願いだからー!」

 

「うひゃあ……!」

 

 あゆ姉が再び顔を真っ赤にして涙目になりながら俺の腕をいきなり組み、あゆ姉の柔らかいおっぱいが俺の腕を包み込んだ。

 

「分かった……分かったから離れてくれ〜!」

 

 結局あゆ姉はふくれっ面になったまま俺の腕を組み夕陽の塔へと向かった。

 目的地に着いたら着いたでゆー姉に「イチャイチャしてるー!」と揶揄われてあゆ姉がやっと腕組みを解いてくれて、かすみは呆れた表情で俺たちの方を見ていた。

 

 

 あゆ姉……本当にごめんなさい……。

 

 

 

 ーー(ζル ˘ ᴗ ˚ ルヘ ーー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

「あ、あの……歩夢先輩……昨日は、その……」

 

 かすみが昨日の件についてあゆ姉に謝ろうとすると、あゆ姉が自分のスマホをかすみに手渡した。

 

「自己紹介なんだけど、今撮ってもらってもいいかな?」

 

「は、はい……良いですけど……」

 

「かすみちゃん、ありがとう!じゃあいくよ?」

 

 準備万端なあゆ姉が少し離れてかすみはスマホのカメラを向けて録画ボタンを押した。

 

 

 

「虹ヶ咲学園、普通科2年の上原歩夢です。自分の好きな事、やりたい事を表現したくてスクールアイドルになりました!まだまだ分からない所はたくさんあるけど、一歩一歩頑張る私を見守ってくれたら嬉しいです。よろしくね!えへっ……」

 

 

 

 かすみが録画ボタンを押してあゆ姉の自己紹介動画の撮影が終了した。

 するとゆー姉が「可愛い!凄くときめいちゃった!」と言ってあゆ姉に思いっきり抱きついた。

 

「ゴホン……かすみんの考えていた事とは少し違いましたが、可愛いので合格です!」

 

 かすみも感想を言ったので俺的感想に入りたいと思います……。

 すぅ……めっっっっっっちゃ可愛い!!!最後の「一歩一歩」と「よろしくね」の所で歩いてるとことかウサギを動きで表現するとか堪らんね〜!エモエモで尊みが深くて芝だよ〜……って何言ってんの?俺は……。

 

「遊星くんはどうだった?」

 

「あゆ姉の本心がめっちゃ伝わってきて最高だったよ。グッジョブだ!」

 

「ふふっ、ありがとう!」

 

 俺は心の中で思った事はもちろん言えずサムズアップで端的に返した。

 

「多分やりたい事が違っても大丈夫だよ!」

 

「え?」

 

「上手くは言えないけどさ、自分なりの1番をそれぞれ叶えるやり方ってきっとあると思うんだよね」

 

「そうでしょうか?」

 

「探してみようよ!それにその方が楽しくない?」

 

 ゆー姉がかすみにそう言うと風が吹き髪が靡いた。おお……なんか俺の従姉弟が名言言わなかったか?めっちゃカッケーな……。

 

「楽しいし、可愛いと思います!」

 

 するとかすみがレンガ状に出来た壁を登って大きく深呼吸をした。

 

「でも、歩夢先輩!どんな素敵な同好会でも、世界で一番可愛いのはかすみんですからね!ゆー介、ミュージックスタート!」

 

「がってん承知ノ介!」

 

 俺はかすみに指示をされて「Poppin' Up!」のデータが入った俺のiPhoneから予め持ってきていたBluetoothスピーカーを通して音楽を流し、かすみのステージが幕を開けた。

 

 パフォーマンスも歌も完璧で曲のデータを渡した後も相当練習をしたのだろうと考えさせられた。

 

「ありがとう。かすみ、この曲は君に歌われてきっと喜んでるよ……」

 

 

 

 こうしてfullサイズでお届けしたかすみのミニライブが終了した。

 ゆー姉は「最高だったよー!」と言ってかすみに思いっきり抱きついた。

 

「かすみ、曲を完成させてくれて、ありがとう!」

 

「ゆー介……こちらこそありがとう!」

 

「それにしても腹減ったわ……家に着くまで持たなそうだし、近くに回転寿司あるけど一緒に行かないか?」

 

「それ賛成!私もお腹すいてたんだ!歩夢とかすみちゃんは行く?」

 

「じゃあ親に連絡してから行こうかな」

 

「良いですよ!皆んなでご飯食べるの楽しみです!」

 

「よし、決まりだな!それじゃあ行くぞー!」

 

「「「おー!」」」

 

 

 

 こうして4人で回転寿司へ行き楽しい食事の時間を楽しんだ。

 かすみ……サイドメニューばっかじゃなくて寿司も食おうぜ?

 

 

 





歩夢は恥ずかしすぎて遊星と果林さんとの関係を聞くのを忘れた

曲は出来たものを歌ってこそ完成率1000%のものとなる!と遊星くんは思っている。

実は遊星くんのiPhoneには「Poppin' Up!」の他にもう3曲あり、歌詞なしが2曲そして歌詞ありが1曲が入ってます。それは何でしょう?

遊星くんは夕陽の塔に行った時に「いつか中川さんとクウガごっこがしたいな」と思ったそうですw

次はせつ菜さんをなんとかしなきゃなんだよなぁ……頑張って復活させたいと思います!でも次回はオリジナル回になると思います!

あゆ姉の曲を作る回です。

それではまた次回!
感想とお気に入りよろしくです!


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EP31 従姉弟の依頼と幼馴染の曲


今回は1期1話の内容を含めました。

それではどうぞ!


 

 

 

 翌日の金曜日。俺がマンションから出て学校に行こうとすると隣から中川さんも外に出てきて顔を見ると凄く曇った表情になっていた。

 昨日たしか果林さん達が生徒会室に行って中川さんのところに行ったんだよね。いったいどんな話をしたのだろうか?

 

「おはようございます。中川さん」

 

「お……おはよう……ございます。星野さん」

 

「中川さん大丈夫ですか?元気ありませんけど?」

 

「いえ、大丈夫です。少し眠いだけですから……」

 

「そうですか……余り根を詰め過ぎないでくださいね。困った時は俺が何時でも支えますから」

 

「お気遣いありがとうございます。それでは行きましょうか?」

 

「はい、そうですね!」

 

 中川さん、今は俺の前では笑顔でいるけどその笑顔は果たして本物なのだろうか……やっぱり自分の理想を我儘をメンバー達に押し付けた事に責任を感じてるに違いない。

 

 貴女の笑顔いつか必ず俺の……いや俺たちの手で取り戻してみせるさ。

 

「星野さん、部活や同好会の方々への申請書提出の呼びかけ、ありがとうございました」

 

「そんな……俺は俺の職務を全うしてるだけですし、こちこそお褒めの言葉ありがとうございます!」

 

 

 

 そして中川さんと会話をしながら学校に到着して教室へ行くと璃奈が俺より早く来ており今は机に突っ伏していた。

 

「お、おはよう。璃奈」

 

「……あっ、おはよう。遊星くん」

 

 俺が挨拶をすると璃奈が突っ伏しながら顔を横に向けて俺に挨拶をした。

 

「大丈夫か、体調でも悪い?」

 

 すると璃奈が机から立ち上がってよろけながら俺の肩に寄りかかった。

 

「ちょ……り、璃奈?」

 

「早起きして学校に来たから……眠くて」

 

「何だ……調子が悪いのかと思った。ホラ!授業もあるしシャキッとして!」

 

 俺は璃奈を抱えて席に座らせて暫くして授業が始まった。

 璃奈は授業中でもきちんとシャキッとしており目を閉じずに授業を最後まで受ける事ができた。

 

「おお、よく寝なかったな……って目を開けたまま寝てる!?」

 

 結局午前中の授業はほぼほぼ寝ていた。しかも堂々と机に突っ伏ながらだ。

 それにしても何で早起きをしたのか聞いてみようかな?

 

「実は、はんぺんと一緒にお散歩しようと思って、早起きしたの……今朝は寄りかかったりして……ごめんなさい」

 

「いや、別に寄りかかるくらい平気だ。眠いなら少しくらい体を預けても良いよ。それよりもはんぺんの面倒お疲れ様」

 

「ありがとう。じゃあ……体預けていい?」

 

「お、おう!いいぞ」

 

 今日は屋上へ移動せずに教室で食べる事にした。そして弁当を食べ終わり璃奈は俺に体を預けながら眠った。

 

 

 

 ー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー从||>ᴗ<||从ー

 

 

 

 午後の授業は昼休みによく眠ってスッキリした璃奈が最後まで寝ずにちゃんと授業を受けることができた。

 

 今日はかすみは家の用事があるそうなので練習はお休みすると今朝起きた時にメッセージが来てたので終礼が終わって璃奈と帰ろうとした瞬間にゆー姉から電話が来た。

 

「もしもし、なんか用か?」

 

『もしもし、実は遊星に頼みがあるんだけど食堂に来てくれる?歩夢も呼ぶんだけど』

 

「うぇ!?今から帰ろうと思ったのに!」

 

『お願い!来てくれたら遊星の大好きな甘いものひとつとコーヒー奢るからさ!』

 

「ホント!?じゃあ行くよ!」

 

 俺はゆー姉にまんまと食べ物で釣られてつい行くと言ってしまった。通話を切って「よっしゃラッキー!」と言いながら我に帰り璃奈の方を向く。

 

「あっ……璃奈、従姉弟に呼ばれて一緒に帰れなくなっちゃった……。ごめん!」

 

「ううん、電話相手の声が隙間から聞こえてきて困ってるぽかったし行ってあげて?」

 

「璃奈……ありがとう!それじゃまた来週会おうぜ!」

 

「バイバイ」

 

 俺は璃奈に申し訳ない!と甘いもの楽しみー!と考え「JUSTICE」を口ずさみながら気分良く食堂へと向かっていた。

 中川さんのことでモヤモヤするけど今は一旦ポーズにしよう。

 

「JUSTICE振り返らず行こう 今 始まりの世界からRestart ♪」

 

「ゆっうせーい!」

 

「うわぁ!」

 

 俺が気分良く歌っていると背中から強くて柔らかい何かの衝撃が走った。

 

「えっへへ〜!ビックリした?」

 

「したよ!ゆー姉、急に抱きつくなよ!(おっぱい柔らかいじゃねーか!)」

 

 最近知り合いのスキンシップが激しいのは気のせいだろうか?てか俺の知り合いって結構大きい物持ってる人多いよな……このままじゃ俺の性癖がいつか崩れそうだ。

 ここは心を無にして何も考えないようにしなければ!

 

「あれ?あゆ姉は?」

 

「歩夢は日直だからちょっと遅れるんだって!」

 

「そうなんだ……。あのさ、そろそろ離してくんない?歩きづらいんだけど」

 

 ゆー姉は背中から離れた後に昨日あゆ姉が俺にしてた腕組みをしている。

 

「えぇ〜良いじゃん別にー!もしかして照れてるの?」

 

「はっ!そんな訳……あるよ……!」

 

「あはは……あるんだ……。ねぇ遊星から見て私って可愛いかな?」

 

「ああ、可愛いよ。この前GWで再開した時もすごく魅力的になったなって思ったし」

 

「そ、そうなんだ……。因みに何処が?」

 

「え〜っとね……」

 

 俺はゆー姉の魅力的ポイントをいくつかあげてみた。

 

 昔は短髪だったが今はツインテールになってて女の子っぽくて似合ってるし、あと何時も楽しそうに笑ってる所とか特に好きだし、スクールアイドルに夢中になって目をキラキラさせたゆー姉の笑顔はとにかく素敵だと言った。

 

「後はね……」

 

「もう良い!もう良いからぁ!!」

 

「あれ?ゆー姉、顔真っ赤だけど……照れてんの?」

 

「う、うん……従姉弟同士だけど、そこまで言われると流石に……ね?」

 

 ゆー姉は頬をポッと赤くさせて目を見るとうっすらとハートマークが見えた。

 俺が言い過ぎたせいでときめいちゃったのかな?

 

 食堂に着いた俺とゆー姉はケーキとコーヒーを買って席に座りティータイムを楽しんでいた。ゆー姉は「頼みなんだけど歩夢が来てからで良い?」と言ったので飲み食いしながら待つ事にした。

 

「お待たせー!」

 

「あっ、来た来た!」

 

「遊星くん、隣いいかな?」

 

「どうぞ、それで頼みたい事って?」

 

「実は……遊星に歩夢の曲を作って欲しいんだ!」

 

「あゆ姉の曲?」

 

 成程。そう言うことか……でも俺はあゆ姉の幼馴染ではあるが再開するまでは10年も会ってなかったし、今までのあゆ姉を知り尽くしてはいない。

 

 またかすみの時みたいに何処かへ一緒に行ってヒントでも得ようかなとも考えたが……そもそもあゆ姉がスクールアイドル始めた理由が知りたいと思った。

 

「ダメかな?」

 

「いやダメでは無いが……その前にあゆ姉に質問をするけど良いかな?」

 

「うん!」

 

「じゃあ先ず最初の質問だ。どうしてスクールアイドルを始めようとしたかの動機を聞こうじゃあ無いか?前は色々あったって言われただけだし理由が知りたい!」

 

「なんか取り調べされてるみたい……最初は侑ちゃんと2人で始めようって決めてね」

 

「ふむふむ」

 

 俺はあゆ姉の質問の答を歌詞のヒントに出来ないかと思いメモ帳とペンを取り出した。

 どうやらせつ菜さんのお披露目ライブを見た後にあゆ姉も俺やゆー姉と同じくスクールアイドルの動画を帰ってから、たくさん見たらしい。

 

「本当に凄いと思ったの。自分の気持ちを真っ直ぐ伝えらるなんて……スクールアイドルって本当に凄い!私もあんな風に出来たらなんて素敵だろうって」

 

「あゆ姉……でも同好会の部室に連れてった時はスクールアイドルなんて興味なさげだったけど……我慢してたんだね」

 

「ごめんね。あの時に言えなくて……」

 

 あゆ姉は本当はせつ菜さんに会いたかったみたいだ。だが会ってしまったら自分の気持ちが止まらなくなりそうで怖かったらしい。

 

「可愛らしい服はもう小さい頃で卒業って思った。でも、我慢しちゃいけないって思って……本当は私、ピンクとか可愛い服が好き、今でも着てみたいって!自分に素直になりたい……だからスクールアイドルをやりたいって、そう思ったの!」

 

 あゆ姉の想いが……気持ちが……ビンビンと伝わってくる。自己紹介動画を撮った時と同じ感じだ。

 

「そうか……教えてくれて、ありがとう!」

 

「ねぇ……遊星くん、私からも質問いいかな?」

 

「いいよ」

 

「遊星くんも……私の夢を一緒に見てくれる?」

 

「ふっ……当然さ!俺はこれからもあゆ姉の隣にいるよ!」

 

「遊星くん……ありがとう!」

 

「お、おう!」

 

 あゆ姉は嬉しかったのか俺の手を取りうっすらと涙を浮かべていた。

 

「あっはは!遊星、あの時の私と同じ答え方してる!」

 

「え?そうなの?」

 

 どうやら先の質問の答えはゆー姉に自分の思いとして伝えた事をそのまま答えたとあゆ姉が言ったのであった。

 

 

 

 ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

 俺はカップの中に残っていた残りのコーヒーを飲みきって答えを出した。

 

「ズズッ……分かった。ゆー姉の依頼引き受けさせてもらうよ。あゆ姉の曲作る!」

 

「ホント!?良かったね。歩夢!」

 

「うん!ありがとう遊星くん!」

 

「ちょっと待ってて……え〜っと」

 

「何してるの?」

 

「実は俺のスマホには歌詞無しの曲データが幾つかあるんだ。前のライブに影響を受けて何曲かあらかじめ作ってみたのさ!」

 

「凄い!さっすが遊星!」

 

 俺はスマホの中の楽曲データから歌詞無しの曲であゆ姉に合いそうなのを探す事にした。因みにせつ菜さんがお披露目ライブで歌った「CHASE!」や、かすみが昨日歌った「Poppin' Up!」の楽曲&歌詞データも俺のスマホ内に入っているのだ。

 

 この元気そうなの曲調はあゆ姉っぽくは無いな……それにこれはある人の為に作った曲だからカッコ良過ぎるし……あっこれなら!

 

「ねぇ、2人ともこの曲をベースに歌詞を書こうと思うんだ。聴いてみてくれる?」

 

 俺はスマホとコード付きのイヤホンを貸して聴いてもらう為にあゆ姉にはゆー姉の隣に座る場所を移動してもらった。

 そして曲を最後まで聴いた2人がイヤホンを外したので俺は感想を聞く事にした。

 

「ど、どうだった?」

 

「もう……最っ高だよ!完全にときめいちゃった!」

 

「お、おう……サンキュー」

 

 ゆー姉が立ち上がり両手で俺の手を取り顔を近づけてきた。かなりくっ付きそうな位まで来ております。

 凄く良かったってのは伝わってきたから顔を近づけんなー!

 

「遊星くん、私この音楽好き!この音楽に加えられた詩を歌いたい!」

 

「実はさっき、あゆ姉の質問の答えをメモしてたら歌詞のインスピレーションがめっちゃ湧いてきてさ!今なら書けそうな気がするんだ!」

 

「そうなんだ!楽しみだなぁ〜!」

 

「曲の完成形が出来たら練習も頑張ろうね?歩夢!」

 

「うん!」

 

「それじゃあ、俺は歌詞を家で早速書きたいから帰るよ?」

 

「じゃあ私たちも一緒に帰っても良い?」

 

「分かった。じゃあ……このトレーを返したら行くか!ゆー姉、奢ってくれてありがと」

 

「どういたしまして!」

 

 

 

 こうして俺たち3人はそれぞれ家へと向かいマンションに着いた俺は早速曲に合う歌詞を書き始めるのであった。

 

 

 





この小説ではまだ歩夢に持ち曲がないという設定となっております。

遊星くん甘いもので釣られるとかエルマかな?そして飲むコーヒーはもちろんBLACKだ。大人だね〜!

俺の知り合いって大きい人多いよなぁ……エマさんなて特にやばいっすよ。

歩夢の質問の答えを聞いたらかすみの時みたいにしなくても出来そうな気がした遊星くんでした。

ある人の為に作ったカッコ良い曲って何でしょうね?

エグゼイドネタが多いのは作者がエグゼイドにハマってるからです。新しいライダーの脚本もエグゼイドと同じですよね。楽しみです!

次回は歩夢の曲編です!お楽しみに!


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EP32 夢とDream with You


今回は歩夢の曲を完成させる回です

それではどうぞ!


 

 

 

 ゆー姉とあゆ姉と学校から直ぐに帰宅した金曜日の夜。俺は現在あゆ姉が歌うための曲の歌詞を書いていた。

 食堂にいた時に取ったメモの中から言葉を抽出してそれを歌詞にしようと俺は試みた。

 

「さぁ、検索を始めようか」

 

 先ずひとつ目は「夢」そしてふたつ目「気持ち」と言った感じで次々とノートに言葉をどんどん書き進めていく。

 俺がノートに歌詞のアイデアを書いている途中にあゆ姉から電話が来た。

 

「もしもし、どうしたの?あゆ姉」

 

『遊星くん、明日なんだけど遊星くんのお家に行っても良いかな?歌詞を書くお手伝いしたくて!』

 

「ああ、そゆことね。ちょうど歌詞のワードが尽きてきた頃でな……あゆ姉が来てくれると心強いよ」

 

 そうたくさん書いてみたがもうちょっと何かが足りないと思い始めてきたのだ。そう何が足りないキーワードがもう少しあれば書ける気がするのに!

 

『そうだったんだ!分かったよ。じゃあ明日に朝ごはん食べてから直ぐに行くよ』

 

「あれ?ゆー姉は来ない形?」

 

『実は侑ちゃんにも一緒に行かない?って誘ったんだけど、明日家族で出掛ける用事が出来ちゃったみたいで私1人で行くことに』

 

 そっか、来れないか……だがしかしやむおえないな。此処は2人で力を合わせてこの曲をパパッと完成させよう。

 そして出来たら最初はゆー姉に聴かせていつも口にしてる「ときめいちゃったー!」を言わせてやろうじゃないか!

 

「じゃあ……あゆ姉、明日は宜しくな!」

 

『うん!一緒に頑張ろうね!』

 

「それじゃ切るね?おやすみ〜」

 

『遊星くん、おやすみ♪』

 

 俺はあゆ姉との通話を切って風呂や歯磨きを済ませてベッドの上で横になりながらプレイリストに入ってる他の曲をいくつかを聴いて歌詞のアイデアや今後作るための曲のヒントを掴むために聴いてると途中で寝落ちしてしまった。

 

 

 

 そして翌朝。俺はアラームが鳴る前よりも自然に起きて時計を見たら平日にいつも起きている時間の5時に起きてしまった。

 二度寝をしようと思ったけど寝過ぎてあゆ姉に迷惑かけちゃうし顔洗ってシャキッとしないとな。

 

「散歩にでも行こうかな?」

 

 何故こんな事を急に独り言で言ったのかというと、リビングに行ってウマ娘のアプリを開いたらホーム画面のネイチャさんが「朝の散歩は健康寿命とやらにいいらしいよ〜」と言ってたので朝の空気を吸いにと行こうと思った。

 

 俺は寝巻きから下はダメージジーンズに上は派手なアロハシャツとワインレッドカラーのライダージャケットを着て外に出た。

 

「う〜ん!朝の空気最高だなぁ!」

 

 俺は玄関から出てマンションの外に行くと丸いレンズのサングラスを掛けて特に目的も無く歩いた。

 

「ノリに乗ってるぜ〜!」

 

 俺は曲を聴きながら暫く歩った後に自販機で缶コーヒーを買って公園のベンチに座って飲む事にした。

 

「ぷは〜……最高だ!」

 

 朝は『プシュッ!』と外で缶コーヒー最高ですねネイチャさん!これ何だかハマりそうだな……よし、今度から休日でも早起きをして散歩でもしよう。

 

 

 

  ーー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーーjΣミイ˶º ᴗº˶リ ーー

 

 

 

「いや〜……まさかあんなのに遭遇するとはな〜」

 

 散歩をしてる途中に通った場所に何やら撮影班やスタッフのような人たちがたくさんいたので何なのだろう?と思って覗いてみたら何時もニチアサで観ているドンブラザーズキャストの人達がいたのだ。

 

「しかもちょうど休憩の時に話しかけたらキャストさんのサインも貰っちゃった!後で璃奈に自慢でもしようかな?」

 

 そう!お台場周辺はよく仮面ライダーやスーパー戦隊の撮影場所として使われているのは凄く有名だ。

 

 撮影で使われた場所をあげると、有明客船ターミナルとか水の広場公園にある展望台とカスケードと柱と階段とスロープあとは、あけみ橋の高架下やつどい橋なんかも撮影場所として使われていたな。

 それと仮面ライダーWの最終回で使われた夢の大橋もあったわ。

 

 因みに俺は水の広場公園に行ってドンブラザーズの人たちに会いました。

 

「キャストさん達にラジレンジャーのゲスト回も楽しみにしてます!って言ったしオニシスター/鬼頭はるか役の志田こはくさんにも握手してもらって……早起きすると良いこともあるもんだな」

 

 今日は早起きをして良かったなと思いながら朝ごはんを食べてあゆ姉が来るのを待つのであった。

 今度は仮面ライダーリバイスのキャストに会えたら良いなぁ〜。

 

 

 

「お邪魔しまーす!」

 

「いらっしゃい、あゆ姉!」

 

 あゆ姉が結構早く来てくれたので早速自分の部屋に通してお茶を淹れて2人で寛いでいでから歌詞作りに取り掛かった。

 

「遊星くん、今日はご機嫌だね」

 

「実はね……朝早起きして散歩してたらドンブラザーズのキャストさんに会ってサインと握手してもらったのだ!」

 

 俺はキャストさんに貰ったサイン入り色紙をあゆ姉に見せて自慢をした。

 

「うわぁ〜凄いね!現役の戦隊キャストさんにサインを貰えるなんて良かったね!(遊星くんって偶に侑ちゃんそっくりな時がありあるよね)」

 

「それじゃそろそろ始めるよ!超協力プレイで……曲を完成させるぜ!」

 

「おー!」

 

 こうして俺とあゆ姉の歌詞作りがスタートした。俺はあゆ姉にスクールアイドルに対して思ったことや自分自身の気持ち等を聞いて次々とメモを取り歌詞ノートにあゆ姉の想いを書き足して行く。

 

「じゃあ一昨日の自己紹介動画の時はどうして急に行ける気がするって言ったか教えて?」

 

「あれはね。遊星くんがアドバイスをくれたおかげで気付いたの……侑ちゃんにスクールアイドルをしたいって打ち明けた時に、侑ちゃんが「私はいつでも歩夢の隣にいるよって」言ってくれたのを思い出したんだ。私は1人じゃないって……」

 

「そっか……ゆー姉は本当に昨日俺が言ったのと同じ事を言ったんだね」

 

「ふふっ、従姉弟同士で似たのかな?」

 

「さぁな……」

 

「そして遊星くんも私の背中を押してくれた。私はこの気持ちを応援してくれる貴方と侑ちゃんに歌で届けたい!」

 

 あゆ姉……あんなに恥ずかしがってた自己紹介動画を乗り越えて此処まで成長するなんて……俺は今幼馴染の成長が嬉しくて涙が出そうだ。

 あゆ姉の気持ちをこの歌に乗せていつかたくさんの人にも聴いてもらえるような、そんな曲を作ってみせるさ。

 

「よし、何とか上手く書けそうだ。あゆ姉ちょっと逆立ちしたいから足支えてくれない?」

 

「え?何で?」

 

「いいからいいから!後この紙を持ってて」

 

「分かった」

 

「よっこらせ!」

 

 俺は肩にかけていたライダージャケットを一旦取って逆立ちをし、あゆ姉に両足を支えてもらう。

 

「あゆ姉、支えたままでその折れてる紙を開いてその解説を読んでくれない?」

 

「う、うん!えっ〜と……『これは星野遊星のシンキングポーズである。こうすることで何かが閃くのだ!』って逆立ちでアイデアが閃くの!?」

 

「俺の場合はね。他の人は知らないけど」

 

「遊星くんって変わってるな〜」

 

 このシンキングポーズはデカレンジャーのグリーンが真似してたのでやってみたら案外色々閃くもんだなと思い何も思い付かない時はいつも逆立ちをして考えているのだ。

 

「よし!歌詞の構成これならいけるかも……あゆ姉そろそろ離していいよ」

 

「う、うん!」

 

「よし!書くぞー!と言いたいとこだけど……お腹が空いてしまった」

 

「うっふふ、良かったら今日は私が作ろうか?」

 

「えっ?良いの?」

 

「うん!私の曲を作ってくれるお礼だもん!これくらいさせて?」

 

 

 

 俺とあゆ姉はリビングに向かってあゆ姉には冷蔵庫にあるものを好きに使っても良いよと言った。

 あゆ姉には俺が料理をしてる時に使っているマゼンタ色のエプロンを貸してあげた。あゆ姉ってピンクも似合うけどマゼンタも似合うな。

 

「遊星くんはTVでも見て待ってて?」

 

「あゆ姉、ありがとうね」

 

「あっ、そうだ。遊星くん何が食べたい?」

 

「そうだな……炒飯が食べたい気分だ。卵、にんじん、長ネギ、ピーマン、かまぼこにチャーシューも揃ってるし、冷凍庫に冷凍ご飯あるからそれ使ってもいいぞ」

 

「了解!直ぐに作るね」

 

 こうしてあゆ姉が料理を始めた。何か手伝うことがあればと思ったけど、待っててって言われたから邪魔しちゃ悪いよね。

 静かにテレビを観て待って……よし、自分の部屋の掃除でもしますか!!(落ち着かない)

 俺はTVを切って部屋を移動して掃除をする事にした。

 

 

 

「遊星くん、お待ちどおさま!」

 

「タイミング良かったか?美味しそうな匂いだなぁ〜」

 

「あれ?TV見て待ってたと思ったけど何してたの?」

 

「待つのが落ち着かなくて部屋の掃除をしていたわ」

 

「そっか!ささ、お昼にしよ?」

 

「本当に美味そうだな……じゃあ、いただきます!」

 

 俺はレンゲを手に取って炒飯を救って一口頬張る。うーんシンプルに美味い!ご飯もべたつかずパラパラでこれが炒飯の難しい所なんだよね。

 

「どうかな?」

 

「すげー美味いよ。塩加減もちょうど良いし香り付けに醤油を加えてあるな……グッジョブだ!」

 

「ありがとう」

 

 それにしても今のあゆ姉は幼馴染というより本当のお姉ちゃんっぽく見えてしまう。

 

 女子力高いし穏やかで包容力もあって面倒見もいい、それに加えて料理も出来ちまう。俺は一人っ子なので彼方さんと遥ちゃんの姉妹が羨ましく見えてしまうのだ。

 

 俺があゆ姉の弟だったら毎日甘えに行ったかもしれないな。妹派か姉派かと聴かれたら俺は姉派なんだよね〜。

 

「そう言えば遊星くんはどうしてスクールアイドル同好会に入りたいって思ったの?」

 

 俺はあゆ姉から質問をされたのでそれに答える事にした。

 

「お披露目ライブでせつ菜さんが歌った曲を俺が作ったのは前に言ったよね?」

 

「うん、あれには本当に驚いたよ」

 

 あの曲をせつ菜さんに託してライブを見に行ったら俺の曲をあの人は最高のパフォーマンスで見事に表現してくれた。

 

 スクールアイドルって凄いなって……それでライブが終わった後のお客さんがせつ菜さんの歌やパフォーマンスの感想もだけど、俺の曲を褒めてくれた人もいた。

 笑顔で「明日も頑張れそう」って聞いた時すごく嬉しくて……俺の顔もついくしゃってなって……と言いその後に続いてあゆ姉に対して最後まで語った。

 

「だから俺はこれからもあの同好会で皆んなと一緒に皆んなを笑顔にする曲を作りたいって夢ができたんだ。何時でも誰かの笑顔のために頑張れる。すごく素敵な事だと思わないか?俺は……俺はそう思ってる!」

 

 そのために……中川さんの内に眠っているもう一つの心を取り戻したい。

 

「そう……なんだ。凄く素敵な夢だと思うよ!私も遊星くんの夢を応援するよ。私と遊星くんの想いをこれからも皆んなに伝えていこうね!」

 

「うん!」

 

 俺とあゆ姉はお互いにサムズアップをした後に昼食を食べ終えて再び曲作りに戻るのであった。

 

 

 

 ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

 再び曲作りに取り掛かって数時間が経ち途中でおやつの時間にあゆ姉が作ってきたと言ったクッキーを食べたりした。美味しくて歌詞作りのやる気がどんどん湧いてきた。

 

「遂に完成した。あゆ姉の曲がー!」

 

「遊星くん、お疲れ様!」

 

「ふぅ……ちょっと疲れたよ」

 

 そして時計を見ると午後16時半で遂に完成したのだ。後は曲に乗せてあゆ姉に歌わせるだけである。

 振り付けは後で練習していく内に考えるとして先ずは歌ってもらわないと始まらない。

 

「じゃあ早速あゆ姉に歌ってもらおうかな?」

 

「大丈夫かな?私あまり歌とかは自信ないから……」

 

「平気だって!あゆ姉は声綺麗なんだし、それに……こんな時は楽しめば良いと思うよ?」

 

「楽しむ?」

 

「そうそう!戦いもノリの良い方が勝つって言うしね!」

 

「分かった。やってみるよ!」

 

 俺は曲に合わせての歌い方をレクチャーしてからスマホ内の楽曲データをBluetoothに通して曲を掛けた。

 あゆ姉は歌詞の書かれたノートを見ながら大きく深呼吸をし歌い始める。

 

 

 

 そして曲が終了してあゆ姉が歌詞の書かれたノートを置くと「ふぅ」と一息つく。

 

「どうだった?」

 

「最っ高だったよ!ゆー姉の言葉を借りるけど……ときめいちゃったー!」

 

「ありがとう!遊星くん……本当にありがとう」

 

 この後はPC内でノートに書いた歌詞を打ち込みそのデータをあゆ姉へと手渡した。何度も練習をして慣れてもらうためである。

 

 そして後日。あゆ姉が自分の曲をゆー姉の前で披露して完全にときめいちゃったゆー姉が俺の家にお礼で押しかけにきたのはまた別の話である。

 

 

 





Dream with youっていい曲だよな。

今回遊星くんが着ていた服は完全に貴利矢さんスタイルです。

俺の中じゃ歩夢って結構書いてて難しいキャラですね。他の皆んなって結構好きなものがそれぞれあって分かりやすいんですよ。
せつ菜さんなんて特にそうじゃないですか!

何時でも誰かの笑顔のために頑張れるって僕もすごく素敵なことだなって思ってます。だからこそ五代雄介って尊敬できるキャラクターだと思ってますね。

次回はせつ菜さんを復活させるために皆んなで力を合わせて頑張る回です!お楽しみに!


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EP33 目薬とせつ菜の罪


せつ菜を説得させるの難しい

それではどうぞ!


 

 

 

 今日からまた1週間が始まるのか……まっ本日も愛と平和のために頑張りますか!

 学校へ行く怠さを見せず俺は張り切って学校へと向かうことにした。

 マンションの外を出て走っていると中川さんの後ろ姿が見えた。俺より先に出てたのか……早速挨拶といきましょうかね。

 

「中川さん、おはようございます!」

 

「あっ……星野さん、おはようございます。今日は何時もよりも元気ですね」

 

「はい!実は一昨日の土曜日に散歩をしに行ったらドンブラザーズの撮影をしてる所に偶然遭遇してキャストさんにサイン貰ったんです!」

 

「ほ、本当ですか!今度私にも見せてください!」

 

「良いですよ。そう言えば中川さんは今週の土日のどっちかは空いてますか?」

 

「そうですね……土曜日は午後から模試があるので無理ですが日曜日は特に何もありませんよ」

 

「良かった〜!実はドラゴンボールの映画を観に行きたいって思ってて中川さんと一緒に行きたいです。如何ですか?」

 

「良いですね。その日が楽しみです!(先週の木曜のことで引っ掛かってますが……あまり星野さんに心配をかけないようにしないと)」

 

 

 

 そして楽しいオタトークをしながら学校に到着して教室に入った俺はYouTubeでスクールアイドルの動画を見ていた。

 東雲で頑張っている遥ちゃん本当に可愛いなぁ〜。今度ライブに行きたいって言ったら招待してくれるかな?

 

 すると動画の閲覧表からこの前のせつ菜さんがやったライブの動画がYouTubeにアップされていたのでそれを見ることにした。

 

「やっぱり凄いよな」

 

 せつ菜さんのライブ映像は結構再生されてて人気なんだなと改めて再認識させられる。そしてコメント欄を見てみると「最高!」や「凄く良い」と言ったせつ菜さんを褒めるやつもいれば「でも、辞めちゃったんだよね」とか「ラブライブエントリーしないんだ」そして「もったいないね」や「良い線いってたのに」などのコメントもあった。

 

 きっとこれを中川さんが見たらすごく悲しむんだろうな……。

 

 

 

 ー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー从||>ᴗ<||从ー

 

 

 

「おはよう……。遊星くん」

 

「あっ、璃奈おはよ……!?」

 

 俺は璃奈の方を向いて挨拶をしたら何故だか片目を閉じてボロボロになっておりヨロヨロと自分の席に着いた。

 璃奈……あんなにボロボロになって一体何が……まさかケンカ!きっと他校の連中に絡まれたんだ。

 

 するとボロボロの璃奈が俺の方に近づいてきてビクッとなる。なんだか何時もよりも顔が近い……まさか俺も殺られる!?

 そして璃奈は俺に対して頭突きをしてきた。これは本気で殺る気だ。俺は中川さんを救う前に死んでしまうのか……ごめん中川さん……!

 

「ごめんなさい……大丈夫?」

 

「だ、大丈夫……痛くなかったよ。どうしたの?」

 

「片目が開けられなくて、うまく距離がつかめなくて……」

 

「どうしたの?左目」

 

「今日……風が強いから目にゴミが入って取れなくって……それで色んなところにぶつかって……」

 

 それでそんなボロボロにね……いやいやそんな阿波連さんみたいな展開にはならんやろ……でもなってるんだよね。

 

「そうだ。目薬持ってるから使いなよ。自分で点せる?」

 

「うん……」

 

 俺は璃奈に目薬を貸したのは良かったのだが璃奈は片目を閉じたまま目薬を一滴一滴ポタポタと落としているので顔が目薬の液体まみれになっていた。

 

「分かった璃奈、俺が点してあげるから!目薬無くなっちゃう!」

 

「ごめんなさい……目薬ヘタで……」

 

「分かる。じゃあそこ座って」

 

 璃奈は自分の席にちょこんと座って目薬を点す体制になってくれた。後いつの間にかボロボロの傷が無くなってるんだけど何で?

 

「どうぞ……」

 

「お……おう、じゃあいくよ?」

 

 改めて見ると璃奈って本当に小さいよな……。本人には言えないけど。

 

「あの……目開けて、璃奈」

 

 俺は仕方なく「失礼」と言いながら片目を無理矢理開眼させた。目薬の一滴を落とすと璃奈は避けてしまった。

 

「動かないで璃奈」

 

 もしかして璃奈、目薬が怖いのか?なら仕方ない……俺は両手で璃奈の顔を押さえて目を動かさないようにする。

 

「むぎゅ〜」

 

「動かないでね璃奈」

 

 できるだけ目薬を目に近づけて……ギリギリ触れないところで点す。俺も近付いてよく見ないと……目薬が触れちゃう。

 こうして見ると璃奈って手に収まるくらい顔小さいし……まつ毛長いし……目も綺麗だ。

 

「あの……できれば早く……」

 

「あ……ごめん……」

 

 俺は璃奈の指示で目薬を左目へと点すことに成功した。

 

「どう?ゴミ取れた?」

 

「あの……その……あんまり顔を近づけられると恥ずかしい……」

 

「ああ……ごめん!」

 

 最近は帰る時とか自分からピッタリくっついたり机をくっつけて教科書を見せる時もくっついて近づいてくるのに?

 

 そして昼休みになり俺と璃奈は何時もの屋上で昼食を食べていた。

 愛さんは用事があるので今はいない。

 

「目薬のお礼したいんだけど」

 

「え?大丈夫だよ別に」

 

 と言った瞬間風が吹いて俺の目にゴミが入ってしまった。

 

「ヤバっ……」

 

 すると璃奈にワイシャツの首根っこをグイっと掴まれて、璃奈の膝の上に頭を乗せられ膝枕をされている形になってしまった。

 

「お礼……今度は私が点してあげる」

 

「じ……じゃあお手柔らかに頼みます」

 

 璃奈に目薬を点してもらうことになったが結局人に点すのもヘタで俺の顔がめちゃくちゃ濡れてしまった。

 

「璃奈、実は俺この後用事があるんだ」

 

「私ははんぺんの所に行ってご飯あげてくるから行ってきて」

 

「分かった。はんぺんを宜しくな」

 

 

 

 ーー从||>ᴗ<||从ーー从||>ᴗ<||从ーー

 

 

 

 俺は璃奈と別れて向かった先は音楽室である。実は昨日ゆー姉が俺のピアノを聴きたいとの事で今日の昼休みに弾く約束をしたのだ。

 特にせつ菜さんに渡した「CHASE!」が聴きたい!と元気よく言ってきたので弾いてあげることにした。

 ゆー姉には音楽室などの特別教室を使うのは生徒会の許可が必要とは言ってあるので中に入る際には俺に連絡しとけば大丈夫と事前に言ってある。

 

「あっ……ゆー姉から電話だ。もしもし?」

 

『遊星、今音楽室前にいるんだけど許可貰っても良い?』

 

「OKだ。俺も今から行くから待ってな」

 

『分かった』

 

 俺はゆー姉との短い通話を切って音楽室へと急いだ。

 そして音楽室前に着くと途切れ途切れのピアノの音が聞こえて何故だか中川さんが音楽室の中を見ているのが見えた。

 

「何でその曲」

 

「うわっ!?生徒会長!?」

 

 そして音楽室の中から声が聞こえる。中にいるのはゆー姉だ。

 ぎこちなかったけど何を弾いてたか大体わかった。きっと自分でも「CHASE!」弾こうとしてたんだね。

 

「高咲侑さん、音楽室の許可は取ったんですか?」

 

「あ〜……えっと……その……」

 

「大丈夫ですよ。俺が許可取らせたんで」

 

「ほ、星野さん!?」

 

 俺が中川さんの方に近づいて急に話しかけて驚かせてしまった。

 

「すみません急に話しかけて、それとお待たせ!ゆー姉」

 

「許可を取ってるなら良いんです。それとゆー姉って……?」

 

「彼女は俺の従姉弟なんですよ。前にいるって言いましたよね」

 

「成程。高咲さんが星野さんの従姉弟さんでしたか……」

 

「もしかして今さっきゆー姉が弾いてたのって「CHASE!」だよね?」

 

「うん!そうだよ。ところでさっき……せつ菜ちゃんの曲知ってるみたいな感じだったよね!」

 

「えっ?」

 

 するとゆー姉が興奮気味になって中川さんの両手を取って顔をどんどん近づける。

 それに対して中川さんはちょっと引き気味な表情になってた。

 

「良いよね「CHASE!」動画とか見てたの!?もしかして会長、せつ菜ちゃんのファン!?もぉ〜そうならそうと早く言ってくれれば良いのにー!せつ菜ちゃんの事いろいろ話そ?あっ!そうだ!「CHASE!」の他にオススメの動画あったら教えてくれない?探してるんだけど全然見つからなくて……」

 

「はい、ストップ!」

 

 俺は「いい加減にせいっ!」と金色の字で書かれている緑色のスリッパを暴走してるゆー姉の頭に軽くパコっと叩く。

 このスリッパはプレバンで過去に売ってた鳴海亜樹子所長のスリッパである。

 

「いてっ!もう!何するの!?」

 

「中川さん困ってるだろ?まぁ好きな事を語る時に早口になるのは俺でも分かるけど……オタクだし」

 

「そ、それは……ごめん」

 

「いえ、大丈夫です(早口になる気持ち私も分かります。オタクなので)」

 

「それより、せつ菜さんの曲は今のところ「CHASE!」しか無いよ。まぁ俺が同好会に入ったらせつ菜さんに渡そうと思った新曲ならこのメモリに入ってるけど」

 

 俺は胸ポケットから楽曲と歌詞のデータが入ってるガイアメモリ形USBメモリを出す。

 

「えっ!?(星野さんが私の為に……)」

 

「遊星、それ本当なの!?」

 

「ああ……入ったら会って渡したかったんだけどね〜」

 

「どんな曲か気になる!聴いてみたい!」

 

「また今度ね」

 

「ええ〜!ケチ〜!」

 

 そう……また今度。この曲はせつ菜さんがいつか歌うからその時のために取っといてね。

 

「ゴホン……そう言えば先週の月曜日にお会いした時も優木さんに会いたいと言ってましたよね?」

 

「この前ライブやっててね。凄かったんだよ!せつ菜ちゃんの言葉が胸にズシンって来たんだ。歌であんなに心が動いたの初めてだった!」

 

 俺の書いた歌詞をせつ菜さんが歌ってゆー姉の心を感動させたと思うと音楽の力ってやっぱり凄いんだなと改めて思う。

 実際俺も特撮ソングを聴くと何時でも前向きになれるし頑張れる。作詞家の人だと俺は藤林聖子さんが好きだな……あの人の書く歌詞には何度も救われた。

 

「私あの日からスクールアイドルにハマって、今すっごく楽しいんだ!歩夢と一緒に同好会に入ってね?」

 

「同好会ですか……」

 

「そう!かすみちゃんが誘ってくれたんだ!それと遊星も手伝ってくれてて、あっ……」

 

「その点に関しては問題ありません。5人揃っていれば同好会を新しく立ち上げて良いという校則はありませんし、5人揃ったらいつでも申請に来てください」

 

「そうなんだ……」

 

「優木さんが聞いたらきっと喜ぶでしょうね」

 

「だったら嬉しいなぁ〜。何でやめちゃったんだろ……せつ菜ちゃん……こんなこと思ってても仕方ないって分かってるんだけどね。きっとせつ菜ちゃんも考えての事だろうし」

 

 俺はピアノ前に置いてある椅子に座って2人の話を無言のままずっと聞いてる。優木さんが喜ぶね……それは本心か?

 

「でも、時々思っちゃうんだよね。あのライブが最後じゃなくて、始まりだったら最高だろうなって」

 

「なんで そんなこと言うんですか?」

 

「え?」

 

「いい幕引きだったじゃないですか、せつ菜さんは、あそこでやめて正解だったんです」

 

「あのまま続けていたら、彼女は部員の皆さんをもっと傷つけて同好会は再起不能になっていたはずです」

 

「え?そんなことは……」

 

「高咲さんと星野さんは 『ラブライブ!』をご存じでしょうか?」

 

「知ってるよ」

 

「俺も知ってます。ラブライブとは……」

 

 簡単に言うと日本全国で不定期に行われているスクールアイドルの大会である。高校野球でいう甲子園的なようなものだ。

 

「……ですよね?」

 

「そうです。高咲さんもせつ菜さんのファンなら、そこに出てほしいと思うでしょう?」

 

 中川さんはその後に続いて自分が犯してしまった罪を話した。

 スクールアイドルが大好きだった中川さんも同好会を作ってグループを結成し全国のスクールアイドルとの競走に勝ち抜こうとしていた。

 

 勝利に必要なのはメンバーが一つの色に纏まること……だが纏めようとすればするほど衝突は増えその原因が全部自分にあると気付いた中川さんは自分の大好きは自分本位な我儘に過ぎなかったと言う。

 

「そんな彼女がスクールアイドルになろうと思ったこと自体が間違いだったのです。幻滅しましたか?」

 

 中川さんがそう言った瞬間昼休み終了前のチャイムが鳴り中川さんが音楽室を出る。

 

「……失礼します」

 

「あっ……待ってください!ゆー姉、ごめん!また後で!」

 

「う……うん!」

 

 俺はゆー姉に謝って中川さんが心配で後を追うことにした。

 

「中川さん!」

 

「星野さん……貴方も幻滅しましたよね?せっかく曲を作ったのに急に優木さんがやめてしまうなんて」

 

「そんなこと……ありませんよ。俺はいつでも待ってます。せつ菜さんの復活を」

 

「無理ですよ。彼女はもう戻ってきません……」

 

 

 

 中川さんは悲しげな表情で自分の教室への道を歩き出した。

 俺は果たして彼女の運命を変えることができるのだろうか?そう思い教室へと向かった。

 

 

 





遊星くんはいつか特撮にエキストラとして参加してみたいそうです。

ボロボロの傷がいつの間にか消えてるのはコメディあるあるです。

ぶっちゃけアニガサキの小説でかなり苦戦するのはせつ菜さんの説得なんじゃね?
言葉選びとかかなり大変でしょ?

次回は遊星くんが中川さんを説得します。
中川さんの運命は俺が変える!


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EP34 復活のせつ菜とDIVE!


せつ菜さんの説得めっちゃムズかった。

サブタイは復活のコアメダル感出しましたw
キャラの台詞量も多いです。

それではどうぞ!


 

 

 

 午後の授業を普通に受けながら昼休みで中川さんの話していたことが途中でつい引っかかり、気になってしまう。

 そういえば、今日は生徒会に提出しなきゃいけないやつがあったんだ。璃奈には悪いけど一緒に帰れないな。

 

「遊星くん、元気ないね?」

 

「ん?そう見えるか?」

 

「うん、授業は普通に受けていたけど表情が曇ってた。何かあったの?」

 

「実は最近、会長が元気なくてさ……俺に出来ることないかなって思ってるんだ。今の会長に俺の声が届くが心配で」

 

「そうなんだ……。上手くは言えないけど、遊星くんなら大丈夫だよ。私は遊星くんにたくさん助けられたし、きっと生徒会長にも遊星くんの想い伝えられると思うよ?だからもっと自分に自信持って」

 

「璃奈……ありがとう。お陰で迷いが吹っ切れたよ。そうだな!」

 

 そうだ……俺は何を迷ってたんだ。俺は中川さんの本当の笑顔を取り戻したいし、これからも皆んなと笑い合っていたい。どんな苦難に立ち向かったとしても一緒に進んでいきたい!だから俺は……この想いを中川さんに必ず伝えたい!

 

「そうだ。俺今日は生徒会に提出しなきゃいけないのがあるんだ。悪いけど璃奈は先に帰っても良いよ」

 

「分かった。頑張ってね」

 

「おう!」

 

 今日の練習は生徒会の用事があるので無理かもしれないと、かすみ達にメッセージで伝えておき、俺は教室から生徒会室へと向かい扉をノックしたが声が聞こえなかったので中に入ることにした。

 

 すると中にはパソコンを開いて、机に突っ伏した状態の中川さんがいた。

 

「中川さん!?」

 

「……はっ!星野さん」

 

「どうしました?体調でも悪いんですか?」

 

「いえ……大丈夫です。それよりノック……」

 

「しましたよ。声が聞こえなかったので」

 

「そうでしたか……すみません」

 

 俺は中川さんの体調を崩したと心配になったが、大丈夫なら良かった……でも俺的には彼女の心もすごく心配なんだよね。

 

「これ提出物です。パパッと終わらせちゃいました」

 

「ありがとうございます。相変わらず早いですね」

 

「お褒めの言葉ありがとうございます。中川さん今日一緒に帰りますか?」

 

「申し訳ありませんが、今日は用事があるので」

 

「そうですか……分かりました。じゃあまた明日」

 

「はい……」

 

 取り敢えず今の中川さんの状況を確認したし、下手に刺激するのはやめておこう。説得は明日の放課後に話すとしますかね。

 

 俺は特に行く当てもなく中川さんをどんな風に説得するかの方法を考えながら潮風公園へと足を運ぶと、見慣れた顔ぶれが何人もいたのであった。

 

 

 

 ー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー从||>ᴗ<||从ー

 

 

 

 潮風公園には果林さん、しずく、エマさん、彼方さんを初め、ゆー姉やあゆ姉そしてかすみの合計7人が集まっていた。

 きっと話してる内容は間違い無く中川さんについてだと思う。

 

「どうも皆さん、お集まりで」

 

「あっ!遊星くんだ!」

 

「おお〜遊星くんどうしたの〜?こんなとこで〜」

 

 エマさんと彼方さんが俺に気付いてくれて声を掛けてくれた。その他の皆んなも俺の方を向いた。

 

「考え事をしてここに来たらたまたま知り合いが多くいたもんで……てか全員知り合いだしね」

 

「じゃあ、ゆー介ってこの部外者のお姉さんとも知り合いなの?」

 

「そうだよ。てか部外者とか言うな!果林さんに失礼だろ」

 

「へぇ〜……面白いこと言う子ね?」

 

「ひぃ〜!ごめんなさい!コッペパンあげるから許して下さい!」

 

 そう言いながら、かすみは俺の背中に身を潜めて、かすみ特性コッペパンを果林さんに差し出した。

 

「あら、美味しそう……有り難く貰っておくわね」

 

「それより……皆さん揃って話してたのって会長の事ですか?」

 

「ええ、そうよ」

 

「やっぱり、菜々さんが……」

 

「せつ菜ちゃん、本当にスクールアイドルをやめるつもりみたい……」

 

「ちゃんと話そうとしたんだけど、取り付く島もなかったんだよ……」

 

「そうなんですか……」

 

「何か問題があるの?」

 

 確かに果林さんの意見には一理ある。部員は5人以上いるし生徒会も認めてるならば同好会は今日にでも始められるが、でも……。

 

「本当に辞めたいって思ってるんでしょうか?中川さんは」

 

「なんでそう思うの?」

 

「じゃあ皆んなに質問です。中川さんがずっと辞めたままでいいんですか?」

 

「「「それは嫌だよ!」」」

 

「せつ菜ちゃん、すっごくステキなスクールアイドルだし!活動休止になったのは私たちの力不足もあるから……」

 

「彼方ちゃんたち、お姉さんなのに皆んなを引っ張ってあげられなかった……」

 

「お披露目ライブは流れちゃったけど、皆んなでステージに立ちたいと思って練習してきたから。せつ菜さん抜きなんてありえない!」

 

 エマさん、彼方さん、しずくの順番でそれぞれの想いを打ち明ける。そしてかすみもこう語った。

 

「確かに、厳しすぎたところもあったけど……今は、ちょっとだけ気持ちが分かる気がするの。前の繰り返しになるのは、嫌だけど……きっと、そうじゃないやり方もあるはずで……それを見つけるには、かすみんと全然違うせつ菜先輩がいてくれないと ダメなんだと思うんだ」

 

「かすみ……よく言った!お前は本当に成長したな。俺は中川さんに夢を貰った。ゆー姉もあゆ姉もそうだろ?」

 

「もちろんだよ!」

 

「私も一緒にやりたい!」

 

 皆んな想いは一緒だ。でも結局は中川さんの気持ち次第だ。

 

「なぁ皆んな、中川さんの説得を俺にやらせてくれないか?」

 

「遊星?」

 

 中川さんにはこれからも本当にやりたい事をやってほしい、自分の心に嘘をついてこれから一生生き続けるなんて……そんなの悲しすぎるから。

 

 俺はもう中川さんの悲しい顔を見たくない……これからもずっと笑顔でいて欲しい……これからも一緒に中川さんとここにいる皆んなで協力して人々を笑顔にしたい。

 

「夢ってのは呪いと同じなんだ。呪いを解くには、夢を叶えなきゃいけない。……でも、途中で挫折した人間はずっと呪われたまま……らしい。だから俺は中川さんの中に眠ってるせつ菜さんを解き放ってやりたい!」

 

 夢を途中で諦めたとしても、胸にずっと残ったまま。たまに虚しくさせられたり、悲しくなったりする。まさに呪いそのものだ……。

 

「遊星……分かった。でも私にも手伝わせてくれない?」

 

 と、ゆー姉が言う。確かにゆー姉だって中川さんに伝えたいことはたくさんある。それにきっと昼休みに無神経なことを言ったんじゃないかって思ってるに違いない……でも俺は昼休みに2人が話している間に入れないのが、すごく悔しかった。

 

「ゆー姉、ありがとう。でもごめん!今回は俺だけで行かせてくれないか?それに俺はあの人に恩返しがしたいんだ!」

 

「恩返し?」

 

「うん!俺が作った曲を歌ってくれてありがとうってまだ言えてないから……だからお願い!」

 

 俺は必死の思いで、ゆー姉に頭を下げた。

 

「遊星……分かったから顔上げて?その代わりに、ちゃんと私たちの想いもせつ菜ちゃんに伝えてきてね?」

 

「ゆー姉……ありがとう!」

 

「でも、もし失敗したらどうするつもりなのかしら?」

 

「果林さん、俺はそれでも諦めません。たとえ成功する確率がほんのわずかだとしても、俺はそれに賭けてみたいんです!」

 

「そう……会長さんの笑顔取り戻せるといいわね」

 

「でも……どうやってせつ菜先輩を呼び出すかが問題ですよね。ゆー介は何かいい案ある?」

 

「そうだな……あっそういえば」

 

 明日は放課後に生徒会の会議があったのを思い出した。それが終わったら俺が屋上に連れ出して説得という単純な作戦を思いついた。

 

「どうかな?」

 

「まぁ〜やれるだけやってみようか〜」

 

「でも私は遊星くんが心配だなぁ……コッソリ見ててもいい?」

 

「大丈夫ですよ。エマさん」

 

 という事で明日の放課後に優木せつ菜さんを復活させる計画が始まった。

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 そして翌日の放課後。俺は璃奈に生徒会の会議があると告げて教室を後にし、会議に出席した。

 

「本日は以上です」

 

『お疲れ様でした』

 

 役員の皆んなが生徒会室を離れて今は俺と中川さんの2人きりだ。

 

「中川さん、この後時間ありますか?」

 

「はい、特に何も」

 

「そうですか、それでは2人きりでお話ししませんか?屋上で」

 

「なぜ屋上なんですか?」

 

「今日はいい天気ですし、この時間には誰もいませんし、良いじゃないですか!」

 

「はぁ……分かりました。それでは行きましょう」

 

 中川さんは溜息を吐きながら俺との話し合いに応じてくれた。やっぱり優しい人だな……。

 そして屋上に着いて俺はベンチに座り中川さんも隣に誘った。

 

「それでお話とは?」

 

「そうですね。俺は貴女のもう一つの心にも話があるんですよ……。優木せつ菜さん」

 

「もしかして朝香さんかエマさんに聞きましたね?私の正体を……」

 

「聞きはしましたが昨日の音楽室でまるで自分のことを話してる感じだったのでもしかしてと思いまして(嘘です。本当は初めて会った時から気付いてましたけどね)」

 

「そうですか……それで?」

 

「ゆー姉が昨日無神経な事を言っちゃたなって言ってました。許してやってください」

 

「はぁ……別に昨日のことは気にしてませんと高咲さんには言っておいてください。正体を隠してた私が悪いんです。話は終わりですか?」

 

「まだありますよ」

 

 中川さんは立ち上がろうとしたので俺は続けて喋りそれを止めることに。

 

「この前のライブで俺の作った曲を歌ってくれて、ありがとうございます。……それと俺せつ菜さんに同好会に戻ってきて欲しいって思ってるんです」

 

「えっ……何を……」

 

「ここで質問です。せつ菜さん、貴女は今でもスクールアイドルが大好きで続けたいと思ってますか?」

 

「はい、大好きですし続けたいです。でも……私には皆さんを完璧に纏めらるだけの力は無いんです!そんな私にスクールアイドルを続ける資格はありません!」

 

 確かに貴女のやってしまったことは決して正しいとは言えない、でも何度悔やんだ所で過去が変わるわけではない……その為にも自分の足で未来に向かって自分で歩かなければ意味がない。

 

「せつ菜さん、完璧な人間なんて一人もいません。お互いに支え合っていくのが人生っていうゲームですよ。だからこそNobody's Perfect今の同好会には貴女のような情熱を持った方も必要なんです!」

 

「でも……でも!私がいたら『ラブライブ!』には出られないんですよ!?」

 

「だったら……『ラブライブ!』になんて出なくていい!俺はせつ菜さんに幸せになってほしい!何時でも笑顔でいてほしいんです!俺は貴女の純粋で無邪気な笑顔が大好きだから!」

 

 俺はせつ菜さんと音楽室で特撮の曲を弾きながら一緒に歌った時をことを思い出す。

 

「星野さん……」

 

「嬉しかったです。俺の曲で感動してくれたのが……貴女が初めてだったから。そして俺は自分の曲を歌った貴女に感動した。これからこんな凄い人達に曲を作れるかの思ったら心が踊った!」

 

 俺はこれからせつ菜さん達のファンになる皆んなを笑顔にする曲を作れるなら『ラブライブ!』みたいな大きな舞台じゃ無くたって構わない。

 

「俺はせつ菜さん達と一緒にこれからも笑顔で未来に向かって歩いていきたい!俺は……それだけで十分です!」

 

 俺がそう言うと彼女の目から大粒の涙がポロポロと溢れた。

 

「星野さん……貴方って人はずるいです……」

 

「せつ菜さん、貴女は1人じゃありません……俺たちが何時でも側にいますよ」

 

 俺は中川さんの背中を優しく摩った。落ち着くまでずっと。

 

「落ち着きましたか?」

 

「はい……あの……星野さん」

 

「ん?」

 

「私は自分の大好きをこれからも貫いていいんですか?我儘も多くなりますし、迷惑もたくさん掛けると思います。それでも私の事を嫌いになったりしませんか?」

 

「もちろんですよ。迷惑ドンと来いです!それに前言ったじゃないですか!どんな中川さんでも嫌いにならないって、全部ひっくるめて中川さんだって!」

 

「ふふっ……分かってるんですか?貴方は自分が思ってる以上に凄いことを言ったんですからね!」

 

 そう言いながら立ち上がり中川菜々さんは三つ編みを解いて眼鏡を外して優木せつ菜へと変身した。

 

「そういえば、私の為に新曲を作ったと言ってましたよね?曲と歌詞を見せてください!」

 

「えっ?まさかこの曲を直ぐ覚えるってことですか!?」

 

「はい!スクールアイドルを舐めないでください!」

 

 俺はせつ菜さんに曲を聴かせて歌詞を見せた。そして歌い方のレクチャーをしようとしたが「大体分かったので大丈夫です!」と言われた……ディケイドか?

 

「ラーニング完了です。ダンスのイメージも掴みました!それでは遊星さん、見ててください!ここからは私たちのステージです!」

 

 それと同時に俺はiPhoneの曲をBluetoothを通して流した。

 

 

 

 曲名は「DIVE!」

 

 

 

 スゲェ……マジで歌詞も丸覚えだし即興で付けたと思わせないダンスが曲や歌詞にめちゃくちゃベストマッチしている。

 そんな事を考えているとあっという間に曲の全てを彼女は歌い切ってしまった。

 

 

 




 
今回はここまで!次回はライブ終わりから始まります!

最初は侑ちゃんも同伴させようとも考えたのですがやっぱり主人公には活躍して欲しかったので一人で行かせました。

夢ってのは呪いと一緒なんだ。ファイズで海堂の言った名言ですね。俺は好きです。

次回は中川さんが星野家にお泊まりします。お楽しみに!

お気に入り、感想、評価、誤字報告など宜しくです。


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EP35 菜々さんとお泊まり


今回の冒頭で3話が終了してそっから先はオリジナルです

それではどうぞ!


 

 

 

「はぁはぁ……スクールアイドル同好会、優木せつ菜でした!」

 

 曲が終わると下の方から拍手と大量の歓声が聞こえてきたので、見てみると多くの生徒たちが足を止めて、せつ菜さんのライブを見てくれてたみたいだ。

 中には「おかえりー!」や「せつ菜ちゃん最高!」という声も聞こえてきて、俺は優木せつ菜さんが復活したことが自分のことのように嬉しく思ってしまう。

 

「せつ菜ちゃーん!」

 

「た、高咲さん!?」

 

「もう最っ高だったよー!ときめいちゃったー!!」

 

 すると後ろの方からゆー姉が猛ダッシュで走ってきて、せつ菜さんを思いっきり抱きしめた。そしてせつ菜さんはその勢いで後ろからお尻をつく形で倒れた。

 

 そして、ゆー姉の後に続いて同好会の面々が次々とやって来た。

 結局心配で皆んな来てくれたんだね。

 

「侑先輩……いつまで抱きついてるんです?」

 

 かすみが2人の間に割り込んで入って来て、2人は離れて立ち上がる。

 

「あの……遊星さん」

 

「なんですか?」

 

「ありがとうございました。この曲は私の一生の宝物です。これからも「CHASE!」と同様大切にします!」

 

「こちらこそですよ!」

 

 俺はせつ菜さんに手を差し出して、アツい握手をすると鎌倉でしずくと初めて会った時にした「友情の証」をした。

 

「あっ!それ私と遊星くんが初めて会った時にしたやつだよね!」

 

「うん!俺たちは固い絆で結ばれてるからな!それにしても……ちょいと盛り上がりすぎましたね。どうします?会長さん」

 

「遊星さん、今の私は優木せつ菜です!見つかる前に退散しましょう!」

 

「そうですね!皆んな、爆走ゼンカイだー!ちょあー!」

 

「ちょ!ゆー介、待ってよー!」

 

 

 

 この後は皆んな、それぞれ自分達の教室へと荷物を取りに行き俺は彼方さんとせつ菜さんからプットオンした菜々さんと一緒に下校中である。

 

「いや〜それにしても今日の遊星くんカッコよかったよ〜?」

 

「そ、そうですか?」

 

「はい!星野さんがまるでヒーローに見えてしまいました!」

 

 ヒーローか……なんだかそう言われると嬉しくなってくるな。

 

「せつ……中川さん」

 

「何ですか?」

 

「これからは中川さんのこと、菜々さんって呼んでも良いですか?俺のこともせつ菜さんの時みたく、名前で呼んで欲しいです」

 

「ふふっ……分かりました。これから生徒会の時でも遊星さんと呼ばせていただきます!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「その代わり、同好会の活動時や生徒会の活動時では、ちゃんと名前は使い分けてくださいね?」

 

「頑張って慣れるよう精進します。菜々さん!」

 

 3人で暫く歩いて俺と彼方さんは2人揃ってバイトがあるので菜々さんとは別れることになった。

 菜々さんにバイトが終わったら家を訪ねて欲しいと言われたので俺はOKサインを出した。

 

 

 

 ーー⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーーノレcイ´=ω=)ーー

 

 

 

 バイトが終わった俺と彼方さんはそれぞれ更衣室へと移動して、いつも通り着替えて外へと出る。

 

「美冬さん、お疲れ様でした!」

 

「お先に失礼しま〜す!」

 

「2人とも、お疲れ様!何だか今日は随分と張り切っていたわね。何か良いことでもあったの?」

 

「はい!実は俺スクールアイドル同好会に入って曲を作ることになったんです!」

 

「遊星くん音楽できたのね。これから頑張りなさい!」

 

「もちろんです。彼方さん達と精一杯頑張ります。ね?彼方さん!」

 

「そうだね〜。美冬さんもいつかライブ見に来てくださいね〜♪」

 

「ええ、その日を楽しみにしてるわ」

 

 こうしてバイト先から外へと出て暫く彼方さんと喋りながら帰宅をした。

 お披露目ライブから今まで色々ありすぎて本当に疲れてしまった。まだまだ若いのにこんなこと言ってられないけど……でもやっぱり疲れた。

 

「明日からまた同好会の皆んなと活動出来ると思うと、彼方ちゃん楽しみだよ〜」

 

「そうですね。俺もすっごく楽しみです!」

 

「遊星くん、本当にありがとうね。せつ菜ちゃんを救ってくれて」

 

「こちらこそ菜々さんの為に動いてくれて、ありがとうございました」

 

 正直なところ説得をするときは少しだけ怖かった。果林さんには諦めないと言ったが、もし言葉選びをミスって菜々さんを救えなかったらと思うと怖かった。

 

 ぶっちゃけ言葉で説得すること自体が初めてだったので尚更である。でも、ゆー姉達が陰から応援してくれた気がして、自分なら出来る気がするって自分を信じることができた。

 

「菜々さんを救うことが出来たのは俺だけじゃなくて、皆んながいたからです。後で果林さんにもお礼を言わないとな」

 

「遊星くん……も〜う!嬉しいこと言ってくれるじゃん!うりうり〜!」

 

「か、彼方さん!いくら周りに人が居ないからって、いきなり抱きついたり撫でないでください!」

 

 ついでに甘い香りと背中に柔らかい感触がふ、2つも!ヤバい……桃源郷が見えてきた。

 

「顔赤くしちゃって〜。やっぱり遊星くんって弟みたいで、可愛いね〜♪」

 

「くっふ〜……!」

 

 

 

 可愛いという男が言われたくないワードを言われてちょっとだけショックを受けつつも俺と彼方さんは途中で別れて俺はマンションへと辿り着いた。

 

 確か菜々さんが家を訪ねて欲しいとは言われたけどそれ以外何も聞かされてないんだよな。何か用事かな?

 俺は中川家のインターホンを押して菜々さんが出てくるのを待つ。

 

「遊星さん、お待たせしました!」

 

 扉を開けて出てきたのは眼鏡を外した寝巻き姿の菜々さんだった。

 

「えっと……せつ菜さん?それとも菜々さん?」

 

「菜々で良いですよ」

 

 三つ編みで眼鏡なしだと、どっちで呼べば良いか混乱してしまう。

 

「分かりました。それで菜々さん、俺を呼んだ理由は?」

 

「じ、実は今日両親が主張中で明日の夕方までに帰ってこないんですよね」

 

「成程。それは大変ですね」

 

「それで……その……宜しければ今日は遊星さんのお家に泊まっても良いでしょうか?今日のこととか、お話しし足りなくて……」

 

 そう来たか……でも菜々さんは一回家にあげてるし泊まらせるくらい、なんてこと無いけどね。

 

「良いですよ。それで菜々さんはもう夕飯は済ませました?」

 

「いえ、まだです。お風呂は済ませてありますけど」

 

 確かにお風呂上がりのシャンプーの香りがしますね。

 

「分かりました。じゃあリビングに来てください、腕に寄りをかけて作るんで」

 

「遊星さん、ありがとうございます!」

 

 今晩は前にも食べさせた事がある菜々さんの大好物である唐揚げを作ることにした。今日の主役だし好きなものを食べさせてあげたいと思ったのだ。

 でも今回はこの前買った漫画を参考に作りたいと思ってます!

 

「遊星さん、何か手伝いましょうか?」

 

「大丈夫ですよ。菜々さんはTVでも観ててください!そのTVはアマプラに接続できるんでるんで、お好きなのをどうぞ!」

 

「では、お言葉に甘えさせていただきます!(阿波連さんでも観ましょうかね)」

 

 とある作品のスピオンオフ漫画のレシピを見ながら作ったら上手くできた。今度からこの漫画のレシピも参考にしよ。

 

「出来ましたよ!」

 

「待ってました!う〜ん……美味しそうな香りですね……!」

 

「それじゃ、いただきましょう」

 

「「いただきます!」」

 

 先ず菜々さんが唐揚げを箸で掴んで一口頬張るとすごく幸せそうな顔をしながら味わっていた。

 

「遊星さん、この唐揚げ前よりもすごく美味しいです!!」

 

「良かった……実はこの漫画のレシピでそのまま作ってみました!」

 

「そのスピオンオフ作品は私も知ってます!どの料理も美味しそうですよね〜!」

 

「分かります!コレ食べたら俺の部屋行きませんか?ドンブラキャストのサインを見せる約束しましたしね!」

 

「はい!凄く楽しみです!」

 

 夕飯を食べ終えて片付けをした後に、菜々さんを部屋へと案内した。

 

 

 

「うわ〜!フィギュアにタペストリーに番組ポスターだけじゃなくて漫画やゲームも沢山あります!オタク天国ですー!!!」

 

 菜々さんを部屋に入れると、俺の予想通り菜々さんはハイテンションになり目を輝かせながら俺のオタク部屋を眺めていた。

 

「じゃあ菜々さん、俺は風呂に入ってくるので好きな漫画とか読んでても良いですよ」

 

「分かりました!どれを読みましょうかね〜!」

 

 俺は取り敢えず風呂に入って今日の疲れを流すのであった。

 

 

 

 ーー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー //*イ`σヮσリ ーー

 

 

 

 風呂に上がってコーヒー牛乳を片手に自分の部屋に入ると菜々さんが「ウマ娘シンデレラグレイ」を読んでいた。

 

「菜々さん?」

 

「あっ!遊星さん!」

 

「そういえば、同好会の部室はどうするんですか?元の場所はワンダーフォーゲル部になっちゃってますけど……部室の準備は出来そうですか?」

 

「その点に関しては問題ありません!場所は既に確保済みなので!」

 

 ええー!準備早すぎませんか!?どうやって空室を確保できたのか知りたいわ。

 

「実は似々花先生に頼んで用意してもらいました。明日は放課後に部員の皆さんで部室の掃除をして、ミーティングをした後に練習です!」

 

「あの人か……相変わらず凄いな……」

 

 似々花先生の凄さを改めて実感した後は菜々さんと楽しくアニメや特撮の話をしたりドンブラザーズキャストのサイン色紙を見せたりした。

 

「モモ、サル、オニの3人のキャストさんから貰えるなんて羨ましいです!」

 

「志田さんに握手もしてもらいました!」

 

「鬼頭はるか先生と握手……良いですね〜!」

 

 やっぱり趣味の話をしているこの時間が最高に楽しいな。それと菜々さんから色々とスクールアイドルについても教えてくれてとても勉強になる。

 

「成程……。スクールアイドルとは実に奥が深いですね!」

 

「そうなんです!皆んな個性的で良いですよね!」

 

 菜々さんはスクールアイドルの知識が豊富にあって凄いな……俺だったら特撮に関しては無限に語れるくらい詳しくて話してて凄く楽しい。

 

「菜々さん、為になるお話しありがとうございます」

 

「いえ、遊星さんにスクールアイドルのことを教える事ができて私も楽しかったです!」

 

 菜々さんによるスクールアイドル講座を受講した後は2人で歯を磨いて菜々さんが寝るための布団を敷き後は寝るだけである。

 

「遊星さん、今日は本当にありがとございました。これから凄く楽しみですね!」

 

「そうですね。明日から改めてよろしくお願いしますね。せつ菜さん!」

 

「はい!」

 

「それでは、おやすみなさい」

 

「おやすみなさい。遊星さん」

 

 

 

 俺は電気を消して部屋を真っ暗にするとお互いに深い眠りについた。

 

 

 





これからも遊星くんと菜々さんをオタ活させる為に頑張りたおと思います!

因みに料理の参考にしたスピンオフ作品は「衛○さんちの今○のごはん」です。

菜々さんとはアプリゲームでもフレンドになれた。因みに「ウマ娘」とプリコネです。

次回から4話に突入!あいつらが同好会に入るぜ!


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EP36 親友の進展と新しい部室


お久しぶりです

お気に入り100超えました!ありがとうございます!

今回から本編の4話です!

それではどうぞ!



 

 

 

 せつ菜さんがスクールアイドルとして復活した菜々さんとお泊まりをした翌朝の5時。俺はいつも通りスマホから鳴るアラームで起きるのと同時に隣の床に敷いてある布団で寝ていた菜々さんも起きた。

 

「菜々さん、起きましたか?おはようございます」

 

「……ん?あっ、おはようございます。遊星さん」

 

 俺はベッドから降りて、カーテンを開けると眩しい朝日が差し込んできた。

 今日も良い天気だな……絶好の練習日和ってところだな。

 

「今日も良い天気ですね」

 

「そうですね……。良ければ朝ごはん食べて行きますか?」

 

「それではお言葉に甘えさせていただきます。私は一旦自分の家に戻って制服に着替えてきますね!」

 

 そう言って菜々さんは家から出て行き中川家へと戻って行ったので俺も制服へと着替えて朝ごはんを作ることにした。

 

 

 

「遊星さん、着替え完了しました!」

 

「ちょうど出来たところなので、席にどうぞ。コーヒーはブラックでも良いですか?」

 

「はい!ブラックでお願いします!」

 

 今日の朝ごはんはプレーンオムレツにカリカリベーコンと普通のトーストそしてジャガイモのポタージュに、最近親に頼んで沼津から取り寄せた寿太郎みかんのジャムをかけたヨーグルトである。

 

「はい、パン焼けましたよ」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 暫くして朝食を食べ終わり、2人揃って学校へと向かうことにした。

 そして、学校に着き菜々さんとお昼を食べる約束をして途中で別れ俺は、教室で璃奈が来るまでTTFCのアプリで仮面ライダーベイルを見ることにした。

 

 きっとこのスピンオフを見る事によって、今後の仮面ライダーリバイスをより楽しんで観れるに違いない!ベイルドライバーの商品化来たら速攻で買います。

 多分この内容はアマゾンズが好きな人は好きだと思うな……1話から結構過酷だしだがそれが面白いのだ。

 

 そしてこの作品の監督は太ももを舐めるように撮るで有名な我らが坂本浩一さんだ。そして脚本は、最近だと復活のコアメダルを担当した毛利亘宏さんである。

 ぶっちゃけ復活のコアを観た後にバースXをどういう気持ちで見て良いか心の整理が未だについておりません。

 

「遊星くん。おはよう」

 

「ん?ああ、璃奈か……おはよう!」

 

「それって仮面ライダーベイル?」

 

「そうだよ。結構ストーリー重いけど面白いよ!3人の子供と共に幸せな家庭が待ってる事が確定してるからまだ耐えられるって感じだ……」

 

「私も見たけど結構展開がハードだよね。ニチアサじゃ放送出来ない内容だよね」

 

 2人で仮面ライダーベイルについて語っていたが、途中で璃奈が話題を変えてきた。

 

「ねぇ遊星くん、昨日のライブ観た?屋上の」

 

「昨日?ライブ?あっ!もしかしてあのライブ観てたんだ!」

 

「うん!そこでなんだけど……私、愛さんと一緒にスクールアイドル同好会に入ろうと思ってるの!」

 

「……えっ?」

 

 

 

 ー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー从||>ᴗ<||从ー

 

 

 

 えっ?り、璃奈が!?しかも愛さんもだなんて……もしかして昨日のライブを見てスクールアイドルをやってみたくなったとかか?

 そういえば俺って璃奈に同好会入ってるって言ってなかったわ……色々あったから言い出せるタイミングが無かったからな……。

 

「そ、そうなんだ。実はさ……俺、最近スクールアイドル同好会に入ったんだよね」

 

「そ、そうなの!?」

 

「璃奈は、俺がピアノ弾けるの知ってるでしょ?」

 

「うん」

 

「それで昨日ライブしてた人……優木せつ菜さんって名前なんだけど、その人に曲作り兼マネージャーとして誘われてね。今日から活動再開するんだ」

 

「そういう事だったんだ」

 

「ところで何故スクールアイドル?」

 

 璃奈曰く、昨日のライブを見た後に愛さんと帰ってる途中にスクールアイドルやってみない?と話を持ちかけられて、自分もやってみたいとのことで同好会に入りたいとの事で……俺の予想通りだったな。

 

「そっか……璃奈と愛さんがやるって言うなら、いつでも大歓迎だし応援するよ」

 

「遊星くん、ありがとう!」

 

「そうだ……。今日はこの時間に来てくれれば良いよ。もし部室棟前に着いたら連絡して?部室の場所変わったから、俺が2人を迎に行くよ」

 

「分かった。愛さんにも伝えておくね」

 

 入って早々2人に新しい部室の掃除を手伝わせるのはどうかと思ったので少し遅く来るように指示を出した。

 そして今日は菜々さんとご飯を食べる約束をしたと言っておいた。

 

 

 

「じゃあ俺は生徒会室に行ってくるから、愛さんに宜しくな!」

 

「ロジャー!いってらっしゃい!」

 

 俺は鞄から弁当を2つ取り出して生徒会室へと気分良く向かった。因みにもうひとつのお弁当は菜々さんの分である。

 菜々さんには家を出る際に購買とかで買わなくても大丈夫なので、生徒会室で待っててくださいと伝えておいた。

 

「お待たせしました!」

 

「私も今来た所なので大丈夫ですよ」

 

「はい、菜々さんのお弁当です」

 

「態々ありがとうございます。朝昼晩と頂いてしまって……」

 

「いいんですよ。俺は菜々さんに美味しいって言ってくれるだけで嬉しいですから!」

 

「ふふっ、それでは、いただきましょうか!」

 

 今日は昨日作った唐揚げの作り置きとだし巻き卵に2種類のおにぎりで中身は鮭と昆布である。

 

「う〜ん……遊星さんの作った唐揚げは最高ですね……!」

 

「唐揚げって食べやすくて冷めても美味しいですし、お弁当には最適なゆですよ」

 

 弁当を食べている途中で俺は今日から同好会に入りたいと言っていた璃奈と愛さんについて話す事にした。

 

「菜々さん、実は俺の友達でスクールアイドルをやりたいと言う人が2人いるんです」

 

「そ、そうなんですか!?」

 

「はい!指定した時間に来るように言っといたので、楽しみにしててください!」

 

「分かりました!(遊星さんのお友達ですか……もしかして天王寺さんと宮下さんでしょうか?)」

 

 弁当を食べ終わり俺は菜々さんから弁当箱を回収した。そしてこの後ゆー姉と音楽室で約束をしたので菜々さんに許可を貰って行く事にした。

 前はピアノ弾いてやれなかったので、今回こそは!と生徒会室に来る途中にメッセージで送られて来たのだ。

 

「あの……遊星さん」

 

「なんです?」

 

「私も行って良いですか?久々に遊星さんの弾いたピアノが聴きたいです!」

 

「もちろん良いですよ。でもその前に教室に弁当箱置いてくるので、ついでに一緒に来ますか?」

 

「分かりました!」

 

 こうして2人で生徒会室から出て自分の教室にある鞄の中に弁当箱を入れてから音楽室へと足を運んだ。

 そして音楽室に着くと、ゆー姉が既に来ており、なんとあゆ姉まで来ていたのだ。

 

「あゆ姉も来たんだ」

 

「うん、侑ちゃんに誘われたの」

 

「それより!早く遊星が弾くピアノ聴きたいんだけど!」

 

「分かったよ。それで何聴きたい?」

 

「一昨日に「CHASE!」聞き逃しちゃったから「CHASE!」で!」

 

 そうだったな。一昨日は午後授業までのタイムリミットもあって出来なかったから弾いてやりますか。

 

「じゃあ私、歌っちゃいますよ!」

 

「その格好で歌って見つかったら、正体が他の皆んなにバレるんじゃないんですか?」

 

「だったら……マックス大変身!優木せつ菜!」

 

 菜々さんは三つ編みを解いて眼鏡を外して優木せつ菜にマックス大変身した。マキシマムせつ菜さんレベル99ですね!

 

「「おおー!!」」

 

 俺と菜々さんはアイコンタクトをとって、ゆー姉リクエストの「CHASE!」を弾き始めると菜々さんも歌い始めた。

 近くで歌声を聞くのめっちゃ良いな……あの時のライブとはまた違った感じがして最高です。

 

 

 

「ふぅ……久々にこの曲を歌いました。ピアノの音源だけで歌うも最高ですね!」

 

「やっぱり、せつ菜ちゃん凄いね!遊星のピアノにもときめいちゃったよ!」

 

「あ、ありがとう」

 

「遊星くん、ピアノ上手だね!私、つい夢中になって聴いてた」

 

「じゃあ3人とも、次は俺が適当に弾いても良いかな?」

 

「うん!もちろん良いよ!」

 

「何が聴けるか楽しみです!」

 

 ゆー姉と菜々さんが目を輝かせながらワクワクしていた。

 俺がこれから弾くのは新しく7月からスタートするウルトラマンデッカーの主題歌「Wake up Decker!」である。

 

 最近TVサイズ版の主題歌を聴いてすごく爽快感がありこの曲を朝から毎週聴けるかと思うと楽しみで仕方がない!予想通り歌詞にフラッシュ、ストロング、ミラクルが入ってたのに感動した。

 曲作りのインスピレーションのひとつとしてピアノで弾けるように、歌と一緒にめちゃくちゃ家で練習しまくった。

 

 

 

 ーー ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ー @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ーー

 

 

 

「凄い!凄いよ遊星!」

 

「神秘的で爽快感がありつつも、凄く前向きになれる曲だね。それに遊星くんの歌すごく上手だね!」

 

「そうですね!遊星さん最高です!(これってウルトラマンデッカーの主題歌じゃないですか!ピアノで聴けるなんて感動です!)」

 

「あ、ありがとう!(照れるな……)」

 

 

 ちょうど弾き終わったところで昼休み終了前のチャイムが鳴ったので、菜々さんは元の三つ編み眼鏡に戻ってそれぞれ教室へと向かった。

 

 

 

 そして放課後。俺は同好会の部室に行くための準備をしていた。璃奈は愛さんと一緒に時間まではんぺんと遊んでいると言って中庭方面へと歩いていった。

 そして部室棟前に行くと、かすみとしずくの2人に偶然会った。

 

「おいっす!2人とも!」

 

「やっほー!ゆー介!」

 

「こんにちは遊星くん。新しい部室こっちだって!」

 

 俺は2人と一緒に新しいスクールアイドル同好会の部室へと移動すると扉の前ではゆー姉、あゆ姉、エマさん、彼方さん、そしてせつ菜さん姿の菜々さんが既に揃っていた。

 

「お待たせでーす!」

 

「おっ!3人とも来ましたね!それでは先ず練習着に着替えてから部室の掃除を始めましょう!」

 

 菜々さんの掛け声と共に皆んなが「おー!」と言ったので、俺は心の中で「えいえいむん!」と言った。

 

 

 

 皆んなが部屋の中に入って着替え終わるのを外でウマ娘をしながら待つ事10分くらいが経過。

 

「お待たせしました。遊星さんも着替えてきてください!」

 

「了解です!」

 

 皆んなが部屋から出て俺も家から持って来た服を着る事にした。学校のジャージでもいいかな〜とも思ったが、色は違えどゆー姉と被るので別のを持って来た。

 

「この部屋……いい香りするな〜……」

 

 いかんいかん!変なことを考えてないでさっさと着替えなければ!

 

「着替えましたー」

 

「おお〜!遊星くん、その練習着すごく似合ってるね〜」

 

「アザス!」

 

 俺の練習着は下がサンドベージュカラーのストレッチパンツに上は「チーム鎧武」のロゴ書かれたデザインのTシャツの上にチャック付きの武将パーカーを腕まくりした形のスタイルである。

 

「フロントだけ見るとシンプルだけど、後ろのイラストを見ると印象が一変するね!」

 

「だよな!しずく分かってるじゃん!」

 

「それでは改めて部室の掃除を始めましょう!」

 

 こうして皆んなでスクールアイドル同好会の部室を大掃除する事になった。

 

 

 





璃奈と愛さんが同好会に入る前までのオリジナル日常回を書いてみましたよ!

ベイルを見た後のデストリーム対ベイルの戦いは涙が止まりません!絶対見てほしいですね。

復活のコアメダルは観たら個人的に悲しい気持ちになります。

主人公はどちらかと言うと菜々さんと呼ぶ方が好きでこれからモノローグでは菜々さんと呼ばせます。
でもセリフではせつ菜さん姿ではちゃんとせつ菜さんと呼びます。

菜々さんはまだ侑ちゃんと歩夢の前ではオタクだと公言するのが恥ずかしい

チーム鎧武の衣装は遊星くんのお気に入り。

投稿が遅れた理由は、3DSを見つけて久しぶりにダンボール戦機ウォーズをやってたらついつい夢中になって投稿するのを忘れてました。今でもちゃんと先の話は書いているのですが投稿するのをつい忘れてしまいますw

ウマ娘のゲームでも周回とかで忙しくて忘れることもありますが、ご了承ください。

次回はついに璃奈と愛さんを同好会メンバーに迎えます!お楽しみに! 

引き続きお気に入り、感想、評価お待ちしてます。特に感想は沢山欲しいです。



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EP37 大掃除と新入部員


今回は部室の大掃除回です。

なんか評価バーのところがオレンジっぽくなってました。ナニコレ?このバーの色って何色くらいあるんでしょうか?

まぁ、それではどうぞ!


 

 

 

 部室の掃除を始めた俺たちは先ずテーブルなどを部屋の端へと退かしてから箒で床を履いてゴミや埃を取った後は床を雑巾で隅々まで拭く事にした。

 

「床は絶対モップの方がいいじゃん!」

 

「モップじゃダメだ!雑巾でやった方が力の入りが違うからな」

 

 かすみがぐずぐず言ってる間に俺はしずくに窓拭きを頼みバケツに水を入れて4、5枚ほどの雑巾を持って来て床に置いた。

 

「遊星、私に雑巾ちょうだい!」 

 

「遊星くん、わたしにも!」

 

「はいよ。ほら、かすみもやる!」

 

「は〜い……」

 

 俺はゆー姉とあゆ姉とかすみに、絞った雑巾を渡して床拭きを任せると、しずくが窓拭きに苦戦してるようだった。

 

「う〜ん……どうしよう……」

 

「しずく、どうした?」

 

「ここの汚れが中々取れなくて」

 

「任せろ!」

 

 こんな時の為に色々と掃除をする為に必須なアイテムを学校中から借りて来たのだ。

 スポンジとかスプレーボトルとか……やっぱり窓でもちゃんとピカピカにしてやりたいしな。

 

 俺はまず、水筒に入ってたお湯100mlを科学室で借りて来たビーカーに入れて、それに対し重曹を小さじ一杯の割合で溶かして完成した重曹水をスプレーボトルに入れて完成だぜ!

 

「しずく、このスプレーボトルの中に入ってる重曹水を吹き掛けて雑巾で軽く擦ってみて。綺麗に落ちるはずだから」

 

「分かった……。凄い!軽く拭いただけで汚れが落ちちゃった!」

 

「凄いでしょ!最高でしょ?天っ才でしょ?」

 

「遊星くん、ホワイトボードとソファ持って来たいから手伝ってくれないかな?」

 

「了解です。じゃあ4人とも、ちょっと行ってくるわ!」

 

 俺はエマさんと一緒に部室から出て必要なものを一緒に運ぶ事になった。一方で菜々さんと彼方さんは余っている椅子などを探してくるとの事だったので別方向へと行く事になった。

 

「それにしても、遊星くんは掃除上手だね!」

 

「まぁ家では床掃除の時は機械の掃除機頼ってますけど、窓みたいな届かない場所はネットとかで掃除方を調べたりしながらやってますね」

 

「果林ちゃんもちゃんと掃除出来れば良いのに……」

 

「え?果林さんの部屋って、あまり綺麗じゃないんですか?」

 

「うん。初めて部屋に入った時は雑誌とか服とかが床に散らかってて……それで私が片付けを手伝ってる事が多くて」

 

 へぇ〜凄く綺麗な大人のお姉さん風だし部屋の内装とかもお洒落に改造してあるんだろうな〜と思ったけど何だか意外ですな……ってか親友にあられもない私生活の一部を暴露されるなんて、果林さんドンマイっす。

 俺の中で果林さんのイメージが一部崩れかけました。コレも自業自得ですね。それにこの話題を普通に暴露出来るエマさんの度胸もすごいと思います。

 

 エマさんとの超協力プレイでホワイトボードやソファなどを持って来て部屋の中に入ると、ゆー姉とかすみが気合を入れて雑巾掛けレースをしていた。

 

「うおーーー!!!」

 

「負けませんよー!侑先輩!」

 

 ほほう……さっきまで雑巾掛けをめんどがっていたあのかすみがめっちゃやる気になってる……だが!キタサンゆー姉ブラックが逃げる逃げる!果たしてこの雑巾掛けステークスを制するのはカスミチャンか!?それともキタサンゆー姉のどちらなのでしょうか!

 

 心の中で勝手なレース実況をしているとポケットからスマホがブルブルと震えたので見てみると菜々さんから電話が来た。

 

「はい、もしもし?」

 

『遊星さん、余っている椅子が見つかったので運ぶの手伝ってくれますか?』

 

「了解です。エマさん、俺は菜々さんの所に行って来ますね!」

 

「行ってらっしゃーい!」

 

 

 

 ーー (ζル ˘ ᴗ ˚ ルヘ ー╰*(..•ヮ•.. ) *╯ーー

 

 

 

「お待たせしました!」

 

「おっ!来た来た〜!」

 

「それでは遊星さん、お手伝い お願いします!」

 

 なんと余ってた椅子は合計で14脚もあったので全部持って行く事にした。でも俺達って今のところ合計で8人だし、璃奈と愛さんの2人が入る予定だから合計で10脚でもいいと思うけど……今後入る子がいるかもしれないし多く持ってく事に越したことはないよな。

 

「それと資料なども持って行きたいので、運ぶ用の台車も借りました。この台車に乗っけて、エレベーターまで待ってて運びましょう!」

 

「じゃあその作業は椅子を持っててからにしましょうか!」

 

「そうですね!」

 

「じゃあ後は若い者に任せた〜。彼方ちゃんはクタクタだぜ〜」

 

「いやいやいや!彼方さんも充分若いじゃないですか!?それに練習すら始まってないし!」

 

「えへへ〜♪若いって……遊星くん。もしかして彼方ちゃんのこと口説いてるの〜?」

 

「せつ菜さん、さっさと行きましょ……」

 

「そうですね」

 

「ああ〜2人とも待ってよ〜!彼方ちゃんも真面目にやるから〜!」

 

 セイウンス彼方さんのくだらない茶番に付き合い、それぞれ何脚か椅子を持ってエレベーターの中に乗り込み同好会のある階へと着き、他の皆んなにも運ぶのを手伝った後に部屋の中に入ると凄く綺麗になっていた。

 

 その後は俺と菜々さんで資料の入った段ボールや何やらを台車に乗せて部室まで運ぶ作業をした。

 

「ん?また電話だ。な……せつ菜さん、ちょっと待ってもらっていいですか?(菜々さんって言いそうになった。危ねぇ危ねぇ)」

 

「はい、大丈夫ですよ!」

 

 ケータイを見るとなんと我らが生徒会の顧問である似々花先生であった。もしかして例のブツを取り寄せてくれたのか?

 

「もしもし、似々花先生あれの用意出来ましたか?」

 

『もちろんですよ。設定などの作業は、遊星達の方でお願いします』

 

「分かりました。早速取りに行きますね。せつ菜さん、すみませんがこの台車の荷物をお願いします」

 

「似々花先生に何を頼んだんですか?」

 

「高性能のデスクトップPCですよ。皆んなの楽曲データや今後撮るだろうと思うPVとかのデータを入れるのに必要かなと思いまして」

 

「確かにPCは必要ですよね。分かりました!」

 

 

 

 台車に積んであるダンボールを菜々さんに託して、俺は似々花先生が待っている場所へと向かった。

 

「来ましたね。遊星」

 

「こんなに凄いPCを態々ありがとうございます。似々花先生!」

 

「昔からの教え子である遊星の頼みです。これくらいさせてください、それに中間テストで高順位を叩き出したご褒美としても受け取ってください」

 

「あはは……次の期末は1番目指したいと思います……」

 

 俺はデスクトップパソコンを運ぼうとしたのだが1人ではとても運べないと思って電話でゆー姉とあゆ姉を呼ぶ事にした。

 

「それにしても遊星がスクールアイドル同好会で曲作り兼マネージャーですか……貴方も昔と随分変わりましたね」

 

「そうですか?」

 

「まあ、私も貴方の夢を応援してます。頑張りなさい!」

 

「分かりました!これからも精進します!」

 

「おーい!遊星ー!」

 

 俺と似々花先生が会話をしている途中でゆー姉とあゆ姉がやって来た。

 

「こんにちは、上原さんに高咲さん」

 

「こんにちは、似々花先生。それじゃ私はこのキーボードとマウスを持つよ」

 

「私は液晶モニターね。遊星はそのパソコンの本体をお願い!」

 

「OK!じゃあ似々花先生。また!」

 

「ええ、3人とも……夢に向かって頑張りなさい!」

 

「「「はい!」」」

 

 こうして似々花先生と別れて3人で協力してパソコンを運んで部室のテーブルに設置をして、俺が初期設定やらインターネットや学校のWi-Fiに繋がるようにもしておいた。

 因みに共有のIDやパスワードなども忘れないように自分達でメモするなり管理をするようにも呼びかけた。

 

「ふぅ〜……やっと終わったぜ……」

 

「ゆー介、まだひとつだけやり残してる事があるよ?」

 

「何だっけ……あっ!ネームプレートか!」

 

「ピンポーン!それでは、皆さんで外に出て飾りましょう。これが本当のスクールアイドル同好会の復活です!」

 

 最後にドアに「スクールアイドル同好会」と書かれたプレートをセットした後に一息つこうと思い俺は皆んなにお茶やコーヒーを淹れた。

 

「はい、皆さんどうぞ!」

 

「遊星くん。ありがと〜」

 

 これでも俺は生徒会のお茶汲みとしても生徒会役員の皆さんに貢献しているのでお茶淹れには慣れたもんですよ。

 

「それにしても……お掃除をすると何だか清々しい気分になりますね!」

 

「しずくは家で掃除よくする系?」

 

「休日に自分の部屋を片付けとかならしてるよ」

 

「へぇ〜……ん?(璃奈からだ)」

 

 俺はスマホの通知欄をチェックすると「部室棟前に愛さんとNow!」と言うメッセージが自撮りと共に送られて来たので、皆んなに事情を話してから部室棟前へと向かう事になった。

 

 

 

 ーー ζ㎗òヮóリーー从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

「2人ともお待たせ!」

 

「よっ!待ってました!」

 

「スクールアイドル同好会……なんだか緊張して来た」

 

「皆んな優しい人達だから安心しな?さぁ、行くぞ!」

 

「うん!」

 

 2人を連れて同好会へと歩いて暫くして着いて俺はノックをしてから扉を開けた。

 

「皆さん、さっき言ってた入部希望者を連れて来ましたよ!」

 

 俺は璃奈と愛さんを中に入れて2人は皆んなに自己紹介をした。

 俺の知り合いである2人の自己紹介は割愛させていただきます。

 

「やっぱり、天王寺さんと宮下さんだったんですね」

 

「流石に分かっちゃいましたか?」

 

「ところで、どうしてスクールアイドル同好会に?」

 

 菜々さんが俺に小声で耳打ちをした後にゆー姉が璃奈と愛さんに同好会に入った理由を聞いた。

 

「実は昨日の屋上ライブを見ててドキドキして来ちゃってさー!」

 

「分かるよ!ときめいたんだよね!?」

 

「うん!そうそう!」

 

「本当に凄かった」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「良かったですね」

 

「はい!」

 

 感想を述べられた菜々さんは顔を赤くして満面の笑みで2人にお礼を言った。

 璃奈と愛さんが昨日のライブのことをきっかけに同好会へと入ってくれたのがよっぽど嬉しいのだろう。

 

「そういえば遊星ってこの2人とはいつから知り合いなの?」

 

「結構最初からだよ。璃奈とは高校で初めての友達でクラスメイトで隣の席だしね」

 

「そうなんだ!私は高咲侑だよ。遊星の従姉弟だからこれからよろしくね。璃奈ちゃん、愛ちゃん!」

 

「うん、よろしく……(この人が遊星くんの従姉弟なんだ)」

 

「やるからにはバッチリ頑張るし、皆んなのことも手伝うよ!ところでスクールアイドル同好会って何をするの?」

 

 そういえば活動目的とか今後のことについては俺的にも、もちろん皆んなにも色々考えている事があるだろうし……。

 

「詳しくはこの後ミーティングを行うので取り敢えず2人は座ってゆっくりしててね。お茶淹れますよ」

 

「ありがとう。遊星くん」

 

「サンキュー!ほっしー!」

 

 こうして2人分のお茶を汲んでひと段落したところでこれからの同好会をどうするかについてのミーティングが始まった。

 

 

 





部室の掃除をするシーンを色々と想像しながら書いてみましたよ!特撮で雑巾掛け=井上敏樹さんだよね〜

何でお湯を持ってるかって?細かいことは気にするな!

果林さん、後輩にとんでもない弱みの一つを握られてしまう?エマさんが恨まれませんように

14脚もいるか?でも来客用とかにも必要だしね?

それと部室には冷蔵庫や電気ポットなども設置しました。暑い夏とか飲み物を冷やすのに必要だしコーヒーやお茶淹れるのに必須なのでw

次回はミーティングと柔軟回にしてその次に抗議とカラオケ回に分けてやろうと思います!


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EP38 ミーティングと柔軟


お久しぶりです。

ウマ娘のイベント走ったり、YouTubeで特撮見たりで忙しくて投稿できませんでした。

それではどうぞ!


 

 

 

 璃奈と愛さんが新しく仲間に加わりスクールアイドル同好会は合計で10人になった。

 そして現在。俺たちは机を囲んでこれからの同好会の今後についてのミーティングを行なっている。

 キャスター付きのホワイトボードを移動させて、かすみに水性ペンを渡し取り敢えずやりたい事書いてみれば?と言った。

 

「もちろん!やりたい事と言えば……これです!」

 

「ライブがやりたいか……そういえばまだしてないよな?」

 

 あれ?でも菜々さんが前にやったお披露目ライブは?アレってノーカンって事で良いのかのだろうか。

 でも今日から再スタートだしノーカンでいいのか……正しく虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会Re:Diveってところだな。

 

「どんなライブにしたいか、皆んなで意見を出し合いましょう!」

 

「じゃあ取り敢えずこの字は消すか……それじゃあ皆んな意見を」

 

「はいはーい!かすみん全国ツアーがやりたい!」

 

 おまっ……全国て、いきなり全国は気が早いのでは?そんなのエグゼイドで言うところの複数のライドプレイヤーがパラドクスレベル50に挑むくらい今では無理だと思うぜ?

 まぁ夢を大きく持つってのは凄く良い事だと思うけどね。地道にレベルを上げて、やってこうぜ?

 

「じゃあ他は?」

 

 俺は皆んなの意見を次々とホワイトボードに書き足していった。

 エマさんは「輪になって踊る」しずくは「曲の間にお芝居を入れる」彼方さんは「お昼寝タイムが欲しい」とそれぞれ意見が分かれている中で菜々さんはと言うと。

 

「皆んなの大好きを爆発させたいですね!火薬もど〜ん!と派手に使って!」

 

 つまり菜々さんはナパームをやりたいと言うことだろうか……だけどライブで爆発となると会場が岩船山みたいな広いところだと良いんだろうけど……。

 

「火薬はちょっと……私はもっと可愛いのが良いかな?」

 

 取り敢えず菜々さんの意見である「火薬で爆発」とあゆ姉の「可愛いのが良い」を書いていると璃奈と愛さんは、皆んなの意見交換を夢中で見ていた。

 

「白熱してるね」

 

「皆んな言ってる事が全然違うけど、凄いやる気だね〜」

 

 愛さんの言葉で皆んなが一旦静かになって愛さんの方を向く。

 

「あれ?何かまずいこと言った?」

 

「いえ、全然大丈夫ですよ。因みに愛さんと璃奈はどうだ?」

 

「う〜ん……何だろうねえ……やっぱり楽しいのが良いかな!」

 

「その答え何だか愛さんらしいですね。俺も確かにそうだって思います!」

 

「そうかな?」

 

「最初は人も集まらないかもしれませんが、いつかはたくさんのファンの前で歌えるようになりたいですね」

 

「じゃ、ライブのことは一旦置いといて、先ずは特訓あるのみですね!」

 

 どんなライブをするにしても肝心な歌やパフォーマンスがダメダメだとファンの皆んなをガッカリさせちゃうしね。

 まっ、俺も皆んなの個性を引き出しファンを笑顔にする曲作りを頑張らないとね。

 

「特訓って、歌にダンスとか?」

 

「ダンスかあ……」

 

「私は先ず、歌の練習がしたいなあ」

 

「じゃあ俺から提案!」

 

 暫くは体幹を鍛えるトレーニングにダンスレッスンや歌のトレーニングなどでグループに分かれてやるのはどうだ。と言うアイデアを発言した。

 

「遊星さん、ナイスアイデアです!」

 

「私たち、全部参加しても良い?」

 

「もちろんです!」

 

 璃奈と愛さんは、この後の練習に心を躍らせるのであった。

 

 

 

 ーー ζ㎗òヮóリーー从||>ᴗ<||从 ーー

 

 

 

「あの、最後に良いですか?」

 

「どうしたの?ゆー介」

 

 俺はミーティング中に言いたかった事があったので練習をする前の最後に意見を出させてもらう事にした。

 

「実は曲のPVを時間がある時に撮ろうかなと思ってて」

 

「PVですか……」

 

 今のところ、この同好会で曲を持っている者は、あゆ姉とかすみが一曲で菜々さんが2曲だ。

 その中で菜々さんが歌ってる「CHASE!」は既に動画サイトにアップされており、残りの3曲に関してはライブ衣装とかも着ていないし、かすみと菜々さんは制服で歌ってたので、ちゃんとしたのを撮り動画サイトにアップしたいと思っていたのだ。

 

「どうかな?」

 

「確かに……それではPVの事についても頭に入れておきますね!」

 

「あゆ姉も衣装着て歌やダンスの練習をしてから撮ろうか?」

 

「うん、撮られるのは恥ずかしいけど、一生懸命頑張るよ!」

 

「よし!これにてミーティングは終了だ。解散!」

 

 俺の一言で皆んなが部屋から出て行きそれぞれ練習場所へと向かった。

 俺は璃奈と愛さんの付き添いをしようと思って2人が部室で練習着へと着替えるのを待つために扉の前でゲームをしながら待つ事にした。

 

「お待たせ。遊星くん」

 

「着替え終わったよ。ほっしー!」

 

「それじゃあ行きますか!」

 

 先ず最初に、俺は2人と一緒にエマさん、彼方さんの3年生グループが居る屋上へと向かう事にした。

 

「遊星くん、最初は何をするの?」

 

「エマさんの所だ。3年生グループは体幹トレーニングをするんだってさ」

 

「てことは筋トレとか柔軟だよね!愛さんもよくやってるよ!」

 

 へぇ……俺も風呂上がりとかは腕立て、腹筋、スクワットとか、欠かさずやって体が鈍らないようには鍛えてるし最近は休日に散歩とかしてるしね。

 

 

 

 そして2人で暫く歩いて屋上へ着くとエマさんと彼方さんが居て、なんと果林さんが来ていたのだ。

 

「こんにちは、遊星くん」

 

「ど、どうも……もしかしてエマさんが呼んだんですか?」

 

「うん、誘ったら来てくれたの!」

 

 そんな……同好会のメンバーでもないのに親友のために即参上とは……果林さんってやっぱり凄く良い人なんだなぁ〜。

 俺はエマさんと果林さんの友情にめっちゃ感動している。

 

 まぁ俺の心の御託は置いといてさっさと始める事にしました。

 先ずは彼方さんと璃奈がマットの上に座って柔軟体操をする事になった。果林さんが彼方さん、俺が璃奈の背中を押す事にした。

 

「おおおおお〜」

 

「もっといけそうね」

 

「無理無理無理〜!」

 

 隣で彼方さんの背中を押している果林さん。何かバキバキって音鳴らなかった?彼方さん大丈夫ですか!?

 

「璃奈、背中押すぞ?」

 

「うん、お願い」

 

 俺は璃奈の背中を押して前に倒そうとした……が、しかし!璃奈の体は全く前に倒れる気配がしない……微動だにしないのだ。

 

「まさか……それが限界か?」

 

「うん、そうみたい……」

 

 全くもって動かない璃奈をエマさんと果林さんは何とも言えない表情になっており、一旦柔軟を終わらせると、彼方さんと璃奈は疲れて、マットの上にぐったりと寝転がってしまった。

 

「ダンスをやるなら、先ずは体をやわらかくしなきゃ!果林ちゃんに教えてもらえてよかったよ〜」

 

「まあ、時間があるからいいけど……さあ 続けるわよ」

 

「ハッ!彼方ちゃん壊れちゃうよ〜」

 

「大丈夫だよ!」

 

 すると愛さんの声が聞こえてきたので皆んな愛さんの方へと視線を向けると……何とビックリ!足を大きく広げて上半身はマットの上にピッタリとくっ付いていたのだ。

 

「よっと……じゃあもう一回やってみようか!」

 

 という事で宮下先生によるレクチャー付きでもう一回柔軟をする事にした。

 愛さんは彼方さんと璃奈の後ろに行き2人の背中に手を添える。

 

「息を大きく吸って?」

 

「「スー……」」

 

「ゆっくり吐いて〜……」

 

「「ハー……」」

 

 すると、またもやビックリ!彼方さんと璃奈はさっきと打って変わって少しだけ体が前に出たのだ。

 

「どう?ちょっとでも出来るようになると楽しくない?続けていればもっと柔らかくなるし!」

 

「うん、頑張る!」

 

「さすが部室棟のヒーローね」

 

「ヒーロー?」

 

 愛さんの噂は他の生徒が喋っているのを偶然聞いた事がある。

 確か愛さんは色々な体育会系の部活で助っ人として活躍してて「部室棟のヒーロー」と呼ばれるくらい有名なんだとか。

 運動も出来て勉強も出来るなんて……この駄洒落ギャル。才色兼備って言葉がめちゃくちゃ似合ってる気がするわ。

 

「そういえば彼方ちゃん、てっきり果林ちゃんも同好会入るかと思ってたよ〜」

 

「ん?そんなわけないでしょ。私はエマが悲しむ顔が見たくなかっただけよ」

 

「「へえ〜?」」

 

「な……なによ。そしてなんで遊星くんはちょっとだけ涙ぐんでるの?」

 

「いえ……なにも」

 

 やっぱり果林さんって友達想いの良い人だわ……そのちょっとだけ赤くなった表情もまた可愛いですね。

 俺の中の果林さんへのイメージが良い方向になってきた気がした。

 

 

 

  ーー (ζル ˘ ᴗ ˚ ルヘ ー╰*(..•ヮ•.. ) *╯ーー

 

 

 

「ねえねえ!ほっしーも柔軟やってみる?」

 

「えっ?俺もですか!?」

 

 柔軟か……自分で言うのもなんだが、体は柔らかい方である。どこまで行けるか知らんけど。

 

「私が押してあげる」

 

「じゃあお願い」

 

 俺は璃奈が座っていたマットの上に座り込んで足を大きく広げる。

 

「いくよ?」

 

「押忍!」

 

 そういえば愛さんが息を大きく吸って吐けば良いってって言ってた気がするな。俺は宮下先生がしていたレクチャー通りに深呼吸をすると璃奈が背中を押す。

 すると俺は愛さんみたいには行かないが、体がマットにピッタリくっつく寸前まで来た。

 

「おおー!ほっしー柔らかいじゃん!」

 

「自分でも驚きです。俺ってこんなに体柔らかかったんだ(ひとりでダイレンジャーの名乗りポーズできる気がする!)」

 

「遊星くんって中学の頃は何か運動系の部活に入ってたのかしら?」

 

「はい、入ってましたよ」

 

「遊星くんって何の部活に入ってたの?」

 

 俺は中学時代に水泳部に入ってたことを話した。

 俺が地元で通っていた中学は全体に部活に入らなければならなかったため何処にしようか途方に暮れていた。出来るだけ体全体を動かせる運動をしたいと思って咄嗟に閃いたのが水泳だったのだ。

 

「それで俺は水泳部に入りました。まあ大会とかは出なかったですけどね」

 

「へえ〜?どうして〜?」

 

「俺は別に大会に出て優勝とか興味なかったですし、それと1番の理由は趣味の時間が削れちゃうからですかね……」

 

「そ、そうなのね」

 

 真面目に部活に取り組んでた人や顧問の先生に申し訳なかったが、俺の私生活の中に部活に加えて大会に出たらアニメや特撮を観たりゲームをする時間が削られるので大会には出なかったのだ。顧問の先生も普通にOKしてくれた。

 

「それにしても水泳部ね……確かに、お腹の筋肉とかしっかりしてるじゃない」

 

「ちょっと果林さん。触んないでくれます?」

 

 地べたに座り込んでいる俺に、しゃがみ込んだ果林さんがいつの間にかシャツの下の隙間から手を入れて、俺のお腹をサワサワしていた。果林さんの手、すべすべで気持ち良すぎだろ!

 

「どれどれ?お〜。遊星くん、良い筋肉してるじゃ〜ん♪」

 

「彼方さんまで……くすぐったいっす」

 

「私も触ってみたい!」

 

「愛さんもー!」

 

 彼方さんに続いてエマさんと愛さんも触ってきた。皆さん距離近いし甘い香りするし……歳上のお姉さん達にお腹を触られてると何だか変な気分になる。そして璃奈も俺のお腹をでツンツンする。

 

「遊星くんの……硬いね」

 

 璃奈、意味深に聞こえるからやめなさい!

 

「ん?かすみからメッセージだ。『部室に来い』か……璃奈と愛さんは来る?」

 

「行く行く!次は何だろう?」

 

「楽しみだね」

 

 こうして突然かすみに呼び出されたので3年生グループと別れて3人で部室へと戻る事になった。

 

 

 





火薬をやるなら岩船山の方が良いよ!(そういう問題ではない)

遊星くんは友情に弱い……特に仮面ライダーでバディ物にはよく感動している。仮面ライダーWとかオーズとか

遊星くんが通っていた中学は部活強制だったので水泳部に入ってました。

遊星くんは響鬼さんみたいな男になりたいと思って鍛えているので体力はある方です。桃谷ジロウ役の石川雷蔵さんくらいはスタイルが良い。

可愛い女の子達にお腹触られるとか羨ましいすぎ!

でもスクールアイドルも趣味の一つになったので時間の無駄とかは思ってない

次回は講義とカラオケ回です!お楽しみに、

最後にお気に入りと感想ください!活力になるので……あとギーツめっちゃ良かったよね!


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EP39 概論と学校でカラオケ


超お久しぶりです。

今回はかすみんスクールアイドル講座とカラオケ編です!

それではどうぞ!


 

 

 

 体幹トレーニングを終えた俺たち3人は、かすみに呼び出されたので現在。同好会の部室に向かっている。

 

「次は何するんだろうね?」

 

「さあな……かすみのグループがそもそも何やってるか知らんし」

 

「どちらにしても、愛さんはすっごく楽しみだよ!」

 

 本当に愛さんは何時でも元気いっぱいだよなぁ……その活力半分くらい分けてくれないかね……。

 そして暫く歩いて部室の前に着くとしずくがちょうど部室の中に入ろうとする所が目の前に映った。

 

「あれ?しずくも呼ばれたのか?」

 

「うん、急に来てくれって言われたんだ。もしかして遊星くんも?」

 

「ご名答。璃奈と愛さんは興味津々で付いてきてくれたって感じだ」

 

 取り敢えずノックをして部室の中に入ると眼鏡を掛けたかすみが目指し方を持って待ち構えていたのだ。

 もしかしてだけど……かすみが今掛けてる眼鏡って菜々さんのなんじゃ無いの?

 

「あっ!ようやく来た。皆さん、これより講義を始めるので、全員そこに座ってください!」

 

 かすみの言われるがままに従い璃奈、愛さん、しずくそして俺は床に体育座りをする事になった。

 

「おっほん……それでは講義を始めます!」

 

 かすみはホワイトボードに書いてある「スクールアイドル異論」に目指し棒でパシッと叩いた音を立てる。

 でも、異論だとこれからやる事と意味が違ってくるので、スクールアイドルのことを全体的に述べたいなら概論の方が良いとかすみに言った俺は「異」の上にバツを書いてその隣に「概」を書く事にした。

 

「面白そー!」

 

「ところで、その眼鏡どうしたの?」

 

「せつ菜先輩に借りました!……無断で」

 

「絶対怒られるよ!?」

 

 やっぱり菜々さんのだったわ……この講義終わったら此奴から奪い取って菜々さんのグループのとこに返してあげよう。

 

「話の腰を折らない!桜坂君!スクールアイドルには何が必要なのか答えなさい!」

 

「え……え〜と……自分の気持ちを表現すること?」

 

「正解!」

 

 え?あっさり正解になっちゃったけどそんな感じの回答でいいのかい?

 

「あ……正解なんだ……」

 

「天王寺君にも同じ質問です。答えをどうぞ!」

 

 璃奈もしずくと同じ質問をされて暫く考えて出した答えが。

 

「ん……ファンの人と気持ちを繋げること?」

 

「せいか〜い!」

 

「一つじゃないんだ〜……」

 

 正解はひとつじゃないか……なんだか帝都ヨコハマで大活躍している4人組の名探偵を思い出してしまった。

 

「続いて宮下君!」

 

「アハハッごめん、分かんないや〜」

 

「ピンポンピンポーン!それも正解で〜っす!」

 

「「え?」」

 

「なんで!?」

 

「あれれ〜しず子、分からないんですかあ?」

 

「むぅっ!」

 

 うわ〜その話し方ウッザ……今のかすみの煽りにしずくは頬をプクッと膨らませた。

 か、可愛い!俺はつい出来心でしずくの膨れたほっぺを指で突くと口から空気が出た。

 

「遊星くん!私のほっぺで遊ばないでよ!」

 

 しずくは俺の片方の肩を軽くグーでぽこぽこと叩いてきた。あーそこそこ……最近肩凝ってたから効くわ〜。

 

「ごめんごめん、つい出来心で……」

 

「もうっ!」

 

「そこ!イチャイチャしない!」

 

「「してないよ!」」

 

 

 

  ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ーーjΣミイ˶º ᴗº˶リ ーー

 

 

 

「じゃあ最後にゆー介!答えてみて!」

 

「え〜?俺も答えんの!?」

 

 目指し棒で指されたので俺は頭の中で色々考える事にした。

 そもそも正解がひとつでは無いのならスクールアイドルには無限の可能性があるってことだよな……自分も楽しんでファンも楽しみつつ自分の気持ちを表現してファンの人とも心を繋げる。

 そして俺は考えている間にポケットから「ひとやすミルク」を取り出して口に含んだ後に出した答えは。

 

「もしかしてだけど……かすみがした質問には、はっきりした答えがないんじゃ無いか?」

 

「おおー!ゆー介、模範解答!」

 

「どう言うこと?」

 

「ズバリ!ファンの皆んなに喜んでもらえればどれでも正解って事だろ?」

 

「ああー!それかすみんが言おうとしたのにー!」

 

「悪かったって!だから目指し棒で俺の頬を突くな!」

 

「奥が深いんだね〜」

 

「ん〜、合格!」

 

 

 

 かすみんのスクールアイドル講義が終わったので次は菜々さん達2年生グループが歌の練習をしているというレコーディング室へと向かうことに決まった。

 

「でもその前に……かすみ、この眼鏡持ってくぞ」

 

「ああ!ちょっと!」

 

 俺はかすみが掛けてる菜々さんの眼鏡を外して大事に俺が使っている眼鏡ケースへと入れた。俺が元々入れていたブルーライトカット眼鏡は菜々さん達のところに行くまで掛けることにした。

 

「コレはちゃんとせつ菜さんに返すから後できちんと謝れよ?」

 

「わ、分かったよ……」

 

 

 

 改めて部室から出て俺たち3人が次に向かったのはレコーディング室だ。

 ここは曲を収録出来る機械が揃っているらしいので、あゆ姉とかすみと菜々さんの歌は今度ここで撮ってCDにでも纏めようかな。

 

「失礼しまーす!」

 

「あっ!遊星くん、いらっしゃい!」

 

「待ってましたよ!どうぞ、お座りください!」

 

「ありがとうございます。それと眼鏡です」

 

 菜々さん達が座るところを開けてくれたので俺は菜々さんの隣に座ってその隣に璃奈、愛さんが座り、2人用の椅子にはゆー姉とあゆ姉という感じになった。

 

 なんとテーブルにはカラオケ屋で見た事があるデンモクが置いてあった。

 まさかとは思うが学校でカラオケできんの……待てよ?此処なら態々店行って金払わなくてもタダでカラオケ出来るじゃん!最高かよ!

 

「それでせつ菜さん、先ずは何を?」

 

「私たちがそれぞれ1人ずつで歌ってみましょう。トップバッターは歩夢さんで!」

 

「ええ!私!?大丈夫かな?」

 

「あゆ姉、頑張って!」

 

 あゆ姉は恥ずかしながらマイクの前に立った。天井に着いてるスピーカーから音楽が流れて、あゆ姉は歌い始める。

 いつかあゆ姉に「ジェリーフィッシュな君みへ」を歌って欲しいな……てか歌って欲しいわ〜。

 

「ふぅ……全然ダメだった〜」

 

「そんな事ないってー!」

 

「私も歩夢さんの歌声大好きですよ。当面の課題はリラックスして歌えるようになる事ですね!」

 

「はあ……だよね〜」

 

「可愛く歌えてたよ」

 

「うん、俺もあゆ姉の声好きだよ」

 

「2人とも、ありがとう」

 

 あゆ姉はほっぺをほんのりと赤くさせてお礼を言った後に菜々さんが次は誰が歌うかを聞いてきた。

 

「せっつーの歌が聴きたーい!」

 

「せっつー?私の事ですか?」

 

「うん!あ・だ・名!」

 

 来ました!愛さんお得意のあだ名呼びです。多分かすみの事をかすかすってこれからも呼び続ける未来が見えた気がする。

 

「いいな〜、私は?」

 

「ゆうゆ!」

 

「じゃあ、私は?」

 

「あゆぴょん!」

 

「あっ!ぴょんは辞めて〜……」

 

 あゆ姉はぴょん呼びが恥ずかしかったのか顔を赤くして両手で耳を塞ぐ。その恥ずかしがる表情も可愛いっすね……さすが俺の歳上幼馴染だ。

 

「こ……これは……!」

 

 菜々さんはデンモクを見て何かに驚いていたので俺と璃奈はそれに興味津々で画面を覗く。何か凄い曲でも見つかったか?

 

「それって今やってる仮面ライダーリバイスのOPだよね?」

 

「ハッ!見てるんですか!?仮面ライダーシリーズを?」

 

「うん、子供の頃からずっと見てる。スーパー戦隊やウルトラマンも好きだしアニメもよく見てるよ」

 

「ぬぅ〜……うはああああ!では、前の37話は見ました?暴走気味の大二くんが一輝兄を殴ろうと拳を振り落とした瞬間にヒロミさんが大二くんの拳を受け止めるところ!」

 

「激アツで泣いた」

 

「分かる!俺も泣いたもん!」

 

「ですよねー!あとあと、30話の声優回とか……」

 

 俺たち3人のオタクトークが爆発しており、あゆ姉達からしたら入る隙がない状態であった。

 

「せつ菜ちゃん、特撮好きなんだ?」

 

「え?は……はい……アニメも好きですよ。親に禁止されてて夜中にこっそり見てるんですが……」

 

 成程……菜々さんのお母さんは結構厳しめなんだな。て事はスクールアイドルで別名義を名乗ってるのって内緒でやる為に仕方なくなのか……正体を隠すのはそんな理由だったのね。

 

「だから正体隠してたんだ〜」

 

「おい!ゆー姉!」

 

「あっ……言っちゃった……」

 

 因みに璃奈と愛さんに関してはせつ菜さんの正体が菜々さんである事を知らない。

 俺は誤魔化そうとしたが、愛さんは菜々さんをじっと見ていた為もう既に手遅れである。

 

「あ〜!もしかして生徒会長!?」

 

「……はい」

 

「そうなんだ〜。水臭いなあ!」

 

「はんぺんの件ありがとう」

 

「いえ、あれは遊星さんが言い出さなかったら解決してませんし」

 

「でもOK出してくれて本当に助かりましたよ。マジで感謝です!」

 

 はんぺんのことに関しては菜々さんの承認のおかげである。それにしても夜中にこっそり見てるのか……夜更かしは健康に良くないし……。

 

「菜々さん、今度からアニメとか見るときは何時でも家に来ても良いんですよ?」

 

「えっ?良いんですか?」

 

「隣人なんですし、遠慮しないでください!それにオタク同士は助け合いです!」

 

「隣人?もしかして遊星が住んでるマンションの隣って……せつ菜ちゃんなの!?」

 

「はい、そうです」

 

「そうなんだー!遊星、なんで言ってくれなかったのー!?」

 

 ゆー姉の質問に菜々さんが答えたら皆んながめちゃくちゃ驚いていた。

 ここに居る全員は俺の家には来てたけど菜々さんと今までよくエンカウントしなかったなって思う。

 

「聞かれなかったから」

 

「確かに聞いてないけどさー!」

 

「あっはは!じゃあ愛さんもせっつーが話してた仮面ライダーリバイス見てみるよ!」

 

「え?」

 

「せっつーの熱い語り聞いてたら、楽しそうだなって思ったからさ!」

 

「あ……楽しいですよ!」

 

 おお!ここに新たな同士が誕生しつつある……祝え!

 

「じゃあここからはアニソンと特撮ソング縛りで行こー!」

 

 さてと……俺は皆んなでも歌を聴きながら楽しみましょうかね。

 

 

 

 ー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー从||>ᴗ<||从ー

 

 

 

「あの……遊星さんも歌いますか?」

 

「え?俺もですか?まぁ別に良いでけど……」

 

「ほっしー歌うの!?」

 

「遊星くんの歌……」

 

「遊星さんは歌がお上手なんです!」

 

「音楽室で聴いたとき最高だったよね!歩夢!」

 

「うんうん!」

 

 なんだかすごく期待される目で見られてるんですけど!しかも全員女の子だし、なんだか恥ずかしくなってきた。

 

 俺はデンモクを取って曲を選択しようとしたがめちゃくちゃ迷う。特撮の曲がめっちゃ揃ってるし挿入歌なんてかなりコアなやつもあるの凄すぎだろ……。

 仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマンの曲は結構歌えるの多いからな。

 

「そう言えば、今年であれが10周年だしコレに決めた!」

 

「この曲は「Life is SHOW TIME」」

 

「仮面ライダーウィザードのOPですー!」

 

「さあショータイムだ!」

 

 ウィザードの決め台詞を言った後に曲が流れて俺は歌詞が表示される画面を見ないで歌い始めた。

 歌詞に関しては丸暗記してるので次に何が来るかが直ぐにわかるのだ。

 

「ふぃ〜……」

 

「うっはああ!!遊星さんはやっぱり凄いです!」

 

「遊星。カッコよかったよ!」

 

「うん!画面に表示されてる歌詞を見ないで歌えるなんて、ほっしーやるじゃん!しかもすっごく歌上手いし!」

 

「まあ仮面ライダーの主題歌は散々歌ってきましたからね」

 

 歌い終わると大きな拍手と感想が送られてきた。カッコいいなんて言われると照れちゃうなぁ。

 

「次、私が歌いたい!」

 

 次は璃奈が手を挙げたのでなんの曲を歌うかめちゃくちゃワクワクして画面に現れた曲名は「PEOPLE GAME」だった。

 この曲は仮面ライダーエグゼイドに出てくるポッピーのキャラソンだ。

 

 

 もし璃奈の曲を作るなら電子音とかデジタル感溢れる曲を作りたいな……それに愛さんにピッタリの曲調が俺の作ったやつにあるから、後で歌詞を書こっと。

 

 

 





仕事やネタが思いつかず全然投稿できなくてすみませんでした!最近はホロライブにハマっててYouTubeをずっと見てしまいますw

ひとやすミルクは仮面ライダードライブこと泊刑事の好物であるミルクキャンディです。

アニメだったらジャッカルがどうの語っておりましたが仮面ライダーにすり替えました。

因みにデンモクの中には昭和特撮の曲なども入っており遊星くんにとってはどれも目移りしてしまうようなラインナップばかりだったそうです。

そして遊星くんはレコーディング室を気に入ったのか度々カラオケをしに来るほどレコーディング室が好きになりました。

次回もお楽しみに!
お気に入りと感想お願いします!感想は特にいっぱいきて欲しいですね!
誤字の報告もお願いします。


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EP40 ソロアイドルとサイコーハート


お久しぶりです

今回で4話の内容が最後です。

それではどうぞ!


 

 

 

 歌の練習をするはずだったが結構アニソン・特ソンのカラオケ大会へといつの間に関わっていた。

 でもかなり盛り上がって俺は菜々さんと仮面ライダーWの主題歌を2人で歌ったりしてめちゃくちゃ楽しかった。

 

「いやぁ〜歌ったね〜!」

 

「そうですね。俺、レコーディング室でカラオケするのハマっちゃうかも……」

 

「取り敢えず今日はここまでにして皆さんで部室に戻りましょうか!私は皆さんに声を掛けてきますね」

 

「じゃあ菜々さん、お願いしやす」

 

 菜々さんに皆んなを呼んでもらうようにお願いした後に俺たちは同好会の部室へと戻っていった。

 

「それにしても……ちょっとだけ小腹がすいたな。さっきのカラオケでカロリー消費でもしたか?」

 

「あっ!だったら良いのがあるよ!」

 

 そう言って愛さんは小さいタッパーを取り出して蓋を取るとその中にはぬか漬けが入っていた。

 

 コレは前にも食べた事がある愛さんのおばあちゃん特性ぬか漬けだな。昼ごはん食べてる時に分けてもらった事があり食べてみたらめっちゃ美味かったな。間違いなく白いご飯が欲しくなりますね。

 

「それじゃ、いただきます」

 

「ゆうゆと歩夢も!」

 

「「ありがとう」」

 

「はい、璃奈」

 

「遊星くん、ありがとう」

 

 俺は爪楊枝を手に取り愛さんがゆー姉とあゆ姉にも渡して、俺は璃奈へと手渡しそれぞれタッパーの中から好きなのを取って口に入れる。

 

「うん、やっぱ美味いな」

 

「美味しいね!」

 

「ほんとおばあちゃんの味って感じだよね」

 

 美味いよ……確かに美味いんだけど、やっぱりアレが欲しくなるね。漬け物と言ったら白いご飯でしょ。

 そして部室の扉が開いたのでかすみ達を呼びに行った菜々さんが皆んなを連れて室内へと入ってきた。

 

「ううっ……何ですかこの臭いは〜!」

 

「愛さんが持ってきたぬか漬けだってさ、かすみ達も食べる?」

 

「うん、食べた〜い!」

 

「彼方ちゃんはくたくただぜ〜」

 

「彼方さん、めっちゃくたびれてますね」

 

「多分明日は動けないかも〜」

 

 彼方さんは直ぐに席に座ると直ぐ楽な姿勢になって今にでも眠ってしまいそうな勢いである。こりゃ果林さんにかなり絞られたな?

 

「今日はもう終わりだね」

 

「ああ、かすみさん、お話があるので、ちょっと残ってもらえますか?」

 

「め……眼鏡のことなら何度もごめんなさいしましたよね!?」

 

「それではなくて……」

 

 眼鏡のことちゃんと謝れたのね。かすみん偉いぞ!この後は皆んな練習着から制服に着替えて菜々さんとかすみ以外は学校の外へと出てベンチに座ってちょっとだけ休憩することにした。

 

 

 

 ー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー从cι˘σ ᴗ σ˘*ー

 

 

 

 今週は土曜日にお台場でランニングをする予定になっており、しずくはこの後に演劇部の練習があるのだとか……掛け持ちって大変だね。

 彼女も好きでやってることみたいだし……そうだな、しずくの曲には途中で演劇っぽいセリフ歌詞でも入れようかな?

 

「愛ちゃんは今も運動部の助っ人してるの?」

 

「もちろん! だから明日は来るのが遅くなるかも」

 

「あっ!俺も明日は生徒会の仕事で遅くなるかもしれんわ」

 

「3人とも頑張ってるね〜……ふわぁ〜……」

 

 いやいや彼方さんも頑張ってる方だと思いますよ。遥ちゃんのために毎日ご飯を作って週5日のアルバイトと特待生として成績を下げないために夜遅くまで勉強して……多分俺らの中で1番ハードスケジュールなのは彼方さんだと思います。

 

「璃奈、同好会は楽しかったか?」

 

「うん、楽しかった」

 

「そうか、良かったな!」

 

「ん?」

 

 今エマさんは璃奈を見て頭に?マークを浮かべているに違いない。付き合いの長い俺だから分かるけど今の璃奈は最高に楽しいって気持ちが溢れている。

 

「ごめんなさい私、うまく気持ち出せなくて……」

 

「ううん 楽しんでくれてるなら良かった」

 

「でも他ではやってない事ばかりですごく新鮮だったよ!」

 

 確かに沢山の部活に助っ人として参加している愛さんからしたら新鮮だろうね。

 

「みんなやっぱりタイプ違うけど、すっごく優しくて面白くて、そこがサイコーって感じだし!このメンバーで、どんなライブすることになるんだろうって、考えただけでめっちゃワクワクするよ〜!」

 

「愛さんは鋭いですね」

 

「え?」

 

「分かってはいるんです。私たちが先に考えなきゃいけないことって……」

 

「ソロアイドルか?」

 

「うん」

 

 実は俺も最近曲を作っている中で皆んなはソロアイドルとしてそれぞれステージに立った方が良いのでは?という選択肢が浮かんでききつつあった。

 確かに一人でステージ立つって考えるとなると色々考えてしまうだろう。グループではステージ上で共に助け合える中で、ソロに関しては誰にも助けてはくれない。

 

「しずく、不安か?」

 

「うん……皆んなに喜んでもらえるような物が私一人にあるのかなって……」

 

「そっか……ま、取り敢えず今日は解散にするか!しずく、演劇部しっかりな!」

 

 俺はしずくの肩にポンっと手を添えて「ひとやすミルク」を一粒あげた。

 

「ありがとう遊星くん」

 

「じゃあ帰ろっか〜」

 

「行こう?璃奈」

 

「うん」

 

 このまま解散となり俺は璃奈と一緒に帰ることになった。

 

 そして帰宅して早々俺はパソコンを開いて愛さんにピッタリな曲調を洗い出していた。最近は歌詞無しの曲のストックが増えていて何時でも歌詞を付けられるように溜めといてある。

 

「確か、あゆ姉の曲を選ぶ時にあった筈……あっ!これだ!」

 

 愛さんには悪いけど勝手に歌詞を書かせてもらうことにする。今まで愛さんと過ごしてると俺はすごく楽しいって気分になれる。それをモチーフにして歌詞にしてみよう。

 

「あと駄洒落とか入れてみようかな?」

 

 

 

 そして璃奈と愛さんが入部してから2日が経った金曜日の放課後。今日は生徒会の仕事が急遽出来てしまったので同好会には行けなかった。

 そして事務作業を終えて俺は体育館近くを通っていると何やら盛り上がっていたので中に入って見てみるとバスケ部が試合をしていたのだ。

 

「愛さんだ」

 

 バスケ部の中に愛さんがいるって事は今回も助っ人か……それにしても愛さんの運動神経めっちゃ良いな。

 バスケの試合が終わって愛さんが外に出て行ったので俺は自販機で飲み物を買って愛さんが出てくるのを待つことにした。

 

「お?ほっしーじゃん!」

 

「どうも、愛さん!さっきの試合見てましたよ。凄かったです!」

 

「へへっ、ありがとう!」

 

「それと……喉乾いてますよね?良かったらどうぞ!」

 

「良いの?」

 

「はい!愛さん、この後用事ありませんよね?良ければ一緒に帰りませんか?」

 

「うん!ほっしーと2人で帰るのって初めてだよね?」

 

 そういえば初めてだな……同好会に入る前までは、璃奈とも一緒に帰っては寄り道してゲーセンで遊んだりしたっけ。

 入学してからまだ2ヶ月くらいしか経ってないけど、何だか懐かしいな……それにやっぱり愛さんともいると凄く楽しい。

 

「ん?メッセージが来てる」

 

「愛さんからもだ」

 

 俺が愛さんと喋りながら帰っているとスクールアイドル同好会グループLINEにかすみからメッセージが来ていた。

 

『明日のランニング、朝9時にレインボー公園に集合ですよー!』

 

『ラジャーv(・・)』

 

『オッケー』

 

 俺はこのやり取りに対して五十嵐双葉ちゃんの「了解です」スタンプを送りました。

 

「愛さん、この後は何か?」

 

「帰るだけだよ。ほっしーは?」

 

「俺は……お腹空いて来たな。愛さんのお家で外食しても良いですか?」

 

「それだったら大歓迎だよ!じゃあ早速行くぞー!」

 

 俺は愛さんと一緒に「もんじゃみやした」へと足を運んだ。久々にもんじゃが食べたいと思ったのと愛さんに渡したいものがあるので食べ終わってから渡そうかな?

 

 

 

「お待たせ!みやしたもんじゃスペシャルとお好み焼きだよ!」

 

「ありがとうございます。あれ?愛さん座っちゃって手伝いは良いんですか?」

 

「うん!お婆ちゃんが友達が来てるなら、お店の手伝いは良いから一緒に食べなって言ってくれて」

 

「そうなんですか……じゃあ愛さん、もんじゃを焼くのお願いしても?」

 

「良いよ!」

 

 愛さんは相変わらずの手際でもんじゃを作っていく。流石はもんじゃ屋の娘だな……どんなもんじゃいってか?

 

「焼けたよ!」

 

「アザス!んじゃいただきます!」

 

 俺は小さいヘラでもんじゃを救って一口食べる。うん、やっぱり美味いな……ここのもんじゃ結構癖になるんだよなぁ〜

 

「ふふっ」

 

「やっぱり愛さんの笑顔って良いな……」

 

「え!?なに急に!?」

 

「あっ!すみません!愛さんバスケの試合が終わってからずっと曇った表情だったし……きっとソロアイドルの事で悩んでるんだろうなって思って」

 

「そうなんだ……ほっしーの言う通り、そうなんだよね」

 

「俺は……愛さんが一緒にいると凄く楽しい気持ちになるんです」

 

「そうなの?」

 

 俺は愛さんに感謝しかない。今こうして明るくいられるのは愛さんの前向きさのおかげでもある。実際に璃奈も愛さんと出会ってから凄く楽しいと言ってたし。

 それと同時に愛さんは同好会でも他の所でも凄く楽しそうにしてるのが愛さんの良い所だなと、俺は愛さんに言う。

 

「それに、愛さんと璃奈が来てから同好会の皆んなの笑顔が増えてるんですよ?」

 

「そう?自覚ないな〜!」

 

「ないから凄いんですよ!」

 

「そうかな?」

 

「はい!それに答えって単純でも良いと思いますよ。俺も皆んなを笑顔にする曲を作るって単純な理由で同好会にいますし」

 

「そっかぁ〜……ほっしーありがとう!何だか愛さんのなりたいアイドル像見えて来たかも!」

 

「本当ですか!良かった〜。じゃあそんな愛さんにプレゼントがあります!」

 

 俺が鞄の中に手を入れると愛さんは「なになに?」と興味津々で俺の方を見てくる。

 そして俺は楽曲データが入ってるUSBメモリを愛さんに見せた。

 

「ジャーン!愛さんのソロ曲です!」

 

「愛さんの……ってまだ入部してからそんなに経ってないのに!?」

 

「実は勝手ながら作らせていただきました。曲は出来てて歌詞を書くだけだったので、愛さんとこれまで過ごして来た日々や愛さんの楽しいを溢れさせるそんな歌にしました!」

 

「ほっしー……ありがとう!よーし!今日は愛さんの奢りだからじゃんじゃん食べて!」

 

 この後はもんじゃを食べ終わり明日のランニングで集合した時に皆んなをビックリさせてやろうと思いつき、この曲披露してみようぜ!と言う作戦を開始する事にした。

 

「じゃあこの曲の歌めっちゃ練習しとくね!」

 

「はい、それでは明日レインボー公園で会いましょ」

 

 俺はそう言い残して「もんじゃみやした」を後にし、マンションへと帰宅した。

 

 

 

  ーーζ㎗òヮóリーー⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカーー

 

 

 

 翌朝の土曜日。俺は今日の散歩を辞めて集合の1時間前に一緒に家を出ようと昨日帰って来た時に菜々さんに相談されたので俺はOKを出した。

 そして現在。菜々さんは俺の家でせつ菜さんへの変身するために来ていた。

 

「遊星さん、お待たせしました!」

 

「それじゃ行きましょうか!」

 

 今日はランニングした後に部室に集合して菜々さんは模試へ行く予定になっている。

 

「菜々さん、今日は23時にSPY×FAMILY見ませんか?」

 

「良いですね!……でも春アニメがもう直ぐで終わると思うと、ちょっとだけ鬱になりますね」

 

「分かります。ロスとかヤバいですよね〜」

 

 俺と菜々さんが暫くあるっていると階段に寝っ転がっている人を発見した。

 なんだ?こんな場所に寝ちゃって……行儀が悪い人……って彼方さん!?

 

「「ちょっと彼方さん!こんな場所で寝ないでください!」」

 

 見事に菜々さんとのツッコミがシンクロした。

 

「ん〜?2人ともおはよ〜」

 

「おはよ〜。じゃないっすよ!人が通る所で寝ると踏まれますよ!」

 

「そうです!それに風邪ひいてしまったらどうするんですか!?」

 

「めんごめんご〜。早起きしたから眠くて〜」

 

 俺は動かなそうな彼方さん仕方なくおんぶして運ぶ事にしました。

 なんかこうして彼方さんを運びながら菜々さんと歩ってると菜々さんに初めて会った時を思い出すな。

 

 そして公園に着くと愛さんが既に来ていたのだ。俺はベンチに彼方さんを座らせて愛さんの所へと向かう。

 

「おはようございます。愛さん」

 

「おはよう、ほっしー!おっ?他の皆んなも来たみたい!早速あの曲を掛けて!」

 

「がってん!」

 

 

 

 俺は愛さんの指示通り俺は愛さんにプレゼントした曲「サイコーハート」の楽曲をBluetoothを通して掛けた。

 公園にいた他の人たちも気になって愛さんが歌って踊るステージを見に来ており、気付いたら愛さんの即興ライブとなっていた。

 そしてライブが終わると愛さんに大量の拍手と歓声が送られた。

 

 

 

「愛さんマジで最高でした!」

 

「ほっしーもね!最っ高の曲ありがとう!ほっしーのおかげで答えが見つかって良かった!」

 

 俺は愛さんの近くに駆け寄ると、愛さんが肩を組んできた。

 

「凄いね!あれが愛ちゃんのステージなんだ。私、皆んなのステージも見てみたい!一人だけど、一人ひとりだからこそ、いろんなことできるかも……そんなみんながライブをやったら、何かすっごいことになりそうな気がしてきちゃった!」

 

 

 ゆー姉は凄いこと言うな。そして、愛さんのステージを見ていた皆んなはそれぞれ闘志を燃やす。

 

「よーし!皆んな、ランニングするぞー!」

 

『おー!』

 

 

 





原作にオリジナルを入れるのって難しいな……

遊星くんの歌詞作りが向上していってます。

去年のアニメは今のところ春アニメがラインナップ的に一番良かったなって思ってます

次回から第5話エマさん回の前に……Cパートにやったダジャレの下の話をぶち込みます。

あと新しい小説もやろうかなって考えてます。上原弟くんが超ブラコンな歩夢ちゃんに甘やかされるそんな作品を考えたりしてます。いつか描いてみたいです。




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EP41 駄洒落とボーリング対決


今回は冒頭が4話の一部をアレンジしたものです。

そして遊星VS璃奈VS菜々によるボウリング対決!勝利は誰の手に!?

それではどうぞ!


 

 

 

 愛さんの突然のゲリラライブが終了して、俺たちは現在ランニング中である。

 

 それにしてもランニングなんて中学の部活以来で久々だな〜。今のところ俺は愛さんくらいのペースで走っており後ろには菜々さんたちが続いて走っている。

 

「ほっしー結構体力あるね〜!」

 

「まあ日頃から鍛えてますから!」

 

 俺は肘を起点に下腕をクルンと回して敬礼から小指、薬指を軽く曲げ、額に沿って左側に振ってシュッ!とヒビキさん風にやった。

 

「その『シュッ!』って仮面ライダー響鬼ですよね!?」

 

「あっ……せつ菜さん、そうですよ」

 

 走っている途中で菜々さんが追いついて来たので一緒に走る事になった。

 他の皆んなは大丈夫かな?と思って後ろをチラッと振り返ると、最後の方で彼方さんがめちゃくちゃ息を切らしながら走ってた。

 

「ちょいと彼方さんのとこ行って来ますね」

 

「は、はい」

 

 俺は彼方さんが心配になったので菜々さんに一声かけて皆んなが走ってる逆方向へと引き返した。

 

「彼方さん、大丈夫ですか?」

 

「ぜぇぜぇ……遊星くん……」

 

「ゆっくり行きましょう。ペース合わせますから」

 

「遊星くんは本当に優しいね〜。じゃあ手繋いで?」

 

「良いですよ」

 

 俺は彼方さんの手首を掴んで一緒に走る事になった。そして走り終わった後で休憩するために皆んなでベンチに座った。

 

「ふぅ……彼方ちゃん疲れちゃったよ〜」

 

 俺の隣に座った彼方さんは頭を俺の肩に乗っけて来た。

 

「お疲れさんです。これさっき自販機で買ったスポドリなので飲んでください」

 

「ありがと〜!」

 

 俺は彼方さんにスポドリを渡して他の皆んなからも、お金を預かって自販機で買った飲み物を皆んなにそれぞれ渡した。

 

 

 

 そしてこの後は学校の方に向かって、それぞれいつも通りグループに別れて練習をする事にした。今回の練習は午前中で解散する事にしてある。

 

 今日のグループは俺と璃奈、菜々さん、彼方さん、しずくでレコーディング室に来ておりこのグループで歌練習である。

 

「あの菜々さん、明日の映画は璃奈も連れてって良いですか?」

 

「もちろん良いですよ!映画終了後に語り合う仲間は多い方が良いですからね!」

 

「だってさ、明日が楽しみだな」

 

「うん!ドラゴンボールの映画楽しみ!」

 

 

 

 明日の予定を話しながら歌練習をして暫くして俺たちは部室へと戻りに扉の前に立つと、ゆー姉の笑い声が聞こえて来た。

 てかめちゃくちゃ爆笑してるな……何か面白いことでもあったか?

 

「歩夢〜さいこうにかわいいね!高2だけに!走るのってランランするよね!ランだけに!」

 

「ハハハハッ!アハハハッ!」

 

「次は同好会でど〜こ〜いこ〜かい?」

 

「アハハハッ!ひぃ〜ハハッもう許して〜!」

 

 扉を開けると腹を抱えて爆笑しているゆー姉の姿が……えっ?まさか愛さんの駄洒落で笑ってんの?俺は苦笑気味のあゆ姉に質問する。

 

「ゆー姉って駄洒落でウケるの?」

 

「侑ちゃん、幼稚園の頃からずっと笑いのレベルが赤ちゃんだから……遊星くん知らなかったっけ?」

 

「マジか……俺の知らないゆー姉の一面を今目の前にしてると……ヤベェな」

 

 てことは、ゆー姉が駄洒落でウケてるってことは仮面ライダーゼロワンに出て来る不破さんと同じってことだよな……ふふっ、ならば俺も……と思いブドウ味のグミを持ちながらゆー姉の方へと近づく。

 

「ゆー姉……」

 

「はぁはぁ……な、なに?遊星?」

 

「このブドウ味のグミ一粒どう?」

 

「ぶっ……!あっはははは!遊星まで!お、お腹痛いから!やめてよ!あっはははは!!!」

 

「ほっしー!今の駄洒落めっちゃ良かったよ!あっはははは!!!」

 

 ゆー姉だけじゃなくて愛さんにもウケた。この2人が笑い転げているところを堪能し、午前練習が終了した。

 

 

 

  ーーζ㎗òヮóリー⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞ーー

 

 

 

 そして翌朝の日曜日。今日は菜々さんと璃奈で映画を見に行く日だ。オタクライフを満喫するぞー!

 朝イチで映画を見ようと思い俺と菜々さんは一緒にダイバーシティ東京の映画館前で璃奈と待ち合わせの約束を昨日の練習の時にした。

 

「それでは行きましょう!友達と映画見るの初めてなので凄く楽しみです!」

 

「そうなんですね!じゃあ映画見たらゲーセンとか色々お店寄ったりしましょう!」

 

「良いですね!」

 

 

 

 俺と菜々さんは今日見る映画こんな風になりそうとか色々と考察話をしながらダイバーシティへと向かった。

 そして目的地に到着して映画館前に行くと璃奈が既に待っててくれていた。

 

「璃奈、おはよう」

 

「璃奈さん、おはようございます!」

 

「2人とも、おはよう」

 

 映画開始時間までまだ余裕があったので俺たちは取り敢えずチケットを購入しポップコーンやドリンクなども買って待つ事にした。

 そして場内アナウンスで上映観に入場できるお知らせが鳴り3人で行列に並んでシアター内へと入っていく。

 

「凄く楽しみですね」

 

「せつ菜さん、次はライダーと戦隊の二本立て映画見に行きませんか?璃奈も行く?」

 

「うん、もちろん良いよ」

 

「夏の二本立てはジオウとリュウソウジャー以来ですもんね。良いですよ」

 

 その他の映画予告ムービーが幾つか流れて他にも見たい映画がないかな〜と思って見ていた。「ゆるキャン」も良いけど確かウマ娘のマヤノトップガンとコラボしたって言う「トップガン」も気になりますな。

 そして暫くするとシアター内は真っ暗になり映画が始まった。

 

 おお……ピッコロさんの新形態が来るのは映画予告で見たけどもう一段階あるなんて、これは予想外だったな。そして悟飯がめっちゃ格好良いな……個人的に神同士の対決が無かったのが良い所でした。

 

 まあ電車内で菜々さんと一緒に考察はしてたけど、やっぱりセル関連の敵が出て来たな。これは予想通りだった。

 そしてガンマ1号と2号の新キャラも良いね。特に2号が良い味出してるのが最高だ。

 そしてCGでの戦闘シーンの表現力とかめちゃくちゃ凄かったな。

 

 映画が始まってから1時間半くらいが経ちお客さんたちがシアター内を出て行ったので、俺たちも外に出て他の人にネタバレしないように声を抑えて感想を言い合う事にした。

 

「凄かったですよね!特に悟飯くんの新形態とか!髪の毛が何時もよりすごく逆立ってて、銀色で目が赤くて……アレってなんで呼ぶのでしょう?身勝手でもありませんし……」

 

「鳥山先生がきっと後々名前とか公開するんじゃないでしょうか?」

 

「私的にはピッコロさんオレンジ色の形態とか結構良かった」

 

「あの「プツン!」って演出はセル編を思い出しますよね」

 

 兎に角語り合いたい話題が多すぎたのでフードコートへと移動した。俺的には前作のブロリーを軽く超えた気がします。

 特に今回の映画予告は新形態を見せないようにした所が良かった。前のブロリーはブルーゴジータがCM内に出なければ出て来た時に興奮したなと個人的に思ってる。

 

「それにしても本当に面白かったです。もう一回見たいくらいに!」

 

「分かります!戦闘シーンとかも最高でしたよね!」

 

「私、今回の映画でガンマ2号が好きになった。セルマックスに立ち向かう所とか感動した……」

 

 ドラゴンボールの映画感想を語りあかし、お腹が空いたので俺たちはフードコート内のお店で自由に買って食べる事にした。

 

 

 

「次はゲームセンターに行きませんか!?ボウリングのワンゲーム無料券がありますし!」

 

「そうですね。璃奈、行こう!」

 

「うん」

 

 昼ご飯を食べ終わって、フードコートを移動してゲームセンターに行き、ゲーセン内にあるボウリング場でボウリングをする事にした。

 

 ボウリングなんて久しぶりだな、丁度いいボールの重さどれくらいだっけ……勝ち負けにこだわらないから軽いのでいいか。どれ、璃奈は……。

 何……だと!?16ポンドか、このボウリング場で最も重い球を選ぶとはな、俺の倍だし……負けてられない。

 

「奇遇だね。俺と同じ重さなんだ」

 

「璃奈さん、16ポンドで大丈夫ですか?」

 

「うん」

 

 菜々さんは1番軽いのを選んでいる。もしかして璃奈ってボウリング得意なのかな?

 

「じゃあ璃奈からだな」

 

 璃奈がボールを両手で抱えて投げの構えをとる。あの構えは今ボウリング界を席巻している新しい投げ方、両手投げ!

 間違いない、璃奈は天才ボウリング少女!混沌としたボウリング界に突如として舞い降りた投球天使なんだ。

 

 川の流れのような滑らかな動き、まるでモルダウの流れ……一体どんな球が飛び出すんだ。

 するとボールが重かったのか璃奈は後ろに倒れてしまった。

 

「り、璃奈さん!大丈夫ですか!?」

 

「怪我して無い?」

 

「大丈夫……重かった」

 

「重くてフラついていただけだったの?」

 

 どうやら璃奈は、よく分からなくて適当にボールを選んだらしい。てことは璃奈ってボウリング初心者なの?と聞くと、やるのは初めてらしい。

 

「私みたいに、もっと軽い球にしたらどうですか?」

 

「うん」

 

 しかし、投げられないんじゃ話にならない、投げ方だけは教えよう。俺が手を貸すのはここまでだ。本気で勝ちに行くよ!

 

 そして投げ方を教えた後に璃奈がボールを転がすと3回もストライクを出した。初めてにしては上出来じゃね?

 

 しかしこっちも負けてられない、一投二投目は振るわなかったが、まだまだ逆転できる!この一投は必ず決める!

 俺は普通に片手で転がしたが、ガターになってしまい、璃奈に教えた同じ両手投げに変えるとストライクが結構とれた。

 

「この投げ方……強くね?」

 

「私もそれ真似しても良いですか?」

 

「この投げ方結構イケるので良いですよ」

 

 なんだかんだで同点まで追いつき、これで最後。後もう一本でも倒せば俺の勝ち、だが……重い球を投げ続けたため、もはや腕は限界……しかしこの勝負絶対負けられない!限界を超えろ!俺の腕!

 限界の腕で投げたボールはガターになってしまった。

 

「あ〜……残念でしたね……」

 

「……いやぁ体があったまるまで時間がかかりましたね。本調子じゃなくて残念」

 

「遊星くん、もう1ゲームやりたい」

 

 すみません勘弁してください。俺の腕もう壊れちゃうから。

 こうして勝負の結果は菜々さんが勝って俺と璃奈が同点となった。

 

 

 

 ー ⁄/*イ`^ᗜ^リ ペカ ーー从||>ᴗ<||从ー

 

 

 

 ゲームセンターを出て後は特に予定が無かったので帰る事にした。

 

「遊星くん、ボウリング教えてくれて、ありがとう。楽しかった」

 

「うん、俺も楽しかった」

 

「今度は同好会の皆さんでボウリング対決しませんか?」

 

「それ良いですね。その時は負けませんから!」

 

「ふふっ、望む所です!」

 

 あの中で強そうなのは……やっぱり愛さんかな?あの人はボウリングでもめちゃくちゃ強いんだろうな。

 

 そして道が途中の璃奈とは別れて俺と菜々さんは電車に乗って一緒にマンションへと帰宅する。

 

「今日は本当に楽しい休日でした。明日からがっこですけど、頑張りましょう!」

 

「そうですね。そう言えば木曜日に撮ったせつ菜さんのMVなんですけど、昨日の午前練習が終わった後に璃奈と学校に残って編集して動画アップしたんですよ。良かったら明日同好会の皆んなで見ましょう」

 

「そうなんですか!凄く楽しみです!」

 

 動画編集はゆー姉にもアドバイスを貰ったりして璃奈と一緒に編集をした。

 背景を変えてみたり、炎のエフェクトとか入れたりかなり凝ったものになったなと思ってる。

 

「それでは、また明日同好会で」

 

「菜々さん、おやすみなさい」

 

 こうして楽しかった休日が終わった。明日はどんな楽しいことが待ってるのだろう。

 

 

 

「この曲調はエマさんにピッタリかな?」

 

 

 





遊星くんはゲラゲラ笑うゆー姉も好きなので、隙を見て駄洒落を言うのが楽しみの一つとなった。

ドラゴンボールの映画面白かったな……久しぶりに友達と見れたので凄く楽しかったです。やっぱり語り合う仲間って欲しいですよね。

また次回!サラバーイ!


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