ある日ゼットンが家に住み着いた件について (レイノート)
しおりを挟む

「幽霊アパートの龍臣さん」(番外編1)

ゴルシの話を書くと言ったな·····あれは嘘だ。(※書きたいことが多く、纏まらない為)
今回は主人公の親友、鈴木龍臣君の話になります。


おっすオラ龍臣。

突然だけど、あるアパートに住むことになったんだ。

理由はお隣さんの家で起きた火事に自宅が巻き込まれてしまったのさ。

まあ幸い、俺の私物は親友の家に住んでる家政夫さんのおかげで何とかなったから良かったよ。

私物を持ってきて貰っただけでもありがたいのだが、住む場所の紹介までしてもらえるとは至れり尽くせりだ。

そんなこんなでアパート前に着いたのだが、何とも異質な雰囲気を放つのを感じる。

 

 

「気をつけろ、ここの住民には常識が通用しねぇ

 

住むからには命を懸けろ、あと花京院の魂もな」

 

 

 

おい、親友。ここはそんな危険な場所なの。

てか花京院って人誰だよ、知らない人の魂を懸けられるわけないでしょうが。

 

 

 

『安心してくれ、ここの管理人の方は頼りになる方だ

 

龍臣君もそんなに心配しなくても大丈夫さ』

 

 

 

とホワイトボードにメッセージを書く。

恩人のゼットンさんが言うなら大丈夫か。

でもあの人家政夫なんだよね?瞬間移動したり、火球使ってたりしてたけど··········もしかして·····元マジシャンなのかな。

なるほど、確かにそれなら納得できる。(純粋)

 

 

 

「どーもこんにちは、管理人のブルーと言います

 

よろしくお願いします」

 

 

 

なんだかんだしてるうちに管理人さんが来ていた。

おっふ·····凄い美人な人だ。グラビアアイドルと言っても過言ではない美しさ。親友なんか鼻の下伸ばして、見とれている。

そう言えば年上のお姉さんが好みだったから、性癖がクリティカルストライク!!じゃないか。

 

 

 

「鈴木龍臣です!よろしくお願いします!」

 

 

 

僕は元気よく返事をする。

その後ブルーさんの後に続き、部屋へと案内された。

203号室、これが僕の部屋らしい。中も外観に比べてすごく綺麗で、家賃も学生の僕でも払える金額と言った好条件。

ちゃぶ台やガスコンロ付きのキッチンもついているから不便はない。

 

 

 

「最っ高ですねぇ!」

 

 

 

こんな素晴らしい所で一人暮らしなんて最高すぎますねぇ。

早速親友たちと荷物を運び込み、整理をする。

 

 

 

[キング・クリムゾン!!]

 

 

 

無事に荷解きは終わり、親友とゼットンさんにお礼を言ってから別れる。

ゼットンさんから頂いた麦茶を飲んで、ホッと一息を着いていた。

それにしても美味いなこの麦茶、今度作り方聞こう。

 

 

 

「さぁーて、飯にでもするか」

 

 

 

時刻は午後六時を少し過ぎた頃。

窓から見える夕焼け空がとても鮮やかで綺麗だった。本当に来てよかったと思える。

夕御飯の準備·····と言っても料理スキルがないので、もっぱらレトルト食品とインスタント食品のお世話になっている。

今日は新作カップラーメンの泣けるでぇ!兄貴塩という塩ラーメンで優勝していくことにしよう。

 

 

 

「さてとお湯もOK」

 

 

 

既に電気ケトルでお湯を沸かしていたので、かやくとスープの素を入れてお湯を注ぐ。

うーん、いい匂いだ。奮発して卵も入れておこう。

 

 

 

·····いけ

 

 

 

ん?一瞬何か聞こえたような、蚊でも入ってきたかな?

でも虫の羽音みたいな感じではなかったよな。

 

 

 

·····て·····け!

 

 

 

気のせいじゃない。か細い声が聞こえる。

でもどこからだ。

僕は目を閉じて、耳に意識を集中させる。これである程度は聞き取れるはず。

 

 

 

「出ていけ!」

 

 

 

Why!?今日入ってきてすぐに追い出すとか酷すぎますよ!

でもお隣から聞こえる声じゃないな。

 

 

 

「ん?」

 

 

 

そう言えば、この部屋についてる押入れをまだ開けていなかった。

まさかとは思うけど·····一応開けてみよう。

レッツオープンタイム!!

 

 

 

「え?」

 

 

「ひぇ·····で、出ていけ·····」

 

 

 

恐らく先程から出ていけコールをしていた犯人と思われる··········幼女がいた。

おいおいそんな漫画みたいな展開があるのかって?

あるんだなそれが。だってこれが夢だとしたらなんだって言うんだ。

 

 

 

「で、出ていけ~」

 

 

 

可愛い!!(CV島田敏)

何だこの愛らしい生物は!!今すぐ保護をしなければ!!(使命感)

 

 

 

 


 

 

 

「突然、出ていけなんて言ってしまい申し訳ありません

 

私はシーボーズのボーンと言います」

 

 

「僕は鈴木龍臣、よろしくね」

 

 

 

頭にドクロマークが着いたカチューシャを付けて、雪のように白い着物を羽織った幽霊のボーンちゃんか、礼儀正しいいい子だ。

さっきは怖すぎる余りに出て行けと言ってしまったらしい。いいよいいよ、そういうのもっとちょうだい。

でもなんで僕の部屋の押し入れに?

 

 

 

「実は、私もよくわからなくていつの間にかこの部屋の押し入れにいたのです」

 

 

 

うーん·····いつの間にか。少なくとも誘拐されかけて逃げてきたとかじゃなさそうだけど、こんな神隠しみたいなことがあるのか。

 

 

 

「右に200歩、下に256歩、左に63歩、ここで地下に潜るとお宝があるって友達に言われてやってみたらこうなりました」

 

 

 

なんで歩数指定してるんだ。というかうちの押し入れがワープゲートにでもなっているのか··········それってとってもすっごいな!(純粋)

マーベラス!!実に素晴らしい!!

 

 

 

「そっかぁ、色々大変だったんだね

 

僕は気にしてないから大丈夫だよ」

 

 

 

こんな可愛いくて優しい子は守らないとね。

 

 

 

「あの龍臣さん、折り入ってお願いがあるのですが·····」

 

 

 

お願い?なんだろう。

 

 

 

「ここに住まわせて貰えないでしょうか·····行く宛てがなくて·····」

 

 

 

????????(宇宙猫)

今なんと言った?ここに住まわせて貰えないか?

フハハハハハハ!ならば·····答えはひとつだァ!!

僕は手元にある割り箸を膝で叩き割る。

 

 

 

「貴方に·····忠誠を·····誓ぉぉぉぉう!!」

 

 

 

幼い少女が涙を浮かべて頼んでいるのを拒む理由などない。

僕で良ければ喜んでお力になります。

 

 

 

「あ、ありがとうございます

 

お礼と言っては何ですが、これを受け取ってください」

 

 

 

ボーンちゃんはそう言って取りだしたダンボール。どうやら以前利用していた通販でオマケに届いた品物らしい。

何が入っているのか楽しみだな。

カッターで封を切り、ダンボールを開ける。

 

 

 

「なぁにこれ★」

 

 

 

中身は片手で持てる何かの機械と二つのカプセルのようなもの。

なんだろう·····見たことも無いものなのに、何故か懐かしいように思える。不思議と違和感を覚えない。

まあ使い方は分からないし、後日使い方を模索するとしよう。

 

 

 

「ありがとう、大切に使わせていただくよ」

 

 

「はい、あのぉ·······あちらのものは大丈夫なのですか?」

 

 

 

ボーンちゃんはちゃぶ台の上に置いてある俺のカップ麺を指差す。

あっ·····ボーンちゃんに対応していて存在をすっかり忘れていた。

だめだ、すっかりスープを吸って伸びきっちゃってるよ·····なんて日だ!!

 

 

 

「あのぉ·····もしよろしかったら私に食事を作らせて貰えないでしょうか?」

 

 

 

なん·····だと·····!?

ボーンちゃんが料理を作るというのか、もしそうだとしたら···············最高ですねぇ!!(本音)

あっ、でも包丁使わせるのは危ないしな·····

 

 

 

「大丈夫です、料理には自信がありますので」

 

 

 

これだけ頼み込んでいるのだ。こちらが引かねば·····無作法というもの·····

 

 

 

「じゃあ、お願いします」

 

 

 


 

 

[10分後]

 

 

 

「すごいな··········」

 

 

 

まさか有り合わせの材料でこんなに美味しそうな炒飯を作ってくれるとは··········やっぱり幼女は最高だな。(CV梶裕貴)

 

 

 

「それじゃあ冷めないうちに·····イタダキヤス」

 

 

 

こ、これは!?美味い!美味すぎる!!

ただの炒飯とかそんなレベルじゃないぞ、なんだこれは国宝級か。

こんなに美味い炒飯は生まれて初めてだ。

 

 

 

「美味い!美味い!美味い!」

 

 

 

本当に美味すぎる。思わず列車に乗りたくなるぐらいに。

 

 

 

「良かった·····お口にあって良かったですぅ」

 

 

 

ボーンちゃんは満面な笑みで喜んでいた。

やめろ、その笑顔は僕に効く。

 

 

 

「ご馳走様でした」

 

 

 

皿とレンゲをシンクに下げる。

炒飯が運ばれてきてから五分も経たないうちに完食してしまった。

あぁ·····こんなに美味しい料理が明日も食えると考えると楽しみでしょうがない。

 

 

 

「龍臣さん」

 

 

「どうしたの?」

 

 

 

ボーンちゃんは正座をして、こちらを向く。

 

 

 

「改めて·····今日からよろしくお願いします♪」

 

 

 

感謝の気持ちから放たれた渾身の笑顔。

ダメだ!!そんな笑顔を見せてしまったら·····僕は·····僕は·····爆発するぞぉ!!

僕はその場でうつ伏せになって倒れる。

 

 

 

「(この生活が)止まるんじゃねぇぞ·····」

 

 

 

もうダメだよ親友。

僕は今日から始まる尊死生活に心が踊っているよ。

ボーンちゃんが心配して肩を揺すっている。

あぁ·····ぁぁ·····ここが僕の全て遠き理想郷(アヴァロン)だったんだ。

 

 

 

「龍臣さぁぁぁぁぁん!!?」

 

 

 

 


 

 

 

[一方の主人公宅]

 

 

 

「なぁ、ゼットン

 

今龍臣の霊圧が消えたような感じしたけど気のせいかな?」

 

 

『大丈夫だ、彼は理想郷にたどり着いただけだ』

 

 

 

よぅわからんけど·····まあいいか。

それよりもベヨネッタの崖はめの練習しないとな。

 

 

 

 


 

 

 

「ここかぁ·····最強(ゼットン)がいる町っていうのは·····」

 

 

 

特徴的な角に、赤茶色のジャケットを着た高身長な人物。

その傍らには巨大な蛇のような生物が追従している。それがペットなのか何なのかは知らない。

 

 

 

「待っていろ·····最強の称号は俺が貰うぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 




書いちゃったぜ★
この世界の龍臣くんは変態という名の紳士ではなく、我が命を懸けて·····幼子を守る系の龍臣プロです。
登場怪獣のアンケートをやっていますが、初代~レオまでの範囲でこんな怪獣を出して欲しい方がいれば、メッセージをお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

「ご唱和ください、彼の名を!(前)」(番外編2)

お気に入り登録者が予想よりも多くきて驚いているクソ投稿者です。
今回もカオスな展開になりますが、平にご容赦ください。


今日は新たに家族として迎え入れるラントのために、買い物に来ていた。洋服やマイカップと言った日用品などを買い揃えて、二人で商店街をブラブラと探索していた。

本当はゼットンも一緒に来る予定ではあったが、ラント用にあてがう部屋の改装をするために家に残っている。

つまり今は俺とラントの二人っきり。決してやましい気持ちはない。

兄妹がいない俺にとっては妹ができたようで新鮮な気持ちで、とても心が踊っている。

 

 

 

「みんな優しくて、この町の皆大好きなのだ~」

 

 

 

ラントを商店街の皆様に挨拶させたところ、すぐに人気者となった。

水晶のように純粋な輝きを持つラントを皆様大変可愛がってくれて、孫のように扱ってくれる方が多い。

彼女も満更でもなさそうだし、嬉しさのあまりにめっちゃ猫なで声を出している。

良くないな……こういうのは………(可愛すぎて)

 

 

 

「さてどうしようかな……」

 

 

 

ゼットンの作業が終わるまでにはもう少し時間はかかるし、寄り道でもしていこうかと思っていた時だった。

つなぎを着た男性が、自販機の下に手を突っ込んでいる姿を目撃する。

あらら……小銭でも落としちゃったのか?

でもあの人何処かで見たことあるような………

 

 

 

「あともうちょいなのに………」

 

 

 

え?え!?あの人ってナツカワ・ハルキさんじゃないか!?

本物か、本物なのか!?

落ち着け!俺の心のパラド!

ふぅ………落ち着いたぜ………ここは思い切って声をかけよう。

たとえ間違えてたとしても、なんとでもなるはずだ!!

 

 

 

「あのすみません~ナツカワ・ハルキさんですよね?」

 

 

「えっ!?なんで俺の名前知ってるんすか!?」

 

 

 

やっぱり本物なのか!まさか本当にご本人とは………たまげたな……

しかし、何故自販機の下に手を突っ込んでいるんだ。

 

 

 

「こんなところで何を?」

 

 

「実はウルトラメダルがここにあるんだ」

 

 

 

ウルトラメダルだと!

それは大変だ。確かになりふり構ってられない緊急事態である。

あっ、そうだ(唐突)

 

 

 

「ラント、あの自販機持ち上げてくれないか?」

 

 

「わかったのだ~」

 

 

 

ラントは自販機を掴み、そのまま持ち上げる。

見た目は子供、中身は怪獣のハイスペック幼女だぞ。でもまさかこんなに軽々と持ち上げると思わなかったな。

 

 

 

「おお!!すげぇ!おっメダルもあっ………何だこのメダル………」

 

 

 

ハルキさんが拾ったのは反応を見る限り、ウルトラメダルでは無いらしい。ちらっと横から見ると赤い深紅の鷹の意匠が入ったもの。

おっとこのメダルはまずいので回収させてもらおう。

 

 

 

「せっかく手伝って貰ったのに申し訳ないっす!」

 

 

 

深々と頭を下げるハルキさん。

いや勝手にこっちがやった事なので気にしないでください。ほとんどラントがやったことだしね。

 

 

 

「改めて自己紹介を、自分は地球防衛軍対怪獣特殊空挺機甲隊ストレイジの元パイロット・ナツカワハルキです!

 

よろしくお願いします!!」

 

 

 

と気合いの籠った挨拶をする。

元パイロットって事は本編後の時系列のハルキさんってことか。

でも一体なんでこんなところに?

 

 

 

「ハルキさんはこんなところで何をされているんですか?」

 

 

「いや~ウルトラメダルを奪いに来たバロッサ星人と交戦していたら、突然ものすごい爆発に巻き込まれてこの地球まで飛ばされちゃったんすよ」

 

 

 

突然の爆発か………ちょっと情報量多すぎますね!

しかしバロッサ星人にはそんな力はないし、単なる自然現象で起きた事とは考えにくい。

もしかしたら他の宇宙人の仕業かもしれない。

そうだとするとウルトラメダルを使えないハルキさんは危ないな。

 

 

 

「ハルキさん立ち話もあれですし、家に来ませんか?

 

同居人が力になれるかもしれないです」

 

 

「本当ですか!?お言葉に甘えさせていただきます!!」

 

 

 

 


 

 

 

「ただいま~」

 

 

 

ハルキさんを連れて我が家へと無事に帰宅できた。

道中での襲撃を警戒したが、特にこれといったことも無くて安心する。

 

 

 

『おかえり』

 

 

 

作業がおわったのか、ゼットンが玄関まで出迎えてくれた。

 

 

 

「ちょ!なんでここに怪獣が!?二人とも離れて!!」

 

 

 

ハルキさんは俺とラントを後ろに下がらせて、ゼットンの前に立つ。

あちゃ~やっぱりこうなったか。一言言っておくべきだったよ。

普通怪獣いたらこういう反応するし、俺もゼットンと最初にあった時はこんな感じだったな。

 

 

 

「ハルキさん、ゼットンは大丈夫なんですよ」

 

 

「え?ええ………?」

 

 

 

俺はゼットンの事をこと細かく説明した。

途中何言ってんだコイツみたいな目で見られたが、ゼットンが家事をしている様子を見て考えを改めてくれた。

 

 

 

「勘違いしてすみませんでした!!」

 

 

『気にする事はない

 

このなりでは勘違いされても仕方がない』

 

 

 

紳士的な対応でハルキさんを宥めるゼットン。やだこのイケメン、絶対人気投票一番だわ。

 

 

 

「いや~でも人と怪獣が共存しているなんて凄いですよ!俺感動してるっス!」

 

 

 

ハルキさん、安心してください。この町にはまだ多くのウルトラ怪獣が住んでいるのですよ。

バルタン星人とかブルトンとかレッドキングとか色々います。

と考え事をしている時だった。

突如、ハルキさんの後ろに光り輝く異空間への入口が出現した。

 

 

 

『ハルキ、この二人なら大丈夫でございます

 

中へと案内しちゃいなさい』

 

 

「分かりました、お二人ともちょっと狭いところですがどうぞ」

 

 

 

ハルキさんに言われるがまま、俺とゼットンは入口を潜る。

ラントには難しい話だと思うので、アイスを食べて待ってるように言っておいた。

 

 

 

「中は思ったよりも綺麗だな」

 

 

 

入口を潜った先は少し広々とした空間だった。

すごく神秘的な力を感じる。ここがインナースペースか。

 

 

 

『どうやらここは彼の空間らしい』

 

 

 

と書かれたホワイトボードを出す。

彼というのはやはり………

 

 

 

『ナイスチューミーチュー、私はウルトラマンゼット

 

君たちの事はハルキの中から見させてもらっていた』

 

 

 

すげぇ!!本物のウルトラマンゼットだ!!

やべぇよやべぇよ………興奮の余り、リオレウスみたいな声しか出なくなっちゃうよ。

 

 

 

[()()()()()()()()()]

 

 

 

М78星雲光の国の宇宙警備隊の期待の新人ウルトラマン。

自称ウルトラマンゼロの弟子を名乗っており、かなりの熱血系。

実力はゼロ曰く、三分の一人前と言われているが高い潜在能力を有している。現に通常のオリジナル体でラスボスを撃破している。

いやぁ、生の声を聞いてるとかっとビングしそうな声にしか聞こえねぇな。39という数字に縁がないですか?

 

 

 

「でもなんで俺たちをここに連れてきたんですか?」

 

 

 

ハルキさんの中で見ていたとは言ってはいたが、出会ってまた一時間も経っていない間柄。

最初は疑ってしかるべきだと思う。

 

 

 

「君達なら信頼できると思ったからなんでございます

 

正直目の前にあのゼットンがいるのは衝撃は受けているが、話がわかると判断させて貰った次第です

 

まあ………単なる勘だ………」

 

 

 

勘かよ!

でもゼットらしい答えなのでOKです。

 

 

 

「ゼットさんも俺もお二人の事は信頼できるって思ってます」

 

 

 

おぉ………そんなに言って貰えるとは思っていなかった。

感謝するぜ……二人に出会えた………これまでの全てに!!

 

 

 

『それで話というのは?』

 

 

 

とホワイトボードに書くゼットン。

 

 

 

 

「あぁ……ハルキから大体の話は聞いていると思うが、今現在我々は全てのウルトラメダルを落としてしまった

 

幸い全てのメダルがこの町にあると言うのは確認している

 

そこでこの街に詳しい君達の協力を仰ぎたいです」

 

 

 

なるほど……だいたいわかった。

協力するのは全然いいんだけど、メダル争奪戦になりそうな予感がするぜ。

 

 

 

『構わない、我々も目の前で困っている人をそのままにするような外道では無い

 

しかし、今日はもう遅い

 

メダル探索は明日にしよう、今日はシチューを作ったから君達も食べていってくれ』

 

 

 

流石ゼットン。紳士的でありながら男気溢れるやつだよ。

それにしても今日はシチューか、涎が止まらねぇ!!

 

 

 

「やったぁ!ずっと何も食べてなくてお腹空いてたんですよ!ゴチになります!!」

 

 

 

腹の虫が鳴りっぱなしだったハルキさんは腹を抑える。

ずっと飲まず食わずで、あんなハイテンションだったのか………ウルトラマンの変身者ってみんなあんなにすごいのかな?

まあ、それはさておきハルキさんがゼットンの料理に堕落する姿を見るとしますか(ニチャァ)

 

 

(※この後滅茶苦茶お代わりした)

 

 

 


 

 

 

[翌日]

 

 

 

とりあえず俺とハルキさん、ゼットンとラントの二組に別れてメダル探索を始めた。

まずは商店街の方々に聞き込みを始めて、そこから情報を集めるとしよう。

 

 

 

「悪いねぇ、そういった落し物とかの見てないんだ」

 

 

「そうですか、ありがとうございます」

 

 

 

顔なじみの商店街の方々に聞き込むも、メダルを拾った人はいなかった。それらしい物も見ていないと言うし、これはだいぶ困ったな。

この円谷町の中心とも言える商店街に一枚も落ちていないとは少し予想外だった。

ダメ元で交番にも聞いてみるとしよう。

 

 

 

「おーい!」

 

 

 

ん?あの声は……あっ!あの人は!!

 

 

 

「久しぶり、元気にしてたかな?」

 

 

 

俺に声を掛けてきたこの男性は獅子宮ゲンさん。

スタントマンと言う特殊な職業についているすごいお方だ。

フルアクセルのジープから逃げ切ったり、某配管工のような壁ジャンプもやってのけてしまう程の身体能力の持ち主。

 

 

 

「お久しぶりです、今回は随分長かったですね」

 

 

「そうなんだよ、今回受けた映画の役者さんがすごく拘る方で何度も撮り直しになっちゃったんだ」

 

 

 

わぉ……スタントマンって大変だな。

きっと滝に打ち付けられたり、松葉杖でしばき倒されたんだろうと思うと同情してしまう。

 

 

 

「隣の君は?」

 

 

「自分はナツカワ・ハルキと言います!よろしくお願いします!」

 

 

 

気合いの籠った声で挨拶をするハルキさん。

今日も全力全開ですね。

 

 

 

「こちらこそよろしく

 

あっ、そういえばさっき道を歩いてたらこんなものを拾ったんだ」

 

 

 

とゲンさんは胸ポケットを探り、それを見せてくれた。

 

 

 

「これは!ウルトラメダル!」

 

 

 

ゲンさんが拾ったのはウルトラメダル。ウルトラセブンとウルトラマンレオの二枚のメダルだった。

こいつは重畳の至り。一気に二枚も見つけられるとは。

 

 

 

「もしかしてこれは君達のものなのかな、じゃあこれは君達に返すよ」

 

 

 

ゲンさんはハルキさんにメダルを渡す。

 

 

 

「おお!ありがとうございます!!」

 

 

「気にしないでくれ、ただ拾っただけだから

 

それじゃあ悪いけど、今日はここでお暇させていただくよ」

 

 

 

とゲンさんは一言挨拶して帰路へと着く。

流石に疲れも溜まっているだろうし、無理に引き止めるのは無粋だろう。

とりあえずメダル、ゲットだぜ!!

 

 

 

「あっ、見つけたぞ!!」

 

 

 

ん?なんだバルタか。

どうやら俺を探していたようだ。なんだゼットンがいないから俺に勝てると思って来たのか?

 

 

 

「ふっふっふっ、今日こそはお前に勝つぞ

 

勝負しろ!」

 

 

「俺には関係ないね、メダル探してっからいいから気にせず勝手にやってくれ」

 

 

 

流石にバルタに付き合ってる時間はないし、メダル探しが優先だ。

彼女には悪いが、今回は放っておこう。

 

 

 

「ツッコミのくせにバカにしやがってよぉぉぉ!!何が勝手にやれだよ!! 勝負しろオラァァァ!!

 

 こんなツッコミにまでシカトされるなんて!どーせ人気投票は0票だよ!!フルボッコにされたり、黒幕にされたりよぉ!!

 

 宇宙忍者としての魅力がなくなったから・・・・だから私の言うこと聞かねーんだろ!?」

 

 

(※人気投票でのバルタの票は身内からの同情票のため、実質0票です。)

 

 

 

あーあー泣き始めちゃったよ。

隣のハルキさんなんてチベットスナギツネみたいな顔になってるし、めちゃくちゃだよ、全く。

しょうがない勝負してやるか。

 

 

 

「わかったわかった、勝負してやるから」

 

 

「フォフォフォフォフォ!!初めから言うことを聞いていればいいんだ」

 

 

 

あーだめだこいつ。すぐに調子に乗るから分からせてやらねぇとな。

 

 

 

「私に勝ったら、これをやろう

 

コンビニの駐車場で拾ったこのメダルを」

 

 

 

だぁに!?エースのメダルだと!!

本気を出さざる負えないな。

 

 

 

「わかった、勝負方法はどうする?」

 

 

「今回はこの千円アイテムで勝負だ!」

 

 

 

とバルタが取り出したのはオセロ。

よし、いっちょボコしてやるか☆

 

 

 

「この間とは違うと言うところを見せてやる!!」

 

 

 

 


 

 

 

どぉぉぉぉぉぉしてだよぉぉぉぉぉぉ!!

 

 

 

全てのマスが黒で埋め尽くされたオセロ。

当然、黒は俺の選択した色であり、容赦なくフルボッコにしてやった。

約束通り、メダルと途中から勝てるとバルタが意気込んでアンティで出した真紅眼の黒竜のカードを頂く。

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁん!!覚えてろよぉ!!」

 

 

 

泣きじゃくりながら逃げ出すバルタ。

調子に乗るからこうなるんだよ。少しはこれで反省してくれればいいけど。

 

 

 

「なんと言うか…………この町って色々凄いですね…………」

 

 

 

普段ボケ側のハルキさんも流石に引いていた。

この町は特殊だから多少はね?

 

 

 

「ふぅ、もうこんな時間か…………ハルキさん、今日は一旦切り上げて戻りましょう」

 

 

「そうっすね、今日だけで三枚も回収できただけでも嬉しいっす!」

 

 

 

時刻は既に夕方だったので、俺とハルキさんは帰路へと着く。

 

 

 

 


 

 

 

[円谷町近くの山林]

 

 

 

「ここが地球か……お宝の匂いがプンプンしてるぜ~」

 

 

地球に降り立った一人の宇宙人。

特徴的な二本の角に、キャプテンハットを被っておりまるで海賊のような格好をしている。

 

 

 

「バロバロバロバロ!!ツーカイにゴーカイに暴れまくってやるぜ!!」

 

 

 

この某海賊漫画のキャラのような笑い声をあげる宇宙人の目的とは一体…………

 

 

 

 

[to be continued]




初めてのウルトラマン回はどうでしたでしょうか。
上手くかけてるか心配ですが、なんとでもなるはずだ!!
人気投票は引き続きやっておりますので、良かったら投票をお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

「ご唱和ください、彼の名を!(後)」(番外編3)

今回はいつもより短めになりますが、カオス度は平常通りです。
腹筋の覚悟は充分かァ!!
それでは本編にどうぞ!


今日も今日とて、メダル集めに奔走している俺達。

火の中・水の中・草の中・森の中・土の中・雲の中と色々探しているが、進展はなかった。

ここまで見つからないものかと思ってしまうが、先日のゲンさんやバルタのように拾った人物がいるのかもしれない。

 

 

 

「ハルキさん、こっちはダメでした」

 

 

「自分の方もダメっす……」

 

 

 

やはり昨日バルタをボコボコにしたことで運を使い果たしてしまったか。

ちくしょう……こんなことになるなら真紅眼を貰わない方が良かったぜ。

 

 

(※前編を参照)

 

 

 

「バロバロバロバロッサ~探し物はこれかな?」

 

 

 

後ろから特徴的な笑い声が聞こえる。

振り返った先にいたのは、ドクロマークが描かれたキャプテンハットを被り、私は海賊ですよと言わんばかりアピールしている少女がいた。

しかもこれ見よがしにウルトラマンジャックのウルトラメダルを俺達に見せびらかせている。

 

 

 

「お前か!バロッサ星人!!」

 

 

 

だぁに!?バロッサ星人だと!?まずいですよ!!(迫真)

 

 

 

[()()()()()()]

 

 

 

原作ウルトラマンゼットより初登場した宇宙人。

渾名を宇宙海賊と名付けられており、他の種族から金品や武器の略奪を生業としている。

ゼット劇中においては、それぞれ別個体が3度も交戦しており、ゼットの代表的な敵として扱われたりなどかなり優遇されている。

 

 

 

「気軽にバロちゃんって呼んでもいいぞ~

その代わり……お前達のメダルを貰おうかな?」

 

 

 

そういうとバロの背に黄金の波紋が現れ、その中から特徴的なカットラス型の武器を取り出す。

 

ちょっと待てや!!明らかにそれAUOの宝物庫のやつだよね!!

それにその武器も某戦隊の主武装だろが!!

なになになに!関○一さんでまとめてるんですかコノヤロー!!

流石にツッコミどころ多すぎるわ……

 

 

 

「俺のこの剣が真っ赤に燃える!メダルを奪えと轟き叫ぶ!

 

行くぜ行くぜ行くぜ!!」

 

 

 

だから関○一さんフィーバーやめろってんだよ!!

剣を振り回しながら近づいてくるバロちゃん。

こっちは無手なんだ勘弁してくれ!

ハルキさんも攻撃を避けるので精一杯だし、かなりまずい。

 

その時だった。

自転車のブレーキ音が響くと共に、それは現れる。

 

 

 

「「ゼットン(さん)!!」」

 

 

 

我らが最強の象徴……ゼットンである。

自転車の止まり方が某SF漫画みたいだと思ったが、気のせいだろう。

 

 

 

『すまない、遅くなった

 

ハルキくんこれを受け取るんだ』

 

 

 

とホワイトボードのメッセージを見せつつ、ゼットンは空いている右手を使い、ハルキさんに何かを投げる。

 

 

 

「こ、これは!!」

 

 

 

見事にキャッチしたハルキさんの手の中に収まっていたのは、三枚のメダル。ウルトラメダルとは違う異質なメダルである。

 

 

 

『そのメダルは、人々の自由を守るために戦った仮面の英雄たちの力が込められている

 

君とゼットなら使いこなすことが出来るはずだ』

 

 

 

流石ゼットン、相変わらず仕事が早い。

仮面の英雄たちの力を使ったゼットの変身……楽しみすぎてオラわくわくすっぞ!

 

 

 

「ありがとうございます!!

 

いきますよ、ゼットさん!!」

 

 

『おう!いくぞハルキ!!』

 

 

 

ハルキさんはゼットライザーを掲げて、トリガーを押す。

出現したヒーローズゲートをくぐり、インナースペースへと入る。

 

 

 


 

 

 

[ハルキ・アクセスグランテッド]

 

 

 

ウルトラアクセスカードをゼットライザーへと装填し、認証が解除される。

 

 

 

「掴み取れ!友情の疾風切札!」

 

 

 

先程ゼットンから受け取った三枚のメダル。歴代のウルトラ戦士たちとはまた違う、人々を守ってきた英雄たちの力が込められたもの。

 

それぞれのメダルをはめ込み、スリットへと入れていく。

 

 

 

[ダブル!] [オーズ!] [フォーゼ!]

 

 

メダルを読み込み、ウルトラマンゼットがハルキの背後へと出現する。

 

 

 

ご唱和ください、我の名を!ウルトラマンゼット!

 

 

ウルトラマァァァァンゼェェェェェットォ!!

 

 

 

気合いの籠った掛け声と共にトリガーを押す。

 

 

 

[ハァ!] [セイヤー!] [オラァ!]

 

 

 

[ULTRAMAN Z ΩMAXTRYZE]

 

 

 

これがゼットの新たなる力。

 

[オメガマックストライズ]である。

 

 

 

 

 


 

 

 

「かっこいい!!惚れちゃいそうだぜぇ!ウルトラマンゼットォ!!」

 

 

 

余りのカッコよさに、思わず叫んでしまう俺。

煌めく閃光を放ちながら現れたのは、疾風を纏いしウルトラマンゼット。

黒と緑の長めのマフラーに、両腕には赤黄緑のプロテクターを纏い、全体的にカラフルな色合いが見事にまとまっている姿。

 

 

 

『さぁ……お前の罪を教えてください』

 

 

 

違う、そうじゃない!!

惜しいけど、微妙に違うんだゼット。彼らしい言い回しだが、この台詞だけはちゃんと決めて欲しかったぜ。

 

 

 

「バロバロバロバロッサ~

 

姿が変わった程度でいい気になるなよ!」

 

 

 

バロちゃんはお構い無しに、ゼットへと剣を振り降ろす。

不意に放たれた一撃、だからこそ当たると確信した彼女は少し油断をしていた。受け止められるはずがない……だがゼットがいつの間にか持っていた黒色の剣に防がれる。

 

 

 

「なっ!?」

 

 

 

先程までは何も手に持っていなかったはず。

無意識の内に剣を出した様だが、当のゼットは自分自身がやった事なのにめちゃくちゃ驚いている。

ゼットの剣だから……ゼットカリバーってところ?

まあ、無意識的な動きってよくあるから多少はね?

 

 

 

『ゼット、その剣にゼットライザーをかざすんだ』

 

 

 

とゼットンはホワイトボードにメッセージを書く。

まさか必殺技か!?

 

 

 

『えーとこうか……?』

 

 

 

[スキャニングゼット]

 

 

 

ゼットライザーをかざした剣は膨大なエネルギーが発生し、眩い光りが集約している。

これはもう勝利が約束されたようなものだろう。

 

 

 

「おお!すげぇ!

 

いきますよゼットさん!」

 

 

『おう!ハルキ!』

 

 

 

ゼットは剣を頭上へと構え、

 

 

 

『「セイヤァァァァァァァァァァァァ!!」』

 

 

 

バロちゃんへと振り下ろす。

その一撃は空間すらも断絶し、バロちゃんの体は真っ二つになった。これではバロちゃんではなく、バロ/ちゃんだな。

 

 

 

「おのれ!おのれ!おのれ!おのれ!!

 

次は絶対勝つからなぁ!!」

 

 

 

空間断絶が元に戻るのと同時にバロちゃんは爆発し、星となった。なんだろう……どっかの宇宙忍者とシンパシーを感じる。まあ25話経った辺りに戻ってくるだろう。

しかし、これが仮面の英雄の力を使ったゼットの力……やばいよやばいよリアルにやばいよ!(褒め言葉)

 

 

 

「ふぅ……終わったぁ」

 

 

 

変身を解除したハルキさんは、どっと疲れたのかその場に座り込む。あれだけの力だ、疲労もかなり溜まっているはずだ。

後で労らわないとな。

目的のジャックのメダルも無事に回収できたし、ひとまずヨシとしよう。

 

 

 

『ハルキくん、お疲れ様

 

今日はステーキを作るので良かったら食べていってくれ』

 

 

 

とゼットンはホワイトボードにメッセージを書く。

ハルキさんも嬉しいのか、疲労を忘れてすぐに立ち上がる。

ステーキなんて久しぶりだな……あぁ、腹減ってきたな。

今日のメダル探索はここまで、後は明日から続けようと思い、全員で帰路に着く。

 

 

 

 

 


 

 

 

[翌日]

 

 

 

このまま居候するのは悪いということでハルキさんは、朝早くからブルーさん管理のアパートに引越しすることになった。

ゼットンの口利きもあって特に問題なく住まわせてもらう事になり、そこを拠点に今後もメダル探しをするそうだ。

何でも昨日の夜に、師匠のウルトラマンゼロからウルトラサインが届き、メダル集めを終えるまでおめぇの席ねぇから!と言われたらしい。

 

 

 

「真面目というかなんというか、ハルキさんらしいや」

 

 

 

今後も機会があれば、メダル探しは手伝うつもりでいる。

たった二日間で起きた出来事とは思えない程、とても濃い体験になった。

さて、そろそろ龍臣との約束時間だし行くとしますか。

 

 

 

 


 

 

 

 

「これより、地球への侵略を開始

 

対象・宇宙恐竜ゼットンとインプットします」

 

 

 

地球より遠く離れた一つの星。

そこでは地球侵略のためのロボットを制作し、今しがた完成したばかりの様子。

必要データを入力しだい、地球への侵略を開始するようだ。

 

 

 

「くくっ……今回の機体は地球の技術でさえ、太刀打ちはできまい

 

このTYPE-Fにはね…………」

 

 

 

 

 

 

[to be continued]




ゼットのオリジナルフォームに関しては、完全なオリジナルです。
さて次回に登場する怪獣は一体なんなんだ……
ゴルシ回に関しての質問は…………ノーコメントでお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1話「もうギャグってレベルじゃねぇぞ!」

シン・ウルトラマンに影響されて、書き始めました。
ゼットンとの日常を描いたドタバタコメディをご堪能してください!


ある日それは突然訪れた。

学校行事の準備で短縮授業になったことにより、午前中で下校することになり、特に用事がないため教科書を纏めてリュックに詰めて帰路へつく。

折角大きく時間が空いたので、最近録り溜めていたアニメの消化でもしようと思い、コンビニに立ち寄りスナック菓子や炭酸飲料を買った。

どうせ明日は土日という学生にとってのご褒美タイム。夜遅くまで起きていられる。

 

 

 

「はぁ~テンション上がるなぁ~」

 

 

 

俺はテンションが上がり、思わず某幼稚園児の父親みたいな台詞を呟く。実際心がワクワクしているし、家に着くのが待ち遠しいことは確かだ。

世間で言うところのオタクではあると自覚しているし、アニメや特撮といったものは大好きだ。好きな番組はなるべくリアルタイムで見ているし、学校や用事がある際は忘れずにきちんと録画をしている。

 

そんなこんな考えているうちに家に着く。鍵を取り出して、出入口を開ける。

 

 

 

「ただいま~」

 

 

 

と帰りの返事をするが、誰の反応もない。

それもそのはず、うちには俺以外誰もいない。他界したとかそういうのではなく、両親共に海外で働いているからだ。

向こうで両親と一緒に暮らしていたが、外国の文化に馴染めなかったこともあり、俺だけ日本で生活することになったのだ。

両親も俺の意見を尊重してくれて、日本に戻った後は毎月生活に困らない程度の金額を口座に振り込んでくれている。

我儘を聞いてくれた両親に感謝をしつつ、日本での生活を謳歌している。

靴を脱ぎ、整えてファ〇リーズを掛けてから居間へと向かう。

 

 

 

「あれ?」

 

 

 

誰もいないはずの居間の電気が着いている。

今朝ちゃんと消したと思ったのだが、うっかり消し忘れていていたのかもしれない。

ガチャと居間の扉を開けて中へと入る。

 

 

 

「は?」

 

 

 

さっきは誰もいない言ったな……あれは嘘だ。(CV玄田〇章)

今の目の前にある光景が余りにも信じられないものだったせいか、俺の思考が一旦停止する。

幻覚を見ているのか、はたまた何かのドッキリなのかは知らない。

試しに頬を抓る。うん、痛い。

どうやらこれは現実、大変受け入れ難い現実だ。

だがこれだけはどうかツッコませてくれ?

 

 

 

どぉぉぉぉしてゼットンが家にいるんだよぉぉぉ!!

 

 

 

某ツッコミに定評あるメガネみたいな鋭いツッコミをかます。

いやだって、よく考えてみてください。

ゼットンですよ。あのゼットンですよ。

黒い体色との対比の白いエプロン姿で居間にいたらそりゃ思考なんて止まるわ。

てかエプロン着てなくても驚く。

 

 

 

「ゼットン……ピポポポポ……」

 

 

 

ゼットンから発せられる電子音じみた謎の音。一応鳴き声なのか、何なのかは未だにわかってない上に表情が全く読み取れない顔立ちだから意思疎通が取れない。

こっちの言葉も通じるかも分からないし、どうしたらいいんだよ。

 

 

 

「お、お前はぜっ、ゼットンなのか?」

 

 

 

とりあえず会話をしてみることにした。喋れなくても身振り手振りで何か分かるかもしれないと淡い期待をする。

するとゼットンはエプロンに着いている大きなポケットに両手を突っ込む。

取り出したのは小さなホワイトボードに水性マジックペン。

道具を取り出した際のゼットンは某ネコ型ロボットを一瞬連想させるが、彼のように親しみやすい姿で無いのが残念だ。

そんなことを考えているうちにゼットンはホワイトボードにメッセージを書いていた。

 

 

 

『私の名前は知っての通りゼットンだ。

君の両親に頼まれて今日から家政夫としてこの家に住むことになった。

唐突な事で申し訳ないが、よろしく頼む。』

 

 

 

やだめっちゃ紳士的やんけ。

そうかそうか、家政夫としてか。

なるほど……だいたいわかった……なんて言えるわけがないだろうが。

いや人間の家政夫さんを雇うなら分かるよ、でもよく考えてくれ。

いきなりウルトラ怪獣が家政夫としてくるなんて思わないよな。

良識ある人なら普通はいないよな。いねぇよな!。

 

 

 

「わ、わかった

一つだけお願いがある、後ろ姿を見せてくれ」

 

 

 

もしかしたらドッキリかもしれないと思い、着ぐるみかどうかを確かめるためにゼットンの後ろ姿を確認することにした。

ゼットンは素直に応じ、俺に後ろ姿を見せてくれる。

どうやら着ぐるみなどによくあるチャックはない。Dランドの着ぐるみのように被るタイプかもしれん。

 

 

 

「悪いけど、その…角を触らせてくれるか?」

 

 

 

こうなれば直接触れて確認するしかない。

このお願いにもゼットンは素直に応じる。俺の手が届くまで身をかがめてくれた。

恐る恐る手をゆっくりとゼットンの角に伸ばし、指先で触れる。

質感は少し固いが、程よい体温でむしろ心地が良い程だ。

 

結論。疑いたくはないが本物であった。

 

 

 

「ま、まあいいでしょう……」(某寿司屋風)

 

 

 

受け入れがたいが、これは現実。

れれれれ冷静になれ、俺氏。

一応両親にも連絡をしてから、この現実を受け入れればいい。

携帯を取り出し、父の携帯番号を入れ通話をかける。

 

 

 

「もしもし江宮です」

 

 

「もしもし父さん、俺だよ俺だよ」

 

 

「ハンバーグ師匠か?」

 

 

「そうそう俺だよ、ハンバーグ師匠……って違うわ!」

 

 

 

久々に電話をしたも思ったらこれである。父のギャグにノリツッコミするあたり、俺もこのやり取りに慣れてしまったんだな。

って感傷に浸っている場合ではなかった。

 

 

 

「うちの家にゼットン送り込んだのは父さんか?」

 

 

「そうだ

お前が寂しい思いをしてるとたまたま知り合ったゼットンさんに家政夫をお願いしたんだ」

 

 

 

いやいやいやいやいやどうしてそうなった。

確かにたまに寂しいと思う時はあるけども、そんなペットを飼う感覚でゼットンを雇うのはおかしい…おかしくない?。

 

 

 

「それに年末に家に帰った時、お前レトルト食品ばかり食べていたからな、まだまだ成長期なのに栄養バランス偏って食生活だから頼んだんだぞ?」

 

 

 

「ぐっ……」

 

 

 

こればかりにはぐうの音が出ない。

確かに朝昼晩の三食は基本レトルトばかり。たまに近くのファミレスなどで外食するぐらいだ。

学生としてはおそまつにもいい生活とは言えない。

 

 

 

「とにかく、後のことはゼットンに任せてあるからな

 

じゃ、Ciao☆」

 

 

 

「ちょ、ちょまてよ!」

 

 

 

あの親父さっさと切りやがった。しかも最後は地球外生命体みたいな挨拶しやがって......。

もうやだよぉ...ツッコミに疲れたぁ......。

 

ギャグ漫画さながらの怒涛の展開に疲れた俺はソファーに横になる。

少し寝たら夢オチでしたなんてパターンになってくれないかな。

 

 

「.........」

 

 

 


 

[二時間後]

 

 

 

「.........」

 

 

 

疲れの余りすぐに寝てしまった。

脳が覚醒したばかりで、まだ眠気が残っている。

加えて、腹の虫も鳴ってきた。

 

 

 

「もうこんな時間か......」

 

 

 

時刻は夜七時を少しすぎたところ。

夕食の準備をしないと思ってソファーから立ち上がる。

するとキッチンから香ばしいいい匂いがしてきた。

 

 

 

「ピポポポポ……ゼットン……」

 

 

 

うん、やっぱり夢じゃないよね。

ゼットンがキッチンで料理を作ってる姿で一気に目が覚めたから良しとしよう。

チラッと横から料理工程を覗く。

ゼットンが作っているのはカレーだった。スパイスのいい匂いがめちゃくちゃ食欲を唆ってくる。

先程から鳴っている腹の虫も我慢が出来ないほど激しくなってきた。

 

 

 

『あともう少しで完成する

 

それまでに君は荷物と着替えをして来るといい』

 

 

 

とホワイトボードにメッセージを書く。

そう言えば学ランのまま寝てしまっていたな。

ゼットンに促されるまま、俺は自室に行き部屋着へと着替える。

学生服も忘れずにファ〇リーズを掛けたので、居間へと戻った。

 

 

 

「こ、これは……すげぇ……」

 

 

 

テーブルの上に用意されたカレー、そしてトマトとレタスのサラダ。

先程までに料理工程を見ていたとはいえ、こうして眼前に置かれると早く食べたいという食欲を抑えきれない程に美味そうだ。

ゼットンは既に座っており、俺は向かいへ座る。

俺とゼットンは手と手を合わせて、このカレーの材料になった命に対し感謝を込めて、

 

 

 

「いただきます」

 

 

 

カレーをスプーンで掬い、一口頬張る。

 

 

 

「ッ!?」

 

 

 

その時、俺に電流走る。

それはカレーと言うには、余りにも美味すぎた。

美味く、濃厚で、程よく辛く、そして一瞬にして口内から消えた。

それは正にカレーは飲み物だった。

 

 

 

「(う、美味すぎる!何だこのカレーは!手が止まらない!)」

 

 

 

ちゃんとよく噛んで食べているのに、いつの間にか飲み込んでしまっている。

一口、また一口ととにかく手が止まらない。

数分も立たないうちにカレーは皿の上から消えた。米粒がひとつも残らずに。

 

 

 

「(今度はサラダを…)」

 

 

 

 

箸で一口サイズに取り、口内へと運ぶ。

このサラダもまた格別だった。

充分に水分を含んだシャキシャキレタスに、フルーツトマトの控えめな甘さがベストマッチしている。

野菜はあまり好きなほうではないが、これならばいくらでも食べられると言っても過言ではない。

 

 

 

「はぁ……ご馳走様でした」

 

 

 

残さず綺麗に食べ終えた食器をシンクに下げる。

そう言えば、誰かの手料理自体久しぶりにたべたな。

レトルト食品では味わえないなんとも不思議な味に満足している。

なんやかんやあったがゼットンには感謝しなければいけない。

 

 

 

「ありがとう、ゼットン」

 

 

 

「ピポポポポ……ゼットン……」

 

 

『気にしないで欲しい

私はこの家の家政夫だ、困ったらいつでも言ってくれ』

 

 

 

本当に紳士なんだ。

これから一緒に暮らすことになるゼットンとの生活が少し楽しみになってきたのは言うまでもない。

 

 

 

「改めてよろしく」

 

 

 

 

「ピポポポポ……」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「地球……やはりいい星だ

 

我同胞達と共に移住するには相応しい」

 

 

 

青い星・地球を見ながら一人の宇宙人が呟く。

そう、この世界に現れたウルトラ怪獣はゼットンだけでは無い。それこそ、我々が知らないうちに既に地球に潜伏しているのかもしれない。

 

 

 

「だが、まずは貴様から始末させて貰うぞ……()()()()!!」




今回はかなりのパロディをぶち込みました。
皆様はいくつ見つけられましたか?
次回ももりもりで行くのでよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話「ジャンケン…チー!」

卑怯もラッキョも大好きさぁ!(迫真)
今回の登場怪獣は…予想出来た方はいますかな?


ゼットンが家に来てから一週間が経った。

ゼットンとの生活にも慣れて、衣食住を共に過ごすことで彼への関心も深めていくことができて、とても充実している。

代わり映えのしない日常が、有り得ない(フィクション)日常になったがそれはそれで面白いので良しとしよう。

 

 

 

「今日は肉じゃがか~」

 

 

 

学校が終わり、下校の途中だが俺は商店街に立ち寄っていた。

今朝、ゼットンから頼まれた今日の夕飯の買い物に来ている。

食材のメモを片手に肉屋、八百屋、万事商店で目当ての物を買い揃え、アーケードを歩く。

こういう地元の良い所が集まった活気のある場所は、いつ来ても心が踊る。

 

 

 

「…………」

 

 

 

なんというか……気にしないでおこうかと思ったけど、やっぱり無理かもしれない。

かれこれ一時間近く、ずっと誰かが着いてきてる。

正体は分からないけど、つい直近のゼットンとの出来事を考えるとウルトラ怪獣の可能性が高い。

さっきからチラチラと向けられる視線を、本人は隠してるつもりだろうがばればれなんだよぁ……。

ダンボールに隠れる某傭兵の方が隠密性が高いぐらいだぞ。

 

 

 

「…………」

 

 

 

あんな電柱の後ろに隠れるだけじゃ限度があるだろう。

まあ今のところは実害ないし、気付かないふりをしておく。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

買い物を終えて、家へと到着する。

いつも通り靴を整えてファ〇リーズを掛けて居間へと向かう。

 

 

 

「ただいま~」

 

 

「ピポポポポ……」

 

 

 

おかえりなさいと書かれたホワイトボードを見せて出迎えてくれるゼットン。

掃除機のゴミを袋に纏めていたから丁度掃除が終わったのだろう。

以前は違和感の塊だったエプロン姿も、今は見慣れてむしろ無い方が違和感があるレベルだ。慣れって怖いね。

 

 

 

「ゼットン、ひとつ聞いてもらいたいことがあるんだけど」

 

 

 

買い物バックをテーブルの上に置き、ゼットンに今日起きた出来事について話す。

話を聞きながらでも、じゃがいもの皮むきを止めずにそのまま調理をすすめるゼットンは本当にそこらの料理人よりテキパキと動く。

 

 

 

「実際のところ……ウルトラ怪獣だと思ってるんだけど……どうかな?」

 

 

 

『恐らくだが、その答えは合っているだろう

 

私だけが例外ではない、人間に変化して暮らしている者もいるはずだ』

 

 

とホワイトボードに書いている。

 

やっぱりか。

怪獣である本人からの回答もあって、漸く納得がいった。

確かに怪獣によっては、人間の体を乗っ取る種類もいるから、一概にいないとは言いきれない。

しかし、どうして俺の後をつけてきたんだ。

 

 

 

『私が君と一緒に暮らしているからだろう』

 

 

 

そういう事か。

地球人である俺と怪獣のゼットンという異なる種族が衣食住を共にして日常生活を送っているのは、確かに珍しいことだろう。

それに加えて、ゼットンはウルトラマンを唯一破った怪獣として、ウルトラ怪獣の中では一目置かれる存在。

警戒せざるをえないというわけだ。

 

 

 

「って言っても結局正体は分からないか……」

 

 

 

隠れているのはわかったけど、遠すぎて姿形ははっきりと分からなかったからな。

でもあの色はどこかで見覚えがある。

どこだったかな……

と悩んでいるとゼットンが、

 

 

 

『安心するんだ

 

もう既に君の後ろにいる』

 

 

 

と書かれたホワイトボードを見せる。

ん?後ろ?

ふと振り返り後ろを確認するとそこにあったのはダンボールであった。

 

 

 

「…………」

 

 

 

「…………」

 

 

 

うん、めっちゃ小さいけど物音するし、息継ぎの声が聞こえる。

なんだ、なんだよ、なんですかァ!

最近はメタ〇ギアでも流行ってるんですかァ!?

隠れるの下手とかそういう話じゃねぇぞ。不自然すぎて逆に驚いたわ。

俺に気づかれないように音もなく家にはいってきたのに、どうして最後は小学生のかくれんぼレベルにまでさがってんだよ。

ツッコミに疲れた俺は、とりあえずダンボールを上へヒョイと持ち上げる。

 

 

 

「!」

 

 

 

なんか授業中に先生に指された時になりそうな音が鳴ったと同時、中にいた人物はなんと……

 

 

 

「海老?蟹?ザリガニ?」

 

 

 

よく分からないがコンボみたく言ってしまう。

中にいたのは海老だか蟹だかよく分からない被り物をしており、時代劇とかでよく見る忍装束を来ている少女がいた。

 

 

 

「誰だお前は!」

 

 

「フォッフォッフォッフォッフォッ……よくぞ聞いてくれた

 

私はバルタン星からの使者…バルタだ!」

 

 

 

 

ば、バルタン星人だと!?

まさかそんな大物宇宙人につけられていたのか。

これはまずいですよ!(迫真)

 

 

 

()()()()()()

 

 

 

ゼットンに並ぶウルトラマンのライバル怪獣として有名な宇宙人であり、別名宇宙忍者とも呼ばれている。

知名度だけでもウルトラマンを知らない人でも、名前が知れ渡っているほどだ。

科学力も劇中登場している宇宙人でもトップクラスであり、分身や人形サイズに大きさを自在に変えられたりと多彩な能力を持っている。

事実、ウルトラマンがいなければ地球がバルタンの星に成り代わっていてもおかしくは無いほどだったことからその脅威度も高い。

 

 

 

「お前の目的はなんだ!」

 

 

 

「フォッフォッフォッフォッフォッ、無論地球の侵略だ」

 

 

 

やっぱりか。

この様子だと大人しく諦めるわけないと思うし、説得しても無意味かな。

だけどさ、俺の隣には最強(ゼットン)がいるんだよ。この意味は……分かるよね?

 

 

 

「おめぇ倒されっぞ、悪ぃ事言わねぇからやめとけって」

 

 

 

「ふふっ、隣にゼットンがいようと私が負け)」

 

 

 

バルタが最後まで言い終わる前に彼女は糸が切れた人形のように倒れ、意識を失う。

恐ろしく早いゼットンの手刀……俺は常人だから見逃しちゃうね。

即落ち二コマレベルの出来事に、冷静に受け止めている俺も本当に染まってきたなとついつい思う。

 

 

 

 

「どうするよ、この子

 

流石に外に放置するのもあれだし」

 

 

 

『彼女が目を覚ますまでソファーで寝かせよう

 

また何か起きたら私が対応しよう』

 

 

 

やだこのイケメン紳士!嫌いじゃないわ!!。

とまぁ俺の中の心の宇宙が変な声を出したが、一旦バルタをソファーに寝かせる。

まだ晩御飯の準備もできてないし、早くやらないとな。

 

 

 

 


 

 

 

「2時間後」

 

 

 

「やっぱりゼットンの料理は最高だな」

 

 

 

ゼットンの肉じゃがに舌鼓を打つ。

美味すぎて、馬になったわねぇ……(ねっとり)。

 

 

 

『それは良かった

 

君が美味しく食べてくれるだけで私は嬉しい』

 

 

 

とホワイトボードに書かれている。

この犯罪的な美味さを毎日味わえるのは、俺の密かな楽しみだ。

そろそろ彼女も起きてくるかな……ん?。

 

 

 

「この肉じゃがという料理はなかなかに美味だな」

 

 

 

いつの間に起きてたんだ。

てかなんで肉じゃが食べてるんだよ!。

コラゼットン、お前もおかわりを持ってくるんじゃない。

 

 

 

『キミが肉じゃがに夢中になっている間に起きてきたんだ

 

だが食事の場は、敵味方そういったことは関係なく誰もが等しく平等でなければいけない』

 

 

 

確かに、食事は楽しくなければ意味は無い。

こうして無邪気に肉じゃがに夢中になっているバルタを見ていると警戒するのが馬鹿馬鹿しく思えてきた。

 

 

 

「わかったよ、ありがとうゼットン」

 

 

 

『ピポポポポ…ピポポポポ…』

 

 

 

後にこの言葉がゼットン語録の一部として、作られるのはこの場いる全員は知らないのであった。

 

 

 

「「ご馳走様でした」」

 

 

 

食べ終わった食器を下げて、改めて俺とゼットンはバルタとの対話を試みることにした。

何故地球侵略を企んでいるのか、何故そんな格好をしているのか、何故少女なのか!

 

 

 

「ふむ、なぜ地球侵略を企んでいるのかだと?

 

本来は守秘義務があるが、肉じゃがの礼に教えてやろう」

 

 

 

意外と義理堅いな。バルタン星人は結構卑怯者のイメージがあったんだけど。

まあ肉じゃが三杯もおかわりしてたくらいだから、相当気に入ったんだな。

 

 

 

「それは……我が同胞達と地球に移住するためだ」

 

 

 

なん…だと…!?

原作と同じよう展開になっている。まさかバルタン星が滅んでしまったのか。

 

 

 

「理由を聞いても?」

 

 

 

確か原作では、助かった20億近くの同胞を地球に移住させるための尖兵としてその内の一人が来たんだったけ。

ってことは俺の立ち位置かなりやばいんじゃないのか?。

逃げたい、ものすごく逃げたい。けど話聞いてからにしよう。

 

 

 

「いや~うちの星の科学者が自爆スイッチとかめっちゃロマンじゃねとか言ってて、作ったはいいけどうっかり押して星が爆発しちゃってもう大変なんだよ~笑笑

 

私や生き残った同胞は宇宙さまよってたら、たまたま地球を見つけて調べたら適応できる星だから現地調査しつつ、今に至るってわけ☆」

 

 

 

うん、分かってる。わかってるけどあえて言わせてくれ。

 

 

 

「(何やってんだバルタン!!)」(CV細谷佳正)

 

 

 

自爆スイッチは確かにロマンだよ。ロマンだけどさ……自分の星を爆発するレベルの代物作るとか……馬鹿じゃねぇの?(迫真)。

自爆軍師も真っ青だぞおい。

俺なんかさっきまでビビりまくってたのに、今の話聞いてたら緊張感もへったくれもねぇよ!!。

もうゼットンに至っては表情読めなくても、絶対呆れてる。

 

 

 

「そ、それは大変でしたね……

 

すみません、ずっと気になっていたんですか、その格好は一体?」

 

 

 

初めて見た時からずっと気になっていた疑問をぶつける。

 

 

 

「私の趣味だ、いいだろう?

 

地球人の忍者とかいう者はこんな格好をすると言うので真似てみた」

 

 

 

おめぇの趣味かよ!!

てか、頭の被り物のせいでむしろ目立ちまくって仕方ないわ。てか周りも指摘してやれよ。

今どきのコスプレイヤーでもこんな酷い格好はしねぇぞ。

 

 

 

「とまあ、世間話はここまでにして本題に入ろう

 

大人しく地球を渡せば、我々との共存という形で手打ちを認めよう」

 

 

 

と先程の腑抜けた表情から一気に真剣な眼差しをした表情に変わる。

向こうからしたら種としての生存が懸かっている以上、諦めるという選択肢はないだろう。

困ったな、村人Aと言っても差し支えない俺なんかが決められる事じゃねぇぞ。でも断れないし、どうすればいいんだ。

 

 

 

「だが、一方的に侵略したのでは意味が無い

 

ここで1つゲームをしてみないか?

 

地球人である君が勝てたのであれば、大人しく手を引こう

 

だが私が勝ったらこの星は私達の物になる」

 

 

 

うそーん、責任重大すぎて腹がやばいって。

助けてウルトラマン!(マジで)

 

 

 

「ちなみにゲームは、地球人が物事決める際に行う儀式

 

『ジャンケン』だ」

 

 

 

ダニィ!?、ジャンケンだと。

もっとこう…将棋やチェスとか盤面ゲームなどで来るかと思ってた。

運が絡むこのゲームなら行ける気がする!

 

 

 

「では始めるぞ」

 

 

「「最初はグー!ジャンケン…ポン!」」

 

 

 

俺が出したのはグー。一方、バルタが出したのは

 

 

 

「馬鹿な、私が負けるだと!?」

 

 

 

チョキである。

勝った!第三部完。これで地球は救われるぞ。

 

 

 

「い、言い忘れてたが、このゲームは先に三回勝った方が勝ちだ」

 

 

 

あっずるい。

ルールをあとだしするなんて、某カードゲーム漫画みたいなことしやがって。

まあいいでしょう、先に三勝が勝利条件ならまだいける。

 

 

 

『これ以降ルール変更は無しとする、異論はないな?』

 

 

 

とバルタに対して警告を出す。ナイスアシストゼットン。

 

 

 

「いいだろう、先に勝ったからといって調子にのるなよ!」

 

 

 

良し、声質は取った。

 

 

 

「「最初はグー、ジャンケンポン!」」

 

 

 

俺はチョキを出す。そしてバルタは

 

 

 

「フッ、引き分けだ」

 

 

 

チョキである。

ふう、危ないところだったぜ。

 

 

 

「「あいこでしょ!」」

 

 

 

俺はパーを出し、バルタはチョキを出す。

 

 

 

「やべぇ!」

 

 

 

バルタに一勝を取られる。

まずいなぁ、少し焦ってきちゃったぜ。

そんな焦り具合を見てたゼットンは、バルタに見えないようにホワイトボードにメッセージを書いていた。

 

 

 

『一点集中すれば、君の勝ちだ』

 

 

 

一点集中?どういうことだってばよ・・・。

そんな事をすれば、俺の負けになるじゃないか。

 

 

 

「何をぼぉーとしている、次だ」

 

 

「最初はグー、ジャンケンポン!」

 

 

俺が出したのはチョキ、バルタもチョキのために引き分け。

 

 

 

「あっ」

 

 

 

その時、俺に電流走る。

気づいたのだ、ゼットンの言っていた一点集中の意味が。

だが俺は本当に合ってるか確かめるために、わざと負けることにした。

 

 

 

「「最初はグー、ジャンケンポン!」」

 

 

 

俺はパーを、バルタはチョキを出す。

 

 

 

「フォッフォッフォッフォッフォッ、これで二勝

 

私の勝ちは決まったようなものだな」

 

 

 

やはりだ。

彼女の弱点はわかった。

 

 

 

「悪いがこの勝負は俺が勝つ

 

バルタ、お前を攻略する!!」

 

 

 

俺は高らかに勝利宣言を言い放つ。

 

 

 

「「最初はグー、ジャンケンポン!」」

 

 

 

俺はグーを出し、バルタはチョキを出す。

 

 

 

「なっ、馬鹿な!

 

まだだ…まだ終わらんよ!」

 

 

 

 

いや、この勝負は既に勝っているのさ。

 

 

 

「最初はグー、ジャンケンポン!」

 

 

 

もうこのからくりに気づいた時点で、勝利は既に訪れていた。

 

 

 

「ま、負けた……馬鹿な……」

 

 

俺がグーを出し、彼女はチョキ。俺の勝ちだ。

 

 

 

「お前の敗因はただ一つ……

 

たった一つの単純(シンプル)な答えだ……

 

だってチョキしか出さないんだもん……」

 

 

 

そう、バルタはこのジャンケン勝負においてチョキしかだしていない。最初はなにかの作戦かと思ったが、こんな大事な場面でそんな事をするとは思えなかった。

だからゼットンの一点集中のヒントのおかげで勝てたんだ。

 

 

 

「だって…だって……バルタン星人はチョキしか出せないんだよ!!」

 

 

 

ですよねぇ!!

そんな気はしてましたよ。

バルタン星人は強さの代わりにチョキしか出せない制約と誓約でもしてるんかよとツッコミを入れたい。

 

 

 

「約束通り、侵略はやめてもらいます」

 

 

「うわぁーん!!次は絶対に勝つからなぁ!!」

 

 

 

泣きじゃくるバルタは、ドタバタと足音たてながら家を出ていった。

全くすげぇ濃い一日だったよ。

まさかバルタン星人に襲撃されて、地球を賭けた闇のゲーム(笑)をすることになるとは。

 

 

 

『お疲れ様

 

変なことに巻き込まれたが、ゆっくり休んでくれ』

 

 

 

とホワイトボードにメッセージを見せると同時にゼットンは俺の肩に手を置く。

ゼットンの労いに感謝しつつ、眠気が深まってきたので自室に戻る。

なんだかんだもう12時になりかけていた。

またこれからこんな感じで宇宙人や怪獣が来るのかなと思うと、少し大変だなと思う。

まあ、ゼットンと一緒に頑張りますか。

 

 

 

 


 

 

【同時刻】

 

 

とある住宅地の一角。

民家と呼べるか怪しい建物があった。何処と無く()()()()()()()()()()がある不思議な家。

家と呼べるか分からないが、そんな家に一人の住民が住み着いている。

 

 

 

ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!

 

ゴミカスゥ!〇ねぇ!!」

 

 

 

と手にしていた携帯ゲーム機を叩きつけて、発狂する。

毎日のようにこの光景があるのだが、不思議と近所迷惑の噂がたっていないのだ。

まるでこの家だけが、全く別の()()であるかのように。




さてはて無事に第2話が終わりましたが、今回も色んなパロをぶち込みましたが皆様はいくつ見つけられましたか?
次回登場怪獣は果たしてどんな怪獣なんだ?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話「働いたら負けだよね、と思っていたのか?」

こんなふざけたSSを書いていますが、作者は至ってシラフです。
決して薬をやったり、酒は飲んでいません。
はてさて第3話始まります。(ウワァァァ!!)


バルタの襲撃から五日が経つ。

特にこれといった出来事は起きてはおらず、いつも通りの日常を過ごしていた。

今日は休日なので、ゼットンと一緒に買い物に出ることにした。

 

え?怪獣と一緒に買い物をして大丈夫なのかって?

そりゃあお前……大丈夫なんだなこれが……。

 

 

 

「ゼットンさん!今日は大根安いよ!」

 

 

「ゼットンさん!新鮮な鰈なんてどうよ!」

 

 

「ゼットンさん!今度うちの新作食べに来てよ!」

 

 

 

と言った感じに、商店街皆様からの凄まじい人気がある。

共同生活が始まった当初は、ゼットンが外に出て大丈夫か心配してた時期が俺にもありました。

ゼットンの性格を考えれば、町の人たちと打ち解けるのもそこまで時間は要らない。

それに加えて困った人には、的確なワンポイントアドバイスをくれるなど、そのおかげもあってか店の経営を回復させた所もあったりと影響力が凄まじい。

 

フフッ……なんでこんなことになったか分かんねぇだろ。

俺も分かんない。

とまぁ、俺がツッコミを放棄していると

 

 

 

「ゼットンさん、ちょっとお時間いいかね?

 

少し相談したいことがあるんだ」

 

 

 

初老の男性が声を掛けてきた。

この初老の男性は、古本屋を営む早田さん。俺も漫画本を買う際はよくお世話になっている。

 

 

 

『構いませんよ』

 

 

 

とホワイトボードにメッセージを書く。

 

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 

ぺこりと頭を下げ、礼を言う早田さん。

しかし、あの人が誰かに相談事を言うのは珍しいな。この商店街の人達の中でも最年長ということもあり、店同士のトラブルや相談に乗ることが多いんだ。

もしかしたらまたウルトラ怪獣が関わってたりして……アカン、フラグが建ったわ。

 

 

 

「実は最近、この辺りで怪奇現象が起きていてね

 

まあ誰かが怪我したとかそういうのはないんだけど、非常に奇妙でね

 

部屋の扉を開けたと思ったら外に出たり、風呂に入ろと扉を開けたら居間に繋がってたりするって事が起きたらしいんだ」

 

 

 

なぁにそれぇ☆

商店街の皆様の家がどこでもドアにでもなってしまったのか。そんな怪奇現象聞いたことないぞ。

 

 

 

「その怪奇現象は夜中に起きることが多いらしい

 

こんな事警察に相談しようにも鼻で笑われて終わりだよ」

 

 

 

確かに、こんな摩訶不思議な事に警察も動くことは無いだろう。老人の激しい妄想だとか認知症で混乱してると思われてしまうだろうしな。

しかし、夜中だけに現象が起きるというのは妙だな。

仮に愉快目的でやっているのだとしたら、俺なら商いをしている日中などに行動を起こしたほうが妨害もできるのでそこを狙う。

しかも今回の現象は無差別に起きているということは個人を狙った犯行ではないことがわかった。

 

 

 

「本当はこんな事頼みたくはないんだが、頼れるのはゼットンさんしかいないんだ

 

何とか商店街の平穏を取り戻して貰えないだろうか、頼む」

 

 

 

先程の挨拶よりも深く頭を下げる早田さん。

商店街の皆さんを思う気持ちがどれだけ込められているのかは、俺にもよく分かる。

 

 

 

『分かりました、この依頼お受け致します

 

私もこの商店街は大好きですから、協力させてください』

 

 

 

 

本当にイケメン紳士だよ。

ゼットン……お前がナンバーワンだ。(CV堀川りょう)

 

 

 

 

 


 

 

 

「んで依頼は受けたはいいけど、どうするんだよ

 

犯人の目星もついてないんだぜ、ゼットン」

 

 

 

依頼こそ受けたが、まだ犯人の詳しい能力や動機も分かっていない。今回ばかりは俺もお手上げ状態だ。

しかし、ゼットンは不気味なほど冷静だった。まるでもう犯人が分かってるかのように。

 

 

 

「犯人は既にわかっている

 

十中八九…四次元怪獣()()()()の仕業だ」

 

 

 

四次元怪獣ブルトンだと!?

あの怪獣はまずいですよ!(迫真)

 

 

 

[四次元怪獣()()()()]

 

 

 

原作ウルトラマンでは、四次元空間を自在に操れるチートじみた能力でウルトラマンや科特隊の隊員達を苦戦させた怪獣だ。

成程、商店街で起きているどこでもドア現象も四次元を操るブルトンなら納得出来る。

しかし、あの近辺でブルトンを見たという話は聞かないし、仮に能力で何かしらの違和感を住人達も感じるはず。

夜中に頻繁に四次元現象が起きていることを考えると、夜行性無のだろうか。しかし、そんな生態は確認されてないしな…

 

 

 

『安心してくれ、既に居所の目星は着いている』

 

 

 

流石ゼットン!俺に出来ないことを平気でやってのける!

そこに痺れる憧れるゥ!!

てか仕事早すぎて普通に凄すぎるわ。某名探偵でもこんなにはやく見つけられないぞ。

 

 

 

『着いてきて欲しい、話はそれからだ』

 

 

 

お、おう。

なんか急な展開だがまあいいでしょう。はてさてこのさきどうなりますことやら。

 

 

 

 


 

 

歩くこと数分。

商店街から少し外れた場所に来ている。

なんというか……所々錆が目立つなんとも見窄らしいが外見の二階建のアパートだった。

こんな所に怪獣なんているわけないじゃないか笑。

 

 

 

 

「おいおいゼットン、いくらなんでも冗談がすぎ……」

 

 

「こんにちは~」

 

 

 

こんな所に怪獣なんているわけが無い。そんなことを思っていた時期が私にもありました。

目の前に挨拶をしてきた一人の女性。フジツボのような形をした髪留めをしており、それはどう見ても……

 

 

 

「ブルトン!?」

 

 

「え!?えーと何処かでお会いしたことがありましたか?」

 

 

 

やっぱりブルトンなの!?

この未亡人ぽい大人のお姉さん(推定27歳)がブルトンだとしても、俺は好みすぎてOKです。

 

 

 

『突然の事でお尋ねして申し訳ない

 

私はゼットンと言います』

 

 

「あっ、これはどうもご丁寧に

 

私はこのアパートの管理人をしています、ブルトンのブルーと言います」

 

 

 

ゼットンとブルーさんは互いに会釈をする。

なんか怪獣同士が挨拶してるスゴい光景を見ていると、原作とガラリと見方が変わってすごい新鮮だと思う。

それにしてもブルーお姉様か。是非とも携帯番号を交換したいぜ。

 

 

 

「それで今回はどう言った件で来たのでしょうか?」

 

 

 

俺とゼットンは商店街で起きてる怪奇現象について話す。

それによって起きて困っている住人達のことも添えて言った。

しかし、ブルーさんはさも初めて知ったといった感じの様子だった。

仮に事件を起こしているとしても、こんなに平然と暮らしていられるのか少し疑問に思う。

 

 

 

『もしかして何か心当たりがあるのではないのですか?』

 

 

 

とゼットンはホワイトボードにメッセージを書く。

ブルーさんもやはり心当たりがあるのか、少し話しづらそうな様子だった。

うーん、こんな素晴らしいおっ·····ううん!!母性をお持ちな大人のお姉さんを疑いたくないしな。

 

 

 

「もしかしたら、妹の仕業かもしれないです」

 

 

 

なんだと!?

もう一人ブルトンがいるのか。

身内のことだから話づらかったのも納得できる。

 

 

 

「妹は先月受けた企業の採用試験に落ちて、今引きこもりになっていてあの206号室にいます

 

我々ブルトンは、多大なるストレスを感じると無意識の内に能力が発動してしまうんです

 

恐らく、その影響で商店街の方にも迷惑がかかってしまい、申し訳ありません!」

 

 

 

ブルーさんは俺達に頭を下げる。

妹さんの事には同情するけども、どうにかしないと事件は解決しない。

 

 

 

『謝らないでください、まずは妹さんとお話をさせていただけませんか?』

 

 

 

とゼットンはホワイトボードにメッセージを書く。

まあ一度話し合いをしないことには解決できないよな。

 

 

 

「話し合いをしたいのはやまやまなんですが、妹は能力で完全に閉じこもってしまっていて姉である私の話も聞かなくて」

 

 

 

不味いなぁ·····

ブルトンの四次元を操る能力をフルに使われていては、手出しのしようがない。

ひとまず部屋の前まで行くも、ドアノブに触れようとしたらバチッと静電気に触れた時のような感じで弾かれた。普通に痛くて、手がめっちゃじんじんする。

 

 

 

『ふむ、これは確かに難攻不落の要塞とも言える堅固さだ』

 

 

 

その後ゼットンが、ブルーさんに扉を破壊することを了承の確認を取り、火球(推定36度)を放つも傷一つつかなかった。

今回ばかりはお手上げかと思ったが、ゼットンはスマホを取り出してどこかへ連絡していた。

まさか鍵屋でも呼んだのかと思ったがどうやら違うらしい。

ゼットンいわく、最強装備を注文したとのこと。

最強装備か·····俺の中の厨二心が疼いてくるな。

 

 

 

「ゼットン様、毎度ありがとうございました」

 

 

 

宅配の人から荷物を受け取るゼットン。

ついに届いたのか最強装備が。

高揚感が高まる·····溢れる·····ウォォォォォォォォォォ!!(CV島田敏)

そんなこんなでダンボールを開封していくと、俺は驚いた。

ゼットンが注文した最強装備はなんと··········

 

 

 

「シンゴウアックスやんけ!!」

 

 

 

そう、幾多の機械生命体を葬ってきた最強装備·····()()()()()()()()である。

確かに最強装備だよ、うん。

だけどさ、場違い感が強すぎてダメです!!

 

原作ドライブでも人類が生み出した悪魔の武器として恐れられてたけども、ゼットンが通販で頼んだものは本来ものとは少し異なる。

ライダー専用と書かれている部分はツッコミ専用と書き換えられており、カラーリングも全体的に黒メインなカラーリングになっていた。

ツッコミ専用ってなんだよ·····ワケガワカンナイヨォ!!

 

 

 

『安心してくれ、それは君専用の装備だ』

 

 

 

俺の専用って·····ツッコミ担当の運命は変えられないのか。

嘘だぁ··········嘘だドンドコドーン!!

 

 

 

「大丈夫ですか、気分がお悪いなら無理をなさらなくとも」

 

 

 

ブルーさんが俺の肩に手を置いて、心配してくれる。

美人のお姉さんが声をかけてくれるだけで力が湧いてくる。

 

 

 

「大丈夫だ、問題ない·····」

 

 

 

俺は立ち上がり、ツッコミアックスを手に取る。

意外にも重さは軽く、金属バットくらいだと思う。

 

 

 

『それとこれも渡しておこう』

 

 

 

ゼットンから手のひらサイズのアイテムを渡される。

 

 

 

『それはシグナルゼットン

 

ツッコミアックスの頭部にあるスロットに挿入することで様々な効果を発揮することが出来る』

 

 

 

シグナルバイクやんけ!!

でもゼットンカラーになっててカッコイイなぁ。

なので許す。

これならばあの扉を破壊することができる。

 

 

 

「いくぞぉぉぉ!!」

 

 

 

俺は206号室の扉にツッコミアックスを振り下ろす。

四次元事切り裂いた扉は物の見事に真っ二つになる。

おいおいおいおいおい、これ普通にあかん武器やん··········

本家より魔改造されて普通にやばいって。

まあともかく、入口が開いたので良しとしよう。

 

 

 

「な、なんだぁ!カチコミかぁ!」

 

 

 

と部屋の奥から女性の声がする。

ドタバタと玄関前に現れたのはパジャマ姿の高校生ぐらいの女の子。

妹さんで間違いないだろう。

 

 

「どーもピ〇ーラでーす」

 

 

「そんなわけあるかぁ!」

 

 

と俺のギャグにノリツッコミと同時に手元に持っていた空き缶を顔面にシュートとする。超エキサイティング!!って感じに俺は吹っ飛ぶ。

普通に痛いです。

 

 

 

「ちょっとルード!

 

お客様に対して失礼でしょう」

 

 

「うるさいなぁ!こっちは今それどころじゃないんだよぉ!」

 

 

 

怒声を飛ばすと彼女はすぐさま部屋の奥へと戻る。

どういうことだってばよ・・・

 

 

 

『ともかく、我々も部屋に入るとしよう』

 

 

 

おっ、そうだな(便乗)。

ゼットンとブルーさんと共に中へと入る。

中は意外にも綺麗だった。てっきりゴミとかで部屋を埋め尽くされてるイメージがあったが、そんなことは無かった。

寧ろ目立つのはこんな狭いアパートには似つかわしく、ゲーミングセットに、ゲーミングチェア。

加えて棚に飾られた高そうなフィギュアの数々。

うん、間違いない。彼女はオタクだァ!

 

 

 

「あぁ!クソ!足引っ張りやがって!ガバエイムなんだよ!」

 

 

 

ルードは、イライラしてるのか机をバンバン叩いてる。パソコンでオンラインゲームをしており、有名なFPSゲームだ。

どうやら複数人でやるレギュレーションで仲間が足を引っ張っているため、ストレスMAXでやばそうだ。

 

 

 

「おっふ··········」

 

 

 

流石にこの光景には一同驚く。

奇声をあげながらゲームに執着する彼女は姿は怖かった。

 

 

 

『多少手荒なことをしますが、大丈夫ですか?』

 

 

 

ゼットンは、ブルーさんに確認を取る。

ブルーさんも流石に妹の惨状を目の当たりにして、悠長なことをしてらないと思い、無言で頷く。

そしてゼットンはルードを羽交い締めにして取り押さえる。

 

 

 

「やめろォ!HA☆NA☆SE!!」

 

 

 

力いっぱい暴れるルードだが、相手はウルトラマンを倒した最強(ゼットン)。叶うはずもなくそのまま拘束された。

 

 

 

『彼女のパソコンを破壊するんだ』

 

 

 

what!?

流石にそんなことをしたら更にストレス増すんじゃないか。下手したらゲーム病発症しちゃうって!

天才ゲーマーでもやばいことになるよ。

 

 

 

『関係ない 行け』

 

 

 

ハイパー無慈悲!!

分かりましたよ、やればいいんでしょう。

商店街の皆様のためだ、彼女のパソコンには犠牲になってもらおう。

俺はツッコミアックスを振り上げ、

 

 

[ヒッサツ! バックしますご注意ください バックしますご注意ください]

 

 

 

シグナルゼットン(パワード)をスロットに装填する。

待機音がなんとも気が抜けるものだが、それでも貯め時間が終わったら地獄そのものなんだがな。

 

 

 

[サッサト逝ッテイーヨ!!]

 

 

「逝っていいってさ··········」

 

 

 

無慈悲にも告げられる死刑宣告。

その言葉を聞いたルードの顔は、一気に真っ青になる。

 

 

 

「待て!待つんだ!そ、そうだ!200円·····200円で手を打とう!!」

 

 

 

金額安すぎるわ!

てかもうここまで来たら誰にも止められない。

俺はパソコン目掛けて、ツッコミアックスを振り下ろす。

 

 

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉおぉ!!」

 

 

 

だがその叫びは虚しく、パソコンは粉々に打ち砕かれた。

 

 

 

「あっ·····あっ·····」

 

 

 

余りのショックからか彼女は、糸が切れた人形のように脱力してしまい、そのまま気絶する。

動くなったのを確認し、ゼットンは優しく下ろす。

 

 

 

『荒事になってしまったこと、大変申し訳ない

 

彼女の事でまた何かあれば、こちらに連絡をください』

 

 

 

とゼットンは自分の携帯番号をブルーさんに渡す。

あとはルードさんがどうなるかだが、こればかりは様子を見るしかない。

俺とゼットンは挨拶をし、その場を去る。

ノリと勢いで、色々やってしまったがどうか彼女に幸あれ。

 

 

 

「あっ·····携帯番号渡しそびれた··········」

 

 

 

 

ちくしょう!ゼットンだけ渡しやがって!!

やろう、ぶっころしてやる!!

この後、手刀で気絶させられたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 


 

 

 

[数日後]

 

 

 

商店街は元の日常へと戻っていた。早田さんも肩の荷が降りたと言った感じで、生き生きと仕事をしている。

一方のブルトン姉妹なのだが、あの後ルードさんは人が変わったのかのように就職活動に励み、見事合格したそうだ。

いやぁ、良かった良かった·····パソコンの怨みで夜道に襲われないか心配してたよ。

 

 

 

「あっ君は」

 

 

「あっブルーさんどうも」

 

 

 

おっふ·····相も変わらず素晴らしい母性をお持ちなブルーさん。

買い物バックをぶら下げてるということは、彼女も買い物途中なのだろう。

 

 

 

「この間はありがとうございます、妹も私も感謝しています」

 

 

「いえいえ、ルードさんも正気に戻って良かったです」

 

 

 

それからたわいもない世間話をし、近況を話し合った。

 

 

 

「今度、時間がある時に何時でも遊びに来てくださいね

 

貴方みたいな可愛い子は好みだから(ジュル)

 

 

 

ん?最後の方はよく聞こえなかったけど、まあ気のせいか。

今度は是非お邪魔させて頂こう。今からでも心が踊るなぁ·····

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「ったくよォ·····地防高の連中も大したことねぇな」

 

 

 

とある路地裏での出来事。

そこには十数人の不良と思わしき学生たちが一人を除いて、大の字で倒れていた。

何があったかは言うまでもなく、蹂躙。圧倒的な力での。

 

 

 

「今度赤王に喧嘩売ったらどうなるか、わかったな?」

 

 

 

と台詞を吐き捨てた後、その人物はその場から消える。

 

 

 

 

 

【to be continued】

 

 

 

 




やはりシンウルトラマンは素晴らしい。
円盤になったら直ぐに買いたいなぁ。
今回の話はどうだったでしょうか?いつもよりぶっ飛んでいたでしょう?
次回はあの有名な怪獣が出てきますので、良かったら見てください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話「髑髏が如く」

お気に入り登録の方が爆伸びしてたいへん驚いているクソ投稿者です。
こんな馬鹿みたいな作品ですが、よろしくお願いします。


「今日のホームルームは終わり、忘れ物するなよ」

 

 

 

担任のつまらねぇ話が終わり、ようやく帰りのホームルームが終了した。

今日も今日とて学生業をこなした俺は用事がないので、帰ろうとすると

 

 

 

「おーす、今日は暇か?」

 

 

 

俺に声をかけてきたのは、クラスメイトの鈴木龍臣。認証マークを貰えなさそうな名前をしているが、1番仲の良い友達だ。

 

 

 

「暇ならゲームセンターでもいかないか?最近新しいクレーンゲーム入ったんだよ

ジ~としててもつまらないしさ」

 

 

 

ゲームセンターか·····。

ココ最近行ってないから行ってみようかな。

ゼットンからの頼まれ事はないし、いっちょ行ってみっか。

 

 

 

 

 


 

 

 

商店街のアーケードの一角には、ゲームセンターがある。

かなりレトロなインベー〇ーや〇ックマンと言ったゲームもあれば、最新のレーシングゲームからクレーンゲームといったものあるため、放課後に暇を持て余した学生達の憩いの場となっていた。

その例に漏れず、俺と龍臣も来ている訳だが楽しければ何でもあり。

 

 

 

「そこそこそこ!あぁ!惜しい!」

 

 

 

クレーンのアームは弱く設定してあるのか、なかなか掴んで欲しいところに入らない。動け!動けってんだよこのポンコツ!

思わず台パンをしてしまいそうになるが、人の目もあるのでやめておこう。

 

 

 

「ゼットンがいたら、一発で取ってくれそう··········」

 

 

 

うん、マジでやりそうだから困る。こういうゲームは適度な回数で取った方が気持ちいいしね。

毎回ゼットンに頼ってたらよくないからな、この程度の障害を乗り越えてやる。

 

 

 

「ちょっと両替してくるわ」

 

 

 

丁度小銭が切れたのか、龍臣は台を離れて両替機へと向かう。

 

 

 

「痛!」

 

 

 

龍臣は財布を取り出そうとした時、誰かにぶつかる。

 

 

 

「おいおい兄ちゃん、どこに目をつけてんだよ

 

痛ってぇ~腕折れたわ~」

 

 

 

如何にもヤベェやつ。

何処ぞの世紀末に出てきそう髪型をしてるThe不良。その髪でアイスラッガーってギャグでもぶちかましてくれないかな·····

腕痛いって言ってるけど絶てぇ折れてねぇだろう。

 

 

 

「ご、ごめんなさい」

 

 

 

流石の迫力に怯んだのか謝る龍臣。

体つきは確かに筋肉モリモリマッチョメンの変態だ(偏見)。

でもこのままだとまずいよな。

 

 

 

「すみません、こいつも謝ってるんで勘弁して貰えないでしょうか?」

 

 

 

俺はすかさず間に入り、不良に謝る。

この手の奴は話聞かないタイプだと思うが、一応言うだけ言っておこう。

 

 

 

「あぁん?謝るって言うなら誠意を見せてくれよ

 

金だよ、金」

 

 

 

うん、知ってた。

テンプレ通りすぎて逆に驚いたわ。

カネカネカネってうるせぇな、カネゴンみたいな顔にすっぞ。

 

 

 

「ごめんなさい、今200円しかないので勘弁してください」

 

 

 

と財布を中を見せつつ、訴える。

さっきのクレーンゲームのせいで、オデノサイフハボドボドダ!

龍臣はまだ潤沢だからやばい、やばくない?

 

 

 

「てめぇの財布は見逃してやるが、こいつはダメだぁ!」

 

 

 

と龍臣の財布を奪い、腹にパンチを打ったのだ。

腹を抑えて倒れ込み、苦しみに悶えている。

 

 

 

「ちょまてよ!そこまでしなくてもいいじゃないですか!」

 

 

「あぁん?てめぇも痛い目にあいてぇのか?」

 

 

 

やってやろうじゃねぇかよ!ツッコミアックスで逝かせてやるぜ!

あっ·····家に置いてきちゃった·····。

ちくしょうぉぉぉぉぉ!!ちきしょぉぉぉぉぉぉ!!(CV若本規夫)

流石に殴り合いじゃ勝てないよ。どうやって戦えばいいんだ!

 

 

 

「あんた、カツアゲなんてみっともない真似はやめな」

 

 

 

と不良の後ろから声が響く。

そこに居たのは一人の褐色肌の少女。身長は俺よりも高く、上着の丈は短く、ロングスカートという所謂スケバンの格好をしていた。

何より目立つのは両腕に巻かれている蛇腹のような凸凹した篭手。

どっかで見たことあるような·····蛇腹·····パワー系·····あっ·····(察し)

 

 

 

「まさか··········」

 

 

「うるせぇアマ!テメェも財布出せや!」

 

 

 

不良は拳を振り上げて、件の少女に殴りかかろうとする。

おいおいおい、死んだわアイツ。

俺は不良に南無三と祈りをあげる。

何故かって?そりゃお前·····相手はウルトラ怪獣の中でもかなりのパワー系と知られる·····どくろ怪獣()()()()()()だぞぉ·····

 

 

 

「ふん!!」

 

 

「ひでぶ!!」

 

 

 

不良の拳は少女に届くことはなく、逆にカウンターにラリアットをくらい、コンクリートの壁へと叩きつけられる。

見事なまでの綺麗なクレーターが出来ていたので、流石レッドキングと褒めてやりたいところだ。

 

 

 

「ほらよ」

 

 

 

少女は不良に盗られた財布を龍臣に返す。

 

 

 

「あっ、ありがとうございます」

 

 

 

龍臣がお礼を言うと、少女は足早に店を出る。

おいおい、この後始末どうするんだ。綺麗に愉快に岩盤浴決めてるあの不良は当分起きれないだろう。

まあ人が集まってくる前にとっとと、逃げるんだよォ~!

俺と龍臣は荷物を回収して店を出る。

 

 

 

 

「あの人凄かったな·····」

 

 

「確かに凄かったけど、まだ本気じゃないと思うよ」

 

 

 

改めて解説に入ろう。

 

 

 

[どくろ怪獣()()()()()()]

 

 

 

原作ウルトラマンにおいて、その圧倒的なパワーでウルトラマンを苦戦させた怪獣だ。

その他のウルトラシリーズにおいても、度々登場したりすることから人気はバルタン星人やゼットンにも劣らない。

まさか学生として生活してるとは思わなかったぜ。

それにしてもこの町·····怪獣多い·····多くない?

まあ今に始まったことじゃないし、今のところ問題ないから多分大丈夫だろ。ほら、俺の心の小宇宙もそう言ってるし。

 

 

 

「せっかく誘ったのに変なことに巻き込んでごめんな、埋め合わせは必ずするから

 

じゃあまた明日な」

 

 

 

本当に良い奴だよ、龍臣は。

俺も別れの挨拶し、帰路に着く。

 

 

 

「今日はなんの料理かな~」

 

 

 

ゼットンが作る料理はみんな美味いからどんな料理が出るか、オラわくわくすっぞ。

あぁ~腹の虫が鳴ってきたな。

さあ、我が家に向けて全速前進DA☆

 

 

 

 

 


 

 

 

「ただいま~」

 

 

 

歩く事数分、漸く家に着いた。

靴を整えて、ファ〇リーズをかけようとした時、見慣れ無い靴が目に入る。

お客様が来てるのか、だとしたらゼットンが対応中か?

 

 

 

「お前はさっきの··········」

 

 

 

え··········なんでレッドキングいるの?

俺は夢でも見てるのか、それとも道中で月読でも食らったのか?

そうだ、これはきっと夢だ。(現実逃避)

 

 

 

「えっと、どうしてここに?」

 

 

 

まさかゼットンを倒しに来た刺客なのか。

しかし、先程の彼女の行動を直で見ているのでそのような事はしないだろう。

 

 

 

『それは私が説明しよう』

 

 

 

来たかゼットン。

話すんだ、詳しくな。

 

 

 

(ゼットン説明中)

 

 

 

なるほど·····だいたいわかった。彼女はレッドキングの赤井さん。

ゼットンに料理を習いに来たと。

そうかそうか··········どういうことだ、まるで意味がわからんぞ!(矛盾)

 

 

 

 

「あれは豆腐屋での出来事だ」

 

 

 

商店街に夕飯の食材を買いに来た時、ゼットンが豆腐を使った簡単な料理を作り、試食用に出していた物を食べてその味に惚れたと。

確かにゼットンの料理美味いから分かるよ、すごい分かる。

その気合いはすごいと思うけどさ、どうしたらこんなダークマターができるんだよ。

まっくろく〇すけよりも濃い黒で、息がするのが苦しいくらいの悪臭。

ダークマターに常識は通用しねぇとか言ってる場合じゃねえぞ。

どうしたら豆腐がこんなにカチカチになってるねん。ゼットンが教えてこのレベルって··········ある意味才能だよ。

 

 

※ダークマターは、ゼットンの火球により炭になりました。

 

 

「あたし·····不器用なんだ」

 

 

 

自分·····不器用ですから·····じゃねぇよ!

不器用とかそういう問題じゃねぇよ!!ジャ〇アンシチューとかの方がまだ見た目がいいぞ。

 

 

 

『ある人が言った

 

料理とは千里の道、一歩一歩少しづつ学んでいけばいい』

 

 

 

とホワイトボードにメッセージを書く。

ゼットンの言うことは最もだ。

なんだかタワーに向かって指さしてそうな人が言いそうな言葉だけど、まあいいか。

どうせ作者の趣味だ。(メタ)

 

 

 

「ありがとうゼットン、あたし頑張るよ」

 

 

 

人が努力する姿を間近で見る光景は本当に素晴らしい。

どうしていいねが一回しか押せないんですかね。グリ〇ィンドールにマイナス765点してもいいから無限にいいねを押させてくれ。

 

 

 

「今日はありがとう、じゃあまた今度」

 

 

 

と挨拶をし、彼女は帰っていく。

なんとも最近、ウルトラ怪獣とのエンカウント率が高いな。まさか家中で出会うことになるとは、予想Guyです。

まあ、毎日がハッピージャムジャム最高なのでまあいいか。

 

 

 

 


 

 

[翌日]

 

 

 

祝日ということもあってか、商店街はいつも以上の賑わいを見せていた。

今日は昨日のお詫びとして、再び龍臣とゲームセンターに来ている。なんでも好きなゲームを好きなだけやらせてくれるということで、取れなかったフィギュアに再度挑戦することにした。

人の金でやるゲームは最高ですねぇ!とスーパーハイテンション状態になっていた。

 

 

 

「あれ、あの人って」

 

 

「ん?」

 

 

 

龍臣が指を指した先にいたのは赤井さん。

どうしてこんなところに。

そういえば昨日もこのゲームセンター来てたな·····

なにか気になるものがあるのかな。

 

 

 

「クソ!どうして取れないんだ!」

 

 

 

赤井さんが齧り付いている台は猫のぬいぐるみが商品のものだった。

もしかしてあのぬいぐるみが欲しくて、昨日も来ていたのか。

 

 

 

「あの赤井さん·····」

 

 

「お前は·····恥ずかしいところを見られたな·····」

 

 

 

普段凛々しい女の子が可愛いものを求める姿が恥ずかしいわけないじゃないですか笑。

寧ろ全然OKです。隣の龍臣君もそうだそうだと言っています。

 

 

 

「良ければ何ですが、そのぬいぐるみ俺が取りましょうか?」

 

 

 

このタイプなら何回かやったことあるし、多分いける気がする。

昨日のお礼もできてないしね。

 

 

 

「いいのか·····すまないが頼む」

 

 

 

行くぞ龍臣!!小遣いの貯蔵は充分か!!

龍臣の小遣いを全て使ってもクリアする!!

 

 

 

(~数分後~)

 

 

 

「ふぅ·····やれやれだぜ」

 

 

 

2000円を掛けて漸く取る事が出来た。

龍臣には申し訳なかったが、本人は寧ろお詫びには程遠いと逆に申し訳なさそうにしている。心の友よ、ありがとう。

 

 

 

「どうぞ、赤井さん」

 

 

「ありがとう·····」

 

 

 

少し照れくさそうにお礼を言ってくる。

その顔が見たかったァ!凛々しい女の子の頬が緩むその顔がァ!

 

 

 

「ゲームも飽きたし、これから一緒にお昼でもどうですか?

 

いい店知ってるんですよ」

 

 

 

もうそんな時間か。

赤井さんも特に用事がないそうなので大丈夫だそうだ。

 

 

 

「んじゃあお店にレッツ)」

 

 

「あっ、いた!!兄貴こいつらですよ!」

 

 

 

人の声を遮って、でかい声で叫んでいたのは昨日赤井さんがフルボッコだドンした不良。

その後ろには、ボディビルダーやってるんじゃないかっていうぐらいムキムキの男。こんな狭い場所で面積とるなや。

 

 

 

「ガキ2人に女一人にやられたのかよ、情けねぇな

 

そんな体たらくだから地防高が舐められるんだろうが」

 

 

 

地防高だと!?まずいですよ!!(迫真)

多くの不良が在籍するここらの学校でも有名な不良校。

教師でも手に負えない生徒が多く、学級崩壊してるとかなんとか。

マジかあ·····面倒な奴らがでてきたな。

 

 

 

「なあ、お前ら

 

俺と戦って勝ったら昨日の件は許してやるよ

 

お前らは武器を使っていいぞ、もちろん俺は使うのはこの拳だけだ」

 

 

 

 

何とも不良らしい提案をしてきたな。

まあ武器ありならなんとかなるか。あっ·····でも赤井さんがいるから出番ないんじゃね?

 

 

 

「ここだと店の迷惑になる、空き地に来い」

 

 

「逃げないことは褒めてやるよ」

 

 

 

 


 

 

 

 

「やっぱりこうなるわな」

 

 

 

空き地に着くやいなや不意打ちで襲いかかってきた不良。

後ろから不意打ちしてきたにもかかわらず、赤井さんの頑強な身体に手を骨折していた。

モヒカン野郎も加勢しようとしたが、

 

 

 

「動くと〇す····モヒカンにすると〇す·····声を出しても〇す·····

 

分かったらとっとと逝け」

 

 

 

 

なんとなくムカついたので、ツッコミアックスをモヒカンの首元に突きつけて脅す。

いやぁ~一回やってみたかったんだよね、悪役ぽいこと。

今度は音を殺して歩くことでもやってみるか。

 

 

 

「さ、流石、赤王高校の赤井·····強すぎる·····」

 

 

 

なんか可哀想なぐらいボコボコにされてる不良の姿を見てるとアン〇ラスのテーマが流れてくる。

あっちもあっちで不憫だったからね。せめてヤムチャぐらいやらかしてからいってくれ。

こっちは不意打ちしてこれだからね、99回コンテニューしても勝てないでしょう。

 

 

 

「お、覚えとけ!!」

 

 

 

モヒカンが不良の肩を貸しながら、空き地から去っていく。

テンプレの捨て台詞を吐いて、いなくなるのは最早様式美だよ。

まあ忘れないでおくよ、三日ぐらいは。

 

 

 

「なんか二人共·····ウルトラ凄すぎる·····」

 

 

 

余りのカオスな光景に若干引いてる龍臣。

ウルトラ怪獣との生活を送ってると常識なんて狂うよ。

瞬間瞬間をツッコミしている俺の身にもなってくれ!!

 

 

 

「今日はありがとう、このぬいぐるみは大切にする」

 

 

「いえいえ、こちらも楽しかったので

 

また今度時間が合えば、一緒に遊びましょう」

 

 

 

赤井さんはああと返事をして、そのまま帰って行った。

いやぁ、本当に楽しかったな。明日もいい日になるよね、龍太郎?

 

 

 

「へけ!!」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「ウルトラマンのいない地球を侵略するなど容易いと思っていたが、まさか()()()()がいるとはな」

 

 

 

この宇宙人もまた地球を侵略しに来た刺客。バルタン星人よりも知略に長け、狡猾さもさることながら戦闘力もそこをみせていない。

 

 

 

「だが、私にかかればいようがいまいが関係ない

 

ふっふふ、フハッハッハッハッハッハッハッ!!」

 

 

 

 

 

 




ゼットンが天道みたいって言った人がいたので、それっぽいことをさせてるのは私の趣味だ、いいだろう?
さて、次回は古参からウルトラマンを見始めた人でも知っているあの怪獣です。
百合に挟まる、私の嫌いな言葉です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話「Mの侵略/ゼットンの秘策」

アンケートをしたクソ投稿者です。
皆してゴルシに入れやがって!!初めからやるつもりだったからヨシ!!
では第5話をどうぞ。


地球とは幾多の偶発的な奇跡によって誕生した惑星だ。

幾千、幾万の長い年月によって、自然溢れる生命に満ちていく。

素晴らしい環境であるが故に、この星は多くの異星人に狙われている。

今回はそんな一人の侵略者の話をしよう。

 

 

 


 

 

 

俺は最近商店街に出来たレストラン「ジョリー・ザ・セブン」に、ゼットン共に昼食を食べに来ている。

学校内の口コミでかなりいい店と言う評判を聞いたからだ。

 

 

 

「美味い!」

 

 

 

俺がいま口にしているのはハヤシライス。

店長イチオシという事もあり、頼んでみたがこれは絶品過ぎるほどの美味さ。

イカン、あまりの美味さに一瞬おはだけしそうになったぜ。

 

 

 

『以前よりも美味くなっている』

 

 

 

とホワイトボードにメッセージを書く。

ん?以前よりも?

いったいどういうことだってばよ·····

 

 

 

「これはこれはゼットンさん、お久しぶりです」

 

 

 

と厨房の方から特徴的なサングラスをつけた初老の男性が出てくる。

 

 

 

『諸星さん、お久しぶりです。あの時よりも更に美味しくなりましたね』

 

 

 

なんと店長の諸星さんとゼットンは知り合いだったのだ。

ゼットンくんさぁ·····君の交友関係にあれこれ言うつもりはないけど、広すぎて逆にすごいよ。俺のツッコミがクロックアップしても届かないよ·····

 

 

 

 

「いやぁ·····あの時に貴方に出会わなければ、今の自分はないですよ」

 

 

 

数年前、このジョリー・ザ・セブンの前身とも呼べる店が経営危機の際に、ゼットンが現れて危機を救ったんだとか。

···············は?

あのさぁ·····君って家政夫だよね?

何平然とコンサルタントやっとんの。しかも滅茶苦茶繁盛させてるんだよ。

あぁ·····だめだわ、もう凄すぎて追いつけないよ。

ゼットン·····お前はすげぇよ·····

 

 

 

「いやぁ、長話になって申し訳ない

 

コレはサービスの珈琲です」

 

 

 

カップを手に取り、一口啜る。

あらヤダこの珈琲美味しすぎる。程よい苦味がめっちゃ好きぃ。

色々とあったけど、ゼットンのまた知らない一面を知れたのでヨシ!

 

 

 

「ご馳走様でした」

 

 

 

ハヤシライスの味にものすごく満足した俺たちは店を出る。

こんなに美味しい店なら何度でも通いたい、そう思えるほどだ。

新しい店の発掘に心が踊る。ゼットンも知り合いの出している店でとても嬉しいようだし、本当に来てよかった。

 

 

 

 


 

 

 

「ただいま~」

 

 

 

ゼットンと夕食の買い物を終えて、帰宅する。

靴にファ〇リーズを掛けて、居間へ向かう。

 

 

 

「おや、漸く帰ってきたみたいですね」

 

 

 

そこに居たのは、ゴスロリ服を来た黒髪の少女。

おいおいおい、なんで我が家ってこんなに不法侵入されるかなぁ·····

セ〇ム入ってるんだけどな··········やっぱり霊長類最強のあの方を呼ばないとダメかな·····

この子もウルトラ怪獣だろうけど、一体何者なんだ。

 

 

 

「勝手に家に入った非礼は詫びよう

 

私の名前は()()()()()()()と言えばわかるかな?」

 

 

 

メ、メフィラス星人だと!?まずいですよ!!(迫真)

 

 

 

[()()()()()()()]

 

 

 

原作ウルトラマンにおいて、ウルトラマンと渡り合った侵略者の一人。

知能が非常に高く、そのIQは10000以上とされている。

加えてウルトラマンとの直接戦闘になった際は実力の底を見せておらず、メフィラスの停戦協定がなければウルトラマンもどうなっていたか分からない。

知力、戦闘力ともに高く、ウルトラマンでも勝てるか分からないという確かな実力者だ。

そんなメフィラス星人が来たとなれば、流石のゼットンもやばいかもしれない。

 

 

 

「まあ、落ち着いてください

 

今回ここに来たのは話し合いに来たためです」

 

 

 

話し合いか。

メフィラス星人は基本的に武力行使は余りせず、対話を試みるのは原作でもあったな。あのシーンは殆ど脅迫に近いものではあったが、今はゼットンもいるしそれはしないだろう。

 

 

 

「まあ話さずとも分かる通り、私はこの地球を侵略しにきました

 

しかし武力を用いた交渉など皆無、平和的にいこうではありませんか」

 

 

 

 

恐ろしい·····ここまで冷静と淡々と告げるメフィラスのプレッシャーが半端ない。

まずいな·····今回ばかりはゼットンでも·····

 

 

 

「私が地球を侵略する際、邪魔をしないで欲しい

 

無論邪魔さえしなければ、貴方達の安全は保証しましょう」

 

 

 

なん·····だと·····!?

自分達の安全の為に周りを見捨てろと言うのか·····そんなこと出来るわけないだろう。

この街や皆を見捨てておめおめ逃げられるわけがない。

 

 

 

「それにもう一つ素晴らしい提案をしましょう

 

ゼットン、貴方も私の配下にならないか?」

 

 

 

トゥ!へァー!って言いそうな鬼みたいな勧誘をするメフィラス。

どうするゼットン、俺はもうお前しか頼れないんだ。

 

 

 

 

『だが断る

 

 

私の嫌いな物、それは自由を奪われることだ』

 

 

 

とホワイトボードにメッセージを書く。

おいぃぃぃぃ!!ゼットン!!

それはアカンて!!

とある漫画家みたいなこと言わないでぇ!

 

 

 

「ふふっ、君ならそう言うと思っていたよ

 

手荒な真似はしたくはないが、仕方がない」

 

 

 

指をパチッと鳴らすメフィラス。残念ながら火は出ない。

しかしメフィラスの後ろの空間が歪む。

どうやら別の空間へと繋がっている入口を開けたようだ。

あれ?メフィラス星人ってそんな能力あったか·····まあいいか·····

 

 

「この美しい地球を決戦の舞台にすることは出来ないのでね

 

こちらで誰の邪魔も入らない異次元を用意させてもらったよ」

 

 

 

用意周到だな。

しかし戦いは避けられないのか。

メフィラスは余裕綽々な態度で異次元の入口を通る。

 

 

 

「さあ、早く来るがいい」

 

 

 

既に戦闘態勢に入っている。

ゼットンが強いのは知っている·····だが今回ばかりは相手が相手だ。

心配するのは当然だ。

 

 

 

「ゼットン·····」

 

 

 

その時不思議なことが起こった。

ゼットンが手と手を合わせると、異次元の入口が閉じていく。

 

 

 

「え?」

 

 

 

メフィラスは呆気に取られ、そのまま異次元へと閉じ込められる。

 

 

 

「ええええええええええええええええええええええ!?」

 

 

 

今までにない叫びを出して驚く。

いやだってこれから世紀の一戦が行われるだろうを雰囲気が台無し!!

ゼットンが俺の幻想を見事にぶち殺してくれましたよ。

 

 

 

『これで簡単には出てはこれない

 

平和的にいこうと言ったのは向こうだ、文句はあるまい』

 

 

 

た、確かにそうだけどもさ。

仮にも異次元に閉じ込めるなんて·····ガー〇ックJrみたいに戻ってこれなかったらどうするんだ。

 

 

 

『彼女なら自力でなんとかするだろう

 

いざと言う時はブルーさんにでも頼めばいい』

 

 

 

メフィラス星人なら大丈夫か(納得)

俺とゼットンは何事もなかったかのように、夕食の準備を始める。

メフィラス·····君の事は忘れないよ。

 

 

 

 

~完~

 

 

 

 


 

 

 

[翌日]

 

 

 

「ゼットンよ、私は帰ってきたぞ!!」

 

 

 

と勢い良く扉を開けて入ってくるメフィラス。

すげぇ、あの異次元から無事に脱出できたんだ。ライフポイントを半分にして戻ってきたのかな?

 

 

 

「貴様ぁ!!

 

あの後どれだけ大変だったと思ってる!!本当に一生出れないかと思ったぞ、このバカチンが!!」

 

 

 

ゼットンの肩を持ち、激しく揺らす。

やっぱり相当ストレス溜まってたんだな。流石の俺もあの手合わせ次元封鎖には引いたわ。

 

 

 

「とにかく地球を渡せ!!」

 

 

『無理だ、ヤムチャが天下一武道会本戦の一回戦を勝ち上がるぐらい不可能だ』

 

 

 

それ以上言うな!!(CV瀬戸利樹)

ヤムチャが悪いんじゃない、相手が悪すぎるんだよ。

仮にも荒野の狼(笑)だぞ。

 

 

 

「やだぁ!やだぁ!地球をくれなきゃやだよォ!」

 

 

 

おいおいおいおい、玩具を買って貰えない子供みたいに駄々をこねるなよ。てか、そっちがデフォなのか?

それはそれでギャップがあっていいんじゃない。

まあ俺は大人のお姉さん一筋だがな。

 

 

 

「あぅ··········お腹が減ってきた··········」

 

 

 

空腹でメフィラスは床へと倒れる。

異次元からダッシュでここまで来たんだ、飲まず食わずの状態なんだろう。

流石に敵とはいえ、見過ごすのもあれだしな。

しかし今日はまだ買い物行ってないし、すぐ作れるものがないんだよな。

あっ·····そういえば昨日大入りのどら焼き買ってきたな。

 

 

 

「これで良ければ食べる?」

 

 

 

とメフィラスの前にどら焼きを差し出す。

彼女は恐る恐ると言った感じに、俺の手からどら焼きを取る。

 

 

 

「なんだこれは·····こんなもので満足できるわけが·····」

 

 

 

文句を言いつつ、メフィラスは一口頬張る。

 

 

 

「ッ!?」

 

 

 

その時、メフィラスの体に衝撃が走った。

他の星の食文化に対して興味を持たなかった彼女は、初めて食べたどら焼きの美味さに感動している。

その証拠に、既に一個目を食べ終えて二個目へと手を伸ばしていた。

 

 

 

『おかわりもあるぞ』

 

 

 

とホワイトボードにメッセージを書く。

メフィラスは人の目も気にせず、どら焼きに食らいついた。かのネコ型ロボットを超えるだろう勢いで、何十個も用意されたどら焼きを一つ残らず食べ尽くす。

途中から丸呑みしていたような·····いや気のせいだろう。

 

 

 

「感謝するぞ、どら焼きと出逢えた··········これまでの全てに!!」

 

 

 

堕ちたな(確信)

どら焼きに堕ちるメフィラスってなんだよと思うが、気にするな!

ドラ〇もんだって初期の頃は餅が好物だったんだから。

 

 

 

『これが和菓子の魅力だ

 

昨日のお詫びとしてお土産にこれを持っていくといい』

 

 

 

とゼットンはこれはまた高そうな羊羹を渡す。

北海道産もりのようかんという有名な和菓子屋のものだ。

どこかで聞いたことがあるって?はて知らない子ですね?

 

 

 

「ふっ、今回の件はこのどら焼きとお土産で不問にしよう

 

しかし、地球侵略を諦めたわけじゃない

 

次はもっと美味しいもの·····じゃなく貴様を倒すぞゼットン」

 

 

そう言い残して、鼻歌交じりに立ち去って行った。

おい、うちに甘味をたかりに来る気満々じゃねぇか。

どこぞのボケ蛙よろしく、地球文化に染まる気しかしないぞ。

 

 

 

「はぁ~疲れた·····」

 

 

 

今日も今日とてツッコミ三昧。

ウルトラ怪獣と変わった一面を見られるから、楽しみではあるけどツッコミが追いつかない。

新八くんもこんな気持ちだったのかな。

 

 

 

『今日もお疲れ様

 

これを食べるといい』

 

 

 

ゼットンが持ってきたのは、これまた手の込んだチョコレートパフェ。

やだぁ!絶対美味いやつやん!!

ゼットン様最高!!

 

 

 


 

 

 

「マックイーンが言っていた··········パフェをパクパクですわ~と」

 

 

 

と一人の少女がタワーへと向かって指を指す。

彼女はウルトラ怪獣とはまた別の異型。とある世界ではこう呼ばれている。

 

 

 

()()()

 

 

 

これは本来ならば有り得ないことではあるが、彼女にはその常識は通用しない。

むしろ何をしてもああ·····アイツかのレベルで認識されている。

 

 

 

「なんかよくわかんねぇもん拾ったけど、まっいっか笑」

 

 

 

そんな常識ブレイカーの彼女が拾ったのは少し大きめなジュラルミンケース。

なにかの社名が書かれているであろう部分は擦れて読めなくなってしまっている。辛うじて読める文字が、S·····Bの二文字。

 

 

ウルトラ怪獣とウマ娘が交差する時、物語が始まる。

 

 




次回の仮面ライダー564は!!


「ナズェミデルンディス!!」


「ゴルシちゃん式マッサージをしてやるよ」(首の折れる音)


「それはツッコミ専用だぞ!!」


「アタシは戦う·····ウマ娘として·····ゴルシちゃんとして·····!!」


次回[黄金の不沈艦564 standby]


※仮面ライダー564はフィクションです。



とふざけたことをしてますが、次回もお楽しみにしてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話「古代の力ってスゲー!!」

お待たせしました。
一週間練りに練ったギャグをぶちかましていくので、どうぞよろしくお願いします。


いつも通い慣れた道を行かず、その時の雰囲気で道を変えたらあんなことになるとは夢にも思わなかった。

今日はそんなカオスマックス・オリッ〇スな話をしよう。

 

 

 

 


 

 

 

「はぁ·····話長いんだよ··········」

 

 

 

今日の帰りのホームルームも担任から、有難くもないお見合い失敗談を30分も聞かされた。

委員長がフジャケルナ!!モアイ!!と一喝した事で、何とか終わった。

後10分も聞いていたら、クラスメイト全員から奥歯ガタガタガタキリバされていたに違いない。

 

 

 

「うーん、たまには別の道から帰るか」

 

 

 

クソどうでいい話で落ちたテンションを払拭するために気分転換がてら別の道から帰ることにした。

と言っても商店街から帰るルートになるのだけどね。

もしかしたら新たな出会いがあるかもと淡い期待を抱きながら足を進める。

 

 

 

 


 

 

 

「やっぱり賑わってるな~」

 

 

 

平日の午後は、主婦や下校中の学生達で溢れかえる商店街。

昔懐かしの風景を残しつつ、新たなものを取り入れていくスタイルはこの町の誇れるものだと俺は思う。

最近は宇宙人が襲来したり、パソコンに斧を振り下ろしたり、侵略者に餌付けなんかしたりして非日常の出来事が多かった。それでもこの町は変わらない日常であり続けてくれるから、心の平穏を保てていられるんだと思う。本当に感謝の言葉しか出ない。

そんな物思いにふけていると、

 

 

 

「おーい!」

 

 

 

と誰かがこっちに向かって声を掛けている。

あれは魚屋の若大将の南レイさん。決して南斗水鳥拳の使い手ではない。

確か最近、店長であった親父さんが腰をやってしまい、そのまま引退して跡を継いだというのをゼットンから聞いた。

それにしてもレイさんが話をかけてくるなんて思わなかったな。

 

 

 

「どうしました、レイさん?」

 

 

「急に呼び止めて済まないね、実は聞いて欲しい話があって」

 

 

 

聞いて欲しい話か。

なんだろう……俺はこのパターンを知っているぞ。

 

 

 

「さっき来た客の話なんだけど、赤茶色のジャケットきたでっかい人が来てね

 

今日は良い鯖が入ったんでそのお客に勧めて買ってくれたまではいいんだが……

 

その……ここで頭の着いた一尾をまるまる食ったんだよ、骨まで全部……」

 

 

 

…………はい?

鯖一尾を丸々食べた?

うん、この魚屋の魚はどれも新鮮で美味いし、ゼットンも贔屓にしてる店だ。だが店頭でその場で生のまま食うか普通……

もうこれは確信がある。ウルトラ怪獣の仕業だよ。

 

 

 

「す、凄い豪快な方もいるんですね……」

 

 

 

俺は適当に相槌をうち、レイさんに挨拶をして魚屋を後にする。

やべぇよやべぇよ……早くゼットンに知らせないと。

 

 

 

[カットォ!!](CV島田敏)

 

 

 

「ただいま~」

 

 

帰りの挨拶をして玄関の扉を開ける。

 

 

 

『待っていた。すまないがこれから出かけるぞ』

 

 

 

とホワイトボードに書いている。

唐突だな。一体どうしたのだろうか。

 

 

 

『これを見て欲しい』

 

 

 

ゼットンの手に握られていたのは果たし状。

おいおいおい、ゼットンに喧嘩を売るような命知らずがいるとは。

えーと差出人が……ゴモラと書かれている。

ん?ゴモラァ!?ウッソだろお前!!

 

 

 

[古代怪獣()()()]

 

 

 

原作ウルトラマンにおいて登場したウルトラマンを撤退に追い込んだ最初の怪獣。

ウルトラマンでも苦戦する程のパワーと獰猛さ、それに加えて特徴的な巨大な尻尾での強力な一撃を繰り出すパワーファイター。

後年の作品においても登場頻度が多く、ゼットンやレッドキングといった怪獣達と肩を並べるほどの人気だ。

そんなゴモラから果たし状が来たとなれば、流石のゼットンも黙っていないのだろう。

ゼットンの覚悟を無下にするのは失礼だな。

 

 

 

「ゼットン!!角材を持ったな!行くぞォ!」

 

 

 

俺はゼットンがDIY用で買ってきた角材を持って果たし状に書かれている場所へ向かう。

場所はさほど離れていない空き地。戦うにはもってこいというわけだな。

ん?決闘罪?ウルトラ怪獣にそんなもんが通用するわけが無いだろう。

 

 

 

 


 

 

 

「………なんだこれは」

 

 

 

オレとゼットンが空き地に着くとそこにいたのは、ボロボロになって倒れているバルタと赤茶色のジャケットを着た女傑がいた。

一体どういうことだ。何故バルタがこんなことに……百合の間に挟まろうとしたガイアみたいになってるのは可哀想。

 

 

 

「漸く来たみたいだな……ゼットン……会いたかったぜ…」

 

 

 

ゴモラと思わしき女傑はこちらに気づき振り返る。

おっふ……これはまた素晴らしい母性をお持ちな方だ。ジャケットで隠せてないよ。

 

 

 

「あぁ……このガキは勝手に勝負をしかけてきたんで返り討ちにしてやった

 

胸がどうだが言って発狂しながら来たんで軽くボコした」

 

 

 

おい、バカバルタン。

心配して損したじゃないか。この野郎、母性とは簡単に実るものじゃないんだよ、全く。

 

 

 

『それで、決闘はどうするんだ?』

 

「無論、デスマッチだ

 

お互いの全力でやり合おうぜぇ!」

 

 

 

薄らと不気味な笑みを浮かべるゴモラ。

おいおいおいおい……戦うなら鏡の中だけにして貰えないかな。

それにこっちはゼットンがいるんだ負けるわけないじゃないか(フラグ)

 

 

 

『いいだろう……だがその前に彼を倒してからだ』

 

 

 

………はい?

俺が戦えと?

やめろ!勝てるわけが無い!!相手は古代怪獣なんだぞ!!

今回はツッコミアックスも持って来てないんだぞ。

もうダメだ……おしまいだ……(CV R藤本)

 

 

 

『大丈夫だ、これを使うといい』

 

 

 

そう言ってゼットンは俺に何かを投げる。

一瞬落としそうになるが、何とかキャッチした。

 

 

 

「こ、これは!?」

 

 

 

ゼットンが投げたのは、黒がメインカラーとなっている()()()()()()()であった。

 

 

 

[バトルナイザー]

 

 

 

怪獣を封印し、使役することの出来るアイテム。

このアイテムはウルトラマン外伝「大怪獣バトル」から登場し、カプセル怪獣とはまた違った方法で怪獣を召喚できる。

一見ただの機械に見えるかもしれないが、超高度な技術で作られたナノマシンと有機体で構成されたハイブリッド。

成程、これならゴモラと戦える怪獣を呼び出せる。

 

 

 

『今朝、チベットから届いた

 

大事に使ってくれ』

 

 

 

なんでチベット……いや確かに配達で強化アイテムが届いた例はあるけど大丈夫かな……やべぇ、ちょっと不安になってきたよ。

 

 

 

「準備は終わったか、なら始めようぜ…」

 

 

 

そう言うとゴモラは、原作ゴモラの顔を模した杖を取り出す。

ゴモラバイザーと言ったところか……。

ん?まさか……

 

 

 

[モンスロード!]

 

 

 

母性の谷間から取り出したカードをゴモラバイザーに装填する。

モンスロードという音声が流れるが、なにも起こらないじゃないか。

 

だがその時、大きな揺れと共に地中からそれは現れる。

一瞬巨大なヘビかと思ったが、それは違った。土煙が晴れ、姿が顕になると、

 

 

 

「尻尾ぉ!?」

 

 

 

そう、ゴモラの尻尾である。

彼女に尻尾がなかったのはそういう理由だったのか。てか尻尾が自我を持って動くってありかよ!?

某魔王獣よろしく素材になるオチじゃないだろうな。

 

 

 

「さあ、お前も早く怪獣を召喚しろよ

 

俺を楽しませろ……」

 

 

 

oh......すげぇマジキチスマイルを決めるなよ。

どうして戦闘狂キャラってこんなにも面倒なんだ。

まあしょうがない、とりあえず召喚して対抗するしかない。

 

 

 

「出てこい!俺の怪獣!!」

 

 

[モンスロード!]

 

 

 

バトルナイザーを天にかざす。

光の粒子がバトルナイザーから発生し、徐々に姿を形成していく。

さあ、一体どんな怪獣が召喚されるんだ。出来ればエレキング当たりが来て欲しいなぁ。

 

 

 

「………どうも」

 

 

 

俺は召喚された怪獣をみて言葉を失う。

強力な怪獣かって?

それだったらどれだけ嬉しかったか。だって目の前にいるのは…

 

 

 

なんで黒いダダやねん!!

 

 

 

[三面怪人()()]

 

 

 

原作ウルトラマンに登場した宇宙人の一人。

透明能力や飛行能力、それに加えて壁をすり抜けることが出来る等、多くの特殊能力を持ち、ウルトラマンを翻弄した。

科学技術も非常に優れており、対象物をミクロ化させる装置を作るほど。

しかし直接戦闘能力はなく、ウルトラマンにボコられただけではなく、人間大のサイズの時も、地球人である科特隊の隊長にも負ける程。

頭はいいが、戦闘力たったの5というわけだ。

 

でもこのダダはなぜ黒タイツを着てるんだ。

通常のダダは白黒の囚人服のような色合いをしている。

 

 

 

「ごめん、なんで黒で統一してるの?」

 

 

「実は最近とあるドラマのオーディションに行ったら役を貰うことができまして、そしたら監督さんが全身黒にしてくれたら助かると言われてこうなりました」

 

 

 

オイ馬鹿野郎。

それ確実に犯人役じゃねぇか。バーローっていう探偵が出てきて事件解決されっぞ。

というかも勝てる気がしないから帰ってもらうか。

 

 

 

「おーい、親友

 

なにやってんの?」

 

 

 

その声は我が友・龍臣氏では無いか?

おいおい、よりにもよってこんな時に来るなんてアイツもついていないな。おっ、隣にいるのが先日言ってたシーボーズのボーンちゃんか。

龍臣が命を懸けて守りたくなる可愛さというのも納得だ。

 

 

 

「ッ!?ルリ!」

 

 

 

何だ、ダダの様子がおかしい。

ルリって言ってるけど、彼女の名前はボーンちゃんだが。

 

 

 

「何故ルリがここに……逃げたのか、自力で脱出を?」

 

 

 

黒タイツの変態が、ジリジリと幼女に近づく構図は流石にまずいですよ!!(迫真)

龍臣が間に入ってボーンちゃんを守ろうとするが、

 

 

 

「がっ!ぐぅ……」

 

 

『彼女はルリでは無い』

 

 

 

ゼットンがテレポートでダダの正面に移動し、無言の腹パンを決める。正確無比な一撃は意識を刈り取るには充分であった。

だがダダの悲劇はそれだけで終わらない。

 

 

 

「汚物は消毒だァ……」

 

 

 

ゴモラは再び谷間から新しいカードを取り出し、バイザーに装填する。

 

 

 

[超震動波キック]

 

 

 

彼女は召喚した尻尾共に走り出す。

そして空中へと飛び上がり、尻尾の振り下ろされる勢いを利用しダダへと飛び蹴りを放つ。

直撃したダダは放物線を描きながら、宙を舞いそのまま地面へと叩きつけられた。

もうやめて!!ダダのライフはゼロよ!!

 

 

 

「あぁ……この感覚が堪らねぇなぁ……」

 

 

 

完全にオーバーキルですねこれは。

泣き面に蜂とかそういうレベルですまない程の怪我を負っているので、とりあえず電話してあげるか。

 

 

 

[1-1-0 standby]

 

 

 

数分後、駆けつけた警察官に事情を説明する。

ダダがボーンちゃんに欲情してそうと言うと、その場で取り押さえられて手鎖を掛けられていた。

 

 

 

「離せ!!俺はダダだぞ!!」

 

 

「なんだそれは!」

 

 

 

暴れるダダだが、警察官3人に無力化されパトカーに乗せられ、そのまま連行される。

まあこれが彼の運命だと思って諦めよう。

 

 

(※ダダの出番はこれ以降ありません)

 

 

「どうした?これで終わりじゃないんだろ?」

 

 

 

俺にはあと二回、怪獣の召喚権がある。

しかしこのバトルナイザー、召喚される怪獣のステータスもわからんから不良品じゃねぇのか?

まあ俺に出来るのはゼットンを信じてこれを使うことだ。

 

 

 

「当たり前だ!出てこい!俺の怪獣!!」

 

 

[モンスロード!]

 

 

 

バトルナイザーを天にかざす。

さあ、次の怪獣は一体どんなやつが来てくれるんだ。

 

 

 

「なんやここ……」

 

 

 

…………?(宇宙猫)

あのすみません。このバトルナイザー不良品なんですが返品できます?

え?無理?まじか……なんだってこんな怪獣(?)が召喚されるんだよ。

 

 

 

「あっ、そこの君

 

ここがどこか聞きたいんやけど」

 

 

 

なんで岡○隆史さんがいるんだよ!!

しかもご丁寧にプレッシャー星人の着ぐるみ着てるし、まんまあの時の状態じゃねぇか!!

 

 

 

「親友見ろよ!生の岡○さんだぞ!」

 

 

「凄いのです!」

 

 

 

あのお二人さん……確かに目の前に有名な芸能人の方がいたら興奮するかもしれないけどさ、今決闘中なんだよ。

ほら、ゴモラさんもめっちゃしらけたって顔してるし、このままじゃまずいって。

ん?ゼットンがめっちゃ走り込んで来てるんだが。

 

 

 

「しゃあない、矢○くんに迎えにき)」

 

 

 

岡○さんが喋り終わる前に、走り込んできたゼットンがドロップキックを浴びせる。

おぃぃぃぃぃ!!ゼットン何やってんだよ!!

相手は日本お笑い界の宝やぞ!!

 

 

 

「何すんねん!!」

 

 

『すまない……条件反射でついやってしまった』

 

 

 

とホワイトボードに謝罪文を書く。

嬉しくなるとついやっちゃうんだ☆……じゃねぇよ!

条件反射ってなんだ……お前と岡○さんに一体どんな因縁があるんだよ。

気になりすぎて八時間しか寝れないぞ!!

 

 

 

「条件反射か、それならしゃあないわ」

 

 

 

いやいや岡○さん。貴方もっと怒っていいんですよ。

突然ドロップキックをされて、言い訳に条件反射って言ってるんですよこいつは。

あーもむちゃくちゃだよ……(諦め)

 

 

 

「岡○さんここにいたんか 結構探したんやで」

 

 

と空き地の近くに一台のタクシーが止まり、中から相方の矢○さんが出てくる。恐らく突然いなくなった岡○さんを探しに来たのだろう。

 

 

 

「あと一時間でぐる○イの収録始まるで、はよ急がんと」

 

 

「ほんまや!兄ちゃんたち迷惑かけて悪かったな

 

これ少ないけど皆でなにかを食べてくれ、じゃあまたテレビで会おうや」

 

 

 

と俺の手に一万円札を握らせて、矢○さんと共にタクシーに乗り込み、収録スタジオへと向かった。最後まで良い人かよ……

ありがとう岡○さん、後で皆で焼き肉に行こうと思います。

 

 

 

「………」

 

 

 

アカンわ、ゴモラさんのストレスがマッハでやばそうだ。

いい加減まともな怪獣出さないと、俺が物理的に死ぬことになるぞ。

もうしょうがねぇ!一か八かだ!!

 

 

 

「これで最後だァ!!」

 

 

[モンスロード!]

 

 

 

バトルナイザーを天にかざす。

すると突然空が曇りだし、何かが降臨しそうな雰囲気を出していた。

なんかいける気がする!!

 

 

 

「なんだあれ!」

 

 

 

龍臣が指を指した方向を見ると、何かが動く影が見えた。

これはかなり期待できるぞ!!

 

 

 

「ほぅ……なかなか面白そうなのが来てくれそうだな」

 

 

 

そしてそれは現れた。

 

 

 

「なっ!」 「あっ」「ッ!?」

 

 

 

瞬間、その場にいる全員が凍りつく。

それもそのはずだ。俺が召喚した存在は怪獣達が恐れる存在。

怪獣退治の専門家と言えばウルトラマンの名前を挙げる人はいるだろう。

だが、ウルトラマン以外にももう一人専門家がいるのだ。

叫べ…その名は!

 

 

 

「レッドマン!!?」

 

 

 

まずいまずいまずいまずい!!

よりにもよってとんでもない厄災を呼んでしまった。

これも全て俺の責任だ、だが俺は謝らない。だってレッドマンが出てくるなんて思わないもん!!

 

 

 

「全員逃げろ!」

 

 

 

俺はその場にいた全員に逃げるように促す。

レッドマンがここまで恐れられるのは大きな理由がある。

それは彼が怪獣を倒す方法が余りにも残虐すぎるためだ。

刺殺、絞殺、馬乗りになって何度も拳で怪獣を殴りつけるなど今のお子様たちには見せられないシーンが多く、そのため着いた渾名が赤い通り魔。

無論、ゼットンなら負けないとは思うが戦うべきではないだろう。

取れる選択はただ一つ。

 

 

 

「逃げるんだよぉ~」

 

 

 

ゴモラとレッドマン以外の全員はその場から逃げる。

 

 

 

「…………」

 

 

「あぁ……この戦いを楽しもうぜ!!」

 

 

 

古代怪獣と赤い通り魔。

どちらが勝つかなんてわからない。

だがこれだけは言える。

このSSはギャグだから死ぬことは無いやろ。(メタ)

 

 

 

 

 

 


 

 

[翌日]

 

 

 

 

「ゴモラさん、大丈夫かな……」

 

 

 

一応召喚してしまった身として申し訳なく思っている。

レッドマンが相手となれば、無事では済まない。もしかしたら本当に……

 

 

 

「よぉ……また会ったな」

 

 

 

声を掛けてきたのは件のゴモラさん。

所々に包帯をまいているので、相当な激戦を繰り広げたのが見て取れる。

 

 

 

「だ、大丈夫なんですか?」

 

 

「あぁん?こんなもんすぐに治る程度の傷だ

 

それにな……あんな興奮した戦いは久しぶりだったんでな……むしろ感謝している」

 

 

 

おっふ……死にかけた勝負でも興奮するなんてやっぱり戦闘狂なんだなこの人。

いやぁマジで無事でよかった。怒られるどころか感謝の言葉を貰うなんて思わなかったよ。

 

 

 

「最初は腑抜けた野郎だと思ったが、案外いい面をしやがる

 

そういう奴は嫌いじゃない

 

ほら、昨日の礼も含めていい所に連れてってやる」

 

 

「え!?ちょっと!?」

 

 

 

ゴモラさんに抱きかかえられる。俗に言うお姫様抱っこで。

まずいですよ!!母性の塊がめっちゃ当たってる!!俺の理性が飛んじゃうよォ!!

 

 

 

「大人しくしてろ、たっぷりといい思いをさせてやるからなぁ……ジュルリ」

 

 

 

※この後滅茶苦茶、焼肉を奢ってもらった。

 

 

 

 


 

 

 

[海王星]

 

 

 

ここに休憩と称し、約一週間近くに寝ている怪獣がいる。

見た目は幼女に見えるが、その強さは折り紙付きだ。並の怪獣では太刀打ち出来ないほどの強さを持つ。

 

 

 

「………」

 

 

 

その幼女に近づく一つの影。

赤と銀色の二色が特徴的な巨人がジーッと見つめている。

果たして彼の目的とは如何に……

 

 

 

 

[to be continued]

 

 




さて今回も如何だったでしょうか。
今回のアンケートは現時点まで登場したウルトラ怪獣、主人公を含めた人気キャラ投票を行うので良かったら、参加していってください。
さて、あの赤と銀色の巨人は何者なんだ?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話「暴・君・参・上」

誰だよ!!うちの作品が劇薬とか言ったやつは!!
最高の褒め言葉じゃないか!!
というわけで今回も盛りにも盛ったカオスをどうぞ!


今日は日曜日。

休日ということもあって、もう少し寝ようかと思ったが六時に起きる習慣がついてしまっているので自然に目が覚めてしまった。

ゼットンは料理の仕込みで忙しそうで、なにか手伝うことがないか聞いてみたが特にないそうなので暇を持て余した俺は散歩をすることにした。

 

 

 

「いやぁ~日曜の朝って静かでいいよな~」

 

 

 

普段歩き慣れている道も曜日や時間帯が変われば、全く別の道のように感じる。まるで知らない道を探検してるかのように思えて俺の中のパラドの心が踊ってしまう。

車やバイクの騒音は響かず、小鳥のさえずりだけ聞こえる。

いい心地だ。たまに散歩をするのも悪くない。

いつもと違うからこそ、新たな発見がある。そんな風に思いながらふと空を見ると、

 

 

 

「ん?なんだあれ……」

 

 

 

一筋の光が見える。なんだろう……ヘリコプターか飛行機の明かりかと思ったが、軌道がどう見ても違う。

まるで徐々に落ちてきているような気が。まさか……赤き厄災の彗星じゃないだろうな。

え……それって不味くないか?このままでこの町に落ちてくるとしたらやばいって。

どうすればいいんだ!一撃男でも呼べってか!

 

 

 

『もう大丈夫、私が来た』

 

 

 

と頼れるメッセージを書いたホワイトボードを携えたゼットンが来てくれた。

おぉ……流石ゼットン、頼りにしかならねぇ!!

 

 

 

『少し離れていてくれ、あれを撃ち落とす』

 

 

 

まさかゼットン自慢の火球で撃ち落とすのか。

普段ゼットンは、この円谷町や地球に影響が出ないよう火球の威力をセーブしている。

この緊急事態だ、多少危険ではあるが仕方がないのかもしれない。

 

 

 

「ん?」

 

 

 

しかし、ゼットンは火球を打つ構えではなく両手首を腰へと構える。

おい、まさか……その構えは!!

両手の中にエネルギーが徐々に溜まり、やがて大きなエネルギー体へと変わる。

そしてゼットンは、隕石にエネルギー波を撃ち出す。

見事に着弾し、隕石は粉々に打ち砕かれた。

 

 

 

「ちょっとまてぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

あれかめ○め波だよね!?明らかにゼットンファイナルビームじゃないよな。流石にお前何処で覚えてきたんだよ!

いくら町が助かったとはいえ、お前の謎が増えて俺のツッコミが0・0058秒並に早くなっても無理だわ。

 

 

 

『ある人が言った……

 

よく動き よく学び よく遊び よく食べて よく休む 人生を面白おかしく張り切って過ごせ

 

そうすれば自然に掴むべき力が身につくと』

 

 

 

そうかそうか……っておい、それ亀○流の教えじゃねぇか。

まさか……ゼットンの強さの秘訣はそこにあるのか?

いや流石にそれは……ないとは言いきれない。

実際この理不尽までの強さを有しているゼットン。今までも多くの怪獣、宇宙人を倒してきたのを目の前で見ている。

だから俺も亀○流の教えを試してみよう。かめ○め波撃ってみたいし!!(本音)

 

 

 

『しかし、どうやらあれは隕石ではないらしい』

 

 

 

隕石じゃないだと!?

まさか……ウルトラ怪獣なのか?もしそうだとしたら……嫌な予感がするぜ。

 

 

 

「その通りなのだ~」

 

 

 

と後ろから声がする。

恐る恐る振り返るとそこに居たのは、一人の幼女。

銀髪のセミロングで、とにかく元気いっぱいな印象を受ける。

どんなウルトラ怪獣なのか全く想像がつかないぜ。

 

 

 

「まあとにもかくにも………地球キタァー!!

 

 

 

凄まじい声量で地球に着いたことを喜ぶ幼女。

あの声、太陽系超えてM78星雲まで届いたんじゃないか?

両耳を咄嗟に塞がなければ、鼓膜が大変なことになっていたよ。

 

 

 

「君は一体何者なんだ?」

 

 

「え?私はタイラントのラントなのだ~」

 

 

 

ファッ!?タイラントだと!?まずいですよ!!(迫真)

 

 

 

 

[()()()()()()()()()]

 

 

 

原作ウルトラマンタロウにて登場した最強怪獣の一角に挙げられている怪獣だ。

歴代のウルトラ戦士達によって倒された宇宙人・怪獣・超獣達の怨念が集まり、誕生する。

その強さは圧倒的であり、ゾフィーを初めとするウルトラマン、セブン、ジャック、エースのウルトラ兄弟五人を倒す程の実力を有しており、まさに暴君という名が相応しいほど。

まさかこんな幼女がタイラントなんて……龍臣なら喜んで保護しそうだな。

 

しかしだ、この子は原作タイラントのような出で立ちではない。

タイラントは本来各部位が、それぞれの怪獣のモノで構成されており、頭はシーゴラス、腕はバラバ、胴体はベムスターと言った怪獣達の特徴が表れた造形だ。

そもそもの話、この子は本当にタイラントなのか?

もしかしたらバルタあたりがイタズラ目的で送りこんできたかもしれない。

 

 

 

「君がタイラントなら何か証拠になるのものを見せて貰えないかな?」

 

 

「いいよ~」

 

 

 

元気いっぱい大きな声で返事を返すラント。

 

 

[バラバ・ON]

 

 

という機械音共にラントの両腕がバラバのものへと変わる。

何!?もしかして各部位を自由に展開できるというのか!?

すごいロマン溢れているじゃない。

 

 

 

「見てみて凄いでしょう!最高でしょう!」

 

 

 

えっへんと胸を張るラント。

うん、可愛いじゃないか。龍臣なら間違いなく、僕がお兄様になると叫んでる。

かくいう俺の王の見えざる手が我慢できないので、ひとまずラントの頭を撫でることにした。

 

 

 

「にゃ~ん♪」

 

 

 

凄い髪質が良くて滅茶苦茶撫でていたい心地良さがある。

彼女の猫なで声もあって、小動物に癒される感じだ。

ゼットンも一緒に撫でて、すげぇカオスなことになってるけどこれだけは言える。

可愛いは正義だ。

 

 

 

「えへへ~嬉しいのだ」

 

 

 

なでなでタイムが終わってしまったのは名残惜しいが、何故彼女が地球まで来たのかを聞かなければならない。

原作ではタロウを倒すために地球に来たが、残念ながらこの地球にはいない。

ここ最近の出来事を考えてみると、ゼットンを倒すための刺客と思ってしまう。

 

 

 

「あっそうなのだ

 

私ゼットンを倒しに来たのだ」

 

 

 

やはりか。しかし彼女を様子からすると、雇われた感じのように思える。ゴモラさんのようにゼットンを倒して格をあげるなんてことでもなさそう感じだったし。

 

 

 

「えーと……なんて名前だったっけ?

 

確か……ヤ○ルト……ヤ○ー……思い出せないのだ…」

 

 

 

頭文字にヤがつくものを連想してるから、恐らくあの異次元人じゃないかな。

 

 

 

『もしかして異次元人ヤプールじゃないか?』

 

 

 

とホワイトボードにメッセージを書く。

 

 

 

「あっそれなのだ、そいつに頼まれてゼットンを倒しに来たのだ」

 

 

 

だぁに!?あのヤプールに雇われていたのか。

しかしこんな幼女を刺客に送り込むなんて……ヤプールはロリコンなのか?

まあ今の時代ロリコンにも寛容だから大丈夫でしょう、多分。

 

 

 

「でも……ゼットンは良い人だから戦いたくないのだ……」

 

 

 

なんていい子なんだ。こんなに純粋な子を無理矢理戦わせるだと……ゼットン……あんなやつを野放しにしておく訳にはいかないな!!(CV櫻井孝宏)

 

 

 

「大丈夫……戦う必要なんてないんだ、後のことは任せておいて」

 

 

 

ラントが不安にならないように、少し頭を撫でる。

ヤプール……覚悟をしろよ。誰を敵に回したか思い知らせてやる……ゼットンがな!!

でもなんでヤプールがゼットンを狙っているんだ?

原作でも特に絡みとかはなかったしな。

 

 

 

『ヤプールはかつて私を配下にしようと勧誘をしてきたのだ

 

当然断ったが、余りにも執拗いのと料理を粗末にしたので返り討ちにしたんだ』

 

 

 

とホワイトボードにヤプールとの因縁を書く。

おいおいおい…ゼットンの料理を粗末にするなんて勿体ないことしやがって!!ヤプールのやつ余計に許せないわ。

 

 

 

[グゥ~]

 

 

 

と誰かの腹の虫が鳴る。

 

 

 

「お腹空いたのだ~」

 

 

 

ラントは空腹の余りにその場でへたり込む。

こんなにお腹を減っている子を放っておくことはできないし、ひとまず我が家に連れていこう。

朝ごはんもまだだしね。

 

 

 

 


 

 

 

「ご馳走様なのだ~とても美味しかったのだ~」

 

 

 

ゼットンの料理に大満足のラント。

いやぁまじで美味すぎて、大!大!大!大!大!大満足!!

 

 

 

『すまない、少し話があるんだが大丈夫かな』

 

 

 

と俺に聞いてきた。

恐らくラントちゃんの件だろう。

 

 

 

『私は彼女を保護しようと考えている

 

ヤプールが彼女になにかするかもしれない』

 

 

 

俺も同じ事を考えていたのでゼットンが同じ意見でむしろ助かった。

家はまだまだスペースあるし、ラントを保護しても大丈夫だしね。

 

 

 

『そしてもうひとつ、今日一日出掛けてきてもいいかな

 

少し()()をしたい人がいてね』

 

 

 

あっ⋯⋯(察し)

まあ…ゼットンも怒り心頭なのは見て取れたしね。無表情ではあるけど、オーラというか雰囲気が明らかにやばかった。

ゴゴゴゴゴってスタンド出してもおかしくなかったからマジで怖かったよ。

 

 

 

「全然構わないよ、寧ろやられたら千倍返ししちゃえ☆」

 

 

『ありがとう、万が一に備えて助っ人を呼んでおいた』

 

 

 

流石ゼットン、仕事が早い。

助っ人か誰だろう?

 

 

 

「俺だよ」

 

 

「ゴモラさん!?」

 

 

 

なんと助っ人に来たのは先日知り合ったゴモラさんだった。レッドマンとの戦いでついた傷も完治しているようだ。

意外な人物の登場に驚く。AL○OKより頼りになりますよ!!

 

 

 

「ガキを狙う外道がいるって聞いてな

 

安心しろ、俺がいる限り指一本触れさせねぇ」

 

 

 

あぁ!!やめてぇ!!頼りになりすぎて姐さんって呼びたくなってしまうぅぅぅ!!(本音)

 

 

 

『というわけで、行ってくる』

 

 

 

ゼットンはテレポートをして移動する。

ヤプール、お前の寿命はあと数分だ。(ニチャア)

さて、ラントの対応をしようとしたらソファーで寝息をたてて寝ている。流石に地球まで来て疲れてるだろうし、しょうがないね。

ラントにタオルケットをかけて、俺も一息着く。

 

 

 

「ほらよ」

 

 

 

ゴモラさんが麦茶が入ったコップを差し出す。

キンキンに冷えてやがる!!あっ、ありがてぇ!!(CV藤原竜也)

差し出された麦茶を飲む。マジで美味い、火照った体には丁度いいですよ本当に。

 

 

 

「しかし意外でしたよ、ゴモラさんが護衛を買って出てくれるなんて」

 

 

「あぁ……ちょうど暇だったしな、それにゼットンが美味いさば味噌を食わせてくれると言ったからな」

 

 

 

ああなるほど。ゼットンのさば味噌はマジで美味いですからね。

初めて食べた時は、顔の着いた銀河の果ての大彗星が爆発した時ぐらいの衝撃を受けた。

今まで食べてきたさば味噌とは比べ物にならない美味さ。あれを報酬に出されたのなら納得できる。

 

 

 

「それにお前と話すのも悪くないしな」

 

 

 

ん?どういうことだ?

俺と話しても楽しくなんかないのに。

 

 

 

「まあなんつうか……一緒にいて楽しいと思える奴がたまにいるだろう、そんな感じだ」

 

 

 

おっふ。なんというありがたい言葉。

嬉しすぎて、俺の中の種が爆発してしまう!

 

 

 

「くくっ……ちょっといいことしてるよ……」

 

 

 

と言うとゴモラさんは俺を抱き寄せる。

ちょ!ちょっと待ってくださいゴモラさん!!俺はまだ心の準備が!!

 

 

 

「大人しくしてろ、すぐに楽になる」(超絶イケボ)

 

 

 

「(ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!)」

 

 

 

※この後滅茶苦茶膝枕された。そして八時間ぐっすり寝れた。

 

 

 

 

 

 


 

[ブルー宅]

 

 

 

「お姉さんポジを取られた気がするわ……」

 

 

 

なんという第六感。

ここから遠く離れた主人公が尊死した事を感じたブルー。

狙った獲物は逃がさないのが彼女のポリシーだ。それ故に、多少の暴走を起こすこともしばしば。

 

 

 

「私がお姉様よ!!勝手なことはさせないわ!」

 

 

 

と叫び声がこだまし、アパートの住民が全員起きたと言うのはまた別の話。

 

 

 

 


 

[異次元空間]

 

 

 

ここはかのヤプールの本拠地であるのだが、見るも無残な廃墟へと変わり果てていた。

圧倒的なまでの暴力の嵐。配下の超獣や宇宙人達はあちらこちらに倒れており、全員気絶している。

最後に残ったヤプールは言うと、

 

 

 

「た、頼むゼットン俺が悪かった!!何でもするから許してくれ!!」

 

 

 

あのウルトラ兄弟を幾度なく追い詰めてきたヤプールは、見る影もない程情けない土下座姿を晒している。

ゼットンの怒りは先の件で料理を粗末にされたことよりも、水晶のように純粋な輝きを持つラントを自分への腹いせのコマとして利用した事にある。

 

 

 

『ヤプール、お前は最後に倒すと言ったな』

 

 

「そ、そうだゼットン、助けて……」

 

 

 

何がなんでも助かりたいヤプールは必死にゼットンに懇願する。

 

 

 

『あれは嘘だ』

 

 

 

ゼットンは慈悲を与えず、1兆度の火球を放つ。

そして直ぐにその場からテレポートとする。

 

 

 

「ウワァァァァァァァ!!」

 

 

 

ヤプールの断末魔と共に異次元空間は消滅した。

ゼットンを怒らせるとどうなるかその身で再び味わうことになるとは夢にも思わなかったであろう。

またどうせ復活するだろうが、その時は何とかしてくれるだろう…………ギロチン王子が。

 

 

 

 

 


 

 

 

[円谷町近くの山林]

 

 

 

「あぁ……ここは一体どこなんだよ……」

 

 

 

山の中で一人遭難している特徴的なつなぎを着た一人の青年。

 

 

 

「しかもメダルも全部ないじゃないか……ウルトラやばいぜ……」

 

 

 

彼は一体何者なのか。そして無事に山から降りられるのか。

 

 

 

[to be continued]

 

 

 

 

 




はて、最後にでてきた青年は一体何者なんですかね……
人気キャラクター投票はまだまだ開催しているので、良かったら投票お願いします!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話「最強のMAXIMAM BODY」

今回の人気投票にご参加頂いた方々、本当にありがとうございます。
こんな作品ではありますが、これからも何卒ご贔屓にお願いします。
ゼットンもそうだそうだと言っているのでよろしくお願いします。


 

 

 

「ふぅ~やっと着いたぜ」

 

 

 

新幹線に乗り約二時間、ようやく目的地である神戸へと到着した。

ゼットンが商店街の福引で当てた3泊4日の神戸旅行の優待チケットのおかげ。

旅行が決まった際は、滅茶苦茶テンションが高まって俺の心のパラドがめっちゃ笑顔だった。

 

 

 

「わぁーい~楽しみなのだ~」

 

 

 

ラントも元気百倍といった感じでとても嬉しそうだ。

最近、あんまり出かけられてなかったからゼットンにはマジで感謝しないとね。

当のゼットンは、観光マップを確認しながらルートを決めている。

 

 

 

『まずは荷物を預けてからの観光にしよう、宿はこっちだ』

 

 

 

ゼットンの案内に着いていく俺達。

どんな宿泊施設かな……ホテルか旅館か……どちらにせよ楽しみだぁ。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

特に迷うことなく、宿泊施設まで着いた俺たち一行なのだが、今激しくツッコミを入れたくてたまらない。

何故かって?

宿がボロいとかそういう理由ではないけど、この場所明らかにあの湯屋だよ。金曜○ードショーとかの常連アニメ映画の舞台だよね!?

なになになに俺働くの?働かされるの!?

 

 

 

「いらっしゃいませ~遠路はるばるお越し頂き誠にありがとうございます」

 

 

 

俺がツッコミを入れていると、入口から女将さんらしき人が出てくる。

おっふ……美しい大人のお姉さんだ。

ツッコミなんてしてる場合じゃねぇ!!

 

 

 

「それではお部屋までご案内します」

 

 

 

俺達は女将さんの案内で、後ろについて行く。

どんな部屋なのか楽しみだな。まあ商店街の福引の景品だからそこそこな感じなのだろうけど。

 

 

 

「こちらお客様の御部屋にございます」

 

 

 

………………はい?

いやこれ我々が止まる部屋なんですよね?

明らかにこれVIPルームだよ。大型テレビや高そうなテーブルや椅子、龍の描かれた水墨画の掛け軸といった和を意識した部屋づくり。

やべぇよやべぇよ、福引の景品だと思って舐めててすいませんでした。お詫びに自害します…………ランサーが。

 

 

 

「わーい!大っきいお部屋なのだ~」

 

 

 

ラントは大喜びで部屋に入るのだが、何か壊したりしないか心配で仕方がない。壊したらシャレにならんからはしゃぎすぎないでね。

 

 

 

『荷物を置いて観光に行こう』

 

 

 

やっふぅ!!(CV配管工)

ゼットン、早くしろ!間に合わなくなっても知らんぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「海が綺麗なのだァ~」

 

 

 

俺達が来たのは神戸港。

最近有名ドラマの舞台になったという事で、ゼットンの勧めもあって訪れてみた次第。他にも家族連れやカップルで訪れている方も多いもようだ。

コンテナ船や大きな豪華客船が止まっており、発展した港という印象が強い。

あちらの波止場では、青髪のアロハシャツを着た男性や赤いキャップを被った白髪の男性、やけに派手な格好をした金髪のイケメンが釣りをしているから釣り場としても人気が高いようだ。

 

しかしあの人たち何処かで見たことある気がするが気のせいだろう。あちらの運命とは関係ないしね。

 

 

 

『やはり来て正解だった』

 

 

 

確かに良かったと思う。

遊園地や娯楽施設に行くのも良いが、こういったその土地の特色が出る場所は少し歩くだけでも魅力を多く見ることが出来る。

いい風も吹くし、何より怪獣とエンカウントする事ないだろうし平和な旅行になりそうだ。(フラグ)

 

 

 

「おい、なんだあれ!」

 

 

 

観光客の一人がそれへ向かって指を指す。

何かの演出かと思ったが、雰囲気的にそうではないようだ。

だってあれ明らかにUFOやん。絶対どっかの侵略者だよ。

なんで円谷町から離れてるのにエンカウントするかな……どっかに死神でもいるのかな。

 

 

 

「皆逃げろぉ!」

 

 

 

この一言を皮切りに港にいた人達は我先にと逃げ出す。

俺も逃げ出そうとしたけど、ゼットンに腕を引っ張られて逃げ出せなかった。

やめろ!!俺は今日は観光したいんだ!!

HA☆NA☆SE!!(CV ATM)

 

 

 

『諦めるんだ

 

もうあちらの準備は整っているようだ』

 

 

 

とホワイトボードにメッセージを書く。

UFOの中から何かがゆっくりと降下してくる。あれは人か?違う!ロボット娘だ!

親方!UFOから女の子が!!

 

 

 

「………………」

 

 

 

俺達の目の前に降り立ったのは、白銀をメインカラーにしたロボット(?)。

白銀……ロボット……神戸……おいおいおいおい、絶対あのロボットやん。

 

 

 

「……………!」

 

 

 

瞳が赤く点滅する。起動音が明らかにガ○ダムじゃねぇか。

 

 

 

「キングジョー……TYPE-F、行動ヲ開始シマス」

 

 

 

やっぱりキングジョーだったか……まずいですよ!!(迫真)

 

 

 

[()()()()()() ()()()()()()()]

 

 

 

 

原作ウルトラセブンにて登場した最強のロボット怪獣。

ペダン星人の高度な科学技術によって開発されたスーパーロボットであり、当時のセブンの攻撃が全く通じず、ドロシー・アンダーソン博士が開発した兵器がなければ負けていたことから、事実上セブンを破ったという実績を持つ。

以降のウルトラ作品でも多く登場しており、ウルトラ戦士達を苦しめる強敵として立ちはだかっている。

余談だが変形する二足ロボットはキングジョーが初であり、多くのロボット作品に影響を与えたと言われている。

 

やべぇよ……よりにもよって攻守共に強いキングジョーが来るなんて……こりゃダメだァ……

 

 

 

「対象・ゼットンヲ捕捉、排除行動二以降シマス」

 

 

 

やっぱり狙いはゼットンか。

こいつも地球侵略の為にきたとすれば、放っておけないな。

ここに丁度いい丸太も落ちてるし、これなら行ける気がする。

 

 

 

「くらえ!!満月大根切り!!」

 

 

 

俺は丸太を持ち上げて、キングジョーへと振り下ろす。

何故一般人Aの俺が丸太を持ってるかって?

スーパーマサラ人や独特の呼吸をする人も持ってるんだから気にするな!

勢いよく振り下ろされた丸太は直撃したのだが、キングジョーの堅固な装甲の前に物の見事に折れた。

 

 

 

「ウワァ!折れたァ!」

 

 

 

とある島の最強装備の丸太が折れた事にショックを受ける間もなく、俺はキングジョーの腹パンを受けてコンクリートの壁へと吹っ飛ばされる。

 

 

 

「ペダニウム!!」

 

 

 

めちゃくちゃ痛い。瓦礫とかの下敷きになるとこんなにも痛いのか。

今のは痛かった……痛かったぞぉ!!(CV中尾隆聖)

オカケデオデノカラダハボドボドダ!本来ならば今のような無様な戦い方はしない!!

これも全て作者の仕業なんだ…(メタ)

 

 

 

『成程、その強さは折り紙付きということか』

 

 

 

ちゃっかり自分への攻撃をゼットンシャッターで防ぐゼットン。ラントを守ってるなら俺にフォロー入れてくれてもいいんじゃないですか。

仕方が無い、日々のツッコミで鍛えた俺の黄金の右腕の一撃を食らわせてやるぜ!!

 

 

 

「(歯を食いしばれよキングジョー……俺のツッコミは、ちっとばっか響くぞ!!)」

 

 

 

俺は痛みを堪えて走り出し、キングジョーの顔面目掛けて力いっぱい拳を振るう。

渾身で放った一撃はキングジョーを少し後ずさりさせる程度でしかなかったが、怪獣に対して少し抵抗できただけで満足だ。

もうダメだよゼットン……俺はもう限界……

 

 

 

『大丈夫だ、これを食べるといい』

 

 

 

とゼットンの右手には茶色の丸い物があった。回復アイテムか?

ゼットンはそのまま俺の口内へとゆっくり入れる。

ゆっくりと咀嚼して飲み込んだそれは回復薬ではなく……

 

 

 

「チョコボールじゃねぇか!!」

 

 

 

やけぇに甘いと思ったら、お菓子じゃねぇかこの野郎。

美味しいけど、重傷負ってる人間に食わせる場面じゃねないよね。

でもなんか傷口が塞がってるのは何故!?

今年一番の驚きだよ。仙豆よりすごいぞおい。

 

 

 

『通販で頼んだ怪獣用のチョコボールだ

 

怪獣にはただのお菓子だが、人に使えば傷を回復させるらしい』

 

 

 

最近の通販やばすぎだろ。

ツッコミアックスと言い、物騒にも程があるぞ。

でもラントが喜んで食べてるので許そう。

 

 

 

「対象ノ速ヤカナル殲滅ヲ申請

 

ドッキングシークエンスヘト移行シマス」

 

 

 

だぁに!?

ドッキングするのか!ロマンじゃねぇか!!

 

 

 

「アイアンロックストノ同期ヲ開始」

 

 

 

キングジョーがそう呟くと、UFOからまたなにかが降りてくる。

戦艦か………ってあれはまさか、アイアンロックス!?まずいですよ!!

 

 

 

[()()()()()() ()()()()()()()()()]

 

 

 

キングジョーと同じく、原作ウルトラセブンから登場したロボット怪獣。

侵略者・ミミー星人が戦争によって沈んだ軍艦等の沈没船を素材にしており、日本に出現した際は太平洋戦争末期に沈んだ戦艦大和をベースにしていた。

四方に装備されてる砲塔から出る高い火力によってセブンを追い詰めるも弱点を見抜かれ、そこをつかれて機能を停止すると最後は道連れに自爆しようとするも失敗に終わる。

今現在我々の目の前にある機体は大和ベースのもの。

実質、生の戦艦大和を見ているようなものなので思わずスマホのカメラで撮ってしまった。

 

 

 

「ドッキングシークエンス……開始…」

 

 

 

そしてアイアンロックスはキングジョーの言葉を合図に、幾つ物パーツへと分かれ、キングジョーへと装着されていく。

全ロボットマニアの心が踊るシーンを間近で見れていることに興奮しているのが分かる。

だってロボットの変形合体って燃えるよね?ランドも目を輝かせてるし、ロマンが分かるようで何よりだ。

 

 

 

「アイアンロックストノドッキングヲ完了

 

キングジョーTYPE-F Aキャノン型制圧機トナリマス」

 

 

 

丁寧な説明ありがとう。

すげぇ!キングジョーの全身の至る所にアイアンロックスの砲門がついている。

バ○バ○シュミレーション?艦○れ?スパ○ボ?

なんだっていいさ……めちゃくちゃかっこいいんだから!!

 

 

 

『ふむ…だがキングジョーのマキシマムボディにアイアンロックスの特大火力……合わせたらまずいのではないか?』

 

 

 

とゼットンはホワイトボードにメッセージを書く。

あっ⋯⋯(察し)

やべぇよ、かっこよさの余りにそこを考えていなかった。

冷静に考えるとやばい……やばくない?

 

 

 

「射撃準備、殲滅ヲ開始シマス」

 

 

 

キングジョーは装備した全ての砲門をこちらへと向ける。

危険を感じた俺は急いでゼットンの後ろに隠れた。

それと同時にキングジョーの一斉砲撃が始まる。アイアンロックスの火力を得た砲撃は凄まじい威力であり、ゼットンシャッターが無ければ大変な事になっていたであろう。

 

 

 

「凄いのだ~」

 

 

「おぅ………」

 

 

 

今まで出会ってきた怪獣の中でダントツでやばい相手だ。

全くと言っていいほど隙がない上に、この攻撃力は反則すぎる。

ゼットンも俺たちがいなければ、あんなやつ一瞬で倒せるのに……

 

ん?でも待てよ………あのキングジョーって頭上にあるUFOの命令を受けて動いているんだよな……

あれをぶっ壊せばいいんじゃないか?

よし!勝利の法則は決まった!

 

 

 

「ラント!俺をあのUFOまで投げられるか?」

 

 

「いけるのだ~」

 

 

 

と二つ返事で了承してくれた。

ラントは俺を掴んで、UFOへとぶん投げる。

キングジョーは無理でも、こんなUFOなんざ怖かねぇ!!

 

 

 

「ふぉぉぉぉぉぉお!!」

 

 

 

UFOの頭上を取った俺は、丸太を持ち上げる。

Hさん、貴方の神技お借りします!!(CV風来坊)

 

 

 

「飛天御○流!龍○閃擬き!!」

 

 

 

振り下ろした丸太の一撃は見事にUFOを破壊した。

よし!成功した………やべぇ……この後のこと考えていなかったよ。

死ぬぅぅぅぅ!この高さ落ちたらヤバいって!!

 

 

 

「全くこの後のことぐらいは考えて欲しいもんだぜ」

 

 

 

と落ちていく俺の前に先程波止場で釣りをしていた青髪の男性がいた。

 

 

 

「え!?なんでぇここに!?」

 

 

「まあ気にすんな、おめぇの漢気を見せてもらった

 

俺に掴まれ、無事に下ろしてやるからよ」

 

 

 

よく分からんが、今は彼の言うことを信じるしかない。

俺は男性の肩を掴み、全てを託す。

 

 

 

ドゴォン!

 

 

 

ガイアの着地並の衝撃と轟音が響く。

生きてる!俺は生きているぞ!助かった!!

 

 

 

「よしこれで大丈夫だな、後は頑張れよ」

 

 

 

と青髪の男性は一言挨拶を済ますと颯爽に立ち去る。

ありがとう……よく死にそうな人、貴方のことは忘れない。

 

 

 

「TYPE-F……母艦トノ通信ガ断絶……機能………ヲ停止………シマ……ス」

 

 

 

キングジョーの動きが止まる。

ふぅ……何とか勝った……マジで疲れた……

 

 

 

『お疲れ様、今日はもう帰ろう』

 

 

 

ゼットンが労いの言葉をかけてくれた。

ありがとう…俺もはもう眠いよゼットン……

 

 

 

 

(テンテンテテーン)

 

 

 

 


 

 

[翌日]

 

 

 

昨日のキングジョーの襲撃から一夜が経つ。

ゼットンが呼んだ工事業者によって瞬く間に神戸港は、元の景観を取り戻していた。

客足も少し減ってはいたが、足を運ぶ人はいるので安心する。

 

 

 

「ゼットン、キングジョーはどうしたの?」

 

 

 

機能を停止したままだったキングジョーの姿は無かったので、ゼットンに聞いてみた。

 

 

 

『キングジョーの私を攻撃するプログラムを書き換えて、人に奉仕するプログラムに書き換え、とある人物の元に送った』

 

 

 

とゼットンはホワイトボードにキングジョーの行方を書く。

とある人物か……まあゼットンのことだから大丈夫でしょう。

昨日は色々とバタついてしまったから今日はゆっくりと観光を楽しむとしよう。

 

 

 

 

[円谷町・203号室]

 

 

 

「なんだろうなこの荷物?」

 

 

「かなり大きいですね」

 

 

 

龍臣とボーンちゃんは、先程届いた長方形の大きめなダンボールの荷物を受け取った。

送り主の名はゼットンであり、役に立つものが入ってると書かれており、今現在開封を行っている。

 

 

 

「なにこれ……ロボット?凄いな~」

 

 

 

箱を開け、中身のものに驚くも持ち前の天然ですごいなの一言で終わらす龍臣。

同封されているマニュアルを読みつつ、キングジョーの電源を入れる。

 

 

 

「キングジョー TYPE-F 起動シマス」

 

 

 

完全に機能が復活したキングジョー。

辺りを見回し、龍臣の目を見つめる。

 

 

 

「………認証

 

 

新タナマスタート登録シマス」

 

 

 

「え?ええ!?」

 

 

 

よく分からないうちにマスター登録をされた龍臣。

これから新たな住人としてここに住むことになるのは、今の彼は知らない。

 

 

 

 

 


 

 

 

「ここが()()()()()()円谷町ね……」

 

 

 

黒と白の牛柄のパーカーを来た一人の人物。

アイツと発言していたことから誰かを探しに来たのだろう。

果たしてゼットンを狙う刺客か否か。

 

 

 

 

[to be continued]

 

 

 

 

 




一種間以上待たせて申し訳ないです。
FGOのイベントで忙しかったので、めちゃくちゃ遅れました。
さて次回は有名怪獣の登場になりますのでよろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話「とある電撃の怪獣娘」

どうもクソ投稿者です。
この作品を楽しみにしている方々には亀更新で申し訳ないんですが、リアルが忙しくなってきたこともあるのでご了承ください。
近々、登場させて欲しい怪獣等の募集を行うと思っていますのでもし良かったらメッセージボックスにこんな怪獣がいいんじゃないかってあったらコメントお願いします。
その中から選抜してアンケートに反映させようと思います。


「はぁ……だるぅ」

 

 

 

週初めの一時間目の古文の授業がめっちゃだるい。

古文担当の先生の話がめちゃくちゃ長い上に自分語りが多いので大半の生徒から苦手とされている。

だって……授業からめっちゃ脱線する上に、面白くない話を授業の半分くらい聞かされるのは新手の拷問だって思ってしまうよ。

あーぁ、なんか面白いことでも起きないかな~。

 

 

 

「はーい、皆席に着け」

 

 

 

古文の先生が教室に入ってきたと思い、みんな席に着く。

しかし入ってきたのは古文担当では無いうちの担任であった。

 

 

 

「えー古文の山田先生は腰を痛めてしまったらしく、学校に来れないということで一時間目は自習にする

 

騒ぎ立てなければ、スマホの使用とゲゲルは許す」

 

 

 

クラスメイト全員が声を抑えて喜ぶ。

一瞬やべぇ遊戯の名前が聞こえたが気の所為だろう。

学校……針……うっ頭が……

 

 

 

「んじゃあ静かに自習をするように」

 

 

 

と一言告げると担任は、教卓に座り先日のテストの採点作業に戻る。

自分語りが長いこと以外では、基本的に自由にやらさせてくれる先生で助かったぜ。

さて、この空いた時間をどうするか。

 

ある者は仲の良いものとくだらない雑談をし、ある者は睡眠時間にして、ある者はベルト目掛けて殴りあったりとなかなかにカオスだ。

まあいつもの事なので気にしないが、自分も何をしようか迷っていると誰かが教室の扉を開ける音が聞こえる。

クラス全員がそちらへ向けると、そこに居たのはうちの学校の制服の上から牛柄のパーカー来た女の子。

あれ?うちのクラスにあんな子いたっけ?

 

 

 

「すみません、電車が遅れてしまい遅刻してしまいました

 

これ遅延証明書です」

 

「君が転校生の子だね

 

遅刻の連絡は受けているから大丈夫、はいお前ら一旦席に着け

 

転校生を紹介する」

 

 

 

転校生か……随分と変わった格好してるけど、うちの学校は私服登校もできるから大丈夫なんだよな。

俺は私服の方がめんどいから学ランで来ている。

 

 

 

「七野 エレキって言います どうぞよろしくお願いします」

 

 

 

黒板に大きく自分の名前を書き、パーカーのフードを下ろして挨拶をするエレキちゃん。

成程……可愛い子ですねぇ。お近づきになりたいけど、俺の中のパラドが危険信号を出している。多分あの子も怪獣だと思うけど、特に関わらないだろうし大丈夫やろ。(フラグ)

 

 

 

「はい、自己紹介ありがとう

 

エレキの席は彼の隣だ」

 

 

 

俺の隣かい!!

恋愛漫画じゃないんだからそんなベタなことあるかよ。

ま、まあ軽く挨拶しておけばいいか。

 

 

 

「…………」

 

 

 

先生に促され、俺の隣の席へと座るエレキ。

やっぱり近くで見るとさらに可愛いな。最近は大人の女性やらロリっ子とかとエンカウントするのが多かったから同年代の美少女を見るのは新鮮だな。

 

 

 

「よ、よろしく」

 

 

 

一言挨拶をするが、特に返事は返ってこない。

今日は転校初日だし、多分緊張してるんだな。それとも俺みたいな冴えない奴の挨拶なんて聞きたくなかったのか…………

なんか自分で言ってて悲しくなるからやめておこう。俺のライフは最初から最後まで0よ!!

 

 

 

 

 

 


 

 

[放課後]

 

 

 

 

ホームルームも終わり、帰り支度を整えていると不意に龍臣が話をかけてきた。

 

 

 

「おーす親友、帰りに本屋寄らない?

 

ウルマガの発売だから一緒に買おうよ」

 

 

 

おっと、今日は週間ウルトラマガジンの発売だった。

病院通院歴ダイジ・煉獄の刀・後藤さんの花屋とかの続きめっちゃ気になってたし、帰りに買っていこう。

 

 

 

「いいよ、行こうぜ」

 

 

 

リュックに荷物を詰め込み、下校口へと向かう。

軽い雑談をしながら階段を下り、ふと今日来た転校生の話になった。

 

 

 

「いや~転校生のエレキちゃん、可愛かったね」

 

 

「分かるわ、うちのクラスの女子も可愛い子いるけどダントツだと思う」

 

 

 

たしかに可愛い。

普通にアイドルやってますと言っても疑いようがないほど、顔立ちは整っているし、スタイルも高校生の平均よりはあるだろう。

高嶺の花と言うべきか、そんな雰囲気を醸し出してる彼女に話しかける人はいなかった。

 

 

 

「まあ、俺たちにはあんな美少女縁がないって」

 

 

「そりゃそうだ笑」

 

 

 

下駄箱で靴に履き替え、校門の方に歩いていくと

 

 

 

「ん?あれってエレキさんじゃない?」

 

 

 

龍臣が指を指した方向を見ると校門の隅に件の転校生・エレキが立っている。

誰かを待っているのだろうか、でも転校初日で特に仲の良い関係を築いた人は見たところいなかったし、送迎の車でも待ってるのだろう。

俺と龍臣は少し彼女から離れ、会釈をしてから校門を出る。

校門から数歩離れたその時に、

 

 

 

 

無視すんなやゴラァァァァァ!!

 

 

 

 

怒声とともに俺は背中に強い衝撃を受ける。

 

 

 

「そげぶ!!」

 

 

 

どうやら俺はエレキちゃんの悪質タックルを食らったようだ。

これは痛い……痛すぎる。

女の子が出していい威力じゃないぜ。これは間違いない……彼女は……

 

 

 

「悪いけど、こいつを借りていくわよ

 

文句はないわよね?」

 

 

「ヴェ!マリモ!」

 

 

 

龍臣は彼女の強い圧によって従うほかなかった。

チョ、チョットマッテクダサイヨタツオミサン!!ソリャナイデショ!!

ヤメロォ!!死にたくない!死にたくない!死にたくない!!

 

 

 

「それじゃあ行くわよ……」

 

 

 

俺の必死の嘆願は虚しく拒否され、そのまま拉致された。

龍臣の野郎、後で覚悟してろよ。

 

 

 

 

 


 

 

[近くのファミレス]

 

 

 

 

「………………」

 

 

 

やべぇよやべぇよ……なんで俺拉致られてファミレスにいるんだよ。

エレキちゃんは一体俺をどうするつもりなんだ……

 

 

 

「アンタ……私の事覚えてないの?」

 

 

 

んん?覚えていない?

いや初対面のはずなんだけどな……こんな美少女と出会っていたら覚えていないわけないし、もしかして他の誰かと勘違いしてるんじゃないか?

 

 

 

「えーと俺たちは初対面のはずですが……」

 

 

 

「アンタ……本当に覚えていないの?」

 

 

 

戸惑った顔でこちらを見るエレキちゃん。

ええ……覚えてないと言われても心当たりがないな。

 

 

 

「ご、ごめん覚えていないかな……?」

 

 

 

一瞬、間があったが大きな溜め息をついてアンタはそういう奴だったと呟く。

やはり何処かであったことがあるのだろうか、忘れているのは申し訳ない。お詫びにグリーンリバーのランサーが自害します。

 

 

 

「じゃあ、改めて自己紹介するわ

 

私は七野エレキ……宇宙怪獣エレキングよ」

 

 

 

え、エレキングだと!?マズイですよ!!(迫真)

 

 

 

[()()()()()()()()()]

 

 

 

原作ウルトラセブンから登場した宇宙怪獣。

ピット星人が操る生体兵器としてセブンと対峙し、体表から自在に電気ショックを操ることで苦戦をさせるなどトリッキーな戦法を使う。

後年のウルトラシリーズにおいても度々出演しており、エレキングの愛くるしい見た目もあり、多くのファンが存在する。

俺もエレキングめっちゃ好きなので、改めて認知すると見方が変わってしまう。

 

やめろ俺の煩悩!俺は推しを愛でるタイプなんだ!!

 

 

 

「自己紹介ありがとう、じゃあ俺はこれで……」

 

 

 

食べた料理の代金を置いて、立ち去ろうとするが彼女に肩を掴まれる。相手は女の子と言ってもウルトラ怪獣だ、逃げられるわけがなかったよ。

 

 

 

「待ちなさい、ちょっと私に付き合いなさい」

 

 

 

え!?それってデートってことですか?

マズイですよ!転校してきた美少女と冴えない男子の俺が一緒にいるところなんて見られたら何を言われるか。

 

 

 

「勿論、来るわよね?」

 

 

 

エレキちゃんは声を強ばらせて耳元で呟く。

 

 

 

「サーイエッサー!!」

 

 

 

 

 


 

 

 

それからファミレスを出て、俺たち二人はゲームセンターで色々なゲームで遊んでいた。

彼女がボクシングマシーンで最高記録を出した時は、冷やかしで見ていた不良があんぐりと口を開けて固まってたのはお笑いだった。

その後は格ゲーシリーズをやるも、見事にフルボッコだドン。

それなりに自信はあったんだけど、画面ハメされたり、完全カウンタースタイルでやられたよ。

エレキちゃん、俺の以外の人ともやってたけど容赦ない手さばきでノーダメでらくらく勝利している。対戦相手がめっちゃ台パンしてたけど、そんなチンパンジーは強面の筋肉操作しそうな店員(めっちゃ優しい人)に店の外に出されていたな。

 

 

 

「いやぁ~楽しかったわ~」

 

 

めちゃくちゃフルボッコにされたけど、彼女が楽しそうならまあいいか。

女の子の笑顔は何よりも素晴らしいしね。

おっと、なんか恋人みたいなこと言ってるけどそんな関係じゃないからね。違うからね!(※大事なことなので二回言いました)

 

 

 

「おっと、もう着いたか」

 

 

 

 

エレキちゃんとの楽しい雑談に夢中になっていたら、あっという間に家まで着いていた。

少し名残惜しいが、楽しい時間だった。

 

 

 

「今日はありがとう、また明日」

 

 

 

と挨拶をして家の鍵を開けて中に入る。

はあ、漸くゆっくり出来ると思ったのも束の間。

エレキちゃんは玄関の扉を抑えて、中へと入ってきたのだ。

 

 

 

「え!?ちょっと!?」

 

 

「アンタ、この流れなら普通家に上げて飯食べていくみたいな雰囲気でしょうが!!」

 

 

 

それ自分で言うんかい!

嫌だって、流石に健全な青少年が年端もいかない少女をあげるのはね。

でも帰ってくれる雰囲気でもないし、しゃあない。

 

 

 

「えーと……飯食べていきます……?」

 

 

「アンタがそう言うなら……食べてあげてもいいわよ」

 

 

 

何だこのすげぇ言わされた感。

仕方ない、ゼットンに言ってもう一人分作ってもらおうかな。

 

 

 

「ただいま~」

 

 

 

と言い、居間の扉を開く。

 

 

 

『お帰りなさい、今日はビーフシチューだ』

 

 

 

とゼットンのあたたかい出迎えを受ける。

おっと、エレキちゃんを紹介しないとね。

 

 

 

「先生!!」

 

 

 

俺の後ろにいたエレキちゃんは驚愕の声を出す。

え?先生?どういうことだってばよ!!

 

 

 

『おや、エレキくんじゃないか……一年ぶりくらいかな』

 

 

とゼットンも彼女の事を知っている様子だった。

どういうことだゼットン!!説明しろ!!

 

 

 

[ゼットン説明中]

 

 

 

成程……だいたい分かった。

エレキちゃんはゼットンの開いている料理教室の生徒であり、その中でも格段に料理が美味かったと。

ふむふむ………………は?

あのさぁゼットン…………君の人脈に関するツッコミがキリないから何も言わないけど、本当に何者なんだおまえは。

まあ二人とも親しいので細かいことはヨシ!

 

 

 

「先生、調理の途中なら私も手伝わせてください」

 

 

『今日の君はお客様だ

 

できるまでの間はゆっくりしているといい』

 

 

 

やんわりとエレキちゃんを制止するゼットン。

しかし彼女も諦めず、

 

 

 

「お願いします、私にも手伝わせてください」

 

 

と頭を下げて必死にお願いする。

 

 

 

『わかった、君は一度やると言ったら聞かないタイプだからね

 

本音言うと君が成長した姿を見てみたかった』

 

 

 

エレキちゃんの必死さに折れたゼットン。

二人が作る料理が楽しみだな。

 

 

 

[数分後]

 

 

 

「完成したわ」

 

 

 

二人の料理の達人が揃ったことにより、通常よりも早い時間でビーフシチューは完成した。

おお…………匂いだけで食欲を刺激してくるのは反則でござる。

ラントなんて滝のようなヨダレが出てるし。

 

 

 

「それじゃあ手を合わせて…………イタダキヤス……」

 

 

「「いただきます!!」」

 

 

 

スプーンで一口掬い、口内へと運ぶ。

その時……俺の体の中に衝撃が走る。

 

 

 

「ウメェじゃねえかコノヤロー!!」

 

 

たった一口を食したら、もう止まらない。

程よい味付けに、舌に乗ったら簡単に解れるほど柔らかい牛肉、玉ねぎ、じゃがいもなどの具材達。

美味い……美味すぎる。

手が止まらない……俺の食欲が飽きを見せない程にこの味を求めているのだ。

いつの間にか食器の中身は空になり、その間僅か一分弱しか経ってない。

それはラントも同様だった。

普段から食欲旺盛な彼女もこのビーフシチューの前には勝てない。

否、服従する他ない。

 

 

 

「「おかわり!」」

 

 

再度運ばれてきたビーフシチューをひたすらに味わう。

ありがとうエレキちゃん、ゼットン。

俺はこんなにも美味いもんが食べられて幸せだよ。

 

 

 

「「「ご馳走様でした」」」

 

 

 

寸胴鍋で創ったビーフシチューは瞬く間に完食。

それほどまでに美味なるものだったというのが見て取れる。

 

 

 

「今日はありがとう、お客様なのに手伝わせちゃって」

 

 

 

食べ終えた食器を下げて、エレキちゃんにお礼を言う。

いやまじで美味かったよ。彼女ならいいお嫁さんになれるよ、マジで。

 

 

 

「別に……これぐらい余裕よ

 

それに…………もし…………アンタがよければ…………毎日作ってあげてもいいわよ…………」

 

 

 

???(宇宙猫)

今なんて言ったかよく聞こえないな。

毎日通って飯を作ってくれるって言ったように聞こえたけど気のせいでしょう。

うん、これは夢だ。

 

 

 

「えーと、今日はもう遅いし、送っていこうか?」

 

 

「大丈夫よ、今日は色々付き合って貰えたし、一人で帰られるわ……」

 

 

 

そ、そうですか。

いい雰囲気だから行けると思っていた俺の姿はお笑いだったぜ。

 

 

 

「じゃあ…………また明日ね……」

 

 

 

とエレキちゃんは帰って行った。

ふぅ……今日も濃い一日だったな。

まさかうちの学校にウルトラ怪獣が来るとは思わなかった。もしかしてこれからもこういうことがあるんじゃないか…………あるわけないか(フラグ)

さて、皿洗いして風呂はいって寝るとしよう。

 

 

 

 

 


 

 

 

「えへへ…………私の料理に喜んでくれたな…………」

 

 

 

彼に自分の料理が美味しいと言われたことが余程嬉しかったのか、その顔は恋する乙女が見せる満面な笑みだった。

彼女の笑みを見たものは、皆温かい目で見守っているのは本人には内緒。

 

 

 

 


 

 

 

[ブルー宅]

 

 

 

「強力なライバルが生まれた予感がするわ……」

 

 

 

またしても乙女の勘が冴え渡るブルー。

正しくその予感は的中しており、彼女にとっての大きな障害になることは間違いないだろう。

 

 

 

「ふふふ……今度来たら彼が来たら……甘く蕩ける程のものを味合わせないとね 」(※デザートです)

 

 

また商店街の魚屋の前では、

 

 

 

「おい、まさか…………」

 

 

 

ゴモラは何かを感じ取った。

これは彼女にとって最も重要な事。それ故に大きく怒りを感じる。

 

 

 

「鯖じゃねぇ!!」

 

 

 

鯖ではなく、間違えて魬を買ったことにブチギレていた。

 

 

 

 

 

[to be continued]

 

 

 

 

 

 

 





次回、仮面ライダー564は




「マックイーンが言っていた……」




「どけ!俺はツッコミだぞ!!」



「(首の骨が折れる音)」



「アタシは戦う……ウマ娘として……ゴルちゃんとして!!」



[黄金の不沈艦]



次回もぜってぇ見てくれよな。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話「黄金の不沈艦 ~120億パワーの戦士たち~(前)」

どうもクソ投稿者です。本当にお待たせしました。
前話から登場したエレキちゃんを嫁にしたいという不届き者が現れたので軽くしめました。
逆に言えば、キャラを好きになって貰えてるという風に考えて行こうと思います。
今回は例のキャラが登場します。


「平和だね~」

 

 

 

日曜という休日に早起きした俺は、土手の方まで歩いて寝転がっていた。

朝の日差しの心地良さに少々眠気を誘われる。俺の心のパラドもめちゃくちゃ笑顔になってるし、マジですごい魔力なんだよね。

ココ最近は合体ロボが襲来したり、タツオミサンの裏切りにあったり、可愛い転校生に料理を作ってもらったりして退屈のない日々だけど、少々心身ともに休みが欲しかった。

バルタの奴も大人しくなってきてるし、平和が何よりですよ。

 

 

 

「あっ見つけたぞ!!」

 

 

 

人が心地よく休んでいるのを、耳の奥まで響く大きな声を出したのは勿論我らがヤムチャ……バルタであった。

なんでお前が絡むフラグは回収するのが早いんだよ。

さっきまで心が踊っていたのに、一気にしらけたぜ。

 

 

 

「で?なんの用?こう見えて暇じゃないんだ」

 

 

「ふぉふぉふぉふぉ!もちろん、この前のリベンジだ!!

 

今回は仲間も連れてきているから負けないぞ!」

 

 

 

仲間?同じバルタン星人じゃないのか?

どちらにせよ、バルタに人脈があったとは驚いたな。

 

 

 

「…………おはようございます」

 

 

「…………」

 

 

 

なんだろう……変な格好で来るのやめて貰ってもいいですか?

一人は明らかなロボだし、もう一人は恐竜の被り物して脚にキャタピラついてるし、もう訳が分からん。

とりあえず……自己紹介でもしてもらうか。

 

 

 

「恐竜戦車のダイナソー戦車と言います、よろしくお願いします」

 

 

 

[()()()()()()()()()]

 

 

 

原作ウルトラセブンより登場したサイボーグ怪獣。

名前の通り、恐竜×戦車ベストマッチ!!という奇抜な組み合わせをしており、見た目もかなり雑というか攻めているデザインをしている。

その見た目に反してセブンと互角のパワーを見せたり、目からビームを撃てる等、なかなかの強敵。

 

それにしてもどっかの恐竜族使いの決闘者みたいな名前みてぇだな。

見た目からして奇抜すぎるんだよ。羞恥心という言葉を学び直してきてくれ。

 

 

 

「………………」

 

 

 

もう一人はゼットンと同じようにホワイトボードを取りだして、自己紹介を始める。

 

 

 

「(初めまして、私はビルガモと申します

 

喋れないのはバルタが私の音声回路にお茶ぶっかけてしまったためです

 

突然押しかけてしまいごめんなさい)」

 

 

 

[()()()()()()()()()()()]

 

 

 

原作帰ってきたウルトラマンより初登場したロボット怪獣。

バルタン星人Jrによって建設中のビルを乗っ取り作ったため、見た目がビルをロボット化させたような見た目。

装甲はバルタン星の素材を使用しており、MATの兵器による攻撃が通用しない程のボディを持っている。

加えて敵側のロボット怪獣には珍しい、操縦者が直接乗り込んで操作するタイプ。

 

 

しかしとても真面目な子ですねぇ……そういう子はお兄さん大好きよ。

でもバルタ……お前また罪を重ねたようだね。

ちょっとお仕置が必要のようだから、赤井さんでも呼ぶか。

 

 

 

「そっか……二人とも自己紹介ありがとう

 

お兄さん、ちょっと連絡するところがあるからちょっと待っててね」

 

 

 

[数分後]

 

 

 

「………………」(ビクッビクッ)

 

 

「ありがとう……いいストレス解消だった……」

 

 

 

見事なまでの綺麗な即落ち二コマ。

俺を倒すと意気込んでいたバルタは赤井さんが筋トレ用に持ってきたロードローラーによりフルボッコにされた。

ともあれ、ダイナソーちゃんとビルガモちゃんには帰ってもらい、俺はバルタに駆け寄る。

 

 

 

「大丈夫?生きてるか?」

 

 

「大丈夫なわけないだろうがぁ!!危うく死にかけたわ!」

 

 

 

とりあえず生きているのでヨシ!

本当に生命力と耐久力高いねバルタは。

ゼットンとかゴモラ姐さんにもボコされても生きてるんだから強い事は間違いないんだろうけど、本人のポンコツ具合で台無しじゃないか。

 

 

 

「悪いけど、もうそろそろ朝ごはんだから帰るわ

 

また今度も勝負に付き合ってあげるから我慢してな」

 

 

 

「逃げるなァ!卑怯者!」

 

 

 

俺は戦闘狂の鬼ではないのでさっさと退散させてもらうぜ。

ゼットンの料理が俺を待っているのでね!!

 

 

 


 

 

 

「ただいま~」

 

 

 

無事に家に着いた俺は手洗いうがいを済まして、居間に入る。

テーブルには既に料理が運ばれ全員が着席していた。

 

 

 

「おお……今日も美味そうだな……」

 

 

 

鯖の塩焼き、お新香、そして大根の味噌汁。

これは心が踊るな。

 

 

 

「手を合わせて……イタタダキヤス……」

 

 

俺たち4人は手を合わせていただきますをする。

さぁ、今日も沢山食べるぞぉ~。

…………ん?4人?

俺だろ、ゼットンだろ、ラントだろ?

じゃああと一人は誰なんだ?

 

 

 

「これすげぇうめぇな!!お代わり!」

 

 

「誰だお前は!?」

 

 

 

ラントの隣にいた何処かの学生服を着た獣耳が生えている少女。

え?こんなウルトラ怪獣いたか?

 

 

 

「聞かれたならば答えてあげるが世の情け!

 

朝ごはんに舌鼓を打つ美少女……ゴルシチャン☆」

 

 

 

ダメだこいつ……早く何とかしないと!!

でも朝ごはん食べてからにしよう……食事の時は楽しく丁寧に食べないとね。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「で、君はウマ娘っていう種族で、名前がゴールドシップと……」

 

 

 

「そだよ」

 

 

 

何とも不思議な話があったものだ。

彼女の名前はゴールドシップというウマ娘。

何でも7つ集めればどんな願いも叶えてくれる光り輝く玉を集めている時、階段で高速でケツをこすっていたらこの町にワープしていたとの事。

なるほど…………まるで意味がわからんぞ!!

 

 

 

『我々の世界とは全く別の世界から来たと思えばいい』

 

 

 

とゼットンはホワイトボードに書く。

いやまぁ……この世界って最近色々起きすぎてるから、何が起きても不思議じゃないけどさ。

ゼットとハルキさんが来た時ぐらいの衝撃だぞ。

 

 

 

「へぇ~この世界はそんなに色々可笑しな事が起きてんのか~」

 

 

 

そうそう……って地の分に干渉すんな!

こいつ!ゼットンでもここまでやらねぇ事を平然とやりやがる。

くそ!ツッコミが追いつかねぇ!

 

 

 

「まあ、とりあえず帰れる方法は一つだけあるしな」

 

 

 

そう、知り合いにあらゆる次元にさえ干渉できる方がいるからね。

ブルーさんに菓子折り持って頼みに行こう。

まあ今回はゼットンの力が無くても大丈夫やろ、ハハッ!

 

 

 

「お前……それフラグだぞ……」

 

 

 

だから地の文に干渉すな!!

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

[ただいま旅行中の為、連絡が取れません]

 

 

 

 

ファー!!甘い!!甘い!!

なんということでしょう……まさかのブルー姉妹は旅行中という完全にタイミングが悪すぎました。

くそ!帰ってくるまでだいぶ期間もあるし、1回家に戻るしかないか。

 

 

 

 

「なぁ、木炭味のチョコとチョコ味の木炭だったらどっちがいい?」

 

 

 

「んなぁ事今言ってる場合か!?」

 

 

 

 

ちきしょう!こいつには危機感ってもんがねぇのかよ!!

今まで会った奴の中で一二を争うぐらいに常識が通用しねぇ。

もうダメだよパト〇ッシュ、俺は疲れたよ……

 

 

 

「まあまあそんなにカリカリすんなって、ほらアイスやるからよ」

 

 

 

ゴルシはそう言うと棒付きアイスを差し出す。

確かに少し熱くなりすぎたか。

差し出されたアイスを受け取り、一口頬張る。

キンキンに冷えて、美味いな。

やはり暑い日のアイスは最高…………ん?ゴルシのやつ財布もっていたか?

 

 

 

「おいゴルシ、このアイス一体どうしたんだ?」

 

 

「ん?お前のお金で払ったぞ

 

いやぁ~人の金で買うアイスは最高だぜぇ~」

 

 

 

お前!!お前!お前!お前!お前!お前!!

人の金で奢りましたよって雰囲気出すんじゃねぇよ!

ったく……俺も食いたかったから今回は不問にしてやる。

 

 

 

「ここはいい街だな

 

古めかしいっていうかなんて言うか、何だか心が落ち着くって感じがするんだよな」

 

 

 

ほぅ……この街の良さを分かってくれるか。

言動が滅茶苦茶な時があるが、ちゃんとする時はするんだな。

 

 

 

「この街は本当にいい街だよ

 

なんなら紹介するよ、どうせ帰るにはまだ時間はかかるだろうし」

 

 

「よっしゃ!ゴルシ隊長の大冒険の始まりだぁ!着いてこい!」

 

 

 

冒険は始まらねぇよ!

ただの観光案内だから大袈裟に言うな!

 

 

 

 

 

 

[to be continued?]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめて!ガタノゾーアの特殊能力で、アルティメット・ファルコンを焼き払われたら、闇のゲームでモンスターと繋がってる主人公の精神まで燃え尽きちゃう!

 

お願い、死なないで主人公!

 

あんたが今ここで倒れたら、ゼットンや龍臣との約束はどうなっちゃうの?

 

ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、ガタノゾーアに勝てるんだから!」

 

 

 

[次回、主人公死す]

 

 

 

 

「ゴルシてめぇ!人を勝手に闇の生贄にするんじゃねぇ!」

 

 

「はーい~サーセンした☆」

 

 

 

 

 

 

[to be continued]




いやぁ、超絶久しぶりの投稿になりました。
ポケモンのSSに集中していたのと仕事が忙しかったのですみませんでした。
今回はゴルシのせいでいつも以上にカオスになったことは間違いありません。
次回もお楽しみにしていてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。