アラメシアの儀で勇者として召喚されたようです (kajoker)
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第1話 いきなり勇者として召喚されたんだけど、どうすれば良い?

これから夢の内容をちょこちょこまとめていきたいと思います。

それでは本編をどうぞ!


これは最近、私が夢で見たことを小説風にまとめたものです。

 

なにぶん夢で見た内容なので、所々抜け落ちている部分もありますが楽しんで頂ければ幸いです。それでは本編をどうぞ!

 

/////////////

 

「ようこそおいでくださいました!勇者様!」

 

「は?えっ…勇者?どういうこと?まったく状況が掴めないんだけど!」

 

いや、マジでどういう状況…俺は普通に寝てただけなんだけど。

 

これって所謂異世界召喚ってやつ?それともフォロワーさんの言っていた夢の世界ってやつだろうか?

 

『ちなみに俺も居るぞ』

 

『クラウディ!?お前も付いてきちゃったの?』

 

ちなみに詳しい説明は省くが、クラウディは俺が幼い頃から心に居座っている、もう一人の僕的な存在である。

 

話すと長くなっちゃうからね…今はこの状況を把握するのが先だし。

 

そんな風に思考を働かせ、改めて俺を召喚したであろう少女に視線を移す。

 

あれ?この娘って…

 

「混乱しているとは思いますが、まずは自己紹介させて頂きます。私は聖殿の水遣い、アオナ…あなたを召喚した者です」

 

やっぱり!遊戯王の勇者テーマのキーカード、聖殿の水遣いじゃないか!えっ…てことは、俺はアラメシアの儀で召喚された勇者ってことか…マジか。

 

「俺は…」

 

あやうく本名を名乗ってしまいそうになり、慌てて口を閉じる。

 

危ない危ない…夢の世界では本名を名乗るのは危険だってフォロワーさんから聞いたことあるし、ここは別の名前を名乗るか。

 

とはいえ、kajokerじゃ呼びづらいだろうし、ここは…

 

「…俺はレント。事情は大体わかったよ…多分だけど、世界がやばいとかそういうことだよね…だから、勇者を召喚したんでしょ?」

 

「はい…すみません、あなたを巻き込んでしまって…ですが、私達の世界を救う存在は異界の勇者様しかいないのです…!」

 

「なるほどね…了解!やれるだけやってみるよ」

 

『そんな安請け合いして良いのか?絶対苦労するぜ?まだこの世界の事情だってわかってないのにさ』

 

『とはいえ、こんな必死な顔をしてる人を見捨てられないだろ…』

 

『お人好しだな…まぁ、サポートぐらいはしてやるから安心しろ』

 

『サンキュー』

 

クラウディと心の中でそんな会話を交わしていると、目の前の少女、アオナが嬉しさと罪悪感が混じったような顔をしていた。

 

「レント様は優しいですね…私達の世界の都合に巻き込んだも同然だというのに…」

 

「気にしないで良いよ…世界の命運を賭けた戦いは初めてじゃないし…それに、君も手伝ってくれるんでしょ?」

 

「それはもちろん!世界を…レント様を救う為に力を尽くします!」

 

「なら、問題なしだ。一緒に頑張ろう!アオナ!」

 

俺の言葉にアオナは嬉しそうな表情を浮かべ、力強く頷いた。

 

良かった…暗そうな顔じゃなくなった。うんうん、やっぱり美少女の笑顔は最高だね!この笑顔を見るためなら頑張れるってもんだよ!

 

俺が心の中でそう息巻いていると、クラウディは少し複雑そうな声で呟いた。

 

『強がりやがって…本当は不安でいっぱいなくせにさ』

 

『…まぁ、虚勢を張るぐらいはするさ…不安に押し負けてる場合じゃないし』

 

『相変わらずだなぁ…ま、危険がありそうだったら俺に代われ…こう見えて闇のデュエルの経験ならお前よりは上だからさ…まぁ、闇のデュエルを差し引いてもこういう事態には慣れてるし』

 

『ありがとう。やばかったらお前に代わるよ』

 

そんな風に心で会話を交わしていると、アオナが俺の手を引く。

 

「それではレント様、参りましょうか!私の他にも待っている方がいらっしゃいますから」

 

「了解」

 

さて、これからどうなることやら…まぁ、なんとかなると思いたいなぁ。

 

///////////////

 

「あれ?何か夢を見てたような…」

 

目を覚ますと、なんだか曖昧な感じだ…夢を見ていた気がする。

 

ただ、記憶がはっきりしない…何か誰かに呼び出されて、その後誰かとデュエルした気がする…俺が使っていたデッキは幻影騎士団、デュエルの内容は…詳しく覚えていないが戦った相手があまりにも手応えがなかったのは覚えている。

 

ワンターンキルした記憶がある。

 

「うーん、いまいち記憶がない…クラウディは何か覚えている?」

 

『いんや、さすがに夢の内容は俺も覚えてないな…』

 

「そっか…まぁ、考えても仕方ないし、後回しでいっか…あ、一応、あの人には報告しておこうかな」

 

『あの人なら夢の内容にも詳しいだろうし、良いんじゃないか?』

 

「じゃあ、そうしようか」

 

クラウディとそんな会話を交わしながら、俺は充電してあったスマホを取って、朝食を食べに向かうのだった。

 

それにしても、俺の見たあの夢…一体なんだったんだろうか?

 

気になるけど、思い出せないのはどうしようもないか…ま、そのうち思い出すでしょう!

 



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第2話 少し昔話をしよう

今回は夢の内容というより、私とクラウディの話です。

前回、説明できなかったので今回はクラウディの話を書いてみました。後、私がかつて夢で戦った相手の話もあります。

それでは本編をどうぞ!


『なぁなぁ、□□□…それが思い出した夢の内容か?』

 

「うん、そうだよ…一応忘れないうちにメモしておくよ」

 

朧気だった夢の内容をついさっき思い出した。まぁ、少しだけだけど…

 

思い出した夢の内容は聖殿の水遣いによって勇者として呼び出された夢だ…残念なことに聖殿の水遣いの本名は思い出せなかったけど。

 

それで呼び出された後、話をして、誰かとデュエルをして圧勝した…あまりにも手応えがなかったからびっくりしたよ。

 

きっと、手札事故でも起こしたんだろう…デッキによっては手札が事故ったらそのまま敗北するのもあり得るし。

 

『了解。にしても、世界を救う勇者様とはね…世界を救う戦いといえば、前に邪神と戦ったことがあったよな』

 

「あったな…お前と出会ってしばらく経ってからだっけ?』

 

『あぁ…あの時はヒヤヒヤしたぜ…』

 

「だな…邪神なんかとはもう二度と戦いたくないな…」

 

そんな会話を交わしながら、俺とクラウディは過去の出来事を思い出していた。

 

////////////////

 

俺とクラウディが出会ったのは小学生の頃だ…授業中に声を掛けられた時は正直驚いた。

 

授業中だったからと声を抑えた俺はすごいと思う。

 

もちろん事情をすぐさま聞いた。事情としてはこうだ…どうやらクラウディは元々別の世界の住人で、気づいたらこっちの世界に迷い込んでしまったらしく、たまたま俺の心が居心地が良さそうだったから居座ることにしたらしい。

 

その理由は当時の俺からすれば、意味不明な理由だったわけだったが、クラウディの元の世界の話を聞いて、俺は心が踊った。

 

なんでも、クラウディの元の世界ではデュエルが発展していて、デュエルディスクなんかも普通に普及していたらしい。

 

クラウディはその世界で親友と恋人と共に穏やかな日々を送っていたらしい。だが、そんな日々は長く続かなかった…デュエルを悪用する闇のデュエリスト達に自分の恋人を拐われてしまったのだ。

 

そして、クラウディは自分の恋人を取り戻す為に闇のデュエリスト達に喧嘩を売り、いくつもの苦難を乗り越え、ついに自分の恋人を取り戻した。

 

まさに、物語に登場する囚われのお姫様を救い出す騎士の如き活躍だ。

 

その物語に俺はすっかり心を動かされてしまい、クラウディを受け入れていた。実際、今でもクラウディはカッコいい奴と思っている。

 

ちなみにクラウディという名前は俺がつけた名前だったりする。特に深い意味はなく、なんとなくでつけた名前だったのだが、クラウディは気に入ってくれたようだ。

 

そんなこんなでクラウディと出会い、現在に至るまでクラウディは俺がしんどい時は人格交代をしたり、色々と相談に乗ってくれたりして、俺のサポートをしてくれている。

 

まぁ、夢の世界にまでついてきてしまうとは思わなかったけど…ただ、クラウディは闇のデュエルの経験が豊富だ…もし、やばそうだったら任せるというのもありだと思う。

 

俺が邪神と戦ったのは今や相棒であるクラウディと会って、しばらく経った時だった。

 

小学生の頃の記憶だし、闇のデュエルのダメージの影響か、記憶が曖昧だ…ただ、覚えているのは敵は邪神であり、とんでもない闇の力を纏っていたということ。

 

「もう諦めたらどうだ?貴様に逆転の目はない」

 

「ふぅー…ふぅー…きっつい…」

 

『俺に代われ!このままじゃ死ぬぞ!』

 

「いや、大丈夫…大丈夫…まだ逆転の手はあるから…」

 

「ここから逆転するだと?やれるものならやってみろ…まぁ、不可能だろうがな」

 

「逆転してみせるよ…俺のターン!」

 

そんな会話をしながらカードを引き、セイヴァー・スター・ドラゴンを召喚し、見事に逆転することが出来たのは覚えている。

 

「こんなことがぁ!?」

 

邪神は逆転されたことに驚愕していて、俺はそのまま勝利することができた。

 

今思い返せば邪神は舐めプをしていたように思う…まぁ、当時小学生だった俺に本気を出さなくても勝てると思っていても不思議はない。

 

俺はめちゃくちゃ強いデュエリストだったわけでもないし。

 

あれは本当に死ぬかと思った…本当、舐めプされていたとはいえよく勝ったな…当時の俺。

 

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__

 

 

「いや、思い返しただけでも恐ろしいな…また戦う羽目にならないと良いんだけど…」

 

『だな…今のお前はあの時より強くなってはいるけど、あんな戦いは二度と経験してほしくないな』

 

「本当にね…まぁ、万が一の時にはクラウディに丸投げするよ」

 

『丸投げって…いや、良いけどさ。俺はお前を助けるためならいくらでも力を貸すし…ただ、丸投げするつもりなんてさらさらないんだろ?』

 

「お見通しか…まぁ、さすがにクラウディだけに丸投げというわけにもいかないし…俺もやるよ」

 

『相変わらずというか、なんというか…責任感強いよな、お前』

 

「仕事したくねー…って、仕事があるたびに、ぼやいてるけどね…」

 

『それは仕事している大半の人が思ってるんじゃね?知らないけど…それになんやかんや行くじゃん、最終的に』

 

「行くしかないから仕方なしだよ…サボれるものなら全力でサボるよ、俺…可能ならなるべく家でゴロゴロしたいし」

 

『真面目なのか不真面目なのか、判断に困るな…』

 

「とりあえずこの話はここまでにして、ちょっとマスターデュエルでデッキ編成するつもりだから手伝ってくれよ」

 

『オッケー!今回はどんなデッキにするんだ?』

 

「ちょっと表遊戯デッキを弄ろうと思ってさ」

 

『なるほどな…よし、やってみるか!』

 

そうして、俺はマスターデュエルを起動し、クラウディと共にマスターデュエルでデッキ編成を行うのだった。

 




クラウディの話やら邪神の話やら、色々と思い返してみると、小学生の私はなかなか濃い体験をしてるなぁって思います。

クラウディは未だに一緒にいますし…

と、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!


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第3話 暗黒騎士と鏡の世界

fgoでアルクェイドが結局当たらなかった…夏イベが始まったみたいですし、切り替えてそっちを楽しみます…

と、それでは本編をどうぞ!


「レント様、街に着きましたよ!」

 

「…あぁそうみたいだね…」

 

アオナに声を掛けられ、再び夢の世界に訪れたことを自覚する。

 

そして、それと同時にこの世界での記憶が蘇る。

 

俺は勇者として呼び出され、その後、俺のアーティファクトを見定めるという目的の試験を行った。

 

アーティファクトというのは異界の勇者が持つ、所謂チートみたいなものだ。俺の場合は今は腕時計の姿をしている左腕のデュエルディスクがそうだったらしい。

 

そして、その時にデュエルを行い、俺のアーティファクトを見定めると言った神官を見事撃破した。

 

この世界のデュエルはライフが4000だったためか、ブレイクソードの効果で相手のセットモンスターを破壊(マシュマロンだった)そして、その後ダークリベリオンに繋げ、ティアースケイルの効果で予め墓地に送っていた《幻影剣》を除外し、ブレイクソードを蘇生。

 

そして、2体のダイレクトアタックで決着がついてしまった。

 

その時はえっ、これで終わり?手応えなさすぎないか?なんて風に思ってしまった。

 

まぁ、そうしてめでたく?勇者と認められた俺はアオナと共に冒険の旅に出たというわけだ。

 

そして、まずは仲間集めをしようということで、とんでもなく強い暗黒騎士がいるというこの街にやってきた。

 

というか、暗黒騎士って…外法の騎士のことなんじゃねと思う。

 

ただ、そうだとすると気になることがある。

 

『なぁ、クラウディ…仮にここに居るのが外法の騎士だとすると、何か順番が違くないか?』

 

『確かにな…運命の旅路のイラストに書かれていたのは、アオナと、遺跡の魔鉱戦士と流離いのグリフォンライダーだけだったもんな…となると、ここでは外法の騎士は仲間にならない、もしくはここの暗黒騎士は別人ってパターンかもな』

 

『そうだね…後、あり得る可能性としては…』

 

『うん?なんか気づいたのか?』

 

『…いや、多分考えすぎだと思う…色々な可能性を思考する、俺の癖みたいなものだから』

 

『あぁ、いつものね』

 

「レント様、早く早く!」

 

「あぁ、今行くよ!」

 

思考を一度中断し、アオナに駆け寄る。

 

「ごめん…ちょっと考え事しててさ」

 

「考え事?暗黒騎士のことでしょうか?」

 

「まぁ、そんなところ…暗黒騎士、どんな奴なんだろうな?」

 

「味方になってくれればレント様も戦いやすくなると思うんですが…とにかく一度探してみましょう!」

 

「了解、さっそく探してみよう!」

 

そうして、俺とアオナは街で暗黒騎士の情報を集めるのだった。

 

______

 

____

 

__

 

「ここか?」

 

「街の人の情報によると、例の暗黒騎士はこの宿屋に居るようです」

 

俺とアオナが街の人の話を聞いた所、今俺達の目の前の宿屋に居るそうだ。

 

この宿屋は街の外れにある宿屋で、話を聞いたところ、この宿屋は古いらしく、しかも鏡の世界の自分に成り代わられるなんていう曰く付きの宿屋だそうだ。

 

「思っていたより、見た目はキレイだな…こんなところに暗黒騎士が居るのか?」

 

「おそらくですが…まぁ、とにかく入ってみましょう」

 

「だね。とりあえず確かめないと」

 

そんな風に話しながら、俺達は宿屋へと入っていった。

 

中に入ると、内装もしっかりしていて、とてもじゃないが古い宿屋には見えなかった。

 

「いらっしゃいませ!」

 

「どうも…えっと、あなたが宿屋の主人?」

 

「そうでございますが、何か?」

 

「いや、実は俺達、ここにめちゃくちゃ強い暗黒騎士が居るって聞いて来たんですけど…何か知りませんか?」

 

「はい、この宿に泊まっていただいております。ですが、今はお出かけになられています……もうじき戻られると思いますが、お待ちになられますか?」

 

「そうですね…すみません、待たせていただきます」

 

俺は宿屋の主人にそう告げて、暗黒騎士を待つことにした。

 

そうして待つこと数十分…宿屋の扉が開かれた。

 

「主人、今戻った…む、他の客が来ていたのか…おいお前達、悪いことは言わない、今すぐここから去れ」

 

黒い鎧を纏い、見方によっては悪魔のような顔にも見える兜を被った暗黒騎士がそう言いながらこちらを見た。

 

こいつ…やっぱり外法の騎士じゃないか!となると、ここでは仲間にならないパターンなんだろうか?

 

「暗黒騎士様、こちらのお客様方はあなたにご用件があるようです」

 

「用事?」

 

「あぁ、実は…」

 

そう口にして、俺たちはここに来るまでの経緯を説明した。

 

//////////////

 

「なるほど…お前達は私を仲間にしたいというわけか…」

 

「はい!レント様を一緒に支えませんか?あなたのような騎士が居てくれれば、レント様も心強いと思うんです!」

 

「レントと言ったな、お前は本当に私に仲間になってほしいのか?」

 

「もちろん!仲間が増えるなら大歓迎さ!まぁ、君がただで仲間になってくれるとは思っていないけどね」

 

「よくわかっているじゃないか。異界から召喚された勇者と聞いて、どんな奴かと思っていたが…なかなか話せるじゃないか」

 

どことなく声が弾んでいるような気がする…まぁ、兜のせいか、声がくぐもっているが。

 

俺がそんなことを思っていると、暗黒騎士は続きを話し始めた。

 

「…私がお前達の仲間になる条件は、私と共に鏡の世界の主を倒すことだ」

 

「鏡の世界の主を倒す…?そういえば、この宿屋には鏡の自分に成り代わられるという噂がありましたね…あれは本当だったんですか…」

 

「そうだ。私がこの宿に泊まっているのも、鏡の世界の主を倒すためだ…だが、倒すのはなかなかに困難でな…レント、お前の力を貸してほしいのだ」

 

「俺の?」

 

「あぁ。お前のアーティファクトはデュエルディスクだ…そして、この世界の存在をデュエルというお前の土俵に引きずり込むことが可能になる。もちろん、デュエルが出来る存在に限るがな…まぁ、安心しろ。この世界の存在はほとんどデュエルが可能だ…上位存在すらもな」

 

「一応、カードの実体化も可能みたいだし、こう考えるとデュエルディスクってかなりありがたいな」

 

「あぁ、異界の勇者を呼び出すなどというのは初めての例だが、お前は素晴らしい能力を持っている」

 

「初めての例…?」

 

「そうですよ。異界の勇者様を召喚するのは今回が初めてです…正直に言えば、私はとても緊張していたんですよ?」

 

「そうだったのか…」

 

暗黒騎士とアオナの話を聞いた俺は何故だが少し違和感を覚えた。

 

何だろう、この違和感は…まぁ、今は暗黒騎士の話からだ。

 

「それで、結局俺はどうすれば良いんだ?」

 

「簡単だ…鏡の主をデュエルで倒してほしい」

 

「それは構わないけど…アオナとあなたは何をするんだ?」

 

「彼女にはお前のサポートを頼み、私は成り代わられた人達の救出を行う」

 

「なるほど、役割分担ってわけか…了解。だけど、あなたは大丈夫なのか?」

 

「私よりお前達の方が危険だろうに…異界の勇者はお人好しなのか?」

 

「レント様はこういう方なんですよ…だからこそ、私は力になりたいんです」

 

「なるほど…良い仲間を持ったな、レント」

 

「あぁ!俺の自慢の仲間さ!」

 

「そうか……さて、さっそく話し合おうか。決行は今日の夜だからな…」

 

「わかった」

 

そうして、俺達は鏡の世界の主を倒すための話し合いをするのだった。

 

///////////////

 

「うーん…また変な夢を見た…」

 

例のごとく覚えている内容は一部だけだけど。

 

何か宿屋?みたいなところで、誰かと一緒に居た…多分、聖殿の水遣いだろう。

 

それで聖殿の水遣いが鏡の世界の自分に成り代わられそうになっていて、慌てて鏡の世界に侵入、そして鏡の世界の主的な存在とデュエルして撃破…その時のデュエルはクラウディが担当してくれた。

 

ちなみにクラウディの使用デッキはブルーアイズだ。

 

デュエルの内容はいまいち覚えていないが、最終的に俺は聖殿の水遣いと一緒に食べ歩きをしていたし、勝ったのは間違いないだろう。

 

「クラウディ、今回はお前が大活躍だったみたいだ」

 

『夢の世界で俺がお前の代わりに戦ったやつか…相変わらず全部は覚えてないんだよな…』

 

「本当か?まぁ、俺も全部覚えてるわけじゃないけど」

 

『本当だって…仮にわざと黙ってるにしても、それには事情があるんだよ』

 

「なるほど…オッケー、信じるよ」

 

それにしても謎だな…何で俺が召喚されたんだろう…単純にランダムなのか、それとも何かしらの意図があるんだろうか。

 

どんな理由であれ、まがりなりにも勇者だ…やれることはやろう。

 

俺はそんなことを思いながらも夢の世界に呼ばれた理由について疑問に思うのだった。

 




うーん、勇者トークンの物語って、特に語られてなかった気がしますけど、これって正しいルートなのかな?

まぁ、OCGストーリーってバッドエンド多いし、いっそのことストーリーから外れるというのもありかもです。

今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!


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第4話 夢の記憶が曖昧だ

今回は短めです。

未だにこの時の夢はあまり思い出せないんですよね…

それでは本編をどうぞ!


「…あれ?もう終わりなのか…」

 

目を覚ますと、妙な感覚に頭がふわふわする。

 

今日も夢を見た…だが、夢の内容がおかしい…いや、おかしくはないのか?ともかく一部の夢の記憶だけがあり、それ以外の記憶が欠けている。

 

「この夢のことは内緒にしておこう」

 

そのクラウディの言葉だけが残っていて、他の記憶が欠けているのだ。

 

思い出そうにも、一向に今回の夢の内容を思い出せない。

 

「内緒ってどういうことだ?クラウディなら覚えてたりする?」

 

『いや、今回に限ってはマジで覚えてない』

 

「そうなのか…これはまた相談かな…」

 

疑問に思いながらも、俺は夢に詳しいフォロワーさんに相談することにするのだった。

 

______

 

____

 

__

 

 

「なるほど…夢の誓約ね…」

 

フォロワーさんの話によれば、夢の世界の出来事によって現実の自分に負担が掛かる時なんかに夢の内容を思い出させないようにする時があるらしい。

 

多くは人を殺めてしまった時なんかに起きるらしい。後は夢の内容を明かしたら余計に狂う時とかにも起きるようだ。

 

つまり、夢の世界の俺達にそこまでしないといけないレベルの出来事が起きたことになる。

 

うーん、マジで一体何が起こったんだ?俺達が夢の世界でしているデュエルは文字通りの命がけの決闘だ。負ければこっちが死ぬし、勝てば向こうが死ぬ。

 

その結果、誰かを殺めてしまったのだろうか…だが、それにしては、クラウディの口調は悲観的な感じではなかった気がする。

 

ダメだ!わからん!まぁ、思い出せないものは仕方ない。このことは頭の片隅にでも留めておこう。

 

俺はそう切り替えて、1日を過ごすのだった。

 

//////////////

 

___別の日

 

 

「あ、寝てた…なんだあれ、光の仮面と闇の仮面みたいなのにタッグデュエルを申し込まれて、俺とクラウディが分裂してタッグデュエルしてたんだけど」

 

『あぁ、やってたな…』

 

何だか眠くなって、気づけばうたた寝していたようだ。

 

その時に軽く夢を見たのだが、初代遊戯王の光と闇の仮面みたいなやつらにタッグデュエルを申し込まれて、俺とクラウディが分裂してタッグデュエルしていた。

 

いや、まったくもって意味不明である。何で俺とクラウディが分裂してんの?最終的にはまた1人に戻っていたけども。

 

後日、またもや例のフォロワーさんに相談したところ、夢で自分が分裂するとかは普通にあるらしい。

 

いやぁ、夢の世界ってすごいわ…それにしても、いつも俺の相談に乗ってくれているフォロワーさんには感謝しかないな…本当にいつもありがとうございます。

 

俺ってば夢の世界についてとか全然知らないし、こういうことを相談できる相手ってかなりありがたいと思う。

 

そういえば、今回の夢を見る限り、俺達に何かあったわけではなさそうだなぁ…結局、内緒にしておこうとクラウディが言った出来事についてはさっぱり思い出せないが、夢で行動しているところを見るに、心配はなさそうだ。

 

「このまま、何の問題もなければ良いんだけど…」

 

『だな…とはいえ、さすがにそれは望み薄じゃね?』

 

「だよね…まぁ、なんとかなるさ!仲間もクラウディも居るし」

 

『万が一の時は任せとけ…少なくともお前の安全だけは保証する』

 

「ありがとう。まぁ、万が一の出来事が起きないように行動するのが一番だけどな」

 

俺はそう返して、夢の世界ではなるべくバッドエンドルートを回避する方向性でいくことを決めたのだった。

 




多分、私が今まで見てきた夢に比べて、一番曖昧な夢ですね…まぁ、そもそも夢の内容を事細かく記憶していることの方が珍しいんですが…

今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!


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第5話 裏切りの騎士

今回の夢は、いきなり急展開だったので私も驚きました…

ともかく本編をどうぞ!


「レント様!暗黒騎士は…彼女は正気ではありません!」

 

アオナの言葉に俺は視線を移す。

 

目の前には仮面を外した長いブロンドヘアの女性、遊戯王のカードとしての名前は外法の騎士、本名はイリスだ。

 

俺達の仲間になってくれた暗黒騎士であり、少し前にタッグデュエルを挑んできて、最後には仲間になってくれた光と闇の仮面のデュエリストこと、遺跡の魔鉱戦士と流離いのグリフォンライダー達よりも付き合いの長い仲間である。

 

そんな彼女が俺達の前に立ち塞がっている。一体何があった?

 

「裏切るって言ったでしょ?」

 

そう呟いて、彼女は俺に斬りかかってきた。

 

俺はすぐさまデュエルディスクを展開、斬りかかってきたイリスの攻撃を防ぐ。

 

その時、ようやくここに至るまでの記憶が蘇ってきた。

 

 

 

遺跡の魔鉱戦士、ブライ…流離いのグリフォンライダー、カルジャ。

 

この2人は俺とクラウディにタッグデュエルで敗北した後、俺達の実力を認めて、仲間になってくれた。

 

クラウディについてはさすがにもう一人の俺と言われても混乱するだろうから、俺の中に居る精霊だと説明した。

 

その後、全員で5人となった(クラウディを含めると6人だが)俺達のパーティーは色々と依頼を引き受けて冒険しつつ、世界を救うために戦っていた。

 

そんなある日だ、イリスの様子がおかしかった…心ここに在らずといった様子でこんなことを言ってきた。

 

『このままいけば、私はお前を裏切るだろう…もし、私が裏切るようなことがあれば、お前の手で私を殺せ』

 

冗談じゃない…なんで大切な仲間を殺さなければならないのか…俺は絶対に嫌だ。

 

俺はイリスにこう返した。

 

『穏やかじゃないな…言っておくけど、俺は殺すなんてごめんだからな!だから、万が一そうなった時は殺すよりお前を助けることに全力を尽くすよ』

 

__

 

____

 

_____

 

まったく、何ていうタイミングで記憶を思い出しているんだか…ともかく、まずは距離をとらないと。

 

ディスクと剣で鍔迫り合い状態になっている今の現状を打開するためにディスクで剣を受け流し、イリスに蹴りを入れてその勢いのまま後退する。

 

「大丈夫ですか!?レント様!」

 

「あぁ、なんとか大丈夫」

 

俺の言葉にアオナは安堵した表情を浮かべる。

 

そこに、ブライとカルジャが駆け寄ってくる。

 

「おいおいイリスの奴、どうかしちまったのかよ!」

 

カルジャが慌てた様子でそう口にする。

 

それに答えるのはブライだ。

 

「ふむ、あいつが裏切るとは思えんな…もし裏切るにしても、他の人間を裏切ることはあれ、レントを裏切ることはないだろう。これだけは断言できる」

 

「いやいや、現に、攻撃してきてるじゃねーか!」

 

「違うよ、カルジャ…ブライの言うとおりだ…イリスは俺を裏切ってなんかいないし、殺す気もないと思う…なんか理由があるんだよ、きっと」

 

「そうかぁ?俺には本気で殺しにきてるようにしか見えねぇけど…」

 

カルジャが疑問を抱いているが、本気で俺を殺す気はないだろう…だって、あいつが俺を本気で殺す気なら、話している今は絶好の機会だ。

 

だが、攻撃をしてこない…それに、デュエルに持ち込めるならともかく、純粋な殺し合いで、俺がイリスと互角とかあり得ないからね。

 

まぁ、カードを実体化することも出来るから、戦えなくもないけどさ。

 

それでも、戦闘技術とかはイリスの方が上だろう。

 

「…みんな、ここは俺に任せてほしい…さすがにやばかったら、サポートをお願い」

 

「レント様…何か考えがあるんですよね?」

 

「もちろん…何の策もなく突っ込むほどバカじゃないって」

 

『嘘つけ!ノープランだろ!』

 

『あ、あるよ!ノ、ノープランなわけないだろ!』

 

『じゃあ具体的には?』

 

『…とりあえず、イリスと話しをする。多分、話しを聞いてくれると思うし』

 

『その後は?』

 

『話しが通じれば、そのまま仲直り…ダメだったら、敵対する原因を排除する』

 

『なるほどな…だけど、これは策と呼べるのか?行きあたりばったりの博打じゃね?』

 

『良いから!やるぞ!』

 

心の中で俺はクラウディにそう言い放ち、イリスに近づく。

 

「イリス!なんでこんなことを?理由があるのはわかってる…理由もなくお前がこんなことをするわけないし」

 

「…言ったでしょ?裏切るって…そして、私が裏切った時はお前が殺せ、とも言ったはずだけど?」

 

普段の口調よりも女性的な口調で話すイリスに少々驚きつつ、言葉を返す。

 

「そうだね…だけど、俺も殺すんじゃなくて、助けることに全力を尽くすって返したはずだろ?」

 

「そうね…まったく、甘い人なんだから…」

 

そう呆れたように呟きながら、イリスは剣を降ろす。

 

「これを見て」

 

そうして、イリスが怪しげなオーラを纏う剣を見せてくる。

 

「これは…!アラマティアの剣」

 

そう声を上げたのはアオナだ。その表情には剣に対する嫌悪感が滲み出ていた。

 

「それは一体何なんだ?アオナ」

 

「これは呪われた剣です…身につけたものに勇者に等しい力を与え、強制的に勇者にするんです…しかも、その存在を剣が乗っ取るという恐ろしい装備です」

 

「乗っ取られたやつはどうなるんだ?」

 

「乗っ取られた存在の人格が消え、勇者とは名ばかりの破壊の限りをつくす悪魔に成り果ててしまいます…正直、イリスが未だに正気を保っているのが奇跡です」

 

「そうか…いつ自分がアラマティアに乗っ取られるかわからないから…予め裏切ることを伝え、俺に倒させようとして…」

 

アラマティアのことを聞き、イリスがどうしてこんな行動を取ったのかがわかった。

 

「レント、私が正気を保っているうちに殺して…大丈夫、あなたに殺されるなら文句はないから」

 

「…アラマティアを破壊すれば良いんじゃないか?」

 

「いいえ、それは出来ません…」

 

俺の疑問に答えてくれたのはアオナだ。

 

だが、何でアラマティアを破壊できないんだ?

 

俺の考えを察したのか、アオナがアラマティアを破壊できない理由を話してくれる。

 

「一度、身につけてしまったアラマティアの剣を破壊するには、使用者の命を奪わなければならないんです…つまり…」

 

「…イリスを殺さなきゃならないってわけか…」

 

そんなの冗談じゃないって…なんとかならないのか?

 

「どうにかならないか…なんか良い方法があるはずだ」

 

「諦めろ…私を助けるために頭を悩ませる必要はない」

 

「嫌だね…俺は諦めが悪いんだ。デュエルの時だって最後まで諦めないタイプだし…うん?待てよ…デュエルでアラマティアを破壊できないか?」

 

剣と使用者が一体化と言える状態なら、デュエルでの敗北は剣の敗北とも言える…それなら命を奪うことなく破壊できるかもしれない。

 

もし、破壊まではいかなくても、剣の呪いをある程度弱めることはできるだろう。

 

それに、もしデュエルでアラマティアのカードが使用されれば、それを破壊することで、呪いが解ける可能性もある。

 

まぁ、希望的観測と言われればそれまでだけど。やってみる価値はあるだろう。

 

俺の提案にみんなもやってみる価値はあると言って、頷いてくれた。

 

「はぁ…わかった、やってみましょう。レントも諦める気はないようだし」

 

「やる気になってくれて良かったよ!さぁ、始めようか!」

 

そう言って、俺はデュエルディスクを構える。

 

「えぇ、始めましょう」

 

 

「「デュエル!!」」

 

///////////////

 

「これで、止めだ!いけ!ダーク・リベリオン、外法の騎士…いや、イリス!ダイレクトアタック!」

 

「ワタシガ、敗北スル!?おのれ!異界ノ勇者メ!貴様は絶対に許さん!」

 

「イリスの姿でそれ以上喋るな…耳障りだ。…さっさと消えてくれ」

 

イリスの姿で言葉を発するそれは、アラマティアの剣が砕けると同時に消え去った。

 

糸が切れたように座り込む、イリスに慌てて駆け寄る。

 

「イリス!大丈夫か?」

 

「う…レント?」

 

「大丈夫か?意識はしっかりしてる?記憶障害とか起きてないか?」

 

「ふふっ…レントは心配症なんだから…大丈夫、あなたのおかげで無事だから」

 

「そっか…良かったぁ!あぁ、上手くいってよかった…」

 

イリスが無事だとわかり、俺の体は緊張が解けて地面に上向きで倒れる。

 

空は晴天で、見ていて清々しい気持ちになる。

 

そんなキレイな空を見ているのに、なぜだか涙が溢れてくる。

 

「本当に良かった…イリスが無事で…」

 

『そうだな…お前のおかげだ。胸を張れ』

 

「うん…うん!」

 

そうしてしばらく泣いて、仲間達から励まされて、ようやく涙が止まってくれた。

 

 




今回の夢は大きな分岐点な気がしてならないんですよね…禁呪アラマティアも出てきてましたし…そもそも、あれってこのタイミングで破壊されるのか?とか疑問を抱いてしまいます。

正直、不安しかないですね…


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