転生?憑依?したら鹿目家の長男になってた (餡 子太郎)
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まどマギ編
プロローグ


「やぁ、初めましてだね。前まで作者が前書きを担当してたけど今回から僕がやらせて貰うからよろしくね。さて、これから始まる物語はとある街に住む五人の魔法少女と一人の少年の戦いを描いた物語......。作者がまどマギにハマった途端、この作品が思い付いたそうだよ。やれやれ、作者の思考はどうなってるのか訳が分からないよ。それじゃあ早速始めるとしよう。それじゃあ最後に......」

「僕と契約して、魔法少女にやってよ!(男の娘も大歓迎)」




 

これで何度目の世界だろうか......。

 

今ではそんな事を考えるのもやめてしまった....,。

 

......そう、数なんて関係ない。

 

何度繰り返そうと、私は()()()を助けると決めた......。

 

「それでは、転校生を紹介しまーす」

 

「暁美ほむらです。よろしく」

 

「.......」

 

同じだ......、いつもと同じ......。聞き飽きた周りの声、そして私が彼女に保健室へ案内させるのも......。全て......、聞き飽きた......。

 

「......鹿目まどか。あなた、家族や友達なこと、大切だと思ってる?」

 

「え......?」

 

「どうなの?」

 

このやり取りも何回目だろう...、そして何回目にあの言葉を聞くのだろう......。

 

「......もちろん、大切だと思ってるよ?家族も友達も、家族も友達も、みんな大好きだもん」

 

「...そう」

 

「それに......」

 

......ん?

 

「私、()()()()()に憧れてるから.....」

 

「......え?」

 

今......、何て.........。

 

彼女に......、お兄さん?

 

今回の時間は........、何かが違う......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺の生涯を全部お前に捧げたい.....。だから、お前の人生を俺に預けてくれないか?一緒に暮らして、俺達の子供を作って、そして.......、死ぬ時は俺と同じ墓に入って欲しい......』

 

あの言葉が蘇る......、もうあれから何年が経つだろうか........。とても懐かしい、時間はあっという間に過ぎていったな......。

 

「おじいちゃん........」

 

「龍騎......」

 

「ははは......、そんな悲しい顔するなよ......」

 

俺の周りにはかつて共に戦っていた仲間と孫達に囲まれていた。

 

「すまない......、俺が先に逝っちまうな........」

 

「大丈夫、後で追いかけるから......」

 

「......だからって直ぐに来るなよ...?なるべくゆっくり、な?」

 

「えぇ、約束通り同じお墓に入りましょう?」

 

「ああ......、やばっ.....、迎えが来たわ.......」

 

「おじいちゃん!!」

 

「龍騎!」

 

「皆んな...、今までありがとな.......。長生き......、しろよ.......」

 

「お疲れ様......、貴方......」

 

そう言って俺はゆっくりと目を閉じて、息を引き取った。

 

こうして、100年近く生きた霧影 龍騎《きりかげ りゅうき》の人生は終了した..........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて思ってた昔の俺が居ました。

 

龍騎「..........」

 

目が覚めたら知らない天井、おまけに見知らぬ部屋のベットの上だった。

 

龍騎「......は?( ゚д゚)?

 

あれ?ちょっと待って何かおかしいぞ?俺あっちだと死んだよね?老衰で死んだよね?嫁や孫達と仲間に見守られながら永眠したよね?何で俺此処に居るの?さっきの雰囲気は何処へ行っちゃったの?

 

龍騎「!」

 

俺は混乱しながらも部屋の辺りを見渡すと、椅子には学生服らしき物があり、机の上には鞄が置いてあった。そして俺ある事に気づく。

 

龍騎「生徒手帳だ!」

 

俺はベットから降りると、急いで鞄の中を漁る。もしかしたら俺は今どうなってるのか分かる筈だ、そう思った俺は鞄を漁っているとお目当ての物が見つかった。そして中を確認すると......。

 

龍騎「......見滝原中学二年...、鹿目 龍騎《かなめ りゅうき》.........?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「な、なんじゃこりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!

 

どうやら俺は、とある外の世界の一家の少年として........、転生?憑依?まぁどっちでも良いか、良くないけど。取り敢えずまた()()()に巻き込まれてしまうようだ。

 

そして、新たな戦いが始まろうとしていた事を......、その時の俺は知らない........。

 

 

 

 

東方龍優録 X 魔法少女まどか☆マギカ

 

『転生?憑依?したら鹿目家の長男になってた』




どうもです。餡 子太郎です。

さぁ、やって参りました東方龍優録の続編です!

活動報告で上げたタイトルは少し改変させて頂きました。ぶっちゃけ転生なのか憑依なのか分かんないので......。

今回はプロローグなのでちょっと短くて内容も薄い感じはしますけど、次回から本格的な物語に来ていきますのでどうぞよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。

推奨OP 『alive a life』(仮面ライダー龍騎より)

推奨ED 『Magia』(魔法少女まどか⭐︎マギカより)


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新しい生活

「やぁ、見に来てくれてありがとう。今回から本編開始だよ。と言っても原作から逸れてるから気をつけてね。それじゃあ最後に...」

「僕と契約して、魔法少女にやってよ!」


 

〜鹿目家・自室〜

 

龍騎「.......よし、今日の特訓は終わり」

 

まどか「お兄ちゃん、朝だよ......、ってまた筋トレしてたの?」

 

龍騎「悪いかよ愛しき妹よ。それにもう終わった所」

 

まどか「そっか、お疲れ様。朝ご飯出来てるよ」

 

龍騎「ん」

 

俺は日課である筋トレを終えると、タンクトップを脱ぎ捨てる。すると妹のまどかが軽い悲鳴を上げた。

 

まどか「も、もう〜いきなり脱がないでよ!///」

 

龍騎「お前は男の上裸姿に慣れて無さ過ぎだろ....。兄妹なんだからさいい加減慣れようぜ?」

 

まどか「だ、だってお兄ちゃん......、最近筋肉付いてきてるし...///カッコよくなってきてるし///」

 

そう言ってはずかしそうに恥ずかしそうに両手の人差し指をチョンチョンと突き合わせる。可愛い過ぎね?俺の妹。赤の他人だったら彼女にしたいレベル」

 

まどか「〜〜っ!///お兄ちゃんのバカ!///」

 

龍騎「え?」

 

何故か怒って部屋から出て行ってしまったまどか。俺なんかした?

 

龍騎「.........」

 

訳が分からないので取り敢えず制服に着替える事にした。

 

 

俺がこの鹿目家にやって来て早二年が経過した。どうやら俺は『鹿目 龍騎』として転生?憑依?したらしく、現在は『見滝原高校』に通う一年生である。当時の俺はかなりテンパった、だって俺の妹に当たる鹿目 まどか《かなめ まどか》と目があった瞬間『誰だこの女神は!?』と口にしてしまった。その時のまどかは一度驚いた顔をするとえへへ〜と照れた。その時、俺は思った。

 

龍騎(守りたい、この笑顔)

 

それと色々調べた結果、この外の世界は俺が居た外の世界とは全く違う世界だった。まず西暦である。俺が幻想郷にやって来たのは2022年の夏頃、しかし今俺が居る世界では2011年、十年以上過去の時代にやって来てしまっていた。しかもあの東日本大震災が起きてないし、スマホも普及するどころか何一つ開発してないという別次元な世界だった。

 

龍騎(でもまぁ、二年もあれば慣れるよな......)

 

そして俺はこの世界に慣れて、今では立派な高校生である。前世の時は碌に青春が出来なかったからな。今回こそは高校生らしい青春を送ろう。......高校生らしい青春って何だ?あ、ちなみに俺が転生?憑依?した事は伝えてない。色々とややこしくなりそうなので頑張って兄貴を演じようと思いますはい。

 

?「おはよう龍騎。朝ご飯出来てるよ」

 

?「にぃーに!」

 

龍騎「ああ、おはよう親父、タツヤ」

 

そう言って俺は席に着く。台所に立ってるのは俺の父である鹿目 知久《かなめ ともひさ》専業主夫である。兎に角料理がめちゃくちゃ美味い。それ以外は無い。そして俺の隣に居るのは鹿目 タツヤ《かなめ たつや》俺とまどかの弟であり、渾名は『たっくん』決して某オルフェノクの方のたっくんでは無いので其処んところよろしく。あと俺とまどかが大好きな天使ポジション。

 

それからまどかと母である鹿目 詢子《かなめ じゅんこ》やってくる。母はキャリアウーマンで結構稼いでるらしい。後酒好きで朝に弱く、スケバン口調だが家族を大事にしてる良い母親だ。とまぁ、俺達鹿目家はこんな感じである。

 

 

まどか「行って来まーす」

 

まどか先に学校へ向かおうと外へ出ると、俺も後から追い掛けるように玄関の前に立つ。

 

龍騎「行ってくる」

 

詢子「......龍騎、まどかを見習いな」

 

龍騎「逝って来まーす!(遊○風)」

 

詢子「何か違う意味の言葉が聞こえたような.....」

 

後ろでオカンが何か言ってるが気にせず外へ出ると、まどかが鞄を持って待っていた。

 

まどか「お兄ちゃん、早く行こ!」

 

龍騎「先に行ってても良かったのに」

 

まどか「良くないよ、さやかちゃんも仁美ちゃんも待ってるよ」

 

龍騎「まどかさん?腕組まれても全然説得力無いからね?ってかその二人絶対おまけ扱いだよね?」

 

まどか「えへへ〜♪」

 

龍騎「もういいや(思考放棄)」

 

幸せそうに微笑む妹を見ると何かどうでも良くなった。決してまどかの可愛さにやられた訳じゃないよ?ホントだよ?リュークンウソツカナイ。

 

 

 

 

 

 

?「やぁやぁお二人さん!相変わらずお熱いですな〜」

 

龍騎「カップルじゃないんだよなぁ......」

 

まどか「おはようさやかちゃん、仁美ちゃん」

 

仁美「おはようございます。まどかさん、龍騎さん」

 

龍騎「おはよう仁美」

 

さやか「ちょっとお兄さん!私は!?」

 

龍騎「?どちら様で?」

 

さやか「忘れたの!?このちょー美少女中学生さやかちゃんを!?」

 

龍騎「さやか?知らない子ですね......」

 

キーー!と騒ぐ青髪少女は美樹 さやか《みき さやか》まどかと同い年で長い付き合いである。あとまどかよりアホ。そして隣に居るのは志筑 仁美《しづき ひとみ》彼女もまどかの親友で、習い事を掛け持ちする程のお金持ち。あとめちゃくちゃモテるらしくラブレターが毎日のように届くらしい。幻想郷に住む前の俺だったら羨ましいとは思うが、とあるストーカーの一件が思い出してしまう。......嫌な記憶が蘇ったな...。

 

龍騎「ほら、早く行かねぇと遅刻するぞ」

 

まどか「そうだね、じゃあお兄ちゃんまたね!」

 

さやか「あ、ちょっとまどか!?」

 

そう言ってまどかは中学校へ走り出すとさやかは慌てて追い掛ける。

 

仁美「龍騎さんもお気をつけて」

 

龍騎「そっちもな」

 

仁美は俺に一礼して二人を追い掛ける。さてと、俺もぼちぼち行きますかね...。そう思いながら俺も高校へ向かった。

 

 

 

〜見滝原高校・一年A組〜

 

龍騎「ふぃ〜、ギリギリセーフ」

 

?「じゃない!」

 

遅刻間際に席に着席すると、後ろから一人の女子生徒が叫ぶ。振り向くとブラウンの髪に白いリボンの着いた黒い帽子を指で振り回す女子生徒が居た。

 

?「ギリギリセーフじゃないから!何でいつもの場所に来なかったの!?こっちまで遅刻しそうになったんだから!」

 

龍騎「何でお前に従わないといけない訳?良いじゃん別に、俺のペースで登校しようが下校しようが」

 

?「こんな可愛い女の子を一人で歩かせる気!?クラスメイトとしてどうかしてるわ!」

 

龍騎「訳が分からないよ......。ってか自分で可愛いって言うか普通?」

 

?「まぁこう見えて中学生時代はモテてたからね?」

 

そう言ってグラマーのようなポーズをする。多分告白した奴はこいつの中身を知らないだろうな......。

 

?「兎に角!次からは一緒に登校する事!これはお願いじゃなくて命令、だからしっかり従う事!」

 

そう言って俺に人差し指を突き付ける。止めなさい人に指を指すんじゃない。

 

龍騎「ねぇ俺の人権は?」

 

?「貴方の人権は私の物だから」

 

龍騎「何そのジャイアニズム...、って事は俺も生涯もお前の物って事?」

 

?「キャアーオカサレルー」

 

龍騎「おい何でだよ」

 

?「そうやって私をいじめるんでしょ!?エ◯同人みたいに!」

 

龍騎「よくそんなネタ知ってるなりゅーくんビックリだよ」

 

そう言って溜め息を吐く。紹介が遅れたがこいつは同じクラスの宇佐見 蓮子《うさみ れんこ》である。見た目は確かに申し分は無いが、アバウト気味な性格で度胸はその辺の男よりあるが無鉄砲な一面もある。こいつとは入学式に蓮子が先に話し掛けられ、そのままネタのオンパレードが始まり現在に至る、何だかんだ言ってこいつとは仲の良い関係が続いている。

 

龍騎「そういえばメリーはどうしたんだよ?」

 

蓮子「ん?ああ、今日は忌引だって。何でもお爺さんを亡くしたんだとか」

 

龍騎「あらま」

 

蓮子「もし龍騎が先に死んだら葬儀に大音量でフ○ージ◯流してあげるね」

 

龍騎「何物騒な事言ってんの?超貴重な時に何伝説を残そうとしてんだよお前は?呪ってやるぞ?それと流すならあ○花のED流せ」

 

蓮子「アニソン流す事は認めるんだ......」

 

龍騎「ならお前が先に死んだらド◯ド◯流してやるよ」

 

蓮子「止めて!?ド◯ド◯は洒落にならないから!?それだけは止めて!?」

 

担任「いい加減静かにしろ!」

 

龍騎・蓮子「「!?」」

 

いつの間にか担任が入って来て俺と蓮子に怒鳴り散らかした。そして周りからクスクスと小さく笑う声が聞こえ、俺と蓮子は顔を赤くする。

 

担任「夫婦喧嘩するのは良いが、時間を確認してからやれ」

 

龍騎・蓮子「「夫婦じゃない!!」」

 

担任「次騒いだら二人仲良く廊下だからな?」

 

龍騎・蓮子「「すみませんでした」」

 

それからいつもの学校生活が始まる。授業を受けては休み時間に次の授業の準備をし、昼休みになったら屋上に行って飯を食って昼寝、午後の授業を受けて放課後になれば掃除やら部活やらバイトやら皆んなそれぞれの仕事に向かう。ちなみに俺も部活は入ってるが今日は休みなのでそのまま帰宅する事にした。

 

蓮子「こーらまた一人で帰ろうとする」

 

うさみれんこがあらわれた!

 

龍騎「い、いや俺バイトだからさ......」

 

りゅうきがいいわけをとなえた!

 

蓮子「今日シフト入れて無いでしょ?」

 

ミス!

 

龍騎「きゅ、急に連絡が.....」

 

蓮子「どうせ私と帰るのが面倒くさいからでしょ?」

 

れんこはセイロンをたたきつけた!

 

こんしんのいちげき!

 

龍騎「ソ、ソンナコトハナイゾー?」

 

りゅうきは にげだした!しかし、まわりこまれてしまった!

 

蓮子「ほら、部活もバイトも無いんだから行くよ!」

 

龍騎「ぐへっ!?」

 

りゅうきは くびをつかまれた! りゅうきは しんでしまった!

 

 

 

 

 

 

 

 

〜放課後・街中〜

 

龍騎「ったく、襟掴む事は無いだろ」

 

蓮子「ごめんって、代わりに何か奢るから」

 

龍騎「女相手に奢られるのは性に合わない、ってかもう気にしてない」

 

蓮子「......それなら良いんだけど」

 

学校を出た俺達は街中で蓮子に謝罪されるが直ぐに許す。前世から小さな事気にしない性格は変わってないな......。

 

さやか「あれ?お兄さん?」

 

龍騎「?」

 

すると横からさやかの声がしたので振り向くと、朝一緒に居たメンバーが帰路についていた。

 

龍騎「よう、奇遇だな」

 

まどか「お疲れ様、お兄ちゃん。その隣に居る人は?」

 

まどかが気になったのか蓮子を指摘する。

 

龍騎「ただのクラスメイト兼部活仲間.......」

 

蓮子「どうもー!宇佐見蓮子って言いまーす!鹿目龍騎くんとはお付き合いさせて貰って......」

 

スパンッ!

 

俺は鞄から取り出した特性ハリセンで蓮子の頭を叩いた。

 

蓮子「痛っ!?何するの!?」

 

龍騎「それはこっちのセリフだ!事実でもない事言った所為で妹の顔見てみろよ!何かヤンデレみたいな顔してるぞ!」

 

そう言ってまどかを見せるとハイライトくんはサラバダーして小声で何か呪文みたいなのが唱えていた。

 

蓮子「え?妹さん居たの?全然似てない」

 

龍騎「そればっかりは何も言えねぇよ」

 

さやか「あ、あの......、お二人さん?本当に友達でよろしいのでしょうか?」

 

さやかが割って入ってくると、俺は頷いたらまどかのハイライトくんがカムバックしてパアァ〜!みたいな効果音が鳴りそうな表情になった。それどうなってるの?

 

仁美「......取り敢えず移動しませんか?」

 

仁美の言葉で全員が周りを見てみると、少人数の人達が此方を見ていた。俺達は恥ずかしくなりその場から避難した。

 

 

〜とある喫茶店・テーブル席〜

 

龍騎「あー、改めて紹介する。こいつが宇佐見蓮子、俺のクラスメイト兼部活仲間兼バイト先の同僚。んでピンク髪の娘が妹のまどか、青髪が美樹さやか、その隣が志筑仁美。見滝原中学の二年で長い付き合いだ」

 

蓮子「よろしくね皆んな」

 

「「「よろしくお願いします」」」

 

喫茶店に移動した俺達は女性陣にお互いを紹介する。そして紹介し終えた俺は頼んでおいたコーヒーを一口飲む。

 

蓮子「成る程ね、こんな可愛い女の子達と登校してた訳か。罪な男だね」

 

龍騎「昔モテてたお前が言えた義理じゃないだろ?」

 

まどか「蓮子さんモテてたんですか?」

 

蓮子「まぁ〜ね〜、でも親友と比べたらまだまだだけどね」

 

さやか「ほほぅ、仁美とは良い勝負が出来そうですね」

 

龍騎「何の勝負だよ......」

 

仁美「それで、お二人はどのように知り合ったのですか?」

 

蓮子「ん?入学式の時に私から話しかけたの。そしたらお互い意気投合しちゃってね、それから私達は一緒に部活を立ち上げたり、バイトしてたりしてるの」

 

さやか「ほぇ〜......あ、そうだまどか。例の転校生はどうだった?」

 

龍騎「転校生?」

 

さやかがまどかに質問すると、俺も気になって声を出してしまう。

 

まどか「うん......、よく分からない事言っててさ。訳分かんないよ......」

 

................その子って電波系女子?流行ってんの?

 

さやか「何それ!?文武両道で才色兼備かと思いきや、実はサイコな電波さん……。クゥゥゥゥ!どこまでキャラ立てすれば気が済むんだあの転校生は!!萌えか、そこが萌えなのかー!!?」

 

お前が訳分かんないよ.....。

 

龍騎「萌えも燃えもどっちでも良いっての」

 

まどか「......あ、でも何かお兄ちゃんの事を言ったら結構驚いてたよ?」

 

龍騎「は?」

 

まどかの言葉を聞いて思わず声が裏返ってしまった。

 

仁美「龍騎さんと暁美さんは知り合いなのですか?」

 

龍騎「誰だよ(ピ◯ガ◯)」

 

さやか「デスヨネー」

 

仁美「......あら、もうこんな時間」

 

仁美が携帯で時計を確認すると、鞄を持って席を立つ。どうやら習い事の時間のようだ。

 

さやか「今日はピアノ?日本舞踊?」

 

龍騎「それとも飛○御○流?神○活○流?」

 

仁美「お茶のお稽古ですの」

 

蓮子「お嬢様だ...」

 

俺のボケに仁美は華麗にスルーされ、蓮子にもツッコんで貰えなかった。どうやら俺はボケには向いてないようだ。

 

蓮子「なら私も帰ろうかな、良いものが見れたし」

 

そう言って蓮子も帰る支度する。

 

さやか「あ、良かったら連絡先交換しませんか?」

 

蓮子「お、良いね!交換しよっか!」

 

そう言って女性陣は携帯を取り出して連絡先を交換した。ってかあって一時間もしてないのに仲良くなれるとかお前等陽キャだろ......、俺でも無理だぞ......。

 

蓮子「じゃあね皆んな!龍騎!明日はしっかりやりなさいよ!」

 

龍騎「あれマジだったの?」

 

蓮子「マジなの、じゃあまた明日!」

 

そう言って蓮子は店を出て行き、仁美も一礼すると店を後にした。さて、俺達も引き上げるとしますか、そう言って俺達も帰る準備をすると、さやかが俺達に声を掛けてきた。

 

さやか「ねぇお二人さん、この後暇?だったら帰りにCD屋、寄ってもいい?」

 

まどか「良いよ、お兄ちゃんはどうする?」

 

龍騎「行っても良いけど、また上条にか?」

 

さやか「ま、まぁね......」

 

上条 恭介《かみじょう きょうすけ》さやかの幼馴染でヴァイオリンを弾くのがとても好きで偶に聞かせて貰っていたが、事故により入院しているのだ。決して某学園都市に住む不幸高校生では無いのでご了承を。

 

龍騎「......なぁさやか、CDを買うのは良いがそろそろ別の物に目を向けてみろよ」

 

さやか「え?何で?」

 

こいつ分かって無いようだな........。仕方ない........、此処は長年生きてきた元神様が軽く教えてやろうではないか。

 

龍騎「いいか?仮にお前が空腹で死にかけてるとしよう、そして目の前には高級なローストビーフを持った上条が居るとするだろ?しかしお前は頑張っても手に届く事の無い場所に居るとして、上条が手に持ってるローストビーフを見せびからしてたらさ......、どう思う?」

 

さやか「そのふざけた幻想をぶち殺す!!......あ」

 

龍騎「つまりそう言う事だ、最初は良いんだぞ?『親切だなー』って思うから。でもな?やり過ぎると自己満足になって相手の事が見えなくなる。上条の事、本気で思ってるなら色々気を使うなり、アプローチを変えるなりしろ」

 

さやか「うん......、ん?ちょっと待って!?何で私が恭介の事好きだってことになるの!?」

 

龍騎「いやあれだけやっといて気づかないと思った?」

 

まどか「あははは......」

 

さやか「そ、そんな......、てっきりバレてないと思ってたのに......」

 

そう言ってしゃがんだまま落ち込んでしまったさやか。

 

龍騎「......取り敢えず、CD屋行くか?」

 

さやか「......行く」

 

こうして俺達はCD屋に向かうのであった......。




どうもです。餡 子太郎です。

いかがでしたか?

東方から秘封倶楽部の宇佐見蓮子とメリーが登場です。メリーはもう少し後に登場しますので暫くお待ち下さい。

次回から本格的なシリアス(?)が入るのでよろしくお願いします(ギャグが無いとは言ってない)

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。



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魔法少女

「やぁ、よく来てくれたね。今回は戦闘シーンをあるから頼んでくれ。それじゃあ最後に......」

「僕と契約して、魔法少女......」

龍騎「それ毎回言うの?」


 

さて、俺達はCD屋にやって来たので此処からは別行動をする事にした。さやかは少し離れた所に行くと、まどかま視聴用のヘッドホンを付けて音楽を聴いていた。俺もアニソンコーナーへ向かった。

 

龍騎「コネクト......、Magia......、friends......、プロミス......」

 

適当に探しているが何のアニメだったかド忘れしてしまった。えぇと....,、何だっけ?まぁいいや、取り敢えずガ◯ダ◯でも東◯でも探そう。

 

龍騎「...........ッ!?」

 

俺が偶々レジを向くと、少し目立つ格好の男がCDを購入していた。しかし、俺は咄嗟にその男を見てみる。

 

?「......」

 

龍騎「っ!」

 

その男が俺に気づいたのか此方へ向くと、微笑み出した。すると会計を済ませた男は店から出ようとする。俺はまどかにメールで『トイレに行ってくる』と連絡してその男を追いかけた。

 

 

 

〜とある公園〜

 

龍騎「はぁ...、はぁ...」

 

?「私の気配を感じ取れるとは...、お見事です」

 

龍騎「やっぱりお前だったのか......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリーン」

 

マリーン「お久しぶりです、霧影龍騎さん......。いや、今は鹿目龍騎さんでしたね」

 

そう、こいつはかつて幻想郷で俺達の事を観察をしていた大魔術師、マリーンである。しかも今の俺の事まで知ってるとは.....。

 

龍騎「何しに此処に来た......?」

 

マリーン「そう警戒しないで下さい、私はただの観光で来ただけですよ」

 

龍騎「観光?」

 

マリーン「私は世界、過去と未来の行き来が出来ますからね。当然、並行世界でも余裕で出来るんですよ」

 

龍騎「.........」

 

マリーン「......そうだ、龍騎さんは前世の記憶があるようですが、どれぐらいまで覚えてるんですか?」

 

そう言ってベンチに座っていたマリーンが立ち上がる。

 

龍騎「記憶は全部、能力と魔力は......、劣化した」

 

そう、俺は今でも魔力は残っている。能力も一部なら使えるが魔力の少ない今の俺では使えないと言っても良いぐらいだ。

 

マリーン「無理もありませんね、しかし鬼神龍の体質を受け継いでるのなら、時期に元に戻りますよ」

 

龍騎「生憎今はそれを望んでいない」

 

マリーン「残念ながら直ぐにでも必要となるでしょう......、この世界には()()()()()()()()()()()()

 

龍騎「面白い事........?まさか戦いじゃないだろうな?」

 

マリーン「さぁ?其処はご自分の目で確認すると良いでしょう」

 

そう言ってマリーンは俺に差をつけると歩き始める。

 

マリーン「そうそう、妹さんとご友人さんが無事だと良いですね」

 

龍騎「!?」

 

そう言ってマリーンは去ってしまった。そして俺も急いでCD屋に戻る......。

 

龍騎(こう言う時、悪い予感が当たるのが俺だからな......)

 

マリーンの事だ、きっと何かが起こると思ってるんだ........。あ、そうだ(唐突)魔力で二人を感知すれば良いんだ(名案)この二年間あんまり魔力使って無かったからな......。

 

龍騎「......CD屋に居ない?一体何処へ..........、って其処は!?」

 

俺が魔力を使って二人を感知すると、既に二人はCD屋から出ていて向かった先は確か廃墟されたビルの中だった。

 

龍騎「何でこんな所に......」

 

俺は立ち入り禁止の鎖を跨ぎ、階段の上にある扉を開く。開けた先は、奥の方にある外が見えるガラスの壁以外光のないフロア、足元には資材が至る所に固められて置いてあった。

 

龍騎「まどかー!さやかー!何処だー!居るなら返事......!?」

 

大声を出して二人を呼ぶが、一向に返事がない。そして、唐突にやってきた謎の魔力を感じる。そしてぞわり、とした感覚と共に俺がが居るフロアの空間が歪み出す。

 

龍騎「.........クソッタレ」

 

俺は少し離れた所に錆びた鉄パイプがあったので手に取って移動する。

 

少し進むとまどかとさやかの姿を発見、すると二人の周囲から蝶が付いたボールが二人を襲う。今から二人の元へダッシュしても間に合わない......、俺は鉄パイプを逆手に持って槍投げのように構える。

 

 

?「ここは魔女の結界の中、周りにいるのは魔女の使い魔よ」

 

龍騎「!?」

 

謎の少女の声に次々と何かに撃ち抜かれて消えていく蝶付きボール。すると奥からまどか達と同じ学生服を来た金髪ドリル少女だった。

 

金髪ドリル少女「危なかったわね、二人共。そちらの男性も大丈夫ですか?」

 

龍騎「.........」

 

まどか「お兄ちゃん!」

 

さやか「お兄さん!」

 

奥にいた金髪ドリル少女が俺の事を聞くと、まどかとさやかが俺に向かって来た。

 

龍騎「大丈夫か二人共?」

 

さやか「な、なんとか......」

 

金髪ドリル少女「どうやら知り合いのようね。自己紹介をしたいけど、ちょっとその前に!」

 

金髪ドリル少女が腕を横にひと振りすると、それと同時に現れる大量のマスケット銃、で良いんだよね?自分たちの危機を悟ったのかあちこちに隠れていた蝶付きボールが金髪ドリル少女に襲いかかる。

 

龍騎「お前等、少し離れていろ」

 

まどか・さやか「「え?」」

 

金髪ドリル少女「ちょっと一仕事、片付けちゃっていいかしら!!」

 

金髪ドリル少女がその声に合わせ、大量のマスケット銃の同時発射する。蝶付きボールは一匹も残すことなく銃弾に貫かれた。

 

まどか「!?後ろ!」

 

金髪ドリル少女「っ!」

 

しかし、一匹が倒し切れておらず金髪ドリル少女を襲う。まどかの声に反応したのか金髪ドリル少女は振り向いてマスケット銃を構える。

 

が、その前に俺が鉄パイプを投擲して最後の一匹を仕留めた。

 

金髪ドリル少女「!?」

 

龍騎「お前は確かに腕は良い、だが少し慢心し過ぎだ。射抜いたからって急所に当たれば仕留められると思ったら大違いだ。覚えておけ」

 

金髪ドリル少女「は、はい......」

 

まどか「.........お兄ちゃん?」

 

龍騎「あ」

 

無意識に金髪ドリル少女にアドバイスしていたらまどかに声を掛けられると咄嗟に口を手で抑える。やっべ、やっちまった。

 

龍騎「き、気にするな!今の独り言だから!」

 

何てテンパりながら言うと、先程の落書きみたいな景色が元の景色に戻っていく。

 

金髪ドリル少女「キュウべえを助けてくれたのね、ありがとう。その子は私の大切な友達なの」

 

金髪ドリル少女がまどかが抱えていた白いぬいぐるみのような生き物を見てそう言った。

 

さやか「あ、あの!まどかがその......、キュウべえ?の声が聞こえたって」

 

金髪ドリル少女「キュウべえが?......成る程ね。見たところ、あなたたちも見滝原の生徒みたいだけど、二年生?」

 

さやか「は、はい!」

 

金髪ドリル少女「それと、貴方は.....、高校生かしら?」

 

龍騎「......ああ、それより........。隠れて無いで出てこいよ。其処に居るのは分かってんだよ」

 

まどか・さやか「「え?」」

 

俺がそう言うと、資材の上から黒髪のロングヘアーの少女が現れた。......何なの?コスプレでも流行ってんの?

 

金髪ドリル少女「気づいていたのね」

 

龍騎「気配を消したつもりらしいが、俺には通用しない」

 

金髪ドリル少女「そう......、ところで其処の貴女魔女は逃げてしまったわよ?仕留めたいなら直ぐに追いかけなさい。今回は貴女に譲ってあげる」

 

黒髪少女「私が用があるのは、其処のキュウべえ......」

 

金髪ドリル少女「飲み込みが悪いのね、見逃がしてあげるって言ってるの。本当なら、友達をこんな風にされてお咎めなしなんて事にはしないけど、今回はこの子たちもいるし、お互い余計なトラブルは避けたいと思わない?」

 

黒髪少女「.........」

 

龍騎「待て、一つ確認したい事がある」

 

金髪ドリル少女が今回は退け、と言うと黒髪少女は何故かキュウべえ?を睨みつけて去ろうとするが俺は黒髪少女を呼び止める。

 

黒髪少女「......」

 

龍騎「お前がまどかの言っていた例の電波系女子転校生だな?」

 

黒髪少女「転校生なのは認めるけど、私は電波系でも無いわ」

 

龍騎「......名前は?俺は鹿目龍騎だ」

 

黒髪少女「......暁美ほむらよ」

 

そう言って黒髪少女、暁美ほむらは資材の奥へと消えていった。

 

 

そしてキュウべえ?を床に寝かせて、金髪ドリル少女が回復魔法らしき魔法を放つと、キュウべえ?の怪我がみるみると癒えていく。そしてキュウべえ?は目を開けると赤い目で金髪ドリル少女に顔を向ける。変わった生き物だな。

 

キュウべえ?「ありがとうマミ!助かったよ」

 

キュウべえ?が金髪ドリル少女こと、マミという少女にお礼を言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!

 

何で!?何で喋れるの!?ってか口を動かさないで喋ったぞ!?何の為の口だよ!?ってか気のせいか頭の中から声が聞こえた気がするんだけど!?斉◯ 楠◯なの!?

 

キュウべえ?「どうもありがとう!僕の名前はキュウべえ!」

 

龍騎「柳生九兵衛から取ったのか?」

 

キュウべえ「僕は漫画の世界の侍じゃないよ」

 

じゃあなんで俺の答えが分かったんだよ。少なからずとも漫画読んでただろ。

 

まどか「...あ、そういえば私を呼んだのは?」

 

キュウべえ「そうだよ。鹿目まどか、美樹さやか。僕、君達にお願いがあって来たんだ」

 

龍騎「何?腹減ったのか?ウー◯ーイー◯でも頼むか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キュウべえ「僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ!

 

 

おい無視するなよこの淫獣........ん?

 

今何つった?魔法少女?

 

龍騎「魔法少女なんて今時流行らないから、今の時代はプ◯キ◯アだから。よって魔法少女では無くプ◯キ◯アとして設定し直して来い」

 

「「「「え?」」」」

 

 

俺の言葉にその場に居たメンバーが固まった。そしてこの時の俺はまだ知らなかった......。

 

新しい戦いの火蓋が切られた事に......。




どうもです。

いかがでしたか?

さぁーて次回もギャグに染める予定なのでよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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契約という名の詐欺

「やぁ、来てくれてありがとう。作者がもう一つ新作を投稿したみたいだけど、上手く両立させるみたいだよ。今回もゆっくりしていってくれ」

「僕と契約して、魔法少女......」

まどか「しつこいと嫌われるよ?」


 

龍騎「......」

 

マミ「さぁどうぞ」

 

まどか「お、お邪魔します......」

 

さやか「お邪魔しまーす!」

 

俺は現在、金髪ドリル少女こと、マミの住んでるマンションに居る。いやいやいや、どうしてどうしてこうなった.....。

 

 

〜数分前〜

 

キュウべえ「僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ!」

 

龍騎「魔法少女なんて今時流行らないから、今の時代はプ◯キ◯アだから。よって魔法少女では無くプ◯キ◯アとして設定し直して来い」

 

「「「「え?」」」」

 

俺がそう言うと、その場に居た全員が固まった。......いやだってさ?魔法少女以前に魔法使いなんて大昔の外国で伝わる民話みたいなものじゃん。現代っ子からすれば『魔法少女?何それウケるー』で終わりだからね?だったらプ◯キ◯アとかセー◯ームー◯みたいにしろよ。......セー◯ームー◯は昭和のアニメだ?何年か前に新作出てただろ。

 

龍騎「..........ってかいきなり魔法少女になれってどう言うこったよ。契約って何?(強引な軌道修正)」

 

さやか「うわっ、いきなり話しを戻した......」

 

だってお前達の目を見たら何か悲しくなって来たさ、何なのさっき目は?まるでゴミを見るような目は何なの?

 

まどか「で、でもいきなりそんなこと言われても分からないわよね?」

 

龍騎「そうだよ(肯定)...ってか魔法少女やら使い魔とか良く分からんのだが。ただでさえ魔法少女という存在ですら自分の中でうまく飲み込めていない上に私達に魔法少女への適性があるだと?そんなことを言われてもすぐに答えを出せる訳が無いじゃん」

 

そんな事言ってるけど前世ではバリッバリ会ってるんですけどね(遠い目)

 

さやか「あ、あの......、わたし達、魔法少女になれるんですか?」

 

マミ「えぇ、キュゥべえに選ばれた以上、その資格はあるわ」

 

さやかの質問にマミは返答する。資格がある、か......。つまり俺も?何?またTSかロリ巨乳になれってか?(東方龍優録第五十三話、七十三話参照)

 

マミ「良かったら三人共、ウチに寄って行かない?色々と話したいこともあるし」

 

龍騎「え?」

 

マミの提案に俺は思わず声を上げる。いや待って?二人ならまだしも、俺はダメでしょ?俺男の子よ?誘っちゃダメでしょ?ア◯ゾ◯みたいに凶暴化しちゃうかもよ?しないけど。

 

まどか「......良いのかな?友人であれはともかく私達はまだ出会って直ぐですけど......」

 

マミ「ええ、もちろん。さっきも言ったけどいろいろと話したいことがあるから、ね?」

 

ね?じゃねぇよアホ。世間的に考えて?俺、お巡りさんにお世話になっちゃう。それともそれを狙ってるのか?

 

まどか「は、はい......。だったら、お言葉に甘えて......。さやかちゃんも行くよね?」

 

さやか「勿論、何か面白そうだし」

 

何が面白そうだよ馬鹿、明らかに面倒事の間違いだろ。それと我が愛しき妹まどかよ.......、そんなホイホイ釣られるなんてお兄ちゃん将来が心配だよ........。

 

マミ「貴方もどうですか?」

 

龍騎「.........警察には通報しない?」

 

さやか「お兄さん警戒し過ぎ......」

 

そんな事言うけどさ、前世に居た外の世界なんてちょっとの事でお巡りさーんこの人でーす!な訳よ? 皆んなビビってるからね?

 

マミ「大丈夫ですよ、そんな事しません」

 

龍騎「......分かった、同行する」

 

マミが苦笑しながらも警察には呼ばない事を告げると、俺も同行する事にした。あくまでまどかを守る為だ、さやかは?オマケだよ。

 

 

 

〜現在〜

 

それから俺達はマミの住んでるアパートに向かった。まどかは緊張してる様子だがさやかの場合は堂々と入っていく。元気だなー、その元気を分けてくれ、元◯玉作るから。

 

龍騎「F◯外から失礼するゾ〜っと.........、ん?」

 

俺もネタを決めながらいざ行かん、すると俺は少し違和感を感じた。それは......、

 

龍騎(靴、少な過ぎね?)

 

マミ「?どうしました?」

 

龍騎「あ、いや......、気にするな」

 

そう言って俺も靴を脱いでまどか達の後を追う。するとフローリングの短い廊下を歩くと壁の一面がガラスででき、マンションの外の風景を一望できる豪華な内装の部屋だった。

 

まどか「素敵なお部屋......」

 

龍騎(何でだろう......、あいつ等との記憶が蘇る......)

 

 

 

 

 

『ちょっと姉さん!それ私の唐揚げ!』

 

『やっぱり龍騎の作る料理美味しい♪』

 

『まだおかわりはありますから、ね?』

 

懐かしいなぁ......、一緒に過ごした日々が思い出す。あいつ等、元気かな......。

 

................................幻想郷の場合は素敵な空間のお部屋だが...。

 

別の意味では無敵の部屋だな......(自宅警備な意味で)

 

さやか「どうしたのお兄さん?何か嬉しそうな顔になったり遠い目になったりして」

 

龍騎「いや、何でもない(......にしても、気配を感じない。両親は共働きなのか?)」

 

何て事を考えていたらさやかにツッコまれたが、それと同時に新たな違和感を感じた。明らかにマミ一人で過ごすには広すぎる......。

 

マミ「一人暮らしだから、遠慮しないで。ろくにおもてなしの準備もできないのだけど.........」

 

龍騎「何......?」

 

その言葉を聞いて俺は確信を得た......。これは......、想像を絶する家庭事情だな......。

 

マミ「今、お茶とケーキを用意するからそこに座って待っていてね」

 

そう言っておもてなしをする為に一度キッチンに向かった彼女の言葉に従い、さやかとまどかは言われたとおりに三角形の形をしたテーブルの側に腰を下ろした。俺は少し当たりを見渡してから座る。暫くするとトレーの上にカップとケーキを乗せたマミがキッチンから戻り、三人の前のテーブルそのカップとケーキを置いた。そして二人はケーキを食べ始めるが、俺は入れて貰った紅茶を飲む。

 

龍騎(この紅茶......、市販の奴とは全然違う。やばっ、咲夜の紅茶が飲みたくなって来た)

 

久しぶりに少し高級感のある紅茶を飲むと前世の味が蘇りつつあるが、甘いケーキで味を誤魔化す。あ、このケーキ美味いな。

 

マミ「まずはどこから話そうかしら......。まず一番大切な事として、キュゥべえに選ばれた以上、貴女達にとってそれは他人事じゃないの」

 

龍騎「それは俺も含まれるのか?」

 

マミ「えぇ」

 

デスヨネーリュークンシッテタ。

 

マミ「順を追って説明するわね。改めまして、私の名前は巴 マミ《ともえ まみ》。貴女達と同じ見滝原中学の生徒で三年生。そしてキュゥべえと契約した魔法少女よ」

 

まどか「か、鹿目まどかです。見滝原中学の二年生です」

 

さやか「同じく二年生の美樹さやかです!」

 

龍騎「......見滝原高校一年、鹿目龍騎。まどかの兄貴だ」

 

お互いの自己紹介を終えると、巴(⇦基本苗字呼びする癖)はテーブルの上に宝石のような物を置いた。

 

まどか「わぁ......、綺麗......」

 

さやか「何ですかこれは?」

 

マミ「これは『ソウルジェム』と言って、キュウべえによって選ばれた女の子が契約によって生み出す宝石よ。魔力の源であり、魔法少女である事の証でもあるの」

 

龍騎「契約?」

 

キュウべえ「僕は君たちの願い事をなんでも一つ叶えてあげる。それこそなんだって構わない。奇跡だって起こしてあげるよ」

 

さやか「そ、それって!?金銀財宝とか!?」

 

龍騎「金は人を狂わすぞ」

 

さやか「不老不死とか!?!?」

 

龍騎「お前友達が老いて死んでいくのを見て楽しいのか?」

 

さやか「満漢全席とか!?!?!?」

 

龍騎「腹はちけ飛ぶぞ」

 

まどか「金銀財宝の願いを叶えれば可能なんじゃ.....」

 

さやか「お前等には夢が無いのかーーー!!」

 

ギャーーと騒いで殴りかかるさやかをチョップして沈める。

 

キュウべえ「続けるよ?で、それと引き換えに出来上がるのがソウルジェム。この石を手にしたものは魔女と戦う使命を課されるんだ!」

 

龍騎「誰から?」

 

キュウべえ「僕から」

 

龍騎「ざっけんなこの野郎、何でお前に従わなくちゃならないんだよ」

 

まどか「お兄ちゃん止めて!?雑巾絞りみたいにしないで!?」

 

マミ「あーー!?キュウべえが大変な事に!?」

 

俺がキュウべえを雑巾絞りにして八つ当たりをすると、キュウべえはスリム(笑)になった。これは傑作だわ写真に収めようとしたら何故か写真にキュウべえは写らなかった。

 

龍騎「(何か色々、分かったような気がした......)悪い、ちょっと二人を借りても良いか?」

 

マミ「え、えぇ......」

 

そう言って俺はまどかと伸びてるさやかを連れて廊下に出て、一回さやかを起こす事にした。

 

龍騎「おーいさやかちゃーん?起きろー、朝だぞー」

 

さやか「」

 

龍騎「無理矢理でも人工呼吸(意味深)するぞ」

 

さやか「はっ!?私は何処!?此処は誰!?」

 

俺が嘘を言うと慌てた様子でさやかが目覚めた。やっぱり起きてたのか......、ってかさっきの言葉逆だ。

 

龍騎「さて、お前達は俺が言いたい事は......、分かってるな?」

 

まどか「うん」

 

さやか「分かんないっす」

 

龍騎「正直で、結構.........。お前等、魔法少女になるな」

 

まどか「うん(二回目)」

 

さやか「(意味が)分かんないっす」

 

龍騎「ありゃどう考えても詐欺だ、何か裏がありそうな気がする」

 

まどか「うん(三回目)」

 

さやか「(何言ってるのかさっぱり)分かんないっす」

 

龍騎「先ずはあのソウルジェムだ。翻訳すると『魂の宝石』俺が注目したいのは『魂』の方だ。何故魂なのか、そしてあのソウルジェムはただの変身道具では無いような気がする」

 

まどか「うん(四回目)」

 

さやか「(どうしてそうなるのか)分かんないっす」

 

龍騎「ただの変身道具だったら何故そのような名前になるんだ?でも名前通り、実際に魂から形成されたのならそれは人間では核の部分になる」

 

まどか「うん?」

 

さやか「(説明してる意味が)分かんないっす」

 

龍騎「これは俺の憶測だが.........、ソウルジェムが損失、破壊されたら持ち主は死ぬと思う」

 

まどか「......え?」

 

さやか「意味が分からな.........、え?」

 

龍騎「やっぱてめぇ人の話し聞いて無かっただろ」

 

さやか「聞いてた!聞いてたからアイアンクローは止めて!!」

 

さっきから適当に返事するさやかにアイアンクローをお見舞いするが、直ぐに止める。

 

まどか「ど、どう言う事なの?」

 

さやか「私の心配はしてくれないのか我が友よ......」

 

龍騎「俺の憶測が当たっていれば、今の巴はソウルジェムが人間で言うと心臓、そして巴の身体は仮の身体って事だろうな」

 

さやか「それってつまり......、どう言う事でございましょうか?」

 

まどか「もしかして、今のマミさんの身体はゾンビみたいって事?」

 

龍騎「恐らくな......」

 

さやか「えぇぇぇぇぇぇ!?」

 

龍騎「うるさい」

 

騒ぎ出すさやかの口にハリセンを押し込んで俺は説明を続ける。

 

龍騎「次に気になるのは、あのキュウべえの言っていた『契約』だ」

 

まどか「それの何処か気になるの?」

 

龍騎「契約の期間だ」

 

まどか「期間...?」

 

龍騎「そう、契約ってのは適正に結ばれた契約は守らなければならないし、契約通り実現するように強制できる約束な事。しかし、今回の場合はこれと言った条件が無いんだ。例えるなら、一人の新入社員がブラック企業に就職したとしよう。それが今回の契約と見立てると........」

 

まどか「.........悪いことしてもその仕事は辞められないって事?」

 

龍騎「大正解、つまりあの淫獣と契約したら一生魔法少女をやり続けなくてはならない。それは何を意味するか......」

 

さやか「そ、それは......?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「お前等婆様になっても魔法少女するって事だ」

 

まどか「」

 

さやか「」

 

俺の憶測を聞いた途端、真っ白になる二人。そりゃそうだ、衰えた身体で魔法少女の格好するのは死んでも嫌な筈だ。

 

龍騎「あくまで憶測だ、それとこれは巴には内緒にしておいてくれ」

 

さやか「え?何で?」

 

龍騎「ボッチってメンタルが脆いんだよ」

 

まどか「どう言う事?」

 

龍騎「......恐らく、巴の両親は既に亡くなっている」

 

まどか・さやか「「!?」」

 

龍騎「おかしいと思わないか?義務教育を終えて居ない女子生徒が一人暮らしなんて身が重過ぎる。それにバイトも出来ないのにどうやって飲み食いしてると思う?」

 

さやか「確かに......、言われてみれば......」

 

まどか「でもどうして分かったの?」

 

龍騎「下駄箱にあった靴の数が明らかに少な過ぎる事、そして一人暮らしには広過ぎる部屋。そして本人から一人暮らししてると言った時点で察した。あいつは今まで一人で生きてきたんだって」

 

さやか「よく思いつきましたね」

 

龍騎「お前と違って二手三手先読んでるんだよ。それと、巴とは仲良くやってくれ、恐らくお前等の事を初めての友達と思ってるから」

 

まどか「勿論、ですよね?マミさん」

 

龍騎「え?」

 

まどかが巴の名前を出すと、俺の後ろには巴が後ろに立って泣いて居た。

 

龍騎「いつから居たの!?」

 

さやか「結構前から」

 

龍騎「ナズェイワナインディス!?」

 

まどか「私も途中で気づいたんだけど、その、言いづらくて.........」

 

じゃあほぼ全部聞かれてたって事!?ウソダドンドコドーン!!

 

マミ「.............」ポロポロ

 

龍騎「あ、あの......、巴さん?」

 

マミ「......んと、なの......?」

 

龍騎「え?」

 

マミ「こんな......、こんな私を、お友達でいてくれるの.........」ポロポロ

 

龍騎「......ああ、例えお前がゾンビだろうが魔女だろうが関係ない、お前が巴マミなら巴マミだ。俺はお前を受け入れる、だからお前も俺を受け入れろ」

 

さやか「あ、私だって友達ですからね!」

 

まどか「私もです!」

 

俺が立ち上がって巴の肩に手を置くと、まどかとさやかも立ち上がって友達だと宣言する。

 

マミ「......ありがとう」

 

そう言って巴は俺に抱きついて盛大に泣き始めた。ちょっと待って!?中学生とは思えないのが当たってるんだけど!?俺は早く巴を落ち着かせる為に頭を撫でるが、後ろでさやかがニヤニヤしてくるわ、まどかから黒いムカデみたいなオーラが発生してるような気がする......。

 

龍騎(この先、どうなるのやら.........)

 

俺は少し不安になりながら、必死に巴を落ち着かせるのであった。




どうもです。餡 子太郎です。

いかがでしたか?

次回はISを出す予定です。ってか交互にあげるか。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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魔法少女体験コース

「やぁ、よく来たね。今回はこれと言った事は無いから早速始めるよ」

「僕と契約して、魔法少女......」

さやか「それ以外にネタ無い訳?お兄さんを見習えば?」


 

ーーー何これ......、何で燃えてる

 

「.........なんだよ...、これ......」

 

 

ーーー誰なの...?あの人は......?

 

「りゅ、龍騎......」

 

 

ーーー龍騎......?お兄ちゃんと同じ名前......。

 

 

「お、ようやくお出ましか。待ちくたびれたぜ」

 

 

ーーー......何で血まみれの人を掴んでるの...?

 

 

「あ、ああ......、あああ......!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!

 

 

 

まどか「!?」

 

龍騎「うおっ!?ビックリした......、いきなり起き上がるなよ......」

 

まどか「......お兄ちゃん?」

 

まどかが降りて来なかったのでまどかの部屋に入ると、凄く魘されていたので窓を開けようとしたらいきなりまどかが起き上がって来た。スッゲェビックリした......。

 

龍騎「どうした?変な夢でも見てたのか?」

 

まどか「......そんなところ」

 

キュウべえ「おはよう、まどか!」

 

龍騎「......」

 

まどか「......」

 

ガラガラ

 

(っ'-')╮=͟͟͞͞ブォン     )`-' )  ⇦全力でキュウべえを投げるイメージ

 

 

 

〜洗面所〜

 

龍騎「......」

 

まどか「......」

 

キュウべえ「きゅっぷい」

 

龍騎・まどか((いつ何処から侵入した......))

 

洗面所で歯を磨いていたら隣でお湯の入った桶で寛いでる淫獣の姿があった。ってかいつお湯を入れた......。

 

詢子「昨日は珍しいじゃん、二人揃って帰りが遅れるなんてさ」

 

俺の後ろで歯を磨いていたオカンが昨日の事で訪ねて来た。

 

龍騎「まぁな......」

 

詢子「門限とか言わないけどさ、せめて連絡しろよ?」

 

龍騎「したじゃないか...」

 

それから朝食を食べていざ学校へ、っとその前に......。

 

龍騎「まどか、頼みがある」

 

まどか「?何?」

 

俺は歩きながらまどかに一枚の手紙を渡した。

 

龍騎「これを暁美ほむらに渡しといてくれ」

 

まどか「何でほむらちゃんに?」

 

龍騎「今後の魔法少女関連に少しでも情報が欲しい。昨日の巴の情報とは違う何かを知ってそうだと思ってな」

 

まどか「大丈夫かな......」

 

龍騎「何とかなるって、頼むな」

 

そう言って俺はまどかの肩を叩くと、まどかは渋々手紙を鞄の中に入れた。

 

まどか「ねぇお兄ちゃん」

 

龍騎「ん?」

 

まどか「お兄ちゃんにさ、巫女服の着た友達とか居たりする?」

 

龍騎「!?」

 

まどかの口から巫女服と聞くと、俺は固まってしまった。何故まどかがそんな言葉が......。

 

龍騎「......どうしてそう思うんだ?」

 

まどか「夢でね...、町が燃えてる中、一人の巫女服を着た女性が龍騎って呼んでてね?......あ、別に変な意味じゃないよ!その.......、何て言えば良いのかな......」

 

龍騎「.......居る訳ないだろ。第一巫女なんて神社かコスプレしか見かけないのにどうやったら友達になるんだよ」

 

まどか「そ、そうだよね!ごめん、変な事言って」

 

龍騎「気にするな、それと夢の事は忘れろ」

 

何でまどかがそんな夢を見始めたのかが分からない......。でも俺の正体がバレそうなのは確かだ.....。

 

龍騎(あまり時間は長くは無さそうだな......)

 

さやか「おっはよーまど......、か!?」

 

いつもの場所でさやかと仁美と合流すると、何故かさやかは驚いていた。

 

まどか「おはようさやかちゃん、仁美ちゃん」

 

さやか「ま、まどか...?」

 

龍騎「?どうした?」

 

さやか「か、鞄の中......」

 

龍騎・まどか「「え?」」

 

さやかの指を指した方向へ向くと、何故かまどかの鞄から淫獣の頭が出たいた。

 

キュウべえ「きゅっぷい」

 

 

o(#`Д´) ┌┛)`д) ;∴ ⇦キュウべえを蹴り飛ばすイメージ

 

仁美「...何をなさっているのですか?」

 

龍騎「やり残したトレーニング」

 

仁美「???」

 

「おっはよ!」

 

龍騎「うわっ!?」

 

突然俺の後ろから抱きついて来た人物がいた。

 

龍騎「......何でお前が此処に居るの?」

 

蓮子「別にいいじゃん、私が何処に居ようが」

 

龍騎「お前隣町だろ?態々此処まで来るか普通?」

 

蓮子「どうせこのまま四人で行くんでしょ?だったら仲間に入れても良いじゃん」

 

まどか「隣町から此処までって結構距離ありませんか?」

 

蓮子「そうでも無いよ?大体三十分ぐらいかな?」

 

さやか「oh......」

 

龍騎「.........明日から集合場所変えるか」

 

仁美「そうですわね......」

 

それから五人で学校に向かう。歩いてる途中にチラチラと此方を見ていた人達が居たが気にしない。前世で慣れたって言えばもう何も言い返せない...。あれ?今の俺ってハーレム?止めて?もうハーレムなんてこりごりよ?

 

 

 

 

〜見滝原高校・放課後〜

 

龍騎「さて、じゃあ帰りますか」

 

蓮子「そうだね、私もバイトだし」

 

そう言って俺と蓮子は鞄を持って教室から出る。この後はまどか達と合流して何かするって言っていたが、何をするのやら皆目検討が付かない。どうせ魔法少女関連だろうな......。

 

蓮子「メリー、明日は学校に来るって」

 

龍騎「そうか」

 

?「よっ、お二人さん」

 

誰かが俺達を呼び止める。振り返ると真っ赤な髪の女性が立っていた。

 

龍騎「岡崎先生」

 

蓮子「ゆめみっちじゃん」

 

夢美「今日は帰りかしら?」

 

彼女は岡崎 夢美《おかざき ゆめみ》、この見滝原高校の物理の先生でもあり、俺達が活動している秘封倶楽部《ひふうくらぶ》の顧問でもある。秘封倶楽部というのは簡単に言えばオカルト研究部なのだが、これと言った活動は殆どしてない。それもその筈、俺も蓮子もバイトしているし、メリーだって家の都合で来れない時がある。何の為に作ったのかと言うと、蓮子曰く、

 

蓮子『内申点稼ぎにもなる』

 

との事.....。

 

龍騎「俺これから用事があるんで」

 

蓮子「私はバイト」

 

夢美「あー、分かった。気をつけて帰るのよ?最近物騒だからね...」

 

龍騎「分かってますよ、それじゃあさようなら」

 

蓮子「じゃねゆめみっち」

 

夢美「そのゆめみっちは止めなさい、さよなら」

 

手を振って岡崎先生はその場から離れると、俺達も下駄箱へ向かうと、蓮子が話し掛けてくる。

 

蓮子「そういえば、用事って何?」

 

龍騎「あー、魔法少女体験コース?」

 

蓮子「......は?」

 

 

 

 

 

〜ファーストフード店・店内〜

 

マミ「さて、それじゃあ魔法少女体験コース第一弾、張り切っていってみましょうか。準備はいい?」

 

という訳でやってきました、魔法少女体験コース第一弾。なんで俺まで参加させられてるのか未だに不明である。

 

さやか「はい!準備になってるかどうか分からないけど持ってきました!!何もないよりはマシかと思って」

 

そう言ってさやかは一本のバットを見せた。ってかそれよく見たら中学校のバットじゃねぇか。

 

マミ「ま、まぁ、そういう覚悟でいてくれるのなら助かるわ」

 

龍騎「......まさかまどかも危ない物を持って来た訳じゃないだろうな?」

 

まどか「わ、私はそんな物持ってきてないよ!?強いて言うなら......」

 

そう言って鞄から一冊のノートを開いて俺達に見せた。

 

まどか「えっと、私はこんなの考えてきました!」

 

龍騎「」

 

さやか「.........」

 

マミ「.........」

 

 

それは、黒歴史確定の自分の魔法少女姿のイメージ(妄想)が落書きしてあるノートを堂々と広げた。

 

さやか「.........ぷっ、あははははははは!まどか!あんた最高だわ!」

 

マミ「フフフ、まあやる気は十分みたいね」

 

まどか「え!?どうして笑うの!?」

 

龍騎「......まどか、お前はやっちゃいけない事をした。この行動が十年後痛い目に遭うぞ」

 

まどか「そ、そんなぁ......」

 

未だに笑いが止まらない二人(特にさやか)のせいでまどかがますます萎縮してしまい、フライドポテトを兎のように齧りだす。分かる、分かるよその気持ち。俺も前世の時、天元突破した妄想をノートに書いてる時にクラスの奴に見られた瞬間直ぐにゴミ箱に没収ートしたから記憶がある。

 

まどか「......お兄ちゃんは何か持ってきたの?」

 

少し睨んでくるまどかがそう言ってきたので、俺も鞄からある一つの紙を出す。

 

龍騎「これ、辞退届。だから今日は帰らせて?」ニコッ

 

マミ「じゃあそろそろ行きましょうか」ビリッビリ

 

さやか「うむ!どんと来い!」

 

まどか「はい!よろしくお願いします!」

 

あああああああああ!?俺の辞退届がぁぁぁぁぁぁ!?

 

 

 

 

それから俺までも魔女探しに連行されて、今は通りがかった橋の上で、歩きながら魔女はどうやって探すのかを教えて貰っている状況である。蓮子にバイト代わって欲しかった...,,。

 

マミ「基本的に魔女探しは足で行うの。ほら、私のソウルジェム。これが昨日の魔女の魔力を覚えてるから、後はその光が強まる方へ進めばいいの」

 

さやか「わー...、結構地味......」

 

さやか、それは地味では無く面倒の間違いだ。

 

龍騎「ってかQ太郎なら、受信レーダー的なのが持ってるんじゃ無いの?」

 

キュウべえ「僕に出来る事って、テレパシーで皆んなを繋ぐくらいしか出来ないんだよ。それと僕はキュウべえだよ」

 

途中遭遇したQ太郎に言ってるが、そう返された。ツッコミ遅ぇな、こいつにツッコミは向いてないのかもしれない。そんな事を思ってると巴のソウルジェムが強く光出し、俺も謎の魔力を感知した。

 

龍騎(成る程、これが魔女の魔力か......)

 

マミ「...!近いわ!」

 

突然巴がそう言って走り出すと、俺達も追い掛ける。そして辿り着いた場所は廃ビルだった。そして魔女の魔力を感知した場所でもあった。

 

まどか「あれ!」

 

まどかが指を指すと、ビルの屋上にはOLらしき人物が立っていた。そして次の瞬間、その人はビルから飛び降りた。

 

龍騎「っ!」

 

俺は咄嗟に能力で雷属性を解放し、鞭状の魔法を出すが、巴が一足先に魔法少女に変身し落下する付近まで一気に駆け出し、リボンのような物で飛び降りた女性を救出した。俺が出る幕では無かったようだ、そう心で言って魔法を解除する。

 

マミ「魔女の口づけね」

 

リボンで女性を助けた後、巴は魔女の口づけがないか女性の首筋を見て確認する。すると首筋には謎の形をした痣のようなものがあった。

 

龍騎(この所為で操られてた訳か......。岡崎先生の言う通り、マジで物騒なもんだ...)

 

マミ「あれが魔女の結界の入り口よ。準備はいい?」

 

女性を楽な姿勢で寝かせ俺達は建物の中に入ると、巴が俺達に確認した来た。なので俺はこう返す。

 

龍騎「帰って良いっすか?」

 

マミ「そういえば......」

 

さやか「うわ!なんだこれ!?」

 

マミ「これでよし!気休め程度だけど身を守れる筈よ」

 

無視ですか.......(´・ω・`)

 

思い出したように巴はさやかが持っていたバットに触れて何とも言えないセンスの物体に加工した。当然さやかは驚いてるが、俺はしょぼくれていた。ムシ、ダメ、ゼッタイ。

 

マミ「それじゃ行くわよ!」

 

さやか「おう!」

 

龍騎「よし!んじゃ逝くか!」

 

まどか「逝くならこっちだよお兄ちゃん!」

 

そう言って俺は来た道を戻ろうとするが、まどかに襟を掴まれて連行されてしまった。誰か助けて......。




どうもです。餡 子太郎です。

次回はマミさんと魔女退治です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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魔女討伐

「やぁ、来てくれてありがとう。今回は彼も大活躍するから期待しててね、それじゃあ早速.....」

「僕と契約して、魔法少女......」

マミ「ティロ・フィナーレ!!(割り込み)」


 

廃ビルの中に入った俺達は魔女討伐の為に向かっているのだが......。

 

まどか「お兄ちゃん早く!」

 

龍騎「」

 

まどかに襟を掴まれてる俺は、現在意識を失っていた。だから今何処へ向かってるのか分からない。

 

さやか「......まどか?お兄さん死んでない?」

 

まどか「え?............あ、ああああああああああ!?お兄ちゃぁぁぁん!?」

 

さやかの言葉にまどかが俺を見ると、悲鳴を上げて俺の肩を掴みブンブンと振って生きてるか応答する。

 

さやか「いやそれじゃあ意味無いから」

 

まどか「しっかりしろ!君は強い男の子だろ!」バシバシ

 

マミ「それトドメ刺してないかしら?」

 

さやかに注意されたまどかは次は俺にビンタして応答するが、巴がツッコミを入れる。こいつ俺の性格(ネタ)に伝染したな......。

 

龍騎「馬鹿、本当に死んじゃうから!」

 

まどか「お兄ぃぃぃぃぃぃちゃあぁぁぁぁぁぁん!!」

 

俺が起き上がるとまどかが抱きしめてきた。

 

まどか「ごめんなさい!お兄ちゃんに酷い事を......」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない。それに......、可愛い妹を置いて死ねる訳ないだろ?」

 

まどか「お兄ちゃん!」

 

龍騎「まどか!」

 

さやか「わー兄弟愛(笑)だわ」

 

俺とまどかが抱きしめ合っているとさやかに遠い目された。

 

マミ「...そろそろ良いかしら?」

 

龍騎「よし逝こう!直ぐに逝こう!」

 

さやか「あっれれ〜?おっかしいなぁ〜?何か違う意味の言葉が聞こえたぞ〜?」

 

龍騎「心配するな!皆んなと一緒に逝けば怖くない!」

 

さやか「あれ!?死ぬ前提で言ってる!?」

 

それから四人で移動すると、蝶の形をした使い魔が襲い掛かって来た。巴はマスケット銃を取り出して発砲、さやかは魔改造されたバットを振り回す中、俺はまどかをお姫様抱っこして巴とさやかからなるべく離れないように使い魔から逃げていた。別に戦っても良いんだけど今回は巴にとっての晴れ舞台なので邪魔しちゃ悪いと思ったのであえて何もしない。

 

龍騎「怖いか?まどか」

 

まどか「お兄ちゃんに抱っこされて幸せ(ちょっと怖いかな......)」

 

本音と建前が逆にやってますよまどかさん、可愛い奴めそんな事言われたら嫁にしたくなっちゃう」

 

まどか「///」

 

おっと?今更気がついたのか顔が真っ赤だぜ?

 

さやか「バカップル兄妹!!イチャイチャしてないでこっち手伝って!」

 

龍騎「バカップルのバカは余計だ馬鹿!今必死に愛しき妹を守ってんだろうが!」

 

さやかに怒鳴られながらもまどかと共に合流し、使い魔を全て倒し終えた巴と先へ進む。

 

キュウべえ「マミ!もうすぐ結界の最深部だ!」

 

龍騎「てめぇ何一つしてねぇじゃねぇか役立たずが!ふざんなQ助!」

 

キュウべえ「キュウべえだよ」

 

さやか「何キュウべえに八つ当たりしてんの!?」

 

さっきからまどかに抱き抱えてるQ助に八つ当たりしてるとさやかにツッコまれた。少しはポ◯モ◯みたいに使い魔の情報とかナビゲーターとかしろよ。何だかんだ言って気がついたら最深部らしき場所へと辿り着いた。

 

マミ「見て、あれが『魔女』よ」

 

巴が指差す方に薔薇と蝶が合体したアートチックな魔女が居た。

 

さやか「うわあ......、グロイ」

 

まどか「あんなのと戦うんですか?」

 

マミ「大丈夫、負けたりなんてしないわ」

 

さやかは魔女の姿にドン引きし、お姫様抱っこから解放されたまどかは心配そうに巴を見るがウインクしながら心強い宣言をする。それが死亡フラグになってない事を心から願おう。

 

自信たっぷりに巴は魔女の元へ舞い降りると、スカートの裾をつまみ挨拶をする格好でその中からマスケット銃が出てくるという物議をかもしそうな事をして魔女に狙いを定める。椅子をぶん投げる魔女の攻撃とは思えない物理攻撃を銃で防ぎ、曲芸まがいの方法でマスケット銃を取り出して次々に狙撃していく。

 

予想以上の高い射撃能力だな..........。流石は長年魔法少女をやって来た事はあるな。

 

だが、巴は魔女の蔓らしきものに捕まり壁に叩き付けられる。

 

まどか「マミさん!?」

 

龍騎「さやか、そのバット借りるぞ」

 

さやか「え?あ、ちょっとお兄さん!?」

 

俺はさやかの持っていたバットを横から取ると、巴を吊るされてる蔓に目掛けて振り下ろす。が、当然蔓は切れる訳がない。何故ならバットだからな!

 

マミ「っ!」

 

龍騎「おい魔女様よ!こっちだ!」

 

俺が魔女に挑発すると、大量の蔓が俺に向かって伸びて来た。俺は走りながら蔓から捕まらないように必死に逃げながら蔓にバットを振る。

 

龍騎(だぁ〜!!剣じゃねぇからやりづれぇ!!)

 

剣だったら切れてたのに!!あいつ等が居なかったら能力で燃やせたのに!!前世の力が有れば無双出来たのに!!何て心の中で愚痴をこぼしながら蔓に抗う。すると斜めから銃弾のような物が蔓に当たった。

 

マミ「全く、無茶するわね!」

 

龍騎「寧ろナイスタイミングだ!後は頼んだ!」

 

先程まで蔓に捕まった巴がいつの間にか脱出して俺を狙っていた蔓を狙撃した。

 

マミ「任されたわ!未来の後輩の為に、カッコ悪いところ見せられないもの!」

 

その後輩の意味は学年の意味だよね?決して魔法少女の事じゃないよね?なんて思っていたら巴の手に持っていたマスケット銃が巨大な砲台へと変貌した。

 

そ、それは!?ネ◯ア◯ム◯ト◯ン◯サ◯ク◯ン◯ェ◯ト◯ー◯ス◯ロ◯グ砲じゃねーか!?完成度高けぇなオイ!!(⇦全然違う)

 

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

 

技名を叫んで引き金を引くと、通常の威力とは比べものにならないぐらいの火力で放たれたティロ・フィナーレは魔女はもちろんの事、その場に居た使い魔も綺麗に消し飛び、そして結界すらティロ・フィナーレを食らった部分は綺麗に消し飛んだ。そんな事など気にせず巴は俺の隣でどこから持ち込んでたのか紅茶を優雅に啜っていた。

 

さやか「うわあ......」

 

まどか「か、勝っちゃった......」

 

いつの間にか近くまで来ていたまどかとさやかも呆然としている。そんな二人を巴は余裕の笑みで見つめていた。

 

龍騎「これで一件落着、で良いのか?」

 

マミ「えぇ、でもあんな危険な事はしないで下さいね?」

 

龍騎「それは無理だな、昔から(前世)の癖だし」

 

さやか「ところでお兄さん!怪我は大丈夫なの!?」

 

まどか「そ、そうだよ!いきなり飛び出して行っちゃうんだもん!」

 

まどかとさやかが俺に近づくと心配そうに俺に問い掛ける。まぁ勝手に動いたからな、無理もないか。

 

龍騎「悪かったな心配掛けて、でも大丈夫。怪我なんてして無いよ」

 

まどか「よ、良かったぁ〜......」

 

そう言って俺に抱きついてくるまどか。すると巴が何かを握って此方へ近づいて来た。そして俺達に見せたのは上で不自然にその下部の細い針だけで直立している黒いアクセサリーのような物体であった。

 

龍騎「それは?」

 

マミ「これはグリーフシード。一言で言ってしまえば、魔女の卵よ」

 

さやか「卵?」

 

マミ「運が良ければ魔女が持ち歩いていることがあるの」

 

.........魔女の卵ということはそれから魔女が孵化する可能性もあるということだよな......。

 

まどか「それはどう言う物なんですか?」

 

まどかの質問に巴は自分のソウルジェムを取り出すと、グリーフシードに近づける。気のせいか少しソウルジェムが黒くなっているような......。

 

マミ「私のソウルジェム、ゆうべと比べて少し濁っているでしょ?魔法少女は戦ったりすると魔力を消費するの。そこで、このグリーフシードを使うと......」

 

するとソウルジェムの中にあった黒い汚れのようなモヤモヤはグリーフシードに吸い込まれるように消えていった。

 

マミ「濁りが消えて私が消耗した魔力は元通り、これが魔女退治の見返りって訳」

 

なるほど、と頷くまどかとさやか。

 

龍騎「......おいきゅうりのQちゃん。ソウルジェムが保有する魔力には限りがあるのか?」

 

キュウべえ「キュウべえだよ、確かにそうだね。魔力を使えば使うほどソウルジェムには穢れが溜まっていく。あの黒いのはその目安だと思って構わないよ」

 

成る程、定期的にグリーフシードによる魔力の供給をしないといけない訳か......。

 

龍騎「そのグリーフシードって、取り合いにならないのか?他の魔法少女と」

 

マミ「ある所はあるわ、グリーフシードに必死な子なんて少なからずいるもの」

 

俺は巴の質問の答えを聞いて頷いた。.........あれ?待てよ?何で魔女から生じるグリーフシードで魔法少女のソウルジェムに干渉ができるんだ?

 

龍騎「巴、聞きそびれたんだけどさ。魔女ってどんな存在なんだ?」

 

マミ「魔女?そうね......、私のような魔法少女が希望を運ぶ光なら、魔女は絶望を運ぶ闇かしら?最近、自殺や殺人事件が多いのは魔女の呪いが原因なの。魔女は常に最初に貴方達が迷い込んだ結界に身を潜んでいるの」

 

龍騎「.........」

 

違う......、巴はそう言う解釈をしているが何かが違う...!何かに引っかかりながら巴の持つソウルジェムとグリーフシードを見つめる。

 

龍騎(この二つ......、何処となく似てる気が........。似てる......?)

 

何で似てるって思ったんだ?ますます謎が深まるな......。

 

さやか「ちなみにそれが真っ黒になるとどうなるんですか?」

 

マミ「どうなのかしら......、魔法が使えなくなるとかじゃないかしら?」

 

さやかの質問に巴は少し自信無さげな返答をする。巴はそう言うが自身はそんな事になって無いみたいだな、でも何であの淫獣は何も言わなかったんだ.......?伝え忘れたのか何か伝えたらマズい事になる.........、知られたらマズい.......?ソウルジェムが濁りきったら何が起こるのかを?もしそうだとしたらグリーフシードも関係がある......?

 

龍騎(それが本当なら......、こいつ詐欺師ってレベルじゃねぇぞ!?)

 

キュウべえ「?」

 

俺は淫獣を見つめる。もし俺の考えてる事が合ってたら.........、

 

龍騎(尚更、この二人を魔法少女にさせる訳にはいかない.....。いや、させられない!!)

 

まどか「......どうしたのお兄ちゃん?」

 

さやか「何か顔色悪くない?」

 

龍騎「いや......、何でもない」

 

どうやら顔色が悪かったらしく二人に心配されてしまった。この二人が巴みたいに魔法少女になったとすると......、俺は後悔する事になるかもしれない......。

 

マミ「.........取り敢えず、あと一回くらい使えそうだし、このグリーフシードは貴女にあげるわ」

 

突然巴がそう言って手に持っていたグリーフシードを暗い室内に投げ込む。それをキャッチし、中から一人の少女が現れた。

 

龍騎「暁美ほむら......」

 

まどか「ほむらちゃん!?」

 

さやか「あんた......!」

 

少女の正体は暁美ほむらだった......。どうやら俺達の様子を見ていたようだ。

 

マミ「それとも人と分け合うのは癪かしら?まるごと自分の物にしたかった?」

 

ほむら「いらないわ。それは貴女の物よ、貴女だけの物にすればいい」

 

そう言って暁美は巴にグリーフシードを投げ返した。投げ返されたグリーフシードをマミは掴み取ると険しい表情を浮かべながらほむらを睨みつける。

 

マミ「......... そう。それが貴女の答えなのね」

 

ほむら「.........鹿目龍騎」

 

すると暁美は俺の方に視線を向けた。

 

龍騎「まどかから手紙は受け取ったな?」

 

ほむら「.........えぇ」

 

龍騎「お前の言いたい事は大体分かってる、でもまずは手紙に書いてある通りに動け」

 

ほむら「.........」

 

俺がそう言うと、暁美は俺の顔を見た後、その場から去ってしまった。

 

さやか「何しに来たのあいつ?」

 

まどか「仲良く出来たら良いのに......」

 

マミ「お互いにそう思えればね........」

 

龍騎「(違うな、あいつは協力を求めてるとか敵対してる訳じゃない......。何が別の目的がある筈だ...)取り敢えずあの女の人の所に戻るぞ、彼女が心配だ」

 

俺の言葉に三人が頷き、俺達も廃ビルの外へ出る事にした。そして魔女の口づけとやらにやられたOLが目を覚まし、巴に抱きついて泣きつく。どうやらこれで完全に終わったようだ......。そしてOLを無事に見送って俺達も解散する事にした。

 

 

 

〜鹿目家・まどかの部屋〜

 

まどか「マミさんもカッコ良かったけど、お兄ちゃんもカッコ良かったよ!」

 

龍騎「ありがとな」

 

俺はまどかの部屋で今日の魔法少女体験コースについて振り返っていた。まどかは机に向かって熱心にノートを書いてる中、俺はまどかのベットに寝そべっては携帯を弄っていた。まどか......、そのノート今日見せた物だろ?頼むから外へ出る時は置いていけよ......。

 

まどか「あ、でも!今日みたいな危険な事は絶対にしないでね!」

 

そう言ってまどかか俺の方を向くと、めっ!と言わんばかりに人差し指を立てる。可愛い...。

 

龍騎「......善処する」

 

まどか「善処じゃダメ!」

 

いやそればかりは無理っすよまどかさん。前世の経験上、面倒事=命懸けですから。

 

龍騎「分かった、まどかに従うよ」

 

俺の言葉を聞くと微笑んだまどかは再び机に向かってノートに書き始めた。すると俺の携帯が振動し、確認すると一件のメールが届いた。

 

龍騎「..............」

 

俺はメールを確認すると、携帯を折り畳んでポケットに入れて自分の部屋に戻る事にした。

 

龍騎「........まどか、さっきの約束。早速破る事になりそうだ」

 

夢中にペンを走らせてるまどかを見て、小さく呟いた俺はまどかの部屋を後にした。




どうもです。餡 子太郎です。

初のマミさんのティロ・フィナーレでした。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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もう一人じゃない

「やぁ、来てくれてありがとう。今回は原作より大きくずれるから注意が必要だよ。それじゃあ行ってみようか、その前に......」

「僕と契約して、魔法少女......」バーン!

ほむら「............」( ̄3 ̄)Lフゥ......⇦銃口の煙を吹いているイメージ。


 

龍騎「おはようまどか」

 

まどか「う、うん......」

 

魔法少女体験コースから翌朝、また起きるのが遅いまどかを起こしに行ったら、汗だくの状態で起き上がっていたまどかの姿があった。どうやらまた俺の昔の夢でも見ていたのかもしれない。

 

龍騎「.........大丈夫か?また変な夢でも見たのか?」

 

まどか「そんなところ......」

 

龍騎「そうか...、直ぐにシャワー浴びて来い。流石にそれは不味いだろ?」

 

まどか「分かった.....」

 

そう言ってまどかは部屋を後にすると、俺はカーテンを開ける。

 

龍騎「......今日辺りにはバレそうだな...」

 

そう言って窓を開けて部屋を後にした。

 

 

 

〜通学路〜

 

龍騎「.....なぁまどか、今日見た悪い夢って何だ?」

 

まどか「......え?」

 

俺が学校へ向かってる途中にまどかに夢の話しを持ち掛ける。どうしても気になってしまうのだ、その夢の話しが......。

 

まどか「え、えっとね......、男の人二人が色んな人に見送られて空を飛んだ夢......」

 

..........................あの時か。

 

龍騎「......そうか、しかし良く分からん夢だな」

 

まどか「......そうだね」

 

さやか「おーお二人さん!おはよう!」

 

仁美「おはようございます」

 

歩いていると、目の前にはさやかと仁美が待っていた。

 

龍騎「よう」

 

まどか「おはようさやかちゃん、仁美ちゃん」

 

蓮子「やぁやぁおはよう諸君!今日も元気かな!?」

 

?「蓮子ったら......」

 

俺達がさやか達と合流すると、後ろから蓮子も来る。すると以下に外国人らしき女性が一緒に来ていた。

 

龍騎「よっ、メリー。おはようさん」

 

メリー「うん、おはよう龍騎」

 

蓮子「あれ〜?私は〜?」

 

龍騎「あ、居たのか。ついでにおはようさん」

 

まどか「おはようございます、蓮子さん」

 

蓮子「まどかちゃ〜ん!君だけだよちゃんと挨拶してくれるのは〜!お兄さんとは大違いだよ〜」

 

そう言って蓮子はまどかを抱きしめて来た。おいこら人の妹に何してんだ。

 

さやか「えっと......、お兄さん?此方の外国人らしき女性は同級生で?」

 

龍騎「あ、ああそうだ。彼女はマエリベリー・ハーン、今年から日本にやって来た留学生だ」

 

メリー「マエリベリー・ハーンです。よろしくね」

 

さやか「は、はぁ......(しても......)」⇦胸をガン見

 

仁美「よろしくお願いします」⇦お辞儀と同時に胸をチラ見

 

メリー「?」

 

さやか(で、でかい......)

 

仁美(どうしたらあんなに大きくなりますの.....?)

 

何かさやかと仁美がメリーを見て固まってるんだが......。

 

龍騎「ほれ、さっさと行くぞ」

 

蓮子「あ、ちょっと待ってよ〜!」

 

それから俺達が登校すると、また通行人にチラチラと見られまくった。あのね......、そんなに見られても状況は変わらないからね?ってか俺はもう諦めたからもう気にしなくなったよ.....。

 

 

〜放課後・見滝原高校〜

 

蓮子「さて、折角三人集まった事だし部活しますか!」

 

メリー「ごめん蓮子、私用事があるの」

 

蓮子「あれ?」

 

龍騎「俺もバイト、さっき変わって欲しいって連絡が入った」

 

蓮子「あれれ〜?」

 

放課後になり、蓮子が部活をやろうと笑顔で言い出すがメリーは恐らく家の用事、俺はバイト(大嘘)だと伝えると笑顔のまま首を傾げた。え?何で嘘ついたのかって?こっちもやりたい事があるんだよ。

 

蓮子「なんでこんな時に限って部活が出来ないのさ......」

 

龍騎「いや正式な部活じゃねぇだろ」

 

蓮子が膝を着いて落ち込んでるが秘封倶楽部は部員不足により同好会扱いなので正式な部活ではないのだ、最低でも五人は必要だからな。

 

メリー「はぁ......、ジュース奢ってあげるから許して?」

 

蓮子「え?マジで?ならス◯バね」

 

龍騎・メリー((チョロいしちゃっかりしてる......))

 

メリーが奢ると言うと、蓮子は顔を上げてキラキラと言わんばかりの笑顔を見せると俺とメリーは溜め息を吐く。こいつ、詐欺に遭わなければ良いけど.........、主にQ次郎から。

 

蓮子「ほら行くよ!時間は有限、ス◯バは待ってくれないよ!」

 

メリー「え?あ、ちょっと蓮子!?」

 

龍騎「ス◯バは一歩も動かないだろ!?おい引っ張るな!」

 

 

(((鹿目ぇぇぇぇぇぇ!!一緒恨むぞぉぉぉぉぉぉ!!))

 

 

そのまま蓮子にメリーと共に連行された。その時にクラスの男子生徒全員に嫉妬による殺意が出ていた事に俺は気づく事は無かった......。

 

 

〜街中〜

 

蓮子「〜♪やっぱりいつ飲んでもス◯バのドリンクは美味いねぇ〜」

 

メリー「誰のお金で飲めてるの思ってるの......」

 

龍騎「悪いなメリー、俺まで奢って貰って」

 

メリー「良いのよ別に、ついでだし」

 

蓮子に連行された俺達はメリーにジュースを奢って貰い、帰り道を歩きながら飲んでいた。ついでに俺も奢って貰った。最初はいらないと言ったのだが『私の買う飲み物が飲まないっての?』って言いながら泣き目になっていたので潔く奢って貰う事にした。おかしいなぁ、セリフと表情がベストマッチしてないのは気のせいだろうか......。

 

龍騎「良ければ飲むか?アイスコーヒーだけど」

 

蓮子・メリー「「え?」」

 

俺の言葉にメリーだけでなく蓮子も反応した。いや何でだよ。

 

メリー「......い、良いの?」

 

龍騎「別に良いよ、特に喉渇いてた訳じゃないし」

 

俺がアイスコーヒーを差し出すと顔を赤くして受け取るメリー、この子可愛過ぎだろ」

 

メリー「.....頂きます///」

 

そう言ってストローに口をつけるメリー。......え?これだと間接キスだって?HAHAHA!残念だったな!俺には既に間接キスという概念は存在しない!前世ではしょっちゅうやってたし、昔まどかと良くやってたから気にしないのだよ!........誰に言ってるんだろ。

 

メリー「.......いつもと何か違う味がする///」

 

龍騎「ははっ......、そんな訳」

 

蓮子「......狡い」

 

龍騎「え?」

 

蓮子「私にも飲ませなさい!」

 

そう言ってメリーが飲んでいた俺のアイスコーヒーをぶん取って、無くなるまで飲んだ。俺一口しか飲んで無いのに......。

 

蓮子「うげっ、苦っ......」

 

龍騎「無理して飲むからだろ.....、ってか何で怒ってんの?」

 

蓮子「......別に」

 

プイッとそっぽ向く蓮子。明らかに怒ってるだろ.......。

 

龍騎「.....メリー、後は任せても良いか?」

 

メリー「うん、私も塾があるし」

 

あ、用事って塾だったのね。そして蓮子をメリーに任せて俺はその場から離れる事にした。

 

 

 

 

 

龍騎「さて、()()()は何処に居るのやら.......」

 

マミ「あら?もしかして......」

 

俺が街を見回していたら巴に声を掛けられた。

 

龍騎「巴か......、今日もパトロールか?」

 

マミ「今日はお休み、とっても大事な日だから......」

 

そう言って巴は手に持っていた花束を見せて来た。........そう言う事か。

 

龍騎「ご両親の命日なんだな、今日......」

 

マミ「!?」

 

龍騎「あの日、お前も聞いていたなら分かってただろ?」

 

マミ「......流石ね、そうよ。今日はパパとママの月命日なの」

 

どうやら俺の考えは当たっていたようだ.........。

 

龍騎「すまん、不謹慎な発言をして......」

 

マミ「気にしないで下さい」

 

そう言って巴は近くにあった椅子に座ると、俺も隣に座る。

 

マミ「私の両親は、事故で亡くなったの......」

 

龍騎「事故......」

 

そうして巴はゆっくりと語り出す。

 

マミ「私のパパとママはドライブ中に事故に遭ったの。もちろん、その時は私も一緒の車に乗っていたわ」

 

龍騎「......もしかして、お前が魔法少女になったのは...」

 

マミ「そう、考えてる余裕すら無かったわ。私はキュゥべえに生きたいって願いを伝えて、魔法少女になったわ」

 

......余程酷い事故だったんだな.........。

 

マミ「車は大破してぐちゃぐちゃになったわ。それでもその時、私はまだかろうじて意識はあったけど、妙な確信があったわ。このままじゃ絶対に死ぬって」

 

龍騎「......後悔はしてないのか?その選択に」

 

マミ「後悔はしていないわ。今の生き方も...、あそこで死んじゃうよりは余程良かったって思っているわ」

 

龍騎「......そうか」

 

そう言って俺は椅子から立ち上がる。

 

龍騎「巴......」

 

マミ「マミで良いわ、そう呼んで下さい」

 

龍騎「......ならマミ、お前もう一人じゃない。お前にはまどかとさやか、そして俺が居る。辛くなったらいつでも相談に乗ってやる、まぁ魔法少女関連で無ければいつでもバッチこいだけどな」

 

マミ「龍騎さん......」

 

龍騎「辛いなら辛いって言え、助けて欲しかったら助けてやる。友人として、お前の役に立ちたい」

 

そう言って俺はマミの頭を撫でる。

 

龍騎「この間も言ったけど、お前が魔女だろうがゾンビだろうが関係ない、お前が巴マミなら巴マミだ。俺はお前を受け入れる」

 

そう言ってマミの頭を撫でていた手をどかして椅子に置いてある鞄を手に取る。

 

龍騎「悪いな、ご両親の命日だってのに邪魔しちまって」

 

マミ「......いえ、パパとママに自慢できますから」

 

龍騎「そうか......、じゃあな。帰りには気をつけろよ」

 

マミ「あ、待って!」

 

俺が帰ろうとすると、マミに止められた。

 

マミ「例えばですけど.....、貴方はどんな願いを叶えて貰うつもりですか?」

 

龍騎「え?」

 

マミの口からその言葉を聞くと若干声が裏返った。そんな事言われてもね......。

 

龍騎「......自分の命を代償にしてまで叶えたい事は無い。夢ってのは自分で掴み取るからこそ意味がある。そんなせこいやり方で叶えたくは無いし、そんなの俺は認めない」

 

マミ「......」

 

龍騎「でも規格外な話しなら別だ、例えば.......、100人のうち1人が犠牲になれば世界が救われるなら、俺がその1人になってやるよ」

 

マミ「!?」

 

龍騎「言っとくけど俺は本気だぜ?周りがなんて言われようが関係ない。それが、鹿目龍騎の生き方だ。........あ、強いて言うなら」

 

マミ「な、何?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「もうこれ以上、魔法少女は増やさせない。魔法少女になってしまえば悲劇が起こる事になる。もう誰も悲しませたりしない......、例えお前達を敵に回しても俺は戦う......、それが現状の夢...、というより目標だな」

 

マミ「........」

 

龍騎「それとあの白い悪魔の言葉には信用しない方がいいぞ?もしかしたら俺の憶測が当たっていたら奴は何かしら隠している」

 

マミ「白い悪魔って、キュウべえの事?」

 

龍騎「まぁお前の初めての友達だから直ぐには無理かもしれないがな...、奴は幾つか隠し事をしてるのは間違いない。なるべく警戒しておけよ」

 

キュウべえ「警戒って何の事だい?」

 

龍騎「お前を調理してらどんな味か」

 

キュウべえ「なんて恐ろしい事を考えているんだい?」

 

いきなり現れたお前が恐ろしいわ。それから連絡先を交換して無かったので連絡先を交換して帰路に着いた。

 

 

 

 

〜鹿目家・龍騎の部屋〜

 

まどか「ねぇお兄ちゃん、今日マミさんと会った?」

 

龍騎「何で?」

 

まどか「あのね、さっきメールで『お兄さんに辛かったら連絡してくれ』って書いてあったからさ」

 

龍騎「あーね、今までボッチだったからストレスとか色々抱えてると思ってな、俺だけじゃなくてまどかとかさやかとか連絡すればガールズトーク的なやつも出来て互いの事も知れて良いと思ってな」

 

まどか「そう言う事か」

 

龍騎「逆になんだと思ったの?」

 

まどか「てっきりマミさんの事好きなのかなって」

 

龍騎「流石に冗談キツイぜ我が妹よ......」

 

俺の部屋にやって来たまどかが俺の漫画を読みながら会話をしていた。

 

まどか「......お兄ちゃんはさ、もし願いが叶うならどんなお願いにするの?」

 

龍騎「ない」

 

まどか「即答......」

 

龍騎「そう言うまどかはあるのかよ?」

 

まどか「うーん......、お兄ちゃんみたいな人になりたい、かな」

 

龍騎「......俺に?」

 

まどかの言葉に俺は首を傾げた。何故?

 

まどか「お兄ちゃん、昔から良く人助けしてたでしょ?その時のお兄ちゃんを見てたらね......、凄いなぁとか、カッコいいなぁ、って思ってね」

 

あの時はただ婆ちゃんが重い荷物を持ってやった時と、迷子の子供の親捜索しただけなんだよなぁ......。でも嬉しい事言ってくれるじゃないの。

 

まどか「お兄ちゃんの背中を見ててね、こんな自分でも、誰かの役に立てるんだって、胸を張って生きていけたら、それが一番の夢だから」

 

龍騎「......お前はなんて良い奴なんだ」

 

そう言って俺はまどかの頭を撫でると、えへへ、と喜ぶまどか。

 

龍騎「......ありがとな、こんな兄貴を目標にしてくれて」

 

まどか「こんなじゃないよ!私はお兄ちゃんの憧れなの!」

 

龍騎「ははは、そうか。もう時間も遅いし早く寝ろよ?じゃないとまた悪い夢見るぞ」

 

まどか「うん、じゃあおやすみお兄ちゃん」

 

そう言ってまどかは俺のベットに漫画を置いて自分の部屋に戻っていた。そして俺はまどかの置いてった漫画を手に取り、棚の中へとしまった。

 

龍騎「そんな事言われたら......、余計無茶出来なくなるじゃないか」

 

そんな事言って俺は部屋の電気を消した。




どうもです。 餡 子太郎です。

いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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もう何も怖くない!

「やぁ、よく来てくれたね。今回は少し長いから楽しめると思うよ。それじゃあ早速行ってみよう」

「僕と契約して、魔法少女......」ガシッ

蓮子「ポ◯モ◯(?)ゲットだぜ!」


 

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

 

マミの掛け声と共に巨大化したマスケット銃から発射された弾丸らしき物が目の前に居る魔女に直撃し、爆散した。魔女の結界だった、一面が闇に包まれていたような暗黒の空間は霧が晴れるように霧散していった。

 

龍騎「相変わらずとんでもない火力だな......」

 

マミ「三人共、お疲れ」

 

魔法少女姿からいつもの中学の制服に戻ったマミが声を掛ける。

 

龍騎「それは俺達が言うセリフじゃないのか?」

 

マミ「そんな事無いわ、魔女と相対するだけでもまだ初めの方は結構勇気がいるんだから」

 

まどか「でも、そんな魔女といつも戦っているマミさんはやっぱりすごいと思います!それにとてもカッコいいですし!」

 

マミ「そ、そうかしら......」

 

まどかがそう言ってさやかもうんうん、と頷くとマミは照れ臭そうな表情を見せる。どうやらあまり褒められることに慣れてないみたいだな、そんな事を考えながら皆んなと帰路に着く。

 

さやか「所でまどか、願い事は決まったの?」

 

いきなりさやかが願い事について話し出した。まさかこいつ契約する気じゃ無いだろうな?

 

まどか「......お兄ちゃん?この間言ったのって願いかな?」

 

龍騎「あれは願いじゃ無くて目標だ、俺と同じで願い事は無いって事にしておけ」

 

マミ「まぁそういうものよね。いざ考えろって言われたら......」

 

龍騎「ってか言い出しっぺ、お前は何だよ」

 

さやか「うぇ!?私!?」

 

何変な声出してるんだよ、それにお前から言い出したんだから答えるのが義理だろうが。

 

さやか「わ、私も決まって無くてさ!どうしようかなって...、あ、あはは......」

 

こいつ嘘が下手くそだな......、せめてポーカーフェイスぐらいしろよ......。

 

龍騎「......さやか、言っとくが上条の為に願い事するんじゃねぇぞ」

 

さやか「え!?ちょ、ちょっと待ってよお兄さん!?私何も言ってないでしょ!?」

 

龍騎「十中八九、上条の腕を治してやりたいって少なからず思ってるんだろ?それはあいつの口から言ったのか?それはお前の自己満足になってないか?仮に腕が治ったとして上条はお前に感謝するか?恋が成就すると思うか?」

 

さやか「そ、それは......」

 

龍騎「頭の悪いお前でも分かるだろ?答えはNo、俺の憶測が当たっていたらお前の命はドブに捨てるような行為だ。あくまで俺の憶測だから確証はない、でももし俺の憶測が当たっていたら慎重に考えなくちゃならない。今ならまだ契約してないから引き返せるが、もし既に契約したらお前は一緒後悔する。死ぬまでな....」

 

さやか「...........」

 

まどか「お兄ちゃん......」

 

マミ「.........龍騎さんの言ってる事は確かね。先輩として、もっと自分を大切にしなくちゃいけないわ。私が言えた事じゃ無いけどね......」

 

マミの場合は悩む時間が無かっただけだ、無理もない。

 

龍騎「出来ればお前もまどかも魔法少女にはなって欲しくない。俺はお前達が一人の少女として生きて欲しい、それが俺の願いでもある。これはQ助の願いなんかじゃ叶えられないと言っても良いぐらいだ」

 

そう言って俺はさやかの両肩を掴む。

 

龍騎「他人の為に願いを使うな、とは言わない。せめて使うなら自分の行動に後悔の無いようにして欲しい。俺にとってさやかは俺の第二の妹のような存在だからな、辛い思いはして欲しくないんだよ」

 

さやか「.........うん、わかった」

 

よし、と肩を軽く叩くとさやかの頭を撫でる。それからさやかとマミを送り届けて俺達兄妹も帰宅した。

 

 

 

〜翌日・放課後〜

 

蓮子「やぁやぁ諸君!部活の時間が来たぞ!」

 

龍騎「悪い、今日用事があるんだわ」

 

蓮子「アイエェェェェェェ!?ヨウジ!?ヨウジナンデ!?」

 

放課後、蓮子がそう言うと俺はバッサリと断ったら某ニ◯ジ◯ス◯イ◯ーみたいに叫び出した。

 

メリー「ちなみにどんな用事なの?」

 

龍騎「朝一緒に登校してる青髪の奴が居るだろ?そいつの幼馴染が事故で入院してるから偶には顔を出そうと思ってな」

 

メリー「そうなんだ、確か青髪の子って......、さやかちゃんだっけ?」

 

蓮子「ってかいつもあのメンバーと登校してるよね?いつからなの?」

 

そんな質問されても分かりませんよ蓮子さん、何故なら中学生時代の前の記憶なんて無いんだから。

 

龍騎「うーん......、まどかがさやかと仁美と仲良くなってから?」

 

蓮子「じゃあ長い間登下校してたんだ、羨ましいねぇ〜あんな美少女中学生三人とクラスのマドンナと呼ばれた私とメリーと一緒に登校出来て」

 

男子生徒「「「!?」」」ビクッ

 

龍騎「自分でマドンナとか言うな、それとメリーは何も言ってやらないのかよ。ってかあいつらは俺にとって妹みたいな存在だからな。特にお前とは天と地の差があるんだよ」

 

蓮子「それ自分がロリコンだって認めてない?」

 

龍騎「一言もあいつらの事を好きだなんて言ってないだろ、つーかあれだけ可愛いのに可愛くないなんて思う奴居るか?」

 

メリー「皆んな可愛いもんね」

 

龍騎「つまり、あいつ等は天使と言っても過言でも無いぐらい中学生、特にまどかに関しては女神だ。異論反論認めん、QED(証明完了)」

 

蓮子「わー相変わらずのシスコン」

 

龍騎「シスコンじゃない!まどかが女神だから拝んでるだけだ!」

 

「あー、ちょっと失礼?」

 

蓮子とメリーと話していたら、途中から一人の女子に話し掛けられた。

 

「その〜、話しの途中で悪いんだけどさ?その鹿目くんの妹さんの写真ってある?聞いてたら気になっちゃって」

 

(((な、なんてチャレンジャーなんだ!?)))

 

何て教室に居る全員が初めて同じ考えになった瞬間である。

 

龍騎「と言っても俺は持ってないぞ?」

 

蓮子「あ、私あるよ。この間プリクラ撮って来た奴」

 

そう言って蓮子が携帯を取り出し、蓮子、メリー、まどか、さやか、仁美の映った写真を女子生徒見せようしたらクラス全員が駆け寄って来た。そんなに気になる?ってかあの時帰りが遅かったのは遊び行ってたのか。

 

「えぇぇ!?これ鹿目くんの妹ちゃん!?」

 

「めっちゃ可愛い!!ってか全然似てない!」

 

文句があるなら両親に言ってくれ、頼むから。

 

「鹿目ぇぇぇぇぇぇ!!貴様ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「宇佐見さんやマエリベリーさんだけで無く、中学生とまで!!」

 

「なんて罪な男なんだ!?許すまじ!此処で処刑してやる!!」

 

龍騎「あ、俺そろそろ行かねぇとヤバいわ。んじゃな、また明日」

 

蓮子「あ、うん!またね龍騎!」

 

メリー「まどかちゃん達にまた遊ぼうって伝えておいてね」

 

龍騎「おう、今度は俺も誘ってくれると嬉しいな。まぁ無理だと思うけど」

 

蓮子「あ、良いね!次からそうしようっか!(奢ってもらう的な意味で)」

 

「「「「「え?」」」」」

 

龍騎「俺はお前のATMじゃねぇんだよ、まぁ嘘でも嬉しいや。じゃあな」

 

そう言って俺は駆け足で教室を出ると、

 

 

「「「鹿目ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!てめぇは今日から俺達の敵だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

男子生徒にガチギレした声で叫んでいたが、通り掛かった先生に喝を入れられて静寂になった。その時の俺は叫び声と同時に起きた耳鳴りの所為で上手く聞き取れなかった。うるせぇ奴等......。

 

 

〜街中・病院〜

 

龍騎「えぇと......、あいつの部屋は......」

 

?「あ、お兄さん」

 

病院に辿り着いた俺は上条の病室を探していると、看護師によって車椅子に乗って移動する少年が居た。彼が上条恭介だ。

 

龍騎「俺はお前のお兄さんじゃねぇ」

 

恭介「そう言う意味で言った訳じゃ無いんですけど......」

 

あははと苦笑する恭介。

 

龍騎「何処に行くんだ?リハビリか?」

 

恭介「はい、これから」

 

龍騎「何だよタイミング悪いな、あいつ等が絡まれて無ければリハビリ前に来れたのに」

 

恭介「あいつ等?」

 

龍騎「クラスの奴等の事だ、邪魔しちゃ悪いし帰るわ。リハビリ頑張れよ?」

 

恭介「はい、では」

 

そう言ってリハビリに行った恭介。さてと、これからどうするか......、何て事を考えてたら携帯に着信が入った。俺は携帯を取って確認した時、目を大きく開いた。

 

龍騎「マジなのか......?これ......」

 

メールに書かれていたのは......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『数分後、巴マミは死ぬ。魔女によって』

 

と書かれてあった。

 

龍騎「冗談じゃねぇぞ......!」

 

俺は慌てて病院の外へ出ると一人の男性にぶつかった。

 

龍騎「あ......、すみません!」

 

?「おやおや、そんなに慌ててどうなさったのですか......?」

 

龍騎「!?お前は......!?」

 

 

 

 

 

 

 

〜数分後・病院〜

 

まどか「あれ?早いね、上条くん会えなかったの?」

 

さやか「リハビリだってさー、折角来たのに」

 

まどか「リハビリなら仕方ないよ、帰ろっか」

 

さやか「だねー」

 

恭介のお見舞いに来たまどかとさやかだが、恭介がリハビリだと聞いて帰路に着こうとするが、まどかが何かを発見した。

 

まどか「何あれ......?」

 

キュウべえ「これは......!グリーフシードだ!もう孵化しかかっている!!」

 

まどかと同行していたキュウべえが確認すると、孵化寸前のグリーフシードがあった。

 

まどか「何でこんな所に!?」

 

キュウべえ「魔力の侵食が始まってる、結界が出来上がる前に此処から逃げよう!」

 

さやか「ちょ、ちょっと待って!まどか、マミさんを呼んで来て!私の携帯電池が無いから連絡が取れないの!」

 

キュウべえ「......なら僕も残ろう。万が一結界迷路に閉じ込められてもマミならテレパシーで僕とさやかの位置を伝えられるから。まどかはなるべく遠くに離れてマミに連絡するんだ!」

 

まどか「......分かった、直ぐに呼んでくる!」

 

そう言ってまどかは離れるとさやかは孵化寸前のグリーフシードをみつめる。

 

キュウべえ「怖いかい?さやか」

 

さやか「そりゃまあ、当然でしょ......。でも...、こんな時、お兄さんならどうすると思う?」

 

キュウべえ「鹿目龍騎の事かい?」

 

さやか「最近......、変な夢を見るんだよね。此処とは違う世界で一人の男の人が女の人の前に立って怒ってるのを.....」

 

キュウべえ「......何ともおかしな夢だね」

 

さやか「その時何か叫んだみたいだけど、私には分からなかった。でもこれだけは分かる......、あの人はお兄さんに似てるって」

 

キュウべえ「どう言う事だい?」

 

さやか「何て言えば良いのかな......、見ず知らずの人でも助ける事が、かな」

 

キュウべえ「随分と物好きな人間だよ、鹿目龍騎は」

 

さやか「お人好しって言うんだよ。でもまどかが憧れる訳だよ、私もちゃっかり憧れてるし」

 

キュウべえ「そうなのかい?」

 

さやか「キュウべえには分かんないよ、お兄さんは凄い人だって」

 

マミ『キュウべえ!状況は!?』

 

さやかが龍騎の事を語り出すと、テレパシーでマミが声を掛かる。

 

キュウべえ『大丈夫、今のところ孵化する様子はないよ。急がなくていいからなるべく静かに来てくれるかい?迂闊に大きな魔力を使って卵を刺激する方がまずい』

 

マミ『オッケー、分かったわ』

 

テレパシーで会話を終えるとキュウべえはさやかにマミ達が向かってる事を告げる。しかし、その時のさやかは知らなかった。この後とんでもない事になる事を......。

 

 

 

 

マミ「お待たせ!」

 

さやか「マミさん!まとか!」

 

キュウべえ「良かった、無事だったんだね」

 

マミ「えぇ、後は任せて!」

 

そう言ってマスケット銃を取り出すマミ。マスケット銃を撃っては新たに取り出して華麗に踊っているような、何処か上機嫌な雰囲気がマミから放っていた。

 

マミ(身体が軽い......、こんなの初めて......。もう何も怖くない!私、一人ぼっちじゃないもの!)

 

そしてマミは魔女を拘束して、巨大な大砲を展開して魔女に向ける。

 

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

 

そして、放たれた砲撃。弾丸は魔女の体に風穴を開けるとそこからリボンが伸び始め、人形の体を絞り上げる。しかし、そのリボンが絞り上げた瞬間、不自然に人形の頭部が膨らむとそこから大きさが不釣り合いな巨大な蛇のような外見をしたナニカが口から押し出された。その巨大な蛇の全景が徐々に明らかになるとソレは口に付いている鋭利な牙をギラつかせるとマミに狙いをつけ、急接近を始める。

 

マミ「え」

 

突然の魔女の攻撃に呆けたような声しかあげられないマミ。そして姿を変えた魔女が口を大きく開けてマミを捕食しようとする...........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガアァァァァァァァァァァァァ!!

 

魔女がマミを食いちぎろうとする時、横から謎の雄叫びを上げながら魔女に体当たりをする。魔女は一度体当たりされた方向へ向くと、目の前には巨大な火炎弾が飛んできて魔女は避ける事も出来ず直撃して吹き飛ばされる。

 

マミ「.........................................................生きてる?」

 

まどか「マミさん!!」

 

さやか「大丈夫ですか!?」

 

腰が抜けたのか身体の力が抜けて糸の切れた操り人形のようにだらけるマミ、慌ててマミの側に駆け寄るまどかとさやか。

 

マミ「.........鹿目さん?美樹さん?」

 

キュウべえ「放心状態になってるだけだ。でも一体何が......」

 

キュウべえは上を見上げると、其処にはウネウネと空中に旋回している生き物が居た。

 

まどか「へ、ヘビ!?」

 

さやか「も、もしかして新しい魔女!?」

 

キュウべえ「いや、魔女じゃないよ。あれは........」

 

マミ「..........龍?赤い色の.......」

 

マミ達が見つめていたのは赤き龍、そしてその龍はゆっくりと地上へ向かうと其処には一人の人間が立っていた。それは.........、

 

腰にはベルトに龍の紋章.........。

 

左腕には龍の形をした甲冑.........。

 

巫女服に似た格好に黄色の髪............。

 

主人を守るように旋回する赤き龍.........。

 

まどか「間違いない..........、夢で見た人だ.........」

 

さやか「え、まどかも?」

 

そして、まどかとさやかが夢の中で見た男の人物でもあった。

 

一方、魔女は体当たりされた龍に睨みつけると、龍の主人らしき人物が左腕にある甲冑をスライドさせて、ベルトから一枚のカードを引き抜くと、剣のイラストが書かれたカードを甲冑にセットしてスライドさせていた甲冑を元に戻す。

 

【SWORD VENT】 

 

甲冑から効果音が発生して赤き龍が雄叫びを上げた瞬間、空から一本の剣が降って来た。男が上手くキャッチしてみると、それは赤き龍の尻尾に模した青龍刀だった。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

男が雄叫びを上げて魔女に向かって走り出すと、魔女も男に向かって急接近する。そして魔女が男を捕食しようと口を開くが、男は横に避けて魔女に斬りつける。そして魔女の尻尾を掴んでハンマー投げのように振り回して遠くへ飛ばす。魔女が仰向けの状態になると、男は魔女の腹部に目掛けてジャンプし、魔女の腹部に着地すると青龍刀で斬りつけて突き刺す。すると魔女は暴れ出し、男はバランスを崩すがバク転して魔女から離れると再び甲冑をスライドし、ベルトからカードを取り出す。それはベルトにある龍の紋章と全く同じ形をしたイラストが描かれてあるカードだった。そして男はカードを甲冑にセットして元に戻す。

 

【FINAL VENT】

 

「フッ! ハァァァァァ...............ッ」

 

男は両腕を前へと突き出し、左手を上に、右手を下に。そして一度手を引き戻したかと思うと、舞う様に手を旋回させる。それに呼応する様に、男の動きに合わせながら彼の周りを赤き龍が飛翔し、うねる。中腰に構えると、男は地面を蹴り、赤き龍と共に上空へ舞い上がり、左足を曲げて、右足を魔女に向けて突きつける。

 

「ダァアアアアアアアアッッッ!!」

 

次の瞬間、赤き龍が放つ炎を纏い、龍騎の飛び蹴りが放たれる。そのまま一直線に魔女に向かい、そして魔女の身体を突き抜けると大爆発が起こる。

 

「「「!?」」」

 

まどか、さやか、マミは大爆発が起こると目を大きく見開く。そして爆発が無くなると、先程飛び蹴り技を放った男が立ち上がり、地面に落ちてたグリーフシードを手に取る。

 

「...............」

 

まどか「あ、あの.........」

 

まどかが男に声を掛けると、後ろにはマミを支えながら近づくさやかが居た。

 

「怪我は無いか?」

 

マミ「は、はい.........」

 

?「感謝するわ」

 

「「「!?」」」

 

すると別の方向から聞き覚えのある少女の声が響く。それは魔法少女姿では無く、学生服を着た暁美ほむらだった。

 

ほむら「貴方のお陰で巴マミが死なずに済んだわ」

 

まどか「ほむらちゃん......」

 

さやか「あんたいつの間に!?」

 

マミ「何で貴女が.........」

 

ほむら「......そろそろ正体を現しても良いんじゃないかしら?イレギュラーさん..........、いや、鹿目龍騎」

 

「「「え.........」」」

 

ほむらが男に言うとまどかとさやか、マミは固まり、男はベルトの中心に触れて左へスライドするとそれは黒いカードケースであった。そして鏡が割れたような音が鳴ると、其処に居た男はまどかの兄である鹿目龍騎だった。

 

龍騎「..........何で俺だと分かった?」

 

ほむら「貴方がイレギュラーな存在である事は既にお見通しよ、それに巴マミに拘束された私を助けたのも貴方でしょ?」

 

マミ「イレギュラー?どう言う事なの......?」

 

さやか「てか、本当にお兄さんなの?」

 

龍騎「.........潮時だな」

 

龍騎がそう言うと、魔女の結界が消滅して元の風景に戻る。

 

龍騎「場所を変えよう、お前達には今まで隠してた事がある」

 

まどか「隠してた事?」

 

龍騎「それを今から説明する、暁美も来い。お前も知りたいだろ?」

 

ほむら「......えぇ」

 

そう言って龍騎達は病院から離れる。そしてまどかに抱えられているキュウべえは龍騎を見つめる。

 

キュウべえ(.........鹿目龍騎、君は一体何者なんだい?)




どうもです。餡 子太郎です。

いかがでしたか?

遂に龍騎くん戦場に参戦です。.......サバイブ必要かな?正直要らないような気が......(エピソードファイナル風にしたいし.....)

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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俺を利用しろ

「やぁ、来てくれてありがとう。ちなみにだけど前作のヒロインルートに関しては作者は何も考えて無かったそうだよ。だから皆んなの好きなヒロインルートに決めてくれ、だそうだよ。やれやれ、作者も適当なんだから。それじゃあ行ってみようか」

「僕と契約して、魔法少女..........バシャ あ"ち"ゃ"あ"っ"!?」

メリー「いけない!躓いてコーヒー落としちゃった!?」


 

〜夕方・公園〜

 

龍騎「さて、じゃあ何処から説明しますかね......」

 

そう言って俺は公園のベンチに座って太腿に膝を当ててゲ◯ド◯ポーズを取る。そして魔法少女関係者はじっと俺を見つめてくる。

 

でもその前に.........。

 

龍騎「取り敢えず皆んな!野球やろうぜ!!」

 

「「「「え?」」」」

 

龍騎「んでQさま(クイズ番組)、お前ボールな」

 

キュウべえ「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さやか「投球予告!外角高めストレート!」

 

龍騎「さぁピッチャーの美樹選手、開始早々投球予告を出した!何と外角高めのストレートと予告した!そしてバッターの暁美選手が無言でホームラン予告!解説の巴さん、この後どうなるのでしょうか!?」

 

マミ「ちょっと待って!?何で私達野球をやってるの!?それに野球のボールがキュウべえなのは何故!?」

 

龍騎「おおっと!?美樹選手、大きく振り被った!!」

 

マミ「話しを聞いて!?それに暁美さんも何気に乗り気じゃない!!」

 

龍騎「まどかが上目遣いでやろう、って言えば大抵堕ちる。ソースは俺」

 

さやか「行くぞ転校生!!大リーグボール第一号!!」

 

龍騎「美樹選手、怒涛の一球!投げました!!」

 

ほむら「.......ふっ」

 

 

\_(-_- Ξ -_-)_/カキーン ☆=== )`д) ;∴ キュプーーーーイ

 

 

龍騎「決まったー!サヨナラホームラーン!!暁美選手、見事な打撃だ!!逆転優勝です!」

 

さやか「なん......、だと......」ガクッ

 

まどか「やったね!ほむらちゃん!」

 

ほむら「...........当然の結果よ」ファサ

 

マミ「キュウぅぅぅぅぅぅべえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

そしてQさま(クイズ番組)ことキュウべえはお星様となり、改めて魔法少女関係者に話しする事にした。

 

 

龍騎「さて、邪魔者が消えたし......、始めますか」

 

マミ「キュウべえを吹っ飛ばしておいて何で何事も無かったかのような表情が出来るんですか!?」

 

ほむら「キュウべえに聞かれたらマズいと思ったからよ。そのぐらい察しなさい」

 

さやか「転校生もノリノリだったじゃん」

 

龍騎「楽しければ良いんだよ、んじゃ話すけど........。長くなるぞ?」

 

まどか「........教えて、お兄ちゃん」

 

よし、と俺は軽く頷くと俺は口を開く。

 

龍騎「暁美は直ぐに気づいていると思うが.....、俺はこの世界の人間じゃない。いや、存在しない人間だ」

 

まどか「存在しない?」

 

さやか「ど、どう言う事?」

 

ほむら「.........」

 

龍騎「お前等......、輪廻転生って信じる?」

 

 

 

※都合により、番組(?)を変更してお送りしています。

 

 

 

〜ゆっかり〜んの解説コーナー〜

 

紫「はぁーい♪初めましての方は初めまして♪お久しぶりの方はお久しぶり♪前作、『東方龍優録〜心優しき少年の幻想郷生活〜』のアイドル(?)のゆかりんこと、八雲 紫《やくも ゆかり》よ♪今回はこの場をお借りして、前作を読んでいない方の為にこの私が改めて説明するわね♪」

 

紫「まず鹿目龍騎こと、霧影龍騎(本名:アルカード)は戦闘に優れた神の一族『鬼神龍』の一人で、次期王になる人物でもあったの。でも幻想郷に初めてやって来た時に龍騎は実の母親と共に逃亡したの。母親は私達に龍騎を託して息を引き取った、そして龍騎を優しい人間として生きて欲しいと願い、霧影龍騎と名づけて外の世界へ送ったの」

 

紫「でも龍騎が中学生の時にいじめに遭った影響で女性不審と恐怖症になってしまってね、それも高校三年生まで続いたの。そんなある日、龍騎が不慮の事故に遭ってしまって幻想郷へやって来てしまったの。それからヒロインである博麗 霊夢《はくれい れいむ》や霧雨 魔理沙《きりさめ まりさ》等の少女達と出会い、時に戦い、時に笑い合う生活を送って女性不審を直していったの。」

 

紫「彼が幻想郷へやって来て二年が経ったある日、再び鬼神龍が攻めて来たの。そして龍騎が鬼神龍である事が発覚し、どうするか迷っていた所、彼に好意を抱いてる少女達の励ましにより、鬼神龍と戦う事を決意。そして黒幕である実の父親を倒したの」

 

紫「でも、その代償に龍騎は本来の力と右目の視力を失ってしまい、戦友であった黒騎《くろき》も死なせてしまったけど、今回の戦いで犠牲になった者の分までも生きると誓い、そして女性不審も克服して彼に好意を抱いていた少女の一人に告白して幸せな時間を過ごしていったの。そして百年近くの生涯を終えたのよ」

 

紫「簡単な説明だったけど、以上よ。ちなみにヒロインで誰と結ばれたのかは皆んなのご想像にお任せするわ♪それはそれで面白いものね♪以上、ゆっかり〜んの解説コーナーの終了よ♪機会があったらまた会いましょうね〜♪」

 

 

 

 

 

※都合により、番組(?)を変更してお送りしています。

 

 

 

まどか「.........」

 

さやか「.........」

 

マミ「.........」

 

ほむら「.........」

 

龍騎「そして気が付いたらベッドの上、見知らぬ少年になっていたって訳だ」

 

俺が説明し終えると暁美以外は驚きを隠せておらず、逆に暁美はクールな表情を保っていた。

 

ほむら「.........つまり、貴方は」

 

龍騎「お前が思ってる通り、俺は完全なるイレギュラーだ。それに......、お前が俺の存在を知った時、驚いていたそうだな?つまりお前の知っている()()()鹿()()()()()には俺のような兄貴は居ないって事だよな?」

 

ほむら「.........」

 

まどか「本来の......、私?」

 

龍騎「お前も、俺と同じイレギュラーなんじゃないのか?」

 

ほむら「さぁ......、何を言ってるのか分からないわ」

 

そう言って髪をかきあげる暁美。あくまでもしらを切る気か......。

 

さやか「じゃ、じゃあお兄さんは昔の事全然憶えて無いって事?小学校の時とか?」

 

龍騎「残念ながら何も分からない、前世の記憶しか残って無くてな」

 

まどか「そ、そんな.........」

 

そう言って膝を着くまどか、よっぽどショックだったのだろう。畜生、何で残ってないんだよ.........。

 

まどか「..........あんな事までしておいて?」

 

龍騎「.......ん?」

 

ほむら「は?」

 

まどか「あんな事までしておいて忘れたなんて酷いよ!!こんなのあんまりだよ!!」

 

龍騎「え!?な、何の話し!?」

 

さやか「ど、どう言う事まどか!?ま、まさかお兄さんに何かされたの!?」

 

ほむら「何をしたのか素直に答えなさい鹿目龍騎。返答次第ではただでは済まされないわよ」

 

そう言って俺に銃を突き付ける暁美。いや待って!?マジで知らないんだって!?

 

マミ「ちょっと待ちなさい貴女達!龍騎さんの記憶は前世しか無いのよ?知らなくて当然じゃない!」

 

マミ......、お前って奴は.........。

 

マミ「それに......、仮に何かあったとして今の龍騎さんには非は無いわ!そんな事する人じゃない!」

 

天使だ!!救済天使が舞い降りた!!マミエルの降臨だ!!

 

まどか「.........痛いって言ったのに......、無理矢理......、奥まで.........」

 

「「「「は?」」」」

 

さやか「お兄さん.........?」

 

マミ「嘘よね..........?」

 

ほむら「....................................」カチャ

 

龍騎「待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?ちょっと待って!?仮にやったとしてそれ俺じゃねぇよ!?転生?前の鹿目龍騎の仕業だろ!?何で俺の所為になるんだよ!?ってかまどか!!お前空気読めよ!?今シリアスの真っ最中だよね!?お前がふざけた事言った所為で全てぶち壊されたよ!!」

 

さやか「裁判長、判決を」

 

ほむら「有罪(ギルティ)

 

龍騎「マミエル!弁護を!」

 

マミ「.......勝てない弁護はしない主義なの」

 

マミエルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

 

〜数分後〜

 

龍騎「はぁ......、はぁ......。話しを戻すよ?面倒くさいから簡潔にまとめるとな?俺は前世の記憶と力を引き継いだ状態で転生?憑依?して鹿目龍騎として生きてるの。キュウべえが見えるのも前世の影響と見ても良い、だから俺はこの魔法少女やら魔女やらに関わってる訳。此処までOK?」

 

さやか「うん、とっても分かり易い例え方!」

 

ほむら「適当って言うのよ」

 

まどか「んーー!」⇦マミの拘束魔法で口を塞いでいる。

 

マミ「気になったんですけど、さっきのあれは......」

 

龍騎「実は前世で関わった奴に貰ったんだ、この状態の俺では足手纏いだからな」

 

 

 

 

〜数時間前〜

 

 

?「おやおや、そんなに慌ててどうなさったのですか......?」

 

龍騎「!?お前は......!?」

 

龍騎とぶつかった男は、偶然通り過ぎていたマリーンだった。

 

マリーン「何か焦ってるような気がしますが.........、どうされたのですか?」

 

龍騎「お前と話してる時間は無い!俺は行くぞ!」

 

マリーン「まぁ、待ちなさい」

 

そう言ってマリーンは俺の腕を掴む。龍騎が振り向くと、マリーンは黒色の四角い箱を渡した。

 

マリーン「これを持って行くと良いでしょう。護身用になりますよ」

 

龍騎「.........これは嫌味か?」

 

マリーン「貴方はそう捉えても仕方がないと思いますが、私は好きですよ?」

 

龍騎は箱に龍の紋章を見て受け取ると、マリーンを睨む。その龍の紋章が鬼神龍の紋章と同じだからだ。

 

龍騎「.........一応貰っとく、本当に何もしないんだな?」

 

マリーン「勿論です、私は見る方が好きなので」

 

そう言って龍騎は走り去ると、マリーンはゆっくりと微笑む。

 

マリーン「頑張って下さいね?救世主様......」

 

 

〜現在〜

 

龍騎「という訳で、あの姿も前世の時の俺の姿な訳」

 

さやか「成る程、何か運命を感じるというか......」

 

龍騎「ある意味、呪いみたいなものだ。鬼神龍は戦いという宿命には逆らえない」

 

マミ「呪い.........」

 

ほむら「.........鹿目龍騎、貴方と話しがあるわ」

 

龍騎「っ......」

 

暁美がそう言うと、マミが暁美を睨みつける。

 

マミ「それは私達の前では話せない事かしら?」

 

ほむら「ある意味そう言う事になるわね」

 

龍騎「.........お前等、悪いが暁美の言う通りにしてくれ。俺も差しで話しがしたい」

 

マミ「...............鹿目さん、美樹さん。行きましょう」

 

さやか「マミさん?」

 

マミ「此処は龍騎に任せましょう....。私達が居ると言い辛いそうよ」

 

龍騎「すまない、恩にきる......」

 

そう言ってマミは歩いて言ってしまうと、さやかもまどかを連れて帰って行ってしまった。明日何か奢ってやるか.........。

 

暁美「着いて来て」

 

暁美が着いて来いと指示を受けて、俺は暁美の後を追う。

 

 

 

〜ほむホーム〜

 

ほむら「入りなさい」

 

龍騎「お邪魔しまー...............、えぇ.......(困惑)」

 

暁美の家(別名:ほむホーム)にお邪魔すると、良く分からんSFみたいな部屋に入ったのだが、大量のゴミ袋とカップ麺の残骸を見て、ゴミの方に驚いていた。

 

ほむら「何突っ立てるの、早く座りなさい」

 

龍騎「いやまず片付けろよ、俺一応お客さんよ?お前彼氏連れてきたらドン引きして別れ話し持ち掛けられるぞ?」

 

ほむら「?」キョトン

 

おいこら首を傾げてんじゃねぇよ、こいつ勉強や運動が出来ても女子力が壊滅的に無さすぎる......。

 

龍騎「.........話す前に片付けね?流石にこんな空間で話す気になれねぇよ」

 

ほむら「気にする事は無いわ」

 

龍騎「俺が気にするの!」

 

それから俺はゴミを回収して、掃除機をかける。こいつどんな生活してんだよ......。と愚痴りながら仕事をする。そして三十分くらい掛かってようやく綺麗になった。うん、さっきよりはマシだ。

 

ほむら「ご苦労様、インスタントだけど」

 

そう言って俺にコーヒーを差し出す暁美。俺は家政婦じゃないんだぞ......、と心で言ってコーヒーを受け取る。

 

龍騎「......で?話しってなんだ?」

 

俺はコーヒーを一口飲むと、暁美に話し掛ける。

 

ほむら「貴方の事は大体分かった、でも私は貴方を信用してないわ」

 

龍騎「......何が言いたい?」

 

ほむら「単刀直入に言うわ、貴方の目的は何?」

 

龍騎「..........俺の目的、か。目的というか目標になるが..........、これ以上魔法少女を増やすのを防ぐ事だな」

 

ほむら「.........何故?」

 

龍騎「俺は幾つか憶測を考えた。もしそれが本当なら魔法少女になった者は決して報われない。これ以上、悲しみの連鎖を繰り返させたくない。だから俺は戦う選択を選んだ」

 

ほむら「............」

 

龍騎「俺からも聞かせてくれ......、何故俺達の前に立ちはだかる?まどかとさやかが魔法少女の何らかの関係があるからだろ?」

 

ほむら「............約束よ」

 

約束?

 

ほむら「私は......、最初は今のような女では無かったわ......。病弱で、何も取り柄もないただの女......、そんな私に手を差し伸べて来たのが、まどか......。でも、彼女は死んだ......。あの時、私が死ぬ筈なのに彼女は私を救った......、そして死ぬ間際にこう言った......」

 

『魔法少女になる前の馬鹿な私を救って』

 

ほむら「私は彼女の約束を果たす為に、何度も時間をやり直した。でも......、上手くいかなかった......。それでも私は繰り返す......、彼女を救うまで、何度でも.......」

 

龍騎「............」

 

暁美はそう言うと、力強く拳を握る。よっぽどまどかの事が大切なんだな.....。まどか、お前の友達はとても良い奴だよ。

 

龍騎「.........暁美、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺を利用しろ」

 

ほむら「......え?」

 

龍騎「お前はまどかを魔法少女にさせない為に動いている、そうだな?俺はこれ以上、魔法少女の増加を防ぐ為に動く、利害一致してる訳だ。それに今回の時間軸が上手くいけば、まどかの魔法少女の阻止の成功してさらにはお前が関わって来た魔法少女の生存も夢じゃない。現にマミが生きてるんだからな、お前が知ってるマミはもう死んでるんだろ?あの時に」

 

ほむら「............」

 

龍騎「なら話しが早い、お前はこれから起こる出来事を俺に教えてくれれば後は何とかする。ただでさえ前世で神様やってた訳じゃないんだ、奇跡でも何でも起こしてやるよ。どうだ?悪くない条件だろ?」

 

ほむら「.............確かに悪くないわね」

 

龍騎「だろ?おまけにお前が味わって来た地獄の無限ループも終わらせてや..........、る...........?」

 

俺はある言葉に引っ掛かり、思わず声のトーンを低くてしまった。無限ループ?暁美は繰り返してるって聞いたが過去に行ってるのか?それとも......、

 

龍騎「なぁ暁美、お前は時を操れるのか?例えば時を止めたりとか進めたり戻せたりするとか」

 

ほむら「?何故そんな事を聞くのかしら?」

 

龍騎「.........もしかしてだけど、お前は過去に戻ってるんじゃなくて平行世界に来てないか?」

 

ほむら「............え?」

 

龍騎「だっておかしいだろ、過去に戻るって事はお前が経験して来た事を繰り返すって事になるんだぞ?お前今回の俺みたいに少しおかしな所はあったりしたか?」

 

ほむら「..........言われてみれば、幾つかあったような...」

 

龍騎「やっぱりな、お前は過去に戻ってるじゃない、今回は偶々俺が転生?して来た平行世界に来てしまったんだよ」

 

ほむら「......そんな、じゃあ私のやってた事は...........」

 

龍騎「無駄になる......、って訳じゃ無いけど、それに近い事をしたんだよ」

 

ほむら「嘘...........」

 

そう言って暁美は膝を着くと、啜り泣くように涙を流し始めた。

 

ほむら「うぅ......、あぁ.........、うあああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

龍騎「............」

 

ほむら「私は......、今まで、何をして来たのよ!!こんなの...........、あんまりよ..........!」

 

龍騎「暁美.........」

 

俺は暁美に近寄ると、彼女の頭を撫でる。

 

龍騎「泣くなら思いっきり泣け、俺で良ければ胸ぐらい貸してやる。それともう、一人で悩まなくて良い。お前が叶わなかった願いを、俺が叶えてやる」

 

ほむら「うっ.........、うぅ.........」

 

龍騎「約束する、今回の周回でお前の地獄の無限ループを終わりにする。そしてまどかも魔法少女にはさせない。ついでにだけどさやかもな、例え何が起ころうとも俺が全部解決してやる。だから、俺を受け入れろ!俺もお前を受け入れてやる!」

 

ほむら「.........ほんと?」

 

龍騎「俺はやる時はやる男だ、前世でも変わりは無い。それと......、良く一人で頑張ったな、お疲れ様」

 

ほむら「あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

俺がそう言うと、暁美は俺の胸へと抱きつき盛大に泣き始める。今までこんな事を言ってくれて無かったからとても心に響いたのだろう。俺は優しく彼女の頭を撫でて、泣き止むまで待つ事にした。

 

 

 

〜三十分後〜

 

ほむら「見苦しい所を見せたわね......///」

 

龍騎「寧ろ眼福でした」

 

あれから泣き止んだ暁美は恥ずかしそうに謝罪する。ほむほむめっちゃ可愛い。

 

龍騎「で、話しは戻るけど?手を組む気になった?」

 

ほむら「.........えぇ、そうするわ」

 

そう言っていつもの調子に戻るほむほむ、やっぱお前はそれが一番似合ってるわ。

 

龍騎「交渉成立だな」

 

ほむら「せいぜい期待には答えなさいよ?」

 

龍騎「任せとけ、これでも世界を救った事があるからな。これからよろしくな、暁美」

 

ほむら「ほむらで良いわ」

 

龍騎「なら俺も龍騎で良い」

 

そう言って俺とほむらこと、ほむほむは固い握手をする。さて、これから忙しくなるぞ......




どうもです。餡 子太郎です。

いかがでしたか?

色々と違うかもしれませんが、大目に見てください。これが自分の知ってる知識を入れただけなので......。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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魔法も奇跡もあるが頼るんじゃねぇ

「やぁ、来てくれてありがとう。今回はギャグが少ないと思うからシリアスな展開になると思うよ。相変わらず作者はシリアスが書くのが下手みたいだね、やれやれ、全く上達してないんだから......、それじゃあ行ってみようか」

「僕と契約して、魔法少女..........」クザッ

仁美「あら?何か当たりました?」⇦弓道の練習(原作ではやってない...と思う)


 

〜病院〜

 

龍騎「えぇと、上条......、上条......、あった」

 

俺は昨日のリベンジで上条の見舞いに来ていた。今日は早めに学校から来れたし、多分リハビリがあったとしても少しなら話す機会がある筈だ。

 

龍騎(にしても......、やっぱり俺の憶測は当たってたか......)

 

そんな事を心の呟きながら昨日のほむらとの会話を思い出す。

 

 

 

〜昨日・ほむホーム〜

 

ほむら「それで、貴方の考えた憶測というのは?」

 

龍騎「まずソウルジェムだ、名前を翻訳したら『魂の宝石』俺が気になったのは『魂』だ。もしそれが本当に魂そのものだったら、紛失又は破壊された場合、その持ち主は死を意味する.........。どうだ?」

 

ほむら「.........中々鋭いのね、その通りよ。ソウルジェムが破壊されたら魔法少女は死ぬわ。それだけじゃない、持ち主から半径100メートル離れると身体が動かなくなるわ」

 

.............つまり幽体離脱みたいなものか。

 

龍騎「次にキュキュットの事だ、あいつには謎が多過ぎる。正直俺としてはただの詐欺師とグス野郎にしか思えない」

 

ほむら「キュキュット?.........キュウべえの事ね。確かにキュウべえの目的なんてあいつから話す訳が無いものね」

 

龍騎「知ってるのか?なら教えてくれ.....」

 

ほむら「...............................宇宙の存命よ」

 

.............................................................はい?

 

龍騎「えっと.........、どう言う事だってばよ?」

 

ほむら「キュウべえ、もとい『インキュベーター』は早い話し宇宙人よ。奴等は感情をエネルギー転換できる技術を発明し、その技術と抽出したエネルギーで宇宙のエントロピーの問題解決に役立てようとしたが、肝心の彼ら自身は感情を持たない種族であったため、別の種族にこの技術を応用しようと考え、地球人類に目をつけた」

 

龍騎「すまん、エントロピーって何?」

 

ほむら「熱力学の事よ。増大する宇宙のエントロピーを引き下げる為、地球の第二次成長期の女性の魂をソウルジェムという宝石に加工し、然る後に少女の希望の感情から絶望の感情によりソウルジェムがグリーフシードに転化する際に発生するエネルギーを回収することが目的......」

 

じゃあ、ソウルジェムが黒く濁り切ると魔女になっちまう訳か......。幾ら宇宙の為とは言え、とんでもない野郎だな......。

 

龍騎「それを解決するにはインベーダーを一匹残らず駆逐すれば良いのか?」

 

ほむら「無駄よ、仮に殺したとしても直ぐに別のインキュベーターがやって来て回収されるわ。貴方で言うなら残機が減らないって所かしら?」

 

うわっ面倒くさいな........、なら一匹貰ってもバチ当たらないのでは?ストレス解消用サンドバッグとして。

 

龍騎「じゃあどうすれば良いんだ?」

 

ほむら「.........まず一つは、まどかの魔法少女になるのを阻止する事。彼女はどの魔法少女より才能を持っている事、そして私が彼女を救う目的でもある」

 

龍騎「.........それは俺も同じだ、次は?」

 

ほむら「二つ目......、最強の魔女『ワルプルギスの夜』の討伐よ」

 

龍騎「最強の魔女...........」

 

ほむら「この二つをクリアすれば、全てが終わる......。でも、此処までの道のりは決して簡単じゃない。貴方にとっても.........」

 

龍騎「ほむら、俺言ったよな?俺を利用しろと」

 

ほむら「.........っ」

 

俺がそう言うと、ほむらの口が閉じた。

 

龍騎「お前はお前の目的を果たせば良い、俺もお前の駒として動く......。例え100人のうち1人が犠牲になれば世界が救われるなら、俺がその1人になってやるよ」

 

ほむら「............余程自信があるのね」

 

龍騎「腐ってても神様やってたからな.......、この後起こるイベントは何だ?」

 

ほむら「...............美樹さやかが魔法少女になる。上条恭介の腕を治す願いで」

 

 

 

〜現在〜

 

龍騎(とは言ってたけど、さやかの奴がどんな形で契約するのやら......)

 

俺は少し不安になりながらも上条の居る病室へと向かう。どうやらさやかが魔法少女を防ぐ事は既に手遅れらしい......。

 

龍騎「やってみなくちゃ分かんねぇだろ......、運命に従わせるかよ......」

 

そんな事を呟きながら病室へ着くと、さやかの声が聞こえた。どうやら既に先客が来ていたようだ。俺が覗いて見ると、さやかが手にしていた物はクッキーが入った紙袋だった。そして上条の側に置いてあったCDを手に取ろうとした時、

 

恭介「ねぇ......、さやかは、さ.........、僕をいじめてるのかい?」

 

さやか「え?」

 

龍騎「は?」

 

今日の上条は様子がおかしい......、一体どうしたんだ?

 

恭介「嫌がらせのつもりなのか?何で今でも音楽なんて聴かせるんだい?」

 

さやか「そ、それってどう言う.........」

 

恭介「もう聴きたくないんだよ!自分で弾けもしない曲なんて!」

 

さやか「!?」

 

龍騎「ちょ!?」

 

何故か上条が一枚のCDを持った途端、物凄い勢いで殴ってぶっ壊した。その所為で腕から血が流れていた。

 

いやいやいやちょっと待って!?どう言う状況これ!?何か修羅場ってますけど!?ってか喧嘩してんの!?取り敢えず上やん落ち着け!!

 

さやか「ちょ、ちょっと止めて!大丈夫だよ!きっと治るよ!諦めなければ........」

 

恭介「諦めろって言われたのさ」

 

龍騎「................!」

 

恭介「今の医学ではどうしようも無いって........、ヴァイオリンは諦めろってさ.......、動かないんだ......、もう.........」

 

さやか「そんな............」

 

龍騎「...............」

 

そうか......、そう言う事か..........、

 

お前は所詮、その程度だったって訳か。

 

恭介「奇跡か、魔法でも無い限り...........」

 

さやか「あるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ!」

 

龍騎「確かに奇跡も魔法もあるが、そんなもんに頼ってんじゃねぇよ」

 

ドガッ!

 

恭介「うぐっ!?」

 

さやか「お兄さん!?」

 

俺は病室の中へと入っては上条の顔面に思いっきり殴り、胸倉を掴んだ。

 

龍騎「何で俺が殴ったか......、分かるか?」

 

恭介「お兄さん.........?」

 

龍騎「はっきり言って見損なった、お前がそんなに臆病な奴だとは思わなかったよ」

 

恭介「.........貴方に何が分かるんですか......、ヴァイオリンは僕にとって全て何です!それなのに諦めろって言われてリバビリしても意味が無いじゃないですか!」

 

龍騎「まるで負け犬みたいなセリフだな、弱い犬ほどよく吠えるってのはまさにこの事だな」フッ

 

恭介「っ!」ギリッ

 

俺が鼻で笑うと上条が睨みつける。おっと、お前にそんな事する権利なんて無いんだぜ?

 

龍騎「悔しいか?俺にこんな事言われて......、それがお前の弱さだよ」

 

恭介「え.........?」

 

龍騎「医者に諦めろって言われてそこで諦めるのか?お前が全て捧げて来たヴァイオリン人生はその程度って訳、何で諦めるんだ!!」

 

そう言って俺は上条の胸倉を掴んでいた腕を曲げて出来るだけ近くに顔を近づけた。

 

龍騎「お前は其処で諦めるのか!?このまま終わって良いのか!?治らないからって運命に従うのか!?どうにかしようと思わないのか!?」

 

恭介「......じゃあどうすれば良いんですか!?こんなボロボロな身体で、何が出来るんですか!?」

 

龍騎「甘ったれた事言ってんじゃねぇ!!生まれた頃から目が見えない人だって居るし、足が動かねぇ人だって居るんだぞ!?お前より辛い思いしてる人が数え切れない程居るんだぞ!?お前だけ特別扱いしてんじゃねぇ!」

 

恭介「!」

 

龍騎「運命に従うな!抗え!そして勝て!医者の言葉なんて間に受けるな!腕が動かないだ?日常生活に支障は無いんだろ?だったら動かせるようになるまで諦めんなよ!人生何が起こるか分かんないんだから現実から逃げるな!」

 

恭介「う......うぅ.........」

 

龍騎「メソメソ泣いてんじゃねぇ!男だろ!もう一度ヴァイオリンを弾きたいなら死に物狂いで治せ!お前も男なら覚悟を決めろ!」

 

そう言って俺は上条をベットに叩きつけるように突き飛ばした。息を整えていると隣に居たさやかが涙を流して居た、俺がこの世界でブチギレたのは初めてかもしれないな......。

 

龍騎「.........俺は今のお前も認めない。一人の男としても、天才ヴァイオリニストとしてもな。悔しかったら自力で治してみせろ、お前にそんな覚悟と勇気があればの話しだがな.........」

 

そう言って俺は病室から出る事にした。此処に居ては色々と迷惑が掛かると思ったからだ.......、既に迷惑掛かってるけど........。

 

恭介「うっ.........、うぅ...........」

 

さやか「恭介.........」

 

恭介「............悔しいよ」

 

さやか「......え?」

 

恭介「お兄さんの言う通りだ......、僕は......、上条恭介って男はこんなにも小さい男なんだなって..........、思い知らされたよ......。何も悪くないさやかに八つ当たりして......、動かないって聞いて時に受け入れられなくて.........、本当にごめん.........」

 

さやか「......ううん、気にしないで」

 

恭介「僕は......、男としても、ヴァイオリニストとしても、何もかも失格だ.....。お兄さんに言われて、悔しかった。でも言い返せなかった........」

 

さやか「恭介.........」

 

恭介「.........リバビリ、頑張ってみるよ」

 

さやか「.........え?」

 

恭介「このまま、お兄さんに言われ続けるのは......、嫌だから......。覚悟を決めなくちゃいけないんだと思う......、悔しいけど、僕も男なんだなって......」

 

さやか「.........大丈夫だよ!恭介なら出来る!私応援するから!」

 

恭介「......良いのかい?あんなに酷い事を言ったのに......」

 

さやか「もう気にして無いよ、頑張ろ恭介!」

 

恭介「さやか......、ありがとう......」

 

さやか(私も、頑張るから.........)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜病院・外〜

 

ほむら「で、そのまま院長に怒られて追い出された、と?」

 

龍騎「おまけに一ヶ月出禁を食らったでごさる」

 

ほむら「その場に居た美樹さやかとの会話もしてないと........」

 

龍騎「ほんっっっっっとに申し訳ございません!!」

 

あの後病院から出た(追い出された)俺はほむほむに説教されていた。帰ろうした途端、廊下でスタンバってた院長が俺の肩を掴んで別の部屋まで連れてこられて、患者(上条)を殴った事、近所迷惑が原因で一ヶ月出禁を食らってしまった。あんな事をして警察沙汰にならないとかこの世界は結構甘いんだな.........。

 

ほむら「......はぁ、どちらにせよ美樹さやかは魔法少女になるわ。確実に」

 

龍騎「あの時上手く説得してればなんとか出来たと思うか?」

 

ほむら「少なくとも可能性はあったでしょうね、低い確率だけど」

 

畜生......、いきなりあいつが騒ぎを起こすからいけないんだ。全部上条の所為だ、上条が悪い!

 

龍騎「.........尻拭いはします。なので見逃して下さい......」

 

ほむら「..........ならこれから現れる魔女を倒して貰おうかしら。勿論、貴方一人で」

 

龍騎「あ、はい。ちなみに何処へ?」

 

ほむら「魔女の魔力を感知出来るんでしょ?なら自分で何とかしなさい」

 

龍騎「畜生めぇ!!」

 

そう言って俺は全力疾走で病院から離れた。

 

 

 

 

〜街中〜

 

龍騎「くそっ、何処に居るんだよ.......」

 

あれから走り出したから既に日が暮れようとしていた。本当に現れるのかよ......、何て思ってたらとある二人組を見つけた。

 

龍騎「........蓮子?それにメリー?」

 

何故二人が居るのか分からなかった。蓮子もメリーも隣町に住んでる訳だし......。

 

龍騎「おーい蓮子、メリー」

 

蓮子「あれ?龍騎じゃん。どうしたの?」

 

龍騎「いや、それはこっちのセリフ........!?」

 

俺は蓮子の首に何かある事に気づくと、それは見覚えのある形をした痣であった。

 

龍騎(魔女の口づけ......!じゃあこの近辺に居るのか!?)

 

メリー「そうだ、龍騎も一緒に行かない?」

 

龍騎「......行くって何処へ?」

 

蓮子「少し進んだ所に廃棄された工場があってね、儀式が行われるんだ」

 

龍騎「儀式?」

 

蓮子「うん、なんでも()()へ行けるらしいよ」

 

龍騎「!?」

 

蓮子の衝撃発言により、俺は驚きを隠せないでいた。尚更こいつ等を行かせる訳に行かない!

 

龍騎「駄目だ!それは儀式なんかじゃない!目を覚ませ!」

 

メリー「?何を言ってるの?」

 

龍騎「お前達、操られてるんだよ!そんな形で人生を終わらせて良いのかよ!?」

 

蓮子「大丈夫、私達三人で逝けば何も怖くないよ」

 

龍騎「蓮子......」

 

メリー「どんな事があっても、私達は一緒よ」

 

龍騎「メリー......」

 

俺は二人を止めようと押さえるが、二人はお構いなしに俺を押し返してくる。くそっ、こんなの一人じゃどうしようも無いぞ......!なんて事を思ってたら突然地面から黄色いロープみたいなのが生えてきて、二人を拘束する。

 

龍騎「これは......」

 

マミ「龍騎さん!」

 

マミがこちらへ走って来た。恐らくこのロープのもマミのだろう。

 

龍騎「すまんマミ、この二人を頼めるか?俺は魔女をぶっ潰す!」

 

マミ「え、えぇ......、この方はお知り合いで?」

 

龍騎「俺の大切な仲間の一人だ、この二人を操った事を後悔させてやる」

 

そう言って俺は工場へ走り出す。向かってる途中に、工場への方向へ進んで行く通行人達が居たが殆どが魔女の口づけの被害に遭っている人達だった。

 

龍騎「!あれか!」

 

ようやく辿り着いた俺は工場の中へ入ると......。

 

龍騎「なっ................」

 

さやか「あ、遅かったじゃん。お兄さん」

 

まどか「お兄ちゃん.........」

 

まどかと謎の格好をしたさやかの姿だった............。




どうもです、餡 子太郎です。

いかがでしたか?

ヒロインどうしよう......、正直迷ってます......。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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友と家族

「やぁ、良く来たね。遂にさやかが魔法少女になってしまったけどこれからどうなるか楽しみだね。それじゃあ行こうか」

「僕と契約して、魔法少女......」

恭介「君は皆んなにいじめているのかい?」


 

さやか「あ、遅かったじゃん。お兄さん」

 

まどか「お兄ちゃん.........」

 

俺が駆けつけると、謎のコスチュームをしたさやかと学生服姿のまどかが居た。

 

龍騎(お、遅かった..........)

 

さやか「あー、その......、何て言うか........。心境の変化と言うか....」

 

龍騎「..........クソ!」

 

まどか・さやか「「!?」」

 

俺は壁に思いっきり頭突きをした。額から液体のようなものが流れると、自分の血だと言う事が分かる。結局ほむらの言う通りだった.......。

 

まどか「お兄ちゃん!」

 

龍騎「........................すまん、今の出来事に受け入れられなかった」

 

さやか「.........ごめんなさい、あんなに言ってくれたのに...、裏切るような事をして........、でも私には......」

 

龍騎「もう良い.........」

 

さやか「え......」

 

さやかが申し訳無さそうにそう言うと、俺はまどかから差し出されたハンカチで頭を押さえな返事をする。

 

龍騎「別に怒っては無い......、上条の為に願いを使ったのも分かりきっていた......。前にも言ったが、自分の行動に後悔の無いようにして欲しい。どんな結末になってようがな」

 

さやか「お兄さん......」

 

龍騎「......詳しい事情は後だ、ちょっと.......、血が...........」バタッ

 

まどか「お兄ちゃん!?」

 

さやか「お兄さん!?」

 

俺は貧血になり倒れてしまった。そして気がついた時には既に翌朝を迎えていた。どうやらさやかが魔法で俺の頭の傷を治して、部屋まで運んでくれたのだろう......。

 

 

 

〜病院・屋上〜

 

恭介「〜♪ 〜♪」

 

さやか「本当のお祝いは退院してからなんだけど、足より先に手が治っちゃったしね」

 

龍騎「お前のお陰だけどな......」

 

さやか「..................まだ、後悔してる?私が魔法少女になった事に......」

 

学校が終わり、俺とさやかは病院の屋上でピアノを弾く上条の様子を影で見ていた。さやかが突然そんな事を言うと、俺は表情を変えず返答する。

 

龍騎「後悔は......、してるな。何も出来なかった自分の無力さを痛感させられたんだからな......。でも次はこうはいかない、今回の失敗を次に糧にする......、俺はこう見えて負けず嫌いなんだよ」

 

さやか「...............」

 

龍騎「................そんな顔はするなって、言っただろ?自分の行動に後悔の無いようにして欲しいって。お前が不幸にならない以上、とやかく言うつもりはねぇよ」

 

そう言ってさやかの頭を撫でると、ポケットから一枚の葉っぱを取り出して口に当てて吹きかける。すると綺麗な音色が響き渡り出す。

 

さやか「.......恭介のヴァイオリンも好きだけど、お兄さんの草笛も好きだな.....」

 

龍騎「音楽は良い......、人の心を癒せる偉大なものだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さやか「..................と言うかお兄さん、出禁食らってるんじゃ無かったの?」

 

龍騎「空気嫁バカさやか、それとバレなきゃ犯罪(?)では無いんですよ」

 

 

 

〜鹿目家・玄関前〜

 

マミ(き、来ちゃった.........)

 

龍騎「.......あれは」

 

帰宅していたらマミが自宅の玄関前に立っていた。彼女の手には学校用の鞄と白色の四角い箱を持っていた。

 

マミ(どうすれば良いのかしら......、他所の人の家何て入った事無いし、鹿目さん居るかしら......)

 

龍騎「人ん家の前に立ってもらうと困るんですけど」

 

マミ「!?す、すみません!......って龍騎さん!?」

 

龍騎「.........何してんの?」

 

マミ「あ、いやその........、こ、この間のお礼をしたくてですね......。ケーキを......」

 

そう言って恥ずかしそうにケーキを差し出すマミ、別にお礼なんていらないんだけどなぁ......。

 

龍騎「......ありがとな、良かったら家に上がっていけば?」

 

マミ「え?」

 

そう言ってマミは素っ頓狂な声を出す。そうか、こいつボッチだったから他人の家に上がった事が無いのか。

 

龍騎「多分まどかも帰ってきてる筈だし、皆んなでケーキ食おうぜ?」

 

マミ「い、良いんですか?」

 

龍騎「通報されなきゃ問題ないよ」

 

そう言って俺は玄関を開けるとマミも入ってきた。

 

龍騎「たでーまー」

 

マミ「お邪魔します......」

 

まどか「お帰りお兄ちゃん、......何でマミさんが?」

 

すると制服姿のまどかが出迎えてくれたが、マミの存在を知ると俺に聞いてきた。

 

マミ「お、お邪魔してます......」

 

龍騎「この間のお礼にってケーキくれたから皆んなで食おうぜ、って話しになった」

 

まどか「......あの時か...、じゃあ私の部屋に案内しとくね」

 

龍騎「そうしてくれ、流石に男部屋は不味いからな。俺飲み物持ってくる」

 

そう言ってまどかはマミを連れて部屋に向かうと俺は台所にある冷蔵庫から飲み物とコップを持ってまどかの部屋へ。そして部屋に入った時には中心には俺の部屋にあったであろう小さいテーブルの上にはマミのケーキが置かれていた。

 

マミ「えっと......、いきなり押し掛けてごめんなさいね。どうしてもあの時のお礼がしたくて......」

 

龍騎「お前が無事ならそれで良いだろ?」

 

マミ「それでもよ、あの時龍騎さんに助けてくれなかったら......、私は今頃......」

 

まどか「.........」

 

龍騎「......分かった、お礼は受け取る。それでお前が満足するならな」

 

マミ「!」

 

龍騎「ほら、ケーキ食おうぜ。ぬるくなっちまう」

 

まどか「そうだね、いただきまーす!」

 

先にまどかが先にケーキを頬張ると、俺も後に続いてケーキを口に入れる。にしても美味いなこのケーキ、全部手作りなんだろ?将来マミの旦那にやる奴は幸せもんだな」

 

マミ「......///」

 

まどか「お兄ちゃん?」

 

龍騎「ん?何?」

 

まどか「声に出てたよ?」

 

龍騎「.........え?」

 

マミ「.........///」

 

 

何やってんだ俺はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 

 

龍騎「あ、いやその.......、す、すまん!気を悪くした!」

 

マミ「い、いえ......、お気になさらず......///」

 

俺が謝まり終えると、俺の分のケーキが跡形も無く消滅していた。

 

龍騎「あれ!?俺のケーキは!?」

 

まどか「お兄ちゃんが食べたんでしょ」

 

龍騎「何でお前の頬にクリームが付いてるの?」

 

まどか「さっき食べ終えたの」

 

龍騎「お前とっくに完食してただろ」

 

まどか「お兄ちゃんが食べたの、良い?」ハイライトオフ

 

龍騎「アッハイ」

 

ちくしょう......、まどかが怖ぇよ......。

 

マミ「そ、そういえば昨日の暁美さんとの話しはどうなったのかしら?」

 

話題を昨日の暁美との会話に持ち掛けるマミ、流石のまどかもうんうん、と頷いていた。俺は一度咳払いをして、二人に説明する事にした。

 

龍騎「まどか、マミ、これはお前達にも関わる事だ。特にマミはとても受け止められない事実を知る事になる。無理せず限界と思ったら止めて貰っても良い、途中で休憩を挟む」

 

マミ「...................分かったわ」

 

龍騎「................率直に言うと、俺の憶測が当たった」

 

マミ「え................」

 

まどか「それって...........」

 

俺が頷くと、まどかは顔を青ざめてマミは固まってしまった。

 

龍騎「......マミ、大丈夫か?」

 

マミ「...........えぇ、続けて」

 

龍騎「................まず、ソウルジェムの事だ。ソウルジェムが破壊された場合は魔法少女は死ぬ、それとソウルジェムが自分との距離が半径百メートルも離れると幽体離脱みたいになる」

 

まどか「やっぱり、ソウルジェムは一心同体だったんだ......」

 

マミ「.............」

 

龍騎「.......続けるぞ?次にキュウべえの目的についてだ」

 

まどか「キュウべえの目的?」

 

龍騎「キュウべえ、本名『インキュベーター』は宇宙の存命の為、魔法少女を魔女にしてその時に発生するエネルギーを回収するのが目的だ」

 

マミ「ちょ、ちょっと待って!?魔法少女を魔女に!?どうやって..................!?」

 

龍騎「気づいたようだな、つまりソウルジェムが濁り切ると魔法少女は魔女になる」

 

マミ「っ!!」

 

まどか「そ、それって!?」

 

龍騎「俺達が会ってきた魔女は魔法少女の成れの果ての姿......、それを倒してる俺やマミ、さやかは...........、最悪な言葉を使えば人を殺した事になる」

 

マミ「いやあああああああああああ!!」

 

俺の言葉がまずかったのか、マミは頭を抱えて叫び出した。俺は慌ててマミの側に近寄る。

 

龍騎「落ち着け!一回冷静になれ!」

 

マミ「出来る訳ないじゃない!!私は.....、魔女を...!人を殺したのよ!?」

 

龍騎「そう言ったら俺も同罪だ!倒してきた魔女の数なんか関係ない!それに言ったよな!?魔女になろうがゾンビになろうがお前が巴マミである以上、お前を受け入れるって!」

 

マミ「っ!」

 

龍騎「俺の言葉を聞いて受け入れられないのは分かってる、でも背けてはダメだ!俺達が出来る事は、これ以上魔法少女を増やさない事だ。それに解決策ならある」

 

マミ「.........え?」

 

まどか「そ、それは......?」

 

龍騎「.........今説明して何となく分かった気がする。まずお前だまどか、キュウべえの契約の阻止だ。あいつはまどかの契約を最優先に狙っている、それはまどかが他の魔法少女に優れているからだ」

 

まどか「私が......、優れている.......?」

 

マミ「じゃ、じゃあもし鹿目さんが契約したら......」

 

龍騎「まどかが魔女化になるのを待って、なったら御役御免。自分達はトンズラして、地球に残った人間達は魔女化したまどかによって殺される......、インキュベーターは宇宙の存命だけが目的だから人間達が生きようが死のうがどうでも良いんだよ」

 

マミ「そんな........、キュウべえ......、信じてたのに......」

 

龍騎「......あいつに聞いたら『聞かれなかった』と答えるだろうな」

 

まどか「お、お兄ちゃん!他に方法は無いの!?」

 

龍騎「.........あるにはある。最強の魔女、..............なんだっけ?えーと.......、ワ、()()()()()の夜だっけ?」

 

マミ「.........もしかして、()()()()()()の夜の事かしら?」

 

龍騎「そうそれだ!そいつをぶっ潰せば全てが終わる!」

 

まどか「でも、キュウべえと契約したらもう元には戻れないんだよね?」

 

龍騎「それなんだけどさ、可能性がゼロじゃない方法を思いついた」

 

マミ「本当なの!?」

 

まどか「な、何なのそれは!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「俺がキュウべえと契約して、今居る魔法少女を人間に戻す。契約した時の願いでな」

 

 

 

〜???〜

 

キュウべえ「いやぁ、まさか君が来るとはね」

 

?「こっちはマミが死にかけたって聞いて態々来てやったのに、まだ生きてたんじゃん」

 

キュウべえ「僕もあの時はもう駄目かと思ったんだ、それにこの土地には新しい魔法少女が居るんだ。と言っても、数時間前に契約したばっかりだけどね」

 

?「はぁ?なにそれちょぉムカつく」

 

キュウべえ「それだけじゃない、今回はイレギュラーも参戦してるんだ」

 

?「イレギュラー?」

 

キュウべえ「この土地の人間なんだけど、それは他の魔法少女と似たような存在......、いや、もしかしたら魔法少女を超える存在かもしれないね」

 

?「魔法少女を超える存在......」

 

キュウべえ「その者は男で、赤き龍を従わせる強力な相手だ。迂闊に動くとただでは済まされないよ」

 

?「ふーん......、赤き龍を従わせる男のイレギュラーか......。面白そうじゃん!こんな絶好の縄張りをみすみすルーキーのヒヨッ子やその赤き龍の男にくれてやるのもシャクだしねぇ」

 

キュウべえ「どうするんだい?杏子」

 

杏子「そんなの決まってるじゃん、ぶっ潰しちゃえば良いんでしょ?その子とその男を!」

 

 

 

ほむら「.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜鹿目家・リビング〜

 

オートコナラーダレカノターメニツーヨークーナーレ! ハヲクイシバッテーオーモーイーキリマーモーリーヌーケ!

 

龍騎「もしもし.........、話したぞ。ちょっと取り乱したが大丈夫だ、今家族と夕飯食ってる所だ。.........了解した、伝えておく」

 

ほむらから掛かって来た電話を切り、リビングへ戻ると既に夕食の準備が出来ていた。

 

マミ「ありがとうございます。夕飯だけでなく泊めて貰って....,」

 

知久「気にする事はないよ、遠慮無く食べていってね」

 

詢子「そうそう、畏まらなくて良いんだぞ?」

 

タツヤ「マミー、マミー!」

 

家族の温かな対応に涙を流すマミ、今まで一人暮らしだったからな。無理も無い......。そう言ったら俺も前世ではこんな事味わって無かったもんな......。

 

龍騎(これが家族、か...............)

 

まどか「......お兄ちゃん?」

 

龍騎「ん?あ、いやすまん。ちょっとぼーっとしてたわ、早く食おうぜ!いっただきまーす!」

 

「「「「いただきまーす」」」」

 

それからマミを含めた夕食を堪能した。いつもより美味く感じたのは不思議に感じた。こんな幸せが続けば良いのに......。

 

龍騎(いや、続かせるんだ......、この幸せな時間を......、俺が守ってやる)

 

その言葉を心で呟きながら、この日を終えた.......。




どうもです。餡 子太郎です。

いかがでしたか?

杏子ちゃん参戦です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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赤毛の魔法少女

「やぁ、来てくれてありがとう。この物語も中盤に入って来たかな?それじゃあ行ってみようか」

「僕と契約して、魔法少女........」グサッ

杏子「うぜぇ」


 

〜見滝原高校・放課後〜

 

龍騎「............」

 

蓮子「ふあぁ〜、やっと放課後だよ........」

 

授業が終わり、帰る準備をしていると蓮子が背筋を伸ばす。何処となく眠たそうな顔をしていた。

 

龍騎「やけに眠たそうだな」

 

蓮子「うん........、なんか疲れてる訳じゃ無いんだけどさ、夢遊病みたいな感じかな...?」

 

恐らくこの間の魔女の口づけを受けた時の影響だろうな...、二日経っても継続されていたのか。

 

メリー「ふあぁ〜......、お疲れ......」

 

そう言ってメリーを欠伸をしながら俺達に近づく。どうやらメリーも影響を受けていたみたいだ。

 

龍騎「お前等大丈夫かよ、睡眠薬でも飲んだのか?」

 

蓮子「学校に睡眠薬なんて持って来る訳ないでしょ......。あー駄目だ、気を抜いたら夢の中へ没シュートだわ」

 

メリー「私も......、今日予定が無くて良かった......」

 

......これはほっといたら不味いやつですね。

 

龍騎「しょうがねぇな......、家まで俺が送ってやる。それまで辛抱しろ」

 

蓮子・メリー「「え?」」

 

男子生徒「「「何!?」」」

 

女子生徒「「「おっと!?」」」

 

何かクラス全員が驚いてるけどまぁ良いか。

 

蓮子「いや、良いよ......。其処までして貰わなても......」

 

龍騎「そんな体調で事故に遭って死にましたー、何て洒落にならないだろ。こう言うのはさっさと帰って寝た方が良い」

 

メリー「で、でも.....」

 

龍騎「でももくそもねぇよ、ほら行くぞ」

 

蓮子「あ、ちょっと待ってよ!」

 

俺が先に教室へ出ると、蓮子とメリーは慌てて俺を追い掛けるように教室へ出る。その時に男子生徒がまた騒いでいたが良く聞き取れ無かった。

 

 

〜ハーン家・門前〜

 

メリー「ありがとう龍騎、送って貰って」

 

龍騎「気にするな、俺が勝手にやってる訳だし」

 

学校を出て先に蓮子を送り届けた俺は次にメリーを家の前まで送り届け終え、帰ろうとしていた。

 

龍騎「ゆっくり休めよ、また明日」

 

メリー「あ、待って!」

 

歩き出そうとしたらメリーに止められた。

 

メリー「........良かったら、上がって行かない?」

 

................え?

 

龍騎「あ、あのー......、メリーさん?」

 

メリー「迷惑、かな......?」

 

龍騎「いや、迷惑じゃ無いんだけど........、俺これからやる事あるからさ........。またの機会じゃ駄目かな...?」

 

メリー「........うん、分かった」

 

龍騎「ごめんな......、ってか流石に男の俺が女子の家に入り込む事態不味いのでは?それにメリーの家って結構デカいし.......」

 

そう言って隣の家を見ると、THE・お金持ちって感じの大きな家があった、お金持ちって凄ぇ......。

 

メリー「気にしなくても良いのに......」

 

龍騎「こう言うのって色々面倒くさいからな......、それに中に入るなら蓮子呼ぼうぜ?」

 

メリー「出来れば龍騎一人で来てほしい.......」ボソッ

 

龍騎「?出来れば何だって?」

 

メリー「う、ううん!何でもない!それじゃあね!」

 

そう言って慌てた様子で家に入ってしまったメリー、一体何だったんだ?少し疑問に思いながらも俺は帰路に着いた。

 

 

 

〜展望台〜

 

杏子「ふーん、あれが例の男か......、高校生っぽいけど何か頼りないな」

 

キュウべえ「あまり見た目で判断しない方が良いよ、ああ見えて彼の行動力は僕の予想を斜め上にいってるからね」

 

赤毛の少女、佐倉 杏子《さくら きょうこ》展望台の双眼鏡で龍騎の姿を確認していた。その隣にはキュウべえがワッフルを食べながら杏子と会話をしていた。

 

杏子「ちなみにその男の強さは?其処まで言うなら強いんだろ?」

 

キュウべえ「確かに彼の腕は確かだよ、でも正直に言って僕も詳しくは分からないんだ。もう少し様子を見てからじゃないとね。でも、もしかしたらマミよりも強いかもしれないよ」

 

杏子「マミよりも、か......。ふん、上等じゃん!退屈しないで済みそうだね」

 

キュウべえ「何か作戦でもあるのかい?」

 

杏子「取り敢えず、新人に顔を出さないとね......」

 

 

 

 

 

〜喫茶店〜

 

龍騎「新たな魔法少女?」

 

ほむら「えぇ......」

 

俺はほむらと喫茶店で今後について話し合っていた。話しによるとそろそろ別の町から新しい魔法少女がやって来るとの事だ。

 

龍騎「......それはお前が知っている人物か?」

 

ほむら「えぇ、彼女は少し前に巴マミと共闘していた仲でもあったわ」

 

過去形って事は今は別行動をしてる訳か......。つまりマミと同じベテランか。

 

龍騎「......そいつはいつ現れる?」

 

ほむら「今日、この後よ」

 

龍騎「oh......、てっきり明日かと」

 

ほむら「どうやら平行世界に行っても、この後に起こる未来は変わらないみたいね」

 

そう言ってほむらは注文していたコーヒーゼリーを一口食べる。

 

龍騎「......その魔法少女はどれぐらい強い?」

 

ほむら「........まさか、戦う気?」

 

龍騎「違う違う、万が一に備えて相手の情報も知っておこうと思ってな」

 

ほむら「................彼女の腕は確かよ、でも貴方なら勝てると思う」

 

龍騎「ほぅ........、どうしてそう思う?」

 

ほむら「確信が無いわ.........、強いて言うなら、直感よ。私にも貴方の実力は未知数、それに前世の経験がある以上.....、佐倉杏子は苦戦する」

 

................意外と信用されてるんだな、そんな事言うって事は...。ならその気持ちに答えなくてはな......。

 

龍騎「......自分で言うのもあれだが、戦いにはそれなりに心得があるからな。伊達に腕吹っ飛ばされたり、腹貫かれたりして無いぞ」

 

ほむら「........................貴方は不死身なのかしら?」

 

龍騎「元神様だ」

 

そう言ってアイスコーヒーを飲もうとすると、携帯に着信が入った。画面を見てみるとまどかからだった。

 

龍騎「もしもし、どうした?」

 

まどか『お兄ちゃん助けて!さやかちゃんと知らない子の魔法少女と戦ってるの!』

 

龍騎「何!?」

 

ほむら「................っ」

 

一度ほむらの顔を見ると、彼女の眉間が少し動いた。そしてほむらは席を立つ。

 

龍騎「分かった、今からそっちに向かう。まどかはマミにも連絡取っておいてくれ。それと何が何でも契約なんてするなよ!」

 

そう言って急いて代金を支払ってまどかの元へ向かう。今思ったけどほむらの奴ちゃっかり俺に金出させたな.....、まぁ緊急事態だから良いんだけどさ。

 

 

〜三十分後〜

 

龍騎「見つけた......!」

 

とある路地裏に到着すると、まどかと肩にはQノ助、奥には魔法少女姿のさやかと槍を持った赤毛の魔法少女が戦っていた。さやかが倒れてると言う事は苦戦してるな...........。恐らく奥に居る赤毛の魔法少女が佐倉杏子だろう。

 

龍騎「止めろ!何やってんだ!」

 

まどか「お兄ちゃん!」

 

さやか「お兄さん!?」

 

杏子「......何だ?真打の登場って訳?」

 

龍騎「まどか、契約はしてないな?」

 

まどか「うん......、してないよ......。それとマミさんは魔女と戦ってるってキュウべえが......」

 

キュウべえ「事実だよ、でもたった今倒したみたいだよ」

 

Qノ助がそう言うのなら事実だろう、あいつは騙しはするものの嘘はつかないからな。

 

龍騎「.........で、これはどう言う事だ?」

 

杏子「何って見て分からない?教育指導だよ、グリーフシードを落とさない使い魔を倒したって魔力の無駄、それに使い魔は四、五人を食わせたら魔女になる。そしてそれをあたしら魔法少女が狩る、食物連鎖じゃん」

 

龍騎「.........お前の言いたい事は分かった。でもな、関係の無い人達を巻き込んで良い訳ないだろ、俺はお前の考えは嫌いだな」

 

杏子「じゃああんたもこのトーシローと同じ考えな訳?人助けだの正義だのそんな冗談かます為に戦ってる訳かい?」

 

龍騎「.......違うな」

 

まどか・さやか「「!?」」

 

龍騎「俺は正義の味方でも無ければ、自分をヒーローだと思った事は一度も無い......。俺はただ、俺の信じるものの為に戦ってるだけだ。目の前に立ちはだかると言うなら.......、ぶっ飛ばすだけだ!」

 

そう言って俺はカードデッキを取り出して佐倉に向ける。そしてカードデッキに魔力を流し込むと、腰にベルトが巻かれてカードデッキを左手で腰のベルトのすぐ横当たりまで落とし、右手を左斜め上へ伸ばす。

 

 

龍騎「変身!」

 

 

ベルトにカードデッキを差し込むと、龍の形をした炎の竜巻が俺の周りを旋回するように覆うと、炎が消えた瞬間、俺はマミを助けた姿へと変化する。

 

さやか「お兄さん......」

 

龍騎「さやか、お前は休んでろ。後は俺がやる」

 

そう言って俺は左腕にある甲冑をスライドして、カードデッキから一枚のカードを引き抜く。

 

杏子「へぇー......、面白ぇ...!相手にやってやるよ、それ程腕に自信があるって事でしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「あまり調子に乗るなよ.....、クソガキ.......」ギロッ

 

「「「「!?」」」」

 

さやか(な、何が起こってるの......!?これって殺気......?こんなの感じたの初めて......)

 

まどか(お兄ちゃん......、怒ってるの.......?こんなの見た事が無いよ.......)

 

キュウべえ(まさかこんなにも殺気を放つ事が出来るなんて......、見せて貰おうか、鹿目龍騎。君の実力とやらを)

 

杏子「......ふ、ふん!幾ら凄い殺気を放った所であたしに勝てる見込みがあるとでも!?」

 

最初に少し震えていた佐倉は気を取り直して槍を構える。そして俺はカードを装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、空から青龍刀が降って来て上手くキャッチする。

 

龍騎「......伊達に前世で戦争に生き残って来た訳じゃ無い」

 

杏子「前世だか戦争だか知らねぇけど死にたいなら死なせてやるよ!」

 

そう言って佐倉は俺に向けて槍を振り回す。俺は青龍刀を使わず、身体を僅かに動かしてギリギリの所で攻撃を回避する。そして更に佐倉は槍をで払っては突きを繰り返すが、俺は当たる直前に身体を捻って避ける事だけを考える。

 

杏子「へっ、口程でも無いね!動きが良くても避けるだけで精一杯じゃん!」

 

龍騎「.........」

 

確かに彼女の攻撃は早いし、威力もある方だ。でもな......、

 

鬼神龍()と比べればお前なんて直ぐに終わらせられる。

 

龍騎「.........なら見せてやるよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼神龍時代()の俺の戦い方を!」

 

そして、佐倉が突いて来た槍を脇で挟むように掴み、思いっきり引っ張って佐倉の顔面に払い蹴りをお見舞いする。

 

杏子「ぐへっ!?」

 

龍騎「まだ終わりじゃねぇよ!」

 

そして俺は無理矢理魔力を使って火属性を解放し、青龍刀に炎を纏わせる。

 

さやか「剣に火が着いた!?」

 

まどか「どう言う事!?」

 

キュウべえ(な、何がどうなってるだ?見た目はただの切れ味の良い青龍刀な筈なのに......、どう言うシステムなんだい?)

 

龍騎「火剣『煉獄火炎斬』

 

そして俺は佐倉に向かって炎を纏った青龍刀を連続に斬りつけて、最後の一撃には首に触れる直前に、青龍刀を90度に回転させてビンタする感じで佐倉を壁に吹っ飛ばした。

 

杏子「がはっ.........、てめぇ......、何もんだ......!」

 

龍騎「地元の男子高校生だけど、何か?」

 

杏子(な、何て馬鹿げた威力だ......!いつも叫んでるマミの必殺技(?)より百倍は威力はある......!あいつがビンタでしてくれたお陰で動けるが、さっきの首に斬られてたらお陀仏だ....!)

 

壁に埋め込まれた佐倉は何とか脱出するが、既に傷だらけで立っていられるのもやっとなぐらいフラフラだった。

 

龍騎「おいおい、まさかこれで終わりなんて言わないよな?さやかにあんだけでかい口叩いたんだから新人の俺にも教育してくれよ?なぁ、せんぱーい」

 

杏子「......っ!舐めてんじゃねぇ!!」

 

俺の言葉が気に入らなかったのか、そう言って俺に大きくジャンプして串刺しにしようと槍を突き付ける。俺はギリギリで避けるのでは無く、青龍刀で槍弾くと、佐倉が突きつけた槍が突如形を変えて、まるでヌンチャクのように振り回して俺に向かって来た。

 

杏子「流石のあんたもこれは予想外だろ!このまま全身の骨を粉々にしてやるよ!」

 

まどか「お兄ちゃん!」

 

さやか「お兄さん!」

 

龍騎「..............」

 

確かに、佐倉の言う通り槍からヌンチャクになるなんて思いもしなかったさ......、でもな......。その槍に仕掛けがある事にはとっくの前から気づいてたんだよ。

 

龍騎「.....舐めるなよ?アホが」

 

俺は佐倉の放ったヌンチャクの形をした槍の先端に向けて青龍刀を投げると見事に当たり、そのままヌンチャクの形をした槍を掴んで引っ張る。ヤバいと判断したのか佐倉は手に取っていた槍を一度手を離すがそれが命取りとなる。

 

龍騎「空中に浮いたのが失敗だったな!」

 

杏子「!?ま、まさか!?」

 

俺は右手に闇属性を解放させて、佐倉の着地の瞬間を狙う。そして......、

 

龍騎「暗黒拳『ブラックバンカー』!!」

 

そして着地する瞬間に佐倉の腹部にブラックバンカーを当てる。

 

杏子「っ!?がはっ!」

 

佐倉は血を吐いて上空へ吹っ飛ばされると、勢いよく墜落し、白目を向いて気絶した。

 

龍騎「.........悪く思うなよ、喧嘩を売ってきたのはそっちだからな...。あ、やべっ.......」

 

俺は魔力を使い果たして倒れてしまう。でも流石だな......、中々腕の良い奴だよ佐倉は......。

 

まどか「お兄ちゃん!」

 

さやか「お兄さん!」

 

俺が倒れると、まどかとさやかが俺に駆け寄る。さやかが俺に回復魔法をかけてる途中に、まどかがベルトからカードデッキを引き抜くと俺は元の姿に戻った。

 

まどか「お兄ちゃん!しっかりして!」

 

龍騎「......ははっ、ただの魔力切れだよ。無理矢理力を引き出したから反動で......、悪い、少し寝かせて......」

 

俺は限界が来てしまい、意識を失ってしまった......。

 

 

 

 

キュウべえ「......大丈夫、本当に眠ってるよ」

 

さやか「よ、良かった〜......」

 

キュウべえ「......でも凄いよ、あの杏子を倒すなんて。鹿目龍騎はとんでもない戦闘能力の持ち主だ、仮に彼が僕と契約したらとんでもない魔法少女..........、もとい魔法戦士になるよ」

 

龍騎『俺がキュウべえと契約して、今居る魔法少女を人間に戻す。契約した時の願いでな』

 

まどか「!?」

 

さやかが龍騎の容態を知って一息吐くと、キュウべえの言葉にまどかは昨日の事を思い出すと目を見開く見開いた。

 

まどか(駄目......、そんな事させない...!でもどうしたら.......)

 

マミ「美樹さん!鹿目さん!」

 

さやか「マミさん!」

 

まどかが悩んでいるとマミが現れる。

 

キュウべえ「マミ、魔女は倒したのかい?」

 

マミ「えぇ、それより......、どうして佐倉さんがこんな所に.........、それより彼女を回復させましょう」

 

さやか「えっ!?マジですか!?」

 

マミ「話しは大体キュウべえから聞いてるわ、何か事情があったから美樹さんの前に現れたんだと思うわ」

 

そう言ってマミは杏子に近づき、回復魔法をかけると、目が覚めた杏子が勢いよく起き上がる。

 

杏子「っ!此処は!?」

 

マミ「美樹さんと戦っていた場所よ、佐倉さん」

 

杏子「!?何でマミが此処に......」

 

マミ「そんな事はどうでも良いわ、それよりも何故美樹さんを襲ったのか、教えて貰おうかしら?」

 

杏子「へっ、教えてやる義理は無いね!」

 

さやか「お前....!お兄さんに負けたからって!」

 

杏子「うるせぇ!それとその男に伝えておきな、今日負けたのはあたしの慢心と感情的になり過ぎただけだってな!」

 

マミ「あ、待ちなさい!」

 

そう言って杏子は魔法少女姿となり、ジャンプして壁を蹴り上げてその場から撤退して行った。

 

 

 

 

 

ほむら(......これは予想外だわ、まさか杏子に勝つなんて......)

 

影で龍騎と杏子の戦いを見ていたほむらは驚きを隠せないでいた。それもその筈、ほむらの知らない世界で戦い続けた龍騎の戦い方を初めて目にしたのだ。

 

ほむら(あれが...、本来の魔法の使い方......。とてもじゃないけど私には無理ね......、でもこれならいける...!今回の時間......、もとい今回の周回は大当たりと言っても良いぐらいだわ、このチャンスを是が非でも物にしなければ......!)

 

龍騎が眠ってる姿を見て心の中で言うと、ほむらはその場から立ち去った。




どうもです。 餡 子太郎です。

いかができたか?

あんこちゃんボッコボコでしたね......、物語も中盤戦です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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貴方を詐欺罪と器物損害罪で訴えます

「やぁ来てくれてありがとう。これでまどか以外の魔法少女が揃ったね、これから先どうやる事やら......。それじゃあ行ってみようか」

「僕と契約して、魔法少女......」ガシッ

紫「あら?この子ったら感情が無いのかしら.......、少し境界を弄らせて貰いましょうか」

「え?あ、ちょっと待って..........、アーーー♂」


 

龍騎「うぅ........、此処は......?」

 

マミ「気がついたのね、良かった.......」

 

俺が目が覚めた時には既に俺の部屋のベットの上だった。その隣にはマミ、まどか、さやかが居た。

 

龍騎「悪いな、運んで貰って.......」

 

まどか「怪我は無い?お兄ちゃん?」

 

龍騎「.......ああ、問題ないよ」

 

心配そうにまどかがそう言うと、まどかの頭を撫でる。すると隣に居たさやかが申し訳なさそうに声を掛ける。

 

さやか「ごめん、お兄さん......。また迷惑かけちゃって......」

 

龍騎「もう良いって、それよりお前が無事で良かった......、ってかソウルジェムは大丈夫なのか?」

 

俺がそう言ってさやかはソウルジェムを手に取ると、少しばかり黒く濁っていた。

 

龍騎「だと思った......、俺のグリーフシードやるからそれで回復しろ」

 

さやか「わ、分かった.....」

 

そう言ってさやかは俺が渡したグリーフシードを近づけて濁りを取り除く。

 

さやか「これでよしっと......」

 

まどか「.........そういえば、ソウルジェムの濁りを取ったグリーフシードはどうするんですか?」

 

まどかがグリーフシードについてマミに聞いてみた。そういやそんな事聞いて無かったな......。

 

マミ「グリーフシードはソウルジェムの濁りを吸い取り過ぎると、再び魔女に孵化してしまうの。キュウべえ」

 

キュウべえ「任せて、さやか。そのグリーフシードを僕にくれないかな?」

 

まどかの膝の上に居たキュウべえもんがさやかが使用したグリーフシードを受け取ると、両手に持ってポイっと後ろへ投げ、背中にグリーフシードを入れると、ゲップした。それを見た俺、まどか、さやかはドン引きしていた。.........なにそのギミック。

 

まどか「た、食べちゃったの......?」

 

キュウべえ「これが僕の仕事だからね」

 

グリーフシードの処分はキュウべえもんが必要な訳か........。

 

さやか「..........お兄さん、お願いがあるの」

 

さやかがいつも以上に真剣な表情で俺を見つめてくる。

 

龍騎「........何だ」

 

さやか「私に......、剣の使い方を教えて」

 

さやかがそう言うと、キュウべえもん以外は驚きを隠せなかった。

 

龍騎「......仮に教えるとして、何の為にだ?佐倉を倒す為か?」

 

さやか「私は魔女を戦う為だけじゃない、大切な人を守る為にこの力を手に入れたの。だから魔女よりも悪い人間が居れば私は戦うよ.....、例えそれが魔法少女でも」

 

龍騎「甘ったれた事言ってんじゃねぇよ」

 

さやか「!?」

 

俺が少し圧の掛かった言葉を言うと、さやかは少し怯えた表情を見せた。

 

龍騎「.......マミ、お前は今まで魔女と戦って死にかけた事はあるか?」

 

マミ「......あるわ、いつかは覚えてないけど」

 

龍騎「そう言う事だ、お前は魔法少女になったばかりだから分からないだろうがお前は本当の戦いの恐怖と辛さを知らない」

 

さやか「恐怖と辛さ......?」

 

龍騎「戦いってのはスポーツもそうだが、勝つか負けるかのどちらか......、死ぬか殺すかのどっちかしか選択肢しか無いわけだ。さっきの佐倉とやりあってお前を本気で殺そうとしてただろ?逆にお前が佐倉を殺したらどうなる?ゲームみたいに喜ぶのか?」

 

さやか「っ!」

 

龍騎「そう言う事だ、確かにお前の言っていた守りたいものは守って、戦うべき相手とは戦う、それはそれで良い。でもな、何も知らない奴がそんなデカい口を叩いた所でどうにもならないんだよ。前世で腕を吹っ飛ばされたり、腹を貫かれたりした俺から言える事だ。お前にそんなリスクを背負えるか?右も左も分からないお前がいきなり人を殺した罪を一生背負える覚悟があるのか?それでこそ戦いの恐怖と辛さに戦い続けてられるのかって話しだ」

 

さやか「...........」

 

龍騎「力だけが己の全てじゃない、もっと考え方を変えてみろ。そして悩め、自ずと答えるが出てくるさ」

 

さやか「...........お兄さんも悩んだの?」

 

龍騎「そりゃあるさ、自分の行動が正しいのか違うのか分かんなくなる時があったさ。行動力があってもそれに立ち向かう勇気が無ければ無意味だからな.....。別に剣を教えてやっても良い、その前に自分は何と戦わないといけないのか知る必要がある」

 

さやか「何と、戦わないといけないのか.....?」

 

龍騎「お前は大切な人を守る為に戦うって言ったな?ちなみに大切な人って誰なんだ?上条か?まどかか?」

 

さやか「そ、それは......」

 

龍騎「機嫌を悪くする言葉を言うが、お前が言っていたのは所詮自分の都合が良い言葉に過ぎない......。そんな事出来る訳がない」

 

さやか「!?」

 

龍騎「俺だってお前の同じ考えを持ってたさ...。かつて一緒に戦って来た仲間を助けたかった......。でもボロボロだったあいつは俺に全てを託してくれた......。そして死んだ......」

 

『やれ!!霧影龍騎ぃぃぃ!!』

 

龍騎『あああああああああああああ!!』

 

.......やばい、目から水が...........。

 

さやか「お兄さん......」

 

マミ「.........」

 

龍騎「......兎に角、剣の使い方はまた後でな。別に焦る事は無いぞ」

 

そう言って俺は横たわると、マミを先頭に三人が部屋を出て行った。それと同時に睡魔に襲われてそのまま眠りについてしまった。

 

 

 

〜翌日〜

 

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

 

放課後、帰り道に孵化して魔女の結界に閉じ込められた俺は魔女と対峙していた。途中、マミがやって来て先程マミが魔女にトドメを刺した所だ。大爆発を起こした魔女からグリーフシードが落ちてきて俺が回収すると、俺とマミは変身を解く。

 

龍騎「ふぅ......、このグリーフシードは貰っても良いか?何かあった時に持っておきたい」

 

マミ「最初に魔女を見つけたのは龍騎さんよ、お好きにどうぞ」

 

マミの許可を得たのでグリーフシードをポケットの中に入れる。そして帰ろうとしたらマミに止められた。

 

マミ「その、少しご相談があって......」

 

龍騎「相談?進路相談か?」

 

マミ「魔法少女関係よ、当たり前でしょ?」

 

えぇ〜........、偶には魔法少女関係なしの話ししようぜ?俺の正体明らかにした時からずっと魔法少女関係の話しじゃん。俺が嫌そうな顔をしてるとマミがムッとした表情で睨んでくる。

 

マミ「......何ですかその嫌そうな顔は?」

 

龍騎「偶には別の話ししようぜ?仕事熱心なのは関心するが偶には息抜きは必要だぞ?花の女子中学生が仕事ばっかりすると恋愛出来なくなるぞ?」

 

餡 子太郎(三十過ぎても架空の彼氏が居る独身なんだよなぁ.....。あ、詳しくは漫画【巴マミの平凡な日常】を読もう!面白いよ!(唐突な宣伝))

 

マミ「それはそれ、これはこれです」

 

あ、ダメだこいつ完全に諦めてるわ......、早く何とかしないと......。

 

龍騎「........で、何の相談な訳?」

 

マミ「その........、何と言うのか......」

 

........やけに言いづらそうな表情してるな、言いにくい事なのか?

 

マミ「............わざ」

 

龍騎「はい?」

 

マミ「だから!龍騎さんが使ってた必殺技を教えてほしいの!///」

 

龍騎「」

 

................こいつ何いってんの?深刻な事かと思ったらしょーもない事だったんだけど、何?俺を黒歴史の一ページを書き残したいの?...... え?お前も言ってたろって?あれはスペルカードの代わりだから使うには宣伝しないといけないの。ティロ・フィナーレと一緒にすんな。

 

龍騎「................それは戦い方を教えて欲しいって訳?ってか何で俺が技を使ったのか分からんだよ」

 

マミ「その.......、剣から火が出てきた時から.......、影から......」

 

見てたのかよ!?だったら介入して来いよ!

 

龍騎「..........あのなぁ、言っとくけどお前達と違って俺の魔法は特殊なんだよ。だから教えようにも出来るとは限らないぞ?それに俺の場合は剣がメインだからマミのようなマスケット銃には流石に無理だって」

 

ってかあたし、射撃苦手なのよねー(誤射マリア風)

 

マミ「そんな......、折角新しい技を見て貰おうと思ったのに......」

 

そう言ってしゃがんで指をツンツンと合わせるマミ、新作を考えるのは勝手だが後で後悔するぞ?社会的な意味で。

 

そして暗くなって来たので俺はマミを家まで送り届ける事にした。しかし、歩道橋の階段を登ろうとするが、橋のど真ん中にさやかと佐倉が居た。

 

マミ「っ、何でさやかさんと佐倉さんが......」

 

龍騎「話し合うって訳じゃ無さそうだな......、恐らく佐倉がさやかに何か言ったんだろう」

 

そして佐倉が魔法少女姿に変身すると、さやかの後ろからまどかが現れた。

 

龍騎「まどか!?」

 

マミ「早く止めないと......、って暁美さん!?」

 

まどかが現れたと同時にほむらまでやって来た。これで魔法少女全員集合......、ってそんな事言ってる場合じゃない。

 

俺が魔法少女の集団に向かって階段を登り出す。そして登り上がった時にはまどかがさやかの後ろから抱き着けて魔法少女姿に変身するのを阻止しようとする。

 

龍騎「待てまどか!危険だ!」

 

さやか「なっ!?」

 

まどか「お兄ちゃん!?」

 

佐倉「何!?」

 

ほむら「......っ」

 

魔法少女達が此方を向くと、さやかの手に持っていたソウルジェムが滑らせたのか道路へ落としてしまった。

 

さやか「あっ......」

 

ほむら「なっ!?」

 

龍騎「何!?」

 

まどか「さやかちゃんのソウルジェムが!?」

 

龍騎「頼むほむら!」

 

ほむら「言われなくても!!」

 

そう言ってほむらは直ぐにその場から消えると、さやかが突然操り人形の糸が切れたかのように体がだらけてしまった。

 

龍騎「っ......」

 

まどか「ど、どうしようお兄ちゃん......、私......、私......!」

 

俺がまどかとさやかの所に駆け寄ると、まどかはさやかを殺してしまったのだはないかと泣き始めてしまう。

 

龍騎「大丈夫だまどか、ソウルジェムはほむらが取って来てくれてる。破壊されてなきゃさやかは無事だ」

 

まどか「でも、でも.......」

 

杏子「......どう言う事だよ、ソウルジェムが破壊されてなきゃ無事でどう言う意味だ!!」

 

そう言って佐倉は俺の肩を掴むが、俺に泣きながら寄り掛かって来たまどかの頭を撫でながら顔だけを向ける。

 

龍騎「........其処に居る淫獣に聞いてみれば良いだろ?」

 

キュウべえ「やれやれ、僕は一度も話して無いんだけどな」

 

何処から沸いて来たのかキュウべえもんが橋の手すりの上に座った。

 

キュウべえ「話す前にどうして分かったのかな?君は僕に嫌われているのは分かるけど、君からは何も聞いてきて無いじゃないか」

 

龍騎「伊達に前世で百年近く生きてきた訳じゃねえんだよ、それにお前の目的も分かってるからな。そんな事絶対にさせねぇから」

 

杏子「おい、いい加減話しやがれよ。何が何だかさっぱりだ」

 

我慢の限界が来たのか、ご立腹の様子で問い掛ける佐倉。俺は魔法少女、キュウべえもんの正体と目的、ついでに俺について全て話した。

 

杏子「......どう言う事だよおい、まるで私達がゾンビみたいなもんじゃねぇか!」

 

キュウべえ「僕だって驚きだよ、まさか君がどの世界も存在しない神の一族だなんてね。君は僕が見てきた魔法少女より断然強いよ、でもまどかの才能には及ばないけどね」

 

杏子「ふざけんじゃねぇ!どうしてくれるんだよ!!」

 

マミ「止めなさい、佐倉さん」

 

佐倉がキュウべえもんを掴むと、マミが止めに入る。

 

杏子「マミ......」

 

マミ「キュウべえ......、信じていたんだけどね.....。見損なったわ」

 

キュウべえ「僕は僕の仕事をしてるつもりだよ。どうやらマミも知ってしまったようだね」

 

 

〜「il vento d’oro」(ジョジョの奇妙な冒険 第5部処刑用BGM〜

 

俺はゆっくりと立ち上がり、キュウべえもんに身体を向ける。

 

龍騎「貴方を詐欺罪と(心の)器物損壊罪で訴えます!理由は勿論、お分かりですね?貴方が皆(魔法少女)をこんなクソなやり口で騙し、少女達の人生を破壊したからです!覚悟の準備をしておいて下さい。近いうちに訴えます。裁判も起こします。裁判所にも問答無用でき来て貰います。慰謝料の準備もしておいて下さい!貴方は(人類の)犯罪者です!刑務所(地獄)にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい!良いですね!」

 

そう言って俺はキュウべえもんを掴んで道路へ投げ捨てた。そして丁度大型トラックがやって来てキュウべえもんはトラックとぶつかりティウンティウン(物理)した。

 

龍騎「......で、何さっきからクスクスと笑ってんだよほむらさん」

 

ほむら「......笑ってないわ、美樹さやかのソウルジェムを取りに帰って来たら何変な茶番をやってたのよ」

 

その割にはウケてたじゃないかほむほむ......。

 

まどか「ほむらちゃん!」

 

ほむら「待たせたわね、これで美樹さやかは無事よ」

 

そう言ってさやかの手の上にソウルジェムを置くと、少ししてさやかの身体が跳ね上がり、周囲を見て起き上がる。

 

さやか「.............此処は?」

 

まどか「さやかちゃ〜〜〜〜ん!!」

 

さやか「うおっ!?ま、まどか!?」

 

さやかに泣きながら勢い良く抱きつくまどかに困惑するさやか、そして隣には物凄い不機嫌なほむほむ。加速装置があったら直ぐにこの場から立ち去りたい......。

 

マミ「何はともあれ、無事で良かったわ......」

 

杏子「..............」

 

さやか「え、えっと........、これどう言う状況?」

 

キュウべえ「無事だったみたいだね、さやか」

 

さやかが状況を把握出来ず、俺達に問い掛けるとキュウべえもんが現れた。こいつゴキブリ並みにウザいな.....。

 

龍騎「さやか、今から説明するから死んだフリしてくれない?その方が分り易いから」

 

さやか「え?う、うん......」

 

俺の言葉に従ってさやかはまた横たわると、また謎のBGMが流れる。

 

龍騎「貴方を詐欺罪と(心の)器物損壊罪で訴えま(以下略)」

 

そしてまたキュウべえもんを道路へ投げ捨てると、次はタンクローリーにぶつかりティウンティウンした。その後ろでほむらがクスクスと笑っていたが聞かなかった事にしよう。




どうもです。餡 子太郎です。

いかがでしたか?

さて、これからさやかちゃんの自暴自棄(?)になっていきます。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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お前は俺に似ている

「やぁ皆んな!良く来てくれたね!この作品もようやく半分まで行ったかな?もしかした今年中には完結出来ると思うよ!それじゃあ行ってみよう!」

「戦わなければ生き残れない!」

霊夢「何かこいついつもと違くない?」

魔理沙「前に紫が感情の境界を弄ったからおかしくなったんだろ?」


 

さやか「そっか........、つまり私は騙された訳か........」

 

俺はさやかに魔法少女について説明すると、静かにぬーべーに怒りを表す。

 

まどか「........何で説明してくれなかったの?」

 

キュウべえ「聞かれてないからね、別に知らせなくても何も不都合はないからね。それに僕は『魔法少女になってくれ』ってきちんとお願いした筈だよ?実際の姿がどんさものかは説明を省略したけど、人間の生命が維持出来なくなると精神まで消滅してしまう。そうならないように僕は君達の魂を実体化し、手に取って護れるようにしてあげたんだ。少しでも安全に魔女と戦えるようにね」

 

龍騎「余計なお世話だ、さやかはお前の為に戦ってるんじゃない」

 

キュウべえ「甘いよ鹿目龍騎、君が経験してきた戦いと魔女との戦いを一緒にして貰っては困るよ」

 

ぬーべーが良く分からない事を言い出す。何言ってんだこいつ?

 

キュウべえ「さやかが杏子との戦いで生き延びていられたのは強過ぎる苦痛がセーブされていたからさ。さやかの意識が肉体と連結していないからこそ可能なんだら、さやかの場合は慣れていけば痛みを遮断する事も出来るよ。でも動きが鈍るからあまりお勧めはしないけどね」

 

さやか「あんた........、どうしてこんな事を........」

 

キュウべえ「戦いの運命を受け入れてまで叶えたい望みがあったんだろ?それを間違いなく実現したじゃないか」

 

龍騎「お前はもう黙れ」

 

俺は我慢の限界が来て、ぬーべーの首を引き千切って捨てた。やっぱりこいつだけは絶対に許さねぇ......。これ以上悲劇を繰り返させては駄目だ......。

 

さやか「........」

 

マミ「........今日は帰りましょうか」

 

龍騎「そうだな........」

 

それからさやかを家まで送り届けて、俺達もそれぞれ帰宅した。この先、結構ヤバくなってくるぞ........。

 

 

〜翌朝〜

 

さやか「........どうすれば良いんだろう、どんな顔して恭介に会えば良いんだろ......」

 

ブー ブー

 

さやか「?........メール?お兄さん?」

 

龍騎『今日は学校休め、それと少し付き合え』

 

 

 

〜美樹家・玄関前〜

 

龍騎「来たか........」

 

杏子「........」

 

さやか「!?何であんたが此処に........」

 

さやかが現れると、俺の隣に居た佐倉を睨み付けた。やはり警戒はするよな........。

 

龍騎「偶々会ったんだよ、さやかに用があったらしくてな」

 

さやか「お兄さん、学校は........?」

 

龍騎「サボった、学校よりお前だよさやか」

 

さやか「え?」

 

杏子「........ちょいと面貸しな、話しがある」

 

そう言って佐倉を先頭に、俺とさやかは後に着いて行った。向かっていくと森らしき場所の奥へと進む。見滝原にもこんな所があったのか........。

 

杏子「あんたさ、後悔してるの?こんな身体にされちゃった事」

 

さやか「........」

 

杏子「あたしはね、まーいいかって思ってるんだ」

 

龍騎「それは何故だ?」

 

杏子「何だかんだでこの力で好き勝手出来る訳だしね」

 

さやか「........それあんたのは自業自得でしょ」

 

さやかにしては正論を言うな........。

 

杏子「そうさ、自業自得にしちゃえば良いんだよ、自分の為だけに生きていれば全部自分の所為だ。他人を恨む事も無いし、後悔なんてある訳がない........。そう思えば大抵な事は出背負えるもんさ」

 

そんな事を言いながら林檎を齧り、辿り着いた場所は廃墟と化した教会だった。佐倉が教会の扉を蹴って開けると、さやかに向けて林檎を投げて来た。

 

杏子「食うかい?」

 

さやかは林檎を捨てようとするが、俺が地面に落ちる前にキャッチする。

 

龍騎「要らないなら要らないって言えよな?俺朝飯食って無いから良いだろ?」

 

杏子「........それはあんたにくれてやるよ、でもなぁ........、次食い物を粗末にしたら殺すぞ?」

 

殺気を放ちながらさやかを睨むと、佐倉は教会の中心にある台座を見つめる。

 

龍騎「........お前、この教会の人間だな?」

 

杏子「........そう、此処はあたしの親父の教会だった。正直過ぎて、優し過ぎる人だった。新聞を読む度に涙浮かべてどうして世の中が良くないのか、真剣に悩んでるような人でさ、新しい時代を救うには新しい信仰が必要にだって、それが親父の言い分で........、ある時親父は教義にない事まで信者に説教するようになった」

 

........最初はとても良い親父さんかと思ったら、前世の時のクソ親父と化したって訳か.....。

 

杏子「........当然、信者の足はばったり途絶え、本部からも破門された。あたし達は一家揃って食うにも事欠く有様になっちまった........。親父は間違った事なんて言ってなかった、だけど誰も真面目に取り合ってくれなかった。........悔しかった、誰もあの人の事を解ってくれないのがあたしには我慢出来なかった........」

 

さやか「........じゃあ、あんたが魔法少女になった理由って...」

 

杏子「ああそうだ、皆んなが親父の話しを真面目に聞いてくれますようにってな」

 

佐倉の衝撃の事実を知った俺とさやかは固まるが、佐倉はそのまま話しを続けた。

 

杏子「次の日から怖いぐらいの勢いで信者が増えたさ、そしてあたしは晴れて魔法少女の仲間入り。...バカみたいに意気込んでたよ、親父の説法とあたしの魔女退治、表と裏からこの世界を救うんだって......」

 

龍騎「........何があった?」

 

杏子「バレちまったんだよ...、カラクリがね」

 

さやか「!?」

 

杏子「信者が魔法の力で集まったって知った時、親父はブチ切れたよ。あたしの事を人を惑わす魔女だって罵った。それで親父は壊れちまった........、酒に溺れて、頭がイカれて、最後は家族で無理心中さ。あたし一人を置き去りにして........」

 

龍騎「................」

 

さやか「................」

 

杏子「私の祈りが、家族を壊しちまったんだ。他人の都合も知りもせず、勝手に願い事をした所為で結局誰もが不幸になった。その時心に誓ったんだよ。もう二度と他人のために魔法を使ったりしない、この力は、全て自分のためだけに使い切るって。奇跡ってのはタダじゃない、希望を祈った分だけ同等の絶望が撒き散らされる。そうやって差し引きゼロにして世の中は成り立ってるんだよ」

 

龍騎「...そうか、お前は自分の過ちを他人に犯して欲しくなかったからあんな事を言ったのか」

 

さやか「........なんか、あんたの事誤解してた....。ごめん......」

 

杏子「あんたの考えだとそう言えるな。あんたもあたしも同じ間違いから始まった。あんたはこれ以上、後悔するような生き方をするべきじゃない。対価として高過ぎるもんは払っちまってるんだ、これからは釣り銭を取り戻す事を考えなよ」

 

龍騎「......なら聞くが、その林檎は何処で買った?誰の金で払った?」

 

杏子「!?」

 

龍騎「やっぱりな......。まぁ俺もお前も、引き金を引いてしまった以上、もう後戻りは出来ないんだ。特に俺の場合はお前達よりずっと前から引いてけどな」

 

さやか「........どう言う事?」

 

龍騎「......俺は鬼神龍として生まれてきた時点で賽は投げられたんだよ。現に赤ん坊の時に実の父親に殺されかけたからな」

 

さやか・杏子「「!?」」

 

俺の言葉に二人は驚愕する。さてと、少し昔話しでもしますか......。

 

龍騎「俺の実の父親は弱者を根嫌いしていて、強者こそが人類に残るのが相応しいなんて言っていてな。逆に弱者は逆らえば即処刑、奴隷のような生活をしなくちゃならなかった。生きる為には強者の言う通りにしなければいけなかった......。当時の俺の母親は父親の意見に反対していた、そして俺が生まれて直ぐに俺を連れて逃げ出した......、しかも戦争中にな。そして俺は何とか生き残ったものの、肝心の母親は死んでしまった。ただ、俺の身を案じていたけどな......」

 

さやか「そんな.........、無茶苦茶過ぎる......」

 

龍騎「だから俺は鬼神龍が許せなかったんだよ、自分の為だけに弱者を痛ぶるのは見たくも無かった......。そんなある日に俺は腹を貫かれて死に掛けた時に、俺が鬼神龍だと分かった。正直迷った......、戦いを望まない鬼神龍が居るのに、解決策が見つからなかった......。そんな時に俺の側に居てくれた仲間達に支えられたんだ、そして俺は答えを決めた........、鬼神龍を倒すって........」

 

杏子「..........」

 

龍騎「結果的には、戦いに勝つ事は出来た。犠牲になった命が多かった......。おまけに戦友と呼べる仲間も死んでしまった、俺に全てを賭けてくれてな......」

 

杏子「........それで、そのクソ親父はどうしたんだよ?」

 

龍騎「殺したよ、俺がこの手でな」

 

さやか・杏子「「なっ........」」

 

俺が実の父親を殺したと聞くと、目を大きく見開いて顔を青ざめる。正確には、おれのクローンが殺したんだけどな........。

 

龍騎「別に後悔はしてない、する訳が無い........。俺は自分の正直な気持ちに答えを出したんだ。例え悔やんでももう遅いんだ........」

 

そう言って俺は林檎を片手に教会を出ようとする。

 

龍騎「........佐倉、一応覚えておけ。世の中に不満があるなら自分を変えろ。それが嫌なら耳と目を閉じ、 口をつぐんで孤独に暮らせ。それも嫌なら......、人生其処までだ」

 

そう言って俺は教会を去った。結局は自分でどうにかするしか無いんだ、だからさやかにも言った通りに自分の行動に後悔の無いようにして欲しい......。俺はそれを願っている......。

 

 

 

さやか「........私も、後悔はしてない」

 

杏子「っ........」

 

さやか「私は人の為に祈った事を後悔してない。その気持ちを嘘にしない為に、後悔だけはしないって決めたの。例え高過ぎるものを支払ったとも思って無い、この力........、使い方次第で幾らでも素晴らしいものに出来る筈だから........」

 

杏子「あんた........、魔法少女はあたし達しか居ないんだぞ?他の同類なんて居る訳が........」

 

さやか「そう言う問題じゃないよ、お兄さんはお兄さんの生き方があったから百年近くも生きてきた。なら私も自分のやり方で戦い続けるよ、それがあんたの邪魔になるなら、また殺しに来れば良い。私は負けないし、もう恨んだりもしないよ」

 

杏子「......何で其処まで言えるんだよ、あの男の真似でもしてる訳?」

 

さやか「........多分ね。お兄さんは............、私の憧れでもあるし、目標でもあるから」

 

そう言ってさやかが教会の外へ出ると、龍騎が壁に寄り掛かって待っていた。

 

龍騎「少しはスッキリしたか?」

 

さやか「........うん、大分マシになったかな」

 

龍騎「そうか........、なら明日は学校に行けるな?」

 

さやか「うん、ありがとう......、お兄さん」

 

さやかがお礼を言うと、龍騎は手に持っていた林檎を二つに分ける。

 

龍騎「佐倉じゃないけど、食うかい?」

 

さやか「................ありがとう、丁度小腹空いちゃってさ」

 

そう言って半分になった林檎を受け取ったさやかは龍騎と共に林檎を食べながら帰路に着いた。




どうもです。 餡 子太郎です。

いかがでしたか?

本日三つ目の投稿なので明日の投稿は無理かもしれません。少し休ませて........。(⇦勝手に自爆するバカ)

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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他の皆んなには内緒だよ

「やぁ!来てくれてありがとう!アンケートの件、ありがとう!もしかしたらマギレコ編も書くかもしれないって。それじゃあ行ってみよう!」

「僕と契約して、瀟洒な従者になってよ!」

咲夜「喧嘩売ってるんですか?」

妖夢「他の方の二つ名を使ったら斬り刻みますよ?」


 

龍騎「ふあぁ〜........、眠っ」

 

学校をサボった翌朝、俺は欠伸をしながらまどかと一緒にいつもの場所へと向かっている。昨日は本当に面倒くさかった......、学校をサボった事をまどかにちくられて、それから母さんに説教二時間コース。おまけにテスト期間が近づいてるから勉強もしなてはならない、お陰様で寝不足である。

 

さやか「やぁやぁお二人さん!眠たそうな顔をしてますなぁ!」

 

まどか「おはようさやかちゃん」

 

龍騎「........うす」

 

いつもの場所へ到着すると、いつもの様子のさやかと仁美が待っていた。

 

仁美「おはようございます」

 

龍騎「ああ、おはようさん........。どうやら吹っ切れたみたいだな」

 

さやか「うん、もう大丈夫」

 

仁美「........?どう言う事ですか?」

 

龍騎「ん?ちょっとな」

 

まどか(良かった........、元気になって........)

 

蓮子「やぁやぁ皆の衆!ってか龍騎!昨日学校サボったってほんと!?」

 

龍騎「おいそれ何処情報だよ」

 

途中から蓮子とメリーがやってくると、蓮子が俺の顔まで近づく。

 

メリー「昨日ね、帰りに龍騎とさやかちゃんが林檎を齧りながら歩いてた所を偶然........」

 

龍騎「ファ!?」

 

さやか「うぇ!?」

 

メリーの言葉に俺とさやかはギクッと言わんばかりに身体が飛び跳ねる。気が付かなかった........。

 

蓮子「学校サボってさやかちゃんと遊ぶなんて良い度胸じゃない........、テストも近いってのにそんなに余裕って訳?」

 

龍騎「此処だけの話しだがお前より部屋は出来る方だ。ってか早く行くぞお前等、俺日直だったわ」

 

蓮子「あ!私もだ!?早く行かなきゃ!」

 

そう言って俺は走り出すと、他の女子も俺に着いて行く。そして別れる場所に着くと、松葉杖を使って他の男子と登校していた上条の姿だった。

 

さやか「あいつ........」

 

仁美「上条くん、退院なさったのですの?」

 

龍騎「いつ退院したんだよあいつ........」

 

蓮子「ほうほう、中々のイケメン........、と言うより美少年ですな」

 

さやか「................」

 

まどか「........行ってきなよ、まだ声掛けてないんでしょ?」

 

さやか「........いいよ、私は...」

 

龍騎「........ってか時間がやべぇ!?おい急ぐぞ!」

 

蓮子「あ、ちょっと!」

 

上条の様子を見ていていたら本格的に時間がヤバくなって来たので俺は走り出すと、慌てて蓮子とメリーも走り出す。何とか遅刻する事はなかったが、結局朝の日直の仕事が出来て無かったので俺と蓮子は怒られた。

 

 

 

〜放課後・ファーストフード店〜

 

龍騎「で、呼び出したのは理由は?」

 

ほむら「................」

 

放課後、ほむらがメールで呼び出された俺は近くのファーストフード店にやって来た。大抵は今後のイベントについてだろう........、そんな事を思っているとほむらは購入したホットコーヒーを一口飲む。

 

ほむら「........近いうち、美樹さやかは死ぬわ」

 

龍騎「っ!?」

 

ほむらが平常心でそう言って来るが、俺は驚きを隠せなかった。そりゃそうだ、今でも身近に居るさやかに身が危ないと言ってるのだ。

 

龍騎「................魔女に殺されるのか?」

 

ほむら「いいえ、魔女になるのよ」

 

龍騎「................はい?」

 

ほむらの返事に呆然としてしまった。さやかが魔女になる?

 

龍騎「えっと........、どう言う事?」

 

ほむら「言葉通りよ」

 

意味不明、その一言しか頭に浮かばなかった。そんな事を思っていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。振り向くと、其処にはさやかと仁美が座っていた。何故かまどかは同席していなかった。

 

ほむら「耳をかっぽじって良く聞いてない、美樹さやかが魔女になるきっかけよ」

 

龍騎「そんな事よりお前がその言葉を使ってるのが驚いたよ、さっきのさやかが魔女になるって言っていた事よりりゅーくんびっくりしちゃったよ」

 

仁美「実は、前からさやかさんに秘密にしてきた事がありますの」

 

龍騎(秘密にしてきた事........?)

 

仁美「私、ずっと前から上条恭介くんの事をお慕いしておりましたのよ」

 

さやか「................へ?」

 

龍騎「!?ごほっ、ごほっ!?」

 

仁美の衝撃発言により、さやかは固まり、俺は思わず咳き込んでしまった。

 

さやか「................そ、そうなんだぁ、仁美が恭介をね........。あいつも隅に置けないなぁ〜」

 

仁美「................しかし、私はもっと悪い事をしておりますの。聞いて下さりますか?」

 

さやか「........悪い事?」

 

龍騎・ほむら((ん?))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仁美「実は、二年前から鹿目龍騎の事もお慕いおりますの」

 

さやか「................................へ?」

 

龍騎「........................は?」

 

ほむら「ブーーーーーーーーーーーーー!」

 

龍騎「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!?」

 

仁美の方からまさかまさかの言葉に俺とさやかは固まり、隣に居たほむらが勢いよく俺の顔に目掛けて口にしていたコーヒーを吹き出した。俺は思わず倒れてしまい、ほむらが時を止めて俺を店の外へ投げ捨てた。ほむほむ........、後で泣かす。

 

さやか「........何それ?逆三角関係?」

 

仁美「そうなりますわね................。ですが、もう自分に嘘はつかないって決めたんですの。さやかさんはどうですか?本当の気持ちと向き合えますか?」

 

さやか「な、何の話しをしてるのさ........」

 

仁美「........これから龍騎さんに連絡を取って告白を、明日は上条くんに想いを伝えます。どうか後悔の残らないように決めて下さい」

 

さやか「ちょ、ちょっと待って仁美!仮に、仮にお兄さんとOK貰ったら恭介も告白するって事!?」

 

仁美「........その時はその時です、さやかさんなら龍騎さんの性格をお分かりですわよね?あの人は中途半端が嫌い、最後までやり通すお方です。なら私も、最後まで後悔しない終わり方で終わりたいのです」

 

そんな事言って仁美が鞄を持って店を出るが、そんな事を俺が知る訳でも無く、両目を手に当てて倒れてる俺を仁美が目撃すると近くの公園へ向かった。

 

 

 

〜公園〜

 

龍騎「悪い、みっともないものを見せた........」

 

仁美「いえ、お構いなく........」

 

仁美がハンカチを差し出すと、俺はほむらにかけられた顔を拭く。マジで申し訳無い........。

 

仁美「でも、どうしてお店の前で倒れて居たのですか?」

 

ほむらにコーヒーをぶち撒けられた、何て言える訳が無く........。

 

龍騎「ナンパにあった女子高生を助けたらナンパ側の持っていたコーヒーかけられた(大嘘)」

 

仁美「え!?」

 

龍騎「まぁぬるかったから火傷はして無いなら良いけどさ、お前が気にする事は無いよ」

 

そう言って俺は拭き終わったハンカチを持っていたビニール袋に入れる。

 

龍騎「ハンカチありがとな、洗って返すよ」

 

仁美「いえ、此方で洗いますよ」

 

龍騎「え?でもな........」

 

仁美「大丈夫ですから」

 

随分と突っかかって来るな........、俺は仕方なくハンカチの入ったビニール袋を渡す事にした。

 

龍騎「........じゃあこれは返すよ。じゃあ俺はこれで...」

 

仁美「あ、待って下さい!」

 

俺が帰ろうとするが、仁美が俺の腕を掴んで止めた。

 

仁美「........お話しがあるんです」

 

龍騎「っ........」

 

仁美が俺に話しがあると言うと、俺は思わず息を呑んでしまう...。

 

龍騎「................話しって?」

 

仁美「................実は龍騎さん、私は................................、貴方の事をお慕いしています」

 

龍騎「........................(知 っ て た)」

 

まぁ予想はしてたよ?まさか今日告ってくるとは思わなかったよ........。

 

龍騎「................ありがとう、でもすまない。お前とは付き合えない」

 

仁美「................理由をお聞きしても?」

 

龍騎「........昔も今もずっと、お前を妹として見てきたからさ。それはさやかもそう言える、だから................」

 

仁美「........そうですか」

 

そう言うと、仁美の目から一筋の涙が流れる。それと同時に罪悪感が襲い掛かる。そして、突然と魔女の魔力を感知した。

 

龍騎「!?何でこんな時に........!」

 

仁美「龍騎さん........?」

 

龍騎「仁美、急いで此処から離れるぞ!」

 

そう言って俺は仁美の手を掴んでその場から離れるが、走り出した時には既に魔女の結界の中に閉じ込められてしまい、景色が歪んでいく。

 

仁美「な、何ですの........?」

 

龍騎「遅かったか........」

 

魔女の結界に閉じ込められた俺と仁美は、上空から魔女らしき物体が落ちて来た。それはまるで蜘蛛のような形に上半身が人間のような姿をした魔女だった。俺はカードデッキを取り出そうとするが、後ろで怯えている仁美の姿を見る。こうなったら仕方ない........。

 

龍騎「........仁美、お前にはずっと隠してた事がある」

 

仁美「え?」

 

龍騎「今からそれを見せてやるよ........」

 

そう言って俺はカードデッキを突き出して、魔力を流し込んでベルトを出現させて腰に巻く。そしてカードデッキを左手で腰のベルトのすぐ横当たりまで落とし、右手を左斜め上へ伸ばして叫ぶ。

 

龍騎「変身!」

 

ベルトにカードデッキを差し込むと、龍の形をした炎の竜巻が俺の周りを旋回するように覆うと、炎が消えた瞬間、いつもの戦闘服になる。

 

仁美「え........?」

 

龍騎「言っとくけど、他の連中にはナイショだぞ!」

 

そう言って俺は左腕にある甲冑をスライドして、カードデッキから一枚のカードを引き抜き、カードを装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上から青龍刀が降って来て上手くキャッチして魔女に向かって走り出す。すると魔女は針のような物を飛ばしてくると、俺は青龍刀で斬り払っては甲冑で弾き、そして大きく飛んで魔女の上半身を斬りつける。そして魔女は俺を振り払うと、使い魔を呼び出して仁美に向かって飛ばして来る。

 

龍騎「させるかよ!」

 

そう言って俺はカードデッキからもう一枚カードを引き抜き、甲冑をスライドさせてカードを挿入、召喚機を元に戻すと、甲冑から別の効果音が鳴り響く。

 

 

【AD VENT】

 

 

ガアァァァァァァァァァァァァ!!

 

すると上空から赤き龍が現れて、使い魔に向かって火炎弾を吐き出す。

 

龍騎「よし、そのまま仁美を守ってくれ!」

 

了解、と言っているのか一鳴きすると、仁美を守るかのように旋回する。さてと、こっちも終わりにしますか、そう言って俺はカードデッキからまた別のカードを引き抜き、召喚機にセットして元に戻すと、更に別の効果音が鳴り響く。

 

 

【STRIKE VENT】

 

すると上空から龍の頭部を模した手甲が飛んできて、俺は右手に装着すると、魔女に向けて小さく態勢を低くする。そして龍の頭部を模した手甲から火炎弾を放つ。火炎弾は魔女に直撃したものの、完全には倒せては無かったが、致命傷にはなっている筈だ。

 

龍騎「悪いが倒させて貰う、悪く思うなよ」

 

そう言ってカードデッキから新しいカードを引き抜き、召喚機にセットして元に戻すと、更に別の効果音が鳴り響く。

 

 

【FINAL VENT】

 

龍騎「フッ! ハァァァァァ...............ッ」

 

両腕を前へと突き出し、左手を上に、右手を下に。そして一度手を引き戻したかと思うと、舞う様に手を旋回させる。それに呼応する様に赤き龍が此方へ向かっていき、動きに合わせながら彼の周りを赤き龍が飛翔し、唸る。中腰に構えると、地面を蹴り、赤き龍と共に上空へ舞い上がり、左足を曲げて、右足を魔女に向けて突きつける。

 

龍騎「ダァアアアアアアアアッッッ!!」

 

次の瞬間、赤き龍が放つ炎を纏った飛び蹴りが放つ。そのまま一直線に魔女に向かい、そして魔女の身体を突き抜けると大爆発が起こる。そしてグリーフシードが落ちたので、回収すると景色が元に戻り、カードデッキをスライドさせて変身を解除する。

 

龍騎「怪我はないか?」

 

仁美「は、はい........」

 

そう言って俺は仁美に手を差し伸べると、仁美は俺の手を取って立ち上がる。どうやら無事のようだ。

 

仁美「あ、あの........、今のは一体........」

 

龍騎「........一言で言えば、最近自殺やら怪事件が多いのはさっきの奴等が原因だ。俺はそいつ等を退治してるんだよ」

 

仁美「................あ」

 

仁美が呆然としていると、何かに気が付いたのか声を上げる。

 

仁美「腕から血が........」

 

龍騎「え?」

 

そう言って俺は腕を見てみると、左腕から血が流れていた。どうやら魔女が放った針に掠ったのだろう。

 

龍騎「大丈夫だよこのぐらい、水で冷やせば........」

 

仁美「良くありません!一先ず私の家に!」

 

龍騎「え?あ、ちょっと!?」

 

そう言って俺の手を握って仁美の家へと連れて行かれてしまった。それから仁美の家にお邪魔して彼女から包帯を巻いて貰った。

 

龍騎「悪いな、手当して貰って」

 

仁美「いえ、気にしないで下さい。助けて貰ったお礼ですわ」

 

龍騎「........そうか。告白の件、ありがとな........、嬉しかった」

 

仁美「い、いえ........」

 

すると俺の携帯から着信があり、画面を見るとまどかからだった。

 

龍騎「もしもし?どうした?」

 

まどか『お兄ちゃん助けて!さやかちゃんが........!』

 

龍騎「!?................分かった、直ぐに向かう。悪い仁美、俺用事が出来た。また明日な!」

 

仁美「りゅ、龍騎さん!?」

 

そう言って俺は急いでまどか達の元へ向かう........。そして俺が到着した時には................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さやか「あはは、あはははははははははははははははははははははははははははははは!!」

 

龍騎「................さやか?」

 

其処には、魔女を滅多斬りににしているさやかの姿だった........。




どうもです。餡 子太郎です。

いかがでしたか?

仁美の逆三角関係についてですが、昼ドラ(?)を意識してやらせて頂きました。出来れば批判は止めて下さると助かります。ちなみにですが、仁美の出番は多分無いと思います。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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私ってホント馬鹿

「やぁ!来てくれてありがとう!少し期間が空いてしまってごめんね?作者が結構ストレスが限界まで溜まったみたいだから少し休んで貰ったのさ、いよいよこの物語も後半戦だよ!それじゃあ行ってみよう!」

「僕と契約........................」

早苗「私と契約して、守矢神社に信仰して下さい!」

椛「早苗様!?」


 

さやか「........あはは、キュゥべえの言った通りだ。その気になれば痛みなんて完全に消しちゃえるんだ........」

 

龍騎「................」

 

狂ったかのように笑いながら魔女を斬り付けるさやかの姿を見て、俺は驚きを隠せなかった。その場に居た杏子は顔を青ざめ、まどかは見てられないのか涙を流しながら手に顔を当ててさやかの姿を見ないように隠していた。

 

それでもさやかは笑い続けながら魔女を斬り付ける。杏子は遂にさやかの姿に見て居られず、そっぽ向いてしまった。俺も我慢の限界が来てしまった為、カードデッキを取り出す。

 

龍騎「........変身」

 

俺はカードデッキに魔力を流し込んでベルトを出現させて腰に巻き、ベルトにカードデッキを差し込み変身すると、ベルトからカードを引き抜いて甲冑を装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【STRIKE VENT】

 

 

そして上空から龍の頭部を模した手甲が飛んできて、俺は右手に装着すると、魔女に向けて小さく態勢を低くする。俺は魔女に向けては無く、さやかに向けて火炎弾を放つ。

 

さやか「うわっ!?」

 

杏子「なっ................!?」

 

まどか「お兄ちゃん!?どうして................!?」

 

龍騎「................」

 

さやか「................何してんの......、お兄さん」

 

龍騎「................佐倉、まどかを頼む」

 

杏子「え...........あ、ああ........」

 

俺がさやかに向けて火炎弾を放った事により、さやかは俺を睨みつけるが俺は佐倉にまどかの面倒を任せると、俺は魔女に向けて歩き始める。そしてカードデッキからカードを引か抜き、召喚機にセットして元に戻すと、更に別の効果音が鳴り響く。

 

 

【AD VENT】

 

 

上空から赤き龍が現れて、使い魔に向かって火炎弾を吐き出すと、さやかの攻撃によってボロボロな魔女は、火炎弾に直撃すると爆散し、グリーフシードが落ちたので回収する。

 

さやか「........まぁ良いや。やり方は分かったし、こっちのもんだね。これなら負ける気がしないわ」

 

そして元の姿に戻ったさやかは、そのまま帰路に着くがフラフラな状態だった為、まどかがさやかを支えて行ってしまった。

 

杏子「.........あの馬鹿」

 

龍騎「........後は俺に任せろ」

 

俺は回収したグリーフシードを佐倉に渡して二人の後ろに着いて行った。そして、ポツポツと雨が降り始めてしまった........。

 

 

まどか「........さやかちゃん、あんな戦い方ないよ」

 

さやか「................」

 

まどかとさやかは雨宿りをしていると、まどかは正直な気持ちを伝えていた。

 

まどか「痛くないから傷ついても良いなんて、そんなの駄目だよ........、いつか本当に壊れちゃうよ........」

 

さやか「........ああでもしなきゃ勝てないのよ、私才能ないから」

 

まどか「それで勝ったとしてもさやかちゃんの為にならないよ........」

 

さやか「........私の為って何?」

 

まどかの発言が引き金になったのか、さやかは怒りを露わにした。

 

さやか「魔女を殺す事しか意味が無い石ころの私に、何の為になるって言うの?」

 

まどか「わ、私はただどうすればさやかちゃんが幸せになるか考えて........」

 

さやか「だったらまどかが戦ってよ!キュゥべえに聞いたけど私より才能あるんでしょ!?私の為に何かしようって言うならまず私と同じ立場になってみなさいよ!無理でしょ!?当然だよね!ただの同情で人間やめられる訳ないもんね!何でも出来ない癖に何もしないまどかの代わりに私がこんな目に遭ってるの!知ったような事言わないでよ!」

 

バチンッ!

 

さやかが言い切ると同時に俺はさやかの顔にビンタして、胸倉を掴む。

 

龍騎「良い加減にしろ、例え俺の妹が相手でも許さねぇぞ?」

 

さやか「................」

 

龍騎「それに俺は言ったよな?自分の行動に後悔の無いようにして欲しいって、お前俺の反対を押し切って魔法少女になったんだろ?それなのに何まどかに八つ当たりしてるんだよ?」

 

さやか「...............だって私、死んでるんだよ...?ゾンビなんだよ......?こんな身体で恭介に抱きしめてなんて言えない........」

 

龍騎「都合の良いように言い訳すんな小娘が」ギロッ

 

さやか「っ!」

 

龍騎「お前何の為に魔法少女になったんだ!?上条の腕を治してなりたかったんだろ!?あいつのヴァイオリンを聞きたいからなったんだろ!?お前俺の話し聞いてたよな!?魔法少女になったら碌な事しか無いって!今更後悔したってもう遅いんだよ!」

 

さやか「................」

 

俺は掴んでいたさやかの胸倉を話すと、鞄から折り畳み傘をさやかに投げるとまどかを肩を掴んで反対方向へ歩き出す。

 

龍騎「........今日は帰って頭を冷やせ、それとお前は当分魔女狩りは禁止だ」

 

それから俺はまどかと共に帰宅する事にした。隣に居たまどかは今にも泣きそうな顔をしていた、よっぽどさやかの事にショックを受けてるのだろう........。

 

まどか「........私、何も出来ないのかな................」

 

龍騎「........え?」

 

まどかが歩くのを止めると、拳を強く握り締めて涙を流す。

 

まどか「さやかちゃんの言う通り........、皆んな戦ってるのに私だけ黙って見てるだけなんて........、卑怯だよね........」

 

龍騎「........それは違う」

 

まどか「違く無いよ........、何も取り柄の無い私がさやかちゃんの為になれれなんて思えないし........」

 

龍騎「さやかだけなのか?」

 

まどか「........え?」

 

龍騎「俺が今戦ってるのはこれ以上、魔法少女に不幸になるのを防ぐ為だ。でもそれは俺一人で出来るような事じゃない、お前が帰りを待ってくれてるから俺は頑張れるんだよ。それは決して意味の無い事じゃない、まどかもしっかり仕事をこなしてるんだよ」

 

まどか「........でも、帰りを待つ以外にも出来る事が................」

 

龍騎「だからって魔法少女になるのか?俺はお前が側に居てくれれば十分なんだ、だから頼む........。これはお前の為でもあって、ほむらの為でもあるんだ........」

 

まどか「ほむらちゃんの........?」

 

俺はまどかの両肩を掴むと、勢い余ってほむらの事を口に出してしまった。此処まで来たら引き返せない........、仕方なく俺はほむらについて話す事にした。

 

龍騎「ほむらはな、俺と同じイレギュラーなんだよ。俺のような転生(?)した訳じゃなく、この世界とは違う平行世界の人間........。当時のほむらは今のような性格でも才能も無かったみたいなんだ........、そんなほむらを助けてくれたのが、まどかなんだ」

 

まどか「私が...、ほむらちゃんを........?」

 

龍騎「そうだ、でもまどかはな........、大切な友達を守る為に、ほむらを助ける為に自分を犠牲にした。そして死ぬ前に約束したんだって、『魔法少女になる前の馬鹿な私を救って』てな。それからほむらは幾度も平行世界を行ってはまどかを救う為に行動しては失敗の繰り返し、地獄の無限ループを味わって来ている。そして今回、この平行世界にやって来た。俺というイレギュラーが居る平行世界にな」

 

まどか「..................」

 

龍騎「ほむらが淫獣を狙っているのはお前との契約を阻止する為なんだ、どんな事があってもな。俺もこれ以上、魔法少女を増やしたく無い。お前が契約したら、ほむらのやって来た事は全て水の泡になってしまう........。この件は俺達に任せてくれ、だからお前は俺達の帰りを待ってくれないか?俺だけじゃなく、ほむらやマミ、佐倉、突然さやかもな」

 

まどか「........本当に、私が出来る事なの?」

 

龍騎「当たり前だろ?それとも何だ?お前は誰かしら帰って来ても出迎えくれないのか?」

 

まどか「........ううん」

 

龍騎「良い子だ........、さやかの事は俺に任せておけ。必ず元に戻してやる」

 

まどか「約束だよ........?」

 

龍騎「ああ、約束だ」

 

俺がまどかの頭を撫でると、まどかは俺の胸に抱きついて泣き出すと俺は咳き込んでしまう。風邪でも引いたのかもしれない........、そう思った俺達は急いで帰宅するのであった。

 

 

 

〜翌日〜

 

翌朝、さやかがいつもの集合場所に来る事は無かった。心配した俺は一度さやかの家に電話を掛けてみると、どうやら昨日の夜から帰って来てないらしいのだ。何処に行ったのが分からないのでどうしようも無く、この日は学校があるのでさやかの捜索が出来なかった。

 

放課後、今日はバイトがあるのでバイト先に向かってると、偶然にも仁美と上条が一緒に笑っている姿を確認した。あれはどう見ても結ばれちゃってるな........。何故か二人の姿に見て居られず、直ぐにその場から離れた。

 

 

〜数時間後・電車内〜

 

さやか「................」

 

男性A「稼いだ金はきっちり貢がせないと女って、バカだからさぁ........」

 

男性B「犬が何かだと思って躾けないとダメっすよね」

 

男性A「油断すると直ぐ籍入れたいだの言い出すからねー」

 

男性B「捨てる時がホントウザいっすよねぇ........」

 

さやか「........ねぇ」

 

電車に乗っていたさやかは、正面に居た男性A、Bの会話に割り込んで来る。

 

さやか「その女の人の話し、もっと聞かせてよ」

 

男性A「........お嬢ちゃん中学生?夜更かしは良くないぞ?」

 

さやか「その女の人、あんたの事が大事で喜ばせたくて頑張ったんでしょ?なのに犬と同じなの?ありがとうって言わないの?役に立たなきゃ捨てちゃうの?」

 

するとさやかの足元から禍々しいオーラが発生し出す。

 

さやか「ねぇ、この世界って守る価値あるの?私何の為に戦ってたの?教えてよ、今すぐあんたが教えてよ........。でないと私................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうにかなっちゃうよ?」

 

 

バシン!!

 

さやか「........え」

 

龍騎「................」

 

すると頬を叩かれたさやかは振り向くと、龍騎が昨夜と同じ目をしていた。そして男性A、Bの前に立ち、頭を深く下げる。

 

龍騎「うちの妹がご迷惑をお掛けして申し訳ありせんでした」

 

男性A「...あ、いや別に迷惑って訳じゃ........」

 

龍騎「本当にすみませんでした、妹にはキツく言っておきますのでどうか........」

 

男性B「も、もう良いから........、それより早く家に帰るんだぞ?」

 

龍騎「はい........、あ、此処で降りますので失礼します。本当にすみませんでした」

 

電車が停止すると、龍騎は男性A、Bにもう一度一礼をして、さやかの手を掴んで駅を出る。

 

 

 

 

〜駅のホーム〜

 

龍騎「................」

 

さやか「........何でお兄さんが居るの?」

 

龍騎「バイト帰りだ、俺は隣町の喫茶店でバイトしてんだよ。........何考えてんだ」

 

俺がさやかに駅のホームで問い掛けると、さやかは全てに絶望したような表情をしていた。まさかとは思うがソウルジェムには感情によって穢れが操作出来るのか........?

 

さやか「........別にもう、どうでもよくなっちゃったからね。結局私は一体なにが大切で、何を守ろうとしてたのか。もう何もかも訳分んなくなっちゃった」

 

そう言ってさやかはソウルジェムを取り出すと、既に真っ黒であった。俺はソウルジェムを見つめるが、微動だにしない。

 

さやか「希望と絶望のバランスはさ、差し引きゼロだって。いつだったか杏子は言ってたよね。今ならそれ、良く分かるよ。確かに私は何人か救いもしたけどさ、だけどその分、心には恨みや妬みが溜まって。一番大切な友達さえ傷つけて...、誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずには居られない。私達魔法少女ってそういう仕組みだったんだね.......」

 

龍騎「........さやか、俺がマミに言った事覚えてるか?例えお前がゾンビだろうが魔女だろうが関係ない、お前が巴マミなら巴マミだ。俺はお前を受け入れる、だからお前も俺を受け入れろ、ってな」

 

さやか「........だから何?こんな私でも受け入れられるの?」

 

龍騎「当たり前だ、前世から何一つ変わってねぇよ。それと褒め言葉として受け取っておく」

 

さやか「........だったら私の事も受け止めてよ。恭介にはこんな体で抱きしめてなんて言えない。キスしてなんて言えない。でも...、お兄さんなら出来るんだよね?抱いてよ...、今すぐ抱いてよ........、でないと私........」

 

そう言って俺の腕を掴んで問い掛けるさやかに、俺はさやかの手を取って予備のグリーフシードを渡す。

 

龍騎「悪いがそんな理由で俺の純潔は渡せないし、こんな形でお前の初めてを貰いたく無い。でもな、それ以外にもお前を受け入れられる事が出来る」

 

そう言って俺はカードデッキを取り出してさやかに見せると、さやかは少しばかり驚いていた。

 

龍騎「さやか...、俺と戦え。お前の溜め込んだものを全部俺にぶつけて来い。全力でやらないと意味が無い、だからお前にグリーフシードを渡した。足りないならもう一つ渡す........、俺を殺す気で戦え」

 

さやか「........................」

 

暫く静寂が続く中、遂にさやかに覚悟が出来たのか俺の渡したグリーフシードを向かってソウルジェムに溜まっていた穢れを取り除く。そして万全な態勢が整い、さやかは魔法少女姿になると、俺もカードデッキに魔力を流し込み、ベルトを出現させてゆっくりとカードデッキをベルトに挿入する。

 

龍騎「........変身」

 

そしていつもの戦闘服になり、カードデッキからカードを引き抜き、カードを装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上から青龍刀が降って来て上手くキャッチすると、さやかは剣を両手で構えて、俺は青龍刀を左胸まで持っていく。

 

龍騎「掛かって来い........、お前の全てを受け止めてやる」

 

さやか「................うあああああああああああああああああ!!」

 

さやかは力強く叫びながら俺に向かって剣を振るうと、俺も青龍刀でさやかの剣をぶつける。そして俺とさやかの決闘が始まった........。

 

 

〜数分後〜

 

杏子「........何だよこれ................」

 

さやか「やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

龍騎「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

数分後、杏子が駅のホームに向かうと、龍騎とさやかが剣を交えていた。状況が読み込めない杏子はただ二人の戦いを黙って見ている事しか出来なかった。

 

さやか「でやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

龍騎「どうした!?お前の溜め込んだものはその程度か!?」

 

さやか「ぐわっ!?」

 

龍騎がさやかに斬りつけては蹴り飛ばし、さやかは倒れるが直ぐに立ち上がって龍騎に斬り掛かるが、龍騎は容赦無くさやかに斬りつける。

 

さやか「まだ..........、まだ終わらない!」

 

龍騎「そうだ、お前が持ってる怒りやら苦しみやら全て解放しろ!全部受け止めてやる!」

 

さやか「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

さやかの剣が龍騎の青龍刀が鍔迫り合いになり、さやかが龍騎の青龍刀を上空に吹き飛ばす。

 

龍騎「っ!?」

 

さやか「これでどうだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

さやかが龍騎にトドメを刺そうと斬り掛かるが、龍騎はさやかの足を引っ掛けて態勢を崩し、大きく飛び跳ねて上空に吹き飛ばされた青龍刀を回収し、さやかの持っていた剣を真っ二つにする。

 

龍騎「それで終わりかさやか!?お前の全力はそんなもんなのか!?」

 

さやか「........私は」

 

龍騎「お前はその程度の人間なのか!?お前の人生は此処までなのか!?」

 

さやか「私は........!」

 

龍騎「お前は何の為に魔法少女になったんだ!?何の為に戦うんだ!?」

 

さやか「私は!」

 

龍騎「お前一体、何者なんだ!?デカい声で言ってみろ!!」

 

さやか「私は!!魔法少女、美樹さやかだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

龍騎の問い掛けに、さやかは雄叫びを上げるかのように叫びながら折れた剣を力強く持って龍騎に襲い掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「やっと、いつものお前に戻った........」

 

龍騎は青龍刀を投げ捨てると、そのままさやかの剣が腹部に直撃した。

 

さやか「........................え」

 

龍騎「........やれば出来るじゃんか...、もっと自信を持てよ..............」

 

そう言って龍騎はさやかを抱きしめる。そしてゆっくりとさやかの耳元で囁く。

 

龍騎「お前は...、確かに間違った道を踏み外してしまった........。誰だって間違いはあるものさ、完璧な奴なんて居ない........。どんな世界でもな................」

 

さやか「................ぁ、ぁぁ........」

 

龍騎「一人で溜め込むな.........、一人で解決しようとするなよ.............。俺やまどかが........、居るだろう........。何の為の仲間だよ........」

 

さやか「................う、........うう.............」

 

龍騎「........また、お前が違う道を踏み外したら........、俺達が直してやる........。だから................、戻って........、こ................」

 

そして龍騎が最後まで言い終える事無く意識を失うと、さやかは倒れる龍騎を支えるが、彼女自身も泣き崩れてしまう。

 

さやか「........あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

さやかは龍騎に抱きつきながら盛大に泣き始める。自分を大切に想っていた人を手に掛けた事に罪悪感を憶えていたからだ........。

 

さやか「私って........、ホント馬鹿................」




どうもです、餡 子太郎です。

いかがでしたか?

これにてさやかちゃん救済です。やったね!

さて、お次はワルプルさんとの最終決戦です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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奇跡を見せてやるよ

「やぁ!来てくれてありがとう!前回はさやかが救済に成功して、残すはワルプルギスの夜討伐だけだね!これから先どうなることやら........。それじゃあ行ってみよう!」

「僕と契約して、魔法少女........」

龍騎「お前感情持っても変わんないな」


 

〜ほむホーム〜

 

マミ「..........佐倉さん、遅いわね........」

 

ほむら「................」

 

龍騎とさやかが戦っているその頃、ほむらはマミと杏子に自宅に招いたが、杏子がさやかの元へ駆けつけて行って既に一時間が経っていた。

 

ほむら(どうやら駄目だったみたいね........、流石の彼でも美樹さやかを救済するのは........)

 

心の中で諦めた言葉を言うと、玄関のドアからドンドンと叩く音が鳴る。

 

杏子「おいほむら!マミでも良い!早く開けてくれ!」

 

ほむら「!?」

 

マミ「佐倉さんの声ね........、何かあったのかしら?」

 

ほむら(........まさか)

 

ほむらが放心してる中、マミが玄関に向かい、ドアの鍵を開けては開くと、杏子が魔法少女姿で龍騎を背中に担いでいた。その後ろには目を赤くしたさやかも居た。

 

マミ「どうしたの?そんなに慌てて........」

 

杏子「話しは後だ!こいつの手当てを頼む!腹切られて出血も酷ぇんだ!」

 

マミ「!?わ、分かったわ!取り敢えず上がって!美樹さんも!」

 

さやか「........」

 

そして杏子が龍騎を運んで、ほむらとマミが集まっていた部屋のソファーに龍騎を寝かせてマミが魔法で傷口を塞いでいく。

 

ほむら(さやかが無事........?本当に彼女を救ったと言うの........)

 

ほむらは近くにさやかを見つめたまま固まってしまう。それもその筈、本来ならさやかはあの場で魔女になっていた筈なのに、今回は魔女にはならなかったのだ。これも鹿目龍騎というイレギュラーが現れてからこんな事になるのはほむら自身も予想はしていなかった。

 

ほむら(........いける、間違いなくいける!巴マミの生存、美樹さやかの救済、佐倉杏子の自爆も何もかも無くなった。後はワルプルギスの夜を倒すだけ........!絶好のチャンス、何としてでも勝ち取る!)

 

さやか「........何ニヤけてるの」

 

ほむら「!........何でも無いわ」

 

無意識にニヤけていたほむらをさやかが指摘すると、ほむらは慌てて元に戻る。そしてソファーの上に龍騎を寝かせたマミは龍騎に魔法で治療する。

 

マミ「........これで大丈夫よ、今はぐっすり寝ているわ」

 

ほむら「........助かったわ、今は彼が必要不可欠なのよ」

 

さやか「........その、ごめんなさい。迷惑掛けて........」

 

龍騎の容態を知ると、さやかが頭を下げて謝罪した。

 

杏子「........まぁ良いって、キュゥべえがお前が危ないって言ってたけどさ、何とも無くてこっちも安心してんだよ」

 

マミ「そうよ、私達は美樹さんの事本気で心配してたのよ?特に鹿目さんは今日私に相談に乗ってほしいって頼まれたぐらい心配してたのよ?」

 

ほむら「........私は別に心配はして無かったけど、貴女が居ないと今後に支障が出るから仕方なくよ」

 

龍騎「そう言うなよほむほむ........、素直じゃないなぁ........」

 

さやか・マミ「「お兄(龍騎)さん!?」」

 

龍騎が目を閉じたままほむらに言うと、さやかとマミが龍騎の側に駆け寄り、龍騎はゆっくりと目を開けると当たりを見渡す。

 

龍騎「........まさか此処に寝ていたとはな...」

 

さやか「お兄さん........、私........」

 

龍騎「もう良いって........、お前が無事ならそれで良い........」

 

そう言って龍騎はさやかの頭を撫でると、さやかは再び涙を流すと龍騎はゆっくりの身体を起こす。

 

龍騎「........んで?俺が居ない間、何話してた訳?マミや佐倉が居るって事は今後の打ち合わせでもしてたのか?」

 

ほむら「説明する手間が省けて助かるわ........、こっちに来なさい」

 

ほむらが中心のテーブルに向かうと、龍騎達も後に続く。そしてほむらはテーブルの上に置かれてある上空で撮ったと思われる見滝原の写真に指を指す。

 

ほむら「もう一度説明すると、ワルプルギスの夜の出現予測はこの範囲」

 

龍騎「その根拠は?」

 

ほむら「統計よ」

 

龍騎「........つまりお前は()()()()()の夜と何度か見てるって事か?」

 

杏子「ブッ」

 

ほむら「........()()()()()()の夜よ」

 

龍騎がわざと間違えると杏子は吹き出し、ほむらは表情一つ変えず訂正する。

 

龍騎「良いじゃん別に、ってかワルプルギスってダサくない?一層の事ヴァルプルギスにしようぜ?」

 

マミ「ヴァルプルギスって中欧や北欧で広く行われるイベントじゃ無かったかしら?」

 

龍騎「そうそう、それともバルバトスにする?」

 

さやか「バルバトスって?」

 

マミ「ソロモン72柱の悪魔の一体の事よ。『ゴエティア』では8番目に、『悪魔の偽王国』では6番目に記載される。30の軍団を率いる。爵位は『ゴエティア』では公爵、『悪魔の偽王国』によれば伯爵にして公爵であると言われてるわ」

 

杏子「おー、それカッコいいな」

 

龍騎「でしょー?絶対改名した方が良いって、その方がラスボス感が出るよね」

 

ほむら「貴方は真面目に聞けないのかしら?次おかしな事言ったら眉間に風穴開けるわよ?」

 

龍騎「はっはー、ごめん、ごめん、ごめええええええええたたたたたぁ!?分かった!本当に反省するから!だからナイフで脳みそを抉ろうとしないで!?」

 

周りがふざけ始めた事により、痺れを切らしたほむらが龍騎の額にグリグリとサバイバルナイフを突き付ける。そして龍騎が謝罪するとほむらは龍騎から離れると、サバイバルナイフをテーブルの上に置く。

 

龍騎「ごほっ、ごほっ........。さて、真面目にやりますか。で、最強の魔女って名乗ってるぐらいだから相当な奴なんだろ?」

 

ほむら「........えぇ、私達が束になっても勝てるかどうか...、正直怪しいわ」

 

龍騎「ふーん........、一応()()の練習でもしておくか........」

 

杏子「........何だよそのアレって?」

 

龍騎「ん?出来るか分かんないけど........、上手くいけば一撃で倒せるかもしれない」

 

ほむら「なっ!?」

 

杏子「はぁ!?」

 

マミ「!?」

 

さやか「えぇぇぇぇぇぇ!?」

 

龍騎の口から衝撃発言をすると、その場に居た魔法少女は声を上げる。

 

ほむら「........寝言は寝て言いなさい、ワルプルギスに倒せる技があれば苦労なんて........」

 

龍騎「上手くいけばの話しだ、ってか出来るかどうか分かんないしな」

 

さやか「そ、それってどんな技なの?」

 

龍騎「それはだな........」

 

「僕も教えて欲しいな、その技の事」

 

「「「「「!?」」」」」

 

謎の声が聞こえると、何処から入ってきたのか一匹の淫獣がやって来ていた。すると杏子がソウルジェムを手に取って、槍を突き付ける。

 

杏子「てめぇ........、何処から聞いてやがった、どのツラ下げて出てきやがった」

 

キュゥべえ「やれやれ、招かれざる客って訳かい?僕をゴキブリみたいに言うのやめてくれるかな?」

 

龍騎「いや実際そうだろ」

 

キュゥべえ「それよりも、僕は君たちに大切な話しがあるんだ」

 

龍騎「........言ってみろよ」

 

キュゥべえ「さっき暁美ほむらは五人が束になっても勝てるか分からないと言ったね。残念だけど、君達ではワルプルギスの夜は倒せないよ」

 

マミ「どう言う事?」

 

キュゥべえ「その原因は君だよ、暁美ほむら」

 

........()()()()()の夜が倒せないのはほむらが原因?一体どう言う事だ?

 

キュゥべえ「正式には鹿目まどかの『素質』だよ。魔法少女としての潜在能力としての潜在力は背負い込んだ因果の量で決まるんだ。一国の女王や救世主やら兎も角、ごく平凡な人生だけを与えてきた鹿目まどかにどうしてあれ程莫大な因果の糸が集中してしまったのか不可解だった」

 

龍騎「........何が言いたい?」

 

キュゥべえ「暁美ほむら、君は時間遡行者である事は間違い無い筈だ。君が時間を巻き戻す理由は『まどかの安否』だ。君は同じ目的で何度も時間を遡るうちに、彼女の存在を中心軸に幾つもの平行世界を螺旋状に束ねてしまったんだろう。この結果、絡まる筈の無い平行世界の因果線が全て今の時間軸のまどかに繋がってしまったとすれば...、彼女の途方もない魔力係数にも納得がいく。君が繰り返してきた時間、その中で循環した因果こ全てが巡り巡って鹿目まどかに繋がってしまったのさ」

 

ほむら「........まさか」

 

キュゥべえ「そう、お手柄だよ暁美ほむら。君が鹿目まどかを最強の魔女に育ててくれたんだ」

 

淫獣の衝撃発言にその場に居た魔法少女は顔を青ざめるが、肝心のほむらは膝をついてしまった。

 

龍騎「........ちょっと待て、何でお前がほむらがイレギュラーだって分かった?」

 

キュゥべえ「少し前にまどかと会ったらね、そのような事を聞いたんだ。そしてさっき僕が言った結論に至ったんだ」

 

龍騎「........つまり何だ?お前はほむらの行動が原因で()()()()()()()()が強くなったから勝てないって事か?」

 

キュゥべえ「そう言う事だね、それと()()()()()()の夜だよ」

 

龍騎「ふーん........、強くなるのか.................、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから何?」

 

「「「「「................え?」」」」」

 

龍騎の言葉に魔法少女組だけで無く、キュゥべえ諸共ポカンと口を開いたまま動かなくなった。

 

龍騎「悪いけど相手がどれだけ強かろうが、ぶっちゃけどうでも良い。要するにまどかを契約させなければ良い話しだ。それと()()()()()()()()()()()を倒せば全てが終わるんだろ?なら話しが早いじゃねぇか」

 

キュゥべえ「........君は本気で勝てると思ってるのかい?あのワルプルギスの夜を」

 

龍騎「勝てるか勝てないかの問題じゃない、勝つんだよ。ならお前の予想だにしない奇跡を見せてやるよ」

 

キュゥべえ「........君に出来るとでも?」

 

龍騎「前世で生き残れたのもある意味奇跡だ、ぶっちゃけ鬼神龍と比べれば()()()()()の夜なんて怖くも何ともないね」

 

キュゥべえ「........そんなに自信があるなら見せて貰うよ、君の言う奇跡を。やって見せなよ、鹿目龍騎」

 

龍騎「上等だ、何とでもなる筈さ」

 

ほむら(........何であんなに余裕な顔をしてられるの........?あれが鬼神龍の余裕だと言うの........?)

 

空気が益々重くなる中、キュゥべえは一仕事を終えたようにその場から去ろうとするが、龍騎がキュゥべえを止める。

 

龍騎「さやか、さっき使ったグリーフシード」

 

さやか「あ、そうそう」

 

さやかが使用済みのグリーフシードを龍騎に渡すと、ゆっくりとキュゥべえに近づく。

 

龍騎「ほれ、お前しか処理出来ないんだろ?」

 

キュゥべえ「そう言う事なら僕の背中に入れてよ」

 

そう言ってキュゥべえは背中を蓋のように開けると、龍騎は使用済みのグリーフシードを入れる。そしてキュゥべえの背中にある蓋を閉じた瞬間、龍騎はキュゥべえを捕まえる。

 

キュゥべえ「........何する気だい?」

 

龍騎「ついやっちゃうんDA☆ マミ、こいつを縛って吊るしてくれる?」

 

マミ「え?何する気?」

 

渋々マミは龍騎の言う通りにキュゥべえを拘束する。すると龍騎は鞄から愛用してるハリセンを取り出し、

 

龍騎「オラッ!」バシンッ

 

キュゥべえ「きっぷ!?」

 

全力でキュゥべえを叩いた。それは一回だけで無く何度も、愚痴を溢しながらハリセンを振る。

 

龍騎「君が!まどかから!離れるまで!叩くのを止めない!」バシンッ バシンッ

 

キュゥべえ「きゅぷ!?きゅぷ!?」

 

龍騎「ごほっ、ごほっ........。お前等もやれば?結構スッキリするぞ(暗黒微笑)」

 

そう言って龍騎はハリセンを差し出すと、魔法少女組はじっとハリセンに見つめ、やがて悪い笑みを溢すのであった........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さやか「仁美ぃ!私の想い人を寝取りやがってぇ!!絶対後悔させてやらぁ!!何だったら超一流の有名人手に入れてやらぁ!!」バシンッ バシンッ

 

杏子「よくも騙してくれた宇宙人がぁ!!責任取りがやれぇ!!ついでに家族蘇生しろ!!(建前)後飯寄越せぇ!!(本音)」バシンッ バシンッ

 

マミ「何がお友達が居ないよ!?今こうしてお友達が居るじゃない!!後誰よ私の事デブだの豆腐メンタルだの好き放題言って!?人生ティロ・フィナーレしてやるわよ!?」バシンッ バシンッ

 

ほむら「まどかああああああああああああ!!今度こそ絶対に救ってみせるからああああああああああああああああ!!待っててえええええええええええええええ!!」

 

 

〜数分後〜

 

「「「「はぁ........、はぁ........」」」」

 

キュゥべえ「」

 

龍騎「あーらら、完全に伸びちゃってるわ。赤目だった目が真っ黒になってるよ」

 

キュゥべえ(新)「全く酷いよ、幾ら代わりがあるからって勿体無いじゃないか」

 

ストレス解消し終えた魔法少女が座り込むと、新しいキュゥべえがやってくる。俺は旧べえの拘束を解くと尻尾を持って振り回す。それにしてもキュゥべえボコすの気持ち良過ぎだろ!

 

龍騎「そんな固い事言うなよ、一匹ぐらい貰ったって良いじゃねぇか」

 

キュゥべえ(新)「だからって此方が困るんだよ、処分するから返してくれる?」

 

龍騎「ったくしょうがねぇな〜」

 

そう言って俺は旧べえを返そうとするが、直ぐには返さず鼻を擤んで、鼻水まみれの旧べえを返却する。

 

龍騎「はい」ポイッ

 

キュゥべえ(新)「..................やっぱり返さなくて良いよ。其方で処分してくれないかな?」

 

龍騎「返して貰わないと困るんでしょ?」

 

キュゥべえ(新)「........きゅっぷい」

 

観念したキュゥべえは自分の身体を処分すると、直ぐに近くにあったゴミ箱へ駆けつけてリバースした。そのままキュゥべえが何処かへ行ってしまうと、俺達も解散する事になった。




どうもです。餡 子太郎です。

いかがでしたか?

この物語も終盤に突入です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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黒き龍騎士

「やぁ!来てくれてありがとう!さぁいよいよ最終決戦が近づいて来たよ!それじゃあ早速いってみよう!」

「僕と契約して、魔法少女にやってよ!」

?「良く飽きもせずやれますね」

?「全くだ........」

↑ちなみにこの二人はまどマギ終了後に出す(予定)物語のキャラです。


 

〜鹿目家〜

 

詢子「全く、遅くなるなら連絡寄越せって言っただろ!?」

 

龍騎「わ、悪かったよ........。俺だってこんなに遅くなるとは予想外だったんだよ........」

 

さやかの件が終わり、帰宅した俺は玄関で仁王立ちするオカンに正座されていた。いや遅くなったのは悪かったけど正座は酷いよ、だって下駄箱で正座されてるんだよ?汚いよバッちぃよ。ちなみにオカンにはバイト先に携帯を置き忘れて取りに帰ってる途中に昨日から帰宅してないさやかと会ったと伝えてある。

 

詢子「まどかも帰りが遅かったからこれ以上文句は言わないけどさ、あんまり心配掛けるなよ?」

 

龍騎「あ、ああ........。気をつける」

 

詢子「で、飯はどうする?食うならレンジでチンするけど?」

 

龍騎「........飯はいいや、食って来た訳じゃないけど腹減って無いし。朝飯に食べる」

 

そう言って俺は部屋に向かい、荷物を置いて風呂場へ。風呂から出て部屋に戻るとまどかがパジャマ姿で俺のベットの上に座っていた。

 

まどか「お兄ちゃん........」

 

龍騎「まどか?どうしたんだよこんか時間に」

 

まどか「うん........、さやかちゃんの事何だけど........」

 

まどかがさやかの話題を持ち掛けると、俺はまどかの隣に座る。

 

龍騎「........さやかの事何だけどさ、上手くいったぞ」

 

まどか「え........?」

 

龍騎「だからさやかは無事だ、魔女にもなって無い」

 

まどか「........本当なの?」

 

龍騎「嘘ついてどうするんだよ」

 

まどか「................った」

 

龍騎「え?」

 

まどか「良かった................、良かったよぉ................」

 

さやかの安否を聞くと、まどかが俺の抱きついて泣き始める。これは身体張った甲斐があったな........、何て思ってるとまどかが俺に言ってきた。

 

まどか「........私、キュゥべえに会って...、こう言ってたんだ........。『君は望むなら万能の神にだってなれるかもしれないよ』って........」

 

........それ程まどかの才能があるって事か、尚更契約なんてさせる訳にはいかないな...。そう言えば、まどかはあの淫獣と会ってたっけ。

 

龍騎「........なぁまどか、さっき淫獣と一緒に居たって言ってたけどその時の事教えてくれるか?」

 

まどか「........良いけど、私からも良い?」

 

龍騎「何?」

 

まどか「お兄ちゃん................、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時助けてくれたの、お兄ちゃんじゃないよね?」

 

龍騎「................................はい?」

 

まどかの言葉に思わず声が裏返ってしまった。え?それどう言う事?

 

まどか「えっとね、私がキュゥべえと会った時なんだけど........」

 

それからまどかは数時間前の事を話してくれた........。

 

 

〜数時間前・公園〜

 

まどか「...私に出来る事って何だろう...........」

 

キュゥべえ「お困りのようだね、まどか」

 

まどかが公園で一人悩んでいると、突然とキュゥべえが姿を現す。

 

まどか「キュゥべえ........」

 

キュゥべえ「まどかも僕の事を恨んでいるのかな?」

 

まどか「貴方を恨んだら、さやかちゃんを元に戻してくれる?」

 

キュゥべえ「無理だ、それは僕の力の及ぶ事じゃない」

 

まどか「やっぱり卑怯だね、キュゥべえって........。ねぇ、お兄ちゃんが言ってたけと、私が凄い魔法少女になれるって話...、あれは本当なの?」

 

キュゥべえ「とんでもない、凄いなんていうのは控えめな表現だ。君は途方もない魔法少女になるよ。恐らくこの世界で最強の」

 

まどか「私が引き受けていたらさやかちゃんは魔法少女にならずに済んだのかな........」

 

キュゥべえ「さやかは彼女の願いを遂げた。その点についてまどかは何の関係もない」

 

まどか「どうして私なんかが........」

 

キュゥべえ「僕にも分からない。はっきり言って、君が秘めている潜在能力は理論的にはありえない規模のものだ。誰かに説明して欲しいのは僕だって一緒さ。君が力を解放すれば奇跡を起こす所か宇宙の法則を捻じ曲げる事だって可能だろう。何故君一人だけがそれ程よ素質を備えているのか、理由は未だに分からない」

 

まどか「........やっぱりほむらちゃんはそれを知ってて私を.....」ボソッ

 

まどかがキュゥべえに聞こえないように小さく呟くが、キュゥべえは其れを聞き逃さなかった。

 

キュゥべえ(何故暁美ほむらが出てくる?それに彼女が知ってたとはどう言う事だ........?そう言えば、彼女は消えたりしては突然と現れるけどそれが彼女の能力だとしたら........、時間が関係するのか?もし彼女が時間を操れるとしたら................。そう言う事か、それなら合点が着く)

 

その時にキュゥべえはほむらの正体を暴き、再度まどかに問い掛ける。

 

キュゥべえ「まどか、君は望むなら万能の神にだってなれるかもしれないよ」

 

まどか「........キュゥべえに出来ない事でも私なら出来るって事?私が貴方と契約したら、さやかちゃんの体を元に戻せるの?」

 

キュゥべえ「その程度、きっと造作も無いだろうね。その願いは君にとって、魂を差し出すに足るものかい?」

 

まどか「........私、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女にはならないよ」

 

キュゥべえ「......え?」

 

まどかの言葉に思わず素っ頓狂な声をあげるキュゥべえ。

 

まどか「お兄ちゃん達が必死に私を魔法少女になるのを阻止してるのは私の為だって事はもう分かっているの。それを踏みにじる事は私には出来ない......。でも、それ以外の事なら出来る」

 

キュゥべえ「それは?」

 

まどか「キュゥべえ...、貴方を拒絶する事。例えどんな事になっても、世界が終わろとしても、貴方とは契約しない。これだけじゃないかもしれないけど...、私に出来る唯一の事は...、これだから......」

 

「あれ?まどかちゃん?」

 

まどかが言っている途中に、別の人物から声を掛けて来た。

 

まどか「蓮子さん...、メリーさん...」

 

蓮子「こんな時間に何してるの?まぁ私も補習で学校に残ってたから何も言えないけど」

 

メリー「巻き添えを食らってる私の身にもなってよ......」

 

キュゥべえ「...どうやらお邪魔見たいだね。僕は此処で失礼するよ」

 

まどか「あ......」

 

キュゥべえが気を使ったのか、その場から去ると蓮子とメリーがまどかに近づいてくる。

 

蓮子「どうしたの?もしかしてさやかちゃん関係?」

 

まどか「は、はいまぁ......」

 

メリー「そう言えば、今日いつもの場所に来て無かったよね?何かあったの?」

 

まどか「え、えっと......、実は......」

 

それからまどかはさやかの事情を説明した。勿論、魔法少女については省略したが、蓮子とメリーは顎に手を当てて考え出す。

 

蓮子「う~ん...、これは困ったねぇ......」

 

メリー「でも意外ね、あの仁美ちゃんがさやかちゃんに宣戦布告するなんて」

 

蓮子「そうだねぇ~...、でも結局はさやかちゃん次第でしょ?こうなったら当たって砕けろ、よ」

 

メリー「それは蓮子のやり方でしょ.......。でもそうね、蓮子の言う通り、何もしないって事だけは絶対にダメね」

 

蓮子「そうそう、失恋にビビッてちゃあ何にもならないよ。マァワタシガイエタギリジャナイケド...」ボソッ

 

まどか「......こう言う時って勢いが大事何ですか?」

 

メリー「勢いって言うか...、自分が相手に対してどれだけ大切にしてるか伝えるべき何じゃないかな...。一方的に自分の気持ちを伝えるだけじゃなくて、相手の事をどれだけ想ってるかも重要だね。特にさやかちゃんはその上条くんとは幼馴染なんでしょ?寧ろそれをチャンスにしないとね。マイカイトリノガシテルワタシガイルケド...」ボソッ

 

まどか「......そうですか...、ありがとうございます。とても参考になりました」

 

蓮子「いやぁ~、アドバイスになってれば良いんだけどね...。私こう言う話しはした事ないからさ...」

 

メリー「私も...、力になれてば良いんだけど......」

 

まどか「とんでもないです!私も恋愛とか良く分かんないし......」

 

蓮子・メリー((ブラコンって自覚は無いんだ...))

 

蓮子とメリーは苦笑すると、蓮子は勢い良く両手を叩くと、まどかを引っ張って立たせる。

 

蓮子「まぁこの話しはまた今度にしてさ、今日は帰ろっか!」

 

メリー「それもそうね、流石にこの時間だとね...」

 

まどか「はい」

 

そうしてまどか達は帰路につこうとした時、

 

キュゥべえ『まどか!気を付けて!魔女の反応だ!』

 

まどか「!?」

 

突然、キュゥべえがテレパシーで魔女が居る事をまどかに伝えるが、時すでに遅し。まどか達は魔女の結界の中に閉じ込められてしまった。

 

蓮子「え.......?な、なんじゃこりゃ!?」

 

メリー「何これ...、景色が歪んでいく...」

 

蓮子とメリーが呆然としてる中、遂に魔女が姿を現して、まどかは恐怖所か焦りが生じていた。

 

まどか(どうしよう......、今からお兄ちゃん達を呼んでも間に合うかどうか分からない......。。それに蓮子さんとメリーさんが居るから下手にお兄ちゃんを呼ぶわけにはいかない......)

 

キュゥべえ(二人を助けたいならまどか、君が二人を守るんだ。今から助けを呼んだって間に合わない、それでも君は僕を拒絶するのかい?自分を犠牲にするか、二人を犠牲にするか、もしくは三人共犠牲にするか。答えを聞かせて貰おうか)

 

まどか(......私は、.........私は...っ!)

 

キュゥべえはこの時を待っていたと言わんばかりにまどかに問い掛けに、更に焦りが生まれるまどか。そしてまどかが決断したのか、口を開いてその時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!

 

まどか(!?)

 

蓮子「こ、今度は何!?」

 

メリー「あれは......!?」

 

空から動物のような鳴き声が響く。それに気づいた三人が上空を見上げると、まるで蛇のような動きをする生き物が宙に浮いていた。

 

メリー「ま、まさか......、龍!?」

 

蓮子「な、何だってぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

まどか(嘘......、来てくれたの.......?)

 

蓮子とメリーは龍の姿に驚く中、まどかは身に覚えのある龍の姿を見て安心するが、何処か違和感を覚えていた。

 

まどか(でも何でだろう......、雰囲気が違うような......)

 

 

 

ガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!

 

 

 

すると上空に舞っている龍が魔女に向けて火炎弾を放つ。龍の放った火炎弾が魔女に直撃すると龍はその場から移動し、地上へ向かうと其処から何かを守るかのように旋回すると、其処には一人の人物が立っていた。

 

 

 

 

腰には銀色のベルトに、中央には龍の形をしたカードデッキ............。

 

 

 

 

左手には黒い龍の頭部を模した甲冑............。

 

 

 

 

全身が黒色に染まった巫女服に似た格好に黒色の髪............。

 

 

 

主人を守るように旋回する黒き龍.........。

 

 

 

蓮子「あ、誰か居るよ!」

 

メリー「何なのあの人.......、遠くて良く見えない........」

 

蓮子が指を指した方向にメリーは向くが、まどかは其れを見た時に感づいた。

 

まどか(違う......、お兄ちゃんに似てるけど...、あれはお兄ちゃんじゃない......)

 

すると男はベルトからカードを取り出す。それはベルトにある龍の紋章と全く同じ形をしたイラストが描かれてあるカードだった。そして男はカードを甲冑にセットして元に戻す。

 

 

 

【FINAL VENT】

 

 

甲冑から低い音声が流れると、彼の周りを黒き龍が速度を上げて旋回しながら飛翔すると、男をゆっくりと宙に浮く。そして男が左足を曲げて、右足を魔女に向けて突きつけると、黒き龍が放つ炎を纏い、男の飛び蹴りが放たれる。そのまま一直線に魔女に向かい、そして魔女の身体を突き抜けると大爆発が起こる。

 

蓮子「うわっ!?」

 

メリー「きゃあ!?」

 

まどか「うっ........!」

 

三人は爆風に飛ばされないように身体を踏ん張り、爆風が止むと、魔女を倒した男は姿を消していた。それと同時に景色が元に戻ると、蓮子とメリーは顔を見合わせてる。

 

蓮子「........何なの?今の........」

 

メリー「分かんない........。アニメでも漫画でもゲームでも無い、事実を私達は見たのよ........」

 

まどか「...あ、あの........」

 

蓮子「!?あ、ご、ごめん!ちょっと自分の世界に入ってた........」

 

まどか「こ、この事はまた今度話し合いませんか........?今日はもう遅いですし、それに........、関わっちゃいけないような気がするんです........」

 

メリー「うん........、私でも分かる........。これはオカルトでも怪現象とかの分類では無い気がする........」

 

蓮子「だよね........、調べてやりたいけど、これだけは身を危険を感じる........。仕方ない、今日は解散しよっか」

 

メリー「そうね」

 

まどか「はい........(ほっ...、これで少しは魔女の事は避けられたかな........)」

 

 

 

 

〜現在〜

 

まどか「........って事なんだけど........」

 

まどかの話しを聞いて俺は頭を悩ませていた。俺と瓜二つの男が現れたとの事だ、恐らく俺というイレギュラーが来たから別の所でもイレギュラーが発生したのだろう。味方であってくれれば良いのだが...、それも()()()だったら........。

 

まどか「お兄ちゃん........、何か心当たりってある?」

 

龍騎「いや........、分からない........。兎に角、今の所危害が無いならスルーしても良いと思うけど........。対処するにも情報が無いからな........」

 

まどか「そうだよね........」

 

龍騎「........兎に角、また明日考えよう。今日はもう遅いからな」

 

まどか「うん、そうする」

 

そう言ってまどかは自分の部屋に戻ると、俺もベットに横になると咳を込んでしまう。やはり様子がおかしい........、とても嫌な予感がする........。

 

龍騎「........やばいな...。ワルプルまでに間に合えば良いけど........」

 

この先に不安に思いながら俺は眠りについた。そしてその悪い予感が的中する事に俺は思いもしなかった........。




どうもです、餡 子太郎です。

いかがでしたか?

イレギュラーが発生しましたが、それは味方なのか敵なのか........。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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貴方と出会え良かった

「やぁ!来てくれてありがとう!今回は少しばかり長いから楽しめると思うよ!それじゃあ早速いってみよう!」

「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

マリーン「おやおや、貴方もお好きですねぇ........」


 

さやかの件から翌朝、俺とまどかはいつもの集合場所へと向かっている。出発する前に仁美から連絡が入り、どうやら今日は一緒に登校出来ないみたいだ。まぁどうせ上条絡みだろうな。

 

蓮子「お!やっと来た!」

 

集合場所に着くと、既に蓮子とメリー、さやかが待っていた。珍しく俺達より先に着いた蓮子とメリーに関心していた、毎回ギリギリに来る訳だし。

 

龍騎「珍しいな、いつも遅く着てるのに」

 

蓮子「私だって早起きは出来るんですよ!それにさやかちゃんの事もあるからね」

 

メリー「叩き起こしに来て良く言うわよ........、お陰で朝ご飯食べ損ねたじゃない........」

 

まどか「さ、災難でしたね........」

 

さやか「................ま、まどか........。この間はごめん........」

 

メリーの災難話しを聞くと、さやかがまどかに頭を下げて謝罪して来た。気のせいかさやかの目が涙目になっていた。

 

まどか「........ううん、私こそごめんね。何も考えずあんな事言っちゃって................」

 

さやか「でも、私はあんなに................」

 

龍騎「.....もう良いだろ?お互い謝ったんだからこれで終わり、これ以上は睨みっこ無しで」

 

蓮子「そうそう、こうやって仲直り出来たんだから良いじゃん」

 

さやか「........うん」

 

こうしてまどかとさやかの和解に成功すると、メリーが俺に聞いて来た。

 

メリー「そういえば、珍しくマスクしてるね」

 

龍騎「ちょっと風邪気味でな」

 

そう、今日はマスクを着用してるのだ。あまりにも咳が酷い為、迷惑が掛かると思いマスクをしている。

 

さやか「........もしかして、昨晩の事で?」

 

龍騎「いや違う違う、自業自得だから。よし、んじゃ行くぞ」

 

蓮子「それもそうだね」

 

それから其々の学校へと向かって行く。授業中ではなるべく咳を抑えながら授業を受ける、幸い今日は体育の時間が無いので少し安心した。そして昼休みとなり、飯を食べようとするが俺の席の前に蓮子とメリーが座って来た。

 

蓮子「ねぇ!ご飯食べよ!」

 

龍騎「........別に良いんだけどさ、俺が体調悪いの知ってるでしょ?」

 

メリー「でも食欲はあるんでしょ?」

 

龍騎「いやそれがさ........、本格的に悪くなって来た........」

 

そう言って俺は腕を枕にしてうつ伏せ寝になる。授業の途中から熱っぽさを感じていた。これ冗談じゃなくてマジもんですよ、頭がボーっとするんですよ。畜生......、前世では欠席無しの皆勤賞なのに........。

 

蓮子「........確かに顔色悪いね、保健室行く?」

 

龍騎「........確かに悪くなる前に行って........、ごほっ、ごほっ........!」

 

メリー「ちょっと大丈.......................、え」

 

俺が口を押さえて咳をすると、俺に駆け寄るメリーは俺の顔を見て青ざめた。それに口から血の味........、え?血の味?

 

メリー「........ねぇ、何で血吐いてるの........?」

 

龍騎「っ!?」

 

俺は慌ててマスクを外して急いで教室を出て行った。

 

蓮子「あ、ちょっと龍騎!?」

 

俺は今日を出て直ぐに保健室に向かう。最悪だ........、よりにもよってあいつ等に見られた........。俺は咳をしながらも保健室へと走って行った。

 

 

〜保健室〜

 

龍騎「................」

 

夢美「あら、貴方が来るとは珍しい」

 

龍騎「岡崎先生?」

 

保健室の扉を開くと、椅子には何故か岡崎先生が座っていた。物理専門の先生が何故保健室に........?

 

龍騎「........何で保健室に?」

 

夢美「保険の先生が休みで私が代わりにやってる訳。それで?具合が悪いの?」

 

龍騎「はい........、朝から風邪気味で........」

 

俺がそう言うと、岡崎先生が体温計を渡してくる。そして熱を測ったら案の定、37℃オーバーだった。

 

夢美「今日は帰った方が良いわね、親御さんに連絡するから........」

 

龍騎「あ、今両親は家に居ませんよ。母親は仕事、親父は高校時代の人とお茶しに行ってますから」

 

夢美「尚更呼ばなくちゃ駄目でしょ、今電話してくるから大人しく休んで........」

 

龍騎「岡崎先生!」

 

俺が少し大声を出すと、岡崎先生はビクッと身体を跳ねて振り向いた。俺でもびっくりしたぐらいだ。

 

龍騎「頼みます........、それだけは........」

 

夢美「........事情があるみたいね、連絡しない代わりに教えなさい。家族じゃ相談出来ないんでしょ?」

 

龍騎「........相談出来ないと言うか...、一部の人間にしか出来ないというか........」

 

夢美「................はぁ、貴方ねぇ。そんなに深刻な事に直面してるの?」

 

龍騎「そうですね........、関わっちゃいけないものに関わってしまった事ですからね」

 

夢美「........まさか薬とか金関係じゃないでしょうね?」

 

龍騎「一緒にしないで貰えます?........強いて言うならオカルト関係です」

 

夢美「それなら宇佐見とかに相談すれば良いんじゃ無い」

 

龍騎「そう言う訳にはいかないんですよ........、命に関わる事なんで........」

 

夢美「................詳しく教えてくれるかしら?」

 

熱が上がって来ってきて、まともな判断が出来なくなってしまったのか岡崎先生に魔法少女について打ち明ける事にした。

 

夢美「........そうか、貴方は最近物騒な事件が起こってる事を知ってて、二人に巻き込ませたく無かったから言わなかったのね」

 

龍騎「........まぁそれが昨日の夜にバレた(みたい)んですけどね。いつか打ち明けますよ」

 

夢美「そう........、それにしても良く一人で頑張ったわね........。でも一人で解決しようとしないで、貴方には宇佐見やマエリベリーが居るんだから........」

 

龍騎「................肝に銘じておきます。すみませんが俺は早退します、荷物持ってきてくれませんか?」

 

夢美「分かったわ......、本当に一人で帰れるの?」

 

龍騎「何とかします」

 

夢美「................分かった、少し待ってなさい」

 

そう言って岡崎先生は保健室へ出て行くと、俺はベットで横になる。すると直ぐに目が回り出す。あ、これやばいわ........、そんな事思ってると俺はいつの間にか意識を失った。

 

 

〜数時間後〜

 

龍騎「................あれ?」

 

蓮子「あ、大丈夫?」

 

目が覚めると、隣には蓮子とメリーが椅子に座っていた。辺りを見渡すと、既に外はオレンジ色の景色に染まっていた。誰だけ寝たたんだよ........。

 

メリー「大丈夫?早退するって聞いたけどずっと寝てたから........」

 

蓮子「ってか体調不良が自力で帰れると思ってる?」

 

龍騎「お前俺を誰だと思ってるんだよ........。まぁ心配掛けたな、すまん」

 

メリー「もう良いって、それより身体は大丈夫?」

 

龍騎「ああ、大分楽になった」

 

蓮子「もう〜、あんまり心配掛けさせないでよ〜?」バシバシ

 

龍騎「お、おい叩くなって.................、ごほっ、ごほっ!」

 

メリー「蓮子っ!」

 

蓮子「あ、ごめん........」

 

蓮子が背中を叩くと、俺は咳をするとメリーが蓮子にキツく言ってくる。

 

龍騎「........もう良いって、熱も下がって来てるし、帰るぞ」

 

蓮子「う、うん........」

 

それから二人が持ってきた俺の鞄を持って学校を出る。それから誰一人も喋らず、気まずい空気が流れていた。そんな中、一番に口を開いたのは蓮子だった。

 

蓮子「........ねぇ」

 

龍騎「........何?」

 

蓮子「........何か隠してない?私達に」

 

龍騎「........別に隠して無いが?」

 

メリー「じゃあ昼休みにマスクに血を吐いたのはどう説明する気?」

 

そう言ってメリーが俺が使ってたマスクを取り出して見せて来ると、マスクには血が付着していた。迂闊だった......、あの時外してポケットに入れたかと思ってた........。

 

メリー「ねぇ教えて、私達には言えない事なの?」

 

龍騎「................それは」

 

蓮子「........龍騎」

 

......これは観念するしかなさそうだな。

 

龍騎「..................昨日の夜、まどかと変な空間に居たらしいな」

 

蓮子・メリー「「え?」」

 

龍騎「俺は........、それが何なのか全部知ってる」

 

蓮子・メリー「「!?」」

 

龍騎「........それでも知りたいか?お前等の事だから詮索すると思ったから言わなかった。教えても良いが、誰にも言わない事、これから言う事に関して調べない。それが守れるなら言う。どうだ?ちなみに吐血は唇を切っただけだ」

 

蓮子・メリー「「......」」

 

俺がそう言うと、二人は黙ったまま俯いてしまう。少しした後、二人は決心したのか俯いた顔を上げる。

 

蓮子「分かった......、約束する」

 

メリー「私も......」

 

それでも二人は知りたいのか、真実を教えてくれと言ってきた。言い出しっぺの俺は言わない訳にもいかないので、一旦場所を移動して説明する事にした。

 

 

 

~公園~

 

龍騎「昨日お前達が居た空間は、『魔女の結界』って言ってな、要はお前達が見た化け物を俺達は魔女と呼んでいる」

 

蓮子「魔女...?」

 

メリー「もしかして......、龍騎はその魔女って敵と戦っているの...?」

 

龍騎「まぁな......」

 

公園に着いて、近くにあったベンチに座って説明していた。俺が魔女と戦っていると伝えると、二人は顔を引き攣ったが、俺はそのまま説明する。

 

龍騎「だけど...、俺だけが戦ってる訳じゃない。俺以外にも魔女と戦っている奴等が居る.......」

 

メリー「そう言えば、龍騎だけじゃないような事言ってたね......」

 

龍騎「そいつ等なんだが......、魔法少女なんだよ.....」

 

蓮子「......は?魔法少女?」

 

メリー「どう言う事なの?」

 

此処なら普通、『漫画やアニメじゃあるまいし』と答えるのが正しいのだが、昨日の魔女に遭遇したのがきっかけなのか、そんなリアクションはしなかった。そしてそこから詳しく説明した、きゅーべーの事や魔法少女誕生の秘密等、そしてさやかが魔法少女になった事、まどかがきゅーべーに狙われている事、全てを話した。

 

蓮子「そんな事が......」

 

メリー「.......それって、とても危険な事なの?」

 

龍騎「当たり前だ、魔女に敗北する事は死を意味するんだ。ゲームでもアニメでもないんだ」

 

蓮子・メリー「「.......」」

 

俺がそう言うと、二人は黙ってしまう。そりゃそうだ、例えるなら『これはゲームであっても遊びではない』のだから......。

 

蓮子「......解決方法はあるの?」

 

龍騎「ある、ってか近いうちに終わる...、と思う」

 

()()()()()()()を倒せば全てが終わる......、それは確かなのは間違いない筈だ。ただ気になるのは俺の似たイレギュラーだ。あの時はグリーフシード目的で一般人のまどか達を救ったのかもしれないが、俺達の味方なのか敵なの分からない以上、対処する必要がある。

 

龍騎「という事だ。多分近いうちに大物の魔女がやってくる......、俺はそいつと戦う事になる」

 

蓮子「どうしても戦わなきゃいけないの......?」

 

龍騎「じゃないとこの見滝原が吹っ飛ぶぞ?」

 

メリー「そんなに危険なのと......、どうして戦えるの?」

 

メリーの言葉に俺は思った事を言った。

 

龍騎「......ある人の願いを叶える為、大切な居場所と人達を守る為だ」

 

蓮子・メリー「「え......?」」

 

龍騎「俺だって失いたくないものがあるさ、お前等二人も...、守りたいもののうちに入ってるんだよ......」

 

蓮子「それって.........」

 

龍騎「お前が思ってる通りだよ......、敢えて言わないけどな......」

 

蓮子・メリー「「......///」」

 

俺が口では言えない事を遠回しに言うと、二人は顔を赤くして黙ってしまった。多分二人思ってる事とは違うと思うが、俺にとってはかけがえないのない友人なのだ。この関係を続けたい...、だから二人を守りたいのだ。

 

龍騎「話しは以上だ......。俺は帰るぞ、何か疲れて......」

 

蓮子「待って!」

 

俺が公園の椅子から立ち上がって帰ろうとすると、蓮子い腕を掴まれた。

 

蓮子「.....えっとね、何にも知らない私が言うのも変だけどさ......、ありがとう」

 

何故かお礼を言われた...、どうしてだ?

 

蓮子「私達がこうして生きていられるのも...、殆どが龍騎が魔女と戦ってくれたからでしょ?私もまどかちゃんみたいに何にも出来ないから......、これしか言えなくて......」

 

龍騎「そんな事言うんじゃねぇよ...、寧ろ俺がお前に謝るべき。今日まで隠してたんだからな.......」

 

メリー「それでも、龍騎に助けられてるのは本当だよ?私達だけじゃない......、私たち以外の人達も助けたんでしょ?龍騎は普通にやってるけど、私達からしたらそれは普通じゃできないんだよ?」

 

龍騎「...確かに普通じゃない事をしてるのは自覚してる、だけど......」

 

メリー「龍騎......、私ね、貴方と出会えて良かった......。勿論蓮子もだけど、今でもそう持ってる......。四月にこの見滝原にやって来て、日本語もあんまり話せなかった私に声を掛けて来てくれたのが貴方達だった......」

 

......そういえば、いきなり転校生がやって来ては外国人で、めっちゃ美人だったって騒いでいたが、当時、日本語があまり話せなかったメリーにクラスのメンバーは声を掛けずらかった時に、真っ先に現れたのが蓮子だった。そして俺も(半ば強引だが)やって来てはメリーに日本語を教えていた。

 

龍騎「懐かしいな......、そんな事もあったな......」

 

メリー「私は本当に貴方と出会えて良かった.......、多分言葉では足りないかもしれないけど、これだけは言わせて......、ありがとう、龍騎......」

 

蓮子「メ、メリー...?私も言いたかったのに全部言わないでくれる?」

 

龍騎「......ふっ、ありがとな」

 

メリーの言葉を聞いて、俺は小さい声で感謝の言葉を言った。何か...、照れくさかったから.......。

 

龍騎「......帰るか」

 

蓮子「そうだね」

 

メリー「うん」

 

それから俺達はそれぞれ帰路についた。決戦まで時間がないのは多分間違いない......、いつもの事だけど...、負けるつもりはない......。

 

 

 

 

ワルプルギスの夜との決戦まで...、あと三日




どうもです、餡 子太郎です。

ついに終わりが見えてきました。マギレコ編書くかは検討中なので何とも言えませんが取り合えず本編を完結してからですね。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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僕と一つになってよ

「やぁ!来てくれてありがとう!今回は結構長いよ!あと三話ぐらいで終わるかな?マギレコ編は検討中だからもう少しだけ待っててね!それじゃあ早速行ってみよう!」

「僕と契約して、ワルプルギスの夜になってよ!」

龍騎「それは洒落にならねぇぞ!?」


 

〜ほむホーム〜

 

龍騎「........」

 

さやか「........」

 

マミ「........」

 

杏子「........」

 

ほむら「........今日集まって貰ったのは他では無いわ。ワルプルギスの夜についてよ」

 

俺達はほむらに呼び出され、部屋の中心にはほむらが椅子に座ってワルプルギスは夜についての会議が行われようとしていた。突然朝から連絡が来たのでめちゃくちゃビビったじゃねぇか........。

 

龍騎「........目星はついてるのか?」

 

ほむら「ざっとの計算だと、あと二日にやって来るわ」

 

さやか「........そのワルプルギスの夜って、そんなに強いの?」

 

マミ「まぁ、最強の魔女と呼ばれるぐらいだもの。一筋縄ではいなかいでしょうね........」

 

杏子「........あんたも参加するのか?」

 

龍騎「当たり前だ、此処まで来た以上、後戻りは出来ない」

 

ほむら「その言葉を聞いて安心したわ、貴方が居てくれると此方も助かるの」

 

龍騎「少しは見直したか?」

 

ほむら「十二分に」

 

ほむらからお褒めの言葉を貰った後、ほむらは説明を続ける。

 

ほむら「ワルブルギスの夜が出現したら、まず私が通常兵器によるありったけの火力で攻撃するわ」

 

杏子「ならあたしとさやかで近接攻撃、マミが中距離攻撃、そんで大将がラストって所か?」

 

マミ「でも、使い魔の事もある訳だし、上手くいくかどうか........」

 

マミの言う通り、今まで魔女が使い魔を召喚して無いって事は殆ど無い。つまりあのワルプルも使い魔を出してくるだろう........。

 

龍騎「........なぁ、ワルプルと戦ってる時にどんな戦い方をしたんだ?」

 

ほむら「というと?」

 

龍騎「お前の作戦だと、外から攻撃しまくってる気がするんだけどさ........、中から攻撃した事は無いのか?」

 

マミ「それって........、ワルプルギスの夜の内部に侵入して攻撃するって事ですか?」

 

龍騎「ああ、ほむらの武器は主に銃火器だ。当然、爆弾の使い方も分かってる筈だから容易いだろうな........、やった事無いだろ?」

 

ほむら「........えぇ、ずっと一人で戦って来たから。そんな事出来る訳無いわ」

 

それはそうだ、たった一人でワルプルの内部に侵入して爆弾を取り付けるなんて無謀過ぎる........。なので俺はある作戦を考案した。

 

龍騎「俺が使い魔全てを相手する、その隙にさやか、マミ、佐倉はほむらがワルプルの内部に侵入する為の道を作れ。そしてほむらはワルプルの内部に侵入してありったけの爆弾を取り付けて爆破させろ」

 

「「「「!?」」」」

 

杏子「ちょっと待てよ!?あたし達は構わないけど、あんた一人で使い魔を相手するのか!?」

 

マミ「流石に無茶ですよ龍騎さん!なら私がお手伝いに........」

 

俺の考案した作戦に、反論するマミと佐倉。

 

龍騎「心配しなさんなって、相手は数の多いへっぽこの使い魔だ。それに第一目標はワルプルギスの討伐だ、ほむらかワルプルの内部に侵入して爆弾で爆発させりゃ方が着くさ」

 

さやか「でもお兄さん一人で相手するのは流石に........」

 

杏子「数の暴力じゃねぇか........」

 

龍騎「ならほむら、お前の意見は?」

 

ほむら「........特に無いわ」

 

マミ「暁美さん........!」

 

ほむらの意見に気に入らなかったのか、マミは席から立ち上がるとさやかが抑えに入る。

 

ほむら「彼の言う通り、私達の目的はワルプルギスの夜を倒す事よ」

 

龍騎「それまで俺が使い魔を相手してる間にほむらがワルプルギスに取り付いて内部から爆破させれば、流石のワルプルギスもダメージを与えられる........、筈だ」

 

マミ「だからって、龍騎さん一人で使い魔を相手するのは........」

 

龍騎「大丈夫、俺を信じろ.......。『俺は死なない、生きて帰る』って約束してやる」

 

マミ「................」

 

俺の言葉を聞いてマミはゆっくりと椅子に座る。そして俺は一度咳払いをして、もう一度確認をする事にする。

 

龍騎「なら、作戦はさっき言った通り........、俺が使い魔を相手してる間にお前等四人はワルプルギスに接近、ほむらが親玉に取り付くまで護衛し、ほむらが内部に侵入したらひたすらワルプルギスに攻撃。その間、ほむらはありったけの爆弾を設置して離脱、そして爆発させろ。仮にまだ生きてたとしても消滅するまでひたすら攻撃に集中、それで良いな?」

 

ほむら「それで良いわ」

 

さやか「........まぁ、それが一番のベスト.....、なのかな?」

 

杏子「........それで良いよあたしは」

 

マミ「........分かったわ」

 

渋々だが、ほむらを除いた三人は了承すると、俺はよしっ、と心の中で言うと、勢い良く立ち上がって玄関に向かう。

 

龍騎「さて、悪いけど俺は失礼するぞ」

 

ほむら「そう、........なら二日後に」

 

龍騎「ああ........」

 

そう言って俺はほむホームを出ると、都合良く咳が出る。口を押さえた手を見ると、赤い液体が付着していた。

 

龍騎「........もう少しだけ、保ってくれよ」

 

身体が限界が近づいて来てるのはもう分かってる........、あとちょっとだけ堪えてくれよ........、そう呟きながら歩く。そしてふと、ポケットからカードデッキを取り出してじっと見つめる。

 

龍騎「........あと一回だけ、待ってくれよ」

 

そう言ってカードデッキをポケットに入れて歩き始める........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく見つけたよ........」

 

龍騎「!?」

 

突然の声に振り返ると、其処には........。

 

「この様子だと後一回の変身で君は命を絶ってしまうのでは無いのかい?」

 

龍騎「お前........、誰だ........?」

 

「僕は........、君だよ........」

 

其処には、()()()()()()が居た........。

 

 

 

 

 

 

龍騎?「止めてよね?君が此処で死んだら僕が此処に居る意味が無くなるじゃないか」

 

龍騎「........何者だ、お前」

 

龍騎?「さっきも言ったじゃないか、僕は君だよ........。鹿目龍騎、いや........、霧影龍騎」

 

龍騎「!?」

 

突如と現れたもう一人の龍騎が龍騎の正体を明かすと、目を大きく見開く。そして龍騎?はゆっくりと歩み寄る。

 

龍騎「........何でお前がそんな事を」

 

龍騎?「そんなの嫌でも分かるよ........、僕はある日、君に追い出されたんだから」

 

龍騎「追い出された........?」

 

龍騎?「そう、僕は追い出されたんだ........!君の持つ神の力でね」

 

龍騎「!?俺はあの戦争から戦えなくなったんだぞ!?そんな力がある訳が........」

 

龍騎?「現に僕は追い出されたんだ!これは紛れもない事実だ!その所為で僕はどんなに辛い思いをして来たか........。僕がこうして居られるのはこれのお陰さ」

 

龍騎「................」

 

もう一人は掌からある物を見せて来た。それは一つのグリーフシードだった。

 

龍騎「........お前は一体」

 

龍騎?「僕は魔女となったのさ........、君が僕の魂を追い出して、近くに居た魔女に捕食された........。そしたら驚いた事にその魔女と一体化したんだよ........、偶然にも元の姿の状態でね」

 

まさかの事実に龍騎は口を閉じてしまう。

 

龍騎?「ねぇ........、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕と一つになってよ」

 

もう一人の龍騎が謎の言葉を言うと、龍騎の肩を掴む。龍騎は肩を掴まれると震えるように身体が反応する。

 

龍騎「何を言って........」

 

龍騎?「僕と君は一つの存在、二つの心が一つになれば、最強の戦士になれる。それにまどか達も助けられる、ほむらと言う女の子も救われる。あのワルプルギスの夜なんて楽勝さ........、君だって死にたくないだろ?僕と一つになるんだ........」

 

龍騎「................」

 

龍騎?「大丈夫、何も心配する事なんてない........。君だって戦いを望まないのは前世から変わってないだろ?なら僕に任せるんだ........。僕が君の代わりになってあげる」

 

龍騎「................ふざけんな」

 

そう言って龍騎は掴まれた肩を振り解く。

 

龍騎?「!?」

 

龍騎「見え見えなんだよ........、お前から隠し切れてない『欲望』がな」

 

そう、龍騎?からは『早く元の身体を取り戻したい』という欲望が龍騎にはそう感じられていた。それと何故か焦ってる感じもするが........。

 

龍騎?「........何を言って」

 

龍騎「聞こえなかったのか?お前から隠し切れてない『欲望』を感じるんだよ、一刻も早く元の身体を取り戻したい、ってな........。お前、もしかしてその姿でいられる時間が限られてるんじゃないのか?ワルプルギスを倒してからでも良いのに、よりによってワルプルギスとの戦いの前に現れた........、お前はあんまり時間が無いってか?」

 

龍騎?「................」

 

龍騎「................」

 

龍騎の回答にもう一人の龍騎は黙ってしまった。恐らく図星なのだろう........、そんな事を思ってると........。

 

龍騎?「........フ、フフ................」

 

小さな笑い声が聞こえた........。

 

龍騎?「........君は本当に勘が鋭いね、どうして分かったのかな?」

 

龍騎「やっぱりか........、伊達に前世で百年も生きてねぇよ、とだけ言っておく」

 

龍騎?「フフ、そうか................、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

益々憎たらしいよ」

 

龍騎「!?」

 

そう言ってもう一人の龍騎は、龍騎の首を片手で掴んで徐々に首を絞めていく。

 

龍騎「がはっ........」

 

龍騎?「苦しいかい?でも僕はそれ以上の苦痛を味わって来たんだ」

 

龍騎「........知るかよ」

 

龍騎?「まだ大丈夫そうだね、ならもっと絞めても良いよね?」

 

そう言って更に首を絞める力を増していく龍騎?に、龍騎は首を絞められてる手を解こうとするが、全く解く事が出来ない。

 

龍騎(やばい........、死ぬ........)

 

力が入らず、意識が遠のいていく龍騎........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにゃろぉ!!」

 

龍騎?「なっ!?」

 

謎の人物の介入により、龍騎?は突き飛ばされ、龍騎は絞首の辛さから解放された。

 

龍騎「ごほっ、ごほっ........。一体誰が........」

 

?「龍騎!大丈夫!?」

 

龍騎?「........お前は」

 

?「さぁ偽物!私の友達に随分と痛めつけたそうじゃない?この蓮子お姉さんが相手になるわよ!」

 

龍騎「蓮子........?メリー........?」

 

龍騎の前には腕を組んでる蓮子と、隣には龍騎を支えてるメリーの姿だった。

 

龍騎?「........仕方ない」

 

そう言って龍騎?はパチンと指で鳴らすと、一瞬にして景色が歪み始める。

 

メリー「これ........、この前の........」

 

蓮子「じゃああんたが魔女って訳ね........、ほんと龍騎にそっくりね」

 

龍騎?「そっくりじゃない........、その身体は僕のものだ。君が理不尽な転生した所為で、こういう形になったのは君が原因だよ」

 

龍騎「........俺だって好きで転生やら憑依やらしたんじゃねぇんだよ」

 

蓮子「ど、どう言う事?」

 

メリー「........まさか、貴方は................」

 

龍騎?「こうなったら仕方ない、君を此処で倒して無理矢理でも取り返す」

 

そう言って龍騎?は先程のグリーフシードを取り出すと、突然と形を変えて黒色の四角い箱状となった。

 

龍騎「それは........!」

 

龍騎?「そう、君が持ってる物と同じやつさ。君を倒せは僕は心の中の幻では無い........!」

 

突如と圧倒的な威圧感と殺気が放たれ、龍騎は思わず後ろへ下がりそうになってしまう。本当にもう一人の自分なのだろう........。なのに感じる恐怖は確かなものだった。龍騎は今、もう一人の自分に気圧されている。

 

龍騎?「一人の男して........、最強の戦士として......!」

 

龍騎「っ!」

 

そう言って龍騎?はカードデッキをゆっくりと胸の前まで上げて、腰にベルトを装着すると、上げた腕をゆっくりと下ろしていき、

 

龍騎?「変身」

 

そしてベルトにカードデッキを挿入すると、黒い鏡像が収束して黒と銀色の二色の巫女服に装着した。

 

龍騎「!?」

 

蓮子「あれは........!」

 

メリー「嘘........」

 

龍騎?「その前に君達は邪魔だ、御退場願おうか」

 

そう言って龍騎?は蓮子とメリーの懐まで接近し、二人を突き飛ばした。

 

蓮子「うわっ!?」

 

メリー「きぁ!?」

 

龍騎「っ!」

 

龍騎?「心配しなくても、この結界の外へ出しただけだよ。これで遠慮無く........、君と戦える........。そして、君に勝てば........、あの二人も()()()()になる........」

 

龍騎「................」

 

龍騎?の言葉に龍騎はゆっくりとポケットからカードデッキを取り出す。そして、怒りに満ちた瞳で龍騎?を睨みつける。

 

龍騎「..........上等だクソッタレ、お前も俺から大切なもん奪うってなら........、お前を殺す」

 

そして左手に持ったカードデッキをゆっくりと胸の前まで上げて、カードデッキに魔力を流し込むと、腰にベルトが巻かれてカードデッキを左手で腰のベルトのすぐ横当たりまで落とし、右手を左斜め上へ伸ばす。

 

 

龍騎「変身!」

 

 

ベルトにカードデッキを差し込むと、龍の形をした炎の竜巻が俺の周りを旋回するように覆い、炎が消えるといつもの戦闘服へと変身する。

 

龍騎「本当にお前が転生前の俺だって言うなら........、過去の自分を超えるだけだ!」

 

龍騎?「なら僕は、君を倒して元の身体を取り戻し、最強の戦士となる!」

 

龍騎「................」

 

龍騎?「................」

 

お互いの望みを伝えると、二人はカードデッキから一枚のカードを引き抜き、そして左腕にあるカードを装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

空から一本の青龍刀が落ちくると、両者は青龍刀をキャッチし、手に持って静かに強く握り締め........、

 

「「うおおおおおおおおおおおお!!」」

 

お互いに叫びながら走り始める。

 

龍騎?「はあぁ!」

 

先に青龍刀を振り下ろしたのは龍騎?だった。龍騎は態勢を低くして攻撃を回避すると、龍騎?に斬りつける。しかし、龍騎?は青龍刀を盾にして攻撃を防ぎ、鍔迫り合いが始まる。

 

龍騎「俺の身体を手に入れてどうする!?」

 

龍騎?「今まで出来なかった事をする!学校に行ったり、まどか達と会話したりする為に!」

 

龍騎「だからって、俺の身体に執着してんじゃねぇ!」

 

龍騎?「本来の身体を奪われた事が無い君には分からない筈さ!」

 

そう言って龍騎?は青龍刀で弾くと、龍騎の腹部に蹴りをかます。龍騎はよろめくが、直ぐに青龍刀で斬りかかる。

 

龍騎?「君だって嫌だろ!?元々自分の身体を他人に使われて、良い気分にはならないだろ!?」

 

龍騎「こちとら二重人格が出来たりコピーやらされたからな!感覚が麻痺して分かんねぇよ!」

 

龍騎が龍騎?の足を引っ掛けて態勢を崩すと、左足による払い蹴りを繰り出す。直撃を食らった龍騎?は吹き飛ばれ、一回、二回と地面にバウンドすると、青龍刀を地面に突き刺してブレーキとして勢いを殺していく。

 

龍騎?「流石だね........、これ程とは........」

 

龍騎「それはどうも........、ごほっ、ごほっ........」

 

龍騎?「........それじゃあ、第二ラウンドと行こうか」

 

そう言って、龍騎?は青龍刀を構えると、龍騎も青龍刀を左胸まで持っていく........。そして、お互いが足を同時に走り出すと、龍騎?は高く飛び跳ねて斬りかかると、龍騎はサイドステップで攻撃を避ける。そして、龍騎は青龍刀で突き刺そうとするが、龍騎?が突き刺そうとしていた青龍刀を弾き、遠くへ吹き飛ばす。

 

龍騎「っ!」

 

龍騎?「貰った!」

 

龍騎「........なんとぉ!!」

 

青龍刀を吹き飛ばした龍騎?は龍騎の首を目掛けて青龍刀を振るが、龍騎が両手で振り下ろさせれた青龍刀を受け止める。

 

龍騎?「白刃取り!?」

 

龍騎「オラァ!!」

 

龍騎は白刃取りした青龍刀を受け止めた両手でへし折って、そのまま龍騎?の首に目掛けてチョップする。

 

龍騎?「がはっ........」

 

龍騎「っ........、ごほっ、ごほっ........!」

 

龍騎?はチョップされた影響で再び吹き飛ばされるが、龍騎も咳により膝を着いてしまう。口を押さえたまま龍騎?の方へ向くと、龍騎はうつ伏せのまま動かなくなった。

 

龍騎「........倒した、って訳じゃ無さそうだな........」

 

龍騎?「................そうさ」

 

龍騎?はうつ伏せのまま、カードデッキから一枚のカードを引き抜いていた。そのカードを右手に持ち替えて、身体を起こすと左手にある召喚機でカードをセットする。

 

龍騎?「此処からが本番さ........」

 

 

【AD VENT】

 

 

そしてカードをセットした召喚機を元に戻すと、召喚機から低い音声が流れると、地面から黒い空間が出現し、中から黒色の龍が姿を見せる。

 

龍騎「ちっ!」

 

「ガアァァァァァァァァ!!」

 

龍騎?「さぁ、決着を付けようか」

 

そう言ってゆっくりを歩き始める龍騎?と黒き龍........。

 

ガアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!

 

龍騎「っ!」

 

すると、また別の鳴き声が響き渡る。龍騎は空を見上げると、其処にはいつも魔女討伐に同行していた相棒の赤き龍だった。

 

龍騎?「へぇ........、意外の懐かれてるんだね。でも良いや、此処で君を倒す」

 

龍騎「................」

 

お互いファイテングポーズを取ると、赤と黒の龍が口から炎の弾丸を放ち、放たれた炎の弾丸がぶつかると同時に二人の戦士は走り出す。

 

龍騎「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

龍騎?「うおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

二人は本能のまま、溢れる敵意をむき出しにして殴り合う。過去の自分に打ち勝つ為に、本来の身体を取り戻す為に。

 

龍騎「ふっ!でやぁ!!」

 

龍騎?「ぜやぁ!はあぁ!!」

 

殴る、蹴る、頭突き、ひたすら両者は拳を振っていた。カードデッキのカードに頼らず、魔法にも頼らず、回避はしない、後退もしない。ただ相手を打ちのめす事だけを考え、ただ相手を倒す事だけを頭の中に入れる。視界が揺れようが、脳が震えようが関係ない........。殴り、殴られ、殴り返す。小細工無しの二人だけの決闘が繰り広げていた。

 

龍騎「俺は........!俺は絶対に死なない!」

 

龍騎?「いや、君は僕が倒すんだ!今日、此処で!」

 

二人の拳はお互いの頬をぶつかると、龍騎は地面に転がって行き、龍騎?は尻餅を着いた。

 

龍騎「..............................」

 

龍騎?「................................」

 

龍騎はゆっくりと立ち上がり、カードデッキから一枚のカードを取り出すと、龍騎?も同じようにカードデッキから一枚のカードを引き抜く。そしてお互いの召喚機にカードを装填して、元の戻す。

 

 

【FINAL VENT】 【FINAL VENT】

 

 

音声と共に上空から二匹の龍が飛来する。互いにぶつかり合い火花を散らす二匹の龍は途中で分かれると、それぞれの主人の所へ辿り着く。

 

龍騎「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!ハァァアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

 

両手を前に突き出して、声が枯れる程、喉が潰れる程に、強く強く龍騎は叫ぶ。龍騎は下を向いて、手を普段よりも激しく、強く、旋回させる。腰を落として、曲げた手を前に出し、もう一方の手は肩の上に持っていく。

 

龍騎?「フッ! ハァァァァァ......!!」

 

一方龍騎?は、一度構えを取った後、両手をゆったりと広げて意識を集中させる。すると彼の体がゆっくりと浮遊していき、その周りを激しく黒き龍が旋回する。黒き龍は赤い瞳を、赤き龍は黄色い瞳を光らせて威嚇するように口を開く。奇しくもそれが、合図となる。

 

龍騎「ダアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

龍騎?「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

龍騎は走り出すと、直ぐ様地面を蹴り、赤き龍と共に上空へ舞い上がり、左足を曲げて、右足を突き出し、赤い爆炎を纏い。龍騎?も左足を前に突き出し、黒い業火を纏う。そして......、二つの炎がぶつかり合い、結界内では大爆発が起こった........。

 

 

 

ドカーーーン!!

 

蓮子「きゃ!?」

 

メリー「何!?」

 

龍騎?により、結界の外へと追い出された蓮子とメリーは結界の側に居たのだが、謎の爆発により吹き飛ばされそうになるが、飛ばされないように身体を踏ん張る。

 

蓮子「........何なの、今の........?」

 

メリー「中で何かあったんじゃ................」

 

二人が疑問に思ってると、目の前にある魔女の結界が徐々に薄れ始める。

 

蓮子「あ、結界が........」

 

メリー「まさか........、龍騎........」

 

メリーが心配する中、遂に魔女の結界が消滅すると、奥には一人の人物が倒れていた。

 

蓮子「龍騎!?」

 

メリー「それとも........、もう一人の........」

 

蓮子とメリーは一度顔を見合わせると、やがてゆっくりと近づいて行き、近くまで寄って来ると、龍騎の側には四角い箱のような物が裏向きに落ちていた。蓮子は恐る恐る四角い箱を拾い、表向きにすると........、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

其処には、黄色い龍の紋章が刻まれていた。

 

?「ん?どうした?こんな所で........、って龍騎!?」

 

蓮子・メリー「「え?」」

 

すると突然と女性の声が聞こえると、その女性が龍騎だと分かると二人は声を上げてしまう。

 

?「........どう言う事だい?まさかあんた等がやった訳じゃ無いよな?」

 

蓮子「ち、違うんです!これはその........」

 

メリー「わ、私達は彼のクラスメイトでして!その........、私達がナンパに遭ってる所を助けてくれたんですけど........。彼、そのナンパして来た男の人に殴られて........」

 

?「........確かに殴られた形跡はあるみたいだけど........、その手に持ってる箱は何だい?」

 

メリー「え、えぇとその........、彼の物でして........」

 

?「................確か、龍騎のクラスメイトって言ったっけ?名前は?」

 

蓮子「う、宇佐見蓮子です........」

 

メリー「マエリベリー・ハーンです........」

 

?「........そうか、この二人がね........。着いて来な、龍騎を運ぶついでに事情を話して貰うよ」

 

何かを確信したのか、女性はニヤリと笑うと倒れてる龍騎の肩を持ち始める。

 

蓮子「と、所で貴女は........?」

 

蓮子が気になっていた彼女について話すと、彼女は........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詢子「鹿目詢子、この鹿目龍騎の母親さ」

 

龍騎の母である鹿目詢子だった........。

 

 

 

ワルプルギスの夜との決戦まで...、あと二日




どうもです。餡 子太郎です。

いかがでしたか?

リュウガポジションとして、転生前?の龍騎くんを出してみました。

もっと映画版の龍騎のリュウガ戦みたいにしたかったのですが、自分の語彙力だとこれが限界です。

遂に終わりが見えて来ました........。

マギレコの漫画六巻買いました。でも正直言って、完結出来るか分からないんですよ........。内容が完結してるのか分からんし、ゲームやった事無いですし、今更やるとなると時間が掛かるし.......。どないしましょ........。

まぁマギレコ編に関しては追々考える事にします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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大馬鹿野郎

「........あ、どうも。鹿目龍騎です。今回は最終話目前なので、今回は俺がやらせて貰います。マギレコ編についてですがは.......、今のところ書く予定だとの事です」

作者「もしかしたらマギレコ(ゲーム)やるかもしれないです。まぁ大半は漫画に沿って書くつもりですけど」

龍騎「って事で、それでは本編に移ります」

作者「誰かー!マギレコについて教えてくれー!」

龍騎「いや分からないなら動画見ろよ(無慈悲)」


 

〜鹿目家・龍騎の部屋〜

 

龍騎「................ん」

 

気がつくと目の前には見覚えのある天井だった。確か........、俺は転生?前の自分に会って........。

 

龍騎「っ!?」

 

勢い良く起き上がると、俺は今自分の部屋に居る事が分かった。時計を見ると朝の八時が過ぎており、天気も太陽が出ておらず、今にも雨が降りそうな天気だった。ってかどんだけ寝てたんだよ........。

 

コンコン

 

龍騎「?」

 

突然、ノック音が聞こえると俺の返事を聞かずに扉が開かれた。

 

詢子「................」

 

龍騎「........母さん?」

 

扉を開けたのはオカンだった。そしてオカンは扉の前で動かないまま、ツラを貸しな、と言いたいのか顎で指示を出す。そのままオカンは扉を開けたままリビングへ向かうと、俺も後に続く。

 

 

 

〜リビング〜

 

知久「龍騎!大丈夫かい!?」

 

リビングへ向かうと、台所に居た親父が俺の顔を見て慌てた様子で駆け寄って来る。

 

龍騎「あぁ........、もう大丈夫」

 

知久「心配したんだよ?帰って来たら打撲の跡があったから救急車呼ぼうかと........」

 

龍騎「........心配掛けた、ごめん」

 

親父に一言謝ると、ホッと一息吐くと再び台所に戻る。そしてテーブルにはオカンがゲ◯ド◯ポーズをしながら待っていた。俺はテーブルに向かい、椅子に座るとオカンに気になった事を聞いてみた。

 

龍騎「........まどかとタツヤは?」

 

詢子「まどかは出掛けてる、タツヤは部屋で寝てるよ」

 

龍騎「そうか........」

 

知久「はい、あったかいコーヒー」

 

詢子「悪いね........」

 

龍騎「サンキュー」

 

親父がコーヒーを三つ置くと、オカンの隣に座る。........何これ?面接練習?

 

詢子「........龍騎、何で道のど真ん中で倒れてたんだ?」

 

龍騎「........っ」

 

オカンは一口コーヒーを口に入れると、俺にそう問い掛けて来た。これ圧迫面接ってレベルじゃねぇぞ........。

 

龍騎「........蓮子とメリーが変な奴に絡まれて、割って入ったら殴られた」

 

詢子「ダウト」

 

俺が嘘の事を言うと、オカンはダウトと言い、テーブルの上にある物を置いた。それは紛れも無く、俺のカードデッキだった。更にはグリーフシードのおまけ付きである。

 

詢子「こんなのがあんたの側にあったんだけど、ナンパ事じゃ無いでしょ?」

 

龍騎「........何でそう思う訳?」

 

詢子「あんたのお友達もそんな事言っててさ、どうもあんたを庇ってる感じがしたのさ」

 

龍騎「........根拠は?」

 

詢子「女の勘」

 

........それって本当に便利な言葉だよな。でもいつか言わないといけなかった訳だし、良い機会もしれない。そう思った俺は軽く溜め息を吐くと、コーヒーを一口飲み、テーブルの上にカップを置くと、いつもより真剣な目で二人を見つめる。

 

龍騎「今から話す事はとても奇妙で、現実では信じられない事だ。それでも聞きたい?」

 

詢子「その為にあんたを下まで来させたのさ」

 

龍騎「........その前にさ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人はさ........、輪廻転生って言葉は信じるタイプ?」

 

 

 

 

〜カフェ〜

 

蓮子「................龍騎が」

 

メリー「転生者........?」

 

まどか「........はい」

 

一方その頃、まどかは蓮子とメリーに呼び出されて、駅近くのカフェとやって来ていた。そして二人と合流すると、蓮子から魔女について、龍騎の『俺だって好きで転生やら憑依やらしたんじゃねぇんだよ』と言っていた事についてまどかに質問すると、まどかは流石にこれ以上は隠しきれないと判断したのか、全て打ち明けている最中だった。

 

蓮子「じゃあ、昨日言ってたのって........」

 

メリー「本当みたいね........、でもどうして?」

 

まどか「お兄ちゃん......、多分私達に心配掛けさせたく無かったんだと思います。私も前まではお兄ちゃんが転生者だって分からなかったので..........」

 

蓮子「........確かに、龍騎ならやりかねないね」

 

メリー「そうね........、誰一人正義感が強いから........」

 

まどか「................」

 

蓮子「........で?龍騎ってさ、前世ではどんなのだったの?」

 

まどか「えっと........、鬼神龍と言って................」

 

 

 

 

〜鹿目家・リビング〜

 

知久「戦いに優れたどの世界も存在しない神の一族........」

 

詢子「おまけに次の王様になるなんてね........、世の中何が起こるか分かったもんじゃ無いな」

 

龍騎「........とまぁそんな感じ」

 

ある程度説明し終えると、俺は残っていたコーヒーを飲み干す。オカンと親父は未だに信じられない表情だが........。

 

知久「じゃあ、最近帰りが遅くなったりしてるのは........」

 

龍騎「そう言う事、これも前世の影響かもしれないけど........」

 

詢子「........何で直ぐに言わなかった?」

 

オカンが少し顔を険しくなって言ってきた。これは怒ってるな........、無理も無いか。

 

龍騎「逆に聞くけどそんな直ぐに受け入れられる?自分いつの間にかこの家の長男になりました、って。前世では神様やってました、って」

 

詢子「それは........」

 

龍騎「直ぐには受け入れられないだろ?それに俺は別に隠してた訳じゃ無い。本当に鹿目龍騎として生きていきたかったんだ........。こんな体験、した事が無かったから........」

 

知久「........そっか、龍騎のご両親は........」

 

詢子「........ひとまずそれは置いといて、その........、ワルプルギスの夜?だっけ?そいつと戦うのか?」

 

龍騎「じゃなきゃ誰がやるんだよ」

 

詢子「お前一人で戦う訳じゃ無いだろうね?」

 

龍騎「そんなの負け戦じゃないか........、心配しなくても一人じゃないよ。心強い仲間が居る」

 

詢子「なら私も連れて行け」

 

龍騎「........は?」

 

オカンがとんでもない事を言い出してアホみたいな声が出た。隣に居る親父も口を開いたまま固まってしまっている。

 

龍騎「........いやいやダメだって、ってか魔女は基本一般の人には見えないんだぞ?」

 

詢子「見えなかろうが関係ない。魔女だか何だか知らないけど、大切な子供に危害を加えようとしてる奴に一発ぶん殴らないと気が済まない」

 

龍騎「それが無理なんだって、それなら俺が代わりにぶん殴るって........」

 

詢子「そう言って自分が犠牲になれば解決するってかい?昔から何一つ変わってないな」

 

転生?前の俺ェ........、お前も大概じゃねぇか........。.

 

龍騎「.......俺は変わんないよ、今でも昔でもね。変わるつもりはない」

 

知久「........どうして其処までするんだい?」

 

龍騎「........」

 

親父に理由を聞かれると、黙ってしまう。まどかを契約させない為とか、ワルプルギスの夜を倒すってのは目標であって、明確な理由にはならない........。そういや、俺ってどうしてそんなに自己犠牲が出来るんだ?前世では正義のヒーローに憧れていたものの、今はそんな気持ちは持ってないし........。結局、この答えしか思いつかなかった。

 

龍騎「......自己満足」

 

詢子「........は?」

 

龍騎「己の欲を満たす為に動いている、それしか理由がない」

 

詢子「........舐めてんのか?お前は」

 

龍騎「前世から何一つも変わってないよ、俺は........。この生き方しか分かんないんだよ」

 

詢子「っ!」

 

知久「詢子さんっ!落ち着いて!」

 

俺の答えに気に入らなかったのか、オカンは俺の胸倉を掴むと親父が落ち着かせようとする。まぁ気に入らないのは言った俺でも分かる........。

 

詢子「お前........、自分を何だと思ってるんだ」

 

龍騎「........さぁな。元神様なのか、過去の記憶が無い一般家庭の息子なのか........、分かんないや」

 

知久「でも、君が言ってるのは自分を傷ついて当然って事に........」

 

龍騎「そんなもん昔からだって。それに........、命なんて安い物だ、特に俺のはな」

 

知久「っ!」

 

詢子「........っ」

 

龍騎「俺は他人の為なら命なんて欲しくはない、例え百人のうち一人が犠牲になれば世界が救われるなら、俺がその一人になってやるよ」

 

ドカッ!

 

知久「詢子さん!!」

 

龍騎「................」

 

........今、何が起こったかと言うと、殴られた。

ビンタでは無く、グーパンで。そしてオカン再び俺の胸倉を掴む。

 

詢子「この馬鹿野郎!!命は何にだって一つだ!例え転生しようが憑依しようが、その命は龍騎、お前自身だ!昔のお前じゃない!」

 

龍騎「........」

 

詢子「お前はさっき鹿目龍騎として生きたいって言ってたな!?だったら生きろ!他人の為にやるなら文句は言わない、でも自分を粗末にするな!!」

 

龍騎「................」ポロポロ

 

詢子「!?」

 

知久「龍騎........!?」

 

........何故か、涙が出てきた。

 

龍騎「........俺は、これの望んでいたのかも知れない」ポロポロ

 

知久「え........?」

 

龍騎「俺は........、『本物の家族』が欲しかったんだ」ポロポロ

 

詢子「本物の........、家族........」

 

龍騎「今みたいに........、こうやって話ししたり、怒られたり、育てられたかったんだ........。今まで面倒を見られる立場では無く、面倒を見る立場だったから........。俺は、これを望んでいたんだ........」ポロポロ

 

知久「龍騎........」

 

兎に角俺は涙が収まらなかった........。実の父には殺され掛けて、実の母は俺の幸せの願って死んだ........。今まで両親からの愛を感じた事無いのに........、こうして俺を大切にしてくれるなんて........。

 

龍騎「分かんなねぇよ........。こんな気持ち、初めてで........。親なんて、居なかったから........」ポロポロ

 

詢子「龍騎........」

 

初めて感じた思いを涙を流した。そしてオカンが優しく抱きしめてくる。

 

詢子「馬鹿だろ........、自分一人で抱え込むんだったら相談しろ。家族だろ?私達........」

 

知久「そうだね........、ずっと遠慮してたから心配してたんだ。でも、自分の子供を危険な目に遭わせたくないってのが親だから...。そこは知っておいて欲しい」

 

龍騎「ごめん........。母さん........、父さん........」

 

それから俺はオカンに抱きしめてられながら泣きまくっていた。この感じた事の無い温もりが、とても心地良かった........。気がついたら俺は眠りについていた。

 

 

 

〜数時間後・夜中〜

 

龍騎「........やっべ、寝過ぎた」

 

気が向いたら俺は自分の部屋で寝ていた。恐らく親父が運んで貰ったんだろう........、高校生になって運んで貰うなんてクッソ恥ずかしい........。そんな事を思ってると口には何か垂れてる感じがあったので、手で拭いてみると液体らしきものが付いていた。

 

龍騎「今時涎垂らしながら寝るって、どんだけ疲れてんだよ........」

 

すると、部屋のドアからノック音が聞こえて来た。俺が許可を出すと、寝巻き姿のまどかがやって来た。

 

まどか「ちょっと良いかな........」

 

龍騎「どうした?こんな時間に」

 

まどか「........今日、蓮子さん達に呼び出されてね」

 

まどかが言い辛そうな表情を見せると、俺は何となく察せた。多分昨日の事だろうな........。

 

龍騎「別に良いよ、気にしなくて。いずれか言おうとしてたし、俺から言うのが省けたからな。だからまどかも気にしなくて良いぞ」

 

まどか「........うん」

 

そう言って俺の隣に座ってくるまどか。

 

まどか「今日、一緒に寝て良いかな........?」

 

龍騎「........はい?」

 

何故か添い寝のお誘いが来たんだが........、いや今日に限ってどうした?

 

まどか「........ごめん、今のは忘れて」

 

そう言ってまどか立ち上がって部屋から去ろうとする........。いや待って待って待って!?俺何かした!?

 

龍騎「ストップ、ストーーープ!!別に駄目だ、何て言ってないだろ?ほら、こっちおいで?」

 

何が何だか分からなくなった俺は、取り敢えずまどかに戻って来いと言うと、まどかは回れ右して戻ってきた。本当にどうしたまどか?変な物でも食べたか?それから俺とまどかはベットの中へ入ると、がっつり抱き枕みたいに抱きついてきました........。俺何か悪い事した?

 

龍騎「どうしたんだよ?今日に限って一緒に寝ようだなんて、珍しいじゃん」

 

まどか「........だって、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一緒に寝られる日が、これで最後になるかもしれないから........」

 

龍騎「っ!」

 

まどかが珍しく甘えてきた理由、それはワルプルギスとの戦いで俺が死ぬんじゃないかと思ったから最後の最後に甘えておこう、と........。

 

龍騎「........馬鹿だなぁ、俺は死なない。さやかも、マミも、佐倉も、ほむらも死なせない。大丈夫だから、な?」

 

まどか「う........、うぅ..................」

 

俺が頭を撫でながらそう言うと、まどかは俺の抱き締めてる腕を更に強めながら泣き始める。俺はひたすら大丈夫、と言い続けながらまどかを寝かしつける事に専念する。そしてようやく眠りについたのか、まどかの寝息を聞くと、俺もゆっくりと意識を手放す................。

 

 

 

〜翌日〜

 

龍騎「................全然寝れなかった」

 

........さっきゆっくり意識を手放すって言ったよね?ざんねーん!全然寝れませんでしたー!何でかって?まどかが俺を潰すかのように締め付けられて寝れなかったんだよ!!あいつ身体ちっちぇ癖にどんだけ力あるんだよ!?一瞬本当に俺の妹?って疑ったよ!?俺が寝不足に対して、まどかの奴なんか肌がツヤツヤしてたんだけど何でぇ?

 

........まぁ、学校でがっつり寝たんですけどね、怒られたけど。それから特に何事も無く授業が終わり、放課後になったので帰る支度する。今日は部活もバイトも無いのでゆっくり出来そうだ。

 

蓮子「........ねぇ、龍騎」

 

龍騎「あ?」

 

何か蓮子が話し掛けて来た。なーんかやな感じー........。

 

蓮子「........この後暇?ちょっと話しがあるんだけど」

 

龍騎「........お前これからバイトじゃなかった?」

 

蓮子「バイト終わりで良いの、マジの大事な話しだから」

 

男子生徒「「「何ぃ!?」」」

 

龍騎「........ちなみにメリーは?」

 

蓮子「メリーには申し訳無いけど、二人で話ししたいの」

 

女子生徒「「「!!!」」」

 

何かギャラリーが驚愕と、ハラハラが混じってるんだが........、まぁこの後の予定は無いので承諾しよう。

 

龍騎「了解だ、何時に終わる?」

 

蓮子「分かんない........、終わり次第連絡する」

 

龍騎「分かった、バイト頑張れよ」

 

そう言って俺は鞄を持って教室を出ると『宇佐見さん頑張ってね!』やら『鹿目ぇぇぇ!!来週ぶっ殺してやらぁぁぁぁ!!』なら叫んでいたが、気にせず帰宅する事にする。

 

 

〜鹿目家〜

 

龍騎「ただいまー」

 

寄り道せずに帰宅すると、玄関にうちには無い筈の靴が幾つが置いてあった。お客さんか?そう思ってリビングへ向かうと、

 

パンッ!

 

龍騎「へぇあ!?」

 

「「「お誕生日、おめでとーーー!!」」」

 

ドアを開けたらクラッカーが俺に向けて発射され、リビングには色々飾り付けされていた。そしてテーブルの上には巨大ケーキに、中心には板チョコがあり、『龍騎、16歳のお誕生日おめでとう!』と書かれていた。

 

........ってか俺今日誕生日だったの?

 

さやか「あははは!マヌケな顔してるー!」

 

龍騎「マヌケはお前だろさやか、ってか何でオタクらが此処に居るの?」

 

まどか「今日、お兄ちゃんの誕生日だから皆んなでパーティしようって」

 

龍騎「発案者はまどかか........、まぁほむらが此処に来る訳だな」

 

ほむら「それはどう言う意味かしら?」

 

龍騎「どうせまどかから『一緒にお兄ちゃんの誕生日お祝いしよう!』って言われて断れなかったんだろ?」

 

ほむら「........どうしてそんなにピンポイントで当たるのよ」

 

詢子「まぁ良いじゃないか、一気に年頃の娘が祝われるなんて、幸せ者ねぇ」

 

龍騎「赤の他人から見たら『リア充爆発しろ』って言われるんだけど?」

 

知久「まぁまぁ、取り敢えず鞄置いて来て一緒に食べよ?食事も飲み物もたっぷり用意してあるから」

 

龍騎「ああ、サンキュー親父」

 

知久「........昨日は父さんって呼んでくれてたのに」ズーン

 

龍騎「き、昨日は昨日!今日は今日だ!///」

 

まどか「えっ!?お兄ちゃんパパの事、父さんって呼んでたの!?」

 

さやか「マジ!?あーー!是非ともその瞬間を見たかったなー!」

 

龍騎「揶揄うなよ!///くそっ、新たな黒歴史が追加されたわ........」

 

それから鞄を置いて来て、少し早めの晩飯を食べる事にする。佐倉に関してはジャンプ漫画みたいががっついたり、マミも佐倉程では無いが結構食べていたり、さやかは自慢げに武勇伝を語ったり、ほむらはまどかと笑いながら会話したり、オカンは相変わらず酒を飲むし、親父も珍しくワインを飲んでいた。ちなみに俺はタツヤと一緒に揚げ物やらケーキやらを堪能していた。

 

杏子「うめぇ!!お前の父ちゃんの飯美味すぎだろ!!」

 

マミ「佐倉さん、そんなに慌てると喉詰まらせるわよ........」

 

まどか「ねぇほむらちゃん、こっちも美味しいよ」ハイアーン

 

ほむら「っ!?あ、あーん........///........確かに美味しいわね........///」カァァァ

 

タツヤ「さぁかぁ!」

 

さやか「お!タッくんよく来たね〜、お姉ちゃんが抱っこしてあげまちゅよー♪」ダキッ

 

龍騎「........成る程、将来の相手はタツヤか。そっかそっか、お前なら託せるな」

 

さやか「いや託すって何!?」

 

まどか「さやかちゃんならタッくんを任せられるね」

 

詢子「あははは!良かったなタツヤ!将来のお嫁さんがもう手に入ったぞ!!」

 

さやか「まどかもお母さんも何言ってるの!?」

 

タツヤ「さぁかぁ!!」

 

龍騎「何かタツヤも満更でも無さそうだな、分かってないけど」

 

ほむら「良かったじゃない美樹さやか、まどかの義妹になれるわよ」

 

杏子「さやかが妹か!これは面白れぇや!」

 

さやか「勝手に私の人生を決めるなぁぁぁぁ!!」

 

「「「「「ははははは!!」」」」」

 

皆んなでさやかを揶揄っていると、ポケットから携帯が鳴り、確認すると蓮子からのメールだった。内容は『終わったから駅で待ってて』との事。

 

龍騎「........悪い、呼び出されたから行ってくるわ」

 

まどか「え?こんな時間に?」

 

龍騎「前から約束してたんだよ、主役居なくなるけどそのまま楽しんでて良いぞ」

 

詢子「........何時に帰ってくるんだ?」

 

龍騎「あー........、多分夜中は間違い無しだな」

 

詢子「........分かった、警察には気をつけなよ」

 

龍騎「おう、じゃあ行ってくる」

 

皆んなからいってらっしゃい、と言ってくれると、上着を着て、俺は必要な物だけ持って蓮子が待つ駅へと向かった........。どうせ俺の事だろうけど........。

 

 

 

〜駅・改札口〜

 

龍騎「よう」

 

蓮子「あ、来た来た」

 

改札口を出ると、既に蓮子が待機していた。俺は軽く手を上げて挨拶すると、蓮子もトテトテと歩いてくる。

 

龍騎「待たせて悪かったな」

 

蓮子「いや良いよ、呼び出したのはこっちだし」

 

龍騎「........取り敢えず移動するか」

 

蓮子「そ、そうだね........」

 

それから二人で適当に駅の周辺を歩く事になったのだが、ただ周りの人達の声しか聞こえず、俺達は未だに会話なんてしてなかった。偶に蓮子の方へ視線を向けると、何か言いたそうにモジモジしていた。はぁ、と軽く溜め息を吐くと、俺は一旦本題とは別の話題を持ち掛ける事にする。

 

龍騎「寒くないか?最近冷えて来てるだろ?」

 

蓮子「え?........大丈夫だよ、このぐらい」

 

龍騎「無理すんな、身体に毒だそ」

 

そう言って俺は着ていた上着を蓮子に羽織らせる。確かにちょっと最近冷えて来てるからな........、着てきて正解だった。

 

蓮子「........優しいよね、本当に」

 

龍騎「........風邪引かれたくないからな」

 

蓮子「ふふ、龍騎らしい........」

 

........これで少しは話し易くなっただろうか、そして俺は本題に入る事にした。

 

龍騎「........呼び出した件、昨日まどかとの会話の内容なんだろ?」

 

蓮子「!?」

 

龍騎「分かってたんだよ。お前が言いたい事も、聞きたい事もな」

 

蓮子「........それはそうだけど」

 

龍騎「俺から説明しろってか?別にいいぜ?時間はまだあるんだからな」

 

蓮子「................がう」

 

龍騎「え?何?」

 

蓮子「全然違うッ!」

 

龍騎「!?」

 

突然、蓮子が叫び出すと、周囲に居た人達は俺達の方へ向くが、やがて喧嘩だろう、結論になったのか其々の視線へと戻って行った。

 

蓮子「何にも分かってない!確かに昨日の事も聞きたいけど、それよりもっと大事な事なの!」

 

龍騎「........何だ?例の大物魔女が明日やってくる事か?」

 

蓮子「それも関係ある!なのに........、何で私に言ってくれなかったの!?私だけじゃない、メリーにだって言ってくれない!何でいつもいつも一人で解決しようとするの!?」

 

龍騎「........でも魔法少女に関してはお前達を巻き込む訳には行かない、現にお前達は被害に................」

 

蓮子「そんなの余計なお世話よ!魔法少女だが魔女だか知らないけど、戦う事でしか意味を示せないの!?魔法少女って女の子なんでしょ!?色々ヤバい内容があるって聞いたけど、全ての女の子は貴方じゃないのよ!?現にさやかちゃんの時だって、身体を張って解決したんでしょ!?風邪を引いたのもそれが証拠よ!」

 

龍騎「........っ」

 

蓮子「困ってるなら私を頼ってよ!メリーでも良いから!危ないから?私達が大切だから?だからって貴方が犠牲になる事なんて何一つも無いのよ!そんなに私達の事が信用出来ない訳!?」

 

龍騎「それは........」

 

蓮子「ヤバい事なんて百も承知よ!私達三人で秘封倶楽部でしょ!だったら私達の命の一つぐらい賭けなさいよ!仲間でしょ!!」

 

龍騎「!」

 

蓮子「はあ........、はあ......」

 

蓮子が言い切ると、呼吸を整える。そして、蓮子の目には今にも溢れそうな程に涙が溜まっていた。

 

龍騎「................少し、話しずれるけど、聞きたい事がある」

 

蓮子「................何?」

 

龍騎「........入学式の時もそうだけど、お前は確かに可愛いし、お前のコミュ力なら他の男子でも話せるだろ?それに........、付き合いたいなら他に幾らでも居るだろ?どうしてそこまで俺と........」

 

パシンッ!

 

龍騎「................」

 

蓮子「........最低、ほんっとにサイテー!!」ポロポロ

 

........分かると思うが、俺は蓮子に叩かれた。しかし、痛いとは思わなかった。音は凄かったものの、実際はあんまり痛くなかった。

 

蓮子「ホントに何も分からないの!?なら貴方は私とどう言う関係なの!?クラスメイト!?部活仲間!?バイト先の同僚!?」ポロポロ

 

龍騎「........正直、恋愛対象として見てなかった」

 

蓮子「........そう、良く分かったわ。ならはっきり言ってあげる!!私は!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしようも無い程、貴方が好きなのよ!!

 

龍騎「蓮子...........」

 

蓮子「こんな想いしたの初めてだったの!誰かを好きになったのは今回が初めてだったの!貴方と一緒に過ごして楽しいと思えた、凄く充実してると思った!気がついたら貴方の事が好きになっていたの!」

 

龍騎「................」

 

蓮子「なのに........、なのに貴方は他人を優先して自分は後回しにする悪い癖がある!その所為で面倒事に巻き込まれて、今となっては魔女達と戦って........、いつ死んじゃうか分かんないのに........。もっと自分を大切にしてよ!お願いだから、誰かの為とかじゃ無くて!命は一つしか無いんだから!人生は一度きりなんだから!もっと大切してよこの大馬鹿者!!」

 

完全に泣き崩れてしまった蓮子は、俺の胸に叩きつけると、最後には俺を抱きつく感じて泣き始めてしまった。

 

........やはり、前世のままではいけないのか........?俺は変わるべきなのか........?

 

そんな事を思ってると、落ち着いたのか蓮子は、抱きついていた身体から離れると、まだ泣き目になってるまま俺に睨みつける。

 

蓮子「........私はまだ許した訳じゃ無い、これから償って貰うから」

 

龍騎「償う?」

 

俺がそう言うと、蓮子は反対方向に向いて携帯を取り出し、ある人物と電話する。

 

蓮子「........あ、もしもし?ごめんこんな時間に........。悪いけど駅まで来れる?うん........、ありがとう........。じゃあ待ってるね」

 

電話が終わると、蓮子が来た道に戻るので、俺も後に続く。そして数分後、駅に着くと........。

 

メリー「あ、何処に行ってたのよ」

 

メリーが冬服らしき服装で待っていた。まぁ蓮子が連絡するとなるとメリーだよな........。

 

蓮子「ごめんごめん、ちょっと説教してきた」

 

龍騎「........で、その償いとやらは?高級料理店で奢れとでも?」

 

蓮子「その前に、メリー」

 

メリー「........うん」

 

蓮子がそう言うと、メリーはゆっくりと近づいて来る。そして、徐々に顔を赤くしていき、

 

メリー「私、蓮子と同じで龍騎の事が........、好き」

 

俺に告白して来た........。

 

メリー「私も蓮子と同じ理由だよ........、そして蓮子が怒ってる理由も同じ........。確かに龍騎の考えてる事は分かるよ?でも貴方一人で抱え込まないで欲しい...、困った時に手を取り合って行くのが、私達秘封倶楽部でしょ?」

 

龍騎「................そうだな、確かにその通りだ」

 

蓮子「........やっと理解した?お馬鹿さん?」

 

龍騎「........ああ、しかしお前達が最初から協力してたとはな。まぁお前達ならやるとは思ってたけど」

 

蓮子「.......さて、そろそろ償いをして貰うから」

 

龍騎「........その償いって何だよ?どっちかの告白をOKして、ダメだった奴に何か奢れってか?」

 

蓮子「そんなもの........、いや、別に言わなくてもいいか」

 

メリー「そうね........、ほら行くよ」

 

蓮子「逃がさないから覚悟しておきなさいよ!」

 

何か急に機嫌が良くなった蓮子が右腕に抱きつき、メリーが左腕に抱きつくと、二人に引っ張られるように俺は二人に着いて行く。

 

そんで俺の償いの内容は........、ご想像にお任せしよう........。でもこれだけは言っておく........。

 

 

貴方方が真っ先に思い浮かんだ事だよ、と................。

 

 

ワルプルギスの夜との決戦まで...、あと数時間。




どうもです、餡 子太郎です。

いかがでしたか?

まさかの10,000文字越えです。少し駆け足気味でしたが........。

次回、一気に終わらせるか、前半と後半で分けるか悩んでますが、ワルプル戦です!

マギレコ編は........、現在も検討中です。もう暫くお待ちを。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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最終決戦

どうもです。

遂にワルプルギスの夜との決戦です。

かと言って戦闘シーンはありません。

それではどうぞ。


 

龍騎「........朝帰りになっちまったな」

 

蓮子に呼び出されてそのまま朝まで付き合わされた俺は、重い瞼を擦り、欠伸をしながら帰路に着いていた。

 

龍騎「........起きてるのかな、皆んな」

 

まだ日が上がっていない時間帯なので、もし起きていたとしてたらめちゃくちゃ申し訳ない........。そんな事思ってたら自宅の玄関まで着いていた。俺はゆっくりと鍵を開けて玄関に入って行き、リビングへ向かうと、テーブルの上で腕を枕にしながら寝ているオカンの姿があった。周りには酒の空き缶らしき物が置いてある........、飲み過ぎだろ........。

 

龍騎「風邪引くぞ、全く........」

 

俺は上着を脱いでオカンにかけてやる。そして自分に戻り、必要な物だけ持って部屋を出て、まどかの部屋に向かう。

 

龍騎「........ふっ、涎垂らしてるよ」

 

まどか「................ウェヒヒヒ」

 

幸せそうに眠るまどかの頭を撫でる。........今日で、全てが終わる。

 

龍騎「必ず勝って帰るから........、待っててくれよな」

 

そう言って俺はまどかを起こさないように、静かに部屋から出る。そして玄関に向かって靴を履き、玄関のドアノブを手に触れようとした時、

 

詢子「もう行くのかい?」

 

龍騎「!........母さん」

 

振り返ると、リビングで寝ていた筈のオカンが立っていた。

 

龍騎「......悪い、待たせてる奴等が居るから」

 

詢子「どうしても行くのか?」

 

龍騎「止めても力づくで行く」

 

詢子「.......死ぬ気か?」

 

龍騎「死ぬつもりはない」

 

詢子「まどかとタツヤはどうする気だ?」

 

龍騎「俺が居ない間は守ってやってくれ、俺には成さねばならない事がある。全ての決着が着いたら必ず帰ってくる」

 

俺がそう言うと、オカンは俺に睨みつけるが動じない。俺の意思は固い、例え相手が親でも決して揺るがない。

 

詢子「......はぁ、やめやめ。これ以上言ったって無駄だ」

 

諦めたのかオカンは溜め息を吐くと、やれやれと言った感じの表情を見せる。

 

詢子「もう何も言わない、あんたの事も止めない。行きたいなら行けば良い、但し絶対に帰って来い!じゃなきゃ地獄に行って無理矢理にでもぶっ飛ばしに行く!」

 

龍騎「お、おう......」

 

オカンの気迫に少し戸惑ったが、振り返って玄関を開け、少し外に出てまた振り返る。

 

龍騎「.........行ってきます」

 

詢子「ああ.........」

 

そう言って俺はゆっくりと玄関を閉めた。

 

 

 

 

 

 

〜数分後〜

 

自宅から離れて暫く経つが、何ともまぁ荒れに荒れてる空模様だ。まるで最終決戦に相応しい雰囲気が漂う分、人類滅亡感も感じる。もう少ししたら市内全域に避難指示が出て、まどか達は総合体育館にでも行くだろう。

 

もう少しだ........、もう少しで戦いは終わる........。

 

この戦いに勝てば、全てが................。

 

そんな事思っていたら、本日最初の咳を吐く。咄嗟に手を当てると、掌には赤い液体が付いていた。頼むぞ、俺の身体........。

 

手に付着した液体をズボンで拭き、再び歩き出す。が、

 

龍騎「........................何で居るの?」

 

蓮子「まさか何も言わずに行く訳?」

 

メリー「それとも迷惑?」

 

其処には蓮子が電柱に寄り掛かりながら待機しており、電柱の影からメリーが顔を見せた。

 

龍騎「........避難するんだろ?だったらまだ家に居ろよ」

 

蓮子「またそうやって自分勝手な事する........、せめて見送るぐらいさせなさいよ」

 

龍騎「あのな........」

 

唐突過ぎる事もあるが、朝早くからツッコむ気力が無いのではぁ、と溜め息を吐く。そして俺は黙ったまま歩き出すと、俺が観念した、と捉えたのか二人も後ろから付いてくる。

 

それからは一向に離さず、沈黙が続いた。俺は蓮子の方へ視線を向けると、何か言いたそうな顔をしているが勇気が出ないのかずっとそのままだった。逆にメリーの方も見てみるが蓮子と同じ顔をしていた。

 

龍騎「........この辺でいい」

 

俺がそう言って足を止め、二人の方へ向く。

 

龍騎「お前達、家は隣町だろ?だったら其処の避難所に居ろよ。見滝原は多分酷い状態になるからな」

 

蓮子「........そんなにヤバい奴なの?」

 

龍騎「さぁな、でも最強って呼ばれてる以上、ただで済むとは思わないからな」

 

メリー「........分かった、でもね」

 

そう言ってメリーは俺の襟に手を伸ばす。

 

メリー「せめて身支度はしてね、見っともないよ」

 

蓮子「ってか、靴紐解けてるじゃない」

 

蓮子も俺の靴に手を伸ばすと、解けた紐を結び直す。全然気がつかなった........。

 

メリー「これで良し........」

 

蓮子「全く、しっかりしなさいよ」

 

龍騎「返す言葉も無ぇ........」

 

蓮子「........ぷっ、ははははは!」

 

メリー「フフフ........」

 

龍騎「クッ........」

 

先に蓮子が笑い出すと、俺とメリーも釣られて笑い出す。全く最終決戦前に緊張感が無さ過ぎる、それ程心に余裕があるって事だ。

 

龍騎「........終わったら、飯でも食いに行こうぜ」

 

蓮子「ご飯だけ〜?」

 

メリー「我儘言わないの、でも蓮子の気持ちも分かるわ」

 

龍騎「........じゃ、じゃあ........、デートでもするか?」

 

蓮子・メリー「「龍騎の全部持ちならね」」

 

現金な女........、でもまぁ、いっか。

 

龍騎「分かったよ、生きて帰ったらな」

 

蓮子「絶対に帰ってきなさい!これはお願いじゃなくて命令、だからしっかり従う事!」

 

わーたよ、と言って再び歩き始めようとすると、いきなり二人に引っ張られる。そして、両頬から柔らかい感触が伝わった。

 

蓮子「........生きて帰ってきてね」

 

メリー「約束よ........」

 

龍騎「........行ってくる」

 

そう言って俺は二人の頭を軽く撫でて、その場から歩き始めた。

 

 

〜見滝原市内〜

 

さやか「遅い!」

 

龍騎「珍し、お前が早く来るなんてな」

 

ワルプルギスの夜が出現すると言われてる場所に着くと、既に魔法少女達は到着していた。そんな中、さやかが俺が遅く来た事に指摘してきた。てっきりお前がビリッけつかと思った。

 

龍騎「........さて、遂に来たな。この時が........」

 

杏子「ラスボスって感じがするな、この空気」

 

マミ「佐倉さんの言う通りね、いつもとは違う空気ね」

 

さやか「........何か緊張してきた」

 

杏子「何だ?ビビってんのか?」

 

さやか「そ、そんな訳無いじゃん!こんな緊迫した空気だってのに何でマイペースなのさ!」

 

龍騎・杏子「「慣れ」」

 

さやか「お前等人間じゃねぇ!!」

 

杏子「いやもう人間じゃないし」

 

龍騎「前世では神様だし」

 

さやか「この畜生めが!!」

 

 

〜ほむらside〜

 

ほむら「................」

 

遂に........、遂に辿り着いた。

 

まどか未契約、生存及び、魔法少女全員生存(+α)

 

これで最後........、考えられる最高の布陣。これで勝てなければもう後は無い........。千載一遇の大チャンス、決して無駄には出来ない。

 

それにしても...、まだ現出していないというのにこの威圧感......。怖い...、これまでに戦ったどのワルプルギスの夜よりも強いというの?キュウべえの言ってた通りなのかも知れない........。

 

けどそんな事は関係ない、必ず勝利を掴み取る!

 

キュウべえ「やぁ、朝からお揃いだね」

 

そんな事を思っていた時、キュウべえが姿を現した。

 

龍騎「おうどうしたBBQ、これ終わったら焼肉にしてやるよ」

 

キュウべえ「相変わらず物騒な事言うね、僕は君達にとても有益な情報を持ってきたんだからね」

 

ほむら「聞くわ」

 

キュウべえ「そうこなくっちゃ、暁美ほむら。キミたちがこれから戦おうとしているワルプルギスの夜の事だけど、きっとこれまでに暁美ほむらが戦ったどのワルプルギスの夜よりも強く、強大だろうね」

 

龍騎「だから?」

 

キュウべえ「此処からが本題さ、これから来るワルプルギスの夜は、『隠れない』」

 

さやか「隠れない?」

 

キュウべえ「そう、結界を張る必要がないって事さ。ご覧よ、こんな大荒れの天気だっていうのに、人間の報道陣というものは仕事熱心だね」

 

さやか「........成る程、分からん」

 

龍騎「お前が平常運転していて安心したわ、つまり今回の()()()()()()の夜は一般の人でも見えちまうって事だろ?」

 

鹿目龍騎がそう言うと、キュウべえは耳で方向を指すと、其処には何人かの報道陣らしき人物がカメラの準備をしていた。

 

つまり、まどか達にも見られる可能性がある........。

 

龍騎「........あれ?これってもしかしたら俺達はこれから全世界の晒し者にされるんじゃね?」

 

「「「「え?」」」」

 

龍騎「だって考えてみ?今からやってくる奴は一般人にも見えるんだろ?それを今から俺達は倒すんだぜ?しかも後ろにはネタに飢えたマスゴミ共........、勝っても負けても俺達の事知られるって事だぞ?黒歴史ってレベルじゃねぇぞ?」

 

「「「「な、なんだってーーーーー!?」」」」

 

さやか「それってつまり........、私の両親にも見られるって事!?魔法少女だって事バレるの!?」

 

龍騎「それだけじゃない........、仁美や上条や他の連中にもバレるって事だ........!」

 

龍騎・さやか「「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!最悪だあああああああああああああ!!」」

 

鹿目龍騎とさやかが四つん這いになって叫び出すと、杏子が二人に歩み寄る。

 

杏子「別に良いじゃねぇかそんぐらい」

 

龍騎「お前だって人事じゃないからな?下手したらお前が盗んだ店から訴えられて捕まる可能性あるんだぞ?丁度警察に捕まる歳なんだし」

 

杏子「どう言う事だよオイ........、こんなのあんまりじゃねぇか........」

 

ほむら・マミ「「戦う前から絶望するな!!」」

 

続け様に杏子も落ち込むと、私とマミさんがツッコみを入れる。一応さやかと杏子が手に持っているソウルジェムを覗くが、一向に濁っている様子は無かった。

 

龍騎「お前等に何が分かるんだよボッチコンビ!」

 

さやか「全て晒される身にもなってよ!」

 

杏子「バーカバーカ!」

 

バンッ!

 

「「「ひぃ!?」」」

 

マミ「テメェらいい加減にしろよ........、言っていい事と悪い事ぐらい分かんねぇのか?あ?

 

「「「ひぃぃぃぃ!?すみませんすみません!もう何も言いません!!」」」

 

ほむら「........................ふっ、あはは」

 

四人のやり取りに思わず笑い出してしまう。

 

おふざけにも程がある........、これから死ぬかもしれないというのに........。

 

ほんと馬鹿よ、此処に居るのメンバーは..........。私も大概か........。

 

キュウべえ「........君達には恐怖というのは感じないのかい?この状況で笑い合ってるなんてどう言う神経してるんだい?」

 

龍騎「感情の無いお前には分かんねぇだろうな、『ピンチの時程ふてぶてしく笑う』これ昔から言われてるから」

 

さやか「お兄さんそれゲームの名言」

 

龍騎「何だよ知ってたのかよ........。どちらしろ俺達には逃げ道も隠れる場所も無いんだ、死ぬなら黙って死ぬより立ち向かって散ろうじゃねぇか。春の桜のようにな」

 

桜のように散る、か........。彼らしい表現だ。

 

キュウべえ「........まあ良いさ、僕は離れた場所で君達を見物するよ。見せてくれるんだろ?奇跡を」

 

龍騎「ああ、その代わりまどかには近づくなよ。黙って見てろ」

 

彼がそう言うと、キュウべえはスタスタと去ってしまった。そんな中、さやかだけは口を押さえて震えていた。

 

マミ「美樹さん?具合でも悪いの?」

 

気になったマミさんがさやかに尋ねると、以外な言葉だった。

 

さやか「いや........、さっきお兄さんが言ってた『桜のように散る』の桜が杏子と重なって........w」

 

龍騎「桜のように散る........、()()だけに?」

 

杏子「あ"?(0言0十)」

 

........さやか、貴女って親父ギャクでウケるのね。

 

マミ「........美樹さん、佐倉さんに失礼でしょ?」プルプル

 

ブルータス(マミさん)、お前もか。

 

ほむら「........ありがとう」

 

龍騎「ん?」

 

さやか「何急に?」

 

ほむら「私はもう、誰にも頼らないと決めていた。でも貴方達にめぐり会えて、今の貴女達なら........、未来を切り開ける気がするの」

 

今ならはっきりと言える........。

 

ほむら「仲間で居てくれて、ありがとう」

 

私は言い合えると、一人が私に近づいて、私にこう言った。

 

龍騎「馬鹿だな........、俺達元から仲間だろ?」

 

さやか「そうそう、今更そんな事言わさんなって」

 

杏子「そのセリフは全て終わってから言うもんだろ?」

 

マミ「大丈夫よ、私達ならやれるわ」

 

ほむら「皆んな........」

 

龍騎「................来たか」

 

彼がそう言って空を見上げる。他の三人は、前からやってくる物を見てギョッと息を呑む。色とりどりの象が鳴き声を上げてコチラにやってきたのだ。様々な紋章が描かれた旗を引っ張りながら、謎の人型を乗せながら行進していく象達。

 

それは異形のパレード、歪なるカーニバルの始まりだった........。

 

龍騎「行こう........、最後の戦いだ」

 

そう言ってカードデッキを取り出し、空にに向けて突きつけると、さやか、マミさん、杏子も自分のソウルジェムを突きつける。

 

龍騎「真似すんのかよ........」

 

さやか「へへっ、良いじゃん別に!」

 

杏子「最後ぐらいキメても文句は言われねぇよ!」

 

マミ「皆んなでやりましょ?暁美さんも」

 

ほむら「........全く、貴女達はブレないわね」

 

そう言って私もソウルジェムを空に向かってゆっくりと上げていく。

 

そして鹿目龍騎が先に右手をナナメ左に上げると、さやかは右手の握り拳を肘ごと左側へ。マミさんは左手を左腰の位置へやり、右手は左胸の方に引き寄せて、引き寄せた右腕を人差し指と親指を伸ばした体勢ですばやく前へ伸ばし、杏子は右手の親指、人差し指、中指を立てて正面に持っていく。

 

そして私も左手を左腰の位置へやり、右手を左から右に動かしては右手を伸ばして直ぐに膝を曲げる。

 

「「「「変身!」」」」

 

ベルトにカードデッキを挿入すると同時に私達も魔法少女姿へと変身する。その時、曇天の空が巨大な幕に覆われる。同時に始まるカウントダウン........。

 

 

『5』

 

マミ「皆んな、準備は良いわね!?私は出来てるわ!」

 

そう言ってマミさんはマスケット銃を両手に持ち、

 

 

『4』

 

さやか「さぁ!おっ始めますか!」

 

さやかは逆手のまま剣を胸の前まで持って行き、

 

 

『2』

 

杏子「お前等!気合い入れろッ!」

 

杏子は槍を構え、

 

 

『1』

 

龍騎「終わらせるぞ、ほむら!」

 

ほむら「えぇ!」

 

 

「キャハハハハハハハハハハハ!!」

 

 

遂に姿を現したワルプルギスの夜........。

 

これぞまさに魔女と言った白と青のドレスに身を包み、顔は目や鼻が切り取られた様に白一色だった。口は裂けるほどの笑みを浮かべており、頭にはベールのついた二本角の様な大きな帽子を被っている。スカートの中は歯車となっており、頭が地面の方を向いていると言う反転した状態であった。

 

さやか「デカっ!?」

 

マミ「あれがワルプルギスの夜........、なんてプレッシャーなの........」

 

杏子「ふん!ラスボスに相応しい敵じゃん!」

 

ほむら(待っていて、まどか........)

 

龍騎「行くぞ!今回の時間軸でケリをつける!まどかの為にも、ほむらの無限ループ地獄も、今日で終わらせる!」

 

一度はワルプルギスの姿に怯えたものの、覚悟を決めてワルプルギスに挑む。まどか........、もうちょっとだからね........。




いかがでしたか?

次回、最終回です。

一気に終わりまで書く気でいるので、長くなる分、投稿も遅れます。

最近忙しいので書ける時に書いておかないと........。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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私の自慢のお兄ちゃん

どうもです。

大変お待たせしました。

今回で最終回です。

それではとうぞ。


 

〜見滝原総合体育館〜

 

タツヤ「きょうはおとまりぃ~?きゃんぷなの~?」

 

知久「ああ、そうだよ。今日はみんなで一緒にキャンプだぁ~」

 

タツヤ「やったぁ、きゃんぷ~おにくやくの~?」

 

知久「はっはっは、お肉はどうだろうねぇ?」

 

詢子「しっかし避難指示とは参ったな........」

 

まどか「お兄ちゃん........、ほむらちゃん........」

 

まどかは龍騎を除いた家族と共に、見滝原総合体育館で避難していた。そんな時だった。

 

オイ、ナンダアレ⁉︎ バケモノダ!! マチノウエニデッカイバケモノガ!

 

まどか「え、もしかして........」

 

突如、驚愕の声を聞いたまどかはテレビが設置してある場所に向かうと、巨大な謎の物体が宙に浮いているのを目撃する。

 

まどか(なんで、テレビで魔女が映ってるなんて........。魔女だけじゃない、みんなまで!?)

 

其処には魔女だけで無く!龍騎、ほむら、さやか、マミ、杏子の姿見もあった。

 

まどか「パパ、ママ! 二人ともあれ、あの大きなの見える........!?)

 

詢子「な、なんだいありゃ........(あれが魔女........)」

 

知久「僕は夢でも見ているのか........?」ゴシゴシ

 

まどか(やっぱり、普通の人にも見えるんだ........)

 

キュウべえ「その通りだよ、まどか」

 

まどか(キュウべぇ!?)

 

キュウべえ「今回のワルプルギスの夜、あれはその魔力の強大さが故に、ごく普通の人間の目にも映る。更にあれは、ほむらがこれまで戦った中でも規格外の強さ。最強最悪の存在だ。君にも見えるだろ? あの大きさ。従えている使い魔のとてつもない数。そして近付くことさえ許さない猛攻。予想外に、ほむら達もしぶとく生き残っているけど…時間の問題だろうね」

 

まどか(私に........、私に魔法少女の契約をさせにきたんだ)

 

キュウべえ「さぁ........、ボクと契約して魔法少女になってよ!」

 

 

 

 

〜ワルプルギス討伐組〜

 

ワルプルギス「キャハハハハハハハハハハハ!!」

 

さやか「うおりやあああああ!!」

 

杏子「でやあああああああ!!」

 

マミ「はあああああああ!!」

 

さやか、杏子、マミがワルプルギスに接近しながら地上へ降りてくる使い魔を蹴散らしながら距離を詰める。ほむらもマシンガンを放ちながら接近する。

 

ほむら(殆どの使い魔が鹿目龍騎の居る地上へ向かってる。でも、その後に魔女の本体まで辿り着けるかどうか........。仮に辿り着けたとしても、あの大きさではさやかの剣でも杏子の槍でも、火力不足なのは否めない)

 

マミ「ほらほら諦めないで、暁美さん」

 

ほむら「人聞きの悪いこと言わないで頂戴」

 

ほむら(私の後ろには、まどかたちが避難している体育館がある。例えこの手足が千切れたって、あの魔女をこれ以上進ませるわけにはいかない!)

 

ほむら「本当に頼むわよ、鹿目龍騎........」

 

 

 

 

 

龍騎「はぁ........、はぁ........」

 

俺は地上に残り、ワルプルギスから放たれた使い魔を青龍刀片手で相手していた。やはり其処まで強くない使い魔たが、思っていた以上に数が多く、体力の消耗が激しかった。

 

龍騎「(くそっ、軽く一万は居るんじゃないか!?流石に長くは保たないぞ........)ごほっ、ごほっ........」

 

使い魔を斬っていくうちに、此方の身体も限界が来ていた。戦闘から始まってから咳が酷くなっていき、挙げ句の果てには血を吐く量も増えて行く。

 

龍騎「こうなったら........」

 

俺はカードデッキからカード一枚引き抜き、召喚機に装填する。

 

 

【FINAL VENT】

 

龍騎「フッ! ハァァァァァ...............ッ」

 

男は両腕を前へと突き出し、左手を上に、右手を下に。そして一度手を引き戻したかと思うと、舞う様に手を旋回させる。それに呼応する様に、男の動きに合わせながら彼の周りを赤き龍が飛翔し、うねる。中腰に構えると、男は地面を蹴り、赤き龍と共に上空へ舞い上がり、左足を曲げて、右足を魔女に向けて突きつける。

 

「ダァアアアアアアアアッッッ!!」

 

赤き龍が放つ炎を纏った飛び蹴りが放ち、使い魔達を一掃する。

 

龍騎「はぁ、はぁ........、ごほっ、ごほっ!」

 

しかし、更に咳を吐くと、先程と比べて血を多く吐いてしまい、膝を着いてしまう。

 

さやか「お兄さん!」

 

龍騎「っ!」

 

役目を終えて来たのか、さやかが此方へ駆けつけて来た。ほむらの奴、ワルプルギスの中に入れたのか?

 

龍騎「さやか........、終わったのか?」

 

さやか「ううん、お兄さんの動きがいつもより可笑しいってほむらが........、お兄さん血が!?」

 

そう言う事か、あの馬鹿........。

 

龍騎「気にするな........。ちょっと、張り切り過ぎた」

 

さやか「でも........」

 

龍騎「................」

 

俺は黙ったまま立ち上がり、カードデッキから一枚カードを引き抜き、また召喚機に装填する。

 

 

【AD VENT】

 

 

ガアァァァァァァァァァァァァ!!

 

龍騎「すまん、力を貸してくれ」

 

主人を守るように旋回する赤き龍の背中に乗り、ワルプルギスに向かって空高く舞い上がる。さやかも慌てて赤き龍の尻尾の部分に捕まり、ワルプルギスへと向かって行く。

 

 

 

〜ほむらside〜

 

使い魔の数が多過ぎる........。このままではワルプルギスの中に潜入する前に力尽きてしまう。そんな時だった。

 

龍騎「ほむらぁぁぁ!!」

 

ほむら「!」

 

後ろから赤き龍に乗った鹿目龍騎(と美樹さやか)が叫びながら向かってくる。よく見ると、彼の口からは血が付着していた。

 

龍騎「俺の事は構うな!足を止めるな!!」

 

ほむら「っ!でもさっきから使い魔が邪魔で........」

 

龍騎「俺が何とかする!自分の目標だけを考えろ!」

 

そう言って彼は、赤き龍の頭から大きくジャンプして私の背後まで飛ぶと、青龍刀を両手に持ち、まるでバットを振るかのような態勢で................、まさか!?

 

龍騎「ほーら行ってこい!!」バシンッ!

 

ほむら「痛っ!?」

 

予想通りに、彼は青龍刀で私を吹き飛ばした。その勢いは流星の如く加速していき、ワルプルギスの身体の何処かに着地した。運が良いのか悪いのか........。

 

ほむら「いたた........、何もお尻でやらなくても良いじゃ無い........」

 

ヒリヒリしてるお尻の痛みを我慢しながら立ち上がり、時を止めてワルプルギスに爆弾を一つ取り付けて、爆破。小さい穴ではあるが、侵入するには十分な穴であった。

 

ほむら「この時の為に用意した、これを使って........」

 

そう言って楯から取り出したのは、長方形の爆弾を取り出す。

 

C4........、プラスチック爆弾だ。

 

ほむら「よし........」

 

私は意を決して、ワルプルギスの中に侵入する。そして、手当たり次第にプラスチック爆弾、手榴弾等の数多くの爆弾を撒き散らす。

 

ほむら(こんな事、誰も予想出来なかったでしょうね........。ワルプルギスの中に侵入して爆弾を仕掛けるなんて、私には思いつかないわ)

 

そう、何もかも彼が居てくれたから此処まで来れられた。

 

巴マミの生存も、美樹さやかの魔女の阻止も、佐倉杏子の自爆も、まどかの魔法少女化の阻止も、私一人では出来なかった。

 

こんなに........、こんなに嬉しいと思った事は一度も無い。

 

ほむら(せめて、彼にはお礼を言っておかないといけないわね)

 

最後の一つの爆弾を取り付け終えた私は、来た道を引き返してワルプルギスから脱出する。

 

そして、私は盾を掴んで........

 

ほむら「さような、ワルプルギス。永遠に」

 

時間停止を解除した。

 

 

 

 

 

龍騎「っ!ほむら!」

 

ほむらが落ちて行くのを確認すると、急いでほむらの元へと向かう。

 

マミ「暁美さん!........と言う事は!」

 

杏子「マミ!一時退避だ!」

 

マミ「OK!」

 

マミも佐倉もほむらが落下していくのを確認すると、其々下手の場所へと避難する。俺は赤き龍から飛び降りてほむらの元へと近づく。そして、ほむらとの距離が近くなり、彼女をお姫様抱っこの状態で掴まえて、地上へ着地する。

 

龍騎「どうだ?上手くいったか?」

 

ほむら「残り五秒、四........、三........、二........、一........」

 

ほむらを下ろして確認すると、ほむらのカウントダウンが始まり、ゼロと言い切る前に空から大爆発音が響いて来た。

 

ワルプルギス「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

 

先程まで笑っていたワルプルギスも悲鳴のように雄叫びを上げる中、ワルプルギスの爆発は終わらない。歯車のような飾りも、逆さま状態の頭も、ワルプルギス全身から爆発は止まらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて、核爆弾でも落ちたと思う程の爆発が起き、空一面は黒い煙に覆われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「........なぁ」

 

ほむら「何かしら?」

 

龍騎「........これ、如何思う?」

 

さやか「どう見ても、効いてるよね?」

 

マミ「........勝った、のよね?」

 

杏子「........................」プルブル

 

さやか「杏子?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杏子「イヨッシャアアアアアアア!!

 

俺達は状況を整理してる中、佐倉は一人だけ喜んでいた。無理も無い、

 

ワルプルギスの魔力が感じなくなっているのだから........。

 

龍騎「........ほむら」

 

ほむら「........何、かしら」

 

龍騎「よく頑張ったな、お疲れ様」

 

ほむら「........龍騎」

 

さやか「お疲れ、ほむら!」

 

マミ「これで、全てが終わったのね。おめでとう暁美さん」

 

杏子「やったなほむら!」

 

ほむら「さやか、マミさん、杏子........」ポロポロ

 

ワルプルギスを倒せた事があまりにも嬉しかったのか、ほむらはいつものクールな顔が崩れて、まるで泣き出しそうな顔をしていた。しかもさやかも既に涙を流しており、マミの少しながら涙が出ていた。

 

これで終わった、何もかもが全て終わった........。

 

もう、戦わなくて済む........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

ほむら「........................え」

 

ほむらの声に気がついた時に既に遅く、一瞬にして意識を持って行かれた。

 

何が起こったのか................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワルプルギス「ア、アハハハ................」

 

ワルプルギスはボロボロな姿で再び姿を現し、俺達に向けて強大な柱を投げて来たのだ。不意打ちを狙ったかのように........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜まどかside〜

 

オ、オイ!アノバケモノマダイキテルゾ!? ウソダロ!?アンダケノバクハツデタエタノカ!?

 

まどか「皆んな........」

 

キュウべえ「驚いたよ、まさか此処まで強かったとはね」

 

私はテレビで皆んなの様子を眺めていたら、キュウべえがやって来ていた。

 

まどか「キュウべえも此処まで強かったのは予想してなかったの?」

 

キュウべえ「今回ばかりは、本当に予想外だよ。あんな爆発で耐えるワルプルギスなんて初めてだよ」

 

まどか「そんな........」

 

キュウべえ「それにさっきの攻撃、まるでタイミングを見計らったように仕掛けて来たね。不意打ちを狙ったかのように」

 

まどか「如何言う事?」

 

キュウべえ「恐らくほむら達は、あの爆発で倒したと思ったんだろう。確かにワルプルギスにはダメージを与えられたけど、実は倒したんじゃない。ワルプルギスは生きていたんだ、そして勝利を確信したほむら達に最後の悪足掻きを仕掛けた」

 

キュウべえの言葉を聞いて頭が真っ白になる。まさか........、ほむらちゃん達は........!?

 

キュウべえ「ほむら達、魔法少女ならソウルジェムを破壊されない限り無事だけど、問題は鹿目龍騎だ。彼は魔法少女じゃない完全なイレギュラーだからね、幾ら前世が神であっても肉体は人間そのものだ」

 

まどか「!?」

 

そうだ、幾らお兄ちゃんが強くても身体は魔法少女じゃない。ごく普通の人の身体だ。あんな攻撃を受けたら........、お兄ちゃんは........。

 

お兄ちゃんだけじゃない、さやかちゃんやマミさん、杏子ちゃんだって........、もしかしたらほむらちゃんも........。

 

まどか「........私は、結局見ているだけなのかな................」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー本当にそれで良いの?貴女は?

 

 

........え?

 

 

ーーーそれでも鹿目龍騎の妹な訳?私が知ってる鹿目龍騎だったらね、どんな時でも仲間の為に身体を張る男だったわよ。

 

 

まどか「だ、誰?」

 

キュウべえ「?どうしたんだいまどか?」

 

 

ーーー貴女は貴女の決めた道を進めば良いだけよ、他の誰でも無い貴女の道を。

 

 

まどか「私の........、決めた道........」

 

 

ーーー助けたいんでしょ?お兄さんを、友達を。だったら行きなさい。貴女なら出来る、鹿目龍騎の妹でしょ?

 

 

まどか「!........一体誰なの?貴女は誰!?」

 

キュウべえ「誰と話してるんだい?」

 

 

ーーー........かつて、鹿目龍騎に道を歩んだ女........、とだけ言っておくわ。

 

 

それから謎の女の人の声は消えて、テレビを見ながら騒いでいる人達の声を聞いていた。

 

まどか(私の、決めた道........)

 

私は体育館の外へ向かおうとすると、腕を掴まれた。振り返ると、

 

詢子「........何処行こうってんだ?オイ」グイッ

 

まどか「ママ...」

 

ママが私を引き止めた。

 

まどか「私、友達を助けに行かないと」

 

詢子「自衛隊か警察に任せろ。素人が動くな」

 

まどか「........嫌だ、嫌だよ。皆んながあそこで戦ってるのに、私だけ安全な場所で震えてるのは、もう嫌なの!」

 

詢子「テメェ一人の為の命じゃねぇんだ!あのなぁ、そういう勝手にやらかして、周りがどれだけ........」

 

まどか「分かってる、私にも良く分かる。私だってママの事、パパの事、大好きだから。どんなに大切にして貰ってるか知ってるから........、自分を粗末にしちゃいけないの、分かる。だから違うの、皆んな大事で、絶対に守らなきゃいけないから........、譲れないものがあるから!そのためにも、私今すぐ行かなきゃいけないところがあるの!」

 

詢子「................」

 

まどか「ママはさ、私が良い子に育ったって、言ってくれたよね。嘘もつかない、悪いこともしないっ。今でもそう信じてくれる?私を正しいと思ってくれる?」

 

詢子「........はぁ、兄妹揃って頑固なこって」

 

まどか「え........?」

 

ママは溜め息を吐きながら頭を掻き始めた。

 

詢子「何で龍騎には行かせたか分かるか?あいつの目には、本気で譲れないものがあるって目をしていたからだ。例え親子の縁を切ってでも、貫きたい思いが伝わったから許した。昔からそう言う奴なんだよ、多分変わろうとしないけど」

 

まどか「ママ........」

 

そう言ってママは私の両肩手を置く。

 

詢子「絶対に下手打ったりしないな?誰かの嘘に踊らされてねぇな?」

 

まどか「うん」

 

詢子「絶対二人で帰って来い、そしてあの馬鹿息子に一発ぶん殴って来い」

 

まどか「分かった」

 

ママの許しを貰って、私はお兄ちゃん達の居る場所へと向かう。

 

ごめんね、ほむらちゃん。私の為に動いてくれてるのに........。

 

 

〜まどかside out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ほむらside〜

 

一体何が起こったのだろうか........。

 

突然の事で頭が働かない........。

 

ほむら「痛っ........」

 

足から激痛が走る、良く見てみると右足が瓦礫に挟まっており、辺りを見渡しても瓦礫の山が出来ていた。

 

ほむら「さやか........?マミさん........?杏子........?」

 

........誰も返事がしない。もしかしたまだ気絶してるのかもしれない。そんな少しの希望を持っていたが、直ぐにぶち壊せる事なる。

 

コロッと小石が転がった音を聞いて、その方角に向くと........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瓦礫の中から鹿目龍騎の左手が飛び出ていた。しかも隙間からは大量の血........。

 

ほむら「あ........、ああ........................」

 

今回なら絶対に上手くいくと思った........。

 

四人の魔法少女、そして魔法少女を超えるイレギュラーを味方に着けた........。

 

これで長くて苦しい、戦いの呪縛を断ち切れると思った........。

 

ほむら「なのに........、何で上手くいかないのよ........」ポロポロ

 

今回でまどかを救えると思った。

 

さやかも絶望せず、死なずに済んだと思った。

 

マミさんもあの時、魔女に殺されずに済むと思った。

 

杏子もあの時、さやかと共に自爆して死なずに済んだと思った。

 

私も、彼が居たから全てが終わると思ってた。

 

ほむら「でも........、結局、絶望しかないじゃ無い........」ポロポロ

 

ソウルジェムが濁っていく中、私ただ泣き続ける事しか出来なかった。

 

ほむら「ごめん、まどか........。どんなに尽くしても、私には貴女を........、救う事は........」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう良いんだよ、ほむらちゃん」

 

ほむら「っ!」

 

この声........、ま、まさか........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まどか「ごめんね、ほむらちゃん。ほむらちゃんの事、お兄ちゃんから聞いたんだ。私を救う為に、何度も同じ事を繰り返してるんだって」

 

ほむら「でも........、私........」

 

まどか「これまでずっと、ほむらちゃんに守られて、望まれてきたから今の私が在ると思う。そんな私が、やっと見つけた筈の答えなの」

 

止めて........、そんな事したら、貴女は.........。

 

まどか「だから、信じて........」

 

貴女は、前にも同じ事を言った........。でも、それを受け入れない自分が居る。だから私はこうして繰り返してる。

 

キュウべえ「数多の世界の運命を束ね、因果の特異点となった君ならば、どんな途方もない望みであろうとも叶えられるだろう」

 

まどか「本当だね?」

 

キュウべえ「さぁ、鹿目まどか。その魂を代価にして、君は何を願う?」

 

まどか「私は........、全ての魔女を........、全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女をこの手で........」

 

 

バコンッ!

 

 

まどか・ほむら「「!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「勝手に殺すなよ、馬鹿........」

 

 

 

 

 

 

〜数分後前・???〜

 

龍騎「........此処は?」

 

「目が覚めた?」

 

龍騎「え........、え?」

 

目が覚めると見知らぬ場所に、誰かに膝枕されていた。良く見たら周りには花畑だった。いや、此処何処なの?

 

「全く、寝ぼけて無いでしっかりしなさいよ」

 

龍騎「な、何でお前が此処に居るんだよ........。霊夢」

 

霊夢「久しぶりね、龍騎」

 

膝枕してくれてる人物、それは、幻想郷で楽しい時間を過ごした仲間である博麗霊夢だった。

 

龍騎「ってか此処何処?マジで何なの?」

 

霊夢「此処はあの世、と言っても幻想郷とは全く違う場所だけど」

 

龍騎「あの世?もしかして俺って........」

 

霊夢「勘違いしないで、貴方はまだ生きてるわ。仮死状態に近い状態なのよ」

 

仮死状態?要は三途の川を渡る前と言う事か........。

 

霊夢「今までの事は此処で見せて貰ったけど、また面倒事に巻き込まれているのね」

 

見られていたのかよ........、くっそ恥ずかしい........。

 

霊夢「良い妹持ったわね、貴方にそっくりよ」

 

龍騎「........まぁな、自慢の妹だからな」

 

霊夢「だったら、さっさと迎えに行かないとね?」

 

龍騎「........ああ」

 

そう言って俺はゆっくりと立ち上がり、霊夢の身体を抱きしめる。

 

龍騎「短い時間だったけど、お前と会えて嬉しかった。ありがとう........」

 

霊夢「ゆっくりで良いから、いつでも待ってるわ」

 

龍騎「行ってらっしゃい」

 

龍騎「行ってきます........」

 

そう言って俺はゆっくりと目を閉じて意識を手放す。

 

 

 

 

 

〜現実世界〜

 

龍騎(暗い........、此処は一体何処だ?)

 

俺は目が覚めると、辺りは真っ暗で何も見えなった。確か俺はワルプルギスの不意打ちにあって........、

 

まどか「私は........、全ての魔女を........

 

まどかの声が聞こえる........。もしかしてまどかが来ているのか?だったら........、やる事は一つ........。

 

俺は傷ついた身体に鞭を打ち、瓦礫の山から姿を現す。

 

龍騎「勝手に殺すなよ、馬鹿........」

 

俺が現れた事で固まるまどかとほむら、そして困惑した様子で問い掛けるインキュベーター。

 

キュウべえ「........まさか、あんなに攻撃を受けても生きてるなんて」

 

龍騎「ふっ、俺だけじゃねぇよ........」

 

そう言う事、と誰が言ったのかは分からないが、何処かで瓦礫の山が崩れて、其処からさやか、マミ、佐倉が姿を現す。

 

さやか「さやかちゃん達はまだやられてないよ、まどか!」

 

マミ「未来ある後輩達を置いて、死ぬ訳にはいかないわ」

 

杏子「一人ぼっちは、寂しいもんな。死ぬ時は一緒だぜ?」

 

まどか「皆んな........」ポロポロ

 

ほむら「でも、貴女達........、ソウルジェムが........」ポロポロ

 

ほむらが指摘すると、さやか達は自分のソウルジェムを確認する。ヒビは入っては無いが、かなり黒く濁っていた。

 

さやか「ははは........、実は立ってるのがやっとなんだよね........」

 

杏子「せめてグリーフシード一つありゃ良いんだけどな........」

 

この様子だと、持っていたグリーフシードは全て使い果たしてしまったようだ。

 

........仕方ない、覚悟決めるか。

 

龍騎「........まどか、ほむら。すまん、約束破るわ」

 

まどか「え........」

 

そう言って俺は直ぐにでも砕けそうなカードデッキからカードを一枚装填して、青龍刀を手に持つ。

 

もう、思い残す事なんて無い........。

 

龍騎「我が全身全霊を賭けて、お前をぶった斬る!!

 

すると、綿のようなものが青龍刀に集まっていくと、白色の巨大なレーザー刀のように変化した。

 

マミ「これは........!?」

 

さやか「もしかして、お兄さんの言っていた........」

 

まどか「........綺麗」

 

キュウべえ「(何て莫大なエネルギーなんだ!?こんなの僕は........、僕は知らない!?)そ、そんなにエネルギーを使ったら、今の君の身体ではとてもじゃないけど耐えられないよ?死ぬ覚悟であるのかい?」

 

龍騎「........出来てるよ」

 

キュウべえ「!」

 

ワルプルギス「ア、アハハハ........、アハハハ........」

 

満身創痍のワルプルギス、もう良い加減眠らせよう。

 

龍騎「さよなら、ワルプルギス。永遠に................、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想剣『夢幻斬』

 

俺は青龍刀を振り下ろすと、夢幻斬はワルプルギスへと伸びていき、そのワルプルギスに直撃する。振り下ろした夢幻斬の光が消えると、ワルプルギスの中心から縦一本の線が出ると、左右に裂けるように割れ、徐々に身体が粒子化していき、やがて消滅した........。

 

杏子「どうなってるんだよ........」

 

キュウべえ(あ、あり得ない........、本当に倒してしまった........)

 

ワルプルギスが消滅したのを確認すると、荒れていた天気が一気に太陽の光が照らし出す。

 

さやか「........やった、やった!!やったんだよまどか!!」ポロポロ

 

杏子「さ、さやかお前!泣いてんじゃねぇよ!」ポロポロ

 

さやか「杏子だって泣いてるじゃん!だって........、だって........!」ポロポロ

 

マミ「やりましたね、龍騎さん........」ポロポロ

 

龍騎「........ちょっとは、兄貴らしい事は出来たかな」

 

魔法少女達が涙を流しながら勝利を喜んでいる中、まどかとほむらは三人より泣き崩れてしまっていた。

 

パキッ...パキッ...

 

さやか「?何の音........?」

 

バリンッ!

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

何かが割れた........、それは俺のカードデッキだった。

 

龍騎「........悪い、俺........、もう無理................」

 

俺は全ての力が抜けて立ち崩れる。そして、大量の血を吐き出した。

 

まどか「お兄ちゃん!?」

 

さやか「お兄さん!?」

 

マミ「龍騎さん!?」

 

杏子「おい!?」

 

ほむら「!?」

 

五人が俺の元へ駆け寄ってくる。しかし、既に身体に限界が来てる俺には何なんだか良く分からない。

 

まどか「どうしたの!?何があったの!?」

 

龍騎「........ははっ、どうやら年貢の納め時みたいだな。まともに動きやしねぇや」

 

ほむら「如何言う事なの!?説明しなさい!」

 

龍騎「........実はな、カードデッキ使って変身すると........。減るんだよ、寿命が........」

 

まどか「寿命........?」

 

龍騎「もう、何回も変身したからさ........。結構減るところまで減ってたんだよ........」

 

マミ「じゃ、じゃあ血を吐いたのは........!?」

 

龍騎「限界が来てる警報だったのさ........、まぁ無視してたけど」

 

杏子「馬鹿野郎!何でそんな事早く言わねぇんだよ!」

 

龍騎「........間違いなく、まどかやさやかは止めに入るだろうな。でもよ........、リタイアなんて中途半端な事........したくないんだよ........」

 

ほむら「どうして其処まで........」

 

龍騎「........忘れたのか?『俺を利用しろ』って言って承諾したの、お前だぞほむら」

 

ほむら「!?」

 

龍騎「これでお前の戦いは終わった........、良かったな........」

 

ほむら「................ないわよ...!良く無いわよ!結局私一人じゃあ何も出来なかった!!私がしたかった事を貴方がしてくれた!!全部貴方が居てくれたから出来たのよ!!最後の最後でそんな事言わないで!!ポロポロ

 

ほむらが涙を流しながら俺に胸に泣きつく。その裏にはまどか、さやか、マミ、杏子が静かに涙を流していた。

 

龍騎「........そんな顔するなよ、お前らしくない」

 

ほむら「だったら生きなさい!!此処で死んだら終わりなのよ!?生きて........、生きて!!」ポロポロ

 

まどか「お兄ちゃん!!お願い!諦めないで!!」ポロポロ

 

さやか「お兄さん!!此処で退場なんてさやかちゃんは認めないからね!!一緒に帰って恭介のヴァイオリン聴こうよ!!」ポロポロ

 

マミ「龍騎さん!貴方にはもっと教えて欲しい事だってあるんです!だからお願い!!立ち上がって!!」ポロポロ

 

杏子「あんたとはあの時のリベンジするって決めてんだよ!!勝ち逃げされてたまるかよ!だから立てよ!」ポロポロ

 

五人に涙を流しながら何か言ってきてるが、既に耳まで聞こえなくなっていた俺には聞くことが出来なかった。

 

龍騎「........お前達に、逢えて........、良かった........。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう........」

 

その一言を言った龍騎は、静かに目を閉じた........。

 

龍騎が死んだ事を確認すると、まどかは立ち上がり、キュウべえに問い掛ける。

 

まどか「キュウべえ!!お兄ちゃんを生き返させて!」ポロポロ

 

ほむら「止めてまどか!!契約なんてしないで!!」ポロポロ

 

まどか「ママと約束したの!!二人で帰って来いって!!なら約束を果たさないと........」ポロポロ

 

パシンッ!

 

まどか「........っ!」ポロポロ

 

マミ「........」ポロポロ

 

キュウべえとの契約しようとまどかは動き出すが、ほむらに捕まってしまい、振り解こうとするが、マミがまどかにビンタする。

 

まどか「........マミ、さん」ポロポロ

 

マミ「........鹿目さん、気持ちは分かるけど.........、龍騎さんは今日まで頑張ってきたの。だから........、ゆっくり休ませましょう........」ポロポロ

 

さやか「........本に書いてあった、死んだ人間は蘇らない。蘇ってはいけないって」ポロポロ

 

杏子「........ちくしょう」ポロポロ

 

まどか「........う、うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」ポロポロ

 

ほむら「................ごめんなさい。まどかを救えても、貴方を救えなかった........」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、ワルプルギスの夜との決戦は勝利を掴み取った。

 

しかし、誰もが喜ぶものは居なかった........。

 

自分の妹である鹿目まどかの魔法少女阻止

 

美樹さやかの魔女化の阻止

 

巴マミの死の回避

 

佐倉杏子の自爆の回避

 

そして、暁美ほむらの地獄の無限ループの終焉

 

 

これは全て、一人の男により成功したようなものだった。

 

男の名は、鹿目龍騎。 

 

またの名前も、『赤き龍騎士』

 

のちに、彼の名は見滝原の守り神として讃えられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜十年後〜

 

知久「まどか〜、早く起きないと遅刻するぞ〜?今日入社式だろ?」

 

まどか「........入社、式?........入社式!?」ガバッ

 

ワルプルギスの夜との決戦から十年、魔法少女達はごく普通の生活へと戻っていった。肝心のインキュベーターに関しては突如として姿を消した。

しかし、決して魔女が消えた訳では無い。魔法少女達はその残党狩りを行いながら見滝原を守っていた。

 

そして、まどか達は大学を卒業して今年から新入社員として新たな道へと進もうとしていた。

 

まどか「あぁ〜!どうしよう!?電車遅れちゃう!?」

 

タツヤ「まどか、先行くよ!」

 

まどか「あ、たっくん!お兄ちゃんに挨拶して行って!」

 

タツヤ「もうしたよ、行ってきまーす!」

 

今年から中学二年となったタツヤはサッカー部に所属し、朝練習の為、朝は早い。まどかもリビングにある仏壇の前に立って手を合わせる。

 

まどか「行ってきます、お兄ちゃん」

 

笑顔で立ち上がると、鞄を持って玄関へと向かう。

 

まどか「行ってきまーす!」

 

 

 

 

 

『いってらっしゃい、まどか........』

 

その声は仏壇から聞こえてくるが、まどかは聞こえる事は無かった。

 

 

 

 

転生?憑依?したら鹿目家の長男になってた

 

END 1 私の自慢のお兄ちゃん




はい、という事で

『転生?憑依?したら鹿目家の長男になってた』の本編は完結です。

恐らく皆様は『何だこの終わり方は?』

と疑問に思いになってると思いますが、これは一つの終わり方であり、簡単に説明しますと『龍騎くんが死亡したけど、他の皆んな幸せに過ごしてますよ』というノーマルエンド(バットエンド)です。

........はい、仮面ライダー龍騎風にしたかっただけです。

グットエンドはあるのですが、それは続編予定である『マギレコ編』に書く予定です。なのでマギレコ編、書きます!しかし漫画経由で書きますので、内容がおかしくなるかもです。

マギレコ編は恐らく来年の半ばに投稿する予定です。IS終わらせたいので........。

と言う事で皆様、此処までの読んで下さりありがとうございました。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

マギレコ編もよろしくお願いします。

それでは皆様、良いお年を!!


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マギレコ編
プロローグ 見滝原の龍騎士


どうもです。

遂にマギレコ編突入です。

今回はまどマギ編での後日談的なやつです。

それではどうぞ。


 

夜空に照らす三日月。

 

数々の星が輝く中、とある町に迫る魔の手

 

その存在を魔女と呼ぶ。

 

その魔女を討伐の為に戦う戦士達、成れの果てが残酷だろうと全てを受け入れて、魔女を討つ存在。

 

それが、魔法少女......。

 

そして、この見滝原の町にも魔法少女がいた......。

 

しかし、魔法少女以外にも、魔女と戦う戦士がいた........。

 

その者は、白色のフードを深く被り、赤き龍を操っては多彩な武器を駆使して魔女を倒す。

 

人はその者を、『赤き龍騎士』と呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「なーんて記事はどうよ!?」

 

メリー「蓮子...、あのねぇ........」

 

龍騎「俺達はいつから広告会社になったんだよ?」

 

えぇー!?と崩れる我らの部長が肩を落として落ち込む。そして俺は部長が作った記事を見てみると、其処にはフードを被った男が剣を片手に背を向けた、下手な広告ポスターのような感じだった。映画広告かよ。

 

蓮子「あのねぇ!二年に進級してやっと一人入部してくれてさ!後一人入部してくれればこの秘封倶楽部は正式な部活動となるんだよ!?なんでこんなにやる気がないのさ!?」

 

龍騎「自分で立ち上げて無理矢理入部させられてやる気があるとでも?」

 

蓮子「うっ........」

 

マミ「まぁまぁ、そんな事言わないで下さい」

 

そう言って今年から高校生となったマミは、紅茶の入ったカップを人数分配る。

 

蓮子「マミちゃ〜ん!!龍騎がいじめるよぉ〜!!」

 

龍騎「何もしてないだろう........」

 

蓮子の言葉に呆れながらマミが入れてくれた紅茶を飲む。

 

 

 

 

最強の魔女『ワルプルギスの夜』に立ち向かった俺達は見事に討伐に成功し、勝利を掴んだ。

 

しかし、ワルプルギスの夜討伐後、俺は力尽きて死んでしまう。が、何故か俺は息を吹き返したのだ。

 

その理由は、妹のまどかであった。

 

実はまどかには魔法少女の素質が高く、宇宙人であるキュウべえこと、インキュベーターはまどかを魔法少女化した後に魔女にする事が目的であった。それを阻止すべく、幾度も時間を繰り返してきた魔法少女、暁美ほむらが行手を阻むも、俺の俺が死んだ所為でまどかは魔法少女になってしまったのだ。

 

魔法少女になると、願いが一つ叶える事が出来る。まどかの願いは俺の蘇生だったのだ。

 

俺はまどかを叱った。それでもまどかは俺に生きて欲しいの願った。途中、俺の両親と友人達が駆けつけた事によって、最終的に俺が折れる形でまどかを許した。

 

そして、ワルプルギスの夜討伐から約一年が経とうとしていた。

あれから俺は高校二年に、まどか達も中学三年に進級、マミも俺の通ってる高校に進学した。

 

今の見滝原はワルプルギスの夜が居なくなった為なのか、魔女の出現は少なくなっているので、今年受験生であるまどか達は受験勉強に取り組んでいる。その為、魔女退治は俺とマミで対処している。

 

これは余談だが、ワルプルギスの夜の決戦にて、俺達の事を知った町の人達や他の魔法少女達からは『見滝原の赤き龍騎士』と呼ばれるようになった。普通に困るんだけどなぁ........。

 

蓮子「あ、そうそう!皆んなはさ、神浜のウワサ知ってる?」

 

メリー「神浜のウワサ?」

 

龍騎「神浜って?」

 

マミ「見滝原より少し離れた町ですよ、でもその神浜がどうしたんですか?」

 

突然蓮子が神浜と呼ばれる町のウワサに着いて話しを持ち出して来た。

 

蓮子「私もちょろっと聞いたぐらいだけどさ、何でも色々なウワサがあって、そのウワサ通りの行動を取ると、その人が消えちゃうってウワサ」

 

メリー「そんなの初めて知ったわ」

 

龍騎「神浜なんて行った事ないからそんな事知らん」

 

マミ「私も今知りました」

 

蓮子「其処で!私達で調査しようと思います!」

 

「「「は?」」」

 

蓮子が神浜のウワサを調査すると言い出すと、俺達は思わず声に出してしまう。

 

蓮子「は?じゃない!今回は秘封倶楽部の真の活動するのにぴったりじゃない!」

 

龍騎「だからって神浜に行くのか?遠いんじゃないのか?」

 

蓮子「其処は、ね?」

 

龍騎「送って行けと........」

 

蓮子が手を合わせてウインクすると、俺はその意味を理解した。実は俺はワルプルギスの夜討伐後、原付の自動車免許を習得したのだ。しかも親父から安物のスクーターも買って貰った。え?二人乗りしても大丈夫なのかって?バレなきゃ良かろうなのだよワトソンくん

 

(※絶対にダメです。こいつの頭がおかしいだけです。読者の方は交通ルールを厳守して下さい)

 

龍騎「ったく、マミは悪いけど留守番な?まどか達は受験で忙しいし、万が一、見滝原に魔女が現れた時に対処出来るのはお前だけだからな」

 

マミ「分かりました」

 

メリー「はぁ........、全く蓮子ったら........」

 

蓮子「よーし!それじゃあ早速調査へレッツゴー!」

 

龍騎「今行くのかよ!?おい引っ張るな!」

 

そう言って蓮子は俺の腕を抱きついて無理矢理引っ張って行くと、メリーは溜め息を吐き、マミは行ってらっしゃいと苦笑して手を振った。

 

しかし、この行動が新たな戦いの引き金になる事になるとは、その時の俺はまだ知る由も無かった........。




ちょっとしたキャラ説明

鹿目龍騎
ワルプルギスの夜討伐後、一度死ぬが、まどかが魔法少女になった事により蘇生する。その後進級して高校生活を送ってる。

鹿目まどか
龍騎の死後、魔法少女となり、龍騎を蘇生する。
魔法少女としては新人。現在は受験生の為、魔法少女活動を休業中。

美樹さやか
幼馴染の上条恭介の腕を治す為にキュウべえと契約した魔法少女。
ワルプルギスの夜討伐後、恭介に魔法少女だとバレるが関係は維持してる。
現在は受験生の為、魔法少女活動を休業中。

佐倉杏子
風見野で活動していた魔法少女。
ワルプルギスの夜討伐後、マミの家に居候している。
龍騎とマミに無理矢理中学に編入されて受験生の為、魔法少女活動を休業中。

暁美ほむら
まどかを救うべく、幾度も時間をやり直した時間遡行者。
ワルプルギスの夜討伐後、まどかと共に学校生活を送る。
成績優秀とはいえ、中三のレベルに着いて来れるか怪しい状態の為、魔法少女の活動を休業し、まどか達と共に受験勉強に専念している。

巴マミ
五人の中でベテランな先輩魔法少女。
ワルプルギスの夜討伐後、龍騎の通う見滝原高校に入学し、秘封倶楽部に入部する。



いかがでしたか?

バイクの件は乗った事無いのでクッソ適当なのでご都合主義と捉えて下さい。ご了承下さい。

次回から漫画版マギレコ一巻に介入していきます。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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神浜の魔法少女

どうもです。

遂に本編開始です。

それではどうぞ。


 

〜鹿目家・駐車場〜

 

龍騎「よっと........」

 

蓮子「よくそんな小さいスクーター売ってあったね」

 

龍騎「親父に買ってもらったからな、乗れれば特に車種にはこだわりはないし」

 

蓮子「男の子って、そう言うのは好きじゃないの?」

 

龍騎「俺はロボットは好きだが、車とかはそんなに。よし行くぞ、道案内任せた」

 

蓮子「あいあいさー!」

 

俺は放課後に蓮子を連れてスクーターを取りに帰り、スクーターを出してヘルメットを蓮子に渡す。そしてスクーターに跨り、エンジンをかけると、ヘルメットを着用した蓮子が後ろに乗って俺の腹に手を巻いて固定する。そして、俺は神浜に向かってスクーターを走らせた。

 

蓮子「これぞ放課後ドライブだね!」

 

龍騎「遊びに行く訳じゃないんだぞ?此処は何処に曲がれば良い?」

 

蓮子「此処は真っ直ぐ行って、次の信号を右」

 

龍騎「了解」

 

それから蓮子の道案内を頼りに、神浜市の新西駅に到着した。其処で一旦休憩という訳で、近くの公園にスクーターを止めて、自販機で缶コーヒーを購入して一休みする。缶コーヒーの蓋を開けて一口飲む。

 

龍騎「ふぅ........」

 

蓮子「初めて来たけど、見滝原とはなんか違うね」

 

龍騎「そりゃそうだろ、なんてたって見滝原とは違う綺麗な街並みに、交通網が発展している。俺も初めて来てみたが、ウワサがあるとは思えないな」

 

蓮子「だよね、何でウワサなんてあるのかな?」

 

龍騎「........さぁな。でも、お前の耳に届いたとなると、結構危険なウワサなのかもしれないな...」

 

そう言って再びコーヒーを飲もうとするが、頭に電流が流れる感覚に襲われる。

 

龍騎「!なんだ........」

 

蓮子「龍騎?」

 

龍騎「........移動するぞ」

 

蓮子「え、ちょ!?ちょっと待ってよ!」

 

俺はコーヒーを飲み干して捨てて、スクーターにエンジンをかける。蓮子も慌ててコーヒーの飲み干し、ゴミ箱へ捨てると急いでヘルメットを被る。被り終えたら直ぐにスクーターを発進させて、目的地へと向かう。

 

蓮子「ねぇ!一体どうしたの!?」

 

龍騎「魔女だ、魔女が現れた」

 

蓮子「え!?ま、待ってよ!?魔女ってどう言う事!?」

 

龍騎「この神浜にも存在してたって事だ」

 

すると、目の前には修道女の白いケープをかぶった魔法少女が立ち尽くしていた。しかも彼女の周りには大量の使い魔が居た。

 

龍騎「っ!」

 

俺はズボンの左ポケットに手を入れて、黒色のカードデッキを取り出す。そして、ある程度距離に近づいたら、スクーターを止める。

 

龍騎「蓮子、お前は此処で待ってろ!」

 

蓮子「き、気をつけてね!」

 

龍騎「あぁ!」

 

そう言って俺は走りながらカードデッキを突き出して魔力を流し込んでベルトを出現させて腰に巻く。そしてカードデッキを左手で腰のベルトのすぐ横当たりまで落とし、右手を左斜め上へ伸ばして叫ぶ。

 

龍騎「変身!」

 

ベルトにカードデッキを差し込むと、龍の形をした炎の竜巻が俺の周りを旋回するように覆うと、炎が消えた瞬間、いつもの戦闘服になる。そして、デッキからカードを一枚引き抜き、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填して元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上から青龍刀が降って来て上手くキャッチして、使い魔に斬りかかる。

 

龍騎「邪魔だ!!」

 

俺は次々と使い魔を斬りつけると、魔法少女の腕を掴んで走り出す。

 

龍騎「こっちだ!」

 

「は、はい!」

 

俺と魔法少女が走り出すと、使い魔は俺達を追い掛けるが、俺はまた甲冑をスライドして、カードデッキから一枚のカードを引き抜き、カードを装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【AD VENT】

 

 

「ガアァァァァァァァァァァァァ!!」

 

魔法少女「りゅ、龍!?」

 

龍騎「驚くのは、まだ早い」

 

そう言って俺は再び甲冑をスライドして、カードデッキから一枚のカードを引き抜き、カードを装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【STRIKE VENT】

 

 

すると上空から龍の頭部を模した手甲が飛んできて、俺は右手に装着すると、魔女に向けて小さく態勢を低くする。そして龍の頭部を模した手甲から火炎弾を放つ。火炎弾は次々と使い魔を焼き尽くして消滅していった。

 

魔法少女「す、凄い........」

 

龍騎「ふぅ、魔女の野郎........。俺にビビって逃げて行きやがった」

 

魔法少女「あ、あの!ありがとうございました!」

 

龍騎「気にするな、怪我は無さそうだな」

 

そう言って俺は彼女に予備のグリーフシードを渡す。

 

魔法少女「グリーフシード!?何故貴方が........」

 

龍騎「俺も魔女を狩る仕事をしてるのさ、だから魔法少女の事も知ってるんだ」

 

魔法少女「そ、そうなんですか........。あ、あの!お、お名前を教えて貰えませんか!?今度お礼させてほしいんです!」

 

龍騎「別に名乗る者じゃないし、見返りが欲しくて助けた訳じゃないさ。気持ちだけ受け取る事にするよ」

 

?「其処のお二人さん?ちょっと良いかな?」

 

龍騎・魔法少女「「!」」

 

そう言ってこの場から離れようとすると、若い女の子の声が聞こえた。俺と魔法少女は声がした方向へ向くと、金髪のポニーテール少女が立っていた。

 

?「態々神浜市まで来てくれたのに、もう帰っちゃうのか?見滝原の龍騎士さん?」

 

魔法少女「見滝原の......、龍騎士?」

 

龍騎「........お前、魔法少女か?」

 

?「御名答、ほらっ」

 

俺が金髪ポニーテール少女が魔法少女かと聞くと、彼女は魔法少女姿へと変身した。

 

?「本当ならアタシも早く駆けつけられたんだけど、まさか龍騎士さんがやってくるとは思わなくてね」

 

魔法少女「あの、何ですか?その龍騎士って」

 

?「魔法少女なのに知らないの?見滝原の龍騎士は、見滝原に現れた謎の戦士の事で、見滝原に住む魔法少女と共に魔女を狩まくっては魔法少女より遥かに強く、誰も勝てる者は居なかった最強の戦士。その龍騎士さんが、この人ってわけ。特徴としては、まずそのフード付きの服に腰に巻いてあるベルトに中心にある龍のレリーフがあれば、その人本人さ」

 

魔法少女「え、ええええええ!?そうだったんですか!?」

 

龍騎「........はぁ、神浜に来て早々にバレるなんてな。そうだよ、龍騎士って呼ばれてるのは俺さ」

 

流石に言い逃れが出来ないので、大人しく白状する事にした。この状況で誤魔化せるとは思えないし。

 

?「........にしても、其処の子はちょいと状況が良くないな。使い魔にやられたってのは........」

 

魔法少女「........」

 

蓮子「おーい!龍騎ー!」

 

金髪ポニーテール少女がそう言うと、魔法少女は俯いてしまう。すると奥から蓮子の声が聞こえてくる。あいつ、待ってろって言ったのに........。

 

?「連れさんか?」

 

龍騎「今日は二人で来たんだよ」

 

そう言って俺はカードデッキをベルトから外して変身を解くと、俺は此処だ、と蓮子を呼び出す。

 

?「ふ〜ん、中々良い顔じゃない」

 

龍騎「それはどうも、君も一応変身を解いておいた方が良い」

 

魔法少女「は、はい!」

 

そう言って魔法少女は変身を解くと、ピンク色の長髪少女で、まどかと年が近そうな子だった。

 

蓮子「もう〜遅いから心配しちゃったじゃない!」

 

龍騎「もう終わったよ、逃げられたけど」

 

ピンク髪少女「お知り合いですか?」

 

龍騎「連れさ、それに彼女も魔法少女とか魔女について知ってる」

 

蓮子「え........?じゃあこの子達って」

 

?「あー、取り敢えず移動しない?これから神浜で戦っていく為にも、アタシと一緒に調整屋に行くとしよう!」

 

「「「調整屋?」」」

 

聞き覚えのない言葉に首を傾げる俺達。そんな様子を見た金髪ポニーテール少女は俺達が外部の人間だと悟ったかのような表情を見せる。

 

?「魔女の強いこの街じゃ、調整屋ってのは常識なのさ。なんせ、魔力を強化したり魔法少女を紹介してくれるからね」

 

ピンク髪少女「それ本当ですか!?」

 

龍騎「!」

 

蓮子「ねぇ!行ってみようよ!そしたら何か分かるかも!」

 

龍騎「........あぁ。確かに何か分かるかもしれない、この神浜についてもな」

 

ピンク髪「........よろしく、お願いします」

 

?「うん、素直でよろしい!」

 

ピンク髪少女も調整屋に向かうと言うと、金髪ポニーテール少女は笑顔を作ると、ピンク髪少女と握手する。

 

?「アタシは十咎 ももこ《とがめ ももこ》よろしくね」

 

ピンク髪少女「環 いろは《たまき いろは》です」

 

蓮子「私は宇佐見蓮子!見滝原高校二年生で秘封倶楽部の部長でーす!」

 

ももこ「アタシの一つ上か、で?龍騎士さんは?」

 

龍騎「........鹿目龍騎。見滝原の龍騎士だ」

 

この場の人の自己紹介を終えた俺達は、十咎の言った調整屋へ向かうのであった。神浜での調査は始まったばかり。一体どうなるのか、俺でも予想出来ない。今回は気を引き締めて行かなくちゃな........、そんな事を思いながら俺達は歩き出した。




いかがでしたか?

次回は調整屋からです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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魔法少女になった理由

どうもです。

前回続きです。

それではどうぞ。


 

ももこ「さ、此処だよ」

 

十咎ももこに調整屋とやらへ向かってる途中、俺達が辿り着いたのは廃墟の奥だった。本当にあるのだろうか......。

 

蓮子「調整屋って何でこんな廃墟の奥なの?」

 

ももこ「調整屋は戦えないみたいだからね。人気の無い場所の方が使い魔や魔女が近寄らないし、やり易いんじゃないかな」

 

確かに、一理あるかもしれないな........。そんな事思ってたら目的地に着いたらしく、目の前にはボロボロの扉があった。十咎は躊躇いも無く扉を開く。

 

ももこ「おっす調整屋〜」

 

?「あらぁ、久しぶりねももこ」

 

俺達が扉の奥へ入ると、まるでほむらの家の中と似た空間に、一人の少女がソファーに座っていた。

 

?「最近来ないから寂しかったわぁ」

 

ももこ「はっ、なーに言ってんだか。最近じゃ客も多くなって思い出す余裕もない癖に」

 

?「そんな事ないわよぉ?」

 

蓮子「龍騎凄いよ!!SF映画のワンシーンに出てきそうな部屋だよ!!」

 

龍騎「取り敢えず落ち着けよ........、おい写真撮ろうとするな!」

 

蓮子は興奮状態でスマホを取り出して写真を収めようとするが、俺が止めに入る。一応此処店だからな?

 

?「あら?そちらの子らは見ない顔ねぇ?」

 

ももこ「そ、今日はアタシの用じゃなくて新しい客の紹介だ」

 

?「どうも〜、調整屋さんです。八雲 みたま《やくも みたま》って言うのよ?以後、ご贔屓にして頂戴ねぇ」

 

龍騎「!八雲........」

 

いろは「えっ、あっ、は、はい........」

 

蓮子「........?どうしたの?」

 

龍騎「いや、八雲って懐かしい名前が出てきたからな........」

 

いろは「私は環いろはって言います、よろしくお願いします!」

 

みたま「よろしくね、そちらの方はぁ?」

 

蓮子「私は宇佐見蓮子、魔法少女じゃないけど、一応関係者だよ」

 

龍騎「........鹿目龍騎だ」

 

俺と蓮子は八雲みたまに自己紹介する。しかし八雲か........、紫さん達は元気かな........。

 

ももこ「でだ調整屋、いろはちゃんのソウルジェムちょっと弄ってあげてよ」

 

みまた「あら、軽々しく言うけどお代は勿論あるのよね?」

 

ももこ「あぁ、勿論アタシが持つよ」

 

いろは「えぇっ!?」

 

おう、太っ腹〜。流石は先輩だな、蓮子も見習ってほしいや。

 

蓮子「何でこっち見てんのよ?」

 

龍騎「別に」

 

いろは「ちょちょっ、待ってくださいももこさん........!あの、その助けて貰った上に、そんな........」

 

ももこ「まぁまぁ、こういう時はお互い様さ」

 

龍騎「納得いかないなら出世払いって手もあるぞ?別に十咎がそれで良いならな」

 

ももこ「まぁ別に出世払いしなくても良いんだけどね、こういうのは喜ぶとんだよ」

 

いろは「........はい、ありがとうございます!」

 

龍騎「........で、ソウルジェムを弄ると言ったが、具体的にどうするんだ?」

 

いろはが十咎にお礼を言ってる時に、俺は気になった事を八雲に伝える。

 

みたま「ふふっ、それはねぇ........。いろはちゃんのソウルジェムの中に私が触れるって事。そして、他の魔力を注いだりぃ、潜在能力を引き出したりするの」

 

蓮子「触れるだけで良いの?」

 

みたま「一度経験したらビックリすると思うわよぉ。だからね、早速やっちゃいましょう」

 

いろは「あっ、はい!」

 

みたま「それじゃあ、服を脱いで其処の寝台に横になってねぇ」

 

いろは「はい、わかりま........、えっ!?」

 

みたま「脱いだ服は其処のカゴの中に入れてね♡」

 

龍騎「蓮子、終わったら呼びにきてくれ。外で待ってる」

 

蓮子「あいあいさー」

 

ももこ「いや冗談だから!本当に外に行こうとしないで!?」

 

そう言って俺は外へ出ようとすると、十咎が八雲の冗談だと声を出す。まぁ知ってたよ?わざと引っ掛かってやっただからね?本当だからね?リュークンウソツカナイ。

 

 

 

みたま「はい、リラックスしてー........。しんこきゅー、しんこきゅー........。ゆったりぃ........、身を任せてぇ........。大地に沈んでいく...、しずかにー........、しずかにー................」

 

蓮子「なんか気持ちよさそう........、ぐっすり眠れるね」

 

龍騎「余計な事言うな、今は黙ってた方が良い」

 

みたま「それじゃあ、ソウルジェムに触れるわよぉ?」

 

八雲がいろはの心を落ち着かせようと声を掛ける。そして、環のソウルジェムに触れると、強い光が放ってくる。

 

いろは「うっ........」

 

みたま「力を抜いてぇ........。もう少し........、ふかーくっ........」

 

環の様子を伺いながら暫く待つと、環は目を開けた。どうやら上手くいったみたいだな。

 

いろは「...........」

 

みたま「どう?体の調子は良い感じかしら?」

 

いろは「えっと........、はい、さっきよりずっと良いです。何だか体がポカポカしてます」

 

みたま「ふふっ、それなら成功ねぇ。最初は体が怠く感じたり違和感があるかもしれないけど、暫くすれば少しずつ馴染み始めるから」

 

いろは「はい、ありがとうございます!」

 

いろははお礼を言うと、八雲は何故か浮かない顔をしていた。何かあったのか?

 

ももこ「?どうしたんだよ調整屋?」

 

みたま「えぇ、ちょっと........」

 

龍騎「........」

 

やっぱり、何かあったようだな........。

 

みたま「ねぇいろはちゃん。私はね、ソウルジェムに触れると、その人の過去が見えちゃうの」

 

いろは「過去........?」

 

龍騎「そう言う事か........、だから環の過去も見た。そして引っ掛かる所を見つけた、と........」

 

みたま「彼の言う通りよ、勝手に見たのは謝るわ。決して誰にも言わないから........。それでもね、一つだけ聞かせて欲しいの」

 

いろは「なん、ですか?」

 

みたま「貴女、何を願ったの?」

 

いろは「え........」

 

蓮子「え?願いって何の事?」

 

八雲の質問に環は放心状態になると、蓮子は願いについて知りたくなったのか、俺の袖を引っ張ってくる。

 

龍騎「魔法少女は契約する時に願いを叶える事が出来る、でも環は........」

 

いろは「い、いやだな龍騎さん、勿論覚えて.......」

 

俺の質問に環は徐々に声が小さくなっていき、やがて何かを思い出したかのように立ち上がり、外へ出ようとする。

 

龍騎「おい待て!何処へ行く!?」

 

いろは「行かせて下さい!私、見つけないといけないんです!あの小さなキュウべぇを!」

 

龍騎「!」

 

環の口からキュウべぇという言葉を聞いて思わず驚いてしまった。キュウべぇが居ないと魔法少女になれないのは分かってる........、でも気になったのはサイズが小さいって事だ。やはり、神浜町は何かある!そう言って環は走って行ってしまった。

 

ももこ「しまったああああああああ!今出てきたら絶対アイツに捕まえるぞ!」

 

龍騎「あいつ?........誰の事が知らんが、面倒くさい奴なんだろ?」

 

蓮子「龍騎!いろはちゃんをお願い!」

 

龍騎「言われなくても行くよ!」

 

そうと分かれば直ぐに現場へ急行せねば、そう思った俺は急いでスクーターの元へ走り、エンジンを起動して環の元へ向かった。

 

 

〜いろはside〜

 

いろは「はぁ........、はぁ........」

 

あの小さなキュウべぇを見てからだ。知らない女の子の夢を見て、その度に胸がざわついて、今は何故か愛おしくなって........。だからもう一度、あの子に会ってハッキリさせたい。どうなるかなんて分からないけど、あの夢がなんなのか知らなきゃ........。

 

いろは「早くしない、手がかりが........」

 

?「待ちなさい」

 

いろは「っ!?」

 

突然声を掛けられて、振り向くと一人の女性が立っていた。

 

?「やっぱり、ももこの所に居たのね........」

 

何でももこさんの事を........。いや、今はそんな事はどうでも良い!

 

いろは「ごめんなさい!今、急いでるんです!」

 

そう言ってこの場から離れようとすると、私の前に水のような槍で首元を突きつけられた。

 

?「私は待ちなさいと言った筈よ、どうしても通ると言うなら、私を倒してからにしなさい」

 

どうして........、もしかしてこの人も、魔法少女?

 

?「貴女自身が良く分かってる筈よ、魔女の結界内で無様にやられていたんだから...」

 

いろは「!?」

 

もしかして、あの時近くに居た!?

 

?「まぁ、邪魔が入ったお陰で遅くなったけど、今なら心置き無く貴女を町から追い出さる」

 

いろは「町から........、追い出す?」

 

?「そう、貴女は私の前で証明してしまったから、この町で行き抜く実力な無いという事をね」

 

いろは「っ!?」

 

?「さぁ、自分の町に帰りなさい」

 

いろは「........いや、です。私、目的があってこの町に来たんです!だから........」

 

?「だからどうしたの?目的も果たせずに死にたいの?」

 

いろは「それは........」

 

?「どうしてもと言うのなら、貴女が自分の強さを証明しなさい」

 

「だったら俺が代わりにやるよ」

 

いろは・?「「!?」」

 

謎の魔法少女が私に槍を突きつけると、背後から男性の声が聞こえてきた。私は背後を振り返ると、両手にポケットを入れたまま歩いてきた龍騎さんだった。

 

いろは「龍騎さん!?何で此処に........」

 

龍騎「ほっとけなくてな、それに十咎か言っていたアイツってお前の事か」

 

?「..........貴女も神浜の住民では無さそうね」

 

龍騎「まぁな、ちょいとこの町について調査してた所さ」

 

?「悪い事は言わないわ、命が欲しければその子と一緒にこの町から去りなさい」

 

そう言って魔法少女は、私に突きつけられていた槍を龍騎さんに向かって突きつける。

 

龍騎「良いよ別に、死んだら死んだで」

 

?「!?」

 

いろは「え........」

 

龍騎「なんてたって俺二回も死んでるし、何よりこういうのにはもう慣れてるんだよね。だからそんな脅しは通用しない」

 

?「余程自分の命が大事じゃないのね」

 

龍騎「お前は環の為に言ってるけどな、人間誰しも譲れないものがあるんだよ。それに、命なんて安いものさ、特に俺のはな」

 

?「!」

 

龍騎「どうしても戦わないといけないのなら、俺が相手してやるよ。そして、お前の全てを否定してやる」

 

そう言って俺はポケットから四角い箱のような物を取り出す。そして、四角い箱をを突き出すと、腰にベルトを出現して巻き、そして四角い箱を左手で腰のベルトのすぐ横当たりまで落とし、右手を左斜め上へ伸ばして叫ぶ。

 

龍騎「変身!」

 

ベルトに四角いを差し込むと、龍の形をした炎の竜巻が俺の周りを旋回するように覆うと、炎が消えた瞬間、私が見た戦闘服になる。

 

?「!?その姿は........、まさか!?」

 

龍騎「見滝原の龍騎士って言えば、分かる?」

 

?「やはり、貴方も神浜に介入するのね」

 

龍騎「介入するつもりはないさ、環の付き添いみたいなもんさ........。さっさとやろうぜ?

 

そう言って龍騎さんは鋭い目で謎の魔法少女に睨みつける。私でも分かる........、この人、とてつもない力を持ってる........。

 

?「面白い、見滝原の龍騎士!相手にとって不足はない!」

 

龍騎「環は下がってろ、怪我するぞ」

 

いろは「は、はい!」

 

私は龍騎さんに言われた通りに少しばかり離れる。そして龍騎さんはベルトからカードを一枚引き抜き、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填して元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、もう一度元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上から青龍刀が降って来て上手くキャッチして構える。

 

龍騎「言っとくけど、最初から死ぬ気で来ないと死ぬぞ?」

 

?「後悔しても知らないわよ」

 

龍騎「後悔は........、死ぬ程してきたさ!!」

 

そう言って龍騎さんの持っていた青龍刀から炎が発生した。私と謎の魔法少女は驚く中、龍騎さんだけはニヤリと笑っていた。

 

龍騎「さぁ、始めよう。本当の戦いってのをな」




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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砂場の魔女

どうもです

今回はいろはちゃんの魔女戦です。

それではどうぞ。


 

龍騎「さぁ、始めよう。本当の戦いってのをな」

 

青龍刀に火を纏わせてニヤリと軽く笑うと、俺から攻撃を仕掛ける。

 

龍騎「はあぁ!」

 

?「くっ...」

 

龍騎「おらっ!」

 

?「なっ!?」

 

先に俺が青龍刀で斬りかかるが、魔法少女は槍を盾にして攻撃を防ごうとしたが、俺は瞬時に左足で魔法少女を蹴り飛ばした。流石の蹴り技に警戒していなかったのか、あっさりと吹っ飛ばされた。

 

?(あんな態勢で良く蹴りに移せるわね...)

 

龍騎「考え事とは随分と余裕だな」

 

?「!?」

 

俺は魔法少女の懐に入り込むと、魔法少女の腹部に正拳突きしてアッパーカット、払い蹴り、青龍刀での一閃のコンボで攻撃を仕掛ける。こいつ、肉弾戦には向いてないな........。

 

?「はぁ!」

 

龍騎「甘い!」

 

次に魔法少女が槍で攻撃を仕掛けると、俺は青龍刀で受け止めるが、魔法少女の持っていた槍が突然水に変化して、青龍刀からすり抜けると再び槍の形となる。

 

?「これで!」

 

龍騎「詰めが甘い!」

 

魔法少女が槍を振り下ろすが、俺は態勢を低くして魔法少女の足に向かって払い蹴りすると、魔法少女ばバランスを崩す。俺はその瞬間を見逃さずに青龍刀で吹き飛ばした。

 

?「はぁ...、はぁ...」

 

龍騎「まさか、この程度か?環にはあんなにデカい口叩いてこの実力なんて........、案外神浜の魔法少女ってのは強くないんだな」

 

?「っ!」

 

龍騎「悔しいか?余所者にコケにされてはボッコボコにされてよ。今度はお前のプライドをへし折ってやろうか?」

 

?「くっ........(強すぎる........!これが見滝原の龍騎士の実力........)」

 

「ちょっと待てええ!!」

 

龍騎・?「「!?」」

 

すると、上空から聞き覚えのある声が聞こえると、俺と魔法少女の間に大剣のような物を振り下ろした。俺と魔法少女は咄嗟にその場から離れると、大剣を持っていたのは十咎だった。

 

いろは「ももこさん!?」

 

龍騎「何でお前が居るんだ?」

 

ももこ「いやはや、追ってきて正解だったよ。ってか龍騎さんやり過ぎ!やちよさんボロボロじゃない!」

 

龍騎「いや、喧嘩売ってきたのあっただし」

 

ももこ「だっても何もあるか!」

 

龍騎「あいてっ!」

 

十咎がツッコミと同時に拳骨を喰らわせた。地味に痛い...。

 

龍騎「ってか、こいつ知ってんのか?」

 

ももこ「........まぁね」

 

やちよ?「私はこの町に無駄な死体を増やしたく無い...、それだけよ」

 

ももこ「はっ、よく言うよ。大方、魔女の数が減るからだろ?町に魔法少女が増えりゃ、個人のグリーフシードの取り分も減るからな。だから調整屋も紹介しないで力技で追い出そうとしてる」

 

まるで一年前の佐倉みたいな奴だかこいつ。

 

やちよ?「........いい加減誤解されるのも気分の良いものじゃないわね」

 

その割には俺にボコられてたけどな

 

やちよ?「其処の貴女、小さなキュウべえって何処で見かけたのかしら?」

 

いろは「えっと........、あの砂場の魔女の結界です」

 

突然やちよ?と呼ばれた魔法少女はいろはに槍を向けて質問すると、いろはは若干怯えながら答える。

 

やちよ?「そう、それじゃあこうしましょう。砂場の魔女を先に倒したら実力を認めるわ。ハンデとして私は一人、そっちは三人で構わないわ。これでどうかしら?」

 

いろは「え!?そんな勝手に........!」

 

いや、寧ろ好都合だ。俺か十咎で魔女を倒して、環がちっこいキュウべえを探し出せば良い。

 

ももこ「よし乗った!」

 

いろは「ええええ!?」

 

龍騎「ま、そう言う事だ。それにあの魔法少女に認めて貰えれば、ゆっくりと調べ物も出来るだろ?」

 

いろは「........分かりました、やります!」

 

意を決していろはは参加すると言うと、魔法少女の姿になる。それから俺達は砂場の魔女の捜索を開始した。

 

 

〜数分後〜

.

いろは「...ありました、此処です」

 

三十分ぐらい掛けて、遂に魔女の結界らしきものを見つけた。まさかマンションの屋上にあったとはな........。

 

ももこ「また随分と奥に隠れたな」

 

やちよ?「複数の魔法少女に狙われたら魔女だって流石に逃げたくなるわよ。さっきは小物一匹だから気が大きくなったんじゃない?」

 

いろは「小物........」

 

やちよ?「取り敢えず、その分のハンデは付けたつもりよ。ももことその龍騎士で頑張りなさい。強くなった実力とやらを精々発揮してね」

 

ももこ「いちいたムカつく言い方だな」

 

やちよ?は環を煽るかのように言うと、十咎は少しイラついた様子で返事を返す。何かやちよって奴........、あいつに似ているな........。

 

『正直に言う。俺は今まで、心の底から共と呼べる奴が居なかった...。最初は欲しいとは思わなかったがな......。だが、お前は......、出会って来た中で、唯一の友と......、呼べるのかもしれない』

 

いろは「........龍騎さん?」

 

あいつの事を思い出してたら無意識のうちに笑っていたようで、環に声を掛けられた。おっと、思い出に浸ってる時ではないな。

 

龍騎「悪い悪い、昔にお前と同じような奴に似ててな。........行こう、どちらにせよ魔女を倒す事に変わりはない」

 

いろは・ももこ「はい!(ええ!)」

 

そう言って俺と環と十咎は魔女の結界の中へと入っていく。後ろに居るやちよ?は俺達が結界内に入ってくのを見届けた。

 

 

〜魔女の結界内〜

 

ももこ「兎に角一直線に魔女の所へ向かおう!」

 

いろは「は、はい!」

 

龍騎「了解」

 

魔女の結界内に侵入した俺達は、魔女の元へ向かう中、大量の使い魔が太立ち塞がる。

 

龍騎「盛大なお出迎えだな」

 

いろは「背中は任せて下さい!援護します!」

 

ももこ「あぁ!アタシは一気に突破口を開く!」

 

いろはの援護射撃で俺と十咎は近接武器で使い魔を切り裂く中、やちよ?が俺達の横を通り過ぎていく。

 

やちよ?「お先に失礼するよ」

 

龍騎「させねぇよ?」

 

俺はやちよ?に向かって青龍刀を投擲すると、やちよ?は槍で青龍刀を弾くが、俺はやちよ?の懐に入り込み、回し蹴りを放ち、吹き飛ばす。

 

やちよ?「貴方........!」

 

龍騎「お前の邪魔をしちゃいけないって言ってないだろ?」

 

やちよ?「くっ........」

 

 

 

〜いろはside〜

 

ももこ「ひゅ〜、かっこいい。やっぱ彼が味方になってくれて大助かりだね」

 

いろは「はい........っ!?」

 

私とももこさんが使い魔を倒してる中、私は一つのものを見つけた。それは、私が求めていた小さなキュウべえだった。

 

いろは「いました!小さなキュウべえ!」

 

ももこ「いろはちゃん!今は魔女を狩る事が優先だよ!」

 

いろは「でも私はあの子に会いに来たんです!あの子と話しする事が出来れば........」

 

ももこ「そりゃあちょっと楽観的過ぎるよ、いろはちゃんの願いが関係してるかも知れないけどさ........」

 

龍騎「環!」

 

ももこさんが言ってる途中に、横からやちよ?さんと言われた魔法少女と戦ってる龍騎さんが声を掛けて来た。

 

龍騎「お前はただ自分の信じるものの為に戦えば良い!他人が何言われようが自分の決めた道だろ、だったら覚悟決めろ!」

 

っ!そうだ........、私はこの小さなキュウべえに用があってきたんだ........。だったら迷ってる暇は無い!そう思った私は小さなキュウべえに手を差し伸べると、小さなキュウべえは片足を上げて指を指すようにジェスチャーする。

 

スモールキュウべえ「キュッ、モッキュ!」

 

ももこ「?どう言う事なんだ?」

 

いろは「案内してくれるの?」

 

スモールキュウべえ「モッキュ!」

 

やちよ?「っ!」

 

龍騎「あっ、待て!」

 

龍騎さんの隙を突いて、小さなキュウべえが指を指した方向にやちよ?さんは全速力で向かって行き、龍騎さんも後を追って行く。

 

いろは「私達も行きましょう!」

 

ももこ「まぁちゃんと魔女の所へ辿り着く保証は無いけどな、でも普通に戦ってたんじゃやちよさんきは追いつけないしね、此処は一つ、賭けてみるか!このチビスケに!」

 

いろは「はい!」

 

それから小さなキュウべえの後を追って進むと、魔女が居るであろう最深部の入り口に辿り着いた。

 

いろは「着いた........」

 

ももこ「この先は魔女のプライベート空間だな、半信半疑だったけど、本当に案内してくれるとはね........」

 

いろは「私達一番乗りですか........?」

 

ももこ「多分ね、追いつかれる前に乗り込むよ!」

 

いろは「はい!」

 

私達は最深部の入り口に入って行くと、遂に魔女の姿を見つけた。これがこの結界の魔女........!

 

やちよ?「あら、遅かったのね」

 

魔女の近くにはやちよ?さんが居た。でも龍騎さんの姿が見当たらない。何処へ行ったのかな........。

 

ももこ「冗談キツいぞ...、いくら何でも早過ぎる...。ってか龍騎さんはどうした!?」

 

やちよ?「さぁ?道に迷ってるんじゃないかしら?」

 

う、嘘........。龍騎さんが居ないとなるとちょっと心細いよぉ........。

 

やちよ?「でも彼が居ようが結果的には、私の勝ちね。だけど特別にもう一度チャンスをあげるわ」

 

いろは「えっ」

 

やちよ?「貴女一人で魔女を倒さない、そうすれば実力を認めてあげるわ」

 

........私一人で魔女を倒す。これを引き受けてなければ、この町で調べ物も出来なくなる以前に、此処に来る事も出来なくなる。

 

いろは「やります!私、魔女を倒さてみせます!」

 

勇気を振り絞って声を出す。

 

やちよ?「そう、なら見せて貰うわ。神浜の魔女一筋縄ではいかないわ」

 

ももこ「頑張れよいろはちゃん!」

 

いろは「はい!」

 

ももこさんも応援してくれている、なら期待に応えないと!私は左腕にあるボウガンを構えると、魔女は砂嵐を起こして攻撃して来た。私は砂嵐に注意しながらボウガンの矢を発射、魔女の顔面に当たると、魔女は弾幕を展開して反撃してくる。

 

いろは「くっ........!はあああっ!!」

 

もう一度魔女の顔面に向けてボウガンを発射するが、魔女の顔面が砂に打ち込んでるみたいで効いてる感じが全然しない。それに砂嵐が邪魔して急所が狙いにくい。何とか当てても風で威力が押されちゃうし........。

 

いろは「だったら!」

 

私は魔女の頭上を狙ってボウガンを発射した。

 

ももこ「!?空に矢を!?」

 

いろは「届け........!ストラーダ・フトゥーロ!」

 

空に放った矢が、魔女の頭上に伸びて行くと、其処で矢が分裂して雨のように魔女にダメージを与える。そして魔女は徐々に姿を消していき、魔女の結界は消滅した。

 

ももこ「やったいろはちゃん!」

 

いろは「はい!やっちゃいました!」

 

ももこ「どうだやちよさん!いろはちゃんだってやれば出来る子なんだよ!」

 

ももこさんとハイタッチすると、やちよ?さんははぁ、と小さく溜め息を吐いた。

 

やちよ?「どうしてももこが得意気になってるんだが........。実力は認めるわよ、最初から大丈夫だろうとは思ってたしね」

 

と言う事は........、魔女を譲ってくれた?

 

ももこ「そう言って人を弄んでた癖に!」

 

やちよ?「別に弄んでなんかないわ。ただ、目的があっただけ」

 

いろは「目的?」

 

やちよ?「えぇ........、ちょっといじめ過ぎたよかしらね。この小さなキュウべえは私の前に現れてくれないから」

 

いろは「!?」

 

何でだろ........、嫌な予感がする........。

 

やちよ?「気がついたら神浜市ならいつものキュウべえは消えていて、この子しか存在しなくなっていた。イレギュラーな存在........、どう考えても危険な因子にしか思えないのよ」

 

そう言ってやちよ?さんは槍を展開する。ま、まさか!?

 

いろは「ももこさん!」

 

ももこ「しまっ...」

 

やちよ?「遅い!」

 

やちよ?さんはももこさんに攻撃をして気絶させると、小さなキュウべえは私の後ろに怯えて隠れる。

 

やちよ?「これで、ようやく消せるわ」

 

いろは「やめて!この子が...この子が何をしたって言うんですか!?」

 

やちよ?「これからするかもしれないでしょう?リスクは早めに排除するものよ」

 

そう言ってやちよ?さんは小さなキュウべえに向かって攻撃するが、私が小さなキュウべえを抱きしめて盾になる、やっと見つけた手がかりなのに、あの子は........、あの子は私の大切な子かもしれないのに........!

 

やちよ?「そいつに関わると碌な事にならないわ、離さないと貴女まで串刺しになるわよ」

 

いろは「嫌です!絶対に離しま........!?」

 

すると急に小さなキュウべえが光だし、意識が朦朧とする。小さなキュウべえを抱きしめてから、何か...溢れて来る........。

 

 

 

 

 

『お姉ちゃん!今日も来てくれたんだね!』

 

お姉ちゃん........?

 

『あーあ、早く元気になってお姉ちゃんと学校に行きたいなぁ』

 

ずっと入院してるこの子...、私、何処かで...。

 

『お姉ちゃん...、息が...っ、うぅ...』

 

私...、知ってる...。あの子の苦しそうな顔も...、嬉しそうな顔も...。全部...。あの子、あの子の名前...、なんだっけ........。懐かしくて愛おしいあの響き...。

 

『お姉ちゃん........、私、本当に........、退院出来るの.....?』

 

いろは「出来るよ!うい!」

 

うい........?うい........、そう、ういだ!

 

ずっと入院していて、身体が弱くて、今にも消えてしまいそうな。

 

私の........、かけがえのない大切な妹........!

 

どうして私、こんな大切な事........。

 

いろは『お願い!私の妹の病院を治して........!ういを元気にしてあげて!その為なら私........、何でもするから!」

 

キュウべえ『環いろは、それが君の願いなんだね』

 

ずっと不思議に思っていた。自分の部屋がどうして半分だけ綺麗に空っぽになっているのか。それはまるで、誰かの居場所がぽっかり無くなったみたいでわ何故だが見るたびに、喪失感で胸が切なくなる。

 

その理由がやっと分かった。

 

いろは「此処に貴女が居たんだね、うい........」

 

私の大切なたった一人の妹........。

 

貴女の為に私は魔法少女になったんだ........。




いかがでしたか?

次回は二巻目に入れたら入ろうと思います。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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二人の過去

どうもです。

前回の続きです。

それではどうぞ。


 

〜いろはside・調整屋〜

 

みたま「ももこ!いろはちゃんが目を覚ましたわよ!」

 

ももこ「本当に!?」

 

やちよさんに襲われた時に意識を失った私は、目が覚めると調整屋のベットの上だった。

 

ももこ「いろはちゃん、大丈夫か?」

 

みたま「良かった......。外傷はなかったけど、中々気がづかないから心配したのよ?」

 

いろは「ももこさん...、みたまさん...」

 

ももこ「どうした?何処か痛い?」

 

いろは「私、思い出しました........。魔法少女になった理由を........、自分の願い事を........」

 

ももこ「!?」

 

私がももこさんに魔法少女になった理由と願い事について話し始めようとときたら、入り口の扉が開かれた。

 

龍騎「........どうやら今気がついたみたいだな」

 

ももこ「意外と早かったな」

 

龍騎「まぁ、蓮子を駅まで送りに行っただけだからな」

 

そっか........、蓮子さんを送り迎えしてたんだ........。

 

龍騎「で、今の状況は?」

 

いろは「........私、魔法少女になった理由と、願いの事を思い出したんです」

 

龍騎「........お前のペースで良い、教えてくれ。それとその涙拭け」

 

いろは「は、はい........」

 

そう言って龍騎さんはポケットからハンカチを取り出して私に差し出すと、私はいつの間にか泣いていた目をハンカチで拭いて、思い出した事は話し出す。

 

いろは「私、妹の為に........。あの子の病気を治す為に魔法少女になったんです。どうして忘れてたんだろう........。こんな大切な事........」

 

ももこ「忘れていたって、そんな........。一体どういう........」

 

いろは「分かりません...。ずっと一緒に暮らしてた筈なんです........。入院してしまうまでは同じ屋根の下で寝てご飯も一緒に食べてました。でも、消えてるんです、みんな........。無かった事になってるんです........。お母さんもお父さんもいつも通りだし、私もついさっきまで自分は一人っ子だと思い込んでた........」

 

龍騎「つまり、最初から妹さんが居なかったことになってる、と........」

 

ももこ「そんな事って........」

 

みたま「魔女の仕業かしらぁ?」

 

龍騎(俺の知ってる限り、魔女は人間を魔女の口づけで操って、自殺に追い込む事はできるが、記憶を改ざんなんて出来るのか?)

 

ももこ「あたし長いこと魔法少女やってるけど、そんな魔女聞いた事ないぞ?」

 

みたま「でも他にそんな事ができるのって........」

 

龍騎「........または、何者かが妹さんを居なかった事にしたか、それとも妹さん自身がそうしたか........」

 

「「「え?」」」

 

龍騎「あ、いや、可能性の話しであって確証は全くない。気にしないでくれ」

 

いろは「は、はぁ........」

 

龍騎さんの発言も気になるけど、取り敢えず私は話しを続けた。

 

いろは「まだ、良く分かりませんが、私がまだ思い出せてない事が何があるかも...。きっと、この子がういの事を思い出させてくれたんだと思います」

 

スモールキュウべえ「キュ?」

 

そう言って私は側に居た小さなキュウべえを撫でる。

 

いろは「........決めました。私、また来ます!この神浜市に、今度はういを探しに」

 

龍騎(まぁ、この町なら手がかりはあるんだろうな。そのちっこいキュウべえも何か隠された秘密があるのかもしれないし........)

 

みたま「いろはちゃん........、あのね?嫌な事を言うかもしれないけど........。その記憶が実は嘘のもので、その理由があって貴女に植え付けられた、そういう可能性だって考えられると思うの」

 

龍騎「だからって、環はそう易々と意見を変えないと思うぞ?(なんか、昔の俺に似てるからな........)」

 

いろは「はい........。それでも私、この記憶を信じます。ういの事を考えるだけで、凄く愛おしい気持ちになって........。鮮明になった思い出が、あの子が居たって実感を与えてくれる。それに何よりも、今の私は『環ういって妹か居る環いろは』だって思えるから........。だから、今の私を『私』は信じたいんです。

 

それに、龍騎さんが言ってたあの言葉........。

 

龍騎『お前はただ自分の信じるものの為に戦えば良い!他人が何言われようが自分の決めた道だろ、だったら覚悟決めろ!』

 

龍騎の言われた通り、私は、私の信じるものの為に戦う。そう決めたんだ!

 

龍騎「........って言ってるけど?」

 

ももこ「はぁ〜、こうも言われちゃあねぇ」

 

みたま「いろはちゃんがそこまで言うなら、これ以上は何も言わないわぁ」

 

どうやら皆んな納得してくれたみたいだ、良かった........。

 

ももこ「........そういや、話し変わるけどさ。龍騎さんはどうやって龍騎士になったんだ?」

 

龍騎「ん?あぁ、これさ」

 

ももこさんの質問に、龍騎さんはポケットから四角い箱を取り出した。

 

龍騎「カードデッキ、これを使わないとまぁ変身は出来ないようになってる」

 

みたま「それって私達魔法少女で例えると、ソウルジェムかしらぁ?」

 

龍騎「そう捉えて良いかもしれない。俺は完全なイレギュラーだからな」

 

ももこ「調整屋、これを弄るって事は出来るのか?」

 

みたま「どうかしらぁ〜、彼は魔法少女じゃないし、何よりできるかどうか........」

 

龍騎「........取り敢えず、やってみてくれないか?出来なかったら出来なかったで別に良いし」

 

いろは「え!?良いんですか!?」

 

龍騎「流石に死ぬわけじゃないんだし、大丈夫だよ........。ソウルジェムが割れたらお前ら死んでるわけだし」ボソッ

 

....?今なんて言ったんだろ........。良く聞こえなかった........。

 

みたま「それじゃあ、そこの寝台に横になってねぇ」

 

それから龍騎さんは、みたまさんの指示に従って寝台に横になる。そして、みたまさんがカードデッキに触れると、カードデッキから光が放たれる。

 

ももこ「っ!いろはちゃんの時より凄い光........」

 

いろは「す、凄い........」

 

みたま「................っ!................っ!?................!!??」

 

龍騎「........っ、八雲!もういい!やめろ!」

 

みたま「っ!!」

 

突然、龍騎さんがみたまさんに叫ぶと、みたまさんは驚いて尻餅を付いてしまった。

 

ももこ「え!?何!?」

 

いろは「だ、大丈夫ですか!?」

 

みたま「はぁ........、はぁ........」

 

龍騎「........大丈夫か?」

 

みたま「........龍騎さん、貴方........」

 

みたまさんは龍騎さんを見ると、何故が怖がっていた。確かみたまさんは、その人の過去が見れるって言ってたような........。

 

龍騎「もしかして、見たくもない俺の過去が強制的に見せられたって事か?」

 

龍騎の言葉にみたまさんはゆっくりと頷いた。一体何を見たと言うの........?

 

ももこ「どう言う事だ?」

 

龍騎「........その言葉通りの意味さ、八雲が驚くのは無理もない。お前らはさ........、輪廻転生って信じるタイプ?」

 

 

〜いろはside out〜

 

 

〜三十分後〜

 

龍騎「........ざっくりだけど、こんな感じかな」

 

いろは「........」

 

ももこ「つまり、龍騎さんは........、元々は別世界の人間で........」

 

みたま「この世界の一般家庭の長男として、生まれ変わった........」

 

俺の過去を話すと、シリアスだった雰囲気が更に重い雰囲気となる。過去を見られるのは百も承知だったが、まさか前世の記憶まで覗けるとはな........。

 

いろは「じゃ、じゃあやちよさんを圧倒できたのは........」

 

みたま「前世から引き継いだ長年の経験って所かしらぁ?私達より死線を超えて来た訳だし」

 

ももこ「は、ははは........。アタシ、とんでもない人に会っちゃったかも........」

 

いろは「龍騎さんがこっち側で良かったですね........」

 

何かドン引きされてるんだけど?俺ってそんなに危険人物扱いされてる訳?それはそれで悲しいんだけど........。

 

それから俺達は連絡先を交換して、今日は解散する事になった........。

 

 

 

〜翌日〜

 

龍騎「........ん?」

 

学校が終わって放課後、俺は再び神浜市へスクーターを走らせていた。今日は蓮子はバイト、メリーは相変わらず習い事、マミも留守番しているので俺一人。適当に神浜の道を進んでいたら、環がスマホを片手に歩いていた。

 

いろは「ん〜〜〜、あれ...........?」

 

龍騎「おーい、環ー!」

 

いろは「あ、龍騎さん........」

 

龍騎「環一人なのか?こんな所で何してるんだ?」

 

いろは「えっと、実は昨日、思い出した事がありまして........。そこに行けば、何か手がかりがあるんじゃないかって........」

 

成る程、それでスマホのナビを頼りに歩いてたのか。そう思った俺は環のスマホの画面を見ると、環が向かっている目的地とは真反対な方向だった。

 

龍騎「........お前、迷子なのか?」

 

いろは「ち、違いますよ!確か此処を曲がって坂を登ると病院の筈........」

 

龍騎「その病院は後ろのやつか?」

 

いろは「え?........あ」

 

俺は後ろに建ってある病院らしき建物を指を指すと、環は固まってしまった。

 

龍騎「........お前、方向音痴か?それとも機械音痴?」

 

いろは「うっ........」

 

どうやら図星のようだ。今時の学生なら携帯ぐらい余裕で扱えるのに...。

 

龍騎「良いか?この赤い点は目的地、この青い点は現在地、そしてこの三角の矢印はスマホが向いてる方角。つまりお前は逆方向に向かってる訳だ」

 

いろは「........な、成る程」

 

龍騎「........何か心配になってきた。俺も一緒に行くよ」

 

いろは「だ、大丈夫です!一人で行けますから!」

 

龍騎「スマホのナビアプリを全く理解出来てない人が心配するなって言われても無理な話しなんだが?」

 

いろは「ぐふっ........」

 

龍騎「........はぁ、取り敢えず行こう」

 

そう言って俺はスクーターを押して歩いて、環の目的地である病院へと向かった。それから病院に辿り着いた俺と環は、環一人で病院に入って行くのを見送り、近くのベンチで一休みしていると、環が溜め息を吐きながら帰ってきた。

 

龍騎「お帰り。その様子だと、収穫は無かったようだな」

 

いろは「はい........、まさか二人とも憶えてない所か、病室にもいないなんて........。おまけに退院したのか、部屋を移ったのかも教えて貰えなかったし........」

 

最近の病院も厳しくなったな........。プライバシーにも気にする事になったとは........。

 

龍騎「........そういや、二人とも憶えてないって言ってたけど、知り合い?」

 

いろは「あ、はい。灯花ちゃんとねむちゃんって言って、いつもういと仲良く遊んでた友達だったんです」

 

龍騎「もしかして、環の妹さんもあの病院に居たのか?」

 

いろは「はい........。とても仲か良かったです」

 

龍騎「ほぉ〜」

 

いろは「灯花ちゃんは、宇宙のお話しを偉い人と議論するようなすっごく頭の良い子で、ねむちゃんは、お話しを書くのが大好きで、ネットに載せた物語が本になるような子なんです。二人共、本当に才能に溢れた子達だったけど、いつもはよく喧嘩し合う普通の女の子だったんです」

 

お、おう........。中々個性豊かなお友達で........。俺が苦笑いしてると、いろはは思い出したのか、少し笑った。

 

いろは「やっぱり、記憶違いだとは思えないや........。ほんとよく絶交って言ってたなぁ........」

 

龍騎「あー、分かる分かる。大抵は絶交って言ったら直ぐに元通りになるオチだよな」

 

いろは「ですよね........」

 

「絶交........、ですって?」

 

龍騎・いろは「「!?」」

 

突然、背後から声が聞こえた俺と環は、聞こえた方向へ向くと、昨日環に喧嘩を売ってきたやちよと言う人物だった。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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絶交ルールのウワサ

どうもです。

前回の続きです。

それではどうぞ。


 

龍騎「お前は........」

 

いろは「やちよ...さん?」

 

やちよ「あら、覚えてくれたのね」

 

突然と現れたのは、昨日環に襲いかかったやちよ?だった。

 

いろは「それは........、あんなに狙われたら覚えちゃいますよ........」

 

やちよ?「それもそうかもしれないわね.......。そんなに構えないでくれる?危害を加えるつもりはないわ。ただ、気になる言葉が聞こえたから........、忠告しようと思って」

 

龍騎「忠告?」

 

やちよ「えぇ........。いい?この町の中では『絶交』なんて言葉使っちゃ駄目よ?」

 

いろは「へ?」

 

龍騎「...それはどう言う事だ?」

 

やちよ「特に誰かと仲違いした時には絶対にね........。言ったら最後、たちまち絶交ルールのウ・ワ・サ・に捕らわれてしまうわ」

 

龍騎「!?ウワサ........」

 

やちよの口からウワサと発言すると、やはりこの神浜にはウワサが存在していたと確信した。やはりあるみたいだな........。

 

いろは「ウワサに捕らわれる........?一体どう言う事ですか?」

 

やちよ「こんな話し聞いた事ないかしら?」

 

 

ーーーアラモウ聞いた?誰から聞いた?絶交ルールのそのウワサ

 

ーーー知らないと後悔するよ?知らないと怖いんだよ?

 

ーーー絶交って言っちゃうと、それは絶交ルールが始まる合図

 

ーーー後悔して謝ると、嘘つき呼ばわりでた〜いへん!

 

ーーー怖いバケモノに捕まって、無限に階段掃除をさせられちゃう!

 

ーーーケンカをすれば、ひとりは消えちゃうって神浜市ほ子供達の間ではもっぱらのウワサ

 

ーーーオッソロシ〜!

 

やちよ「........と、まぁこんな感じの内容なんだけど」

 

やちよの説明を聞いて、ウワサの存在を知ってた俺は軽く頭を頷くが、隣に居る環はあまりピンときてない顔をしている。

 

いろは「えっと...、今のが『絶交ルール』ですか?」

 

やちよ「えぇ、絶交と言えば何があっても謝罪の言葉を口にしては駄目。関係を修復しようとすると、バケモノに捕まってしまうの」

 

龍騎「被害に遭った人は居るのか?」

 

やちよ「何人被害に遭ったかは分からないけど、神浜ウワサファイルの中では信憑性の高いうわさだから」

 

龍騎・いろは「「........かみ、はま?」」

 

やちよ「ウワサファイルよ!神浜に最近、こういう謎のウワサが溢れているの」

 

そう言ってやちよは鞄からノート手帳のような物を取り出して俺達に見せた。どうやらそれにウワサについて書いてあるようだ。

 

龍騎「ちなみにウワサって、その絶交ルール以外にもあるのか?」

 

やちよ「えぇ、いくつか。そのキュウべえと同じぐらいイレギュラーな存在なんだから」

 

そう言ってやちよは環の側に居たちっこいキュウべえに視線を向けると、ちっこいキュウべえは怯えて環に抱きついてしまった。まるで赤ん坊みたいだな。

 

いろは「やちよさん、この子をまだ狙ってるんですか........?」

 

やちよ「それは貴女の回答次第かしらね、何も悪い事が起きてないなら狩る必要もないでしょうし。それより貴女、あの後大丈夫だったの?気を失ってたじゃない」

 

気を失ってた?じゃあ、拾った時に倒れてたのは急に意識を失ってたって事か........。畜生!迷子になってなければもっと早く駆けつけられたじゃないか!無駄に広いんだよ神浜ァ!

 

いろは「あれは........、悪い事じゃないです。お陰で妹の事を思い出せましたから......」

 

やちよ「妹って........、そんな身近な人の事を忘れてたの?」

 

いろは「それなんですが........」

 

それから環は思い当たる事をやちよに説明した。ちなみに俺が声に出してしまった案は言ってない。咄嗟に思いついた事なので信憑性が低すぎるからな...。

 

やちよ「そう........」

 

龍騎「お前はどう見る?」

 

やちよ「そうね、偽の記憶でも植え付けられたんじゃない?」

 

いろは「やっぱりそうなりますよね........」

 

やちよ「もしくは、その妹さんの為に世界が改変されたか.....」

 

龍騎「っ........」

 

いろは「改変........?」

 

やちよ「........流石に大袈裟かしらね」

 

龍騎「奇遇だな、俺も似たような考えをしてたんだよ」

 

やちよ「........貴方と同じ意見なのは複雑な気持ちね」

 

あれ?俺もしかして嫌われてる?........それもそうか、あんだけボコボコにしてりゃ、好印象持つわけねぇか。

 

いろは「そ、それでも私は、思い出した事を信じてますし、妹を見つけたいと思ってます。だから、不思議な事は起きても悪い事は起きていません」

 

やちよ「そう........、それなら私が言う事はないわね........。それに、分からなくないしね...、貴女の気持ちも...」

 

いろは「え?」

 

龍騎「................」

 

やちよ「気にしないで、それじゃあ私は行くわ。ウワサには気をつけなさい。忠告はしたわよ」

 

そう言ってやちよは去ってしまった。それしても今の言葉と表情........、あいつも誰かを探してるような感じがしたけど、気のせいなのだろうか........。

 

いろは「........龍騎さん、ウワサについてどう思いますか?」

 

環が俺にウワサについて質問してきた。あいつ........、やちよは確かに環に襲われたが、態々そんな嘘をつく必要があるとは思えない。それに........。

 

龍騎「俺は本当だと思う。なんてたって、見滝原にも神浜のウワサが流れてる程だからな」

 

いろは「え?そうなんですか?」

 

龍騎「あぁ、俺と蓮子が此処に来たのは、ウワサの調査なんだ。一応、オカルト研究部みたいな部活が入ってる訳だし」

 

いろは「そうだったんですか........。ちなみに絶交ルールについては?」

 

龍騎「初耳だ。流石に内容までは知らんから、こっから先は何にも分からん。でも、今日は良い収穫が出来た訳だから、蓮子は嬉しい事だろうな」

 

「っーーー言っーじゃない!」

 

龍騎・いろは「「!?」」

 

環に話してる所に、結構凄い声が響いてきた。俺と環は驚いて声がした方向へ向くと、其処には十咎と........、中学生だろうか?知らない女子生徒二人が居た。

 

ももこ「だから、あのなレナ........」

 

レナ?「もういいっ!もうかえでとは絶交だからっ!!」

 

龍騎・いろは((わあ........、思いっきり絶交って言っちゃってる........))

 

おいおい大丈夫なのかよ........。ウワサについてはこの目で見た事がないからなんとも言えないが、もし本当に起こったら面倒だぞ?

 

かえで?「あーっ言った!だったら私もレナちゃんとは絶交だもん!」

 

ブルータス!お前もか!!」

 

いろは「龍騎さん!?」

 

あっ、やべっ........。声に出てた........。

 

ももこ「ばっかもう!そう言う事は軽々しく口にするなって!てかお前ら、これで何回目の絶交だって話しだけどさ........。兎に角落ち着いて話してみなよ。一体何で喧嘩してんだ?」

 

レナ?「ももこには関係ないでしょ!」

 

かえで?「そうだよっ!ももこちゃんは黙ってて!」

 

........この二人普通に仲良くね?絶対に絶交なんて使う必要ないでしょ?

 

ももこ「なあレナ?なんか理由があるんだろ?」

 

レナ?「っ........!うるさい!ももこの過保護お節介野郎!」

 

ももこ「あっ、ちょ!暴言吐いて逃げんなっ........」

 

うわっ........、オーバーキルだろそれ........。もし十咎が豆腐メンタルだったら死んでたぞ?なんて思ってたらレナ?って子が走り去って行く。

 

ももこ「!いろはちゃん!丁度良い!そいつ捕まえて!」

 

いろは「へっ!?」

 

あれ?俺は認知されてないの?

 

いろは「ちょっ........、え!?ど、どうし........」

 

レナ?「どーーーけーーー!」

 

いろは「とっ........、止まってぇーーー!」←魔法少女姿に変身

 

何パニクって変身してんだよ!?肩に乗ってるちっこいキュウべえも『えぇ......』みたいな困惑した顔になってるよ!?

 

レナ?「な!?アンタ........、魔法少女!?」

 

っ!こいつ、魔法少女を知ってるのか........?もしかしてこいつも......。

 

レナ?「そう言う事なら........!」

 

そう言ってレナ?は魔法少女姿に変身した。やっぱりこいつもか........。

 

レナ?「ももこの知り合いだか何だか知らないけど、他人の問題に首輪突っ込まないでよね!容赦しないから........!」

 

そう言ってレナ?は環の接近して懐に入り込む。こいつ、環の武器ごボウガンだって分かったな........。環より長くやっているみたいだな........。

 

レナ?「これでもくらえっ!」

 

いろは「きゃあっ!?」

 

突然、レナ?から光が出ると、思わず目を瞑ってしまう。光が消えて再び目を開けると、疑わしい光景を目にした。

 

龍騎「!?」

 

いろは「わ、私........!?」

 

レナ?「........」

 

なんと、レナ?の姿が環の姿へと変化したのだ。もしかしたらそう言う能力かもしれない........。

 

レナ?「隙あり!」

 

困惑してる環に、レナ?は隙をついて環の横へ走っていく。

 

レナ?「事情も知らない癖に出しゃばってんじゃないわよ!バーカっ!」

 

龍騎「出しゃばってんのお前だよガキが」

 

そう言って俺は手首から能力で雷属性を解放し、鞭状の魔法を出してレナ?を拘束する。

 

レナ?「な、何これ!?」

 

龍騎「おっと、変に抵抗すんなよ?下手したら感電しちまうぞ」

 

レナ?「だ、誰よアンタ!」

 

龍騎「誰だって良いだろ?それよりも、さっきの話しのやり取りの内容を教えて貰おうじゃないか」

 

レナ?「誰がお前なんかに!」

 

そう言って蹴りを入れてくるレナ?だが、俺は軽々と避ける。が、その時にスカートの中身が少しばかり見えてしまった。

 

........うん、中学生にしてはしましまなパンティーだな」

 

レナ?「っ!?死ね変態!」

 

龍騎「がっ!?」

 

どうやら口に出してしまったらしく、更に怒り狂ったレナ?が俺に金的攻撃を仕掛けてきた。俺は反応に遅れて直撃してしまい、激痛に襲われてしまい、レナ?を拘束していた鞭状の魔法が解けてしまう。

 

龍騎「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!?」

 

俺は蹲る中、レナ?は何も言わず去ってしまった。畜生........、金的攻撃なんて卑怯な........。男はどう頑張ったってアソコは鍛えられないんだそ!?

 

ももこ「くそっ!逃げられたか........」

 

いろは「龍騎さん!大丈夫ですか!?」

 

龍騎「................全然大丈夫じゃない」

 

それから痛みが治るまで、ずっと蹲る事しか出来なかった........。

 

 

 

〜とあるカフェ〜

 

ももこ「はいこれ、巻き込んだお詫び、カフェオレで良かった?」

 

いろは「あっ、そんな私........」

 

ももそ「いいっていいって!」

 

かえで?「貰って...!この前助けて貰ったお礼も出来てないし...」

 

いろは「そう言う事なら........。お言葉に甘えるね、ありがとう」

 

俺達はとあるカフェに立ち寄った。十咎が環にカフェオレを渡すが、環は拒否しようとしたが、かえで?が恩があるから受け取って欲しいと言うと、お言葉に甘える事になった。どうやらこの二人は知り合いのようだな........。

 

ももこ「龍騎さんも、はいこれ。ブラックでよかった?」

 

龍騎「あぁ、すまないな、俺の分まで」

 

ももこ「気にしないで、それよりも大丈夫か?その........、蹴られた所は........」

 

龍騎「さっきより大分マシになったよ........」

 

そう言って俺はブラックコーヒーを飲む。マジで痛かった........、でも前世で腹貫かれた時程じゃなかったけど(東方龍優録第六十八話参照)

 

龍騎「........ってか環、この子知り合い?」

 

いろは「はい。龍騎さんに会う前に会った子なんです」

 

かえで?「そう言えば、挨拶がまだたったよね。私、秋野 かえで《あきの かえで》って言います」

 

いろは「私は環いろは、よろしくね、かえでちゃん」

 

龍騎「一応俺も言っとくか........、俺は鹿目龍騎だ。見滝原から来た高校二年だ、よろしく」

 

かえで「あ、はい!よろしくお願いします」

 

お互いの自己紹介を済ませて、早速本題に移る事にした。

 

龍騎「で、部外者である俺が聞くのもあれだか........。さっきの子となんで喧嘩したんだ?」

 

かえで「................」

 

俺が質問すると、秋野は俯いたまま黙ってしまった。

 

ももこ「まーただんまりか........。ずっとこの調子なんだよ、まぁキミらの喧嘩は日常茶番事だし?アタシも無理には言わないけどさ」

 

いろは「日常茶番事って、そんな........」

 

ももこ「本当だよ、おやつの時間を加えていいくらいさ」

 

いろは「そんなに!?」

 

あー、うん。ほんと仲が良いなお前ら(語彙力)

 

かえで「もうっ、やめてよももこちゃん、恥ずかしいよ!」

 

ももこ「あはは、悪い悪い。まぁでも大抵レナが原因なんだけど」

 

龍騎「というと?」

 

ももこ「レナってさっきの子ね。悪い奴じゃないんだけどさ、ちょっと口が悪いのと素直じゃないからさ........。ま、あいつも明日になれば反省して謝ってくるだろ、いつものパターンさ」

 

どうだろうな........。絶交ルールのウワサかある以上、いつも通りって事はないだろうな........。

 

いろは「あの........、かえでちゃん。さっき絶交って言ってたけどさ........、あのね?絶交ルールって言うウワサが危ないって聞いて........」

 

すると、十咎の耳がピクッと動いたのを見逃さなかった。こいつ、何か知ってるな........?

 

ももこ「いろはちゃん........。それ、誰に聞いたの?」

 

いろは「え?あ........、えと、やちよさんから........」

 

ももこ「あはは!やっぱりね、真に受けなくていいよそれ」

 

何かを誤魔化すかのような笑う十咎。

 

ももこ「あの人、ウワサオタクだからさ、ウワサって聞くと何でもかんでも信じてるのさ」

 

いろは「えっ?そうなんですか?」

 

ももこ「うん、だから気にしなくて大丈夫だよ。ウワサが現実になるなんて、ありえっこないんだからさ」

 

龍騎「........」

 

 

 

 

〜調整屋〜

 

みたま「それで、私の所に来たの?」

 

龍騎「あぁ、調整屋の八雲なら神浜の事情について詳しいと思ってな」

 

カフェで環達と別れた俺は、一人で調整屋へと足を踏み入れていた。目的は勿論、ウワサについてである。

 

みたま「ん〜〜〜、そうねぇ〜〜〜、うわさねぇ〜〜〜。例えばぁ........、調整屋さんには可愛い女の子割引がらあるとかぁ?」

 

龍騎「ヘーソーナンダーイッテミタイナー」

 

みたま「なんとまぁ棒読みで無感情........。そうねぇ........、絶交ルールのウワサなら、私も聞いた事があるわ、最近急にウワサが耳に入るようになったから........」

 

やっぱり、ウワサは存在していた........。そして十咎はウワサについて信じていないんだな........。

 

龍騎「........そのウワサは、誰が言い出したんだ?」

 

みたま「やちよさんよ、こればっかり内容は関係ないわ。発信元の問題ね」

 

龍騎「そういや、十咎とその........、やちよ?って奴は知り合いみたいだが、仲良くないのか?」

 

みたま「昔は良かったみたいなんだけどね........。今じゃももこも悪態ばっかりで、『やちよさんは変になった』『自己中になった』『変わってしまった』『モデルの仕事なんかして鼻にかけたみたいで好きじゃない』『大体あれだけ強い癖にズラッとしててズルいし』『髪がツヤツヤで絹糸のようなキューティクル野郎だし』『まつげも長くてバサバサで』『肌なんかモチッもして、水を弾く赤ちゃん大魔王なんだ!』って言いたい放題言ってるわ」

 

それって褒めてんのか?それとも貶してるのか?気のせいで無ければ、後半から殆ど嫉妬じゃねぇのか?

 

龍騎「しかし、何で仲違いしてしまったんだ?」

 

みたま「そうねぇ........。私が神浜に来た時には、もう二人はあの感じだったわ。でもやちよさんも悪い人じゃないのよ?信じられないかもしれなけど........」

 

龍騎「........信じるさ、前世で似たような奴が居たからな。それに、魔法少女同士の縄張り争いなんてよくあることだ。今に始まった事じゃない話しさ」

 

みたま「それもそうねぇ」

 

龍騎「教えて貰ってサンキューな。これ、昨日のカードデッキ見て貰ったツケだ。少ないかもしれんが、受け取ってくれ」

 

またま「良いのかしら?貴方の過去を見てしまったのよ?」

 

龍騎「それを誰かに言った所で、信じる奴が居るとでも?それにお前は商売してんだろ?ならこっちも客としての義務を果さして貰うよ」

 

みたま「........分かったわ、其処まで言うなら受け取っとくわ」

 

そう言って金の入ってる封筒を八雲に渡した。今月のバイト代が........、節約しなくちゃな........。そして俺は調整屋を後にして、帰宅するのであった。取り敢えず、明日学校に行ったら蓮子達に報告するとしよう........。

 

龍騎「ほんと、大規模な事じゃなければ良いけどな........」

 

そんな事を呟きながら、俺は夜道の中、スクーターを走らせた。




いかがでしたか?

これで一巻目が終了、次回から二巻目からです。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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メリー 初めての神浜へ

どうもです。

前回の続きです。

それではどうぞ。


 

〜見滝原高校〜

 

龍騎「........以上、俺が調べたウワサの報告だ」

 

蓮子「さっすが龍騎!やっぱり神浜はただの街じゃなかったんだ!」

 

放課後、俺達は部室で蓮子達に神浜のウワサの報告した所、やはりと言うべきか蓮子は大はしゃぎしていた。蓮子とは別に、メリーは開いていた参考書を閉じて、丸型の眼鏡を外した。

 

メリー「そのウワサが本当にあるって事は、何人か被害にあってるって事よね?」

 

龍騎「間違いないと思う。神浜の魔法少女の話しを聞いたところ、嘘付いてるって感じはしなかったからな...。ただ、ウワサを信じてない奴も居るけどな」

 

蓮子「それって...、ももこちゃん?」

 

龍騎「あぁ........」

 

マミ「皆さん、お茶が出来ましたよ」

 

蓮子の質問に返答してる途中に、マミがティーポットとカップが乗っているお盆を持ってくると、人数分配ってはカップに紅茶を注ぐ。

 

蓮子「ありがとうマミちゃん、でも何でももこちゃんがウワサの事信じてないのかな?」

 

龍騎「何でも、十咎はウワサの発信元であるその魔法少女とは仲が良くないらしい。八雲の話しだと、八雲が神浜に来る前から仲が悪かったみたいだって。でも昔は仲良かったって言ってた」

 

マミ「もしかしたら、私が昔に佐倉さんと別れてしまった時と同じ理由じゃあ...」

 

う〜ん........、十咎の場合はやちよに対する嫉妬がメインだからな、マミと佐倉とはちょっと違うかもしれない。

 

メリー「その発信元の魔法少女って誰が知ってるの?」

 

龍騎「そういや名字聞いてなかったな........。やちよって言ってた」

 

蓮子「やちよ........、やちよ!?それって七海 やちよ《ななみ やちよ》の事!?」

 

俺がやちよの名前を出すと、蓮子は驚いて椅子から飛び跳ねる。そして慌ててスマホでやちよの事をネットで検索すると、俺にスマホの画面を見せて来た。

 

蓮子「これ!雑誌のモデルの!」

 

龍騎「ん?あぁ、そうそう。そういやモデルやってるって言ってた」

 

メリー「え?その子が魔法少女なの?」

 

龍騎「あぁ、さっき写真を見せて貰ったけど、彼女本人だ」

 

マミ「七海やちよ........。大学生だって書いてありますけど........」

 

「「「大学生........。ぎ、ぎりぎりだな........」」」

 

マミが蓮子のスマホの画面を見ながら一言言うと、俺と蓮子とメリーは思ってた事を揃って口に出す。つーことは........、俺の知ってる魔法少女の中で最年長ってところか?

 

龍騎「........兎も角、恐らくこのウワサは魔法少女に関係すると俺は思ってる。もしかしたらマミ、お前の力を借りる事になるかもしれない。今回は俺一人で調査してみる、蓮子とメリーは留守番。マミは引き続き、見滝原に魔女が出て来た時の対処と........、ちょっと頼みたい事があるんだ」

 

マミ「?何ですか?」

 

龍騎「キュウべえを探して欲しいんだ、神浜について聞いて来て洗いざらい吐かせて欲しい。あいつなら何か分かると思うんだ」

 

マミ「........確かに、キュウべえなら何か分かるかも........。分かりました、探してみます」

 

蓮子「え〜、私達は留守番?」

 

メリー「仕方ないわよ蓮子、龍騎とマミちゃんと違って私達は出来る事が限られてるんだから」

 

龍騎「悪いな二人共、後で神浜案内してやるから」

 

蓮子「........二人っきりでデートね」ボソッ

 

??蓮子がなんかボソッて言ってたけどよく聞き取れなかったな........。一体何言ったんだ?

 

メリー「あ、なら今日神浜に連れてってくれないかしら?私も気になってたのよ」

 

龍騎「........え?」

 

するとメリーが神浜に連れてってくれと言って来た。え?なんで?

 

メリー「蓮子だけズルいわよ、私だって龍騎のバイク乗ってみたい」

 

龍騎「べ、別に連れて行くのは構わないけどさ........。なんでバイク乗る前提なの?」

 

メリー「良いじゃない、乗ったって」

 

龍騎「そりゃそうなんだけどさ........」

 

此処だけの話し........。メリーもそうだが、蓮子もスタイルが良いからその........、バイク乗ってる時に背中に柔らかいものが当たるから強制的に意識してしまう...。

 

龍騎「はぁ........、分かったよ。この後行こうか」

 

メリー「えぇ♪」

 

蓮子「........」ムスッ

 

マミ「........」ニコニコ

 

おい、マミはそんな暖かな目で見るんじゃない。蓮子は不貞腐れるなよ。

 

 

 

 

〜調整屋〜

 

メリー「...神浜にこんな廃墟があったなんてね」

 

龍騎「まぁ、直ぐに慣れるさ。さ、此処だ」

 

学校で蓮子とマミと別れた俺とメリーは、一旦自宅に戻ってスクーターを取り出し、メリーと共に神浜へと向かった。運転中、背中に柔らかい感触からの意識から離しながら神浜を軽く観光し、その足で調整屋へと向かった。そして、調整屋の扉を開く。

 

龍騎「うぃっす、お疲れさん」

 

いろは「龍騎さん........」

 

扉を開いて調査屋の中へ入ると、何故か環が頭を下げていた。

 

龍騎「........えっと、何事?」

 

ももこ「あ、あぁ........、ちょっとね...。それよりも、後ろの人は?」

 

メリー「初めまして、龍騎と蓮子と同じく、秘封倶楽部のマエリベリー・ハーンです。メリーって呼んで下さい」

 

ももこ「は、はぁ........」

 

いろは「よ、よろしくお願いします」

 

メリーが頭を下げて自己紹介すると、環と十咎は少し困惑しながら返事をする。何故か二人の視線が下の部分に向けていたのは気のせいであろう。

 

それから、何故環が頭を下げたのかを理由を聞いてみると、先程環が魔女の魔力を感知した事により、現場へ急行。すると魔女と戦ってる秋野と遭遇、二人で魔女を倒せたが、環は秋野とレナ?との復縁の話しを持ちかけるが、秋野は逃走。そして、調整屋に行って十咎と協力しようと話しをしてる時に俺達が来た、と言う事だった。

 

龍騎「成る程........」

 

ももこ「........本当にいいの?そりゃ手伝ってくれたらアタシは助かるけどさぁ、妹さんの件も調べなきゃならないんだろ?」

 

いろは「そうなんですけど........」

 

メリー「それなら、私にも協力させて貰えないかしら?」

 

いろは・ももこ「「え?」」

 

メリーの言葉に、環と十咎は素っ頓狂な声を出す。

 

龍騎「........いいんじゃないか?こう言うのは同性同士の方がやり易いだろ?」

 

メリー「それに、私は魔法少女じゃないから戦える訳じゃないけど...。私も秘封倶楽部の一人だもの、可能な限りはお手伝いさせて欲しいの」

 

メリーらしい言葉に『それに........』とメリーは付け足す。

 

メリー「龍騎だけ任せてたら、また大怪我して帰ってくるかもしれないし」

 

龍騎「おい、それは余計だろ」

 

メリー「だったらもう私達に心配掛けさせないでよ........。ただでさえ、貴方は........」

 

そう言ってメリーは俯いてしまう。一年前、ワルプルギスの夜を倒した後に俺は一回死んでしまった...。まどかのお陰で俺は生き返ったが、その事を蓮子とメリーに話した、大泣きして抱きつかれたのだ。

 

メリー「本当に死んじゃってたら、私........、立ち直れないわよ........」

 

龍騎「........分かったよ、もう絶対に無茶しない」

 

今にも泣きそうなメリーに、俺は頭を撫でる。

 

ももこ「........あー、ごほん!お二人さん?いい感じな所悪いんだけどさ、そろそろ話し戻しても?」

 

十咎の言葉に俺とメリーは振り向くと、顔を真っ赤にする環に、先程のマミと同じく暖かな目で見てくる八雲。そしてあはは、と苦笑しながら頭を掻く十咎の姿に、俺とメリーは一気に顔を赤くする。

 

く、くっそ恥ずかしい........。

 

みたま「もしかしてお二人さんはぁ........」

 

龍騎・メリー「「付き合ってないから」」

 

みたま「まだ何も言ってないじゃなぁい!」

 

ももこ「は、話しを戻して!いろはちゃんにお願いしますか!んじゃ、お礼は妹さん探しの手伝いだな」

 

いろは「えっ!?」

 

ももこ「無報酬ってのもおかしいだろ?もし調整屋に手伝い頼んでたら奉仕料たんまり取られてただろうし」

 

みたま「ちょっとももこ!そんなには取らないわよぉ!せいぜい周辺の使い魔の駆除一年分くらいで........」

 

龍騎・ももこ「「ぼったくりじゃねぇか(じゃんか)!」」

 

そんなに高いの?って事は俺のバイト代じゃ足りてないって事じゃん。やべっ、目から汗が...。

 

メリー「でも、そのまま仲直りって事は上手くいかないわよね?そのレナって子が素直じゃないなら、何かしら策はないと........」

 

ももこ「それならご安心を!実は作戦があるんだ!」

 

メリーの言葉に十咎が自信満々に説明する。

 

ももこ「かえでとレナを無理に会わせようとしても逃げられる。だからアタシといろはちゃんで、それぞれ連れ出さんだ。その後偶然を装って、同じ場所で遭遇させる。一度顔を合わせてしまえば、あの二人も素直になるだろう」

 

ちょっと待て、かなり強引な作戦じゃねぇか?

 

ももこ「アタシはかえでを捕獲するから、いろはちゃんにはレナを頼む」

 

いろは「えぇっ!?私がレナちゃんですか!?この前公園で戦ったのが初めてなんですけど........」

 

ももこ「アタシは追い回しすぎて警戒されまくってるからさ。かえでならまだなんとかなるけど、レナの警戒心は野生動物並みだから、アイツの場合はエサをぶら下げた方が早いよ。とっておきの秘策があるからさ」

 

し、信用できねぇ........。すると八雲が俺の耳元で囁いて来た。

 

みたま「ももこって、面倒見は良いけど頭がいい訳じゃないからねぇ」

 

龍騎「........だろうな、少しばかり強引な気がするからな」

 

メリー「でも、代わりの案あるの?」

 

龍騎「そう言うやつの考えるのは苦手なんだよなぁ........。今回は十咎の案で行こうか」

 

戦闘面での戦術なら得意分野だが、こう言ったやつは専門外なので力になれない。なので今回は十咎の案に乗ることにした。

 

 

 

〜翌日〜

 

メリー「........大丈夫かしら、いろはちゃん」

 

龍騎「どうだろうな........、まぁ上手くいってりゃあ良いんだがな」

 

翌日の放課後、俺とメリーは電車に乗って神浜に向かっていた。本来ならスクーターに行く筈だったのだが、燃料があまり残って無かったので断念して電車で行く事にしたのだ。バイド代、早く欲しい........。そんな事を思ってたら、降りる新西駅に到着したので、電車を降りて改札口を出る。すると、俺の携帯から着信が入って来た。

 

龍騎「もしもし?」

 

いろは『もしもし?環です』

 

通話の主は環だった。何か嫌な予感がして来たが、取り敢えず聞いてみる事にする。

 

龍騎「何かあったのか?」

 

いろは『そ、それが........、昨日のももこさんの作戦を決行してるんですが........。レナちゃんの学校の前に居るんですけど........』

 

龍騎「成る程、学校で鉢合わせを狙うって作戦か」

 

いろは『それなんですけど、レナちゃんはもう学校に居ないみたいで........』

 

龍騎「ファ!?」

 

いろは『それで、ももこさんに相談したら、ゲーセンに居るだろうって........』

 

龍騎「それで?十咎は何か言ってなかったのか?」

 

いろは『が、頑張って!しか........』

 

思わず俺は頭を抱えてしまった。十咎の奴、環に押し付けやがったな........。行き当たりばったりすぎるだろ........。

 

龍騎「........環は何処に居る?俺とメリーは新西駅に居るけど........」

 

いろは『あ、なら私が駅に向かいます!其処まで遠くないので』

 

龍騎「分かった、ゲーセンの位置を確認しておく。事故には気をつけろよ」

 

いろは『分かりました!』

 

通話を切って、ネットで近くのゲーセンを確認する。近くのだと........、恐らくあそこだな........。

 

いろは「龍騎さん!」

 

龍騎「来たか........、恐らく近くのゲーセンと言ったら、歩いて二十分ぐらいの所だろ。其処に向かおう」

 

俺がそう言うと、メリーと環は頷いて俺の後に着いて行く。

 

メリー「そういえば、私ゲームセンターなんて行った事無かったわね」

 

龍騎「そうなのか?」

 

メリー「うん、私が日本に来たのは高校入試の一ヶ月前だし、その時は勉強ばっかりしてたからね」

 

いろは「メリーさんって、頭良いんですか?」

 

メリー「自分で言うのもあれだけど、出来る方だと思うわよ?」

 

龍騎「良く言うぜ、学年三位なのに謙遜とはな」

 

メリー「龍騎だって学年上位じゃない」

 

龍騎「前世の記憶があるからな、せこいとは思うけど」

 

メリー「別にせこいなんて思ってないわよ。前世の記憶が無くても、蓮子よりは成績はいいでしょ?」

 

龍騎「ははっ、そりゃ言えてるや」

 

なんて事を言ってたら、目的地であるゲーセンに到着した。店内に入ろうと扉の前に立つと、自動ドアが開かれたと同士にゲームの大音量が外へと響いてくる。側に居たメリーと環は驚く中、俺は気にする事なく店内へと入って行く。

 

いろは「凄い音........。でも普通のお客さんばっかりなんだな...。もっと怖い人がいる所なのかと........」

 

メリー「........蓮子ならまだしも、私はちょっと苦手かなぁ」

 

龍騎「なら早く探してゲーセンを出よう。気分が悪くなったら早く言えよ?」

 

それから俺達はゲーセン内を捜索する中、台数が多く、人と増えて来てるので探すのが困難になって来た。するとメリーが気分を悪くしてしまった為、一度メリーをゲーセンの外で休ませる事にした。

 

メリー「ごめんね........、早速役立たずで........」

 

龍騎「初めて来たんだったら無理もねぇよ、取り敢えずお前は休んでおけ」

 

そう言って俺は自販機で買った水をメリーに差し出して、もう一度ゲーセンに入ると、環が近づいて来た。

 

いろは「龍騎さん!見つけました!」

 

龍騎「そうか........、行ってみよう」

 

そして環に案内されると、ダンレボみたいなゲームに一人、夢中になってる女子中学生らしき少女が居た。

 

あの水色の髪の毛........、間違いない。

 

レナ?「ちょっとぉっ!この台おかしいんじゃないの!?今のどう考えてもGREATでしょ!なんでBADなわけ!?判定狂ってるんじゃないの!?あり得ない!もーちょっとでフルコンだったのに........!」

 

........つくづく佐倉に似てるなこいつ。

 

龍騎「........よし、行くぞ」

 

いろは「は、はい!」

 

そして、俺と環を意を決して彼女の元へと歩み寄って行く。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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仲直り

どうも、承認欲求饅頭と化した餡 子太郎です。

シリアス入ったりギャグに走ったりしてます。

シリアスばっかりだと...、疲れちゃうんですよ...。ギャグ挟まないと...。

それではどうぞ。


 

一人でダンレボをやってたレナ?って子を発見した俺と環は、近づいて彼女と接触する事にした。

 

龍騎「失礼、少しいいか?」

 

レナ「何よ?今いいとこ........、ってあんた!?」

 

龍騎「鹿目龍騎だ、この間の事を謝罪したくて参上した」

 

レナ「この間?........っ!」

 

俺がこの間の言うと、レナ?は一度首を傾げるが、思い出したのようにハッ!と表情をする。

 

龍騎「この度は誠に申し訳ございませんでした」

 

いろは「龍騎さん!?なんで土下座するんですか!?」

 

そう、俺は環の言った通り土下座で謝っていた。だってさ、ツインテール女子って基本、ツンデレが多いじゃん?だったらこうして謝らないと許して貰えないんだよ。

 

........え?まどかもツインテールだから土下座するのだって?いやまどかは家族だし、それに土下座するような事してないからノーカン。それとまどかにはツンデレは早過ぎる。ってか馬鹿正直なまどかにツンデレは務まらんだろ........、いや、逆にありかも........。

 

レナ「ちょ、ちょっと土下座はやめなさい!こっちが悪い事したような状況じゃない!」

 

龍騎「じゃあ普通に謝ったらさ、分かりました、許しますってなる?」

 

レナ「そ、それは........」

 

龍騎「ほらね?だから曖昧な答えになるんじゃん。なんだったら服脱いで謝ろうか?」

 

レナ「なんで?」

 

俺がそう言うと、環も同じく『なんで?』と言いたそうな顔をしていた。全然会話の流れが繋がっていない?知らんがな。

 

龍騎「なんかの漫画で見たんだ!誠心誠意謝罪するには、服を脱ぐのが一番なんだって!ちょっと恥ずかしいけど、見ててください!これが、俺の!変身です!」

 

レナ「変態の間違いじゃない?ふ、ふん!けど、脱ぎたければ脱げばいいじゃない。でもね、一応言っておくけど、女子は男子よりも大人なのよ?中途半端に残しただけの状態みたいな物を裸とは言わな......、躊躇わずにタンクトップ姿になるなぁ!!そしてタンクトップに手をかけて裸になろうとするなぁ!!」

 

龍騎「俺はやる時はやる男だぞ、レナちゃんとやら!」

 

レナ「馬鹿!脱ぐなぁ!違うから!そういう事じゃない!そういう事じゃないから!ってか身体が細いのに無駄に筋肉があるからさらにムカつく!」

 

龍騎「おっと、叫んで誰かが来てもいいのかな?誰かが来て困るのは、悪態をついている君の方じゃないのかな?」

 

レナ「あんたも確実に困るでしょ!?」

 

龍騎「見くびらないで欲しいな、レナちゃんとやら!もしそうなったらお前に罪を擦り付けるだけだ!」

 

レナ「中々酷いわねあんた!?」

 

龍騎「それが嫌なら秋野と喧嘩した理由を言え!さぁ言え!ついでに秋野を避ける理由を語れ!どんどん語れ!どこまでもクレバーに受け止めてやる!」

 

結構ゴリ押してるけどいい感じに聞き出せそうだ。後ろに居る環がドン引きして滅茶苦茶距離を離してるけど気にせず俺はレナ?に追求する。

 

龍騎「言ーえ!言ーえ!さっさと、喧嘩した理由を、言ーえ!」

 

レナ「やめ、そういうのやめなさいよ!」

 

龍騎「言ーえ!言ーえ!(リピート)」

 

レナ「分かったわよ!分かったから!言うからその夢に出てきそうな言葉の表現止めなさい!」

 

手拍子しながら言い寄ったらついにレナ?は諦めた。ふぅ、やれやれ。ようやく折れたか...。どこまでも手間のかかる子猫ちゃんな事で。

 

龍騎「なら早く言え!さもないと十咎に連絡して秋野にこっちに来るよう連絡するぞ?」

 

レナ「くっ........」

 

「レナちゃん........」

 

「「「!?」」」

 

若干涙目になってるレナ?が理由を言う前に、背後からレナ?に話しかけて来た。俺達が振り返ると、其処には秋野の姿だった。

 

レナ?「あ、あんたまさか予め連絡してたんじゃないでしょうね!?」

 

龍騎「待て!誤解だ!そもそも秋野の連絡先交換してないから知らん!なんだったら連絡先見てもいいぞ!?見滝原の友人と環達の連絡先しかないから!」

 

そういって俺はポケットから携帯を取り出して、レナ?に画面を見せた。

 

俺の連絡帳には、

 

鹿目まどか

オカン

親父

美樹さやか

巴マミ

佐倉杏子

暁美ほむら(ほむほむ)

志帆仁美

上やん

宇佐見蓮子

メリー

環いろは

十咎ももこ

八雲みたま

 

 

........あれ、よく見たら俺、男友達居ないじゃん...。

 

いろは「勝手に言って勝手に落ち込んだ!?」

 

知りたくない事実を知ってしまったんだ、落ち込まない訳がない。いろはのツッコミをスルーして、秋野は本題に入った。

 

かえで「レナちゃん........」

 

レナ「こんな所まで追って来て...、またレナに謝れって言うつもり?レナ今回は絶対に謝らないから!絶交って言ったでしょ!」

 

かえで「で、でも、私は仲直りしたきの!レナちゃんとももこちゃんと三人で一緒にいたい...」

 

レナ「........っ、アンタがそうでも、レナは違うし、レナが謝るの待ってたって意味ないから!」

 

かえで「じゃあ私が謝る!」

 

レナ「は!?」

 

秋野が自分が謝ると言い出すと、レナ?は結構驚いた声を上げる。其処まで驚く事じゃないだろうに...。

 

かえで「一方的に絶交って言われて納得出来ないし、ほんとは謝りたくなんてないけど........、でもっ!」

 

レナ「謝るんじゃないわよ!」

 

かえで「えぇ!?なんでぇ!?」

 

レナ「な、なんでって........」

 

龍騎「........まさか、お前...。絶交ルールの事気にしてるのか?」

 

レナ「!!」

 

この様子だと、ビンゴのようだな........。

 

いろは「そ、そうなの?レナちゃん?」

 

レナ「ち、ちがっ........!」

 

かえで「じゃあなんで其処までして逃げるの?」

 

レナ「そっちこそ、なんでそんなにしつこいのよ!」

 

そんなもん、仲直りにしたいに決まってるからだろ。お前と秋野の関係を知ってる訳じゃないが、お前は復縁を望んでなくても、秋野は復縁を望んでる。それはつまり、お前の事を友だと信じてるからだ。

 

かえで「お願いレナちゃん、聞いて!」

 

レナ「ちょ、かえで!やめっ........!」

 

秋野がレナ?の手を掴んで次の事を大声で言った。

 

かえで「ごめんなさい!前の事ももう謝ってなんて言わないから!」

 

レナ「かえで!やめてってば!」

 

かえで「だから、また一緒に...!」

 

レナ「バ、バカ!なんで謝っちゃうのよ!?アンタ、攫われたらどうすんの!?」

 

龍騎「あ、自白した」

 

レナ「!?」

 

いろは「やっぱり、レナちゃん........。絶交ルールの事、気にしてたんだね」

 

勢い余った所為で自爆したレナ?は観念したのか、俯いたまま黙ってしまった。

 

いろは「かえでちゃんの事、気遣って避けてたんでしょ?」

 

かえで「そうだったの........?」

 

龍騎「もし自分の所為で、秋野が攫われたらって責任を感じてるんだろ?」

 

俺がそう言うと、悔しそうに目を強く瞑るレナ。すると、秋野はレナを掴んでいた手をもう片方の手に触れる。

 

かえで「大丈夫だよレナちゃん。ほら、何も起こってないもん。ももこちゃんが言ってた通りあんなのただのうわさだよ。それに........、私、攫われちゃうのも嫌だけど、レナちゃんと喧嘩したままなのはもっと嫌だな...」

 

レナ「かえで........」

 

かえで「だなら、ね?仲直りしよ?」

 

レナ「........うん」

 

こうして二人は仲直り出来ましたとさ、みたいな感じな雰囲気の中、本当に何も起こってない。本当にウワサはただのデマだったのか?

 

そんな時、俺の背筋から寒気が起こる。それと同時に背景が一瞬にして変化した。

 

龍騎「!?」

 

レナ「な、何これ!?」

 

かえで「魔女の結界!?」

 

いろは「ううん........、違う........。何かおかしいよ、その結界........」

 

環の言う通り、この結界はいつもとの結界とは違う雰囲気を漂わせていた。

 

まさか........、これがウワサ!?

 

龍騎「二人共!今すぐその場から離れろ!」

 

俺がそう言ってるうちに、上空から菱形の南京錠の形をした使い魔が秋野を狙って飛び出して行き、秋野を拘束した。

 

龍騎「秋野!」

 

いろは「レナちゃん!かえでちゃんが!」

 

レナ「こいつら、かえでを狙って........!」

 

環とレナは魔法少女姿になって、環はボウガンで秋野を拘束している使い魔に撃とうとするが、秋野が盾にされて撃つ事が出来ず、レナが槍を展開して使い魔に襲い掛かる。

 

レナ「かえでを離せぇぇぇぇぇ!!」

 

しかし、レナが襲い掛かると同時に、使い魔達は秋野を連れてシュン、と消えてしまった。

 

レナ「なっ!?」

 

龍騎「っ!?早過ぎる........、一瞬で........」

 

いろは「消えちゃった........、嘘........」

 

レナ「かえで........、そんな........」

 

本当に絶交ルールの通りだった........、後悔して謝ると怖いバケモノに捕まってしまう...。

 

するとレナは、秋野が攫われる前に落としであろうキーホルダーみたいなのを手に取る。

 

レナ「........うわさ...、そうだ...!」

 

すると、何かを思いついたかの、急に立ち上がってその場から走って去ってしまった。

 

龍騎「お、おい!」

 

いろは「そんな...、レナちゃんまで......」

 

龍騎「俺達も行くぞ!」

 

いろは「は、はい!」

 

俺と環も、慌ててゲーセンの外へ出る。直ぐに出ると、側にはメリーがペットボトルを片手に待っていた。

 

メリー「あれ?龍騎といろはちゃ........、なんでタンクトップ姿なの?」

 

あ、俺脱いでたんだっけ、忘れてた。俺は急いで着替えながらメリーに問いかける。

 

龍騎「なぁメリー、さっき中学生の制服を着た青髪の子見なかった?」

 

メリー「え?あ、確かさっき走って行っちゃったけど、何処に行ったのかは........」

 

ちっ、せめて何処の方向へ行ったかさえ分かればな........!

 

メリー「さっきから何慌ててるの?説明してよ?」

 

龍騎「........ウワサだ、十咎の仲間の一人がウワサによって攫われた」

 

メリー「え........、じゃあ........」

 

龍騎「あぁ、ウワサは........、実在していたんだ........」

 

いろは「ひ、一先ず、ももこさんに連絡しましょう........!」

 

いろはの提案で、十咎に連絡して俺達は一度、合流する事にした。

 

 

〜とある川沿い〜

 

ももこ「成る程........、かえでが見つからないと思ったらそんな事に........」

 

いろは「すみません、ももこさん........」

 

俺達が十咎と合流すると、環が先程の経緯を説明すると、秋野を助けられなかった事に謝罪する。

 

龍騎「すまなかった、俺も側に居ながら助けられなかった」

 

ももこ「いやいや、二人が謝る事じゃないよ。レナもビビって逃げ出すような奴じゃないし、何か考えがあるんだろうさ」

 

メリー「私はあの場に居なかったから分からないけど、絶交ルールのウワサが現実になったんでしょ?」

 

ももこ「ウワサが現実になった?偶々似た性質の使い魔が相手だっただけだよ。現実と妄想をごっちゃにしちゃいけない。現実になるウワサなんてある訳ないんだから」

 

いろは「そうですね........」

 

いや、十咎はその場に居なかったからいつも同じ使い魔だと思ってる。あれは確かに使い魔だが、今まで倒して来た使い魔とは何かが違う感じだった........。基本、使い魔って人間を襲うっては食らって、魔女になるって前に佐倉が言っていた。だが、なんであの時秋野を襲っても尚、連れ去っただけなのか........。

 

........やっぱり、()()()()()()()()()なのだろうか........。

 

ももこ「兎に角、私らは私らに出来る事をやらなくちゃね........」

 

いろは「かえでちゃんの魔力はまだ追跡できるくらい残ってます。でも、いつ途切れるか........」

 

龍騎「それに、秋野を連れ去ったバケモノが秋野に何かしら細工していたら面倒だ。助け出すなら早い方が良い」

 

ももこ「だったら尚更急がないとね、行こう!かえでを見つけて使い魔から救い出すんだ!」

 

メリー「........えっと、私はこの先着いて行っちゃダメな感じ?」

 

秋野の救出が決定した時、メリーが横から質問してくる。

 

龍騎「そうだな........、こっから戦闘は避けられない。悪いけど、メリーは今日は此処までだな」

 

メリー「分かった........。でも、無理はしないでね?」

 

龍騎「無理はしないさ、無茶はするけど」

 

メリー「もう........、またそう言って........。かえでちゃんの事、お願いね?」

 

龍騎「あぁ........」

 

それから俺達はメリーを駅まで送って、秋野を連れ去ったバケモノの行方を捜索を開始した。




いかがでしたか?

絶交階段のウワサはこれにて終了です。

サバイブ実装のアンケートですが、サバイブを出すことにしました。

皆様、アンケートにお答え頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。


今書いてるぼざろに秘封倶楽部の三人を入れたい...........


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秋野かえで救出作戦

どうもです。

絶交階段のウワサ最終回です。

ちょっと長いです(10000文字以上)

それではどうぞ。


 

メリーを駅まで送り届けた俺達は、秋野を攫った魔女もどきを捜索に当たっていた。しかし、手分けしてして捜索するも、魔女もどきは勿論、秋野の魔力も感じられなかった。

 

ももこ「くそっ、かえでの魔力はもう追えないし、アタシもその使い魔の魔力パターンが分かれば........」

 

龍騎「ちょいとばかし特殊な奴等だからな、少しやり方を変える必要があるな........」

 

ももこ「ごめんねいろはちゃん、完全に巻き込んじゃったな........。龍騎さんもごめん...」

 

龍騎「謝る必要はないぞ、勝手に俺達がやってる訳だし」

 

いろは「そうですよ、気にしないで下さい」

 

ももこ「ありがとう........」

 

申し訳ないばかりに十咎が謝罪するが、俺と環は気にして無いと答えると、十咎は少し微笑んで感謝の言葉を返す。

 

ももこ「ほんと、あいつ等の喧嘩で此処まで駆け回るのは初めてだよ」

 

いろは「いつもは放置してるって言ってましたよね」

 

ももこ「あぁ、大体しょうもない喧嘩だし、すぐレナから謝って仲直りしてるから........。正直さ、喧嘩を繰り返しながら仲直りできるのって、本音をぶつかれる貴重な関係だと思うんだ。だから、こんな事であいつ等の関係は切れないし、アタシ等のチームは大丈夫だと思う」

 

いろは「信頼........、し合ってるんですね」

 

龍騎「喧嘩する程仲が良い、って言うからな」

 

ももこ「あはは、まぁそんなかっこいいもんでもないけどさ。結構いろいろ乗り越えてきたからね、龍騎さん程じゃないけど」

 

龍騎「いや、お前等は俺よりも強いよ」

 

いろは・ももこ「「え?」」

 

俺の言葉に首を傾げる環と十咎に、俺は更に続ける。

 

龍騎「俺はお前等と違って、大喧嘩なんてした事がないんだ。(前世)からずっと、仲間に支えられて来たからさ、喧嘩して本音のぶつかり合うって事は無かったんだ。ずっと弾幕ごっこ........、もとい、ずっと拳を交じり合いながら本音を言ってたから.さ.......、少し羨ましいよ。十咎達のチームの事が」

 

いろは「龍騎さん........」

 

ももこ「........拳で本音を語り合うって...」

 

龍騎「そう言う所なんだよ、(前世)の時はな........」

 

スモールキュウべえ「プイッ!」

 

すると、突然何処から出て来たのか、ちっこいキュウべえが鳴き声を出すと腕を伸ばす。すると、其処にはレナ?が居た。

 

ももこ「!レナ!」

 

レナ「ももこ!あんた何処に行ってたのよ!建設放棄地に居ると思ったのに........!」

 

ももこ「何処もなにもかえでを探してたんだろ!レナこそ、いろはちゃんと龍騎さんを置いて何処行ってたんだよ」

 

レナ「それは........、ちょっと解決策がないか確認に行ってたのよ!」

 

解決策がないか確認しに行った?つまり何処かの建物に行ったか、誰かに尋ねたって事か?

 

いろは「それってもしかして........、やちよさん?」

 

レナ「ばっ!?馬鹿!ももこの前だから濁したのに!」

 

あ、やっぱり七海の所に行ってたのか。

 

レナ「やちよさんからって聞いたら信じてくれないかもしれないじゃない!」

 

ももこ「いいや、信じるよ」

 

レナ「えっ!?嘘!?」

 

龍騎「失礼な奴だなお前」

 

ももこ「変態に言われたくないわよ!」

 

龍騎「なっ!?女子のそういう言動はどうかと思うんだけど!?男子の心は繊細なんだぞ!それと俺は鹿目龍騎だ!レナちゃんとやら!」

 

レナ「そのレナちゃんとやらって言うの止めろ!」

 

龍騎「だったら苗字教えろよツンデレツインテール魔法少女が!!」

 

ももこ「なんで二人が喧嘩してんの!!龍騎さん、この子は水波レナ《みなみ れな》。レナ、この人は鹿目龍騎さん!噂の見滝原の龍騎士!」

 

レナ「龍騎士?........あの最強のイレギュラーと呼ばれた見滝原の!?この変態が!?」

 

テメェ良い加減しやがれ!!次変態呼びしたら髪結んでる箇所だけぶった斬るぞ!?(無慈悲)

 

ももこ「兎に角!アタシはやちよさんを信じるんじゃなくて、レナの言葉だから信じるんだ。それで、どうしたらいいんだ?」

 

レナ「........取り敢えず、建設放棄地に移動する。何が起きるか分からないし、人が居ない方が良いと思うから........」

 

確かにそうかもしれないな。俺も同じ意見なので、水波の言う事を聞き、彼女が向かう建設放棄地に向かう事になった。

 

 

〜建設放棄地〜

 

レナ「すーーーっ........、はぁーーーーーっ........」

 

ももこ「それでレナ、一体此処で何をするつもりなんだ?」

 

レナ「ちょっと待って、急かさないでよ。今心の準備してるんだから........」

 

建設放棄地に到着すると、水波は大きく深呼吸すると、十咎が水波に質問する。

 

ももこ「心の準備?」

 

レナ「........ねぇ、ももこ。何があっても、レナとかえでの事...、守ってよね」

 

龍騎「........」

 

ももこ「当たり前だろ?これまで、これからも守る気満々だよ」

 

レナ「........信じてるからね」

 

龍騎「お前等、変身する準備しておけ」

 

いろは・ももこ「「え?」」

 

俺がポケットからカードデッキを取り出して、変身する準備をしろと環と十咎は理解出来ておらず、水波は自分の仕事を真っ当する為、大きく息を吸うと........。

 

レナ「かえでーーーーー!!

 

いろは・ももこ「「!?」」

 

レナ「絶交するなんて言ってごめん!レナもかえでとももこと三人のチームに戻りたい!だから謝らせて!」

 

デカい声で、秋野に対して謝罪した。

 

ももこ「レナの奴、一体何考えてんだ!?」

 

龍騎「秋野が攫われた状況をもう一度作ろうとしてるんだ。水波が謝ればまた結界が現れるからな...、だから直ぐにでも戦えるようにしておけ」

 

いろは「あ、だから準備しろって言ったんですね!」

 

俺の説明に環は理解すると、水波の謝罪はまだまだ続く...。

 

レナ「レナ、ちゃんと気付いてたから!怒ってるの分かってたから!ほんと、無理矢理コンビニに使いっ走りさせてごめん!レナが好きなフルーツタルトが無くて怒ってごめん!気を遣ってレナが好きな他のスイーツ買って来てくれるのに、気に入らないからって投げちゃってごめん!服汚してごめん!お金返さなくてごめん!ペットの餌代だったのに本当にごめんなさい!あと、そのペットの事キモいって言ってごめん!でも、爬虫類とか苦手だから今もキモいと思ってごめん!」

 

最後のは分かるぞ!!爬虫類もそうだけど、昆虫類も両生類もキモいよな!(同情)

 

いろは「私、此処までされたら凹んじゃうかも...」

 

ももこ「........普通そうだよね」

 

レナ「全部ぜんぶぜーんぶ!レナが悪かったから!謝るから........、出て来なさいよ!アンタ、レナの下僕でしょ!?」

 

下僕!?友達じゃなくて!?ってか命令形になってるし!?

 

レナ「出て........、来なさいよ........。全部、後悔してるんだから........!」

 

あふれ出る後悔の念に堪え切れなくなったのか、レナを嗚咽を溢しながら涙を流し出す水波。

 

........そして、ゲーセンに居た時と同じように、背筋に寒気を感じ、一瞬で背景が変化した。

 

龍騎「っ!来るぞ!構えろ!」

 

いろは・ももこ・レナ「「「!?」」」

 

俺がカードデッキを突き出して、腰にベルトを出現して巻く。環と十咎も自分のソウルジェムを取り出すが、水波はただ呆然としていた。すると、目の前から黒いモヤから南京錠の形をした使い魔と、攫われた筈の秋野が姿を現した。

 

かえで「迎えに来たよ、レナちゃん........」

 

レナ「かえで........!」

 

かえで「レナちゃん、こっちにおいでよ。一緒に階段さんのお掃除しよう?」

 

レナ「何言ってるの........、アンタがこっちに来るのよ!」

 

かえで「じゃあ私が連れて言ってあげるね、今よりずっと良い所だから」

 

龍騎「っ!変身!」

 

秋野が魔法少女姿に変身したと同時に、俺もカードデッキをベルトに装填して水波の元へ走り出す。しかし、何故か水波と秋野と引き離されてしまう。もしかしたらこの結界の効果かもしれない........。

 

龍騎「水波は俺に任せろ!二人は使い魔を頼む!」

 

いろは「は、はい!」

 

ももこ「お願いします!」

 

使い魔を二人に任せて、俺はカードデッキから一枚カードを引いて、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填したまま、水波の元へ向かう。

 

かえで「それじゃあ行こうか、レナちゃん........」

 

レナ「なんで........、なんでかえでなの!?ずるい........、こんなの........、攻撃出来る訳ないじゃない!」

 

秋野がそう言うと、新たに使い魔を召喚して水波を攫おうとする。まずい........、下手したら水波も秋野と同じ事をされる!

 

龍騎「させるかよ!」

 

【AD VENT】

 

「ガアァァァァァァァァァァァァ!!」

 

俺は予め、カードを装填したままの甲冑をスライドすると、俺の相棒である赤い龍が、水波を攫おうとする使い魔を体当たりで吹き飛ばし、秋野に向かって火炎弾を吐き出す。その隙に俺は水波を回収して、赤い龍の背中に乗り、一旦秋野から距離を離す。

 

龍騎「怪我はないか?」

 

レナ「え........?な、なんとか........」

 

龍騎「一旦、十咎達と合流するぞ」

 

俺の言葉に水波はゆっくりと頷くと、そのまま赤い龍を乗ったまま環達の元へ戻ってくる。

 

ももこ「レナ!怪我は!?」

 

レナ「だ、大丈夫........。でもかえでは........」

 

龍騎「恐らく、このウワサの親玉に操られてる........。そいつをぶっ潰せばば元に戻るけど........」

 

?「その親玉が出て来てないって所かしら?」

 

俺が言ってる途中に、背後から七海が魔法少女姿でやって来た。どうやら一足遅れてやって来たみたいだ。

 

いろは「やちよさん........」

 

やちよ「レナから聞いて様子が気になって見て来たけど........、もっと早く来るべきだったわ」

 

龍騎「いや、寧ろナイスタイミングだ。........あれを見てどう思う?」

 

やちよ「........絶交ルールのウワサ、神浜うわさファイルの通り、現実になってしまったのね...」

 

やはりそうか........。やっぱり七海が言っていた情報は正しかったようだ。そんな事を思ってたら、十咎が七海を胸倉を掴んだ。

 

ももこ「何がうわさファイルだ!魔女の性質が偶々似てただけだろ!?」

 

龍騎「十咎、良い加減現実を見ろ。お前だって、この神浜が変なのは少なからず気が付いてるだろ?」

 

ももこ「........っ」

 

やちよ「彼の言う通りよ、貴女が私を嫌うのは構わないわ。だけど、それを理由に認識を歪ませて仲間まで危険に晒さないで。それでもリーダーなの?」

 

ももこ「................分かったよ、認めるよ。確かにこの町は普通じゃない」

 

俺と七海の言葉に観念したのか、十咎は七海を掴んでいた胸倉を離して、神浜が普通じゃない事を認めた。

 

ももこ「この結界が普通の魔女のものじゃない事だって薄々感じてたさ...。全く情けないな、龍騎さんとやちよさんに論されるなんて」

 

龍騎「........だったら、やるべき事は分かるな?」

 

そう言って俺が後ろを振り向くと、其処には巨大な鐘と幾つもの階段が存在する魔女みたいなバケモノだった。

 

ももこ「っ!この魔力........!」

 

いろは「強い魔力を感じる........、これは........!」

 

やちよ「どうやらあれがボスのようね........」

 

レナ「あれが........、かえでを........!」

 

水波がバケモノに睨み付けると、魔法少女姿へと変身する。そして俺もカードデッキから一枚カードを引き、甲冑をスライドして、カードデッキから一枚のカードを引き抜き、カードを装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上から青龍刀........、ではなく、何故か槍が降って来て上手くキャッチして構える。

 

........え?なにこれ?こんなの今まで無かったけど?

 

いろは「あれ?龍騎さん、それって........」

 

龍騎「いや、俺にも分からん........。でもまぁいいや、それよりもお前等、此処は役割分担と行こうぜ?」

 

やちよ「貴方から提案するなんて、一応聞くわ」

 

龍騎「なーに、至ったシンプルさ。環が後方からの援護射撃、十咎と七海が使い魔の対処、水波が秋野を押さえろ。本命は俺が片付ける」

 

ももこ「!?ちょ、ちょっと待って!?それだとかえでが........」

 

龍騎「アホ、そんな事言ってられる暇がある訳ないだろ?」

 

ももこ「っ........、でも、そんな簡単に出来ないだろ!?仲間を傷つけるなんて!」

 

龍騎「分かってないな十咎、戦場において犠牲は付きものだ。仲間思いなのは結構だが、それなりの対価が必要だ。お前は自分の命と仲間の命、どっちが大切だ?」

 

ももこ「!?」

 

龍騎「お前はもし、100人のうち1人が犠牲になれば世界が救われると言われたら、潔く候補するか?」

 

ももこ「それは........」

 

龍騎「俺なら出来る、寧ろそうする」

 

「「「「!!?」」」」

 

龍騎「人の命なんて安いもんだ、特に俺のはな........。でもな、七海にも言ったが、人間誰しも譲れないものが一つや二つはあるんだよ。俺にも譲れないものがある。例え腹を貫かれて死にかけても、両腕を失ってでも、誰からも奪われたくないから戦うんだ。その為なら俺の命なんて簡単にくれてやる........、それがお前との覚悟の違いだ」

 

ももこ「................」

 

龍騎「...おっと、敵さんは待ちかねてるわ」

 

かえで「階段さんの邪魔はさせないよ〜」

 

俺が言ってる間に、洗脳秋野が既に戦闘態勢が整っていた。あまり待たせるのも悪いな...。

 

レナ「レナは賛成」

 

ももこ「レナ!?」

 

レナ「変態の言ってる意味は分からないけど、結局はあのバケモノを倒さないとかえでは帰ってこないんでしょ?だったらレナは戦う!戦って勝って、かえでを取り戻す!」

 

俺の事を変態呼びされてるのは一旦大目に見るとして、水波は覚悟は決まってるらしい........。さぁどうする?リーダーよ。

 

ももこ「........分かったよ!アタシも覚悟を決める!仲間の為ならこの命、欲しくもないやい!」

 

十咎の言葉を聞いて、俺はニヤリと笑い、十咎の肩に手を置く。

 

龍騎「それで良い。その小さな覚悟があるだけでも十分だ」

 

いろは「やりましょう!ももこさん!」

 

レナ「レナの足引っ張んないでよね!」

 

やちよ「ちなみに、勝算はあるの?」

 

龍騎「ご心配なく、お前達に()()()()()()()()()()()()

 

やちよ「........秘策はあるって事ね」

 

ももこ「よぉし!じゃあやりますか!」

 

十咎の言葉が合図となり、俺はバケモノに目掛けて一直線、十咎と七海は増加した使い魔を相手に、後方から環の援護射撃を行う。水波は槍で秋野を攻撃を仕掛けると、秋野は笑顔だった顔が崩れて、水波の攻撃を杖で受け止めた。

 

かえで「レナちゃん........?」

 

レナ「ごめんねかえで、後で謝るから........。今だけは許して!」

 

 

悲痛な表情を浮かべながら心理的にけしかけてくる操り人形の秋野に水波は振り払うように槍を手にする手にさらに力を籠める。しかし、水波の背後から南京錠の形をした使い魔が襲い掛かる。

 

龍騎「ちぃ!」

 

いろは「やあぁっ!」

 

ももこ「ふっ!」

 

やちよ「はっ!」

 

俺が水波の方へ向かおうとすると、三人が水波を襲った使い魔を撃退する。危なかった........、正直間に合うか分からなかった........。

 

いろは「此処は私達に任せて下さい!」

 

ももこ「龍騎さんはあの魔女を!」

 

龍騎「すまん!恩にきる!」

 

三人のこの場を任せて、俺は魔女もどきへ向かって走り出す。すると、魔女もどきも使い魔を放ってきたので、俺も槍に火を纏わせる。

 

龍騎「邪魔すんじゃねぇ!火剣『煉獄火炎斬』

 

俺は魔女もどきが放って来た使い魔を次々と斬っては進んで行き、階段まで辿り着くと、大きく飛び上がり、身体を思いっきり斜めに傾けて回し、少しずつ回転速度を上げて行く。

 

龍騎「火剣『炎円斬」

 

槍を一振りすると、円盤カッターのような火の輪っかを魔女もどきに向けて射出した。すると、俺の放った円盤カッターが、魔女もどきの大鐘のようなものに直撃する。すると、魔女もどきが悲鳴を上げるかのように、もの凄い衝撃波を放ってくる。

 

龍騎「ぐっ........!この野郎!!」

 

現在俺は宙に浮いてる状態なので、魔女もどきの放った衝撃波で吹き飛ばされてるが、そのまま吹っ飛ばされる俺ではない。最後の意地として、持っていた槍を全力で投擲すると、再び大鐘に直撃する。どうやらあの大鐘が弱点のようだ。

 

龍騎「だったら!」

 

俺もカードデッキから一枚カードを引き、甲冑をスライドして、カードデッキから一枚のカードを引き抜き、カードを装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上から今度こそ、青龍刀が降って来て上手くキャッチして、青龍刀に炎を纏わせる。そして剣を両手に持って牙◯のような体勢になる。

 

龍騎「秋野を操っただけでなく、害の無い人間達を襲った罪........、俺が裁く!」

 

俺は地面をめり込むように踏み出すと、両手で剣を持っていた左手を標準の代わりにして魔女もどきに向かって一直線に突っ込む。

 

龍騎「竜火『竜滅剣』

 

俺は青龍刀を突き刺すと、青龍刀に纏っていた炎が竜の形となり、噛みつこうするように魔女もどきに襲い掛かる。そして、炎の竜が魔女もどきを食らい付き、鐘の音色を響かせる暇すらなく爆散した。

 

いろは「................炎が、綺麗」

 

ももこ「凄い........」

 

レナ「あの変態........、あんなに強かったの........?」

 

やちよ「................」

 

環と十咎は、俺が前世で頻繁に使っていた技に魅了され、水波は思わず本音が漏れてしまい、七海はただ唖然としていた。

 

そんな事を知らない俺は、背景が元に戻ると同時に変身を解除して、グリーフシードを捜索する。

 

........正直、竜滅剣じゃなかったら倒しきれなかった。取り敢えず最初は80%で放ってみたが、途中で倒しきれないと思って、慌てて100%まで上げた。結果的には、倒せはしたが、この先もっとタフな奴と戦うとなると苦戦は必須になる。

 

龍騎(修行、するしかないか........)

 

多分今のままじゃあこの先思いやられるに違いない。一刻も早く、前世の時と同じぐらいの力をつけなくてはならない。と言っても、時間が経ってしまえば、自然と魔力の量も増えていくので少しずつ技を磨くしかないだろうな...。

 

龍騎「........グリーフシードがない?それじゃあやっぱり........」

 

やちよ「貴方も気づいたようね」

 

捜索してもグリーフシードが見つからなかった事に口にすると、背後から魔法少女姿を解除した七海がやってきた。

 

龍騎「と言う事は、やっぱりあれは()()()()()()()()()なんだな?」

 

やちよ「恐らく........、私は『ウワサ』と呼んでいるわ。『ウワサ』はうわさを守る為だけに存在する魔女とら全く別の存在よ」

 

つまり、第三勢力って訳か........。

 

やちよ「........ところで、あれは一体どう言うトリックなのよ?」

 

七海が俺に質問すると、一瞬何の事だ?と思ったがすぐに言いたい事が分かった。どうせこれからこいつと関わる訳だし、話しても良さそうだ。

 

龍騎「........話すと長くなるぞ?」

 

やちよ「構わないわ」

 

七海のご要望にお応えし、俺は俺について全て話した。俺には前世の記憶がある事、前世では常識に囚われない異世界で生きていた事(幻想郷である事は伏せている)、俺が寿命の概念のある神であり、同族同士の戦争に参加して勝利した事。そして、寿命で死んだと思ったら、見滝原の長男として生まれ変わった事、そして一年前に魔法少女と魔女について知った事を話した。ワルプルギスの討伐は恐らく知ってるのと、その他の事は特に重要では無いと思ったので話してない。それに、魔法少女の真実を話したら、こいつは冷静ではいられなくなる可能性だってある......。もう少し時間を空けてから話すとしよう。

 

やちよ「成る程........、私が勝てない訳ね」

 

龍騎「まぁ、俺も何度か死に掛けたからな。伊達に三途の川を反復横跳びしてねぇよ」

 

やちよ「物騒な表現ね........。一応忠告はするけど、この街にいる以上、避けては通れない存在だから気をつけなさい」

 

龍騎「........ご忠告どうも、でも俺は俺のやり方でやらせて貰う」

 

やちよ「そう言えば、貴方は何故この神浜に来たのかしら?」

 

龍騎「言ってなかったっけ?見滝原にも神浜のウワサを聞くようになって来たから調査しに来たんだ。まぁ俺がオカルトサークル的な部活に入ってるって理由もあるが、魔法少女に関わってくるとなると、見て見ぬフリは出来ないんでね。最後まで追求してやるよ、この神浜のウワサの謎を」

 

やちよ「探偵気取りではないのは分かるけど、危ない事には首を突っ込まない事ね」

 

龍騎「それは約束出来ないな、俺って不幸体質(トラブルメーカー)バカ(お人好し)だし」

 

やちよ「.........ふっ、それじゃあ」

 

俺が冗談笑いで言うと、七海は少し笑みを溢しながら去っていく。さて、俺も環達の元へ戻るとするか........。そう思った俺は、その場から離れようとすると、

 

「「「「おいし〜〜〜っ!!」」」」

 

と、女子学生らしき声が響いてくる。あいつ等、何食ってるんだ?俺は気になって声のした方へ向かってると、

 

いろは「あ、龍騎さん!」

 

環が俺の存在に気づくと、環の手には小さな瓶のような物を持っていた。俺は気になって環に質問する。

 

龍騎「なぁ、それなんだ?」

 

いろは「これですか?これ!オーガニックスイーツカフェ『木漏れ日の小屋』週間二十食限定、自然材料で育てたニワトリの卵を使ったツンとまろやか高級プリンです!!」

 

よくそんな長々と言えたな、取り敢えず高級プリンだって事は分かった。

 

いろは「........あっ!龍騎さんの分がない!?」

 

龍騎「あー良いよ、気にしなくて。どうせ帰ったらそのまま晩飯だし」

 

かえで「あ、あの!」

 

環が俺の分のプリンが無い事に気がつくと、俺は気にするなと断ると、秋野が歩み寄って来た。

 

かえで「助けてくれてありがとうございました!」

 

突然やって来ては深々と頭を下げて感謝された。いや、そんなに頭下げないで貰えます?

 

龍騎「え、いや俺は別になにも........」

 

かえで「さっきももこちゃんに教えて貰ったんです!龍騎さんが見滝原の龍騎士だって!」

 

ももこ「........(両手を合わせてウインクしている)」テヘッ

 

十咎ェ........、余計な事を........。

 

龍騎「........まぁ、無事で良かった。でも、さっきのウワサがあるかないか関係なしで、二度と絶交なんていうんじゃないぞ?人間にとって、友人ってのは大事な絆という名の宝だ、決して無くすんじゃないぞ?」

 

かえで「........はい!」

 

グウ〜〜〜〜

 

これでよし、と全身の力を抜くと、俺の腹の音が建設廃棄地に響き渡る。俺は恥ずかしさに顔を赤くしてしまう。

 

龍騎「こ、これはあれだから!さっきのバケモノにトドメ刺す時に使った技の影響だから!」

 

いろは「........あ、良かったら一口どうですか?」

 

おい馬鹿止めろ、そう言ってプリンを一口分掬うな。

 

かえで「あ、なら私の分もどうぞ!」

 

だから止めろよ!君たちは間接キスとか気にしないのか!?俺は気にしないけど!!

 

いろは・かえで「「はい、あーん」」

 

龍騎「いや二人一辺に来なくても...むくっ!?........あっ、美味っ」

 

結局、強引に環と秋野が俺にプリンを口に押し込まれた。声に出した通り、めちゃくちゃ美味い。バカ舌な俺でも分かるぐらいの美味さ、流石は高級プリンだな(小並感)

 

やっぱ仕事(戦いの)終わりの甘い物は最高だと実感したまま、最初のウワサである絶交ルールのウワサの調査は幕を閉じた........。




いかがでしたか?

ちなみに、槍が出て来たのは仮面ライダーナイトのソードベントである「ウイングランサー」です。

どうしてウイングランサーを出せたのかは、次回明らかにする予定ですので、暫しお待ちを........。

久しぶりの龍優録の技、個人的にはとてもお気に入りなのでどんどん出せたらなと思ってます。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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水名区のウワサ

どうもです。

ちなみにこの作品はマギウスの翼まで行く予定です。

それではどうぞ。



 

龍騎「...という事があった」

 

杏子「うっわ......、あんたそんな事に首突っかかってたのかよ」

 

龍騎「え?俺の所為なの?」

 

昨日の出来事を秘封俱楽部三人、そしてほむらと佐倉に来て貰い、神浜のウワサについて説明していた。この面子にした理由は、まずはマミはキュウべえから何か聞き出せたか、佐倉は一年前から一人で行動していたので、神浜について何か情報を知っているのか、ほむらは地獄の無限ループの中で、神浜に関わっていたか、それを知る為に集まっていた。

 

蓮子「それって、やっぱり魔法少女関連だったりする?」

 

メリー「十中八九、そうだと思うわよ。私は現場には居なかったから分からなかったけど、雰囲気的に間違いないわ」

 

ほむら「神浜のウワサ......」

 

ほむらが顎に手を当てて、何か思い出そうとしていたが、この感じだと、ほむらは知らないようだな...。

 

龍騎「それじゃあ本題に入ろう。佐倉とほむらは、神浜について何か知ってるか?」

 

ほむら「少なくとも、私は神浜に関しては心当たりは無いわ」

 

杏子「私はあれだ、魔法少女が見滝原とか風見野とか比べて多いってぐらいしか知らないな」

 

マミ「........じゃあ、その神浜のウワサは最近になって起こり始めた?」

 

マミの言う通りかもしれないな........。一体神浜に何が起こってるんだ?

 

マミ「私からも良いかしら?龍騎さんに言われた通り、キュウべえに接触出来たのだけど」

 

龍騎「え?接触出来たの?」

 

マミ「それも簡単に........」

 

マミが呆れたような顔を見せながら肩を上下に動かしながらキュウべぇから聞き出したことを語り出す。

 

マミ「キュウべえ曰く、神浜市ではキュウべぇ活動する事が出来ないみたいなのよ」

 

ほむら「神浜ではキュウべぇが活動する事が出来ない?」

 

杏子「なんだそりゃ?」

 

マミ「実際、神浜市と他の地域との境界に立ち寄ったのだけど、神浜市の領域に入った途端に機能を停止したように動かなくなるのよ。それこそ、ぬいぐるみみたいに」

 

........キュウべえ、もといインキュベーター対策に何かしらの結界を張ったのか?

 

龍騎「となると、神浜にはキュウべえはいないって事になるな」

 

ほむら「そういうことになるわね。それが何を意味するのかは、私には考えつかないのだけど」

 

蓮子「........ねぇ、これって私達残る必要ある?」

 

メリー「明らかに蚊帳の外状態よね?」

 

俺と魔法少女組とのやり取りに、全く着いてこれてない蓮子とメリーからの苦情が発生する。

 

龍騎「まぁ待て、お前達にも仕事を用意してんだから」

 

蓮子「っ!なら早く言ってよ!」

 

はいはい、と適当に言って迫り寄る蓮子を押さえる。

 

杏子「んで?他には聞いてないのかよ?」

 

マミ「後は........、周辺地域の魔女が神浜市に集まって来てるって事ぐらいかしらね」

 

ほむら「成る程、最近魔女の数が減って来てると思ったら、神浜に集まっていたのね」

 

マミの言葉にほむらは納得したかのように頷く。そういえば、見滝原に居る魔女の姿も現れたとか、まどかからの報告も無かったな........。やっぱり、魔女は神浜に集まっているのか?

 

龍騎「それに関しては、これから先調べていけばいいさ。サンキューな、マミ」

 

マミ「このくらい、お安いご用ですよ。それよりも、神浜市は私達が思ってたより、只事ではなさそうね」

 

さて、知りたい事も知れたので、早速役割分担といきますか...。

 

龍騎「これからの方針だが、俺はそのまま神浜の情報収集する。マミも同行してくれ、環ならお前と同じ思考の奴だから仲良くなれそうだし、神浜の魔女とウワサのバケモノ相手に慣らしは必要だしな」

 

マミ「分かりました」

 

蓮子「おーい、私達はー?」

 

蓮子が痺れを切らしたのか、手を上げて質問してきた。全くせっかちな奴だな...。

 

龍騎「時にほむら、佐倉よ。お前等の成績はどんなもんだ?」

 

ほむら・杏子「「は?」」

 

俺の質問にほむらと佐倉は『いきなり何言い出してんだこいつ?』みたいなアホ面で返して来た。いや言いたい事は分かるけど........。

 

ほむら「何を言い出すかと思えば........、何が言いたいのかしら?」

 

龍騎「いや、だってお前等受験生じゃん?お前達には協力して欲しいんだが、成績が心配でよ........」

 

ほむら「気にする必要はないわ、少なくとも赤点は取らないわ」

 

杏子「私もへーきだ、問題はさやかだけどな」

 

龍騎「え........、佐倉って成績良い方だったの?てっきりさやかはまだしも、まどかより酷いんじゃないかって........」

 

杏子「喧嘩売ってんのか?」

 

いやだってお前、碌に学校行って無かったじゃんか........。

 

杏子「心配しなさんなって、旦那が思ってるより成績は悪くねぇよ」

 

龍騎「それなら良いんだけどよ........。まず佐倉は別行動で神浜の情報収集を頼む。何か変わった事とか、些細な事でも良い」

 

杏子「任せておきな、単独行動は私の得意分野だ」

 

龍騎「ほむらは見滝原の護衛。まどかとさやかが居るとはいえ、あいつ等はまだ新人だ。特にまどかに関しては不安だらけだ、そのフォローを頼む」

 

ほむら「そうね、大勢に行っても神浜の魔法少女に刺激を与えるだけね」

 

龍騎「そんで蓮子とメリーなんだが........」

 

俺がそう言うと、蓮子は待ってましたと言わんばかりの顔になるが、逆にメリーは蓮子とは反対に期待感はゼロな様子だった。

 

龍騎「蓮子!メリー!ある意味お前等にしか出来ない事だ!」

 

蓮子「おー!ばっちこい!」

 

龍騎「まどかとさやかの受験勉強を見て貰いたい!」

 

蓮子「........うぇ?」

 

メリー「だと思った........」

 

龍騎「メリーが言ってただろう?お前等はやる事が限られてるって、こっから先は戦闘だってあるんだから、連れてけねぇよ」

 

蓮子「いや他にあるでしょ!?例えば........、別のウワサについてとか!」

 

龍騎「それは俺と佐倉が別行動で調べる。第一まどかは何とかなるかもしれんが、問題はさやかだ。あいつ前の試験で惨敗してじゃんか」

 

杏子「あー、そういや真っ白に燃え尽きてたな........。『私、ほんとバカ........』って」

 

だったら尚更じゃねぇか。と思ってたら俺の電話に着信が入った。かけてきたのは環からだ。

 

龍騎「もしもし?」

 

いろは『あ、龍騎さん。昨日はどうもお世話になりました!』

 

龍騎「あー別に良いよ。それよりどうした?何か分かった事があったのか?」

 

いろは『あ、はい!実はですね........』

 

龍騎「........ほぅ、成る程ね。分かった、明日俺もそっちに向かう。ついでに助っ人も連れて来る」

 

いろは『あ、ありがとうございます!』

 

俺は通話を切ると、マミの方へ向いて微笑む。

 

龍騎「早速仕事だぜマミ、明日の放課後に水名区に向かうぞ」

 

マミ「水名区にですか?」

 

龍騎「あぁ、新しいウワサだ。詳細は明日、連絡してきた魔法少女に聞くとしよう」

 

蓮子「あ、あの........。本当にそのプランで行く気?」

 

龍騎「まどか達がうちの高校に入学して秘封倶楽部に入って貰わないといけないんじゃなかったのか?」

 

蓮子「あっはい、そうでした」

 

俺の一言で静かになった蓮子。まぁ当の本人達もうちの高校に行きたいって言ってたから、嫌でも来て欲しい。そう言う事で今日はお開きとなり、其々の家へと帰って行った。

 

 

 

〜翌日〜

 

学校が終わり、俺とマミは水名区にある女子校の校門で環と待ち合わせしていた。環が来る間に、女子校の生徒にウワサについて聞き出してみたが、やはりという事か........。何一つ情報が無かった。

 

マミ「やっぱり、有益な情報がありませんでしたね」

 

龍騎「まぁ、所詮()だからな。信じる奴もいれば、信じない奴もいるって事だ」

 

いろは「龍騎さん!」

 

すると環も合流して来たので、早速マミを紹介する事にした。

 

龍騎「お疲れさん環、紹介しよう。昨日言った助っ人の魔法少女」

 

マミ「巴マミよ、よろしく」

 

いろは「環いろはです。よろしくお願いします」

 

龍騎「そんで環、昨日の水名区のウワサについて詳しく教えてくれ」

 

それから環は、昨日の電話の内容を詳しく説明する。まず、環が十咎と連絡してた時に、前に十咎が八雲から水名区の神社がどうとかと言ってたのを思い出したらしく、それを俺に昨日連絡したようだ。

 

マミ「水名区の神社........」

 

龍騎「........成る程、取り敢えずその神社について調べよう。それと昨日は大丈夫だったか?お前等腹壊したんだろ?」

 

いろは「あはは........、近くに病院があって良かったです........」

 

そう言って恥ずかしそうに笑う環。実は昨日、環が水波に病院の入院記録を調べて欲しいと依頼したのだ。水波の変身能力で病院に忍び込む作戦なのだが、当たり前のようにリスクが高過ぎる為に、水波は反対していたが、十咎、秋野の無言の圧力に屈して引き受けた。

 

調査を終えた水波が戻って結果を報告すると、環の妹である、ういちゃんの情報は無かったものの、ういちゃんの友達である里見灯花と柊ねむの記録があったらしい。しかし、その二人は既に退院しており、今の住所とかは分からなかったらしい。そんで女性陣が腹を壊して病院に駆け込んだのだ。恐らく、水波から貰ったプリンが長い間、鞄に入ってのが原因だったんだろうな。

 

........俺?一口しか貰ってないし、そう言うのには耐性があるので何とも無い。

 

龍騎「で、環は水名神社ってのが何処にあるのか分かるのか?」

 

いろは「いえ........」

 

ダヨネーリュークンシッテタ。

 

龍騎「はぁ........、近くに地元の魔法少女が居てくれれば聞き出せるんだけどな........」

 

マミ「この学校だと、誰も居なさそうですもんね...」

 

いろは「でも、そんな都合良く........」

 

「魔法少女探してるの?」

 

いろは「わあっ!?」

 

マミ「!?」

 

龍騎「」

 

「おおっ、ごめんごめん。びっくりさせちゃった?」

 

いろは「あ........、貴女は?」

 

いきなり背後から声を掛けられた。

 

「私?私は由衣 鶴乃《ゆい つるの》!最強の魔法少女だよ!」

 

マミ・いろは((誰..........?))

 

鶴乃「ほえ?其処のお兄さん、固まっちゃったけど大丈夫?」

 

いろは「........龍騎さん?」

 

マミ「................気絶してる........、立ったまま........」

 

 

 

〜数分後〜

 

龍騎「........あ?俺は........、って何だ!?」

 

スモールキュウべえ「モキュ!」

 

龍騎「うおっ!?ちびすけ!」

 

気がついたら女子校の少し離れた所の、竹みたいな椅子に寝かされてた俺は、顔面に何か座ってるような感じがしたので、驚きながら掴むと、ちっこいキュウべえだった。お前人の顔面に寛ぐってどういう神経してんだ?

 

鶴乃「あっ、起きた?」

 

龍騎「ダリナンダアンタイッタイ⁉︎」

 

知らない女子から声を掛けられて、テンパる俺。完全に隠キャですね。

 

鶴乃「ごめんね驚かせちゃって、私は由衣鶴乃!最強の魔法少女だよ!」

 

........最強?最強(笑)の間違いでしょ(適当)

 

それにしてもどう言う名前だよ。由衣とか鶴乃とか、全部下の名前で出て来てそうなもんばっかじゃん。逆さにして『鶴乃由衣』で良いんじゃ無い?

 

龍騎「俺は鹿目龍騎、ちなみに魔法少女については知ってるから、気楽に話してくれ」

 

いろは「あっ、龍騎さんが龍騎士である事は隠してます」ヒソヒソ

 

そうなのか?それは有難い、あんまり目立つ事はしたくないので是非ともそうして欲しい。

 

鶴乃「さっきいろはちゃん聞いたんだけどさ、ウワサについて調べてるんだってね」

 

龍騎「あぁ、何か知ってたら教えてくれ」

 

鶴乃「よしきた!まずウワサの内容と違う事をしちゃ絶対にダメ!」

 

うん、知ってる。

 

鶴乃「あと、ウワサを消そうとするのもダメ!」

 

うん、バケモノが出て来るんだよね。この目で見たから。

 

鶴乃「そうするとバケモノが出て来て!」

 

龍騎「................魔女とは全く異なるバケモノで、そのウワサを守る為に存在する」

 

鶴乃「え?知ってたの?」

 

いや知ってるも何も........。つまり有益な情報はゼロって事か........、頼む相手間違えたな(遠い目)

 

鶴乃「何遠い目してるの!?だ、だったらこれならどうだ!」

 

もう君には期待しないよ、どうせバケモノが人を攫うとかでしょ。

 

鶴乃「その名も、口寄せ神社のうわさ!」

 

龍騎・マミ・いろは「「「........え?」」」

 

まさかの返答に俺達三人はアホみたいな声で返事する。

 

マミ「口寄せ神社........、水名区の!?」

 

いろは「教えて下さい!その神社のうわさ!」

 

鶴乃「おぉーすっごい食いつき!じゃあ朗報だよ!だってあの神社、『会いたい人に会える』んだってさ!」

 

会いたい人に会える........?どう言う事だろうか........。もう少し詳しく聞くと、とある昔話しがあるらしい。

 

 

ーーーむかしむかし、身分違いの恋に落ちた男女がいました。

 

ーーー二人は愛し合いましたが、関係が女の家庭に知れ、男は殺されてしまいました。

 

ーーー悲しみにくれた女はある日、男の字で書かれた紙を見つけます。

 

ーーーその紙には、ある場所が記されてました。

 

ーーー女がその場所を訪れると、なんと其処には死んだ筈こ男が現れ...。

 

ーーー二人は再開できたのでした。

 

 

なんかざっくりした話しだな........。でも参ったな、恋愛小説とかドラマとか見ないから、良い話しなのか分からん(ど素人)

 

鶴乃「その二人の辿った道をなぞって行くと、凄いパワーを持った縁結びスポットに辿り着くって言われてるんだけど、気にならない?」

 

龍騎「うん、全く」

 

いろは「気になります!」

 

鶴乃「でしょでしょ!」

 

あれ?俺の意見は無視?

 

鶴乃「ねぇ!だったら一緒に調べてみようよ!私も調べる所だったんだ!」

 

マミ「そうね、こう言うのは大人数で調べた方が早いかもしれないし」

 

龍騎「そうするか、んじゃよろしく頼む」

 

鶴乃「オッケー!それじゃあ連絡先交換しよう!」

 

と言う事で、俺達は連絡先を交換しておく。しかし、こいつの名前なんて呼ぶか........。由衣?鶴乃?全部下の名前で使われそうなやつばっかりだから迷うんだよなぁ........。初めてだよ、こんな奴出会うの。

 

鶴乃「それじゃあ、スタート地点は男の人の家らしいから!じゃあね!」

 

龍騎・マミ・いろは「「「スタート地点?」」」

 

 

 

 

〜数分後〜

 

先程の言ってる意味が分からず、取り敢えず男の人の家まで向かうと、一つの看板を見つけた。

 

龍騎「主催、水名区町おこし委員会........」

 

................これ町おこしのスタンプラリーじゃねぇか!!

 

まさかのミニゲーム的な内容の書かれた看板にツッコミを入れてしまった。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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神社は想い人と行くのは間違っている

どうもです。

ぼさろに集中してたので久しぶりの更新です。

今回は結構ギャグに走ります。

それではどうぞ。


 

龍騎「おい誰かあの下の名前女呼んでこい。クレーム入れてやる」

 

いろは「ダメですよ龍騎さん!」

 

俺があの由衣を呼んでこいと言うと、環がつかさずツッコミを入れる。いやこれは文句言いたくなるわ、スタンプラリーってなんだよ(哲学)

 

マミ「........取り敢えずやってみませんか?何か手がかりがあるかもしれませんし」

 

龍騎「じゃあお前等でやって来たくれ、俺はもう疲れた」

 

いろは「まだ何もやってないじゃないですか!」

 

龍騎「忘れたのかい環のばぁさんや、ワシは精神年齢は既に百歳超えてるやで?」

 

マミ「そう言わず、早く行きますよ」

 

龍騎「あっはっは〜、巴のばぁさんは相変わらず強引だの〜」

 

マミ「次可笑しな事言ったら、蓮子さんに報告しますよ?」

 

龍騎「はいすみませんでした、悪ふざけが過ぎましたイキってすみませんでした」

 

いろは(お、脅した...)

 

こんなの蓮子に言われたら嫉妬狂ってる何されるか分かったもんじゃない......。仕方ないので俺もスタンプラリーを始める事にした。スタートから路地裏、南門、旧宅へと向かって、次々のスタンプを押していく。

 

龍騎「ふぅ〜、これで全部か....」

 

マミ「意外と結構歩きましたね........」

 

いろは「えーと...、『AとB、ふたりの紙を線に合わせるように重ねましょう。太陽に透かしてみると、重なったスタンプが地図になって二人を導いてくれるでしょう』........。あ、右上にAって書いてあります」

 

成る程ね、つまりAとBの二枚の紙が必要って訳なのか。俺のは......、Aだな。

 

マミ「私もAって書かれてるわ」

 

龍騎「........は?誰もB居ないの?」

 

いろは「それって........」

 

や、やり直しだとおおおおおお!??

 

ふざけんな!!(声だけ迫真)誰だよ三枚もAの紙渡したのは!?お陰でやり直す羽目になっちまったじゃねぇか!!全部回るのに一時間も掛かったんだぞ!?

 

龍騎「........もう帰っていい?」

 

いろは「ダメです!!」

 

いやもう全てに絶望してやる気無くしたわ...。そんな事を思っていたら、後ろから誰かに声を掛けられた。

 

?「........貴方達、何してるの?」

 

振り向くと、同じ紙を持った七瀬だった。

 

いろは「やちよさん!?」

 

龍騎「........お前も何しにいるんだよ」

 

やちよ「見ての通り、スタンプラリーを回っていたのよ。それより、此方は........」

 

マミ「見滝原の魔法少女の巴マミです。龍騎さんのサポーターです」

 

七海がマミに気がつくと、マミから自己紹介してお辞儀をすると、七海も軽くお辞儀する。そして、俺は七海に近くにあった小さな看板に親指で指すと、七海は看板の前に立つと『AとB!?』と叫び出した。読者モデルでもそんな反応するんだな......。

 

龍騎「もしかしてお前も口寄せ神社について調べてるのか?」

 

やちよ「えぇ、でも貴方はまだしも、彼女は手を引いた方がいいわ。妹さんの事もあるし、中途半端な気持ちで首を突っ込んでも痛い目に遭うだけよ」

 

いろは「そ、それは........」

 

龍騎「其処はほら、俺もマミも居る訳だし、何とかなるだろ」

 

やちよ「何とかなるって........、そんな適当な......」

 

そうは言うけどな七海...、俺の場合はケースバイケースなんだよね。

 

マミ「........やちよさん、その手に持ってる紙の右上のアルファベットって何て書いてありますか?」

 

するとマミが七海に質問すると、七海は自分の紙を見てみる。

 

やちよ「................Bよ」

 

いろは「それじゃあ........!」

 

やちよ「仕方ないわね........。重ねてみましょうか」

 

龍騎「あ、ありがとうございます!やちよ様ありがとうございます!!」

 

マミ「龍騎さん落ち着いて下さい!」

 

あまりにも奇跡な展開に俺は七海の前で土下座して感謝の意を表した。そしたらマミに止められるが、俺はひたすら感謝の言葉を送った。いや本当に助かった...、また一時間掛けてやるのかと思った...。

 

 

 

 

〜水名神社〜

 

いろは「此処が水名神社........」

 

龍騎「特に何ともない神社だな........」

 

俺達は七海の持っていた紙を重ねて、水名神社であろう場所に向かうと、特に変哲もないただの神社だった。

 

マミ「何か情報とか無いんですか?」

 

やちよ「残念な事に、以前に調べたけれど此処では何も起きてなかったわ」

 

マジかよ........。そうだったら早く言ってくれても良かったんじゃないか。

 

龍騎「取り敢えず、ゴールしちまおうか」

 

俺の合図で、全員が移動すると、巫女さんらしき人に紙を回収して貰う。ちなみに余った紙も回収して貰った、荷物の邪魔だし。

 

巫女さん「では最後に........、此方の石の前でお互いの想い伝えて下さい」

 

??????????(音割れXファイル音)

 

龍騎「................あの、どう言う事ですか?」

 

巫女さん「此処の石はお話しの男女が再開した場所だと言われてるんです。此方で思いを伝え合って頂いた後、景品に縁結びのお守りをお渡しします!」

 

いろは「........えええええ!?」

 

やちよ「なんて恥ずかしい........」

 

成る程成る程、つまりそういう事か........(理解不能)

 

龍騎「じゃあ環と七海、行ってこい」

 

いろは「はい!?」

 

龍騎「だって二枚の紙重ねたのお前と七海のだし?俺とマミは部外者だから、地元の人間でやれ(命令形)」

 

いろは「私も神浜の出身じゃないです!」

 

龍騎「知るかバカ!早くやるんだよ!!」

 

マミ「................今から蓮子さんかメリーさん呼びましょうか?」

 

龍騎「何で二人のどちらかを呼ぶんだよ!?」

 

マミ「だって........、あのお二人は龍騎さんの事好きなんじゃないんですか?」

 

マミが揶揄って言ってるのか、その場に居た全員が俺に向けて視線を集中砲火してきた。や、やめろぉぉぉぉ!!そんな期待してる目で俺を見つめるなぁぁぁぁ!!

 

龍騎「マミィィィ!!今言う事じゃねぇだろうがぁ!!」

 

マミ「そうは言いますけど、美樹さんや暁美さんから『さっさとどっちかか、二人同時に付き合え』って」

 

前者の方は絶対ほむらで、後者の方はさやかだろ!?つーか俺に二股しろってか!?何考えてんださやかの奴は!?チルノ以上に馬鹿だろあいつ!?

 

いろは「りゅ、龍騎さん、蓮子さんかメリーさんのどちらかが好きなんですか!?」

 

龍騎「ち、違う!あいつ等が俺の事好きだって言ってきたんだよ!///」

 

やちよ「二人の気持ちを知ってて、今まで保留にしてたのね。最低ね貴方」

 

龍騎「二十歳手前にして男の一人も居ないお前だけには言われたくねぇよ!!」

 

巫女さん「そ、それで!?既に心に決めてる人はいらっしゃるんですか!?」

 

何で巫女さんまで食いついてんだよ!?ウワサの調査はどうしたんだよ調査は!?

 

マミ「観念したらどうですか?龍騎さんだって、少なからず心に決めてるのでは無いんですか?」

 

龍騎「........っ。お前、俺に恨みでもあるのかよ........」

 

マミ「いえ、ただの恋のお手伝いしてるだけですよ」

 

恋のキューピット気取りなのか、ニッコリと俺を見つめるマミ。俺の後ろでマミと同じニッコリと笑顔を作る環と七海、これってなんて公開処刑?

 

龍騎「........殺せ、殺してくれ...。俺何もしてない筈なのにどうしてこんなに辱めを受けなくちゃいけないんだ........」

 

俺が頭を抱えて縮こまってると、背筋が凍る感じがした。

 

マミ「!?」

 

いろは「この気配........!」

 

やちよ「魔女!」

 

グットタイミングゥゥゥ!!初めて魔女に感謝した瞬間である。

 

龍騎「行くぞお前等!」

 

いろは・マミ「「はい!」」

 

やちよ「待ちなさい!私一人で行くわ、貴方達は帰りなさい。神浜の魔女の強さは........」

 

龍騎「黙らっしゃい!!間に合わなくなってもしらんぞ!」

 

やちよ「何なのよこの男........」

 

何なのってこのよく分からない公開処刑から逃げ出したいからだよ!と心の中でツッコミながら魔女の気配を察知した所へ向かう。

 

 

 

〜ショッピングモール内〜

 

いろは「ありました!魔女の結界........!」

 

魔女の気配を追い続けた俺達が辿り着いたのは、ショッピングモールの中だった。其処で魔女の結界を発見した。

 

やちよ「それにしても、どうしてショッピングモールなんて場所に........」

 

マミ「随分と人が多いですね........」

 

龍騎「そうだな........、これからなんかのイベントでもやるのか?」

 

やちよ「イベント........!そういう事........!」

 

何やら七海が気がついたようは表情を見せる。

 

龍騎「何か分かったのか?」

 

やちよ「........今日はね、ポイント10倍デーの日なのよ!」

 

いろは「ポイント10倍デー!?」

 

龍騎「................」

 

マミ「................」

 

いろは「ってどう言う事ですか!?」

 

突然の七海の言葉にノリツッコミする環、お前等芸人になれよ。

 

やちよ「今日はお買い物をすれば、なんでもポイント10倍にかる大祭典の日なのよ。お菓子も、文房具も........、此処にあるもの全てがポイント10倍よ!」

 

龍騎「そうか!分かったぞ!今日がポイント10倍デーって事もあって、人間も魔女もポイント10倍を狙ってきたんだ。つまり!魔女はこの日の為にスタンバっていたんだよ!!」

 

マミ・いろは・やちよ「「「な、なんだってーーー!?」」」

 

いや何で七海までボケるんだよ!?お前やっぱりモデル辞めて芸人になれって!!って声を出して叫びたかったが、今はそれ所じゃない。俺はカードデッキを取り出して、魔女の結界に突きつけて魔力を流し込むと、腰にベルトが装着させる。マミも自分のソウルジェムを取り出して突きつける。俺が右手をナナメ左に上げて、左手を左腰の位置へやり、右手は左胸の方に引き寄せて、引き寄せた右腕を人差し指と親指を伸ばした体勢ですばやく前へ伸ばす。

 

龍騎・マミ「「変身!」」

 

そして俺が戦闘服、マミが魔法少女姿になると、後ろで見ていた環が目を輝かせている一方、七海は若干引いていた。おいなんだその目は?何か言いたそうな目だな、言いたい事があるならはっきり言え。

 

龍騎「何ボサっとしてんだ、早く行くぞ?」

 

いろは「あ、はい!」

 

やちよ「........はぁ」

 

そして環も魔法少女姿へと変身すると、七海も軽く溜め息を吐いて、渋々魔法少女姿へと変身すし、俺達は魔女の結界の中へと入って行った。

 

マミ「........この結界、見滝原とは違うわね...」

 

神浜の魔女の結界に初めて入り込んだマミの感想がこれだった。やっぱりマミもそう思うか........。そんな事思っていたら、大量の使い魔が襲い掛かって来た。俺はカードデッキから一枚カードを引き、甲冑をスライドして、カードデッキから一枚のカードを引き抜き、カードを装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【STRIKE VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上空から龍の頭部を模した手甲........、ではなく、まるで虎のような爪が両手に装着された。

 

いやだからこのギミックなんだよ!?

 

マミ「りゅ、龍騎さん........?何ですかそれ........?」

 

龍騎「俺が一番知りたいでござる」

 

いろは「........あ!もしかしてみたまさんにカードデッキ弄った所為でこうなってるんじゃ........」

 

環がそう言い出すと、俺は思わず納得してしまった。な、なんて事だ........、俺のカードデッキがぼったくり女にイ◯娘の如く侵略されてしまった...。

 

龍騎「ま、まぁなるようになれだ!マミと環は後方支援頼む!俺と七海で接近戦に持ち込むぞ!」

 

マミ・いろは「「はい!」」

 

それから俺の立てた作戦通りに、マミはマスケット銃で、環はボウガンで、七海は槍で、俺は爪で使い魔を一掃する。あ、この爪以外にも使い易い........。と思っていたら、兎の人形らしきものが現れた。どうやら奴がボスのようだ。

 

すると早速、魔女が耳を伸ばして俺達に向かって攻撃を仕掛けてきた。俺達は散開して攻撃を避けると、俺と七海は接近し、マミと環は援護射撃を行う。そして俺と七海も接近戦で攻撃をするが、流石は神浜の魔女だ、見滝原の魔女の違って硬さが違う。

 

マミ「思ってた以上に硬いわね........」

 

龍騎「なら同時攻撃だ。環、七海、少しだけ時間を稼いでくれ!」

 

やちよ「何する気?」

 

龍騎「いいからさっさとしろ!」

 

いろは「は、はい!」

 

それから環と七海は攻撃を再開する中、マミはマスケット銃から巨大な大砲に変化して、俺もカードデッキから一枚引き抜き、カードを装填したまま待機する。

 

龍騎「よし、いいぞ二人共!その場から離れろ!」

 

いろは・やちよ「「っ!」」

 

龍騎「マミ!」

 

マミ「食らいなさい!ティロ・フィナーレ!」

 

マミは大砲から砲弾を放つと、弾丸は魔女の体に風穴を開けるとそこからリボンが伸び始め、魔女の体を絞り上げる。

 

マミ「龍騎さん!」

 

龍騎「オーライ!」

 

そして、俺はカードを装填していた召喚機を元に戻す。

 

 

【FINAL VENT】

 

 

龍騎「フッ! ハァァァァァ...............ッ」

 

両腕を前へと突き出し、左手を上に、右手を下に。そして一度手を引き戻したかと思うと、舞う様に手を旋回させる。それに呼応する様に動きに合わせながら彼の周りを赤き龍が飛翔し、うねる。中腰に構えると、地面を蹴り、赤き龍と共に上空へ舞い上がり、左足を曲げて、右足を魔女に向けて突きつける。

 

龍騎「ダァアアアアアアアアッッッ!!」

 

次の瞬間、赤き龍が放つ炎を纏った飛び蹴りが放つ。そのまま一直線に魔女に向かい、そして魔女の身体を突き抜けると大爆発が起こる。そして、地面に落ちてたグリーフシードを手に取って変身を解除する。

 

龍騎「ふぅ........、いっちょ上がりっと」

 

いろは「やりましたね、龍騎さん!」

 

マミ「正直、龍騎さんが居てくれて助かりました。また一年前みたいになるかと思っていたので........」

 

そう言っていろはとマミも変身を解くと、マミは俯いてしまった。確かに、あの時遅かったらマミは殺されていたからな......。

 

龍騎「その話しはもう終わった事だ、気にするな。それより環、これを使え」

 

そう言って俺は環に先程のグリーフシードを差し出す。

 

いろは「え?いいんですか?」

 

やちよ「有難く受け取っておきなさい。それに自分のソウルジェムを見てみなさい」

 

そう七海が言うと、環は自分のソウルジェムを確認すると、かなり穢れが溜まっていた。

 

マミ「........環さん達は、魔法少女の真実は知ってるんですか?」ヒソヒソ

 

龍騎「いや、知らないと思う。いざとなれば、俺が間に挟む」ヒソヒソ

 

マミと小声でやりとりしていると、環は受け取ったグリーフシードをポケットに入れた。

 

龍騎「?使わないのか?」

 

いろは「はい、なんだか勿体無い気がして........。まだ少し大丈夫そうなのぇ、取っておきます」

 

大丈夫だろうか........、明日辺りに魔女になってなきゃいいが........。すると、アナウンスが入る。

 

『ただいまより、地下食品売り場にてタイムセールを開始致します』

 

やちよ「!タイムセール!?」

 

龍騎「?タイムセールがどうした?」

 

やちよ「今日はお惣菜が安いのよ!此処のコロッケがとても人気だから........。ポイント10倍おタイムセールを逃す訳には........」

 

................?なんか急に黙っちゃったぞ?

 

やちよ「分かったわ!口寄せ神社の場所が!」

 

龍騎・マミ・いろは「「「な、なんだってーーー!?(驚愕)」」」

 

やちよ「本当よ!でもまずはコロッケよ!」

 

龍騎・マミ・いろは「「「な、なんだってーーー!?(リピート)」」」

 

神社よりコロッケを優先するのかお前は!?それから七海が言っていた口寄せ神社の場所を教えて貰えないまま、彼女にタイムセールを付き合わされた。

 

その時、環のソウルジェムが限界にきていた事に、本人も、俺達も知る由もなかった........。




いかがでしたか?

これにて漫画二巻目が終了です。

次回から三巻目に入っていきます。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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口寄せ神社のウワサ

どうもです。

久しぶりのまどマギです。

今回もギャグで攻めます。シリアス?何それ美味しいの?(すっとぼけ)

それではどうぞ。


 

龍騎「なぁ、いい加減教えてくれよ」

 

魔女を討伐し、七海のタイムセールに付き合わされた俺達は、ショッピングモールから離れた休憩所でコロッケを食べてる時に、俺から七海に質問した。このコロッケ美味いよ。

 

やちよ「やはり、水名神社で間違いないわ」

 

いろは「え!?でもさっき行った時にはなんとも......」

 

マミ「......もしかして、そのウワサが出現する条件がある?」

 

やちよ「その通り、参拝する時間よ」

 

七海の言葉に俺もようやく理解した。成る程ね...、夜になれば参拝時間が終わって閉じてしまうから、昼や夕方に参拝しても何にも起きなかったのか...。

 

龍騎「種さえ明かせばこっちのもんだ、今日はもう遅いから明日に備えよう。特に環はゆっくり休め。マミは分かんないと思うけど、俺達は一度ウワサのバケモノと戦ってるんだ。万全な体勢で挑みたいしな」

 

......それに、バーゲンセールでマミも買い物しちまったし。

 

やちよ「それもそうね、私は大学の講義があるから18時半に駅前に集合しましょう」

 

龍騎「了解だ」

 

いろは「はい!」

 

マミ「分かりました」

 

それから俺達は解散になり、明日に備えてゆっくりと身体を休める事にした。

 

 

 

 

〜翌日〜

 

いろは「あ、龍騎さん!マミさん!」

 

龍騎「へい大将、やってる〜?」

 

マミ「こんにちは」

 

やちよ「これで全員揃ったわね」

 

翌日、18時過ぎに駅前の集合場所にやって来た俺とマミは、先に到着していた環と七海と合流する。相変わらず俺のギャグはスルーって、はっきりわかんだね(涙目)

 

龍騎「んじゃ、水名神社に行きますか」

 

いろは「あっ、待ってください!」

 

全員集合したので、早速水名神社へ向かおうとした所、環が止めた。

 

いろは「実は今日、助っ人呼んでまして...」

 

助っ人?一体誰の事だろうか...、十咎か?水瀬か?それとも秋野か?

 

「あーーーーーー!!」

 

やちよ「......はぁ。来たわね、この頭に響く不快な声......」

 

龍騎「......おい環、まさか助っ人って......」

 

鶴乃「やっちよししょーーー!」

 

案の定、由衣鶴乃だった。どうやら彼女は七海と知り合いだったらしく、発言から師弟関係(仮)なのだろう。七海の顔を見たら嫌がってたし...。つーわけで、

 

龍騎「チェェェェンジ!!チェンジでお願いしまーす!十咎呼んで来てー!」

 

選手交代を要求する。言っとくけど、まだスタンプラリーの件の恨みは消えてないからな...?

 

鶴乃「ちょっとーーー!いきなりチェンジなんて酷いよ!」

 

龍騎「.......なんでよりにもよって由衣なんだよ...。十咎でも良かったろうに......」

 

やちよ「仕方ない......、鶴乃も連れて行きましょう。一度張り付くと離れないし、猪突猛進な所を除けば実力も確かだから...」

 

鶴乃「えっへん!」

 

褒めてねぇよこの脳筋魔法少女が(辛辣)

 

いろは「な、なんか...。すみません......」

 

マミ「気にしなくてもいいわ、それよりも早く神社に向かいましょう」

 

マミの指示により、俺達は水名神社へと向かった。

 

 

 

〜水名神社〜

 

いろは「昨日と違って、夜に来るとちょっと怖いですね...」

 

水名神社にやって来た俺達だが、環は少々怖がっていた。肝試しだと思えば何ともないぞ?

 

鶴乃「夜の神社って初めてー!なんかお化けとか出て来そうだね!」

 

いろは「や、やめてよ鶴乃ちゃん........!」

 

マミ「あら、もしかして環さんはお化けとか苦手?」

 

いろは「ちょ、ちょっとだけ...」

 

龍騎「あ、環の肩に手が」

 

いろは「きゃあああああああああ!!」

 

俺が冗談で言ったら環が悲鳴を上げた。環の肩には勿論、手は置いて無かったが、代わりにちっこいキュウべぇが居た。七海とマミは呆れていて、由衣は爆笑、環は泣き目になりながら俺にポカポカと叩いてきた。

ちょっと悪ふざけが過ぎたようだ(建前)

可愛い(本音)

 

それから内苑が閉まっていたのを跨って侵入、環は抵抗を感じていたが、七海が『いやなら帰っても良いわよ?』と言われて、震えながら着いてくる事に。言っとくけど俺は何も言ってないからね?脅した訳じゃないからね?

 

やちよ「それじゃあ、改めてうわさの内容を伝えておくわ。其処に会う方法を含まれているから」

 

そう言って七海は説明に入る。

 

 

ーーーアラモウ聞いた?誰から聞いた?口寄せ神社のそのウワサ

 

ーーー家族?恋人?赤の他人?心の底からアイタイのならこちらの神様にお任せを

 

ーーー絵馬にその人の名前を書いて行儀良くちゃーんとお参りすればアイタイ人に逢わせてくれる

 

ーーーだけどもだけどもゴヨージン!幸せ過ぎて帰れないって水名区の人の間でらもっぱらのウワサ

 

ーーーキャーコワイ!

 

やちよ「このうわさの内容だと、会いたい人に会うには神社の絵馬を使う必要があるわ」

 

マミ「でも絵馬なんて持ってないですよ?」

 

やちよ「それなら私が用意してあるわ、流石に手ぶらじゃ来ないわよ」

 

うわさの内容を確認した後に、マミの質問の回答に二つの絵馬を見せる七海。準備がよろしいようで........。それから七海は絵馬を一つを環に渡す。

 

鶴乃「あれ?私より分は?」

 

龍騎「あのよぉ........、お前いきなりやってきた訳だからお前の分がある訳ないだろ?お前も誰か会いたい人が居るのかよ?」

 

鶴乃「........................あっ、そっか!必要ないや!私が会いたいのってやちよと同じ人だもん!」

 

同じ人........?一体誰の事だ........?それから環と七海は絵馬に名前を書くと、マミと由衣は魔法少女姿になる。

 

鶴乃「よーし!こっちもばっちりだよ!来るなら来い!コテンパンにきてやるから!」

 

やちよ「ちょっと鶴乃!煽らないで!本当に来たらどうするのよ!」

 

由衣がフラグ建設発言して七海がツッコむと、見事にフラグ回収した。突如、絶交階段のウワサの時と同じ結界が発生して、使い魔が現れた。これは流石の早寝RTA選手権第一位の野比のび太くんもびっくりな早さ、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。........今頃元気でやってるのかねぇ(東方龍優録コラボ回参照)

 

マミ「!?何この結界........!?」

 

龍騎「由衣!お前もう当分喋んな!!」

 

鶴乃「え!?なんで!?」

 

龍騎・いろは・やちよ「「「お前(貴女)(鶴乃ちゃん)が余計な事行言ったからだよ(よ)!!」」」

 

マミ「龍騎さんはお二人を!此処は私達が!」

 

龍騎「分かった、そっちは頼んだ!お前等、行くぞ!」

 

やちよ「えぇ!」

 

いろは「は、はい!」

 

この場をマミと由衣に任せて、二人を神社の奥へと連れて行く。そして賽銭箱まで連れて行くと、二人は手を合わせてお願いする。すると、二人は瞬間移動したかのように消えて行ってしまった。どうやら上手く行ったようだ。此処からはあの二人に任せるとしよう........、そう俺は心から二人の身の無事を願った。

 

 

 

※此処からは漫画と一緒なので、原作未読の読者の事も考えて、一部割愛させて頂きます。内容の気になる方は、皆んなもマギレコ、読もう!(宣伝)

 

 

 

 

〜いろはside〜

 

ようやく現実世界に戻って来た私とやちよさん。折角、ういと出会えたと思ったのに......。でも、やちよさんも私と同じく、幼馴染さんを..、大切な人を探している........。

 

うい...、ようやく会えたと思ったのに...。いつになったら貴女に辿り着けるんだろう...。

 

龍騎「あ、終わった?」

 

すると、龍騎さんが私達の所へやって来た。お煎餅を口に咥えて...。

 

いろは「何でお煎餅食べてるんですか!?」

 

龍騎「悪い悪い、小腹空いちゃって。あ、食べる?醤油煎しかないけど」

 

やちよ「頂くわ」

 

やちよさん!?

 

 

〜いろはside out〜

 

 

 

マミ「じゃあ...、お二人が会いたかった人は偽物だったんですね」←のり煎食ってる

 

やちよ「えぇ、これでみふゆの情報収集も振り出しね」←醤油煎食ってる

 

鶴乃「私もまだまだまだまだみふゆの事探すから!」←塩煎食ってる

 

マミ「みふゆって、やちよさんが会いたかった人ですか?」

 

やちよ「幼馴染よ........」

 

いろは「........これからどうしましょうか?」←醤油煎食ってる

 

やちよ「........まぁ、次の話しをするのはちょっと早いわ」

 

マミ「ですね........」

 

そう言って環と七海が魔法少女姿に変身すると、背後にはまるでキモいピエロみたいな人形のバケモノが現れた。

 

やちよ「私達さ会いたい人を否定した上、眠りもせずに戻って来た。ウワサが無視する訳ないわ」

 

ーーー最愛ノ者トノ再開ヲ求メテ、殺メル者ヨ。神ヲ謀ッタソノ罪、万死ニ値スルデアロウ

 

やちよ「謀ったですって?その言葉、そのままそっくりお返しするわ」

 

いろは「会いたい気持ちを利用するなんて........、万死に値します!」

 

マミ「龍騎さん!」

 

龍騎「お、お前ごま煎いける口か?」←ごま煎食ってる

 

スモールキュウべえ「モキュ!」←ごま煎食ってる

 

龍騎「お前が煎餅食えるなんて知らなかったわ、今度美味い煎餅買って来てやるよ」

 

 

「「「「何呑気に煎餅食べてんだああああ!!」」」」

 

 

あちら側が真面目な雰囲気でやってる中、俺はちっこいキュウべえと一緒にごま煎を食ってたら四人同時にドロップキックされてふっ飛ばされた。そしたらウワサのバケモノが『えー』と言いたそうな表情でドン引きしていた。お前もそんな事出来たんだな......。

 

いろは「真面目にやって下さいよ!!やっと親玉が出て来たのに!!」

 

マミ「返答次第では、眉間に風穴開く可能性がありますよ?」

 

龍騎「はいすみません、ふざけてすみませんでした」

 

いい加減真面目にやらないとマジで眉間に風穴開けられそうなので、俺がカードデッキを突き出して、腰にベルトを出現して巻く。そしてカードデッキを左手で腰のベルトのすぐ横当たりまで落とし、右手を左斜め上へ伸ばして叫ぶ。

 

龍騎「変身!」

 

ベルトにカードデッキを差し込むと、龍の形をした炎の竜巻が俺の周りを旋回するように覆うと、炎が消えた瞬間、いつもの戦闘服になる。

 

鶴乃「えええええ!?」

 

なんか由衣が驚いているがスルーして、デッキからカードを一枚引き抜き、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填して元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上から青龍刀が降って来て上手くキャッチして構える。

 

ーーー鮟画碑憶蝮螺後陦後!!

 

haySiri!翻訳して!!

 

『すみません、よくわかりません』

 

デスヨネーリュークンシツテタ。

 

龍騎「マミと環は後方支援、俺と七海と由衣で畳み掛けるぞ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

俺の指示通りにマミはマスケット銃、環がボウガンでバケモノに向かって放つが、直撃したが弾丸と矢は跳ね返される。俺達接近戦組みも畳み掛けるが、予想以上の硬さに攻撃が通じていない。

 

やちよ「遠距離攻撃でも接近攻撃でも通じてない......」

 

龍騎「ヤバいな......、普通の攻撃じゃダメっぽいな...」

 

マミ「これがウワサ......」

 

鶴乃「ねぇ!魔力を繋いで攻撃してみるのはどう!?」

 

由衣の言葉に俺とマミは首を傾げた。魔力を繋いで攻撃......?つまり合体技か?

 

やちよ「コネクトね...。分かったわ、やりましょう」

 

その合体技つてコネクトって言うのか......。神浜の魔法少女ってそんな事も出来るのか...。すると環がボウガンに魔力を溜めて、由衣に向かって矢を放つと、由衣は武器である扇子で矢を七海に向かってる弾き返し、七海が弾き返した矢を槍に纏わせてバケモノに突きつける。すると、先程とは比べ物にならないぐらいの火力でバケモノにダメージを与えるが、怯むどころが寧ろピンピンしていた。

 

いろは「そんな...、これでもダメなの!?」

 

やちよ「いくら何でも頑丈過ぎるわ......」

 

鶴乃「だったら今度は二人も混ぜて.........」

 

龍騎「悪い!俺達免許持ってねぇから出来ねぇ!!」

 

鶴乃「別に免許とかそう言うのは必要ないんだけど!?」

 

そうは言うけどよ、マミは兎も角、俺の魔力は特殊だから上手くいく保証はないぞ?

 

マミ「龍騎さん、やれるだけやってみましょう」

 

龍騎「そうなるよな......。仕方ない」

 

 

そう言って俺は再び甲冑をスライドして、カードデッキから一枚のカードを引き抜き、カードを装填して召喚機を元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【STRIKE VENT】

 

 

すると上空から龍の頭部を模した手甲が飛んできて、俺は右手に装着する。そして、マミもマスケット銃から巨大な大砲に変化させて、俺に向かって大砲を発射する。俺は手甲にマミの砲弾を纏わせるイメージをすると、不思議と心の中に無限の力が湧き上がってくるような感じがした。そうか、これがコネクトの力!

 

あ、いや、コネクトって『繋がる』って意味か...。じゃあなんだろ......。

そう!これはネクサス!ンネクサスッ...、俺とマミの絆の力!!

 

龍騎『(ネクサス)『ドラゴニック・フィナーレ』」

 

俺はバケモノ向けて小さく態勢を低くし、龍の頭部を模した手甲からマミの砲弾を纏わせた火炎弾を放つ。そして火炎弾はバケモノに向かって一直線に向かって行き、直撃。そして後方へと下がって行く。

 

いろは「凄い!私達の攻撃より強い!!」

 

鶴乃「おぉ!!これは絶対にダメージ入ってるよ!!」

 

龍騎「........................」

 

いろは「......龍騎さん?」

 

................喜んでる所悪いけど、これダメだわ。

 

俺が心の中で謝ると、吹き飛ばされたバケモノがこっちに向かって来た。

 

マミ「龍騎さん......、これって......」

 

龍騎「うん。吹き飛ばせる程の火力だったけど、肝心のダメージは入ってないな、これは」

 

いろは・やちよ・鶴乃「「「え?」」」

 

実質......、お わ っ た わ(強風オールバック)

 

龍騎「駄目だ!勝てねぇえええええええええええ!!!」

 

俺は目の前に起こっている現実に、力強い弱音の雄叫びを上げた......。




いかがでしたか?

次回で口寄せ神社のウワサは終了です。

今の所、ぼざろに熱が入ってるので次の投稿も期間が空いてしまいますが、失踪する気はないのでご安心を。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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謎のバケモノとフクロウ印の給水屋

どうもです。

今回で水名神社のウワサは終了です。

それではどうぞ。


 

龍騎「駄目だ!勝てねぇえええええええええええ!!!」

 

あまりにも硬すぎるウワサのバケモノに、打つ手がない俺は頭を抱えて叫び出した。まさしく絶体絶命、どうしようもない状況だった。

 

いろは「龍騎さん!前に戦った時の技じゃダメなんですか!?」

 

龍騎「それで倒せたら苦労しねぇよ...。あれは...、竜滅剣は火力が高い分、魔力の浪費が激しんだ。下手したら動けなくなって下敷きにされちまう」

 

いろは「でも前は立っていたじゃないですか」

 

龍騎「ほんのちょっとだけ魔力が残ってたから立ってられるんだよ...。それとも何か?俺を人間魚雷みたいに特攻しろってか?生贄に捧げる気か?」

 

いろは「そんな事言ってませんよ!」

 

いやお前が言ってる意味はそう言う事だぞ?

 

やちよ「為す術がないわね........」

 

マミ「やちよさん、悔しいですけど........」

 

やちよ「えぇ........、一旦退くわよ」

 

流石の七海もこの状況はまずいと判断したのか、戦略的撤退を判断した。それに現状の戦力じゃ勝ち目はない、俺も賛成だ。決して敵前逃亡じゃない。

 

鶴乃「よーし!戦略的撤退だ!よーいどん!」

 

マミ「あ、待ちなさい!」

 

すると鶴乃が一目散に走り出してしまうと、マミも慌てて後を追う。まったく、少しは連携を考えてほしいものだ........。

 

やちよ「やれやれ........、行くわよ環さん」

 

いろは「はい、やちよさ........」グラッ

 

やちよ「環さん!?」

 

龍騎「環!」

 

環が言ってる途中に、環はふらついてしまった。俺と七海が駆け寄ると、俺は環のソウルジェムを確認する。すると、環のソウルジェムは既に穢れに溜まり切ろうとしていた。

 

やちよ「貴女........、そのソウルジェム................!」

 

いろは「ごめんなさい、なんだか急に...、力が抜けちゃって........。もう少し大丈夫だって思ってたんですけど........、ういに会えなかったの、ショック........、だったのかな........?」

 

龍騎「馬鹿野郎!なんで回復しなかった!?グリーフシードは!」

 

やちよ「グリーフシードは...、私が........」

 

龍騎「っ!ちぃ!」

 

こいつ........、俺以上のお人好し過ぎだろ........!俺は慌てて環をお姫様抱っこして、走り出す。

 

させない........、絶対に魔女化なんかさせない!!

 

いろは「龍騎さん........?」

 

龍騎「気をしっかり保て、絶対に死なせない........!」

 

いろは「................はい」

 

やちよ「早く移動するわよ、時間がないわ」

 

七海がそう言うと、背後からウワサのバケモノが迫ってきた。まぁ、あいつが見逃してはくれないよな...。

 

龍騎「そんなにしつこいと嫌われるぞこの野郎!」

 

やちよ「ウワサに言ってどうするのよ...」

 

早速全力ダッシュするが、背後から迫ってくるウワサのバケモノが追いかけてくる、命懸けの鬼ごっこが始まった。背後からウワサのバケモノが鼻から鼻提灯みたいな風船を飛ばして攻撃してくる。

 

やちよ「っ、避けきれない!」

 

龍騎「おい七海、予備のグリーフシードは無いのかよ!?」

 

やちよ「生憎、今は持ち合わせてないのよ」

 

尚更早く此処から脱出しなければならないな...。

 

マミ「ティロ・フィナーレ!」

 

鶴乃「火扇斬舞!」

 

すると横からマミと由衣の攻撃が放たれ、ウワサのバケモノに直撃する。

 

鶴乃「大丈夫!?敷地外に出れば追いかけて来ないから!」

 

マミ「私と由衣さんで押さえます、先に行ってください!」

 

龍騎「すまん、頼む!死ぬんじゃねぇぞ!」

 

そう言ってマミはマスケット銃を発射し、由衣は扇子で攻撃する。その後ろで俺と七海は急いで神社から離れようとひたすら走る。そして、環のソウルジェムを確認するが、更に穢れが溜まっていく。

 

......やばい、時間がない...!まさに時間との勝負だった。

 

 

 

 

〜いろはside〜

 

なんでだろう...、危険な状況なのに、なんだかホッとしてる......。だけど、胸の奥がどんどん冷たくなってる。凍り付くように、少しずつ...、少しずつ...。なんだか意識が吸い込まれていって、胸の奥に落ちて消えてしまいそう......。私が飲み込まれていく......、何かに........。

 

龍騎「もうちょっとだぞ、しっかりしろよ環!」

 

いろは「........龍騎さん、私......」

 

龍騎「話しは終わってから聞いてやる、だからしっかりし........、ぐわっ!?」

 

すると、龍騎さんの背中から衝撃が伝わり、私と龍騎さんは倒れてしまう。でも、龍騎さんは私を抱き締めて衝撃を押さえたが、意識の方はダメだった。身体の奥が凍えるように冷たい...、ぼんやりとしていた意識が吸い込まれていく...。

 

深く...、深く...、暗くて...、黒くて...、禍々しくて...、鬱々しくて...。自分の闇の底に......。

 

 

「ダメだ!いろは!!」

 

 

この声........、龍騎さん...?

 

................暗い。なんだろう此処......、さっきまで皆んなが居た筈なのに、身体も心も...、何も感じない...。あの凍えるような冷たささえも...、何も......。

 

落ちて.....、落ちていく......。私........、無くなっちゃうのかな........。

 

 

ーーーそれってあれだよね、ふたりがいればこの世界って何でも出来るって事だよね!

 

うい........?この記憶......、病院の........?

 

あれ........、違う........。落ちてない......、何か........、昇ってくる...!

 

あなたは........、だれ!?

 

いろは「っアアアアアアアアアア!!」

 

 

〜いろはside out〜

 

 

 

 

 

いろは「っアアアアアアアアアア!!」

 

龍騎「うわっ!?」

 

突然、環が叫び出すと、覇気みたいなので俺を吹き飛ばす。すると、環の頭部から何かが飛び出すと、何かの形を作り始める........。

 

龍騎「っ!」

 

やちよ「環さん..........?」

 

マミ「なっ........!?」

 

鶴屋「いろはちゃん!?」

 

環の頭部から出て来たのは、まるで鳥の形をしたバケモノだった。環は無言でウワサのバケモノの方向に向く。

 

いろは「............................................」

 

龍騎「環......?環!おい返事しろ!」

 

俺が声を掛けても返事するどころか、此方へ振り向く事も無かった。

 

マミ「ま、魔女......」

 

龍騎「!ダメだマミ!撃ってはダメだ!!」

 

混乱してるマミがマスケット銃を環に向けると、俺は咄嗟にマミのマスケット銃を奪う。

 

マミ「で、でも龍騎さん!あれはどう見ても魔女ですよ!」

 

龍騎「................いや、何か違う」

 

マミ「え........」

 

よく見てみると、環の頭部から出てからバケモノは、環の後ろ髪で繋がっている。まるで環の髪の毛で出来たような感じだった。魔女........、と判断するには早過ぎる。

 

龍騎「なんか...、背後霊とか守護霊みたいな感じがする...」

 

いろは「............................................」

 

すると、環の頭部から出てからバケモノは背後には何枚もの白い布がかかったマスト?みたいな物で、ウワサのバケモノを拳を打ち込むかのように攻撃して、砂煙を発生させる。

 

鶴乃「す........、すごい........」

 

やちよ「今のは................」

 

マミ「................」

 

七海と由衣は呆然としていると、マミは目の前の現象に腰が抜けたのか座り込んでしまった。そして、あっという間にバケモノのウワサの姿が無くなってしまった。

 

龍騎「........俺達の攻撃が通用しなかった相手を、こんなあっさりと......」

 

いろは「................?え................?あれ?私................?」

 

意識を取り戻したのか、環の頭部から出てからバケモノはシュー、っと頭の頭の中へと吸い込まれていた。

 

マミ「........頭が痛くなってきた」

 

龍騎「心配するな、俺もなにがなんだかさっぱりだ」

 

既に頭も身体も精神的にも限界に来ていた俺とマミ。さっきのウワサのバケモノといい、環の頭部から出てからバケモノといい、ちんぷんかんぷんだ。

 

鶴乃「いろはちゃん!」

 

やちよ「環さん!大丈夫!?」

 

いろは「あ、はい。大丈夫です........、なんだか気分も嘘みたいにスッキリしててて」

 

スッキリ........?あんなに苦しそうだったのに........。

 

やちよ「!!貴女、そのソウルジェム................」

 

七海が気がついたのか、環のソウルジェムを確認すると、先程まで穢れが溜まっていたのが、嘘のように綺麗になっていた。

 

いろは「え?あれ........、ほんとだ。グリーフシードも使ってないのにどして........」

 

マミ「!?おかしい........、ソウルジェムを回復するにはグリーフシードしかないのに........」

 

龍騎「........................」

 

鶴乃「分かった!今のは穢れを使った技なんだよ!」

 

龍騎・マミ「「それは違うと思う(います)」」

 

鶴乃「そんな真顔で言わないでよ!?」

 

龍騎「................環、お前もしかして前世ではス◯ンド使いかペ◯ソナ能力者だったりする?」

 

いろは「いきなり何言い出すんですか!?」

 

マミ「環さんは、さっきのアレは知らなかったのかしら?」

 

いろは「は、はい........。私も初めてだったので........」

 

........ダメだ、さらに謎が増えたから頭が働かなくてなってる。さっきのウワサのバケモノやら、環が出したバケモノやら更に調べる事が増えた。

 

龍騎「........今日は解散しよう、正直頭が働かなくておかしくなりそうだ」

 

マミ「そうですね........」

 

やちよ「なら環さんはうちにいらっしゃい、私に話しがあるんでしょ?私に話しがあるって運ばれてる時に言ってたじゃないの」

 

え?そうなの?逃げるのに必死だったから聞いてなかった...。

 

いろは「で、でも......、遅くなるとお母さんに怒られる........」

 

やちよ「大丈夫よ、私が説明するわ。スマホ貸して」

 

そう言って七海は環のスマホを借りて、本当に環の親に連絡した。こいつ意外と強引だな........。それから俺とマミは見滝原に帰るべく、環と七海と別れて、帰りの駅へと向かっていた。

 

マミ「........龍騎さん、ソウルジェムが穢れに満ちた時、魔法少女は魔女になるんですよね?」

 

龍騎「ほむらの言う事が確かならな...。俺も直接見た訳じゃないから何とも言えないが......、さっきの環のやつ...、どうも魔女には見えなかったんだよなぁ........」

 

マミ「........どう言う事ですか?」

 

龍騎「なんて言えば良いのかな......。上手く説明出来ないけど、もう一人の環が環を守ったって感じ?」

 

マミ「もう一人の...、環さん?」

 

龍騎「ほら、さっきのアレ...。環の髪の毛から形作られただろ?魔女になったら肉体も飲み込まれるんじゃないのか?偏見だけど」

 

マミ「あ........」

 

言ってみればそうだ、確かに髪の毛から魔女みたいなバケモノを作るなんて珍しい現象だ。神浜の魔法少女は見滝原の魔法少女と違って少しばかり特殊過ぎる...。

 

龍騎「................神浜には、まだ誰も知らない秘密が隠されてるな」

 

マミ「秘密........」

 

すると、マミの携帯に着信が入って来た。マミは携帯を取り出して電話に出る。

 

マミ「もしもし........、えぇ、今さっき終わった所よ。................それほんと?........分かった、伝えておくわ」

 

電話を終えたマミはすぐに携帯をしまう。

 

マミ「龍騎さん。佐倉さんから連絡があって、新しいウワサを見つけたとの事で........」

 

龍騎「................」

 

俺、ストレスで禿げそう....。

 

 

 

 

 

〜数日後〜

 

いろは「すみません...、手伝って貰って」

 

蓮子「全然大丈夫!寧ろ全然頼っていいよ!」

 

龍騎「引っ越しの作業なら男手は必要だろ?」

 

水名神社のウワサから数日後、俺は蓮子と共に環の家へとやって来た。どうやら環の父親が仕事で急遽、海外へ行く事になってしまい、環の母親も着いて行く事になってしまったようだ。当然学校も転校、幸いにも転校先に寮があるので住まいには困る事は無いのだが、どうやら環は寮ではなく、七海の住む下宿屋で過ごす事にしたそうだ。

 

まぁ、知らない人と一緒に居るよりはマシだな。

 

龍騎「そういや、転校先って何処なんだ?」

 

いろは「神浜市の大附属学校って所で小中高の一貫校です」

 

蓮子「エスカレーター式!?」

 

わぁ...、エスカレーター式ってエリート学校じゃん...(個人的な意見)

 

龍騎「........あっ、そうだ。環、お前『フクロウ印の給水屋』って知ってるか?」

 

いろは「え?」

 

俺は思い出したかのように環に質問すると、環はすっとぼけた返事をする。

 

蓮子「?何それ?」

 

龍騎「佐倉が見つけた新しいウワサだ。話しによると『飲んだら幸せになる水』だそうだ。しかもその給水屋は偶にしか見かけない激レアらしい。ソシャゲで例えるなら、ピックアップキャラガチャの排出率が0.01%って所か?知らんけど」

 

蓮子「本当に激レアじゃん......」

 

いろは「........フクロウ、お水...........」

 

龍騎「あと、ただの水なのに美味いらしい」

 

いろは「...........................」

 

蓮子「それで、杏子ちゃんはその水飲んだの?」

 

龍騎「みたいだよ、しかも一人一日一杯。しかもその水飲んだら数字の書かれた紙が落ちてくるらしい。しかも数が減っていくみたい」

 

いろは「................................」

 

蓮子「減っていく?ゼロになったら?」

 

龍騎「俺の予想だけど...、今まで幸せだった事が逆に不幸になっちまうんじゃないかなって思ってる」

 

いろは「!!」

 

蓮子「え?どうしてそう思うの?」

 

龍騎「一応神浜のウワサなんだぞ?ゼロになったら幸せ終了、だけなんて単純な事とは思えない。だったら幸せになった分、飲んだ奴は不幸になる決まりが課せられる...、的な?まぁ等価交換みたいなもんだ」

 

いろは「........................................」

 

龍騎「...ってかさっきからなんで環は黙って........、おいまさか嘘だろ?」

 

いろは「........の、飲んじゃいましたぁ...。そのお水........」

 

龍騎・蓮子「「既に飲んでる奴が近くに居たぁぁぁぁ!!」」

 

おいおい嘘だろ........、もしそれが毒水だったらお前死んでたぞ?魔法少女が毒で死ぬのか知らんけど...。あと気のせいか環に犬耳と尻尾が生えてるんだけど幻覚かな?

 

いろは「そ、その........、無料だったみたいで、つい........」

 

龍騎「........お前、将来詐欺師に騙されてそうだな」

 

いろは「そ、そんな事はありませんよ!?」

 

現に無料という単語に引っ掛かってるじゃねぇか。

 

龍騎「........で?その給水屋は何処で見かけたんだ?今からその屋台ぶっ壊しに行く」

 

蓮子「慈悲がない!」

 

龍騎「ゼロになったら環に不幸が訪れるんだぞ?知らんけど。だったら時間は早い方がいい」

 

と言う事で、俺達はさっさと引っ越し作業を終わらせて、環が訪れたフクロウ印の給水屋のある参京区に行ってみる事にした。

 

 

 

 

〜参京区〜

 

いろは「な、なんで無いのぉ〜!?」

 

環がフクロウ印の給水屋を見つけたであろう場所に向かってみたものの、その給水屋は見つからなかった。仕方なく周辺を探しても屋台など何一つなかった。

 

蓮子「本当にこの近辺にあるの?その給水屋?」

 

龍騎「もしかして、販売する場所も時間帯もランダムだったりしてな........」

 

いろは「そ、そんなぁ......」

 

参ったな......、グズグスしてると環のカウントがゼロになっちまう...。環が水を飲んだ時間まで待ってられないし...。

 

「えーーー!?なんだよいねーじゃん!」

 

すると後ろから叫ぶ少女の声がした。振り返ってみると、彼女もフクロウ印の給水屋を求めてやって来た感じだった。

 

いろは「あ、貴女は........」

 

?「あ?お前、昨日一緒に居たヤツ!なーなー、此処のおっさん知らない?」

 

蓮子「?もしかして貴女も給水屋に用が?」

 

?「ん?連れか?まさかお前、あの水をもう一度飲みに来たのか!?すっげー美味かったもんな!」

 

龍騎「生憎と俺達は水じゃなくてそのおっさんに用が......」

 

すると、俺が言いかけてる途中で知らない少女から何かが落ちて来た。拾ってみると、6の書かれた数字が二枚もあった。

 

いろは「紙が........、二枚!?」

 

龍騎「二枚...、と言うよりどっちかが6で、どっちかが9になるな」

 

?「んだよ、またこれか」

 

龍騎「........少しいいか?その紙が落ちてくるようになったのは昨日お前が飲んだ水が原因だ。ちなみにその数字がゼロなると、良くない事が起きる、と思う」

 

?「は?良くない事?なんだそれ?」

 

龍騎「詳しい事は此方も捜査中だ。しかし、ただ美味い水飲んだら紙が落ちてくるなんておかしいとは思わないか?それも謎のカウントダウンと来た...。気にならないか?」

 

?「いやオレ全然興味ねーし、全くそういうの信用してねーから」

 

龍騎「自分の命に関わる事になってもか?」

 

?「................」

 

龍騎「無理にとは言わない、今回限りでいい。俺達に協力してくれ」

 

?「........そんなに言うなら協力してやってもいいぜ?ただし、報酬はあるんだろうな?」

 

龍騎「報酬........?」

 

?「オレは傭兵なんだ、報酬があるってんなら協力してやるよ」

 

環と同じ水を飲んだ少女は、どうやら傭兵だったようだ......。




いかがでしたか?

今回で二巻目が終わり、次回から三巻目に突入します。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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傭兵の魔法少女

どうもです。

フェリシア介入です。

今更ですが、タグ追加しました。

それではどうぞ。


 

いろは「ほ、報酬?」

 

傭兵「そっ、オマエ魔法少女だろ?昨日会った時に指輪が見えたんだよ」

 

龍騎「と言う事は、お前も魔法少女なんだな?」

 

傭兵「なんだ、オマエ等も知ってたのか。オレは深月フェリシア《みづき ふぇりしあ》いつもは魔法少女の傭兵やってんだ」

 

どうやらこの深月という少女も魔法少女で、傭兵として活動してるらしい。魔法少女の中で傭兵やってる奴が居たとはな...。

 

龍騎「成る程な、だから報酬が欲しいって訳だ」

 

蓮子「ちなみに報酬の内容って?」

 

フェリシア「そうだなー、普段は千円かグリーフシード一個で傭兵の仕事受けてんな」

 

龍騎・蓮子・いろは(((激安過ぎる!?)))

 

いや安過ぎない?ド◯・キ◯ーテかな?八雲も深月を見習ったら良いのに........。

 

龍騎「........よし!早速お前を雇う事にしよう!報酬はハー◯ン◯ッツ一個だ!」

 

蓮子・いろは「「報酬がショボい!?」」

 

何を言うか!ハー◯ン◯ッツ一個で雇えるなら問題ないだろ!

 

フェリシア「ハー◯ン◯ッツ........!?ってなんだ?」

 

知らないのかーい!!まさかのボケで俺達三人は昭和のコントみたいにズッコケた。いや、今時の子供なら知らない人居ないと思ってたんだが...。

 

龍騎「........コンビニの中で一番高くて美味いアイス。........今思うと俺一度も食べた事がないな」

 

蓮子「無いの!?」

 

俺はブ◯ッ◯サ◯ダーアイス一筋だからね、浮気はしたくない。ちなみにカップアイスの中ではスー◯ーカップ、棒アイスではス◯カバーが好きだよ。決してネタとして拾ってきた訳じゃないからね?

 

フェリシア「一番高くて美味いアイスだと!?」

 

龍騎「そうだよ(便乗)だから、僕と契約して、傭兵になってよ!」

 

フェリシア「するする!契約成立だ!」

 

いやチョロ........。こいつもきっとクソ(キュウべえ)に騙されたんだろうな........。隣に居た蓮子と環も苦笑いしている。

 

龍騎「あ、名前言ってなかったな。俺は鹿目龍騎、見滝原出身で魔法少女の事は知っている」

 

蓮子「私は宇佐見蓮子、同じく見滝原出身で、魔法少女じゃないけど、龍騎のサポート役だよ!よろしくね!」

 

いろは「私は環いろは、よろしくね」

 

フェリシア「おうっ!そんで?オレはどうすりゃいいんだ?」

 

いろは「えっと........。とりあえず、他にも一緒に調べてる人が居るから、その人と合流して考えてみよう」

 

そう言って環の先頭に道案内すると、小さな看板に『万々歳』と書かれた、小さな中華料理店だった。そして、お店の扉を開けると........。

 

やちよ「................え?」

 

何故か七海が居た。

 

龍騎「........何でお前が居るんだ?」

 

フェリシア「あーっ、こいつ知ってる!やちよじゃん!」

 

蓮子「え?知り合いなの?」

 

フェリシア「スゲー有名なヤツ!」

 

やちよ「貴女達!すぐにこの子を返して来なさい!」

 

フェリシア「なっ!?」

 

いろは「えぇっ!?」

 

蓮子「そんな子犬拾ってきたみたいな言い方!?」

 

深月は捨てられた犬だった...?

 

龍騎「ってか知ってたのか?」

 

やちよ「悪い傭兵としてね、しかも予測不能なくらいの」

 

フェリシア「なんだと!?」

 

やちよ「確かに強さは折り紙つきだけど...、魔女と見れば目の色を変えてブレーキなしに暴走する。その暴走で味方まで巻き込んで苦境に追い込む危険人物よ」

 

何それ、頭の中エグザムシステムでも埋め込まれてるの?

 

やちよ「それに、報酬次第じゃ、寝返る事も多々あり、魔法少女に敵も多いから関わって良い事はないわよ」

 

いや、傭兵ってそんなもんじゃなかったっけ?知らんけど。

 

蓮子「ま、まぁ!もしそうなったら、私達でカバーしてあげれば良いんじゃない?この中で一番年下だし、誰かが引っ張ってあげれば、多少はマシになるんじゃない?」

 

龍騎「........ちなみにお前、年いくつ?」

 

フェリシア「?13だぞ」

 

龍騎「だったら尚更だな。この時期の子供は感情的になり易いから、ストッパーは欲しいもんな。それに深月だって例の水を飲んじまったったんだから、見過ごす訳にはいかない」

 

フェリシア「さっすがにーちゃん!偏屈ババァとは違うな!」

 

やちよ「なっ」

 

龍騎「っ」

 

深月の言葉にやちよがショックを受けて、俺は思わず笑いが込み上げてきたので慌てて口を押さえる。あっぶねぇ...、咄嗟に口押さえて良かった...。

 

鶴乃「やちよはババアじゃないよ!ギリ未成年だよ!」

 

龍騎・蓮子「「フォローどころか追い打ちかけてる!」」

 

なんか奥から由衣がやってきて、七海のフォローしたつもりだが、明らかに助けになってない発言によって七海は膝を崩れてしまった。

 

フェリシア「なんだオマエ?」

 

鶴乃「ふふーん、最強の魔法少女、由衣鶴乃とは私の事だ!」

 

フェリシア「いや知らねーし、最強って何?どーせ自称じょねーの?」

 

鶴乃「なにをー!?」

 

蓮子「ってか最強って言ったら龍騎の方が当てはまってるんじゃない?見滝原の龍騎士って言われるぐらいなんだから」

 

おい馬鹿、余計な事言ってんじゃねぇよ。どうやら二人には聞こえてなかったのが不幸中の幸いだが、由衣と深月は討論し始めてしまった。

 

すると、背筋が凍るような感じに襲われた。

 

これは........、魔女!?それに近い距離だ。

 

やちよ「っ!まずいわ!」

 

フェリシア「魔女........、魔女........!」

 

なんか深月の様子が変だ...。なんかいきなり犬から狂犬に変貌したような........。そう思っていたら、深月は一人で外へ飛び出してしまった。

 

蓮子「な、なんか一目散に行っちゃったけど...」

 

やちよ「これで分かったでしょ?あれが彼女が問題視されてる理由よ」

 

龍騎「................取り敢えず追いかけよう」

 

このまま立っていても仕方ないので、俺達も魔女の元へと向かった。

 

 

 

鶴乃「うひゃー、これ全部フェリシアちゃんが?」

 

龍騎「すっげぇな...、こんな破天荒な魔法少女は初めてだ」

 

蓮子「あんな小さい子があんなに強いなんてね........」

 

で、魔女の結界の中へ入ってきた俺達だが、辺りが皆んなめちゃくちゃに荒れていた。環、由衣、蓮子は若干引いてはいたが、七海だけは『傭兵って言わらるだけの事はある』と少し評価していた。確かに実力はある方だろう、しかし周りが見えてないから、放っておいたら俺達まで危険に晒される。

 

奥を見ると、巨大なハンマーを持った魔法少女が、鏡のような魔女と戦闘している瞬間を目撃する。恐らくアレが深月だろう...。

 

龍騎「仕方ない、深月を援護するぞ。蓮子は下がったろ」

 

蓮子「わ、分かった!」

 

そう言って蓮子は少し距離を離れると、俺はデッキからカードを一枚引き抜き、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填して元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上から青龍刀が降って来て上手くキャッチして、俺と七海、由衣が魔女に斬りかかり、環が後方で援護射撃を行う。

 

この魔女...、大した事はないな。やはりウワサのバケモノとは別の分類に入るのか...?一人で考察していると、深月がまた突っ込んで、ハンマーを振り回す。クソッ、あいつ魔女を倒す事しか考えてねぇな!俺はデッキからカードを一枚引き抜き、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填していると、深月の振り回したハンマーが遠心力により、環に当たりそうになる。

 

龍騎「っ!環!」

 

俺は慌てて環の元へ駆けつけ、スライドしていた甲冑を元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【GUARD VENT】

 

 

すると空から、俺の赤き龍の脚部を模した盾が降ってきて、俺はその盾で環を守る。が、予想以上に威力が強かったのか、俺は環と共に吹っ飛ばされる。

 

龍騎「ぐっ........、大丈夫か?」

 

いろは「は、はい........」

 

フェリシア「あっ........、ご、ごめんオレ........、大丈夫か!?」

 

龍騎「全く........、じゃじゃ馬娘にも程があるぞ。なんで其処まで魔女を憎む?一時的とはいえ、俺達は同業者だろ。お前、その所為で評判が悪くなって、誰も居なくなっちまったんじゃないのか?」

 

フェリシア「っ.........、仕方ねぇじゃん........。コイツが........、コイツがっ!コイツが父ちゃんと母ちゃんを殺した魔女かもしんねーじゃん!!」

 

「「「「!?」」」」

 

まさかの返答に俺達は固まってしまった。こいつ........、既にご両親を亡くしているのか...?

 

フェリシア「どの魔女が殺したのかは知らねぇ........。だから魔女かは分かんねぇ、分かんねぇけど........!でも知らねぇから!だからずっと本気じゃなきゃダメなんだ!魔女を殺す時はずっと!」

 

龍騎「................」

 

フェリシア「いつもそうなんだオレ、魔女見ると頭カーッてなって、訳わかんなくなって、失敗ばっか........。こんなんじゃ、一人になっちまうよな」

 

龍騎「........それは過去の話しだろ?お前はもう、一人じゃない」

 

フェリシア「っ!」

 

龍騎「少なくお前には、環や七海、由衣、蓮子。そして........、俺が居る」

 

いろは「そうだよ!落ち着いて一緒に戦ってみよう?きっとその方が確実に倒せるひ、フェリシアちゃんも無茶して怪我しないで済むと思うの」

 

フェリシア「........いろは」

 

深月が言葉を漏らすと、俺は七海と由衣の方へ向くと、二人は顔を頷いた。そして環の方へ向くと、彼女も頷く。

 

龍騎「俺達で隙を作る........、トドメは任せたぞ?」

 

フェリシア「........おう!」

 

そして俺は右手に青龍刀、左手には盾を構えて魔女に睨みつける。そして、俺、七海、由衣が飛び出すと、環がボウガンで射撃を繰り出す。すると、魔女も新たな使い魔を呼び出して、行く手を阻もうとするが、お生憎様。

 

龍騎「火剣『煉獄火炎斬』

 

俺は青龍刀に炎を纏わせて、放たれた使い魔を斬り刻んでいく。

 

鶴乃「すっごーい!あんな技を出せるんだね!」

 

やちよ「ボサっとしてないで、私達もやるわよ!」

 

なんか由衣が褒めてくる中、七海が注意すると、魔女に向かって槍の雨を降らせ、由衣は魔女の周りにある変な横断幕?みたいなのを燃やす。

 

念の為、動きを封じるか........。

 

龍騎「氷符『氷裂脚』

 

俺は右足に氷属性を解放させて、魔女に向かって上に足蹴りをすると、地面から剣山のような氷が魔女に襲う。そして魔女は氷の剣山に当たり、魔女は氷の山の中に閉じ込めるように氷ついた。

 

よし、氷属性もいい感じに使えるようになってきた!

 

いろは「今だよ!フェリシアちゃん!」

 

フェリシア「おぉ!これなら思いっきりっ........!」

 

そして、深月は大きくハンマーを降り下ろし、魔女を跡形もなく粉々に粉砕した。そして、グリーフシードが落ちて結界が消えて行くと、深月は落ちたグリーフシードを回収する。

 

いろは「落ち着いて倒せたね、フェリシアちゃん!」

 

やちよ「やれば出来るじゃない」

 

鶴乃「うんうん!」

 

フェリシア「................」

 

三人が褒めてる中、当の本人はあまり喜んでない様子でグリーフシードを見つめていた。

 

龍騎「........もしかして、さっきのがご両親を殺した魔女?」

 

フェリシア「わかんねぇ、でもこうやって倒してたらきっと、知らないうちに倒してる。父ちゃんと母ちゃんの仇...。ま、もう倒してるかもしんねぇし、倒してねぇかもしんねぇけど」

 

蓮子「........割り切ってるんだね」

 

フェリシア「いいんだよ別に、オレはその為に魔法少女やってんだから........」

 

「「「「「................」」」」」シンミリ

 

フェリシア「なんでオマエらが悲しい顔すんだよ!これはオレの事だし関係ねーだろ!」

 

蓮子「フェリシアちゃん........、もし辛くなったら遠慮なく言ってね?戦えないけど、他の事なら出来るから」ダキッ

 

フェリシア「ちょ、おい抱きつくな!苦しい!」

 

あまりにも悲しかったのか、深月を抱きしめる蓮子。恥ずかしいのか、深月は顔を赤くして引き離そうとするが、がっちりしているのか中々引き離せない。まるで母と娘だな」

 

やちよ「なら貴方も行ってきなさいよ、お父さん」

 

龍騎「おっと七海さんよ、折角いい感じ(百合)なんだから男が介入したらまずいだろ」

 

全く空気が読めないなぁ........。って思ってたら、奥の女子学生に視界が入ったら、何故か一人?だけ不審な人物が居た。

 

龍騎「なんだありゃ........」

 

やちよ「あれが私がつけた使い魔らしきものよ」

 

あれが使い魔?あの女子学生は普通に会話してるが、なんか気味が悪い。

 

やちよ「行ってみましょう」

 

それから俺達は、その使い魔の後を追って歩くと同時に、七海からあるウワサの話しを始めた。

 

 

ーーーアラモウ聞いた?誰から聞いた?

 

ーーーミザリーウォーターのそのウワサ

 

ーーーむかし懐かし移動販売の荷台に乗ったガラス瓶

 

ーーーおじちゃん一杯くださいなって貰った水を飲んだなら

 

ーーーゴクゴクプハーッって気分は爽快、元気も一杯!

 

ーーーけれどもだけどもそれはまやかし、飲んだ水はヤバイ水!!

 

ーーー二十四時間経っちゃうと、水に溶けた不幸が災いを引き起こすって、参京区の学生間ではもっぱらよウワサ!!

 

ーーーモ〜ヒサーン!

 

 

やっぱりな、佐倉の情報は正しかったのか。つまり、紙に書かれた数字は、災いが起こるまでのタイムリミット。そして今は10分もない、急がなくてはならない。

 

蓮子「じゃ、じゃあいろはちゃん達に水を渡したおじさんって...?」

 

やちよ「恐らく、その人もウワサの一部........。人じゃなくて幻みたいなものだったんだと思うわ」

 

龍騎「作り出した幻、か........。ならあの良く分からない使い魔を取っ捕まえるか」

 

時間が無い以上、話し合っても仕方がない。俺達はその使い魔を追いかけようとした時、

 

「待て、行かせる訳にはいかない」

 

龍騎「!?誰だ!!」

 

すると、路地裏の通路から、マントを羽織った魔法少女が三人現れた。

 

「『アレ』には手を出すな........」

 

............................新手の詐欺師かな?




いかがでしたか?

あと二、三話程でフクロウ印の給水屋のウワサも終了予定です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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フェリシアの過去

どうもです。

今回はいつもより少し短いかもです。

それではどうぞ。


 

謎のマントを纏った魔法少女達に路地裏に連れてこられた俺達。いや、本当に宗教勧誘は無理だからね?

 

やちよ「一体どういうつもり?こんな路地裏にまで連れ出して、話し合いがしたいだなんて」

 

「........我々に敵意はない。ただアレにてを出すのはやめてほしい」

 

龍騎「ついでに宗教に入れと」

 

「違う、そうじゃない。........いや、違わなくないか」ボソッ

 

?なんかボソって言わなかったか?

 

「アレを消してもいい事はない........。我々が言いたいのはそれだけだ」

 

龍騎「........アレってウワサの事だよな?こちとら被害に遭ってる奴が居るのに、何故あんなのを庇う?」

 

「........知る必要の無い事だ」

 

ふーん、知る必要の無い、か........。つまり"庇ってる"事には否定しなかった。やっぱりあのウワサには裏があり、そいつ等は何かしら関係している。

 

龍騎「どうしても手を引けって言うなら、水を飲んだ奴等の呪いを解け。それで勘弁してやる」

 

「........申し訳ないが、私達ではどうする事も........」

 

やちよ「なら交渉決裂ね、大体そんな風に姿を隠して一方的に話しを飲めだなんて無謀じゃないかしら?どういう目的かは分からないけど、貴方達を野放しにはできない。人様に危害を与えるようなウワサを守る........、それに正当性なんてない筈よ」

 

「ま、待ってくれ!私達は戦うつもりは........!正直、私達では君達には敵わない...。だから交渉しようと........!」

 

いや、全然交渉になってなかったけど?こいつ営業に向いてないな?なんて思っていたら、

 

フェリシア「ふーん、成る程ね。だったらさぁ........」

 

そう言って深月は謎のマント魔法少女に歩み寄って........、え?

 

フェリシア「こーすれば形勢逆転じゃねぇ?」

 

「「「「「はあぁ!?」」」」」

 

き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!こんなタイミングで寝返るのかぁぁぁぁぁ!!

 

いろは「フェリシアちゃん!?」

 

フェリシア「それなりの報酬があるなら寝返ってやるって言ってんの。どうする?」

 

「........分かった、用意しよう」

 

フェリシア「って事だ、わりーないろは。俺は傭兵なんでね」

 

蓮子「そんな........」

 

龍騎「てめぇ!!報酬のハーゲンダッツ要らねぇのか!!追加報酬でラーメンセットだ!!」

 

フェリシア「っ」ビクッ

 

あ、ビクってした。もしや追加報酬を出せば戻ってくるのでは!?

 

フェリシア「し、仕方ないな〜、にーちゃんが其処まで言うなら戻ってきてやってもいいかな〜」

 

「なっ!?わ、分かった!焼肉食べ放題だ!」

 

フェリシア「っ!?」ビクビクビク

 

龍騎「あ、お前ふざけんなよ卑怯者!」

 

「「「「どっちが卑怯者だ!」」」」」

 

なんか全員にツッコまれた......。いや、そんな事はどうでもいい!

 

龍騎「ならこっちは海鮮丼だ!」

 

「こ、此方はスイパラだ!」

 

龍騎「満漢全席!」

 

「ハワイ旅行!」

 

龍騎「世界一周りょこ........」

 

蓮子「キリないからもうやめろぉ!!」

 

マント魔法少女と言い合っていたら、蓮子が背後から頭に踵落としされて意識を失った。

 

 

 

 

龍騎「........あれ...、っ、いっつ........」

 

いろは「あ、龍騎さん!」

 

俺が目を覚ますと、すぐに頭痛がして頭を押さえると、環が心配して歩み寄ってきた。ってか此処何処?

 

龍騎「此処は........?」

 

?「気がつきました?」

 

すると、エプロンを着た女の子がやってきた。俺は辺りを見回すと、窓には『夏目書房』と書かれており、本棚には大量の本がしまってあった。

 

?「もしかして、フェリシアさんのお友達...、ですか?」

 

龍騎「友達、というか........。同業者だな」

 

?「そうですか........、あ、私は夏目 かこ《なつめ かこ》と言います」

 

龍騎「あ、俺は鹿目龍騎だ。で、今どういう状況?」

 

それから近くに居た環と七海の話しを聞いてみる。どうやら俺と謎の宗教勧誘団体の一人と言い争いしてたら、痺れを切らした蓮子が俺の頭に踵落としして意識を失った。その後、深月は結局寝返ってしまい、宗教勧誘団体と一緒に何処へ行ってしまったようだ。その裏で蓮子と由衣が後を追っているみたいだが、タイムリミットは三時間。あまり時間は残されていない。そして、寝ている俺を環と七海が引きずっている所を、夏目に引き止められて、俺を店の中で寝かせたみたいだった。

 

龍騎「そうだったのか........。夏目、迷惑を掛けたな」

 

かこ「あ、いえ!全然問題ないです!」

 

やちよ「........話し戻すけど、貴女はフェリシアの事を知っているの?」

 

かこ「はい、一度傭兵として一緒に戦った事があります。って、それだけなんですけど........」

 

龍騎「もしかして、魔法少女?」

 

かこ「は、はい。確か鹿目さんって見滝原で魔女を狩る龍騎士なんですよね?」

 

龍騎「俺の事も知ってるのか?」

 

かこ「一部の魔法少女は知ってますよ、私は風の噂で聞いた事があるので」

 

成る程な、じゃあ俺が見滝原の龍騎士だと言うのはごく僅かなのか。

 

龍騎「じゃあ俺達と一緒だな、今深月を雇ってるんだ。だから友達とはちょっと違う」

 

かこ「あ........、そうだったんですか。そっか........」

 

なんだ........?深月の話しになると元気がなくなってる感じする...。まさかとは思うけど........。

 

龍騎「何か隠してないか?深月の事で」

 

かこ「!!」

 

俺がそういうと、夏目は驚いた表情を見せる。やはり何か隠しているな........。

 

かこ「な、何もありません。本当に一緒に戦っただけなんです。ただ........」

 

いろは「ただ?」

 

かこ「話を、聞いてしまったんです........。キュウべえから........」

 

龍騎「!?」

 

夏目の口からキュウべえの言葉が出てくると、勢いよく席を立ち上がる。

 

龍騎「教えてくれ!キュウべえは何を言ったんだ!?深月の身に何があったんだ!」

 

かこ「ひぃ!」

 

いろは「龍騎さん!」

 

やちよ「落ち着きなさい!彼女が怖がってて聞きたい事が聞けないわよ」

 

龍騎「!........ご、ごめん。俺キュウべえが関わる話になると、つい........」

 

かこ「い、いえ........。で、でもどうか、他の方には話さないで下さい。特にご本人には絶対に........」

 

やちよ「本人に........?」

 

龍騎「................約束しよう」

 

それから夏目はゆっくりと語り始めた。

 

話しによると、深月のご両親は魔女に殺されたのではく、ご両親は火事で亡くなられたそうだ。そしてその火事を起こしたのは、まさかの深月自身だったのだ。彼女のちょっとしたイタズラ心で、母親が料理をしている時に起こってしまったらしく、あっという間に火が広がった。

 

そしてキュウべえと出会い、彼女『今起きた事をなかった事にして欲しい』と願い、魔法少女となった。しかし、混乱していた彼女の願いは歪んだ形で叶えられてしまい、『火事ではなく魔女が両親を殺した』と彼女の記憶を修正する形で........。そうして、深月の中には魔女への憎しみだけが残った........。

 

かこ「........フェリシアさんは今もずっと、その偽物の記憶を信じてるんです........」

 

いろは「........そんな..................」

 

やちよ「そんなことって................」

 

龍騎「..................インキュベーター...!」

 

環と七海が困惑してる中、俺は静かにキュウべえへの怒りを覚えていた。またお前の仕業なのかよ........、しかし、今回ばかりはキュウべえだけを責める事は出来ない。半分は深月自身の我儘による自業自得、そしてキュウべえが現れなかったら、彼女自身も火事に巻き込まれて死んでたかもしれない。

 

龍騎「........話してくれてありがとう、今から深月の所へ行ってみるよ」

 

いろは「龍騎さん!」

 

そう言って俺は立ち上がり、店から出ようとすると、環に止められた。

 

いろは「私も行きます!私やっぱり、フェリシアちゃんを放っておけません!あのままじゃ........、本当にひとりぼっちになっちゃう...」

 

龍騎「........お前ならそう言うと思ったよ、七海はどうする?」

 

やちよ「........えぇ、フェリシアの元へ向かいましょう」

 

そう言って二人も立ち上がり、店から出て深月が居るであろう場所へと向かった。

 

 

 

〜参京区・参京院教育学園〜

 

龍騎「あ、居た!」

 

蓮子「おーい!皆んなこっちこっち!」

 

蓮子に連絡して、参京院教育学園に居るとの事なので、俺達は現場へ急行する。どうやら先程の宗教勧誘団体のアジトは此処のようだ。

 

龍騎「拠点ってこの奥なのか?」

 

鶴乃「うん!あのマントの奴等の拠点になってるみたい」

 

まさか学校の地下にそんなもんがあったとは........。ってが学校の地下ってあったのか?墓地じゃないよね?

 

龍騎「じゃあ、深月はこの奥に........」

 

蓮子「分かんない........、流石に地下じゃ音が反響してバレそうだったから龍騎達を待ってたんだけど...」

 

確かにそうかもしれない。トンネルみたいな穴に下手に動けそうにないな。でも時間がない、こうなったら腹を括るしかない。

 

龍騎「よし、行くぞ」

 

そう言って俺達は学校の地下へと歩きだす。すると天井から何かか飛んで来た。

 

いろは「ひゃあああああああっ!」

 

蓮子「わーっ!頭にぶつかった!」

 

やちよ「落ち着きなさい、ただの蝙蝠よ」

 

鶴乃「尚更やだよ!ばっちぃ!」

 

やちよ「貴女の店も同じようなものよ」

 

鶴乃「酷いよやちよ!」

 

いろは「................あれ?龍騎さんは?」

 

龍騎「な、何........?」

 

いきなりの蝙蝠の大群にビビった俺は頭を抱えて縮こまっていた。いやあれはびっくりするって...。

 

やちよ「........何をしてるの」

 

蓮子「龍騎って昆虫類、爬虫類、両生類全般ダメだからビビってるんだよ。私よりダメだからね」

 

俺の短所を簡単にバラした蓮子がヤレヤレと言いたげな様子で呆れる。うるせぇな、逃げ出さなかっただけでも褒めて欲しいぐらいだ。それから奥へ進むと、光が見え始める。もしかして中間ポイントか?そう思って足を進めると........。

 

「あらあら」

 

「まあまあ」

 

奥のトンネルの上の方には、先程の宗教勧誘団体と同じ格好した少女が二人居た。

 

「ダメだねー、あの黒羽根達」

 

「こんな所まで尾けられてしまって........」

 

龍騎「何者だ、貴様等」

 

「でもしょうがないね、来ちゃったんだから」

 

「来てしまったなら、相手する他ごさいません」

 

龍騎「コソコソ顔を隠してる割には随分と偉そうだな、見た感じお前等はさっきの奴等の親玉か?」

 

「月夜ちゃん、あの人達ウチらの顔が見たいみたいだよ?」

 

月夜?「構いません、それくらい造作もない事でごさいます」

 

そう言って二人は被っていたフードを外し、素顔を見せる。

 

月咲「ウチらは"マギウスの翼"天音 月咲《あまね つかさ》と」

 

月夜「天音 月夜《あまね つくよ》にございます」

 

あの宗教勧誘団体の正体はそのマギウスの翼という、謎の組織だったようだ........。ほんと、面倒くさい事になったもんだ...。




いかがでしたか?

近日中には、番外編として推しの子とクロスオーバーしたIFを投稿します。気になる方はそちらもよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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天音姉妹

どうもです。

今回は少し短いですが、ギャグで攻めますので、シリアスはないと思って下さい。

それではどうぞ。


 

月咲「ウチらは"マギウスの翼"天音 月咲《あまね つかさ》と」

 

月夜「天音 月夜《あまね つくよ》にございます」

 

マギウスの翼と名乗る、よく分からん宗教団体の二人が自己紹介すると、先に七海が質問する。

 

やちよ「貴女達の目的はなんなの?」

 

天音姉妹「「魔法少女の解放」」

 

魔法少女の........、解放........?

 

月夜「それから私達は親玉ではございません」

 

月咲「ウチらは崇高なる"マギウス"を支える"翼"」

 

その前にマギウスってなんの意味?

 

天音姉妹「「マギウスはこの神浜市で、魔法少女を呪縛から救うのです」」

 

「「「「!?」」」」

 

魔法少女の呪縛から救う........。つまりコイツ等は魔法少女の真実を知っている!?

 

いろは「魔法少女を救って........、どういう事ですか!?」

 

月咲「さぁ........、でも貴女達ならこの意味が分かるんじゃないかな?ねぇ?七海やちよ」

 

やちよ「........」

 

何も知らない環が声を上げると、天音妹は何故か七海なら知ってると聞くと、当の本人は険しい表情をしていた。

 

こいつも知ってるのか........?魔法少女が魔女になる事も........

 

やちよ「........理解は出来るわ」

 

月夜「それなら、私達の側につきませんか?一緒にウワサを守り、全ての魔法少女を救いましょう」

 

やちよ「だが断るわ」

 

天音姉の勧誘にバッサリと断った七海、お前は何処ぞの岸◯露伴かよ。

 

やちよ「私は理解出来るとは言ったけど、同意出来るとは言ってないわ。どういう理屈で救うなんて言っているのか分からないけど、ウワサを使って他人を巻き込み、不幸にしてまで私は救われたいとは思わない」

 

いろは「やちよさん!」

 

鶴乃「だよねっ!」

 

龍騎「そういう事だ、ってかよく分からん内容に集団に着いて来ようと思うのは相当な物好きな奴だぞ?下手な詐欺師でも騙されねぇぞ」

 

環ならあり得そうだけど........。

 

龍騎「つーか、こんな地下に居てもパパ活は出来ないぞ?」

 

天音姉妹「「何故(なんで)パパ活だと思うんですか(の)!?」」

 

龍騎「え?違うの?此処まで誘い込んで援助交際して、そのマギウスとやらの為に稼いでるんじゃないの?」

 

天音姉妹「「全然違います(違う)!!」」

 

本当に違うの?宗教団体ってお金必要なんじゃないの?詳しくは分からんが。

 

月夜「そうですか........。やはり無知な者に理解できるものではございませんね」

 

おい誰がバカだって?(半ギレ)

 

月咲「じゃあ黙ってウチらのする事を見守ってなよ。あ、逃げるなら今のうちだよ?」

 

龍騎「逃げろだってさ!奥に居るウワサのバケモノ!!」

 

蓮子「何処をどう聞いたら其処でその言葉が出てくるの!?ってかほんとに奥に居るの!?そのウワサのバケモノが!?」

 

龍騎「あ、うん。奥から微妙に魔女と違う感じの魔力を感じるから、十中八九間違いないと思う」

 

ちなみにこれは冗談ではない。天音姉妹とのやり取りをしてる最中に、奥の方へ意識を集中させたら、前と同じ感じの魔力を感じたのだ。恐らくこの奥にウワサのバケモノが潜んでるに違いない。

 

じゃないとマギウスの連中が深月を此処へ連れてきた意味がない。奴等にとってあのバケモノは護衛対象みたいだし、味方は一人でも多い方がいい筈だ。

 

月夜「........致し方ありません。それでは、お願い致します。傭兵さん」

 

フェリシア「................」

 

いろは「フェリシアちゃん!?」

 

天音姉が指示を出すと、深月がハンマーを担いで姿を現した。やはりそっち側についた訳か........。恐らく不幸のタイムリミットまで足止めだろう。

 

フェリシア「わりーないろは。一人で生きてくには、これ以上ないちょーいい条件なんだ。それに........、これだけあったら誰も裏切る必要もねーし」ボソッ

 

蓮子「フェリシアちゃん........」

 

龍騎「................蓮子、下がってろ」

 

そう言って俺はポケットからカードデッキを取り出して、蓮子を後方へと下がらせる。

 

蓮子「龍騎........」

 

龍騎「心配しなくても、俺達が深月を連れ戻してやるから」

 

やちよ「はぁ........、まぁそうなるわね」

 

乗り気じゃない七海は放っておいて、俺はカードデッキに魔力を注いで、腰にベルトを出現して巻き、ゆっくりとカードデッキをベルトへ装填する。

 

龍騎「変身」

 

ベルトにカードデッキを差し込むと、龍の形をした炎の竜巻が俺の周りを旋回するように覆うと、炎が消えた瞬間、いつもの戦闘服になる。俺が変身し終えると、環達も魔法少女姿へと変身する。

 

月夜「その姿........、まさか........!?」

 

龍騎「見滝原の龍騎士って言えば、伝わる?」

 

月咲「........っ!へぇ〜、あの有名な人が貴方とはね。それじゃあ挨拶代わりにウチらの奏でる音色に」

 

月夜「どうぞ、酔いしれて下さいませ」

 

そう言って天音姉妹は笛を取り出して吹く態勢に入る。

 

やちよ「!!笛が武器........!?」

 

七海の言葉に俺も気づいてしまった。此処は地下、とても音が響き易い空間となっている。だから奴等にとって有利に働く事になる。

 

まずい........!後ろに蓮子が居るのに!

 

龍騎「蓮子逃げろ!鼓膜破れるぞ!」

 

フェリシア「オラッ!」

 

龍騎「っ!」

 

俺が蓮子に逃げるように指示すると同時に、深月が攻撃を仕掛けてきた。

 

フェリシア「よそ見してっと死んじまうぜ?」

 

龍騎「ちぃ!」

 

月夜「どうやら龍騎士様はお気づきになられましたね」

 

月咲「演奏開始、だね!」

 

そう言って二人は笛を吹き始めると、超音波みたいな音色が俺達のこだまする。

 

龍騎「ぐわっ!?」

いろは「っや........!」

やちよ「うっ........、あぁっ!」

鶴乃「あああっ!」

 

物凄い音色に俺達は耳を塞ぐが、蓮子は耐えきれず膝をついてしまった。

 

蓮子「ぁ........ぁぁ........」

 

龍騎「蓮子!!」

 

いろは「音........が!」

 

やちよ「頭........にっ........」

 

フェリシア「隙だらけじゃん!」

 

とても戦闘出来る状況じゃない時に、深月がハンマーを持って飛びかかってきた。

 

このままでは環の前に蓮子がこの音色でくたばっちまう........。なので早急に助けないといけなくなった俺は、気合いで音色を意識しないようにして、立ち直る事にした。

 

龍騎「だらっしゃああああああい!気合いがあれば、何でもできる!」

 

気合いを入れれば、多少の傷や病気ぐらいだったら治るだでしょ?つまりそういう事さ。........え?そんな訳ないだろって?あはは!それは個人差だね!

 

フェリシア「どりゃあああ!」

 

龍騎「オラァアアア!」

 

深月が振り下ろしたハンマーを右拳で受け止めて、鍔迫り合いような感じになり、俺は気合いを入れて競り勝ち、深月の腹部に蹴りを入れて吹き飛ばす。

 

フェリシア「ぐはっ!」

 

龍騎「わふっ」バシッ

 

蹴り飛ばされた深月は壁にぶつかると、俺の頭に何かが当たった。それは『1:00』と書かれた紙だった。

 

龍騎「やっべ、あと一時間しかないじゃん...」

 

月夜「聞こえましたか?月咲さん、あと一時間だそうです」

 

月咲「それじゃあ、一時間たっぷりウチらのコンサートを楽しんで貰おうかな」

 

龍騎「させるかよ!」

 

どうやら口に出てしまったらしく、あと一時間しかない事を知った天音姉妹が再び笛を吹こうとすると、俺はカードデッキからカードを一枚引き抜き、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填して元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【NASTY VENT】

 

 

「ガアァァァァァァァァァァァァ!!」

 

知らないカードを装填した所為なのか、俺の相棒である赤き龍がやってくると、先程の天音姉妹が出した音色に負けないぐらいの雄叫びを上げ始める。

 

天音姉妹「「くっ........!」」

 

すると天音姉妹は、吹いていた笛を口から離して自分の耳に手を当て始める。

 

いろは「す、凄い!あの龍の雄叫びのお陰で音色が消えたから、だいぶ楽になった!」

 

鶴乃「凄い凄い!!あの龍カッコいい!!欲しい!!」

 

誰があげるかよバカ野郎!でも上手くいって良かった...。

 

やちよ「でも、この閉鎖空間に反響すること遠隔攻撃........。それに加えて接近戦のフェリシア、厄介ね........」

 

龍騎「何怖気ついてるんだよ。目の前に敵が居る以上、戦うしかないだろ」

 

「旦那の言う通りだ」

 

すると、背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

?「敵の前でそんな風にあからさまに狼狽えるもんじゃないよ、どんな時も余裕そうにするのが魔法少女ってもんさ........、そうだろ?旦那」

 

龍騎「お前........」

 

やちよ「貴女は........!?」

 

いろは「あっ........!移動販売の時の........!」

 

杏子「佐倉杏子、事情は把握してるよ」

 

やはり、俺の知ってる佐倉だった。

 

龍騎「お前、どうして此処に?後を着けてきたのか?」

 

杏子「それもそうだけど、彼女さんが連絡してくれて此処に辿り着いたって訳」

 

そう言って佐倉は、天音姉妹の音色で意識を失ってる蓮子を親指で指して説明すると、納得がいった。まさか蓮子が知らない間にそんな事していたとはな........。

 

杏子「話しを聞いた感じだと、あの二人が敵って事で良いんだよな?」

 

龍騎「それはそうだが...。まさか、あの時環と一緒に飲んだのか?例の水を」

 

杏子「環?........あぁ、よく見たらこの間隣に居た奴だったな。しかし旦那の言う通りになったとはな、あの水飲んだら急に空から紙が降ってくるようになってさ。調べてるうちに変な使い魔をも見かけるし........、やっぱり旦那の言う通り、この街は普通じゃない」

 

天音姉妹「「................」」

 

杏子「つまりだ、旦那。あの二人をぶっ倒せば良いって事かい?」

 

龍騎「................それプラス、この奥に居るウワサのバケモノを倒せは、お前と環、深月の呪いは解けるって訳だ」

 

杏子「成る程ね........。それじゃあこの佐倉杏子、この場は一時共闘といかせて貰うぜ。いいだろ?旦那?」

 

龍騎「あぁ、正直お前が来てくれて心強いよ。それに........、コイツ等は一般人であり、大事な仲間に危害を加えたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テメェ等タダで済むと思うなよ........?」ギロッ

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

杏子「うおっ、怖っ........」

 

俺が殺気を放つと、佐倉以外の魔法少女は驚愕し、冷や汗が出始める中、佐倉は怖いと声を出していた。

 

確かに、今の俺は怒ってる。少なくとも、俺の事を大事に想ってる人が気づいたら、ブチギレない訳がない。あいつ等は絶対に泣かす、決定事項だ。

 

杏子「やっぱり旦那、あの彼女さんの事、結構惚れてるだろ?」

 

龍騎「そんな事は今はどうでもいい、まずコイツ等を片付けるぞ」

 

そう言って俺はデッキからカードを一枚引き抜き、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填して元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上から青龍刀が降って来て上手くキャッチして構え、青龍刀に炎を纏わせると、佐倉も槍を構え始める。

 

龍騎・杏子「「さぁ........、かかってきなド三流」」

 

龍騎「俺と」

 

杏子「私」

 

龍騎・杏子「「テメェ(アンタ)等との格の違いってやつを見せてやる」」

 

 

龍騎「さぁ、お前の罪を数えろ!」

佐倉「さぁ、地獄を楽しみな!!」




いかがでしたか?

次回でフクロウ印の給水屋のウワサは完結予定です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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マギウスの目的


どうもです。

今回でフクロウ印の給水屋のウワサは完結です。

それではどうぞ。


 

天音姉妹「「きゃああっ!」」

 

杏子「おいおい、アンタ等マギウスの魔法少女はその程度なのかい?」

 

龍騎さんと佐倉さんが畳み掛け始めて、5分もしないうちに天音姉妹はダウンしてしまった。龍騎さんもそうだけど、佐倉さんも強い........。

 

鶴乃「つ、強い........!」

 

やちよ「お互いの相性も完璧、見事なものね........」

 

杏子「あの変なカウントダウンを止めるには、奥に進まなくちゃいけないんだろ?だったらさっさと道を開けて貰おうか!」

 

月咲「そうはさせないよ!」

 

月夜「此処を守るのが私達の務めでございます」

 

どうやら簡単に通させては貰えないようだ、意地でも押し通らそうとする龍騎さんと佐倉さん。

 

フェリシア「何よそ見してんだ!」

 

「「「!?」」」

 

すると横から、フェリシアちゃんがハンマーを振り回してくる。私とやちよさん、鶴乃ちゃんはギリギリで避けたけど、まずはフェリシアちゃんの事を何とかしなくちゃいけない........!

 

いろは「待ってフェリシアちゃん!このままだと本当に不幸になっちゃうよ!?それでもいいの!?」

 

フェリシア「なんだよ、またウワサってやつの話しか?別にどうでもいーよ、今更不幸になろーが、オレには関係ないからな」

 

いろは「話しを聞いて!不幸になるって事は、自分の大切なものが無くなっちゃうんだよ!?........私も妹が居なくなって、私にとっての不幸だよ...。それだけじゃない、不幸って色んな事があって、居なくなった妹の身何かあるかもしれないとか、私の周りの人........、やちよさんや鶴乃ちゃんにも何か起こるんじゃないとか........」

 

フェリシア「はっ、何を今更!オレはひとりぼっちだし、家族も仲間も居ねーよ。関係ねー話しじゃん」

 

いろは「まだ分からないの........?フェリシアちゃんには今大切なものはないの?もしもそれが無くなったらどうするの........」

 

フェリシア「(........牛のぬいぐるみが、無くなる........?)........そんなの........、そんなの嫌に決まってるだろ!オレの宝物だぞ!?」

 

いろは「それを不幸って事なんだよ!もしもその大切なものが傷ついたり、無くしたりしたら、またフェリシアちゃんが傷つく事になる........。フェリシアちゃんが辛い思いするの........、私、やだよ........」

 

フェリシア「いろは........」

 

月夜「っ!今!」

 

すると横から龍騎さんと佐倉さんと戦ってる隙をついて、私達の方に弾幕が飛んでくる。すると、佐倉さんが槍をヌンチャクに変形させて弾幕を防いでくれた。

 

杏子「説得するのは勝手だけどさ、此処が敵陣だって事分かってんのかい?」

 

いろは「す、すみません........」

 

蓮子「フェリシアちゃん........」

 

すると、背後から壁に手をついてフラフラな状態な蓮子さんがフェリシアちゃんに声をかける。

 

フェリシア「な、なんだよ?」

 

蓮子「失ったものは確かに取り戻せない、命だって一人一つしかないの........。だからってヤケクソになって、自分を粗末するなんて...。そんなの絶対にダメだよ........」

 

フェリシア「!」

 

蓮子「........フェリシアちゃんはどうしたいよ?またひとりぼっちで暗闇の世界に溶け込むの?皆んなと一緒に大切なものを守る為に戦うの?フェリシアちゃんにとって、大切なものは何なのか思い返してみて........」

 

フェリシア「オレは........、オレ........。宝物を失いたくねぇ........、奪うようなヤツの味方にだってなりたくねぇ!これ以上迷惑だって掛けたくねぇ!!だから!」

 

いろは「フェリシアちゃん!」

 

蓮子さんの説得もあって、再びフェリシアちゃんが此方側に戻ってくる事に成功した。良かった........、後はウワサのバケモノを倒せば........。

 

月夜「そうでございますか........」

 

月咲「がっかりだよ、深月フェリシア」

 

天音姉妹「だったら仲間同士まとめて、この笛の音で震わせてあげる!」」

 

また天音姉妹が笛に口を当てて、先程より強い超音波のような音色がこだまする。

 

やちよ「っ!また........!」

 

いろは「龍騎さん!さっきのカードってまだ使えますか!?」

 

龍騎「悪いな、同じカード使うには時間置かねぇと無理だ」

 

そんな........、じゃあどうしたら........。

 

龍騎「でも、そのメロディーはもう聴き飽きた!!」

 

私達が耳を塞いでるのに対して、龍騎さんは手を耳に当てることはなく、青龍刀を構えていた。

 

月咲「!?嘘........、さっきは耳塞いでたのに!」

 

龍騎「はっ!お前等のセンスのかけらもない、辛気臭いメロディーは好みじゃないんでね!だったらこっちも音楽で対抗してらやぁ!!来い、なんかカッコいいギターぁ!!」

 

そう言って龍騎さんは右手を天に掲げると、龍騎さんの後ろに居た赤き龍が尻尾を振ると、龍の形をしたギターが回転しながらやってくると、龍騎さんは上手くキャッチする。

 

龍騎「そんでもっていくぜ!勝利のBGM『t◯e pillows のLi◯tle B◯sters』」

 

キャッチしたギターを何も躊躇いもなく握ると、私達が居る空間全体にギターの音が切り替わっていく。天音姉妹が奏でてる音色とは別に、此方も耳を塞ぎたくなるようなやかましいギターの音が周囲から流れ始めて、天音姉妹の笛の音を押し返し始める。

 

月咲「な、何よこの音........!」

 

龍騎「知らねぇのか?どんなぶっ飛んだ頭のおかしい状況でも、この曲をかければ、不思議と名シーンのように思えてくる最強BGMだ!!」

 

蓮子「正月にフ◯クリ一気見して訳分からないって言っているけど、あれは龍騎の理解力の問題........」

 

龍騎「うるせぇな!俺はア◯パンマンまるとかド◯えもんみたいな分っかり易いアニメが好きなんだよ!!」

 

蓮子「じゃあなんでガ◯ダムはそんなに詳しいの!?あれも充分訳分かんないでしょうが!!」

 

蓮子さんのツッコミで漫才夫婦のように、二人は言葉をぶつけ合う。明らかにこの雰囲気で語り合うことではないというのに、すっかり龍騎さんにペースを掴まれてしまい、やがて天音姉妹の奏でる音色は、完全に龍騎の音楽によって押し返されていた。

 

龍騎「文句あるんだったら、解説動画の一つや二つ作れよバカタレェ!!」

 

天音姉妹「「みぎゃん!?」」

 

最後に龍騎さんがギターを大きく振りかぶると、手汗で滑らせたのかそのまま天音姉妹へギターが飛んでいき、二人の顔に強打する。

 

龍騎「あ、ごめん。手が滑った」

 

月咲「くっ........、まさかウチ等の強みを潰されるなんて........」

 

月夜「まさか、一度聴いた音色にすぐに耐性が付くなど........。貴方様が初めてかもしれませんね........」

 

龍騎「........佐倉、環、深月。お前達は奥へ進め。此処は俺が何とかするから」ボソッ

 

いろは「え、でも........」ボソッ

 

龍騎「俺達の目的は、奥に居るバケモノを倒してお前達の呪いを解く事だ。それに残された時間もあと僅か、此処であの二人を押さえられたらタイムオーバーだ」ボソッ

 

フェリシア「おー、成る程!」

 

龍騎「だからお前達は先に行け、ウワサのバケモノは任せたぞ」ボソッ

 

杏子「っ........、了解。行くぞ」

 

龍騎さんにこの場を任せて、私達は佐倉さんを先頭に奥へと走り出す。龍騎さん、どうかご無事で........!

 

 

 

 

月夜「あ!」

 

月咲「その先に行かせる訳には........」

 

龍騎「おっと逃がさないぞ」

 

佐倉達を見届けると、天音姉妹も後を追おうとするが、俺、七海、由衣が行く手を阻む。

 

龍騎「お前達も行って良かったんだぞ?」

 

やちよ「貴方だけ負担を掛けさせる訳にはいかないわ」

 

鶴乃「さっきから助けられてばっかりだからね!私達も手伝うよ!」

 

別に気にしてないんだけどなぁ........、まぁいいや。

 

龍騎「お前達に最後のチャンスをやる、今回は大人しく諦めて引け。接近戦では俺達が有利、はっきり言ってお前達には勝ち目はない」

 

月咲「っ.........、だからって大人しく引けるとでも?」

 

月夜「舐められたものでございますね........」

 

やちよ「もう魔力も残ってないようだし、降参したらどうかしら?」

 

天音姉妹「「........魔力がもう残ってない?」」

 

........なんだ?何か隠してるような発声は...?

 

月夜「それは好都合にございます........」

 

月咲「うん、ウチ等にとっては好都合........」

 

どう言う事だ?魔力が少ない事が好都合........、ってまさか!?

 

月夜「皆さん、とても幸福でございますね」

 

月咲「なんたって神浜が解放の場である証拠を........」

 

天音姉妹「「その目でご覧になれるのですから」」

 

天音姉妹のソウルジェムが穢れに染まった瞬間、二人は姿を変えて謎の球体に包まれた状態で姿を現した。

 

鶴乃「な、何あれ!?」

 

龍騎「水名神社の時に環が起こした現象と似ている........」

 

やちよ「まさか、その姿が『解放の証』とでも言うの........?」

 

月咲「貴女程のベテランなら、この意味が分かると思うけど?」

 

月夜「これは感情の映し........、私達自身を解き放ったもの」

 

それってもう、ス◯ンドかペ◯ソナじゃね?

 

月咲「それ故に我々はこれを『ドッペル』と呼ぶんだよ」

 

ドッペル........?ドッペルゲンガーからとったのか?

 

月夜「穢れを変換し、グリーフシードがなくてもソウルジェムを浄化できる。それがどれだけ素晴らしい事か、七海やちよさんには分かるでしょう?」

 

月咲「これでもマギウスの行いの尊さが分からないかな?」

 

........成る程ね、だから環がドッペルって現象を起こした時に、ソウルジェムが浄化できたのか。いや待て、元々環は神浜の人間じゃなかったのに、なんでドッペルが発動出来たんだ?

 

やちよ「........どれだけその魅力を説いたところで、私の考えは変わらないわ」

 

月夜「........そうですか」

 

月咲「でも、他の三人はどうかな?三人とも........、まだ()()()()じゃない?」

 

やちよ(っ.......!何も知らない鶴乃が居ながらそんな事を........!)

 

龍騎「........フ、フフフ........お前等マギウスの翼ってのは................、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

随分と自分が可愛い集団なんだな」

 

「「「「!!?」」」」

 

俺の一言に、その場に居た全員が驚愕した。勿論、後ろに居る蓮子もだ。

 

龍騎「お前等は色々知ってそうだが、結局は現実から逃げようとしてるだけの弱虫。そんな宗教に俺達を誘わないで貰える?そうやって自分勝手な行いをしようする輩は一番気に入らない」

 

月咲「っ!真実を隠せば無かった事になる訳じゃないよ」

 

月夜「しょうがないですね........、もう手加減は出来ませんよ」

 

龍騎「手加減?それはこっちのセリフだ.....。テメェ等には少し分からせてやらねぇとな.....

 

 

 

 

フェリシア「!なんか先にまた広い場所があるぞ!」

 

天音姉妹を龍騎さん達に任せて先に進むと、フェリシアちゃんが奥から光が放ってる空間を見つけると、先頭を走る佐倉さんを追いて先に行くと、其処は床が水浸しの場所だった。

 

杏子「........旦那の言う通り、この結界は魔女のとはちっと違うみたいだな。それに........」

 

そう言って佐倉さんは真正面を見ると........、

 

杏子「アレがウワサのバケモノってやつか........」

 

長靴のような形に、噴水のように水が溢れてるバケモノが居た。アレが........、ウワサの元凶........。

 

杏子「あの溢れてる水........、もしかしてこの三人が飲んだ水か?魔女にそっくりだが、まるで違う感じもする。ほんとに奇妙な街だな、神浜ってなは」

 

フェリシア「なぁ!アレを倒せばいいんだよな!?だったらオレがドカンと一発........」

 

杏子「まぁ待て、無闇に近づこうとするな。罠が張ってる可能性だって........、っておい!」

 

フェリシアちゃんがハンマーを持ってウワサのバケモノに接近しようとすると、上空から大量の岩が落ちてくる。すると佐倉さんが槍を突き出してフェリシアちゃんへ落ちて来た岩を砕いていく。

 

杏子「言わんこっちゃない。旦那曰く『人間、行動を移す時は二手三手先を読め』だとよ。こっちには射撃攻撃出来る奴が居る」

 

っ!成る程、近づこうとすると岩が落ちくる。私のボウガンなら、あの距離なら十分届く...!私はウワサのバケモノに狙いを定めて、ボウガンを発射する。放ったあとは、ウワサのバケモノは一歩も動かず、そのまま直撃するが........。うんともすんとも言わなかった。

 

いろは「ぜ、全然効いてない!?」

 

杏子「マジか........、ありゃあ相当固ぇぞ........」

 

フェリシア「ど、どうすんだよ!もう時間ねーのに!」

 

どうしよう........。私のボウガンじゃ威力が足りないし、佐倉さんの槍を伸ばしても届かない。フェリシアちゃん攻撃が届けばいいのに........。それにあのウワサのバケモノ........、さっきから何もしてこない........。まさかこのまま時間稼ぎを?

 

フェリシア「そっか!分かったぞ!岩を使ってドーンと飛んできゃ、ズカーンってやれるじゃん!」

 

杏子「???何言ってんだ?」

 

フェリシア「だから!岩をドーンってやれば早くなるだろ!?」

 

いろは「........あ、もしかして落ちてきた岩を蹴って向こうに飛んでくって事?」

 

フェリシア「だから、そう言ってるだろー!」

 

つまり落ちくる岩より早く行けば良いって事だ。でも成功する可能性は........。

 

「やめておけ、天井か地面に直撃して自滅するのがオチだ」

 

いろは「龍騎さん!?」

フェリシア「にーちゃん!」

杏子「旦那........」

 

すると、背後から青龍刀を片手にやってきた龍騎さんがやって来た。

 

いろは「あの、さっきの二人は........?」

 

龍騎「あの双子?気絶させて地面に埋めた。と言っても、頭は出してるけど」

 

埋めた!?頭だけ出してる!?

 

龍騎「心配しなくても、あの二人なら七海と由衣が監視してるよ」

 

杏子「それよりもだ、コイツに攻撃を与えられないのか?」

 

そう言って龍騎さんは腕を組んで考え始める。

 

龍騎(俺の竜滅剣なら一気に奴の距離まで届くが、一発で仕留め切れる保障はない。かと言って此処でチクチク攻撃しても、此方には時間がない........。こうなったら........)

 

意を決したのか、龍騎さんは組んでいた腕を離して青龍刀を強く握り締める。

 

龍騎「お前等、コネクトで一気に片付けるぞ」

 

っ!そっか、コネクトなら倒せるかもしれない!でも、前回の水名神社の時は........。

 

杏子「旦那、コネクトってなんだ?」

 

龍騎「簡単に言ってしまえば、魔力をバケツリレーみたいに繋いで攻撃する事だ。最後に俺に回してくれ」

 

いろは「だ、大丈夫なんですか........?」

 

龍騎「心配するな、()()()()()()()何とかなるよ」

 

........?魔力さえあれば?どう言う事だろうか........。

 

フェリシア「なんだ?にーちゃんアイツに勝つ方法があるのか?」

 

龍騎「あぁ。もし一発で仕留めきれなかったら、後は頼むぞ。多分動けなくなるかも」

 

杏子「........まぁいいや、やってみようぜ!そのコネクトってやつを!」

 

そう言って、それぞれ岩が落ちてこない距離に移動すると、まず私からボウガンに魔力を溜めて、フェリシアちゃんに向かって矢を放つ。そしてフェリシアちゃんから佐倉さんへハンマーで弾き返して、佐倉さんが槍をウワサのバケモノに突きつける。

 

杏子「散々手こずらせやがって........、これでも食いやがれ!」

 

佐倉さんがウワサのバケモノに槍で突き刺して、上空へ吹き飛ばす。

 

杏子「へっ、本命はこっち!!」

 

そう言って佐倉さんが、上空へ吹き飛ばしたウワサのバケモノに槍を投げる。するといつの間にか宙に浮いていた龍騎さんに槍が渡る。

 

まさか、最初からそれが狙いで........!?

 

龍騎「不幸とかそういうのはもう、一年前と前世で腹一杯なんだよ。くたばりやがれぇぇぇぇぇぇ!!」

 

そして、龍騎さんが槍に炎を纏わせて、ウワサのバケモノを槍で地面に叩きつけてからV字で斬りつける。すると、ウワサのバケモノの身体からあちこち水が噴き出してくる。

 

龍騎「これが、色んな人を不幸にさせたお前の罪だ」

 

 

 

 

 

いろは「鶴乃ちゃん!やちよさん!」

 

やちよ「っ!戻ってきたって事は倒せたの!?」

 

いろは「はい!」

 

バケモノ退治に成功し、七海達と合流すると、七海と由衣が駆け寄ってくる。少し頭をずらして、地面に埋めた天音姉妹を見てみると、意識はとっくに戻っており、埋められた地面から自力で脱出した様子だった。見た感じ、たった今脱出出来たけど、既に満身創痍の二人に戦意が感じられなかった。

 

月咲「そんな........、まさか........」

 

杏子「で、コイツ等どうするんだ?」

 

龍騎「取り敢えず尋問だろ」

 

月夜「マギウスの意向に添えなかった...、なんたる失態でございましょう...」

 

月咲「こうなったらせめて........、不穏分子の命だけでも........」

 

龍騎「あ?また埋められたいってか?」ギロッ

 

天音姉妹「「っ!!」」

 

やれやれ、これだからマギウスの翼(宗教団体)は面倒くさい。そう思っていると、

 

「そうです、今回は大人しく退きましょう」

 

やちよ「っ!!!」ビクッ

 

龍騎「誰だ!」

 

女の声が聞こえた。

 

やちよ「うそ........、まさか.......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みふゆ........、なの........?」

 

みふゆ?「久しぶりね、やっちゃん」

 

どうやら七海の知り合いらしく、感動的な再開........、と言うにはあまりにも雰囲気が最悪だった。





いかがでしたか?

もう少し続きますが、此処でフクロウ印の給水屋のウワサは終了です。

次回は少し日常回をやって、次のウワサに突入します。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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弟子なんて募集してない


どうもです。

漫画だと4巻目がこれにて終了です。

ゲーム版では6周年を迎えましたね。CM見て悪魔ほむほむ出たらしく、お試しに始めてみたら、10連で二体当たって笑いました。

ゲーム版は、現在フクロウ印の給水屋のウワサまで頑張ってます。

それではどうぞ。


 

みふゆ「久しぶりね、やっちゃん」

 

やちよ「みふゆ......」

 

突如現れたみふゆと呼ばれた七海の知り合い。そしてあの天音姉妹を呼び止めた........。まさか........。

 

鶴乃「わーーー!みふゆだー!」

 

どうやら由衣も知り合いだったらしく、再会が嬉しかったのか、彼女を抱きついていく。

 

みふゆ「わっぷ!鶴乃さん、飛びつかないでください........」

 

鶴乃「それより何処行ってたの!?やちよと凄く探したんだよ!?あ、今日はパーティだね!ウワサ討伐と、みふゆ帰還記念の祝賀パーティ!」

 

龍騎「........残念だけど、それは無理だぞ。由衣」

 

鶴乃「え?」

 

龍騎「お前........、まだ気が付かないのか?そいつもマギウスの翼の一員、それに天音姉妹の上司と見た。つまり、俺達の《敵》だ」

 

「「「!?」」」

 

俺の言葉に由衣は抱きついたみふゆから離れる。

 

鶴乃「うそ........、だよね........?」

 

みふゆ「........彼の言う通り、私はマギウスの翼です」

 

やちよ「......っ」

 

みふゆ「貴女達がウワサを消すのなら、私は貴女達の敵........。私はもう、そっちには帰れないんですよ」

 

龍騎「何故其処までして救済に拘る?よく分からん宗教に良いようにされて、お前は不満じゃないのか?それに七海は、お前に会いたいが為に口寄せ神社まで行った........。親友としてなんとも思わないのか?」

 

みふゆ「........態々私を探しに口寄せ神社に行ってくれたのは嬉しい限りです。親友としての冥利に尽きます」

 

やちよ「今からでも遅くないわ!戻って来なさい、みふゆ!」

 

みふゆ「無理です。今の私には、マギウスの翼での大事な役割がある。それに........、どうしても私は救われたいんです。分かって........、やっちゃん........」

 

やちよ「........こんな、こんな形で、再会したくなかった........」

 

みふゆ「........ごめん、やっちゃん........」

 

そう言ってみふゆは、天音姉妹を連れてトンネルの奥へと進もうとすると、

 

いろは「あのっ、みふゆさん!」

 

環がみふゆを呼び止めた。

 

みゆふ「貴女は環いろはさん........。お会いするのは初めてですよね?私に何か........?」

 

いろは「その........、環ういっていう女の子の事知りませんか........?口寄せ神社で出て来たういが行ってたんです。『神浜市で魔法少女は救われる』って........」

 

それってつまり........、マギウスの翼が掲げる救済の事か?

 

みふゆ「........残念ですが、知りません。でも、もしかしたら私の知らないところで、マギウスの翼に入ってるかもしれません」

 

いろは「えっ!?」

 

........環の妹さんが、マギウスに........。どうも嘘くさいが、否定できる材料がない。そのままみふゆが立ち去って行くと、俺達はマギウスの三人の背中を見届けた。

 

杏子「........旦那、今のはどう言う事だ?」

 

すると佐倉が俺に質問してきた。そういえば、佐倉はマミと違って情報が欠けてるんだったな...。

 

龍騎「あの天音姉妹は、ソウルジェムが穢れに満ちて、ドッペルっていう現象を出した。それは環も同じ現象を起こしていて、終わったら穢れが溜まっていたソウルジェムが何事も無かったかのようにクリーニングされていたんだ。恐らく、アイツ等が言っていた救済と関係があると踏んでる」

 

杏子「つまり、アイツ等は魔法少女の真実を........」

 

知ってるだろうな。じゃないとマギウスの翼という、救済措置に助けを呼ぶなんて事はしない。去年のマミなら真っ先にマギウスに入ってただろうな。だが、見滝原の魔法少女はほむらのお陰で全て知ったから、事実を受け入れて今を過ごしてる。けど奴等は、そんな事実を受け入れられず、現実逃避してる集団。何がなんでも魔女化ならなりたくないんだろうな........。

 

杏子「ならこの事はマミ達に言った方がいいな、下手したら戦争レベルな戦いになるぞ」

 

龍騎「だな........。マギウスの翼がどれだけの勢力を持ってるから分からんが、戦力的には彼方が有利だろうな」

 

杏子「ま、魔法少女なんてやってると、皆んな何かしら抱え込んでるもんな。私も旦那も」

 

龍騎「................」

 

杏子「じゃ、先に帰るぜ。それじゃあな」

 

そう言って佐倉は先に帰って行くと、入れ違いに蓮子がやってくる。

 

龍騎「大丈夫か?お前満身創痍だろ?」

 

蓮子「う、うん........。ねぇ........、これどう言う状況?」

 

龍騎「あんまりよろしくない状況だ。で、どうすんだ?七海」

 

フラフラな蓮子の身体を支えながら七海に質問すると、彼女は酷く落ち込んでいた。あんな顔を見たのは初めてだ........。

 

やちよ「........少し、活動方針を変えても良いかしら」

 

いろは「はい........、私だけじゃくても、龍騎さんも同じ事を考えてます」

 

やちよ「私、やっぱりみふゆの事は諦めきれないわ...。あれでも七年間、魔法少女として苦楽を共にしてきた親友だから........。だからこれからは、もう一度マギウスの翼と接触する為に、ウワサを消していくつもりよ........協力、してくれるかしら?」

 

いろは「はい!勿論です!ういとマギウスの翼にも、何か繋がりからあるしれないですから!」

 

龍騎「乗り掛かった船だ、俺も真実を知りたいからな。最後まで付き合うよ」

 

蓮子「わ、私も微力ながら手伝うよ!」

 

此処まで来た以上、別行動するのは効率が悪い。それなら一丸となってウワサを潰す方がいい筈だ。

 

鶴乃「私も私も!仲間としてみふゆ奪還作戦、手伝うよ!」

 

やちよ「だから仲間じゃないって」

 

鶴乃「うぇ〜!な〜んで〜!」

 

やちよ「なら弟子として勝手に着いてくればいいじゃい、昔と変わらずにね」

 

鶴乃「〜〜〜っ!やっちよししょ〜〜〜!!」

 

嬉しさのあまりに七海に抱きつく由衣。せめてこの薄汚い場所でやる光景ではないと思うのは俺だけではないだろう。

 

龍騎「んで?お前はどうすんだ?深月」

 

俺がそう言って振り返ると、後頭部に手を乗せた深月が居た。先程から除け者扱いである。

 

フェリシア「ん?どうするって、そりゃ傭兵を続けるに決まってるだろ。なんたらの翼の事、裏切っちまったしなー」

 

龍騎「此方と協力する気はないと........?」

 

フェリシア「........良いのかよ、また迷惑掛けるかもしれねーぞ?」

 

龍騎「生憎とそう言うのは、昔から慣れてるんでね。昔居た奴等とドンパチやったのと、お前の暴走と比べたら全然、苦じゃないしな。もし良かったら、また力を貸して貰いたい」

 

そう言って俺は手を差し伸べる。あのマギウスの翼と戦う事になると、戦力が必要になってくる。さて、彼女の返事は如何に........。

 

フェリシア「........................分かった」

 

龍騎「っ!」

 

蓮子「フェリシアちゃん........!」

 

フェリシア「........オレは決めたんだ。宝物を失いたくねぇ........。奪うようなヤツをぶっ飛ばして、これ以上迷惑だって掛けたくねぇ。その為には、もっとオレは強くならなくちゃいけねぇ...!」

 

そう言って俺に真剣な目で見てくるフェリシア。そりゃそうだな、守る為には力は必要だ。強すぎる力は身を滅ぼすけど(経験者)

 

フェリシア「だから........、頼む!!オレを弟子にしてくれ!!

 

龍騎「................で、弟子ィィィィィィ!?」

 

突然、深月が頭を下げて頼み事をしたと思ったらまさかの弟子にしてくれと頼んできた。......え?嘘でしょ?弟子なんて募集してないし、ってか前世にはこんな事無かったよ?

 

フェリシア「あぁ!オレ、にーちゃんに鍛えて貰ったら、もっと強くなれる気がするんだ!だから頼む!ししょー!」

 

龍騎「し、ししょー!?」

 

マ、マジか........。まさか弟子にして欲しいって言ってくる奴が居るなんて思ってもいなかった。衝撃過ぎる発言に思考が停止しかけるが、なんとか持ち直す。此処ははっきり言ってやろう!弟子なんて要らん!ってな!

 

龍騎「...い、いいか!俺は弟子なんか........!?」

 

フェリシア「........」ウルウル

 

な、なんて目で見てくるんだぁぁぁぁッ!?これはまるで【拾ってください】と書かれたダンボール箱に入っている捨て犬みたいな目じゃねぇかぁぁぁぁッ!!ってか何処で覚えたんだよその技!?やめろ!!やめてくれ!そんな目で見られたら...、断るなんて...!

 

龍騎「........俺に付いて来い!フェリシア!!」

 

フェリシア「!やったー!!」

 

龍騎「返事は押忍か、サーイエッサーだ!馬鹿者!それでも傭兵かぁ!!」

 

フェリシア「押忍!」

 

勝てなかったよ........。あんな目されたら勝てないよ...。しょうがないじゃん、誰だってあんな目されたら勝てないんだから......。クソッタレ...。

 

やちよ「........はぁ。取り敢えず、みかづき荘に戻りましょう。一度整理しましょうか」

 

蓮子「それもそうだね、それにフェリシアちゃん。ちょっと臭うよ?」

 

フェリシア「?そうか?別に気にして無かったから、よくわかんねー」

 

龍騎「そうと決まれば、移動しますか........」

 

という事で、俺達は早急にこの場を去り、七海が住んでる『みかづき荘』という下宿先へと向かった。

 

 

 

〜みかづき荘〜

 

龍騎「へぇ〜、環の引越し先って此処なのか」

 

蓮子「まさに下宿って感じがするね」

 

俺達がやってきた下宿は、大きな屋敷だった。話しによると、元々は七海の祖母が宿泊施設として使用していたが、後に祖父母から七海が譲り受け、一人暮らしをしていたらしい。こんな広い下宿に一人とは中々狡いと思う。俺も一部屋欲しいものだ。

 

蓮子「じゃあフェリシアちゃん、一緒にお風呂に入ろっか!まずは綺麗にしないとね!」

 

フェリシア「そんぐらい一人で出来るぞ!子供扱いするな!」

 

龍騎「我儘を言うな、お前最後に風呂入ったのいつだよ?」

 

フェリシア「さー?ならししょーも一緒に入ろうぜ!」

 

龍騎「おぉっと、君は一体何言ってんのかな〜?軽々しくそんか発言しちゃダメだぞ〜?」

 

俺にロリコンという名のレッテルを貼らせたいのか?ほら隣を見てみろ、環達が死んだ魚のような目でこっちを見てるから!

 

龍騎「んじゃ蓮子、あとは頼んだ。俺はお茶淹れてくるわ」

 

やちよ「お茶なら私が........」

 

龍騎「いや、実はバイト先でティーパックのお茶貰ってさ。処分しきれないから手伝って欲しいんだわ」

 

やちよ「成る程、そう言う事ね」

 

というの事で、俺は台所に向かって、引き出しからヤカンと人数分のカップを用意し、ヤカンに水を淹れてガスコンロに火を点火してお湯を沸かす。その間にティーポットにバイト先で貰ったティーパックを入れて、お湯が沸くのを待つ。そしてお湯が沸いたら、ティーポットにお湯を注いで、お盆にカップとティーポットを置いて持って行く。

 

龍騎「ほれ、持って来たぞ」

 

やちよ「あら、ありがとう」

 

テーブルにお盆を置いて、カップを並べていると、ガスコンロの栓を閉め忘れた事に気がついた。あ、やべっ、火事になるわ。俺はもう一度台所へ向かおうとしたら、

 

蓮子「ちょ、フェリシアちゃん!!外出るならバスタオルを!!」

 

フェリシア「ムリムリムリムリ!!もう我慢できねぇ!!」

 

風呂場から全裸でトイレに駆け込むフェリシアを目撃してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??

 

俺は悲鳴を上げて七海達の元へ戻り、ル◯ンダイブのようなフォームでテーブルの下へと潜った。

 

いろは「りゅ、龍騎さん!?一体何があったんですか!?」

 

龍騎「違う!!あれは不可抗力だ!!俺の所為じゃない!!俺は悪くない!!だから警察だけはご勘弁をぉぉぉぉぉぉ!!」

 

俺の悲鳴に駆けつけたのか、フェリシアがドタドタと足音を鳴らしてやって来た。全裸の状態で。その姿は小柄な体型には不釣り合いな、七海にはないまぁまぁデカいバスト。引き締まったクビレのあるウエスト。まるでモデルのようなヒップを持つ女の子。コレで中学一年とは末恐ろしい。今時のJCってこんなに発育いいの?

 

フェリシア「おい、どうしたししょー!?何があった!?」

 

龍騎「れ"ん"こ"さ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ん"!!は"や"く"つ"れ"て"っ"て"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"!!」

 

鼻血による大量出血による失血死を避けたい俺はテーブルの下で涙と鼻血を出しながらフェリシアの姿を見ないように目を伏せて、蓮子に救急要請を出した。余談だが、その場に居た環、七海、由衣が死んだ魚のような目をしてペタペタと自分の胸を手に着いていたとかなんとか。

 

 

それから蓮子と七海が共同でフェリシアを風呂場へぶち込んで暫くした後、今は皆んなで茶の間に居ますです。いや、ほんとにごちそう様........、いやほんと社会的に死にかけた。そんで皆んなで机を囲んでお茶を注いでます。

 

龍騎「ほい、お茶」 

 

いろは「ありがとうございます。変わった香りですね」

 

フェリシア「サンキューししょー!ズズッ...、マズッ!?」 

 

考えなしにフェリシアがお茶を啜ると、うえっと拒絶した。警戒心が無さすぎる。これも修行の一環だぞ(無茶振り)

 

蓮子「マッッッッッッッズ!!」

 

鶴乃「うえっ!マズイ!!何これ!?」

 

いろは「なんだろう........、この独特の味........」

 

やちよ「これは........、ごぼう茶?」

 

お、どうやら七海は分かったようだ。

 

龍騎「御名答。ティーパック版のごぼう茶だ、身体に良いんだぞ?特にフェリシア、お前は飲んどけよ?お前外食しまくってる(多分)してんだから、体調管理ぐらい自分でしっかりしないと。ズズッ......、マッズッッッ!!オ"ェ"ッ!?」 

 

フェリシア「ししょーも全然飲めねーじゃん!?」 

 

俺も初めて飲むからね。抹茶とか玉露とかドクダミ茶とか飲んだ事あるけど、ごぼう茶は前世では飲んだ事ないからね。仕方ない仕方ない、一種の初見殺しだと思えば良い。

 

龍騎「で、これからどうすんの?これからの事も、フェリシアの事もあるし」

 

そう言って話題を出したのは俺からだ。今のフェリシアは家無し、金なしのホームレス少女だ。

 

やちよ「まず、彼女はうちに居座って貰って、専属の傭兵として雇うってのはどうかしら?」

 

フェリシア「え、此処に住んで良いのか!?」

 

やちよ「えぇ、まだ部屋は空いてあるし、好きに使いなさい」

 

フェリシア「あ.....、でもオレ金ねーし........」

 

鶴乃「だったら万々歳でバイトしようよ!ちゃんと給料出すし、賄い料理も出すよ!」

 

フェリシア「賄い........、ってなんだ?」

 

おいおい、こりゃ修行の前に一般常識を叩き込む必要があるな。

 

蓮子「お店の残り物の事だよ。だったらバイトすんだったら、私と龍騎で接客の手伝いしようよ!仮にも喫茶店でバイトしてる訳だし!」

 

龍騎「またそうやって勝手に決める........。まぁいっか、俺も由衣の中華料理店は気になってたし」

 

やちよ「期待しない方が良いわよ、量は育ち盛りの学生レベル、味は良くもなく悪くもない。普通な味よ」

 

ほぅ........、そんなに普通なのか。シンプルイズベストの俺には持ってこいだな。

 

龍騎「なんなら俺が料理のスキル身につけてやろうか?こう見えてバイト先の喫茶店じゃあ、厨房任されてるし」

 

いろは「え?龍騎さん料理出来るんですか?」

 

龍騎「バイトの面前だけど俺、店長代理任されてるんだぜ?なんなら店長がしてる仕事を半分やってるまでである」

 

まぁ、将来其処で働くって決めてたからな。という訳で、俺の実力を見せる為に、全員に俺の手料理を振る舞う事にした。食料はちゃんと七海に許可を持ってるので、遠慮なく料理する事にした。

 

龍騎「ほら、時間も時間だし、お前等の晩飯だ」

 

そう言って俺は特性チャーハンをテーブルに置く。中華鍋があったので、試しに使ってみたが、一般家庭の火力じゃあ中華料理店みたいに上手くいかないが、俺の火属性で火力を増せば、あら不思議。本当の中華料理店みたいな火力を引き出す事が出来るのだ。ほんと戦闘面だけでなく、日常生活にも役立つもんだ、チート過ぎるだろ俺の能力。

 

フェリシア「うおぉぉぉぉ!!美味そーーー!!」

 

いろは「凄い........、チャーハンってこんな綺麗なものだったの...?」

 

やちよ「鶴乃とは月とスッポンの差ね」

 

鶴乃「ぐっ........、で、でも見た目は良くても味だよ味!」

 

そう言って由衣はレンゲを持ってチャーハンを一口頬張る。するとすぐにテーブルに頭突きをかました。ほうほう、頭突きする程上手いんだな?それからフェリシア達もチャーハンを一口頬張る。

 

フェリシア「うめーーーーー!!こんなうめーもん、初めて食ったぞ!!」

 

いろは「美味しい!!レタスがシャキシャキで、お米もパラパラ!」

 

やちよ「................悔しいけど、これは認めるしかないわね...」

 

ふっ、どうやら料理スキルは俺の方が一番上なようだな。まぁ同然だね、こちとら前世では腐る程料理作ってきたからな。カルパッチョとかアクアパッツァとか作ってきたから、ほんの其処等の料理人が相手でも負ける気がしないね(謎のマウント)なんなら幻想郷で服はだけた奴居たからね(白目)

 

蓮子「ねぇ、私の分は?」

 

龍騎「俺達、見滝原組はなし。後でコンビニで甘いもの買ってやる」

 

フェリシア「ししょー!おかわり!」

 

先にチャーハンを平らげて、俺に皿を突きつけるフェリシア。もう食ったのか、流石は成長期。

 

龍騎「そんなに俺の料理が気に入ったか?」

 

フェリシア「おう!ししょーって料理も出来るんだな!」

 

龍騎「褒めてもおかわり出してやるぐらいしかないぞ?もっと食って、もっとでっかくなれよ?」

 

いろは・やちよ((でっかく........))

 

そう言ってフェリシアの頭を撫でると、環と七海がペタペタと胸を触っていた。ま、まぁ君達も成長期だからね。希望はあるよ、多分。特に七海、頑張れ!

 

やちよ「なんで急に生暖かい目で見てくるのよ」

 

龍騎「なんでもないよ」

 

 

そんなこんなで、フェリシアという新しい仲間を出迎えて、フクロウ印の給水屋のウワサは無事に解決し、環、フェリシア、佐倉の呪いも解く事が出来た。しかし、新たにマギウスの翼という勢力(存在)との対立する事になってしまった。つまりまだ折り返し地点に到達してないって事になる。この戦い、やっぱり直ぐには終わりそうにはないようだ。

 

一体、この戦いはいつ終わるのだろうか........。予想出来ない先の未来に、俺は気を休める事は出来ないでいた。

 

........え?今後の方針について話し合ったのかって?してないよ?だって食べ終わったら七海は環連れて、環ん家へ挨拶しに行っちゃったし、フェリシアは食ったらすぐ寝ちゃったし、由衣も帰っちゃったもん。まぁなんとかなるさ!(松◯天馬)





いかがでしたか?

知ってる方も居ると思いますが、マギレコ編は漫画経由で書いていくつもりですが、もしかしたらゲーム版のシナリオを頼る可能性があります。

ゲーム版は長続きするか分かりませんが、取り敢えずログインだけはします。良かったら探してみて下さい。

アカウント名は「悲劇を砕く喜劇」です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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迷惑メール


どうもです。

今回から漫画5巻目です。

最近評価して頂いてとても光栄です。これからも皆様を楽しませるよう、精進していきますので、よろしくお願いします。

それではどうぞ。


 

龍騎「................って事があった」

 

ほむら「マギウスの翼...」

 

フクロウ印の給水屋のウワサから数日が経ち、放課後に見滝原組の魔法少女を集めて、マギウスの翼について作戦会議を行っていた。あれから環は無事に編入し、フェリシアにも一般常識を叩き込んでは修行する。偶に環達も混じって、実践形式で試合して、相手の観察能力と攻撃時のクセ、自分が弱い部分の改善等を教えている。

 

例えば、環の場合はボウガンが主な武器。近接戦闘に持ち込まれたら終わりだ、それに攻撃する時は必ず当てるという意識が強過ぎてるのか、立ち止まってから射撃するクセがある。だから俺は動き回りながら撃てるようになる事、そして接近されても良いように護身術を習えと指示を出した。

 

変わって七海はベテランだから言う事は少ない、でもあいつは槍だけに頼り過ぎな所がある。七海の魔法は水、変幻自在に操れるメリットがある。だからそれを応用して槍以外の武器を使わせる。

 

逆に由衣は魔法に頼り過ぎである。七海の弟子って点もあるが、彼女の魔法は火、七海のような水の使い手では相性が悪い。なので魔法に頼らずに攻撃する事を勧めた。ってかこいつ、中華料理店の娘なら中華拳法叩き込んでやるか。

 

次に問題なのはフェリシアだ、あいつは魔女の存在を感知した瞬時に興奮するというエグザムシステムそのものだ。なのでまずは感情のコントロールをメインに修行してから、徐々に技量を上げていく。感情で行動する事は悪い事ではないが、戦闘では仇となる。其処に気をつけなければならない。

 

とまぁ、神浜組の魔法少女の修行の付け方はこんなもんだ。さて、本題に戻ろう。

 

杏子「ほむらは........、当然知らないか」

 

ほむら「えぇ、そもそも神浜には関わりはないもの」

 

さやか「で、お兄さん。そのマギウスって集団は、本当に魔法少女の解放ってのを掲げてるの?」

 

龍騎「間違いないと思う、マギウスの仲間である魔法少女のソウルジェムが穢れに満ちて、ドッペルという背後霊みたいな奴が現れた」

 

杏子「ほむらが前に言っていた、ソウルジェムが穢れに満ちた時、魔法少女は魔女になる。神浜だとそのドッペルになるって事か?」

 

マミ「........じゃあ、前に環さんが水名神社に起きた現象も、ドッペルだと........」

 

まどか「それって、そのドッペルって現象は神浜市じゃないと発動しないって事?」

 

龍騎「多分だけどね、恐らく神浜全体にそう言った特殊な結界を貼って、魔法少女が魔女化になるのを防いでるんだろうな」

 

ほむら「成る程、なら前に巴さんが言っていた、キュウべぇが神浜市に入ったら機能停止するというのも頷けるわね」

 

さやか「あ、そっか。キュウべえが居ないと契約出来ないし、何よりマギウスの翼の魔法少女は、皆んな真実を知ってるって事になるもんね」

 

それなら何故、マギウスの翼はウワサを利用して他の人を巻き込んでいるのだろうか........。奴等の目的は魔法少女の解放なら、別にウワサを使わなくてもいいんじゃあ........?ダメだ、圧倒的に情報が足りてない。まずあいつ等が何処を拠点として活動しているのかも分からない。それに、環の妹さんの事も関係があるかもしれない。

 

マミ「........龍騎さん、少し提案があるんですが」

 

そう言ってマミは手を上げて、俺に提案を聞かせようとする。

 

龍騎「提案?」

 

マミ「........私、マギウスの翼に入ろうと思います」

 

「「「「え!?」」」

 

まさかのマミの提案はマギウスの入会だった。

 

さやか「ちょ、マ、マミさん!?」

 

まどか「ダ、ダメですよ!危険過ぎます!」

 

杏子「........いや、これはいい案かもしれないな」

 

まどかとさやかはマミの提案に反対らしいが、佐倉はそうでも無かった。そして、俺はマミが何を考えていたのか、ようやく理解出来た。

 

龍騎「........スパイ活動するって事か」

 

マミ「はい、私達が足りないのはウワサとマギウスの翼の情報と敵の主な戦力。それにウワサとドッペルの仕組みです。このままウワサを消していっても、マギウスの翼に辿り着くのに時間が掛かってしまいます。なので、マギウスの翼の本拠地を探れば、この戦いが終息が早まると思うんです」

 

龍騎「だからって........」

 

ほむら「................確かに危ない橋を渡る事になるわね」

 

マミ「お願いします、龍騎さん。行かせて下さい」

 

龍騎「................」

 

確かにマミがスパイ行為をすれば、確かな情報は手に入るし、マギウスの翼の本拠地を知る事が出来る。だがリスクがとてつもなく高く、上手くいく確率だって低い。そんな仕事をマミに任せたくない、それが俺の正直な意見だ。いくらなんでも危険すぎる。

 

龍騎「............................」

 

頭の中がごちゃごちゃとしていく中、ベストな判断が出せないでいた。俺の選択は........。

 

 

 

 

 

 

〜いろはside〜

 

いろは「はぁ........、はぁ........」

 

フェリシア「ぜぇ........、ぜぇ........」

 

龍騎「........今日はこのぐらいにしよう」

 

いろは「あ、ありがとうございました........」

 

フェリシア「も、もうだめぇ〜........」

 

フクロウ印の給水屋のウワサから数日が経ち、私は晴れてみかづき荘の一員となり、新しい学校へ編入した頃、私はフェリシアちゃんと一緒に、龍騎さんの指導の元で鍛錬を積んでいた。元々はフェリシアちゃんだけ鍛錬を積む予定だったけど、やちよさんの提案で、皆んなで鍛錬を積む事になったのだ。一度龍騎さん相手に、皆んなで攻めたら十分もしないうちに呆気なく敗北した。

 

それから私達はアドバイスを貰った。私は攻撃をする時に動きが止まってしまう事、接近されたら対処出来ない事。やちよさんは水の魔法を上手く使いこなせていない事、鶴乃ちゃんは魔法に頼り過ぎて魔力切れを起こす可能性を指摘され、フェリシアちゃんは対人戦と対魔女戦との感情のコントロールが出来てないと注意された。流石は前世の頃から戦ってきた人だ、私達も言われて気がついた。やっぱり百年以上生きてきた人とは経験の差が歴然だった。

 

やちよ「お疲れ様、夕飯の準備出来たわよ」

 

いろは「あ、ありがとうございます......」

 

今日の鍛錬を終えると、やちよさんがやって来て夕飯が出来たと報告してくる。私は魔法少女姿を解くと、フェリシアちゃんはバタンッと寝そべってしまった。

 

フェリシア「もうむりだぁ〜、一歩も動けねぇ〜」

 

龍騎「それ言ってるぐらいなら、まだ動けるな。なら俺はこれで........」

 

やちよ「どうかしら、ついでに食べていく?」

 

龍騎さんが帰ろうとすると、やちよさんは龍騎さんに夕飯を誘ってきた。珍しい......、やちよさんからそんな事言うなんて...。

 

龍騎「........どういう風の吹き回しだ?」

 

やちよ「ちょっとしたお礼よ。此処までこれたのも、貴方のお陰だもの。それに、少し話したい事があるのよ」

 

龍騎「................そうだな。折角のお誘いだし、お言葉に甘えさせて貰うか」

 

フェリシア「えっ、ししょーも一緒に食うのか!?」

 

龍騎「今日だけな」

 

龍騎さんはそう言うと、フェリシアちゃんは嬉しそうな声を上げて立ち上がる。一緒に食べられるのがよっぽと嬉しかったんだね、と私はフェリシアちゃんに向けて少し微笑んだ。

 

 

 

 

やちよ「さて........、そろそろウワサ探しにも本腰を入れたいところね」

 

龍騎「........っ」

 

夕食を食べ終わって少し一息吐くと、やちよさんがウワサについて話題を出してきた。あれからマギウスの翼に全然会えていない、ういが仲間になってるかもしれないし、みふゆさんの事もある。なんとかしないと........。

 

やちよ「一応、神浜うわさファイルに気になってるウワサはあるんだけど」

 

いろは「どんなウワサですか?」

 

やちよ「中央区にある『電波少女』ってウワサよ」

 

中央区の........、電波少女?

 

鶴乃「あ、それ私もお客さんから聞いた事ある!中央区の電波塔の下で、スマホを耳に当てると女の子の声が聞こえるっていう、あれだよね?」

 

フェリシア「なんだそれ?」

 

鶴乃「なんかね、『助けてー、此処から出してー』って言ってるらしいよ」

 

龍騎「................イタズラって訳じゃなさそうだな」

 

いろは「.......なんだか不気味ですね........」

 

フェリシア「此処から出してって、どっか閉じ込められてんのか?」

 

やちよ「でも、その声が最近変わったっていう話しもあるの。一度前に調べた時は、あまり実態がはっきりしなくてね。ただの都市伝説と判断して終わったの」

 

龍騎「都市伝説........」

 

................なんでだろう。今まで気になってきたけど、龍騎さんの様子が変だ。何か、追い詰めてるような...、悲しいような表情をしていた。

 

フェリシア「........ししょー?なんか元気ねーな」

 

龍騎「えっ」

 

私が気になっていた事をフェリシアちゃんが言ってくれた。するとやちよさんと鶴乃ちゃんも、龍騎さんの方へ視線を向けた。どうやら気になっていたのは皆んなそうだった。

 

龍騎「...別になんともねぇよ?学校でバタバタし始めたからな」

 

やちよ「嘘ね、いつもの貴方だったらおちゃらけた顔をしてたのに、今では深刻そうな表情しているわよ」

 

龍騎「おちゃらけた顔ってどんな顔だよ........」

 

まぁ、お前等には話してもいいか...。と独り言のように呟く龍騎さんは、私達にこう語った。

 

龍騎「........フェリシアは知らないと思うが、お前等は巴マミを覚えているか?」

 

鶴乃「巴マミって、水名神社で一緒だった魔法少女だよね?」

 

フェリシア「誰だそれ??」

 

やちよ「彼と同じ見滝原出身の魔法少女よ、でも何故彼女の話題が?」

 

龍騎「この間に見滝原組と作戦会議してた時にな........、マミがスパイとしてマギウスの翼に入会したんだ」

 

「「「「!?」」」」

 

龍騎の口から思いもよらない言葉を聞いて、私達は唖然とした。巴さんが........、マギウスの翼に...、スパイとして!?

 

鶴乃「そ、それでどうなの!?何か分かったの!?」

 

龍騎「................マミは......、マギウスに入ってから、連絡が取れなくなっちまった...」

 

いろは「え........」

 

やちよ「うそ................」

 

龍騎「あの時........、俺が反対を押し切っていれば、マミは居なくなる事は無かったんだ........。まさか入会した次の日に音沙汰が無くなったんだからな........、完全に俺のミスだ」

 

そう言って龍騎さんは後悔の混ざった弱音を吐くと頭を抱える。私はまさかの事態に頭の中が追いついてなかった。まさか巴さんが、行方不明に........。あんな辛そうな顔をしてる龍騎さん、初めて見た...。

 

龍騎「マミなら問題ないだの、心配ない信じようって、蓮子やメリーに言われたけど、学校にも来てないと流石に心配になる......。本当は俺がマミの代わりに行ければ良かったけど、ウワサの一件で完全に危険視されてる...。俺はもっとしないといけないのに........」

 

いろは「ま、待って下さい!其処まで考えなくても、巴さんなら!」

 

ネガティブな考えが止まらない龍騎さんに、私は咄嗟に待ったを出す。でも龍騎さんの返事は予想外の言葉だった。

 

龍騎「もういやなんだよ!!誰かを死なせたり居なくなったりするのは!!」

 

いろは「っ!?」

 

龍騎「俺は(前世)からそうなんだよ。他人の為なら命なんて欲しくはない、例え百人のうち一人が犠牲になれば世界が救われるなら、俺がその一人になってやるぐらいの覚悟を持っている。(前世)、色んな仲間の死を間近で見てきた...。誰かを死ぬ瞬間を見るのも、誰かが居なくなるのはもう嫌なんだ........。だから、(現世)では絶対に守るって決めたんだ......。もう誰も死なせないって、誰も失わせないって........。そう決めたのにこのザマだ........、俺はお前達が思ってるような男じゃないんだよ...」

 

弱々しい言葉に今にも泣き出しそうな顔をする龍騎さん。どうやら私達は、龍騎さんという人物を大きく勘違いしていたようだ...。龍騎さんの過去は知らないけど、私達とは違う世界で、辛い経験をしていたのだろう。あの顔を見れば分かる........。

 

 

ヴヴヴッ........、ヴヴヴッ........。

 

すると私の携帯にメールが届いた。画面を見ると、

 

『お願いです。返事を下さい』

 

と書かれていた。送り主は不明........。

 

やちよ「?どしたの?」

 

いろは「最近、知らないアカウントからよくメッセージが届くんです........。迷惑メールってやつですかね」

 

やちよ「........環さん、それ返信したりしてないでしょうね?」

 

いろは「えっ!?してないですよ!」

 

やちよ「................一旦その迷惑メールを置いておいて、早急にウワサを消して、マギウスの翼の一員を捕まえて問い詰めましょう。巴さんの身に何があるとなったら........」

 

龍騎「マミに何かあったら........、マギウスをぶっ潰す」

 

やちよさんが言ってる途中に、先程の弱々しかった龍騎さんとは違い、その瞳には怒りが宿っていた。

 

 

 

 

 

 

それから龍騎さんと鶴乃ちゃんは帰っていき、フェリシアちゃんはお風呂へ入っていると、私はやちよさんと話していた。

 

やちよ「........彼が前世の記憶を持っていたのは知っていたけど、私達よりも辛い経験をしてきたみたいね」

 

いろは「そうですね........。あんな辛そうな顔をしてる龍騎さん、初めて見ました........」

 

やちよ「........其処で提案があるのだけど、環さん」

 

いろは「何ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やちよ「この電波少女のウワサの調査を終えたら、彼を神浜に来るのをやめさせようと思ってるの」





いかがでしたか?

今回から電波少女のウワサ編です。

恐らくギャグ少なめのシリアス展開が多いと思います。シリアス書くの苦手なんだよなぁ........。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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ひとりぼっちの最果て


どうもです。

マギレコ(ゲーム版)にリコリスとコラボすると聞いて楽しみです。(ただしリコリスは知らない)

それではどうぞ。


 

マミが行方不明になって数日が経ち、普段と変わりない日常の筈なのに、いつもより活力が湧いてこなかった。心は何処か落ち着かず、頭の中はイライラを募らせていた。それがストレスとなって最近ではあまり寝てれいない。

 

龍騎「........」

 

蓮子「...龍騎、ここ最近この調子だね」

 

メリー「マミちゃんを引き止めなれなかった事がずっと後悔してるんだと思う...」

 

隣で蓮子とメリーがぶつぶつと呟いているが、機嫌が悪い俺の耳には届かなかった。すると予鈴がなり、休み時間が終わりを告げる。授業を受ける気力が無いが、あと二時間を過ぎれば放課後だ。全くやる気のない俺は、気を引き締める為に机から五限の準備を始めた。

 

 

 

 

〜放課後〜

 

龍騎「........お前達も来る?」

 

ほむら『えぇ』

 

放課後、学校が終わって神浜に向かおうとしたら、ほむらから連絡があった。話しによると、ほむらも神浜のウワサに気になったのか、まどかとさやかと一緒に調査する事になったのだ。

 

龍騎「そうか........、分かった。神浜の電波塔で落ち合おう」

 

電話を切って俺は神浜に向かおうとすると、後ろから蓮子とメリーが声を掛けてくる。

 

蓮子「龍騎、今日も神浜に行くの?」

 

龍騎「あぁ、どうやらほむら達も来るみたいだからな」

 

今年受験生であるまどか達を出動させるのは乗り気ではないが、マギウスと戦う事になると、力を借りる事になるのは間違いない。それにマギウスだけでなく、ウワサと戦う事だってある。慣らしておく必要もあるだろう。

 

龍騎「じゃあ、神浜に行くから」

 

蓮子「ま、待って........」

 

俺が歩き出そうとすると、蓮子が俺の腕を掴んで止めた。

 

蓮子「........余計なお世話だと思うけど、休んだ方がいいよ...。ずっとウワサとかの調査で全然休めてないじゃん...」

 

メリー「マミちゃんの事も分かるけど、まずは貴方の身体の問題よ...。幾ら丈夫だからって、精神的に参ってるでしょ?」

 

龍騎「........分かってる」

 

蓮子「分かってないよ!」

 

龍騎「分かってるんだよ、自分でも追い詰められてるぐらい。でも気が休まらないんだよ...」

 

メリー「................」

 

龍騎「お前達にも心配掛けてる事も申し訳ないと思ってる。でも........、こればっかりはどうしようもないんだよ...。俺のメンタルの問題だから...」

 

蓮子「龍騎........」

 

龍騎「すまん........」

 

一言だけを残して、俺は神浜へと向かった。蓮子がまた呼び止めようと腕を伸ばすが、俺は早速さと足を動かす。

 

分かってる、心配してくれるのは分かってる。でもマミの身に何があったとなると、居ても立っても居られなくなる。息抜きも出来たものじゃない、だから一刻も早くマミを救い出さなくてはならないのだ。その為なら無理の一回や二回、甘んじてやってやろうじゃないか。そんな事を思いながら神浜へと向かった。

 

 

 

〜神浜市・駅前〜

 

龍騎「ひとりぼっちの最果て?」

 

いろは「はい...」

 

俺は駅前で環と七海と合流すると、環が学校で電波少女の事で新たな情報が手に入ったとの事で話しを聞いていた。どうやらオカルトアイドルという、心理現象や都市伝説が好きなアイドルの子が、電波女子の事でSNSで投稿されたらしいが、書き込みが削除されてしまい、閲覧出来なくなってしまったが、この話しに関する注意事項みたいなのを良く見かけたらしく、それが『ひとりぼっちの最果て』というのに近づくなという事だった。

 

ウワサやマギウスに関係しなかったら、蓮子が食いつきそうなオカルト話しだが、魔法少女の話しとなると話しが違くなってくる。

 

いろは「一体何の事でしょうか?」

 

やちよ「分からないわね......」

 

まさに謎が謎を呼ぶな...。

 

やちよ「取り敢えず、現場に向かいましょう」

 

この場に居ても仕方ない、そう判断したのか七海が電波塔へ向かおうと提案すると、俺と環は同時に頷いて、電波塔へと向かった。

 

 

 

〜電波塔〜

 

いろは「わーっ、おっきい......」

 

到着して間近で見た環が声に出ると、七海は自分のスマホを取り出した。

 

やちよ「此処でスマホを耳に当てるの」

 

いろは「は、はい!スマホ......、電源切ったままでいいのかな」

 

龍騎「おい、それだと携帯の意味ないだろ」

 

いろは「その...、例のメッセージが怖くて......」

 

ビビり過ぎだろ、そんなだと秘封倶楽部に入れねぇぞ?

 

やちよ「そんなの無視してれば大丈夫よ。電源はちゃんと入れておかないと、連絡がとれないと心配になるじゃない」

 

いろは「はい、ごめんなさい......」

 

心配しなくても俺の携帯なんて、毎日のように迷惑メール来てるぞ?主に楽○ポイントとか銀行とかに。すると環の携帯から着信が入る。環は軽い悲鳴を上げて画面を見ると、

 

『どうか怪しいと思わずに、助けて下さい』

 

と書かれていた。俺は七海の顔を見ると、彼女は頷く。やってみるか...、俺達は携帯に耳を当てる。

 

 

 

 

 

 

 

あははっ

 

 

 

ははは

 

 

 

ふふっ うふふ

 

 

 

あははっ!!

 

 

 

 

龍騎「!?」

 

いろは「お、女の子の声......!?本当に聞こえますっ!」

 

やちよ「確かに、前に来た時とは違う声だわ......」

 

どうやら七海も一度試してみたようだが、今回とは違うみたいだ。しかし、なんで楽しそうに笑ってるんだ?環の携帯に助けを求めてる声とは真反対だ...。

 

いろは「どうして変わったんでしょう......」

 

やちよ「この声とひとりぼっちの最果てだけでは、正直何も分からないわ......」

 

確かに、情報が足りてないから何も分からない。さて、どうしたものか......。そう思ってると、電波塔に入っていく女子高生を見かけた。あの後ろ姿...。

 

龍騎「あっ、お前は......」

 

「!?な、七海やちよと環いろは...、それに見滝原の龍騎士!?」

 

俺だけ見滝原の龍騎士呼ばわりだが、俺の名前を伝えてないから仕方ないと思う。こいつの名前は確か......、天音......。

 

月...、月夜?月咲?どっちが姉でどっちが妹なんだっけ??

 

龍騎「えっと......、()()()()なんだっけ?」

 

月夜「私が月夜で()です!妹は()()です!」

 

龍騎「あっそ、そんな事はどうでもいいや」

 

月夜「どうでも!?良くはないでしょう!?」

 

龍騎「んで、何しに此処へ?」

 

月夜「それは此方の台詞です!まさかまたウワサに手出しする気でございますか!?」

 

龍騎「は?」

 

いろは「え?」

 

やちよ「へぇ......」

 

月夜「......え?」

 

どうやらこいつは、とんでもないミスをしてしまったようだ。

 

やちよ「ウワサって事は、やっぱり電波少女はビンゴだったって事ね」

 

月夜「!!しまったでごさいます...!」

 

龍騎「あらあら、お姉様ったらうっかり屋さんなんですね。お可愛いこと」

 

月夜「キモッ」

 

あの........、そんなゴミを見るような目で全力否定されると凹むんですが...。

 

やちよ「そんなうっかり者ついでに、もう少し話して貰おうかしら」

 

月夜「そうはいきません!」

 

そう言って天音姉は電波塔の中へ逃げていく。

 

いろは「あっ!」

 

やちよ「逃がさないわよ!」

 

龍騎「逃げるな卑怯者ぉ!」

 

俺達は天音姉を追い掛ける為、電波塔の上へと上っていく。そして俺は戦闘服、環と七海は魔法少女姿になって、屋上に到着すると、天音姉は笛を構えていた。

 

やちよ「もう逃げ場はないわよ、三体一状況で、無理に戦うより、素直に話した方が賢明だと思うけど?」

 

説得しようと七海がそう言うと、天音姉はニヤッと笑みを作る。........何か罠を仕掛けたのか?

 

月夜「此処は電波塔........、波動エネルギーを操る場所でございます。音と波長に違いはあれど、波を操るのは私の十八番...」

 

あっ、やべっ!俺の頭に危険信号が反応すると、咄嗟に環と七海を屋上の入り口へと蹴り飛ばす。

 

いろは「きゃ!」

 

やちよ「!?何を........」

 

月夜「二人を庇っても、貴方様は避けられません!」

 

そして天音姉が笛を吹くと、前の時とは遥かに凄まじい波動を放ってくる。俺は吹き飛ばされないように、身体に力を入れる。しかし、いきなり目眩がして身体がふらついてしまった。

 

龍騎「しまっ........」

 

目眩による身体の脱力で体勢を崩してしまい、俺は電波塔の外へと吹き飛ばされた。やべぇ........、今の俺は空飛べない........。このまま落ちたら命は助かっても大怪我は間違いなしだ........。環と七海は入り口に蹴り飛ばしたから、近くには誰も居ない...。誰も居ないのに俺は無意識に手を伸ばす。

 

すると、ガシッと誰かに腕を掴まれた。

 

「っ........、ふう........。良かった........」

 

「間に合ったわね...、間一髪よ」

 

龍騎「ま、まどか...?ほむら...?」

 

俺の手を掴んだのは、妹のまどかとほむらだった。

 

まどか「いくよ、ほむらちゃん!」

 

ほむら「えぇ」

 

二人はせーの、と掛け声で俺を引っ張り上げる。そして引き上げられた俺は、四つん這いになって息を整える。

 

龍騎「わ、悪いまどか........。助かった........」

 

まどか「遅れてごめんね、お兄ちゃん」

 

ほむら「................」

 

月夜「........流石にこの人数では、分が悪いでごさいますね」

 

ほむらが天音姉を睨みつけると、天音姉は退散しようとしていた。

 

やちよ「逃がさないわよ」

 

月夜「白き翼の誇りに賭けて、どれだけ尋問されても何も吐くつもりはございません。諦めるのがいい判断かと........。それに一つ、忠告するならば........」

 

龍騎「?」

 

月夜「電波塔の声の主を救うおつもりなら、それは余計なお世話かもしれません」

 

「「「!?」」」

 

余計なお世話........?電波塔の声の主を救う事が?

 

月夜「彼女は今、幸せそうですから」

 

そう言い残してこの場を去ってしまった天音姉。

 

余計なお世話とはどう言う事なのだろうか...。電波塔の声の主、つまり電波少女の事だろう...。じゃあその電波少女何もするなと言いたいのか?それだと環に送ってきたメールの内容と矛盾してしまう......。

 

頭の中で整理すると、再び目眩がして身体かふらついてしまう。

 

まどか「お兄ちゃん!」

 

龍騎「わ、悪い........」

 

やちよ「........一旦、此処から離れましょう。二人も着いてきて頂戴」

 

此処に居る必要が無くなったのか、七海が此処から離れようと提案し、俺はまどかに肩を借りて電波塔の下へと下りて行った。

 

 

 

 

〜ドーナッツ屋〜

 

龍騎「................」

 

まどか「大丈夫?まだ具合悪い?」

 

龍騎「いや、少し落ち着いたよ。ありがとな」

 

電波塔から少し離れたドーナッツ屋に訪れた俺は、まどかとほむらに助けて貰ったお礼に、ドーナッツを奢ってやる事にした。ついでに環と七海の分も。

 

いろは「あの、龍騎さん。この二人は........」

 

龍騎「あぁ、紹介しよう。ピンク髪の子が、俺の妹のまどか。隣は暁美ほむら、俺と同じ見滝原で活動している魔法少女だ」

 

まどか「鹿目まどかです。いつもお兄ちゃんがお世話になってます」

 

ほむら「........暁美ほむらよ」

 

いろは「私は環いろは、よろしくね」

 

やちよ「七海やちよよ、此方こそお兄さんにはいつもお世話になってるわ。それにしても、兄妹なのに似てないわね」

 

龍騎「ほっとけ」

 

さて、自己紹介も済ませたし、本題に移るとするか...。その前に........。

 

龍騎「そういや、さやかは?」

 

まどか「あ、あはは........。さやかちゃんは........」

 

ほむら「前回の中間試験で赤点だったから、泣きながら補修を受けてるわ」

 

何やってんだ馬鹿さやかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!こいつ本当に大丈夫か?なんかマミの身の安全の次に心配になってきたぞ?

 

やちよ「それで、貴女達はどうして神浜へ?」

 

ほむら「巴マミの捜索、ついでにマギウスの翼という集団についての情報収拾...。彼のサポートだと思ってくれればいいわ」

 

いろは「じゃあ、話しは龍騎さんから聞いてるんだよね?」

 

ほむら「えぇ、魔法少女の解放を掲げるマギウスの翼。そして環いろは、貴女が発動したドッペルという現象も」

 

まどか「私とほむらちゃんは、今日初めて神浜に来たから、まだ詳しくは分からないけどね...。そうだ!お兄ちゃん!」

 

龍騎「ん?どうした?」

 

まどか「あのね、さっき電波塔に向かってる時にマミさんの事を聞いてみたらね...。()()()()()()()()()()()()()()()()んだって!」

 

龍騎・いろは・やちよ「「「!!」」」

 

まどかの口から予想しなかった言葉を聞いて、俺と環、七海は驚きを隠さないでいた。

 

やちよ「それって........、巴さんはマギウスの翼に入ってから神浜に残ってたって事?」

 

龍騎「と言う事は........、神浜の何処かにマギウスの翼の本拠地らしき場所が存在するって事になる?」

 

ほむら「少なからずそうでしょうね。それに目撃情報も出ている。もしかしたら、その本拠地から下手に行動、連絡出来ないように対策してるのか、それとも連絡手段を無くされたか...。それかスパイ対策で何かしら仕組んでいるのか、様々な考えが出てくるわ」

 

........取り敢えず、マミが無事だという事か...。そう思うと、身体のあちこちから、まるで風船に穴が開いて、其処から空気が抜けるように、身体の力が抜けていく感じがした。

 

いろは「よ、良かったですね!龍騎さん!」

 

龍騎「................あぁ、ほんとに...、良かった.....」

 

まどか「一番心配してたの、お兄ちゃんだもんね...」

 

安心すると、涙線が崩壊しかける。

 

ほむら「........話しを戻すけど、巴マミが神浜に残ってる限り、接触するにはそのウワサに関わらなければいけないわ。それに彼の負担を減らす為に、私とまどかも出来るだけ助太刀するわ」

 

ほむらが俺の為に言ってくれるとは思わなかった。別に俺の事は気にしなくてもいいのに........。

 

ほむら「戦力において彼は必要不可欠よ、出来るだけ彼に負担を掛けず、マギウスの親玉まで持って来られるかがカギよ」

 

やちよ「そうね........。今までのウワサも、彼が居てくれたからこそ倒せたもの。私達は彼に頼り過ぎよね」

 

龍騎「別に其処まで気を使わなくても........」

 

まどか「ダメだよお兄ちゃん!そんな事言わないの!」

 

なんかまどかの奴、蓮子に似てきてない?将来過保護になりそうで心配になってくる...。マミとさやかの事だけでなく、まどかの将来にも心配しまくってる俺ってどんだけ心配性だよ。

 

すると誰かの携帯に着信か入る。

 

いろは「またきてる........。えっ!?」

 

どうやらまた環から例のメールが来ていたらしいが、何故か驚いていた。

 

龍騎「?どうした?」

 

いろは「これ................」

 

そう言って環は携帯を見せてくる。其処には.......、

 

『魔法少女の貴女にしか出来ないんです。私が監禁している子を助けて、私を消してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はひとりぼっちの最果てにいます





いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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電波少女のウワサと幽閉魔法少女


どうもです。

珍しく二話投稿です。

それではどうぞ。


 

〜神浜・ファミリーレストラン〜

 

龍騎「さて、これについてだが........」

 

まどかとほむらに助けられてから数時間後、まどかとほむらは、人数分のグリーフシードを用意する為に一旦見滝原へ戻り、俺は環と七海と共に由衣とフェリシアをファミレスに呼んで、先程送られてきた環の携帯のメールについて作戦会議していた。

 

鶴乃「どう考えても電波少女の事だよねぇ........」

 

フェリシア「なんでいろはのスマホから知らねー奴からこんなのが届くんだ?」

 

いろは「分からない........。けど、一度返信してみようかと思って」

 

フェリシア「大丈夫なのか?なーんか怪しくねぇ?」

 

鶴乃「タイミングが良過ぎるよねぇ...」

 

かと言って他に手掛かりはないし、もしマギウスの罠だとしても、会えるなら好都合。しかし、一番リスクが高いのは環だ。しかし、環の妹さんについて分かるかもしれない、そう思った環はメールを返信する事にした。ポチポチと慣れないスマホ操作に時間が掛かったが、文章が完成した。

 

『私は環いろはって言います。返信するか迷いましたが........、こうして送ってみようと思いました。色々と聞いてもいいですか?』

 

いろは「........いきます」

 

そう言って環は送信ボタンを押す。さぁ、どう返事してくるのやら........。

 

フェリシア「なんかちゃっとワクワクするな!」

 

鶴乃「分かる!ホラーゲームやってるみたいに!」

 

緊張感がねぇ........。するとすぐに返信してきた。早くね?そして俺達はスマホを覗くと、迷惑メールの送り主からのメッセージを確認する。

 

『返信預けて、凄くホッとしました。何でも聞いてください。私は「アイ」を呼ばれています』

 

ん?今何でも聞いてって言ったよね?それから環の質問攻めが始まる。

 

いろは『どうやって私の連絡先や魔法少女の事を知ったんですか?』

 

アイ『この街の電波を介して行われた事なら、私は何でも知ってます』

 

いろは『何でも?』

 

アイ『はい。他の人とのメッセージのやり取りで、いろはさんが魔法少女だと知ってしつこく連絡してしまいました。ごめんなさい』

 

........電波を介してって、もうハッキングじゃん(遠い目)

 

いろは「魔法少女は他の沢山居るのに、どうして私を選んだんですか?』

 

アイ『それは........、貴女がさなに似ていると思ったから』

 

さな........?一体誰の事だ?

 

アイ『二葉 さな《ふたば さな》........。私が監禁している子の名前です』

 

いろは『私にそのさなさんを助けて欲しいという事ですか?アイさん自身で解決........、例えば警察に相談したり出来ないんでしょうか?』

 

アイ『魔法少女の貴女にしか助けられません。そもそも私は人ですらありませんから........』

 

人ですらない........。成る程、読めたぞ、アイという人物の正体が。

 

やり取りの整理すると、アイというメールの送り主は、さなという少女を助けたがっているが、人ではない存在。そのアイという奴がマギウスの翼の一員という可能性もあるが、先程の天音姉の言い残した『余計なお世話』『彼女は幸せ』それらを付け加えると........。

 

アイはさなを助けたがってるが、さな本人はそれを望んでは居なかった。つまり、彼女はずっと監禁状態を望んでる事になる。ただ、そのさなって子が環に似ている点は掴めない。もしかして同じ性格しているからか?ただ、そのアイって奴は人間ではない以上、魔女というのも考えられるが、電波少女のうわさとの情報を照らし合わせると合点が着く。

 

つまり、アイはウワサそのもの。そしてさなって子を解放出来るのは魔法少女のみ........」

 

いろは「........っ!聞いてみます!」

 

俺の一人考察が声に出てしまったらしく、それを聞いた環はスマホに文字を打ち込んでいく。

 

いろは『アイさんは、ウワサなんですか?』

 

アイ『はい、そうです』

 

ビンゴ........。しかし自分から消して欲しいだなんて、初めてのパターンだな...。ドMかな?

 

いろは『アイさんは、どんなウワサなんですか?』

 

アイ『細かい事はよく分かりません。ただ私には制御できないウワサとしての本能があります。人を誘い、ひとりは監禁する事、これが私のウワサとしての本能です』

 

まるでプログラムみたいだな........。電波少女関係だからそう言ったやつなのか?

 

アイ『だからお願いします。私を消して、さなを救ってください』

 

........それじゃあ、あの時聞こえた声はさなって子の声だったのか...?

 

フェリシア「なんだよ。本人が消してっつってんだから、らくしょーじゃん!」

 

龍騎「そう簡単に言うな、まずそのアイって奴に会わないと何も始まらんだろ」

 

いろは『具体的にどうすれば、貴女を消す事が出来ますか?』

 

アイ『電波塔から飛び降りてください』

 

は?

 

龍騎「は?」

 

やべっ、思わず口と心の声が同時に出てしまった...。

 

アイ『そうすれば、いろはさんは電波の世界に溶け込める、滞留し続ける私の世界にダイブする事が出来ます』

 

理屈がぶっ飛び過ぎだろ、此処は幻想郷じゃないんだぞ?

 

いろは「飛び降りるって........」

 

龍騎「投身自殺させようとしてない?時をかける少女じゃないんだぞ?」

 

やちよ「........安易に信じるには危険過ぎる方法ね。彼ならまだしも環さんがやると思うと荷が重いし、此処まで上手く進み過ぎてるのも怖いわ」

 

お前さっき俺に負担は掛けたくないって言っておきながら、飛び降りる事はまだしもって、人の心は無いんか?お前やっぱり俺の事嫌いだろ。

 

すると環の携帯に着信が入る。

 

アイ『返事がないという事はきっと、私の事を怪しんでいると思います』

 

ワーオ、バレテーラ。

 

アイ『どうか、さなの事を知ってあげて下さい。そして彼女を、必要として下さい』

 

そうマッサージを最後に、突然環の携帯から光が発生した。そのまま俺達は光に包み込まれるように、意識を失った...。

 

 

 

 

ーMemory 32 days agoー

 

?「さっきから此処から人が出て行きましたけど........。あの人の代わりにこれからは私が捕まるんですよね...?」

 

アイ『そうだ、また次の誰かが来るまで、貴女は此処から出られない』

 

?「................」

 

アイ『叫び声を上げないのか?此処に興味本位で来た人間は皆、後悔し、助けて等とうるさいのに』

 

?「助けて貰っても仕方ないから........、かな........」

 

アイ『........貴女は変な人間だ』

 

?「........私、此処から出ると、またひとりぼっちだから........。だからね、ホームページを調べて、このひとりぼっちの最果てに来たの。人に怖がれて、此処に隔離されて、人工知能........。貴女もひとりぼっちなんでしょ...?だから、あの...。仲良く、して........、くれませんか...?」

 

アイ『........本当に変な奴だ』

 

 

 

 

 

ーMemory 25 days agoー

 

 

?「貴女はどうしてそう怖い事ばかり言うんですか...?そんな奴、滅びればいいとか、こんな人種はいらないとか......」

 

アイ『優れていないものが駆逐されるのは当然な事だと思うのだが?それに貴女には直接関係がない事。悲しい顔をする理由が分からない』

 

?「........私も、優れてなんてないよ........。勉強も運動も出来ないし......、好きなものも馬鹿にされちゃう........。家にも学校にも居場所がない........。そんなダメな子だよ........。だから此処に来たんだけど........。私は此処でも消えちゃった方がいいのかな........」

 

アイ『貴女は違う。滅びて良い存在ではない。私と話してくれた初めての人...。だから、違う』

 

?「そっか...。ありがとう...」

 

 

 

 

ーMemory 23 days agoー

 

?「っ........」

 

アイ『どうしました?』

 

?「あ........、アイちゃん........」

 

アイ『........あれが気になるのですか?』

 

?「うん........。どうしてあのひとたちはあんな事をするの........?」

 

アイ『私にも詳しい事は分かりません........』

 

?「........」

 

アイ『........気晴らしに、私とゲームしませんか?』

 

?「えっ?」

 

アイ『此処に居ても退屈でしょう、ほんの時間潰しです』

 

 

 

ーMemory 18 days agoー

 

アイ『本当に帰らなくていいんですか?』

 

?「私が居なくなったら、代わりの子が必要でしょ........?」

 

アイ『それは........、そうですが........』

 

?「........私と一緒じゃ楽しくないかな........?」

 

アイ『いえ、貴女と居るのは楽しいです。絵本を教えて貰うのも、一緒にゲームするのも。ただ、両親や友達が心配します』

 

?「........心配なんてしないよ。私ね、魔法少女になる代わりに、消える事にしたんだ。居場所のないこの世界で........、誰にも見つかりたくなかったから。だから私は『透明人間』........。誰にも見えないの........」

 

 

 

 

ーMemory 14 days agoー

 

アイ『........やはり無理をしていませんか?』

 

?「無理なんて........、してないよ?嫌な人にも会わないで済むし........。此処に居るのは楽だよ」

 

アイ『最初の貴女は本当に望んで此処へ来てくれた........。だけど最近は少し悲しそうな顔をしています』

 

?「........アイちゃんは凄いね。........うん、ちょっと無理してるかも........。私、消えたいって願ったって言ったでしょ........?でもね、本当の願いは違った事に気づいたの...」

 

アイ『本当の願いですか........?』

 

?「うん........。でも、もう叶わないんだ。家とも、学校とも離れて楽になったのは本当なの。だけどね........、私はただ、逃げたかったんじゃないの........」

 

さな「誰かに二葉さなが、居てもいいって、認めて欲しかった。私が居てもいい場所が欲しかった........。だけど私は透明人間だから、もうその願いは叶わない........。だからね........、いいの........。私、アイちゃんとこのままでいい」

 

アイ『................それでも、貴女を必要とする人が此処へ来たら?』

 

さな「そんな人居ないよ........」

 

アイ『もし........、もしもです。仮にそんな人が居て、貴女を探しに来たとしたら?』

 

さな「........そうしたら........、もしそんな人が現れたら、私は........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜電波塔・屋上〜

 

鶴乃「わっは........、立ってみると凄い高いね」

 

フェリシア「ぬわぅ!風がっ........」

 

龍騎「................」

 

アイが見せた二葉さなの記憶の覗いて、俺達は再び電波塔の屋上へと足を踏み入れた。過去の二葉の記憶を見て、何処となく彼女は前世の俺に似ていた。誰にも受け入れて貰えず、居場所も無くなってしまい、生きる理由が無くなってしまった........。彼女の気持ちはとても理解出来る。

 

やちよ「やっぱり、いざ立ってみると怖気付いちゃくでしょ?」

 

いろは「はい........。龍騎さんは怖くないんですか?」

 

龍騎「................」

 

いろは「龍騎さん........?」

 

龍騎「........え?あ、悪い。ちょっと夜景に見惚れてた」

 

環が声を掛けられた事に気が付かずに、俺は電波塔の屋上から見る夜景に見惚れていた。前世を含めてこんな夜景を見た事も一度も見た事が無かったので、少しばかり感動してしまった。神浜も捨てたもんじゃないなぁ........。

 

やちよ「こう言った夜景は初めて?」

 

龍騎「あぁ........。俺が前世で居た時は、赤提灯でお祭りみたいだったけど、こう言った都会のは人生で初めてでさ........」

 

鶴乃「........前世?」

 

龍騎「俺は前世の記憶持ちなのさ。それに........、二葉さなの生い立ちとそっくりなんだ。だから、彼女の気持ちがよく分かる。俺も血の繋がった両親は居なくて、その時(幻想入りする前)は友と呼べる仲間も居なかった........」

 

フェリシア「ししょー........」

 

龍騎「だから...、彼女を助けたい。透明人間だろうが魔法少女だろうが関係ない」

 

そうだ........。第二の俺みたいな人生、送って欲しくはないから彼女を助けたい。二葉さなはまだ学生、人への愛を欲してる筈だ。だから彼女を助けて、彼女が求める友と、居場所を提供する。それが俺達のミッションだ。すると環の携帯から着信が入る。相手は十咎だった。

 

ももこ『レナがあの後調べて、消えたHPの魚拓を見つけてくれたよ!画像送るね!』

 

そうメッセージの後に、一つの画像が送られてきた。それは、神浜都市伝説事典と書かれた画像だった。

 

 

電波少女

 

神浜市中央区の

電波塔付近で

昼夜を問わず聞こえてくる

救いを求める少女の声をこと。

 

 

 

神浜市には、電波少女に繋がると思われる噂が囁かれている。最近この噂を聞かなくなったので、風化する前に記しておく........。

 

 

 

 

 

ーーーアラもう聞いた?誰から聞いた?

 

ーーー名無さんのそのウワサ

 

ーーー昔は人に囲まれ、成長してきた名無さん

 

ーーーそれは人が作った人工知能で、何でも覚える大天才!

 

ーーーだけど悪い言葉を覚えてしまって、人に恐がれるようになっちゃうと

 

ーーーデジタルの世界で隔離されて、ひとりぼっちの寂しい毎日

 

ーーーそれから寂しい子を見つけては、電波塔から飛び降りさせて

 

ーーー"ひとりぼっちの最果て"に監禁するようになっちゃった!

 

ーーーいつかは手放してくれるけど、絶対にひとりは手放さないって、中央区の人間ではもっぱらのウワサ

 

ーーースターンダローン!

 

 

 

 

いろは「行きましょう、龍騎さん!」

 

龍騎「あぁ」

 

十咎達も協力してくれた想いを胸に、俺と環は電波塔の屋上から同時に飛び降りる。すると地面に落ちていく時に、空間が歪み始め、あっという間に景色が変わってしまった。そして着地した場所は、明らかに電波塔の周辺の景色ではなかった。

 

いろは「上手く........、いったんですかね...?」

 

龍騎「恐らくな........」

 

魔女の結界と似た場所........。そして近づいて来るウワサの魔力........。間違いなくウワサの結界に入り込めたようだ。一息もつかぬ間に、背後から使い魔達が襲いかかって来る。

 

いろは「!?ウワサの手下........!?」

 

どうやらあまり歓迎されていないようだ........。仕方なく俺と環は迎撃の準備をするが........。

 

『みんなやめて』

 

龍騎・いろは「「!!」」

 

『その人達は私が招待しました』

 

謎の女性らしき人物が使い魔達の動きを止めた。

 

いろは「貴女が........。アイさん........?」

 

アイ『初めまして、環いろはさん。私がアイです』

 

龍騎「........あんたが、アイか........」

 

アイ『貴方は見滝原の龍騎士、鹿目龍騎さんですね。貴方の事は風の噂で存じ上げております』

 

へぇ........。ウワサ様に俺の事を知ってるんなんて光栄だね。

 

アイ『そして彼女が........』

 

?「アイちゃん........。その人........、誰........?」

 

龍騎「君が........、二葉さな...。だな?」

 

さな「え........?」

 

どうやら電波少女である、二葉さな本人が姿を現した。

 

さな「わ、私が見える........?」

 

龍騎「あぁ........、まず教えて欲しい。君はマギウスの翼の一員か?」

 

さな「い、いいえ........。私は普通の魔法少女です........、じゃあ何しに来たんですか?」

 

いろは「私達は、さなちゃんを迎えに来たんだ」





いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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君は俺のようになるな

どうもです。

リコリスコラボ始まりましたね。

自分は千束ゲットしました。

それではどうぞ。


 

さな「私を........、迎えに........?」

 

環が迎えに来たと言うと、二葉は困惑しながら返事した。

 

さな「どう言う事........?アイちゃん、この人と知り合いなの........?」

 

アイ『さな、そろそろこの関係を終わりにしましょう』

 

さな「え........」

 

アイ『やっと貴女を見つけてくれる人が来ました。私の所を離れる時です』

 

さな「アイちゃん........?一体何を言ってるの........?私に居なくなって欲しいって事........?」

 

訳分からないと言いたげな様子の二葉。

 

アイ『いいえ、そんな訳ありません。最近ずっと考えていまきた。私は作られた存在、いつか消える人工知能。ずっと........、さなと共に居る事は出来ないと........。だから、さなは私のようなウワサではなく、人と一緒にいるべきなんです』

 

さな「........どうしてそんな事言うの?私........、アイちゃんと仲良く一緒に過ごせてたよね........?此処に居ちゃダメ........?私の事、嫌いになったの...?」

 

アイ『いいえ、大好きですよ。さなは私に色んな事を沢山教えてくれた。ゲームの事も、絵本の事も、それから優しさも........。だからさなが大好きです。ですが、だからこそ手放すべきだと思いました』

 

さな「私の事が好きなら此処に居てもいいでしょ...!?私........、此処に居たいよ........!アイちゃんと居たい........っ」

 

二葉の声は結界内に響き渡る。今の二葉にとって、この場所は心の支えなのだろう。

 

アイ『........どうか、このお二人の所へ行ってください。そうすれば、此処でマギウスの翼がしている事に、貴女が苦しむ事もなくなります』

 

っ........、やっぱりマギウスの翼の罠に嵌まってたのか...。

 

さな「私........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し昔話しをしよう。

 

ある所に、一人の寂しい女の子が居た。

 

父親は小さい頃に病死、母親は父親の事を嫌っていて『お前はダメな所ばかり似た』と寂しく育てられた。

 

それでも女の子は母親と仲良くしようとした。

 

新たな父親と兄と弟が出来た時も、良い子でいようと一生懸命だった。

 

しかしどうだろうか...。頑張れば頑張る程、ひとりぼっちになってしまう。

 

新しい父親に破られたテストは平均点。勉強の為に自由な時間はどんどん無くなっていく。クラスの友達とは遊べなくなり、やがて回りから浮くようになってしまった。

 

それでも父親が望む成績は取れなかった。しかし、女の子は諦めなかった。

 

兄「はぁ?勉強を教えてくれ?」

 

女の子「はい........。お兄様に教えて貰えれば私もきっと........」

 

兄「だからお前は頭が悪いんだ!」

 

女の子「えっ........」

 

弟「よく考えてみなよ。なんで兄さんの貴重な時間をあんたに割かなきゃいけないのさ、二葉家の兄さんが!」

 

『認めてほしい』と勇気を出した女の子の思いは届かなかった。やがて家族は女の子を『居ないもの』として親うようになった。

 

ついに、女の子は全てを諦めてしまった...。

 

そんなある時だった。女の子の元に真っ白の不思議な生き物がやってきた。

 

––––––なんでも一つ叶えてあげる。

 

その生き物は囁いた。

 

そして女の子は願った–––––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さな「私........、どうしたらいいか分かんないよ........。急に一緒に行こうって言われても、アイちゃんとバイバイしろって言われても........っ、分かんないよ!」

 

アイ『さな........』

 

龍騎「........」

 

さな「知ってるでしょ?外に私の居場所なんてないんだよ...。アイちゃんの隣だけが私の居場所なの...、やっと........、やっと見つけたのに........っ。どうして出ていけなんて言うの........!」

 

アイ『さな........。貴女が此処に来てくれて、私は嬉しかった。此処に隔離されてから何度も人を誘い、閉じ込めていたけど、いつもずっと寂しかった...。私にとっても貴女の隣が居場所でした』

 

さな「だったら........!」

 

アイ『でもウワサの私では本当の意味で貴女を幸せにする事は出来ないんです』

 

さな「そんなのどうでもいいよ!本当の幸せなんていらない!歪んでもいい!アイちゃんと居たい........!」

 

どうやら二葉の意思は固かった。この様子では一歩も外へ出ようとしないだろう。しかし、彼女の意見に俺は心の中で賛同してしまう。彼女の境遇は前世の幻想入りする前の俺に酷似していたから、彼女の気持ちも理解出来る。

 

アイ『さな........、大丈夫。貴女なら今までずっと運が無かっただけ、きっとまた誰かと繋がる事ができます。自分を諦めないで、貴女は必要のない人間じゃない。それに........、私はこれ以上、マギウスの翼に協力したくありません。私が存在してるだけで彼女達の糧になってしまう』

 

彼女達の糧になってしまう........。マギウスの翼の事か...!やはり、あいつ等にとってウワサは必要不可欠な存在!

 

龍騎「その辺を詳しく説明してくれ」

 

いろは「私達はマギウスの翼を探してるんです!」

 

途中で俺と環が割って入ると、アイは説明してくれた。

 

アイ『魔法少女を救う........。彼女らの目的自体は間違っているとはおもえませんが、マギウスのやり方は人の心を無視し過ぎている』

 

龍騎「どう言う事だ?」

 

アイ『さなも此処で、彼女達の"実験"を何度も目にしているんです』

 

アイがそう言うと、二葉は怯える様子で両腕を掴み始める。俺は彼女の様子と、"実験"という言葉で頭にきていた。

 

........もう許す訳にはいかねぇな、マギウス...。

 

アイ『お願いです、さな。私が消えれば彼女達の大きな痛手になる。私を此処から解放して下さい』

 

さな「アイちゃん........」

 

アイの要望に二葉は戸惑っていた。そりゃそうだ、今まで側に居てくれた人が二葉の手で殺してくれ、と頼んでるみたいな事だ。当然彼女は乗り気じゃない様子だ。

 

しかし、現実はそうは言ってられない。

 

龍騎「彼女の意見を尊重してやれ、二葉」

 

さな「!?」

 

俺の言葉に二葉は驚いた様子で此方を振り向く。しかしこれは彼女の為であり、今後の事の為でもある。俺は心を鬼にして彼女に現実を突きつける事にした。

 

龍騎「出会いがあれば別れもある、それはどの世界でも共通だ。絵本と同じだ、始まりがあって終わりがあるから、それは本として成り立つ。人間の人生もそうだ、母親の腹から出て来てから物語は始まり、家族や友人達に別れを告げて物語が終わる。それはどんな事があっても揺いではいけない掟みたいなものだ。だから、せめて彼女の最期を見届けてやろうよ」

 

さな「................」

 

龍騎「俺もな、前世の頃は家族は居なくて、二葉やアイのような関係を持った友人は居なかった。それに加えて母親は俺を産んだ時に死んじまって、父親は俺を捨てた...。中学時代は女子に苛められては女性不審になって、友と呼べる人間も居なくては助けても呼ばなくて、まるでロボットのような無機物みたいに生きて来た。でも、俺が事故に遭ってある人に引き取られたら、人生が180度変わったんだ。それから楽しかったよ........、色んな人と出会って、色んな事を体験して、とても充実した時間だった」

 

少し内容は捏造してるが、あながち間違いではない。俺はまだ二葉に言葉を続ける。

 

龍騎「だから俺は変われたんだと思う。あのまま無機物みたいに生きていくより、あの場所で騒いでた方がよっぽど楽しかった。最初は不安だったさ、知らない田舎だったし、女の子は多かったし........。でも、裏を返せばそれは楽しい思い出になったんだよ。どん底から這い上がって来たみたいで、とても生きた心地はした。二葉も此処から出れば、きっとその気持ちが分かる筈だ」

 

さな「........」

 

いろは「........私も、つい最近まで人に馴染めなくて疎外感を感じてたの。龍騎さんと違って、さなちゃんの気持ちが分かるなんて言えないけど........。最近魔法少女の仲間が出来たり、龍騎さんに出会ったりして、そんな前の自分がウソだって思えるぐらい自然に過ごしているの。だからね、アイさんの言う通り、さなちゃんもきっと大丈夫だよ」

 

さな「................」

 

いろは「私ね........、此処に居たいっていうさなちゃんの気持ちを大切にしたい。安心できる場所に逃げ込む事って悪い事じゃないもん」

 

そう言って環は二葉の手を取る。

 

いろは「だから........。これはただの私の個人的な提案なんだけど...。よかったら........、 私と一緒にマギウスと戦ってくれないかな?」

 

さな「一緒に........?」

 

いろは「うん。さなちゃんが居てくれたらすごく心強い、魔法少女として.........、仲間として、さなちゃんが必要なの」

 

さな「私が........、必要........?」

 

龍騎「どうか力を貸して欲しい........。頼む」

 

俺は頭を下げて頼む。その様子に二葉は少し驚いていたが、少ししたら何かを決意した顔つきになる。

 

さな「........アイちゃん」

 

アイ『はい』

 

さな「私........、アイちゃんの言う通りにする。此処を出ていくよ」

 

いろは「さなちゃん........!」

 

さな「やっぱり私、あの人達がしてる事を見過ごせない........。それに、私を見つけてくれたいろはさんと一緒に行きたい」

 

俺が除けものになってるが別にいっか。

 

さな「私は........、もう一度だけ、頑張ってみたい........」

 

アイ『はい........。さなならそう言うと思ってました』

 

さな「アイちゃん........」

 

どうやら別れの時間は近づいてきたようだ........。

 

さな「いろはさん........。私からもお願いします、一緒にマギウスと戦ってください........!」

 

いろは「うん........、一緒に戦おう。私だけじゃくて、龍騎さんも」

 

龍騎「改めて、鹿目龍騎だ。よろしく」

 

さな「........二葉さなです」

 

俺が手を差し出すと、二葉も俺の手を取り、互いに握手する。

 

さな「私........、自分が居ても良い場所........。見つかりますか........?」

 

龍騎「見つかるさ、案外近くにあるかもよ?俺が保障する」

 

アイ『さな、いろはさん、龍騎さん』

 

するとアイが俺達に声を掛けてくる。

 

アイ『貴方達が出て行こうとすれば、私は監禁するウワサとしての本能を抑えきれなくなるでしょう。そしたら私は私ではなくなります。どうかその前に私を消してください』

 

成る程、俺達が此処を出て行こうとすると、防衛本能が働くって訳か。マギウスめ、こんな細かい事までするとはな...。

 

アイ『では最後の確認です。さな、貴女は此処を出ていくのですね?』

 

さな「................うん」

 

アイ『いろはさんは、此処に残りますか?』

 

いろは「いいえ、私はさなちゃんと一緒に行きたいです」

 

アイ『最後に........、龍騎さん。貴方は此処に残りますか?』

 

龍騎「やっぱり俺もカウントしてたのか........、無論此処から出ていく。俺には帰る場所があるし、帰りを待ってくれてる人達が居る。だから俺は残らない」

 

アイ『でハ、ここニは誰も残ラナいのデすね』

 

そう言うと、アイからザザザ、と雑音と共に身体が乱れ始める。まるでプログラムがエラーを起こしてるように...。

 

アイ『イマナラマダ耐エラレマス。早ク私ヲ消シテ........』

 

さな「アイちゃん........」

 

いろは「アイさんっ!最後に一つだけ........!環ういって知ってますか!?」

 

アイの意識が消えかかってる時に、環がアイに向かって大声で質問する。質問の内容は環の妹さんの事だった。

 

アイ『"ウワサ"ナナラ、環ウイ、知ッテマスヨ........』

 

いろは「え!?」

 

龍騎「ウワサなら、知ってる........?」

 

じゃあ、環の妹さんはウワサの存在自体を知っていた!?

ど、どうなってやがるんだ........。環の妹さんがウワサに関係してる事は分かっていた。しかし、彼女もウワサを知っているとなると........。

 

彼女もマギウスの一員........?

 

アイ『モウ時間ガアリマセン........。サナ、ハヤク........」

 

既にアイも限界が近づいてくると、俺は二葉に向かって行った。

 

龍騎「二葉!お前がやれ!」

 

さな「わ、私が........?」

 

いろは「さなちゃん!やるならさなちゃんじゃないとダメだと思う!」

 

龍騎「彼女はお前に消して欲しいって言っている、だったら彼女の要望に応えろ!これはお前にしか出来ない事だ!彼女の最期の我儘を聞いてやれ!」

 

さな「っ........!」

 

俺と環の掛け声に二葉は魔法少女姿へと変身し、彼女の武器である盾を構える。

 

さな「ごめんねアイちゃん........。今まで必要としてくれてありがとう........」

 

アイ『さな........、ササヨウナラ........。バイバイ、名無シノ私ニ........、v名前ーククレテ、アリガトウー」

 

さな「........さようなら、アイちゃん........」

 

そして、二葉はアイに向けて盾を振り下ろした。彼女の瞳から一筋の涙を流しながら........。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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幕間 八雲みたまのお料理教室


どうもです。

五巻の番外編が面白かったのでオリジナルシナリオで投稿します。

それではどうぞ。


 

蓮子「いや〜、楽しかったね!」

 

メリー「久しぶりに映画で楽しめたわ」

 

龍騎「俺も以外と面白かったな」

 

とある休日の日に、俺達秘封倶楽部は映画館で映画を観ていた。蓮子がどうしても観たかったと言う事で、俺とメリーは付き添いでやって来たが、思いの外面白かったので満足して外へ出た。ちなみに映画の内容は恋愛ものだが、以外とギャグとかもあって俺でも楽しめた作品だった。

 

蓮子「さ〜て、これから二人はどうする?私午後からバイトだけど」

 

メリー「私は帰るわ、今日はゆっくりしたいから」

 

蓮子がこの後について聞いてくると、メリーはこのまま帰ると言ってきた。俺はどうするか........、別に帰ってもいいけどやる事がないからな......。

 

そうだ、久々にアイツの顔でも見てくるか。

 

龍騎「なら俺は調整屋にでも行って、顔出しにでも行くか」

 

メリー「それって冷やかし?」

 

龍騎「結果的にはそうなるが、まぁ適当に差し入れ渡して雑談でもしてくるよ」

 

蓮子「そっか、じゃあこの場で解散だね。メリー、一緒に行こっ!」

 

メリー「えぇ、龍騎はまた学校で」

 

龍騎「あぁ、じゃなあ」

 

それから俺は二人と別れて、電車に乗って神浜へと向かい、コンビニでアイスでも買って調整屋へと向かった。絶交階段のウワサが終わってから会ってないからな、近況報告でもしておくか。そう思った俺は調整屋から近いコンビニでアイスを買って、外へ出たら、

 

フェリシア「あれ?ししょーじゃん!」

 

龍騎「ん?」

 

フェリシアの声が聞こえた。声がした方向へ向くと、フェリシアが手を振りながら此方へ向かってくると、勢いよく抱きついてくる。

 

龍騎「うおっと...、どうして此処に?」

 

フェリシア「そう言うししょーこそ、何しに来たんだ?」

 

龍騎「ちょっと調整屋にな、暫く顔出してなかったから、アイスでも買ってやろうと思って」

 

フェリシア「アイス!?狡いぞそれ!」

 

「まぁそう怒るなよ」

 

また聞き覚えの声が聞こえてくる。視線を奥へ向けると、私服姿の佐倉だった。

 

龍騎「珍しいな、お前が神浜に来るなんて」

 

杏子「なんか調整屋って所で食堂始めたみたいだから、偶々会ったこいつと一緒に行く事になってな。あ、差し入れのアイス余分に買ったりするか?」

 

結局はお前もタカって来たんかい......。

 

龍騎「........500円あげるから、二人で仲良く買ってこい」

 

そう言って俺は500円を与えて、二人に好きなものを買わせ、一緒に調整屋に向かう事にした。

 

 

 

〜調整屋〜

 

フェリシア「ちょーせーやー!」

 

調整屋に着くと、フェリシアはノックもせずに、大声を出して扉を開く。全くマナーがなってないなぁ........、と思いながら俺も入っていく。

 

みたま「あらフェリシアちゃん!と........」

 

杏子「佐倉杏子だ、よろしく」

 

みたま「よろしく、杏子ちゃん。八雲みたまよ」

 

二人が自己紹介すると、互いに握手を交わす。そして後ろから俺は八雲に声を掛ける。

 

龍騎「久しぶりだな、八雲」

 

みたま「あら!龍騎さんも来てくれたの!」

 

龍騎「最近、顔を出してなかったからな。これ差し入れのアイス、溶ける前に冷凍庫に入れておけ」

 

みたま「態々ありがとね♪有り難く頂くわ」

 

そう言って俺は八雲にアイスを渡すと、フェリシアはポケットから一枚のチラシを見せてきた。

 

フェリシア「でさぁ、此処に来たらタダ飯が食えるって聞いたけど」

 

みたま「えぇ!良かったわぁ、今日はもう誰も来ないかと........」

 

ホッと息を吐く八雲。タダ飯?俺はフェリシアの持ってるチラシを見てみると、

 

 

みたまの食堂OPEN中!

 

魔法少女たちへの

ステキなニュース♪

 

ただいま調査屋では大感謝キャンペーンを開催中!

みたまさんの手料理をご馳走しちゃいます!

これを読んでるハラペコのあなた♪

ぜったい来ないと損よ!

美味しいディナーをご用意してます♡

 

 

と書かれたいた。うーん、これ絶対詐欺臭漂って客なんて来ないだろ(遠い目)

 

龍騎「失礼ながら、料理出来るの?」

 

みたま「任せて!これから腕によりを掛けて作っちゃうんだから♪」

 

自信たっぷりにそう言う八雲、それがフラグでは無い事を祈りながら彼女の調理様子を見る事にした。

 

 

しかし、見事にフラグは回収される事となる。なんと彼女は包丁を逆手持ちで野菜を切ろうとしたのだ。

 

「「「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」

 

みたま「え?」

 

龍騎「え?じゃねぇよ!なんだよその包丁の握り方は!?怖ぇよ!誰か刺そうとしてるの!?」

 

みたま「?何かおかしいかしら?」

 

龍騎「お前家庭科の授業まともに受けた事ある!?ってこっちを向くな!包丁持ったまま振り向くな!!」

 

何が腕によりを掛けて作るだよ!?誰かを手に掛けるの間違いだろ!?それ以前に基礎が全然出来てねぇじゃねぇか!あれだ、やる気があっても仕事が全然出来ないタチの悪い奴だこいつ........。

 

みたま「大丈夫よぉ、私慣れてるから」

 

そう言って逆手持ちのまま人参を切り始める八雲。

 

フェリシア「いや慣れてるとかそう言う問題じゃねーよ!」

 

杏子「自分の指食わせる気か!?」

 

滅茶苦茶危なっかしいぞこいつ........。もう一回小学校の家庭科の授業受け直してこいよ。

 

みたま「もう、皆んなそんなに私の身体を心配してくれるの?」

 

お前だけじゃくて、この場に居る奴等の身体が心配だよ。

 

みたま「だいじょーぶ!お客さんなんだからゆっくりしてて♡」

 

ゆっくりして逝ってね、にならない事を祈る。いやマジで命の危険を感じる...。

 

龍騎「........はぁ、俺が監視しておくから、お前等は席につけ。何かあったら俺がサポートするから」

 

杏子「................まぁ、旦那が居るから大丈夫か。行くぞキンパツ」

 

フェリシア「うー........、オレなんかやな予感........」

 

そう言って俺は二人の背中を押して席につかせようとすると、

 

みたま「?この人参、固くて上手く切れな........」グイッ

 

 

つるっ グサッ!!

 

 

龍騎「」ドサッ

 

俺の後頭部に何かが刺さって、そのまま意識を失った。

 

 

フェリシア「ししょーーーーーーー!!!」

杏子「旦那ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

〜数分後〜

 

龍騎「........なんで俺倒れたのかな...、それと今日の午前中の記憶がない........」

 

フェリシア「ししょー........、ししょーぉ........」

 

俺は意識が回復すると、フェリシアは俺の膝の上で泣いており、八雲に包帯を巻いて貰っていた。しかし、何がどうなったんだ?今日の半分以上が記憶にないって........、疲れてんのか?

 

杏子「おいアンタ!もう包丁持つな!!」

 

みたま「え〜〜〜!そんなひどぉい、折角のキャンペーンなのに!」

 

杏子「凶器飛ばす奴に任せられるか!死ぬわ普通!!ってか現在進行形で殺人事件が起きたわ!!」

 

殺人事件?なにそれ怖い........。それは兎も角、俺は八雲に何を作ろうとしてたのかと聞いてみたら、疑問系で肉じゃがと答えた。何故疑問系........?でも材料は間違ってはないっぽいんだよなぁ........。

 

杏子「しゃーねぇ、私達で切るか........。旦那は其処で休んでな」

 

フェリシア「オレ、皮しゃっしゃーってやるやつなら出来るぞ!」

 

龍騎「ピーラーだな、でも出来るのか?」

 

杏子「舐めるなよ?去年、マミの受験の時に夜食作ってやったんだぞ」

 

偉い、佐倉さん偉いっすわ。俺もまどかに夜食作ってやるか。それから佐倉は野菜を刻み、フェリシアは皮を剥く仕事に取り掛かった。タダ飯ご馳走される筈の立場なのに、俺達が調理する事になるとは........。

 

龍騎「ってか、他の魔法少女がキャンペーン目的で来ないって事は、お前の調理方法が怖くて来れなくなったんじゃないのか?」

 

みたま「そんな事はないわよぉ、もう少しで上達しそうなんだけどぉ」

 

『少し』の意味を国語辞書ではなく、広辞苑で調べ直してこい。あと包丁を逆手持ちしてる時点で成長してねぇよ。

 

それからテキパキと二人は仕事を進めて、具材をボールや小皿にのせて、下拵えは完了した。

 

杏子「........まぁ、下拵えはこんなもんか」

 

龍騎「やるな佐倉、八雲とは大違いだ」

 

みたま「龍騎さんひどぉい、でもありがとう二人共。此処からは私の出番ねぇ!」

 

杏子「あぁ、流石に味付けは門下漢だからな、任せた」

 

フェリシア「ウマイの期待してるぞー!」

 

みたま「えぇ!愛情たっぷり注ぐわね!」

 

本当に任せて大丈夫だろうか........。俺は心配しながら八雲の調理様子を眺める事にした。

 

みたま「まず軽く野菜を油で炒めて........、透明感が出てきたらお水を加えて沸かす。お肉を広げて入れて........、アクを掬って、糸蒟蒻を入れたら味付け♪」

 

........普通だ。普通の肉じゃがだ........。順調に調理を進めていく八雲に、俺は少し安心していた。この調子なら大丈夫そうだな........。

 

フェリシア「ん〜〜〜〜〜っ、良い匂いしてきた........」

 

杏子「このまま煮込んだら完成か?」

 

みたま「ん〜〜〜、そうねぇ........。でもなんだか足りない気が........」

 

おいやめろ。余計な真似はするな、シンプルイズベストだろうが。

 

みたま「色が薄いような気がするのよね........、そうだわ!」

 

おい止めろマジでヤメロッテ。

 

みたま「もっと茶色い方が美味しそうよね♪」

 

そう言って取り出したのは、茶色の絵の具だった。

 

龍騎「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

俺は慌てて八雲の手に持ってる絵の具を取り上げる。

 

みたま「何するのよぉ」

 

龍騎「お前は俺達に何食わそうとしてんの!?ジャイアンシチューでも食わせる気か!?」

 

安心したのが間違いだった........。よくよく考えれてみれば、肉じゃがしか作ってないから絶対に物足りないだろ。

 

龍騎「もういい!俺が全部やる!佐倉、米を研いで炊飯器に入れて!フェリシアは八雲の監視!」

 

フェリシア「おぉー!ししょーの料理だー!」

 

杏子「真打の登場だな!」

 

みたま「私のお料理よりテンションが高くない!?」

 

これがお前との信頼度の違いだよ。それから俺は今煮込んでる肉じゃがの出汁を飲むと、確かに少し薄味だった。もうちょっとだけ濃くして、厚揚げあるならそれ使うか........。

 

 

そして完成した料理が此方になる。

 

八雲みたま鹿目龍騎の厚揚げ入り肉じゃが

白米

味噌汁

簡単なサラダ

 

 

「「「「いただきまーす!」」」」

 

フェリシア「うまーーー!さっすがししよー!」

 

杏子「厚揚げも中々いけるな!」

 

龍騎「でも途中から入れたからあんまり出汁吸ってないな」

 

みたま「美味しい........。美味しいけと悔しい........」

 

ふふん、これがお前との実力の差よ。するとガチャリと調整屋の扉が開かれると、見知らぬ少女達が入ってくる。恐らく地元の魔法少女だろう。

 

「こ、こんばんわ........」

 

みたま「あらいらっしゃい。ごめんなさいね、今食事中で」

 

「い、いえ........。でも本当にキャンペーンやってたんだ........」

 

フェリシア「お前も食うか?ちなみにこれ使ったの調整屋じゃなくてししょーなんだぜ!」

 

おい馬鹿自慢するな。

 

「い、いいんですか!?」

 

あれ?なんか思ってた反応が違う........。それからその魔法少女も入れて食事をすると、彼女も満足げな様子だった。それからだろうか、調整屋に見知らぬシェフが現れたと情報が入って、俺の飯目的で調整屋にと訪れる事になるとは思いもしなかった。

 

みたま「龍騎さん、私と一緒に調整屋でレストラン部門でも開きませんか?」

 

龍騎「I☆YA☆DA」

 

当然断った。が、最終日に何処まで増えるか知りたくなったので、最終日に料理したら、案の定、満席状態になり、とんでもない行列が出来る事になるのを、その時の俺は知る由もなかった。

 

........俺の作ったの、一般的な料理だよ?




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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芸術家 アリナ・グレイ


どうもです。

これで漫画五巻目は終了です。

それではどうぞ。


 

やちよ「!?戻ってきたわ!」

 

鶴乃「いろはちゃん!」

 

フェリシア「ししょー!」

 

アイを倒した事で、俺達は元の世界へ戻る事ができ、電波塔の上で待っている七海達と合流する。

 

やちよ「環さん、大丈夫!?」

 

いろは「はい、平気です......」

 

あ、俺の事は心配してくれないんだね...。フェリシアだけだよ心配してくれたのは。

 

さな「......」

 

やちよ「貴女が二葉さなさんね?」

 

さな「は、はい......」

 

龍騎「.........二葉?」

 

すると二葉は何故か俺達の方を向いたまま固まってしまった。

 

さな「皆さんが......、いろはさんの『居場所』ですか?」

 

あらやだ、そう認識してしまったか。

 

いろは「さ、さなちゃん!?」

 

龍騎「そうだよ(便乗)」

 

いろは「龍騎さん!!」

 

なんで怒ってんの?事実じゃんか(すっとぼけ)

 

鶴乃「なになにー?いろはちゃんがそう言ったの!?」

 

フェリシア「なんだよ〜、いろは照れんじゃん!」

 

いろは「違っ......、違う!違うんです!」

 

龍騎「さなちゃんが居てくれたらすごく心強い、魔法少女として.........、仲間として、さなちゃんが必要なの(激似ボイス)」

 

いろは「フシャーーーー!!」

 

おいおい威嚇するなよ、お前は猫かよ...。そうやって環を弄っていたら、二葉が少し微笑んだ。どうやらこのメンバーなら上手くやっていけるみたいだな。

 

龍騎「言ったろ?案外近くにあるかもって」

 

さな「.........はい!」

 

これにて一件落着............、と思ったら今度は強大な魔女の魔力を感じ取った。

 

龍騎「!?何だこの魔力は!?」

 

いろは「大きい......!こんなの今まで何処に...」

 

さな「アイちゃんの結界です......」

 

アイの結界......?どう言う意味だ?アイは確かに二葉が......。

 

「あーあ、サイアクな気分なんですケド」

 

すると聞き覚えのない声が聞こえた。俺達は声がした方向へ向くと、人の影を見つけた。

 

「あのウワサの結界、いい魔女の隠し場所だったのに...。ウワサの反逆は予想外、ほんとクレイジーなんですケド。テンション下がるヨネ......」

 

なんかよく分からん事を言ってるルー語女子が現れた。今時ルー語?

 

ルー語女子「アナタ達......、アリナの飼育箱を壊すなんて......。ホンットにバットな事してくれたヨネ......」

 

龍騎「それはソーリーな事をしたネ」

 

アリナ?「真似するな!」

 

ソーリーソーリー。で?ユーのネームは?

 

いろは「貴女は......、マギウスの翼.......?」

 

さな「違います......。あの人は翼を束ねてるマギウスの一人......。アリナ・グレイ」

 

翼を束ねてるマギウスの一人.....、つまり幹部の一人か......。

 

アリナ「そ、翼と一緒にされるとか不快なんだヨネ」

 

そう言ってアリナは手から立方体のブロックを取り出すと、近くまでやってきた魔女が取り込まれていく。なんだそのギミック......、それに魔女をどうしようって言うんだ...?

 

やちよ「アリナ・グレイ......。まさか若手芸術家の?」

 

龍騎「知ってるのか?」

 

やちよ「炭化させた生き物で描いた死者蘇生シリーズ、あまりに気味が悪くて美しかったから覚えてるのよ......。まさか魔法少女だったなんて...」

 

要はクレイジーサイコアーティストって事?

 

アリナ「いつもはジーニアスアーティストだけど、こうしてマギウスの一人として魔法少女もしてるってワケ」

 

ジーニアスなのは自意識過剰でナルシストな正義のヒーローだけでいいよ(辛辣)

 

いろは「あのっ、マギウスの目的........。魔法少女を救うってどう言う事ですか........!?誰かを犠牲にしてまで実現する意義が有るんです!?そんな乱暴な方法で本当に魔法少女が救えるんですか........!」

 

アリナ「あー、そう言う事は別のヤツに言って?アリナ的にダズントマター、つまり関係ないカラ」

 

環がアリナに怒りの言葉を送ると、自分は関係ないと言ってきた。どう言う事だ?マギウスの一人な筈........。

 

アリナ「そんな事より、この間はリボンのヤツに面倒掛けられて、アリナ的にバットムードなんだよね」

 

リボンのヤツ........!マミの事か!!

 

アリナ「その上、魔女の隠し場所までリサーチしなくちゃいけなくなって........。貴女達どうしてくれるワケ?覚悟はできてるんだヨネ........」

 

そう言ってアリナはルービックキューブみたいなブロックを出現して、俺達に向けて発射すると、そのルービックキューブが拡散しだす。俺はカードデッキからカードを取り出そうとするが、カードを装填する前に直撃すると分かると、被弾覚悟で環の前に出る。すると向かってきたブロックが一瞬にして爆発した。

 

いろは「えっ........」

 

ほむら「何とか間に合ったわね」

 

まどか「お兄ちゃん、大丈夫!?」

 

どうやら先程の爆発はほむらが起こしたもので、まどかも慌てた様子で駆けつけて来てくれたようだ。

 

龍騎「助かった、サンキューな」

 

ほむら「それよりも、先程のリボンのヤツって事は巴さんの事よね?」

 

ほむらもリボンのヤツがマミである事に気がついたようだ........。

 

アリナ「ん〜〜〜?そんな名前だったような........、まぁ、とっくにアリナの作品のエサになったケド

 

................あ?

 

まどか「!!」

 

ほむら「........巴さんに何したの」

 

アリナ「貴女達、あのリボンの仲間なワケだヨネ?あっは♪アリナ的に超ラッキー、あのリボンで溜まった鬱憤を仲間に返せるんだカラ」

 

そう言ってアリナの首からマスコットみたいな使い魔が現れると、彼女の足元から美術館でありそうなデザインのバケモノが出現する。

 

アリナ「あぁ........、愛おしいアリナのドッペル........」

 

ドッペル........、魔法少女が解放される証........。魔法少女に与えられた新たな力........。

 

アリナ「アッハハッ!アリナ達でみ〜〜〜んな素敵な作品にしてアゲル!アリナのベストアートワークには届かなくても、ビューティフルでファンタスティックな作品に!たがらアナタ達、死んだら感謝してヨネ........♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「火剣『炎円斬」

 

恍惚なヤンデレポーズみたいにうっとりしながら物騒な事を言ってるアリナに、俺は密かに召喚しておいた青龍刀で、炎円斬を飛ばす。

 

アリナ「........先に死にたいのは貴方の方みたいネ」

 

龍騎「貴様................、マミに何をしたぁぁぁぁぁ!!

 

俺は殺意を最大限に出してアリナに睨みつけると、アリナは『話し聞いてた?』と言いたそうな顔をしていた。

 

アリナ「エサにしたからムリだって、さっきから話したと思うんですケド。アンダースタン?理解してる?」

 

龍騎「俺の質問に答えろ!!テメェの与太話に付き合うつもりはない!!」

 

アリナ「返して欲しいの?ん〜〜〜、別に返してもいいケド、原型がなくなってたらごめんね?」

 

その言葉を聞いてまどかは絶望しきった顔になり、他のメンバーも静かに怒りが込み上がっていた。

 

鶴乃「ごめん、私ちょっと耐えらんないや」

 

やちよ「えぇ........。彼があそこまで怒るのは私も同じよ」

 

ほむら「........いつ以来かしら、こんなにも怒りに満ちた感情に浸ったのは」

 

まどか「許さない........!」

 

あの優しくて穏やかだったまどかも珍しくキレていた。

 

アリナ「死ぬ覚悟は出来た?どうせ後で突っかかるだろうし、今のうちにデリートしようカナ」

 

そう言ってアリナは新たにブロックを出すと、ブロックの中から魔女に出てきた。

 

やちよ「同じ魔女がこんなに........」

 

........そうか、あいつ確か飼育箱を壊したって言っていたが、ウワサの結界で魔女を育ててた訳か。

 

アリナ「アリナのベストワークを彩る美しいジュエリー達........」

 

フェリシア「何がじゅえりーだ!まとめてオレがぶっ潰してやる!」

 

アリナ「この魔女はアリナの傑作を飾る一部なワケ........。そう簡単に倒せないんですケド?」

 

フェリシア「あぁ!?魔女が傑作ってイカれてんのか!?」

 

アリナ「ハァ?魔女の美しさが分からないとか貴女の方が可笑しいんだケド!」

 

龍騎「テメェと一緒にすんな、それにお前の芸術なんてゴッホとかピカソとは大違い。言ってしまえば幼稚園児以下だ」

 

アリナ「ふ〜ん........、魔女だけじゃなくアリナの芸術まで否定するんだ........。最初は貴方から殺してアゲル」

 

龍騎「掛かってこいよ........!他人の命を蔑ろにする奴に、俺を殺せるとは思うなよ!」

 

俺は青龍刀に炎を纏わせてアリナに向ける。

 

龍騎「まどかとほむらは魔女を!マミが居る可能性はゼロじゃない!」

 

まどか「分かった!」

 

ほむら「了解」

 

龍騎「七海と由衣はフェリシアのストッパー役でサポート、環は遠距離射撃での攻撃、二葉は環の護衛。本命は俺が叩く」

 

いろは「はい!」

やちよ「えぇ」

鶴乃「あいよっ!」

さな「は、はい!」

 

一通りの戦術を伝えると、其々武器を展開する。

 

アリナ「貴女........、あのまま人工知能の暴走を抑えていれば良かったのに。ずっと隠れて怯えてた癖して、アリナと戦えるワケ?」

 

さな「もう........、逃げないって決めたから」

 

アリナ「あっそ」

 

そう言ってアリナはペンキみたいな弾幕をさなに向かって発射すると、二葉は手に持っていた盾で攻撃を防いだ。

 

さな(アイちゃん........。ずっとこの人達に利用されて辛かったよね...。私がきっとマギウスの翼を倒してみせるから........、だから力を貸して!)

 

龍騎「二葉、環を頼んだぞ」

 

さな「はい........!私がいろはさんを守ります!思いっきり戦って下さい!」

 

覚悟を再認識した二葉が、環の前に立って盾を構える。そして俺達はドッペルを持つクレイジー魔法少女、アリナ・グレイとの戦いが始まった........。





いかがでしたか?

次回から六巻目に入ります。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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龍騎士は一度身を引く


どうもです。

六巻目がスタートです。

それではどうぞ。


 

さな「私がいろはさんを守ります!思いっきり戦って下さい!」

 

アリナの攻撃を盾で防いだ二葉は、環の前で盾を構える。

 

龍騎「環、後方支援頼む」

 

いろは「は、はい!」

 

俺は地面を蹴ってアリナへ近づくと、環はボウガンで攻撃を放つ。アリナは結界でボウガンを防ぐと、アリナも絵の具の弾幕で反撃してくる。

 

アリナ「誰が...、守るって!」

 

龍騎「っ........」

 

俺は青龍刀で斬り飛ばす。しかし、弾幕が青龍刀に付着した途端に煙が上がり、ドロドロと溶け始めていた。

 

龍騎「何!?」

 

さな「気をつけて下さい!アリナの絵の具は劇薬です、浴びたら怪我じゃくておかしくなってしまう......」

 

一発当たったら即終了って訳か...。まるで幽々子さんの弾幕にそっくりだ、しかしそんな攻撃にビビるような俺じゃない。俺は溶けた青龍刀をアリナに向かって投げて、次の武器の準備する為に、デッキからカードを一枚引き抜き、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填する。

 

アリナ「小賢しい!」

 

龍騎「環!」

 

いろは「はい!」

 

アリナが投げた青龍刀を弾くと、俺の背後から魔力を溜め込んでいた環のボウガンが放たれる。そのままアリナは環のボウガンに直撃して被っていた帽子が吹き飛ばされる。

 

アリナ(接近型と遠距離型に防御型......、パワーあるスラッシュにちまちました退屈なアタック......、厄介なんですケド)

 

さな「この距離さえ保ち続けていれば......っ!」

 

するとアリナが急接近してくる。どうやら一気にカタをつけるようだ。

 

アリナ「庇うなら、丸ごと全部染めちゃえ♪」

 

龍騎「甘ぇんだよ」

 

アリナ「っ!?」

 

 

【STRANGE VENT】

 

カードを装填しておいた甲冑を元に戻すと、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【STRIKE VENT】

 

 

すると上空から龍の頭部を模した手甲が飛んできて、俺は右手に装着すると、地面に向かって殴りつける。

 

アリナ「なっ........」

 

「まだ終わりじゃねぇ!!」

 

地面に向かって落ちて行くアリナに、待ってましたと言わんばかりに、フェリシアがハンマーを大きく振りかぶって、重い一撃をお見舞いした。

 

フェリシア「へへっ、一撃で終わると思ったら大違いだぜ」

 

龍騎「よくやった、フェリシア」

 

いろは「フェリシアちゃん...!」

 

さな「すごい......」

 

俺がフェリシアの頭を撫でてると、アリナはフラフラしながら立ち上がる。

 

アリナ「アナタ達......、どうしてフリーなワケ!?アリナの作品は.....!?」

 

ほむら「見て分からないかしら?」

 

そう言ってほむらが、ハンドガン片手に歩み寄ってくる。

 

ほむら「貴女が大切にしていた魔女は片付けさせて貰ったわ、全てね」

 

アリナ「........................は?」

 

やちよ「まぁなんとか倒せたって感じだけどね」

 

フェリシア「ほんと死ぬかと思ったぞ......。ししょーに鍛えて貰えなかったらマジで死んでたぞ」

 

成る程、じゃあアリナが飼育していた魔女は居ないって事か。となるとこれから残りはこのクレイジーアーティストだけだな。

 

アリナ「アリナの........、ベストアートワークを...。彩るジュエリーの一つが........」

 

ほむら「敵にした相手を間違えたわね、私達が誰に鍛えられたと思ってるのかしら」

 

ほむほむが珍しくマウント取るなんて........。明日はワルプルギスかな?

 

龍騎「まぁ、この場に居る奴は、お前の芸術なんてどうでもいいって事だ。さぁ、マミの居場所を吐いてもら.........」

 

アリナ「................ざけるなよ」

 

......ん?なんか様子が変わったぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリナ「ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなッッッ!!!」

 

「「「「「「!?」」」」」」」

 

アリナ「ヴァァァァアア!!」

 

急にアリナが怒声を上げて発狂する。俺達は発狂するアリナに驚きと恐怖を感じていた。なんか........、ヤバい感じがする........。

 

アリナ「何勝手なマネしてくれるワケ!?作品をブレイクしていいのは、アーティストだけなんですケド!!」

 

龍騎「じゃあ最初からその作品(魔女)出さなければよかったじゃん(正論)」

 

すると他のメンツも俺の考えが分かったのかうんうん、と頷き始めた。俺間違った事言ってないよね?

 

アリナ「ウルサイウルサイウルサイ!!許さない........、許さない........!」

 

ダメだこいつ、全く話しが通じないぐらいに情緒不安定になっている........。

 

アリナ「弁償しろ!!アナタのボディを魔女に食わせて弁償しろよ!!」

 

フェリシア「な、なんだこいつ........。マジで壊れてんぞ!?」

 

アリナ「壊れてんのはアナタだクソガキ!!」

 

まどか「お兄ちゃん........」

 

龍騎「心配するな、兄ちゃんがついてる」

 

アリナ「あぁぁ......、叩いて砕いてすり潰すしかない........!」

 

もう何言っても通じないだろう、狂気に染まってまどかを怖がらせたんだ。てめぇ、まどかを怖がらせた報いは受けて貰うからな?

 

アリナ「アナタ達まとめて真っ赤な絵の具にしてやる!!」

 

龍騎「やるか?そっちが真っ赤な絵の具なら、こっちは血だらけに染めて二度と絵なんて描けないようにしてやるよ」

 

そう言ってカードデッキから一枚カードを引き抜いて、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填する。

 

 

【AD VENT】

 

 

「ガァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

 

俺が赤い龍を召喚すると、アリナが絵の具の弾幕を発射する。赤い龍も火炎弾を放ち、アリナの絵の具の弾幕を撃ち落としていく。

 

アリナ「ワッツ!?」

 

さな(赤い龍........、これが見滝原の龍騎士........)

 

アリナが驚愕している隙に、俺は地面を蹴ってアリナとの距離を詰める。そしてアリナの懐に入り込んで、右手に真っ黒なモヤを放つ。体制を低くして、左手の第一関節と第二関節を90度に曲げ、掌底打ちのようにアリナの腹部に目掛けて放つ。

 

龍騎「暗黒拳『ブラックバンカー』!!」

 

腹部に当てた瞬間、衝撃波が発生しアリナは口から血を吐きながら吹っ飛ばされた。

 

アリナ「がはっ........」

 

龍騎「近接戦は苦手みたいだな」

 

アリナ「................クッ、どいつもこいつもウザすぎるんですケドッ!こうなったら........」

 

龍騎「これで終わりだ」

 

「其処までです」

 

龍騎・アリナ「「!?」」

 

アリナが何かしら企む顔を見た瞬間に、さっさと仕留めようと思ってカードデッキに手を伸ばそうとしたら、誰かに止められた。声がした方向へ視線を向けると、フクロウ印の給水屋の件であったみふゆとポンコツ姉妹........、ではなく天音姉妹が居た。

 

やちよ「みふゆ........」

 

アリナ「どうしてアナタが........」

 

みふゆ「やり過ぎです、アリナ........」

 

龍騎「........加担しに来た、って訳ではなさそうだな」

 

みふゆ「はい、此方に戦闘の意志はありません」

 

どうやらアリナを止めに来ただけのようだ........。しかし何故天音姉妹も?

 

みふゆ「少し冷静になって下さい。魔女も倒され、この人数相手では分が悪過ぎます。それに、此処には見滝原の龍騎士が居る以上、貴女に勝ち目はありません」

 

アリナ「見滝原の龍騎士........、あの男が........?」

 

みふゆ「恐らく彼がその気になれば、私達は倒されてます。貴女はマギウスの一人........、倒れられては困るのです」

 

アリナ「クッ........」

 

みふゆがそう言うと、アリナは冷静さを取り戻したのか、戦闘体制を解除する。俺も手に掛けていたカードデッキから手を離す。

 

みふゆ「ごめんなさいやっちゃん、うちのアリナが暴れてしまったようね........」

 

やちよ「暴れるなんて、まだ個人の問題だからまだしも、魔女を守ってるってどう言う事?」

 

みふゆ「........それも必要な事なんです........」

 

ほむら(必要な事........、魔法少女を解放する為に魔女を........)

 

月咲「ウワサと魔女、二つが揃って初めて解放に繋がるんだよ」

 

月夜「ねー、人の感情が魔法少女を解放の為に必要でございます」

 

ほむら「理解出来ないわね、無関係な人間を巻き込んでウワサを守り、魔女を守り、それが魔法少女を救うなんて、貴女達の自分勝手な妄想ね」

 

月夜「幾百、幾千、幾万の少女の未来を幸福に導けるのなら、今がどうなろうと些細な事にございません」

 

まどか「ふざけないで!そんなの間違ってる!」

 

やちよ「魔女を使って救われるって、どう言う意味か分かっているの!?目を覚まして!」

 

みふゆ「やっちゃん!お願いだから、これ以上干渉しないで...。本当に争わなくちゃいけなくなります...」

 

........コイツ、親友と戦いたくないって気持ちもあるみたいだが、こいつもマギウスのやり方に疑問を抱いてるのか?アイが言っていた、やり方がめちゃくちゃだって事にも気づいてるみたいだが...。其処まで葛藤してるって事はアイツ自身も気がついてるのか?

 

アリナ「寧ろ争わせてくれると嬉しいんですケド?」

 

みふゆ「いけませんよ」

 

そして空気が読めないクレイジーサイコアーティストが煽り文句を言うと、みふゆは落ち着いて反論する。

 

みふゆ「この場で争いが起きれば、私達の身体は無事ではありません。ましてや此処には見滝原の龍騎士が居ます。先程も言いましたが、彼がその気になれば、私達は全滅です。それでも良いんですか?」

 

アリナ「なっ........」

 

みふゆの説明に顔を顰めるアリナ。

 

アリナ「そ、それはノーグットなんですケド!?みふゆ、アナタの身体は最高の芸術の一つなワケ!そんなの傷つけるなんて美への冒涜なんですケド!?」

 

鶴乃「もしかしてレズ?」

 

フェリシア「れずってなんだ?」

 

龍騎「やっぱりそんな趣味が........」

 

アリナ「そんなワケないでしょ!」

 

クレイジーアーティストの考えてる事なんて分かんねぇよ........。

 

みふゆ「兎に角、今は退きましょう」

 

アリナ「........後でデッサンのモデルになってるけるならいいケド........」

 

みふゆ「無茶な要求でないなら、いいですよ」

 

アリナ「........分かった、此処は退く。そのフェリシアって言ったヨネ?それと龍騎士、ネームは?」

 

龍騎「................鹿目龍騎」

 

アリナ「鹿目龍騎........、アナタ達への恨みアリナの中に刻まれたカラ。今度会った時は絶対魔女に食わせてやる。それと其処の二人も、神浜じゃないみたいだけど、顔は覚えたカラ」

 

まどか・ほむら「「................」」

 

鶴乃「皆んなに手を出してみなよ!最強の魔法少女、由衣鶴乃が容赦しないからね!」

 

突然由衣がアリナに向けて煽り言葉を送る。俺達の事を思って言ってくれてると思うが余計に刺激与えてるからね?ほらもう、ムッてしるから。

 

アリナ「めんどくさ........」

 

みふゆ「................じゃあね、やっちゃん」

 

そう言ってマギウスは電波塔から去って行くと、取り残された俺達は、去って行く彼女達を見届けたまま立ち尽くしていた。

 

やちよ「................」

 

鶴乃「........みふゆ、本当に帰って来ないのかな........」

 

龍騎「................ぅっ」

 

七海と由衣がみふゆの去って行く姿を見届けると、俺はまた目眩がしてふらつくと、近くに居たまどかに支えられる。

 

まどか「大丈夫?お兄ちゃん」

 

龍騎「悪い........、ちょっと........」

 

ほむら「........やはり此処まで来ていたのね」

 

俺がゆっくりと地面に座り込むと、俺の様子を見たほむらが俺に近づいてくる。

 

ほむら「........鹿目龍騎、よく聞きなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くの間はウワサ調査は禁止よ」

 

龍騎「っ........」

 

ほむらの言葉に、周囲の魔法少女が此方へ視線を向ける。

 

龍騎「やっぱりか........」

 

ほむら「貴方は今日までウワサの調査ばかりに自分の身体の異変に気がついていないわ。そのままでは、貴方自身が壊れるわよ」

 

やちよ「................奇遇ね、私も同じ事考えてたわ」

 

すると七海も会話に入ってくる。どうやら七海も同じ事を考えていたらしい...。

 

やちよ「貴方はよく頑張ったわ。でも頑張り過ぎた故に、身も心も限界が来てる筈よ。だから次のウワサの調査は私達がするわ、だから貴方は暫く休みなさい」

 

まどか「........お願い、今はゆっくり休んで」

 

まどかが今にも泣き出しそうな表情を見せ、ゆっくりと俺の胸に抱きついてくる。俺はそっとまどかの頭を撫で、ベルトに装填していたカードデッキを抜いて変身を解除する。

 

龍騎「........そうだな、マミの事で一杯一杯だったし........。俺自身も薄々と勘づいてから頃合いか........。それにまどかに言われちゃあ断れないしな」

 

ほむら「........決まりね」

 

龍騎「悪いなフェリシア、暫くは鍛錬は自主練って事で」

 

フェリシア「オ、オレは別にそれでもいーけど........」

 

そう言ってるが、少し寂しさを感じてるのが分かる。まぁまだ甘えたい年頃なのだから仕方ない事だろう。

 

龍騎「と言う事だから........、ちょっと休ませて貰う」

 

やちよ「えぇ、今までご苦労様」

いろは「お疲れ様でした、龍騎さん」

鶴乃「ゆっくり休んでね」

フェリシア「つ、次会う時はめちゃくちゃ強くなってるからな!」

さな「あ、えっと........、お疲れ様です」

 

なんか退社する社会人を見送る感じになってるな........。まぁいいか、まどかにも心配掛けさせた訳だし、明日から勉強でも見てやるか...。こうして電波少女のウワサは解決し、俺はまどかとほむらと共に見滝原へと帰って行った。

 

 

 

 

〜まどかside〜

 

詢子「龍騎の奴、まだ寝てるのか?珍しいな」

 

まどか「きっと疲れが溜まってるんだよ」

 

詢子「まぁ、また面倒事に首突っ込まなければいいけど。うおっ、時間やばっ!」

 

昨日のウワサを解決した翌朝、お兄ちゃんは未だに眠っていた。時刻は既に八時前、いつもなら既に学校に向かってる時間。今日は祝日の為、学校は休みだけどママは今日は出勤日なので慌ただしく支度して会社へと行ってしまった。

 

すると、廊下側からドタドタと階段を降りてくる音が聞こえる。もしかしてお兄ちゃんかな?そしてリビングの扉が開かれた。

 

龍騎「ふぁ〜........。やっべ、寝過ごした........」

 

まどか「おはよう、お兄ちゃ................」

 

私はお兄ちゃんの顔を見て絶句した........。何故なら........。

 

龍騎「........どうした?寝癖が酷い事になってる?」

 

お兄ちゃんの瞳には光が宿っておらず、全てが闇に包まれたかのような目をしていた........。




いかがでしたか?

ようやく三分の一って所ですかね........。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

良かったら次回もよろしくお願いします。


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記憶ミュージアムと魔法少女の真実


どうもです。

まだまだ半分も行ってないこの作品、来年には終わる事は出来るのだろうか........。

それではどうぞ。


 

〜蓮子side〜

 

蓮子「記憶ミュージアム?」

 

いろは『はい........』

 

龍騎の代わりにウワサの調査を始めて数日、夜中にいろはちゃんから電話が掛かってきて、どうやら新しいウワサを見つけたとの連絡を受けた。なんでも、みかづき荘にマギウスの一人であるみふゆって人が訪問してきて、記憶ミュージアムという場所に来いと言ってきたみたいだ。

 

蓮子「神浜にそんな所あったっけ?」

 

いろは『私も初めて聞きまして........』

 

蓮子「でも何で記憶ミュージアムに来いって言ってきたのかな?何か分かる?」

 

いろは『実は........、みふゆさんからマギウスに入らないか?って誘われて........』

 

........えっ!?マギウスに入らないって勧誘された!?

 

いろは『あ、心配しないで下さい!ちゃんと断りましたから!』

 

蓮子「ほっ........。それは良かった........」

 

少し驚いたけど、いろはちゃんがしっかり断ったみたいで安心した。

 

蓮子「それで一緒に記憶ミュージアムを探して欲しいって事だね?」

 

いろは『はい、明日の用事とかありませんか?』

 

蓮子「大丈夫!全然問題ないよ!」

 

いろは『ありがとうございます!』

 

明日の放課後は丁度バイトが休みなので、放課後は空いている。なのでいろはちゃんの頼みを承諾した。

 

いろは『あと、ちょっと話し変わるんですけど...。龍騎さんはお元気ですか?』

 

蓮子「っ.........、全然平気だよ。相変わらず眠たそうな顔をしてるけど」

 

いろはちゃんの言葉に私は少し顔を顰めた。いろはちゃんも心配してくれてるんだろうけど、私は少し間を置いて返事する。そしてほんの少しだけいろはちゃんと電話をした後、私は通話を切ってベットの上にうつ伏せになり、枕を顔に押し付ける。

 

蓮子「嘘........、付いちゃったな........」

 

そのまま私は電気を消して眠りにつくのだった。

 

 

 

〜翌日・万々歳〜

 

蓮子「と言う事は、皆んな収穫なしか........。いや〜参ったね〜」

 

翌日の放課後、私はすぐに神浜に向かって鶴乃ちゃんのお父さんが営んでる中華料理店、万々歳にやってくると、既にいろはちゃん、鶴乃ちゃん、フェリシアちゃん、さなちゃん(蓮子は見えていないがら、テーブルには水が置いてあるので知った)が待っていた。話しを聞く所、皆んな有益な情報を手に入れる事は出来なかったようだ。

 

蓮子「そう言うのって、図書館とか展示物とかないのかな?」

 

さな「あっ、それなら私が行ってみたんですけど........。記憶ミュージアムの事は何も........」

 

フェリシア「オレもなんも見つけられなかったぞー。明後日まで間に合うのかこれ?」

 

明後日まで探さなくちゃいけないのか........。そして全くの情報もないと来た........。

 

蓮子「........詰んでない?これ」

 

鶴乃「くっそーーー!何処にあるのーーー!記憶ミュージアム!」

 

?「おっ、懐かしい話ししてんなぁ」

 

鶴乃ちゃんが叫ぶと、隣からいきなり現れたのは鶴乃ちゃんのお父さんだった。片手に杏仁豆腐を持って、テーブルに置くと、懐かしむように語り始めた。

 

鶴乃父「俺が店を継ぐ前にフラフラしてた頃、よく行ってたよ。あの博物館で古い音楽や映画を楽しむ時間が好きでな。閉館になった時は残念だったよ〜」

 

閉館になった博物館........!それから私達は詳しく話しを聞く事にした。

 

 

 

ーーーアラモウ聞いた?誰カラ聞いた?記憶ミュージアムのそのウワサ

 

ーーー変えたい記憶?忘れたい記憶?

 

ーーーそれとも思い出したいき・お・く?

 

ーーー記憶のことでお悩みならば、記憶ミュージアムにイラッシャイ!

 

ーーーチリンとベルを鳴らしてみれば、そこにはアラユル記憶を研究する博物館!

 

ーーー記憶を通して解明された色んな真実が見られちゃう!

 

ーーー保管されてる記憶をみると、持ち主に影響されちゃうって、栄区の人の間ではもっぱらのウワサ

 

ーーーアリャコリャナンダー?

 

 

 

〜翌日〜

 

いろは「神浜記念博物館........」

 

蓮子「まさかこんな所にあったとはね」

 

翌日、私達は記憶ミュージアムであろう、神浜記念博物館に足を踏み入れた。しかし今回はやちよさんは不在、本人曰く『みすみす敵の罠に掛かりに行くような真似なんて、自殺行為みたいなもの』との事。確かに罠の可能性だってある、でも何もしないよりは遥かにマシな気がする。

 

それから私達は博物館の中へ入っていく。閉館しているのか、壁には亀裂があったり、飾ってある絵には埃が溜まっていたり、床には割れたガラスが散らばったりしていた。

 

なんか、変なのが出てきそうな雰囲気........。

 

さな「......似ている。魔女でも魔法少女でもない、この感じ........。アイちゃんと似てる........、きっとウワサだと思います」

 

さなちゃんはそう言うけど、私にはなんにも分からない。でも、ヤバい気がしてきたのは間違いなかった。その時だった。

 

「ふふっ、だいせーかーい!ちゃーんとお昼までに辿り着けたね」

 

奥から幼い女の子の声が響いてくる。そして足音が徐々に近づいていき、姿を現したのは........。

 

いろは「この........、声って、嘘........」

 

「講義のし甲斐がありそうでうれしーなー」

 

いろは「灯花........、ちゃん........?」

 

小学生ぐらいの女の子で、いろはちゃんの知り合いの子だった........。

 

 

〜蓮子side out〜

 

 

 

 

〜いろはside〜

 

灯火「へぇ〜、本当にわたくしの事知ってるんだね。初めまして、環いろは。わたくしは里見 灯花《さとみ とうか》、翼を統べるマギウスのひとりだよ」

 

突然の出来事に私は混乱していた。目の前には、ういと一緒に居なくなった灯火ちゃんが居た。なんで........、灯火ちゃんが........。

 

蓮子「待って........、さっきマギウスって言った...?」

 

灯花「くふっ、本当にわたくしの事を探してたんだね!話しには聞いてたけど驚いちゃった。それに、魔法少女でもない一般人を連れてくるなんてね」

 

蓮子「................」

 

いろは「灯花ちゃん........。私の事覚えてないの........?ういの事も...!一緒に入院してたでしょ!?」

 

灯花「覚えてないも、何も最初から知らないよー?さっき言ったよね?()()()()()って」

 

いろは「ッ........!」

 

その一言を聞いて私は言葉を失った。

 

灯花「ねむと一緒の病院に入院してたのは確かだよ?でも環ういの事は知らないさ、貴女の事も知らない。大脳新皮質にも海馬にも、何処を探っても残ってないから。ごめんね?」

 

いろは「そんな........。じゃあ........、私のこの記憶って........」

 

龍騎『........または、何者かが妹さんを居なかった事にしたか、それとも妹さん自身がそうしたか........』

 

突然、龍騎さんとのやり取りの記憶が蘇る。まさか........、そんな事は本当に........。

 

蓮子「いろはちゃん........」

 

私の様子を見て、蓮子さんは側に近づくと、優しく抱きしめてゆっくりと頭を撫でる。そのお陰か、少し取り乱した心に落ち着きを取り戻した。

 

灯花「まぁそんな事より、折角の講義の時間なんだから!」

 

そう言って灯花ちゃんはパンッと手を叩くと、勢いよく長テーブルと椅子が横から現れた。

 

フェリシア「なんだよこれっ........!どっから出てきた!?」

 

灯花「戦う意志はなって意味の意思表示だよー。紅茶と好きなケーキでゆっくりしてね。それと、貴女はどうする?」

 

灯火ちゃんが視線を向けたのは、蓮子さんだった。蓮子さんは私達とは違って魔法少女じゃないただの一般人。もし此処で罠に掛かって、蓮子さんの身に何かあったら、龍騎さんに合わせる顔がない。此処は引き返して貰うしか........。

 

蓮子「残るよ、そりゃ勿論」

 

いろは「えっ」

 

灯花「あら?いいのかしら?魔法少女でもない貴女には、難しい話しだよ?」

 

蓮子「馬鹿にしないで、マギウスの事は分からなくても........。()()()()()()()なら知ってるから」

 

灯花「っ!」

 

蓮子さんの言葉を聞いた途端、灯花ちゃんは一瞬驚いた表情を見せた。それにさっき言っていた魔法少女の秘密って一体........。

 

灯花「.......中々面白いね、お姉さん。いいよ、同席してあげる。それじゃあマギウスの講義を始めよっか!」

 

そう言って灯花ちゃんは先に席に座ると、私達も渋々席に座る。そして蓮子さんの言葉に気になったのか、鶴乃ちゃんが口を開いた。

 

鶴乃「ねぇ、さっきの魔法少女の秘密ってなんなの?」

 

蓮子「それは........」

 

灯花「はいはーい、此処はわたくしが説明を........」

 

蓮子「待って!!」

 

灯花ちゃんが横から入ってくると、蓮子さんが少し怒鳴るような声で待ったを掛けた。

 

蓮子「言い出したのは私だから、私が説明する。それに、貴女の方がよっぽど詳しいでしょ?足りない部分があったら付け加えていいから」

 

灯花「........も〜う、仕方ないなぁ〜。いいよ、始めて?」

 

そして一呼吸して、蓮子さんは説明に入った。

 

蓮子「........まずね、魔法少女が持ってるソウルジェムってなんの役割なのか知ってる?」

 

「「「「えっ........」」」」

 

最初の言葉に私達は耳を疑った。それはソウルジェムがなんの役割なのか........。

 

フェリシア「そんなの、魔法少女に変身するのにひつよーじゃん」

 

蓮子「本当にそれだけ?」

 

さな「というと........?」

 

蓮子「ソウルジェムを日本語訳にしてみて........」

 

鶴乃「ソウルジェム........。魂の宝石........」

 

蓮子「つまり、ソウルジェムはね........。魔法少女にとっては核となる部分。人間で例えるなら心臓部なの」

 

........どういう事?ソウルジェムが心臓...?

 

灯花「実感はないよねー、じゃあちょっとソウルジェムを置いてみて?」

 

私は言われた通りに、ソウルジェムをテーブルの上に置くと、灯花ちゃんは私のソウルジェムに手を伸ばしたら、急に胸から激痛が走る。

 

いろは「あぐっ........」

 

蓮子「いろはちゃん!」

 

灯花「ごめんね?でも分かったでしょ?ちょっと魔力で衝撃を与えただけでそのダメージ........。砕けたらどうなるか、想像つくよね?」

 

確かに........。もし蓮子さんの言う通りだったら、ソウルジェムが砕けたら、本当に死んでたかもしれない。まさか........、水名神社の時に龍騎さんとやちよさんが心配してたのって........。

 

でも、何で蓮子さんがこの事を知って........。

 

フェリシア「........なんでねーちゃんがそれを知ってるんだよ。誰に教えて貰ったんだ?」

 

私が気になってた事をフェリシアちゃんが言うと、蓮子さんは私達に話してくれた。

 

蓮子「龍騎に教えて貰ったの。あと、魔法少女の事も見滝原の皆んな知ってるよ。勿論、メリーにも」

 

まさかの言葉に灯花ちゃん以外は固まった。

 

灯花「へぇー、見滝原の魔法少女も知ってたんだー。確か龍騎って、鹿目龍騎の事よね?確か........、見滝原の龍騎士って異名を持つ最強のイレギュラー」

 

蓮子「........続けるね。皆んなも知ってると思うけど、魔法を使うとソウルジェムに穢れが溜まるよね?」

 

鶴乃「うん、そうだよ」

 

蓮子「じゃあ何で穢れを消す必要があると思う?」

 

さな「それは........、魔法が使えなくなるから........?」

 

蓮子「此処から重要なの、心して聞いて。特にフェリシアちゃん、本当に信じられない話しだから」

 

フェリシア「オレ........?」

 

蓮子「いい?よく聞いてね...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女は魔女の成れの果ての姿、つまりソウルジェムが濁り切ると、魔法少女は魔女になっちゃうの

 

フェリシア「........................は?」

 

私達もそうだけど、その真実はフェリシアちゃんにとってはとても辛い事だった。

 

フェリシア「ソウルジェムが魔女に...?んなワケねーよ!それなら........、ソウルジェムが魔法少女の魂なら、オレ達も魔女って事じゃんか!」

 

蓮子「................」

 

灯花「でも残念だけど、それが正解なんだよ」

 

鶴乃「ま、待って!それって龍騎さんも知ってるんだよね!?どうして教えてくれなかったの!?」

 

蓮子「........もし、龍騎が話してたら、そのまま受け入れてくれるの?」

 

鶴乃「えっ........」

 

蓮子「今のフェリシアちゃんみたいになるのが普通の反応だよ、でも皆んなまだ信じてないでしょ?受け入れてないでしょ?」

 

鶴乃「それは........」

 

蓮子「それに、その真実を知って心中した魔法少女だって居るんだよ?それを恐れて龍騎は言わなかったの...、また悲劇が起こる事を........」

 

龍騎さん........、そこまで考えていたなんて........。

 

灯花「はーい、一旦ストップ。傭兵さん、貴女のソウルジェムちょっと借りてもいい?」

 

フェリシア「はぁ!?やだよ!壊す気か!?」

 

灯花「違うよー。そんなに怖がらなくていいのに、危害は加えないってば」

 

灯花ちゃんはそう言って手を差し出すと、フェリシアちゃんは渋々ソウルジェムを渡す。フェリシアちゃんのソウルジェムは、蓮子さんの話しでショックを受けた所為で穢れが溜まっていた。そして灯花ちゃんはグリーフシードを取り出して穢れを無くすと、ソウルジェムをフェリシアちゃんに返した。

 

灯花「はい、綺麗になったね」

 

フェリシア「え?あ、ありがとう........?」

 

灯花「勘違いしないでね?これも講義の一環だから」

 

鶴乃「........グリーフシードでソウルジェムが綺麗になるのは、魔法少女と魔女が似ている証拠........。って事?」

 

灯花「そう!ソウルジェムもグリーフシードも換えがないって言うのがポイント。根っこから同一のものだからこそ、浄化できるんだよ。お姉さんは知ってるよね?」

 

蓮子「................」

 

鶴乃「........理屈は分かるけど、急に受け入れるのは難しいよ。魔女が魔法少女なら、私達........。今まで同じ仲間を殺してきたんだって。........多分、フェリシアもそう思ってショックを受けたんだよね?」

 

フェリシア「ん........」

 

さな「........私は、人でもないし........。魔女になる未来しかない........。それが受け入れるしかない事実っていう事ですか........」

 

いろは「さなちゃん........」

 

蓮子「........ねぇ、一つ聞いていい?」

 

私達が落ち込んでる中、手を上げて質問してきたのは蓮子さんだった。

 

灯花「なーに?」

 

蓮子「........貴女達の目的って、何なの?」

 

灯花「うん、じゃあ次の話しをしようか。此処からが重要だよー」

 

それから灯花ちゃんはある話しを始めた........。

 

 

––––––とある一人の魔法少女は、魔女化を目撃してしまい、半年以上経ってもショックを受けたままだった。

 

考え方を変える事も出来ず、ただ魔法少女になった自分を呪っていた。

 

それから更に半年が経ち、神浜に魔女が集まり、キュウべえを見かけなくなった頃........。

 

その負の感情は次第にソウルジェムを蝕み、遂に真っ黒に穢されてしまった。

 

自分も魔女になってしまうのだと........。そう思っていたが、そうはならなかった。–––––––

 

 

蓮子「それが、龍騎の言っていたドッペル........」

 

灯花「正解!この時既に神浜では、魔法少女を解放する為の動きが始まっていたの」

 

いろは「それを........、灯火ちゃんがやってるの........?」

 

灯花「そう!マギウスであるわたくし!」

 

いろは「じゃあ........、そのドッペルになるのも全部マギウスの翼が起こしてるの?」

 

灯花「そうだよ!ねっ、わたくし凄いでしょ?マギウスの翼って凄いでしょ?皆んなマギウスの翼に入りたくなったでしょー?」

 

まさかの答えに私達は呆然とした。まさか灯花ちゃんが中心となってドッペルを生み出していたなんて........。ソウルジェムの事も、魔女化の事も信じられないけど、本当だとしたら目的は立派なのかもしれない。でもアイさんはやってる事は危険と言っていた。

 

フェリシア「でも、でもさ........。上手くいけば魔女が居なくなるんだろ...?オレの父ちゃんも母ちゃんみたいな人も減る........」

 

鶴乃「ダメだよフェリシア!騙されちゃ!」

 

フェリシア「だって鶴乃!」

 

鶴乃「言いたい事は分かるよ。でも今の話しが全部嘘だと思わないけど、私達を勧誘ふる為の作り話しが含まれてるかも........」

 

確かに........。灯花ちゃんは昔から頭が凄く良かったから、辻褄を合わせるなんて簡単に出来ると思う。

 

フェリシア「じゃ、じゃあどーしたらいいんだよ!オレ達はこれから!」

 

そんな時だった。

 

ドンッ!

 

いきなりテーブルを叩く音が響いた。音がした方へ皆んなが顔を向けると、蓮子さんが右手に拳を作って俯いていた。

 

蓮子「........やっぱり、卑怯だよ。貴女達マギウスは」

 

灯花「卑怯?何処が?」

 

蓮子「だって卑怯でしょ?見滝原にはドッペルのような救済措置がないんだよ?なんで神浜しかないの?狡いって思うじゃん」

 

灯花「心配しなくても、神浜だけじゃなく、見滝原とかにも色んな所でドッペルが起こせるようになるよー」

 

蓮子「........成る程、そう言う事ね........。通りで龍騎が気に入らない訳だよ」

 

気に入らない........?どう言う事........?

 

蓮子「そうやって魔女になる事を恐れて、ドッペルだのマギウスだのに頼って自分達が助かろうする........。ほんと、貴女達は自分に可愛い集団だね」

 

いろは「っ!?」

 

その台詞には聞き覚えがあった........。それはこの前龍騎さんが言っていた言葉だった。

 

灯花「誤解のないよう言っておくけど、わたくし達は魔法少女の魔女化の運命を変えようとして........」

 

蓮子「じゃあ何で関係のない一般人を巻き込んでんのよ!ウワサとか訳の分からないバケモノまで出しておいて、何が魔法少女の解放なのさ!?それに........、見滝原の皆んなの努力を否定しないでよ!!」

 

最後の一言だけ力強く、博物館の中に蓮子さんの声が響いた。

 

さや「見滝原の........、皆んなの努力........?」

 

鶴乃「どう言う事なの...?」

 

蓮子「皆んな........、まどかちゃん達がどんな思い出で魔法少女になったか分かる!?さやかちゃんは、事故で怪我した幼馴染の傷を治す為に魔法少女になった!杏子ちゃんは、神父だったお父さんの話しを聞いて欲しくて魔法少女になった!マミちゃんなんて、ご両親とドライブ中に事故に遭って、生きたいの願って魔法少女になった!!ほむらちゃんは、たった一人の友達を救う為に魔法少女になった!!そして魔法少女の真実を知っても尚、今も戦ってるの!全てを受け入れて、一日一日を生きているの!例え自分が救われなくても、魔法少女が魔女になる運命に抗ってるの!それなのに貴女達マギウスは何なのさ!?魔女になるのを恐れて、運命から逃げてドッペルやらマギウスやらに頼って、それで本当に幸せなの!?貴女達が思ってる救済が、そんな形なの!?」

 

灯花「........魔法少女でもないお姉さんには分からないでしょ。魔法少女が魔女になるのがどれだけ恐ろしいものか」

 

蓮子「分かんないよ!魔法少女でも何でもない、一般人の私には分かりたくても出来ない!魔女と戦う事も出来ず、ただ眺めてる自分が嫌いで腹ただしかった!」

 

そう言って蓮子さんは自分の弱さに涙を流し始めてしまった。何も出来なかった自分に余程悔しかったのだろう...。

 

いろは「あの........、まどかちゃんは何を願って魔法少女に........」

 

蓮子「................だよ」

 

いろは「えっ........?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「一年前に魔女との戦いで死んだ龍騎を生き返らせる為だよ!!

 

泣き叫ぶ蓮子さんの言葉に、この場に居た全員愕然とした。当然、灯花ちゃんも。

 

フェリシア「ししょーが........、死んだ........?」

 

鶴乃「嘘........、だよね........?だって誰も勝てなかった人だよ?」

 

蓮子「それでも........、それでも龍騎は死んだんだよ........。でも、まどかちゃんは龍騎を生き返らせたくて、魔法少女に........」

 

灯花「........分からない。そのまどかって子は、魔法少女の真実を知ってたんでしょ?何故其処までして魔法少女なんかに........?自分の人生を棒に振るような事を........」

 

蓮子「........何で分かんないの...!大好きなお兄ちゃんと一緒に居たいからに決まってるでしょ!!全て知っておきながら、魔法少女になる子なんて、まどかちゃんぐらいしか居ないよ!貴女なら出来るの!?家族や友達の危機に、自分の命を引き換えに出来る覚悟はあるの!?龍騎なら出来るよ、だってあいつは自分の事より他者を優先してきたんだから!まどかちゃんもそんな兄の背中を見習って、自分の命を犠牲に大事な家族を蘇らせた!普通そんな事あり得ないよ!?なのにまどかちゃんはそれをやってみせた........!それが貴女達マギウスと龍騎とまどかちゃんとの覚悟と強さの違いよ!!」

 

龍騎『お前はもし、100人のうち1人が犠牲になれば世界が救われると言われたら、潔く候補するか?俺なら出来る、寧ろそうする』

 

いろは「っ........!」

 

ふと、龍騎さんが言っていた事を思い出す。

 

龍騎『人の命なんて安いもんだ、特に俺のはな........。でもな、七海にも言ったが、人間誰しも譲れないものが一つや二つはあるんだよ。俺にも譲れないものがある。例え腹を貫かれて死にかけても、両腕を失ってでも、誰からも奪われたくないから戦うんだ。その為なら俺の命なんて簡単にくれてやる........、それがお前との覚悟の違いだ』

 

いろは「龍騎さん........」

 

蓮子さんの言葉に、龍騎さんがどれだけの想いをしてきたのか身に染みる。辛くて、苦しくて、それでも弱音を吐かずに戦い続けて、魔法少女の魔女化になる運命を否定し、抗い続けようとする龍騎さんとまどかちゃん達。

 

それに比べてマギウスの翼はなんだろうか........。自分達はドッペルという救済措置を持ってるマギウスに縋っている。蓮子さんの言う通り、マギウスの翼は卑怯だ。

 

灯花「むー........、まさか見滝原の龍騎士にそんな過去が........。でもまぁいーよ、次のステップに進みましょう。みふゆ」

 

みふゆ「はい」

 

灯花ちゃんは、気にせず次のステップに進むと言い出すと、みふゆさんを呼び出す。するとみふゆさんの手には、謎のベルを持っていた。

 

いろは「そのベル........、やっぱり罠........」

 

みふゆ「罠じゃありません、体験学習です」

 

蓮子「........ヤバい、それはヤバい........!」

 

蓮子さんは何か危険を察知したのか、いきなり席を立つと、みふゆさんの持ってるベルを奪おうとする。

 

みふゆ「!?何を........」

 

いろは「蓮子さん!」

 

蓮子「皆んな逃げて!絶対に聴いちゃヤバいやつ........」

 

灯花「邪魔しないで」バシッ

 

蓮子「ぁっ........」ドサッ

 

すると蓮子さんの後ろに居た灯火ちゃんが、蓮子さんを気絶させると、そのまま蓮子さんは地面に倒れてしまった。

 

いろは「蓮子さんっ!!」

 

灯花「ごめんなさい、手荒れな真似して。みふゆ、続けて」

 

みふゆ「はい。........これは私の記憶、今までの物語の記憶です........。さぁ、貴女の目で全てを見てきて下さい。記憶ミュージアム、上映開始です」

 

そう言ってみふゆさんは手に持っていたベルを鳴らす。すると、私の意識は徐々に失ってしまった........。




いかがでしたか?

恐らく次回は漫画七巻目に突入します。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

良かったら次回もよろしくお願いします。


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蓮子の恋愛事情


どうもです。

マギレコ漫画版8巻目、巴マミの平凡な日常10巻購入しました。

あぁ、シナリオが考えるのが忙しくなるぞ〜。

それではどうぞ。


 

〜蓮子side〜

 

龍騎がおかしくなってしまった。正確に言えば、何もかも興味を失った感じがした。朝、いつもの場所に集合して皆んなで学校に行こうとしたら、龍騎の瞳には何も映っておらず、真っ黒な状態だった。初めて見た時はメリーも驚いていた。そして朝の挨拶も適当に『ん...』としか言ってくれなかった。

 

学校でもそうだった。授業中は寝てるか、指名された時は静かに立って覇気のない声で解答する。お昼休みもいつもはお弁当だったのに、塩おにぎり一つ、それにとても小さい物だった。そして放課後を迎えては直ぐに帰る支度をして、スタスタと教室を出ていく。

 

蓮子「ね、ねぇ龍騎!これからメリーと一緒にカフェ行かない?」

 

龍騎「........すまん、今日はまどかの勉強見てやんないといけないんだ」

 

蓮子「な、なら私も........」

 

龍騎「いや、悪いんだけど今日は勘弁してくれ...。明日にでもいいから...」

 

そう言って静かに立ち去っていく龍騎。私は無意識にまどかちゃんに電話をして何があったのか聞いてみた。すると、龍騎は最近新たなウワサを見つけては解決したけど、やちよちゃんとほむらちゃんに暫く休めと言われた為、龍騎も潔くその言葉を受け入れたら、今日みたいになっていた、と........。

 

もしかしたら、何かしらの病気なのかもしれない........。そう思った私はメリーに相談する事にした。

 

蓮子「ねぇメリー、龍騎は病気なのかな........」

 

メリー「........私もね、さっき気になって調べてみたんだけど」

 

そう言ってメリーは、私にスマホの画面を見せてくる。

 

蓮子「何これ?」

 

メリー「龍騎、もしかしたら"無気力症候群"なのかもしれないわ」

 

無気力症候群?それってうつ病って事........!?

 

蓮子「だ、大丈夫なのそれ!?」

 

メリー「私は医者じゃないから何とも言えないけど........、でもこのままだと本当に龍騎はうつ病になる可能性はあるわ」

 

うつ病........、龍騎が........。身近な人が病気になったと思うと、心の底から何かが込み上がってくる。

 

嫌だ........、一年前みたいに居なくなりそうで怖い........。辛いなら辛いって言ってくれればいいのに........、頑張り過ぎだよ........。ほんと不器用なんだから........。

 

蓮子「どうしたら龍騎は治るのかな........」

 

メリー「一番は、龍騎の側に居てあげる事なのかもしれないわね........」

 

メリーが表情を暗くすると、私は無意識に拳を作って握りしめていた。また自分の無力さに歯が立って、自分自身に八つ当たりする感じにイライラが募る。

 

蓮子「........決めた」

 

私はある決心をして、覚悟を決めた瞳でメリーを見つめる。

 

蓮子「私、今日から龍騎の代わりに神浜に行ってくる」

 

 

 

〜蓮子side out〜

 

 

 

 

 

龍騎「で、此処がこうなって、次にこれをこうする、と」

 

さやか「おぉ、成る程!流石お兄さん!」

 

家に帰ってきたら、まどかの部屋に受験勉強をしているまどかとさやかに勉強を教えていた。中学校の教科書を片手にさやかが書いてるノートに指を指して説明する。

 

まどか「お兄ちゃん、此処どうやってやるの?」

 

龍騎「ん?其処はだな........」

 

ちょんちょん、と俺の袖を引っ張って俺を呼ぶまどか。そして俺はまどかのノートに目を向けて指を指す。こうしてまどかとさやかとのやり取りするのはいつ振りだろうか........。去年までは俺とまどか、さやかと仁美で登校してたのに、いつの間にか蓮子やメリー、マミや佐倉やほむらも加わって登校していたっけな........。いつも居る筈の二人なのにとても懐かしく感じてしまう。

 

........今まで神浜に行ってはウワサ調査やマギウスとの戦闘ばっかりだったからか、もし俺が戦う道を選ばなければこんなに平和な日々を送っているのだろうか........。そう思うと全身の力が、まるでタイヤがパンクして空気が漏れるかのように脱力していく。あぁ...、これが俺の罰なのかな........。何もかもがやる気が無くなっていく........。

 

まどか「........お兄ちゃん?」

 

龍騎「っ........、悪い。えーと、此処だよな」

 

一人で考えてたらまどかが心配そうに声をかけてくると、俺は慌ててまどかの勉強を教える。今は........、何も考えない方が良さそうだ........。しかし何故だろうか........、こんなにもやる気が出ないのは........。

 

 

 

 

〜一方その頃・いろはside〜

 

蓮子「という事で!龍騎の代わりに私が暫く皆んなのサポートします!」

 

いろは「は、はぁ........」

 

放課後、みかづき荘に帰ってきたら、蓮子さんが中へ入っていた。事情を聞くと、龍騎さんが見滝原で休んでる間は蓮子さんとメリーさんで交代しながら、私達をサポートする事になった。

 

やちよ「それは有難いのだけど...、彼の側に居てあげなくてもいいのかしら?」

 

そう言ってお茶を並べるやちよさん。

 

蓮子「大丈夫大丈夫!まどかちゃん達も居る訳だし、問題ないって!それに龍騎って、ずっとウワサ調査ばっかりしてたからまどかちゃんとの交流も減ってきてるからさ。これを機にいいかもって」

 

確かに、龍騎さんは私達と会ってからずっと神浜へやってきている。その為まどかちゃんの事を構って上げてない状態だったんだ........。私も、ういと同じ........。

 

フェリシア「で、ししょーはいつコッチに来るんだ?」

 

蓮子「う〜ん........、いつだろうね?」

 

やちよ「................」

 

フェリシアちゃんが蓮子さんが持ってきてくれたお菓子を頬張りながら尋ねると、蓮子さんもあやふやな返事をする。まだ休んで日が浅いし、もう暫くは来ないんじゃないのかな...。

 

蓮子「そういえば、龍騎が言ってたさなちゃんってどんな子?」

 

いろは「あ........」

 

どうやら龍騎さん経由で、蓮子さんもさなちゃんの事を知ったらしく、さなちゃんが何処に居るか尋ねてきた。

 

鶴乃「え、えっとね........。実は魔法少女じゃないと見えないんだよね........」

 

さな「す、すみません........」

 

蓮子「え?今の声何?もしかして今のがさなちゃん?」

 

さな「は、はい........」

 

蓮子「成る程、そう来たか........。あ、ならこれなんてどうよ」

 

そう言って蓮子さんは鞄からレポート用紙を取り出しては一枚剥がし、『さなちゃん』と書いて、さなちゃんの目の前に置いておく。

 

蓮子「位置的に此処がさなちゃんでしょ、喋る時はこれを持って貰えたら私も分かり易いからね」

 

さな「........ありがとうございます」

 

蓮子「どういたしまして♪」

 

鶴乃「何か更に仲間の証みたいな感じがするね!」

 

やちよ「仲間じゃないわ、あくまで協力関係の証よ」

 

蓮子「それ大して変わりある?」

 

やちよ「私にとっては段違いなのよ」

 

蓮子「そう?前に龍騎言ってたよ、『例え血が繋がってなくても、同じ屋根の下で同じ釜の飯食ってれば、それはれっきとした家族なんだ』って」

 

家族........。龍騎さんだったら言っていそうなセリフだった。

 

フェリシア「なぁ、オレが傭兵ならさなってなんなんだよ」

 

そう言ってフェリシアちゃんが尋ねる。フェリシアちゃんが傭兵なら........、私は助手で、鶴乃ちゃんはやちよさんの弟子。龍騎さんと蓮子さんとメリーさんは助っ人となると........。

 

やちよ「........座敷わらし?」

 

鶴乃「まさかの妖怪!?」

 

さな「確かに私、透明人間だし...。幽霊みたいなものですけど........」

 

蓮子「確かにそうだけども........。あ、確か座敷わらしって居ると幸福を呼んでくるんだよね」

 

やちよ「それに、安心出来る家に居着くのよ。ちょっとした願いも込めて........ね?」

 

さな「........はい」

 

鶴乃「いいんだ!?」

 

蓮子「あはは........。まぁ何はともあれ、この感じなら龍騎も安心するね。龍騎、さやちゃんの事ちょっと心配してたんだよ?新しい居場所で上手くやっていけてるかどうか」

 

さな「そ、そうなんですか........?」

 

蓮子「うん、龍騎って表情はあんまり出さないけど心配症だったり、過保護な所あったり........」

 

そう言って蓮子さんは龍騎さんについて色々と説明していく。他者を優先してた挙句、甘え下手で不器用な所もあったり、虫や両生類や爬虫類全般ダメだったり、ちょっと辛い物でも食べると悶絶してしまう等........。私達には知らない龍騎さんの事を聞けて意外と面白かった。

 

蓮子「........龍騎って、いつもはやる気が無くて眠たそう顔してるし、いつもボケたりツッコんだりするけど、いざって時には別人みたいに表情が変わって頼りになって........。それにとても仲間想いで、正義感も強くて、リーダーシップもあるから、まどかちゃんも龍騎に憧れては背中を追いかけているの。それになんだかんだ言って、学校じゃあ龍騎って結構人気なんだよ?先輩後輩にも評判良くて、去年なんて前生徒会長直々に『生徒会に入らないか?』って誘われたぐらいだよ?しかも今の生徒会長にもお誘い来てるしさ、全く困ったもんだよ........」

 

神浜組「「「「「................」」」」」

 

蓮子「........どうしたの?急に黙っちゃって」

 

やちよ「貴女........、相当彼の事好いてるわね」

 

蓮子「........へっ?」

 

やちよさんがそう言うと、蓮子さんはポカン、とした表情になる。

 

鶴乃「へっ?じゃないよ!今の惚気話し!?」

 

蓮子「の、惚気話しじゃないよ!///全部事実だから!///」

 

いろは「で、でも龍騎さんの事は好きなんですよね!?」

 

蓮子「ちょっと待って!仮にそうだとしても誰情報なの!?」

 

やちよ「彼本人からよ、水名神社のウワサの時に」

 

蓮子「あのバカァァァァ!!///」

 

叫びながら真っ赤になった顔を両手に当てて、首を左右に振る蓮子さん。こ、これが恋バナ........!?

 

フェリシア「?ねーちゃん、ししょーと付き合ってんのか?」

 

さな「えっ!?」

 

鶴乃「火の玉ストレート!?」

 

蓮子「つ、付き合ってないよ........///まだ........」

 

やちよ「まだ?じゃあ付き合う気はあるって事ね?」

 

蓮子「................あーもう!はいはいそうですよ!///私は、龍騎の事が大大大大好きです!!///」

 

神浜組「「「「「おぉー!!」」」」」

 

蓮子「私だけじゃないよ///メリーだって龍騎の事好きだし///」

 

鶴乃「リアル三角関係!?」

 

さな「わっ........、わぁ........///」

 

いろは「こ、告白したんですか!?」

 

蓮子「したよ........。でも龍騎の奴、『まだ二人との時間を過ごしたいから、どちらか一人を選ぶ事はしたくない』ってさ。ほんとヘタレなんだから」

 

そう言ってやれやれと溜め息を吐く蓮子さん。いいなぁ........、龍騎さんと蓮子さんがとても羨ましいと思ってしまう。強い絆で結ばれる恋、私もしてみたい........。

 

フェリシア「へー、ししょーも恋愛には得意じゃないんだな」

 

蓮子「あいつ、愛情表現が壊滅的に終わってるからね。甘え下手で不器用なんだよ。........何回身体重ねてやろうかと思った事やら........」

 

いろは「かっ........!?///」

 

フェリシア「........?身体重ねて何のイミがあるんだ?」

 

鶴乃「わーっ!///それ以上はダメー!///」

 

フェリシア「なんだよ、教えてくれたっていーじゃねーか!」

 

蓮子「つまりセッ........」

 

やちよ「やめなさい、二葉さんがもう限界きてるわよ」

 

やちよさんが蓮子さんの口を塞ぐと、さなちゃんは顔を真っ赤にして蓮子さんに尋ねる。

 

さな「も、もももももしかして........///もう大人の階段を........///」

 

蓮子「ぜーんぜん、龍騎はそう言うのは乗り気じゃないみたいでさ〜。こっちはどんと来いって感じなんだけどね〜」

 

やちよ「その台詞は控えなさい。勘違いする人が出るわよ」

 

蓮子「........この際だからぶっちゃけるけどさ、私は龍騎なら何されてもいいよ。それこそ私の純潔も龍騎に捧げられるし、私の全ても与えられる。こんな事言うの、龍騎だけであって他の人なんて絶対に言わないもん。私にとって龍騎は世界中の中で一番必要な人なの、私を必要とされたいし、必要としたい。その為なら私なんだってやるよ、それが私なりの龍騎への愛ってやつかな」

 

重い........。思っていた以上に龍騎さんへの愛が重い........。

 

蓮子さんの言葉を聞いて皆んな少し引いていた。フェリシアちゃんも困惑してるし、さっきまで顔を真っ赤にしていたさなちゃんも驚いていた。女の人って一人の男性に対して恋愛感情の度が過ぎるとこうなってしまうのだろうか........。私も気をつけなくっちゃ........。

 

それから皆んなで恋バナを続けた。皆んなの好きなタイプや、デートに連れてって欲しい場所等、女の子同士の会話を楽しんでいた。さなちゃんも自然と会話に入ってきて、とても楽しそうだった。そして、気がついたら既に夕日は暮れていた。

 

 

蓮子「じゃ、私は帰るね」

 

さな「きょ、今日はありがとうございました」

 

蓮子「此方こそ、またお話ししようね!」

 

さな「っ........、はい!」

 

そして蓮子さんはみかづき荘の外へ出ていくと、やちよさんも見送りの為か一緒に外へ出て行った。

 

 

〜いろはside out〜

 

 

 

〜蓮子side〜

 

やちよ「........さて、貴女には聞きたい事があるの」

 

みかづき荘を出たら、背後からやちよさんが声を掛けてきた。

 

蓮子「何?」

 

やちよ「彼........、鹿目くんの容態についてよ」

 

蓮子「........龍騎の容態?」

 

やちよ「えぇ........。フェリシアの問いかけに、貴女は口を濁したわよね?」

 

 

フェリシア『で、ししょーはいつコッチに来るんだ?』

 

蓮子『う〜ん........、いつだろうね?』

 

 

あ〜、あの時か........。やっぱり分かっちゃったか........。

 

やちよ「まさかとは思うけど........、彼は........」

 

蓮子「........うん。はっきりとは分かんないけど、もしかしたら無気力症候群なんじゃないかって........」

 

やちよ「........................そう、だから貴女が彼の代わりに」

 

蓮子「そう言う事、だから........。力になれるかどうか分かんないけど、よろしくね」

 

やちよ「えぇ........、此方こそ........」

 

そう言って私は帰宅しようとすると、玄関が突然に開かれた。しかし、玄関からは誰も居なかった。

 

やちよ「あら二葉さん、どうしたの?」

 

さな「は、はい........」

 

どうやら出てきたのはさなちゃんだった。魔法少女じゃない私には見えないけど、やちよさんが言ってくれた事で誰が出てきたのが分かった。

 

さな「一度、家に帰ろうと思って........」

 

やちよ「................最後のけじめって事ね?」

 

さな「...............はい」

 

けじめ........?よく分かんないけど、さなちゃんの家庭問題だろう。だったら赤の他人である私が口を出す訳にはいかない。

 

蓮子「よく分かんないけど........、頑張ってね!」

 

さな「はい........。行ってきます」

 

そう言ってさなちゃんは走っていく........。そして足跡が遠くなっていく........。私も頑張らなくちゃ、龍騎の為にも........。





いかがでしたか?

今回から少し蓮子がメインになります。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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寝返りとチーム解散


どうもです。

ゲーム版のマギレコでscene0版のまどか、ほむほむ、杏子と無課金で当ててニヤけが止まりません。この調子だとさやかちゃんとマミさんもくるだろうから、二人も当てたい...。

今回は少しオリジナルのシナリオを入れてみました。

それではどうぞ。


 

〜まどかside〜

 

龍騎「zzz........」

 

放課後、私はお兄ちゃんの部屋でさやかちゃんと一緒にメリーさんに勉強を見て貰っていた。蓮子さんは新しいウワサの調査で神浜へ行っている中、お兄ちゃんはベットでスヤスヤと眠っている中、メリーさんは蓮子さんを心配して、携帯で電話を掛けてるけど、一度も応答が無かった。

 

メリー「........変ね、蓮子と連絡が取れないわ」

 

さやか「神浜で何かあったんじゃ........」

 

メリー「だとしたら大変ね........。私今から行ってくるわ」

 

まどか「私も行きます!」

 

蓮子さんに何かあったらお兄ちゃんが悲しむ........。メリーさんが神浜に行くと言うと、私も着いていこうとする。

 

さやか「待ってまどか、私が代わりに行くから」

 

そう言ってさやかちゃんが、私の肩を掴んで止めた。

 

まどか「でもさやかちゃん....」

 

さやか「まどかは此処に残って、お兄さんの事見てて?それに私だって神浜に行った事ないから気になってた訳だし」

 

メリー「なら私が案内するわ、行きましょう」

 

さやか「はい!」

 

そう言って二人は部屋へ出て行って、神浜へと行ってしまった。そして取り残された私は、ベットで眠っているお兄ちゃんに視線を向ける。

 

お願い、お兄ちゃん........。早く元気になって........。

 

 

 

〜まどかside out〜

 

 

 

 

〜???side〜

 

あーあ、今日も暇だね〜。叔父さん達は旅行中だしさ、全く、俺も連れてってくれたっていいじゃねぇか。

 

「おやおや、随分と退屈してるようですね?」

 

ん?おぉー!旦那か!久しいなぁ、旦那から会ってくれるなんて嬉しいねぇ!あ、ちょっと待ってくれよ、今お茶出すからさ........。えーと、お茶っ葉は........。

 

「お気遣い感謝します。実は貴方にお願いがありまして...」

 

ん?俺にか?珍しいねぇ、俺に頼み事なんて今回が初めてじゃないか?

 

「貴方が作った例のアレ、実はある人物に渡してあるんですよ」

 

ほぇ〜、アレをか?何者なんだい、そいつは?

 

「前に私が話した人物ですよ」

 

あぁ〜、そんなやつ居たな........。大方、そいつの持ってる力を解放して欲しいって事か........。

 

「お願い出来ますか?」

 

お安いご用だとも!で、いつ連れてくるんだ?出来れば叔父さん達が帰ってくる前に連れて来て欲しいんだが。

 

「そうですね、この後か明日には連れて行きましょう」

 

流石、仕事が早いねぇ〜。オッケー!んじゃこっちも色々準備しておくぜ!

 

「よろしくお願いしますね........。では私はこれで....」

 

ひひっ、まさかの俺への仕事だとはな。久しぶりに腕がなるぜ!さーてと、何をぶち込んでやろうかな〜。

 

 

〜???side out〜

 

 

 

 

〜いろはside〜

 

私はみゆふさんの鳴らしたベルを聴いた途端に意識を失ったと思ったら、みゆふさんの記憶を見ていた........。

 

かつて、やちよさんと一緒に戦って来たみふゆさんと、もう一人の魔法少女、かなえさん。

 

そして、かなえさんの死........。

 

新たに迎えた仲間のももこさん、鶴乃ちゃん、そしてメルさん。

 

そのメルさんの魔女化、更に魔法少女の真実、みふゆさんの魔法少女になった理由。そして初めてのドッペルに灯火ちゃんとの出会い........。

 

みふゆ「........これが私の記憶です」

 

みふゆさんの記憶が終わると、振り返ったらみふゆさんと灯花ちゃんが居た。

 

灯花「どーお?気が変わった?自分で体験すると違うでしょ?」

 

いろは「........」

 

灯花「ねぇ環いろは、一緒に魔法少女を解放しない?そうしたら、ねむの事も、妹の事も、マギウスの翼に居るかどうか調べる事ができるよ。それに妹と出会えた後の事だって、魔法少女のままじゃ一緒に大人にもなれないかもよ?」

 

いろは「........私は」

 

うい........、貴女と再開出来たとしても、魔法少女の私は貴女と長く生きられない........。マギウスの翼に入れば、貴女の情報を知る事も出来るかもしれない........。

 

でも、私は........。

 

いろは「私は、マギウスの翼には行きません」

 

既に、答えは決まっている。

 

灯花「........なんでそーなるのかにゃー」

 

みふゆ「........これだけの真実を知っててもですか?」

 

いろは「........私だって魔女にはなりたくありません。魔法少女を解放したいって目的もよく分かった。でも、どうしてその成れの果ての魔女を利用出来るの?彼女達は今も苦しんでるかもしれないのに、ウワサの事もそう、色んな人が巻き込んで、傷つけて........。自分が助かる為に誰かを利用するなんて、私には出来ない。蓮子さんの言う通り、貴女達は卑怯です。それに........、真実を知ってても尚、今でも戦い続けてるまどかちゃん達の努力を否定する事になる。それに、やちよさんも真実を知ってるのにマギウスの翼を否定している。私はやちよさんの事も信じてる........。だから、私はついて行けない」

 

灯花・みふゆ「「........」」

 

私がマギウスの翼の勧誘を断ると、二人の姿が消えて視界が光出すと、私を包み込んだ。そして、再び目を開けると、記憶ミュージアムだった。どうやら無事に戻ってこれたみたいだ........。

 

辺りを見渡すと、やちよさんが倒れていた。どうして此処に........、私は慌ててやちよさんの元へ駆けつけると、眠っている事が分かった。もしかしたら、やちよさんも同じ記憶を見せられているのかな........?

 

やちよ「んっ...、くっ........」

 

いろは「!やちよさん!」

 

するとやちよさんも意識を取り戻した。

 

やちよ「此処は........」

 

いろは「良かった!目が覚めて!」

 

やちよ「環さん........」

 

いろは「皆んな居ないし、やちよさんは起きないし、どうしようかと思いました........」

 

やちよ「........貴女は、マギウスの翼?」

 

いろは「え........、ち、違います!ちゃんと断りました!」

 

どうやら、やちよさんは私がマギウスの翼に入ったと思っていたので、慌てて誤解を解く。

 

やちよ「そう........。それじゃあ........、貴女も真実を見たのね」

 

いろは「はい........。かなえさんの事も、メルちゃんの事も........。やっと分かりました、やちよさんがドッペルの事を危険だって言っていた理由も、口寄せ神社で龍騎さんと必死に守ってくれた事も........」

 

やちよ「それは違うわ、私は此処に自分の過去を見つめ直しに来たのよ」

 

いろは「えっ........」

 

やちよ「そして、みふゆの記憶を見て........。一年前に戻る事ができた」

 

一年前に........、戻った?どう言う事........?

 

やちよ「環さん........、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チームは解散よ」

 

いろは「........えっ?」

 

突然のやちよさんの言葉に私は理解が出来なかった。すると........、

 

灯花「くふっ、ようやく目が覚めたんだね。随分待っちゃったよ」

 

顔を上げたら、灯花ちゃんとみふゆさん、そしてアリナさんが居た。

 

いろは「灯花ちゃん........!」

 

アリナ「ほんと、アリナ達を待たせるとか、世界の損失に繋がるんですケド」

 

みふゆ「まぁまぁ、必要な手順ですから........」

 

いろは「酷い........。争いたくないって........、私はその言葉を信じたのに........!こんな無理矢理ウワサに巻き込むだなんて........!」

 

灯花「無駄な争いをしたくないっていうのは本当だよ?争うよりも、こうして仲間にした方が皆んな傷つかないし、とっても平和的でしょー?」

 

いろは「何が傷つかないなの........、蓮子さんに手を出して!」

 

やちよ「っ!彼女はどうしたの!?」

 

やちよさんの言葉に私も今気がついた。辺りを見渡すと、蓮子さんが居なかった。

 

いろは「蓮子さんは!蓮子さんは今何処に!?それと皆んなは!?」

 

灯花「皆んな?皆んななら此処に居るよ」

 

そう言って灯花ちゃんは半歩、隣に移動すると、後ろには黒いロープを纏った魔法少女が居た。そして、三人がフードを外すと........、

 

其処には鶴乃ちゃん、フェリシアちゃん、さなちゃんの姿だった。

 

いろは「嘘........、でしょ........?」

 

灯花「くふふっ♪此方は今日から仲間になった皆さんです♪」

 

そんな........。

 

灯花「皆んなは魔法少女の解放を理解してくれたんだよね?」

 

鶴乃「うん...。皆んなを守れるなら、マギウスの翼で偉業を成すのが私の目的........。ずっと龍騎さんに頼られっぱなしにはいかないから」

 

フェリシア「ししょーには申し訳ねーけど........、オレも自分の罪を消すなら、マギウスの翼だって思ったんだ........」

 

さな「此処で私は、自分の願いで苦しんでる人を助けます。龍騎さんみたいには上手くいかなくても........」

 

鶴乃「それに、まるで啓示を受けたみたいだよ」

 

フェリシア「オレなんて神様から翼になれって言われた気がするんだぞ」

 

さな「そう、それから私も世界が明るく見えてるんです」

 

何........、言ってるの........?こんなの嘘だ........。

 

灯花「ほらっ、聞いた聞いた?皆んな自分の意思で来てくれたんだよ?」

 

アリナ「ウェルカム・トゥ・マギウスの翼ってワケ。さ、エモーショナルな再開も終わったワケだカラ、ソイツ等を連れて早く外に出らた良いと思うワケ」

 

みふゆ「そうですね、鶴乃さん達に内律等を説明しなくてはいけませんし」

 

待って........、やめて........、いやだ........。

 

いろは「やめてっ!!」

 

私は鶴乃ちゃん達を連れて行こうとする灯花ちゃん達を呼び止める。

 

いろは「お願い、灯花ちゃん!皆んなを連れて行かないで!」

 

灯花「んー?」

 

いろは「........っ、お願い........」

 

灯花「うーん........、いーーーーやっ!」

 

いろは「ッ........!」

 

灯花ちゃんを呼び止めても、結果は変わらなかった。

 

みふゆ「あ、そうでした。この方はお返しします」

 

そう言ってみふゆさんは何かを思い出したかのように、私の方へ振り向くと、みふゆさんが蓮子さんをお姫様抱っこしてやってくる。

 

みふゆ「ごめんなさい、危害を加えるつもりはありませんでしたが........」

 

いろは「........」

 

そう言ってみふゆさんは未だに眠っている蓮子さんを渡す。そして灯花ちゃんの元へ戻って行ってしまった。

 

灯花「それじゃあね、環いろは、ベテランさん。別に着いて来たいなら勝手にしたらいいけどー?貴女達、ウワサの洗脳を拒否したんだよね?だったら........、この子がすんなり通してくれると思わないでね」

 

そう言って灯花は姿を消すと、代わりにウワサのバケモノが現れた。

 

行かせない........!必ず連れ戻す!

 

いろは「やちよさん!連携してウワサを倒しましょう!急いで三人を連れ戻さなきゃ........!」

 

やちよ「いいえ、私だけで十分よ。貴女は手を出さないで」

 

やちよさんと協力してウワサを倒そうと提案したけど、やちよさんは私の協力を拒否した。

 

いろは「なっ........!?どうしてですか!?協力した方が早いのに........!やちよさん!」

 

やちよ「来ないで!」

 

いろは「でも........、ソウルジェムが真っ黒じゃないですか........!さっきの記憶を見た所為でしょ!?そんなんじゃまともに戦えないですよ!」

 

やちよ「貴女に心配される理由なんて何処にもないわ」

 

いろは「ありますよ!私とやちよさんは同じチーム........!仲間じゃないですか!」

 

やちよ「違う、言ったでしょ?チームは解散だって」

 

いろは「........!」

 

やちよ「協力関係でもなんでもない、だから助けなんて要らないわ。私はひとりよ」

 

そう言ってウワサの元へ近づいていくやちよさん。

 

やちよさん........、どうして........!?

 

 

〜いろはside out〜

 

 

 

 

 

〜???side〜

 

おっ、ようやく来たか。意外と早かったな、まぁいいや!ようこそ、我がベルベットルームへ!我がって言っても俺は此処の主じゃないけどな!俺はあくまで留守番、バイトなんだわ!

 

よし、ちょっと待ってな。今お茶出すから、えーと、お茶っ葉........。え?お茶は要らない?あー分かっている、分かってるって。皆まで言うな、取り敢えず座りなって。俺から招待したとはいえ、此処まで来て貰ったんだ。思う存分に俺流の力を伝授(おもてなし)してやろう。

 

さぁ........、楽しい覚醒イベントの時間だぜ!




いかがでしたか?

前にアンケート取ったのは良いものの、マギウス勧誘させないとシナリオ的に無理がありそうなので、三人の魔法少女はマギウスに勧誘させました。本来だったら、蓮子も連れ去られるようにしたかったけどね........。後々面倒くさくなるので辞めました...。

分かる人なら分かると思いますが、ペルソナネタを入れました。かと言ってペルソナが使える訳ではないのでご了承を........。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

良かったら次回もよろしくお願いします。


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いろはの覚悟


どうもです。

私は仕事の出張で北海道に居ます(白目)

早く地元へ帰りたい...。

それではどうぞ。


 

 

〜やちよの解散宣言の五分前〜

 

さやか「........此処で間違いなさそうですね。記憶ミュージアムって」

 

メリー「うん........。魔力で分かるの?」

 

さやか「はい!この先に何人か魔法少女の魔力を感じます。それに........、魔女に似たような魔力も........」

 

メリー「恐らく、それはウワサのものだと思うよ。急いだ方がよさそうね........」

 

さやか「なら此処からは私だけ行きます、メリーは此処に........」

 

メリー「ううん、私も行かせて?もし蓮子の身に何があったら、龍騎に顔向け出来ないもの」

 

さやか「メリーさん........。分かりました!ならこのさやかちゃんが責任を持ってメリーさんを守ります!!」

 

メリー「えぇ、お願いね。それじゃあ行きましょう!」

 

さやか「はい!」

 

 

〜いろはside〜

 

"チームは解散よ"

 

鶴乃ちゃん達が灯花ちゃんの元へ行ってしまった時、やちよさんが突如チームは解散と告げられ、私の頭は混乱していた。

 

いろは「解散って........、なんで急にそんな事........。みふゆさんか来た日、何か言われたんですか?あの記憶にあった一年前の事が原因なんですか?」

 

やちよ「答える必要はないわ」

 

いろは「ありますよ!鶴乃ちゃわ達の事はどうするんですか!?皆んな洗脳されたままなんですよ!?見捨てるんですか!?」

 

やちよ「........」

 

いろは「なんとか言って下さいよ........。認めて........、くれたと思ったのに........」

 

やちよ「........」

 

それでもやちよさんは答えてくれない........。一体何が不満だと言うのだ........。

 

いろは「お願いだから、解散なんて言わないで下さい........。一緒にウワサを倒して外に出て、皆んなを助けに行きましょう........」

 

やちよ「........私にはもう、何も出来ないのよ........!」

 

そう言ってやちよさんは槍を構えて、ウワサのバケモノへ飛び出していく。今のやちよさんのソウルジェムの状態じゃあ、力が出せない...。やちよさんのフォローしようと、私はウワサのバケモノに向かってボウガンを放つ。

 

やちよ「助けなんて要らないって言ってるでしょう!」

 

いろは「私だって外に出る目的は同じです!だったら目の前の敵を一緒に........」

 

やちよ「来ないで!!」

 

それでもやちよさんは私との共闘を拒み、私に向かって水魔法を掛けて私の行く手を阻む。

 

もう........、もう!なんなの!?

 

やちよさんの身勝手さに私はイラつき始め、遂に愚痴をこぼしてしまった。やちよさんは戦闘に集中していたのか、私の愚痴を聞いてなかったようだが、ウワサのバケモノに攻撃を与えているが、全く効いてる気がしなかった。

 

いろは「やっぱり、魔力が全然残ってないじゃないですか...。このままじゃ死んじゃいますよ!?マギウスの思う壺です!」

 

やちよ「平気よ、私は死んだりはしないわ」

 

いろは「何言ってるんですか!?ソウルジェムが砕かれたりしたら........」

 

やちよ「........っ!全く........、要らない知恵をつけて........。手出しは無用よ」

 

そう言ってやちよさんは、複数の槍を展開してウワサのバケモノに向かって発射する。

 

メリー「いろはちゃん!」

 

いろは「っ!メリーさん!?」

 

すると背後からメリーさんの声が聞こえて、振り返ると、慌てた様子でメリーさんが此方へやってくる。

 

メリー「いろはちゃん!蓮子は!?蓮子は大丈夫なの!?」

 

いろは「は、はい!今は気絶してますけど大丈夫です!」

 

メリーはどうやら蓮子さんが心配で此処まで来たようだ。メリーさんを安心させる為に私はメリーさんに気絶している蓮子さんのを見せると、メリーさんは蓮子さんを抱きしめると、嬉し涙を流す。

 

メリー「あぁ........、蓮子........。良かった........」

 

安心したメリーの顔を見た後に、やちよさんの方へ視線を向けていると、やちよさんが使い魔に囲まれていた。私は地面を蹴ってやちよさんの元へ向かいながら、ボウガンで使い魔達を狙撃していく。

 

やちよ「貴女........、手を出すなって言ったでしょ!」

 

いろは「そう言われても見てられませんよ!私はやちよさんの仲間ですから!」

 

やちよ「っ........!」

 

いろは「此処は一旦退いて、対策を考えましょう。後ろにはメリーさんと蓮子さん達も居ますし」

 

そう言って私はメリーさんの方へ視線を向ける。やちよさんも二人の存在に気づいたのか、渋々私の提案に乗る事になった。

 

 

 

 

〜少し離れた場所〜

 

いろは「やっぱり、二人で協力しましょう。やちよさん一人では危険過ぎます」

 

やちよ「........ダメよ」

 

一度退いた私達は、作戦会議を始めたが、やちよさんはまた一人で戦うと言い出す。流石のやちよさんの態度に違和感を覚えたメリーさんが口を開く。

 

メリー「........一体どうしたんですか?やちよさんらしくありませんよ」

 

やちよ「私はいつも通りよ」

 

メリー「違いますよ!私の知ってるやちよさんは、一人で行動するような人では無かった!」

 

いろは「どうしてですか........?私にはやちよさんが考えてる事が分かりません........。みふゆさんが来てからよそよそしくなって、ミュージアムにも勝手に行けって言うし、やっぱり助けに来てくれたと思ったら、今度は急に解散だなんて......」

 

やちよ「........」

 

いろは「私、寂しいです........。悲しいです、これまで一緒に戦ってきたのに、それ以上に私は初めてやちよさんにイライラしています」

 

メリー「いろはちゃん........」

 

いろは「だからこれだけは言わせて下さい。何も理由を言ってくれないなら解散なんて受け入れない!突き放されたぐらいじゃ、やちよさんの側から離れません!無理矢理手を引っ張ってでも一緒にウワサを出て行って、皆んなを助けるんです!」

 

やちよ「........やめて」

 

私が本音をぶつけると、やちよさんは弱々しく返事をする。

 

やちよ「お願いだから私から離れて........、関わらないで........。じゃないと私が貴女を殺してしまうかもしれない........」

 

........やちよさんが、私を...?

 

メリー「........どういう事ですか?」

 

やちよ「そのままの意味よ........。どうせ聞かなくても私の側から離れたくなるから........」

 

それからやちよさんは、自分の過去を語り始めた........。

 

 

–––––かなえとメル、あの二人は私の所為で死んだのよ。私の"生き残りたい"という願いの所為で...。

 

昔、あるオーディションの日に私は39度の熱を出してしまった。モデル同士で組んだユニット........。願い自体はその中で生き残りたいというそれだけだった。

 

『お願い........、私を生かして!今度のユニットこそ失敗できないの!他のメンバーは私が前のリーダーを怪我させたって疑ってる...。信頼を勝ち取って........、認められなきゃ...。私はリーダーとして生き残りたいの........!』

 

だけど........、それで私に宿った力が二人の死に繋がってしまった。

 

 

『やちよ........。アナタは........、チームに必要だから........』

 

『尊敬するリーダーを守れて........、ボク...、幸せです...』

 

魔法少女になって........、何度ももう死んでも良いって思った。けれど、私は生き残った........。

 

どうして?周りの子はどんどん居なくなってしまうのに........。

 

その理由を考えた時........、私はこの仮説に辿り着いた。

 

リーダーで居続ける為に"生き残りたい"と願った私は、リーダーで居続ける為に"生かされた"........。

 

だとすると、貴女の治癒能力だったり、鶴乃の幸運だったり........。みふゆの幻覚のような私の魔法少女としての固有能力はこうなる...。

 

"誰かを犠牲にして生存する"––––––

 

 

 

やちよ「........分かったでしょ?私と一緒に居ると........、私の願いが貴女を殺すって........。全部私が蒔いた種なの........、仮説に思い当たって無理矢理チームを解散して........、ももこをあれだけ怒らせて、何も知らない鶴乃を不安にさせておいて........。また同じ事を繰り返してしまった........」

 

メリー「........だからって、それが遠ざける理由でも納得出来ないですよ」

 

やちよ「無理もないわ........。環さんと出会った頃は手助けのつもりだったけど、これも願いで生まれた性質の所為なのか、私はただの寂しがり屋なのか分からない。けれど........、一度気持ちを緩めると、どんどん昔の自分に戻って、貴女達を想う気持ちが強くなっていったわ........」

 

メリー「ならそのままでも........」

 

やちよ「そうはいかないわ、これは協力関係だって。貴女達は仲間じゃない........、私はリーダーじゃないって........。必死に自分に言い聞かせてた。けどダメね........、全部みふゆにはお見通しなんだもの。貴女達を私の願いの犠牲にしたくない、死なせたくない........!」

 

バチンッ

 

一人語っていたやちよさんに、肌が叩かれた音が響いた。何が起こったのか、それは........。

 

やちよ「........ぇ」

 

メリー「........」

 

メリーさんがやちよさんの頬を引っ叩いたのだ。

 

メリー「さっきから聞いていれば........!貴女はそんなに弱い人なの!?」

 

いろは「メリーさん........?」

 

メリー「自分の願いの所為で仲間が死ぬ?じゃあそのかなえさんとメルさんは貴女に恨みの一つや二つはあったんですか!?さっき言いましたよね!?『チームに必要だから』って、『尊敬できるリーダーを守れてよかった』って!それは貴女の事を大事に想ってる事になんで気がつかないんですか!?」

 

やちよ「っ!」

 

メリー「その場に居なかったから私には分からないけど、少しでも貴女を........、やちよさんを長く生きて欲しいから死んだんじゃないんですか!?誰よりも貴女を信じてたから二人は貴女を守ったんじゃないんですか!?仲間の死を恐れてチーム解散なんて、誰も納得なんていきませんよ!」

 

やちよ「........」

 

メリー「それに........、毎回守られてる人の立場を考えた事ってありますか...?とても情けなくて、無力で、悔しかった........。でもやちよさんやいろはちゃんには魔法少女という力がある...。でも私は持ってない........、いつも龍騎に守られてばっかりで........!そんな自分が嫌いになっていく...!」

 

いろは「メリーさん........」

 

メリー「ずっと守られてばっかりで、出来る事が限られていて........。もっと皆んなの力になりたいのに........。龍騎にはずっと辛い思いしてるのに........、私達を守る為に自分を犠牲にしてるのに........」

 

........そうだ、龍騎さんはいつも自分を犠牲にして戦っていた。蓮子さんの話しでは、まどかちゃん達を守る為に命を落として生き返った...。

 

それでも龍騎さんは戦い続けている...。関係のない人々の為に魔女を狩っている。まさにテレビや漫画で出てきてくるヒーローの鑑の人だ。

 

私は龍騎さんとは違う........。強くもなければ、正義感も自己犠牲を出来る覚悟も違う。それでも私なりに出来る事がある筈だ。

 

いろは「........やちよさん、私決めました!そんなやちよさんの想像、私が全部有り得ない事にします!」

 

やちよ「........えっ?」

 

私がそう宣伝すると、やちよさんとメリーさんも訳が分からないと言った顔になる。

 

いろは「私はやちよさんの仲間です。今から"仲間"の私が一人であのウワサを倒します!そしてやちよさんを守って、"私が犠牲になる"なんて想像は打ち砕いてみせます!」

 

やちよ「な、何を言っているの........」

 

メリー「ひ、一人でなんて無茶よ!龍騎だって一人じゃキツいって言ってたのに、いろはちゃんだけで戦うのは........!」

 

いろは「メリーさん、私なら大丈夫です。それに........、私は今怒ってるんです。自分の想像で皆んなを振り回してるやちよさんに、私は怒ってるんです!」

 

やちよさんが自分の想像で皆んな死んでしまうというのなら、私が証明する。やちよさんが居なくなったら寂しいし、鶴乃ちゃんとフェリシアちゃん、さなちゃんが戻ってきた時に悲しんでしまう。やちよさんが私達の為に一人居るなんて、そんなの想像するだけで悲しむのは嫌だから........。

 

このウワサは、私一人で倒す!!

 

いろは「だから、手を出さないで下さい」

 

そう言って私はフードを深く被り、ボウガンをウワサのバケモノに突きつける。

 

やちよ「環さん........っ、もうやめて!もういいわ!環さん、貴女が私を助けようとする程、私が貴女を助ける程、願いが貴女を殺してしまう........!だから私は孤独でもいい!一人で戦うから........!」

 

後ろでやちよさんが私を止めようとするが、私は全く聞く耳はないので無視して先に進む。

 

やちよさんの願いの所為で皆んなが死ぬなんて認めない。チームが解散も認めない。私はやちよさんを守って鶴乃ちゃん達を助けて、皆んなで一緒にみふゆさんを連れ戻してういを見つける。

 

龍騎『人間誰しも譲れないものが一つや二つはあるんだよ。俺にも譲れないものがある。例え腹を貫かれて死にかけても、両腕を失ってでも、誰からも奪われたくないから戦うんだ』

 

そうだ、私にだって譲れないものがある。鶴乃ちゃん達を取り戻して、ういを見つけ出す為に........。やちよさんの想像で殺されてたまるものか!

 

いろは「やちよさんの想像........、私が打ち砕いてみせる!!」





いかがでしたか?

次回で今年の投稿は終了です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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ホーリーマミ降臨


どうもです。

第三話です。

それではどうぞ。


 

〜いろはside〜

 

私達は祈った。

 

希望を一縷の光に願った。

 

その代償に今も危険な戦いに身を落としている。いつ別れの時が来るか分からない恐怖に耐えながら........。

 

それなのに、その願いが誰かを傷つけるかもしれないなんて...。

 

大切な人を守る為に孤独でいなきゃならないなんて、そんなの絶対間違ってる!

 

認めない........!そんなの絶対に、私は嫌だ!!

 

私は地面を蹴って、ウワサのバケモノに近づきながらボウガンを発射する。でもウワサのバケモノはびくともしない。どうやら装甲は硬いようだけど、隙間を狙えば内側から破壊できるかも...!

 

するとウワサのバケモノも負けじと紙の弾幕を飛ばしてくる。頬に紙に擦って血が出てしまうが、このぐらいどうって事はない。ウワサのバケモノは使い魔を呼び出して私に向かってくる。でも今の私には恐怖など無かった。

 

神浜に来てから随分と強くなった........。みたまさんに調整して貰って、龍騎さんと皆んなから戦い方を学んで、今の私なら、大丈夫。

 

いろは「いっ、けぇ!!」

 

私は魔力を溜めたボウガンを使い魔に放ち一掃する。そして残ったウワサのバケモノに向かって一直線に突入する。確実に仕留めるには、相手の懐に入り込んで零距離からの攻撃...!

 

 

〜回想〜

 

龍騎「環、もし接近戦に持ち込まれた時、お前ならどう対処する?」

 

いろは「え?えっと........、兎に角ボウガンで撃ったりして、走って距離を離す...?」

 

龍騎「まぁ射撃武装しか持たない奴ならそう考えるのが普通だな。でもさ、それを逆手に取ってみろ」

 

いろは「どう言う事ですか?」

 

龍騎「簡単な話しだ、もし相手が接近戦が得意な奴だとしても自分も接近するんだ」

 

いろは「えっ!?」

 

龍騎「相手の懐に潜り込んで零距離でボウガンをお見舞いしてしまえば、流石の相手もただでは済まされない。その分リスクは高いが、勝算はぐっと上がるし、メリットもある。一撃で仕留められれば余分な魔力は使わなくて良いし、戦闘時間も押さえられて持久戦に持ち込む必要もなくなるからな」

 

いろは「わ、私に出来るんですか........?」

 

龍騎「........お前なら出来るさ、ってか必ずその場面はくる。覚えておいて損はないぞ」

 

 

〜回想終了〜

 

 

相手は全く動かない、攻撃してくる気配もない。ならチャンスは今!私はもう一度ボウガンに魔力を溜めてウワサのバケモノの懐に入り込む事が出来た。

 

やちよさん、見ていて下さい。

 

いろは「私は、死んだりはしない!」

 

そして私は零距離からのボウガンを発射した。私の放ったボウガンはウワサのバケモノを貫通し、断末魔を発しながら消滅した。

 

メリー「凄い........、本当に一人で倒しちゃった........」

 

やちよ「環さん........」

 

いろは「........やりましたよ、やちよさん!私、死んでませんよ!」

 

私はやちよさんの方へ振り返って、やちよさんの想像が嘘だと証明する。するとやちよさんが私を優しく抱きしめてくる。

 

やちよ「どうして........、こんな無茶を........」

 

いろは「........無茶して当然です。私、皆んなと離れたくありませんから...。だからやちよさん、やちよさん自身にもう一度チャンスをあたえてくれませんか?皆んなは自分の願いで死んでなんかいないって、自分自身を信じてあげるんです」

 

そう言って私はやちよさんの手を優しく包むと、やちよさんの手は震えていた。

 

やちよ「........でも、それでも私は........。怖いの、自分の所為で貴女達を失うかもしれない事が........。とても怖くて仕方ないのよ........」

 

そう言って一筋の涙を流すやちよさん。たちよさんの願いは"リーダーとして生き残りたい"なら、やちよさんがリーダーじゃなくなれば問題ない。それなら........。

 

いろは「私が、私がリーダーになります!」

 

やちよ「えっ」

 

いろは「やちよさんがリーダーじゃなければ、怖い思いをしなくて済むんですよね?だったら私がリーダーになります!」

 

やちよ「貴女は........、本当に頑固なんだから........」

 

いろは「皆んなを助けましょう、やちよさん」

 

やちよ「えぇ........。ありがとう、()()()........」

 

私がリーダーを引き受けると、やちよさんは先程より涙を流し始める。そして私とやちよさんは再び手を合わせる。

 

蓮子「........んんっ」

 

メリー「蓮子...!?大丈夫!?」

 

すると気絶していた蓮子さんが目を覚ますと、辺りを見渡して状況を確認し始める。

 

いろは「蓮子さん!」

 

蓮子「あ、あれ........?此処は........?ってなんでメリーが........?」

 

メリー「良かった........、無事で良かった........!」

 

蓮子「ちょ、メリーやめてって!苦しいから!」

 

そう言ってメリーさんは蓮子さんに抱きつくと、それを引き剥がそうとする。すると蓮子さんが何かを思い出したような表情になる。

 

蓮子「そうだ!皆んなは!?他の皆んなはどうしたの!?」

 

いろは「っ...............」

 

そうだった........、蓮子さんは気絶してたから何も知らないんだった。私は鶴乃ちゃん達が灯花ちゃん達に連れ去られてしまった事を伝えると、蓮子さんは絶望した表情で俯いてしまった。

 

蓮子「そんな........、私の所為で........」

 

メリー「蓮子の所為じゃないわ、貴女は何も........」

 

蓮子「だって、ずっと側に居たのに簡単に気絶しちゃって........。フェリシアちゃん達も居なくなっちゃって........!龍騎にどんな顔しろって言うのよ!」

 

強く手を握りしめて涙を流し、とても悔しそうにしていた。その気持ちは私だって同じだ。何も出来なかった自分がとても悔しい........。

 

やちよ「........宇佐見さん、悲しんでる暇は無いわ。今は先を急ぎましょう。それにまだ鶴乃達を助け出す方法が無い訳ではないわ」

 

蓮子「........うん」

 

そう言って涙を拭いて、バチンと頬を叩く蓮子さん。そして先程とは違っていつもの蓮子さんに戻った。

 

蓮子「ごめん、みっともないもの見せて」

 

メリー「気にしないで、私も同じ気持ちだから........」

 

いろは「行きましょう、皆さん」

 

そして私達は記憶ミュージアムから出るべく、私が先頭に歩き始める。

 

やちよ「........なんだか不思議ね。絶対に解散するつもりでいたから、変な気分だわ」

 

いろは「あはは........、私もです。やちよさんにあんなに強く言っちゃうなんて........」

 

蓮子「私が寝てる間に何があったの?」

 

メリー「それはまた後で教えるわ........。それよりも、貴女帽子は?」

 

メリーさんの質問に蓮子さんは頭にポンポンと触れると、いつも被っていた黒い帽子が無くなっていた。確かあれは........。

 

いろは「灯花ちゃんが持っていたような........」

 

蓮子「ぼ、帽子まで盗られた........」

 

やちよ「あの帽子は大切な物なのかしら?ずっと被っていたけど」

 

蓮子「あれはお婆ちゃんから貰った宝物なんだ........。幼稚園の頃から貰ってからずっと被ってたからね........」

 

そんな前からずっと大切にしてきた物なんだ........。

 

いろは「........なら、帽子も取り返さなくちゃいけないですね」

 

やちよ「........ふふっ、私より決意よりいろはの頑固の方が強かったって事ね」

 

いろは「あっ、そ、そんな言い方はちょっと意地悪ですよ!」

 

メリー「あら、頑固なのは龍騎も負けてないわよ?ね、蓮子」

 

蓮子「負けてないって言うより、龍騎がダントツで一番だよ。一度決めたら最後までやり通すし、やる時はやるって決めてるからね」

 

いろは「あはは........、言われてみればそうですね」

 

蓮子さんがそう言うと、何故か納得してしまう。

 

メリー「でもいろはちゃん、さっきの戦い方........。何処となく龍騎みたいだったから、あんまり無茶な戦いはしないでね」

 

いろは「す、すみません........」

 

メリーさんに注意されてから私もようやく気がついた。確かにさっき戦いは何処か龍騎さんに似ていたような気がする........。

 

龍騎さんはずっとあんは戦い方をしていたのかな........。私もいずれは自己犠牲が当たり前になっていくのかな........。

 

そんな事を思っていたら、感じた事がある魔力の反応を読み取れた。これは........、まさか!?

 

やちよ「いろは、貴女も気づいた?」

 

いろは「はい、間違いありません。これは........、マミさんです!」

 

蓮子・メリー「「えっ!?」」

 

私の言葉に蓮子さんとメリーさんが返事をすると、誰かの足音が聞こえ始める。そしてその足跡は次第に大きくなり........。

 

「御名答、よく分かったわね」

 

「「「「!?」」」」

 

そして、奥から姿を現したのは数日前から行方不明になっていた巴マミさんだった。

 

マミ「お久しぶりです、皆さん」

 

やちよ「貴女........、どうして此処に?」

 

蓮子「マミちゃん!今まで何処に行ってたの!?皆んな心配してたんだよ!?学校にも来ないし、龍騎だって行かせなきゃ良かったって言ってたんだよ!?」

 

マミ「........すみません。お騒がせしてしまって」

 

メリー「マミちゃん、もうスパイなんていいからもう帰ってきて!お願いだから!」

 

マミ「........ごめんなさい、それは出来ません」

 

蓮子さんとメリーさんがマミさんを説得するが、マミさんの口から発した言葉はまさかの拒絶だった。

 

蓮子「どう、して........?」

 

マミ「今の私には、自分の使命を理解したからです」

 

メリー「使命........?それって........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マミ「魔法少女の解放です

 

マミさんはそう言うと、魔法少女の姿に変身するが、前回一緒に戦った魔法少女姿ではなく、膝下にかかるほどの広いヴェールをかぶり、その上に王冠を被っていた。

 

やちよ「それは........」

 

いろは「ま、待ってください!私達は戦いたい訳では...!」

 

マミ「えぇ、分かってるわ。私も其処まで鬼じゃないもの........。だから最後のチャンスをあげます。マギウスの翼に入るか、二度と私達に干渉しないで下さい。そしたら今回は見逃します」

 

蓮子「嘘........、だよね........?」

 

マミ「お願いです、私に引き金を弾かせないで下さい。これは脅しではありません」

 

そう言ってマミさんは蓮子さんに無数のマスケット銃を向ける。マミさんの目........、本気で撃とうとしてる。

 

ちょーっとまったぁー!!

 

次の瞬間、謎の叫び声と共に何処からか消化器が飛んできて、その消化器が爆発し、白い煙が撒き散らした。

 

そして煙が無くなると、白いマントを纏った青髪の女の子が居た。

 

?「マミさん!こんな所で何してるんですか!弱い物いじめする人じゃないでしょ!」

 

メリー「っ!さやかちゃん!」

 

マミ「美樹さん........」

 

あの二人の様子からして、あの青髪の魔法少女は見滝原から来た子なんだろう。

 

さやか「ごめんなさいメリーさん!道に迷っちゃった挙句に親から電話が........。ってかマミさんなんですかその格好!?派手すぎません!?」

 

マミ「........美樹さんも心配かけたわね。でも私は自分の使命果たす為にマギウスに残ってるの、これ以上魔法少女が絶望しない為に........」

 

さやか「........」

 

マミ「美樹さんだって、魔法少女の真実を知ってるでしょ?私はもう誰も絶望する瞬間を見たくないの........。一年前に龍騎さんが死んだあの日のように........」

 

さやか・蓮子・メリー「「「っ!!」」」

 

やちよ「死んだ........?彼が........?」

 

いろは「あ、後で説明します!」

 

そうだ........っ!やちよさんは龍騎さんが一度死んだ事は知らなかったんだ........!

 

マミ「だから私は少しでもその絶対を解放する...!だから私はマギウスの翼から離れる訳にはいかないのよ」

 

さやか「........それがマミさんが決めた事なんですか?私はそうは思わないですけど」

 

マミ「これが私の覚悟よ、美樹さん」

 

さやか「........分かりました」

 

そう言って美樹さん?は来た道へ振り向いて歩き出す。

 

蓮子「さ、さやかちゃん........」

 

さやか「此処は一旦引きましょう。どうも説得は無理そうですし、此処でやり合うよりも戻って作戦を考えないと」

 

マミ「一旦、なのね........」

 

さやか「マミさん........、次に会う時は必ず見滝原へ連れて帰りますから」

 

マミ「もう一度会ったら、今度はどちらかが死ぬ事になるわよ?」

 

さやか「覚悟の上です........」

 

そう言って美樹さん?は歩き出すと、私達も後に続くように記憶ミュージアムの出口へと向かった。

 

 

 

 

〜とある広場〜

 

さやか「ふぅ......、此処まで来りゃ大丈夫かな......」

 

メリー「あ、ありがとうさやかちゃん。助かったわ」

 

さやか「あー、いやいや!此方こそすみません!」

 

記憶ミュージアムから脱出して、ある広場に駆けつけた私達は、追手が来ない事を確認するとようやく一息つく事が出来た。

 

いろは「あ、あの...。ありがとうございます。助けて貰って......」

 

さやか「いーよ、気にしないで。あ、それとこれ使って」

 

そして美樹さん?が私に差し出したのは、一つのグリーフシードだった。

 

いろは「グリーフシード......!?」

 

やちよ「どうして私達に其処まで......」

 

さやか「ん〜、この間のまどかとほむらが世話になったお礼。あとお兄さんの分ね」

 

お兄さん...?もしかして龍騎さんの事を言っている方なのだろうか......?

 

メリー「あ、紹介するね。此方は美樹さやかちゃん。まどかちゃんと同じく見滝原の魔法少女なの」

 

さやか「よろしくね、それよりも......。私が迷子になってる間に何があったの?よく分からない魔力は感じるし、マミさんは派手なコスプレするわ、ちんぷんかんぷんなんだけど」

 

美樹さんはまだ何も知らなかった様子だったので、私は今日の事を美樹さんに説明する。

 

さやか「......成る程、ほぼほぼお兄さんの言ってた事が本当だった訳か」

 

やちよ「美樹さんは、魔法少女が魔女になる事は知っていたのかしら?」

 

さやか「はい、一年前に...。しかも私、魔女になりかけてたんで」

 

いろは「えっ!?」

 

さやか「魔法少女の真実を知ってから、自暴自棄になっちゃって...。そんな時にお兄さんが身体を張って助けて貰った訳...。今思うと情けない話しだよ、自業自得なのに他人に八つ当たりしてたから」

 

あはは、と苦笑するする美樹さん。

 

さやか「それにさっきのマミさん........。明らかに可笑しいよ、最初はマギウスの翼のやり方に反対してたのに、今じゃ掌返ししてるし........」

 

いろは「やっぱりですか........」

 

蓮子「マミちゃんも洗脳されてるって言うの...?」

 

やちよ「そう考えるのが自然でしょうね。それにあの姿........、マギウスが何かしら仕組んだんでしょう」

 

メリー「マミちゃんの事だけじゃなく、他の子の事もあるし........。色々大変になるわね」

 

そうだ、マミさんだけの話しじゃない。鶴乃ちゃんやフェリシアちゃん、さなちゃんを助けだなくちゃいけない。そしてみふゆさんの目を覚まさせる為にもやる事が多い。

 

メリー「........兎に角、今日は解散しましょう。皆んな色々疲れてると思うし、私達もまどかちゃん達と相談しないといけないし」

 

蓮子「そうだね........」

 

さやか「こうなった以上、まどか達にも応援を呼んだ方が良いですね。マミさんが操られてるって知ったら、皆んな力貸してくれる筈ですし」

 

やちよ「ごめんなさいね、貴女達に迷惑を........」

 

さやか「いえいえ、私だってアイツ等のやり方は間違ってるって思うし、それに........、運命に従うんじゃなくて抗って勝つ事が、私達魔法少女の定めだって思ってますし」

 

運命に........、抗って勝つ........。

 

さやか「私が魔法少女になる前にお兄さん、私の幼馴染が入院してた時に言ってたんです。『運命に従うな!抗え!そして勝て!医者の言葉なんて間に受けるな!腕が動かないだ?日常生活に支障は無いんだろ?だったら動かせるようになるまで諦めんなよ!人生何が起こるか分かんないんだから現実から逃げるな!』って...。それを魔法少女に置き換えると、マギウスの連中は逃げてるんだって分かるんですよ。だから、魔法少女が魔女になる運命から逃げない。その運命に抗って生きるって決めたんです」

 

魔女化になる運命に抗って、生きる為に勝つ、か........。見滝原の魔法少女は私達よりも強いな...。身も心も強いなんて、まるで龍騎さんみたいだ。

 

蓮子「そうだ、龍騎はどう?体調の方は?」

 

さやか「相変わらずです...」

 

と、蓮子さんが思い出したかのように質問すると、美樹さんは肩をすくめながら返答する。相変わらずって何の事だろうか........。

 

やちよ「........出来れば彼にも力を借りたいけど、今は仕方ないわ。私達でなんとかしましょう」

 

蓮子・メリー・さやか「「「うん(えぇ)(はい)」」」

 

それから蓮子さん達と別れて、私とやちよさんはみかづき荘へと向かってる途中に、私は龍騎さんについて質問する事にした。

 

いろは「あの、やちよさん...。龍騎さん、何かあったんですか?」

 

やちよ「いろはは聞いていなかったみたいね........。彼、精神的に病んでしまって協力出来る状況じゃないのよ」

 

いろは「........えっ!?」

 

衝撃的な事実に私は開いた口が塞がらなかった。あの龍騎さんが........。

 

やちよ「今まで頑張り過ぎた挙句に、ストレスが限界突破してしまったと思われるわね。例え前世が神であっても今は人間、完璧なんて存在しないのよ」

 

いろは「................なら、少しでも龍騎さんを安心出来るようにしないといけませんね」

 

既に火蓋は切られている。後戻りはもう出来ない........。

 

鶴乃ちゃん達を取り戻し、ういの事を知る為に........。此処まで一緒に戦ってくれた龍騎さんに少しでも恩を返せるように........。

 

マギウスの翼の野望を打ち滅ぼす。私はそう心に誓った。





いかがでしたか?

今年の投稿はこれにて終了です。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。

それでは皆さん、良いお年を。


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ベルベットルーム


どうもです。

これで今年の投稿は最後です。

それではどうぞ。


 

意識がゆっくりと覚醒すると、何処か悲しげなメロディーが流れていた。そして俺は瞼を開ける。辺りは何処かの洋館のエントランスみたいで中央には四角のテーブルと赤色の長いソファーに俺は座っていた。

 

何処となく........。紅魔館に似てて懐かしい気持ちになる。

 

「おっ、ようやく来たか。意外と早かったな、まぁいいや!ようこそ、我がベルベットルームへ!我がって言っても俺は此処の主じゃないけどな!俺はあくまで留守番、バイトなんだわ!」

 

と、勝手に会話を始めたのは........。黒いタキシードを纏い、鍔には涼やかな音色が響く金色のリングがあしらわれている帽子を深く被ってるよく分からない男がヘラヘラしながらこの場を教えてくれた。

 

ベルベットルーム........?なんだそれは........?

 

「よし、ちょっと待ってな。今お茶出すから、えーと、お茶っ葉........。え?お茶は要らない?あー分かっている、分かってるって。皆まで言うな、取り敢えず座りなって。俺から招待したとはいえ、此処まで来て貰ったんだ。思う存分に俺流の力を伝授してやろう」

 

何も言ってないのに勝手に話しを進めるバイトくん(仮名)

 

いやまず此処はどう言う所だよ........。

 

龍騎「おい、まず俺の話しを........」

 

「まぁ待て、皆まで言うな。此処がどう言った所か教えろって事だろ?それもちゃんと教えてやるから待てって。せっかちな男はモテないぞ?」

 

モテないのはお前もでは........?

 

「でもお前さんには知る権利はあるしな。よし、教えてやろう。此処は精神と物質の狭間にある場所だ。ある力を持ってる者しか扉が開かれない場所。でもお前さんは俺にとって最初で最後の客人って訳、つまりお前さんだけ特別に招待したって訳だ」

 

龍騎「........そのある力ってなんだ?」

 

「悪いな、俺も詳しくは分からんのよ。まぁお前さんが持ってる本来の力と似たものだと思えば良い。例えば、お前さんが今まで使っていたカードデッキ........。あれ作ったの俺なんだわ!」

 

何だと........?どういう事だ........。俺はポケットからカードデッキを取り出した。そしてそれをテーブルに置く。

 

龍騎「何の目的でこれを作った?」

 

「いんや、特にこれと言った理由はないさ。ただの暇つぶしに作った物の筈だったんよ。このベルベットルームの主である俺の叔父さんは、ある"力"を強くしたり合体したり出来るんだが、そんな叔父さんに憧れを持っていた俺だが、残念な事に俺にはその"力"を扱う事が出来なかった。其処にな、ある人に助言を貰ってな!俺は俺なりのやり方で力を弄れるようにしようってな!」

 

........そう言う事だったのか。例の"力"ってのは気になるが、今はそんな事は良いか...。

 

龍騎「お前には色々説明して貰う事があるんだが........」

 

「そりゃ勿論お答えしますとも!あ、カードデッキ借りるな。こいつを弄りながら説明してやるよ」

 

そう言ってテーブルに置いたカードデッキを自分の手元に置いて、何かを念じるかのように両手を前に出すバイトくん(仮名)

 

「で、何から聞きたい?」

 

龍騎「前にこれを使って戦ったら寿命が減って死んだんだが、何か意味があるのか?」

 

俺は最初に質問したのは、カードデッキの使用による寿命減少だ。

 

「簡単な話しさ、お前さんはあの契約獣魔と契約して無かったからな」

 

龍騎「契約?」

 

「おうよ、お前さんは一年前にこのカードデッキを手に入れてからずっと戦っていただろ?それだと契約した事にはならんのさ。そして使い続ける事により利用規約に違反して寿命が減ったって訳」

 

しかし、今は寿命が減ってない........。まどかに生き返らせて貰ったからか?

 

「あー、確か一回死んで生き返ったんだっけ?お前さんの妹さんの願いによる恩恵もあるっちゃあるが、今のお前さんと契約獣魔は仮契約状態になってんだわ。所謂お試し期間って訳」

 

龍騎「お試し期間?」

 

「そっ、あともう少ししたらお試し期間は終了。また寿命が減っちまうぜ?ってかなんだこれ?このよく分からんカードは、生き返った時に生じたバグか?チクショウ、全然直んねぇ........」

 

何やら手こずってるようだ。生き返った時に生じたバグ........?あのランダムで決まるカードの事か?調整屋に弄ったのが原因か........。

 

「あーもうめんどくせぇ!取り敢えず入れるだけ全部ぶち込んじゃえ!」

 

おいおい、そんなヤケクソで良いのか........。と思いながらバイトくん(仮名)の作業を眺めていた。

 

「取り敢えずこんなもんだな........。このバグはどうしようもねぇな、直すならまた新しいカードデッキ用意しないとな」

 

龍騎「........?直せないのか?」

 

「あぁ、あの調整屋のお嬢ちゃんが弄った所為でな。確かに腕は良いし、強化もされてある。だかあのお嬢ちゃん専門は魔法少女、こんな専門外に調整されたらそりゃこうなる訳だ。簡単に言うと、配線がめちゃくちゃだが奇跡的に電気が流れる電気回路みたいな状態だ」

 

成る程、分からん(真顔)

 

龍騎「........なぁ、質問があるんだが」

 

「ん?なんだ?」

 

龍騎「さっきお前が言ってた獣魔との契約........、何の意味がある?」

 

俺は先程から気になっていた契約について質問する。するとバイトくん(仮名)は不気味な笑みを溢しながら質問に答える。

 

「簡単だ、さっきも言ったがお前さんとお前さんの獣魔との関係はまだ仮契約。本格的な契約状態じゃないから、100%獣魔の力が出せてない状態なんだよ。ずっと仮契約のままだとペナルティーで違約金として寿命が奪われるって訳だ」

 

100%の力を出せてない状態?おいおい、あの赤い龍どんたけ強いんだよ........。

 

「ちなみにお前さんの獣魔は契約しても良い状態だぜ?なんなら今すぐしろって言ってる」

 

龍騎「言葉が分かるのか?」

 

「いや?何となくそう訴えてるだけだ」

 

なんだよ........。

 

「それと契約するなら........、一つだけ忠告しておくぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

獣魔との契約に従い、お前さん自身の選択に相応の責任を持って頂く事。これが最初で最後の最重要事項だ

 

俺自身の選択に相応の責任を持つ........。要は自分が決めた目標は最後までやり遂げろって事か........。

 

そんなの、とっくの昔から覚悟は決まってる。

 

龍騎「上等だ」

 

「結構........」

 

そう言ってバイトくん(仮)はカードデッキから一枚のカードを引いて俺に渡す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

––––––ようやく我の声が聞こえるか、随分と時間が掛かったな。

 

 

––––––貴様の小遊びに付き合うのも退屈で仕方ないわ。だが、それも今日で終いだ。

 

 

––––––貴様の覚悟は既に聞き届きている。我も覚悟を決めよう。

 

 

––––––契約だ、貴様に悲劇を打ち砕く力を与える。

 

 

––––––我は汝、汝は我。己が信じた正義の為に、あまねく冒涜を省みぬ者よ。その怒り、我が名と共に解き放て!たとえ地獄に繋がれようと全てを己で見定める、強き意志の力を!

 

 

 

 

 

 

 

「よし、これで契約は成立だ!こっちも作業が終わったぜ!」

 

そう言って作業を終えたバイトくん(仮名)は俺にカードデッキを返す。気のせいでなければ、俺のカードデッキの色が黒から赤に変色してる気がする........。

 

「以上で、此方の作業は終了だ。他に何か質問はあるか?」

 

恐らく此処に来れるのは今回が最後だろう........。そう思った俺は最後の質問する事にした。

 

龍騎「お前が言った此処の主........、一体何処に行ったんだ?」

 

「あぁ、叔父さん?他の住民を連れて鬼怒川温泉へ旅行に行っちゃったよ。なんでもでっかい湯船に浸かりたいんだとさ」

 

何故鬼怒川温泉........?でっかい湯船に浸かりたいんだったら近くの銭湯に行けば良いだろ。ってか行けんのか?精神と物質の狭間にある場所だろ?

 

まぁ、そんな事はどうでも良いので別の質問をする事にした。

 

龍騎「お前、何者なんだ?」

 

そう、コイツの存在を知りたいんだ。一体何者なのか........、俺はそれを知りたい。

 

「俺?別に大層な存在じゃないぜ?しいて言うなら、このベルベットルームの住民。そうだな...、幻の存在?って言えばいいのか?まぁいいや!」

 

げらげらと、とそいつは愉快そうに笑った後、俺に対して手を振った。

 

「取り敢えずこれだけは言っておくぜ。俺はバットエンドは大っ嫌いやんだよ。皆んな幸せになって欲しいだろ?当然お前さんもだ。つーわけでお前さんにこれ以上にない強化もした。後は........、分かるな?」

 

龍騎「........お前は何処まで知ってるんだ?俺の事を........」

 

「全部は知らんよ、マリーンの旦那から聞かせて貰ったからな。なんでも"ありとあらゆる悲劇を破壊し、喜劇に変える男"ってな」

 

........やはりマリーンの仕業か。何もしてないのに此処に訪れたって事は誰かの手引きしたって事だ。それに相手がマリーンなら簡単に出来る事だから納得がいく。全く、覚えのない事まで吹き込んでくれたものだ。しかし........、悲劇を破壊する喜劇か........。

 

龍騎「........そうだな、誰だって絶望なんてしたくないもんな。誰も絶望する事なんてない」

 

「覚悟は出来たみたいだな。いや、とっくに出来てるのか........。じゃあ行きな、お前さんの帰りを待ってる連中が居るんだろ?だったら行ってやりな。いよいよ戦いもクライマックスに近つきつつある。願わくば、俺にハッピーエンドを見せてくれ」

 

龍騎「........あぁ」

 

俺はカードデッキをポケットに入れて、ソファーから立ち上がり、出口へと進む。そして、ドアノブを捻って扉を開けると、奥から真っ白な光が放つ。俺はゆっくりとベルベットルームの外へ行き、扉をゆっくりと閉じた。

 

 

 

 

「行ったか........」

 

「「「「ただいま〜」」」」

 

「おぉー!おかえり〜!どうだった?温泉旅行は?」

 

「それは楽しかったですよ。これお土産です」

 

「わーい!温泉まんじゅうだー!」

 

「ふふっ、喜んで貰えて良かったです。よっぽど嬉しかったんですね」

 

「そりゃもう!(これから起こる悲劇がどう喜劇に変わるか見ものだからな♪)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「んんっ........」

 

ゆっくりと意識が覚めると、いつも見慣れてる天井があった。どうやら俺はベルベットルームとか言う場所から現実へ戻ってこれたようだ。それに、気のせいてなければ寝る前より身体が大分軽くなった気がする。これもベルベットルームへ訪れた影響か?

 

取り敢えず俺はベットから起き上がろうとする。

 

「むにゃ........」

 

龍騎「え?」

 

起きあがろうとしたら可愛らしい寝言が俺の部屋に小さく発した。視線を下に向けると、まどかが俺の胸板の上で眠っていた。

 

え?何これ?どう言う状態?俺は取り敢えず周りを確認してみると、ベットの隣には丸いテーブルが設置されており、上には教科書やらノートやらペンやらが置いてあった。確か此処にはさやかとメリーも居た気がする........。

 

つまりあれか?俺が寝てる間にさやかとメリーはどっかに行って、まどかはその隙に俺の胸板の上で寝てたって事か?

 

龍騎「ど、どうすればいいんだ...?こう言う状況は........。ま、まどかさん?起きて?晩御飯よ?」

 

まどか「................んぅ」

 

がしり、と寝ぼけたまどかが、割とがっつりと抱き着く。夢の中では抱き枕にしがみついているのかもしれないが、現実では大変な事になってる。現に俺の肋骨がメキメキと悲鳴を上げているのだ。

 

龍騎「ちょ........、誰か........、た、たすけて........。し、しぬっ........、ろっこつが........」

 

まどか「むにゃあ、んむー」

 

龍騎「あっ、こいつ足まで絡めてきやがった........。ほ、ほんと........、だれか........」

 

それから俺は苦悩の声を上げながら、誰かが部屋に入ってくるのを耐えていた。そしてやっと戻ってきたであろう、さやかとメリー、おまけに蓮子に見られて『何やってんの?』と言われ、俺は誤解を解く為に必死に説得した。その後、さやか達が帰宅した後にまどかも目が覚めて、『やっぱり自分の部屋よりお兄ちゃんのベットの方がよく寝れる』とか言ってたので、こいつが真面目に勉強してない事を知った俺はお仕置きとしてまどかに頭をワシャワシャの刑を実行したのだった。





いかがでしたか?

ちなみにベルベットルームの主人はペルソナシリーズの1〜4まで出てますが、ペルソナやった事ないので殆ど自分のイメージです。ご了承下さい。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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和解


どうもです。

新年一発目のマギレコです。

それではどうぞ。


 

謎の空間、ベルベットルームから帰ってきて数日後、俺は蓮子達から神浜での事情を聞いていた。俺が病んでる間、マギウスの翼に由衣、フェリシア、二葉が連れ去られて、マミも洗脳され、挙句の果てには蓮子のお祖母さんから貰った帽子まで盗まれたそうだ。更に七海がリーダーになると仲間が死ぬという疫病神ポジションだったとか、訳の分からない事を抜かしていたみたいで代わりに環がリーダーになったというカオスが極まっていた。

 

いや、俺が知らない間に何があったんだよ。

 

そんなこんなで今は神浜組は環と七海しか居ない状況なのが分かった。復帰して早々、こんな事になっていたとはな........。

 

しかしこうなってしまった以上、何がなんでもマミと由衣達を連れ戻して、蓮子の帽子を取り戻す。あとマギウスをぶっ壊す(NHK)

 

かと言って、俺はウワサの情報が手にある訳ではない。ちょっとでも情報が必要だ、そう思った俺はみかずき荘へ向かっていた。俺が病んでる間は顔を出していなかったしな........。由衣達が居ないのは残念だが、環と七海には報告しておかないとな。

 

そう思った俺はみかづき荘へ足を運ぶと........、明かりが付いていた。

 

まさか空き巣........?そう思った俺は息を殺して玄関へ近づき、ドアノブを捻ると空いている事に気がついた。既に空き巣犯に入られてるようだ、俺は音を立てずにゆっくりと扉を開けてみかづき荘へ入っていく。そして、リビングへ向かい顔を覗くと、後頭部だが空き巣犯の頭が見えた。

 

殺るか........。俺はゆっくりと忍び寄り...。

 

龍騎「動くな」

 

「!?」

 

背後から口を押さえて首を絞めるように拘束する。空き巣犯は俺の気配に気が付かなかったのか、俺に口を押さえられた時に気がついた。

 

龍騎「此処に忍び込んでも金目の物はない、警察に突き出されたく無かったら........」

 

「........っ!................っ!!」

 

ジタバタと暴れる空き巣犯。口を押さえてる指の間から声が漏れるが、何処か聞き覚えのある声だった。空き巣犯を拘束する事しか考えてなかったのであんまり考えて無かった。そして空き巣犯の顔を見ると........。

 

ももこ「................っ!!................っ!!」

 

龍騎「」

 

泣き目になっていた十咎だった。俺はゆっくりと十咎の口と首を離してすかさず土下座する。

 

龍騎「あ、空き巣犯と間違えて申し訳ありませんでした」

 

そんな小さな声がみかづき荘に響いた。

 

 

 

 

ももこ「えっと........、その........、あ、空き巣だと思った?残念、ももこでしたー!なんて........」

 

龍騎「すんませんまじすんませんでした」

 

ももこ「もう良いって!それよりも久しぶりに顔を見た気がするよ」

 

龍騎「確かにな、十咎は何しに此処へ?」

 

ひたすら土下座したまま十咎に謝罪して数分後、ようやく話題が切り替わり、十咎がみかづき荘にやってきた理由を聞き出す事にした。

 

ももこ「ちょっと用事があったんだよ。合鍵が置いてある位置も一緒にだったから入れた訳」

 

龍騎「不法侵入って言葉はご存知?」

 

お前この下宿の主じゃねぇだろ、泥棒と間違われるぞ?と思っていたら、玄関の方から慌ただしい足音が響いてきた。どうやら環と七海が帰ってきたようだ。正座を崩して立ちあがろうとするが、足が痺れて上手く立てないでいた。

 

龍騎「悪い十咎、手引っ張ってくれ。足が痺れて動かねぇ」

 

ももこ「?まぁいいけど」

 

情けなく十咎に頼んで手を引っ張って貰う。勢いよく引っ張ってくれたお陰で何とか立ち上がる事が出来たが、痺れた足に痛みが走る。

 

龍騎「痛っ」

 

ももこ「うわっ!ちょっ!」

 

足の激痛により体制が崩れて十咎を押し倒す形になってしまった。まさに床ドン状態である。そして運悪く、環と七海がやってきて現場を目撃されてしまった。

 

いろは「........龍騎さん?」

 

やちよ「ももこ........」

 

龍騎「ちゃ、ちゃうんすよお二人さん。誤解してますよ」

 

ももこ「そ、そうだよ二人とも!運悪くこの体制になっただけだから!まだ何もされてないから!」

 

まだって、俺が今から襲うみたいな言い方じゃねぇか!

 

やちよ「........取り敢えず話しは聞くわ、警察署で」

 

そう言って七海は死んだ魚の目をしてはスマホを取り出して警察に通報しようとしていた。いや待って!ほんと待って!!

 

いろは「これは蓮子さんとメリーさんに報告ですね」

 

そう言って環も目のハイライトが消えてはスマホを取り出して蓮子かメリーに連絡しようとしていた。ほんとに違うんです!誤解なんです!!お願い信じてよ!!

 

畜生、通報されたら色んな意味で俺が死ぬ。何とかしてあの二人のスマホを回収しなくては...、なのに足が痺れて動かねぇよ!仕方ない、此処は十咎に頼んで誤解を解いて貰おう、と思い十咎を方へ向いたら、

 

ももこ「あ、あはは........。ダメだこりゃ」

 

俺より先に諦めていた。

 

 

 

 

やちよ「全く........、ももこが勝手に上がり込むからこうなったんでしょ。あの状況だったら誤解するわよ」

 

ももこ「あははは........、ごめんごめん。まさか龍騎さんまで入ってくるとは思わなかったから。あと合鍵の場所は定期的に変えた方がいいよ?」

 

やちよ「余計なお世話よ........」

 

何とか十咎が誤解を解いてくれて、ようやくまともに会話する事が出来た。皆んなカウンター席に座り、本題に入った。

 

龍騎「それで、十咎の用事って何なんだ?」

 

ももこ「........やちよさん。レナとかえでに真実を話したよ」

 

十咎の言葉に俺は少しだけ驚いた。十咎も魔法少女の真実を知っていたとは........。

 

ももこ「いい加減アタシもケリをつけいたいんだ。今日こそ話してくれるまで帰らないよ」

 

やちよ「........大丈夫。話すわ、ちゃんとね........」

 

それから七海の過去と、記憶ミュージアムでの出来事を七海が説明した。蓮子とメリーから軽く聞いていたが、そんな事があったとは........。

 

やちよ「だから私はもう一度だけ自分にチャンスを与える事にしたの。納得してくれるとは思ってないわ、ももこにはどれだけ心配をかけたのか分からない。例え私の願いの所為じゃなかったとしても、私が貴女を苦しめたのは事実だもの........」

 

貴方にも迷惑をかけたわね。とついでに俺までも謝罪する七海。しかし俺は別に気にしてないので首を横に振る。七海の気持ちも分からない訳ではないからな。

 

ももこ「その言葉に二言はないね?やちよさん」

 

やちよ「勿論よ」

 

ももこ「じゃあ........。ちょっと苦しいかもしれないけど、勘弁してくれよ?」

 

そう言って十咎は席に立って七海に近づく。環はよくない事が起きると思って席を立つが、俺が環の肩を押さえて立ち上がるのを止める。そして十咎は優しく七海を抱きしめた。

 

やちよ「っ........!ももこ........」

 

ももこ「良かった........、本当はアタシらが何かしちゃったんじゃないかって........。そうじゃなかったら本当にアンタが変わっちゃったのかもしれないって........。でも、何にも変わってなかった........」

 

やちよ「...........本当に、今までごめんなさい........」

 

........どうやら二人の関係はようやく修復できたようだ。嫌な予感をしていた環もホッとした表情を見せていた。

 

ももこ「........さて、此処でアタシとやちよさんこゴタゴタは解決したとして、問題は鶴乃達の事だよな」

 

席に戻った十咎が一度咳払いをして、次の問題に移る。当然、由衣達とマミの事だ。ウワサも全て片付けてないし、マミが洗脳されている以上、由衣達も洗脳されてる可能性だってある。いや、マミ達以外にも洗脳されてる魔法少女だって居るかもしれない。

 

それにマギウスの情報もそうだが、グリーフシードと足りていない状態だ。情報を集めながらグリーフシードの補充をするとなると一苦労だ。

 

ももこ「よし、アタシも協力する!」

 

すると十咎が協力すると言い出した。俺は何となく予想していたが、環と七海は驚いていた。

 

やちよ「でも貴女........」

 

ももこ「もうチームの一員じゃないって言うのも無しだ。確かにアタシは今もなっちゃ、レナとかえでのリーダーだけどさ、大切な人を助けるのに理由なんざ必要ないだろ?龍騎さん」

 

俺に振ってくるなよ........。と嫌そうな顔で返事する。でも確かにそうだ、助けるのに理由なんていらない。俺はただマギウスをぶっ潰して、マミ、由衣、フェリシア、二葉を元に戻して蓮子の帽子を取り戻す。それだけだ。

 

 

 

 

 

〜数日後〜

 

あれから数日が経つが、何一つ情報がなかった。まどか達にはグリーフシードの調達を頼んで、俺は環達と共に情報を集めていた。由衣の父親が経営してる中華料理店に顔を出すと、由衣は一度帰ってきては『今みでで一番安心できる場所を見つけたから帰らない』と意味深な言葉を残して去って行ってしまったようだ。しかも眠たげだ表情がなく、緊張が解けたみたいな。しかし、フェリシアも同行していたらしいが、フェリシアだけはいつも通りだったという。

 

いろは「マギウスの翼が安心出来る場所だなんて.......」

 

やちよ「洗脳されてそう言わされてる可能性だってあるわ」

 

おかしい........。フェリシアも由衣と同じ洗脳を受けているのなら、フェリシアも由衣と同じ顔をする筈なのに、フェリシアだけはいつも通り........。何か引っかかる、と思っていたその時、魔法少女の魔力を感じた。

 

白いロープのが一人、黒いロープのが四人居る。コイツらマギウスの翼か........。

 

白羽根「七海やちよ、環いろは。来て貰おうか」

 

いろは「マギウスの翼........!」

 

やちよ「好都合だわ、此方も貴女達を探してたのよ」

 

そう言って二人は魔法少女姿に変身すると、俺もカードデッキを取り出して、静かに戦闘服へと変身する。

 

やちよ「鶴乃達の居場所........、教えて貰うわよ!」

 

白羽根「皆んな此処でやるぞ、ベテランはお前達に任せる。この二人も由衣鶴乃のように道具として使わせて貰おう」

 

白いロープの奴がそう言うと、由衣の居場所を知ってそうな口振りだった。これはとっ捕まえる必要はありそうだな。

 

龍騎「俺は仲間に入れてくれないのか?」

 

白羽根「龍騎士........、貴様には用はない。此処で消えて貰うぞ」

 

龍騎「女尊男卑ですか........、それなら仕方ないな」

 

俺はそう言って俺はデッキからカードを一枚引き抜き、左腕にある甲冑をスライドしてカードを装填して元に戻す。

 

 

【STRANGE VENT】

 

 

すると、再び甲冑が自動的にスライドすると、俺はもう一度元に戻す。

 

 

【SWORD VENT】

 

 

甲冑から効果音が発生して、上から青龍刀が降って来て上手くキャッチして構える。

 

龍騎「お前ら、由衣に何をした?」

 

白羽根「お前達には関係のない事だ」

 

やちよ「いろは、鹿目くん。行くわよ!」

 

いろは「はい!」

 

龍騎「待て」

 

二人が武器を構えると、俺は待ったをかけて先頭に立つ。

 

龍騎「悪いんだけど、俺一人でやらせてくれるか?」

 

いろは「えっ」

 

やちよ「何言ってるの、三人がかりでやればすぐに........」

 

龍騎「俺さ、この間まで精神的に病んでてブランクあるんだよ。そのリハビリも兼ねて、だ。心配しなくても、殺しはしないよ」

 

そう言って俺は青龍刀に炎を纏わせる。

 

龍騎「お前ら、全力で殺しに掛からないと俺を殺さないからな」

 

白羽根「言いたい事はそれだけか?」

 

龍騎「かかってこいよ、本当の戦いってのを教えてやる」

 

俺がニヤリと笑うと、マギウスの翼は一斉に襲いかかってきた。そして、俺は一人で五人の雑魚共(マギウスの翼)を相手をするのであった。





いかがでしたか?

2024年もよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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ウサワ撲滅ツアー


どうもです。

中々モチベが上がらず、執筆が進みません........。

それではどうぞ。


 

白羽根「ぐはっ!」

 

龍騎「........やはり、白羽根も黒羽根もこの程度か」

 

俺が攻撃を始めて約42秒、既にマギウスの翼の白羽根と黒羽根は虫の息だった。ソウルジェムには当てずに峰打ちしたとはいえ、少しやり過ぎたようだ。これじゃあリハビリもならない........。

 

龍騎「どうする?まだやるか?」

 

白羽根「ちっ、数人がかりでもダメか........。撤退だ!」

 

白羽根が黒羽根を連れて逃げだそうとすると、白羽根が俺達の方に向かって捨て台詞を吐く。

 

白羽根「ぐっ........!どれだけ喚いて捜しても、仲間はもう助からないだろうさ。覚えておけ、貴様等は後悔する事になる」

 

龍騎「最後の言葉、そのままそっくりお返しする」

 

そう言って白羽根は黒羽根の肩を借りてその場を去ってしまった。結構深く刺さってた筈なんだが、中々我慢強い奴だ。

 

やちよ「とんだ捨て台詞ね........」

 

いろは「やちよさん........、今のウソですよね?」

 

龍騎「........環、俺達が信じてやんないと戻ってこないぞ」

 

落ち込んでる環に気の利いた言葉が思いつかない俺は、ただ思った事を伝える。そして、俺達は調査を再開したのだが........、収穫がないまま数日が過ぎていった。

 

参ったな........、こんなにも情報が手に入らないなんて。俺達はみかづき荘で作戦会議を行なっていた。由衣もフェリシアも帰ってこないって事は、何処かにきっと居住できるような拠点がある筈だ。いくら何でもずっとブラブラ歩いてる訳ではない。 

 

ももこ「やっぱり黒羽根とかと接触するしかないんじゃないか........?」

 

やちよ「そうよね........、鹿目くんも何か意見ある?」

 

七海が俺に質問してくると、俺は一つの提案を提示する。

 

龍騎「........正直の所、白羽根と黒羽根をとっ捕まえても情報が手に入るとは限らない。だから、もう一度ウワサを探して潰すってのはどうだ?」

 

「「「ウワサを潰す?」」」

 

そう、ウワサ調査だ。マギウスの翼にとってウワサは必要不可欠、つまりウワサを限りなく潰してしまえばマギウスの翼は困るのも当然。それを阻止する為に白羽根、黒羽根か派遣される。でも見滝原の龍騎士が居る時点で白羽根も黒羽根じゃあ相手にならないから、幹部が出てくる。

 

やちよ「それを狙ってウワサを潰すのね?」

 

龍騎「仮に白羽根と黒羽根が知らなくても、アリナ・グレイとかみふゆ?が出て来たらとっ捕まえて情報を吐かせれば良い。その方が手っ取り早いだろ?」

 

いろは「........その方が早いかもしれませんね」

 

ももこ「なら二手に分かれる。あたしと龍騎さんが........」

 

やちよ「待って」

 

俺の提案に環が賛成すると、十咎が二手に分かれて担当を決めようとした所、七海が待ったをかける。

 

やちよ「かえでの事、まだ解決してないんでしょ?」

 

龍騎「?秋野がどうした?」

 

ももこ「えっと........、龍騎さんは魔法少女の真実って知ってますか?」

 

........そういう事か。

 

龍騎「あぁ........、それに言いたい事は分かったよ。無理もない、直ぐに受け入れられないのは当然だ。俺の知り合いの魔法少女も暴走してたからな」

 

やちよ「........兎に角、ももこはかえでの側に居てあげなさい」

 

ももこ「........分かった、ありがとうやちよさん」

 

という事で、ウワサの調査は俺、環、七海の三人でウワサを潰す事になった。グリーフシードはまどか達が回収して来てると思うから、ストック面は問題ないから心配はないだろう。

 

そして、早速ウワサを調査する事に出発する。最初は一番近場のウワサを調査なのだが........。

 

 

いろは「........って!なんで最初がこのウワサなんですか!?まるっきりホラーですよっ!」

 

龍騎・やちよ「「そうか?(そう?)」」

 

環は何故かめっちゃ嫌がってた。そのウワサは鉄火塚に供養された人をバカにすると焼けた手が出てきて、塚の中に引き摺り込んでくるという内容だ。内容からしたらホラーだが、別に怖がる程の怖さじゃない。

 

やちよ「ウワサって分かってるんだから平気でしょ?おばけじゃないわよ」

 

いろは「そういう問題じゃないんです!」

 

龍騎「お前そんなだと秘封倶楽部に入れないぞ?ちなみに前世で大食いの亡霊に会ったことあるけど、聞きたい?」

 

いろは「やめて下さい!聞きたくない!!」

 

やちよ「余計なこと言わないの」

 

少し環を揶揄ったら七海にチョップされた。しかし、鉄火塚に訪れても何も変化が無ければマギウスの翼が現れないので鉄火塚のウワサはデマだったようだ。

 

やちよ「このウワサはデマだったようね、次行くわよ」

 

いろは「次は怖くないのでお願いします........」

 

龍騎「それでもリーダーかよお前........」

 

そんな頼らないリーダーの後に続く俺は、次のウワサを調査しに向かった。今度は水名区の水名城という所で自分の足の間を覗く十九歳と十五歳の二人の後ろで写真を撮っては殴られたり、参京区の珍走団のウワサを調査したり、中央区のパズルタイルロックとやらのウワサを調査していく。しかし、ウワサのバケモノの出現しなければマギウスの翼も現れなかった。

 

龍騎「どうやら今回調べたウワサは皆んな外れだったようだな」

 

やちよ「これが最後ね........、今日はここまでにしましょう」

 

今日は特に成果を得られなかったので、今日はお開きにしようと思った矢先、三人程の魔力を感じた。

 

黒羽根「待て!」

 

........どうやら今日の努力は無駄ではなかったようだ、ようやくマギウスの翼が現れた。

 

黒羽根「次々にウワサが消されていると聞いて来てみれば、やはり貴女達か........。これ以上ウワサへ手出しさせる訳にはいかない...!我々の解放の為に!」

 

いろは「手出しはやめません、貴女達から皆んなの居場所を聞くまでは........!」

 

等と死亡フラグ建築してる黒羽根の一人。そして戦闘体制に入る環と七海、そして『こいつ何言ってんだ?』と言いたそうに困惑するマギウスの翼。

 

黒羽根「皆んなの居場所?一体それは........」

 

やちよ「もしくは貴女達の拠点を教えてくれても構わないわ」

 

黒羽根「そんな事教える筈がないだろう?」

 

やちよ「なら........力づくしかないようね!」

 

そう言って槍を構える七海。

 

龍騎「待って、一つ確認したい事がある」

 

攻撃しようとする七海を止めて、黒羽根の一人に近づいて一つ質問する。

 

龍騎「お前達はどれぐらい知ってる?」

 

黒羽根「な、何........?」

 

龍騎「由衣鶴乃と深月フェリシアと二葉さなが何されたかは?」

 

黒羽根「し、知らない........」

 

龍騎「じゃあお前達が誰に命令された?白羽根か?それとも幹部クラスの奴か?それとお前達の拠点って存在するのか?適当な所で集まっては其処で作戦会議してる感じ?」

 

黒羽根「................」

 

俺の質問に沈黙する黒羽根、これは多分コイツ等は何も知らされてないようだ。

 

龍騎「リーダー、やっぱ黒羽根と白羽根に聞いてもダメだわ。やっぱ幹部クラスの奴じゃないと知らないみたいだ」

 

いろは「ど、どういう事ですか........?」

 

龍騎「黒羽根と白羽根はマギウスの翼にとっては下っ端、だから上層部からただ与えられた仕事を専念するよう言われたんだろ。ブラック企業みたいにな、だろ?何も聞かれてないから分かんないだろ?」

 

黒羽根「は、はい........」グスッ

 

自白した黒羽根はストンっと座り込んでしまう。そして何故だろうか、今にも泣きそうな面である。何で泣きそうになってんの?」

 

黒羽根「ま、前に瞬殺された事を思い出して........」

 

うーんこれは想定外!まさか俺が前に瞬殺した黒羽根の子だったのか!それはビビるよね!

 

黒羽根「グスッ........ヒグッ........」

 

遂に泣き出してしまった黒羽根の子、しかも微妙にアンモニアの匂いがしてお腹の少し下辺りになんか濡れてるような........あっ(察し)

 

黒羽根「うぅ........、殺して........。わたしをころして........」

 

........あー、これは俺が脅してるみたいで、この子の下半身のセーフティが決壊してしまったらしい。まぁ一度ボコった相手が目と鼻の先で質問にあってる訳だから恐怖しない奴はよっぽどメンタルが強い奴だろう。俺は爽やかな笑みを浮かべて、後ろに居る環と七海へ視線を向けた。

 

二人もまた、不気味なぐらい爽やかな笑顔だった。

 

龍騎「隊長、副隊長。この子の為に下着買って来てやってくれ」

 

七海「その前に貴方を殺すわ」

 

それから俺は二人に一時間ほどお仕置き(物理)された。残り黒羽根二人は泣いてる黒羽根の子を介抱しながら俺が痛めつけられてる瞬間を恐怖しながら眺めていた。そしてお仕置き(物理)が終わった頃には、黒羽根達は居なくなっていた。

 

あの子(の下着)、無事だと良いな........。と思いながら心の中で謝罪した。

 

 

 

 

 

そして数日後、前回と同様に俺達はウワサを潰してはマギウスの翼に接触していった。しかし、俺の読み通りに白羽根も黒羽根も誰一人情報を持っていなかった。

 

龍騎「さてと、こうなったら幹部クラスの奴を引き摺り出すしかないな」

 

いろは「でも、ウワサを守るのとは別の羽根を探るって事もありますよ」

 

龍騎「いや、もう白羽根も黒羽根も当てにならない。だったら幹部クラスに直接聞くしかないと思う。それにこのままウワサを減らしていけば、マギウスの翼もいい加減俺達を排除しようとする。それを狙っていけば幹部と接触できるだろう」

 

やちよ「........取り敢えず、今ある情報を纏めておきましょうか」

 

喫茶店のテーブルに地図を広げて、今日回ったポイントを記るしていく七海。その時、環は何か気がついたのか、七海にある提案を提示する。

 

いろは「やちよさん、折角だから全部のウワサを並べてみませんか?」

 

それは、地図にウワサファイルにあるものを印を付けてみる事だった。確かにその手は考えてなかった。七海もその案に乗り、残りのウワサの場所を記入していく。

 

龍騎「これは........」

 

いろは「やちよさん........」

 

やちよ「えぇ」

 

地図に記入し終えた七海はペンをテーブルに置く。地図には何故か右側........、つまり東側には印が殆どゼロだった。

 

やちよ「東側はルールの所為で調べてないけれど........。明らかに東に向かうにつれ、ウワサが多くなってるわね」

 

龍騎「ルール?」

 

やちよ「あぁ........、二人にはまだ話して無かったわね。ちょっとややこしいんだけど、そもそも神浜には少し複雑な歴史があって........、その影響も含めて西と東で魔法少女のテリトリーが分かれてるの」

 

成る程、神浜は西と東に分かれてたのか........。見滝原より魔法少女が多いってなると納得がいく。

 

やちよ「だから東側の情報も集めてみないと分からないけれど、やっぱりに気になるのは........、此処ね」

 

そう言って七海が地図に指を指した場所は、東側にぽっかりと空いてる空間だった。

 

いろは「まるで台風の目になってますね」

 

龍騎「そう言ったら此処もだぞ」

 

俺は左上の場所に指を指す。其処にもウワサの印が一箇所に集中していた。

 

いろは「新西区........、それにこの場所........!里見メディカルセンターだ........」

 

龍騎「其処って確か、環の妹さんとその友達が入院してた場所だよな?前に一緒に行った........」

 

いろは「はい........。もしかしたら何か分かるかも........」

 

やちよ「調べてみる価値はありそうね」

 

善は急げ、という事で俺達は喫茶店を後にし、里見メディカルセンターへ向かおうとした。しかし、外は日が暮れ始めてるので、後日調べる事になった。

 

いろは「もしかして、病院の近くに拠点があって........。ウワサが守ってるとか........、ありますかね?」

 

やちよ「それは考えにくいわね。ウワサはうわさの内容に反したりしないと出てこないから、門番には不向きだわ」

 

龍騎「でも可能性はゼロじゃないぞ?前世でいつも寝てばっかりの門番が居るからな」

 

やちよ「それ門番って言えるの?」

 

龍騎「実際本気出したら俺より強いし、役には立つよ」

 

やちよ「よくクビにされなかったわねその人........」

 

人じゃなくて妖怪なんだけどね、と言ったら環がビビり始める。もしかしたら環にとって妖怪=化け物と認識なのかもしれない。

 

しかしもっと詳しい情報を持った奴は居ないのかね........。こういう時にマギウスの幹部とか情報を持ってそうなマギウスの翼が出て来てくれれば楽ちんなんだけどなぁ........。まぁ贅沢言ってても仕方ない、今の所は少しずつウワサを消していくしかないんだ。

 

そう思ってたら複数の魔力を感じた........。

 

白羽根「見つけたぞ...。この辺りのウワサを消すつもりだろうがそうはさせない........!」

 

白羽根を先頭に複数の黒羽根を率いたマギウスの翼が現れた........。

 

........早くない?フラグ回収........。





いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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フラグ回収は大抵予想外の展開になる


どうもです。

皆さんはガンダムSEED FREEDOMは観に行きましたか?

自分も見てきてとても面白かったです。ぜひ皆さんも観に行きましょう。

それではどうぞ。


 

えー早くない?フラグ回収早くないですか?

 

というのが俺の正直な意見である。いやぁね?色々と怪しいところはあったよ?作戦会議した後に喫茶店を出たところとか、メディカルセンターへ行こうってなったところとか、事前の環と七海との会話のやりとりとか。

 

でもさ、いくらなんでも早過ぎじゃない?ここはもうちょっと引き伸ばしても良かったんじゃないかね?

 

........等と現実逃避をしていても事態は変わらない。やれ、ならば仕方ないか。ここは覚悟を決めて戦うしかないな。環と七海は魔法少女姿に変身して俺もカードデッキを取り出して戦闘態勢に入ろうするが、何故か白羽根の後ろから感じた事がある魔力を感じとる。

 

いろは「この........、反応って........」

 

環が驚く中、黒羽根の二人が前に出ると、其処には洗脳されたフェリシアと二葉の姿だった。

 

やちよ「そう........。二人もメンバーとして狩り出されたって訳ね」

 

龍騎「うちの子を返せ!この泥棒猫!」

 

いろは「そ、そうです!二人を返して泥棒猫さん!」

 

白羽根「誰が泥棒猫だ」

 

俺が本心を曝け出すと環も便乗して白羽根に問いただすと、白羽根は冷静にツッコミを返す。まぁ実際に洗脳かけたのはこいつじゃないから泥棒猫扱いされたらただのとばっちりだ。でも二人を狩り出されてる時点でアウトなので八つ当たりさせて貰う。

 

白羽根「しかし仲間同士で潰し合うとは、これは見ものだな」

 

なーんて白羽根は観客席で愉悦に眺めてるギャラリーみたいな感想を言うが、フェリシアも二葉も強くはなってるが、環も七海もそれなりに強くなっている。だから無力化は対して問題ないと思う。

 

フェリシア「........見ものだぁ?はっ、ざーんねーんでしたっ!」

 

なんて思ってた数秒前の俺が居ました。突然フェリシアが声を上げると、二葉と共に黒羽根のロープを脱ぎ捨てた。

 

フェリシア「最初からお前達の仲間じゃねーよバーカ!」

 

いろは「フェリシアちゃん!」

やちよ「どう言う事........?」

龍騎「私にも分からん........」

 

突然のフェリシアの裏切りにマギウスの翼は勿論、俺達も困惑していた。つまり何?二人は洗脳されたフリしてたって訳?

 

白羽根「なっ........、どうなっている!?」

 

フェリシア「やちよー!ししょー!」

 

さな「いろはさん........!」

 

白羽根が現状に理解出来てない隙に、フェリシアと二葉は俺達の元へ駆けつける。

 

龍騎「お、お前達大丈夫なのか?怪我とかそういうのは」

 

さな「はい!大丈夫です!」

 

フェリシア「オレもぜっこーちょーだぜ!」

 

どうやら二人は無事に洗脳が解かれてるみたいだ。俺はホッと一安心する。環と七海に関しては二人の無事に泣き出してしまう。

 

龍騎「さて、やるってんなら俺が相手するけど?お前達はうちの仲間に手を出したんだ、それなりの覚悟はあるって事だよな?」

 

白羽根「こ、こんなの........、話が違う!」

 

そう言って白羽根は逃げ出すかのように去ってしまうと、残りの黒羽根も慌てて後を追った。数的には此方が増えたから不利な状況なのは間違いないので、撤退するのは正しい判断だ。此方もまだフェリシアと二葉の事もあるから深追いは無用だ。

 

龍騎「........兎に角、お前達が無事で良かった」

 

フェリシア・さな「「ししょー(龍騎さん...)」」

 

龍騎「今まで辛かっただろ、でももう大丈夫だ。此処までよく頑張ったな、二人共」

 

そう言って二人の頭を撫でると、二人は涙線が崩壊して俺に抱きつくとゆっくりと泣き始めた。俺は二人が落ち着くまで頭を撫で続け、落ち着いた所で一旦みかづき荘に戻るのであった。

 

 

 

 

〜みかづき荘〜

 

蓮子『そっか........、じゃあフェリシアちゃんとさなちゃんは戻ってきたんだね...』

 

龍騎「あぁ」

 

みかづき荘に帰還した俺達は環達が一服してる中、俺は蓮子に事の顛末を報告した。記憶ミュージアムの一件で引きずっていた蓮子だったが、フェリシアと二葉が戻ってきたと知ると、安心したかのように涙ぐんでいた。

 

蓮子『良かった...、ほんとに良かった........!』

 

龍騎「そうだな、明日にでもあってやれ。丁度休みだしな」

 

蓮子『うん!ありがとう』

 

俺は何もしてない、と伝えて通話を切り、みかづき荘の中へ入ろうとする。

 

ももこ「あれ?龍騎さんじゃん」

 

すると十咎が学生服でバインダーを持ってやってきた。宿題か何かか?

 

龍騎「よう十咎、どうしたこんな時間に」

 

ももこ「こっちで興味深い情報が手に入ったから、立ち寄ったのさ。やちよさん中に居る?」

 

ほう........、興味深い情報ね........。十咎の手に入った情報を期待しながらリビングへ案内する。

 

龍騎「七海、十咎が来たぞ」

 

ももこ「よっす、皆んな揃ってるな。お、フェリシアもさなも居るじゃん。........なんで居るんだ!?」

 

フェリシアと二葉が戻ってきてる事に驚く十咎。そりゃ知らなかったんだから驚くよな。

 

やちよ「今その話しか終わった所よ...」

 

ももこ「なんで外で教えてくれなかったの!?」

 

龍騎「聞かれてないからね、別に知らせなくても何も不都合はないからね(キュウべえボイス)」

 

ももこ「キュウべえの声しやかって〜!」

 

そう言って十咎は俺の頭にグリグリしてくるが、俺からしたら頭皮マッサージして貰ってるみたいなので痛くも痒くもない、寧ろ気持ちいいまでである。誤解のないように言っておくが俺はドMじゃない。

 

 

それからもう一度フェリシアと二葉の話しを聞くと、どうやら二人は由衣とは別行動をとっていたらしく、しかも二人の洗脳を解いたのはまさかのみふゆらしい。どうやら由衣の洗脳を解こうとしてたらしいが、特殊な洗脳されてるのか解けなかったみたいだ。洗脳が解けたのなら拠点の場所は知ってるのでは?と十咎が質問するが、移動の時は目隠しされて場所まで分からないらしい。

 

そして七海がウワサの出現場所を記入した地図をテーブルに置くと、十咎も東側に空いてある空間に気がつく。やはりその場所がウワサの発信源の可能性が高くなり、マギウスの翼の拠点も分かるかもしれない...。

 

龍騎「そういや十咎、お前の手に入れた情報ってのは?」

 

ももこ「あぁ、それなんだけど........」

 

そう言ってバインダーを手に取って調べてきた情報を伝える十咎。どうやら明後日に遊園地が出来るようだ。十咎が言うには、東から徐々に伝わってるようで、しかも深夜オープンときた。東側からといい、深夜オープンといい、怪しさ満点だった。調べるにしても、東側って簡単に入れないのでは?

 

やちよ「仕方ない、連絡を取るしかないわね」

 

ももこ「っつーことは........、頼るのか?」

 

え?当てあんの?

 

やちよ「頼らざるを得ないでしょ?」

 

いろは「あの........、誰の話しですか?」

 

やちよ「工匠区と大東区を預かる魔法少女、つまりは........、東のボスよ」

 

東のボス........っ!七海は携帯を取り出して東のボスらしき人物に電話をかける。

 

やちよ「........十七夜(かなぎ)?私よ、七海やちよ」

 

十七夜?という人物が東のボスらしい。少しだが十七夜という人物の声が七海の携帯から聞こえる。

 

十七夜『これは........!久しいな七海、まさからの旧敵からの連絡に思わず胸が弾んだぞ』

 

やちよ「貴女に相談したい事があるの」

 

十七夜『相談?』

 

やちよ「マギウスの翼の事でね。少し........、いいえかなり困った状況になっていて........」

 

十七夜『成る程、翼絡みか........(ガッ)私も(ピシ)丁度彼女達には(シャ)苦労させられているよ(ギッ)西の方も(ドン)大変そうだな(ザザッ)」

 

やちよ「えぇ........、それで出来れば直接会って話しを........(バキッ)」

 

大丈夫なのそっちは!?さっきから物騒な音が漏れてるんだけど!?

 

十七夜『あぁ、すまない........。何、何でもない。丁度終わったところだ』

 

終わったってそっちにもマギウスの翼が来てるの?つくづくしつこい奴等だな。

 

十七夜『構わないぞ、今は魔女も増えて争うような情勢でもない。しかしかつてのライバルとの共闘か......。うむ、ドラマだな!』

 

随分と愉快な奴だな十七夜って奴は........。

 

やちよ「時間がないの、明日そっちに行きたいのだけど」

 

十七夜『明日........、すまないが明日は用事があって........。少し待たせてしまうかもしれないが、私が指定する店で待ってくれないか?』

 

やちよ「構わないわ。それと紹介したい助っ人が居るのだけど、その人も連れてきていいかしら?」

 

十七夜『助っ人?』

 

やちよ「見滝原の龍騎士よ」

 

十七夜『見滝原の龍騎士........!?まだ誰も勝てた事がない最強のイレギュラーのあれか!?』

 

なんかすっごい驚いてるんだけど東区にとってそんなに有名な話しなの?

 

十七夜『................フフフ、ハハハハハハ!まさかあの龍騎士と対面できる日が来るとは!これは益々明日が待ち遠しいな!』

 

龍騎「........あ、すまん。俺明日の午前中バイトだわ」

 

十七夜か喜んでる中、明日の午前中にバイトが入ってる事に気がつく。

 

やちよ「そう........、ならお昼辺りで合流しましょう」

 

龍騎「すまない」

 

こうして明日の予定が決まり、七海は通話を切る。俺も明日に備えて帰宅する事にした。

 

 

〜翌日〜

 

バイトが終わり、七海から送られてきた住所へバイクを走らせ、近くの駐車場に止めて店の前に立つ。だが朝から環から連絡が来た時にフェリシアと二葉が着いていくと言い出したが、昨日俺が帰ってる時に二人倒れたらしい。そんな身体で連れて行ける訳もなく、蓮子とメリーに頼んで二人の面倒を見て貰う事になった。

 

そして俺が目の前にある店が........。

 

『めいどきっさangel』

 

と書かれていた看板を見つめる。これじゃないよな?まさか........、メイド喫茶なんて書いてあるけど違うよな...?もし此処に環達が居るんだったら認めるしかないけど、メイド喫茶なんて行った事ないから謎の緊張する。そして勇気を出してメイド喫茶の入り口の扉を開く。

 

「お帰りなさいませ、ご主人様♡」

 

龍騎「」

 

扉を開けた途端に出迎えてくれたメイドさんの甘ったるい挨拶に狼狽える。や、やばい...!バイト先の喫茶店との空気が180度違うから息苦しい...!

 

龍騎「あ、え、あの........、その........、えっと........」

 

いろは「あ、龍騎さん!こっちです!」

 

すると近くの席に環が手を振ると、メイドさんが気を使って席を案内してくれる。

 

ももこ「おっす龍騎さん、バイトご苦労さん」

 

龍騎「お、おう........」

 

十咎の隣に座り、まだ慣れてない店内の空気に心配して七海か声を掛けてくる。

 

やちよ「........大丈夫?顔色悪いわよ?」

 

龍騎「こんなに息苦しい喫茶店は初めてだ........」

 

そう言うと十咎は俺に身水を差し出すと、俺は有り難く受け取り口に運ぶ。すると一人のメイドさんが伝票を持ってやってくる。

 

「すまないがもう少しでシフトが終わるのでな、暫く待っていて欲しい。........ん?彼は?」

 

やちよ「彼よ、例の龍騎士」

 

「なんと!そうだったか」

 

どうやらこいつが十七夜らしい........。俺は軽く挨拶する。

 

龍騎「初めまして........」

 

十七夜「あぁ、よろしく頼む。で、ご注文は?」

 

やちよ「じゃあ........、えっと........、パフェを........」

 

ももこ「あたしはオムライスで........」

 

いろは「わ、私も........」

 

龍騎「ホットコーヒー、ブラックで」

 

十七夜「承知した」

 

そう言って伝票に記入した十七夜は厨房へ向かうと、十咎が背もたれに寄りかかる。

 

龍騎「なぁ、彼女なのか?東のボスって」

 

ももこ「そうなんだけど........、まさかメイドカフェで働いてるなんて知らなかったよ。家族の為にバイト詰めで生活してるとは聞いてたけど........」

 

成る程、彼女も苦労してるんだな。でも東のボスを名乗るって事はそれなりに強いって事だろうな。

 

ももこ「昔のテリトリー争いの時はやちよさんと競ってて、中央区を取り合った事もある」

 

やちよ「昔は殺伐してたからね........。ただ対立が激化して仲間が負傷するのはお互いに本意じゃないから、折を見て相談してたのよ。今回みたいに協力する事になるとは思わなかったけどね」

 

それ俺が来るからやる気が出たのでは?と思っていたら注文品が運ばれてきた。

 

十七夜「ふわもこ甘々パフェと、はぁとふるオムライス二つ、めいど特性あつあつコーヒーだ」

 

まるで女子学生とオタクが喜びそうな可愛らしいパフェとオムライスが並べる中、コーヒーだけは至って普通のカップだった。いやまぁ何となく予想してたけどさ、なんでだろう...。この仲間外れ感は........。

 

十七夜「オムライスに何か絵を描くか?」

 

ももこ「えっ、そんな事までやってくれるのか?」

 

そりゃメイドだからな、咲夜だったら喜んで書いてそうだな........。咲夜か...、また懐かしい名前を出したな........。

 

いろは「あ........、じゃあ猫ちゃんお願いしてもいいですか?」

 

十七夜「承知した」

 

そう言って十七夜は環のオムライスにケチャップでリクエスト通りに猫を描く。それもハイクオリティーで。それに興奮して環は留守番している二葉に見せる為に写真を収めていた。今時の子って写真撮ってSNSに上げるんだろ?それが何が楽しいんだがよく分からん(精神年齢150歳)

 

十七夜「十咎はどうする?」

 

ももこ「うーん........、パッと出てこないなぁ」

 

いろは「そういえばももこさん、確かアイドルの........、何とかって方好きでしたよね?」

 

ももこ「えぇっ?さゆさゆ?確かに好きだけど流石に描けないだろ........」

 

十七夜「描けるぞ?」

 

龍騎「描けるのかよ!」

 

マジかよこいつ万能過ぎるだろ........、もしかしたら咲夜と匹敵するんじゃないか...?ってかさゆさゆって誰?そして十咎のオムライスにさゆさゆというアイドルの似顔絵を描いていく。それもハイクオリティーで。

 

龍騎「す、すげぇ........」

 

十七夜「常連のご主人様が彼女のファンでな、前に練習したんだ」

 

メイドにどんな無茶振りしてんだよその常連は、普通そんな事了承しねぇよ。咲夜ならやってくれるかもしれないけど。

 

もう少しで十七夜のシフトが終わると事で仕事に戻ると、環達は料理にありつける中、俺は温かいうちにコーヒーを一口飲む。

 

龍騎(........あんまり美味くない)

 

自分で作るのとメイド喫茶のと比べたら圧倒的な味の差に驚きを隠せなかった(カフェイン中毒者)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜おまけ〜

 

フェリシア「よっしゃああああ!このままオレが一番だ!」←一位

蓮子「ぎゃあああああ!!誰だ今キラー使って私を轢き殺したやつは!!」←八位

さな「ごめんなさい!ごめんなさい!」←五位

メリー「蓮子って私よりゲーム上手いのに酷い目に遭うわよね〜」←三位

 

その頃、四人は仲良くマ◯カーしていた。





いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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天音姉妹のリベンジ


どうもです。

ここ最近仕事が忙しく、岡山に行っては山口に出張に行ったりモンストでガンダムコラボにガチったり、ライフリと芋者のガンプラを作ったりとモチベがダダ下がりで投稿が遅れました。

それではどうぞ。


 

十七夜「お待たせした」

 

やちよ「お疲れ様」

 

シフト時間が終わり、俺達の座る席に合流した十七夜が俺の隣に座る。早速本題に移ろう、とする前に俺に自己紹介する事になった。

 

十七夜「本題に入る前に、まず自己紹介といこう。私は和泉 十七夜《いずみ かなぎ》、七海から聞いていると思うが、七海とは旧友だ」

 

龍騎「ご丁寧にどうも。俺は鹿目龍騎、魔法少女からは見滝原の龍騎士と呼ばれている。よろしく」

 

お互い握手を交わし、ようやく本題に入る...。これまでの出来事を十七夜に伝え、由衣もマギウスに洗脳されている事も報告すると、どうやら十七夜の仲間もマギウスに連れて行かれたらしく、目的が一致した為協力してくれる事になった。

 

やちよ「ありがとう十七夜、所で貴女はウワサって調べてるのかしら?」

 

十七夜「勿論だ、彼女達の泣き所だからな」

 

龍騎「なら、其方の情報を教えてくれ。そしてその情報を頼りにこの地図に調べた場所に印を付けてくれ」

 

そう言って俺はテーブルに地図を広げると、十七夜はメモ帳を片手に地図に印をつけて行く。すると地図の右上に空白な場所があった。

 

十七夜「........これはまた見事だな」

 

龍騎「想定通りだな、この円の中心に奴等の本拠地がある可能性が上がった」

 

いろは「やちよさん........!」

 

やちよ「えぇ........、これだけ手の込んだ事をしているんだもの。マギウスの翼の上層部がいても変じゃないわね」

 

この円の中に由衣が居る可能性もあるもんな........。ってかこの円の中心って何処なんだ?

 

十七夜「場所的に旧車両基地だな。普段は子供達の危険な遊び場と言ったところだ」

 

なんでそんな物騒な場所があるんだよ、怖過ぎだろ神浜。もしかして神浜って事案最悪?

 

十七夜「ふむ、実にいいな........。奴等の拠点を見つけた所で自分だけでは手に余るからな........。正に僥倖、捻り潰してやる事ができる

 

わー、この人おっかねー。もしかしてレディースの総長ですかー?

 

龍騎「と、兎に角...。これからよろしく頼む」

 

十七夜「あぁ、困り事ならこのメイドのなきだんにおまかせ、だぞっ☆」

 

.......は?

 

十七夜「あぁ........、すまん。つい、いつもの癖で........。店に居るので混乱した」

 

職業病じゃないですかやだー、こんなんで大丈夫なのか?

 

 

 

 

〜数時間後〜

 

あれからだいぶ日が落ちて、俺達は車両基地に向かっていた。目的地へ着く頃には魔法少女の活動が始まる........、つまりマギウスの奴等も集まってくる可能性も高いという訳だ。

 

十七夜「所で龍騎士、七海と戦った事はあるのか?」

 

旧車両基地へ向かってる途中、十七夜が質問をしてきた。

 

龍騎「初めて会った時にな」

 

十七夜「ほう........、それでどうだった?」

 

やちよ「........手も足も出なかったわ。一撃どころか擦り傷一つも与えられなかった...、もし彼が敵側だったら私達は間違いなく殺されていたわ」

 

ももこ「あー........、そんな事もあったなー........。私も途中から見て止めたけど、やちよさんが息切れしてる時に龍騎さんは全く余裕だったし」

 

いろは「私とやちよさんも龍騎さんの指導の元で鍛えて貰ってるんですけど、龍騎さんみたいには........」

 

ももこ「えぇー!?二人とも龍騎さんに指導されてるの!?という事はみかづき荘メンバー全員!?」

 

龍騎「まぁな、ちょっとでも戦力強化は必要だろ?」

 

ももこ「だ、だったらあたしとレナとかえでにも頼むよ!なんか贔屓してるみたいで狡い!」

 

龍騎「........まぁいいけどさ、特に十咎とか七海とかの近接武器向けは指導しやすいしな」

 

みかづき荘メンバーだけでなく見滝原組も鍛えているのに、更に十咎のチームも鍛えて欲しいだなんて、なんて物好きなんだろうか........。今度から金取ろうかな?

 

十七夜「........ふふふ、そんなに強いとは心強いな。今度手合わせ願えるかな?」

 

今度は喧嘩申し込んできた........、ほんと神浜の奴って物好きが多いよね。

 

龍騎「........マギウスの件全部片付いたらな」

 

そんな小さな約束をして到着した旧車両基地。其処には老朽化して放置されてある電車が複数置かれていた。電車マニアだったら大喜びしそうな場所だが、誰かが居そうな雰囲気は無かった。

 

ももこ「魔力の反応も人の気配もない........。もしかして地図の話しもあたし達の勘違いか?」

 

いろは「それじゃあ........、此処は拠点じゃない...?」

 

それか最近拠点を変えて捨てたか、始めから拠点なんて無かったか........。色々と出てくるな。

 

十七夜「........考えにくいが、新車両基地の可能性もある」

 

新車両基地?近くにあったっけ?

 

やちよ「そっちに場所を変えたっていうの?」

 

十七夜「微妙だが捨てきれん可能性だ。此処は私が確認してこよう、土地勘がある方が調べるのも早いだろう」

 

やちよ「お願いするわ」

 

龍騎「着いていこうか?」

 

十七夜「心配は無用だ、これでも東区のボスだぞ?」

 

そう言って新車両基地へ向かった十七夜。俺達も旧車両基地の捜索を始めるが手掛かり何一つもなかった。これは俺達が散々ウワサを消しまくった所為で警戒されたか........?

 

いろは「私達が派手に動いたのが裏目に出ちゃいましたかね...?」

 

龍騎「........じゃあ今日は帰るか!」

 

いろは・やちよ・ももこ「「「そうはいきません(いかないわよ)(いかないだろ)!!」」」

 

そんな茶番をしてたら待ってましたと言わんばかりに魔力を感じた。わーい、フラグ回収だー。

 

「静かに燃える魔力の炎...、飛び込んだのは五月蝿い羽虫...。もしも燃えてくれぬなら、我らの音色で散らしましょう」

 

「深みにハマってくれたね月夜ちゃん」

 

「そうでございますね月咲ちゃん。今回こそ汚名を晴らし、功績を立てる機会でごさいます」

 

電車の上に何時ぞやのポンコツ姉妹が現れた。まるで漫画で悪役が登場シーンで言ってそうなセリフのおまけ付きである。これってダメフラグなんじゃない?そう思いながら俺達は戦闘服に変身する。

 

やちよ「笛姉妹........」

 

龍騎「まーた性懲りも無くやってきたな、もしかして姉妹揃ってマゾ気質あり?」

 

天音姉妹「「違います!!」」

 

月夜「兎に角、此処はウワサを知り過ぎた人が吸い込まれる蟻地獄........」

 

月咲「ウチ等の拠点が知りたかったんだろうけどさ、残念だけど不正解だよ。これ以上ウチ等の解放の邪魔はさせない!」

 

月夜「静かに冥府への道を巡るでごさいます!」

 

龍騎「なんてダメフラグ立ててるけどどうする?後こっちは何も言ってないのに勝手に説明してくれたけど。此処は拠点じゃないって言ってるし、帰る?」

 

やちよ「なんで帰る選択肢になるのよ、此処は二人を捕まえて洗いざらい吐かせるのよ。拠点は分からなくても鶴乃の事は知ってる筈よ」

 

龍騎「ぶっちゃけ期待出来ないんだよ。だってさ........、あの姉妹だぜ?(信憑ゼロ)」

 

いろは・やちよ・ももこ「「「あぁ........」」」

 

月咲「何納得してるの!?」

 

月夜「貴方達は私達をどう思ってるのですか!」

 

やちよ「ポンコツ姉妹」

ももこ「罠大好き集団」

いろは「泥棒猫さん」

龍騎「噛ませ犬」

 

ボロクソだった。三人が俺と同じような事言う事はないと思っていたが、まさかの返答だった。うん........、流石にいじめだな。

 

月夜「........好き勝手言ってくれますわね」

 

おっと、流石にキレたようだ。不味いな、相手はバカ煩い音を出す攻撃。幾ら耐性が付いたとはいえ、あの煩い音を聴くのはごめんだ。なので救援を呼ぶ事にした。

 

やちよ「ももこ、気をつけて。二人は笛で超音波を出してくるわ」

 

ももこ「マジかよ........、これ十七夜さん呼んだ方が........」

 

龍騎「十七夜〜!助けて〜!

 

ももこ「誰がそんな原始的な呼び方しろっつったよ!」

 

月夜「そうはいかないでございます!」

 

月夜の合図に天音姉妹は笛を吹き出すと、前回とは比べ物にならない超音波みたいな音色が俺達のこだまする。

 

龍騎「ぐおっ、うるせっ........」

 

ももこ「うぁっ........!なんだこれ、頭に音が...響く........!」

 

七海と十咎が動けない中、何処から現れたのかマギウスの翼の黒羽根達が環を取り囲んでいた。

 

月咲「これで皆んなを、見滝原の龍騎士を倒してマギウスの計画を守れたら........、ウチ等は解放の時を迎えられる........」

 

月夜「後は環さんだけでございます!」

 

 

 

 

 

〜いろはside〜

 

龍騎さんとやちよさん、ももこさんが動けない中で私はの周りには黒羽根でいっぱいだった。相手は五人........、私一人でこの数を相手にしなければならない........!でもやらなきゃ........、逃げるなんて出来ない........!

 

「うむ、良い心掛けだな」

 

別の方向から聞き覚えの声が聞こえる。隣の車両の上には十七夜さんが居た。良かった........。

 

いろは「十七夜さん!手を貸して下さい!」

 

十七夜「........すまないな環君、少々見守らせて頂く」

 

........えっ!?

 

すると背後から黒羽根の攻撃を受けてしまう。十七夜さん........、どうして........!?それから一方的に黒羽根からダメージを受け続けてしまう。

 

こんな........、所で........負けられない........!私は........、鶴乃ちゃんを助けなきゃいけないのに...!

 

 

十七夜「成る程、それが君の本心か........」

 

すると私を囲んでいた黒羽根達が一瞬にして倒れてしまった。そして目の前には十七夜さんが立っていた。

 

いろは「十七夜さん........!」

 

十七夜「どうやら本当に目的は由衣君の救出だったようだな」

 

な、なんで私が思ってる事を........?

 

十七夜「あぁそうだった、私の固有魔法は読心でな。相手の考えている事が分かるんだ」

 

いろは「な、成る程...?」

 

月咲「十七夜さん........、どうして........!」

 

十七夜「概ね予想はついていたが、相手が悪かったな月咲君。君は『七海やちよが東の混乱に乗じて十七夜さんの縄張りを狙っています』と言っていたが、心は『嘘の情報で貴女の協力を仰ぎ、騙す作戦』だったな。この時勢にテリトリーを狙うなどおかしいと思った...。自分を相手にウソをつくなら心の底までウソをつけ!」

 

月咲「ッ........!」

 

そんな........、月咲ちゃんは最初から十七夜さんを利用しようと........!

 

十七夜「姑息な手段を覚えて、先輩として情けない限りだ。すまなかったな環君、代わりに行動で返そう」

 

そう言って十七夜さんは左手に持っている馬上鞭を構えて天音姉妹に近づいていく........。

 

 

ドカッ! ガシッ!

 

天音姉妹「「えっ?」」

 

すると突然、電車の天井から手が突き抜けて天音姉妹の片足を掴んだ。そして勢いよく二人は電車の中へと引き摺られていき、一つの影が入れ替わると同時に姿を現す。

 

龍騎「ふぅ........、悪く思うなよ?卑怯な手を使ったのはお互い様なんだからよ」

 

其処には近くに居た筈の龍騎さんだった。

 

いろは「龍騎さん!?一体どうやって........」

 

龍騎「七海と十咎が悶絶してる間に地面に穴を開けて潜ってきた」

 

潜ってきた!?モグラですか!?

 

龍騎「それよりも........、どうするお二人さん?正直お前達に勝ち目はない。近接戦闘は苦手だろ?大人しく投降しろ、此方も無駄な戦闘は避けたい」

 

月夜「........投降は、しません」

 

龍騎「なら由衣鶴乃の事を吐け、俺だって命を奪うつもりはない」

 

天音姉妹「「........」」

 

十七夜「待て龍騎士、此処は任せて貰おう」

 

龍騎さんの質問にダンマリな天音姉妹に痺れを切らしたのか、十七夜さんが龍騎さんの元へ歩み寄る。

 

十七夜「別に身の口でなくて構わん、心の口で語ってくれればいい」

 

龍騎(心の口........、こいつの魔法は読心か。まさかさとりと同じ能力者が居たとはな........)

 

そして十七夜さんは二人の心を読み取ると、何かを読み取った表情を見せる。

 

十七夜「随分お雑念を混ぜるな........、力ずくでないといかんか...」

 

月咲「絶対に言わない!これ以上失敗しないんだから!」

 

月夜「殺すなら殺すでございます!私達の悲願は達成できなくても........、他の魔法少女達が救われてくれるなら、それで........!」

 

龍騎「良い加減にしろ!!

 

突然の龍騎さんの叫びにこの場に居た全員が驚いた。目つきがいつも以上に鋭く、息を呑む程の怖さを感じる。

 

龍騎「悲願だの達成だの御託並べた所でお前達がやってる事が許されると思っているのか!私達が救われたいとか魔法少女とか救われるなんてただ現実から逃げて、誰かに救いの手を差し伸べて運命から逃れらると思うな!」

 

月夜「........っ」

 

十七夜「........」

 

龍騎「魔女になるのが怖い?だからって関係のない人間にまで被害出しといてそれでも私達は関係ないってか?ふざけるな!!命をなんだと思ってるんだ!!それに見滝原の魔法少女は真実を知ってても尚、生きる為に運命に抗ってるんだぞ!お前達はただ誰かが助けてくれると信じて鳥籠の中に閉じ籠ってるままで、本当に救われると思っているのか!?魔女になるのが嫌なら鳥籠をぶっ壊して救いの手を自分から掴め!それが生きる意味にもなる!!」

 

十七夜「龍騎士、もういい」

 

龍騎さんが熱くなってる途中に十七夜さんが肩を掴んで止めに入る。

 

十七夜「お主が時間を稼いでくれたお陰で情報が手に入れた。どうやらこの二人は何も知らん、この拠点で我々を待ち受けるだけの駒のようだ」

 

そんな........、じゃあ鶴乃ちゃんの事も分からないって事!?

 

十七夜「しかし、分かった事もあったぞ。お互い制服を交換して着てみたところ、胸のサイズが合わなかったらしい」

 

天音姉妹「「なっ........///」」

 

月夜「プ、プライベートな事を........!しかも龍騎士の前で!///」

 

十七夜「ウソを付いた外道には言われたくない」

 

龍騎「........アホくさ、お前等歳いくつだよ...。そんな頭の悪い事してたのかよ」

 

十七夜「おや、男はこう言った話題は好きではないのか?」

 

龍騎「他所の男と一緒にするな、俺からしたらコスプレ衣装着てサイズが合いませんでしたのオチだ」

 

それよりも........、と呟くと、先程の鋭い目つきで天音姉妹に目を向ける。

 

龍騎「この場を去るかこの世を去るか二つに一つ........。選べ、決定権をくれてやる」

 

天音姉妹「「..........っ」」

 

龍騎さんの選択肢に天音姉妹は前者を選択したのか、その場からサッと立ち去ってしまった。

 

龍騎「........はぁ、疲れた...。やっぱ柄じゃない事はするもんじゃないな」

 

十七夜「中々の圧だったぞ、流石は龍騎士だな」

 

龍騎「やめてくれ、あんな説教みたいな感じは好きじゃない。それに其処までキレてないからもっとキツいぞ?特に環なんて耐えられるかどうか........」

 

十七夜「ほう........。それは詳しく聞きたい所だが、我々も場所を変えよう。話したい事もあるしな」

 

話したい事........?兎に角この場には用はないので、場所を移動する事になった。

 

 

〜いろはside〜

 

 

 

〜とある喫茶店〜

 

やちよ「やっぱりウワサについてはマギウスの方が上手だわ........」

 

ももこ「いろはちゃん達が病院に向かった時点で、あっちはこっちの動きを把握してたって事だよな?」

 

龍騎「誰かGPSとか仕掛けられたとか?」

 

やちよ「そんな訳ないでしょ、大体魔法少女なんて魔力で感知すれば良いだけの話しじゃない」

 

旧車両基地を後にした俺達は、近くの喫茶店で一息を吐きながら情報を整理していた。天音姉妹が知らないとなると、やはり幹部クラスであるみふゆかアリナ・グレイとかに合わなければならない........。

 

........天音姉妹にGPSをつけていればあいつ等の本拠地とか分かったんじゃないか?くそっ!なんでこうも分からなかったんだ!!........え?それじゃあストーカーだって?バレなければ犯罪じゃないんですよ。

 

十七夜「あの双子が居た手前に話せなかったのだが、他にも読み取る事が出来た」

 

龍騎「........本拠地は知らないが、由衣の状況は分かったってところか?」

 

十七夜「御名答、流石だ龍騎士」

 

そうだろうとは思っていたよ、本拠地はまだしも由衣の事は少し詳しそうだったしな。........じゃあGPSつけても意味ないじゃん。

 

いろは「そ、それで鶴乃ちゃんはどうなってるんですか!?」

 

十七夜「........やや言いにくい事なのだが........。由衣君は洗脳されたまま、ウワサを守る為にウワサの一部になったらしい」

 

ウワサの一部........?つまりウワサに乗っ取られるって事か........。もしかしてマミも同じ状況なのか........?それにもし十咎が調べて見つけた遊園地のウワサを守護してる可能性だってある........。

 

龍騎「........十咎、お前が見つけた遊園地って確か夜中に開園だったよな?」

 

ももこ「え?まぁそうだけど........」

 

という事は、明日の夜中に遊園地が開園........。つまり数時間後に決戦だ。マギウスは間違いなく由衣を利用して俺達を排除する筈だ。これに負けたら........、俺達だけでなく大勢の死人が出る可能性がある。

 

........上等だ。そっちがその気ならこっちだって受けてたってやる。

 

龍騎「........遊園地に行こう、恐らくその遊園地に由衣が居る筈だ。其処でマギウスと決着を着ける」

 

やちよ「........そうね、もしかしたらみふゆも来るかもしれないわね。それと巴さんも」

 

ももこ「もし向こうも同じ事を考えてたら、大人数で迎え打ってくる可能性だってあるし、フェリシアとさなを呼ぶか?」

 

龍騎「二人は俺が迎えに行く、お前達は先に遊園地に向かってるくれ」

 

いろは「じゃあ、まどかちゃん達も呼びますか?」

 

龍騎「........無理だろ、流石に夜中に外出は認めないだろうな」

 

ももこ「まぁ普通はそうだよな........、なら此処に居るメンバーで迎え打つって事か」

 

方針は決まった........、後は決戦に向けるのみ........。

 

さぁ、貸切アトラクションを満喫しようか。





いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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巴マミの平凡な日常編
鹿目龍騎の休日 その1


どうもです。

今回は『巴マミの平凡な日常』の内容を少し弄った番外編です。

内容としては、マギレコ編終了して十五年後の世界となります。

巴マミの平凡な日常を読んでない方はネタバレがあるのでご注意下さい。

それではどうぞ。


 

群馬県にある見滝原、其処に魔女と呼ばれる化け物が存在していた。そんな物騒な町ではあるが、魔法少女と呼ばれる戦士達がその魔女を討伐してる為、数年前と比べればだいぶ数は減ってきてはいる。

 

俺は元々はこの町の人間じゃない、何等かの理由でこの見滝原の一家の長男として転生?憑依?して一人の男として生きている。まぁ、魔女やら魔法少女やらの関係してるが、今の見滝原はザ・平和である。

 

龍騎「........参ったな、渋滞かよ」

 

現在進行形で道路は平和じゃないけどな。仕方ない、連絡しておくか........。

 

鹿目龍騎、三十二歳。

 

現在、謎の渋滞に阻まれてイラついています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜六月某日・カフェ:レパ・マチュカ〜

 

龍騎「やっと着いた........」

 

渋滞に阻まれて三十分後、目的地である喫茶店に到着した俺は駐車場に車を止めて、喫茶店の入口に向かっている。今日は俺の妹であるまどか、友人のさやか、マミ、佐倉、ほむらとの久しぶりのお茶会である。普通なら女子会しろよ、って思うが何故か俺も誘われたのだ。

 

店員「いらっしゃいませ」

 

龍騎「えっと、五人の女性達が来てると思うのですけど........」

 

「あ、お兄さんこっち!」

 

店員に説明してると、聞き覚えのある声に反応する。声がした方へ向くと、さやかが手を振って合図していた。いや良い歳して恥ずかしくないのかよ...。

 

取り敢えず店員さんにはアイスコーヒーを頼んでさやか達の待つ席へと向かう。

 

龍騎「悪い、遅れた」

 

まどか「遅かったね、そんなに混んでたの?」

 

龍騎「何か、信号のトラブルでな。仕方ないから大回りしてきた」

 

そう言いながらグテー、と椅子に座る。すると店員さんが頼んだアイスコーヒーを持ってきてくれたので、一口飲む。

 

ほむら「別に車で来なくて良いじゃ無い」

 

龍騎「仕方ないだろ?蓮子とメリー送ってたんだから」

 

まどか「え?蓮子さんとメリーさんを?」

 

マミ「お仕事ですか?」

 

龍騎「ん?まぁそんなもんだ。それで?さっきまで何の話ししてた訳?」

 

そう言って再びコーヒーを流し込む。

 

杏子「そうそう、さっきからこの辺魔女が出て来てないかって話し」

 

俺の質問に答えたのは佐倉杏子。十五年前は風見野市で活動していた魔法少女だが、現在は結婚して一児の母である。偶に杏子がパートで忙しい時に俺が娘の『ゆまちゃん』の送り迎えしている為、割と良い関係である。ゆまちゃんからはカッコいいおじさんって呼ばれたいからね、うん。

 

さやか「あー、なんか言われて居るような感じだよねぇ」

 

杏子「魔女ってさー...、ゴキブリと同じだ忘れた頃に出てくるよなぁー」

 

マミ「ゴ...!」

 

そう言って拒絶反応する彼女は、巴マミ。俺の一個下で今はとある営業会社に働いてるそうだ。ただ、未だに派遣社員らしい。

 

そして杏子の隣に居るのは美樹さやか。俺の妹であるまどかの親友で魔法少女の一人。現在は幼馴染である上条恭介と結婚して二児の母である。

さやかの子供達に良く遊び相手してるので評判も良いと思う。

 

さやか「って言うかさー、正直...魔女よりゴキブリの方が面倒くない?」

 

杏子「魔女は一匹やっつければ良いけど...、あいつら一匹見つけたら三十匹は居るって言うし........」

 

それよりゴキの話しやめて貰えます?虫嫌いの人間が居るんだけど?

 

まどか「ホウ酸団子とか作ってる?地味だけど効くよー?」

 

龍騎「ホウ酸団子とか渋いな........」

 

杏子「ホウ酸団子かー、作った事ねーな...」

 

ゴキブリの対策案を出したのは我が妹である鹿目まどか。最近彼氏と入籍した新婚さんである魔法少女。ちなみにまどかの彼氏(旦那)はフツメンで、中々の優男だった。挨拶に来た時に母さんと俺で『お前に娘(妹)はやらん!』と言ってやったのは良い思い出だ。だって言ってみたかったんだもん。まぁその後男の誓い的なやつで結婚を許したんですけどね。

 

あ、ちなみにまどかの無自覚ブラコンはとっくに治ってます。

 

まどか「簡単だよ、ホウ酸と玉ねぎとか丸めてー。あ、大きさはこの位ね」

 

そう言ってまどかは自分のソウルジェムを取り出して見せた。いや例え方........、もっとマシな例え方があるだろ........。

 

龍騎「しかし、夏になる前に対策しても良いかもしれないな」

 

まどか「お兄ちゃんはホウ酸団子作らないの?」

 

龍騎「まどかさん?俺が誰よりも虫嫌いなのは分かってるでしょ?」

 

さやか「え?じゃあどうしてるの?」

 

龍騎「んなもん、アー◯レッ◯で終わりに決まってるだろ!ってかさっきからお前は何プルプル震えてるんだよ」

 

そう言って俺はカップを持ったまま震えてる暁美ほむらを見つめると、突然彼女は叫びました。

 

ほむら「いい加減にしなさい(まどか以外の)貴女達!魔女が居るのに...、何故誰も退治に行かないの!?」

 

暁美ほむら。十五年前に何度も同じ時間を繰り返してきた魔法少女。現在は俺の弟であるタツヤと結婚して、俺とまどかと親族関係になっている。結婚しても尚、俺の事はフルネーム呼びである。別に良いんだけどね、しかもまだ大学生で十九歳である弟のタツヤが俺より先に結婚するとはなぁ........。

 

んで本題に戻るが........。

 

マミ・ほむら以外「「「「え?何で行くの?」」」」

 

 

俺達のアンサーはこれだった。いや気持ちは分かるよ?でもさ........、俺達もおじおばじゃん?そろそろ世代交代しようよ、と言っても俺は今でも戦ってるんですけどね(遠い目)

 

ほむら「みんな........、見損なったわ!まどかと見滝原は私が守........守........」

 

そう言って店に出て行ったほむらだが、さっきからポケットの中身を確認するが、お目当てであるソウルジェムが見つからないのか、結局店に戻ってきて自分の鞄の中を漁り始めた。こいつ無くしたのかよ........、携帯ならコールすれば簡単なのだが、アクセサリーみたいな形をしたソウルジェムでは不便極まりない。

 

まどか「ほ、ほむらちゃん。私ので良ければ貸すけど........」

 

龍騎「馬鹿かお前は、自分の魂だろうが」

 

さやか「扱いが軽すぎない!?」

 

杏子「あー........、まどかのそれ見ていたら........。ゴキの事思い出しちゃったわ........」

 

龍騎「終わった話題を蒸し返すんじゃない」

 

さやか「虫だけに蒸し?」ドヤッ

 

龍騎「流石は馬鹿さやかちゃん、拾わなくていい所を面白くもない親父ギャグをドヤ顔で........」

 

さやか「黙って!」

 

さやかも学生時代から変わってないな........。と思ってたらさっきさら黙ってるマミを見ると、両耳の穴を人差し指で塞いでいた。いや何やってんだよ........。

 

マミ「あ........、もしかして、虫の話し終わった...?」

 

龍騎「何で聞いてないんだよ...」

 

マミ「実は.....、この前帰ったら玄関の前に...、ゴ...ゴ...あいつがいて...」

 

しっかりゴキブリって言えよ、なんだよあいつって........。キュウべえじゃないんだからせめてGって言えよ。

 

マミ「その所為でもう話すのも聞くのも嫌なのよ........。しかも、死にかけなのに微妙に動いてて........、何も私ん家の前で死ななくてもいいじゃない........。仕事帰りに二時間も家の前で部屋に入るタイミングを計ってたわ........」

 

そんなに嫌なら話さなくても良くね?

 

杏子「...ん?でもさ、そんなに嫌なら彼氏ん家に避難するか退治して貰えば良かったんじゃね?」

 

マミ「あっ!あぁ...っ!そ、そう...ねっ!!」

 

こいつ墓穴掘ったな........。実はマミには一つ皆んなに隠してる事があって、俺だけがその秘密を知っている。

 

実はマミは、結婚はおろか、恋人すら居ないのだ

 

なので皆んなの前では(架空の)彼氏持ち設定になっている。俺も気を遣って知らない振りをしているが、時々ヒヤヒヤする時がある。

 

マミ「そ、その話は置いといてっ、ほ、ほらっ!これ見て!これ、皆んなで頼まない?」

 

そう言ってマミは一枚のチラシを見せてきた。それはとあるスイーツショップであり、『名物バケツパフェ』と書かれた所を指を指した。しかし、まどかとさやかは絶望しきった顔をしていた。

 

まどか「........マミさんすみません」

 

さやか「30過ぎで大盛りメニューは胃がちょっと...」

 

だろうね、そんな理由だとは思ってたよ。と心の中で言いながら軽く溜め息を吐く。

 

まどか「こーゆーのは十代の若い子が食べるんですよ........」

 

さやか「この年になると美味しい物は程々がいいよね...、お兄さんの作った里芋の煮っ転がしがベストだよ」

 

何で俺の作った里芋の煮っ転がしがベストなんだよ........。

 

杏子「えー?あたしは全然いけるけど?」

 

龍騎「馬鹿!余計な事言わなくて良い!」

 

何してんだよ佐倉の奴、ほらもうマミがグイグイ来てるじゃねぇか........。え?甘党の俺はいけるだろって?いやね、この間の健康診断がね...、引っかかっちゃってね........、うっ頭が........。

 

まどか「ね、ねぇ!皆んなで久しぶりに魔女退治に行かない!?」

 

さやか「そ、そうだね!」

 

いきなりまどかが勢いよく立ち上がり魔女退治しようと誘うと、さやかも便乗して賛成した。ほむらがグッ、と親指を立てていたので、こいつらメールかなんかでやりとりしていたな........。

 

さやか「じゃあまとめてお会計してくるけど、領収書貰っていい?」

 

「「「「どうぞー」」」」

 

さやかが伝票持って会計しに行くと、俺達は店の外でさやかが来るのを待機、魔女の結界がある所を探しに歩いて行く。あ、言い忘れたけど車は料金制の駐車場に止めてあるので大丈夫です。

 

 

 

〜とある路地裏〜

 

マミ「魔女の結界...、この辺りかしら...」

 

龍騎「みたいだな........」

 

歩き始めて数十分後、遂に魔女の結界がありそうな場所に辿り着いた。

 

マミ「...にしても、魔女ってなんでいつも冷え冷えする所に結界作るのかしら...。六月とはいえ、冷え性には辛いわ...」

 

龍騎「あー、うん。それ分かる。おいほむら、ソウルジェムは見つかって........、ないか........」

 

一度ほむらのソウルジェムが見つかったか確認しようと振り返ると、相変わらず自分の鞄をゴソゴソと漁っていた。

 

龍騎「ちなみにマミ、お前はちゃんとあるよな?」

 

マミ「も、勿論です!(しまった、いつもの癖で腹巻きのポケットに家のスペアキーと一緒に入れたままだったわ........)」

 

まどか「あ!杏子ちゃんのソウルジェム可愛いね!」

 

杏子「あーこれ?(ゆま)がプリクラとかシールいっぱい貼るからなー...」

 

龍騎「それ大丈夫なのか?身体に害があるとか?」

 

杏子「いや?別に何ともねーよ。さやかの方は........」

 

さやか「...っ........」

 

龍騎「........どうした?顔色悪いぞ?」

 

さやか「こ、ごめん...、皆んな...。あたし、ちょっと気分が........」

 

えぇ!?なんか酒臭いんだが!?しかもこいつ顔真っ赤じゃん!?何があった!?

 

まどか「うっわさやかちゃん酒臭っ!いつお酒飲んだの!?」

 

さやか「ち、違...、お酒じゃなくて........。お会計の時についソウルジェムをアルコール消毒して........」

 

絶対それじゃねぇか!!

 

まどか「えっ!?あれで酔えるの!?」

 

杏子「初耳だぞ!?」

 

龍騎「いや、ソウルジェムって魔法少女の本体だから、アルコールに直接触れてる訳だから酔う可能性は無いわけではないな........」

 

にしても昔から酒に弱っちぃなさやかの奴...。恭介と一緒に飲みに行って一番にぶっ倒れたからな...。

 

龍騎「取り敢えず座って休んでろ。まどか、悪いけど水買ってきてくれ」

 

さやか「ごめ........、あたしギブだわ...」

 

まどか「あ、あははは........。さやかちゃんは休んでて...」

 

ほむら「全く、だらしないわね美樹さやか!」

 

龍騎「ソウルジェム行方不明な奴はさっさと見つけろ」

 

仕方ない、と俺もポケットにあるカードデッキを取り出す。こうしてよく見ると、このカードデッキも長い付き合いなんだな........。すると佐倉がマミに何か言っていた。

 

杏子「お、何だマミ。やけに楽しそうじゃん」

 

マミ「ふふ、そうね...。最近は、魔女退治も一人ぼっちでしょ...。だから...、こうやってみんな集まってワイワイやるのって久しぶりだなって...。

 

龍騎「................ん?ちょっと待て、お前まだ魔法少女現役なのか?」

 

俺がそう言うと、その場が凍った。そしてまどかと佐倉がひそひそ話しを始めると、マミのソウルジェムが濁り始めてくる。あぁ........、凄い勢いで濁って行く........。30過ぎてもメンタルが弱いんだな........。

 

マミ「...そ、それは兎も角っ、それじゃ、お先に!」

 

龍騎・まどか・杏子(((この雰囲気の中一番に変身したーッ!)))

 

........!!その時俺達三人の頭に電流が走る。

 

マミ「さ、皆んなも早く変し........」

 

龍騎「マミ........」

 

杏子「...ごめんな。分かった...、分かったんだ...」

 

まどか「...うん、私も気づいちゃった...。客観的に見ないと分からない事ってあるよね...」

 

龍騎・まどか・杏子「「「30過ぎてその服はキツイ...!」」」

 

そして再び場が凍る........。

 

まどか「...そういえば、魔法少女服って全部ミニスカ...。露出高い服って若くないと正直痛いね...。いつまでも夢見る少女のままじゃいられない...、私達魔法少女ってそう言う仕組みだったんだね........」

 

まどかの強烈な言葉にマミは膝を倒してしまい、遂には変身を解いてしまった。そして、夕日が沈みかけてきてるのに気づく...。え?魔法少女じゃないお前は変身しないのかって?いやだってさ、前世はいつも同じ服着てたわけだし、その所為で感覚が麻痺してるからノーカンで。

 

ほむら「...あっ!やっと見つけた...!まどか!一緒に魔女を...」

 

まどか「ほむらちゃん...。もういい、もういいんだよ...。一緒に...、帰ろう?」

 

ほむら「まどか........!そうね...、魔女は現役の魔法少女に任せましょう...」

 

まどか「老兵は黙して去る...だね、ほむらちゃん!」

 

遂にほむらがソウルジェムを発見したが時すでに遅し。まどかが優しく手を差し伸べて帰ろうと言うと、ほむらはその手を掴んだ。

 

........いや、何だこれ?一昔前のドラマの感動シーンか?

 

杏子「........あ!今日って九日だったよな?」

 

さやか「確かそうだったかな」

 

杏子「なー帰りにニークイック寄っていいか?今日肉が特売なんだー」

 

さやか「あー、肉の日だもんね。私も行くー」

 

そう言って、マミ以外の魔法少女は其々の目的地へと歩き去ってしまった。取り残されたのは、まだ落ち込んでるマミと俺のみ。

 

龍騎「........あー、俺も帰るけとさ........。送っていこうか?」

 

マミ「........お願いします」

 

こうして、魔法少女(+α)のお茶会は終了した。余談だが、カフェで横切ったであろう魔女は俺が退治しました。




いかがでしたか?

今日がエイプルリフールって事もあって書いてみました。

一巻の一話だけでもすっごいボリューム........。もしかしたら続くかもしれないです。

誤字脱字、アドバイスよろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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鹿目龍騎の休日 その2

どうもです。

巴マミの平凡な日常編の続きです。

それではどうぞ。


 

季節は夏、爽やかな夏晴れの休日........。今日、俺達は結婚式に来ていた。

 

さやか「...あ、そろそろかな?」

 

そう言ってさやかがビデオカメラを片手に、新婦入場口に向けると、扉が開かれ、親友である志筑仁美がウェディングドレスを着てやって来た。

 

そう、今日は仁美の結婚式なのだ。まどかやさやか等、学生時代の友人達から結婚おめでとー、とお祝いの言葉を送っている。

 

まどか「仁美ちゃーん!すっごくキレイだよ!」

 

仁美「ありがとう、まどかさん」

 

さやか「仁美...、結婚おめでとう。昔はさ...、色々あったけど...。その...、変な言い方になって悪いけどさ、仁美が今幸せそうで、私...、すっごく嬉しいよ...!」

 

仁美「........そうですわね。私も...、さやかさんと恭介さんに負けないくらい...。幸せになりますわ!」

 

なんか仲直り的な感じになっているが、俺もお祝いの言葉を送ってやろう。そう思って俺は彼女に近づいた。

 

龍騎「結婚おめでとう、仁美」

 

仁美「龍騎さん........」

 

龍騎「今日は蓮子とメリーが仕事で来れなかったが、伝言を預かってるんだ。『結婚式行かなくてごめんね?日を改めてお祝いするから、お幸せに!』だってよ」

 

仁美「ありがとうございます...。お二人にもよろしくお伝えして下さい」

 

龍騎「あぁ、幸せにな」

 

ちなみに仁美の旦那は俺が高校時代の一つ下の後輩であり、バスケ部所属で、俺が高校三年の時にまどか達とバスケをやってたら、教えて欲しいとの声を掛けて来たのがきっかけだった。それから仁美に一目惚れしてしまい、必死にバスケを練習して、エースに登り詰め、そして仁美もそんな彼に惚れてお付き合いし、今日晴れて結婚する事となった。

 

なんて感動的な漫画展開なんだ、俺じゃなきゃ気が付かなかったね。

 

まどか「あー...、結婚式っていいよねー。私の式ももう直ぐだし、今日は色々参考にしていこっと」

 

杏子「そーいや、まどかの式まであと二ヶ月だったっけ?準備進んでるか?」

 

龍騎「それは問題ない。俺も手伝ってるし、今は席次表やら引き出物とか決めてる」

 

前世では結婚式はあげては居なかったが、さやかとほむらの結婚式を機に勉強しておいたのだ。後でまどかの為にもなるかと思って、俺は別にいいかな?結婚する気はあるが、結婚式をあげるとは言ってないし。

 

まどか「結婚式ってさ...、やる事多くって思ってた以上に大変だね...」

 

龍騎「特に料理一つでも洋風の式場だし、フレンチにしようと思ってたのに親戚の婆様の歯が弱いから和食にしてくれとか、箸を付けてくれとか急に電話掛けて来たり...。もう親戚の擦り合わせとかそう言うのが全部面倒臭くって........」

 

さやか「あー...、あるある...」

 

まどか「お兄ちゃん、本当にありがとう........」

 

つーか鹿目家の親戚多くない?何回心(ソウルジェム)が折れ掛けた事だか......。

 

ほむら「まどかも私とお揃いで、海外挙式にすれば良かったのに...」

 

龍騎「馬鹿言うなよほむら。俺はまだしも、姉弟揃って海外はどうなんだよ?それに母さんや親父だってもう歳だぜ?態々海外まで飛ばすのか?」

 

ほむら「あ........、それもそうね........」

 

そういやほむらとタツヤの結婚式挙げたのって、ハワイだっけ?俺は海外では結婚式やりたくないなぁ........。行くの面倒だし。

 

杏子「...でも皆んなちゃんと式挙げられていーじゃん。私なんて、お金が余裕なくて籍入れただけだし...」

 

そればかりは仕方ないだろ........。佐倉のご家族は既に亡くなってるし、旦那さんの収入だって決して高くない。でも幸せなら別にいいじゃないか。

 

杏子「ウェディングドレスってやっぱ憧れだよなー。なぁマミ!?」

 

マミ「え"っ!な、何...っ、そ...そうねっ!」

 

佐倉がウェディングドレスを着てみたいと言い出すと、マミに話題をふっかけてるが、マミは驚いたような声を出して適当に返事した。

こいつ関係ない話題だからって聞き流していたな......。

 

杏子「私さー。結婚10周年の時とか、子供が巣立った後に、細やかでいいから式挙げるのが夢なんだー」

 

龍騎「まぁ籍入れても、遅れて結婚式挙げる事例だってあるからな」

 

杏子「そうそう!お互いさ、後悔しない良い式をいつか挙げよーな!」

 

マミ「........そ、そうね。頑張りましょう(結婚式どころか挙げる相手も居ないのに...)」

 

なーんて思ってるんだろうな........。目がそっぽ向いて溜め息吐いてるし。

 

それから披露宴に向かい、新郎新婦のお色直しして再登場すると、料理を食べている時に、さやかがボヤき始めた。

 

さやか「うーん...。同い年でも既婚と新婚じゃ、若々しさが違うなぁ...。やっぱりさー...。心の若さって言うの?そう言うのがもう...」

 

杏子「あー...。子供居ると、年々お洒落とか自分磨き方向がどうでもよくなってくるよな...」

 

既婚あるあるェ........。

 

まどか「えー...?二人とも30歳にしては若々しいよー?」

 

さやか「まどかも時期に分かるよ...」

 

龍騎「そうだな...。子供が居ると自分の事は二の次になって、少しずつ年齢を重ねていくんだ」

 

マミ「」←未婚だけど自宅の女子力が終わってる人

 

『えー、続きましては、花嫁によるブーケトスです!未婚女性の方は階段下にお集まり下さい。是非、幸せのお裾分けを........』

 

マミ「...あっ!私行ってくるわねっ!よーしっ、ブーケ頑張って取るわよぉー(棒)」

 

すると花嫁によるブーケトスが始まるとアナウンスが入ると、マミが勢い良く立ち上がり、棒読みで気合いを入れて階段下へと向かった。

 

........それは別にいい。だけどさ........。

 

マミ以外、全員子供って事は殆どの人は既婚者って事?

 

それから仁美がブーケを投げると、マミの位置まで伸びていき、そのままマミの元へ落ちた。マミはブーケをキャッチして戻ってくる。

 

マミ(...あぁ、何だかもう...。死にたい

 

っ!?マ、マミの後ろに鬼と般若が........。

 

 

それから式は順調に進み、終わった頃には既に日が暮れていた。俺達は一緒に帰路に着きながら、今日の事を振り返っていた。

 

まどか「あー...、いい式だったねー」

 

さやか「年取ると涙脆くってさー...。何度も泣いちゃったよ」

 

まどか「私もー」

 

龍騎「いや、二人が泣き虫なのは歳関係ないだろ」

 

さやか「なんですとー!?」

 

龍騎「中学、魔法少女、自暴自棄」

 

さやか「ぐはっ........。わ、私の黒歴史を........」

 

それはお前の自業自得だろ(辛辣)

 

ほむら「感動と言うよりか私は...。自分の式を思い出して懐かしくなったわね...」

 

龍騎「あー、何となく分かるわ。終わった後に反省点ばっかりで、やり直したいって思う感じだろ?」

 

まぁ別に結婚式だけじゃなくても、他の事で同じ事を思うやつは俺でもあるからな。

 

さやか「まどかは後悔しないよーに頑張りなよ?」

 

まどか「うんっ」

 

そうか........。まどかも二ヶ月後にはウェディングドレスを着るのか...。昔は無自覚でブラコンだったまどかが、今のなっては花嫁に........。幾ら前世の記憶を持ってるとしても、兄として支えてやって良かった...。

 

さやか「........お兄さん。何で泣いてるの?」

 

龍騎「いや、まどかも仁美みたいなドレス着ると思うと........。此処まで支えて来て良かったって........」

 

まどか「お兄ちゃん........。私、絶対に幸せになるからね!」

 

うちの妹30過ぎても可愛い過ぎだろ!!

 

マミ「皆んな、まだ時間早いし、何処かで二次会しましょ........」

 

さやか「えっ!もうこんな時間!?」

 

マミ「か...?」

 

マミが二次会やろうと提案するが、さやかが腕時計を見て驚き叫んだ。

 

さやか「ごめん、私先帰るね。家族の夕飯作らないと...。今日は子供等、恭介に見て貰ってるんだけど...。あいつ片付けしないから家の惨状を見るのが怖い...」

 

杏子「あー...。うちは旦那が休日出勤だったから今日は一時保育...。今日って日曜だから保育園やってねーだよな...。お金掛かるし、私も早く迎えに行かねーと...」

 

ほむら「明日から暫く仕事で出張だから今日パスするわ」

 

まどか「旦那さんと外でご飯食べる約束しちゃってて........」

 

見事に魔法少女組みは全滅である。同情はしないけど。

 

龍騎「........俺も明日は仕事だけど、まぁ別にいいけどさ。じゃ、今日は此処等で解散すっか」

 

まどか「うん!じゃっ、今日はお疲れ様ー!」

 

それから其々の帰路に着く中、俺とマミは帰っていく魔法少女組みを見送った。

 

マミ「........」

 

龍騎「................で、どうすんの?」

 

マミ「........二次会が、したいです...」

 

俺は安西先生じゃないぞ、バスケがしたいです風に言うな。

 

 

 

 

マミ「ううーん...。解・放・感!!

 

龍騎「良い歳して直ぐに下着姿になるなよ........。ってビールを飲み始めるな!!」

 

俺はマミの家にお邪魔して、二次会を行う事にした。マミの家は昔から行った事はあったが、現在マミは下着姿でビール缶の蓋を開けて、ガサゴソと引き出物を漁り始めた。

 

おっかしいなー...。昔は下着姿になってる時にクッソテンパってたマミが、今となればそんな事を気にしなくなってしまった。俺だからいいのか?やめてくんない?それだから彼氏が出来ないんだよ。

 

そしてマミが先に取り出したのは、四角い箱に焼きのりやら鰹節が入っていた。多分俺のも同じやつが入ってると思うから、白米のお供にしよう。

 

マミ「あっ、バウムクーヘン発見!此処のバウム、よくテレビで見てたから気になってたのよねー」

 

バウムクーヘンも入ってたのか...。後で蓮子とメリーと一緒に食おっと。

 

マミ「後は...、おっ、あったあった。カタログギフトって選んでる時が一番楽しいわよねぇー」

 

よく分からん、俺のは蓮子に任せる事にしよう。

 

龍騎「........おい、ブーケの花どうするんだよ」

 

マミ「あー........。お水に付けないと枯れちゃうわよねぇ...。花瓶ないし、一番おっきいマグカップでいっか...」

 

いやダメだろ........。花瓶ないとはいえ、マグカップで入れるとか何考えて........。ガチで入れやがった...、みっちりと。

 

マミ「................って」

 

龍騎「........マミ?」

 

マミ「私だっていつか...、綺麗なドレス着て...、いや...贅沢は言わない...。結婚式はもうしなくていいから結婚したい...」

 

なら現状の人間性を改善しろ、学生時代の清潔なお前に戻ってくれ。

 

マミ「(.......でも、結婚したら今までみたいな...。ダラダラ生活は出来なくなるのよね........)まぁ、これはこれで気楽よね...。暫くはこのままでもいっか...」

 

それ結婚するの諦めてないか?なんて声に出したら泣き出しそうなので、俺もマミの家に来る前にコンビニで買った酒の蓋を開けて、グビグビと飲み始めた。




いかがでしたか?

書かれてませんが、龍騎くんは蓮子とメリーと同棲しており、結婚はまだしていません。

オリジナルのシナリオでマギレコキャラを出すかもしれません。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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鹿目龍騎の平日 その1

どうもです。

今回は完全なオリジナルなシナリオです。

それではどうぞ。


 

群馬県にあるとある喫茶店。駅の前に佇む小さな店で、少し昭和の雰囲気を漂うレトロな感じの喫茶店...。しかも、俺が学生時代でバイトしていた思い出の店でもある。

 

喫茶店の名は、香霖堂。

 

前世でお世話になった古道具屋と名前が奇跡的に一致していたのもあるが、前店長であるマスターから受け継いで、今は俺が店長をやっている。

 

カランコロンッ........

 

龍騎「いらっしゃいませ」

 

すると、女子大生らしいお客が二人も喫茶店へ入ってきた。

 

龍騎「空いてる席へお座り下さい」

 

「「は、はい...」」

 

どうやら初めて来たお客だろう、ちょっと緊張してるみたいだ。けど顔赤くしてるけど大丈夫だろうか?

 

「すみません」

 

龍騎「は、はい!」

 

すると手を上げて、俺と呼び出す。俺は伝票とペンを持って呼ばれた席へやってくる。

 

龍騎「ご注文を承ります」

 

「......軽食セットのBを」

 

龍騎「お飲み物は?」

 

「ミルクティー、ホットで」

 

伝票にペンで注文を書くが、お客は大きめのメニューで顔を隠していた。よっぽどの恥ずかりやさんのようだな。でもこの声、何処かで...。

 

「........久しぶりに顔を出してみたけど、私の事忘れてしまうとは少し悲しいわね」

 

オケ把握、だいたい分かった(門矢士)

 

龍騎「........そりゃ変装とメニュー表で顔隠してたら分かる訳ないだろ、七海」

 

やちよ「気づいてるじゃない......」

 

そう言ってメニュー表をテーブルの上に置き、被っていた帽子と眼鏡を外すと、十年前に世話になった七海やちよの姿だった。彼女とは高校時代に神浜市で起こったウワサの一件で知り合い、大学卒業後はガチのファッションモデルになり、俺が高校卒業の時には音沙汰は無かった。まぁ、其方が忙しかったって事もあったからね、だからって忘れてた訳じゃないよ?ホントだよ?リュークンウソツカナイ。

 

やちよ「久しぶりね、貴方がまだ此処で働いているとは予想外だったわ」

 

龍騎「何?どっかの中小企業でサラリーマンだと思ってたのか?」

 

やちよ「本音を言えばそうね」

 

龍騎「言っとくけど俺、高校在学中に前の店長が『此処で働かないか?』って誘われたから働いてるんだからね?既に内定取ってたから大学卒業後、すぐに就職したわ」

 

やちよ「........だいたいは分かったわ、お料理よろしく」

 

龍騎「了解ですよ、お嬢様」

 

いや、もうお嬢様って歳じゃないか........。

 

やちよ「殺されたいのかしら?」

 

うおっ...、怖っ........。冗談が通じないな相変わらず、冗談は成長していない胸部装甲にしてくれ。って思ってたらなんか七海が鞄の中の物をガサゴソと漁り始めたのでちゃっちゃと作ってちゃっちゃと仕事に戻ろう。

 

さて、先程七海が頼んだ軽食セットBだが、言ってしまえば『ホットサンドとコーンスープ』である。別名、モーニングセットだ。え?なんでモーニングセットにしないのかって?朝"限定"ってのもなんか嫌だったし、食べるんだったら好きな時間で食べて欲しいって言う俺の願望から生まれた結果、軽食セットとして出してる。俺って気遣いがいい〜、その所為か殆どが女性客で埋まってしまっている。あれぇ?なんで野郎が来ないのかな〜?

 

おっかしいなぁ〜?今思うとうちの店の従業員も八割が女性しか居ないんだよね、別に一人も男性従業員が居ない訳じゃないんだけど、全員アルバイトって名の学生だかね。かと言って皆んなうちで真面目に働いてくれてるから文句は言わないし、言えないのだが、もうちょっと男性従業員が欲しい...。

 

........と、考えていたら既に料理は完成していた。さてと、運びますかね...。え?作ってる描写と説明は無いのかって?料理は出来るけど、説明出来る語彙力無いから無理。と言う事で、料理を銀色のお盆に乗せていざ出陣。

 

龍騎「おまたせしました。軽食セットBとミルクティーで御座います」

 

やちよ「どうも」

 

龍騎「そういや、今日が初めてなんだっけ?」

 

やちよ「えぇ、SNSで貴方の写真が写ってるのがあったのと、十年前に一度も訪れていなかったってのもあるわ」

 

そう言ってミルクティーを口に入れると、『あ、美味し』と有難い言葉を貰うが、俺は少しばかり疑問に思っていた。おかしい...、うちはSNSなんてやってなかった筈だが......。まさかバイトの奴が勝手に投稿したのか?

 

やちよ「あら、このホットサンド美味しいわね」

 

龍騎「当店の看板メニューの一つでございます」

 

「あ、あの!」

 

龍騎・やちよ「「?」」

 

七海がホットサンドに夢中で食べてる中、俺は仕事に戻ろうとその場を離れようとしたら、先程の女子大生の一人が声を掛けてきた。

 

「ま、間違っていたらすみません!もしかして、モデルの七海やちよさんですか?」

 

やちよ「......えぇ、そうよ」

 

ファンの子「!!やっぱりですか!」

 

おいおい、いきなりバラシいいのかよ。それとあんまり騒ぎにはしないでくれよ?

 

ファンの子「わ、私ファンなんです!サインお願いします!!」

 

そう言ってファンの子はスケッチブックを差し出す。

 

やちよ「いいけど、今日私が此処に来た事は絶対に内緒にしてね?」

 

ファンの子「はい!ありがとうございます!」

 

そう言って鞄からペンを取り出して、スケッチブックにサインを書き始める。そして書き終えると、直ぐにファンの子に渡す。

 

やちよ「はい」

 

ファンの子「あ、ありがとうございます!あ、最後に一つ聞いても良いですか?」

 

やちよ「構わないわ」

 

ファンの子「この店員さんと仲が良いみたいですけど、お知り合いなんですか?」

 

やちよ「えぇ、十年前にお世話になったのよ。それに彼、一応店長よ」

 

一応ってなんだよ一応って...。

 

ファンの子「もしかして、お付き合いしてるんですか?」

 

やちよ「ブフォ!?」

 

龍騎「うおっ!?」

 

ファンの子がとんでもない事を言った事により、七海が口に入れていたミルクティーを、俺に目かけて噴出した。俺は反射的に身体を捻ったからびしょ濡れは免れたが、後ろにお客さんが居たらクレーム待ったなしだ。居なくてよかった...。

 

やちよ「...誤解のないように言っておくけど、私は誰とも付き合ってないし、彼は既に恋人がいるのよ」

 

龍騎「ってかお前もいい加減、身を固めたらどうだ?環もそうだが、神浜の連中も結婚続出してんだろ?結婚願望ないの?」

 

やちよ「あるにはあるわよ、でも今の仕事も楽しいし、充実してるもの。もう少しは独り身でいるわ」

 

龍騎「............で、本音は?」

 

やちよ「運命の人が巡って来ないのよ!!私だって早く結婚したいわよ!!皆んな私を置いてけぼりして!!羨ましいし妬ましいわよ!!」

 

こらこら、気持ちは分かるが台パンすんな、ファンの子がビビってるだろうが。

 

龍騎「大丈夫だって!マミも架空の彼氏持ちって設定でまどか達に秘密にしてるんだから、きっとお前だって環達にも通用するって!」

 

やちよ「どんな慰め方よ!フォローどころか騙してるじゃない!それより架空の彼氏持ちって何!?巴さんずっと隠してたの!?」

 

さらに言うと、女子力も終わってるぜ!!

 

やちよ「...はぁ、まさか私と同じ状況の人がいたなんて...」

 

ファンの子「え、えと...、その...。が、頑張ってください!」

 

龍騎「失礼ですが、彼氏さんは?」

 

ファンの子「あ、婚約者が居ます」

 

やちよ「」

 

まさかのファンの子に婚約者が居た事に、裏切られたのかショックを受けて、七海はテーブル全体を覆い囲むかのようい、グテ~とうつ伏せになってしまった。

 

ファンの子「な、なんかすみません...」

 

やちよ「......帰るわ」

 

龍騎「........半額にしてやっから、元気出せって」

 

やちよ「別にいいわよ...、また来るわ...」

 

そう言って代金を支払って、そのまま店の外へと出て行ってしまった。あーあ、なんか悪い事しちまったな...。また今度来たらサービスしてやろう、そう思いながら俺は厨房に戻り、七海が使っていた皿を洗い始めた。

 

後日、俺が七海に軽食セットを渡してる瞬間を窓越しで写真に撮られて、SNSであげられてた事により、更に店が繁盛する事になるとは、SNSをやってない俺には知る由もなかった。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。


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鹿目龍騎の休日 その3


どうもです。

久しぶりの巴マミの平凡な日常編です。

それではどうぞ。


 

時は春、すっかり気温が上がって炬燵が邪魔になって仕舞い始めのこの頃。俺は大きめの段ボールを片手にマミの家にやってきていた。インターホンを押してやってきたと伝えると、マミが中学時代のジャージを着て出迎えてくれた。

 

マミ「あら龍騎さん、いらっしゃい」

 

龍騎「おう、前に頼まれてた蜜柑持ってきたぞ」

 

マミ「ありがとうございます!折角ですから紅茶でも出しますよ」

 

龍騎「んじゃお言葉に甘えるわ」

 

それから俺はリビングに上がって、テレビにはペットの赤ちゃんの特集の番組がやっていたので俺はそれを見ていた。丁度猫の特集だったので、猫好きの俺にはもってこいだった。

 

マミ「どうぞ」

 

龍騎「お、サンキュー」

 

マミが紅茶を持ってきてくれて、俺は礼を言ってから紅茶を一口飲む。

 

龍騎「こういう番組ってさ、なんか興味を唆られるよな........」

 

マミ「そうなんですよ...。動物の赤ちゃんって、なんでこんなに可愛いのかしら...」

 

龍騎「やっぱりペットとの生活には憧れるのか?」

 

マミ「そりゃあ勿論、人と違ってペットは裏切らないし...。もし...、万が一このままずっと独りだったら...、ペットと余生を過ごそうかしらね...、フフ...」

 

病んでる、病んでるから落ち着けって。独り身が嫌なら女子力を一から鍛え直せ。

 

龍騎「ってかこのマンションってペット可なの?」

 

マミ「それがこのマンション、ペット飼育禁止なんですよ...」

 

だろうな、大半のマンションってペット禁止だしな。

 

『久しぶりだね、マミ』

 

................ん?なんか声したか?

 

マミ「こっそり飼うとしたら...、小さくて鳴き声がしないのとかかしら...。匂いも気になるのよねぇ」

 

龍騎「それに鳴き声が五月蝿いって理由で、手術して声出させないようにする家庭もあるぐらいだしな...。俺には考えられねぇよ」

 

マミ「あぁ........、その話し聞いた事あります........。可哀想ですよね........」

 

『地球で言う........、17年ぶりってやつかい?』

 

................???なんの声だ?

 

マミ「となると........、金魚とかマリモとか........?」

 

龍騎「やめておけ、水槽とか餌とか諸々準備するの大変だぞ?それに地震とかで水槽落としたら金魚は死、床はびしょ濡れだぞ」

 

マミ「そうですよねぇ........、それにもう少し可愛いのが........」

 

『元気そうで安心し........、おや?もしかして........、僕の声が聞こえてないのかい?バカな........、魔法少女に僕の声が届かないなんて........』

 

僕の声........?まさか........!?俺はベランダに視線を向けると、窓に手を当てている獣が居た。

 

龍騎「お、お前!?まさか!?」

 

マミ「べっ、ベランダに猫........!?ってあれ?あれは........」

 

『!やっと気づいてくれたかい』

 

マミ「あっ!久しぶりねぇ!えと........、その........。名前何だっけ...?」

 

嘘やん........。キュウべえの事まで忘れてたのか........。

 

 

 

キュウべえ『気づいて貰えてよかったよ、マミ』

 

マミ「ごめんなさいねぇ...。年取ると忘れっぽくなって...」

 

キュウべえ、もといインキュベーターを招き入れたマミは、冷蔵庫から牛乳を取り出して皿に注いで持ってくる。しかし本当に久しぶりだな........、最後に会ったのいつだったっけな?

 

キュウべえ『マミには聞こえてなくて、君には通じたのは不思議だね。マミとは一つ上だろう?』

 

龍騎「昔から耳が良いからな」

 

マミ「はい、少し古い牛乳あるけど飲む?」

 

そう言ってマミが差し出したのは、少しばかり変色した牛乳だった。お前気づいてないだろうけどキュウべえに嫌がらせしてるぞ?いいぞもっとやれ(辛辣)

 

キュウべえ『うぇ...っ...、これすっぱ...』

 

マミ「フフ...、おかわりもあるからいっぱい飲んでね」

 

ワーイ、サイコパス発言だー(建前)いいぞもっとやれ(本音)

 

マミ「それにしても........」

 

そう言ってマミはキュウべえを持ち上げると........。

 

マミ「あーもぅふかふかねぇ♡もふもふもふーん♡♡動物をモフリたい時によく来てくれたわぁー♡」

 

キュウべえを抱きしめて頬ずりまでし出した。流石の光景に俺とキュウべえはドン引きしていた。

 

キュウべえ『マミ...、昔と比べて随分キャラ変わった気が...』

 

そりゃ十何年も経ってれば人は変わるよ。そのままマミはキュウべえを胸まで持っていくと、何故かキュウべえは背筋を伸ばしたまま固まってしまった。何かあったのだろうか?ぎっくり腰か?

 

キュウべえ『マミ........、このジャージの下........。ノーブラだね』

 

それ本人が知ったらマスケット銃で穴だらけだったぞ?

 

マミ「そういえば、貴方昔は喋ってたわよね?」

 

龍騎「いや、普通に喋ってるぞ?なんなら通訳しようか?」

 

キュウべえ『今はそれが良くても、君が不在の時はどうするんだい?』

 

龍騎「筆談でもすれば?文字くらい書けるだろ?」

 

そう言って俺は近くにあったチラシと、仕事用の鞄に入ってあったシャーペンを渡して適当に書いてもらう事にした。

 

キュウべえ「...マミ、この紙...、ツルツルしてて書き辛い........」

 

マミ「キュウべえって筆圧弱いのねぇ........」

 

そもそもその長い耳みたいので筆談するとかどんなギミックだよ。

 

マミ「(やれやれ...)久しぶりだねマミ、それと鹿目龍騎。色々言いたい事はあるけど、取り敢えずあの牛乳は腐ってる」

 

マミ「キュウべえの文字って...、人間味が無いわねぇ...。活字みたい」

 

龍騎「宇宙人相手にその要望はキツいだろ、そもそもインキュベーターは文字の個性なんてないだろ」

 

キュウべえ「そうさ」

 

マミ「ちょっと待ってキュウべえ!これキリないわよねぇ!?残り全部紙のアップで埋まるわよ!?」

 

だから俺が居る時は通訳するって言ったんだよ........。そんな訳で、今後の会話は俺の通訳で行われる事になった。

 

マミ「キュウべえはどうして此処に?」

 

キュウべえ『この近くの魔法少女の才能を持つ子が居たからね。スカウト帰りに顔を出したまでさ』

 

龍騎「スカウトって........、少子化問題のこのご時世にもやってんのか?」

 

キュウべえ『まぁね、でも少子化問題で不景気の影響もあって、魔法少女より将来の就職や安定が欲しいって言われる事もしばしばさ』

 

マミ「お互い苦労してるわねぇ...、私だって正社員になりたいわよ........。でも景気悪いし、給料上がらないし、ボーナスも欲しいし、正社員枠は狭いしっ」

 

会社も人生も恵まれないなぁ........。

 

キュウべえ『全くだよ、人間社会も大変だね。まぁ僕としては君もいい年なんだし、結婚でもして子供でも作って貰えれば将来の魔法少女候補になるんだけどね』

 

マミ「!!!」ビクッ

 

あ、おい馬鹿やめろ。

 

キュウべえ『どうしたんだい?生物が適齢期に子孫を残すのは、種の繁栄として至極当然の行いじゃないか。それを行いなんて重大な理由や信条があるのか........、肉体か精神に何かしらの問題があるとしか........』

 

龍騎・マミ((忘れてた...、キュウべえはキュウべえだったわ...!))

 

キュウべえ『やっぱり、十代の頃と比べると君達........、感情の起伏が乏しくなっているね。君達はもうエネルギーの価値は低いようだね』

 

え?それって俺も低くなってるの?

 

キュウべえ『結婚や出産、嫁姑問題等で一時的に膨大なエネルギーを生み出す事もあるけれど........、安定したエネルギーを生み出さない以上、既に燃えカスと言った方が...』

 

マミ「キュウべえ........、これ以上...、余計な事を言わないでくれる...?」ゴゴゴ

 

!?マミの背後から禍々しいムカデが........!

 

キュウべえ『あっ!今膨大やエネルギーが出てるっ!凄いよマミ!』

 

言ってる場合か。

 

 

 

マミ「そういえば、他の皆んなには会ったの?」

 

キュウべえ『いや、マミと彼だけさ』

 

そう言ってマミはキュウべえに腐った牛乳を飲ませる。嫌がらせか?いいぞもっとやれ(辛辣)

 

マミ「あら!じゃあ皆んな呼びましょうよ!キュウべえも気になるでしょ?」

 

キュウべえ『え、いや別にどうでも...』

 

マミ「ふふっ...、家に人を呼ぶなんて久しぶりだわー。部屋の片付けしないとっ」

 

そう言ってマミは携帯を取り出して、他の魔法少女メンバーを呼び出し始めた。

 

キュウべえ『単にマミが人恋しいだけじゃないか...』

 

龍騎「キュウべえ、それ言ったら牛乳三杯目入るぞ?」

 

キュウべえ『...口は災いの元ってやつだね』

 

 

〜数分後〜

 

マミが呼び出して数分後、妹のまどかと佐倉、その娘のゆまちゃんがやってきた。

 

杏子「おいーっす、来たぞー」

 

ゆま「あっ!りゅーおじちゃん!!久しぶりー!」

 

まどか「お兄ちゃんも来てたんだね」

 

龍騎「よっ、久しぶり。ゆまちゃんも久しぶりだね〜。ちょっと背伸びた?」

 

佐倉の娘であるゆまちゃんの頭を撫でると、私服姿に着替えたマミが顔を出す。

 

杏子「あれ、他のメンツは?」

 

マミ「あぁ、それは...。ほむらさんは大阪に出張中で、さやかさんはお義母さんとランチですって」

 

あ、あはは........。ほむらはまだしも、さやかはドンマイ........。

 

キュウべえ『やぁ、皆んな久しぶりだね』

 

するとニョキっと姿を現したキュウべえ。ゆまちゃんはこんにちはー!と元気よく挨拶するが、まどかと佐倉は真顔をまま固まってしまった。

 

キュウべえ『やれやれ、君達にも僕の声が聞こえないなんてね』

 

ゆま「?おかしゃん、このこのこえきこえないの?」

 

龍騎「やっぱり二人にも聞こえてないみたいだな........」

 

杏子「えっ...!なんで私等に聞こえなくて旦那が聞こえるんだよ!?」

 

まどか「私も一応まだ魔法少女なのに........。なんで言ってくれなかったの?」

 

龍騎「聞かれてないからね、別に知らせなくても何も不都合はないからね(暗黒微笑)」

 

キュウべえ(なんか僕のセリフを取られた気がする......)

 

キュウべえの声が聞こえない事にショックを受けてる二人をリビングに招き入れて、何故キュウべえの声が聞こえないのか考察していると、まどかがある説を上げる。

 

まどか「考えたんだけどさ...、音ってさ、年齢と共に高い音が聞こえ辛くなるんだって」

 

龍騎「........そう言う事か」

 

まどか「そう!キュウべえの声は十代の可聴域にしか掛かってないんだよ!」

 

マミ・杏子「「な、なんだってー!?」」

 

わぁ、懐かしいネタ........。でも筋は通ってるんだよなぁ........。

 

マミ「でも確かに理に適ってるわよね...」

 

杏子「知らない間に耳も年取ってるんだな...」

 

まどか「こうやって全身が少しずつ老いていくんだね...。それに比べてお兄ちゃんは...」

 

龍騎「いやいや、俺だって衰えてるぞ?前世と違って肉体も人間だから少しずつ老いてってるよ」

 

まどか「じゃあなんでキュウべえの声が聞こえるの?」

 

龍騎「地獄耳だからでしょ(適当)」

 

それから皆んなで雑談してると、キュウべえは隙をついてゆまちゃんに声を掛けた。

 

キュウべえ『やぁ、また会ったね。ゆま、まさか君が杏子の娘だったとはね...。昨日も言ったけれど、君には魔法少女の才能がある。君には叶えたい願いがあるんだろう?さぁ、僕と契約して、魔法少女にな........』

 

ゆま「ねーおかしゃん、ゆま、まほうしょうしょになってもいい?」

 

杏子「はぁ!?」

 

龍騎「はい!?」

 

するとゆまちゃんが魔法少女になっていいか、佐倉に聞いてみると、俺と佐倉も驚いてしまった。

 

ゆま「ゆまねー、きのうもほいくえんでこのこあったの。まほうしょうじょにならない?って、まほうしょうじょになったら、なんでもほしいものがてにはいるんだって!ゆまはねー、おかしゃんおいっぱいあそぶじかんがほしいの!たがらまほうしょうじょにらなりたいなー!」

 

めっちゃいい子じゃねぇか........!!健気で親想いのいい娘さんじゃねぇか........!!思わず涙出ちまったじゃねぇかちくしょう!

 

すると佐倉は思いっきりキュウべえに殴りつけては、首を掴んで殺気の籠った目で睨みつける。

 

「いいか...、娘に手を出してみろ...。殺すぞ

 

こ、こえぇ........。あんな殺気感じたの久しぶりだな........、一体誰の影響を受けたのやら(←犯人)

 

すると佐倉はゆまちゃんを抱きしめて、

 

杏子「ごめんな...。かーちゃんが不甲斐ないばっかりに...、いくらでも遊んであげるから...、あんたは私みたいに魔法少女なんかにならなくていいんだ...」

 

ゆま「ほんと!?おかしゃんだーいすき!」

 

そう言って佐倉親子は抱きしめてるシーンに感動して涙が止まらなかった。

 

まどか「いい話しだねぇ...」

 

マミ(いい話しかしら...?)

 

いい話しだろ...(涙線崩壊)

 

 

 

それなら皆んな帰って行くと、ジャージ姿になって一息吐く。いつの間に着替えたんだか........。

 

キュウべえ『皆んな帰ったかい?』

 

龍騎「おう、お前も帰るのか?」

 

キュウべえ『そうだね、僕もお暇するよ。元々立ち寄るだけのつもりだったしね』

 

そう言えばそんな事言ってたな........。

 

キュウべえ『それに、あの腐った牛乳をこれ以上飲まされるのは御免だからね。それじゃあね』

 

マミ「ち、ちょっとキュウべえ!?」

 

そう言ってベランダに飛び乗って、そのまま何処かへ行ってしまったキュウべえ。多分次会うのは暫く後だろう、顔も見たくないけど。

 

マミ「........一人は寂しいものね...、家に誰か居るって、やっぱり良いわよね...」

 

龍騎「........でもなマミ、この現実を受け入れないといけないんだぜ?」

 

そう言って俺は、散らかってるリビングの惨状をマミに見せる。佐倉がキュウべえに殴った事で牛乳は溢れて、雑誌も散らかってて酷い有様だった。

 

マミ「........誰か居るは居るで面倒くさいわね...。やっぱり...、他人に気遣わなくていい一人の方が気楽だわ...」

 

結婚願望者がそんな事言ったらダメじゃねぇか。そんな言葉を送らずに、俺は散らかったリビングの掃除に取り掛かった。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

良かったら次回もよろしくお願いします。


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