5人兄弟とセカイの関わり方 欠落少女編 (エビデンス海老天むす)
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人物設定

アンケートの結果、
ニーゴになりました。兄弟の順番的にもニーゴなのでなんだかんだ都合が良かった。


人物設定

 

この物語は5人兄弟の一也(かずや)仁剛(にごう)愛美(あいみ)紫乃実(しのみ)優吾(ゆうご)が、プロジェクトセカイのキャラクターと共に歩んでいくストーリー。と、なっております。

 

 

この小説は愛実編

 

 

注意!この物語はゲーム「プロジェクトセカイfeat.初音ミク」の二次創作です。メインストーリーの内容を含みます。ゲーム内の全てのグループと関わるのでメインストーリーを読んでおくことをオススメします。

 

と、言うよりメインストーリーガチで感動するので読んでくださいお願いします。

 

 

 

 

 

本文は前回の小説の人物設定と同じ文です。ご理解ください

 

 

一也(かずや)

23才の新任教師。イケメンでなんでもできる。(告白されるが、ピンときた相手がいなく、未だに彼女なし)

兄弟の中では1番頼られる

宮女に勤めていて、テストの製作から雑用まで幅広く仕事をこなすスーパーマン

家でも仕事を持ち帰って没頭している

(作中ではレオニと関わります)

 

 

 

仁剛(にごう)

19才の大学生。普段は適当だが、音楽に関しては一切手を抜かない作詞作曲を一人でこなす。

兄弟の中では1番バカ

音大の1年生で音楽友達と話すためだけに大学へ進学した

音楽の才能はピカイチでバイオリンなどのクラシックからギターなどの現代楽器まで幅広く演奏できる

音楽にハマったきっかけは小学校のリコーダー、妹曰く、音が鳴るのが嬉しすぎて1ヶ月で教科書の全ての曲を吹けるようになったと言う

もちろん歌もプロ顔負けの歌声を、持っている

(作中ではビビバスと関わります)

 

 

 

愛実(あいみ)

紫乃実とは双子

17歳の神高に通う2年生。中学生の頃に1ヶ月間寝込んでしまい常に体が弱い。いつも杖を使っている。

兄弟の中では1番綺麗好き(1日ずっと掃除をしていることもある)

通う学校が紫乃実と被るのが嫌で神高にした

(作中ではニーゴと関わります)

 

 

 

紫乃実(しのみ)

愛美とは双子

17歳の宮女に通う2年生。アイドル顔負けのルックスとダンス技術を持っている

兄弟の中では1番家族想い

家に一人で待つ母の手伝いの為に部活の加入を断り続けている。

一也と家族だということは面倒なことになる為普段は隠している

(作中ではモアジャンと関わります)

 

 

 

優吾(ゆうご)

16歳の神高に通う高校1年生。物語を作るのが大好きで授業中、真剣にノートをとっていると思ったら大体物語を書いている。

兄弟の中では1番運動神経と直感が冴えている。俗にいう感覚派である。

役者としては素人だが、持ち前のノリと勢いでなんとかなっている。

(作中ではワンダショと関わります)

 

 

 

麗奈(れいな)

5人兄弟の母

専業主婦でおっとりしている

怒っても怖くないが、一也の嘘で怒らせてはいけない存在となっている

 

 

 

雄大(ゆうだい)

5人兄弟の父

世界中を飛び回ることで有名な大企業の秘書兼護衛役をしている。

本当は結婚をする予定は無かったが、麗奈を見て一目惚れし、麗奈も一目惚れした為そのままゴールインとなった。

週一回、家族とのビデオ電話を楽しみにしている重度のファミリーコンプレックス(通称スーパーファミコン)




この設定は前編、前々編のビビバス編、レオニ編の使い回しです。


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0話「オープニング」

私は生まれた時からずっとコンプレックスがあった。それは兄弟であり、特に妹だった。

私以外の兄弟は才能に溢れていた。1番上の兄は勉学、2番目の兄は音楽、双子の妹は運動、弟は文才。そんな兄弟達は私の目標だった。

非凡な私が唯一できるのは『努力』しかない。そう思って努力した。そんな努力は日々報われていき兄達にも追いついてきたと思った矢先、今までの私が消えてなくなったのは中学生だった。

 

 

〜3年前〜

私は目を覚ました。体が重い。いや、重いんじゃなくて力が入らないんだ。なんでだろう。頭も痛いし

 

 

 

中学生の愛美「あれ?ここどこ?病院?」

 

 

私の最後の記憶は学校で委員会の仕事を行っていた時だと思ったのになんで病院にいるんだろうか…来週は学校のテストなんだから早く勉強しないと…

 

私は看護師さんを呼ぶためにナースコールを押した。押してすぐ看護師さんが飛んできた。

 

 

看護師「つ、九十九さん!?目が覚めたんですね。」

 

 

看護師さんはとても慌てていた。『まるで信じられない』と言った表情だった。次にその看護師さんが言ったことは衝撃だった。

 

 

看護師「落ち着いて聞いてください。九十九さん、いいえ。愛美ちゃんは1ヶ月眠ったままだったの。本当に…目が覚めてよかった。」

 

 

看護師さんは膝をついて泣いてしまった。

だが、今の私はそんなことを気にしていられなかった。

 

 

愛美「え?」

 

 

私が?眠ったまま?1ヶ月も?1ヶ月なんて学校のテストどころか塾の定期テストすら終わってるし…学校の行事とか、いろいろ…

 

考えを巡らせている途中周りを見渡すと、点滴や心電図などさまざまな検査器具が置いてあった。

 

 

 

 

 

 

頭が真っ白になった。

 

 

 

 

 

 

真っ白な頭から情報が戻ってくる。まずはこの人にお礼をしないと。

 

 

愛美「私、看護師さん。本当にありがとうございます。1ヶ月も。」

 

 

私は悲しみを抑えて看護師さんにお礼を言った。まだ泣けない。今泣いたらこの人に当たってしまいそうだから。私ならこの感情を押し殺せるはず。今までそうやって辛いことも、嫌なことも押し殺して頑張ってきたんだから。

 

 

看護師「愛美ちゃん!」

 

 

看護師さんは泣きながら私を抱きしめてくれた。

 

 

看護師「悲しいなら泣いていいんだよ?今は状況が飲み込めないと思うけど悲しいなら泣いて?どんなことでも私、話聞くから。」

 

 

いつのまにか涙が溢れていた。それから私は身体中の水分がなくなるくらい泣いた。でも看護師さんはどれだけナース服が濡れても私が満足するまで私の話を聞いてくれた。今までの頑張りも葛藤も誰にも相談ことがなかった事も全部吐き出した。

 

気づいた時には私は眠っていた。

 

 

 

 

 

 

起きたら朝になっていた。私が起きると昨日の看護師さんが来てくれた。朝起きたら検査があるそうなので私は主治医の先生のところへ向かった。診察室には家族総出でいた。普段海外にいて忙しい父も病室にいた。家族は私が目を覚ましたことを祝福してくれた。

 

でも私の心が埋まることはなかった。

 

 

 

 

2ヶ月後

 

私の症状は至ってシンプル。体がもたなかった。常人ならざる努力をした結果、常人である私の体が耐えられなくなった。

歩くためには杖が必要だし当然運動なんてできない。病院にも毎週行かなきゃ行けないし筋力トレーニングもほぼ毎日しなければならない。

けど、前していた生活を考えれば大したことない。まるで鎖に繋がれていた毎日だったがいざその鎖が無くなったら私には何も残らなかった。

 

 

 

 

さらに2ヶ月後

 

前に比べれば不自由さは無くなったが、私の握っている杖は一生付き添うことになるらしい。こればかりはしょうがないと思って割り切った。

毎週の病院通い生活にも変化が起きた。今日も待合室で待っていると彼女はいた。

 

 

愛美「おはよう、ってまた今日もジャージじゃない。たまにはおしゃれでもしてみたらどうなの?奏。」

 

 

奏「おはよう愛美。おしゃれか…ジャージは着やすくて伸縮性が高いし、ほら、おしゃれな服って洗うときに面倒なこと多いから。」

 

 

愛美「だからといってさすがに毎日ジャージは着ないわよ。」

 

 

宵崎奏。特徴的な銀髪とサラサラのストレートヘアの髪を腰まで伸ばし、紺のジャージを着こなす(?)彼女はここ最近よく話すようになった。父親のお見舞いによく来る彼女は私の目には心を何十周を鎖でガチガチに固められているような気がした。

 

 

だから私は決めた。この子の鎖を少しでもほどきやすくしてあげようと。

 

 

 




いかがでしたか?
僕としてはやっとニーゴ編に行ったか、って感じなんですけどまだまだ頑張ります


愛美ちゃんが杖をついてるイメージが湧かないって言う方は、『ようこそ実力至上主義の教室へ』の『坂柳有栖』ちゃんを想像していただければ良いと思います。


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第一話「ナイトコード」

ニーゴ編書くのむずすぎる…ダークな雰囲気だから構想が思い浮かばねぇ…

投稿ペースはおそらくこれくらいに遅さになるかと…早く夏休みになってくれ〜


現在

 

高校2年生になっている私は学校からの課題を机の上に放ったままパソコンと睨めっこしていた。おそらく通話の向こうの4人も私と同じように睨めっこをしているはずだ。

 

 

愛美「かな…K、進捗具合はどう?」

 

 

K『うーん、あと1時間もあれば終わるよ。次の曲のイメージもあるし、問題ないよ。』

 

Kこと、奏。このサークルの中では唯一現実の顔を知っている。というより、そもそも私がニーゴを作ることを提案したのだ。作り続けなければならない彼女には仲間が必要だと思ったから。

 

 

 

愛美「えななんはどんな感じ?」

 

 

えななん『まだ時間かかるかも〜、ベタ塗りだけお願いできる?』

 

えななん。一方的にリアルの顔を知っている人物。Kがえななんを連れてきた時に、自撮りをしているアカウントを見つけた。主に絵を担当していてとてつもないこだわりがある。最初は何も手伝わせてくれなかったが、今ではベタ塗りだけ許可してもらっている。

 

 

愛美「おっけー」

 

 

Amia『えななん?あんまりトロワを頼りすぎちゃダメだよ?トロワが困っちゃうでしょ?』

 

Amia。うちのサークルの会話が続いているのは間違いなくAmiaのおかげだろう。色んなことに気を配ってくれたり、私の体が弱いことも考えて提案をしてくれている。

 

 

愛美「Amia、気にしなくて大丈夫。動画の編集も終わらせたし、あとは明日の25時に勝手に公開されるから。」

 

 

私の役割は簡単に言えば雑用。いろんな人の進行状況を確認しつつ遅れがあったら手伝う。ただそれだけ。だが、最近始めたことがある。それが動画活動だ。以前、ニーゴのSNSアカウントに「メンバー紹介の動画を出して欲しい」とリクエストがあり、動画を投稿してみたところ思ったより反響が大きかった。それまでは謎のサークルとして活動していたが思い切って提案をしてみた。最初はみんな渋っていたが、説得の末なんとかOKをもらうことこができた。

 

 

雪『ふふ、いつもありがとう。トロワ。トロワのおかげで色んな人に私たちの曲を聞いてくれて嬉しいよ。』

 

雪。私、奏につぐ、3人目のメンバー。雪はよく明るく話してくれる。だがコミュ強なのに自分からあまり喋らないし、毎日夜遅くまで起きて作業しているのにキッチリ学校に行っている。部活にも参加して、塾の講習にも参加している。彼女の話を聞いていると、昔の自分を思い出してとても心配になってしまう。彼女の様子を見るに大丈夫だと思うのだが…

 

 

愛美「雪も体壊しちゃダメだよ?今日も塾から帰ってきてからインしてるんでしょ?ちゃんと休まないと…

 

 

雪『ありがとう、トロワ。私は大丈夫だから。作業続けよっか。』

 

 

愛美「…ハイ」

 

 

 

数日後………

 

 

 

みんな『『『『「……」』』』』

 

 

K『オッケー、これで投稿しよう。』

 

 

Amia『今回もいい感じにできたね。』

 

 

えななん『うん、コメントがつくのが楽しみ〜』

 

 

雪『そうだね。じゃあ今日は解散にしよっか。』

 

 

愛美「そうだね。今やってる新曲もそれなりにペースいいし、明日から再開しようか。私はもう少し編集したら落ちるから先に落ちてていいよ。」

 

 

K『わかった。じゃあまた明日、25時、ナイトコードで。」

 

 

奏がよくゆうセリフでみんなが落ちていく、明日は定期検診という名のサボりをかますのでもう少し無茶をしてもいい。ナイトコードを落とし、画面を変えようとしたその時私の画面に突然謎の映像が流れ始めた。その画面には白髪でアンバランスなツインテールの少女がいた。

 

 

???「……きて、は……きて、はやく、きて」

 

 

その言葉を繰り返し映像は消えてしまった。

 

 

愛美「なんなのこれ…」

 

 

心なしかその子は私に似ているような気がした。

 

 

愛美「…私?…」



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第二話「OWN」

えー、カラフェスに一万入れました。


30秒でなくなりました。ありがとうございました。


不思議な映像が流れてから数時間後、再びニーゴは集合した。いつものように作業を進め、Amiaの眠気に限界が来て落ちるところだったところにえななんが、あることを聞いていた。

 

 

えななん『ねぇ、OWNって知ってる?』

 

 

愛美「OWN…って誰?聞いたことない、」

 

 

Amia『ぼくたちみたいに今日を投稿しているクリエイターだよ。2週間前に突然現れて投稿した曲が全部20万再生もされてるんだよ。」

 

 

雪『全部20万再生?新しい人でそれはすごいね。』

 

 

私はその後の会話を聞かずにすぐOWNの曲を聴きに行った。

 

 

………なんだ…これ、としか言えない。明らかにやばい全てを拒絶し尽くしている。イメージで言うなら、指一本動かせず、まばたきすら許されない、監獄に囚われているような感じがする。一刻も早く助けないと、そう思ったが何もできずとりあえずナイトコードに戻った。

 

 

愛美「ただい…

 

 

K『この曲、雪が作ったんじゃない?』

 

 

雪『え?』

 

 

愛美「え?」

 

 

え?OWNの正体が雪?いやいや、そんなわけ……あるかもしれない。ニーゴに誘う前、雪が作っていた曲のテイストと似ている。あの時はそういった表現が上手いと思っていたが、OWNほど刺さりはしなかった。だがもし本当に雪がOWNなら………相当ヤバい…何とかしないと…

 

 

愛美「ゆ、雪?それ、本当?」

 

 

K『この曲、昔雪が作った曲に似てる。』

 

 

雪『そうかな?うーん、自分じゃよく分からないかも、私はこんなあと選びとかアレンジはできないし…』

 

 

雪『それに、こんなに重い歌詞書けないよ。』

 

 

愛美「……雪、私は信じたくないから雪とOWNは別人だって思うけどあなたが本当にOWNなら正直に言って欲しい。」

 

 

雪『そこまで言ってくれるなんて、そんなすごい人と間違えられるなんて逆にすごいのかな?ありがとう。』

 

 

愛美「そうゆう問題じゃ……まぁ、違うならいいわ。えななんとAmiaは落ちたの?話の途中でOWNの曲を聴きにいったからわかんなくて…」

 

 

K『うん、話が終わったら落ちてったよ。あ、そうだ。トロワ、明日病院に行くんだけどよかったら会わない?』

 

 

愛美「いいよ。私、リハビリが4時に終わるから4時30分に集合ね。私はもう落ちるわ、お疲れ様。」

 

 

雪『私も学校があるから落ちるね。お疲れ様。また明日ね。』

 

 

K『わかった。じゃあまた。25時、ナイトコードで。」

 

 

奏と会う約束をして全員がオフラインになっていった。それにしてもOWNって言うクリエイターは何者なんだろうか。奏が言うには雪みたいだけど普段の雪からは想像ができない。コミュ強で、テストもいい点をとって委員会の仕事も頑張って、部活もこなしながらニーゴの活動もしてる。まるでむかしのわたしみたいだなぁ。また明日、悩みとかあったら相談してねって釘を刺しておこう。

また昔の自分を思い出して少し嫌な気分になってしまった。

 

 

愛美「OWNの曲聴いてから寝ようかな…」

 

 

 

翌日

病院

 

 

私がリハビリを終えると病院の出口の近くには一際目を引く銀色の髪を腰まで伸ばし、ジャージ姿で待っていた。私は杖をつきながらその少女に話しかけた。

 

 

愛美「奏、お待たせ。少し待たせちゃった?」

 

 

奏「愛美、ううん、そんなに待ってないよ。作曲のこと考えてたらあっという間だった。あと、雪のこと。」

 

 

愛美「雪?それって昨日言ってた、OWNの正体が雪だって事?」

 

 

奏「それもそうだけど、昨日ね、愛美達が落ちた後雪が奏の曲に救われた気がした。って言ってくれたの。それが嬉しくて。」

 

 

奏はとても嬉しそうな様子だった。その後、軽くみんなの話をして解散。夜になった時私たちを揺るがす事件が起きた。

 

 

Amia『雪、来ないね、寝ちゃったのかな?うーん、昼には来るって言ってたのになぁ』

 

 

愛美「そんなこともあるでしょ。雪も人間なんだし、明日を待ちましょう。」

 

 

K『そうだね。』

 

 

その後1週間雪が来ることはなかった。




私、予約投稿ってしたことないのでやってみます。

では、皆さん25時に


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第三話「誰もいないセカイ」

投稿遅れて申し訳ないです。
(明日からテスト期間だからまた結構空いてしまうのですが…)
やっぱ物語を描くのは難しいです。
駄文失礼いたします。


雪が来なくなってから1週間。私たちは雪のことについて話し合っていた。

 

 

Amia『雪、何かあったのかな?事故とか病気じゃないといいけど。』

 

 

愛美「何か手がかりがあるといいけどね。チャットとか遡って何か言ってなかったか見てみようか。」

 

 

えななん『そうね、私も何か思い出してみる。』

 

 

そう思ってそれぞれ雪の手がかりを探し始めた。と言ってももちろん見つかるはずはなかった。

と思ったが。

 

 

K『ねぇ、共有フォルダの『untitled』って曲誰か入れた?』

 

 

Kの一言で共有フォルダを確認する。だが私が入れた覚えはなかった。だが保存された日付を見て、あることを気づく

 

 

愛美「そんなの入れた覚えないわよ?…このファイルの更新日雪がいなくなった日と一緒だ…」

 

 

Amia『何か雪と関係あるかも。開いてみるね。』

 

 

おそらくみんなが同タイムでuntitledを開いたのがわかったのはその後の反応を見て明らかだった。

 

 

K『眩しい。モニターが光って』

 

 

えななん『わっ!なにこれ!』

 

 

愛美「みんな大丈夫?眩しッ」

 

 

私の視界は完全にホワイトアウトしてしまった。

 

 

 

 

????

 

 

愛美「ここは…」

 

 

私は光に飲み込まれ気付けば一面何もない真っ白な場所にいた。私は裸足だったので足が床についていたが暖かくも冷たくもないのだが、なぜかこの場所は冷たいと感じた。

 

 

???「ここはどこ?静かで冷たい場所、ここは一体。」

 

 

愛美「もしかしてその声、奏?大丈夫?」

 

 

あたりを見渡すと奏の姿があった。服装ははいつものジャージ姿だ。

 

 

奏「その声、愛美?なんでこんなところに?」

 

 

その疑問に答える間も無く、別の声が聞こえた。

 

 

???「ねぇ、ちょっと誰かいないの?」

 

 

???「おーい、誰かいないのー」

 

 

声の主を見てみるとショートカットにサイドに少し三つ編みを入れた少し茶髪の少女と、薄ピンクの髪にリボンのアクセサリーを付けた少女がいた。

 

 

奏「この声は…」

 

 

愛美「おーい、そこのあなた達〜」

 

 

 

私は二人に聞こえるように手を振った。えななんは自撮り写真で見たことがある、もう一人いるのはおそらくAmiaだろう。

 

 

???「わっ、びっくりした。」

 

 

Amiaと思しき人が声を上げた。

 

 

奏「その声、Amiaとえななんでしょ?」

 

 

Amia「え?あっ!その声!」

 

 

えななん「K?ってことはこっちがトロワ?」

 

 

愛美「うん、そうよ。」

 

 

えななん「よかった、二人ともこっちにきてたんだね、ちょっと安心」

 

 

Amia「えー、僕の時と態度違くなーい?もっとそっけなかったじゃん」

 

 

愛美「まぁまぁ、状況を確認しようか。私たちはuntitledって言う曲を再生したらここにきたって認識でいい?」

 

 

Amia「そうだねー、なんか異世界転生ものみたいでワクワクしてきたよ〜!」

 

 

えななん「あんた、のんきね。はぁ、せめてスマホがあったらこの場所がどこかわかるのに。あとバズりそうな写真撮れそう」

 

 

Amia「……えななんのほうがのんきじゃーん」

 

 

奏「確かにスマホがあればよかったけど誰か持ってない?」

 

 

愛美「持ってても意味ないかもね、明らかに外じゃないし、施設にしては天井が見えないから、Amiaのいう通りほんとに異世界なのかも」

 

 

奏「とりあえず歩いてみよう。愛美大丈夫?」

 

 

愛美「ええ、ちょっとだけなら」

 

 

1時間後

 

 

この不思議な場所を散策し始めて1時間弱たった。私はこんなに長く歩くと思っていなかったので疲れ果てAmiaこと、暁山瑞希におんぶされていた。思ったより力持ちのようだ。

 

 

愛美「ごめんね、瑞希。私、体がとても弱くて、ちょっと歩いただけでもダウンしちゃうのよ」 

 

 

瑞希「大丈夫、大丈夫〜。まさかいつもしっかり者のトロワ…愛美がこんなに体が弱いなんて思わなかったよ。」

 

 

絵名「奏と病院で会ったって言ってたし、リハビリが何とかって言ってたから、軽い怪我かと思ってたのに。こんなに深刻なら早く言ってよね」

 

 

えななんこと、東雲絵名。彼女はいわゆるツンデレだった。トゲのある言い方だが、なんだかんだ私のことを心配してくれる優しい。

 

 

奏「私もごめん、いつも杖を持ってるから平気なものだと…」

 

 

愛美「あはは、本当にごめんね……!待って、誰か見える。」

 

 

みんなと話していると少し先に誰かが見えた。みんなが止まり、目を凝らして少し遠くを見るとその人影はこちらに近づいて来ていた。

 

 

絵名「誰だろう。こんなところに」

 

 

瑞希「なんか近づいてきてない?」

 

 

愛美「あれ?あなたは……」

 

 

近づいてきた少女は数日前、モニターの中で見えた私に似た少女だった。外見は全然似ていないのになぜか似ていると思ってしまう。

私たちの目の前にきた少女は話し出した。

 

 

???「私は、ミク」

 

 

奏「ミク?あなたが?」

 

 

瑞希「え?ミクってあの?言われてみれば見た目はそれっぽいけど……ほんとに?だとしたら凄くない?」

 

 

絵名「ミクってバーチャルシンガーでしょ?こんなことにいるわけないじゃん!」

 

 

瑞希「ごめん、瑞希。降ろして欲しい。」

 

 

瑞希は何も言わずに降ろしてくれた。降りた私は彼女に近づいていく。彼女の顔に手を触れた。彼女の肌は暖かかった。

 

 

愛美「ミク、もしかしてここに雪がいるの?」

 

 

ミク「雪……わからない、けどあの子ならいる。」

 

 

あの子…とりあえず、その人に会ってみよう。

 

 

愛美「そう、じゃあ、私たちをその人に合わせて欲しいな。」

 

 

ミク「分かった。」

 

 

ミクに連れられ私たちは歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第四話「雪」

お久しぶりでございます。
本当に申し訳ないくらい失踪してました。

3ヶ月も更新せずに申し訳ない。試験勉強だったり、バイト、などなど様々なモンスター…じゃなくて、イカ…でもなくて、要因がありまして、遅れてしまいました。
(本当に反省しております。誠に申し訳ありませんでした。)


私たちは移動中この不思議な場所の説明を受けた。

想いでできた場所、セカイというらしい

 

「あの子はいつもここにいる」

 

「ミク…?」

 

振り返ると暗い紫色の髪をした少女がうつろな目で立っていた、先ほど発した声はトーンは違えど雪だと思った。

 

「その声…雪?」

 

 

「ミク、どうしてここに人がいるの?」

 

その声は驚くほど冷たかった。問い詰められたミクは無言だったが瑞稀と絵名が沈黙を破った。

 

「えっ?雪?確かにその声言われてみれば…」

 

「でも、本当に雪なの?なんかナイトコードで喋ってる時と雰囲気違くない?」

 

絵名の言う通り全く雰囲気が違うのだ、普段の明るい優等生ではなく今の雪からは普段喋らなくて、考えの底がしれない根暗な子の印象がある。学校とナイトコードで雪が明るい優等生を演じ続けているとしたら雪は…

 

「雪…」

 

「あなた、本当に雪なの?」

 

「その声…Kに、トロワ」

 

「本当に雪なんだ…」

 

「えななんとAmiaまで…」

 

「よかった!無事だったんだね、雪!連絡取れないから心配だったんだけどホッとしたよ。もしかしてずっとここにいたの?あ、帰り方がわからなくて困ってたとか?」

 

瑞稀の言葉を聞いて雪は少し顔をしかめる。

 

「あれ?雪、大丈夫?もしかしていなかった間何も食べてなかったりする?」

 

心配する瑞稀だが雪から帰ってきた言葉は想像するものとは違った。

 

「うるさい」

 

この言葉に全員が固まった。

 

「このセカイに来ないで、ひとりにさせて」

 

意味が理解できてない私たちは雪にまた問い詰めた。

 

「何それどうゆう意味?ひとりにさせてって、帰りたくないってこと?」

 

「雪、困ってるなら相談に乗るよ?何も一人で抱え込む事じゃ…ううん、ごめん」

 

私はその言葉を言い切れなかった。一人で抱え込んだ結果、勝手に体を壊した私はそんなこと言えなかった。

 

「ひとりで、それは…」

 

「ちょっと、わけわかんないんだけど…」

 

絵名は小声で言う多分雪にも聞こえてると思うけど…

 

「じゃあ、もう雪はボクたちとは曲を作る気はないってこと?」

 

「そう、何度も言わせないで」

 

「っ……」

 

私はその言葉にグサッと刺された気がした。私は何も言えずにただ立ち尽くすことしかできなかった。

 

「ちょっと待ってよ、そんなこと急に言われたって奏もびっくりしてるし…奏?」

 

奏は雪に物怖じしてなかった。奏は真実を確かめるように雪に問う。

 

「じゃあ雪はひとりで…OWNとして曲を作っていきたいの?」

 

私はようやく心の落ち着きを取り戻し、奏の言葉に続く。

 

「雪がニーゴに入る前、作ってた曲。全部奏と聞いた。歌詞の書き方とか音の広げ方とかOWNにそっくりだった。でも私は信じられなかったけど、今のあなたを見て納得できたわ。雪、OWNはあなたなのね。」

 

「………そう、OWNは私」

 

私は雪に感じていた違和感が、なくなった。こんな完璧超人いるわけがない、でも、ここなら中で今の問いを否定してほしかった自分もいた。

 

「マ、マジですか…」

 

「ほ、本当に?雪がOWN?じゃあ私とAmiaがOWNの事話している時……え?……なんであの時言ってくれなかったの?」

 

「別に、言う必要がなかったから言わなかっただけ、雪じゃない私はあなたと話したいことなんてないから」

 

絵名の言葉にも雪は悲痛な言葉を投げる。

 

「なにそれ!ふざけないでよ。何も知らないで騒いでる私たちをどうゆう気持ちで見てたの?馬鹿だなって思ってたわけ!?」

 

絵名は大声で雪に言う。絵名の怒りは当然の怒りだが、絵名の様子が少しおかしい。いつも怒る態度とは何か違う。

 

「ちょ、ちょっと落ち着いてよえななん。雪も、もうちょっとちゃんと話そうよ。ね?」

 

ここで瑞稀が仲介しに入る

 

「ねぇ、雪がOWNだとしてもさ、OWNで曲作りながらニーゴでもやっていくのは無理なの?いくらなんでも急すぎるしボクたちとはも…」

 

「私はニーゴにいる必要がない」

 

「ゆ…き?」

 

その瞬間、私は雪に溜め込まれている闇の深さを知った。雪は常に限界だったんだ。もう私たちが関わり合いを持った時点で雪は心の限界を超えていたんだ。

 

「ニーゴにいても足りなかった。初めてKの曲を聴いた時は少しだけ救われたような気がした。だからKの傍で探せば見つけられるかもしれないって思った。でも…それじゃ足りなかった。見つけられなかった。

 

「…あ………救えて………なかった。」

 

その瞬間奏から生気がなくなった。雪はお構いなしに言葉を続ける。

 

「Kと一緒にいても見つからないなら、もう、自分で見つけるしかない……ミク、これ以上この人達と話すことはない。追い出して」

 

私はもう雪を説得できる気がしなかった。雪が帰れと言うなら大人しく帰って作戦を立て直す。だがミクはわたしたちを追い出さなかった。

 

「そう、あなたは本当に一人で見つけられるの?」

 

「ミクが、私が、まだ私を見つけられるって言うのなら全てを捨ててでも探し出す。私にはもうそれしか残されてない。もしそれで見つからないならわたしは、もう……消えるしかない…」

 

消える……か、そんなことひさしく思ってないな…

 

雪の言葉にえなも瑞希も納得できていない様子だった。

 

「もう一度ちゃんと話そうよ、雪もちょっと変だしさ。」

 

「変?わたしが変ならあなた達だってそうでしょ?だって本当はKもAmiaもえななんも…トロワも、

誰よりも消えたがってるくせに」

 

「「っ……」」

 

奏と絵名は図星といった表情だった。瑞希はずっと黙っている。私は…

 

「どうしてわたしだけが変だなんて言えるの?」

 

「もう、どうしちゃったの雪?ボクが消えたいってどうゆうこと?ボクは毎日楽しいしそんなこと思ってなんて…」

 

「そうゆうのもういいよ、Amia、あなたはいつも楽しそうにしてるけど私のいってることの意味、全部分かってるんでしょ?」

 

「へぇ?」

 

声がワントーン下がる。瑞希も図星だったようだ。

 

「とにかく、もう、つかれた、ミク。この世界にこの人達はいらない」

 

「うん」

 

ミクは返事をすると次々にみんなを消していった。残るは私だけ、

 

「あなたも」

 

ミクが私を触ろうとした瞬間わたしは雪の方向に倒れ込んだ。

 




ペースを戻します。
(投稿するとは言ってない)←しろ


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第5話「迷子のアイオライトと孤独だったアメトリン」

休んでたのでどんどん行きます。

タイトルで察しのいい人はわかると思いますが、あの二人のことです。


わたしはミクに触れられる瞬間雪の方に倒れ込んだ。

 

「っ!!!」

 

雪は倒れ込む私を受け止めた。なんでわたしが倒れたかって?そう、わざとである。

 

「あれ?雪?私たちのこと、いらないんじゃないの?」

 

「……うるさい」

 

「じゃあ、昔話しよっか、……

 

わたしはなぜ今のわたしが出来上がったのかを話した。その話を聞いても雪の表情は変わらなかった。

 

……今のわたしの話を聞いてどう思った?」

 

「わからない…」

 

「そっか、雪はさっき、わたしのことを消えたがってるって言ったけど本当は違うよ。わたしはね、消えれなかったんだよ。消えようとしたらやってくるのよ、救世主ってものはどんなところにでも手を伸ばしてくる。」

 

わたしはわたしを救ってくれたひとを思い出す。

 

「……」

 

雪はもう何も言わなかった。

 

「わたしが言いたいのはそれだけ」

 

わたしは立ち上がって、雪を抱きしめた。

 

「あ、最後に名前だけ聞いてもいい?私は九十九愛美。」

 

「………」

 

雪は何も返してくれなかったので、ミクに返してもらうように頼んだ。ミクの手を握ったところで雪がつぶやいた。

 

「まふゆ、朝比奈まふゆ」

 

「そっか、じゃあねまふゆ」

 

わたしの視界はホワイトアウトしていった。

 

 

 

 

数日後

 

 

わたしは学校に来ていたわたしのクラスは2年B組、普段のように女友達と話しているとある噂が聞こえた。その噂とは奇妙な格好をしている一年生がいると言う噂だった。その生徒は不登校であまり出くわすことがないそうだ。わたしは別に興味がないので友達と別れ、夕方の廊下を歩いていた。すると、教室の中に瑞希がいた。中の授業が終わってるように見えたので話しかけてみた

 

「あれ?瑞希じゃん、瑞希って神高だったの?」

 

瑞希はびっくりしたような顔をしてこちらへ向かってきた。

 

「ええ!愛美!?そっちこそ神高だったの!?」

 

お互い話していると私の同級生の男子が話しかけてきた。私ではなく瑞希に、

 

「なぁ、暁山ってお前の事だろ?」

 

「そうですけど…」

 

「あれ?九十九さんもいたんだ、今帰り?」

 

「ええ、かわいいかわいい後輩と一緒に帰ろうと思ってたの。」

 

「そんなーかわいい後輩だなんて〜照れちゃうな〜、それでセンパイ?ボクに何かようですか?」

 

「用ってわけじゃないけど気になってさ。暁山ってなんでそんな格好してるわけ?」

 

「そんな格好って瑞希は、自分の好きな格好してるだけじゃないの?」

 

「え?九十九さん知らないの?変な格好してる一年の噂、あれ暁山のことだよ。」

 

 

 

瑞希side

 

(あーあ、終わっちゃった…せっかくニーゴでは隠せてたのに…)

 

ボクはいつも自分らしくいたいだけなのになんでいつもこうなっちゃうんだろう

 

「それが?何か問題でも?」

 

「えっ?」

 

思いもやらぬ回答にボクは思わず声がでてしまった。愛美はそのまま続ける。

 

「○○君って確か進学希望でしたよね?」

 

その言葉から愛美の雰囲気が、変わった。何が変わったとかは分からないが、まるで、この前見た雪のようだった。

 

「あ、ああ、そうだけど…」

 

センパイはたじたじに答える。

 

「では、いじめの証拠として、この音声を学校側に提出しますね。」

 

というと、愛美はスマホを録音モードでセンパイに見せた。

 

「いじめってただ質問しただけだろ?」

 

「そうでしょうか、現代の社会ではこう言った問題には敏感なのはご存知ですよね、学校に言ってしまえば進学で大きく不利になってしまいますね。」

 

「………」

 

黙り込むセンパイ。まだまだ愛美は喋り続ける。

 

「では質問を変えます。さっきした質問、わたしにもできますか?そうですね例えば「九十九さんはなんでそんな杖なんかついてるの?」とかでしょうか?」

 

「そ、それは…

 

センパイは苦しい表情をしていた。愛美がこうなってしまった理由を知っているからだろう。

 

「差別に厳しい現代社会では、そのような考え方では生きていけなくなってしまいますよ?わたしの言ってることが理解できるなら……瑞希に謝ってくれない?」

 

愛美は最後だけいつもの愛美だった。雪は愛美が消えたがってるっておもったのが信じられなかったけど全然間違ってないのかも知れない。

 

「あ、暁山。俺の言動は配慮に欠けていた。すまなかった。」

 

論破された先輩は素直に謝ってくれた。呆気に取られているボクは曖昧な返事しかできない。

 

「え?あ、うん。大丈夫ですよ?ボク全然気にしてないですし」

 

「そ。そっか、じゃあ、俺ら帰るから」

 

そういうと、センパイたちは走り去ってしまった。

 

「じゃあ、帰ろっか、瑞希」

 

「あ、愛美…その、このことは…」

 

「言わないよ。」

 

「えっ?」

 

「この話は瑞希が直接みんなに話すまで言わない。」

 

「うん…ありがとう…」

 

「じゃあ、雪を連れ戻す作戦でも立てましょっか!」

 

全く、ボクの気心も知らないで…

 

気づけばボクの目には涙があった。

 

 

 

 




はーい、てことでね、まふゆのお話でした〜。

タイトルは「トリコロージュ」の歌詞からとったよ。みんな気づいたかな?

今日はもう一話投稿したいな、できるかな、ワカンネ(予約投稿)


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第6話「手がかり」

どーもどーも、2周年終わっちゃいましたねー

わたしは次イベのモモジャンが楽しみで仕方ない。

今回はオリ主の話になります。


ナイトコード

 

私とKはひたすら曲を作り続けていた。Kは作曲、わたしは作詞とMIXを担当と、言っても雪のようにできるわけじゃないからKと常に相談しながら行っている。そんな生活はもう1週間続いてる。

 

そんな生活の中OWNの新曲が発表された。

 

それを聞いたKは黙り込んでしまった。私は今日は終わりだと思い、通話を抜けた。そしてある場所へ向かった。

 

ついたのは高そうなレストラン……とかではなく、ただのファミレスだ。

わたしは朝にある人を呼び出していた。

 

「夜勤明けなのにごめんなさい、唯さん。」

 

「ほんとよ、今朝も患者さんが騒ぎ出して大変だったんだから」

 

この人は磯貝唯さん。3年前、私が目覚めた時最初に話してくれた人だ。そして、わたしの救世主でもある。

 

「で、今日はどうしたのよ。愛美から呼び出すなんて珍しいじゃん」

 

私と唯さんは個人的に連絡を取り合い、気兼ねなく話せる仲になっていた。この救世主なら雪…いや、まふゆ救うヒントが見つかるかもしれない。

 

「実は相談があって…」

 

「ふーん、真剣な相談みたいだけどどうしたの?」

 

「実は友達が失感情症っぽいんだよね」

 

「は?あんた…

 

すると唯さんが驚いたと思ったらここがファミレスだということを思い出し、小声で話しかける。唯さんが大声を出したせいで周りの注目が集まる。

 

「あんた、そんな話ファミレスで言うことじゃないわよ。」

 

「大丈夫、大丈夫。で、なんか治す方法とか知らない?」

 

「知らないわよ。医者とかその子の親に任せればいいじゃない」

 

「その子は親にも隠してる。とゆうか、自分に感情がない事を誰にも相談せずにずっと隠してたのよ。わたしはその事をたまたま事故で知っちゃっただけなの」

 

「ふーん、じゃあ簡単じゃない。その子に一生寄り添えばいいのよ、わたしが愛美にしたみたいに」

 

「そんな簡単に……」

 

「できる。とゆうか、私にできるのに愛美が出来ないわけないでしょ?」

 

「うっ…その言葉はずるいよ…」

 

「はい解決〜、じゃあわたしは帰って寝るから、気をつけて帰んなさいよ〜」

 

わたしがこの人に弱いのは3年前、ある出来事のせいだ。

 

 

 

3年前…

 

 

わたしが目覚めて数日間、わたしの精神は疲弊していた。そんな中唯さんは明るくわたしに話しかけてくれた。

 

「愛美ちゃーん、おねーさんがきたよ〜」

 

「磯貝さん…病院ですよ?」

 

「知ってる知ってる〜」

 

わたしが目覚めた日に抱いていた唯さんのイメージはもはや無くなっていた。あんなに頼もしかったのに。

 

「いつも言っていますがわたしのことは放っておいてください今更どうでもいいんですから」

 

「まぁまぁそんなこと言わずに〜」

 

唯さんはいつもこの調子だった。いつもこの調子なので正直言えばわたしはイライラしていた。その怒りが限界に達してしまったときつい言ってしまった。

 

「だからもうわたしに構わないでください!私は貴方みたいに人の内情にズカズカと入り込んでくる人が大嫌いなんです!」

 

「え?ちょっ、どうしたの?いきなり」

 

「だからもう私に構わないでって言ってるんです!大体、貴方が周りの世話をしてくれなくても私はもう生きていけます。貴方のできることはわたしは絶対にできるという自信があります。」

 

この時のわたしはだいぶ荒れていたので今考えれば絶対に言わないことも平気で言っていた。

こんなひどいこと言っても唯さんはいつもわたしに寄り添ってくれた。

 

わたしが転びそうになった時も、リハビリで疲れて帰ってきた時もなったお世話をしてくれた。お互いの呼び方はいつしか「唯さん」「愛美」になっていった。

 

 

 

 



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第7話「トパーズとピンクパール」

よかったー、25時に間に合ったー

物語も佳境です。じゃんじゃん行きますよー


唯さんと別れたわたしは家に戻り、ナイトコードへ向かった。そこにはえななんだけがいた。

 

「あ、トロワ…」

 

「えななん、やっほー、昨日はごめんね、わたしもKも切羽詰まってるみたいでそっけない態度とっちゃった。」

 

「ううん、大丈夫…」

 

「元気ないけど何かあった?あ、そういえばAmiaとKは?」

 

「セカイに行ったよ。」

 

「セカイに?」

 

「そう、雪を連れ戻しに行ったわ。」

 

「えななんは行かないの?」

 

「わたしは、どうでもいい…消えたいなら好きにすればいい…雪なんてOWNなんて…OWNの曲なんて…どうでもいい…」

 

えななんの言葉は段々と力を無くしている。また彼女も、迷っているのだろう。

 

「えななん」

 

「なに……」

 

彼女の声はもはや覇気を失っていて、啜り泣く声だった。

 

「私はね、無理が祟って1ヶ月も寝てたことがあるの、目が覚めた時は本当にびっくりして、テストが〜とか、受験勉強が〜とか思ったけど少し経てばもうどうでもよくなっちゃったの。」

 

「………」

 

「そんな中でも私には救世主がいたの、私がどんなにどんなに突き放してもずーっと私を救おうとしてくる人が。雪の場合、その救世主はKのことだと思う。」

 

「……」

 

「だけどKだけじゃ今の雪を救えない。そこに私がいても、Amiaがいても雪は救えない。えななんがいて、ニーゴとして雪を救う必要があると思う。」

 

「………」

 

「えななんは雪のことが嫌いかもしれないけど、雪が消えちゃったら私たちはもうニーゴじゃない。だから嫌いでも嫌いなりに…そうね……雪にガツンと一言言ってやらない?その言葉が雪を救うかもしれないからお願い、一緒にセカイに行こ?」

 

プツッ

 

えななんは通話を抜けてしまった。私の訴えはえななんを説得できなかったかもしれない。仕方ない、私だけでもセカイに

 

ティロリン

 

「えななんからメッセージ?」

 

『ほら、早くいくわよ、『untitled』って言うのを再生すればいいんだっけ?一緒に行くわよ。』

 

わたしは心の中で喜びながら返信をした。

 

『うん、合ってるよ。じゃあ、行こっか』

 

わたしは『untitled』を再生し、視界がホワイトアウトした。

 

 

 

 

誰もいないセカイ

 

絵名side

 

「見つからなかって……っ、また探して、違うって絶望して……もうこれ以上、どうしようもないじゃない……」

 

雪は泣きそうになりながら心の内を語っていた。わたしの言葉とAmiaの言葉で雪の本音を吐かせるところまできたのに、あと少し、もう少しで…

 

「大丈夫。探して見つからないなら、探し続ければいい。」

 

「「「「え?」」」」

 

わたしが後ろを向くとそこには木製の車椅子に乗ったトロワ…愛美がいた。

 

 

 

愛美side

 

私がみんなの元に着くとまふゆはもう泣きそうだった。

 

「トロワ…」

 

「よかった、間に合って、この車椅子を見つけれなかったら危なかったよ。」

 

「愛美!今までどこに、いたのよ!」

 

絵名がこちらに寄ってくる。一緒に行ったはずなのに私だけが遠くにいたみたいだ。

 

「ごめん、ちょっと遠くにいたみたい。雪には話した事あるよね、わたしが消えたがってた時の事。わたしは消えたくても消えれなかった。ある人に救われてわたしは思ったの。わたしも人を救いたいってだから雪、わたしは貴方を救う。どんなに拒絶されても、どんだけ時間がかかっても、わたしは貴方を救うために探し続ける。引き離したって無駄、わたしは絶対、貴方を救う。」

 

「わたしも作り続ける。この作った曲で雪を本当に救えなかったとしても救えるまで作り続ける。雪が自分を見つけれるまで____ずっと作る。」

 

雪は数秒無言だった。表情がわかりづらいがおそらく驚いているだろう。

 

「トロワもKもなに、言ってるの」

 

「ずっと作る。お父さんの呪いだとしても、わたしはもうわたしの目の前で誰かが消えるのを見るのは嫌なの」

 

「でも__でも__Kは本当は消えたいんでしょう!?」

 

雪は心が叫ぶ

 

「うん、そうだよ…だからもし、私が絶望して消えそうになったら、その時は雪が「まだ見つかってない」って言ってくれればいい。そう言ってくれればわたしはずっと作り続けれるから」

 

「トロワも分かってる?そんなの、自分に呪いを増やすようなものじゃない。私が私を見つけられるまでKもトロワもずっと曲を作り続けなくちゃないそれを…」

 

わたしの答えは決まっている、雪を救う。雪はが救われるまでわたしは絶対雪のそばに居続けたい

 

「そんなことわかってるよ。どのみちKは曲を作り続けなくちゃいけないし、私は雪を救うまで絶対に離れないから。」

 

「わたしはただのエゴだよ。トロワも言った通りわたしは曲を作り続けなくちゃいけないし、雪の分が増えたってなんでもないよ。」

 

「わからない。見つかるまでどのくらいかかるかわからない。見つからないまま終わるかもしれない…それでも………本当にやるの?」

 

「「うん(もちろん)」」

 

「そんなに必死になって馬鹿みたい………はぁ、ならもう少しだけ探してみるよ。………本当に見つかるまで探してくれるんだよね?」

 

「もちろん」

 

「大丈夫、雪。いつか絶対救ってみせるから。」

 

 




いかがでしたでしょうか、もう少し、後一話で終わりたい!


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第8話「悔やむと書いてミライ」

危ない危ない、また失踪するところだったぜ〜

今回でニーゴ編最終回。感動のラストを見逃すな。


誰もいないセカイ

 

「はぁ、なんとなったのかな?それにしても本当にめんどくさいやつ」

 

「まぁまぁ、でもよかった、えななんもそう思うでしょ?」

 

「さあね」

 

少し遠くで見ていた絵名と瑞希も解決したことを察し、安堵の表情を浮かべている。

 

「そういえば……OWNの曲全部聞いたよ。」

 

あの量の曲を全部聞いたの?もうなんかあれだな、凄いな

 

「そう」

 

「やっぱり全部雪がいた、雪の音がしたよ。」

 

「そっか…………今度教えてくれる?わたしの音ってどんな音か、」

 

「うん。……そういえば愛美、その車椅子どこで見つけたの?随分古いみたいだけど…」

 

セカイにきた時、近くにポツンと車椅子が置いてあった。だれがおいたのかもわからないし、前来た時は見つからなかった。

 

「うーん、分かんないけどどっかで見た気がする。」

 

そんな曖昧な返答をする。本当に見たことがあるけどどこだっけ…

 

すると突然今までのやりとりを黙って見ていたミクが突然喋り出した。

 

「よかった、本当の思いを見つけられたんだね。これでやっと一緒に歌えるね」

 

「歌えるってどうゆう事?」

 

「本当の想いから歌が生まれようとしている、ほら」

 

ミクがそう言うとセカイから歌が聞こえてくる。

 

「なんか聞こえる」

 

「もしかして、これがミクが言ってた。」

 

「この歌がわたしの本当の想い?でも私はまだ、何も見つけれていないのに…」

 

「ううん、まふゆは見つけられたんだよ。セカイが…そして歌がここに歌があるのがその証拠」

 

「ここに…私の想いが…」

 

「うん、だから一緒に歌おう」

 

「ミク……ありがとう。」 

 

「さあ、みんなで歌おう」

 

「え?なんで私たちまで…」

 

「本当の想いはあなたたちがいなければ見つけることができなかった。4人ともきてくれてありがとう」

 

「べ、別に私は雪に文句を言いにきただけだから。」

 

「ミク、私も歌いたいのは山々なんだけど、私は歌えないの」

 

そう、わたしは歌えないのだ。というより、歌っていると肺が苦しくなって最後まで歌えなくなる。歌えたとしても何テイクにも分けて歌うしかできない。せっかくセカイから歌ができたのに私は…

 

「大丈夫、信じて、」

 

ミクはそういうと歌い始める。

 

〜〜〜♪

 

セカイが音楽がながれる。

 

 

「〜〜♪」

 

歌える。歌える!なんで?全然疲れない。楽しい。久々にこんなに気持ちよく歌えるなぁ。

 

 

〜〜〜♪

 

歌い終わっても私が疲れることはなかった。

 

 

 

 

 

ファミレス

 

「あ!きたきた!おーいこっちこっちー」

 

わたしがファミレスに着くとAmiaこと暁山瑞希がこちらを呼ぶ。先に向かうと昨日見た4人が座っていた。

 

「お待たせみんな。」

 

「待ってない。」

 

少し紫がかったいろのかみをポニーテールでまとめた少女、雪こと朝比奈まふゆ。

 

「あんた座ってる4人の中で最後に来たでしょうが。」

茶髪のボブカットで神高の制服を纏った少女、えななんこと東雲絵名。

 

「愛美、1番に奥に行く?わたし一回立つね。」

いつも通りのジャージと銀の髪をストレートになびかせるKこと、宵崎奏

 

「ありがとう、奏」

 

そしてわたしを含めた5人の「25時、ナイトコードで。」通称ニーゴは初のオフ会を開いていた。

 

「それじゃあまず自己紹介タイム行ってみよー、まずはボクから………

 

自己紹介タイムはまふゆの番になった。そういえばまふゆの名前ってわたし以外知らないんだっけ?

 

「これからもよろしく、まふゆ」

 

「うん………迷惑かけてごめん」

 

「ねぇ、それほんとに悪いと思ってるわけ?」

 

「どうなのかな…自分でもよくわからなくて…」

 

やっぱり本当に失感情症なんだ…いや、大丈夫。わたしがなんとかすればいいのよ!

 

「あんた…もしかしてこれからずっとこんな感じなの…」

 

「あーもーはいはい、注文しよ、注文。ボクもうお腹ぺこぺこ〜絵名は何にする?」

 

みんな順番に注文していく、わたしはオレンジジュースとサラダを注文した。

 

「わたしもそれで」

 

まふゆはわたしと同じ注文をする。

 

「まふゆ、お腹減ってないの?」

 

「ううん、普通くらい。」

 

「わたし、少食だから別のにした方がいいんじゃない?お腹いっぱいにならないよ?」

 

「じゃあ奏と同じの」

 

「ウーロン茶とワンタン麺だね、オッケー。すいませーーん」

 

注文し終わり、ほんの数分ほどすると飲み物が先にやってきた。

 

「じゃあニーゴ初オフ会を祝してカンパーイ」

 

「「「「カンパーイ」」」」




いかがでしたでしょうか、

オタク解説入りますと、愛美ちゃんがセカイで歌を歌うことができたのはまふゆの想いによって、歌えるようになったという裏設定で、出来ております。


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プロセカファイル/ニーゴ雑景

本編も終わり、次のモモジャン編を考えていたらすっかり投稿を忘れていた奴です。
すみませんでした。


キャラプロフィール

 

名前 九十九愛美

職業 神山高校2年B組

趣味 作曲 掃除 

特技 収納術

好きな食べ物 サラダ

嫌いな食べ物 脂っこい食べ物

苦手 運動

 

いつも杖を持ったショートカット黒髪の少女。昔は運動も得意だった。本作では出番がなかったが、綺麗好き。類くんと同じクラスなのですが、接点はなし。

 

 

 

 

 

 

ニーゴ雑景

[訪問]

 

私は今、奏の家にいます。家主である奏は私の前で正座をしています。もちろんわたしはニコニコ(圧)である。

 

「奏さん。」

 

「はい。」

 

「なんでまた、こんなに散らかってるんですか?」

 

そう、「また」なのである。

 

「うっ…」

 

「その…まふゆを救うための作曲で忙しくて…」

 

「その事件から1週間経ちました。1週間もあれば掃除くらいできます。」

 

「ほら、最近新曲も投稿したし…」

 

「新曲投稿は三日前でしょ?」

 

「今日望月さんきてくれるし…」

 

「望月さんは奏の部屋まで掃除しないじゃん。」

 

「………ごめんなさい」

 

「よし、謝れて偉い。はい、片付けしますよ〜」

 

片付けはまだまだ終わらない。

 

 

 

[絵名vs愛美round47]

 

「えななんお願い!」

 

「ダメ、ここちょっとこだわりたいから」

 

「そこをなんとか…」

 

「ダ〜メ」

 

「じゃあ、まだ出来てないやつは?」

 

「これ書いたら一旦終わり。」

 

「そんなぁー」

 

「なんで私にばっか構うのよ。Amiaの素材集め手伝えばいいじゃない。」

 

「ボクのはもう手伝ってもらったよ〜、今回もカワイイのが出来そう。」

 

Amiaはそう言って作業に戻っていった。ちなみに今回のはとても自信作である。

 

「じゃあKは…」

 

「インスピレーションが浮かばないみたい。今頭を頭を捻ってる頃よ。」

 

今はミュートしているKだがミュートするまでは「違う…ここはもっとピアノを上げて…」などと言っていた。

 

「雪…は、今日はもう落ちたんだった…てか、なんで毎回私のこと手伝いにくるのよ。他ももっと手伝えばいいじゃない…」

 

「だって…えななんが毎回1番提出に時間かかるでしょ?」

 

「うぐっ、それはすみませんでしたね!とにかく!今手伝うことはないから!」

 

「そんなぁ」

 

round47勝者絵名 

 

 

[車椅子]

 

誰もいないセカイ

 

私は今車椅子に乗っている。セカイの中では前見つけた木製の車椅子をよく使っているのだが、よく車椅子を押してくれるのはまふゆ、次に絵名、瑞希、奏と続く。

 

「まふゆ、いつも車椅子を押してくれてありがとう。」

 

「別に。勝手にやってるだけだから」

 

「でも、ありがとう」

 

「……」

 

「あいつ、愛美が車椅子座るとすぐ押したがるんだから」

 

「絵名だって、まふゆがいなければすぐ押したがるくせに」

 

「それは…あれよ!人生経験よ。何事も経験でしょ。」

 

「はいはいそうですね〜」

 

「なんかムカつく…」

 

「車椅子押すのって結構力がいるよね。何かコツとかあるのかな…」

 

(それってただ非力なだけじゃ…)




いかがでしたでしょうか、
前書きでも言った通り、次はモモジャン編です。ちょっと投稿が遅くなるかもしれません!


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