ゼルダの伝説 Breath of the 原神 (満天の星空)
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プロローグ〜モンドまでの道のり
開けることが出来ていない祠の調査


僕は魔獣ガノンを倒し、ガノンを倒したときに出てきた新しい祠についてゼルダとともに調査をしていた。ハイラル城内にあった資料と照らし合わせ、開く事が出来る祠と出来ない祠があった。

 

今日はゼルダがゾーラの里へ行くということだったので、僕はその道中の未だ開かれていなかった祠について調査することにした。ゼルダとダルブル橋付近で分かれたあと、近くの石に座って休憩することにした。

 

「あぁ、ここはシドと会った場所だったなぁ。ゼルダは護衛を連れてゾーラの里に向かったからシドと会うことになりそうだな。シドはミファーについてよく聞いてくるから今日もゼルダは問い詰められるに違いない。頑張って、ゼルダ。応援してるよ。」

 

しばらくして開かれていない祠に向かうことにした。シーカーストーンをかざしてみてもやっぱり開かなかった。祠の模様などを記録しておこうと紙にうつしていった。昼過ぎになったところで周りに生えていたきのこを焼いて祠にもたれて食べていた。

 

「今頃ゼルダはシドと共に水の神獣ヴァ・ルッタの調査をしているんだろうな。今日は雨が降ってないから調節も上手くいっているんだろうな。さあ、ちゃんと調査をしないとゼルダに怒られるから続けよう。」

 

そして祠の模様を書き終わった頃、シーカーストーンをかざすところが光っていた。かざしてみると開く事ができた。このときの様子を紙に書き、祠の中に入ってみることにした。シーカーストーンや剣、弓、盾を持って下に降りていく途中、めまいがして倒れてしまった。

 

 

 

 

目を覚ますとそこは見たことがない場所に来ていた。

 

「ここは?さっき僕は開けることが出来た祠に入ったはずなのになんでここにいるんだ?…ということはここが試練の場所か?でもいつもの試練の場所と比べると広い気がする。とりあえずこの池の周りを歩いてみよう。」

 

しかし、剣の試練に似ているが見たことがない魚や果実があり、すぐにここは試練の場所ではないことに気づいた。

 

「そういえば眠っていた場所にエレベーターもなかったし、ワープマーカーもなかったし、戻ることが出来ない!…だったらシーカーストーンのマップから戻ればいいじゃないか。」

 

そう思いマップを見ていたが、砂嵐で見ることが出来なかった。

 

「これじゃあどうやって戻るんだ?ゼルダは?村のみんなは?ハイラルはどうなってしまうんだ?」

 

しばらく僕は考えたけれど解決策が見つからず、しばらくはここで生活することにした。

 



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パイモンとの出会い

1週間ほど経っただろうか。食料は木になっている実や釣りなどをして過ごしていたとき、空飛ぶ喋る生き物が釣れた。最初は何を話しているか分からなかったが、話すうちに分かってきた。とりあえず釣れた生き物の名前はパイモンといい、この世界は試練の中ではなく、テイワットというもので、国が存在して7人の神によって治められている。今いるところはモンドという国で風の神によって治められていて、自由の都と呼ばれているらしい。僕も自己紹介を済ませてどのようにこの世界に来たかを話した。明日は近くの湖にある七天神像という神を拝む銅像へ行って見ようと思う。

 

 

次の日の朝、湖に向かいながらシーカーストーンの機能が何を使えるのか確認していた。魚を釣るときにアイスメーカーを使っていたのでそれは確認済みだか、他は試していなかった。

 

「まずはビタロック。そこにあるきのこを止めてみよう。止めて叩くと…あっ、飛んでった。!これは使えるのか。

じゃあ次はリモコンバクダン、木の近くに置いて離れて起爆すると…あれ?爆発した感じはあったのに木が倒れない…でも近くには木が落ちている…この世界の木は丈夫なんだな。

ウツシエは今まで撮った絵は消えちゃってるけど、新しく保存は出来そう!

パイモン。一緒に写ろう!」

 

「それはなんだ〜?面白そうだな!おいらも一緒に写るぞ!」

 

「おおー!本物が写ってるぞ!凄いな!」

 

「じゃあウツシエは使えそうだな。

そういえばまだ望遠鏡を使ってなかったな。こうして見ると…あっ、あそこに城らしきものが見える!パイモン、あれは何?」

 

「おおー!遠くのものがすっごく近くに見えるぞ!えーっとあれはモンド城だな。昨日言ったモンドという国の一番大きな街だぞ!」

 

その後マップを見たが未だ砂嵐で見えず、マグネキャッチは鉄が周りに無くて試すことが出来なかった。

 

しばらくして七天神像がある湖に着いた。

 

「あれが七天神像だぞ。神をかたどった像は七神の象徴として、この大陸に点在してるんだ。七つの元素の神のうち、これは「風」を司るものだな。おまえが、この風の神に聞いてその「ハイラル」という世界に戻れるかどうかは分からないけど…」

 

少し泳いで七天神像についてパイモンと拝んでみた。すると、体に気持ちの良い風が入ってくる感じがして力がみなぎってきた。

 

「どうだ? この世界の 「元素」 を感じたか?」

 

「うん。すごく力がみなぎって来て風が入って来た感じがしたよ。」

 

「どうやら、おまえは神像に触れるだけで「風」の元素力を手に入れられるみたいだな。ここから西へ行くと、 モンドに行けるぞ。よしっ、じゃあ行くか!」

 

そうして僕とパイモンは自由の都「モンド」へ向かった。




ゼルダの伝説 Breath of the Wild エキスパンションパスに出てきたマスターバイク零式は基本的にシーカーストーンの機能を使えるようにしたかったのですが、マスターバイク零式は使えてしまうとこれからの旅に影響が出ると思いまして、もとから持っていないことにしました。すいません。あと、amiboは世界観に相応しく無いと思ったのでこの機能も無しにしました。
シーカーストーンで忘れている機能があったら教えて下さい。


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スライムの食事

道中ハイラルにもいたモンスターのスライムを倒しながら進んでいたとき、急にパイモンがとんでもないことを言い出した。

 

「おいら、もうお腹ぺこぺこだぞ〜。あっ、あそこに焚き火があるぞ!そこでスライムを調理して食べようぜ!」

 

「えっ、パイモン、スライムを食べるの?やめといたほうがいいんじゃない?」

 

「なんでだ!えっ、もしかしてリンク、そのスライムたちを独り占めして食べるつもりか?おいら、許さないぞ!!」

 

「いやいや、スライムってどう調理しても美味しくないじゃん。どうして食べるっていう発想になったの?」

 

「もしかして、ハイラルにもスライムがいたのか?」

 

「そうだよ。そして食べてみたことがあったんだけど、もう、それは美味しくなくて。」

 

「そっか。ハイラルにいたスライムは美味しくなかったんだな。でも、テイワットにいるスライムはとっても美味しいんだぞ!ここにスライムを使ったレシピがあるから、これに沿って作ってみてくれよ!」

 

「パイモンがそこまで言うんだったら一回作ってみようかな。」

 

 

 

「わぁーリンクって器用なんだな。こんな難しそうな料理も一瞬で作っちゃったじゃん」

 

「そんなことないよ。さあ、冷めちゃうから先に食べてみて。」

 

「じゃあ先に食べちゃうぞ!うん、やっぱり美味しい!特にリンクが作ってくれたから、特段に美味しいぞ!」

 

「そう?では僕も頂こうかな。えっ、テイワットでのスライムはこんなに美味しいんだ!」

 

「だろ?でもリンクが作ったからより一層美味しいだぞ!そこらへんの酒場よりは美味しいぞ!」

 

その後僕たちは楽しく話しながら休憩していた。

 

「あっ、あそこに斧ががあるぞ!あれは金属で作られてるからリンクが言っていた、マグネキャッチ?が使えるんじゃないか?」

 

「パイモン、よく覚えていたね。じゃあやってみようか。」

 

「おー!斧が浮いてるぞ!これがマグネキャッチの力なんだな」

 

「マグネキャッチも使えたんだな。あとはマップだけだけど…えっ、使えるようになってる!でも見たことがないマップだな。パイモン分かる?」

 

「おー!これはこの辺のマップだな!もしかして七天神像を拝んだから風の神が見えるようにしてくれたんじゃないかな。」

 

「そういうことか、ハイラルのマップは見えなくなっちゃったけど、テイワットのマップが見えるようになったのはいいのかな。パイモンと旅をしてハイラルに戻れる方法が早く見つかればいいな。」

 

「そうだな。おいらはリンクの案内役だからな。おいらは精一杯リンクのサポートをするぞ」

 

「よろしくね、パイモン。そして、このシーカーストーンのマップはワープすることが出来るんだよ。そういえばテイワットでも出来るのかな?試してみよう!パイモン、しっかりと掴まっていてね」

 

「えっ、急に?ちょっ、ちょっと待ってよ。おいら怖いぞ〜」

 

 

 

「ほら、最初の湖にワープ出来たよ。途中に通ったあの機械や七天神像に飛ぶことが出来るんだな〜」

 

「急にワープするからびっくりしたぞ!少しは準備させてくれよ〜」

 

「ごめんね。気になっちゃって。じゃあさっきの場所にもこの機会があったから戻るよ。しっかりと掴まっていてね。」

 

「だから急すぎるんだって〜」

 

 

ワープしたあと、僕はパイモンに説教されました。もう一回料理を作ったらすぐに許してくれたけどね。

 

 

「そろそろ出発しようか。」

 

「そうだな、ここからモンドまではまだあるけど、頑張って歩くぞ!」

 

「いや、パイモンは歩いてないじゃん」

 

「あっ、そうだった」

 

「「あはは」」

 

こうして僕たちはモンドへ進んでいった。



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モンドへの道のり

今回はアンバーとの出会いがあるので少し長くなりました。


僕たちはお腹いっぱいになって元気よく歩いていたとき、森の中で龍と会話している不思議な少年に会った。しかし、龍がこちらに気づいたらしく、龍が去っていくのと同時にその少年も去っていった。

 

「危なかったぞ!お前の髪を掴んでいなかったら飛ばされているところだったぞ!

ところでお前は急にシーカーストーンを取り出してどうしたんだ?」

 

「髪を引っ張るなんてパイモンひどいよ。ウツシエで龍と一緒にいた人を写しておいたんだ。今後何かに役に立つかもしれないからね。」

 

「お前って本当に賢いんだな。ところで、龍がいた場所に赤い石が落ちてるぞ。近くに行って見てみようぜ」

 

 

「おいら、こんな石見たことがないぞ!危なそうだな〜。とりあえず回収しておこうぜ!」

 

「こんな危なそうな石を持っていくの?身に何か悪いことが起こるんじゃない?」

 

「確かにそうだな…でも、ここに置いてあっても次通る人が危ないぞ!だから持っていこうぜ!」

 

「じゃあこの石はパイモンが持っていってね」

 

「えっ、しょうがないな~。今度また焚き火があったら料理を作れよ!」

 

「パイモンは本当に食べるのが好きなんだね」

 

「えへっ。食べることは身も心も満たされるからな」

 

僕たちはこんな話をしながら森を抜けた。

 

 

 

「風神のご加護があらんことを。わたしは西風騎士団の偵察騎士、 アンバーよ。あんた、モンドの人じゃないよね?身分の証明はできる?」

 

「はじめまして、アンバーさん。僕はリンクと申します。こちらの友達は…」

 

「パイモンって言うぞ!お前、もう友達って言ってくれて嬉しいぞ…」

 

「もうパイモンとは会ったときから友達だよ!」

 

「はいはい、あなた達の仲の良さはわかったわ。あなた達二人ともここら辺の地域じゃ、めずらしい名前の旅人ね。

近頃、 モンド城の周辺で大きな龍が出没しているの。だから、早く城に入った方がいいわ。」

 

「それなら、さっき大きな龍とその龍と会話している少年が森の中にいたよ。ほら、これを見て。龍がいるでしょ?」

 

「おー!あなた達、すごい機会を持っているのね。フォンテーヌものなのかしら。」

 

「フォンテーヌ?」

 

「あぁ。フォンテーヌはこの前話していた七神が治めている国の一つで正義の神、水神が治めてるぞ。技術がすごく発展しているんだ。」

 

「すぐそこの森まで来ていたのね。そうだ。ここからモンドまでそう遠くもないし、ここは騎士の務めとして城まで送ってあげる。」

 

「え?任務があって城を出たんじゃないのか?」

 

「もちろん任務もあるわ。 でも安心して、任務を行いながらでも、あんたたちの身を守ることくらいはできるから。それに・・・怪しい者を放っておくわけにもいかないからね!」

 

「えっ!僕たちのことを信用してくれてないの?」

 

「そうだぞ!ただ歩いていた人じゃないか!」

 

「いや、あなたは浮いていて怪しい者だけど…ごめん。 優秀な騎士にあるまじき言動だったね。謝るよ、 えっと…見知らぬ、 その······尊敬できる旅人さん。

 

「ぎこちないぞ!」

 

「『騎士団ガイド』で決められた言葉に不満でもあるの!?」

 

 

 

「ねぇ、得体の知れない旅人さん、 何しにモンドへ?」

 

「得体の知れない旅人と呼ぶのはやめてほしいな。ちゃんとリンクって呼んでほしいな」

 

「ごめん。じゃあリンクさん、何しにモンドへ?」

 

「リンクはゼルダ姫っていう人を守っていたんだけど、その世界にある試練の祠に入ったら知らないうちにモンドに来ていたらしい。

オイラはこいつと一緒にその世界に戻れる方法を探してるんだ。」

 

「へぇ…戻れる方法ね…」

 

「そういえば、任務ってなんなんだ?」

 

「簡単よ、見ればわかるわ。」

 

「あっ、『丘々人(ヒルチャール)』!?」

 

「逃がさないでー!

最近、 荒野の化け物が城に近付いてきてるの。今回の任務は、その巣の掃除よ。」

 

僕はアンバーと二人でヒルチャールを倒した。

 

「ふう、 楽勝楽勝〜。でも、リンクも戦えるなんて思わなかった…。支援ありがとう。ねぇ、戦ってどう思った?」

 

「楽勝だったよ。アンバーこそ、火を上手く使ってヒルチャールを倒してたね。」

 

「ありがとう。あなたに言ってもらってうれしいな」

 

「なんでこんなところに『ヒルチャール』が現れるんだ?こういうヤツらは普通、都市から離れたところに巣を作るよな?」

 

「そうね、本来だったら荒野にいるはずね。でも最近、風魔龍が頻繁に出現するようになって、キャラバンのルートに影響があったの。暴風が発生する度に怪我人も多数出るし…騎士団はその被害から守らなくちゃいけなくてね。」

 

「だから、こいつらの活動範囲もだんだん城の方に来たのか?」

 

「そう。でも、今日また一つ巣を片付けられたから進展はあったわ。さあ、わたしについてきて! 真面目で優秀な騎士が、あんたたちを城まで守ってあげる!」



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モンド編
モンド城に到着


今日、安倍元首相がお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈りします。





僕たちはアンバーに案内されてモンド城に着くことが出来た。

 

「あらためて紹介させてもらうわ。西風騎士団に守られてやってきた旅人さんたち、風と蒲公英の牧歌の城、自由の都、モンドへようこそ!」

 

「あれ?城内のみんなが元気そうにしてないね」

 

「確かにそうだな。でも、やっと野宿しないで済むぞ!」

 

「最近、みんな風魔龍の件で頭を悩ませているからね。でも、ジンさんがいれば、きっと全てうまく行く!」

 

「ジンさんって誰のこと?」

 

「西風騎士団の代理団長のジン、モンドの守護者だよ。」

 

「そういえば、さっきから言っている西風騎士団って何?」

 

「そっか、言ってなかったね。西風(セピュロス)騎士団とは、モンドを守っている防衛組織で、モンドを統治しているんだ。今は大団長が多くの騎士団員を引き連れ遠征に出ていて、このような風魔龍が襲ってきたりすると、人手不足で、魔物討伐とかが出来なくなっちゃって冒険者協会に頼まなきゃいけないぐらいになってるんだ。ジンさんはいろいろなことで忙しそうにしているけど、みんなが必要としてるから最近は無理をしている事が多いんだ。」

 

「なら風魔龍のこともジンさんが無理をして対処していているんだな。」

 

「そうだけど、大団長がいない今は西風騎士団を動かしているのはジンさんだから、手伝えることも少ないんだよね。でも、リンクとジンさんが協力すれば風魔龍レベルの災害でも、あっという間に解決できるよ!」

 

「そんなにジンさんはすごい人なんだね!」

 

「そうだ、一緒に騎士団本部へ行く前に、リンクに渡したいものがあるの。さっき一緒にヒルチャールの巣を片付けてくれたお礼だよ!」

 

「おいっ!おいらにはないのかよ!」

 

「えっと…パイモンちゃんにはモンド名物のニンジンとお肉のハニーソテーをごちそうしてあげる!」

 

「ニンジンとお肉のハニーソテー!とっても美味しそうだな、リンク!」

 

「とにかくわたしについてきて。今から…高いところに行きましょう。」

 

「普段、この辺は賑わっているんだけど…最近は風魔龍のせいで、商人や旅人がめっきり減ってね。でも、曲がり角にある酒場はいつもより繁盛してるみたい。」

 

「それでね、お礼って言うのはね…、じゃ~ん、風の翼よ

偵察騎士はこれで空を駆け抜けるの。モンドに住む人たちも、みんなこれを愛用してるんだ。ここに連れてきたのは、リンクにこれの良さを体験してもらいたかったから!」

 

「ずいぶんと熱く語るんだな。」

 

「『風』は、モンドの魂だからね。さあ、さっそく風の翼の性能を試しましょう。操作は簡単だけど、指示はちゃんと聞いてね」

 

「それなら、似たようなものをもう使ってるよ。前の世界で死んでしまった王様からもらった『パラセール』って言うものを使っているんだ。」

 

「そうだったな。リンクはそのパラセールを使っていつもおいらと一緒に飛んでるぞ!」

 

「そうだったのね。じゃあ、わざわざ新しいものを使って空を飛ぶ必要はないわね。でも、お礼はどうしよう…」

 

「また今度、ニンジンとお肉のハニーソテーを奢ってよ!ついでに、レシピを教えてくれば、パイモンにいつでも食べてもらう事ができるし。」

 

「おぉー!ニンジンとお肉のハニーソテーをおまえが作ってくれるのか?おいらとってもうれしいぞ!」

 

「それでいいんだったら今度、レシピも一緒にあげるわ。」

 



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西風騎士団にご挨拶

僕たちは騎士団本部に向かっていた。

 

「そういえば、アンバーがつけているその宝石は何?たまに着けている人を見るから、最近のモンドで流行ってるの?」

 

「これは『神の目』って言って選ばれた人が元素の力を引き出すための装置だよ。これがないと元素が使えないんだ。だから、最初リンクを見つけたとき、神の目を持ってると思ってたけど、本当にすごい人なんだね。」

 

神の目について話してたとき、周りが急に暗くなった。

 

「うそっ……」

 

風魔龍がやってきて、モンド城内にたくさんの竜巻が起こり、上に飛ばされてしまった。すると、僕を狙って風魔龍が飛んできて、ぎりぎりのところでかわすことができた。

 

「おいっ!大丈夫か?高いところまで飛ばされちゃったな…あれ?パラセールって…こんなに長時間滞空できたっけ?」

 

「できないはずだけど…」

 

すると謎の声が聞こえてきた。

 

「落ちないように、ボクが千年の流風に助けてもらったんだ。想像してみて、この風を集中させるんだ。雲を突き破るようにね…」

 

「この声…誰だ!?」

 

「どっかで聞いた気がするけど…」

 

謎の声に従って風魔龍を攻撃してモンド城から追い出し、モンド城にはつかの間の安寧が訪れた。

 

「大丈夫だった?」

 

「巨龍と戦えるほどの力を持っているとは。我々の客人となるか…それとも新たな嵐となるか…」

 

「ガイア先輩、ちょうど良かった。今から一緒に…」

 

「待て、アンバー。見たことがないヤツがいるんだが?」

 

「あっ…そうだった。こちらはガイア先輩、わたしたちの騎兵隊長なの。

この人は、『違う世界から来た』って言っているリンクさんとパイモンちゃん。わたしの任務中に出会って、モンド城に行こうとしていたから、モンド城に連れて来たの」

 

「なるほど、モンドへようこそ。しかし、最悪なタイミングで来るとはツイてないな…しかし、風魔龍を追い返したことは騎士団を代表して礼を言うよ。さっきの風魔龍との戦いで、守られた市民は全員お前たちの活躍を目撃した。代理団長もお前たちに興味があるみたいでな。騎士団本部までどうか来てくれないか。」

 

「もちろん!すごいジンさんに会えるなんて光栄だよ!」

 

 

僕たちはガイアやアンバーに連れられて、騎士団本部に入った。

 

 

「…と、ここまでの経緯はこんな感じだ。」

 

「なるほど。モンドへようこそ、風と共に訪れし旅人よ。私は代理団長のジン。 こちらはリサ、 騎士団の図書館司書だ。」

 

「あら、人手不足を手伝いに来た良い子ちゃんかしら?かわいいわね。ただ、タイミングがあまり良くないわ。風魔龍が目覚めてからずっと、このモンド周辺をうろついているの。ここ一帯に大きな混乱をもたらしているわ。おまけに今のモンドは、 元素の流れと地脈の循環が子猫ちゃんが遊んだ後の毛糸玉みたいになっていてね。魔法使いにとっては最悪な状況よ…肌も気分も調子悪いわ…」

 

「それがなければ、騎士団がもっと効率のいい方法で君たちを助けられるのだが。もうしばらくモンドに留まっていてくれ。西風騎士団が問題を解決してみせるから。」

 

「騎士団に丸投げするわけにはいかない!僕も手伝うよ!」

 

「おいらも手伝うぞ!」

 

「じゃあ、作戦を練るとするか。」

 

「風魔龍がモンドに攻めてきたことで、逆に災いを終結させるきっかけを与えてくれた。それとリサの魔法で探査したところ、モンドを包む暴風の源が分かったんだ。」

 

「ほぅ?どこなんだ…?」

 

「放棄された『四風守護』の神殿よ。風魔龍があの暴風を引き起こせたのは、そこに残った力のせいなの。」

 

「私たちの目標は、放棄された四つの神殿をリンク、リサ、ガイア、アンバー、それぞれで行ってきてくれ。」

 

「リンクを一人で行かせて大丈夫か?」

 

「それなら、心配ない。リンクは違う世界で人の何十倍もの大きさの魔獣を倒したことがあるらしく、神殿に行くぐらいは簡単にこなしてくれるはずだ。」

 

「そのこと誰から聞いたの?」

 

「えへっ。わたしがジンさんに事前に言っておいたんだ。」

 

「アンバーからそのような話を聞き大丈夫かと思ったが、厳しそうか?」

 

「いや、僕の力を信じてもらって、とってもうれしいな。頑張ってくるよ!」

 

「おいらもいるから、きっと大丈夫だな」

 

「ありがとう。暴風が猛威を振るっている今、守るだけでは意味がない。この災害がさらなる拡大をする前に、神殿の遺跡へと向かおう。」

 

「うん!(おう!)(わかったわ。)」



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遺跡の探険

「おいらたちの担当の神殿は『西風の鷹の神殿』だな。ジンさんがおいらたちがいつでも戻ってこれるようにここにしてくれたけど、戻るときは終わったときだよな!」

 

「もちろん!ちゃちゃっと終わらせて一番早く帰ってみせる!」

 

「そういえば、分かれる前にアンバーが『そこは昔、四風守護の遺跡で風魔龍の神殿だったんだよ。モンドの人でも滅多に来ないから、獣やヒルチャールの巣窟になってるかもしれないから、気を付けてね。』って言ってたぞ!目の前まで来たけど何か感じるか?」

 

「そうだね…周りとは違った風を感じるよ。」

 

「中に入ってみようぜ!龍の力が残ってるかもしれないから気を付けて入るんだぞ!」

 

僕たちは神殿に入りしばらくして固体になった風のようなものを手に入れた。

 

「それはモンドの人たちは『失われた風神の瞳』って呼んでるんだ。神像の眼窩へはめ込むに値するっていう意味なんだ。実は『失われた風神の瞳』に実体はないんだ。神の目を持つ人はそれを集めて加護を得るために七天神像に捧げる。お前は神の目を持っていないけど、この世界の常識を超えたお前なら…試したかったら探険が終わったあとに行ってみようぜ!」

 

そうしながら僕たちは奥に入っていき、西風の鷹の神殿にある風龍結晶を壊した。

 

「ふぅ、やっと片付いたな!終わったから七天神像に行ってみようぜ。さっき言ってた何かが起こるかもしれないぞ!風立ちの地にある七天神像が、おいらたちの場所から一番近いはずだ。今回、神がどう答えるか…おいらも楽しみだぜ!」

 

僕は七天神像に失われた風神の瞳を捧げたら、より一層力を得たような気がした。

 

「どうだ?何か感じたか?」

 

「より一層力を得たような気がしたよ!これからも見つけたら集めていこう!」

 

「そうだな!」

 

そうして、ジンさんに報告するためにモンド城に戻った。

 

「うん?あれはジンさんだよね。誰かと話しているみたいだ。」

 

「直ちに風魔龍を滅ぼすことができない のなら、モンドの防衛を『ファデュイ』に渡したほうがよいかと。モンドの龍災はなんとかなる。我々があのケダモノを…」

 

「『ケダモノ』?」

 

「おや?代理団長殿は違うとでも?」

 

「はぁ…貴国の外交官には、もう少しまともな態度を示していただきたい。モンドの四風守護、その一つを『処理』したいだと?西風騎士の前でそういう戯言はやめていただきたい。」

 

「はっ…はははっ…戯言など滅相もないよかろう、今日の協議はここまでだ。今回の成果は『双方が誠実に建設的な意見を交わした』それでいいかな?事実通りに記録させてもらう。」

 

 

「ああ、リンク、おかえり。4人のうちリンクが一番だよ。協力ありがとう。他の3人が終わるとモンド周辺の元素循環は落ち着くだろう。風魔の襲撃による余波も、一段落ついた。しかし、使節団側の圧力はもう無視できないほど大きくなっている…」

 

「使節団?外交の使節団か…璃月港から?それとも稲妻城から?」

 

「スネージナヤ、七神の中で氷神を祀る国家からだその使者には名前があってだな…ファデュイ、聞いたことはあるか?」

 

「あー、『ファデュイ』か、聞いたことあるぞ。でも、あまりいいイメージはないな。」

 

「風魔龍を殺すことが正しいと、私は思わない。それに、氷の神が率いる「ファデュイ」は風神眷属の力を望んでいる…それが見え見えなんだ。」

 

「そういえば、アンバーには見せたんだけど、ジンさんにはまだ見せてないものがあるんだ。」

 

「あのウツシエで写した、あれだな!」

 

「こんなところで大事な話をすべきではないな。ああ、騎士団本部に戻ろう。」

 

ジンさんと一緒に騎士団本部に戻った。

 

「モンドと冬の国は同じく、七国の一つだ。モンドは独立した城で、どの国にも属さない。『冬の国』はスネージナヤと呼ばれている。モンドとも外交関係を結んでいる。しかし外交に関して、ファデュイはおそらくこの大陸で最も勢いがあると言えるだろう…」

 

「うん。そうだね。さっきの人も嫌な感じがしたよ。」

 

「そういえば、さっき言っていた見せてない物ってなんだ?」

 

「これだよ。アンバーにはウツシエだけだったけど、ジンさんには実物を見せるよ。パイモン、あれを出して。」

 

「これはある力が含まれた結晶だ。リサが帰ってきたら構造分析をお願いするから、それまで持っていてくれるか。」

 

「まだおいらが持っているのか?今度はリンクが持てよ!」

 

「しょうがないな〜。今度は僕が持ってるよ。」

 

「じゃあ、リサが戻ってきたら呼ぶからそれまでモンド城を観光しててくれ。」

 



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モンド城観光

8/5モラの説明をしていなかったことに気付きました。
モラについての話を追加しときます。



「リサさんが帰ってくるまでおいらがモンド城の案内をするぞ!

まずは城門入って左側には鍛冶屋があるぞ!材料があればここにいるワーグナーにお願いすると武器とかをあっという間に作ってくれるぞ!

今、北陸片手剣の原型を持っているからお願いしてみようぜ!

 

こんにちはーこの北陸片手剣の原型で武器を作ってくれるかー?」

 

「おぉー、あの時モンドを救ってくれた勇者じゃないか!本当は他にも材料がいるけど、初めてだから北陸片手剣の原型だけで作ってやるよ!」

 

「次からは何が必要ですか?」

 

「そうだな…この北陸片手剣の原型と水晶の塊50個、白鉄の塊50個、500モラが必要だよ。水晶の塊や白鉄の塊は崖や岩などにあるよ」

 

「『モラ』ってなに?」

 

「そういえば、リンクにまだ説明してなかったな。『モラ』っていうのはこのテイワットで流通している通貨だぞ!」

 

「じゃあこれを使って色々お買い物をするんだね?」

 

「そうだぞ!」

 

「確かに、作ってもらうためには、お金が必要だもんね。

じゃあ次作ってもらうときはしっかりと持ってくるね」

 

「そうしてくれるとありがたい。

はい、鉄蜂の刺しが出来たぞ。合成用の素材もここで作れるから、材料を持ってくると作れるぞ。」

 

「ありがとう。ワーグナーさん。」

 

 

「次はそうだな…おいら、お腹すいたから広場のところのモンド一番のレストラン、鹿狩りに行ってみようぜ!鹿狩りの店員のサラさんはとってもフレンドリーなんだって。」

 

「いらっしゃいませ。『鹿狩り』へようこそ!何名様ですか?」

 

「2人です。おすすめの料理はありますか?」

 

「鹿狩りの一番のおすすめは満足サラダです!いろいろな野菜を使っているのでとっても美味しいですよ!」

 

「じゃあ、それを僕とパイモンと1つずつお願いします。」

 

「はい!今からすぐ作りますのでそこの机に座って待っててください!」

 

 

「おいら、すっごく楽しみだぞ!早く来ないかな〜」

 

「パイモンはご飯のことになるとすっごく楽しそうにするよね」

 

「もっちろん!ここの鹿狩りの料理は全部美味しいってアンバーが言ってたしな!」

 

「おまたせしました。満足サラダ2つですね!食べ終わりましたらそのままで大丈夫ですよ。」

 

そうして2人はアンバーが言っていた通りとっても美味しい満足サラダを食べた。

 

「次は近くにある合成台だな。合成台はスライムとかが落とした素材をもっとすごい素材にする事が出来るんだ!それを使うとリンクがもっとすごくなるかもしれないぞ!

その隣りにある雑貨屋は色々な食材を売ってるんだ。トマトなどの食材とか、調味料の塩、コショウを売ってるぞ!足りなくなったら買いに来ような!

次はどこを紹介しようかな…」

 

「2人ともここにいたんだ!ガイア先輩とリサさんも帰ってきたんだよ。リンクを呼んで来てくれってジンさんに言われたから、呼びに来たよ」

 

「僕たちもちょうどこの辺を観光し終わったところだったんだ。じゃあ、今から行くよ」



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栄誉騎士任命

アンバーに連れられて騎士団本部に帰ってきた。

 

「ああ、リンク、おかえり。モンド城の街はどうだったかな。」

 

「うん、パイモンに案内をしてもらってモンド城を色々見てきたけど、みんな和気あいあいとしてて、毎日が楽しそうだったよ。」

 

「それは良かった。モンドの良いところを見てもらえてうれしいよ。

それでこの前見せてもらった力が含まれた結晶を出してくれるか。」

 

「うん。リサさん、この結晶は何が含まれているの?」

 

「ええ、ちょっと確認するわね。……結晶の中に穢れた不純物があるわ。でもこれ以上は……ごめんなさい。今はまだ結論を出せないわ。少し時間を頂戴、禁書エリアで資料を探してくるから。」

 

「ああ、ではリサ、その研究は任せた。」

 

「ええ、何か進展があったら、みんなに知らせるわね。まぁ、あまり古代の文献には期待しないで。それに――いたっ!……結晶の中の不純物に近づくと、痛みが……なるほど、これは『神の目』との相互排除ね。この穢れの力は、わたくしたちの体内にある元素の力と相殺しあうの。でもおかしいわ、リンクも元素の力を使いこなせるのに、影響を受けないわね。」

 

「確かに、何も痛くはなかったね。」

 

「おいらも大丈夫だったぞ!」

 

「パイモンは元素の力は使わないからね。何も影響を受けないのは普通なんじゃない?」

 

「いいえ、そういうことでもないかもしれないわ。空を飛ぶ仕組みが分からないわ…

とにかく、この結晶は可愛い子ちゃんに持っていてもらおうかしら。わたくしたちが持っていても痛みが増すだけですもの。」

 

「(可愛い子ちゃん…)」

 

「…不思議な現象だ。これら君自身の特殊性について、何か心当たりは?」

 

「いや、思いつかないかな。」

 

「そうだろうと思った…では、リンク、無理な願いではあるが…西風騎士団の栄誉騎士の爵位と…代理団長の感謝の気持ちを受け取ってくれ。」

 

「西風騎士団の栄誉騎士!?僕にはもったいないよ。」

 

「いやいや、リンクは風魔龍の危機を一度モンドから救っている。それから、この謎の答えを探すのに、もう一度力を貸してほしい。風魔龍の暴走、変わった結晶…その答えはきっとモンドの平和とも関係があると思う。真実に辿り着けるように、風の加護があらんことを願っている。

何か新しい発見があったら、ここに来てくれ。」

 

栄誉騎士の爵位を受け取り、僕たちは騎士団本部をあとにした。

 

「リンクが栄誉騎士になってすごいぞ!その案内役をするおいらもとってもうれしいぞ!」

 

「栄誉騎士にもなったことだし、よりモンドのために困っている人がいたら助けなきゃいけないね!

困っている人いるかな〜?あれっ?あの走っている人見たことあるな〜」

 

「どいつだ?確かに見たことあるな〜。」

 

「あの時、風魔龍に喋っていた人に似ていない?」

 

「似ている…ってどう見ても同じ人だぞ!急いで追いかけよう!」



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謎の少年との再会

その後、追いかけると謎の少年が演奏していた。演奏が終わった後に彼と目があった。

「おや、君たちは…ふーん…あっ!あの時、トワリンを驚かした人たちだ。」

 

「トワリン?」

 

「モンドに来て誰かに聞かなかった?トワリンは風魔龍の名前だよ。」

 

「でも、普通の人はトワリンのことを『風魔龍』って呼ぶよね。なぜ君はトワリンって呼ぶの?仲良しなのかな。」

 

「さあね。」

 

「おい、リンク、こいつなんか怪しいぞ…」

 

「挨拶が遅れたね。こんにちは、僕はリンク、空飛んでいるのはパイモンだよ。」

 

「なんで怪しいやつに名乗るんだよ!」

 

「でも、パイモンはリンクって呼んでるから名前はバレてたよ。」

 

「しまった…怪しいやつの前では言葉を考えないといけないな…」

 

「こんにちは、たった一度だけお会いしたことのある異邦人さんと空飛んでいるマスコットさん。」

 

「おいらはマスコットじゃないぞ!リンクの案内役だ!」

 

「ボクは吟遊詩人、ウェンティさ。

もっと正確にいえば、『モンド城で一番愛される吟遊詩人』を三期連続で優勝したウェンティだよ。ボクに何かご用かな?」

 

「おい!無視すんなよ!」

 

「僕たちの事が分かるなら、これ以上説明する必要はないよね?もちろん、風魔龍の件だよ。」

 

「う〜ん?」

 

「おい!記憶喪失のふりはやめろ!

リンク、あれを見せようぜ!」

 

僕はウツシエを見せた。

 

「これを見て、ウェンティが風魔龍と話しているのを写したものがあるんだよ。これで、言い逃れは出来ないね。」

 

「これ、すごい技術だけど、いつ写したの?これで写したせいでトワリンを驚かせちゃったんじゃない?」

 

「その件については謝るけど、なんで風魔龍と話してたの?」

 

「それは秘密だよ〜」

 

「じゃあ、もう一つ見せようぜ!」

 

僕は結晶を見せた。

 

「おや、これは…」

 

「あれ?いつの間にか結晶が浄化されてる?なんでだろう?」

 

「これはトワリンが、風魔龍が苦しんで流した涙だ。」

 

「涙?」

 

「ここにもう一つ涙があるから持ってみて。」

 

「またこれを持つの?」

 

「うん、これで浄化されるともしかしたらトワリンを助けることが出来るかもしれない。」

 

「分かったよ。」

 

持ってみると色が澄み通り、涙が浄化された。

 

「君、本当に不思議な力を持っているんだね…君のような人が、吟遊詩人の詩に登場させられるのはある種の運命だと思ってくれ。

日向にいれば英雄に、日陰にいれば災いに…

あっ…今は君のために新しい詩を書いているヒマはないんだった。たとえトワリンは討伐されずとも、その生命力はすごい勢いで消耗していっている…彼は怒りの中で、自分を燃やし尽くそうとしているんだ…」

 

「かわいそう…」

 

「ありがとう。それと涙の結晶の浄化も。」

 

「僕に手伝えることがあれば言ってね!」

 

「ここからはボクが動く番だ。ボクには一つ、作戦があるんだ。」

 

「作戦って、なんだ?」

 

「龍の涙を見ていたら、ある故人のことを思い出してね…」

 

「故人?」

 

「へへっ、それじゃあお先に失礼するよ。」

 

「おい、どこ行くんだよ?」

 

「モンドの『英雄の象徴』だよ。またね。」

 

「むぅ…リンク、どう思う?」

 

「そうだね…変わった人だけど面白そう!これからも一緒に話したいな」

 

「あいつからしたら、おまえも十分変わってるだろうけどな。」

 

「いや、パイモンもだよ」

 

「確かに…」

 

「それに、気づいた?」

 

「何に?」

 

「気づいていないみたいだね。モンド城が風魔龍に襲われたとき、風魔龍を追い出すために助言をしてくれてたのはウェンティだったよね」

 

「確かに、声が似ていたな。それにしてもよく気づいたな。」

 

「会ったときにすぐ分かったよ。」

 

「すごいな。あいつは『英雄の象徴』って言っていたよな?それなら知ってるぞ!きっと、あの木のことだ。あのすごーく目立つ木のことだ!お前も分かるよな?」

 

「もちろん!早く追いかけよう!」



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天空のライアー

『英雄の象徴』である風立ちの地にある巨木の下に行き、ウェンティと会った。

ウェンティによると、ウェンティは森で風魔龍がアビスの魔術師によって毒に蝕まれたのを浄化していたが、僕たちが邪魔をしてしまってウェンティもアビスの毒に蝕まれてしまったので巨木の下で毒を浄化していたらしい。風魔龍を元に戻すにはモンドの大聖堂に保存されている『天空のライアー』が必要で、僕たちはウェンティたちを邪魔してしまったお詫びとして、天空のライアーを取りに行く手助けすることとなった。

 

「天空のライアーって他のライアーとどう違うの?」

 

「天空のライアーはモンドの至宝、風神のバルバトスがかつて使っていたライアーだよ。天空のライアーがあれば、ボクはトワリンを悪夢から目覚めされられる」

 

「本当にそれで風魔龍の破壊を止められるのか?」

 

「もちろん、ボクはこの世界で一番の詩人だからね。」

 

「それで、どうやって天空のライアーを手に入れるの?」

 

「君はマグネキャッチっていうのを使えるね?」

 

「なんでそんなことを知ってるの?」

 

「だから、ボクはこの世界で一番の詩人だからね。」

 

「で、どうするの?」

 

「天空のライアーは大聖堂のとある安全な場所に保管されていて、普通の人は入ることは出来ない。それで、天空のライアーは金属製だから、そのマグネキャッチで取ることが出来るっていうことさ。」

 

「場所によっては取れるかもしれないけど、直接見えないと取ることが出来ないよ。」

 

「ここの守衛たちは夜になると帰っちゃうらしいから、夜に取りに行こう!」

 

「でも、リンクがバレたらどうするんだ?」

 

「リンクはモンドに貢献した、騎士団の未来のスターだから、騎士団のみんなが助けてくれるはずだよ。あと、逃げる手段はちゃんと用意しているよ。」

 

「じゃあ、風魔龍を助けるために今回はウェンティを信用して天空のライアーを持って帰って見せる!」

 

夜になり、地下室の奥に入った。

 

「奥に天空のライアーらしきものがあるな…ここから届くか?」

 

「ちょっとやってみるね。」

 

そして、ぎりぎり届くことが出来た。

 

「よし、じゃあなるべく高く上げて守衛たちに見つからないようにこっちに持ってこようぜ。」

 

そして、手に入れようとした瞬間、下に落としてしまい、守衛に見つかってしまった。

 

「見つかった!逃げるぞ!」

 

急いで地下室を出て、外で待っていたウェンティに見つかったことを伝えた。

 

「付いてきて!」

 

すると、ウェンティが通った場所に風域ができて、酒場に隠れることが出来た。



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ウェンティによる釈明

天空のライアーを取っていたところ、守衛たちに見つかってしまい、急いで酒場に逃げてきた。

 

「オーナー、えっと…人が少ないところないかな。」

 

「二階なら、人は少ないが。

しかし、君は吟遊詩人だろう?賑わっている場所の方がいいと思うが。」

 

「あははっ、演奏はまた今度やらせてもらうよ。先に二階に行くね、また後で!」

 

僕たちは二階に身を隠すことが出来た。

しばらくして、警備員たちが酒場にやってきた。

 

「あっ、ディルック様、泥棒を見かけませんでした?」

 

「何があったんだ?こんなに人を出して。」

 

「ディルック様はご存知ないのですか?泥棒二人が、天空のライアーを盗んだのです!

 

「ほう?それは珍しい。」

 

「ええ、天空のライアーは風神様の宝物、これほど貴重な文化財を一」

 

「金にならないものを盗むバカがいるとはな、うちの酒蔵を狙ったほうがまだ儲かると思うが。」

 

「……」

 

「ああ、話が逸れたな。金髪と緑色の二人はあっちに行ったようだ。」

 

「かしこまりました。ディルック様、ありがとうございます!」

 

警備員たちと酒場のオーナーであるディルックが話している間、ウェンティと僕たちはさっきのことについて話していた。

 

「ちゃんと天空のライアーを持ってきたのはいいけど、ちゃんと安全に持ってきてよね。そのせいで守衛に見つかっちゃったじゃないか。」

 

「いや、遠いところから持ってくるのは初めてだから少しミスしただけだよ。でも、見つかっちゃったことは謝るね。

あと、逃げるときに風域が作られてそこを通ってきたけど、なんでウェンティは風域を作れたの?」

 

「実はね、ボクは風神、バルバトスなんだ。」

 

「「ええー!!」」

 

「ちょっと、他のお客さんもいるし、さっき警備員が出てったすぐだから、見つかるといけないから静かにして。」

 

「ごめんね。思わず、目の前に神がいると考えたら、びっくりして。」

 

すると、ディルックがやってきた。

 

「そろそろ、僕の質問に答えてもらおうか。」

 

「あっ、まだディルックのことを紹介してなかったね。こちらはディルック、酒場のオーナーの…そのさらに上のオーナーだ。彼は有名人だよ。ちなみに、ボクは彼のワイナリーの蒲公英酒が大好きなんだ。いつもはグラス売りでしか買えないけどね…」

 

「衛兵から泥棒の話を聞いた。先に言っておくと、天空のライアーを盗む度胸は気に入った。君たちがバカだとしても、かなり珍しいタイプのバカだ。」

 

「こちらは騎士団のスーパールーキーだよ、スーパールーキーにバカって言える?」

 

「スーパールーキー…?ああ、君が。君は、あの吟遊詩人と仲が良いのか?」

 

「そんなには。」

 

「ふむ…旅人の君が、モンドの危機を救ってくれたとは。君のような人材が騎士団に入るなど、もったいない。西風騎士団は…風魔龍の件に関してずっと臆病で、それでいて効率も悪い。外交面も『ファデュイ』に対して弱い上に保守的だ。

ちっ…いい。この話はしたくないんだ。」

 

「ディルックは西風騎士団が好きじゃないみたいだね。」

 

「目指す道が違うだけだ。」

 

「モンドに対して、僕は僕なりの期待を持っている…それで質問に答えてもらおう。なぜ天空のライアーを盗んだ?今、持っているのか?」

 

「本当に知りたいの?騎士団関連のトラブルに巻き込まれるかもしれないよ?」

 

「ふん、トラブルは怖くないさ。僕自身が、その騎士団にとってトラブルの種だからね。」

 

「じゃあ、真実の物語を演奏したら、信じてくれる?」

 

「状況次第で判断する。」

 

そして、もう一度ウェンティから龍の話を聞いた。

 

「先ほどの叙事詩は、一体…

これは重大な秘密のはずだ、なぜ僕に見 せた?」

 

「なぜだろうね?うん、風向きが変わろうとしてるからだろうね。どうかな?ディルック?」

 

「面白い。少し時間をくれ。情報をまとめよう…異邦人、君は騎士団の肩書きがあるから疑われていない。指名手配には金髪としか書れていないから、衛兵は君のところに来ないはずだ。しかし、吟遊詩人…君は酒場から出ないほうがいい。」

 

「それなら問題ないさ! ボクは酒場が大好きだからね。」

 

「……では夜、酒場の営業が終わった後、ここで合流しよう。」

 



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意外で強力な助っ人

アンケートを作ったので、答えてもらえると嬉しいです。




ディルックが風魔龍を助けるために力を貸してくれることとなった。酒場の営業が終了したときに酒場に戻ってきた。

 

「来たんだね。」

 

「ん?君は…リンク?」

 

「…ジンさん?」

 

「先に言っておくと、僕が今回連絡したのは一人だけじゃない。それから、こちらはただの『ジン』だ。『団長』としてのジンではない。栄誉騎士の君でも、そうそう接触できない人物だろう。」

 

「意外だ。天空のライアーの話は聞いていたが、まさか君だったとは…では、ディルックが言ったようにライアーの音で風魔龍が浄化され元に戻るという話は…本当なのか?」

 

「そうだよ!今、この栄誉騎士リンクは風魔龍事件を解決するために、最前線で頑張ってる。さすが騎士団のスーパールーキーだよ。」

 

「違法なことをやらかしちゃったけどな…」

 

「ふん、神話と関わるような荒唐無稽な説明を信じないのも無理はない。だが、問題ない。詩人にもう一度歌ってもらって、この…」

 

「信じるさ。」

 

「頑固な団長様を説得…ん?」

 

「四風守護の東風の龍、トワリン、彼の裏切る理由がどう考えても分からなかった。数百年前のモンドを守る戦争で、毒血の侵食を受け…目覚めた後もアビスの魔術師のせいで腐食を受けたのなら、そうなるのも筋が通る…

…でもこれは『代理団長』の立場としては、絶対に口にできないことだ。『ファデュイ』の圧力のせいで、騎士団が公に風魔龍への善意を示すことは難しい。そんなことをすれば、務めを放棄したと解釈される可能性もある。だから私は、プライベートという形で行動するしかない。」

 

「ふん。そういうところも、騎士団の嫌いな理由の一つだ。ただ、この正体の分からない異邦人をそのまま信じるとは思わなかった…」

 

「先輩のような厳しくて慎重な人でも、この旅人を信用しているではないか?」

 

「だから先輩はやめろ…今回は協力すると決めている。」

 

「それで、今持っている天空のライアーでトワリンを呼べそうか?」

 

「残念ながら、今はまだ無理だよ。

みんなが見た通り、千年の時を経て『風』の力はとうに枯れてしまった。ディルックの酒場で歌うくらいなら、できなくはないけど…この状態じゃ…」

 

「僕の酒場のステージに出演したい歌手はたくさんいる。君の番は到底来ないだろう。」

 

「ディルックの旦那、ツッコミどころそこじゃないよ!

おい!天空のライアーを手に入れたのは、酔っぱらい相手に歌を聞かせるためなのかよ?」

 

「えへっ。」

 

「『えへっ』ってなんだよ…!!」

 

「とにかく、トワリンと話し合うには、これだとまだまだ足りない。でも、問題はライアーじゃなくて、弦の方だ…

君の出番だよ、異邦人!」

 

「僕?ライアーの修理は出来ないよ…」

 

「安心して、君に修理してもらうつもりはないからさ。『風』元素の濃度が、この弦にはまったく足りていないんだ。リンク、君はトワリンの涙の結晶をちゃんと保管してるよね?」

 

「もちろん、ここにあるよ」

 

「これは…リサに頼んでも構造分析出来なかった結晶だ…どうやって浄化することができたんだ?」

 

「それは、自分でもよく分かっていないんだ。」

 

「では、涙の結晶を天空のライアーに落としてみて。」

 

 



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トワリン保護協会結成!

「では、涙の結晶を天空のライアーに落としてみて。」

 

すると、どんどん天空のライアーの色が鮮やかになっていった。

 

「よし、想像通りだ。」

 

「何だか…どんどん若々しくなっていく感じがする。」

 

「団長も一緒にか?」

 

「…天空のライアーの話だ。」

 

「リンクが結晶を浄化してくれたおかげで、何とか天空のライアーの『風』元素がこれ以上枯れることを防いだ。

けど、満タンになるまでまだまだ足りないね。トワリンの涙がもっとあれば…」

 

「手伝うけど、どうやって涙の結晶を集めるの?」

 

「まさか…殴ったりして泣かせるわけじゃないよな…」

 

「そんなかわいそうなことしないでよ。」

 

「今でも、トワリンは泣いてる。苦しみを抱えて、人気《ひとけ》のないところでね…」

 

「トワリン…」

 

「かわいそうだね。」

 

「これは栄誉騎士だけが抱える問題じゃない。私たちもすぐ行動に移そう。涙の結晶を入手したら、また栄誉騎士リンクに浄化を依頼させてもらおう。」

 

「任せて」

 

「うん…いいね。英雄たちが互いを信じ、一緒に旅に出る展開、最高だ。

この曲でみんなを見送ろうかな…」

 

「おい、おまえ…サボって口だけ出すつもりか?」

 

「弦を弾くのには、手も必要だけど?」

 

「うぅ、ムカつく。よし…決めた!お前のことを『吟遊野郎』って呼ぶぞ!」

 

 

 

そして、千風の遺跡に行き、ディルックが探している風神の『息』が入った小瓶を探していることや、ジンやディルックは昔、亀を飼っていたことについて話しながら風魔龍の涙を見つけた。

その後モンドの各地を周り十分な量の涙が集まり、アカツキワイナリーに集合した。

 

 

 

「おおー!『トワリン保護協会』!再集結!」

 

「さあ、集めた結晶を出して。はっ…結晶の色がますます濁ってる…トワリン…一体どんな苦しみを…

とにかく、まずはこれらの結晶を浄化しよう。異邦の旅人、お願いだよ。」

 

「この目で見ていなければ、とても信じがたいが…」

 

「面白い。まるで酒のろ過のように、澄み渡っていく。」

 

「これだけあれば十分だ。次は…」

 

「やった!」

 

「前とは全く違う感じがする。」

 

「風元素、活発になってきたね。これなら問題ないはずだ。リンク、ありがとう。」

 

「それで、どこで風魔龍を呼べばいい?

モンド城内はダメだ。失敗したら、取り返しのつかない事態になる。このワイナリーも…」

 

「ああ、ワイナリーがなくなっても大した損害にはならないが、やめたほうがいい。」

 

「……」

 

「海風、もしくは高いところを吹く風は、詩人の歌声を遠くまで運んでくれるんだ。逆に空気が乾燥していたり、重かったり、憂鬱な雰囲気はダメだ。詩人だけでなく、それは龍にも失礼でしょ?」

 

「なるほど、海風、もしくは高いところを吹く風、だな?うーん、演奏に向いてるところは…」

 

「崖?」

 

「星落としの湖から東、砂浜の南に山地がある。

 

「あっ!こないだおまえが寝てた砂浜だよ。」

 

「山の伸びる方向に沿って登ると、星拾いの崖というところに着く。詩人、君が希望する海風も高いところを吹く風も、そこでなら条件を満たせるだろう。」

 

「ふむふむ、星拾いの崖ね…。…確かにいいところだね。ボクの歌声に相応しいよ。」

 

「では、準備して星拾いの崖に集合しよう。みんな、遅刻しないように。」

 

「了解だぜ、団長!」

 

「あっ、すまない、つい…」

 





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トワリン救出作戦

全員が星拾いの崖に集合した。

 

「よし、揃ったな。」

 

「ここ、景色が綺麗だな。」

 

「『運命の再会』というテーマに相応しいでしょ?」

 

「じゃあ、そろそろ準備を始めるよ。」

 

「ああ、どんな結果が待ち受けていようと、少なくとも転機は見えてきた。ここ最近、モンドは様々な問題を背負いすぎた。」

 

「だが、まさか問題を解決してくれるのが旅人と詩人になるとはな。ああ、騎士団も少しは役に立ったか。」

 

「はいはい、みんな少し離れて一

この世で最も優れた吟遊詩人が琴をつま弾くよ。」

 

ウェンティが琴を弾くとトワリンが現れた。

 

「君か。今さら…話すことはない。」

 

「そうかい?ボクの見間違えだったのかな。君の目は、この曲を懐かしんでいるように見えるよ…」

 

「フン…」

 

「まさか、本当に…話が…」

 

すると、どこからか攻撃が飛んできて、天空のライアーが壊れてしまった。

 

「おい!吟遊野郎!」

 

トワリンの後ろからアビスの魔術師が現れた。

 

「そいつに騙されるな、憐れな龍よ…そいつはそなたを捨てた…ほら、今もまたあなたのことを騙しにきた…」

 

「バルバトス…!」

 

「憎み、憤るといい…」

 

「そなたはモンドを敵にしてしまった。もう、戻れぬ…」

 

「そいつらは……君と共に……我を殺しに来たのか!?」

 

「違う!!」

 

「バル…ウェンティ殿、自分の身を守ってください。」

 

「この龍は、真の主に仕えるべきだ…」

 

「そなたたちはここで、自分の無力さを嘆くがいい…」

 

そして、アビスの魔術師とトワリンは行ってしまった。

 

「トワリン…」

 

しばらく、沈黙が続き、ウェンティの気が落ち着いたところで話し始めた。

 

「リンク、ジン、さっきは守ってくれてありがとう。ははっ、ボクの正体はとっくに分かってるんだろう?ジン。でも、その名前でボクを呼んでくれてありがとう。」

 

「天空のライアーはどうなった?まだ弾けそうか? …それか、龍の涙でまた直せそうか?」

 

「ふむ…こんな風に壊されたら…もう無理かもしれないね。」

 

「ヤツをこのまま取り逃がすわけには…腐食の根源を倒さないと、 トワリンが受ける苦しみは減らないと思うけど…」

 

「その通り。だから、倒しに行かなければならない。」

 

「じゃあ、偵察騎士を招集して追跡を…」

 

「その必要はない。」

 

「ん?」

 

「少し前に四風守護の神殿遺跡で、そいつの同類をこの手で斬ったことがある。」

 

「え!?それっていつ……」

 

「あの怪物たちを追跡するなら、僕の情報網と手口があれば事足りる。」

 

「ディルックの旦那…騎士団が嫌いなのに、自分のやり方でモンドを守ってるんだな……」

 

「パイモンちゃんの口調が急に愛に溢れ始めた…!」

 

「ふん。とにかく、僕の情報を待つといい。ヤツらに分からせてやる。アビス教団がどれだけ好き放題な連中でも…モンドでは、やってはならないことがあるとな。」





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アビスの魔術師の痕跡を辿る

天空のライアーでトワリンを呼ぶことに成功したが、トワリンの心を取り戻すことは出来なかった。その後、ディルックは新たな手がかりを入手した。

 

「アビス教団…人類の目の敵にする怪物たち、地下の情報網でも奴らの情報は滅多に掴めない。少し面倒だったが、何とか手がかりを手に入れた。」

 

「もう手がかりを掴めたのかい?さすが顔の広いディルックだね。」

 

「そういえばさ、風神バルバトス様はなんで人間の力を借りてるんだ?」

 

「ははっ、どう説明したらいいかな。人々の言う七神、その本質は『俗世の七執政』というべきなんだ。俗世を七つに分け、それぞれが治める、それがボクたち神としての責務。神の責務を果たすことで神の力を蓄えるだけど、ボクは統治とか嫌なんだ…モンドの人々もそういうの好まないと思うし…」

 

「『君たちが王のいない自由な城を作ればいい』一バルバトス様の理念を私たちはちゃんと覚えている。」

 

「ジン団長ってば信仰深い!単に誰かさんが自由すぎて、仕事をサボっていただけとか考えないんだ。」

 

「コホン、とにかく、こんなに長くモンドに戻ってなかったボクのことだ…

今のボクは紛れもなく、七神の中でも最弱だよ!」

 

「確かに、僕に天空のライアーを盗ませたり、簡単にアビスにやられているところを見ると、そうかもね。」

 

「そんな〜…ひどいこと言わないでよ〜」

 

「はぁ…こんな風神様がいるとは、いいんだか悪いんだか。

七国と七神の話はさておき、まずは人類共通の敵について話そう。今回調べたアビスの魔術師の痕跡は、ワイナリーのすぐ近くにあった。」

 

「そいつを取り逃がしてはいけない。」

 

「じゃあ、今すぐ行こう!」

 

ディルックに言われたところに行くと、アビスの魔術師がいた。

 

「あそこにいるな。」

 

「全員、一斉攻撃だ!」

 

「おう。」

 

「ちょっと待って。僕が持っているシーカーストーンの機能の一つを使ってみたいんだ。」

 

「どれのことだ…あっ!リモコンバクダンだな!」

 

「うん、倒せなかったら、ジン団長、ディルックさん、倒してほしいな。」

 

「おお、話には聞いていたが、すごいものみたいだな。もちろん、僕はいい。」

 

「爆弾と聞くと、クレーのことを思い出すな…。私も大丈夫だ。」

 

「じゃあ、まずこっそり近づいてバクダンを設置して、離れて起爆すると…」

 

すると、一瞬でアビスを倒すことができた。

 

「よし!倒すことが出来たぞ!威力は強いみたいだな。」

 

「ああ、その爆弾は威力が高く、敵に使うには十分な威力だが、人に投げると、もしかすると即死かもしれないな。」

 

「確かにすごい威力だが…城内では使わないでほしい。他の市民に危害を与えるかもしれないからな。」

 

「もちろん、城内では使わないよ。敵に使うものだからね。」

 

「魚は爆破しないのか…?」

 

「え?」

 

「はいはい、お話はそこまで。アビスを倒したあと調べてみたら、何かエネルギーが散らばった…。このエネルギーは、ボクとトワリンの繋がりを根絶させるためのものみたいだ。

…………

『風龍廃墟』を知っている?」

 

「んー?知らないかな。」

 

「そう、でもジン団長とディルックなら知ってると思うんだ。今のトワリンは、その廃墟を巣にしている。

モンドの周りを封鎖する暴風のように、廃墟の入口にも特殊な障壁があるんだ。

でも今、アビスの魔術師から散ったエネルギーを使うことで、魔力の織りなす韻律をボクは読み解くことができる。その韻律はヒルチャールの合唱より耳障りだけど…それでも暴風の障壁を突破して、『風龍廃墟』の内部に行くには十分だ。」

 

「つまり、トワリンに正面から挑むのか?僕は異論ないが…戦いを回避したいと言っているのはジンだ。」

 

「いや、選択肢がない以上、私がその責任を背負う。もし、トワリンの討伐が唯一の救いの道であるなら、私が先陣を切る騎士となろう。」

 

「大丈夫、まだその段階までは行ってないよ。」

 

「ん?」

 

「ウェンティ殿、それは…」

 

「つまり、天空のライアーは切り札じゃないってことさ。本当の切り札はリンクだよ。」

 

「リンクが?」

 

「トワリンを爆発させるの?」

 

「そんなことしたら、トワリンが死んじゃうよ〜。

リンクはトワリンの涙を浄化することができたよね?」

 

「うん。」

 

「涙の結晶にあった不純物とトワリンを取り巻く呪いは、同じ類の邪悪なる力だ。だからさ…」

 

「吟遊野郎、それは危ないだろ!トワリンが激怒した時のことを思い出してみろ。動く前にトワリンに食われるぞ!」

 

「強いから大丈夫だよ。」

 

「でも…」

 

「…ふっ。面白い計画だ、やって見る価値がある。」

 

「私も共に行くぞ、栄誉騎士。何かあったら、私が守ってみせよう。」

 

「ディルックもジン団長もいるなら安心だな。敵は…アビスの怪物と龍!威圧感がすごそうだな。」

 

「人間にだって人間の本気がある。さあ、行こう。」

 

「よし、英雄の詩篇も、いよいよ決戦の章だ。」





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風龍廃墟突入

風龍廃墟へ続く道を進み、風龍廃墟を包囲している暴風の障壁の前に着いた。

 

「暴風の障壁だ!うわぁ…もし、これに巻き込まれたらケガじゃすまないぞ。」

 

「任せて。今は普通のライアーしかないけど、これくらいの風の障壁なら『天空』を使うまでもない…って、ん?何あれ?」

 

「ヒルチャール!?」

 

「みんな離れて!」

 

僕はここまで来るまでに敵の拠点があるのを見ていたので、こっそりリモコンバクダンを置いてきた。ウェンティが僕たちに付いてきていたヒルチャールを見つけてくれたおかげで、リモコンバクダンを敵に命中させることが出来た。

 

「やっぱり一発で倒せたね」

 

「お前、どこにバクダンを置いていたんだ?」

 

「途中に敵の拠点があったから、一応置いてきたんだ。」

 

「栄誉騎士は周りも見ることも出来るのか…」

 

「とりあえず、周りに敵がいなくなった感じだね。ヒルチャール…普通は元素濃度の高いエリアでしか活動しないんだけど。ここにいたら、体への負担が大きいはずなのに…」

 

「アビス教団が裏で手を回したんだろう。しかし、僕たちがここに来ることに確証はなかったはずだ。僕たちの行動を阻止するため、おそらく教団はあちこちに兵を投下している。」

 

「じゃあ、早速…

今回の観客は『風』だけだし、弦を弾くスピードを速めてもいいよね。」

 

ウェンティが弦で弾くと障壁が崩れた。

 

「わっ、本当に進めるようになった!お前もたまには役に立つんだな、吟遊野郎。」

 

「ここからが本当の『風龍廃墟』だ。みんな気をつけてくれ。」

 

 

崩れた壁の中から道を慎重に探しながら進んだ。

 

「ここが風龍廃墟の正門だな。

オイラたちにとっては巨大だけどろトワリンみたいな大きな体で、どうやって巣まで戻るんだろうな?」

 

「人みたいに歩くのではなく、彼は飛べるからね。」

 

「確かに、トワリンは飛んでいたな。でもどうやって中に入るんだ?」

 

「ほら、屋根に大きな穴が空いているだろう?トワリンはそこから中に入るんだ。僕たちもこの先は行き止まりだから、あそこの風域を利用して入ろう。」

 

「うん、回り道になるけど行こう。」

 

 

「この廃墟に、アビスの魔術師が隠れてたりしないよな?も…もし出くわしたら、そこは勝ったことのあるディルックの旦那に…」

 

「相手を甘く見ない方がいい。あいつらには、予想外の手が残されているかもしれない。」

 

「そうだね、だからボクも君たちと共に行動すると決めたよ。君たちの安全のためにね。」

 

「やっと吟遊野郎が神としての責務を果たしているな。涙の結晶を集めるときはお前だけ酒場にこもって酒を飲んでいたからな…」

 

「あそこに風域があるよ。上まで行けるかも…」

 

風域に従って、塔の頂上に着くことができた。





アンケートがあるので、答えていただければ嬉しいです。


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閑話 ゾーラの里での一件

まもなくとうとうトワリン戦に入ると思うので、その前にゼルダ目線を書いておこうと思います。


私はダルブル橋でリンクと分かれたあと、ゾーラの里に着いた。

 

「ようこそ、ゼルダ姫。はるばるゾーラの里へお越しくださいました。今日はリンク様がいらっしゃいませんが、どうされましたか。」

 

「そんなにへりくだらなくていいですよ。リンクは今日、ダルブル橋付近にある、開かれていない祠の調査をしているので、私は護衛を連れてヴァ・ルッタの調査をするために来ました。」

 

「はい、事前にお手紙を頂いていたので存じております。どうぞ、宿屋でお休みください。シド様を呼んで参ります。」

 

しばらく宿屋で休んでいるとシドがやってきた。

 

「ゼルダ姫、ようこそゾーラの里へ!」

 

「久しぶりだね、シド。」

 

「はい!お久しぶりです!今日は共にヴァ・ルッタの調査をしましょう!」

 

「はい、では出発しましょうか。今日はシドがいるから、護衛のあなた達はゾーラの里でお休みになっていていいよ」

 

「「はっ!」」

 

ヴァ・ルッタへの移動中…

 

「ゼルダ姫、姉さんとはどのような関係でしたか?」

 

「そうですね…とても仲良く他愛のない話をしていましたよ。ミファーもよくシドについて話してして、毎日楽しそうにしているのが伝わって来ましたね。」

 

「そうですか。それは良かったです!僕のことも姉さんは話していたんですね!とっても嬉しいです!」

 

「さあ、ヴァ・ルッタに着きましたよ。今日はシーカーストーンをリンクに渡しているので持っていないので、エネルギーの残量などを見ましょうか。」

 

「はい!分かりました!」

 

ヴァ・ルッタ内にある画面でエネルギーの残量について確認し、戻ってきた頃にはお昼を回っていた。

 

「ゼルダ姫、お腹は空いていませんか?ゾーラの里でお昼ごはんを用意しています。」

 

「確かに、お腹が空いて来ましたね。では、ゾーラの里に戻って食事を頂きましょうか。」

 

「はい!では参りましょう!」

 

ゾーラの里に戻る最中もシドにミファーのことについての質問攻めだった。それは食事中も続いた。

 

「ごちそうさまでした。とっても美味しかったです!」

 

「それは良かったです。これからはどうされますか?」

 

「ドレファン王に謁見してリンクと合流し、ハイラル城に帰りたいと思います。」

 

「分かりました。では参りましょう。」

 

 

「ゼルダ姫、ようこそ、ゾーラの里へ。先程はヴァ・ルッタの調査お疲れさまでした。」

 

「ありがとうございます。ドレファン王、最近はゾーラの里の調子はいかがですか。」

 

「はい、ゼルダ姫のご支援により、活気があり、誰も具合が悪い人はいません。リンク様はいかがお過ごしですか。」

 

「リンクは私と共に色々な村を周ることで寡黙ではなくなりました。リンクも意見を出してくれるようになり、私も嬉しくなっています。」

 

「リンク様が話すようになったんですか!?」

 

「はい。多くのことを経験した彼なので、私よりもとっても強く見えますよ。」

 

「それはよかったです!このあとハイラル城にお戻りになる事をお聞きしたので、お土産にゾーラの里で作られた服をどうぞ受け取って下さい。」

 

「はい!ありがとうございます!では、そろそろ出発します。」

 

「本日はゾーラの里に来ていただき、ありがとうございました。」

 

そして、ゾーラの里を去った。

 

「リンクが言っていた通り、ミファーについてたくさん聞かれてしまった。よかった、事前に思い出しておいて。」




ゼルダとシドの関係はリンクとシドの関係にしてしまうとゼルダの王女感が出なくなってしまうので、敬語にしたら、シド感が無くなってしまいました。すいません。
途中、色々な人の語尾がおかしいところがあるかもしれませんが、大目に見ていただけるとうれしいです。おかしいところがあれば、誤字報告で報告していただけるとうれしいです。

アンケートがあるので、答えていただければうれしいです。


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閑話 リンク大捜索

前回に引き続きゼルダ目線の話を書きます。


やがてダルブル橋に着き、集合時間となる15時を過ぎてもリンクはやってこなかった。

 

「リンクはいつもは時間を守るのに今日は遅いな〜。祠に行ってみようかな。」

 

祠に着くとリンクの姿がなかった。

 

「どこに行ったんだろう?祠は開いてないから、入っていないと思うけど…あっ、ここに紙が落ちているね。これは、祠の絵?開いている絵が描いてある…ということは…ここにリンクが入って行って出れなくなったの!?いや、リンクのことだから、そんなことはないと思うけど…あなたたち、周囲にリンクがいるか調べて!あと、他の騎士も捜索するように伝えて!」

 

私も周りを探したが見つからず、遅くなってしまったのでハイラル城に戻ることとした。

 

 

一週間後…

 

 

未だリンクは見つからず、シーカーストーンも無いため、祠や塔について調べることができず困っていた。

 

「やっぱり祠に閉じ込められたと考えるのが妥当なのかな。でも、開けることもできないから、帰ってくるのを待つしかない…とりあえず、リンクがいなくても成り立つ政治を行わなければ国民が困ってしまう。今すぐ作らなければ。」

 

作っている最中、シド、テバ、ユン坊、ルージュが話を聞きつけて来てくれた。

 

「ゼルダ姫!リンク様がいなくなったことは本当ですか!?」

 

「本当だよ…あのゾーラの里に行ったときに分かれたっきり会ってないんだ。」

 

「こちらも、全員リンク様を探すために色々なところを行っていますが、未だ見つかっていません…」

 

「どうするゴロ…」

 

「リンクを見つけるのは騎士に任せているので、今は政治をどうするか考えているんだ。」

 

「では、私も協力します!」

 

「ありがとう、ではここはどうすればいいと思う?…」

 

 

 

 

その頃、リンクは…

 

「パイモン、この世界はなんて言う世界なの?」

 

「この世界はテイワットって言って、7つの神が治めているんだ。7つの神それぞれ元素を持っていて、風、岩、草、火、水、雷、氷があるんだ。今いる国は風の神が治めている『モンド』っていう国だぞ!…」

 

 

 

 

「よし、みんなが手伝ってくれたおかげで早く作ることができたよ。ありがとう。」

 

「いえいえ、リンク様がいなくなってしまい、一番悲しんでいるのはゼルダ姫だと思いますので、これからも協力していきましょう。」

 

「ありがとう。」

 

「また、何かありましたら、お呼びくださいね。」

 

そして4人が帰っていった。

 

「彼らも大変だと思うのに、私のためにきてくれてとってもうれしいな。リンク…早く帰ってきて…」




ところどころ変かもしれませんが、大目に見てもらえると嬉しいです。

アンケートがあるので、答えてもらえると嬉しいです。


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トワリン救出作戦ー2ー

風龍廃墟の入り口が光の封印によって塞がれていた。

 

「これ以上は行けないね!この遺跡には古い封印が施されているみたいだ。」

 

「これもトワリンの仕業か?」

 

「違うよ。この廃墟は古代都市で、トワリンが一時的に身を置いているに過ぎない。廃墟自体、四風守護の時代よりもずっと古いものなんだ。モンドは王がいない都市だったけど、モンドができる前はある暴君がここを統治していたんだ。また機会があったら君たちにもその物語を聞かせるよ。

さあ、リンク、君はさっきリモコンバクダンを使っていたね?それで爆発してみよう!」

 

「えっ!こういうものは何かを操作して封印を解除するもんじゃないの?」

 

「まあ、とりあえず、やってみてよ!」

 

「じゃあ、みんな離れて…今回、頑丈そうだから、2つとも同時に爆発させてみるか」

 

起爆させると、3つあった封印があっという間に壊れた。

 

「それってどんだけ強力なんだよ!そんな人に向けて爆発させると絶対死ぬぞ!」

 

「だから、人がちゃんといないことを確認してから起爆させるからだ大丈夫だよ。」

 

「それで爆発させるとトワリンもビビるだろうな…」

 

「今回はトワリンを助けるんだよ?そんなことしたらトワリンがかわいそうじゃないか!」

 

「だから、絶対にやらないよ。」

 

「トワリンを助けることができたらこのことを詩にしたいと思う。」

 

「とうとう、トワリンのいる遺跡に入るんだな…」

 

「リンク、今日の調子はどうだ?私はいつでも最高の状態だ。きっと、みんなの力になれるはずだ。」

 

「ディルックはどう?」

 

「ああ、いつでも大丈夫だ。」

 

「では、リンク、モンド千年の風が君と共にあらんことを。ボクは前回と同じように、君に『風』元素の力を導くよ。」

 

「うん、僕も頑張るよ」

 

トワリンとの戦闘中…

 

「リンク、トワリンの頭のところにある穢れた不純物が固まっているのを見えるかい?」

 

「うん、見えるよ。」

 

「それを攻撃して取ってあげて。…でも、絶対にリモコンバクダンは使わないでね!」

 

「分かってるよ。あの不純物を壊せばいいんだね!」

 

「リンク、私も応戦するぞ。」

 

「ああ、僕も本気を出すときが来たようだな。」

 

「よし!みんなで頑張ろう!」

 

そしてトワリンから不純物を取れた瞬間、地面が壊れてみんなが落ちてしまいそうになったとき、トワリンが助けてくれた。

 

「こういう風に一緒に飛ぶのは久しぶりだね、トワリン」

 

「さきほど、何故、昔のように我に『守れ』と命令しなかった…」

 

「君にアビスの言いなりになってほしくなかった。でもだからと言ってボクの命令に従ってほしいわけでもない。

神に命じられた『自由』はある意味『不自由』だろう?」

 

そしてウェンティは何かの力をトワリンに授けた。

 

「これは…風神眷属の力か? しかし、我はもう『四風守護』ではない…」

 

「肩書きがなくても、君はボクたちを守ってくれたじゃないか?

これからは、ボクの祝福と共に もっと自由に飛ぶといい…」



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モンドの安寧の訪れ

その後ジン団長は先に帰り、騎士団を代表して市民たちの誤解を解き、事件が解決したことを知らせたが、市民たちは多くの疑問と不安を感じている。そこで、僕はモンド城に帰り、市民たちに話そうとしたところ、城門にアンバーに会った。

 

「アンバー、こんなところで何やってるの?」

 

「ちょっと、厄介な任務があってね…ほら、見て、今はこれらの後片付けをやっているとこ。」

 

「モンドに何かあったの?」

 

「うん…ジン団長がいない間に、近くの魔物たちが『総攻撃』を仕掛けてきたの。幸い前々から私がヒルチャールの動向を探っていたし、ヤツらの拠点がモンドに近づいてきていることには気付いていたから良かったけど。」

 

「モンドが無事で良かったね」

 

「そうだよ。でも、ガイア先輩は何か用事があるって何も手伝ってくれなかったんだ…」

 

「そうなの?ガイアは神殿のときも一番遅かったし、そういう人なのかな。」

 

「確かに、そうかも…」

 

「そういえば、今回はヒルチャールがほとんどだったんだよね?」

 

「うん、そうだよ。」

 

「じゃあ、今回の総攻撃はアビス教団が指揮をしたんだろうね。アビス教団はジン団長がいないことも知っていて、ヒルチャールにはそんな指揮能力はないから、今後はアビス教団の動向も探っといたほうがいいんじゃない?」

 

「確かに、それはずっと疑問に思っていたんだ。あんたの考えは筋が通ってるから、本当っぽいね。あんたの言うとおり周辺のアビス教団の動向も探っておくね。ご忠告ありがとう。あっ!まだ、あんたたちに『ニンジンとお肉のハニーソテー』をごちそうしていなかったね。」

 

「おいらはちゃんと覚えていたぞ!」

 

「この後片付けが終わったらすぐ行くから鹿狩りで待ってて」

 

「やったー!おいら、お腹ペコペコだぞ!」

 

「じゃあ、先に行っておくね。」

 

その後、アンバーと一緒にご飯を食べた。

 

「そういえば、吟遊野郎は何してるのかな?行ってみようぜ!」

 

「吟遊野郎って誰のこと?」

 

「あの、『モンド城で一番愛される吟遊詩人』を三期連続で優勝したウェンティのことだよ。」

 

「わざわざ勝手にあいつが言っていることを正確に伝えなくていいぞ!」

 

「ああ、よく広場で他の人とは違う物語を弾いている吟遊詩人のことだね?」

 

「うん。今回の風魔龍事件の解決の鍵になったんだよ。」

 

「えっ!あの詩人が?噂では彼が弾いている物語は嘘っぽいって言うのに?」

 

「なんでそんな噂があるんだろう…本人についでに聞いてみるよ。じゃあ、またね!」

 

「うん!」

 

僕たちは広場に行ってみたが、ウェンティはいなかった。

 

「あれ?おかしいな。いつもはここで弾いているはずだけど…」

 

「君たち、あの吟遊詩人を探しているのかい?あの詩人だったら風立ちの地に行ったよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

風立ちの地に行くと、ウェンティがいた。

 

「なんで今日は広場で弾いていないの?」

 

「やっぱり来たんだね。君たちがボクと話せるように人がいないところを選んだんだ。で、どうしたの?」

 

「アンバーが他の人たちとは違う物語を弾いているって言ってたんだけど…」

 

「あーそれはね、ボク以外の詩人が弾く物語は昔あったことを美化して弾いているんだ。それに対してボクはあったことをそのまま話すからみんなとは違うんだろうね。」

 

「確かにウェンティは昔からいるからそんなことができるんだね。」

 

「みんなは風の神がすごい人みたいな感じだけど、その偉大な風の神がこんな吟遊詩人だったらどんな反応をするんだろね。でも、誰も信じてくれないだろうけど…」

 

「ははっ。今信じているのはジン団長やディルックさんぐらいだもんね。」

 

「他に聞きたいことはない?」

 

「次はどこに行けばいい?」

 

「君はハイラルって言う世界を探しているんだよね…隣にある岩の国の『璃月』はどうかな?あそこの神も昔からいるから色々なことを知っているかも知れないよ?」

 

「じゃあ、少しモンドに留まってから行こうかな。」

 

「そうそう、岩の神はボクとは違って、自ら璃月全域を治めてるんだよ。だから、モンドで言う西風騎士団である『千岩軍』があらゆるところにいるから、道に困ったらきっと教えてくれるよ。」

 

「うん!ありがとう!」

 

「あと、リンク…君が再び旅に出た時、旅そのものの意味を忘れないでほしい。

テイワットの鳥や歌、魔物や人との出会い…みんな君の旅の一部だ。終点は全てを意味するわけではない。終点に辿り着く前、君の目でこの世界を観察するといい…」



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モンド散策
デイリー任務


ウェンティと話したあと、モンド城に帰ってきた。すると、何やら僕たちを呼んでいる声がした。

 

「リンクさん、こんにちは。私はキャサリンと申します。」

 

「こんにちは、ここは何をするところなの?」

 

「ここは冒険者協会モンド支部です。このテイワットには多くの冒険者がいます。冒険者の方々を管理しているのが冒険者協会です。」

 

「へぇー。それでどうしたの?」

 

「あなたは栄誉騎士として、モンドのために大きなことをされましたので、もしかしたら冒険者協会に届いている依頼についても手伝ってもらえないかと思いまして…」

 

「もちろん!みんなのために頑張るよ!」

 

「ありがとうございます。では、冒険者として登録をさせてもらいますね。あと、冒険者になると冒険ランクというものがあります。デイリー任務や宝箱、他の方々の依頼などをこなしていくと上がるものとなっております。ランクが上がると冒険者協会から報酬が出ますので頑張って下さい。」

 

「デイリー任務って何?」

 

「はい、旅人さんはシーカーストーンというものをお持ちですね?」

 

「えっ!なんで知ってるの?」

 

「もちろん、モンドを救った英雄なのですから、情報が入ってきますよ。それで、そちらのシーカーストーンに毎日住民の方々から来た依頼内容を送らせてもらうのでそちらを見て任務を行ってもらえれば大丈夫です。毎日4つの依頼をお願いするので、4つすべて終わったら冒険者協会に来ていただけると報酬をお渡しします。」

 

「(何故シーカーストーンに送れるんだろう?)

毎日依頼が送られて来るのをやって、終わったらここに来ればいいんだね?」

 

「はい。とりあえず今日はお試しとして1つの依頼をやってもらえますか?」

 

「うん。分かったよ。」

 

「では、依頼内容をお送りしますので、そちらの依頼をお願いします。」

 

「うん、じゃあ行ってくるね。」

 

「はい。では、『星と深淵を目指せ!』」

 

 

「(本当に送られてきた…)

えっと…『清泉町』っていう街の狩人さんのお手伝いだって。」

 

「おー!清泉町だな。あそこは多くの狩人がいるんだぞ。じゃあ、付いてきてくれ!」

 

 

「清泉町に着いたね。えっと、依頼人は…『ドゥラフ』さんだって。周りの人にいるか聞いてみよう!

あの…すいません。この町にドゥラフさんっていらっしゃいますか?」

 

「いかにも、私がドゥラフだが、どうした?」

 

「冒険者協会から来たリンクと申します。依頼とは何でしょうか。」

 

「ああ、冒険者協会から来たのか。今、ちょっと困っていることがあってね。私は狩人のリーダーなのだが、イノシシを狩りに行かせようと思っていたんだが、道中に魔物がいて、ここ数日は狩りに行けていないんだ。」

 

「そうなんですね。では僕が責任を持って魔物を倒してきます。」

 

「ああ、お願いするよ。あっ、でもここらへんにいるイノシシは計画的に狩ったりしているから、殺さないでおくれ。」

 

「分かりました。では行ってきます。」

 

 

お願いされたところに着くとヒルチャールたちがイノシシを狩り、焼いて食べていた。

 

「あー、イノシシたちが狩られちゃってるね。」

 

「急いでヒルチャールたちを倒そう!」

 

 

そしてすぐに倒すことが出来て、ドゥラフさんのところまで戻ってきた。

 

「おかえり。魔物を倒して来てくれたか?」

 

「はい。倒すことは出来ましたが、ヒルチャールたちにイノシシを狩られてしまっていました。」

 

「そうだったか…でも、報告ありがとう。はい、これが報酬だよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「とりあえず、一つ終わったな!これを毎日頑張ろうぜ!」

 

「うん!初日だったから少なかったけど、明日からは4つあるから大変になるけど、みんなのためになるんだったらできるね!じゃあ、冒険者協会のところへ戻ろう!」

 

 

「ただいま!」

 

「星と深淵を目指せ!ようこそ、冒険者協会へ。」

 

「終わったよ!」

 

「ありがとうございます。そのように毎日やっていただけると助かります。こちらが報酬です。」

 

「ありがとう!じゃあ、また明日!」

 

「はい。お待ちしております。」



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天然樹脂と特別な宝物

UA数5000回行きました。皆さん、読んでいただきありがとうございます。
これからも暖かい目で読んでいただけると幸いです。
アンケートの結果、帰らぬ熄星を書こうと思います。皆さん、アンケートに答えていただきありがとうございました。


前回、書き忘れていましたが、冒険ランクが上がると前か後書きに書こうと思います。
今は飛び級をしてランク5です。


「そういえば、リンク。聖遺物って知ってるか?」

 

「せいいぶつ?」

 

「ぷぷっ、リンク。なんか言い方が変だぞ!聖遺物だぞ!」

 

「聖遺物?」

 

「うん。そうだぞ。聖遺物っていうのはリンクの力をより強くするための宝物だぞ!聖遺物には種類があって、生の花、死の羽、時の砂、空の杯、理の冠の5つを同時に着けることができるんだ。さらに繋がりのある聖遺物が集まると強力な効果を得ることが出来るんだ。今、おいらが持っている聖遺物は弱いけど、着けてみてくれ。」

 

「うん…少し強くなった気がするよ。」

 

「聖遺物にはランクがあって今渡したのは星3の聖遺物の『勇士の心』って言うものだ。今、全て『勇士の心』を着けてるから、2つ集まったときに得られる効果の攻撃力+18%と4つ集まったときに得られる効果のHPが50%以上の敵に対するダメージ+30%が付いているぞ!」

 

「『勇士の心』以外にも聖遺物はあるの?」

 

「そうだぞ!秘境に行って敵を倒すと報酬として聖遺物をもらえるんだけど、もらうためには特別な物が必要なんだ…」

 

「それはどこでもらえるの?」

 

「実はね…じゃーん!これは『天然樹脂生成器』だ!これを持っているだけで時間が経つと『天然樹脂』が作られてその天然樹脂を使うと秘境報酬を受け取ることが出来るんだ!」

 

「おー!それはすごいね!どれくらい待つと天然樹脂が作られるの?」

 

「8分に1個作れるぞ!」

 

「じゃあいつでも秘境に行って報酬をもらえるんだね!」

 

「実は、違うんだ…報酬を受け取るためにはその天然樹脂が20個いるんだ…」

 

「ということは一回ごとに20個いるの?」

 

「そうだぞ。でも、リンクがもっともーーっと強くなると敵も強くなってもらえる報酬も多く、より強くなるぞ!頑張って強くなろうな!」

 

「でも、寝ている間にたくさん貯まるから、数日待ってから一気に使おうかな。」

 

「お前…実はな、貯めれるのは160個までなんだ…」

 

「ええっー!じゃあ、貯まったらすぐ使わなきゃいけないってこと!?」

 

「もしかするとリンクが冒険を続けていると改良が出来るかもしれないから頑張ってくれよ。」

 

「まぁ、僕がより強くなれるなら、いっか。じゃあ、早速取りに行こう!」

 

「リンク、残念ながらまだ行けないんだ。」

 

「えっ!?なんで?」

 

「昨日冒険者協会で説明された冒険ランクがあるだろ?ランク22にならないと行ってはいけないことになってるんだ…」

 

「じゃあ、それまではずっと天然樹脂が作れないってこと?」

 

「いや、違うんだ。天然樹脂は他にも使う方法があるんだ。それは『地脈の花』だ。………あっ!それもランク8以上じゃないとだめだ…」

 

「えー!今の冒険ランクは5だから、あとちょっとだね。デイリー任務をコツコツやって上げてから天然樹脂を使おうかな。」

 

「あと、聖遺物は強化することも出来るから今は渡した聖遺物を強化して強くなることも出来るぞ!」

 

「そうなんだ、じゃあ強化しながらランク8まで上げようかな。」

 

「でも今までもずっと溜まってたからいままでと一緒だから大丈夫だぞ!」

 

「そういう意味ではないけど…まあ、今日からデイリー任務本番だから頑張ろう!」






無理矢理天然樹脂を追加してみました。
この『天然樹脂生成器』は『物質変換器』みたいな感じでいいなと思いました。
次回も『あるもの』を無理矢理追加してみようと思います。


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パイモンの秘密の場所

「そういえば、ちょっとリンクを連れていきたい場所があるんだ。」

 

「うん、どこに行きたいの?」

 

「それは秘密だぞ!目をつぶって10秒数えてくれ!」

 

「1,2,3,…」

 

するとどこかにワープした感じがした。

 

「…,7,8,9,10!目を開けていい?」

 

「いいぞ!」

 

「あれ?ここはどこ?」

 

「ここはおいらの秘密の場所だぞ!」

 

「で、ここに何しに来たの?」

 

「この前、冒険者協会からもらった原石っていうものがあるだろ?」

 

「うん。」

 

「これを使って色々な『祈願』が出来るんだ!」

 

「『祈願』って何?」

 

「例えばこの祈願を引いてみてくれ!」

 

引いてみると何やら武器がもらえた。

 

「武器がもらえたよ?」

 

「そうなんだ!この祈願は武器や他の人になれる服とかがもらえるんだ!

おいらも仕組みは分からないけれど…なぜかもらえることが出来るんだ!」

 

「(なんで仕組みは知らないのにやり方が分かるんだろう。)」

 

「どうしたんだ?」

 

「ううん。何でもないよ。何がもらえるか分かるの?」

 

「ここに看板があるだろ?これに書いてあるものがもらえるんだ。1番右にあるものはいつでももらえるものは一緒だけど、他の2つはたまに内容が変わるんだ!その期間は看板に書いてあるから、欲しい物が来たらすぐやっておくといいぞ!」

 

「そういえば、1回祈願するのに必要な原石は何個なの?」

 

「160個だぞ!そういえば、服にも武器にもランクがあって、一番いいのは星5の服や武器だぞ!頑張って星5がもらえるようにおいらも願っておくぞ!」

 

「今ある原石は…600個か。3回しか引けないよね…。そういえば、パイモンはまだ引いたことがないんだよね?」

 

「そうだぞ!…もしかして引かせてくれるのか?」

 

「うん、1回だけなら引いていいよ。」

 

「やったぞ!おいら、絶対いいもの引くから見ててくれ!」

 

しかし、出たのは星3の武器だった。

 

「あー、星3の武器しか引けなかったぞ…」

 

「僕も星3の武器だったから大丈夫だよ。次はもうちょっと溜まってからやろうかな。」

 

「リンクは一気に引きたいタイプなんだな!おいらは原石が160個貯まったらすぐに引くタイプだぞ!」

 

「そういえば今、マップってどうなっているんだろう。…あっ!テイワットにいることになっているけど、現在地がわからないことになってる!」

 

「そうなんだな。で、ワープポイントにワープできるか?」

 

「じゃあ、試してみるね。」

 

すると、清泉町の近くのワープポイントにワープした。

 

「ちゃんと帰れるね。じゃあ、行きたくなったらパイモンにお願いするよ!」

 

「おう!任せとけ!」






天然樹脂に引き続き、無理矢理ですが祈願システムを入れてみました。改善点があればコメントしてください。
リンクはゼルダの伝説BOTWの設定通り片手剣、両手剣、弓、槍を使え、法器も使える設定でいこうと思います。
今後リンクの原石数、祈願結果などを前か後書きに書いていきたいと思います。
冒険ランクもそうですが、トワリン救出までの数は換算なしで行きたいと思います。

原石数;440 祈願結果;冷刃、理屈責め
冒険ランク6


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モンドでの植物採集

最近、色々なことがあったので今回はゆっくりする回です。

ごめんなさい。よく調べてなくて、エレンとエリンが混ざってエレンが女の人になっていました。
本当にすいませんでした。



僕たちはモンドに生えている植物や果物の採集、ヒルチャールの拠点などを壊しながら歩いていた。

「パイモン、これは何?」

 

「これはググプラムだぞ!1つ食べてみろよ!美味しいぞ!」

 

「こんなに尖っているのにそのまま食べるの?」

 

「えっと…どうだったけ?……あっ!ググプラムはジュースにするんだっけ?」

 

「絶対そうだよ!このまま食べたら口の中が血まみれになっちゃうよ」

 

「確かにそうだな。じゃあ作ってみようぜ!」

 

 

「ごくごく…あっ!これとっても美味しいね!」

 

「そうだな!少し甘酸っぱくてすぐに飲み干しちゃったぞ!」

 

「危ない危ない、そのまま食べてたらその甘酸っぱさは無くて、鉄の味がするところだった…」

 

「そんなことは気にすんなよ!こんなに美味しいなら、もっと採ってこようぜ!」

 

「うん!でも、尖ってるから注意しないと手を怪我しちゃうね。」

 

「おう!気を付けて採るぞ!」

 

その後、周りにあったググプラムやキノコ、色々な食材を採って帰ろうとしたところ、男の人が襲われているのを見つけた。

 

「あそこで誰かが襲われてるぞ!」

 

「うん!助けに行こう!」

 

 

男の人を襲っていたヒルチャールたちを倒して助けることができた。

 

「ありがとう。僕はエレン。あなた達はこの辺で植物を採っていたの?」

 

「うん、そうだよ。僕はリンク、怪我はない?」

 

「えっ!あの風魔龍事件を解決した栄誉騎士のリンク?」

 

「そ…そうだけど…」

 

「あなたに一度会ってみたいと思っていたんだ。会えて嬉しいな。」

 

「は…はぁ…そんな大したことはやっていないけどね。…で怪我はない?」

 

「怪我はしてるけど、自分で治せるから大丈夫だよ。いやーまさかこんなところで英雄に会えるなんて…」

 

「英雄だなんて、僕にはもったいないよ。そういえば、あなたは何をしていたの?」

 

「え?あ、僕はあなた達と同じように植物を採っていたんだ。」

 

「でも、この辺はヒルチャールたちの拠点が多いから、近づかないほうがいいよ。」

 

「うん、分かったよ。あまり近づいかないようにするね。」

 

「じゃあ、お気を付けて」

 

「あなたも、お気を付けて」

 

 

「今、人に会うとみんなこんな感じなのかな?」

 

「いや、流石にここまでの人はいないと思うぞ。しかも、この辺って結構危ないところだからあまり人は近づかないし、なんでいたんだろうな。」

 

「うん、忠告はしといたけれど、またこの辺で会ったらどうしよう…」

 

「まあ、大丈夫だぞ!こんなに危ないところで襲われてるし、たぶんそんなに来ないと思うぞ。そんなことよりお腹空いたぞ…」

 

「そういえば、この前ドゥラフさんからもらったバターがあったよね?それと塩とさっき採ったキノコと卵で美味しい料理を作ってあげるよ」

 

僕はハイラルで学んだキノコオムレツを作った。

 

「じゃ~ん、キノコオムレツだよ。」

 

「わぁー!とっても美味しそうだぞ!じゃあ、早速いただきま~す!」

 

「食べるの相変わらず早いねって、もう食べ終わったの!?」

 

「とっても美味しかったぞ!でも、この料理、見たことがないぞ…」

 

「そうだね、ハイラルで学んだ料理だからパイモンは見たことないはずだよ。」

 

「おおー!これはお前が色々な料理を作ってくれるってことだな!」

 

「えっ…」

 

「ありがとうな!これからも作ってくれよ!」

 

「う、うん…」

(あぁー1回作っちゃったから何度も作る羽目になりそう…)




原石;710


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ハイラルの思い出

今回もストーリーは進まないです。


「リンク、そういえばハイラルってどんな世界だったんだ?」

 

「そうだね…例えるとすると、モンドが大きくなった感じかな。ハイラル城もあるし、清泉町みたいな村もたくさんあったんだよ。」

 

「テイワットとハイラルは結構一緒なところがあるんだな!」

 

「でも、ある日、魔獣ガノンが復活してハイラル城は乗っ取られ、城下町は全壊、多くの村もロボットみたいなものに滅亡されちゃったらしいんだ。」

 

「らしいんだ?」

 

「ああ、言っていなかったんだよね。実は、僕はその機械たちに攻撃されて1回死にかけたんだ。その時、ゼルダ姫に助けてもらったんだ。」

 

「それでなんで『らしい』になるんだ?」

 

「全身が回復するために100年間眠っていたから、記憶が曖昧になっちゃったんだ。」

 

「…リンク……お前、悲しかっただろな…」

 

「えっ!パイモン、急に泣き出してどうしたの?」

 

「…リンクは楽しかった思い出も…悲しかった思い出も…全て…なくなっちゃった…んだろう?」

 

「でも、その時は覚えてなくて、何が起こっているか分かってなかったから、何も思わなかったけど、心の奥底には何かを倒さなきゃいけないっていうのはあったかな。」

 

「でも…」

 

「あとは、生き残りの人たちに何が起こったかを教えてもらったり、ある景色を見ると思い出したりすることがあったかな。」

 

「…それで、ガノンを倒して…復興してきたときに…テイワットにやってきたから…ハイラルに早く帰りたいよな…」

 

「大丈夫!そのためにパイモンがいるんだよ!これからも道案内をお願いね!」

 

「…おう!任せとけ!」

 

パイモンの気持ちを落ち着かせるため、料理を作ってプレゼントすると、表情が戻った。

 

「生き残りの人は具体的にはどんな人がいるんだ?」

 

「そうだね…一人すごい人がいてね…シーカーストーンを作ったシーカー族の人なんだけど、若返り装置を作ってやった人がいたんだよ。」

 

「若返り装置!確かに、こんなすごい機械を作った人なら作れるのも、納得だな。」

 

「その人の口癖は『チェッキー!!』だよ。」

 

「なにそれ!吟遊野郎の『えへっ』と一緒じゃねーか!」

 

「ウツシエで写すときの掛け声かな」

 

「じゃあ、これから写すときは、おいらも『チェッキー!!』って言うぞ!」

 

しばらく歩くと、七天神像にたどり着いた。

 

「あっ、そういえば最近風神の瞳を捧げてないよな?」

 

「確かに、結構集まってきたから捧げてみようかな。」

 

「風神があんな自由人の吟遊野郎って考えると…」

 

「いやいや、ウェンティは本当の力を出していないだけで、きっとすごい力を持っているんだよ!」

 

捧げると、また力が湧いてきた。

 

「そういえば、捧げると、体力が増えてる感じがする…」

 

「ということは、より長く走れるようになったっていうことか?」

 

「うん、長く走れるようになるのは良いよね!」

 

「じゃあ、おいらと勝負だ!よーい、どん!」

 

「いや、パイモンには勝てないよ〜」




原石;970
冒険ランク;7


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まさかの火元素獲得!?

日々、デイリー任務や街の人々の依頼に応えていき、原石がとうとう1000個を超えた。

「パイモン!原石が1000個を超えたよ!」

 

「確かにそうだな!そろそろ祈願するか?」

 

「うん!誰かの服がほしいな〜」

 

「じゃあ、目をつぶってくれ!」

 

すると、またワープした感じがした。

 

「じゃあ、最初だから奔走世間(通常祈願)を引こうかな。」

 

「おう!服がもらえるように願っておくぞ!」

 

「じゃあ、引くよ!」

 

溜まっていた1210個全てを使って引いた。

 

その最後の7回目に服がもらえた。

 

「やったー!誰かの服がもらえたよ!」

 

「良かったな!で、誰の服を引いたんだ?」

 

「それはね…アンバーの服だよ!」

 

「おおー!アンバーの服を引いたんだな!」

 

「早速着てみていい?」

 

「もちろんだぞ!」

 

 

「風神のご加護があらんことを。わたしは西風騎士団の偵察騎士、 アンバーよ。」

 

「おおー!すごくなりきっている感じがするぞ!まるでリンクじゃないみたいだ!」

 

「いいえ、私は本当のアンバーよ。あんたは私のことをアンバーって信じないっていうの!?」

 

「お…おう。そうだったな。お前は確かに『アンバー』だぞ…」

 

 

ヒルチャールを倒したり、色々なことをしてから私は服を脱いで、リンクの格好に戻った。

 

「どうだった?」

 

「すっごくアンバーになった気がしたよ!服を着ると、その人が使える武器しか使えなくなっちゃうんだね。」

 

「リンクは何の武器でも使えるから、そこは違和感があるかもしれないな。」

 

「話し方は似てた?」

 

「似ているもなにも、アンバーだったぞ!」

 

「元素もアンバーの神の目の火になるっぽいし、聖遺物は何も持てなかったから、服ごとに付けなきゃいけなそうだね。」

 

「まだ、聖遺物は弱いものしか付けれないから、早く冒険ランクを上げような!」

 

「うん!」

 

「……あれ?あんなところに祈願が増えてるぞ?」

 

「確かに、前来たときは無かった気がするね。」

 

「見に行ってみようぜ!」

 

近づくと、見覚えのある武器が並んでいた。

 

「こんな武器、見たことがないぞ…」

 

「これって…ハイラルの武器だよ!」

 

「ええー!テイワットとハイラルが繋がっちゃったぞ!」

 

「懐かしいな…一番ランクが低いのは…木の棒!回生の祠の前にあった木の棒を思わずボコブリンを殴ったな…」

 

「リンクは木の棒で戦ってたのか!?」

 

「まだ、回復した時は腕が鈍ってたからね。

原石がいる個数も一緒だから、たまには引いて見ようかな」

 

「ハイラルにも多くの武器があったんだな!でも、木の棒が出たらどうするんだよ…」

 

「『えへっ』」

 

「『えへっ』てなんだよっていうやり取りはもうやったぞ!」





やっぱり無理矢理感が出てしまいました。暖かい目で見てもらえると嬉しいです。

原石;90
祈願結果(これからは主に星4以上を書きます。);アンバー


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モンドの緊急事態

ある日、デイリー任務をやっていたところ、騎士団から応援要請が来たので急いで本部にやって来た。

 

「どうしたの?」

 

「栄誉騎士、来てくれたか。実はヒルチャールの大群がモンド城に向かってきている情報をアンバーが伝えてくれたんだ。どうか、リンク、手を貸してくれないか。」

 

「もちろん、モンドをもう一回救ってみせるよ!」

 

「騎士団の仲間たちも今じゃ忙しくて手が回らないんだ。さすが栄誉騎士だ。」

 

「リンクが助けてくれるなんて、騎士団としても嬉しいよ。今回もよろしくね。」

 

「さすがはかわい子ちゃんだわ。…えっ?私も行くの?仕方ないわね。」

 

「今回の作戦は3つに分かれて行動する。まず、私とリサは正門を守る。ガイアとアンバーは裏門、リンクは風龍廃墟から来るヒルチャールを倒してくれ。」

 

「うん!でも、一番多いのは正門方面じゃない?」

 

「今回は冒険者協会にも協力を仰いでいる。私達を先頭に続いて倒してくれるはずだ。」

 

「大丈夫!僕がさっさとこっちを片付けて応援に行くよ!」

 

「事前に掴んだ情報によると、明日の昼すぎに攻めてくるらしい。今回はかなりの長期戦になると見込まれる。各自、準備しておくこと。」

 

「うん!(おう!)(もちろんよ)(はい!)」

 

 

「大量のヒルチャールが来るらしいぞ!どうやって倒すんだ?」

 

「今回はシーカーストーンの機能を最大限活かそうと思うんだ。だから、今日のうちに風龍廃墟への道にたくさんの金属製の箱を置いておこう!」

 

「おー!それをマグネキャッチでヒルチャールを倒すんだな!おいらが巻き込まれないようにしないとお前に倒されちゃうぞ…」

 

「それは頑張って避けてね。」

 

「おう!じゃあ色々なところから金属製のものを持ってこようぜ!」

 

僕たちは夕方まで集めていた。

 

「たくさん溜まってきたな。こんなにあれば大丈夫か?」

 

「うん!もう大丈夫だよ!これで明日に備えて早く寝よう!…あっ!デイリー任務やってない!」

 

「確かにそうだったぞ!」

 

「でも…明日のことを考えると、早く寝たほうがいいよね…キャサリンさんに相談してみよう!」

 

 

「キャサリンさん。こんばんは。」

 

「星と深淵を目指せ!ようこそ、冒険者協会へ。

あっ、リンクさん。明日はヒルチャール討伐に行かれるんですよね。その準備を忙しそうにしていらっしゃったので、今日のデイリー任務は他の冒険者にやってもらいました。なので、明日の準備をゆっくりやってもらって大丈夫です。

あと、明日以降モンドが安全だと確認できるまではあなたにはデイリー任務を送るのを止めておきますね。」

 

「ありがとう!ちょうどその話をしに来たところだったんだ。ちなみに明日は冒険者協会から何人来るの?」

 

「そうですね…モンドの危機ということで多くの人が行かれますよ。」

 

「じゃあ、ジン団長も無理をすることはないよね。こっちを早く終わらせてなるべく手伝いに行こう!」

 

「頑張って下さい!私は結果をここでお待ちしております。」




原石;270


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モンド防衛戦

「一同揃ったようだな。では、各自配置についてくれ。」

 

「おー!」

 

 

「昨日の作戦通りにマグネキャッチで弱らせてリモコンバクダンでヒルチャールを吹き飛ばすぞ!」

 

「うん!」

 

警戒態勢の中、大きな角笛の音が聞こえた。

 

「来るぞ!」

 

遠くの方で砂埃が立っており、振動も凄い。

 

「マグネキャッチ、発動!」

 

強化されたマグネキャッチで一気に数十個の鉄の箱を持ち上げ、ヒルチャールが攻めてくるのに備えた。

 

「攻撃範囲内だぞ!」

 

パイモンが言った瞬間に鉄の箱を振り回した。

 

「おりゃー!」

 

すると、ほとんどのヒルチャールが吹き飛ばされた。

 

「これくらいならリモコンバクダンで爆発させるよ!」

 

「おう!離れるぜ!」

 

残ったヒルチャールたちに向かってリモコンバクダンを投げては爆破させ、投げては爆破させを繰り返すと殲滅させることが出来た。

 

「よし!こっちは大丈夫!急いで正門に向かうよ!」

 

正門に向かうと、意外とヒルチャールは少なかった。

 

「あれ?ジン団長が頑張ったのかな?」

 

「ああ、リンク、そっちは終わったか?」

 

「うん。全て倒してきたよ。」

 

「こっちは意外と少なく、数人のヒルチャールを倒すだけだった。」

 

「ということは、裏門のほうが多い!?」

 

「いや、アンバーから連絡があって、ほぼいないらしい。」

 

「じゃあ、なんで…」

 

「多分また、先…ディルックが倒したんだろう。私はその応援に行くところで君が来たんだ。」

 

「僕も行くよ!」

 

「いや、君は風龍廃墟方面からまだ来るかもしれないから…」

 

ジン団長が話している途中にまた角笛が聞こえた。

 

「君は急いで風龍廃墟に行ってくれ。」

 

「うん!じゃあまた!」

 

 

「まさか、まだいるとは思わなかったぞ…」

 

「急いで行かないと、攻め込まれちゃう…あっ!こんな時にビタロック!これでヒルチャールの進軍を少し遅らせることが出来る!パイモン、さっきと同じようにマグネキャッチの範囲に入ったら教えて!」

 

「おう!任せとけ!」

 

しばらく走ると…

 

「お前!攻撃範囲に入ったぞ!」

 

「よしっ!ビタロック発動!」

 

すると前の方にいるヒルチャールたちが止まり、その後ろにいたヒルチャールはつまずき、転んだ。

 

「よし!今のうちにリモコンバクダンだ!」

 

止まっている時にバクダンを何個か投げて爆発させた。ビタロックを解除した時は多くのヒルチャールが飛んでった。

 

「ふぅ、間に合ってよかった。でもまた攻めてきてもいいように鉄の箱をまた集めておこう。」

 

「おう!ディルックがいるなら正門も安全だな!」

 

その後、今日はこれ以上攻められることは無かった。




原石;270


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モンド防衛戦2日目

その日の夜、念の為防衛拠点であるテントで休んでいたら角笛が聞こえた。

 

「まさか、夜に攻めてくるの!?パイモン!パイモン!ヒルチャールが攻めてくるよ!起きて!」

 

いくら起こしても起きなかったので、パイモンを安全なところに置いて一人で来た。

 

「こんなにもヒルチャールがいる…とりあえず昼間と同じ作戦でいこう!」

 

マグネキャッチやリモコンバクダンを駆使して倒していた時…

 

「あれ?あそこに赤い炎が見える…あっ!ディルックさんも手伝ってくれているんだ!」

 

しばらく一人で戦っていたが…

 

「…ヒルチャールの量が昼間よりも多い…しかも夜だから暗くてよく見えない…これはディルックさんと協力したほうが互いに助け合える…これは合流しよう!」

 

一回ビタロックで先頭のヒルチャールを止めてからディルックさんのところまで全力で走った。

 

「ディルックさん!」

 

「ああ、リンクか。今回はなかなか厳しい戦いになりそうだ。」

 

「いや、協力して倒しましょう!」

 

ディルックさんがヒルチャールを引き寄せてくれているのでマグネキャッチで飛ばしたり、リモコンバクダンで大ダメージを与えたり、ビタロックを使って攻撃の勢いを止めようとしたが、ヒルチャールの数が多すぎてどんどん前線を下げられてしまった。

 

「くっ、いくら倒しても減らない…こんな時にも騎士団は役に立たないな…」

 

「せめて、ジン団長が助けに来てくれれば…」

 

すると…

 

「栄誉騎士!ディルック!待たせてすまなかった。今、応戦する!」

 

「ああ、ジンか。騎士団はモンドの危機というのに行動が遅いな。」

 

「いや、騎士団として夜に動かせるのは少ない。だから私しか来ることが出来なかった。」

 

「ジン団長!大丈夫!ジン団長がいれば、この状況も変えることが出来るよ!」

 

「リンク、ありがとう。なるべく助力できるよう、頑張るよ。」

 

ジン団長も仲間に加わったが、未だ戦線は動かず、戦況は拮抗していた。

 

「なんとかして突破口を見つけなければ…」

 

「う〜ん…」

 

作戦を考えていた時にまさかのあの音が聞こえた。

 

「ま…まさか、さらにヒルチャールがくる?」

 

「いや、あそこにアビスの魔術師もいるが?」

 

「流石にこれ以上増えると戦線が崩壊する。しかし、裏門の衛兵を外したら万が一の自体には備えられない…」

 

「一体、どうしたら…」

 

考えている間にもうヒルチャール&アビスの魔術師連合軍が到着した。僕たちは戦線を下げざるを得ず、とうとう城門の橋まで戦線が来てしまった。

 

「ここは最終防衛線だ。みんな、最後の力を出してモンドを守り抜こう。」

 

「くっ……」

 

「でも…いや、何か方法があるはずだよ。何か、何か、無い?」

 

「リンクっ!前を見ろ!」

 

「えっ?」

 

知らないうちにアビスの魔術師の攻撃が目の前まで来ていてかわすことが出来なかった。

 

「痛っ!」

 

すると倒れる時に明るい光が周りに放たれた。




原石;270


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リンクの危機

あの事件が起こってから1ヶ月ほどたったのかな。リンクはメモを残して魔物に倒されたという噂が広がってきた。

確かに祠は一度開けたら閉まることは今までに無く、持ち物が全て残っていないことからその話が濃厚になっているのは分かっているけれど、未だに信じがたいなぁ。

リンク?生きているよね?絶対貴方ならボコブリンなんかに負けたりしないよね…?

そう思いながら毎日を過ごしてきた。

 

「ゼルダ姫、もうすぐ夕食の時間ですよ。」

 

「はい、分かりました。今すぐ行きますね。」

 

 

「何か、手紙は届いていた?」

 

「はい、リンク様に関しての手紙が数十通届いております。」

 

「うん…ありがとう。今日のご飯も美味しかったよ。」

 

「はい!そう言っていただけて嬉しいです。」

 

「じゃあ、また明日。」

 

「はい。おやすみなさいませ。」

 

「うん、おやすみ。」

 

その夜…

 

 

 

「…いくら倒しても敵が減らない…でも…何か方法は?このままだと…」

 

 

 

「はっ!リンク!リンクがピンチだ!今すぐ助けに行かなきゃ!でも、どこに行けば?…あっ!知恵の泉!あそこに行けば何かあるはず!今から行こう!」

 

護衛を付けず、馬に乗り、ラネール山へと向かった。

 

「リンク…貴方は生きているんだよね?この願いがリンクに届きますように…」

 

すると封印の力が働いた。

 

「この力が働いた…ということはリンクが助かったっていうことかな。何よりリンクが助かってよかった。」

 

 

城に帰ると大騒ぎになっていた。

 

「ゼルダ姫を探せ!リンク様もいらっしゃらないのにゼルダ姫までいなくなってしまえば、このハイラルは誰が治めることになるんだ!」

 

「あなた達、何をしているの?」

 

「ゼルダ姫!このような真夜中にどこに行かれていらっしゃったのですか!」

 

「ああ、ごめんね。リンクの夢を見てリンクの命が危なかったから、祈りにラネール山へ行っていたんだ。」

 

「リンク様は生きていらっしゃるのですか?」

 

「そうみたいだけど、夢で見たところはハイラルには無かった気がする…」

 

「…となると、やはりリンク様は祠に閉じ込められた可能性が高くなりそうですね。」

 

「うん。でも、シーカーストーンが無いから開ける事が出来ない…」

 

「あと!ゼルダ姫!どこか行く時は必ず護衛を連れて行っていてください!今はリンク様がいらっしゃらないのですから、ゼルダ姫もいなくなってしまうと誰がこのハイラルを治めるのですか!」

 

「ああ、次からは気を付けるね。」

 

「そのお言葉!何度も聞きましたよ!」

 

「あれ〜?」

 

「『あれ〜?』ってなんですか!」



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モンド防衛戦〜謎の力〜

「くっ」「キャッ!」

 

急にリンクの体から光が放たれた。

すると、周りにいたヒルチャールやアビスの魔術師がいなくなっていた。

 

 

「リンク!大丈夫か。」

 

「うっ、う〜ん、はっ!ヒルチャールを倒さなきゃ!…あれ?ヒルチャールは?」

 

「いや、君の体から急に光が放たれて、目を開けたらもうヒルチャールがいなかったんだ。」

 

「光が出てヒルチャールが倒された?」

 

「ああ、そうだ。栄誉騎士は何も分からないのか?」

 

「確か、アビスの魔術師から攻撃を受けて倒れた時に気を失って…」

 

「攻撃を受けて倒れた時に光が放たれたんだ。」

 

「…その光って何色だった?」

 

「黄色と白色の間みたいな色だったか?」

 

「じゃあ、その光は、もしかして…」

 

「何か思い当たるところがあるのか?」

 

「僕はハイラルっていう世界を探しているのは知っているよね?」

 

「ああ。」

 

「僕はハイラルから来たんだけど、その時に僕が守っていた姫は『封印の力』を持っていて、発動時にはそのような色の光を放つんだ。もしかしたら、助けてくれ…」

 

「おーい!リンクー!大丈夫だったかー!」

 

パイモンが来たときにはもう日が昇っていた。

 

「パイモン!全然起こしても起きなかったんだから。」

 

「うわっ!その傷!そんな大群が来たのか!?」

 

「あれ?そんな怪我してる?」

 

「ああ、もう手当てはしてあるが、しばらくは動かないほうがいい。」

 

「ジン団長!ありがとう!」

 

「ああ、今回も栄誉騎士にモンドを救ってもらったな。『栄誉騎士』だけでは足りないかもしれないな。リンク。」

 

「そんな!僕は特別なことはしてないよ!してくれたのはゼルダだよ!感謝するのはゼルダにするべきだよ!」

 

「いや、君も凄く頑張ってくれたよ。あとはゆっくり休んでくれ。お礼に特別なブドウジュースをプレゼントしよう。」

 

「えっ!ワイナリーを持っているディルックさんから特別なブドウジュース!とっても美味しそ…痛っ!」

 

「お前は怪我しているんだから無理に動くなよ!」

 

「そうだったね。でも、またヒルチャールが攻めてくるかもしれないから、立たないと…」

 

「ジンさん!リンク!あと…ディルックさん?」

 

「ああ、アンバー。そんなに慌ててどうしたんだ?」

 

「周りにいたヒルチャールが全部いなくなったんだ!他のところも調査したけれど、収まったみたい。」

 

「調査ありがとう。」

 

「うん…ってリンク!その怪我どうしたの!?」

 

「まあ色々あってね…」

 

今回のモンドが一斉攻撃を受けた理由は分からない。

また、今回ゼルダが助けてくれたのは本当っぽい。

なんでゼルダが僕が危ない状態と分かったのか。また、どうやって助けたのかはハイラルに戻れるのと関係がありそう。これからも方法を探さないといけないな。

ゼルダ、助けてくれてありがとう。




原石;270
報酬は次回書きます。


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モンド防衛戦後

僕はその後、騎士団のみんなに騎士団本部に運ばれて休んでいた。

意外とジン団長の治療がよく、数時間で治った。

「ジン団長、治療ありがとうございました。すっかり元気になりました。」

 

「ああ、良かった。でも、しばらくは敵と戦うのを避け、なるべく城の中にいたほうがいい。」

 

「ありがとうございます。しばらくはモンド城に留まっていようと思います。」

 

「あとはこれは騎士団からの報酬だ。少ししかないかもしれないけど、受け取ってくれ。」

 

「ありがとうございます!」

 

「何かあったらまたここへ来てくれ。騎士団としてできる限りのことはさせてもらう。」

 

「うん。また手伝ってほしいことがあったら、呼んでね。」

 

外に出ると多くの人が押し寄せていた。

 

「あの人がモンドを二度救った英雄か?」

「ええ、凄いオーラがあるからあの方でしょう!」

「英雄さん!戦いお疲れさまでした!」

「風魔龍事件とはどうやって解決したんですか?」

 

「わぁー!すごい人だぞ!」

 

「そうだね。そんな大したことはしていないと思うけど…」

 

「おおー!本当に浮いているマスコットがいるぞ!」

「どうやって浮いているの?」

「英雄様のすごい力じゃないか?」

「英雄様は何でも出来るんだなぁ」

 

「おいらはマスコットじゃないぞ!」

 

すると、アンバーが来た。

 

「はいはい、英雄様を見たいのは分かるけど、怪我が治ってすぐなんだから休ませてあげて!」

 

「アンバー!ありがとう!」

 

「大丈夫!今のうちに逃げて!私が注意を引いているから」

 

「ありがとう!じゃあこっそりと…」

 

 

「ああ、すごい人だったね。」

 

「流石!モンドを救った『英雄』だぞ!」

 

「それは恥ずかしいからやめてよマスコットさん」

 

「おいらはマスコットじゃないぞ!」

 

「そういえば終わったあとにキャサリンさんに会ってなかったね。冒険者協会に行こう!」

 

「おう!そうだな。」

 

 

「星と深淵を目指せ!ようこそ、冒険者協会へ。」

 

「キャサリンさん、こんにちは。」

 

「リンクさん。戦いお疲れさまでした。報酬がたくさん届いております。」

 

「『届いてる』?」

 

「はい。モンドを救ってくれた貴方に届けてほしいというものがたくさんありました。なので、貴方に全てお渡しします。」

 

「うわー!こんなにも貰っちゃっていいの?」

 

「はい。届いたものと冒険者協会からの報酬です。」

 

「ありがとう!あと、ここ数日はデイリー任務を城内のものにしてくれる?」

 

「はい、分かりました。また、城外に出ていけるようになりましたら、お伝え下さい。」

 

「うん。ありがとう。じゃあ、またね。」

 

「はい。お疲れさまでした。」

 

 

「こんなにも色々貰っちゃったよ!」

 

「これでたくさん祈願出来るな!」

 

「うん!でも、しばらくはモンド城でゆっくりしていようかな。」

 

「もちろん!戦いお疲れ様だぞ!」




今回は報酬内容を書こうと思います。
騎士団
原石;540
モラ;450000
大英雄の経験;20
その他諸々

冒険者協会
原石;920
モラ;860000
冒険家の経験;50
その他諸々

ちょっと多めにしました。

冒険ランク;9
原石;1730


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新しい武器獲得

しばらくモンド城でデイリー任務をやったり、騎士団の仕事を手伝ったりして過ごしていた。

 

「そろそろ調子も戻ってきたから、城外に出よっか。」

 

「おう!モンド城の多くの人とたくさん話せたからこういう生活もいいかもしれないけど、ハイラルへ戻る方法を探さなきゃいけないからな!」

 

「じゃあ、まずはキャサリンさんに報告しよう!」

 

キャサリンさんに報告して、城外のデイリー任務を貰えるようになった。

 

「まずはどこに行くんだ?」

 

「もちろん!たくさんある原石で祈願に決まってるよ!」

 

「おー!じゃあ、早速行くぞ!」

 

 

「今回はなぜか分からないけど出てきたハイラル祈願をしようかな!」

 

「おー!お前がどんな武器を使ってたか知りたいぞ!」

 

「じゃあ、とりあえず10回引くね!」

 

 

「…最後の『近衛の剣』以外武器らしい武器がないぞ!リンク、こんな武器でゼルダ姫を守っていたんか?

 

「近衛の剣以外は普通に落ちている武器だったなぁ…ってパイモン!こんな武器でゼルダを守れるわけがないじゃん!」

 

「だよな!これで魔獣ガノンを倒せるとは思えないぞ!」

 

「でも、『コログのうちわ』は結構実用性があるんだよ?」

 

「まさか…涼むとか言わないよな?」

 

「えっ?こんな大きなうちわで自分に向けて扇げないよ〜」

 

「じゃあ、どうやって使うんだ?」

 

「これは軽い敵なら一扇ぎで飛ばすことが出来るんだ!もちろんパイモンなら飛ばすことが出来るんだよ!」

 

「それって強いのか?」

 

「もちろん!ヒルチャールを水に落とすことが出来れば…」

 

「確かに!簡単に倒すことが出来るぞ!」

 

「後は、リモコンバクダンを置いて飛ばして遠くの敵に多くのダメージを与えることもできるんだよ!」

 

「そんな使い方が!!」

 

「こうやって考えると色々な使い方が出てくるんだよ!」

 

「おう!そうだな!おいらも新しい使い方を考えておくぜ!」

 

「他にも使えそうな武器は…」

 

「木のオタマがあるぞ!これがあれば、もっと美味しい料理をお前が作ってくれるっていうこうだな!」

 

「でも、武器には使えないよ…」

 

「確かに…」

 

「…これは?パイモン!木の棒はどうやって使うか分かる?」

 

「えっ?これにも便利な使い方があるのか?」

 

「うん!じゃあ、見ててね」

 

「おう!」

 

「そーれ!パイモン行ってこーい!」

 

僕は思いっきり木の棒を投げると、すぐにパイモンが飛んでいき、取って帰ってきた。

 

「はい、ご主人様!」

 

「はい。よしよし、よくやったな!」

 

「ワン!………っておいらをそんな使い方するなよ!」

 

「あはは!」




祈願結果

畑のクワ
畑のフォーク
鉄のハンマー
船のオール
コログのうちわ
木のモップ
木のオタマ
木こりのオノ
木の枝
近衛の剣

原石;580


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赤い服の女の子

すいません…アンケートの結果より、帰らぬ熄星を書こうとして物語を見返したらモナがすでに旅人と会っている状況で、その時に初めて会うことにすると、モナの伝説任務が出来なくなるので、必然的にモナの伝説任務を先に書くことになりました。また、モナの伝説任務の最後にはクレーと会うので、クレーの伝説任務を先に書くことになってしまいました。ひょっとしたら帰らぬ熄星を書くのは随分先になってしまうかもしれまれん。もう少しお待ち下さい。
では、クレーの伝説任務です。


「そういえば、ディルックの旦那が特別なブドウジュースをくれるって言ってたよな?今晩、酒場に行って飲もうぜ!」

 

「うん!すっごく楽しみにしていたんだ!飲みに行こう!」

 

 

「こんばんは。ディルックさんいる?」

 

「はい、今裏にいるので、呼んできますね。」

 

「うん!よろしくね」

 

 

「ああ、君たちか。今日はどうした?」

 

「この前言ってたブドウジュースを飲みに来たぞ!」

 

「そろそろかと思ってもう用意してある。」

 

「さすが!ディルックの旦那!早くおいらたちにくれよ!」

 

「好きな席に座っていてくれ。すぐに持っていく。」

 

「おう!分かったぞ!」

 

 

席に座ると、隣から何やら話をしているのが聞こえてきた。

 

「やっぱりモンドで最強は『大冒険家スタンレー』だ!」

 

「何を言っているんだ!『闇夜の英雄』だ!」

 

「いやいや、騎士団をまとめている『蒲公英騎士』に決まってる!」

 

「お前らバカだな、最強はモンドを二度救った『栄誉騎士』だ。」

 

「いや、もしかすると、あの『赤い服の女の子』かもしれないな。」

 

 

「おい、お前もモンドの最強の一人って言ってるぞ!」

 

「いや、蒲公英騎士も闇夜の英雄も強いよ。でも、唯一名前を言っていない『赤い服の女の子』って誰のことかな?」

 

「アンバーのことじゃないか?」

 

「聞いてみよう!」

 

 

「すいません。さっき話していた『赤い服の女の子』って誰のことですか?」

 

「ああ、名前は知らないんだけどな、モンドを歩いていると、たまに会うんだ。あの子が通ったあとは何もかもが無くなっていくんだ。モンドの最強はあの子なのかもな。」

 

 

「アンバーではなさそうだな…」

 

「おまたせしました。こちらが、ディルックさん特製ブドウジュースでございます。」

 

「おおー!いつも見るブドウジュースよりも色が濃いぞ!」

 

「すっごく濃厚そうだね!いただきま~す!

……もう美味しすぎて言葉が出ない…」

 

「おいら、こんな美味しいジュース、飲んだことがないぞ…」

 

 

「ああ、もうなくなっちゃった。」

 

「おいらもだぞ!」

 

「やっぱり美味しいものはすぐなくなっちゃうね。」

 

「そうだな…ずっと続いたらいいのに…」

 

 

「ディルックさん!ブドウジュースとっっても美味しかったです!」

 

「そうか、喜んでもらえて良かった。なかなか手に入らない上質なブドウを使ったから、また手に入れたら君たちにプレゼントするよ。」

 

「ありがとな!楽しみにしてるぞ!」

 

「そういえば、君は料理が出来るのか?」

 

「うん!ほとんどの料理は作れます!」

 

「スライムを使う料理を作ったことはあるだろう。なら、この元素の餌を使うといい。これはスライムをおびき寄せることが出来るすぐれものだ。」

 

「おお!こんないいものがあったんだ!」

 

「また欲しくなったら、霧氷花の花蕊から作れる。」

 

「ありがとうございます!スライムをたくさん倒して、パイモンに食べさせてあげようと思います!」

 

「ああ、好きに使うといい。」

 

「また来ますね!」

 

「おう!またな!」

 

 

「誰ならモンド最強って分かるのかな?」

 

「ジン団長なら何か知っているかも知れないぞ!明日になったら聞いてみようぜ!」

 

「うん!」




原石;820


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お魚をドカーン!

次の日、ジン団長に会うために騎士団本部にやってきた。

「ジン団長!」

 

「ああ、君たちか。」

 

「ジン団長はモンドの最強と思うのは誰だ?」

 

「そうだな…君はモンドを救ってくれたから一番強いと思うぞ。」

 

「やったー!お前が一番だって!おいらもそう思うぞ!」

 

「ありがとう。でも、それを聞きに来たわけじゃないんだ。」

 

「おう!そうだったぞ!ジン団長は赤い服の女の子って知ってるか?」

 

「アンバーじゃないのか?」

 

「うん、話を聞くとアンバーではなさそうだったんだ。」

 

「じゃあ、クレーのことかもしれない。」

 

「クレー?」

 

「ああ、西風騎士団の火花騎士、クレーだ。」

 

「その人に会ってみたいぞ!」

 

「そうだな…いつもはモンド城の周りにいるが…」

 

「じゃあ、会いにいくぞ!」

 

「ジン団長、ありがとうございました。」

 

「いえ、なぜか知らないが会えることを願っている。」

 

モンド城の周りを探していると、池に向かって何かを投げている女の子がいた。

 

「あの子じゃないか?」

 

「そうだね!何をやっているのかな?行ってみよう!」

 

 

「こんにちは。僕はリンク。あなたは?」

 

「こんにちは!クレーはクレーだよ!あなたたちのこと知ってる!モンドを助けてくれた栄誉騎士とその仲間のパイモンちゃんでしょ!」

 

「知っているんだね!」

 

「うん!だってお兄ちゃんが騎士団から出るときに多くの人に囲まれてたもん!」

 

「あれは、大変だったな。何も動きが取れなかったら、アンバーが助けてくれなければどうなっていたか…」

 

「そういえば、クレーちゃんはここで何をしているの?」

 

「うん!クレーはここでお魚をドカーンしてるの。」

 

「お魚をドカーン?」

 

「そうだよ!クレーの宝物でお魚をドカーンしてお魚を食べるの!」

 

「『宝物』?」

 

「お魚をドカーン…

(魚は爆破しないのか…?)

ああ、あの時ジン団長が言ってたね」

 

「…よく思い出したな!おいら、忘れてたぞ!」

 

「あっ!これはジン団長に秘密だよ!」

 

「なんで?」

 

「お魚はドカーンしちゃいけないって言われてるんだ。ばれたら1日反省室だけど、お魚はおいしいからやりがいあるよ!

お兄ちゃんはクレーに何か用事があって来たんだよね?」

 

「ううん。ジン団長からクレーちゃんのことを紹介されて来たんだ。」

 

「そうなんだ!クレーには宝物を隠してある場所があるんだよ。お兄ちゃんをそこに連れてってあげる!」

 

「ほんと?嬉しいな。」

 

 

「着いた!この辺りだよ!あのね、クレーの宝物はここに埋めてあるんだ!」

 

「でも、こんな風に看板を建てて『クレーの宝物』って書いてあると、みんなにバレちゃうよ?」

 

「そうだった!看板があるとクレーがどこにあるか分かるようにしたんだけど、これじゃあジン団長に見つかっちゃう!」

 

「どうしよっか。」

 

「う〜ん…クレー、頑張って場所覚えるから看板なくす!」

 

「そうだね、そうじゃないとジン団長に見つかっちゃうもんね。」

 

「おい!あそこにアビスの魔術師がいるぞ!」

 

「クレーちゃん、下がってて!」

 

「いや!クレーも手伝う!クレーは火花騎士なんだよ!」

 

「そうだったね。じゃあ、一緒に戦おうか」

 

「うん!」

 

クレーちゃんは火力増加型の『宝物』でアビスの魔術師を一瞬で吹き飛ばした。

 

「おー!その『宝物』はお魚をドカーンするときよりも強くなってるんだね。」

 

「そうだよ!悪いやつには火力増加型を使うんだ!」

 

(確かにクレーちゃんが通ると何もかもが無くなるかもしれない。)

 

「悪いやつも倒したし、そろそろモンド城に帰ろっか。」

 

「うん!」




原石;820


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反省室にて

モンド城に帰ってくると城門にジン団長が立っていた。

 

「あっ!ジン団長…」

 

「ジン団長!クレーのことを待っていたのか?」

 

「ああ、君たちがクレーに会いたいと言っていただろう?だからなにかあると思って付いていくとクレーが『お魚をドカーン』していたのを見たからな」

 

「ああー見られちゃったか」

 

「クレー、どうなるか分かっているな。」

 

「ク、クレー、反省室に行ってくる…ぐすん…」

 

クレーちゃんは急いで騎士団にある反省室に行った。

 

「ジン団長はなんでクレーにお魚をドカーンさせないんだ?」

 

「少しはいいが、多すぎるとそこの池や川の生態系が崩れてしまう。また、漁師の人はそれを獲って生活しているのだから、魚が獲れなくなると困ってしまうだろう?」

 

「ジン団長の説明はすごく納得がいくよな。」

 

「ジン団長が言っていた『魚は爆破しないのか…?』の意味がクレーちゃんに会って分かったよ。」

 

「栄誉騎士がバクダンを使うと聞いたとき、クレーが頭に浮かんだからな。」

 

「ジン団長はクレーのことをいつも気にかけているんだな!」

 

「ああ、クレーはこのようなことがたくさんあるから、気にかけておかないと人に迷惑を掛けてしまうかもしれない。」

 

「だからすぐクレーちゃんは反省室に行ったんだね。」

 

「私はまだ仕事が残っているから、お先に失礼するよ。」

 

「じゃあな〜」

 

 

「僕たちのせいでクレーちゃんが反省室に入ることになっちゃったから、会いに行こうよ。」

 

「そうだな。会いに行こうぜ!」

 

「そういえば、確かにあんなに強い『宝物』を使うことを考えると、クレーはモンドで最強かもしれないね。」

 

「おう!アビスの魔術師が一瞬で吹き飛んだからな!」

 

 

「だーれだ?」

 

「あっ!栄誉騎士のお兄ちゃん!」

 

「僕のせいで反省室に入ることになっちゃってごめんね。」

 

「ううん、クレーには新しいお友達ができたからうれしいよ!」

 

「そう言ってくれてうれしいな。僕が今回悪いんだし、ここから出してあげようか?」

 

「うん、おねが…だ、だめ!クレーは真面目に反省しているんだから、ユーワクしないで!

反省中はここで、特別な『宝物』を作っているんだ…

へへっ…羽球の形にしてみたんだよ、かわいいんでしょ」

 

「完成したら、見せてほしいな〜」

 

「うん!できたら栄誉騎士のお兄ちゃんに最初に見せてあげる!」

 

「ご飯はいる?」

 

「ううん、お魚たくさん食べたからお腹いっぱいだよ!」

 

「じゃあ、早く反省室から出れるように頑張ってね!」

 

「うん!また会おうね!」

 

 

「クレーにとっては反省室にいても、反省してなさそうだな…」

 

「子供のうちは遊ぶのが仕事だから危険なこと以外は大丈夫だよ!」

 

「いや、『宝物』はとっても危ないぞ!」




原石;820


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栄誉騎士がまさかの弟子になる!?

デイリー任務をするためにモンドと璃月の国境線近くにやって来た。

 

「リンク!もうそろそろ璃月に行ってみないか?」

 

「そうだね…そろそろ行ってみる?」

 

「やったぞ!今すぐ行こうぜ!」

 

「ここのデイリー任務が終わってからね」

 

「そうだったぞ。早く終わらせてくれよ!」

 

デイリー任務が終わり、璃月へ行こうとすると目の前に女の子が現れた。

 

「あなたは誰…?」

 

問いかけても返事がなく、何か考えているみたいだった。少し待っていると…

 

「あなた、この世界の人じゃないでしょ。」

 

「なんで分かったんだ?」

 

「私が使うものこそ、ずばり正真正銘の『占星術』だからです。他に質問がなければ出発しましょう!」

 

「まずは名前を教えてくれないかな。」

 

「はぁ、面倒ですね。ゆっくり説明するのでちゃんと聞いててくださいね。」

 

「なんで面倒なんだよ!名前を言うだけだろ?」

 

「はいはい、分かりましたから。

私はアストローギスト・モナ・メギストス、名前が長くて覚えにくいので、モナと呼んでください。」

 

「確かにすっごく長いな…占星術が使えるのなら、おいらたちの名前も分かるよな?」

 

「えっと…、あなたはリンク…ハイラルという世界から来たんですね…ああ、あなたは神の目が無いのに元素力が使えるのですね。

マスコットのあなたは…パイモンといい、リンクのテイワットガイドをしているのですね。」

 

「おいらはマスコットじゃないぞ!」

 

「で、モンドへは何しに来たの?」

 

「今は支障の代わりに、ある箱を取り戻しにモンドへと向かっていたところです。」

 

「じゃあ、人が集まるモンド城へ、栄誉騎士であるこのリンクが案内するぞ!」

 

「そんな、大げさに言わなくても…

うん、モナは璃月から来たんだよね。僕たちはまだ璃月に行ったことがないから、モンド城へ向かう最中教えてくれると嬉しいな。」

 

「あっ、そういえば、あなた達には弟子になってもらいます。」

 

「なんでだ?おいらたちはモンドを2回救ったんだぞ!お前なんかの弟子にはなりたくないぞ!」

 

「だから本当の弟子じゃなくて、弟子のふりをしてくれればいんですよ。」

 

「弟子になる必要はあるの?」

 

「それは、箱を保管している人と勝負するためです。

師匠とその友人は生涯をかけて神秘学について競い合ってきました。ですが、勝負がつかなかったそうなんです。だから今回、私が勝てたら師匠よりもすごいってことになるじゃないですか!」

 

「師匠に勝ちたいの?」

 

「もちろん、ずっと師匠を追って来たのですから、いつかは追い抜いてみたいじゃないですか!

あと、あなた達にもメリットがあるんですよ。

向こうの継承者に会ったら、知識の交流をすることになります。そしたら、あなたの運命がよりはっきり見えるようになり、神や世界のことが見えるかもしれませんよ。」

 

「確かに、おいらたちにもメリットがあるな。」

 

「理解してもらいましたか?なら、早く出発しましょう!」

 

「じゃあ、モンド城までは案内するね。」

 

「はい!でも、モンド城に着いたら弟子のふりをしてもらいますよ。」




原石;1060


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