一瞬の時を止める色彩の鬼殺隊員 (ドドドード・ドードリオ)
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志木寺颯・9歳
第一話 転生


皆様初めまして。ドードリオです。
駄文ばかりですが暖かい目で見ていただけたら幸いです。


ふぃ~…今日も疲れた。

剣道は臭くなるって言うしすぐ帰ってシャワー浴びないとな…

とっとと帰って愛しのタイム(猫 雌 生後2ヶ月)に猫吸いしないと俺の寿命が短くなっちま

 

通行人「き、君!危ない!」

 

え?

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

?「おぉ、気がついたか」

 

… 誰だこいつ…てかイケメンだな…いやそんなことはどうでもいい…ここはどこだ?てかお前は誰だ?

 

?「俺はお前の転生をサポートするためにここへ来た。まぁ天使だと思ってくれ。」

 

よく分かんないけどそういうキャラなことは理解した。こういうのにはあまり触れてあげないのが1番の優しさだ。

てか喋りたいんだけど…てかここどこ?

 

 

担当天使「ここは天界だ。お前は現世で死亡し、第2の人生を歩む権利を神から選ばれた存在だ。」

 

「へ、へぇ…そうなんですね…うん…あ、喋れるようになってる…」

 

担当天使「信じられないと言った顔だな。」

 

「そりゃあ…自分が今ここで死んだなんて言われても実感湧きませんよ…」

 

担当天使「そうか?ならこれを見るといい。」

 

 

そう言って担当天使は手から白いタブレットを持ってきた。

 

 

担当天使「今からとある映像を流すが…取り乱さないでくれよ?」

 

「は、はぁ…」

 

 

担当天使がボタンを押すと映像が流れ始めた。その映像は…

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「はぁ~部活疲れた~ とっとと帰るか!」

 

そう言って校門をくぐる俺の姿…あれ…これ…

 

映像の俺はいつもの通学路を風を切るように走っている。そのとき、眼鏡をかけた他のクラスのやつが叫んだ!

 

 

通行人「き、君!危ない!」

 

 

そいつが叫んだ瞬間に俺はトラックにはねられ、頭を強打した。はねられた後の俺の体は動くことなく頭から流れた血が地面を赤く染めて映像は終わった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

え…?マジか…?俺…本当に…

 

「あ…ああ…マジかよ…」

 

俺……本当に…死んだってのかよ…

 

「は…はは…」

 

確かにあの時から記憶がないし嫌な予感はしてたけど…ガチで死んでるのかよ…

 

 

 

 

 

 

担当天使「少しは落ち着いたか?」

 

「はい…ごめんなさい…忠告してもらったのに…結局…」

 

担当天使「いや、こちら側も配慮が足りなかった。」

 

てことは本当にここは天界なのか…そういうの信じないしちょっと驚きだな…

 

 

担当天使「では、本題に入ろう。神はお前に【転生する権利】を授けた。その転生のサポートを俺がやる。ここまでは分かるな?」

 

「はい…」

 

担当天使「【転生】についてはある程度の知識はあるだろう?現世で似たようなものをお前は見てると聞いていたからな。」

 

確かに転生という単語は聞いたことはあるし転生モノの漫画とかは人気の部類だ…その転生を俺がやるのか…あっ

 

「そういえばどこの世界に転生するんですか?やはり異世界とかそんな感じの」

 

担当天使「いや、お前にはとある漫画の世界に転生してもらう。」

 

「とある漫画…?」

 

担当天使「【鬼滅の刃】の世界だ。」

 

 

「…!?」

 

 

担当天使「案外喜ぶのかと思ったが…前世では好きなのではなかったのか?」

 

 

いや確かに好きだけど…実際にあの世界に行くなんて考えたら絶対に拒否確定な件について…

鬼滅の刃みたいなとにかく人が死にまくる漫画で俺みたいな陰キャがどう戦えばいいんだ…転生して早々に死ぬことが容易に想像出来るわ…

 

 

「どうせ転生してもすぐ死にますよ…どうせ…」

 

 

担当天使「まぁその可能性もあるな。お前のように2度目の人生をすぐに諦めるやつは少なくない。そこで俺たちは「特典」を転生者たちに授けることにしたんだ。」

 

 

「特典…転生した時点で持っているスキル…みたいな?」

 

担当天使「まぁそのようなものだ。今からお前に授けられた特典 二つ を発表する。よく聞いておけ。」

 

「え?二つあるの?」

 

「あぁ。だがどちらも役に立つ能力と決まった訳では無い。どちらかが使えない役立たずの能力、足枷となる場合もあるがな。」

 

 

なるほど…要するに【運】か…

 

 

担当天使「まず1つ目は〖0.5秒止められる〗 …ほう…」

 

「おぉ…おぉ?」

 

担当天使「詳しい説明に入るぞ。」

 

そう言って担当天使は能力の説明を始めた。

 

・転生者の好きなタイミングで能力を使える。

・連続で使うことは出来ない。

・1度使った後にもう一度使いたい場合は能力を使ってから1分間のインターバルが生じる。

 

 

とのことだ。まぁ…0.5秒で1分のクールタイム…う~ん…まあまあかなあ壱ノ型 霹靂一閃極めれば強いんだろうけど俺みたいなやつは水の呼吸だろうなぁ…

 

担当天使「続いて2個目の特典は…〖色の呼吸に適応した肺が得られる〗だ」

 

「は?」

 

担当天使「詳しい説明は…[色の呼吸に適応する肺が得られる]…以上だ。」

 

「いや能力名と変わってないじゃん…色の…呼吸…って何?」

 

 

色ってなんだよ…おかしいだろ…これはハズレだろ…知らんけど

 

担当天使「ではそろそろ転生に移ろう。」

 

「あ、はい」

 

まだ色の呼吸について何も言われてないけど今のところ時を止める能力は強いしそれでやっていこう…と考える。

 

突然景色が変わった。なんか金ピカの花畑が周りにあって目の前に謎の球体の建物があった。趣味悪っ…

 

 

担当天使「この中に入り来世の自分がどういう人間なのかを確かめてこい。それが終わったらすぐに転生される。」

 

「天使さんはここでさよなら?」

 

担当天使「あぁ。まだ仕事があるからな。」

 

「なるほど~…お世話になりました~…」

 

 

そう言って俺は変な球体の扉を閉める。

 

内部には一枚の紙にボタン…なんか雑じゃね?

 

どうやら紙に俺の来世について詳しく書かれているらしい。

 

・名前 志木寺 颯 (しきでら そう)

 

・母 志木寺 衣夢(しきでら いむ)

 

・父 志木寺 時 (しきでら とき)

 

後はどうでもいい個人情報が書かれていたので一通り読んでおいた。あれ?

 

どうやら裏にも何かが書かれていた。

[読み終えたらボタンを押せ]

 

「えっ…なんか怖っ…」

 

そう言いながらも俺はボタンを押した。さてどうなるかな?

 

「うっ…!?」

 

やば…なんか死ぬほど眠い…これが…転生…

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

見てみて!颯が立ったわよ!

 

 

おぉ!本当だ!

 

 

「そ…そう?」

 

 

(何言ってんだ?ん?そういえば紙に…)

 

 

[名前 志木寺 颯]

 

 

てことは…俺を抱き上げてるこの男と騒がしいこの女が…!

 

 

衣夢「聞いた!?今喋ったわよ!流石!時さんの息子!」

 

 

時「衣夢との子供だからさ!君は志木寺家の誰よりも天才になるのかもしれないね!颯!」

 

 

ここから…俺の第二の人生が始まるんだ!




ここから物語とか考えていきます。


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第二話 志木寺と不死川

第一話の文章を少し変更しました。
誤字脱字があったら教えていただけるとありがたいです。


衣夢「颯からもらったこれ、大事にするね!」

母さんが嬉しそうな顔をする。そんな安い小遣いで買った首飾りでも息子から貰ったものだから嬉しいものなのかな。

俺は転生してから…何年経ったっけな…とりあえず少年期って感じだ。 俺はそろそろ【特典】について考えていこうと思う。

俺が貰った特典は

・0.5秒間時を止める能力

・色の呼吸を使える

の2つだ。色の呼吸は置いといて時を止める能力はどんなものなのか把握しておく必要がある。

 

さて…外に出て辺りを見渡す……お、いたいた。

俺は家の屋根にいた鳥に向かって落ちてた木の枝を投げた。届きはしなかったけど近くに木の枝が降ってきたこともあるのか鳥は大きく翼を広げて空へ逃げていく。よし、今だ!

 

(時よ…止まれ!)

カチカチカチ…

 

おぉ…

 

スン…

 

颯「すげぇ…本当に止まるんだな…」

 

どうやらこの能力は本物だ。

さっき俺が心の中で時を止めろと念じた時、少しの間だけど周囲に異変が起きた。

飛び立った鳥は宙に浮いたまま翼を動かすこともなく静止した状態だったのだ。まぁ今は空へ行っちゃったけどね。

 

「颯さーん何してるんですかー」

 

近所の子が話しかけてくる。いやぁ最初この子の顔を見た時驚いたね。

 

颯「ん?鳥を見てた。玄弥は何をしてるんだ?」

 

玄弥「兄ちゃんが今母ちゃんの手伝いしに行ったからやることなくて外に出たんだ。」

 

不死川玄弥。炭治郎や善逸の同期であり前世でも好きだったキャラだ。

 

颯「他の兄弟と遊んだりはしないのか?」

 

玄弥「嫌だ。颯さんと遊ぶ。」

 

この時は可愛いんだなあと思って玄弥の頭を撫でる。将来御館様の娘をぶん殴る子だとはとても思えない。

ちなみになんで玄弥みたいな原作キャラがここにいるのかって話なんだけど…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

衣夢「颯?どうしたの?」

 

颯「つまんないからお母さん遊んでー(まだ幼稚園児くらいだし呼吸法の練習とかもできないし)」

 

衣夢「それならご近所さんの不死川さんの子と遊んできなさい。お隣さんの前の家よ。」

 

颯「しなずが……え?不死川?」

 

 

 

颯「ここか…」

 

玄弥「どうしたの?」

 

颯「うおっ!?」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

って感じ。

その後は色々話したり他の兄弟と触れ合ったりして今じゃすごく懐かれてる。年下だし。1人を除く…

 

「お前…またここに来たのか」

 

颯「お、実弥」

 

実弥「玄弥達の遊び相手になるのもいいけどよ、家の手伝いとかはしないのか?」

 

颯「母さんは遊んでこいって行ってるし。」

 

実弥「なるほどな。」

 

この頃は「〇〇するんじゃねェ」とか「何してんだァ?」みたいな口調じゃなかったんやな…顔も傷だらけじゃないし…鬼ってひどいやつだ(小並感)

 

「兄ちゃん!」

 

「何話してるのー?」

 

実弥「別に何も話してねえよ」

 

「えぇ絶対嘘だー!」

 

実弥って本当に良いお兄ちゃんなんだなぁと思いながら俺は不死川家の兄弟を見る。うん…うん…誰が誰だか分からねぇや。7人兄妹とかやばくね?ことちゃんとかしゅうやくんとか名前覚えられねえよ…

 

実弥「どうした?」

 

颯「ん?あぁ、可愛い子達だなぁって」

 

実弥「へへっ、だろ?」

 

実弥が俺の方を向いて原作の実弥と本当に同じキャラなのかってくらいの笑顔を見せる。玄弥以外死んじゃうんだよなぁ…

 

颯「俺そろそろ帰るわ。またな。」

 

そう告げながら実弥達に手を振って家へ向かった。って言っても実弥の家から徒歩13秒くらいで家だけどな。

前世じゃ友達なんて少なかったし、結構楽しいもんだな…

 

 

 

 

 

 

 

颯「帰ってくるの随分と遅いな…」

 

今俺の母さんと父さんは買い物に行ってる。いつもはもっと早く帰ってくるのになぁ…

 

うわああああああぁぁ!!!

 

颯「!?」

 

…今の悲鳴は…?玄弥の声だよな?

俺は恐る恐る実弥の家へ向かってみると…

 

 

 

 

 

血だらけの子供たちと何者かに襲われそうになってる玄弥の姿があった。

 

あれは…【鬼】だ。

原作で実弥の兄妹を殺した。

でも実弥のお母さんではない。

見た目がそもそも人間じゃない…角が生えて肌の色が緑になっている…

その時、鬼が玄弥に鋭い牙を向けて首を噛もうとしていた。

 

 

 

颯「玄弥!?」

 

玄弥「颯…さん…逃げて…」

 

颯「…! くそっ!離せこの野郎!」

 

俺はすぐに鬼にしがみつき動きを封じた。

どうやらこの鬼は異能の鬼じゃないらしい。鬼の顔をよく見る。やはり人間だった頃の面影を感じられないくらい顔の形が変形している…

 

颯「玄弥から離れ……え?」

 

 

俺は自分の目を疑った。

だって…この鬼が首にかけているものって…

 

 

 

 

『颯からもらったこれ、大事にするね!』

 

 

 

 

俺が…母さんにあげたやつじゃないか…!

 

 

 

颯「…嘘だろ…?」

 

鬼「グガアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

 

颯「ぐっ!」

 

くっ…左腕を噛まれて俺は鬼から離れてしまった。

 

鬼は俺を狙ってきた。咄嗟に立ち上がりすぐに武器になりそうなものを探した。

こいつはもう俺の母親じゃない。母親じゃない。母親じゃない…

 

実弥「颯!どうした!?」

 

実弥が俺の方に走ってくる。

 

実弥「大丈夫か!すぐに家の中から武器になりそうなものを…………え?」

 

玄弥「…」

 

実弥「玄弥?…おい…これ…どういうことだ?」

 

 

鬼「グゥ…グゥ… 」

 

 

実弥「就也!弘!こと!貞子!すみ!」

 

玄弥「うっ…うぅ…」

 

実弥「おい!早く起きろよ!なぁ!おい!うわああああああ!!!」

 

 

鬼「ガアアアァ!!」

 

颯「うぐっ…」

 

鬼になんども噛まれる…腕でガードしてるから体は無傷だけど流石にやばくなってきたな…

くそ…とっとと朝になればこの鬼も消えるのにと考えたからだろうか。暗かった空に太陽が顔を見せた。鬼の体はだんだんと崩れ落ち、生き残ったのは俺と実弥と玄弥だけだった。

 

よく見ると鬼が消えた場所に俺があげた首飾りが落ちていた。

 

 

颯「結局…この道を選ぶしかなさそうだな…」

 

正直俺は鬼殺隊になる気はなかった。どうせなら隠とかの方がいいに決まってる。でも…

俺の…第二の人生を良いものにしてくれた母さんを…鬼にした無惨が憎かった。

 

俺は少しづつ歩き始める。どこへ行くのかすら分からないし行先なんてないけれど、俺は必ず鬼殺隊になる。そう決めた。

 

実弥「…颯?」

 

なんで鬼が来ることを忘れてたんだろうな…これじゃ転生の意味がないじゃないか…

 

俺は歩き続ける。これからどうするかなんて考えていない。ただ歩き続ける。




時を止める能力の扱いが難しい…ここまで読んでくれてありがとうございます。


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第三話 狭霧山へ

できるだけ早めに更新していきます。


あの日から丸一日経った。

俺は今とある村でお世話になっている。歩いている途中で倒れてしまった俺を村の人が見つけて保護してくれたらしい。お世話になるって言ってもたった一日だけど。そんなことを考えていると俺を助けてくれたおばさんが俺に話しかけてきた。

 

おばさん「とりあえず朝食を用意するからそれ食べたら出ていき。流石にずっと世話は苦しくてな。」

そう言いながらおばさんは茶碗一杯のご飯と味噌汁を俺の前に置いた。

 

颯「一日泊めてくれたことだけでも十分です。ありがとうございました。」

 

おばさん「そうかい…ってもう食べ終わったのかい?」

 

颯「はい。ご馳走様でした。」

 

おばさん「ちゃんと体に気をつけるんだよ。」

 

いやいい人すぎるだろ…まぁ少しは腹も脹れたし、本気で鬼殺隊員を目指すとしますか。とりあえず情報を集めなきゃならない。こんな小さな村に鬼殺隊の情報は無さそうだけどやってみるしかない。果たして育手のところに行けるまでどのぐらい時間がかかるのだろう…

まずはそこにいるおっさんに話しかけた。

 

颯「あの…すいません。」

 

おっさん「おぉ、どうしたんだボウズ。」

 

颯「おじさんって【育手】について何か知ってることってありませんか?」

 

おっさん「そだて ? う~ん…聞いたことがないなぁ…」

 

まぁ予想通りの反応だ。だって政府非公認らしいし知名度がそんなにないことは原作を読んでる俺なら分かる。

 

颯「そうでしたか……マジで鱗滝さんとか桑島さんとかどこにいんだよ…」

 

おっさん「うろこだき?鱗滝って名前は聞いたことあるなぁ。」

 

ん?

 

おっさん「確か…狭霧山で子供を育てているとかなんだとか…」

 

颯「狭霧山…その山ってどこにあるか分かりますか?」

 

おっさん「ん?あぁ。分かるとも。」

 

そして俺はおっさんの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おっさん「やっぱ道が長ぇなぁ……あの山が見えるか?あそこが狭霧山だ。」

 

颯「おぉ…あそこが…」

 

おっさん「でもこんなとこ来てどうすんだ?最近じゃ鬼が出るって話だぜ?」

 

颯「まぁ…色々…」

 

おっさん「ま、俺はもう行かなきゃいけねぇ。元気でなボウズ。」

 

颯「はい、ありがとうございました。」

よし…狭霧山に行けば鱗滝さんに会って水の呼吸を教えてもらえるはずだと俺は考えた。

 

俺は狭霧山の奥地を目指して再び歩くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「あかん…これやばいわ…」

今の状況を簡単に説明すると

 

狭霧山へGO!

見つからないなぁ

迷子になっちゃった!

夜になっちゃった!

 

って感じだ。この世界の夜は刀がないと危険すぎる世界なので夜はなるべく安全にするようにしていたのだがこれは困ったな…ここで鬼が来たら俺は死ぬ。でも鬼なんてそんな近くでうろちょろしてるよう存在じゃないしな。焦る必要はない。

でも灯りがないと流石に怖いな…後ろからグサッ!なんてされたらたまったもんじゃない。

 

鬼「おぉ?こんなとこにガキがいるなんて俺はラッキーだなぁ…へへへ」

 

 

うわああああああ!!??

えぇ?マジ?俺運悪すぎじゃね?

 

鬼「へへ…今日は一日運がいいぜ!」

 

俺は良くねぇよ!バッドラックだわ!デュースだぞ!?

 

鬼「だがまぁ…普通に食うってのもなんかつまらねぇ…指一本一本引きちぎって食ってやるか!」

 

えぇ…やる気やん…なんか母さんが鬼になった時の危機感が感じられない。意外と死ぬのって怖くないんだな…

 

鬼「じゃ…早速…」

 

鬼殺隊員「その子から離れてもらおうか。」

 

鬼「ちっ…鬼狩りか…」

 

うおおおお!!ナイス!階級癸ってオチじゃないよな?大丈夫だよな?

 

鬼殺隊員「離れろと言っているんだ。」

 

鬼「うるせぇ!とっとと死ねぇ!」

 

鬼殺隊員「水の呼吸 参ノ型 流流舞い」

 

鬼「ぐぅ…痛てぇ!」

 

強いな…でも任務で来たなら何人か食われてるって被害があるはずだ…それほど強い鬼に見えない…嫌な予感がする…

 

鬼殺隊員「終わりだな…」

 

鬼「くぅ…クソっ!クソォ!」

 

鬼殺隊員「せめて楽に死なせてやる…」

 

 

鬼殺隊員「水の呼吸 伍ノ型 干天の------------」

 

鬼「かかったなバカが!」

 

鬼「[血鬼術 逆氷柱]!」

 

鬼が叫んだ瞬間、鋭い岩のようものがとてつもない勢いで地面から生えてきた。

 

その鋭い岩は 俺を助けてくれた 鬼殺隊員の 腹を 貫いていた。

 

鬼殺隊員「ぐっ…うあ…」

 

鬼「へへへ…どうだ?苦しいかよ?オラッ!」

 

鬼はそう言いながらなんども鬼殺隊員の顔を殴る…正直見ていられなかった。

 

鬼殺隊員「き…み」

 

鬼殺隊員が俺の事を見つめて大きく叫んだ。

 

鬼殺隊員「早く…逃げるんだ!!!」

 

鬼「安心しな。あのガキもちゃ~んと俺が食ってやるからな……もうじきお前は死ぬんだから刀なんていらねぇよな?あ~らよっと!」

 

鬼殺隊員の右手ごと蹴っ飛ばし、俺の方へ飛んできた。ちぎれた右腕を見て俺は動けなかった。

あまりの恐怖で。絶望で。

 

このままじゃ殺される……!

せっかく特典みたいなのをもらってここで死ぬなんて…

 

【特典】…!

 

 

そうだ…俺には時を止める能力がある…これを使えば…鬼の首が切れるかもしれない。

俺は鬼殺隊員の右腕から刀を借り、鬼へ刃を向ける。

 

鬼「クソガキ…俺とやるってのか?」

 

颯「…あぁ…当たり前だ。」

 

鬼「そうかそうか……じゃあ…すぐに死ね!」

 

鬼が猛スピードで俺の方へダッシュしてきた。今だ!

 

 

時よ…止まれ!

 

カチカチカチ…

 

うおおおおおおおぉ!!

 

アドリブ水の呼吸 壱ノ型 水面斬り!

 

スン…

 

鬼「…!?」

 

押し切れ!押し切れ!そのまま手を離すな。両手に力を込めて赫刀でも発動させてでも首を斬れ。

 

鬼「が…ああぁ…クソっ…ガキがっ!」

 

鬼が俺の腹にボディブローをかました。くそっ…苦しい…息ができない…刀を離してしまった。

 

颯「ごほっ…げほっ…うっ…」

 

鬼「ガキだから油断してたぜ…だがもう終わりだ。」

 

鬼が俺の方へ歩いてくる。無理だなもう…諦めるしか…

 

「水の呼吸 肆ノ型 打ち潮」

 

鬼「ぐあっ!?」

 

颯「…?」

 

なんだ?鬼の両腕が切断されている…一体何が…

 

鬼「邪魔するんじゃ-------------」

 

「水の呼吸 拾ノ型 生生流転」

 

鬼「なっ…」

 

鬼の首が切れた。そして切った人の声と後ろ姿ですぐに誰か分かった。

そう…この人…天狗のお面をかぶった…狭霧山の…

 

鱗滝「大丈夫か?」

 

水の呼吸の育手、鱗滝左近次だ。




水の呼吸ってかっこいいですよね。
個人的には玖ノ型 水流飛沫は攻撃技として使えないかなーって思ってます。


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第四話 水の呼吸

甘露寺さんの登場はまだ先です…ごめんなさい…
早めにゆっくり更新します(?)今回は修行パートです。
技の説明は自分の想像です…参ノ型 流流舞いと肆ノ型 打ち潮の違いとか未だに分からないので…
ちなみにオリキャラが出てきます(この回だけしか登場しません)


鱗滝「大丈夫か?」

 

間違いない…この声…このお面…そして…この強さ…!

 

颯「はい…あの…鱗滝左近次さん…ですか?」

 

鱗滝「そうだ。育手をしている鱗滝左近次だ。お前が村で保護された志木寺颯で間違いないか?鬼殺の剣士になるために儂を探していたと聞いたが。」

 

颯「はい。間違いないです。」

 

鱗滝「そうか…」

 

そういえば原作って何したっけ…なんか山登ってたような…

 

鱗滝「ではお前が鬼殺の剣士として相応しいかどうかお前を試す。ついてこい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

30分くらいで目的地に着いた。割としんどい。

鱗滝「今からここでお前を試させてもらう。」

 

颯「はい、よろしくお願いします。」

 

鱗滝「ここから山の麓の小屋まで下りてくることだ。」

 

颯「下りてくる…ですか?」

 

鱗滝「夜明けになっても迎えに行かないからな。それほどの覚悟が必要になる。やるか?」

 

颯「もちろんです!」

 

それだけ言うと鱗滝さんは姿を消した。確か罠があるんだっけか……とりあえずやるしかない。でも炭治郎と違って小屋の場所すらも分からないんだよな…これはかなりハードだ…そんなことを思って俺は目の前の土を見てみる…うん…1回ちょっと確かめてみよう。

俺は恐る恐る足を踏み入れるとなんか違和感があった……やっぱ落とし穴だな……待てよ?落とし穴に落ちた瞬間に時を止めたらどうなるんだ?もし地形ごと止まったら無限城戦に役立ちそうだよな…やってみるか。

 

俺は落とし穴に思いっきりダイブした。

(時よ…止まれ!)

カチカチカチ…

 

あ、なんか地面変な形になってるけど落ちない…やはり自分以外の全てが止まるんだな…なるほどね。

そうと分かれば罠も怖くない。何かが飛んできたら逃げればいいし…やっぱこの能力強

 

スン…

 

あっ

 

颯「いってぇ~…そうだ…0.5秒だっけか…」

時止めてる状態なのをすっかり忘れてた。油断は禁物…。

さて…とっとと小屋見つけて弟子入りしますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鱗滝は小屋で颯の帰りを待っていた。

 

鱗滝「…」

 

鱗滝「(儂が鬼を見つけた時、志木寺という子は死んだ隊士の刀を借りて首を切ろうとしていた…あんな小さい子供が人を殺した鬼に向かって勢いよく刀を振れるのだろうか?)」

 

鱗滝「(儂が育てた子はみんな最終戦別から帰ってこなかった…だがあの子は何かが違う。儂の目でも捉えられない動きで鬼の首を狙っていた。柱の時でも鳴柱の動きは多少見えていたが全く動きが見えないなんてことは1度もなかった。)」

 

鱗滝「あの子は…颯はとんでもない才能があるのかもしれん…きっと難なく山の麓まで来るだ----------------」

 

「あ~!やっと見つけた!小屋!」

 

遠くから颯の声が聞こえる。

 

鱗滝「…!?」

 

小屋の扉が開く。

 

颯「鱗滝さーん、この小屋まで辿り着きましたよ。という訳で修行させてください!」

 

鱗滝「う、うむ…(流石に早すぎる…だが何かを誤魔化しているような匂いは感じられん…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日から鱗滝さんの修行が始まった。この頃はまだ錆兎とかはいないらしい。会ってみたかったな…最終戦別の時に手鬼を倒せば錆兎と真菰とその他のモブ剣士を救えるから鍛錬頑張らないとな。

水の呼吸はまだ教えてもらえないらしい。まぁ基礎体力がゴミだからしゃーない。

 

まず狭霧山を登ったり下りたりする。回数を重ねる度に罠も危険な感じにグレードアップしていく。今日は30回くらい繰り返した。体力は相当上がったと思う。

 

それを1週間くらい続けたら次は刀を持ったまま同じことをやれと言われた。刀で何かを切ってはいけないらしい。面倒だ…

 

その後は岩をザンっ!って斬ったり素振りを繰り返したりめっちゃ転がされたり刀を振る時の太刀筋を教わったり…結構大変…

そんなことを3週間繰り返しているとついに鱗滝さんから水の呼吸を教えてやると言われた。やったね!

 

鱗滝「水の呼吸は肩の力を抜いて刀を振るえ。」

 

流れる水を想像しながら技を繰り出すことで、流麗な剣技になると言っていた。

 

颯「一気にやると中途半端になりそうなので一つずつ教えてくれませんか?」

 

鱗滝「お前がそう言うならそうしよう。今はお前以外育てるものもおらんしな。」

水の呼吸は言わば基礎の呼吸。基礎ができれば他も何とかなる。逆に基礎がだらしないやつは他のことも何もできない。って前世の母さんが言ってたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水の呼吸

 

壱ノ型 水面斬り

弐ノ型 水車

参ノ型 流流舞い

肆ノ型 打ち潮

伍ノ型 干天の慈雨

陸ノ型 ねじれ渦

漆ノ型 雫波紋突き

捌ノ型 滝壷

玖ノ型 水流飛沫

拾ノ型 生生流転

 

やはり多いなぁ…でもまぁここまで来たんならやらない選択肢はない。凪とかも使えたらいいんだけど流石に無理そうなのでこの壱から拾の型を覚えよう。

 

 

 

【水の呼吸 壱ノ型 水面斬り】

 

とにかく正確に、真っ直ぐに横に斬る技。首を斬るのにもっとも適している技だろう。

少しでも斬る方向がズレてたら攻撃力が大幅に下がるから鱗滝さんにどんな太刀筋がいいのか、斬る速さはどのぐらいかなどを何回も聞いて実践。これを繰り返す。

 

 

【水の呼吸 弐ノ型 水車】

 

円を描くように刀を振るう技。この技は上から下に剣を振った時の威力で強さも変わる。思いっきり振りかぶらないとこの技はあまり機能しない。大変だね。

 

【水の呼吸 参ノ型 流流舞い】

 

漫画ではよく分からなかったけどこの技は移動しながら連続で相手を斬る技らしい。この技は止まらずに進み続けることで川の流れのように綺麗な太刀筋になるらしい。

 

【水の呼吸 肆ノ型 打ち潮】

 

自分の向いている方向にステップしながら斬りかかる技。原作でも炭治郎はこの技で鬼を2連続KOしていた。流流舞いよりは移動距離が少ないため、隙が短い。

 

【水の呼吸 伍ノ型 干天の慈雨】

 

相手を苦しめずに優しく首を斬る技。母蜘蛛にやるシーンは結構好きなんだよね。この技は他の技とは違い腕じゃなく手首を使うらしい。…この技多分もう使わないな(確信)

 

【水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦】

 

周囲を巻き込むように斬る技。空中で相手に狙われた時、相手に拘束された時、水中など地面に足がつかない場合はこの技が有効だと思う。

 

【水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き】

 

しのぶちゃんの戯れみたいに超スピードで相手に接近し刀で突く技。距離を詰めれる技は俺の時止めと相性がいいため使う機会が多いかも。

 

【水の呼吸 捌ノ型 滝壷】

 

上方向に構えた刀を渾身の力で真下に振り下ろす強力な技。刀を振る方向を間違えたら速攻で刀を折ってしまうからこの技も太刀筋が重要だ。

 

【水の呼吸 玖ノ型 水流飛沫】

 

こんな技あったっけ?って最初思った。

この技は移動する技なんだけど、ただ走るとかじゃなくて水滴のように跳ねながら相手の距離を詰めたりする技らしい。炭治郎の水流飛沫・乱はこれの派生だね。

 

【水の呼吸 拾ノ型 生生流転】

 

斬ると攻撃力が高くなるみたいな意味のわからない技。実際にやってみるとめちゃくちゃ難しいんだよね…この技は回転するように斬ることで回転力が増す。それを繰り返すことで硬い首もなんなく斬れるという使い方らしい。

 

は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【全集中の呼吸】

 

原作お馴染みの全集中の呼吸。

どうせ基礎中の基礎なんて簡単だろ?と思ってた自分を殴りたい。少しやるだけで肺が悲鳴をあげる。それでも俺は四六時中やらなければならない。本編を見た人も同じようにするだろう。それほどまでに【全集中の呼吸 常中】は大事なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鱗滝「もう教えることはない。」

 

颯「え?なんで…」

 

鱗滝「お前は水の呼吸を完璧に使いこなしている。そして既に常中を取得しているからだ。」

 

まぁ確かに常中は死ぬ気で頑張ってできるようにしたけどさ…流石に早いような…

 

鱗滝「お前なら柱を目指せる力を持っておる。(それに颯は岩を斬ることはもうやっておるからな…)」

 

鱗滝「いいか、最終選別は生き残ることを最優先に考えろ。これまで儂の子達は誰一人として帰ってこなかった…だから頼む、颯。」

 

義勇さんが初めて生き残った人になるのを邪魔したみたいでめちゃくちゃ申し訳ない。

 

颯「はい…必ず生きて帰ってきます!そういえば最終選別って何日後なんですか?」

 

鱗滝「…お前には申し訳ないことをした。」

 

颯「?」

 

鱗滝「昨日が最終選別の開始の日だった…儂がもっと早くこのことを言っていれば…」

 

言うかどうか迷ったんだろうなぁ…ずっと育ててきた子が最終選別にいくと帰ってこないことが何回もあったとなると行かせたくない気持ちも分かる。

ごめんよ鱗滝さん…

 

 

鱗滝「そろそろ来る頃だな。」

 

颯「何がですか?」

 

突然扉が開いた。小屋の扉を開けたのはひょっとこの仮面をした男だった…ん?刀鍛冶じゃね?

 

「こんな子供が鬼殺の剣士になるのかよ?」

 

鱗滝「颯の剣技は今まで見てきた子より1番流麗なものだ。そこらの隊士より遥かに強いだろう。鉄六、刀を颯に渡せ。」

 

鉄六「はいはい分かってますよっと。あんたが志木寺颯か?俺は鉄六、お前の刀を打った者だ。」

 

鉄六と名乗る男はそう言うと箱から刀を取りだした。

 

鉄六「1度持ってみな。色に変わるのか気になるからな。」

 

言われるがまま俺は刀を握る。

 

 

 

刀の色は まるでガラスのような 透明の色になった。

 

颯「…」

 

鉄六「…」

 

颯「俺、呼吸の適性なかったのかな…」

 

鉄六「適性ないやつは刀の色は変わらないぜ。だが透明か…初めて見たぜ。もしかしたら水の呼吸の適性がないんじゃねぇか?水の呼吸って青とか藍色とか空色に近い色だろ?」

 

鱗滝「だがあの技の精度で適性じゃないとはとても…」

 

鉄六「こいつの才能がやべぇんだろ。じゃ、俺はもう行くぜ。」

 

それだけ言うと鉄六は小屋から出ていった。

てか水の呼吸適正じゃなかったのかよ…ちょっとショックだわ…

 

鱗滝「颯、よく聞け。水の呼吸の適性がないことは本当かどうかか分からないが1度他の呼吸を知るのも悪くは無いだろう。」

 

颯「と…言いますと?」

 

鱗滝「代々炎柱として鬼殺隊に貢献している煉獄家へ行ってみるといい。道案内は儂のカラスを頼れ。」

 

それってまさか…

 

鱗滝「炎の呼吸を教わってこい。次の最終選別まで時間はあるからな。」

 

颯「炎の…呼吸…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎹鴉「ココを真っ直ぐ行けば煉獄家だ。」

 

颯「人間の言葉慣れてるの?」

 

鎹鴉「もちろんだ。産屋敷様のためにたくさん練習シタンダ…したんだ。」

 

颯「今一瞬…」

 

鎹鴉「とっととイケ!」

 

颯「痛い!頭をつつくな!」

 

そう言いながら俺は煉獄家の門の前に立った。

 

颯「さて…早速挨拶を…」

 

「そこに何か用か!」

 

颯「うおっ!?」

 

後ろに人がいたとは…てか…このテンション…まさか…

 

颯「君…名前は?」

 

杏寿郎「俺は煉獄杏寿郎!父上は現在不在だ!用があるなら俺の家で待っているといい!」

 




あ、ちなみにこの時の颯くんは9歳です。さいのうってすごいね(小並感)


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第五話 炎の呼吸 前編

炎虎は遠距離攻撃って設定にしようかなーって思ったんですけど刀を大きく振り下ろす技にしました。ご了承ください…


杏寿郎「俺は煉獄杏寿郎!父上は現在不在である!用があるなら俺の家で待っているといい!」

 

颯「え…うん…」

 

勢いがやべぇ(恐怖)

まぁ煉獄さん…杏寿郎って呼ぶべきだな。

杏寿郎が家で待っていいと言ってるんだしお言葉に甘えよう。

 

颯「お邪魔しま~す…」

 

杏寿郎「うむ!ゆっくりしていくといい!」

 

瑠火「杏寿郎、その子は?」

 

杏寿郎「何やら我が家に用があるらしくてな!」

 

颯「いやぁあのちょっと…」

 

俺がしどろもどろしていると杏寿郎の父親が帰ってきた。あかん!やばい!どうしよう!

 

愼寿郎「ただいま帰ったぞ。ん?杏寿郎、友達か?」

 

颯「あ…あの…実は…」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

愼寿郎「なるほど…鱗滝さんが君に炎の呼吸を教えてほしいと…」

 

颯「はい…水の呼吸は僕の適正じゃないらしくて…」

 

愼寿郎「刀を見せてもらうことはできるか?」

 

颯「はい…」

 

そう言うと俺は鞘から刀を出す。

 

杏寿郎「透明だ!」

 

愼寿郎「透明だな。」

 

瑠火「透明ですね…」

 

颯「はい…透明です…なので水の呼吸が適正ではないって話になって…」

 

愼寿郎「君の来た理由は分かった。名前は?」

 

颯「志木寺 颯です。」

 

愼寿郎「颯くん、じゃあ早速杏寿郎と一緒に炎の呼吸を伝授する。庭に行こう。」

 

杏寿郎「うむ!共に精進していこう!」

 

この時の煉獄パパは瑠火さんや杏寿郎が死んでないしそもそも炎柱だからちゃんとしてるんだなぁ…かっこいい。

 

愼寿郎さんから鍛錬の時の服を貰って庭へ出ようとすると瑠火さんに呼び止められた。

瑠火「颯くん。」

 

颯「はい…どうかしましたか?」

 

瑠火「別に大事なことではないのですが…杏寿郎と仲良くしてあげてほしいのです。」

 

颯「…はい!」

 

うーん良い人。病気で死んじゃうから亡くなることは防げないのが辛いところだ。

そう思いながら俺は庭に移動した。

 

 

 

 

愼寿郎「君は炎の呼吸を見るのは初めてだね?一通りやるからどういったものなのかを理解してほしい。」

 

颯「はい、頑張ります!」

 

 

さて、やりますか。

 

炎の呼吸はどっしりと構えることが大事らしい。刀を振る時は力強く技を出すことで炎の呼吸特有の攻撃力を生み出す。

 

 

【炎の呼吸 壱ノ型 不知火】

 

勢い良く相手に斬りかかる炎の呼吸の中でも扱いやすい部類の型。移動しながら水面切りするみたいなイメージ。

 

愼寿郎「(鍛錬してまだ少ししか経っていないのにこの精度…)」

 

【炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天】

【炎の呼吸 参ノ型 気炎万丈】

 

この二つは似てるから同時に教えると煉パパが言ってた。

昇り炎天は下から上に斬りあげる、気炎万丈は上から下に斬る技。

昇り炎天から気炎万丈に連続で繋げられることもできるから使い勝手が良い。

 

【炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり】

 

持ち方がめちゃくちゃ特殊な型で、普通刀って縦向きにするじゃん?でもこれって横向きで使う技なんだよね。映画見た人は分かると思う。

この技は主に相手の攻撃を受け流すときに使うから遠距離を戦うことを強いられるときはこれを使うのがいいだろう…

 

 

 

【炎の呼吸 伍ノ型 炎虎】

 

マジで難しい本当に難しい未だにできてないもん。

この型は滝壺をイメージしてくれると分かりやすいかな?思いっきり振りかぶってやばい攻撃力を生み出す炎の呼吸の中でもかなり攻撃に特化した技。

 

杏寿郎「むう…」

 

颯「どうした」

 

杏寿郎「中々上手くいかないものでな!やはりまだまだ未熟だな!」

 

わっはっはと高らかに笑う杏寿郎。こいつがあの人気キャラになると思うと人生何が起こるか分からないものだ。

無限列車戦でもし俺が生きてたら一緒に戦って死を回避したいところである。

 

颯「杏寿郎ならきっといけるよ。才能の塊だもん。」

 

杏寿郎「そう言う君は少し型を練習しただけで使いこなしてしまうだろう!」

 

颯「俺炎の呼吸に適正あるのかもね。」

 

とは言っても炎虎があまり上手くいかない。振りかぶった時に構えが崩れてしまう。

 

愼寿郎「そろそろ休憩にしようか。(短期間で4つの型をすぐ使えるようにしてしまうこの子はなんなんだ…)」

 

煉獄パパはさっきから俺のことを見てくる。なんなの?

まぁ結構疲れてたしこのタイミングで休憩はありがたい。

 

その後に俺は瑠火さんの作った料理をご馳走になった後に、屋敷の掃除や竹刀の手入れなどをしたする。

居候に大事なのは世話になってる人にどれだけ役に立てるかを見せることだって前世のお母さんが言ってた。

 

 

 

そろそろ寝ますかね…布団敷いてくれたし…さよならみんn

 

 

愼寿郎「颯くん…ちょっと鍛錬に付き合ってくれないか?」

 

颯「え?」

 

愼寿郎「君の強さを1度把握してみたい。頼む。」

 

颯「分かりました…」

 

えぇボコボコにされるよぅ…助けて杏寿郎!助けて母さん!助けて実弥…

 

今あいつどうしてんのかな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍛錬に付き合えと言われたので道着を着て庭へ出る。

 

柱との稽古かぁ…貴重な経験なんだろうけどボコボコにされて終わりそう…

 

愼寿郎「君にいくつか聞きたいことがある…常中はどうやって知った?鱗滝さんは全集中の呼吸だけしか教えていないはずだが。」

 

颯「あー…全集中の呼吸してる状態は鬼みたいに強くなれるからずっとやってれば常に強い状態を保てるからやっみてようかなーって…」

 

愼寿郎「そ、そうか…(ただの好奇心だけで常中を習得できるわけがないだろう!)」

 

煉パパがなんか焦ってる。なんで?

 

颯「それより鍛錬とかは…」

 

愼寿郎「あぁ…そうだったな…君は確か水の呼吸が適正じゃないと言っていたね?少し手合わせしてみたい。」

 

颯「分かりました。では…」

 

勝てるか分からないけど格上の相手にも立ち向かわなきゃ鬼殺の剣士に相応しくない。

 

颯「よろしくお願いします!」

 

愼寿郎「来い!」

 

水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き

 

俺は右手に力を込めて煉パパの竹刀目掛けて渾身の突きを放った。

 

愼寿郎「早いな…だが!」

 

炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり

 

颯「受け流されたか…」

 

愼寿郎「まだ終わりではないだろう?」

 

颯「当たり前です…よっ!」

 

水の呼吸 肆ノ型 打ち潮

 

炎の呼吸 伍ノ型 炎虎

 

俺は様々な方向に移動しながら攻撃を仕掛けたが力で押し負けてしまった。力の差って辛い。

 

愼寿郎「そろそろこちから攻めさせてもらうぞ?」

 

炎の呼吸 陸ノ型 朱雀

 

ええええぇぇ!?

なんだよそれ陸とかあるのかよ!?しかもとてつもない速さで接近してくる…くそっ!やっぱ使うしかない!

 

(時よ止まれっ!)

 

カチカチカチ…

 

水の呼吸 捌ノ型 滝壷

俺は煉パパの竹刀に高火力の滝壺を当てる。少しは怯んでくれ…

 

スン…

 

愼寿郎「…!?」

 

ほんの少しだけど隙を見せた。このチャンスを逃す訳にはいかない。

 

水の呼吸 拾ノ型 生生流転

 

一回、二回、三回、何度も竹刀がぶつかり合う。竹刀を当てるごとに生生流転の破壊力は増していく。いいぞ、このまま勢いで竹刀を壊せば…

 

愼寿郎「強いな…もう少し鍛錬を積めば今の水柱を超えるんじゃないか?柱の中では1番弱いがな。」

 

颯「最後の一言必要ありますか?」

 

話す余裕なんてない。とっとと勝負を決めなければこちらの体力が尽きてしまう。

こっちも攻撃特化の戦い方にするしかない。

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火

 

愼寿郎「…やはり一日鍛錬を積んだだけでその精度…とんでもない才能を持っている。」

 

くっそ…やっぱ慣れてないから炎の呼吸の力強さが欠けている。水の呼吸で戦う以外選択肢は無さそうだ。

 

愼寿郎「さて…そろそろ終わりにするとしよう。」

 

颯「それはこっちの台詞ですよ。」

 

炎の呼吸 参ノ型 気炎万丈

 

水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦

 

 

炎の呼吸 伍ノ型 炎虎

 

水の呼吸 壱ノ型 水面斬り

 

 

技と技のぶつかり合いが何度も続く。こっちも畳み掛けるように型を繰り出す。

しかし愼寿郎は新たな型を見せる。

 

炎の呼吸 捌ノ型 趨炎附熱

 

颯「ぐっ…」

 

くっそまた知らない技だ。怒涛の六連撃が俺を襲う。2発くらい体に当たってしまった。

 

愼寿郎「降参するか?」

 

颯「降参したいですけど…最後に足掻いてから負けます。」

 

愼寿郎「流石だ。」

 

と言っても体力は限界を超えている。次の一撃で決める。

 

 

 

炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄

 

水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き 神速

 

 

俺の全てをこの一撃に託す。




陸と捌は完全オリジナルです。
陸ノ型 朱雀

超スピードで相手に接近し斬撃を放つ。


捌ノ型 趨炎附熱

勢い良く連続攻撃を放つ力任せの型。


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第六話 炎の呼吸 後編

早めに更新していきます。今回は長めの文章です。


颯「ん…?」

 

俺は目を開ける。あれ…ここ屋敷の中だよな…確か煉パパと鍛錬してたはずじゃ…

 

杏寿郎「やっと起きたか!」

 

颯「おぉ…おはよう…なんで俺ここにいるの?」

 

杏寿郎「父上との鍛錬中にお前が疲れ果てて倒れたらしい!」

 

颯「そしてここまで運んでくれたと。」

 

杏寿郎「そうだ!しかしすごいな!父上の竹刀は折れかけてたらしい!」

 

惜しかったのか~…まぁ本気出してないんだろうけど。

 

颯「愼寿郎さんは?」

 

杏寿郎「今は家にいない!父上は炎柱だからな!この話はもう終わりでいいだろう!」

 

颯「ちょっ」

 

杏寿郎「颯!頼みがある!一度俺の炎の呼吸を見て助言をくれないか!」

 

颯「別にいいけど…あんまり期待しないでくれよ?」

 

 

 

 

 

 

 

杏寿郎「では壱から順に技を出す!煉獄杏寿郎参る!」

 

颯「お、OK…助言は任せろ。」

 

杏寿郎「頼んだぞ!」

 

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火

 

颯「移動する際に隙がある。足を踏み込む際に技を構えておくと攻撃に移りやすい。」

 

杏寿郎「そうか!」

 

炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天

 

颯「うん、これは特にないかな。速さや太刀筋も良いと思う。」

 

炎の呼吸 参ノ型 気炎万丈

 

颯「良いんじゃない?」

 

杏寿郎「飛びかかりながら技を出すことには何も言わないのか!」

 

颯「そっちの方が杏寿郎に合ってるなら特に口出ししないよ。人の癖は立派な強さに上げていくことが大事だし。」

 

杏寿郎「…感謝する。」

 

颯「…?」

 

 

 

炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり

 

颯「持ち方を変えるのに少し時間がかかってる。右手の手首を少し横にずらして…そうそう!そんな感じ!」

 

炎の呼吸 伍ノ型 炎虎

 

颯「うーん…これもまぁ良いんじゃない?もっと踏み込んで前へ進みながら技を出すと良いかもしれないけど体が成長すれば自然と技は完成するよ。」

 

炎の呼吸 陸ノ型 朱雀

 

颯「それどういう技なの?」

 

杏寿郎「そういえば颯はまだ陸以降の技を知らないんだったな!」

 

颯「まだ教えてもらってないから全然知らないんだよね。」

 

杏寿郎「ならば俺が伝授してやろう!」

 

颯「なんで俺が教えてもらう側になってるの?」

 

 

【炎の呼吸 陸ノ型 朱雀】

 

猛スピードで相手に接近し瞬時に2連撃を当てる。

初めは左から右に、2回目は折り返すように右から左に刀を振る姿は鳥の翼のように見えたことから呼ばれた!と高らかに笑っている杏寿郎だが 玖ノ型 煉獄 を除けば1番難しい型らしい。

えぇ…

 

颯「できない!」

 

杏寿郎「確かに俺もまだまだ不完全だ!」

 

千寿郎「お疲れ様です颯さん、兄上。」

 

杏寿郎「千寿郎!助かるぞ!」

 

ぐいぐい飲む杏寿郎と可愛い顔で兄を見る千寿郎くん。やはり見てて癒される。原作での初登場時には既に…

 

杏寿郎「颯!」

 

颯「!」

 

杏寿郎「俺は間食になるものを持ってくる!颯は千寿郎とここで待っていてくれ!」

 

そう言って杏寿郎はどこかへ行った。いや行くなよ…千寿郎くんと二人でどうしろってんだ…

 

千寿郎「あの…」

 

颯「え?」

 

千寿郎「いつも…いつも兄と仲良くしてくれてありがとうございます…笑っていることが多い兄ですが颯さんが来てからいつもより楽しそうに笑ってるんです。」

 

颯「そっか…あっ、ごめん…お茶…」

 

千寿郎「別にすぐに飲まなくてもいいと思いますよ。死んでしまうわけではありませんし。」

 

颯「それもそうだね。じゃあ…ご遠慮なく。」

 

俺はそう言いながらお茶を啜っt

 

杏寿郎「颯!千寿郎!金平糖があったから持ってきたぞ!」

 

颯「!?」

 

リラックスしてた俺にいきなり杏寿郎が大声で襖を開けて入ってきたため思わず俺はお茶を千寿郎くんにぶっかけそうになった。

 

颯「ごほっ…げほっ…危ねぇ吹き出すところだった…」

 

千寿郎「本当に危なかったですね…」

 

その後、俺たちは杏寿郎が持ってきたおやつを食べて再び鍛錬を始めた。

 

 

炎の呼吸 陸ノ型 朱雀

相手に飛びかかり刀の向きを真横にして2連撃…!

飛びかかった時の足の踏み込みに意識せずに、2連撃をどれだけ早く打ち込めるが大事!

 

杏寿郎「かなり良いんじゃないか!父上はもっと早く移動し目に見えない2連撃を放てるけどな!」

 

颯「愼寿郎さんと比べないでいただきたい。」

 

 

炎の呼吸 漆ノ型 焼乱

 

颯「何これ」

 

杏寿郎「炎の呼吸7つ目の型だ!」

 

颯「違う、そうじゃない。」

 

杏寿郎「これは俺でも覚えられた!俺より強い颯ならすぐに技を出せるだろう!」

 

颯「簡単なの?」

 

杏寿郎「陸ノ型と比べたら簡単だ!」

 

【炎の呼吸 漆ノ型 焼乱】

 

広範囲の回転斬り。

大事なのは体の中心を固定すること。

 

杏寿郎「それだけだ!」

 

颯「え?大事なことそれだけ?」

 

杏寿郎「うむ!」

 

颯「そ、そっか…じゃあ…こんな感じ?」

 

俺は言われた通り体を動かさずに回転斬りをした。

 

杏寿郎「あぁ!それだけだ!」

 

颯「ふーん…」

 

杏寿郎「では捌ノ型に…」

 

 

愼寿郎「それで良い訳がなかろう。」

 

杏寿郎「父上!?」

 

颯「愼寿郎さん!?」

 

任務で家にいないとか言ってなかったっけ…まさか退職…はないだろうけど。

 

愼寿郎「颯くん、昨日は悪かった。つい熱くなってしまってな。」

 

颯「いえいえ…かなり良い経験になりました。」

 

愼寿郎「それなら良かった…今は杏寿郎に炎の呼吸を教えてもらってるみたいだね?」

 

颯「そうですね。さっき陸ノ型を教わりました。」

 

杏寿郎「俺より精度が高いがな!」

 

愼寿郎「見せてもらっても?」

 

颯「分かりました。」

 

炎の呼吸 陸ノ型 朱雀

 

愼寿郎「…まだまだだな。」

 

颯「そうですか…」

 

愼寿郎「確かに基礎は完璧だが速さが足りん。俺が伝授してやるから杏寿郎も準備しろ。」

 

杏寿郎「はい!父上!」

 

マジか…あんな練習していい感じになったのにまだ未完成か…

 

 

 

愼寿郎「二回攻撃は申し分ない。十二鬼月とも戦えるだろう。」

 

颯「えっ」

 

愼寿郎「本当のことを言うとさっき君が見せた陸ノ型は並の炎の呼吸を使う隊員より遥かに強い。」

 

愼寿郎「だが…未完成なの事実だ。」

 

颯「つまり…俺に炎の呼吸を極めてほしい…と。」

 

愼寿郎「そういうことだ。」

 

颯「…頑張ります。」

 

 

 

 

 

霹靂一閃を覚えていれば陸ノ型も難しくないらしいんだけど生憎まだ雷の呼吸を知らないから大変だ。

 

足の踏み込み。

足首の動かし方。

剣の構え。

 

それらを極めて陸ノ型が成立する。

 

もっと速く、もっともっと速く!

 

 

 

炎の呼吸 陸ノ型 朱雀

 

風を切るように、大地を割るように、足に全てを力を込めて…!

 

愼寿郎「…完璧だ。」

 

颯「ほ、本当ですか!」

 

愼寿郎「では漆ノ型へ移ろう。」

 

颯「少しは喜ぶ時間があってもいいじゃないですか」

 

 

 

 

颯「杏寿郎はただの回転斬りって言ってましたけど違うんですか?」

 

愼寿郎「当たり前だ。そもそもそれではただ刀を回しながら斬っているだけだろう。」

 

颯「水面切りもただ横に斬っているだけじゃ…」

 

愼寿郎「水の呼吸は【基礎】で成り立っているからだ。だから刀を持ったことがない者でも水の呼吸を使える人が多い。」

 

颯「なるほど」

 

愼寿郎「さっさと始めるぞ。これの他に捌、玖もあるならな。」

 

颯「はい。」

 

 

 

 

 

炎の呼吸 漆ノ型 焼乱

 

そう言いながら俺は回転斬りをする。

 

颯「これじゃダメなんですか?」

 

愼寿郎「あぁ。そもそも漆ノ型はただ速ければいいってもんじゃない。」

 

颯「???」

 

颯「遅かったら…その隙とか狙われません?」

 

愼寿郎「そうだな。最初は俺もそう思った。」

 

愼寿郎「漆ノ型…焼乱は【緩急自在の回転斬り】だ。」

 

杏寿郎「なんと!」

 

なんだっけ…霞の呼吸と似てるな…朧だっけか、玉壺倒した技。

 

愼寿郎「だから鬼が接近した時に使え。」

 

颯「こんな感じ…でも攻めてくる相手がいなきゃこの型の強さを確かめられないような。」

 

愼寿郎「安心しろ…俺が相手になる。」

 

杏寿郎「!?」

 

颯「いや少し待っ」

 

愼寿郎「隙を見せるな!行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「痛てぇ」

 

杏寿郎「だがなんとなく分かった気がするぞ!」

 

愼寿郎「二人とも使い方は悪くなかった。では…捌ノ型だ。颯くんはこれを知っているだろう。」

 

颯「あの連続攻撃の型ですか?」

 

愼寿郎「当たりだ。君の体力を多く削った技でもあるな。」

 

そういえばそうだわ…あれをやられてから俺の体はボロボロに近かった…子供にやる技じゃねぇよ!ってなった。

 

愼寿郎「では始めるぞ…捌ノ型 趨炎附熱を。」

 

 

 

【炎の呼吸 捌ノ型 趨炎附熱】

 

怒涛の六回攻撃を相手に当てる。

一つでも気を抜いて威力を弱くしてしまったらこの型は成立しない。言わば力任せの技である。

 

颯「結局力ですか…」

 

杏寿郎「もっと成長したいものだ…」

 

愼寿郎「杏寿郎はともかく颯くんは常中を使えているだろう…君ならできるはずだ。」

 

マジすか…まぁやってみるしかない。

 

炎の呼吸 捌ノ型 趨炎附熱

 

一回、二回、三回、四回…五回…どんどん力が抜けていく。

全力を出そうと刀を強く握るが体力はどんどん消耗していく。

最後の六回目で俺は刀を握る力が弱まってしまい攻撃として成り立たないような威力になってしまった。

 

それから何度も、何度も、捌ノ型を放つ。

豆なんていくつもできた。だがそんな甘えたことを言って鍛錬をやめるなんてことはない。

一撃一撃を

ただ強く

ただ重く

ただ速く!

 

颯「うおおおぉ!捌ノ型 趨炎附熱!」

 

一回、二回、三回、四回、五回!

最後に…六撃目を…!

 

 

颯「はぁ…はぁ…どう…ですか?」

 

愼寿郎「流石だ…だがやはり体力を増やしてからその型を使った方が君には良いだろう。」

 

颯「疲れない呼吸…とか…って…あるん…ですか?」

 

俺は息を切らしながら質問した。まぁ知っているのは知ってるんだけどこの時点で煉パパは"あの呼吸"を知っているか聞いてみたくなった。

 

愼寿郎「疲れない呼吸…あるにはある。」

 

反応的に知ってそうだな…まぁ使えるなら使ってみたいよね~…始まりの呼吸。

 

杏寿郎「颯はすごいな!俺もいつかお前と同じ土俵に並びたい!」

 

颯「うん…待って…すげぇ疲れた…」

 

体力全部使ったからすぐに寝れるくらい疲れきっていた。

 

杏寿郎「では今日はもう鍛錬を終わりにしよう!夕飯の準備を手伝ってくる!」

 

千寿郎「あ、母上の料理はもうできています…」

 

杏寿郎「なんと!ではすぐに向かうぞ!」

 

愼寿郎「流石に腹が減ったな。」

 

 

 

颯「待ってくれ。運んでくれ。今動けないくらい疲れたから!本当に!えっちょっ置いてかないで待っt」

 

 

 

 

瑠火「そういえば颯くんは…」

 

愼寿郎「あっ」

 

杏寿郎「忘れていた!」

 

千寿郎「えぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「そのまま千寿郎くんが布団まで俺を運んでくれたってことか。」

 

杏寿郎「うむ!」

 

颯「まぁ体力は回復したし…遂に…やるのか…【奥義】を…!」

 

杏寿郎「いや、父上は忙しくなってしまい家にいる時間も少ない!よって暫くは俺達で鍛錬をしよう!」

 

颯「分かっt」

 

 

杏寿郎「早速だが俺に常中を教えてほしい!そして炎の呼吸をもっと極めたい!もう一度助言を頼む!」

 

颯「わ、分かった…」

 

 

それから1週間くらい俺と杏寿郎で鍛錬をした。

杏寿郎は常中を覚えて捌ノ型を成功させるようになっていった。俺あんなに苦労したのに…

 

 

 

 

今は杏寿郎と模擬戦だ。後は玖ノ型を覚えるだけなので型を使いこなせるかどうかが重要になってくる。

 

 

俺は素早く杏寿郎に斬りかかった。

 

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火

 

 

 

杏寿郎もそれに答えるように陽炎のようなゆらりとした回転斬りを放つ。

 

 

炎の呼吸 漆ノ型 焼乱

 

 

 

回転斬り中はな…上ががら空きだ。その隙を見逃さない俺は上から下に刀を振り下ろす。

 

 

 

炎の呼吸 参ノ型 気炎万丈

 

くそ…避けられたか……やばい!あの構えは!

 

 

 

炎の呼吸 陸ノ型 朱雀

 

凄まじい速度で俺の方へ迫る。こんな時に強引にこちらの流れにするしかない。一か八かで両手に力を込める。

 

 

炎の呼吸 捌ノ型 趨炎附熱

 

 

 

颯「…俺の勝ちだな。」

 

俺は杏寿郎の竹刀を折っていた…が、もし破壊力が足りなかったら俺の首元に杏寿郎の竹刀が当たっていただろう。

怖いね…朱雀。

 

杏寿郎「無念!負けてしまったか!俺もかなり成長したと思ったのだがな!」

 

颯「いや俺も危なかったよ…本当に寸前だった。」

 

 

 

そんなことを何日も繰り返していると煉パパに休みが入ったらしい。つまり… 最後の型 だ。

 

愼寿郎「二人ともかなり強くなった。そろそろ…【奥義】を伝授しよう。」

 

杏寿郎「はい!」

 

颯「はい。」

 

 

 

 

【炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄】

 

 

ただ接近し、相手に攻撃をする。

聞くだけなら簡単そうだが 奥義 とも言われる型だ。

陸ノ型 朱雀よりもっと早く、もっと遠い場所でこの型は使われる。

 

見本を見せられた時の迫力はとてつもなかった。

あんなことが俺にもできるのだろうか。

 

やるしかない、やらなければいけない。

 

大事なのは、足腰と、構え。

 

すぐに移動できるような状態で、最高の構えで…

 

炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄!

 

颯「うおおおおおおおおおぉ!!!!」

 

 

 

愼寿郎「まだだな。」

 

颯「はぁ…はぁ…これ…1度やっただけで…相当疲れますね…」

 

愼寿郎「何度も打てるような技は奥義とは言わないからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愼寿郎「颯くん、2週間玖ノ型をやり続けてきたその成果を見せてみろ。」

 

杏寿郎「颯!応援しているそ!」

 

颯「はい…では…いきます!」

 

 

隙のない構えを作れ…腰の向きは横に、刀の向き、足の向きは前に…

 

肺の中の空気を満遍なく使って全身の血の巡りを格段に早くしろ…そうすれば圧倒的な速さを生み出せる!

 

颯「炎の呼吸…奥義…」

 

玖ノ型………煉獄!!!!

 

 

颯「はああああああああァァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心を燃やせ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「…どうですか…!?」

 

愼寿郎「…全てにおいて完璧だ。合格だ。」

 

颯「!」

 

愼寿郎「君は炎の呼吸の全てを極めた。よく…頑張った!」

 

杏寿郎「流石だ!颯!」

 

かなりの疲労が全身に襲いかかってきたがそれよりも心の中で溢れる達成感が俺の顔を笑顔にさせる。

それにしても…本当に疲れた…

 

 

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火

 

炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天

 

炎の呼吸 参ノ型 気炎万丈

 

炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり

 

炎の呼吸 伍ノ型 炎虎

 

炎の呼吸 陸ノ型 朱雀

 

炎の呼吸 漆ノ型 焼乱

 

炎の呼吸 捌ノ型 趨炎附熱

 

炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄

 

 

 

自分でもよく頑張ったと思う。水の呼吸はもっと楽だったのになぁ…でも、かなりいい経験になった。

 

 

 

 

 

颯「では…二ヶ月の間お世話になりました。」

 

愼寿郎「鱗滝さんのところに戻るのか?」

 

颯「はい。」

 

杏寿郎「颯!」

 

颯「ん?」

 

杏寿郎「ついに行くのか!」

 

颯「あぁ。ずっとお世話になってちゃ悪いしな。」

 

杏寿郎「そうか!なら…気をつけるといい!お前のような実力者でも鬼に襲われて死亡することがある!日輪刀があるとはいえ、もしもの事があったら大変だ!絶対にまた会おう!」

 

杏寿郎はそう言って手を差し出す。

 

颯「…当たり前だ!」

 

俺は杏寿郎の言葉に応えるように握手をした。

 

さて…帰りますか!

 

 

 

 

 

 

 

やっぱ遠いわ…狭霧山…すっかり夜になってしまった。

 

早く帰らないと鱗滝さんが心配するのですぐに帰ろう…大抵の鬼なら俺でもやれるぜ…俺は安全に帰宅したいんだよ…帰宅すれば、鱗滝さんが作ってくれるご飯が食べられるからな…とりあえず、俺はそこそこ遠い道を通って登山するぜ…オラッ!

 

 

 

 

 

鬼「あ?なんだよ…ガキか…」

 

颯「…」

 

サイコロステーキ先輩の真似なんてするものじゃねぇ…

しかも…あいつの目…

 

鬼「十二鬼月の俺の晩飯がガキかよ…チッ…」

 

颯「ガキの俺の晩飯が十二鬼月かよ…チッ…」

 

鬼「舐めてんじゃねぇぞ!刀を持っているようだが…俺は下弦の陸…「まさs」」

 

(時よ…止まれ)

 

カチカチカチ…

 

炎の呼吸 陸ノ型 朱雀

 

スン…

 

鬼「しんだぞ……あ?」

 

颯「すまん、もう一度言ってくれ。」

 

鬼「俺は十二鬼月の雅進……は?なんで体が崩れてやがる?」

 

颯「さぁ?首でも切られたんじゃない?」

 

鬼「…!?」

 

鬼「てめぇ!絶対許さねぇ!あの方に認められて上弦の月になろうと思ったのに!こんかガキに!死ね!死んじまえ!クソが!このやろ…」

 

鬼の体は崩れ去った…

 

颯「さて…帰りますか。」

 

 

俺の目指す道はまだ遠そうだ。




ちなみに読み方は

陸ノ型 朱雀 (ろくのかた すざく)

漆ノ型 焼乱 (しょうらん)

捌ノ型 趨炎附熱(すうえんふねつ)

です。


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第七話 帰還と危機

早めに更新!を目指していきます。


俺は十二鬼月を名乗る…たかしだかまさしだか知らないけどそんなやつを倒した後。鱗滝さんの元に帰ってきた。

 

鱗滝「颯…炎の呼吸を全て習得したようだな。」

 

颯「はい、全て使えるようにしておきました。ですが…まだ十ヶ月も時間が空いています…なのでお願いがあるんです。」

 

鱗滝「どうした、言ってみなさい。」

 

 

 

颯「雷の呼吸を覚えたいのです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで俺は桑島さん、分かりやすく言うと雷の呼吸の育手の場所へ向かおうとした。

善逸や獪岳はまだいないかな…?

 

でもそこへ行くのにかなり時間がかかるらしいから鎹鴉に案内されながら鱗滝さんから貰った大量のお金と刀を持って桑島さんのところに行く!って感じ。

 

 

 

颯「うん…美味しい。」

 

上手いなぁ!蕎麦ってなんでこんな美味しいんだろう!

 

今はお腹が減ったので蕎麦屋さんに来ている。これは食べログ☆5確定だね。

 

 

「なんだクソガキ!俺をバカにしてんのか!」

 

「いえいえ!この子にそんなつもりは…」

 

「お母さん?」

 

うるせぇ!人が蕎麦食べてんのに騒いでるんじゃねぇぞ!とクレームしたいけど面倒だから無視安定だわ…

…怒ってる原因くらいは知りたいな…やっぱ聞いてみよう。

 

颯「あの…どうかしたんですか?」

 

男「あぁ!?この女のガキはなぁ!俺より蕎麦を多く食べてやがるんだよ!なんだぁ?俺のことをちっぽけだと思って蕎麦を食ってる様を見せつけてんのか?答えてみろよクソが!」

 

颯「???」

 

母親「えぇ…そんな…」

 

颯「待つんだ美男子よ。」

 

男「あ、あぁ?俺の…ことか?」

 

颯「お前の趣味はなんだ?」

 

男「俺か?俺は…俺の趣味…?」

 

颯「あの子は食べることが趣味だとしよう…あの子の食事…趣味を否定するよりも…自分の好きなこと、楽しめることをさがしたほうがいいんじゃないか?」

 

男「俺は…」

 

颯「それを見つけるのが…今のお前の目標だろ…?」

 

男「俺…俺は…うわあああ!」

 

男は泣き出して蕎麦屋を出ていった。

 

 

颯「なんかどっか行った…」

 

母親「あ、ありがとうございます!」

 

お母さんらしき人は俺に頭を下げる。

 

颯「当然のことをしたまでですよ…あの女の子…すごい食べますね…しかも桃髪…」

 

女の子「私の髪…気持ち悪いよね…?」

 

颯「え?綺麗だと思うけど…」

 

女の子「えっ…?」

 

颯「他の人がその髪色をどう思うかは分からないけど少なくとも俺はその桃色の髪、綺麗だと思うよ。」

 

女の子「…!」

 

母親「そうですか…この子、この髪色で人に嫌われることが多くて…」

 

ん?桃色の髪で、大食いで、それがコンプレックスの女の子…まさか…

 

颯「この子の名前は?」

 

母親「名前ですか?この子の名前は【蜜璃】。甘露寺蜜璃です。」

 

えええええええぇぇぇぇ!?マジで!?恋柱だったのこの子?…へぇ…マジで驚いたわ。

 

颯「そ、そうですか…じゃ、またね、蜜璃ちゃん。」

 

蜜璃「またね!あっ!お兄さんの名前は?」

 

颯「俺?俺は 志木寺 颯。颯って呼んでいいよ。」

 

蜜璃「またね!颯くん!」

 

君付けぇ…俺そんな子供っぽいかなぁ…

 

 

 

幼年期甘露寺と謎の出会いをしてから俺は再び桑島さんの元へ向かう。

 

それにしても遠いね……ここなら人もいないし型を使いながら移動しよう。

 

水の呼吸 玖ノ型 水流飛沫

 

俺は水滴のように跳ねながら目的地を目指した。

 

 

 

 

 

 

夜中もずーっと歩き続ける。疲れた…流石に休憩しよう…

 

鬼1「今日はガキか…へへへ…」

 

鬼2「俺が先に食ってやるさ…ははは…」

 

颯「あーもう!人が休憩しようとしてるときに来んなよ!水の呼吸…」

 

待てよ?試しに雷の呼吸の真似をしたらできるんじゃないか?

 

原作のあのポーズ…善逸の抜刀の構えを思い出す…確か…こんな感じ…

 

 

 

雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃

 

鬼1「なっ…首切られた!」

 

流石に天才すぎた…か…

 

鬼2「お前!余裕で見える速さだろ!技名だけで圧倒されてんじゃねぇ!」

 

颯「えっ」

 

鬼2「こいつの雷の呼吸はクソだ!こんなのろまなんてすぐに叩きのめす!ビビって損したぜ…ま、所詮はガキの剣技だしな!」

 

 

炎の呼吸 捌ノ型 趨炎附熱

 

鬼2「なっ…!…」

 

怒ってないけど?別に普通に仏の心だけど?ただ使いたくなったなーって…

 

相手を抉れ、相手の臓物をバラバラに切り裂け!

 

鬼2「も、もうやめっ!いてぇ!痛てぇよ!」

 

 

 

 

 

 

 

鬼2「こ…殺してください…もう…苦しみたくない…」

 

颯「任せろ…俺がゆっくり…水の呼吸 伍ノ型で首をゆっくり切ってあげる。」

 

鬼2「あ…ありがとうございます!」

 

 

水の呼吸

伍ノ型 改

干天の…

水車!

 

俺は1番痛い攻撃であろう水車で首が千切れそうになるギリギリを狙い、斬る。

 

颯「ほら!生きろ!生きるために俺はお前に慈悲を与えて死なないようにしてんだ!生きろ!」

 

鬼2「うあっ…あぁ…無惨!無惨!」

 

颯「あっ!汚いぞ!」

 

鬼2「呪いよ!俺を救え!」

 

鬼2「へへへ…」

 

 

鬼の体は突然爆発した。う~ん…なんかごめん。

 

颯「…なんか悪いことした気分だわ…」

 

鎹鴉「お前ヤバイ!」

 

颯「あいつ!俺のことバカにしたもん!許せないもん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから

俺は宿に泊まって雨風を凌いだり

貰ったお金でご飯を食べて桑島さんの元へ行く。いや本当に遠いな…4日かかってんのに…

 

そして夜になる。お寺が多いなこの道…

 

そんなことを思っていると違和感を感じた。

 

颯「ここら辺…人が誰もいない…なぜ…?」

 

普通なら…寺の中に人がいるはず…どんどん進んでいけば分かるかもしれない。

 

颯「…!」

 

奥へ進んでみると道が殆ど血で覆われていた。間違いなく鬼がいる…どこだ?

 

 

「隊士でもないガキが十二鬼月を倒した と聞いていたが…お前がそうか?」

 

颯「ん?そりゃ俺のことですよっと…え?」

 

 

猗窩座「期待外れだ…なぜこんなやつをあのお方は警戒しろと…」

 

うわあああああああああぁぁぁ!!!!

なんで!?上弦の参…!嘘だろ!?おかしいだろ!?

杏寿郎!助けて!マジで!?

 

猗窩座「とっとと終わらせよう…こんなやつを相手にしても鍛錬にすらならん…」

 

破壊殺・羅針

 

 

颯「簡単に倒せると思うなよ…」

 

猗窩座「そこまで言うならお前の強さを見せてみろ。」

 

 

破壊殺・空式

 

出た!空式!杏寿郎は確か…あれを使ってたな…やってみよう。

 

炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり

 

俺は風を切る拳を受け止める。よし…無限列車を思い出せ…なんとかして生き延びろ!

 

猗窩座「ほう…」

 

颯「上弦の参…初めから俺の全てを使い…殺す。」

 

猗窩座「面白いガキ…いや…名前で呼んだ方がいいか…名を名乗れ!」

 

颯「志木寺 颯…子供だからって舐めるんじゃない。」

 

俺は猗窩座をギロりと睨む。決して負けない、負けられない。

 

猗窩座「颯、お前も鬼にならないか?その若さでその闘気…鬼になれば無限に成長することができるぞ!」

 

颯「永遠の命があれなんだよなぁ…断る。」

 

猗窩座「そうか…鬼にならないなら…死んでもらう。」

 

颯「上等!」

 

 

猗窩座は超スピードで俺の方へ迫ってくる。お前相手なら…特典も惜しみなく使うぞ?

 

猗窩座「どうした!避けないのか?」

 

颯「避けるまでもないんだよ。」

 

(時よ止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

この隙に!

 

水の呼吸 壱ノ型 水面切り

 

猗窩座の首に真っ直ぐな水面切りを放った…が…

 

颯「くそっ硬ぇ…」

 

スン…

 

猗窩座「な…いつの間に…(闘気が感じられなかった…このガキは何者だ…)」

 

颯「惜しかったな…次は仕留める。」

 

猗窩座「なるほど…人間で俺でも目で追えないやつがいるか…面白い!」

 

そう言って猗窩座は殴りかかってくる。怖っ…

 

 

水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦

 

 

炎の呼吸 漆ノ型 焼乱

 

 

水の呼吸 拾ノ型 生生流転

 

 

炎の呼吸 伍ノ型 炎虎

 

猗窩座の必殺的な攻撃に何度も型を繰り出す。正直攻撃を受け止めるだけでもやっとだ。

 

 

猗窩座「水と炎…二つの呼吸を使う者か!やはりお前は面白い!」

 

颯「そんなこと言って不意打ちとかしてくんなよ?正々堂々 だ。」

 

猗窩座「当たり前だ。そんなことは弱者がするような…うっ…」

 

 

猗窩座が頭を抱えている…恋雪さんとの思い出とかがまだ頭に残ってるのかな…あれ結構好きだから「隙あり!今だ!」とかがやりづらい。

 

猗窩座「ぐっ………今のうちに…攻撃しないのか…?」

 

颯「俺から正々堂々言ったのに今になってその言葉を曲げるような人じゃないんでね。」

 

猗窩座「ふふ…ははは…上弦の弐がお前のようなやつだったらどれだけ嬉しいことか…」

 

猗窩座は静かに笑い、俺を見つめる。…威圧感がすごい。近くにいるだけで寒気がする。

 

颯「…そろそろ始めるぞ。」

 

猗窩座「あぁ…俺は相手の実力に合わせて戦っているが…お前なら全力で闘う…楽しい宴にしようじゃないか!」

 

颯「…!」

 

 

 

水の呼吸 拾ノ型 改 生生流転 速

 

 

破壊殺・乱式

 

 

 

俺は手数に特化した生生流転で猗窩座の無数のパンチを何度も受け止める。斬れば斬るほど強くなる生生流転にとって相性のいい技だ。これで極限まで攻撃力を上げて立ち向かうしかない。

 

 

猗窩座「乱式を全て受け止めるか!お前は今まで会った柱の中でも上位の強さだ!鬼にならないのが惜しい!」

 

颯「気に入って頂けて光栄だよ!」

 

 

 

 

水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦

 

破壊殺・空式

 

 

 

炎の呼吸 参ノ型 気炎万丈

 

破壊殺・脚式 龍閃群光

 

 

 

炎の呼吸 伍ノ型 炎虎

 

破壊殺・滅式

 

 

 

猗窩座「どうした!技の威力が落ちているんじゃないか!?」

 

 

 

 

やっぱり 応戦 じゃ意味がない。鬼の体力は無限だしこっちの体力もどんどん減っていくばかりだ。そろそろ終わらせるしかない。

 

 

 

颯「…そうだな…そろそろ疲れてきた…だから…これで決める…」

 

 

猗窩座「そうか…別れとは寂しいものだ。」

 

 

颯「うおおおおおおおおおぉぉ!!!!!!」

 

 

炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄

 

 

破壊殺・砕式 万葉閃柳

 

 

颯「うおおおおおお」

(時よ…止まれ!)

 

 

カチカチカチ…

 

 

今だ。今しかない。

やれ!やるんだ!

 

首に刀を押し込む。いけ…あと少しだ…

 

そのまま押し切っ…

 

スン…

 

 

颯「がっ…がはっ…」

 

猗窩座「……腹を殴った瞬間に自らを後ろに移動させ技の威力を殺したか…」

 

颯「だが…拳がめり込んでもう動けそうにない…殺せ…」

 

猗窩座「そうさせてもらう。さよならだ、颯。」

 

 

猗窩座「破壊殺・滅…」

 

 

…どうやら神は俺を見捨てなかったようだ。

 

颯「陽光…」

 

猗窩座「太陽に助けられたな…」

 

颯「…早々に滅式をしていれば勝てた…だろ?」

 

猗窩座「…そうだな。」

 

そう言い残して猗窩座は去っていった。

 

 

颯「さてと…」

 

 

このめっちゃ痛い腹どうしようかな。動けないんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猗窩座side

 

 

猗窩座「…」

 

俺は上弦の月になってから長い年月が経ったが…逃がした相手など一人もいなかった。

 

だが…今日、俺はあのガキを生かした。

 

無惨様からの命令で志木寺 颯を殺せと命じられたが…仕留められなかった。 仕留めなかった が正しいだろうか?

 

 

無惨「猗窩座。」

 

猗窩座「…」

 

無惨「私はあのガキを殺せと言ったはずだ。なぜ息の根を止めない?あいつは身動きのできない状態だったはずだ。」

 

無惨「お前は上弦の参になってから私の命令に背いたことがなかっただろう?猗窩座!猗窩座!」

 

激しい痛みが俺の体を襲う。呪いの一部が発動しているのだろう。

 

無惨「上弦の参も落ちたものだな…これまでの活躍に免じてこの件に関してはこれ以上何も言わん。下がれ。」

 

猗窩座「はっ…」

 

 

 

猗窩座「颯…またお前と会った時…さらなる成長を遂げているだろう…齢二十を超えれば上弦の月と並ぶくらいに強くなる…その時は…俺も強くなる。」

 

その為にも、さらなる強さを求めなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯side

 

 

颯「お腹が痛い」

 

鎹鴉「お前…スゴいな…」

 

颯「なんで?」

 

鎹鴉「お前は上弦の鬼と戦い生き残った。お前の才能はトンデモナイものだ。」

 

颯「とりあえず鱗滝さんに伝えないでね。無茶すんなって言われるから。」

 

鎹鴉「…わかった。行ってくる。」

 

颯「おい、待てよ。絶対お前言うよな?おい!ちょっ!」

 

 

もっと強く、ならなきゃな。

 




更新遅れてごめんなさい!


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第八話 雷の呼吸 その壱

颯くんの傷は猗窩座戦の冨岡さんをイメージしていただければわかりやすいと思います。(猗窩座にお腹ドスッ!ってやられた時)


颯「…」

 

鎹鴉「動かないノカ」

 

颯「この腹の傷を見ろよ…貫通はしてないけど体内に拳が入ったんだぞ…あぁ痛え…」

 

鎹鴉「そんなお前のために人を呼んでやった。感謝シロ。」

 

颯「まじすか先輩ありがとうございます」

 

鎹鴉「フッ…」

 

ドヤ顔(?)をしてる鎹鴉の頭を撫でながら俺はその場で助けを待った。誰が来るのかな…ぶっちゃけ誰でもいいや…早くこの傷を治したい。

 

 

「鎹鴉が言っていたのはこの子供のことか。」

 

颯「え?え!?」

 

「確かに腹の傷が深い…歩けるか?」

 

颯「あ…結構難しいです……」

 

「仕方ない…」

 

鎹鴉よ…お前…めっちゃ仕事人だな…

 

 

颯「その…あなたは…?」

 

「お?儂か?」

 

 

慈悟郎「儂は元鳴柱の桑島慈悟郎じゃ。今は雷の呼吸の育手をしておる。」

 

颯「そうなんですね。…今、育ててる人っていますか?」

 

慈悟郎「今はまだおらんなぁ…」

 

颯「では!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桑島さんの小屋に入れてもらい、どうしてあそこにいたのか、怪我した原因は、そして俺について話した。

 

慈悟郎「そうか…鱗滝のやつがお前を…」

 

颯「はい…何が適性があるかが未だに分からなくて…」

 

慈悟郎「…適性があるかどうかの話じゃなさそうじゃな。」

 

颯「…と言いますと?」

 

慈悟郎「お前に適性の呼吸などない。【全ての呼吸が適性】なんじゃ。」

 

颯「…え?」

 

慈悟郎「おかしいとは思わんか?刀の色が 透明 なことに…お前が習った水の呼吸と炎の呼吸を見せてくれ。」

 

颯「は、はい…」

 

 

そう言われて俺は水面切りから拾ノ型 生生流転、不知火から煉獄までの型を一通り放った。

 

 

慈悟郎「うむ…これで確信した。」

 

颯「刀が透明なのがそんなに…」

 

慈悟郎「自分では気がついてないんじゃな…」

 

慈悟郎「水の呼吸を使った時、刀の色が青色に変わり、炎の呼吸を使った時は刀が赤色に染った。」

 

颯「えっ!?」

 

慈悟郎「刀が透明の剣士は どんな型でも使える。儂はそう考えた。確かに二つ以上の呼吸を使うことも不可能ではないが…必ず技の練度に差が出る。」

 

颯「なるほど…」

 

慈悟郎「お主の水の呼吸、炎の呼吸はどちらも極限まで精度が高い。」

 

何その考察…めっちゃ納得いく…

どの呼吸も使える…じゃあどんどん使える呼吸増やしていけば刀が色んな色に変わっていくのか…

 

【色】…?

 

特典は二つ、時を止める能力と 色の呼吸…

 

 

 

そういうことか。やっと分かった。

 

 

 

色の呼吸は、一つの【色】に固定されない、様々な【色】を使って戦えるから…色の呼吸なんだ…!

 

 

 

 

慈悟郎「おい、聞いておるか?」

 

颯「あっ、はい。」

 

慈悟郎「では儂は今何の話をしたと思う?」

 

颯「蕎麦が美味しいって話を…」

 

慈悟郎「全然聞いておらんではないか!」

 

そう言って慈悟郎さんは俺の頭にゲンコツをする。痛てぇ。

 

 

慈悟郎「お前の体質は特殊じゃ。使える呼吸は多い方が良い。だから儂が雷の呼吸を教えてやると言ったんじゃが…」

 

颯「本当ですか!?」

 

慈悟郎「さっきもそう話したんじゃ!ちゃんと聞いておれ!」

 

颯「是非!是非お願いします!」

 

頭を下げてお願いする。霹靂一閃!霹靂一閃を使えば大抵の鬼は瞬殺!

 

慈悟郎「まぁその腹の傷を治してから…」

 

颯「すぐに治します!やった!」

 

慈悟郎「そ、そこまで喜ぶ程か…」

 

 

 

腹の傷を俺は2週間かけて治した。

そしてやっと雷の呼吸が…!

 

慈悟郎「いや、まだ雷の呼吸は教えん。」

 

颯「え、なんで」

 

慈悟郎「足腰を鍛えなければ雷の呼吸は難しい。試しにあそこにある的をできるだけ速く斬ってみろ。」

 

颯「速く…?型を使っても?」

 

慈悟郎「型はダメじゃ。」

 

 

う~ん…すぐに教えてもらったほうがありがたいんだよな…ちょっとズルするか…

 

 

颯「ではいきます…」

 

俺は若干 陸ノ型 朱雀に近い構えをとり、的に向かって飛びかかった。

 

(時よ…止まれ)

 

カチカチカチ…

 

流石に止めてる間に斬ったら警戒されるので的の近くまで移動する。

 

スン…

 

 

的が真っ二つに斬れる。これは勝ったね…合格です。

 

 

 

慈悟郎「遅いな。」

 

颯「ええええええええぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 

 

 

 

 

俺は足腰を鍛える。ひたすらに。

 

死ぬほど重い岩を持ちながらスクワット。痛てぇ。

 

雷鳴のような速さを再現するには蹴る力だって必要。だから瞬発力も鍛えなければならない。

 

速く、強く。雷神のごとく。

 

颯「雷神のごとく ってなんですか?」

 

慈悟郎「ごちゃごちゃ言ってないで鍛錬に集中せんか!」

 

 

 

 

 

慈悟郎「そろそろじゃな。」

 

颯「お、てことは…!」  

 

慈悟郎「雷の呼吸の習得を始めるぞ、颯。」

 

 

颯「おぉ!」

 

慈悟郎「だがな…お前のような天才でも雷の呼吸に慣れるのには時間がかかる。炎の呼吸はどのぐらいで覚えた?」

 

颯「二ヶ月です。」

 

慈悟郎「に、二ヶ月か…随分と早いな…そうだな…早くて五ヶ月じゃな。」

 

颯「五ヶ月ですか。」

 

慈悟郎「あぁ。少なくとも最終選別が始まる前には覚えているじゃろう。」

 

颯「それなら安心しました…」

 

 

慈悟郎「では始めるぞ…雷の呼吸の基礎において最強の型…」

 

 

 

【雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃】

【雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 神速】

 

颯「神速を覚えれば普通の霹靂一閃を使う意味が…」

 

慈悟郎「馬鹿者。神速は足に負担がかかる技じゃ。無闇に連続して使えるような型ではない。」

 

颯「なるほど。これって究めに極めれば漆ノ型とかもつくれるんですかね。」

 

慈悟郎「漆ノ型か…神速を超えるような速さを生み出せる剣士なんて想像もつかんが…」

 

颯「…」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

雷の呼吸 漆ノ型 火雷神

 

 

獪岳「畜生!!畜生!!やっぱりあの爺 贔屓しやがったな!!」

 

獪岳「お前にだけ教えて俺に教えなかった!!」

 

善逸「違う 爺ちゃんはそんな人じゃない。」

 

 

善逸「これは俺の型だよ」

 

善逸「俺が考えた 俺だけの技」

 

善逸「この技で、いつかあんたと肩を並べて戦いたかった…」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

颯「…!?」

 

慈悟郎「どうしたんじゃ…さっきからぼーっとしてるが…」

 

颯「いや…霹靂一閃を超える速さってどのくらいなんだろうって思いまして…想像つかないなぁと…」

 

何だ…今のは…あの光景…確か上弦の陸の獪岳と善逸との戦いだよな…

 

そっか…獪岳が鬼になるから今俺の目の前にいる桑島さんも死ぬ運命になるのか…

 

慈悟郎「…大丈夫か?」

 

颯「はい…大丈夫です。」

 

慈悟郎「……儂が将来育てた子を誇りに思う日がいつか来る…なぜか今そう思ったんじゃが…お前がそうなのかもしれんな…」

 

 

違う。違うんだよ。

 

 

俺みたいな鬼滅の世界に関係ない部外者は 善逸みたいに なれない。



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第九話 雷の呼吸 その弐

早めに更新!そしてオリキャラ増やそうかなーって…ここまで見てくれださった人はアンケートにご協力願います…どうかよろしくお願い致します…



慈悟郎「もっと足に力を入れろ!」

 

颯「…!」

 

雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 神速

 

 

…よし!自分で言うのもあれだけど今までで1番上手くいった。

 

普通の霹靂一閃は使いこなせるようにした。今は神速の練習に励んでいる。

 

 

颯「どうでしょうか!?」

 

慈悟郎「…うむ。今のは儂の目でも見えなかった。合格じゃ。」

 

颯「よし!」

 

慈悟郎「まだじゃ。これを完璧に使いこなせるようになるまで次の型に移行できん。」

 

颯「えぇ」

 

慈悟郎「もし実際に鬼と戦った時に神速を失敗したらどうするんじゃ…儂がお前を育てたからには雷の呼吸の頂点を目指してもらわなきゃならん。」

 

颯「oh......」

 

マジかよ…まぁ期待されてるって思えばモチベも上がるから良いけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 神速二連

 

颯「どうですか!」

 

慈悟郎「うむ。合格じゃ。(全盛期ならまだしも今の儂じゃできない事を平然とやるこいつの才能は一体なんなんじゃ…)」

 

颯「良かったー!疲れたー!」

 

慈悟郎「では弐ノ型に…」

 

颯「あ、無理です。」

 

慈悟郎「え」

 

颯「神速二連やったせいで足痛いです。」

 

慈悟郎「え」

 

颯「神速だけなら平気だったんですけど二連は流石にキツかった…」

 

慈悟郎「普通に1回だけやれば足を壊さなかっただろうに!」

 

颯「確かに」

 

 

 

 

あれから2日くらい経って足が治ったので、弐ノ型の修行が始まる。

 

慈悟郎「はっきり言うとこれはかなり難しい。お前でも1ヶ月はかかると儂は思う。」

 

颯「ま、やってなきゃ分からないですよ。」

 

…稲玉だろ?あれ絶対難しいじゃん…

 

 

 

【雷の呼吸 弐ノ型 稲魂】

 

 

瞬きの間に半円を描くように五連撃を相手に叩き込む。

次の攻撃に移るときに生じる隙を無くすことが大事。

 

最初にこれを見て思ったのが

「じゃあいつも斬るときに稲魂していればずっと強いじゃん。色んな型と組み合わせ可能じゃね!?」って思ったんだけど現実はそうはいかない。

 

稲魂は自分を固定した上でやる型だからだ。

自分を中心とした状態で半円を描くように。

時止めは流石にズルいのでこれ無しで覚えよう。

 

 

雷の呼吸 弐ノ型 稲魂

 

慈悟郎「やはり隙がある。刀を振る速さは悪くないんじゃが…儂がもう一度見せる。よく見ておけ。」

 

 

…うん…やっぱすげえ…多分これ0.1秒間に5回斬ってるのか

なこれ。ほぼ同時にダダダダン!ってやってたし。

 

練習あるのみ!

 

数打ちゃ当たるんだよこの世界は!

 

 

雷の呼吸 弐ノ型 稲魂

 

慈悟郎「遅い!」

 

雷の呼吸 弐ノ型 稲魂

 

慈悟郎「惜しい!四撃目までは完璧じゃ!」

 

雷の呼吸 弐ノ型 稲魂

 

慈悟郎「あぁ遅い!」

 

雷の呼吸 弐ノ型 稲魂ァ!

 

慈悟郎「この型は考えながら刀を振るな!体の感覚を頼りにしろ!」

 

雷の呼吸 弐ノ型 いなだま

 

慈悟郎「…どうした?」

 

かみなりのこきゅうにのかたいなだま

 

慈悟郎「おい…目が虚ろじゃぞ…おい!」

 

かみ

なり

こきゅう

いなだま

 

慈悟郎「しっかりせい!颯!颯ーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「そして俺は途中で倒れてしまったと。」

 

慈悟郎「無理をするもんじゃないぞ…呼吸を整える暇もなく型をやり続けたらそうなるものか…気づけなかった儂の責任もある。」

 

颯「そんな重いことじゃないでしょうに。無闇に稲玉しまくってた自分のせいなんですから。」

 

慈悟郎「颯…」

 

颯「今日はもう寝ましょう。ゆっくり休みたいです。」

 

慈悟郎「そうじゃな。そうしよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜中。桑島さんは爆睡中…

1人で練習タイムといこうじゃないか。

 

雷の呼吸 弐ノ型 稲魂

 

やはりちょっと遅いな…自分でも実感できる。

 

稲魂をアニメ版でやってたらなんとなく想像ができるけど…生憎俺は漫画の一コマしか見ていない。

 

幸いなことに時間はたっぷりとある。鍛錬再開だ。

 

 

雷の呼吸 弐ノ型 稲魂

 

 

 

颯「周りから見たら 瞬きの間に五連撃 って思われてないよなぁ…これ」

 

 

 

慈悟郎「いや、そうでもないぞ。」

 

 

颯「うおっ!?」

 

 

なんでいるんだよ!? さっきまでずっと寝てたやんけ!

 

慈悟郎「お前の雷の呼吸の音で起きてしまったんじゃよ…儂は耳がいいからな。」

 

颯「あー…ごめんなさい…」

 

慈悟郎「別にいい。寝る間も惜しんで鍛錬に励むことを責める育手などどこにいる。」

 

良い人やな…マジで。

 

 

慈悟郎「ゆっくり教えてやるからこっちに来い。」

 

颯「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷の呼吸 弐ノ型 稲魂

 

 

慈悟郎「……完璧じゃ。よく頑張ったな。」

 

颯「ほ、本当ですか…よかった…」

 

朝まで

稲玉を成功させた達成感と引き換えにとんでもない睡魔が俺を襲ってきた。やば…意識がマジで遠のいて…

 

 

慈悟郎「…しっかり休め。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「ん…んぁ…朝か?」

 

慈悟郎「昼じゃよ…」

 

颯「え」

 

慈悟郎「朝日が昇るまで鍛錬しておったからな。流石に疲れていたんじゃろう。」

 

颯「あー…あー?」

 

慈悟郎「飯を用意する。それを食べたら鍛錬じゃ。」

 

颯「ふぁい…」

 

 

そして俺は朝飯(??)を食べて外に出る。

 

 

慈悟郎「始めるとするか。」

 

颯「よろしくおねがいしまーす」

 

 

【雷の呼吸 参ノ型 聚蚊成雷】

 

 

回転しながら周囲に飛ぶ斬撃を放つ。

 

 

颯「何言っているんですか?」

 

慈悟郎「ん?参ノ型がどうかしたのか?」

 

颯「と、とぶざんげき?」

 

慈悟郎「あぁ。飛ぶ斬撃を放つ。回転しながらな。」

 

颯「と、とぶざんげ」

 

慈悟郎「落ち着け!虚空から放つ攻撃は風の呼吸も使っておる!やり方は簡単じゃ!とっとと刀を持て!」

 

 

 

 

 

 

慈悟郎「いいか、ここから先は 飛ぶ斬撃 について話す。これは基礎さえ分かれば子供でも可能な技だ。よく聞いておれ。」

 

颯「はい」

 

慈悟郎「刀を斜めに、両手で持て。」

 

颯「はい」

 

今のところ簡単だな…これならいけそう。

 

 

慈悟郎「そしてその後に空気の流れを読め。全集中の呼吸・常中を習得しているお前ならできるじゃろう。その後に斜めに向けた刀を空気の流れに沿って斬り込む。斬り込む時に、力の強さ、刀を振る速さによって飛ぶ斬撃の強さや速さが変わるんじゃ。そこで雷の呼吸参ノ型は回転斬りによって空気の流れを円にすることによって回転しながら飛ぶ斬撃を放つことが出来るようになると言うことじゃ。」

 

慈悟郎「分かったか?」

 

 

 

颯「あ…あ…」

 

 

慈悟郎「?」

 

慈悟郎「しっかりせんか」

 

慈悟郎「おい」

 

慈悟郎「おい?」

 

慈悟郎「聞こえるか?」

 

颯「あ……ああ…うわあ…」

 

 

 

これ…五ヶ月で全部習得できるかな…無理じゃない?




最近暑い日が続いてます…水分補給をしっかり!


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第十話 雷の呼吸 その参

アンケート投票ありがとうございます!
7月17日になったら結果を確認して今後のシナリオを決めていきますのて応援よろしくお願いします~


オハヨウ、オニイチャン(ねっとりボイス)

 

やぁやぁみんな、飛ぶ斬撃 を知っているかい?

「月牙天衝!」とか「三百六十煩悩鳳!」とかをイメージするよね?

現実でもやってみたい…そう思った人は多いんじゃないかな?

今ね、俺はそれを実現するらしいの!意味わかんなくない?

は?漫画の世界じゃあるまいし何言ってんの?って話!

 

現実と漫画の区別くらいちゃんと理解しろよ!

 

 

 

 

あれ、今の現実って…【鬼滅の刃】って名前の漫画の世界じゃね?

 

 

 

……マジで飛ぶ斬撃できんの?俺小学生の頃めっちゃ憧れてたからね?前世の時に部活の時間にって思いっきり「ヌウウゥン!」とか言って飛ぶ斬撃の練習してたからね?

 

 

 

よし。

 

 

颯「師範!」

 

慈悟郎「お、おう、なんじゃ。」

 

颯「飛ぶ斬撃のこと、もう一度お願いします!今日中に覚えますので!」

 

慈悟郎「(急にやる気になりおった…)」

 

 

 

 

 

 

【雷の呼吸 参ノ型 聚蚊成雷】

 

真面目にやります。

 

慈悟郎「一気に説明してしまったから今度は細かく説明していくぞ。よく聞いておけ。」

 

颯「ふぁい」

 

慈悟郎「返事くらいしっかりせんか!」

 

颯「high」

 

慈悟郎「ん~?まぁいい…では始めるぞ。」

 

 

刀を斜めにし、空気の流れを受けやすくし、飛ぶ斬撃を放つ。

 

颯「斜めにしたら攻撃しづらくないですか?」

 

慈悟郎「斜めにするのは攻撃の始めだけじゃ。その後はどれだけ速く切り替えられるかによってこの型の強さが決まる。」

 

颯「なるほど」

 

 

 

雷の呼吸 参ノ型 聚蚊成雷

 

 

腕を力強く振り、手首を上手く動かし斜めの向きから横に切り替え回転斬りを放った。これ失敗かな…あっ!

 

 

周りにあった木とかに少し切れ目が入ってる!

 

慈悟郎「全く…儂の木刀も少し折れかけた…成功じゃ。」

 

颯「おぉ!」

 

慈悟郎「後は鍛錬あるのみじゃが…遠くでやれ。小屋の近くでやったらゲンコツでは済まさんぞ!」

 

颯「色々困るのでやりませんよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周りには木がたくさんある。これ山登る際邪魔だったんだよなぁ…地球温暖化とかは今は気にしなくていいっしょ。

 

 

雷の呼吸 参ノ型 聚蚊成雷

 

 

よし、中々の出来だな。

周りの生い茂った木はかなり広い範囲で斬られている。

 

慈悟郎「これはお前がやったのか?」

 

颯「はい」

 

慈悟郎「うむ、これなら次の型の鍛錬を始めても問題がないだろう。」

 

 

 

 

【雷の呼吸 肆ノ型 遠雷】

 

遠くの距離から一瞬で相手の背後に周りながら瞬時に斬撃をする技。

 

颯「霹靂一閃で良いような」

 

慈悟郎「霹靂一閃は抜刀術じゃ。鞘に収めている状態から始まる霹靂一閃と違い、常に刀を出しているまま相手に接近するのが 遠雷 じゃ。」

 

颯「なるほど理解しました。」

 

 

 

 

 

雷の呼吸 肆ノ型 遠雷

 

颯「こんな感じですか?」

 

慈悟郎「そ、そうじゃ…(数分で覚えるとは…)」

 

 

 

 

 

 

 

【雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷】

 

腕に力を込め、最大級の遠距離攻撃を放つ。

 

 

颯「え?ただ力んだ参ノ型じゃないですか。」

 

慈悟郎「それもそうなんじゃが…この型は使う場面が多い。ただ使えるわけではダメだ。極めろ。儂が言えることはそれだけじゃ。」

 

なるほどね…ま、すぐに覚えられるっしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷

 

 

巨大な大木に熱界雷を放つ。放った攻撃は木を貫通し周りの雑草すらも斬っていく。

 

これなら良いだろう…そう思って俺は桑島さんを呼び、熱界雷を見せた。

 

 

 

雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷

 

 

慈悟郎「…」

 

颯「どうですか?」

 

まぁOKだろうけど。自在に遠距離が打てるって相当強いからね。マジで練習しまくっ…

 

 

慈悟郎「まだじゃ。」

 

颯「えっ」

 

慈悟郎「速さが足りん。儂が詳しく教えてやる。お前が目指すべき道はそう簡単ではないぞ。」

 

 

うっそだろ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慈悟郎「…やってみろ。」

 

颯「はい!」

 

 

 

雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷

 

 

 

俺の放った斬撃は、綺麗に並んだ木を次々と貫通し、

 

 

 

 

岩を斬った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慈悟郎「…よくやった。この出来なら儂も安心じゃ。」

 

颯「はい!」

 

 

飛ぶ斬撃の速さを例えるの難しいんだよな……炭治郎が猗窩座に剣投げたじゃん?杏寿郎死んだ時に。あんくらいの速さ。ごめん例えるの俺苦手なんだ。とりあえず一般人がボールを全力で投げた時の速さくらいだと思ってくれ。

 

 

 

 

【雷の呼吸 陸ノ型 電轟雷轟】

 

 

広範囲に無数の雷撃を放つ。飛ぶ斬撃Lv99って感じ。

 

 

慈悟郎「いいか颯、この型は参や伍より遥かに難しい。戦場全体に雷鳴を轟かす技だ、お前ならできる。」

 

桑島さんが真剣な顔で俺の事を見る。期待されるのってやっぱり嬉しいもんだなって思えば自然にやる気も湧いてくるものだ。

 

 

 

 

 

 

 

颯「くっそ!できねぇ!」

 

慈悟郎「まだ時間はある、お前がここに来てから3ヶ月くらいしか経っておらん。才能と努力はお前を裏切らん。」

 

颯「う~ん…そういうものでしょうか…」

 

 

才能と努力は裏切らない…か。中々嬉しいことを言ってくれるんだな…獪岳はこんないい師匠に育てられたのになんであんなんになっちゃったんだろ。

 

 

慈悟郎「颯、暫く鍛錬が続いていたからたまには息抜きとして山を降りて少し遠くの町まで買い物に行ってくれんか?」

 

颯「いいですけど…何か欲しいものでも?」

 

慈悟郎「ここらは食料を取り扱っている店は少なくてな。道は覚えておるじゃろう?確か…〇〇町じゃ。」

 

颯「あー…聞いたことあるかもです。そこなら道もわかりやすいので良いですよ。」

 

慈悟郎「そうか、助かるぞ。念の為に刀を持っていけ。いつ鬼に襲われるか分からんからな。」

 

颯「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「では行ってきます。」

 

慈悟郎「うむ。」

 

 

颯「なんか木がめっちゃ倒れてますね。」

 

慈悟郎「お前がやったんじゃろうが!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「ふぅ…中々遠いな…」

 

俺は山を降りて桑島さんが言っていた町へ向かっている。念の為に地図を持ってきた。本物に【念の為】って大事だからね。

 

 

 

「うっ…うっ…」

 

「おい、もう葬式はとっくに終わっただろう。まだあいつの事を引きずっているのか!」

 

 

颯「…?」

 

遺族が亡くなったのか…まぁ俺には関係ないし、とっとと先へ行かないと…

 

「やっぱり鬼殺隊に入らせるんじゃなかった…」

 

「あいつは子供を庇って死んだんだ!鬼殺隊士として天晴なことだろうが!」

 

「そんなこと言わないでよ!」

 

 

「狭霧山で鬼に胴体を貫かれて…腕が1本無くなった遺体なんて見たくもなかった!」

 

 

颯「…!?」

 

 

 

鬼殺隊士『早く…逃げるんだ! 』

 

 

 

 

もしかして…俺を狭霧山で助けたあの人の親…?

 

 

颯「…あの…」

 

「……どうかなさいましたか?」

 

颯「僕…実は…」

 

 

 

 

 

 

 

「そうか…君が…あの子の…」

 

「…」

 

颯「恨まれる覚悟はできています…実は」

 

 

「私たちは君を恨んだりなんかしないよ。」

 

「あなたのような若い子を守って…鬼から命を助けた鬼殺隊士が守った子に恨み言なんてしません…」

 

 

颯「……実は…お願いがあって…」

 

「…なんだい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石崎 健 ここに眠る

 

颯「石崎…健さん…そんな名前だったんですね…」

 

 

 

颯「健さん…僕を…鬼から守っていただき…本物にありがとうございました…どうか…安らかに…」

 

俺はそう言いながら、墓に手を合わせ、内緒で買った花を添えた。

 

 

 

 

キャーーーーー!

 

 

颯「!」

 

なんだ?悲鳴が…でもまだ夜じゃない…夕方だ…一体何が…

 

 

俺は刀を持って悲鳴があった場所へ向かった。

 

 

 

「あ、あなた!」

 

「お前は早く逃げろ!お前まで死んだら誰があの子の墓に手を添えるんだ!」

 

「で、でも!」

 

 

鬼「へぇ…鬼に家族を殺されたのか…じゃあ、会わせてやるよ!」

 

 

 

 

 

(時よ止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

 

雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃

 

 

スン…

 

 

鬼「ふぅん…鬼殺隊か」

 

 

「き、君は!あの時の!」

 

 

颯「逃げてください!なるべく遠くへ!」

 

「あ、ありがとう!」

 

 

 

鬼「今の攻撃…中々やるね。正直ビックリした。」

 

颯「…おい」

 

鬼「ん?」

 

颯「なんでお前は…」

 

 

颯「なんでお前は太陽の下でも生きていられるんだよ…」

 

まだ夕方…陽光がやつの体に当たっているはず…どういう事だ…

 

鬼「あ~これぇ?色々あるんだよ…お子様には分からないだろうけど、そんなに知りたいなら…」

 

 

 

炎の呼吸 陸ノ型 朱雀

 

 

颯「知りたいなら、なんだよ。」

 

 

鬼「お~…おっかないねぇ。しかも並の隊士より全然強いじゃないか!」

 

颯「うるせぇよ、下弦の参」

 

 

凸「下弦の参なんて呼び方やめてくれよ~…僕には凸(とつ)って名前が…」

 

 

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火

 

 

 

颯「お前のことなんて心底どうでもいいから、とっとと消えてほしいんだけど」

 

凸「そう怒るなって!あの方に警戒されてるからってそんなに怒らないでよ!颯くん!」

 

 

無惨に警戒されてるのか…しかも首切っても死なないし再生する…え?無惨より強くね?

 

颯「お前…無惨より厄介だろ…」

 

凸「それが本当ならとっくに吸収されてあの方は究極生物になってるって!お喋りはもう終わろうよ!もう夜になっちゃったよ?飽きちゃった!」

 

 

血鬼術 濁泥流

 

やつの足元から凄まじい勢いの濁流が流れてくる。これ津波だろ…

 

足元…足元…あっ!

 

 

 

颯「お前本体じゃないな!?」

 

凸「…なんでそうなるんだ?そんなわけねぇだろ?」

 

颯「すごい汗だくだけど…大丈夫?口調も突然変わるし…」

 

 

凸「うるせぇ!俺に話しかけてくんじゃねぇ!」

 

 

血鬼術 光線・泥塊

 

やっぱり足元から攻撃が出てる!多分あいつの足になにか秘密があるはずだ…さて…やりますか…

 

(時よ止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

 

雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷

 

 

あいつの足首を切断する勢いで最大級の斬撃を!

 

 

スン…

 

 

凸「…クソォ!」

 

足首が切れると残った足から何かが出てきた。本体かな?

 

凸「くそ…まあいい…こんなガキ、本体の俺が直々に始末してやるz」

 

 

水の呼吸 参ノ型 流流舞い

 

 

凸「…え?」

 

颯「喋ってる暇あったら接近してることに気がつけよ…」

 

凸「なっ…いつ俺のところに!体が崩れて!うわぁ!やめろ!」

 

 

 

颯「なんかバカらしくなってきた…とっとと買うもの買って帰るか…」

 

目的地はまだ先だ……人は誰もいない。使うか。

 

 

颯「霹靂一閃!」

 

 

移動が楽って最高だよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慈悟郎「遅かったな。お前ならもっと早く帰ってくると思ったんだが…」

 

颯「色々あったんですよ…やばい疲れた少し寝ます…あ、とりあえず言われたものは買ったので扉のところに起きました…」

 

ちょっと今日は疲れた…寝よ…

 

 

 

 

 

 

 

慈悟郎「では鍛錬を再開する。」

 

颯「全然息抜きにならなかったけど…分かりました!」

 

慈悟郎「まあそう言うな。お前が帰ってくる時に霹靂一閃を使ったことには目を瞑っておいてやるから早く準備をしろ。」

 

颯「ふぁい」

 

 

 

 

 

 

 

 

雷の呼吸 陸ノ型 電轟雷轟

 

刀を上下左右様々の方向に刀を振り手首を細かく動かす。斜めにしないと空気の抵抗を受けにくいとか本物にウザイ。

雷鳴が色々な方向に飛び散る。

 

颯「どうです…ぐぁ!?」

 

やばい…筋肉痛の右腕を色んな方向にぶんぶん振り回してた代償が来た…いってぇ!

 

慈悟郎「……完璧じゃ。」

 

颯「よかった…いててて!!」

 

慈悟郎「まずはその腕を治せ…全く、筋肉に負担をかけ過ぎるのは良くないとあれほど…」

 

颯「ははは…すみません…」

 

とりあえず…雷の呼吸は終わりだな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「桑島さん。」

 

慈悟郎「…行くのか」

 

颯「はい…今までお世話になりました!!」

 

慈悟郎「…颯。」

 

颯「…はい。」

 

慈悟郎「お前は…もし上弦に鬼になれと言われたら…お前はどうする?」

 

 

颯「最期まで…鬼殺隊士として戦い抜きます。」

 

慈悟郎「そうか…それなら安心した。」

 

 

柔らかい笑顔で俺に向かってこう言った。

 

 

慈悟郎「いいか、鍛錬を怠るな。体を大切にし、鬼から人を守れ!儂が育てたお前なら鬼舞辻無惨に刃は届く!」

 

 

颯「…はい!頑張ります!」

 

 

 

 

俺は今この瞬間に、この人を裏切らない、裏切るようなことをさせないと誓った。




更新がかなり遅れてしまって申し訳ないです…


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第十一話 最終選別…?

ごめんなさい!更新が遅れてしまいアンケートの結果発表を遅らせました…申し訳ございません…
7月17日に結果発表します。

今回オリジナル呼吸が出ます。こういうの苦手だなーって人はごめんなさい…

話が変わりますけどモンハンって面白いですよn(殴


桑島さんの鍛錬が終えてから2日経った。

 

俺は今悩んでいることがある。

 

技の呼び方である。

 

水の呼吸!炎の呼吸!雷の呼吸!とかいちいち言うのもアレなんじゃないかなって思ってくる。

 

一応案はある。

 

 

【色の呼吸】 俺の使う呼吸をそう呼ぶと天使は言っていた(一話参照)。

 

だが問題もある。

 

色の呼吸、そこまではいいんだ。

 

〇ノ型 ←これだ。これをどうするかだ。

 

 

色の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃!

 

色の呼吸 壱ノ型 不知火!

 

色の呼吸 壱ノ型 水面切り!

 

 

紛らわしっ…ってなるじゃん?

 

う~んと頭を悩ませる。

 

 

慈悟郎『炎の呼吸を使うと刀が赤く、水の呼吸を使うと刀が青に…』

 

 

あっ…そうだな…こう呼ぼうかな…

 

そんなことを考えて歩いているうちに狭霧山に到着。

 

 

鱗滝「なるほど…呼び名か…確かに悩ましい問題だ。」

 

颯「どうしましょう」

 

 

鱗滝「水の呼吸を使う時は 【色の呼吸 蒼ノ型 】と呼ぶのはどうだ?」

 

颯「でも水面切りとか生生流転との違いが…」

 

鱗滝「それでいい。数字はいらん。」

 

 

鱗滝「水面切り、水車、流流舞い、打ち潮、干天の慈雨、ねじれ渦、雫波紋突き、滝壺、水流飛沫、生生流転。全て含めて 蒼ノ型 だ。」

 

颯「おぉ…!」

 

確かにかっこいいなそれ…色んな色…確かに色の呼吸と合う…

 

鱗滝「まだ最終選別まで5ヶ月程あるが…どうする?」

 

颯「ここで鍛錬させてください!」

 

鱗滝「よし、今までの鍛錬の成果を見せてみろ。」

 

鱗滝さんはお面で表情がよく分からなかったけど、いつもより穏やかな感じがした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、月日が経ち・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「…」

 

鱗滝「ついにこの時が来たな…」

 

颯「はい…」

 

鱗滝「颯。必ず生きて帰ってこい。命の危険があったらすぐに逃げろ。分かったな?」

 

颯「はい。」

 

 

いいさ、俺が初めて門下生で生き残った隊士として鱗滝さんの元に帰ってみせる。俺はそう固く決心した。

 

 

 

 

夜、俺は今山の前に来ている。

 

颯「ここか…最終選別の試練の場…”藤襲山”」

 

 

最終選別…ついに始まるのか…

 

過酷な鍛錬は何度もやった。その成果が今届くことを信じて、藤の花が咲き誇る道を通り、奥へ進む。

 

 

 

あまね「皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます。この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込められてあり、外に出ることはできません。」

 

 

この頃はまだ子供達が育っていないからあまねさんがやっているんだなぁ…と思いながら説明を聞く。

 

 

あまね「山の麓から中腹にかけて鬼共の嫌う藤の花が一年中、狂い咲いているからでございます。」

 

 

思ったけど一年中咲いてるとか意味わかんないよね。枯れたりしないのかなって思ったりしちゃうわ。

 

 

あまね「しかしここから先には藤の花が咲いておりませんから鬼共がおります。この中で 7日間生き抜く 。それが最終選別の合格条件でございます。それでは行ってらっしゃいませ。」

 

 

あーあ…始まっちゃった…なんかオリジナル呼吸でも考えながらゆったりやろ…

 

まずは飲み水を確保できる場所を拠点にすることが必要だ。ドコカニナイカナー…あったわ。

 

ここで夜は起きて身の確保、朝、昼は体力の回復だな…いやめんどくさい。本物に。

 

 

鬼「ケケケ…水の近くにいたら必ずここに留まるバカがいるからなぁ…しかもガキだ…ガキの肉は柔らかくて美味…」

 

颯「うーん…オリジナル呼吸…オリジナル呼吸…こんな…感じか?」

 

鬼「あ?餌は黙って食われちま…」

 

(時よ止まれ…)

 

カチカチカチ…

 

 

さて…新技だ。

俺は浅田〇央顔負けのトリプルアクセルをしながら刀を向ける。回転斬りをしながら宙を移動し、鬼の首を斬る。

 

スン…

 

 

時の呼吸 壱ノ型 ………やばい思いつかない。

 

 

鬼「なっ…なっ!?今何がくぁwせdrftgyふじこlp」

 

 

 

颯「技名考えるの困ったなぁ…時を止めてる間にも色々刀の振り方とかも考えるからこういうのは必要なんだよなぁ…妬ましいなぁ…羨ましいなぁ…死んでくれねぇかなぁ(声真似)」

 

でもまだ余裕があるんだよなぁ…起きてる内に色々考えてしまおう。

 

 

 

 

よし、1分経ったかな?ちょっと出歩いてみよう。

 

鬼2「お!ガキの肉はうま…」

 

鬼3「俺が先に見つけ…」

 

(止まれ…)

 

カチカチカチ…

 

 

俺は相手の上空から背後に移動し、瞬時に相手の首に三連撃の斬撃を放った。リスクが少ない技を一つでもつくっておけば戦いは楽になる。

 

スン…

 

 

時の呼吸 弐ノ型 時雨

 

 

鬼2「いんだよn…うぐっ!?…なっ…!」

 

鬼3「たから殺すな…ってお前斬られてんじゃねぇか!」

 

 

 

颯「ふむふむ…いい調子だな…」

 

鬼3「ちっ…てめぇ!調子に乗ってんじゃ…」

 

 

水の呼吸 伍ノ型 干天の慈雨

 

 

鬼3「ねぇぞ!…あ?なんだこれ…視界が反転して…なんかあったけぇな……」

 

颯「とっとと消えてもらえるとありがたい…」

 

鬼3「ちっ…だが視界が変になったからってガキに負けるようj」

 

 

なんか言ってたが首を斬られては消滅は防げない。

 

 

颯「さっきの壱ノ型の技名考えないとなー…」

 

 

 

それから俺は少し経ってから技の開発、改良を繰り返した。もちろん1分のインターバルが邪魔すぎるので連続で練習できないけどね。

 

 

鬼a「ガキコロスゾー」

 

 

颯「なんかいい感じの名前…あっ!これだな!」

 

(止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

 

さっきの空中移動回転斬りしてからの…

 

 

スン…

 

 

 

【時の呼吸 壱ノ型 星霜】

 

 

鬼a「エーナンデキラレタ」

 

 

 

 

 

 

鬼b「クッテヤルー」

 

鬼c「ガキが…舐めてると潰すぞ。」

 

颯「なんか聞いたことあるセリフだな…」

 

 

 

(止まれ)

 

カチカチカチ…

 

 

背後に回り込んで 弐ノ型をやってから空いた時間でもう1人に超スピードのダッシュ斬り!

 

スン…

 

 

【時の呼吸 弐ノ型 時雨】

 

【時の呼吸 参ノ型 金烏玉兎】

 

 

鬼b&c「エーナンデキラレタンダヨー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして何日か経ちました。多分5日くらい経ったから…今6日目?

 

鬼d「こいつだぜ…何匹も殺してる凄腕のガキってのは」

 

鬼e「こいつはあの方が殺せと言っている重要なガキ…殺せば血を分けてもらえるんじゃねぇかぁ!?」

 

鬼fhijk「「「「「へへ…殺してやるぜ!」」」」」

 

 

颯「……なんか多くない?」

 

鬼e「当たり前だ…ここにはお前しか生き残ってないからなぁ!へへへ!」

 

颯「ふぅん…そうなんだ。」

 

鬼k「コレデオマエヲコマギレニシテヤル!」

 

鬼j「こんなガキなら俺でもやれるぜ…殺せば、上から貰える血も多くなるからな…」

 

颯「なんか聞いたことあるセリフ多くない?」

 

 

 

そう言った途端鬼たちが一斉に襲いかかってきた。さて…無事に成功できるといいが…

 

雷の呼吸 陸ノ型 電轟雷轟

 

 

 

鬼i「なんだこれ!?いてぇ!体が切れちまう!」

 

鬼h「あ?何言っt」

 

鬼k「ハハっ!鬼hが空を飛ぶ黄色の斬撃が首に貫通して死んでしまったね!」

 

 

颯「お前ら散り散りになっていいのか?」

 

鬼たち「「「「「「何!?」」」」」」

 

 

 

雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 十六連

 

 

 

バラバラな場所に鬼がいるなら速攻移動して首を切ってしまえばいい。これが雷の呼吸の真骨頂。桑島さんがそう言ってたなぁ…懐かしい。

 

 

颯「ふぅ…やっぱ大人数で来られると結構難しいな…技の練習できなかったわ。」

 

 

でも殆どの鬼は倒したはずだ。てか全部の鬼倒したと思うわ。なんか気配が消え

 

 

 

颯「!?」

 

 

 

 

なんだか寒気がする。嫌な予感がする。なんだこれ…こんなこと…どこかであったような…

 

 

猗窩座『お前も鬼にならないか?』

 

 

 

そうだ…猗窩座と会った時の威圧感…まさか……!

 

 

 

童磨「いや~…まさか産屋敷の嫁がこんなところにいたなんて!ダメじゃないか、あんなやつの嫁になるなんて…かわいそうに…俺が救って…」

 

 

(時よ…止まれ!)

 

 

カチカチカチ…

 

 

やばい…急げ!早く!あまねさんは扇で色んな箇所を斬られている。全速力で!

 

 

スン…

 

 

時の呼吸 参ノ型 金烏玉兎

 

 

俺は童磨の腕を切り落としながらあまねさんを担いだ。

 

 

あまね「あっ…!」

 

童磨「…君が…猗窩座殿が逃がした志木寺 颯君かい?」

 

颯「えぇ…本当に俺無惨に狙われてんの?」

 

童磨「そうだねー…あの御方は君をかなり警戒してるから…ここで産屋敷のお嫁さん諸共俺が救ってあげるよ。」

 

 

原作を思い出せ…何が強かった?何が怖かった?何を対策すればいい?そんなことが頭をよぎる中、最も大事なことを空に向かって叫んだ。

 

 

颯「あまねさん!ここは俺がこいつを留めますので早く逃げてください!」

 

あまね「あ、ありがとうございます…!

 

 

 

さて、これで心置き無く戦えるが…勝てないだろうな…

 

童磨「あーあ、逃げられちゃったか。でもいいよ!まだ君がいるからね!」

 

颯「無機物じーさんに叱られちゃうなー」

 

童磨「無機物…?…あはは!そっか!確かにその苗字を俺に言わせれば俺は呪いで死んじゃうもんね!よく考えるなぁ!」

 

ま、そう簡単にいかないよなぁ… む きぶつじ ーさん なんて……

こうやって時間を稼いで少しでも朝になるまでの時間を稼ぐしかない。

 

 

童磨「聞きたいことがあるんだけど、さっきの攻撃は一体なんなんだい?俺の目でも見えなかったけど…まぁそんなことはどうでもいっか!」

 

颯「あっ待って!」

 

童磨「どうかしたかい?」

 

颯「あの上にいるあいつは何なの?」

 

あっ!あそこにUFO!っ感じで童磨の視線を上に集中させた隙に時を止めて逃げる…これが最善策だ。

俺は作戦を決行しすぐに上を見…

 

 

猗窩座「おいおい…前に会っただろう?颯。」

 

 

 

颯「( ᐛ )」




時の呼吸 壱ノ型 星霜 (せいそう)
時の呼吸 弐ノ型 時雨 (しぐれ)
時の呼吸 参ノ型 金烏玉兎 (きんうぎょくと)


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第十二話 氷と拳

やばい…無茶苦茶なストーリー構成で申し訳ない…
自分は想像を頼りにして物語を作ってます。想像が働かない時は更新が遅れてしまう…


うっそ~…?マジで?普通さ、こんな子供に上弦二人も行かせないよね?バカなの?鬼舞辻さんって。

 

童磨「あれぇ?どうして猗窩座殿もここにいるんだい?俺にしか命令されていないはずだけど。」

 

猗窩座「……」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

無惨「今は藤襲山にいる志木寺颯を殺すために童磨をいかせているが…猗窩座、お前も同行しろ。」

 

猗窩座「…(一体何のためだ?あいつ一人なら颯を…いや…どうだろうか…)」

 

無惨「そうだ、童磨一人なら首を切られる可能性も捨てがたい。もし童磨が窮地に陥った場合は、お前が助太刀に入れ。それまでは志木寺颯を観察しろ。」

 

猗窩座「し、しかし…上弦の月を二人も…」

 

無惨「お前は二人がかりで一人の人間を殺すことを拒んでいるようだがまさか私の命令を二度も聞かぬなどということはないだろうな?」

 

猗窩座「…」

 

無惨「上弦の参はいつからそんなに偉くなった?答えてみろ。答えられなければ行け。」

 

猗窩座「…御意。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

童磨「あーそっか!俺が負けそうになったら助けてくれるんだっけ!あの方から今そう言われたんだよね!嬉しいなぁ…あの猗窩座殿が俺を助けるなんて!やっぱり友達っていいものだよねぇ。」

 

猗窩座「…」

 

颯「嘘ぉ?…お前そういうのやる性格だとは思わなかったぞ…俺。」

 

猗窩座「っ…」

 

童磨「お喋りもここまでにしようか!話が長くなって颯くんを殺せないなんてことがあったら上弦が二人ともいなくなっちゃうかもしれないしね!」

 

颯「……そうだな、とりあえずやることは決まったよ。」

 

童磨「随分やる気だねー…偉いなぁ、俺たち二人が君を狙っているこの状況で笑えるなんて…並の柱よりも精神力が…」

 

 

(時よ…止まれ。)

 

カチカチカチ…

 

颯「…新技、試してみっか。」

 

時が止まっている中で雷の呼吸、陸ノ型を連射…よし、これで飛ぶ斬撃が溜まったはずだ。

 

スン…

 

 

時の呼吸 肆ノ型 万廻雷

 

童磨「かなり…うおっ!?急に雷撃が…」

 

血鬼術 寒烈の白姫

 

雪女みたいなやつを2体作り、陸ノ型に氷の息吹を放つ。

 

童磨「いや~危ない危ない!」

 

颯「油断禁物!」

 

色の呼吸 黄ノ型 霹靂一閃

 

童磨「おっと!」

 

俺の霹靂一閃を左手の扇で受け止める。面倒くさっ…

 

血鬼術 蓮葉氷

 

氷の粒を霹靂一閃する俺に向かって放出する。

 

颯「あーもーダルいなぁ!それ吸ったら肺が死ぬの本当に鬱陶しい!」

 

童磨「あれ?なんでそのことが分かるんだい?つまらないなぁ。」

 

猗窩座「…」

 

颯「お前はどっか行っちまえよ!戦う気がないなら!」

 

猗窩座「ほう?上弦の弍だけでは相手にならないのか?」

 

颯「何言ってんのお前」

 

破壊殺・滅式

 

食らったら一瞬であの世行きの攻撃を間一髪で避けていく。

 

颯「お前見てるだけって言ったじゃん!」

 

猗窩座「戦う気がないなら帰れ…そう言っただろう?」

 

颯「話にならねぇ」

 

童磨「あはははは!二人とも何やってるの!これが面白いって感覚なのかなぁ!」

 

童磨は涙笑いをしながら俺と猗窩座の攻防を見ている。くたばらねぇかな。

 

童磨「俺もちょっと邪魔しちゃお!本当は直々に俺が殺すはずなんだけど夜はまだ長いしね!」

 

血鬼術 結晶の御子

 

うわっ!童磨と同じくらい強いヤツを2体出すとかいうクソ技!

 

猗窩座「破壊殺…」

 

 

あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙うぜええええぇ!

 

 

颯「破壊殺じゃねーよ!あーもーいいよ!こっちも奥の手を使うから!」

 

 

 

俺はそう叫んだ直後、刀を強く握りしめた。押し潰すように全力で、力の限り。

今までの鍛錬で筋力は相当なものになったと思う。今なら…これを……成功させられるはず!

 

 

童磨「わぁ…」

 

猗窩座「刀が……赤く…」

 

正直力入れすぎて視界が割とボヤけているがそんなことはどうでもいい。刀を見ると赤色になっている。

 

これが、【赫刀】。

 

その刀で振る斬撃は通常の何倍も上がり、鬼の再生を遅らせる。

 

颯「ふぅー……OkOk。視界がハッキリしてきた。もういいよ、この夜のうちに俺を殺してみろよ。足掻いてやる。」

 

猗窩座「(あの刀…先程までとは違いまるで日光のような嫌悪感を感じる…早々にへし折ってしまうか…)」

 

童磨「(なんか変な感じがするなー…まぁいいか!俺は今気分がいいからね!)」

 

 

(時よ…止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

実験その1…童磨の扇に炎の呼吸捌ノ型、趨炎附熱を時が止まっている間にやりまくる!

俺の想像ならゼ〇ダのビタロックみたいな感じになるはず…

 

スン…

 

 

時の呼吸 伍ノ型 遅炎龍

 

童磨「うっ!?…ぐっ…」

 

颯「怯んでる余裕なんかあるのかよ!?」

 

時の呼吸 赫ノ型 朱雀

 

バキッッ!

 

よし!扇を割ったぞ!

 

童磨「おっと…これは予想外だな…でもまた作り直せば…」

 

 

色の呼吸 黄ノ型 霹靂一閃

 

 

 

首を……狙え!斬れ!!!!!

 

 

 

[べべん…]

 

 

琵琶の音が山に響くと、童磨の姿はそこになかった。

 

颯「なっ…!?」

 

猗窩座「…鳴女か。」

 

あの女ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!!!!!!

 

猗窩座「まぁ嬉しい誤算だな…まさかあいつよりお前の方が強いなんてな…」

 

颯「そうだな…じゃあ俺は帰るよ。」

 

猗窩座「そのまま逃がすようなやつだと思われているのが癪だな。」

 

颯「そうなるよね。」

 

無理かー…連戦はキツいって…でもまだ赫刀のままだ。これなら生き残り…いや、勝てるかもしれない。

 

猗窩座「幸いにもお前は無傷…万全の状態で戦えるということだ。」

 

颯「今度は前みたいな結果にはならないぞ?」

 

猗窩座「そうでなければ面白くない。」

 

術式展開 破壊殺・羅針

 

颯「言うねぇ…じゃ、攻めるわ。」

 

 

色の呼吸 黄ノ型 遠雷

 

猗窩座「遅い。」

 

破壊殺・脚式 冠先割

 

颯「あっぶね!」

 

猗窩座「前よりも格段に反応速度が上がっている。子供とは面白いものだ。」

 

颯「子供扱いすると首が飛ぶらしいよ」

 

猗窩座「そうか、では早速試してみようか?」

 

 

(…止まれ)

 

カチカチカチ…

 

スン…

 

時の呼吸 弍ノ型 時雨

 

破壊殺・脚式 飛遊星千輪

 

強烈な蹴り上げを交わし、背後に回り首を狙って刀を振るうが簡単に避けられる。

 

颯「中々難しいもんだな…そろそろか…」

 

猗窩座「あぁ…朝が近くなったな…

 

 

 

次 の 技 で 確 実 に お 前 を 殺 す 。」

 

 

震えが止まらない…今までよりもさらに殺意が伝わってくる。大地が揺れる。猗窩座の言う 闘気 を感じられたらどんな感じになってたんだろう。

 

時の呼吸はさっき使ってしまった。実力だけで行くしかない。

 

颯「それはこっちも同じさ…上弦の参の首、頂いていくぜ。」

 

 

破壊殺・終式 青銀乱残光

 

色の呼吸 黄ノ型 霹靂一閃 神…

 

 

!? なにか来る…くそっ…!体勢が変えられねぇ!

 

颯「うぐっ…!?あがっ…!?」

 

なんだ!?痛てぇ。体全体が何かに斬られたような…まさか…

俺は倒れた直後に俺を攻撃した犯人だと思われるやつの顔を見た。

 

 

あぁ、やっぱりこんなこと出来るやつはお前しかいないよな。

 

 

 

颯「上弦…の…壱…!」

 

猗窩座「おい黒死牟、まだ勝負はついていないぞ。」

 

黒死牟「童磨よりも弱いお前が…童磨に勝った相手に勝てるわけが無い…考えれば…分かることだろう。」

 

颯「くっ…」

 

黒死牟「志木寺颯…お前は…私の斬撃を…型を放つ直前に察知し…急所を外した…お前はあの方にとって…脅威となる…ここで息の根を止める…」

 

颯「…くっくっく…」

 

黒死牟「…何がおかしい…」

 

 

颯「後ろにいる継国縁壱に気がつかないようじゃまだまだと思ってな。」

 

黒死牟「!!」

 

颯「嘘だよ…ふぅ…危ない危ない…しかし困ったなぁ…結構攻撃当たっちまった…」

 

黒死牟「…まだ立つか…しかしなぜお前のような子供が…【やつ】のことを…」

 

颯「さぁ?わかんない?でもお前は………!」

 

やばっ!刀構えた!

 

(止まれ!止まれ!1分経ったよな!?)

 

カチカチカチ…

 

颯「ふぅ…さて…」

 

心臓がバクバクだ…時間が無い。悪い予想をしてしまう…体が動かねぇ…だが…こんな状況でも…

 

鱗滝『水の呼吸はどんな状況でも対応できる呼吸だ。』

 

基礎中の基礎。刀に慣れていないものでも扱えるような水の呼吸。その初めの 壱ノ型 。

 

颯「基本を極限の域に達することが出来たなら、その刃は鬼の始祖にも届くようになる…!」

 

そうですよね…鱗滝さん…!

 

スン…

月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮

 

色の呼吸 蒼ノ型 水面切り

 

 

黒死牟「その歳で…私の剣技に反応するか…」

 

颯「負けられねぇのさ…殺してみな、上弦の壱!」

 




更新が遅れまくってます…
ちなみにアンケートの結果は

5 増やさない

にしました。


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第十三話 月の後ろの 紫 の空

どんどん更新していきます。


さて…黒死牟戦…

 

黒死牟「…参る」

 

黒死牟「…猗窩座…お前は無限城に戻れ…たった今あの方にそう言われたはずだ…」

 

猗窩座「…」

 

 

よし、猗窩座は帰った…だが…黒死牟…勝てるだろうか…いや、勝たなくていい。生きればいい。

 

颯「来い!」

 

月の呼吸 参ノ型 厭忌月・銷り

 

色の呼吸 黄ノ型 熱界雷 二連

 

颯「危なっ…」

 

これ一発でも当たったら死ぬんだろ?気持ち悪すぎだろ……相手の動きを良く見ろ…どこから来る?どう斬る?

 

黒死牟「動かなければ…此方から動くまで…」

 

月の呼吸 伍ノ型 月魄災渦

 

月の呼吸 陸ノ型 常夜孤月・無間

 

月の呼吸 拾肆ノ型 兇変・天満繊月

 

 

連続技はズルいって!

 

まず縦状の斬撃…渦状の斬撃…横状の斬撃……見事に全ての間合いから斬撃が来てるな…面倒だ…だけど……

 

 

颯「こちとら赫刀やぞこの野郎!」

 

(止まれ!一分経ったはずだ!)

 

カチカチカチ…

 

 

颯「うおおおおおおぉぉぉ!!!」

 

打ちまくれ!陸ノ型 電轟雷轟を打ちまくってあいつの攻撃を相殺しろ!

 

スン…

 

時の呼吸 肆ノ型 万廻雷

 

黒死牟「ここまでの強者は久しいな…もうじき朝だが…分かったことがある…」

 

 

黒死牟「お前は何か特殊な行動をしている……まるで時を飛ばしているような……」

 

颯「時を飛ばす?面白いことを言うもんだなあ…」

 

黒死牟「だが僅かに焦りが見える…摩訶不思議だが…それが本当なら興味深い…【時の呼吸】…」

 

颯「それを知って何になる?仮に本当に止められるとしても俺の動きを止めなければ…」

 

 

黒死牟「行動不能にするなど…造作もないことだ…」

 

颯「!」

 

月の呼吸 捌ノ型 月龍輪尾

 

色の呼吸 蒼ノ型 横水車

 

 

颯「やっぱ早いな…しかも攻撃を当てられねぇ…猗窩座や童磨の時とは大違いだ…あの刀を折った瞬間に霹靂一閃をぶち込むくらいしないと勝てなそうだ…」

 

黒死牟「…」

 

颯「終わりにするか…そろそろ朝だ…ここで上弦の首を逃す程優しくはないんでね。」

 

黒死牟「そうか…あの世での鍛錬を…励むことだ…」

 

 

 

色の呼吸 赫ノ型 煉獄

 

月の呼吸 弐ノ型 珠華ノ弄月

 

 

ザンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「ぐっ…あがっ…がぁ…!」

 

 

黒死牟「…良い一撃だったが…私の首を取れる程…極められていない…」

 

 

黒死牟「水の呼吸…炎の呼吸…雷の呼吸…柱にも届くと言っても過言ではない……鬼となれば…上弦の月の称号を貰えるだろう…」

 

颯「鬼にはならねぇよ……あと…なんか勘違いしてるよな?」

 

黒死牟「…?」

 

颯「いつから俺が…その3つしか使えないなんて言ったかよ…?」

 

黒死牟「風の呼吸か…岩の呼吸か…その全身傷だらけの体で何をしようとも…無駄だということが分からないのか…」

 

颯「ははは…いや~…よく見せたもらったよ…お前の…

 

 

 

 

太 刀 筋 ! 」

 

 

黒死牟「…!?」

 

 

 

 

色の呼吸 紫ノ型 兇変・天満繊月

 

 

 

黒死牟「くっ…これは…!?」

 

 

(…止まれ…)

 

カチカチカチ…

 

 

 

できるだけ遠くへ…朝日は…もうすぐに…

 

 

 

色の呼吸 黄ノ型 霹靂一閃 神速

 

 

 

 

スン…

 

 

 

 

黒死牟「……気配が消えた…遠くに離れたか…」

 

黒死牟「月の呼吸を…一晩見ただけで会得したと言うのか……興味深い男だ…志木寺颯…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

眩しい光が傷だらけの俺を照明のように照らす。

 

生き残ったんだ…俺は…!

 

颯「あー…なんか疲れた…」

 

このまま寝たら楽になれるだろうか…?

 

そんなことを考えながら目を瞑る…上弦…強いなぁ…黒死牟に勝てなかった…

 

鬼舞辻無惨はもっと強いのだろう。鍛錬の積み重ねって大事なんだなぁ…

 

このまま寝たらまずいかな?そんな事どうでもいいか…

 

おやすm

 

「…! そんな…上弦の鬼と戦って…生きているなんて…!」

 

え。

 

あまね「早くこの方を運んでください!」

 

颯「え 何何」

 

あまね「意識もある…この方は助かる…!」

 

颯「待って…手鬼倒してないか…ゲホッゴホッ…」

 

手鬼を倒さなきゃ…錆兎辺りが死ぬぞ…やば…

 

 

そこからは怒涛の展開だった。

まず最初にあまねさんが変な知らない所に運ぶ。どこだよここ…って思ったけど多分産屋敷が所有している病院的なものだろう。

そこから産屋敷九十七代目当主をしているまだ無惨の呪いが進行していない 産屋敷輝哉…原作お馴染みの"御館様"が俺のところに話をしに来た。ぶっちゃけ命に別状はないらしい。

 

輝哉「初めましてだね。君が 志木寺 颯 だね?」

 

颯「はい…志木寺颯です…」

 

輝哉「そうか…君が…まだ子供なのに十二鬼月を二人倒し…上弦の鬼相手に2度も応戦したと言われる…」

 

そんな倒したっけ…覚えてないわ…

 

輝哉「ここに運ばれる前のことは覚えているかい?」

 

颯「まぁ…なんとなくは…」

 

輝哉「そうか…では言わせてもらおう。私の妻を鬼から救ってくれて、どうもありがとう。」

 

輝哉さんが俺に向かって頭を下げる。なんか申し訳ない気持ちになる。

 

颯「いえいえ!僕は鬼から人を守った…鬼殺隊に入隊する上で当たり前のことをしたまでです!頭をお上げください!」

 

 

輝哉「君は優しいね…鬼殺隊に入るんだね?是非とも歓迎するよ…でも上弦の弍を相手にどう生き残ったんだい?教えてくれると助かるよ。」

 

颯「あ、この傷は上弦の壱にやられました。」

 

輝哉「…どういうことかな?」

 

颯「あー…嘘かもしれませんけど…話しますね。」

 

 

そこから俺は上弦の参がもう一度俺のところに来たこと、弍の首を切る寸前で壱が出現したことを話した。

 

 

輝哉「君は上弦の中でも最も強い鬼たちと戦って生き残ったんだね。」

 

颯「うーん…やっぱりちょっと信じ難いと思われますが…弍を倒せる直前だなんて…」

 

輝哉「私には分かるんだよ。もし君が上弦の弍から逃げていたら私の妻、あまねを追って命を狙っていた。現にこうして元気に生きていると言うことはつまりそういう事だろう?」

 

颯「まぁ…確かに…」

 

輝哉「君が望むならいつでも入隊させられるけど…傷が治って正式な入隊を私たちでやった方がいいと考えたんだけど…どうだい?」

 

颯「あー…じゃあそれで。」

 

輝哉「分かった。毎日医者に診てもらって問題がないと判断したら改めて私たちの屋敷に来てほしい。」

 

颯「はい、分かりました。」

 

 

 

 

 

 

それから俺は入院(?)した。

入院中には様々な人が見舞いに来てくれた。

 

 

杏寿郎「颯!上弦と戦ったというのは本当か!」

 

颯「ん?まぁ。」

 

杏寿郎「なんと!またお前との差が広がってしまったか!俺も精進せねば!」

 

愼寿郎「体には特に異常はないのか?」

 

颯「はい、体力が回復すればまたいつも通り動けるそうです。」

 

愼寿郎「そうか…炎の呼吸はどうだ?その後に雷の呼吸を習いに行ったそうだが。」

 

颯「炎の呼吸は今も使っている…と言うか両立してますよ。なんか全ての呼吸が使えるらしいです。」

 

愼寿郎「……?…?…すまん…よく聞こえなかった…もう一度頼む。」

 

颯「え?炎の呼吸は今も使って…」

 

愼寿郎「そこじゃない、その後だ。」

 

颯「ん?あぁ…全ての呼吸が使えるって雷の呼吸の育手をしている桑島さんがそう判断したんですよね。鱗滝さんもそうかもしれないと言ってましたし。」

 

愼寿郎「…君なら始まりの呼吸も使えるかもしれないな…」(ボソッ)

 

 

始まりの呼吸…日の呼吸……てかバッチリ聞こえてますよ愼寿郎さん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鱗滝「最終選別から7日経ったと言うのに戻ってこないから心配したぞ…颯…」

 

颯「ごめんなさい…動ける状態ならそのまま帰ったんですが…」

 

鱗滝「良かった…本当に…生きていて…」

 

颯「…ただいまです…」

 

鱗滝「あぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慈悟郎「全く!お前というやつはどうしてそう無茶をする!」

 

颯「しょうがないじゃないですか、あまねさん助けなきゃいかなかったんですもん。」

 

慈悟郎「ふん…まぁまだ刀を振れるなら安心じゃわい。もう一度儂の元で鍛錬じゃな。」

 

颯「こちらからもお願いしたいです。神速の精度がまだ完璧じゃなくて。」

 

慈悟郎「…ふん、体を早く治せ。」

 

颯「はい…ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入院中から1週間だろうか。そんくらい経った時、医者から突如言われた。

 

医者「うん、もう大丈夫そうです。体も問題なく動かせますよ。」

 

颯「お、本当ですか。」

 

医者「はい。産屋敷さんに報告しに行きましょう。」

 

颯「はい。」

 

 

 

 

 

輝哉「ようこそ、私たちの屋敷へ。そうか、体の方はもう大丈夫なんだね。おめでとう。」

 

颯「ありがとうございます。」

 

輝哉「じゃた改めて…入隊おめでとう、颯。」

 

あまね「ご入隊おめでとうございます…」

 

颯「はい…ありがとうございます…輝哉さん…じゃない御館様…」

 

輝哉「ふふ、好きに呼んでもらって構わないよ。確か日輪刀はもう貰っているようだし、今から鎹鴉と隊服を支給する。少しでも鬼を倒し、人々を救ってほしい。期待しているよ、志木寺隊士。」

 

颯「はい!精一杯頑張ります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

~~それから3年の月日が経った。ある日…~~

 

隠「時柱様、少しよろしいでしょうか?」

 

「ん?いいよ、どしたの?」

 

隠「育手の鱗滝様が久々に時柱様にお会いしたいそうです。」

 

「あ~…了解、ご苦労さん。」

 

隠「いえいえ…では。」

 

 

そういえば随分行ってないなぁ…入隊した直後に小屋でお祝いしたのが最後だっけ…

 

 

颯「…じゃ…久々に行くか…鱗滝さんのとこ。」

 

 

狭霧山…何秒で登れるかな?

 

そう思いながら俺は瞬く間に山をかけ登った。




今回は早めに更新できました!

ちなみに医者と颯くんは目隠しして隠に案内されて産屋敷のところに行っていると想像してください。


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志木寺颯・12歳
第十四話 時柱


颯「鱗滝さぁんただいま帰りました…帰りましたはおかしいな…」

 

鱗滝「暫く顔を見せなかったが…柱になったそうだな。」

 

颯「はい、これまでの呼吸法、刀の使い方を教えてくれた鱗滝さんのおかげです。」

 

鱗滝「儂はただ道を作っただけだ。ここまで剣の道を極めたのはお前自身の力だ。」

 

颯「なるほど」

 

鱗滝「積もる話もあるだろう。今日は泊まっていきなさい。」

 

颯「元よりそのつもりです。」

 

 

 

 

 

 

俺は入隊後、鬼殺隊士として沢山の任務を受けては鬼を殺し、受けては殺しを繰り返していると柱に任命されていた。愼寿郎さんはまだ柱だがもうすぐ杏寿郎に炎柱を継がせたいと俺に話をしていたことを良く覚えている。

瑠火さんはもう亡くなっていて葬式には俺も参加した。炎の呼吸を受けていた時の思い出がふと蘇る。

葬式が終わった後、杏寿郎と愼寿郎さんから「葬式に来てくれてありがとう」と言われた。大切なものをくれた煉獄家には返しきれない恩がある。そう言ったら愼寿郎さんは頭を下げてもう一度お礼を言っていたんだっけ。

 

あ、そうそう。俺が柱になった時に、ナミアムダブツの人が同時に柱になった。19歳の岩柱、[悲鳴嶼行冥]さんである。岩の呼吸は俺もまだ知らない呼吸だ。

 

 

颯「なので岩の呼吸…教えてもらおうかなーって…でもよく知らないんですよね…重い武器とかを使うって話も聞いたことありますし。」

 

鱗滝「まぁ間違ってはいない。特殊な加工をして玉鋼を鉄球などの形に仕上げた岩の呼吸の使い手は良く見るが…刀でその呼吸を使う者は未だに見た事がない。」

 

颯「そこでなんですが…鱗滝さん、この山の頂上って最近行ってますか?」

 

鱗滝「頂上か…なぜだ?」

 

颯「入倒した後にここに来た時に鉄を置いたんですよ。頂上に。」

 

鱗滝「鉄か……刀を捨て、新しい武器でも作る気か?」

 

颯「刀は使いますよ?これは想像なんですけど…例えば…………」

 

 

 

 

鱗滝「なるほど…それは儂も見たことがない。確かにそれを実現するには多くの玉鋼が必要だ……刀鍛冶に相談してみてはどうだ?」

 

颯「それもいいかと思ったんですが…結構難しくて断られそうで…」

 

鱗滝「彼らの職人としての心を甘く見るな。きっと、[それ]を作ってもらえるだろう。」

 

颯「なるほど……あ、お腹減りました。」

 

鱗滝「よし、晩飯にするか。」

 

颯「わーい」

 

 

 

 

 

颯「では行ってきます……あれ?どこにあるんですか?刀鍛冶の里って。」

 

鱗滝「そこは御館様に言ってもらえれば分かるだろう。柱の意見ならある程度聞いてもらえる。」

 

颯「分かりました……そういえば御館様の屋敷ってどこにあるんですか?前にお医者さんと一緒に行った時も目隠しされて鴉に案内されて産屋敷邸に行きましたし」

 

鱗滝「……次の柱合会議を待つしかない…」

 

颯「えぇ…まぁとにかく行ってきます。」

 

 

 

 

「鱗滝さん…あいつは…一体?」

 

鱗滝「あいつが志木寺颯だ。」

 

「…強いんですか?」

 

鱗滝「あぁ。お前よりも、義勇よりもな。」

 

 

 

 

 

 

 

時柱の朝は早い。まぁ早くないけど。夜だけど。

 

颯「一般隊士との任務かぁ…十二鬼月の危険性ねぇ…本当にそんなの…」

 

「なんと!まさか合同する柱がお前だったとは!」

 

颯「…ん?おぉ!杏寿郎か!」

 

杏寿郎「うむ!階級はまだ壬だがな!」

 

颯「みずのえ……下から2番目か。」

 

杏寿郎「まだ俺は入隊したばかりだ!ここから階級を上げていく!」

 

颯「…そうだな。天国にいる瑠火さんにも炎柱にになった、お前を見せてやらなきゃな。」

 

杏寿郎「…あぁ。母上が誇りを持てるような柱になると俺は誓ったからな!そしてお前を超える!!!!!」

 

颯「耳が痛え」

 

 

 

颯「ここの寺だな。」

 

杏寿郎「そのようだ。俺が中に入ってみる。不意打ちで攻撃をされるなら俺の方が良いだろう。」

 

颯「えっちょっ」

 

杏寿郎「参る!」

 

寺の襖を開けた瞬間・・・

 

 

鬼「何バカみたいに襖開けてんだよ!十二鬼月の怖さを知らない阿呆め!」

 

お、鎌みたいなので奇襲をかけるつもりなのか。

 

杏寿郎「くっ!颯!俺に攻撃をしている隙を…」

 

 

 

颯「もう終わった。」

 

時の呼吸 参ノ型 金烏玉兎

 

鬼「なっ…俺は下弦の弍なのに…!!??」

 

鬼「おっお前!志木寺颯じゃないか!?クソっ!山吹色の髪をしたガキだけかと思った!クソ!クソ!俺は隊士を何十人も食っているんだぞ!それを」

 

 

颯「よし、今日の任務終わり。囮役になってくれてごめんな。」

 

杏寿郎「…」

 

颯「?」

 

杏寿郎「わっはっはっは!よもやよもやだ!まさかこれ程までに差がついていたとは!自分でも強くなったと思ったが、やはりお前には適わんな!」

 

颯「…当たり前だろ?柱舐めんな!」

 

杏寿郎「父上も同じ土壌にいると思うと道は果てしなく遠いな!でも俺は諦めない!」

 

颯「分かった。もう分かったから」

 

杏寿郎「俺も父上のような立派な炎柱になる!」

 

颯「落ちつけ」

 

 

 

 

 

 

杏寿郎「ではまた会おう!颯!次に会う時は柱合会議かもな!」

 

颯「階級上がりすぎだろ!」

 

杏寿郎「確かにそうだ!」

 

 

 

 

 

 

 

颯「さて…鱗滝さんのとこにでも行きますか…土産でも買ったし。」

 

 

狭霧山に行こうとすると何かの騒ぎ?があった。

 

颯「えーっと…なんの騒ぎですか?これ」

 

村人「君は村の人じゃないから知らないんだね。実は明日、蔦子ちゃんが祝言を挙げるのよ!」

 

颯「蔦子ちゃん…へぇ…それはおめでたいですね!」

 

村人「そうなのよ!良ければあなたも見るために今日は泊まっていく?」

 

颯「あ、じゃあお言葉に甘えて……先にご飯代渡しときます。」

 

村人「別にそんなかしこまらなくても…えっ…何この量。」

 

颯「そういえば蔦子さんの家の場所って?」

 

村人「どうしてそんなことを…?まぁ教えてあげるけど…」

 

 

 

 

 

 

颯「ではおやすみなさい…」

 

村人「えぇ。おやすみ。」

 

 

村人「zzz…」

 

颯「いくか…」

 

 

 

 

 

 

蔦子「義勇…あなたはここに隠れていて…」

 

義勇「蔦子姉さん…そんな…」

 

蔦子「大丈夫よ。姉さんに任せておいて。」

 

義勇「お、俺が代わりに…だって…姉さんは明日祝言を…」

 

蔦子「しっ!静かに…」

 

 

 

鬼「美味そうな小娘だなぁ…俺は今あまり腹は減ってねぇが…小娘は大好物だ。だが子供の声が聞こえたなぁ…子供はもっと大好物だ。まずは一人目…ここの村のやつを全員食い殺すんだ…俺は……」

 

蔦子「ひっ…」

 

鬼「子供を差し出せば見逃してやるが」

 

蔦子「子供なんて…いない…」

 

鬼「じゃあ俺の聞き間違えか?ま、いいか…そんなことは…さてと…けひひ…」

 

 

 

颯「けひひじゃねーよ死ね」

 

色の呼吸 黄ノ型 霹靂一閃

 

鬼「あ?」

 

蔦子「体が消えて…」

 

颯「大丈夫ですか?」

 

蔦子「き、君は…?」

 

颯「ん~…まぁさっきみたいなやつを駆除する仕事をしてる感じですかね。もうあんなやつはいないので安心してください。」

 

義勇「…本当か?」

 

颯「おん」

 

蔦子「あ、ありがとうございます…」

 

颯「明日祝言を挙げるのに災難があっちゃ困りますからね。ではこれで…」

 

義勇「…待ってくれ。」

 

颯「うん?」

 

義勇「…鱗滝さんを…知ってるか?」

 

颯「知ってるけど…なんで?」

 

 

義勇「…お前…もしかして、志木寺颯…か?」

 

颯「ん?そうだけど…」

 

義勇「そうか!お前が!」

 

颯「え 何」

 

 

 

 

 

 

颯「何歳なん?」

 

義勇「13だ。」

 

颯「俺より1歳上なんだな…なんで鱗滝さんを知っているんだ?」

 

義勇「…俺はあの人に呼吸法を教えてもらってる。」

 

颯「ほうほう」

 

義勇「そしてよく聞かされる、お前のことを。」

 

颯「お前て」

 

義勇「? 年上だろう。」

 

颯「こいつ冨岡義勇だったわ。」

 

義勇「話を戻すぞ。鱗滝さんはよくお前のことを話していた。儂を超えた だとか あの子は柱になる等だ。」

 

へぇ…嬉しいもんだねぇ。

 

義勇「俺はそうは思わない。明日の昼、手合わせを願う。」

 

 

そうはならんやろ。



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14話までのキャラの年齢

今回はお話の続きではなく、現時点(14話まで)のキャラの年齢を載せていきます。


 

 

現在の時柱 志木寺 颯 12歳

 

未来の水柱 冨岡義勇 13歳

 

義勇の友達 錆兎 13歳

 

未来の炎柱 煉獄杏寿郎 12歳

 

未来の恋柱 甘露寺蜜璃 11歳

 

現在の岩柱 悲鳴嶼行冥 19歳

 

未来の音柱 宇髄天元 15歳

 

未来の風柱 不死川実弥 13歳

 

未来の蟲柱 胡蝶しのぶ 10歳

 

未来の花柱 胡蝶カナエ 13歳

 

 

タンジェロ 竈門炭治郎 7歳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

 

「また鬼滅読んでるのかよ」

 

「早くジャンプ渡せ。まだブラクロ読んでないんだよ。お前らはどう?鬼滅の刃って面白いか?」

 

「ん~…まあまあかな。読んでたら流行りに乗ってるだけとか思われるし。」

 

「分かるわぁ…Twitterとかで流行ってて適当にツイートするあれ!」

 

「例え下手かよ…でもこいつに関しては流行りに乗ってるわけじゃなくね?ジャンプで1話から読んでる古参だぞ。」

 

「え~マジ?」

 

 

「マジだよ大マジ。」

 

 

流行りに乗ってる…か。

俺は1話から見てたから流行りどうこうよりも【面白い】から見てたってだけで。

 

 

「お前らもちゃんと読んでみろよ。面白いぞ。」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

颯「…?」

 

夢…か。

 

ここは…俺の家か…

 

そっか…時屋敷 ってのが作られたから俺は今そこに住んでるんだっけ。

 

颯「にしても懐かしい夢を見たなぁ…高校生…か。」

 

前世…か。割と楽しかった人生ではあったが…死んでしまったものはしょうがない。

 

颯「あいつら何してんだろうなぁ…あっちの母さんは葬式で泣いてんのかな。」

 

颯「…久々に勉強でも」

 

 

鴉「カァ!カァ!御館様からの手紙だ!読め!」

 

 

颯「タイミングの悪さを極めてるね。」

 

颯「えー…っと…なになに?」

 

 

[暑いから体調に気をつけてくれ 産屋敷輝哉]

 

颯「…それだけ?」

 

鴉「ソレダケとはなんだ!」

 

颯「それだけ って言うのはな、体調だけ って意味を代名詞として…」

 

鴉「言葉の意味は聞イテイナイ!」

 

颯「お?マジ?あと話変わるけどお前って字、書ける?」

 

鴉「バカニスルナ!」

 

颯「じゃあ〇 を書いてみてくれ。 まる だ。」

 

 

 

 

 

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颯「そうはならないだろ。」

 

 

 




文字数制限は変な0でカバーしました()









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志木寺颯・13歳
第十五話 俺は嫌われていない。


アンケートの内容を変えました。
蜜璃ちゃんはそもそも17歳くらいで産屋敷と出会うので相棒として一緒に戦うならかなり年月を飛ばすことになります。






義勇「俺はお前が強そうには思えない。」

 

颯「目に前で鬼の首を切ったじゃん。姉さん救ったじゃん。」

 

義勇「姉を救ったこととお前の強さになんの関係がある?」

 

颯「お前ヤバいって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鱗滝「……それで義勇とお前が戦うことになったと…?」

 

颯「自分だってよく分かってませんよ。」

 

 

「おい」

 

颯「てめぇだれですか」

 

「お前が志木寺颯か?」

 

颯「井上山田 俊三 です。」

 

「ふざけているのか?」

 

颯「そう言うなって…お前は誰なんだよ。」

 

錆兎「俺は錆兎だ。お前も鱗滝さんの教え子らしいが…俺たちより弱い。俺はそう思っている。」

 

颯「こういう子供でも大人になれば現実ってものを知ることになるんですね」

 

鱗滝「まぁ確かに否定はせん…」

 

颯「まぁいいよそれで。お前たちの方が強いよ!偉い偉い!」

 

錆兎「チッ…男に生まれたからには刀で正々堂々勝負しろ。腰抜けが。」

 

颯「あー…勘違いしてる?」

 

 

颯「お前ら二人がかりでも、勝負にならないから戦わないんだよ。」

 

 

錆兎「偉そうな口を利くものだな…義勇、やるぞ。」

 

義勇「…あぁ。」

 

颯「鱗滝さん…どうします?」

 

鱗滝「…颯の強さを知るいい機会だ。颯、お前は木刀、錆兎と義勇は刀を使え。」

 

錆兎「なっ…鱗滝さん…こいつを殺してもいいんですか?鱗滝さんはこいつを…」

 

鱗滝「…」

 

 

颯「木刀…木刀…これでいいか。」

 

錆兎「…」

 

義勇「…本当にいいのか?」

 

颯「俺も真剣使って髪の毛全て切って絶望を味合わせたかった。」

 

鱗滝「まぁそう言うな。」

 

 

 

錆兎「良いと言うなら話は終わりだ!」

 

水の呼吸 参ノ型 流流舞い

 

颯「ほっ」

 

錆兎「今のを…避けた?」

 

颯「ぶっちゃけ木刀いらないですよー鱗滝さーん」

 

鱗滝「全力でやれ、颯。今の柱の強さ、儂にも見せてみろ。」

 

颯「…分かりました。」

 

 

義勇「…」

 

水の呼吸 拾ノ型 生生流転

 

颯「お、いいね。じゃあ俺も。」

 

水の呼吸 壱ノ型 水面切り

 

義勇「くっ…刀一振りでこの威力か…」

 

錆兎「義勇!怯むな!強い心を持て!」

 

颯「強い心 か…いいか、水の剣士。」

 

 

 

颯「お前たちと俺じゃ、天と地ほどの差があるんだよ」

 

 

錆兎「…!?(なんだ…この威圧感は…)」

 

義勇「…(…初めての感覚だ。)」

 

 

颯「さーて…歯を食いしばれ?」

 

 

(止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

スン…

 

 

時の呼吸 壱ノ型 星霜

 

 

 

錆兎「ぐっ…腕が…」

 

義勇「くっ…」

 

颯「あーあ…刀を離したってことは降参ってことか?」

 

鱗滝「(今のは儂の目でも見えなかった…瞬く間にあの二人の腕に打撃を入れ、握っている力を抜けるようにしたということか…)」

 

錆兎「くそ…俺は…まだ…」

 

義勇「…諦めろ、錆兎。」

 

錆兎「義勇!こいつに負けたままで…」

 

 

義勇「志木寺颯に、何をしても無駄だ。俺たちの攻撃を赤子のように扱っている。そうか?志木寺。」

 

 

颯「…赤子のように~…は流石に思ってないけど…まぁ弱いね、全体的に。」

 

錆兎「…!」

 

義勇「…そうか、すまなかった。お前の強さを疑っていた。鱗滝さんがお前のことを常に気にかけている理由が分かった。」

 

颯「まぁいいよ。見た目はただの子供だしね。俺も。」

 

錆兎「……」

 

鱗滝「颯、義勇。お前たちは向こうで鍛錬をしろ。颯は義勇を鍛えてくれ。」

 

颯「分かりました~…行くか。」

 

義勇「ああ。」

 

 

 

 

鱗滝「錆兎、颯の剣技をどう感じた?」

 

錆兎「…分からないです…俺の参ノ型をいとも簡単に避けて…あいつの… 【時の呼吸】の攻撃を受けた瞬間だって…突然腕に衝撃が走って……」

 

鱗滝「そうだな…あれは儂も見えなかった。」

 

錆兎「鱗滝さん…でも?」

 

鱗滝「それ程までに颯の剣技は極められておる。」

 

錆兎「俺らだって頑張っているのに…何が違うんですか?あいつは俺より年下で…」

 

鱗滝「さぁな。だが…他の子達とは違うんだ。」

 

錆兎「…?」

 

鱗滝「最初は儂もただの子供だと思った。9歳だったか。あいつがここに来たのは。だが剣技を教えていくうちに儂は思ったのだ。”あぁ、この子はきっと生き残る”と。」

 

錆兎「生き残る…?」

 

鱗滝「颯より前に育てた子供だって沢山いた。だが全員最終選別から帰ってこなかった。」

 

錆兎「…」

 

鱗滝「だが颯は儂の想像を遥かに超える強さを持っていた。この子は最終選別で死にはしないだろうと。結果としては生きていたが予想外なことが起きたがな。」

 

錆兎「予想外なこと…とは?」

 

鱗滝「上弦の鬼と戦って生き残った…が…その体は重症だった…というものだ。」

 

錆兎「上弦…確か…鬼の中でも恐ろしく強い鬼たち…でしたっけ…まさか…そんな…」

 

鱗滝「本当だ…それらと戦って…さらに強くなり、柱となった颯は… 鬼殺隊最強 と…儂は思っている。」

 

錆兎「鬼殺隊…最強…」

 

鱗滝「錆兎、颯をそろそろ認めたらどうだ。あんな性格だが…颯の人を想う気持ちは誰よりも上だ。」

 

錆兎「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「…OK。それ…完成してるよ。すげえな…こんな短時間で。」

 

義勇「これが…拾壱ノ型…。」

 

颯「それを毎日やってみろ。強い味方になるぞ、その技は。」

 

義勇「…感謝する。」

 

颯「別にいいって。弟弟子の鍛錬を…」

 

義勇「…姉を…蔦子姉さんを助けたこともだ。そして…すまなかった。」

 

颯「…別にいいって。お前の姉さん…祝言、挙げたんだろ?良かったじゃないか。」

 

義勇「いやまだ分からない。」

 

颯「そうだったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

錆兎「…あいつは?」

 

義勇「山を下りた。」

 

錆兎「そうか…謝りたかったのだがな。」

 

義勇「…颯は…俺たちよりも遥かに強いのだろう。鱗滝さんの言っていたように。」

 

錆兎「…あいつの攻撃を受けて…それがわかった。強くなるぞ!義勇!」

 

義勇「…もちろんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして月日が経ちました。

俺は御館様からなんか呼ばれました。

 

輝哉「突然呼び出してすまなかったね。」

 

颯「別に暇なので大丈夫ですよ。」

 

輝哉「そうか、ありがとう。君にお願いしたいのは最終選別にいる鬼の確認だ。もし異形がいたら殺してしまっても構わない。」

 

颯「分かりました。担当区域にいる鬼が全然でなくて暇なんですよね。」

 

輝哉「…君が殺し尽くしているからじゃないのかい?」

 

颯「あ、バレました?」

 

俺と御館様は笑いながら話を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藤襲山へ行くとあまねさんが最終選別の説明をし終わった直後のようだった。

 

颯「あまねさん。」

 

あまね「…颯様、最終選別の件、感謝致します。」

 

颯「別に暇なので。」

 

あまね「では…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「参加者見るの忘れたな…誰がいたっけか。」

 

鬼「美味そうなガキが…」

 

 

錆兎「鬼は滅する!」

 

 

水の呼吸 肆ノ型 打ち潮

 

颯「おー……錆兎?」

 

錆兎「志木寺颯…なぜここに?」

 

颯「御館様からここの調査をしろって言われた。」

 

錆兎「なるほど…義勇に拾壱ノ型を教えたのはお前か?」

 

颯「ん?そうだよ。」

 

錆兎「やはりか…あいつの技はなんなんだ。攻撃が通らん。」

 

颯「防御技…斬新だと思わない?」

 

錆兎「…否定はしない。」

 

颯「義勇はいるの?」

 

錆兎「いるが…ここの鬼共は殆ど俺が殺した。お前の仕事はないかもな。」

 

颯「助かるねぇ…じゃ、またな。」

 

錆兎「あぁ…それと…あの時はすまなかった。」

 

颯「別にいいよ。頑張れよ、最終選別。」

 

錆兎「当たり前だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「あれを使いこなしてくれてるとは…嬉しいものだ。」

 

 

「おい!そこの子供!」

 

颯「お?死にたいやつが来たか?」

 

「待て待て!刀を抜くな!俺は人間だ!この顔を見ろ!」

 

颯「わーお色男。要件は。」

 

「単刀直入に言う!この俺と同行しろ!」

 

颯「え、なんで。」

 

「単独で行動するのは危険だからな。少しでも人数はいた方がいい。ド派手に鬼の首を切ってやりたいが7日も続くとなると体力の方にも限界が来る。」

 

颯「確かにな……ん?ド派手…?……お前、何者だ。」

 

 

 

天元「俺は派手を司る神、祭りの神だ!」

 

 

 

ええええええぇぇぇぇぇぇぇ!?




かなり原作の方を変えました。
宇髄と義勇達が同期な設定にした方が主人公との繋がりが深まるかなーって思ってこのようなストーリーにしました。


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第十六話 音柱と鬼

誤字脱字が最近多いかも…もしあったら遠慮なく教えていただけると助かります。


天元「俺は派手を司る男、祭りの神だ!」

 

マジか…宇髄天元…未来の音柱って義勇と同期だったのか…

初めて知ったわ…てか本当にイケメンだなこいつ殴ろうかな。

 

颯「そうか祭りの神か…ごめん、同行できねぇ俺。」

 

天元「……お前…参加者じゃないな?」

 

颯「お、なんで分かんの?」

 

天元「お前からはとてつもなく強い"音"がするんだよ。さっき説明してた女と話していたことを踏まえて……参加者の確認…ってとこか?」

 

颯「惜しいな。非常に惜しい。参加者の確認もあるけど俺の仕事は強い鬼がいたら殺せって感じ。」

 

天元「ふっ!そんな鬼は俺がド派手に首を切って…」

 

颯「話聞けや。仮に潜在能力がド派手にすごいやつがその強い鬼に殺されたらもったいないだろ?そういうのを防ぐために俺が来たってわけ。ド派手に。」

 

天元「そう言っている割には地味だな…」

 

颯「お前許さない。」

 

天元「で、強い鬼かどうかって見ただけで分かんのか?」

 

颯「血鬼術…って分かる?」

 

天元「なんとなくは、だな。」

 

颯「本来この最終選別はそれを使わないただ牙とか爪とかで攻撃する鬼しかいないんだけど…稀にそういうやつが血鬼術を使える並に人を食べたこともある事例もあるんだよ(原作知識)」

 

天元「なるほど…大体理解した。じゃあ俺のド派手な鬼退治でも見て時間を過ごしな。」

 

颯「そうさせてもらうわ。暇だし。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日目

 

天元「…」

 

颯「…」

 

天元「なぁ…」

 

颯「ん?」

 

天元「本当に鬼ってのがいるのか?全然見当たらないが…」

 

颯「いるもんなんだけど…他のやつ殺してんじゃない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日目

 

 

鬼「お…人がいた…けひひ……なっ!志木寺颯!?なぜここに!」

 

天元「志木寺颯…それがお前の名前か?」

 

颯「おん、鬼が来たぞ。殺すのか、逃げるのか。」

 

天元「甘く見てもらっちゃ困る。」

 

 

音の呼吸 肆ノ型 響斬無間

 

 

颯「あっぶね!」

 

天元「ふ…ド派手にな…」

 

颯「ド派手になじゃねーよ爆薬使ってんのかお前。」

 

天元「爆発と共に斬撃を入れる。それが俺の使う【音の呼吸】だ。」

 

おっwwおっww音の呼吸だwww

 

 

なんて言いながら踊りたいけど今はやめておこう。

 

 

颯「…爆薬ちょいと奪うわ。」

 

天元「あ?まぁ別にいいが…こんくらいな。」

 

 

颯「1回分…OK、ありがと。」

 

天元「こんな調子じゃもっとお前に譲っても余るくらいだな…」

 

 

4日目

 

 

颯「…あっ!」

 

天元「どうした?」

 

颯「俺異形いないか調査するのにお前とずっと留まってちゃダメじゃん!」

 

天元「…しょうがねえな…お前のために俺もこの山にいる鬼を殺すことに切り替えてやる。」

 

颯「お、まじか。優しいなお前…名前知らんけど。」

 

天元「…俺は元忍び、宇髄天元だ。」

 

颯「覚えたわ。よろしくな、天元。」

 

 

 

 

 

5日目

 

天元「…」

 

颯「鬼がいない…え?絶滅した?」

 

天元「そんな簡単に絶滅したらこの時間は一体なんなん…」

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

颯「…!」

 

天元「…行くか?」

 

颯「当たり前だ。」

 

 

 

 

 

手鬼「…また俺の狐が現れたか…」

 

錆兎「…どういうことだ。」

 

手鬼「目印なんだよ…その面が。それを付けている鱗滝の弟子はみーんな俺が食ってやった。あいつに対する復讐だ…ざまぁみろ。」

 

錆兎「…なんだと?」

 

手鬼「次はお前の番だ!」

 

 

錆兎「…(手を伸ばしてくるだけの単調な攻撃など…俺に効くものか!)」

 

水の呼吸 弐ノ型 水車

 

手鬼「…なかなかやるな…だが地中からはどうだ!」

 

 

錆兎「見えているぞ!」

 

手鬼「(高い…だが…空中からならこの攻撃は…)」

 

 

錆兎「何度も同じ手が通用すると思うな!」

 

手鬼「くっくっく…」

 

錆兎「そこだ!」

 

水の呼吸 壱ノ型 水面斬…

 

パリィン…

 

錆兎「…なっ…」

 

手鬼「ふんっ!」

 

 

錆兎「(時間の流れがゆっくりに感じる…もうすぐ頭を潰される…義勇…鱗滝さん…くそ…俺は志木寺颯に負けたままか…)」

 

 

 

 

時の呼吸 参ノ型 金烏玉兎

 

音の呼吸 伍ノ型 鳴弦奏々

 

 

手鬼「!?(なんだ…今の瞬間手を斬られたのか!?あの白髪のやつの攻撃で動きが遅くなり…あのガキの…!!??)」

 

 

手鬼「し、志木寺颯!!」

 

颯「ふー…!間に合ってよかったァ!」

 

天元「本当だな…おい!そこの獅子色のガキ!とっとと離れろ!」

 

錆兎「くそっ…くそっ…」

 

手鬼「まずはお前からだ!白髪の爆薬使い!…いない!?」

 

 

颯「いけるか?天元。」

 

天元「当たり前だ、でもお前…その構え…」

 

颯「そうさ、よく知ってるだろ?」

 

手鬼「う、上!?(だが俺の首は硬い!刀が折れたところを狙って…)」

 

颯「いくぞ!」

 

この時のために爆薬を貰っていたのさ!

下方向に向かって刀を振り下ろす位置に爆薬を投げる!

 

 

色の呼吸 金ノ型 轟

 

音の呼吸 壱ノ型 轟

 

 

 

 

 

「なんだ…爆発…」

 

「すげぇ…あいつを倒しやがった…」

 

後に聞いた話だと、そこにいた参加者はまるで綺麗な花が空に咲き誇っているように見えたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7日目

 

颯「結局あれ以降鬼が出なかったな。」

 

天元「そうだな……てかお前!なんで音の呼吸が使えるんだよ!」

 

颯「お前から爆薬もらったから。」

 

天元「いやお前…それだけで…」

 

颯「柱…なんだよ。」

 

天元「柱…?確か鬼殺隊で1番強い者の集まり……まさか!鬼殺隊最強の時柱ってお前か!?」

 

颯「何その呼び名気になる。」

 

天元「一目見てみたかったと思ったが…まさかお前だったとはな…」

 

颯「見た目そんなに子供か?俺。」

 

天元「そりゃあな。」

 

颯「うそー…」

 

 

鴉「時柱殿!時柱殿!あまね様がお呼びだ!」

 

颯「え、襲われてんの。」

 

鴉「違う。とにかく来い。」

 

颯「ういー…じゃ、またな。」

 

天元「…おう。」

 

 

 

天元「何者なんだよあいつ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「はい。」

 

あまね「途中で爆発が起こりましたが…あれは?」

 

颯「異形を倒すために参加者と協力した時の攻撃によるものです。」

 

あまね「異形は確認されたのですね…ありがとうございます。何か情報はありましたか?」

 

颯「鱗滝さんの弟子を狙って何十人も食べていたそうです。」

 

あまね「なるほど…では颯様、戻りになられますか?」

 

颯「いや、最後まで見ておきたいかなーと。最終選別。」

 

あまね「承知しました。」

 

 

 

 

颯「突然眠くなってきたな…昼夜逆転は怖い。」

 

 

義勇「お前も来ていたのか。」

 

颯「お、義勇。」

 

義勇「錆兎が悔しがってお前の名前を呼んでいたが…何があった?」

 

颯「お前も怪我してるけど…それはいいか…錆兎が勝てなかった鬼を俺と他のやつが倒したってだけだ。」

 

義勇「…そうか。」

 

颯「で、アレはどうなんだよ。」

 

義勇「…順調だ。」

 

颯「マジ?じゃあ、やってみていい?」

 

 

義勇「来い。」

 

颯「じゃ、いくぞ?弱めだけど。」

 

色の呼吸 黄ノ型 熱界雷

 

 

さて…どうなるか…

 

 

義勇「…水の呼吸…拾壱ノ型…」

 

 

【凪】

 

 

 

 

 

 

 

颯「…おー…斬撃が消えた。成功したな。」

 

義勇「鱗滝さんにも見せようと思う。」

 

颯「いいんじゃね?…お、錆兎が来た。」

 

錆兎「…」

 

義勇「どうやら無事だったようだな。刀が折れているようだが…どうやって鬼を倒したんだ?」

 

颯「まぁとりあえず俺はここで山を下りるから。後は…」

 

 

 

錆兎「志木寺颯!!」

 

 

颯「うおっ!?」

 

義勇「!?」

 

 

錆兎「お前は俺より強い!だが俺は決して負けない!誰かに助けてもらうような弱い男にはならない!いつか必ずお前を超えてみせる!必ず!」

 

錆兎はそう叫んだ。まるで俺を応援、そして宣戦布告のように。

 

颯「…そうか。」

 

 

颯「じゃあ、強くなれ。俺から言えるのはそれだけだ。あばよ。」

 

 

 

錆兎「…」

 

義勇「颯は…いつか鬼の始祖を倒すのだろうか。」

 

錆兎「分からない…だが…あいつなら…どんな鬼にも負けないような気がする…」

 

義勇「…奇遇だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「山下りたけど何しようかな。」

 

颯「あ、おーい!」

 

颯鴉「シネ…」

 

颯「この手紙は御館様んとこに持ってって。」

 

颯鴉「ホントー…シネ…」

 

颯「なんでこいつが俺の鴉なんだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして月日が経ち、柱合会議。

 

あまね「御館様の御成です。」

 

モブ水柱「このたb」

 

颯「元気でよかったです。これからも元気でいてください。」

 

輝哉「ふふっ…あ…ありっが……あっはっはっは!」

 

モブ水柱「…」

 

水柱が俺のことを睨んでくる。なんだよ、なんか文句あるんか。

 

輝哉「はっはっは……早速だけど…本題に入ろう。柱が1人増えることについてだ。」

 

颯「お、」

 

行冥「なんと…」

 

愼寿郎「その隊士はどこに?」

 

 

颯「あ、上。」

 

 

 

屋根の上には…宇髄天元が立っていた。

 

 

 

 

颯「屋根の上って立ってもいいんです?」

 

輝哉「元忍の彼には中々似合う登場だとは思わないかい?」

 

颯「否定はしませんね。」

 

そう会話をしていると屋根から飛び降りた天元はすぐさま御館様に膝をついた。

 

天元「宇髄天元、柱としての義務を全うさせていただくと存じます。」

 

輝哉「ありがとう。天元には【音柱】としてこれから頑張ってもらう。期待しているよ。」

 

天元「御意。」

 

 

 

 

 

颯「ふわ~あ…眠…。」

 

 

輝哉『颯には悪いんだけどここで待っていてほしいんだ。』

 

颯「流石に暇だな…ちょいと抜き足差し足忍び足…」

 

 

 

輝哉「様々な矛盾や葛藤を抱えながら君たちは…それでも前を向き戦ってくれるんだね。人の命を守るために。」

 

天元「…」

 

輝哉「ありがとう。君は素晴らしい子だ。」

 

天元「そんn」

 

輝哉「颯はどう思う?」

 

颯「うわっぷ!?」

 

天元「なっ!お前!いつからいたんだよ!?」

 

颯「あはは…暇でさ。」

 

輝哉「待たせてすまなかったね。話が終わったから今ここで言わせてもらうよ。」

 

颯「え、辞職ですか」

 

輝哉「まさか!君は鬼殺隊の中でも最高戦力だ。外す理由が見つからないよ。それに…面白いしね。」

 

颯「おもしろいってなんですかそれ」

 

輝哉「今日だって他の柱が挨拶するのを遮ってまで…あの挨拶…あははは…!」

 

颯「oh......」

 

すごいツボってる…え、そんな面白いことしたっけ…

 

…原作初登場時はもう既に呪いが強くなっている状態だったからこんな風に元気に笑っている姿が新鮮に感じるんだよなぁ。

 

輝哉「はは…本題に入ろう……はっはっ…くく…」

 

颯「怖いです。」

 

ひなき「私もです。」

 

にちか「私も…」

 

あまね「…」

 

天元「俺は今何を見せられてんだ…おい颯なんとかしろ。」

 

颯「えー…」

 

颯「元気でよかったです。これからも元気でいてください。」

 

 

輝哉「あーっはっはっはっwww」

 

あまね「…w」

 

天元「お前わざとだろ!御館様が派手に腹筋やられちまってんじゃねーか!」

 

 

 

 

 

 

 

颯「本題ってなんですか」

 

輝哉「そうだそうだ。忘れていたよ。」

 

颯「ダメじゃないですか。」

 

天元「お前のせいだろ。派手に十割お前のせいだ。」

 

颯「俺悪くないよ。」

 

かなた「今のは颯さんが悪いです」

 

颯「うっそ」

 

輝哉「まぁとにかく。颯には少し会ってほしい人物がいる。」

 

颯「はい。」

 

輝哉「浅草にいるはずなんだけど…そこから鴉でも分からないらしいんだ。」

 

颯「その人物に会ってどうするんですか?」

 

輝哉「それはね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺は夜の浅草へ行った。…んん?

洋服を着た男は猫のような瞳孔をしており微かに牙が見える。…ちょっかいかけよーーっと!

 

(止まれ…)

 

カチカチカチ…

 

颯「刀隠しておいたんだよねー。」

 

さて…どんな反応をするかな?

 

色の呼吸 黄ノ型 遠雷

 

 

よし。速攻刀しまって逃げよう。

 

スン…

 

 

洋服の男「ぐっ!?」

 

子供「パパ?」

 

髪を縛った女性「あなた?」

 

へぇ…炭治郎の時とはまた違う人間と…罪な人だねぇ。

 

洋服の男「斬られた…?誰に…?一体…?」

 

洋服の男「あの速さ…縁壱…?まさか…あの男がいるわけが無い。縁壱の意志を継ぐもの?何者だ。何者だ。縁壱め!」

 

めっちゃビビっとるやん…斬っただけでこんな怯えるもんだっけ?てか縁壱さんめっちゃとばっちりやん。

 

洋服の男「違う…違う!あいつが生きているわけがない!黒死牟が遺体を斬ったはず…蘇った…?志木寺颯が藤襲山で黒死牟に言っていた…『後ろにいる継国縁壱に…』と……そんなことがあるはずがない…!」

 

子供「…パパ?」

 

冷や汗だらだらじゃん…そんな怖いのね。あいつ。

ここで俺のお得意、声真似をしてやろう。

アニメ版で縁壱の声は分かっている。割と渋めでビックリした。

 

颯「すぅー……鬼舞辻無惨!私はお前を今度こそあの世に送るため、この世に舞い戻った!(声真似)」

 

どう?似てないか?これ密かに真似してたんだよ。さて反応は…?

 

洋服の男「今の声は…まさか…そんなことが…!?私はまた奴に怯えながら暮らすというのか!?志木寺颯を殺せないまま!1000年の時を過ごし、また奴の脅威に身を隠さねばならぬと言うのか!」

 

髪を縛った女性「ど、どうなさったんですか?」

 

洋服の男「…黙れ。」

 

髪を縛った女性「え?」

 

洋服の男「黙れと言っt…」

 

(止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

腕を切り落とせ!赫刀再臨!

 

スン…

 

時の呼吸 参ノ型 金烏玉兎

 

洋服の男「…!…なるほど…今までのはお前か?志木寺颯。」

 

颯「…アブナイアブナイ…ヨリイチサンノコト、バレナイヨウニシヨー。あぁ!そうだ!」

 

めっちゃ聞こえやすい小声でこんなことを言う。

 

洋服の男「もういい、志木寺颯。鬱陶しいお前を今ここで消す。」

 

颯「あ、縁壱って人は変なワカメ頭を殺してくれる人だよ。」

 

洋服の男「殺す」

 

 

子供「ぱ…パパ…」

 

街の人達「何あの人…」ザワザワ

 

洋服の男「…なんでもないよ。」

 

髪を縛った女性「そ、それなら良いのですが…」

 

洋服の男「お見苦しいところを見せてしまい、申し訳ない。」

 

髪を縛った女性「いえいえ。」

 

 

颯「ふぅ……俺一人じゃ勝てないんだよなぁ…頑張って止めに行っても今の俺じゃ無謀だ。」

 

 

「あなたは…鬼舞辻にとってかなり警戒されている…そして…なぜあの方を知っているのですか?」

 

やっぱり来たか…さて…鬼滅の刃、MVPの…

 

珠世「少し…話をしたいのですが。」

 

愈史郎「珠世様!こいつは鬼殺隊!危険です!」

 

珠世さんとの交渉、これでこの世界の運命が決まるな。




更新が送れました…本当は昨日出す予定が…


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第十七話 再戦

胡蝶姉妹どうしようかな…


珠世「…少し話をしたいのですが…」

 

颯「あなたは一体…?」

 

 

輝哉『それはね…その人は鬼殺隊にとって必ず強い味方になってくれるからなんだ。君の鴉から聞いたんだよ。浅草に無惨から逃れた鬼がいる情報をね。』

 

颯『え?』

 

輝哉『君の鴉は…まぁ君のことはあんまり好きじゃないみたいだけど…他の隊士から嫌われてたことが多かったみたいで…ずっと一緒にいてくれたことが嬉しかったのかもね。それでやる気を出してくれた。』

 

 

颯『…後で餌でもあげますかね。』

 

輝哉『それがいいと思うよ。』

 

 

 

珠世「私たちは…鬼ですが…鬼舞辻無惨を憎んでいる。」

 

颯「…今から実験をします。」

 

珠世「じ、実験ですか?」

 

愈史郎「貴様!珠世様に余計なこと…」

 

 

颯「今から僕が言う言葉を同じように言ってください。」

 

珠世「?…はい。」

 

 

颯「鬼舞辻無惨。」

 

珠世「…鬼舞辻無惨」

 

颯「鬼舞辻無惨はワカメ頭」

 

珠世「鬼舞辻無惨はワカメ頭。」

 

颯「鬼舞辻無惨は頭が無惨な程阿呆」

 

珠世「鬼舞辻無惨は頭が無惨な程阿呆」

 

颯「信じます」

 

珠世「えっ?えぇっ!?」

 

颯「だってそんなこと言ってたらあいつ [私の威厳より鬼狩りの命令を優先するのか]とか言って呪い発動しそうですし。」

 

珠世「あー…確かに。」

 

愈史郎「(納得している珠世様も美しい…)」

 

颯「で、話って何です?」

 

珠世「…鬼の血を集めてほしいのです。」

 

颯「鬼の…血?」

 

まぁ知ってるけど。確かナイフみたいなのを刺したら自動的に血を採れる道具だっけ。

 

珠世「この道具を……これを鬼の血に向かって刺すと何もせずに血がこの道具に溜まっていくものです。ここにいる猫…茶々丸がこの道具に反応してあなたの元に移動するので使用したら茶々丸に預けてください。」

 

颯「なるほど。そういえば食事ってどうしてるんですか?」

 

珠世「…人の血を少量頂いています。」

 

颯「あ、じゃあ自分のも…」

 

珠世「…よろしいのでしょうか?」

 

颯「別に減るものじゃないですし。」

 

愈史郎「減るだろう。バカか?」

 

珠世「では…失礼します。」

 

 

注射とかマジで久しぶりだわ…それにしてm…

 

 

黒死牟「逃れ者を狙っていたが…まさかお前もいるとは…」

 

颯「!?」

 

珠世「じ、上弦の…」

 

月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮

 

色の呼吸 赫ノ型 焼乱

 

颯「危ねぇ…」

 

黒死牟「…大抵の柱は…この技で…胴体を切断される…」

 

颯「大抵の柱、じゃないからな。」

 

 

颯「珠世さん、急いで逃げてくれ。こいつは俺が相手をするから。」

 

珠世「ですが、あの鬼は上弦の壱…一人の人間が勝てるわけが…」

 

颯「こんなのに負けてちゃ、無惨の首は切れないでしょ?」

 

珠世「…分かりました。」

 

愈史郎「…おい!そこの鬼狩り!珠世様がわざわざお前に頼んだんだ!死んででもしたら承知しないぞ!」

 

颯「あいよ、さっさと逃げな。」

 

 

黒死牟「そう簡単に…逃がす程…優しくはない…」

 

 

月の呼吸 参ノ型 厭忌月・銷り

 

色の呼吸 黄ノ型 聚蚊成雷

 

 

颯「…やっぱ、早さが比べ物にならないな…他に鬼とはよ。」

 

黒死牟「ここまで…私と応戦する人間も……一人を除いて初……鬼となれば……私を超えることも…出来たであろう…」

 

颯「人殺したり食わなきゃ別に俺たちだって無惨を無視するけど……人に危害出されちゃ…ねぇ?…命をなんだと思っているんだって感じ。」

 

黒死牟「命を……」

 

 

 

 

??『命をなんだと思っている?』

 

無惨『…!?』

 

珠世『…』

 

 

 

 

 

黒死牟「(今のは…無惨様の…記憶……縁壱…ここでも…私の邪魔をするのか……)」

 

 

 

やっぱり悩んでる……縁壱の言葉に無惨の血が反応したのだろう。多分無惨にとって相当なストレスだもん。あのセリフ。

 

黒死牟「…………参る…」

 

颯「お、来るか。」

 

 

月の呼吸 漆ノ型 厄鏡・月映え

 

色の呼吸 蒼ノ型 生生流転

 

 

月の呼吸 拾陸ノ型 月虹・片割れ月

 

色の呼吸 赫ノ型 昇り炎天

 

 

颯「ほら、来ないのか?」

 

 

黒死牟「……なるほど…」

 

颯「ははは、どうしt」

 

! やばっ!斬撃飛んでくる!

 

 

色の呼吸 黄ノ型 熱界雷

 

 

颯「……なんだよ?攻めないのなら…」

 

黒死牟「わざと…私に技を出させている………盲点だった………技を…少し見てしまえば……新たな呼吸を使用することができる……」

 

颯「バレたか……」

 

黒死牟「上弦と…同等の強さなら……技を放つ前に……首を斬るものだ…」

 

颯「で、どうすんの?技は…」

 

 

黒死牟「早急に……亡き者にすれば……解決だ…」

 

 

月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮

 

色の呼吸 赫ノ型 炎虎

 

 

颯「…早急、か。…じゃ、こっちも早めに終わらせるか。」

 

(時よ…止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

さて…刀…割れっかな?

 

スン…

 

時の呼吸 伍ノ型 遅炎龍

 

 

バリン!

 

 

黒死牟「!」

 

颯「勝機!」

 

色の呼吸 霹靂一閃…

 

 

黒死牟「刀を折られた程度で…人は死なぬ…」

 

 

月の呼吸 肆ノ型 月光

 

 

颯「なっ…!?」

 

 

そんな技知らねぇ!上から無数の月の攻撃…やば、…この量はキツい…

 

 

颯「うおおおおおおおおぉぉぉ!!!」

 

 

色の呼吸 黄ノ型 電轟雷…

 

黒死牟「その隙に…攻撃をしない…阿呆がどこにいる?」

 

 

月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮

 

 

颯「ぐっ…うぐっ……」

 

 

黒死牟「真っ二つは…お前の斬撃によって阻まれたが……お前はもう動けまい…」

 

颯「舐めんなよ……クソが……」

 

黒死牟「随分と…手を煩わせてくれたな…」

 

 

 

ドクン……ドクン…

 

 

 

颯「…?」

 

なんか…体に熱が入ってくる。相当出血して…目眩とかが酷いのに……やけに体の調子がいい。血の巡りとか、そんなんだろうか。

 

颯「…嫌な予感しかしねぇ…」

 

自分の手の甲を見てみる。

 

 

 

 

 

【手の甲に…時計の模様のような痣ができていた。】

 

 

 

 

 

颯「…うっそー?」

 

黒死牟「…さらばだ…」

 

颯「……黒死牟、ごめんな。」

 

黒死牟「…何を言って…」

 

 

颯「お前の負け、確定したわ。」

 

 

色の呼吸 濃 蒼ノ型 海面切り

 

 

黒死牟「…まだ動けるか…そしてこの威力…その手の甲にあるのは…痣……痣者がこの時代に出るとは…」

 

颯「痣者…体の調子がめちゃくちゃ良いんだよね。」

 

黒死牟「腹を切られても尚……生き抗うとは…」

 

颯「ん?何でか知らんけど…負ける要素が見当たらないんだよな、俺。」

 

黒死牟「…ほざけ。」

 

月の呼吸 捌ノ型 月龍輪尾

 

色の呼吸 濃 黄ノ型 電雷響轟

 

黒死牟「一撃一つ一つが恐ろしく強く……」

 

 

無惨「黒死牟、下がれ。」

 

 

颯「…!」

 

黒死牟「…!?」

 

無惨「志木寺颯、お前は本当に面倒なやつだ…私自ら…」

 

颯「よし!やっと無惨様来た!」

 

無惨「なんだと?バカにして…」

 

 

颯「いや…あなた直々に血を貰いたく…正直、鬼殺隊には飽きてしまいまして…」

 

無惨「…何だと?」

 

黒死牟「…何を…言っている…」

 

颯「だってそもそも勝てるわけがありませんよ。鬼の始祖に上弦の壱。痣者を鬼にすれば…そうですよね?」

 

無惨「わかった…鬼にしてやる。だが私からは血を入れん。おい、黒死牟、手を差し出せ。」

 

黒死牟「…」

 

黒死牟が手を出すとその両手に無惨の右手から大量の血が放出された…

 

黒死牟「…飲め。」

 

颯「はい…では…ありがたく…」

 

俺は黒死牟と同じように手を器代わりにし、血を両手に収める。そして…

 

 

颯「頂くかよバーーーカ!」

 

そう叫ばながら ”日陰の方に血をかけた”。

 

無惨「…どこまでも腹立たしいやつめ!黒死牟!とっとと下がれ!」

 

かわいそう。

 

黒死牟「……御意…。」

 

 

無惨「私自ら…殺し、望み通り鬼にしてやる。」

 

颯「散々縁壱さんに恐れていたやつが何を言ってんの?バカなの?バカか!だって鬼あんなに作ってるのに未だに完璧生物……だっけwwwwww」

 

無惨「殺す。」

 

 

颯「やってみろよ。もうすぐ朝だぜ?ほら!」

 

無惨「陽光め…志木寺颯…!お前を必ず殺す!必ず!」

 

颯「今やってみろよ。ほら!刀を持っていないよ!無惨くん!」

 

無惨「チッ……必ず殺す…!」

 

 

 

 

颯「終わったー……鴉!」

 

颯鴉「シネ…」

 

颯「珠世さんに…」

 

 

珠世「その必要はありません。」

 

愈史郎「よく生きてい…お前!腹が血だらけじゃないか!」

 

珠世「助けて頂き…どうもありがとうございました…」

 

颯「ごめんなさい…上弦の壱の血を採れなかった。」

 

珠世「大丈夫ですよ。また次の…」

 

 

颯「あ、そこの屋根の…日陰のところにある血、無惨の血なので採取しますね。」

 

 

珠世「…え?」

 

颯「無惨の血です。それ。」

 

颯「…はい。」

 

珠世「え?」

 

愈史郎「無惨の…血?」

 

颯「とりあえず…お、本当に自動で血を採れるんだな…」

 

 

珠世「志木寺颯…そう呼ばれていましたね。」

 

颯「アッハイ。」

 

珠世「颯さん、少し私の屋敷に来て頂けませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

珠世「うえええええわああぁぁぁぁぁ!?!?」

 

颯「ええ何!?」

 

愈史郎「(驚く珠世様!美しすぎるぞ!)」

 

珠世「無惨の血が…濃いどころか…無惨の血…そのものを…こんなに!?」

 

颯「ちなみに上弦の壱の刀の破片です。」

 

珠世「待ってください少し心を落ち着かせます…ふー…ふー…ふー……」

 

 

実は無惨の血をねだったのは作戦である。

珠世さんが無惨の血そのものを実験材料として提供すれば信頼度も上がり、鬼特攻の道具の強さも変わってくるだろう。

 

破片はついで!

 

 

 

珠世「………颯さん…あなた…どうやってこれを…?」

 

颯「無惨に 鬼になりたいから血を頂戴! って言ったらくれたので道端にぶちまけました。」

 

珠世「おぉー…おぉー?」

 

颯「愈史郎、お茶持ってきて。俺いらないから。珠世さんなんか壊れちゃったから。」

 

愈史郎「あ、あぁ。(…珠世様の心境が分からないが美しすぎる!)」

 

 

 

 

珠世「颯さん、無惨の血、上弦の壱の素材を提供してくださり、ありがとうございます。」

 

颯「いえいえ…でも、こちらも少しやってほしいことがあるんですよ。」

 

珠世「…?」

 

 

颯「見てください。これ、変な痣。この状態だと体の調子がいいんですよ。」

 

珠世「あっ!痣!縁壱さんに…似ている…」

 

颯「…んー…なので…さっき痣前の自分の血と…今の自分の血、比べてほしいんですよ。」

 

珠世「分かりました…ですが…………なんでもありません。」

 

颯「…そうですか。もうすぐ朝なので僕はこれで。」

 

珠世「はい……正直、もう血が要らないくらいなんですが…今後もよろしくお願いします。」

 

颯「ははは…では。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから俺は鴉に頼んで、御館様のところに来た。

俺はそこであったことを話す。

 

 

颯「って感じですね。」

 

輝哉「なるほど…痣…か。」

 

颯「?」

 

輝哉「颯、これから話すことをよく聞いていてほしいんだ。」

 

あぁ。知ってるよ。

 

颯「なんですか?」

 

痣になったものは…

 

輝哉「痣者は…」

 

 

 

 

 

【25歳までしか生きられないんだ。】

 




今回颯を痣者にしました。
これでチートって呼べるくらいには強くなった…はず!


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志木寺颯・14歳
第十八話 蝶


痣者って扱い難しい…


どうも。25までしか生きられない人間です。

 

なんかまた呼び出されました。御館様に。

 

輝哉「やぁ、また呼び出して悪かったね。」

 

颯「あれ?柱合会議って今日でしたっけ?」

 

なぜか柱が全員揃っている。あれ?忘れてたっけ、俺。

 

輝哉「なんで呼び出されたか分からないって顔だね。」

 

 

輝哉「颯、14歳の誕生日、おめでとう!」

 

行冥「またこの子供が強くなり、人として成長する…なんと祝福していいことか…」

 

天元「颯!この俺が派手に祝福してやるぜ!」

 

モブ柱一同「おめでとー」

 

 

颯「えっ?え?」

 

輝哉「驚いたかい?昨日のことで気分が下がっていたからね。」

 

颯「んえ?」

 

 

 

その後、俺は産屋敷家のおもてなしを受け、14歳の誕生会が終わった。メシウマ。

 

颯「あ、御館様御館様。」

 

輝哉「どうしたんだい? 」

 

颯「刀鍛冶の里に行って……これを…」

 

俺は袋に詰めてある大量の玉鋼を見せた。

 

輝哉「これは…玉鋼だね。」

 

颯「狭霧山の頂上で3年くらい日光を浴びせました。」

 

輝哉「なるほど…作ってほしいものがあるんだね。明日、鴉と隠をいかせるから、それでいいかい? 」

 

颯「あ、ありがとうございます。…あと、悪鬼滅殺、書いてないです。僕の刀…」

 

輝哉「えー…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隠「時柱様を刀鍛冶の里まで連れていく者です。」

 

女の隠の人がそう俺に挨拶をする。

 

颯「あ、よろしく。」

 

隠「では…私が時柱を背負いますので…」

 

隠がそう言って目隠しをした俺を背負った瞬間…

 

 

隠「えっ!?軽っ!?えっ??」

 

颯「びっくりしたぁ!?」

 

隠「ちゃんとご飯食べてますか?軽すぎますよ!」

 

颯「身軽の方が強いって…」

 

隠「女子ですかあなたは!」

 

颯「俺柱なのに!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄珍「どうもコンニチワ。鉄地河原鉄珍、よろぴく。ワシがこの里で1番偉い。頭着くまで下げたってや。」

 

颯「よろしくお願いいたします!」

 

鉄珍「ええ子やな。かりんとうをあげよう。」

 

颯「ありがとうございます…」

 

鉄珍「それで、何の用や?」

 

颯「俺の刀、悪鬼滅殺ついてないんです、あと…」

 

鉄珍「悪鬼滅殺は柱にしか付けれな…」

 

鉄六「お、ボウズ、久しぶりだな。柱になったんだって?」

 

鉄珍「?」

 

鉄六「あ、こいつ柱なんすよ。最年少の。」

 

鉄珍「なんと…これは失礼…」

 

鉄六「お前全然ここ来なかったからなぁ…刀大切にしすぎて悪鬼滅殺入れんの忘れちまったぜ。」

 

颯「あっ!後!」

 

鉄珍「んー?」

 

颯「とりあえずこれを…」

 

鉄六「大量の玉鋼…こいつでなんか作ってほしいもんでもあんのか?」

 

 

颯「盾を…作ってほしいんです。これ全部使って。」

 

 

鉄六「盾ェ!?まぁ確かに…この量全部使えばいけんだろうが…相当な時間が…」

 

 

鉄珍「面白いアイデアやな……5日で仕上げたってや。」

 

鉄六「い、5日ァ!?」

 

鉄珍「ワシも手を貸すから頑張ってや。」

 

 

鉄六「ちなみに刀はもうできてっから。ほい。」

 

颯「うおっ…ありがとうございま…」

 

鉄六「少し大きめにしといたわ。十四だっけか?そんくらいなら丁度いいだろ。刀抜いてみろ。」

 

颯「お…悪鬼滅殺。」

 

鉄六「頑張れよ。時柱。」

 

颯「鉄六さん本当感謝」

 

鉄六「いいってことよ。」

 

 

 

 

 

颯「ふわー…温泉気持ちよかったー……疲れた…眠…」

 

行冥「南無阿弥陀仏………近くにいるのは…時柱…志木寺か?」

 

颯「んおっ…悲鳴さん。」

 

行冥「……少し、話を聞いてくれないか?」

 

 

そこで悲鳴島さんは過去のことを話した。

孤児院で子供を育てたこと。

鬼に子供たちを殺されたこと。

守った子に あのひとがころした と言われ、投獄されたこと。

 

行冥「さよ…という子で…まだその時は4歳…」

 

颯「え、さよ?」

 

行冥「…?」

 

颯「今7歳でしたっけ?俺会ったことありますよ。」

 

行冥「!?」

 

 

颯「確か……なんて言ってたかな……」

 

さよ『あの人 …は鬼のことを言っていたんだけど…他の人は…悲鳴島さんだと勘違いしちゃって…私…謝りたいんだ。』

 

颯「って……あっ!鴉!」

 

颯鴉「シネシネ…」

 

颯「あの手紙…ある?」

 

颯鴉「フン…」

 

颯「お、丁度持ってるのか。これです。さよちゃんからの手紙。」

 

手紙を渡すと悲鳴島さんはすぐさま手紙を読み始め、見飽きた涙を垂らしていた。

 

行冥「そうか…ずっと……私は……」

 

颯「…」

 

行冥「…志木寺……私は君を信じよう。さよを助けてくれたこと、これまでの柱としての戦いを含め、君は立派な戦士だ。」

 

悲鳴島さんはそう言いながら俺の頭を撫でる。こういう兄がいたら楽しそうだよな、人生。

 

颯「あ、じゃあお願いがあるんですけど…5日後だけど。」

 

 

 

行冥「そうか…岩の呼吸…確かに水、炎、雷を使いこなせる君なら取得できる。いいだろう。」

 

颯「わーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「…5日後…待ち遠しいな………さ、早く帰ってとっとと…」

 

 

「誰か!誰か!」

 

 

颯「!……間に合ってくれ!」

 

 

鬼「美味そうな女のガキだ!くひひ!」

 

女の子姉「許して…妹だけでも…」

 

女の子妹「そんな!姉さんだけでも…!」

 

鬼「どっちもくってやるから安心しろぉ!」

 

 

色の呼吸 黄ノ型 霹靂一閃

 

颯「俺が殺すから安心しろ。」

 

鬼「なっ…切られ…」

 

女の子姉「な、何が…」

 

女の子妹「起こって…」

 

 

颯「ふー…終わった。子供の世話は鬼殺隊の仕事じゃないし、とっとと帰…」

 

女の子姉「ま、待ってください!」

 

颯「え」

 

女の子姉「あれ…私たちの両親を殺したあれはなんなの…?」

 

颯「あれ?【鬼】だよ。鬼は人を殺し、食う。そんな鬼を倒すのが俺がはしている鬼殺隊の仕事。」

 

 

女の子妹「じゃ、じゃあ!私たちもそこ鬼殺隊…?ってところに入れてください!」

 

女の子姉「な、なんでもしますので……」

 

颯「俺そういう趣味ないよ。」

 

女の子姉「え、見たところ…同じ歳くらいじゃない?」

 

颯「俺をなんだと思っているんだよお前…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「はい、時屋敷によーこそ。」

 

女の子姉「わーすごーい!」

 

女の子妹「すごい…」

 

 

颯「で、お前ら、名前は?」

 

 

カナエ「胡蝶カナエです…この子は妹のしのぶ。」

 

しのぶ「よ、よろしくお願いします…」

 

 

颯「年齢は。」

 

カナエ「15歳。」

 

しのぶ「…12」

 

 

颯「なるほど、庭へ行こう。」

 

カナエ「?」

 

 

 

颯「はい、これ。」

 

カナエ「これは…?」

 

颯「木刀。」

 

颯「とりあえず…今から俺の見て真似してくれ。」

 

 

水の呼吸 壱ノ型 水面切り

 

 

久々に水の呼吸 って言ったな…俺。

 

カナエ「早っ!?」

 

しのぶ「こんなの…」

 

 

颯「鬼殺隊は命を懸けて戦う仕事。これができなきゃ入隊して速攻死ぬことになる。」

 

颯「流石に助けた美少女二人が 鬼に殺さてれ死んじゃった! じゃ胸糞悪いでしょ?」

 

 

しのぶ「今姉さんに色目使った!」

 

颯「え」

 

しのぶ「だってほら!美少女って!普通の人は姉さんのことをずっと見てるだけだけど…美少女はもう確信犯よ!」

 

颯「???」

 

しのぶ「姉さん早く離れ…」

 

 

カナエ「分かりました……刀を振らなければ、人々に未来はない。鍛錬、受けます。」

 

颯「その返事、待ってたぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カナエside

 

こんにちは、胡蝶カナエです。

今は…あれ…名前なんでしたっけ…

 

カナエ「そういえば…名前は?」

 

颯「ん?志木寺颯。14。」

 

カナエ「歳下!」

 

颯「あ、バカにした。」

 

しのぶ「なんでそうなるの?」

 

 

 

 

 

 

 

颯くんが必要だと言っていたことは、”全集中の呼吸”。これさえできれば、鬼のように強くなれる…らしい。

 

颯「力む時にそれをやって体に慣れさせよう。そうすれば自然と全集中の呼吸に肺が馴染むから。」

 

カナエ「うーん…血液の流れを早くすることによって…体の調子が格段に良くなる…みたいな?」

 

颯「もうそれでいいよ。」

 

しのぶ「適当じゃない…?」

 

 

 

 

次に水の呼吸の習得。

刀に慣れていない人でも水の呼吸さえ使えれば鬼に勝てるとのこと。

 

カナエ「ねえ颯くん。」

 

颯「どうしたの?」

 

カナエ「全集中の呼吸をしながら技を放っているんだけど…ちょっと受けてもらってもいい?」

 

颯「いいよ、全力で来て。」

 

カナエ「分かった!」

 

 

水の呼吸 壱ノ型 水面切り

 

 

 

颯「うお…中々の威力…並の隊士より強いかも…いいね!鍛錬の成果が出てる!この調子ならもうすぐ入隊しても問題ないんじゃない?(てか才能ありすぎだろ…流石童磨と夜明けまで戦った柱だわ。)」

 

颯くんが笑顔でそう言ってきて、私はなんだか心がポカポカした。

 

カナエ「あ、ありがとう。」

 

自分でもこんな力が出せるなんて思わなかった。全集中の呼吸…これを四六時中やればどうなるのだろう?

 

颯「あ、ちなみに全集中の呼吸は四六時中やるといいよ。常中って名前なんだけど。」

 

あ、そういうのあるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯side

 

カナエさんの修行は順調なんだけど…

 

しのぶ「…できない…」

 

颯「がんば」

 

しのぶ「これ…本当にできるの?こんな岩を斬るなんて…」

 

 

カナエ「水の呼吸…弐ノ型……水車!」

 

ガキンッ!

 

颯「お、切れ込み入ってる。力み過ぎかな?」

 

カナエ「うーん…難しいなぁ…」

 

颯「カナエちゃんはこんな感じだからきっとしのぶもできるよ。」

 

しのぶ「…」

 

 

 

 

1週間くらい経ちまして。

 

颯鴉「オヤカタサマ…オヨビ……ツレテク…シネ…」

 

颯「お、なんだろう。じゃ、行ってくる。」

 

カナエ「行ってらっしゃい。」

 

しのぶ「…」

 

カナエ「しのぶ?」

 

しのぶ「…行ってらっしゃい…」

 

 

 

 

 

 

 

輝哉「君の頼んだ品が完成したそうだよ。」

 

隠「運びます。」

 

颯「頼んだ。」

 

鴉「シネ…」

 

隠「軽っ。」

 

みたいなお決まりの流れをした後に、刀鍛冶の里へ。

 

 

 

 

 

 

 

鉄六「お、来たか。」

 

颯「こんにちは……あれは?」

 

鉄珍「できているのや。」

 

鉄六「本当は3日で完成したんだけどよ…その時に玉鋼が余って…」

 

鉄珍「玉鋼を全て使って盾を作れ……そう言っておったな?だからワシは作ったのや。大量の玉鋼で作った最強の盾を。」

 

颯「おー…ありがとうございます!」

 

鉄珍「鬼殺隊士のためにワシらは動く。当たり前のことをしだけや。」

 

 

 

 

 

 

 

颯「盾…かっこいいな…うむ、左手に馴染む。」

 

行冥「志木寺…またここで会うとは…」

 

颯「あ、悲鳴嶼さん。」

 

行冥「…やるか?岩の呼吸の鍛錬を。」

 

颯「はい」

 

 

 

 

【岩の呼吸 壱ノ型 蛇紋岩】

【岩の呼吸 弐ノ型 天面砕き】

【岩の呼吸 参ノ型 岩軀の膚】

【岩の呼吸 肆ノ型 流紋岩】

【岩の呼吸 伍ノ型 瓦輪刑部】

 

颯「え、一気にやるんですか…」

 

 

ちなみに2時間くらいで終わった。型が五つしかないから鍛錬の時間も短めなのである。

基本的に盾を使うんだけど…正直、万力の握力…だっけか?それで盾を赫くしないと鬼に効果的ではない。それでも盾による攻撃手段は持っておきたいし、守る以外にも使い道があった方がいいに決まっている。

 

颯「ありがとうございましたー。」

 

行冥「また会おう…南無阿弥陀仏…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カナエ「おかえりなさい。」

 

颯「ただいま。二人にちょっと渡すものがある。」

 

しのぶ「?」

 

 

俺はそう言いながら刀を二人に渡す。

 

カナエ「刀…?」

 

颯「色変わりの刀。刀を握ってみてくれ。」

 

カナエ「はい。」

 

しのぶ「こう?」

 

 

二人が刀を握ると、【カナエが桃色、しのぶが薄めの紫色に刀が変色した。】

 

颯「あー…カナエは花の呼吸かも。」

 

カナエ「そっか…颯くんは教えられる?花の呼吸。」

 

颯「花の呼吸俺覚えてないんだよね…ごめん。育手ならいるけど。」

 

しのぶ「私は…?」

 

颯「ごめん分からん。多分花系統。」

 

 

しのぶ「…」

 

 

カナエ「…颯くん…私、育手…?…のところ、行ってみようと思う。」

 

颯「…分かった、御館様に伝えておくよ。」

 

しのぶ「じ、じゃあ私も…」

 

カナエ「ダメ。」

 

颯&しのぶ「え…」

 

 

カナエ「颯くんも言ってたでしょ?鬼殺隊は命を懸ける仕事。刀の扱いがまだ不十分なしのぶはまだ早いと思うの。」

 

颯「……まぁ…」

 

カナエ「…そろそろ寝るわ。ごめんね、しのぶ…じゃ…おやすみ、颯くん。」

 

颯「うん…おやすみ…」

 

 

 

 

 

 

颯「さて…夜中の鍛錬始めますか…」

 

俺は時屋敷を貰ってから任務のない夜中に始めていることがある。それが…

 

色の呼吸 紫ノ型 闇月・宵ノ宮

 

”月の呼吸”の練習である。

これを扱えればなぁ…相当強くなると思うんだけど…

 

 

颯「さて…次… 」

 

 

 

しのぶ「…まだ起きてたんだ…」

 

颯「あ、起こしちゃった?」

 

しのぶ「…寝れなかっただけだから…」

 

颯「…そっか。危ないから、少し離れた方が…」

 

 

 

しのぶ「颯さん…私……姉さんを見返したい…!」

 

颯「…。」

 

しのぶ「確かに姉さんの言ってることは本当…だけど……悔しかった…!…少しでも姉さんや…誰かを守りたいために鬼殺隊に入ろうって姉さんと約束したのに…私は…姉さん1人すら守れない…!」

 

しのぶが泣きながら叫んだ。…いいこと思いついた。

 

颯「……今からめちゃくちゃ辛い鍛錬…やるか?」

 

しのぶ「え…?」

 

颯「多分…これを乗り越えればカナエよりも強くなれると思うけど…正直…」

 

 

しのぶ「その言葉…嘘じゃない…?姉さんを超えるって。」

 

颯「…あぁ、当たり前だ。[志木寺颯の鍛錬]から【時柱の稽古】…受けてみるか?」

 

しのぶ「当たり前です!!」

 

 

颯「…いい返事だ。泣くんじゃねーぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1週間後。御館様に事情を話し、花の呼吸の育手の場所を教えてもらった。

カナエは育手のところへ行く準備をしている。

 

カナエ「颯くん…短い間だったけど…本当にありがとう!大好き!」

 

そう言いながらカナエが俺に抱きついてくる…うん…まぁ…うん…えー…うん…どう反応すりゃいいんだこれ…

 

カナエ「…なーんてね!驚いた?」

 

颯「本当にビックリしたからやめて…」

 

カナエ「しのぶ……姉さんは必ず強くなって…あなたを守るから…それまで…生き…」

 

 

しのぶ「姉さん、最後に…ちょっと…鍛錬しない?」

 

カナエ「え?…別にいいけど…じゃあ姉さんは…」

 

しのぶ「手加減なんていらないから。」

 

 

カナエ「分かった。颯くんはそこで見てて。すぐに終わるから…」

 

颯「…うい。」

 

 

 

しのぶ「…すぐに終わる…か。」

 

カナエ「……言われた通り、手加減はしないから!」

 

水の呼吸 参ノ型 流流舞…

 

 

しのぶ「確かに姉さんよりは…背が低いし、力もないけれど……速さは私を味方する!」

 

 

 

蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ

 

 

 

ボキッ!!

 

 

 

 

カナエ「…えっ…!?」

 

 

颯「勝負あり。カナエの木刀が折れたからしのぶの勝ち。」

 

しのぶ「……よしっ!勝ったよー!颯さーん!」

 

颯「お、おう。えらいえらい。」

 

満面の笑みで近づいてくる。嬉しかったんだなぁって思う。

 

 

カナエ「…」

 

まぁ…そりゃあカナエの心情は穏やかじゃ…

 

カナエ「負けちゃったかー……強くなったね、しのぶ!」

 

颯「え」

 

 

しのぶ「当たり前よ!二人で強くなるって約束したもの。」

 

カナエ「私も花の呼吸を覚えて強くなる。その時は…ね?」

 

しのぶ「…うん。」

 

二人で決着をつけよう!っていういい展開に…

 

 

しのぶ&カナエ「二人で颯くん(さん)をやっつけよう!二人で!絶対に!」

 

颯「なんで?」




胡蝶姉妹初登場です。


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第十九話 新たなる柱

最近めちゃくちゃ暑くて倒れかけました…


カナエを見送って数ヶ月が経った。

今は時屋敷でしのぶと二人で暮らしている。

先日の柱合会議で柱3人が辞めた翌日に御館様からの呼び出しがあった。

 

輝哉「頼みがあるんだ。」

 

颯「なんでしょう。」

 

輝哉「先日の柱合会議で三人の柱がやめただろう?」

 

颯「年齢の関係で…でしたっけ。」

 

輝哉「だから…新しい水柱に相応しい人がいるんだけど…そのことについて話してきてくれないかい?候補の子が二人いるんだ。」

 

颯「別にいいですけど…場所は?」

 

輝哉「君のよく知っている場所さ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鱗滝「颯、帰ったか。」

 

颯「お久しぶりです、鱗滝さん。」

 

 

義勇「久しぶりだな。」

 

錆兎「志木寺颯…」

 

 

颯「お、二人ともいたか。話があるから聞いてくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

義勇&錆兎「なるほど…それなら錆兎(義勇)が適任だろう。」

 

颯「そうなるだろうから2人とも俺と手合わせしろ。戦った具合で俺が決める。」

 

 

錆兎「ならは…俺が先に行く。」

 

義勇「そうか。」

 

颯「少しは何か言ってやれよ…」

 

 

 

 

錆兎「では…行くぞ!」

 

颯「来な、若き剣士よ!」

 

鱗滝「お前の方が若いぞ…」

 

 

水の呼吸 捌ノ型 改 滝壷・激流

 

 

颯「へぇ…技の改良か。確かに普通の滝壷よりも威力が高い。」

 

錆兎「どうした!鬼殺隊最強はこんなものか!」

 

颯「中々出ないな…見せてやろうと思っ…お、出た。」

 

最近…って言うか珠世さんを守った黒死牟戦以降、痣は出ていない。1年ぶりくらいに手の甲に時計模様が浮かび上がる。

錆兎「攻めないのならば…それまでの男だったと思うまでだ。」

 

水の呼吸 弐ノ型 水車…

 

 

颯「水車か。じゃあ俺も。」

 

 

色の呼吸 濃 蒼ノ型 大車輪・水流

 

 

錆兎「…!(押し負けた…同じ型のはず…!?)」

 

颯「怯んでる隙を見逃すほど優しい兄弟子じゃないぞ。」

 

色の呼吸 濃 蒼ノ型 雫波紋・雷鳥

 

錆兎「うぐっ…」

 

颯「あ、ごめん。鳩尾入ったかも…」

 

錆兎「ゲホッ…ゴホッ…くっ…完敗だ。真菰、隠れていないで出てこい。」

 

 

真菰「…うん。」

 

颯「迷子がいますよ。」

 

鱗滝「あの子は”真菰”という。お前や義勇、錆兎の後に儂のところに来た。」

 

真菰「…あんなに強い錆兎でも負けちゃうんだね…あんな人に。」

 

颯「あいつなんなんですか?」

 

義勇「俺の番はまだだろうか?」

 

颯「忘れてたわ。」

 

 

 

 

 

 

 

颯「拾壱ノ型はどうだ?」

 

義勇「極めた…とまではいかないが、それなりにある程度の練度に達している。」

 

颯「そりゃあ楽しみだな…じゃ、始めるか。」

 

水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦

 

色の呼吸 濃 蒼ノ型 神流舞い

 

義勇「強いな。」

 

颯「本当に刀を振るのが早いな…お前。」

 

 

色の呼吸 濃 蒼ノ型 海面切り…

 

 

水の呼吸 拾壱ノ型 凪

 

 

颯「弾かれるか…やるね。」

 

水の呼吸 肆ノ型 打ち潮

 

色の呼吸 濃 蒼ノ型 大車輪・水流

 

 

義勇「あの体勢からすぐに立て直すのか…」

 

 

 

颯「木刀が折れそうだが…まだやるか?」

 

義勇「当たり前だ。」

 

 

水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き 神速

 

 

 

お、神速か。やっぱり原作より強化されている可能性があるな…他の柱もそれなら鬼との戦いも楽になる。

 

颯「まあ……95点ってところかも。」

 

 

色の呼吸 蒼ノ型 凪

 

 

 

義勇「!」

 

錆兎「あいつ…義勇の技を…」

 

颯「教えたのは俺だぞ?俺が使えなくてどうする。」

 

 

義勇「無理だ。あれ以上やってもお前には勝てない。」

 

颯「痣状態の俺に食らいついたお前も凄いよ。」

 

錆兎「今のを通してわかっただろう。義勇、お前は俺より強い。」

 

義勇「…俺に…柱が務まるのだろうか。」

 

颯「務まるかどうかじゃない。柱として人を守れるかどうか、だ。」

 

 

義勇「分かった…御館様に伝えてくれ。水柱になる。」

 

颯「了解。助かった。それじゃ。」

 

 

 

 

 

 

 

義勇「柱、か。」

 

真菰「あの人…本当に強いんだ…鱗滝さんの言ってた通りだった。」

 

錆兎「俺達も最初はあいつを疑ったさ。」

 

 

義勇「颯の強さは…想像以上だった。そして…初めて誰かを超えたいと思った。」

 

錆兎「…あぁ。俺もだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「話してきましたよ。水柱になることを決心してくれました。」

 

輝哉「そうか。ありがとう。」

 

颯「いえいえ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからさらに何ヶ月後…

 

 

 

「なぁ知ってるか?最近めちゃくちゃ荒っぽい風の呼吸の使い手がどんどん階級が上がっていくらしいんだ!」

 

 

「カナエちゃん可愛いな…あれで次期花柱とも言われているし…強いし可愛いし完璧かよ…」

 

 

「妹も可愛いらしいぜ!俺…二人とも狙っちまおうかな…」

 

 

「時柱様が二人を拾ったらしいぞ。」

 

 

「ごめん何でもないわ。」

 

 

「煉獄家のやついるじゃん?あいつ噂通りめちゃくちゃ強かったんだよな。」

 

そういう噂話をする隊士が多くなってきた。

 

最終選別が少し前にあったから久々にカナエに会ってきた。花の呼吸を使えるようにしたらしい。

 

カナエ『しのぶは颯くんのところで頑張っているんでしょ?今度会う時はしっかり勝ってみせるんだから!』

 

とお馴染みの明るい笑顔で俺にやる気を見せる。

しのぶにこのことを伝えると少しだけ微笑んでいたような。

ちなみにしのぶは藤の花の毒について知識を深めてもらい、原作同様刺したら毒が注入される特別な日輪刀を鉄六さんに作ってもらった。柱っていいよね。

 

 

 

天元「最近若手が育っているらしいな。」

 

颯「へー…嬉しいことで。」

 

天元「そういう訳だから俺の家に来いよ。」

 

颯「どういう訳だよ。」

 

 

 

 

須磨「おかえりなさい天元様!」

 

雛鶴「あら…そちらの方は…?」

 

まきを「見ねぇ顔だな…まさかてk」

 

颯「初手から酷くないか。」

 

天元「まあそう言うな。こいつは俺の同僚だ。俺より派手に強い。」

 

須磨「えええぇ!?じゃあとっても強いじゃないですか!?化け物じゃないですか!」

 

まきを「…うえぇ…?」

 

雛鶴「天元様がそう仰るならそうなんでしょうけど…」

 

 

颯「泣いていい?」

 

天元「…すまん。」

 

 

 

 

雛鶴「なるほど…最終選別で出会った柱が…」

 

天元「ああ。しっかし驚いたな…まさかお前が会って一週間で音の呼吸を使えるとはよ。」

 

颯「俺に使えない呼吸なんて無いからね。」

 

須磨「不思議な人ですね~。」

 

まきを「鬼殺隊最強の時柱…まさか私らより年下だとは…」

 

 

雛鶴「では、私たちは夕飯の準備を…」

 

天元「そうか。よし、颯!風呂入るぞ!」

 

颯「別にいいけど…今?」

 

天元「何か問題でもあるのか?」

 

颯「奥さん達に迷惑かからない?なんか他人が入った風呂とかに色々思うだろうし。」

 

天元「その心配は無用だ。もう既にあいつらは済ませてある。」

 

颯「うわー用意周到。」

 

 

 

 

 

颯「うおっ…すげー筋肉。」

 

天元「お前に言われたくねーよ。本当に14なのかってくらいガッチリしてんじゃねーか。」

 

颯「鍛えてますから。」

 

天元「まぁそんなもんか?」

 

颯「そんなもんそんなもん。いや広いなー…音屋敷。」

 

天元「まぁな。嫁が三人いることは御館様もしっかり分かってくださってる。あの人はド派手にすげー人だ。」

 

颯「それは分かる。」

 

 

 

天元「でよ、質問なんだが。」

 

颯「ん?なんだよ。」

 

天元「お前、胡蝶姉妹を拾ったんだろ?どっちが本命なんだよ。」

 

颯「そういうのねえよ。あんな綺麗や女の子が俺に似合う訳ないだろ。もっといい人見つけて結婚式でからかうのが理想だな。」

 

天元「へぇ…意外だな。まぁ俺はもう運命の人ってのを見つけてるから無縁な話だけどな。」

 

颯「随分と愛妻家で。」

 

天元「当たり前だ。」

 

 

 

雛鶴「天元様、楽しそう。」

 

まきを「友って呼べる人が今までいなかっからな。」

 

須磨「私も混ざろうかな~。」

 

雛鶴「まきを。」

 

まきを「あいよ。」

 

須磨「えっちょっ……どこに連れていくんですかまきをさん!?降ろして!ちょっ」

 

 

 

 

 

颯「聞かれてんぞ。」

 

天元「だな。」

 

 

 

それから俺は夕飯をご馳走になり、泊まった。

ちなみにめちゃくちゃ夜は気を使った。

「え!?俺1人の方が寝やすいんで!」とか言ったら天元にしばかれた。なんで?

 

 

 

颯「お世話になりましたーっと。」

 

天元「おう。」

 

雛鶴「またいらしてください。」

 

須磨「待ってます!」

 

まきを「これからも天元様と仲良くしてやってくれよ!」

 

保護者かな?って思った。でもいい奥さんだなぁってつくづく思う。良い夫がいてこそ成立する夫婦愛なのだろう。

 

 

 

 

それからまた数ヶ月。

 

輝哉「今日は新しい柱が二人増える。」

 

颯「今のところ…僕ら4人だけですからね。」

 

行冥「喜ばしいことだ。」

 

天元「前にいた柱は全員やめちまったからな。」

 

愼寿郎「…」

 

 

輝哉「まずは【水柱】、冨岡義勇。」

 

 

義勇「…。」

 

輝哉「次に【花柱】、胡蝶カナエ。」

 

カナエ「精いっぱい頑張ります!」

 

 

輝哉「颯は二人のことを知っているだろう?柱について分からないこともあるだろうから、色々教えてあげてほしいんだ。」

 

颯「はい。」

 

輝哉「天元、行冥、愼寿郎も。」

 

天元&行冥&愼寿郎「御意。」

 

そして御館様が退室。

 

義勇「…よろしく頼む。」

 

天元「(地味なやつが来たな…)」

 

カナエ「颯くん久しぶり!元気だった?」

 

颯「うん。俺はg」

 

カナエ「しのぶは元気?」

 

颯「うん。しのb」

 

カナエ「どう?寂しくて泣いてない?」

 

颯「うん。泣いてn」

 

カナエ「あと…」

 

颯「もう時屋敷来なよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

しのぶ「姉さん!」

 

カナエ「しのぶ!」

 

感動の再会…まぁ1年も経ってないけど。

 

カナエ「さて…あの時の約束、覚えているかしら?」

 

しのぶ「当たり前よ。」

 

 

カナエ&しのぶ「颯くん(さん)!あなたに決闘を申し込みます!二人で!」

 

颯「あー…あれ本当だったんだ。別にいいけど。」

 

 

 

 

カナエ「颯くん…武器は?」

 

颯「ん?いらない。一応小さい硬い木棒でも持っておくけど。」

 

しのぶ「…舐められたものね。」

 

 

蟲の呼吸 蜻蛉ノ舞 複眼六角

 

 

颯「危なっ。」

 

 

花の呼吸 陸ノ型 渦桃

 

カナエ「…避けられた…」

 

颯「ほらほら早く。二人で約束果たすんだろ。」

 

 

蟲の呼吸 蜈蚣ノ舞 百足蛇腹

 

花の呼吸 肆ノ型 紅花衣

 

カナエ「なんでっ…」

 

しのぶ「当たらないの…!?」

 

 

颯「んー…まだまだかな。」

 

色の呼吸 薄紅ノ型 御影梅

 

 

しのぶ「ぐっ…」

 

カナエ「なんで使えるのよ…」

 

颯「まだやる?腕とか足とかに狙ってやるの難しいんだよね。」

 

しのぶ「負ける…」

 

カナエ「もんですか!」

 

 

蟲の呼吸 蜂牙ノ舞 真靡き

 

花の呼吸 伍ノ型 徒の芍薬

 

颯「そろそろ終わりにしますか。お腹減ったし。」

 

(時よ…止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

久々に伍ノ型でも使うか。趨炎附熱は範囲広いから二人まとめて倒せる。

 

スン…

 

 

 

時の呼吸 伍ノ型 遅炎龍

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カナエ「…」

 

しのぶ「二人がかりでも勝てなかった…化け物よ。」

 

颯「2回目だよそれ言われるの。」

 

カナエ「やっぱり颯くんは強いなー。時の呼吸…私も使ってみたい。」

 

しのぶ「そもそもずるいのよ…一瞬で何十回も攻撃するんだもの。」

 

颯「時柱舐めんな。」

 

 

カナエ「それで…颯くん…実は…」

 

颯「蝶屋敷のこと?」

 

カナエ「よく分かったわね。」

 

しのぶ「蝶屋敷?」

 

颯「カナエが御館様に頼んでカナエの屋敷代わりに病院に似たようなものができたんだよ。そこにしのぶも来てほしい。でしょ?」

 

カナエ「うん。でもしのぶはずっと颯くんと…」

 

しのぶ「そっ…そんな関係じゃ!?」

 

颯「行ってきなよ。カナエ1人じゃ厳しいのは事実だろ。俺なんかに気を使うな。」

 

しのぶ「…分かった。」

 

 

それからしのぶの荷物運びを手伝う。時屋敷と蝶屋敷じゃめちゃくちゃ距離あるからすごい時間かかった。

 

 

しのぶ「颯さん…今までありかどうございました…!」

 

颯「え?俺死ぬの?」

 

 

しのぶに別れを告げる…って言うか蝶屋敷の道具とかはまだ揃っていないから度々俺も手伝いに行くことになる。会えない訳では無いから安心してほしいところだと思う。うん。

 

 

 

 

それなら暫く経ちまして…

 

颯「一般隊士と任務かぁ…荒っぽいんだっけ?面倒だなぁ…」

 

 

「てめぇかァ?同行する柱ってのはよォ。」

 

「実弥!この人は時柱、志木寺颯さんだぞ!鬼殺隊の中で1番強いって噂も流れているんだから行儀正しくしないと!もしこれで怒られたら牛鍋奢れ!」

 

 

「…志木寺…颯?」

 

颯「え…実弥?」

 

 

実弥「…お前…本当に…」

 

颯「…えぇ…マジ?」

 

 

未来の風柱と…幼馴染とご対面とは…




更新がかなり遅れてしまいました…ごめんなさい…


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志木寺颯・15歳
第二十話 風の隊士は幻影を吹き抜ける、


正直に言います。





_人人人人人人人人人人人人人_
>小説は1回しか呼んだことない<
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


なのでうろ覚えで書きます。
「あれ?こんな話じゃなかったよね?」って感じになると思いますがお許しを…


実弥「お前…本当に…颯…なのか…?」

 

颯「んー……まじか…」

 

「えっ…2人ともどういう関係?」

 

颯「ちょっと時間いい? 」

 

それから俺は実弥と別れたあとの話をした。

9歳で刀の使い方を習ったこと、それから3年後に柱になったことなどなど。

 

実弥「そうかァ…生きていたんだなァ…颯…」

 

颯「俺も嬉しいよ……あっ!これ重要だった!玄弥はどうしたんだよ?」

 

実弥「……知らねェ…」

 

颯「え?」

 

実弥「…そんな奴…俺は知らねェ…!」

 

颯「…そうか。話せる時になったら言ってくれ。」

 

実弥「…すまねェ… 」

 

 

「あのー…俺…話に入ってこれないんですけど…」

 

颯「お前誰。」

 

粂野「く、粂野匡近…です。」

 

颯「よし粂野君。実弥の鬼殺隊に入隊するまでの話を聞かせてくれ。」

 

粂野「あ、分かりました。」

 

実弥「おい待て分かるんじゃねェ。」

 

 

 

 

粂野「それで実弥は血だらけの状態で鬼を殺していたんですよ!危なくないですか!?」

 

颯「それは危ないわ。バカだよ。」

 

実弥「あァ!?」

 

粂野「やっぱり時柱様もこう言ってるだろ!お前は自らを傷つけようとする生き方を選ぶな!」

 

颯「そうだぞ。」

 

実弥「黙ってろお前らァ!」

 

 

颯「あ、ついた。ここかも。」

 

実弥「…ここかァ…」

 

粂野「確か子供が何人も消えている…でしたっけ………」

 

 

粂野「あれ?時柱様?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「はぐれた……さて…小説版は1回しか読んでないが…能力は分かる。出てこいよ。」

 

?「母親に向かってそんな言葉遣いはダメよ。」

 

颯「…下弦の壱か…」

女の鬼がいた。確か…母親を気取っている奴か。

姑獲鳥「志木寺颯くん…母親だから颯って呼んだ方がいいかしら?」

 

颯「子供たちはどこにいる。」

 

姑獲鳥「私の子はみーんな…お腹の中にいるわ。今この場所にね。」

 

颯「…!」

 

マジか…ここは…胎内か?幻術なのは覚えているが…対処法がなぁ…とりあえず斬っておこう。

 

姑獲鳥「…私はあなたの母親よ。だからあなたも…私のお腹の中で暮らしなさ…」

 

色の呼吸 灰ノ型 天面砕き

 

颯「胎内の硬さじゃないな…本体をやれば何かは変わるのかな?」

 

姑獲鳥「…私の子供になる気は…な…」

 

色の呼吸 赫ノ型 朱雀

 

色の呼吸 蒼ノ型 生生流転

 

色の呼吸 薄紅ノ型 徒の芍薬

 

颯「……感覚がないな。」

 

姑獲鳥「…今の攻撃…瞬く間に三つの型を…やっはりあなたは自慢の子ね…私の…」

 

(止まれ…)

 

カチカチカチ…

 

颯「…」

 

色の呼吸 蒼ノ型 水流飛沫・速

 

 

姑獲鳥「子になるべき……消えた…?」

 

 

 

 

颯「…さて…」

 

俺は今大木の上に立っている。かなり離れた範囲だけどギリギリ鬼の姿が見える。

あの変なお香のせいか…幻惑の術の原因は。

 

匡近「実弥!どこにいるんだ!」

 

え、何してんだアイツ…そっか…見えてないからどんどん鬼の方へ向かっているのか…

ひとまず様子を見よう。匡近君には悪いが実験台になってもらう。いざとなったら時の呼吸を使う。

 

 

実弥「…ここにいたかァ…クソ鬼。」

 

姑獲鳥「あら…新しい子がやってきたのね。私の可愛い子…」

 

匡近「実弥!時柱様は!」

 

実弥「知るかァそんなもん。」

 

 

風の呼吸 参ノ型 晴嵐風樹

 

風の呼吸 伍ノ型 木枯らし颪

 

姑獲鳥「ふふ…中々やるわね…」

 

なんか虚空に向かって剣を振っている。幻影か何かだろうか。見ているのにも飽きたのでお香を消すか。

 

颯「この距離はキツイな……よし…やるか。」

 

痣が出るのを確認する。これならやれる。

 

 

色の呼吸 濃 黄ノ型 最大輪・熱界雷

 

 

姑獲鳥「あらあらどうしたの?私はここに……」

 

ガシャン……

 

姑獲鳥「…!」

 

 

よし、命中。

 

姑獲鳥「颯の仕業ね…後で胎内で躾をしなくちゃねぇ!!」

 

匡近「なんだ…さっきまで変なところにいたのに…最初に来た御堂みたいなところに戻った…」

 

実弥「…変な煙のせいで俺たちは騙されていたってことだァ…ムカつくクソ鬼だァ…」

 

匡近「だが…これでおしまいだ!」

 

 

女の子「やめて!お母さんをいじめないで!」

 

匡近「…!」

 

実弥「匡近!危ねぇ!」

 

カチカチカチ…

 

ザンッ!!

 

スン…

 

 

時の呼吸 弐ノ型 時雨

 

 

姑獲鳥「う、腕が…!?……失敗した…!あいつを串刺しに出来そうだったのに…!!」

 

颯「間に合った間に合った……女の子を避けつつ両手両足をぶった斬るのはキツイな。」

 

 

匡近「と、時柱様…」

 

実弥「遅せぇんだよォ。颯。」

 

颯「悪い悪い。後で何か奢ってやるから。」

 

 

女の子「お、お母さんを…殺しちゃダメ!」

 

颯「…ごめんな。お母さんは君みたいな子供をたくさん殺してる。お兄さん達もやらなきゃいけない仕事があるんだ。分かってくれ。」

 

女の子「うっ…うぅ…」

 

颯「あの人は君もろとも…」

 

 

姑獲鳥「隙なんか見せていいの…?」

 

そう言って鋭い爪を俺の喉元に近づける。

 

実弥「颯!」

 

姑獲鳥「あらダメよ…あなたが私に刀を振るった瞬間…この子の首を切っちゃうんだから。」

 

 

颯「誰が誰の首を切るって?」

 

(止まれ。)

 

カチカチカチ…

 

スン…

 

時の呼吸 壱ノ型 星霜

 

姑獲鳥「…またっ…!?」

 

颯「時の呼吸の使い手、舐めんじゃねーぞ。偽ママ。」

 

姑獲鳥「…最後まで…ダメな親…あの方の命令さえ執行できないなんて…」

 

鬼は塵となって消えていく。

 

女の子「お母さん…うっ…酷い…酷いよ…うっ…」

 

颯「……」

 

実弥「…颯…お前は別に…」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

玄弥『なんでお母さんを殺したんだよ!』

 

実弥『…』

 

玄弥『人殺し!人殺しー!』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

颯「……大丈夫だ。あの子にとって俺は母親を殺した大悪党。憎まれて当然のことだ。お前も……いや、なんでもない。」

 

実弥「……そうか…。」

 

 

 

 

暫くして俺たちは解散した。

後日、柱合会議が開かれた。実弥の柱就任のことだ。

御館様に関しては俺が設定したからそれなりの敬意がある状態で柱合会議が行われた。

 

 

颯「原作の柱が揃ってきたな…」

 

後は…炎柱、恋柱、霞柱、蛇柱だろうか。俺は蛇柱嫌いだからなるべく顔を見たくないが我慢だ。

 

あと…

 

 

 

 

 

 

【あと1年…あと1年で…上弦の弐に花柱、胡蝶カナエが殺害される。】

 

 

 

颯「止めなきゃな…生かせるやつは全員生かす。」

 

その目標を胸に、俺は任務に励む。




今回は割とオリジナル要素90%な感じです。
不評だったら申し訳ない…


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第二十一話 煉獄家、再び

更新がかなり遅れてしまって申し訳ない…



颯「眠…確か…煉獄家はここだったはずー…」

 

 

 

輝哉『突然すまないね。颯には少しお願いを聞いてもらいたいんだ。』

 

颯『zzz…………うえ?』

 

輝哉『【煉獄杏寿郎】、君も知っているだろう?君に彼の任務に同行してほしいんだ。』

 

颯『柱としての仕事はどうなるんですか?』

 

輝哉『君の担当する区域には鬼が出てこなくなるからね。不思議なことに。』

 

御館様はそう笑いながら言った。

 

輝哉『鬼を狩り尽くして最近暇だろう?』

 

颯『なんか御館様って他の柱と違って俺に対して失礼すぎません?』

 

輝哉『君だってそうじゃないか。』

 

颯『そういえばそうでした。』

 

 

 

 

颯「えー…っと…ここだ。」

 

?「久しぶりですね、颯さん。」

 

颯「お、千寿郎くん。」

 

千寿郎「何か御用でしょうか?」

 

颯「杏寿郎に伝えたいことがあってさ。」

 

千寿郎「それならちょうどよかったです。兄なら家にいますのでどうぞお上がりください。」

 

 

 

杏寿郎「颯か!久しぶりだな!何か用か!」

 

颯「おう。実は御館様に…」

 

杏寿郎「久々に鍛錬でもするのか!今は手が空いてるいぞ!」

 

颯「話を聞いt」

 

杏寿郎「勝負!」

 

本颯「殴るぞ。」

 

 

 

杏寿郎「なるほど!俺の任務にお前が来るのか!何故だ!お前は柱としての責務があるだろう!」

 

颯「残念ながら無いんだよ。」

 

杏寿郎「そうか!」

 

 

 

 

それから翌日…

 

颯「来たか。」

 

杏寿郎「うむ!では行くぞ!」

 

颯「おう。」

 

 

杏寿郎「…颯。」

 

颯「ん?」

 

杏寿郎「…俺は…柱に相応しい人間だろうか?」

 

颯「突然どうした。」

 

杏寿郎「俺は父上のようにはなれないと思っている。父上はもう柱をやめただろう?」

 

颯「あー…そういえば。」

 

実弥が柱になる前の柱合会議で後日辞めたことを聞かされたんだっけ。

愼寿郎さんには世話になったし挨拶に行こうと思ったけど結局できなかったなぁ。

昨日も家にいなかったし。

 

杏寿郎「炎柱を継ぐのは俺になる。千寿郎が跡を継ぐのは危険だからな。あいつには自分自身の夢を見つけてもらいたい。」

 

確かに千寿郎くんは剣士としての素質はあまり無いだろうと思う。色変わりの刀を握っても赤くはならなかったことも把握している。

 

颯「…相応しいとかそういうのは無いと思うんだ、俺。」

 

杏寿郎「…」

 

颯「柱として鬼から人を守る、柱として下の階級の隊士の目標となる存在になる…一人一人の価値観は違うと思うけど…御館様に炎柱に選ばれたなら引退するまで全うするまで。」

 

杏寿郎「…そうか…すまないな、こんなことを聞いて。」

 

颯「いいよ別に…あ、ここだ。今回の場所…なんか太鼓叩いてない?」

 

杏寿郎「鼓だろうか?」

 

確か響凱…だっけか?太鼓叩いて空間移動するやつ。

 

颯「まぁ行ってみなきゃ分からな…」

 

ポンッ ポンッ ポンッ…

 

 

鼓の音が周りに響いた後、屋敷の2階から放り出されるように人が出てきた。

 

颯「おっと!」

 

俺は頭を打たないようにその人を抱える。

血だらけの女性だが…まだ助かるかもしれない。出血多量は早めに出血を止めれば良いんだよ。当たり前だけど。

 

颯「鴉!」

 

颯鴉「シネ…カクシ…ヨブ」

 

颯「話が早くて助かる。」

 

杏寿郎「いつからお前の鴉はそこに?」

 

颯「え?ずっと俺の上にいたぞ?」

 

杏寿郎「なんと…」

 

 

 

 

屋敷内

 

颯「暗いな…夜だから当たり前か。」

 

夜の中のお寺…前世だったら怖くてちびるかもしれない。

 

辺りを見渡しても鬼の気配は感じられない。

別の部屋でポンポンポンポンしているのだろう。

 

颯「どうする?二手に分かれるか?」

 

杏寿郎「その方が良さそうだ。」

 

颯「じゃあ俺はこっちに…」

 

 

ポンッ

 

 

颯「…?」

 

どうやら移動した…らしい。

杏寿郎なら負けることは無いと思うが……まぁいいか。今は俺のやることに集中するだけ。

 

鬼「おぉ?人間が来たk………おっ…お前は!?し、志木で」

 

色の呼吸 黄ノ型 霹靂一閃

 

 

颯「えーっと…鼓のやつはどこだ?」

 

この屋敷はちょくちょく道が変わるから面倒だ。

 

ポンッ

 

颯「またかよ…面倒な…」

 

 

「貴様…小生になんの用だ…」

 

颯「切りにきた。」

 

響凱「小生は十二鬼月………例え貴様が志木寺颯であろうと… 」

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火

 

 

響凱「虫けらが…!」

 

杏寿郎「すまない!もう戦っていたとはな!」

 

颯「俺も今来たところだからいいよ。それより…やるか。」

 

杏寿郎「あぁ。もちろんだ。」

 

 

炎の呼吸 陸ノ型…

 

 

 

 

 

破壊殺・空式

 

 

 

 

杏寿郎「ぐがっ…!?」

 

颯「杏寿郎!」

 

 

杏寿郎「……問題な…い…!…かすり傷だ!…げほっ…」

 

 

猗窩座「横腹に当たったか…鳩尾を狙ったのだがな。」

 

颯「お前…武士道の欠片もないな…いつからそんな不意打ちをするようなやつになった?」

 

猗窩座「…お前に俺の何がわかる?」

 

颯「…何も分からないさ。恋人が毒殺されたことくらいしかな。」

 

 

猗窩座「…なんだと?」

 

 

颯「来るのか、来ないのか…はっきりしてもらおうじゃないか。」

 

猗窩座「チッ…無駄な援護はするな!響凱!」

 

響凱「しかし…小生は…」

 

 

猗窩座「援 護 は す る な 。」

 

響凱「では…この炎の呼吸使いを…」

 

杏寿郎「ぐっ…颯!上弦の参は任せてもよいか!?」

 

颯「別にいいけどお前…肋折れてんだろ!?無理しないで屋敷の外に…」

 

 

杏寿郎「ここで逃げては…父上の顔に泥を塗ってしまうんだ!」

 

颯「…分かった。死ぬなよ?」

 

杏寿郎「当たり前だ。」

 

 

猗窩座「この闘気は何度感じても素晴らしいな…颯。」

 

颯「ここじゃ殺りづらいな…場所を変えよう。」

 

色の呼吸 灰ノ型 蛇紋岩

 

俺は盾を壁に向かってメリケンサック代わりに殴った。

 

壁には穴が空いている。よし、成功だ!

外に通じているよう俺は壁に穴を開けた。響凱が何か妨害でもしたら負ける可能性も出てくる。

 

 

颯「ここなら邪魔は入らないしな。存分に戦える。完膚なきまでにお前を負かしてやるよ。」

 

猗窩座「ふざけたことを…!!」

 

破壊殺・乱空式

 

(止まれ。)

 

カチカチカチ…

 

一瞬で決める。こいつの首の硬さはある程度わかっている。

霹靂一閃なら首を切れる。

 

スン…

 

 

色の呼吸 黄ノ型 霹靂一閃 神速

 

ガキンッ!

 

颯「切れない…!?」

 

猗窩座「はっ!」

 

すぐさま俺の腹に拳を振り上げる。

 

颯「おっと…危な…鳩尾貫通する勢いだな…」

 

猗窩座「今のを躱すか…」

 

おかしいな…硬すぎて切れないなんて今まで無かったはず…猗窩座の首がそれほどまでに硬いのか…?

もしくは…

 

颯「無惨から血を貰っている…?」

 

猗窩座「そうだ。無惨様はお前を消すために上弦の鬼にも血を分けてくださった。」

 

マジか…原作より強化されているのは柱だけじゃなくて鬼もか…これは炭治郎達が沼の鬼とかに勝てるのか不安になってきたぞ…

 

猗窩座「前までの俺だとは思わない方がいい。」

 

颯「それはこっちも…だな。」

 

心音が大きくなる。体があったまる。

この感覚は…出たな。

 

 

猗窩座「痣か…」

 

颯「強くなったのはお前だけじゃないってことを分からせてやるさ。これからな!!」

 

 

色の呼吸 濃 薄紅ノ型 渦桃・大輪

 

破壊殺・天式 業火巔殺

 

 

天式…やっぱ技も進化してるな…痣なら余裕かと思ったがこれは楽にいかなそうだ。久々に全力を出さなきゃ…。

 

猗窩座「俺の進化した技についていけるか!やはりお前は鬼になれ!」

 

颯「何回目だよそのやりとり!」

 

 

色の呼吸 濃 黄ノ型 聚蟐成雷

 

雷の呼吸で距離を取って相手の動きを読み取…

 

猗窩座「これを避けきれるか!?」

 

破壊殺・空式 覇光砲

 

颯「えっ!?」

 

なんかビーム撃ってきた!?

俺はともかく後ろには屋敷があるから杏寿郎も当たる…のんな不意打ちで来たら絶対に避けられない。

 

 

なんとかして、これをかき消すしかない。

 

 

 

(止まれ!)

カチカチカチ…

 

颯「さて…いけるか…!?」

 

 

色の呼吸 濃 黄ノ型 最大輪・熱界雷…

 

 

颯「五連!!!」

 

スン…

 

 

ズガァンッ!

 

シュッ…

 

 

颯「ふぅ…よしっ!」

 

猗窩座「俺の奥義を相殺したか…やはり鬼になれ!」

 

颯「しつけぇ!」

 

 

 

血鬼術 骨祭

 

 

颯「はっ!?」

 

猗窩座「…何だ?」

 

後ろを見ると大きな鎌を持った骸骨のような鬼がいた。

 

モブ鬼「猗窩座殿!儂も援護しまする!共に志木寺颯を…」

 

 

猗窩座「無駄な援護はやめろ!」

 

モブ鬼「なっ…でも儂は…」

 

 

猗窩座「やめろと言っているのが分からないのか…?」

 

とてつもなく大きい威圧感に肌がピリピリする。

まあ俺としても増援は邪魔だから好都合だ。

 

颯「だとよ。」

 

モブ鬼「くっ…」

 

 

颯「さて…続き、やるか。」

 

猗窩座「あぁ。楽しい宴にしようじゃないか。」

 

色の呼吸 濃 黄ノ型 靁魂

 

破壊殺・乱式 練

 

 

(止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

颯「この隙に赫刀だ…。」

 

俺は盾に刀を振りかぶる。

 

スン…

 

時が動いた直後に刀を見ると赤くなり始める。

 

颯「よし…これで大丈…」

 

破壊殺・乱空式

 

颯「やべっ!」

 

咄嗟に左手に持ってた盾を右手に持ち替え、盾を構える。

ガキキキキキィンッ!

 

 

颯「ふぅ…」

 

 

モブ鬼「隙ありじゃ!」

 

颯「ちっ…クソが!」

 

猗窩座「何をしている!とっとと下がれと言ったはずだ!」

 

モブ鬼「儂は志木寺颯を殺すのじゃ!」

 

鎌を振り下ろす鬼…だが刀を持ち替える暇はねぇ…これは少々まず…

 

 

 

 

炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄

 

 

 

 

モブ鬼「なっ…切られた!?志木寺颯はここにいるはず…誰が…そんな…儂はあの方に褒められたく…」

 

モブ鬼は消滅した。いや…助かった~…

 

 

 

杏寿郎「すまん!少しばかり手こずってしまったものでな!」

 

颯「いや、結構早かったよ。」

 

 

猗窩座「邪魔が入ったな…お前の名も聞いておこう。」

 

杏寿郎「俺は…将来炎柱になる男、煉獄杏寿郎!」

 

猗窩座「杏寿郎、お前は鬼になる気は…」

 

杏寿郎「毛頭ない。俺は颯に様々なものを教えてもらった。その恩を仇で返すような真似は死んでもごめんだ!」

 

猗窩座「…そうか…では…二人まとめてあの世に送ってやろう。来い!人間の足掻きを見せてみろ!」

 

颯「やるぞ!」

 

杏寿郎「もちろんだ!」

 

ここで…こいつを殺す!




響凱はここで終了です。


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志木寺颯・16歳
第二十二話 御館への裏切り


物語が思いつかなくなってしまい長い間休んでしまってごめんなさい!
颯くんのお話、これからも見ていってくださいませ。


猗窩座「かかってこい。二人まとめてあの世に送る。まずは…お前からだ!杏寿郎!」

 

杏寿郎「!」

 

破壊殺・空乱式

 

颯「肆ノ型を使え!」

 

杏寿郎「了解だ!」

 

炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり

 

猗窩座「お前たち二人とも鬼になればどれほど喜ばしいことか!今からでも考え直…」

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火

 

杏寿郎「ぬう…」

 

杏寿郎の刀が簡単に止められた。速度も威力も申し分ないが…原作より強化されている猗窩座相手だ。ここでなんとか倒したいが…

 

 

鴉「伝令!伝令!至急至急!」

 

颯「?」

 

杏寿郎「なんだ!?」

 

 

猗窩座「…分かりました…無惨様…」

 

颯「くそっ…逃がさねぇ!」

 

(止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

そう何度も逃げられてたまるか…全力の一撃を…!

 

スン…

 

時の呼吸 参ノ型 金烏玉兎

 

ガキィンッ…

 

猗窩座「ガッ…!?今の俺でも見えないだと…!?」

 

よし…首に刀が食い込んだ…今ここでこいつを…

 

 

べべん…

 

 

颯「…」

 

杏寿郎「今のは…!?」

 

颯「逃げられた…他の鬼の能力だ。」

 

杏寿郎「そうか…すまなかった…俺は…足でまといだった。」

 

颯「んな訳ねぇよ。お前に助けられた場面だって何回もあったんだ。上弦相手に足掻いた自分の力を素直に認めてあげてくれ。」

 

杏寿郎「…あぁ…感謝する。」

 

颯「それにしても…」

 

地面から襖が開き、猗窩座が落ちた。

逃げられたのだ。また鳴女に邪魔された。無限城に行ったら真っ先にあいつを殴ると決めた。思いっきりだ。

 

それよりも鴉の報告だ。一体何なのだろう。

 

颯「おい鴉!何があった!」

 

 

鴉「御館様の屋敷が…襲撃サレテイル!」

 

颯「なんだと!?」

 

鴉「至急!至急ゥ!」

 

颯「杏寿郎!!!」

 

杏寿郎「あぁ!急ぐぞ!」

 

 

颯「鴉!場所は分かるか!?」

 

鴉「アァ!オレの後にツヅケ!襲撃された以上、場所がバレても仕方がネェ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

産屋敷邸

 

颯「あれ…?」

 

杏寿郎「隊士しかいない…間に合ったの…か?」

 

だがおかしい。まだ誰かの悲鳴、血が飛び散る音…嫌な予感が……

 

 

杏寿郎「颯!!!後ろだ!!!」

 

颯「なっ…!?」

 

 

隊士(?)「死ねェ!」

 

(止まってくれ!)

 

カチカチカチ…

 

スン…

 

色の呼吸 蒼ノ型 水流飛沫

 

 

なんとか間一髪で交わした。累みたいなやつに操られているのか?だが…死ねぇ!はおかしい…

 

杏寿郎「颯!彼らは全員鬼になっている!」

 

颯「はぁ!?」

 

杏寿郎「微かに爪が長くなっている!瞳孔もよく観察してみるんだ!」

 

颯「…確かにな。助かった、杏寿郎。」

 

全員血走った目ではなく…明らかに殺意の籠った、猫のような瞳孔。何があったんだ…

 

杏寿郎「ここは俺に任せろ。お前は御館様がご無事か確認しに行ってくれ!」

 

颯「任せた!」

 

 

鬼隊士(森)「通さねぇぞ志木寺ァ!」

 

森の呼吸 鬼ノ型 森羅万象

 

颯「どけ」

 

色の呼吸 黄ノ型 稲魂

 

パキンッ

 

鬼隊士(森)「刀を割っても無駄だァ!俺たちの刀は血で作られている!ここで今お前を殺してやる!」

 

颯「面倒な…」

 

 

 

音の呼吸 壱ノ型 轟

 

天元「おいどけよクソ地味野郎共!!」

 

颯「天元!」

 

天元「おい颯!こいつぁどうなってやがんだ!」

 

颯「俺だって知らねぇよ!とりあえずここ任せていいか!?御館様の安否が!」

 

天元「ド派手に任せておけ!」

 

 

鬼隊士(森)「邪魔をォ!」

 

鬼隊士(夕)「消えな!」

 

 

森の呼吸 鬼ノ型 森林伐採

 

夕の呼吸 鬼の型 夕暮れ

 

風の呼吸 陸ノ型 木枯らし颪

 

実弥「邪魔をすんじゃねェ。御館様を裏切ったゴミ共がァ。」

 

天元「援護なんてしなくても良かったんだぜ?」

 

実弥「誰がてめぇのために援護なんかするかァ。颯はどうしたァ?」

 

天元「あいつは御館様の安否確認に行ってる。俺達もとっとと行くぞ。」

 

実弥「そうだなァ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輝哉「ゲホッ…ゴホッ…」

 

ひなき「父上!無理をなさらず…!」

 

輝哉「どうやら…無惨の策にハマってしまったようだね……子供達に悪い事をした…」

 

あまね「くっ…隠れているこの場所ももうすぐ見つかってしまう…」

 

子供達「「「「「父上…」」」」」

 

輝哉「こんなことになってしまって…すまなかった…」

 

 

鬼隊士(竜王)「ここにいたんですね…"元"御館様…ここで死んでもらいます。」

 

輝哉「竜介…どうして…君は鬼になってしまったんだい?」

 

鬼隊士(竜王)「あの方から更なる力を貰ったんですよ…私たち下級隊士は…柱が…幸せそうに暮らし、隊士を捨て駒のよう扱っているあなた達一族が!!凄く不快だったんですよ!!」

 

輝哉「…それは違うね、竜介。」

 

鬼隊士(竜王)「何を今更…」

 

 

輝哉「私は捨て駒だなんて生きていて一度も思ったことなんてないさ…君の恋人、琉菜もね。」

 

鬼隊士(竜王)「なっ…!?なぜあいつの名前…!?」

 

輝哉「隊士はみんな私の子供達…子供の名前なんて覚えて当然だろう?」

 

 

鬼隊士(竜王)「黙れ…黙れええぇぇぇ!!!!!」

 

 

竜王の呼吸 鬼ノ型 灼熱の咆哮

 

 

水の呼吸 拾壱ノ型 凪

 

鬼隊士(竜王)「なぜだ…!?防がれ……!」

 

鬼隊士(星)「打つ手無しか?なら退け!」

 

 

星の呼吸 鬼ノ型 流れ星

 

 

水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き・神速

 

 

パリィッ!!

 

 

鬼隊士(星)「割られ…!」

 

 

錆兎「御館様には触れさせないぞ。」

 

義勇「俺たちが相手になろう。」

 

 

 

岩の呼吸 弍ノ型 天面砕き

 

行冥「早くお逃げを…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カナエ「敵が多いわね…」

 

しのぶ「御館様、無事だといいけれど…」

 

 

鬼女隊士(魅)「花柱胡蝶カナエ…あなたをずっと殺したかった……綺麗やら美しいやら……醜女の癖に調子に乗るんじゃないわよ!!私の剣技で死になさい!!」

 

 

魅の呼…

 

 

蟲の呼吸 鍬形ノ舞 絞殺豪

 

しのぶ「…あなた…今…なんて…?姉さんを…醜女と…?」

 

 

グサッ! グサッ! グサッ!

 

 

鬼女隊士(魅)「うぐっ…毒?苦しい…うぅ…」

 

颯「かわいそう」

 

カナエ「颯くんは早く御館様のところに行ってきて?ここは私たちが止めているから!」

 

しのぶ「大丈夫!絶対に負けないから!」

 

颯「わ…分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猗窩座「おい、産屋敷。」

 

かなた「父上!早くお逃げに…」

 

 

輝哉「あまね、子供達を。」

 

にちか「えっ…そんな…… 」

 

あまね「…はい…。」

 

 

 

輝哉「…家族には攻撃しないのかい?」

 

猗窩座「…興味無いな。」

 

輝哉「そうか…無惨、聞こえているだろう?」

 

 

輝哉「今回はこうしてお前の策にまんまと引っかかった。だが…これで私たちを仕留めきれなかったのが…お前の敗因だ。」

 

 

無惨(猗窩座体)「ふふふふ…今回の狙いは産屋敷、お前ではない。志木寺颯の手の内を暴くことだ。」

 

輝哉「へぇ…颯を随分と警戒しているんだね?」

 

無惨(猗窩座体)「奴は私の計画に邪魔すぎる存在だ…今、ここでお前を消し、完璧な生物となるのだ。」

 

輝哉「…それなら早く殺した方が良かったんじゃないかな?無惨。」

 

無惨(猗窩座体)「何を…」

 

 

 

時の呼吸 壱ノ型 星霜

 

 

 

ザザザンッ!

 

 

 

 

颯「ふぅ…間に合った…!」

 

無惨(猗窩座体)「…志木寺颯!貴様…」

 

颯「『貴様…』じゃなくてとっとと殺せば良かったじゃん。お前のせいだよこれ。」

 

無惨(猗窩座体)「まぁいい…今から貴様らをここで…」

 

 

颯「あ、もうすぐ朝です、無惨さん。」

 

輝哉「…阿呆だ…」

 

颯「全くもって同感です。」

 

 

 

 

 

 

こうして長い夜は終わりを迎えた。

産屋敷の館は案の定、場所を移動するらしい。

 

その後、杏寿郎が炎柱になった。愼寿郎さんの跡継ぎだ。

大勢死んでしまった(主に俺たち柱が殺した)元鬼隊士も補充…って言うと言い方があれだな…新しい隊員を募集している。

 

実は俺が担当区域以外にも鬼を殺しまくって任務の数を減らしまくっているので人手はそんなに必要ないんだとか。

それでも鬼に脅える人たちを救うために刀を振るう。

 

 



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第二十三話 風の幼馴染

今回は実弥回です!


あの事件から数ヶ月。

御館様の屋敷は場所を変え、杏寿郎が柱になった翌日。

 

杏寿郎が時屋敷にやってきた。

 

杏寿郎「俺に稽古をつけてくれ!」

 

颯「??」

 

杏寿郎「颯!お前は俺よりも強い!柱としてもまだまだ差が広がるばかりだ!」

 

颯「??」

 

杏寿郎「そこでだ!お前n」

 

颯「ちょっと1回黙れ」

 

 

 

 

 

時屋敷にて

 

颯「どういう戦い方がいい?苦手な戦法とか、色々あるだろ?」

 

杏寿郎「そうだな!間合いの範囲内に入らず遠距離に徹した戦い方が苦手だ!だが違う!俺は剣技での鍛錬を望む!本気で来い!」

 

颯「あー…うん、分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

杏寿郎「うおおおおおおぉぉ!」

 

炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄

 

颯「うおっ」

 

色の呼吸 蒼ノ型 打ち潮

 

杏寿郎「弾かれてしまうか…」

 

颯「技量の差ってやつだ。」

 

 

杏寿郎「そういえば…以前、裏切った隊士達の様々な呼吸法を見られたが颯は使わないのか?」

 

颯「うん、鬼有りきの呼吸だしね。」

 

杏寿郎「どういうことだ?」

 

颯「例えば森の呼吸。しのぶによると切られた隊士に植物のような皮膚になったり足などから茎が生えていたとか…人間だと効果がない呼吸を使うなら水とか炎とかを使った方が良いじゃん?」

 

杏寿郎「それもそうだな…基礎の5つの呼吸は全て使えるのか?」

 

颯「あー…風だけまだ使えないかなー…まぁ別にそんなに覚えなくても…」

 

 

実弥「風が…なんだってェ?」

 

颯「うお」

 

実弥「煉獄も来てやがったか…おい颯、風がいらねぇ呼吸とは随分と舐めたこと言ってくれんじゃねぇかァ。」

 

颯「俺そんなこと言ってない」

 

実弥「風の呼吸、お前も使えるはずだァ。」

 

颯「…まぁ。」

 

実弥「試しにこれ、やってみろォ。」

 

風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ

 

颯「あー…こう?」

 

風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ

 

実弥「チッ…一から教えてやる、竹刀持ってこい。」

 

杏寿郎「よもやよもやだ!不死川が他人を鍛えるとはな!珍しいものを見た!」

 

実弥「…昔のよしみだァ。」

 

颯「ふふ…。」

 

 

それから4時間くらいぶっ続けで鍛錬をした。

時々杏寿郎も混じり3人による柱稽古らしきものになった。ちなみに風の呼吸は1時間で覚えた、これ案外強いかもしれん。

 

 

 

 

実弥「受けてみやがれェ!」

 

風の呼吸 参ノ型 晴嵐風樹

 

颯「じゃあこっちも!」

 

色の呼吸 【緑】ノ型 黒風烟乱

 

実弥「クソが…!(こんな激しい戦い初めてだァ…鬼殺隊最強はそう簡単にはいかねぇものか…!)」

 

 

実弥「風の呼吸…!!(俺はもっと強くならねぇと…玄弥を不安にさせちまうだろうがァ!)」

 

 

玖ノ型 韋駄天台風

 

 

色の呼吸 緑ノ型 初烈風斬り

 

 

 

 

 

 

 

 

実弥「ぐあっ……うぐっ…」

 

颯「…降参するか?」

 

実弥「…まだ…俺は負けてねェ…(痛てぇ…どんな奴よりも強ぇ…!)」

 

ズズズ…

 

颯「?」

 

手の甲を見ると痣が出ていた。最近出る頻度が高くなってる…って言うか激しい戦いが続いているから心拍数が高くなっているのかもしれない。

 

まぁ…これで負けは無くなった。

 

 

実弥「これで…終わりにしてやるよォ!!!」

 

 

風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・剛風

 

颯「…」

 

実弥「俺の最大限の力だァ…!突っ立ってるだけでいいのかァ!?」

 

 

颯「色の呼吸…【濃】!」

 

 

 

緑ノ型 塵蕾風・鏖乱

 

 

ザシュッ!!

 

 

実弥「ぐわああああぁぁぁぁぁ!!(有り得ねぇ…!?貫通しやがった!俺の最大の壱ノ型を…!…【塵蕾風】って何なんだ…?分からねぇ…クソが…!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実弥「!」

 

颯「起きたか。」

 

今は夜中である。気絶したまま動かなくなったから過去一焦った。

まぁ起きてくれたし…後は帰して寝よう。今日はもう疲れた。

 

実弥「…おい。」

 

颯「ん?」

 

 

実弥「てめェが俺に使った…【塵蕾風】って型ァ…ありゃなんだ。」

 

颯「俺が風の呼吸 壱ノ型を進化させたものさ。」

 

実弥「進化だァ…?」

 

颯「そうだな…とりあえず話しておくか…痣のこと。」

 

そこで俺は痣について一通り話した。

寿命、自身強化、そして色の呼吸の技強化などなど。

 

 

実弥「25歳になったら死んじまう代償にその力…か。俺にも痣ってのがありゃ…」

 

颯「それはダメだろ。」

 

実弥「アァ?なんでお前がそんな…」

 

 

颯「玄弥どうすんだよ。」

 

実弥「……あいつは」

 

颯「もしお前が死んだら玄弥1人になるぞ。それに俺とか粂野くんみたいな悲しむ人だっている。」

 

実弥「…お前に何が分かるってんだ。」

 

 

颯「そうだな…兄弟を誰よりも大切にしていること、弟を鬼殺隊に入らせないようわざと嫌な兄を演じていることくらいしか分からないや。」

 

実弥「なぜ…!!」

 

颯「…で、玄弥って今どうしてんの?鬼殺隊入ったの?」

 

実弥「まだだァ…」

 

颯「そっか…どうするの?追い返すのか?」

 

実弥「当たり前だァ…玄弥には生きててもらいてぇ………なあ…颯…頼みがある。」

 

颯「どうした?」

 

実弥「殺すつもりで俺に稽古をつけてもらいてぇ…!」

 

颯「…いくら何でもそれは…」

 

 

実弥「お前が進化させた風の呼吸と同じ強さを俺も目指してぇんだ!俺は…まだまだ弱ぇ!何だか…大切なもんを失っちまいそうな気がする…!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

鴉『カァ!カァ!胡蝶カナエ!上弦の弍との戦闘により死亡!カァ!』

 

実弥『…!?』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

玄弥『兄ちゃんは…世界で1番優しい人だから…』

 

実弥『うわああああぁ!玄弥!』

 

行冥『…』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

颯「…分かった。俺も…殺す気で鍛錬、やってやるよ。」

 

実弥「そうか…ありがてェ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(実 弥 s i d e )

 

颯「さて…やるか。」

 

威圧感がすげェ…少し対面しただけでも恐怖が勝っちまう。

いつもはヘラヘラしてる幼馴染…今は倒すべき剣士。

 

勝てる相手じゃねェ。それでも超えなければならねェ。

 

御館様を守る柱として、1人の剣士として、玄弥を守る兄として、俺は強くならなくちゃいけない。

 

実弥「歯ァ食いしばれェ…颯!!!!」

 

颯「あぁ…そうだな。」

 

風の呼吸 弍ノ型 爪々・科戸風

 

色の呼吸 濃 緑ノ型 剛尖・科戸風

 

実弥「ぐがっ…まだだァ!」

 

風の呼吸 肆ノ型 昇上砂塵嵐

 

色の呼吸 濃 緑ノ型 蓮風砂鏖嵐

 

実弥「チィッ…!!」

 

何もかも負けてやがる…!

手数も…速さも…威力も…!

なにが原因だ…!?俺に足りねぇものはなんだ…!?

 

実弥「クソォォォ!!」

 

風の呼吸 伍ノ型 木枯らし颪

 

風の呼吸 参ノ型 晴嵐風樹

 

風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ

 

 

実弥「オラァ!!」

 

 

風の呼吸 陸ノ型 黒風烟嵐

 

風の呼吸 玖ノ型 韋駄天台風

 

颯「…」

 

色の呼吸 濃 緑ノ型 黒風爆風

 

消された、俺の斬撃が全てあの技で。

陸ノ型の進化した型だろうか、クソが、気に入らねぇ。

 

颯「今度は…こっちからいくぞ。」

 

色の呼吸 濃 緑ノ型 木枯らし凮

 

実弥「ぐあ…!」

 

色の呼吸 濃 緑ノ型 曇嵐風大樹

 

実弥「があっ…うあ…ぐ…」

 

颯「…そろそろだな(ボソッ)」

 

実弥「畜生…!」

 

技も全て格が違ぇ…だが

 

 

 

 

…狙い通りだ…。

 

 

痣ってやつじゃなきゃ出来ねぇ体の動かし方をしてやがる。血が回るのが早ェから俊敏に動けるって訳かァ?

 

面白ェ…今ので大体覚えてやったぜェ。

基本的なのは風の呼吸と一緒だァ…風の呼吸なら俺の方が颯より劣っている点は少ねェはずだァ!

 

実弥「はああああァァァ!!!!!」

 

 

 

風の呼吸 真 壱ノ型 塵蕾風・鏖乱

 

 

颯「へぇ…!」

 

色の呼吸 濃 緑ノ型 塵蕾風・鏖乱

 

 

実弥「相殺…しちまったなァ?」

 

これで…俺はこいつを超えてやる…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

( 颯 s i d e)

 

実弥「相殺…しちまったなァ?」

 

颯「…だな。」

 

 

あー…なんかクールぶってるキャラは辛いね、本当に。

だけど今のところ想定内だ。風の呼吸を進化させたのは俺の狙い通りだ。

 

まぁ…痣じゃない状態でその技を使ったら体が悲鳴をあげまくってそうだけど。

 

実弥「ぐ……くぅ…へへ…まだやれるぜェ!」

 

颯「…そうでなきゃな。」

 

 

 

 

 

あれ?待って?

 

【痣じゃない実弥と同レベルの痣状態の俺って…実弥より弱くないか?】

 

……ヤバい。超えられるのは想定外だった

 

実弥「はぁ…はぁ…どう来るんだァ…?」

 

颯「お前はすげぇよ…実弥…次で…終わりにしよう。」

 

実弥「……けっ…クソが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(実弥side)

颯「時の呼吸…」

 

実弥「…!」

 

 

【時の呼吸】…颯が鬼殺隊最強と呼ばれる一番の原因はごの技…絶対見切ってやる…さぁ…どこからでも…

 

 

 

実弥「あがっ……!?!…ゲホッ…ガッ…」

 

何があった…一瞬にして全身に痛みが…!

 

 

 

颯「時の呼吸 壱ノ型 星霜」

 

 

意識が無くなる最後に……そう聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実弥「!」

 

颯「起きたか。…これ2回目だな。」

 

実弥「……負けちまったか。」

 

颯「【痣】で勝敗とか…色々決まってくるからな。絶対に死ぬ!ってなった時に心拍数とかが一気に上がったりしないとならないらしいし…」

 

実弥「けっ…じゃあお前との鍛錬では痣を出すのは難しいんじゃねェかァ?」

 

颯「なんで?」

 

実弥「お前…殺す気でやってなかっただろうがァ。確かに威圧は感じられたが風以外を使ってなかった。俺のために風の呼吸縛りで戦ったんだろうが…次は本当の全力で戦え。」

 

颯「…了解、技の進化はどう?」

 

 

実弥「…何か掴めた気がするぜェ。」

 

颯「それは良かった。」

 

実弥「俺ァそろそろ帰る。すっかり朝だしな。」

 

颯「確かに…じゃ、俺もそろそろ任務n……………」

 

颯「」

 

実弥「?」

 

なんだァ?急にぶっ倒れて…

 

颯「」

 

実弥「颯?起きやがれおい!」

 

実弥「颯ーーーー!!」

 

 

颯「眠いんだよぉ!俺何時間寝てないと思ってるんだよぉ!」

 

実弥「あ、すまねェ。」

 

その後に俺は颯の屋敷を離れ自分の屋敷に戻る。

 

 

【風の呼吸 真】…痣ってやつになりゃあ颯を超えられるかもしれねぇ…俺はもっと強くなってみせる…!

 

匡近「お!実弥!今お前に会いに行こうと思って…なんか上機嫌だな……どうした?」

 

実弥「何でもねェよ。」

 

 

玄弥、必ずお前が鬼殺隊に入ったとしても…俺は反対だ。だが…

 

 

もし入るなら…俺が絶対守ってやる。




不死川さん好きだから無理にでも強化しました…受け付けない人は申し訳ない…


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第二十四話 散りゆく蓮華と飛び交う帯鎌

段々と原作開始に近付いています。
バトルシーン、結構難しい…


颯「zzZ…」

 

 

しのぶ「颯さん!」

 

颯「zzz…」

 

しのぶ「蝶屋敷に来てって言ったでしょ!?……起きない…いつもは誰か来るとすぐに起きるのに…」

 

杏寿郎「颯は当分起きないであろう!」

 

しのぶ「煉獄さん、どうしてですか?」

 

杏寿郎「颯は丸1日寝ずに不死川と鍛錬をしていた!相当疲れているのであろう!」

 

しのぶ「丸1日…本物の馬鹿だ…」

 

杏寿郎「不死川が見違える程に強くなったと聞いてな!俺も鍛錬を願おうとしたが寝ていたようだ!ではさらば!」

 

 

しのぶ「…まぁいいか…あのお菓子はもう送らないでって言おうと思ったけれど…」

 

颯「zzz…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友人A『起きろよ!帰んぞ!』

 

うるせぇな…鍛錬疲れてんだよ…

 

友人B『俺まだ今週のジャンプ買ってねぇわ』

 

 

『俺も俺も。鬼滅楽しみにしてんだよなぁ。』

 

 

なんか…久々に聞いた声だ…前世…まぁまぁ楽しかったなぁ…剣道はそんなに楽しくなかったけど。

 

あいつ…今何してんのかな。

 

『てか本当にお前いつまで寝てんだよw俺のハイパーパンチで目を覚まさせてやろうか?』

 

友人A『蟻すら倒せなさそう』

 

友人B『厨二病でももっとマシな技名にするぞ』

 

『お前許さんわ 光の呼吸 壱の型 真っ暗な部屋の中での明るさMAXのスマホ』

 

友人B『死んじゃうww』

 

スマホかぁ…俺まだ進めてないゲーム沢山あったんだよなぁ…もっかいやりてぇ…

 

…今って体動かせんのかな?

 

「あ、あ、あー…」

 

友人A『起きたと思ったらどうした急にw』

 

『そろそろ帰らね?自販機でペプシ飲みたいわ』

 

友人A『自販機にペプシあるっけ』

 

友人B『俺コカ・コーラだわ……おい 。行こうぜ。』

 

おっけー……なぁ…お前ら。

 

友人A『ん?』

 

俺、お前らと仲良くなれて良かったわ。

 

友人B『なんだよ急にw』

 

友人A『しみじみする雰囲気作んなよw…腹減ったわ。マック行こうぜ。』

 

『賛成だわ ジャンプラで鬼滅読むわ。』

 

友人B『ネタバレしたら殺す。』

 

『なんでよw……… 、なんかお前変じゃね?』

 

え?

 

友人A『なんか体が透けてんだよな。』

 

友人B『そういやお前もじゃね?』

 

『あ、ほんとだ。』

 

 

友人A『てかどうでもいいわそんなもん……やべっ!!俺早く帰らなきゃ母さんに刺される!』

 

友人B『どんな家庭だよw…じゃ、また明日な。』

 

 

明日……か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しのぶ「颯さん!!!!!!」

 

颯「!?」

 

ビックリした……懐かしい夢を見たなぁ…

 

颯「しのぶ…なんだよ急に…眠…」

 

しのぶ「鴉から聞いた情報だと姉さんが!!!上弦の弍と!!!!」

 

颯「なっ…!?」

 

まさか今日だったとは…急がねぇと…!

 

颯「すぐに向かう!鴉!場所は!」

 

颯鴉「コイ…」

 

しのぶ「私も…」

 

 

「胡蝶妹ォ…上弦はまだお前には早ェんじゃねェかァ?」

 

「不死川の言う通りだ!」

 

 

しのぶ「…不死川さん…煉獄さん…」

 

颯「急ぐぞ。」

 

実弥「たりめェだァ。」

 

杏寿郎「ここからだとかなり遠い!最速で向かうぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カナエ「ぐ…痛い…(死ぬかもしれない…ごめんね…こんなダメな姉で…)」

 

カナエ「シィー…ゲホッ…う…(全集中の呼吸をすると肺が壊れるように痛い…氷の粒を吸ったからかしら…)」

 

童磨「ダメだなぁ呼吸なんかしたら…カナエちゃんは俺が救ってあげるから!ねぇ堕姫ちゃん!」

 

堕姫「…(鬱陶しい…)」

 

カナエ「…負けるもんですか…!」

 

花の呼吸 弐ノ型 御影…

 

 

カナエ「が…ゴホッ…あう…」

 

堕姫「あんたバカなの?技をもう使えないのに…どうしてそんなに無理するわけ?」

 

童磨「まあいいじゃない!どうせ俺が食べてあげるんだし!堕姫ちゃんも食べる?」

 

堕姫「そうね…外見はいいから…一口くらい貰おうかしら……」

 

童磨「早く殺さないと颯くんが来るかもしれないからね!流石に颯くんでも上弦二体…猗窩座殿より強い俺がいてもキツいだろうけれど!あはは!」

 

堕姫「…あの方も言っているけれど志木寺颯ってそんなに強いの?お兄ちゃんに任せればすぐに終わりそうな…」

 

 

颯「結構舐められてるのな、俺。」

 

堕姫「!?(いつから…!?…分からなかった…)」

 

童磨「あ!来たんだ!久しぶりだねぇ颯くん。」

 

颯「カナエ、大丈夫か?」

 

カナエ「颯く…ん…」

 

童磨「そう簡単に助けりちゃ困るよ!」

 

血鬼術 結晶の御子

 

颯「…」

 

(止まれ。)

 

カチカチカチ…

 

スン…

 

時の呼吸 伍ノ型 遅炎龍

 

バリバリバリ…

 

童磨「…いつの間にかあの子達の両腕が切られた…まぁ再生するしそんなの…」

 

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火

 

風の呼吸 捌ノ型 初烈風斬り

 

童磨「あ!2体ともやられちゃった!まだ柱が二人いたのは予想外かな~。」

 

実弥「こいつが上弦の弍か…イラッと来るぜェ。」

 

杏寿郎「参を超える上弦…油断は禁物だ…」

 

堕姫「あーもー面倒…」

 

 

颯「あの女は雑魚だ。雑魚鬼は実弥1人に任せていいか?俺達二人は弍を殺す。」

 

実弥「弱ェクソ鬼の相手かよ…チッ…とっととケリ付けてやるかァ。」

 

 

堕姫「…雑魚鬼?」

 

 

 

 

颯「上弦二人…負けたら柱4人が死ぬのはマズイ状況きなる…気を引き締めていけ。」

 

実弥「チッ…上弦だが何だろうが殺すまで。」

 

杏寿郎「来るぞ!」

 

 

堕姫「誰が……雑魚鬼よ……ははは…いいわ…お前らより先に邪魔な女を潰して…そこからお前らをグチャグチャにしやるんだから!」

 

 

血鬼術 八重帯斬り

 

 

颯「間に合うか!?」

 

帯がカナエの方に進んでいく。時の呼吸を使えばなんとか…

 

 

 

風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風

 

 

ズバババッ!

 

 

堕姫「面倒な…!」

 

実弥「オイ…醜女のクソ鬼が…てめェの相手は俺だァ!」

 

カナエ「不死川くん…」

 

颯「ナイス実弥!杏寿郎、行くぞ!」

 

杏寿郎「了解した!」

 

童磨「あははは!颯くんのお友達も一緒に救ってあげようか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

堕姫「なんなの…?私のことを雑魚鬼だったり醜女だったり…ムカつくのよ小汚い顔をしたクソ柱ァ!」

 

カナエ「…さい…。」

 

カナエ「…不死川くんをそんな風に言わないで!!」

 

堕姫「はぁ?何言ってんのよ死にかけが…あんたに何が出来るって…」

 

花の呼吸 壱ノ型 花道

 

ザンッ!!

 

堕姫「…!!?」

 

カナエ「ガハッ…ゲホッ……あなた1人なら……私は負けな……ぐ…」

 

 

実弥「無理すんじゃねェ。肺がやられてんだろうが。」

 

カナエ「ごめんなさい…げほ…」

 

 

実弥「…体が崩れてねぇな…まだ終わりじゃねェってことかァ…」

 

 

堕姫「お兄ちゃああん!この男を早く殺して!!ねぇ!早く!!」

 

実弥「…お兄ちゃんだとォ?」

 

 

「ひでぇなぁ…俺の妹にひでぇことを何度も言っていたなぁ…憎ましいなぁ…殺してやりてぇなぁ…」

 

実弥「…(来るか。)」

 

 

スバババババッ!

 

風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ

 

 

妓夫太郎「俺の斬撃を消したなぁ……お前…顔が傷だらけじゃねェかぁ…ひでぇ顔だなぁ…産屋敷んとこにいるからかぁ?」

 

実弥「あァ…?」

 

 

妓夫太郎「俺とお前は同じ匂いがするんだよ…なぁ…鬼にならねえか…?俺は友達ってのがいな…」

 

 

風の呼吸 真 参ノ型 曇嵐風大樹

 

 

 

堕姫「がっ…!?」

 

妓夫太郎「てめぇ…!…不意打ちしやがったなぁ!?」

 

 

実弥「…お前ら鬼が今更何言ってんだァ。それに友ならもう間に合ってんだよ、てめェは大人しく死んでおけェ。」

 

妓夫太郎「…殺す…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

童磨「炎の柱か~…あんまり好きじゃないから君から殺してあげるよ。優しく…ね?」

 

颯「ねーねーどうまさーん」

 

童磨「なんだい?」

 

颯「こくしぼーさんもつよくなってるの?」

 

童磨「もちろん!上弦の鬼はみーんな、あの方の血をたらふく飲んだからね!だって血を飲まなきゃ君に勝てないもん!あははは!」

 

颯「そんな血をあげるような人だっけ鬼舞辻さんって」

 

童磨「俺も最初はそう思っ………あははは!」

 

今絶対無惨に止められたよな…

こんなふざけてる時間にも終わりが来る。

 

【上弦の弍 童磨】。

氷を操り二つの扇で相手を切り裂く。

こいつとの戦いで大事なのは…氷の粒を吸わないこと。

だが絶対に強くなっているであろう童磨に今更原作知識が通用するのだろうか?

 

頼りにできるのは今までの鍛錬だけ。

面白いじゃん。

 

 

颯「さて…やるとするか。」

 

杏寿郎「…!」

 

 

童磨「じゃ、俺から攻めさせてもらうよー!」

 

散りゆく氷の華が…夜空に舞う。

 




VS童磨、堕姫、妓夫太郎戦です。
更新遅れてしまい申し訳ない…


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第二十五話 兄のプライド

上弦の扱いが難しいところ…
更新が送れました!25話!(正確には26話目)


実弥side

 

上弦の陸。

それは鬼共の中でも上位の強さを誇るという。

対面しただけでも威圧感が半端じゃねェ。

 

 

実弥「だけどなァ…!」

 

颯の野郎は何度も上弦と戦ってやがる。それも壱や参といったその中でもさらに強ェクソ共。

 

だが俺の相手はどうだ?

上弦の陸。上弦の中でも下っ端。

 

そんなのに俺は今ビビってんのか?

情けねェ。弱ェ自分に情けねェ。

 

 

妓夫太郎「俺達に勝てると思ってるのかああああ?舐められてんなああ…」

 

堕姫「お前みたいな醜い人間なんか食べたくもない。惨めに刻んでやるわよ!!」

 

 

血鬼術 十八重帯斬り

 

 

無数の帯がこっちに飛んでくる。

かなり数が多い、兄貴の方が追撃に来るとなりゃあ迎撃は良い手じゃねェ…!

 

前までの俺ならそう考えていた。

 

実弥「舐めてんのはそっちじゃねェかァ!?」チャキ

 

妓夫太郎「(刀を抜いた…その隙…見逃す程優しくはねえんだよなあああ…)」

 

血鬼術 円斬旋廻・飛び血鎌

 

妓夫太郎「お前はこれを避けれねぇ!大人しく血飛沫見せろよなあああああああ!!!!」

 

 

実弥「へっ…そう簡単にいかねェもんだぜェ…?」

 

呼吸を整えろ。

体を捻るように動かせ。

常に最適な動きを。

 

 

風の呼吸 真 弐ノ型 剛尖・科戸風

 

 

 

ズバババババッ!

 

 

妓夫太郎「…あぁぁ??」

 

堕姫「な、なによ今の動き…!?」

 

 

実弥「どうしたァ…?そんなんで驚いてちゃァ…底が知れるぜ…?」

 

妓夫太郎「…殺す!」

 

血鬼術 飛び檻鎌

 

風の呼吸 真 陸ノ型 黒風爆風

 

堕姫「何なのよこいつ…前の柱とは全然違うじゃない…強いのは志木寺颯だけじゃないの…!!?」

 

妓夫太郎「怯むなァ!」

 

カキンッ! ズバッ! ジジジジッ…

 

 

金属音が耳に轟く。

畜生、さっきから体がクソ痛ェ。あの鎌に当たっちまったからか?

あの女の帯を受けすぎると刃こぼれを起こしちまう…速攻決めるしかねェ。

 

堕姫「何ぼーっとしてんのよ!」

 

実弥「!」

 

血鬼術 帯魔強襲

 

実弥「クソが!!全て叩き斬るしかねェみてェだなァ!!」

 

風の呼吸 真…

 

 

ビキキキキッ…

 

 

実弥「がっ…!?…うが…がぁ……!!」

 

…!?

何があった、俺の体に何が起こってやがる…!

真風の呼吸を無理して使ったからか?それとも鎌の能力か?

何にせよこの状況は…

 

 

 

 

ガキンッ!!!!!!!

 

 

 

ドゴオオオオオォォォォン…

 

 

 

堕姫「見てよお兄ちゃん!あの野郎が吹き飛んでいったわ!」

 

妓夫太郎「…こういう時は【兄さん】と呼べと言った筈だと…まぁまだ奴は生きてる。俺が息の根を止めに行ってくるからお前は童磨殿の援護をしろ。」

 

堕姫「任せて!」

 

 

妓夫太郎「さてと…今すぐ殺してやるからなああああぁ…!!」

 

 

血鬼術 鎌異太…

 

 

 

 

 

颯「させる訳が無いだろ?」

 

妓夫太郎「…邪魔をするな志木寺ああああああああ!!!!!」

 

 

童磨「酷いよ颯君!俺と遊んでくれるって言ったじゃない!」

 

颯「あーめんどくせぇ」

 

杏寿郎「不死川はどうなった?」

 

颯「吹き飛んだ。多分生きてる。」

 

杏寿郎「そうか、了解した。」

 

 

堕姫「死ね!!」

 

妓夫太郎「お前から先に殺してやるぜ…!」

 

血鬼術 罰印

 

血鬼術 飛来血狼

 

時の呼吸 壱ノ型 星霜

 

 

堕姫「見えなかっ…」

 

妓夫太郎「(おい堕姫、ここから一旦離れるぞ。あの風柱のところに行き俺らで殺す。志木寺が邪魔を出来ねぇ範囲まで行かなきゃいけねぇ。)」

 

堕姫「(分かった、お兄ちゃん。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…?

ここは…俺の……家…?

 

玄弥『兄ちゃん!』

 

玄弥…

 

玄弥『あのね!俺、将来さ!つよーい侍になりたいんだ!!』

 

颯『この時代に侍なんてもういないよ。』

 

玄弥『あ…颯さん…いたんですね……ははは…』

 

颯『ごめん話しかけちゃまずかった』

 

こと『お兄ちゃんこのお花綺麗!』

 

しゅうや『玄弥兄ちゃん遊んでー』

 

お前ら…

 

そうだな…今頃鬼なんかいなけりゃ平和に暮らしてたんだ…玄弥と…

 

玄弥『兄ちゃん?』

 

 

ごめんな、玄弥…俺は…お前に死んでほしくないんだ…

…俺は今何をしている?

 

上弦のゴミ共に吹き飛ばされてこのザマだ…こんなんで玄弥を守れんのか?

 

俺は…ここで立ち止まってちゃいけねェ…!

 

 

 

ドクン……ドクン…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妓夫太郎「飛び血…」

 

堕姫「血鬼術…」

 

 

 

実弥「!!!」

 

 

風の呼吸 捌ノ型 初烈風斬り

 

 

妓夫太郎「…起きやがったか。」

 

堕姫「仕留め損ねた…!!……何…あれ…」

 

妓夫太郎「あァ?」

 

 

堕姫「あいつの頬にある……【痣】…!」

 

 

実弥「おい鬼共……てめェらは俺が叩き斬ってやるから覚悟しとけェ!!」

 

もう…情けねェ姿は見せねェ…誰にも負けねェ…!!

 

 

妓夫太郎「…しぶてぇなああああああ!!!!!」

 

実弥「おらあああァァァァァ!!」

 

 

血鬼術 鎌阿速舞・帯泥猛牙

 

 

風の呼吸 真 玖ノ型 韋駄天神業風

 

 

 

妓夫太郎「何っ…!?」

 

堕姫「私たちの力を1つにした血鬼術が…!!」

 

 

実弥「オラオラァ!!」

 

妓夫太郎「チィッ!!」

 

 

血鬼術 帯鎌大蛇

 

 

帯と鎌が一斉に飛んでくる。

あの女の方を狙い…その隙をォ…!

 

 

風の呼吸 真 壱ノ型 塵蕾風・鏖嵐

 

 

 

妓夫太郎「!?……堕姫ィ!!お前が足引っ…おい!危ねぇ!!」

 

堕姫「!」ダッ

 

 

堕姫「ふぅーー!間一髪だったわ…あのクソ野郎…私が嬲り殺しにしてや…」

 

 

妓夫太郎「後ろだ!」

 

堕姫「え?」

 

 

風の呼吸 参ノ型 晴嵐風樹

 

 

ザンッ!

 

 

ボトッ…

 

 

堕姫「き…斬られ…」

 

 

妓夫太郎「役立たずが…!!」

 

 

風の呼吸 真 参ノ型 曇嵐風大樹

 

 

妓夫太郎「い…いつの間に…!?」

 

ズバッッッッッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鴉「カァ!カァ!風柱、不死川実弥!上弦の陸を撃破ァ!カァ!カァ!」




更新が遅れてすみません!
今回で不死川さんが痣者となりました。
そして上弦の陸は…
風の呼吸 真 これの技名が中々思い付かず…


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第二十六話 凍てつく陽炎

ここまで見てくれて本当にありがとうございます!
誤字脱字ばかりのこの小説を読んでくれるだけでもありがたいです。


 

※この話は颯が妓夫太郎の攻撃を防いだ後から物語が始まります。

 

 

 

 

颯side

 

杏寿郎「手強いな…」

 

颯「だな。」

 

今の状況は……悪い…かな?多分。

まぁ実弥かな陸くらい勝てるだろう、きっと勝てる、うん。

 

問題はこの虹クソカラコン男である。

明らかに攻撃が進化してるし氷の粒の範囲が凄まじい。

 

さっき上弦の陸が実弥に追撃に向かった。出来れば俺も加勢したいがこいつを相手にしながら場所移動は難しい。

 

 

今俺にやれることを精一杯やるだけだ。

 

 

童磨「お!妓夫太郎君と堕姫ちゃんがあの吹き飛んだ風の柱を狙ったようだよ?助けに行かないのかい?」

 

颯「嫌だよ、どうせお前隙狙ってくんじゃん。」

 

童磨「あははは!確かにそうだね!」

 

相変わらずイラッとくる鬼である。

でも俺なぁ、前世はこいつ好きだったキャラなんだよなぁ。対面すると腹立つけど。

 

 

童磨「お…あの方からの命令だ…【とっとと始末しろ】だって!じゃあ…そういうことだから。」

 

血鬼術 氷艶の踊り子

 

 

颯「4体…」

 

童磨「どう?前までは2人だったけど、強化されて4人になったんだ!凄いでしょ?じゃ、この子達を相手にしながら俺の攻撃も受け止めてねー!」

 

 

杏寿郎「押されてばかりじゃ状況は変わらない!攻めるぞ!」

 

颯「もちろんだ!」

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火

 

色の呼吸 濃 蒼ノ型 海面切り

 

 

カキンッ カキンッ

 

血鬼術 枯獄垂り

 

血鬼術 枯獄垂り

 

血鬼術 枯獄垂り

 

血鬼術 枯獄垂り

 

ザシュッ!!! ザシュッ!!!

 

 

颯「ぐっ…!」

 

杏寿郎「むぅ…!」

 

捌ききれねぇ!てか多いんだよ!!

 

こうなったら…!!

 

颯「オラアアアアアアアァァァァァ!!!!!!!」

 

 

色の呼吸 紫ノ型 常夜孤月・無間

 

 

パキパキパキパキ…

 

童磨「わぁ…!」

 

よし、これで氷の像にダメージを与えた…!

少し動きが遅くなっている。無理に壊さずにこのままにした方が状況的には有利だろうか?

あとこれも…。

 

ピュン

 

童磨「…?……黒死牟殿の技、人間の君でも放てるのはやっぱり驚いたものだよ…!!」

 

颯「杏寿郎、氷像は今崩れかけてる。童磨は俺が引き受けるからあの弱ってる氷像を頼んだ。」

 

杏寿郎「了解した…そっちは頼んだぞ。」

 

颯「当たり前だ。」

 

 

颯「さて…やるとするか!」

 

(止まれ!)

 

カチカチカチ…

 

俺一人で童磨に勝つのは難しい。

だが足止めはできる。

 

炎の呼吸 捌ノ型を連続で行い、その隙を狙って首を取るしかない。

 

…やるか。

 

スン…

 

 

時の呼吸 伍ノ型 遅炎龍

ピュン

 

童磨「うおっ……!?!?」

 

ザンッ!

 

よし、両腕を切り落とした。

 

色の呼吸 濃 蒼ノ型 横大車輪・水流

 

両目。

 

色の呼吸 濃 黄ノ型 聚蟐成雷

 

両脚。

 

色の呼吸 濃 薄紅ノ型 渦桃・大輪

 

再度復元した両腕。

 

 

颯「これで…!!」

 

色の呼吸 紫ノ型 厭忌月…

 

 

 

童磨「…ふふふ…そっかぁ…言ってなかったもんね?」

 

颯「ぐ…動かねぇ…!」

 

 

刀が振れない。右腕が動かない。

肘が有り得ないくらい冷たい。

 

童磨「俺の出す踊り子は…4人までだなんて…ね。」

 

颯「クソが…!!」

 

童磨「じゃ…ばいばい、颯く…」

 

 

炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄

 

 

 

 

パキンッ!

 

 

 

 

 

童磨「…全て倒したんだね…やっぱり人間ってすごいや…!」

 

 

杏寿郎「すまない、少し手間取ってしまった。」

 

 

颯「いーや、逆に想像以上に早く来たね。」

 

 

杏寿郎の技は凍りついた俺の右腕の氷塊だけを斬っていた。改めて思うとすげぇ。

 

童磨「まぁ…二人いたところで戦況はそんなに変わらないよ?」

 

颯「…鬼には分からないさ。」

 

杏寿郎「人間の力を甘く見ないでもらおうか。」

 

童磨「…その力、見せてみなよ?」

 

血鬼術 天氷柱

 

カキンッ!

 

童磨「…地面すら切り裂く鋭さなのに、本当に良くできた盾だね。」

 

ピュン

 

 

颯「…そうだね、この盾はいい性能をしてると思うよ。」

 

 

童磨「…今…何を飛ばしたんだい?」

 

颯「んー?さぁね。」

 

血鬼術 枯獄垂り

 

色の呼吸 紫ノ型 月虹・片割れ月

 

炎の呼吸 壱ノ型 不知火

 

 

童磨「……よっと。」

 

血鬼術 氷艶の般若

 

颯「…8体か。」

 

童磨「…このまま君たちの体力切れで決着が着くと思うんだけど、どうして諦めんないんだい?俺は何体も俺と同じ力を持った子を出せる。…そっちはたった2人。勝ち筋なんて0じゃないか。」

 

颯「…確かにそうだな。お前は体力なんて減らないし弱らせでもしないと勝てない。」

 

颯「弱らせでもしないと……な。」

 

童磨「……!?」グラ…

 

颯「…いやぁ…戦い中でも3発くらいは当たるもんなんだな。」

 

童磨「…何をしたんだい?」

 

颯「え、毒。」

 

童磨「…すぐに分解できる…そんなもの…」

 

颯「まぁ確かに藤の毒とか、そういうのだと耐えられるだろうね。」

 

杏寿郎「君と戦っている最中に、颯が何かを発射していたのを気づいていただろう?」

 

 

童磨「矢か…でも藤の花の毒なんて俺には効かないよ…?」

 

颯「そうだね。大量の量とかなら別だけど矢1本分を何回もやったところで…だもんね。鬼特別の強力な毒を作れる人でもいなきゃ…。」

 

 

童磨「…あの女か…!!」

 

颯「いやー…無惨の血を直接あげたからね!研究捗ったーって珠代さん喜んでたなぁ…にしても本当に効くんだなーって。」

 

 

血鬼術 氷王・骸菩薩

 

 

童磨「…これは…遊んでる場合じゃなさそうだ……!」

 

颯「でっか。」

 

 

大きい氷像の大仏。

圧倒的なプレッシャーを放つ。

 

さて…クライマックスといこうじゃないか!

 

颯「杏寿郎!!またさっきと似たような作戦だ!!」

 

杏寿郎「分かっている!本体は任せろ!」

 

颯「いくぞ!」

 

作戦はこうだ。

 

杏寿郎が童磨本体を足止め、俺が菩薩像を戦闘不能にする。

 

単純な作戦だが内容は無茶苦茶だ。

それでも…今、ここでやるしかない!

 

颯「よっ…!」

 

カキンッ! ジジジジジジ…

 

ズッ…

 

颯「赫刀で斬りまくれば壊せっかな?」

 

童磨相手だと刀の温度が下がり、赫刀が出来なかった。

だが動きが止まっている今が絶好のチャンス。

 

颯「うおおおおおおおおおおおおおぉ!!」

 

菩薩の口から噴射される冷気。

肺が痛い。

氷の粒をもろに吸い込んでいるからだろう。

 

ここで止まってちゃ意味が無い。

全てを終わらせる勢いで…!

 

(時よ……止まれ!!)

 

カチカチカチ…

 

童磨自身の体力も少ない筈だ…この一撃で沈みやがれ!

 

スン…

 

時の呼吸 肆ノ型 万廻雷

 

ピキピキ…パキパキパキ…

 

ガシャァンッ!!!

 

颯「ふぅ……ゲホッ……後は…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

童磨「はぁ…はぁ…うっ………鬱陶しいなぁ…!」

 

血鬼術 吐露雨

 

ザシュザシュッ…

 

杏寿郎「ぐっ…ふんっ!!」

 

炎の呼吸 捌ノ型 趨炎附熱

 

童磨「はは………颯くんじゃなきゃ俺は負けないよ…!」

 

杏寿郎「(こんなものではダメだ…もっと…速さを…力を…!!)」

ドクン…

 

 

ズズズ…

 

 

杏寿郎「俺は…もう弱い姿を見せない!」

 

童磨「痣か…面倒だなぁ…!!!!」

 

血鬼術 結核・咳核冷猛

 

杏寿郎「(氷の刃の嵐…突っ切るしかあるまい…!)」

 

 

 

杏寿郎「うおおおおおおおぉぉぉ!!!!!」

 

 

 

炎の呼吸 真 最終奥義

 

 

拾ノ型 鳳凰

 

 

 

 

ガキンッッッ!!

 

 

 

 

杏寿郎「ぐっ…ぬおおおおぉっっ!!!(硬い!なんて硬さだ…だが…ここで引いては煉獄の名を汚す!!)」

 

童磨「ははは……そんな簡単に俺の首は…!」

 

 

 

颯「おらあああああああああっっっっ!!!!!!」

 

 

色の呼吸 赫ノ型 煉獄

 

ガキンッ!!

 

 

童磨「なっ………!?(まだ動けたのか……!?)」

 

杏寿郎「があああ…ああぁぁ!!(もっと強く…刀を握れ!炎柱として責務を果たせ!!)」

 

 

ジジジジ…

 

 

杏寿郎「…!?(刃が赫く…!?)」

 

 

颯「いくぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

 

杏寿郎「…!」

 

童磨「こんなところで…!」

 

 

颯&杏寿郎「終わりだあああああッッッッッッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鴉「カァ!カァ!上弦の弍、撃破!時柱、炎柱により、上弦の弍、撃破ァ!カァ!カァ!」




ここで煉獄さんも痣者です。
正直…痣者そんな好きじゃないんですよね。
痣者はなんとかして救いたいなぁ。


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第二十七話 激戦のその後

投稿がかなり遅れてしまいました…
相変わらずの駄文ですがどうか見ていってください。


童磨side

 

…俺、首切られちゃったなー。

 

人に尽くしてきた俺が殺されるなんて酷すぎる。

つまらない人生だったなぁ。

 

…ごめんよ猗窩座殿、君を1人にさせちゃうね。あはは。

 

 

 

 

 

うん、やっぱり何も感じない。

悲しみも、怒りも、悔しさも、虚しさも。

 

昔からそうだったなぁ。

親が死んだ時も寂しいなんて思わなかったし。その頃は血が嫌がったから換気しなきゃなぁとか。

 

俺も…颯くんみたいに友達が多くて、感情豊かだったら人生楽しかったのかなぁ。

 

あはは、そんなことはもういいや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カナエside

 

カナエ「げほっ……今の鴉の言葉…本当…なのかしら…」

 

 

鴉『不死川実弥!上弦の陸を撃破ァ!』

 

大きい衝撃音が響き渡った場所へ歩く。

そこには…

 

 

妓夫太郎「なんで俺の技に合わせなかったんだよ!俺が鎌で弱らせた隙にお前の帯で足元を狙えば勝てた!」

 

堕姫「じゃあ私をそういう風に操作させればよかったじゃない!」

 

鬼達が首を切られたまま口喧嘩をしている。

 

カナエ「いけない、不死川くんは………」

 

どこにいるの?

死んでいないよね?生きているよね?

相打ちとか…そういうのじゃないよね?

 

呼吸が苦しい。肺が痛い。

必死に探し続ける。

 

 

あっ…!

 

 

 

実弥「ぐ……クソが…」

 

カナエ「不死川くん!」

 

実弥「…胡蝶姉ェ…」

 

大変…鬼の毒が身体中に…

 

カナエ「げほ……隠を…呼ばないと…げほ…」

 

早くしないと不死川くんが死んじゃう。

今呼んでもこの場所はかなり遠い。

鴉はさっき飛び立ってしまった。どうすれば…

 

 

 

隠「あ!花柱様に風柱様!良かったぁ!」

 

隠「風柱様の状態が酷い!すぐに運ばねば!」

 

カナエ「え……!?」

 

隠「花柱様、どうされました?」

 

カナエ「隠…誰が呼んでくれたの…?」

 

 

隠「あぁ、時柱様の鴉が御館様のところにいき、隠を呼ぶように伝えたらしいですよ。きっと酷い状態だから急いで行ってほしいと。」

 

カナエ「そっか……ありがとう。」

隠「いえいえ、これが私たちの仕事ですか…」

 

 

 

 

鴉「カァ!カァ!上弦の弍、撃破ァ!時柱、炎柱により、上弦の弍、撃破ァァァ!」

 

カナエ「…!」

 

隠「マジかよ…!?」

 

カナエ「あっちの方向に…颯くん達がいると思うから…げほっ!ごほっ!」

 

隠「うわぁ!ご無理なさらず!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯side

 

マジで息吸う度になんか…内蔵が痛い。

肺が痛いってこういうことなんだろうな。

 

隊服にしまってあったアレを出すか…壊れてないよな?

 

颯「ごほ……お、あったあった……ほっ!」ピュッ

 

俺は童磨が死んだ場所に残っていた血溜まりに向かって愈史郎の作った注射器(?)を投げる。

 

茶々丸「にゃーお」

 

颯「これ、珠代さんにな。」

 

茶々丸「にゃ」

 

 

颯「あー…常中やめると結構体ダルいんだなぁ。」

 

全集中の呼吸をやめるとそんなに肺は痛くない。

 

俺、柱引退かなぁ。 まぁそれでもいいけど。

 

 

杏寿郎「颯。」

 

颯「ん?おぉ、杏寿郎。」

 

杏寿郎「お前も肺をやられてしまったか。」

 

颯「その口だと…お前もか?」

 

杏寿郎「あぁ…柱は引退するしかあるまい。」

 

颯「炎柱はどうすんのさ、千寿郎くんにでも任せるの?」

 

杏寿郎「いや、あいつは別の道を歩ませてやりたい。父上には悪いが…炎柱は俺で終わりだ。」

 

颯「…そっか。」

 

杏寿郎「だが悔いはない!俺と颯と不死川で上弦を討ち取った!!」

 

颯「あー…100年ぶりだっけ?」

 

杏寿郎「うむ!げほっ!!」

 

颯「お前無理すんな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蝶屋敷にて

 

 

 

颯「俺柱引退かなぁ。」

 

杏寿郎「俺もだろう。」

 

カナエ「私もかな?」

 

 

俺たち3人は同じ病室で並んでいる。

 

義勇「…休むといい。」

 

天元「にしても…3人も引退されるとなりゃあ鬼殺隊も派手にやべぇんじゃねぇか?しかも颯が引退ってなると御館様は何と言うか…」

 

実弥「けっ…」

 

 

 

颯「え??」

 

杏寿郎「どうした?」

 

颯「お前無事なの?」

 

実弥「あァ?無事だボケェ。」

 

颯「毒、あったよな?」

 

実弥「痣が出てから何か調子が良くなってなァ。胡蝶妹も驚いていた。その後に薬かなんかで徐々に治っていくんだとよ。だから今は安静にしてろってなァ。」

 

颯「ふーん」

 

天元「痣、ねぇ。」

 

杏寿郎「俺も戦闘中は分からなかったが、拳に炎の痣があったそうだ。」

 

颯「あー…痣…柱合会議でその事について言われると思うよ。」

 

 

颯鴉「御館様のとこに来い…ゴミ」

 

颯「お前許さない。」

 

カナエ「まぁまぁ、その子が隠を呼んでくれたんだし、許してあげて?」

 

天元「どうやったらそんな嫌われるんだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「はーい。」

 

輝哉「突然呼び出してすまないね。今日は君に朗報だ。」

 

颯「朗報?」

 

輝哉「ひなき。」

 

御館様がひなきちゃんを呼ぶと何やら紙にかかれたものを読み始めた。

 

 

 

ひなき「おい、そう。たまよさまがお前に用があるらしい。今日の夜あさくさにこい。遅れた場合はころす。」

 

 

 

輝哉「…とのw…ことだから…w…」

 

ひなき「…父上…」

 

颯「ひなきちゃん御館様殴っていいと思う。」

 

あまね「私が代わりに…」

 

颯「chaos。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜 浅草

 

 

……浅草に来たけどさ…

 

 

颯「いや浅草のどこやねん!!??」

 

 

あいつ場所適当すぎんだろマジで。

俺が代わりに殺すしかあるまい。

ひなきちゃんの ころす は殺意高いよ。うん。

 

 

「颯さん。」

 

颯「!」

 

今珠代さんの声がした。

声がしただけだけど。こういう時に炭治郎なら匂いですぐに分かるんだろうなぁ…五感のどれかが優れているって便利。

 

珠代「茶々丸が今からそちらに向かうと思います。場所は茶々丸についていって頂ければ…」

 

颯「あ、はーい。」

 

 

 

 

颯「遅せぇ。」

 

茶々丸「にゃ」

 

颯「お、来た。」

 

 

茶々丸「にゃあ!」

 

颯「来なってこと?」

 

茶々丸「にゃ。」

 

颯「はいよー。」

 

その後に俺は茶々丸の背中を……いや尻尾を追うように歩いていった。壁とかすり抜けた時は焦ったね。めっちゃ探したもん俺。

 

そして歩いて五分くらいで大きな建物に着いた。

 

 

愈史郎「遅いぞ!」

 

颯「すまん」

 

珠代「よしなさい愈史郎。颯さん、お待ちしておりました。」

 

颯「こちらこそー……で、話ってなんですか?」

 

珠代「そのことについては屋敷内で…」

 

颯「あ、はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

颯「愈史郎お茶」

 

愈史郎「騒ぐな。」

 

颯「え!?出してくれんの!?」

 

愈史郎「今回は特別だ。」

 

颯「ふーん……」

 

珠代「では颯さん、改めてお話させて頂きます。」

 

颯「はい。」

 

 

珠代「まず産屋敷…鬼殺隊と私たちが協力関係なのは知っていますよね?」

 

颯「あー…はい…」

 

珠代「突然、隊士の事などについても私たちに情報が入ってきます。あなたの【痣】のことも。」

 

颯「…」

 

 

珠代「痣者は25で死んでしまう………それを覆せるかもしれないのです。」

 

颯「……?」

 

 

ん?何言ってんだこの人…?

そんなの出来るの?原作ですら無理だったのに…

 

 

 

珠代「痣に対する特効薬…それが作れるかもしれないのですが1つ欠点があります。」

 

颯「…あー…聞いても?」

 

 

珠代「それは痣が治ってしまう…つまり痣者では無くなるということです。」

 

颯「なるほど…」

 

珠代「今の鬼舞辻無惨は焦っている。上弦の鬼でさえ大量の血を分ける程に。今の柱に痣の力が無ければ戦うことは厳しいとお聞きしました。」

 

颯「確かに」

 

 

そして少し雑談をし、盾に仕込んだ毒の強さや効き目などを報告、採取した鬼の血による無惨への薬などの話をした。

 

この人やっぱりチートだわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日…

 

颯「突然呼び出してすまないね。って言うんですよねまた。」

 

輝哉「もう聞き飽きたかい?」

 

颯「はい」

 

輝哉「ふふふ。」

 

 

俺はまた呼び出された。朝に。

 

まじで寝たいのに。

 

颯「要件は?」

 

 

 

輝哉「お見合いに行ってほしいんだ。」

 

颯「狂ったんですか?」

 

輝哉「君の鴉が面白いことを私に言ってきたんだ。」

 

颯「ほう。」

 

 

輝哉「筋肉が常人と比べて規格外の女性が見合いに失敗を繰り返している。それを颯がお見合い相手にして鬼殺隊に入らせたらー?だってさ。」

 

颯「あいつ許さん」

 

輝哉「君の鴉は君以外の人の役に立ちたがるからね。」

 

颯「俺何かしたかなぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、指定された店へ向かった。

隊服じゃアレなので着物で行く。マジで動きにくい。伊之助が嫌がるわけだ。

 

颯「えーっと…たしかここの席で……お。」

 

 

何か音が聞こえた。相手が来たようだ。

美人さんだったら良いな。まぁ不細工でも女性を大切にするのは男として当たり前だけど。

 

 

 

「…あ、どうも…」

 

颯「え?あ、どうも…?」

 

 

相手の女性が入ってきた。

三つ編みの黒髪の女性。うん、で、確か大食いだっけ…めっちゃ見覚えしかない。

 

 

蜜璃「あれ……どこかで…お会いしましたっけ?」

 

颯「まぁ覚えてないかそりゃ…君が小さい時にお蕎麦屋さんの時に…」

 

 

蜜璃「なんて!お久しぶりね!颯くん!」

 

颯「え!?覚えてたの!?」

 

蜜璃「うん…そりゃ相手がどういう人か知らされてたし。」

 

颯「あ、確かに」

 

蜜璃「ふふふ。」

 

蜜璃ちゃんが口に手を当てながら笑う。女の子の笑顔っていいね。

原作でもう語られているが普通の人ならこういう疑問が生まれるだろう。

 

颯「前、桜色の髪じゃなかった?」

 

蜜璃「…あの色だと…男性の方に悪い印象を持たれちゃって…颯くんもあの色より黒の方が…」

 

 

颯「えー…桜色の方が俺好きだなー…可愛いし。」

 

蜜璃「…やっぱり変わらないね。颯くんは今何してるの?」

 

颯「ははは…まぁ…その…お仕事…?」

 

密璃「えぇ~!?私とそんなに変わらないのに…!どんなお仕事をしてるの?」

 

颯「あ~…"鬼"って知ってる?その鬼を倒す仕事なんだけど…」

 

密璃「お…に?」

 

颯「人を食べる悪い生き物だよ。そういうのを退治する仕事をしているんだ。」

 

密璃「そうなんだ!」

 

明るい笑顔を見せる。

 

 

前世でも俺は恋柱、甘露寺密璃が推しキャラだった。

 

あ、ちなみに服装がアレだからとかじゃないぞ?決して。うん。

刀鍛冶編で人を懸命に守ろうとしているコマがあってさ。ジャンプで初めて見た時「うわ!この子好きだ!」ってなった。

 

…でも…やっぱりどんな人にも最期が来る。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『私を…お嫁さんにしてくれる…?』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

…今の俺には彼女の運命を左右できる立場にある。

 

 

颯「でもね…?さっき言った仕事…かなり危ない仕事なんだ。いつ死ぬのか分からない。昨日笑い合った友達が、明日もまた会話ができるかどうかすら分からない。そんな状況さ。」

 

密璃「…そうなの?」

 

颯「うん…だから…お付き合いすることになっても…多分…大人になる時まで一緒にはいられないと思う…」

 

密璃「…」

 

颯「…ごめん、場を悪くさせた。」

 

密璃「いいの、大丈夫。」

 

その後、少し雑談をし、解散となった。

 

うーん…今でも少し罪悪感が漂ってしまう。

これでいい、これでいいんだ。無理してあの子に苦しい思い

をさせる訳にはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

密璃side

 

ーーー夜。

 

密璃母「…あの子ったらずっと泣いてて…あの子のためにお見合いは良くないかしら…」

 

 

布団にうずくまる。颯くんから言われた言葉が今も響きつづける。

 

『お付き合いすることになっても…一緒にはいられないと思う。』

 

違う。私が求めていたのはそういうことじゃない。

私は…ただ、颯くんの優しさを近くで感じたかっただけ。

 

だめだな、また1人で泣いてる。…もう一度、髪を染めて、大食らいな自分を隠して…

 

 

 

「きゃああぁぁぁ!!!!」

 

密璃「…えっ!?」

 

今のは…お母さんの声…!!

 

 

密璃「どうしたの!?」

 

私は襖を開けてお母さんの声がした所へいく。

何があったのだろう。そこには……

 

 

密璃「…ひっ…!!?」

 

 

密璃母「痛い…痛い…!」

 

鬼「うるせぇ女だな…おっ!若い女もいるじゃねぇか!ネヒヒヒ…運がいいなぁ俺ァ!」

 

腕から血を流している母。

鋭い爪に付いている血を舐めている…化け物。

 

密璃「だ…誰か…」

 

鬼「こいつらは…親子かぁ?母親の方は後回しにするか…まずは…あの桃色の髪の女からだなぁ…!」

 

化け物が近寄る。

逃げなきゃ。でも助けなきゃ。

どうしよう、足が動かない。誰か、誰か。

 

 

鬼「死ねえええぇぇ!!」

 

密璃「い、いやっ…!!」

 

死にたくない。死にたくない。

 

 

化け物の爪が私の顔に迫る。

なんだか時間が遅く感じる。私、もう死んじゃうんだ。

ごめんねお母さん、お父さん。こんなだめな娘で。 もっと偉い子でいればよかったね。

 

最後に…颯くんに気持ちを伝えたかったなぁ…

 

 

 

 

 

色の呼吸 黄ノ型 霹靂一閃

 

 

 

 

ザンッ!!!

 

 

鬼「ア…?」

 

密璃「……え?」

 

 

え?何が…どうなったの?

化け物の首が突然切れて…急に雷の音がして…

目の前には…

 

 

颯「ふぅ……大丈夫?密璃ちゃん。」

 

密璃「颯く……え?」

 

颯「ははは…今日、言ったでしょ?鬼を退治する仕事。今まさにこれのことだよ。さっきの爪の長い化け物が鬼。人の命を奪う生物…って言っても急だから分からないか。」

 

密璃「今のが鬼……あっ!お母さん!お母さんが!」

 

颯「大丈夫、今君のお母さんは俺の仲間によって運ばれた。重症ではあったけど絶対に助かるから安心して。」

 

颯くんが少し微笑んでそう言った。その表情は…なんだか、悲しそうだった。




恋愛描写は少し苦手です。精進していきます。


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