パチンカスが幻想入りしました (ノヴゴロト)
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パチンカスの幻想入り

魔理沙がパチンコで台パンして霊夢とかが虎視眈々と天井狙いのハイエナしてると思うと面白そうだから書いてみた。後悔はしていない


「…………ついにこの店も無くなるのか」

 

そこには一人の男がポツンと立っていた。過去の遺物であるこの大型パチンコ店にはもう殆ど客がいない。周りには広大な駐車場に数台車が止まっているくらいだろうか…………

 

遂に明日から法律によってパチンコは廃止されるのだから仕方ない。むしろこの日まで営業してくれた店に感謝するべきだろう

 

「一体俺はこれから何を楽しみに生きていけばいいんだ…………」

 

生憎俺にはもうパチンコ以外に趣味はない。今日も渋い釘で打って渋沢三枚失った俺は車を走らせ、そのまま消えてなくなりたいと思いながらエンジンを吹かせた

 

そして気付いたら有名な富士の山の麓にいた

 

(ここが俺の墓場になるのかな…………)

 

朦朧とした頭で感じながら前に進む。俺には子供もいなければ妻もいない。正確には過去形なのだがもう関係ない話だ

 

暫く歩いていると辺りは完全に木々で覆われ空も暗くなっていた。もうそんなに時間が経ったのかと思い腕時計を見る。だがまだ時間はお昼時だ

 

さすがにかの富士の樹海とはいえこれはおかしすぎる。まるでまやかしの景色を見ているように感じる

 

更に恐る恐る歩くと目の前に小さな女の子がいた。ちょっと服装は古臭く感じるが、黒いワンピースに赤いリボンを付けた物を身に纏い金髪の姿は人形にも見える

 

「お兄さんは食べてもいい人間?」

 

突然物騒なことを言ってきた。このへんの住民は共食いの文化があるのだろうか…………

 

「残念だけどおじさんは食べれないかな………」

 

もしかしたらこの子はもう飢餓寸前なのだろうかと思い、僅かなのだがパチ屋で貰った小さいお菓子をバッグから取り出した

 

「変わりにちょっとしかないけどこれを食べるといい。甘くて美味しいよ」

 

実際数時間打った後のこのチョコレートは妙に美味しい。

 

「いいのかー?」

 

「いいよ。甘い物、好きでしょ?」

 

そういった後の少女の行動は速かった。一瞬でプラスチックの容器を引っ剥がして中のチョコレートを口に入れた

 

「美味しいのだーー!!」

 

「それは良かった。ところで君はどこから来たんだい?」

 

少女の気が変わった所で本題に入る。もうここが何処かわからない中で歩きたくない

 

「あっちから来たのだ!」

 

少女が指を指すのは更に奥の木々の中だ

 

「一緒に行くのだー」

 

「ちょちょ、服を引っ張らないで!?」

 

とはいえようやく近くの町にたどり着くと思うと安心する。そう考えながら空を見るとさっきまで真夜中のような空はいつの間にか赤く染まっていた…………




失踪しない程度には頑張る予定です。

東方もパチンコ化しないかな(´ー`)


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過去の遺物

森の中、金髪の少女に引っ張られながら連れてかれてから5分くらいだろうか……………すぐにも迷いそうになる道を歩いた獣道の先には人が舗装したであろう道が見えてきた。大体軽自動車が1.5台走れるような道だ

 

そしてあたり一面まだ青い稲がある田んぼ…………少し離れた所に集落らしきものが少し見えるがそれ以外は姿一つもない

 

「こっちなのだー」

 

よそ者が入っても大丈夫なのかと思いながら村に入るとなんというか…………ここは現代日本なのかと疑ってしまった。人々は当たり前のように着物を身に纏っており江戸時代にタイムスリップしたかと疑う程だ

 

そう考えていると少女から話しかけられた

 

「おにーさんって外来人でしょ?」

 

「外来人……?」

 

「やっぱりかー、なら博麗神社に行くしかないなー」

 

そのまま引き続き少女に連れて行かれた。その間にもこの村の住民にジロジロ見られる

 

こちら側からしたら着物は物珍しいのだが向こうからしたら俺が珍しい服を着ているのだろうか?

 

…………というより閉鎖的な村によそ者が来たから珍しがっているのか

 

だが村人たちの目を見ると興味本位でみているような感じではなく…………何か憐れまれているような気がしなくもない。一体何なのだろうか?

 

とはいえ流石に黒地にパスタがプリントされたフーディーは目立つのか、と考えながら歩いているといつの間にか村から少し離れた場所まで来ていた

 

「………もしかしてこれを登るの?」

 

「そうなのだー」

 

目の前には山頂まで行きそうな長い階段があった。雨が降ったらツルッと滑りそうな石でできたものだ

 

「先で待ってるのだー」

 

少女はそう言い残しふわふわと宙に浮きそのまま上へ行ってしまった……

 

「マジであの子は何者なんだ………少女の皮を被ったバケモノだって今なら信じれる気がするな」

 

このまま立ち尽くしてもしょうがないので登ることにした。これでも体力ならそこそこある方だ

 

大学時代パチプロをしていたときは朝早くから抽選のために並んで閉店までずっとパチ屋に籠もっていたのだからこれくらい精神的にはそこまで屁ではない

 

まあ体力についてはもう最盛期を超えてるのでお察しだが

 

「とはいえまさか登山するとは思わなかったよ………なんで俺パチ屋の帰りにこんなことやってるんだろ」

 

少し悪態をつきながらも10分くらい登り続けてようやく長い階段が終わった。その先には神社の鳥居があり、その下にさっき俺を置いていった少女が待っていた

 

「あ、霊夢ーきたのだー」

 

金髪の少女の隣に霊夢と呼ばれた赤保留のような色の巫女の服を着た少女がいた

 

(赤か……………そこそこな期待値かな)

 

「アンタ変なことを考えていないでしょうねぇ?」

 

神社の巫女が来たようなのでどんな感じなのかと思っていたが思春期の少女みたいな子だった

 

「いえいえ、別にやましい事なんて考えてないですよ。そこそこ期待値高いなと思っただけです」

 

「中々失礼なことを言うわね………」

 

霊夢ははため息をつく

 

「まあいいわ。とりあえずうちに来なさい」

 

 

 

 

 

俺はそのまま巫女に連れて行かれて神社内の一部屋に入った。そこはいわゆる神社の事務所みたいなところなのだろうか………もう春が終わる頃なのにまだこたつが出ているのが気になるところだが

 

「そこに座りなさい」

 

巫女に指すこたつの隣りにある座布団に座る。そして彼女もその反対側に座って話し始めた

 

「早速本題に入るのだけど、ここは外の世界から隔離されている場所よ。どうやってここにやってきたのかしら?」

 

巫女が言ってきたのは理解し難いことだった

 

「は? 外の世界?? 本州にそんな独立国家なんてあったのか?」

 

「そこからなのね………ここは幻想郷、外の世界で忘れ去られた者がたどり着く場所よ」

 

先ほどとはまったく違う真剣な目でこちらを見てくる

 

「あんたは単にたまたま迷いついた人っぽいから一応また外の世界に帰ることができる選択肢があるわ。その年齢ならもう妻子もいるんじゃないの?」

 

俺はそれを聞いて暫く考え込む。正直どっちでもいいような気がし始めてきたが、まだ外に未練はある。パチ屋が無くなったとはいえ最悪闇スロの選択肢もある

 

(いや待てよ…………? 忘れ去られたのがたどり着くのならパチンコ台もここにあるんじゃ…………)

 

「なあ巫女さんよ、ここは忘れ去られたのがたどり着くところのようだが、物も辿り着くことってあるのか?」

 

「え、ええ。たまに見かけるわよ。どんなものかはわからないけどね」

 

それを聞いた後の行動は速かった。直ぐに巫女の隣に回り込み土下座する

 

「頼みます巫女さん! 3日だけ選択の猶予を下さい!!」

 

俺はここなら合法的にパチンコができるかもしれないという起死回生をかけることにした




パチンコも好きだけど10年後くらいにできるカジノも行ってみたい………


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