Y（有希を）M（愛でる）K（会）

その1

　タイトルの意味は言うまでも無いと思う。

　だってそのまんまだもの。

　文字通り有紀を愛でる為の会だもの。

　有紀の可愛さなめんじゃないわよ?　そりゃもう可愛いんだからね?　アレよ、届かない位置にある本を取ろうとする時とか、もうアレよ、悶えるわよ。必死につま先立ちして必死に手伸ばして、届いたは良いけど上手く取れなくて本が頭に落ちて蹲って涙目になるのよ?　それでそのまま本読むのよ?　なに、悶え殺す気なの?　ゲームだったらそれだけで軽く10回は死ぬわよ。なめんじゃないわよ。

　有紀の可愛さなめんじゃないわよ。

　…………1回落ち着くからちょっと待って。

　10秒だけ待って。

　うん、落ち着いた。

　いきなりごめんなさいね?　あたしはどうせ本名言おうとしても、なんか未知のアレに妨げられて言えないから、あだ名で自己紹介するわ。

　キョン子よ、よろしく。

　今いるのはハルヒが1月頃に創ったSOS団兼文芸部の部室。

　え～っと……とりあえず、YMKの会員を紹介しておきましょうか。

　まず1人目はあたし、キョン子。

　2人目はハルヒで、3人目は涼子。

　で、最後の4人目が江美里。

　あぁ、因みに、ハルヒはここ北校の生徒じゃなくて、光陽園の生徒だから。

　天才で馬鹿だから。

　んでもって今現在もここにいるから。

　一姫って言うガチ百合と一緒にいるから。

　そして何故かあたしは貞操を狙われているから……うん、どうでも良いわね。

　とにもかくにも、あたし達YMKは有紀を愛でる為にいるから。

　生憎残りの2人は今いないけど、多分その内来るだろう。

　それまでの間、窓辺で読書を行っている有紀を眺めて過ごそう。