双子の生存戦略 (ユータンホッケプト)
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一才

変な文しか書けないのでご注意下さい。


 

ざあざあ ざあざあ 叫び続ける雨の中 走り 走る

 

私を追い詰める声がそこら中聴こえる

 

ここで戦ってはいけない。知られてしまうから

ここで捕まってはいけない。探されてしまうから

 

幸いこの星の周りに船はない。スカウターで連絡しているようだ。探知不可能なポッドを買ってよかった。これで狙われにくい。あと少し待てば、ポッドは別の星に向かう。私はあの子達が生きれる事しか願えない。私にできる最後の事はこの星の基地を破壊すること。少しでも、可能性があるから追えないようにしよう。宇宙を見ると一つのポッドが飛んでいた。これで迷う事はもうない、人生最後の大暴れを始めよう。

 

________________

 

『目的地ニーアマル星。残リ五分デ着陸シマス』

 

「んぅう…」

 

ポッドの中で眠っている二人の赤ん坊の片方がアナウンスを聴いて唸った。小さな眉に前髪以外重力に逆立つように生えている髪の毛の女の子は目が覚めかけていた。

 

『カウントダウン、開始シマス。5、4、』

 

残り5秒でこのポッドは着陸する。降り立つ場所は森近くの草原のようだ。爽やかな風がぴゅうぴゅう言いながら草原を横切り森の中に入る。

 

『3、2、1…0』 ドガァアアアァン!!!!!

 

大きな音を出してポッドがついた。その音でもう片方の赤子が泣き始めた。太い眉にモサモサとした頭部の男の子が尻尾を揺らしながら大きな声で泣いている。

 

「うぁあ“あ”ぁ“ん!!!!」

 

女の子が涙を浮かべながら必死に片割れをあやしている。

 

そうこうしている内に、ポッドの扉が開いた事に気がついた赤子達が腹をすかせたのか、ものすごい音を鳴らして外へ出た。男の子は今まで見たことのない色を見つめながら近くにあった花を食べようとした。だが、

「うぉん」と鳴いた狼のような生き物が前脚で制した。その後ついて来いとまた一鳴きし森に入って行った。二人は首を傾げながら、はいはいとついていった。赤子といえど、何と無く理解できていた。

 

森の中に入ると一気に暗くなって、狼を少し見失いそうになっていた。その度狼が声を出し、居場所を知らせた。

はいはいし続けて手のひらと足が傷だらけになり始めた頃、目的地に着いたようだ。木の隙間から日が差し、赤ん坊より大きな二つの葉っぱが置いてあった。近くには洞窟もある。狼はヘトヘトの二人をそれぞれの葉っぱに乗せ、果実を渡した。

勢いよく食べ出した赤ん坊を狼は見守りつづけた。果実を五つ食べ終わり、顔を汁だらけにした女の子は一息ついたようだった。狼は汁を舐め、汚れを取っている。どうやらこの狼は双子を育てるつもりの様だ。寝こけ始めた二人に寄り添い、狼は目を閉じた。



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二才

2回目も多分謎文章


【おかーさん!こっちに獲物いるよ!】

 

獣のように吠えながら四足歩行で走る幼子は、目の前の鹿を見据えている。成長した男の子のようだ。

 

【ダン、今そっちに行くから追い詰めておけ!】

 

狼が返事を返しながら匂いを追う。暗い森の中、匂いが一番頼りになるのだ。逃げ回っていた鹿がダンに追いつかれそうになっている。鹿が逃げ道を変えようとした瞬間狼に噛みつかれた。

 

【やったあ!ご飯増えた!】

 

【そろそろ帰るよ。今頃イコが他の獲物を狩って戻ってきてるところだろうよ】

 

ダンがご機嫌な気持ちで狼と共に巣穴に戻ると、イコが焚き火の用意をしていた。

 

【お帰り。ダン、フェリス母さん。もうすぐヒがつくよ】

 

振り返り声をかける。その手からはエネルギーがギラギラボウボウ声を上げていた。そのままエネルギー弾を放ち、火を起こす。

狼であるフェリスは数日前から、不思議な事ができるようになった自分の娘である、イコのワザで発生した情けないがヒを恐れている。森を終わらせる赤い恐怖を思い出すからだ。何故出来る様になったのか尋ねても、イコは教えてはくれなかった。それにダンに聞いた事のない言葉を使って話すようになった。おそらく彼女は、自分達が入っていた変なゆりかごを調べたのだろう。そこに色んな知恵が詰まっていたのだろうか?空には別の方法で過去を繋ぐことができるのかと、少し驚いた。ならば本当の親も知っただろう。近い内にこの地を離れて、空に帰るのかもしれないがその時はみをくろう。

 

_______________

 

【森を出てしまったな…】

 

狩に夢中になりすぎて、森の外の草原にまできてしまった。障害物がないこの場所では、獣はあまり寄り付かない。しかし、あまりにも見た事がない異質な物体があったので、好奇心に負けた彼女は、その物体の中に入っていった。カチカチ硬いものが色々くっついてる。ボタンである。ボタンの中でも一際目立つ赤い大きなボタンがあった。興味本位でポチりと押すと、音と共に映像が流れ出す。

 

『言語習得プログラム実行シマス』

 

【なんだ!?何が起きたんだ!?】

 

『マズハ単語カラ始メマショウ』

 

聞き覚えのない言語が、踊るように耳に入ってくる。数時間後、おおよそ理解したイコはホンを探した。知らない事が纏まっているらしいそれは、先程のプログラムで出てきた。カミが複数詰まっていて、ペラペラしているものを探し、発見した。

 

【これがホン…?】

 

表紙を開きモジを確認する。その中には確かに知恵が、情報が入っていた。肉はヒを通さないと腹を痛める可能性がある事、空を飛ぶ事が出来る事、など色んな知らないことがホンにはあった。さっそく、巣に戻りエネルギーを作ってみる。

初めてとは思えない程、きれいに纏まっている。

 

「ほん、は実践できるのだな…」

 

覚えた言語でポトリと言葉を落とした。

 

【イコ?どうしたの?】

 

巣穴で寝ていたらしいダンが目を擦り歩いてくる。

 

【新しいことを知ったんだ。ダンもやってみるか?】

 

新しいこと?と頭を巡らしても思いつかない。どんなことかワクワク胸を動かして聴く体制をとる。

 

【それってなに?】

 

【エネルギー弾というものだ】

 

そう言って先程作り上げたものを見せる。



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三才

相変わらず変な文章です注意
後ダン視点多め


最近、イコが変だ。変っていうか、面白い?イコは前から母さんの話を、生きる為の知恵を知るのを楽しそうにしてたけど、今もそんな感じ。目がキラキラオヒサマみたいに輝いて、色んなギジュツを試している。俺にも教えてくれたけど、ブジュツが一番好きだ。

エネルギー弾の形を変えたり、体に覆って空を飛ぶのは楽しかった。

後、俺たちの種族もホンに書いてあったって。

サイアジン?らしい。長い茶色の尻尾のセントー種族だから、体が丈夫なんだってイコが言ってた。

 

「イコ、なにしてる、の?」

 

「あぁダンか。フェリス母さんに、マジュツを教えてもらっているんだ」

 

マジュツってなに?て聞いたらエネルギーとは別の不思議な力で、周りに水を出したり、別の場所につながる穴を作れるんだって説明された。母さんマガミ狼だから使えるって教えてくれた。凄そうだけど、よくわかんないや。

 

【母さん、ご飯とってきたよ】

【ありがとう、ダン。そこにおいてくれ】

 

最近母さんは悩んでる。母さんの好きな鹿肉の匂いがしてるのに、別の事が気になってるから気がついてない。何でだろう?

イコは母さんが悩んでいても色んなホンを読んでる。気がついてないのかな?空の向こう側に行きたいっていっぱい言ってる。その度母さんが落ち込んでるような…もしかして俺たちのせい?

母さんをいっぱい傷つけちゃったかな…イコに聞いてみよう。俺じゃいい方法いっぱい考えつかないから。

 

「あのね、イコ」

 

「どうした?ダン」

 

「もしかしたら母さん、俺たち巣立ちするかもって落ち込んでるような気がするんだ…」

 

「私はまだ母さんの元でマジュツを習い終わってないから、巣立ちできるほど強くないぞ!?」

 

じゃあ、母さんが色々考え込んでるだけなのかな?俺もまだ母さんのところで狩を教えてほしいし、ちゃんと伝えた方がいいのかな…やっぱりいい方法思いつかない!

 

【どうしたらいいんだろう…】

 

悩んでもわかんない。イコはいい事思いついたかな…

 

「…母さんにありがとうの会を開こう。生きる為のこと教えてくれてありがとうございますの会。そこでまだ一緒に居たいと伝える」

 

「成る程!…ところでカイってなに?」

 

イコがため息ついちゃった。でもカイって初めて聴く言葉だよ?イコは小さなお祭りだといい、俺たちで取れる獲物をとったり、ハナカンムリっていうのを作ることになったけど、これから不安ばかりだなぁ…

ちゃんとありがとうのカイ成功できるのだろうか?そんな不安を抱えて俺は準備を始めた。



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カイ

変てこ文章注意!
後ダンとイコのバブ姿描いたのでよければみてくだしあ


「カイになにを用意したらいい?」

 

ダンが秘密の会話のために、イコの耳に口を寄せて語る。

イコが思案する顔を表に出した後、ダンに向いた。

 

「私たちだけで、鹿をいつもとは違う狩で刈ったものをご飯にして…きれいな形の葉っぱに、果実と一緒に盛り付けてみよう」

 

これが己らの母のためになると考え、双子は行動を開始する。ダンはイコの指示で、森に深さ4mの穴を掘った。

イコは穴に鋭い枝を立て、穴の上の木にそれなりの大きさの岩を蔦でつなげた。

 

「ダン、鹿をここまで追え。穴は見えづらいが、気づかれる可能性があるからな。全力でやれ」

 

「わかった!ここにユードーをやればいいんだね!」

 

作戦会議後二人は、それぞれの場所に立ち、鹿を探す。

 

「…!いた」

 

ダンが獲物を発見し、足に力を込め距離を積める。後数十mというところで、鹿こちらをむきダンを視認する。逃げ始め、ダンから離れようと走り出す。ダンが鹿を追いかける事に夢中になりかけた頃、イコの話を思い出す。

 

「おっと…こっちにいかせないと」

 

追い詰め方を変えたダンに逃げ惑う獣は逆の位置に向かう。しかしその先にはイコが息を潜めて待っている。土の脆さに気づき、中に跳ね上がろうと脚に力を込め跳ぶ瞬間、

どごッ 、 、 、 と音が頭から奏でられ鹿は穴に落ちた。その様を見届けた二人は、沈黙を噛み締めた後、

「「ぃよっしッ!!」」と手のひらを合わせて喜びを上げた。

 

「俺たち二人で鹿とれた!すごい、すごい!」

 

とダンが声をだし、鹿を引っ張り上げる。身体中茂みによる傷ができているが気にしていないようだ。その姿をみたイコが“母”に教えてもらった傷直しの薬草を取り、手で潰しダンの傷につける。

 

「後ははっぱと果実だな。よし、私はこれから森の南で取れる、黄色の果実とはっぱを取りに行く。ダンは巣に戻ってくれ」

 

「ん!きおつけてね、イコ!」

 

薬草をぐしぐしと擦りながら言を返し獲物を連れて森の中心部にある巣穴に向かった。そろりと周囲を確認し、“母”がいるか見渡す。…まだ帰ってきてないようだ。一安心したところで鹿を下ろす。

姉であるイコが帰ってくるまで、日課になったエネルギー弾飛ばしをしようと手に力をこめる。

 

「んんん…はぁ!」

ヴォン、と鳴り手の上に光の塊が出る。今日は一段とまとまって見える。そのままエネルギー弾を練習用の切り取った様々な木に一つずつ投げる。

遠くになれば成る程、うまくいかない。どうやったら上達するのか、わくわくと打ち続けてカイの事を忘れて練習をしている。このままではフェリスに内緒のカイがバレてしまう。

ダンはいつ気づくのであろうか…




ダン【
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イコ【
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おおきなおおきなまる

変な文章は続く


「そりゃ!」

 

ついには最奥の大木にエネルギー弾が当たる。その達成感に口角が上がる。

そしてふと思い出す。もう空は赤に奪われているのに、イコと“母”が帰ってこない。どうしたのか気になり南へ向かう。

黒が空に残されてゲッコウが現れる。それに背を向けて二本足で駆け抜ける。

 

気のせいか大きな獣の雄叫びが聞こえる。

森の壊れる音と、共に。目に入ったのはみたことのない生き物。

 

あれは…なんだ?

 

恐怖を抱きながらも前に進む。イコが、いるかもしれないから。そんな中、赤が生き物の足から漏れ出た。目を凝らすと狼のニクタイが見える。赤ガそこから出ていタ

 

固まった自分にあの獣は待ってくれない。拳が見えて、俺のせかいが途切れた。

 

____________________

 

丸まった体を動かし、瞼を開けると周りには災害が跨いだような場所に変形していた。私が意識を失ってからどれくらいたったのだろうか?

何故だか長い間夢を見ていた気がする。

こんな中でも腹は減るので、果実を探しに行くと頭に小石を投げつけられた。

見たことは無いが、“母”に雰囲気が少し似ている。マジュツが使えるリスだろうか?何故怒っているのかわからない。腹を満たす前に、その原因を探した方が良さそうだ。

私が寝ていた場所を中心にあたりを見渡す。すると赤黒い固まった液体が点々と続いていた。私はもしかしての考えにたどり着いてしまったが、脚を止めてはダメだ。ちゃんと見ないといけない。その可能性が本当であったら尚更。

点々の先には二度と、動かない狼と頭に怪我をしたダンがいた。

 

そこで思い出した。おおきなつきを見てしまった事を。

見た後に視界が赤のみで彩られて自我意識がきえいったことまで。

 

「だ、ん…ダンは、いき…てる?」

 

“母”を仕留めてしまった恐怖と、己に対する怒りで嘆いた後、ダンに触れた。

あたたくて、こどうがなりつづけている。

 

いきてる…生きている。けどこのままでは終わってしまう。ならば“母”達が残してくれた知恵を元に治療しないと…

ダンを背負い、ポッドへ向かう。あそこがこの星で一番清潔を保たれている場所だ。

 

「ついた…!まずは血を止めないと…」

 

薬草を傷口に塗り込み、この船に残されていたガーゼで固定する。この治療により一息つけるぐらいには安心したが、まだダンは目覚めない。眠りについたままだ。

 

「お願いだ…目を覚ましてくれ…」

 

毎日そう祈りを重ねて一月後、重たい足取りで向かうポッドに着くと声が聞こえてきた。まさか、と期待と思いを胸に走り出しポッドにたどり着くと、ダンが花畑で戯れていた。

 

嬉しくてついダンに抱きついてしまった。その瞳からは水がこぼれ落ちていて、話をしようと顔を合わせるとダンは言葉を放った

 

「あの…君は、だれ?」



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五才

ゼノバース要素入ってます(コソリ)


「なにを、言っているんだ…」

 

この人はなんだろう?初めて会った気はしないけど、記憶にない。というか記憶がない。俺は誰何だろう?

 

「君は俺のことしってるの?」

 

ひどく傷ついた表情をした後、俯いて泣き出してしまった。

ないてほしくないんだけどな。

 

_____________________

 

「すまない、取り乱してしまった。」

 

彼女が泣き止んだ後、赤く腫れた瞼をそのままにしたまま、色んなことを教えてくれた。

俺は彼女の弟、ダンであること。この星で生まれたわけではないこと。俺たちは二人だけになった家族ということ。

彼女の名前がイコってこと。

そう聞いてもよくわからない。頭に霧がかかったように重たくて考えることがさらに難しくなった?ようだ。

 

「覚えてなくてごめんね…えっと、イコ?」

 

「…お前が記憶を失ったのは、私のせいかもしれないのだ。謝らないでくれ」

 

違うと頭の隅で叫んでいるナニカがあるけど、意識を向けると酷く頭が痛く響く。まだ気にしなくてもいいだろうか?

わからない。けど今は別の事に集中しよう。

 

「多分この星に私はいられない。守護者たる魔狼を踏み潰してしまったから、この星の生き物達は私の前には現れない。私は星の外に出る。ダンはどうする?」

 

「俺、は…、イコについて行きたい。一緒に連れ行ってくれ」

 

不思議と言葉が溢れ出る。疑問に思ったが、イコとは離れたくないからこれでいいのだろう。多分、おそらく…きっと。

それにしてもどうやって星から出るつもり何だろう。

 

「わかった。行き先は新しく起動したポッドに書かれている星…チキュウだ。今までこんな座標本でも見たこと無いが、これにかけて宇宙を、休憩を挟みながら向かうぞ」

 

「わかった。どれくらいかかるの?」

 

「このポッドで半年くらいだな。休憩を入れなければの話だが」

 

半年も入ってたらご飯無くなって、餓死しちゃうよ!このポッドには睡眠機能が付いて無いと青い人達が……?今何を考えていたっけ?まあいっか。

 

「じゃあ行くぞ」

 

「ちょっと待って、もう行くの?!」

 

「取らせてくれる食料はもう積んである。後は乗るだけだ」

 

せめて服着てほしい…!というかイコ全裸、だ。服はどこだろうとポッドを漁ると、黒い全体スーツ4個とパンツがあった。

 

「せめてこれ着て!」

 

「戦闘用スーツとかぼちゃぱんつ?そういえば裸だったな、よし着よう」

 

そう言ってイコは服を着てくれた。これで一安心?かな

 

「では行こうか、ダン」

 

「わかったから、せかさないでよイコ」

 

この時の俺たちは奴らに利用されているとさえ理解してなかったし、奴らの存在をあった事実さえ忘れさせらていた。




小さい子がカボチャパンツ履いてるのかわいいよね…


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たびびと

データ消えたと思って意気消沈してましたが、保存機能に入っていて嬉しくて小躍りしました。
ドラゴンボールGTの要素とオリジナル設定のスパイスがけです。



ここは惑星ピタル。この宇宙で上位に入る程医療が発達した星である。そこに一つのポッドが向かっていた。ダンとイコである。

 

「あれは…フリーザ軍で使われている侵略用ポッド?まさか攻めてきたのか!?」

 

慌てたピタルの住民は銀河パトロールに通報した。

 

「何?惑星ピタルから救助要請だと?…よし!このスーパーエリートである私が助けに行ってやろう!」

 

…スーパーエリートを名乗る男が、惑星ピタルにイコ達より早く到着した。そしてポッド着地地点を計測し、立ち向かおうと用意している。

 

 

____________________

「もうすぐであの星に着くね、イコ!」

 

「ああ、星の名前は確か…ピタル。イリョウがすごいところらしい」

 

窓の外を見つめてはしゃいでいるダンとイコはこのポッドがフリーザ軍で使われている侵略用の物とは知らないのである。故に警戒されて銀河パトロールがやってきているとは思ってもいない。それに加えて辺境惑星であるニーアマル星育ちの二人は銀河パトロールを知らない。いつのまにかポッドの中に入っていた本で外の惑星の事は載っていたが、銀河パトロールの事は書かれていなかった。

 

「そろそろ着地するぞ。立つのはやめろ」

 

「はーい!」

 

そう言ってダンはイコの隣に座る。一人用ではあるが、二人はまだ子供だったので窮屈にはならない。

 

ゴオオォオオと大気圏突入したポッドは勢いを増していく。それを見守って待機している銀河パトロール隊員は、銃を構えて落ちてくるのを待っていた。後僅かの時で降り落ちるポッドが音と共に地に落ちた。

 

プシュゥゥウウ……

 

ウィインと開く扉から二人の子供が出てきた。

 

「子供…?…!サイヤ人だと!?」

 

銀河パトロール隊員の彼は男数人しかサイヤ人は残っていないのにサイヤ人の子供がいる事に驚き、警戒を高めた。

 

「あ、はじめまして!俺ダンっていうの。君の名前はなんていうの?」

 

「おい、なんで武器をこちらに向けている?」

 

サイヤ人のイメージが崩れた瞬間だったと後にこのパトロール隊員が語った。

 

「わ、わわ…私はスーパーエリート隊員のジャコ!お、お前達にこの星をし、侵略させないぞ!」

 

それを聞いた双子は顔を見合わせた後、訳がわからないのか首をそろって傾げていた。

 

「スーパーエリートってなに?」

 

「知らん。それより侵略とはなんの話か聞いた方がいいだろう」

 

本当にただの子供みたいに喋っている事にジャコは頭にハテナを浮かべている。

 

「なぁ、質問していいか?スーパーエリートのジャコとやら。私たちは知らない事が多いからな」



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重要な寄り道

もしかしたら初師匠ニナルカモネ


「ちょっと待て。お前達は銀河パトロールを知らないのか!?」

 

知らないから聞いているのに、何故質問で返してくるんだコイツ。だが、敵対するつもりもシンリャクもやらない事を理解してもらわないとコイツに私達はやられてしまう。星の外には母フェリスよりも強いやつがいる事を初めて知った。私とダンでようやく一人前ぐらいなのに、コイツはその上だ。

 

「知らんと言っているだろ。こちとら最近までポッドの使い方すら知らなかったんだぞ?」

 

「何?…フリーザ軍に所属していないと言うことか…?」

 

新しい単語が出てきた。なんだよフリーザグンって。

 

「俺とイコはニーアマル星からきたんだけど、目的地まで遠いからこの星に一時的にいるだけだよ」

 

「その通りだ、闘うつもりはないぞ。食料調達したいからな」

 

「はぁー…」

 

ため息つかれた。何故だ。だがまだ質問も答えてもらってない。失礼だなコイツ…

 

「そろそろ質問に答えてくれ。サイヤ人のことはしっぽが生えているくらいしか知らないんだよ」

 

「そうなのか…いいだろう。私が答えれるもの全て答えたら早めにこの星を出るならな」

 

…聞いてる間ダンに換金とお使いを頼んでおこうかな、いやしかし一人にさせるのは不安だ。用事を済ませてから質問しよう。

 

「その前に買い物を済ませておきたい。質問するのはそのあとだ」

 

「フリーザ軍のポッドにはコールドスリープ機能が付いていると聞くがそれは使わないのか?」

 

コールドスリープ機能?待てそんな機能があったなんて聞いてない、いや知らないぞ!?やっぱりこれは母が色々改造したのだろうか…記憶にない生んでくれた母が機械に強いのか今となっては知らないが、それが一番可能性がある

 

「その機能は初耳だ。このポッドは母が私達に残した物だ。詳しいことはあまり分からん」

 

「そ、そうか…」

 

「イコ、お腹すいたー。ご飯いつ買うの?」

 

ダンが周りの景色を見るのに飽きてきたのかこっちを見ながら尋ねた。そう言われると段々腹が減ってきた。

 

「今から買いに行くか。なぁジャコ、案内してほしい」

 

「おい、私はそこまでする義理はないぞ!」

 

「案内した方がこの星の住民にすごいと思われるんじゃない?」

 

「まぁ、シンリャクとやらをやめさせた上、友好的になるよう説得できた様に見えるだろう。スーパーエリートならできる事じゃないのか?」

 

「ぐぬぬ…わかった。特別にこのジャコが案内しよう。」

 

エリートっていうのは凄いな。意味は知らんがな。

こんな事予想外だが、起きてくれてありがたい。都合がよければ手合わせを願いたいな。




双子の現在衣装イメージ【
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強さを求めて

成長シーンです


この人と一緒に買い物してからこの星の人は俺たちに普通に接してくれるようになった。俺たちだけだったらもっと鋭い視線で怖がられていたかもしれない。スーパーエリートってすごいんだね。ジャコさんはイコが知らない事も知ってる。

サイヤ人が三人ぐらい生きてること、銀河パトロールはサイキョーてこと、それに宇宙船の仕組みも知ってた。

俺にはよくわかんないけどイコは楽しそうに聴いている。どこか見覚えのある表情…けど思い出せない物。俺は大事な事を忘れている。多分大怪我した夜は月が満ちてなかった。

それが一番大事な事。忘れたらダメなこと…頭痛くなってきた。

 

まぁ今は関係ないか。それよりジャコさんと手合わせしてみたいなぁ。

 

「ジャコさんあのね、てあわせしてもらってもいい?」

 

「手合わせ…まぁ将来の銀河パトロール隊員につけてやっても問題ないな、うん!」

 

「やったぁ!」

 

嬉しくて両手を上げて喜んだ俺はジャコさんに、ヒーローポーズを教えてもらった。これから戦うぞって時にやる気を出すポーズだと言った。エネルギー弾を細長く撃つなんて考えもしなかったし、面白い!

 

「サイヤ人が凶暴というのは間違いなのか…?データベースを改変する必要があるかもしれないな」

 

「個人差だと思うぞ。私たちは生まれてから戦闘訓練した事ないしな…」

 

イコは俺たち以外のサイヤ人は悪い奴らしかいないって考えてるみたい。話してみると違うかもしれないのに…

もう少し技を教えてほしかったけど、スーパーエリートだから忙しくて別の星に行かなきゃいけないから無理だって言われた…ヒーローポーズとエリートビームしか教えてもらってないのになぁ。

 

「もうちょっと技を鍛えたかったのに…」

 

「そう落ち込むなダン。二つの事をすぐにできるようになるのはすごい事だぞ」

 

そう頭を撫でてイコが言う。そうなんだろうか…でももっと強くなりたいし、色んな技を身につけたい。地球で強くて色んな技を使える人に会えるといいなぁ。

 

「ポッドに戻るぞ。ジャコ曰くあるコマンド入力すると、普通より早く目的地につけるとの事だ。早速試そう!」

 

考え込んでいる俺をズルズル引きずりポッドに戻る。早く地球につきたいものだ。

 

_____

ピッピッと音を立てポッドの機能を活性化させる。これをすることにより、地球へ向かう速度が速くなり此処から五日で着くようになる。

まだ見ぬ惑星の事を二人はどんな所であるか空想しあい、予想を話しっあって、残りの日を待つのであった。



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惑星地球

戦闘力5のおじさんに名前とか設定がついてるの注意


ポッドの動きが変わった気がしてパチリとイコが目を覚ます。窓の外に見えるのは青と緑の星、地球だ。目的地に着いた事を理解した後、隣で寝ている片割れを起こすか思案している。同じ体制で疲れて寝たダンを起こすのは気が引けると悩んでいるのだ。

 

「…着地までまだ時間はあるし、寝かしておくか」

 

最終的に起こさない事にしたイコは、これからこの星でどう暮らすかを考えている。なんせ己達は世間知らずであり、社会に初めて触れたのは惑星ピタルだが、買い物しかしていない。通貨を得るにはシゴトをしなければならないらしいが、シゴトを詳しく説明した文章はなかった。

人間がいる星は社会ができていて、それは星それぞれ違う。

なんと難しい事なのかと思い、思考を続ける中アナウンスが入り着陸に向けて彼女は外を見つめた。

 

轟々と勢いが増し、地面が近づいてくる。ドゴリと音を出し着陸した。もう動かない事を確認したイコは隣で眠っているダンを起こした。

 

「ダン、ダン。着いたぞ…そろそろ起きろ」

 

「んん…ぉはよ、イコ」

 

「おはよう。外に出るぞ」

 

姉に手を引かれポッドの外に出る。ポッドの落下音で様子を見にきたのか、眼鏡をかけた男性がいた。

 

「お、おめぇら…何モンだ?」

 

(あまり強くないな…強さを数字で表すなら5だな)

 

「俺たちはサイヤ人!んでこの星にイジュウ?しにきた!」

 

大きな声で堂々と答えるダンに毒気を抜かれた男性は構えた銃を下ろした。

 

_______________

「宇宙人って本当におったんだな…」

 

「まぁ私も宇宙人がいる事を知ったのは数年前だがな」

 

眼鏡の男性…フウさんは此処らで農業というシゴトをしているらしい。シゴトは社会を回すためにそれぞれに振り分けられるものとフウさんは教えてくれた。子供でシゴトをする者は少ないとも…どうやって暮らせばいいんだ

 

「なぁフウさん。そのペラペラしたやつなんだ?」

 

ダンがそう言うとズボンに入っている紙のようなものが目に入った。初めてみるな…

 

「おめぇさんたちの星に手紙はねぇのか?」

 

どうやら遠くにいる人に文字で色んなことを伝える道具という。しかしフウさんは近くに住んでいる手紙を届ける配達員が、怪我をして動けなくなったようでその手紙を都にいる子に届ける事ができてないとの事。

 

「代わりに私たちが届けようか?場所を教えてくれたら1日で渡せるぞ」

 

「そんなごとできるんか!?」

 

「俺たち空飛べるもんね!すぐだよ、すぐ!」

 

顎を抜かして驚いてるフウさんは少々悩んだ後、西の都にすんでいるカムメに渡してほしいと手紙を我々に預けた。




一応補足で双子は孫悟飯の三つ上です


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瞬間配達ギンガ

メインになるかもしれないモブ出るぞい


「あんたが西の都のカムメ?フウさんから手紙預かってきた!」

 

女性がノックされたドアを開くと少女と少年がおり、少年が手紙を差し出した。受け取ってみるとたしかに父の手紙であると、確認した女性は何故子供達が渡してきたのか疑問に思った。

 

「あそこの配達員は怪我をして仕事ができない状態らしい。代わりに車よりも早く動ける私たちがきた」

 

自信満々に答えた少女…イコはない胸を張ってドヤ顔を晒している。それに苦笑してカムメはしゃがみ二人と目線をを合わせた。

 

「よかったらお茶でも飲んで行かない?色んなお菓子もあるよ」

 

「おかし?」

 

「何だそれは」

 

「し、知らないの…?」

 

雷が落ちたような衝撃が走ったカムメは二人を部屋の中に招き様々なお菓子を出した。カラフルな食べれる物に今度は二人が驚き目をぱちくりしていた。

 

「これが、おかし…変に形が整っているな…」

 

「初めて嗅ぐ匂いだこれ、特にその袋」

 

そういってダンが指差したのはポテトチップスだ。ニーアマル星には塩はない。海と大陸の比率が3:7だからだ。そもそも彼らは海の裏側と言える場所でずっと暮していた。故に宇宙に行って初めて海を見たのだ。

 

「ポテトチップス?これはね、芋を揚げて塩をかけたお菓子だよ」

 

バリっと袋を開けるとその音に驚いた二人が四足歩行で警戒している尻尾も毛が逆立っている。その状態になって初めて尻尾を視認したカムメは、恐る恐る尻尾について聞いた。

 

「ね、ねぇ…その尻尾って何?」

 

「う…こ、これは生えてるだけだ」

 

「俺たちサイヤ人だから尻尾生えてるよ」バリボリ

 

開いたチップスを食べながらあっけらかんとダンは答える。それを聞いたカムメはフルフルと肩を揺らした後…

 

「宇宙人いたぁあああーー!」

 

と叫び始めた。

 

「尻尾が生えてる宇宙人…いやサイヤ人?ってどんな特徴があるの?目からビーム出たりする?変身できる?怪力なのかしら?あっ空飛べたりする?宇宙船ってどんなもの?あなたたちの星ってどんな環境なの?」

 

「い、一旦落ち着け…そんな勢いでたくさん質問されても答えられない」

 

釈変した様にイコたちを捲し上げたカムメは宇宙をメインで研究している科学者との事。お面マンの一件以来宇宙人は実在すると言われていたが、証拠がなく行き詰まっていたらしい。

 

「この星はまだ宇宙に行けてないとフウさんがいっていたが突き詰めたりしないのか…出来ないのか、どっちなんだ?」

 

「両方…だと思う。この領域に踏み込めるのはブリーフ一家とDrゲロかしら。最近Drゲロは何をしているのかわからないけどね」

 

(この星のトップの科学者だろうか?)

 

何をしているのかわからないというDrゲロに若干警戒を持ったイコはダンにお菓子を口に詰められていた。

 

「それにしても今日一日であの場所から西の都まで来れたね。これからも配達を頼みたくなるわ」

 

「つまり、シゴトを頼みたくなるほどよかったという事か!?」

 

「えぇ…どうしたの?」

 

「よし、決めたぞ!ダン、配達員になろうと思う!」

 

配達員として働く事を決めたイコは数ヶ月後こう呼ばれる。

 

瞬間配達ギンガ




( ^ω^)
⊃のうかのむすめ⊂

これをこうして…
( ^ω^)
≡⊃⊂≡

こうじゃ
( ^ω^)
⊃カムメ⊂


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七歳

戦闘シーン少し入るますん


「今日はこの辺で切り上げるて、フウさんのところへ向かうか」

 

あれから二年の月日が流れ、年を得ても双子は全く大きくなっていなかった。未だに赤子より少し大きいくらいで、カムメはその事を興奮しながらレポートに書いていた。題名は”異種族サイヤの記録“である。この状態のカムメはなんか怖いとダンは近づかないが、イコは恐怖より好奇心の方が優っているのかあまり気にしていない。

 

そんな事は置いといて、今日は二人がこの星に来た日なのである。フウとカムメがこの日を誕生日代わりに祝ったので、一緒にケーキを食べる日になった。

去年はサプライズでお祝いされたが、それに驚いた拍子にエネルギー弾をイコが打ってしまい、てんやわんやになったので事前に連絡が入ったのが今日である。

いつも以上にウキウキしているダンたちは、配達員制服として去年にプレゼントされた物を身に纏ったまま空を飛びながら向かっていた。

だが目的地に迫るにつれ、強い気配が向こうからやってくる。

 

「ダン!止まれ!」 ゾワリと悪寒を感じたイコが叫ぶと、ダンは急停止し、警戒を始める。

すると長身でハリネズミのような髪型をした男が、同じく空を飛びながら目の前で止まった。腰の回りに巻いてあるのはサイヤ人の尻尾だろうか?

兎に角威圧感が凄まじく、相手に挑んだら確実に人生を終了させられてしまうことがわかるほど強さが全身から滲み出ていた。

 

「ほう…貴様らがあの原住民が言っていたサイヤ人のガキだな?」

 

「お前、フウさんに何をした!」

 

声を荒げてダンが尋ねる。

 

「何、貴様らを探そうとすると後ろから打とうとしてきたのでな…弾丸をお返ししてやっただけだ」

 

男に飛びかかりそうになったダンをイコは必死に抑える。

 

「ダン!あいつには私たちでは勝てない!まずはフウさんのことを気にしておけ!」

 

そう言われて一旦攻撃体制を解除する。

 

「それで、なんであんたは我々の前に現れた」

 

「ただの確認だ。貴様らの父親の名はカカロットかどうかのな」

 

カカロットという言葉は初めて聞くイコは、父親の名は別に知っていたので答えた。

 

「違う。父親なぞ見たことないが名前はカカロットではない」

 

男はそうか、と呟き左耳につけている機械のスイッチをいれ、二人を見る。

 

「戦闘力318と390か、まぁまぁだな。」

 

一瞬男が気を抜いたのをわかったイコは叫ぶ。

 

「ダン!今のうちに逃げろ!」

 

イコが目眩しにエネルギー弾を顔に投げた後、ダンは言われたとうりに男が来た方へ逃げていった。

 

「戦闘力たったの318で俺に叶うとでも思っているのか?バカめ」

 

「そんなわけないだろう。私はあいつを死なせたくない。少しでも生きる可能性があるのならば、死ぬまであんたと戦うさ」

 

それが私のエゴであっても奴を足止めするとイコは誓い、男に向き合った。

 

「はぁあああぁああ!」

 

体の中のエネルギーを練り、男にもう一発顔にエネルギー弾を投げる。

当然避けられるが、その間に向こう脛を全力で蹴る。蹴られた痛みに一瞬怯むとメテオスマッシュを繰り出した。

しかし…

 

「これで終わりか?一つ前の攻撃の方がまだ痛かったぞ…そんな物技とは言えんな。オレがお手本を見せてやろう」

 

そう言い男は両手を前に出しエネルギーを出す。イコはそれに気づき避けようと右にとんだ。それを嘲笑うように男は技名を叫んだ。

 

「ダブルサンデー!」

 

「うッ…グアァアアア!!!」

 

ビームがvの字に分かれて放たれる。イコは避けきれず当たり、意識が飛びかけている。

 

「これで死なず、気絶していないとはな…よく鍛えればオレまでとはいかないが、それなりに使えるようになるな。連れていくか」

 

そういい男はイコを横に抱え、別の場所へ飛び立った。




衣装着たダン→【
【挿絵表示】


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感情

大事な人達を傷つけられたダンは激おこプンプン丸の巻


イコに言われたまま逃げたダンは姉が生き残るかどうかわからない不安を抱えたまま、フウさんの元へとんでいく。

確かにあの男は強いだろう。

しかし奴はイコを殺す可能性は低い。わざわざ遠い場所からやってきたのだから、カカロットという生き残りのサイヤ人を奴は迎えにでもしにきたのだ。だが着地地天にいたこの星の住民…フウさんにより他にもサイヤ人がいる事を知った。

ジャコさんはサイヤ人はほぼ絶滅していると言っていた。故に数少ない同族を減らす真似はしない。その事もあり、イコは己を逃したのだとダンはそう確信していたが、やはりイコを置いて行った事は後悔している。飛び続けてフウの牧場が見える。大きな窪みが出来ていて、その近くには車と倒れている男性がいた。

 

「フウさん!生きてるか!?」

 

到着しフウに近づくと腹から血を流し、息は絶え絶えになっていた。それに気づいた後急いで彼を背負い、病院へ向かった。その事を娘のカムメに伝えて手続きを任せて、イコを探しに、男の気配がする海へ全速力で飛んでいく。

そのまま海の上を駆け抜けると一つ島が見えてきた。一度配達した事のある亀仙人が住んでいる島だ。

ダンはその島に降り立ち、近くにいた頭を丸めている人に話しかけた。

 

「ここにデッかいハリネズミみたいな髪型の男来なかった!?」

_______________

ラディッツと名乗った男が、孫悟空の息子をさらい姿を消した後、小さな少年がすれ違いに現れ質問をした。ラディッツの事を頭は処理しきれていないのに新しくわけわからん事がやってきてパンクしそうだと少年が話しかけた人物、クリリンは頭を抱えた。

 

「奴ならそこにいる孫悟空の息子を攫って別の場所に飛び立ったぞ」

 

亀ハウスの裏から緑色のピッコロ大魔王が出てきて答えた。

 

「貴様、何者だ。奴程では無いが強い方だろう?それに尻尾もある」

 

「俺はダン。二年前この星にやってきたサイヤ人だよ。今はハリネズミの奴が連れてったイコ…姉を探してる」

 

二年前にもサイヤ人が二人やってきたというまさかの事実が出てきて言葉を失った。しかしあのラディッツという男の被害者だという。彼の言葉で気がついたが確かに横に少女を抱えていた。

 

「ほんとに嫌になるよ…これほど苛つくのは二回目だ」

 

苦虫を噛み潰したような顔をしてるダンは眉に皺を寄せている。

 

「これから奴の方に挑みにいくけど、ついてくる人いる?」

 

くるりと振り返り質問をする彼は、今一人で向かっても敵わない事を理解しているのだ。だからこそ、己にとって初めてイコ以外と共闘を申し込む。

 

「オラはいく。悟飯を連れて行った奴の言うことなんか聞くもんか」

 

「奴は世界征服には邪魔だからな。一時的に共に闘ってやろう」

 

こうしてそれぞれ別の目的を持った三人が一時的に共闘する事になったのだ。



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賭け

毎日投稿を目指してるあたいはドラゴンボールの映画ヒーローが気になっており、レッドリボン軍熱が上がると地球人の女の子とナメック星人の話を書くかもしれん。
6月を待ちながら学校をがんがる


イコは男の技を食らって意識が朦朧とした中、所々声は聞こえていた。耳が尖った緑の男や、男が探していたカカロットとの会話も少し聴いていた。その中でカカロットというのがこの男…ラディッツの弟であると知った。

この会話で彼女が驚いた事はこの男がラディッツいうことだ。あの日見つけたポッドには、フィリスとの記憶があった頃のダンにも言っていなかったが、実は本当の両親の名前が産みの母にとってデータに載っていた。

母の名はエイシャス。それは覚えていたが母が間接的に死ぬ原因を作った父のことは嫌っていたイコはつい先程まで忘れていた。

 

しかしそんな事は今どうでもいい事と彼女は思っている。今体が動かず、まともに反撃もできない実力差の中どうやってコイツを退けるか…そう思考している時ふとポッドのデータに残っているフリーザ軍がサイヤ人に知られたくなさそうな情報が一つだけあった。

これで怒りを持つサイヤ人はほぼいないだろうが、離反する大きな理由になる。あのポッドのパスコードは私しか知らない。ブラフを混ぜて取り引きをすればコイツは乗る。そんな確信を持ってダンが来るのを待つ。

 

ラディッツのポッドの場所は既にダンは予測をつけれる。コイツに二番目に遭遇したのは我々で、やってきた方角もわかっている。そこから場所を割り出すのに配達員の仕事の経験が意外にも役にたった。

来るまでにラディッツと賭けでものせ、戦いを挑む。ダン以外に此処に向かっている二つのエネルギーがある。それにコイツはダンをたかが390と格下に見ている。

しかしダンは感情的になると力が急上昇し、確実に相手を仕留める戦い方に変化する。二回ほどその状態のダンを見た事あるが、容赦を捨て戦いを楽しまず相手を追い詰めて行った。中々インパクトがあり、未だに忘れそうもない。初めて見たのは目つきの悪い浅黒い肌のサイヤ人に対してだ。

 

そうこう考え込んでいるうちに少年がポッドの中に閉じ込められていた。そのままラディッツがどこかに行きそうだったので呼び止める。

 

「なぁ、あんた惑星フリーザno.34で起きた事を知っているか?」

 

「…何故貴様がその惑星を知っている」

 

「今は言わない。知りたければ私と賭けをしろ。もし乗るなら耳に付けているそれ…スカウターを一時的に外せ」

 

_______________

ラディッツは賭けに乗る為スカウターを外した。no.34はこの男にとって大事な思い出があった星だった。目の前のコイツが何を知っているかわからないが、その謎に戸惑いなく手を伸ばすぐらいには知りたい真実があった。

 

「で、スカウターを外させてまで何が言いたいんだ」

 

「流石にフリーザ軍に知られたら嫌だからだ。それで盗聴される可能性もある。…no.34はとある出来事を見ていたサイヤ人が密かにすんでいたんだ。バレなかったのはヒューマノイド型宇宙人が住む星だった事、サイヤ人の誇りとも言える尻尾を己でちぎっていたからだ。その真実はサイヤ人に知られたら叛逆する理由にもなった。事実を伝えられては困ると星を丸ごと包囲しそのサイヤ人を殺害した」

 

「…おい、まさかそのサイヤ人は」「この続きは賭けの後だ。内容は今から話す」

 

一旦息を整えたイコはラディッツをこちらのペースに引きこめている事に成功したのを実感した。これで賭けもちゃんと乗るし、途中で止める事もない。

 

「賭けの内容は、これからやってくる奴らにあんたが勝つか、負けるかだ。…お前が勝てば続きを話す。負ければ、フリーザ軍を抜けて銀河パトロールに入ってもらう」

 

ちなみに殺しは無しだといった少女に変な物を見る目を向けた。



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番外編 異種族サイヤの記録 小さな夢

番外編です。テスト期間何で一日一個書くのがちょっと大変になってきました


エイジ 年

 

@月)日

 

今日からサイヤ人という宇宙人の事を書いていく。今判明している違いは尻尾の有無だ。見事な猿の様な尻尾はサイヤ人の証と彼女(これからイコと記載する)は教えてくれた。

そういえば父が持っている天下一武闘会のカセットには尻尾の生えた選手がいた気がする。後で見返してみようと思う。

 

¥月。日

 

彼女達が配達員を初めて3ヶ月くらいたった。お祝いで父さんもよんでレストラン行くことにしたけど、イコは食べ放題がいいって伝えてきたけど、お肉食べたいのかなって思っていたらお店の人がどんびくくらいいっぱい食べてた。サイヤ人は大食いって事が新しくわかった。

 

/月一日

 

今日は満月だよ、お月見しないって二人に言ったらイコが絶対にしないっていった。なんだか怯えてる?怖がっている感じ。満月の時何かあったんだろうけど、ダンは怖がっている理由を知らないみたい。けど彼女に刺さる鋭い一言を言ったみたいで、イコがちょっと怒っちゃってた。

 

/月&日

 

ダンちゃんに何歳か聞いてみたら、五才くらいと返事が返ってきた。それにしては小さすぎない…?でも宇宙人は謎が多いし、成長が遅いのも地球人と比べて寿命が長いのかも。答え合わせでイコちゃんに聞いてみると、10代後半あたりになると一気に成長するとの事。気分が上がってまた色々質問したら、ダンちゃんに避けられる様になっちゃった。

 

」月)日

 

この前、配達先で不思議な亀が荷物を受け取ったとダンちゃんがはしゃいでる。案外地球が謎だらけかもしれない疑惑が出てきて気分が上がってきた。考古学を調べるのもいいかもしれない。明日にでも図書館で神話や歴史を中心に調べよう。

 

」月一日

 

不思議な亀は亀仙流という、武術を教える武天老師という人と暮らしているとイコちゃんが教えてくれた。私が気にしていた事覚えていてくれたんだ…!他に新情報で空を飛ぶ術を教える鶴仙流があるとその亀が言っていたらしい。武術って面白いんだと思った。

 

:月/日

 

宇宙には銀河パトロールという宇宙規模の警察があるってイコちゃんが教えてくれた。前より仲良くなれた気がする!

イコちゃんは話す事が好きそうだけど、何処か一線引いて質問するだけだったけど、今では色んなことを教えてくれる。

少しでも心の中の傷を治せていたらいいな。

 

!月、日

 

つい興味本位でダンちゃんの尻尾を握ってしまった。すぐにイコちゃんが来たら、尻尾はデリケートだと怒られた。でも目の前で可愛くふりふり動いてたから私は全部悪くない…多分。

 

____________________

 

夕暮れが迫ってきている。果実を集めるのはやめて巣の方に戻ろう。最近妙に枯れていたりするから母が星の見回りをしている。今日は西から南を重点的に見回りする日だと言っていた。だから急がないと、カイがバレてしまう。母に遭遇するからね。

 

「よぉ、そこの嬢ちゃん。何をしているんだ?」

 

初めて会う私とダン以外の人間。大きくて“服”は固そうなオトナ。しかし質問に答えないと失礼だと本に書いてあった。

 

「母の好きな果実を集めているんだ」

 

「そうか…最近実りが少ないだろう?俺が分けてやるよ」

 

そう言って男のオトナが渡したのは赤いトゲトゲした黒いオーラを纏った果実。なんだか目が離せなくて、とても…とてもおいしそう

 

一口食べると空を見上げた。空には月の様な物が現れて、それをみた後に意識が途切れた。

 

 

 

パチリと目を覚ます。そのまま勢いよく体を起こした少年は自分のものではないだろう記憶を夢として見たのだ。

 

「今のは、何だったんだろう」



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番外編 異種族サイヤの記録 其のII

テストはおわらないッ!

意外と読んでる人が多くてびっくりざますね、次の話は日曜日までに上げておくでごわす
多分、きっと…メイビー


どうしてこの人達は俺たちによくするんだろう。いっぱい食べるサイヤ人の俺やイコにご飯を奢ったり、俺がキオクソーシツとしったら思い出せる様に手伝うと言い始めてヘンすぎる。

危機感がなさすぎて驚きだ。もしかしてこの星の人がそうなのかと一瞬思ったけど、ちょっと違うみたい。尚更ヘンで、一緒にいるのが怖くなってくる。

 

この星にきて一年が経つけど、フウさんとカムメはまだ関わろうとする。今日もフウさんの家に帰ってきてと言われた。何か企んでいたけど、身構えるほどじゃないといいな…

フウさんの家の扉を開けるとパァン!という音に伴ってヒラヒラした奴が出てきた。イコは俺以上に驚いたのかエネルギー弾を手に込め…放出しちゃった!?

どれだけ驚いたんだイコは!

そんな騒動が起きた後、タンジョウビカイをしたかったと二人は少し申し訳なさそうにしてた。タンジョウビカイってなんだと思ってたらタンジョウビは生まれた日だと、カイはおめでとうとかの気持ちを伝える物だとカムメが言った。

家族だからお祝いしたいのだと……俺は、それを聞いた時とても嬉しくて悲しくてナミダが出てきちゃった。

おれがいなくなってもいこはひとりじゃないっておもって

 

_______________

 

@月(日

 

今日で双子がこの星にきて一年が経った!イコちゃんに誕生日を聞いたら、知らなそうだったから内緒でお誕生日会をしようと準備をした!父さんったら張り切っちゃって二人に配達員制服作ってた。母さんが見惚れたらしい縫い作業は健在だった。父さんはなんで農夫をやっているか謎。

 

&月一日

 

イコちゃん達はニーアマルという星で育ったらしい。星の面積は大陸がほとんどで海は少ないという聞くばかり摩訶不思議で自然豊かな星みたいだ。星は草原と海以外、地球でいう熱帯雨林気候に近いとイコちゃんが言っていた。どうやって雨雲が発生するのかしら?

 

」月!日

 

宇宙には恐ろしすぎる軍隊が存在していると銀河パトロール隊員が言っていたとダンちゃんがポロッと口からこぼしていた。銀河パトロールって宇宙警察だよね?その存在が恐るって…どれだけヤバい軍なんだろう。

 

?月)日

 

お父さんから借りた天下一武闘会の記録を二人と一緒に見る。体を動かすの好きなのに闘いごっこみたいなのしないなと思っていたら、組手すら知らなかった。わかりやすく説明できる自信がないから、記録を見せたけど興味津々で尻尾が天井に向かってビッと立っている。どうやらそれぞれ別の選手を応援してるみたい。ダンちゃんがヤムチャ選手、イコちゃんがチャオズ選手を応援して盛り上がっている。

 

?月一日

 

朝起きて物音がすると思ったら二人が組手をしていた。前見た記録を元にイコちゃんはドドンパみたいな技。ダンちゃんは狼牙風風拳を模して改良している。見ただけでできているのは驚いた。もしかしたらサイヤ人は闘うのが得意な種族なのかもしれない。私たち似ているのに違うのがとても面白い。宇宙に対する敬意と好奇心がさらに上がった。

うちゅう って すげー !



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勝敗

変な文章注意!


ピピッと装着し直されたスカウターから三つほどこちらに向かってくる者がいると反応した。どうやらこの小娘の兄弟とカカロット…それともう一人が此方に向かってきているようだ。

今すぐ叩きのめしてやりたいが、それではコイツからno.34の情報を聞き出す事もできない。数年前にこの惑星に来たなら、コイツらのポッドも何処かにあるだろう。しかしこうやって口がうまい奴が、データをロックしていないはずがない。

それに全員を此処についた後にちゃんとぶっ潰せばいい。たかが辺境育ちの三人でオレに敵うわけがないしな。

 

____________________

 

なんて事を考えて油断しているんだろうな。感情により力にムラが現れるダンは兎も角、他の二人はこの星の最強格だ。エネルギーを操作する術でも身につけている可能性は高い。

故にこの勝敗はほとんど決まっている。もしこの三人以外が横入りしたら負けになるが、此方の情報次第でフリーザ軍と敵対したくすれば良い。

 

私が動けるまで回復したら、乱入も一度くらいは防げるがそれはこの傷がどれくらい響くかによる。それまでに間に合えばいいのだがな…

 

空を割く音が近づく。彼らが此処に着くまで数キロメートルだろう。まだ私の体は動かない。まあ今はそれを置いておくとして、ダンがついたら説明しなければならないな…

けど、もう起きているのは限界だ…

 

 

今日は少し嫌になるくらいいい天気だ。こう思えるのは数時間前よくわからないやつにイコを攫われたから。

それからイコを攫った男がいる平野に着くと、イコがボロボロで横たわっていた。

「イコ!」

そう叫んで俺は立ち寄ろうとしたら。

男が俺の前に来て、立ち塞がる。

「ダン、そいつに勝ってくれ…」

その言葉を最後にイコはがくりと意識を失った。このままではイコは死んでもしまうのではないか?コイツのせいで…メラメラ怒りが燃え上がる。男はなんか言った後、戦闘の構えをとった。怒りのままそいつに向かう

男は拳を構えてこちらに殴りかかってくる。当たれば痛いだろう。しかし当たればの話だ。男のパンチをかわしながらピッコロがカウンター攻撃をする。

しかし男はその攻撃を予測していたかのようにバックステップでかわす。正面からソンゴクウが挑んだがあっさりと防御される。

その後も何回か繰り返したが一向にダメージを与えられない。

そんな時だった。男が言った。

「お前らでは俺に勝てんなぁ」

この言葉を聞いた瞬間何かが崩れていくような感覚に襲われた。

_______________

ブツリと何処かで千切れた音がこの戦場から聞こえた。

 

「おい貴様、何突っ立ってやがる!」

 

「おめぇ大丈夫か?」

 

なんの反応もしないダンに何をやっているんだと声を荒げるピッコロと心配をする悟空達はラディッツの前で動かないダンは俯いた。その様子に戦う意志を無くしたと判断し、気絶させようとしたその瞬間、

 

「ふ、ふふ…アーッハッハッハッハ!!!」

 

「何だ!?気でも狂ったのか!」

 

「ぶちのめしてやろうじゃねーかこの野郎!!」

 

どなるダンにスカウターの数値が変化した。

 

「戦闘力…530!?スカウターの故障か!?」

 

100も上がった数字にラディッツが驚く。それを横目に拳を叩き込もうと数分前よりはやくラディッツに接近した。右頬を狙って左拳を繰り出すが防がれ、その間に鼻筋に右拳を撃ち込み、溝あたりを思いっきり蹴りあげ防御を砕く。

怯んでいる間に構えを取る。

 

「あの構え、ヤムチャの狼牙風風拳か?」

 

体全体で狼を模して、技の名を叫ぶ。

 

「狼牙風風拳!」  

「ハイ〜ッ!ハイッ!ハイッ!ッハイ!」

 

まるで狼がいるかの様な迫力がラディッツに迫る。

連続で繰り出される拳に追いつけず、何発か喰らうが足元が狙ってくださいと言わんばかりに空いているのに気づき狙う。

 

「これでも喰らえ!」

チュイン!

そう言って気団を打つも、ダンはタイミングよく前の方に回転しながら避けた。

__________

小さいが故に格上を翻弄する姿にピッコロは唖然としていた。己の父と孫悟空もこう戦ったのか思案しながらダンがラディッツの技ダブルサンデーを背後から射ってまた距離を詰めているの観戦者の気分で見ていた。

ピッコロはそんな己に気づくと怒りと恥を感じた。

 

「このピッコロ大魔王がただ立っているだけだと…くそッ!」

 

戦いに参加しようも入るタイミングがわからないまま、自分と孫悟空が立ち止まっている。あのサイヤ人には小僧一人で充分などと思いたくもない。五年前この世界を恐怖させた己が宇宙人を恐れているこの状況が腹立たしい。

 

「なぁピッコロ。おめぇなんか新しい技あるか?」

 

「孫か…あるぞ、貴様を確実にあの世へ送るためにこの五年で作ったとっておきのやつがな」

 

「んじゃ、オラちっと考えたやつがあるんだけんどよ…」

_______________

__________

_____

 

「ちょこまか動きやがって…!」

 

ブォン!とまた腕が空振りする。

ラディッツは素早く目に入らない場所へ移動し攻撃し続ける少年に段々とイライラしてきた。さっさと気絶でもさせたいが、全力を出すとコイツが死ぬ。そうなったらオレの負けになるのだ。

「いい加減に、しろッ!」

ガッと手を気配のする方へ伸ばし掴む。

 

「うぐっ!?」

 

どうやら大当たりの様だ。このまま地面に投げれば流石に気絶するだろうと腕を上に上げていたその時、

「おぐぅッ!…こ、この感じは…!」

 

後ろを振り返ると孫悟空がラディッツの尻尾を掴んでいた。力が抜けて、ダンを離してしまった。

 

「キサマ…オレの尻尾を…!」

「へへっ…オメェがオラと同じなら尻尾掴まれれば力がでねぇだろ」

 

「孫、その尻尾を離すなよ」

 

額に手を当てチリチリとしたエネルギーを溜めているピッコロにラディッツが気づく。あれが急所に当たれば死ぬ。ラディッツの感が全身に避けろと警報を鳴らす。なんとしても避けなければこの先にオレの未来はない。まだ、真実もわからないのに…!

 

「く、くそ…ッ!」 「…」

本気で悔しがり、涙を流すラディッツに孫悟空は此奴とは仲良くなれるのではないかという小さな希望が揺さぶられた。

何か事情があるのかもしれない。

もしかしたら…本当に血の繋がった兄弟かもしれない。

 

悟空の心の天秤はグラグラ揺れている。

 

「…二度と悪さをしないって誓うか」

 

「おい待て!まさかそいつを逃す気なのか!?」

 

聞こえた声が最初誰に向けてのものか理解が追いつかなかったラディッツはその後に聞こえた言葉の内容でカカロットが自分を見逃す気だとわかった。

 

「…キサマの息子は返すことと、この星に危害を加えないことは約束する」

 

「それじゃだめだ。悪さをしないっって約束してねぇから」

 

「そもそも其奴の職業は星の地上げだ。今のところ己の性にあう職場を離す気はないだろう」

聞き覚えのない少女の凛とした声が後ろからする。その子は若干焦げている体で立っていた。

 

「私の名はイコ。そこの侵略者と取り引きをしている」

 

「取り引きだと?何を取り引きしたというのだ」

ピッコロが構えを解かずにイコを睨む。もし視線で人を傷つけれるのならイコは瀕死になるほどの鋭さだ。

「私は其奴の知りたい事を知っている。殺しは無しでの勝負に勝てば教える。負ければ此方の要求を飲ませる」

「その条件を本当に守る気なのか?」

未だ尻尾を掴まれたままのラディッツを見る。

 

「当然信じる事はできないだろうな。だがこんな賭けに乗ったぞ」

 

いつフリーザ軍に盗聴されるかわからないので曖昧にしか伝えれない。強くなる前に此方の考えている事を知られて芽をつまれたら終わりだから。

「だから勝てと言ったんだね」

いつのまにか気絶からむくりと目が覚めたダンが起きあがる。気絶して冷静になったのか、雰囲気がのんびりしている。

 

「さてラディッツ、聞いておくがこのまま勝負を続けるか?」

 

「…殺さず倒すことの方が難しい事をわかっていて賭けに持ち込んだわけか。オレの負けを認める」

このままでは勝つ事はできないと思ったのか負けを認めたラディッツ。話し合いをするには血生臭いこの時に、孫悟飯が仙豆という物を取り出した。

 

「取り敢えず終わったんだよな?オラ仙豆持ってきてた事思い出したぞ」

「おいカカロット、なんだその豆」

謎の豆を取り出した弟にラディッツはすかさずツッコミを入れた。

 

「…これをどうしろというのだ。」

 

「そのまま食うんだ。そしたら怪我全部治るぞ」

 

言われたままに口に含み噛むと光線で焦げた体が超回復した。現実ではあり得なさすぎる効能にフリーズした二人の仕草は似ていた。

「すごーい!怪我も治ったし、前より動きやすくなった!」

ダンが高速でラジオ体操しながら喋る。ピッコロはギスギスムードがガラリと変わってほのぼのワールドになったのをため息をついて頭を抱えた。

ザザッ

 

《ほう?そんな物が存在するのか》

 

ラディッツのスカウターから偉そうな男の声がした。




ラディッツ編終了になります。


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備えあれば

千文字しか書けない作者がトオリマス…


《おいラディッツ、その豆回収しておけ》

ぶずッ

 

……。

 

何故スカウターの機能つけっぱなしにしていたんだキサマァ!!!

 

「ぐぅ!!」 怒り任せにどごどごという擬音がつきそうな勢いでイコがラディッツを叩く。ようやく戦いが終わって一息つけると思ったら新しい厄災が現れた。あの偉そうな態度…恐らく一番強いサイヤ人だろう。どうやって其奴から生き残るかまた作戦を練らないと軽率に此方が死ぬ。

 

「くそ…何でこんな辺境の場所にサイヤ人は集まるんだ…」

「イコ、大丈夫?無理してない?」

orzのポーズになりながらイコはこの星がさらなる戦場になる事を憐れんだ。

 

「…組手だ!修行をするぞダン!、とその前にフウさんの場所に案内しろ」

「了解!お見舞いだね。フウさん都の方にいるよ!」

 

やけくそになって叫びながら大切な人たちが生き残るプランを修正していた。

 

「これからくるやつの話し合いは大人達に任せる。色々決まったら配達ギンガに連絡入れろ、いいな」

 

ポッドの中の少年を外に出した後、双子は西の空に消えた。

 

 

____________________________________

「…いっちまったなぁ」 「あぁ…」

呆然と立っているだけの兄弟に痺れを切らしたピッコロは、エネルギー弾を顔面スイングした。

 

「ちょ、ピッコロあぶねーじゃねぇか!」

「うるさい!貴様らが呑気にしているのが悪い!あの小娘を少しでも見習え!」

 

この大男以上の脅威が迫ってきているなんて考えたくもないが、否定したら後々己に帰ってくるのが予想できそうな威圧感を放つ声について知っているのはハリネズミ野郎しかいない。

「さっさとさっきの声のやつについて話せ!貴様は知っているだろう!?」

「お、おう…」

 

今度こそスカウターの通信機能を切る。

 

「奴の名はベジータ。サイヤ人最強の男だ」

 

純粋サイヤ人の生き残りはオレとカカロットとあの双子以外で二人いる。それがベジータとナッパだ。先に言っておくが奴らの尻尾は弱点にならない。

鍛えているからな。そして強さの数値化である戦闘力はナッパが4000、ベジータが18000だ。…ああオレは二人にとっていらないほど弱い。1500と18000程の差があるんだ。逆らうのはおかしい奴だけだ。

そういう意味ではオレも頭がおかしいんだろうな。まぁ、今は関係ないか。

しかし幸運な事に今奴らがいるのは片道一年程離れた惑星だ。その間に対策なりなんなり立てればいいだろう。

…賭けの内容?オレが勝てば…ある惑星の情報をよこし、負ければフリーザ軍を脱退しギンガパトロールに入れという事だ。

これ以上は話す事はないな



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嬉しいな

環境破壊は気持ちいZOY!

カービィアニメ二期出ないかなと星に願っている作者です。


昨日、依頼の仕分けをしようとしていたらダンに寝かされてしまい朝までぐっすり寝てしまった。この間に奴らから連絡が来ているかもしれないのに…

久しぶりに二人だけの朝食を取った後、連絡先として渡した配達ギンガ用のメールアドレスを確認する。十分経っても届いてないと不安になったが、その後ピロンと着信音がしてメールを開く。

 

『ナナシノゴンベ

宛先:gingahaitatu@century.cc

 

  カリン塔で待つ。』

 

「ダン、カリン塔に向かうぞ。そこで話し合いでもするんだろう」

「了解!なんか持っていくものある?ダンベルいる?」

「いらん」

 

______________________________

カリン塔に向けてしばらく空を飛ぶと雲の向こうにまで繋がっていそうな長い長い塔が微かに見えてきた。

 

「あれがカリン塔かな?名前は美味しそうだけど塔は白いんだ」

「なんでもセンネコがすんでいると数百年前から噂されているそうだ」

 

センネコとは何だろうか?わからない。

会話リレーを続けるうちにどうやら目的地についていたみたいだ。下に少年と男がいる。親子だろうか?

 

「すみませーん!ここに山吹色の胴着を着た人と変な鎧着てる人きませんでしたか?」

「大きな声でで言わなくても聞こえるからな?ダン」

 

話を聞くと塔の上に向かったらしい。塔の上に何があるんだよ

「じゃあまた飛ぶ?」「そうなるな。質問に答えてくれてありがとう、ではな」

 

言葉を切り上げ上に向かう。仕事を一気に片付けていたのは誕生会を開いてくれる二人の為だったが、結果的にそのお陰で丸二日休んでも問題ない。

そろそろ頂上付近に近づいたと思うと、向かっていた時には見えなかった半球体の上に立派な建物がある。

「ここは…いったい…」

「よく来てくれたなぁ」

 

明るく聞こえやすい声が後ろからする。きっとカカロットだ。

 

「昨日ぶりになるね、えっと…」

挨拶しようとするダンだが、名前を聞いてなかったことを思い出す。まぁ私もラディッツが言っていたのを認識しているだけだ。

 

「そーいえば、名乗ってなかったな…オラ孫悟空!よろしくな」

「俺はダン!よろしく!」

 

よろしくの往復をすると、昨日より五人程知らない奴らが増えていた。いや、そのうちの四名は天下一武闘会の参加した者たちだと思い出した。

「イコ、あの人たちって…ビデオの?」

「そうだな…話しかけるのは挨拶ぐらいにしろ」

 

「君らはこれから戦いを共にするもの達だろう?ひとまず自己紹介しようじゃないか。

初めまして、私の名はイコ。隣のコイツの姉だ。よろしく頼む」



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カミの話

双子がいても、主役はやっぱ悟空さ


「ところで、皆さんは其奴からどれくらいのことを聞いているのか尋ねてもいいか?」

 

生きるには情報共有が一番大事だと思っているイコは、実のところベジータ王子についてあまり知らない。彼女が知っているのはフリーザ軍の数少ない上級兵士で一番強いサイヤ人事だけだ。スカウターの声は偉そうで若かったからベジータ王子に間違いないだろう。

「そうだな…俺たちが聞いたのはサイヤ人が一年と数ヶ月後にやってくる事と、彼以上に強い事だな」

「そうか…(一年ではないのか?)」

 

「なぁ、サイバイマンの種とか其奴ら持ってたりする?フリーザ軍ってとこではイッパンハツバイされてるってジャコさん言ってた!」

 

ダンは考えるのが苦手になったがやはり賢いな。さすが私の弟だと大声で褒めたいくらいだ。

「イコ変な事考えてない?」

 

「サイバイマンの種か…持っているだろうな。二回前の地上げでナッパが買い足していた。相手の実力が下の場合、サイバイマンで戦わせてそのままサイバイマンによる自爆に巻き込めば終了だからな」

 

自爆?それで相手を巻き込むとか…嫌な兵器だな。戦力では彼方が確実に上で、一年程修行しても倒せるほど肉体も力も強くなれないだろう。持っていたら確実に使ってくるだろう。

 

「…一年と数ヶ月修行してもギリギリ足止めできたらいい方だな。一番伸び代がある奴をこの状況を打破する方法を持つ奴に学ばせることが、できたらいいな…」

どう考えても勝利の道筋が、予測ができない。お通夜な雰囲気がこの場を覆っている。皆それぞれ悩んでいると、ピッコロ似の爺さんが口を開く。

 

「一人だけ、打開できる技を持っている方を知っている」

 

その時見間違いかも知れないが、彼の後ろから後光が差しているように見えた。

しかしその存在に会いにいくには死なないといけないとぬかしやがった。ふざけているのか?

そのまま睨んでいると、あの世の閻魔庁の所にしか入り口がないのだと言った。

「だから死ぬというのはダメだろう。ちなみに誰にいかせようとしたんだ?」

「そ、孫悟空だ…私の元で修行し、強くなったからな…」

 

カカロットに息子がいるのを知らないのかコイツ。これがカミ?ふざけるな。フィリスの方がずっと…

 

「あの世とこの世を自由に行き来できる方法ないの?そうしたら死ななくて済むと思うけど」

 

………

 

「それだ!ドラゴンボールでできるように願えを言えばいいんだ!!」

 

ドラゴンボールが何か知らないが、解決策が出たということか?…この星に散らばった7つの球を集める事で願いが叶う?

よくこの星狙われてないな。




子供の頃から夢をみた素晴らしい建造物を書き留めた本を背負った界王神見習いが別宇宙の界王神の元で学びにいくはずが、時空乱流のせいで別の世界に迷い込んでしまった!
果たして彼女は第七宇宙に無事帰れるのか!?

みたいなドラクエビルダーズシリーズとクロスする作品が読みたい


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その手を握る

書いててドキドキした。悟空さとチチのcpはめっちゃ萌える。もしかしたら私のイメージの悟空だからこれじゃないって人はいると思う


おっすオラ悟空!

神さまから界王さまの元に修行しにいくのを提案されたんだけどよ〜

界王さまのところに行くにはあの世の閻魔庁からじゃねぇとダメだって言われちまった。オラ死なねーといけねぇのかと思ってたら、ダンが自由に行き来できる力を手に入れればいいみたいな事言って、それで亀仙人のじっちゃんと兄弟の占いババを思い出したんだ。

でも占いババの元であの世に行く方法知るのも時間がかかりそうだったんで、ドラゴンボールで願えばできると思って集める事にしたんだ。

 

「ちゅー訳でオラ、ちょっくらあの世に修行しに行ってくる」

 

「ちゃ、ちゃんと帰ってくるだか?そう約束できるか?」

 

チチが半信半疑でオラに尋ねる。いつもぷりぷり怒ってるけど、こんな泣きそうなチチを見るのは初めてだ。胸の奥でチクリという音がした。

 

 

「(…ん?チクリ?)約束する。オメェも悟飯も置いていくわけにはいけねぇからな」

 

兄ちゃんやイコに言われてチチにこれからの事話したけど、ちっとすっきりした感じがする。成る程、何処か遠くいく時はチチに言えばいいんだな。

「じゃあおら悟空さの弁当作るだ!いっっぱいな!」

「おお、本当か!ありがとうなぁチチ!」

 

そういえば界王さまのところじゃ、チチの飯は食えねぇのか。なんか残念だけんど、サイヤ人達には油断できねぇから仕方ねぇな。

 

 

…全部終わったらチチの出来立ての飯を食べよう。

________________________________________

「で、オレをここに連れてきた意味はなんだ?」

 

「なに、あんたが勝っても負けても連れてくるつもりだったさ…ハプニングが発生しただけでね」

 

そう言われてバツが悪そうな顔をしたラディッツを見て、鼻を鳴らしたイコは手慣れた手つきでガレージ内の双子が使用したポッドのモニターをつける。

欠かさずメンテナンスをしていたのかあまり時間をかけずモニターが起動する。写っていたのはサイヤ人の文字と宇宙共通語だ。

「これは…」

「知っていると思うが、サイヤ人の文字だ」

 

「やはりお前は、エイシャスの…そして」「それ以上は言わないでくれ、私には父は必要ない。少なくとも今まではそれで生きていけた」

 

言葉を渡り、彼が求めているデータを表示する少女は、残りは憶測でしかないが少女の父のせいで彼女は死ぬ事になったと考えている。

 

「まぁ湿っぽい話はこれくらいするとして、王子に殺されない程度の実力をつけるぞ。私はダンを死なせたくないんだ。いくらでも、利用されてくれるよな?」

 

「…ああ、オレもやりたい事が増えたしな。フリーザの元に残るつもりはもうない」

 

「そういうと思っていた。これからよろしくな」

 

そう言った後イコは口を閉じて手を差し出した。

男は、




サイヤ人来襲まで、365+62 日


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運命と巡り合わしている

と思った


広い荒野の中心に耳を傾けると、微かに音が聞こえる。拳を思いっきり叩き込み、岩が崩れる音だ。

「遅い!そのままではベジータ達に反撃されるぞ!」

デコが広がっている男、ラディッツは双子にそれぞれ修行をつけていた。

何故こうなったのか少し前に遡る。

_______________________________________

 

ダンとイコは自分達の弱点である安定としたエネルギーの抽出と対人経験のなさを補おうと二人が居候しているフウの農場であの手この手と意見を出し合っていた。

「やはり仙人と呼ばれる奴らの元で基礎を学ぶことが今の私たちに一番いいと思う」

「でもそれですぐ強くなれる?今は組手とかした方がいい気がするよ?」

 

体の強さでは、普通の武闘家より断然に上なのだ。故に、彼女が求める基礎をこの星の人物では与えることはできない。

それはわかっていたが、これ以上奴への頼み事を増やしたくはない。

 

「あのハリネズミのところでおしえてもらおーよ、イコ」

「ダンお前…まだむかついているのか?」

 

呼び方がハリネズミから変える気はないのか、まだ怒りが治らないのかダンはラディッツをそうよんでいる。今は関係ない話なのでこの時のダンの心情は別で語る。

 

「もう!ここでウジウジしてたらダメだって普段のイコは言うでしょ!俺は、イコに強くなって欲しいの…だからお願い、俺と一緒にハリネズミのとこにいこう?」

少し泣きそうな目で見つめられる少女は、己のプライドの一部を曲げる事にした。少年のお願いを聞き入れる事にしたのだ。そこからは早かった。

気配で男を探し、見つけた後そこまでとんでいき、頼み込んだ。ラディッツはその頼みを受け入れた。

そうして修行は始まった。

 

 

「流石に手の甲に血が滲んできたな…部位強化はそこまで!30分休憩の後対人訓練を開始する!」

 

「ダン、手を出せ」

 

ダンが素直に手を出すと彼女の両手に包まれ、光り始めた。

「これで明日には治るだろう。初めてだが、できてよかった」

「イコ…今のすごいね!ピカってなったらジンジンしてた手が痛くないんだよ!?どうやったの?」

記憶の片隅へ追いやっていたマジュツ…魔術を使い、ダンの傷を治りかけにまで変化させた。なんでも使うと決めたのだ。これも使わずしていつ使うんだ。と思い出した魔術を自分の戦術に組み込みるほどに使い慣らす事に決めた少女は彼の問いに答える。

「ちょっとした魔術さ。私実はつかえたんだ」

 

それを見て男は少女が奇妙な




築いてる人もいると思うけどラディッツ大好きマンですワタクシ。

サイヤ人来襲まで365+70


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ごん!

これ書いてた時ちょっと腹減ってた


 ち、ちちとコンロの音と匂いに誘われてダンは部屋を出る。このホイポイカプセルは4LDKで使用者は彼と、その姉とハリネズミな男だ。

廊下を歩いているといい匂いが鼻をすぎる。これはロールパンと牛乳の匂いだろうか。昨日の晩御飯のミートパイは残っているだろうか。食べ物を考えていたからか腹の虫が鳴って飯を寄越せと言ってくる。空腹のいうがままに少年はキッチンへ向かう。

 

「イコおはよう!昨日のミートパイって残ってるかな?」

「おはよう、ダン。確か一切れあった気がするな」

 

エプロンと三角頭巾をつけた少女が振り返り言葉を返す。少年の後ろにはオーブンから取り出したロールパンの大群を皿に詰めているラディッツが一つ味見していた。

ここでは彼が基本的に料理を作っている。そのどれもが二人にとって絶品で、この星の料理にもすぐ詳しくなった。胃袋をつかまれたダンはよだれを溜め込みながら、食卓に朝ごはんを並べるのを手伝う。

 

大量のロールパン、ジャム、バターやミートパイ、牛乳などが食卓に乗っかっている。この星の一般家庭では食べきれる量ではないが、その全てが吸い込まれるように彼らの口に次々と消えていった。

「んぐ…!ぎゅ、牛乳!」 ゴクゴクゴク!

「もご、いそいで…ムグムグ…ごくん。食べたら喉に詰まるからやめろと言っただろ」

「食いながら話すな。キサマら行儀悪いぞ」

修行の効率さを求め、荒野に住み始めて二週間は過ぎている。この朝も彼らは慣れ始めていた。

食事が終わった後、すぐにそれぞれの修行場へ向かう。と言ってもイコとダンを互いに見えない場所で鍛えさせるだけであるが

 

 

風が吹き荒れる中、ラディッツとダンが向かい合い今日行う修行を確認している。彼が学んでいるのは近接型ヒットアンドアウェイ戦法だ。せめてナッパにやられないように鍛え、フレンドリーファイアをしないよう気をつけるべき点を説明している。

まず繊細なエネルギーコントロールを上げるため中に浮いて、色んな箇所にある的へエリートシュートを打ち、破壊する。その後投げられる岩を避けたり、正面から殴りつける。

午前中はそれをダンの体重の十倍の重りを身につけながら昼休憩まで続ける。

 

「惑星ベジータはこの星の十倍の重力だ。キサマらの技は先手を使われたらほぼ無駄だ。それを無駄にしないためにはこれが一番マシだ」

 

そう言ってラディッツは自分の分の重りをつけたままエネルギー弾でお手玉をしている。以前このトレーニングを彼がやるように言った時、イコが私たち二人だけではやる気が出ないと言ったところ、彼も参加するようになった。ダンは正直言って、この男が子供の面倒を見て修行をして強くなるなんて思いもしなかった。よくわからないが、本来ならこんな事は死なさそうと、そんなイメージを彼は持っていた。

 

「何であんたは俺達の手伝いをしてくれるの?そんなことする奴とは思えない」

「…キサマから修行をつけろと言っただろうが。だが言いたい事はわかる。オレは、アイツに出会わなければキサマの想像通りの人間だっただろうな」

 

 

 

アイツって奴が誰か知らないけど、そのことを喋ったラディッツはどことなく悲しそうだった。今でも隠し事の事を考えているイコと似た顔だ。イコは、なんで俺たちがあの星にいたのか教えてくれないし、そもそも俺がイコの弟って事とサイヤ人って種族しか教えてくれてない。

けど、もっと聞こうとすると顔が青くなる。頭の中にすぎる青い人間たちと比べたらそこまで青くないけど、すぐにでも泣きそうになる。

だから今は聞かなくていいやと思っている。ラディッツもイコに聞きたいことがいっぱいありそうだけど、彼も聞いてない。困惑しながら街で見かける親子の父のように接している。

 

そう思い耽っていたら岩が頭の上の方に________

 

(あ、なんだか見覚えが…?)




一応イコちゃんは、ニーアマル星で大猿になっていなければ精神は弱くないです。ショックの積み重ねでサイヤ人では珍しいちょっと過保護な心が出来ました。これがなくすにはは、イコちゃんは母に会わないとどうにもなりません。
子供だからね


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蓄える

過去編もどき


「なんだ…あの大きな生き物…」

 

日が暮れても帰ってこないイコを探すとイコが言った方向から、森を突き抜けるほど大きくて見たことのない生き物がいた。見たことないが、聞いたことのある特徴…全身毛むくじゃらで、俺とイコにある尻尾も同じ。

あれが、イコの言っていた大猿化なんだろう。けど、満月の夜にしかなれない変身だって、今日はミカヅキなのに、なんで、どうして

「グオオオオォォォオオオ!!!」

 

「!そうだ、イコを止めないと!」

 

今はその原因を調べるより、イコがこれ以上森を破壊しないように尻尾を切らないと。

走ってイコの前に出ると、大きな拳が目の前に振り落とされていた。

「ッッあっぶ、ないなぁ!もう!」

チリチリと顔の皮膚をかすったそれは、意味もなく手当たり次第周りを破壊しているだけだ。さっきもダンを狙ったのではなく、後ろの木を狙っていた。

無意味な破壊行動を行えば、この星に嫌われる。動物たちはニーアマル星の意志だ。俺たちが何をするのか彼らは観察している。イコがこのまま森を壊すと、俺たちはこの星の生き物に食われるか、追い出される。

 

様子を伺おうと上を見上げると、イコの肩に見知らぬ人間がいた。そいつが指を指した方向をイコがめためたにしていく。アイツが原因だな。

なんてわかりやすい奴なんだ。大っ嫌いだ。頭が沸々と茹で上がりそうなほど、ムカムカする。多分マジュツ使いだから、気づかれて遠くからよくわからない攻撃をされる前に、こっちから殴り込みに行こう。

 

「そうだ、サイヤ人らしく存分に暴れまわれ」

 

調子に乗ってニヤニヤしている男を見ると、尻尾が生えていた。成る程、普通サイヤ人はいい人ではないとは此奴の事か。後ろの茂みに隠れて隙を待っていると、男の耳についている奴が音を出した。

「そこに隠れている奴、バレてないと思っていたのか?」

 

気づかれた!なんで、なんで!けど、この距離なら殴れる。まずはエネルギー弾で気を逸らす!両手にそれぞれエネルギーを溜めた後、すぐに撃つ!

 

「くらえぇえ!」

 

茂みから声を出して集中させて、イコの体をのぼり顔を殴りつける!ガッと頬に直撃したが、全然ひるんでいない。ギラリと鋭い眼光を放ち頭をつかまれた。ダメだ!これじゃ手出しもできない!

「ぐっ、…はなせよ!」

こんなこと言っても相手は離すことはない。暴れても短い手足じゃどうにもならない。希望が見えず、空いている方の手でエネルギーを溜め始めた時に、死ぬと錯覚した。

 

「そこまでよターレス。その子もこの歴史の立派な異分子なんだから死んでもらったら困るわ」

「これもか?半殺しにして配下にしてやろうと思ったんだがな…」

 

?青い肌の人間たちが増えた。レキシノイブンシって何かわからないが、俺たちを何かに利用する気だろう。頭がみしみし言ってきた。血も出てきたし離せよこの野郎。

 

「でも、この事を覚えていたら邪魔になるわね。ちょっと渡してくれる?」

「記憶でも消すのか?」

「ええ、この子達には地球に行ってもらった方が、キリが増えるもの。他の歴史に存在しない彼女たちが行動するだけで歴史改変になる。こんな便利な道具他にないわ」

「さて、そろそろ消しておくわ。あのポッドには細工しておいたし、コールドスリープできない不良品に携帯食料は積んでおいたから大丈夫でしょ。」

 

「さよならね、坊や」

______________________________

____________________

__________

 

「はっ!」

 

「!目が覚めたのかダン!あれから気絶していたが、どこか痛いところはあるか?」

 

目を覚ました後、勢いよく飛び上がり周りを見渡した少年は、自身の空白を取り戻した。それと同時にターレスとかいうカカロットそっくりな男に対しての怒りが再発してきた。

今でも勝てない予感がするが、いつかははっ倒してやると息を巻いていた。その様子をただ何も知らないラディッツがオロオロと見ていた。

 

「ラディッツ…さん。俺にちゃんとしたダブルサンデー教えて」




強くなりたいんだ

サイヤ人来襲まで
365+62


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寄り道パオズ

ガンマ2号に心を撃ち抜かれた


「これから、超重要会議を行う」

ホワイトボードを取り出し、顔が暗いままペンで議題について書いていく。内容は食費についての事。何が問題かと首を傾げているダンは早速彼女に尋ねた。

 

「食費って議題に出すまで重要な事なの?」

 

「私たちサイヤ人にとっては重要だ。地球人より何倍も食うからな。以前、我々が稼いだ金額で補えない食物はフウさんに、負担してもらっていた。あれでも少々足りなかった」

 

今フウさん一家は西の都に一時的に住んでいる。その間畑はイコが管理、既存の値段で販売しているが、彼女はその金を使うつもりはない。

そして二人は自分達の一番の収入源である配達業を、一時中止している。プラマイではなくマイナスに転がり続けている財布は悲惨な運命を物語っていた。

 

「このままでは食料を買い溜めることすら出来なくなる!だから死ぬ気で働くぞ貴様ら!!」

 

イコがエネルギーを昂らせながら、ダンとラディッツを怒鳴る。その勢いに負け、ラディッツは近くの都で日給アルバイト。ダンは配達ギンガを再開し、同時に賞金稼ぎを始めた。その間イコはホイポイカプセル近くに畑を耕しながら、チチという女性の頼み事を聞きに行っていた。

彼女とは彼女の息子である孫悟飯を、家に送り返してから知り合い連絡を取っている仲だ。旦那の孫悟空があの世で修行しないと殺されてしまう程、とてつもなく強い奴がやってくると聞き、彼女は悟飯を生き残れるよう鍛えていた。

 

しかし、休憩が終わっても戻ってこずの1日探しても見つからない悟飯が、また誘拐されたのではないかと不安になった。故にこの星の地理を知り尽くしていると自称するイコに探してくれと頼み込んだ。

(こ、断りにくいな…)

必死な表情をするものだから、断れば食べるのも忘れて探してしまいそうな雰囲気だった。放っては置けずその頼み事を受け入れた少女は、パオズ山から徒歩で一ヶ月かかる場所にあるサバナ地域に向かった。

 

もしかすると、空を飛べる奴が彼をそこに連れていったのかもしれない。頭の中には緑色のヒトが思い浮かばれていた。この非常時に戦力を増やすためにやりそうな人物でもあったからだ。

強いエネルギーの波をそこから感じるので確認すると、少年が恐竜に追いかけられて……

追い回していた。その様子にさすがサイヤ人の血族だと感心していた。当の本人は泣いていたが、ラディッツと同じくらいの強さを無自覚に放っていた。

 

「しかし、発見できてよかった。後はチチさんの所に…」

「何をする気だ小娘」 「!」

 

隣に気配が現れて、ピッコロ大魔王の存在を認識する。それに驚き距離を取る。どうやらこちらの企みを阻止するつもりのようだ。

「…彼を母親の元へ帰すつもりだよ」

「それを小僧が望んでいなかったとしてもか?」

言った後彼は少し語った。少年が強くなりたいと見ていた己に頼み込んだ事。どんな修行でもやり遂げる事を約束した事を。

 

この話を聞いて少女は頭を悩ませた。悩みに悩んだ結果、少年の望みをチチさんに告げる事にした。何も知らない方が酷く虚しくて、苦しいからとイコは判断した。

大魔王に帰る趣旨を伝えて、イコはチチさんに伝えた。

 

「…という事があった。彼は本格的に強くなりたいそうだ」

「そうなんか…」

 

奴れた表情だったが、その中に少しの希望があった。それを確認してホッとした少女は自分達が寝泊まりしているカプセルハウスへ戻った。

 

「イコ、おかえりぃ…」

疲れた顔でダンが腹を鳴らしていた。ラディッツはバイトが終わってないのか、まだ帰ってきていなかった。しかしこれ以上は、彼が待てなさそうだったので昼ごはんをイコは作り始めた。

ジュウジュウと肉が焼ける音が響く。二人は無言だ。

 

「なぁ、この後って時間ある?少し話したい事があるんだ」

彼はそう言って少女を見つめた




サイヤ人来襲まで
365+59 日


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彼は知っている

スーパーヒーロー好きすぎて二回目行った。後書きにネタバレ悟飯くん乗っけるわ。スーパーヒーロー見てない人は閲覧注意だよ


とポポとコップに飲み物を注ぎ、それらをダンと自分の前に置いて座る。真面目な顔をして話を切り出すタイミングを伺っている少年はちらちらとイコを何度も見る。

「言いたいことは何だ。さっさと言え」

 

ギロリと向かい側を睨み、彼女にとって言われたくない言葉を、喋り出すのではないかと少女はずっと怯えている。それに気づいているのか彼は一瞬開けた口を閉じ、悩むそぶりを見せた後、イコの予想外の事を話し始めた。

 

「俺、大きくなったら銀河パトロールに入りたい!」

 

真剣な顔を崩さずダンは語り始めた。ジャコに憧れている。ヒーローポーズがカッコいい。色んな惑星に行きたい。放心状態の少女が拾えたのはこの三つの言葉だけだった。

思い返すと彼はテレビでヒーロー物をよく見ていたし、そういう系統の雑誌も持っていた。それがコイツの将来なりたい物に影響する程とは思ってもいなかった。

 

しかしなりたい自分が明確にイメージできるのはいい事だ。ついにニーアマルについて聞かれるかと身構えていたが、ダンは相変わらず過去の記憶に興味がないようで安心した。

… 本当によかった

 

 

「…ではお前専用の必殺技がいるんじゃないか?」

「確かに。どんな奴がいいかな?ラディッツさんのダブルサンデーみたいなエネルギー波タイプにしようかな」

 

やはり相手を攻撃する技を考えたな。新しい技を実用できるまでには、どれほどの時間がいるかわからないが、まずはやってみるべきだろう。

私も何か一つ技を作った方が生き残りやすそうだ。しかし、思いつかない。まずは何を目的とした技かを考えてからの方ができやすそうだ。

 

仕事と修行しながらでも思いつく可能性はあるから、今日の残り時間を修行に回すとしよう。落ち着いたからか腹が減ってきた。

ダンの腹も恐竜の鳴き声のように大きな音を出している。それを聞いて少女は笑い、肉を焼き始めた。全てが焼き切った頃にラディッツが帰ってきてご飯を食べ始めた。

 

「んまぃ、んまい」 「ガツガツガツ、ゴクン」

 

 

ちゃんとご飯を食べ終わり、最後に水を飲み干したダンがラディッツに必殺技のコツを聞いた。

「ラディッツさんはどうしてダブルサンデーを作ったの?」

「オレが何故ダブルサンデーを作ったか?そうだな…基本的に地上げは集団戦だ。少しでも早く掃除をするには一回で二つ仕留めた方がいい。それでダブルサンデーを作った」

「そうなんだ」

 

使いやすさを求めてできた技もあるんだ。けど俺はカッコいい技を作りたい。ヒーローの映画とかカウボーイの映画カッコいいし、そこから俺なりに技を作ろうかな。

「じゃあ早く外いこーよ!俺試したい事あるからクミテしようねラディッツさん!」

 

そう考えたらワクワクしてきた。昔母さんが教えてくれた戦い方がどこまで実戦に使えるかもワクワクする!これからやばい奴が来るのに面白いが一番大きな気持ちだ。

家から飛び出して荒野の中一人で叫び願った

「絶対強くなる!あいつも、青い奴らにも負けない!勝ち続けて最強のヒーローになる!…勝って、イコのヒーローになれたらいいな」




これ好き

【挿絵表示】


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この世で一番強い奴

かけた!!


「ふ、はは…ははは!ついに、ついにウィロー様が復活なさるぞ!」

「えぇ。この装置を使えば1ヶ月後にこの氷の山を溶かせるわ。よかったわね、願いが叶って」

 

怪しげな場所で男女の科学者がおどろおどろしい機械を前に笑っていた。彼らの目的はツルマイツブリという山の氷を溶かすことのようだ。

 

「そういえば、貴様の名前をまだ聞いてなかったな。名は何というの、だ」

 

男が隣を振り返ると、まるで元からいなかったように女は消えていた。違和感を感じたが妙に青かったし、寒さに耐えきれずとっとと帰ったのだろうとあたりをつけそれ以上謎を追求するのはやめた。

男はそれよりも大切な事があったから。

 

二ヶ月後__________

 

「残りの依頼は何だろなーっと」

ダンがいつものように配達用メールサイトを開くと、奇妙なメールが一件だけ残っていた。そのメールは件名が文字化けしており、全く読めなかった。

「これって何だろう?…まあクリックしても問題ないよな。えいっ☆」カチ

勢いよくクリックして中身を確認するとツルマイツブリという文字と座標のみ書き込まれていた。

 

「ツルマイツブリ…?ここには人が住んでいなさそうな場所だと思うんだけど、違ったのかな?」

 

この地域は吹雪に覆われて凍った山があるだけの場所のはずだ。しかし、隠されたナニカがあるのだろう。メールを送ってきた奴は何が目的か知らないが、怪しさよりも未知への好奇心の方が軍杯が上がった。

ダンは他の二人が帰って来る前にこの場所に行こうと決意した。パソコンをそのままに防寒具を着込んで山へ飛び出した。

 

 

「さ、さすが極寒の地…吹雪で前が見えない…クシッ!」

鼻水垂らしながら飛行を続けあたりを見下ろす。だが周りは白一色で普通の雪山にしか見えなかった。

「うぅ、寒い…かまくら作ろうかな」

寒さに耐えきれず、下に降りた途端謎の施設が見つかった。ご都合主義のような展開に彼は何者かに今も監視され降りるよう誘導された気すらしてきた。

 

「でも後戻りするわけないよね。こういう奴は後回しにしないほうがいいやつだ」

 

ダンは今一度気を引き締めて施設へ歩き出した。

______________________________

 

「ここあったかいな〜!上着ぬごっと」

中に入ると暖房でも効いているのか暖かかった。しかしそれがチグハグした印象を強めた。最近まで放置されたような古さがあるのに、ここ最近この山に人が入った話はないのだ。まるで過去の人間が復活して利用しているみたいだった。

「さすがに考えすぎか、な…」

前を見るとマグカップを片手に持った老人が立っていた。

 

「誰じゃ貴様ーーー!?」「人いたーーー?!?」

 

「どうやってここに…!飛行機でここに辿り着くのは不可能な筈だ!喰らえ!」 ドドドドドドドド!!

左腕を突き出し銃弾を連射する。しかし相手はサイヤ人だ。ただの銃弾では死なない。

「うわっ、危ないな〜」シュピピピピピ

両手を動かし銃弾を掴みまくる少年に老人は驚いていた。頭の中に一つの考えがよぎった。この少年が一人でここまでやってきたと。子供でこれほど強いのなら成長すれば最強になる。

 

「…くくく、儂も運が良い。ウィロー様の肉体になりうる小僧がきたとはな」

「うぃろー?誰のことかわからないけど俺は俺のモンだよ」

「私の名はコーチン。貴様の実力を見てやる!こい、キシーメ!」

扉の向こう側から緑の怪人が歩いてきた。いかにも悪だという風貌だとダンは思った。

「さあ行け!奴と戦うのだ!」 「キィーッ!」

キシーメが勢いよくダンに飛びかかる。悪寒を感じダンは急いで防御の姿勢をとった。ドゴッ!!!

「ぐッ、コイツ速い…!」

相手が次の技を出す前に両腕を解き殴り返す。

「お、ラァ!」そのままラッシュへ繋ぎキシーメに反撃する。

「ダァリャリャリャリャ!!!」ゴガガガガガガ!!

手応えを感じながら攻撃を続けているダンはキシーメがニヤリと笑っているのに気づかなかった。 バチッ

「ぁぐ!?」 ジジジジジジジッ!!!!!!

「ぐぁぁああ!!」

糸状の気がダンにまとまりビリビリと焦がす。予想外の攻撃にダンは一瞬気絶してしまった。その隙に今度はダンが殴られる。

「カァーー!!」 ドゴゴゴゴゴ!!!

「ッグ…アギ、ガ!オェっ(このままじゃやられてしまう…!油断したら俺は、死ぬ!!まだ他に似たようなのがいるかもしれない、これ以上体力を削らせてたまるかッ)」

 

「ぅぉぉぉおおおおお“お”お“!!!」 ズバァン!

自分の周りを思いっきり爆発させキシーメを引き剥がした。この気を逃してはならないとダンはギロリと睨み声を上げる。

「今度は俺の番だ!ダブルサンデー!!」 チュイン

紫の光がキシーメに直撃した。が、奴を倒すのには威力が足りなかった。まるでその程度かとばかりにダンを見て来る。

 

「まだ、まだだぁ!ダブルゥ…サン、デェエエエ!!!」

BOOOM!!!

先程より大きな光線がキシーメを包む。必殺技というより究極技と呼ぶ程の威力にキシーメが消し炭になった。

 

「ふむ…なかなかの強さじゃ。息切れしておるがまだ闘気に溢れておる。ミソカッツン!エビフリャー!そこな小童の体力を減らせ!」

 

コーチンはそう言い部屋の奥へ入っていった。すれ違いにぷよぷよした黄色の怪人とピンク色の怪人がダンの前に立ち塞がる。

「はぁ…はぁ、やっぱまだいたのか…」

これから先は一回でも当たったら俺の負け(消滅)生きるには彼奴らの攻撃に当たらない事、常に動く事。

ラディッツとイコが考えてくれた俺たち二人の戦略は使えないが、此方を潰す気の奴の攻略法は何となくわかった。

 

「おりゃ!!」 ボッ!

様子見にぷよぷよの奴、ミソカッツンにエネルギー弾を投げ、エビフリャーという奴に迫り技の準備をする。

「ギィイ!」 ぐぐ… ボヨヨン!

ミソカッツンの腹に当たった気弾が速度を増して跳ね返ってきた。「うお、と!」反射的に後ろに下がり回避した後、エビフリャーが両手に何かを纏っているのに気がついた。

 

「極寒で凍えてしまえ!」 「あんた普通に喋れるのかよ!!」 エビフリャーが喋りながら冷気を放ち、それに驚いたダンは突っ込んでしまう。その結果、吹雪のような技を右腕に受けてしまった。パキパキパキ

「見事に凍ってるなこれ…よし、狙うやつ決めた」

左手を握りミソカッツンの方を見る。エネルギーコントロールはイメージからだとラディッツは言っていた。なればこそゴムのような体を貫く刃をイメージする。

 

チッ…チチチチチチチチチチ!!! 「は、ぁああ!」

チェンソーのようにエネルギーを動かし左腕に纏う。これを思いっきり腹に当てて削る。それができたら次はエビフリャーだ。

「いくぞ!!」ドッ チチチチチチチチ!!!!

ミソカッツンの腹を思いっきり殴るとチェンソー擬きがギャルギャル音を立てて肉を削いでいく。「ゴアッ!?」

これに驚いたのか止めようと手を伸ばしてきた。

 

「お前の負けだッ!」 ギャルルルルル!!!

ぶちぶちぶち、ぶち! 「ゴオォオ!」 ギュ、ィィイルルル!! ついに腕は腹の向こう側までぶち抜いた。ガスが抜けた風船の様にミソカッツンは飛んで消え去った。

(予想以上にコントロールが疲れる…最後のエビフリャーという奴が一番厄介だ。心なしか右腕が、痒くて痛い)

 

残り一人なのに、相手は余裕がある。凍らせる技に俺は逃げることしか出来ないのに気づかれているんだ。カイロみたいな温める物でも持ってこればよかった。相手が構えているのを横目に俺はそう悔やんだ。

「凍結拳!!」 ヒュゴオオオオオ!!!

「ここまでなのか…?」 とてつもない冷気を前に一人呟いた。

 

「そこまでだ!」 チュイン!!

シュタリと少女が凍結拳の前に立つ。そのまま気弾で凍結拳をかき消した。煙の中からここにいない筈のイコが現れた。

「イコ…!?どうしてここに!?」

「ダン、私は怒っている。途轍もないほどにだ」

ジッとダンを睨みながらイコは氷を砕いた。

 

 

「いいか?私がここにいるのはパソコンが開きっぱなしで、お前が放置していたからだ。どういうわけか雪が溶け、吹雪がツルマイツブリ山をぐるりと囲っていた。これは異常気象の様な物だ。そこで過去の情報からここにいたという科学者を知った。彼らの名はDr.ウィローとDr.コーチン。どちらかと会ってないか?」

思い返すと銃弾打った人がコーチンと名乗っていたのを思い出す。

 

科学者なら人の体を狙うのも少しは頷ける。カムメもサイヤについて少し気味が悪いくらいに質問してきた。

「誰と比べているのかわかるけど、カムメさんの方がマシだぞ。…これ以上そこの奴は我々を待つ気が無さそうだ。戦略、忘れてないな?」

「勿論!俺一人で無理でも俺たちのなら行けるもんね!」

やっぱりイコはすごい。この状況をイコとならひっくり返せる。うん、ワクワクしてきた!

 

先程より険しい顔でエビフリャーは此方を見る。どうやら俺たちが油断出来ないと認識したみたいだ。

「では、やるぞダン」 「りょうかい!」 ダッ!

ダンが走り出し、イコが後ろから気弾を連射する。この二段構えが二人の策だ。気を逸らし、隙をつくりそこを狙う。

凍結拳とやらを使おうとしたら二人で頬をぶん殴り中断させる。

 

「そろそろ止めを差しておこうか。ダン、時間を少し稼いでくれ」 シュッ

額に指を当てイコが技の準備をする。その間ダンがひたすらエビフリャーを殴り、足止めを合図が来るまで続けた。

「ダリャリャリャリャリャ!!!」 シュゴッドガッグギッ!

「お、のれェ!」 ガッ!

後ろに移動して殴り掛ろうとしても、それを見越して拳を逸らされた。 「ダン、そこを退け!」 

後は放つだけになったイコを見てダンはエビフリャーに会心の一撃を叩き込み離脱する。

 

「グゥォオオ…!」 ヨタヨタと腹を抱えているエビフリャーにイコが究極技を撃った。

「魔貫光殺砲!!!」 ズウォォオ“オ”オ“ン!!!!

「やったぁ!イコが勝った!…ところでそれどうやって覚えたの!?光線がこう、ずどーんって!ずどーん!かっこいいね!」

ニコニコ笑いダンは少女に駆け寄る。

「…ピッコロに教えてもらったんだ。彼奴教えるの上手だぞ」

 

傷だらけの弟を見ながらイコは生きていたことに安与した。

「では傷を治すからそこに座ってろ、アホ」

「アホはやめてよ。俺すっごい頑張ったんだから!」

ダンはしずしず大人しくイコの前に座り治癒を待つ。彼女が何処でこの魔術を知ったのか分からないが、とても便利だし深く考えるのはやめよう。

 

「よし、治ったぞ」 「ありがとうイコ」

もう少しこうしていたいが、この研究室の奥にいるやばいのを放っておけない。多分ウィローという博士がいるんだろう。科学者にしては強そうな感じがする。

「ね、この先に行ってみてもいい?」

「…何をする気だ」

帰りたそうなイコが心底嫌と顔に出す。けど後でもっと強い怪人でも作られたら、それがサイヤ人が来る日と重なったら最悪だと俺なりにイコにプレゼンすると渋々了承してくれた。

 

奥へ向かい、上の部屋を見つけた。いかにもいるぞ、という雰囲気にやっぱり映画みたいだなんて思い返した。入ってすぐにボウ…と大きな画面が写り俺たちの姿を流す。

「よくきたな。貴様はコーチンの言う通り我が肉体にふさわしい強さだ」 壁にある脳みそが喋った。どうやら彼がDr.ウィローらしい。

「一体どうなってんの?それで生きているの?」 強いインパクトに空いた口が塞がりにくい光景だ。

この科学者ヤバイ

それがすごくわかった。コーチンが言っていた言葉じゃ、俺の体乗っ取る気…脳みそ消される…!

 

「ぜ、絶対まけない!」 「私がダンを守る!」

イコもウィローがやろうとしていた事に気がついたらしい。声が荒くなっている。

「では一応聞いておこう。この天才である私に体を渡せ。貴様より有効活用してやるぞ」 「断る!俺はまだ知りたい事やりたい事いっっぱいあるからね!」

 

「そうか…ならば力付くで奪うまで!」 ゴゴゴ

ガラガラ壁が壊れ機械の体が現れた。それは双子の何倍も大きい姿だ。ウィローは手始めに邪魔であるイコを潰そうと剛腕を振り落とす。それなりに早い動きにダンは片割れを呼ぶ。 「イコ!!」 

「わかっている」 少しずつ彼女の体が振れていき、ガシャン!と音がした時にはそこから消えていた。何処だと探してみるとウィローの背後に現れていた。

「残像拳。どうやってみているか知らんが、実体をそこに置いていくこの技は見抜けないだろう?」

 

二人は確実に強くなっていた。故に自信を持って格上に挑むほど強気なのだ。奴の装甲は硬いが動きは素人そのもの。多少早くても倒せるとダンは考えている。しかしイコはその硬さと知恵を大いに警戒していた。大天才の名は数十年経っても残っている程、此方の持ち技全て見切られたらカウンター祭りが始まる。早期決着せねばと焦ったイコが技を放った。

「くらえ!!ダブルサンデー!」チュイン! 衝突しても煙ができただけで傷がなかった。

その事に気がついたダンが気を引き締めて己に喝を入れる。

 

「一々小賢しい…!」 苛立ったウィローが光線をばら撒きまくった。 キィィィイイイ“イ”イ“ン”!!!

不規則に放たれたそれが少女の肉体を貫く。

  「ぅがッ!」ジュッ!

「っ、くそ!」 これ以上イコに近づかせない為にウィローを殴る。こんなの屁でもないだろうが、こっちに注目させれた。 「オニさんコチラ!」 足に頭突きして転ばせる。

ズシン!と音が溢れ、そこから距離をとっていると光が後ろから貫いた。 「あ、れ…?」 じわじわくる痛みにビームを打たれた事に気がついた。

 

____________________

「くくく…儂を忘れておったな?」 ガチャガチャと機械をいじりボタンを押す。すると謎のチューブがダンに絡みついていった。 「よくやったぞコーチン!」

身動きが取れないダンにスポットライトが当たる。脳が溶かされる用意が出来上がっていた時に、ドゴォン!と破壊の波が響いた。 「世話が焼けるガキどもだ」

連絡ツール片手に大男が穴からやってきた。

 

少し前にイコはラディッツに連絡を入れていた。ボロボロの中、勝てる一手を呼び出す事に成功した。

「げほ…ダン、!」 内蔵がやられている有様に恐怖を思い出し必死に治癒する。何度も何度も何度も何度も何度も!

「そこら辺にしろ、イコ」 「…ラディッツ」

さっさとあれをやるんだろう?問いかける男にイコは立ち上がり、一歩 前に進んだ。

 

「攻撃は俺の方に合わせろ!」「言われずとも分かってる!!」 二人で気弾を打ちまくり、飛びながら回避する。逃げ遅れそうになった時は首を掴んで動かす。

その様子をダンはぼんやりと見ていた。怪我がほぼ治っても体が石みたいに動かない。カチカチと巡る記憶が対攻の一手を探そうとしている。体術は効かない、エネルギー波は表面を焦がすだけ…埒があかないと引き出しを全て出す。波となったそれの中に、この怪我とヒーローが敵を撃つ場面、俺らを抱きしめるじょせいが一斉に重なる。

 

目眩がしてもふるふると指をウィローに向け、ありったけのエネルギーを込める。ギュイギュイバチバチ焼けてもその腕を下ろさず溜め続けた。

「…ショ、ット」ドッ ギュィィィ”イ“イ”イ“イ”イ“!! ズガァン!!!  「なんだと…!?」 ガラガラ ズズン…

 

その一撃見事に液体カプセルを打ち抜きそのまま屋根を破壊した。ボトボトと流れる液体を止めようとする様にラディッツとイコがクロスしながら止めを刺す。

「「ダブル…!サンデー!!!」」 チッ ドォオオオン!!

「この…Drウィロー、が…やられるとは…!」 BOooooOM!!!

最後の言葉を残しウィローが大爆発した。それに共鳴する様にこの施設も次々と爆破していく。

 

「何もたもたしているんだ!さっさと帰るぞ!」

少年を抱え、穴に向かうラディッツがイコに叫ぶ。呼ばれた少女は一点を見つめた後返事を返した。

「…今向かう!」 そのまま三人は荒野へと向かって消えた。

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____________________

「まさか此方を覗き返そうとするなんて…予想以上に魔術の才能を持っていたのね」 「トワ、どうする?」

 

青い二人組が何処かからか現れた。どうやら先程の戦いを観ていたらしい。

 

「そうね…予想以上に強くなっていたから、ナッパを強化する案にするわ」

「彼奴らを始末するのはいつにするんだ?」

 

「少なくとも今じゃないわ。ミラ、今回の事件でこんなにもキリが溜まったのよ?まだ価値があるから利用するの。

精々私のために頑張ってちょうだい。ねぇダンとイコ」




取り敢えず双子の戦闘力を明らかにしたいので下に書く

ダン 戦闘力 390→5900→6500

イコ 戦闘力 318→5600→6000
おまけ
ラディッツ 戦闘力 1500→8200


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襲来サイヤ

久々に投稿!



ホウホウと梟の声が聞こえそうな夜の世界に男は寂れた街で腰掛けていた。

 

「さて、俺に何の様だ?カカロットの妨害の件か?」

「それに加えてやって欲しいことがあるの。ラディッツとその息子を処理して欲しいの」

 

歪んだ空間から人が現れる。この世界の住民と思えない風貌の女性と仮面をつけた男の二人だ。

 

「へぇ?あの坊主はあんたのお気に入りだと思ってたんだがなぁ」

「ターレスにやられる弱さじゃあ話にならないもの。あの子達はまずフリーザを倒せるくらい強くないとミラのサンドバックにもならないわ」

「放っておいても王子が始末すると思うが…いいぜ、あの時の餓鬼供がどれほどか俺も知りたいからな」

 

浅黒い肌の男は胡散臭くニヤリと笑うとマントを翻し目標の時空へ足を踏み入れた。

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____________________

__________

「ッあ!」

じとりと張り付く汗と共に飛び起きたイコは嫌になる今日にドクドクと恐怖していた。

ツルマイツブリで感じた一歩間違えれば全てが終わる。そんな予感に思わず自分を抱きしめた。サイヤ人がやってくる日、一度も来てほしく無かったこの日の為戦士達は鍛えていた。

 

ぺたりぺたりとキッチンに向かう。もう鍛える時間がない今自分にできるのはここにいる全員分の食事を作ること。昨日が恋しくて歩みを止める。

「大丈、夫…死なない為に、死なせない為に出来るだけの事はした。いざとなれば、私が代わりになればいい…その為に私が生きている」

 

______________________________

「強い気がこちらに近づいてきたな」

 

荒野の中、Z戦士達は武者震いしながら身構える。悍ましいと言える気配にラディッツは昔を思い出していた。虐げられていた情けない己と比べ強くなった。…その筈なのに、差が縮まった気がしない。

 

「ここにいたかラディッツ…お前程度でも滅ぼせる星なのに何故人間が残っている?」

「俺は、もう2度とお前らの命令を聞くつもりはねぇ!」

 

ドス黒い雷を纏って見えるベジータとナッパは見下しながら笑った。

 

「おい聞いたか?あの弱虫ラディッツが一丁前に吠えてやがる」

「弱虫?」

 

彼奴が?

ダンは戦闘の基礎をラディッツから学んでいた。そこでイコと共に挑まないとまともに組手にならない程度に強いと知っている。それを弱虫と呼ぶこいつらはそれ以上に強いということなのか…

 

ああ、なんだかワクワクしてきた。




アディオス!


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ときのほうもん

「歴史の改変か・・・しかし、よりにもよってあいつらの、まぁ、そんなこともあるか」

顔をしかめながらその女性は巻物を見つめる。黒いモヤをまとった其れはくわしい変化が描かれていない。前と同じ所が変えられると予想して間違いないが、いないはずの3人がここに写っている。

「どうして・・・いや、いきていたのか」

己は遭遇してはならない。新しい歴史改変になるだろうから

「だが、トランクスもだめだな。ん、そういえば新人がいたな・・・名前は確か、ワンド」


「その戦闘力・・・ラディッツにしては鍛えたじゃないか」

 

ガタイのいい男が上から見下す。数値には四千と表記されていた。ズレの影響か男・・・ナッパとベジータの戦闘力があがっている。これには纏っているものはかんけいないようね。

いつ頃栽培マン達をだすのかしら?

 

「で、カカロットの奴は何処だ?」 ごくりと誰かさんの喉が鳴るほど静の空間と変化した

 

彼は閻魔帳からこちらに移動しなきゃいけないからまだ時間がかかることを地球側の皆は焦ってる。カタツムリが移動するような足並みでピッコロがまだ修行場所から帰ってこないと伝えた。遅すぎない?

 

「お前が狙っている仙豆は孫の奴が持ってくる」

 

「ほう?では来るまでの間ゲームをしよう」

 

あら、これそろそろ出番?出番かしら?

 

「ナッパ、お前確か栽培マンのたねをもっていたよな?」

 

「こいつらと栽培マン・・・どっちが強いかのゲームをしよう」

 

「栽培マン・・・確か自爆機能があったような、」

「知っているのかダン!?」 「銀河パトロールには知人がいるからな、強さはここに来たばかりのラディッツとおなじぐらいだと思う」

 

あの二人がこの歴史の一番のズレだ。なんで先輩は会いたくないって、顔をゆがめたんだろう

 

 

「おいベジータ、サイヤ人のガキがいるぞ」「何・・・?カカロットにガキができたと聞いていたが、お前たちがそうなのか?」

 

違う!

 

「・・・わたしの母は、サイヤ人だ、だからちがう」「そんなことより、ゲームってやつをやろうぜ」

 

あの男の子元気でかわいいこだね~^^ さてここで栽培マンのみか、ジンコウマンもでてくるのか・・・

歪んでしまったせかいは歴史の改変が起きたこと認識できても詳しい時間はわからない。こうしてきづかれない程度に観察しなきゃいけないのは面倒なのね。

 

「、栽培マンは緑色じゃないのか!?」「あ?・・・ジンコウマンとキュウコンマンじゃねーか、混ざっていたのか」

 

あ、改変おきてる

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__________________

「へい!あたしもいれてちょーよ、っと!」

 

砕けた地の音と桃色の残像が現れた。ジンコウマンとやらを下にひいて。

 

「、!・・・!?」 「いいだろう、ただの小手調べだからな」

 

聞くや否やジンコウマンとキュウコンマンを散滅していく。この人物、この場にいる誰よりも強い!!お菓子のように伸びて縮む身体・・・なんの種族なんだ

 

「いったい誰なんだ?」「誰だっていいだろう!俺たちに味方してくれているからな、ッ!」

 

攻撃をいなしながら相手側を盗み見ると、すでに20体ほどの物体が下に転がっていた。

 

「後10体くらいやろうかな?ま、残りの6体はそっちで処理してネ」

 

「何様なんだあんたはッ!」「あら~ぷんぷんしないでほしんだけど、ダンちゃん」

 

えっ、なんでダンのなまえをしってんだ



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葉野菜はレタス派?キャベツ派?それとも、菜っ葉?

ぺぺぺーい


「なんか、驚かせちゃった?ごめんね☆彡」

 

「でもあたしは知ってるだけよ。それだけ」

 

「まぁ今気にしなくていいんじゃない、イコちゃん」

 

ほかに用事ができたといって彼女は去っていった。

 

「結局あの女が残りも倒していたな。お前、この程度で本当に俺たちにかなうと思っていたのか・・・?」 「う、うるさいぞナッパ!俺は戦闘力を開放すれば、今の二倍以上になるんだからな!?」

 

憐みの視線を一瞬でも感じたのかラディッツは戦闘力コントロールをもらした。もらしてしまった。その事に興味を持ったベジータが次はナッパに全員で挑んでみろと挑発したのだ。

現在のナッパの戦闘力は3万。これは黒い雷をまとった状態での戦闘力である。

 

「あのおじさん、めがあかいよ・・・!」 「泣き言をはくな御飯!お前の潜在能力はあいつより上だ!」

 

じりじりと緊張感がこみあげてくる。勝てるのか、死んでしまうんじゃないか、不安があれど師であるピッコロがともにいてくれる。御飯は意識を切り替えるために瞬きをした。その、数秒___

 

ぐわり        手が迫っていた

 

「最初の、相手は俺だ!」

 

腕を蹴り上げ、ダンは手を動かす。ナッパの背後に回ったイコが構える。

 

「くらえ!ダブルサンデー!」 「Sショット!!」

 

挟み撃ちしながら相手に迫る。この程度でやられてくれる程優しい野郎(サイヤ人)じゃない。煙幕を割いてダンの拳をつかんだ。

「!」 「単調で捕まえやすいなァ・・・この程度か?」

まずい、と判断しても次の攻撃は防げない。ならば二回目の前に、顔を狙うッ!!脳に送られるコンマには振りかぶるナッパの目を焼き付けている。そこを殴りぬける!

 

 

「ぅがァ!こ、こいつ!目を、目に爪をさしてきやがった!!!」 

右目を抑えるナッパは怒りの表情を露わにした。

「今のうちにたおしておかなくては!!」 イコがにらみ叫ぶ

「囮は俺たちがやる。お前らは隙を伺い必殺の一撃を打て」   覚悟を決めたラディッツが言を残し戦闘に混ざる。

 

最烈を極めた場に幾多の瞳が向かう。娯楽を、見極めをしている瞳。恐れ、隙を狙う瞳。ピッコロとクリリンは冷静に必殺技の用意を始める。戦力差が平等にみえていたが、次第に三人がナッパに圧倒されていく。ついにはイコの流れが崩れた。

「おごふっ!!」 横を殴られ惨めに土ぼこりを巻き起こしながら転がっていく。だが、ただでやられやしないのが彼女の心だ。 「巻きつけて、おいたぞ・・・気弾の爆弾を!」

 

ドグウォオ”オオ”オォオ”ン!!!

 

「煙を作るだけのものに何ができるんだァ!!」 怒りのまま叫ぶナッパの背後に回転する気弾があった。



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