機動戦士ガンダム 鉄血のクロスレイズ (ちびーず)
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設定説明
設定説明,その1


まず最初に謝罪させてもらいます。
本編での説明が少なくてスミマセン。
自分オリジナルの解釈をしている単語が多いのでそれぞれ説明して行きます。
本編で書かれてない説明もありますが、今後、もう知ってますよねという体で話を進めて行くのでご了承下さい。

※本編のネタバレが多いです。まずは「Prologue」からお読み下さい。

2023/01/22から大規模修正中

2023/04/08 場所の移動

2023/05/24 大規模修正完了

2024/01/06 二回目の大規模修正

2024/03/02 三回目の大修正


異世界

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 世界の特異点

 反逆の天使ルシフェルが、世界の一部を隔離し、隔離を安定させる事を可能にする仕組みを作り、それらの仕組みを利用する事で生み出した。

 隔離の安定を可能にする仕組みの主な例は、

隔離された空間の時間の進み方が部分的に歪む事で、始まりの刻をAとして終わりの刻をBとした時にAB間を繰り返す、という「ループ現象」が発生する事であったり、

Bの刻に近い時期に「災い」が起こる事などが挙げられる

 「災い」に何らかの関わりがある’もの’を「ループの歯車」と呼ぶ。

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ループ現象

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 隔離された空間の時間の進み方を部分的に歪める事で、始まりの年月日時をAとして終わりの年月日時をBとした時に、AB間を繰り返すという現象であり、

異世界で観測されている。

 AB間の期間は世界によって様々であるが、B時点に最も近い時期に起こる「災い」が異世界の開放を務めとする神にとってのB時点の目印となっている。

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ループの歯車

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 Bに近い時期に起こる「災い」に関わりのある”もの”の事である。

 ループの歯車は必ず「災い」に辿り着く必要があり、歯車の中で「災い」にたどり着けない”もの”が一つでも出ればと「災い」の仕組みが安定しなくなり、異世界の構造に問題が生じ、容易く空間の隔離が崩壊するのである。

 基本的に「災い」に偶然直接的な形で巻き込まれ、歯車になってしまう場合が殆どで、

第1幕ではユミナ、エルゼ、リンゼ、八重などがこれに当たる。

 ループの歯車は人物に限らず、その他の動植物や物なども歯車になりうる。

そして、物の場合だけ、ルシフェルによって歯車としての位置付けから外される事があるが、何故ルシフェルが物以外の人物や動植物を歯車としての位置付けから外さないのかは謎のままだ。

 また、ルシフェルの配下が「災い」を起こす場合、必然的にその配下も「ループの歯車」になる。

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異世界に於ける「災い」

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 ここで言う「災い」とは、ハッキリとしないもので、

 例を上げるなら、誰も防ぎようがない大災害やそれに近いことが起こったりする場合もあるが、

特定の物が決まった動きをしたり、特定の道具などが特定の運用方法で用いられた場合や、特定の人物の特定の言動だったり、特定の変化が有る事なども、

ルシフェルによって「災い」として定義され、異世界の安定に利用されている。

 ルシフェル以外の異世界の外の者は「災い」の詳細を知っていると異世界にが入れなくなりその上異世界の内と外で連絡も出来なくなる為、オルガ達の様に現地に赴く者や現地との連絡を取るオペレーター係の者には、「災い」の詳細について伏せておく必要がある。

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-Zero-

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 この世界を生み出し、常世の森羅万象とありとあらゆる軌跡を記憶(おぼ)え、見守る”もの”。

 この世の真理であり、この世の総てであり、この世の真実である。

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神族

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 世界維持の役割を持つ者達の事

 神族一人一人にはそれぞれ司る領域(役割)がある。

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今日(こんにち)の世界を維持している神族で、

主にアース神族の事を指す。

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アース神族

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分類:神

 

ラグナロク事変後に、世界維持の役割を与えられた神族。

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アースガルド

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 アース神族の拠点となる特殊な形をした惑星で「-Zero-」が存在するとされる世界樹に横付けされる様に佇んでいる。

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アースガルド神話

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 今日(こんにち)のアースガルドが出来上がる前の歴史

 神話には、「ゼロ創世史記」と「イーノック叙事詩」と「ラグナロク終末戦記」と「世界樹戦争」の四つの説話がある。

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天使

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 神族の分類の一つ

 アースガルド神話の時代に世界維持をしていた神族で、

主に旧テスタメント神族の事を指し、そのほとんどがラグナロク事変にて滅んでいる。

 天使はキリスト教に於ける天使と同じく階級が存在し、

上位三隊「(パテル)」の階級は

上から、熾天使(セラヴィー)智天使(ケルディム)座天使(スローネ)となり、

中位三隊「(フィリウス)」の階級は

上から、主天使(キュリオス)力天使(ヴァーチェ)能天使(エクシア)となり、

下位三隊「聖霊(サンクトゥス)」の階級は

上から、権天使(アルケー)大天使(アークエンジェル)天使(エンジェル)となっている。

 世界維持の役割を与えられたのは「ラグナロク事変」の前後で別れ、前が天使、後が神となっている。

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旧テスタメント神族

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分類:天使

 

 アースガルド神話の時代から存在した神族の一つ

アース神族が世界維持の役割をあてがわれる前の時代に世界の維持をしていた。

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反逆の天使ルシフェル

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別名:堕天使ルシファー、堕天使ルシフェル

 

 反逆の天使の代表

 元々「-Zero-」の右腕だった者で、『打倒-ZERO-』を掲げ、エノクと共に堕天。

ラグナロク事変を生き残った数少ない旧テスタメント神族の一人であり、異世界を作った張本人である。

 ラグナロク事変後に数百から数千の配下を召喚術や錬金術等を用いて準備し、異世界に長期間(神の寿命は余りにも長い為、人間の時間感覚だと想像するのが難しいレベルの期間)に渡って、現在も立て籠っているとアースガルドでは伝えられている。

 そして、ルシフェルは自身を除いた「災い」の詳細を知っている異世界の外の者を異世界に入れないようにしている。

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エノク

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別名:イーノック、他70通りの名

 

 伝説の人間

 アースガルド神話の主にイーノック叙事詩とラグナロク終末戦記において登場し、人間で唯一旧テスタメント神族と互角かそれ以上の立ち回りで戦う事の出来る者であるとされる。

 聡明で徳が高く、-Zero-によってその人格を認められ、天界への居住を許されていたが、後に反逆の天使ルシフェルと共謀し、ラグナロク事変を引き起こしたと言われている。

 死を予言すると言われる”死のフラグ”を幾度に渡り『大丈夫だ、問題ない』という発言で立ててきたが、本当の意味で死ぬ事はなかったと言う逸話の持ち主である。

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魂源(こんげん)

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 魂の事であり、実態は光子(フォトン)の様な姿に見えると言う。

 「-Zero-」によって生み出された世界法則の根幹的な存在の一つである。

 本来は、身体に魂源(こんげん)が入り「アクティブ状態」になる事で生命と定義する。

 魂源(こんげん)にはランクが存在し、各ランクに相応する身体に宿り、その体で決められた目標を達成して行く。

目標は同ランクで複数存在し、与えられた目標を全て達成するとランクの段階が上がる。

ただし、宿った身体自体に寿命は存在するので命日までに目標が達成しなければ、

達成してない目標が全て達成するまで同ランク内の次の身体に乗り移り目標の達成を続ける。

目標は、キリスト教における原罪と似ており、目標とは「-Zero-」から与えられた原罪とも解釈が可能である。

魂源(こんげん)は通常、目標はおろか、己の本質が魂源(こんげん)である事すら知らず、目標の達成に繋がる一切の言動を非意識的に取る。

その為、魂源(こんげん)は自らが宿った身体を己の本質であると誤認するのである。

 同ランク内の次の身体に移る事を「生まれ変わり」と言い、世界の境界を跨いでの生まれ変わりを「転生」と言う。

そして、ランクが上がった場合を「魂源昇華」と言い、その後は即座に魂源昇華先のランクに相応した体に生まれ変わるか、その肉体の寿命が尽きるまで残るかを選択することが出来る。

また、生まれ変わり時や魂源昇華時には姿を次の身体に引き継ぐ事も可能である。(場合により、記憶や前世で得たもの、能力、ポテンシャル、技術等が引き継げる場合もある。)

ランクが落ちる場合もあり、それを総じて「降格」と言い、降格に至った経緯やランク低下の程度等の状況次第で、「堕天」や「堕落」など、表現が変化する。

 仮に身体が滅んでも、生まれ変わる前で、且つ魂源(こんげん)に損傷や破損が無い状態であれば、身体を完全に再生する事は可能である。

魂源(こんげん)は完全に破壊された場合、基本的に復活は不可能であるが、極稀に例外が存在する。

 魂源(こんげん)小源(オド)の霊力を持っており、それには魂源ごとに特有の波が存在し、魂源(こんげん)を調べる事で波形を見る事が可能で、波形は遺骨や屍などの魂源の痕跡となり得る’もの’から調べる事も可能である。

 魂源(こんげん)には大きく分けて「アクティブ状態」「ノットアクティブ状態」「エラーアクティブ状態」の三つの状態がある。

(※三つの状態の詳しい説明は「設定説明,その2」を参照)

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霊力

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 世界中のあらゆる存在が持つエネルギー

 霊力の発生源は、-Zero-が創り出した世界その物が持っている霊力の「大源(マナ)」と、魂源(こんげん)や原子が持つ霊力の「小源(オド)」の二種類に分類され、

霊力は神力と魔力とフォースと覇気という4種類に分類できる。

 大源(マナ)は、世界の裏とも言われる反有限空間の「無限次元宇宙」に無制限に貯蔵されている。

 小源(オド)は、魂源(こんげん)や原子を構成する陽子の内部で生成され、魂源(こんげん)や陽子に内包されている虚数空間の「霊海(ソウル・プール)」に貯蔵される。

 魂源(こんげん)の場合はランクや霊力術の技量・経験・知識によって、原子の場合は原子核内の陽子の数によって、

霊海(ソウル・プール)の容量が変化する事で、霊力を貯蔵出来る量が決まる。

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霊力術

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 霊力を用いた儀式の総称であり、

神聖術、魔導術、力技(フォース・スキル)、覇気術の総称である。

 霊力術は、霊力を実体化して術式陣等を展開する物や霊力を多く含む物質を触媒として行う物や特定の文言を詠唱して使う物など、大掛かりな準備が必要な物から何の準備も要らない物まで様々だ。

 大源(マナ)を生成している世界そのものや小源(オド)の発生源の一つである原子は、自らの意志を持たないため、

 霊力術は必然的に自らの意志を持っている魂源(こんげん)が行う物になる手前、

魂源(こんげん)自体が貯蔵している小源(オド)を用いるのが基本であるが、

大源(マナ)を借りて儀式を行う場合や原子が貯蔵している小源(オド)を引き出して、行う場合、又は、大源(マナ)小源(オド)をハイブリッドで用いる場合もある

 霊力術の効果が発動する事を「術式発動(インヴォーク)」と言う

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神聖術

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 神力を用いて行う、霊力術の一種で、

神意術、神術、神技、占術、錬金術、錬成術、聖戦術、降霊術、仏術、祝詞などの総称でもある。

 神聖術を使う事を「(ほどこし)」と言い、

術の使用者のことを「施術者」、術を掛けられる対象を「被術者」と言う。

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神力

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 霊力の一種で、神聖術を施す際に利用される。

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蘇生術式「フリージア」

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分類:神意術 属性:華

 

 オルガが転生するに当たって、世界神が用意した神意術

 被術者は、殺害された時に術式が発動する。

 発動すると、魂源の保護、及び、身体の損傷箇所の修復(身体が全損している場合は全身がまるごと復元される)、体内に残留した毒や弾丸又は破片等の除去、心肺蘇生などが瞬時に行われる。

 この術式は不安定な為、死者に後から術を施すと神力を無駄に消耗する可能性が高い。

よって、予め術式を秘術者の身体に貼り付けておく必要がある為、

術式を施すタイミングと発動するタイミングは大きくズレる。

 長時間の戦闘や耐久戦が見込まれる戦いで「連続術式発動(コンティギュラス・インヴォーク)」が必要となる場合は、予め術式を複数貼り付けておくなど、神力の過剰消耗を防ぐ方法は存在する。

 この術式は、被術者の身体の生命活動が完全に停止する事と魂源がノットアクティブ状態かエラーアクティブ状態のどちらかになる事の2つを同時に達成しないと発動しなくなってしまう場合が稀にあり。

その場合に中途半端な形で死に損なった場合、復活できないと言う、

状況次第では最悪と取れる事態を引き起こす原因となるリスクがある。

よって、この術式を過信するのは危険である。

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魔導術

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 魔力を用いて行う霊力術の一種で、

魔術、魔法、呪術、呪い、妖術、波紋術、呼吸戦術などの術の総称でもある。

 魔導術を使う事を「行使」と言い、

術の使用者を「起源」、術を掛けられる対象を「被術者」と言う。

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魔力

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 霊力の一種で、魔導術を行使する際に利用される。

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ヴァナ族

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 ヴァナヘイムに住まう種族で、過去にアースガルドと度々戦争となり、互角の戦いをしてきた歴史がある。

その為、多くのアース神族はその強さに敬意を込め、ヴァナ神族と称している。

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以上です。
最後のヴァナ族に関しては今の所登場しませんが、アース神族が登場するので、今後のストーリーと整合性を持たせるために説明を付けました。
「’もの’」という表記をしているのは、その部分が「者」と「物」の両方を意味しているからです。

定期的に用語説明も投稿して行きますので、
今後とも、どうぞよろしくお願いします。


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設定説明,その2

?「300年だ...。もう休暇(GW)は十分だろう?うp主」
うp主「勘弁してくれよ。」
?「休みなんかねぇよ。うるせぇよ。黙れよ。休みなんかねぇよ。納期こそが正義。休みなんか、ねぇよ。はよ投稿しろ。その小説、小説、その小説、その小説、小説、その小説」
うp主「てかアンタ誰?」
?「そんなもんお前が考えろ。」
うp主「チョットナニイッテルカワカンナイ」
?「理解しろ。」
うp主「だが断る。」
?「(ブチッ)野郎ぶっ殺してやる!」
うp主「待って!止まれ!」
うp主「うあああああああああああああ!」
うp主「(キボウノハナー)」


モビルスーツ

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 人類が宇宙に進出した世界での戦争などで使用された全高15〜25mの巨大人型破壊兵器の総称

 世界線により、モビルスーツの定義はやや異なる。

 例えば宇宙世紀におけるモビルスーツは

「Mobile Space Utility Instruments Tactical」の略の「Mobile SUIT」であり、

UC0074年にスペースコロニー郡の一圏であるサイド3のスペースコロニー国家「ジオン公国」にて最初のモビルスーツが開発され、その後発展を遂げていった物だ。

 モビルスーツは人型である為、人と同じように装備の互換性が高く複雑な動きを可能とし、また脚部がある事で地上でのあらゆる地形への対応を可能にでき、また脚部は宇宙空間での姿勢制御をより安定化させ、従来の兵器より立体的な機動を成した。

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生命における魂源と身体の役割

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魂源と身体の役割はコンピュータに例えるとわかりやすい。

まず、身体の役割として、

脳はコンピュータ五大機能における「演算」と「制御」と作業領域の部分の「記憶」の三つの機能を持ち、

五感は「入力」、

その他は「出力」の機能を持つ。

そして、魂源の役割はコンピュータ五大機能に於ける、

保存領域の部分の「記憶」と随意での「入力」に当たる。

随意での入力とは、コンピュータで言うとキーボードやマウスでの入力のことである。

であるため「随意での入力」は「コンピュータを操作する者」と表現するのが良いのかもしれない。

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死の定義

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-Zero-によって定義されたものとして、ノットアクティブ状態やエラーアクティブ状態になった時に肉体的な死となる。

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シギルの魔女因子(仮)

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正体不明の魔女因子

魔女因子を実体化させると宝玉の形になり、中には、ある悪魔のシジルらしきものが映る。

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反逆の天使

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『打倒-Zero-』を掲げた天使たちの事を指す。

主な成員は堕天使側の旧テスタメント神族で構成されており、ラグナロク事変にて初期の成員がほぼ壊滅し、一度息を潜める。

その潜伏先の隠れ蓑として創られたのが異世界であるとする説が、アース神族の一つの通説として存在する。(諸説あります。)

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神意術

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旧テスタメント神族が作り出した最初の神聖術。

原初の神聖術であるため、黎明期の神意術の構造には無駄が多く神力の消費が著しい。

そのため黎明期の神意術を使う者は殆どなく、それらの術式をより改良した物が使われる事が多い。

存在する属性は、火、水、樹、雷、宙、刻、力、地、華、情、光、闇、心の計13属性である。

存在する術式は、約5000億術式以上であると言われるが、実際の総数は把握されてない。

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魔術

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反逆の天使達によって編み出された原初の魔導術。

属性は火焰、氷淼(ひょうびょう)、植物、電氣、時空、物理、大地、精神、閃光、深淵の計10属性である

存在する術式は、約4000万術式で、他の霊力術と比べると圧倒的に少ないが、

実用性が非常に高い術式が多く、応用も多岐にわたるため、世界で最も普及した霊力術と言われている。

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魂源の「アクティブ状態」、「ノットアクティブ状態」、「エラーアクティブ状態」について

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今回はこれで以上です。
今後とも宜しくお願いします。


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第一章「Raise Your Flag -異世界の章-」第一部「止まるんじゃねぇぞ編」
〜Prologue〜


ようこそ、-Zero-の世界へ

これから、この二次創作を読もうとしているそこの貴方には、あるお願いがあります。

なに、簡単なことです。

これをある種の神話として捉えてみて下さい。

この神話は「未来でも過去でも現在でもない時代の神話の一端を語る神話」なのです。


「と...言うわけでお前さんは死んでしまった。」突然何を言い出しているのかと思った。

 俺は空に浮かぶ4畳半の畳の床の真ん中にある古びたちゃぶ台の向かい側で、当然の事をそれっぽく語っている自称神様の爺さんが用意した緑茶の様な得体の知れないお茶を啜りながら、今の文言を聞いた。

因みにここは死後の世界ではない、

死んだとはいえど、この爺さんが俺の元々居た世界にある俺の死体をコピーした上で蘇生し、元通りにしたらしい。

 俺は死んで蘇生したと言いたいらしいのだが、そんな事はもうわかっている。

「ただのう、お前さんの死は普通ではないのじゃ。」

そして、何故この老人は意味の分からないことを言うのだろうかと思った。

第一、「普通ではない」とはどういった事なのか。

 

 俺の死に方が、普通ではない死に方というよりはアホな死に方だったことは確かだ。

 まず、俺は既に複数の人間から命を狙われている状況を理解していたにもかかわらず何の変装もしていなかったのだ。

 その上、ライドの放った「なんか静かですね。」という言葉に何の疑問も持たず、続けてライドがした「街の中にはギャラルホルンもいないし、本部とは偉い違いだ。」と言う呑気な発言に、俺も「火星の戦力は軒並みあっちに回してんのかもな」と適当に受け答え、

それにライドは、「まぁそんなのもう関係ないですけどね。」と上機嫌そうに言い、

上機嫌な様子のライドに俺が「上機嫌だな?」指摘すると

続けてライドは鉄華団全員で無事でいられる事が約束されて、その上タカキが元気に頑張っている事を知れて、自分も頑張らないと思えたから、「そりゃそうですよ。」と言って、俺は微笑ましい気持ちになっていた。

つまりは、俺達は身分も立場も偽った状態であっても、これからも生きていける希望がある事に安心し、油断しきっていたのだ。

 そして俺の死は、少なくとも周辺が余りにも静かである状況に疑問を持っていれば避けられたものだった。

 そんな無警戒な状態でアドモス商会の入るビルから呑気にライドと雑談し、会話が途切れ感傷に浸りつつ車に向かい、悠長な動きでビルを出た。

すると、俺らから見て右手の一本目の十字路の真ん中に白いセダンが静かな路地に騒々しい急ブレーキ音を響かせて停車した事に気づき感傷的な思考が途切れ、セダンの方を見やった。

 そして、車内から出てきた3人の殺し屋がSMGを乱射した訳だが...。

 ライドごと身を隠す事が可能な遮蔽物は至近距離にいくらでもあった。

にもかかわらず、その場でライドを庇い蜂の巣にされた。

ここで一つ弁明したいのだが、庇ったのはライドだけをではなく、チャドも含めて庇ったのだ。

俺は銃口が見えた時点で、狙いが俺である事に気づいていた。

 そして、まず俺と同じく銃口に気がついて即座に動こうとしたチャドが肩を撃たれ、倒れて動けなくなったので俺が動いて隠れれば今度はチャドが狙われる事になってしまうのだ。

殺し屋達がそこまで計算してやったかどうかはわからないが、殺し屋達が現れてからの短い時間でチャドが人質になったのだ。そのため、俺は動く事が出来なかったのだ。

いくら俺でもライドを守りつつ負傷したチャドを引きずって遮蔽物に隠れる事までは出来ない。

 そして俺が大声とともに反撃して持っていた拳銃を乱射し、3人いた殺し屋の内の1人の額に命中した事で、臆病風に吹かれたかの様に残りの2人がセダンで走り去ったあと、チャドやライドに応急処置の指示も出さなかった。

一点を除いてほとんど自業自得の結果だった。

しかし、そんな俺のダサい死に様を『普通ではない』とその老人が言いたいのなら、その口調からしても表現が間違っている様な気がした。

 「単刀直入に言うとのぅ、お前さんの元居た世界は無限にループしていたのじゃ。しかし、お前さんはループする世界のその日常から脱する事のできた者の一人になった。」

「.....は?」この老人は何が言いたいかが本当に分かりづらい。

「そんな訳で、他のループ現象が確認されていながら、ループから抜け出せてない世界、つまり、幾つも存在する世界の特異点、その名も『異世界』。そこに転生してループを止めてもらいたい、と思っておる。」

 老人の言い方が分かりづらいからか、飛躍しすぎている話に俺が理解を拒んでいるのか、そもそも俺の理解できる埒外の話だからか、俺は暫く思考を停止させた。

(うp主「今、オルガさんは宇宙に居ます。(宇宙猫的な意味で)」)

 

「あー.........要は、俺はその『異世界』という世界の一つから脱した人間で、」

「未だにループしている他の異世界を助けて来いと?」

 暫し間が開き、思考がまとまってきて、まともな思考をやっと取り戻した後、

この老人の話を自分の中で噛み砕く事ができたので、その解釈で正しいか問い返した。

ここに来るまで俺は、そんな話をファンタジーであると思うような世界の住人であったにも関わらず、今の話を理解できているのだ。

それだけでも「ほぅ...よく理解できたのぉ...」と言うような感じで驚く事の筈だった。

しかしこの爺さんは質問に対し、物凄く穏やかに「まあそんなところじゃ。お前さんは理解が早くて助かるのう。」と俺の解釈が正しいことを平然と答えたので、俺はもうちょっと驚く事じゃないかと脳内で指摘を入れた。

神だから既視感があるとでもいうのだろうか?

だとしても頑張って今の話を自分が納得できるように要約する努力をした俺にとってこの反応の薄さは少々納得し難いものであった。

 と、頭の中で不平を漏らし、

今までに入ってきた情報をもう一度脳内でまとめる過程であることに気がつくと、酷く嫌な気分になってしまった。

 その異世界とやら、脱出できたのはここまで聞く限りでは俺だけだ。

ミカはどうなった?鉄華団は?まだ彼らは元の世界に取り残されたままなのではないのか?と、そう思った瞬間、俺はかつてない程の不安感にさいなまれ、仮に絶望的な回答が帰ってきた場合にどう自分の感情を鎮めるのか考えている自分の理性を突っ飛ばし、自分でも判るぐらいに真っ青な顔と凄い大声で「おい!俺の居た世界は今どうなっている!?俺の仲間や家族は?!」とこの爺さんに詰め寄った。

だが「そう狼狽えるでないッ!!その世界のループ現象は起こらなくなった!その世界に閉じ込められていた魂源は全てループから開放されたんじゃぁ!その根源の宿った肉体が天寿を全うし生まれ変わるのも時間の問題じゃ。」とこの爺さんは明らかに取り乱している俺を、まるで本当の神の様に衝撃的な迄の気迫と声で張り合い鎮めた。

「...そう、か。なら、良かった。」そして、俺は一気に頭が冷え、過呼吸になっていたからか息切して苦しかった。

 

 その後、俺が完全に呼吸を整えきって落ち着くその直前、

「...オルガ?」と聞き覚えのある、懐かしい声が突然聞こえてきた。

そう、相棒の声が。

 「ミカァァァ!?」一瞬の安心感すら束の間、俺は元居た世界に置いてけぼりにしてしまった筈の相棒の突然の登場にただ困惑しその名を叫んでいた。

 今の爺さんの話から考えるとミカが死亡したのは俺が死んでからそこまで経ってないことになる。

 俺を追って自殺した可能性を一瞬疑ったが、その可能性はないと踏んだ。

なぜなら、ミカは何があっても現実から逃げる様な男ではないからだ。

だとすると、アリアンロッド艦隊の連中に殺られたのだろうと考えるのが妥当だった。

 

 少しの間が空き、落ち着きを取り戻した俺に、

「俺はオルガの進む先についていくよ。オルガはどうしたい?」とミカは今の神様とのやり取りを一部始終聞いていたかの様に尋ねた。

 「って言われてもよ...。」正直、今の俺は解答に迷っていた。

 俺はついさっきまで心の中で鉄華団の団員を最後まで守り切れなかった後悔し、また同じ轍を踏むリスクを恐れて、前進するのを拒もうとしていた。

そして死ぬ直前までの出来事を考える事から逃げていた。

 もう一度巡ってきたチャンスを享受して前に進むか、このまま立ち止まりっぱなしでいるか。

今や、その選択肢は俺が握らされているのだ。

 

 『目の前にあるものにしがみつく。そこから先はその時考える。』

 

 俺は、俺達は、ずっとそうして来た。

 だからこそ、最後に俺等はギャラルホルンに追い詰められ、ここに来てしまった。

 今までの様な誤った選択をしてまた同じ轍を踏むのは本気で嫌だった。

だが、俺はあいつらに言った。言ってしまった。『その先に俺はいるぞ。』って、

そして『止まるんじゃねぇぞ』って、たしかに言ったんだ。

だから、答えはすぐに出た。

「決まってんだろ...行くんだよ。俺たちの、本当の居場所に...!」

俺は始まりのあの日にミカに言った言葉をもう一度云ったのだった。




 この小説を読んでくださり、ありがとうございます。
僕は後書きに何書いたらいいのかもわからない初心者ですが、不定期で小説を投稿していきますので、よろしくおねがいします。

2023年7月7日 追記
本編の特に地の文が駄文になっていた気がするので修正を大規模に入れました

2024/01/06 再び修正

2024/04/01 大規模修正と一部の書き足し


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第一章第一部第一幕「異世界はオルガ・イツカと共に」
Episode.1「スマホと魔法のせかい」


 俺たちはまず神様に指定された異世界に行くことに決めた。

 その異世界には俺やミカと同じくループから脱出した、とある人物を既に送り込んであるらしい。

その人物は名を「望月 冬夜」と言い、ループの解決が難航し、半ば八方塞がりの状況にあるとのことだった。

「しかしよ...ミカ、俺らが助っ人として参戦したところでどうにか出来んのかよ......。力不足じゃないか?」と俺の弱音をミカに伝える。

 神様の手によって死なない位に強くなっているチート級な奴でも半分八方塞がりになるのだから、俺とミカという人員を、二人追加しただけで状況を変えられるのか不思議だった。

 するとミカは二度目の人生を舐めてるのか、

「そんなのわからないよ。けど、俺らが参戦すれば解決するからあの神様が俺たちを来させたんだろ。多分...。」とテキトウな事を言った。まったく..呑気だな...。

 「多分って.....。.......だといいんだがな...。」ホントにそうであってくれる事を願いたかった。

俺らは話す事が無くなり、ブリュンヒルド公国に向かって幌馬車を走らせる。

 ー神様から聞いた話によると、邪神なる存在が復活し、その影響でフレイズという魔物が強化され、それらが表世界、裏世界各国の多くの人を襲っていて。

それらに対抗すべく戦っている望月冬夜たちを俺らは援護する形で加勢する事になるだろうと言う事らしい。ー

この世界で俺らが最初にすべき事を頭の中で再確認しながら、景色をボーッと眺めていた。

 

 しばらく進んだ所で突然、ドカーン!と雑木林の木々を一度に十数本から数十本単位でなぎ倒した時に出そうな轟音が響いた。

音の規模と籠もり方から少し離れた場所で音がした事は明確だった。

いきなりの戦闘には慣れていたからか、俺らは即座に臨戦態勢に入る事ができた。

 すぐに幌馬車を止め「ミカァ。バルバトスに搭乗、起動し次第出撃!」と指示を出し、

音のした方向に指をかざし「prospicere」と望遠魔術式を唱え、状況を確認した。

 まず目に入ったのは神様の話から想像していたものとは明らかにサイズが違う、観光バス数台を束にした様な大きさのフレイズの姿だった。

 そして、フレイズの居る周辺の状況も確認した。

 そこにはフレイズが現れた事で崩れた教会らしき建物の跡が見えた。

 「っ...!?」

 その直後視界に入った光景に、グロテスクなものを見る事への耐性がある俺ですら、顔を顰め、戦慄し、言葉を失った。

 周辺の確認などをする必要があったのか分からなくなってしまい、見なければ良かったと思うくらい惨かった。

 俺は、7、8才の修道服を着た子どもがフレイズに胸元を刳られ、絶望の表情で血みどろになっている姿や他の修道服の子どもを庇って下半身を潰され、うつ伏せの状態で血を流して倒れているシスターの姿であったり、血に染まった袖が一緒に残った修道士の右腕を目撃してしまったのだった。

 呆然と恐怖で立ち尽くしている俺に「オルガ?なぁ!オルガ!」とミカががなり立てた。

俺は我に返り、「あぁ、すまねぇミカ。でなんだ?」と聞き返した。

 するとミカは「もう出撃するけど、あれを殲滅するのか、ただ無力化するだけなのかの指示ぐらい出してくれ。」と聞いてきた。

 その質問に対して「殲滅だ。」と俺は答えた。

 ミカは「了解ッ!」とだけ残し、敵に突っ込んでいった。

 

 フレイズにメイスで強烈な一撃をお見舞いし、ソイツを奥の雑木林に後退させ標的をバルバトスに向けさせようとした。

だが、ソイツはどうやって俺を視界に捉えたのか、俺に標的をさだめ突進してきたのだ。

「待ってくれっ!」俺は叫んだが、ソイツは止まる様子がなく、

「待ってろよ...。待てって言ってんだろうがっ!」ともう一度叫んだ。

 敵はそのまま突進し、俺は吹き飛ばされた。

「ぐあああああああ!!」と俺が叫ぶと同時に、

いくら弾を打ち込んでも無駄なことは最初からわかっていたが、

持っていたワルサーP38改をヤケクソに乱射した。

 「(キボウノハナー)だからよ...止まるんじゃねぇぞ。」

地面に叩きつけらた俺の体に、転生するに当たって神様に用意してもらった

『蘇生術式・フリージア』という神聖術式陣が展開した。

これは元居た世界で死ぬ直前にライドやチャドに向けて放った「止まるんじゃねぇぞ」という一言を神意術にしたもので、主に殺害された時に術式が発動する。

発動すると、魂源の保護、及び、身体の損傷箇所の修復(身体が全損している場合は全身がまるごと復元)、体内に残留した毒や弾丸又は破片等の除去、心肺蘇生などが瞬時に行われる。

この術は予め被術者の身体に貼り付けておく事を前提とした術式の為、死亡後に術を施すと神力を無駄に消耗するのである。

 蘇生した俺はゆっくりと起き上がり、

 「さぁ、反撃開始といこうか!ミカァ!」とまだ倒れてないのか、と言わんばかりの様子で追い撃ちを掛けようとするフレイズ(仮)を目の前に威勢よく怒号にも似た声を上げた。

 すると、ズドン!という凄まじい爆音と粉塵を纏い現れた白い悪魔が向かってくるそれ(フレイズ(仮))を、メイスでバァンッ!と轟音を立て殴り、目にも留まる事のないスピードで、粉々に砕き切った。

 倒されたフレイズ(仮)の残骸を片付けつつそれに対する調査や現場検証を行った。

 

 フレイズ(仮)を討伐してから4、5時間位した後、何かが走る音が遠くから段々と聞こえ、大きくなっていった。

何かと思い、耳を澄ましてもう一度、注意深く聞く。獣の走る音の様だ。その音色は馬などが走る時に出る蹄で土を蹴るような硬い音ではなく、柔らかい肉球を持つ巨体の動物の重厚感のある音だった。

そして視界に捉えた獣が俺らに近づくにつれて、それが本では見たことがあるホワイトタイガーである事、そのホワイトタイガーの背中の上に二人の人が乗っている事、また、乗っている人物が「望月冬夜」と彼の仲間の一人であり、彼の妻の一人である「望月 八重」いう事がわかっていった。

二人を乗せたホワイトタイガーは俺らの居る所の手前で停まるやいなや開口一番、「何者だ。名を名乗れ。」と初対面の相手に言うのは失礼極まりない気がする言葉を投げかけてきた。そう...ホワイトタイガーが...。

動物が言葉を喋っている事に対して覚えた違和感を脳内から無理矢理に拭い去り、「俺はッ!鉄華団...団長...オルガ・イツカだぞ.....。」とお約束の自己紹介をする。この自己紹介は結構気に入っているのだが、普通にその自己紹介はことごとくスルーされた...のではなかったが...。

 望月冬夜は俺の名前を聞いた事で表情を少し変え、「はじめまして。僕は『望月冬夜』。『冬夜』と呼び捨てで構わないよ。」例の神様から連絡があったからか、俺らの事を知っている様子で軽く名を名乗った。 

「三日月・オーガス、あっ…です。」ミカも流れで自己紹介をする。あれぇ?俺自慢の自己紹介はシカッティングゥ?

 「望月八重」の方は俺らの事を聞かされてないのか、

「冬夜殿...、この方々は一体?」と不思議そうに冬夜”殿”に聞いた。

 冬夜は伝え忘れていた事を今更思い出したのかハッとした様子を一瞬見せ、「あっそうか、八重達には伝えてなかったか...。この二人は僕と同じく、別世界から転生してきた人で、有り体に言えば僕らの助っ人として来た事になるのかな?」と簡潔に説明した。

「なるほど、拙者、望月八重と申す。オルガ殿の覚えやすい呼び名で呼ぶと良い。」といかにも侍の様な出で立ちと口調で名乗った。

俺は、呼び名を「では、『八重』と呼ぶ事にしよう。」と述べ、

「これからよろしく頼む。」と握手しようと手を差し伸べる。

 すると八重は手を差し出し握手しながら、「こちらこそよろしくいたす。」とにこやかに会釈した。

 そして、「二人は何故ここに?」と俺がさっき抱いた疑問を投げかける。

 「先程フレイズの出現の報告を聞き、駆けつけた次第だ。」と、疑問に対して適切な回答をしたのは八重だった。

 

 そして幌馬車の運転を八重に任せ、俺は先程居た場所で起こった事を一通り冬夜に説明した。

 冬夜は「フレイズ(仮)」の話を聞いて、驚いた様子を一瞬見せたが、ものの数秒でフレイズ(仮)が一体何なのか冷静に推測しだした。何故そんなすんなりと納得出来んだよ...普通、そういった亜種のようなものが出たらもう少し動揺する筈だ、現に俺は話と違うフレイズみたいなのが出てきて動揺している。

―――もう何が異常で、何が普通なのか分らなくなってきた...勘弁してくれよ...。―――と胸の内で愚痴をこぼした。

 「てか..冬夜。今はどこに向かって馬を疾走らせてんの?」と俺が聞くのを忘れてた疑問を切り出したのは、さっきまで沈黙を続けていたミカだった。

 「ん?あぁ、今向かってるのはベルファスト王国の屋敷だよ。」と冬夜は言葉を返した。

 「てか、【テレポート】すりゃ良いんじゃないか?なんで幌馬車で移動してんだ?」と俺は今、純粋な疑問がよぎったのでそれをぶつけてみた。

 すると冬夜は今更気づいた様子で「あ...。」と。おいおい、しっかりしてくれよぉ。

 幌馬車を止め、冬夜が【テレポート】を行うと周りがホワイトアウトし、眩しさ細めた目を元の状態に戻すと目の前に屋敷があった。

 白を基調とした、まさにロココ建築の立派な建物に息を呑む。

 厳かな雰囲気に圧倒されている俺を見た冬夜はすこし笑顔で言った。

 

「ようこそ、僕の居る、世界へ」




「ワルサーP38改」は「ワルサーP38」をカスタマイズし、威力の向上を図ったものです。
ワルサーP38改の詳しい改造内容は、
ワルサーP38で使用されている9×19mmパラベラム弾を
10×20mmパラベラム弾に作り替え、九発装填できる仕様に銃身ごと変更し、
弾頭重量を115grから128grになり、弾頭重量に合わせて火薬の量を8grから9.6grにした感じです
よって、銃口初速がパラベラム弾の平均初速の約1160fpsから約1270fpsになり、
弾頭重量(gr)x弾速の二乗(fps)÷450400=エナジー(ft-lbf)で
マズルエナジーが約344ft-lbfから約458ft-lbfと、威力が大幅に向上したという設定です。

※ gr(グレイン)
※ fps=f/s(フィート毎秒)
※ ft-lbf(フィート重量ポンド)
※ 1gr=約0.065g
※ 1fps=約0.3m/s
※ 1ft-lbf=約1.36J


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Episode.2「Rebellionis Angel」

 

 ベルファストにある望月邸が俺とミカの活動拠点になってから、未だ邪神に目立った動きは見られて居らず、邪神の居所を掴めない為に打って出る事も出来ずに、とうとう3ヶ月が経ってしまった。

 「あ~ (#・∀・)何も出来ねぇ...(# ゚Д゚)」と珍しく苛立った感情を表に出して呻くミカを横目に、ベルファストの王立図書館で借りた歴史書や魔物の生態が事細かに書き記された書物などを読み耽っていた。

 しかし、今は何も進展なしだ...٩(′д‵)۶。と言う様な状況は10、15分後には解消されてしまった。

 

 突然、俺を騙した神様から、この前渡されたスマホがけたたましく鳴る。冬夜からだろうか...?

え?何故、神様が俺を騙した事になってるかって?それはな、俺がフレイズ(仮)が新手かと思ってたらそれが中級種だったから...って、これじゃ説明になってないですよね、すみません(._.)。どういう事かというと、あの神はフレイズについて説明していた時にフレイズのサイズ感はSUV位と言っていたのだ。

おわかりいただけただろうか?奴は下級種の事しか言ってないのだ( ´Д`)=3。お陰でフレイズ(仮)の詳細の説明をし終え、冬夜からそれが中級種である事を告げらた時/(^o^)\、俺は恥ずかしさのあまり消えてしまいたかった。(T_T)

あの神、辱めやがって(#^ω^)...っと言った次第です...はい。(´・ω・`)

そんなくだらない脳内茶番は置いといて、俺は誰から掛かってきてるか確認もせず電話に出た。

 「はい?もしもし。」と電話の決まり文句を並べる。

電話の相手が冬夜なら、何か挨拶を一言、言ってくるはずだが、何も返事がない。

十秒位の間が開き電話の向こうから、冬夜の声の代わりにキザな声が響き、

「ユミナ・ベルファストは預かった。」俺は急過ぎる展開に衝撃を受けた。

そして「お前は誰だっ!?」俺は電話越しの相手に怒鳴り上げた。

すると俺の問いをまるで嘲笑している様子で「俺ッ...?フッ、そうだな...。」と少し息を溜め、

「『Rebellionis Angel』とでも名乗っておこう...。」とその場で考えた様な名を言った。『Rebellionis Angel』は、ラテン語で『反逆の天使』を意味する筈だ。多分。

 「何が目的だ?」俺が次に言うとしたらどうすればユミナを返してくれるかについてだ。電話越しの誘拐犯に条件を聞く。

「君とその相棒と、望月冬夜に興味があってね...。彼女を返して欲しければ、今、俺がいる場所に来て、()をしようじゃないか...。」と言った。

『話をしよう』の部分が一瞬『鼻塩塩』と聞こえたのは気の所為だろう。

俺は、主観だが高圧的な口調のつもりで「冬夜とミカも連れて行くんで合ってるんだよな?」と電話越しの人物に質問する。

するとその男は応答する。

「当然だ。だがそれ以外の者は連れて来るなよ、戦闘になると面倒だからな。もし約束を破れば彼女の命はない。」

余裕そうな声色だが、こちらの威勢に負けない切り返しでの応答だった。こちらはコイツに従うしか無いのか…。

仕方が無い。と了承した上で「後、武装はして行っていいのか?」ともう一つ聞く。

すると「勿論だ。」と余裕そうな口振りで返された。

 その後、向かう場所を指定され、そこの半径10km圏内には魂源感知結界魔法で入ってきた者の素性がわかる様になっていると忠告されると、

「以上だ。切るぞ」

「待て!まだお前にき...」

プツッ。ツー...ツー...。

聞きてぇ事が...と、俺がもう2つ程質問しようする前に電話が切れた。

 

 俺は急ぎ冬夜に連絡し、事の次第を伝え、冬夜と合流した後、指定された場所のある、ベルファスト王国北端の比較的新しく出来た街『カルトアイゼッヒ』の郊外に位置する森林地帯に向かった。

森林に着くと、まるで増援を呼んだとしても無駄だと言っているかの様に、わかりやすく結界が張られていた。

ここから大体10km、徒歩で行くしか無い。とミカと冬夜に目配せする。

すると二人は無言で頷いた。

俺らは無言と真剣な面持ちを揃えて、指定された場所の廃工場を目指し黙々と歩いた。

 2~3時間位、ひたすら歩き続けてようやく、指定された廃工場に到着した。

鉄筋コンクリートっぽい外観の廃工場は所々に崩落した場所があった。

その今にも全壊しそうな勢いのボロさ加減が、望月ユミナの安否を心配する冬夜の心を、まるであざ笑う様だった。と言う俺の思考を、そっくりそのままトレースした様な表情をその顔に浮かべる冬夜があった。

自分の愛妻はきっと無事であると信じてるが、その信頼が裏切られるじゃないか、失ってしまうのではないか、という恐怖感や不安感が廃工場に近付くにつれ加速度的に高まり、彼の心を細くやつれさせていき、やがてそんな脆弱になった精神を折ろうと恐怖や不安は揺さぶりを掛けだす。

相当、心が不安定になってると推測できる。

だから、ここに来るまで冬夜には敢えて一切話しかけなかった。

なぜなら、もし冬夜を下手に刺激して、取り乱させて判断力を鈍らせる事態になったら危険だからだ。

 「ふむ...約束通りだな。オルガ·イツカ。」突然、電話の時と全く同じのキザな声。

俺は説明のつかない程の危険を感じ取り、勢いよく振り返る。

 目の前には黒い髪、端正な顔たち、まるで堕天使を彷彿、否、堕天使である事を肯定する様な衣を纏い、ニヒルに不気味な笑みを浮かべる青年の姿があり、俺は視線を合わせたら失明しそうな、その鋭い眼光に凍りついた。

堕天使の後ろにはユミナの姿があり、その青年に縛られていた。

 「お前が...、『Rebellionis Angel』で合ってるな。」と言う一言で僅かな沈黙を破った冬夜。

彼の視線は最短ルートで堕天使に到達し、堕天使を殺気に満ちた眼差しで睨みつけた。

その顔にはそいつへの強い警戒心と、愛妻を人質に取られた事で敵に抱いた怒りと、ユミナの返還を強く望む様な思いが混じり合った表情が浮かんでいた。

 そして、目の前の敵は一瞬だけ、不気味にニヤけると沈黙した。その沈黙と不敵な笑みが冬夜の問いに対する、肯定だった。

「さて、約束通り、俺のユミナを返してもらおうかっ!」冬夜はブリュンヒルドを構えると高圧的な声色で言い放つ。

 するとただ敵はキョトンとした表情と声で、

「ほう...?最初から約束を守って来てくれたら簡単に返すつもりだが?そこまで身構える必要もないだろう?」とユミナをこちらへと突き出した。

ユミナは見た所、目立った外傷などは無く、無事に見えた。表情が負の感情で染められている様子もなく、特に何かされた感じは無かった。

「戻って良いぞ。」と言って解放されたユミナから堕天使は離れた。

 堕天使が10〜15mほど離れるのを確認し、脱力したユミナに素早く駆け寄り、彼女を抱きしめる冬夜を後ろにして守る陣形で俺とミカは武器を構えた。

俺は拳銃を取り出し、構えた

 すると『Rebellionis Angel』は不気味な笑みをこちらに向けて「手合わせ願おう」という一声と共に宙に禍々しい魔法陣の様な文様を浮かべると、禍々しい黒と赤の光りを放つ、元々神聖だった武器に穢れを流し込んだ様なやや細い蛇腹剣の様な特徴的な武器を、文様に手を突っ込み取り出すと独特な剣捌きで切りかけてきた。

 「オルガは二人を連れて離れてくれ!」俺が指示を出す前に、そう口走ったミカは俺らの前に飛び出し、装備している対人メイスで敵の剣筋を華麗に弾き、身を翻し、横っ腹に一発食らわせた。

だが、『Rebellionis Angel』は尋常ではない早さで崩れた姿勢を戻し、そのまま、驚くミカをボールを蹴る要領で蹴り飛ばした。

 数米程飛ばされ、地面に不時着したミカは事切れたかの様に動かず、身悶える事もなく、仰向けで転がっていた。

 俺の視線がミカを追っている間に奴は俺との距離を詰めていた。

急ぎ距離を取ろうとするも既に遅く、すぐに退路を絶たれた状況に陥った。

「....?....チッ。」

だが『Rebellionis Angel』が攻撃に転じる事はなく、明後日の方角を睨み付け小さく舌打ちし、俺らからかなり離れた。

 敵が睨み付けた方角を見ると、そこには武器を構えて不意討ちに警戒しながら、敵を睨み付けているエルゼとリーンの姿があった。

「.....邪魔が入ったか...さらばだオルガ・イツカ。また機会が有れば決着をつけよう......次は君を仕留める。」俺への不気味な笑みを添えた殺害予告を残し、『Rebellionis Angel』は羽もないのに飛び立ち、空へ去っていった。

「冬夜!怪我とかしてないでしょうね!!大丈夫!?」敵がいなくなると真っ先にエルゼが冬夜に駆け寄り、無事を確かめる。

「うん。僕の方は大丈夫。ユミナも多分、平気」

「無事の様ね...三人共。」と続けてリーンは冷静に話し掛けた。

「............はっ!!...ミカは!?」ホッとして完全に忘れていた!!俺は急ぎ、転がっているミカに駆け寄り、ミカの身体を起こす。

「ぐぇっ‼......ごほッ...ごほッ!!」とえずきながら、ミカは意識を取り戻した。

「ミカ!大丈夫か⁉」と今更ながら取り繕って、無事を確かめる。すまん( TДT)ミカ...。

「......ッ....ゴォエッ‼.......大っ..丈夫だ...。多分...。」

 この後、本気で苦しそうにしていたので、冬夜に〈リカバリー〉を掛けてもらいました。

 




こっちもおかしな点を修正しました。
何も考えず書いてました。すみません。


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Episode.3「堕天した右腕」

 「......なるほどな、あんたら神様達の国にすら神話がある訳か。」

今、世界神と訝しむ表情で対面している俺は、世界神の無駄に壮大な話を、

死んだ魚の目とはこの事を言うのだろうか。そんな目つきで聞き終えた。

先程までの世界神の話を要約すると、この間刃を交えた、正確には俺らが一方的に殺られかけた、堕天使の見た目のギザ男は本当に堕天使だそうだ。

そして世界神によれば、そいつの正体と思しき人物はアースガルドが出来る前の時代ついて書かれた歴史書であるアースガルド神話で語られているそうだ。

その神話の「ラグナロク終末戦記」という時系列的に最後の方の説話で語られている「ラグナロク事変」にて既にほぼ滅んだとされる旧テスタメント神族と言われる天使達の生き残りで、その内の神に反逆する天使の事を堕天使と呼ぶそうなのだが、

どうやら、世界神は俺の説明を聞く限り、堕天使の頭領にして反逆の首謀者で、「-zero-」の右腕だったルシフェルという堕天使であると言う。

全く理解するのが難い話では無いと思うかもしれないが、掻い摘んで説明しているから簡単な話に思えるのであって、世界神のながったるい話を一から聞いたら壮大過ぎて理解が追いつかなくなるだろう。

「だが何故、俺とミカと冬夜を見逃した?その...何だっけ?ルシフェル、だったか?相当危険なんだろ?そいつ。」

「そしたら、リーンとエルゼが駆け付けた所でそいつの相手にならないだろ?」疑問なのは、本当にルシフェルなら、何故俺達を見逃したのかだ。

世界神から聞く限りだとルシフェルは、あの場でエルゼとリーンが駆け付けても話にならないほど強力らしい、俺らを殺すなど造作もないなはずだった。

だが「すまぬが... ワシにもわからぬ。」とさっきも一度俺に質問されて、その後の今にもう一度聞かれ、凄く困り果てた顔で返してくる世界神を見て、

「悪い...聞かれも困るよな。」とこれ以上の追求は野暮であると判断し、

「じゃあな。」と俺は言って冬夜の居る異世界に戻った。

 

 世界神の話を盗み聞きしていた私は正直、驚きを隠せなかった。

「まさかルシフェルが動き出すとは...」

神話上の天使、私すら話でしか知らない、異世界を作り出した張本人、それが動き出すなんて明らかに変だ。

何故、オルガや三日月を狙った?

確かに彼らは普通の人間ではない気がしていた。

特に三日月だ。

彼とエノクの魂源が同一である気がする。明確な根拠はない、だがそう思ってしまう。

 アースガルド神話は少し表現を誇張していて内容が飛躍しているから控え目な解釈をするにしても、元の文献を解釈による改変がほぼない表現で、ルシフェルに対峙した人間はほぼ全員がルシフェルに一蹴りされただけで、細胞レベルまで体がバラバラになり魂源にダメージが入ったと言われていて、しかし一人だけルシフェルの攻撃に耐えた事がある人間が『エノク』だったのだと言われているのだ。

三日月がエノクと違ったのはルシフェルの攻撃に耐えたもののしばらく動けなくなった、そう動けなくなったという一点だけだ。

 昔、私は『エノク』の魂源の痕跡を辿った事があって、その痕跡のエネルギーを調べた際に見た魂源の波形をよく覚えている。

そしてエノクのものと今見ている三日月の魂源の波形は酷似している。

三日月がエノクの転生先である可能性が高い。

「まさかとは思うけどね...、『-ZERO-』が動き出したんじゃないでしょうね......。」ありえない話ではない、もし三日月が『-ZERO-』と同一の存在か、エノクの魂源と似た存在であるならば。

この事態を、総ての歯車が回りだしたと捉えるのは楽観的すぎるか。

とにかく、変化が起こったと捉えて良いのかもしれない。

「(´Д`)ハァ......盗み聞きとは感心せんな、恋愛神よ。」突然ため息をついたと思ったら世界神はこっちに向き、口を開いた。

「えぇ!?おじいちゃんいつから気づいていたのよ?!」なんでバレた!?完璧に存在を隠しきれていた筈なのにッ...。

「最初から気づいてたわい、バレバレじゃ。」なによ...なんで最初っからバレてるのよ...。

「とにかく、ルシフェルが動けるレベルまで復活した様じゃ。」世界神は非常に深刻な面持ちでそう言って肩をすくめた。

「それはどういう意味?」

「......。」

「?...おじいちゃん?」

「zzz」

「寝てないで答えてよ〜!!」

 

 「オルガ、おかえり」ベルファストの屋敷に戻るとこの間の戦闘で対峙した相手の素性を何故か、一番知りたがっている相棒が玄関で待ち構えていた。

 話せそうな部屋に移動して、神様から聞いた話を掻い摘まんで話した。

ミカはピンと来てない様子で「なるほどね......堕天使か...。そいつがとにかく危険な事はわかったーー」と言って、

「「ただ......、それでも疑問が残るよなぁ。」」と放った言葉が俺とハモった。そして急に可笑しくなって笑った。

何故ルシフェルは俺を見逃したのかわからないがチャンスが与えられたと考えれば良いか。

しかし、ミカは、一体何故ルシフェルの攻撃に耐えれたのか。その謎だけは今は無視しておこう。

_________________________________

 

  翌日

 「そうか...ルシフェルか...。」冬夜も同じくあまりピンと来ない様なぼんやりした反応を見せるかと思ったが、相当、ユミナを人質に取られた事に対して本気で怒りを覚えているのか、少しシリアスな表情を見せ、俺の説明に頷いた。

「で...だ、問題はヤツが今後どう動くかだ。それによって俺らの動きが変わって来る。だがヤツの動きが読めないのも事実。どうするべきか俺だけの判断じゃ危険だ。お前はどう思う?」と俺は表情や声を取り繕って話すが、冬夜がいつもと少し雰囲気が違うせいで、俺の調子は狂うものだった。

 冬夜は少し表情が暗くなった様に見えたと思うとスッと顔を上げて淡々と言った。

「とりあえずオルガ。ミカとブリュンヒルドの王宮に移転して。部屋は用意しておくから。」。やはり俺の考えと冬夜の考えは同じであると言う予想はビンゴだった。

予想のビンゴ気持ち良すぎだろ(おと◯っか風)。

 

 この間の件についてよく考えたら、ルシフェルが俺らを見逃した理由が単純明快だった事に気づいた。ヤツは俺をあえて攻撃しなかったのではない、出来なかったのだ。

 なぜなら俺の後ろには冬夜とユミナが居て、ループの歯車でない冬夜は巻き込まれても問題ないが、冬夜に抱きしめられてたユミナが攻撃に巻き込まれるリスクは冒せないと言う理由があったからだ。

 ループ現象はA時点からB時点の間にルシフェルの想定していない変数を加える事によって解決するのが一番効率的にらしいのだが、

その異世界のB時点にたどり着く為に必要な歯車の「ループの歯車」と言われる者達であったり、その異世界の住人であったりは自分達の世界がループしている異世界である事に気づくことは基本にない。

仮にループ現象に気が付いたとしても、ルシフェルが想定している変数が発生するよう行動をとっては当然意味がない。

ルシフェルが想定していない変数がなんであるかが分からなければ、或いはそもそもループの原因が分からない、すなわちループが意図的に行われている事に気づけないのであれば、結局指を咥えて事態を傍観するほかなくなり、B時点に辿り着いてループが起きて、ほとんどループの事を忘れるという、勿体ない結果が待っているだけなのだ。

だから、異世界の内部に居る者がループを解決するなんて芸当は、ほぼ不可能なのだ。

 だが、一つ例外があるとすれば、ループの歯車がどれか一つでもB時点にたどり着かない場合だ。そうすると、ループは成立しなくなる。

要はあの場でユミナを巻き添えでもなんでも殺したらループが解決してしまい、ルシフェルは自ら大きな大きな墓穴を掘る事になったわけだ。

 それはエルゼとリーンも同様で、ループの歯車をルシフェルには殺せないのだ。

 ならばループの歯車に該当する人間とある程度固まって行動すればルシフェルの野郎は迂闊に攻撃が出来なくなる為、安全性が高められるのだ。

 考えに落とし穴がないかって思うかもしれないが、ルシフェルはかなりの阿呆だ。

なぜなら、ユミナを人質に取るなどという無駄な事をしたせいで俺ら三人を仕留め損ねたからだ。

その様な阿呆が何処かに落とし穴を用意出来ている筈がない。

それを冬夜も思ったのだろう。

 ループの歯車であるユミナ達をデコイにするみたいで少し申し訳ないが、その手が最善だ。

 「話は決まったな。これから世話になる。」と俺は場を丸く収めようとした。

 だが「良いって、こうなったら一蓮托生だよ。」と既に明るい様子に戻っていた...。

あれ?冬夜あんまり気にしてないのか?ルシフェルの件。

「ルシフェルの件はあまり気にしてないのか?」とりあえず疑問をぶつけてみる。

 すると「うん、そうだな、あの件でユミナが僕にもっと甘えてくるから気にはしてないかな?」

 あっ...そういうことねぇ、あの件で余計距離が縮んでイチャコラしてんだなぁ(#・∀・)?おい!おかしくなったかと心配して損したぞぉ(#^ω^)なぁ(# ゚Д゚)⁉

「(くぁwせdrftgyふじこlp)」怒りで言葉が出ねぇ(#^ω^)。どう調理してやろうか?コノヤロウガァ(# ゚Д゚)。

 

 ベルファストの屋敷に戻り、お怒りモードで引っ越しの準備をする俺なのだった。




説明不足でスミマセンm(_ _)m
目次の最初の方で用語を詳しく説明しておりますのでご了承下さい。
設定説明その1(下記→リンク)
https://syosetu.org/novel/288539/1.html

2023年1月3日
この辺のお話は書いた当初が何も考えずに書いていた為に内容がグチャグチャなので、修正しておきました。
原作をもう一度読み直して、修正を頑張ります。


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Episode.4「『成果がない』と言う成果」

久しぶりですね、きっと。
もはや生存報告です。
色々な意味で今回のサブタイトル通りになってます。


 「ぐっ...。(希望の花〜)止まるんじゃねぇぞ。」

 ブリュンヒルドの王都に移転してからの4ヶ月間、俺は騎士団副団長のノルエから剣術の手ほどきを受けていた。え?なんで剣かって?実は俺もわからないんだ。(出gw「お前は馬鹿か?」)

「全然ダメだ...進展がない」と俺は愚痴をこぼした。生憎、俺は全く強くなってない、技術がどうしても上がらない。なんか...こう...銃火器などの飛び道具を使わない白兵戦って言うのが正直ピンとこない。剣と剣をぶつけ合う戦い方に違和感を感じてしまうのだ。

その違和感のせいでいくつもの隙が出来、そこにノルエ副団長からの容赦のない攻撃が来るためすぐに負けてしまう。ここまでの小一時間、野外練兵所での訓練で少なくとも17回は『フリージア』を使った。

隙を作らない剣の運びをノルエは分かりやすく説明してくれているが、肝心の俺が実践出来ていない。

ノルエは「焦らなくていいですよ~。」と優しく言ってくれるのだが、攻撃が容赦ないので優しい言葉に聞こえない。

ちゃんと説明してくれているのは良いが、手加減に関しての配慮が大雑把なのだ。

流石に辛いから「もう少し手加減してください(´;ω;`)」と弱音を吐いてしまった。

すると「頑張って下さい。」と一蹴されてしまった。(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

鬼か?この人は?( TДT)

勘弁してくれよ(´Д`)ハァ...

 

夕方

「あはは、色男になってんね。」あれ?ミカのジョークに既視感が...。いや、あったか?まぁ、いっか。

「うるせ。」俺はミカの言葉を軽くあしらい、城内に戻る。

あの後、4,5時間近く、訓練は続いた。少しはコツが掴めるかと思ったが、掴むのはおろか、掠めもしなかった。

もう、剣は諦めようかな?と思うと、どこからか、『諦めんなよ(唐突)。諦めんなお前ッ!!どうしてそこで辞めるんだ、そこでぇ!!もう少し頑張ってみろよ。お前の事応援している人たちの事思えよ。お前の事応援している人たちの事思えって。俺だってこの−20℃の水の中、シジミが取れるって頑張ってんだよ。必ずやって見せろ。必ず目標達成出来る。だからこそ!ネバーギブアップ!』って声がうるさい程に何回も幻聴の様に聞こえてくるんだよ。何なんだマジで...某元プロスポーツ選手の言いそうなセリフは...。しじみはもういいよ...。

 

 夕食が終わり、皆で談笑しているときだった。

外からの爆発音、音の籠もり方から発生源はかなり遠くだ。

にもかかわらずここまで聞こえてくる程の爆音、相当デカい爆発だろう、「様子を見てこよう。」と冬夜が立ったので俺らも続き、城のテラスに出てみる。

「チッ......、また変異中級種フレイズ。」音の発生源の方の森を見ながら、苛立って愚痴をこぼすのはエルゼだった。

およそ1ヶ月前からフレイズの出現が増え、それを何度も倒しているのだから、俺も含め、皆疲弊していたのだ。エルゼの苛立ちも理解できる。

「俺が行くわ。」ボソッと言ってバルコニーから飛び降りていったミカ、落下途中でバルバトスを呼び出し、受け身を取ってコックピットにスムーズに乗り込んだ。

俺はフレイズに向かっていく機影を目で追い、軽そうな装甲とレンチメイスから「第5形態か。」と呟く。

ガツンとフレイズに一発食らわせ、頭部をレンチメイスで挟み、潰した。

 

こんな感じでなんの進展もなく、ただ疲弊させられる日々だった。




伝える事を忘れてました。エピソード1と今回にオルガ達が戦っていたフレイズはオリジナルですが、以前から登場してたという設定にしています。ちなみに見た目はポケモンのレジアイスっぽい感じで、レジアイスの十字に並んだ目とその周りが少し飛び出て、そこが頭になっている感じです。
そのレジアイスっぽいフレイズは下級種サイズの個体も中級種サイズの個体も居ます


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Episode.5「動き出す」

おまたせしました。続きです!
首を長くして待ってくれていたなら幸いです。
それでは、本編どうぞ!


 オウムガイ型を主としたフレイズ達が物凄い勢いでベルファスト王国王都上空に大量発生したという急報が入ったのは、俺とミカで邪神の手がかりを追っている時だった。

 急遽、発生した場所に向かうとそこは地獄と化していた。

 逃げ惑う民衆の悲鳴と怒号、恐怖に屈した衛兵達の断末魔に、逃げるのを諦め希望をなくし立ち尽くす人々、ここは地獄の中心。

そこで俺らはフレイズに囲まれていた。

 

 「はぁぁぁ!」ミカがバルバトスでフレイズを蹴散らし、突破口を切り開いても、そこを際限なく埋めていくフレイズの大群。

 なんとか俺が頭を使える限りフル回転させ、的確な指示を出すも俺らの劣勢な状態は打破できなかった。

 俺らの劣勢を配慮しない心なきフレイズたちは容赦なく、向かってくる。

だが、フレイズの物量にも限界が来たのか、或いは助けが来たのか、フレイズ達の陣形が崩れた。

 「おい!ミカ!あの綻びから抜けるぞ!」何が起きているか考えている暇はない!とにかく窮地を脱する事が最優先だ

 ミカのバルバトスがフレイズの陣形が崩れた所へ追い打ちをかけ、空いた道を駆け抜けた。

 一度フレイズの大群から離脱すると「なんとか間に合って良かった。」と冬夜の安堵の声が聞こえた。

 だが気を抜いてる余裕はない。冬夜の横で「ボサッとしてる暇はないわよ!」と冬夜を一括するエルゼの声と「続いて来ます!」というリンゼの掛け声で、意識を敵へと向け、回避行動を取った。

 ただ、フレイズ達の内、過半数は何故か俺だけの動きを追い波状攻撃を仕掛けてくる。

 「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」俺はふっ飛ばされた。

 「(キボウノハナー)止まるんじゃねぇぞ。」蘇生術式が発動し復活するも、フレイズ達はまだ止まらない。

 「チッ......。待ってろよ...。」そんな俺の言葉もスルーして来るフレイズ達からまた攻撃を食らった。

 「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」またもやふっ飛ばされる。

 「(キボウノハナー)だからよ、止まるんじゃねぇぞ。」蘇生術式が発動、だがこのままだと希望の花でループが起きかねない。勘弁してくれ。

 だがそうはならんのが俺らだ。

また波状攻撃を仕掛けようとするフレイズの塊を冬夜が大魔法で一掃した。

 逆に俺に拘ったフレイズ達はまとまり過ぎた事が仇となり、大魔法で敵の大半が塵も残さず、消え去ったようだ。

 誰がこんな愚行をフレイズにさせたのか大体見当がついていた。邪神だ。

 

 未だに姿を表さない禍津神にしびれを切らした冬夜は「おい!邪神!どっかで高みの見物なんてしてるなら一言言わせてもらう!いい加減に隠れてないでぇ!早く姿を出せぇ!」と本気で怒号を上げた。

 それに続いて俺も「邪神!お前がこんな姑息な手段を使わねぇと俺らを倒せないと思ってんなら見当違いも甚だしい!俺らは倒れねぇぞ!いくら姑息な行動を取っても!俺らは折れねぇぞ!」と邪神に怒鳴った。

 

 すると地面が思いっきり揺れた。

「「「うおぉぉぉ!?」」」「「きゃぁぁ!?」」

 地の張り裂くかの如き揺れに皆狼狽える。

すると地面が本当に裂け、亀裂が入った。

____________________________________________

 

数ヶ月前

「フム...そうか...了解した。」禍々しい洋館の様な屋敷の広く優雅な食堂の、その屋敷の主人が座る席で、見た目も味も美味しいようだが生身の常人が食べたら呪われそうなコース料理のメインディッシュの肉料理を、実際この屋敷の主人である伯爵の様な人物が口に運ぼうとしたときだった。

 この人物が師と崇める堕天使から、情報伝心術式で連絡が来たのだ。

 その内容を見て、出たのがさっきの独り言だった。

「(それにしても、まさかあの伝説の男の生まれ変わりかもしれない男がこの世界にやってきているとは。)」そう、この伯爵こそが邪神そのものである。

 そしてこの禍津神は、戦いを求め、血と殺戮を欲する、危険な戦闘狂であった。

だが、己の師である、あのルシフェルですらそいつを殺すことができなかったというのだ。

 邪神は、強い相手と戦いたいが、己が圧倒されては面白くない、相手と互角の勝負がしたいという思いがあったのだ。

 そのため、邪神はそのエノクの生まれ変わりらしき人物が少し弱くなるようにする事にしたのだ。

具体的には3つ。

一つ目は、そいつの仲間を蹂躙したり、ちょっと刺客を送り込んで精神的に疲れさせ、判断を鈍らせやすくする事だ。

二つ目は、純粋に戦闘で負傷させたりして、当人を体力的に疲れさせることだ。

三つ目は、その仲間をそいつと同様に疲弊させることだ。

これでやっとエノクと戦う準備が整ったのだ。

 

そして、1日前

最後の仕上げ。大量にフレイズを召喚し、殺戮をはじめて、そいつをおびき出すだけだった。




本編短くてすみません。
まだまだ全体のストーリーの内、本当に序の口です。
今後の展開を考えると、もう次回かその次で、第一幕「異世界はオルガ・イツカと共に」の話は終わる予定です。

追記,
原作の邪神はルシフェルの手で生み出された別の邪神に置き換えられてます。
(いせスマ原作の邪神「解せぬ」うp主「すみません原作の邪神さん。自分の原作への解像度の低さを改善しないばっかりに、申し訳ございません。」原作邪神「詫びろ!詫びろ!詫びろ!詫びろ!詫びろ!」うp主「ちょっとやめてください!!これ以上貴方が話すとそろそろぼろが出そうなので。」原作邪神「うるさい!!!俺の好きにさせろ!!」うp主「モゥヤメルンダッ!!!!」)


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Episode.6「邪神戦」

という事で、おまたせしました。
第一幕「異世界はオルガ・イツカと共に」完結です。
それでは本編、どうぞ!!


 地面が大きく揺れ、引き裂かれた大地から禍々しい氣が流れ出ていた。

 意識を奪い盗もうと吹き荒れる、障気にも似た風に、俺らは吹きさらされ、半ば酩酊した。

 これが邪神の毒である事は明白だった。

「ああ゛っ........がああっ!!」毒の影響を直で喰らった冬夜は苦しみ藻掻き出した。助けようにも俺は意識を保つのが精一杯で動くのが出来ずに立ち往生。

俺はまだましのようだった。エルゼやリンゼはうつ伏せで気絶していて、頼みの綱のミカはKO寸前と、詰んだに等しい状況に俺はもがくことも赦されない。

「っ.........くっ...そ、が。」俺が発せたのはその一言だけだった。

こうなったら、俺が一度死んで、一度動きが取れる様にしてから動くほかない。

だが、それでこの状態が変わる事にはならないだろう。

それでも、試しにワルサーP38改を銃口をこめかみにあてトリガーを引いた。

俺は一度うつ伏せに倒れ込み、「(キボウノハナー)止まるんじゃねぇぞ」と生き返るが、また毒を喰らった。

先よりまだ良いのは、「フリージア」の発動後直ぐに耐毒魔法の「浄血」を行使し、毒のダメージを最小限に抑える事が出来た事だった。

これで多少なりとも動く事ができるようになったのだ。

第一耐毒魔法術式の「浄血」はこの世界に存在するほとんどの種類の毒を”否定”する能力を持っている。そのため、術が発動すれば一定時間、毒の影響を受けないに等しい効果を被術者は得られる。

「よし...。これで行けるなミカァ!」そして「フリージア」を一回発動させ、「浄血」を行使し、生き返らせた。

「?...俺は?一体どうして寝て。」

「おいおい..寝ぼけるのは帰ってからいくらでも出来っからよぉ....。いいから行くぞ!」

寝ぼけた様子のミカに活を入れると、状況を把握したミカが動き出した。

「ミカ、冬夜は持って後10分だ。良いな!絶対にそれまでに終わらせるぞ!」

「あぁ!」

「あっ...そうだ。」と移動する前に、気づいた事を実行に移す。

昏倒しているリンゼとエルゼ、苦しんでいる冬夜にも「フリージア」と「浄血」を使用した。

「......んにゃ?」「............あれ?..私..は一体?」

「説明は後だ。とにかく冬夜のお守りを頼む。」と意識を失っている冬夜を指した。

二人は即座に状況を理解し、頷いた。

これでタイムリミットは確実に伸びた。

邪神の場所は瘴気の流れで大体把握したので、そこへ急行したのだっだ。

 

 「.........なんだ?...ありゃ...。」

 邪神がいるであろう場所に着くとそこには瘴気を圧縮し作り出した様な色合いの竜の姿があった。

そして西洋風の竜の姿をしたそれから声が発せられた。

 「吾は邪神なり!汝ら、なんの権限を以って、我が御前に居る?」

 「............」俺は質問とも退去命令とも取れる邪神の声に対し、沈黙した。

 「?......どうしたww...俺に畏れをなしたか。ハハハッ!!当然だろう!吾は邪神なり!」と邪神を名乗った龍は自意識過剰極まる能書きを垂れ、愚かさが耀様な様子でいた。

 「おい、邪神!!今のでよーくわかった!なぜ、あんたがこんな姑息な方法で俺らを追い詰める魂胆でいたかをな!」と邪神の声に拮抗する様にして、俺はヤツに聞こえるようにわざとらしさを大にして言い放った。

 そして俺は「なっ!?......なんだとっ!?貴様ぁ!吾を誰と心得るか!」と怒鳴り散らす邪神の声を環境音の如く聞き流し、

「よぉし!やっちまえぇ!!ミカァ!!!」と雄叫びを上げた。

 邪神に身構える余裕を与えることのない様にバルバトスは武器を振り回し、その一振り一振りを確実に邪神の巨体へとぶつけた。

だが「くっ......こいつ...防御が硬ぇな。」全ての攻撃が弾かれ、ミカは苦戦を強いられていた。

 そして、ガキンッ!と一度、大きな金属音が響くと、

バルバトスはメイスごと取り押さえられ、動きを静止されていた。

「ミカァ!」俺がこう叫ぶのは当然だった。俺らは、有効打になりそうな戦力がミカだけであるにも関わらず、その頼みの綱が封じられたという最悪な状況に陥ったのだ。かなり危険な状態である。

 だがミカは「いや、大丈夫。」と言い、コックピットハッチを低位閃光爆炎砲魔法「ビーム」で吹き飛ばし、更にバルバトスを自爆させ、爆風の勢いに身を任せるという荒削りな方法で脱出したのだった。

ミカは、自由落下中にさっき自爆させた筈のバルバトスをもう一度呼び出し、動き出した。

そして竜の姿の邪神に急接近した。

 するとさっきの爆破がなかったかの様にケロッとしている邪神は、前足を振り被り、爪でバルバトスを殴った。

その攻撃でスラスターが破損し、バルバトスは墜落した。

だが、コックピットはまた蛻の殻だ。

 上空を見ると、今度は狼王の名を冠するガンダムの姿があった。今度こそ邪神の間合いに入った。だがそれもまた爪でなし崩しにされそうになったが、今度は振り降ろされた爪をスッと躱した。

 「もうっ...危ねえなぁ!!」ミカの怒声を追って、バルバトスが邪神にレクスネイルでズガンと一撃をお見舞いし、音速に近づく速度で連続して攻撃を叩き込む、

しかし、それでも未だ邪神が動じる事はなかった。

 そこで邪神の動き方を大体分析できた俺は今すぐに思いつく限りの作戦を全て試した。そして思いついた作戦の内一つがあたりだったため、バカの一つ覚えだったかもしれなかったが繰り返した。

すると、邪神の体に隙間ができた。

そして仕上げに隙間へ「浄血」を叩き込んだ。

 耐毒系の魔法は、毒の否定を行う魔法であり、詰まる所、毒の否定は毒の性質(たち)を持っている存在にとっての究極の害になりうるのだ。

そのため、邪神は当然の如く苦しむ様な(うご)きを見せた。

そしてみるみる龍の姿は崩れ落ちていった。

「やったか...?」とミカは言う。

邪神の巨体はあの瘴気で構成されている様だった。なぜなら、ヤツが崩れた事で発生した霧があの瘴気に似ているからだ。

とするとあれは邪神のダミーか、あるいは......。

「ぐっ......、やりおるな..貴様ら。」

「!?」その「あるいは」の先の文が実現してしまったのだった。

 あの巨体は邪神のがわで、あれは第一形態だという事だった。

邪神の巨体があった場所を凝視しても第二形態らしき姿は霧のせいで見えなかった。

霧が多少晴れた所でもう一度凝視すると、霧の中に爵位をもっていそうな近世の時代の軍服を着ている伯爵の姿があった。そいつが邪神だろう。

ただ、見えたのはそれだけで、気づいた時には俺もミカもふっ飛ばされていた。

ふっ飛ばしたのは誰か、それは邪神である事は明白、しかしどうやって?

理解可能な事は俺やミカの反応速度では対応不可能な攻撃であった事だった。

今、俺達は身動きが取れなくなっている、瓦礫の山に埋まったわけでも、拘束されたわけでもなくだ。

これはどうやら、中途半端に死に損なってしまったみたいだった。

俺にもミカにも「フリージア」を貼り付けていた。

だが発動しなかったのは、死ぬという発動条件を達成していないという事だからだ。

多分、随意神経をやられたのだ。でなければこの動けない上に状況に説明がつけられない。

首がポッキリ逝ってしまっていたり、不随意神経や脳幹をやられていりしたのなら、確実に死んで、復活が可能なのだが、随意神経だけを上手く切り、大脳に強すぎる脳震盪を起こさせる様な”巧撃”であったのだろう、

もう自分を一度終わらせる事すら出来なかった。

逆に、もし俺等がちゃんと死んで、復活したとしても、どうせ、邪神に又やられて、復活してを、事前に貼り付けた術式の回数の分だけ繰り返して、

魔力を使い果たした俺がフリージアを施せる事は当然できず、今度は俺もミカも死ぬのだろう。

どっちにせよ焦った所で無駄だった。

「.....。」

そして俺等は捨て台詞も言えずに気を失った。

____________________________________

 

Evil Deity’s View

 吾は、先程、吾の竜を象ったとても大きな装備を壊した二人の男の元へ近づき、あの方の予報通りに随意神経だけを切り、脳みそに意識が無くなる程度の衝撃を与え、地面に伏せさせ、案山子の様にピクリともしない二人の背中を、取り出した杖で軽く叩いてみせた。

 

 「ふむ、予報通り、この者らは一度死んで復活する様ではなさそうだ。」

竜を象った装備を破壊するあたりかなり強い様に思えるが、

エノクだった頃の調子が戻ってないのかこやつらは今、吾に瞬殺されてしまった。

「(そうだ...、今は此処でこの者共を突付いている場合ではない、目の前で横たわるこの者共より...先に望月冬夜という男を、気を失っている内に早く始末せねば...。)」

何故か今この瞬間に嫌な予感が強くなった。吾輩にとって凄く嫌な予感だ。

 

 吾は望月冬夜を危険視していたのだ。

望月冬夜こそがこの世界のループに終止符を打ちかねないと本気で危惧していた。

その為、吾は冬夜が気を取り戻す前に冬夜を討ち取ろうとしていたのだった。

 

Evil Deity's View Out

____________________________________

 

Toya's View

 俺はいつの間にか、暗闇の中にいた。

 冷たい深海に沈んでいるような感覚、本当の深海の様に水圧で圧迫される様に自分の身体の様な物が重くなった。だが、実際に自らが潰れる事はない為、本当の水圧ではない事を俺は理解した。

俺は突然現れた邪神の放った毒でやられ、意識が無くなり精神世界的な何処かに入り込んでしまったと言う事実に今更に気付いてしまった事で、必死に自分の位置を探り、深海から海上に上がろうと、この空間での己の肉体と思しき物を操り、全身の筋肉に力をいれさせたりした。

 

 どのぐらい時間が経ったことか、やっと今ごろ、勝手に深い所に居た意識が上へ上へと浮き上がった。

そして、自分の身体の周辺の状況を認識することが出来るぐらいまでには意識が戻って来たのだった。

「「!」」何か焦燥感にかられて出たようなエルゼとリンゼの声、何があったというのだろう。

「これ以上、冬夜に近づくんじゃないわよ!」

「(エルゼ!?)」彼女の緊迫した声を聞いた途端に、五感の全てから情報が滝の勢いで流れ込み、大気圏を突破する勢いと同じ勢いで意識が浮上したのだった。

そのエルゼの少し怯えた、去勢を張った声が全てを物語っている。

「ふん?......吾の邪魔をするか...。」俺は、誰だ?と一瞬思慮を巡らせ、これは状況的に邪神の声としか思えないと、結論付けた。

「して...望月冬夜という男よ、良いのかね...そんな所で横たわっていても...貴様のお守りをしている小娘2人なんぞ瞬きする間に私に斬り捨てられてしまうぞ...。」

「!(こいつッ!)」

 その言葉が耳に入った瞬間、俺はかつてないほど、それこそ、固まっている鋼をも0秒で蒸発させる程の、激憤と憎悪を燃やした。

 エルゼやリンゼが、俺が邪神を殴り飛ばし瓦礫の山に突っ込ませていた事に気づいたのは、数十m先の瓦礫の山に吹き飛ばされた邪神が衝突した事で発生した衝撃波に伴った音と風と粉塵が完全に止んだ後だった。

「ばっ....馬鹿な.......何故動けるのだ?.貴様は...。奴が生き返らせても良いように重点的に毒を回した筈なのに...。」

 この邪神の目から初めて、勝利を確信した色が消えたのだ。

今こいつから出ている感情は恐れと困惑と逃避衝動と諦めとが丁度良く混ざっているものだった。

「あぁ?うんまぁ、お前の冥土の土産に教えて、言うだけ言っておいてやろうかなぁ...?。」俺は怒りが滲み出ているのを自覚しているが、気にも止めなかった。

「それは単純な話だよ...。大事な人を傷つけかけられてさ...、激し過ぎる怒りを感じただけさ。それと...、一言いうね..。」

「......仮にお前が生まれ変わるなら覚えておけ!そうやって俺みたいなのを無闇に煽ってはいけないって事をな!」

邪神の頭上に轟炎炸裂魔法「雷鳴の焰(ドナ・フラム)」を打ち込んだ。

プラズマボールの様な大きい火球で邪神を包み

「うわあああああああああああ!!」という叫び声ごと奴を消し炭にしてやったのだった。

 

「...............ハァ...ハァ...はっ...........、...ふぅ........。」

「邪神は...死んだな...。」

僕は呼吸を整え、炭となった邪神の死骸(仮)を一瞥し、真っ黒な骨の残骸が邪神のものである事を確かめると

「「冬夜ぁ!!」」

と愛しいマイハニーが俺を涙混じり大声で読んだので、「僕は大丈夫。心配かけてゴメンね」と言おうと口を開きかけて、振り向いた所で、

「うわああ!?」

エルゼとリンゼに飛びつかれ、視界にドアップで入り込んで距離を詰めてきた二人に驚いた俺は素っ頓狂な表情で後ろに倒れ込んだ。

「このッ!バカアアアアアアアアア!」

「うわああああああああああん!」

大声で泣きじゃくる二人は俺の胸元にしがみつき、離れようとしなかった。

「ちょ...!?ちょっと!?くっ...苦し...い..よ.....一回離れて。」と促すと、

「「やだっ!!絶対離れないっ!!!!」」そんな...子どもじゃあるまいし。

「ねぇ...ちょっと...、ヤバイって......。」Ω\ζ°)チーン

「え!?ちょっと冬夜!?」

「大丈夫ですか?!」

 あぁ...後頭部痛いなぁ。

 

 その後、俺とエルゼとリンゼが誰も来ない事を良いことにイチャ付い......否、二人を俺が慰める事30分、その後一時間掛かって横たわるオルガを見つけて「リカバリー」をミカとオルガにかけた。

 

Toya’s View Out

 

 

「んがっ!?んあ?」なんだ生き返ってる?冬夜が「リカバリー」してくれたのか?

頭を動かすとミカと俺の目線が合った。

「おう...ミカ。」

「大丈夫か?」

「...ん..あぁ、大丈夫だ。」

短く会話を交わし、周辺を見渡すと、瓦礫まみれの平地が広がっていた。

「終わったみたいだよ。」

「そうか。」

「おつかれ、オルガ。」

「ああ、ミカ。」

そして俺等はお互いを労ったのだった。

____________________________________

 

♪〈STEEL-鉄血の絆-〉TRUE

 

「うわぁ...ひどいな、これは。」

復興を始めたばかりのベルファストの王都の跡地となったデッカイ平地を見て、冬夜はボヤく。

「これは復興に時間が掛かりそうね。」とリーンが続ける

瓦礫の撤去には俺とミカも手伝ったものだ。

邪神による被害はかなり酷いものだった。

なんてったって、市街は丸ごと破壊され、完全に街が消滅したのだ。

だが得たものとしてループの解消とZEROの保護が機能するようになったのだ。

だから損失に対しての利益は十分だった。

「ねぇ、オルガ。とりあえず最初の仕事は終わりなのかな?」

「ん?ああ、そうかもな。」俺はミカの問いを適当に流し、冬夜の元へ向かう。

「なぁ、冬夜、俺とミカはーー」言いかけた所で静止された。

「なにも言わなくていいよ。大体わかるから。お別れの時だろ?」

「あ..あぁ。」

「なら....、先に行ってて、後80年ぐらいしたら合流するから。」

その意味を俺と横にいるミカは理解した。

「そうだな...。行くか、ミカ」

「あぁ行こう。」

 

____________________________________

駆け出した僕たちは 時代の旅人

遠く 遠く 強く 強く 荒野に咲け

前だけを見据えたなら 希望は君の手の中に

負けないで 命燃やして




第一幕、完結してしてしまいましたあああああああああ!

ということですが、今後の予定が決まってません。
オルガ「うp主なにやってんだあああああああああああああああ!」

楽曲コード違いましたらご指摘お願いします。

今後ともよろしくおねがいします!

おかしな所は直しました。(オルガ「次から気いつけろ。」うp主「はい。」)


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幕間その1
設定説明,その2(Fake)


大変長らくお待たせしました!!
久しい更新です。
今回は設定説明第二弾(大嘘)

今回は告知です。


ガンダム

____________________________________

 

うp主「説明不可。」

オルガ「は?」

三日月「あんた何言ってんの?」

ダブスタクソ親父「理解できない。ガンダムは説明出来る、私がそう判断した。」

ひろゆき「うp主さん、嘘つくのやめてもらっていいですか?」

うp主「なんでひろゆきいるの?」

オルガ「今ひろゆきは関係ねぇ、やっちまえミカァ!」

三日月「スッ...。(拳銃を構える)」

バンッバンッバンッバンッバンッ!

うp主「うっ...(キボウノハナー)」

ミオリネ「このッ、ダブスタクソ親父!何こんなところで油売ってんのよ!もうすぐアンタも出番あるでしょ!帰るわよ!」

ダブスタクソ親父「お...おい、離しなさい。」

スレッタ「ちょっと、ミオリネさん!?」

うp主「なにこの状況?」

ダダダダダダダ!(銃声)

偽マフティー「喋るな、うp主!神経が苛立つ。」

うp主「理不尽だよぉ(`;ω;´)」

偽マフティー「よく喋る!」

バンッバンッバンッ!(銃声)

オルガ「グフッ。(キボウノハナー)止まるんじゃねぇぞ」

うp主「いやなんでええええええええええええええ!?」

ギギ「やっちゃいなよ。そんな偽物なんか!」

偽マフティー「!?」

ガウマン「やってみせろよマフティー!」

ハサウェイ「なんとでもなるはずだ」

レーン「ガンダムだと!?」

[Alexandros]「鳴らない言葉をもう一度描いて

赤色に染まる時間を置き忘れ去れば

哀しい世界はもう二度となくて

荒れた陸地が こぼれ落ちていく 一筋の光へ」

カミーユ「セックs」バシンッ!!カミーユ父「やめないか!!」

うp主「カオスすぎて世界観がぶっ壊れんだよ!Y.A.M.E.R.O.!!」

刹那「ガンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアム!」

ドモン「ゴッドガンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアム!」

バナージ「ユニコオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」

オルガ「ミカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

水星バナージ「百合コオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」

スレッタ・マーキュリー「エェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェオ!!」

うp主「張り合うなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

うp主「もうダメだ...。アスラン!手伝え!」

アスラン「もうやめるんだッ!(俺は何故こんな事をしているのだろう...?)」

オルガ「すみませんでした。」

ひろゆき「はいすいませんww」

マクギリス「バエルの元へ集え!」

三人組「バエルだ!アグニカ・カイエルの魂!」

誰かさん「そうだギャラルホルンの正義は我々にある!」

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

うp主「(また始まっちゃったよぉ...。)」_| ̄|○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二幕「Re.ゼロから始める異世界鉄血-The First Continue-」 投稿決定!!!!

 

乞うご期待!!!

 

to be Continued in Act.2

 

                                ちびーず

 




茶番ですいません。m(_ _)m
どうしてもやりたくなっちゃっいました。

次回、「設定説明,その2」(これはマジ)
https://syosetu.org/novel/288539/2.html


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第一章第一部第二幕 「Re.ゼロから始める異世界鉄血 -The First Continue-」
Episode.0-1「RE:転生」


待たせたな。
ということで、 第二幕「Re.ゼロから始める異世界鉄血 -The First Continue-」があじまるあじまる!



 まるで俺らには休息の時など与えられないとかいう内容の天啓が降りるが如く世界神の口から次の仕事の命令がくだったのは、冬夜ことスマホ太郎が居た世界から帰ってきて一週間としない内だった。

 「...............勘弁してくれよ...。(切実)」とボヤいたのは俺。

休みがないとかいう残酷な現実へのショックでガクッと項垂れ、腑抜けた声で応えたのだ。

 おいおい.....、ブラック企業か?...ここは.....。(´;ω;`)

『(切実)』って付いちまったよ...まったく...。( ´Д`)=3

 「なんで?」と寝転んだ体勢でお茶請けの煎餅を口の中で砕きつつ、流石のミカも惰性ながら反抗の声を上げた。

その時の姿勢は怠惰そのもので、某邪教集団の◯罪司教の怠惰を担当しているロマネなコンティさんが見たら...って、ダメだダメだ、そいつ今後登場するんだから今話すなんてーー

「それはダメだ。」

「なんで俺の心の声が聞こえてんだよ?!」ミカの「鋭い」のレベルで片付けられないツッコミに対してツッコミを入れた。

 よく考えてみると『ツッコミに対してツッコミを入れる』って相当おかしい状況だな...。

「ゴホンッ、兎に角...次に行ってもらう異世界は今行かんといかんのじゃ。」と俺らの繰り広げている超絶不思議な漫才&俺のメタい思考をサラッと流し閑話休題。

「?」駄洒落のつもりか?『行かんといかん』って。(うp主「閑話休題になってねぇww」、オルガ「閑話休題なんてねぇよ。うるせぇよ。黙れよ。閑話休題なんてねぇよ。拳こそ正義。閑話休題なんかねぇよ。正しいのは俺。」、うp主「チョットナニイッテルカワカンナイ。」ミカ「理解しないうp主を血祭りに上げてやる」、うp主「お助け下さい!(アスパラガス風)」)

 この神はもともとゆっくり...(うp主「していってね!」、オルガ「おいコラ!」、ミカ「マジでやめて。(ガチトーン)」、うp主「ヒャイ...スイマセン(´・ω・`)ショボーン」)ゴホンッ、失礼。

 言い直そう。この神はもともとゆっくり喋るから含みのある言葉か、ない言葉かの判別が利かないのである。そのためこういった場合に駄洒落に聞こえる時があるのだ。

 「どういう事だ?」まぁ、それを今から説明するんだろうけどな。

 「やや複雑で長い話になるが、順を追って説明して行こう。」神の説明が始まった。

 「その世界が観測され、調査をA時点から開始してから24時間と経たずに時間が巻き戻ったんじゃ。」端的に補足すると、ループ現象は八割方A時点からB時点までの期間は1ヶ月以上で、数日も経たずにループする事の方が珍しいのだ。

 「少々珍しいタイプなだけのループかと思い、ループしたの時刻をB時点としたが、何回かループした際に、ループのB時点とした時刻を過ぎた。」

B時点の時刻が変わる事は稀にあるらしい。ただ、数日も経たずにループする上に、B時点の時刻が変わる異世界はかなり珍しい。

 そして、次に世界神の口から放たれた言葉に、俺が驚愕したのは言うまでもなかった。

「最初は凄く珍しい異世界なだけかと思っておったが、今度はA時点までもが変わり始めた。」

「!?ッ」俺が驚いたのは、A時点が変動したと言うことに対してだ。

 何故なら、俺はA時点が変動する異世界を今世界神から聞かされるまで知らなかったからだ。

「まぁ、驚くのも当然じゃよ。儂もこの様なケースは初めてで観測した瞬間は絶叫しそうになったぐらいじゃ。」そう、世界神ですら想定してない事態なんだ。

「そしてつい先程、最初に観測したA時点に時間が戻ったのだ。」

なるほど。

「つまり、今がその異世界への入り時と言うわけか。」

「察しが良いの。」ならば答は一つだ

「わかった。その仕事、俺らが引き受ける!」

 

「ちょっと待ち給え、オルガ・イツカ。」俺の言葉の直後だった。

元いた世界で俺らを敗北に追いやった、バカの声が聞こえたのは。

「マクギリスじゃねぇか。」

 




祝!!第二幕開幕!!
始まってしまったああああああああああああああああああああああああ!!
以上です。


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Episode.0-2「バエルバカ」

大変長らくお待たせしました!

それでは、本編へどうぞ!


 俺は立ち上がると、振り向きざまに無駄なく振りかぶりバエルバカの端正な顔面、もとい頬に右ストレートを打ち込み、後退りさせた。

「准将!?」

そして後ろに吹っ飛んだマクギリスを受け止める石動・ラディーチェがあって、「貴様!准将に向かって何を......」と石動が怒り、俺に掴みかかろうとしているのかこちらに向かってきて、それをすぐさまバエルバカが右手で制すまでがワンセットである。

 目の前のバエル中毒者が一息置くと「.....相変わらずだな、オルガ団長。」と馴れ馴れしく接してきた。

「フンッ....まぁな。」と不機嫌ながら言葉を返し、馴れ馴れしいのが癇に障ったので、さっきのワンセットをバエ中(バエル中毒者の略)にもう2回お見舞いした。

 

 お互い少々乱れたお御髪を直してから、茶舞台を挟んで向かい合い、数十秒の沈黙が流れた。

「それで何の用だよ。まぁ...アンタの事だ、どうせ碌な事じゃねぇのは判ってんだけどな。」

 仮に目の前のバエ中が勝手に話を初めて、再び鼻につく様な物言いをされると、こっちの気が狂いそうなので、不機嫌な表情と声色は変えずに嫌味を込めて、わざと事務的にバエ中に用件を聞いた。

「沈黙を破って一言目がその言い方なのは君らしいといえば君らしいが、」

 俺が事務的な話し方になれば、流石のマクギリスもその感傷的で、悟ってます感溢れる、鼻につく様な物言いも出来ないだろうと予想し、用件を聞いたつもりだったが、またもや俺がイラッとする口調で言葉を発せられ、

『ちゃぶ台ひっくり返したろか?(#^ω^)』となるぐらいには怒りを覚えたが、

そこはグッと堪えた。

「本当は、そう警戒しないで貰えると助かるものだな。」

は?どの口がどの口がどの口がどの口がどの口がどの口がどの口がどの口がどの口がどの口がどの口が!?

自業自得だろ、この阿呆戯け!信用されないのは当たり前だろ!

なんだ?なんなんだ?俺の神経を逆撫でたいのかこいつは?それでさっきのワンセットをやられたいのか?Mなのか?!

え?なに?怖い!怖いよこの人!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

......失礼、取り乱しました。

お見苦しいところを見せてすいません。

......?なんで急に俺敬語になってんだ?

 どうやら、俺は色々と取り乱してしまったのか、急に怯えたり、怯えてたかと思えば、急に敬語でメタい領域(?)の人々(?)の方に謝罪したり、脳内が始終カオスな事になっていた。

そもそもメタい領域の人々ってなんだよ?なんか気づいてはならない事に気づいたみたいになってるけど大丈夫?俺、消されたりとかしない?真実を知ると消えるとかないよね?大丈夫だよねうp主!?

そもそもうp主って誰?!嗚呼、もう。

簡単なことも解らないわ あたしって何だっけ

 

(うp主「あの〜...オルガ、さん。話が進まないので冷静になってもらってもいいですか。」、オルガ「すみませんでした。」、マクギリス「早く話を進めさせてくれ。」、オルガ「あ゛?なんだぁテメェ。」、ミカ「オルガ、キレた!」うp主「もうええわヽ(`Д´)ノプンプン」)

 

※三馬鹿(オルガ、ミカ、バエルバカ)のせいで話が大いに脱線したので、ここからはうp主が地の文を担当します。

 

 冷静さを取り戻したオルガは、何の用かと聞いてしまった手前、マクギリスを無視して目標の異世界に行ってしまう訳にいかなくなり、その場に留まるのだった。

 

「どの口が言ってんだよバカギリス。」

 オルガから言わせれば、マクギリスの登場は不愉快以外の何物でもなかった。

何故、マクギリス・ファリドがここに居るのか、もとい、来たのか

確かにオルガやミカから見てマクギリスは先に死んだ事になり、ここに居てもさほどおかしい事ではない。

何故なら、世界神曰く、マクギリス・ファリドがループの歯車の一つで、

彼がガエリオ・ボードウィンに討たれた段階でループの仕組みは瓦解していたからであり、

ならば彼が最初にこちらへ来ているのが道理だ、というよりは道理の筈だった。

だがオルガが異世界転生について世界神から説明を受けている最中、彼はその場にいなかったのである。

 オルガが自身や身内を危険に晒す大本の原因を作り、自身とミカを死に追いやった元凶であるマクギリスは真艫に顔も見せなかった。

それにも関わらず、今頃になり、阿呆面をさげながら現れて、

その上で謝意を見せる素振りもなく、ただ用件があると言いたげな態度で話しかけてきた挙げ句、

自らを警戒するな、などと都合のいいことを言っているマクギリスをよく思わないのは当然だろう。

それはオルガに限った話ではない。

 横にいたミカも表情を引きつらせ怒りを顕にし、いつでもバエルバカを殺す気で、対人メイスを後ろに構えていた。

以前に『質問とも退去命令とも取ることができる』といった趣旨の表現をしたが、

オルガが今思っている何故マクギリスがここに居るのかという疑問の意訳は後者に近い物で俺の目の前に今更現れてくれるなといった思いが籠もっていた。

 だからと言って、世界神から異世界転生の説明を受けている時に彼が居たとしても、今の態度で話しかけられては、

オルガは同じように、或いは、今はオルガ以上にミカが怒りを顕わにしているから、むしろ多少は冷静で居られた為、逆にミカが居ないあの段階では今以上にキレていたであろうことは想像に難くない。

であるからして、オルガが幾ら多少は冷静だと言っても、怒りをハッキリと示しているのである。

 

「オメェのせいで団員が何人死んだと思ってやがる!」

「忘れたとか、必要な犠牲だったなんて抜かしたこと言おうもんなら!」

「お前の頭を上げ離してやったっていい!」

「どう落とし前付けるつもりだ!マクギリスッ!!」

 オルガはどう吠え散らかしても自らの腹の虫が収まるはずもないのは分かりきっていたが、本来であればやり場のない筈の怒りをマクギリスにぶつけた。

 オルガとしては今すぐに問答無用で殺したい相手だったが、殺した如きで済ますつもりは微塵もなかった。

そして、このあとのこの男(マクギリス)の回答の次第では、この男に永遠の地獄を味わわせる気でいた。

 

「...............鉄華団の皆を巻き込んだ件について、本当に申し訳なかった。」

マクギリスのことだから、どうせ煙に巻くなりなんなりするか、上から目線な態度で悪いとは思っている的な事を言うのだろうと完全に決め込んでいたオルガにとって、彼が誠意を見せ、謝罪の言葉をキッチリと述べ、深々と頭を下げた事は、かなりの衝撃であった事だろう。

完全な不意打ちに、オルガもミカも、盗人を捕えれば我が子だった様な顔を晒し、舌を巻いていた。

そういう意味でも、マクギリスは一々の言動について、相手が二手三手先を考えようと、むしろ十手百手と先読みが出来れば出来すぎる人間ほど、予測しづらくなっていく男だった。

彼は相手の寝耳に水を注いだり、尻毛や度肝を抜くのが巧すぎるのである。

 

「「(謝った?......だと?いや、いやいやいや......!は?.....................何を考えてるんだ?...この男は。)」」

だが、こんな上手い話には絶対裏があると思ってしまうのは、

裏社会の人間達を相手取り、ドンパチやってきたオルガとミカの悪癖であった。

だが、マクギリスの今の言葉はあくまで本当に謝罪だったのだ。

「君ら二人が私の謝罪を受け入れることが出来ないのは流石に分かる。」

そして、彼はオルガやミカの動揺をわかっていた。

「だがこれが私なりの誠意だ。」

そして彼は、オルガとミカの回答を待った。

 

※オルガのSAN値が元通り(?)になったので、地の文をオルガ視点に戻すしゅばよ。

 

マクギリスの謝罪に、まるで脳震盪でも食らったかの様に呆然とした俺は、

「..................お前の言葉を素直に謝意と捉えて良いのか、俺には正直わからない.........だがその謝罪、今は本物の誠意と捉えておく。」と、やっとの思いでマクギリスへの回答を言う事が出来た。

「それで居てくれても構わない。」

そう言うこの男は何を思い、言葉を発したり、行動を取ったりするのか全く読めない。

結局のところ、これからもこの男を警戒するべきなのは変わりない。

その俺の思考をこの男が読んでるかの真偽は知らないが、この男は俺らから警戒されるのも仕方がないという事を、どういった捉え方であれ、認めているのかもしれない。

だから、先に言った言葉にも誠意が垣間見えたのだろう。

 

「...では、話を戻しても良いか?」とマクギリスは少し間を空け、一度咳払いしたあとに話を戻した。

「ああ、良いぜ。」

「まず、君の行こうとしている世界は非常に不安定だ。」

単刀直入なのは良いのだが、肝心の詳細が分かりづらい様な言い方を何とかしてもらえないのだろうか。

「どういうことだ?」

俺が聞き返すと、

「実はな、件の異世界を調査したのは儂ではなく、正確にはこのマクギリスと石動の二人なんじゃ。」

今度はマクギリス登場からしばらく存在を忘れられていた世界神が説明を付け足した。(神に対して失敬)

「なるほどな、それで?」

「こちらがその異世界の調査結果をまとめた資料だ。」

そう言って石動は調査報告書が表示されたタブレット端末を俺に渡して見せた。

「まず前提として、オルガ団長に言う必要はないと思うが、その異世界は、B時点は疎か、A時点も変動する非常に危険で不安定過ぎる異世界だ。それを君が承知の上で話す。」

「その異世界が不安定になった原因として我々がした最初の予想は、堕天使ルシフェル本人か、その配下による時間操作だった。」

「?....あぁ、その言い分だと違ったのか?」

「まぁ......そんな所だが...。」

その後、マクギリスは俺が持っていたタブレットの画面に触れ、開いていた調査報告書のファイルを閉じ、1件の画像ファイルを開いた。

その画像に写っていたのは、

黒髪のオールバックに、グレーの左右に一本ずつオレンジ色のラインが上下方向に真っ直ぐ入ってるジャージ系統の長ズボンと、肩から袖口までが黒で胸部から裾までが白で襟の部分から見える裏地がオレンジ色の長袖ジャージを上下セットで着ていて、蛇の目にも似た平行四辺形と菱形の中間あたりの形の鋭い目つきをしている、街中を歩いていたら通行人からすれ違いざまに根暗な印象を持たれそうな、少年の姿だった。

つまり、その少年をじっくり観察していなければ、俺はすれ違う通行人と同じく、少年にただ根暗な印象だけを持ち、マクギリスの言っている事の意図を無駄に勘繰る羽目になっていただろうということだ。

 この少年には苦境や困難を短期間の間に何度も乗り越えてきた事を示すかの様な、覚悟の決まった面構えがあった。

それがある意味全てを物語っていた。

 

「詰まる所、写真に写るこいつが、ループが不安定な異世界の大元の原因って事か?」

そして、俺はマクギリスに、模範解答とも言える彼の言動の意図の解釈の正誤を尋ねた。

「いや、厳密には彼自身は大元の原因ではないようでね。」

......どうやら俺の読解力ではマクギリスの意図を完全には読めなかったようだ。

「彼は、自らが死に直面した時した際に、死の根本の原因となる事が起こる少し前、つまり死を確実に避ける行動が可能な時間まで時を戻す能力を、何者かに与えられている。」

「そう、彼は『死に戻り』の能力を手にしているのだ。」

そして、マクギリスは正解を俺に教えた。

「『死に戻り』...?......なるほど、その少年の能力がこの安定しないループの原因か。」

「そういう事だ。」

マクギリスが言いたいのは、その異世界は、その少年が死に戻りをしなければループが解決する可能性が高いと言う事だ。

「それなら、俺らはその少年を死なない様に守って、ループを解決すれば良いって事だな?」

「その通りだが、忠告しておく、彼は物凄い回数の死に戻りを繰り返している。」

そんなのは言われなくてもわかる。

「つまり、彼を守る道のりは一筋縄では行かない程危険であるということだ。」

ん?マクギリスの言動が怪しくなってきたぞ?

「であるため、我らもオルガ団長に同行し、ループ解決に協力したいと思っている。」

やっぱりそうだった!!

マクギリスなら言いかねないと思っていたが、俺が止める前に言いやがった!

 

 俺は「はぁ!?ちょっと待て!!」と言い、

冗談じゃない!!俺らを陥れた事があるヤツの協力なんて!!!!と言いかけた所で

「オルガ団長が動揺する気持ちもわかる。だが、この異世界がオルガ団長と三日月・オーガスの二人だけでどうにかなるとは我々としては到底思えない。」とマクギリスが取り乱す俺を見て、尤もなことを言った。

「........................」それを言われると俺も反論は出来なかった。

少年のお守りをしながらの旅をするのは俺とミカだけでは、正直心許ないのは確かだった。

 

「.................良いぜ。.........但し、条件がある。」だが、こっちも言われっぱなしで足元を掬われる気は微塵もない。

「ほう、その条件とは?」

 

「一つ!もう二度と俺らを陥れる様な真似はするな!」

「二つ!俺らの戦闘に絶対協力しろ!」

「三つ!どんな目的であれ、敵方に寝返るのは許さん!」

 

「了承しよう。」

 

「二言はないな?」

 

「あぁ、当然だ。君たち鉄華団と我々は運命共同体だ。」

 

(♪〔イントロ〕)

 

「理解った。俺等はあんたらに協力してもらう。」

 

 (♪錦の御旗を掲げよう

 

 ♪僕らはボンクラ

 

 ♪闇を知ればこそ光を知れる don't cry )

 

「よろしく頼む。」

 

 (♪全部揃っていたとしても希望なんてないのかい

 

 ♪何もなくても希望に寄り添えるか

 

 ♪華やかなりし時代の陰は

 

 ♪今や華やかささえも影をひそめ交わる

 

 ♪たまには空を飛んで

 

 ♪違う世界の青を見たい

 

 ♪ためらわず染まる色彩に憧れた

 

 ♪少年のように高く見下ろしていたい

 

 ♪僕を睨む僕がここにいる)

 




題名の「The First Continue」とは「一発撮りで、音楽と向き合う。」をコンセプトに、メジャーシーンで活躍するミュージシャンによる一発撮りで収録されたパフォーマンスを収録した映像である「The First Take」の一発撮りの持つやり直しが不可能と言う性質と「first」と言う単語の持つ「最初」の意味と今幕の話の主軸になってきそうなナツキ・スバルの死にもどりの能力から連想した「continue」の三つを掛け合わせた造語です。


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