不死身の私が異世界転移!? (白ノ兎)
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トラックぅぅぅ!!!誰を引いているぅぅぅ!!!ふざけるなああああ!!!
「ふわあ…」
私は金坂朱美普通…じゃないけど上っ面はごく普通の17歳の高校生だ。今日は日曜日で私は最後の休日を真っ暗にした自室で貪っている。
「ああ…暇だ…」
だらけながらパジャマでテレビを見ながらポテチを食べてる様はとても花の女子高生には見えないだろう、ちなみに化粧もしてない。
「あっ…コーラが無くなった…はあ…買いに行くか」
どっこらせっと掛け声と共に立ち上がる様はもはやおっさんだ。
「えーっと服は…ジャージでいっか」
そこでジャージを選ぶたあたりもう筋金入りだろう。
「行ってきます〜」
私は家を出ると近くのコンビニにやってきた。
「いらっしゃいませ〜!」
「すみませんお願いします」
「はい、247円です」
「はいちょうどでお願いします」
「ありがとうございました〜!」
「ああ〜寒い…早く帰ろって!?」
コンビニから出て家に向かう途中真横からトラックが突っ込んできた、よく見たら運転手寝てる!やばい確実に直撃するもう目の前のはずなのにやけにトラックのスピードが遅く感じた、これ確実に死ぬな…まだやりたいこともあったのに…と普通なら思うだろうしかし私には秘密がある親も知らない秘密だそれは――私が不死身だということだ。
その事実に気づいたのは約3年前ある出来事の後鬱になりロープで首を吊ったことがあった、しかし1分、5分、10分たっても苦しいだけで全く死ねなかったのだ、試しに他の方法をとっても全く死ねなかったそこで確信したあれ?私不死身じゃねってその後さらに鬱は加速したがなんとか今に至る。
さて長い回想に入ったが現実に戻ろうつまり私がトラックに撥ねられて死ぬことは無いまあ多少血が出るだろうから面倒臭いことになるだろうがまあいいわ、さあトラックよ来やがれぶつかるからには慰謝料を払う覚悟はできてるんだろうな?
そしてトラックが私の体に当たった瞬間。
「はっ?」
目の前に見たことの無い街が広がっていた。
えっ…ここどこ?
見たところ果物屋、鍛冶屋、雑貨屋などファンタジー世界に来たような光景が広がっている。
いやいやさっきまでトラックに引かれていたよね?なんでこんな所にいるの?異世界転生?いや私さっきまで死なないって説明したばっかりじゃん!それに神様にも会ってないし!…じゃあ異世界転移?えー…マジ?そんな事ってある?
「えー…これからどうしよう聴いた限りでは言葉はわかるから言葉は大丈夫だけどお金が無いから飢え死ぬ…いや死なないけどあの苦痛はもう味わいたくないわ…でもどうする?仕事するにもそのためのコネもないし…」
私がしゃがみながらブツブツ喋ってると人は私を明らかに避けて歩いているあはは…まあ明らかに地雷な私に関わりたくはないよねはあ…
「やあそこの君」
するとそこへ1人の男性が話しかけてきた、顔を上げるとその男性は笑顔でこう続けた。
「ハロハロー嬢ちゃん、何かお困りのようだね良ければこのロベルト・シリウスが話を聞こうか?」
はっきり言って怪しいその笑顔もだしまずこんな私に話しかけてきた時点でもう怪しさ満天だ、しかし今は藁をも掴見たい気分だ…だから。
「ええ、お願します」
「良かったよ、ちなみに名前を聞かせてくれるかい?」
「私は朱美、金坂朱美です」
「アケミか、いい名前だ僕のことは気軽にシリウスと呼んでくれよ!」
「わかりましたシリウスさん、よろしくお願いします」
「ああ、よろしく♪」
機嫌が良さそうだ
「ちなみに酒場に行こうと思うんだが…お酒は大丈夫かい?」
「すみません、お酒はちょっと飲めなくて…」
「ああ、大丈夫だよとりあえずミルクでも頼もうか!」
「ありがとうございます、ところでなんで私に話しかけたんですか?」
「それも酒場で話すよ、着いたよ」
カランカラン
「いらっしゃい」
「店主!ミルク2つを頼む」
「かしこまりました」
「あの、シリウスさんはお酒は飲まないんですか?」
「ああ、実は僕もお酒が飲めなくてね!(キリッ)」
いや、あんたも飲めないんかい
「はい、ミルク2つです」
「ありがとう!」
「あ、ありがとうございます」
そしてシリウスはミルクを1口飲んだ後に続けた。
「で、僕がアケミに話しかけた理由だったねそれは君が困っているように見えたから…と言っても信じてくれないよね?」
「まあ、ユリウスさんがそこまでお人好しには見えませんから」
「あっはっは!お人好しには見えないか!いや〜それなりにそうみえる様な見た目してると思うんだけどな〜!」
確かにシリウスさんの見た目は金髪が似合う笑顔の優しい感じの優男タイプだ他の人が見たら騙されるだろう、しかし私は騙されない
「私もそれなりに人を見る目はあるんですよ、あなたの目はそう何か面白いものを見る目です」
私は昔から色んな人を見てきてそれなりにひと目でどんな人物かわかるようになっている、ユリウスの目はおもちゃを見る子供の目だ。
「ひゅ〜さすがだね、御明答僕は君のことを面白いものとして見ている」
「…ちなみにどこに対して面白さを感じたんですか?私と貴方は初対面ですよね?」
「あはは〜そうだねじゃあ率直に言うよ君不死身でしょ?」
「は?」
いやいやいや何故バレた私が不死身だっていうヒントはこの世界に来てからここまでひとつもなかったはずだ。
「何故バレたと思っているね?まあ簡単な事だよ僕もそれなりに人を見る目があってね、それがあるスキルになってるんだ」
「スキル?」
スキル?何そのファンタジー
「そう僕のスキルは観察眼、人のスキルを見ることができるんだ。」
なるほど…つまり私の不死身はこの世界ではスキルなんだなるほど…
「ええっと…」
「ああ、ちなみに人のスキルを見れる人はそうそう居ないから安心してよ!」
「あ、良かった…じゃなくていやそれもあるけどちなみに私のスキルなんですけど…他になにか見えました?」
するとシリウスは笑みを浮かべ
「ん〜そうだねあとは不老不死と人格切り替え(血)、無痛症というのが見えたよ」
わ、私の秘密が丸裸にされている!?
「この人格切り替え(血)というのも中々に興味深いよね、いわゆる二重人格ってやつかな?」
「えっと…まあ似たようなものです、はい」
マジか〜!あれもスキルとして表示されるのか…
「なるほど…反応を見るにあまりいいものじゃないみたいだね」
あまりというよりめちゃくちゃ悪いものです
「まあ、これで僕が君に声掛けた理由はわかったかな?」
「はい、痛いほどに」
まさか異世界に来て開始20分以内さらに初対面の相手に私の秘密が2つもバレるなんて…ついてないな。
「ということでアケミの話を聞かせてくれよ、そういう話だったろう?」
「ああ…そうでしたね、実は…」
とりあえず気づいたら異世界で…という話は流石に言えないので家が嫌になって飛び出してきたんだけどお金も仕事をするコネもなくて困っているという話をした。
「なるほど…大変だったねん〜なら僕が仕事を紹介してあげようか?」
「………」
はっきり言おうめちゃくちゃ怪しい怪しさの二乗だ。
「あはは!そんな警戒しなくても大丈夫だよ仕事はただの何でも屋さ!」
「何でも屋?」
「そう!ペットの世話から畑の手伝いまで頼まれたことをこなしていくだけの簡単な仕事だよアケミでもできるね?」
シリウスはウインクしながら言ったが確かに聞いた限りではそんな怪しさは無いように思えるそれにこの世界でコネの無い私は他に仕事が見つかるとも思えないし…
「わかりましたよろしくお願いしますします」
「よし!じゃあ着いてきてくれあっマスターお会計だ!」
「ありがとうございました」
「じゃあ行こっかアケミ!」
しかし何故だろう私はその笑顔に何か嫌な予感しか感じなかった。
一応改変はするかもしれませんが頑張ります!
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え?騙された!?
「アケミ!もうすぐ着くよ!」
歩いて約15分くらいしたら薄暗い場所にいた脳内の警報が鳴り響いている今からでも逃げたい。
「着いたよアケミ!」
するとシリウスさんは目の前の部屋にノックひとつしないで入っていった。
「君たちのリーダーシリウスがただいま戻ったよ!(キリッ)」
「ん、お疲れ〜」
「……」
「(Zzz…)」
「(ぺこり)」
(反応薄!?)
「いや〜相変わらず反応が薄いね(苦笑)」
「んで?帰ってきたのはわかったけどそこの女性は誰なの?彼女かなんか?」
「おっと切り替えは早いねエド!良く聞きたまえ彼女はアケミ!今日からカーネーションで一緒に行動してもらう事になった!」
「「「!?」」」
「Zzz…」
「え、えっと金坂朱美です!よろしくお願いします」
「え…急だね、どうしたの?」
「いや〜彼女は家出したはいいものを右左わからず途方に暮れてたから優しい僕は居場所と仕事を紹介してあげようってことになってね!」
「いやいや仕事でここ紹介するとかアンタ鬼畜だろ!?」
「ええーだって手元に置いときたかったんだもん」
「子供か!俺は反対っすよアケミって子が可哀想すぎる!」
「えっと…あのシリウスさんからは何でも屋って聞いていたんですが…」
するとエドと呼ばれた小柄な青年とシリウスさんがこっちを向いた。
「ええ、確かにカーネーションは何でも屋っすよ?裏世界のね」
「裏…世界?」
「ペットの世話から殺しまで、それがカーネーションの謳い文句っすよ」
「こ、殺し!?」
(だ、騙された!?)
チラッ
「てへぺろ♪」
(てへぺろじゃねえこの害悪優男もどきやっぱりとんでもねえ奴だった!)
「俺にはその子が殺しや運びを出来るとはとっても思えないっすよ」
当たり前だよ!こちとら平和な国出身の善市民だよ!…グレーだけど!
「大丈夫だよ〜アケミには表の仕事をやってもらうからね(ニコッ)」
うわっその笑顔殴りてぇ…こっち向くな!
「しかしな…」
エドと呼ばれている青年はまだ渋っている。
「この子は他にコネもないんだよ頼むよ」
「いや、アンタが紹介すればいいだろ他にも最悪冒険者なら身分証作れるし」
冒険者!?なにそのファンタジー。
「いや〜僕が他に紹介できるところはだいたいろくでもない所ばかりだし冒険者は彼女のスキル上おすすめしたくないんだ」
「彼女のスキル?」
「あの…シリウスさん何故スキルが問題なんですか?」
「ああ、冒険者は登録する時冒険者カードに本人の情報が機械で記載されるんだよ、だからスキルも職員の目に入るんだ」
なるほど…確かにそれは困る。
「シリウス、彼女のスキルは公にできない物なんすか?」
「エド、彼女は不死身なんだよ」
「は?」
「!?」
「……!?」
「Zzz…」
シリウスゥゥゥ!なに私の秘密あっさりバラしちゃってるの!?
「ごめんね流石にエドに隠し事はまずいから、後でアケミ自身拷問でもされちゃ嫌でしょ?」
「いや、しないっすよ!?アンタ俺をなんだと思ってるんすか!」
「解体魔」
「いや、間違ってないっすけど…」
いや怖…解体魔なんだ…
「いやしかし不死身っすか…シリウスが間違えるとは思わないから本当なんだろうっすけど…なるほどシリウスが手元に置いておきたい理由もわかったっすよ」
「あの…そんなに不死身って魅力的なんですかね?」
「魅力的っていうか…あれ?アケミってセイヴァー教を知らないんすか?」
「セイヴァー教どころかこの街の常識的な事はだいたい分かりません…」
「いや、セイヴァー教は世界中で信仰がある宗教っすよ?どんな未開な地からやってきたんすか…」
異世界だよ!
「まあ簡単に説明すると女神とその女神が連れてくる救世主、異世界からやってくる勇者を崇めよという宗教っすよ」
異世界からやってくる勇者!?
「そして不死身っていうのが昔倒された魔王のスキルの1つっすだからセイヴァー教では不死身は禁忌なんすよ、不死身の研究なんてしようものなら即牢にぶち込まれるっすね」
「ええっと…私が不死身だってバレたらどうなるんですか?」
「んー魔王の再来だって騒がれたあと勇者が召喚されるんじゃないっすか?」
「な、なるほど…だけどなんで魔王は不死身なのに倒されたんですか?」
「それは勇者は魔王の不死身を貫通出来るらしいんすよ、まあ魔王の不死身っすからアケミを勇者が殺せるとは思わないすけど」
「そうですか…」
少し安心した
「で、話は戻るんすけど、シリウスがアケミを手元に置いておきたい理由なんすけどシリウスからしたらアケミの不死身、その禁忌のスキルがとても魅力的に見えるんすよ彼の性質上」
「性質?」
「……まさか性質も分からないんすか?」
「ええっと…私の知っている性質とエドさんの言っている性質が同じかが分からないので説明お願いします」
「はあ…まあ性質っていうのはその人物が生まれ持ったタイプっすよ例えばそこにいるメイド服のシャルは「奉仕」俺なら「加虐」とそれぞれあるんすよ」
「(ぺこり)」
なるほど〜やっぱりファンタジーなものだったんだ聞いていて良かったわ。
「でシリウスなんすけど性質が「禁忌」生まれ持って禁忌的なものに興味や執着があるんすよ」
ああ〜なるほどだから不死身の私に声をかけてさらに逃がさないように手元に置いておこうとしてたんだ。
「人によって性質の影響力は違うっすけどシリウスの場合は自分でも抑えられないくらい影響を受けてるんすよ、それもその行動によって生まれ故郷を滅ぼしたくらいにはね」
「故郷を滅ぼした!?」
シリウス予想以上に危険人物じゃん!
「まあまあその話はいいだろう?過ぎたことだしね?」
いや良くねぇよ!アンタの印象にめちゃくちゃ関わってくる話だったわ!
「まあそうっすね」
いや良くねぇって!
「まあだいたいそういう事っす他に聞きたいことはあるっすか?」
「えっと…大丈夫です」
「そうっすか、まあお疲れっすシリウスに目をつけられたのはご愁傷さまっすね」
本当にそうね…
「まあ一応カーネーションに入るのは認めるっす一応リーダー命令っすから皆も良いっすよね?」
「(こくこく)」
「……(こくり)」
「Zzz…」
ええ…入ることになっちゃうの…
「よし!」
よしじゃねえよ!
「じゃあようこそカーネーションへ歓迎するっすよ」
「よ、よろしくお願いします(ぺこり)」
そして私は裏世界の何でも屋カーネーションに所属することになったのでした。
とりあえず1日1話~投稿したいです!
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