きりたんがマスターに自分の想いを伝えるまでの物語。 (ずんたんぽ。)
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どうも。東北きりたんです。

きりたんってかわいいですよね((((
お家に欲しいくらいです。
そんな妄想を詰め込んだお話です。

初投稿なので暖かい目で見守る感じで読んでいただくと幸いです


って挨拶を一体何人の私が言ってるんでしょうね。

どうも。きりたんです。

最近はVOICEROIDの認知が世間に広まって、一家に一人の確率くらいでVOICEROIDがいます。ほぼ100ですね。ほぼ100。

かく言う私も少し前にマスターに購入されて、日常を一緒に過ごしているんですけど…。

 

「ねぇきりたん」

『はい?どうしたんですか?マスター』

「あ…いや、なんでもないよ」

 

とかいう調子です。私の事が嫌いなのかなって思ったんですけど、一緒にゲームもしてくれるし、その時はとても楽しそうなので、そんなことは無さそうです。

ふとした時に私の名前を呼んで、なんか残念そうな顔をしてるんですよ。

マスターの要望とあれば、しっかりと答えて上げるのがVOICEROIDの務め。

って私は思ってるので、何かやって欲しいことがあるのか、聞いてみることにします。

 

『あの、マスター』

「ん?どうしたの?」

『私を呼んで、時々残念そうな顔するの、どうしてですか?』

「あぁ…えっとね…。言っても引かない…?」

 

愚問ですね。引くわけないのに

 

『引きませんよ。私は貴方のVOICEROIDなんですから』

「…えっとね、きりたんに『マスター』呼びじゃなくて、『おにいさま』って呼んで欲しいんだ」

『…へ?』

 

まさかそんな事だとは。だから返事をした時に少し残念そうな、悲しそうな顔してたんですね

 

『そんな事ですか、そんなの引いたりなんてしませんよ、おにいさま』

「そっか!ありがとう!!」

 

今までの悩み顔が嘘のようににっこにこしてます。うざいくらいです。

でも、マスt…おにいさまがにこにこしてくれてるのは私としても嬉しいです。

 

『ねぇおにいさま』

 

どうせならこのタイミングで、もっと聞いておきましょう。隠れた要望を。

 

『私にもっとやって欲しいこと、ありませんか?』

「え…?そうだなぁ…。特には…ないかな」

 

無いようです。残念。

 

「じゃあ、今度はきりたんのお願いを僕が聞いてあげるよ。ほら、なんでも言って?」

 

まさかの出来事です!何をお願いしましょうかねぇ…

 

『…じゃあ、もっと一緒に私とゲームしてください。なんでも聞いてくれるんですよね?おにいさま』

「そんなことでいいの?こう…『もっとゲーム買ってください〜!』とか、『お菓子が足りません〜!!』とか言うと思ったんだけど…。」

『何言ってるんですか、おにいさまは金欠じゃないですか。』

 

とか言いましたけど、お菓子よりゲームより一緒に遊んでくれる方が嬉しいですし。まぁそんなこと恥ずかしいので言えませんけどね。

 

「そっか、わかった。じゃあもっとゲームしよう!今日は日曜で明日も祝日でお休みだから、いくらでも遊べるぞ!!」

『言いましたね?!じゃあ先に寝た方が罰ゲームです!!』

「望むところだ!」

 

この人はほんとに…。毎度私と遊ぶと私より楽しそうにしてます。まぁそういう所が好きなんですけどね。

一般的なVOICEROIDと比べると私とおにいさまはかなり変わった関係だそうです。普通はもっとこう…"上司"と"部下"みたいな主従関係が強いらしいんですけど、私のおにいさまは、見ての通りそんなの全く気にしないし、思っても無さそうです。

だからこうして一緒になって遊んでくれるし、友達のような関係でいてくれてます。私だけの唯一のマスター。おにいさまです。

 

 

ちなみに、あの後おにいさまが真っ先に寝ました。まだ午前2時半だったのに、まだまだですね。貧弱です。

もちろん、約束通りしっかりと罰ゲームをしてあげる予定です。内容はまだこれから考えますけどね…?

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。
こんな事あったらいいなぁ…。を短いお話にまとめました。

もし閲覧数が多かったり、好評だったりしたら、続きの話を書いて投稿しようかと思ってます。


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罰ゲーム。それとイタズラ

どうも。きりたんです。

どうやらお兄さまは私が思っていたよりも貧弱だったらしく、"ゲームをしてる時に先に寝てしまった方が罰ゲーム"という競走をしていたのにすぐに寝落ちちゃいました。

 

((すぐと言っても、午前の2時を回ってましたけど))

 

これからという時に寝てしまうなんて!まだまだですよ!ほんと!!

ということなので、お兄さまの可愛らしい寝顔にイタズラをしておきました。はい?罰ゲームじゃないのかって…?ソレとコレは別ですよ。別。

さて、そろそろ起きる時間です。ご飯も作ってあるので、起こしましょう。

 

『お兄さま。起きてください。朝ですよ』

「う〜ん…」

 

まぁ、全く起きませんね。しかし、お兄さまもやらなければいけない事があると言っていました。このまま一緒に寝てしまいたいですが、起こさなければ。

 

『ほら、起きてください。今日は月曜ですよ。学校じゃないんですか〜?』

「うん…学校……。えっ今何時!?」

『えっと…今は9時半ですね。おはようございます。』

「うわぁ…やっちゃった…遅刻だ…。」

 

学校とか遅刻とか言ってますけど、今日は月曜でも祝日。なのでお兄さまの学校もお休みです。

 

『お兄さま。今日は祝日ですよ?学校はお休みです』

「…あっ…そうだった…よかった…。ありがとうきりたん。おはよう」

 

安心したような顔をして、私におはようと返してくれました。いつもならかっこいい感じですけど、今日は少し違います。私の傑作の落書きが書いてありますので

 

『はい。おはようございます。ご飯は出来てますので、顔でも洗って来てください』

「うん、そうするね。いつもありがとう」

 

さて、ここまではいつもと同じような会話です…。さて、私のイタズラには気づくでしょうか…。まぁ気づかないで戻ってきたらそれはそれで心配になりますけど……。

 

<!!!!?!!!

 

洗面台の方からお兄さまの慌てた声が聞こえてしました。どうしたんでしょう。

 

『お兄さま、どうしたんですか?』

「"どうしたんですか?"じゃないよ!!これ描いたのきりたん!?すげぇびっくりしたんだけど!!」

 

ふふっ大成功です。おにいさまの頬に猫、おでこの所にハートを描いておいたんです。どうやら怒ってる訳じゃなく、びっくりして声が荒くなっただけみたいです。((実は少し怒られたかと思って怖かったです))

お兄さまがなにやら嬉しそうに呟きながら一生懸命私の描いた落書きを取ろうとしてます。でも、残念。

 

『あ、お兄さま、ひとつ忘れてました。』

「…ん?どうしたの?」

『それ、おでこのハートマークだけ、油性ペンです。ほかの猫ちゃんを描いたペンのインクが切れてしまって』

「…うん?」

 

頬の猫の絵を消しながらこっちを振り向いたポーズで固まってます。理解が追いついてないってやつでしょうか。これ。

 

「油性…?」

『はい!そうです!』

 

流石の私も鬼じゃないので、もちろん取る手段は用意してあります。流石に"それを付けたまま外へ行け〜"なんて言いません。鬼じゃないので。

 

『なんて、お兄さま、驚きました?大丈夫ですよ。ちゃんと取る方法も…』

「油性だと!?ふざけるな!!」

『っ!?』

「ほっぺたのは消えたから良いものの、おでこのは消えないってどうすればいいんだよ!!」

『ですから、お兄さまっ…』

 

まずいです。やりすぎました。超怒ってます。お兄さまがこんなに怒ってるの初めて見ました…。私のせいなんですけど…。

 

『あの…えっと…』

「なんてね。そんな怒ったりしないよ」

『…え?』

「寝てる間にまんまと落書きされた事が悔しかったから、罰ゲーム?というよりちょっとしたおかえし。どう?びっくりした?」

『…びっくりした所じゃなかったです!』

 

本気で嫌われちゃったかと思って焦りました。というか怖かったです。イタズラにも限度を考えないと行けないですね…。反省です…。

 

「さ、ご飯食べよ。せっかく作ってくれたご飯が冷めちゃう」

『そうですね、食べましょう。あと、ご飯食べたらそのおでこの取りましょう』

 

どうやら怒りは少しも無く、仕返しだけだったみたいで、もういつものお兄さまに戻ってます。だけどほんとに怖かった…。泣きそうです。いつも怒らない人を怒らせちゃいけないってこういう事だからなんですかね…。

 

「あ、そうだ。それで昨日の罰ゲームって何?」

『う〜ん…。実はその落書きを付けたまま買い物に言ってきてくださいって言おうと思ったんですけど…。』

「じゃあ一緒に買い物行こうか」

 

一緒に買い物に行くことになりました。お兄さまとお出かけするのはあまり多くないので、楽しみです。

 

ー帰宅後ー

 

すっっごい恥ずかしかった。

すれ違う人がお兄さまと私の方を交互に見てにこにこしてたんです。何でかなぁとか最初は分かんなかったんですけど、そうでした。今お兄さまのおでこには私が描いたハートマークが着いてるんでした。しかも割と大きめの。

まさかお兄さまはこれを予想した上で一緒に買い物に…?

これじゃあ私への罰ゲームみたいなものじゃないですか!…でも勝手に寝込みに落書きするのは良くなかったですし…文句は言えません。

 

 

ーその日の夕方ー

 

『そうだ。そのおでこの、取りましょう』

「いや、いいよ。取らなくて」

『いいんですか?ちゃんと取れますよ?』

「いいのいいの。今日1日はこれ付けとく」

 

なんだか満足そうな顔してそう言ってますけど、私には分からないです。でも、お兄さまが良いって言ってるならそのままでいいですかね。なんだかそのままにされてるのはもやもやしますが…。でも、悪い気はしません。

…まさか、私が描いたものだから取っといておきたい。みたいなこと考えてるんですかね……まさか。

 

 

「あっきりた〜ん!!これそういえばどうやって取るの〜!?」

 

お風呂場から私を呼ぶ大きな声が聞こえた。

 

『お風呂上がったらどうにかするので、とりあえずはお風呂出てきてくださ〜い!』

 

まだ背中を流すとかそんな事する程信頼度は高くないし、お風呂から上がるまで待てばいいか。

そう思いながら、ベットに横になり、今日自分とお兄さまの距離がまた少し近くなったように思えてなんだか嬉しく感じました。

今とても充実してます。私。



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夏服。

『あぁ゛〜…』

 

暑い。暑すぎる。全くなんでこんな暑いんですか。まぁ夏だからなんですけど…。

 

『…やってられませんよ、ほんとに』

「きりたん、溶けてるよ。アイス」

 

アイスどころか私が溶けてしまいそうです…。買ってもらったガリ○リ君も半溶けです。この部屋冷房効いてるのにアイス溶けるってなんなんですか。流石の私も怒りです。この暑さに。

 

「…暑いのって、その和服のせいじゃない?夏に和服着てる人見たことないよ」

『…お兄さま。この服は私のデフォルトなんですよ?そう簡単に脱げるわけ…』

「そう言ってバテられちゃったら辛いんだけどね。服、買いに行こうか?」

『あぁ〜…。いい感じの夏服無いか探してきます…』

 

こんな時に外に出るなんて自殺行為そのものなので、自室に服があることを祈りながら探しに行くとします。

 

▼数分後▼

 

『確かに、服装は大事ですね。かなり涼しくなりました』

「あぁ…それは良かったよ…。けどさ、もうちょっと何とかならないかな」

『"なんとか"ってなんですかお兄さま。もしかして私の服装が軽装すぎるって言いたいんですか?』

「うん…まぁ…その通りなんだけどね」

 

確かに、私の今の服装はかなり軽装です。タンクトップにハーフパンツなので。まぁ、家の中だから別にいいじゃないですかね。目のやりどころに困るってやつなんですか?

 

「その…目のやりどころに困るんだよ」

 

まさかのその通りでした。でもそんな事には慣れて欲しいです。だってこの服装だと楽で涼しいので。もうあのいつもの和服なんて着れたもんじゃないですよ。しかし、欲情でもされたらどうにも出来ないので、どんな服ならいいのか聞いてみますかね。

 

『…わかりました。どんな服なら大丈夫なんですか?』

「そうだね…。"このまま外に出ても大丈夫〜"って服装かな?」

『大変です!お兄さま!!!』

「えっ何!?どうしたの!」

『まずそもそも外に出たくないです!!』

「…買い物行こっか」

 

危ない危ない…。危うくいい感じの理由を付けて外に出されるところでした…。ほんと、こんな時に買い物なんてよく行けますね…。

さて、"このまま外に出ても大丈夫"な服装ですか…。お兄さまが買い物に行って帰ってくるまでに着替えておきますか…。

 

『…おっ、この服なら大丈夫そうですね』

 

色々漁ってたら、いい感じのワンピースを見つけました。ひとつなぎの大秘宝じゃない方のワンピースです。これなら…まぁそのまま外に行っても大丈夫でしょう。行きたくないですけど…。

 

「ただいま〜…あ〜!部屋が涼しい!」

『おかえりなさい。どうです?着替えておきましたよ』

「いいね!かわいい!!流石きりたん!」

『あぅ…えっと、ありがとうございます…』

 

この人は時々こういう無自覚な発言をします。私もそろそろ耐性つけないとドキドキしてちゃしょうがないですね。…でも、気に入られたのは嬉しいです。ずっとこれ着てましょう。

 

『ところでお兄さま。何を買ってきたんですか?食材なら昨日…』

「ん?服だよ。きりたんの」

『あの…見ての通り私着替えて服あるんですけど…』

「…そうみたいだね。まぁ…取っとこうか」

 

持ってなかった時を予想してわざわざ買ってきてくれるとは、ほんとに優しいですね。お兄さまは。今度何気なく着てあげましょうか。

ふふっ。何も言わずに着てたら、なんか言ってきてくれますかね、それとも、気づかなかったりして…。

 

『ふふふっ…』

「ん?どうしたの?」

『あっいや、なんでもないです』

 

…夏も悪いものじゃないですね。



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プレゼント。

どうも。東北のきりたんです。

そろそろお兄さまの誕生日だそうなんですが、ただプレゼントをあげるだけじゃなくて、なんか面白いことしたいんですよね。例えばこう…サプライズとか?

まぁどんな内容にするかは全く考えないし、案もないんですけど。

 

『…ねぇお兄さま。最近なにか欲しいものとか、あります?』

「う〜ん…欲しいものねぇ…。特に思いつかないなぁ」

『そうですか。わかりました』

 

欲しいものが無いとなると…困りますね。なにをプレゼントしましょうか。でも、せっかくあげるならいつも使えるようなものを上げたいので…。お兄さまがよく使ってるものとか…。いやでも、そんな日常品なんか誕生日であげるもんじゃないですよね。こうなったら、仲のいい人に聞いてみるのもアリかも知れません。

となれば、聞いてみる人はあの人しかいませんよね。

 

『あ、もしもし。お久しぶりです。葵さん』

「あれ〜?きりたん?お久しぶり〜」

 

この人なら1番良いアイデアをくれるでしょう

 

『さっそく本題の質問なんですけど、マスターの誕生日って、葵さん達はなにかプレゼントあげました?』

「プレゼント?うん。あげたよ」

『あの、私のとこのマスターもそろそろ誕生日なんです。それで、どんなものあげればいいか、アドバイスが欲しくて…』

「う〜ん…そうだなぁ…。きりたんのマスターさんの好きなものとか、あげればいいんじゃない?」

『それが、あんまりないんですよ。あの人物欲ないので』

「う〜ん…じゃあ。きりたん自身をプレゼントにするとか?」

『…葵さんもそんな冗談言うんですね』

「割とマジだよ」

『えっ』

 

流石に…私もお兄さまも困ってしまいます。お互いに。

 

「まぁ、私は物をあげてはいないの」

『えっ?』

「私のマスターも、きりたんのマスターと同じことを言ったの。いつも"○○が欲しい〜"とか言ってくるのに…」

『…じゃあ、何を?』

「マスターは、"癒し"って言ってくれたよ」

『癒し?』

「うん。マスター自信に聞いてみたらね『葵達は、俺に癒しをくれたよ。だからそれ以上プレゼントなんて要らないさ』って。カッコつけたセリフだよね〜」

『…癒し…ですか…』

「そうっ!(あおい〜!ちょっとええか〜?)あっお姉ちゃんが呼んでるから行くね。じゃあ、がんばってね、きりたん」

 

…なんか、葵さんも葵さんで忙しそうですね…。

それにしても、癒し…ですか。私はあげれられてるんでしょうか。でも一緒に居るといつも楽しそうだし、そこら辺は心配する必要無さそうですね。

私なりの最高のプレゼントをしてあげましょう!

 

 

▼誕生日当日▼

 

『…さてお兄さま。今日は誕生日ですね』

「ん?あぁ、そうだったね」

『という訳で、私からのプレゼントです』

「おぉ!ケーキだ!」

『そうです。お兄さま甘いもの好きですよね。きっと喜んでくれると思って』

「ありがとうきりたん!うれしいよ!!でもどうやってこんな立派なケーキ手に入れたの?」

 

気になる人もいるでしょうね。何故引きこもりの私がそんな大層なもの買えたのかって。そりゃあ、作ったからです。私が。

私が自ら作れば、大きい金額も必要ありませんし、なにより心がこもってるのでとっても嬉しいでしょう。これで喜ばない人は居ないはずです!…きっと

 

『どうやってって、私が作ったんですよ。お手製のケーキです』

「えっ!?自分で!?きりたんが!!?」

『そうですけど…』

「すごいね!ほんとに!きりたん上手だよ!!」

『そんなに褒めても…ケーキは増えませんよ?』

 

予想以上に喜んでもらえたようで良かったです。美味しそうに食べてますし…。って食べるのめちゃくちゃ早いですね…。お腹壊しますよ…?

 

『…お兄さま』

「なに〜?」

『あっ…その食べてるの飲み込んでからでいいです』

「……っ。はい。どうしたの?」

『私に癒されてますか?』

「何、どしたの急に」

『いや、お兄さまは私を買って、ちゃんと良かったって思ってくれてるのかなって……』

「何言ってるの、そんなの当然だよ。毎日癒されてるし、現にこうして、プレゼントだって貰っちゃってるからね。これで癒されてないってなったら、もう・どうするよ?w」

『…そうですねっ!』

 

どうやら、私が悩んでたことは無駄だったみたいです。ケーキも喜んでもらえたし、満足です。

 

「きりたんも食べようよ。ケーキ」

『はい。じゃあいただきます。…なんて美味しいケーキ』

「すんごい美味しいよ、流石きりたん」

『我ながら完璧ですね』

 

 

あの後、2人でケーキを食べ終わり、充実した一日をすごしました。

私が望んでいたサプライズのような事は出来ませんでしたが、とっても喜んでもらえたようだったので、今となってはもうどうでもいいです。



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おでかけ

きりたんが出てこない琴葉姉妹の間話的なのも上げようか迷ってるんですけど、どうしましょうね?


「ねぇきりたん、おでかけしよっか」

『…いいですけど、どこ行くんですか?』

「そうだな〜…。ゲーセンとか行っちゃう?」

『外に出てもゲームですか。いいですね、行きましょう』

 

という事でお兄さまと一緒にゲーセンにお出かけです。これデートじゃないですかね。まぁ気にしすぎかもしれませんけど。

 

『何で行きます?そんなに距離も遠くないですし、歩いていきます?』

「そうだね、そうしよっか」

 

お兄さまと一緒に外に行くのは買い物以来なので楽しみですね。というか外に出ること自体あんまり無いので…。

そうだ!前のワンピース着てきましょう!もうあれからちょっと経って溶けるほど暑い訳じゃないですけど、ワンピース着てても変な目で見られない気温なので大丈夫でしょう。

お兄さまは…まだ支度中ですね。私はボイスロイドなので髪とか整える必要もあんまりありませんけど、お兄さまは当然人間なので、髪も整えるし、色々服もあるんですね。まぁゆっくり待ってましょうか。待つ時間も嫌いじゃないので、私。

 

『お兄さま。私はもういつでも行けますよ。後はお兄さまの準備です』

「もう準備できたの!早いね〜。ちょっとまってて、もうすぐ終わるから」

『わかりました。ゆっくりでいいですよ。私、ゲームしながら待ってますので』

 

「ねぇきりたん、ちょっとこっち来て」

『…なんですか〜?』

「こっちとこっちの服、どっちがいいかな」

『う〜ん…そうですね…。そっちの白のシャツの方が大人気あってカッコイイですよ』

「そっかありがと!じゃあこっち着てくね」

 

服の相談って…。彼女じゃないんですから。ただ散歩程度のお出かけなんですからそんなに気合い入れておしゃれする必要なんて……。

まさか私とでかけるから!?それでかっこよく見せるために私にわざわざ聞いてきたって事…?いやいや、流石にそれは考えすぎですよ、私。私はそもそもボイスロイドですし、お兄さまは人間なんですから、人間相手の女の人を好きになるはずです。そうですよ…あ〜。焦った。

 

「よし、お待たせ、行こっか」

『もう…待ちくたびれましたよお兄さま。何をそんなに準備してたんですか』

「ん?ごめんよ。ちょっとね」

『うん?』

 

いよいよ出発です。楽しみですね。いつか…というかお兄さまとお出かけはそのうち絶対するつもりだったので。けどまさか向こうから誘ってきてくれるとは思いませんでした。

…しかし、なんか落ち着きませんね。どうしてでしょうか…。

 

「きりたん?どうしたの?」

『…あっいや、別に何とも…。ちょっとぼーっとしちゃっただけです。すいません』

「暑いからね、ちょっとでも体調悪くなってきたらすぐ言ってね、飲み物とか買ってくるから」

『あぁ…ありがとうございます。今は大丈夫そうです』

 

やっぱりお兄さまは優しいですね。しかし、なんでしょうこの変な感じは…

『う〜ん…』

「きたりん?やっぱり体調悪いんじゃ…」

『えっ?あっいや、大丈夫ですほんとに。心配ありがとうございます』

「…そうだ。よいしょっ」

『ふぇっ!?お兄さま!?ちょっと何をっ!』

「ん?きりたんは軽いねぇ」

『いやっ…えっと…どうして突然だっこを…』

「なんか浮かないような顔してたからさ?こうすれば元気になったりするかな〜って」

『私はもとから元気です!ほら!あのっ…人の目もありますし、おろしてください!恥ずかしいので!』

「そっか、ごめんよ」

『…手ぐらいなら…』

「ん?」

『手を繋ぐくらいなら、大丈夫です…』

 

…あああぁ!私ったらなんて事を…!いやでもお兄さまと手を繋げてるし…。なんなら抱っこされたのも急だからびっくりしただけで別に嫌ってわけじゃ…

 

『あっ!ほらお兄さま!着きましたよ!ゲーセン!』

「ほんとだ。きりたんと一緒に来るとすぐだね」

『…そうですね!』

 

『お兄さまは何をするんですか?』

「僕は音ゲーとかUFOキャッチャーかな」

『いいセンスですね。でも私の方が上手いですよ?絶対』

「じゃあ帰るまでにどっちが多くもの取れるか勝負ね?」

『ふっふっふ。望むところです!』

 

ー数時間後ー

 

『ほら、私の完全勝利です!お兄さま、あれだけ言って1個だけですか?w思ったよりしょぼいですね〜』

「いやいや、これは得意なものが無かったからっ」

『言い訳は無用です〜♪』

 

ふ〜。8対1で私の完全勝利ですね。満足です。私が本気を出せばこんなもんちょちょいのちょいですよ。

しかし、楽しいですね、ゲーセン。来たの初めてですけど、こんなに楽しいもんだと思わなかったです。もっと来たいです!

 

「きりたん、楽しかった?」

『はい!とっても!なんなら明日にでもまた来ます?』

「あっ明日?いやっ…流石に2日連続は…」

『ふふっ、流石に無理なのは分かってますよ、そんな事言いません。私は優しいし賢いので』

 

今日はほんとに楽しかったですね〜。またゲーセン来ましょうかね、1人で。

いや…でも一人で来ても楽しくなかったりして…お兄さまと来てるからこんなに楽しかったのかな?どちらにせよまた絶対来る必要がありますね!

 

『…この大量のぬいぐるみ。持ち帰るのしんどいですね』

「どっかのきりたんが沢山取っちゃったからね〜。頑張って持って帰ろうか」

『うっ…。勝負には本気を出すのが私のポリシーなので』

「うん、わかってるよ。このぬいぐるみも部屋に飾ろうか。あっ、あとはいコレ」

『!!こっこれはっ!!!』

「さっき見つけて取っておいたんだ。これはきりたんにプレゼントだよ」

『でっかいずんだもちのぬいぐるみ!!あぁ!冷感で冷たいです!!流石ですお兄さま!!!ありがとうございます!』

「ふふっ。喜んでもらえてよかったよ。部屋はどうしてもじめついて暑いからね、これ抱えてれば涼しくなると思うよ」

『明日からさっそく使います!たぶんずっと抱っこしてます!』

「よかったよかった」

 

ひゃ〜!冷たくて気持ちいです!こういう冷感のぬいぐるみ欲しかったんですよね!しかもこのデザイン!最高です!!非の打ち所がないってやつですね!

私も何かプレゼント取っておけばよかったです…。

 

『お兄さま〜!手を繋いで帰りましょう!』

「ん?いいよ〜」

『〜♪』

 

過去一ご機嫌です!楽しかったですね〜今日は。お兄さまにお礼もしたいですし…。マッサージでもしてあげましょうかね〜

また一緒におでかけしましょうね、お兄さま!



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お留守番。

「じゃあきりたん、行ってくるね〜!」

『はい、行ってらっしゃい。お土産待ってます』

「沢山買ってくるね〜!」

 

あぁ、行ってしまいました。あっどうも、きりたんです。お兄さまは今日から2泊3日の修学旅行らしいです。当然その間はお留守番なんですけど、3日間も何すればいいんでしょうかね、ほんとに暇です。お兄さまは「特にものを壊さなかったら何しても大丈夫だよ」って言ってましたけど…物壊すことなんてしませんよ。

あっそうだ、誰か家に呼んで一緒に遊びましょう!誰を呼びましょうかね…。

葵さんと茜さんでも呼んでみましょうかね、VOICEROIDなんて基本やる事ないのできっと暇してることでしょう。

 

『あ、もしもし、葵さん』

「きりた〜ん!どうしたの?」

『実は、今日からマスターが2泊3日の修学旅行でとても暇なんです。だから、遊びに来ませんか?』

「えっいいの?」

『はい、もちろん大丈夫です。マスターにも前もって聞いてますし、私の友達なら大丈夫でしょう。あ、茜さんも一緒にきて遊びましょう』

「本当〜?!お姉ちゃ〜ん!きりたんのところ遊びに行こ〜! ╲ほんまか〜!?行くわ〜!!╱うん、お姉ちゃんも来るって」

『ふふっ、じゃあ待ってますね。住所送るのでいつでも来て大丈夫ですよ』

「は〜い!じゃ支度したらさっそくお邪魔するね〜」

 

やっぱり暇してたみたいです。茜さんも喜んでたのが電話越しに聞こえてきましたね、楽しみです。お菓子でも用意して待ってましょう。

 

▼数十分後▼

 

「やっほ〜!来たで〜!」

「遊びに来たよ〜」

 

来たみたいですね、迷子にならずに来れたみたいです。

 

『どうぞ、待ってましたよ』

「はいきりたん、これあげる」

『?なんです?これ』

「これはな〜?駅のお店で売ってたずんだもち!きりたん好きやろ?マスターさんとでも食べてや〜」

『ありがとうございます。でもマスター帰ってくるの3日後なので皆で食べましょう』

「あっそっか。修学旅行って言ってたっけ、じゃあ一緒に食べよっか」

『じゃあ、早速食べましょう。何して遊びます?ゲームならいっぱいありますよ』

「ん〜…そやなぁ…。あっウチこのマリオカートしたいわ!」

『いいですね、やりましょう。私強いですよ?それ。葵さんは何かやりたいやつあります?対戦でも協力でもなんでもいいですよ』

「私はとりあえずいいかな〜。ずんだもちでもマスター食べながら2人がレースしてるの見てるよ」

「え〜!葵もやろうや〜」

『わかりました、やりたくなったら言ってくださいね、コントローラーまだあるので』

「きりたん!はよやろ!!」

『はいはい、今つけますね』

 

ふふ、茜さんもこのゲームを選ぶとは、運がないですね。私は自分で強いと言いましたけど、実際かなり得意なんです。本気で戦ってぼこぼこにしてやりましょうか…。

 

▼1時間後▼

 

「つ、強い…勝てへん…」

『ふっふっふ。その程度ですか?茜さん。まだまだですよ?』

「くっそ〜…。同じ車使ってるはずなんに勝てへん…なんでや…」

『茜さん茜さん』

「ん?」

『…"実力差"ってやつですよ』

「うわぁぁぁああ!!むかつく!!!」

 

圧勝です。茜さんは思ったより上手かったですけど、私には及びませんね。まだまだです。

 

「んしょ…私もやろうかな〜」

『おっ、葵さんもやりますか。茜さんは萎えてぐでってしてるので、タイマンですね?』

「うん、でも私も強いよ?大丈夫?きりたん萎えない?」

『萎えるわけないじゃないですか。負けませんよ?』

「そうかな〜?じゃやろっか」

 

▼またまた1時間後▼

 

『…うぅ』

「きりた〜ん?もうやらないの?」

『…萎えってやつです』

 

葵さんすごい強いんですけど、なんでですか…。茜さんとは全然違う動きしてました。同じゲームですか?これ

 

「きりたんきりたん」

『…なんです?』

「"実力差"だよ」

『……うわぁ、すごいウザイですね、そのセリフ。でも実際実力差以外の何物でもないです』

「きりたんが負けを認めた、珍しい」

「明日は槍や〜」

『私だって成長するんですよ』

「…成長?」

『なんですかその目は』

「きりたんはかわええな〜」

『その撫で方やめてください』

 

悔しいですね…。ゲームも悔しいけどそれ以外にも悔しいです。追いつけない…。でもやっぱり楽しいもんですね、一人でやるよりみんなでやった方が。

一人でやるゲームはあんまり好きになれません。楽しいんですけどね?

 

『あ、そうだ。皆さん、どうせなら今日お泊まりしていきませんか?せっかく家に誰もいないので』

「お泊まり会か〜ええな〜!」

「ちょっとマスターに連絡取っておくね、良いって言ってくれるとは思うけど、何も言わず帰らないときっと心配するから」

『はい、わかりました。お風呂とか準備しときます』

「きりた〜ん、マスター、いいって言ってくれたよ〜」

「じゃあ今日はお泊まり会や!!」

『良かったです。ご飯とかどうします?出前とか頼んじゃいます?』

「ええな〜!気分上がるわ〜!!」

 

ふふっ。お泊まり会とかあこがれてたんですよ、言ってみるもんですね。まだまだ夜はこれからです…!!




次のお話に続きます


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お泊まり会。

保存失敗とかバグとかで書いた文章が全デリートしたりしてやる気が地の底でした。だから投稿期間かなり空いちゃって…遅くなりました。すいません。

今回は会話多めです。
文に纏めるの上手い人ってホントすごいですよね…尊敬します…。
では、今回も良ければ読んでいってください


『…ふぅ、疲れましたね、そろそろお風呂入りましょうよ』

「そうだね〜、これだけゲームやると疲れるもんだね」

「きりた〜ん一緒にお風呂入ろうや〜」

『えぇ、葵さんと入ればいいじゃないですか』

「葵とはいつも入っとるもん」

「お姉ちゃん!?」

『仲良いですね。でも私は1人で……。いや、せっかくなので一緒に入りましょう。葵さんも』

「私も?」

『はい。私はちょっと準備があるで、先に入っててください。終わったらすぐ行きますので』

「はいよ〜。葵行こ〜」

 

はい。お風呂前のきりたんです。突然私の気が変わって不思議に思う人もいるでしょう。当然、何も理由が無いわけじゃないです。作戦があるのです。

その作戦とは、ずばり!"お風呂で海気分を味わおう作戦!!"です!!

察しの悪い皆様は「なんだその作戦」って思うでしょう。そんな皆様に説明してあげます。

夏といえば、海。海と言えば海の家。海の家と言えば…?

そう!かき氷です!!!焼きそば?そんなの知りませんね…。

つまり、"お風呂で夏気分を味わおう作戦"とは、お風呂の中でかき氷を食べて、夏らしい雰囲気を味わおうってことです!無理がある…?そんなの関係ないです。

だから、茜さん達に先に入ってもらって、私はかき氷を作って後で入るって訳です!あんまり長すぎると茜さんがうるさくなるので、早く作って行くとしましょう。

 

「き〜りた〜んま〜だかな〜♪」

「そのうち来ると思うよお姉ちゃん」

『お待たせしました。ちょっと準備にてこずっちゃって』

「準備〜?…って何やそのかき氷!!でっか!!」

「そんなの持ってきてどうするの?ここで食べるってこと??」

『察しがいいですね、葵さん、その通りです!』

「いいも悪いも、ここまで持ってきたらここで食べるしかないやろ」

『うるさいですね、私がなんの意味もなくこんなバカでかいかき氷持ってきたと思いますか?』

「「うん」」

『そんな訳ないですよ…。"お風呂場で夏気分を味わおう作戦"です!』

「なんやそれ」

『今年の夏、海とかみんな行ってませんよね?だからお風呂場ででっかいかき氷をたべて、海を連想?とかしちゃって、夏気分を楽しもうって訳ですよ!』

「…きりたんにしちゃ、ぬけた作戦やな」

「でもいいんじゃない?楽しいことに変わりはないし……うん、かき氷も美味しいし」

『もう!かき氷食べますよ!!!…美味しい!美味しければいいんです!!』

「むちゃくちゃやできりたん…。んま!!きりたんこれ何入れたん!?」

『特に入れたものはないですけど…強いて言えば練乳ですかね?ブルーハワイに練乳かけたんですよ』

「「かき氷に…練乳…!?」」

『えっなっ…私何か変なこと言いましたかね…』

「いやっ。美味いし変ではないんやろうけど…」

「私達そんなのやった事ないし、思いつきもしなかったから…すごいなって」

『練乳かけたこと無かったんですか!?こんなに美味しいのに…』

「損しとったわ〜…。マスターにも教えてやらんとな〜葵」

「そうだね〜これ知らないのは損してる〜」

『2人とも食べるのめちゃくちゃ早いじゃないですか!私まだそんなに食べてませんよ!?』

「きりたんが食べるの遅いんやで」

「お姉ちゃん、そんなに沢山食べてお腹壊さないようにね?今日は湯船の温度も結構低いから」

『そうですよ…mgmg…茜さん。mgmg…あんまり沢山食べて…お腹壊さないようにしてくださmgmg…いね?』

「きりたんはとりあえず食べるのやめようか、無くならないから」

『無くなりそうだったから急いで食べたんです!……ッ〜〜!!』キーンッ

「あっキーンッってなっとる。頭?喉?」

『私頭じゃなくて喉なんですよね…。イタタ…』

「まぁ、まだまだ沢山あるんだし、ゆっくり食べようよ」

『…そうですね…。急いで食べてもいい事ありません』

「後悔先に立たずってやつやな」ドヤ

『……はい』

 

▼数時間後▼

 

…あれから数時間後のきりたんです。今は茜さんが腹痛で唸ってて、葵さんはその付き添い?をしてる感じです。私ですか?私はそんな2人を眺めながら寝る支度をしようかと思ってます。

『葵さん、私はマスターのベットで寝るので、葵さん達は私のベット使って下さい』

「ありがとう、使わせてもらうね。きりたんはマスターさんのベット勝手に使っちゃっていいの?」

『あぁ、それについては問題ないです。この前私が寝ぼけてマスターのベットで寝ちゃったことあるんですけど、その時マスターは何も言わずソファーで寝てたので』

「…きりたん、マスターさんが誠実な人で良かったね…。」

『…どういう事です?』

「…そのうち分かる」

『…?あ、茜さん。もう大丈夫なんですか?』

「ばっちりや!昔から体調崩すの早くても、直るのも早いんやで」

「お姉ちゃん前からそうだよね〜。謎」

『茜さん、今日寝る時私のベットでいいですか?』

「ウチときりたん別?」

『そうですけど?』

「ウチきりたんと一緒がええな〜」

『えぇ…』

「お姉ちゃんがきりたんと寝るなら私も一緒がいい!」

『葵さんまで…』

「だって1人は嫌だし…」

『はぁ…。わかりました。じゃあみんなでリビングで雑魚寝しましょう。そうすれば広いし、涼しいですよ』

「「賛成〜!!」」

『2人とも良いみたいなので、雑魚寝決定で!』

 

▼数時間後▼

 

「……きりたん、寝た?」

『……寝てませんよ。まだ起きてたんですか?茜さん』

「…いやな、怖いわけや無いんやけど、もうちょっと近く寄りたいな〜って…」

『………』

「…きりたん?」

『…いいですよ。こっち来てください』

「えへへ。ありがと…。別に怖いわけやないからな!?」

『分かってますよ。あんまり大きい声出すと葵さんが起きますよ…』

「………うん」

『もうほぼ寝てるじゃないですか、早ッ…』

「いや………。寝とらんよ…」

『夜だから寝ていいんですよ』

「そっかぁ…」

 

…全く。実は寝る前にみんなでホラー映画見たんですよね。今日の締めに。

そしたら葵さんは全然大丈夫だったんですけど、茜さんはもうビビりまくりで…。絶対怖かったんでしょうね。それ以外近くて寝る理由が分かりません。

今日見たのはゾンビ系のホラーだったんですけど、茜さんはそれ系が苦手みたいで…。逆に葵さんは心霊系はダメだけどこういうゾンビ系は大丈夫らしいです。そんなことあるもんなんですね…。

ちなみに私は大して怖くなかったです。強がりじゃないですよ!?ホントです!

……でも、何だかんだとても楽しい1日でしたね。すんごく充実してました。

明日は何するか決めてませんけど、また遊べたらいいですね…。

 

さて…私も寝ましょうか……。流石に暑いので茜さんとはちょっと離れますけど…。茜さん、葵さん。今日はありがとうございました…。おやすみなさい…。



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帰ってきた。

「ただいま〜…」

『おかえりなさい!!ってどうしたんですか?』

 

やっとお兄さまが帰ってきました!!でもなんかかなりやつれてますね…。どうしたんでしょうか。

 

『大丈夫ですか?お兄さま。すごい疲れてるみたいですけど…』

「あぁ…特にってことは無いんだけどね…。2泊3日、友人とずっと一緒にいると疲れるね…」

『お疲れ様です。遊び疲れってやつですかね?』

「そうだとおもう〜…」

 

そんなことを言いながら、お兄さまは荷物をほかしてソファに横になってしまいました。やっぱり体力無いですね…。荷物、片付けてあげましょう。

 

『荷物、片付けておきますね。しまう場所が分からないものはとりあえずお兄さまの部屋に置いておきますよ』

「ありがと〜…きりたんすき〜…」

『んぇっ!?…あ、ある程度休んだら自分で片付けて下さいね!』

 

寝ぼけてか何か知りませんけど、急にああいう事言ってくるのほんと心臓に悪いです!!嬉しいですけど…。

とりあえず、私ができる片付けはやっておいてあげましょうかね。ていうか、お兄さまどんだけ荷物持ってってたんですか…すんごい量ですよ、これ。こりゃ疲れますよ…。今ちょっと持っただけでも疲れましたし。

…さて、お兄さまが起きる前に片付けてしまいましょうか…。とりあえず服は洗濯して…ってお兄さま修学旅行にゲーム持ってってたんですか!?そりゃ重いですよ!お兄さまの部屋のモニターに直しておきましょうか…。

よし!これで終わりですね!後はお兄さまが自分で片付けるだけです!

 

『お兄さま〜、片付け終わりまし…。ってまだ寝てますね…』

 

このままここで寝たら、夜目が覚めちゃうので起こしましょうか。荷物も片付けて欲しいですし。

 

『起きてください、お兄さま。ほら、夜に目が覚めちゃいますよ』

「おきてるよ〜…。片付けてくれたんだね〜ありがと〜」

『はい、あとはしまう場所が分からなかったので、それは自分でやってくださいね。あと、ちゃんと体起こしてください。じゃないとまた寝ますよ?』

「なんならこのままきりたんももう寝ちゃおうよ〜…」

『…わかりました。でも、さすがにお風呂は入ってくださいね。私先に入ってくるので』

「…は〜い」

 

まったく。お兄さまはこういう時ほんとダメになってしまいます。ああやって私までダメな方にひっぱっていくし…まぁそれにのっちゃう私も私なんでしょうけど。やることも一応終わってるし、さっさとお風呂はいって寝ちゃいましょう。で、明日は一日中ゲームでもしてやりましょう。

 

▼数十分後▼

 

『お兄さま〜お風呂上がりましたよ〜』

「……」zzZ

『…爆睡ですね。まぁもう起こさなくてもいいか…一緒に寝れば』

「……きりた〜ん…」zzZ

『…なんか寝言言ってますね、夢の中でまで私と一緒にいるんでしょうか。この人ほんとに修学旅行大丈夫だったんですかね?今みたいに寝言で私の事呼んで友人さんたちに引かれてないといいですけど…』

「…今度お前らも家こいよ…一緒に遊ぼうぜ〜…」zzZ

『これ、旅行中に友人さんに言った事寝言で喋ってるんだとしたら、お兄さまの友人さんが家に遊びに来るんじゃないですか…?私、初対面ですけど…。てか名前も知りませんけど』

「ムニャムニャ…」zzZ

『…ふふ、可愛い寝顔してますね。元からお兄さまはカッコイイ系じゃなくてカワイイ系ですけどね』

「……」ガシッ

『ってお兄さま!?私は抱き枕じゃ無いですけど!?…ぐっ力強っ…。はぁ、離れられないのでこのまま寝ましょうか…。ニゲラレナイ…』

 

 

▼翌朝▼

 

「きりたんおはよう!!!」

『あ〜…おはようございます、よく眠れましたか?』

「それがいつもより凄いよく眠れたんだよね!何でかわかんないけどさ、疲れてたからかな?」

『…きっといい抱き枕でもあったんじゃないですか?』

「なるほど、そういう事か、じゃあそれ用に抱き枕買おうかな」

『あっいや、別に買う必要はないんじゃないですか?!…私が居ますし…』

「なんか言った?」

『いえ?別に何も…』

 

結局あの後ずっと抱きつかれたまま、私は緊張してあまり眠れませんでした。どうやらお兄さまは、私のお腹に顔を埋めながら寝るとぐっすり眠れるようです。嬉しいような…嫌なような…。

 

『と、とにかく!抱き枕なんて買わなくていいですからね!いざとなったら私が代わりになるので!!』

「…えっ?」

『…あっ!』

『そ、そういえばお兄さま!家にお兄さまの友人さんを呼ぶんですか?』

「あ、うん。そのつもりだけど…きりたんに話したっけ?」

『いえ、昨日の寝言でつぶやいてたので、旅行中に友人さんに喋ったのかなぁと』

「そう、自慢してた。きりたんのことを」

『…私の事。ですか…。自慢されるのは悪い気じゃないですけど、今度から誰か誘う時は私にも少し相談してくださいね?私もこの家に住んでるので』

「ごめんよ、次からちゃんと言うよ」

『それで、友人さん達はいつ来るんですか?』

「えっと…今日の夕方だね」

『ハイハイ。今日の夕方…。今日の夕方!?』

「…うん」

『なんでもっと早く言わないんですか!こんなのんびりしてる場合じゃないじゃないですか!!部屋も片付けて、客人を招き入れられる状態にしないといけないのに!!』

「ごめんよ、僕も手伝うからさ」

『当然です!』

 

今日の夕方って…あと4時間くらいしかないじゃないですか!私今日はゲームばっかりしてようと思ったのに!

お兄さまのせい…いや、お兄さまの友人さんのせい(?)で今日の私の予定は台無しです…。もういっその事このパジャマのままで出迎えてやりましょうかね…そうすれば気分も下がってさっさと帰ってくれるのでは…?ふっふっふ…。さすが私。考えることは天才のソレですね。じゃあ慌てる必要ないですね!

 

『…お兄さま!』

「ん?何?」

『私は今日!このだらしない姿のまま!友人さん達を迎えます!いいですね!』

「あぁ、どうぞ…?」

 

という事なので、もう私は友人さんが来るまでゲームでもしててやりましょうかね。元々きりたんってそういうキャラですし。メタいですけど。

まぁお兄さまの友人さんなので、そう酷いことはしてこないでしょうし、大丈夫でしょう…きっと…。




次回!友人、襲来!!!


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わいわいがやがや。

「きりたんかわいいねぇ」

「シノくん、よく買えたね」

「安いもんさ」

「「かっこい〜」」

 

…どうも。きりたんです。今私はお兄さまの友人さん達にいじくられてます。あ、シノ君とはお兄さまの事です。どうやら友人さん達はVOICEROIDにとても興味があったらしく、お兄さまの話を聞くや否や「家に行かせてくれ!!」って言ってきたらしいです。それで、私は今その2人に撫でられたりつままれたりしてるって訳です。

 

『お兄さま〜〜』ダキッ

「あっきりたん。おかえり」

 

…ふぅ、やっぱりお兄さまの所にいるのが1番落ち着きますね。

 

「あ、嫌われちゃった」

『べーだ』

「こらこらきりたん、そんなことしないの」

『お兄さまもなんか言ってくださいよ。私はおもちゃじゃないって』

「そうだぞお前ら〜。きりたんはお前らのおもちゃじゃないし、"僕の"きりたんだからな?」

『…そうです』

「…シノ君、無自覚?」

「無自覚はこわいねぇ」

 

急にこっちにも攻撃が飛んできた気がしますが、気のせいですね。友人さん達はお兄さまのセリフの意味が分かってるみたいですけど…。でも今ので変に撫でたりしてくるのはやめてくれるでしょう。あの人たちも、悪い人じゃ無さそうなので。…そういえば、お兄さまが私の頭を撫でてくることはあんまりないですね…。お兄さまなら撫でてくれても良いんですけどね。

 

『そういえば皆さん、ゲームはしないんですか?』

「そうだねぇ、何やる?稲村、何がいい?」

「俺あれがいいわ。マリカ」

『ほう、マリカですか』

「お、きりたんもやるかい?」

『はい、マリカなら私も参加します。得意なので。お兄さまも勿論やりますよね?ほら、こっち来てください』ポンポン

「俺もきりたんの隣座る〜」

『貴方はどっか行ってください。私の隣に座っていいのはお兄さまだけです』

「シノくんモテてるね〜」

「はいはい、じゃあ僕も参加するかな〜。この前のリベンジもあるしね…」

『この前…あぁ、そうですね、リベンジしませんと』

「じゃあ、3人でいいかな?俺とシノ君ときりたん。富田はやる?あと一人分空いてるけど」

「やるに決まってるでしょ〜?」

 

ということで、私とお兄さまとウザイ友人(稲村)さんと富田さんの4人でマリカすることになりました。稲村さんって呼ばれてた友人さんは、私が苦手なタイプなので、間に富田さんに入ってもらいました。まさかお兄さまの友人さんに女性がいるとは思いませんでしたけど、稲村さんよりは良いですね。同じ女性なので。お兄さまは言うまでもなく私の隣です。

 

『ふっふっふ…。私の素晴らしいハンドルテクで皆さんボコボコにしてやりますよ!泣かないでくださいね??』

「煽るね〜」

「で、実際のところきりたんは強いの?シノ君」

「…うん。強いよ」

『ちょっとお兄さま。その間はなんですか?この前勝負した時負けて拗ねて寝落ちたのはどこの誰ですかね〜??』

「はい。ごめんなさい」

 

さて、じゃあこの前のお兄さまと同じようにみんなボコボコにしてやりましょう…。ふっふっふ…。

 

▼数時間後▼

 

『あっはっはっは!私に勝とうなんざ10年早いですよ!!』

「くっそ…勝てねぇ…。もう1戦だ!!!」

『もう1戦?いいですよ?どうせ私が勝ちますし〜?』

「…もうそろそろ休憩しなよ〜」

「きりたん、ちょっとこっちおいで」

『…?はい?なんですか?お兄さま』

「…えっとね、稲村は自分が勝つまでやるよ…。だからここらでわざと負けてあげて?そうしないとアイツ一生戦いを挑んでくるよ。バカだから」

『…あぁ、分かりました…』

 

どうやら稲村さん、バカだったみたいです。まぁそんな感じはしますけど。今は稲村さんと私のタイマン勝負が続いてます。お兄さまはそうそうにみんなからボコられて萎えて抜けて、富田さんはある程度勝って満足して抜けて、2人とも今観戦中です。

さっきお兄さまから耳打ちで言われた通り、次はわざと負けてあげましょう。嫌ですけど、このまま戦いが続くより良いです((

 

『じゃあ稲村さん!次はホントの本気でやりますよ!ここでボコボコにして、挑む気すら無くしてやります!』

「かかってこいやぁ!!」

 

▼10分後▼

 

『あー。私が本気を出しても勝てないとはー。稲村さん本当は強かったんですねー。勝てませんでしたー』

「どーよ!俺が本気を出せばこんなもんよ!!!」

「うんうん。よかったね〜」

 

これで満足するとか、やっぱバカですね((

満足したのかにこにこしながら富田さんとイチャついてます。よそでやって欲しいですね。…まぁ楽しそうなのでいいとしますか。

 

『お兄さま〜負けました〜…』テトテト

「おぉよしよし、残念だったね〜」

『…煽ってるんですか?』

「うんうんそうだ…えっ?そんな事ないけど?!」

『あぁ、ならいいんです。もし煽ったならまた勝負して勝たなきゃ行けないので』

「う〜ん…?」

『…ねぇお兄さま』ヒソヒソ

「…どうしたの?」ヒソヒソ

『……あの二人。付き合ってるんですか?』ヒソヒソ

「いや、付き合ってないと思うけど…」ヒソヒソ

『ええええええぇぇぇぇっ!?!!?』

「うわびっくりしたぁ!耳元でバカでかい声出さないでよ」

『あれで付き合ってないnっっ!!!』

「どうしたの2人とも」

「あっえっと…なんでもないよっ!アイスが食べたいって騒がれちゃっただけだよ〜…ちょっと買ってくるね!ほら、きりたんもおいで!」

『えっちょっと待ってくださいよ私まだパジャマ…』

「かわいいから良いよそれで!」

『えぇ〜…?』

 

なんだか無理やり外に連れ出されちゃいました。おっきい声出しすぎましたね…。

 

『ねぇお兄さま〜。急に外に連れ出したんだったら、言った通りアイス買ってもらいますよ??』

「えっあぁ、うん。わかったよ。ただきりたんが大声で言いそうだったから焦っちゃって」

『…?何をそんなに焦る必要があるんですか?』

「…ふっ、わかってないなぁきりたんよ」

『は?』

「あぁやってイチャついてる2人を見てるのがいちばん面白いんでしょうが…。あそこであんなこといっちゃあもうアレは見れないんだよ?」

『あぁ…なかなかキモイこと言いますね…。まぁ反対はしませんけど』

「そうだろう?じゃあ暑いしさっさとアイス買って帰ろうか」

『…無理やり連れ出したのはどこの誰ですか』

「…はい、ごめんなさい」

 

まぁそういう訳なら焦ってもしょうがない気もしますね。そんなことを喋りながらお兄さまと一緒にさんぽしつつコンビニでアイスを沢山買って帰りました。今日はずっと友人さん達がいて騒がしかったので、こうして2人きりで喋ることができて嬉しいです!

 

「ただいま〜」

『あ〜…!涼しい!!ただいまです〜』

「おっやっと帰ってきた、おかえり〜」

『アイス食べます?皆さんの分も買ってきましたよ。お兄さまが』

「おっいいねぇ。シノ君セレクトのアイスか…何買ってきたんだ〜?」

『クーリッシュですよ。これならゲームしながらでも食べれますよ』

「分かってるぅ!!」

『…はい、富田さんはpinoです。適当に選んだヤツですけど』

「私にもあるんだ〜、ありがとね〜」

『もちろんありますよ、はいどうぞ』

「ありがと〜。私pino好きなんだよね〜」

 

その後、みんなでアイスを食べて、ちょっとしてから友人さん達は帰っていきました。

 

「どうだった?僕の友達」

『そうですね…富田さんは静かで一緒にいても嫌じゃないです。けど、あのバカは好きじゃないですね』

「稲村のことか〜。アイツは確かにうるさいからな〜、分からんでもないぞ」

『…まぁでも、ゲーム下手でもないし、また遊んであげてもいいですけどね』

「…そっか、それは良かったよ」

 

悪い人たちでは無いですし、何よりお兄さまの友人さんなので。嫌いに離れませんよ。まぁ…お兄さまと一緒にいれる時間が減るのであんまり長い時間遊んでるのは嫌ですけど……。

 

 



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お友達。

ウナきりって良いですよね…。
新しい登場人物です!

今回も会話多めです。


「…そういえば、この前言っていた友達は今日来るんだっけ?」

『あぁ、音街の事ですか。そうですね、今日来るはずです。もうそろそろ来ると思いますけど…』

「東北〜!遊びに来たぞ〜!!」

『噂をすればなんとやらですね。私でてきます』

「あぁいいよ。僕がでる」

『いやいや、お兄さまが出ても音街はお兄さまの事知らないんですから、びっくりしますよ。私が出ますね』

「あっ…はい…」

 

どうも。きりたんです。今日は友達の音街が遊びに来ます。少し前に道でばったりと会って、そこから意気投合しちゃったんですよね。ノリが良くて、可愛らしいいい子です。きっとお兄さまも気に入ると思うんですけど…大丈夫ですかね?

 

『はいは〜い今でますよ〜』

「東北〜!!遊びに来たぞ〜!!!」

『待ってましたよ。暑いので早く入ってください。あ、今私のお兄さまが居ますけど、大丈夫ですよね?』

「ウナは大丈夫だけど…お兄さまは大丈夫?きりたんと遊んでて寂しくならないかな?」

『大丈夫じゃないですか?きっとなんかあったらこっち来るでしょう』

「じゃあ大丈夫だね!あ、お兄さんこんにちは!」

「君がウナちゃんだね、こんにちは。今日はゆっくりしてってね。何も無いけど」

「たくさん遊んでいきます!」

『じゃあお兄さま、私たちは部屋にいるので』

「あぁわかったよ。ゲームでもしたくなったらこっちおいで」

『はい。音街、私の部屋はこっちです』

「は〜い!」

 

…お兄さま、緊張してましたね。めちゃくちゃ伝わってきます。音街は…気づいてないみたいですけど。

 

「東北〜!今日は何するんだ?」

『特に決めてませんけど…どうします?』

「う〜ん…。あ!カブトムシ取り」

『外は暑いのでなるべく家の中で』

「そんなぁ…じゃあ、プールとかも、ダメ?」

『ダメじゃないですけど…今頃行ったってそんなに遊べませんよ?もう家の中でゲームでもしましょうよ。何か食べながら』

「まぁたまにはそういうのもいいかもね!なんのゲームする?」

『あ、いいのありますよ。大乱戦スマッシュシスターズ。新作を買ったんです。やります?』

「いいね!ウナそれやりたい!」

『じゃあ向こうの部屋行きましょう。私の部屋じゃゲームないので』

「そうだ!お兄さんも一緒にやるか誘ってみようよ!人数は多いほど楽しいもんね!」

『音街がそう言うならいいですけど…お兄さま。めちゃくちゃ弱いですよ?』

「大丈夫!ウナも弱いから!」

 

…という訳で、お兄さ間含めみんなでゲームしようと思ったんですけど…。

 

「…寝てるね…」

『…寝てますね…』

 

寝てます…。一体どれだけ寝れば気が済むんですかね、最近ずっと寝てるような…。どうしましょう。起こしてみましょうか…。いやでも、気持ちよさそうな顔して寝てますし、寝かせておいてあげましょうかね…。

 

「どうする?東北」

『…とりあえず2人でやりましょう。騒いでるうちに起きると思いますし』

「わかったー」

 

実を言うと、私。やった事ないんですよね、これ。買ったはいいけどまだ手をつけてない…みたいな。前作はやり込んでたんですけどね。つまり、私も初見です。音街も初見だといいんですけど…。

 

『…あ、あの音街…。このゲーム、音街は初見ですか?」

「ウナはちょっとやった事あるよ〜!でもホントちょっとだけね!」

 

あぁ…経験者でした。でもこの子ちょっと抜けてますし、きっと忘れてる……うん、そうに違いないですね。

 

「あ!こどもリンクだ!ウナこどもリンク好きなんだよね〜!使いやすいし、強いんだ〜!」

『こどもリンクですか…。奇遇ですね、私はガノンドロス使いますよ。ゼルダシリーズじゃないですか』

「げっ…東北ぅ…ガノンやめないか…?ウナ嫌いなんだよ…」

『ふふふ。大丈夫です。私、今回が初めてですし』

「う〜ん…じゃあいいか」

 

 

『ふははは〜!!私の勝ちですね音街!!!』

「やっぱり強いじゃんか!!嘘つき!!」

『音街、私がいつ弱いといました?今回が初めてと言っただけで、弱いとは言ってませんよ??』

「騙された〜!!!ガノンって攻撃が遠くまで届くから嫌なんだよ〜」

『ふふっ。じゃあもう1回やります?』

「…やる。こんどは負けないから!」

『…ほう。ミェンミェンですか。新登場のキャラですね。使ったことあるんですか?』

「うん。前に1回だけね。今回はこれで東北を近ずけることなく倒す…!」

『ふっふっふ…かかって来なさい。私は変わらずガノンを使いますよ』

 

 

『…うぐ…負けた…』

「はぁ〜っはっはっは〜!!!見たか東北!!ミェンミェンは強いんだぞ!!」

『攻撃の距離ズルすぎません!?あんなのどうしようもないじゃないですか!』

「何を言おうと、今回はウナの勝ちだな〜!」

『くやしい…』

 

ちくしょう…ホント悔しいですね…音街が上手いのか、ミェンミェンが強いのか、どっちかは分かりませんけど、1ストも落とせず負けたのは初めてです…。練習しなきゃ…。

 

「…あ、2人とも。ゲームしてたんだね。お菓子でも食べる?」

『お兄さま。おはようございます』

「お菓子食べる〜!!」

「うん、おはよう。知らない間に寝ちゃっててみたい。ウナちゃん、今持ってくるからね」

「ありがとうございます!」

「はいよ〜。4等分だから、2人で分けて食べな〜」

『わあ。これお兄さまが取っといたやつじゃないですか。いいんですか?食べちゃって』

「うん、いいよ。2人のために買っておいたんだし、食べな」

「ありがとうございます〜」

『あっ!音街!!なんで3つ食べてるんですか!?!』

「あっやべ…。美味しかったから…つい…」

『ついじゃないです!!私も2つ食べたかったのに!!もう!!』

「はっはっは!じゃあまた買ってくるよ。その時はちゃんと分けなね」

『次はちゃんと分けてくださいね!音街!』

「ごめんごめん」

『あ、お兄さまも一緒にやります?ゲーム』

「そうだな。今まで寝ちゃってたし、ウナちゃんも来てるならせっかくだしやろうかな」

「やったー!」

『じゃあとりあえずお兄さま優先して倒します』

「ねぇなんで???」

 

 

「今日は沢山遊んだな〜!また来ていいか?」

『はい、いつでも来てください』

「いつでも歓迎するよ〜」

「やった〜!じゃあまた来るね!東北!」

『はい、また今度』

 

「いい子だね、ウナちゃん」

『そうでしょ?ノリもいいし、楽しいですよ』

「いい友達じゃん。あの子なら僕も安心できるな」

『…お母さんか何ですか?』




今回はマジで会話ばっかりになってしまった…。
書いてて楽しかったけど、読みにくかったらすいません。


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準備。

「"通話"」
通話中の会話はこのように表すとします


『はい、もしもし。あっ茜さん!こんにちは。どうしたんですか?』

「"きりたん元気〜?この前一緒に遊んだ時の話をウチらのマスターに話したんよ。そしたらな?「俺も会ってみたいなぁ」なんて事を言いよってさ、きりたんのマスターさんにも聞いてみよか〜って話になって電話したって訳や"」

『なるほど、この前のお泊まり会の話ですよね?ちょっと今お兄さまに聞いてきますね』

「"はいよ〜。待っとるでな〜"」

 

どうも。きりたんです。茜さん達から連絡があって、どうやら向こうのマスターさんから会ってみたいとのことらしいです。お兄さまって変なところで人見知り発動するので、大丈夫でしょうかね…。茜さん達に関してはお兄さまも琴葉姉妹の動画をよく見てるので大丈夫でしょうが…。

 

『お兄さま〜』

「ん?どうしたの?」

『お兄さまが修学旅行で家を開けている間、茜さん達と遊んだって話したじゃないですか?それで、茜さん達のマスターが、是非お兄さまに会いたいって話してるらしくて、大丈夫か聞きに来ました』

「それは嬉しいね!是非会ってみたいよ!あ!せっかくだし今度みんなで出かけないかって言ってみようかな」

『いいですね。ちょっと聞いてみます』

「ありがと〜」

 

思ったよりもあっさりとおっけーしましたね…。当日後悔しないといいんですけど。しかし、みんなでおでかけですか…。まだゲームでしか遊んだことないので楽しみですね。茜さんとか葵さんの運動神経がどんな感じかとか…特に。

 

『あ、もしもし茜さん?今お兄さまに確認取ったんですけど、全然良いらしいですよ。なんなら今度一緒に出かけないかって言ってます』

「"おぉ!ええなぁそれ!じゃあこっちもある程度候補考えとくな〜"」

『はい、じゃあまた今度』

 

茜さん達とまた遊べるみたいです。どこに出かけることになるんですかね?ちょっと楽しみです…!そうだ、どうせ遊ぶなら音街も連れていきたいですね…。来てくれるかな…。

 

 

「ウナもついていっていいのか〜!?」

『はい、是非来てください。音街がいればもっと楽しいので』

「えへへ…そんな事真面目な顔して言われたら照れるぞ東北〜?」

『そんな事言ってたら溶けますよ、アイス』

「…あっ!だいぶ溶けてる…!!」

『…ほら、私の半分あげるから元気だして、音街』

「うぅ…ありがと…」

 

よし、音街は来てくれるみたいですね。茜さん達もいいよって言ってたし、あとは準備とどこ行くか決めるだけですね。

 

『ねぇ音街。音街はどこか行きたいところありますか?』

「ウナはどこでもいいよ〜。東北がいるならどこでも楽しいし!」

『…そ、そうですか。私としてはまだまだ暑いし、海でもどうかなって思ってるんですけど…』

「海!行きた〜い!」

『じゃあ私達の案としては海でいいですね。みんなにも伝えときます』

「…だとしたら水着買わなきゃ…」

『あっ…。…そうだ音街、今から私の家に来ませんか?2人でお兄さまにねだればいいの買ってくれるかもしれません』

「ホントか!行くしかない!」

『じゃあ早く行きましょう!前は急げです!』

 

 

『…お兄さま〜〜?』

「お、おにいさ〜ん?」

「どうしたの、2人して」

『…私、海に遊びに行きたくて〜…水着買って欲しいな〜〜って…』

「買って欲しいな〜…?」

「あぁ…わかったそういう事ね。いいよ。買ってあげる。ウナちゃんのもね」

「やった〜!!」

『ほら、言ってみるもんでしょう?音街』

「ホントだね!ありがとうおにいさん!!」

「はいよ」

 

無事、お兄さまにねだって買ってもらうことに成功しました。私からお願いすることってあんまり無いので、ほぼ絶対買ってくれるって思ってたんですよ。大成功でした。

まぁ、私の本当の狙いは買ってもらうこと自体では無いんですけどね…。この後買いに行って、その時に!!お兄さまの好みを暴いてやろうってのが私の本当の目的です!!

 

「じゃあ、いつ買いに行く?今からでもいいけど」

『「今から!!」』

「はいよ、じゃ行こっか」

 

ボイロ専門のお店が近場に出来たらしいので、そこに行きましょうか。どんな物が置いてあるんですかね?楽しみです。

 

 

「じゃあ好きなの取ってきな、僕はそこらの雑貨コーナーにいるから」

「は〜い!行こ!東北!!」

『…えっお兄さまも一緒に見てくれるんじゃないんですか!?』

「…え、まじでいってます?きりたんさん…」

『あ〜、筋骨隆々…ではないけど背が高いお兄さまが近くにいてくれれば怖い人とかの心配がなくていいだろうな〜!!でもお兄さまが居なくて私と音街だけだったら変なことされるかもな〜…!!!怖いな〜!』チラ

「…それは確かに危険だな…。わかった。一緒に行くよ」

『それはよかったです!じゃあ早速行きましょう!!ほら早く!』

「うわっちょっ、手引っ張んないで!?」

「…(仲良いなぁ)」




次回に続く!!


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海!!!

『お兄さま〜!これはどうですか〜?』

「…ウナちゃんもいるんだし、ウナちゃんに聞いたら…?」

『お兄さまじゃなきゃダメなんです!』

「あっ…そうですか…」

 

みんなと遊びに行くための準備として水着を買いに来てます。東北です。せっかくならとお兄さまが好きな感じの水着を買ってもらおうと色々連れて回ってるところです。

お兄さまは私に音街と見てて欲しいようですが、そうはさせません。せっかく一緒に来たんだから、一緒に回りたいので。

 

「東北〜!これカワイイぞ〜!!」

『いいですね音街。おそろにします?』

「良いね〜。お兄さんはどう思う?」

「イインジャナイカナ?」

『ちょっとお兄さま。ちゃんと見てくださいよ』

「…うん。かわいいよ。似合ってる」

『えへへ。ありがとうございます…!』

「やったな東北〜!!」

『音街は決まりました?どんなのにするか』

「決まってるぞ!」

『…子供っぽいですね』

「なっ!?そんな事ないだろ!?ね?お兄さん!?」

「ウナちゃんのもいいと思うよ」

「大人っぽい!?」

「…それはどうだろう」

「えぇ〜っ!?」

 

 

お店で色々喋ったあと、お兄さまに買ってもらいました。前にも服をプレゼントされましたけど、一緒にお店に来て買ってもらうともっと嬉しいですね。

茜さん達はどんなの着てくるんでしょうか…もしかしてこのお店に買いに来てたりして…!

 

「2人とも〜帰るよ〜」

「『は〜い』」

「2人とも、満足のいくもの買えた?」

「うん!お兄さんありがとう!」

『お兄さまが見てくれたおかげで良いの選べました。ありがとうございます』

「満足してくれたようでよかったよ」

 

買い物も終わっていよいよ遊ぶのは明日です…!楽しみですね〜…

 

▼翌日▼

 

「海や〜!!!」

「ちょっとお姉ちゃん、あんまりはしゃぐと危ないよ」

「葵もはよおいで〜!!…うわぁっ!!」バシャッ

「ほら転んだ…」

 

『おばかですね…。お兄さまは行かないんですか?』

「僕が行ったらきりたん1人になっちゃうじゃん。だから一緒に行こうかなって」

『ありがとうございます。あ、食べます?かき氷。ブルーハワイです。おいしいですよ』

「あぁありがと。でもいらないよ。僕かき氷ちょっと苦手でさ…」

『…そうなんですか。美味しいのに……〜!!』キーン

「そうなるから苦手なんだよね」

『な、納得…です…』

 

海に遊びに来た東北です。茜さんたちは来て直ぐに海に走っていってはしゃいでて、音街はまだ着替え中。で、音街を待ちながら海の家で買ったかき氷を食べて待ってるところです。お兄さまと一緒に。私達はすぐ遊べるように下に水着来てきたんですけど、音街は来てこなかったらしく…1人で着替えてるって訳です。

 

「そういえば、茜さん達のマスターさんは?同じマスター同士挨拶しておきたいんだけど…」

『あぁ、あの人ならあっちで茜さん達とはしゃいでますよ。あの人ほんとに成人ですか…?すんごい元気ですけど…』

「最近ずっと仕事で遊べる時なかったらしいよ…だからああやってはっちゃけてるんだろうね」

『なるほど…』

「東北〜!おまたせ〜!!」

『あ、音街。待ちましたよ〜』

「ごめんごめん!あ、お兄さんもいる!待ってた…?」

「大丈夫。きりたんと話してたからそんなに長い時間じゃ無かったよ」

『…!そ、それはよかったです。音街も来たことですし、私達もはしゃぎに』

「行くぞぉ〜!!!」

『…行きましょう…』

「…ウナちゃんってほんと元気だよね」

『それが音街のいい所ですよ』

╲茜さ〜ん!!ウナも入れて〜!!╱

『って足はやっ!?』

「はやいねぇ…」

『…そうだ。私達も競走して行きましょう!』

「え…大丈夫?」

『私をあまりなめない方がいいですよ…!音街程じゃないですけど、私だってそこそこ走れますから!!』

「そう…きりたんが良いならやるけど…泣かないでね?」

『泣きませんよ!いいですか?"本気の"勝負ですから!!』

「はいよ…じゃ、よーい…スタート!!」ダッ!

『はやっ!?』

 

「はぁ…はぁ…。大丈夫?」

『……っ。…なんでお兄さまそんな速いんですか…』

「…だってほら、僕一応陸上やってたし…」

『はぁ!?!』

 

お兄さまとの競争を経て、海辺に着きました。まさかお兄さまが陸上やってたとは…全くの予想外でした…。でも本気の勝負を望んだのは他の誰でもないこの私自身ですし、色々文句言うのはだめですからね…。甘んじて敗北を受け入れます…。でも、言ってくれればよかったのに…!




投稿がかなり遅れて申し訳ございません。
モチベが地の底過ぎました…((
これからはまたぼちぼち投稿頻度を戻していくつもりなので、どうか、どうか宜しければまた読んでください…。
できれば評価等も…モチベが上がるので。
上がりすぎてもちもちの木になるので…(?


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思い出。

「あ!きりたんのお兄さんや!やっほ〜!!」

「茜ちゃん!楽しんでるね〜!!」

「そりゃ海に来たからには楽しまんとな〜!ていうか、なんできりたんはそこでのびてんの…」

『…お兄さまと…競走……ぐふっ』

「…お兄さん、手加減せんのな…」

「本気の勝負だったし…」

「でもなぁ??」

『…わ、私が本気って言ったから、良いんです』

「ええんか…」

 

海で遊んでないのに既に疲れてるきりたんです…。お兄さま早すぎます…。

さて、茜さんと合流して、これからみんなで遊ぶところです。向こうに青い髪の人が数人はしゃいでますね。アレきっと葵さん達でしょう…めっちゃ目立つ…

 

『葵さ〜ん!音街〜!!』

「あ、東北〜!!!」

「きりたん待ってたよ〜。あ、マスターのお兄さんも」

『何してたんですか?水のかけあいですか?』

「まぁそんな所…?せっかくみんな集まった事だしさ、スイカ割りしない?」

『いいですね。やりましょう。で、そのスイカはどこに…』

「俺が持ってきたよ〜」

「さっすがマスター!!気が利くなぁ!」

『…(パシられてる…?)』

 

 

「じゃあ準備は出来た事だし、誰からやる?」

「ウナやりたい!!」

「ウナちゃんね。はい、目隠しと棒。危ないからあんまり振り回さないように」

「わかった!」

『私達は指示役ですね』

「ウナちゃん、ウチ達がしっかり誘導したるで!」

「がんばって〜!」

 

『いいですか音街!!そのまま真っ直ぐです!』

「そうそうそう!ってなんで斜めに進んでまうんや!ちょっとだけ右!」

「お姉ちゃん反対だよ!ウナちゃん側からしたら左!ウナちゃん!ちょっとだけ左ね!」

『行き過ぎです音街!!あぁ!その場でストップ!!ストップ!!』

 

「みんな楽しそうですね〜」

「お兄さまも行かないんですか?」

「…その呼び方やめてください…」

「はっはっは。すいませんね。きりたんだけです?そう呼んでいいのは」

「…そうですよ。」

「一途ですね〜」

 

「あぁ〜通り過ぎてもうた…」

「ウナちゃん!その場でゆっくり回ろう!ゆっくりね!」

『今音街の右手側にスイカ転がってますよ!よしそこ!!ソコです!!』

「こ、ここか!?あってるか!?東北!!」

『あってます!ほら、割って割って!』

「…せいっ!!」バキッ

「「『おぉ〜!!』」」

「この手応え!!割った!!」

『やりましたね音街!』

「いぇ〜いっ!」パシッ

『いぇ〜いっ!』パシッ

 

流石です音街。キレイに真っ二つ。美味しそうなスイカですね。

 

「お、割れたんだ。流石〜」

『あ、お兄さま。どこいってたんですか』

「向こうでマスターさんと喋ってたんだよ。みんなが楽しそうだったから邪魔しちゃ悪いかなって思ってね」

『そんな事ないのに…』

「一緒にいたかった?」

『う、うるさいです!早く食べますよ!!』

 

 

「はぁ〜食ったな〜!」

「お姉ちゃんだらしないよ。家じゃないんだから…」

「家でもだらしないもんね〜茜ちゃんは」

「そ、そうなんですか…」

「余計なこと言わんといて!マスター!!」

『でも、確かに美味しいスイカでした。ありがとうございます。マスターさん』

「いえいえ。実家からよく送られてくるんだ。良かったらまた色々あげるよ」

「あ、ありがとうございます!」

『お兄さま野菜大好きですもんね』

「そういうきりたんはもっと好き嫌いせず食べようね」

『……はい』

 

 

スイカ割りもして、いっぱい遊んで、もう夕方。楽しい時間はあっという間ですね。すっごい疲れましたけど、その分すっごい楽しかったです。

 

『…お兄さま。ありがとうございました』

「どうしたのそんなかしこまっちゃって」

『…いや、なんかお礼言いたくて…』

「こっちこそ、来てくれてありがとね。きりたん」

『は、はい…。あ、もう帰るんですか?』

「う〜ん、そうだね。もう日も暮れてきたし、やる事やったし、茜ちゃんとウナちゃんは寝てるし…。帰ろうか」

『…あの二人、凄い仲良くなりましたよね』

「意外だよね…」

「あ、きりたん達いたいた。マスターがね、帰る支度出来たから車乗って〜だって」

『葵さん。わかりました。今行きます』

「ありがとう葵ちゃん。あと、悪いんだけどマスターさん呼んで来てくれるかな…。茜ちゃん運ばないといけないから…」

「まったくお姉ちゃんったら…わかりました。呼んできますね」

「ありがとね。僕はウナちゃん運んでくから…」

 

茜さんと音街がお兄さま達に運ばれるのを見ながら、車に戻りました。お兄さまはまだ免許とか持ってないので、マスターさんが車出してくれたんです。それに乗って、帰るってわけです。

 

『ほら、音街。起きてください。もう帰りますよ』

「…ん、あれ?お兄さん!?」

「あ、ごめんよウナちゃん。あんまり起きないから勝手に運んじゃって」

「…ウナ、重くなかった?」

「いやいや全然そんな事無かったよ」

『…お兄さま、音街を運ぶ時におどおどしてたの見逃しませんでしたよ』

「そういう事は言わなくていいの!」

「お兄さんならそんな事気にしなくていいのに〜」

「ウナちゃんもそんな事言わないの!」

 

『お兄さま』

「どうしたの?」

『今日はとっっても楽しかったですよ』

「…僕もだよ。楽しかった」

 

いい思い出になりました。海も良いですね

 




締めが雑になってしまいすいません…。
後、ちょっとした質問があるので、是非アンケート答えてってください。よろしくお願いします。


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日焼け

海編は今回で終わりです
次回から前と同じような繋がりのないゆるーい話に戻していこうと思います⁽ ´꒳`⁾



『…いたい』

「といいつつごろごろ転がってるじゃん」

『そのくらいは大丈夫なんです』

「じゃあ無事じゃない?」

『無事じゃない』

「そっか」

 

どうも。きりたんです。海で遊んでから2日経ったんですけど…日焼けが痛くて動けません…。いつも動いてないですけどね。

 

『お兄さま〜。ジュース持ってきてくださ〜い』

「…そのくらい動けない?」

『日焼けが痛いんです〜』

「わかったよ。はい、お望みのジュースです」

『冷たっ!!!…なんでわざわざ背中に置くんですか』

「動かない罰」

『鬼!変態!!』

「なっ!?2個目はおかしくない!?」

 

お兄さまも日焼けはしてますけど…見ての通り、対してダメージは負ってないみたいです。どうして…!どうして私だけこんな無様な姿に…!!

まぁ自分で好きで寝っ転がってるんですけど。

 

『…そういえばなんでお兄さまは日焼けしても痛くないんですか?ずるくないですか?』

「なんかね〜。小さい頃から痛くなったことないんだよね。僕の家族もそうだから…きっと家系だろうね」

『うわ…ずるっ』ボソッ

「えっ?何?」

『いや何も??』

 

家系で日焼け効かないって…なんですかそれ。私もお兄さまの家系が良かった。日焼けしても痛くない家系。

 

「そういえばウナちゃんもかなり焼けたと思うけど…どうなんだろうね」

『…あぁ、音街はそういう所意外としっかりしてるので、きっと日焼け止めかなんか塗ったんじゃないですか?』

「そうなんだ。きりたんは日焼け止め塗らなかったもんね」

『う、うるさいですね。忘れてたんですよ』

「葵ちゃん達が塗ってる時ついでにやってもらえばよかったのに」

『…あの楽しそうな中に入っていけるとでも?』

「…無理だね」

『無理です』

「…そうだ。そんなぐでーってしてるならさ、誰か家呼んだら?暇でしょ」

『いいんですか?』

「いいよいいよ。僕はちょっと用事あるから出かけるけど、きりたんが知ってる人なら呼んでいいよ」

『ありがとうございます!早速誰かに電話を……』

「…何?」

『…そこの電話、取って欲しいな〜!どこかに取ってくれる優しいお兄さまは居ないかな〜!!』

「……じゃあいってくるね」

『お兄さまぁぁぁぁ…』

 

あ〜あ。取ってくれませんでした。ケチですね。そのくらい取ってくれてもいいのに…。

まぁ、それはそうと。誰を呼びましょうか。音街と…茜さん達も呼んでみますか。

 

 

『あ、音街。今から私の家来ませんか?』

「行くいく!今すぐ行くぞ!」

『待ってますね。あ、茜さん達も呼ぶつもりです』

「わかった!じゃあまたね!東北!」

『待ってますね。ケガしないようゆっくり来てください』

 

やっぱり音街は来るみたいですね。あとは茜さん達ですね。電話してみましょう

 

『もしもし…あ、マスターさん。こんにちは』

「きりたんか〜!こんにちは〜。どうしたの?」

『茜さん達、いますか?家でみんなで遊ばないかなって思って…』

「あ〜、茜は今寝てて、葵は買い物行ってるよ。葵は買い物終わったらそのままメンテ行くって言ってたから…遅くなると思う」

『そうですか…茜さんは起きそうですか?』

「一応起こしてみるね。起きたらきりたんが誘ってたよって言っておくね」

『ありがとうございます。じゃあよろしくお願いしますね』

「はいよ〜」

 

葵さんはお買い物で茜さんはまだ寝てる……。あの人いつ起きてんですかね…もう昼前ですよ…?まぁ音街はもう向かってるだろうし、準備しますかね

 

「 ╲東北〜!!遊びに来たぞ〜!╱」

 

…早い。電話切ってまだ5分ちょっとしか経ってませんよ?あと呼び鈴じゃなくて下から呼ぶって……ジャイアンかなんかですかあの子。

 

『早いですね。電話切ってから5分ちょっとですよ?』

「走って来た!!」

『…にしても早い…。あ、あんまりお菓子とかないですけど…いいですか?』

「じゃあ何か買いに行く?近くにコンビニあるし」

『……いや、いいです。あんまり動きたくないんですよ』

「たまにはいいだろ〜?行こうよ東北〜」

『いや…日焼けが痛くて……。音街は大丈夫なんですか?いつも通りめちゃくちゃ元気ですけど』

「ウナは焼けても痛くないんだ〜!だから大丈夫!」

『お兄さまと同じタイプですか…いいですね〜。というわけで動きたくないんです』

「そっか〜。じゃあウナが一人で行ってくる!」

『えっ別に一人で行く必要は…』

「じゃあ行ってくるね!ちゃんと東北のぶんも買ってくるから〜!」

『……もう行っちゃった…』

 

音街ったらほんと人の話を聞かないというか…行動が早いというか……。ま、そこがいい所でもあるんですけどね。音街なら5分もたたず帰ってきそうですね。今のうちに部屋キレイにして待ってましょうか

 

 

「東北〜!戻ってきたぞ〜!あとおみやげもある〜!」

『おみやげ…?コンビニに買い物に行っただけじゃ…って、なんだ、茜さんですか』

「何だとはなんや!そこのコンビニでウナちゃんと会って一緒に来たんやで?もっと喜んでもええんちゃうか?!」

『ワーイアカネサンダーウレシイナー』

「棒にも程があんで…」

『ていうか、茜さん真っ赤ですね。焼けたんですか』

「うん。見ての通りや。それで痛くて寝てたら、きりたんから遊びのお誘いがるマスター言うとったんよ」

『ちゃんと伝えてくれたんですね。よかったよかった』

「ウチのマスターはそういうとこしっかりしとるからなぁ」

『痛いなら私とおそろいですね。音街は焼けても痛くないみたいですよ』

「はぁ〜…?」

「だって痛くならないんだも〜ん」

「ムカつくな…」

『むかつきますね…』

「ま、まぁ茜さんも来たんだし、みんなでゲームでもしようよ!!」

『そうですね、何します?』

「う〜ん…あえて対戦じゃない協力ゲームとかするか?ウチらいつも対戦ゲーしかせんやろ」

『そうですね。たまにはいいと思います』

「じゃあコレとかどうだ?」

「ええなぁそれしよか〜」

『最初からにしてハードでストーリークリアしましょ』

 

▼数時間後▼

 

「だいぶ遊んだなぁ〜」

『流石にちょっと疲れましたね…』

「ウナも〜」

「お菓子も食べてゲームも沢山して、満足したしウチはそろそろおいとましようかな」

『そうですか。また来てくださいね』

「もちろん。いつでも来るで」

『それ多分私側が言う言葉ですよ』

「まぁまた来るわ〜!またな〜!!」

『はい、また来てくださいね。…さて、ここでいつのまにか寝落ちてる音街をどうしましょうかね。もう遅いし、お兄さまが許してくれるなら泊まって欲しいですけど…』

 

╲ただいま〜╱

 

『あ、噂をすれば……。お兄さま〜』

「きりたん、どうしたの」

『実は今日音街と遊んで、今そこで寝落ちてるんですよ。だからお兄さまが良かったらそのまま泊まらせて欲しいなって思って…』

「なんだ、そんな事ね。心配そうな顔してたから何事かと思ったよ。泊まりね、おっけ〜。また前みたいに僕のベット使う?」

『う〜ん…。今日は音街と2人で寝ます。お兄さまは自分のベットで寝て大丈夫ですよ。ありがとうございます』

「ほんと仲良いねぇ」

『友達ですから!じゃあとりあえず音街起こしてきますね』

「はいよ〜」

 

『ほら音街、起きてくださ〜い。寝るならベット行きますよ〜。私のですけど〜』

「んぁ〜…わかった〜……」

『…てちょっと、ちゃんと立ってください?寝ぼけすぎですよ…』




今回は今までとは違ってシームレスな感じで切ってみました。
間違えて投稿したわけじゃないですよ?わざとです。
初の試みってやつですね…。もしだめだったら前のように戻します( ᴗ ̫ ᴗ )

それと、今文字に色をつけて、誰が喋っているか分かりやすくするように試行錯誤してるんですけど、どうでしょうかね。もし今のままでも良いよって人がいましたら、投票、おねがいします( ᴗ ̫ ᴗ )


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仲良し

『あ〜もう!ベットいきますよ!音街!』

「うぁ〜…運んでとうほくぅ〜…」

『何言ってるんですか。私にそんな力あると思いますか?自分で歩かないならそのまま引きずっていきますよ?』

「うぅ…やだ〜…」

『…じゃあ歩いてくださいよ』

 

音街って寝ぼけるとこうもめんどくさいんですね。初めて知りました。どうも、きりたんです。さっきまでわりと元気に遊んでたのに、ちょっとしたらもうコレですよ。ほんと、子供なんですから

 

『…お兄さま。音街の事運べます…?』

「…別にできるけど…どういうこと?」

『ああいう事です』

「…起きないのね」

『一応起きてはいる?んですけど…なかなかめんどくさくて…。私じゃ運べないので、お兄さまならいけるかなと』

「うん、いけるよ。きりたんのベットに運んであげればいいでしょ?」

『はい、お願いします』

「はいよ。じゃウナちゃん、運びますよ〜」

「…わ〜い…」

「えっ何この子寝てるの?起きてるの?」

『わかんないですよね〜…。あ、お兄さま、帽子忘れてます』

「あっそれそんな簡単におちるんだ」

 

 

『ほら音街、ベット着きましたよ。私のベットですけど』

「今日は東北と一緒に寝るのか〜?」

『そうですよ?私と一緒に寝れて嬉しいでしょう?』

「嬉しい〜」

『あ、音街、狭いのでもうちょっと奥行ってください。私が落ちます』

「こっちも狭いぞ〜」

『…しょうがないですね、少しくっついて寝ましょう。暑いですけど』

「……」

『…あれ?音街…?本格的に寝たんですか…?…あぁ、これは完全に寝てますね…』

 

ベットの割と中心の方で寝やがりました。これじゃあ私が落ちちゃいますよ。…でも、心地よさそうに寝てる音街を押しのける気にはならないし…まぁ我慢しますか。今日くらいは…

 

 

「おっはよ〜!!東北〜!!!」

『…音街、あなた昨日夜自分がどれだけめんどくさかったか覚えてないんですか…』

「うん!全く!!」

『寝ぼけた時はめんどくさいのに…寝起きは良いって何なんですか…。それに覚えてないし…』

「あ、でも。寝てる時にやけに東北が抱きついてきたのは覚えてるぞ?途中動けなかったもん」

『そ、それは!最初私の側が結構狭かったから…それで自然とそっちに言っちゃったんです!!きっとそうです!』

「だったらなんで抱きついてくるんだ?」

『えっと…それは…』

 

お兄さまから貰ったぬいぐるみを抱いて寝てたら抱き癖が着いたなんて口が裂けてもいえません…!昨夜は音街が居ていつものようにぬいぐるみを抱っこして寝れなかったんです…だから代わり?に音街の方に行ってしまったんでしょうね…。

 

『そ、そんなことはどうでもいいんですよ!今日は何して遊びますか!?』

「う〜ん…特にやる事ないな〜」

『何か無いものですかね〜』

「2人共おはよう。きりたん、今日はメンテ行く日でしょ?忘れないようにね」

『…あっ。すっかり忘れてました。ありがとうございます』

「東北はメンテナンス行くのか〜…ウナもついていこうかな」

『良いですけど…暇じゃないですか?』

「そんな事ないぞ?東北がちゃんとメンテナンス出来てるか、ウナがしっかり見ててあげるからな!」

『…別に出来ますけど…。じゃあ。支度したら一緒に行きましょう』

「わかった!」

 

今日はメンテナンス。と言っても、定期的なヤツなので、何か異変があったわけじゃないですけどね。心配しましたか?私は元気ですよ。

 

「2人はほんとに仲がいいね。見てるとこっちまで和んでくるよ」

『お兄さまは時々出てくるそのお母さんみたいな口調なんなんですか?』

「ごめんごめん。メンテナンス行くんでしょ?終わったら2人で遊んでおいで。これお小遣い」

『良いんですか!?ありがとうございます!!…でもお兄さま、金欠なのでは…?』

「大丈夫大丈夫。そこら辺はちゃんと分けてるから。だから気にせず使って来ていいよ」

「やった!ありがとうお兄さん!」

「ふふ。どういたしまして」

 

まさかのお兄さまがお小遣いを!!メンテナンスが終わったらそのまま遊んでおいでって…。なんて優しい。

…さて、ご飯もしっかり食べて、出かける準備も出来たので…行きますか。

 

『じゃあお兄さま。行ってきます』

「はいよ。行ってらっしゃい。変な人に目つけられたりしないように気をつけるんだよ」

『大丈夫ですよ。まったく…お母さんじゃないんですから…』

「東北のことが心配なんだろ」

『まぁ…心配してくれるのは嬉しいですけど…』

「ウナちゃんも気をつけてね」

「任せろ!」

 

しかし…メンテナンス…。あんまり行きたくたいですね…。ウナは知ってるんでしょうか…。

 

「そういえば東北はどこでメンテナンスして貰ってるんだ?」

『そこの角を曲がったところのお店です』

「ウナはそのお店行ったことないな〜」

『いいお店ですよ。ボイロしか入れない設計になってますし、警備もかなりしっかりしてるので。ただ…』

「ただ?」

『ある店員さんが…ちょっとやっかいでして…』

「東北が手を焼くほどの人…?いったいどんな…」

 

『さて、着きましたよ。ここのセンサーに手首に内蔵されてるコードを読ませれば入れますよ』ピッ

「おぉ!ハイテクだな!!」ピッ

「いらっしゃいませ〜。…って、きりちゃん!来てくれたんですね!」

『はい。出会い頭に抱きつくのやめてもらっていいですか?』

「…この人が東北が言ってた人か…」




新登場人物です!
誰なのかはもうわかってる人いるかもしれませんが…次回、お楽しみに!


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見境なし?

『ゆかりさん…。いい加減離れてくれません?メンテナンスしてもらいに来たんですけど…』

「はい!メンテナンスですね!ちゃちゃっと終わらせましょう!と、そこにいる子は…?」

『私の友達の音街です。着いて来たいって言うので連れてきました』

「きりちゃん…友達いたんですね…!私は嬉しいです…!」

『はぁ?』

「さて、音街さんもメンテナンスしていきますか?」

「あっえっと…じゃあ、お願いします!」

「うんうん!素直な子は好きですよ?じゃあ先にきりちゃんのメンテ済ませましょうね」

『わかりましたから、とりあえず頭撫でるのやめてください』

「いいじゃないですか〜」

『音街でも撫でてたらいいじゃないですか』

「音街さ〜ん!」

「……」サッ

「ほら〜!!」

『そりゃそうなりますよ』

 

全くこの人は…私以外のお客さんに対応してる時はしっかりしてるのに、なんで私にだけはこんな距離近いんですかね…。正直、うざったい…。

 

「じゃあ先生呼ぶので、いつもの部屋で待っててくださいね」

『わかりました』

「では、また後で」

 

でも…ここのメンテナンス担当の先生はとても優しいし、説明も分かりやすいから、毎度ここに来ちゃうんですよね。ゆかりさんもウザイけど悪い人では無いので。時々お菓子とかくれるし…

 

「じゃあ東北さん。何か変わった事とか、ありますか?」

『特にないです。相変わらず元気ですよ』

「それは良かった。ここ最近で、どこか出かけました?」

『う〜ん…あ、海に行きました。楽しかったですよ』

「海ですか…。良いですね。マスターさんと一緒に?」

『はい!もちろん!』

「いいなぁ海〜。今度私も連れてってくださいよ〜」

『自分で行ってください』

「こらゆかり。今は仕事中」

「はい…」

「…海に行ったなら、一応後ろ、見ておきますね」

『これで見えますか?』

「もうちょっと前かがみに」

「苦しかったら私に倒れてもいいですよ〜」

 

私達VOICEROIDは、基本防水、防塵の割と頑丈な作りになってはいますけど、首筋の辺りに初期起動時のコードが繋がっていた穴に、塩水や砂が入ると良くないので、見てもらうんです。

で、ゆかりさんはその時の先生の補助的なことをしてます。意外としっかりしてます。さっきみたいにくだらないこと喋って叱られてますけどね。時々。

 

「どうです?先生」

「特に異変は無いね。うん。大丈夫そうだ」

「良かったですねきりちゃん!」

『はい。ありがとうございます』

「他に異常も無さそうですし…あとはパーツ見て終わりです」

 

 

全身も診てもらって、特に異常も無いということでメンテは終了。何も無くてよかった。これでまたお兄さまの所にいられる。

あとは、音街も診てもらうそうですけど…

 

「でな!それで東北が〜!」

「何ですかそれ!私もそういうの見てみたいんですけど!!」

「一緒に遊んでたら見れるんじゃないか?なぁ東北」

「きりちゃん!!!」

『何の話かわかんないですけど嫌ですよ』

「え〜っ!」

 

…何故か音街とゆかりさんがめちゃくちゃ意気投合してるんですよね…。しかも私の話で。

自分たちの話で盛り上がるならまだ分かるけど…私の話って…

 

『ほ、ほら音街。私のついでに定期メンテ診てもらうんじゃないんですか??』

「あ、そうだった。じゃあゆかりさん、お願いします!」

「はい!じゃあこっちの部屋来てくださいね。あ、きりちゃん寂しくて泣いちゃだめですよ?」

『泣くわけないじゃないですか』

 

…まったく。さっさとメンテして、どこか遊びに行くんじゃないんですか…。

 

「…ゆかりは話が合う子がいるとずっと話すからね〜。東北さんも大変でしょ。いつもベタベタされちゃって」

『いやいや私はゆかりさんと話が合った事は…って先生!音街のメンテ診てるんじゃなかったんですか?』

「私はあくまで東北さんの担当だからね。音街さん?まで診てあげるわけじゃないよ」

『…そうですか…』

「そんなに心配することないよ。ここの先生はみんな良い人だから。私含めね」

『…それもそうですね』

「ほら、ゆかりも着いてるし」

『あの人なんか信用ならないんですけど』

「ああ見えてもあの子すごいんだから。ここのお店を最初に建てた人がとあるお店で処分寸前のところを見つけてしたらしくてね。そこからはもうお店のため!ってすごいがんばってたよ」

『そうだったんですね』

「そうそう。それに、このお店、ボイロ関係の商品は売ってるけど、基本的に来るのがマスターさんだけなんだよね」

『…どういうことですか?』

「つまり、東北さんみたいに、ボイロ本人が来てくれるってのはなかなか珍しいの。だから、なかなか会えないボイロに会えて、ゆかりも嬉しいんだと思うよ」

『…そうですか。じゃあこれからはちょっとだけ、許してあげてもいいかもしれません』

「ふふ。ありがとう」

 

「東北〜!終わったぞ〜!!」

「悪い所なくて良かったですね!」

「うん!」

『もう…やっとですか。待ちくたびれましたよ』

「ごめんよ東北〜」

『…それと、ゆかりさん。いつもありがとうございます』

「っ!!きりちゃん…!!ついに私の気持ちが伝わったんですね…!!」

『そういう訳じゃないです』

「そんなぁ」

 

無事、音街もメンテ終わって、何も無かったようなので、これで遊びに行けますね!

 

「あ、2人とも。ちょっとちょっと」

『なんですか?』

「これ、来てくれたお礼に」

『こんなに貰っちゃっていいんですか!?』

「いいんです。私の気持ちですよ。2人で仲良く食べてください』

「やった〜!!ゆかりさんありがと!!」

「どういたしまして」

『あ、ありがとうございます…』

「おやおやきりちゃん。感謝はしっかり伝えないとダメですよ??…ま、また来てくれるなら気にしませんけどね」

『そりゃまた来ますよ。メンテもしてもらわなきゃ行けないので」

「メンテ以外も来ていいんですよ〜?」

『…じゃあ時々はゆかりさんに会いに』

「〜!!きりちゃん!!」

『ちょっと!抱きつくのやめてください!』

「ウナも〜!!」

『ちょ、音街まで!!』

 

ウザったいことに変わりはないですけど…。まぁたまになら許してあげますか。

…いや、音街まで来るのは流石に多すぎます。



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トリックオアトリート!!

ハロウィン回です。
本編とは全く関係ないですが、きりたんにハロウィンらしい事させたかったので…。


『お兄さま。今日茜さん達の所へ泊まりで遊びに行ってきます』

「え?泊まり?…そっか。わかったよ。行ってらっしゃい」

『ありがとうございます。あ、あとお兄さま。そろそろお家にあるお菓子が減ってきたので、買って補充しておいた方がいいと思いますよ』

「あ、あぁ…。わかった」

 

きりたんです。急に泊まりで出かけるって言ったり、お菓子を買っておいた方がいいって言ったりで、お兄さま、びっくりしてましたね。

もちろん。ただ茜さんのところに遊びに行くだけじゃないですよ?お菓子も食べたいから買っておいてもらうってわけじゃないです。

そう!ハロウィンだからです!!

前に聞いた時、お兄さまはそういうイベントに全く興味無い事がわかったので、きっと今回のハロウィンも、なぁんにも考えてなかったでしょう。だから一応何気ない感じで伝えといたって訳です。

まぁ、鈍感なお兄さまはわけも分からずお菓子買ってくるかもしれませんけどね〜

で、茜さんの所に泊まりに行くのは、ちゃんと仮装する為ですよ!茜さん達に協力して、みんなで仮装して、ここら一体を練り歩くわけです。

仮装したボイロ集団として!!

 

 

「ようこそきりたん!待っとったで〜」

『お邪魔します。そういえば、私が茜さん達のお家に来るのって初めてですね』

「そうだね。お姉ちゃんがいつもだらしないから呼べないんだよね」

「そ、そんなことないで!」

『まぁ茜さんがそこそこだらしないのはいつもの事ですし、いいんじゃないですか』

「まぁそうだね」

「擁護してや葵〜…」

『あれ…そういえば音街は?』

「ウナちゃんはもうそろそろ来ると思うよ。さっき今向かってるって連絡あったし」

「そういえばさっき電話しとったな葵」

「前に海行った時連絡先貰ったんだよね」

「いつのまに…」

「お姉ちゃんは私がいるからそういうの気にしなくて大丈夫だよ」

『さっき連絡来たなら、音街の足ならもう着くんじゃないですか?』

《葵さ〜ん!来たぞ〜!》

『…ほら来た』

「あの子呼び鈴知らないのかな?」

「…いや、知っとるやろ」

『まぁまぁ。音街って私のお家に来る時もああやって呼びますから』

「とりあえず入れるね。 いらっしゃい。ウナちゃん」

「あ!葵さん!お邪魔します!」

『遅かったですね音街』

「実は1回間違えて東北の家に行っちゃったんだ。それでお兄さんに茜さんのところにいるよって言われて…」

『間違えたって…。時々音街って抜けてますよね』

「きりたんもやで」

「うんうん」

『えっ?』

 

音街も来たことですし…早速仮装の準備とかを始めますかね。時間もあんまりないので

茜さん達のお家を拠点にしたのは、今茜さん達のマスターさんが長期出張で居ないからです。だから派手に仮装の準備も出来るって訳です。

 

「それで、きりたんはなんの仮装するの?」

『実はまだ決めてないんですよね。全く』

「ウチらはマ○オ兄弟の仮装するもんな〜葵〜」

「姉妹だけどね」

『なるほど。2人セットだからいいですね。音街は?』

「ウナはなんかのキャラクターって決まってるわけじゃないけど…ハロウィンといったらかぼちゃでしょ?」

『まぁそうですね』

「だからこのオタマン帽と一緒にかぼちゃイメージの仮装するんだ!」

『いいですね。…私なんの仮装にしよう…』

「う〜ん…。王道のチャイナとかは?」

「おぉ!チャイナきりたん!ええんちゃうか?」

『…まぁ、いいかもしれませんね』

「寒くないか?」

『知らないんですか音街。ファッションは我慢なんですよ』

「ファッションちゃうけどな」

『まぁ今日も大して寒くなかったですし、大丈夫ですよ。最悪上に何か羽織ればいいですし』

「…それなんかエッ」

「葵。それ以上はあかんで」

 

という訳で、仮装する内容が決まりました。私がチャイナ。音街がかぼちゃ。茜さん達が○リオ兄弟(姉妹)。いい感じですね。

服装は買ってもいいですけど、ある程度は自作してもいいかもしれませんね。材料は既に揃ってるって葵さんも言ってたし。

どうやら茜さん達は上のオーバーオールは自分で作るみたいです。

 

「なぁきりたん。チャイナ服やけど、買いに行くん?」

『そうですね。買いに行こうかな。まぁ近くにお店ありますし、ちゃちゃっと買ってきますよ』

「気をつけてね〜」

『は〜い』

「ウナ達は作業するぞ〜!」

「お〜!!」

 

 

『…ふぅ。結構遅くなっちゃいましたね。戻ってちょっとした装飾つけて、明日に備えて寝ますかね』

 

いい感じの質感のものを探してたら、遅くなっちゃいました。試着どうこう言ってくる店員さん…アレどう対処したらいいんですかね…。

 

『戻りました〜って、もう着てるんですか?』

「あっおかえり〜。そうそう。ある程度完成したから、ちょっと着とるんや」

「きりたんは良いの見つかった?」

『なかなかいい質のやつがありましたよ。あとは適当に装飾して終わりって感じです』

「見せて見せて〜!」

『良いですけど…まだ買っただけだし、別に面白くもなんともないですよ』

「ええやん。せっかくやし着てみてや」

『…しょうがないですね。ちょっと待っててください。……ほら、どうです?結構似合ってるでしょ』

「おぉ!ええなぁ!」

「さすが東北!似合ってるぞ!」

「じゃあ私がハロウィンっぽくいい感じの装飾付けてあげるよ」

『ホントですか。葵さんそういうの出来るんですね』

「お姉ちゃんは不器用だからね」

「あんな細かいの出来るわけないやん」

『じゃあ葵さん、お願いします』

「任せて〜!」

 

装飾は葵さんがやってくれるみたいです。私はそれを眺めながら茜さんを小突くとしますか。

 

 

「よし!いい感じに出来た!!ほらきりたん、できたよ!」

『おお!ありがとうございます!今1回着てみますか?』

「明日着てみて!今日はもう明日に備えて寝よう」

『そうですね。てか茜さん達はもう寝てますけど』

「えぇ…。お姉ちゃんまだお風呂入ってないでしょ?ほら起きて!」

「今日ぐらいええやんか〜…」

「だめ。ほら一緒に入ってあげるから、から早く行くよ」

「…わかった〜」

『じゃあ私は茜さん達上がるまでテレビでも見てますね』

「ごめんね、そうして待ってて」

 

茜さん達、いつも一緒にお風呂入ってるんですかね…?

私も音街と一緒に入っちゃいましょうかね。

 

『音街〜。明日はハロウィンですよ〜。そんな床で寝たら体痛くなっちゃいますよ?』

「寝てないぞ〜…」

『音街、寝てる時いつもそう言いますよ』

「…え〜…?」

 

まぁ…お風呂入る時までほっときますか。どうせおきませんし…。

 

 

「お風呂上がったで〜!」

「長くなっちゃった。ごめんね」

『いえいえ。ぜんぜん待ってないですよ。じゃあ私もお風呂入りますね。ほら音街、行きましょう』

「…一緒に入るのか?」

『別にいいじゃないですか。2人で一緒に入れば早いですよ?』

「えっいやでも…そんな急に〜…」

「…まさかきりたんが誘うとはね」

「逆やと思っとったわ」

『まぁ…嫌なら私1人ではいってきますね』

「い、嫌じゃないもん…」

『じゃあ行きましょう!』

「…うん」

「…なんか、レアな所見れたな」

「…そうだねお姉ちゃん。あれかな?私達に嫉妬したのかな?」

「なんやそれ」

 

(お風呂シーンは…まぁカットです)

 

音街、最初は割と恥ずかしがってたのに、ちょっとしたらすぐはしゃぎましたね。まぁ最初からそうして欲しかったので良かったんですけど。

…というか、音街って大きかったんですね…。私負けてる…?

 

「気持ちよかったな!東北〜!」

『はい。いい湯でしたね』

「…それ温泉行った時に言うセリフだぞ東北」

「あ、2人とも出たんだね、すんごい楽しそうだったけど、何してたの?」

『別に何もしてないですよ?あとはしゃいでたのは音街だけです』

「東北もはしゃいでただろ!!」

「たのしいのは悪いことやないから別にええよ?お布団準備出来とるから、好きに使ってな」

『ありがとうございます』

「なぁなぁ、今日はなんかゲームしないのか?」

『なんかします?』

「あ!そや!ウチ昨日懐かしいボードゲーム見つけたんやけど、やるか?」

『ボードゲーム…いいですねやりましょう』

「…明日沢山お家回るんでしょ?遅くまで遊んで明日体力持つ?」

「心配することないで葵。気合いで回ればええんや」

「…とか言っても、1番寝坊するの多分お姉ちゃんだよ」

『それはそうですね』

「そうだな」

「…じゃ、じゃあ今日はもう寝よか!」

『えぇ〜!』

「ぶーぶー!!」

「明日ハロウィン終わったあとにお菓子食べながらみんなでやればええんや!!」

『なるほど。その手がありましたか』

「ウナは最初から思ってたぞ」

 

という訳で、明日のためにもう寝ます。いい子ですね、私達。

 

▼翌朝(ハロウィン当日▼

 

「さぁ!ハロウィンやで!!!」

『茜さん、起きれたんですね』

「昨日早くに寝たからな。余裕やで!」

「お菓子沢山もらうぞ〜!!」

「みんな気合い入ってるね〜」

『そういう葵さんも、もう着てるじゃないですか』

「ふっふっふ。いつでも行けるよ…!」

『それで、どうします?ごはんたべたらもう出発します?』

「周りが騒ぎ始めてからでええんちゃうかな」

「そうだね。どの家もめちゃくちゃ気合い入れて飾ってるし、そのうちうるさくなると思うよ。あとお姉ちゃんは早く着替えようね」

『じゃあ出発までゆっくり支度しときましょうか』

 

ハロウィン当日…。今日は色んなお家に回ってお菓子を大量に獲得する…。それが目的です。だけど、私にはそれ以外にも目的がもうひとつあります。それは、お兄さまに驚いてもらうってことです!

お兄さまはきっと驚くでしょう…!だっていきなりきりたんが仮装して突撃してくるんですから!!ま、そのためにお菓子買っておいてもらったんですけどね。

 

 

『そろそろ出発していいんじゃないですか?』

「せやな。周りも活動し始めたし」

「じゃ…行く?」

「行こ〜!!」

 

「「「『トリックオアトリート!!!』」」」

「おやおや可愛いお嬢さん達だこと。お菓子をどうぞ」

「わ〜い!!」

『ありがとうございます!』

 

「「「『トリックオアトリートォ〜!!』」」」

「みんな仮装してるね〜!そこにある箱から好きなのどうぞ〜」

「やった〜!」

「お姉さんありがとウナ!」

 

「次のお家、きりたんのお家やで」

「お兄さん、いるかな?」

『絶対いますよ、しかも、こっちに来る前にお菓子を買っておくようにお願いしといたので、あるはずです』

「流石きりたん。考えてる〜」

『じゃあ行きますか…!』

「「「『トリックオアトリート〜!!!』」」」

「わっ、きりたん!?」

『ふふ。びっくりしました?今日はハロウィンですよ?』

「う、うん。びっくりした。まさか家まで来るとは思わなかったからね…」

『さて!お兄さま!お菓子かいたずらですよ!!どうします!?』

「…お菓子を買っておけって言ったのは、こういう事ね。ほら、どうぞ」

『やった!ありがとうお兄さま!!』

「ありがとお兄さん!!」

「はいよ。たくさんお菓子貰っておいでね」

『もちろん!お兄さまの分まで貰ってきますよ!』

「そりゃうれしい」

 

お兄さま。びっくりしてたし、なんか嬉しそうでした!!大成功です!

 

「成功だな東北!」

『はい!思い通りに行きました!』

「それにしてもめっちゃ沢山貰えた…。お兄さん凄いね…」

「ほんまやな〜。ありがたいわ〜」

『じゃあ次のお家、行きますか!』

「そやな!行こいこ〜!!」

 

お菓子も沢山貰って、お兄さまも嬉しそうで楽しそうで…良かったです。ちょっと恥ずかしいけど、仮装して正解でした。やっぱり一年に一回のイベント、思いっきり楽しまないとダメですよね!

 

 

『お菓子、沢山貰えましたね〜!』

「うん!みんな優しかったな!」

「これからどうするんや?家で遊ぶか?」

『私は帰ろうかな』

「おやおや〜?お兄さんと会いたくなったか〜?寂しくなっちゃったか〜??」

『ち、違いますよ!お兄さまが寂しくなってそうだから帰ってあげるだけです!』

「そうやったんか〜きりたんは優しいな〜」

『な、何ですか…』

「…(東北、気付いてないんだな)」

『とにかく、私はこれで帰りますね。楽しかったです!!』

「せやな!ハロウィンしっかり楽しめたで!」

「ウナも楽しかった!」

「また来年が楽しみだね」

 

貰ったお菓子をみんなで分けて、家に帰ります。お兄さま、急に仮装したボイロ軍団が来たと思ったら、大量のお菓子を持ってきりたんが家に帰ったら、またビックリするでしょうね…。どんな反応するかな…!

 

『ただいま帰りました〜!!…ってあれ、お兄さま?いないんですか?』

 

おかしいですね…。さっき部屋の電気は着いていたのに…。

 

『いるのは分かってるんですよ〜?隠れてないで、出てきてくださ〜い?…って、うわぁぁぁぁっ!!?!!なっ、どっ…どうしたんですかお兄さま!?!』

 

お兄さまが…!なんか血吐いてぶっ倒れてます…!!い、生きてますよね…?!い、いやまずは救急車…!あれ…?えっと携帯は……!!

 

「…ビックリした?」

『うわぁぁあああ!!い、生きてる!!』

「勝手に殺さないで貰えるかな??」

『…し、死んだかと思いましたよ…』

「僕もちょっとハロウィンらしいことしようと思ってね」

『…心臓止まるかと思いましたよ…ほんと焦りました…よかった〜…』

「ごめんごめん。それで、お菓子は沢山貰えた?」

『はい!この通り!』

「沢山貰ったね〜!」

『後で一緒に食べましょ!お兄さま!』

「貰っていいの?ありがとう」

『来年もまた沢山貰ってきますよ!!あ、お兄さまの所にも来ますからね?』

「はいはい、楽しみにしてるよ」




初めてこんなに長い話を描きました…。
ハロウィンの内に投稿したかったんですけど…ギリ間に合いませんでした。私もハロウィンで色々遊んでたので。許してください…。


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歌のプレゼント

『で、どこ行くんですか?』

「いいから〜!!この前いい物を見つけたんだ!東北も、お兄さんもきっと喜ぶぞ!」

『ホントですか…?』

 

今はメンテ終わりに何故かご機嫌な音街につれられてショッピングモールにてます。どうやら私に見せたいもの?があるとか…。

 

「着いたぞ!このお店だ!」

『ここって…最近出来たVOCALOIDのお店じゃないですか。音街はまだ良いとして、私はVOICEROIDですよ?わざわざここで買うものなんて…』

「…音街、お兄さんを喜ばせたくないか…?」

『そりゃあもちろん』

「お兄さんってな…?ボカロの歌より、ボイロが歌ってる歌の方がよく聞くらしいぞ…!」

『…つまり?』

「ここでいい感じのマイクを買って、東北が歌を歌って、お兄さんのパソコンに入れておけば…」

『…お兄さまが喜ぶ…!』

「そういう事だ!!」

 

お兄さまは歌が好きだったんですね!しかもボイロの!!

これは私が直々にお兄さまの為に歌を歌ってあげるしかないですね…!

 

「なぁ東北、ここら辺のいいんじゃないか〜?」

『…うん、いいですね。これならお兄さまのパソコンの規格にも合うでしょうし。音街も何か買っていけばいいんじゃないですか?私より音街の方が歌は得意ですよね?』

「う〜ん…東北の借りるからいいや!」

『私の借りる前提なんですね。いいですけど』

 

いい感じのマイクとかを見つけて、準備はおっけー。のはず…。

歌とか歌ったことないですし、何が欲しいとかもよく分かんないですもん。間違えちゃってもしょうがないですよね。失敗は成功のもと。とかも言いますし。

 

「なぁ東北、何歌うんだ?」

『そうですね…特に決めてないですけど…お兄さまに聞いてみますかね』

「お兄さん寝てるんじゃない?」

『起きてるでしょう…。あ、お兄さま。好きな曲ってあります?』

「"好きな曲…?どうしてまた急に…"」

『いいから、教えてください』

「"う〜ん…。特に好きな曲はないけど、流行りの曲はよく聞くよ"」

『もう!はっきり言ってくださいよ!!』

「"えっあっ…ごめんなさい…?"」

『まぁいいです、流行りの曲ですね、わかりました』

「"急にどうしたの?"」

『お兄さまが気にすることないですよ。それじゃ切りますね。私が帰るまで寂しく待っててくださいね』

「…なんであんな怒ってたんだ?」

『好きな曲って聞いてるのに、流行りの曲〜とか言うんですよ。まったくもう』

「いいじゃん流行りの曲!きっと喜んでくれるぞ!」

『まぁそうですね。私が歌ったのに喜ばないわけないですね。お兄さまって私の事好きなので』

「じゃあ早速曲決めるぞ!!」

『お〜!』

 

にしても流行りの曲ですか…。さっきお店に流れてた曲もいいかもですね。

お兄さまが好きそうな曲をいい感じに選んで、PCにいれといてあげますか

 

 

『お兄さま〜。きりたんが帰りましたよ〜』

「おかえり〜。遅かったね」

『ちょっと遊びすぎました。あ、お兄さま。PC借りますよ』

「はいよ。変なウイルス踏まないようにね」

『私がそんなミスするわけないじゃないですか』

 

さて、お兄さまのPCを手に入れました。あとはこのUSBを挿して、色々やれば…。よし、入りましたね。目立つ所に置いときますか。これで次お兄さまがPCを起動した時にすぐに気づいて聞いてくれるでしょう。ふふ、楽しみですね…。

 

『ありがとうございますお兄さま。いつものとこ置いときますね』

「僕もちょっと調べ物したいから使うよ。そこらへん置いといて」

『あっ、わかりました』

 

まさかすぐに使うとは…。これはラッキー!きっと気になって聞きますよね絶対…!私がいる所で聞かれるとちょっと恥ずかしいので、お風呂にでも入って逃げときますかね。

 

「…あれ?なんだこのファイル…。ねぇきりたん、これ何かしらな」

『じゃあ私先にお風呂入っときますね〜!!』

 

危ない危ない…。聞かれるところでした。でもこれで私がお風呂から上がった時には嬉しさと感動のあまり泣いちゃってるでしょうね

さ、ゆっくり入ってきますか〜

 

 

『お風呂あがりましたよ〜…。ってお兄さま、何してるんですか…?』

「きりたん!!君って子はなんていい子なんだ!!!」

『ちょっ!お兄さま!?なに急に抱きついてきてるんですか!!私まだ髪とか濡れてますけど!!』

「だってきりたん…。僕のPCに歌のデータ入れてくれたでしょ?わざわざ歌って」

『ふふ、どうです?お兄さまの趣味に合う歌でしたか?』

「もろちん!急に好きな曲聞いてきた理由がわかったよ!」

『だから流行りの曲とか言われた時には何歌えばいいかわかんなかったんですよ』

「そういう事だったのね。でも、歌ってくれた曲は僕が今聞いてる曲だったよ。よく分ったね」

『私ですから。そんなの当然分かりますよ』

「さすがきりたん。もしよかったらまた今度歌ってくれない?」

『いいですよ。お兄さまの為なら何回でも歌ってあげますから』

「いいの!やった!!」

 

お兄さまってばかわいいですね。こんなによろこんで。

いつもはかっこいいのに、時々こんなふうに子供っぽくなるから好きなんですよね〜…。

またさりげなく歌ってあげますか。思ってたより喜んでくれましたね。

 

 

「そういえば東北、歌のプレゼント、どうだったんだ?」

『あぁ、それですか…。めちゃくちゃ喜んではくれたんですよ。だけど、あれからず〜っと歌聞いてて、なんか、嫌なんですよね。…いや、聞いてくれるのは嬉しいんですけど!』

「…ふ〜ん?東北ぅ〜、それ嫉妬だぞ〜」

『…そんなわけないですよ』

「またまた〜!!」

『小突くのやめてください!!』



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大きな勘違い

お久しぶりです。投稿期間がかなり空いてしまい申し訳ありません。
ずんだもんに浮気してました。はい。

久しぶりのきりたんを書いたのでどうせならと、長めに書きました。
これからもよろしくお願いします( ˇωˇ )


『えっ…』

…み、見てしまった…。

お兄さまが音街に壁ドンしてる所を……!!

 

▼その日の朝▼

 

『あ、そうだお兄さま。今日音街が遊びに来てもいいですか?』

「うん、いいよ。いつから来る予定?」

『お昼食べたら来るらしいです』

「じゃあお昼過ぎね。食材の買い出しついでにお菓子買ってあげるけど、きりたんも一緒に来る?」

『まじですか。行きます』

 

お兄さまは音街が遊びに来るって言うと必ずなんかしらのお菓子とか用意してくれます。優しいですね。

そんな気遣いいらないですよって、会ってすぐの頃の音街は言ってたけど、お兄さまに流されて今じゃ楽しみにしてるくらいです。

 

「好きな物買っていいからね〜」

『お兄さま今日はやけに太っ腹ですね。なんかいい事あったんですか?』

「きりたんの事を"彼女が出来た"って両親に伝えたら色々し送ってくれてね。貯金に余裕が出来たんだ」

『なるほどそういう事だった……は?今なんて言いました?』

「彼女って伝えたら?」

『…お兄さま。それ分かってます…?もし"彼女さんを連れてきてくれ"とか言われたらどうするんですか…?私、知らない人から見たらただの和服着てる小学生ですよ…?』

「…そうじゃんやべぇ…」

『…私、知りませんからね…』

 

お兄さまはほんと天然というか後先考えてない所がありますね…。ま、何とかなりますか。とりあえずは音街の分ってことにしてお菓子沢山買ってもらいましょう。ごめんね音街。

 

「だいぶ買ったね」

『なんか音街が食べたいって言ってたんです』

「それ嘘でしょ」

『な、何故…それを…』

 

 

「とうほくぅ〜!遊びに来たぞ〜!!」

『はいはい、今行きますよ〜っと…』

 

音街って、遊びに来る時に必ず玄関に着く前に大声で私の名前呼びながら来るんですよね…。昭和の子供じゃないんですから。しかも、玄関開けると既にそこにいるんです。こわい。

まぁ、それに反応して聞こえるはずもないのに返事しちゃう私も私ですけどね。

 

『どうぞ、入ってください。早かったですね』

「お昼は食べてきたぞ!」

『それは分かってます』

「いらっしゃいウナちゃん。ゆっくりしてってね」

「うん!ありがとうお兄さん!それで東北、前言ってたゲームやるのか?」

『あぁ、バ○オ5の事ですか?そうですね。あれ、1人だと色んな意味で難しいんですよ。CPUの頭が悪くて…』

「CPU…?よくわかんないけど、それホラーなんでしょ?ウナ、ホラー苦手だよ?」

『大丈夫ですよ。音街はAP○Xとかのシューティングゲーム得意ですよね?バ○オ5はホラーゲームの皮を被ったシューティングゲームなので』

「そっか!ならウナもやれる!」

『どうせなら最高難易度でクリアしてやりましょう…!あ、そうだ。今日もお兄さまが色々買ってくれたので持ってきますね。待っててください』

「ありがとう!」

 

『ほら、持ってきましたよ。今日のお菓子です』

「わぁ!お兄さん毎度沢山用意してくれるからなんか悪い気がするよ〜」

『とか言いつつもう開けてるじゃないですか。あ、それ私も食べたことないのでちょっと取っといてください』

「今度お兄さんになんかお礼しなきゃな〜」

『特に気にする事ないんじゃないですか?お兄さまも音街の事気に入ってる見たいですし』

「えっお兄さんが?ウナのことを??まっさか〜!だってお兄さんには東北がいるじゃん!」

『…ま、まぁ、そうですね』

「あ〜でも〜。早く東北がお兄さんに気持ちを伝えたりしないと、ウナが取っちゃうかもな〜」

『そ、それはダメです!!』

「東北はかわいいな〜」

 

くそう。音街め。焦ることを言ってきますね。でも、お兄さまも音街の事好きそうですし、取られちゃったり…。な、無いですよね…?

いやでも、音街側にその気がなくても、お兄さまが落ちたらもうそれまで…。

まさか…これが恋敵……?!

 

「まぁそんなこと気にせずさ、ゲームしようよ東北!」

『…そ、そうですね。やりましょう』

 

 

「これ、東北が言った通りあんまり怖くないな」

『でしょう?流石の音街でもこれは怖くないと思いました』

「でも、東北が言ってた『1人だと難しい』ってのがよくわかんないな〜。1人の方が画面も大きいし、簡単だと思うけど」

『じゃあ、やってみます?1人プレイ』

「えっいいのか?東北暇になっちゃうぞ?」

『大丈夫ですよ。音街が遊んでる反応をみてるだけで面白そうですから』

「ふっふっふ…。ウナの射撃技術を見せてやる…!」

 

射撃技術じゃどうにもならないものがあるんですよ…。音街には、それを体験してもらいましょうか…。

 

『二人でやってる時に音街が操作していた女の人がCPUになるんです。で、その女の人が死んじゃったりするとこっちもゲームオーバーなので気をつけてくださいね』

「どうすれば死なないんだ?」

『弾をあげたり、瀕死になったら回復してあげてください』

「…なんか、介護みたいだな」

『…実際そうやって言われてますし』

「まぁ東北が出来なかった分も、ウナがクリアしてあげるぞ!!」

『ふふ…。楽しみにしてますよ』

 

『あっほら音街。またあの人敵の方に突撃してますよ。援護してあげないと』

「ちょっと勝手に進まないでよ〜!!」

 

「あれ?なんで敵いるのに攻撃してくれないんだ?」

『弾切れですね』

「…さっき持ってた弾全部あげたのに!!」

 

「東北!これ助けに行けないぞ!!?」

『あ〜…あれはもう無理そうですね』

「…ちなみにここから助かる方法は…?」

『無いですね。諦めて死んでください』

 

「…東北。ウナ、あの人嫌いかもしれない」

『大丈夫ですよ。バ○オ5をやった人は多分みんなそう思ってます。射撃は上手かったですよ?多分私より上手いんじゃないですかね』

「ありがとう東北…。よく考えたらウナよりゲームが上手い東北ですらクリア出来てなかったんだし、ウナが出来るわけなかったよ」

『何事もチャレンジって言いますし。次またやりましょう』

「次こそは…!」

『盛り上がってたらなんか喉乾きましたね。何か持ってきます』

「あ、ウナが行くよ!東北は待ってて!」

『いやでも…』

「さっきは東北が行ってくれたでしょ?次はウナが行ってくるから!」

『…そうですか。じゃあ待ってますね』

 

…それにしても、結構上手かったですね。音街。実はもう私が行った所よゆーで越えてますもん。

あの子、意外とゲームの才能とかあるんですかね?隠された才能的な…。

運動もゲームもできるって…何ができないんですかあの子。

それにしても、飲み物取ってくるだけにしては遅いですね。

 

«ガシャンッ!!»

 

『うわっ…!?』

 

なんか向こうからすごい音しましたね。なんか落としたんですかね?…心配ですしちょっと見に行きましょう…。

 

▼冒頭に戻る▼

 

『あっ…えっと…。む、向こうで待ってますね…?』

「違うんだきりたん!!待っ」

 

やばいやばい見てはいけないものを見てしまった!!

音街と…音街とお兄さまがそういう関係だったなんて…!!あまりにも衝撃的過ぎて走って部屋に戻ってきちゃったけど、兄さまもなんか言おうとしてたような…。いやでもあんなの言い訳の仕様がないですよ!!だってもう…恋人のそれでしたよ!?距離感が!!

音街…まさかさっきの発言からもう行動に…?なんて恐ろしい子…。

 

「あの…東北?」

『あ、音街…。えっと…大丈夫ですよ。気にしてませんから』

「それなんだけど…ウナ、別にお兄さんとそういう関係だったりする訳じゃないからね…?」

『…えっ?』

「だから、ウナとお兄さんは別に恋仲でもないし、さっきのはたまたまの事故だったの」

『…つまり、お兄さまに手は出していないと…?』

「…ウナがそんな事すると思った?」

『だって、さっきそんなような話してましたし…』

「あ〜…。あれは冗談だから、本気にしないで?東北の好きな人取るわけないじゃん」

『まぁ…それはそうですけど…』

 

たった今、そういう事をしてるように見えたのでなんとも言えませんけどね…。

 

「というか、ウナよりお兄さんの方がなんかすごい焦ってたよ?「勘違いされるようなことしちゃった〜」とか…。ウナが何言ってもダメだったから、東北行ってあげて」

『…そうですか。わかりました』

 

どうやら、私と同じようにお兄さまもかなり動揺しちゃってたみたいですね。お兄さまらしいや。まぁそりゃ、見た私でさえあんなに動揺しちゃったんですし、やっちゃった本人なんてもっと動揺して当然ですかね。

もう大丈夫だよってこと言ってあげますか。

 

『あ〜…お兄さま…?』

「きりたん!!ほんっっっとごめん!!」

『あぁ…。大丈夫ですよ。話は聞きましたから。だからそんな土下座みたいなポーズして謝んないでくださいよ。私だって勝手に勘違いしちゃってたんですから…』

「本当…?よかった…。なんとも悪いタイミングで見られたから、本気で嫌われたらどうしようかと思って…」

『内心かなりビックリしましたけど、嫌いにはなりませんよ。心配しないでください』

「やさしいきりたんで良かった」

『私いつもやさしいと思いますけど』

 

お互い誤解が溶けてよかったです。あの状況で1番冷静な音街もなんか凄いですけど、その音街の冷静さに今回は助けられましたね。

いつもはほわほわしてて何考えてるかわかんないですけど、今日は頼りになりましたね…。

 

『誤解だったのは分かったんですけど、なんであんな状態になってたんですか?』

「ウナちゃんが食器取ろうとした時に他のものまで雪崩出来そうになったから急いで止めたんだ。それで体制を崩してああなっちゃってさ…」

「よく見る少女漫画とかの感じだったね、お兄さん」

「怪我しなくてよかったよ」

『そういう事だったんですね。納得しました。大きい音が急にしたのでそれもビックリしましたよ』

「ちなみにウナもお兄さんも、食器も無事だぞ!」

『流石お兄さま。よく守りましたね』

「ある程度鍛えてて良かったよ」

 

なんか、ただの偶然でもあんな綺麗な形になるものなんですね。仕組みが分かってしまえばおもしろい話です。

…でも、音街にはお兄さんに対してそういう気持ちがなくて良かったです。結局、恋敵でもなんでもありませんでしたね。

 

 

『今日はまぁ色々ありましたけど、ゲームも沢山できて楽しかったですね』

「うん!また遊びに来るぞ!次きた時こそ、ソロプレイでもクリアしてやるからね!」

『楽しみにしてますよ?ちなみに、今日音街が進めたところ、あれ、私が行けてた最高記録超えてましたよ』

「ホントか!?」

『もちろん。後ちょっとですから、音街の方が先にクリアしそうですね』

「次ウナが来るまで進めないで!!」

『それは無理な話ですね〜』

「じゃあ明日にでも!!明日にでもまた遊びに来るから!!」

『ほんとですか?じゃあ待ってますから』

「じゃあまたな東北〜!!」

『またね。音街』

 

『…まったく、びっくりしましたよお兄さま』

「ほんとごめんね…。きりたんが向こう走って戻ってっちゃった時にはもう終わったと思ったよ」

『私がどうすると思ったんですか?』

「この家出てっちゃうかと…」

『そんな事するわけないじゃないですか〜!!お兄さまったらほんとおもしろいですね〜!!』

「じゃあ僕が急に知らない女の人連れて帰ってきたら?」

『…ちょっと音街呼んで会議開きますね』

「会議……?」

 

結局、お兄さまはよくわかんない心配までして、かわいいですね。

焦ったりびっくりしたり忙しい日でしたけど、楽しかったので良しとしますか!また明日も音街は来るみたいですし、早くゲームもクリアしたいですからね〜

 

『…あ、そうだお兄さま。今日音街とやってたゲーム、一緒にやりませんか?』

「おぉ、いいよ。やろうか」

『ふふっ。なんかお兄さまと2人で協力プレイのゲームをするのって久しぶりですね!』

「そういえばそうだね。対戦ばっかりだったから…」

『もちろん最高難易度ですよね?』

「…当然」

 

音街とゲームするのも楽しいですけど、やっぱりお兄さまとやる方が楽しいですね。



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お誕生日!!!

「ねぇきりたん、何か欲しいものある?」

『なんです?急に』

「いいから」

『う~ん…。パッとは思いつきませんよ』

「そうか…。なにか思いついたら言ってね」

『はあ、わかりました』

 

お兄さま、急に何を言い出すんですかね。普段そんなこと聞いてこないのに…。いつも基本的に私が欲しがれば大体のものは買ってくれますし…これ以上なにか欲しいものなんて無いですし…。いざ聞かれると何も出てこないものですね〜…。

なんか考えときますか…。

 

『…お兄さま』

「ん?どうした?」

『欲しいもの、お兄さまじゃダメですか?』

「…うん?」

『だから、お兄さまが欲し』

「できれば分かりやすいものがいいな」

 

…わかりやすいと思ったんですけどね~。お兄さま基準の"分かりやすいもの"がわかんないですね…。

 

『まぁ、なんか思いついたら言いますね』

「うん。そうしてくれると助かるよ」

『…とんでもない金額のものとかお願いしても…?』

「…限度はあるよ」

 

限度…。限度ですか…。う~ん…。

それにしてもなんで急に欲しいものなんて…?ご機嫌取り…?いや、お兄さまに限ってそんなことをするわけないですし、そもそもそんな事する前に謝ってくるはずです…。

欲しいものを考えるよりもきゅうにそんなことを聞いてきた理由の方が気になってしまう…!

こういう時には音街に聞いてみますか。あの子ならきっといい感じの意見をくれるでしょう

 

 

『…てなわけなんですけど、音街はどう思います?』

「…え?どう思うも何も、誕生日だからじゃないのか?」

『誕生日?……あっ!』

「もしかして自分の誕生日忘れてたのか?」

『わ、忘れてたわけじゃ』

「東北にしてはめずらしいな~」

『まぁ…そういう時もありますよ』

 

そうか…。私の誕生日…。すっかり忘れてました。しかし困りましたね、何も欲しいものが無いけど、お兄さまの事ですから、何かしらプレゼントでもしないと気が済まないでしょう…。

 

「お兄さんならきっと東北が喜ぶもの見つけておいてくれるよ」

『そうですかね…』

「大丈夫だよ!だって東北のお兄さんだよ?あの人、頼りになるじゃん?」

『お兄さまって結構ずぼらというか、天然ですよ?』

「え?そうなの?」

『はい。そのせいか無意識に変なこと言って来ますけどね』

「ふふ、お兄さんらしいね」

 

…変な事で悩まずにとりあえずは誕生日を楽しみにしておきますか

 

▼数日前▼

 

「…ねぇウナちゃん。ちょっと相談いい?」

「ん?どうしたのお兄さん」

「もうすぐきりたんの誕生日じゃん?それで、どんなものをプレゼントしてあげればいいかなって…」

「ふむふむなるほど…。お兄さんが1番いいと思うもの…でいいんじゃないかな?東北ってお兄さんの事すきだからさ」

「そっかそっか…。1番いいと思うもの、か…。って、きりたんが僕のこと好きなわけ〜」

「あると思うよ?東北、お兄さんの事喋ってる時楽しそうだし、ウナがお兄さんの事話すとちょっと嫉妬してる感じするし」

「そ、そうか…。…なら、あれにしようかな…」

「何かいい案でも思いついた?」

「うん、きりたん、今1人でしょ?だから、きりたんのお姉さんをお迎えしようかなって」

「おぉ〜!さすがお兄さん!いい事思いつくね!」

「どんな感じに対面させようかな…」

「う〜ん…。あ、サプライズにするのはどうかな?」

「サプライズ?」

「うん。ウナがいつもみたいに東北とどこか遊びに行って、帰ってきたらお姉さんがいるっていうの!びっくりするし、いいと思うよ!」

「なるほど、さすがウナちゃん。いい案だね」

「ふふん!東北と遊びに行ってる間に、お兄さんは準備がんばってね!」

「うん、任せて!」

『音街〜、支度出来ましたよ〜。って、何話してたんです?』

「秘密!!ほら、早く遊びに行こ!!それじゃあお兄さん、またね!」

『秘密って…。また今度教えてくださいね!!あ、お兄さま、行ってきま〜す』

「気を付けるんだよ〜。……さて、お金集めるか…」

 

▼現在▼

 

『あ、せっかくなら音街も来てくださいよ。私の誕生日会』

「え、いいのか?」

『はい。もちろんいいですよ。来てくれた方が楽しいですし、お兄さまもきっといいって言ってくれますから』

「やった〜!じゃあウナもプレゼント用意しとくね!」

『私は音街とこうしていられるだけで嬉しいですよ』

「それはウナもそうだけど…なにかプレゼントしてあげたいじゃん」

『じゃあ音街からのプレゼントも楽しみにしておきますね?』

「うん!楽しみにしておいてね!」

『それじゃ、そろそろ行きますか』

「そうだね、行こっか」

『なんでそんなご機嫌なんです?』

「ん?誕生日楽しみだな〜って」

『音街のじゃなくて私の誕生日ですよ?』

「東北の反応が楽しみなの〜!」

『音街って時々変わったこと言いますよね〜』

 

音街もプレゼントを用意してくれるんだとか…。楽しみですね、音街からのプレゼント。どんなものをくれるのか全く想像できません。誕生日…もっと楽しみになってきました…!

 

『〜♪』

「東北もご機嫌だね」

『私も誕生日楽しみになってきました!』

「ふふ、それはよかった!」

 

▼お誕生日当日▼

 

今日は誕生日当日…!あれからはお兄さまからそれらしい質問とかはありませんでした。でもきっと何か用意してくれているはずです…!…ハズ…。

さっそくお兄さまに聞いてみます!!

 

『お兄さま!!私の誕生日です!!』

「うん、誕生日おめでとう!」

『…それだけですか…?なんかもっとあるものかと…』

「もちろんこれだけじゃないよ。今日の夜がメインだからね…。それより、ウナちゃんと遊ぶ約束してるんでしょ?支度しないと遅れちゃうよ」

『むぅ…。音街と遊ぶよりお兄さまに祝って欲しいんですけど…』

「帰ってきてからのお楽しみ、ね」

『…わかりました。楽しみにしておきますからね…!しょぼかったら怒りますよ!!』

「大丈夫、絶対喜んでくれるものを用意して待ってるよ」

『あんまりにも楽しみすぎたらちょっと早めに帰ってきます…!あ、そういえば、今日音街も一緒に誕生日会していいですか?』

「ウナちゃんも?いいよ。一緒に帰っておいで」

『じゃあ、とりあえず支度してきます』

 

お兄さま…。夜がメインって、何するつもりなんでしょうか。昨日家の中色々見てみても、それらしい物は無かったですし…。う〜ん…?

って、考えすぎてちゃダメですね。もっと純粋な気持ちで楽しみにしときましょう。音街と楽しく遊んだ後に私の誕生日会なんて、これ以上素晴らしい予定はありませんからね!

ってまずい、色々考えてたらもう音街が来る時間じゃないですか!!早く支度しなきゃ…!

 

「とーほく〜!来たぞ〜!!」

 

噂をすればなんとやら。なんか私を呼ぶ声もいつもより嬉しそうな気がしますね。まぁ気のせいですか。

待たせちゃ行けませんし、早く行きましょう。

 

「きりた〜ん、ウナちゃん来てるよ〜」

『わかってます!今行くので待っててください!!…ふぅ、お待たせしました、行きましょう』

「よっしゃ!遊びに行こうぜ!!」

『なんか今日楽しそうですね?』

「ん?そんな事ないぞ!ウナはいつもどおり!!」

『そうですか、音街はいつも元気ですもんね』

「うん!」

 

やっぱり音街といるとこっちまで楽しくなってきますね。音街のこの笑顔のせいですかね…?私には出来ないや。さすが音街。

それじゃあ、今日の夜を楽しみにしながら、音街と遊びに行きますか。

 

 

「もうすっかり暗くなっちゃったね」

『そうですね。やっぱり音街と遊んでると時間があっとゆう間に過ぎちゃいます。今日はもう帰りますか』

「そうだね、また遊…」

『?どうしたんですか音街。早く帰りますよ』

「東北!!誕生日会忘れてた!!!」

『…はっ!!!』

 

…私とした事が、お昼頃あんなに楽しみにしていたのに忘れてしまっていたなんて…。それだけ音街と遊ぶのが楽しすぎたって訳ですね!

だけど、いつもならここで音街とはお別れ…。でも今日は違います!このまま一緒に音街と家に帰って、私の誕生日会です!!楽しみですね!!

 

『は、早く帰りますよ!音街!!』

「東北!?そんな早く走れたのか!?!」

『早く来ないと置いていっちゃいますよ〜!!』

「とか言ってもウナの方が足速いから余裕で追いついちゃうぞ」

 

▼同時刻、お家▼

 

「【初期設定、ダウンロード、完了。起動します…】」

「…よし、これでおっけーかな。あとはこれを取り付けて…。よし、準備完了だ。きりたん、早く帰ってこないかな…。楽しみだ」

『((まってください音街…!!……早い…早いですって…!))』

「((先に競走しかけてきたのはそっちだぞ東北〜!!))」

「…お、2人の声が聞こえてきた。ここら辺建物多いから声響くの忘れてるのか…?…さて、クラッカーの準備するか」

 

「ただいま!!お兄さん!!クラッカー!!!早くしないと東北が追いついちゃう!!」

「はい、クラッカー。しかし流石の足の速さだね」

「ふふ、お兄さんもウナと競争する?」

「いいや、やめとくよ。そろそろきりたんが着くから、クラッカー準備してね…?」

「…よし、準備おっけー!」

『…全く…ちょっとくらい待ってくださいよ音ま…』

「「きりたん、誕生日おめでと〜!!!」」パーン!!

『うわっ…!!お兄さま、音街…!ありがとうございます!!』

「実はね、今日ここに来た時にお兄さんと作戦立ててたんだ。東北が来るまでにね」

「そうそう。だからウナちゃんが先に帰ってきてたの。まさか競争してくるとは思わなかったけどね」

『…なるほど、そういう事だったんですね』

 

お兄さまと音街が協力して私にサプライズを用意してくれてたみたいです。嬉しい…!!

だから最近音街とお兄さんがよく一緒に喋ってたんですね〜。

 

「さてきりたん、本命はまだだよ?」

『えっ?まだあるんですか?』

「何を隠そう。まだプレゼントを渡してないじゃないか」

「そうそう。東北が喜ぶようなものをお兄さんが考えてくれてたんだぞ!」

『ふっふっふ…そんなに期待値を上げてしまって大丈夫ですか??そこまで言われたら私、かなり期待しますよ?』

「じゃあ、プレゼントを渡すから、目を瞑ってて」

『えっ怖いんですけど』

「ウナが手繋いであげようか?」

『いや、そこまでじゃないです』

「それじゃ、ちょっとまっててね」

 

目を瞑れって…慣れてる家のはずですけどなかなか怖いですね…。一体どんなものを渡してくるんでしょう…。ドキドキします…。

 

「よし、もう目開けて大丈夫だよ」

『…あ、開けますよ…?』

「お誕生日おめでとう、きりたん!」

『…ず…ず…ずんねえさま…!?』

「いい反応だ」

『ずんねえさまが…プレゼントってことですか…??』

「うん、そうだよきりたん。嬉しい?」

『そりゃ嬉しいに決まってます!!ありがとうございます!!!』

 

プレゼント…まさかずんねえさまだなんて…想像も出来ませんでした…なんてものをプレゼントしてくれたんですかお兄さま…!!嬉しすぎますよ……!!

あれだけ期待させておくのも納得です…私の期待なんてゆうに超えてきましたよ…!

 

「きりたんが喜んでるようで良かったよ。東北三姉妹なのにきりたん1人だけなのはどうかなって、前から思ってたんだ」

「それで、私を迎えてくれたんだよね。お兄さん」

「そうそう。無事に成功して良かったよ」

『ず、ずんねえさまがいる…ずんねえさまだ…!!』ウルウル

「き、きりたん!?どうして泣いてるの?!」

『あっ、いや…嬉し涙が…』

「ふふ、今日はきりたんが主役なんだから、なんでも言うこと聞いてあげるからね」

『そんなっ!良いんですか!?』

「もちろん!きりたんの誕生日会なんだから!ね?お兄さん!」

「そうだよ。今日はなんでも言ってよ。ほら、これかけて」

『これは…なんです?』

「主役のたすきだぞ!これも前にお兄さんと用意しておいたんだ!」

『…ほんとだ、"本日の主役"って書いてある…』

 

こんなのいつの間に買っておいたんですか…。てか、こんなの言ってるもんなんですね…すごい。これつければ誰でも主役になれちゃう。

 

「さて、人も揃ったことだし、ケーキ食べよっか!」

「ケーキだ!!」

『あ、チョコのプレートは私が貰いますよ!!』

「きりたん、私のとこのいちごあげるよ」

『やったっ!ありがとうございますずんねえさま!』

 

私の誕生日…なんて幸せなんでしょうか…。

夢とかじゃないですよね…?お兄さまもいて、ずんねえさまもいて、音街もいて…みんないる…!!しかもこれからはずっとずんねえさまと一緒にいられる…!!

やばい、幸せすぎる…。私普段なにもしてないのにこんなに尽くされちゃって良いんですか…?!

 

 

『…んぁ…。あ…外が明るい…』

 

どうやらあの後みんなで遊んで、そのまま寝落ちちゃったみたいです。

音街は…隣で寝てますね。けどお兄さまとずんねえさまが見当たりません…。どこいっちゃったんですかね。

 

『…お兄さま〜…ずんねえさま〜…』

「あ、きりたん。おはよう。首寝違えたりしてない?」

『はい…それは大丈夫ですけど…』

「あぁ、ずんちゃんは今向こうでご飯作ってるよ」

『そうなんですか』

「…行ってくれば?」

『ん…そうですね…行ってみます』

 

ずんねえさまがご飯…。何作ってるんですかね…。だいたい予想は着きますけど…。

 

『ずんねえさま〜…?』

「きりたん、おはよう。昨日は楽しかった?」

『はい、もうとっても!』

「それは良かった!あ、起きてすぐで悪いんだけど…ずんだ作るの手伝ってくれる…?」

『…ふふ。任せてください!!』

 

やっぱりずんだ餅でした。…でもずんねえさまのずんだ餅、とっても久しぶりですし、嬉しいです…!!

 

『…ねぇずんねえさま…』

「どうしたの?」

『…これからもずっとここにいますよね…?』

「もちろん!!ずっと一緒だよ!」

「へへ…ありがとうございます…!」

 

誕生日…。あっという間に終わっちゃいましたけど、ずっと残るプレゼントを用意してくれたお兄さまにも、来てくれたずんねえさまにも、一緒にサプライズしてくれた音街にも…。みんなに感謝してもしきれません…!!

ほんとにみんな大好きです…!!



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間話 とーほくのお兄さん

お久しぶりです。みんと改め、ずんたんぽです。
急に名前が変わったのはTwitter関連です。申し訳ない。

久しぶりのお話はウナちゃんメインのお話です。
うなうなしてってください。


ウナはしってるんだ。東北がお兄さんの事すきだって。

ウナはしってるんだ。お兄さんも東北の事すきだって。

でも、2人とも遠慮してるのかなんなのか、好きですって言わないんだ。見てるこっちがもやもやしちゃう。

今だってほら、すっごい楽しそうに喋ってる。なんだその顔!!東北がそんな顔するの知らないぞ!!!

 

『あ、音街。今からわたしコンビニ行くんですけど、一緒に行きます?』

「え?う〜ん…。ウナはいいかな!」

『わかりました。すぐ戻ってくると思うので、まぁ…ゲームでもしてて待っててください』

「わかった!気をつけてね〜!」

 

…ゲームでもしててって言ったけど、なにしようかな…。1人で遊んでもあんまり楽しくないし…お兄さん誘ってみよ!!

 

「お兄さ〜ん!一緒にゲームしない?」

「お、いいよ。何する?」

「そうだなぁ…。あっ!ウナこれやりたい!」

「すごろくのゲームか、いいね。やろう」

 

…ふっふっふ。ウナがこのゲームを選んだのにはちゃんとした理由があるのだ……!!

それは東北に気があるのかどうなのか、聞き出すため……!!

このゲームはサイコロを振って盤面を進んで色んなアイテムを集めるゲーム!…だったはず。

だから進む速度もゆっくりだし、お話するタイミングもつくりやすい!!…ただ普通にウナがあそびたかったってのもあるけど。

という訳でこのゲーム中に聞き出してやるんだ!!

 

「お兄さん先でいいよ〜!ウナこのゲームやった事ないから」

「おっけ〜。……2か…」

「出目ちっちゃ!!全然進まないじゃ〜ん」

「そういうウナちゃんはどうなのさ」

「見ててね〜…ほっ!!……はい5マス進む〜!!」

「…つ、強い…。」

「こういうのは回ってるサイコロをよく見て、タイミングを見極めなくちゃ〜!テキトーに投げてもさっきのお兄さんみたいにちっちゃい出目しか出ないぞ〜?」

「くそう……。その内沼れ…!!」

 

最初の出目は5!いい感じのスタート!既にお兄さんと3つもマスが空いてる…。これは勝ったか??

…いやいや、東北がいつも言ってたぞ。『勝つまでは油断しちゃダメですよ!対戦ゲームの常識です!』って。…あぶないあぶない。油断するところだった。

 

「……ここだっ!!……くそっ、3だ…」

「またちっちゃい出目…ちゃんと見てる?お兄さん」

「見てもなんか出ないんだよ……」

 

……そうだ。お話きかなきゃ。ゲーム楽しくて忘れちゃうところだった。

 

「…そういえばお兄さん。ちゃんと見てるかで思い出したんだけど…」

「ん?何?」

「東北のこと、どう思ってます?」

「き、きりたんのこと?!」

「そうそう。きりたんのこと」

「…も、もちろん好きだよ」

「恋人として??」

「えっ?そ、それはまぁ……」

「どうなの?お兄さん!」

「そりゃ好きだよ!!でも、きりたんがどう思ってるかなんてわかんないし、もし行き過ぎたことして嫌われたらやだし……」

「…お兄さんってほんと鈍感だね…」

 

お兄さんは超鈍感だけど、東北に対する恋心がある事はわかったぞ…!

きっとこれでもっと東北の事を意識するようになるはず。それで東北に思い切って言えれば…そうすればウナの思惑どおり!!

…いやでもお兄さんの事だし……そんな上手くいかないか…?

 

「ほらウナちゃん。サイコロ振って?」

「ん…?あっ、ごめんお兄さん。ぼーっとしてた。……ほいっ!…あっ」

「…4、ですね。ウナさん」

「こっ、これは違くて!!あのほら!ぼーっとしてたから!!」

「ふむふむ…。そういうことにしておいてあげよう」

「…でもほら。お兄さんよりは先にいるよ」

「うむ。そうだな」

「…焦ってよ」

 

…よし!ひとまずウナが聞かたいことは聞けたし、満足!!後はこのお兄さんとのゲームに圧勝するだけ……!!東北も言ってたもんな、『お兄さまだからって、手抜いたらダメですよ。あの人結構やる時はやりますから』東北がああいうってことは結構のやり手なはず…負ける訳にはいかないぞ…!

 

━━━━━

 

『ただいま〜。お兄さま〜、音街〜、アイス買ってきましたよ〜…。って、あれ?』

「……あ、東北。おかえり〜」

『…なんでお兄さまぶっ倒れてるんですか』

「ウナにすごろくゲームで惨敗して拗ねてる」

『えぇ〜…。いい歳して子供にゲーム負けて拗ねてるんですか…?』

「お兄さん、いい歳っていう程歳とってないでしょ…」

『まったくもう…。ほらお兄さま。アイス買ってきましたから一緒に食べましょ?それか後で一緒にゲームでもしましょ??』

「…アイス食べる…。ゲームする……」

 

…ウナがなんかしてあげるまでも無かったかもしれないな、これ。

 

『にしても、お兄さまがあんなふうになるまで圧勝するなんて、音街もすみに置けませんね』

「ウナちゃんね、全部出目がでっかいんだ。それなのにいい感じのアイテムマスに全部とまるし、もう凄かったよ」

「えっへへ、それほどでも〜」

『ふ〜ん……。ちなみになんかコツとかあるんですか?大きい出目だし続けるコツみたいなの』

「くるくる回ってるサイコロをよく見るの。それでいい感じのタイミングで投げれば大きいの出るよ」

『……それならお兄さまの動体視力がざこすぎるだけでは?』

「うわぁぁぁぁ!!!」

「…東北、今、お兄さんにトドメ刺したぞ……」

『え?…うわぁぁあ!!血吐いて死んでる…!!』

「死んではないだろ…」

 

東北はまぁ、本人に聞くまでもなくお兄さんの事だいすき、いや超好きだし、お兄さんはお兄さんで今日また素直になれたと思うし…。

あのどっちつかずなイチャイチャをもう見れなくなるかもしれないって思うとちょっと寂しい気もするけど…まぁいっか。

 

『お兄さまったらしょうがないんだから…』

「とーほく。がんばれよ!」

『へ?なんの事です?』

「いいのいいの!お兄さまもがんばるんだぞ!!!」

「…はい。がんばります」

『えっ?なんの事です?!に話してたのか私にも教えてくださいよ!!】

「東北には秘密〜!!」

『え〜!?じゃあお兄さま!!教えてください!!』

「えっ?!いやっちょっと言えないかな…」

『なんでですか〜!!!』




改めまして、約4ヶ月ぶりですね。こんばんわ。

超久しぶりの投稿なので、文章的におかしい所があったり、文章量が少なくなってしまったりしました。申し訳ないです。

これからまたぼちぼちペースを戻していくつもりなので、その時はまたよろしくお願いします。


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