涼月の夜 (sudachi0402)
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生きてまた。

一話目を書きました〜
処女作なので改善点などはいっぱいあると思います。
感想などで教えてくださると次回以降改善できるかな?と思います!


 

………

「す…つ…!」

「しっか……ろ!し……な!」 

 

なんの記憶だろうか。 

 

ふと気がつけば私は海の上に立っていた 

いくら辺りを見渡しても、島一つ見えなかった。

下を向けば静かに揺れる波に自分の姿であろうものが写っていた

しかしそれは人ではなかった…

 

白い肌に、生き物のような艤装をつけた人間のような身体…

人のようで人ならざる化け物のような姿だった 

 

だが私はその姿を持つものを知ってた。

 

「深海棲艦…」

 

そう呟いた私の言葉は誰にも返されることなく消えていった…

 

(私は何故こんなところに?私は誰なの?何故深海棲艦に…?)

 

数々の疑問が彼女の頭をよぎる

しかし、彼女の頭はまるで靄がかかったように自分のことを思い出すことはなかった

耐えきれそうにないほどの悲しみや寂しさがこみ上げてきたことを除いて…

 

(アア…マタアイタイ、カエリタイ)

 

「ぐ…」

 

なにかに意識を引きずり込まれそうになり、思わず声が出てしまった。

 

(何でしょう…今のは…?力強い…思い?)

 

しかしその後はしばらく何も起こらなかった為、彼女は気を抜くことはしなかったが少し安心して、これからどうしようかと考え始めた。

 

「まずここは…何処なんでしょうか?」

 

考えたことを口にしながら、ここに留まっても仕方がないと思い彼女は移動を始めたが、

 

そう遠くまで移動をしてないうちに、遠くから爆撃音が響いた。

 

「あそこに…誰かいるの?」

 

立て続けに爆撃音が響く方へと私は艦首を向けた。

 

 

〜艦娘側〜

 

赤城「く…!中破してしまいました…!航空機離着艦不可です…!」中破

 

加賀「こちらも艦載機がそろそろ尽きそうです…くっ…!なんでこんな所にヲ級flagshipが居るのよ!」小破

 

摩耶「クソッ!艦載機が多すぎて落しきれねぇ!」

 

陽炎「きゃあ!」

 

不知火「陽炎姉さん!大丈夫ですか!?」

 

陽炎「このくらいへっちゃらよ!でも…ちょっと不味いわね…」中破

 

金剛「かなり不味いデース…Hey 加賀?あと艦載機は何機デスカ?」小破

 

加賀「今上がってる子達で最後です…」

 

金剛「oh…本格的に不味いデース…」

 

不知火「ッ!?敵艦載機!第二波来ます!」

 

摩耶「な!?まだ艦載機が残ってたのか!?」

 

赤城「私達これで終わるのかしら…」

 

加賀「赤城さん!旗艦のあなたが諦めては駄目!」

 

不知火「!?加賀さんッ!直上!」

 

加賀「な!?」

 

その時間は一瞬が永遠に感じられた。

加賀目掛けて爆弾が一直線に落ちてくる…

その爆弾が空中で突如「爆散」した。

 

〜〜〜〜

 

艦娘と深海棲艦が戦っていた。

深海棲艦の方がかなり優勢なようだ。

 

(どうしましょう…)

 

しかし、艦娘の一人に爆弾が命中しそうになったとき、

靄がかかった記憶の中の何かと重なり彼女の体は動いていた。

 

彼女は艤装の動かし方を詳しく知ってた訳ではなかった

 

しかし、自然と思うままに私の放った砲弾は敵の落ちてくる爆弾を正確に捉えた。

 

当たった!

 

だがそのせいで敵の目標は彼女に変わったようだ。

同じ深海棲艦である彼女に対してなんの躊躇もなく攻撃を仕掛けて来た。

 

私も敵に向かって砲弾を放った。

また当たった。どうやらこの艤装の命中率はかなり高いようだ。

そして、威力も…

敵ヲ級の随伴艦は軒並み沈んでいった。

流石に敵わないとわかったのか、ヲ級は海の中へと撤退していった。

特に追う理由もなかったので艦娘たちの方を見ると、彼女たちは私に対して砲を向け、こう言い放った。

 

「来るな化け物!」

 




どでしたか?
自分ではあまり満足の言っていない出来となってしまって少しもどかかったりしてます(笑)


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悲しみの中で

2話目です。
早いけどリアル都合上ペース落ちるかもです(笑)
良ければ感想でアドバイスください!

彼女の記憶などは徐々に明らかにしていこうと思いますが、現段階ではこの世界の一般的な知識と、深海棲艦については普通に知っています。
ただ、自分のことは全く思い出せていません。


 

 

彼女たちの目は冷たかった。

 

本当はこうなることは私にもわかっていたのかもしれない。

 

姉妹艦や仲間を守るように前に出て砲塔をこちらへ向けてくる不知火の顔は怯えた顔をしていた。  

 

私を見て、だ。

 

深く傷ついた心が顔に出そうになったので、思わずうつむいしまった。

そして、ゆっくりと後ろを振り返り彼女たち私は離れた。

 

 

〜艦娘側〜

赤城「今のは…何だったのでしょう…」

 

加賀「分からないわ…でも、今は急いでこの海域を離れて帰投しましょう。」

 

赤城「そうですね…」

 

そういった赤城の顔は曇っていた。

 

(あの深海棲艦、何処かで見た気が…)

 

 

〜〜〜〜

 

彼女たちから十分に離れると、涙がこみ上げてきた。

私は一体何故深海棲艦になっているのか。

 

なぜ責められなければいけないのか。

 

数々の思いがこみ上げてきた。

気がついてからそこまで時間は経っていないが、既に彼女の心は限界に近かった。

 

「誰か、私を助けて…」

 

私は塞ぎ込んでしまった。

海の上で、

ただ一人。

 

ぽつんと座っている私は虚しかった。

 

今までの思いが溢れ、彼女は泣いた。

すべてを吐き出すように泣いた。

 

どのくらい経ったのだろうか

いつの間にか、陽は傾いていた

疲れてしまった彼女は海の上で、丸くなって眠ってしまった。

 

陽の光がいつからか指にはめられていた指輪に反射してキラリと光った。

 

 

〜〜〜〜

 

 

私は夢を見た。

 

たしか目覚める前もこの夢を見ていたような気がする。

 

顔は見えないが、私は誰かと一緒に笑っていた。

月の綺麗な夜だった。

 

その人は私の指に指輪を優しくはめてくれた。

 

「愛しているよ…す…つ…」

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

誰かに揺らされて私は目が覚めた。

私の目はまた濡れていた。

泣き腫らしたせいで顔が酷いことになっていのが鏡を見なくてもわかった。

 

「ヒッ」

 

と、可愛らしい声が聴こえた

 

後ろを振り返ると、そこには怯えた電とその他第六駆逐隊のメンバーが響の後ろに隠れるように立っていた。

 

電「お、起きたのです…!」

 

暁「だから言ったじゃないの!生きてるって!」

 

雷「暁だって、心配そうでそわそわしてた癖に…」

 

響「まぁ今更逃げようとしても手遅れなんだけどね。」

 

電「でも!妖精さんたちは安全って言ってたのです!」

 

目の前で小学生くらいの子たちが言い争っていた。

彼女たちが背負っている艤装を見なければ艦娘とは誰もわからないだろう。

 

艦娘であるこの少女たちは敵であるはずの深海棲艦の私に何のようなのだろうか。

 

どう声をかけていいかわからずおどおどしていると、

 

電が声をかけてきた。

 

 

「あの…大丈夫なのです?とても悲しそうな背中をしていたのです…あと、こんなところで寝ていたら風邪を引くかもなのです…!」  

 

私は驚いて目を見張った。

 

 

 




どうでしたか!?
ちょっとは成長した気がします!(笑)
これからこの第六駆逐隊は重要なポジションを担ってもらいたいと思っています!

気合が入っているので書いてる自分も楽しいです♪


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追憶

テンポ早めな気もしますが3話目です!
グダらないようがんばります(笑)


 

 

 

「え?」

 

思わず私は間抜けな声を出してしまった。

 

電「あの…大丈夫なのです?」

 

首を傾げながらもう一度聞いてくれる電

やはり聞き間違いではないようだ。

私の頭の中にはたくさんの疑問が湧いた

 

「私が…怖くないの?」

 

恐る恐る聞いてみる。

 

電「それは…正直怖いのです…でも!悲しんでる人を放っておけないのです!」

 

もう出ないと思っていた涙がまた湧いてきた。

 

電「はわわわわ!ごめんなさいなのです…!」

 

オロオロとする電

 

そっと私の頭に誰かの手が置かれた。

見上げると響が優しく笑いながら、頭を撫でてくれていた。

 

響「よしよし」

 

暁「ひ…響!?そんなに近づいたら危ないわよ!?」

 

響「大丈夫さ。何もしてこないはずだよ?」

 

雷「はずってあんたねぇ…」

 

と言いながらも雷も私の頭を撫でてくれた。

 

その感覚が記憶の何かと重なる。

 

「す…き…いつも…おつか…さ…」

 

また泣いてしまった…

まさかこんな小さな子たちの前で泣いてしまうとは…

私は恥ずかしくて仕方がなかった。

 

落ち着くと響が真剣な顔で聞いてきた。

 

響「それで?君はいったい何者で、どうしてここに居るんだい?」

 

「私は……」

 

言葉に詰まる。

 

「私は自分が何者なのかわからないです…そして何故ここに居るのかも…」

 

私にはこれを言うのが精一杯だった。

 

暁「え?それってどういうこと?貴方は深海棲艦じゃないの?」

 

私「見た目はそうですけど…分からないです…ごめんなさい…」

 

暁「あ、謝らなくてもいいのよ!全然大丈夫だから!」

 

 

響「最後に一ついいかい?一番大事なことさ。……君は敵じゃないんだね?」

 

肯定の意味で無言で頷く。

 

響「ならokさ。それで?これからどうするつもりだったんだい?」

 

私は全くこれからのことを考えてなかったので無言で俯く…

 

響「まぁいいさ。暁、雷、電、今日のところはそろそろ提督も心配するし帰投しよう。」

 

提督という言葉を聞いて頭がズキッと痛む

 

暁「このまま放って帰るの!?」

 

響「仕方ないさ」

 

電「あの!一緒に…鎮守府に連れて行くのは無理なのです?」

 

雷「流石に無理よ。敵意がないからとはいっても深海棲艦よ?提督が良くても大本営が実験体にでもしちゃうわ。」

 

また頭がズキッと痛む。

そして心が締め付けられる思いに駆られた。

 

これは…どういう気持ちなのでしょうか…

 

暁「…ぇ!ねぇ!聞いてる?」

 

すぐ我に返って首を横に振ると

 

暁「仕方がないわね!もう一度言ってあげるわ!明日、ご飯を持ってここに来るから!待っててね!」

 

暁の気迫に押されて反射的に頷いた。

 

どや!と効果音の付きそうな顔をして、暁は得意そうに帰っていった。

 

雷「ばいばい!また明日ね!」

 

電「また明日なのです!」

 

響「またね。」

 

みんなが帰っていったあと、私は考え出した。

提督…

 

「提督…」

 

靄が少し晴れてきた気がした。

彼女たちと関わることで記憶が元に戻るかもしれない。

微かな期待を持ち私はまた物思いに耽っていった。

 

 

〜〜〜〜

暁「あの深海棲艦、誰かに似ていなかった?」

 

響「見たことあるような感じだったね。」

 

電「横須賀鎮守府に居る、秋月型の皆さんに似ていたのです!」

 

雷「ちょっとあの人達に失礼だけど確かに似ていたわね。」

 

響「でも確か、秋月型の一人が他鎮守府所属で轟沈したって話を聞いたことがある…」

 

暁「ま、まさかね…?」




ストーリーをつなげるの難しかったです(笑)
次から少しづつ記憶が明るみになるかも?


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温もり

4話です!
次イベっていつでしたっけ?
タイムリーなネタも入れてみたいです(笑)


 

 

 

 

 

電たちが帰ってから幾日か過ぎた。

 

彼女たちは任務とかは大丈夫なのでしょうか…

 

今日もここに来てお喋りしていますが…。

 

 

 

そういえばこの深海棲艦の身体は不思議だ。

 

疲労は感じるがお腹は空かないし、この前使った弾薬と回復しているようで…

 

深海棲艦については知られていないことが多いみたいだけどこれは…どうなっているのか本当に不思議だ…

 

 

もう一つ不可解なのはこの指輪。

 

暁ちゃんが言っていましたが、深い意味があるらしい。 

 

触ってみると胸が閉まる思いがする。

 

一体どうなっているんだろうか…

 

 

平和だ…

 

深海棲艦と人間が戦争をしているだなんて考えられないくらいに。

 

 

この幸せが続けばいいのに。

 

 

そう思っているとだんだんと意識が遠のいていった。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

 

………また夢…

 

だが以前よりはっきりと色々のことが分かる。

 

 

「涼月」

 

 

後ろから誰かに呼ばれた。

 

 

涼月?誰のことだろうか。

 

 

「お〜い?涼月?」

 

 

私のことだろうかと思い振り返るとそこには優しそうな笑みを浮かべた男が立っていた。

 

 

「写真のとおりだね。俺が今日から君の提督になる秋雨だよ。お互い新米同士よろしくね。」

 

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

はっと目を覚ました。

また泣いていた。

 

 

 

 

忘れてはいけない、忘れたくなかったたくさんの記憶が頭を巡る。

 

 

 

 

電が心配そうに私を覗き込んでいる。

 

 

「秋…雨…ていと…く…?」

 

 

第六駆逐隊の子たちが驚きに目をみはる。

 

 

響「な、なんで君がその名前を!?」

 

 

「私…の名…前…涼…月?」

 

 

雷「いま…なんて言った…?涼月って言ったのかしら?」

 

 

ゆっくりと頷く。

 

 

暁「と、取り敢えず提督に報告をしなくちゃ」

 

 

 

暁たちがばたばたしていると、電が突然大声を上げた。

 

 

 

電「はわわ!大変なのです!」

 

 

 

皆が電の方を向くと何かを見た電が目を見張ったまま氷ついていた。

 

 

 

電の視線の先に目を向けると、そこには深海棲艦の姫級を含む艦隊がこちらへと向かってきていた。

 

 

 

暁「はひっ!に!逃げないとッ!」

 

 

 

私達は必死に逃げた。

 

だが空母もいる相手に逃げ切れるわけがなかった。

 

 

 

必死に空へ向って砲弾を放ったが次から次へと艦載機は向かってきた。

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

たった数分。数分の出来事だった。

 

周りには血塗れの艤装や深海棲艦の死骸が散乱していた。

 

そして、私の前には【たった一人残った】瀕死の電と電に砲を向ける戦艦棲姫の姿があった。

 

砲弾が発射される瞬間

 

私は何も考えずに前に飛び出し電を庇おうとい戦艦棲姫の砲撃を喰らった。

 

 

戦艦棲姫は少し驚いたような顔をした。 

 

だが動けなくなった私を蹴飛ばし

 

 

 

電に冷静に照準をつけ直し再び放った。 

 

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

 

戦艦棲姫「ナゼ、ソイツヲカバッタノダ」

 

 

 

 

 

 

戦艦棲姫「防空埋護姫ヨ…」

 

 

 

 

 

 ほんの数分前まで一緒に話していた相手が死ぬ。

 

私が庇いきれずに彼女たちはいともたやすく蹂躙されていた。

 

最後は泣きながら私に手を伸ばした。

 

私は…その手を掴めなかった。守れなかった。

 

たった数日という短い間だが、私にとってはかけがえのない、目を覚ましてから初めての友人だったのである。

 

 

 

大切な人を【また】守れなかった。

 

 

 

それでも。

 

 

 

それでも、私は…

 

 

 

…………?

 

 

 

艦娘と言ってもいいのだろうか…

 

 

溢れ出る悔しい思い。

 

 

心が張り裂けそうだった。

 

 守りたい人も、守るべき人も守れず、深海棲艦の姿をした記憶を持っただけの私が、艦娘と言ってもいいのだろうか。

 

 

記憶の中の誰かの優しい声が耳に聞こえた。

 

 

「涼月のなりたいように、やりたいようにやりなさい。自分を蔑めては駄目だよ。君の、正しいと思った道を選びなさい。」

 

 

心に再び火が灯ったような気がした。

 

 

「私は…私は、深海棲艦、それに防空埋護姫なんかじゃありません!」

 

 

【秋月型防空駆逐艦3番艦の涼月です!】

 

 

 

 

 

夜が来た。

 

 

夜は駆逐艦の舞台だ。

 

 

「私は…死ぬわけには行きません。私のせいで死んだ仲間たち。守れなかったたくさんの命。あの子達の分まで生きなければならない!

 

 

それに、もう何も失うわけには行きません!皆さんを守りたい!

そして…あの人の元へ生きて帰るんです!

 

 

涼月…参ります!」

 

 

 

 




はぁ…書いてる自分も辛い展開に…


次回作は前半微戦闘シーンその後過去回想編になります。
とか言って今回前回行ったことフル無視で書いてしまったんですがね(笑)


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涼月①

5話です!
そろそろ記憶編入りたかった…
それはそうとそろそろ母港が圧迫されてきたので困ってます(笑)
またお金をかけるべきか否か…


 

 

 

夜が明けた。

 

 

 

辺りには深海棲艦の残骸が浮いていた。

 

 

 

私の目の前には膝を付き今にも沈みそうな戦艦棲姫がいた。

 

 

 

私は無言で砲向けた。 

 

だが撃つまでもなく彼女はだんだんと沈みかけていた。

 

 

 

戦艦棲姫「キサマ…キサマハイッタイナニモノダ?」

 

  

 

私「先程も申しましたが、私は涼月…艦娘です。」

 

 

 

戦艦棲姫「フフ…キサマハタシカニシンカイセイカントハチガウヨウダナ…ワタシノマケダ。ハハ…ココマデカ…」

 

 

 

そう言うと彼女は沈んでいった。 

 

 

 

 

 

彼女の周りにはもう誰も居なかった。

 

 

 

ふと海面で何かが浮いているのが目についた。

 

拾ってみるとⅢと書いてある帽子と胸章だった。

 

 

 

私はそれを抱きかかえるように持ち上げると、その場で黙祷をしてからその海域をあとにした。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

 

 

執務室の窓から夜の月を見上げながら俺はこれからについて頭を悩ませていた。

 

 

 

「こんな時にお前がいてくれたらなぁ…涼月…」

 

 

 

霧島「提督、やっぱり此処でしたか…中将が次の合同作戦についてでお呼びですよ。」

 

 

 

「わかった、すぐに行くよ。」

 

 

 

俺は中将が待っているであろう会議室へ向かおうとした。

 

 

 

霧島「それと、私達のことは心配なさらないでください。今度は絶対に油断しません。」

 

 

 

「あぁ…頼んだぞ。」

 

 

 

会議室へ向かいながら今思えばあのことを知っている人は随分と減ったものだ…と一人考えているといつの間にか会議室へと着いていた。

 

 

 

コンコン

 

 

 

「失礼します。お呼びでしょうか?」

 

 

 

中将「おお、よく来てくれた。ああ、今回の他鎮守府との合同作戦についてだ。」

 

 

 

「敵艦隊の情報が分かったんですね。」

 

 

 

中将「そうだ。敵は姫級3体を含む連合艦隊を展開し進撃中だ。」

 

 

 

「進撃というと…既に我軍にも被害が?」

 

 

 

中将「あぁ…情報伝達が遅れており遠征中で連絡の間に合わなかった何隻かが既に轟沈している。」

 

 

 

中将「そこで、今回は横須賀、舞鶴、を始めとした連合艦隊を編成し一気に叩く。」

 

 

 

「な…それでは守りが手薄になるのでは?」

 

 

 

中将「だがこのままのルートでは国民にまで被害が及びかねない。だからここで潰す必要があるのだ。」

 

 

 

中将「この作戦は少なからず被害が出るだろう。だが、国のために…頼んだぞ。」

 

 

 

…………

 

 

 

 

 

はぁ…つかれた…

 

 

 

俺は私室に戻ってくると着替えずにベットに横になった。

 

 

 

国のため…かぁ…

 

 

 

俺は艦娘の皆にも幸せになってほしかったんだがな…

 

 

 

何よりもう誰も沈ませたくなかった…

 

 

 

気がつくと朝になっていた。

 

 

 

随分と懐かしい夢を見た。

 

 

 

俺にとって忘れることのできない思い出を。

 

 

 

ふと窓の外を見た。

 

 

 

太陽の光が程よく降り注ぎ桜の舞う綺麗な景色だ。

 

 

 

そこは俺にとって大切な場所だった。

 

 

 

「あいつと初めての会ったのももう5年前か…確かあの日もこんな風な感じだったな…」

 

 




すいません…記憶編入れませんでした!(土下座)
次回から確実に入ります!

やっと!書きたかったところに入れる!

明日できれば更新します!


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涼月②RE

記憶編2です!
結構シリアスな展開が多くなるかもですが個人的にはほのぼのも書きたい…

ちょっとストーリーの都合上色々変えました〜。
すいません…




 

 

 

桜の舞う鎮守府への道

 

私は華やかに咲く桜の木を見上げていた。

 

「君が涼月かな?」

 

ゆっくりと振り返る。

そこには優しそうな笑みを浮かべた男が立っていた。

 

私は無言で頷いた。

 

提督「私は秋雨、今日から君の提督だよ。俺は学校を出たばかりの新米だけどよろしくね。」

 

しかし、そういって出された手を私は取ることができなかった。

 

「どうせあなたも…」

 

履歴を見たのだろう。

そう呟いた私の言葉に提督は悲しそうな顔をしていた。

 

私は1ヶ月程前まで別の鎮守府に所属していた。

しかしそこでの対応はとても酷くみんな心に傷を負ってしまっていた。 

当時の提督の汚職が発覚し憲兵に連行されたが所属していた大多数の艦娘は自ら解体を申しでて、解体されていった。

彼女らの申し出た時の大本営の職員たちの顔は今でも忘れられない。

 

私も解体を申し出たが【貴重な】駆逐艦だから駄目だと受理されなかった。

私はそこから人間のこと信じれなくなった。

 

そんな中初期艦としてこの新設された鎮守府へと配属になったのだ。

 

舞いゆく桜とは場違いの空気が漂った。

 

暫くの沈黙が続いた末に沈黙を破ったのは提督だった。

 

提督「君を…無下に扱うつもりは俺にはないよ…」

 

その言葉は私の怒りの琴線に触れた。

 

「そんなことを言ってまた私達を酷い目に合わせるんでしょう!?」

 

そう言った私の言葉を受け止めた提督は真っ直ぐな瞳でこう言った。

 

提督「絶対に。絶対に俺はそんなことをしない。」

 

「そんなの…!信じられないです!」

 

提督「約束しよう。君を酷い目になんか合わせない。何があっても君を守る。そして…君を助けてやる。」

 

何かが心を照らしたような気がした。

私の目から涙がこぼれ落ちた…

 

「信じて…信じてもいいんですね…?貴方のことを…?」

 

提督「あぁ。よく頑張ったな。」

 

そういって泣き続ける私の事を提督は優しく抱きしめてくれた。

 

…………

 

提督が着任し、新鎮守府が稼働し始めてから約2ヶ月が経とうとしていた。

 

海域攻略は順調に進んでおり、鎮守府の規模も随分と大きくなってきた。

 

しかし、私はトラウマがまだ消えておらず、出撃に関してはまだ克服できていなかった。

新しい提督のことは信じていた。

 

絶対に大丈夫とも知っていた。

 

だか、いざ海に出てみると、私の目の前で沈んでいった仲間や姉妹達のことが頭に浮かび私は震えて出撃ができなかった。

私の仕事は秘書艦として提督の執務の手伝いをすることしかできなかった。

 

しかしそんな私にも鎮守府の仲間は温かかった。

みんな私に明るく話しかけてくれて、みんなと居ると私の心は温かかった。

 

特に提督は優しく、私に気を使ってくれたり、話し相手になってくれた。  

 

だが前の鎮守府の影響もあり、それは嬉しくもあったが、少し私は居心地の悪さを感じていた。

 

その夜、私は鎮守府近くの砂浜で月を見上げながら考え事をしていた。 

 

そこへ提督がふらりと現れた。

 

提督「少し、歩かないか?」

 

私は少し驚いたがすぐに提督の歩調に合わせて歩き始めた。

 

提督「やっぱりまだ馴染めないか?」

 

「馴染めないというよりは…提督…私は本当にここに居て良いんでしょうか…私だけ幸せになって良いんでしょうか…?」

 

提督「なんだ、そんなことで悩んでいたのか。」

 

なんだそんなことで、と言われたのは少々憤りを感じたので私は少しムスっとした。

 

提督「簡単なことだよ。死んでいった仲間や幸せになれなかった仲間の為に君は全力で生きる、そして幸せになるんだよ。」

 

「ですが…それでも私だけ幸せになるというのはやはり…」

 

提督「じゃあ聞くけど、君の不幸を願っているやつはいるのかい?」

 

その言葉に私ははっとした。

私は大切なことを忘れていた気がした。

みんな沈む時や分かれる前は苦しいし辛かっただろうに、私に笑顔を向けて生きてと言ってくれていた。

ならば皆のためにも頑張って生きる。

それが弔いだ。

 

「提督…有難うございました。私は大切なことを忘れていました。しかし、いまので迷いがふっきれました」

 

私の心は夜の闇とは真逆で明るくなったいた。

 

提督「あぁ…やっと笑ってくれたね」

 

苦笑紛れにそういう提督の言葉に始めて自分が心からの笑みを浮かべていた事に気がついた。

 

提督「綺麗な笑顔だね。やっぱり君には笑顔が似合うよ」

 

その言葉に私の顔に血が登っていくのを鏡を見なくても分かった。

 

 

 

 




リメイクしました。
結末にかなり近づいたかなと思います!

大規模作戦は…どう入れましょうかね…
タイミングが難しいです…


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初めての取り組みとかでかなり遅れましたが生きてます。
リアルが忙しくて更新できず申し訳ない…


 

 

 

提督目線

 

 

俺は一人執務室で悩んでいた。

涼月のことだ。

私は…彼女のことをいつの間にか好きになっていたのかもしれない。

鎮守府の仲間はみんな好きだ、だかその中でも涼月には特別な感情が湧いていた。

 

最初は初期艦として仲良くなりたいとしか思っていなかったが、長く、深く、関わっていくうちに彼女の魅力に気がついた。

俺は気がつけば目で彼女のことを追っているようだ。

 

彼女の行動の一つ一つに愛しさを感じていた。

だから、俺は彼女が出撃するのはいつも心配だった。

執務を手伝ってくれることに嬉しさを感じていた。

 

だからあの夜のことを思い出すと恥ずかしくて引き籠もりそうになる。

 

大本営から届いた指輪。

 

正直渡す人はとうの昔に決めている。

だが、あくまで上司と部下。

特別な感情を出してしまっていいのだろうか。

俺は一人そんなもどかしい思いをしながら執務に取り組んでいた。

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

私はあの日の夜から自分でも自覚できるほど変わったことがある。

それは、提督に対する意識だ。

 

何故か脳裏にあの夜の提督の笑みが浮かぶ。

 

「私は…どうしてしまったんでしょう…」

 

私がこの気持ちが恋愛感情だと気がつくのはまだ先の話だった。

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

夕立「なんか!提督さんと涼月さん、心の距離は近づいたけど何故か前より会話とかの距離離れたっぽい!」

 

時雨「へぇ…夕立、よく分かるね。」

 

夕立「当たり前っぽい!夕立は提督さんのこと大好きぽっい!」

 

時雨「あはは、そうだね。でもあの二人に僕はくっついてほしいな…僕もあれくらいお互い愛し合ってみたいものだよ。」

 

夕立「時雨は料理分けてくれないからケチっぽい!ケチな人はモテないっぽい!」

 

そういってダッシュで逃げる夕立

 

時雨「あ!こら!夕立!待ってよ!」

 

 

〜〜〜〜

 

そんな中、大規模作戦の発表が大本営から通達された。

その内容を見た俺は驚きを隠せなかった。

 

(鎮守府の守りは最低限にし敵艦隊を撃滅する、全力出撃後は他警備府等に護衛をしてもらう…)

 

 

後に、海軍の歴史的大敗北となる大激戦だった。

 

提督「これは…なにかの間違いじゃないのか…?」

 

俺は目を疑った。

驚きで放心状態となっていた俺の顔を涼月が覗き込むように見ていた。

 

涼月「提督?どうされました?」

 

提督「いや…これは何でも…いや…な…」

 

そう言って俺は涼月に指令書を見せた。

 

涼月「な…!?これは…しかも他鎮守府と合同!?」

 

涼月「提督…どうされるんですか…?」

 

提督「どうするも何も…従うしかないだろう…」

 

その後作戦会議室へ全員が招集され、概要が説明された。みな、驚きのあまり目を見張った。

 

鳳翔「提督…これは…一つの鎮守府の作戦ならまだしも…余りにも過剰戦力では?それに出撃中に鎮守府が攻撃を受けたら…」

 

提督「あぁ…だが…やるしかない…」

 

提督「赤城、長門、鳥海、矢矧、涼月はこのあと、作戦会議をするから執務室へ来るように。」

 

 

提督が出ていったあとも暫く皆無言だった。




ぶっちゃけ浅い感じです…
心情表現は難しい…

ちょっと忙しすぎるので亀更新になるかもです。
(この話も2日かけて書いたから内容がズレてたり…)


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作戦

戦闘描写のない戦闘シーンです!

もうちょっと引き伸ばしたいと思います。


 

 

 

執務室へ集まった私達は作戦について話し合っていた。

 

提督「この一帯は湾が入り組んでいて他の島々との距離も近い。挟み撃ちに合う可能性がある。そこでここには横須賀鎮守府の艦隊が配置されるそうだ。」

 

赤城「提督。撤退の支援はどこが行うんでしょうか?」

 

提督「あぁ、本体の撤退の支援はうちの鎮守府がうけもつ。つまりうちの鎮守府は後方支援と撤退支援だ。」

 

長門「この位置だと私達の艦隊は後方からの攻撃に対処出来ないが…そこら辺はどうなっているんだ?」

 

提督「主に大将率いる佐世保が途中まで別作戦と同時進行で行うそうだ。その後はトラック泊地の艦隊が受け持つらしい。」

 

涼月「私達は支援だけに徹するのですね。」

 

その後会議は3時間近く続いた。

 

 

………………  

 

その後少し時は流れて作戦前夜

作戦行動の最後の確認をして各々解散した。

私も明日に備えて部屋に戻ろうとしたとき、提督に呼び止められた。

 

提督「涼月、ちょっといいか?」

 

そういって無言で歩き始めた提督の跡を私は小走りについていった。

 

「提督?どうされましたか?」

 

提督「確か君と初めて会ったのは此処だったかな、」

 

「はい。そうですが…」

 

提督「涼月、君は明日の作戦で絶対に死なないでくれ…そして…また俺に笑顔を見せてくれ…」

 

私は恥しくてオドオドしたが、「はい!必ず!」と何とか返すことができた。

 

浮かれた気持ちのまま私は自室へと戻った。

 

 

………

 

また…渡し損ねてしまったな…

俺は本当に勇気の無い男だ…

 

 

………

 

作戦当日

 

全艦娘が出発していった、

残ったのは俺と練度の低い艦娘だけだった。

 

作戦指示がすべて大本営へ移った今、俺にできることは勝利を願うことしかできない。

 

そのことに若干の悔しさを感じながら。

 

途中までは作戦は順調だった。

しかし、横須賀艦隊の敗北により事態は大きく傾いた。

 

作戦海域では情報が入り乱れ、指揮系統が完全に機能を停止してしまっていた。 

前線は完全に崩壊したことにより、海軍側は大きく戦線を下げることを余儀なくされた。

しかし、丁度佐世保とトラック泊地の後方警備の入れ替わりのタイミングで深海棲艦に狙われてしまい、同時に3方向からの攻撃を受けることになってしまった海軍は壊滅的な被害を追っていた。

 

特に被害が多かったのは涼月たちのいる艦隊だった。

 

作戦は中止、全力撤退の命令が出たがその命令が前線へと届くのには多くの時間がかかってしまった。

 

作戦開始時に比べて艦娘の数はおよそ3分の1にまで減っており、海軍側にとっては大きな損失となってしまった。

また、多くの制海権を喪失したことにより横須賀鎮守府等の大規模施設が幾度か爆撃を受けたほか、ラバウル等の遠方泊地は完全に捨てざるを得なかった。

 

多くの鎮守府が痛手を負い、心に傷を負った。

 

 

帰投中の艦娘たちの表情には笑みはなかった。

 

 

 




次回は反応的なの書いていきますね。

次回は亀更新
ちょっと行き詰まってきたので時間ください。


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思い

どうも!最近ua1000件突破して喜んでいる作者です!
ありがとうございます!

良ければ感想&アドバイス貰えると嬉しいです!


 

 

 

 

提督(横須賀)「なぁ…こんだけしか…帰ってこなかったのか?」

 

俯く横須賀艦隊の生き残り達。

 

提督(横須賀)「嘘だと言ってくれよ…頼むから…うわぁぁ!!!」

 

泣き叫ぶ声が鎮守府の広場に轟く。

彼は戦友や、最愛の人まで失ってしまった。

 

しかし、そんな提督を見ても横須賀の艦娘達はどうすることもできなかった。

 

蒼龍(横須賀)「提督…本当に…申し訳ございません…確認の取れている空母飛龍、戦艦陸奥を含む以下第1〜3艦隊の内…約35名は轟沈が確認されています…」

 

………

 

海軍士官「おい…35人だってよ。」

 

士官2「横須賀の全艦娘の内の半分以上じゃねぇか…」

 

士官1「あぁ…こりゃひでぇな…全く…おえらいさんは何考えてやがるんだ…」

 

………

 

 

もうすぐ鎮守府へと帰れる。

いつもなら喜んでいるだろうが今の私達にはその余裕も気力もなかった。

沢山の仲間を目の前で失い仲間を見捨てて撤退をした私達は、提督に顔向けができなかった。

 

提督「………………嘘だよな…」

 

提督「なぁ…あいつらが沈むわけないよな?帰ってくるって約束したよな?」

 

そこで俺は嫌な空気を悟った。

 

提督「涼月は!?涼月はどこだ?」

 

鳥海「涼月さんは、殿軍として最後まで…………」

 

提督「え…」

 

鳥海「私達は止めたのですが彼女が私達や提督を守るのが私の役目ですと言って聞かず…」

 

提督「何で…」

 

鳥海「轟沈者をリストに纏めて後ほど提出させていただきますね。」

 

提督「あ…あ…あぁ…宜しく頼む…みんな…もしっかりと休んで…くれ」

 

青葉「あの…捜索隊の編成はどうしましょうか?」

 

提督「すぐにやる!絶対に諦めるものか!出られるやつを集めろ!」

 

 

………

 

多くの鎮守府が多大な損害を受け、心に傷を負ったこの海戦は、このまま終わるはずもなかった。

 

戦闘終了から半日後 同海域

 

終わったのか…?

私は…生き残ったのか?

 

辺りを見渡すと私の他にも息のある艦娘が数隻いた。

 

急いで駆け寄る

 

「あなたは…横須賀の日向さん?」

 

日向「あぁ…みっともない姿だがな。お前は【舞鶴】の涼月か。」

 

「はい…」

 

暫くの沈黙が続く

 

「終わったの…でしょうか?」

 

日向「ふっ…だといいな。私はもう…限界だよ…休みたい。」

 

そう言っている日向は限界が近いようでほとんど沈みかけており手を離したら今にも沈んでしまいそうだった。

 

「!?駄目です!一緒に帰りましょう!」

 

日向「あぁ…最後にもう一度伊勢と提督に会いたかったな…」

 

そういって日向さんは私の手の中から零れ落ちるように沈んでいった。

 

悲鳴が聞こえた。

急いでそちらへ向かうと、駆逐艦の子が一人、深海棲艦の小艦隊に取り囲まれていた。

 

私は急いで向かったが既に駆逐艦の子は砲撃に晒され沈んでいってしまった。

 

敵に見つかってしまったことにより奴らは私を追いかけはじめた。

 

「くっ!」

 

私はもう既に弾をほとんど撃ち尽くしたことによりまともに戦えない状態だった。

 

逃げ回るしかない私を奴らは愉しむように追いかけてきた。

 

私は涙を流しながら必死に逃げた。

 

そして祈るように呟いた。

 

「提督…助けて…」

 

私は徐々に湾の内側へと追い詰められてしまった。

 

逃げ場のなくなった私に奴らは容赦なく弾を撃ち込んできた。

 

大破

 

私はここで沈むのだろうか。

 

あぁ…良い人生だった。 

 

 

 

あの人に気持ちを伝えられなかったのは大きな悔いだ。

 

 

 

ゆっくりと私に向かられる砲塔を私は覚悟もない諦めた目で見ていた。

 

ふと目の前に提督と姉妹達が映った。

私ははっとなった。

 

私は!生きなるんだ!

 

反射的に砲弾を躱した。

 

その時。

航空機の音が聞こえ、無線がなった音がした。

 

私は一筋の希望にかけた。

 

「こちら、舞鶴鎮守府所属、涼月。救援を要請する」

 

???「了解、救助目標の涼月を視認これより援護する」

 

そう無線から声が聞こえ、目の前にいた深海棲艦が吹き飛んだ。

 

上空を見ると零戦が何機も飛んでいた。

私はその零戦のことを知っていた。

 

「飛鷹さんの!」

 

その後私は同じ鎮守府に所属する飛鷹と再開し、無事救助された。

 

 

………… 

 

 

 

救助艇の上

 

「やっと…帰れるんですね…」

 

飛鷹「そうね。ほんとによく頑張ったわね。提督がかなり心配してたわよ。絶対に諦めるものか!ってね」

 

「提督が……」

 

飛鷹「此処からは私達が貴方を護衛するわ。ゆっくりしてなさい!」

 

「有難う…ございます!」

 

私はそう言って横になった。

 

帰ったらあの人に思いを伝えるとい決意を抱いて。

 

 

 




どうでしたか?
内容が深くできない…
難しいです…
書きたいことが伝わっているといいけれど…

記憶編長すぎるのでちょっとストーリー忘れた方多そう(偏見)

次回は海戦の、続編ですね。
涼月はちゃんと生きて帰れます。
意外でしょ、
お楽しみに。


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帰還

間違えて前書きに小説書き始める癖どうにかしたい…





 

 

 

コンコン

 

急いでるように荒い

ノックの音が鳴り響く。

 

提督「入れ」

 

青葉「失礼します!」

 

提督「あぁ…青葉か。どうした。」

 

青葉「報告します!作戦海域にて、涼月以下数名の艦娘の救助に成功との伝令が入りました!」

 

提督「なに!?本当か!」

 

青葉「はい…本当に…良かったです!」

 

提督「あぁ…生きていてくれたか…」

 

青葉「ちゃんと思い伝えるんですよ?」

 

提督「そうだな。ちゃんと伝えるさ。あ、撮るのはやめろよ?」

 

青葉「げ。………はい…」

 

失礼しました。そう言って青葉が出ていった後、俺は椅子に深く腰掛けて溜息をついた。

 

俺は鬱病になっていた。

 

負けた上に失ったものが多すぎた。

机の上に飾ってあった写真を手に取る。 

みんな笑っていた。

 

今はなき者たちも。

 

俺はこの子達を幸せにすることはできなかった。

俺は…

 

それでも…前に進まなければならない。 

 

涼月だって苦しみを乗り越えてきたんだ。

俺だけ立ち止まるわけには行かない。

 

俺にとってこの雰囲気の中、失ったものは大きくとも涼月が帰ってきてくれると言うのは嬉しいことだった。

 

 

…………

 

 

鎮守府が近くなってきた。

 

それと同時に私は複雑な感情を抱いてしまった。

また、目の前で沢山の戦友を失ってしまった。

提督にどう会えばいいのだろうか…

 

守れなかった。それは私にとって一番嫌なことだった

 

何度同じ後悔をすればいいのだろうか。

そう思っていると私のことを抱き抱えてくれる人がいた。

 

「飛鷹さん…」

 

飛鷹「あんまり思い詰めちゃだめよ。」   

 

「そう…ですよね…」

 

飛鷹「すくなくも、貴方は戻ってきた。それに…あなたが救った命も沢山あるのよ。あなたはよく頑張ったわ。」

 

「そんな…私なんて何もできませでした…」

 

飛鷹「そうかしら?少なくとも私達の部隊が安全に撤退できたのは貴方が戦ってくれていたおかげだと記憶しているけどね。」

 

「私も…誰かを守れたのでしょう…」

 

飛鷹「えぇ。沢山の艦娘を貴方は守ったわ。だからそんなに思い詰めないでね。」

 

「飛鷹さんありがとうございます、おかげで何とかなりそうです。」

 

飛鷹「なら良かったわ、貴方は早く帰って休まないとね!それと。思いはしっかりと伝えるのよ。」

 

「な!何のことですか!?」

 

顔に血が登っていくのを感じた。

 

飛鷹「あら?気づいてないとでも?もうみんな知ってるわよ」

 

「嘘でしょ…」

 

飛鷹「うふふ…まぁ頑張ってね!」

 

「ありがとうございます」

 

苦笑しながら答えた。

 

鎮守府が見えてきた。

誰かが走ってくる。

 

それは。

私の最も会いたかった人物

 

「提督!」

 

船から降りた私は怪我などお構いなしに走って提督のところまで行こうとした。

ところが大破した自分の艤装に、躓いてバランスを崩してしまった。

倒れそうになる私のことを誰かが抱き抱えてくれた。

 

提督「大丈夫かい?」

 

顔を真っ赤にしながら答える。

「大丈夫…です!」

 

提督「おかえり!涼月!」

 

「はい!涼月只今戻りました!」

 

 

 




これからどんどんシリアスにしていくつもりです。
多分明日更新しますね〜

ありがとうございました〜
次回お楽しみに!


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そういえば月帰る海でしたっけ?涼月主人公の作品!
昔読んだことあったのですがすごい文章が上手くて感動してお気に入りの一つです!


それはそうと今イベントどうでしょう?
自分はe-2輸送まで終わらせました!
復帰イベなので資材が心配ですが…
ドロップ艦おいしいので狙いに行きたい〜(´~`)



 

 

 

鎮守府に帰ってきた私は急いで入渠させられた。

修復材も使ってくれた。

いいですと断ったのだが大破してるんだから!と半ば押し付けられた形になってしまった。

 

お風呂から出たあと、少し夜風に当たろうと鎮守府の屋上に出て海を見ていた。

 

艤装はめちゃめちゃで交換しないと使えない部分まで出てきたので暫く出撃は出来ず、明石さんに修理を頼んでいる。

笑顔でokしてくれたが明石さんにはいつもお世話になっていて本当に頭が上がらない…

 

そんなことを考えながらぼ〜っと夜の海を眺めていると

 

「ここに居たのか。」

 

提督の声がした。

振り返ると、ジュースを2本持った提督が居た。

そのうちの1本をほい。と言って渡された。

 

私は渡されたジュースを有難うございますと言って飲みながら鎮守府から見える景色に心を落ち着かせていると、

 

提督「涼月、君に、伝えたいことがあるんだ。」

 

と言われた。

 

「実は…私もです…」

 

お互い顔を見合ってふっと笑った。

 

「どちらが先に言いますか?」

 

提督「なら俺から言おう。」

 

提督「涼月。俺は君のことを愛してる。これからも、俺の側にいてくれ。」

 

「はい!私もです。あなたのことを愛しています!」

 

そう言って私はにっこりと笑った。

 

そして見つめ合ったあと私達はキスを交わした。

私にとってこういったことは初めてのことだった。

 

ゆっくりと離れた二人は、自然と手をつなぎながら夜空を見上げた。

だがお互い照れ隠しの為だろうか。

口は聞かなかった。

だが涼月は俺の肩に頭を乗せていた。

 

波の音以外聞こえない。

とても静かだった。

 

ずっとそうしていたい。

俺はそう感じていた。

 

しかし俺にはまだ一つ、終わらせられていないことがあった。

彼女に渡すものがあった。

 

覚悟を決めて、横を向くと

 

彼女はスースーと可愛らしい寝息を立てて眠ってしまっていた。

 

その横顔を見て俺は少し気が抜けてしまった。

頭を撫でるとうぅ…と可愛らしく唸った。

 

「そうだよなぁ…色々あったもんな。今日はもう疲れたよな。」

 

そう呟くと、俺は彼女を抱えて彼女の部屋まで運んでいった。

 

「おやすみ。涼月。」

 

 

 

そう言って俺は自分の部屋へと帰ろうとした。

 

すると血相を変えた青葉がやってきた。

思わず身構えると、

青葉は言った。

 

青葉「今すぐ!執務室へ!」

 

何事かと執務室へ行くと、そこには既に各艦種の代表メンバーが集まっていた。

 

「何事だ?」

 

青葉「提督、報告いたします!本日2200、大本営より大規模な深海棲艦の北上が確認されました。位置は既に我が軍の領海内まで進行されているそうです!」

 

「なんだと!?規模は!?」

 

青葉「それが…姫球を4体含む連合艦隊です…」

 

やられた…!そう感じた。

そうだ。今の俺たちを攻めないほうが逆におかしいのだ。

今の海軍は主力の半数以上を失っている。

 

奴等にとっては絶好の機会だったのだ。

 

 

「今出られる艦娘は何人だ?」

 

青葉「補給、艤装の修理、ともに終了して現在出撃できるのは約25隻です。」

 

「他鎮守府からの連絡は?」

 

鳥海「今のところありません。しかし、少なくとも横須賀は参加できないような気がします。」

 

「そうだな…あそこはもうほとんど機能していない。となると…佐世保と此処が主力となるだろう。これは弔い合戦だ。お前達。行けるな?」

 

はい!

代表の彼女らはそう答えた。

絶対に負けられない。敵を討ってやると言う思いが口に出さずともわかった。

 

「だが、沈むな。そうなると奴らの思惑通りだ。絶対に生きて帰ってこい。お前らの居場所は此処だ!」

 

全員が無言で頷く。

 

「明日、詳しく作戦概要を決める。今はしっかりと休むように。」

 

そういうと皆退出していった。

俺は椅子に腰掛けると、深いため息をついた。

 

ふと胸ポケットに手を入れると、まだ渡せていないものがあった。

この戦いが終わったら絶対に渡そう。そう決めて再びポケットにしまったのだった。

 

 

 

 




まだまだ終わりません!

でも…フラグが…

次回はいよいよ記憶の中の最終決戦へと突入です!


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別れ

イベが沼


 

 

 

 

私達の艦隊は霧の中を進んでいた。

 

今回の私達の任務。

それは深海棲艦の迎撃だ。

 

涼月さんや、提督のいる鎮守府へ、絶対に通すわけには行かない。

今度こそ。

私達の誇りを失うわけには…   

 

そう思い私は拳を握りしめた。

しかし、この霧は一体いつまで続くのだろうか…

この霧の中での戦闘は視界も悪く味方に誤射してしまう可能性もある。

 

それに…ちらっと横を見る。

 

相変わらず空母のみなさんも索敵がままならず首を振っていた。

 

 

突然旗艦から通信が来た。

 

「撤退!?」

 

思わず声を出してしまった。

今ここで引けば本土へ接近されてしまう。

 

皆もそう思っているのだろうか、内容に困惑しているようだ。

 

 

しかし考えている暇はなかった。

突如として砲撃音がして私の右の方にいた駆逐艦の娘が吹っ飛ばされ沈んでいったのだ。

 

そこからはもう一方的だった。

はずだった。

 

急に砲撃音がやんだ。

 

徐々に晴れていく霧に私は危機感を覚えた。

 

視界が良好となり辺りを見渡すと、味方はかなりの数が生き残っていた。

だが不可解なことに、深海棲艦の姿は見辺らなかったのだ。

 

すぐさま空母艦娘が艦載機を上に上げた。

しかし、いつまでたっても敵発見の報告はされなかった。

 

私は嫌な予感がした。

 

本来なら駄目だが、通信を自分の鎮守府へと繋いだ。

しかし本来なら絶対に誰かが待機しており、繋がるはずの鎮守府に繋がらなかった。

 

私はすぐさま艦隊の指揮官がいるところへと向かった。

 

しかし、さっきの霧で電波障害が起きているだけだと全く相手にされなかった。

 

私は決意を固めた。

すぐに数人を集めて全速力で鎮守府へと向かった。

 

 

彼女の予想は的中していたがハズレでもあった。

実際、鎮守府は壊滅していたが、敵の本体は艦娘の方を叩きに行っていたのだ。

 

しかし、私はそこで嫌なものを見てしまった。

 

鎮守府復旧作業中の人達の邪魔にならないように隅に並べられた怪我をしたり命を落とした人々。

そして、泣きながら呼びかける提督と包帯に巻かれた涼月

 

艦娘は陸上では死ぬと塵となって消滅する。

まだ消えていないということは生きているかもしれなかった。

 

「提督!涼月さんは!涼月さんは大丈夫なんですか!?」

 

提督「夕張?何故お前がここに…」

 

「そんなことは良いから!早くバケツを使わないと!」

 

提督「それが…敵の爆撃機に倉庫が集中攻撃されてしまって…」

 

「な…」

 

提督「暫く…二人にしてくれないか…」

 

………

 

夕張達が出ていったのを確認すると、俺は涼月に言った。

 

「どうして…あんな無茶をしたんだ…」

 

彼女はふっと笑って

 

涼月「あなたが死ぬのが私は一番嫌です。そして、守れたなら…良かった…」

 

 

涼月「もう、私は長くないです。提督、今まで本当に有難うございました。私の、ことを助けてくれて、有難う。…私を愛してくれて、有難う。」

 

気づけば俺は涙を流して泣いていた。

 

俺は胸ポケットから指輪を取り出し、涼月の指へとはめた。

 

 

「愛しているよ…涼月…たとえお前がどんな形で生まれ変わっても、俺はお前のことを愛し続ける。絶対だ。」 

 

 

ふふっと笑って静かに消えていく涼月に俺は抱きしめてあげることしかできなかった。

 

 

 

 




どうでしたか?
やっぱり会話ぢで難しいですよね…


そういえばイベントどうでか?自分はe-3輸送が難しくて沼です……
ドラム缶を減らすべきか…

次回も多分もうちょっと記憶編


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未来へ

イベントが…沼りました…
資材がないのできつい…


 

 

 

全てが終わったとき、俺は大切なものを殆ど失っていた。

執務室の机上に置いてある写真立てを取った。  

 

「なぁ、俺はどうすればいい…?」

 

そこには俺と涼月の笑顔の写真があった。

今は亡き涼月。

俺の愛した人。

 

俺は自責の念に駆られた。

 

 

 

記憶が蘇る。

 

涼月「提督!今何処にいるんですか!」

 

必死そうな声で通信が来た。

 

「俺はまだ作戦司令室だ。大丈夫、救援を要請次第すぐにシェルターに向かう。」

 

俺は嘘をついた。

今俺は足を鎮守府の倒壊した瓦礫に足を挟まれ自力で脱出することは出来なかった。

 

俺は自分の死を悟った。

後悔ばかり頭を巡る。

 

「すまない…涼月…」

 

すると突如、涼月の声が聞こえたような気がした。

幻聴だ、と思った。

涼月はすでに避難させたはずだ。

 

しかし、声はどんどん大きくなる。

近づいてきている。

 

涼月「提督…!提督!大丈夫ですか!?」

 

「な!?涼月!?避難したはずじゃ!」

 

涼月「心配になって見に来ました。それより今助けるのでじっとしててください!」

 

「すまない…有難う…」

 

数分後、無事助け出された俺は涼月の肩を借りるようにしてゆっくりと避難し始めた。

丁度鎮守府の外へと出た瞬間だった。

 

突如として航空機の音が聞こえた。

今この付近に艦載機を載せられる空母は居ない。

つまり敵だ。

そう判断した。

 

それと同時に狙いが俺であることも理解した。

深海棲艦の特徴として優先的に指揮官を狙う傾向がある。

 

前例として幾つもの鎮守府襲撃の記録では殆どの提督が死亡している。

 

涼月を巻き込むわけには行かない。

 

俺は自分を奮い立たせた。

 

艦載機はすぐそばまで迫ってきていた。

 

俺は涼月から離れ反対方向へ走り出した。

 

涼月のなにか言っているような声が聞こえたような気がしたが、今の俺には聞こえていなかった。

 

艦載機からの機銃の掃射音と爆弾の投下音が同時に響き機銃のたまが徐々に俺に迫ってきた。

 

「皆、すまない…俺は先に逝くらしい。未練しかないよ…」

 

思えば俺は生まれてから謝って、後悔してばかりだ。

自分らしく生きれなかったのかもしれないな。

 

そんな思いが駆け巡る。

 

俺は目を瞑った。

 

大きな爆発音と銃弾が肉を貫通するような音が響いた。

 

しかしいくら経っても衝撃は来ない。

ふと俺の手に何かが滴り落ちてきた。

 

目を開けると、俺の目の前には真っ赤な血に染まった涼月の姿があった。

倒れてきた涼月を、俺は呆然と受け止めた。

 

涼月「か…ヒグッ…ハ…」

 

苦しそうな声にならない声を聞き俺は我に返った。

 

「喋るな!何故!何故庇った!」

 

まるで子供のように泣き叫ぶ俺に涼月は優しく笑いかけてきた。

 

「貴…方が…無事なら…良かったです…」

 

俺は涼月を抱きかかえると全力疾走で避難シェルターへと向かった。

そこには医師も居るからだ。

足の痛みなど既に忘れてしまっていた。

 

 

 

…………

 

医師「残念ながら…私達の手ではどうしようも…」

 

提督「涼月を見捨てろってことか!」

 

医師「はい…残念ながらそういうことです。」

 

提督「高速修復材は!?無いのか!?」

 

医師「倉庫が完全にに破壊されております。それに…ドックも…」

 

俺は目の前が真っ暗になった。

黒いタオルを腕に巻きつけられた涼月を俺は外へと運び出した。

 

「お前と…初めて会ったのは彼処だったよな。お前は反抗的な態度を取ってきたのが懐かしい、それから色々なことがあったよな…………」

 

思い出が走馬灯のように駆け巡る

 

涼月「提督、私はあなたと会えて本当に幸せでしたよ?」

 

その言葉にまた俺は涙を流した。

 

「本当に…すまなかった…」

 

涼月「貴方は…謝ってばかりですね」

 

そう言って微笑む涼月の声はどんどん弱弱しくなっていっていた。

 

涼月「提督、もし私が…生まれ変わったら…私がどんな姿でもまた愛してくれますか?」

 

「そんなの…当たり前だ!絶対だ!だから…!」

 

涼月「ありがとうございます…これで…安心して…逝けます…」

 

 

 

…………

 

 

海軍は更に多大な犠牲を払いながらも相手の統率を上回る戦術で深海棲艦に勝利した。

 

 

 

…………

 

一年後

 

桜の舞う春の日差しの中で俺は石碑の前で酒を飲んでいた。

 

「涼月…お前が居なくっなってもう一年か…俺は大将まで昇格したよ…。俺は相変わらずお前を待っているさ。いつまでもな。」

 

そう言って俺は石碑に残った酒をかけた。

そして黙祷を捧げた。

 

帰り際にふと思い出したことがあった。

 

「そういやまた大規模作戦だ。今度は今度こそ、俺達の反撃さ。」

 

そう言って俺はその場を去った。

 

前から現秘書艦が小走りにこちらへ向かってくるのが見えた。

 

秘書艦「司令官!作戦についてまとめておきました!それから、今回参加される鎮守府の提督達が全員揃ったようです!」

 

「有難う。了解した。すぐに行こう。」

 

 




そろそろ現実編と提督編を同時進行でクライマックスに持って行きます。


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ペースが早くて細かいところ全然かけてない…
質問あったらコメントにどうぞ!


 

 

私は何をするべきか。

何をしたいのか。

 

すべて分かった。

 

そして…静かに進路を変更した。

全てがそこにあるかのように感じられた。

 

 

 

…………

 

 

涼月が居なくなってから数年後、海軍は新人の育成や人材のフル活用でなんとか戦況を立て直し、制海権を奪還していた。

 

 

そして、深海棲艦の親玉を最後の最後まで追い詰めたが敵の必死の反撃も激しく、海軍側も攻めあぐねていた。

 

 

各鎮守府の精鋭を集め、資材も十分に確保していたが戦況は長期化した。

 

 

提督たちも最前線に出て直接指揮を取っているため殉職率も少なくなく、このままではジリ貧だった。

 

そんな中海軍側に吉報が届いた。

 

海軍側も目をつけていた場所にて、突如として海上封鎖を行っていた深海棲艦の艦隊が姿を消し、艦娘側が拠点として前線を確保出来たのだ。

 

これにより、敵本陣への航空支援、支援艦隊、補給などが行えるようになった。

 

何が起こったのかはわからなかったが戦況が大きく傾いたのは間違いなかった。

 

 

…………

 

 

 

ふ〜…と私は息を吐いた。

 

ふと後ろから光が差し振り返ると朝日が顔お出していた。 

普段ならキラキラと光るはずの海はどす黒い血で鈍く光っていた。

 

「提督…私にできるのはここまでです。信じています。」

 

そう呟き私は太陽に背を向け走り出した。

 

 

…………

 

突如として届いた知らせに俺は驚きのあまり昼食に使っていたスプーンを落としてしまった。

 

「それは…本当か!?」

 

飛龍「はい、海上封鎖を行っていた深海棲艦は突如姿を消し、現在は我が主力艦隊が選挙した模様です。」

 

「そうか…しかし…突如としてというのが少し気になるな…」

 

飛龍「海域の調査を行いますか?」

 

「あぁ、頼む。編成はこちらで組んでおくよ。今日はもう安め。明日から忙しくなる。」

 

飛龍「はっ!失礼しました。」

 

飛龍が去っていったあとのドアを見つめ俺は考えた。

 

今の海軍に一夜であの艦隊を一掃できる力はない…

つまり、深海棲艦か第三者のどちらかということなる。

 

深海棲艦の仕業という線は薄いだろう。

あの海域はどちらにとっても需要拠点だ。

気軽に手放せるわけがない。

撤退の線が薄いとなると…

 

 

「誰かが一掃したということか…いや…まさかな…」

 

頭をぶんぶんと振り、俺は机に向かった。

しかしその考えが頭から離れることはなく、俺は妙な胸騒ぎを覚えた。

 

念の為…

念の為さ…

 

そう自分に言い聞かせると俺は明日の海域調査の書類に少し訂正を加え書き終えた。

 

 

…………

 

 

「これより、先日占拠した海域での調査を開始する。残党がまだ残っているかもしれない。くれぐれも注意してくれ…では、メンバーを発表する。飛龍頼む」

 

 

飛龍「はい。それでは艦隊のメンバーを発表しますね。旗艦、矢矧、随伴艦として、谷風、海風、山風、江風の3名、そして…雪風、以上です。」

 

解散となった会議室には俺と雪風が残った。

暫くの沈黙の後、雪風が口を開いた。

 

雪風「しれぇ…どうして私を?」

 

「可能性の話だがな…もしかしたら…な。」

 

雪風はそれだけで察したようだ。

 

元気よく敬礼をして言った。

 

雪風「そういうことなら!おまかせを!それに…私以外もう殆ど死んでしまいましたからね…」

 

そう言うと雪風は少し悲しそうな表情をした。

雪風は提督が着任して間もなくから生き残っている歴戦の艦娘だ。

しかし、俺と同じで多くのものを失った。

 

二人で夜に話し合うことも珍しくなかった。

 

「そうだな…だから…もうこれ以上死なせるわけには行かない。終わらせよう…」

 

俺と雪風は顔を見合わせ無言で頷きあった。

 

 

 

 

 




あれあれ?このペースだと次回最終回になる!?


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終焉

お久しぶりです。
ほんとに忙しくて手が付けられませんでした…m(_ _;)m


 

 

 

 

 

翌朝、雪風達は海域の調査へと向かった。   

 

 

しかし目ぼしいものは何もなく、なんの成果も上げることができなかった。

 

雪風「何もありませんねぇ…」

 

矢矧「そうね…どうしましょうか…」

 

江風「一旦報告に帰る?」

 

海風「もう少し索敵範囲を広げて探してみませんか?この海域は既に掃討済みの場所ですし…」

 

山風「うん…私も…それに賛成…」

 

谷風「そうと決まれば行きますか!」

 

皆が再出発しようとしているとき、雪風がなにかに気がついた。

 

雪風「待ってください!あれはなんですか?」

 

雪風の指差す方向を見ると何かが浮かんでいた。

 

近寄って拾い上げてみると雪風の顔が驚きの表情で固まった。

 

雪風「これは…あの人の…」

 

矢矧「これは…秋月型の主砲?でも…少し違うわね…」

 

雪風「はい…ですが…明石さんに見せれば何か分かるかもしれません…それに…」

 

海風「それに?」

 

雪風「いえ、何でも無いです。帰投しましょう。」

 

皆無言で頷きあった。

 

帰投中も雪風はずっと考え込んでいる様子だった。

 

帰投後、雪風はすぐに提督のところへ向かおうとしたが鎮守府が何やら慌ただしかった。

 

飛龍さんが急いで艤装をつけてこちらへと向かってきた。

 

飛龍「調査お疲れ様!疲れてるところ悪いんだけど…すぐ出撃よ…敵の、本拠地までの海路が確保されたわ。増援が来る前に全力で叩くみたい。」

 

矢矧「な、!了解しました。詳しい話は何処で?」

 

飛龍「作戦会議室で長門さんが居るはず!そこで聞いてちょうだい!」

 

雪風「あの!提督への報告は…」

 

飛龍「今回は…提督も前へ出るそうよ…もう先に第一艦隊と共に出撃したわ」

 

雪風「そうですか…」

 

雪風は少し嫌な予感がした。

すぐに長門さんのとこへ行き、作戦概要と作戦行動を聞き直ぐに雪風達の艦隊も出撃をした。

 

雪風の嫌な予感は当たっていた。

 

ボスもほぼ沈みかけだが、第一艦隊にもかなりの損害が出て撤退が不可能レベルまで行ってしまったそうだ。

それだけならまだ後続の第二艦隊が援護できるのだが、悪いことに敵の増援が予想よりかなり早く到着したのだ。

 

現在艦娘側はかなり不利な状況にあった。

ほか鎮守府の艦隊が到着するまであと一時間弱もあった。

 

雪風は焦っていた。

(このままじゃしれぇが…)

 

そう思うと焦って敵の勢力圏内で一人先行しそうになった。

 

矢矧「焦る気持ちはわかるわ。でも。落ち着いてね。あの人ならきっと大丈夫だから。」

 

雪風は失うときは呆気なく失うことを知っていた。

だから矢矧の言葉に落ち着きはしたが素直にうなずく事が出来なかった。

 

(雪風は…約束しました。あの人と!しれぇを守るって!)

 

 

だが、現実は残酷だった。

 

雪風達が到着したとき、今まさに提督の乗る船が追い詰められていた瞬間だった。

護衛&第一艦隊の艦娘達は既に満身創痍でまともに戦える者は数名しかいなかった。

 

そんな中、敵艦載機が提督の艦隊の真上に現れた。

 

必死に護衛達が対空砲火を行ったが、数が多く次々と沈められていった。

 

間に合わない。

雪風はそう思った。

 

見たくない。

 

ゆっくりと時間が進んでいるように感じた。

 

提督の真上に敵機が現れた。

雪風は目を瞑った。

 

そして…

 

「いやぁぁあ!」

 

そう叫んで雪風はその場にへたり込んでしまった。

 

大きな爆発音が響いた。

 

直前に雪風の目に映ったのは仲間の沈んでいく姿。

そして…

 

代わりに守ると誓ったはずの人の船の上に落ちていく爆弾だった。

 

 

 

 

爆発音が響いて雪風が目を瞑ったその直後から突如として飛行機の音が鳴り止んだ。

 

ゆっくりと目を開けると、そこには。

 

 

冷たい、何も映っていないような目をした「深海棲艦」がいた。

深海棲艦の艤装からは煙が立ち上っていた。

雪風は目を見張った。 

雪風はそれが誰かわかったような気がした。

 

矢矧「あの艤装…さっきの海域で拾った…」

 

雪風「そんな…嘘…」

 

ふと提督の居た場所へと視線を向ける。

船は沈んでいなかった。

はっとして提督の元へと走った。

 

雪風「しれぇ!大丈夫ですか!?」

 

提督「あぁ…何とか生きている…今のは…何だ。何があった…」

 

そう言って上半身を起こして目の前を見た提督は驚きのあまり目を見張った。

 

提督「あ…あ…あ、嘘…だよ…な?」

 

その深海棲艦はゆっくりとこちらを見ると優しく笑ったように見えた。

 

提督「涼月…」

 

 

…………

 

 

 

私は怒っていた。

 

目の前の深海棲艦共は少し驚いているようだ。

 

後ろを振り返ると提督は雪風さんに守られていた。

雪風さんがいるなら大丈夫だと、私は思った。

 

日暮れが近くなってきた。

 

 

私は知っていた。

もう戻れないことを。

だから姿を表さなかった。

 

だけど。

 

私はあの人に生きていてほしい。

 

それが一番の願いだった。

 

愛している

 

もっと話したかった。

もっと笑い合いたかった。

 

たとえ無理でも。

私の愛した人の命を脅かすものは許さない。

 

私は艤装を撫でると敵と向き合った。

 

とてつもない数だ。

今まで戦ったことのない量だ。

 

戦いの火蓋は切って落とされた。

 

私は自分の出せる最大の力を使って戦った。

守ると誓った。

 

私は、絶対に勝つんだ。

そう思った。

 

 

………

 

息が苦しい。

この数分で大半の雑魚敵を始末した。

 

しかし、それと同時に私も相当のダメージを受けていた。

 

もう一瞬でも気を抜いたら倒れそうだった。

 

敵の砲撃を避けたとき、目の前に別の敵から砲塔を向けられていた。

 

避けられない。

 

そう思った。

 

ここまでなのかな…

 

私はここで沈むのかな…

 

そう思ったときだった。

 

 

突如として大きな砲撃音が響いた。

 

ふと前を見ると私を狙っていた深海棲艦が吹き飛んでいた。

 

支援艦隊が到着したようだ。

 

そこからは圧倒的だった。

 

みるみる敵の数が減っていった。

 

ふと周りを見ると支援艦隊のメンバーの数人が私にも砲を向けていた。

 

提督の撃つなと言う叫び声が聞こえた。

 

私はその場にへたり込んで暫く動けなかった。

 

とっくに限界は超えていた。

 

足が徐々に沈み始めていた。

 

瞼が重い…

 

(また沈むのかな…無事なら…いいか…)

 

そう思って目を閉じのさ永遠の眠りにつこうとしたとき。

 

私誰かに支えられた。

 

目を開けると目の前には提督の顔があった。

 

提督「また、俺の前から居なくなるのかい?涼月…」

 

私は目を大きく見開いた。

 

「な…何故…私は深海棲艦なのに…」

 

そういうと提督は笑ってこういった。

 

提督「愛した人を忘れてどうする」

 

私の目から涙が零れ落ちた。

 

指輪が光った。

 

 

 

真っ白な世界に包まれたようだった。

 

光が収まると変わったことが一つだけあった。  

 

 

私の姿がもとに戻っていたのだ。

 

 

月が海を照らし、綺羅びやかに波が光を反射していた。

 

提督「おかえり…涼月…」

 

そう言って提督は私を抱きしめてくれた。

 

私も泣きながら抱きしめ返した。

 

「涼月…ただいま…戻りました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

n年後。

 

「n年前の今日が初めてお前とあった日だな。桜が綺麗だったことを思い出すよ。」

 

「そうですね。懐かしい、もうこんなに年月が経ったんですね。」

 

「そうだ。久しぶりに鎮守府へ顔を出すのはどうだい?姉妹が確かこちらへ着任していただろう?」

 

「良いですね。はい、確か手紙ではそう言ってました。」

 

「鎮守府か、懐かしいな…雪風に娘の顔を見せてやると約束したからな。ついでに見せてやろう。」

 

「私も雪風さんに久しぶりに会いたいです…どうしてるんでしょうね。」

 

「アイツのことだ。どうせ楽しくやってるよ。」

 

「それもそうね。」

 

「思い出がたくさん蘇ってくるよ。鎮守府へ行ったらまた屋上で夜景を見に行かないか?」

 

「確かにそうですね…色々ありましたものね…

  

それはいい考えですね!はい…あなた!喜んで!」

 

彼女の指には提督と同じ指輪が輝いていた。

 

 

涼月の夜  完

 

 

 




完結…
処女作にしては結構成長したと思ってます。

終わり方もちょっと満足行ってないので要改善ですね…

見てくれた皆様。本当に有難うございました!
至らない所沢山あったと思いますが沢山の方に読んでいただき、とても書いていて楽しかったです。

また別の作品でお会いしましょう!


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そういやあれどうなったの!とか自分の中でなったので書きます



 

 

 

 

約13もの鎮守府が合同で敵の本拠地を掃討したため、人類と深海棲艦の戦いは終止符を迎えたはずだった。

 

しかし、その後も深海棲艦は大きな司令塔的存在こそ確認されていないものの未だに増え続け、艦娘は日々戦いに明け暮れていた。

 

だが、海軍側が新たに立案した戦闘方法により、轟沈数や大破数は大きく減少していた。

 

あの戦いのあと、私は深海棲艦として多数の艦娘や提督に目撃されてしまった為に軍法会議にかけられたが提督の必死の弁護の末、提督の辞職といった形で騒動は収まった。

 

私もすぐに軍を脱退して、提督と二人暮しを始めた。

幸いお互い貯金は有り余っていた為何不自由なく生活できた。

 

 

数ヶ月も経たないうちに私は提督のプロポーズを受けた。

断る理由など微塵もなかった。

 

艦娘と提督の結婚は珍しいことではなかったが、話が大きくなってしまい、結婚式当日は多くの軍関係者や友人が集まる形となってしまった。

 

その夜私達は一夜をともにした。

 

 

次の日私達は途中で花を買ってから鎮守府へと向かった。

 

本来なら民間人は入れないのだが、現在の此処の司令官は元々提督の同期で親友だったので特例ですんなり通ることができた。

 

懐かしい人や艦娘達と会ってたくさん話をしたが私達にはこの鎮守府へと来た目的があった。

 

鎮守府の外れの丘を登り、桜の大樹の根本まで来た。

そこには、石碑が静かに佇んでいた。

数々の轟沈者を出したあの戦いの慰霊のための石碑だ。

 

私達は目を瞑って黙祷をした。

 

色々な思いや懐かしい思い出が目の前に浮かぶ。

 

目を開けてそっと石碑に花を添えた。

 

また、来ます。

 

そう呟いた。

 

 

 

…………

 

数カ月後、ある吉報が届いた。

 

私はすぐさま連絡を入れてその場所へと向かった。

 

大湊警備府。

 

初めてくる場所だった。

 

門の前に行くと憲兵達に何か用事があるのかと聞かれた。

ここの司令官に会いに来ました、というと話は聞いている、身分を証明出来るものは?と簡単なチェックだけで優しく司令官の場所まで案内したくれた。

 

途中すれ違う艦娘達の多くは何事だ、誰だと行った視線を送ってきていたが憲兵たちの持ち場にもどれとの一喝ですぐにどこかへ散っていった。

 

司令室の前まで来ると、憲兵は自分はこれで、と言ってすぐに戻っていった。

 

ノックをする。

 

緊張で胸の鼓動が早くなっているのを感じた。

 

どうぞという女の人の声が聞こえた。

 

扉を開けるとそこには軍服を着た階級は…大佐だろうか?女性の司令官と横に、軽巡の天龍が座っていた。

 

横に立っていた大淀が私に座るように促した。

 

失礼します。

と言って静かにソファーに腰掛け、司令官の方へと目線を向ける。

 

司令官が口を開く。

 

「まず、お互い自己紹介から始めましょうか。私は大湊警備府、司令官の冬原と申します。こちらは、軽巡の天龍。」

 

「軽巡、天龍だ。」

 

無愛想な自己紹介だなと私は思った。

しかし、このあとの話題を考えると仕方がないのかなと思い直し私も口を開いた。

 

 

「元、舞鶴鎮守府所属 秋月型3番艦 涼月です。本日はよろしくお願いします。」

 

司令官「それで、ご要件は…こちらに在席していた第六駆逐隊のメンバーについてだそうですが…」

 

そこから、私はありのままのことを語った。

あの子達に救われたことを。

守れなかったことを。

 

そして…

 

私のせいで沈んでしまったことも…

 

司令官の目が徐々に見開かれていき、顔が驚きの表情と悲しみの色で染まった。

 

話し終える頃には天龍さんも、司令官も両方泣いていた。

 

「私は、あの子達に救われたました。生きる意味を思い出させてもらいました。なのに…私は守ることができなかった…」

 

司令官「いえ…涼月さんは悪くないです…あの子達は本当に優しい子達でした…それに私はそのことを知りませんでしたがあの子達は鎮守府でも本当に楽しそうでしたよ。」

 

司令官「それに…あの子達も出撃するときは艦娘です。覚悟を持ってないと戦えません。教えてくださり…ありがとございました…」

 

彼女は泣きながら第六駆逐隊が帰ってこなかったときのことを教えてくれた。

 

心配のあまり寝込んでしまったことも…

毎日どこかで生きていてくれるんじゃないか、そう信じたかったそうだった。

 

私は持ってきた鞄の中からあのとき回収した遺品を司令官の方へと差し出した。

 

それを受け取った司令官と天龍は声を上げて泣いていた。

 

天龍もまた、彼女達と仲が良かったのだ。

 

 

鎮守府を出た私は帰路へとついた。

 

 

戦争とは悲惨だ。

得る物など一部の人間にしかない。

 

私は多くのものを失った。

失いすぎた。

 

だが、それでも私は生きる。

 

 




本当の完結


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