短編の詰め合わせ (Pledge)
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コードギアス 仮面の騎士1

ガンダムがスランプに陥ってしまったので、合間に書いてみました。

これからも、不定期更新になると思います。

それと、前話の「紹介」で一話完結でと言いましたが、よく考えたら無理です。
短編書くの初めてなので、一話完結のやり方がよくわかりません。

なので、ちゃんと話がつながっている短編にします。


皇歴2009年インドシナ半島洋上

 

「第46歩兵中隊、K-24エリア制圧!」

「第28歩兵大隊、D-41エリアから48エリア制圧!」

「ヴィラン卿、オックス卿、ゼリアン卿。敵司令部へのエリア確保!」

 

オペレータによって次々と聞こえてくる、前線部隊からの報告の嵐。その報告が届くのは、インドシナ半島の洋上に展開している艦隊の最後方に位置する一際大きな艦である。

 

ブリタニア海軍航空母艦ベイラン。

 

軍帽を被り口髭を生やした五十代ほどの男性が、血気盛んに声を張り上げ指揮を執る。

 

「第17中隊と第23中隊、逃走者の確保に動け!一人も逃がすなよ!」

 

その後ろで、艦長席に気だるげな様子で座っている男がいた。血よりも赤い髪をし、背中に羽織るマントにシワが付くのも気にせず、呑気に欠伸をしていた。

 

「殿下、欠伸などされますな!」

「おっと、悪い悪い。って言っても、もう終わるからいいじゃないの」

 

男の叱責に、殿下と呼ばれた男は変わらず気だるげに答える。

 

彼の名は、ディファイン・オーウェン。とある国に所属する軍人である。だが、ただの軍人でないことは、彼の服装から容易に想像できる。

 

「殿下は今作戦の指揮官なのですから、それでは困りますぞ!」

「真面目だね~、ボールス。早死にするぞ?」

 

ディファインの返答に、男は口元をヒクつかせる。さらには、額には漫画でよくある怒ったマークがあるように見える。

 

男の名は、ボールス・ド・ゲイネス。軍帽を被っていることから分かるように、彼もディファインと同様に軍人である。

 

指揮を執っていることからも分かる様に階級は高く、階級は少将。そのことから、ボールスの能力の高さもうかがえる。

 

だが、ボールスの言葉からも分かる通り、指揮官は椅子に座るディファインである。ここで疑問なのは、彼の年齢である。どう見ても、年齢は十代半ば。甘く見積もっても、十代後半である。

 

その彼が、少将であるボールスを差し置いて指揮官に収まっているという状況。誰が見ても、疑問を浮かべることだろう。内情を知らない者にしたら、の話ではあるが。

 

「殿下…………」

 

ボールスはがっくりと肩を落とすと、深い深い溜め息を吐いた。その様子を見て、ディファインはケラケラと笑い声を上げる。

 

「ゼリアン卿が敵司令部を制圧!司令部が陥落したことにより、降伏者が出て来ています!」

「……どうされますか、殿下」

「愚問だな。そうだろう、ボールス?」

「……Yes,Your Highness。攻撃続行。殲滅しろ」

 

敵の司令部を制圧した報告が前線から入ったことで、ボールスは判断を仰ぐため今作戦の最高指揮官であるディファインに問いかける。

 

ディファインは足を組み肘をつくと、薄ら笑いを浮かべながら答える。その笑みを見たボールスの背筋に、強烈な寒気が走る。

 

だが、すぐに了解の意を示すと、ディファインの短いに言葉に込められた真意を分かりやすい言葉で前線の兵に示す。

 

下された命令は、殲滅。この一言に尽きる。

 

降伏しようと、命乞いをしようと、何をしようと関係ない。情け容赦なく銃口が向けられ、引き金が引かれるのだった。

 

 

 

 

 

作戦を終え、本国に帰還したディファイン。ディファインを待っていたのは最悪で、かつディファインの脳裏によぎっていた報せだった。

 

大雨が降り、雷が鳴り、強風が吹き荒れる。そんな最悪な天候の中、ディファインは降りしきる雨を眺めていた。

 

その後ろから静かにボールスが歩み寄るが、話しかけようと試みるも結局は諦め、ボールス踵を返した。

 

「どうした、ボールス」

「……殿下」

「俺はもう殿下じゃない。名前で呼べ」

「私は、皇族だから殿下に忠誠を誓ったわけではありませぬ。殿下が忠誠を誓うに足る人物だからこそ、私は殿下を唯一の主君と定めたのです」

 

先日までは殿下と呼ばれ皇族だったディファイン。だが、あることを機にディファインはそうではなくなった。

 

ディファインは振り返りボールスを見ながら、名前で呼ぶように促す。だが、ボールスは首を振り拒否すると、自らの思いを口にする。

 

ボールスはおもむろに膝をつくと、右手を心臓に当てながら下を向く。

 

ボールスは戦場以上に真剣な面持ちで顔を上げると、ディファインを見上げる。その顔を見て、ディファインも表情を引き締め直す。

 

「我、ボールス・ド・ゲイネスの主君は唯一無二。それは殿下だけであります。我が忠誠は、殿下だけのために。ディファイン・ヴィ・ブリタニア様」

「……感謝する、ボールス。これからも頼りにしている」

「Yes,your majesty」

 

見守る者は居らず見届け人も居ない、二人だけの忠誠の儀式。だが、忠誠を誓う男の心だけは非常に強く、確かに本物だった。

 

 



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コードギアス 仮面の騎士 紹介

星月さんのコードギアス作品に触発されて、暴走気味で投稿してしまいました。
PCも直ってないし、ガンダムもあるのに……。

タイトルには練習作とありますが、突発的衝動で書いただけですので、続けるのかも不明です。
寝る前に思い付いたのを、紹介で載せてみました。

短編ですので、一話完結方式でいきます。
書くなら、の話ですけどね……。


ディファイン・オーウェン

 

誕生日

皇暦1992年11月15日

 

年齢

18歳(享年)

 

身長

171cm

 

体重

59kg

 

愛称

ディー、ディフ

 

死亡年月日

皇暦2010年12月24日

(MIA認定日)

 

人物像

普段は陽気で人当たりの良さが目立つが、いざ戦闘になると敵対勢力には微塵の慈悲も与えず、老若男女問わず抹殺する殲滅戦を得意としている。

その戦闘方法から【鬼神】、【慈悲無き騎士】と呼ばれることが多い。

 

公にはされていないが、実は神聖ブリタニア帝国第四皇子ディファイン・ヴィ・ブリタニアで皇位継承権第八位だった。だが、ある事件をきっかけに皇位を剥奪。

 

その後、前線に派遣された際に消息不明となり、MIA指定を受け死亡認定された。

 

 

 

 

ルヴァンシュ・フラメンテ

 

誕生日

???

 

年齢

??歳

 

身長

177m

 

体重

68kg

 

階級

【ナイトオブラウンズ】

 

人物像

常に無機質な仮面を装着し、経歴不詳の謎の多い人物。

 

ほとんど喋ることはなく、喋ったとしても合成された声のため感情を読むことは非常に難しい。

 

EU戦線で挙げた多大な戦果の見返りに、古来より続く【円卓闘技】に立候補。これにより現ラウンズであるナイトオブツー、リナリア・クレマチスに勝利しラウンズ入りを果たす。

 

その後はコーネリアに随行する形で、再びEU戦線に舞い戻り【亡霊の騎士】と呼ばれ恐怖の対象となる。

 

 

リナリア・クレマチス

 

誕生日

皇暦1998年4月30日

 

年齢

19歳(原作年)

 

身長

167cm

 

体重

41kg

 

階級

【ナイトオブラウンズ】

 

人物像

クレマチス伯爵家当主と妾との間に生まれ子ども。何不自由なく育ったが、リナリアが物心ついた時に母親が若い男と駆け落ちし失踪してしまった。

 

正妻や側室、さらには父親からも愛情を受けることなく育ち、感情が極めて希薄のまま成長しさらには頭が良かったことで、状況を理解している点と人間の機微を察しやすいことも不運だった。

 

十五歳の時に単身家を出て、ブリタニア士官学校に進学。主席で卒業し、そのまま前線部隊に配置。前線での働きが評価され、【円卓闘技】第一項をクリアしラウンズに加入。

 

ルヴァンシュの仮面で隠した奥底にある感情に興味を抱くようになる。

 

 

 

 

 

【円卓闘技】

 

説明

古来より続く闘技の儀式で、【ナイトオブラウンズ】に入るための方法の一つとして知られている。

 

だが、そのための方法は二つに分かれている。

 

【円卓闘技】第一項、ラウンズが指名した最低三名以上の人間を、ラウンズ三名以上立会いの下で三人抜きをすれば、ラウンズ加入の推薦が得られる。その後、皇帝の認可が下りればラウンズ入りを果たすことができる。

 

【円卓闘技】第二項、単純明快。現ラウンズを皇帝陛下、あるいはラウンズ五名以上立会いの下で一騎打ちで勝利すれば、ラウンズ入りが確約される。

 

ルヴァンシュは、二つ目の方法を使い見事ラウンズ加入を認められ、ナイトオブイレヴンに任ぜられた。

 



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コードギアス 仮面の騎士2

みなさん、お久しぶりです。

思い付いたので、指を走らせてみました。
今回の話のため、以前に投稿した二つの話に加筆修正を加えました。

予定では、この短編はクロヴィスの死亡辺りまで続く予定です。

ガンダムの方も少しずつではありますが、執筆しています。


皇暦2014年

 

神聖ブリタニア帝国 帝都ペンドラゴン

 

素早く、かつ確実に敵の急所を貫くために突き出されたランス。しかし、その攻撃はスタントンファにより上へと弾かれ失敗に終わる。

 

だが、安心もしてはいられない。眼前からスラッシュハーケンが迫る。それでも“彼"は、迫るハーケンに自身のハーケンを寸分違わずぶつけて止める。

 

“彼”と相対する敵は弾かれたランスを構え直すと、再び神速の突きを放つ。“彼”は機体を沈ませて回避するが、ランスが肩を削る音が響く。

 

だが、“彼”はそんなことは意に介さず、敵へと猛進する。力強く振りかぶられたスタントンファが、敵の命を奪うために振り下ろされる。

 

「それまで‼勝者、ルヴァンシュ・フラメンテ卿‼」

 

一人の男がマイク片手にそう叫ぶと、KMFから人が姿を見せる。無機質な仮面で顔を隠し、背中では一纏めにされた黄金色の髪が風でなびく。

 

初めて“彼”の姿を見た者も多く、この場に集まった貴族たちからは驚きの声が上がり、会場がどよめき始める。

 

「このような姿で失礼。訳あって、この仮面は外せないもので。ですが、“力”は十分に備えていると自負しております。如何でしょうか、皇帝陛下」

 

そう言って聞こえてくる声も、普通ではなかった。仮面を付けていることでくぐもった声なのではなく、機械を通した声。

 

その声に、さらに集まった人間たちからどよめきの声が上がるが、ルヴァンシュは気にすることなく闘う舞台となった闘技場を見下ろす位置にある貴賓席へと目をやる。

 

「確かに現ラウンズである、クレマチスを打ち破った実力は賞賛に値する。が……」

 

ルヴァンシュの実力を賞賛するもそう言って言葉を濁すのは、帝国最強の騎士【ナイトオブラウンズ】が一角を担うナイトオブフォー、ドロテア・エルンスト。

 

女性ながらもその実力は高く、女傑としてその名は知れ渡っている。

 

「同感です。過去の経歴が一切不明の人間をラウンズにというのは……」

 

ドロテアの言葉に同意の声を上げたのは、モニカ・クルシェフスキー。金髪碧眼でライトグリーンのマントを羽織った女性で、やや幼い印象を受ける。

 

「過去も素顔も思惑も、すべては些事に過ぎん。ブリタニアが求めるは、強者だ。力があるならば、それで良い。良かろう、貴様のラウンズへの加入を認める!」

「感謝します、皇帝陛下」

 

優雅に頭を下げ、仮面の下でルヴァンシュは冷笑を浮かべた。だが、それに気付けるものはいない。こうして、【円卓闘技】は幕を閉じた。

 

ルヴァンシュ・フラメンテは何を思い、何を願い、現れたのか。

 

 

 

1年後 皇暦2015年

 

ペンドラゴン宮

 

玉座の間へと続く長い通路にルヴァンシュ・フラメンテの姿。その顔には以前と変わらず無機質な仮面を着けており、感情を感じさせない人形のようだった。

 

ルヴァンシュは皇帝との謁見のために玉座の間へと足を踏み入れると、玉座の間は薄暗く明るさに慣れた状態ではほとんど見えない状況だった。

 

だが、ルヴァンシュは見えいてるかのように歩みを進め、玉座の正面まで来ると片膝をつき頭を垂れる。

 

「皇帝陛下、ご入来」

 

前触れもなく声がすると、照明が点き明るさが戻る。同時に、神聖ブリタニア帝国第九十八代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアが姿を見せる。

 

「ナイトオブイレヴン、参上致しました」

「面を上げよ、我が騎士ナイトオブイレヴン」

 

皇帝は玉座に腰を下ろすと、ルヴァンシュは頭を下げながらそう声をかける。皇帝は威圧感溢れる声でそう口にすると、ルヴァンシュは頭を上げ皇帝を見据える。

 

「勅命を与える、ナイトオブイレヴン。第二皇女コーネリアに随行し、調子付いているEUを撃破せよ」

「Yes,Your Majesty」

 

ルヴァンシュは皇帝を見上げ肯定の意を示すと、シルバーグレイのマントを翻し玉座の間を後にする。

 

すると、正面から歩いて来る人物を見てルヴァンシュは仮面の下でやや目を細めると、歩いて来る人物のために通路の脇へと避ける。

 

正面から歩いてくるのは、先ほど皇帝からも名前が挙がった神聖ブリタニア帝国第二皇女コーネリア・リ・ブリタニア。その後ろには選任騎士ギルバート・G・P・ギルフォードの姿もあった。

 

一瞬だが二人はルヴァンシュを一瞥すると、そのまま通り過ぎていく。二人が通り過ぎると同時に、ルヴァンシュを歩き始める。

 

するとコーネリアとギルフォードは立ち止まり振り返ると、シルバーグレイのマントをなびかせ歩くルヴァンシュの背を見つめる。

 

「今のは……」

「ルヴァンシュ・フラメンテ卿です。ナイトオブツーのクレマチス卿に勝利し、ラウンズに加入しました。あの方が何か?」

「……いや、何でもない。忘れてくれ」

 

コーネリアは歯切れの悪い言葉で話を終わらせると、踵を返し本来の目的地へと歩き始める。

 

ギルフォードはいつもと違う様子のコーネリアとに疑問を抱きつつ、コーネリアの後を追いかけるのだった。

 

「(初めて見たはずなのに、何故か感じる既視感。私は、奴と会ったことがあるのか……)」

 

 



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