世界一の魔法使い系ヒーローを目指すヒーローアカデミア Ⅱ (シド・ブランドーMk-Ⅳ(地底の住人))
しおりを挟む

雄英を受験する

はい。ごめんなさい。序章すら書けてないのにいきなり雄英編に行ってしまいました。

だってしょうがないじゃん!高校編はすぐイメージできるのに修行のシーンが全然思い描けないんだもの!
軽く100ページ超えそうなんだもの!

絶望ものだよ!?


久しぶり!天野翔琉です。今僕はこいしちゃんと一緒に雄英高校の門の前に来ています。

その前に質問?

何故雄英高校の門の前に居るのかって?

そんなの受験するために決まってるじゃん?

 

え?何故こいしちゃんが居るのかって?全ての記憶を思い出させてくれた俺のヒロインだからだよ!

 

正直ぞっこんだよね!もうこいしちゃんと出会って生活できてるってことだけがもう幸せ!

 

もう落ちてもいい!最悪向こうの世界でアベンジャーズに入ったらいいし!

あ…でもあの人たちは職業じゃないのか…。じゃあダメだ。

 

でも神様ありがとう!この恩は一生忘れない!あなたのとこの宗教に入るよ!

宗教の名前知らないけど!

あ、許可してくれたさとりさんや紫さんにも感謝しないとね!!

 

おっと、話が逸れちゃた。幻想郷について2日後くらいだったかな?霊夢や魔理沙と出会って色んな魔法を教えて貰っていたのに記憶は全く戻らなかったんだけどさ、こいしちゃんを見た時、頭に雷が落ちてきたような感覚に陥ったんだ。もうそこで全ての記憶を思い出したんだよね。

 

何を言っているのか分からないだろうけど、俺も興奮しすぎて何言ってるのか分からないよ。

 

 

 

 

 

さぁ!やって参りました実技試験!筆記試験はまあまあできてたと思う。落ちることは無いんじゃないかな。今はマイクの説明を聞いてる最中さ。

 

『受験生のリスナー達!今日は俺のライブにようこそー!』

 

「「Yeaaaaa!」」

 

もちろん返事をしているのは俺ら2人だけである。ほかの人たちから変な目で見られてるけど気にしない!ぶっちゃけこいしがいなかったら俺も返事してなかったと思う。

 

『センキュー!カップルのリスナー!じゃあ今から今から実技試験の説明を始めるぜー!アーユーレディー!?』

 

「「YEAAAAAAA!」」

 

『またまたセンキュー!各自配られたプリントを見てくれ!』

 

「ねぇ翔琉。みんな変な目で見てたけどなんで?」

 

「あー、あれだ。みんな緊張してるんだよ。まぁでもこういうのは楽しんだもん勝ちだと思ってる。周りの目は気にせず好きにやっておいで。」

 

「りょーかーい。」

 

 

『他に質問はあるか?じゃあこれで説明は終わりだ!じゃあ各自着替えてそれぞれの演習場に向かってくれ!』

 

 

「じゃあこいし。試験が終わったら校門前で集合な。お互い頑張ろうな。」

 

「了解。絶対うかろうね!」

 

「おう!」

 

がぜんやる気出た。これはもう受かってこいしと学生生活送るしかないわ。

 

その時の受験者たちの心はほぼ1つだった。

 

『『『『バカップル死ね!!』』』』

 

 

━ ━演習場にて ━ ━

 

──翔流サイド──

 

「(身体能力強化系のスキルはかけたからバッチリ。あとはスタートの合図を待つのみ!)」

 

『ハイスタート!!』

 

開始の合図と同時に僕は動きだした。

 

「禁忌!『フォーオブアカインド』!」

 

僕はフランのスペルを発動させながらロボットに向けて走り出した。

 

「僕は真ん中行くから、2人は左右に別れて!ロボット倒したり、倒れたり怪我してる子助けて!あと0ポイントが出てきたら0ポイントの前で集合!」

 

「「了解!!」」

 

──本体サイド──

 

「炎よ 巨人に苦痛の贈り物を!!」

 

僕はステイルの炎の剣を出しながら仮想敵に向かっていった。

 

剣先が触れた瞬間、紙のように切断され爆発した。

 

こうなることは予想済み。摂氏3000℃だよ? こんな装甲の物が耐えれるわけないよね。

 

そんな脆い奴らを炎剣で次々にバッタバッタと危なげなくなぎ倒して行った。

 

3ポイント10体 2ポイント15体 1ポイント25体

 

今のところ合計で85ポイントか。

 

……85ポイント!? 本体だけで!?

 

いやぁ、……これは予想外。敵感知で見つけやすいとはいえちょっとやりすぎ?

 

あ……あの子足引きずってるな。怪我してんのか?治してやるか。ていうか後ろ危ねぇ!

 

「そこの怪我してる子しゃがんで!後ろからロボット来てる!」

 

「まじ!?……やばッ!!」

 

「フリペンド!!吹っ飛べ!」

 

「標的、ブッコロ……(ドンッ!)」

 

セーフ!

 

呪文が当たった瞬間に仮想敵は飛んでいった。

 

「いやー、危なかったね。大丈夫だった?」

 

「うん。大丈夫。ありがとう。……でも足が捻挫しちゃって。」

 

…って、よく見たら耳郎ちゃんじゃん!

 

「了解。…ヒール!…どう?もう治ったでしょ?」

 

「凄っ!ほんとありがとう!!これでまた点数稼ぎに行けるよ!」

 

こんなに真っ直ぐお礼言われると照れるなぁ。

 

「良いってことよ。お互い無事受かるといいね。」

 

「そうだね。…次は教室で!」

 

「おう!」

 

……我ながら青春してんなぁ。前世なら絶対無かったもんな。まぁ、その記憶があるから今回行けただけかもしれんが。こいしに会った時はマジで思い出したくないくらいテンパってたからなぁ。

 

本体である俺はそこからはレスキューポイントに専念することにした。

 

治してあげたり手助けしながらレスキューポイントも20ポイントくらい溜まったかなって所まで来た。

 

その時だった。

 

ドンッ!ドンッ!と大きな音が近ずいてきた。

 

来たな。0ポイントの大型仮想敵!!

 

 

 

……うっわ。思ったよりデッカ!

まぁ、最後は爆裂魔法をぶっ放して汚ねぇ花火で終わらせようか。

 

 

『紅き黒炎、万壊の王。天地の法を敷衍すれど、我は万象昇温の理。崩壊破壊の別名なり。永劫の鉄槌は我がもとに下れ!』

 

 

詠唱を始めた瞬間、0ポイントの上に大きな魔方陣が4つ現れた。

 

 

…そして、

 

 

『エクスプロージョン!!』

 

 

ドーン!

 

 

という音とともに0ポイントがいたところに黒煙が立ち上る。

 

 

《試験、終~了~!!≫

 

 

「終わったー!これは自信しかない。」

 

──こいしサイド──

 

「たしか、司会者みたいな人がロボットを倒して点を取っていけって言ってたよね。」

 

そんなことを考えながら会場を歩いていたら

 

『標的…ブッコロス!!』

 

横からロボットが現れ殴りかかってきた。

 

「あれ?もしかして気付かれてる?…よっと!」

 

「もう~。いきなり危ないなぁ。それッ!」

 

ロボットはゴンッ!という音とともに吹っ飛んでいった。

 

「…あ!飛びながら倒していったら効率良いかも!」

 

そこからは流れ作業だった。演習場を飛びまわりロボットを見つけたら弾幕を飛ばす。

 

あっという間に100ポイントは超えた。

 

実技試験終盤、こちらでも0ポイントが現れた。

 

「うわぁ。本当におっきいねぇ。」

 

「これもやってみよっか…『グローイングペイン』!!」

 

この技は茎でつながった大きな薔薇がたくさん出てきて攻撃するものだ。その大きさは平均的な人間の上半身ほどの大きさがあり、その薔薇が0ポイントの顔面に直撃していった。

 

その直後、ロボットの顔面がズタズタになり、動かなくなった。

 

[試験 終〜了!]

 

「妖力で出来た薔薇は痛かろう……てね!」

 

 

──教師による実技審査──

 

「今年の受験生は豊作でしたね。」

 

「そうね。1位と2位の子には差はつけられてしまってるけど、救助ポイント0で3位の子。そして、反対に敵ポイント0で10位の子。途中までは不合格者の典型的なあれだったけど最後に0ポイントを倒して救助ポイントを手にいれて合格。」

 

「0ポイントをぶっ飛ばした時は思わずガッツポーズしながら叫んじまったぜ!」

 

そう言って再びガッツポーズしたのはプレゼントマイク。

 

「だが、パワーを制御出来ずに自壊するのは良くないな。マイナスポイントだ。」

 

そう厳しい評価をしたのはイレイザーヘッドだ。

 

「そこを制御出来るように導くのが俺たちの仕事だろ?」

 

そう擁護したのはブラドキングだ。

 

「まぁ…それはそうなんだが。」

 

「それよりも1位と2位のカップルリスナーだろ!なんだあの個性と強さ!もしかしたら俺らよりも上なんじゃねぇの?って思っちまったよ!」

 

「確かにあの強さはやばいわね。並のプロヒーローじゃ勝てなさそうね。」

 

「えぇ、資料を見た限りかなり強力ですよ。」

 

「1位の名前は天野翔流。個性は『魔力』。様々な道具を使って魔力を引き出し、様々な現象を起こす個性。そして2位は古明地こいし。個性は『無意識』と『妖力』。」

 

「無意識と妖力?どっちも皆目見当つかないな。」

 

「『無意識』は相手に認識されずに行動できる個性。視界に入らない限りは認識されないという個性です。何らかの理由で注目が集まると効果が薄まるそうです。弱点としては機械のセンサーなどには引っかかる、だそうです。」

 

「隠密系のヒーローになれればかなり強力ね。でも妖力ってどういうこと?」

 

「私自身もちゃんとした理解は出来ていませんが、恐らく0ポイントに放った薔薇や、その他のロボットに放っていたハート型の弾のようなものだと思われます。」

 

「個性についてはわかったわ。でも1つ気になることがあるんだけど。」

 

「何でしょう。」

 

「『魔力』と『妖力』の違いって何?見た限り違いが分からないんだけど。」

 

「調べた限りの情報ですが良いですか?」

 

コクコクとみんなが頷くのを確認すると、

 

「魔力とは魔法を使うための力で、体力のようなものです。妖力も似たようなものですが、妖怪が怪異を起こすための力をさすそうです。」

 

「つまりこの子は妖怪の個性ってこと?」

 

「えぇ。その通りです。皆さんは「さとり」という妖怪をご存知ですか?「さとり妖怪」とは人の心を読む妖怪のことです。写真を見てもらえれば彼女に閉じた瞳があるのが分かります。本来この目は「第3の目」、サードアイと呼ばれており、心を読むための目だそうです。彼女のお姉さんも同じ個性を持っていましたが、心を読まれるのを周りから嫌われており、彼女は嫌われるのが嫌で第3の目を閉じてしまったようです。その結果、瞳を閉じた彼女は周りから認識されなくなり、個性が「無意識」に変化したそうです。」

 

「ただ、自分では無意識を制御することが難しいらしく、放浪癖があるそうです。」

 

「これも私たちが導いてあげなきゃいけない案件ね。」

 

「みんな古明地さんの方に寄ってしまっているけど、天野君はどうなのかな?」

 

「校長、お疲れ様です。今から説明する予定でしたが、正直に言うと魔力と道具を使って現象を引き起こすという以外何も分からないんです。実技試験でやっていたのが全力なのか、それともまだ本気じゃないのか。できることが分からない現状、入学させて少しづつ調べていくしかありません。」

 

「分かったよ。じゃあ相澤くん。天野君、緑谷くん、爆豪君、古明地さんの4人の面倒よろしくね。」

 

「…分かりました。」

 

「みんなもそれで良いかな?」

 

「「「「異議なし!」」」」

 

「じゃあ他の生徒の合否も決めなきゃね。」

 

雄英の教師たちは、しばらく徹夜だったそうだ。

 

 

 

 

 

 




魔法の修行シーン欲しいですか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

雄英初日、個性把握テスト

 

やっほー。

僕とこいしは今、1-Aの扉の前にいます。

 

今日は入学式だ。(入学式には参加しないけど。)

 

ちなみに実技試験の結果は僕とこいしでワンツー合格だってさ。

 

こいしも100ポイント超えてたし、僕なんて200ポイント超えてたんだって。歴代最高らしいよ。オールマイトに褒められた。やったね!

まぁ、分身してたからね、仕方ないね。

 

あ…体育祭の時代表で喋らないといけないじゃん、だっる。

 

教室に入ると誰も居なかった。流石に7時半は早すぎたか…気合い入りすぎたよ。

 

「ねぇ、どこに座ればいいの?」

 

「あぁ、座席表が教卓かどっかにあるはず。」

 

「…あ!机に名前が書いてあるよ!」

 

「ほんとだ。自分の席探そっか(…隣同士だったら最高だなぁ。)」

 

「うん。…あ、あったよ!隣同士みたい。」

 

「マジで!?」

 

うぉー!マジで隣じゃん!しばらく華の学園生活だな!

 

そこから座ってなんやかんやしてる間に、欲望のままに膝枕してもらうことになりました。学校で膝枕とか青春しすぎだろ。

 

これはたから見たらやべぇ光景じゃね?

峰田あたりがみたらやべぇことになりそう。(白目)

…知らんけど。

 

やべぇ。眠くなってきた。

 

「ねぇこいし、先生が来るまで寝かせてよ。」

 

「良いよぉ。…私も寝よっかなぁ。」

 

Yes!Yes!Yes!

 

「じゃあ一緒に寝よっか。おやすみ」

 

「おやすみぃ。」

 

そして僕らは誘われるままに夢の中へと入っていった。

 

──しばらくして──

 

「──に足をかけるな!先輩方や作ってくださった方々に申し訳ないと思わないのか!!」

 

…騒がしいな。

 

「思わねぇよ!テメェどこの端役中学だァ?」

 

なんか重要なイベントのような気がする。…でもこの状態から立ち上がれないや。こっちの方が大事。

 

「ぼ…俺は聡明中学校出身だ!」

 

あぁ、これあれだ。かっちゃんと飯田くんの初めての掛け合いのやつだ。

 

「聡明ィ?クソエリートじゃねぇか!ぶっ殺しがいがあるな!」

 

「ぶっ殺しがい!?酷いな君!本当にヒーロー志望なのか!?」

 

「なぁ、実技試験の説明会でわかってたけどさ、あの2人神経図太すぎね?よくこんなうるさい中で寝れるよな。」

 

という声が聞こえてきた。…いや起きてるよ。この声は切島くんかな?

 

「そうだよねぇ。ほんともう、嫉妬を通り越して微笑ましいくらい青春してるよねぇ。」

 

これは芦戸さんの声かな?お褒めの言葉ありがとう。

 

「リア充ほんと消えろ!3年間これに耐えろってのか!…無理だよ!」

 

知らんよそんなこと。これは峰田の声だな。

 

「お友達ごっこがしたいなら他所へいけ。…ここはヒーロー科だぞ。」

 

相澤先生のご登場みたいだ。

 

「──はい。皆さんが静かになるまで8秒掛かりました。君たちは合理性にかけるね。…僕は相澤消太。君たちの担任だ。よろしくね。」

 

(((((担任!?)))))

 

って今頃びっくりしてるんだろうなみんな。

 

「とりあえず1人1セット体操服あるから。それ着てグラウンド集合。時間もったいないからはよな。あと、その2人誰か起こしといてくれ。…じゃ。」

 

「おーい。そこのお2人さーん。起きてー!グラウンド集合だってさ!」

 

「…ハッ!寝過ごした!起こしてくれてありがとうね。」

 

「良いって良いって。それよりさ、2人が出会った時のこと今度教えてね!」

 

おい何中要求してんねん芦戸さんはよぉ。

 

「良いよ!」

 

…何でOK出しちゃうかなこいしさんは。

 

「それより早く彼氏さん起こしてくれておいでよ、あの担任合理的主義みたいだから。」

 

「OK!翔流〜、起きて〜!……このまま立っちゃおっかなぁ。3...2...1...」

 

「はいすいませんでした!」

 

「よろしい。体操服着てグラウンド集合だってさ。」

 

「了解。…じゃあ着替えて行こっか。」

 

 

──グラウンドにて──

 

「全員揃ったな。…今からみんなには体力テストを受けてもらう。」

 

「先生!入学式やガイダンスは!?」

 

ご最もな意見だな。合理的主義なら教室であの説明しとけばいいのに。

 

「ヒーローになるにはそんなの出る暇もやる暇もないよ。…体力テストと言っても個性アリの体力テストだ。確か1位は天野だったな。試しにボール投げをしてもらう。線から出なきゃ何してもいい。はよな」

 

「…クソッ!」

 

「……。」

 

先生が僕を指名した瞬間、かっちゃんに罵られたし轟くんには睨まれた。。

…これはかっちゃんや轟君からライバル扱いされる展開かもしれない。

まぁいいや。

 

僕はポケットの中からリングを取り出した。

 

そう!Dr.ストレンジ師匠達が持ってるあれ!

 

「なんだ?サポートアイテムか?」

 

「指輪型のサポートアイテムか?珍しいな。」

 

「…チッ!(サポートアイテム使ってるやつに負けたのかよ。)」

 

まぁ、そんな反応になるよね。舌打ちはある意味予想内。

だって何しても舌打ちしてきそうだもん。あの子。

 

「スゥー…ハァー…(テレポート!)」

 

結局テレポートにした。リングは所謂ブラフというやつである。

 

「…距離、8㌔。」

 

「8㌔!?あいつ何したんだ!」

 

「投げるどころかなんの動作もしてなかったぞ!」

 

「ていうかあれ手のひらから消えてなかったか?」

 

またもや様々な反応が来た。

 

「う~ん?(なんの個性なんだろ。私が助けてもらった時は明らかにロボットを吹っ飛ばしてたし怪我も治してもらった。そして今度はテレポート?…本当になんの個性なんだ?)…」

 

「静かに!…これから君たちには今みたいな感じにすすめてもらう。」

 

おっと、これは最下位除籍なしの流れなのでは?

 

「俺からは以上だ。迅速に取かかれ。」

 

ほんとに無かった。

 

「なぁなぁ、これって思いっきり個性使えるってことだよな!!」

 

あ…。

 

「ほんとだ!すげぇ楽しそう!」

 

あ〜あ…さっきのはフラグだったか。思ってても口に出しちゃいかんでしょう。

 

「ちょっと待て。誰だ今楽しそうって言ったやつ。君たち3年間そんな腹積もりで居るつもりなのかい?…だったら、最下位のやつは見込みなしとして除籍にしよう。」

 

あ〜あ。結局最下位は除籍ちなるのか…。最下位が除籍にならない平行世界ってどれくらいの確率なんだろか。

 

「ちょっと待ってください!いくらなんでも除籍なんて理不尽すぎます!」

 

そうだそうだ、もっと言ってやれ。意味無いけど。

 

「この世には災害や敵の襲撃なんて理不尽、いくらでも起きてきたし、今後も起きるだろ。。そして、ヒーローはそんな理不尽ち立ち向かって行かなければならない。学生生活の間、我々は君たちに困難を与え続ける。プルスウルトラだ。…全力で乗り越えてこい。」

 

やっぱ為になる話だね。

僕もピーターの手伝いしてたからわかる。……理不尽がすごい!

 

 

──メートル走──

 

「蛙水さん、これからよろしくね」

 

「よろしくね、天野ちゃん。梅雨ちゃんと呼んで。」

 

位置について

 

よーい、スタート!!

 

蛙水…5.58秒

 

天野…3.00秒

 

「すげぇ!あいつ空飛んでるうえに速ぇ!」

 

「テレポートできて空飛べるうえに速ぇなんて万能すぎじゃね!?」

 

「凄く速いのね、天野ちゃん。」

 

「ありがとう、梅雨ちゃん。」

 

「ねぇ天野ちゃん。貴方の個性ってなんなのかしら?」

 

まぁ、そう思うよねぇ。…なんて答えよ。

 

「う〜ん…時期が来ればみんなに話すよ。それまで待ってて欲しいかな。」

 

「ケロケロ…わかったわ。」

 

こいしも空飛んでた。

 

結果は4.3秒。

 

「あっちも空飛べんのか!!」

 

「…ハァ!リアルに2人で空飛ぶ旅が出来んのかよ!羨ましすぎんだろ!!」

 

「…確かに羨ましい。」

 

「私のアイデンティティが!!」

 

──握力──

 

障子君の540kgはともかく、八百万さんの万力はやべぇだろ。ずるすぎるだろ。

 

……まぁ僕もドーピング(バフ)するから同類か!

 

天野…240kg

 

こいし…150kg

 

ー立ち幅跳びー

 

「「先生‼ 僕(私)たち飛べます!」」

 

「すげぇ息ぴったりだな」

 

そんなほめないでよ。照れるじゃん。

 

「どれくらい飛べる?」

 

「「疲れるまで!」」

 

「・・・無限だ。」

 

「マジか!!とうとう無限出しやがった!」

 

・・・どやぁ。

 

 

──反復横跳び──

 

「これなら俺の右に出るやつはいねぇ!」

 

と豪語し、個性を使って凄まじい速度で反復してた。

 

だが残念だったな峰田よ。その上を僕は行く。

 

「禁忌!『フォーオブアカインド』!(そして、それぞれにバフをかけていく)」

 

「反復横跳びやるぞ!」

 

「「「おー!」」」

 

「今度は増えた⁉…てことは古明地の方も‼」

 

残念、こいしは普通にやっています。

 

「よかった。普通にやってる…いやちげぇ‼分身とか勝てるわけねぇじゃん!!」

 

「どんまい峰田。あれは勝てない。」

 

「ちくしょー!ていうかあいつの個性何なんだよ!万能すぎだろ!」

 

──持久走──

 

「先生、ちょっといいですか?」

 

「なんだ?」

 

「僕、魔力があって飛行魔法だけなら半日は飛べると思うんですが(小声)」

 

「…分かった。お前と古明地。君たちは無限だ。」

 

よっしゃ!走らなくても飛ばなくても済む!

 

「えぇ、みんなと走ってみたかったなぁ。」

 

と、不満そうなこいし。…まじでか。

 

上体起こしは反復横跳びみたいに分身とスピードのバフでトップをとって、長座体前屈は普通にやった。……意外に体が硬ぇわ。

梅雨ちゃんは舌伸ばしてた。…やっぱ適材適所なんだなって。

 

「んじゃ、ぱぱっと結果発表。」

 

1人凄い顔してる。この世の終わりみたいな顔。言わずもがな緑谷くんである。安心しろ緑谷くんよ。君は見込みありだ。

 

「ちなみに除籍は嘘な。君たちに全力を出させるための合理的虚偽」

 

「「「「えぇぇぇぇぇえ!」」」」

 

「うそぉぉぉ!」

 

「そんなの嘘に決まってるではありませんか。ちょっと考えれば分かりますわ。」

 

「ちょっと待つんだ八百万さんよ。」

 

見ててくれこいし。俺の素晴らしいトーク力を!

 

「なんですの?天野さん。」

 

「君は今相澤先生の『最下位は除籍』を嘘に決まってるって言ったね。」

 

「えぇ。相澤先生も嘘だと仰っていたではありませんか。」

 

「うん。でもね、相澤先生は嘘にしたんじゃないかなって考えてる」

 

「どういうことですの?」

 

「先生がその時言ったセリフを覚えてる?先生はこう言っていた。『最下位は見込み無しとして除籍にする』つまり、緑谷くんは最下位だったけどは見込みがあったから除籍にしなかったんじゃあ無いかな?」

 

「な、なるほど…」

 

「逆に言えば、最下位じゃなくても見込みがなければ除籍にしてたんじゃあないかな。…ですよね、相澤先生。」

 

こいしは……見てねぇ!それどころか個性把握テストの結果に興味すらいってねぇ!

 

「ハァー…そういうことだ。これからも精進しろよ。見込み無しと判断すれば即除籍対象になるからな。」

 

「じゃあ、もう今日はここで解散だ。はやく着替えてさっさと帰れよ」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

「…天野さん。凄いですわね。流石主席ですわ。そこまで考えが及びませんでしたわ。私もまだまだだということですわね。」

 

「ありがとう、八百万さん。これからよろしくね。」

 

「はい。こちらこそよろしくお願いしますわ。」

 

「「…チッ!」」

 

なんか舌打ちが聞こえてきた。

1人は性欲の権化みたいな峰田くん。もう1人は自尊心の塊な爆豪くんだ。

 

 

───帰り───

 

「ねぇ、こいし。初めての学校は楽しかった?」

 

「うん!凄い楽しかったよ!それに、私の事忘れないでてくれそうな人達がいっぱい居そうだったから嬉しかった!」

 

「そう思ってくれて何よりだよ。…そうだ!今日の晩御飯は何がいい?」

 

「う〜ん…そうだ!入学祝いって行事やってないよね!豪華なお肉料理が良いな!」

 

「よっしゃ!気合い入れて作るぞ!そうと決まれば食材買いに行かなきゃな!」

 

 

 

 

 




修行シーン欲しいですか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

屋内対人戦闘

 

今日の午後は待ちに待った初の戦闘訓練の日だ。

 

僕のコスチュームは黒くてローブが足まで届くパーカーにパステル入れやカード入れが付いたものだ。いかにも魔法使いが着てそうな

そしてこいしはいつもの服に耐火性能などを付けたやつ。

可愛い。

 

「始めようか、有精卵ども!  戦闘訓練の時間だ!」

 

「先生!ここは入試の演習会場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!」

 

飯田君は相変わらずだね。

 

「いいや!もう二歩先に進む。屋内での対人戦闘訓練さ!!…敵退治は主に屋外で行われるが統計だけで言えば凶悪敵は屋内に潜んでいる確率が高いんだ。」

 

こっち(ヒロアカの世界)とあっち(マーベルの世界)じゃやっぱ違うのかな。凶悪敵でも高確率で外で暴れてる方が多かったから感覚が向こうによりすぎてた?

 

「監禁・軟禁・裏商売!このヒーロー緩和社会、真に賢い敵は屋内に潜んでいる。そこでだ!君たちにはこれから「敵側」と「ヒーロー側」に分かれて2対2の屋内戦闘を行ってもらう。」

 

なるほどなぁ。確かに向こうの世界は凶悪敵もヒーロー側も少なくてヒーロー社会とは言えないもんなぁ。

 

「基礎訓練もなしに?」

 

「その基礎を知るための実践さ。ただし、今度はぶっ壊せばOKなロボじゃないのがミソだぞ!」

 

その瞬間、生徒たちから様々な質問がオールマイトに飛んでった。

 

その内容は、「ぶっ殺していいのか・除籍はあるのか・ペアはどうなるのか・マント格好良くない?」とかだ。

 

明らかに最後のおかしいでしょ。もはや質問じゃねぇ。

 

「(んんん~~~!!聖徳太子!!)…いいかい⁉状況設定は「敵」がアジトに「核兵器」を隠していて、「ヒーロー側」はそれを処理しようとしているんだ!ヒーロー側は制限時間内に「核兵器」に触れて回収するか「敵」を捕まえるんだ。反対に敵側は「核兵器」を制限時間まで守り切るかヒーローを捕まえたら勝利とする。コンビおよび対戦相手はくじだ。」

 

「適当なのですか⁉」

 

そしてまじめな飯田君が困惑したように質問する。

 

「プロは他事務所のヒーローとチームアップするすることが多いから、そういうことじゃないかな」

 

と緑谷君がオールマイトの補足説明をしている。

 

「なるほど!先を見据えての計らい、失礼いたしました!」

 

・・・ていうか、飯田くんちってヒーロー一家だったよね?

兄達からそういうことは聞かなかったのかな?

…いや、それとこれとは別問題か?むしろオールマイトのあの説明からよくそこまで推測できたな。流石ヒーローオタク。

 

「いいよ!はやくやろう!」

 

とうとう自分がくじを引くばんがやってきた。

 

運を上げるバフもかけまくって準備万端!

 

「(こいしとこいしとこいしとこいしとこいしとこいしとこいしと!!)」

 

「…ノー!」

 

…こいしと一緒になれなかった。

なんでだよ!

まぁ、気持ち切り替えて、

 

…星マーク?

とりあえず相方は…葉隠さんか。

 

「葉隠さん!よろしく!」

 

「天野君も星マークなの?こちらこそよろしく!」

 

1回戦

緑谷くん&麗日さん vs 爆豪くん&飯田くん

 

結果は散々だった。爆豪くんは単独行動で緑谷くんに突撃。そして緑谷くんはそれに応えて結果的に建物を半壊させた。

 

「先生!緑谷くんのこと治してあげにいっても良いですか!」

 

「…!許可しよう。」

 

「ありがとうございます。あと、ここ周辺から離れていてください。」

 

「分かった。」

 

「緑谷くん。…治療するね。」

 

「天野君!…うん。お願い。」

 

ついでに3人とも回復させてあげよか。約1名から罵倒されるだろうけど。

 

「了解。…ハイネスヒール!」

 

そう唱えると緑谷くんやほかの3人にあった傷や骨折がみるみるうちに無くなって言った。

 

「す、凄い!ありがとう!天野君!」

 

「うわ!私たちのまで治ってる!」

 

「ほんとだ!天野君、感謝する!」

 

「いいっていいって。どういたしまして。」

 

素直に感謝されると嬉しいな。……こっから地獄パートだけど。その前に、

 

「みんなのところに帰るよ! テレポート!」

 

「うわ!びっくりした!」

 

「もしかして、ボール投げの時もこんな感じで飛ばしてたの!」

 

「Exactly(その通り!)!」

 

「ですわよね!天野さん!先生!」

 

……え?

 

「う、うん。その通りだと思うよ。」

 

「あ、あぁ。まだあるが概ねその通りだ。」

 

ほら、オールマイトも若干困惑してんじゃん。

 

「立派なヒーローになるには日々精進有るのみですので。」

 

お、おう。立派なことだよね。

 

第2回戦

 

轟君&障子君(ヒーローチーム) vs 尾白君&こいし(敵チーム)

 

作戦会議

 

「ねぇ、古明地さん。僕の個性は見ての通り尻尾なんだけど、君の個性ってなんなの?空を飛ぶ個性?」

 

「違うよ。」

 

「え、違うの?個性把握テストのとき、空を飛んでたからてっきり空を飛ぶ個性なんだと思ってたんだけど。」

 

そう思うのは無理はない。個性把握テストでは空を飛んでいただけなのだから。

 

「私の個性はね…」

 

──モニタールームside──

 

「さっきはありがとう、天野君。」

 

「良いっていいって。」

 

「ところで、1つ聞きたいんだけど。」

 

「ん?なんだい?」

 

僕の個性の事かな?

 

「古明地さんの個性って空を飛ぶ個性?」

 

まぁ、聞かれるよね。

 

「空飛ぶ個性以外有り得なくね?だって個性把握テストでもとんでたじゃん。」

 

「僕も最初はそう思ってた。でも、あのプラグのようなものに繋がってる閉じた瞳は何なのかなって…まるで、最初からあったけど機能は停止しています。って感じで全然違和感ないんだよね。本当の個性はその瞳に関係するもの何じゃないのかな?」

 

やっぱ色んな人の個性を研究してる人は違うなぁ。ほぼ当たってるよ。

 

「いや、いくらなんでもそれは……」

 

「その推理、概ねあってるよ。緑谷くん。」

 

「マジでか!!」「すげぇ!」

 

ほんとそれ。緑谷くん凄すぎ。

 

「彼女の本当の個性は…『無意識』」

 

「無意識…ですか?」

 

「そう、無意識。」

 

「無意識?…どんな個性なのか全く想像できねぇな。」

 

「まぁ、無理もないよ。僕も最初はよく分からなかったからね。無意識とは、相手の無意識を操り他人に全く認識されずに行動できる個性。」

 

「相手に認識されずに行動出来んのか!!チートだろ!」

 

まぁ、認識されないってだけだし、こっちの世界は機械が発達してるからね。そこまでチートじゃないかも。そう言おうとしたら

 

「アホか。ちっとは頭使えや。人の無意識を操って認識を捻じ曲げてんだろ。ならよ、機械のセンサーとかには引っかかるってことだろ。機械があんま発展してなかった時代ならともかく、現代じゃあ使いずれぇ個性だな。」

 

「正解だよ爆豪くん。幼なじみコンビは頭の回転が速いね!」

 

「あいつと一緒にすんな!」

 

「なるほどなぁ。対人戦はめっぽう強いけど、センサーとかがある建物の侵入には使えないってことか。」

 

「その通りだよ。あとは、何らかの理由でこいし自身に注目がいった場合、その効力は薄まる。」

 

「…でもよ、最初に緑谷が言ってた閉じた瞳にはなんの関連性もなくね?」

 

「ごめんね。そこはあの子にとっても結構デリケートな過去なんだよ。だから、みんなにそのことを話すかあの子と相談してからでもいいかな?」

 

「分かった。…なんかごめん。」

 

「いいのいいの!話すまでこいしの前ではそのことに触れないようにしてくれればいいから…それより始まるよ!こいしの勇姿をとくとご覧あれ!」

 

 

「ほんと、親ばかだなぁ。・・・いや、彼女ばかか?」

 

「そんなもんどっちでもいいわ!妬ましい事には変わんねえんだよ!!」

 

誉め言葉だよ。

 

「峰田、そろそろ慣れとけよ。そうじゃないと3年間耐えれないぞ」

 

 

──こいし&尾白君side──

 

「なるほど・・・無意識か。ありがとう。古明地さん。」

 

「いいよ。絶対勝つよ!!」

 

『敵チーム、準備はできているか?』

 

「できてます。」

 

「準備OKだよ!」

 

『分かった。・・・戦闘開始!!」

 

──轟君&障子君side──

 

「三階に1人いるな・・・すまん。もう1人の場所がわからん」

 

「謝るのはこっちだ。危ないから下がってろ。わかるわからないの前に動かなくなるからな。すぐ終わらせる」

 

 

そういうと轟君は建物を氷でコーティングした。

 

「す、すごいな。確かにこれなら殺さない程度に拘束できる。…だが、先日の個性把握テストで古明地が飛んだの見てたろ。これを予想して飛んでいるんじゃないのか?」

 

たしかに障子君の推理は間違っていない。

 

「確かにな。だが、2対1なのは変わりない。」

 

「変わりはしないが向こうは飛んでいる。轟はともかく、俺の場合滑る床は弱点になってしまう。注意することに越したことはないだろ」

 

「…わるい、確かにそうだな。注意して行こう」

 

──3階、核兵器のある部屋──

 

「クッ…ヒーローめ!小癪な真似を!」

 

「案の定1人いないか」

 

演技を無視される尾白君可哀想。

 

「だが、もう終わりだ。おとなしく核を回収されるんだな」

 

「核は絶対に渡さんぞ!」

 

「そうか…だがもう遅い」

 

と、歩き始めたとき。prrrr,prrrr…と電話の音が鳴り響く。

 

「は?こんな時に電話?…もしもし」

 

なぜこういう時人間は受話器をとってしまうのか

 

『私メリーさん。今屋上にいるの。ッ—…ッ—…』

 

「メリーさん?屋上?どういうことだ?」

 

prrrr…prrrr….

 

「またかよ・・・もしもし」

 

『もしもし、私メリーさん。今4階にいるの。ッ—…ッ—…』

 

「…!おい、障子!今あいつがどこにいるのか確認しろ!!」

 

 

「分かった!・・・やっぱりだめだ。どこにいるのか皆目見当もつかない。多分、風や音を立てないように移動しているんだ」

 

「チッ!…やっぱりだめか」

 

prrrr…prrrr….

 

「……。」

 

『もしもし、私メリーさん。今扉の前にいるのッ—…ッ—…』

 

「…!おい、扉の向こうだ!…慎重に開けてみてくれ。油断するなよ。」

 

「分かった。」

 

そういいながら扉を開けたが、誰もいなかった。

 

「…轟、廊下には誰もいないぞ。本当に扉の前って言ってたのか?」

 

…ガチャッ

 

『障子少年!アウトだ!』

 

「「…は?」」

 

「(ナイスだよ古明地さん。…何処にいるのか全く分からないけど!)お前たちは彼女のことを知らなさすぎた。」

 

「…なんだと?」

 

prrrrr…prrrrr

 

『もしもし、私メリーさん。…今。貴方の後ろにいるのッ—…ッ—…』

 

「…!」

 

轟くんは慌てて後ろを振り向くが、そこにも居なかった。

 

「残念。…こっちでした!」

 

…ガチャッ

 

『轟少年確保!敵チームの勝利!』

 

「さぁ!今回のMVPは誰か分かるかな?」

 

「は「はい!尾白さんか障子さんですわ。」」

 

クソッ!…取られた!しかもこいしじゃねぇし!

 

「それはなんでかな?」

 

「確かに凍らされたのは良くありませんわ。ただ、古明地さんの個性をフルに活かすためにわざと自分に意識を持っていくようにしていたのは良かったと思います。障子さんは個性を活かして相手の位置を探ろうとしていた。古明地さんも個性をフル活用して2人とも捕まえてたのはよろしいのですが、なぜ電話なんかを?」

 

「んー?私が怖いなって思う敵を演じてみたんだけどなぁ。だってね!怖くない?緊迫した状況に知らない電話番号からの電話!とったら見知らぬ声!内容をよくよく聞いてみたら自分に近ずいてくるの!」

 

うん、可愛い。相手がとることを前提にして取らなかったことを考えてなかったこいし。…可愛い。

 

「確かにそうですが、轟さんが電話をとらないとは思わなかったんですか?」

 

「…(考えてなかった。)その時はその時かな!!」

 

「考えていなかったんですね。…コホン。対して轟さんは自分の個性に信頼を置きすぎですわ。それに相手は飛ぶことが個性把握テストの時に分かっていた。なら、避けられることも考えるべきでした。その場合、障子さんへの負担も同時に考えるべきでしたね。」

 

「(また言われた!)…う、うん。その通りだ。」

 

 

そして、最終戦、僕たちの出番だ。

 

「さぁ、最終試合はEXステージだ!天野少年、葉隠少女!戦いたい相手と敵側かヒーロー側かを選んでくれ!!」

 

「私はどっちでもいいよ。天野くんは?」

 

ここは色々仕掛けられる敵側一択かな。

 

「じゃあ敵側で。」

 

「うむ!じゃあ戦いたい相手はいるかな?」

 

誰でもいいかな。結果は変わらないと思うし。

 

「僕は誰でもいいですよ。むしろ僕たちと戦いたい人います?」

 

「調子乗ってんじゃねぇぞテメェ!!俺がぶっ潰してやる!」

 

「1人は爆豪少年か。後1人、誰かいるかな?」

 

「「俺( 私、)がやります(たいですわ)」」

 

「2対2だからどっちか譲ってくれないか?」

 

「僕は3対2でも大丈夫ですよ。」

 

「えぇ!私が困るよ!」

 

「大丈夫。そうなっていざとなったら助けてあげるから。」

 

「えぇ、…それなら良いけど。」

 

「決まりだね。オールマイト先生。3対2でお願いします。」

 

「良いのかい!?凄い自信だね!!じゃあ、5人とも建物に向かってくれ。先程同様、着いた5分後から開始とする」

 

「「……」」

 

「…チッ!」

 

──天野&葉隠side──

 

こいしにかっこいいとこ見せるために!頑張るぞ!

 

「(天野君、魂胆が見え見えだなぁ。)天野君、顔に出てるよ?」

 

「え?…まじ?…コホン。じゃあ葉隠さん、核兵器を屋上に持って行ってくれないかな。」

 

「了解! 天野君はどうするの?」

 

「僕は色々仕掛けしていくからさ。」

 

「わかった。じゃあ屋上でね。」

 

そうして僕は葉隠さんと別れて、色々な仕掛けを施していった。

 

名ずけて!

 

ホームアローン作戦!

 

──モニタールーム──

 

「ねぇ古明地さん。」

 

「なぁに?もじゃもじゃ君。」

 

「もじゃもじゃ君!?…いや、天野くんの個性って何なのかなって。個性把握テストの時はテレポートしたり分身したり、そして今回は怪我を治してくれた。その中に一貫性が全くないんだ。だから、個性は何なのかなって」

 

「なるほどぉ。翔流の個性はねぇ、…『魔力』だよ。」

 

「魔力?」

 

「……それってあれか?ゲームとかでよくあるなくなったら魔法を出せませんよっていうMPのことか?」

 

「そう!それだよ!そのMPを使って魔法を操る個性!」

 

「真のチートはあっちだったか。」

 

確かにそれだけ聞くとただのチートだ。

 

「でもね、翔流曰く、中学になって先生に会うまで魔法を全く出せなかったらしいよ」

 

「何でかしら?」

 

「もしかしてだけど、出すための魔力はあってもそれを出すための技術が分からなかったんじゃないかな。」

 

「その通りだよ。」

 

「……てことは、たった3年間であそこまで出来るようになったのかよ。才能マンじゃなくてかなりの努力マンだな。漢だぜ!」

 

「だがよ、それならヒーロー側の方が有利なんじゃないか?」

 

「それは違うよビリビリ君!!」

 

「ビリビリ君て…俺の名前は上鳴電気な」

 

「ある地域ではね、才能の無い者、つまり、ここで言う無個性の人達がが才能がある者(個性がある人)に追い付きたいという願いのもと作られた技術が魔術や魔法なんだって!」

 

「才能の無い者が、才能がある者に追いつく為の手段…」

 

「そう!個性って色んなものがあるでしょ?攻撃型、防御型、回復型とか!それらを再現したものが魔術や魔法なんだよ!それを、個性『魔力』として体現したのが翔流の個性らしいよ。」

 

 

 

「なるほど、だがらやろうと思えば攻守どっちでも大丈夫ってことか。」

 

「そういうことね。……もう試合が始まりそうよ。その努力や技術は試合で確認することにしましょ。ケロケロ」

 

──天野&葉隠side──

 

「ねぇ天野君。本当に屋上でよかったの?」

 

もっともな質問だ。

 

「大丈夫だよ。色々仕掛けてきたから。…名付けて、「ホームアローン楽しんでね」作戦!」

 

「もしかしてネーミングセンスない?」

 

「グサッ!…あとは3人がここに来るまで紅茶でも飲んでケーキでも食べて雑談でもしとこうか」

 

僕はそう言いながら自分の家から机や椅子を含んだティーセットを取り出した。

 

「えぇ!それどっから出したの!?」

 

「ん?自分の家からだよ。…何食べたい?チョコケーキ、ショートケーキ、モンブラン、チーズケーキがあるけど」

 

「う〜ん。…じゃあチョコケーキで!」

 

「はい。」

 

「ありがとう!……じゃないよ!呑気にこんなことしててもいいの?」

 

「まぁ、そのことも含めて話してあげるからさ、落ち着いてよ、何かあった時のために屈折魔法、所謂透明化をかけとくからさ」

 

「…なら、良いのかな。でも、あの3人に失礼じゃない?」

 

「……確かに。ならティータイムはお預けだね。」

 

仕方ない。僕は全部家に戻した。

 

『葉隠少女!天野少年!準備はいいかい?』

 

「はい!」

 

『うむ!…試合、開始!』

 

「さてと、どこから話そうか。」

 

「じゃあさじゃあ!下で何してたのかと個性教えてくれない?」

 

「いいよ!」

 

──爆豪&轟&八百万side──

 

「スタートしたみたいだな。…どうする?」

 

「俺は真正面から行く!てめぇらは反対側からまわれや!」

 

「待ってください!葉隠さんはともかく、天野さんの個性は未だ謎ですわ!」

 

「うっせぇ!接敵してから分析すりゃあ良いだろうが!」

 

「…行っちまったな。反対側から行くか。」

 

「そうですわね」

 

そう言って反対側に回ろうとした直後、2回から大きな物音とガラスが割れる音がした。

 

後ろを振り向いたら先に入っていたはずの爆豪が外にいた。

 

「…チクショー!」

 

「爆豪、何があった。」

 

「2階の廊下を歩いてたら急に壁がこっちに向かってきたんだよ!んで窓から放り出されたッ!クソがッ!」

 

「だから言いましたのに。天野さんの個性は謎だと。」

 

「チッ!…てめぇらもせいぜい気をつけるこったな。」

 

今後とこそ彼らは別れて探索することになった。

 

──轟&八百万side──

 

「轟さん、ダメです。鍵が開いている部屋が少なすぎますわ。開いていても何も無い空間だけです。」

 

その時、轟があることに気が付いた。

 

「……なぁ、なんで鍵もついてない引き戸が開かねぇんだ?」

 

「…!これは、もっと慎重に動かなくてはなりませんね。彼にとって人数差なんて本当に些細なものかもしれませんわ。」

 

この後、2人はこの事実をもっと深く考えるべきだったと反省する出来事が起こった。

 

それは、

 

「轟さん。こっちの部屋は開いていますわ。中に入りますわね。」

 

「こっちもだ。何があるか分かんねぇから気を付けろ」

 

「えぇ」

 

──八百万side──

 

そっと扉を開けると、そこには誰も居なかった。

 

「ここもハズレですわね。私たちは誰と戦ってますの?」

 

そう思い足を踏み入れた瞬間、

 

「こ、…これは!」

 

足元が光だし、大きな物音を立て床が崩れた。

 

「きゃー!」

 

…気付くとそこは檻の中だった。

 

──轟side──

 

やはり轟が入った部屋も、もぬけの殻だった

 

「あいつら…何処にいるんだ?」

 

部屋に入った瞬間、他の部屋から大きな物音と叫び声が聞こえてきた。

 

「…八百万!!」

 

慌てて八百万が入っていった部屋に行ってみると、そこには大きな穴があり、八百万が檻の中に閉じ込められていた。

 

「すみません轟さん。私たちが思っている以上に気を付けなければいけませんでした。」

 

「こうなったのは仕方ない。…何があった?」

 

意外に紳士!轟君!

 

「部屋に足を踏み入れた瞬間、足元が光だしたんです。気付くと床が崩れていて、1個下のこの階に落ちてました。そして、地面に触れた瞬間、またしても光だし、檻ができていたんですわ。」

 

「聞いてる限りじゃ八百万、お前に非はないな。俺が同じ状況でもそうなっていたと思う。」

 

「優しいんですのね。…!そうですわ!床が崩れる前、魔法陣のようなものが浮かび上がったんですの。恐らく天野さんの個性は魔法使いかそれに類似した何かだと思います!」

 

「なるほど、魔法系統か。何が出来るのか全く分からないが厄介なのは確かだな。…だが、このままでは接敵すら叶わず終わっちまうな。何とかして場所を見つけ出さないと。」

 

「なら、一刻も早く爆豪さんと合流するべきですわ。」

 

「あぁ、そうだな。…行ってくる。」

 

──一方その頃、天野と葉隠は───

 

雑談していた。

 

「へぇ!天野君の個性って色んなことが出来るんだねぇ!…じゃあねじゃあね!あの3人がこっちに来る気配が全くないのは何でなの?」

 

「それはね、このカードだよ。」

 

そう言いながら僕は葉隠さんにルーンのカードを見せてあげた。

 

「このカード何?」

 

まぁ、知るわけないよね。

 

「ルーン文字だよ。…ルーン文字には1つ1つに意味があり、それを組み合わせることによって様々な魔法や魔術を扱うことが出来る。」

 

そう言いながら炎を出したり炎剣を出したりして見せた。

 

「すごい凄い!…じゃあ今回来ないのはどんな魔術なの?」

 

「今回はね、人払いのルーンさ。」

 

「これを貼ったところに近付けさせないってこと?」

 

「そういうこと!葉隠さんも飲み込みはやいね。今回は屋上に上がってくるための階段付近と一応扉の前にも張ってるよ。」

 

本当にヒーロー科のみんなは飲み込みが早い

 

「さてと、そろそろヒーロー達にちょっかい出しに行きますか。」

 

そう言いながら僕は特性のチョークを取り出した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

屋内対人戦闘後編 そして、忍び寄る影

 

「さてと、そろそろヒーロー達にちょっかいだしとしますか!」

 

そう言いながら僕は特性のオイルパステルを取り出した。

 

「そのクレヨンで何するの?」

 

「それはね…こうするのさ!」

 

そう言いながら僕は床に沢山の文字列を書き始めた。

 

「…え?」

 

まぁ、無理もない。いきなり床に文字を書き始めたら変人以外の何者でもない。

 

「さぁ!泥臭いゴーレムの目玉達!僕のために笑って使い尽くされな!」

 

そう唱えると、その文字達が一斉に巨大な目玉に変化した。

 

「うわ!なにこれ!?凄いけどなんか気持ち悪い!!」

 

「さぁ!爆豪くんと轟君を監視しておいで!」

 

そう唱えると目玉たちは一斉に下の階へと降りていった。

 

──轟side──

 

「天野と葉隠もそうだが、爆豪は何処にいるんだ。さっさと合流して敵チームを捕縛しなきゃいけねぇのに。」

 

そう考えていると、背後から大量に視線を感じた

 

「!…誰もいねぇな。一刻もはやくしねぇと接敵すらせずに負けちまう。」

 

──爆豪side──

 

本日4度目の屈辱を受けていた。

 

「(クソッ!格下だと思ってたクソナードが俺に勝ちやがった!ポニテの言うことが正しいと思っちまった!半分野郎には適わねぇと思っちまった!)…クソがっ!今度は接敵すら出来ずに負けんのかよ!」

 

その直後、轟と同じように背後から大量の視線を感じた。

 

「誰だッ!!…(気の所為か?…いや、大量に感じて気の所為なわけねぇ!あいつだ!あいつがまた何かしてきやがった!)」

 

──No side──

 

『後ろだよ。ヒーロー諸君。君たちの感は間違っちゃあいないさ。』

 

「「は?(アァ?)」」

 

2人が振り向くと、大量の目玉がこちらを覗き込んでいた。

 

「なんだ…これ…」

 

「気持ち悪ぃ趣味してんな!!おい!」

 

『気持ち悪いだなんて失礼だな。』

 

「……?」

 

気持ち悪いとは思ったが口には出ていないはずだ。

 

『それよりも、随分と苦戦してるみたいじゃあないか。あと数分でタイムリミット。この街はドカン!さ。僕達は今屋上にいるからさ。はやくおいでね。それじゃあまた屋上で』

 

その言葉を最後に大量の目玉たちは無くなった。

 

「敵に居場所教えるたァいい度胸じゃねぇか!」

 

爆豪に対し、轟の反応は全く違っていた。

 

「…屋上って選択肢が全く出てこなかったのは何でだ?」

 

──屋上──

 

「そうだ。あの2人が来るまでに結界を貼っとかなくちゃ。」

 

「何で?」

 

「爆豪くんは突っ込んでくるだろうし、轟君は扉開けた瞬間氷をぶっぱなしてくるかもしれない。」

 

「なるほど!例え氷が貼られても結界があればそれ+氷がバリケードになるんだね!」

 

「ほんと、理解するの早すぎね?」

 

──屋上前──

 

残り数分のところでようやく2人は合流できた。

 

「おい半分野郎!!テメェ今まで何処にいやがった!」

 

「それはこっちのセリフだ。…多分お前と同じ状況だったと思う。あいつが仕掛けたトラップを避けるのに必死で探す暇なんてなかった」

 

「…チッ!俺があいつをぶっ潰す!開けた瞬間氷ぶっぱなんかしたらあいつより先にテメェをぶっ飛ばすからな!」

 

「分かった。…開けるぞ」

 

だが、そこにも誰も居なかった。

 

「屋上にも居ねぇじゃねぇか!」

 

すると、どこからともなく翔流が現れた。

 

「いや、居るよ。」

 

「テメェ!やっと出てきたな!散々俺らをおちょくりやがって!」

 

「戦闘員としては2対1だ。諦めろ。」

 

「数で圧倒してみせるって?…ヒーロー、残念だったね。ここに来た瞬間、君たちの負けは決定している。」

 

そう言うと僕は笛を取り出し吹き始めた。

 

「…なんだ…これ…」

 

「…意識が」

 

─数分前─

 

爆豪達が階段と扉の前で言い争っていた時

 

「そうだ葉隠さん。」

 

「どうしたの?またなにか仕掛けるの?」

 

「そのつもりなんだけどね、葉隠さんは『ハーメルンの笛吹き男』って童話知ってるかな?」

 

「う〜ん。…昔読んだことはあるけど名前しか覚えてないよ?確か、ハーメルンっていう街が題材だったよね」

 

「そうそう。ざっくり説明すると、ハーメルンっていう町にネズミが大量に表れて、街の人たちが笛吹の男性に報酬出すから追い払ってくれって依頼したんだ。その男性は快く了承して笛を使って追い払ったんだけど、街の人たちは報酬を払わなかった。それに怒った笛吹男は町の子供たちをネズミと同じようにさ攫ってしまった。…っていう話だよ。」

 

「へぇ〜…でも、その話と今と何の関係があるの?」

 

「今ね、その笛吹男がやった手段を洗脳と解釈して、それを魔術で再現するための術式を構築中なんだ。」

 

「凄いね!!魔術ってそんなこともできるの!?」

 

顔は分からないけど、表裏のないであろう声。嘘偽りがないってはっきり分かる。

 

「ありがとう。…でもね、まだまだ不完全なんだ。吹いている間じゃないと効果がないってことと洗脳対象を細かく設定出来ない。」

 

「…だからこれを僕が笛を取り出したら付けてよ。完全防音の耳栓。それで、2人が洗脳にかかったなって思ったら手錠を付けて欲しい。」

 

「わかったよ!…でも、こんなもので防げるの?」

 

「うん。もう1つの弱点として、音色に術式を組み込んでいるから、耳が聞こえない人には効果がないんだ。」

 

「OK!」

 

─そして現在─

 

「(2人が洗脳にかかりはじめた!手錠をかけるのは今!)」

 

ガチャッ…ガチャッ…

 

『轟少年!爆豪少年!確保! よって敵チームの勝利!』

 

「…ハァ。いや〜、ナイスだったよ葉隠さん!」

 

「いやいや!礼を言うならこっちだよ!私なんて最後手錠をかけただけで何もできてないもん!それに、天野君が分身してたらそれこそ何もすること無かったよ!」

 

「…え?」

 

…あ、完全に忘れてたわ。これってもしかして器用貧乏ってやつじゃね?

 

「…テメェ!何しやがった!」

 

「最後のは洗脳みてぇなもんか…」

 

「うん。そうだよ。とりあえずみんなが待ってるからモニタールームに行こうか。…おっとその前に八百万さんの所に行かなくちゃ」

 

─モニタールーム─

 

「さぁ!今回のMVPは誰か分かるかな?」

 

「先生!天野君だと思います!」

 

「理由は分かるかな?」

 

「はい!5分間という短い間に様々なトラップをしかけ、八百万君を檻に入れ、最後には何をしたのかは分かりませんが2人の気を逸らし、見事2人に手錠をかけることに成功しています!…しかし天野君!何故2人に自分達の居場所を教えたんだ?そのままいけば接敵すらせずに勝てたはずだ。」

 

「確かに飯田君の言う通りだ。でもね、悪役を演じてみたかったんだよ。」

 

「ん?どういうことだ?」

 

「よくあるじゃん?タイムリミットが迫ってきて調子乗った敵がヒーローを煽って居場所教えちゃうやつ…あれをやりたかったんだよ。」

 

「だ、だが、これは訓練だぞ!」

 

「そう、これは訓練だ。なら、色んな形のヒーローや敵を演じたっていいんじゃあないかな?そうすればヒーローになった時でも、『あの時の訓練の状況に似ているぞ!こういう時はこうすれば良いと先生が言っていた!』って対処することができるでしょ?」

 

「な、なるほど。色んなパターンをつくり、指導してもらうことで将来に役立てるんだな!」

 

「そゆことそゆこと。」

 

「(や、やばい!もう限界)…さぁ2人とも!そこまでだ!授業が終わるぞ!他にも言いたいことはあったが仕方ない。気になることがあれば明日相澤くんに聞いてみてくれ。それじゃ!」

 

行っちゃった。

 

「…じゃあ、着替えに行こか」

 

──???side──

 

「やぁ、ドクター。オールマイト用の脳無はあとどれくらいで完成するんだい?」

 

『もう少しじゃ先生。そんな急かすでないわ。』

 

「そりゃあ急かしたくもなるさ。オールマイトをどれだけ痛めつけれるかが楽しみで仕方ない!」

 

「…この世界の裏社会の覇権を握る者よ。我々が居ればそんなものは必要ない。」

 

『「…!誰だい(じゃ!)?」』

 

「私はアスガルドのロキだ。」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

悪夢の襲来

 

朝のホームルーム時、教室はなんとも言えない緊張感が流れた。

 

「今日のホームルームは少し特別なことをやってもらう。それは…」

我々の担任、相澤消太のいう特別なことが少しみんなの中でトラウマになりつつあったのだ。そりゃあそうだ。入学初日に最下位除籍なんていう先生の特別なことなど、何を言われてもおかしくなかったからだ。

 

「学級委員長を決めてもらう。」

 

「「「「学校っぽいのキター!」」」」

 

その思いはいい意味で裏切られ、生徒たちは思わずそう叫んだのだった。

そして、

 

「はいはい!俺やる!」

から、

 

「僕の為にあるやつ」

やら

 

「俺がなったら女子のスカート丈30cm!」

などよく分からない立候補をしてる奴もいた。

 

「みんな静粛に!やりたい人がやれるものではないだろう!ここは公平に投票で決めようじゃないか!」

 

「時間内に決めればなんでもいいよ。…じゃあ俺は寝るから。後はよろしく。」

 

──昼食時、職員室にて──

 

「おい黒霧、さっさとヒーロー科のカリキュラムを探すぞ。」

 

「わかりました。」

 

うんうん。予定通り来てるみたいだな。そして屈折魔法を使ってる僕のことには気付いていない…と。

怒られないように分身して相沢先生のところに報告しに行かなきゃね。

そして僕は、3人に分身した。

 

「(写メ撮ってからの)ちょっとちょっとあんた達、何やってんのさ。破損に不法侵入、その上窃盗。自分たちが悪いことやってるって自覚ある?今なら逃げたって言い訳しといてあげるから盗もうとしてるもの諦めて帰った方がいいと思うよ?」

 

「もう気付かれたのか!」

 

「…フッ。ガキ、俺たちは敵だぞ。はいそうですかって大人しく帰るわけないだろ。」

 

だよね。そんなんで帰ったらなんで敵なんかやってんだって話だもんね。

 

「じゃあ悪いけど、拘束させてもらうよ!」

 

ーその頃、雄英高校ゲート前ー

 

相沢先生たちはマスコミの対処に追われていた。

僕はその相沢先生の後ろに姿くらましで現れた。

 

「相沢先生!」

 

急に後ろから現れた僕を見て、マスコミたちは騒ぎ始めたが、今はそんなの関係ない

 

「…天野か、なんだ。いまマスコミの対処で忙しいんだ。あとにしてくれ。そもそも勝手に個性は使ったらだめだろ。」

 

「そんなこと言ってる場合じゃあないんだって!!…職員室に敵が現れたんですよ。僕の分身が相手しています。はやく来てください。」

 

「…⁉分かった。マイク、いったんここは任せる。職員室に用事ができた」

 

「え⁉…マジで⁉」

 

「マイク先生、よろしくお願いします。」

 

ー職員室前ー

 

僕は、職員室に入る前に注意事項を説明しておいた。

 

「先生、手短に言います。僕の分身体はいま奴らと戦っています。もしやられたら急いでそっちの方に行ってください。生徒がやられたのに先生が心配しないなんて違和感ありまくりなんで。あと僕の個性は奴らにテレポートだと認識されています。」

 

「分かった」

 

ー職員室内ー

 

「…おい黒霧、さっさと探せ。俺はこのガキを殺す。」

 

「無視してるんじゃないよ!」

 

そう言うと僕は姿くらましで敵の後ろに回り込む。

 

「無視なんかしてねぇよ。…ところでお前、自分以外はテレポート出来ないのか?自分以外のものもテレポート出来たら勝ち目はあったのにな。まぁ、触っちまったから、もう関係ねえけどな。」

 

そう言われた途端、触られたところから身体が崩れ始めた。

 

「…な、なんだこれ!?」

 

「…見つかりました!例のものです。」

 

「クソども!そこまでだ!」

 

ナイスタイミングだよ相沢先生。

 

「…?誰だ?あのヒーロー。」

 

「アングラ系ヒーローのイレイザーヘッドです」

 

「ふぅん…まぁ今はいいや。残念だったなヒーロー。お前の大切な生徒はもうすぐ死ぬ。もし俺たちを捕まえたとしてもこのガキの命は助からん。」

 

「せん…せい…すみま…せん。」

 

「今はゆっくり休め。あとは俺がなんとかしてやる」

 

「ありがとう…ございます」

 

「覚悟しろよクソども。」

 

結果的にはあの2人は逃がしてしまった。

相沢先生が2人の個性を消したまでは順調だったが、机や机の上にあったものを投げられ目を閉じてしまい、そのすきにワープで逃げられてしまったのだ。

 

「いやぁ、すごい演技でしたね、相沢先生。プロも顔負けですよ。」

 

「そんなこと褒められてもうれしくない。」

 

さすがにそこ褒めてもでれないかぁ。

 

「それに、戦ってる姿もかっこよかったです。」

 

「ハァ…そんなとってつけたようなもので褒めても響かんぞ。それより、俺が来るまでの間、何があったのか放課後に説明してもらう」

 

「あ~、やっぱりだめかぁ。先生クールですねぇ。…わかりました。放課後職員室によりますね」

 

そうは言ったものの、相沢は内心少し喜んでいた。

 

─その日の放課後─

 

「ごめんこいし。僕ちょっと職員室に用事あるから待っててくれない?」

 

「私も着いていっちゃダメなの?」

 

…反則だよ!!良いよって言いたくなっちゃうよ!!

でもダメなんだよ!分身とはいえ彼女に向かって舐めプしたら負けましたなんて言えるわけないじゃん!それに心配もかけたくないし!

 

「ごめん。かなり大事な話だから。」

 

「む〜…分かった。じゃあ教室で待っとくね。」

 

「ありがとうね。じゃあちょっと行ってくるわ。」

 

「行ってらっしゃ〜い」

 

──職員室にて──

 

「コンコン…失礼します。相澤先生、今日の出来事を話しに来ました。」

 

「…分かった。校長室に行っててくれ。」

 

そこから僕達は校長室に移動して、校長先生も交えて「敵が来たこと・その個性、何があったか」など相沢先生が来るまでにあったことを全て話た。

 

「5本の指で触ったところを崩壊させる個性とワープの個性か。かなり厄介だな。」

 

「情報提供ありがとう天野くん。…相沢君に知らせたのもグッジョブだったよ。あと、何が目的だったのかはわかるかな?」

 

「すみません。何が目的だったのかはわからないです。あるプリントを手に入れていたのは確認できたんですが、あいつら、例の物としか言っていなかったもんで…」

 

「ありがとう。プリントだったということが分かっただけでも絞れるよ。今日はもうお帰り」

 

「はい。失礼しました」

 

そしてその後、僕はこいしと何事もなく家に帰ったのだった。

 

 

ー敵地ー

 

「聞いてくれ先生、時間割を手に入れるどころか、無謀にも立ち向かってきたヒーロー科の生徒1人を殺ってきたぞ!」

 

「よくやったな弔。これでヒーロー側の信用も落ちる。」

 

先生と呼ばれる人物は、自分の生徒が目的以上の成果をあげたことに喜んでいた。

 

4人はその事に喜んでいたが、どのニュースにもその情報が乗ることは無かった。

 

隠蔽工作なのか、そもそも死んでいないのか、それを確認する手段は当日まで無かった。

 

━━ある日の朝━━

 

そして今日、レスキュー訓練が行われる日がやってきた。

 

一応意味ないとは思うが相澤先生に忠告だけしておこうと思う。

 

「相澤先生。今日のヒーロー基礎学ってなんなんですか?」

 

「今日のヒーロー基礎学はレスキュー訓練だ。…それがどうした。」

 

「いえ、今日の占いで良くないことが起こると出てきたんで、ちょっと気になったんです。…何も無いとは思いますが一応気をつけてください。」

 

「俺は占いとか信じないタイプなんだがな。…だが、お前の個性の練度は評価している。心の中に留めておく。」

 

「先生ってデレることあるんすね。」

 

「…阿保なこと言ってないで席に戻れ。そろそろ授業始まるぞ。」

 

そして昼過ぎ、ヒーロー基礎学の時間がやってきた。予定通り、オールマイトが遅れていて、13号先生の演説が始まった。

 

「…君たちの力は人々を傷つけるためじゃない。助けるためにあるのだと心得て帰ってください。ご清聴、ありがとうございました。」

 

「よし、じゃあまずは…」

 

「先生…占いが当たった。」

 

僕は相澤先生にドームの中を指しながら危険を知らせた。

 

「…!?」

 

「なんだあれ、また入試の時みたいにもう始まってるパターン?」

 

「違う!!…あれは、敵だ!…全員動くなよ!!13号!生徒を守れ!」

 

「13号にイレイザーヘッドですか。先日頂いた教師側のカリキュラムにはオールマイトがここにいるはずなのですが…」

 

「この前のクソども⁉…これが狙いだったのか!」

 

「どこだよ。せっかく大勢引き連れてやってきたのにさぁ…オールマイトがいないなんて…」

 

そこで、俺と目が合った。…いや、あってしまった。

 

「おめぇは!あんときのガキ!なんで生きてやがる⁉イレイザーと戦ってるときに死んだはずだろ⁉」

 

「さぁて…なんでかなぁ」

 

死柄木は驚愕していたが、俺も同じくらい、いや、それ以上にびっくりする光景が目の前にあった。

 

「…!シニスターの連中!?なんであっちの世界にいるはずの敵たちがこっちにいるんだよ!?」

 

「私が連れてきたのさ。魔術師の弟子よ」

 

「…ロキ!?へぇ覚えててくれたんだ。光栄だね、あんたみたいな神に覚えててもらえたなんて。…それよりも、あんた並行世界移動できる術持ってたんだな。」

 

僕がいるせいでかなり変わっちゃったなぁ…敵連合の連中だけなら何とかなりそうだったんだけど、シニスターの連中やらロキがいるならぶっちゃけオールマイトが来ても覆りそうにないんだけど…主にロキのせいで。

 

アベンジャーズに連絡しなきゃまずいかも…

 

「アベンジャーズに連絡しても無駄だぞ。こちらの世界とあちらの世界を分断したからな。何、安心しろ。分断したといっても数日の間だけだ。まぁ、その頃にはすべて終わっているだろうがな」

 

…いやかなりまずいわとりあえず魔術で無理なら科学の力で連絡してみよう。そのための時間稼ぎをしなきゃ!

 

「なにが目的なんだ?」

 

「こちらの世界には父上や兄上のような存在はいない。…つまり!私の邪魔をする奴ら!邪魔できるヤツらはいないって事だ!私はこの世界を支配する!!」

 

「「そんなことさせるわけねぇだろ(ないでしょうが!!)!!」」

 

雄英高校と敵連合の戦いが始まった。

 

ていうか先生たち、俺らの会話聴いてたのか…。まぁそりゃあそうか。

 

更に言えば相澤先生が後で話があるって無言で訴えてくる。

 

…怖い。



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。