ジョジョWWS:主人公機械化√ 実況プレイ (全日本純愛連合)
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EINS
世界中のファンから期待が高まる中、満を持して登場したジョジョゲー最新作『ジョジョの奇妙な冒険 ―WORTHWHILE STEP―』通称“WWS”!
自分だけのオリジナル主人公が選択した行動ひとつひとつをAIが精査し、無数のルート分岐が発生する、昨今流行りのえげつねえ自由度が売りのゲームとなっております。いい加減このAI開発者にノーベル賞を114514個贈呈してさしあげろ。
RTA? 「遠回りこそが最短の道」ってジャイロ兄貴が言ってんだからそれが正しいに決まってんだろボケナス!(暴言)
そもそもこの手のゲームは鬼畜性能AIの謀略による野獣のような大ガバ♂が頻発するので、私のような敗北実況者の手には追えません…。ハア…ハア…敗北者……?
詳しいことは先にばーっと話すよりもやりながら話して行きましょう。
それでは早速スタートボタンを押します。ヌッ!
まずはみんな大好きキャラクリです。ここで決めた情報を元にAIが主人公の生い立ちを決めてくれます。
近頃では女主人公の人気が広がりを見せつつあるこの日本で言い表し難いもやもやを胸に抱えるホモ達もいることでしょうが、ご安心ください。今回目指すルートの都合上、舞台は2部、操作するのは屈強なゲルマンホモになります。
名前は「モーリッツ=
あっ、おい待てぃ(江戸っ子)、なんで和名なんかつける必要があるんですか?(正論)
勘のいいホモガキにはピンときたであろう通り、ホモくんは両国の架け橋となる日独ハーフであります! 都合良すぎ? 歴史にはもっと無茶苦茶な奴がゴロゴロいる訳だし、ま、多少はね?
「杜」の漢字をブチ込んだのは単なる好みですが日独ハーフにした理由は同盟(イタリアもいるけど)の広告塔になってもらう為です。友好の象徴として、優秀な軍人として、ドイツから失われるには惜しいと思わせるような
……今めちゃくちゃうまいこと言いましたよ。
要はヒトラー兄貴のオキニが第一目標ですね。
数多の実況プレイを見届け、もはや生温い人生では満足できない体に堕ちてしまった兄貴姉貴達はいたいけなホモくんにかのシモヘイヘ兄貴や我らが舩坂弘兄貴と並ぶ、いや、それ以上の暴れっぷりを求めることでしょう。
並の人間には不可能? …誰が人間と言いましたか?
僕はサイボーグになります(黄金の意思)
サイボーグ軍人といえばお前どうやって戦死したんやでお馴染みシュトロハイム兄貴ですが、別に立場を奪う訳ではありません。というか兄貴がいないと余計に酷いことになります。主にスターリングラード戦線が。ちな史実。
原作を確認する限り兄貴の襟章は親衛隊らしきものがついていますが、本作では親衛隊所属とするといよいよ発売できる内容ではなくなるからか国防軍所属となっています。『アスファルト兵士』とか呼ばれてしまう兄貴なんてやだ!ねえ小生やだ!
シュトロハイム兄貴とタッグを組み、二人で後の戦史に名を刻むほどの偉業を成し遂げよう(希望的観測)
やったね総統! 進軍速度がさらに上がるよ!
なおシステム上戦争の勝敗が覆ることはありません。普通あの時代にサイボーグ二体も作れる国に勝てるわけないだろ! 馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!(音割れソ連国歌)
ともかくその為にはヒトラー兄貴に「
生年月日は1908年にしておけば原作時点で三十路です。これより若すぎると初期の育成がしんどくなり、四十路近くなると一番重要な同盟締結時に広告映えしないなど様々な言い訳もできますが、きりが良くてわかりやすいというのが決め手です。
つーわけでホモくんにはガッツリ第一次世界大戦の戦火に晒され、挙句の果てに英仏に乾くどころか千切れるまで雑巾絞りにされたドイツを生き抜いてもらいます。1部〜3部の(東)ドイツプレイは基本的にハードモードだから(絶望)
軍に入隊したらナチ党の活躍を横目に馬車馬のように働いて原作前には【曹長】の能力値200%を目指しましょう。オラッ!
この階級ごとの能力値はイコール育成度の目安で、100%にカンストすると昇進(二等兵から一等兵へは自動昇進)できますが、「選抜を避ける」「能力を隠蔽する」といった行動をしていれば倍まで伸ばすことが可能となります。
はーつっかえ、チートプレイが見たいのに曹長ごときで満足するのかよ?と思ったせっかちなホモの皆さん、落ち着いてください。
ヴァイマル共和国の軍事力にはクソッタレの制限が設けられており、陸軍最大10万人、内将校1500人までという厳しい枠の中で軍を回す必要がある為、下士官の階級を増やすことで指揮能力の維持に努めていたとかなんとか。
しかしゲーム内ではそんな細かいところまで処理されません。准尉(士官候補生を除く)は史実通り廃止されていますが、基本的な階級はそのままに昇進難易度だけを上げる、つまり階級が下士官のままでも能力値は将校並になることで増加されたぶんの階級を再現してるらしいです。
この条件下なのに20代で曹長極めてたら十分チートだから…。
出身地は「ドイツ」だけ入力…でも良いですが、念には念を入れて田舎を選んでおきましょう。ステータスの伸ばしやすさで言えば都市住まいの裕福な家庭に生まれてちゃんと学校に通ってエリート街道まっしぐらが安牌なのは明白ですが、相当酷い初期ステ値を引きさえしなければ叩き上げ軍人として十分活躍できます。
寧ろ地道にやるほうが学歴コンプの伍長の好感度を稼げるので今回のルートではメリット大です。オキニになればぬるっと勲章とか貰える可能性も微レ存。
広告塔になるにあたって容姿は商売道具でもあるのでしっかりねっとり練ります。ヨーロッパとアジアの融合した中性的な顔立ちは女性人気間違いなしです。碧眼はドイツ人から、黒髪は日本人からの共感を強く得られます。
身長は平均ほどに抑えておいたほうが妙な威圧感を与えにくいとされています。驚くべきことにかのムッソリーニはあの威圧感で170cmないらしいです。独裁者こわE
では初期ステの確認に移ります。
育成次第で成り上がれるとはいえやはり目的に沿った初期ステのほうが育成のしやすさが違います。ホモくんにはブレーンキャラになってほしいので【知力】が高いと嬉しいです。
ざっくり言うとAは「神」、Bは「天才」、Cは「得手」、Dは「普通」、Eは「雑魚」くらいの値になります。原作と同じく割と大雑把な計算になってるぽいのでAが出ても慢心してはいけない(戒め)
精神力でEが出ることはそうそうありませんがもし出ればリセ案件です。療養所と呼ばれる4部でもかなり厳しくなります。
はいドン。
【精神力】― B
【体力】― A
【筋力】― D
【技術力】― D
【知力】― D
うおっすっげぇ…。一発でこんな数値叩き出して誇らしくないの?
一見地味ですがWWS的には神引きレベルです。普段は申し訳程度のCとあとはDEとかざらにありますからね。
残念ながら【知力】Dだったものの、【体力】Aと【精神力】Bの組み合わせであるスタミナ特化型も軍人と相性が良いタイプです。それでいてEがひとつもない。素晴らしい…!
幸先が良いですね。希望とヤる気がムンムン♂湧いてきました。
キャラクリを終えるとオープニングへ入ります。主人公の設定によって変わりますが幼少期の記憶や大まかな立ち位置が主ですね。
余談ですが本作では闇の一族に生まれることはできません。開発当初は実装する予定だったものの途中でプログラマーの気が狂っただとかAIがオーバーヒートしただとかそんな噂があります。
オープニングで全部キンクリの案もあるにはあったらしいですが、そうなると育成や好感度上げの存在意義が消滅してしまう為「そんなんつまらんやろ」と却下されました。
1万年でも10万年でも育成し続けられる自信のある変態兄貴姉貴は制作陣に札束ビンタで『覚悟』を示してください。
____第一次世界大戦。未曾有の大戦争がもたらした猛火はヨーロッパの大地という大地をねぶった。
____まだ幼かったモーリッツが帝政の世を知る前に美しい町は破壊され、祖国ドイツが敗れると共に時代はヴァイマル共和政へと移行した。
____男手が不足する中、大人達に混ざって農作業をこなしているとモーリッツは自分の体力が他人よりも優れていることに気付いた。
____歳を重ねるにつれ、彼はその『才能』を荒廃してしまった祖国再建の役に立てたいと思うようになった。
「待ってくれ! 本当に人手が足りないんだ。せめて成人してからでは駄目なのか」
「そもそも軍は子供を受け入れてくれないだろう」
「モーリッツ。母さんはお前まで戦争で失いたくないよ」
【俺は死なない。ドイツをもっと強い国にするんだ】▼
【俺は死なない。ドイツをもっと豊かな国にするんだ】
【俺達は死なない。ドイツをもっと平等な国にするんだ】
____【俺は死なない。ドイツをもっと強い国にするんだ】
____15歳のモーリッツは国軍に志願した。
一体どんな手をつこたんやろか。どんなに熱意があっても彼はまだ15ちゃいのホモガキだゾ!?
そのうえ日本の血が流れています。第一次世界大戦により黄禍論はゴリゴリの再燃を見せたうえ、このご時世、有色人種には強制で人間関係にデバフのかかるクソ仕様です。差別は無課金で遊べる娯楽なので、貧困にアンアン喘がされるドイツのノンケ共にも潤いをもたらしてくれます。人間の屑がこの野郎…
…………。
人種差別撤廃チャレンジ、失敗です(帝国並感)
とまあそこんところはゲームなので。いくら苛烈な待遇を受けようが入隊できたのであれば【精神力】Bの前では些細なことですね。ガハハ!
オープニングで出される質問は主人公の性格やルートに影響する大切な要素で、精神力の高さに応じて強気になったり弱気になったりします。弱気な選択は入隊が遅れる為ステータスの伸びにも影響するので気を付けましょう。
それにしてもイデオロギーが強烈に匂う選択肢でした。踏み絵かな? 特に一番下のものはうっかり現代人の考え方で選んでしまうと主人公がアカに染められるという酷い罠が仕掛けられています。
ナッチッチの元で大暴れしたいなら一番上がベスト。二番目は軍人から転身して政治家ルートが開放されたりします。
さて、ここからは忍耐の試されるステータス上げなので要所だけ残してゴリゴリカットしていきます(視聴者の見やすさを考慮する動画編集の鑑)
ポーズ画面を開くと出てくる『オート機能』とかいうボタンは孔明の巧みな罠なので横着して頼ろうとしないでください。余程良い初期ステを引かない限りオートの成長率だと下士官の昇任試験にはギリギリ合格といったところです。あと結構な確率でイベントを逃します。
18歳、兵長です。(親の顔より見た背景)
散々上官にこき使われたのに動画にはまるで使えなかったんだからせめてステータスは伸びてくれよな〜頼むよ〜。
【階級】兵長 ― 105%
【精神力】― B
【体力】― A
【筋力】― D →B
【技術力】― D
【知力】― D
うーんこの脳筋。んまぁ、一般兵士なんて前線走り回るのが役目だからね、仕方ないね(レ)
とはいえWWS的にはDからBでも十分大躍進と呼べる成長率です。どうせサイボーグになるから筋力はいらないと思いきや、ある程度は機械が補正してくれるとはいえ、筋力値が低いと鋼鉄製の腕が持ち上がりません。
もやしっ子だったホモくんも知らない内に逞しくなって…。顔は18歳らしくまだまだ可愛らしいですね。私はノンケです。
「ほう…。お前が噂の兵長か」
なんだこのオッサン!?
いきなり話しかけてこないでくださる?(国防軍お嬢様)
【はッ、……中尉殿! モーリッツ・ホーデンハイマーであります!】
「俺はルドル・フォン・シュトロハイム。相当できるヤツと聞いていたが、上官の名も知らぬとはァァ〜〜?」
【申し訳ありません、シュトロハイム中尉殿。己の無知を恥じております】
「……ワハハハ! 冗談だ、今覚えればそれで良い」
兄貴ィ!初対面なんだから名前なんか知らなくて当然やろがい! でも兄貴だからゅるすょ♡(手のひらドリル)
この頃だとまだ中尉のようです。原作時点で40歳前後という解釈には私も同意しますね。髪に水分の足りないおっさんってジョセフが言ってた。別に関係ありませんがドイツ人男性のハゲ率は世界でもトップクラスに位置するらしいです。別に関係ありませんが。
シュトロハイム兄貴といえば人種や性別に関係なく勇気ある者には敬意を払う兄貴と呼ぶに相応しい““漢””です。国家への忠誠心は勿論のこと、メキシコで研究の指揮を担える程度の優秀さ、功績を挙げて勲章を欲しがる出世欲、など強烈な性格が見て取れます。
「若くして入隊」した「アジアハーフ」の「ずば抜けて優秀」な共和国軍注目の的であるホモくんはほぼ確実に階級に関係なく兄貴の興味を引くフラグが勃ちます♂
これがあながち冗談でもなく、行こうと思えばガチホモルートへの道も舗装されているのがWWSです。時代は多様性。はっきりわかんだね。
何も恋人にまでなる必要はありませんが、ガチホモルートを整備してしまった影響かブロマンス的関係の調整が難しいので、ひと思いに付き合うのも手かもしれません。
兄貴との無限の可能性に居ても立っても居られないホモ達からアツゥイ!要望があればそれもやぶさかではない(やるとは言ってない)。私はノンケです。
「選抜があると聞いた。若くて優秀なのがどんどん昇進するのは良いことだ…。お前はあっという間に曹長まで登り詰めるッ! と、この俺は既に確信しているのだよ」
【自分には勿体ない御言葉、恐縮であります】
「上官からの激励だ、素直に受け取れい! おっと、俺はまだ用事がある。また機会があればその時はじっくり話をしようじゃあないか」
【はッ、是非!】
____ルドル・フォン・シュトロハイムと【知人】になった。
兄貴からありがたァ〜〜〜い激励を頂いたゾ! さっさと伍長になるんだよあくしろよ。
やってみせろよ、ホーデンハイマー!
何とでもなるはずだ!
____階級が【伍長】になった。
楽勝ですわ。神ステータスで無双するの気持ちよすぎだろ!
これから後輩達をいびり倒してやるのも一興ですがそんな暇あったら勉強してください。シュトロハイム兄貴やもっと偉い人達の会話についていくにはちょっと【知力】Dだとまずいですよ!
下士官になると仕事内容がこれまでとは異なり、せっかく泥塗れになって覚えた育成手順を1から覚え直すという鬼畜仕様がプレイヤーを待ってます。
ただしホモくんのステータスは圧巻の【体力】A【精神力】B!
これは訓練だけではなくあらゆる業務においても役立ち、徹夜作業でのゲージ消費をかなり抑えられます。
噂では日本人または日系人にすると隠し要素として『徹夜バフ』がつくとかつかないとか。社畜兄貴姉貴はやく寝て(懇願)
とにかくステータスをフル活用してドン引きされるくらい積極的に仕事をこなしましょう。あっという間に曹長になれるんダルルォ!?
「おい。小一時間付き合え」
【はッ、どのような用件でありましょうか?】
「また会ったら話をしようと言ったではないか、覚えとらんのかァー!? いやなに、心配せずともお前のところの軍曹に借りると言ってあるぞ」
【お、覚えております。是非ご一緒させて頂きます】
めっちゃ俺様。そもそも士官が頻繁に顔出すのも不思議がられるのに、いきなり借りるぞと言われ「はいどうぞ」と差し出すしかない軍曹もさぞ困惑したでしょう。
シュトロハイム兄貴と知り合うと何度か話しかけられるイベントが発生しますが、その時の育成具合によって頻度や待遇が変わります。ごく普通のペースで進めているとすれ違う時に当たり障りない会話をするだけで終わる為、しっかり誘われていれば少なくとも順調なのは間違いないですね。
おお、椅子が用意されている上にコーヒーまで出してくれました。いいゾ〜コレ。お前、俺のこと好きだろ?(自意識過剰)
これは【人たらし】の性質が効いてますねえ。【人たらし】は原作キャラクターだけではなく、ホモくんを鍛え上げてくれた上官や先輩、同期、後輩など、全ての人間関係を丁寧に構築することで手に入ります。従ってオート機能を使うと取得不可能になってしまうので気を付けてください。
かの田中角栄大先生もこれに属すると言われ、政界や軍部で出世したい場合にうってつけです。
ちなみに似た性質の【カリスマ】は0.01%の確率でオープニング中のテキストで示唆されます。狙って手に入るもんじゃあないので100回リセマラするよりは【人たらし】を代用するのがオヌヌメ。
「まずは昇進おめでとう。お前の優秀な働きぶりを知れば、故郷の両親も誇りに思うだろう……」
【ありがとうございますッ。母には手紙を送りました。休暇には戦死した父の墓へ参り、報告をするつもりであります】
「そうか…。お前を見るに、さぞ勇敢な兵士だったに違いあるまい」
【自分は両親を、父が生まれ母がここに暮らすと決めたドイツを、愛しております】
「ほう。確かお前の母親は日本人らしいな」
BGMが一瞬途切れ、兄貴に腕を組むモーションが入りました。暗にこれから本題に入ることや真剣な話題に切り替わることを指す演出です。初心者がそうとは気付かずに適当な返答をして爆死するパターンが時折見受けられます。
そういえばプレイしているとあまりうるさくないシュトロハイム兄貴に違和感を覚えるかもしれませんが、流石の兄貴も四六時中叫んでいる訳ではありません。
現時点では30歳にもなっていない尉官であり、また勢力を伸ばす
「その優秀さに加えその生い立ち。お前は我が国にとっても、英仏共にとっても『宣伝価値』があるだろうなァァー」
【強いドイツの再建の為には何であろうとやる覚悟であります】
【差別の存在はなにかと都合が良いとは理解しております】
【志願の際、自分はドイツに身を捧げると誓いました】▼
ん? 今何でもするって
どの選択肢も微妙に言葉の裏に含まれた意図が違いますねえ〜。兄貴はホモくんの思想を探ろうとしていますが、流石に一度目の呼び出しでは大して踏み込んだことは聞かれません。
ここで「強いドイツの再建」だとか「差別は(白人社会にとって)都合が良い」だとか、極端なことを発言すると考えなしの迂闊なヤツだと思われるので濁しておいたほうがいいです。そういうことを告げるのはもっと信頼関係を築いてからにしてください。
よって答えは一番下!キミに決めた!(ポケットモンスター 愛国/売国)
【志願の際、自分はドイツに身を捧げると誓いました】
「…………まあ、だから下士官にも志願したんだろうな。そこは士官たる俺も同じよ」
____ルドル・フォン・シュトロハイムの好感度が上がった。
やはり私の読みに狂いはなかった。ご視聴ありがとうございました!
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おまけ
モーリッツ・ホーデンハイマーという男がいる。
未曾有の大戦争にて敗北を経たドイツに残されたのは、荒れた街と死体の山、くたびれた軍隊と莫大な賠償金、飢えた病人や老年寄りに女子供。
続けざまにハイパーインフレーションときては、いくら人手が不足しているとはいえ立ち行かなくなった企業は次々に社員を手放すしかない。
軍は普通、そうした失業者達の受け皿としての機能もあるのだが、今や軍までもが多くの兵を抱える余裕を失っていた。英仏等と交わした条約に則り人員を削減せざるを得ないのだ。
軍を後にさせられた兵や将校達が不満を抱かない筈もなく、彼等の多くが現在『ヴァイマル共和国』としての安定を図っている政府に対抗する為のグループを各地で作り上げていた。いつ内乱が勃発してもおかしくなかった。
『ヴァイマル憲法』それだけを見れば実に先進的で平和的なものではあったが、まだ20世紀も始まったばかりの世界には早すぎたのである。
随分すかすかになってしまった現役将校や政治家が四苦八苦しながら国を維持する中、彗星の如く現れたのが彼────モーリッツ・ホーデンハイマーなのだ。
「末恐ろしいな…。昇進させればさせるほど、いや、寧ろ昇進が追い付いとらんぞ」
「時代が違えば英雄でしょうに。残念ながら今のドイツでは……」
「おい迂闊だぞ。お前の上官が俺で良かったな」
「あッ、申し訳ありません。失言でした」
彼の上官と、その上官に、更にその上官…と幾人もの人間が彼の異常な成長速度について議論していた。
恐ろしいのは軍人としての才能だけではない。黄色人種──それもあのイギリスとどういう訳か同盟を結んでいた日本だ──との混血という生い立ちや、まだ10代という若さをものともせずに、するりと相対する者の懐に滑り込んでしまうのだ。
これを誰彼構わず、つまり無意識的にやってのけてしまう天性の『才能』が持つ可能性に、彼の上官達は震えた。
敗戦により国の在り方を歪められるのは酷く屈辱的ながら、皆それでも祖国を愛している。そこに突如として浮かび上がってきたひとつの可能性に、何か希望を抱いてしまうのも仕方ないだろう。
「しかし『英雄』か……案外今のドイツにこそ、新たな『英雄』が必要なのかもな。このまま国を腑抜けにさせてはならん」
「…………あいつをそうするつもりですか? 軍が力をアピールするのは、何と言うか……英仏を刺激しそうですが」
「いやなに、単なる俺の願望だ。実際やるにしても、まず
脳裏では活気を取り戻した国の姿を思い描きつつも、所詮は夢物語に過ぎないだろうと断じていた。あの青年がそうであるように、彗星の如くドイツに現れ、より強さを、より力を求め、
「ウーム、成人したと聞いたが……俺にはそう変わったように見えん!」
「皆に同じことを言われます。日本人と言っても半分だけですし、自分のほうこそ他との違いがわかりませんよ」
納得いかない、といった風に眉をひそめているのに、やはりどこか柔和な雰囲気が漂っている。ぐいとブラックコーヒーを喉へと流し込む姿も、中学かそこらのティーンエイジャーが格好つけているように見えて、危うく溢れかけた笑いを飲み込む。
彼の幼い、あるいは『中性的』とも受け取れる顔立ちと、筋肉が発達してかなりマシになったとはいえ華奢な骨格は目立つ。
長いこと男社会で生きていると、そのうち少なくない数の者が「もう男でも構わない」などと言い出すので、そういう苦労もあるのかもしれない。
「ヌハハハ、俺からすれば贅沢な悩みだ。褒め言葉として受け取っておけ」
「大尉殿こそまだ31ではありませんか。十分若いでしょう」
「……今はな」
戦争の影響は未だ色濃く残されている。女に対して男の平均年齢が高く、
寧ろ目の前の彼こそ早く結婚してしまえば良いのにと思う。明らかに伍長のやる量ではない激務を機械的にこなす姿に、彼の直接の上官達は感心を通り越して恐怖さえ覚えているようだ。
しかし以前「どんな仕事人間でもひとたび守るべき家ができれば多少は落ち着くものだ」と話した際、ぴくりとも表情を動かさずに「ドイツと結婚する」と断言するような男では望み薄か。シュトロハイムとて同じことを上官に言えるだけの愛国心を抱いているが、あまりにも真剣な声色に思わず苦笑いしたものだ。
ホーデンハイマーが志願した1923年のドイツといえば、フランスによるルール地方の急な占領により凄まじい混乱に見舞われていた。つられて巻き起こったハイパーインフレーションをどうにか沈静化したは良いが、これからもずっと連合国の──特に横暴な
それが決意を後押ししたというのもあり、彼の祖国への思いは並々ならぬものがある。もはや国軍に入ったのが不思議なほど強烈で、所謂“反体制”めいているのだ。
周囲にはうまく隠しているようだが、こうして何度も私的な時間を共にするごとにその胸の内を匂わせるようになっていった。シュトロハイムは咎めるどころか「あなただけだ」という言葉に気を良くしており、士官にあるまじき体たらくだ。
しかし、あくまで彼は自分を慕って何度呼び出しても応じてくれるだけだし、
「ところでお前、全然隈が治っておらんではないか」
「徹夜のできる若い間に詰め込んでおくんです。大尉殿も好きでしょう、出世」
「限度があるだろうと言っておるのだ! そうまでせんでも出世できる実力が十分にあるではないか!」
「ああ、まあ…………仕事もやってますが、下士官になって勉強も始めたので、そのせいですね」
辛うじて敬語ではあるが、外でのきびきびとした印象とは程遠い緩んだ声色が返事をする。寝不足の象徴を滲ませる瞼の中には充血した眼球が埋め込まれており、背中を丸めて腰掛ける姿は彼らしからぬ無防備さであった。
美しい顔立ちが台無しのそれを今更問い詰める気もない。厳格に振る舞う彼が他人に甘えるなど、意外すぎる一面を自分だけが知っている事実に妙な優越感すら覚える。
しかしながら、ただ甘えているだけであれば秘密にしてやるとしても、不健康なのは頂けない。優秀な下士官が死にそうなのを最も喜ぶのは敵国である。
「己の体調を管理するのも仕事の内だ。勤勉なのは結構だが、引き際を知らなければいずれ滅びる」
「……はい……肝に銘じます」
「素直でよろしい」
一応叱ったつもりなのだが、彼はほんの一瞬だけ嬉しそうに笑って、慌てて隠すように表情を引き締めた。
貧困や片親など今時珍しくないものの、その中でもひときわ異彩を放つ彼に魅せられてしまったのか、随分と依怙贔屓にした自覚はある。父親というほどの年齢差はないが、年の離れた兄ぐらいには思われているのかもしれない。
ふとそんな考えが過って、それも悪くないと思う。彼はいつも奇妙なくらいシュトロハイムの望む答えを出すので、そのたびに評価は上がり続けるばかりだし、共に過ごす時間がますます心地良くなっていくのだ。
ホーデンハイマーの思想の全容はまだ掴めていない。いつか全てが明らかになったとき、彼等は決別するのか、あるいはより強固な繋がりを築いて躍進するのか。
このまま生温い『平和』
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ZWEI
順調に兄貴との逢瀬♡を重ねていますが、徹夜をしすぎると怒られたりします。次からはバレないようにヤりましょう。これは虐待じゃないから、育成の為だから、ホモくんの為を思ってのことだから!
さて皆様〜左手に御座います日付を御覧ください〜(バスガイド先輩)
1929年 10月24日
本 日 は 暗 黒 の 木 曜 日 で す 。
あーもう(株価)めちゃくちゃだよ。みんな大好き世界恐慌、もう始まってる!
以前から景気が怪しい雲行きの中、ついに1145141919株が売りに出される大暴落が起こり、この日だけで11人の投機家が自殺しています。
政治家や起業家であれば株でちまちま稼ぎつつ、直前に売り払い、暴落した途端さらなる熱い手のひら返しを見せつけて技術力のある企業を買収していくのはもはや鉄板。私もよくお世話になっております。
堅実なホモくんは中途半端な知識しかない株よりも貯金貯金貯金!勉強勉強勉強!と1ミリも触れずに過ごしてました。【知力】Dで株に手を出すのは、やめようね。
しかしサイボーグになったら死ぬほど金かかるのでどのみち死ぬ気で貯めないと死にます。ほら…もし資金足りないからってグレードダウンされたりしたら堪らないし…いろいろな場面で“お願い”するのにも必要だから…。
財団は気前よく資金溶かしてくれるんですけどねえ。資本主義最強!資本主義最強!資本主義最強! わん!わん!(グイード・ミスタ)
たったいま世界恐慌で資本主義の脆弱性が露呈したでしょとか言ってはいけない。
新聞の一面でFXで有り金全部溶かした顔になっている政治家に同情しつつ、ヒトラー兄貴の動向に気を払いつつ、やっぱり育成DA!
【階級】曹長 ― 92%
【精神力】― B
【体力】― A
【筋力】― B
【技術力】― D
【知力】― D →C
ぬわああああああん疲れたもおおおおおおおおん
現在1936年、ホモくん28歳であります。いくらシュトロハイム兄貴のお墨付きとはいえ、10年くらいで二等兵から曹長とかどういうこっちゃ。
(育成のあまりの苛烈さに記憶が)ないです。その割に【知力】がCになっただけかよと落ち込みそうですが、そんな簡単に【知力】がDからBとかに変われたら政治家も学者もいらないのでこれでもかなーり頑張ったほうですね。
疲労に関しては安心の【体力】A【精神的】Bのホモくんクオリティ、まるでダメージを受けているように見えない。…これならもっと酷使しても大丈夫そうだな!
3年前にユ虐おじさんが首相となってからは何かと慌ただしかったです。やったねユダヤ!おうちが見つかったよ!
『全権委任法』という名の石仮面を被り
以前紹介した【カリスマ】の性質は何気にというか当然というか、ステータスを調べるとヒトラー兄貴も持っていることがわかります。一部海外ニキの間では物議を醸したようですが、ジョジョの【カリスマ】代表がDIOなあたりから見ても、寧ろ『悪』であるほうが輝く性質と言えます。
先駆者兄貴のプレイでは【カリスマ】の主人公がいつの間にか教祖として祀り上げられ、最終的に信者がテロを起こして水族館にブチ込まれてました。それからはエルメェス兄貴姉貴に婚約を取り付けようとするアナスイ及びマックイイーンプレイと化しメチャ=オモロなので是非視聴して、どうぞ(ダイマ)。
そんな【カリスマ】にあてられたのかやっぱりシュトロハイム兄貴はナッチッチにお熱みたいです。これまでの選択肢的にホモくんもお熱は確実なので、二人は相変わらず密室♡でアツゥイ!語り合いを通して絆を深めて♂います。
なお、これからは総統閣下に取り入らなければならないので暫くはそちらに心血注ぐことになりますが。精神NTRに脳が破壊された視聴者兄貴姉貴の屍を越えてイキますよ〜イクイク…。
【御省の要請を受け参りました、モーリッツ・ホーデンハイマーであります】
「宣伝大臣のヨーゼフ・ゲッベルスだ。ホーデンハイマー君、
【はッ…………ええと、それはどのように……?】
「その場でゆっくりと一周してみせてほしい。いや待て、先にジャケットを脱いでからだ」
なんだこれは…たまげたなぁ。
あ…ありのまま、いま、起こったことを話すぜ! 俺は宣伝省に呼び出されたので重要イベントきちゃあああ!と喜んでいたら変態プレイが始まった。やっぱりホモじゃないか(歓喜)
野獣の眼光を突き立てるゲッベルス兄貴と、困惑をありありと浮かべながらも大人しく従ういたいけなホモくん…。いくらホモくんが男の子なのに可愛いからって早まるなAI。駄目だ。この流れはレーティング的に駄目なやつだから。
数ある中から本小説動画を選んだ視聴者兄貴姉貴の一部は既にご存知かと思いますが、彼はドイツの近代史に(あまり良くない意味で)名を残している人物です!
WWSでは史実通りの性格から更にジョジョナイズされています。ソ連でベリヤが史実以上にベリヤしていることを鑑みると、ゲッベルス兄貴が気色悪い美への拘りを強化されている程度、まだマシな部類なのが酷いですね。おまわ…………こいつが
そして見ての通りネームドのCGモデルは再現率がジョジョキャラ並に高く、当然ヒトラー兄貴やムッソリーニ兄貴も完全再現されている為に一部の国では発禁となっています。なお、発禁の筈のドイツでも売り上げが出ているもよう。妙だな…。
ちな日本ですが天皇陛下は徹底して名前が出されず、そもそも滅多に登場はせず、運良く
「素晴らしい。入隊時の写真は良いが、どのように成長
【満足頂けたようで何よりです】
「ああ、オリンピックの広報モデルとして申し分ないよ」
【…………申し訳ありませんが、今、なんと? オリンピックのモデル……自分が? 何故でしょう?】
「しっかり聞こえているじゃあないか。軍人が芸能人の真似事など、馬鹿らしく思うかもしれないが、これは必要なことだ。今後のドイツに、君という極東への繋がりが齎すものがあるのだ。ドイツを愛しているか? まさか、断るとは言うまい」
【それは勿論です。愛する祖国の為とあらば、いかなる任務であれ、謹んでお受け致します】
急にキレのいい返事してて草。ホモくん愛国心持ち出されると弱いから…。少年期の写真とかいろいろ資料に目を通しているっぽいし、さてはコイツ知ってて聞いただろ?
そうでなくても抽象的ながら感情に揺さぶりをかける言葉を多用する手段はナッチッチにおいてよく用いられます。プロパガンダには気をつけよう!(ゆうさく)
ゲッベルス兄貴は総統閣下と食事をする程度には交流があるので積極的かつさりげなく媚を売ります。彼の拘りは全肯定のスタンスを保ちつつ、世辞と勘付かれないよう時折議論する形式をとってください。
また史実よろしく【神経質】【頭脳明晰】【雄弁家】【自己愛】【コンプレックス】などの性質を持っています。うーん、ジョジョキャラにも引けを取らない精神の歪みっぷりと濃厚さ。とにかくマジリスペクトしてます感を欠かさずアピりましょう。
基本的に冷淡ですが、自尊心をくすぐられると内心めちゃくちゃニヤニヤしながら恩を売ってくるので、中国人も呆れて尖閣諸島を狙う気力がなくなるくらい爆買いしてやります。[検閲済]、お前のことやぞ。
「
____『台本が存在する』。ゲッベルスが言外にそう告げたのを、モーリッツはほぼ正確に理解した。
これからオリンピックへ訪れるだろう重要人物を記憶したり、宣伝として有効そうな演出はないか、またそれがホモくんに実行できそうか話し合っていきます。
ついでに【雄弁家】のゲッベルス兄貴から喋り方についてのアドバイスを手取り足取り腰取り仕込んで♂もらったり、「オリンピックの為」という大義名分がある内に彼の技術を搾り取れるだけ搾り取って♂おきましょう。
オォン!アォン!(発声練習)
重要人物リストは……あっ、ふーん……
日本人が多いのは今後の外交に関わるのでともかく、やたら女性が目立ちますねぇ。遠回しにハニトラしてこいって言ってるようなもんやんけ!
宣伝省から戻ったらさっさと寝て任務の為にコンディションを整えましょう。夜の10時から2時はお肌のシンデレラタイムよっ☆ミ(その時間までに仕事を終えるとは言ってない)
オッハー!(さりげなくひと月経過)
例の如くシュトロハイム兄貴のティーパーティーへ行きます。んまぁ用意されているのはティーではなくコーヒーで……いや、もう最近はホモくんが言えば紅茶でも酒でも何でも用意してくれそうな熱愛ぶりですが。ホモ……紅茶……うっ、頭が…
「お前とこうできてやっと休んだ気になれるわ」
【互いに忙しくなりましたね。国が活気を取り戻したのは良いことですが】
おひさしブリーフ♂
かなりの場面をカットしてるので全く会う頻度が減ったように見えませんが、実際は以前よりも間隔が空くようになりました。シュトロハイム兄貴だけが唯一のジョジョ要素なのキツイ(本音)
「それに聞いたぞォ、このところ、やたらと宣伝省に出向いているらしいじゃあないかァーッ!? 俺は全く知らなかった!」
【はい、実は大役を頂きまして。最近互いに忙しいことも相俟ってシュトロハイム殿に伝える機会がなく】
「ああ、そう、そうなのだよ。国防を担う身に任された仕事を容易く言い触らせとは言わんが……お前と満足ゆくまで話すのに、ほんの1時間程度では全く足らん! 俺が……いや、お前が俺と同じ士官であればと何度考えたことかッ」
【ウーム。魅力的でありますが、それでは熱中のあまり任務に支障をきたしそうです】
「成程困った。それはいけない」
何を見せられてるんでしょうか。実は曹長になってからというものの毎度毎度この調子です。でもジョジョ特有のブッ壊れ距離感を基準にすると同性相手にこれでも原作に遠く及ばないって、マ?
やたら行動を知りたがる兄貴、束縛メンヘラ男のにおいがプンプンしますよ〜。付き合ってもないのに彼氏ヅラしてると嫌われるゾ……と普通は思いますが、何しろ相手は男に「こいつは妹みたいなもんだから(笑)」と言わせつつ彼女のいないところで““メス””を醸し出してかっさらっていくタイプ(やたら具体的)の小悪魔ビッチ♡ホモくんなのでモーマンタイ。
呼び方も階級から名字にぬるっと変更するあざとさを見せつけてくれています。そう貶しながら、実際やられると無駄な期待を抱いてしまうのが悲しきオスのサガでしょうか。
一見接点のない士官と下士官が明らかにおかしい頻度で話し込んでいると、当然ながら国家に対する謀略を疑う上層部が出てきます。こそこそやってれば一定の確率で発覚を逃れられますが、同じく一定の確率でバレるうえにバレると上層部の疑心が跳ね上がります。
二人は堂々と会っていますが建物は軍、ひいては独裁者である総統閣下の所有物なのでどっちみち盗聴されているに違いありません。
プライバシー…? なんスかプライバシーって?(ファシゆき)
本当にクーデターを計画していたら完全にゲームオーバーですが、二人の場合は濃密なドイツマンセーとイチャイチャ…。これをひたすら洗脳のように傍受させられる身にもなってみろ。お前もホモにならないか?(上弦のサッー!)
入隊からもう10年も経っていますが、未だに盗聴されているとして、ナニをどう報告してるんでしょうか。何にせよ熱心な支持者であると伝わってれば構いません。本人のいないところで悪口言う奴よりも褒める奴のほうが信頼できるってそれ一番言われてるから。
「お前が実力に適った評価を受けているのは喜ばしい。そうだな……どれ、当ててやろう。今、宣伝省が与えるような、お前が『大役』と呼ぶほどの任務…………オリンピックに関わっていても不思議ではないなァッ!?」
【ははあ〜……流石ですね】
「何? まさか合っていたのか。いや確かに、先に控える重要な行事といったらそれしかないんだが……とんでもない話だ」
【我ながら、本当に】
「退役したら自伝でも出してはどうか?」
独裁政治でさえ年功序列や慣例というものは無視できませんが、権限がたった一人に集中しているぶんどんなトンデモ人事だろうが、独裁者が「良い」と言えば多少の無理は通せてしまうのが独裁のメリットにしてデメリットです。権力の過集中は諸刃の剣、はっきりわかんだね。
諸刃だろうが豆腐だろうが使える内は徹底的に使います。音速で投げれば人殺せるから…(力こそパワー)
国を挙げて推し進めているオリンピックとなれば多少なりとも関わることは必須の総統閣下から、一体どんな評価を得られるかはこれまでの努力次第です。しかし第二言語として英語を、第三言語として日本語を勉強してきたホモくんに抜かりはありません!
翻訳を介さずに““生””の言葉を交わすというのは人心掌握において重要なポイントです。ドイツ語と同じくゲルマン語の派生である英語ではなく、文法も発音も全く異なる難解な日本語ともなれば尚更。
敢えてペラペラではなく辿々しさが残る程度に抑えてあります。見慣れない西洋人ながらどこか東洋の面影もあり、拙いながら自分達の言語を話そうと一所懸命に試みる美男……勝ったな。日本国民のハートも鷲掴みよ。心置きなく同盟を結んでくれ。
それ以外の学問においても後に必要となるであろうジャンルを重点的に学習させているので、これには総統閣下もニッコリ。一度直接対面できる機会さえあれば必ず気にかけさせる自信がありますねぇ!
えーそれでは少々
____1936年8月、ベルリンオリンピック開催。
____この約2週間に渡る祭典で、聖火リレー、テレビ中継、記録映画など、現代にまで続く新たなオリンピックの歴史が始まることとなった。
____モーリッツは常に指示を受けられるよう、『護衛』の名目で演出の指揮を取るゲッベルスの側をついて回った。
Foo↑楽しぃ〜
ナレーションでも触れられていますがやはりこのベルリン大会はオリンピック史においてかなり重要なポイントですね。聖火リレーなくしてオリンピックは始まらないというのに、今後はポリコレ的なあれそれで「聖火リレーは
そしてホモくんにとっても重要になるのが残りのふたつ。オリンピックを会場外でも観戦できるとあればかなりの国民が注目している筈です。ゲッベルス兄貴の働きにより当時のドイツはラジオが死ぬほど普及していますが、やはり映像付きのほうが盛り上がりますし、印象にも残りやすいですし、子供や耳の遠い老人も見ることができます。
まずは裏方での『良い話』を新聞や雑誌でやや大袈裟に取り上げさせ、今度は表に出て観戦しつつ、選手(十中八九日本人)と何らかの方法で接触させたところをテレビで放送する…。という感じのマッチポンプをやるつもりでしょう。
その為ホモくんはオリンピック中の約2週間、わからないようにうす〜く化粧を施され、いつでもどこでも撮影されていいようにスタンバってます。
「キャア!」
【っと。怪我はありませんか】
「ええ、おかげさまで、ありが…………」
【……どうしました? やはり挫いてしまわれたのでは】
「あ、い、いえッ! 違うの、どこも痛くなんてないわ、立ってちょうだい」
____ある通路。小綺麗な身なりの女性が
【良かった。せっかく我が国へ訪問して頂いたのに足を挫いては楽しみも半減しますから】
「まあ、夫を連れていないのに、よくご存知ね」
【勿論ご主人のことは存じております。夫人のことも覚えていたのは、きっと貴方の姿が強く印象に残っていたのでしょう】
「軍人さんなのにお上手ね、お仕事はよろしいの?」
【上手? ええと、手洗いから上司の元へと戻る途中だったんですが、まあ……つい、少しばかり寄り道を】
「ウフフ、気持ちはわかるわ。それじゃあ早く戻らなくっちゃあね。余計に引き留めてごめんなさい、ありがとう」
【お気をつけて】
____モーリッツと軽く20以上は離れているように見える女性は、フランスから訪れた政府高官の妻であった。
____会話の途中、どこからともなく鳴ったシャッター音は付近の雑音に紛れ、誰も気付かなかったようだ。
①鍛えられた逞しい腕でしっかりホールド。間髪入れずに容赦ない顔面偏差値で殴る
②心配して足首を見ようとしゃがむ王子様ムーブ、しかし無闇に女性の足には触れない紳士ムーブとの二刀流。ついでに上目遣いの可愛さで殴る
③どこか思わせぶりな言い回しのあとに迫真のすっとぼけ。天然無自覚鈍感主人公臭で殴る
鮮やかな犯行である。ホモくんさぁ…いくら台本があるとはいえなんだか手慣れてない? これも【人たらし】ゆえか?
言うまでもないかと思いますが、女性が躓いたのは床の段差などではなく、ぬるっと後ろを通りすぎていった男がわざと足をかけたせいです。
似たようなヤラセをあと何度か繰り返すと思われるものの、今の女性が『フランスの政府高官の妻』というかなり当たりの部類だったので、記事になるのはこれの可能性が高いですね。
ユ虐に明け暮れるナッチッチは既に他国からの評判が悪く(お前らもやってたやろがい)、中でもフランスは第一次世界大戦、ヴェルサイユ条約、ルール占領、ベルリンオリンピックのボイコット論など、ドイツ国民の不満がより募っている国です。
また、開会式においてフランス選手団が行った右腕を斜めに掲げる『宣誓の敬礼』を
まず仏さぁ…パリあんだけど…焼いてかない?(豹変)
____隅々までオリンピックに染められた紙面の一角に、ある記事が載せられた。
____各選手のメダル獲得を祝福するそれよりもやや控えめな規模であるが、写真の中で薄らと笑う男の美しさに、多くの読者が目を留めた。
____強さ、賢さ、美しさ、そして対立する国の者であっても敬意を忘れぬ志を讃えるその語り口に、国民は優越感、自尊心、愛国心を掻き立てられた。
「ド素人と言う割に結構やるものだ」
【独力では到底無理でした。どれも御省の力添えがあればこそ。特に大臣から直々に鞭撻頂けたことは強く胸に残っております。また自分が必要とあらば是非、何なりと……】
「君には本当にあらゆる才能があると思っている。称賛は当然のものであって、世辞で返す必要など断じてない」
【世辞では、ありません…………しかし
「…………別に構わない」
ンッン〜、ゲッベルス兄貴のハートをバッチェ掴んでいますよ〜。
「
もうビンビン♂に意識されているに違いありませんねクォレハ…。兄貴白状しろよ、好きなんダルルォ!?
こんなに顔が可愛いうえにヘルクライムピラー(暗喩)が
需要ないので残念でもなんでもありませんが史実ネームドとは【恋人】になれないみたいです。ただこれは原作で既婚のキャラクターも同様らしく、数多の承太郎ファンが死にました。
救済措置(?)として【愛人】にはなれるもよう。基本的に難易度は激ムズなものの、どこぞの帝国軍人は貞操観念も機密保持もガバガバ♂なので美女なら情報抜き放題です。あのさぁ…
こうしてワクワク☆ドキドキ!オリンピックはまだ続く!本日もご視聴ありがとうございました!
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DREI
ドーモ、シチョシャ=サン。ハシラスレイヤーです。
前回人知れず起きた筈の善行が『偶然』メディア関係者に目撃・撮影され、その心優しい軍人が『偶然』人一倍に見目麗しくあったので、オリンピックムードに酔う国民から多大な注目を浴びることとなりました。
かーったくしゃーねーな! 軍人の容姿なんて重要じゃないけど勝手に注目集めちゃったんだもんなー、かー!
また予想通り素晴らしい成績を残して競技を終えた日本人選手と『偶然』鉢合わせ、やや興奮したように褒め称えていたところを『偶然』激写されたりしていました。そんな風に、どのイベントも絵面が似たりよったりなので全カットです(無慈悲)
正直たかがイケメン一人にここまで盛り上がれるか?と聞かれると……ナオキです。現代日本で言うところの、ハシカンが発掘されたときのような事態になってると思っといてください。もうあっちこっちに引っ張りだこよ。
それでも不安を感じるアナタ!
流行らせコラ!(迫真のプロパガンダ)
記事をすこーし紹介しますと、ホモくんは顔だけの男ではないと述べつつ、「世界は人種差別とかやってるけど先進的な俺達は半分アジアンでも適正に評価してやってるぜ!」的な返って差別意識が滲み出ているアピールをしてます。
すごーい!どんな時代もドイツは多様性に配慮した自由な社会なんだね! ユダヤなんて始めからいなかった、いいね?
「キャアーッ、見てよパトリッ……パトリシア♡ オリンピックの子よォーッ♡」
「ヒュウ、かっこいいぜホーデンハイマー!」
「オイオイやめてやれよォー」
さて、無事オリンピックも終え、同僚から飛び出すやけに野太い黄色の声や冷やかしを浴びつつ軍畜に戻ります。
しばらく進めると日独防共協定が結ばれ、オリンピックのあれそれも記憶に新しく、両国民にはどこか友好ムードが漂い出します。国↑交↓
数年後、
【大臣、おはようございます】
「おはよう。先日の任務だが、君に任せて良かった。日本からの反応も好感触だ」
【恐縮であります。そして件の協定……個人的に、喜ばしく思います。任務の為ではありましたが、彼等は人柄も良く、また会いたいと思わされる者ばかりでしたので】
「そこを踏まえると、やはり君の存在はより重要になってゆくだろう。何しろ新聞を御覧になった総統閣下が君について詳しく尋ねられたほどだ」
【はッ…………ええ?】
ファッ!? ウーン…(心停止)
「私は総統閣下へ君がいかに異彩か、優秀かを伝え、最後にこう付け加えた。“しかしながら、こんな文字の羅列を読むよりも、直に接したその時こそ、最も恐ろしく感じるのです”」
【光栄な評価でありますが…………総統閣下は何と?】
「“
【それはつまり、会う、のですか!?】
「ああ、今晩私の家で党幹部も集まる会食がある。そこに君も呼べとのことだ」
【『今晩』『大臣の家』ッ!?】
ヤダ♡ いきなり家に誘うなんて大胆♡ 一回急な任務受けたからって彼氏面しないでよねっ!
まさかこんな早々に総統閣下と会えるなんて、入隊時まだ未成年だったホモくんの人権も道徳も、情操教育はガン無視で育成した甲斐がありますねぇ! そこのお前も俺の精神注入棒♂で立派な軍人にしてやる!(鬼教官先輩)
早速ばっちりおめかしして性界の重チンが集う夜会♂に、イグッ!
____夜だ。正装に見を包んだモーリッツは、宣伝省大臣ヨーゼフ・ゲッベルスの自宅にいた。
____驚くべきことに、姿を現したアドルフ・ヒトラー総統はモーリッツが名乗るのに先んじて、僅かに笑みをたたえて歩み寄り、右手を差し出した。
____モーリッツは内心困惑しながらも、敬礼に掲げていた右手を降ろし、それを取るしかなかった。
「
【は…………はッ! 本日は総統閣下のお目にかかることができ、誠に光栄です!】
(総統閣下のカリスマに)溺れる!溺れる!
ヒョッ、ヒョエ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ。恐ろしく素早い先制攻撃、俺でなきゃ見逃しちゃうね。えー皆さん、今の恐ろしさがわかりましたでしょうか?
①ホモくんのターンを一切与えず先制してアクションを起こすことにより、意表を突き心理的な隙を作り出す。
②形式ばった『敬礼』に対し『握手』と『微笑み』で返し、一兵士に過ぎないホモくんに総統相手に砕けた対応を取らせる。
③畳み掛けるように名を呼び、総統自ら覚えているアピール。二重に名乗ることを避ける為、ホモくんは本来すべき自己紹介を飛ばさざるを得ない。
④結果的にホモくんは『無礼』な振る舞いをせざるを得ないも、
つまり「ずっと俺のターン!」です。【人たらし】など圧倒的上位互換の【カリスマ】相手には為す術もなく、完全に向こうのペースに乗せられています。
とにかく相手を振り回し、感情に訴え、冷静さを取り戻させず、二人の『初対面』の瞬間において総統閣下は1から10まで主導権を握りました。厳格なイメージの『独裁者』が見せる、おおらかで親しみのある一面につい親近感を覚えれば、既に貴方は相手の術中です。
____ヒトラーは鋭い眼差しでモーリッツを見詰めた。暫しの沈黙の間、モーリッツは息を詰まらせていた。
「ベルリンオリンピックは、実に素晴らしい祭典だったと思わんかね? 我が国の誇る優秀な選手達……此度協定を結ぶに至った日本が見せた奇跡……華やかな演出と国民の熱狂ぶり……そして、君という存在をいち早く知れたこと」
「無論、君の優秀さを聞くに、いずれは私の元へその名が届いていたであろう。しかしほんの1秒でも『早い』というのは、それだけで価値がある。軍の戦略においても同じではないかね?」
「その点、君のずば抜けた成長速度には、期待している」
【あ、ありがとうございますッ。精進致します!】
す、すげえ、圧巻のセリフ量だ。やたら早さにこだわるあたり美大落ち先輩走者説もワンチャン…電撃戦とかやるくらいなのであながち否定もできませんね…。迫真のユーラシア征服RTA見たけりゃ見せてやるよ(震え声)
えー、ご本人の写真を見てもらえばわかるように、総統閣下は軽く夢に出てきそうなくらい目力が強いです。あの目にじっと見られるだけで心理に影響を及ぼすとかいうファッキンチート、天性の才能、野獣の眼光、なるべくして独裁者になったとしか思えません。
更にゲッベルス兄貴と同様に、詩的な表現を多用したり身振り手振りをふんだんにつけたりと、常に演説でもしてるのかといったキャラクターに誇張されてます。
さっきから押されてばっかじゃあねーか!と焦るホモもいるかと思いますが【カリスマ】にも【人たらし】の効果は普通に出ます。ただ下位互換なので確定で先制を取られる為に今すぐ効果を期待するのは厳しいですね。
しかし今夜を機に総統閣下の会話や振る舞いを覚えたホモくんは、これからすっとぼけながら鈍感無自覚に好感度を稼いでいくでしょう。これは百戦錬磨の頼もしいビッチです。
「さて、まあ、寛いでくれたまえ。誰も
【はい! あっ、いえ勿論、今夜一番の楽しみは総統閣下とお会いできることでした】
「フ、私も食事は好きだよ」
____ヒトラーが少しだけ笑ったのを見て、その場にいた幹部達が思わずといった様子で一瞬体の動きを止めた。
か゛わ゛い゛い゛な゛ぁ゛ホ゛モ゛く゛ん゛
ま、まばゆい…。親に向かってなんだそのキャワユイはにかみ笑顔は!! ついごはんが楽しみで元気良く返事しちゃったみたいな雰囲気を醸し出されたら、そりゃあもう…おじさんゆるしちゃう♡
美味しいヤミー!感謝感謝!(
クッソ素晴らしいたらしテクニックでございますね。【カリスマ】とかいう完全な格上には取り入ろうだとか下心は持たず、ひたすら尻尾を振りまくりましょう。クゥーン…(子犬) はなから総統閣下と対等に渡り合うつもりもないので、存分に利用されつつ無邪気なイッヌとして可愛がられておくのが最も有益です。
政治家プレイであれば【知力】の育成を重点的に行っている筈ですので、打算的な行動を取れますし、取るべきですが。
この場では向こうから『職務外』であると明言してくれましたが、今後任務を言い渡されるようになっても総統閣下に笑ってもらえるようになるにはここでソートー頑張らなくてはいけません(激ウマギャグ)
人種についてはちゃんと成果を出していれば大抵の上官や政治家はとやかく言うことはないと思って良いです。
大抵のヨーロッパ人にとって日本人とは遠く離れた国の『よく知らない生き物』でしかなく、実害がない内はそこらへんのユダヤ人のほうが強火で中までじっくり焼かれます。焼かれるユダヤ人はたまったものではないでしょうが。
なおアメリカで日系二世などとして生まれると、ほんへ中に仲良くしておけば財団が匿ってくれる可能性もあるんですが、ニアミスで収容所にブチ込まれるパターンも多いです。
んにゃぴ…ドイツが至高ってはっきりわかんだね。友情は裏切らない!(地獄を見ないとは言ってない)
イタリア「…」
これを逆手に取るとプレイヤーは『有能』と『無能』を選別して人付き合いを進めることもできます。
ガチ有能はどんなに相手が嫌いでも利益になるのであれば丁重に扱いますし、ガチ無能は好き嫌いの感情でしか物事を推し測れません。
そして現代日本のように大学が飽和なんて贅沢な国は存在しない為、当然ながら低学歴より高学歴なほうが合理的な判断をする傾向があります。そら中卒でもイイヤツはいますが、ゲーム的に彼等と長く付き合うメリットがあるかというと……そこになければないですね(ダイソーの店員)
総統閣下の学歴?…………もしもし?ゲシュタポ?
偉そうに高説垂れましたがとりあえず権力の犬になりましょう! 富と地位と名声さえあればプライドは捨ててヨシ!
ホモくんとナチ党の長い
特に見所さん!?もなくやや思想の偏ったクイズコーナーにひたすら答えるだけなので。ゲーミング再教育キャンプとか言われてて草生えますよ〜。
「な、何ーッ!? そ……総統閣下と会食だとォォッ!?」
【自分もまだ夢のような気がしていて……】
オホン。えー、現代に至っては開催されるだけで兆規模の経済効果を齎すオリンピックの起源が韓国にあることは、人権先進国の国民であれば誰もが知っている常識である。
その証拠として、4世紀中頃に造られた高句麗古墳に遺された『
例の如くシュトロハイム兄貴とオリンピックでの任務や総統閣下との会食の話を交えつつ
そう、ご存知、メキシコへの赴任です。
もはやサンタナを運び込む以外の用途がわからないあの実験設備が、愛着湧きすぎて大人になっても捨てられないぬいぐるみくらいボロボロのゴミカスにされたドイツにポンと建てられるわけないんだよなぁ…。馬鹿野郎お前俺は再軍備するぞお前!(ヴェルサイユ条約違反)
いくら体裁を整えようが中身はゴリゴリの軍事研究施設なので、総統閣下が権力を掌握してからガッツリ建設を始めることになります。
ローマの地下でおねんねトリオは2部ほんへの数年前にはもう発見している描写がありますが、大西洋を隔てた先のメキシコで、四六時中
(財団は全てにおいて““
アメップさぁ…そのガバアスはなんだい? もっと固く括約筋を締めるべきだよ(モンロー主義)
そういう事情もあるのか、原作ではどうだったのか知りませんがWWSにおいては早めに赴任させると独軍ルートからマジでジョジョ要素が消滅するので結構ギリギリの任命となります。
整合性は考えるだけ無駄……ってコト!?
兄貴が赴任を言い渡されてからでは遅いです。上層部が決断する前に「シュトロハイム兄貴のことが好きだったんだよ!(大胆な告白は女の子の特権)」「生物学方面にも興味あるゾ^〜(ホモは博識)」と各方面にアピっておきましょう。よってホモは女の子。Q.E.D.証明終了
【シュトロハイム殿】
「ンム? 何だ」
【自分はいつか、このように向かい合うのではなく、シュトロハイム殿の隣に並んでみたいです】
「…………士官になりたいのか?」
あら^〜
いきなりどうしちゃったんでしょうこの子ったら。私は操作してないので現在のルートや好感度を加味したAIくんの判断によるランダムな会話です。抽象的な表現でプレイヤーを惑わせないで!ドキドキしちゃう! だって女の子だもん♡
思わせぶりな小悪魔AIくんですがこれはラブではなくブロマンスに片足突っ込んだだけです。ただ突っ込んでからは好感度ジェットコースターなので、今まで通りにガツガツ稼いでいると気が付いたら【恋人】になってたりします。ダイエットは落とすことよりも落としたあとにキープするのが大切。
ジョジョ作中の
【いえ、階級など何でも良いのです。オリンピックに携われたこと、総統閣下とお会いできたこと……どれも身に余る貴重な経験。ただいつか、できれば一度くらいは、シュトロハイム殿と同じ任務に着ければ良いのにと思います】
「そうだなァー……確かに悪くない。お前がいれば素晴らしい成果を得られそうだ」
【なんだか恥ずかしい宣言を……いきなりすみません。10年以上もの間変わらず良くして頂いて、どれほど感謝し尊敬しているかということを、ふと、伝えたく】
「ワハハハ! 自分から言い出しておいて何を恥じておる! 部下にそう言わしめるなど士官冥利に尽きるではないかァァァーッ!?」
警告なしに大声出すのやめちくり^~。あらかじめ鼓膜を破壊しておいたので事なきを得ました。
会う頻度が減ったぶん遠距離恋愛中のカップルもかくやといった高密度なコミュニケーションが交わされていますね。ま〜だこの部屋の盗聴を聞かされてる人間いるんですかね? そろそろ鬱とか発症しかねないからやめてさしあげろ(良心)
アンシュルスゥ^〜(気さくな
半ば自らケツを差し出しておいて後から手のひら返す嘘つきなホモのオーストリアより、本人不在の場で勝手に売り飛ばされたチェコスロバキアのほうがよっぽど可哀想だと思います。
イギリス「やったねズデーテン!ドイツになれるよ!」
チェコスロバキア「えぇ…(解体)」
ドイツ「おもちゃこわれちゃった><」
兄貴が身を乗り出した体勢のまま、まさにジョジョらしい超絶至近距離でこちらを観察してきます。チラチラ盗み見るしかできない軟弱者のホモとは違い、堂々と真っ直ぐに顔を合わせるドイツ男児の鑑。しかしホモくんの顔には目と鼻と口がバランスよくついている他には何もありません。
「……隈が薄くなったか? ついでに肌も変わった……ようなァ」
【実は最近、勉強量と睡眠時間を調節しています。なにしろ見栄えに気を使えと上からキツく言われるもので】
「同じ『上』でも俺が言ったときは直さんかった癖にな」
【それはその…………申し訳ないです】
バレとったんかワレ!
あれはほら、ホモくんの将来を思って仕方なくやった愛の鞭ってやつだから。結果的に経験も知識もスポンジの如く吸収してくれたし、鬼の速さで【曹長】になれたし、多少肌荒れしようが元から顔面偏差値114514くらいあるんだし、ままエアロ。
入隊すぐのピチピチギャルならまだしも、アラサーは無理して徹夜を繰り返したりせず健康を意識し始めておいたほうが吉。
メキシコで一体どのくらい顔面が吹き飛ぶかは運ゲーなのでわかりませんが、折角ダイナマイトボディをくっつけてもらえるのに顔がゾンビとか、ストレスでハゲ散らかしてるとか、情けない姿だったらかっこつかないので。
ヨーロッパにおけるドイツ同様、どういう因果かアジアにおいて日本のハゲ率は高いどころかトップです。なんで変なとこばっか似てるんだよこの二国。つまり遺伝子的にホモくんもハゲのさだめを背負っています。悲しいなぁ(諸行無常)
余裕があれば腹いせにカーズの髪の毛でも毟っておきましょうか。あんだけ長いんだからちょっとくらいええやろ。お前が殺してきた人間へ償いの気持ちをもってハゲの苦しみを味わえっ!
まったくカーズときたら、自分達が地球上で最も優れた種族と主張し、どんな手を使ってでも欲しい物は奪い取り、それに歯向かう特定の一族を抹殺したがってる、最低な野郎ですよ! なんて残酷なんだ、許せねえ! それが知性を持った生物のすることか!
「ああ、クソ……もうこんな時間だ。どうにかお前が上に頼んで同じ任務に就けないものか」
【無茶言わないでくださいよ。こちらから言い出しておいてなんですが、あくまで国の為ですから、実力で選んで貰わなければ困ります】
「…………実力で選べばどう転んでもお前だろうが。まぁ、優秀すぎると却って振り分けづらいのかもしれんな」
【自分が頼むよりは、シュトロハイム殿が大きな仕事を貰った際に、推薦か何かで随伴させて頂くほうがまだ可能性がありそうですね】
「簡単に言ってくれる」
やっぱ…率直に褒めて伸ばしてくれるルドル・フォン・シュトロハイムbotを…最高やな!
んまぁそう…しがない【少佐】の自分に対して【曹長】のホモくんが注目を浴びまくっていることへの嫉妬心みたいなものもないとは言い切れませんが。勿論ナイスガイの兄貴は純粋にホモくんをスゴイヤツだと思って褒めていますし、嫉妬に駆られて仇を成すことは絶対ありませんよ。
(億が一ちょっとした衝突が起きてしまっても【好敵手】くらいに踏み留まればさしたるデメリットは)ないです。
【好敵手】までは戦闘でも問題なくタッグを組めるものの、それ以上の不和に発展するとルートから脱落するどころかギッスギスの雰囲気のまま原作に突入し、終始地獄の様相を呈します。好感度調整には気をつけよう!(ゆうさく)
とはいえメキシコへの赴任という大役が回ってさえくれば兄貴のプライドも回復するので、この段階から不和に繋がるには相当なガバでも起こさない限りありえませんね。寧ろこうした負の感情を乗り越えたときこそ絆が深まるというものです。
あと何度か宣伝省からの要請に突き合っていれば大きなストーリーに動きがある筈です。いい加減はやく見たい……見たくない?
キング・クリムゾンッ!!
時 よ 、 あ く し ろ よ(帝王の風格)
…………。クォクォア…宣伝省のいつもの部屋ですね。
「来月にはメキシコか」
【はッ、知見を深めに行って参ります!】
「これでようやく実力と釣り合った自信を身に着けられよう。私は『君には手間暇かける価値がある』と何千回と教えたつもりだが、本人はいまいち納得していなかったようだからね」
【そんなことは】
「仕方あるまい。どうせ今後ろくな戦争ができないのなら、君をみっちり鍛え上げるよりもさっさと昇進させて仕事を回したい……という当時の上層部の思いもわかる」
「そうして強引に出世させたからこそ、結果的に注目を浴び、私や総統閣下の目にまで留まった。しかし先の任務で君が得た『実績』は軍とは然程関係なく、軍内部では『評価』だけを得た形になった」
「君の謙遜、いや、君にとっては純然たる事実を述べたに過ぎないのだろうが…………その姿勢は、恐らくこれが原因ではないか」
____ゲッベルスの口から淡々と紡がれる分析に、モーリッツは何と返すべきかわからず、暫し沈黙を保った。
____モーリッツの肩にぽんと手が置かれ、立ち上がったゲッベルスは神経質そうな口元を僅かに歪ませた。
ゲッベルス兄貴の肩ポンすげ〜こわいんですけど。
【神経質】の性質持ちはあまり他人と接触したがりませんが、ゲッベルス兄貴はほら…権力を笠に美女口説いたり浮気もしちゃうタイプの【神経質】だから…。やっぱりホモじゃないか!(歓喜)
まーよく喋ること喋ること。総統閣下しかり『演説』のイメージが強い人物とのイベントはRTA走者にとってはさぞ苦痛でしょう。
大体は自分語りやら批評やら分析やらを詩的に延々語っているだけなのに、たま〜に決定連打している間にしれっと重要なワードを出されるも読めず、殺意が湧くこともしばしば。この手のゲームでRTAなんてやる人間は正気を疑いますね。
「新たな経験を積んできたまえ。自信をつけた君はもっと素晴らしい
【は、はッ、精進します!】
「メキシコでも撮影はするつもりだがね」
____忙しくなりそうだ。
おかしい……ゲッベルス兄貴から岸辺露伴の霊圧を感じる。ご視聴ダンケ!
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おまけ
メキシコの秋は、ドイツのそれよりも温かい。当然ながら地域によって差が開いてはいるが、この時期になると既に気温が二桁もあれば良いほうの祖国を思うと随分過ごしやすいように思う。
対して夏は辛かった。ギラギラ照り付ける日差しとそれを受けた地面からの放射熱に挟まれると、両面焼きのトーストになった気分にさせられるのだ。
砂漠地帯は乾燥しているが、ジャングルに近付くと一気に湿度と不快度が高まる。標高の高い場所に形成されている都市部ではもうほんの少し過ごしやすい気温らしいものの、残念ながら自分達は行く予定も関係もない話である。
『中南米』と言われて想像する通りの広大な砂漠には、直線的なシルエットで先進的な技術がふんだんに使われた、不釣り合いな建物が腰をおろしていた。因みにメキシコは正確には『北米』だが、多くの人間は「四捨五入したら中南米みたいなものだ」と思っているだろう。同情を禁じ得ない。
「見回りご苦労」
「あッ、曹長殿。どうされましたか」
「外の空気を吸いにきただけだ。密閉された場所はどうも息苦しい」
「そうでありましたか。では自分は引き続き業務にあたらせて頂きます!」
今年で三十路を迎えるモーリッツから見てもそう歳の変わらないように見える部下達が、彼と向き合うなり居住まいを正して敬礼をする。最初の頃は遥かに歳上の兵に舐められることも多々ありながら、下士官の仕事が板につき始めてからはすっかり慣れた動作で答礼をするようになった。
今でも時折不思議な気分を味あわせられる。関わる兵と彼が同じ階級だった頃は、大抵その兵よりも若く優秀であったので、共感したり、懐かしむ気持ちがあまり湧いてこないのだ。
どう扱うべきか困る場面も少なくなかった。そうした瞬間の対応ばかりは経験豊富な歳上の同僚に軍配が上がった。どんなに称賛を浴びてもモーリッツが調子に乗らない理由のひとつである。
「はあああーッ…………肺が洗われる。気がする」
機密保護や衛生の観点から多くの部屋に窓はなく、壁も扉も重厚で、秘匿性・密閉性は抜群ながら空調コントロールは完全に機械頼りだ。うっかり故障してしまえば最悪死に至る為、こまめな点検が欠かせない。
太陽のもとで生まれた人類の性質ゆえか、ろくに日光を浴びず、人工の光にばかり包まれていると段々と気も滅入る。いつかの開戦を見越した上層部により、長期間の潜伏などに備えて散々させられた訓練のおかげで閉所だろうが暗闇だろうが慣れているとはいえ、陽の光は浴びられるときに浴びておきたい。紫外線は体内のビタミン生成に必要であり、我々の健康にも直結しているのだ。
腕時計のガラスに反射した鋭い光に思わず目を眇める。僅かに手首を傾けて影になった文字盤を注視すると、そろそろ昼食を取る時間になっていた。何か他のことに打ち込んでいる間は気にならないのに、時刻を認識した途端、無性に腹を満たしたくて堪らなくなるのは何故か。十分体はリフレッシュできたので、早く戻ってシュトロハイムでも探そうと思った。
別にシュトロハイムは少佐である己に対して部下が馴れ馴れしく振る舞うことを許している訳ではない。モーリッツとは「元より懇意にしているから」という至極私的な理由でもって、ほとんど毎日向かい合って雑談を交えながら昼食を取っていた。
メキシコでの生活が始まった当初こそ兵達の注目を浴びていたが、今となっては慣れたものでもはや誰一人気にしていない。あからさまに実質的なトップによる贔屓ではあったが、それによって他の誰かが不利益を被ることもなかったからだ。
下士官になる前は鍛えて鍛えて鍛え上げて、成長期の肉体も相俟ってとにかく空腹でならなかった。かと言って若者の食欲に合わせて全兵分を用意していては食費がとんでもない額になってしまう。
当時のドイツよりは数段マシな他国軍でさえそれを実行するのは厳しいのだから、敗戦で超圧縮されたドイツなど尚更である。『食』の豊かさは士気に関わる為、上層部とて努力はした。努力したとて必ずしも良い結果が出る訳ではないが。
すっかり頭の中が食べ物のことで埋め尽くされたモーリッツはある部屋の前で立ち止まり、扉をノックした。
「ホーデンハイマーであります。シュトロハイム殿はおられるでしょうか」
「おおっ、丁度良い。今行こうと思っていたのだ! とりあえず入れ」
「失礼致します」
シュトロハイムは脱いでいたジャケットを着直しながら側に置いてある皿を指差す。見慣れない果物が綺麗にカットされて盛られていた。無数の種が詰まったゼリーのような半透明の果肉は赤黒く熟しており、瑞々しさゆえに表面がぬらぬらと艶めいているのが妙にグロテスクである。
モーリッツが怪訝そうに眉を寄せたのが見えている癖に、彼は構わず問いかけた。
「食うか? いや、食ってくれ。これ以上つまむと昼飯の前に腹が膨れちまいそうなんでな」
「…………何ですかこれ」
「『トゥナ』と呼ばれるサボテンの実だ。結構甘いぞ」
「サボテン…。確か実にも棘があった筈ですが、よくこんなに剥きましたね」
「この俺が剥く訳なかろう。そこの女にやらせたのだ」
目線をずらすと身なりこそ素朴ながら美しい顔の女が3人、縮こまって固まるように立っていた。
尊敬する上官が『美女を困らせる』という悪趣味な暇潰しに興じている事実には流石のモーリッツも衝撃を受けたが、彼を真性のサディストだとは思っていない。もし己に従順で美しい女を侍らせることができたら、なんていう悪ふざけのような願望を実現できる機会を得てしまっただけで、進んで女子供を泣かせて悦ぶ趣味はないだろう。
食えと言われた以上断る訳にもいかない。どう見てもシュトロハイムが使ってそのままの状態であるが、手掴みにしてベタベタになるのも嫌なので刺しっぱなしのピックで口に運ぶ。
甘い果汁が乾いた喉を潤す。しかしイチゴなどとは格の違う存在感を放つ種が口内を駆け回り、果汁と一緒に飲み込むのも一苦労だった。確かに美味いが、やたらと硬い薄皮のオレンジを食べるときと似た後味の残念さがあった。
「良い食べっぷりだ」
「ありがとうございます。でもできれば普通にリンゴとかのほうが嬉しかったです」
「ハハハ! それはお前が門番のヤツにでも言えい!」
皿はあっという間に空になった。なんだかんだで毎日よく動いているこの体は相変わらず凄まじい食欲を湧かせているし、思えば出された食べ物は不味かろうが残したことは人生で一度もない。耳触りは良いが、それは残せるほどの量を出されたことがないという少年期の貧しさの象徴でもあった。
過去へと思いを馳せれば馳せるほど、アドルフ・ヒトラーが首相に就任してからのドイツは目まぐるしく変わっていったと感じる。国民からの支持は類を見ない熱狂ぶりを保ち、実際失業率は改善されているし、総統は『動物愛護』『健康維持』『少子化対策』など様々な分野の改善に関心があるらしい。国民の笑顔も増えた。
勿論どれも莫大な費用がかかる有限の政策ではあるものの、損失を恐れて緩やかに国が死んでいく未来はもっと恐ろしいに違いなかった。
ドイツはどこか『良い方向』へ向かっている。そう信じたい。
世界中で名を馳せるかのスピードワゴン財団の所有する飛行機が、メキシコのどこかへと飛んで行く姿が一度確認されていた。それだけの情報で一体何ができるのかと誰もが胸に思いながらも、あからさまに不審な動きであったのは間違いなかったのだ。
本国に問い合わせると何やら隠していそうな雰囲気を感じ取れはしたが、不審な動きの正体を掴めるまでは教えてくれそうにない。大雑把な方角を割り出し、ひとまず川沿いに調査をすることとなった。
何故このようなメキシコの奥地に?
何故これほど徹底して隠れるのか?
大した進捗もなく、調査日数だけが伸びていく中で疑問を抱いた。財団は石油などではなく、何かもっと別の、外部からの目に触れさせる訳にはいかない何かを隠したがっているのだ。
例えば米国製の『新兵器』の保管場所。
あるいは有害な『細菌』など未知の新生物の繁殖地。
偵察させていた班から齎された報告を基に考えられたこの推測に、シュトロハイムは恐れるよりも先に野心に燃えた。そんな傲慢さが寧ろ好きだった。力強い精神、
確かに同じ任務に就いて、ほとんど対等な接し方をすることも許されているが、それで『隣に並んでいる』とは思えない。神を崇め奉るのとは違う。自分の尊敬するこの少佐は今我々に見えているよりももっとずっと大きな存在なのだ。
ドイツが栄光を取り戻し、歴史上最も偉大な国へと到達すれば、彼は輝きを増してその全貌をあらわにする。その時も彼の隣にいられるのなら、ついにモーリッツは『真にドイツと共にある』ことを高らかに、尊大に、胸を張って世界へと喧伝できるだろう。
例えその過程で多くの血が流れるとわかっていても、だ。
「さて行くとするか。今日は何だったかな」
「口の中が甘ったるいので、口直しになるものだと良いですね」
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VIER
「ここは…………私は、どうなったのだ……?」
おまたせ! 自白剤しかなかったけどいいかな?
“
ついに……ついに原作シーンへと突入しました。リオダダ川へ
【お目覚めかな。ミスター・スピードワゴン】
「君は……いや、お前はッ…………ドイツ軍ッ!!」
【一目見てドイツ軍だと言い切るか。老人ながら侮れなぬ男、という俺の見立ては間違っていないようだ。だからこそ予め拘束させて貰った。自決を図られては堪らないからな】
「どうする気だ、何故ドイツ軍がここにいるのだ、一体何が目的だ!?」
【質問するのは貴方でも、俺でもなく、少佐殿だ。貴方は持ちうる全ての情報を喋るほかない。最初にそれを言っておく】
オープニング以来すっかり忘れてましたがホモくん何気に素の一人称が「俺」なんですよね。舌を出して権力に媚びる犬畜生としての姿ばかり見ているせいかどこかギャップを感じられてグッド。本当はかっこよくて強い、ドイツ軍人さんなんだゾ!><
新聞などを読み込んでスピードワゴンの人となりを大体知っていれば、目覚める前に拘束具を取り付けることができます。暴れて抵抗するところを押さえつけてのパワープレイも良いですが、アクシデントを未然に防げるのは有能ポイント高いです。
スピードワゴン兄貴……いや、大先生ッ……(露骨な媚び)
サイボーグになってからでよければ靴でも何でもしゃぶらせて頂きますよ〜(資本の犬) オナシャス!センセンシャル!
兄貴がきたので問答無用で自白剤をブチ込んでやるぜ!
拘束されてなお浜に打ち上げられた魚の如くビチビチ暴れようとする大先生を力尽くで抑え込んでいる内に、一般科学者くんが先端から液体の飛び出してくる太くて立派な硬い
動くと当たらないだろ!動くと当たらないだろ!
暴れるなよ……暴れるな…………ブスリ♂
「全て教えて貰おう。貴方ともあろう人物がメキシコなんぞの奥地で川に流されていたのか、そのワケをッ!」
狂気的なゲルマンスマイルを浮かべる兄貴を中心に始まりました、皆さんお待ちかねの尋問タ〜イム。心理学を勉強しておくとここでも有能ポイントを稼ぐことができます。勿論私はそこんところも抜かりありません。
(ホモくんの巧みな誘導で情報が)出、出ますよ…
事の経緯とこれからの推移は既に皆さん知っていると思うので素早くヤってイきましょう。
なぁに、チベットの山奥でアンチエイジングに命をかけるハモン・マスターがついに美容整形に手を出し、仲間をメキシコにまでわざわざ連れ出しておいて皆殺し、数十年の付き合いがある老人を殺人未遂、全員川に流して死体遺棄、何を思ったかニューヨークの街中で猥褻物を陳列しつつ居合わせた未成年に殺害予告、ついでに拉致した若い女性に暴行を加え、先述の未成年も暴行しただけのことです。
うーんこの。とんだモンスターが世に解き放たれたもんだ。
遺跡の場所を聞き出せたらあーん!スト様のスト様がご乱心!の内に極力誰の目にも触れないよう全速力で男の柱を回収します。すごく…大きいので切り出しに時間がかかります…。
切り出しておいたものがこちらになります(3分クッキング)
因みにホモくんの有能ムーブにより一度の尋問であらかた情報を吐かせたのでぶっちゃけ大先生はもうフヨウラ! どう考えても老体の健康に影響が出るので自白剤をブチ込む回数は少ないに越したことはありません。
戦後も生き残っている可能性を考慮し、こうした細々とした気遣いでチリツモ的に大先生の寿命を伸ばすことでなるべく長く権力をしゃぶるつもりです。AT……SPW財団のご利用は計画的に。
____分厚いガラスの向こうに佇む巨大な石柱と一体化している男の姿は、人間の好奇心を掻き立て、奇妙な魅力を放っていた。
____科学者達と同様に目を輝かせるモーリッツは、食い入るようにその細部に至るまで観察していた。
「圧巻だな……どう見ても無機物、しかし生きている。精巧な彫刻と言われたほうがまだ納得がいくぞ」
【自分は早く吸血鬼をぶつけるところが見たいです】
「曹長殿は相変わらずお顔に似合わぬ血の気の多さでいらっしゃるなァ〜?」
【この歴史的瞬間に立ち会えるとあれば興奮もしますよ! こいつの生態を解き明かせば世界がドイツの叡智に震え上がるんですからッ!】
いくら相手がシュトロハイム兄貴とはいえ、偉い人達との話についていくことを目指して勉強しているとは思えない脳筋ぶり。「陛下の為なのでセーフ」的な何とか魂のにほひがします。
『生まれ持った才能』である初期ステータスは固定ですが、育成で伸ばした分のステータスはサボると低下するので継続して鍛錬と勉強をさせています。
若い頃と同じ量をこなす必要はありませんが、10年以上やってきたマジキチスケジュールが完全に染み付いているのか勝手に予定量オーバーしたりします。そこらへんの調整は各自で頑張りましょう(白目)
そうした鬼教育のせいでホモくんの人格面における育成が蔑ろになってしまい、発言が天然というか適当というか……ドイツと兄貴以外どうでもいい戦闘マシーンになってしまった気がしなくもないですね(大戦犯)
簡単!柱の男復活レシピ (材料1人分)
頑丈で広い密閉空間・・・・・・・・・・1室
勇敢な少年を取り除いた捕虜・・・・・・適量
捕虜から血を搾り取る冷血漢・・・・・・2~3人
昏睡レイプ!目覚めの一杯と化した捕虜先輩、つーわけで牢屋。ここが私のアナザースカイ(空一面のコンクリ)
幸運にも偉大なるドイツの発展の糧となれるのに日和ってる奴いる!?いねぇよなぁ!!?
……………………、…………。
は?(憤怒)誰か立候補すんだよあくしろよ。
まごつく捕虜に心做しか兄貴の顔がイラッとするのも束の間、大人達をかき分けて体は貧相ながら心は勇敢な少年が歩み出ます。こんないたいけな少年に責務を押し付けるなんてお前ら汚い大人やでホンマ!
「俺ひとり死ねばあとの全員は助けるんだな!?」
「よし小僧。人種は違えど、俺はお前のような勇気ある者に敬意を表す。優れた人間のみ生き残れば良い!
ド畜生で草。何に感動したのかホモくんは兄貴の後ろからアツゥイ!視線を送ってますけど貴方も他人事ではなくてよ? ただしホモくんは自分が必要とされている自信があり、実際優秀で好かれているのがタチ悪いですね。
見向きもされない黒人、定期的に盛り上がる黄禍論、永遠に終わらないユ虐、
人類は愚か。それでもいつか平和な世が訪れることを信じて…。その手は人を殴る為ではなく人と手を繋ぐ為、その口は人を差別する為ではなく人と愛を語る為…。
殲劣
滅等
意地汚く抵抗する捕虜は
よく考えたらまだ平時だし全員見るからに軍人どころがゲリラでさえない貧民を捕虜とは呼ばないと思うんですけど(名推理) んまぁそう…もし敵国の武装勢力だったら国防の観点から殺す必要があるからね、お国が彼らを捕虜だって言うんならしょうがないね。
ほら頑張れ♡頑張れ♡ 科学の発展の為に死んで♡ ドビュウウウッ♡♡♡♡(血が)いっぱい出たね♡
とりあえず吸血鬼に襲わせるか(ホモはせっかち)
「WREEEEEEEYYYYYYYY!!」
「……………………」
【おお…………無反応ですね。先程の寝起きですっ転んだときのほうがまだ驚いてました】
「ウーム……『無反応』と取るか『無抵抗』と取るか」
「どのみちこのままでは実験材料がひとたまりもありません。念の為、捕虜の頭には爆薬を埋め込んでありますが?」
「いや、爆破はまだ早い。もう少し様子を見るのだッ」
【ああーーーッ見てください少佐殿!】
出会って5秒即合体!
前のめりになって観察しているホモくんは番犬兄貴がマグロすぎて萎えていましたが、捕虜吸血鬼がほぐれて(物理)きたら再び元気を取り戻しました。何でも体内に挿入れる前は念入りなマッサージが大切ってはっきりわかんだね。
人間よりもはるかに強靭かに見えた吸血鬼がいとも容易く丸呑みにされた恐ろしさか、あるいは食事の為におっさんを抱き締めなければならないという生態のおぞましさからか、戦慄の表情を浮かべる者多数。
漢らしく据え膳を平らげて一段と大きくなった番犬兄貴のダイナマイッボディに視線が釘付けです。デカすぎて固定資産税かかりそうだな!
そして高い聴力と知能を見せつけるように外の音は聞こえない筈の密室から兄貴の名前を呼びました。名前呼んだだけでこんなに驚かれるの赤ちゃんと番犬兄貴くらいですね。
愚かな人間どもがパニックになっている隙に番犬兄貴はキツキツの空気供給管へ体を折り畳んでまんまと脱出します。あーあ。
あっそうだ(唐突)、今の内に口径が大きめの銃を取りに行って装備しろ(命令)。ついでに手榴弾と応急処置キットをかっぱらってきてください。明らかに怪しまれますがどうせ皆死ぬので無視しとけばいいです(無慈悲)
戻ってくるや否や聞こえてくる激しい銃撃音に耳レイプされつつニンジャステップで兄貴の隣に収まります。間違えても現在部下の体に潜り込んでいる番犬兄貴には撃たないでください。無駄撃ちどころか弾丸そのまま撃ち返されてゲームオーバーなので。
「ああッ!? モーリッツ貴様どこに行っておったのだ、こんな状況で!」
【こんな状況だからです。どんな手を使ってでもヤツを殺さなくてはなりません】
「…………な、そ、その手に持っているものは」
【総員伏せろォォォーーーッ!!】
____手榴弾はさして威力の強いものではなかったが、正確な投擲も相俟って、部下の体を木っ端微塵にする程度の効果はあった。
____爆風の中に現れたサンタナは…………無傷だった。その光景に、モーリッツでさえ心に恐怖の色が滲んだ。
お願い、死なないでホモくん! ホモくんが今ここで倒れたら、大臣や総統閣下との約束はどうなっちゃうの? 手段はまだ残ってる。ここを耐えれば、番犬兄貴に勝てるんだから!
次回『シュトロハイム死す』。デュエルスタンバイ!
部下の何人かは滅多撃ちにした弾丸を返されたり、クソ密室クソ近距離での爆発で普通に死んじゃいました。すまンゴ。呆気なく番犬兄貴に全滅させられた原作よりマシだから(震え声)
周囲の高価な設備がブッ壊れたりと惨状が広がっているものの、一発だけなら誤射かもしれないのでセーフ(ASH新聞)
だが、ちょっと待ってほしい(ASH新聞)
番犬兄貴本体には手榴弾なんか効いてないし、数人が射殺を逃れた分向こうの弾丸も残ってるんだから、意味なかったんじゃない? そう疑問に思うホモもいることでしょう。
意味はあります。まずほんの僅かながら生まれた隙に生き残った兵の一人へ「スピードワゴンを連れて脱出しろ」と指示します。その兵が
つまり何を守ったのかというと、兄貴の毛根です。
…………え?
いや〜良いことをすると気分がいいね。
「なッ…………ヤツには手榴弾も効かないのか!」
【それに今の『バリア』は……ジョースターとか名乗っていましたが、何者か!?】
____静電気にまみれた猫のように髪を逆立てる青年から、僅かに火花が散ったように見えた。
「ハッピー、うれピー、よろピくねーーーっ!」
あぁ^〜二代目ジョジョはたまらねえぜ。お茶目でお調子者だけどいざというときは策を巡らせて相手を罠にかけるテクニックバトルが得意なジョセフ・ジョースターが嫌いな人類とか存在するんか?
呆然とする二人をよそにジョセフが番犬兄貴にちょっかいかけます。ところが渾身の挨拶も悪戯もガン無視された上に大先生の脳みそをズブズブ♂されては流石のジョセフも怒り心頭。戦闘の様子は実況のシュトロハイム兄貴と解説のスピードワゴン大先生でお送りします。
さて、今本国に連絡したところで大した役に立ちはしないので報告は片が付いてからです。
一番頼れるのは、そう、
【ミスター・スピードワゴン。はっきり申し上げるが、彼の弱々しい波紋とやらではサンタナを倒すに至れない】
「そんなことはわかっている、しかし波紋がなければ我々は戦うことすらできんのだぞッ」
【そう、だから『取引』がしたい! 貴方を連れ帰る為に危険を顧みずここまでやってきた彼との絆、相当なものがあると見込んだ。きっと貴方もまた彼を見捨てることはできない筈だ】
「ナ……ナチスが私と『取引』だと?」
【これは俺の独断だ。今から貴方の拘束を外し、外部に通じている電話を使わせてやる。そこで財団の医療面の救援を要請してほしい】
【民間の団体をここへ入れる訳にはいかないし、かと言って本国は海の向こう! 貴方の財団が最速だッ!!】
____スピードワゴンは不信感を抱きながらも、結局頷いた。そうさせるだけの迫力がモーリッツにはあった。
神様仏様【人たらし】様ですね。当然兄貴に呼び止められますが適当なこと言ってさっさと行ってください。大先生の御老体に合わせてちんたら走ってられないので
なにっ……慣性ドリフト!?(車椅子こわれる)
移動する間にも詳細な条件を話しておきます。どうせ最終的には技術面でも頼ることになるので価値のある内にカードを切ってしまいましょう。
僕と契約して
人類の為にドイツ軍と財団で技術提携してくれよな〜頼むよ〜。もし兄貴に何かあったら絶対助けて差し上げろ。代わりにホモくんの人権捧げるのでお願いします何でもしますから!
恐ろしく素早い人権放棄、俺でなきゃ見逃しちゃうね。やると言ったらやる『凄み』だけでほぼ一方的に頷かせたら戻ります。
地上へ通じる扉が開けられ、外からの空気が流れ込んでいます。一直線に階段を駆け上り日向へ出ますが、クォレハ……番犬兄貴の姿はどこにもありませんね。もう既に兄貴のナカへ挿入ってしまった後のようです。なんてことを…(憤怒)
よくも兄貴の処女を散らしてくれやがりましたね羨……頭に来ますよ〜。おじさんのこと本気で怒らせちゃったねぇ!
「早まるなシュトロハイム! さっきだってサンタナに手榴弾は効いてなかったじゃあねーかッ」
「
言わせねぇよ?……と思ったのにちょっと気になる感じで切るのヤメルルォ!(本音)
さてここが機械化√最大の難所。全速ダッシュして素早く正確に一発で手榴弾を掴んだと同時に全力で押し下げもう片方の腕を操作して兄貴の胴体を抱え込みます。この間僅か4秒。
ねっ、簡単でしょう?(19敗)
【見殺しにして堪るかァァァーーーッ!!】
「__馬鹿野郎が…………ああ、」
____モーリッツは誰の言葉も聞かずに走り、シュトロハイムの懐に抱えられた手榴弾の代わりに自らの体を滑り込ませた。
____ほんの数秒のことだった。強く胴体にしがみつかれる感覚と同時に、二人を激しい爆圧が襲った。
勝ったな、風呂入ってくる!
原作でも手榴弾は胸に抱えられています。漫画特有の不思議パワーによって死にませんが冷静に考えなくても(あんな綺麗に体は残ら)ないです。
胴体を密着させることで心臓をガードしつつ互いの衝撃を吸収し合ってダメージも分散できるに違いありませんね(ガバガバ計算)。という言い訳で死なないことがわかりきっている爆発に巻き込まれさせてもらっただけです。
““サイボーグ””に!! 俺達はなるっ!!(ドン!)
気絶した為ここで暗転。目覚めたら体に機械がくっついていることでしょう。せっかくなのでステータスの確認でもします。
【階級】曹長 ― 200%
【精神力】― B
【体力】― A
【筋力】― B
【技術力】― D
【知力】― C
ステ変なし!終わり!閉廷!以上!皆解散!
以前からカンストしていた能力値は残念ながらオーバーした分を他ステータスに振り分けたりすることはできません。これはどの階級も同じで、今の値が何%だろうが昇進したら再び0%からになります。
またメキシコでの科学者達との交流や膨大な設備の点検による【技術力】の向上を期待していたんですが、やはりこれに関しては専門的な分野になってくるので少し弄れるくらいでは……ダメみたいですね(諦め)
B以上あると機械類が故障した際に原因を調べたり修理したりできて便利です。ただ機械弄りオタクをやりながらこのメキシコまで漕ぎ着けられるなら、マッドサイエンティスト目指して自分で自分を機械化しても難易度的にはそう変わらない。
そして性質は日々お世話になっている【人たらし】に加えて【執念深い】【即断即決】がこれまでのプレイによって増えています。
【執念深い】はカーズも持っている性質です。入隊前から祖国一筋で脳死軍畜生活などによるもので(兄貴はドイツ人だから浮気に含まないゾ)、精神力バフがつくものの「諦めるくらいなら殺す/死ぬ」的な思考に陥りやすいのがネック。それなんて大和魂?
【即断即決】は、まぁそのままですね。この性質持ちでゴミステータスのままだと迫真の無能指揮で自陣を滅ぼします。
どちらも片方ずつであればさしたる問題ではありませんが、組み合わさっているということは極端な人格が育っている証です。ドイツ主義の心のままにガンガン出世街道爆走していくヤベーやつなのに何故か人を虜にしてしまう…。うーん、これは健全な市民の鑑! どっかで似たようなヤバ人格の政治家を見た気がしますが気のせいです気のせい。
すいませへぇーん、まーだ時間かかりそうですかね〜?
____次第に意識が浮上していく。視界いっぱいの管やコードが吹っ飛んだ筈の部分に繋がれていた。
「め……目覚めた。信じられん、本当に目覚めたぞ!」
「
____階級が【准尉】になった。
…………おファッ!?(
セバスチャン!落ち着いてわたくしのステータスをもう一度確認するわゾ!
【階級】准尉 ― 0%
【精神力】― B
【体力】― A
【筋力】― B
【技術力】― D
【知力】― C
ほ、本当に変わってやがる…。大先生はホモくんの熱意を汲んでくれたのか、兄貴は一体どうなったのか、そこのお前どういうことか教えろよあくしろよ。こちとら准尉だゾ!(
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おまけ
ホーデンハイマーという軍人の顔は、スピードワゴンでさえ見覚えがあった。
先のベルリンオリンピックで撮影された写真がドイツ国外でも話題になったのをきっかけに、ドイツはプロパガンダの多くに彼を抜擢したのだ。ナチスの『良い』印象を広めようと腐心している宣伝省の大臣が行った、業界人向けのスピーチでも彼について言及しては絶賛していたという。
手始めに彼らは、新聞や雑誌を通じて大衆向けのチープで親しみやすい記事を乱雑にバラ撒き、不特定多数の国民にホーデンハイマーについて「なんとなく良い人っぽい」と意識させた。国民――特に家庭にいることを推奨されている女性――を中心にファンダムが形成されると、記事の質を高めると同時に、軍や党を称賛するような内容を巧妙に紛れ込ませた。
つまり個人に対する好感を、ホーデンハイマー=国防軍=ナチス、と己の元までイコールで繋いでいったのである。現代においても言えることだが、あらゆる宣伝の権限を握っていたナチスは数の暴力で流行を作り上げることができたのだ!
美は人を盲目にさせる。彼のファンダムはナチスの実態などどうでも良かった。党が彼に優れたデザインの制服を与えていることに感謝したし、彼のような美青年が男の園である軍隊で生活していることに、同じ男が感じるものとは別種のロマンを抱いていた。
とはいえ、全てが宣伝による功績だったのかと尋ねられればそうでもない。戦後、客観的にナチスによる
これはホーデンハイマー自身にもそれだけの魅力や求心性が備わっていた証左であり、プロパガンダを得意とするナチスとはまさに運命的なマッチングと言えるだろう。またこれ程のダイヤの原石を見抜いたゲッベルスの審美眼には一目置くものがある。
「『波紋』のない我々に持てる手段は『科学技術』だけだ。あの驚異的な生物を相手取るのなら、どれだけ備えても備えすぎることはない」
心地の良い低さで、心臓をねっとりと這うような甘ったるい声が響く。それが彼の生まれ持ったものなのか、はたまた熱心に『教育』されて身に付けたものなのか判別はつかない。ただ作っているようには感じさせない、ごく自然な発音が逆に恐ろしいと思った。
何故こんな人物がここにいるのだろう。人形芝居をするなら手元に置いておくほうが良いし、いくらあのシュトロハイムという将校のことを慕っていようと無視して何ら問題ない。それだのに海を隔てた国の奥地にまで行かせたのは何か思惑があったのか、どうしても参加させたいほどの実力者なのか、上層部に融通を利かせられるだけの繋がりがあるか。あるいはこれら全てだ。
「世界有数の技術を持つ者同士、今ばかりは腹を割り、全力を尽くす『義務』がある、と、俺は思うね」
「…………ナチスに機密を差し出せと? 君は自分の国が何をしているのかわかっていて聞いているのか?」
ホーデンハイマーは足早に車椅子を押しながら、到底受け入れられないような話をさらりと述べた。『柱の男』の脅威に命を晒されている真っ最中に、こうも上から物を言えるものかと感心さえしてしまう。
スピードワゴン財団はアメリカのワシントンD.C.に本部を置き、多岐に渡る活動の多くが膨張し続ける資本主義経済と密接に関わっている。ほとんどの国民がユーラシアの揉め事に触れたがらないアメリカでさえ、各国間の例に漏れず近隣国とは緊張状態を抱えていた。
開戦秒読みとも囁かれる国際情勢の中、着々と軍備を整えているドイツに『柱の男』にも対抗しうる、つまり機密レベルの技術を渡すなど、間抜けそのものである。
「軍事転用するな」と言われて大人しく従うような人間ばかりなら初めから戦争は起こらない。よしんば転用されなかったとしても、ドイツに手を貸していることが世間に知られた時点で財団はアメリカの名をも巻き込んで大ダメージを被るに違いない。
人類存続の為には必ず『柱の男』を地球上から消し去らねばならない。が、あまりのリスクにどうしても躊躇ってしまう。
地位や名誉を捨てる覚悟はあった。しかし『柱の男』達が去ったはいいがその後すぐに人間同士の殺し合いが勃発、なんて事態になっては元も子もないだろう。
ただ、それでもやはりどちらか選ばなければならないとしたら――――
「我々はサンタナ以外に三人の『柱の男』を発見し、既にそこを軍の監視下に置いている」
「な、なん、どこだそれはッ」
「おやおやおやおや、ご興味がおありですかなぁ? しかし、誠に残念ながら、
「ぐ、っく…………これも人類の為なのかッ……」
「そんなに嫌がることもないだろう、悪魔と契約するんじゃああるまいに」
かかったな、と言わんばかりに深めた笑みは、下手なベテラン士官よりも様になっていた。彼は否定するが、ヒトラーの掲げる方針を思えば、現政権下のドイツを悪魔と称するのは言い得て妙である。
約五十年前から石仮面やそれにまつわる事象を追ってきたスピードワゴンに、『柱の男』の居場所をチラつかせられて反応しない道理はなかった。彼は偉大なる二人の戦士の思いを引き継ぎ、比喩なしに人生をかけてここまでやってきたのだ。
吸血鬼のディオ一人を倒すのにあれほどの死者が出てしまったのだから、更に上位種の生物を同時に三体も相手取るとあっては、
そもそもそんな生物がいようがいまいが各国はいずれ勝手に戦争を始め、何千何万もの命を散らすだろう。『柱の男』の為に何百人程度が死んだところで
であれば倒せる可能性が少なからずあるほうを選ぶまで。例え想像もつかないような人数が犠牲になったとしても、全てに決着がついた後世に『柱の男』さえいなければ、人類は必ず復興する。そう信じることが今抱ける唯一の希望だった。
ある部屋の前で車椅子の動きが止まると、おもむろにファイルから引っ張り出した一枚の紙をホーデンハイマーが差し出す。
「これがこの基地の座標だ。あとは任せた」
「……嗚呼」
「本国へ概要は打電しておく。後で向こうに戻って様子を見るが、何があっても貴方はここで待っていろ」
「……ッわ……私からも頼んだ、JOJOのこと」
モンゴロイド系の遺伝子との融合が織り成す、どこか幼い印象の残る顔に似合わぬ低音はアナウンサーのようによく通り、淀みなく簡潔な言葉を伝える。このような緊迫した状況でなく、もし落ち着いてただただ言葉に聞き入っていれば、ほう、と溜め息が出ていたかもしれない。
最後にスピードワゴンが絞り出した声に応える時間も惜しいといった風に彼は背を向けてしまったが、同時に右腕の肘から先だけをさっと挙げた。
聞こえないフリもできた筈だ。医者が「絶対に治す」と言えないように、軍人に「特定の誰某を守ってくれ」と請うのは酷なこと。それも他国人の守護など職務の範疇にない。
わかってはいても、スピードワゴンは願わずにはいられなかった。ジョセフのタフさを知りながら、その血筋に刻まれた『宿命』を常に恐れていたのだ。所詮己は利用される立場であり、初めから無視されても構わないと思っていたのだ。
しかし彼は確かにその言葉に応えてみせた。あれが彼なりの肯定なのだと思うと、ナチスには忌避感を覚えるスピードワゴンでさえ何か込み上げるものがあった。あの碧い双眸には、溢れんばかりの自信があった。ホーデンハイマーには、その些細な動作のひとつで人の心を揺すぶってしまう不思議な魅力があった!
『幸運』なことにスピードワゴンからの電話を取った職員は年季の入ったベテランで、声だけで電話の主が尊敬する創始者であると判別し、彼の要求を正確に理解した。通話中にスピードワゴンが発したのは「救急を飛ばせ」「座標は…」の二点のみであることから、その優秀さが感じられよう。
「スピードワゴン様! お怪我はございませんか!」
「私は問題ない、それより報告しろッ、JOJOは!?」
「は、はいッ、疲労と多少の擦り傷などはありますが意識障害など重篤な症状は見られず、短期間で回復できるものと」
「そうか、…………他には」
「ドイツ兵が2名重態の為搬送、あとは残念ながら……」
ひとまず旧友の孫を失わずに済んだことにほっと胸を撫で下ろすも、やはり惨状には違いない。いけすかないナチスとはいえ、愛するジョセフともそう歳の離れていない若者がいた、自分達と同じく人類の進歩に夢を見る科学者がいた。
「2名? 搬送されたのはどんな男だった?」
「一人は40代前後、金髪の将校。そしてもう一人が20代から30代、黒髪の兵士です。共に僅かながら呼吸はあるものの、出血量が酷く、どうなるか……」
「…………黒髪の男がアジア系なら、彼はホーデンハイマーだ。可能な限りの治療をするのだ。これから行うドイツとの交渉に必要になる」
「了解です。ひとまず我々もアメリカに戻りましょう。貴方が良いと言っても念の為検査はしますよ」
再び『幸運』なことに、それ以外全ての兵士や科学者が死亡していながら、ホーデンハイマーと彼の慕うシュトロハイムだけが生き延びたのだ。とんでもない重傷らしいが、あの二人はそう簡単に死んだりしない、そんな予感がした。
天は二人の、いやどちらかと言えばホーデンハイマーの味方をしているようだ。今はまだ知る由もないことだが、スピードワゴンは己の勘が正しかったことを残りの生涯で幾度となく思い知ることになる。
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FUNF
「ホーデンハイマー君ッ!!」
「わあああ誰だお前ッ」
「誰とは何だ。医者は新聞を読まないのかね? 彼の様態は私の今後に深ァーく影響を及ぼすッ! どうなんだ!?」
____勢い良くドアを開け放って現れたのは、とうに見慣れたゲッベルスだった。
____反射的に身を正さなくてはと思うモーリッツであったが、首から指先に至るまでピクリとも動かない。
____いや、そもそも感覚がなかった。
親の顔より見た神経質そうな顔に更に焦燥を浮かべたゲッベルス兄貴が献身的な恋人みたいに駆け込んできます。身動きの取れないまま横たわるホモくんをねっとり舐め回すように見たあと、ギャグみてーに綺麗に膝から崩れ落ちました。草。
「ごっそり半分持ってかれているではないか!!」
「ええ、まったく驚きですよ。この状態で生きているなんて」
「感心している場合かァ! し、しかしまだ天は私を見放していないぞ……顔は残っているのだ……何としてでも
「も……
____狼狽する医者達に吠えるゲッベルスをじっと見詰めていると、視線に気が付いた彼はモーリッツの瞳を覗き込んだ。
「なに、下半身が吹っ飛んだ程度どうということはない。必要ならば総統閣下にも掛け合ってなんとかする。私の……オホン、ドイツの為に気を強く持つのだ」
____肯定の意味を込めて強く目を閉じてから、再びゲッベルスを見詰める。どうやら伝わったらしい。
ちょいちょい私欲を隠しきれてないゲッベルス兄貴が嵐のようにやってきては嵐のように去っていきました。いくらホモくんがグッドルッキングガイだからってちょ〜っと挿入れ込みすぎじゃないですかねぇ〜。
これから血走った目で「戻してくれ」と懇願したとしても、流石の無茶振りに総統閣下も苦笑いでしょう。やめなよ(クラウド)
さて、ホモくんがぐっすり眠っている間にどこまで交渉が進んだのか知りたいところですが、いかんせん喋るどころか起き上がれませんからねぇ。流石の鬼畜AIくんも配慮してテンポをあげてくれるとはいえ、そんな悠長に待っていられません(ホモはせっかち)
ここで、目覚めたら知らない天井だったときのライフハックをお教えします。とりあえず左スティックを激しく上下に動かしつつ他のボタンも押しまくってください。
む゛ち゛ゃ゛く゛ち゛ゃ゛に゛し゛て゛や゛る゛!
破道の八百十 『
【ン゛ン゛ン゛ン゛】
「おい手を貸せ! 抑えろ!」
「ぐうっ、何というパワー……鎮静剤早くッ!」
本来鎮静剤は割とすぐに切れて目が覚めるものの、演出上(メタ)フェードイン/フェードアウトが挟まれるとそこそこの時間が飛ぶようになっており、RTAでも頻出する便利機能のひとつです。
ちょっと怪我したくらいなら一度覚醒すれば行動を起こせますが、いかんせん今の筋肉達磨(比喩ではない)なホモくんではろくな操作ができない為、鎮静剤を一発おキメ遊ばさせて頂きましたわよ(ガンギマリお嬢様)
因みにわざと窓に鉄格子のついた病院にセルフ隔離して鎮静剤を乱用し、一気に数年吹っ飛ばす猛者プレイヤーもいます。確率で健康に悪影響が出るので乱用には気をつけよう!(ゆうさく)
____何ひとつ自分の意思で行うことのできない絶望に飲まれかけていたとき、モーリッツは突然病室の外へと連れ出された。
____彼に付き添っていたのは医者でも看護師でもない軍人で、向かう先は陸軍の研究施設であった。
【モーリッツ・ホーデンハイマーであります。己の未熟さゆえ、このような醜態を晒しての対面と相成りましたが、どうかご容赦願います】
「陸軍大将にして兵器局長、カール・ベッカーだ。君の事情は当然承知のこと、恥じ入るよりも誇るべきと私は思う」
【ありがたいお言葉、恐縮です】
「うむ。あのスピードワゴン財団を巻き込んだのは、まあ、総合的に見ればプラスだ。こちらも手の内を明かせねばならんのは少々癪だが、それ以上に搾り取ってやればいい。君もそう思ったんだろう?」
「それに、我が国のみであればぶっつけ本番の無理難題を押し付けられたところを、1体でも
「動作テストは済んでいるし、改良も加えてあるから安心するといい。その代わり拒否権が一切無いのは大目に見てくれ。質問はあるか?」
【えっ、ええと…………シュトロハイム殿はご無事なのでしょうか】
「初めに聞くことがそれとは随分だな。無事かそうじゃないかと聞かれたら、無事だ」
ヒエッ…またこのタイプの人間かよ(小声)
オタク特有の早口ってやつでしょうか。しかも途中しれっと不穏なこと言ってますよ。ホモくんが兄貴を慕っているとわかってて「どちらかと言えば無事」なんて、何かやましいことがあると吐いているようなものです。四肢を失って身動き取れないのを良いことに兄貴のダイナマイッボディをめちゃくちゃにしたに違いありません。人間の屑がこの野郎…
ぽかんとしているホモ達磨くんに気付いたのか気付いていないのかエヴァに乗れ!的な感じであれよあれよと機械とドッキングさせられました。
硬くなってんぜ?(装甲) 早速操作してみましょう!
………………。
「おおっ、装着してすぐに立てるとは流石だな。軽量化したいのは山々だが、ある程度は重量がないと内蔵砲の反動を殺し切れんのだよ」
【こッ……これ、すごく、しんどッ……いですゥッ……!】
「初めはそんなもんだ。これからはもっとしんどくなるぞ。自在に動かせるようになるまで訓練漬けだからな。いや、君なら喜んで訓練に勤しんでくれるかな! ハハハ!」
【あああああ】
あああああ!! ああ!! ああああ!!(絶望)
そんな簡単にサイボーグなんてできる訳ないですよねー。原作本編でシュトロハイム兄貴とジョセフが再会するまであと1週間なのもしょうがないですよねー。つーかどう聞いても『試作機』とやらの為にシュトロハイム兄貴が実験体になってるので文句言えないですよねー。ねー。
ということで皆さん、懐かしの脳死軍畜ライフが待望の復活を遂げました。何度でも蘇るさ(ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ)
じゃけんホモくんの心を犠牲に最強のドイツ軍人を目指して頑張りましょうね〜。…給料?そんなもの、リハビリにはないよ…(最悪なトニオ・トラサルディー)
____どうしますか?
【訓練:動作制御】▼
【訓練:内蔵砲】
【訓練:整備・修繕】
しゃーなし行動の選択画面を開きます。初期の基本的な訓練はおおむねカットしていたのでじっくり映すのは初めてではないでしょうか。
(訓練しか)ないです。局長のお墨付きが貰えるまではイベントを除きこんな感じで他の行動が取れないものと思われます。ウソダドンドコドーン!
よし、まず時間がないので3つ目はフヨウラ!
主人公組との合流後にあるカーズ戦で真っ二つにされた(予定)兄貴の修繕の際、一緒に直してもらうので体は壊れる前提で2つ目も最低限砲弾ブッパできれば良いです。動作制御:内蔵砲:整備修繕=8:2:0で進め、とにかく機動性と精密性に偏らせます。
当然戦後も生き残る可能性を見越すと、内蔵砲はクソッタレ連合国に持ってかれるのでともかく、専用の整備班が恐らくいなくなってしまうので簡単な整備修繕は自分だけでできるようにしなければなりません。あとから死ぬ気で訓練しましょう。
でもやっぱり自分の体にくっついてる武器について熟知しておくに越したことはないので、内蔵砲の扱いもおざなりにしてはいけません。
つまり、全部です。は?(憤怒)
____訳もわからぬまま訓練をこなしていたモーリッツの元を訪ねる者がいた。
____ゲッベルスだ。モーリッツは反射的に腕を掲げ、次いで自然と持ち上がった鋼鉄の義腕に気付き、はっと二人で目を合わせた。
「ホーデンハイマー君! ああ、良かった! 本当に!」
【はい。1日も早い復帰ができるよう努めております】
「日頃宣伝の重要性を訴え続けた甲斐があったものだ。それに、うむ、軍服の上からでは案外
サンキューゲッベ。正直貴方の訴えに機械化への影響があったとは思えないけどその熱意に謝謝茄子。
確かに身長こそ僅かながら伸びていますが、体型は以前とそう変わらず兄貴に比べてコンパクトに見えます。せや!兄貴を水に沈めて浮き上がる気泡を見て小型化できる余地を探ったろ!(JBS)とかやったんですかね?
実際には内蔵している兵器の違いだとか鉄の量をケチったとか、わざわざCGモデル変えるのが面倒だからとかいろいろあるのでしょう。ちなジョブズの話はデマです。地獄のジョブズ、すまンゴ。
【ええと……大臣はどこまでご存知なんでしょうか】
「全身が軍機のようなものだとは聞いた。ただそれだけだ。あくまで私は政治家なのでね」
【では、大佐、というのは】
「知らないのか? あのシュトロハイムとかいう士官と君は随分懇意にしていただろうに。任務の為に命を賭したこと、そして生まれ変わった体に相応しい権限を与える為に大佐に昇進させたようだぞ」
【では自分が『准尉』を拝命したことも同様の理由で?】
「勿論。総統閣下も君の活躍を一層期待している」
【えっ、ほ、本当ですか? 精進致しますッ!】
チョッッッロ。あのさぁ…いつも会話のオチが同じなんですけども…。あまりにも素直に乗せられるもんだからゲッベルス兄貴も味を占めちゃってますよ。
逃げろ、それは罠だ! 味を占めて深入りすると逆に【人たらし】に足元を掬われるゾ。とはいえゲッベルス兄貴はもう手遅れなのでほっときましょう。南無。
うーん、重要人物さえも勝手にたらしてくれるのは良いんですが、仕事以外ポンコツなので釣った魚に餌やりすぎて複数人からクッソ重い感情をぶつけられてます。いつかとんでもない修羅場になるんじゃないかと私の肝がバッチェ冷えてますよ〜。なお、登場人物全員男(迫真)
やっぱりもうちょっと常識を教えるべきだったんでしょうか……子育てって難しいですね……†悔い改めて†
…さて、さらっとキンクリしつつ、地獄のスパルタ訓練を乗り越え、動作制御はほとんど万全というところまできました。
偉い人に呼び出され、波紋戦士の監視に絶賛いそしみ中の電磁波レイプ!集団ストーカーと化したシュトロハイム兄貴とその部下達と合流することになってます。俺はお前が俺を見たのを見たぞ!全てのaiueo700に感謝。
向こうのほうから車で拾いに来てくれました。
ふむ…………恐らく事情を知らされていない軍曹と上等兵が一人ずつ…………階級ガチャ成功です。なってて良かった【准尉】。無理矢理にでも進路を変えさせてスイス方面の国境へ直行しましょう。
職権乱用ンギモッヂイイイイィィ!!!!
さて目的地に…なんか向こうのほうからまるで30ミリの装甲を抜ける徹甲弾が分間600発で撃ち出されてるみたいな音が聞こえるんですけど(名推理)
兄貴の復活お披露目会、ついでにカーズ戦、もう始まってる!
「一体どうし…………ああっ! 眩しいッ……!?」
【お前達はここにいろ。俺が行く】
「なっ、待ってください、状況もろくにわからないのに無謀で……」
お迎え係を放って車を降ります。本当にすぐ近くであっても雪面ダッシュは禁物、焦らず速歩きです。
根性が畑に捨てられカビが生えてハエも集らねー腐ったカボチャ(12巻 最期の波紋の
ちょっと刃当たんよ〜(光の流法)
…あーあ兄貴がポーランドみたいに分割されちゃいました。そら(
説明不要とは思いますが赤石ことスーパーエイジャは、柱の男が進化するのに必要なドラゴンボールというか賢者の石的なあれなので、同族の女を皆殺しにした““キレてる””ホモ原理主義者のカーズは血眼になって114514年も探してたという訳です。
赤石つきの石仮面を被ればたちまち彼もドラァグクイーンのスーパースターになれるという訳であります。ソースは大本営。
つまり奴は所詮半人前の一般クレイジーサイコホモに過ぎず、素材本来の味で勝負できる純ケツのホモくんの敵ではありません。穢れた血め!(HIV感染者)
だから胸倉掴み上げているカーズが視界に入っても落ち着いて行こうね。頼むからホモくん落ち着いて(懇願)
____メキシコから生還することのできたシュトロハイムとの再会を楽しみに思う気持ちは、そのまま激情へとすり替わっていた。
____モーリッツの勘は既に眼前の大男が脅威であることを察知していたが、それをまるで感じさせない、堂々とした歩みを保っていた。
____ドガン
「ヌウ……!」
「にゃんだァ〜〜〜!? カーズの肩を何かが、物凄いパワーで肉を抉っていったッ」
【貴様ァァ、よくも! ドイツの叡智に腐った息吹き掛けてんじゃあねーぞ
「モ……モーリッツ……? お前もそんな怒り方をするんだな……?」
「ダブルショーーーック!! ホーデンハイマーの野郎まで機械になって生きてやがったとはーッ!! どうなってんだお前らの国ーーーッ!!」
な〜に兄貴の胸元まさぐってんだYO! それってセクハラですよねぇ!?(フ○三) これだから根性が畑に捨てられカビが生えてハエも集らねー腐ったカボチャの野郎は…。
さりげなく罵倒に『劣等』をまず選ぶあたり、だいぶ思想が汚染されてますね。ナチスくんさぁ、どうしてくれんのこれ。
根性が畑に捨てられカビが生えてハエも集らねー腐ったカボチャ様、改めカボチャ様は的が大きくて助かる。単純な大きさで言えばワムウのほうが上ですが、ジョセフのような例外でなければ戦闘の天才に当てられる訳がなく、遠距離攻撃のときはカボチャ様を狙い撃ちが安定ってそれ一番言われてるから。
兄貴の機関砲と違い、ホモくんのナカに搭載されているものは単発式で、次の弾を撃ち出すまでの間に若干のインターバルが必要になる代わりに口径も大きいです。貫通力は勿論兄貴のほうが上手ながら、番犬兄貴の例を取っても、ちょっと蜂の巣になりかけたくらいではさしたるダメージにならない柱の男に対しては重さ重視の攻撃が効果的と思われます。
これってもしかしてウチが気付いとらんだけで戦車戦に突入してはりますぅ?
ようし、さてもう一度標準を合わせて…ウワッこっち向いた。何でそんなに怒ってるの?俺また何かやっちゃいました?
「小賢しい鉄屑が増えよって……『劣等』だと? 生物の
【光増幅放射ッ!】
「な!? ヌウウウ、これはッ……
【ンン〜〜〜香ばしい匂いに無い腹が空く】
____モーリッツの胴体から放たれた高出力のレーザーは、咄嗟に防御したカーズの手のひらをも貫通した。
____手のひらの向こうにある肩は、皮膚を失った無防備状態! 波紋を使わずしてカーズの肉が溶かされた!
カボチャ様の話を微塵も聞かないホモくんすち♡
今しがたブチ込んだのはぶっとい♂徹甲弾で、これは本来真っ直ぐに撃ち出して戦車の装甲をブチ抜くことを想定したものですが、胴体上部に当てる為に少し射角を変えています。
なお固定具は明らかにおいゴルァ!墜ちろ!制空権もってんのか!(対空砲)という角度にも対応していたり、あるいはシンプルに榴弾も装填できる使用になっていたりします。
柱の男の手を貫通するあたおか強度のレーザーも、兄貴とは違い奇跡的に顔面の残っていたホモくんは内蔵砲と一緒に胴体に格納されています。滅多打ちになってしまう機関砲とではあまり意味を成しませんが、基本的に標準が固定される単発式とは相性の良い設計ですね。知らんけど。
あーもう(性能)めちゃくちゃだよ。詰め込みスギィ!
こんな兵器をパパパっと作れるほどの技術大国なんだから、第二次世界大戦ではさぞ気持ちのいい勝利を収めたんやろなぁ(すっとぼけ)
怯んだ隙に間髪入れず走り出しましたが、カボチャ様は流石の反射速度で輝…なんとか刀…………キラキラ☆マジカルソードを構え直してきます。多分そんな感じの名前やろ(適当)おい待てなんで動
「ヌオオオオォォォ避けろモーリーーーッツ!!」
【大佐ッ!?】
____カーズは先程取り落としたシュトロハイムの体を拾い上げ、モーリッツに向かって思い切り投げた。
____予想外の攻撃に一瞬思考が止まった。
____その隙を見逃す筈もなく跳躍したカーズは、未だ滞空しているシュトロハイムを蹴落とし、有無を言わさずモーリッツに2人分の重量を受け止めさせた。
「おっと、死ぬ気で支えんかァ! 生身の上官が潰れてしまう〜〜〜フフフフ」
【ガアアアァァァッ】
____シュトロハイムの体を守りながら、体重をかけるカーズに抵抗するのは負担が大きく、義腕の関節がみしりと不穏な音を立てた。
おじさんやめちくり^~(年齢差10万)
酷いことしやがる。なんでや!根性カボチャバレは終盤でこ↑こ↓のシーンではまだ紳士ぶってるはずだろいい加減にしろ! これだから根性が以下略は…。
ろくな抵抗もできない状況でげしげし踏まれながら、苦悶の表情を浮かべるホモきゅん__これはこれで““アリ””というのは一旦置いておくとして__を横目にカボチャ野郎は腹の立つドヤ顔で赤石を奪いやがりました。
美男を踏み付ける片手間に偉丈夫の服をエロ同人みたいに引き裂く様はさながら百戦錬磨のモブおじさん。いつもお世話になっております(丁寧)、死ね(直球)
幸いにして積雪しているので、そのへんの雪を手で固めて顔面にブン投げてやりましょう。因みにシュトロハイム兄貴並びにホモくんの
喰らえ! そしてすかさず高出力レーザーを
____再び不意を突かれたカーズの手が緩み、零れ落ちた赤石は雪面を滑り落ちていった。
【走れJOJOッ! その距離なら間に合う!】
「おっ…………おう、わかったぜ」
「おのれ……こんな子供騙しに……!」
【ハッ。俺の策が幼稚なのではなく、お前の脳みそが足りないという可能性は思い付かないのか? いや、思い付ける脳があるならこうはならんか……】
「貴様ァッ!」
カボさんイライラで草。二度あることは三度あるしもっかい投げたろ! 当てようと思えば(王者の風格)
「…………クソッ、貴様……決して冬を越せると思うなよ……」
____一瞬の思考の末、カーズは反撃するよりも赤石を追うことを選んだ。
負け犬の遠吠え、恥ずかしくないの?
この私が恐れる冬はただひとつ、1943年のスターリングラードで過ごす冬だけだ! 数年後には祖国が真っ二つになるのに、上官を容易く真っ二つにしてしまう力量差が何だと言うのか。些細な恐怖に惑わされる軟弱な兵士は我がドイツにいぬァい! 最悪特↑攻↓でゴリ押せばいける筈や(末期帝国並感)
???「やっぱ…早期講和の為の…短期決戦を…最高やな!」
あとはジョセフと成り行きに任せとけばなんとかなります。レーザーのくだりは完全に兄貴の活躍を削ってしまいましたが、原作キャラの強さは余程のことがなければ基本的に変動しないのでヘーキヘーキ。ありがたく経験値にさせてもらったほうが合理的だからさ(ホモはせっかち)
WWSハイム兄貴の活躍が見たかった? ほならね?
カボチャ野郎に伸し掛かられた際にイヤ〜な音がしていたものの、幸い義腕はまだ一応動くので、何かしらのはずみでブッ壊れる前にさっさと兄貴のダイナマイッボディを車に乗せておきましょう。火薬や燃料を積んでいるのでうっかりすると本当にダイナマイトと化す可能性も微レ存なので注意されたし。…えっさっき私これを投げられたんですか?
まぁええか(寛大)
ご視聴ありがとうございました。
*カーズ戦の没案
「ヌオオオオォォォ避けろモーリーーーッツ!!」
【大佐ッ!?】
____カーズは先程取り落としたシュトロハイムの体を拾い上げ、モーリッツに向かって思い切り投げた。
____予想外の攻撃に一瞬思考が止まった。
な、なんて攻撃しやがる…ええいままよ! 倍プッシュだ…!
____しかしモーリッツは足を止めなかった。いや、それどころか更に加速した!
そして急ブレェーキ! 猛スピードで進んでいた鉄の塊が突然止まった反動が力を込めた爪先に集中、そして雪原という環境も相俟ってホモくんは仰向けにスライディング。
空中の兄貴を潜り抜けることができました。外してんじゃねぇよバァカ!
許せ兄貴、今のホモくんにほとんど生身部分しかない状態の兄貴が柱の男の腕力でぶつかるのは新幹線で飛び降り自殺するようなもんだから…。雪がクッションになるはず。多分。
そのまま直線上のカボチャ様に突っ込み、通り様に足を掴みます。道連れじゃあ! 意表を突いたと思ったら逆に突き返されたカボチャ様は無様にずっこけました。散々人をコケにしておいてその体たらく、恥ずかしくないの?
プギャりたいけど石は安全な場所から反撃してこなさそうな奴だけに投げたいからやめとこ(人間の屑)
コキフリのような動きで地面を這って赤石の回収に向かいます。ちょっとキモいですが我慢我慢。カボチャ様は赤石を優先で追ってくるので兄貴は一旦放置でおk。ちんたらしてると足からもマジカルソードカッコカリを出されて顔に傷がついてしまう可能性があるのであくしましょう。
「お前は本当に……いや、今はいい。俺の胸ポケットにある首飾りを持って逃げろ! それさえ確保できれば任務は成功だ!」
【了解ッ】
…というバトルにしようかと思いましたが延々と足の引っ張り合いが続いて収集つかなくなったので原作の流れに任せました。
ちなみに最初の方に出てきたベッカー大将は、史実でもこの時期に陸軍兵器局長やってた方です。(実際の性格は知ら)ないです。
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おまけ
新年早々、メキシコからもたらされた混乱の処理にドイツは大忙しだった。
かの地から緊急の打電があったかと思えば、次いでスピードワゴン財団からの唐突な接触である。どこで知ったのかメキシコで行われている実験のあれそれをチラつかされては無視をする訳にもいかず、僅か2日後にはベルリンにある財団支部にてとりあえず交渉の席を設け話し合うこととなったのだ。
向こうから連絡を入れてきた癖にどこか不満気で不本意そうな雰囲気が漂っていたり、正義に燃える挑戦的な視線を向けられたり、ドイツ側は苛立ちを覚えずにはいられなかったが、なんとか交渉はまとまった。
財団は、保護したドイツ人の兵士や科学者の遺体を速やかに返還し、ルドル・フォン・シュトロハイム、及びモーリッツ・ホーデンハイマー両名の救命に尽力すること。『柱の男』に関して保持している情報を、可能な限りドイツ側に開示すること。
ドイツは、上記の二人を『柱の男』に関する作戦のほとんど全てに登用し、現段階以上の人員には原則『柱の男』の詳細を告知せず、する場合は可能な限り少数に抑えること。また、財団にコロッセオ地下への立入を認めること。
そして両者は、技術面での惜しみない提携を取り、恒久的に、軍事転用を行わないこと。契約の目的は一貫して『柱の男』の打倒であること。
詳細な記述は省くとして、概ねこのような内容だ。
無論財団も初っ端から馬鹿正直にこの条件を出して挑んだ訳ではないし、あわよくば有利な一文でも飲ませてしまおうかとも考えた。しかし既にドイツ側の軍人にこちらの腹が知れてしまっており、口約束とはいえ創始者のスピードワゴンが条件を飲んでしまっている。
彼は今でこそ老いて落ち着いたとはいえ、根本が情に厚く義理堅い熱血漢であり、高度な騙し合いや腹の探り合いにはあまり向いていなかった。例え口約束でも、約束を違えるのは彼の望むところではないだろう。
もし仮にいっときはドイツを騙すことができたとしても、後々その軍人――ホーデンハイマーに条件の勝手な変更がバレて、怒りを買ってはろくなことにならない。軍を飛び越えて有力な政治家にあることないこと告げ口されてしまえば、話が余計に拗れるばかりか、財団はローマに立ち入るのも困難になる。
またちょっとした反抗心の為だけに、憎たらしいほど優秀な彼を
「待てよホーデンハイマー」
「JOJOか。咄嗟の指示であったが、すぐに走り出し、赤石を渡すことなく
「おうよ! いや、そうじゃあなくてだな。何なんだよその機械の体は?」
「…………。スピードワゴンから聞いていないのか」
「あン? じいさんが何だって?」
スピードワゴンは、自身の組織がドイツ軍に多大な協力を行っていることをジョセフに告げられずにいた。
軍事転用を禁じる条文を盛り込んだところで、ナチス相手には何の役にも立ちはしないだろうと本心では思っていながら、この世に生まれるには早すぎる兵器を作り上げた。言い逃れようのない、生物を殺す機能だけを積んだ悍ましい道具を作り上げる為に、二つの魂を実験台にした。
彼等は生涯を人間ではなく兵器として終えることになる……それでも彼はやった。
大切な人の忘れ形見を守る為だなんて言い訳は微塵も浮かばない。それどころか、若い時分に散々弱者を襲って生き延びてきた老いぼれが、再び奪い奪われる世界に足を踏み入れ、老いでくすみ始めた精神がギラつきを取り戻しつつあることに呆れる。
全てエゴだ、エゴでなければならないのだ。綺麗事だけではやっていけないのが世の中だが、しかし薄汚い部分を敢えて見せる必要もない。早いことに
スピードワゴンにとってもはや二度目の世界大戦が訪れる未来は必然のものであった。誰が次の覇権を握るにせよ、夥しい量の血が流れる原因のひとつとなりえるそれに手を貸すなんて、愚かな罪だろう。
「……お前は甘やかされているな」
「オイ、じいさんのこと悪く言うなよ。確かに甘いけどよ……怒り狂ったエリナばあちゃんがあんまりにも怖いから、じいさんまで俺にキツく言えないんだぜ、きっとッ!」
「…………そうか。では訂正しよう。お前は……愛されているな」
「んまぁな。面と向かって言われると恥ずかしいが」
しかしその深い愛が、思いやりが、ジョセフをまっすぐで人好きのする青年に成長させたのもまた事実だ。
彼の祖母であるエリナは強く優しく気品のある女性だが、夫と息子夫婦を失ったことにより染み付いた心の闇を、夫の生き写しである孫の前で完全に隠すことができなかった。幼い頃からジョセフはそんな祖母を守ろうとしていたものの、もしスピードワゴンという背中の支え、あるいは逃げ道がなければ、その荷の重さに幼い心は悲鳴を挙げることになっただろう。
「俺と大佐殿の体があるのは彼のおかげでもある。科学・医学ともに素晴らしい技量だ。我がドイツのように」
「最後の一言いる?」
ジョセフはやれやれと首を振りながら無意識に口角を上げていたのを、目前の男がじっと見詰めていることに気付いて、思わず視線から逃れるように体をひねった。共に命のやりとりをしたドイツ軍人が生きていたことを嬉しく思ったのは確かだが、緩んだ表情をまじまじと観察されては恥ずかしさが込み上げる。
やかましくて高慢ちきな印象のシュトロハイムはまだしも、物語に出てくるような軍人そのものといった振る舞いのホーデンハイマーは堅物で、何を考えているかわからない人物に見えた。
ついでにやたらと整った造形をしているが、ジョセフは目の前の彼がまさか10以上も歳が離れていているなどとは知る由もない。そう変わらない年齢の癖に妙に偉そうだなとさえ思っていた。
「何してるJOJO、ここで駄弁っているヒマはない」
「もう、シーザーちゃんのせっかちィ。それに無言で赤石を持ち帰ったりしたら、こいつら怒らせちゃうかもしれないぜ?」
イタリア訛りの英語でジョセフを呼び戻そうとするのは、地獄の如き修行ですっかり相棒となったシーザーだ。以前からドイツが生粋の波紋使い家系である彼の波紋を調べようとしていたこともあり、その名前はシュトロハイムもホーデンハイマーも聞かされていた。
流石に同盟国の人間だけあって、彼はドイツの特徴的な軍服にこれといった嫌悪感を浮かべたりすることもない。
「悪いが、赤石は俺達が持っておきたい。貴方方の調子も万全ではないだろうし、いざというとき波紋なくして赤石を守り通すのは困難だ」
「多少関節が軋む程度、貴様らから力づくで奪うのに何の支障もない性能は備えているが」
「…………正気か? 貴方方が現場に出ている限り、赤石を守るのは生身の同胞になるんだぞ。数え切れない死者が出る」
「最終的に祖国の役に立てれば皆本望だろう」
人命軽視も甚だしい発言に、本来血統や誇りを重んずる熱い性格のシーザーは一瞬呆気に取られた。『血』を重視するという点ではドイツの方針に一定の理解を示していたが、その裏にある冷酷無比な面を目の当たりにして、忘れていた訳でもないのにファシズムの現実を突然思い出したようだった。
シーザーをここまで躊躇わせるのはやはり同盟などという厄介な政治上の取り決めだろう。普段は世間から切り離されたエア・サプレーナ島で暮らしているとはいえ、ここで同盟国の軍人――しかも見たところそれなりの権限を与えられている――と揉め事を起こすのはどうか。数年前までは結構ヤンチャしていたものの、彼の地頭は悪くない為、そんな『理性』が浮かんでしまう。
もしもホーデンハイマーと相対しているのがジョセフであれば、彼はもっと無遠慮にズケズケと物を言って、それだのに上手く事を収めてしまったかもしれない。彼は人を欺いて罠にかけるのが得意だし、そもそもイギリス人なので今更取り繕う関係などないのだ。
だからといって、歳下の弟弟子をこの汚れた駆け引きに引きずり出すなんて頼りない真似をしようなどとは、誇り高いイタリア男児であるシーザーは思わなかった。
「下がりなさい、シーザー」
「ッ先生……」
「赤石を研究したいのならすればいいわ。闇の一族を倒せば私の赤石の守りの使命は終わりだもの。ただし、渡すのはこの戦いに決着が着いた後よ」
「リサリサ先生ッ!?」
これまでシーザーの斜め後ろで沈黙を貫いていた師匠リサリサが、彼が精神的に押されていると見るや否や前に進み出た。冷静沈着を崩すことなく前を見据えれば碧と碧がかち合う。
同じくリサリサを真っ直ぐと射る切れ長の目は、白黒の宣伝写真越しに見るのとは明らかに違う鮮やかさで、寒さからか赤みの差した肌色は、この男が本当に生きた人間であることを証明している。そして男は一度対面した際のヒトラーの瞳のように、自身の顔にはじっと相手を見詰めるだけで相手の心理に訴えかける力がある、と無意識の内に理解していた。
ふと、似た瞳の色をした美しい女と男が向かい合う姿が妙に画になっていることに気付いたシーザーは、つい恨みがましい視線をホーデンハイマーに送る。女を口説くときはいつだって自信満々の彼だが、リサリサといるときだけは自分がちっぽけに感じて、隣で並ぶのに釣り合っていないのではないかとよぎる瞬間があった。
その点ホーデンハイマーには揺らぎない意思がある。というか、心にドイツ以外の概念が存在しないだけだが。
「その決着とやらは、何百年先の話だ」
「貴方達がもっと歩み寄ってくれれば、もっと短くなるんじゃあないかしら。いきなり本命を明け渡すにはまだ我々の間に『信頼』が足りない」
「フン……否定はしない。そちらの赤石を渡すという言葉も、真っ赤な嘘かもしれないからな。保証のないものに軽率に
「私は赤石と共に、先代達の数千年の歴史が刻まれた資料も受け継いでいるわ。波紋や赤石の記述を抜きにしても、相当な価値がある。それこそ『研究』というなら十分な進歩が望めると思うけれど」
「…………まぁいいか。それで手を打ってやろう」
ホーデンハイマーがここまで強気に出たのは「財団との協力関係を知られていない」ということをつい先程知れたからだ。スピードワゴンが恥を忍んでジョセフに打ち明けていれば、既に協力している相手に「協力してやるから対価をくれ」だなんて馬鹿げた要求は通らなかったのに。
しかしリサリサの堂々とした態度を彼は気に入った。見たところ歳もかなり近いというのに何か気迫を感じる…いや、己よりも実力あるいは経験が『上』だと一瞬でも思わされた。
彼にはこれまで互いに切磋琢磨し合う『好敵手』がいなかった。いなくとも独力で成長できる才能を持っていたが、もし十代の頃にそんな存在と出会えていれば、もう少し自分は違った人間になっていたかもしれない。なんとなくそう感じた。
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SECHS
「見てみろこの断面を」
【これは…………兵器局に戻ったらしこたま怒られますね】
「違ァーうッ! この滑らかさを見ろと言っておるのだ! よく見んかッ、あの妙なサーベルの切れ味と言ったら、鋼鉄の腹をまるでバターでも切るかのようだろうがッ」
【わかっております。しかし……我々でさえ歯が立たないとなると、もはや人類の技術では……】
できる範囲の応急処置を施し、急いで帰国します。
残念ながら整備修繕の訓練はまったくの手付かずなので…大したことは…何一つできませんでした…(心の鍵を閉める音)
因みにセルフチェックをしたところ、明らかにやべー音がしたホモくんの関節もダメみたいですね。戦力外のスクラップがここにふたつ。怒られるときは一緒だゾ♡
復帰早々こんなになっちゃった……
なっちゃったからには…もう…ネ……
「真っ向から叩くだけが戦闘ではあるまい。現にお前はこの土壇場で奴の意表を突いた! 特に雪玉は傑作だったなァッ!」
【い、いや、先程は何と言いますか、頭に血がのぼっていたので……あまり褒められたものではなく】
「俺は寧ろ、お前が激情をあらわにできるのだと知れて良かった。常に落ち着いているのは良いが、もし胸の内に溜め込んでいるが故の冷静さでは、いつ爆発するともわからんからな」
____シュトロハイムを前にすると、時折モーリッツは自分でも信じられないほど幼稚な言動を取ってしまっていた。
____幼い時分には
【……そうですか。確かに大佐殿はとても感情豊かで……しかしそれを弱点とは感じられません。頼もしく思います】
「ヌハハハハ! そうだろうそうだろう! つまりだ、モーリッツよ。お前は俺と同じで、ありのままに振る舞うのが最も己の力を引き出せるタイプということだッ!」
【大佐殿と同じ……】
「あぁ、お前のような気が合う部下を持てて俺は嬉しい!」
イチャ…イチャ……
誇り高いドイツ軍人にあるまじき粘度高めの効果音が聞こえる聞こえる…
こんなんけつあな確定やん!
兄貴を真っ二つにはされたものの、滑らかに切られすぎて何処其処の部品が足りないとか、破片が飛び散ったせいで重量が変わったとかいう問題が発生していません。サンキューキラキラ☆マジカルソード。
なので被害の割にはそれほど修繕に時間はかからないでしょう。なんなら部品がひん曲がってる可能性のあるホモくんのが迷惑かける可能性も微レ存。センセンシャル!
それから胴体に積んでいる銃器類は一旦取り外すように進言しましょう。必要ないどころか火山で兄貴が身を挺してジョセフを受け止める際、真っ二つ通り越して全身を木っ端微塵にしてしまう(カッコイイ)ので…。
資源の有効活用、持続可能な開発、世界よこれがSDGsだ。いつだってドイツは環境を守り平和と自由を重んずる人権先進国、はっきりわかんだね。
因みに技術者として整備する側でプレイしていれば兄貴に勝手にいろいろ取り付けたりできます。王道を征くエアバッグやパラシュート、奇をてらってトリガーで起動するように改造した
「思えば……随分長いことお前といるな。出会ったときはまさか、まさかこんなにも、運命を共にすることとなるとは」
____シュトロハイムがおもむろに口を開いた。
____彼の体と、その視線の先にあるモーリッツの体の一部は鈍色に輝き、そこに生命が宿っていないことを感じさせた。
「モーリッツ。お前は…………俺の下についたことを後悔していないだろうか」
【後悔だなんて。シュトロハイム殿と一蓮托生にあれることを悔やむなど、ありえません】
「今ふと思ったのだ。もし俺と出会わなければ……少なくともメキシコに随伴しなければ、お前は」
【自分は『正しい道』を進んでおりますよ】
いや…あの…さっきから会話しスギィ!飢えた野獣のようにがっつきやがって……再会っつっても大して期間空いてねーだろうがっっっ!欲しがりさんめ!
冒頭ではカボチャ野郎にさしたる戦果を挙げられなかったホモくんがヘラっていたのと打って変わって、今度は兄貴がヘラり出しましたよ? やっぱ好きなんすねぇ(菩薩の笑み)
なお、現在の心温まるやり取りは上裸でお送りしています♂
というのも何かしら体を弄った後は動作の確認をしなければならないので、今回修繕された兄貴の腹部とホモくんの腕関節がもしおかしな挙動をしたとき、一般労働整備士くんの目にバッチェ映るようジャケットを着ていません。
(視聴者兄貴姉貴の期待する幸せなキスをするケツ末は残念ながら)ないです。
【選んだ道が『正しい』のか『間違い』なのか、決まるのは
「……フフ、大した自信じゃあないか」
馴れ合うホモボーグ達をよそに、波紋戦士が男の柱♂との決闘を取り付けてしまったとの連絡が入ったので急行します。辿り着く頃にはワムウをすっ飛ばしてカボチャ野郎vsリサリサ姉貴の真っ只中でしょう。
雑魚吸ケツ鬼の群れが盛大にお出迎えしてくれますが、ちまちま焼き殺したところで大した経験値にならず、無駄に体力だけを消費します。どうせ日が昇れば勝手に全滅するし…(無関心)
面と向かって相手にするよりも部下や財団から死者を出さないことのほうが大切です。死角から襲いかかろうとしている吸ケツ鬼がいないか周囲を確認しながらサポートに徹して、どうぞ。
ダイスケあれを見ろ!
「ウィンウィンウィン……ウィンウィン……フフフ」
____立体闘技場の下から見えるカーズの奇行に、一瞬足が止まった。
【……あの野郎、どういうつもりだ……?】
「おいモーリッツ貴様! 余所見しとる暇があったら早いところ吸血鬼どもを蹴散らさんかァッ!」
【自分は周囲の状況把握に努めているだけであります!】
____咎めるシュトロハイムにそう返しながら、モーリッツは背後から奇襲せんとしていた吸血鬼に強烈な後ろ回し蹴りと紫外線を浴びせた。
____その手際の良さにシュトロハイムは呆れながらも、それ以上何か言うことはなかった。
うわキッショ(直喩) 馬鹿め!50歳とも知らずにリサリサの脚をウィンウィンしていたお前の姿はお笑いだったぜ!
気を失った熟……美魔……オホン、お姉さんをウィンウィンするという突然の奇行によってしばしば変態扱いをされているカボチャ野郎ですが、煽りとして通じてるジョセフもなかなかだと思います。プレイが高度すぎてぽかんと眺めるのが普通だと思うんですけど(名推理)
運良く、あるいは運悪く、まんまと煽りに乗せられたジョセフに渾身の一撃をブチ込まれたカボチャ野郎は、無惨な姿と化した相棒のキラキラ☆マジカルソードと共に立体闘技場からフェードアウト。
針のように突き出た無数の水晶への素晴らしいダイブを讃え、グリフィンドールに114514点!(贔屓が露骨すぎるアルバス・ダンブルドア)
そそり勃つ♂ぶっとくて長くて立派♂な結晶がカボチャ野郎の土手っ腹に全部
よーしパパ紫外線を照射しちゃうぞー!
この好機を逃す訳にはいかないからね、しょうがないね。そういや掠め取られた赤石の在り処がわからないのも気のせいだね(すっとぼけ)
奴はほぼ全裸なので収納スペースが限られますが……多分あの申し訳程度に穿いてる褌とかにしまってるんでしょう。こち亀かな?
____波紋傷を負いながら紫外線照射装置に囲まれ、もはや逃げ場はないだろうと思われたカーズが、おもむろに頭をあげた。
____その顔を覆うのは、重く硬い灰色、そして中央に鎮座するまばゆい赤色。
「なッ!」
「や……やめろシュトロハイムッ! 赤石が石仮面にはまっているぞッ、紫外線はまずい!」
【石仮面だとッ!? クソッ、総員退けェェッ!!】
「ま…………間に合わん……!」
一応わざと照射に失敗して阻止することもできるものの、劣勢を悟ったカボチャ野郎に赤石を持ち逃げされるうえ、マジカルソードを叩き折った時点でジョセフが波紋を使い切っているので捕えることができません。
その状態で日の出を迎えるとコソコソ進化しやがったカボチャ野郎が場所も時間も完全ランダムに奇襲してきてボッコボコにされます。リメンバーパールハーバー!
因みに究極生命体となってしまった以上、向こうがどんなに卑怯な手段を使ったとしても(我々は正面からブッ叩く以外に勝て)ないです。なんで?(殺意)
「き……究極の生物なんて……馬鹿な! 完全なる生物なんて、な、なれるものかァ!」
【怯むな、奴を徹底的に叩き潰せッ!】
【続け、俺が先陣を切ってやるッ!】
【待て、全員下手に動くなッ!】▼
【…………ま、待て、全員下手に動くなッ! 本当に自分が『進化』したのかどうか? 俺なら確認してみたい……きっと何か来るぞ】
「なっ、なんだあ!? ありゃあ!?」
____ジョセフの挙げた声で、波紋で溶けるカーズの腕が奇妙に蠢く様に、誰もが注目した。
この期に及んで選択肢が静観さもなくば突撃とか頭どうかしてますね。親の顔が見てみたいもんだ!
一方カボチャ野郎はというと格好良くて強そうな猛禽類の梟もいたのに、敢えて可愛いリスを生み出し頬擦りさせるなど深い動物愛護精神を見せつけてくれます。参考元の一般通過野生リスくんが寄ってきてキュイキュイと喉を鳴らす様子も愛くるしいですねぇ。
……………………。妙だな…。
カボチャ野郎は男。よって人工リスくんはオス。
近寄ってくる野生リスくんは繁殖期らしきオス。
……やっぱりホモじゃないか!(歓喜)
LGBT? はーつっかえ…これだから人権後進国は…(ジェンダーマイノリティ先輩) まだその程度の““アップデート””しかできてないんですか?今やLGBTQQIAAPPO2Sの時代ですわゾ!
つまり野生リスくんを突如食い散らかし出した人工リスくんの行動もまたひとつの愛の形で多様性、はっきりわかんだね。ホモでカニバリストのジェンダーも多分この呪文の中のどれかに入っとるやろ(適当)
とか言ってる間に理性もへったくれもない野獣のような顔に豹変したリスくんは殺意剥き出しでこちらに突っ込んで来ます。兄貴の鋼の肉体をブチ抜く石頭っぷりを見せつけてくれるリスくんですが、修繕した際のホモくんの進言により中身は空っぽなので貴重な資源は守られました。
んまぁそう…そんなことした程度でどうにかなると思うほど枢軸の貧弱補給を舐めてはいけない(戒め)
「リスがァァァッ!!」
【大佐ッ、クソ、こいつ、ッ握り潰してくれる!】
「う……うおおっ、す、すげえッ! ボーデンハイマーの野郎、リスを素手で捕まえやがった! 機械だから素手っつーのはちと違うかもしんねーが……とにかくすげえ反射速度と正確さだ!」
____標的を人間に変え、シュトロハイムの胴を突き破り背中から飛び出したリスを、モーリッツはなんとか掴んだ。
____おおよそリスとは思えない暴れっぷりは、モーリッツの腕が鋼鉄製でなければ指を数本もがれていた。
____ベキッ。
____力を込めるとあまり心地の良くない手応えが伝わり、柱の男に匹敵する握力は、容易くリスの姿をした怪物の頚椎をへし折った。
はい。これで本作戦の我が方の犠牲はゼロでありますな。人智を超えたバケモンに挑んでこの戦果、誇らしくないの?
こ↑こ↓はモブ兵士一人を救うだけで評価が上がるオイシイ場面なのですよ。なお人工リスくんを絶対逃さないような鷲掴みが成功するまでに数多のモブ兵士が死にました(12敗)。タイミングがちょっと早いと両手を粉砕され、ちょっと遅れるとリスの癖にトカゲの尻尾切りで逃げられます。
【な、んだこいつはッ! 気味が悪い!】
「ウゲッ、まだ生きてやがる……オエ〜〜……」
____モーリッツの拘束から抜け出したリスは、頸椎の支えを失った頭を振り乱しながらカーズの右手首へ向かって走った。
____折れた骨が修復されていく鈍い音と共に、リスは花へ蝶へと変化し、やがて傷ひとつない右手に戻った。
うーん、一挙手一投足がキモい。
先程のウィンウィンといい、ホモくんがこうもはっきりと嫌悪感を示すのって滅多にない気がします。よっぽどキモいんでしょうかね。リスに続いて花だの蝶だの、乙女趣味な選択もぞわぞわしますよ〜。女の子かにゃ?
冷静に考えてみると、サイボーグコンビも胸から下が機械である以上、お T N T N ラ ン ド 開 園 ができないわけですから、こちらも女の子と言えるのではないだろうか? つまりホモは女の子。Q.E.D.証明終了。
ウェ~イwwwwww太陽に一縷の望みをかけていた人類くん見ってるぅ〜〜〜??wwww唯一の弱点だった太陽ちゃんは、今俺の隣にいま〜すwwwwww
ついに訪れた日の出の時、間男がNTRビデオレターでも送るかのようにカボチャ野郎が光の中で立っています。カスが効かねぇんだよ(無敵)アーイヤーイーヤーイー(幻聴)
「
「お……俺のせいだ、俺が奴に石仮面を被せてしまったんだ」
【…………何、何をッ、弱気なこと、言ってるんですか大佐殿! 先に心の折れたほうが負けるんです、かくなるうえは徹底抗戦しかないでしょう!】
ホモくん今はちょっと黙ろうか…。落ち込んでる人に精神論で励ますなんて鬱病患者を善意で自殺に追い込むタイプですね。
もう終わりだよこの星、と諦めムードの一同(精神論者のホモ1名を除く)でしたが、流石は主人公、ジョセフが活路を見出します。それはイギリス貴族の高貴な血を受け継ぐジョースター家の伝統戦法――――『逃げる』!
そして今の今まで血を流しながら奪い合っていたのが馬鹿みたいに地面にほっぽられていた赤石を拾いつつ、アルティミットクソバードに変身したカボチャ野郎を引き付けます。鳥さんチュンチュンで草。
ジョセフはドイツ軍の持ってきた軍用機にいきなり飛び乗ったかと思えば、怒涛のドラテク(?)を見せつけながらカボチャ野郎に応戦するとんでもねぇ才能を見せつけてくれます。
思えば彼の父親も戦闘機乗りでしたね。いやそんなんで説明つくレベルじゃないでしょ(正論)
くだらないツッコミは置いといて無線を繋ぎましょう。いつの間にか姿を消した兄貴は軍用機の浮きの中でスタンバってます(流れるようなネタバレ)
「じいさん、このJOJOにはアイデアがあるぜッ」
「おいJOJO余計なことはするな! 逃げることだけを考えろ、自分一人で何かをするなんてことを考えるなJOJOッ!」
「いや、奴を倒すのは今しかねえ!」
____無線機の向こうで、ジョセフが威勢良く声を張り上げた。
「地球最大のエネルギー『マグマ』! イタリアのヴォルガノ島『火山』の溶岩に奴を突っ込んでブッ殺してやるぜ!」
【よく言ったイギリス人、その意気や良し】
「良いわけがあるか! 頼む考え直してくれェーッ!!」
よし、じゃあぶち込んでやるぜ!(大和魂)
特↑攻↓は負けフラグなんだよなあ…。日独ハーフにして枢軸サラブレッドのホモくんに絶賛されるとますます笑えないから。
なんやかんやしている内に軍用機がカボチャ野郎の放ったご存知ピラニアだ!(ジョルノ・ジョバァーナ)に襲われるなどした為、不穏な雑音と共に無線は通じなくなりました。
守るべき旧友の孫が完璧な死亡フラグを建てていることに錯乱するスピードワゴン大先生をどうにか言い聞かせ、兄貴救出の準備をしましょう。おうあくしろよ(老体に鞭打つ人間の屑)
____無線機がノイズだけを発するようになってから、そう時間の経たない内に、変化は目に見えて起こった。
____ヴォルガノ島の噴火だ。
「そ、そんな、まさか…………JO……JOJOが…………JOJO……」
【ええいさっさと俺に船を寄越せッ! こっちはドイツから空路だったんだ! 俺だってシュトロハイム殿がご無事か気が気でないッ、しかし無線が通じない以上は直接確認するしかないだろうが!】
「何、か、確認? 噴火したばかりの火山に近付くなど、き……危険だ。いくらなんでもそんな真似を部下にはさせられん……」
【誰が貴様の貧弱な部下などいるかッ! 島に上陸するのは
____ここでようやくスピードワゴンは目前の軍人が他の人間とは違うことを思い出した。
____そしてもうひとつ、生身だった頃のモーリッツが最後に取った行動が彼の脳裏に過ぎった。
____“私からも頼んだ、JOJOのこと”。あの時モーリッツは、その願いに答礼していた!
いやシュトロハイム兄貴の為だと思うよ(直球)
大先生ったらホモくんのこと良いように捉えすぎですわよ…いい人すぎて申し訳なくなってくるな…。ま、まぁ、さしものホモくんにも命を賭した戦いで接してきた青年に何ひとつ思うところがない、なんてことはないでしょう(震え声)
財団の船を借りたら操縦役と応急処置(生身)役と応急処置(機械)役など諸々、とりあえず最低限の人員を乗せます。外をふらふらしていると死ぬほど火山灰を浴びるので、精密機械の体がブッ壊れたりしないよう冬季用コートを装備しておくといいかもしれません。ただし熱風に晒されてサウナ状態アチチチチwになるので事前に水分補給もしっかり。
【大佐殿、シュトロハイム殿ォッ!! どこにおられますか!! ついでにJOJOもいるなら返事をしろォッ!!】
____ヴォルガノ島に上陸したモーリッツはありったけの声でシュトロハイムの名を連呼した。
____あの逞しい上官ならば生きているに違いないと思いながらも、先程の大噴火には少なからず不安を覚えていた。
「…………モーリッ、ツ」
【ああッ、シュトロハイム殿、シュトロハイム殿! 良くぞご無事で、本当に良かった、本当にッ!】
「体のほとんどが木っ端微塵だがな…………」
【生きていることが肝心なんです。自分はそれだけで、とても嬉しいんです】
「……そうだな……生きてる…………俺が、俺
____普段からは想像のつかない、小さく掠れたものであっても、モーリッツの耳は己の名を呼ぶ声を正確に拾い上げた。
____小さく、そして軽くなったシュトロハイムの体を抱えて船へと戻った。
またもや感動の再会に涙が出、出ますよ…。
ご視聴ありがとうございました!
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SIEBEN
船内に兄貴を運び入れたら取り急ぎ処置をしてもらいましょう。短時間であれば生身部分だけでも活動できるんですが、長時間の分離が予想される場合は仰々しい医療機器をいろんなチューブで繋いでおかなければなりません。
ごく短期間で下半身と3回もお別れしてるシュトロハイム兄貴、冷静に考えてヤバすぎんだろ…。生身のままだといくら命があっても足りないよぉ!
てっきり兄貴がホモくんに目をかけているのかと思いきや、実はホモくんが危なっかしい兄貴を放っておけなかった説ワンチャンあります? スターリングラードなんかに行って帰ってこれるヴィジョンが
おや、NPCに話しかけられました。何でしょうか?
「失礼、准尉。見えますかな……大佐の、ここのボルトがですね、完全にイカれております。まさかここが壊れるなど……全く予想外ですな」
【……要点を言え。直るのか、直らないのか。生命に関わるのか?】
「この部品の予備はありません、放置は非常に危険です。しかし…………准尉にも同様の部品がついております」
【ならさっさと俺のを使え!】
胸のあたりの重要そうなボルトが見事に潰れています。穴のほうもガバガバですねぇ!
自分の部品で代用できると聞くや否や詳細も聞かずに差し出そうとするぐう聖……いつものホモくんだったわ。ノータイムで叩き出されたケツ断に兄貴が若干引き気味に感謝を述べてくれます。ええんやで(にっこり)
慌ただしくもう一台のベッドと車椅子が運ばれ、あっという間に軍服をひん剥かれます。イヤン♡エッチ♡
ノ、ノーパン…。人類は脳みそが発達しすぎた結果、機械が下着をつけないという至極当然のことに奇妙な背徳感を覚えてしまうようになりました。サンキュー進化論。ベルトを外しズボンを降ろすと出てくる虚無の股間と鉄製の無骨な脚がセクシー…エロいっ!(性的倒錯先輩)
「腰にある同じ部品を外します。これを抜いての歩行は非常に危険なので、帰国するまでは車椅子での移動になりますが、よろしいですかな」
【構わない。やってくれ】
____未だにシュトロハイムは黙りこくっていた。
____日頃からかけ離れた上官の様子に、モーリッツは敢えて触れずにいた。
【あの一瞬で浮きに飛び乗るとは驚きでした。ただ……いつか戦時になっても大佐殿が
「…………こっちの台詞だわ、馬鹿め。まったくお前は……戦場でも俺に『献身』するつもりか」
【それでどうにかなるなら良いんですがね。こんな壊れ方、次こそ取り返しがつかないかもしれませんよ】
「取り返さんで良いッ! 余計な世」
「シュトロハイムが戻ったとは本当かッ!?」
____突然の乱入者に、その場の視線が一斉に集まった。
入るときはノックしろっつってんだろ!(思春期の男子中学生並感)……なんだ、大先生か…………大先生なら……しゃーないか(資本の犬)
寧ろ今の不穏な気配をぶった斬るファインプレー流石ですねっっっぱロバート・E・O・スピードワゴン最高だな!!大先生の革靴はうんめぇなぁ!!
ちなみに現在の状況は、全裸でベッドに横たえられたゲルマン美丈夫のホモくんと、部品を丁寧に取る為に身を乗り出してホモくんの腰のあたりをいじくっている一般ゲルマンおじさん技術師……という、至ってKENZENな図です。
特に何のツッコみも入れることなくずかずかと兄貴に詰め寄る大先生。ジョセフについていた筈の兄貴が機械部分のほとんどを失い、部品の回収すらされていない様子に何を感じたのか表情を曇らせています。
「聞いてもいいだろうか、シュトロハイム……お前は、ヴォルガノ島の噴火の瞬間に…………何を見た?」
「…………」
「シュトロハイム?」
「……JOJOはカーズを道連れに死んだ」
「……………………ッ、クソ…………クソォッ!!」
____あまりにも無情な現実に、スピードワゴンは己の膝を殴って激情をあらわにした。
なにこのクッソ気まずいお通夜ムードは…………ったくしょうがないホモくん、励ましておやり! 時に国民を嘘八百で扇動し、時に世辞で権力者に媚びへつらい、時に上官を精神論で鼓舞したその話術でなァッ!
おかしい…こんなにも身を粉にして頑張っているのに誇るべきエピソードがない…。共産主義者の陰謀に違いありませんね…。
【最期を知れただけマシと思え】▼
【これだけの犠牲で済んだのは幸運とも言える】
【重要なのは人類が勝ったということだ】
うーん、この。励ます気がまるでねぇや。ホモくんが優しいのは身内にだけなのであった。ちゃんちゃん。
しゃーないので励ますのはやめて粛々と別れの準備を進めます。さっさと帰国して財団が逃げない内にスクラップと化した兄貴のダイナマイッボディを再建してもらいましょう。実の孫のように可愛がっていたジョセフの為に体張ってやったんだから当然だよなぁ!?
そもそもが男の柱♂を倒す為だけの協力関係であり、バッチェ冷えてますよ〜(国際情勢)といった事情もあるので、余計な馴れ合いはフヨウラ!
んまぁ
船を降りれば大先生とはお別れです。寂しいなぁ(一期一会)。兄貴は完全にベッドと友達なのでいませんが、一応礼儀としてホモくんは
あ、ちゃんと服も着てますよ! ただ行動を選択して着替えたので、無視してストーリーを進行させるとマッパで動き回れるみたいですね。あーっ!困ります!お客様!お客様困ります!あーっ!!!!
【ミスター・スピードワゴン、貴財団の多大なる協力に改めて感謝する。大佐殿は少々無茶がすぎることがあるからな……この技術がなければどうなっていたことか】
「あ、あぁ…………お前のそれ……気になっていたんだが、聞いてみてもいいだろうか」
【何のことだ?】
「……何故そうもあの将校に入れ込む? 何故そうも偏執的にナ、今のドイツに、身を捧げる?」
____モーリッツは何故こんな当たり前のことを今更に尋ねられたのかわからなかった。
【……ジョナサン・ジョースターは、貴方の血縁か、さもなければ命の恩人か?】
「いいや、違うが……だが、私は彼という人間を尊敬している」
【
「何だと? 彼を追うには十分すぎる理由だ」
質問を質問で返すなあーっ!!(一般通過特殊性癖殺人鬼)
んまぁそう……いきなり変なこと聞く大先生にも原因はありますよね。平穏な時間は恐らくここのやり取りが最後ですから存分におセンチ遊ばせてよろしくてよ!
編集では切ってますが大先生とはちょこちょこ会話するように促しています。そのへんに放っておいても勝手に存在感を爆発させる兄貴と違い、身も心も機械のホモくんは職務中の私語をあまりしてくれないので自発的に話しかけましょう。
ほぼ会話ゼロでもほんへ進行は問題なくできるものの、それでは向こうに人となりを知ってもらえませんし、人脈が広がりませんからね。将来何があるかわかんないからさ(リスクヘッジ)
よっ、石油王!よっ、不動産王!やいのやいの
ホモくんのちょっと無愛想なところも仕事にストイックすぎるところも、接する内に御年75歳の大先生には「まだ若くて不器用なんだなぁ」的な生暖かさで映ります。若さ(※三十路)って便利。もちろんジョセフにも「良い人ではないが良いヤツではある」くらいの認識を与えることは抜かりなく♂
【あぁ。俺にとっても十分だよ】
____思いの外優しい声色で返ってきた言葉に、スピードワゴンは愚問だったと悟った。
____よく似ているが、全く異なる。全く異なるが、よく似ている。人間の複雑さを思い知った。
【……また会おう。より強大に、より偉大になった我が国でな】
「そんな機会、二度とないほうがありがたいがね」
____スピードワゴンのついた悪態に、モーリッツは何も言うことなくドイツへの帰路についた。
____第二部 戦闘潮流 完
くぅ〜疲れましたw
はい、ええ、勿論ジョセフは生きてますよ。
ただしドイツ軍人プレイですと究極カーズ戦が終わり次第すぐに帰還しなければならず、財団との協定も破棄されます。よってホモくんはジョセフの生存を知ることができない為、生存の描写を挟まずにエンドロールを迎えます。
エンドロール後に「コンティニュー」を選択すればそのまま続きの時間からプレイできるので、ほんへ後であればどこかのタイミングで教えて貰える可能性があります。なお第二次世界大戦とかいう完全出オチ。ホラホラホラホラ冬のロシアだろうが死ぬなよホラホラホラホラ(鬼畜)
ひとまず2部OPと共に流れるスタッフロールを噛み締めて、どうぞ。
(迫真のスタッフロール)
先述の「コンティニュー」を押し、まずはほんへを乗り越えたホモくんの最終ステータスを見てみましょう。(これによって世界大戦を生き延びる確率が上がるとかは)ないです。誰しも死ぬときは死ぬんやなって。(人類の罪を)†悔い改めて†
【階級】准尉 ― 44%
【精神力】― B
【体力】― A
【筋力】― 測定不能
【技術力】― D
【知力】― C
だいぶ貯まってんじゃんアゼルバイジャン(能力値)。流石はほんへラストバトルパワー、ホモくんは【准尉】としてはまだ生まれたてのバブちゃんだというのに既に半分近い数値があります。ここに戦時バフもつけば瞬く間にカンストするでしょう。
俺達のチート無双はこれからだ!(始まるとは言ってない)
☆
【筋力】に関しては番犬兄貴を元に作られた機械部分の桁違いさもありますが、それ以前の問題として測れる筋肉がほとんど残っていない、という二重の意味で『測定不能』となっています。
因みに【精神力】は前線から帰還すると運を使い果たせばE、豪運の持ち主であればAになります。問答無用でEのベトナム戦争アメリカ軍プレイより温情あるほうだから…。
お察しの通りEとは【トラウマ】の性質がもれなくついてくる所謂『戦争神経症』なのでハードモードクルセイダースが始まったり始まらなかったりします。
んまぁ、ホモくんの性格を鑑みるとヒステリータイプではなくヒャッハータイプの発作になりそうですが。それはそれで面白そうなので見てみたいですね。
特にイベントもないのでみんな大好き第二次世界大戦をおっぱじめましょうか!人々の深い絶望と苦痛を気にせずざっくりばっさり平和に持ち込むハッピーエンドをお楽しみに!
じゃけんさっさとポーランドを二卵性双生児にして道路をベルギーにしてトリコロールを漂白しましょうね〜。(欧州国境線を)股にかけて!股に!
お前さっき
____1939年9月1日。ドイツによるポーランド侵攻をきっかけに、世界各国が連鎖的に開戦していった。
____所謂『第二次世界大戦』の始まりであった。
____進撃、進撃、そして勝利! ドイツの快進ぶりは、誰にも止められないのではないかというほどだった。
____しかし
1943年 1月20日
テキストそして暗転を挟み、一気にブッ飛びまして場所は真冬のスターリングラード、結果的に最後となった救出機が飛び去る日です。は?(殺意)
勢いでほとんどの地域を占領下に置いたドイチュくんはスターリングラード占領とかヨユーなんだけど♡ざぁこ♡かぁす♡死に晒せっ♡と完全に調子に乗っていたところ、残り僅か数%の領土を巡ってずるずると戦闘が長引いてしまい、結果ロシアのヤベー冬を迎えてしまいます。
すっげえ後に引けなくなってる、はっきり和漢だね(日中戦争)
11月にはソ連くんに大規模な反攻を起こされ、完全に包囲されてしまいました。まるで(詰)将棋だな。
ソの血の
____シュトロハイムは眉を寄せ、モーリッツだけに聞こえる声量で重々しく呟いた。
「ハァ、燃料の配分が厳しいな。エンジンが凍らぬよう直接炙るのも小手先の誤魔化しにすぎん。はっきり言ってろくな継戦能力が…………ない」
【ですから、自分の】
「駄目だ」
【……燃料が倍になれば……万全のスペックを、発揮できるはずです…………
(自己犠牲は)だめだね
火山噴火後の船で不穏な空気になったのをもう忘れたんでしょうか。まーホモくんに限っては献身的精神というより、何が何でもシュトロハイム兄貴が生き残るべきだとガチで思ってて、その理論に基づいているだけのような気がしなくもない。
補給も無エ!増援も無エ!士気もほとんど残って無エ! 今では絶望と極寒の大地で震える部下達が次々と目を閉じたきり二度と起きなくなるのを看取るばかりです。希望も無エ!
____感情のまま声を荒らげるモーリッツとは対照的に、シュトロハイムは冷静さを保っていた。
____いや、どうにか保とうと歯を食いしばりながら、問いかけた。
「ならお前は、俺の燃料を積んで突撃するか?」
【…………いえ。突撃はできます。しかし少しの燃料と手榴弾だけあれば十分です】
「同意見だ。そもそも……俺が思うに、上はもう……」
「失礼、ホーデンハイマー准尉はおられますか?」
____シュトロハイムと話すモーリッツに、物資の運び出しをしていた兵が恐る恐る呼びかけた。
うん?……ああ、なんか向こうにこっち見てる士官がいますね……一般ゲルマン雑兵くんはあの士官の使いっ走りにされただけみたいです。呼ばれたので取り敢えず行きましょう。
ああ^〜もう燃料切れちゃいそう! 最後の補給を受け取ったらあとは運良く捕虜(※生存率6%)になれるようにお祈り申し上げま
「乗れ、ホーデンハイマー」
【は……はッ!? それは……帰国しろということですか】
「そうだ。早くしろ。もはや一刻の猶予もないのだ」
【待ってください。自分で言うのもなんですが……自分はこの拠点で最も重要な戦力のひとつであります。ただでさえ押されている状況で前線から離れろと? 一体何故?】
____早く乗れと催促する士官は、辺りをきょろきょろと見回し、誰も聞き耳を立てていないことを確認すると、モーリッツに囁いた。
「いいかよく聞け…………これは、総統閣下の指名だ。これ以上の質問は受け付けんぞ。
【………………な……何だとッ!?】
おファッ!? アカンこれじゃ兄貴が100%死ぬぅ!
どうして大佐を差し置いてその『特例准尉』程度を戻す必要があるんですか(憤怒)
答え① ハンサムのヒトラーはホモくんの政治的ないし軍事的価値を正確に理解していたから
答え② 馬鹿みたいに徹甲弾を消費する兄貴よりも様々な弾を詰められるようになっているホモくんのほうが便利だから
答え③ ゲッベルス兄貴から私情コミコミの進言があったから
うーん、この。もうどれが正解でもいいよ。
ああ逃れられない!(総統命令)
ここにきて美大落ちユ虐おじさんとプロパガンダばら撒きおじさんに媚び売った弊害ががが。そもそも兄貴を実験台にしてから『完成形』を作った時点でホモくんが優遇されているのは明らかでしたね。
兄貴たちけて〜><と言おうにも救出機にホモくんだけが呼ばれた形であって、呼び出す暇はありません。つーか呼んだところで今頃兄貴はホモくん回収を知らされているでしょうし、「行かんのか?(正論)」とかマジトーンで言いそうなので背後を撃たれるだけですね。ぐう。
(兄貴のそばに)居たいんだよおおおおおおおおおお!!!!も゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!(マジギレ)
____機体に揺られながら、一面の雪と、その中で今まさに息絶えているかもしれない戦友達に思いを馳せていた。
____これからすべきことは何かと過ぎったところで、モーリッツは自身の思考にぎょっとしてかぶりを振った。
【総統閣下の元に戻り、ドイツを守る。当前だろう……!?】
神は死にました。絶望的な状況に置かれ、ドイツ製戦闘マシーンホモくんの精神が揺れています。機械としてはスクラップ行きものの反応ですが人間としては正しいですね。コレガ…ココロ…?
あっちゅーまに帰国し、道中見えた街の様子は……普通だな! 戦争つっても『侵略する側』の本土というのは前線の地獄加減が嘘みたいに変わらない日常を送ったりしているものです。『侵略する側』なのに目に見えてボロボロだったら既に末期だから。
まさかこの美しい日常風景を維持する裏で反乱分子が即刻ブチ殺されてる、なんてことはないですよ(大本営発表)
あぁ^〜第三帝国の都ベルリンはこれまでもそしてこれからも素晴らしい繁栄ぶりを維持するでしょうなぁ!
ご視聴ありがとうございました!
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おまけ
ここ最近では何の予兆も見られていなかった筈のヴォルガノ島火山が、突然に、それも異様な大きさのエネルギーを伴って溶岩を噴き上げた。
慌てて駆け込んできた者が寄越したそのニュースに、兵器局の技術者達は皆一様に顔を青ざめさせた。すっかり顔馴染みとなった二人の軍人がその付近へと軍用機で向かったのを知っていたからだ。まさか…と想像した最悪の事態は、彼等の努力の結晶が無惨にも地球の一部と化してしまった可能性である。
シュトロハイムとホーデンハイマーの肉体は、此度協力するに至ったスピードワゴン財団の持つ先進的な技術と、ドイツの誇る革新的な技術が融合したものだ。
元よりドイツは生物兵器の研究を積み重ねており、従来の微生物を利用した方法どころか、彼等は人間という生物をも兵器とする方法を大真面目に模策していた。だからこそ『吸血鬼』や『柱の男』に関するありとあらゆる情報を渇望し、その為には
不老不死という魔力は独裁者ヒトラーをも虜にした。
物語のような話が現実のものであると知った研究者や技術者の脳裏にも、それまで机上の空論でしかなかった『機械人間』がもしや実現可能なのではないかと過る。そんなロマン溢れる夢想に、なんと開発予算が下りた。それも強力な
ともかく彼等は生涯一番の難題に喜んだ。睡眠や食事も惜しんで設計しては修整、また設計し直しては修整を繰り返し、間違いなくこの時代で最も偉大な発明を成し遂げた。開発当初こそ財団とは競争心の火花を散らしていたが、完成の瞬間ばかりはそんな過去も忘れて抱き合い、狂喜乱舞したものである。
「すまない。部品の回収は叶わなかった」
「いえ……お二方共ご無事で良かった。体はもう一度造れば良いのです。それが私達の仕事ですから」
成果がすぐに出るという部分もモチベーションに大いに影響を及ぼした。開発品に利用者が物理的にくっついているので具体的な改善点や課題点について直接話し合うことができた。
あるいは銃火器のような大量生産を想定しない世界にたった2体のオーダーメイドなので、多少設計が複雑だろうが変態的な機能を備えようが文句は言われない。そして何より、彼等の鋼鉄をも溶かす熱意の籠もった体を、2人の軍人は見事に使いこなして見せたのだ。
まだほんの数ヶ月の付き合いにも関わらず、この密な連携が強い絆を築いた。兵器局員はすっかりシュトロハイムとホーデンハイマーへ友情を感じていたし、少々高慢なところもありながらどこか憎めない2人に財団職員までもが好感を抱いていた。2人のほうもまた、己の命をこの世に繋ぎ留めてくれた彼等によく感謝し、労り、気遣いを欠かさなかった。
「────どうした?」
「あ、いえ……注油終わりました。シュトロハイム殿はどこか注し足りない部分はございませんか」
「全く問題なしだ。整頓も頼むぞ」
胴の装甲に指を這わせる姿に声をかけてやると、何とも表現し難い表情を浮かべていたホーデンハイマーはハッとして、羽織っていたジャケットのボタンをきちんと閉め始めた。
どうしたのかと聞きはしたものの、実のところシュトロハイムは目前の男が一体何に思いを馳せていたのか理解していた。
「すっかり掠れてしまったな」
「…………あぁ、ええ。まぁ……仕方のないことです」
「なくて困るものでもないが、ちょっぴり寂しい気もせんか?」
「そうですね。しかし考えようによっては……掠れて消えるほど、我々はよく戦っているとも言えます」
シュトロハイムはつい無意識の内に、胴の同じあたりに手のひらをあてていた。日頃は軍服に覆われて見えないが、二人のその場所には同じ『鉄十字』のペイントが施されている。
今でこそ随分剥げてしまっているそれは、彼等の体を開戦ギリギリまで改良し続けてくれた兵器局の技術者が、半ば悪ふざけで描いたものだ。
手描き感満載ながら妙に凝ったデザインは描いた当人いわく勲章をイメージしているらしい。いずれ彼等が戦場に送り出された暁には必ずや偉大な戦果をあげるのだろうと考えて、あるいは勲章に相応しい戦果を持ち帰って来いという発破をかける為、勝手に政府に代わって
勲章などといった目に見えて華やかな『箔』好きのシュトロハイムだが、塗料が垂れてやや不格好な『鉄十字』もなんだかんだで気に入っていた。あまり地位や名声だとかに関心のなさそうな部下でさえ、ドイツを象徴するその形を眺めては、満更でもなさそうに笑みを浮かべていたのを思い出す。
実際には何の威光もない勲章もどきに、本物の勲章とは異なる価値と温もりが宿っていたのだ。
「うーむ、だがもう暫くすれば完全に消えてしまいそうだ」
「そのときは本物が手に入るかもしれませんよ」
「だといいんだがなァ……」
ホーデンハイマーは努めて明るい調子で返す。しかしシュトロハイムからはどう頑張っても困ったような笑いしか湧いて来なかった。この頃の状況が続くとなれば受勲の有無以前にいつ祖国へと帰還できるのかもわからない。
二人は今、冬を迎えたスターリングラードにいる。一面を白銀に囲まれては前進も後退もままならず、状況は依然として厳しいものだ。事態をどう打開したものかと頭を抱えている間にも、当初繰り広げられていた怒涛の進撃に必死で食らいついてきた兵達は一人また一人と離脱していく。
つい先日もある部下の瞼を下ろしてやった。様子を見ていた軍医は直前まで生きていたことが信じられないほど皮膚が冷え切っていると言うが、シュトロハイムがいくら鋼鉄製の手をかざしても、部下からは何も感じられなかった。それなのに凍るような思いがした。心臓の内側に、脳の裏側に、暗く深い『死』の冷気を浴びせられた。
ふう、と溜め息をついて思考を打ち切る。らしくなく下がっていた眉をいつものキリリとした角度に戻し、今度こそ自信に満ち溢れて見えるよう、歯を見せて笑う。
「彫るか」
「…………はい?」
「いや、やはりどうにも惜しくてな。復元はできんが、上から彫り直すことはできる。掠れる心配もないぞォッ!」
「それは……確かにそうですが。悠長に彫刻などしていても良いんでしょうか」
「悠長も何も、我々はずゥゥ〜〜〜ッと立ち往生しているだけではないか。寧ろそういう手作業をしていれば頭も冴えてくる…………おお、我ながら妙案かもしれん!」
上機嫌になって自画自賛を展開する上官をぽかんと見詰めていたホーデンハイマーは、祖国での日々を思い出したように微かな笑みを溢し、体の表面を傷付けられそうな道具を探し出した。案外乗り気らしい。
時折金属の擦れる不快な音をたてながら互いの装甲に鉄十字を刻み込む。
多少の修正が利くペイントとは訳が違うので、完全に元通りとはいかない。どうしても互いに異なる手癖が出てしまうし、ましてや彫刻の経験など皆無であり、不格好な仕上がりとなったが、当の二人は寧ろそこを気に入っていた。きっちり正確なよりも不格好なくらいが味があって、愛着が湧きそうである。
シュトロハイムについた十字は縦横のバランスが良く、しかしそれだけでは味気ないということで、勲章の輝きを表現した放射状の線で囲まれている。一方、ホーデンハイマーについた十字は大胆で迷いの少ない輪郭が印象的だ。
「フッフッフ、気に入ったか? 俺の力作を」
「ええ…………とても。なんと言うか……『イイ』ですね。自分で思っていたよりも、この十字には勇気づけられていたようです」
「ほらな。形に残るようにして正解だったろう」
家族や恋人の写真を懐に忍ばせ、苦境に立たされた際にそれを取り出して眺めることで己を奮い立たせる者がいる。ホーデンハイマーはそうした『お守り』を携帯するどころか、兵舎にも持ち込んでいなかった。彼の精神力はそういう小さな心の拠り所を必要としなかった。
彼には親友も恋人もいない。父が死んで経済的に困窮していた母は写真を撮る余裕などなかったし、数えるほどしか残っていなかった父の写真は全て母の手元に置いておいてやりたい。
母の面影を感じられる品として唯一思い付くのは、入隊してから受け取った手紙だが、彼はそれをとうの昔に破棄してしまっていた。当時は不要と考えたのだろう。しかしたかが手紙くらい捨てずとも良かったのではないかと、今更に、ほんの少しばかり後悔した。
軍に入隊してからというもの、何かに取り憑かれたかの如き強迫性を伴って己を追い込み続け、気付けば20年が経とうとしている。通りで何も残らない訳だ。己の青春を投げ捨てられる者が、紙切れの一枚や二枚捨てる程度、どうして躊躇うことがあろうか。
そんな様子を間近に見ては説教じみたことを口走っていたシュトロハイムだが、いずれも結果は馬耳東風といったものである。
昔、明らかな不眠と過労で
「……ま、心配無用か。俺とお前が揃った戦線なら蟻一匹だって通さぬわ!」
「ええ勿論ですとも。我々は無敵です」
「嗚呼……あああ〜〜ッ!! 早くビールが飲みたいなァ!! 浴びるほど!!」
「浴びるほどじゃあいけませんよ。この体ではアルコールの回りが早いのに分解は遅いんですから」
相変わらずユーモアの足らない部下であるが、それも寧ろ愛嬌があるとさえ感じる。なんなら場の緊張をほぐす為に敢えてそういう返しをしているのではないか、彼なりのユーモアなのではないかとも考えていた。実際、口では咎めるようなことを言いながら、酒を飲みたいという気持ちは少なからずある様子だった。
「まったく、帰国したらどんちゃん騒ぎになるでしょうね。皆鬱憤が溜まっていますし」
「そう言うお前はどうなんだ。たまには若い奴等に混じって騒いでみれば良いものを」
「…………若いって…………自分はとうに三十路を過ぎました」
「俺など四十路を超えているが?」
スターリングラードに辿り着くまでの道のりで見かけたソ連人達の、なんとみすぼらしいことか。
敗戦の苦味をよく覚えているドイツの戦いぶりは凄まじいが、逃げ帰れば前線と同等かそれ以上に悲惨な人生が待ち構えているソ連兵も必死だ。しかも途方も無い人数で押し寄せてくる。シュトロハイム達はそれを粘り強く払い除けなければならない。
長いようであっという間に過ぎ去った日々を思うと闘志が湧いてくる。すっかり白銀の視界に慣れきった今でも、目を閉じれば美しい祖国の街並みが鮮明に浮かび上がった。仕事に向かう男性が行き交い、集まった女性が談笑する傍で、子供がはしゃいで駆け回っている。
その景色を守りたいという思いは今も確かにある。同時に、ただ唯一無二の相棒とくだらない話で笑い続けていたいというごくシンプルな思いがあった。彼は共感してくれるだろうか。それともやっぱり、
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ACHT
帰国後ひとまず点検から始めます。整備されつつ、顔見知りの技術者と再会の喜びを分かち合いつつ、そこに兄貴は含まれていない虚無感を振り払います。
今なお肉体的にも精神的にも積み重なっている疲労の反動で爆睡するホモくんが目覚めたら宣伝省に、イクイクイクイク! なんで?(突然正気に戻る)
____機能をおおむね回復させたモーリッツを我先にと呼びつけたのは、やはりというべきか、ゲッベルスだった。
「まずは君が無事に帰還したこと、大変喜ばしく思う」
【またお会いできて何よりです】
「スターリングラードの事態は聞いている。さぞ疲労も溜まっているだろう君に、これを告げなければならないのは酷だが……」
【はッ】
「かの地に残っていた第6軍は敗北したようだ」
【…………………そう、ですか】
____とうに予測できていた結末だというのに、このとき初めて思い至ったような衝撃があった。
あっ
スゥゥゥゥ(精神統一)アッアッアッアッ(精神崩壊)
…あーあ。これはだめかもわからんね。
脳裏に一体誰ハイムがよぎってしまったのか目が完全に死にました。兄貴の存在がこのいたいけなホモのアイデンティティでもあったというのに、それが失われたら一体どうなっちゃうの!
億が一運良くスターリングラードから生きて出られたとしても、ソ連にサイボーグのことがバレたら戦死するより酷いことになりますからねぇ。それを思えば潔く自爆したほうがドイツの為なのは明白、となると…………ナオキです。当然ホモくんもそのくらいすぐに思い至るでしょう。
『生きたい』と言えェ!!!!(海賊王)
…………。ダメみたいですね(諦め)
もうどうしてスターリングラードで負けちゃったのぉ!よく考えたらそもそも対露開戦自体が無理ありますねぇ!自分から二正面にしていくのか…(困惑)
____モーリッツの複雑な感情の揺れを感じ取りながらも、ゲッベルスは敢えて冷徹に話を続けた。
「街中の娯楽施設を閉鎖するように要請している。これでより多くの国民に戦争を意識はさせることは可能だろうが…………士気もかつてなく落ち込むだろう」
「彼等を鼓舞する為には、総統閣下自ら演説を行うべきだと進言した。しかしあえなく断られてしまったので、私が行うという訳だ。そこで君に頼みたい」
【……は】
「演説の前座を務めてくれないか」
____まず脳裏に浮かんだのは、今の自分に大役が務まるかどうか、という不安だった。
こりゃかなーり【精神力】にデバフかかってますねぇ。ゲッベルス兄貴の特別指導♂で叩き直してもらおう!……と言いたいところですが、彼も大概ストレスでおかしくなりつつあるので傷の舐め合いが精々でしょうか。
メンタルぶっ壊れた軍人と政治家がいくら狂ったようにクソデカスピーチの練習を繰り返そうと、もはや誰も止めてくれません。堕ちたな(確信)。更には国境を突破されるとアクセルベタ踏みで坂を転がるように崩壊していくので見ものですね!
因みにゲッベルス兄貴の言っている『演説』とはかの有名な総力戦演説のことです。そんな大舞台にホモくんが出るなんて成長したなぁ(ホロリ)
レイプ目になりながらも練習に取り掛かりさえすれば、なんだかんだで完璧に仕上げてくるのがホモくんクオリティ。演説会場にイグッ!
激務に追われていると情緒が死ぬため、激しい喜びもなければ深い絶望もありません。『植物のように平穏』な、というよりは『機械のように無機質』な心を手に入れられます。『些細なストレスも存在しない生活』と『過剰なストレスに囲まれ続ける生活』は紙一重、はっきりわかんだね(ストゼロ中毒先輩)
特殊性癖連続殺人鬼が前者で、何の罪もない一般社畜ニキネキが後者として生きてるの、この世のバグだろ…。
____どこにかけますか?
【実家】▼
【宣伝省】
【陸軍兵器局】
【スピードワゴン財団】
【後にする】
ファッ!? あっ、そっかぁ…(痴呆)
そういえば街に出る機会があまりなかったので存在を忘れてましたが、外には公衆電話があります。当然ながら任務中でも勝手に使えますねぇ。
いやしかしホモくんの連絡帳どうなってんのこれ。一介の軍人が持ってていい番号じゃないと思うんですけど(名推理)。この並びだと「実家」が実は忍者の名門一族の末裔だったとかそういうトンデモ設定でもないとおかしく見える。
ええ、わかってますよ。一番気になるのはそこじゃないってね。かけられるのも今しかないってね。やるしかGO!兄貴の為なら、売りたくなりますよ〜祖国〜(非国民)
「はい、スピーワゴン財団ベルリン支部事務室です」
____繋がった。財団がドイツ国内の支部を畳まずに残しておいていることに、正直モーリッツは驚いた。
【アメリカ本部に伝えてほしい。とても重要なことだ】
「……この番号は公的に告知しているものではありません。我々と何らかの繋がりがある方とお見受けしますが、まずは名乗って頂いてもよろしいでしょうか」
【俺は、いや……今は伏せさせてくれ。それよりだ、シュトロハイム殿がスターリングラードに残っている。あるいはソ連人どもが持っていってしまったかもしれない!】
「…………」
____微妙な温度の沈黙は続きを促しているのか、それとも呆れを表しているのか、電話越しでは判別がつかなかった。
ダメみたいですね(諦観)
そら(名乗りもしない奴からいきなりソ連がどうたら聞かされて信じたとしても)そう(つい最近まで前線だった場所に軍と無関係の組織が突っ込んで確認になんか行けない)よ。
押して駄目ならもっと押せ!倍プッシュだ…!
____あまり手応えを感じられないので、念を入れてもうひと押しすることにした。
【ドイツは…………負けることはないにせよ、苦戦を強いられるだろう。
「ちょ待っ、今、何ですって!?」
【俺にも何が起きるかわからない。助けろとは言わんが……技術が漏洩するのはまずい。その利害はまだ一致している筈だ】
「…………」
【情報操作は、お前らも得意とするところだろう】
「…………」
【ハァ、とりあえず……今日の演説は聞いておけ。では】
ガッチャンコ。一応周囲を確認して……誰も聞いてない!ヨシ!なお確率で盗聴されて豚箱行きになりますが滅多にないのでヘーキヘーキ。
人にものを頼む態度がそれか?というのはこの際置いておくとして、一応このレベルの説得でも財団は動いてくれるかと思われます。必ずしも作戦が上手くいく訳ではないものの、保険としてはかなり心強いですね。
さて、そんなこんなで演説会場に来ました。美しく着こなした軍服に立派な勲章と【中尉】の階級章が…………【中尉】!?!?
人員をゴリゴリすり潰していたスターリングラードにいる間に昇級したのか、大事な演説なので箔をつける為に急遽そうしたのか、そのどちらもか。
救出機にいた一般モブ士官がホモくんを『特例准尉風情』とか呼ぶのでてっきりそういう仕様なのかと思いましたが……あれは嫌味だったか……んにゃぴ…よくわかんなかったです(誤用)。こまめなステータス確認を怠ってはならない(戒め)
(恐らく)将官と化していたシュトロハイム兄貴とか胸がアツゥイ! しかし本来なら喜ばしいはずの敬愛する上官の昇級も、己の受勲も、今のホモくんは素直に喜べません。
クォレハ…どうやら大和魂が足りないみたいですねぇ。早速演説台に立ってガンギマリ聴衆(サクラもあるよ!)の視線を一身に受け、余計に精神をすり減らしつつ己に課された責務を自覚してもらいましょう。
____モーリッツが登壇するや否や、婦人や女学生の集団から黄色い悲鳴が爆発した。
____政府は大々的な告知を行っていないにも関わらず、彼の姿を一目見ようと、予想を遥かに上回る規模の女性聴衆が詰めかけていた。
【俺は…………
____脈絡のない語り口に、聴取は注意を奪われた。
【刺すような吹雪が全てを飲み込む。流れる血も、崩れる家も、飢えも、寒さも……全てだ! そして等しく与える! 永遠に目覚めることのない、甘美なる眠りを!】
【去っていった英雄達は雪の下に眠ってしまったのか?……いいや違う! 先で我々を待っているのだ! では雪を払い除ければ現れるのは泥か?……いいや違う! 『春』だッ!】
【『春』とは即ち『勝利』である! ジメジメとした英国の連中のように、ただ『春』が
「「
【
【君達一人ひとりの熱が、過酷な冬を溶かす! 燃え上がる炎こそが、ヨーロッパを包む! この場に満ちる熱気を感じるか!?
【我々は…………俺は死なない!! ドイツをもっと強い国にするのだァァァッ!!!!】
「「ウオオオオォォォッ!!!!」」
____予行よりも数段大きな声で魂の叫びを挙げたモーリッツに同調するように、聴衆は割れんばかりの大歓声で応えた。
オープニング回収キタァァァ!!!!!!!!
何気にめちゃくちゃレア演出だゾ〜コレ。私も初めて見ました。はえ^〜すっごい…
思えば初めてホモくんと出会ったときのシュトロハイム兄貴の階級も中尉でしたね。輝かしいナチス・ドイツの終わりも近いこのとき、ついにあの頃の兄貴と同じ位に並び立ちましたが、ホモくんの隣にはもう誰もいません(諸行無常)。こんなにも多くの聴衆に囲まれながら実は孤独に呑まれているホモくんの心情を思うと涙が出、出ますよ…。
喉乾か…喉乾かない?(脱水)
渾身の絶叫をかましたホモくんは頬が赤くなるほど体温を上げており、終わる頃には息切れで肩を揺らしています。後方でスタンバっていたゲッベルス兄貴がグッジョブ的な感じで背中を叩いてくれました。やさC
この後すぐにゲッベルス兄貴がホモくんの数倍の文量の演説でエンジンのかかった国民の熱を更に更に鼓舞し、膨大なエネルギー消費のあまり絞り切ったボロ雑巾みたいになります。そのときはホモくんが支えてあげましょう。
ちゃっかり用意したカメラマンがそれを撮って「互いを支え合う絆☆ミ」みたいなヤラセ記事が出るまでがワンセット。いつもの。
「さぁ、国民よ起て、嵐よ起きよ!!」
____ゲッベルスの締めに聴衆はより一層の歓声を挙げ、果てには涙を浮かべる者までいた。
____彼の重厚な演説はひとつの舞台劇かのような迫力で、聞く人々の背筋にゾクゾクとした電流を感じさせた。
【相変わらず素晴らしい弁舌です、大臣】
「…………。ハァ、ホーデンハイマー君……もしも私が窓から飛べと叫んだら……君は飛べるか?」
【勿論です。ドイツの為ならば何も恐ろしくなどありません】
【いえ、申し訳ありませんが。自分が飛んでもドイツの為になるとは思えません】▼
唐突で不穏な質問ヤメルルォ!これ絶対何かしらの分岐なのでいつもより控えめにイきます。
アツゥイ!演説を披露してくれたゲッベルス兄貴ですが、実のところ開戦については消極的な立場だったんですね〜これが。というのも戦時になると軍の権力が膨張するのに反比例して、戦争と直接的に関係のない政治家の権力は低下します。
そもそもゴリゴリバキバキな体育会系社会を毛嫌いしてそう(偏見)。私は好きですよ、もやし。焼肉のタレで豚バラと炒めたらおいしいし…。
【いえ、申し訳ありませんが。自分が飛んでもドイツの為になるとは思えません】
「……そうか、そうだな。それが良い」
【質問に総統命令という条件がつけられていれば、恐らく違った答えを出したでしょう】
「……君は相変わらずのようで何よりだ。どうかそのまま……我を貫いてくれたまえ」
____疲れの滲む唸り声を聞いて、モーリッツは思わず湧き上がった思いを吐露した。
【貫けて……いるのでしょうか? 『天国』は……残酷なところでありました。あまりの猛吹雪に、敵も味方も、自分さえも……見失いそうで】
____ゲッベルスはしばらく答えなかった。
天国だあ? 神なんか必要ねーんだよ!(共産主義)
見るからに疲労困憊の相手にクッソ答えづらい上に肯定しか許されない激重の質問を投げるとかいう高等精神破壊テクニック、メンヘラ兄貴姉貴は見習って、どうぞ。
あのぅ、これ……いつの間にかホモくんのメンタルもやられてません?【精神力】Bはどうした【精神力】Bは!? ま、まぁ、どんなに落ち込んでも後でちゃんと持ち直すとこまでが【精神力】だから…(震え声)
「
____聴衆からの視線が存在しない通路で、ゲッベルスは吐き捨てた。
「そこに自我は存在しない。そしてそれを疑うこともない」
【…………】
「だから……安心したまえ。『葛藤』とは、本能の他に理性を得た知的生物だけに許される、極上の権利だ」
____透けて見える特権意識の中に、当然のように自分が含まれていると気付いたモーリッツが感じたのは……
____喜び、だろうか。
それ以上(その人に好感を抱いちゃ)いけない。ホモくんには父のような兄のような友人ような恋人のような、一途に想って生涯を捧げると誓った相手がいるのっ…!
この頃の限界ゲッベルス兄貴がしてくれる話は正直かなり興味をそそられますが、余計な傷の舐め合いをしているとろくなことにならないのでさっさと進めてしまいましょう。
総統閣下はホモくんをここぞというときまで温存する意向らしく、早いところ前線に戻してくれという懇願も虚しく、体を整備したりゲッベルス兄貴の金魚のフンとして国民や軍を鼓舞したりして過ごします。すいませ〜ん、ま~だ時間かかりそうですかね〜?
夏季攻勢ですか?いや一旦防衛に徹したほうが…………え?総統閣下のイチオシは積極攻勢?ほなそれで(適当)
…クルスクの戦いなんてなかった、いいね?
独ソ戦はやく終わってえええぇ♡♡♡
1945年 4月30日
____冬にソ連軍がドイツの大地へ足を踏み入れたかと思えば、彼等はあっという間にベルリンへとやってきた。
____総統地下壕にまで招かれたモーリッツは、すっかり腑抜けてしまったヒトラーの生活を補助する役目を負っていた。
____そしてその愛と、死を、見届けた。
あっ…。ヤメロォ!(建前)ヤメロォ!(本音)
急にBGM消えるのこわいよぉ。私はそういう単純な演出で漏らすタイプの実況者なのでやめちくり^〜
この流れもう確実に嫌なエンディングになっちゃってます。
なお生き延びてもドイツくんはデータなんかねぇよ(証拠後出し)拳こ↑そ↓が正義(拷問)って感じの裁判でボッコボコにされます。そしてナッチ党の広報ゆるキャラとして名が売れすぎたホモくんをみすみす逃がす馬鹿は存在しません。
党員じゃない?それがどうした?死刑♡ な〜んて事態が起こり得ないとも言い切れないのが戦後ドイツくんのナチスアレルギー。
ファシズムは世界から
【大臣…………『ここぞ』とは、『いざ』とは、一体いつ訪れるのでしょうか……? それとも、自分ではもう……お役に立てないのでしょうか……?】
「ホーデンハイマー君、どうか、よく聞いてほしい」
【はッ……】
「もはや我が国に『ここぞ』も『いざ』も存在し得ない。総統の意向もあったとはいえ、君をベルリンに引き留めてしまったことを今更後悔しているよ」
「ユダヤ人がドイツ人になれないように、生まれ持ったものを変えることはできない。しかし裏を返せば……生まれ持ったものは、何者にも奪うことができない」
「君は勇敢で、強大で、美しい…。全て生まれ持った『才能』だ。鉄のような独逸男児だ。きっと皆そんな君を傍に置いて
【自分は、ど、どうしたら】
「ああ……ホーデンハイマー君。あの演説の日、私は君に“飛ぶな”と教えたが……本当は、飛んでも良いんだ。飛んでも良いが……誰かの命令に従った結果であるべきではない」
「
____ゲッベルスは誰よりも己に言い聞かせるように宣言すると、モーリッツの返事も聞かずに部屋を後にした。
____翌日モーリッツが見かけたのは、中庭で夫人と共に息絶えた彼の姿だった。
____自動式拳銃
【持つ】 【置いておく】
ちょっ、待っ
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蛇足(上)
結局のところ、1945年の5月に、モーリッツ・ホーデンハイマーが己の脳天に向けて引き金を引くことはなかった。
しかし彼はその献身性ゆえに、長年の付き合いがあった上司が破滅していくというとき、何の手助けもしてやれなかった。
ゲッベルスの自決後直ぐ様ソ連軍が総統官邸を占領すると、地下壕に残された全ての死体とたった一人の生存者が地上に引き摺り出された。流石に分が悪いと判断したホーデンハイマーはほとんど抵抗して見せなかったが、一方のソ連兵はその生存者の正体に気付くや否や、彼を地面に屈服させて暴行を加えた。
難しい事柄を省き画像や映像を多用したナチスの宣伝は、文字すらまともに読めないソ連の貧困層にも効果的で、彼の顔は末端の兵卒にまで知れ渡っていたのだ。
「うぐがッ! あ……あっ……ああぁッ!?」
「ヤベ…………今のはまずったかもな」
肋骨と右鎖骨を折られ、這いつくばって痛みに呻いていたところ、突如水風船が割れたような感触と共に視界がホワイトアウトした。持っていかれそうになる意識をなんとか繋ぎ留めたはいいが、どうにもおかしい。
先程まで右側に見えていた兵士が消えた。心理的な防御反応なのか、右目からとめどなく溢れる涙を拭おうと頬に触れると、涙らしからぬ奇妙なぬめりと生暖かさがあった。ほんのちょっぴり、恐怖した。
乾いた左目だけを瞑ってみる。
…………暗闇が映った。
ここで驚くべきはホーデンハイマーのタフネスか。心底楽しそうに強烈な蹴りを入れたソ連兵が身柄を本隊へと引き渡そうとした際、彼は差し伸べられた手を払い除け、口内に溜まった血を吐き捨てると自ら立ち上がって歩き出したのである…。
ベルリンは地獄の様相を呈す。
そこらじゅうに人間が転がっていて、それはまだかすかに動いていたり、骨が剥き出しになって赤い池に沈んでいたり。白銀のスターリングラードとは違い、灰色の石畳は鮮血を吸ってくれなかった。むごい現実を覆い隠してはくれなかった。
病院の付近では
横たわる看護婦らしき女性のスカートを傍らのソ連兵がたくし上げたので反射的に駆け寄ろうとするも失敗に終わる。銃床で側頭部を殴られたホーデンハイマーは地面に転がるばかりで、哀れな国民にしてやれることは何もない。ただ無力を突きつけられただけだった。
深い絶望に蝕まれつつある顔を見た兵士は嘲笑い、思い切り踏みつけた。瓦礫の欠片でまた頬を切りながら、彼等はこの景色を見せつけたいが為にわざと左目を残したのではないかと感じた。
「今度はオレにやらせろ! オレのがうまくできる!」
「馬鹿ッ、てめーはガサツだから駄目だッ」
ソ連兵達からの歓迎し難いもてなしは捕虜収容所でも続いた。噂を聞きつけた野次馬が詰めかけてはあれをしてみろこれをしてみろと騒いで、まるで見世物小屋に売られた
そして『酒豪』という創作ゲームに興じる。
ルールは簡単。ウォッカの空き瓶を咥えさせたら、棒で思い切り叩いて割る。それだけだ。細かいガラス片で口内を切るのはマシなほうで、瓶の首をうっかり口から落とすと、今度は潰れた右目にマッチを刺して火をつけ、顔面に燃え移る寸前で消し、残った柄の短さを競う…という悪質極まりない罰ゲームが始まるのだ。まだ治癒していない傷口を舐める熱に思わず呻き声を漏らすと、咎めるように首を締められる。
それ以上に彼の精神を削ったのは、深夜になると夜這いをかけたり、口淫を迫ってくる者がいることだった。おちおち眠ってもいられなくなり、睡眠不足の体で受ける暴力にあっさり意識を奪われることが増えた。自分が気絶している間にもきっとろくなことが起きていないだろうが、想像するだけでも体力を使うので深く考えるのはやめた。
ならず者国家のソ連とて『国際法』の存在は知っているらしい。しかしこの収容所の将校はホーデンハイマーへのあからさまな暴力の集中を黙殺していた。
何故か? 容認することが拷問の側面を帯びていたからだ。将校は何としてでも『聞き出したいこと』があったので、彼の心が折れるのをひたすらに待っていたのである。
しかし彼は耐え抜いた。
国際軍事裁判が始まったのだ。
ニュルンベルク裁判において、
とはいえ彼は政治家との繋がりこそあれどナチスの高官でもなれけば党員でもない。名が売れているだけの、ただ国家に忠実な一兵士に過ぎなかった。そんな人物が『主要戦犯』として起訴されたのは法の歴史における『異常事態』そのものであり、当時でさえ疑問の声は多く挙がっていたという。
法廷に現れた彼の姿を見るなり息を呑む音がいくつも聞こえた。若干頬が痩けながらも変わらず美しい顔立ちの中で、右目が埋まっているはずの場所が醜く抉れていたからだ。
どう見ても放置してはまずい状態のそれを、眼帯も着けずに晒していた。もっとも、眼孔にウォッカを注ぐことを『消毒』と呼べるのであれば、一応の処置はされている。
単純に片目が潰れたからといって、彼の眼力が弱まる訳ではないらしい。それどころか、あまりにも痛々しく生々しい傷痕と爽やかな碧眼の対比が、以前にも増して人々の好奇心をくすぐり、法廷中の人間の視線を
「宣伝省によるプロパガンダは、侵略戦争への意欲、ユダヤ人に対する憎悪など、ドイツ国民を扇動及び洗脳することを目的とし、此度の開戦に導いたことを認識していますか」
「ヤー、
「自身に責任はないと? 被告とゲッベルスの親密さは多くの人間の知るところであり、宣伝に関して口を出す権限もあったと証言されています。また時には彼がいなくとも、被告は単独で『広告塔』の務めを熱心に続けていますね」
「兵士が熱心でいけませんか? 貴国の軍事的価値観は我が国と違うようだ。己の意思に反する仕事であれば不真面目にこなしても良いとお考えに見えます」
他の被告に同調し、ホーデンハイマーもまた『あくまで命令に従っただけ』『侵略や虐殺を目的としたのではない』というスタンスを貫いた。
実のところ、ここで繰り広げられる『尋問』のほとんどが結論ありきの『茶番』でしかない。全ての裁判官が各連合国から出された人間であり、大した信頼性のないものでも検事が証拠だと言えば証拠たり得た。一方被告につけられた弁護人の行動や権利は制限されており、裁判はもはや検事側の独壇場である。
その癖プロパガンダには捏造だの洗脳だのと言いたい放題で、心は軽蔑で満ちるばかりだ。それこそユダヤ人のことだって、過去を鑑みれば彼等連合国にも批判する資格があるとは思えない。
……悔しい。勝ちたかった。勝っていれば今頃彼等を一方的に責め立て、首を吊るしてやることができたのに!
あぁそうだ、自分達はきっと彼等と同じことをするだろう。英の卑劣さをなじり、仏の軟弱さを嘲り、米の傲慢さを罵り、
第一訴因:侵略の共同謀議・・・・・・不起訴
最も早く論点となったナチス党とその下部組織によって引き起こされた『侵略』の責任の追求先は、国防軍で対象となったのは司令部のみだ。ホーデンハイマーは不問となったものの、却ってそれが彼の地位の低さを証明し、異様さを際立たせた。
第二訴因:平和に対する罪・・・・・・有罪
先述の共同謀議にも繋がるところのある第二訴因では、一転して有罪判決が下りた。政府が開戦に向けて打ち出した政策の内『宣伝』について、実行段階において先頭に立ち、ドイツ国内の世論を開戦へと傾けることを推進した為だ。
第三訴因:通例の戦争犯罪・・・・・・有罪
彼は非戦闘員や捕虜に対して行われた横暴を認知していたし、そうしろと命令されれば従った。忘れたくても忘れられない華やかな顔立ちを記憶していた証人は多く、何より彼のように
第四訴因:人道に対する罪・・・・・・無罪
こちらでも『宣伝』は取り上げられたが、彼自身がユダヤ人排斥に関して特筆すべき言動をとったことはない。そもそも
また検事側は彼がドイツ国外で行われた『人体実験』に関与している証拠を掴んでいたが、こちらは第三訴因に含まれた。ホロコーストの印象があまりにも強く、詳細もわかっていない実験を同等の罪として扱うのは難しかったのだ。もしもここで有罪とすることができていれば、彼は確実に死刑だったと言われている。
判決・・・・・・終身刑
以上の『罪』を以って、モーリッツ・ホーデンハイマーは国際秩序を乱した戦争犯罪者として投獄されることとなった。
裁判の閉幕を迎えた1946年の秋、この最年少の被告人は38歳であった。彼の存在を世界に知らしめるきっかけとなったベルリンオリンピックから実に10年。公にされている資料で彼の姿を確認できるのはニュルンベルク裁判が最後である。
フィルムに写された彼は永遠に美しく、若々しく、逞しい。
この時初めてナチスのプロパガンダが『完成』したのだと唱える者もいる。ホーデンハイマーの死後もなお彼に魅了される人間は後を絶たず、彼の肖像を利用したネオナチグループに軽い気持ちで加わり、トラブルに発展するケースも見られた。
最終的な勝者はどちらか? 識者の間では終わらない論争が繰り広げられていた。
以下は最終陳述の際に彼が語った内容の抜粋である。
「戦場に散った英雄達の責任を自分に課すというのなら課せば良い。彼等の代表に抜擢される……これほど名誉なことはない。判決の瞬間、敵国である貴官等によって、自分は過去最大規模の部下を持つだろう」
「自分は軍で多くのものを得て、多くのものを失ったが、それらが総統閣下のせいだとか、宣伝省のせいだとか、あるいはユダヤ人のせいだとか言うつもりは毛ほどもない。敵国の粘り強い抗戦と、その末の勝利にも惜しみない称賛を送ろう」
「とは言えこの裁判はまったく粗末なものだった。半端で馬鹿げた茶番は、戦争とは単に『悪』と『別の悪』がぶつかり合うだけのことと証明したに過ぎない」
「国防陸軍中尉、モーリッツ・ホーデンハイマー。自分は生涯誇り高いドイツ軍人である!……と、安らかに眠った全ての同胞に誓って宣言させて頂く。以上」
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蛇足(下)
今日も少女はシュパンダウ刑務所に訪れていた。約10年前に裁かれた戦犯達を収容しているこの城塞監獄の内側はもうすっかり見慣れたものである。面会室で先に待っていた男の痛々しい傷痕につい注意を奪われながらも挨拶をすれば、
一番上の姉が未だに子供扱いしてくるだとか、兄の放浪癖が治らなくて困るだとか。本当は話題に事欠かない家族の近況を教えたくてたまらないのだが、面会は楽しいお喋りなどではなく財団…もといアメリカによって課された『義務』を果たすべく許されている。
「今日聞きたいのは、例の大佐さんについて。特に開戦してからの配置と動向を知りたいの」
「…………シュトロハイム殿……は、俺よりも多くの前線に立っていたから、把握し切れていない。度々宣伝省に出向いていた俺では、どうしても出られる作戦が限られてくる」
『義務』とは即ちナチス・ドイツの誕生から滅亡までを特殊な視点で観測していた男から可能な限りの記憶を聞き出すこと。会話の全編をボイスレコーダーに録音して渡すこと。
それは家族の生活費に充てられる額の報酬金の為でもあり、多大な恩のある彼に会う為でもある。当初これは一番上の姉の役目だったが、聞きつけた少女が末っ子特権と得意の屁理屈でごねにごねまくった結果なんとか譲ってもらえたのだ。
面会は刑務所管理の担当国がアメリカ、イギリス、フランスの際に行われる。ソ連はしれっと仲間外れに去れた。
大佐さん、もとい『ルドル・フォン・シュトロハイム』なる人物について触れると男はいつも饒舌になるので巧く多用するようにと言い含められていた。話を聞き出す為には致し方ないことだが、シュトロハイムの死を未だに克服できずにいるらしい男が俯くのを見ては少女の胸が痛む。
「──スターリングラード以降、総統閣下は却って俺を出し惜しみするようになった。離れた地には行かせて貰えなくなった。国境付近が精々だ」
「ろくに不満も訴えられず、さぞ悔しかったでしょう」
「不満など、まさか。一番伝えたかったことは伝えた。総統閣下は……
「あ……………………何、と……伝えたの」
「“
不意に顔を上げて告げるものだから、思わず目線を逸らして頬を熱くした。どれだけ歳を重ねても魅力を保つ彼の、片割れを失った孤独な瞳に射抜かれるといつも頭が真っ白になるのだ。そして幼い頃の記憶が少女の脳裏でまばゆくフラッシュバックする。
浮遊感と共に離れる地面。美しい顔。美しい
己を抱き上げる、
両親の声、兄弟の声。心地良い男の声。
「モーリッツさん……」
「だから今ここに君がいるのだ────ハイデ。あのときだけは、大臣は大臣であることを捨てていた」
奇妙な揺れに起こされるも、唸る前に口を小さな手で覆われる。しぃー、と向かいでジェスチャーをするのは誰かの右腕に抱かれた姉だ。まだ空の暗い未明、どうやら左腕に抱かれている自分は眠っている間に他の兄弟もろとも外へ連れ出されたらしい。
不思議に思いながらも自分と姉を抱く大きな腕には身覚えがあるので不安はない。そうしてまた眠りに誘われて再び目を覚ましたときには、彼は……モーリッツはどこにもいなかった。
何も言わずに去ってしまった彼から引き継ぎ、彼女ら兄弟を保護したのがスピードワゴン財団だ。状況を正しく理解していたのは当時13歳の長女のみで、何とか恐怖を押し殺して見知らぬ大人達の対応をしていた。震える声で上から順に名を教える。最後に告げられた、末っ子の、少女の名は
ハイドルーン・エリーザベト・ゲッベルス
「貴方は何故、そんな危険を冒してまで」
「『危険を冒した』のは俺ではなく、大臣と夫人……つまり君のご両親だ。
夫妻には一家心中の覚悟さえあった。しかし最終的にはモーリッツに『託す』ことこそ最良の道だと『信じて』、子供達から手を離す苦渋の決断を下したのだ。ドイツ国外へ一緒に来れなかったのは寂しいけれど、今は『ゲッベルス』の姓を隠して生きねばならないけれど、ハイデは両親を愛している。
そして、いつしかそれ以上の感情を
両親は死者だが、彼は生者だ。両親との記憶はほんの数年分だが、彼との記憶は今この瞬間にも増え続けている。同時に、この病は胸に秘めたまま生涯を終えたいとも思う。
「幼少期の刷り込み」だとか「思春期の錯覚」だとか嘲笑われるのはどうでも良かった。ただ、素知らぬ顔をしながら全て察しているのかいないのか、どちらにせよ彼は触れたがらないだろう、と彼女は結論づけている。
なんせ二人の間には32年もの年齢差と、鉄格子と、約束された別れが横たわっているのだから。なにより、例え何の障壁もなかったとて、決して16歳の彼女には振り向くことのないモーリッツが好きなのだ。
「だとしても、ありがとう。私達を逃してくれて」
「シュトロハイム殿ならこうしただろうと思っただけだ」
「……もう! また大佐さん大佐さんって。貴方宛の感謝なんだから、貴方が素直に受け取ってくれないと行き場がないわ!」
「それは申し訳ない。どういたしまして、ハイデ」
自分は報われない恋心に苛まれているというのに、彼は相変わらず上官の亡霊に取り憑かれているのだから、少しは怒りも感じよう。ついでに未だに自分を4歳そこらの小さな子供だと思っている風にも見える。
不満がないと言えば嘘になるが、仕方ない。苦しみのあまり戦場に心を取り残してきてしまった軍人は掃いて捨てるほど存在した。外で暮らしている者でさえそうなのに、刑務所に放られた戦犯達ときたら、厳しい監視の中で限られた情報だけを与えられて過ごしている。どう足掻いても彼等の『時間』は進まない。
それを鑑みればモーリッツの
“立ち直れるポテンシャルがあるにも関わらず、己の意思で
「ところでJOJOの奴はどうだ」
「えっと……プライベートはよく知らないけど、不動産事業は絶好調みたい」
「火山でも殺せん男など気遣うだけ無駄か…。強運ぶりだけは誰にも負けない奴だ」
「アハハ……大学に合格できたら良い感じのお部屋でも紹介して貰おう、かな」
「大学か。是非行くと良い。いざというときに頼るあてがJOJOというのも、知れば皆羨むだろうな。利用できるものは何であろうと存分に利用してやれ」
「うん。行くよ。勉強頑張る」
そう答えると、モーリッツは片方だけの目を細めて“君なら大丈夫だ”と言ってくれた。月並みの激励だろうと彼女にとっては宝物だ。今後の座右の銘にしたっていい。
姉にひっついているときに見たことがあるジョセフ・ジョースターには、財団の創始者であるスピードワゴンや彼の部下達に並んで世話になっている。ユーモアたっぷりのおちゃらけた性格はどうもモーリッツとは反りが合わないように思えるが、お互いそれなりの信頼を置いているとも感じた。
彼等の奇妙な友情のおかげでゲッベルス兄弟は戦後も食いっぱぐれることなく生活できたし、数年前には次女が大学に通う為の奨学金もぽんと借りられた。義務教育を終えてすぐに働き出してしまった長女がいたく感激していたのを思い出す。
記憶をなぞりながらふと時計に目線をやれば面会の終了時刻まであと5分を切っていた。いくら話しても話し足りないというのに、時間は無常にもこちらを振り向きもせずあっという間に過ぎ去ってしまう。
ハイデが思わずつきかけてこらえた溜め息を、モーリッツが特に躊躇う素振りもなく吐き出す。心底憂鬱そうな呼吸にさえそこはかとない色気が混じっていて、何故か目のやり場に困って生唾を飲み込んだ。
「来月は…………ソ連か。面倒だな」
「力になれなくてごめんなさい。他の国も忠告してるみたいだけど、効果は……微妙みたいだね」
「……いや、なに、奴等にどんな嫌味を言ってやろうかと楽しみなくらいだ。それじゃあハイデ、次の面会日まで」
カチャン、ガシャン、といくつもの金属同士がぶつかり合う音を挙げながら彼は体を動かした。返事も忘れてじっと観察していると、ごく僅かに覚えた違和感の正体が脳裏に浮かぶ。
「あの、モーリッツさん。油はこまめに注しておかないと駄目なんだからね?」
「油? …………あぁ、油か。そうだな。そういえば注し忘れていたかもしれない。気をつけるよ」
彼は別れ際かすかに口角を上げて────それきり、
意味がわからない。
油の切れた金属器具が発するのはもっと歪で不快な音だということに気付けていれば良かったのか? ソ連をもっと強硬に牽制するべきだと進言すれば良かったのか? あるいは最初から、彼が自分達兄弟の命など捨て置いてくれれば、こんな気持ちにならずに済んだのか?
意味がわからない。だって、彼は過去に一度それをしないと決断していた筈だ。ところが何の意味も成すことなく、よりにもよって一番に憎んでいるだろう国の手の内でなんて。彼の人生を思えば、性格を思えば、プライドを思えば。
『
兄弟の誰もがそう直感しただろう。懇願の末に兄弟全員で最期の面会に赴いたとき、激しく震えるばかりだったハイデの横からひとつの影が飛び出すや否や彼の上半身を覆い隠す布を思い切り捲くり上げる。
犯人は昔からちょっぴり変わったところのある兄だ。こんな状況でもぼんやりしているように見えた兄だが、ハイデにはできそうもなかった奇天烈な行動を代わりにしてくれて内心感謝した。
1、2、3、4……血色を失ったモーリッツの肌には少なくとも片手で数えられる以上の穴が空いていた。悍ましく広がっていたであろう血液は拭き取られているが、裂けた皮膚の縫合はあまり丁寧とは言えず歪に波打っている。
これが、こんなものが、『拳銃自殺』の遺体か? どれだけ目で訴えても真実を知る人間は一様に口を閉ざした。それだけが唯一得られた答えである。
「我々は今、歴史の『特異点』に立ち会っています! 世界の、この星に生きる全ての人類にとって、母なる祖国の偉大な『進歩』が未来へと語り継がれていくでしょう!」
翌年10月。ソヴィエト社会主義共和国連邦による、人類初の人工衛星『スプートニク』打ち上げ。
ドイツ語の字幕付きで、ニュースキャスターのはつらつとしたロシア語を聞き流しながらハイデは世界の行き着く先に思いを馳せた。きっと、きっと彼は、加速する人類の科学技術の下で────あるいは
解釈は委ねます。ご精読ありがとうございました。
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