IS学園配信チャンネル交流板 (ジト民逆脚屋)
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化野万里

化野万里¦謎の人物。気付いたらそこに居て、気付いたら次期日本国家代表になってた


1:名無しの観戦者

推しを語れ

 

 

2:名無しの観戦者

ラウラのFPS配信好きだわ

 

 

3:名無しの観戦者

たまにチート疑いが出る鈴音の音ゲー配信

 

 

4:名無しの観戦者

>>3 あれな。でも、手元配信だからチート疑い消えたろ

 

 

5:名無しの観戦者

ワンサマーの簡単クッキング

おい、世界最強。つまみ食いをするなwwww

 

 

6:名無しの観戦者

世界最強さぁ……

弟の料理つまみ食いするとか、現役引退してから一気に緩くなってない?

 

 

7:名無しの観戦者

ユルッユルッやぞ

 

 

8:名無しの観戦者

同じFPSならセシリアの配信、参加型でレベルの差を思い知ったわ……

 

 

9:名無しの観戦者

ガチプロゲーマーレベルのスナイパーの話はやめろお!

(被害者)

 

 

10:名無しの観戦者

三人一組チームを一人でサンタテするなwwww

サンタテされました……

 

 

11:名無しの観戦者

「ああ! 皆様大丈夫ですの?! ……分かりました。私が皆様の無念を晴らしてご覧にいれますわ! そこで待っていてくださいまし……!!」

 

こっからの圧倒的なプレイングよ

 

 

12:名無しの観戦者

「いいえ、私は誰も置いていきませんわ。さ、行きますわよ。勝利が私達を呼んでいますわ!」

 

 

13:名無しの観戦者

シャルロットの対談配信と、箒の雑談配信も良き。

前者はコラボ相手と遊ぶけど、後者はコラボ相手に遊ばれる

 

 

14:名無しの観戦者

「よし、じゃあホラゲー配信しようか」

「え、今日は雑談じゃないのか?」

「え、コラボ配信とは言ったけど、雑談とは一言も言ってないよ。どうしちゃったの? 箒、疲れてる?」

「ぱあああああぁぁぁぁぁぁ! 騙したな……!!!」

 

 

15:名無しの観戦者

流石、俺達の瞬間発狂器。一瞬で発狂してくれるから、鼓膜のスペア消費が捗る捗る

 

 

16:名無しの観戦者

かんちゃんのホビーレビューもいいぞ。

いや、いくらファンでもそこまでコアな情報は、中々知らんのよ……

 

 

17:名無しの観戦者

1/144スケールキットから、原寸の関節内部のパーツを3Dデータで構築しだした時は、あれ? チャンネル間違えたって思ったわ

 

 

18:名無しの観戦者

お、待てい! 皆、誰かを忘れてるゾ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

化野万里

 

 

19:名無しの観戦者 

>>18 お前ぇ!

 

 

20:名無しの観戦者

>>18 IS学園最終兵器を出すなwwww

 

 

21:名無しの観戦者

あいつ、本当にさぁ……

見た目超絶清楚な和風美女なのに、中身がおせいそなのはなんで????????????????

 

 

22:名無しの観戦者

諦めろ。化野とはそういう女だ

 

 

23:名無しの観戦者

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ゴミカスゥ!! ○゛ね゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」

 

 

24:名無しの観戦者

伏せ字にまで濁点つけてるのポイント高いw

 

 

25:名無しの観戦者

「来い来い来い来い来い来い! ……クソがぁっ! どんな設定してやがんだこの台!?」

 

 

26:名無しの観戦者

パチンカスの片鱗を見せるなwwww

 

 

27:名無しの観戦者

のほほんさんとのコラボクッキング配信は、あれ、なに?

なに?????????????

 

 

28:名無しの観戦者

料理した事無いって言いながらのあれだからな。

本当、意味が分からん

 

 

29:名無しの観戦者

「のほばんクッキング、ふわとろオムライス作っていくよ」

「わあー」

「はい、では材料」

「わあー」

 

大根ドン!

 

もう意味が分からん

 

 

30:名無しの観戦者

オムライスに大根は入らんのよ

 

 

31:名無しの観戦者

「はい、まずは手を洗いましょう。手え洗ったって聞いて来る奴、まずは自分の体洗いましょうね」

「わあー」

「では材料を切って、鍋に入れまーす」

「わあー」

「てはこちら完成品の〝煮〟になります」

「わあー」

 

ずっと我々の理解を越えてくるwwww

オムライスどこ行ったの……

 

 

32:名無しの観戦者

織斑千冬の再来とか言われてたのに……

中身はこんなんだよ

 

 

33:名無しの観戦者

言うて、チッフも変わらんやろ

チッフはアマゾネス、万里はエイリアン。そこに何の違いもないだろうが!

 

 

34:名無しの観戦者

違うのだ!

アマゾネスの時代から大和撫子の時代になると思ったら、大和撫子の皮を被ったエイリアンが出てきた時の気持ちが判るか?

 

 

35:名無しの観戦者

あいつに配信を許したIS学園とIS委員会が悪いwwww

 

 

36:名無しの観戦者

あの、関係者筋から一言言わせてください。

私達もやったんですよ。必死にやったんですよ。でも奴は私達のそれを飛び越えて、やりやがったんですよ!

やりやがった! あの野郎やりやがった!

 

 

37:名無しの観戦者

つかさ、化野って強いの?

 

 

38:名無しの観戦者

関係者各位の胃が心配になるなwwww

 

 

39:名無しの観戦者

アマゾネス管理の仕事が終わったと思ったら、今度はエイリアン管理の仕事だよ!

クソがよ……

 

 

40:名無しの観戦者

>>37 強いぞ。特にワンオフアビリティがチート。

いや、ワンオフアビリティ自体がチートなんだが、あいつはその中でも特にチートの領域型アビリティ。

 

 

41:名無しの観戦者

>>40 領域型?

すまん、最近になってIS関連に興味持ったもんで、色々分からん

 

 

42:名無しの観戦者

あー、そうだな。ワンオフアビリティってのは、そのパイロットだけが使える特殊能力的なサムシングだと考えてくれ。

凄く雑に纏めると、

織斑姉弟¦発現型、機体の武装や機能から発生するタイプ。

化野万里¦領域型、いまだに解明されてない未知の存在。凄く簡単に言うと固有結界もしくは領域展開

 

 

43:名無しの観戦者

はえー、ISってすごいんだな

 

 

44:名無しの観戦者

まあ、その領域型アビリティの保有者が全競技者の内、五人しか居ないから、本当によく分からん何かなんだわ

 

 

45:名無しの観戦者

一応、ワンオフアビリティ自体はパイロットの心に深く残っているものを元に、ISコアが形成する能力って話だが、何が心に深く残ってたら、領域展開すんだよ

 

 

46:名無しの観戦者

アビリティ名〝ステーションフェブラリー〟

食らった一人の証言によると、気付いたら無人駅に居て、到着した列車に乗ったら負けた。

とのこと

 

 

 

 

 

 

 

 

は??????????????

 

 

47:名無しの観戦者

まるで意味が分からんwwww

 

 

48:名無しの観戦者

本人同様に意味が分からん過ぎるわ

分からん殺し

 

 

49:名無しの観戦者

発動条件も範囲も謎、しかも噂で聞いた話だと、ステーションフェブラリー自体がワンオフアビリティじゃないっぽい

 

 

50:名無しの観戦者

>>49 待って、どういう事?

あれがワンオフアビリティじゃないなら、あれなによ?

まさかあいつは本当にエイリアン?!

 

 

51:名無しの観戦者

>>50 えっとな、あくまでも噂程度の話なんだが、あくまでもステーションフェブラリーは、ワンオフアビリティの効果?の一つでしかないらしいゾ。

つまり、この噂が本当ならステーションフェブラリー以外の何かがランダムでやってくる

 

 

52:名無しの観戦者

やだ! 小生やだ! 絶対ろくでもないもん出てくるじゃん!

 

 

53:名無しの観戦者

この話始めたの俺だけど、あまりの理不尽さにキレそう……

え、これナーフされないの?

 

 

54:名無しの観戦者

ナーフしようがないの……。

ワンオフアビリティは機体だけじゃなくて、パイロットと機体のセットで発動するから、化野が〝空亡〟に乗ったら発動準備完了。

しかも、ワンオフアビリティだけじゃなくて、本人もばか強いから更に、ね……

 

 

55:名無しの観戦者

チッフ以来、モンドグロッソどころかその選考予選で敗退続きの日本。

お偉いさんは必死に探した。織斑千冬に次ぐ人材を

その結果、あれが出た

 

 

56:名無しの観戦者

立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。そして喋らせたらエイリアン。

その名は化野万里……!!

 

 

57:名無しの観戦者

もう意味が分からん過ぎる

しかし、意味が分からん過ぎるから配信が面白い

 

 

58:名無しの観戦者

お、待てい! インタビューもだゾ

 

 

59:名無しの観戦者

なあ、知ってるか? あいつが喋る度に担当官は胃が痛むそうだ

 

 

60:名無しの観戦者

あ、御愁傷様でーす

 

 

61:名無しの観戦者

流石は個人チャンネルの存在を許されなかった女wwww

 

 

62:名無しの観戦者

え、マジ?

 

 

63:名無しの観戦者

マジだゾ。あいつ、個人チャンネルBANされて、今は学園のチャンネルだけで配信を許されてる。 

なお、内容は……

 

 

64:名無しの観戦者

ガチャ配信

「ホーワホーワ!!(クソデカ高音) シャイシャイシャイ!!(メチャデカ高音)」

人間語を喋れ

 

 

65:名無しの観戦者

遅れてリアタイしたら、猿が居たんだ……

 

 

66:名無しの観戦者

音声だけならガチ猿wwww

つうか、あのガチャ配信の切り抜きの奇声に、動物園の猿が反応したwwww

 

 

67:名無しの観戦者

>>66 ま?

 

 

68:名無しの観戦者

マジやで。

これ、その動画な

 

《http856344893285》

 

 

69:名無しの観戦者

はえー、万里ネキは猿だたのか……

 

 

70:名無しの観戦者

実際猿なとこあるよな

 

 

71:名無しの観戦者

決める所は決めてくれるんだが、いかんせん普段があれ過ぎて……

 

 

72:名無しの観戦者

誰が超絶清楚和風美女の中身をエイリアンの猿にしろって言ったよ?

ちょっとー、仕様書おかしいよー

 

 

73:名無しの観戦者

仕様です

 

 

74:名無しの観戦者

仕様の時点で壊れてんよー

 

 

75:名無しの観戦者

狂うー^^

 

 

76:名無しの観戦者

あ、配信始めた。

……あの、いくら成人してるからって、成人コミックレビューはやめろぉ!

 

やめろぉ!(建前)

やめろぉ!(本音)

 

 

77:名無しの観戦者

なーんで、人妻ものに造詣がディープなんですかね?

 

 

78:名無しの観戦者

万里ネキ¦『この現実にあり得ないロケットオパーイが、グニュッて歪むのがいいんだよ』

 

 

79:名無しの観戦者

こいつほんとさあ……

 

 

80:名無しの観戦者

万里ネキ¦『こう、後ろから押し潰す感じがいいよね』

 

 

81:名無しの観戦者

あ、チッフwwww

 

 

82:名無しの観戦者

鬼の形相で配信部屋に飛び込んできたwwww

 

 

83:名無しの観戦者

イエーイ、見ってるー

 

 

84:名無しの観戦者

レビュー配信が説教配信になったwwww

 

 

85:名無しの観戦者

もう無理、腹痛いwwww

 

 

86:名無しの観戦者

チッフ¦『お前な、また給料減るぞ?』

万里ネキ¦『スパチャって素晴らしいよね』

スパチャ¦『赤スパ:うちのエイリアンがすみません』

チッフ¦『投げるな』

 

 

87:名無しの観戦者

チッフ、そこじゃないwwww

 

 

88:名無しの観戦者

うわぁ、赤スパが流れていく……

 

 

89:名無しの観戦者

コメント欄赤スパで真っ赤やぞwwww

 

 

90:名無しの観戦者

こんなんで炎上しないんだから、配信者七不思議の一つって言われるんだゾ

 

 

91:名無しの観戦者

逆に炎上しようがないぞ

 

 

92:名無しの観戦者

むしろ、普段から炎上してるまであるwwww

 

 

93:名無しの観戦者

何を言っても、万里ネキはエイリアンだからで終わるからな!

 

 

94:名無しの観戦者

あー、もうメチャクチャだよ

 

 

95:名無しの観戦者

だから、説教されながら未亡人もののレビューをするなwwww

 

 

96:名無しの観戦者

もうチッフ涙目やぞ!!

 

 

97:名無しの観戦者

チッフ¦『そんなだから結婚出来んのだぞ!』

万里ネキ¦『お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

98:名無しの観戦者

ビックリした

 

 

99:名無しの観戦者

鼓膜無いなった

 

 

100:名無しの観戦者

耳無いなったわ……

 

 

 




次期日本国家代表のままなのは、中身が原因


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化野万里研究会

1:名無しの観戦者

当会は次期日本国家代表の化野万里について研究する会です。雑談やネタは許容しますが、誹謗中傷は許容しません。

 

はい、では化野万里の雑プロフィール

名¦化野万里

性別¦女

種族¦エイリ……、人間

身長¦185㎝

体重¦不明

スリーサイズ¦デカデカ

所属¦IS学園

 

 

超絶美麗な和風美少女の日本代表候補生として、ポスト織斑千冬を期待されていた。というか、実力的にこいつが次期日本国家代表。

しかし、その清楚な見た目と裏腹に、中身がエイリアンの猿であるという事が、IS学園在学中のインタビューにて発覚。

国際IS委員会並びに日本IS委員会の頭を悩ませた。ついでに胃も破壊された。

とにかく喋らせるなと、関係各位は細心の注意を払って対象を監視していたが、その監視の網を掻い潜って動画配信サイトにて生配信を開始。

一躍有名人となった。

 

 

2:名無しの観戦者

あのさあ……、見た目黒髪和風美女なのに、スリーサイズが清楚じゃないじゃん!

こんなん世の青少年の性癖破壊の権化よ!

 

 

3:名無しの観戦者

実際破壊されました。

もうデカデカボディじゃないと反応しない(中学生)

 

 

4:名無しの観戦者

>>3 中学生がこんな所に来ちゃいけません!

 

 

5:名無しの観戦者

>>4 いいじゃん! 女子だってあのダイナマイトデカデカボディに欲情すんだよ!

 

 

6:名無しの観戦者

ネキであったか……

 

 

7:名無しの観戦者

万里ネキ、本当にダイナマイトデカデカボディだよな

 

 

8:名無しの観戦者

超絶清楚な顔からは想像出来ない暴力

 

 

9:名無しの観戦者

ISスーツ着た時、え?ってなったもん

あの締め付け強めな服着てそのサイズ?って

 

 

10:名無しの観戦者

そしてその見た目から放たれる理不尽な暴力

 

 

11:名無しの観戦者

見た目清楚、中身エイリアン猿、効果絶対暴力

 

……うーん、おせいそだな!

 

 

12:名無しの観戦者

あの機体、空亡がチート過ぎる

近接遠距離両方得意とか、倉持くんさぁ……

 

 

13:名無しの観戦者

それ言うなら、ワンオフアビリティが更にチートゾ

世界に五人しか居ない領域型アビリティで、発動したら最後とか、まじでやってられん

 

 

14:名無しの観戦者

発動条件は分かってんだっけ?

 

 

15:名無しの観戦者

発動条件は不明だゾ。仮説だと、相手を一定時間視界に納めたまま、相手に触れる事が発動条件みたいだけど、ついこの間の試合で相手に触れずに発動したから、多分一定時間視界に納めるのが発動条件の可能性が高い

 

 

16:名無しの観戦者

はい、対戦経験者の意見です。

視界外から触れられずに発動されました……

いまだにあの踏切の音が……

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!

 

 

17:名無しの観戦者

SANチェックのお時間です

4¦4d6でどうぞ

 

 

18:名無しの観戦者

高すぎぃ!

 

 

19:名無しの観戦者

最大値引いたゾ

28、発狂

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!

 

 

20:名無しの観戦者

よし、セーフ!

減少4

 

 

21:名無しの観戦者

ステーションフェブラリー。

直訳すると、きさらぎ駅か?

 

 

22:名無しの観戦者

フェブラリーは2月だから、如月でも合ってる

 

 

23:名無しの観戦者

他の領域型アビリティのパイロットもそうだけど、領域型の研究が進まなさ過ぎて、パイロット本人の感覚による説明しか情報が無いってのも、初見殺しの分からん殺し量産の原因だわな

 

 

24:名無しの観戦者

しかも、対戦相手も説明出来ん現象が起きてる始末。

外から見たら、二人共消えた風にしか見えんのにな

 

 

25:名無しの観戦者

あれは領域型アビリティ共通の効果らしくて、コア内部で増幅したエネルギーを散布、そしてパイロットに意思による空間の書き換えが行われて、アビリティの発動となるらしい。

まあ、これも仮説だけどな

 

 

26:名無しの観戦者

仮説が多すぎる……、修正が必要だ

 

 

27:名無しの観戦者

>>26 やれるもんならどうぞ

いや、むしろやってくれ。

 

 

28:名無しの観戦者

あ、まーた配信してるよ

 

 

29:名無しの観戦者

……一応、国家公務員なんだよね?

 

 

30:名無しの観戦者

せやで、万里ネキは一応国家公務員や。

一応な

 

 

31:名無しの観戦者

何処の国も欲しがる実力とルックス、そしてそれを0どころかマイナスにする中身。

アメリカが頼むから日本に縛り付けろって、国際IS委員会に直訴した話は笑ったwwww

 

 

32:名無しの観戦者

>>31 あれガセじゃなかったの?

 

 

33:名無しの観戦者

>>32 どうやらガセじゃなかったみたい

イーリス・コーリングがインタビューで言ってた。

ちな、これな

 

《Http5%<4¥5&18}2{]》

 

 

34:名無しの観戦者

はえー、まじで言ってるわ。 あ、止められた

 

 

35:名無しの観戦者

流石に、一個人に対するヘイトがデカイと判断されたか?

 

 

36:名無しの観戦者

んなヘイトなんぞ、奇声一発で消すぞあいつなら

 

 

37:名無しの観戦者

万里『ごの゛グゾガチ゛ャ゛があ゛!! お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!』

 

 

38:名無しの観戦者

ガチャでしていい発狂じゃないんよ

 

 

39:名無しの観戦者

小さい子泣くぞwwww

 

 

40:名無しの観戦者

我子持ち、我が子(5)は万里ネキの発狂をキャッキャッしながらみてる……

我が子よ、そんなに成人女性の発狂は面白いか……

そうか……

 

 

41:名無しの観戦者

諦めないで

 

 

42:名無しの観戦者

あの、すみません。ここに来たら、化野万里について知れるって聞いて来たんですが

 

 

43:名無しの観戦者

ん? 初見さんか。はい、ここは化野万里研究会です。

言っても、雑談板みたいなもんだけど

 

 

44:名無しの観戦者

それでも構いません。私が受けたワンオフアビリティについて、仮説でも情報が欲しいんです

 

 

45:名無しの観戦者

私が受けたって、対戦相手の人だったか

 

 

46:名無しの観戦者

ステーションフェブラリーは、やっぱり駅だったの?

 

 

47:名無しの観戦者

ステーションフェブラリー?

いえ、私が受けたのは全然違うものでした

 

 

48:名無しの観戦者

違うもの?!

そこのとこ詳しく!

 

 

49:名無しの対戦者

コテハン変えました。

私が受けたのは駅ではなく、牛舎でした

 

 

50:名無しの観戦者

牛舎? え、どゆこと?

 

 

51:名無しの観戦者

あまり言い辛かったら、無理に言わなくてもいいよ。あいつのアビリティ食らったやつは、大体トラウマになるから

 

 

52:名無しの対戦者

大丈夫です。

それで、私は気付いたらほぼ裸同然で牛舎に繋がれていて、顔の見えない人達が何かを話していました

 

 

53:名無しの観戦者

????????

いかん、また新しい情報が出てきた

 

 

54:名無しの観戦者

駅の他に牛舎か……

日本の田舎を基礎とした領域か?

 

 

55:名無しの対戦者

いや、それは対戦者さんの話を聞いてからにしよう

 

 

56:名無しの対戦者

話、続けますね。

そして、何か聞き取れない日本語で話終えると、その人達は奥から牛の首を持ってきました。

目は空洞で、ぼやけた視界でも剥製と解る出来でして、それでその人達は私にそれを被せて、嗤っていました。

 

「ああ、これで助かる」

 

ものすごい悪臭に私は抵抗しながら、そう聞こえたと思った時、体に違和感が走りました。

どうにか振り落とそうとしていた牛の首の剥製が、私の首にぴったりと貼り付いて取れない。

それどころか、私の体がどんどんと牛そのものに作り替えられていきました

 

 

57:名無しの観戦者

…………

 

 

58:名無しの観戦者

……………

 

 

59:名無しの観戦者

………………

 

 

60:名無しの観戦者

…………………ホラー映画?

 

 

61:名無しの対戦者

>>60 私もそう思いました。ああ、これは映画か何かだと。

でも、違いました。人々は私の体が牛に作り替えられていく度に、どんどんと牛舎に集まってきて

 

「助かる」

「これで助かる」

「ああ、よかった」

「よそ者が来てくれて助かった」

 

そう言っていました。

そして、私の意識も朧気になり、体も完全に牛になった時、私の視界が突然真下に落ちました。

首を切り落とされたと気付いたのは、目の前に私の首の無い牛に作り替えられた体を見た瞬間でした。

叫びたくても声が出せない。痛みも無い。

でも、一つだけある感覚と実体がありました

 

 

 

62:名無しの観戦者

それは……?

 

 

63:名無しの対戦者

……目の前で私の体を切り分け、焼いて食べられる感覚です。

 

 

64:名無しの観戦者

すまちょっとせきはずす

 

 

65:名無しの対戦者

そして

 

「ありがとう、君の様なよそ者を送ってくれた彼女に感謝しなくては」

 

その言葉を耳にして、私の意識は現実に戻り、そして試合は私の完全な敗北で終わっていました。

 

私の国では、彼女のワンオフアビリティは

 

cuello de vaca

 

と呼ばれています

 

 

66:名無しの観戦者

……話辛い内容だったのに、申し訳ない。

だが、これで仮説が一つ立証された可能性がある

 

 

67:名無しの観戦者

>>66 どゆこと?

 

 

68:名無しの観戦者

化野万里のワンオフアビリティは、領域内に取り込んだ相手の深層意識にアクセスし、本人が意識せずに深く死と関わりのあるものを引き摺り出し、それを見せ付ける。

という仮説があってな。

駅は人身事故

牛舎、この場合は肉牛、すなわち屠殺。

 

この仮説を元にするなら、こういう事になるのではないかとな

 

 

69:名無しの対戦者

屠殺、ですか……

確かに、私の親戚に酪農家が居ます。それも乳牛ではなく肉牛専門の

 

 

70:名無しの観戦者

つまり、今までステーションフェブラリーに行っていた相手は、全員駅での人身事故を目撃、または強く意識していたって事か?

 

 

71:名無しの観戦者

多分な。何せ、サンプルになる情報がこの二つしか無いんだ。

 

ステーションフェブラリー

cuello de vaca

 

あー、直訳で牛の首か?

 

 

 

72:名無しの観戦者

とりあえず、現時点ではこの仮説が最有力か

対戦者さん、本当に話辛い内容だったのに、有り難う

 

 

73:名無しの対戦者

いえ、あのワンオフアビリティを食らう前、化野はこう言いました。

 

「……まあ、これを乗り越えられれば、モンドグロッソも夢じゃない」

 

と、であるなら私は乗り越えます。

モンドグロッソ制覇は私の夢ですから

 

 

74:名無しの観戦者

確かに、死の概念を恐怖と一緒に叩きつけてくるアビリティとか、乗り越えられれば最強だわな

 

 

75:名無しの観戦者

しかし、あいつどうしたらそんなアビリティを発現するよ?

 

 

76:名無しの観戦者

>>75 それな! ワンオフアビリティはパイロットの深層心理からコアが情報を引き出して、その情報を元にパイロットに相応しい形にするってんなら、あいつは何を見て何を体験してきたんだ?

 

 

77:名無しの観戦者

……一気に闇が深くなってきたな

 

 

78:名無しの観戦者

過去のインタビューだが、化野な。あいつ、親や兄弟の話になると、のらりくらりとかわして話を変えたり、はなからその話を聞いてなかったりしてる。

 

 

79:名無しの観戦者

中学は藍越だったよな?

 

 

80:名無しの観戦者

ああ、プロフィールで中高一貫の藍越学園出身で、高いIS適性を買われて、IS学園に入学してる。

同級生に聞いたら、中学もあんな感じだったっぽい

 

 

81:名無しの観戦者

こっちは闇が深くなってきてんのに、当の本人ときたら……

 

「オ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛!!!! なにこれ、土の味がする! ヴォ゛エ゛エ゛ッ゛!!」

「食用コオロギだよ」

「簪ぃぃぃぃぃィィィィァァァァァァァ!!!!」

 

これだよ

 

 

82:名無しの対戦者

なんか、真面目に考えてたの、馬鹿馬鹿しくなってきました……

 

 

83:名無しの観戦者

対戦者さん、これが化野万里です……

 

 

84:名無しの観戦者

なんかもう本当に申し訳ない……

 

 

85:名無しの観戦者

流石は世界最強クラスの日本の恥

本当に申し訳ない

 

 

86:名無しの観戦者

あの声、どっから出してんだ

 

 

87:名無しの観戦者

腹からだろ

 

 

88:名無しの観戦者

ああ、コオロギと一緒にな

 

 

89:名無しの観戦者

無駄に肺活量があるのか、これがまた響く。

……事務所で開いて後悔してるよ、今

 

 

90:名無しの観戦者

>>89 なんで事務所であいつの配信開いたしwwww

 

 

91:名無しの対戦者

あ、もう時間なので、お先に失礼します。

また何かありましたら、書き込みますので、その時は宜しくお願いします

 

 

92:名無しの観戦者

あいよー

 

 

93:名無しの観戦者

貴重な情報をありがとう

 

 

94:名無しの観戦者

あんなのに負けるなよ!

 

 

95:名無しの観戦者

一応自国の現最強なのに、あんなの呼ばわりwwww

 

 

96:名無しの観戦者

まあ、実際あんなのやし当然

 

 

97:名無しの観戦者

残当ではなく当然

 

 

98:名無しの観戦者

仕方ないネ

 

 

99:名無しの観戦者

では、現最強の今

 

「ヴォ゛エ゛!! な゛に゛ごれ゛?」

「え? 食用クモ」

「ア゛゜ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」

 

 

100:名無しの観戦者

まーた吐いてるよ

 

 

 




「そう言えばー、ばんばんのワンオフの発動条件ってなんなのー」
「んー? 気になっちゃう? 気になっちゃうの本音?」
「そんなにー」
「うーん、プリティボイスでこの塩対応……、思わず教えちゃうね。発動条件は顔でも名前でもなんでもいいから、〝私を知る事〟。これだけ」
「え? それって……」
「試合で顔合わせたら、もう発動出来るよん♪」


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IS学園モイクラ部

とりあえず、ネタが続くまでは書きます。
ネタがキレたらやめます


1:名無しの観戦者

配信だー!

 

 

2:名無しの観戦者

万里ネキのモイクラ配信だー!

 

 

3:名無しの観戦者

おれは賢いから知ってる。

 

 

 

 

 

絶対全ロスして発狂シャウトが響く……!

 

 

4:名無しの観戦者

万里ネキ、モイクラやってたっけ?

 

 

5:名無しの観戦者

やってるぞ。モイクラは同期組全員のスケジュールが合った時に配信するって言ってたな。

 

これ、前回の切り抜き

 

《Httpwl3dgeamtrjt3m》

 

 

6:名無しの観戦者

>>5  さんがつ

お、始まっ……た?

 

 

7:名無しの観戦者

ん? 音が無いぞ

 

 

8:名無しの観戦者

無音配信とかやりますねぇ

 

 

9:名無しの観戦者

あ、気づいた。早く気づけて偉い!

 

 

10:名無しの観戦者

「それじゃ、発声練習しよ」

 

 

 

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ゛!!!!!!」

 

 

11:名無しの観戦者

発声練習がそれでいいのかwwww

 

 

12:名無しの観戦者

鼓膜無いなったwwww

 

 

13:名無しの観戦者

成仏しかけた

 

 

14:名無しの観戦者

>>13 成仏してクレメンス

 

 

15:名無しの観戦者

清楚な見た目と声質から放たれるクソデカ濁音ボイスwwww

 

 

16:名無しの観戦者

流石は万里ネキやな。

もうゾンビに囲まれたwwww

 

 

17:名無しの観戦者

展開が早い!!

 

 

18:名無しの観戦者

「あ゛ッ!! 待って! それうちのシマじゃノーカンだから! お゛あ゛あ゛ッ゛!! ……ふう、ビビらせやがってよお。……あ」

 

 

 

19:名無しの観戦者

ゾンビからの匠のコンボwwww

 

 

20:名無しの観戦者

しかも三体同時爆破wwww

 

 

21:名無しの観戦者

確実に殺すというモイクラの意志を感じる

 

 

22:名無しの観戦者

モイクラ「こいつはここで殺さなきゃ……!」

 

 

23:名無しの観戦者

殺意に目覚めたモイクラ

 

 

24:名無しの観戦者

「なんで?! なんでなの?! 私はただ、モイクラで皆を幸せに゛゜……!!」

 

 

25:名無しの観戦者

また爆破wwww

つか最後のどうやって発音したしwwww

 

 

26:名無しの観戦者

万里ネキの発音は108種類あるぞ

 

 

27:名無しの観戦者 

流石叩けば音の出るおもちゃ

 

 

28:名無しの観戦者

ネットの人気者

 

 

29:名無しの観戦者

一生ネットの人気者

 

 

30:名無しの観戦者

大丈夫? その人気者、おもちゃって読まない?

 

 

31:名無しの観戦者

あ、ワンサマー合流した

 

 

32:名無しの観戦者

ワンサマー「よし、合流。えっと、万里は……」

 

ドゴンゥッ!!

 

「お゛あ゛あ゛ッ゛!!!!」

「……あそこか」

 

 

33:名無しの観戦者

爆発音で居場所を報せるモイクラの天才wwww

 

 

34:名無しの観戦者

いや、あれもう天災やろ

 

 

35:名無しの観戦者

天災は某博士だから……

 

 

36:名無しの観戦者

「合流しましたわ! ……ちょっと! 爆発音聴こえましたけど大丈夫ですの?」

 

 

37:名無しの観戦者

シンプルに心配してくれるセシリア

 

 

38:名無しの観戦者

なお、殺る時は殺る模様

 

 

39:名無しの観戦者

前回のコラボは笑った。無言で万里ネキヘッショだもん

 

 

40:名無しの観戦者

「……」

「え?」

 

ヘッショパーン!

 

「わぎゃっ!!?」

 

あれは笑った

 

 

41:名無しの観戦者

お、鈴音達も合流した

 

 

42:名無しの観戦者

「はい、合流よ。あ、各視点あるからそれぞれ見たい視点で見なさいね」

「仕事が長引いてしまって遅れた」

「あれ、一夏と万里は?」

 

チュドンゥ!!

 

「「あ゛あ゛あ゛ッ!!!!」」

 

「あそこか」

 

 

43:名無しの観戦者

流石職業軍人のラウラ、突然の爆発音にも戸惑いが無い

 

 

44:名無しの観戦者

つか、ワンサマーも爆破されてるwwww

 

 

45:名無しの観戦者

やっぱり万里ネキと一緒に居ると、爆破される運命なんやな

 

 

46:名無しの観戦者

「あ、簪は仕事で急遽来れなくなったらしいぞ」

「え、マジで? ゴーレムトラップ発展させようと思ってたのに」

「まあ、仕事なら仕方あるまい」

「しかし、あいつらどこに行ったの……?」

 

トロッコで通り過ぎる万里ネキと、エリトラでかっ飛んでいくワンサマー

 

 

47:名無しの観戦者

なにやってんだあいつら

 

 

48:名無しの観戦者

しかもワンサマー着地に失敗したぞ

 

 

49:名無しの観戦者

そしてネキはどこ行った?

 

 

50:名無しの観戦者

確か、このレールは同期組が作った施設に続いてるから、多分そのどっかに居ると思うけど、途中湧き潰しが微妙な所があった……

 

 

 

 

 

 

 

 

爆発しましたね^^

 

 

51:名無しの観戦者

今日のネキどうしたの?

すっごい爆発するじゃんwwww

 

 

52:名無しの観戦者

匠「こいつはここで殺さなきゃ……!!」

ネキ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!」

 

 

53:名無しの観戦者

もうネキが叫ぶだけのおもちゃと化しているwwww

 

 

54:名無しの観戦者

あんなんでも、世界最高クラスのIS競技者なんやぞ

 

 

 

 

あんなんやけど

 

 

55:名無しの観戦者

「はい、全員合流した訳だけど、何すんの?」

 

……あの、配信始まって一時間近くネキの爆発を見続けて、漸く合流して配信本格スタートかと思ったら、内容決まってなかったよ

 

 

56:名無しの観戦者

「いや、全員暇が出来たから集まろうって話しかしてなかったな」

「ははは、参ったな」

「ええ、参りましたね」

「とりあえず、資材集めも兼ねて整地する?」

「いいわね。じゃ、万里は留守番ね」

「え゛?」

 

鈴音による万里ネキ戦力外通告wwww

まあ、万里ネキはラック死んでるししゃーない

 

 

57:名無しの観戦者

「なんで? なんでなの? 私掘るよ、めっちゃ掘るよ!」

「いい、万里。今日のあんたは爆発する日よ。それと前回はどうだったの?」

「……ちくしょう!」

 

ちな、万里ネキの前回の収穫(配信時間二時間)

 

鉄¦68

銅¦50

金¦10

 

ダイヤ¦30

 

 

そしてこれは全て全ロスしたので、実質収穫無し!

 

 

 

58:名無しの観戦者

どうして……?

 

 

59:名無しの観戦者

理由¦普段のガチャ運

 

 

60:名無しの観戦者

天井を見た回数を覚えているのか?

 

 

61:名無しの観戦者

とりあえず、最低でもガチャ配信の数だけ天井してるなwwww

 

 

62:名無しの観戦者

いや待てぃ!

一回PUキャラ当たったゾ!

 

 

 

 

まあ、すり抜けで目当てのキャラは当たらなかったんですけどねwwww

 

 

63:名無しの観戦者

うーん、ここまで来ると運営の陰謀まで感じてしまうwwww

 

 

64:名無しの観戦者

一回同期組モデルのキャラが出てくる案件配信やって、運営さんの顔がガチで曇ったからな

 

 

65:名無しの観戦者

「出ろ! 出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ!! 出……!?  お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!!!」

 

俺ら「知ってた」

 

 

66:名無しの観戦者

親の顔より見たネキの天井wwww

 

 

67:名無しの観戦者

もっと親の顔見て

 

 

68:名無しの観戦者

「万里は私が見ていよう」

「箒……!」

「さ、万里。ここに入るんだ」

 

座敷牢

 

 

69:名無しの観戦者

??????????????????

 

 

70:名無しの観戦者

箒さん……?

 

 

71:名無しの観戦者

「え、箒?」

「大丈夫だ、万里。……ここなら匠は湧かない」

「あの、箒? そういう事じゃ……」

「大丈夫だ、万里。ここなら匠は湧かない」

 

 

72:名無しの観戦者

箒wwww

 

 

73:名無しの観戦者

RPGのNPCになったwwww

 

 

74:名無しの観戦者

あ、素直に入るんだ……

 

 

75:名無しの観戦者

万里ネキは地味に素直だからな

 

 

76:名無しの観戦者

あのさ、今万里ネキの視点から見てたら、遠くの方で匠がネキを見てたwwww

 

 

77:名無しの観戦者

もう相思相愛じゃん

 

 

78:名無しの観戦者

かつてここまで匠に愛された女はいただろうか?

 

いや居ない!(断言

 

 

79:名無しの観戦者

「万里、すぐ戻るからな。ちゃんと箒の言うこと聞いて、大人しく待ってるんだぞ」

 

違うのよワンサマー、そうじゃないの

 

 

80:名無しの観戦者

「うん、分かった!」

 

万里ネキもそうじゃないのよ

 

 

81:名無しの観戦者

「あの、万里さん。これを」

 

つ《腐った肉》

 

セシリアさん?

 

 

82:名無しの観戦者

「なら私からはこれだ」

 

つ《サドル》

 

ラウラ?

 

 

83:名無しの観戦者

「じゃあ私はこれね」

 

つ《釣竿》

 

鈴音?

 

 

84:名無しの観戦者

「なら僕はこれ」

 

つ《クモの糸》

 

シャルロット?

 

 

85:名無しの観戦者

「わーい、いっぱいだー」

 

万里ネキ……

 

 

86:名無しの観戦者

違うのよ、そうじゃないのwwww

 

 

87:名無しの観戦者

しかし、この同期サーバーも発展したよな

 

 

88:名無しの観戦者 

ああ、最初の頃は本当に何も無いってか、木の一本すら無かったからな

 

 

89:名無しの観戦者

マジで万里ネキのラックの低さが垣間見えた瞬間だったな

 

 

90:名無しの観戦者

仕方ないから、ワンサマーと箒が遠征して木材確保して、ネキがゾンビに囲まれて、シャルロットが突然農場作り出して、ネキがスケルトンに追われて、ラウラが砦を組んで、ネキがスパイダーに襲われて、鈴音と簪がセシリア発案の村人増産施設建造の横で、ネキが匠に爆破されたなあ……

 

 

91:名無しの観戦者

万里ネキ、ずっと襲撃されてない?

もしかして、違うゲームしてる?

 

 

92:名無しの観戦者

これがな、モイクラでのネキは敵モブに異様に襲われるんだわ

 

 

93:名無しの観戦者

ほら、見てみろ。

何故かネキの方を見る敵モブをwwww

 

 

94:名無しの観戦者

うわ……

 

 

95:名無しの観戦者

ネキがなにしたって言うんだ……!?

 

 

96:名無しの観戦者

発狂シャウトしたから?

 

 

97:名無しの観戦者

万里ネキだから……

 

 

98:名無しの観戦者

って言ってる間に

 

「あ、やべ……」

「あれ、箒? ……あ」

 

匠<シュー!

 

「……やれよ」

 

ドゴンゥッ!!

 

「ぱ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!」

 

 

99:名無しの観戦者

箒、やべ……。じゃないのよ。

しかも迷わず逃げたしwwww

 

 

100:名無しの観戦者

今日のネキは撮れ高の塊だなぁ

 

 

 



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ワンオフアビリティ

基本、仕事は真面目な万里


「化野」

「なんです? 織斑先生」

「お前に試合の申し込みだ」

「……またですか」

 

雑務を終えた夕方、万里が自分のデスクでダラダラと明日の準備をしている最中に、そんな話が舞い込んできた。

 

「もう今月で四回目ですよ」

「それだけお偉方はお前を引き摺り下ろそう必死という事だ。私の時もそうだったからな」

「うえ~」

 

わざとらしく吐き戻す仕草をしつつ、千冬から渡された資料に目を向ける。

対戦相手は日本の代表候補生、プロフィールと写真を見る限りでは日本人に間違いない。

経歴と成績を確認すると、まあ悪くない選手であるが、自分と対戦するには少々足りないのではないかと、千冬を訝しむ。

 

「前代表の肝入りらしくてな。まったく、教え子を政治に巻き込むなよ」

「私、巻き込まれてる最中ですけど?」

「お前はもう大人だろう」

「なら、同じ次期代表候補の一夏にぶつければよい話では?」

 

現状、日本のIS国家代表の席は空席状態で、その席に座るのは初代日本代表の織斑千冬の弟である織斑一夏か、突如として湧いて出てきた化野万里のどちらかだと、世論はそうなっている。

事実、実力と実績を鑑みるとこの二人以外は居らず、同じ日本人である篠ノ之箒は、既に現役を引退して、家業を継いでいる。

 

「先方がお前をご指名だからな」

「そして私はまた、候補生潰しの悪名を高めると」

 

ああ、面倒だ。

万里はIS自体に思い入れも、何か崇高な目標も無い。言ってしまえば、なるようになったから今の席に座っているだけだ。

何も無い。目標も意味も無く、ただ楽に生きられると思ったから、この業界に居るだけ。

いや、自分を含めた同期の専用機持ちが離れられなくなったというのが正しく、箒が離れられたのが奇跡なのだ。

 

〝オペレーション・スカイフォール〟

 

学生時代に自分達が解決する事になった最悪のテロ事件。亡国機業を名乗る秘密結社が引き起こした事件は、いまだにその後遺症を世界に遺している。

最悪の負の遺産、今は篠ノ之束の尽力の元、どうにか元の形に戻っているが、発展に至るまではまだ時間が掛かる。

 

あの事件で万里は、本気でワンオフアビリティを発動した。最大出力でアビリティを発動させたのは、後にも先にもあの一回だけだ。

それでいい。あのアビリティは適度にほどほどに使うのが正解だ。

〝八奇怪譚〟、全部で八つから成る精神に作用するアビリティは、強力無比だが負担も大きい。

本来は八つの譚を巡らせて、パイロットと機体を焼き切るアビリティだが、万里は一つの譚を半ばで締め括る。

ただの人には、譚一つでも過剰だからだ。

 

「すまないが、もう決定事項らしい。頼む」 

「はーい、配信と業務に差し支えなければ、私はそれでいいですよっと」

 

始譚〝如月〟

次譚〝牛首〟

三譚〝蛇巫〟

四譚〝故神〟

五譚〝曖昧〟

六譚〝山怪〟

七譚〝禁后〟

終譚〝空亡

 

この八つの譚と、必要なら内包した小噺を巡らせ、ISコアとパイロットの意識と精神を焼き切るのが、万里のワンオフアビリティ〝八奇怪譚〟。

発現した時は、何とも自分らしい皮肉の効いたアビリティだと、内心で舌打ちしたものだ。

 

「あと、お前に〝取材〟の依頼が来ているが……、断るか」

「ええ、〝取材〟なら断ります」

 

化野万里とIS学園の間には、幾つかの約束事がある。

単純に言うなら、学園で大人しくする代わりに配信等の趣味を邪魔しない。

基本要請には従う。

学園並びに委員会を通さない依頼は受けない。

そして、化野万里について探る様な取材は受けない。

 

こう言った約束事の上で、万里はIS学園で教職に就いている。これらが守られている限り、万里が学園に不利益を与える事は無い。

 

「お前も大変だな」

「初代世界最強に言われると、本当に大変な気分になりますね」

 

千冬も自分の家族の事で、周りから必要以上に騒ぎ立てられた過去がある。

誰しも触れられたくない過去や、暴かれたくない秘密がある。

その過去や秘密を暴こうとするなら、それ相応の覚悟をしろ。

千冬にとっての過去は最大の傷であり、弟の一夏との絆でもある。

万里にとっての過去は最大の秘密であり、一夏達との絆でもある。

万里の秘密を知るのは、千冬と同期組だけ。それ以外には適当な話をしては、はぐらかして煙に巻いている。

 

「……お前の方が大変だろうに」

「何か言いました?」

「いや、ガチャ配信はやめろとな。お前の運では無理だ」

「お゛あ゛あ゛ッ!!!!!! 織斑千冬ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ!! 貴様、ちょっと運が良いからってえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え!!」

「喧しい!」

 

奇声を発するのも、奇行に走るのも、全て万里という秘密を覆い隠し、全てと一定の距離を保つ為。全てを受け入れるが故に、全てを拒絶する。

それが化野万里という存在。

だが、千冬には変わらない評価がある。

 

「まったく、今も昔も変わらず手の掛かる馬鹿者だ」

「マジで痛い……。え、本当に超合金か何かで出来ていらっしゃってましてですの?」

「オルコットが混ざってるぞ」

「あら、失礼」

 

織斑千冬にとって、化野万里は手の掛かる教え子であり、未来を託すに足りる人間だという事だ。

 

 

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

 

 

「弱い」

 

数日後、万里は日本IS委員会の所有する屋内アリーナに浮かんでいた。

手には愛用の十字槍が握られ、空亡が送ってくる情報を精査する。

相手は確かに日本代表候補生だった筈だが、あまりにレベルが低すぎる。前代表の目は曇っていたのか。はたまた、日本IS委員会お得意の内輪揉めの犠牲者か。

万里はやる気無く機体の制御のままに浮かび、哀れみを籠めて相手を見下ろす。

教職に就く人間のしていい目ではないが、相手は自分の生徒ではないので、容赦なく憐れむ。

何故、この程度の娘を自分の前に差し出したのか。機体のセンサーを用い、観客席に居る人物達を探ると、その答えは判った。

 

「成る程、憐れを通り越して無様と言うか、なんと言うべきか」

 

観客席に居たのは万里の予想通りに前代表ではなく、倉持の技術者達であった。

計器を片手に何やら話しているが、大体の事は想像がつく。

大方、この娘を使って〝八奇怪譚〟の解析をするつもりだったのだろう。自分達の予定と違った事で苛立っていて、近くに座る千冬の額に青筋が浮いているのに気付いていない。

 

「あなた」

「な、なに?」

「そう怯えなくていいんですよ。でも、どうやら目的は達せなかった様ですね」

 

そう言うと、分かり易く顔を歪ませる。

この娘は確かに弱く、実力は代表候補生に足らない。

焦ったのだろう。このままでは、折角なれた候補生から降ろされると。

そこを愚か者につけこまれた。前代表の肝入りという話も、恐らくは嘘でまかせの口八丁。

あまりに憐れだ。愚か者に操られ、やっと掴んだ蜘蛛の糸は猛毒の牙に続いていた。

 

「はぁ……」

 

溜め息を一つ吐く。

観客席で技術者が、千冬のアッパーで宙を舞う映像を見ながら、万里は教職としてやる事をやると決めた。

 

「では、1から7で好きな数字を選びなさい」

「え?」

「1から7で好きな数字を選びなさい。あなたはこのままでは候補生を降ろされ、最悪は宜しくない噂まで吹聴されるでしょう。だから、お情けで見せてあげましょう」

 

だから、選びなさい。

万里は冷たく言い放つ。

生徒ではない娘に自分がしてやれるのは、この辺が妥当だろう。

願わくば、1か2を選んでくれると有難い。今日はゲリラ配信をしたいので、疲れる3以降は開きたくない。

さあ、大きな声ではきはきと1と言え。

 

「じ、じゃあ7で」

「……1から7で好きな数字を選びなさい」

「あ、あの7で……」

「1から7で好きな数字を選びなさい。私は1か2が好きです」

「え、ええ……?」

 

何故、迷いなく二番目に疲れて、影響も残る7を選ぶのか。主に開いてきた譚が〝如月〟と〝牛首〟の二つだけだから、それを避けたのか。

3以降の譚は正直、一夏クラスのキチガイメンタルでなければ抜けられない。八譚全てを抜けてきたキチガイのメンタルは伊達ではないのだ。

 

「じゃあ、1で……」

「素直にそう言えばいいんですよ。では、くれぐれも〝乗車〟しないように」

「へ……?」

 

開演、八奇怪譚始譚〝如月〟。

 

コアと機体のエネルギーバイパスが一瞬で赤熱し、過剰な出力が機体を駆け巡る。

ワンオフアビリティとは機体とコア、そしてパイロットの波長が合って初めて発現する。

しかしそれがどれ程困難な事なのかは、ワンオフアビリティ発現者が全競技者中、十分の一に満たない事が示している。

そして、万里はその十分の一よりも更に少ない五人の領域型アビリティの発現者の一人。

 

「発動すれば勝てる能力、だから欲しいってのは分かりますが、今回はやり過ぎでしたね。まあ、勉強という事で」

 

私服でもISスーツでもなく着物を着た万里が、〝きさらぎ駅〟と看板のある無人駅のホームにあるベンチに座りながら、そんな事を考えていると、列車の到着を報せるベルがけたたましく鳴り響いた。

来るのは決まって三両編成の四角い車両。紅い夕暮れに染まる車両はどこか物悲しさを感じさせると同時に、言い様の無い不気味さも醸し出していた。

 

「変わらない」

 

何度見ても、この風景は変わらない。

何も無い田舎の風景、何も言わず沈んでいく夕日。誰も居ない駅に佇む人影。

耳に痛いブレーキ音の後、掠れたアナウンスが何かを言うと、列車のドアが開く。

 

「はあ、乗るなと言ったのに」

 

駅で佇んでいた人影は、ふらふらとした足取りで列車の乗り口へ歩を進め、足をタラップに掛けようとした瞬間意識は醒め、周りに広がる光景は元のアリーナに戻っていた。

 

八奇怪譚始譚〝如月〟閉幕

 

その言葉と共に、万里は娘に背を向ける。

勝負は終わり、始譚〝如月〟はあの列車に乗る事で、相手を戦闘不能にするレベルの情報を流し込む。

今の折れかけの心と、リミット限界の機体ならタラップに足を掛けただけで十分過ぎる。

 

「……織斑一夏に貴女を紹介しておきます。彼の眼鏡に叶うかは、貴女次第です」

「え……、は、はい!!」

 

とりあえず一夏なら、今年中にこの娘を一線級に出来るだろう。

自分はやらない。学園の生徒だけで手一杯だから。

それにしても面倒な話だ。

 

「織斑先生誘って呑むか」

 

愚痴ばかりになりそうだから、ゲリラ配信は諦めよう。



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[織斑一夏]どっちが強いん?[化野万里]

1:名無しの観戦者

どっちが強いん?

 

 

2:名無しの観戦者

近接戦闘オンリーなら、間違いなくワンサマー

 

 

3:名無しの観戦者

>>お、待てい!

万里ネキも近接つよつよ勢だゾ!

 

 

4:名無しの観戦者

万里ネキは近接云々よりアビリティチートだから……

 

 

5:名無しの観戦者

でも、満遍なく強いよね

 

 

6:名無しの観戦者

まあ、次期代表の二人だから満遍なく強い

 

 

7:名無しの観戦者

ワンサマーと対戦した身として言うなら、あいつもマジチート。

ハイパーセンサーの認識速度を超える速度で突っ込んでくるな!

 

 

8:名無しの観戦者

>>7 ま?

 

 

9:名無しの観戦者

>>8 マジ。試合開始と同時に懐に入られて居合斬り一発よ。

斬られた後に接近警報鳴った時は、思わずポンコツゥゥゥゥ!!って叫んじゃった……

 

 

10:名無しの観戦者

ISコア「いや、こ無ゾ」

 

 

11:名無しの観戦者 

ISって確か、音速超過も視認出来ましたよね……?

 

 

12:名無しの観戦者

>>センサー機材依存にはなるけど、コア単体の処理能力なら光速も視認可能よ。

まあ、そんなもん人間が認識出来る訳ないんですけど……

 

 

13:名無しの観戦者

つまり、ICK兄貴は光速以上で動いてる……?

 

 

14:名無しの観戦者

そんなんマジ無理ゾ……

 

 

15:名無しの観戦者

ええい、織斑は血筋は化け物か……!

 

 

16:名無しの観戦者

でも実際どうなん?

白式って、現行の機体から言ったら二世代前の機体だけど、そんな速度で動けんの? 

 

 

17:名無しの観戦者

>>16 二世代前だけど、三次移行かましてるから実質現在開発中の第七世代相当。

つか、ICK兄貴のスペックが反則……

 

 

18:名無しの観戦者

誰だよ、男だからIS乗りこなせないって言ったバカは

 

 

19:名無しの観戦者

女権団「男は○ね!」

 

 

20:名無しの観戦者

結果はどうでした?

 

 

21:名無しの観戦者

結果は……、なおきです

 

 

22:名無しの観戦者

今気付いた。黄金世代って、兄貴のあの速度に対応するんだよね……

 

 

23:名無しの観戦者

セシリアとか、カウンタースナイプ叩き込むから頭おかしい

 

 

24:名無しの観戦者

ラウラ「一夏は基本真っ直ぐ動くから対応だけなら容易だ」

 

 

25:名無しの観戦者

そんなん貴女達だけです

 

 

26:名無しの観戦者

零距離零落白夜で狂う^~

 

 

27:名無しの観戦者

黄金世代で引退したのって、箒ネキだけだっけ?

 

 

28:名無しの観戦者

正式に引退してるのは箒ネキだけだな。

後はシャルロットが第一線から引いてて、ラウラも軍務優先で、簪はメカニック中心。

セシリアと鈴音は第一線でバチバチに兄貴とやりあってる

 

 

29:名無しの観戦者

万里ネキ「はえー、すっごい」

 

 

30:名無しの観戦者

お前も現役やろがい!

 

 

31:名無しの観戦者

候補生潰しは黙ってどうぞ

 

 

32:名無しの観戦者

しかし、なんでネキばっかり試合してるん?

非公開も含めたら、月四、五回は試合してない?

 

 

33:名無しの観戦者

打倒ネキ?

 

 

34:名無しの観戦者

教導なら、人格的には兄貴の方がいい気がするが……

 

 

35:名無しの観戦者

噂だとネキのアビリティ解析の為の犠牲的な話があるゾ

 

 

36:名無しの観戦者

はえー、やっぱ技術者って人の心無いんスね

 

 

37:名無しの観戦者

同じ技術者として恥ずかしい

 

 

38:名無しの観戦者

ネキ打倒する様な奴はエイリアン超えてプレデターなんだよなぁ……

 

 

39:名無しの観戦者

エイリアン VS プレデター VS ICK兄貴 VS ダークライってこと……?!

 

 

40:名無しの観戦者

地球壊れちゃ~う

 

 

41:名無しの観戦者

ダークライさんは休ませたげて

 

 

42:名無しの観戦者

>>41 ダメです

 

 

43:名無しの観戦者

やっぱり、近接オンリーならニキなんかな?

 

 

44:名無しの観戦者

オンリーならニキだけど、ネキも強いから……

ここで判断に困る

 

 

45:名無しの観戦者

ネキ、ニキの速度に普通に反応するから……

 

 

46:名無しの観戦者

我、極秘情報入手

ネキのアビリティに関して、ニキがうっかり喋っちゃった映像

 

《Httpnvvm3oag.gpny6ymwnkgt》

 

 

47:名無しの観戦者

……釣りかと思ったら、ガチの流出映像やんけ!

 

 

48:名無しの観戦者

え? これどゆこと?

 

 

49:名無しの観戦者

ニキ「万里のアビリティ? あー、あれは反則だよな。なんかいきなり駅で着物着た万里が隣に座ってたら、列車を指差されて乗ったら、よく分からない凶器持った猿の群れに追い回されて、気付いたら牛舎で殺されて、そしたら次は手足千切られてばかでかい蛇に飲まれて、すごい背の高い女の人に追い回されて……、あ、これ言っちゃいけないやつだった!」

 

 

50:名無しの観戦者

ニキwwww

 

 

51:名無しの観戦者

言っちゃいけないやつだったwwww

 

 

52:名無しの観戦者

ニキはうっかりさんだな!

 

 

53:名無しの観戦者

いや、それより新情報飛び出してんだが?

 

 

54:名無しの観戦者

ステーションフェブラリーと牛の首以外にもあったんかわれぇ!?

 

 

55:名無しの観戦者

しかも着物verネキだと?!

 

 

56:名無しの観戦者

185㎝高身長バインバインネキの着物姿だと?!

 

 

57:名無しの観戦者

おおでっけえな!でっけえな!

 

 

58:名無しの観戦者

デカスギィ!

 

 

59:名無しの観戦者

猿に蛇に背の高い女か

 

 

60:名無しの観戦者

一気に謎が増えて狂う^~

 

 

61:名無しの観戦者

凶器持った猿に追い回されるってなんなの?

 

 

62:名無しの観戦者

ワケワカンナイヨー

 

 

63:名無しの観戦者

あ゛ー! も゛う゛や゛だー!

 

 

64:名無しの観戦者

駅、牛舎、蛇、背の高い女、猿に関してはステーションフェブラリーの内容と考えたら、万里ネキのアビリティは場面を巡らせている?

何のために?

 

 

65:名無しの観戦者

謎が多すぎんだよ

 

 

66:名無しの観戦者

中学は藍越で、適性の高さからスカウトでIS学園に入学。バックアップ企業は倉持だが、専用機〝空亡〟の開発元は倒産済みの別企業。

また、家族構成や住んでいた場所も不明。

 

なにこれ?

 

 

67:名無しの観戦者

空亡の開発元って石燕?

 

 

68:名無しの観戦者

確かそう。石燕が起死回生で開発したけど、シェアは打鉄に取られ切ったから、結局って流れの筈

 

 

69:名無しの観戦者

石燕、出来は良いんだけど、ピーキーな面があるから

 

 

70:名無しの観戦者

あれ? ネキとニキって公式戦あった?

今、ログ漁ってるけど見当たらん

 

 

71:名無しの観戦者

>>70 公式戦は無い筈。というより、学生時代の試合以外で二人の対戦は聞いた事無い。

まあ、非公開の試合もあるから、俺らが知らんだけよ

 

 

72:名無しの観戦者

まあ、そうだよな。

でも、ニキとネキはどっちが勝つんだろな?

 

 

73:名無しの観戦者

時と場合によるとは思うけど、個人的にはやはりネキかな

 

 

74:名無しの観戦者

アビリティが反則だからな

 

 

75:名無しの観戦者

でも、ニキの零落白夜はエネルギーの対消滅だから、ネキのアビリティでも問答無用じゃない?

 

 

76:名無しの観戦者

そこなのよ。

ほかの領域型が表に出てこないから、その検証が出来んから一概には言い切れんでな……

 

 

77:名無しの観戦者

アビリティを斬れるかもしれんし、斬れないかもしれん。

まず、領域型は五人居るって話だが、ネキ以外は知らんしな

 

 

78:名無しの観戦者

ホンマ、顔も名前も国すら分からんとか、隠されすぎやろ

 

 

79:名無しの観戦者

領域型アビリティ発現者って、プロフィール隠されるのかな?

 

 

80:名無しの観戦者

いくら希少だからって、そこまでやるか?

 

 

81:名無しの観戦者

領域型が五人居るって話自体が嘘で、領域のはネキ一人だけって、根拠無の推察動画があるな

 

《Httpxtkomjtj7yaj6mk5-j》

 

 

82:名無しの観戦者

一応、話の筋道は通ってるけど、根拠皆無だな

 

 

83:名無しの観戦者

根拠無さすぎて、俺らと同じ事しか言ってねえwwww

 

 

84:名無しの観戦者

つか、内容ネキこき下ろす事しか言ってなくない?

 

 

85:名無しの観戦者

「あんな見た目だけの女、どうせコネと枕でなったに決まってるwwww」

 

こいつ、ネキの事まったく知らんな

 

 

86:名無しの観戦者

試合見た事ある?

ってコメントに見なくても分かるとか言ってるよwwww

 

 

87:名無しの観戦者

見なくても分かるなら、ネキのヤバさが分からない訳ないんだよなぁ……

 

 

88:名無しの観戦者

アビリティ使わずに、当時トップクラスの選手六人相手にノーダメージゲームとか、明らかに異常過ぎて笑えるwwww

 

 

89:名無しの観戦者

薙刀と〝がしゃどくろ〟の二つしか使ってないねぇ

 

 

90:名無しの観戦者

いや、〝がしゃどくろ〟一つでも十分過ぎやぞ

 

 

91:名無しの観戦者

現行の展開装甲に先んじた多重積載装甲から展開される半自立人型武装〝がしゃどくろ〟

上半身のみで、ネキの背中部分から生えるのは、展開用の装甲が足りんかららしいな

 

 

92:名無しの観戦者

名前の由来は頭部装甲が髑髏に見えて、ガシャガシャ音がするからだっけ?

 

 

93:名無しの観戦者

>>92 そ。他にも〝ぬえ〟〝かげおんな〟〝さかばしら〟〝いえがみ〟とか色々ある

 

 

94:名無しの観戦者

はえー、すっごい……

 

 

95:名無しの観戦者

武装の多さもネキの強さだわな

 

 

96:名無しの観戦者

あ、あの投稿者炎上してるwwww

 

 

97:名無しの観戦者

そらそうよ。一介の代表候補生こき下ろすならともかく、ネキやニキ達黄金世代と他代表まで、何も知らん奴がこき下ろしたら燃えるわな

 

 

98:名無しの観戦者

あーあ、もうめちゃくちゃだよ

 

 

99:名無しの観戦者

結局どっちが強いん?

 

 

100:名無しの観戦者

>>100 勝った方が強い

 

 

 




武装
〝ぬえ〟¦鳥の様な翼と獣の様な副腕、蛇の様な尻尾を展開し、全身に高圧の電流を纏った状態になる。
〝がしゃどくろ〟¦上半身だけの人型の鎧武者型の武装。万里の隙を埋めたりする時に使う
〝さかばしら〟¦ハイパーセンサーの上下左右前後、このいずれかの知覚を狂わせる。どうやって狂わせるのかは謎
〝かげおんな〟¦ハイパーセンサーの視覚系統に偽物の万里を投影させる。
〝いえがみ〟¦全ての装甲を防御様に展開した状態


武装名がひらがななのは、万里の正体に関係したりしなかったり


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この世界

「お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!! こんのクソ台、どんな設定してんだ!?!!」

 

 

¦えぇ……

¦誰ぇ、怖いぃ……

¦相も変わらずのクソラックwwww

¦ゲーム内のミニゲームにここまでキレるの、もう才能だよ

 

 

いつも通りの配信、夜21時から24時迄の間に行われる配信には様々な人間が来る。

本業ではない趣味の範囲の配信が故に、万里は気にせず雄叫びを挙げ続ける。

 

「なんでだよぉ! なんで、今ので来ないんだ! 今の確実に連チャンだったじゃん……!?」

 

 

¦確率二分の一を引き当てる豪運

¦逆に強運

¦い つ も の

¦もう諦めて、世界救って

 

 

「あ゛あ゛あ゛! ……いっちょ世界救ってやりますか」

 

 

¦この切り替えの早さよ

¦切り替え早すぎて草

¦王様「はよ救え」

¦王様つ10ゼニー、ひのきの棒

 

 

「っ……! 王様っていつもそうですよね?! 私達勇者の事なんだと思ってるんですか!」

 

 

¦使い捨ての駒

¦体の良い暗殺者

 

 

「あ゛あ゛! リアル視点……!」

 

この世に生きて、様々なものを見てきたが、この配信というものは実に便利だと、万里はしみじみと思う。

自分のワンオフアビリティは、発動条件に自分を知る事が絶対的な条件となる。

試合時に相対しただけでも条件は達成するが、事前に化野万里という情報を知っていれば、発動までのラグが減る。

つまり、楽に勝てる。いや、時たま同期組の様なイレギュラーが発生するから、楽に勝てるとは言い切れないが、それでも九割は楽になる。

有名になればなるほど楽に事を進められ、化野万里という存在を世に定着させる事が出来る。

 

「はいはい、レベル上げレベル上げ。っと、明日早いんだった。ちょっと早いけど、今日はここまで。おつばん~」

 

 

¦おつばん~

¦おつ~

¦おつばん!

¦次回はレベル上げかー

 

 

コメントを一通り流し見て、万里は配信とパソコンを閉じる。

万事順調、オペレーションスカイフォールの時はどうなるかと思ったが、一夏達の活躍でどうにかなった。

しかし

 

「まさか、〝私〟を突破するとは、よもやよもやと言いたくなりますね。……ねえ、篠ノ之束博士」

「……やっぱり気付いてたか。流石はばんちゃん」

「そりゃ、私しか居ない部屋にもう一人分の気配があったら気付きますって。それで、ご用件は?」

「話に来ただけだよ」

 

何も無かった筈のベッドの上で、不思議の国のアリスがのんびりと嗤っていた。

万里は束の事が嫌いではないが、大いに苦手だ。

理由は単純。この世界で唯一、篠ノ之束だけが化野万里の正体に気付いたから。

 

「話、ですか。私には無いのですが?」

「私にはあるよ。オペレーションスカイフォール、あれは君の為にある計画とも言えたのに、どうして阻止したのかな?」

「もう十年近く前の事件を蒸し返しますか? あの事件は私にとっては不利益そのもの。故に阻止したのです」

「ふぅん? 不利益ねぇ……。君に、いや〝君達〟にとって、あの計画は有益だと判断して邪魔しなかったんだけどな」

「不利益そのものですよ。私達にとってはね」

 

万里の目的は、化野万里という存在を世に定着させる事。

かつて発生したオペレーションスカイフォールは、その世界を破壊するものであり、世界の破壊は万里の目的ではない。

 

「そうなんだ」

「なにか?」

「世界の破壊なんてすれば、君という存在は瞬く間に世界に定着するよ。それこそ、君本来の恐怖の権化として、ね」

「私はそれを望んでいないのですよ」

「嘘だね」

 

束が万里の言葉を両断する。

ベッドに腰掛ける束は、変わらぬ笑みのまま万里に向けて言葉を続ける。

 

「ばんちゃんは、本当はそれを望んでいた。でなければあの日、ばんちゃんのワンオフアビリティが完全顕現する筈が無いんだよ」

「あれはあの事件を止める為に必要な事で、私の望みとは違います」

「嘘だね。でなければ、いっくんが八奇怪譚を巡る事も無かった」

「……まさか、恨んでますか?」

「まさかまさか、あれはいっくんも覚悟の上でやった事だけど、君も望んでいたんだ」

「だから何を言っているのですか?」

「化野万里、君はあの日倒される事を望んでいた」

 

万里の表情が変わる。

面倒だという渋面から、核心を突きにきた刺客に対する顔だ。

 

「篠ノ之束」

「君にとって私はただの人間、そう殺そうと思えば君は何時だって私を殺せる。そして、私を殺せるという事は、いっくん達は言わずもがな容易く消せた」

「篠ノ之束」

「だけど、君はそうしなかった。世界の破壊を嘯き、いっくんと一時的に敵対した。全てはいっくんに自分を倒させる為に」

「面白い話ですね。しかし、私が一夏に倒される為に行動したというなら、何故私は今ここに居るのですか?」

「その答えは、君が持ってるだろう?」

 

オペレーションスカイフォール、あの計画はISによる宇宙進出が現実味を帯びてきた世界を、もう一度過去の地を這いずっていた頃に戻そうとした亡国機業がある衛星をジャックし、それを足掛かりに空に至る道を支配しようとした。

何度聞いても頭の悪い話だと、万里は思う。空を支配しようなどと、たかが人間程度が思い上がったものだ。

今の時代、海路だけでは流通は賄いきれない。空路という阻むものの無い道が必要なのだ。

それを一組織が支配すれば、世界は緩やかな滅亡へと向かう。

そしてそれは、万里が望む事ではない。

 

「あの日いっくんは、君を倒すのではなく、君と共存する道を選んだ。君を否定せず、しかし肯定しきる訳でもなく、ただの人間として生きる道へ君を引き摺りこんだ。まったく、いっくんには何時も驚かされるよ」

「それで、その話をする為にここに来たのですか」

「まあね。最後の土産に君と話したかったんだ」

「最後?」

「私は宇宙に出るよ」

「行くのですか」

「うん、凡人も凡百も置いて、私は先に宇宙に出るよ」

「なら、私に構わず行けばよいかと」

「最後に話したかったんだよー」

 

頬を膨らませた束がそう言うと、万里は疲れた顔で嫌いではないが苦手な相手の顔を見る。

恐らく、彼女が生きている間に再会する事は無いだろう。彼女は自らの夢、宇宙に旅立つ。

 

「では、さっさと行けば宜しいかと」

「ばんちゃん冷たーい。でも、ばんちゃんがばんちゃんで良かったよ」

「私は私ですが」

「違う違う。君が世界の終末装置でなくてよかったって話さ。化野万里、いや〝空亡〟」

「篠ノ之束、私は私の名前で呼ばれる事を認めていません。私は化野万里です」

「ごめんね。でも、言っておきたかったんだ」

 

一瞬、漏れ出た殺気に束は身構えもせず、ただ笑っていた。

化野万里は人間ではない。いや、厳密に言えばこの世界に存在する〝化野万里〟という人間ではある。

だが、本質がまったく違う。

 

「この世界には何故か怪異やオカルトの類いが、異様に少ない。それこそ、存在してないと断定していい程に。でも、君は現れた。怪異は存在しなくても、君という怪異は消えない。だって、君の本質は万物に対する終末なんだもん」

 

化野万里は確かにこの世界に生きる人間だが、その本質は世界に終末を告げる怪異〝空亡〟。

他の怪異達が定着出来ずに消えていく中、彼女だけはその本質故に消えず、しかしはっきりとした存在も無く、ただ世界を眺めていた。

そんなある日、空亡いや化野万里は確かな存在を得た。

これは消えていった怪異達の最後の悪足掻き、いまだ消えぬ怪異の女王を担ぎ上げ、自分達を定着させようとした。

 

「君が巡らせる八つの譚も、そうなのかな?」

「さて、それはどうでしょうね」

「んん、いけず。でも、最後に話が出来たし、私は満足」

「では、さっさと行けば宜しい。貴女には、この世界は狭いでしょう?」

「うん、そうだね。それじゃあね、ばんちゃん」

「ええ、さようなら。篠ノ之束」

 

それだけを交わすと、束の姿も気配も消えてしまった。

まったく、どちらが怪異なのか分かったものではない。

万里は溜め息を吐くと、窓から夜空を見上げる。

 

「終末を望まぬ終末装置、それが居てもいいでしたか。一夏」

 

千冬にも別れを告げたのか。廊下から微かに足音が聞こえる。

終末を望まぬ終末装置、それが化野万里という人間(怪異)だ。なら、そうしよう。

命尽きるまで人間として生き、命尽きたなら怪異として生きる。

そんなものが居てもいい世界がこの世界なのだから。

 



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〝私〟

とりあえず、ちょいマジバトル


「よ、万里」

「おや、一夏。どうしましたか?」

「いや、こうして直に会って話すのは久し振りだなって」

「お互い、忙しくなりましたからね」

「本当だよな。学生の頃だと想像もしてなかった」

「と言っても、学生の頃から中々に忙しかったですけどね」

「あー、そういやそうだ。今が充実し過ぎてて、ついうっかり忘れちまうな」

「おや、充実してますか?」

「充実も充実よ。仕事にお前達との配信に、そして今こうしてる事にな」

 

二人が対峙するのは、晴天直下の宙。

本日吉日、騎士と武者の相対戦。

仏滅は遠く、人と怪異は互いに笑う。

ついにやってきた日本代表の選考会、その決戦はやはりこの二人となった。

 

「では、早速……。やあやあ、我こそは日ノ本が大怪異纏いしまつろわぬ者、蝦夷冠者(えみしかじゃ)化野万里也!」

「応! 我こそは世界最強の血筋引きし者、大和冠者(やまとかじゃ)織斑一夏也!」

「これより始まる日ノ本一を決める大戦! さあさあ! 皆様拍手喝采後喝采!」

「今より始まる日ノ本一を決める大道芸武(だいどうげいむ)! 観覧観客とくとご覧あれ!」

「「いざ尋常に勝負……!!」」

 

大見得の直後放たれるのは、日ノ本一の豪槍と大刀。

互いに鍔競り合う事無く、互いの身を削る寸前を交差する。

まったく、万里は思う。初めて会った時は、取るに足らないただの人間、そう思っていた。

しかし、いざ蓋を開けて見ればどうだ。ただの人間というにはあまりに真っ直ぐで、しかし英雄の器としてはあまりに歪んでいる。

 

「はっ、どうしたよ? 鈍ってるんじゃないか」

「では、少しだけ飛ばしましょうか。……〝さかばしら〟」

「げ!」

 

途端、一夏の感覚全てが逆転する。

上が下、右が左、前が後ろ。白式のセンサー系も全てが狂い、一瞬で自らの制御を失う。

だがそれも一瞬、一夏と白式は一瞬で狂った制御を取り戻し、万里に肉薄する。

 

 

──〝さかばしら〟を一瞬とか、本当に厄介ですね

 

 

〝さかばしら〟を食らえば、確実に感覚を失い、それだけで勝てるのに、一夏達は一瞬で立て直してくる。

この調子では、〝かげおんな〟も通じない。 

であるなら、一気呵成に攻め立てるのが定石。

 

「〝がしゃどくろ〟!」

「出やがったな!」

 

万里の背後に姿を現したのは、骨面巨駆にして半身の鎧武者。

振り下ろすは無銘の斬馬刀、受けるは白無垢の剣士。

人よ、とくとご覧じろ。これが現世最高峰の剣士が舞い。

 

「おお……!」

「よもや、これ程か!」

 

白無垢の剣士の一刀、骨武者の大刀を断つ。

驚愕に歪む万里に迫り、雪片を振り下ろす一夏だったが、斬った筈の万里は霞の如く消え失せる。

 

「〝かげおんな〟か!?」

「ご名答! 〝ぬえ〟……!」

 

笛の様に鳴り響く独特の音が一夏の耳に届いた瞬間、視界が白一色に染められ、白式の警告が泣き叫ぶ。

〝かげおんな〟は対象の視覚に偽の自分を写し出す。

そして〝ぬえ〟は虎鶫の鳴き声と共に、雷を降らせる。

 

「……もう少しくらい、効いてもいいんですよ?」

「残念だな。俺に実体の無い一撃は通じない」

 

通常なら、〝ぬえ〟の雷で勝負は着いた。だが、相手は織斑一夏。エネルギーを対消滅させるアビリティ〝零落白夜〟は、〝ぬえ〟の雷すら斬り捨てる。

万里は〝ぬえ〟の翼を畳みながら、喜悦の中にいた。

 

 

──只人の身で、よくぞここまで……

 

 

万里には、嘗て〝空亡〟だった時の記憶がある。身に宿す他の怪異達も同様だ。

皆、歓喜に打ち震えている。

最早、今の時代には自分達を討ち祓える者は居ない。

そう思っていた。しかし、蓋を開けてみればどうだ。

 

「素晴らしい。やはり、人は素晴らしい」

 

嘗て存在していた怪異という理不尽に立ち向かい、真っ向から討ち祓える者が現れた。

嗚呼、時代が違えば間違いなく英雄の器。

故に万里は現代の、この世界の〝空亡〟として立ち塞がる。

 

「では只人よ、〝私〟を越えてみせろ」

 

一つ、音があった。

機体の腕部を解いた万里の柏手だ。

 

「来るか」

「〝八奇怪譚〟真名開帳、〝百鬼夜行忌譚回廊〟。さあ、もう一度〝私〟を越えろ。織斑一夏」

 

開演

 

その言葉を最後に、世界から万里と一夏が消えた。

否、展開された万里のワンオフアビリティに飲まれたのだ。

その証拠に、一夏は夏の夕暮れに染まる無人駅に立っていた。

 

「……久し振りだな」

「ええ、そうですね」

 

駅のホーム、そこにあるベンチに座る着物姿の万里が、一夏に頷く。二人共、機体は纏っていない。一夏は私服に一振りの刀を持っているだけだ。

八つの譚を巡る忌譚は始まった。後は、もう巡るだけだ。

 

「随分、素直ですね」

「今抵抗しても無意味だって知ってるからな」

 

万里のこれは、内からは破れない。破る方法はあるが、その為には譚を巡らねばならない。

譚を巡り、終の譚を乗り越える事だけで、〝百鬼夜行忌譚回廊〟は打破する事が可能となる。

 

「では、良き旅路を」

 

列車が来た。夏の夕暮れ、虫の声を掻き消すけたたましいブレーキ音は、どこかページを捲る音に似ていた。

 

「んじゃ、またな」

 

一夏は列車に乗った。僅かな揺れの後、列車は動き出す。

車窓から夕暮れを眺める万里が視界に映るが、すぐに見えなくなった。

何の変哲も無い四両編成の列車は、誰も乗っていなかった。

静かな車内、その中で一夏は刀を抜いた。

そして、背後に向けて横一文字に斬った。

 

「早いんだよ」

 

刀身に付着した血脂を払い、一夏は油断なく意識を全方位に集中させる。

斬った死体は、既に霞の如く消え失せている。

だが、敵はまだ絶えない。

これが、〝百鬼夜行忌譚回廊〟の第一譚〝如月〟が内包する閑話〝猿夢〟。

様々な凶器を持った日本猿と類人猿の合の子が、一夏に襲い掛かる。

 

「さあ、長い夜の始まりだ」

 

車窓の外は夕暮れから夜に変わっていた。

 



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忌譚回廊

「はっ……」

 

揺れの止まった列車の中、一夏は息を吐いた。とりあえずではあるが、万里の百鬼夜行忌譚回廊の第一譚〝如月〟は越えた。

だが、ここからが問題だ。

正面から斬り伏せられるのは、〝如月〟〝蛇巫〟〝故神〟のみ。

残る〝牛首〟〝山怪〟〝曖昧〟〝禁后〟〝  〟は、正面から襲い掛かってくるものではなく、概念的な存在が仕掛けてくる現象を乗り越えるものだ。

今見えている村、〝牛首〟は特に厄介だ。〝牛首〟は単一の怪異ではない。人里離れた山村が怪異化したもので、これを突破するには村人を全員斬るか、村のどこかに居る万里を見付けなくてはならない。

 

「降りるか」

 

猿の残骸を踏み越え、降りた駅には名前は無い。

夕陽は既に落ち、辺りには月明かりだけが頼りの夜闇だけが広がる。

虫の音に耳を傾け、遠くから響く祭り囃子から背を向ける。

真名開帳が為された万里のワンオフアビリティは、何時か何処かで万里が見てきた世界で構成されている。

 

 

──万里

 

 

世界の終末装置、終焉概念、名前はおろか姿形すら保てなくなった怪異達が、最後の足掻きと顕現させた大怪異。

それが化野万里という人間。

それが織斑一夏達の友人。

終末を望まぬ終末装置、終焉を否定する終焉概念、ただ唯一名も姿形を保ち続けた大怪異。

 

山道を歩きながら、一夏は刀の鯉口をきった。

何故、ここに来て真名開帳を為したのか。

その理由は解っている。

 

「今更試すなよ」

 

万里はこちらを試している。

あの日、万里は化野万里ではなく〝空亡〟として、この世界に顕現した。

そして、〝空亡〟としての自分を否定した。

 

「お前が何を望んでいるか、俺にはまだ判らない。だが、答えはここに在るんだな」

 

駅から見える山道、その先に点々と列を為した灯りが揺れていた。

 

「……〝牛首〟、いやこれは……!」

 

一夏は刀を振った。

鈍い音と共に落ちたのは、人の首だった。

体は両手に金槌を持ち、顔は何故か分からない。

暗がりで見えないという訳ではない。何故か、顔を認識出来ない。

 

 

──編集〝鮫島事件〟──

 

 

背が冷え凍る様な万里の声が、脳内に響いた。

 

「やりやがったな」

 

一夏の頬に冷たいものが流れた。

〝鮫島事件〟〝牛首〟、被害者も加害者も内容すら誰も知らない事件。それもそうだ。この事件は現実に発生していない。

誰も知らない。なのに、世界には確かに刻まれた名前。

世に残る怪異達が世界に刻み付けた忌むべき現実。

ただ陰惨で残酷な事件があったとされたこれを、世界は刻み付けられたが忘れ去った。

そして、名前すら残らず消えたこの二つは、今この世界に顕現する。

 

「〝牛首〟と来て〝鮫島事件〟、となると……!!」

 

一夏の刀を振る手は止まらない。

否、止まれば呑まれる。

 

『ボ ボ ボ』

「〝故神〟か」

 

背の高いというには過ぎた女、いや女の姿形に似せた何か。古来より、人は自分達に似て非なるものに恐怖した。

故に、その恐怖を乗り越える為に姿形を与え、まやかしの名を刻み崇め奉り、本来の姿から別の姿へと昇華した。

それが神だ。

しかし、永い永い月日の内に人は恐怖を解読し、克服していった。

人ならざる神は忘れられ、落ちぶれた。

本来の姿も、神としての姿も忘れ、落ちぶれた神々は語る者すら居なくなり、やがて虚ろな怪異となる。

嘗て神であり、しかし今は語る者無き虚ろな怪異の群れ。

それが〝百鬼夜行忌譚回廊〟の正体であり、化野万里の本質だ。

 

『ボ ボ ボボ ボ ボ』

「まつろわぬ神よ、今一度指南賜る!」

 

一夏に出来るのは、手にある刀を振るうだけだ。

ただひたすらに、ただ懸命に、一刀の元に斬り伏せる。

大和冠者、万里はあの日そう呼んだ。

この名の意味は、一夏にはよく分からない。きっと、失われ忘れ去られた歴史の中にあった名なのだろう。

この名を呼んだあの日の万里の顔は、二度と戻らぬ日々に想いを馳せていた。

漢字にすればたった四文字の呼び名、だがこの名の重さは手にする刀の様に解る。

 

『ボ ボボ ボボ ボ』

「……指南、感謝する」

 

この名は万里を、〝空亡〟を討ち果たす者の名だ。

永い歴史の中で忘れ去られた大切な名前。

それを万里は一夏に与えた。

 

「次は〝蛇巫〟か……!!」

 

つんざく様な怪音、蛇の下半身を持つ六本腕の巫女が一夏の刀を掴む。

人智から外れた剛力、しかし一夏には通じない。

この世界は現実でありながら、その実は現実ではない。

万里が作り出した精神世界、だから一夏が強くそう思えば非現実は現実となる。

 

「名刀の使い捨て! やってやれるもんじゃねえな……!」

 

古今東西、ありとあらゆる名刀名剣の類いが次々と一夏の手に現れる。

ここは万里の精神世界、だからこの世界に負けなければ刀剣の類いを自由に呼び出す事は難しくない。

 

「……俺の勝ちだ」

 

折れ砕け曲がり、ありとあらゆる名刀名剣が地に散らばる。

〝牛首〟〝鮫島事件〟〝故神〟〝蛇巫〟は、ひとまず越えた。

残る怪異だが、〝山怪〟は女性特効で〝曖昧〟が出るには山道は向かない。あれは、拓けた土地にポツンと存在するから効力を発揮する。〝禁后〟についても、環境を整えなければあれは発生せず、発生しても段階を踏まずに斬り伏せてしまえばいい。

 

「なら、残りは……」

 

〝  〟だけだ。

そう思った一夏は、ふとある事に気付いた。

山道がおかしい。

一夏が進んでいた山道は、万里が居るであろう村に続いていた筈だ。

しかし、今の山道は山頂に向かっている。

 

 

──やられた……!──

 

 

〝山怪〟は無いと踏んでいたのが仇となった。

〝山怪〟、山道に迷った男女の前に現れる首と片足の無い異形。奴が現れる直前、必ず山道で迷う。

〝山怪〟は迷わせる怪異と、取り憑き正気を奪う怪異の両面を持つ。

まさか、迷いの怪異としてだけ使うとは予想外だ。

 

急変する辺り一帯を突き進んだ。

月明かりのみが照らす山道は、既に通常からかけ離れていた。

〝禁后〟だ。辺り一帯は黒髪と爪に埋まり、現れた鏡台の鏡には万里の後ろ姿が写っている。

 

「万里……!!」

 

黒髪の波に呑まれる直前、月明かりの下に一夏の叫びが木した。



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大和冠者 蝦夷冠者

どれだけ在っただろうか。

この世界が出来て、終焉という概念が産まれてから、どれだけの月日を在っただろうか。

様々な終わりを見届け、しかし終わりに抗う人々を見届け、この身は気付けばそこに在った。

世界の終わり、終焉装置として姿形を得て、ただ静かにその時を待ち続け、何時しか怪異の王となっていた。

 

世界が終われば怪異も消える。しかし、それは世の習いと笑っていた。

あの日が来るまでは。

 

「やうやう、我が名は大和冠者〝   〟! 蝦夷冠者〝   〟よ、いざ相対を!」

 

当時の朝廷が遣わせた一人の猪武者、騙し討ちでも毒でも使えばいいのに、馬鹿正直に正面から突っ込んできた大馬鹿者。

しかし、その実力だけは本物だった。

三日三晩に続いた殺し合い、その男だけは終焉に抗い、そして四日目の朝に終焉の夜を討ち取った。

朝日の中で、男は言った。

 

「〝   〟よ、きっとこの世は怪異を忘れる。そなたが再び現れる世は終わりを迎える時だろう」

 

しかし

 

「約束しよう。必ずや、大和冠者はそなたの前に現れると。そして……」

 

一方的な約束だったが、終わり無き身にはそれも一興だった。

そして、永い月日が経ち、化野万里として再び世に現れた時、人の愚かさを思い知った。

怪異は消え去り、神話すら自身の思うままに書き換え、夜闇の恐怖すら忘れ去った。

愚かな話だ。例え、闇を消したとしても恐怖は消えない。

根元的な恐怖、終わりへの畏れは消えて無くならない。

 

「大和冠者……」

 

この世界はお前の言う通りとなった。

嗚呼、本当に言う通りとなった。

恐怖に抗うのは知識や科学ではない。それに呑まれまいとする心だ。

本当にお前の言う通りだ。

 

「織斑一夏」

 

大和冠者の血縁でもない男が、お前が持っていたものを手に、この身の前に現れた。

 

「……よう、化野万里」

「嗚呼、やはり大和冠者の名を与えて良かった」

「まったく、〝山怪〟と〝禁后〟、ついでに〝曖昧〟まで合わせてくるなよ。ちょっとビビったぞ」

「おや、一度乗り越えたものに恐怖を?」

「バカ言え、俺が今さら畏れるかよ」

 

黒髪の繭を斬り裂き、僅かだが息を切らした一夏が真新しい刀を肩に担い、不敵な笑みを浮かべる。

嗚呼、大和冠者よ。お前は約束を守った。

ならば、

 

「……次は私が約束を守る番」

「お? なんか約束してたか?」

「ええ、遠い遠い過去、遥か彼方の過去に大切な約束を一方的に」

「うわ、そりゃ大変だな」

「ええ、大変です。でも、それも漸く叶う」

 

万里は機体を展開していない。

一夏もそうだ。

辺りの山道や山村も消え失せ、在るのは真っ暗な世界を照らす月明かりのみ。

ただ、駅で会った時と違うのは、一夏も万里も鎧を身に付けている。

一夏の知識にある武者鎧よりも遥か過去、万里と会うまでは知らなかった人と神が入り交じる時代の代物。

 

「しかし、これも久々だ」

「あの日以来ですね」

 

一夏は鎧に似合わぬ刀を握り、万里は十字槍ではなく古い矛を手にする。

あの日、オペレーション・スカイフォールで見せた嘗ての姿。

 

「……表紙も目次も、見開きすら終わり、真章の開幕」

 

闇が一気に濃さを増す。

一夏は身構えた。あの日に見せた姿と闇は、いまだに記憶に焼き付いている。

 

始まった。一夏はそう感じた。

万里の宣言の後、世界は一瞬で姿を変える。夜闇から夕暮れへ、光から闇へ移り変わる間の世界。

ここからはただの試合ではない。世界の終焉〝空亡〟の名の通り、これより先は世界の存亡を賭ける戦いだ。

 

「……ルールは分かりますね?」

「ああ、あの夕陽が落ちて、月が昇りきるまでにお前を倒せ。だろう?」

 

今やこの世界は終焉に向かう。夕陽が落ち、月が天に昇りきり万里を照らせば、万里は〝空亡〟として世界を終焉に向かわせる。

あの日、オペレーション・スカイフォールでも一夏はこの万里と戦った。そこで、二人は一応の決着を得た。

終わりを望まぬ終焉装置が在ってもいいと。

 

「万里、お前はまだ終わりを望むのか?」

「一夏、私は〝空亡〟。世界の終焉です」

「万里、世界は終わりを望んでいるのか」

「一夏、世界の行き着く先が私です」

「万里、望むも望まないもお前次第だ」

「一夏、終わるか終わらないかは貴方次第です」

 

あの日と同じ問答。

人と妖、それぞれ立場も違えば存在も違う。しかし同じ事がある。

それは為すべき事を為す。

万里は世界を終わらせ、一夏はそれを否定する。

一夏は世界を続けさせ、万里はそれを否定する。

 

「……〝百鬼夜行忌譚回廊〟終譚〝空亡〟」

 

開演。

その言葉が幕開けとなった。

瞬間、一夏の視界を支配したのは矛の穂先。

尋常ならざる突きを、一夏は回避し柄を斬り捨てようとするが、既にそこに万里の矛は無い。

長柄の得物はそれだけで厄介極まりない。練達の者が振るえば距離を見誤り、刃だけでなく柄の一撃すら致命のものとなる。

夕暮れは既に頭の先しか残っていない。

万里の矛捌きはまさに練達のそれであり、一夏に焦りを産むには充分過ぎる。

しかし、一夏に焦りは見えない。

焦りは未熟を呼び、呼ばれた未熟は恐怖を産む。

まるで嵐のごとき矛を捌き、一夏はただ機会を待つ。

 

「一夏、守ってばかりでは終わりは避けられませんよ」

「万里、攻めてばかりじゃ終わるに終われないぜ」

 

肉薄、一瞬の隙を突いた一夏は万里の懐に入り込む。

長柄は懐に入り込まれると、途端にその威力を削がれる。

しかし、練達の者が振るえばそれは無い。だが、一夏とて練達の者。

万里の返しの石突きの振り上げを、顎を砕かれる直前にかわし、鎧の隙間である脇に刃を通す。

手応えはあった。しかし、万里からは血の一滴すら流れない。

 

「……随分とお優しい事で」

「いきなり首を斬れる程、緩んでねえだろ」

 

肉を断ち、骨を割った感触はあった。しかし、万里には傷一つ無い。

終焉の化身、終末の権化、故にその身を終わりへ導くものは、万里には通らない。

だが一つ、例外がある。

終焉とは回避出来る事象だ。だから、万里がもたらす終焉を回避する方法が〝二つ〟ある。

幕を引けばいい。世界の存亡を賭けた戦いとは言え、この世界は万里が決めた演目を廻って辿り着く最終演目。

演目という形を取っている以上、〝終演〟に辿り着けば万里は演目を続けられない。

そして、この〝終焉空亡〟の演目の幕引きは

 

「私の首を落とす。……それ以外にはありませんよ」

 

天に座す〝空亡〟を落とす。

それ以外無い。

〝空亡〟が討たれるか、それとも人が終焉を回避するか。

それが〝終焉空亡〟という演目だ。

 

「この世は終わりへ向かっています。それでも抗いますか?」

「決められた方法と答え、その通りに進めばさぞや楽だろうよ。だが、人を甘く見るなよ。終わりの怪異」

「……嗚呼、やはり人は素晴らしい。では、大和冠者よ。この蝦夷冠者の素っ首、見事落として魅せろ……!!」

 

月は出た。

残る時間は僅か、しかし一夏は焦らなかった。

焦りは恐怖を産む。恐怖に呑まれた時が、人の敗北だ。

人が何故、この永い永い月日を繁栄してきたか。

それは怪を否定する知識を得た事でも、神を掌握する科学を得た事でもない。

それらは付随するものに過ぎない。

人は恐怖に呑まれながらも、それを乗り越えてきたからここまで繁栄してきたのだ。

月明かりの反射を尾と引く矛の軌跡を追いながら、一夏は折れず刀を振るい続けた。

幾百、幾千、幾万の剣劇。絶えず散る火花と血潮、怪異に傷は無く、しかし人の身は紅に染まる。

 

人は弱い。腹に穴が空き、手足を失い血を流すだけでも死に至る。

怪異にしてみれば取るに足らない弱い存在、しかし万里は、〝空亡〟は知っている。

人は弱いからこそ、恐怖を克服する。

弱い人だからこそ、怪異を討ち果たす。

 

「さあ、人よ。私はここだ。怪異は立っている。終焉はもう間もなくだ。人よ、どうする?」

「舐めるな、舐めるなよ怪異。一度は人に討ち果たされた終焉の化身よ。人はまだ立っているぞ……!!」

 

嗚呼、やはり人は素晴らしい。

吹けば飛ぶ様な弱々しい存在に過ぎないのに、こうまで抗う。

だからこそ、手は抜けない。

 

「ならば越えろ。見事越えて、私を討ち果たせ」

「言われずとも……!」

 

満身創痍、息も絶え絶えの様子でも一夏の目に陰りは無い。

 

 

──大和冠者、貴方は本当に約束を守りました──

 

だから私も約束を守りましょう。

 

「〝百鬼夜行忌譚回廊〟助演、〝八奇怪譚〟第五譚〝曖昧〟第七譚〝禁后〟」

「万里……!!」

 

認識の境を曖昧にする怪異と、恐怖と狂気の箱庭の怪異。双方、恐怖に呑まれなければ脱せれる存在だが、それは正気と狂気の認識が確かであれば出来る事。

一夏の視界は歪みというには生易しい程に曖昧となり、自身を呑み込む髪と爪の繭に恐気が走る。

鏡面の万里は遥か遠く、歪みきった視界で捉えたのは、悲しい笑みの万里だった。

 

「……くそったれ」

 

その言葉と共に、一夏は髪の繭に呑まれた。

万里は一歩前に出る。

 

「……人よ、ここまでですか?」

 

一度は越えた恐怖、二度は越えられないのか。

 

「……人よ、終わりですか?」

 

一度越えた恐怖は、人に傷を刻むのか。

否、人は終わりに抗う者。

故に、終演の化身たる〝空亡〟を倒すのは

 

「私を越える人……」

 

万里は己の左胸を見た。

狂気の髪の繭を突き破り、確かに突き刺さる刃。

それは一夏が振るっていた日本刀ではなく、万里がよく知る両刃の剣。

嘗て八首の蛇神を討ち果たし、嘗ての己の首を落とした剣、それが確かに万里の心臓を貫いた。

 

「……届いたぞ」

「ええ……、人よ。いや、一夏。貴方は確かに終焉を止めました」

 

〝百鬼夜行忌譚回廊〟〝終焉空亡〟を終わらせる方法、それはこの世界の万里の首を落とすか、心臓を貫くか。

この二つに一つだ。

そして、一夏の刃は確かに万里の心臓を貫いた。

終わるのだ。

世界の終焉は幕を引き、昇っていた月は朝日へと姿を変える。

人は終焉の恐怖を乗り越えたのだ。



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約束

ラストだよ!


世界は続いた。

人は終焉に勝った。

 

「いやー、負けちゃいました」

 

¦仕方ないネ

¦まさかICKニキがあんなに強いとはな

¦ある意味順当?

¦まあ、日本担当官は安心したろ

 

「は? 私なら更なる安心をくれてやったんですが?」

 

¦寝言は寝て言え

¦HAHAHA ナイスジョーク

¦山○田くん、座布団一枚

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! ごい゛づら゛!」

 

試合の数日後、万里は何時もと変わらぬ様子で配信をしていた。

負けた悔しさは無い。寧ろ、人がもう一度己に勝てた事が誇らしい。

終焉の化身として、世界を終わらせられなかった事よりも、人が終焉を乗り越えた事が嬉しい。

そして、時計の針が頂点を示す頃合いに、万里は話を切り出した。

 

「ああ、そうだ。皆さんに報告が。私、現役から退きます」

 

¦え?

¦は?

¦ちょっといきなり過ぎん?

¦ニキに負けたから?

 

「まあ、一夏に負けて踏ん切りがついたというのが大きいですね。それに、後進に任せようとも」

 

万里の言葉に嘘は無い。

事実、一夏や他の面々には事前に伝えてあった。

機体も既に返納している。最も、あの機体は既に脱け殻で幾ら研究しようが、何も出てこないが。

 

「ちょっと忙しくなりますので、配信は暫くの間不定期になります」

 

¦まあ、仕方ないネ

¦ゆっくり復帰していってね

¦うわあ、引退か……

¦これで黄金世代は半数が引退か……

¦寂しくなるな

 

「始まれば何時かは終わる。それが世の習いですから、それを楽しみ笑うにのが人なのでしょう」

 

まるで、誰かに問い掛ける様な口調で、万里はそう呟く。

何時かは終わる。それが来ただけだ。

 

「それでは、少し早いですが明日も忙しいので、おつばん~」

 

¦おつばん~。お疲れ様

¦おつばん!

¦おつばん、やっぱり引退やだなあ

¦おつばん~、ゆっくり休め

 

配信画面を閉じると、部屋の前に人の気配がした。

随分とわざとらしい気配だ。

 

「千冬、鍵は開いてますよ」

「……まったく、本当に引退する気とはな」

「事前に言ったじゃないですか」

 

扉を開けたのは、千冬だった。

千冬は少しだけ疲れた顔で、椅子に座ると深く息を吐いた。

 

「万里、教職はどうする?」

「今の一年が卒業するまでは居ますよ」

「それからは?」

「それからは、そうですね……。配信をしながら、世界を回ろうかと」

「終わらなかった世界をか」

「ええ、一夏が続けた世界を」

 

世界は終わりを否定した。

否定された終わりは何処に行くのか。

そんなもの自由に決まっている。

また、世界が終わりへ向かうまで自由に過ごす。

 

「はぁ、本当にお前は手の掛かる教え子だよ」

「まさか人の教え子になるとは、永い月日でも予想もしませんでしたよ」

「万里」

「はい」

「……明日も早い。さっさと寝ろよ」

「ええ、そうします」

 

ではな。

千冬はそれだけを言い、部屋を去った。

世界は終わりを否定した。しかし、何時かは終わる。

大和冠者は、その為の世界の延命装置だ。

 

世界の終焉装置の蝦夷冠者

世界の延命装置の大和冠者

今回も世界は延命された。

だが次は?

決まっている。また何時かに決める事だ。

 

「それまで、暫しの暇ですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やうやう、織斑一夏」

「よう、化野万里」

 

朗らかな日射しが差し込む畳の部屋、そこに万里は現れた。

 

「また、随分と久し振りだな」

「ええ、久し振りですね」

「世界は、どうだった?」

「貴方が続けた世界、まあ悪くはなかったですね」

「最近は何処に行ったよ」

「一番最近だと、北欧の方に。それでまあ、あちらの神格がマジ焦りしまして」

「ラグナロクが来たってか?」

「ええ、それはもう、主神に戦神に軍神まで出てくるし、悪神は付き纏ってくるわで大変でしたよ」

「はっ、いい気味だ。しかし、まだ信仰されてたのか」

「あちらの神格はファンタジー的に語られてますから」

 

畳に正座で座ると、土産なのかよく分からない形の木彫りや石を一夏の枕元に置いていく。

 

「おい、やめろ。なんか祟られそうだ」

「おや、私を討った大和冠者が毛唐の神格に畏れを?」

「バカ言え、ちょっと面倒なだけだ」

 

置かれた土産を手に取り、少し眺めた後に鼻で笑う。

 

「それで皆には?」

「皆には既に。……貴方が最後です」

「そうか。葬式に顔出さねえからやっぱりか」

 

皺だらけの手をつき、体を起こす。

上体を起こすだけでやっとの様子の一夏だが、万里は手を貸さない。

終焉を乗り越えた者の最期の姿を見届ける為だ。

 

「しかしお前、死神も始めたのか?」

「まさか、あんな面倒な仕事しませんよ。ただ、終わりが判るだけです」

「そうかよ。で、お前はこれからどうする?」

「少しばかり眠ろうかと」

「そうか。また次の終わりまでか」

「ええ、次の終わりまで」

 

嘗ての若さは無く力すら失い、顔も体も痩せ衰え髪も白く皺ばかりが刻まれた人が頷いた。

しかし、万里にはそれが美しく見えた。

 

「万里、一つ約束してやる」

「なんでしょう」

「大和冠者はまた現れる。そして、俺達はお前を一人にはしない」

「ええ、ええ、それは素晴らしい約束ですね」

「……ああ、じゃあな万里。楽しかったな」

「ええ、おさらばです一夏。楽しかったですね」

 

そう言うと、万里は消えた。

文字通り、煙の様に霞の様に土産だけを遺して消え失せた。

もう何処にも気配は無い。

 

「父さん、今のお客さんは?」

「ああ、帰ったよ」

「そうなんだ。でも、驚いたわ。父さん、一体何処であんな若い人と知り合ったの?」

「なに、古い古い友人だ」

 

そう言うと、一夏はまた横になった。

枕元にある土産の意味は特には無いだろう。

あの変わり者の友人に光が差す事を願い、一夏はゆっくりと目を閉じた。

 

そして織斑一夏が息を引き取ったのは、翌日の朝だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ましたのは、違和感からだった。

ほんの僅かな違和感、誰かから見られている様な感覚。

それが万里の目を覚ました。

 

「……何故」

 

まだ世界は終わりへと向かっていない。

なのに何故、己が目覚めたのか。

それは自身が感じる事が一つの答えとなった。

 

「神々を信仰を取り戻した? いや、これは再び信仰され始めた?」

 

目を覚ました万里が感じる空気は、確かに嘗ての時代の空気に近いもの。

人と神、怪異が隣り合わせに息づく世界。一体何が起きたのか。

文明が滅んだという訳ではなく、寧ろあの楽しかった日々より幾らかの発展が見えた。

 

「何が起きたというのか。というよりここは……」

 

見覚えがある。四方を海に囲われた島。

僅かに残る立地、ここはIS学園島だ。

そしてこの景色は学園の屋上から見える景色。

そうだ。初めて一夏達と出会った場所で、制服ではなく和服姿で、万里は立っていた。

 

「怪異達が居る……」

 

名を持ち、確かに怪異の気配を感じ、島中に嘗ては無かった社も目立つ。

万里は混乱しつつも、屋上のフェンスに近寄る。

 

「学園島は学園ではなくなった? 栄枯盛衰、盛者必衰とは言うが……」

 

人の気配はある。

それも学園であった時よりも、遥かに多い。

情報が要る。

万里がそう決め、屋上から去ろうとした時、屋上の扉が騒がしく開かれた。

 

「ほら見ろ、やっぱり居るじゃねえか!」

「うわ、本当に居たわ」

「そんな事を言っている場合か!」

「そうだよ! あ、あのお姉さん。早まっちゃダメだよ?!」

「ええい、それよりも確保だ」

「だからどうして貴女は乱暴なんですの?!」

「いいから早く止めないと……!」

 

万里は驚愕した。

髪色や年頃、細かい部分は違えどほぼ生き写しの様な七人が居た。

 

 

──大和冠者はまた現れる──

 

 

「嗚呼、本当にそうですね」

「あ、何? お姉さん、飛び降りとかじゃないの?」

「ええ、少し懐かしい場所でしたので、見学していたのですよ」

「見学って、ここは大分前に移転して閉鎖されてるわよ」

「でしょうね。あ、一つ聞いても?」

「あ、はい」

「何故、この島は社が?」

「えっと、篠ノ之束博士が宇宙から帰ってきた時に提唱した〝現代怪異論〟というのがあって、なんでも終焉の化身?ってのに世界を終わらせさせない為には、現代に怪異や神仏を呼び戻す必要があるとか」

 

何時かの似た子の答えに、万里は息を吐いた。

起きている間に、あの人間が帰ってきたという話は聞いた覚えが無いので、己が眠った後に帰ってきてこんな面倒な論を提唱したのだろう。

 

 

──まったく……、あの人間は──

 

 

他人の事など理解出来ないと宣いながら、こんな真似をする。宇宙に出て、脳の構造でも変わったのだろうか。

いや、今はそれよりも

 

「それで、なんで見学なんかを? ここが学園だったのってひいひいじいちゃんの時代だぜ?」

「……成る程、貴方の名字を当ててみましょうか」

「え?」

「織斑、当たりですか?」

 

万里は驚愕に固まる少年少女に笑みを返しながら、学園だった場所の屋上を後にした。

進む先は何故か暗がりが無く、万里の歩みは光が差している。

 

 

──俺達はお前を一人にはしない──

 

 

「さあ、あの楽しき日々をもう一度」

 

急ぎ後に続く騒がしい足音に懐かしさを思い出しながら、万里は笑っていた。




はい、ちょうど10話で完結です。最初はネタギレまで書いて雑に終わらせる予定でしたが、なんか勢い任せに書いたらこんなんなりました。
いや、こんなんなるとは……

そしてこれから先ですが、復活したオカルトや怪異に原作主人公ヒロイン達の玄孫達が、万里の手を借りながら対処していったりしなかったり、一夏の玄孫が大和冠者になるかならないか、万里がもう一度〝空亡〟として動くか動かないか。
まあ、そんな感じのオカルト×冒険活劇になるかもしれませんが、蛇足になるので皆様のご想像にお任せします。
最後になりますが、この作品をお読み戴きました皆様と、原作インフィット・ストラトスに感謝を。


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