クソザコ決闘者がブラックマジシャンガールに負けてデカすぎる愛をぶつけられ強制逆レキス責めでぐちゃぐちゃに愛され続けてどこにも逃げられなくなり射精管理えっちで相思相愛に持ち込まれてしまう話 (その2)
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01

 我々決闘者には、カードの精霊を呼び出し心を通わせる儀式がある。

 カードの精霊と決闘者は一連托生。

 故に、互いが互いをリスペクトし合い、心の底から信頼するためにこの儀式は対話という形で行われる。

 

 だが、一部の無法な決闘者はこの儀式を改ざんし、悪用する。

 対話によって培うはずの絆を、力によって強引に生み出そうとするのだ。

 

 それは、デュエルによる精霊の支配権の掌握。

 モラルと倫理の欠如した、唾棄すべき行いである。

 良識に欠ける愚かな者が、しばしばこうした外法に頼り強力な精霊を従えようとするのだ。

 しかし力による支配を目論むということは、力によって支配される危険性を孕むということ。

 だから、悪知恵が働く者ならこんなリスクのある真似は犯さない。

 故にこのような暴挙に及ぶものは得てして、己の力量さえ弁えず、また思慮にも欠ける愚か者なのだ。

 

 この男もまた、その一人であった。

 

「へっへっへ……! ブラックマジシャンガール、お前に支配権を賭けたデュエルを挑む!」

「……はぁ? お兄さん、その意味わかってるの?」

 

 男が儀式に呼び出したのは、『ブラック・マジシャン・ガール』。

 青い魔法装束に身を包んだ少女は、男の言葉に呆れ返っていた。

 精霊に支配権を賭けて勝負を挑むことの意味を理解していないのが明らかだったからだ。

 だが、愚かな男はその嘲笑の混じった視線に気づけない。

 あまつさえ、支配を恐れて怯えているのだと好意的に解釈した。

 

「逃げようたって無駄だぜぇ! ちょいと手間だったが、このデュエルエリアは非常の脱出機能も切断してある!」

「……あー。じゃあ、ひょっとして私たちが直接干渉できないようにするバリアも解除してたり?」

「おうよ! 察しがいいじゃねえか!」

(どっちも決闘者用の安全装置なんだけどなぁ……)

 

 ブラックマジシャンガールは人差し指で頬掻きながら苦笑いを浮かべた。

 この男、喋れば喋るほど馬鹿さ加減が露呈していく。

 異空間にて行われるこの儀式は、召喚した精霊の気性が荒かったり理性のない獣だったときのため、決闘者を守る措置が取られている。

 一つは決闘者と精霊の接触を拒絶するバリア。言わずもがな、襲い掛かって来る精霊から身を護るための代物である。

 そして万が一そのバリアが突破されたときのための、非常脱出機能。こちらももちろん決闘者のためのもの。

 

 なぜ精霊を守る機能がなく、決闘者が優位に立てるような機能しか儀式にないのか。

 それは貧弱な人間が精霊と生身で同じ空間に立つこの儀式の場が、恐ろしく危険だからという理由に尽きる。

 精霊は極めて強力な存在だ。

 人を超えた筋力や俊敏性を持ち、魔法や超科学、超能力など人知を超えた力を自在に駆使することができる。

 この『ブラック・マジシャン・ガール』も決して例外ではない。

 魔法という未知の力はもちろんとして、単純な膂力においても可愛らしい華奢な少女の外見とは似ても似つかない。

 彼女も精霊の例に漏れず、猛進する暴走トラックを片手で受け止める怪力があるし、日本刀で斬りつけても刀の方が曲がるくらい頑丈な体を持つ。

 

 だが、男はそんなことは知りもしないのだろう。

 それどころか、男は彼女を自分のものにしてやろうと下卑た視線をブラック・マジシャン・ガールに送っていた。

 可愛らしく整った美貌に、透き通るように美しい金髪。

 少女の艶めかしい玉肌が、大胆に露わになった青い魔法装束の肩口。

 女性らしい曲線を構成する、丸みを帯びた肩。

 くっきりと浮き出た色気のある鎖骨が作り出す魅惑の陰影。

 大きくはだけた胸元からは、少女というには大きすぎる膨らみが大胆に谷間を作り出している。

 僅かに垣間見える健康的で柔らかそうな二の腕と、魔法のステッキを握るしなやかな手指。

 側面に入ったスリットからは、引き締まった筋肉の筋が美しい腋が僅かに垣間見える。

 ふりふりとした桃色の短いスカートからは、すらっと長い脚が生で伸びており、むっちりと肉を付けた白く眩しいふとももがそのまま見えてしまっている。

 そうして欲望を沸々と湧きたて、上から下までブラック・マジシャン・ガールへ舐めまわすような視線を送る男。

 

 それは生娘であれば蟲が這うような嫌悪感を感じ、身を捩らずにはいられないような厭らしい視線だった。

 

「……ふーん?♡」

 

 だが彼女はむしろ、好戦的に艶めかしい舌なめずりをしてみせた。

 性欲を剥き出しにした男の視線に、ブラック・マジシャン・ガールは好意的なリアクションを返したのだ。

 彼女がそうしたのは、彼女がただ淫乱な少女だったからではない。

 ブラック・マジシャン・ガールという精霊の出自に関わりがある。

 

 精霊界は破壊と闘争による、競争が全ての世界。

 ブラック・マジシャン・ガールはそんな世界に嫌気がさしていた。

 故に、魔法によって異なる世界を覗き見、人間が平和に暮らし過ごす人間界に興味が湧いていたのだ。

 

 しかし精霊が人間界に転移することはとても困難。

 通常の手段ではまず不可能といって差し支えない。

 だからこそ決闘者と契約を交わし、幻影という形で限定的ながら人間の世界を堪能しようと思っていた。

 だがブラック・マジシャン・ガールを召喚したのは、いっそかわいく見えてくるくらいにほとほと愚かな男。

 己を守る盾さえも自ら捨て去ってしまうような、哀れで矮小で貧弱なかわいいかわいい人間。

 

(この人、いいじゃん……♡)

 

 それはブラック・マジシャン・ガールが男をロックオンした瞬間であり、また同時に瞳にハートマークが浮かんだ瞬間でもあった。

 魔法は生命の力を操る術。故に当然魔法少女たる彼女もまた、ちょっとでは済まされないくらい性欲旺盛なのだ。

 もちろん男はそんなこと知らない。

 

 さらに実をいうと彼女、精霊界から人間をのぞき見している時から人間を吸いたいなとは常々強く思っていたのだ。

 人間という稚拙な生き物と異なり、ブラック・マジシャン・ガールは精霊。

 生命活動に食事や睡眠などは必要ない。生きる意志さえあれば、それで良い。

 だが欲しいものはある。

 それは、感情。

 

 精霊によって欲する感情は親愛、尊敬、畏怖、憎悪などなど、その傾向に一貫性はなく、各精霊にによって趣味嗜好が異なる。。

 ただ、自らの存在と密接に関わりのある感情を、精霊たちは心の奥底から渇望しているのだ。

 そしてブラック・マジシャン・ガールの場合、それは【愛】であった。

 彼女はまだそれを手にしたことがない。

 故に、どんなものなのかは知らない。

 だが、己の存在の根幹の部分が『とても素敵なもの』だと力強く訴えてくるのだ

 

 だから、どうしても。どんな手段を講じてでも。

 この【愛】が絶対に、絶対に欲しいと心の中で思っている。

 そしてブラック・マジシャン・ガールは、その愛を、必ず手に入れる方法を知っている。

 

 ──ただ、愛せばよい。

 愛されるのではなく、愛せばよいのだ。

 ブラック・マジシャン・ガールが心の底から欲する愛とは、他人から受け取るものではない。

 自らが与えることで、己の心の内に生じるもの。

 ブラック・マジシャン・ガールはそれが欲しい。

 

 けれど、彼女はきちんと弁えている。愛とは決して一方的なものではない。

 まず第一に、性交とは互いに愛し合うもの同士がする行いだ。

 ということはすなわち、たとえ強引にでも性交すれば互いに愛し合う相思相愛の関係になれるということ。

 都合のいいことに、彼はブラック・マジシャン・ガールにこの上なく欲情している。

 つまり、彼はこの時点で私のことを愛しているといっても過言ではない。

 であれば、答えは極めて単純だ。

 自分を強いオスだと勘違いしている彼に正しく力の差を教え込み、徹底的に犯し尽せばいい。

 そうすれば、私と彼は愛し合う関係になれる。

 

「ふふ……♡」

 

 だから、彼には私に愛されてもらう。

 どこへも逃げられないし、どこにも逃がさない。

 私の愛を、一滴残さず全部受け止めてもらう。

 嫌がっても関係ない。逃げようとしても許さない。拒んでも無理やり注ぎ込む。

 あらゆる快楽で愛の海の溺れさせる。私の愛なしでは生きれなくする。

 ──その為にまず、この男を支配する。

 

「デュエル……しよっか♡」

「ぅお! お、おう!」

 

 艶めかしい肢体に鼻の下を伸ばしていた男は、色欲にギラつくブラック・マジシャン・ガールの妖しい瞳にも気づかずデュエルの申し出を受けてしまった。

 始まったデュエルは、もう止められない。今ならまだ逃げられたのに、男は退路を自ら断ったのだ。。

 

 支配権を賭けたデュエル。一世一代の大勝負を前に、せり上がる性欲を一旦収める男。

 だがそれとは対照に、ブラック・マジシャン・ガールは内心でぐつぐつと煮え滾る性欲に目を爛々と輝かせていた。

 いかに犯すか。いかように犯すか。目の前の男を凌辱することを考えると、それだけで頭の中が多幸感でいっぱいになるのだ。

 だが、まだ夢中になるには早い。デュエルに負けるのはダメだ。

 彼に支配されたら、彼が私の愛から逃げたり、拒んだりできてしまう。

 それはよくない。

 

 彼は絶対にこの私が嫌になるまで、嫌が好きになるまで愛すると決めたのだ。

 私はこの男を何もわからなくなるくらいに愛情で押し潰す。

 そのためには、まずこのデュエルに勝って彼を支配しなくてはいけないのだ。

 熱に浮かされて頬を染めるブラック・マジシャン・ガール。

 彼女はこの期に及んでなおも冷静だった。

 

「「デュエル!!」」

 

 互いに威勢よくデュエル開始の合図を行う。

 男の命運を賭けた勝負が、今始まった。    

 

 

 

 

 

「先行はいただくぜ! へへへっ、デュエルなんざ、慣れちまえば簡単なもんよ。ATKさえ高けりゃどうとでもなるんだぜ~、ヒャッヒャッヒャ!!!」

(ん~? 浅い発言だなぁ。まあ、まだ様子見かな)

 

 

 

 

 

「みろ! ゴブリン突撃部隊にジャイアント・オーク! お前のこの高ATKは波状攻撃を捌けるかぁ~!?」

(戦士族デッキ? それとも闇属性のエクシーズに発展するのかな? ……嘘、サポート無し? いいの?)

 

 

 

 

 

「あ、ありえない……!? 俺の高ATKモンスターたちが、こんな容易く……。う、ウソだ! こんなの聞いてない! ATKさえ高けりゃあ、デュエルなんて楽勝なはずじゃ……!」

(さっきからまともの伏せカードすらない……。もしかしてこの人、めちゃくちゃ弱い? こんな実力で精霊に勝てると思って支配権を賭けた勝負挑んできたの……?)

 

 

 

 

 

 

「ま、まだだ! まだ終わってねえ! 俺のデッキには切り札がある! クク、お前は三魔神の名をしっているか……? ショップで格安で売っているのを見つけたレアカードだ! 召喚されるのを震えてまっていろ!」

(三幻魔ってあの散々手間を掛けた挙句出てくるまったく意義のないあのカード? それ明らかに在庫処分じゃ……)

 

 

 

 

 

 

「ハァ……ハァ……。く、くそ! どうすりゃいい!? どうやってこんなカードを召喚すりゃいいんだよ!?」

(デッキ組んだ時点で気づきなよそんなの……)

 

 

 

 

 

「──ダイレクトアタック。わたしの勝ち」

「う、嘘だ、負けたくない!! やめ、やだ、許して……ぐわぁーーーーーっ!!!!!」

 

 

 

 

 

「……よわ」

 

 崩れ落ちた男を見下ろし、思わず本音が零れ落ちてしまうブラック・マジシャン・ガール。

 デュエルに勝利したあと対戦相手を嘲るような言動は本来慎むべき行為だが、今回ばかりは彼女の良識を男のザコさが上回った。

 自信満々に勝負を挑んできた男のデッキは極めて粗末なものだった。

 コンボもサーチも、あまつさえろくな対策カードも積んでいない紙束のようなデッキだ。

 一応、馬鹿の一つ覚えのように召喚が容易なレベル4以下かつ高ATKのアタッカーカードを集めてはいたようだが、遊戯王はそれのみでゴリ押せるほど浅いゲームではない。

 相手がデュエルに造詣の深い精霊なら、なおさらだ。

 一端の実力者であれば、いやそうであっても苦戦は必至。

 こんな紙切れをかき集めたようなデッキでは精霊相手に勝負になるはずもない。

 あまりに弱すぎる。子供がお小遣いで買ったパックで、ありあわせのデッキを構築したほうがまだ強い。

 敗北した拍子に散った男のデッキを一瞥しながら、ブラック・マジシャン・ガールはそんなことを思った。

 

「はぁ、はぁ……! くそ、なぜだ! なんで脱出機能が作動しない! こ、このままじゃ俺は……」

 

 そして、ブラック・マジシャン・ガールは這いつくばりながら儀式から脱出しようとする哀れな男に視線を向ける。

 腰が抜けてへたりこみ、それでも逃げようと腕を伸ばしてせっせと這いずるあまりにも惨めで情けない後ろ姿。

 それを見下ろしていると、背筋からぞくぞくとした感触が這い上がってくる。

 こんなに弱いのに。もう私のものなのに。何をしても無駄なのに。

 まだ、私から逃げようとしてる。

 ──可愛い。

 

「……ふふ。もう。脱出機能はきみが自分で解除しちゃったんでしょー?」

 

 そして、解除したのは精霊による干渉を防ぐバリアもそう。

 だからどこにも逃げ場のないこの儀式の空間において、いまやブラック・マジシャン・ガールは男に触り放題の愛し放題。

 うつ伏せで芋虫のように這い回る男の上にブラック・マジシャン・ガールがナメクジのように覆い被さろうとした瞬間。

 

「なーんてな! 騙されやがって、実は脱出機能は残してるぜ! あばよ!!!」

「あっ」

 

 体を捩り、ブラック・マジシャン・ガールに向かって捨て台詞を吐いた男は、次の瞬間儀式の場から姿を消した。

  

「……。それ、デュエルに負けてから使っても意味ないのに。馬鹿だなぁ♡」

 

 そして、ブラック・マジシャン・ガールもまた後を追って儀式の場から姿を消した。  

 



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02

「ふぅ……間一髪ってところか」

 

 儀式の場から男が戻ってきたのは、男の住居であるボロアパートだった。

 転移する直前、男には危うげな笑みを口元に湛えてこちらに覆い被さってくるブラック・マジシャン・ガールが見えた。

 あのまま捕まっていれば、果たしてどうなっていたことやら。

 恐ろしい想像だが、魂を奪われたりなんかして……。

 愚かな男は、負けたらどんな目にあうかすら事前に調査していなかったのだ。

 だから、今の自分がどれほどの窮地に立っているかも気づかない。

 そんな調子だから、部屋に予定にないインターホンが鳴っても、警戒もせず出迎えに行ってしまうのだ。

 

「……ん? 配達かなんかか? はーい! 今行きますー!!」

 

 あるいは、ここで用心してドアレンズで外の様子を窺っていれば、また異なる運命があったのかもしれない。

 だが、男は迂闊にも身の着のまま部屋の扉を開けてしまった。

 惚けたようにガチャリとドアを開けた男。

 彼のの目に真っ先に入ったものは、つやつやとした青い魔法装束であった。

 ひゅ、と男の息が詰まる

 

「来ちゃった♡」 

 

 ブラック・マジシャン・ガール。

 逃げ出したはずの少女が、現実世界の彼の部屋の前に立っていた。

 だが、つかの間安心する。男は律儀にもドアチェーンを掛けていた。

 いかに細身な少女といえど、この隙間から部屋の中に入ることはできまい。

 そんな男の刹那的な安寧は、次の瞬間いともたやすく崩れ去った。

 

 めきっ。ばりーん。

 

「お邪魔しまーす♡」

 

 ブラック・マジシャン・ガールはドアチェーンを引き千切り無理やり男の部屋に押し入った。

 そして目にも止まらぬ手際の良さで玄関の内鍵を後ろ手にガチャリと施錠する。

 

「お、お前なん──んぐっ!? んぢゅ、ちゅぷ、むちゅ、ちゅ」 

「んふっ♡ んんーっ♡ じゅるるっ♡」

 

 

 そして、そのまま動揺する男にずいと接近し口答えすら許さずその唇にしゃぶりついたのだ。

 どこにも逃げ場のない状態での、えっちなディープキス。

 男の口腔が、少女の生暖かい舌によってぐちゃぐちゃのどろどろに凌辱されていく。

 突然の出来事に目を白黒させじたばたと暴れる男だったが、ブラック・マジシャン・ガールは大人しくしていろと言わんばかりに食い込むほどの力で両手を抑えつけ、そのまま横の壁に押し付ける。

 

「ぬちゅ、んむ、ぢゅ、離っ、じゅぶぷんちゅ!?」

「んっ♡ ちゅ♡ はむっ♡」

 

 そして男を壁に縫い付けたブラック・マジシャン・ガールは容赦のないキス責めを続けながら、暴れる男の股下に自分のふとももをねじり込んだ。

 そうすることで、壁に挟んだ男により一層密着することができる。

 服越しに男の股間がむちむちとしたハリのあるブラック・マジシャン・ガールの太ももの肉に沈む。全方向から圧迫されるような感触。

 男がそれを自覚すると、急速に股間に血流が集中していく。

 そのままもうどこにも逃げ場のない男に自分の柔らかな肢体をグイグイと押し付けていく。

 ブラック・マジシャン・ガールの女性的で豊満な肉が、男の硬い身体を包み込むように柔らかく変形していく。

 一分の隙間もなくみっちりと密着してきたブラック・マジシャン・ガールの甘い桃のような女の子の香りが男の鼻腔をくすぐるたび、頭の中がぼんやりしていくのがわかった。

 絶え間なくぬちゅぬちゅといやらしい水音を立てて口内を蹂躙する肉厚で柔らかな舌が、男の頭のなかを啜り出すように思考能力を奪っていく。

 

「む、ぢゅぅ、れろ、むちゅ!」

「れろ♡ むちゅ♡ じゅる♡ ちゅうっ♡」 

 

 そして、定期的に男の股間にぐにぐにと押し付けられるもっちりとしたブラック・マジシャン・ガールの太もも。

 股の隙間に差し込まれてどうすることもできないその太ももを、ブラック・マジシャン・ガールは服越しに男の陰茎の形を確かめるように執拗に何度も押し付けていた。

 かろうじて半勃ちの状態で持ちこたえていた肉棒を、そんなの許さないと言わんばかりに太ももがぐにぐに揉みしだくのだ。

 柔らかくも強い弾力を保持したブラック・マジシャン・ガールの太ももによる、さっさと勃起しろという恫喝。

 男の陰茎は為す術もなく血流が集中していく。

 

「んちゅ、んぅ、れろ、ぢゅうぅ」

「んふふふっ♡ ちゅーっぱっ♡ じゅるるっ♡」 

 

 男は解放求めて視線で訴えるが、ブラック・マジシャン・ガールは抑えつける力を一切緩ませない。

 それどころか、逃げ場のない快楽によって意識が蕩けていく男の様子を愛おし気な視線で見つめていた。

 妖しげな光の灯ったブラック・マジシャン・ガールの瞳。

 それを見ていると、男の心臓がどんどんと高鳴っていくのがわかった。

 身体が炙られたように熱を伴っていく。しかしのぼせるような不快感はなく、じゅくじゅくと体の内が煮えるような感覚で、どこからともなく不思議と幸福な気持ちがやってくる。

 まるで全身を巡る血液が快楽物質になったような、ゆっくりと染みわたる幸福感。

 

「んむっ、じゅぷ、ぅ、んーっ! んちゅ、ん、んんん!」

「ぢゅる♡ じょぞぞ♡ れりゅ♡ ちゅーぱ♡ んぢゅ♡ んぢゅ♡ ぢゅるるるっ♡」 

 

 情熱的な熱視線を一方的に叩きつけながら、まだまだ終わらない濃厚すぎるディープキス。

 肉厚で、ぬるぬるとした艶めかしい舌が独立した生き物のように男の口腔を我が物顔でねぶり尽くしていく。

 未曾有の快感に体をよじろうとしても、ブラック・マジシャン・ガールの拘束はそれすら許してくれない。

 びっちりと密着した彼女の肢体が決して逃がすまいとホールドしており、快楽を逃がすことすらままならない。

 助けてくれと視線で訴えても、ブラック・マジシャン・ガールの瞳は愛おし気に潤って見つめ返してくるだけ。

 

「じゅぷっ……、ふっ、れろぉ、じゅる、ちゅ……」

「はむ♡ れろ♡ ぢゅう♡ んふ♡ はむ♡ んぢゅ♡」 

 

 男はどんどん呼吸が苦しくなってきて、窒息すまいと必死に鼻で息を吸うしかなくなる。

 すると否が応でも体の中に入ってくるのは心地よい甘い匂い。不思議と気持ちがふわふわしてきて、暴れていた四肢の力もどんどん弱まっていく。

 ブラック・マジシャン・ガールの太ももにしつこく刺激され続けた彼の股間は、いつしか力強く勃起していた。

 だが、それを恥ずかしがることすら今の彼には許されない。

 

「むーっ、んれろ、んちゅ……」

「んふ♡ れーろ♡ ぢゅぢゅ♡ ぢゅう♡ はむっ♡」

 

 気づけば、男はブラック・マジシャン・ガールから目を逸らすことができなくなっていた。

 ブラック・マジシャン・ガールの瞳の中にある、ぼんやりとした桃色の光を見つめていると、何故だかとてもしあわせな気持ちになってくるのだ。

 これを見ていると、どんどんと身体が昂っていき、世界がブラック・マジシャン・ガールだけになる。

 この光を見ている間は、密着しているブラック・マジシャン・ガールの身体がより感じられる。

 暖かく火照ったブラック・マジシャン・ガールの肢体のぬくもりが、まるで自分の身体に吸収されているかのような感触。

 目には見えない何かが、ブラック・マジシャン・ガールから男の体内へ、全身を通して流し込まれていく。

 

「れろ♡ じゅる♡ じゅう♡ ちゅっ♡」

「あむ♡ ちゅーっ♡ れりゅ♡ じゅるるっ♡ ちゅ♡」 

 

 男は多幸感をもたらすその光にすっかり釘付けになって、ブラック・マジシャン・ガールともうずっと恋人同士のように見つめ合いながらキスを繰り返していた。 

 口の中を冒涜的なまでに舐めまわされ、溺れる程に唾液を流し込まれ、今度は逆に苦しくなるまで唾を啜り出され。

 上下関係を教え込むような、一方的な捕食キス。とうてい受け止めきれぬ未曾有の快楽に、理性は砂糖を火で炙るようにみるみる溶けていく。

 それに加えて、ブラック・マジシャン・ガールの匂いを吸い続けるうちに、蕩けるような甘い香りが煙のように肺から脳髄までゆっくりと染み込んでいくかのような錯覚を起こすのだ。

 それはまるで、体の構造を内側から作り替えるような……。

 

「っ!?」

 

 瞬間、男は気づいた。

 デュエルに負けたものは、己の存在の支配権を勝者に奪われる。

 一瞬はよぎったのだ。このまま、理由のわからない快楽を洪水に身を委ねてしまってもよいのではと。

 だが男は邪推した。この唐突に始まったこの行為、その真相は、ブラック・マジシャン・ガールが自身を支配するための行いなのでは、と。

 実際は既に支配は完了しており、男の勘違いもいいところなのだが、ブラック・マジシャン・ガールにそれを訂正する気はなかった。

 むしろ愛を拒んでいた方が愛しがいがある。

 突然大きく暴れ出した男を前に、ブラック・マジシャン・ガールはより一層彼を快楽で壊さんと燃え上がった。 

 

「!!!! 離っ、じゅ、んむ、ぢゅう、れぅ、やだっ、んぷ、れゅろ!」

「んふゅ♡ んじゅ♡ らーめ♡ あむ♡ ちゅーっ♡ はむ♡ れろ♡ ぃらはないよーっ♡」

 

 男の意思を無視する一方的な愛の押し付け。男は、それを拒むことは許されなかった。

 己に差し迫った危機に気づき、ひと際強く暴れ出す男だったが、それでもブラック・マジシャン・ガールの腕は振りほどけない。

 ブラック・マジシャン・ガールは更に塵一つ隙間に入れないような力強さで体を密着させてくる。

 彼女の細指に掴まれた腕は、コンクリートと一体化したかのようにビクともしない。

 じー……っと男を見つめるブラック・マジシャン・ガールからの視線からは、まるでお互いの目線が結ばれたかのようにまったく逸らすことができなかった。

 また、ブラック・マジシャン・ガールの瞳の中にあるぽわぽわとした光に目を奪われる。

 先ほどよりも強く輝く光。それを見ると、目から星の形をした欠片のようなものが流れ込んでくる。

 それは目から脳の中へと伝っていき、男の頭蓋骨のなかをキラキラとかけ巡る。

 キラキラ、ころころ。どんどん星が頭の中に入ってくる。

 頭のなかをキラキラと跳ねまわる星の欠片に思考がかき混ぜられて、ブラック・マジシャン・ガールのこと以外を考えようとしてもかき消される。

 他の何も考えられない。

 その隙に、男を快楽の海に沈めて溺れさせようとするキスがやってくる。

 首を右へ左に振って逃れようと、強烈に舌をバキュームしながらしゃぶりついてくるブラック・マジシャン・ガールの唇から逃げられない。

 

「んんん!んちゅ、じゅる、お、おはしひはるっ! はめへ、おはしひはるぅぅっ!!」

「んちゅ♡ んふふふ♡ おはしふらっひゃおうね~♡ ほ~ら、じゅるるるるるぅ~~~~っ♡」

 

 どれだけ懇願してもブラック・マジシャン・ガールの蹂躙キスは終わらない。やめてくれない。

 どんなに抵抗してどんなに悶絶しても、ブラック・マジシャン・ガールに力づくで抑えつけられて逃げられない。

 あまつさえ男の舌はブラック・マジシャン・ガールによって啜り出され、ぷくっとした唇全体を使ってぢゅるぢゅるとしゃぶりつくように舌を愛撫されてしまう。

 それは普通にキスされるよりも、遥かに強烈な快感だった。

 もはやとうてい処理しきれぬ快楽の奔流。消失する視界。

 ぱち、ぱち、と男の脳内で白い稲妻が走り、それに合わせて男の四肢が痙攣する。

 永久に射精し続けているかのような常軌を逸した絶頂の感覚。

 男はもはや、自分の足で立っていない。

 ブラック・マジシャン・ガールのキスと腕、ふとももによって壁に磔にされているだけだ。

 男の瞳はいつしか焦点を見失い、虚空を見つめていた。

 それに目ざとく気づいたブラック・マジシャン・ガールは、小さく微笑み、壁に縫い付けていた男の腕を離す。

 

「ぅぁ……」 

 

 男はすっかり脱力してしまっており、暴れだす気配ない。

 まるで体の骨がなくなったようにふにゃふにゃの状態だった。

 それを認め、ブラック・マジシャン・ガールは空いた両腕で男の頭を抱え込んだ。

 天使の翼で包み込むように優し気な手つき。

 だがそれは、絶対にキスから逃れられないようする、万力の如き無慈悲なホールド。

 

 瞬間、不幸にも男の意識が一瞬だけ明瞭に戻る。

 つかの間の理性を取り戻し、虚ろだった瞳に焦点が戻る。

 故に、彼はブラック・マジシャン・ガールの嗜虐的な熱視線越しに彼女の意図を理解した。

 理解、してしまった。

 

 ──次のキスで"壊す"から♡ 

 

「助けっ」 

「ぢゅぅ~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡」

「ぅぅ!!!!!」

 

 男の中で、プツリと何かが切れた。

 それはきっと、無意識のうちの防衛機能、最終防衛ライン。

 これが壊されたら、もう戻れなくなる。

 それが、壊された。

 

 膝から崩れ落ちる男。

 でも、ダメ押しにもう一つ。

 ブラック・マジシャン・ガールがあれほど強烈に吸い付いて離れなかった男の唇から名残惜し気に口を離し、抱き抱えた男の頭を、慈母のように露出している豊満な胸元に力強く押し込む。

 

「ほら、ぎゅーっ……♡」

 

 目も、頬も、鼻も、顔のパーツすべてがずぶずぶと柔らかな雌の肉の沼に沈み込んでいく。

 顔全体を覆う柔らかな感触に、鼻腔に入り込む甘く心地よい香り。

 ほとんど意識のない男は、身体が、本能が、少女の胸の柔らかな感触に安心してしまった。

 そして足りない酸素を取り戻そうと、過呼吸のように息を吸い上げてしまったのだ。

 脳を壊す淫気。そのもっとも濃ゆいものを。

 

「ひゅ」

 

 次の瞬間。

 

 ──どぷん。……どくっ、どぷっ、どぷっ、どぷ。

 

 快楽に屈服した男根から力なく、だが大量の精液があふれ出す。

 

「わたしの勝ち~♡」

 

 男の敗北を象徴するように、快楽に屈服した男根の先端からどろどろとした粘質の白濁液がズボンの中でだらしくくどぷどぷと吐き出されていく。

 だが、ただの吐精は許さない。

 

「おらおら♡ もっと出せー♡」

 

 それは、悪魔が快楽地獄へ突き落とす直前の言葉であった。 

 ブラック・マジシャン・ガールはそう言い放った直後、股に割り込ませた太ももを使い、脈動に合わせてテンポよく陰茎を圧迫し男に更なる射精を促したのだ。

 

 ずんっずんっずんっ。

 びゅる、びゅる、びゅるぅっ。 

 

 射精のリズムに合わせて柔らかなふとももが変形するほど力強く陰茎を圧し潰し、脈動する陰茎は圧力に反発すれば、そしてその反発すらふとももが力づくで押し潰す。

 チューブを力強く握りしめるように、射精の勢いが、ふとももによって力づくで増幅されていく。

 ふとももの圧迫で本来の脈動よりも狭く圧縮された尿道を、これまたふとももの圧力で加速した精液がぐいぐい尿道を押し広げ鈴口という一点の出口めがけて粘度を伴い搾り出される。

 その際に生じる快楽は通常の射精の比ではない。もはや尋常な人間に耐えられる快楽の強さではなかった。

 

「ぁ、ぁ、ぁ」

 

 全身をくまなく駆け巡る、電撃のような何か。

 脳の回路が焼き切れるような感触に、顔面をブラック・マジシャン・ガールの谷間に顔を挟まれたままの男は吐精に合わせて蚊の鳴くような小さな声で悲鳴を上げていた。

 

 それでもまだ、射精は終わらない。

 一定の周期で、ふとももという暴君によって無理やり排出されるどろどろの白濁液。

 やがて精液がズボンから染み出すほどになっても射精は収まらず、それでももっと出せと恐ろしいふとももが更なる精液の徴収を行う。

 

 ずんっ、ずんっ、ずんっ。

 どぷん、どぷ、とぷ……。

 

 ずんっ、ずんっ、ずんっ。

 とく…、とく…、とく…。 

 

 やがて、徐々に弱まる射精の勢い。

 だが。

 

「もっと出せるよね?♡」

 

 そんなことは許さぬとブラック・マジシャン・ガール様からのお達し。

 より勢いのついた強力なふとももが、強烈な圧迫が、男の陰茎を再び襲う。

 

 ずんっ!ずんっ!!ずんっ!!!

 どびゅぅ、ぶびゅ、ぶびゅっ!

 

 ずんっ!ずんっ!!ずんっ!!!

 どぷっ、どぷっ、どぷぅっ!

 

 ずんっ!ずんっ!!ずんっ!!!

 とく、とくっ、とくん……。

 

 

 

 ──ずんっ!!!

 ぶびゅぅっっ!!

 

 

 ……ずん、ずん、ずん

 ……ぐに、ぐに、ぐに

 

 ずん、ずん、ずん、

 ぐに、ぐに、ぐに

 

 ずん、ずん、ずん、

 ぐに、ぐに、ぐに

 

「……さすがに今ので全部みたいだねー……」

 

 まだひょっとして精液を隠しているのではと、疑り深く肉棒をふとももで圧迫するブラック・マジシャン・ガール。

 だが、流石にもう男の玉袋になにも残っていない。すっかり元気をなくしてしまった男根に、ブラック・マジシャン・ガールも悲しそうな表情を浮かべた。

 もうほんの僅かしか残っていないはずの精液。玉袋の奥に隠し持っていたそれすら、一切合切搾り出されてしまったのだ。

 過剰なまでに射精を強制された男の陰茎は、もはやくたくたになりながらブラック・マジシャン・ガールのふとももに潰されるのみだった。

 

 ……ずん、ずん、ずん

 ……ぐに、ぐに、ぐに

 

「……これ、癖になるかも」 

 

 男の顔を自分の胸に押し付けながら、硬さを失った陰茎をこの期に及んでぐにぐにと太ももで潰すブラック・マジシャン・ガール。

 だがあまりに激しい搾精のあとだけあって、もはや陰茎から返答も吐精もない。

 男の疲労だって凄まじい。今や彼は意識を失い、ブラック・マジシャン・ガールの谷間に顔面を飲み込まれたまま、糸が切れた人形のように四肢を放り出していた。

 ブラック・マジシャン・ガールが男の頭を大切に抱き抱えて胸に押し込んでいるため、全身が脱力しようと横にならずに済んでいた。

 あるいは、逃がしてくれなかったともいう。

 

 そんな彼の顔をブラック・マジシャン・ガールが両手で優しく包み込み、表情を確認する。

 光を失い、中空を彷徨う焦点の合わない瞳。

 口からは大量に飲まされ過ぎてもはや彼のものかブラック・マジシャン・ガールのものかもわからないほど混ざり合った唾液をだらしなく垂らしている。

 そんな蕩け切った男の顔を見て、ブラック・マジシャン・ガールは愛し気に彼の額に口づけを落とす。

 そして、男の耳元で囁いた。

 

「じゃあ、本番しよっか♡」

「ぁぇ?」

 

 信じがたい発言を前に、身を守るため男の意識が覚醒した。

 

 

 



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03

 

「ほ、ほんばん?」

「そーだよ?」

 

 呆けた表情でブラック・マジシャン・ガールを見上げる男。

 無限に感じられるほど長いキス責めをされ、ふとももに執拗に精液をカツアゲされ、男はもう満身創痍。

 だというのに、今までの行為が前座? これから本番?

 度重なる快楽責めで著しく思考能力が低下していた男の脳が、ゆっくりとその意味を理解していく。

 いまのはただの前戯。これからもっと激しい本番をする。

 その事実を正しく認識した男は、血の気が引いたようにさーっと表情を青ざめさせた。 

 

「じょ、冗談じゃ」

「もっともっとしゃせーして、いっぱい気持ちよくなろうね♡」

「ひ、ひぃっ!?」

 

 妖しく微笑むブラック・マジシャン・ガール。

 その色欲に蕩けた表情を見れば彼女が本気なのは明らかだ。

 これ以上あんなことをされれば、確実におかしくなってしまう。

 男は既に理解していた。

 ブラック・マジシャン・ガールは男を快楽で壊そうとしている。

 未来永劫彼女なしでは生きていけないように、度重なる快楽責めによって脳みそをぐずぐずに蕩けさせようとしている。

 そして極度の快楽中毒の快楽依存症に仕立て上げて、男の心を完膚なきまでに支配しようとしている。

 なぜ、デュエルで支配を目論んできた相手にそんなことをしてくるのか、男にはさっぱり理解できない。

 復讐や報復のようにも思えない。

 理解できない。

 たが、ひとつだけ分かることがある。

 ブラック・マジシャン・ガールは男のことを愛している。

 目の前の可憐で淫靡な魔法少女からは、恐ろしいまでに巨大な愛が伝わってくる。

 

 あなたが好き。

 あなたが欲しい。

 あなたのことを愛している。

 あなたとずっと一緒にいたい。

 あなたさえいれば他の何もいらない。

 あなたを自分だけのものにしたい。

 あなたを私のこと以外なにも考えられなくさせたい。

 

 声、瞳、表情。

 ブラック・マジシャン・ガールは己の全てで男に愛を訴えてくる。

 いや、"わからせてくる"

 ありとあらゆる仕草から、ビシバシと愛が伝わってくるのだ。

 どれほどあなたのことが好きなのか。どれほどあなたのことを愛しているのか。

 ブラック・マジシャン・ガールという少女が抱いている愛の大きさを丹念に教え込もうと、男の小さな小さな器に無理やり愛を捻じ込んでくるのだ。

 そんなもの、とても受け止められない

 これ以上愛されてしまったら、精も魂も尽き果ててしまう。

 なにもかも空っぽになるまで搾り出されて、代わりにドロドロの愛情を溢れ出すのも構わず永久に注ぎ込まれてしまう。

 無理だ。

 こわい。

 

「だ、だれか!」

 

 ゆえに、男はブラック・マジシャン・ガールの拘束が緩んだ一瞬を狙い、彼女を振り払って逃げ出した。

 生まれたての小鹿のような情けない足取りで、よたよたと体を揺らしながら玄関の鍵を開ける。

 逃げなきゃ壊される。

 愛に抱き潰される。

 早くブラック・マジシャン・ガールから逃げないと。

 男はその一心でドアに縋りつき、ノブを捻る。

 ガチャ。

 ガチャガチャガチャ。

 

「あ、あれ、開かない! なんで開かないんだよ!?」

 

 なのにドアは何度ノブを回してもびくともしなかった。

 鍵だってちゃんと解除してある。なのにドアが開かない。 

 狂ったようにノブを捻っても、ドアを殴りつけてもまるで壁でも相手しているかのように手応えがない。

 早くここから脱出しないと、だってすぐ後ろにあの女が。

 そう思った瞬間、背後から白い腕が蛇のようにするりと男の身体に絡みついた。

 

「あーあ♡ つかまっちゃった♡」

「や、やだ! 嫌だぁ! 助けてくれぇ!」 

 

 甘ったるい囁きとともに、背後から男を優しく抱き締めるブラック・マジシャン・ガール。

 柔かく大きななにかが、背中に押し当てられてむにゅうと潰される。

 逃げようとする男の意思が、快楽という誘惑によって削られる。

 

「いいこと、いぃ~っぱいしようね♡」 

 

 男はもう、ブラック・マジシャン・ガールに力で敵わないことを知っている。

 それはもう、わからされた。

 だからふんわりと包み込むようなブラック・マジシャン・ガールの抱擁に抵抗しなかった。

 

「開いてくれ、開いてくれよぉ!」 

 

 代わりに、一縷の望みを賭けてドアノブを捻り続けるのだ。

 往生際が悪いことなんて百も承知で、それでもあの快楽地獄から逃げ出したい一心で。

 

「ざんねんだねぇ……♡ 開かないねぇ……♡ このままだと私にもっと愛されちゃうねぇ……♡」

「う、うう……!」

 

 後ろから恋人のようにしなだれかかって抱きつくブラック・マジシャン・ガールが、男の顔になつっこく頬ずりする。

 口元に寄せられた彼女のつやつやとした金髪から漂うほのかな香りを嗅ぐと、それだけでどんどん体に力が入らなくなっていく。

 

 ドアは、絶対に開かない。

 ブラック・マジシャン・ガールが玄関に押し入った時に魔法で固定した。

 ただの人間である男は、もう玄関から絶対に外には出れない。

 

「ほら、おてて繋ごうね~♡」

 

 半狂乱になりながら逃げようとする男を愛おしげに抱き締めていたブラック・マジシャン・ガールが、『本番』に向けてとうとう動き出す。

 手始めにドアに掴み掛かっていない方の手を捕まえ、ブラック・マジシャン・ガールのたおやかな指が男の手を這って五本の指それぞれの隙間に全てを指を通していく。

 一般に恋人繋ぎとも繋ぎ方を、まるで寄生虫が宿主に根を張るような手つきで、男の手にゆっくりと絡み付けていった。

 

「さ、ベッドはどこにあるかな~♡」

「や、やだ……!」

 

 そして男の手を引き、まるでテーマパークを歩くような上機嫌な足取りでアパートの室内へと歩き出すブラック・マジシャン・ガール。

 男は必死でドアノブにしがみついたが、ブラック・マジシャン・ガールに固く握られた反対の手は油圧シリンダーのように無慈悲にゆっくりとドアと逆方向に引っ張られていく。

 

「ぅ、うう……!」

 

 さほと時を置かず男はブラック・マジシャン・ガールに競り負け、情けない唸り声をあげてドアノブから手を放してしまった。

 それならばと固く繋がれた手を解こうとするも、ブラック・マジシャン・ガールの手指は桜の木の根よりもしつこく男の手に絡み付いており、どうやっても引き剥がすことはできない。

 

「ふーん、こっちに収納あるんだ。じゃ寝室は向こうの部屋かな?♡」

「やだ、はなして……!」

 

 それでもなお、ほとんど力の入らなくなった足腰で必死に踏ん張る男だが、もはやほとんど意味をなしていない。

 好きなように部屋を物色するブラック・マジシャン・ガールに、男は無様に引きずられるだけ。もはやぶら下がっているようなものだ。

 

「あったぁ♡」

 

 そして程なく見つかる男のベッド。

 男は為す術もなく自分よりも華奢な体躯の魔法少女に持ち上げられ、優しくベッドの上に下ろされてしまう。

 それに屈辱感と敗北感を覚えながらも、自分がまな板の鯛となったことを実感し絶望した。

 そしてゆっくりとベッドの上に膝をのせ、仰向けに寝た男の上に覆い被さるブラック・マジシャン・ガール。

 ブラック・マジシャン・ガールのさらさらとした長い金髪によって周囲の視界が遮られ、強烈な愛欲を帯びた彼女の瞳と目が合う。

 男は予感めいた確信を抱く。

 このあとめちゃくちゃにされる。

 

 自身の命運を悟った男は、だがここでせめても時間稼ぎを思いついた!

 

「た、たのむ、少しでいいから休憩させてくれ! もう出ない!」

「……」

 

 男による起死回生の一手。

 それを聞き届けたブラック・マジシャン・ガールの動きが、一瞬停止する。

 そして覆い被さっていた体を起こし、男の腰の上にずっしりと自分の大きなお尻を下ろした。

 

 ゆさ、ゆっさゆっさゆっさ。

 

 男の股間を巨大な臀部ですり潰すよう前後に擦りつけたり、上下にずんずん跳ねさせて刺激するブラック・マジシャン・ガール。

 だが、服越しに巨大ずっしりむちむちヒップの攻撃を受けても、男の肉棒は沈黙を貫いていた。

 男の陰茎はすっかり柔らかいまま力尽きていたのだ。

 よわよわしい肉棒の感触をチェックしながら、顎に手を当てて悩むブラック・マジシャン・ガール。

 

「んー……」 

 

 通常なら即座に勃起するはずだが、あの大量射精に加えて限界を超えた太ももによる精液略奪の直後。

 ブラック・マジシャン・ガールも先ほど太ももによる圧政を敷いた自覚はあったようだ。

 明らかに欲求不満な表情で、一考の余地ありかと男の発言に整った眉を顰めている。

 少しでも時間が稼げれば脱出のチャンスがまた訪れるかもしれない。

 いまなら彼女を説得できるかもと、男は余計な一言を付け加えた。

 

「き、休憩さえさせてくれればそれでいいんだ!」

 

 そんな男の浅慮から飛び出た提案は、最悪の形で裏目に出る。

 男の言葉を聞いた瞬間のブラック・マジシャン・ガールの喜色満面の笑みをみれば、それは間違いない。

 

「それってつまり私といっぱいえっちしたいって意味だね!?」

「えっ違」

「うれしい♡」 

 

 男の訂正する声も聞かず歓喜に打ち震えるブラック・マジシャン・ガール。

 ブラック・マジシャン・ガールは男の言い分の中に隠された真意に気づいたのだ。

 

 『もうでない→休憩したい→休憩したあとならいっぱい射精できるから貴女と未来永劫無限に愛し合いながら膣内大量射精を毎日24時間365日繰り返し続け永久に愛を育み合いたい→二人は幸せなキスをしてハッピーエンド』 

 少なくともブラック・マジシャン・ガールの中ではそういうことになった。

 とうとう男が自分の愛を受け入れてくれたことに感動したブラック・マジシャン・ガールは、次の瞬間ずいと自らの青い魔法装束をずり下ろした。

 そうして露わになったのは、豊満にぷるんと震える、形のいい双乳。

 たわわに実った双丘は、可愛らしい桜色の乳首が重力に逆らうようにつんと上を向いており、その弾力性と反発の具合の良さを雄弁に語っていた。

 片手では到底収まりきらぬほどに大きい胸。まるで赤子の肌のような潤いのある肌色で、手のひらが触れた途端むっちりと吸い付くこと請け合いのそれが、男の上でまろやかにふるふると揺れている。

 

 意味不明な解釈をし出して胸を露出させたブラック・マジシャン・ガールを、絶望しながら茫然と見上げる男。

 もちろんこの間も彼の腰の上にはブラック・マジシャン・ガールの重いお尻が乗っているため男は彼女の暴挙を横になりながら眺めるしかできない。

 だが悲しい男の習性によって、視線はブラック・マジシャン・ガールの誇る豊満な美巨乳に釘付けになってしまう。

 真下から見上げるブラック・マジシャン・ガールのおっぱいは、アングルによってくっきりとした陰影が付いており凄まじいスケール感を演出していた。

 そして次の瞬間、このハリのある巨大なおっぱいが無慈悲にも男に襲い掛かる。

 ゆっくりと倒れ込んでくるブラック・マジシャン・ガールの上体。

 徐々に近づいてくる柔らかな果実に危機感を覚えた男は両腕で倒れ込んでくるブラック・マジシャン・ガールの体を押し返そうとしたが、彼女の手によってはらりと容易く振り払われてしまう。

 

「いっぱい休憩、しよ♡」 

 

 甘ったるい声で囁くブラック・マジシャン・ガールの意図を咄嗟に察し、顔を横に向ける男。

 だが無慈悲にもブラック・マジシャン・ガールの両手が男の頬を両側から挟み込み、顔の角度を固定。

 そして巨大な胸の先端、乳首をゆっくりと男の顔に近づけていく。

 

「待、まっ──むぐ、むぅぅぅぅぅぅ!?」 

 

 そのままブラック・マジシャン・ガールは自慢の胸を男の顔に押し当て、強引に乳首を咥えさせた。

 ブラック・マジシャン・ガールは片腕を男の頭の後ろに回して抱え込み、反対の手で自らの胸を揉みしだく。

 

「ほらほら♡いっぱいごくごくしていっぱい元気になろーね♡」

「んむぅ!? むぐ、むぐぅ、……ごく、ごくっ」 

 

 その瞬間、視界を肌色に占領され何もわからないままの男の口の中に、甘く優し気な口当たりの液体が流れ込んでくる。

 ブラック・マジシャン・ガールが自分の胸を揉むのに合わせて、男の口内に濁流のように流れ込んでくる甘い甘い液体。

 どこにも逃げられないよう圧迫されながら流し込まれる母乳を、男はとうとう耐え切れずに飲み下し始めてしまった。

 耐えようにも口の中に流れ込んでくる母乳はとめどなく、注がれるそばから飲まなくては溺れてしまう。

 

「ん、ごくっ、ごくっ……」 

「よしよし、じょうずに飲めてえらいぞ~?♡」

 

 男が自分からおっぱいを吸い始めたのを確認すると、ブラック・マジシャン・ガールが自らのおっぱいを揉む手を離し、男の頭の上に置いて宥めるように優しく撫で始めた。

 喉を通る液体はほんのりと温かく、飲めば飲むほどにぽかぽかと体が温まってくる。

 先ほどの有無を言わせぬ熾烈なキス責めと打って変わって、慈しむような授乳。

 それはしなしなに萎びた男の体を癒すと同時に、ブラック・マジシャン・ガールの体液を男の体内に注ぎ込む行いでもあった。

 ブラック・マジシャン・ガールという精霊の母乳は男の喉を通り、体に吸収されることによって強力な滋養強壮効果をもたらす。

 人間の薬学によって調合される精力剤の効力をはるかに上回る精霊のミルクは、だが同時に男の身体を淫靡に蝕むおぞましい媚毒でもあった。

 

 ちゅう……ちゅう……ごくっ、ごくっ…… 

 

 そして男もまた、こうして無理やり注ぎ込まれるミルクに異常性にも気づき始めていた。

 

(体が、言う事を聞かない……!)

 

 著しいペースで回復していく男の体力とは裏腹に、体中がじんじんと甘く痺れて思い通りに動かせないのだ。

 最初は自分の意思で口の中に注ぎ込まれたミルクを飲み干した。そうしないと溺れると思ったからだ。

 あとは隙を見て抵抗し逃げ出すつもりだった。

 なのに、ミルクを一口飲み下してからというもの、口内に溢れてくる母乳が勝手に喉に流れ込んでくるのだ。

 男は今すぐにでもブラック・マジシャン・ガールの乳房から口を離し逃げ出そうとしているのに、どれほど命令しても体が動かない。

 それどころか、より強く乳首に吸い付いて更なるミルクを求めだす。

 

 もっと飲みたいという欲求を全力で封じ込めて、喉を塞ごうとしている。そう何度も男は体に命令している。

 さっきからずっと精神と頭脳がそう命じ続けているのに、体は無視してもっともっとと際限なくミルクを吸い出し続けるのだ。

 甘くておいしいミルク。飲めば飲むほどぽかぽか幸せな気持ちになってきて、体があったかくなって、ブラック・マジシャン・ガールのことがだいすきになっていく。

 これは毒だ。これ以上飲んではいけない。体を作り替えられてしまう。今すぐ飲むのをやめるべきだ。

 男の本能がそう警鐘を鳴らしても、吸えば吸うほど出てくるミルクを男の体は狂ったように求め続けていた。

 

「あむっ、んぐっ、ちゅう、ごくっ、ごくっ……!」

「もー、そんなに私のおっぱいがおいしいの? 仕方ないんだからぁ~♡」  

 

 必死の表情で自分のおっぱいにしゃぶりついて夢中で母乳を吸い出す男をブラック・マジシャン・ガールは可愛くって嬉しくってしょうがないというご満悦の表情で眺めていた。

 男に上から覆いかぶさった姿勢のまま、ぱたぱたと楽し気に膝を揺らしながら下敷きにした男にミルクを与えるブラック・マジシャン・ガールは、誰がどう見てもご機嫌である。

 今や、男を縛り付けて拘束するものはない。

 客観的に見れば、男が自発的にブラック・マジシャン・ガールのおっぱいにしがみついている状況。

 自分から無我夢中でごくごくと喉を鳴らしておっぱいを吸い出す男の姿が、ブラック・マジシャン・ガールにはとても愛おしく映っているのだろう。

 

「んむ、ごくっ、ちゅう、ごく、ごく!」

 

 そんなブラック・マジシャン・ガールの言葉を否定したいのに、体が勝手に更なるミルクを求めて強く乳房にしゃぶりついてしまう。

 これでは彼女の言葉を肯定しているのと一緒。今さら口で違うと言ってもなんの説得力もない。

 母乳は人間の場合妊娠した女性が分泌するものだが、精霊たるブラック・マジシャン・ガールはこの限りではない。

 魔力を分けて恵み与えるという精霊の力が、ブラック・マジシャン・ガールには体液の供給という形で発現しているのだ。

 

「よしよし♡ おっぱいはどこにも逃げないよ~♡ いっぱい飲もうね~♡」 

 

 だが、その力はブラック・マジシャン・ガール本人の性質によって恣意的に歪められていた。

 そもそも、ブラック・マジシャン・ガールの母乳は通常のミルクと大きく性質を異にする。

 男が飲んだ母乳の量は、普通の水であればとっくに胃を満たして吐き出すほどの水量。

 だが、男が飲み下したミルクの量はその限界をとっくに超えている。

 これは、ブラック・マジシャン・ガールの母乳が魔力の具現であるからこそできる芸当。

 彼女のミルクは、体内に取り込んだ時点で体中に魔力と化して吸収されていく。

 そして体にたちまち染み渡るミルクは、男の体に恐るべき変化をもたらす。

 

 全身が弛緩する危険な麻痺効果。人格を変えかねないほど強烈な依存性。

 過剰にもたらされる多幸感。霊薬にも比肩するほどの強壮効果。

 思考能力の低下に伴う精神年齢の退化。

 

 すなわち、『想い人を一方的にレイプし続けるために必要な効果』が彼女のミルクに結集しているのだ。

 愛する人をどこへも逃げられないようにして、ずぅっと愛し続けたいという彼女の凶暴な真心から生まれた賜物である。

 

 それでもなお、かろうじて残っていた男の自意識が、自らの顔面を圧し潰す美巨乳を押し退けようとした。

 ほとんど力の入らない体に鞭を打ち、弱々しい手つきが重たげに持ち上がってゆっくりとブラック・マジシャン・ガールの胸の前まで運ばれていく。

 だが、そんなことをすれば、男の一挙手一投足を慈しみながら眺めているブラック・マジシャン・ガールの目につかないはずが無く。

 

「……? この手はなあに?」

「んむぅ! むう!」

「あ、わかった! わたしのおっぱい触りたいんでしょ! もー、えっちなんだから♡」

「むう!? むぅぅぅ! む、んむうぅぅ……」

 

 男がなけなしの全理性を振り絞って動かした手は、あえなくブラック・マジシャン・ガールの腕に捕まってしまった。

 そのまま男の片腕は無情にもブラック・マジシャン・ガールによって反対の乳房へと導かれ、開いた手のひらですら覆い尽くせないほどの巨乳を男の五指で包み込む。

 そして悲しいかな、男は本能によって指先が触れた瞬間にその大きな胸を鷲掴みにしてしまう。

 

「んっ♡ ね、ね、もっと触って♡」

「んちゅ、ごく。ごく、ごくっ…」

 

 それに嬉しそうに色っぽい嬌声を上げるブラック・マジシャン・ガール。

 男が胸を揉む感触にうっとりとしながらもっと触るよう男に懇願したが、もはや意味はない。

 なにせ先ほどからミルクを飲み続けている男が自分の意思で体を動かせるのは、今のが最後のチャンスだった。

 もう男が頭で何を考えようと関係ない。

 理性の宿らない男の腕が、あたかもブラック・マジシャン・ガールの願いを聞き届けたかのように優しく胸を揉みしだく。

 ごつごつとした男の厳めしい指が、むにゅりと女性的な曲線の中にずぶずぶと沈んでいく。

 手から伝わる極上の感触。僅かに握力を弛緩させると、ハリのある瑞々しい弾力によってたちまち指が押し返される。

 

「んっ♡ んっ♡ んっ♡」

「あむぅ、ん、ごく、んぐ……」 

  

 手が勝手にもう一度あの柔かな感触を求めて胸を握る。それに合わせてブラック・マジシャン・ガールが体を震わせ色っぽい声を上げていく。

 男もブラック・マジシャン・ガールの興奮を助長するような真似はすべきではないと分かっている。

 分かってはいるのだが、あれほど言う事を聞かなかった手が勝手にまた開いては握り、夢中になって胸を揉むのだ。

 筋肉が弛緩して力めなくなった男の手つきはまるでよりかかる愛撫のように優しく、どんどんとブラック・マジシャン・ガールを昂らせていく。

 ミルクによる多幸感のみならず、触覚までブラック・マジシャン・ガールに蹂躙されてしまい、もはや男の理性は存在しなくなった。

 もう、朦朧とした意識の中で無理やりミルクを飲まされ続けるだけ。

 何も見えないまま、乳首にしゃぶりついて口に流し込まれるミルクを無我夢中で吸い続け、手から伝わるぷよぷよとしたおっぱいの感触を堪能する。

 抵抗の余地などない。もはや為されるがままの肉人形とさえ形容できる状態だった。 

 

「はむ、ごく…ごくっ、ごくっ……」

「あー……どうしよ。ほんとに可愛いんだけどっ……! ♡」

 

 理性を失い、本能を剥き出しにしながら甘えてくる男の姿。

 自分という精霊にどんどんと依存しておかしくなっていっていく男に、ブラック・マジシャン・ガールは身悶えするほどの興奮を覚えていた。

 自分のおっぱいに夢中になる男に夢中になっていたブラック・マジシャン・ガール。 

 そんな彼女は、とうとう気づいてしまった。

 男の上に覆い被さる自らの腰元よりやや上。

 いわゆる下腹部。そこに男の固く屹立した熱い肉棒が、ズボン越しに押し付けられている。

 

「──……♡」

 

 瞬間、ブラック・マジシャン・ガールの気配が変わった。

 きゅぅ、とブラック・マジシャン・ガールの子宮が切なく疼く。

 

 並外れた滋養効果を持つ母乳を飲み干し続けた男は、陰茎がかつてないほどに怒張していた。

 玉袋はぎゅうと小さく縮み上がり、来たる敗北射精に備えて大量の精液がぐつぐつと煮え滾るように製造されている。

 休憩の大義名分であった男根の無力状態は、改善して久しい。

 つまり、これは男からのGOサインということ。

 もうおっぱいもたくさん飲んだから、準備は万端。

 

「ふ、ふふ……♡」 

 

 それを確信したブラック・マジシャン・ガールは、全身の血流が沸騰したと錯覚するほどの発情を催した。

 体の隅々に沸々と熱が籠っていき、体内から肌をジリジリと焼かれているとさえ錯覚するほどの発情。

 愛し子を見守るような優し気な眼差しは、いつしかギラギラと灼けるような瞳に変わっており、男を貫くように射抜いていた。

 ちゅうちゅうと幸せそうに自分のおっぱいにしゃぶりついて"狂っていく"男を見ていると、体の奥底が叫ぶように訴えてくるのだ。

 

 こんなにも愚かで、弱々しくて、矮小で。

 すぐに私にぐちゃぐちゃに犯されて、おっぱい中毒になって、頭真っ白になりながら私に依存しちゃって。

 かわいくてかわいくて仕方がない。

 もう、我慢ならない。

 身を焦がす炎が、ふつふつと燃え上がり大きくなっていく。

 

 まだ足りない。

 もっと愛せる。

 まだ愛せる。

 一番の愛情表現が、まだ残ってる。

 

「──休憩、おわろっか」

 

 ブラック・マジシャン・ガールがじゅくじゅくに蕩けた表情で、艶やかに目を細めて男に囁く。

 それは今までの甘くくすぐるような声色ではなく、確定事項を伝達するかのような、口答えを許さぬ強い口調だった。

 

「ちゅ、ちゅぱ……」

 

 ただならぬブラック・マジシャン・ガールの様子に気づいたか、男が怯えたように乳首から口を離す。

 あれほど願っていた授乳からの脱却。だが、状況はちっとも改善していなかった。

 むしろ悪化していると言って差し支えない。

 男の上に跨るブラック・マジシャン・ガールは、完全に『出来上がっている』。

 

「ひ、ひぃ…っ!」

 

 極限まで性的に興奮した女性を見れば、多くの男性は自分の性的欲求を強く燃え上がらせるだろう。

 だが、男は怯えたように身をすくませている。

 その理由は単純。ブラック・マジシャン・ガールが男を遥かに超える絶倫だと分かっているである。

 彼女の性欲は汲めど尽きせぬ底なしの泉。

 全身に玉のような汗を浮かべて熱っぽい吐息を荒々しく繰り返すブラック・マジシャン・ガールと、小動物のように小さく体を縮めて身を捩り震える男。

 どちらが捕食者側かなど、誰の目にも明らかだ。

 食べられるのを待つだけの弱者が、か細い声を上げる。

 

「い、いやだぁ……誰かたすけて……」

 

 男はブラック・マジシャン・ガールにのしかかられたまま、体を捻って虚空に手を伸ばし助けを求めた。

 もちろん助けなど来ない。誰も男を救ってはくれない。

 寂れたアパートの一室に、その声は吸い込まれていく。

 だが、その行為に意味はあった。

 彼の純粋かつひたむきに助けを求める声は、確かに変化をもたらしたのだ。

 そう、ブラック・マジシャン・ガールに。

 

「──なにそれ」



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04

「よくないよね。おかしいよね。私たち、これから愛を確かめ合うんだよ?」

 

 こんなにも愛しているのに、これから本番たる愛を確かめあう大切な行いの直前だというのに、男は信じがたいことにそれを拒むような素振りを見せている。

 それどころか、私以外の誰かに救いを求めるような言動。とうてい見逃せるものではない。

 はち切れんばかりに膨れ上がっていた男への煮え滾る情欲に、怒りという攻撃的な感情がブレンドされていく。

 

「わたしたち、これから二人で一緒になってとってもきもちよくってしあわせなことするんだよ? 逃げる理由なんかあるわけないじゃん」

「よせ! やめろ! う、うう、くそお……!」

 

 男の制止する声も聞かず、ブラック・マジシャン・ガールはじっとりと湿り気を帯びた瞳で男の衣服を素手で引き裂き、下半身のズボンを無理やり剥ぎ取っていく。

 そして、感情の失せた冷たい声で男を詰問するのだ。

 

「やめろってなに? ないよ、きみに拒否権なんて」

 

 大量母乳の摂取によって無理やり怒張させられた男根が、男の意思を無視して白日のもとに晒される。

 

「まだ自分の立場がわかってなかったんだね」 

  

 ブラック・マジシャン・ガールが静かな手つきでこぼれだすように露出していた乳房を再びしまい込み、着崩れていた青い魔法装束を整える。

 代わりに男に跨っていた彼女は高く腰を浮かせ、するりと秘所を覆い隠す純白の下着を脱ぎ捨てた。

 豊満な胸元からくいとくびれる腰より更に下。露が流れるように美しい曲線を描く、腹部から鼠径部にかけてのライン。

 まろやかな三角形に狭まる曲線美は、やがてぴっちりと閉じた白磁のように美しい肌色の亀裂に辿り着く。

 

「きみは私に愛されるの」 

 

 奇跡のように美しいブラック・マジシャン・ガールの煽情的な肢体に、一瞬男は恐怖も忘れて見惚れてしまう。

 ギチギチと張り裂けんばかりに力強く膨張した男根に、更にひと際強く血流が集中していく。

 鋼鉄のように硬化して天を衝く肉棒。

 男の相棒たるそれは、ミルクによるドーピングによって本来よりも巨大に膨張していた。

 これほどまでに凶悪な男性器であれば、そこらの人間の雌程度であれば容易く屈服させハメ倒しイキ狂わせるくらい造作もない。

 だが、今回ばかりは相手が悪い。

 今やこの肉棒は、気持ちよく"される"ため、ビンビンに敏感なまま無防備に食べられ待ちの状態で勃起している。

 

「教えてあげる。一体きみが"誰のもの"なのか」

 

 そう、デュエルに負けた時点で、男がブラック・マジシャン・ガールに支配は完了している。

 彼女が異界にあるはずの彼のアパートまで追跡してきたように、ブラック・マジシャン・ガールは既に男の全てを掌握している。

 男を意のままに操れるのを、ブラック・マジシャン・ガールがわざとそうしていなかっただけ。

 だから、これから行われるのは"しつけ"だ。

 

 ブラック・マジシャン・ガールの白魚のような細指。

 それは朝露のようにきめ細やかな下腹部の肌を這って降りていき、やがて割れ目に辿りつくと、その二本指を割れ目に沿ってあてがった。

 そのままゆっくりと指先を離していき、男に見せつけるように閉じた割れ目をこじ開けていく。

 

「……っ!」

 

 ぬちゅりと水音を立てて開かれたブラック・マジシャン・ガールの秘所。

 その姿は、瑕ひとつないきめ細やかな無垢の肌とは真逆。

 にちゅにちゅと下品な水音を立ててピンク色の肉が蠢く、グロテスクな粘膜の坩堝。

 獲物を待ち受けて涎を垂らすように蜜液を滴らせる肉壺は、もはや男根をねぶり尽くす怪物。

 

「きみは、私にナメクジみたいに一生覆い被さられながらいっぱい愛されて、私のことがすきすきだぁーすきになって相思相愛の証としてドロドロこってり精液を永久に私の膣内にドクドクと放出するだけの存在になるんだよ?」

 

 近い将来に必ず訪れる男の末路。死刑宣告にも等しいそれを諳んじながら、秘所を開く手とは反対の手で男根を捕まえる。

 そして哀れな被害者たる男の陰茎を、ブラック・マジシャン・ガールという精霊の少女の淫らさを最も如実に示す雌穴へと導いていく。

 情け容赦のない、拷問器具めいた搾精器官。持ち主にきゅうきゅうと切ない疼きを訴えながら、今すぐにでも獲物に食らいつかんと潤沢に涎を滴らせる陰唇。

 その入り口にガッチガチに硬くなった男の性器を近づけると、ドロドロに蕩けた口元がちゅぽ、と鈴口に吸い付いた。

 腰の位置が固定されているにも関わらず、ブラック・マジシャン・ガールの淫獄は肉棒を更に咥えこもうと蠕動し、肉棒の先端がつぷ……と飲み込まれる。

 自分の性器のさきっぽから敏感に伝わってくるぬくぬくと生暖かい、湿った感触。

 首筋にギロチンの刃を当てられたような状況に、男はたまらず助けを懇願した。

 

「た、たのむ……やめてくれ……!」 

「やだ♡」

  

 ずちゅんっっ!!!!!!!♡♡♡♡♡♡♡♡♡

 

「ぅぅぅぅぅうっぅぅうぅl!?!?!?!?」

「っっっ♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 前触れもなく鉄槌のように振り下ろされた巨尻に、獣の断末魔のようなくぐもった咆哮を上げる男。

 肉棒を咥えこんだブラック・マジシャン・ガールの巨大な臀部は、衝撃とともにぶるんっと尻肉を震わせた。

 淫肉牢獄に囚われた鋼のように硬い男根はどこにも逃げることができず、じゅくじゅくの快楽を与えんと雌穴の中で待ち構えていた肉襞の餌食になってしまう。

 体内の臓物が全て爆散したかのような常軌を逸した快感に、仰向けになったまま打ち上げられた魚のように激しく痙攣する男。

 そしてその肢体を男の方にその快感をどこへも逃げられぬように体を倒し強烈な膂力で淫肉を押し付ける。

 

 ブラック・マジシャン・ガールもまた自らの脳天を突き抜けるような快楽に、顔を男の首元にうずめ肺の空気すべて吐き出すような声にならぬ嬌声を上げていた。

 ひきつけてビクビク跳ね上がろうとする男の体を、シーツに引っ掻くように縋りついてベッドで挟みぎゅうぎゅうに押し潰す。

 そのまま両目をギンギンに見開き、己の蜜壺によってよがり狂う愛しい人の表情をつぶさに観察していた。

 

「ふーっっっ♡ ふーっっっ♡」 

 

 灼け付くように熱い吐息を漏らしながら、ほとんど睨みつけるような目つきで男の顔を覗き込むブラック・マジシャン・ガール。

 愛する人を自分の肢体で幸福な快楽に突き落とす充足感。他の何物にも代えがたい幸福な気持ち。

 愛する人へ幸福を贈る。こんなの、誰がどう見ても愛そのもの。

 男はブラック・マジシャン・ガールから愛情を伴った快楽を強引に与えられ、頭がおかしくなるくらい気持ちよくなる。

 ブラック・マジシャン・ガールは男から雌を壊しかねないほどに凶悪な肉棒の快感を受け取り、更に自分が与えた快感によって男が正気失うほどよがり狂う様子を見て、幸福な気持ちになる。

 完璧に相思相愛の構図だった。

 少なくともブラック・マジシャン・ガールにとっては。

 

 だがこれは、二人が愛し合うための行為ではない。

 今回は"しつけ"。

 故に、男にはブラック・マジシャン・ガールによって意地悪な魔法が掛けられていた。

 ゆっくりと引いていく快楽の波に余裕を取り戻したブラック・マジシャン・ガールは、握りしめていたシーツを離して体を起こす。

 男の陰茎を下半身でずっぷりと咥えこんだまま上から男を見下すブラック・マジシャン・ガール。

 

「んふふ~♡ 不思議だね、射精できないね~♡ なんでかな~♡ こんなに気持ちいいのにね~♡」 

「うっ、ふぅ……はぁ、はぁ……うぅ……」

「えへへ、おしおきに【射精禁止魔法】かけてあるんだぁ~♡」 

 

 効果は単純、その名の通り射精を禁止する魔法。

 どれほど強い快感がもたらされようと絶頂に至ることが出来ず、快感から解放されない。

 むしろ気持ちいいに一歩及ばないところで快楽が滞り続け、快感に苛まれるような感触が男を襲うのだ。

 そんな男を前に、ブラック・マジシャン・ガールは下腹部の中で欲望を解放させたくてパンパンに張っている男根の感触に恍惚としながら、頬を乙女のように赤く染めて悪戯な笑みで言った。

 

「わたしに『好き』って言ってくれたら解除してあげる。ほら、いってごらん?♡」

「……う、うぅ……」

 

 誰がそんなこと。こんな無理やりされて、そんなこというわけないだろう。

 男はそう言おうと思ったのに、いますぐイきたいという願望が強すぎるあまり、即答はおろか言葉を出すことさえできなかった。

 そんな自分の情けなさに嫌気がさし、再び決意を固めて口を開こうとした瞬間。

 

「だ、だれが……」 

「──♡」

「あ”っ……ぐっ……」

 

 男が反抗的な言動をとるや否や、ブラック・マジシャン・ガールが陰茎を根本までじゅっぷりと咥えこんでいた巨尻を、ゆっくりと焦らすように持ち上げていく。

 陰茎の裏筋をずりゅずりゅと肉襞がまくり上げる感触に呼吸が飛び、声を失う男。

 本来なら気持ちいい感触のはずなのに、急速に膨れ上がった挙句パンク寸前で急ブレーキが掛かる快感に男は苦悶の表情を浮かべていた。。

 そんな男を、ニヤニヤと嗜虐的な笑みで見つめるブラック・マジシャン・ガール。

 

「わたしのこと、好き?」

 

 ずっ………ったん♡

 

「───ッ!!! 好きぃ! 好きです!好き!好き!好きぃ!」

 

 大きくタメを作ってから、一息にお尻が叩き落とされた。

 細かく蠕動する温かい肉の群れ、びっしりと生え揃う微細なヒダヒダ。絶妙な凹凸が通過する瞬間に陰茎を締め上げ、圧迫する。

 そして最奥まで亀頭が飲み込まれたら今度は子宮口へのキスを強要され、吸盤のようなものにぢゅう♡ と吸い付かれる感触。

 それらが一斉に男の男根に襲い掛かり、この世のものとは思えぬ快楽が流れ込む。

 なのに絶頂できない。射精できない。

 

(こんなの、おかしくなる……!!!!)

 

 先ほどの決意など一瞬で決壊し、男は壊れたレコーダーのように大声で好き好きと繰り返し叫び出す。

 男に固く抱き着き鼻が触れ合うほどの至近距離で男の顔を覗き込むブラック・マジシャン・ガールは、しかしわざとらしく可愛らしく惚けてみせた。 

  

「え~♡よく聞こえな~い♡もっと大きな声で言ってくれたら聞こえるかな~?♡」

 

 男に向けてからかうようなセリフを吐いた彼女は、再び大きなストロークで淫らな肉たっぷりついたお尻を上下させ始めた。

 

 どっちゅん♡ どっちゅん♡

 

「ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! すきすきすきすきすきすき!!!!!!」 

「もっと好きって言って♡」

「すきぃ! すきです! すき! すき! すきだからぁ!」

「もっともっと~♡」

 

 どちゅっ♡ どちゅっ♡

 

 巨尻は餅つきのように豪快に音を立てて腰の上で激しく上下に跳ね回り、男の肉棒を根本までぐっぽり咥えるたびに衝撃で柔らかく変形する。

 ブラック・マジシャン・ガールは自慢のお尻を餅つきのように激しく何度も繰り返し叩きつけ、男の肉棒を残酷なまでにしごき上げる。

 熱くて固い肉棒が己の膣をかき分け、肉襞をめくり、一番奥のところがぐむっと押し潰される感触に恍惚として、顔を紅潮させてさらに腰を凶暴に動かす。

 

 素早い上下とは裏腹に、肉壺の襞一枚一枚は亀頭にしつこくねっとりと絡み付き、ストロークギリギリまで名残惜しくへばりついてくる。

 そのねっとりとした感触が亀頭をにゅるにゅると包み込む快感を男にもたらし、男は意識を混濁させたまま救いを求めて何度も好きと叫ぶだけ。

 途中、男が苦し紛れにブラック・マジシャン・ガールのお尻に両手で掴みかかり、その動きを止めようと支えたが……。

 

 どっ……ぢゅんっ!♡

 どっちゅんどっちゅんどっちゅん♡♡♡♡

 

 もちろん無駄。

 ずっしりもちもちとした巨大な尻は、位置エネルギーと慣性の法則を味方につけ、腕力で抵抗する男を歯牙にもかけない。

 ほんの一瞬だけぐぐぐ……とお尻の動きを抑えたものの、かえって勢いのついたお尻が男の股間を叩き潰してペースアップ。

 今やお尻を押し返そうと掴みかかっていた男の手は、ただ添えられているだけ。

 むしろ手にもちもちとした感触を送り返し、絶頂できない男の性欲を更に煽っていた。 

 

「ほらほら、ちゃんと誰に好きって言ってるかわかるようにもっと私の顔みて言って♡ いちばん好きな人のこと、ちゃ~んと心の奥底の、絶対絶対掻き消せない一番大事なところに二度と忘れないようしっかり刻んで?♡」

 

 ブラック・マジシャン・ガールは男根をいじめ抜く巨尻プレスを続行しながら、自分の両腕の肘を男の顔の左右に挟むように付いた。

 そして、男を真上から覗き込むような位置に体勢を移す。

 こうして男の眼前を囲うようにしてやれば、男からは逆光で暗くなってブラック・マジシャン・ガールの顔しか見えなくなる。

 しっかりと、誰に気持ちよくされているかを教え込むために。

 男の網膜に、自分の美貌を消えなくなるまでジリジリと焼き付かせていく。

 

 どっちゅんどっちゅんどっちゅん♡♡♡

 

「すきっ! すきっ! すきぃ! すきぃ!!!」

「え~♡ ほんとかな~♡」 

 

 どこにも逃げられなくされて、うわごとをように愛の言葉を繰り返しながら愛しいブラック・マジシャン・ガールを見つめる男。

 絶頂できぬとも、もたらされる大量の快感とそれに伴う幸福感。

 激しい愛の営みによって火照ったお互いの体を密着させつづけることで、まるで二人の体の体温が混ざり合い、溶け合ったような感覚。

 男の深層心理に、無理やり灼熱のやきごてを押し付けるように『ブラック・マジシャン・ガールが好き』という愛の烙印がじゅうじゅうと溶解する音を立てて新しく刻み込まれていく。

 

「す、すきっ! ほんとにすきっ! ほんとにすきだからぁっ!」

「んふふ~♡ うれしいな~♡ もっと言って欲しいな~♡」

「う、ううう! す、すきっ! すきぃっ!」

「およめさんにしたい?」

「っ、し、したい!! すき、およめさんなってほしいぃ!!」

「えへへ~♡ もっと~♡」

「だいすきっ! あ、あいしてるっ! けっこんしたいっ! いちばんあいしてるっ!」

 

 うわごとのように愛の言葉を繰り返す男に機嫌を良くしたブラック・マジシャン・ガールは、両腕を男の脇の下を通して巻き付け、がっちりとホールドするように抱き着いた。

 そしてすらっと長い脚を蛇のように男の足に巻き付ける。より固く、より密着できる姿勢。

 ブラック・マジシャン・ガールはしばらく身じろぎして姿勢を確かめたあと、ついに腰の動きに変化を加えた。

 

「わたしもあいしてる♡」

 

 どちゅどちゅどちゅどちゅっ!♡

 

「っぁぁぁぁぁっぁぁっっ!!!」 

 

 じゅくじゅく♡ぐりぐりぐりっ♡ぱんぱんぱんぱん♡

 腰だけを別の生き物のようになめらかな挙動で磨り潰し、擦りつけ、高速上下させるブラック・マジシャン・ガール。

 高速で振動するように動く蜜壺の中で、我慢汁と愛液がドロドロに蕩け合い、いやらしい水音をぐちゃぐちゃと響かせる。

 臨界ギリギリで無理やり留められていた男の性感が、高速で刺激されることで何度も何度も限界を突破しようと乱高下する。

 意識そのものを攪拌されるような快感。気づけば男は自分からブラック・マジシャン・ガールに手足を巻き付けてしがみ付いていた。

 快楽の奔流に自我を飲み込まれながら、気持ちよくなりたい一心で愛の言葉を囁き、本当に愛しているかのように力強くブラック・マジシャン・ガールを抱きしめる。

 熾烈な快楽責め。

 白く明滅する視界の奥で。

 いま見えているのが現実か空想かもわからなくなって

 それでも、ブラック・マジシャン・ガールの魅力的な顔だけがブロマイドのように脳裏に強烈に焼き付いていて。

 そんな彼女とぴたり、と目が合った瞬間──。

 

 

「イけ」

 

 ────ぶびゅうぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!!

 

 完全な支配。

 突然の命令と同時に射精禁止魔法を解除され、脳が焼け焦げるほどの快楽を伴ってゼリー状の白濁液がブラック・マジシャン・ガールの膣奥めがけて大量噴出する。

 

「──っっっっ!!」

「♡♡♡♡♡♡♡♡」

 

 声なき絶叫を上げながら女体に下敷きにされている腰を引いて男根を引き抜こうとする男と、覆い被さり蜘蛛のように絡み付かせた四肢をぎゅうぅっ!と締め付けて絶対に離さないブラック・マジシャン・ガール。

 どんなに体を痙攣させて、どんなに身を捩っても男はブラック・マジシャン・ガールから逃れられない。

 一番深い奥のところでディープキスを交わす男性器と女性器は、二人を象徴するように亀頭が子宮口によって暴力的なまでに食らいつかれている。。

 

 ブラック・マジシャン・ガールは、精液を絶対に一滴も逃さないようにあらかじめ子宮をぐにゅりと押し潰すほど亀頭がめりこむよう体位を調整していた。

 男の陰茎はびゅくびゅくと異常に激しい脈動を繰り返しており、膣全体が射精を助けるように肉棒を蠕動して圧迫する。

 何度も繰り返しびゅるるるっ! と猛烈に精液を吐き出す鈴口には子宮口が吸盤のように強烈に吸いついていた。

 子宮口はとめどなく溢れるドロドロ濃厚精液を貪欲にぢゅうぢゅう引きずり出して膣奥へと飲み込んでいく。 

 

 びゅぅぅぅぅーっ!

 びゅぅぅぅぅーっ!!

 びゅぅぅぅぅーっ!!!

 

 そして射精は止まらない。止まるはずがない。

 完全に萎れ切った男根がギンギンになるまでブラック・マジシャン・ガール特製媚毒ミルクを脳みそがじゃぶじゃぶになるまで飲まされ、挙句人間の領域を遥かに超えた名器に射精不可能の状態で徹底的にしごき抜かれたおちんちんが、ちょっとやそっとの射精が止まるはずがない。

 

「す、すき、だいすき」

「えっ♡ ええーっ♡」

 

 もう意味なんてないのに、ブラック・マジシャン・ガールにたっぷり"しつけ"られた男は口から愛の告白が勝手に漏れ出る。

 射精を禁止する魔法はもうない。だからこのすきという言葉に理由はない。

 つまり、この言葉は(快楽調教によって植え付けられた)恋心からくる本心の言葉。

 お互い深く繋がりながらの告白に、ブラック・マジシャン・ガールは性欲ではなく乙女心によって頬を桜色に染めた。

 

「すき、すき、あいしている」

「えっと、えへ、わたしもあいしてる♡」

 

 ブラック・マジシャン・ガールにしがみつき、じっと顔を見つめながら、男はどくどくと射精を続けうわごとのように愛の言葉を囁き続ける。

 対するブラック・マジシャン・ガールは、溢れんばかりの恋心で、更に腰をくねらせ激しく搾精しながら幸せそうに微笑みを返す。

 

「ぅあ、やめ、すきっ、だからもうやめ、すきぃ! すきぃ!」 

 

 男の悲鳴を聞いているのかいないのか、うっとりとした表情で更に膣を蠕動させるブラック・マジシャン・ガール。

 男には気の毒だが、おそらく彼女は気持ちよくさせればさせるほど好きって言ってくれると学習してしまった。

 ブラック・マジシャン・ガールの目論見通り、二人は本当の相思相愛に持ち込まれてしまったのだ。 

 

「や、やだぁっ! もう無理、お、おねがいだからもうやめっ!? じゅる、れろ、むちゅ」 

「んふ♡ はむ♡ むちゅ♡」

 

 そして助けを求めるように口を開けた男の唇にブラック・マジシャン・ガールがしゃぶりつく。

 自分の子宮口が亀頭に向かってやったように、奥に引っ込んで逃げようとする男の舌を、無理やりぢゅーっ♡と吸い出してしゃぶりつく。 

 男が今もどくどくと自分の胎内に射精してくれてるのにお返しするように、男の口に自分の唾液を溺れるほど流し込んで無理やり飲ませていく。

 

「んぐ、あ、あむ、ぷはっ、すき! すきぃ!! す、あむ、だからもうやめっ、すき! すき! す、むぅ、れりょ、んぢゅ」

「んふふ♡ れーろ♡ じゅる♡ んぢゅ♡ わたしもすきだよ♡ ぢゅーっ♡ もっと射精しよ♡ 」

 

 二人は幸せなキスをしてハッピーエンド。




このまま二回戦に突入しそうだったのでいったんおわりにしました
続きはみてい


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05

「ぅ、うう……、ハァ、ハァ……」

 

 ブラック・マジシャン・ガールに捕まってから、はや二週間。

 時間の感覚すらなくなるまで男は狂ったようにブラック・マジシャン・ガールに愛されて続けていた。

 ベッドで横になる男の前には、とても安心しきった表情ですやすやと寝息を立てるブラック・マジシャン・ガールの顔がある。

 男の身体に一糸まとわぬ肢体を蔓のように固く巻き付け、決して離さぬと言わんばかりにぎゅうと抱きしめていた。

 男の腰には追いすがるようにブラック・マジシャン・ガールの股が吸い付いており、意識がないはずなのに強い執着心を見せている。

 

「い、いまがチャンス……」

 

 二人で何度も同時に意識を失う程愛し合ってきたが、今回は奇跡的に男の方が先に目が覚めた。

 これはブラック・マジシャン・ガールから逃げ出す絶好のチャンス。

 男はブラック・マジシャン・ガールを起こさないように細心の注意を払いながら、ゆっくり身じろぎして彼女の拘束を振り払っていく。

 挿入されっぱなしの男根も名残惜しそうにディープキスをせがんでくる膣から脱出させる。

 男のちんちんはすっかり怯え切ってふにゃふにゃだった。

 

 ブラック・マジシャン・ガールは普段は決して離すものかと腕力と握力に物を言わせてぎちぎちに抱き締めてくるが、今は安心しきっているのか力が弱い。

 まるで見た目通りの女の子ような儚い力だったので、男の力でも引き剥がすことができた。

 そのままそろりと音を立てないようにベッドから降りる。

 

 思えば、男はベッドから降りるのも二週間ぶりだった。

 ブラック・マジシャン・ガールが部屋に押し入ってからというもの、彼女は片時も男を離さなかった。

 精魂尽き果てるまでキスをしながら中出しセックスを強要し、男の体力が尽きたら溺れるほど授乳させる。

 信じられないことに、彼女のミルクを飲んでいれば食事も排泄も不要だった。

 気づいたら二人とも気絶していて、先に目覚めたブラック・マジシャン・ガールが『おはようのキス』で男を覚醒させる。

 この二週間はそれの繰り返し。

 

 だが、ようやく逃げる機会がやってきた。

 最低限の衣類だけを纏って、足音を立てずに玄関に向かう。

 窓を見れば、外はすっかり夜の帳が降りている。

 今は深夜のようだ。

 

 男に行く当てなどないが、ここにいるよりかはマシだ。

 そう確信して歩みを進めるが、何やら体の様子がおかしい。

 体がつめたい。とても寒く感じる。

 ずっとブラック・マジシャン・ガールと愛し合っていた影響だろうか。

 二人で体を重ねて互いの体温を混ぜ合い続けていたから、一人になると無性に不安な気持ちになる。

 気づけば男の足は恐怖に竦み、指先は小刻みに震えている。

 そして、興奮する理由もないのに陰茎が極大に勃起している。

 ブラック・マジシャン・ガールのやわらかトロトロまんこが恋しくなって、行き場もないのに反り返っていた。

 当然、男の思考にもその誘惑が戻って来る。

 ブラック・マジシャン・ガールを抱きしめたい。

 ブラック・マジシャン・ガールのぬくもりを肌で感じたい。

 ブラック・マジシャン・ガールのおっぱいにしゃぶりつきたい。

 ブラック・マジシャン・ガールの膣に男根を突き入れたい

 ブラック・マジシャン・ガールのことを気持ちよくしてあげたい。

 

 自分で拘束を抜け出したのに、身体が急速に彼女を求めて居てもたってもいられなくなる。

 もちろんそれは、眠っていたブラック・マジシャン・ガールも同様で。

 

「……ねえ、わたしね、やっと分かったんだ」

 

 男の背後から聞こえるのは、寝入っているはずのブラック・マジシャン・ガールの声。

 

「私に構って欲しいから、いつも逃げるフリしてるんでしょ……♡」

 

 囁きながら、ゆっくりと後ろから抱きつくブラックマジシャンガール。

 男は彼女の言葉に反論できなかった。

 巻き付く彼女の腕を払って走り出すこともできなかった。

 彼女の手が自分の身体に触れた瞬間、ぴたりと身体の震えが止まったから。

 理由のわからない恐怖心が、彼女のぬくもりに触れた瞬間ふっと霧散してしまった。

 全身の力を抜いて、体を預けたくなるような安心感。

 

「もう、素直じゃないんだから、かわいいなぁ……♡」

 

 そのまま力強く抱きしめられ、あんなに降りたがっていたベッドへ無抵抗で再び運ばれていく。

 

「地の果てまで逃げようと、必ず見つけてあげるから、安心してね……♡」

 

 ゆっくりと寝かされ、帰りを待っていた蜜壺にまた肉棒がずぶずぶと迎えられていく。

 

「絶対にがさないよ♡」

 

 ブラックマジシャンガールは、男に深い深いキスを落とした。

 





 ・男
 ザコ決闘者。まぬけ。なんとなく惹かれ、彼女が欲しいくらいのノリでブラックマジシャンガールに勝負を挑んだ。
 実は幼いころに道路の側溝に沈んでいたブラックマジシャンガールのカードを拾い、泥まみれのカードを拭って使っていたことがある。
 周囲に馬鹿にされたりからかわれるのも構わずデッキにいれ続けていたが、遠足に持っていったときに失くしてしまった。
 
 ・ブラックマジシャンガール
 男と出会った瞬間に一目惚れを通り越して、深い深い愛を自覚した。
 男のことは覚えていないが、一目見た瞬間にもう絶対に二度と離れない、この人とずっと一緒にいるという強い決意を抱く。
 カードの頃の記憶はないはずだが、男が自分から離れようとする素振りに極めて敏感。
 男が逃げようとしたり、置いて行ったりしようとすると心臓が握りしめられたような気持ちになる。
 逆に男と一緒にいる間はとても幸せ。自然と笑みがこぼれ、理由もなく幸福な気持ちになって心がぽかぽか温かくなる。


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召喚したブラック・マジシャン・ガールが実は凶悪な搾精モンスターだった話
06


前話までとは違う話、違う設定のやつです


決闘者は20歳になると精霊召喚の儀を執り行う。

 生涯を共に歩むパートナーを呼び出すとても大切な儀式。

 決闘者はみんな、この日を幼い頃からずっと楽しみにするものだ。

 召喚した精霊は決闘者に寄り添い、生涯を共に歩むパートナーとなる。

 精霊は自分を映す鏡。特にこの年齢であれば、多くの男性は強力でかっこいい、力を象徴するような精霊を望むだろう。

 

 だが召喚する精霊を指定することはできない。

 決闘者の性格や内面に応じて精霊が呼応し、決闘者の元に姿を現すのだ。

 特別な資質を持つ者であれば、青眼の銀龍のような伝説的な精霊を召喚することさえあるという。

 

 この青年もまた召喚の儀に望むにあたり、そんな可能性の夢物語に夢想していた。

 

(どんな精霊が来るかな。とりあえず成金ゴブリンとかみたいなゲテモノでさえなければいい……!)

 

 高望みはしない。

 だからどうか、悲劇だけは免れたい。

 そんなひたむきな願いに応えたのかどうか、召喚の光と共に現れたのは見た目の麗しい少女であった。

 

「はじめまして、こんにちは……。これからよろしくね?」

 

 透き通った声色の、けれど芯の通った強かな女声。

 召喚されたのは、青空のように青いレオタードのような魔法の衣装が印象的な、煌めく金髪を腰ほどまで長く伸ばした少女だった。

 後ろに手を組んで前かがみで表情の覗き込んでくる少女に、青年はぼーっと頷き返すことしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

「『ブラック・マジシャン・ガール』かぁ……」

 

 召喚の儀を済ませ、家に戻った青年は一人呟く。

 聞いたことのない名前だった。

 『ブラック・マジシャン』の方であればまだ耳馴染みはあったのだが。

 

 ぶっちゃけ、彼は『もけもけ』『クリボー』あたりの小型の精霊が自分の召喚できる限界だと思っていた。

 実際、召喚の儀ではこういう小さな精霊が召喚されるケースがほとんど。

 それがごくありふれた光景であり、クリボーのように小さな精霊を連れているから見下されたりなんてことはもちろんない。

 だが、だからこそ『ブラック・マジシャン・ガール』のように人型ほどに大きく、賢い精霊はとても珍しい。

 ごく選ばれた少数の人間にしか召喚に応えることはないのだ。

 故に青年は『ブラック・マジシャン・ガール』が召喚に応えてくれたことが不思議でしょうがなかった。

 

 彼は自分が面白みのない人間であることを自覚している。

 稀有な才覚を持つ特別な人間などでは決してない。

 正直、不安な気持ちが強かった。

 自分には不相応な精霊なのではないか、こんな自分に従ってくれるのか。

 青年の中でネガティブな気持ちが渦巻く。

 

 そして、ブラック・マジシャン・ガールという精霊については、知り合いに訊ねてみても詳しく知る人物はいなかった。

 生まれてこのかた女っけのなかった青年がブラック・マジシャン・ガールという可愛いらしい少女と一緒になったことをからかったり羨んだりするばかり。

 結局、彼女について詳しい事は知ることができなかった。

 

 だが詳細が分からなくとも、召喚したものは仕方がない。

 まさか召喚した精霊から逃げ出すわけにもいかないので、青年はおっかなびっくりブラック・マジシャン・ガールと親交を持ち始めた。

 

 だがまず、彼女はとても見た目が麗しい。

 目鼻の整った可愛らしい顔立ちに、肩から胸元まで大胆にはだけた衣装。

 胸元は大きくふくよかに膨らんでおり、どんな姿勢でも深い一筋の谷間が生まれている。

 ウエストは細く美しくくびれており、思わず両手で鷲掴みにしてみたくなってしまうほど。

 お尻はふっくらと大きく柔らかく突き出しており、ふりふりと可愛らしく動くとつい目で追ってしまう。

 しかも太ももまで露出している。

 まっしろに光を照り返すまぶしい太ももは、むっちりと脂肪がついて厚みがあり、硬くも柔らかい絶妙な感触が見るだけでわかってしまう。

 

 青年の警戒心はすぐに絆された。

 女性との親交がずっと希薄だった彼がこんな魅惑の女性を警戒するなんてもとより不可能だったのだ。

 しかもブラック・マジシャン・ガールは性格まで溌剌として明るく、また心優しい。

 彼女は底抜けに明るく、天真爛漫で器量までよかった。

 こんな彼女を、青年が明確な根拠もないままに疑い続けるなどできるはずもなく。

 

 そもそも、青年がブラック・マジシャン・ガールに不安を抱いていたのは、彼女が人間と同程度に高い知能を持ち、言葉を交わせるからでもあった。

 これで凄く嫌味な性格だったり、辛辣で恫喝を繰り返すような恐ろしい人物だったらどうしようという気持ちがあったのだ。

 青年は自分が気弱で内気な性格だと自覚していたから、なおさらだった。

 

 精霊は生涯を共に歩むパートナー。たかが数か月や数年程度の付き合いではない。

 余生をずっと一緒に過ごすことになるのだから、不安に思うのも当たり前のことだろう。

 だが、結果としてその懸念は全て杞憂に終わった。

 彼女はとにかく人当たりが優しくて真っすぐで、ぽかぽかと温かい。

 彼女が一緒なら、なんでもできそうな気がしてくる。

 心の底からそう思えるくらい、彼女を信用していた。

 

 けれど、彼女ほど稀有な精霊がなぜ自分の元にやってきたのかについては、依然として不明なまま。

 召喚されるにしても、もっとこう、華のあるイケメンではないか思う。

 すらりと手足が長いモデル体型の彼女なら、並び立ったらさぞ絵になることだろう。

 自分のような垢ぬけない容姿の低身長では、とても不釣り合い。

 

 一体なぜ彼女は召喚に応えてくれたのか。

 もちろん、何度かそれとなく本人に直接聞いてみたことはある。

 だが、そのたびににこにこと優しく微笑んで誤魔化されてしまうのだ。

 

 気づいた頃には、召喚の日から半年ほどが経過していた。

 青年はその間にブラック・マジシャン・ガールとデッキレシピを相談したり、新しいパックを剥いて一緒に一喜一憂したり、対戦会の手札事故の責任転嫁をしたり。

 おおよその決闘者が精霊と仲を深める一般的な方法で親睦を深めていった。

 互いに信頼しあう相棒として、お互いを認めつつあったのだ。

 

 もう召喚した当初のような不信感は、ブラック・マジシャン・ガールには抱いていなかった。

 自分にはもったいないほどの相棒だと思う。

 疑っていた自分の方が信じらない。

 あの頃を思い返すと、むしろ罪悪感で心が痛むほどだ。

 

 彼女について悩むことがあるとすれば、スキンシップが激しいことくらいだろうか。

 デッキを弄れば後ろから顎を乗せて覗き込んでくるし、食事の際は暇なのかぴっちりと真横に座って体重を預けてくる。

 彼女の一挙手一投足が女性慣れしていない青年にはあまりに辛すぎる。

 顔を赤くしながら気づかないフリをしてもじもじすることしかできない。

 

 しかも最近は夜寝るときに一緒に布団の中に潜り込んでくる。

 かろうじて前は防いでいるが、ぎゅっとうしろから抱き着いてくるのだ。

 さらに脚まで絡ませてくる。

 青年は煩悩で頭がおかしくなりそうだった。

 

 でもきっと、ブラック・マジシャン・ガールは全て天然でやっているのだろう。

 あの汚れを知らなさそうなあどけない表情を見れば間違いない。

 なればこそ、彼女を裏切るような真似はしまいと青年は己に誓っていた。

 そうして毎晩背中に押し付けられる巨大で重量のある柔らかい二つの塊に思考をかき乱されながら、よからぬ誘惑に必死に抗っていたのだ。

 

 だがある日のこと。

 ブラック・マジシャン・ガールを信頼し、同時に彼女を裏切るまいと努力しているはずの青年に、ふと魔が差した。

 唐突に思い立って、ブラック・マジシャン・ガールについて調べようと思ったのだ。

 

 青年の知己にブラック・マジシャン・ガールを知るものはいなかったが、いくらなんでも決闘者の中で過去自分しか召喚したことがないということはないだろう。

 彼女についての詳細や評判を調査するため、青年は慣れ親しんだインターネットの力を借りることにした。

 インターネットで調べてみれば、ブラック・マジシャン・ガールがどんな精霊なのか、どんな人物の元に召喚されるのかがわかるはずだ。

 

 そんなわけで、青年は知的好奇心に負けておっかなびっくりスマホの検索フォームに『ブラック・マジシャン・ガール』と入力していった。

 これでインターネット上の評判を調べてみれば、少しくらいは彼女ことがわかるはず。

 まるごと鵜呑みにするつもりは無くとも、参考程度にはなる。

 

 だが青年は、検索の結果を待たずに一抹の不安を覚えることとなった。

 

「え……?」 

 

 検索エンジンのテキストボックスに『ブラック・マジシャン・ガール』と入力した際に出現する、検索サジェスト。

 関連度の高い語句や、よく一緒に検索されるキーワードを先んじて表示する機能。

 検索を実行するまえに、それらが羅列されたのだ。

 

『ブラック・マジシャン・ガール かわいい』

『ブラック・マジシャン・ガール エロい』

『ブラック・マジシャン・ガール スリーサイズ』

『ブラック・マジシャン・ガール 召喚したい』

『ブラック・マジシャン・ガール 距離 近すぎる』

『ブラック・マジシャン・ガール 性欲 強すぎ』

『ブラック・マジシャン・ガール セックス 断り方』

『ブラック・マジシャン・ガール セックス 離してくれない』

『ブラック・マジシャン・ガール セックス 終わらない』

『ブラック・マジシャン・ガール 毎日は無理』

『ブラック・マジシャン・ガール 体力 もたない』

『ブラック・マジシャン・ガール 召喚 キャンセル』

『ブラック・マジシャン・ガール 帰ってもらうには』

『ブラック・マジシャン・ガール 送還 話 切り出し方』

『ブラック・マジシャン・ガール 怒らせた なだめ方』

『ブラック・マジシャン・ガール 許してくれない』

『ブラック・マジシャン・ガール バレない 逃げ方 コツ』

『ブラック・マジシャン・ガール 強制送還 効かない なんで』

『ブラック・マジシャン・ガール こわい』 

 

 出るわ出るわ不穏なキーワード群。

 セットで表示される語句のほとんどが不穏。

 しかも内容が彼女のどうやら強すぎるらしい性欲への悩みが大部分を占めている。

 あまつさえとうとう手に負えなくなったのか、下の方に行くにつれ彼女を送還したり逃げ出そうとしたりしている。

 

 サジェストしか見てないから判断は難しいが、もしかしてブラック・マジシャン・ガールにはまだ知り得ぬヤバい本性があるのでは……?

 怪訝に思いながら、青年は具体的な情報を求めて更に検索をかけてみた。

 

 いくつか表示される広告ビッシリで内容スッカスカのいかがでしたか記事のスルーを繰り返した末。

 辿り着いたのは、青年と同じくブラック・マジシャン・ガールを召喚してしまった人物が書き残した個人ブログ。

 よくある個人用備忘録、などと銘打たれた有能記事の気配を感じ、これなら望んでいた情報が手に入りそうだと思いページを開く。

 

 結論から申し上げると、この記事を読んで青年の不安な気持ちが払拭されることはなかった。

 むしろその逆。

 この記事は衝撃的な書き出しから始まり、そして筆者を例に、どんな人物の元にブラック・マジシャン・ガールが訪れるかを考察していた。

 

 

 ──ブラック・マジシャン・ガールは、人間男性から精を搾りとってエナジーを奪う極めて危険な精霊である。

 彼女らはあどけない無垢な少女を装って召喚者と親密になり、性行為に持ち込んでエナジーを吸い取る習性がある。

 ブラック・マジシャン・ガールはただちに召喚を禁ずる必要のある超危険精霊である。

 

 ブラック・マジシャン・ガールを召喚する条件は大きく分けて三つ。 

 第一に、男性であること。

 第二に、気弱でコミュニケーションが苦手な内向的な性格であること。

 第三に、親密な女性が交友関係にいないこと。

 

 すなわち、これらの条件はブラック・マジシャン・ガールが召喚者を誰にも奪われず"独り占め"するのに必要な要項。

 ブラック・マジシャン・ガールはきわめて愛の深い精霊であり、パートナーたる決闘者へそれを注ぎ込むことに強い意欲を抱いている。

 そのためには手段を選ばない。

 己の伴侶を愛したいという巨大で重たい感情をぶつけるためならなんでもする。

 

 精霊は呼ばれるよりずっと以前から自らに相応しい決闘者を見定めており、決闘者が20歳になる日をずっと待ち望んでいるという説がある。

 つまりあなたは、他の女から水を差される懸念も無ければ、自分以外の女に心が移ろう心配もない女に日照った決闘者として、ずっと昔からブラック・マジシャン・ガールに目を付けられていたのだ。

 だから、とうとう召喚してしまったあなたはもう、諦めるしかない。

 

 そんな内容が、そのブログには書いてあった。

 

「……」

 

 ショッキングな文面に生唾を飲み込みながらも、スマホの画面をスクロールして続きに目を通していく。

 

 冒頭に記したとおり、ブラック・マジシャン・ガールは決闘者とある程度親密になった段階であなたを誘惑し性行為を迫ってくるが、決してこれに応えてはならない。

 彼女たちと交わることで決闘者は快楽に溺れ、依存し、堕落していく。

 彼女たちは性行為を通じて決闘者から精とエナジーを奪う。

 ひとたび体を許してしまえば最後、もう自分の意思では離れることもできずに吸い殺されてしまうだろう。

  

 思わず頬が引き攣る内容だ。

 確かにこのブログの内容は、青年の境遇と一致している。

 青年は内向的な性格であるし、人生をどれほど遡っても異性と親しくなったような覚えはない。

 ブログの通りだ。ブラック・マジシャン・ガールが求める決闘者の傾向に確かに合致している。

 

 だが、ブラック・マジシャン・ガールが人の精をを吸い尽くすような危険な精霊だなんて。

 けれど、検索サジェストを思い返せば、確かに悉くが強すぎる性欲に悩まされるもの。

 あまつさえ、召喚した者が拒否したり逃げようとしたりしている痕跡さえあった。

 実際に検索したわけではないが、信憑性のある話になってきていることに青年は焦りを覚え始めていた。

 もう少し、さらりとスマホの画面をスクロールする。

 

 あなたがまだ彼女たちに体を許していないなら、まだ間に合うかもしれない。

 急いで彼女にバレないように精霊召喚管理機関に駆け込み、送還処置を取るべきだ。

 それから。

 この記事を読んだことが、決して彼女たちにバレないように。 

 

「今はこんな便利なのがあるんだね」

「ッ!」

 

 この半年で耳によく馴染んだ女性の声。

 それが、耳元から聴こえてきた。

 慌ててベッドから飛び退く。

 

 ベッドに腰掛けていた青年の背後から、ブラック・マジシャン・ガールがいつの間にか一緒になってスマホの画面をのぞき込んでいた。

 精霊は決闘者に付き従うもの。ブログを読み耽るのに夢中になって、そんな基本的なことさえ青年は忘れていた。

 

「こ、ここに書いてあることって……」

 

 固唾を飲み込みながら、青年はおそるおそるブログの真偽をブラック・マジシャン・ガールに直接問うた。

 

「んー……? まあ、おおよそ本当かな」

 

 青年の額を、冷や汗が伝う。。

 ブラック・マジシャン・ガールは確かに青年をずっと付け狙っていた。

 20歳を迎えて召喚の儀を行う日を、ずっと心待ちにしていたのだ。

 なら、この半年ブラック・マジシャン・ガールと過ごした時間は、油断させて懐に潜り込むための……。

 

「っ!」

 

 青年は部屋から脱出しようと駆け出した。

 こんな密室でブラック・マジシャン・ガールと二人きりでいたら、精を搾られて吸い殺されてしまう!

 そんな脅迫観念から、半ばパニック状態で青年は玄関目掛けて走り出した。

 大慌てで靴も履かずに玄関のドアに飛びついて部屋からの脱出を図る。

 

「あ、開かない!?」

 

 だが、玄関のドアは固く閉じられておりビクともしなかった。

 

「……ひどいなぁ。なんで逃げようとするの……?」

「ひっ!」

「……この一か月で、私とマスター、とっても仲良くなれたよね?」

 

 苦笑いを浮かべたブラック・マジシャン・ガールが、青年を玄関に追い詰めるように、そして問い詰めるように歩みだす。

 

「……なのに、なんで急に私から逃げるの?」

 

 怯えた様子の青年がドアを背にして振り返る。後ずさろうにも、もう自分の逃げ場はどこにもない。

 

「私と過ごした半年より、あんなブログに書かれてたことを信じるの?」

 

 振り返って見たブラック・マジシャン・ガールは、この半年で一度も見せたことのない様子だった。

 伏し目がちに俯き、何かを抑えつけるように胸元を手で抑えつけていた。

 

「私、まだなんにもしてないじゃん」

「こ、こないで……!」

「なのに、マスター。どうしてそんなに怯えた表情で私を見るの……?」 

 

 こつ、こつ、と静かに、ゆっくりと足音を立ててブラック・マジシャン・ガールが歩み寄ってくる。

 

「ひどいじゃん。かなしいじゃん」 

 

 幽鬼のようにふらふらと、静かに、どんどん近寄ってくる。

 

「……私、マスターのこと大好きなんだよ? ずっと我慢してたんだよ?」

 

 青年にだけ聞こえる声量で、ぶつぶつと呟きながら。

 

「なのにさ、突然マスターにそんな態度取られたらさ、私……」

 

 俯いていたブラック・マジシャン・ガールが、ゆっくりと顔を上げた。

 困ったように形のいい眉を下げた彼女の表情は。

 

「マスターのことレイプするの、我慢できなくなっちゃうじゃん……♡」  

 

 ──堪えがたい色欲に濡れていた。

 

 



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07

「……なーんて、冗談だよっ!」

「へ?」

 

 パッ、と両手の手のひらをこちらに見せながら、ブラック・マジシャン・ガールが朗らかに笑った。

 

「本気にした? 精霊は決闘者の相棒なんだよ? 精を搾り尽くすなんてさ、そんなひどいことするはずないじゃん!」

「そ、それはそうだけど……」

 

 常識的に考えればその通り。

 でも、なら先ほどのブログに書いてあったことは一体……?

 当然の疑問を抱きながらも、豹変したブラック・マジシャン・ガールの態度に、青年も身構えていた体から力を抜き始める。

 危険な雰囲気が霧散したブラック・マジシャン・ガールにすっかり毒気を抜かれたのだ。

 そうしてすっかり油断した青年にブラック・マジシャン・ガールが素早くにじり寄って、青年の両手をとって、祈るように両側から手で包み込んだ。

 

「ほら、マスター。私の目を見て? そんなひどいことする目に見える?」

「え……?」

 

 ブラック・マジシャン・ガールにされるがままに壁際に追い詰められて、青年はおもわずブラック・マジシャン・ガールと目を合わせてしまった。

 翡翠のように深みのあるグリーンの瞳。青年が無意識のうちに、いつも綺麗だなと思っていた彼女の目。

 

「ほら、よぉーく見て……?」

 

 南国のリゾート地の海のように澄んだ美しくて淡い緑色。

 見ているだけで奈落の底を覗き込むように惹かれてしまう。

 目を逸らそうという気さえなくなる。

 

「──」

 

 その目を見つめる。

 一心に、ひたすら。

 無心になるほどに。

  

「──」

 

 だんだん視界がぼやけてくる。

 意識が集中して、一点に集まっていく。

  

「ほら、瞳の奥、もっと奥を見て……?」

「──」  

 

 言われるがまま、吸い込まれるようにもっともっと瞳を見つめる。

 その奥底にある何かを暴くように、覗き込むように。

 

 そうしたら、瞳の一番奥に。

 小さな小さな何かがあった。

 目を凝らしてようやっと見つかる、とっても小さな何か。

 

「どう……見えてきた……?」

 

 よーく見ると、それはかわいらしいハートマークをしていた。

 

「それが、私の気持ちだよ。マスター……♡」

 

 小さな小さなハートマーク。

 ぼーっとそれを見つめる。

 

 それは、なんの前触れもなくチカッと眩い桃色の閃光を放った。

 

「……ぁぇ?」

 

 ──その瞬間、青年の身体がたちまち血の気が引いていく。

 眼球を通して、脳神経に何かを注入されるような気分。

 どんどん、どんどん、頭の中が冷えていく。

 

 脳みそに直接液体窒素を噴霧されたような錯覚。

 しゅうしゅう冷気が頭脳に染み込んでいく。

 それに応じて急速に冷静になっていき、思考が小さく細くなる。

 異様な落ち着き方に奇妙な恐怖を感じながらも、青年はブラック・マジシャン・ガールの目を覗き込んだまま目を逸らすことができなくなった。

 

「っ、……。っ?、?」

 

 気づけば青年は目を大きく見開ききったまま瞬きも忘れ、食い入るようにブラック・マジシャン・ガールの瞳の奥を凝視し続ける。

 とくん、とっくん、どくん、どっくん。

 心臓の音が場違いのようにどんどん大きくなってきて、自分の心拍音しか聞こえなくなる。

 

「……? なん、、? ……あ……、え?」

 

 唇が小刻みに震える。

 異様に落ち着き払った思考で、脳みそを覆う冷気が急速にじ沸き立つように熱を持ち始めたことを自覚していた。

 最初はぼんやりと、それからとくとく、じんじん、じゅくじゅくと。

 まるで高熱に浮かされるような感覚でもあり、酒に酔ったような感覚でもあり。

 それに脳みそが熱に蕩けていくような錯覚が混ざる。気づけば、耳から聴こえる音が遠くなっていった。

 

 うるさいくらいだった自分の心臓の音でさえ、とくん、とくん……と気配が消えていく。

 動画のボリュームを下げるかのように、少しずつ、けれど確実に世界の音が遠く、小さく消え入っていく。

 

「マスター、聞こえる? あれれ……もう出来上がっちゃったかなぁ?」 

「ぁ……ぇ……?」

 

 靄の掛かった視界の向こうでブラック・マジシャン・ガールが口を開閉しているが、何を言っているかわからない。

 彼女の可愛らしい声が頭の中をわんわんと反響するが、スローで再生したかのように聞き取れない。

 青年の反応を確認するようにブラック・マジシャン・ガールが手のひらを振っているが、青年はそれを目で追うこともできなかった。

 

「うそ、ほんとに……? どーしよ、マスターがチョロすぎて心配になっちゃうな……♡」

 

 カメラのレンズに脂を塗りたくったように滲んだ視界。

 その先で、ブラック・マジシャン・ガールの端正な顔立ちがぐぐんとこちらに近寄ってくるのが見えた。

 

「でも大丈夫。マスターはわたしが一生一緒にいるんだからね……♡」 

 

 さっきまでの青年であれば悲鳴でも上げながら身を捩っただろうに、著しく思考力が低下した青年にはそんな抵抗すら許されない。

 

 青年の口の中に、生温かいなにかが入ってきた。

 

「んちゅ……♡ れろぉ、はむ……♡」 

「っ……、んぅ……、?、?」

 

 青年はほとんど働かなくなった頭で、口腔内を這い回る"なにか"の感触に気味の悪さを感じた。

 我が物で唇や口の中を舐めまわす何かに、なんだかきもちわるい、という漠然とした感覚を抱いた。

 すぐ近くにあるぼやけたブラック・マジシャン・ガールの顔にうっすらとした寒気を感じながら、この感覚から逃げようと体を捩って離れようした。

 

「ぢゅる♡ れろぉ、んむ、ぢゅ♡」

「?、?」 

 

 だがブラック・マジシャン・ガールは青年の動きを封じるように足をキツく青年に絡み合わせ、キスから逃げられないように両腕で青年の頭をかき抱いていた。

 何もわからなくなった青年は、それならせめてと口の中を舐める何かから逃げようと舌をひっこめた。

 

「んっ♡ ぢゅるるぅぅぅ~~~っ♡」

「……?、んぢゅぅ、ぅ?」

 

 なのに、舌が引きずりだされた。

 ブラック・マジシャン・ガールの柔らかい唇に舌を吸い出され、舌全体に唾液を塗りたくりながら、舌をやさしくしごき上げられた。

 そして引き込まれた先で、舌先がまた温かい何かに纏わりつかれる。

 ちろちろと先端を細かく舐めたり、れろれろとしつこく舐めまわしたり、自分の舌が好き勝手蹂躙される。

 それに応じて、自分と異なる温度の唾液が舌に染み込んでいき、びりびりと甘く痺れるような感触が伝わってくる。

 ぬくぬくと生暖かい何かと自分の舌の温度が混ざり合い、溶けて一つになったかのように感じ出す。

 

「ちゅ♡ れろ♡ れりゅ♡ んちゅ♡」

「んむ、……、ちゅ……」

 

 いつのまにか青年の目は、とろんと甘くとろけていた。

 思考力を根こそぎ奪われ、自分が今なにをされているのかわからないまま気持ちよくされ。

 当初は不気味な生温かい感触を警戒していた青年の思考も、いまや理解を放棄し、それから与えられる快楽の信号を発し続けるだけ。

 ブラック・マジシャン・ガールの魅了が眼球を通して脳みそに浸透してしまった青年は、もう自分でなにもすることができない。

 

「れろ、んむ……ぷはっ♡」

「、?、ぁぇ……?」

 

 なのに、そのきもちいいが突然終わってしまった。

 しつこく貪るように吸い付いていたブラック・マジシャン・ガールの唇が、糸を引いて青年の口からゆっくり離れたのだ。

 

「ぁ、ぁー……」

 

 もうまともに物を考えられない青年は、なくなったきもちいいを求めて、虚空に必死に舌を伸ばす。

 そんな青年の様子にブラック・マジシャン・ガールは瞠目しながらも、頬を桜色に染め胸を高鳴らせていた。

 

「ちょ、マスターえっちすぎでしょ……♡ ちょっとの辛抱だから、我慢してね? これからもっと気持ち良いんだから……♡」 

 

 ぼやぼやに滲んでよくわからない視界の向こうで、青いなにかが下へとずり落ちた。

 代わりに視界のうち、肌色が占める割合が大きくなった。

 ピントの合わない景色のなかで、ふるふると揺れる肌色。

 それが、ぐんぐん近づいてくる。

 そして、おおきい肌色の先端にある、パステルみたいに淡い桃色の部分が無理やり口に突っ込まれた。

 

「んぐ、? ……?」

 

 顔全体がぷにぷにとした柔らかい肌色に覆い潰される。

 沈むように柔らかい肌色は青年の顔を押し返そうと強い弾力を伝えてくるが、ブラック・マジシャン・ガールに頭を抱えられているのでぷにぷにの肌色からは逃げられない。

 そして、それと一緒に先ほどのきもちいいの代わりに口の中にやってきたのは、こりこりとした小さな突起。

 青年は反射的にぺろぺろと突起を舐めてみるが、くすぐったそうに震えるだけで、きもちよくなれない。

 ほとんどない意識で、快感を求めてぺろぺろと突起を舐める青年の頭を、ブラック・マジシャン・ガールが優し気に撫でる。

 そして、青年に押し付けた肌色──おっぱいを、力強く揉みしだいた。

 

 次の瞬間、青年の口内に注ぎ込まれる甘い液体。

 

「!?、んぐっ、んぐ、 んぐっ!」

「気持ちよくなれるから、いっぱい飲むんだよー?♡」

 

 とめどなく濁流のように流れ込んでくるほかほかの液体に、青年は逃げることもできずに飲み下し始める。

 柔らかくて甘いとろみのあるおいしい何かが、喉を通って身体の中に入っていく。

 

「ほら、ごくごく、ごくごく。がんばれ~っ♡」 

 

 じんわりと熱をもってどんどん体に吸収されていく感覚が、明瞭に感じられた。

 ……いや、それどころではない。

 まるで氷ブロックの内側に灼熱のマグマを注がれたように、体内がカッと発火したように燃え上がり。

 

 ──ぶびゅっ! ぶびゅるるるるるるるるーーーっ♡ 

 

「あはっ♡」 

 

 背中を大きくのけぞらせ、身体を激しく痙攣させてズボンの中で大量射精。

 口内に注がれる液体を飲み込むたびに腰がビグンッ!と痙攣し、どびゅると精を吐き出してしまう。 

 

「もっといっぱい飲も?♡」 

「んぐっ!、んぐっ!?」

 

 びゅぐ! びゅるるるっ! 

 

 熱い液体を飲むと、その分だけ射精する。

 液体が喉を通る感覚でイき、体が吸収する感覚でイく。

 気づけば体は無我夢中に口内につっこまれた突起にしゃぶりつき、熱い液体を飲み干そうとしていた。

 

「マスターのことを想ってつくった特製ミルク、いっぱい飲んでね……♡」

「んぐっ、んぐ、 んぐっ!」

 

 ぶびゅっっ! ぶびゅるるるっ! びゅるるっ!

 

 頭の中が真っ白になって、絶頂の一番上から降りられなくなって、なのにまたミルクを飲んで射精する。

 ズボンを精液でぐしょぐしょにしながら、頭がおかしくなったみたいにミルクを飲んで射精する。

 わけもわからずミルクを飲みまくり、焦点の合わない目で射精しまくる青年。

 それを見てブラック・マジシャン・ガールがにへら、とだらしなく幸せそうな笑みを浮かべていた。

 

 マスターのことだけを丹念に懸想してつくったブラック・マジシャン・ガールの特製ミルク。

 それは強烈な快感と多幸感、強壮効果をもらたし、快楽へ依存させる効果をもった媚毒。

 大好きなマスターを、射精しか能のない肉袋にするための猛毒。

 青年がおかしくなったようにガブ飲みしているミルクの正体は、それだった。

 

「ぁ…んぉ…ぁあ……へぁ……♡」  

 

 そしてブラック・マジシャン・ガールもまた、快感に全身の筋肉を弛緩させていた。

 だらしなく口をぽかんと開けて、脱力した喘ぎ声を上げながら口の端からとろりと涎を垂らしている。

 母乳と一緒に抜け出ていくかのように、力が抜ける。

 乳首を吸われる快感に、熱に浮かされたような気分になる。

 

「ん……♡ もっと吸って……♡」

「んぐ、ん、んぐ……!」

「ぉ……あ……ふぁ……♡」

 

 ブラック・マジシャン・ガールは、静かにイっていた。

 ふんわりと、綿に包まれるような優しくてスローな絶頂。

 まどろみのなかで、もう一度眠りにつくような、甘えつくような優しい絶頂。

 青年からは見えない位置で、腰をヘコつかせ、股に愛液を滴らせる。

 

「んぐ、ん、ごくっ!」

「はへ……ほぁ……♡♡♡」 

 

 またイく。

 羽毛で撫でるような穏やか絶頂。

 抗いようのない快感。

 母乳と共に、また力が抜ける。

 

「んぐ、んぐ、んぐっ!」 

「ぉ……♡♡ す、吸い過ぎぃ……♡ は、はわぁ……♡♡♡」

 

 とってもやさしくて、きもちいいかんじ。

 それをマスターが与えてくれている嬉しさと、愛おしさ。

 意識が遠のくような浮遊感。

 遠い場所に導かれているような。

 

「ちゅ、ごく……んぐ」 

「ま、まだイってる途中なのに……♡ や、やぁ、吸わな……またイっ……っはへぇ♡♡♡」

 

 緩く優しい、授乳の快楽。

 大好きなマスターにおっぱいを与えている多幸感と、夢中になって吸われることで生まれるふんわりとした快感。

 

「んぉ……ふわぁ……♡」

 

 流れ出る母乳とともに力が抜ける心地よさ。とても我慢できない。

 へこへこと腰を動かしながら、おっぱいを飲ませることで頭がいっぱいになる。

 

「お、ぉ……♡ そんな吸……へぁ……ぁ♡」

 

 また、絶頂。

 綿毛のように優しい、ふわふわの絶頂。

 幸せな気持ちでいっぱいになる。

 弛緩する脚を、けれど今度はしっかりと力を込めた。

 

 青年がおっぱいを飲んでいる間も、射精は続いていた。

 いまやズボンは白濁液でぐしょぐしょ。

 そんな青年を、ブラック・マジシャン・ガールは優しく抱き上げた。

 

「ふー……っ♡ ふー……っ♡ せーえきもったいないから、そろそろベッドいこっか……♡」 

 

 ブラック・マジシャン・ガールの言葉を理解する知能はもう青年にはない。

 つまさきを地面から10㎝ほど離されると、股をカエルのようにだらしくなくおっぴろげてまた射精する。

 ミルクをたらふく飲んで、絶頂しながら飲んだ分だけ全部精液にかえてまたズボンの中にぶちまける。

 

 上も下もわからない青年には、自分が仰向けにベッドに寝かされたこともわからない。

 だが、顔面に密着していたおっぱいが離されたことで射精地獄から解放されたことくらいはわかった。

 

「おまたせ、マスター。これから、もっともっときもちいいからね……♡」 

「、……?」 

 

 思考を奪われてずっと射精の快感に身を委ねていた青年は、途絶えた授乳によって射精も収まっていた。

 だが、継続的に与えられていた快感を体は求め続けており、その証拠にカクカクと虚空に腰を突き出している。

 そんな青年の上に、なめらかな手つきで白いレオタードの布地を股間からずらしたブラック・マジシャン・ガールが、ゆっくりと跨る。

 

 毛一つ生えていないつるりとしたぷにまん。

 授乳によってしあわせな甘イキを繰り返した彼女のあそこは、すっかり前準備を終えてほかほかのとろとろ。

 今すぐにでも男性器を迎えられることを示すように、亀裂からとろりとした透明な蜜が零れ出していた。

 

 青年の竿を優しくつかまえ、ブラック・マジシャン・ガールは躊躇いもなく自らの秘所に亀頭をあてがった。

 にゅむ、と青年の男根が柔肉の亀裂をかきわけて、蕩けた膣の中に飲み込まれていく。

 

「……ぁ……?」

 

 股間の先端から伝わる、熱く痺れる感触に青年が身じろぎを始める。

 亀頭が少しずつ熱くてぬめぬめしたものに覆われていく感覚。

 気持ちいいはず。なのに、思考のどこか奥で、本能が警鐘を鳴らしている。

 まずい。それはいけない。抵抗しないと。逃げ出さなきゃ。

 そんな気持ちでいっぱいになってきて、投げっぱなしだった両手を自らに跨るブラック・マジシャン・ガールの太ももに添えた。

 

「んー? 魅了が弱ってきたかな? でも、むしろこれくらいのがちょうどいいよね……?♡」 

 

 もやの晴れ始めた視界で、自分に跨るブラック・マジシャン・ガールが少しずつ見えてくる。

 嬉しそうに、愛おしそうに、辛抱たまらなそうに微笑む彼女の顔。

 逃げられなくなった獲物を、いざこれから平らげようとする捕食者の笑み。

 

「ぁ、れ……? これ……なにを……?」

「──♡」 

 

 この期に及んでいまだに自分の置かれた状況が把握できていない、哀れな獲物。

 そんな愛おしい彼を見下しながら、ブラック・マジシャン・ガール艶のいい唇を、ゆっくりと舌なめずりする。

 

「わたし知ってるよ。マスターって童貞だもんね。マスターのはじめて、わたしが貰っちゃうから……♡」

 

 ろくな女性関係もないのに『将来一緒になる伴侶のために』と20歳になっても風俗にも通わず大切にとってあった青年の童貞。

 それが、本人の意識もないまま、合意なしに奪われようとしている。

 ブラック・マジシャン・ガールは特上のご馳走を前にしたような高揚と共に、小さく浮かせていた腰をゆっくりと味わうように降ろしていった。

 ぴっちりと閉じた秘裂の中、ほくほくの柔肉牢獄へと亀頭が無理やり呑みこまれていく。

 

 ぬ──りゅ、りゅむぅ……♡

 

「ッ!?」

「んっ……♡」

 

 みちみちに詰まったキツいまんこ。

 中は高温かつ湿潤にぬめりを帯びており、亀頭が膣壁を押し分けてにゅむにゅむと奥に飲み込まれていく感覚に全身の肌が粟立つ。

 ぎゅうぎゅうに締め付けてくる膣を、にゅるりとかき分けて竿が進んでいく。

 そして膣内をもりもり進んでいく竿が、まるで阻む気のない処女膜をぷちりと突き破ってしまう。

 

「んッ……♡ あーあ、マスターにわたしの処女奪われちゃった……♡ 責任とってもらわなくちゃ……♡」

 

 人間の女性であれば鋭い痛みに顔をゆがめるところを、精霊たるブラック・マジシャン・ガールはむしろ淫らに口を吊り上げて喜んだ。 

 破瓜直後なのにも関わず、上に乗った姿勢のままブラック・マジシャン・ガールが青年の一部を捕食するように更に更に呑み込んでいく。

  

「んっ♡ マスターので……おなかぱんぱんになってく……♡」 

 

 下腹部を撫でながらうっとりと瞳を潤わせて、肉棒を咥えこんだことによる窮屈な圧迫感に恍惚と頬を染める

 背筋から脳髄目掛けてジリジリと焦げ目をつけるようゆっくりと這い上がってくる電流めいた快感。 

 じりじり、ずいずい。快楽がねっとりと、どこか上へとあがっていく。

 

「ぅ……ぁ……!」 

 

 そして秘所に飲み込まれた肉棒の鈴口が、最奥の子宮口にちょん、と当たった。

 男の子からの優しいフレンチキスに、子宮口も乙女のようにうっとりと、控え目にちゅ……♡ とキスを返した。

 

「ゃ、離し……!」

 

 だがここで青年が僅かに意識を取り戻し、ぷにまんに咥えこまれた肉棒を引き抜こうと腰を下げた。 

 ──その瞬間

 

「やだ♡」  

 

 乙女のようにお淑やかにおちんちんの訪れを待っていた子宮口の様子が豹変。

 

「ぉ˝……吸わ……!?」

 

 引き下がって逃げようとする鈴口に対し、ぐぐいと子宮が亀頭を捕まえに下がりいまさら逃がすものかと子宮口が吸盤のようにぢゅぅぅぅ~~~っ♡ と強烈に吸い付いた。

 その間もブラック・マジシャン・ガールは腰をゆさゆさと揺らし、蜜壺にしゃぶられた青年のペニスをうねる肉舌で嬲り尽くす。

 ほかほかの膣の体温でペニスを溶かすように、もぐもぐと肉棒全体を咀嚼するかの如くしゃぶりつくす。

 ブラック・マジシャン・ガールの腰が小さく揺らすように上下運動するたび、肉棒をキツく締め上げた膣の中から小さな水音が響く。

 

 ゆさ、ゆさ……♡ たゆっ、ちゅぷ……♡

 ゆさっ♡ ぐちゅ……♡ にゅちゅ♡ ぢゅぷっ♡ 

 

「あはぁっ♡ マスターの、♡ これ、すご、いっ……♡」

「や、な、膣内にでちゃっ、……離し……!」

「や、ーだ……♡ マスターの、精液……♡ ぜんぶちょーだい?♡」

「やぁ、やぁ……!」

 

 膣内に出したら、エナジーを吸われてしまう。

 魅了が解けかかった青年はそれを思い出し、ぐんぐん性感が上昇していくことに危機感を覚えていた。

 だが、いくら必死に体をよじって暴れても、腰の上にずっしりと重い巨尻がのしかかっていて振り落とせない。

 その間も子宮口はぢぅ~~~っ♡ と暴虐的に鈴口を咥えこんでおり、射精を促すようにきつく締まった膣が竿をもみほぐすように蠕動している。

 もう、射精まで幾許もない。

 

 ゆさ、ゆさ……♡ ぐちゅ、たんっ♡

 ゆさ、ゆさ……♡ にゅちゅ、くちゅ♡

 

「ほんとに出ちゃ、やだ、どいてぇ!」

「やだやだ♡ マスターだいすき♡ ずっと一緒♡ 精液ぜんぶなかにだして♡」 

「や、腰とめ、……!」

 

 青年がブラック・マジシャン・ガールの腰に掴みかかり、力づくで振り落とそうとする。

 だが、伸ばした両腕は容易くブラック・マジシャン・ガールの両手に捕まえられ、取り上げるようにして仰向け寝そべったまま両手首を中空に固定されてしまった。

 

「ほ~ら、ばんざ~い♡」

「あ、ああ……は、離せ……!」

「こんな女の子にマスターは腕力で負けちゃうんだぁ~?♡ 」

 

 ブラック・マジシャン・ガールの手を振り払おうと前に後ろに腕を動かそうとしても、もはやビクともしない。

 こんな華奢な少女に青年は腕力で完封されて、もう為す術もない。

 

「いいのかな~?♡ はやく抜け出さないと、マスターは射精依存症のわたし専用エナジータンクになっちゃうぞ~?♡」

 

 ブラック・マジシャン・ガールが両腕を捕まえたまま状態を倒してきて、腕もベッドに縫い付けるように固定されてしまう。

 ずっしりと重いおっぱいが胸板の上でむぎゅうと潰れ、ブラック・マジシャン・ガールの顔が逆光で暗くなる。

 さらりとした金髪で視界を囲まれ、爛々と輝く嗜虐的な瞳に見つめられて、どこにも逃げられない。

 

「う、やめ……! はなして……おねがい……!」

「マスターぁ、すき……♡ ね、ずっと一緒にいよ? わたしとずっとえっちしてよ?♡ 」

 

 ぬちっ♡ ずちゅっ♡

 ぐちゅ♡ くちっ♡

 

 ねっとりとしつこく、ぬるぬるの膣壁がぎゅうぎゅうにペニスを締め付けてしごき上げる。

 ぬるま湯のように温かい熱をもった柔肉が甘えるように亀頭に密集して、青年の脳に快楽信号を濁流としてぶちこむ。

 

「射精したらマスターとずっと一緒♡ 射精したらマスターと一生えっち♡ 合意♡ 同意♡ 実質プロポーズ♡」 

「や、ばい、離しっ、出ちゃうからぁ……っ!」

「射精したら同意♡ 射精したら同意♡ イけっ♡ はやくイけっ♡ さっさと射精しろっ♡ むりやり屈服射精プロポーズさせられろっ♡」

「ぁ、ぅぅ……!!! ほんとにだめ……っ!」

 

 このままずっとブラック・マジシャン・ガールに抱き締められて精液を搾られて、母乳を飲まされてまた搾精されて……。

 ずっと射精してないと落ち着かない、ブラック・マジシャン・ガールでしか射精できないエナジータンクされてしまう。

 でも、どんなに抵抗しても逃げらない。お願いするしかない。でも聞いてくれない。 

 そして子宮で亀頭を潰すようにぐり、と腰を押し付けられた瞬間に精液が込み上げてきて、

 

「~~~~っ!!!!♡」 

 

 とうとう肉棒が最高潮を迎えてしまった。

 

 ぶびゅるるるるるるるーーーっ♡

 びゅーーーっ♡♡ びゅううううううっ♡

 

 こってりとしたネバネバの精液が、尿道から強引に引きずり出される。

 授乳されて勝手に射精してしまったときとは別格の快感。

 うどんのように一本の細い固まりになった濃厚な精液が、尿道から膣奥へと無理やり啜り出され、精液が尿道を擦り上げる快感に脳が焼き付く。

 更に、鈴口が強烈にバキュームされる感触。

 

 ずぎゅるるるるっ♡♡ ぢゅぅぅぅぅぅぅぅ♡♡♡♡♡

 ずぎゅぅぅぅぅ~~~~~~っ♡

 

「ぉ゛ごっ……!?」

「ふわぁ……♡ぁ、はぁ……っ♡ ちょ、これ……ッ♡ 良すぎるかも……っ♡」 

  

 まるで体の中身がまるごとドロドロの液状に溶けだして、それがペニスの中を通ってブラック・マジシャン・ガールの中に吸われているみたいな錯覚。

 それと同時に感じるのは、尋常ならざる快感とともに腰のずっと奥から何かが漏れ出れて、搾り出される感覚。

 奥の方にあるなにか大切なものが、凄まじい吸引力によって無理やり啜り出されているかのような。

 吸血鬼が首筋に噛みついて血液を吸い出すように、子宮口が鈴口に吸い付いてストローから飲むように精液が啜り出されている。

 

 同時にブラック・マジシャン・ガールの下腹部、陶磁器のように真っ白いVラインに、桃色の複雑な紋様がじわじわ浮かび上がっていく。

 子宮のシルエットを象ったような形状の紋章が、深海の奥からアンコウの垂らす提灯がゆっくり現れるように、徐々に徐々にその光を強くしていく。

 

 ブラック・マジシャン・ガールの無垢な下腹部に現れたそれは、淫紋と呼ばれる代物だった。

 端的に説明すれば、これはエナジードレインによる吸精量を示すメーター。

 まだ蛍のように淡くほのかに光っている程度だが、青年の精を吸えば吸う程にその光量が増していく。

 

「あ˝、がっ……!?」 

「こ、れすご、いっ……♡」

 

 ぶびゅ、びゅるるっ、びゅう~~~~っ!!!!

 ぢゅううっ♡ ずぎゅぅぅぅぅ~~~~~~♡ ぢうううううううっ♡

 

「ぉ˝、ぉ˝……♡ こ、これ、もっとっ♡ マスターのせーえきエナジーもっとほしいっ♡」

「ゃ、ひぎ……た、たすけぇ……!」 

 

 亀頭をぐっぽり咥えこんだ子宮が貪欲に精液を啜り出す。

 射精の脈動に合わせてびくんと力強く膣が痙攣するように圧迫され射精の勢いが増し、それを子宮口がぐぐんと吸引する。

 それに応じて、ブラック・マジシャン・ガールに刻まれた淫紋がおぼろ月のように光を放つ。

 

 通常の射精とは勢いも快楽の量も比べ物にならない。

 ゼリー状の精液が大量に容赦なく搾り取られていき、絶頂から降ろしてもらえない。

 射精の快感が引くより前に次の射精の快感が襲い掛かってくる。

 どれほど射精しても許してもらえない。

 

 ぶびゅるるっ、びゅるるるる~~~~っ!!!!

 ぢゅううっ♡、ぢうううううううっ♡

 

「ぉ、お˝ぉ……!」 

「こ、これマジでやばいかもぉ……っ♡」

 

 青年を襲うのは、生命力を精液とともに丸ごと吸い出されて普通の射精の域を凌駕した尋常ならざる絶頂。

 快楽で脳みその中がぐちゃぐちゃにかき混ぜられて、きもちいいしか分からなくなっていく。 

 

 でも、まだ終わらない。

 追い打つようにブラック・マジシャン・ガールが秘所を結合させたまま膝をたたみ、正座のような姿勢で青年の股ぐらに乗った。

 そのまま両足首で閉じようとする青年のふとももをこじ開け、それを支点にもちのように潰れた巨尻で股間を磨り潰すように激しく腰を前後にグラインドを始める。

 

「マスターのせーえきおいしすぎ……っ♡ もっとほしい……っ♡」   

 

 ぐちゅ、ぬちゅっ♡ にゅちゅ、くちゅ♡

 ずっちゅ♡ にっちゅ♡ ずっちゅ♡ ぐっちゅ♡

 

「む、むり、きもちよすぎて死んじゃ……っ、だれかたすけっ……!」

 

 攪拌する機械にようになめらかにブラック・マジシャン・ガールの腰が青年の上で踊る。

 巨尻をしゃくり上げるようにくいっとスムーズに動いたかと思えば叩きつけるようにスムーズに揺り戻し、また腰がしゃくり上げる。

 お尻だけが別の生き物なったかのような、潰れた8の字を描く複雑かつ高速の凄まじい腰使い。

 同時に膣内も強いウェーブを起こすように蠢いており、肉棒を握りしめるように圧迫をしていた。

 

「ぉ♡ ……ぉ♡ んっ……♡ ……ふっ♡」 

 

 膣のなかのきもちいいところを全て網羅する騎乗位レイプに、もちろんブラック・マジシャン・ガールもただでは済んでいなかった。

 彼女はとっくに快楽を貪ることに夢中になって、焦点の合わない瞳で青年の方を見つめている。

 肉棒を咥えて暴れる腰も、もはやブラック・マジシャン・ガールにすらコントロールできない。。

 いつからかぽかんとあけっぱなしになった口の端からはだらしなくよだれが垂れており、心ここにあらずといった様子。 

 

「う……ぁ、……あ……」

 

 もちろん、青年もただで済むはずが無い。

 暴れ狂うブラック・マジシャン・ガールの膣に肉棒が徹底的にいじめ抜かれており、頭の中を電撃じみた快感が走り続けている。

 上下と前後を巧妙に組み合わせた腰の動きと、柔肉がぎっちり詰まった狭く温かいブラック・マジシャン・ガールの名器。

 その二つの最強コンビネーションに自分の分身が舐め上げられたりねぶりつくされたりで、青年はもう頭がおかしくなってしまいそうだった。

 

 その間も子宮口は亀頭の先端をちぅ~♡ と執拗に吸い上げることをやめない。

 精液の発射口であるペニスの先端だけは絶対にホールドして離さなかった。

 

 そんな青年に、すっかり余裕をなくしたブラック・マジシャン・ガールが桜色にのぼせた幸福そうな顔で矯声混じりに青年に囁く。

 

「マスターごめんねっ♡ もう腰止まんないのっ♡ わたし加減できなくなっちゃったっ♡ だからもっと精液出してっ♡ 出せっ♡ ぜんぶ私の膣内にだせっ♡」 

「あ、が……。は、はな゛じてぇ……っ!」

「だせっ♡だせっ♡ もっとマスターの精液ごくごくさせろっ♡」

 

 ゆさっゆさっ……♡ ゆさゆさ、ゆさ……♡

 じゅぽ♡ こぽっ♡ くぽっ♡ にちゅっ♡

 

「だーせっ♡ だーせっ♡」

「ぁ、あぐっ……!」

「──♡♡♡」

 

 びゅるるるるっ♡ どぷぷっ♡ ぶりりゅぅぅ~っ♡

 ぢゅるるぅぅぅ~~~っっ♡♡♡

 

「ん˝ぉ……っ˝ぉ……♡ これ……っ♡ ほんとにたまんないっ……♡ マスターのこともっと好きになっちゃうぅ……♡」

「う、ううぅ……誰かぁ……!」

 

 授乳されて射精癖を付けられた青年がブラック・マジシャン・ガールの本気の腰使いに耐えられるはずもなく、あえなくまた膣内射精。

 ぎゅーん、と淫紋がまた輝きを増し、桃色の紋章が闇を照らすランタンように力強く光を放つ。

 どこにも逃げられない亀頭が子宮に吸い付かれ、一滴残らず精液をエナジもろとも飲み下されてしまう。

 もう射精しているのに、絶頂しっぱなしなのに許してもらえない。

 

 ブラック・マジシャン・ガールも大量の吸精とドレインによって身悶えするほどの快感に襲われているはずなのに、むしろ腰の動きの激しさは増していくばかり。

 最高に気持ちいい射精のはずなのに、強引に犯されて休憩もできずに無理やり絶頂の一番上に繰り返しぶち上げられる。

 多幸感と快楽で脳みそのなかがぐちゃぐちゃにかき混ぜられて、なんども目の前が白飛びしながら、青年はかろうじて意識を保っていた。

 そんな青年の表情を、息を荒げたブラック・マジシャン・ガールが網膜に焼き付けようと執拗に覗き込む。

 

「ふ、ふっ♡ ふっー…♡ マスターの顔もっとよく見せてっ♡ 無理やりレイプされてるのに気持ちよすぎて射精とまんなくなっちゃったマスターの顔見せてっ♡」

「も、もうでないぃ……腰止めて、も、もう無理ぃ……」 

「ぁ゛は、ぁ……♡ マスターだいすきぃ……♡ ……でも嘘は許さないっ♡ もっと精液よこせっ♡ かくしてるんでしょっ♡ 出せっ♡ 出せっ♡」

 

 ゆっさ……♡ ゆっさ……♡ ゆっさ……♡ ゆっさ……♡

 ぬちゅ……♡ くちょ……♡ にりゅ……♡ ずちっ……♡

 

「……う、ぁ、ぁあ! また射精るッ!!」

 

 ……ぶ、びゅるるっ♡ びゅるるるるっ♡

 ぢゅぅぅぅぅ~~~~~~~っっっっ♡

 

「ふぁ……っ♡ マスターのせーえきエナジー最高……っ♡ 一生これほしいっ♡ ずっとこれほしい……っ♡」  

「あぐ、ぅッ!」

 

 射精直後なのに容赦なく腰を動かされ、執拗に亀頭に快楽を塗り込まれてまた射精。

 精液袋がぎゅうっと縮み上がり、中にある分がぜんぶブラック・マジシャン・ガールの子宮に没収されていく。

 ギン、と淫紋の光が強まる。

 初々しいパステルカラーのピンクだった淫紋は、どギツイ紫色に変色していく。

 

 背筋をピンと反らして痺れるような快感に喘ぐブラック・マジシャン・ガールと、精液を一滴残らず搾り取られながら、レイプから逃げようとする青年。

 だがブラック・マジシャン・ガールは青年の手首を固く鷲掴みにしており、甘く絶頂に至ってもなお力強く掴みかかったその手を離すことはない。

 

 青年は気づけば骨に皮を貼り付けたような、極度に潤いを失った乾いた姿になり果てていた。

 ブラック・マジシャン・ガールにエナジーを奪われ過ぎたためだ。

 残りの命をかき集めて凝縮したように男根だけは未だに勃起しているが、当初と比べると硬さを失ってふにゃふにゃになり始めている。

 生命力を失い、カラカラに干上がった、生物として危険な状態。

 ただの人間がこんな姿になってしまえば、もう余命も幾許もない。 

 

「も、もうほんとに出な……し、しんじゃうぅ……」

「……。『黒・魔・道・再・生』《ブラック・リジェネーション》」 

「あ、熱ッ!? な、……これは……?」

 

 助けを懇願する青年にブラック・マジシャン・ガールの唱えた呪文。

 それは、極めて高度な回復と治癒の魔法だった。

 それも生命力そのものを増強し泉のように継続的に命が溢れ出る性質のもの。

 

 ブラック・マジシャン・ガールに抑えつけられた手首が急速に熱をもつ。

 手首から腕の血管に熱湯を通されたように熱が伝播していき、萎びていた手足が急速に張りを取り戻していく。

 枯れ木のように乾いていた青年の体躯は、あっという間に元の筋肉と脂肪のついた健康な体に回復してしまった。

 

「どう? 元気になった?」

「あ、あれ、なんで……?」

「よしよし♡ これならもっとえっちできるよね♡」

 

 青年はブラック・マジシャン・ガールが自分からエナジーを搾りとって殺すものだとばっかり思っていたため、至極混乱した。

 それと同時に、いままでのブラック・マジシャン・ガールの言動と、回復してまで搾精を続行しようとする様子に、とうとう青年は彼女の目的を理解した。

 

 そう、ブラック・マジシャン・ガールについて記したあのブログには誤りがある。

 ブラック・マジシャン・ガールの目的は生殖行為でもなければ、人間からエナジーを奪うことでもない。

 

 ブラック・マジシャン・ガールの目的。

 それは、マスターに凌辱の限りをつくし、気持ちよくさせまくること。

 大好きなマスターに自分のおっぱいをたっぷり飲ませ、快感に喘いでイキ狂いながら自分の膣の中に大量射精してくれることに何よりの生きがいを感じる。

 ブラック・マジシャン・ガールはそういう精霊なのだ。

 

 マスターからエナジーを奪うのは、マスターを回復させるため。

 エナジードレインは大好きなマスターをもっと気持ちよくして、愛し合う時間を無限に繰り返すための手段にすぎない。

 

「そ、そんな……」

「心配しないで、マスターがいっぱいエナジーくれたから、何度でも回復してあげられるよ……♡」

 

 回復魔法を行使した際、淫紋の光量が僅かに減少した。

 だがそれは、エナジードレイン一回分の、5ぶんの1程度の減少。

 すなわち、エナジードレイン一回で回復魔法が5回使えるということ。

 

 彼女の真意に気づいた青年は、死ななくて済んだという安堵と同時に、この射精ドレイン地獄が終わらないという絶望に気づいてしまった。

 青年はもう、安心と焦燥が入り混じった複雑な表情で、蕩けきった表情で微笑むブラック・マジシャン・ガールを見上げるしかできない。

 

「だからマスター、もっともっとえっちしよ……?♡」

 

 青年の耳元に唇を寄せて小さく囁いたブラック・マジシャン・ガールが、ゆっくりと結合していた腰を持ち上げる。

 ぬと~っ♡ と膣が持ち上がり、とうとう久方ぶりに肉棒がブラック・マジシャン・ガールの秘所から解放される。

 ビキビキとはち切れんばかりに怒張し、上を向くペニス。

 ブラック・マジシャン・ガールの回復魔法によって生命力を満タンに注がれたせいだ。

 あふれんばかりの生命力が、ペニスに結集してすぐにも解放したがってびくびくと脈動している。

 

 回復させた直後なのに、なぜペニスを膣から抜くのか。

 もしかして搾精をやめてくれる気になったのか……という青年の淡い期待を、ブラック・マジシャン・ガールはもちろん裏切る。

 

「ほらマスター、きて……?♡」

「な、なにを……!」

 

 ベッドから立ち上がり、壁に手をついてお尻をつきだすブラック・マジシャン・ガール。

 そのまま青年を誘うようにふるふると小さくお尻を振りだした。

 尻の合間の亀裂は、ずっと愛おし気に咥えていた肉棒が離れてしまったことで寂しそうにひくひくと小さく痙攣している。

 後ろからペニスを突き入れろ、と誘っているのだろう。

 

「あ、あれ、体が勝手に……!?」

 

 無理やり搾精してこないなら、付き合う義理はない。

 そう言ってやるつもりだったのに、青年の体は勝手にブラック・マジシャン・ガールの方へと歩みを進め、自分で竿を彼女の秘所にあてがおうとしていた。

 

「な、なんで、これ……、体がいうことを……!?」

「射精中毒の快楽依存症のマスターは、もう私と一緒じゃないと我慢できない~っ本能がいってるみたいだね?♡」

「な、なんだよそれっ!?」

 

 狼狽しながら体を止めようとするが、もう青年の身体は一切いうことを効かない。

 彼は快楽依存効果の秘められた母乳をたらふく飲まされた上で、極上の名器にエナジードレイン射精を繰り返しキメてしまったのだ。

 彼の体はもう、ブラック・マジシャン・ガールなしでは生きていけない。

 

「……あれ、マスター?」

「う、うう……」

 

 だが、青年はまだペニスをブラック・マジシャン・ガールのお尻に挿入できていなかった。  

 体のコントロールを取り戻して快楽への誘惑に抗ったわけではない。 

 足が長く腰の高いブラック・マジシャン・ガールはお尻の位置が高く、青年ではつま先を伸ばして背伸びしてもうまく挿入できなかっただけだ。

 

「えー……。もう、仕方ないなぁ……♡」

「う、……」

「ほら、こうしたら届く?♡」

 

 それに気づいたブラック・マジシャン・ガールはしばし唖然としたあと、困ったように小さく微笑んだ。

 そして青年のために膝を曲げ、お尻の位置を挿入しやすいように降ろしてやる。

 

 快楽に魅了されておちんちんを挿入しようとした挙句、身長が足りなくて相手に膝を曲げてもらうという、あまりにも情けない状況。

 青年のオスとしての自尊心はもうズタズタ。

 だがむしろ、ブラック・マジシャン・ガールは青年の情けさなさと手のかかりように一層の愛おしさを抱いていた。

 

 情けなさと恥ずかしさを紛らわすように青年はくいっとくびれた彼女の腰に両手で掴みかかり、にゅりゅ、と竿をブラック・マジシャン・ガールのお尻に挿込む。

 奥までぬぷぷっと竿を突き入れた頃にはもう、青年の身体は本人の意思を完全に無視。

 犬のように乱暴にカクカクと腰を前後させブラック・マジシャン・ガールの膣の中を掻きまわし始めた。

 

 ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡

 

「んっ♡、いいよマスター♡、その調子、がんばれ~♡」

「お、おっ、おっ、だ、だれか腰止めてっ! なにこ、気持ちよすぎ……っ! また射精しちゃう……!?」

 

 雄々しくブラック・マジシャン・ガールの腰に掴みかかっていた青年の体は、すぐに彼女の膣に快感負けしてへっぴり腰になってしまった。

 腰を動かしているのは青年の方なのに、ペニスから伝わってくる快感に堪えきれなくなってしまった。

 腰から伝わる強烈な快感に、青年は助けを求めるように力強くブラック・マジシャン・ガールを抱きしめてしまう。

 まるで逃げようとする女を後ろからとっつかまえて強姦するかのような構図だが、逃げたいのは男の方だった。

 つんのめるように上体を前に倒しているブラック・マジシャン・ガールの背後から、青年は情けなく彼女に縋りつくように背中を丸めてしがみ付いていた。

 

 ぱんぱんっ♡ ぱんぱんっ♡

 ぱんぱんっ♡ ぱんぱんっ♡ 

 

 彼女の細い体躯に必死に腕を巻き付けて、もたらされる快感に悲鳴を上げながら、みっともなくへこへこと腰を前後させる。

 肌と肌がぶつかりあう乾いた音を立てながら、青年は野生動物のように必死に腰を打ち付けていた。

 止めようとしても無駄。体が更なる快感を求めて勝手に前後してしまう。

 

「がんばれ♡がんばれ♡」

「ふっ、う、ーっ!」 

 

 だがつま先立ちでなんとか挿入している青年はあまりの快感に踏ん張れておらず、弾力に富んだブラック・マジシャン・ガールのお尻に毎回腰がぽよんと跳ね返されてしまう。

 呼吸を乱しながらもがんばって膣の一番奥に竿を突き入れようとしているのに、腰が彼女のデカ尻に弾きかえされてしまうのだ。

 雄々しい男なら力強く彼女の大きなお尻をぐにゅりと潰し、膣にぐりぐりと男根の形を教え込むように蹂躙できただろう。

 

 ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡

 ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡

 

 だが、青年にはこのバウンドするようなクソザコピストンがせいいっぱい。 

 本能が奮い立ってブラック・マジシャン・ガールをレイプしようとしているのに、ザコすぎるあまりえっちな彼女の体に負けている。

 ブラック・マジシャン・ガールの広い骨盤にたっぷりついた柔らかな脂肪にヘこへこ腰を打ち付けて、柔らかなお尻をむにゅうと潰しては押し返される。

 立ちバックという支配して無理やりレイプするかのような体位なのにもかかわらず、ブラック・マジシャン・ガールから声援を送られているような始末だ。

 

「ふっ、ふっ……!」

「あん♡ あん♡ きもちいい♡ おかしくなっちゃう♡ もっとー♡」

「こ、この……!」

 

 わざとらしいブラック・マジシャン・ガールの棒読み喘ぎ声に青年が憤り、腰をぶつける力を強めようとするが、

 

「──♡」

「ッ!は、ふぅ……っ!」

 

 ブラック・マジシャン・ガールがちょっと強く膣を締め上げてやるだけで、青年はすぐにふにゃふにゃの骨抜きになってしまう。

 またかろうじて前後しているだけのぷよぷよヒップに跳ね返されるクソザコピストンに後戻り。

 

「あーもう、マスターが可愛すぎるよー……♡♡♡」 

 

 上から組み伏せて好き勝手腰を振ってレイプしていた先ほどと比べたら、ブラック・マジシャン・ガールの快感は物足りないはず。

 だが、自分を使って必死に気持ちよくなろうと腰を振る青年の情けない姿は、かけがいのないもの。

 青年が自分で動いて快感を送ってきてくれているのも、とても嬉しい。

 

 青年を組み伏せて逆レイプしていたときと性感で劣っていようが、ブラック・マジシャン・ガールには何の不満も無かった。

 むしろ強引に青年に快楽を送り込んでいた時よりも幸福な気持ちや愛おしい気持ちが湧きだしており、彼女の昂りになんの翳りもない。

 愛と色欲に蕩けた彼女の表情を見ればそれは明らかだろう。

 彼女ははじめて青年の方から乱暴に注がれる快楽に、それはもうドロドロのメロメロになってしまっている。 

 

 たんたんっ♡ たんたんっ♡

 

 スピードもパワーもない弱々しい腰のアタックを、ブラック・マジシャン・ガールの豊かなヒップがふるふる揺れながら余裕綽々に受け止める。

 精一杯前後する竿を優しく膣で包んであげて、ピストンを助けるようにうねらせて刺激を贈る。

 

「がんばれっ♡ がんばれっ♡」 

 

 今や、彼女の胸の中が庇護心や愛護心がはちれきれんばかりに膨れ上がっていた。

 なんなら今すぐ力づくでひっくり返してもう一度ぐちゃぐちゃになるまでレイプしたいという欲望さえあった。

 でも、それはぐっと我慢。

 せっかくマスターがへこへこ頑張っているんだから、まずはそれを見届けてあげたい。

 

 ブラック・マジシャン・ガールが慈しむように目を細めて、流し目を送るように背後の青年に視線をやる。

 

「すごいすごい♡ おとこまえセックスかっこいい♡ がんばれ~っ♡」

「あ、ぅ、ぅ、もう射精るっ!」

 

 込み上げる射精感に応じて、全力でブラック・マジシャン・ガールにしがみついて腰を押し付ける。

 お尻の弾力に跳ね返されないようにつま先を地面から浮かせ、彼女の足に自分の足を引っかけたまま背中の上に乗っかった。

 まるで海難に合った人間が溺れないよう流木に縋りつくときのような、無様で必死な姿勢でブラック・マジシャン・ガールにくっついてぐりぐり腰を押し付ける。

 

 ぶちゅ。

 膣奥で、初めて子宮口と亀頭のディープキス。

 優しくハグで迎えるように鈴口の先端に吸盤が吸い付いたと同時に、

 

 ぶびゅっっ! びゅるるるるっ!

 ぢゅぅぅぅぅ~~~~~~~っっっっ♡

 

 肉棒が大量の精液を吐き出し、子宮がそれを一滴のこらず吸い上げる。

 やさしく撫でるように応援していた膣壁もたちまちキツく蠢いて収縮し、ペニスを引き抜けないように締め付けてホールド。

 渾身のエナジードレイン。

 淫紋がギンギンに輝く。

 

「お˝ぉッ!? ぜ、ぜんぶでるっ……!」

「んっ♡ ふぁ……っ♡ これやっぱきもちいぃっ……♡」 

 

 青年の亀頭から普通ではありえないほど大量の精液があふれ出し、膣内がそれを貪欲に飲み干していく。

 自分の中身が溶岩のようにとろけて、それがちんちんを通ってブラック・マジシャン・ガールの中へと吸い出されていくような感覚。 

 下半身が全体がとても熱くなって、深くつながり合ったブラック・マジシャン・ガールとの境界がわからなくなる。

 

 そして一度射精し、エナジードレインが始まったら最後。

 

「……『黒・魔・道・回・復』♡」

「ぉ˝、ぉ゛……っ」

 

 びゅーーーーっっ! びゅーーーっ!

 ぢぅぅぅぅ~~~~~~~っっっっ♡

 

 全身を油膜のように温かい何かが包み込み、その一方で体内の背骨の骨髄を伝って強烈な電撃が駆け上がる。

 バチバチとした電撃のような快感が脳内へと到達し、白い火花が繰り返し炸裂する。

 回復魔法のせいで普通じゃありえないくらい大量の射精が続いている。

 これだけ回復魔法を行使しても淫紋の光は一切衰えない。むしろ増している。

 最初はあんなに控え目に光っていたのに、今の淫紋は繁華街のネオンのようにケバケバしい。

 

「ぁ、♡、最高……♡ もっともっと♡ いっぱい奥に射精して……!♡ 『黒・魔・道・回・復』!♡」

「ひギぃ……!?」

 

 びゅーーーーっっ! びゅーーーっ!

 ぢぅぅぅぅ~~~~~~~っっっっ♡

 

 とっくに精液袋がからっぽになってるはずなのに、ブラック・マジシャン・ガールの魔法で強制的に精液が増産されてしまう。

 快楽の衝撃で全身がガクガクと痙攣し、なのに膣奥に引きずり込まれたペニスはしゃぶりつかれてがっちり抱きしめられていて離せない。

 気持ちよすぎておかしくなりそうで、でもどうすることもできないからブラック・マジシャン・ガールに必死に腕を回して抱き着く。

 

「ぅ˝、射精とまんな、、ぅ˝ぅ˝ーーーっ!!!」

「マスターのぜんぶわたしにちょうだい……っ♡ 『黒・魔・道・回・復』!♡」

「ぁが、離し……」

 

 びゅーーーーっっ! びゅーーーっ!

 ぢぅぅぅぅ~~~~~~~っっっっ♡

 

「やぁっ˝!! 射精とめ˝ぇ」

「なんで?♡ パコパコ射精したがってたのマスターじゃん♡ 『黒・魔・道・回・復』♡」   

「っぁぁぁぁぁ!!!」

「……あれ、マスター?」

 

 連続射精に頭を真っ白にしていた青年が、弾かれたようにブラック・マジシャン・ガールから離れた。

 後ろに倒れるようにしてなんとかペニスを彼女のお尻から引き抜いたのだ。

 同時に逃げるちんちんを引き留めようと吸い付いていた蜜壺から、ちゅぽんと可愛らしくも恐ろしい音が鳴った。

 まだぜんぜん物足りないブラック・マジシャン・ガールはきょとんと後ろを振り返った。

 

 彼女の背後では青年が勢いのまま後ろにぺたんとすっころんで、尻もちをついていた。

 青年にはもう、自分の力で立つ余力すら残っていないのだろう。

 だが恐ろしいことに肉棒はまだ射精の余韻が残っており、ぴゅっぴゅと噴水のように白濁液を元気に吐き出している。

 

 幸か不幸か、回復魔法のせいで彼の男性器はとっても元気。

 あと何十分でも何時間でも戦えてしまうだろう。

 だが、おちんちんは大丈夫でも彼のメンタルが無事で済まない。

 

「お、お願いします……ゆるしてくださいぃ……」 

 

 エナジードレインという脳神経が焼き切れるような快感の暴力に、彼はもう疲労困憊だった。

 もちろんうっかり脳の回路が本当に気持ちよすぎて灼き付いてしまったとしても大丈夫。

 また魔法で回復させればいいのだ。

 何度でも、好きなだけ気持ちよすぎて頭おかしくなってしまえばいい。

 少なくともブラック・マジシャン・ガールはそう思っている。

 

「なんで謝るの? わたしおこってないよ?」

「ひぃ……。きもちいいのもうやだぁ……! もうやめて……!」

「きもちいいのが嫌なわけないじゃん♡ ほら、ちんちん出して♡ もっとえっちしよ♡」

 

 なので、謝っても無駄。

 きもちよくなりたくないなどといっても、きょとんと首を傾げられるだけだ。

 マスターのことを心いっぱい愛している彼女は、純度100%の愛情と善意で青年に快楽を濁流のように叩き付けてたがっている。

 

 ブラック・マジシャン・ガールに話が通じないことを悟った青年はうつ伏せに体をひっくり返して、よたよたと玄関の方に逃げ出す。

 壁に手をついて支えられながら廊下を進み、玄関の戸に飛びつく。

 ノブを捻れば、最初と違ってドアがしっかり開いてくれた。

 

「あ、いけない、ドアロック解除しっぱなしだった」

「だれかたすけてぇ……!」 

 

 ドアの向こうに広がる青空。温かい日差し。清涼な風。

 自由と解放を求めて向こう側に飛び出す。

 

「ぁ、ぅぅ……!」

 

 だが、青年は腰がすっかり抜けてしまっている。

 外は支えがないために、前につんのめって這いつくばってしまった。

 それでも青年は自由を求め、芋虫のように這いずって部屋から逃げ出そうとした。

 が、

 

「ま、す、たぁ♡どこ行くのかな?♡ ほら、部屋に戻って続きしよ?♡」

 

 ブラック・マジシャン・ガールがそれを見逃すわけがない。

 まだ部屋の内側に放り出されていた青年の足首を掴み、ずるずると部屋の中に引きずっていく。

 

「あ、あぁ……!」

 

 せっかく開いた玄関の戸がゆっくり閉まっていく。外の世界の光が閉ざされていく。

 がちゃん、と戸が閉まると更にその上に桃色の六芒星の魔法陣が浮かぶ。

 強固な魔法による施錠。しかも内側から。

 

「マスターとのらぶらぶえっちは誰にも邪魔させないから大丈夫だよ……♡」

 

 そのまま青年はまたベッドの上に引き戻される。

 悲しいことに、おちんちんは挿入先を求めるようにギンギンに屹立していた。

 

「だいたいわたしで童貞捨てといて他のとこいくとかありえないし♡ 私の処女貰ったんだから責任とって永久えっちしなきゃじゃん♡」

「も、もう無理……」

「疲れちゃった? 大丈夫だよ、そしたら私が上に乗って動くから……♡」

 

 もう何を言っても無駄。

 青年はブラック・マジシャン・ガールの愛の巣に囚われてしまった。

 説得は不可能。

 彼女とえっちし続けるしか選択肢はない。

 

 青年の両手を恋人繋ぎに捕えたブラック・マジシャン・ガールが、ゆっくりと肉棒を咥えた腰を下ろしていく。

 再び逃げようしたことへのお仕置きのように、彼女の膣は凶暴なキツキツ。

 回復させられて敏感だった青年はすぐに射精してしまう。

 

 びゅるるるっっ! びゅるるるぅっ!

 ぢぅぅぅぅ~~~~~~~っっっっ♡

 

 もちろん鈴口には当たり前のように子宮口が貪りついている。

 ということは、もちろんエナジードレイン。

 体内がどろどろに液状化して、精液と一緒に吐き出される感覚が青年を襲う。

 快感が脳髄を焼き払う。視界のあちこちで白い火花が爆ぜ、意識が吹っ飛ぶ。

 

「きもちいいね♡ しあわせだね♡」

「は、ぁ゛……ぁ゛ーっ!!」

「えへへ……『黒・魔・道・再・生』」

 

 びゅるるっ♡ びゅるるるるっ♡

 ぢゅぅぅぅぅ~~~~~~~っっっっ♡

 

 あまりの快感にベッドに寝かされたままピンと背筋を反らし、絶叫を上げようとして、快感の方が凄すぎてうまく声が出ない。

 逃げ出そうと四肢を暴れさせても両手はブラック・マジシャン・ガールに恋人繋ぎで固く握りられており、押しても引いてもビクともしない。

 足をバタつかせて腰を跳ねさせようにも、足腰は壊れたようにビクビク痙攣して使い物にならない。

 淫紋はもうラブホテルの看板みたいな光り方をしている。

 青年は、もう気持ちよくなることしかできない。

 

「あ˝ーっ!! ぁ˝ぁぁぁぁっ!」

「ほらもっともっと♡ 『黒・魔・道・再・生』……♡」 

 

 びゅーーーーっっ! びゅーーーっ!

 ぢぅぅぅぅ~~~~~~~っっっっ♡

 

「やだぁ!! 射精もうやだぁっ!」

「『黒・魔・道・再・生』……♡」 

 

 びゅーーーーっっ! びゅーーーっ!

 ぢぅぅぅぅ~~~~~~~っっっっ♡

 

「あぐぅッ……! むりっ……気持ちよすぎ……ッ!」

「「『黒・魔・道・再・生』……♡」 

 

 どぷっ! びゅるるるっ!

 ちゅ~~~~~~っ♡

 

「ぁ゛、ぁ゛ぁ! 中身ぜんぶでちゃう! 自分なくなっちゃうからぁ!」

「んーん、すぐ補充するから大丈夫だよ~♡ ほら、『黒・魔・道・再・生』♡」

 

 ぼびゅるるるっ! ぶびゅ~~~♡

 ずぎゅぅっ♡ ぢぎゅ~~~~~っ♡

 

「ぉごぉ˝……ッ!!」

「あは♡ マスターの中身おいし~~~♡ もっとちょーだい♡ 『黒・魔・道・再・生』♡」

 

 どびゅるるるるっ! どびゅーっ!

 ぢぅ~~~~~~♡ ずぎゅーーーっ♡

 

「ほ~ら♡『黒・魔・道・再・生』!」 

 

「えへへ、『黒・魔・道・再・生』♡」 

 

「ほら起きて、『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「もっともっと~♡『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「どこ行くの、もう、『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「え?助けてほしい? わかった! 『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「マスターが私のこと頼ってくれるの、すご~く嬉しいんだぁ♡ 『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「こうやってマスターを満たしてあげられるのもすっごい幸せだし……♡ 『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「マスターもすっごいきもち良さそう♡ ね?ほら『黒・魔・道・再・生』♡」 

 

「マスター、わたしたちずっと一緒だよね……♡ 『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「マスターがやだっていっても絶対はなさないもん♡『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「どこへ逃げようと絶対つかまえちゃうんだから♡『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「マスターももう私抜きじゃ生きていけないもんね?『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「マスターったら、私のこと好きすぎじゃん♡ほらほら、『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「まあ、私のほうが好きだけどね♡ 『黒・魔・道・再・生』♡」

 

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

「『黒・魔・道・再・生』♡」

 

 

 

 

 

 

 

 ……♡

 

 

 

 

 




・青年
20歳。女性の交際経験皆無。
母親以外に知り合いに異性がいない。
しかも恋愛にも奥手。
獲物として完全に数え役満状態だったのでブラック・マジシャン・ガールに目を付けられ、無限らぶらぶエンドレスきもちいいコースに突入してしまった。

・ブラック・マジシャン・ガール
見初めた決闘者の召喚の儀に割り込み、むりやり席を奪って召喚されにやってくる。
だいすきなマスターを無限らぶらぶエンドレスきもちいいコースに突き落とす魔の精霊。
めちゃくちゃかわいいしえっちだし性格も明るいいい子なのでヤバさに気づいて送還できたケースは前例なし。
ゆっくりと仲良くなって初々しくえっちを始め、だんだんえっちの頻度がエスカレートしていくのがスタンダード。
ただしえっちを拒む、頻度を下げようと提案する、送還しようとする、逃げようとする等の地雷を踏むと強制魅了逆レイプモードに入る。
その場合は、ブラック・マジシャン・ガールのことがだいすきになるまで精液を搾りとられてしまうが、別に予定が早まっただけなのでさしたる問題はない(?)

・エナジードレイン
さも当然のようにブラック・マジシャン・ガールが使う魔法。
子宮でギュンギュン精液ごとエナジーを飲み干す。精霊なので妊娠とかはしない。
生命の種という極上の魔力の素を吸い上げているのでモリモリ魔力が回復する。

・『黒・魔・道・再・生《ブラック・リジェネーション》』
生命力を回復する魔法。魔力消費の燃費は重め。
ただしエナジードレインで消費量の5倍回復できるのでドレインループがかんたんにできる。

・淫紋
 エナジードレインの進捗を示すメーター。
 ドレインループのやりすぎで最終的にダークマターみたいな光り方になった。


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