Fate/KAODEKA's knight (hakusai)
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プロローグ

※プロットは3割くらいしかできてないです
※作者はアルスの全アーカイブを追っているわけではないです


「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。」

 

 

「祖には我が大師シュバインオーグ。」

 

 

「降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。」

 

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)。」

 

 

「繰り返すつどに五度。ただ満たされる刻を破却する。」

 

 

「告げる。」

 

 

「汝の身は我が下に我が命運は汝の剣に。」

 

 

「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。」

 

 

「誓いを此処に。」

 

 

「我は常世総ての善と成る者、」

 

 

「我は常世総ての悪を敷く者。」

 

 

「されど汝は()()()()()()()()()。」

 

 

「汝、彼方より世界を越え至る者。我は再び汝を迎える。」

 

 

「汝三大の言霊を纏う七天、」

 

 

「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───」

 

 

 

 

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「え、()()時期に転校生?」

 

 冬の早朝の冷え込み──といっても、冬木市は他の地域に比べても温暖なんだけど──を肌で感じながら、弓道場でお茶をしていた私は、弓道部主将の美綴綾子(みつずりあやこ)の言ったことに柄にもなく声を上げてしまった。

 熱々のお茶はなんとか溢さずに済んだからよかったけど、少し取り乱しすぎたか。まだ綾子以外の弓道部員が来ていなくて助かった。こんな姿、綾子以外の学校の人に見せられないもの。と言っても、綾子は私の大袈裟な反応が予想外だったらしく驚いているみたいだけれど。

 

「お、おう。そうだけど、そんな驚くこと?」

 

 私はなんとか取り繕いながら、一応不自然じゃない言い訳をを立てておくことにした。

 

「ええ。明日から2月で、もうすぐ年度末の忙しい時期でしょ? そんな時期に転入なんて珍しいじゃない。少し大袈裟だったのは認めるけどね」

「なるほどね。……本当は眠くてあんまり話を聞いてなかっただけじゃない?」

「いやいや、流石にないから。もう目は覚めてるから」

 

 そんな当たり障りのないことを言っておく。こんなことはもちろん嘘だ。

 私が驚いた本当の理由は……もうすぐ始まる、いや、もう始まっているとある儀式のことが頭をよぎったから。

 その儀式の名前は【聖杯戦争】。7人の魔術師が7騎のサーヴァントを従え、聖杯を求めて争い、殺し合う。そんな血生臭い儀式だ。7人もの魔術師が殺し合ってまで求める聖杯は、手に入れた者の望みを何でも叶えるというとんでもない代物らしい。もっとも、過去に聖杯を手に入れた者は居らず、実際に願いを叶えた者もいないらしいけれど。

 なぜ私がそんな眉唾物の儀式を知ってるかといえば、私がその儀式に参加する魔術師の一人……(の予定)だからだ。目の前の綾子は聖杯戦争のことはもちろん、私が魔術師であることも知らない。まぁ、神秘は秘匿されなくてはならないものだから当然なのだけれど。

 

 つまり私が大袈裟なくらいびっくりしたのは、その噂の転校生が聖杯戦争の参加者である魔術師の1人じゃないかと一瞬思ったからだ。……まぁ、そんな事は実際考えられないんだけど。だって、聖杯戦争に参加するのにわざわざ多くの人と関わりを持つ必要はない。むしろ顔が割れない方が得だ。

 

 聖杯戦争は7人の魔術師が7騎のサーヴァントを従えて争う。と言ったが、実際狙われるのは魔術師であることが多いらしい。なぜなら、魔術師はサーヴァントを従えてはいるものの、サーヴァントは非常に強力な存在で魔術師では多くの場合敵わない。加えて、魔術師が殺されれば従えられたサーヴァントは消滅する。つまり、聖杯戦争に参加する魔術師が人と関わるのはデメリットが大きすぎる。……私? 私はここに住んでいるし、この冬木の管理者だから例外だ。

 

 そこまで思い至って、その転校生を不憫に思う。聖杯戦争では秘匿されるとはいえ一般人の被害も多くある。前回はビルが丸々倒壊したり、街を飲み込む大災害が起こったりして多くの人が亡くなった。そんなことが起こりかねないタイミングでこの学校に転校とはツキがない。

 それでも折角この冬木に、この学校に来てくれるのだ。私の管理する地で無為に死者を出すつもりはない。転校したばかりだろうと私の手の届く限り守ろうと思う。

 そのためにも……今夜、サーヴァントの召喚を行おう。ここまで引き伸ばしてきたけれど、もう期限のようなものだし。

 

「……遠坂? なに、考え事? それともやっぱりまだ頭が回ってない?」

「だからもう目は覚めてるって。ちょっと考え事よ」

「ふ〜ん。まぁ考えもするか。転校生なんてイベント、私たちの勝負が動きかねないもんね」

「あら、突然本題に入るのね。もう私が先に進んでる可能性もあるのよ?」

「それはお互い様でしょ」

 

 ……そのまま私──遠坂凛(とおさかりん)と綾子は、他の弓道部員たちが来るまでガールズトークに花を咲かせた。転校生という、ほんの僅かな胸の支えを残したまま。

 

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「はーい! こんな時期だけどこの2-Cに転校生が入りまーす! さぁ入っておいでー」

 

 朝のHRから藤ね……藤村先生の元気な声が教室に響き渡る。今日のHRには珍しく遅刻してこなかった藤村先生だが、そういう訳があったらしい。今日は2月のはじめだから確かに転校生が来るには珍しい気がするし、こんな時期って言い方も何となく納得だ。

 それに、最近は冬木市内でのガス漏れ事故なども比較的多い。それがなくても、10年前の災害があった地というのもあって転校生がこの学校にやってくるのは珍しい。

 

 藤村先生の声に招かれて1人の少女とも呼べるくらいの大きさの外国人と思しき女の子が入ってくる。髪は日本人ではほとんど見ないような真っ白なミディアムで、大きなクリッとした水色のつり目が印象的な……いや、もっと印象的な部分はあるけど、失礼にあたりそうだからやめておこう。そんな少女だ。身長も明らかに150ないくらいなので、尚更その印象的な部分が印象的になる。まぁ少女と言うにはその……胸は大きいけど。

 

「それじゃあ自己紹介をお願いね」

 

 藤村先生に促されて、白い髪の少女が教室を見渡す。まるでクラスのみんなを値踏みでもするような……と、俺とも目があって、それもすぐに外された。誰か知り合いでもいるのか? というかそもそも、藤村先生は日本語で話しかけてるけど日本語通じるのかってのもある。

 そんな風に思っていると、白い髪の少女が話し出す。

 

 

「今日からこの学校に転校してきました。アルス・アルマルです! 日本語は普通に話せます。仲良くしてくれると嬉しいです!」

 

 アルス・アルマルと名乗った少女は、コロコロと笑いながらそう自己紹介をした。

 

「それじゃあとりあえず後ろの空いている席をアルスさんは使ってね。わからないことがあったらクラスのみんなや私に聞くように」

 

 藤村先生にそう言われて、素直にアルスは後ろの空いている席についた。そこからはいつものHRと一緒だ。雑談混じりで連絡事項がさっぱり頭に入ってこない。

 

「……そういう訳だから、みんなも下校時刻を守るように。部活の子たちも6時の門限を破っちゃダメよ。もちろん運動系の部活の子もね」

 

 何人かから不満たらたらの声が上がるが、藤村先生はゆるっと流して他の連絡事項も雑談混じりに俺たちに伝えていった。

 

「それじゃあ今日のHRはここまで。じゃあみんなまたねー」

 

 そう言いながら手のひらをひらひらさせて教室を去っていく。嵐のようなHRなのでいつもはみんな少し疲れてるポーズをとるのだが、今日は話が別だ。なんせ強烈な話題の種がクラスにいるんだから。

 みんなこぞってアルスの周りに集まって質問攻めにしている。中心近くに親友の間桐慎二(まとうしんじ)がいるのは……アルスは少女のような見た目だが可愛らしいルックスをしているし、仕方ないか。単純に興味もあるだろうし。

 

「アルスさんって呼んでいい?」

「うん。いいよー」

 

「アルスさんってどこから越してきたの?」

「んーとね、元はイギリスにいたらしいんだけど、物心ついた時からもう日本にいたんだー。前は東京に住んでたよ」

 

「アルスさんってなんでここに越してきたの?」

「親の仕事の関係かなー。新都だっけ? ボクはまだ見てないんだけど、その辺りの開発が進んだからとかどうとか言ってたよ」

 

 アルスの受け答えは流暢なもので、訛りなども特になく日本に長く住んでいるのがわかる言葉遣いだ。滑舌は若干怪しそうだけど。でもその受け答えがなんとなく俺には()()()()()()()を呼んでいる感じがした。いや、転校初日に質問攻めに合うのなんて分かりきってるし、何を聞かれるかを考えてたとしてもおかしくないか。というか、俺は何を無駄に勘ぐっているのだろう。これからクラスメイトになる存在なのに。

 

 一瞬湧き出た邪な考えを振り払って、授業の準備をする。教室の後ろの方ではまだアルスが質問攻めに合っている。だけれどもうみんな質問の弾が尽きたのか、「好きな色は?」とか「シャンプー何使ってる?」とかいうことを聞いてるし、「顔デカくない?」なんて失礼なこと(俺も思ったけど)まで言ってる。アルスはそれに「顔デカくないわ!」とキレのあるツッコミを入れている。どうやらアルスには人を笑顔にする才能があるらしい。アルスのツッコミに周りの人も吹き出している。それを見てアルスも嬉しそうにコロコロと笑っている。クラスから浮く、なんてことがなさそうで、他人ながら安心した。

 っと、予鈴が鳴った。アルスという新たなクラスメイトが加わっても、授業は、いや、俺の日常は変わらずに続く。

 

この日までは、そう思っていた。



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プロローグ2

「どう? アーチャー。ここからなら新都全体を見渡せるでしょう」

 

 私が今いるのは私が言った通り新都全体が見渡せる高さのビルの屋上だ。陽はもう落ちており、新都の夜の人々の営みが太陽の代わりに空を照らさんと輝いている。

 ここには私の他にもう一人、赤い外套に身を包んだ、褐色で白髪の大柄な男性がいる。彼は私が召喚したサーヴァントだ。

 

 サーヴァントとは、人理に名を刻まれた英雄、その影を使い魔とした存在であり、サーヴァントごとに7種のクラスが割り当てられる。剣使い(セイバー)槍兵(ランサー)弓兵(アーチャー)騎馬兵(ライダー)暗殺者(アサシン)魔術師(キャスター)狂戦士(バーサーカー)の7種だ。サーヴァントとして召喚される存在を指定することは難しいが、所縁のある聖遺物などを触媒として呼び出したい英霊を召喚する確率を上げることはできる。

 また、サーヴァントは生前の偉業や逸話を元にした『宝具』をそれぞれいくつか所持している。宝具とは基本強大な魔力を宿した武器や防具の形をしており、宝具の真名を解放すれば、宝具の元となった逸話に違わない軌跡をこの世に再び顕現させることができる。その代わり、宝具の真名を解放することはそのサーヴァントの真名を晒すこととほぼ同義であり、弱点を晒す可能性も存在する。

 そんな強大な存在を魔術師は従えなければならないのだが、時にサーヴァントは魔術師の指示に従わない、あるいはマスターである魔術師に牙を剥く場合すらある。そんな時の安全装置ともなるのが、三画ある令呪という名の聖痕だ。令呪一画につき一度、サーヴァントへの命令権を得る。これは聖杯由来の膨大な魔力により行使されるので、空間転移などの魔法に程近い奇跡すら起こすことも可能だ。もちろん、サーヴァントという強大な存在に強制的にに命令することも能う。

 

 さて、私が召喚したサーヴァントはアーチャー、弓兵だ。本当は最優のクラスと言われるセイバーを召喚したかったけど……そこは仕方ない。問題はこのサーヴァント、私の召喚に不備があったようで記憶が定かでなく、自分の宝具はおろか自分自身の真名すら覚えていないらしい。宝具を使用しない戦闘は可能らしいが、本格的な正面戦闘は避けたい。

 まぁ、そのアーチャー本人は不敵な態度を取るばかりなんだけど。召喚した直後は私のことをマスターと認めないくらいの勢いだった。ので……令呪の一画を使い私に逆らわないように命令してしまった。本来はこのような使い方は非効率なのだが、結果的にアーチャーが非常に協力的になったので万事オッケーだ。態度は変わらなかった。

 

「ああ。というか、初めからここに連れて来ればよかっただろう。わざわざ街を回らずともな」

 

 今日は学校を休んで、アーチャーに新都の案内をした。アーチャーというくらいだから狙撃する機会もあるだろうし、正面戦闘になった際の逃走経路を考えるとしても地理や地形の把握をしてもらいたいと思ってのことだ。が、アーチャーはお気に召していなかったらしい。

 

「何よ。ここからじゃ大まかな通りくらいしかわからないでしょ?」

「……ふむ。どうやら君は大きな思い違いをしているようだ。あるいは軽視されているのか」

 

 このサーヴァントは性格が悪いのが玉に瑕だ。まぁ、玉かはまだ確定してないけど。

 

「どういう意味よ。まさかここから我が家まで見通せるとでも言うつもり?」

「そこまでは言わないが……新都の内ならはっきりと見える。橋の手前のタイルの目くらいなら見えるな」

 

 え。……え? どうやら私は本当に英霊というものを低く見積もっていたらしい。

 

「驚いた。貴方、本当にアーチャーだったのね」

「それは侮辱のつもりか? 全く、口の減らないお嬢様(マスター)だ」

 

 なんとなく認めたくなくて憎まれ口を叩いたけど、コイツ(アーチャー)には効かないらしい。仕方ない。

 

「悪かったわ。英霊というものを正しく理解できてなかったみたい。それじゃあもう少し地形の把握ができたら撤収するわよ」

「承知した」

 

 私の"指示"にはしっかり従うアーチャーだ。難しい顔で街を見下ろしながら移動経路や狙撃地点などを考えているのだろう。申告通り新都中を見渡せるならば考えるのに少し時間がかかるりそうだ。うーん、暇だし私も見習って下でも見るかな。魔力を使えば視力も多少は強化されるし。アーチャーのそれには全く及ばないけど。

 そんなことを思って街を見下ろすと、

 ()()()と目があった。

 

「……え?」

 

 だって、ここはビルの屋上で。普通なら夜にビルを見上げたりしないし、そもそも屋上に何かあるなんて見えないはずで。いや、そうだ。向こうから見えているはずがない。

 それでも、少しだけ、魔術師の自分を見られた気がするのがバツが悪くて。

 

 

「……ん、凛。聞いているのか」

 

 あ、動揺して、アーチャーの呼びかけが全然頭に入ってきていなかったらしい。

 

「あーごめん。ちょっと学校の人に見られた気がして動揺してた。それで何?」

「ふむ、この距離では魔術師でもなければ見えまい。それでだが、地形の把握はあらかた済んだ」

「了解。それじゃあ撤収……」

「それと、新都の教会付近でサーヴァントと思しき二人が交戦している。片方は槍のようなものを持って、もう片方は……これは、傘か?」

 

 突然の出来事に一瞬思考が硬直する。確か、昨日の深夜の時点では私を除いて「まだサーヴァントは5騎しか召喚されていない」とあの兄男子の神父は言っていたはずだ。今は夜になったばかり、私と同様に昨晩召喚したのでなければ、まだサーヴァントは7騎揃っていないはずだ。

 

「どうする()()()()。ここからなら狙撃も可能だが」

 

 アーチャーのサーヴァントとしての提案に対して、一度深呼吸をする。ここで早々に脱落者を出す。それはもちろんマスターとしては正しい選択なのだろう。

 だが

 

「いいえ。手は出さないで。おそらくまだサーヴァントは7騎揃っていない。つまり、()()()()()()()()()()()()()()わ。私はこの冬木の地の管理者、遠坂の血を引くもの。であれば、まだ始まってもいない戦いをすることはしない。役者が全員揃ってから、堂々とこの戦いを勝ち残ってやるのよ」

 

 これは決意のようなものだ。魔術師としての、遠坂家の主人としての誇り。『常に余裕を持って優雅たれ』という家訓を重んじての決定だ。異など唱えさせない。

 

「……そうか。本来ならサーヴァントとしてマスターを諌めるべきなのであろうが、私も騎士としてその考えは好ましく思う。マスターの指示に従おう」

「よかった。反対はされなくとも反発はされてもおかしくないと思っていたのよ。アーチャーが騎士道精神に溢れる人でよかったわ。もしかして、生前は騎士でもやっていたんじゃないの?」

「どうかな。未だに靄がかかったように思い出せないままだ。ああそれと、どうやらもう戦闘は終わってしまったようだ。ほんの小手調べだったのだろうな。すぐにどちらも見失った」

「わかったわ。アーチャーの目でも見失うなんて、相当敏捷能力が高いか隠密に長けているんでしょうね。戦っていた二人に特徴はあった?」

 

 確かアーチャーは片方が槍を持っていると言っていたはずだ。槍使いなだけならばランサーとは限らない。ライダー、あるいはバーサーカーも可能性としてはある。

 

「そうだな。どちらもマスターらしき人間は確認できなかった。片方は全身青色の装備を纏った青髪の青年だった。獲物は槍で、血のような赤色をしていたな。もう片方なんだが、白いフードをかぶっていて髪の色などは分からなかった。背丈は槍使いの方とそう変わらなかった。……それに、獲物は私の見間違いでなければ傘だったな」

「傘って、あの雨の日にさす?」

「ああ。その傘だ」

 

 頭が痛い。見間違いであってほしいとも思うけれど、槍使いの獲物まで見えたアーチャーが見間違うとも思い難い。傘で戦うなんて今日日小学生までしか見ない。

 

「……アーチャーが見たなら見間違いじゃないでしょうね。まぁいいわ。傘で戦っているなら傘で戦う逸話を持った英霊の可能性もある。もしそうなら真名も判明しやすいし。アーチャー、それぞれが持っていた武器が宝具だったかわかる?」

 

 宝具は真名解放せずとも強大な魔力が込められているから、ただの武器とは根本から異なるものだ。

 

「残念だが、この距離では流石にそこまでは分からなかった」

「それは仕方ないわ。とりあえず今日は一旦家に戻りましょう」

「承知した」

 

 不可思議な武器を持つサーヴァントに思いを巡らせながら、私たちは帰路に着いた。そのサーヴァントを再び目の当たりにするのは、案外すぐのことだった。



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