転生したら時の王者だった件。 (ドラゴニック・オーバーロード)
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プロローグ

「いやぁー、仮面ライダージオウ、面白かったなぁ!」

 

何気ない、平凡な人生。

そんな人生を送っていた俺「東 刻雄(あづま ときお)」18歳の楽しみは毎週日曜日の特撮番組「仮面ライダー」だ。

そしてたった今、平成最後の仮面ライダー「仮面ライダージオウ」の最終回を見終わったところだった。

 

「ふぅ、にしてもソウゴかっこよかったなぁ。ソウゴの最後の決断とかめちゃくちゃ感動したし。あんな立派な王様、俺なんかじゃ絶対になれないだろうなぁ。」

 

俺はジオウの最終回を見終わったので、すごくご機嫌だった。最終回のシーンをひとつひとつ思い出しながら、ベッドの上で余韻に浸っていた。

 

 

 

 

 

 

翌日…

終盤に差し掛かった高校生活最後の夏休み。残り少ない大切な夏休みをどう過ごそうか考えながら、公園を歩いていた。

 

「ふぅ、さ〜て、もうあと数日しかない夏休み、どう過ごそうかなぁ?」

 

そんなときだった。

 

「あぁぁぁぁ!?」

 

「っ!」

 

いきなり大きな怒鳴り声が聞こえた。

音がした方を見ると、片手に包丁を持った男がいた。

 

「おぉい!誰か薬を寄越しやがれぇ!殺すぞお!!」

 

何やら薬がどうのこうの叫んでいる。とにかくヤバいやつだとは分かった。

俺はどうしようかと周りを見渡す。すると一人の女の子に目が止まった。女の子は恐怖で動けなくなっている。

 

そんなときだった。

男がまた叫び出して、包丁を構えてその女の子に向かって走り出した!ベンチに座っていたその子の母親らしき人物は急いで飛び出したが、この距離じゃ間に合わない!

誰もがダメだと思った。だが…

 

ザシュッ!

 

「うっ!」

 

俺は何故か咄嗟に女の子のもとに駆け出していた。女の子を突き飛ばし、その瞬間に胸のところに弾が当たる。

 

血が出ている。今まで感じたことのない痛みが走る。

 

(え?何だこれ?熱い…熱いよぉ…!)

『確認しました。耐熱耐性を獲得。成功しました。』

 

(あんな異常者に殺されるとか…マジ…無いわ…!)

『確認しました。エクストラスキル「状態異常無効(じょうたいいじょうむこう)」を獲得。成功しました。』

 

(痛い…痛いよぉ…!少しは和らいでくれ…!)

『確認しました。痛覚軽減を獲得。付属して、ダメージ軽減を獲得。成功しました。』

 

(何だ?さっきから騒がしいな…?…人が大変だってときに…)

「おい!君!大丈夫か!?今、救急車呼んだからな!頑張れ!」

 

(夏だってのに…何だか…寒くなってきやがった…。)

『確認しました。耐寒耐性を獲得。成功しました。耐熱耐性、耐寒耐性を獲得したことにより、エクストラスキル「熱変動耐性」にスキルが変化しました。』

 

(俺、死ぬのか?そういえば…あの女の子は…?)

俺は周りを見る。そうすると、すぐ近くで女の子が俺を見て泣いている。

 

(そうか。あの子は無事だったか…。よかった…、守れて…。)

『確認しました。ユニークスキル「守護者(マモルモノ)」を獲得。成功しました。』

 

頭に声が響く中、俺は走馬灯のように色んな記憶が頭の中を巡った。

(あぁ、死ぬのか、俺。…まぁでも、仮面ライダージオウの最終回見れたし、いいかな?)

『確認しました。ユニークスキル「時之王者(ジオウ)」を獲得。成功しました。続いて、ユニークスキル「逢魔之日(オーマノヒ)」を獲得。成功しました。」

 

(ライドウォッチの継承の時に出てくる前作の平成ライダーに出てきた人がまた出てきてくれてうれしかったなぁ。そういえば動画とか見ながら、真似して自分でライドウォッチの色を塗ったりして、改造もしたなぁ。)

『確認しました。ユニークスキル「戦士之記憶(ライドウォッチ)」を獲得。成功しました。続いて、ユニークスキル「改造者(作リ変エル者)」を獲得。成功しました。』

 

(ソウゴは映画でもめちゃくちゃカッコよかったし、オーマフォームも活躍すごかったし、変身とかも真似したりしたなぁ。あれこそまさに最高最善の魔王だよな。)

『確認しました。ユニークスキル「王者之資格(王ニナリ得ル者)」を獲得。成功しました。続いて、ユニークスキル「模倣者(真似ル者)」を獲得。成功しました。』

 

(ウォズみたいな従者やゲイツやツクヨミたちとのやりとりも面白かったし、みんな強かったよなぁ。)

『確認しました。ユニークスキル「従者(付キ従ウ者)」を獲得。成功しました。」

 

(時の王者の活躍を見れただけでも…とても楽しかった。生まれ変わったら、ソウゴみたいな強い人になりたいなぁ。)

『確認しました。時間に関する種族の肉体を生成します。成功しました。続いて、ユニークスキル「強キ者」を獲得。成功しました。』

 

あ、ヤバい。意識が…

あ〜あ、短い人生だったけど…楽しかったなぁ。生まれ変わっても、悔いのない人生を生きたいなぁ。

 

目の前が…暗く…

 

そして俺、「東 刻雄(あづま ときお)」は18年という短い人生に幕を閉じたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




仮面ライダージオウが出てくる転スラのssを見て、書いてみたいと思って書きました。
これから頑張って書いていきますので、よろしくお願いします。


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1話 仮面ライダージオウ、生誕。

「ん、うぅ〜ん…」

 

拳銃に撃たれて俺は死んだ、はずだった。なのに何故か体が動く。

目を開けると、そこは森のような場所だった。

 

「此処は一体?俺は確か死んだはずじゃ…」

 

体を触ってみたが、怪我も何もなかった。確かに胸を撃たれたはずなのだが…

 

「う〜ん、特に怪我も何もないなぁ。…あれ?そういえば俺って、こんな華奢な体してたっけ?何か細いし…」

 

自分の腕や胴体を見てみると、何やらとても細かった。俺はそこまでムキムキというわけではなかったが、男らしい胸筋や太い腕はあったはず。それがなぜか細くなっている。まるで女みたいな。それに服もこんな白い服を着ていた覚えはない。

あっ、ちょうど湖がある。これで自分の姿を見てみよう。

 

「どれどれ…」

 

湖を見るとそこには、白いメッシュが入った長い光るような金髪とマゼンタの瞳をした、美少女がいた。

 

「なっ!?おい、君!!そこで何をやってるんだ!?俺に掴まれ!!」

 

俺は急いで、その子に手を伸ばした!

だが、掴むのはその子の手ではなく、水だけだった。

まさかと思い、俺は自分の顔を触ると、彼女も顔を触る。

色んなポーズを取ったりもした、そしたら向こうも全く同じ行動をする。

 

まさか、まさかとは思うが!

 

俺、転生しちゃったー!?

 

 

 

 

 

 

そこから俺は色々と考えた。

そこでさっきまでの記憶を辿る。まず俺は夏休み終盤、夏休みをどう過ごそうかと考えてぶらぶらしていた。そしたら頭のおかしい男が女の子に銃を向けたから、女の子を庇って撃たれて死んだ。

うん、ここまでは覚えてる。

 

次は現状の把握だ。まずここは間違いなく病院ではないだろう。というか、こんな森の建物もない病院などテレビでも見たことがない。どうして此処にいるかは分からない。誰かに運ばれたにしても、森に運ぶ意図が分からない。

 

そして、この姿。俺の容姿はそこまでイケメンというわけではなかった。…何か自分で言ってて悲しくなってきた。だが、こんな華奢な体ではなかった。腕だってもう少し太かったし、身体の線だってこんなに細くなかった。そしてこの顔。俺はこんな美少女顔では断じてなかった。ほんとどこにでもいるような顔、ザ・普通な顔だった。金髪でもなかったし、こんなに長い髪でもなかった。ちなみに性別だが、ちゃんとムスコはあった。つまり男だった。よかった。

 

結論。俺は銃で撃たれて死んで、転生したのだ!

 

そうだ。それだ。それしか考えられない。死んで、病院でもない場所にいて、別の容姿になってるというこの状況を踏まえれば、転生としか考えられない。

 

というか、そもそもどうして俺はこんなことになってるんだ?此処はどこなんだ?

 

「うっ!!」

 

そのとき、俺の頭に激痛が走った。とてつもない量の情報が頭の中に入ってくるのが分かる。

 

「あっ…い…あああああ!!頭が…頭が割れる!!

 

頭の中に浮かんでくるのは俺が昨日見終わった仮面ライダージオウの姿。ジクウドライバー、ライドウォッチ、歴代の平成ライダーなどの情報が頭に流れくる。

 

ああああああー!!

 

 

 

1分後…

 

 

 

痛みが来るのは突然だったが、痛みが終わるのも突然だった。いつの間にか痛みはおさまっていた。

 

だがそのおかげで自分の今の状態が分かった。頭に入ってきた情報を改めて整理する。

分かったのは俺が持つ能力、スキルの使い方、そして俺の状態。

 

ユニークスキル「時之王者(ジオウ)」。

仮面ライダージオウに変身できるスキル。「ジクウドライバー」を出現させ、それを使って俺の肉体を仮面ライダージオウに変える。鎧を着るような感じではなく、クウガとかのような肉体変化型のようだ。あらゆるライドウォッチの能力を使用できる、能力の応用もできる。俺の頭に情報を流し込んできたのは、このスキルだったようだ。

 

ユニークスキル「戦士之記憶(ライドウォッチ)」。

仮面ライダージオウの重要アイテム「ライドウォッチ」を生産できるスキル。だが一部、条件が揃わなければ作れないライドウォッチも存在する。

 

ユニークスキル「王之資格(王ニナリ得ル者)」。

魔王への覚醒を促すスキル。これはまだよく分かんない。

 

ユニークスキル「逢魔之日(オーマノヒ)」。

オーマジオウの力を封印した結果にできたスキル。オーマジオウのオーラや力を少しだけ使うことができる。そして、激しい思いに呼応しオーマジオウへ覚醒するためのスキル。

 

ユニークスキル「守護者(守ル者)」。

魂の系譜で繋がった俺の配下たちのステータスの常時アップ、ダメージ回復が可能。

 

ユニークスキル「模倣者(真似ル者)」。

一度見た技や動き、スキルを模倣できるスキル。

 

ユニークスキル「改造者(作リ変エル者)」。

スキルやあいてむの進化や統合ができるスキル。

 

ユニークスキル「従者(付キ従ウ者)」。

俺のサポートをしてくれる自立型のスキル。解析・鑑定などをしてくれる。

 

ユニークスキル「強キ者」。

戦闘を続けるほどに、ステータスが上昇していくスキル。

 

とまぁ、これが俺の主なスキルだ。

なるほど、要するに俺は仮面ライダージオウに変身できるということか。しかもライドウォッチまで…。

仮面ライダーに変身できるのはライダーファンとしては嬉しいが、俺に扱いこなせるのだろうか。不安だなぁ。

 

「仕方ない。とりあえず進むか。」

 

とりあえず俺は進むことにした。

 

そこから俺はこの森を出るために歩いた。だがやはり、中々出口が見つからない。だが、だからといってこのままというわけにもいかない。

とにかく頑張って、進んだ。 

 

しばらくして…

 

うわぁぁぁぁぁ!!

 

俺は巨大な虎に追われていた。

 

くそっ!どうしてこんなことに!草むらから物音がしたから、それを木の枝でつついたら虎が出てきて!

 

「うわっ!」

 

俺はこけてしまった。そして目の前にはさっきの虎が。

くそ!せっかく転生したのに!俺の人生、ここまでか!

 

「ガルルル…」

「ひぃ…」ブルブル

「ガオォォ!」

「く…来るなぁ!!

「ガウッ!?」

 

俺からいきなり発せられた黄金のオーラに当てられ、虎は吹っ飛ばされた。

 

「えっ!?今のは一体!?」

「ガルルル…」

 

やばい!さっきの虎が立とうとしてる!

 

(どうする!?このままじゃ…!いや、待てよ?そういえば俺、変身できるじゃん!!)

 

そうだ!変身して戦えばいいんだ!とにかく、このままじゃやられる!

戦えるのなら、戦うしかない!

頼む!出てくれ!ジクウドライバー!!

 

『ジクウドライバー!』

 

そう念じると腰にジクウドライバーが出てきた。そして手にはジオウライドウォッチが…

 

「よしっ!やってやる!」

 

ライドウォッチのスイッチを押す。

ポチッ『ジオウ!』

 

ジクウドライバーにウォッチをセットする。待機音が鳴る。そしてソウゴのように構える。

 

変身!!

ジクウドライバーを360°回転させる。時計のような音が鳴る。

 

『ライダーターイム!カメーンライダージオウ!』

 

俺の体が仮面ライダージオウに変化していく。ライダーの文字が顔に装着される。

 

虎が起き上がった!俺はジカンギレードを出す。

虎が突進してきた!俺は飛び上がった。するととてつもないジャンプ力が出た。すごい!虎から追いかけられてたときも思ったけど、俺身体能力がもの凄い上がってる!

俺は虎にジカンギレードで攻撃する。流石に効いてるみたいだ。虎が爪で攻撃してくるが、ジカンギレードで受け止め、弾く。

 

『ジュウ!』

 

銃に切り替えて、虎に攻撃する。そしたら虎は猛スピードで突っ込んできた!ここは回避だ!!攻撃をかわす。

 

「あのスピードは厄介だな。でも俺にはあれを避けられるほどの反射能力はない。なら、これだ!」

ポチッ『カブト!』

 

カブトライドウォッチをドライバーにセットする。そして回転!

 

『アーマーターイム!!チェンジビートル!カブトー!』

ジオウの肉体にカブトのアーマーが装着される。

 

「クロックアップ!」

『クロックアップ』

 

俺はクロックアップしたスピードで、虎に猛攻撃を仕掛ける。このスピードには虎もついていけず、ただただ攻撃を喰らい続けることになる。

『クロックオーバー』

クロックアップが終わった。

 

虎はボロボロだ。今のうちにトドメだ!

ドライバーからジオウライドウォッチを取り外し、剣に切り替えたジカンギレードにウォッチをセットする。

 

『フィニッシュターイム!』

 

虎に向かって走る!

 

『ジオウ!ギリギリスラッーシユ!』

 

虎を居合切りする。虎は爆散する。

 

「よっしゃぁ!!」

 

勝ったぞ!初めての戦闘に勝ったぞ!やったぁ!

そんなふうに喜んでいると、

 

「何すか、今の!?」

「えっ?」

 

緑色の体をした少年が現れた。

 

「今のすっごいカッコよかったっす!どうやったんすか!?それに何すか、その鎧みたいなの!」

「え〜と、君は?」

「オイラ、ゴブタっていうっす!よろしくっす!」

「ゴブタ君か。よろしく。」

 

俺は変身を解く。するとゴブタが驚く。

 

「あ…あんた女だったんすか!?」

「いや。こんな身なりだけど俺は男だよ?」

「えっ!?男だったんすか!?すまないっす。」

「いいよ。女っぽい見た目なのは自覚してるし…」

 

やっぱり他の人から見たら俺って女に見えるんだな。

 

「え〜と、ゴブタ君は人間…じゃないよね?」

「そうっす。オイラはゴブリンっす!」

「ゴブリン!?」

「えっ!?そうっすけど、何で驚いてるっすか?」

「あー、ごめんごめん。ゴブリン見るの初めてだったからさ。」

「そうだったんすか。」

 

ゴブリンって、ゲームとかでしか見たことないけど本物を見たのは初めてだな。

 

「そういうあんたも魔物っすよね。」

「え?俺って魔物なの?」

「そうっすよ?分かんなかったんすか?」

 

へぇー、俺って人間じゃなかったんだ。まさか魔物になってるなんて。

 

「あんた名前は?」

「名前?あー(名前か。どうしよう。この世界では名前ないし…う〜ん…ソウゴ、ソウゴ、そうご、そうが、そうが、ソウガ、そうだ!)俺はソーガだ。」

俺はソーガと名乗ることにした。

「ソーガっすね。誰に付けてもらったんすか?」

「え?いや、自分で名乗ってるだけだよ。」

「あ、そうだったんすか。オイラたちはリムル様(・・・・)に付けてもらったんすよ。」

「リムル様?誰?」

「オイラたちの主人のスライムっす!」

「え?スライムが主人なの?」

「うん。スライムだけどめちゃくちゃ強いんすよ!」

 

スライムがゴブリンの主人か。スライムといえばゲームとかでは雑魚モンスターだが、そんなに強いスライムがいるのか?

 

「よかったら村に来るっすか?」

「え?いいの?」

「うん!あんたは悪い人ではなさそうだったので!どうっすか!」

(う〜ん、このまま一人でいるのも危険だし…よし!ここはお言葉に甘えて…)

「わかった!じゃあ、お邪魔させてもらうよ!」

「そうっすか!よかったっす!じゃあ早速案内するっすよ!それとゴブタ君はやめてくださいっす。ゴブタでいいっすよ!」

「分かったよ、ゴブタ。」

 

こうして俺は死んで、転生して、変身して、戦って、ゴブリンと出会って、ゴブリンの村に案内されることになったのだ。

そして、この先に待っている出会いが俺の運命を大きく変えることになるとは、俺はまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




1話を書き終えました。
ジオウをまた観ながら、書きました。やはりジオウは面白いですね。本人出演とかも感動しますよね。
ではまた、次回のお話で。ご機嫌よう!


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2話 リムルとの出会い

ゴブタに村まで案内をしてもらった。そこにはゴブリンと狼が住んでいた。

 

「ねぇ、ゴブタ。この狼たちも魔物なの?」

「そうっすよ。牙狼族(がろうぞく)っていうっす!」

 

ゴブタの話によると、つい最近までゴブリンと牙狼族は戦っていたそうなのだが、そのスライムのリムルが牙狼族の長を倒したおかげで戦いが終わり、今はゴブリンと牙狼族は仲良くできてるそうだ。

そんなにすごい人なのか、リムルってスライム。

 

「此処にリムル様がいるっすよ。リムル様ー!お客さんを連れてきたっすよ!」

「お客さん?まぁいいや。通してくれ。」

ゴブタが家の中に声をかけると、中から声が聞こえる。

 

「さぁ、入るっすよ。」

「うん。お邪魔します。」

 

俺が中に入るとそこには一匹のスライムがふんぞり返っていた。

 

「やぁ、よく来たね。俺はスライムの「リムル=テンペスト」だ。よろしく。君は?」

「俺はソーガと言います。」

「名持ちだったのか。誰につけてもらったんだ?」

「いえ、誰かに付けて貰ったんじゃなくて、俺が勝手にそう名乗ってるだけです。」

「え?じゃあ本当は名無しってこと?」

「まぁ、そうですね。」

「ふぅん。どこから来たの?」

「え〜と、日本っていうところから…。」

 

今思ったが、この世界の人たちに日本っていう言葉は通じるのかな?ていうか日本って知ってるのかな?

俺がそう考えながらリムルさんを見るとリムルさんは驚いていた。

 

「ゴブタ、ちょっと外に出てって貰っていいかな?彼と二人で話したいんだ。」

「え?わかったっす。じゃあ、ゆっくりしてくっすよ。」

「うん。ありがとね。」

「別にいいっすよ。それじゃ。」

 

そう言ってゴブタは出て行く。改めてリムルさんのほうを向く。

 

「あの〜、二人で話したいっていうのは?」

「君、日本から来たの?」

「え?あ、はい。そうですけど…」

「もしかして君、転生者?」

「っ!」

 

な…なんでそのことを!?ていうか日本を知ってるのか?

 

「そうですけど、何でそのことを…」

「実はね…俺もなんだよ!」

「え?」

「俺も日本から来て、スライムに転生しちゃったの!」

「え…ええええええええ!!」

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、まさか俺の他にも転生してきた日本人がいたなんて。しかもこんなに早く会えるなんて!」

「俺も驚きましたよ!まさかリムルさんも転生者だったなんて!」

 

そこから俺たちはお互い自己紹介した。

リムル=テンペスト。前世の名前は「三上 悟(みかみ さとる)」。前世ではゼネコン企業に勤めていたサラリーマンだったらしく、通り魔に刺されて死んで、気付いたらスライムに転生していたらしい。

 

「そっか。君は拳銃で撃たれて死んだのか。」

「はい。いやぁ、もう痛いのなんのって、最悪でしたよ。」

「だよなぁ。俺も刺されたとき、めちゃくちゃ痛かったよ。」

「そうだ。そういや君、名前ないんだろ?なら、俺が付けてやるよ。」

「いいんですか?」

「あぁ、これも何かの縁だしな。よ〜し、確かソーガって名乗ってたよな?じゃあ、君はそのまま「ソーガ」だ!」

「ソウマ!ありがとうございます!」

「いいって!別…に…」

 

ドサッ

 

「え!?ちょっとリムルさん!?大丈夫ですか!?」

リムルさんが急に倒れた!何が起こったんだ!?

 

『解。我が王(マイロード)に名付けを行ったことにより、一気に大量の魔素を持ってかれたのだと思います。』

「え!?何!だれ!?」

いきなり頭の中から声が響いた。

 

『解。ユニークスキル「従者(付キ従ウ者)」の効果です。これから我が王(マイロード)のサポートをしていきます。』

(あっ!君が従者(付キ従ウ者)か!?そういえば自立型って言ってたし、自分から話しかけてくることもあるのか…。え〜と、とりあえずどうしてリムルさんが倒れたのか分かる?)

『解。個体名:リムル=テンペストは我が王(マイロード)に名前を付けたために魔素を消費したのです。』

(えっ!名前を付けただけで!?ていうか魔素って?)

『魔物にとって、生命の源となる物質です。』

(へぇー、そんな大事なものなんだ。俺も魔物になったし、俺にとっても必要不可欠なものなんだな。ていうか名付けで魔素がなくなるって?)

『上位の魔物に名付けをすると、それ相応の魔素を吸収されます。個体名:リムル=テンペストは我が王(マイロード)に名付けをしたことで我が王(マイロード)に大量の魔素を失ったのです。』

 

要するに俺のせいっこと?それは悪いことしたなぁ。なんとかしなきゃ!

 

(何とかできない?)

『解。我が王(マイロード)が個体名:リムル=テンペストに魔素を分け与えれば、復活します。』

(本当に!?なら早速…)

『ただし、実行すれば今度は我が王(マイロード)が魔素切れでスリープモードになります。』

(そうか、今度は俺が…。なら、どうすれば…)

『解。ユニークスキル「戦士之記憶(ライドウォッチ)」でインフィニティスタイルのライドウォッチを制作し、使用すれば大量の魔素が手に入るので、分け与えても魔素切れは起こりません。』

(そうか!なら早速…)

 

俺は自分の手にインフィニティスタイルのライドウォッチを出現させる。

ポチッ『インフィニティスタイル!』

おぉ、体に力が湧き上がってくる!よし!じゃあやるか!

俺は早速リムルさんに魔素を分け与える。しばらくすると、リムルさんが起きた。俺の体はなんともない。

 

「ん〜ん?あれ?俺はいったい?」

「あっ!リムルさん、起きたんですね!よかったです!」

「ん?お前はソーガだよな?何か名付けしたら、途端に眠くなって…」

「あ〜、実は…」

 

俺はリムルさんに事情を話す。リムルさんは少し驚いていたが、納得してくれたようだ。

 

「なるほどなぁ。しかしたった一人にこんなに魔素を持ってかれたのは初めてだな。君、結構素質あるよ。」

「え?そうでしょうか?」

「うん、しかもかなりの…」

 

何かそう言われるとちょっと照れるなぁ。

 

「そういえば、君はこれからどうするの?」

「え?どうするって?」

「いやだから、家とか住むところはあるのって?」

「あ〜、ないですね。困ったなぁ。どうしよう…」

 

野宿するしかないのか?いや、でもろくに食べ物もないし、野宿のための道具とかもないし、どうしたものか…。

 

「…よかったら、ここで暮らさない?」

「え?いいんですか?」

「あぁ、同郷の人を、しかもまだ18歳の子を放っておくわけにはいかないからな。大人として当然さ。」

「リムルさん…ありがとうございます!」

「あぁ、どういたしまして。これからよろしくな!ソーガ!」

「はい!よろしくお願いします!リムルさん!」

 

こうして俺はリムルさんたちの村で暮らすことになった。まさか転生してすぐに俺と同じ転生者の日本人に会えるとは思わなかった。

 

何気ない、平凡な人生…ではもうない。

転生して、仮面ライダーに変身して、スライムと出会って、ここから俺の新しい人生が始まる。

 

これが後に時の王者と呼ばれる男の始まりの物語だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




2話を書き終えました。
主人公の名前はソウゴの名前を一文字かえて、ソウマにしました。単純ですね!あまり思いつかなくて。とにかく、これからのソウマたちの活躍をどうぞご期待ください!
ではまた、次回のお話でお会いしましょう!ご機嫌よう!


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3話 いざ、ドワルゴンへ

俺がこの村にやってきて少し経ったころ、俺たちは困難に直面していた。それは…

 

「う〜ん…これは家とは言えないなぁ。」

「ですねぇ…。」

「「うっ!」」

 

そう、俺たちの困難、それは家の建築だ。

 

この村は衣食住を整えるために食料調達チーム、衣類調達及び建物の建築チームに分かれて、みんな活動している。

だが、その中でも家の建築はあまり上手く行っていないのだ。そして衣服の調達も。

そもそも技術を持っている者がいないのだ。そのため家の建築や、衣服の作り方も分かってない者たちがほとんどのため、なかなか衣と住は思ってるほど上手くいかない。

衣服もとても服とは言えないものばかり。特に女性のゴブリンのゴブリナだっけ?この子たちの服はその…ろ…露出がは…激しい///。別に嫌いと言うわけではないが…///。

そして、ゴブリンたちが作った家は当然崩れた。

 

「まぁこうなるよなぁ。」

「当然ですね。」

「お恥ずかしい話です…。」

「すみません…。」

 

衣服のほうもリムルさんが女性ゴブリンの服を見て、興奮している。やはりスライムといっても、中身は男なんだなぁ。

 

「技術を持った人がいないなら、調達は出来ないの?」

「今まで何度か取引をしたことがある者たちがおります。衣服の調達もですが、手先の器用な者たちなので、家の作り方も存じているかも…。」

 

そっか。なら、会ってみるしかないか。

 

「じゃあその人たちに会いに行ってみるしかなさそうだね。リムルさんはどうしますか?」

「そうだな。今はそれしかないな。どこの誰なんだ?」

「ドワルゴンに住むドワーフ族です。」

「「ドワーフ?!」」

 

ゲームとかにも出てくる鍛治の達人の?!流石はファンタジーな異世界!会ってみたいなぁ。

 

「そのドワルゴンとやらに行ってみる。リグルド、留守の間、村を頼めるか?」

「はっ!お任せあれ!」

「ソーガも来るか?」

「え?良いんですか?!」

「あぁ、お前強いし、居てくれたら頼りなるんだよ。どうかな?」

 

リムルさんが俺を頼ってくれてる。素直に嬉しいし、俺もドワーフに会ってみたいし…。

 

「分かりました!俺でよければ、ぜひ!」

「よし!決まりだな。」

 

そして俺はリムルさん、そしてリグルドの息子であるリグルとゴブタと他2名のゴブリン、牙狼族たちと一緒にドワルゴンへ行くことになった。俺はジオウのバイク「ライドストライカー」に乗ることにした。運転の仕方は何故か自然と分かる。

 

「それじゃ、行ってきまーす!」

『行ってらっしゃーい!』

 

リムルさんとゴブリンたちは牙狼族たちに乗って、俺はライドストライカーを走らせた。

 

俺たちは川に沿って北上を続けていた。

進化した牙狼族のスピードは凄まじく、俺は追いつくために更にライドストライカーを加速させる。

 

 

 

 

 

一旦、途中の河原で休憩することにした。

 

「リグル君、君のお兄さんは誰に名前を付けてもらったの?」

「はっ!兄は通りすがりの魔族のゲルミュッド様に付けてもらったそうです。見どころがあるからと…。」

「ゲル…」

「ゲルミュッド。魔王軍の幹部です。」

 

魔王…。この世界にはそんなものまでいるのか。魔王っていやぁ、ジオウも同じだな。

 

「なぁ、ソーガ。」

「ん?どうしました?」

「ちょっと聞きたいことがあるんだが、というか別に敬語じゃなくていいぞ。この世界ではお互い生まれたばかりなんだし。」

「え?いいんですか?」

「あぁ。」

「…分かったよ、リムル。これでいい?」

「あぁ、そんな感じだ。」

「それで聞きたいことって?」

「お前のスキルについてなんだが…」

「スキル?」

「お前に名前を付けたとき、お前のスキルを知ることができたんだが、よく分からないものが多くてさ…、詳しい内容を見ようにも何かに妨害されて見れないんだよ。」

 

ふむ、仮面ライダージオウのことか。

「分かった。話せることは話すよ。」

 

そうして俺は話した。人々の笑顔を守るため、世界を救うために戦った20人の戦士たち、「平成仮面ライダー」について…。

 

 

 

 

「とまぁ、これが大まかな19人の平成ライダーの説明かな?」

「なるほどな。それで最後の一人は?」

「最後の20人目の仮面ライダーが、俺が変身する「仮面ライダージオウ」さ。まぁ、正式な変身者は「常盤ソウゴ」さんなんだけどね。」

「へぇ。どんな仮面ライダーなんだ?」

「仮面ライダージオウは今まで言った19人の仮面ライダーたちの力を継承し、その力を使うことができるんだ。」

「マジか?!そいつはすげーな…。」

「と言っても、アーマーを装着してるときに一時的に使えるだけなんだけどね。」

「ふぅん。」

「まぁでも、グランドジオウは違うけどね。」

「グランドジオウ?何だそれ?」

「ジオウの最終フォームだよ。グランドジオウは今まで言った平成ライダーをフォーム問わずに召喚したり、そのライダーの武器を召喚して使うことができるんだ!」

「はぁ?!何だよそれ?!強すぎだろ!!」

「でしょ!でもそんな力があっても、敵がそれに合わせて強くなっちゃったから、あまり活躍できなかったと言われてたりするよ。まぁ、それでも相手をフルボッコにできるくらいの力はあるんだけどね。」

「そっか。すごいな、ジオウって。」

 

でもそんな力を軽く超えてしまうフォームがあるんだよなぁ。

 

「確かにこれだけでも十分強いんだけど、実は更に強力なフォームがあるんだよ。」

「まだ上があんのかよ。」

「うん。その名も「オーマジオウ」。」

「オーマジオウ?」

 

いやー、俺が知る限りじゃあれほど強い仮面ライダーはいなかったな。

 

「オーマジオウは常盤ソウゴさんの未来の姿であり、最強の魔王、真の時の王者なんだ。オーマジオウは今まで言った平成ライダー全員の力を使ったり、召喚したりするだけじゃなく、それ以外の能力も凄すぎて、あのグランドジオウでも勝てなかったんだよ。」

「グランドジオウでも?!そりゃまたとんでもないなぁ…。」

「でしょ。まさに理不尽の権化とも言えるくらい強いんだよ。」

「はぁ〜、すごいなぁ。仮面ライダーっていうのは…。」

 

リムルは物凄く驚いてくれたみたいだ。

 

そして一通り話し終わったので、みんなでそれぞれ休むことにした。

おっと、そうだ。

 

「ねぇ、従者(付キ従ウ者)。」

『何でしょうか?我が王(マイロード)

「俺って魔物なわけでしょ。何の魔物なの?ゴブリンでもスライムでもないだろうし。」

『解。我が王(マイロード)の種族は「刻魔族(こくまぞく)」です。』

「こくまぞく?何それ?」

『時間に関する保有スキルを持つ魔物であり、現在世界で我が王(マイロード)ただ一人しかいません。』

「え?俺一人しかいないの?」

『はい。我が王(マイロード)はユニークモンスターですから。』

「ユニークモンスター?よく分からないけど、要するに凄く珍しい魔物ってこと?』

『はい。』

「へぇ〜。」

 

刻魔族(刻魔族)か。う〜ん…、今考えても仕方ないか。とりあえず今は寝よう。

 

 

 

 

そこから俺たちはまた移動した。ドワーフの国まではゴブリンの足では歩くと2ヶ月はかかるのだとか。その距離を嵐牙たちのおかげで3日で走破することができたのだった。

 

俺たちが向かっている国は「武装国家ドワルゴン」。天然の大洞窟を改造した美しい都であり、ドワーフだけでなく、エルフや人間も沢山いるのだとか。

ていうかエルフもいるんだな。リムルは何やら邪なことを考えているようだったが。

そしてドワーフ王のガゼル=ドワルゴは「英雄王」と呼ばれる人物であり、国民にもとても慕われているという。いい王様なんだな。

またドワルゴンは中立の自由貿易都市のため、その地での争いは王によって禁止されているらしい。そのため、俺たちのような魔物が入っても大丈夫なんだとか。それを可能としているのがドワルゴンの強大な軍事力。この千年、ドワーフ軍は不敗を誇っているのだという。

そんなに強い国の王様には誰も逆らわないだろうな。

 

そしてドワルゴンにようやく着いた。ここから先は俺、リムル、ゴブタで行くことになった。

 

「本当に3人だけで大丈夫ですか?」

「あぁ、あまり大勢で行って目立たないほうがいいだろう。ゴブタは案内役、ソーガは護衛に連れて行く。」

「しかし…」

みんなリムルたちが心配なんだな。

 

「大丈夫だよ。いざとなったら、俺が戦うから。」

「そういうことだ。じゃあ、行ってくるからな。ここで待ってろよ。」

俺たちは早速ドワルゴンへの入国審査を受けるため、行列に並ぶ。

 

「結構並んでるなぁ。」

「どれくらいかかるんだろ?」

そうして大人しく並んでいると、

 

「おい!魔物がこんなところに並んでるぜ!」

「まだ中じゃねぇし、ここなら殺してもいいんじゃね?」

早速絡まれたな。面倒くさいなぁ。

 

「おい。荷物置いてけよ。それで見逃してやるよ。」

普通に柄の悪い不良にしか見えない。

 

「ゴブタ君、俺が言ったルールの1つ目は覚えてるかな?」

「はいっす。ルールその3、「人間は襲わない」!」

なんでもリムルが村でルールを作ったらしい。ルールは3つ

1つ…仲間内で争わない

2つ…他種族を見下さない

3つ…人間は襲わない

というものだ。

まぁ、これくらいはあったほうがいいだろう。

「うむ、では少し目を瞑り、耳を塞いでおくんだ。」

「はいっす。」

どうやらリムルがやるようだ。

 

(ねぇ、従者(付キ従ウ者)。俺ってあいつらに勝てる?)

『解。我が王(マイロード)なら、何の問題もないかと。』

(そっか。なら…)

「ねぇリムル。俺に任せてもらってもいい?」

「ん?いいのか?」

「うん。」

そうして俺は前に出る。

 

「あぁん?何だこのチビ女?」

「何だ?お前が相手してくれんのか?」

「そうだよ。あと俺は男だよ。」

「はっ!こんなチビ女が相手とは俺たちも舐められ…え?男?」

荒くれの冒険者たちは俺の発言に困惑しているようだ。周りにいる人たちも同じ反応だ。

 

「ま…まぁいい!男でも女でも関係ねぇ!そうか痛い目に合いてぇみたいだな。だったら、望みどおりにしてやるよ!」

そういうと冒険者の男が殴りかかってきた。

だが…

 

ポチッ『アックスフォーム!』

 

ガッ!

俺の顔面に拳が当たる。しかし…

 

「…いっっってぇ〜!!」

 

逆に冒険者の男のほうが泣きながら痛がっていた。それもそのはず。何故なら…

 

「どう?俺の強さに泣いたかい?」

 

俺が手に持っている「電王アックスフォーム」のライドウォッチの力だ。殴られる直前、このウォッチで防御力を底上げしたのだ。

半端なく硬くなった俺の体を思いっ切り殴ったのだ。そりゃ痛いはずだ。

 

「っっっ!てめぇ!何しやがった!!」

「え?何もしてないよ?ただ立ってただけだよ。それより涙が出てるよ。紙をあげようか?涙を拭えるし、鼻水も拭けるよ。」

俺はそう言って挑発すると、相手は顔を真っ赤にして激怒した。

 

「このクソガキ!!もう容赦しねぇ!!てめぇら!!こいつを嬲り殺しにしてやれ!!」

そういうと今度は仲間が出てきて、5人になった。魔法を放ってくる。

だが防御力が底上げされてる俺には当然効かない。だか中々ウザい。

 

(だんだんイライラしてきたな…。ここらで終わらせよう。ねぇ、従者(付キ従ウ者)。あいつらを黙らせるいい方法はない?)

『解。自らのオーラを相手に放出すれば、威圧することができます。』

(おぉ、威圧か。じゃあ、やってみる。)

 

俺は自分のオーラを相手に放出する。そのオーラは金色でわずかに漏れるオーラだけでも巨大な存在感を放つ。俺のオーラにあてられた冒険者たちは目をひん剥いて、泡をふき、失禁して気絶する。

『スキル「威圧」を獲得しました。』

何やら新しいスキルが手に入ったようだ。だがそれよりも…

 

「やば…。やりすぎた。」

気がつくと目の前の冒険者全員が気絶していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ようやく3話目を書き終えました。お待たせしてしまい、申し訳ありません。
これからも色々と仮面ライダーの情報を確認しながら書いていくので、遅くなるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。


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4話 事情聴取と鍛治職人

「で?言い訳を聞こうか?」

さて、今の俺たちの状況を分かりやすく言おう。現在俺たちは…

 

牢屋にぶち込まれています。

 

どうしてこんなことになってるのかというと、

俺が柄の悪い冒険者たちを撃退したときに衛兵たちがきて、事情を詳しく聞くために現在、事情聴取中なのだ。ちなみに今俺とゴブタは縄で縛られて、リムルは牢屋をすり抜けられるので樽の中。

 

ということで俺は今、衛兵の人に何があったかを説明しているのだ。

 

「とまぁ、こんな感じです。向こうから絡んできたので、俺たちはただ自分の身を守っただけです。それに俺は手をあげたりしてません。」

「うーん…まぁ見ていた者の証言と概ね一致するが…」

 

そんなとき…

 

「隊長、大変だ!鉱山でデカい事故が起きた!」

 

衛兵の人が突然部屋に飛び込んできた。

 

「なんでもアーマーサウルスが出たとかで…」

「なんだと!?」

 

アーマーサウルス?魔物の名前か?

 

「町に出てくる前に仕留めんと…っ」

「いや、そっちは大丈夫。すでに巡回の奴らが討伐に向かってます。ただ…魔鉱石の採取のため奥まで潜っていた鉱山夫がひどい怪我を負ったようで…」

「なにっ!?ガルムたちが!?」

 

話を聞いていると、どうやら鉱山に潜っていた人たちが大怪我したらしい。

 

「俺たち空気な。」

「だね。」

「っすね。」

 

俺たちは完全に放ったらかしにされてる。

 

「戦争の準備だかで回復薬の類は品薄だ。このままじゃ」

「馬鹿言うな!あいつらがそう簡単にくたばってたまるか!」

 

どうやらその人たちの怪我を治そうにも、回復薬があまりないようだ。このままでは危ないという。

 

「ねぇリムル。何とかできないかな?」

「う〜ん…。あ!そうだ。俺の胃袋の中にある回復薬を分けて、その恩を売って釈放してもらおう。」

「え?回復薬持ってるの?」

「あぁ。俺が転生した洞窟の中の薬草食いまくって、回復薬はいっぱいあるんだ。」

「そうなんだ。ならそれをあげるってことね。」

「そういうこと。」

 

早速リムルは樽の中から出て、衛兵さんに話しかける。

 

「なぁ、旦那旦那。」

「ん?って、おい!何勝手に出てるんだ!」

「まぁまぁ、それどころじゃないんでしょう?これ必要なんじゃないですかね?」

 

俺は回復薬で満たされた樽をゴブタと衛兵さんの前まで運ぶ。

 

「これは?」

「回復薬ですよ。飲んで良し!かけて良し!の優れもの!」

 

リムルのユニークスキルの大賢者が作った貴重なヒポクテ草という貴重な薬草を使った回復薬らしい。これが有れば、大怪我も治せるという。

 

「その怪我人たちを治したいんですよね?他に打つ手がないなら俺たちの言葉を信じてみませんか?」

(さて、俺たちを信じてくれるか…)

 

衛兵さんは少しの間考えると、

 

「お前ら、ここから出るなよ!おい!行くぞ!」

「隊長、マジすか!あれ、魔物でしょ?!」

「うるせぇ!行くぞ!」

 

どうやらとりあえずは信じてくれたようだ。

 

 

 

待ってる間、俺はどこまでライドウォッチを作れるかを試していた。

どうやら平成の主役ライダーの通常フォーム、中間フォーム、最終フォーム、サブライダーのライドウォッチは問題なく作れるようだ。

だが、ジオウⅡのライドウォッチやトリニティ、グランドジオウライドウォッチは作れないようだ。

 

(いまの俺では力不足ということかな?)

『解。現在の我が王(マイロード)の作れるライドウォッチは平成主役ライダーの通常、中間、最終フォーム、サブライダーのライドウォッチが限界です。これ以上のものを作るとなると、更なるパワーアップが必要かと。』

(なるほど。)

 

なら、これからも強くなるために頑張るしかないか。

 

(ねぇ、ライドウォッチの力ってさ、応用もできるんだよね?ならさ、ジーニアスフォームの浄化の力で毒とか浄化できたりするの?)

『解。毒の解析ができれば如何なる毒でも浄化が可能です。また、ゴーストライドウォッチの力で相手の魂を抽出して眼魂にすることや、極アームズの力で植物の成長を早めることもできます。』

(おぉ!結構いろんなことができるんだ!こりゃ便利だ!)

 

なるほど。普段の生活でも使い勝手がいいな。色々と使い道があるぞ。

 

 

そして1時間後…

衛兵さんが3人の男性を連れて戻ってきた。

 

「助かった!ありがとう!!」

 

衛兵さんが頭を下げる。衛兵さんの後ろの男性3人が話し始める。

 

「あんたらがくれた薬じゃなきゃ死んでた!ありがとうよ!」

((うんうん))

「今でも信じられんが、千切れかけてた腕が治ったんだよ!」

((良かったなぁ))

「コクコク」

((いや、何か言えよ!))

 

みんなお礼を言ってくれるが、最後の人は頷くだけで何も喋らない。無口な人なのかな…?

まぁとりあえず、みんな無事で良かったよ。

 

「いやホント助かったよ。あんなすごい薬は初めて見たぜ。俺にできることなら何でも言ってくれ。」

 

どうやら衛兵さん…カイドウさんは俺たちを信用してくれたようだ。

 

 

 

翌日…

俺たちはカイドウの案内で鍛治職人の所へ行くことになった。

 

「にしても、すごいな。」

「うん。すごいね。」

「っすね。」

 

ゴブリン村よりも遥かに文明が進んでる。中でも武器や防具がすごい。とても素人では作れないような業物ばかりだ。ふと、鍛治屋に目を向けると一本の剣に目がいく。

 

「ん?あの剣、薄ら光ってる。」

「本当だな。」

 

綺麗だなぁ。素人の俺でも分かる。きっと凄い職人が作ったんだろうな。

 

「あぁ、あれだよ。これから会いに行く鍛治職人の作った剣は。」

 

へぇ、あの剣を作った人か。どんな人なんだろ?

俺たちの頼みをちゃんと聞いてくれればいいんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遅くなりました。申し訳ありません。やっと書き終わりました。
次回ももしかしたら遅くなるかもしれませんが、ちゃんと書くので楽しみに待っていてください!
それではみなさん、次回のお話で。See you!


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