天才美少女ドロンボー (ちいさな魔女)
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ジュエルシード編
新生ドロンボー


久々にヤッターマン観たら、書きたくなってしまった!私の欲望全開です!悪質なコメントや誹謗中傷はお辞めください!

OP:『天才ドロンボー'08』


少女の人生は最悪だった。両親からの虐待、兄弟姉妹からの虐め、学校では教師やクラスメイトからの過度な虐め。唯一親しく大好きな三悪ドロンボーを語り合う幼馴染みの少女達と辛い日々を生きてきたが、その二人は事故に遭って亡くなった。それからは虐めが過酷になり、より逃げ出す気力すら失われる。何故自分が?そんな疑問も何時しか考える余裕すら無くなって行った。そんな日々が続いたが、遂に少女はクラスメイトに駅から突き落とされる。

 

そして、電車に轢かれた少女は、苦痛や絶望を抱えながら絶命した。しかし、此処で彼女にチャンスが訪れる。死した彼女は、神々しい神殿にて一人の女神と出会う。少女は赤い光の塊となって宙に浮いていた。光の塊は、少女の魂そのものであった。

 

女神「毎日度重なる虐めの日々、辛かった事でしょう」

 

少女(ホントに辛い人生だった………)

 

女神「ですが、ご安心ください!この私が貴女にやり直すチャンスを与えます!貴女が大好きなキャラになってチートを得て、新しい人生を歩んでみましょう!!」

 

少女「本当ですか!?」

 

女神「はい!あっ、実は他にも二人の転生者がいらっしゃいます。そのお二人は、貴女と親しい仲でしたよね?」

 

少女「っ!!まさか!?」

 

少女が確信すると、少女の元へ二つの魂が現れる。一つは青く輝く魂と、緑に輝く魂であった。青い魂が幼馴染み1、みどりの魂が幼馴染み2である。

 

幼馴染み1「久し振り」

 

幼馴染み2「やっと来てくれたっすね!待ち侘びたんすよ!」

 

少女「皆!久し振りだね!」

 

女神「うふふっ。二人は此処でずーっと貴女の事を待っていたんですよ」

 

三人は暫く再会を喜んだ。

 

女神「では、貴女達が転生する世界は、インフィニット・ストラトス、ハイスクールD×D、魔法少女リリカルなのはのいずれかです。転生者達が多いですが、貴女達ならばきっと生き残れる事でしょう」

 

この三つは転生者が集まりやすい世界だ。いずれに転生して転生者を物理的に打ちのめしても良いが、それでは在り来たりだ。ではどうする?

 

すると、少女はある提案をした。

 

少女「ねえ。私達、向こうの世界でドロンボーにならない?」

 

幼馴染み1「えっ?」

 

幼馴染み2「へっ?」

 

少女「私、ずっと成りたかったの!ドロンジョ様のように!ドロンボーのように!悪い事に真剣に取り組んで、だからこそ誰よりも自由で格好良くて綺麗で、でも憎めなくて面白い!そんな三悪になりたかった!だからさ!私達でなろうよ!私達が、ドロンボーに!」

 

幼馴染み1「良いね。それ。最高」

 

幼馴染み2「待ってくださいす!確かに私達はドロンボーに憧れていたっす!ですが、私達は彼等みたいな能力なんて持ってないっすよ?」

 

少女「でも、そのチャンスがあるんだよ!ね?女神様!」

 

女神「はい!貴女達の願い、私達が叶えて上げましょう!」

 

少女「じゃあ私達にドロンボー一味の能力をください!」

 

女神「勿論です!オマケとして皆さんだけが世界中何処に居ても出入り出来るドロンボーの四次元拠点、そしてオシオキ三輪車も差し上げましょう!他には何かありますか?」

 

幼馴染み1「うん。私達に、それぞれ似合う能力が欲しい」

 

女神「勿論です!」

 

幼馴染み2「では、私達を人間ではなくそれぞれ違う種族にしてほしいっす」

 

女神「では皆さんを美少女にしたいので、それぞれ若さが永遠に保てる種族にしますよ!美少女ドロンボーなんて、中々ギャップがあって面白くありませんか?」

 

こうして、それぞれ新たな肉体を手にした。全員がそれぞれドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーのカラーリングとなる服装になる。

 

女神「他には何かありますか?」

 

少女「じゃあそうだなぁ。ドロンボーになる以上インチキ商売しなきゃだし〜、客をハメられる話術と念の為に簡単な催眠術も教えて欲しいです!」

 

女神「分かりました!では皆さん!良きドロンボーライフを!」

 

女神が手に持った杖を掲げる杖が光り輝いて、三人は光に包まれる。

 

ドロンジョ「さあ行くよ!お前達!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

こうして、三人はドロンボーとして転生する。彼女達は転生した世界で何を残すのか?

 

女神「あっ、世界選ばせるの忘れてましたね〜。まあ良いでしょう。三つとも融合させてしちゃえば、ね?それに、私も用意しなくてはいけませんね」

 

そして、女神が被ったのは、口元が露出した赤いドクロの仮面であった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

数年後。この世界に生まれたドロンボー達は、自分達の手に入れた転生特典を使い、この世界で生きている。

 

最初の頃は、インチキ商売を始める前にちょっとした屋台を開き、其処で普通に商売をした。屋台はドロンボー名物商売のタコ焼き屋である。その時の様子を少しだけ映そう。

 

ドロンジョ「いらっしゃいませ〜!タコ焼き如何ですかー?私達が美味しくなるよう念を込めて作った自家製タコ焼き、如何ですかー?」

 

ボヤッキー「自家製タコ焼き専門の屋台、開店記念で今ならワンパック50円!10パック買えば500円!お安いっすよ〜!」

 

トンズラー「ん、美味しい♥」

 

ドロンジョ、ボヤッキーが屋台の女将風の衣装に着替え、店番を行う。トンズラーが屋台の側に座り、店のタコ焼きを食べている。トンズラーの能力故に、美味しい物が大好きな上に大食漢。美味しそうに食べる美少女。その美少女が美味しそうに食べるタコ焼き。客引きには充分効果があった。

 

「おおっ!美味しそうじゃないか!」

 

「あの子可愛い♥女優さんかな!?」

 

「はよタコ焼き頂戴!」

 

トンズラーが美味しそうに食べる姿に影響を受けた人々は、ドロンボーが経営するタコ焼き屋台に群がっていく。

 

ドロンジョ「はーいはいはいはいはい!まだまだありますよー!」

 

ボヤッキー「まだまだあるっすよ〜!」

 

トンズラー「ん♥」

 

ドロンジョ。この世界での新たな本名『レパード・モリアーティ』。

 

ボヤッキー。この世界での新たな本名『粒草加知(つぶくさ・かち)』。

 

トンズラー。この世界での新たな本名『逢鳥修羅(おうとり・しゅら)』。

 

我等の知るドロンボーとは全く違う、新たな美少女ドロンボーの人生が、今、始まる。




ED:『ドロンボーのシラーケッ'08』

原作ドロンボーとは全く異なる、私の考えた独自のドロンボーとして活躍させるつもりです。

ドロンジョ/レパード・モリアーティ:喜多村英梨
ボヤッキー/粒草加知:水瀬いのり
トンズラー/逢鳥修羅:花澤香菜


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インチキ商売

この三人のドロンボーは、例え転生者だろうと原作キャラだろうと騙し取る事と盗む事に関して全く容赦しません。ですが、完全な外道ではありません。最も、泥棒の時点で完全も何も無いのですが。


最初のタコ焼き屋台から2年後。ドロンボーは自らの拠点である四次元拠点に入っていた。部屋はロボット魚が多数泳いでいる水槽が映る窓を背景に、カラフルで目の保養になる色合いをした広々とした部屋の床に、三人の少女が無数の万札の束をテーブルに乗せていた。テーブルは人間が二人も入る程の大きさがあり、テーブルを埋め尽くした上でタワーの如く積み重なっている万札の束の量に、三人は酔いしれる。

 

ドロンジョ「う〜ん♥止められないよねぇこの商売♥」

 

ドロンジョは背中の羽をパタパタとはばたかせながら右手に持つ万札の団扇で自分の頭を扇ぎ、扇ぎ終わった後に左手に持っているチュッパチャップスを口に運ぶ。優雅に柔らかく寝心地の良いソファーで寛いでいる。

 

トンズラー「大儲け♥大好き♥美味しい物が、食べ放題♥」

 

ボヤッキー「ですねぇ♥高級寿司に高級焼肉でまた贅沢三昧っすね♥」

 

トンズラーは眼鏡を掛け直しながら涎を口から垂れ流し、ボヤッキーも同じく涎を垂れ流している。

 

因みにどんな商売をしたか?それは、一時間前に遡る。

 

――――――――――――――――――――――――

 

三悪美少女『いらっしゃいませ〜!ようこそ貴族の皆様〜!』

 

今回はインチキ商売の一つである、車の販売を行っていた。車はベルファイヤー型ではあるが、その隣には夏タイヤと冬タイヤに分けて縦一列になるよう4本ずつ積み重ねられている。そして毎度の事、フロントやドアには赤いドクロマークが描かれている。

 

そして、ドロンジョ(赤)、ボヤッキー(緑)、トンズラー(靑)はそれぞれの色を示すスーツを身に着けている。

 

ドロンジョ「我等シン・ドロンモーターズの最新高級スーパーカー!名付けてドロンカー!内装は広々としていて座っていても窮屈にならず、大型自転車も収納可能!そして最高速度480キロにも関わらず、運転中も音が響かない静音性に加えて三ヶ月間走っても物足りない世界最高の走行距離にも関わらず低燃費!etc……etc……etc………そして〜今なら大サービス!50年使っても擦り減らない万能タイヤを夏用冬用それぞれ八本ずつタダでプレゼント!!」

 

客『ウオオオオオオオオオオッ!!!』

 

客が興奮する。ドロンジョが説明したドロンカーの良さは全て、車が大好きな者からすれば最高の性能であった。喉から手が出る程に欲しい車だろう。

 

ボヤッキー「但し、高級スーパーカーであるので、お代は高いっすよ!覚悟は良いっすね!」

 

客1「当たり前だ!儂のコレクションを増やすんだ!」

 

客2「俺達は全員大企業の社長だぞー!一台、いや十台購入するぜ!」

 

客3「今月の社員への給料を全てケチって持ってきたぞ!!」

 

客4「株券全部売ってきたぞー!」

 

金持ち達はバッグに入れてきた金を見せる。バッグの中はなるほど社員や従者達に払ってない事が真実である事を証明する程の数多の札束で、隙間もない程埋め尽くされていた。

 

トンズラー「…………どうも」

 

トンズラーは客に見えない角度まで頭を下げる。しかし、客から見えなくなった顔は金持ち達を蔑む目をしていた。

 

ドロンジョ「さあ!ドロンカーは今ならたったの百万円!!」

 

しかし、客からブーイングが飛んでくる。

 

客1『なんだー!?』

 

客2『安すぎるぞー!』

 

客3『高級スーパーカーじゃなかったのか!?』

 

ドロンジョ「ッチ………あっ、いやでは五千万、じゃなくてぇ5億円でどうだい?」

 

客『ウオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』

 

客が群がる。客が群がるのも、三人、特にドロンジョのルックス目当てに来ている男達が多い。金持ち達の中には、大手企業の社長や貴族が多い。しかし、中にはマトモな金持ちも居る。例えば、アリサ・バニングスや月村すずかの家が良い例だ。

 

アリサ「なんか怪しい気がするわね……」

 

すずか「お父さんも、アリサちゃんのオジさんも、張り切って車を買いに行ったけど、大丈夫かな?」

 

まさかの原作キャラが混ざってる等、三悪は知る由もない。

 

ボヤッキー「はい!お金は此方に!因みにお釣りのお取り扱いはしてませんので、要注意っすよ〜!」

 

トンズラー「どうぞ。お金、ありがとう」

 

ボヤッキーとトンズラーが箱にお金を入れてもらい、箱にお金が溜まっていく。一つ溜まれば溜まった箱を穴に放り込み、新しい空箱に変えてまた金を受け取る。それを繰り返す。

 

こうして、インチキ商売によって大金を得た美少女ドロンボー一味。

 

この後、車に乗った金持ち達は車に乗って行く又は従者の運搬車に運ばせるのだが、車が途中で大破。人が死ぬような大破ではなく、爆発も起きなかった。運転中はドロンボーの宣伝通りの性能を楽しんでいたが、それはほんの僅かな時間のみ。

 

アリサ「ああーっ!!騙されたのよやっぱり!!」

 

すずか「そんなー!!」

 

バニングス家のお嬢様と、月村家のお嬢様、それぞれの父親と共に車へ乗っていたのだが、見事に巻き込まれてしまった。これが、ドロンボー一味のこの世界における原作キャラへの、間接的なファーストコンタクトであった事を、三人はまだ知らない。

 

――――――――――――――――――――――――

 

そして、ドロンボーは金を得て大満足である。

 

ドロンジョ「フフフフッ♥やっぱり人を騙して得た大金は良いねぇ♥」

 

トンズラー「うん♥ドロンジョ様の言う通り♥焼肉爆買♥」

 

こうして手に入れた金で高級肉を大量に購入したドロンボー一味は、バーベキュー用の野菜や魚類を使用して豪華なバーベキューを堪能していた。

 

ボヤッキー「ほら、神戸牛焼けたっすよ〜」

 

トンズラー「食べる!!」

 

トンズラーが箸で焼けた神戸牛を取って食べる。

 

トンズラー「んんっ♥美味しい♥」

 

そしてボヤッキーは、焼き終えた松阪牛のステーキを皿に乗せて食べ始める。

 

ボヤッキー「んんぅ〜♥美味しいっす♥前世じゃ残飯しか食べさせてもらえなかったので、最高っすね〜♥」

 

そして、ドロンジョはレアになるまで焼けたステーキを食べる。血の滴るステーキは、真祖とはいえ吸血鬼であるドロンジョにとって大好物である。

 

ドロンジョ「金持ち共から奪った金で豪華な焼肉♥ジーンとするねぇ♥痺れるねぇ♥感じちゃうねぇ♥」

 

こうしてドロンボーがバーベキューを堪能していると、突然その場に一匹の牛が姿を現した。

 

牛メカ『モー』

 

ドロンジョ「あら?」

 

トンズラー「ん?」

 

ボヤッキー「んー?ドロンジョ様にトンちゃん、どうしたんすか?あっ、なんすかそのメカ?」

 

すると、牛メカの目が輝き始めて、大型画面がドロンボーの前に現れた。そして、見覚えのある女性が赤いドクロの仮面を被って姿を現した。見覚えのあると言うより、完全に三人にとって恩人とも呼べる女神であった。

 

女神『控えなさ〜い!私は()()()()()()()()()()ですよ〜!』

 

三悪『……………………』

 

女神『〜〜〜もおおおおおっ!!折角ドクロベエになりきってるんですから空気読んでくださいよぉ!!完全に私赤っ恥かいたじゃないですかああぁぁ!!///////』

 

女神が仮面を取って涙目になる。ドロンボーは焼けた野菜や肉を食べながら、画面越しに話す女神と会話をする。ドロンボー一味としてではなく、レパード、加知、修羅のこの世界における自分として話す。

 

レパード「所で、女神様って何の神様なんですか?」

 

ドクロベエ『もぉ〜……まあ良いでしょう。その質問に答える前に、やってもらいたい事があります。数年前、貴女達を転生させた頃はまだ名前らしい名前はまだ与えられていませんでした。何時も番号で呼ばれてました。なので、貴女達に名付けてもらいたいんです。それが、私の神としての役割になります』

 

修羅「ドクロベエ」

 

レパード「あっ、それ良いね」

 

加知「僕もそれで良いっす」

 

ドクロベエ『ええっ!?そんなに早く!?』

 

レパード「だってさっき、泥棒の神様ドクロベエと名乗ってましたよね?ならいっそのこと、女神様になってもらいたいです。原作のドクロベエ様と違って自称ではなく、本物の泥棒の神様に」

 

修羅「それで良い。私達を、導いて。ドクロベエ様」

 

加知「宜しくお願いするっす!ドクロベエ様!」

 

レパード「では、それでお願いします!ドクロベエ様!」

 

ドクロベエ『………うふふっ。ありがとうございます。では私は、此れより貴女達の()()()()()()()()()()である泥棒の女神様ドクロベエとなります!宜しくお願いしますね!』

 

こうして、女神は泥棒の女神様ドクロベエとなり、ドロンボー達に指示を出すボス兼オシオキ担当になった。

 

ドクロベエ『では、食べながら聞いてください。此れから貴女達に仕事を回したいのです。貴女達はインチキ商売だけでなく、色んな財宝が欲しくないですか?それに、この世界の転生者が持っているお宝が欲しくないですか?泥棒の神様として、手に入れた情報を元に貴女達へ仕事を回しますよ!』

 

ドロンボー『アラホラサッサー!!』

 

そして、ドクロベエは最初の仕事をドロンボーに紹介するのだった。




ドロンジョ/レパード
性別:女
年齢:22歳(真祖なので若いまま)
種族:真祖/デイウォーカー
身長:2メートル
体重:65キロ
バスト:105(Lカップ)、ウエスト:54、ヒップ:96
一人称:私
能力:『ドロンボーメカを召喚する程度の能力』
ヤッターマンシリーズに登場した歴代ドロンボーメカを召喚出来る。召喚したメカは無人機となっており、ドロンジョの意のままに操れる。ドロンジョの解釈を加えた上で召喚される為、オリジナルの抱える欠点をほぼ克服している。一度に10体まで召喚可能。また、召喚したメカは召喚する事は出来るが消す事は出来ない為、爆発したら残骸等はそのまま残る。しかし、メカの残骸またはメカを分解した物を使って材料にする事が出来る。

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ボヤッキー/加知(かち)
性別:女
年齢:21歳(アンドロイドは永遠に不老)
種族:アンドロイド
身長:163cm
体重:54キロ
バスト:82(Cカップ)、ウエスト:57、ヒップ:64
一人称:僕
能力:『メカを造る程度の能力』
材料さえあればどんなメカでも造る事が出来る。更にメカの材料もその場で創造出来るが、お金をその分消費しなくてはならない。強いメカを造る材料が欲しければ、それに見合うお金を消滅させる必要がある。但し、お金を消費せずに得た材料でもメカを造る事が出来る。消えたお金が何処へ行くのかは、本人にも分からない。

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トンズラー/修羅(しゅら)
性別:女
年齢:22歳(不老の種族なので事故や殺人で死なない限り死なない)
種族:エルフ
身長:184cm
体重:62キロ
バスト:90(Dカップ)、ウエスト:60、ヒップ:74
一人称:私
能力:『食べる程に強くなる程度の能力』
飲食物を食べる度に筋力や走力、肉質や柔軟性が上昇する。食べきれない位に満腹になると無敵の権化となるが、空腹時には弱体化する。この能力により、どんなに食べても太って醜い姿になる事は無い。しかし、トンズラーの能力を修羅が持ってるせいか、ほぼブラックホールに等しい大食漢である。

【挿絵表示】


身長とバストサイズの計算が難しい……というか計算が苦手だなぁ……。

三人はドクロベエからの仕事ならば、原作キャラだろうと転生者だろうと盗む事に関して容赦しません。まあ人殺しにはなりませんが。


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新たなる出発

レパード「ええっ!?何でも願いが叶う宝石ですか!?」

 

ドクロベエ『はい。その名もジュエルシードと言います。ロストロギアと呼ばれる過去に何らかの要因で消失した世界、ないしは滅んだ古代文明で造られた遺産の一つです。因みにロストロギアとは、先程説明した通りの遺産の総称です。多くは現存技術では到達出来ていない超高度な技術で造られた物で、使い方次第では世界はおろか全次元を崩壊させかねないほど危険な物もありますが、貴女達にはその内の一つであるジュエルシードの回収を依頼したいんです』

 

加知「それは凄いっす!で、ジュエルシードとはどんなロストロギアなんすか?願いを叶えると言っても、どんな風に叶えてくれるんすか?」

 

焼けたピーマンとキャベツをポン酢に漬けた後に食べる加知の問いに、ドクロベエは説明を始める。

 

ドクロベエ『そうですねぇ。見た目は碧眼の瞳を思わせる色と形状をした宝石です。全部で21個存在し、それぞれシリアルナンバーとしてローマ数字が振られています。一つ一つが強大な「魔力」の結晶体で、周囲の生物が抱いた願望を叶える特性を持っています。但し、例え自覚しなくとも叶えてしまうので、皆さんの考えてる願望機には程遠いかと。下手すれば魔力の暴走で周辺を破壊する怪物になりかねません。そして厄介な事に、叶える望みに比例して、使用者はいろいろなものを失ってしまう危険性があります。そして急いで願いを叶えようとすれば、オーバーロードを起こして正気を失い、時に怪物にもなりかねません』

 

修羅「使えない。欠陥品」

 

レパード「まあ、対価も無しで願いを叶える事自体が、とても烏滸がましいのかもしれないよね」

 

そう考えて見ると、鋼の錬金術師に出てくる等価交換は良く出来た設定だ。とはいえあちらは死者を生き返らせようという自然の摂理に反した事は叶えてくれないが。

 

ドクロベエ『元々は鉱石発掘の一族であるとある少年が事故で海鳴市にばら撒いてしまったのですが、そのせいで海鳴市が危険に晒されています。貴女達には、時空管理局や敵対する魔法少女、そして転生者からの猛攻に耐えつつ回収してもらいたいのです。全て回収した暁には、私がジュエルシードを全て使って貴女達の願いを一つだけ叶えてあげましょう。死者蘇生とか、願いを増やせとか、そんな願いは駄目ですよ?』

 

三悪『おおっ!!』

 

何とも魅力的な話であった。三人は目を輝かせる。

 

加知「探す!探します!絶対全部見つけてみせるっす!」

 

レパード「良いねぇ!全部見つけたら、世界中のタカライシや宝石全部私の物にしてやるんだよ!!」

 

修羅「この世全ての美食、完全制覇!!食べ尽くす!!」

 

加知「お二人共、願いが決まってて羨ましいっす……僕、まだ漠然としてて何が良いか決まらないっす」

 

レパードは目がハート型の宝石になり、修羅は口から涎を滝のように垂れ流してセーラー服を汚す。しかし、加知はまだ願い事を決めてなかった。まだ漠然としており、叶えたい願いが多すぎて何を叶えたいのか逆に分からなくなってきたのだ。

 

ドクロベエ『取り敢えず、散らばったジュエルシードの場所を地図に現します。スマホのマップに位置を記しておきましょう』

 

レパード「ありがとうございます」

 

三人はスマホを確認する。マップのアプリを開くと、其処には“ジュエルシード”という単語とその位置を示すマークが記されていた。海鳴市に合わせて、至る箇所に存在している。

 

ドクロベエ『加知ちゃん。いえ、ボヤッキー。願い事は焦って決める必要はありません。ゆっくり考えて構いませんし、特に叶える願い事が無ければ断るなり保留したりしても構いません』

 

加知「は、はいっす」

 

ドクロベエ『ちゃんと仕事をしてくださるのであれば観光をしても構いません。ですが、もし失敗したら“ママより怖いお仕置き”が待ってますからね♥では、お仕事頑張ってくださいね♥あっ、貴女達のメカ専用の魔法デバイスもそちらに送っておりますので、是非とも活用してくださいね』

 

牛メカ『モー』

 

牛メカの目から放たれる映像が、目に吸い込まれる形で消えていく。そして、牛メカの全身が光り輝いた。

 

三悪『あっ』

 

そして大爆発。爆煙が周囲を覆い尽くし、晴れた頃にはボロボロになった三人が床に横たわっていた。衣服は焦げて肌が脆見え。大昔のヤッターマンシリーズのドロンボーの如くボロボロの衣服になっていた。しかし部屋全体を巻き込む大爆発にも関わらず、三悪はボロボロになっただけで生きている。マグマだろうと核爆発クラスの爆発だろうと生き残れるドロンボーのギャグレベルの耐久力の賜物である。

 

ボヤッキー「ああっ………覚悟してたんすけど、やっぱこれあるんすね………」

 

トンズラー「ドロンボー………爆発……当たり前」

 

ドロンジョ「ほら。お前達……私も援護用のメカを用意するから、ジュエルシードを集める為のスーパーメカを造るんだよ!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

しかし、彼女達は立ち上がる。半裸状態の三人は走り出した。それぞれの準備に移る為に。

 

――――――――――――――――――――――――

 

三悪『スッタモンダ、コッタモンダ、ヤッタモンダ♪ヤッタモンダ、コッタモンダ、スッタモンダ♪』

 

四次元拠点のラボ。其処でドロンボーはそれぞれのドロンボー衣装に加えてそれぞれのフードを被り、歌を歌いながらメカ造りに勤しんでいた。

 

但し、ドロンジョは紅茶を飲んで寛いでいる。紅茶の飲み方の作法はこころ得ており、ティーカップの持ち方や飲み方も完璧だ。

 

但し、何もしてないわけではない。ドロンジョはとあるメカを召喚していた。

 

巨大な宝石箱メカ。キンキラキーンである。本来なら宝箱を開けてその宝石の輝きの色によって違う光線を放って攻撃し、人力で漕いで動かす接近戦用のチェーンソー型の武器で闘う遠近万能メカだ。

 

ドロンジョ「アッタマは冴えてるよ〜♪」

 

ボヤッキー&トンズラー「「ヘイヘヘ〜イ♪」」

 

ドロンジョ「アイデアバッチリよ♪」

 

ボヤッキー&トンズラー「「ヘイヘヘ〜イ♪」」

 

ボヤッキーがその場に材料を出現させる。その瞬間、百億円ものお金が消える。

 

トンズラーが首に巻いたマフラーで口元を覆いながら、フードで顔を隠す。

 

二人はキンキラキーンをバラし、ボヤッキーがお金を消費して生み出した材料と組み合わせて、メカを造り上げていく。

 

三悪『欲しいよ♪欲しいよ♪ドクロストン♪絶対貰うと決めちゃった♪』

 

ドロンジョが小さなシャワールームに入り、カーテン掛けてシャワーを浴び始める。

 

ドロンジョ「ドロンジョ♪」

 

着替えたドロンジョ、Lカップの爆乳を揺らしながら翼を羽ばたかせ、()()()()()()()()()()()()

 

トンズラー「トンズラー♪」

 

トンズラー、メカの両腕をそれぞれ片手で持ち上げる。

 

ボヤッキー「ボヤッキー♪」

 

ボヤッキー、巨大電動ドライバーを両手で持って巨大ネジをメカに付けて行く。

 

三悪『ヤラれてもヤラれても何とも無いなーい♪オレたちゃ天才だ♪ヘイヘヘーイ♪ドンドン、ドロンボー♪』

 

三悪『スッタモンダ、コッタモンダ、ヤッタモンダ♪!』

 

ボヤッキーが部品を固定していき、トンズラーが部品を運んでくる。ドロンジョはソファーで寛いでいた。

 

今回ドロンジョが生み出したキンキラキーンと、お金を消費して生み出した材料を使って大きな全身宝石で出来た女騎士風の巨大な人型メカ。その背部には宝石で出来た6メートルのロケット型の推進機が取り付けられている。両手にはそれぞれダイヤモンドの剣と盾を装備している。

 

コクピットも至る所が宝石で出来ているが、操縦席や台は平成版ヤッターマンのドロンボーメカのコックピットそのままだ。メカの操縦桿はハンドルやレバーではなく、ボヤッキーとトンズラーの両腕に取り付けられた円盤状の装置だ。両手には両腕に取り付けた装置と繋がっている棒があり、メリケンサック風に握り締められている。この装置の役割はメカの操縦だ。因みに様々な機能を発揮するボタンは台にある。そして近距離攻撃の際は、トンズラーが戦闘を担うのだ。ボヤッキーは遠距離攻撃担当だ。ドロンジョは指揮を担当しているが、ドロンジョも共に操縦する時の為のレバーやハンドルがドロンジョ側の台に搭載されている。

 

ドロンボー一味はコクピットの操縦席に座り、発信準備を整えていた。

 

ドロンジョ「凄いよボヤッキー!あのキンキラキーンが滅茶苦茶格好良い騎士になってるじゃん!やるじゃないかボヤッキー!天才だねぇ!流石だねぇリュウセキだねぇナガレイシだねぇ!」

 

ボヤッキー「いやぁどうもっす〜♥」

 

すると、コクピットの台座が開き、ヤシの木が出てきた。そして、ドロンボーには欠かせないもう一つの存在が現れた。

 

おだてブタ『ブタもおだてりゃ木に登る〜ブーッ!』

 

ボヤッキー「デアァー!?」

 

ボヤッキーがずっこける。

 

ドロンボー一味の誰かが煽てられたら必ず現れるコクピットメカにして、ドロンボー側のアイドル『おだてブタ』であった。

 

おだてブタが引っ込んだ後、ボヤッキーが座り直して両手の装置を握り締める。

 

ドロンジョ「さあ行くよ!お前達!ジュエルシードを一つ残らず頂いて行くよ〜!!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!!」」

 

ボヤッキー「では、シン・キンキラキーン発進!!」

 

ドクボン『出発だべぇ!』

 

ネエトン『ラジャ〜』

 

操縦席の台に搭載された二機の小型デバイス。一つは赤いドクロ型のデバイスで、もう一つはブタの顔型のピンク色のデバイスだ。ドクロのデバイスは名を『ドクボン』。ブタの方は『ネエトン』だ。彼等はドロンボー専用のデバイスだ。本来のデバイスと違い、待機状態が人間態又は豚型の形態であり、この小さくなった形態がメカの力を高める際に使用する装置に変形するという特異なデバイスだ。小さな姿から大きな武器に変わるのではなく、大きな生物形態から小さくな戦闘形態に変化するという逆転の発想だ。

 

そして、シン・キンキラキーンのキャタピラの真下にある推進機からジェットが噴射される。そして、真上のハッチが開いて、真上に向かって飛んでいく。

 

――――――――――――――――――――――――

 

そして、ドロンモーターズの閉店した店に金持ち達が群がって抗議するが、突然地響と共に店が崩れ落ちる。そして、崩れ落ちた店から全身が宝石で出来た女騎士の巨大メカが姿を現し、空を飛び去っていく。

 

アリサ「な、何よあれ………」

 

すずか「さ、さあ………」

 

アリサとすずかは、メカの飛び去る光景に唖然としていた。

 

一方その頃、翠屋と呼ばれる美味しいと評判のお店で、複数人の小学生の男女達が屯していた。

 

なのは「お願いだから近付かないでって!」

 

転生者1「恥ずかしがるなよ。俺の嫁〜」

 

転生者2「おいやめろよ!」

 

不愉快な会話が始まる中、突然彼等は上空を飛ぶ大型の宝石女騎士のメカを目撃する。メカが飛んで発生する突風に吹かれながらも三人は、そして翠屋から出てきた女性達と男性達も、そのメカを目撃する。

 

転生者1「な、何だよアレ?」

 

転生者2「知らねぇよ………なんだあの悪趣味なメカは」

 

なのは(あの方向………ん?)

 

その時、少女はとある声を聴いた。

 

ユーノ(なのは!大変だ!あのメカが向かった方向からジュエルシードの反応がある!もしあのメカの目的がジュエルシードなら、渡しては行けない!)

 

なのは(そ、そんな!でも私……あんなに大きなメカと闘った事なんて………でも、やっぱり諦められない!)

 

なのはは走り出す。大勢の人達の止める声を無視して、なのはは走り出すのだった。

 

そして、人間界とは違う場所。悪魔達の領地で、ある二人が話をしていた。

 

サーゼクス「本当なのかい?」

 

グレイフィア「はい。人間社会に紛れ込んでいた上級悪魔達が、その店によって破産させられたとの事です」

 

サーゼクス「いずれ潰す予定だった貴族の店であったが、まさか人間に騙されて破産させられるか。まあ、報告に載ってたから自業自得であるが……気になる。私も出向いてみよう。アザゼルやセラフォルーも動き始めてる筈だ」

 

グレイフィア「ええっ。マコトに不可思議な技術です。人間達の中に、これ程の高度なメカを造り上げる者が居るとは………」

 

サーゼクスとグレイフィアが見るタブレットの映像。其処には空を飛んでいるシン・キンキラキーンの姿があった。




美少女ドロンジョ様のドロンボー姿

【挿絵表示】

美少女ボヤッキーのドロンボー姿

【挿絵表示】

美少女トンズラーのドロンボー姿

【挿絵表示】


美少女のキャラメーカーで作ったんです。私なりの美少女ドロンボーの姿です。まあ、何処かで変えるかもしれませんが。

本当ならドクロストーンではなくジュエルシードに変えたかったのですが、歌詞変えるのは違法らしいのでそのままにしました。もし変えても大丈夫だったならすぐに変えますが。

《アレンジメカ》
名前:シン・キンキラキーン
身長:30メートル
体重:2700トン
全身がありとあらゆる宝石で構成されたメカ。元のキンキラキーンは宝石全体を同じ色に染めなければ光線を撃ち出せなかったが、果たして………。


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ジュエルシード

その頃、ドロンボーのメカ『シン・キンキラキーン』はジュエルシードの在り処である公園に降り立った。公園には人の気配がなくなっており、とても宝石があるとは思えない。

 

ドロンジョ「ちょっとボヤ?ホントに此処にあるんだろうねぇ?」

 

トンズラー「ドクロベエ様、間違えた?」

 

ボヤッキー「イヤっすねぇ。ジュエルシードは魔法科学の産物っすから、きっと普通の人には探知出来ない結界を張ってるんすよ。今サーチアイで探ってみるっす。ネエトン、頼むっす」

 

ネエトン『ラジャ〜』

 

ネエトンと呼ばれた豚顔のデバイスが輝き、コクピットの画面にシン・キンキラキーンが見ている景色が映る。

 

ネエトン『見つけたし〜。ウチに掛かればマジ楽勝だわ〜』

 

ドクボン『お前達、とっとと倒してジュエルシードを手に入れるべ』

 

ドロンジョ「さあ、あの結界から引きずり出して、ジュエルシードを頂くんだよ!」

 

ボヤッキー「アラホラサッサー!」

 

トンズラー「あっさり見つかった。良かった良かった」

 

ボヤッキーはシン・キンキラキーンが剣を持つ腕と同じ腕を前に振り下ろす。同じタイミングでトンズラーも、ボヤッキーと同じく腕を振り下ろす。すると、シン・キンキラキーンは剣を握り締めて、結界のある場所を斬った。そして、何もないであろう空間が斬られて、其処から巨大な怪物が出現した。

 

怪物『グオオオオオオッ!!』

 

ボヤッキー「容赦しませんっす!喰らうっす!『サファイアブソリュートゼロカリバー』!あっ、皆さん此れが、美少女ボヤッキーの新しい言葉っす!」

 

ボヤッキーは装置から手を離し、右手人差し指を立てる。

 

ボヤッキー「そぉれ、“ポチッす”!!」

 

そして、ボヤッキーは台のボタンを人差し指で押した。

 

その瞬間、剣がダイヤモンドからサファイアへ変わり、その刀身を青白く輝かせる。刀身から白い冷気を放ち、それを遥かに上回る寒気が公園を襲う。公園は瞬く間に凍らされていき、空中に出現した雪が塊となって地面や遊具に降り注ぐ。

 

軈て怪物の体も凍らされていき、雪が怪物の体へ徐々に覆い被さり、身動きを封じていく。

 

ボヤッキー「トンちゃん任せるっす!」

 

トンズラー「ん!任せて!」

 

トンズラーが左手を高く掲げる。トンズラーが左手を上げた瞬間、シン・キンキラキーンも剣を持つ左手を上げた。

 

トンズラー「喰らえええええええええっ!!」

 

トンズラーが左手を振り下ろす。そして、シン・キンキラキーンもサファイアの剣を振り下ろし、怪物を真っ二つに切断した。

 

怪物『グオオオォォォッ………………』

 

怪物は真っ二つに切断されて、切断面から凍っていき、軈てボロボロに崩れ落ちていった。そして、その中から手の平サイズの小さな青い宝石が出現した。ジュエルシードだ。

 

トンズラー「あっ。出た」

 

ボヤッキー「それじゃあ回収するっす〜!」

 

シン・キンキラキーンは歩いてジュエルシードの元に辿り着き、四つん這いになって顔を近付ける。そして、口を大きく開けて吸い込みを始める。その瞬間、氷や冷気に加えてジュエルシードがシン・キンキラキーンの口に吸い込まれていく。

 

メカの中でジュエルシードが封印され、そのお陰で青い宝石に変化したジュエルシード。

 

そして、吸い込まれてきたジュエルシードはコクピットの天井に開いた丸い穴から落ちてきて、ドロンジョの手元に落ちてきた。ドロンジョはジュエルシードを両手で包み込むようにキャッチして、その宝石の輝きに魅了される。

 

ドロンジョ「良い宝石じゃないか♥私にお似合いだろう?」

 

ボヤッキー「勿論っすよ♥ドロンジョ様お似合いっす♥」

 

トンズラー「綺麗、羨ましい♥」

 

ドクボン『それじゃ封印は完了したべ。この調子で他のジュエルシードも頑張って集めるだべ』

 

ドロンジョ「よし!先ずは一つ目ゲット!この調子で、次のジュエルシードを奪いに行くんだよぉ!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

そして、シン・キンキラキーンが空に向かって飛び立とうとした。しかし、其処で思わぬ攻撃を受けてしまう。

 

謎の少女「待てええええぇっ!」

 

金髪の少女が振り下ろした光の鎌が、シン・キンキラキーンの背中を斬る。シン・キンキラキーンは背中に傷を着けられる事は無かったが、少女の攻撃によってうつ伏せになる形で倒れてしまう。

 

三悪『アダァー!?』

 

コクピット内の三悪は、謎の攻撃とメカが倒れた衝撃ですっ転んだ。

 

ドロンジョ「何なんだい、何なんだい、何なんだい!?地震かい!?」

 

ドロンジョは席に座り直した後にボタンを押して、正面の二つの窓の真ん中にある画面に外の景色を映す。外の詳しい景色を映すだけでなく、先程のように何かしらの存在を探し出す目的がある画面には、光の鎌を手に持って空に浮いている金髪ツインテールの少女が居た。

 

ドロンジョ「ん?何じゃこのガキ?でもどっかで見た事あるようなガキだねぇ?」

 

ドロンジョは考えるが、見たことあるもののどんな相手だったのか思い出せない。

 

ボヤッキーも椅子に座り直し、装置に両手を填めてメカの姿勢制御に入る。

 

ボヤッキー「何だか分かりませんけど、どうもジュエルシードが狙いじゃないっすか?」

 

ドロンジョ「ならとっとと追っ払っておしまい!でも殺したりすんじゃないよ!追い払うだけだから!追い払うだけにするんだよ!!」

 

ボヤッキー「あーはいはい分かったっすよ。やれば良いんすよねやればもう………ドロンジョ様ったら普段は素敵なのに時々人使い荒い時があるっすねぇ」

 

ドロンジョ「なんか言った?」

 

ボヤッキー「いえ何も。では行くっすよ!」

 

ボヤッキーは呆れながらも次の攻撃に移る。

 

ボヤッキー「そおれぇ!『恋するキラキラウットリジュエリー攻撃』!ポチッす!」

 

ボヤッキーがボタンを押す。

 

その瞬間、シン・キンキラキーンの全身が輝き始めた。金髪の少女は宝石の輝きに魅了されてしまう。

 

フェイト「綺麗………//////」

 

少女は輝きに目を奪われるが、横から入ってきたオレンジ色の長髪の女性が少女を捕まえて飛び去った。女性は両耳が狼の耳になっており、何処か野性的な印象がある。

 

アルフ「フェイト!敵の罠に掛かってどうすんのさ!」

 

フェイト「あ、アルフ?あっ……ごめんなさい」

 

アルフ「兎に角、コイツ等からジュエルシードを奪い取るよ!」

 

フェイト「うん!」

 

しかし、シン・キンキラキーンは背中のジェットを噴射して空を飛び始める。このまま逃げるつもりだ。

 

アルフ「逃がすか!」

 

フェイト「追い掛けよう!」

 

二人はシン・キンキラキーンを追いかけ始める。

 

ボヤッキー『そぉれ『ホーミングルビーム』っす!』

 

そして、シン・キンキラキーンの全身に無数のルビーが出現した。そして無数のルビーが消えた後、無数の赤い高熱のビームが二人に向かって放たれた。

 

――――――――――――――――――――――――

 

なのは「あれは、フェイトちゃんにアルフさん!?」

 

ユーノ「それに、あの宝石メカからジュエルシードの反応がある!」

 

少年少女がそれぞれの衣装を纏い、空を飛んでいた。その背後からはなのはに声を掛けていた転生者達も、それぞれのやり方で二人を追い掛けていた。

 

一人は黄金の船に乗って空を飛び、もう一人は屋根伝いに走って二人を追い掛けていた。一人は金色の鎧を纏い、もう一人は赤い衣装を身に着けている。

 

ドロンボーは早くもトラブルに見舞われる。とはいえ、ジュエルシードの盗難がただで上手くいく筈も無い事は、三人は当然理解していた。




シン・キンキラキーン

身長30メートル
体重2700トン
《概要》
全身がありとあらゆる宝石で作られた女騎士型の人型メカ。キンキラキーンを改造してより強くしただけあって、キンキラキーンの上位互換と呼ぶべき攻撃技を多数持つ。ダイヤモンドの剣と盾が通常時の主な武装。見た目は宝石の鎧を全身に纏った女騎士で、某セイバーと同じ顔付きである。
《技》
・サファイアブソリュートゼロカリバー
剣をサファイアに変化させて絶対零度の剣に変える。纏う冷気だけで空気をも裂き、寒気が周囲を凍らせるだけでなく冬でなくとも雪を積もらせる。絶対零度による攻撃は、包丁で豆腐を容易く切るように切り裂ける。また、攻撃を回避しても放たれた寒気によって対象を攻撃し、生き物ならば低体温症を発症させるだけでなくほんの数秒で瀕死に追い込む。また、凍った万物は僅かな衝撃を与えただけで砂のように崩れ落ちる為、一撃必殺である。

・エメラルドライアドの癒やしの光
体をエメラルドに変化させて放つ癒やしの光。周囲の壊れた建物や変化した環境を元の状態に戻す緑色の光を周辺に放って照らし、生き物には病や傷の回復に加えて森林浴のような癒やしを与え、無機物は新品同様になるまで直してしまえる。

・ホーミングルビーム
全身に無数のルビーを出現させて、消費して赤いビームを放つ。熱線はボタンを長押しすればする程照射時間が長引き、短く押せば光弾として全身のルビーから放てる。熱線と光弾は全てホーミング機能があり、目標又は障害物に当たるまで目標に向かって飛び続ける。並の戦闘機やヘリより機動力が良い。また、光弾の場合、ボタンを連打すればする程追尾光弾を連射する事が出来る。某Bボタン連打の如く連打すれば追尾光弾の弾幕を放って相手を追い詰められる。但し、弾数制限ありで、シン・キンキラキーンのルビーが全て無くなれば撃てなくなる。

・恋するキラキラウットリジュエリー攻撃
全身の宝石を輝かせて相手を魅了する。精神的にタフな人間には効かないが、大抵の人間は宝石の輝きに触れた事が無い為に効きやすい。例え魅了されなくとも、輝きに目を眩ませられる為、時間稼ぎとしては良い攻撃。

・アメジストマシンガン
両目から放つアメジストの弾丸。ガトリングガンの如き連射でアメジストを放ち続ける。


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戦略的撤退

ドロンボーが乗るシン・キンキラキーンは空を飛んで行くが、フェイトとアルフが追い掛ける。

 

ボヤッキー『そぉれ!『ホーミングルビーム』!』

 

シン・キンキラキーンの全身にルビーが姿を現し、赤く光った後にシン・キンキラキーンの体から発射され、赤い光弾となってフェイトとアルフに迫る。

 

フェイトは光弾を避けていき、更にアルフが弾幕を掻い潜ってシン・キンキラキーンに迫る。フェイトも魔力の防御壁を張って、赤い光弾を防ぐ。幸いにも防御壁で防げば簡単に防げる上に押す力自体はさほど無い為、防御しつつ移動する事はやぶさかではなかった。

 

ボヤッキーは中でボタンを押し続けるが、此処で問題が発生する。全身のルビーを砲弾の如く放ち続けたが、最後の一つを発射してから一度も発射出来なくなった。

 

フェイト「弾切れ!」

 

アルフ「今がチャンスだ!」

 

フェイトは鎌を振り下ろして、円状に回転する斬撃を放つ。シン・キンキラキーンは上半身のみ180度回転させた後に盾で受け止める。しかし、斬撃は爆発を起こし、キンキラキーンは飛ぶ姿勢を制御出来ずに地面へ落下。更に、アルフがシン・キンキラキーンの頭に接近し、拳を振り下ろして眉間を殴った。殴られたシン・キンキラキーンは更に落下速度を速めて、ビルに激突した。幸いにも人払いの結界を張ってる為に人の姿は無く、現実世界に影響は無い。そして、シン・キンキラキーンが激突したせいでビルは崩れてしまい、シン・キンキラキーンは崩れたビルの下敷きになった。

 

其処へ、バリアジャケットを纏って来たなのは、更になのはに絡んだ転生者達も到着した。

 

転生者1「な、何が起きてんだこりゃ?」

 

転生者2「さあな」

 

なのは「フェイトちゃん!」

 

なのははフェイトの元へ飛び、フェイトはなのはの存在に気付くと彼女に鎌を向けた。しかし、フェイトはすぐに別の方向を向く。

 

なのは「アルフさんも……一体何と………あっ」

 

なのははフェイトの視線の先にある物を見つける。それは、なのはも見た宝石メカであった。

 

ドロンジョ『あーっ!もう!全くお前達はしつこいねぇ!』

 

シン・キンキラキーンは立ち上がる。

 

ドロンジョ『わるいけどね!お前達の相手をしてる暇は無いんだよ!』

 

ドロンジョがそう告げた後、シン・キンキラキーンの刀身が冷気を放ち、周囲の建物を凍らせていく。

 

ドロンジョ『トンズラー!やっておしまい!』

 

トンズラー『ん!』

 

そして、キンキラキーンが剣を振り下ろす。なのは達は剣を避けるが、転生者の船に寒気が直撃した。

 

転生者1「うわああっ!?」

 

転生者の一人が落下していき、ビルに激突した。

 

ボヤッキー『そぉれ『アメジストマシンガン』っす!』

 

シン・キンキラキーンの両目がアメジストに変わり、そのまま目から飛び出していく。発射した瞬間にまたアメジストを目から撃ち出し、なのは達を狙う。

 

なのは達は飛んでくるアメジストの雨を避けていくが、それは、ドロンボー一味の牽制であった。

 

ドロンジョ「さあお前達!逃げるんだよ!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

そして、シン・キンキラキーンは上空へ飛び立って、次のジュエルシード集めに向かって行った。




今回は短いです。


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ジュエルシード争奪戦前のインチキ商売

四次元拠点に戻ったドロンボー一味は、シン・キンキラキーンの整備に入る。フェイトやアルフの攻撃によって傷付いた箇所を修理し、整備してまた出撃出来るようにするのだ。

 

ボヤッキー「トンちゃんマイナスドライバーくださいっす」

 

トンズラー「ん。はい」

 

トンズラーはトンカチでメカの部品を叩いて釘を完璧に打ち付けた後、梯子を降りて床に足を付けた後に工具箱を開けて、マイナスドライバーを取り出した。そして、再び梯子を登ってボヤッキーの元へ辿り着き、マイナスドライバーをボヤッキーに渡すトンズラー。マイナスドライバーを受け取ったボヤッキーは、マイナス螺子を部品に取り付けてマイナスドライバーで回して固定する。

 

そしてドロンジョは椅子に座って紅茶を飲みながら、ドクボンやネエトンと共にジュエルシードの位置を探っていた。ドクボンは金の小さな王冠を被っており、白いマントを身に着けている。出っ歯のある幼い少年の姿をしてる。ドロンジョの膝に座って胸を掴みながらその谷間に顔を埋めているが、ドロンジョはドクボンの頭を撫でるだけだ。

 

ネエトンは豚の姿をしたメカだが、現代のギャルらしい装いをしている。ネエトンは目から光を放って立体映像の地球儀を映し、それを利用したレーダーによってジュエルシードを探っている。

 

ドロンジョ「ネエトンどうかな?ジュエルシードの位置は解る?」

 

ネエトン「まだ掛かるしー。マジダルいんすけどー」

 

ドクボン「時空管理局やあのフェイトとかいう少女や栗柄頭の少女も動いてるべ〜♥奴等が集めたら一気に奪うだべ〜♥」

 

ドクボンはドロンジョの胸に顔を埋めてスリスリしている。

 

ドロンジョ「ボンちゃん良い事言うね〜♥流石だよぉ♥それにしても、ボンちゃんはほんっとに、可愛いねぇ♥素敵だね♥こんなにも愛らしいねぇ♥」

 

ドクボンの頭を撫でるドロンジョ。子供は大好きな為、自分に寄ってくるドクボンも例外ではない。そのため、毎回自分に寄って来てLカップの胸に触れたり顔を埋めてくるドクボンの好きにさせてるのである。お風呂も一緒に入ってる。

 

すると、ネエトンが突然「みっけ〜!」と叫ぶ。ネエトンが映し出す地球儀の一つに青いジュエルシード型のマークが日本の東京の位置に浮かびあがり、更にそのマークの隣に19と記されている。

 

ネエトン「なーんか知らないうちにほぼ全部集まってるみたいだし〜。つーかこれチャンスじゃね?」

 

ドクボン「………ドロンジョ。悪いがおっぱいはまた今度だべ。もしかしたら、転生者共の介入によるイレギュラーだべ。本来居ない筈の奴等が介入した事で、予定より早く集まったかもしれないだべ」

 

ドロンジョ「………なるほど。介入して何か起きたんだね。敵と味方を和解させた奴でも居るのかねぇ?何が起きたのか知らないけど、ジュエルシードが一気に集まったのは幸運だよ。そして今、此処にあるのと最後の一個を探しに向かうだろうねぇ」

 

ドロンジョはスカートのポケットにあるジュエルシードを取り出した。

 

ドロンジョ「フフッ♪この青い輝き。私にこそ相応しいのさ」

 

ドロンジョはジュエルシードにキスをする。既にドクボンとネエトンが封印している為、今は力を発揮していない。ただの宝石になっている。とはいえ、いつ発動するかは分からない為、ドロンジョはネエトンに渡す。

 

ボヤッキー「ドロンジョ様!ドクボンにネエトン!整備終了っす!」

 

トンズラー「修理と補給完了。何時でも出撃出来る」

 

ドロンジョ「よし!」

 

ドロンジョは立ち上がる。ネエトンの背中にドクボンが乗り、メカに向かって飛んでいく。ドロンジョも翼を羽ばたかせて空を飛び、メカの真上に乗ってボヤッキーとトンズラーに告げる。

 

ドロンジョ「行くよお前達!いよいよジュエルシードが全部揃う!彼奴等からジュエルシードを奪って最後の一つも見つけ出して奪うんだ!そして、私達の願いを叶えるんだよ!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「あ、アラホラサッサー……/アラホラサッサー!」」

 

トンズラーは敬礼を行うが、ボヤッキーはドロンジョによって願いを叶える事を告げられた事で今の自分はまだ願い事を決めてない事を思い出し、いつもの了承の返事が遅れてしまった。

 

ドロンジョ「どうしたのボヤッキー。何時ものお前らしく無いじゃないか」

 

ボヤッキー「あっ、いや………ドロンジョ様。僕、まだ願い事を決めてないんすよ………一つしか叶えられないのは分かってるんすけど、色々叶えてほしい事がありすぎて、叶えてほしい事が益々分からなくなってきたっす」

 

すると、ドロンジョは羽を羽ばたいてボヤッキーの前に降り立ち、床にゆっくりと降り立ってボヤッキーの肩に手を添える。

 

ドロンジョ「ボヤッキー。ドクロベエ様は願いを叶えてくれるとは言ったけど、保留にしても無しにしても良いと言ったんだ。もしジュエルシードが集まってもまだ願いが決まらないなら、焦らずにゆっくり考えて決めれば良いさ。ジュエルシード全部集めた後なら、何時でも願いを叶えるチャンスはあるんだ。お前を信じてるよ、ボヤッキー」

 

ボヤッキーはドロンジョに励まされ、肩の荷が降りたのか澄ました笑顔でドロンジョの肩に添えてない手を握る。

 

ボヤッキー「ありがとうございますドロンジョ様!もしかしたら行った先で思い付くかもしれないっす!頑張って決めるっす!」

 

ドロンジョ「焦るんじゃないよ。ゆっくり考えなよ」

 

そして、ドロンジョは改めて空中に飛んだ。そして、ボヤッキーとトンズラーに改めて出撃を命じる。

 

ドロンジョ「さあ行くよ!お前達!ジュエルシード全部集めて、私達の願いを叶えるんだ!ドクロベエ様の為に、私達の幸せの為に!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!!」」

 

そして、ドロンボーはシン・キンキラキーンに乗り込んだ。発射場に立つシン・キンキラキーン。更に、シン・キンキラキーンの背後に5機の巨大メカが光の玉が発生した後に出現する。東京タワーに4車輪が着いたメカ。昭和のロボットらしきメカ。筋肉モリモリの腕を持つビルが胴体のメカ。大きく太い複数の車輪を持つ鯉のぼりメカ。そして、頭に中華鍋を乗せて、肩が炊飯ジャーになっている人形の台所メカが現れた。

 

ドロンジョ『働いて貰うよメカ共!トーキョーダワー!ブリキングゼット!ボディビルダー!ゴーゴーゴールデンコイノボラー!ダイドコロン!』

 

ボヤッキー『あっ!次いでにこのメカ達もパワーアップするっす!ドロンジョ様の解釈に加えて僕の改造を加えてしまえば、最強のメカになるっすよ!このキンキラキーンと同じように!』

 

ドロンジョ『ならお前達、メカは其処にある!後は金だね!』

 

コックピット内に移る。ドロンジョがそう告げた瞬間、トンズラーがお金を使う事を渋る。

 

トンズラー「……でも、今貯めたお金……遊ぶのに使いたい……此処で使いたくない」

 

ボヤッキー「なら、またインチキ商売で稼ぐっすよ!」

 

お金をケチるドロンボー。幸いにもまだ数十億も貯まってる為、余裕はある。全てが終わって此方が勝てば、願いを叶えてお金持ちになって遊び放題だ。負けてもまたインチキ商売で稼げは良いし、貯めたお金で豪遊だ。

 

ドロンジョ「じゃ、また新しくインチキ商売しないとね。最後の一個が現れるまで時間はあるんだ。早速準備するよ!」

 

そして、ドロンボー一味は召喚したメカを更に強くする為の金を稼ぐ為に、新たなインチキ商売を行う。先程も言った通り、メカの強化費用を稼ぐ為に行う。その翌日、ドロンボーは新たなインチキ店を海鳴市に建てて、新しいインチキ商売を開始した。

 

『ドクロパチンコ店』という、賭けに勝てば大金を得られるギャンブルスロットを5万台も備えた、パチンコ好きには堪らない店だ―――否!実際はパチンコにハマる中毒性の電磁波を客に流し込み、遊べば遊ぶ程に支払ってもらう費用が時間と共に十万円ずつ上がるという鬼畜な商売であった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

その頃なのは達は、転生者達のお陰でなんやかんやあって和解し、時空管理局とも協力してジュエルシードを集める事に。

 

フェイトとアルフ、そして全ての元凶であったプレシア・テスタロッサは転生者の活躍により和解。更にプレシアが生き返らせようとしたアリシアも、転生者のお陰で生き返るという、ドロンボーの知らぬ所で色々あった。

 

そして、なのはは友達のアリサやすずかと共に帰路に付いていた。

 

アリサ「本当よ!パパがお金をかなり騙し取られて、ショックで寝込んだのよ!」

 

すずか「私のお父さんも……酷いよあの人達!お父さんと一緒に家族や友達でパーティーを開く予定だったのに、あんなインチキな人達のせいで台無しになったんだもん!」

 

なのは「酷い………絶対に許せないの!アリサちゃんとすずかちゃんのお父さん達を泣かせる上に、人を騙してお金を得るなんて!」

 

三人が話してたのは、ドロンボーの事だ。

 

すると、三人は人集りを見つける。そして、その先にある店を見て何かを確信する。

 

アリサ「あー!!!あれ!!あのドクロ!!」

 

すずか「まさか、あの店は!!」

 

なのは「あのドクロ………あの宝石メカに彫られてたのと色や形が同じなの………」

 

アリサ&すずか「「えっ!?」」

 

なのは「あっ」

 

思わず話してしまったなのは。そして、店の裏手に回り込んで侵入する際に、アリサやすずかから後で問い質される事を察したなのはであった。




余談ですが、ドロンボー一味は下にドロワーズを履いてます。それぞれの色に合うドロワーズです。


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最後のジュエルシードへ

ドロンジョ「本日はドクロパチンコにお越し下さりありがとうございます!思う存分遊んで行ってくださーい!」

 

ドロンジョは今、黒髪ショートヘアーのカツラを被って伊達眼鏡を着けている。ボヤッキーやトンズラーはそれぞれの色を示すメイド服を身に着けて接客をしていた。

 

ボヤッキー「ビールをお持ちしました」

 

トンズラー「タバコ、サービス」

 

ボヤッキーは注文を受けてジョッキに入ったビールを客に提供し、トンズラーは盆に乗せたタバコと灰皿を客に配る。二人はタバコを吸わない上に煙や匂い対策として、対タバコ用のマスクを身に着けている。

 

客1「もっと………もっと………もっと………」

 

客2「パチンコパチンコパチンコパチンコパチンコパチンコパチンコパチンコ…………」

 

客3「家を売ってきた………やるぞぉ!やるぞぉ!」

 

客が全員おかしい。パチンコにのめり込み、最早口からはパチンコへの執着を表す言葉が漏れ続けていた。

 

原因は、パチンコから発する不可視の電磁波だ。それが客の頭に作用し、パチンコへの中毒性を刺激し増幅させていた。それがドロンボーの狙いである。電磁波はパチンコへの中毒性を与えて刺激してるだけなので、あくまでパチンコにのめり込んでいるのは客自身だ。

 

しかし、此処で思わぬ光景を見てしまう。

 

子供1「パパー帰ろうよー」

 

子供2「ママー……まだ終わらないのー?」

 

中には子供達の言葉に耳も傾けず、パチンコへ夢中になる大人達。それを見たドロンボーは、子供を無視する親の様子を見て驚いてしまう。

 

此処には託児室なんて無い。そもそも大人に対応した店である為、子連れが来る事を想定してなかった。

 

ドロンジョ「あちゃー……子連れも居るって事を想定するべきだった!」

 

ボヤッキー「パチンコ店で子供待たせてたら誰かに連れ攫われる事件も起きるぐらいっすから」

 

トンズラー「可哀想………行ってくる」

 

ドロンジョ「私も行くよ」

 

ボヤッキー「全く子供よりパチンコが大事っすか……依存させてるの僕等なんすけど」

 

三人は子供達に駆け寄り、しゃがんで彼等の目線に合わせる。

 

ドロンジョ「ねえ。親がパチンコ終わるまで、暫く此方で遊んでってよ。君達、寂しいならお姉さんが遊んであげるよ」

 

トンズラー「おいで」

 

子供達は三人の後について行き、店の奥へ案内される。本来なら退避した際に駆け込む広い部屋で、ダミーとしてゲーム機やオモチャ、そしてシャワールームに加えて裏手の体育館に通じる扉がある。

 

ドロンジョ「暫くお姉さんが遊んであげるね。じゃあお前達、客の方は頼んだよ」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

そして、ドロンジョは子供達の相手をする。

 

ドロンジョ「さて、何をして遊ぶかな?お姉さんが相手してあげる♥」

 

ドロンジョがウインクした時、男女問わず子供達がドロンジョに一目惚れする。

 

ドロンジョは子供達と遊んで、気が付けば夕方になるまで遊んだ。ゲームやスポーツ、そしてオモチャで遊んだりおやつやジュースを一緒に飲んだりと、ドロンジョと遊んだ子供達は満足出来た。何より美少女でありお姉さんでもあるドロンジョが相手である為、少年少女から告白された時には顔を赤くして戸惑ってしまう事が起きた。

 

但し、彼等はどれだけ優しくても、悪人である。

 

閉店時間となり、客はパチンコを終えてから帰路に着いた途端に正気に戻り、後にパチンコにかなりお金を使った事を後悔し始めた。子供達を無視していた親達は子供達に謝り、子供達と和解した。

 

そして、パチンコ台に入金された金は全て四次元拠点に降り注ぎ、万札や小銭の山が部屋に形成されたのだった。

 

しかし、三人は気が付かなかった。店に侵入してきたとある三人の少女が、追い掛けてきている事に。

 

なのは「これ、何のゲーム機だろ?」

 

アリサ「インチキじゃないかしら?」

 

すずか「店の奥に向かって行ったよ」

 

三人はドロンボーを追い掛けていき、地下へ降りていく。すると、三人は見たこともない拠点内の部屋へと辿り着く。三人が辿り着いて覗いた部屋は、メカを発射したり制作したりする為のラボであった。そして、なのは達は其処でメカを改造しているドロンボー一味を目撃するのだった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

ボヤッキー「……ハァ!ハァ!改造完了っす!」

 

トンズラー「………ふぅ////」

 

ボヤッキーとトンズラーは巨大なレンチとハンマーをその場に置いて、床に横たわる。

 

ドロンジョはソファーから起き上がり、チュッパチャップスを口から取り出して二人に近付く。

 

ドロンジョ「良いねぇボヤッキー、トンズラー!逸材だね秀才だね天才だねぇ♥」

 

ボヤッキー「あっ、ありがとうございます………/////」

 

トンズラー「っ♥」

 

二人は褒められて照れる。しかし、二人の目の前にある床が蓋のように開き、ヤシの木が現れておだてブタが登ってきた。

 

おだてブタ『ブタもおだてりゃ木に登る〜!ブーッ!』

 

ボヤッキー&トンズラー「「ペポー!?」」

 

ボヤッキーとトンズラーがずっこける。

 

ドロンジョ「さあ行くよ!最後のジュエルシードと集まったジュエルシードを全て奪って、私達の願いを叶えるんだよ!ドクロベエ様の為に!私達の為に!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!!」」

 

そして、三人はシン・キンキラキーンに乗り込み、大量の改造メカと共にその場から発進した。全てのメカが推進器からジェットを噴き出し、空へ向かって飛び立っていく。

 

アリサ「ね、ねえなのは。彼奴等、何者なのよ?ジュエルシードって何?」

 

すずか「さっきも何だか、あの三人を知ってるみたいだったけど………」

 

なのは「えっと………」

 

なのはは説明するか迷った。正直に言えば二人を巻き込みたくない。

 

しかし、それはそれで二人と仲間割れするのも嫌だ。

 

アリサ「さあ、早く白状しなさい!」

 

すると、アリサがなのはに詰め寄ってきた。此処まで来ると、例え話す事を拒否しても詰め寄ってくる。

 

なのはは覚悟を決めて話す事にした。二人は戸惑いながらも、目の前で起きていた出来事を見た事でなのはの話が真実である事を理解した。

 

話した後、メカの出動によって崩れ落ちた店から脱出した三人は、少し口喧嘩しつつもメカを追うのだった。アリサとすずかはなのはの安否を心配しながらも、なのはを見送る。なのはは二人に見送られながら、バリアジャケットを身に纏ってドロンボーのメカ達を追うのだった。

 

そして、そんな事は露知らずのドロンボー一味は、最後のジュエルシードが待つ場所へ向かって飛んでいく。

 

整備してもらい、回復したシン・キンキラキーン。そして護衛として出撃したメカはドロンジョが召喚したドロンボーメカ5機だが、遥かにパワーアップしており、中には新たな姿となっているメカもある。

 

東京タワーに代わる未来の新たな東京のシンボルタワー。その名も東京スカイツリーへ進化したメカ『スカイツーリー』。

 

ブリキングゼットを更に改造してより攻撃的名フォルムとなったメカ『シン・ブリキングゼット』。

 

今度は木製ではなく数多の金属で構成された上に、体格は横綱体型となった上に梨の姿となってより強くなったメカ『ヨコヅナッシー』。

 

見た目はさほど変わらないが、白い角を二本頭に生やしている姿となった。そしてこのメカは、大いなる存在へ進化出来るこいのぼりメカ『コイノボリュウ』。

 

そして、全身にありとあらゆる調理器具を備え、数多の食材型兵器を兼ね備えた原点にして最強メカ『シン・ダイドコロン』。その姿は初代ダイドコロンの姿そのものだが、その能力は歴代ダイドコロンでも最強クラスである。

 

ドロンジョ『さあ行くよ!ジュエルシードは頂いていくんだよ!』

 

ボヤッキー&トンズラー『『アラホラサッサー!!』』

 

ドロンボーは動く。ジュエルシードを奪い取る為、空を飛ぶのだった。



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争奪戦前

なのはは美少年の姿となったユーノと共に空を飛んで、最後のジュエルシードがある地域へとやって来た。フェイトとアルフ、そしてアリシアとプレシアは残念ながら来られない。そのため、管理局からクロノを含めた魔道士数十名、そして、転生者三人がやって来た。黄金の船に乗る少年は、以前と比べてマトモな雰囲気を纏ってる。

 

なのは「逢魔君!」

 

逢魔「なのは!皆も!」

 

クロノ「最後の一つに向かって行ったドロンボー一味を捕らえに来た!恐らく、僕等の持ってるジュエルシードも奪いに来る!」

 

士郎「何としてもドロンボーにジュエルシードは渡さない!」

 

夜泉「えっと……そのドロンボーって人達は泥棒で、ジュエルシードっていうお宝を盗もうとしてるんだよね……」

 

もう一人の転生者は、プテラノドンの姿となっており、なのは達に並んで空を飛んでいた。

 

クロノ「そうだ!だが、泥棒なんかに渡すわけには行かない!僕等も急いでドロンボーを追うんだ!」

 

なのは達は加速する。ドロンボー達は既に到着したのだろうか?

 

そして、なのは達は雪山に到着した。其処は、嘗てなのはがアリサやすずかと共にユーノを保護した公園であった。

 

なのは「此処って、ユーノ君を助けた時の公園!?」

 

ユーノ「まさか!?でも、此処にジュエルシードがある筈が…………」

 

二人は困惑した。何故二人が初めに出会った場所に、最後のジュエルシードが?そんな疑問はどうでも良い。

 

彼等は散開しようとしたが、湖が突然盛り上がり、其処から嘗て敵対した宝石騎士の巨大メカが水に濡れながら姿を現した。

 

ドロンジョ『ハッハッハッハッ!!悪いけど、ジュエルシードはこのドロンジョ様がもう頂いたよ!』

 

そして、メカの頭部が両開き窓のように開いて、顕になったコクピットの台に乗るドロンボーが姿を現す。三人はそれぞれフードを被って口元にマスクをしている。トンズラーはマフラーを口元すら隠す程に巻いている。

 

ドロンジョはその手に持つジュエルシードを見せびらかして、なのは達に宣言する。

 

ドロンジョ「次はお前達の持ってるジュエルシードさ!それを賭けて、私達と勝負しようじゃないか!」

 

クロノ「その前に聞かせてくれ!お前達は何故ジュエルシードを狙う!」

 

クロノの問いに、ボヤッキーが答える。

 

ボヤッキー「僕達はお宝に目が無いんす。それに、僕等のボスがその力で願いを叶えてくれるんす。それに、僕は願いをやっと決められたんすよ。君達がジュエルシードを馬鹿正直にもって来てくれて嬉しいっす!」

 

ドロンジョ「やっと決まったのか!じゃあ早速、こいつらを倒してジュエルシードを頂くよ!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

すると、コクピットの台の蓋が開き、紫のドジョウが現れる。

 

ドージョ『ドージョ』

 

全員『ポペー!?』

 

全員ずっこける。

 

トンズラー「気を取り直して。ポットランチャー喰らえ!」

 

トンズラーは腰に着けた筒を右手に持った。その瞬間、筒は銃口やグリップを展開して機関銃へ姿を変える。そして、トンズラーはトリガーを引いて弾を放つ。弾は黄色く太いグレネード弾であり、なのは達に向かって飛んでいく。

 

トンズラーの遠距離攻撃用武器、ポットランチャー。ポットガンを機関銃からグレネードランチャーに改造し、威力を大幅に上げたのだ。グレネードランチャーである為に、弾速は遅いが威力はある。それに、トンズラー自身が強い為に機関銃はあまり合わない。

 

なのは達はバリアで防ぐが、クロノやなのは以外の魔道士達は全員、爆発によって吹き飛ばされる。

 

ボヤッキー「僕もっす!とっかえガンを喰らうっす!」

 

ボヤッキーは腰の銃を取り出し、銃口から光線を放つ。転生者達はそれぞれのやり方で光線を避ける。光線は地面に当たり、その部分をマグマに変えてしまう。

 

トンズラー「大丈夫。吹き飛ばすだけ。暫くすれぱ起きる」

 

ボヤッキー「ですが、邪魔するのであれば容赦しませんっす。大怪我は覚悟するっすよ」

 

すると、なのはがバリアを解いてドロンボーに話し掛ける。

 

なのは「ねぇ。貴女達はどうして泥棒さんになったの?」

 

なのはの問いに、ドロンジョは答える。

 

ドロンジョ「美味いものを食い、美味い飲み物を堪能する為、それで私達が幸せになる為さ」

 

なのははドロンジョの答えを聞いて、哀しい顔を浮かべる。なのはは気付いていた。ドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーが、幸せになりたいという願望を抱いている事を。そして、何処か哀しい雰囲気を浮かべている事を。

 

シン・キンキラキーンの頭が閉じて、ダイヤモンドの剣と盾を掲げて雄叫びを上げた。




転生者紹介。少ないのでざっくり紹介。

都城逢魔

特典
王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)
金髪の美形の体
高度な身体能力
概要
元々はオリ主になろうとしていたが、ドロンボーに敗北してからなのは達の優しさに触れて改心。

佐藤士郎

特典
無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)
剣術の達人
千里眼
概要
逢魔を止める為にやって来た転生者。逢魔が改心してくれて喜んでいる。

平坂夜泉

特典
覇気全て(見聞色、武装色、覇王色)
悪魔の実を複数食べても大丈夫な体(但し前に食べた実の能力は失う)
悪魔の実ガチャ
概要
偶然この世界に降り立った転生者。悪魔の実ガチャによって、ランダムで出た悪魔の実を食べると前に食べた実の能力は使えなくなる。前世では色々な知識を持つオタクだったが、アニメやドラマとかは厳し過ぎる家庭により見てない。そのため、特典はランダムで貰った。


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争奪戦

シン・キンキラキーンが動き出す。管理局の魔道士達や転生者達、そしてなのは達は一斉に動き出す。

 

ドロンジョ『パワーアップしたメカ達よ!彼奴等をコテンパンにやっておしまい!』

 

その瞬間、空から無数のメカが降りてきた。

 

先ず逢魔の前に現れて立ち塞がったのは、東京スカイツリーをモデルにしたメカ『スカイツーリー』だ。

 

逢魔は黄金の穴から無数の武器を放つが、スカイツーリーは全身から電撃を放って武器を全て破壊する。逢魔は黄金の穴でスカイツーリーを埋め尽くそうとするが、スカイツーリーは全身から電撃を放つ。黄金の穴を全て破壊し、電撃が逢魔に迫る。逢魔は船に乗って電撃を避けていく。

 

電撃を放つのを止めたスカイツーリーは、今度は展望デッキの窓を全て開き、其処に仕込んだ空色のミサイルを放つ。

 

逢魔はミサイルを避けていくが、全てを避ける事は出来ず、ミサイルが5発船に命中し、大爆発を起こす。

 

逢魔「ぐっ!うわああああっ!!」

 

逢魔は落下中にスカイツーリーからの追撃を受けてしまう。スカイツーリーの放つ電撃が彼を襲い、全身黒焦げになってしまう。

 

続いてもう一人の転生者、佐藤士郎の方だ。彼の前にシン・ダイドコロンが立ち塞がる。ダイドコロンは士郎の元へ走り出す。士郎は何かしら呪文を唱えようとするが、ダイドコロンの方が速い。ダイドコロンは脚を振り上げて士郎を蹴ろうとする。士郎は花弁型のバリアを張り、ダイドコロンのバリアを防ぐ。しかし、ダイドコロンの足から大爆発が発生し、バリアが砕ける。更にダイドコロンは拳でバリアを殴り、爆発を起こす。バリアは砕けていくが、ダイドコロンの拳や脚は無傷のままだ。士郎はその場で飛び上がり、ダイドコロンの体の武器を解析し、自身の手に投影した。ダイドコロンは胴体に取り付けた肉たたきを手に持ち、更に胴体に備えた電気コンロを起動し、熱を身体中に纏っていく。高熱をその身に纏ったダイドコロンは、歩くだけで地面を熱してマグマ状に変える。そして、片手のコンロから炎を出して、肉たたきに炎を纏わせる。

 

士郎「何だと!?」

 

士郎は出刃包丁を振り下ろすが、ダイドコロンの肉たたきが命中する。士郎の出刃包丁が肉たたきとダイドコロンの纏う炎と高熱によって、ドロドロに溶けて更に蒸発してしまう。

 

更に、ダイドコロンは口から小麦粉の霧を放ち、士郎や自身を包み込む。その瞬間、小麦粉全体に引火して大爆発を起こした。士郎はバリアを展開して防いだが、地面に叩きつけられてしまう。しかしそれはダイドコロンも同じで、爆発て吹き飛んだ後に地面へ叩きつけられてしまう。しかし、お互いに立ち上がる。士郎はその手に黄金の光を纏った剣を投影して持つ。ダイドコロンは両手にそれぞれ牛刀と出刃包丁を持つ。そして、二人はそれぞれ走り出してお互いの武器を振り下ろし、ぶつけ合って火花を散らせる。

 

一方クロノや魔道士達は、昭和の玩具のロボットを思わせる『シン・ブリキングゼット』と激闘を繰り広げる。全身が刺々しく煌めく刃状の鎧を纏ったブリキングゼットはどことなく悪魔を彷彿とさせ、しかし何処かヒーローっぽさも連想させる。

 

魔道士達はブリキングゼットの両胸から放たれる赤黒い弾幕によって吹き飛ばされる。クロノはその中を掻い潜って魔法による光線を放ってブリキングゼットを攻撃。ブリキングゼットの頭に命中し、後ろに仰け反るブリキングゼット。しかし、口を開いて竜巻状のブレスを放つ。クロノは竜巻を避けていくが、更に追撃が来る。ブリキングゼットは右掌からビームサーベルを生やした後、手に持ってクロノに振り下ろす。クロノはサーベルを避けた後に魔力を込めた光線を放ってブリキングゼットの左腕を攻撃した。ブリキングゼットの左腕は爆発を起こし、上腕から左手までが地面に落ちてしまう。

 

クロノ「管理局を嘗めないでほしい。我々は伊達に数多の世界を渡ってきた訳ではない!」

 

ブリキングゼット『ゼエエェェェット!!』

 

ブリキングゼットは左手を失ったが、闘志を失っていない。クロノに向かって走り出し、ビームサーベルを振り下ろした。クロノは魔法陣でビームサーベルを受け止める。しかし、ブリキングゼットも馬鹿ではない。ビームサーベルによるゴリ押しでクロノを足止めしている隙に、ブリキングゼットは両目からビームを放ってクロノを攻撃する。ビームに直撃したクロノはそのまま爆発によって吹き飛ばされて、地面に叩きつけられてしまう。

 

クロノ「ぐっ!油断したか!」

 

クロノは起き上がる。ブリキングゼットは上空へ跳び上がり、片足をクロノに向けて降ろした。片足で着地する前にクロノは転移して脱出しており、クロノは杖を構えてブリキングゼットを睨む。ブリキングゼットもまた、クロノを見つめてサーベルをクロノに向けた。

 

更に、もう一人の転生者たる平坂夜泉は、公園内を爆走するコイノボリュウと闘っていた。コイノボリュウは大型タイヤで結界に包まれた公園内を爆走しており、長い髭を揺らしながら夜泉を追っている。

 

コイノボリュウは口から鯉のぼりの形をしたミサイルを放つ。夜泉はプテラノドンの姿となり、空を飛んでミサイルを避けていく。

 

夜泉「ガチャ起動」

 

夜泉の額にルーレットが一つ出現し、様々な悪魔の実の絵が入れ替わる形で縦に回り続ける。そして、一つの実に止まる。

 

夜泉の額『モリモリの実。交換します』

 

夜泉の額のルーレットが悪魔の実を選ぶ。その瞬間、上空を飛んでいた夜泉はプテラノドンではなくなり、元の人の姿に戻る。その代わり、無数の植物の枝と葉っぱで翼を形成し、空を滑空する。

 

夜泉「植物の力!『樹海蹂躙』!」

 

夜泉は両腕を巨大な樹木に変化させて、コイノボリュウに伸ばす。コイノボリュウはタイヤのある胴体から離れて、空を飛び始める。

 

尻を振り上げる形でコイノボリュウが尻尾を夜泉に向けて振り上げた。その時、尻の穴から複数の爆弾が発射されて、夜泉の伸ばしてきた樹木に当たって爆発する。樹木が吹き飛ばされるが、樹木はまた再生する。そして、コイノボリュウは全身を縛り付けられてそのまま締め付けられていく。

 

夜泉「うおおおおおおっ!!」

 

夜泉は樹木による締め付けを強くしていく。しかし、夜泉は予想外の出来事に驚愕してしまう。

 

コイノボリュウ『リュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!』

 

コイノボリュウは独特の咆哮を上げた後、全身を震わせてその体格を大きくしていく。夜泉は両腕から放つ樹木の量と太さを増して、コイノボリュウを更に締め付けていく。しかし、コイノボリュウの大きくなる体を抑えきれず、軈て全ての樹木は全て引き千切れてしまう。

 

コイノボリュウの鰭は五本指の青い腕となり、尾は空を覆い尽くさんとするばかりに伸びていき、黒い背びれに無数の鱗を持つ蛇のような胴体と、黒い無数の毛を生やした尻尾になる。そして顔は龍の顔付きとなり、無数の金属の牙を持った大きく開いた口へ変化する。

 

夜泉「り、龍!?」

 

なのは「な、何あれ!?」

 

クロノ「大きい………」

 

逢魔「何だありゃ!?」

 

士郎「おいおい、マジかよ………」

 

天を覆う巨大な龍となったコイノボリュウ。メカの領域を超えた存在に、誰もが驚愕する。

 

その映像は、管理局の職員達やリンディ、そして管理局で待機していたフェイト達を驚愕により凍り付かせる。

 

そして、ユーノの前には横綱の名に相応しい大きな体格に大きなお腹、そして筋肉質な四肢を持つ横綱の梨メカが立ち塞がる。

 

ヨコヅナッシー『ワイと勝負するでナッシー!はっけよいナッシー!』

 

ユーノ「確か、相撲取りってプロレスラーやボディビルダーより強いんだっけ?でも、僕は彼等みたいにやられたりしないよ!」

 

ユーノは魔法陣を掌に展開して、緑色の光弾を放つ。

 

ヨコヅナッシーは両腕を突き出してユーノに迫る。その際に光弾が全身に命中するが、分厚い脂肪の体と筋肉が防御壁となり、光弾が弾かれていく。

 

ヨコヅナッシー『はっけよい、残ったナッシー!!』

 

ユーノ「うわああっ!」

 

ヨコヅナッシーは掌をユーノに向かって突き出した。ユーノはツッパリを避けるが、ツッパリを放った先にある大地や湖、そしてビル群は衝撃波だけで吹き飛ばされる。中には数百メートルのビルもあったが、その全てが空中高く吹き飛ばされていた。

 

ユーノ「う、嘘……?」

 

ユーノは顔を青褪める。相撲取りがかなり強い事を実感したユーノであった。相撲は僅かな知識でしか知らないが、それでもヨコヅナッシーを見て相撲取りの強さを実感した。

 

そして、なのははシン・キンキラキーンと向かい合う。

 

なのは「貴女達は私が止める!もう、貴女達に悪事をさせない為に!」

 

ドロンジョ『ふん!ボヤッキー、トンズラー!あのガキンチョをコテンパンに、やっておしまい!』

 

ボヤッキー&トンズラー『『アラホラサッサー!!』』

 

そして、キンキラキーンは走り出し、なのはもキンキラキーンに向かって飛んでいった。




バキでもそうでしたが、相撲取りって普通にボディビルダーより強いですよね。ヨコヅナッシーはそれを更に強く反映させました。

《オリジナルメカ》

スカイツーリー
身長:63.4メートル
体重:300トン
トーキョーダワーを改造して作られた東京スカイツリーがモデルのメカ。トーキョーダワーと同じ車輪を持つメカであるが、全てのスペックがトーキョーダワーの10倍のスペックを持つ。

『東京スカイツリー最高634メートルギネス世界記録認定メーサーホーミング砲』:スカイツーリーのコクピットがある展望デッキより上の展望台から放つ、無数の追跡型のレーザー。レーザーは一つだけでも大気圏を突き抜けて衛星軌道上の巨大宇宙基地を爆破する威力があり、万物を貫通して突き抜ける程の貫通力がある。
『ミサイル攻撃』:展望デッキの窓を開いて放つミサイルの雨。1000を超えるミサイルは追尾能力を持つが、弾数に限界あり。
『東京タワー電波塔終了集束光線』:スカイツーリーの全身から電撃を放つ。電撃攻撃を行って相手を感電させて痺れさせるが、最大で5億ボルトまで電圧を上げられる。また、一点に集めて放てば破壊力抜群の熱線となる。熱線を放つ際、スカイツーリーは全身が赤く染まるが、熱線が止まると元の色に戻る。
作者のコメント
『トーキョーダワー、序盤メカにしては強かったなぁ』

シン・ダイドコロン
身長:24メートル
体重:35トン
夜ノヤッターマンのダイドコロンをベースに、接近戦と遠距離戦、そして中距離戦をこなせる万能型に改造したダイドコロン。全身に武器へ改造された調理器具を持つ。牛刀や肉たたき、包丁やまな板、お玉にフライ返し、頭の中華鍋やフライパン等、ありとあらゆる調理器具を揃えている。両掌及び両足裏には火を放つコンロがあり、胴体には電気コンロが置いてある。

『クックファイア』:両掌及び両足裏のコンロから放つ火炎。弱火・中火・強火に分けられており、砲弾のように放つ遠距離攻撃は弱火、火炎放射のように放つ中距離攻撃が中火、攻撃した瞬間に爆発を放つ近距離攻撃が強火である。また、武器に炎を纏わせて攻撃する事も可能。
『塩の霧攻撃』:肩から放つ塩の霧。塩の霧である為、目に入れば炎症を起こしやすい。そうでなくとも吸い込めばしょっぱさと痒み、喉の乾きに悩まされる。
『コショウの霧攻撃』:胡椒を振りまいて霧を作る。防げないとくしゃみが止まらなくなるが、勿論それだけで済む筈が無く、目に入れば炎症を起こす。そして『塩の霧攻撃』と組み合わせればより強力な攻撃となる。
『小麦粉ブレス』:普通ならただの目くらましだが、ダイドコロンの炎や高熱と合わせれば粉塵爆発を起こす。

シン・ブリキングゼット
身長:44メートル
体重:1000トン
悪魔的フォルムとなったブリキングゼット。全てのスペックがブリキングゼットを遥かに超える。
『ブリキング弾幕攻撃』:両胸から放つ弾幕攻撃。弾幕シューティングゲームを彷彿とさせる弾幕は、避けるのが難しい。
『ブリキングタイフーン』:口を開いて放つ竜巻状のブレス。相手を吹き飛ばす。
『ブリキングサーベル』:赤黒いビームサーベル。
『ブリキングアイビーム』:両目から放つビーム攻撃。

コイノボリュウ
体長:15メートル
体高:8メートル
体重:81トン
白い角と髭を生やした『ゴーゴーゴールデンコイノボラー』である。しかし、新たに第二形態が存在しており、その姿は正に龍である。
コイノボリュウ・第二形態
体長:1565メートル
体高:6メートル
体重:9800トン
青い青龍の姿となった第二形態。コイノボリュウがある程度の攻撃を受けたり、口から餌と認識した物をある程度食べ終えるとなる姿。見た目はONE PIECEのカイドウの龍の姿そのもの。
『ホロブレス』:全てを焼き尽くす灼熱の炎の息を熱線にして吐き出す技。細くすれば貫通力が増して飛距離も伸び、太くすれば殲滅力が増すが飛距離が縮む。
『シニブレス』:全てを凍て付かせる冷気と氷の息を光線にして吐き出す技。謂わば冷凍ビーム。ホロブレス同様太さと細さで変わる。
『ウロコミサイル』:全身の鱗を飛ばして攻撃する切断系の技。鱗は切れ味は無く、刃を落としている為に切断力波無い。しかし、大した戦闘力の無い一般人が当たれば骨折確定で、アスファルトに深くめり込む程の貫通力はある。また、ホーミング能力があり、なにかに当たらない限り目標に向かって飛び続ける。
『天之御嵐(あめのみあらし)』:体を大きくうねらせて風を集め、回転し続けて嵐を形成する。回転が増せば増す程に嵐は強くなる。その際に雨を降らせるが、雨は粘液性でコイノボリュウ以外が触れると体に粘り付いて身動きを鈍らせる。
『雷鳴八卦』:両手に雷を纏い、相手を殴る。攻撃した相手を感電させるだけでなく、時々麻痺させて身動きを封じる。


ヨコヅナッシー
身長:14メートル
体重:950トン
『ボディビルダー』を横綱メカに改造した姿。褌を身に着けた上で大きいお腹に筋肉質な四肢を持つ横綱のふなっしー。褌には『ナッシー!』と達筆な毛筆による文字が書かれており、腰には注連縄が結ばれている。言葉を話し、『ナッシー』が口癖。遠距離攻撃は持たないが、筋肉と脂肪による鉄壁のガードに加えて、大きな体格から繰り出すパワーを利用した接近戦、そして梨の果汁を利用した近距離特化メカ。
『はっけよいナッシー』:相撲取りの如く突撃する。ツッパリを放ちながら迫り、ツッパリ一発で大地が抉れるパワー。
『ヨイショナッシー』:四股を踏む。それだけで地震を引き起こし、踏めば踏む程に地震は強くなる。海中でも効果あり。
『ヨコヅナッシーのすり足スケートアタック』:全身から梨汁を噴き出し、それを利用して滑りながら移動する。


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最終決戦

シン・キンキラキーンが走る。なのはは巨大な砲塔に変えた杖から光弾を放ち、シン・キンキラキーンを攻撃する。シン・キンキラキーンは全身からルビーを出現させ、光弾として撃ち出した。なのはとシン・キンキラキーンの光弾同士がぶつかり合い、公園を吹き飛ばす程の大爆発が起きる。

 

ボヤッキー『それ!アメジストマシンガン!』

 

シン・キンキラキーンの両目がアメジストとなり、其処からアメジストが弾丸のように発射される。発射されたアメジストはなのはに向かって飛んでいくが、なのははアメジストの弾丸の雨を避けていく。

 

コクピット内のコクピットに丸い穴が開き、其処からウ○コ型のメカ『ヘタクソ』が現れた。

 

ヘタクソ『ヘタクソ!!』

 

三悪『ポペェー!』

 

気を取り直して、なのはとキンキラキーンの闘いは続く。極太光線を放つキンキラキーン。なのはもまた、キンキラキーンに負けない光線を放って光線を相殺。

 

そして、キンキラキーンが口から虹色の光線を放つが、体〜宝石の輝きが失われていく。攻撃する度に宝石を消費しており、徐々に近接攻撃しか手が無くなっていく。

 

サファイアによる冷気の剣でなのはを斬ろうとするが、小回りが効くなのはに当たらない。冷気もバリアで無力化される。ルビーによるビームも出来なくなり、アメジストも無くなった。

 

トンズラー『ハァッ!!』

 

トンズラーがコクピット内で右腕を振り下ろす。シン・キンキラキーンも右腕を振り下ろし、ダイヤモンドの剣を振り下ろす。なのはは振り下ろされた剣を避けた後、空中でキンキラキーンに向かって振り返った後に、砲塔をキンキラキーンに向ける。

 

なのは「もう逃さない!!」

 

その瞬間、キンキラキーンの四肢にピンク色のリングがそれぞれはめ込まれ、メカは身動きが取れなくなる。

 

ボヤッキー「うわぁ!!やられたっす!」

 

ドロンジョ「何やってんだい!!早く脱出するんだよ!!」

 

トンズラー「ん!!んんっ!!腕が動かない!!脚も!!完全に捕まってる!!」

 

ボヤッキー「自爆スイッチ………ああっ!押せないっす!」

 

コクピット内で、ボヤッキーやトンズラーが両腕の装置を動かしてメカを動かそうとするが、シン・キンキラキーンの四肢が固定されているせいで装置も動かないのだ。

 

なのは「ディバインバスター!!」

 

そして、なのはの光線はシン・キンキラキーンに向かって飛んでいき、軈て胴体に直撃して貫通した。

 

ボヤッキー『う、嘘オォォッ!?』

 

ドロンジョ『ああっ、もう!分かったよ!!ジュエルシードはくれてやるよ!!』

 

シン・キンキラキーンは胴体に空いた穴から電気を走らせ、全身から火花を散らし、体の各所から爆発を起こし、そしてその口から2つのジュエルシードが吐き出され、なのはの元へ飛んでいく。

 

なのは「あっ!」

 

なのははジュエルシードを2つ、両手で受け止めた。

 

その瞬間、シン・キンキラキーンは背中から仰向けに倒れ、背中が地面に付いた瞬間に大爆発を起こした。

 

軈て核弾頭並の大爆発が起きた後に、上空にドクロ型のキノコ雲が浮かび上がる。ドクロは泣いているようにも見える。

 

なのは「やった!!」

 

そして、他のメンバーもドロンボーメカ達と決着を付け始めた。

 

スカイツーリーは赤色に変わった後に一点にエネルギーを集束させて、高火力の熱線を逢魔に向けて放つ。

 

逢魔「いざ仰げ!!『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』!!」

 

逢魔は片手に無数の赤い線がある乖離剣エアから、赤黒い竜巻状の光線を放ち、スカイツーリーの熱線を相殺する。そして、光線はスカイツーリーの全身を飲み込み、その体をバラバラにした。そして、上空で大爆発を起こし、ドクロ型のキノコ雲を形成する。

 

士郎は全身痣だらけになりつつも、戦いは士郎が優勢であった。

 

ダイドコロンは四肢に無数の剣が突き刺さり、片腕は切り落とされていた。胴体は無数の斬られた傷が多く出来ており、顔も半分が切り落とされている。

 

士郎「お、終わりだ……!」

 

ダイドコロンの頭に跳び乗った士郎は、そのまま剣を振り下ろして頭に突き刺した。軈てダイドコロンは胴体を一瞬起こしたが、軈て再び仰向けになってその場から動かなくなった。

 

ヨコズナッシー『ラストはっけよい、ノコッタナッシー!』

 

一方、ヨコズナッシーとユーノとの闘いも、決着が付き始める。全身から梨汁を出して、その滑りでスケート選手のように動いたヨコズナッシーの突進を真上に飛んで避けた。そして、ユーノは再び呪文を唱えた後にその両足を鎖で拘束。そのままヨコズナッシーをうつ伏せに転倒させる。

 

ヨコズナッシーは転倒して立ち上がろうとするが、その背中にユーノが乗って、背中の心臓の位置に手を添えて、魔力を流し込もうとする。

 

ヨコズナッシー『アアッ………終わったナッシー………負けを認めるナッシー……………………』

 

軈て、ヨコズナッシーはそのまま動かなくなり、大爆発を起こしてキノコ雲を浮かび上がらせた。

 

そして、シン・ブリキングゼットもまたクロノとの闘いに敗北した。

 

クロノ「いけぇ!!」

 

クロノが杖から光線を放ち、ブリキングゼットは両目から光線を放つ。お互いの光線がぶつかり合ってお互いに吹き飛ばされる。ブリキングゼットはその場で尻もちを付いたが、そのお陰でクロノ達は攻撃チャンスを得る。

 

周囲から魔道士達が姿を現し、杖から光弾を撃ちまくる。一つ一つは対して威力は無いが、それが度重なれば大ダメージとなっていく。ブリキングゼットの両足は無数の光弾が当たり続けてボロボロになり、立ち上がるのは不可能となる。次に両腕。そして胴体や頭にも無数の光弾が命中し、軈てブリキングゼットは大爆発を起こし、ドクロ型のキノコ雲を浮かばせた。

 

そして、コイノボリュウと夜泉の闘いも決着が付き始める。

 

コイノボリュウが口から全てを凍結させる冷凍光線を放つが、夜泉は別の悪魔の実に変換して、全身から雷を放つ。片腕から極太光線を放ち、コイノボリュウの冷凍光線に当てて相殺。コイノボリュウは夜泉を見つめ続けたが、軈て天に昇っていき、その場から姿を消した。

 

夜泉「あっ!」

 

夜泉は追い掛けようと思ったが、ジュエルシードが手に入った事を後に知り、コイノボリュウの追跡を断念したのだった。




次回、お仕置きです。それと、足りなかった分を少し書き足しました。


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お仕置きと新たな物語

ジュエルシードは管理局に返却され、厳重な管理の元に封印された。ドロンボー一味は管理局でも重要指名手配犯となり、今でも行方を探っているが、未だに痕跡すら見つからない。

 

なのは達も日常に戻り、アリサとすずかと共に学校に通う。転生者達も元の日常に帰り、それぞれの人生を謳歌していく。

 

そんな中、ドロンボー一味はボロボロの姿でオシオキ三輪車を漕ぎ続けていた。キンキラキーンが爆発した瞬間、爆風に吹き飛ばされて遠くまで飛んでいったが、その時にオシオキ三輪車に乗って更に遠くまで逃げているのだ。

 

現在、海鳴市を爆走中である。

 

ボヤッキー「うわぁー!酷い目に遭ったっすねドロンジョ様!」

 

トンズラー「体、ボロボロ………」

 

ドロンジョ「悔しいぃ!!今度はしくじらないよぉ!お前達、次はきっと勝つよ!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!!」」

 

すると、オシオキ三輪車の先端にあるドクロノ目がチカチカと光り、其処からドクロベエの声が響く。

 

ドクロベエ『しくじったのですか貴女達は!このアカポンタンがぁ!』

 

ドクロベエの怒声。清楚な声からは想像も出来ない怒鳴り声には、ドロンボーは全員ビビる。

 

三悪『お、お許しを〜!』

 

ドクロベエ『いいえ!私は確かに言いました!()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と!』

 

ボヤッキー「い、言ってましたっす………」

 

トンズラー「ヤバい………逃げよう」

 

ドロンジョ「うわああ〜ん!そんなぁー!」

 

ドクロベエ『頑張ったご褒美は上げます!ですがその前に!全国のドロンボー大好きな読者の皆様!お待たせ致しました!ママより怖いお仕置きタイムで〜す!』

 

震えるドロンボー。一体どんなお仕置きが待ち受けていると言うのか?

 

すると、突然三人の耳に遠くから謎の機械音が響き渡る。

 

ドロンジョ「えっ?」

 

ボヤッキー「ほえっ?」

 

トンズラー「はえっ?」

 

三人は後ろを振り向く。其処には……………

 

 

ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!

 

 

デカさ6メートルのドリルが、アスファルト道路を蛇のように胴体をくねらせながら、時計回りで回転しながらドロンボーに迫る。

 

三悪『ええええええええええええええええっ!!?』

 

三悪、青褪める。そして、オシオキ三輪車のペダルを漕ぐ速度を上げ始めた。

 

ドロンジョ「さっさと漕ぐんだ!もっと早く!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「エッホエッホエッホ!」」

 

しかし、追い付かれてしまい、ドリルがドロンボーを襲う。

 

三悪『ギィヤアアァァァァァァァァァァァァっ!!』

 

三人がどうなったのか、読者の想像に任せよう。

 

その様子を、ビルの屋上から見ていた二人の男女と一体の黒い狼の頭をした犬型メカ。一人は兎のような帽子を被り、白を基調とした魔法少女のようなスーツを身に纏っている。もう一人は赤と黒めの縁があるヒロイッチックなスーツに黒緑色の帽子を被っている。二人の帽子にはYの字が描かれている。犬型メカは頭部が狼のような形となっており、両足は推進器付きのタイヤとなっており、それぞれの足には筒状のガドリング砲、そしてミサイルランチャーが取り付けられている。

 

???「良かった。ジュエルシードは手に入らなかったみたい」

 

???「そうだね。じゃあミユちゃん、戻ろう」

 

ミユ「うん!デクちゃん。ヤッターゼロもね」

 

ヤッターゼロ『ウォウッ!』

 

そして、二人はヤッターゼロと呼んだメカの両肩にある取手に掴まり、それぞれゼロの脚に乗ると、ヤッターゼロは二人を乗せたまま走り出し、軈て目の前に黄金の穴を出現させてその中へ入った。軈て穴は閉じて、その場からデクという少年とミユという少女、そしてヤッターゼロと呼ばれたメカ。此れが、後にドロンボー達に立ちはだかる強敵達であるとは、この時のドロンボーには解る筈も無かった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

ドロンジョ「ハァ………酷い目に遭ったねぇ」

 

ボヤッキー「死ぬかと思ったっす」

 

トンズラー「万歳」

 

ドロンボーは無事に四次元拠点に戻って来た。彼女達は先程のお仕置きを受けた事で疲労が残っており、その疲れを癒やしに戻って来たのだ。

 

すると、拠点内でとある人物と再会する。それは、焼肉に扱うバーベキュー場を創り上げている女神、ドクロベエの姿があった。

 

彼女は三人に気付くと、三人に向かって手を振った。

 

ドクロベエ「こうして向かい合うのは久々ですね。疲れてる以上、美味しい焼き肉でも如何ですか?頑張ったご褒美です」

 

三悪『ど、ドクロベエ様ァ!?』

 

ドロンジョ「一体、どうしたんですか?」

 

ドクロベエ「先程言った筈ですよ。“失敗したらお仕置きします。ですが、頑張ったご褒美は上げます”と。あっ、逆でしたね」

 

それが、このバーベキューセット。そして香る、美味しそうなお肉や野菜、そして魚介類の数々。いずれもバーベキューで食べるにしても、かなり豪華で高級な食材だ。

 

トンズラー「ドクロベエ様、早く食べたい!」

 

ボヤッキー「あっ!トンちゃんズルいっす!僕も食べるっすよ!」

 

ドロンジョ「ドクロベエ様………お仕置きされた時はツラかったですが、こんなにも私達の為に……ありがとうございます!」

 

ドロンジョは涙を流していた。フードやマスクを取り外し、涙を袖で拭き始める。ボヤッキーとトンズラーも、それぞれフードを外して食事に入った。

 

ドクボン「ネエトン。我等も一緒に喰うだべ」

 

ネエトン「ラジャー♪」

 

こうして、美味しいバーベキューを堪能したドロンボー一味。ジュエルシードは手に入らず、お仕置きは厳しかったが、それでも幸せだ。

 

しかし、彼女達の泥棒人生はまだまだ始まりである。この先、彼女達は厳しい闘いを乗り越え、目当てのお宝をゲットする為に、何度でも這いつくばり、挑み、立ち向かう。

 

何度も負けても、挫けるな。頑張れ僕等のドロンボー。素敵な美少女ドロンボー。今日も悪の道を進むのだ。




次回は、そうですねぇ………ウマ娘にしてみようかな。それとも、別の奴にするか。


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ライスシャワー編
新たなる標的


ウマ娘をやってみたいと思います。とはいえ、最近知ったばかりなので、名前と姿が両方登場するのは一人だけになるかもしれません。

因みに、私はウマ娘で唯一好きなのはライスシャワーです。


とある商店街。其処にある店が建つ。店は馬の姿をしたマスコットキャラクターが立っており、より店へ誘いやすいようにしている。そして、店の看板には『キングドロンボー』という文字に加えてドクロが描かれた馬が描かれている。

 

さて、店番の女性二人が客を集め始める。全員が競馬好きである。とはいえ、海外で行われている競馬について知らない人達も多い為、此れから行うインチキ商売にはうってつけだ。

 

ドロンジョ「いらっしゃいいらっしゃい!本日は海外で注目されている最高の馬が現れました!その名もキングドロンボー!ありとあらゆる競馬で連戦連勝!海外ではそのあまりの走りからキングと呼ばれる馬で御座います!」

 

ボヤッキー「この馬の走りをとくとご覧くださいっす!ポチッす!」

 

ボヤッキーがリモコンのスイッチを押す。すると、空中に画面が現れて、走る馬達の様子が現れる。海外の競馬で競い合う馬達の様子が映し出されており、その中にキングドロンボーの姿があった。

 

客『『『オオオオオオオオオッ!!』』』

 

客は全員歓喜に包まれる。キングドロンボーの圧倒的な走りの速さに。

 

ドロンジョ「さあ、皆さん!明日、キングドロンボーが出場する伝説の競馬が行われます!キングドロンボーが勝利した場合、キングドロンボーに賭けたお金が5千倍になって返ってきますが、もしキングドロンボーに勝った馬に賭けた場合、その金額が5万倍になって返ってきます!」

 

客『『『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』』』

 

トンズラー「馬券購入、一万円から」

 

客1「おおっ、高いな!」

 

客2「だが関係無いな!」

 

客『『『馬券!!』』』

 

こうして、ドロンボーによるインチキ商売が始まった。客が群がり、馬券を購入していく。

 

そんな中、その光景をある二人に見られてしまう。休日で遊びに向かっていたアリサとすずかだ。

 

アリサ「あーっ!!あれ!」

 

すずか「どうしたの?アリサちゃん」

 

アリサが指を差す方向を見るすずか。そして、怪しげなお店を見つけてしまい、思わず声を上げそうになる。

 

アリサ「あの店、なんか怪しいわ!」

 

すずか「う、うん!なのはちゃん達が言ってたドロンボーっていう連中かも!」

 

そして店の方では、ドロンボー達は降り注ぐ万札の雨を網で次々と回収。札束も降ってくる為、正に儲け放題。競馬ブームを利用した商売は、此処まで成功を収めた。こうして馬券が売り切れになる。

 

ドロンジョ「おや?もう馬券が無くなったねぇ。お前達、退却するんだよ!!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

そして、ドロンボーは店のシャッターを閉めた。店の閉店に、買えなかった客はガックシと気分を落とす。

 

客3「ウッソだろォ!?まだ買えてねぇよぉー!」

 

客4「いやったー!買えたー!!」

 

買えた客はウキウキ気分で去ろうとする。買えなかった客はトボトボと哀しげな雰囲気を抱えたまま帰っていく。

 

すずか「あ、あの、すみません!ちょっと、馬券を見せて貰えますか?」

 

客1「うん?此れは子供には早いよ?」

 

アリサ「ちょっとだけ!」

 

客1「ウ~ン……まあ、見るだけなら良いよ」

 

客の一人が、アリサとすずかに馬券を見せようとした。馬券を見せてもらう二人。

 

アリサ(ん?何も違和感が………あれ?ちょっと待って?)

 

すずか(もしかしてこの紙………重なってる?)

 

すずか「あの、その馬券、重なってますよ?」

 

客1「ん?あっ、本当だ」

 

客が馬券をよく見ると、2枚に重ねられている事に気付く。どうせ馬の番号が書かれているだけだと思い、剥がしてみる。しかし、其処には予想してなかった物が描かれていた。

 

客1「ああっ!!」

 

すずか「えっ?」

 

客『『『ギャアアアアアアアアアアアアッ!!』』』

 

客が全員悲鳴を上げる。すずかはアスファルトに落ちた馬券を拾って見つめると、その馬券が偽物である事と、インチキな細工に怒りを通り越して呆れて物が言えない。

 

すずか「外れの宝くじ!?しかも此れは期限切れのクーポン!?」

 

アリサ「彼奴等!やっぱりドロンボー一味ね!何処までインチキな奴等よ!」

 

馬券と思われた紙は偽物。馬券は両面テープの要領でくっつけられており、剥がれた方の裏側を見ると期限切れのクーポンであった。そしてもう一方をよく見ると、その紙は既に外れてただのゴミになっている宝くじであった。期限切れのクーポンに外れの宝くじ。どう見ても競馬を見に来た客を馬鹿にしたインチキである。

 

アリサ「すずか!」

 

すずか「う、うん!」

 

二人は店に向かって走り出す。怒る客が閉店した店に群がってシャッターを叩く中、二人は店の裏手へ先回りした。

 

――――――――――――――――――――――――

 

四次元拠点の水槽部屋。中では機械の魚が泳いでいる。

 

ドロンボー一味は仕事服から普段着に着替えているが、口元は隠してない。今日は寿司を堪能してるからだ。

 

全てが大トロの高給寿司であり、極上の味わいに三人は舌鼓を打つ。更に炙り寿司に軍艦、そして海鮮丼まで、海鮮尽くしのフルコースである。

 

トンズラー「ハムッ♥ムグムグ………んまぁ〜い♥トロトロォ♥」

 

ボヤッキー「口の中で蕩ける脂、トロが舌で溶ける度に幸せを感じるっす〜♥」

 

ドロンジョ「富と栄光の味だねぇ〜♥ハムッ♥」

 

ドロンジョはソファーで横になりながら、マグロの大トロを摘んで食べる。

 

実は先程ドロンボーが使った競馬のシーン、実は海外の競馬の試合を改造して実際に有ったような試合を見せただけなのだ。そして画面から発する微弱な電磁波による催眠によって、お金を消費させるよう誘導するのだ。そんな仕掛けを施した事で、インチキ商売を成功させたのだ。

 

その様子を、出入口から隠れて見つめる陰が二人。アリサとすずかの二人だ。

 

すずか「酷い………なんてインチキな人達なの」

 

アリサ「人を騙して得たお金で豪遊するとか、最低よ!」

 

二人はヒソヒソと話していた。二人はお互いを一瞬見たが、もしその時にドロンボー側を見れば、逃げるチャンスが生まれたであろう。何故なら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()寿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からだ。腐ってもトンズラーはドロンボーの戦闘員だ。オマケにこういった状況ではドロンボーが金を稼いだ後、ヤッターマン側の人間が覗き見してる事を知っている。なので、アリサとすずかの事も気付いていた。

 

トンズラー(あれ、隠れてるつもり?ふーん………まあ良いか)

 

トンズラーは二人に気付くも、食事の方が大切な為、寿司を食べ続ける。

 

すると、何処からともなく馬の鳴き声が響く。

 

馬メカ『ブルルッ!』

 

ドロンボーは人間の足サイズの小さな馬メカに注目すると、その馬メカは頭がドクロになっていた。そして目がチカチカする瞬間にドクロベエの声がする。

 

ドクロベエ『はい控えなさい!私は泥棒の女神様ドクロベエだべぇ!』

 

ドロンジョ「はっ!ドクロベエ様!」

 

ドロンボーは食事を中止して、馬メカにひれ伏した。

 

三悪『ハーハァっ!』

 

ドクロベエ『今日も貴女達にとっておきのお宝情報を持ってきたわ!』

 

ボヤッキー「今度はなんすか?」

 

ドクロベエ『その前に、貴女達はウマ娘を知ってるかしら?』

 

三悪『ウマ娘?』

 

そのことは知らないドロンボー。

 

ドクロベエ『今回のお宝はウマ娘が優勝する際に貰えるトロフィーがあります。貴女達にはそのトロフィーを手に入れて貰うわよ』

 

トンズラー「それって、競馬と同じ?」

 

ドロンジョ「ウマ娘………つまり馬が人間の女の子になったから、そいつ等に鞭打ってレースさせるのですか?」

 

ドクロベエ『言い方が酷いわね……でもまあ、その通りよ。兎に角貴女達にはトレーナーの資格を送るから、適当なウマ娘を見つけてパートナーにしなさい。その子を勝たせてトロフィーを手に入れるのよ。お仕事頑張ったら、貴女達にご褒美を上げるわ』

 

ボヤッキー「トレーナーっすか?僕達、馬の世話自体やった事ありませんが、ウマ娘って人間に近い知的生命体っすか?」

 

ドクロベエ『言い方が……まあいいわ。では、この章のお仕置きを楽しみに♥』

 

そして、馬メカが輝き始める。

 

三悪『ギャアアアッ!?』

 

アリサ&すずか「「キャアッ!!」」

 

そして馬メカは大爆発を起こす。扉から覗いていたアリサとすずかにも爆発の煙が襲い掛かる。

 

そして、黒焦げになって衣服がボロボロになったドロンボー。

 

ドロンジョ「いやーん/////」

 

ボヤッキー「………ケホッ」

 

トンズラー「また……これ」

 

ドロンジョは胸を両腕で隠し、ボヤッキーは口から煙を吐き、トンズラーは目を回転させて混乱していた。

 

アリサ「彼奴等、ウマ娘に何をする気なの?」

 

すずか「急いでなのはちゃんに知らせないと!」

 

二人はその場から離れようとした。しかし、走り出そうとした瞬間に二人の襟首は掴まれてしまう。

 

アリサ&すずか「「キャッ!?」」

 

トンズラー「こそこそ。捕まえた」

 

アリサ「ちょっ!離しなさいよ!」

 

アリサは抵抗して暴れるが、トンズラーは手を離さない。ドロンジョとボヤッキーの元へ連れ出した。ドロンボーの衣服はボロボロのままだが、ドロンジョとボヤッキーは胸元を片腕で隠しながらトンズラーの捕まえたアリサとすずかを睨む。

 

トンズラー「ドロンジョ様、ボヤやん。侵入者」

 

ドロンジョ「この四次元拠点の出入口を締め忘れてたとはねぇ。迂闊だったよ」

 

ボヤッキー「自動で閉まる事が多かったので、誰も入ってこないと自惚れてたっすね。今度は逃げ込んだらすぐに閉じるようにしないとっすね」

 

ドロンジョ「で、こんな所で何をしてんだいお嬢ちゃん達」

 

すずか「そ、それは……」

 

二人はトンズラーによって床に降ろされ、座らされている。

 

ドロンジョ「まさか、ドクロベエ様と私達の会話を聴いていた訳じゃあ無いよねぇ?」

 

すずか「ヒィィ……」ガタガタガタ

 

アリサ「だったらどうするのよ!」

 

ドロンジョ「帰さないのさ。お前達、縛り付けておしまい!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

こうして、ドロンボーに捕まったアリサとすずか。両手を縛られ、ラボの床に座らされた二人は、助けを心の中で願うのだった。

 

アリサ(助けて……なのは……)

 

すずか(なのはちゃん……)




トンズラーの見た目を変更しました↓

【挿絵表示】


ドロンジョの普段着
【挿絵表示】

ボヤッキーの普段着
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トンズラーの普段着
【挿絵表示】


泥棒の女神様ドクロベエ
性別:両性具有
種族:女神
身長:182センチ
体重:ヒ・ミ・ツ♥
バスト:120(Pカップ)、ウエスト:52、ヒップ:100
ドロンボー一味によりドクロベエと名付けられた、ドロンボー一味を転生させた張本人。名付けられてからは泥棒の女神となり、三人をお宝へと導く存在となった。失敗したらお仕置きはするが、頑張ったご褒美はちゃんと上げる。
本来の話し方は「〜わよ、〜わね」といった普通の女口調だが、ジュエルシードの奪取に失敗した頃のドロンボー一味と焼肉をした際に、本来の話し方で良いと許可を得るまでは敬語で話していた。
一人称:私
能力:『改変する程度の能力』
読んで字の如し、自身の意のままに全てを改変する能力。

【挿絵表示】


ドクロベエ様の普段着
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新たなるメカ

店が内側から爆発を起こし、金を返すよう抗議しに来た客が全員逃げ出していく。そして店を破壊して現れたのは、ヒグマの姿をした巨大なクマのメカであった。筋骨隆々、毛深い体毛に加えて、申し訳程度の王冠を頭に被っている。

 

ヒグマオウ『グオオオオオオオッ!!』

 

メカが口から咆哮を放つ。

 

そしてコクピット内では、ドロンボーが操縦桿のある台の前にある3つの操縦席に座り、その背後に新たに作られたシートベルト付きの椅子2つにアリサとすずかが座らされている。

 

ドロンジョ「ん?ボヤッキー、一つ聴いて良いかい?」

 

ボヤッキー「なんすかドロンジョ様?」

 

ドロンジョ「私達は此れからウマ娘の所に行くのに、どうしてクマのメカなんだい?」

 

ボヤッキー「んー特に述べるだけの理由は無いんですけど、まあ一言で言えば野生の馬の天敵っすから。万が一失敗したら、その時はウマ娘達を天敵のヒグマを模したメカで追い払ってトロフィーを盗むっすよ」

 

ドロンジョ「なんか納得出来ないけど、まあ良いか。さあ、さっさとウマ娘の居る場所へ向かうんだよ!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

メカは両足裏からジェットを噴射して、上空へ飛び立っていく。ヒグマオウは空を飛んで目的地へ向かって飛んでいく。

 

その様子を見ていたアリサとすずかは、無言のままドロンボー一味を見ていた。手の拘束は解かれており、逃げ出す雰囲気も出していない。元より逃げられるとは思ってない。

 

アリサ「……コイツ等、何で私達を生かすのかしら?」

 

すずか「それにさっきも……ケーキとかご馳走してくれたし……何で?」

 

二人は、先程の出来事を思い出す。

 

―――――――――――――――――――――――

 

二人は暫く拘束されていたが、ラボらしき施設に連れてこられた所で拘束を解かれ、ドロンジョと向かい合う形で二つの椅子にそれぞれ座らされる。テーブルには紅茶が淹れてあるティーポットとティーカップ、そしてケーキやシュークリーム、マカロンといった西洋のティータイムに用意されるお菓子が置かれている。

 

トンズラー『はい』

 

トンズラーが二人にケーキを運んできた。丁寧にフォークまで置いてくれた。すずかは思わず『あ、ありがとう』とお辞儀をしてしまった。

 

ドロンジョはティーカップの取っ手を摘んで紅茶を啜る。ティーカップをティーカップ用の皿に置いた後、フォークを取ってケーキの先端を丁寧に切り取り、切り取った先端をフォークで刺した後に食べる。

 

アリサはドロンジョを睨んでおり、すずかは緊張して硬直してるもののドロンジョを見つめている。

 

ドロンジョ『食べないのかい?』

 

アリサ『食べるわよ。でも一つ聞かせて。アンタ達は、なんであんなインチキ商売なんかやってんのよ?後、なのはから聞いたけどジュエルシード?ってのを狙ってたらしいけど、それで何をする気よ?』

 

ドロンジョ『泥棒への質問としてはまあベタだねぇ。でもそうだね。インチキ商売をする理由は、美味い飯とメカの製作、それから金で豪遊する為さ。それに、私達は高価なお宝には目がなくてね。ジュエルシードを利用してドクロベエ様に願いを叶えてもらうつもりだったけど、結局失敗したね』

 

すずか『………でも、それって泥棒をする理由になりません、よね?』

 

ドロンジョ『………ボヤッキー、トンズラー。コイツ等に話して構わないかい?』

 

ドロンジョはメカを造る二人に尋ねる。

 

ボヤッキー『構わないっす』

 

トンズラー『ん』

 

二人の了承を得たドロンジョ、否、レパードは自分達の事を話し始めた。ボヤッキーこと加知、トンズラーこと修羅はその様子を見守りつつメカを作り続ける。

 

レパード『私達はね。元々この世界の住人じゃないのさ。前世では酷い人生を歩んだもんだよ。詳しい説明は省くけど、兎に角酷いもんさ。虐めの毎日、毒親や親戚共からの暴行や虐待、クラスメイトや街からの虐め、でも逆らえば余計に虐げられる。そんな人生さ。お前達みたいな幸せな連中と違って常にどん底さ。そんな時、私達はドクロベエ様に出会ったんだよ』

 

アリサ『ドクロベエ………』

 

レパード『私達を転生させた女神であり、私達の今のご主人様さ。あっ、ケーキは食べても良いよ。食べながらで良いから聞きなよ』

 

すずか『あっ……い、頂きます』

 

アリサ『……少しお腹空いたわね///』

 

二人はケーキを食べ始める。レパードの話にはリアリティーがあり、嘘を付いてるとは小学生ながら感じなかったのだ。それに、ケーキも食べたが毒とかも入ってる感じはしない。それどころか、なのはの実家の店で販売しているお菓子と同じ位美味しい。

 

レパード『私達の本名は明かさないが、私の名前はドロンジョ。あっちの小柄で愛らしい天才科学者がボヤッキー。耳の長い青髪のエルフがトンズラー。私達はドロンボーという悪い三人組の泥棒集団さ。インチキ商売を使って金儲け、メカを造って目的地を目指し、時にお宝を手に入れる為に行動する、そういう組織なのさ』

 

そして、レパードは話を続ける。

 

レパード『私達は、憧れであったドロンボー一味の通り名と新しい容姿にこの四次元拠点を手に入れて、今はあの忌々しい連中に縛られる事なく、そして今は自由に金儲け中なのさ。今の私達、と~っても幸せなのさ。私達は悪い人、それがドロンボーなのさ』

 

レパードは誇らしげに語る。自分達が悪人である事、仲間の加知や修羅と悪い事をする事を誇りに思っている。

 

加知『僕達は憧れていたんす。僕達はまだ本物のドロンボーに及ばない、二番煎じでしか無い事も』

 

修羅『でも、私達は進む。本物のドロンボー一味を超える』

 

レパード『でも、此れだけは覚えて。私達は泥棒だ。でも私達は人の命を奪いはしない。私達は泥棒だ。だから殺戮もやらない。お前達をまだ解放しないが、解放されたら私達の人質になってた事にしてくれれば良い』

 

アリサ『それって、アンタ達が悪人のままじゃない!』

 

レパード『良いんだよ。悪党は嫌われてなんぼなのさ。だからこそ、私達は“自由”なんだ』

 

すずか『そんな………本当は悪い人達じゃないって分かったのに…………』

 

レパード『変な同情も憐れみも要らないよ』

 

――――――――――――――――――――――――

 

そして、ドロンボーとアリサとすずかを乗せたヒグマオウがウマ娘のレース場にやって来た。

 

ウマ娘がどういう物か知っておく為に、先ずはレース場に赴いてレースを見る事にしたのだ。

 

ヒグマオウの口から降りた5人。アリサとすずかはお嬢様である為、身バレしないよう帽子を被らせた上で服も制服から私服へ変えた。二人に背負わせたリュックサックには脱いだ制服を入れてある。

 

ドロンボーも私服姿となってウマ娘のレース場にやって来たのだが、ドロンボー達はあまりのルックスの良さに会場で目立ってしまう。特に高身長で低い出入口では少ししゃがまなければ頭をぶつけるドロンジョのボン・キュッ・ボンの容姿は多くの男達の目線を引き寄せる。ボヤッキーやトンズラーも、男達の目線を引き寄せてしまう。一部には、引退したウマ娘ではないかと噂する者も居る程だ。しかし、彼等はドロンボーに寄り添うどころかあまりの美しさに、思わず道を開けてしまう。

 

すずか「な、なんか悪目立ちしてない?」

 

アリサ「そうね。でも、寄ってくる訳じゃないし、道を開けてくれるのは有り難いわね」

 

そして、馬券を購入する売り場にやって来たドロンボー。

 

ボヤッキー「ドロンジョ様、どのウマ娘にするんすか?」

 

ドロンジョ「そうだねぇ……おっと」

 

ドロンジョは突如自身の横に誰かがぶつかり、倒れそうになる。

 

ドロンジョはぶつかってきた相手を見た。それは、大きいウマ耳に外に跳ねているロングヘアを生やし、右目が髪で隠れてる小柄な少女であった。メカクレしている右側の髪にかかる様に青いバラが付いたダービーハット様の紺のミニハットを載せている。紺を基調として胸元に青いバラを配し、袖がワインレッド、かつ巻いている短剣のホルダーが茶色であるウェディングドレス風の服を着ている。

 

???「あっ、ご、ごめんなさい……前を見てなくて」

 

ドロンジョ「全く何やってんだよ。今度は前を見て歩きな」

 

???「ご、ごめんなさい。ライスが俯いて歩いてたせいで………」

 

ドロンジョ「ん?ライス?お前の名前かい?」

 

ドロンジョが尋ねると、少女は自身の名前を打ち明けた。

 

ライスシャワー「う、うん。ライスは、ライスシャワーっていうの」

 

ドロンジョ「ライスシャワー?聞いた事無いけど……まさか、アンタがウマ娘って奴かい?」

 

ライスシャワー「えっ?うん、そうだけど?」

 

此れは何たる奇遇か。まさかこうも簡単にウマ娘と接触出来るとは。

 

ドロンジョ「まー何たる偶然!ウマ娘とこんな所で会うなんて思わなかったよ!」

 

ボヤッキー「此れは良い発見す!」

 

トンズラー「ヤッター!」

 

三人は喜んだ。

 

アリサ「もしかして、此れからレースかしら?」

 

ライスシャワー「うん」

 

すずか「私、楽しみにしてます!」

 

ライスシャワー「あ、ありがとう。私、そろそろ行くね」

 

そして、ライスシャワーはその場から去っていく。ドロンボーはライスシャワーから何かを感じた。何かを成し遂げる気配と、()()()()()()()()

 

ドロンジョ「よしお前達。あのウマ娘の馬券を買うよ。あの子なら私達に勝利をもたらしてくれるよ」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー」」

 

アリサ&すずか「「フフッ」」

 

ドロンボーの馬券を仲良く買う姿に、思わず笑みを浮かべるアリサとすずか。二人は馬券を買ったドロンボーを追い掛けていく。

 

しかしこの後、ライスシャワーがどんなウマ娘なのかを5人は思い知る事になるのであった。そしてそれが、ドロンボーやアリサとすずかにある決意をさせる事になるのだった。




ドロンボー達は嫌われてるから自由。此れは、アドラーの心理学を少し読んだ事があるので、其処から来てます。

オリジナルメカ

ヒグマオウ
体長:6メートル
体高:20メートル
体重:20トン
飛行速度:マッハ5
ウマの天敵であるヒグマに王冠を頭に被せ、更に黒マントを肩に掛けて風で揺らした魔王らしい格好をした姿。見た目はヒグマだが、脚の付け根は遊具のクマの脚の付け根のようになっている。

不明

というか、ウマ娘ってあまりよく知らないので、レース場の名前は敢えて出しません。一応アニメの設定に近づけてますけど、こんな風で良いんですかね?まあドロンボーだし、それは気にしなくて良いか。


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ライスシャワー

作者はウマ娘も、競馬も全くのド素人です。


ドロンボー一味は、アリサとすずかの分までライスシャワーの馬券を購入し、ウマ娘のレースが行われるレース場の観客席に座る。

 

ドロンジョ「ふーん。競馬なんて来た事は無いけど、結構盛り上がってるじゃないか」

 

アリサ「ホントね。初めて来たけど、結構人が来るのね」

 

すずか「うん。あっ、そろそろ始まるよ」

 

ウマ娘達がゲートに並ぶ。そして、スタートの合図と共にゲートが開き、ウマ娘達が走り出す。その中には、ドロンボーやアリサとすずかが出会ったライスシャワーが、片目から青白い炎の如きオーラを放ちながら走り始めた。

 

ボヤッキー「おー!ライスシャワーが走ってるっす!」

 

トンズラー「遠くても分かる!ライスシャワー、頑張って!」

 

ボヤッキーとトンズラーは、思わず席を立つ。彼女の走りがどれだけ凄まじい物か、一目見ただけで理解した二人は、目が椎茸の割れ目のようになり、ライスシャワーを応援し始める。

 

すずか「凄い!ウマ娘ってこんなに速く走れるんだ!でもライスシャワーは、他のウマ娘をどんどん追い抜いてる!」

 

アリサ「………わぁッ!!/////」

 

すずかやアリサも、他のウマ娘の走りに注目していたが、ライスシャワーの圧倒的な走りには特に注目し始める。

 

ドロンジョ「フハハハハッ!!良いね良いねぇ!!あのウマ娘、ハイパワーだよぉ!!さあ、ライスシャワー!!このまま一位をかっ攫っておしまい!!」

 

どんどん加速する。ライスシャワーは他のウマ娘を追い越していき、軈てゴールする瞬間が訪れる。

 

ライスシャワーは、一位でゴールした。他のウマ娘を追い抜いて、彼女は一位でゴールした。

 

ドロンジョ「ウオオオオオオオオオオッ!!コングラッチュレーション!!」パチパチ

 

ボヤッキー「ブラボー!!」パチパチ

 

トンズラー「お金儲かった!それに、ライスシャワーの走り!!凄い!!最高!!」パチパチ

 

アリサ「凄かったわよライスシャワー!!」パチパチ

 

すずか「良い走りだったよー!!」パチパチ

 

5人は拍手と喝采を、ゴールしたライスシャワーに送る。しかし、5人が異変に気付くのに、時間は掛からなかった。

 

客『なんで勝っちまうんだよ!!』

 

客『俺達の金返しやがれ!!』

 

客『あーあっ。なんであんな奴が勝っちまうんだよ』

 

アリサ「………えっ?」

 

すずか「あ、あれ?」

 

アリサとすずかは拍手を中止して、周りを見渡す。ライスシャワーに罵声を飛ばすだけでなく、

 

ドロンボー一味も気付く。周りの人達は誰も、ライスシャワーの勝利を喜んでいない。居ない訳では無いだろうが、ライスシャワーに声援を送る人達は、5人の見た限りでは全く居なかった。

 

ドロンジョ「………どうやら何も知らなかったのは、私達だけのようだね」

 

ボヤッキー「いやいやドロ……レパードお嬢様!おかしいっす!僕等以外に応援する人が居ないなんて!」

 

トンズラー「ん………酷すぎる」

 

ボヤッキーはあまり表情を変えてないが、その目には哀しさが表れていた。トンズラーは口数こそ少ないが、今にも怒り出しそうな形相を浮かべている。

 

ドロンジョ「情けないねぇ。自分が応援してる奴が負けるなんて良くあるし、ウマ娘のレースだってギャンブルだよ。なのに推しが負けた責任を勝った奴に押し付けて、子供より酷い八つ当たりだよ………反吐が出るねぇ」

 

ドロンジョはそう言ったが、此処で思わぬハプニングが起きてしまう。

 

客「あのウマ娘が―――」

 

トンズラー「――ッ!!」ズガンッ!

 

客の一人が、パック入りの焼きそばを会場へ投げ付けようとした、その時だった。トンズラーが客の手を片足で蹴り飛ばした。恐らく腕を骨折したであろう客に目もくれず、トンズラーは落下してきた焼きそばを片手でキャッチして受け止める。幸いにもパックから溢れておらず、形もあまり崩れなかった。

 

客「ギャアアアッ!!」

 

パック入りの焼きそばを掴み、腕を押さえている客を見下ろしながら睨むトンズラー。トンズラーの目は冷めつつ怒りに満ちており、歯も強く食いしばっている。

 

トンズラー「賭けに負けた癖に、食べ物を粗末にするな。勝った奴に負けた腹いせを押し付けるな」

 

客「ヒイィィィッ!!」

 

客はトンズラーに怯えて、折られた腕を押さえながら逃げ去って行った。

 

ドロンジョ「全くトンズラーは。食べ物を粗末にするのもされるのも嫌なのは相変わらずだねぇ」

 

ボヤッキー「そんな事言ってる場合っすか!早く逃げるっすよ!」

 

アリサ「ちょっ!?ちょっと待ちなさいよ!」

 

すずか「置いてかないでぇ〜!」

 

5人はこの場から逃げ出した。この事は事件になったが、他の客の証言により、焼きそばを投げ付けようとした客の自業自得として処理された。しかし、ライスシャワーへの批判的記事は、変わる事は無かった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

ドロンボー一味はアリサとすずかを連れて、ホテルへやって来た。一部屋を借りて、5人はベッドか椅子に座って寛ぎ始める。

 

ボヤッキー「ハァ……追われる事が無くて良かったっす」

 

ドロンジョ「……けど、さっきは面白かったねぇ」

 

トンズラー「んぐぅ」モグモグ

 

アリサ「さっきの焼きそば食べてる………」

 

すずか「………でも、何で?どうして皆、ライスシャワーを非難してたの?」

 

ボヤッキー「ネットも見てみましたが、ライスシャワーへの誹謗中傷が多いっすね」

 

敢えて表示しないが、ライスシャワーへの心無い誹謗中傷が殺到していた。ボヤッキーのハッキングに掛かれば、誹謗中傷した者達の位置を特定し、通報する事が出来る。

 

スマホを自在に操作し、ライスシャワーへあまりに酷い誹謗中傷した者達の位置を特定し、後は此方側が悟られぬよう警察やマスコミに送る。後でメールではなく、コピーで発行し封筒に入れて送還するだけだ。

 

コピーした用紙を封筒に入れた後、ボヤッキーがドロンジョに問う。

 

ボヤッキー「それで、どうするんすかドロンジョ様?ライスシャワーに会いに行きます?」

 

トンズラー「(´~`)モグモグ………そうしたい。あんなの、酷い」

 

ドロンジョ「当たり前じゃないか。私はあのウマ娘が気に入った!さあお前達、ライスシャワーに会いに行くよ!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

アリサ「………なんか、アンタ達と居ると楽しくてしょうがないわね」

 

すずか「なんていうか、悪い気がしないよね」

 

ドロンジョ「あら、ありがとう。で、お前達はどうするんだい?」

 

ドロンジョがアリサとすずかに問い掛ける。

 

アリサ「付いて行くわよ。此処まで来たら、最後まで付き合うわ」

 

すずか「それに、貴女達と居ると、なんだか面白いなって思えるの。でも心残りがあるとすれば、家族がどうしてるか、かな」

 

ドロンジョ「………まあ止めはしないさ。好きにすりゃあ良いよ」

 

こうして、ドロンボー一味は再び動く。目指すはライスシャワーの居場所、トレセン学園である。



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トレーナー就任

トレセン学園理事長「では、君達にトレーナーを任せるよ。試験も難なく合格。資格も既に取ってある。ライスシャワーを頼んだぞ」

 

ドロンボー一味はトレセン学園に入り、裏でゴショゴショしてトレーナーに就任完了した。

 

因みにアリサとすずかは近くに停めてあるメカの内部で待機させており、自分達の様子をボヤッキーお手製のドローンから送られてくる映像で見ている。因みに通信も可能。

 

ボヤッキー「さて、ライスシャワーの戦績を見てみましたけど、ミホノブルボンとマチカネタンホイザの試合は優勝。無敗三冠馬となる筈だったミホノブルボンの三連覇を阻止。そしてメジロマックイーンもまた天皇賞・春3連覇の実力馬でしたが、それも阻止。メジロマックイーンの試合は、僕等が観に行った試合っすね。どちらも実力のあるウマ娘でしたが、ライスシャワーはどれも阻止。聞けば聞くほど、実力があるっすね。恐らく最強クラスのウマ娘っすよ」

 

ドロンジョ「でもそれ以外は微妙な戦績。強力なウマ娘のみに勝つジャイアントキリングを成してしまったから、ヒールとされてるんだねぇ。まあ、確かにその二人のウマ娘を応援してたファンからすれば、ヒーローを蹴落とした憎き相手。ヒール呼ばわりされるのも無理ないねぇ。でも、覚えてるかい?あの会場、実はライスシャワーに注目してた人達も居たんだよ」

 

トンズラー「えっ?ホント?」

 

ドロンジョだけしか気付いてない。実はあの会場、ライスシャワーを非難する者、即ちマックイーンを応援していた者達が多かったが、実は素直にライスシャワーに拍手を送ったり、声援を送る声があった。トンズラーが客と起こした騒ぎのせいで目立たなかったが、確かにあの会場に居た。

 

ドロンジョ「さて、此処でライスシャワーを待つとするかねぇ」

 

三人は応接室に入って、ソファーでそれぞれ寛いで到着を待つ。ドロンジョは足を組んでソファーに横になり、ボヤッキーはドロンジョの太ももに横たわり、トンズラーはドーナツを食べる。

 

ドクボン「おいお前達、次の試合で優勝させるウマ娘は決まったべか?」

 

ネエトン「つーか個性的な女の子多くね?」

 

ネエトンに乗るドクボンが、浮遊しながらドロンジョに尋ねる。

 

ドロンジョ「勿論だよ。私が見込みのあるウマ娘と判断したからねぇ。優勝をさせるつもりでやるよ」

 

ドクボン「なら良いだべぇ!早く抱き着きたいだべぇ!」

 

ドロンジョ「いや、まだもうちょっとお待ち。私達は、此れからライスシャワーに会うんだからね」

 

そして、応接室の扉がノックされる。

 

ライスシャワー『失礼します。ライスシャワーです』

 

ドロンジョ「どうぞ」

 

ライスシャワー『は、入ります』

 

そして扉が開き、ライスシャワーが応接室に入る。

 

ライスシャワー「こ、こんにちは……あっ」

 

ライスシャワーは驚いた。

 

何故なら、あの試合会場で出会った女性達が、こうして目の前に現れたのだから。




今回は短いです。


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理想と現実

一方、アリサとすずかの通う学校では、2つの席が空席となっており、教室は暗い雰囲気が支配していた。それでも放課後は訪れる。そんな中で、なのはは空席となっている2つの机を見た。

 

なのは(アリサちゃんにすずかちゃん………大丈夫かな)

 

なのはは、アリサとすずかを心配していた。もう一週間も音沙汰がない。分かっているのは、アリサとすずかが共に遊びに行った事と、クマの大型メカが空を飛んでた事。

 

間違いなく、ドロンボー一味と何かあったのだろう。しかし、メカは大きいにも関わらず見つからない。恐らくステルス機能が搭載しているのだろう。

 

なのは「ドロンボー一味がもし誘拐してたなら、絶対容赦しないんだから」

 

なのは、アリサの机を撫でる。

 

逢魔「なのはー!早く帰ろう!」

 

なのは「あっ!うん!」

 

なのはは帰路に着く。二人の親友の安否を心配しながら。

 

――――――――――――――――――――――――

 

一方、トレセン学園では、ドロンボー一味がジムでライスシャワーのトレーニングを見ていた。

 

ランニングマシン。ライスはランニングを続けていたが、マシンの速度について行けず、後ろへ転がってしまう。

 

すると、ドロンジョはある物を倒れたライスに渡した。それは、縄跳びの縄であった。

 

ドロンジョ「ほら、立ちな。立ったら次は縄跳びだよ」

 

ライスシャワー「えっ?縄跳び?」

 

ドロンジョ「そうだよ。因みにライス。お前は走るのに必要な筋肉って、分かるかい?」

 

ライス「えっ?そりゃあ全身です。特に、腸腰筋を鍛える事」

 

ドロンジョ「そうさ。分かってるなら早くやるよ。何時までも寝てんじゃないよ!」

 

ライスシャワー「は、はい!」

 

そして、ジムの広い場所に移動して、縄跳びを始める。ライスシャワー。ライスシャワーの隣で、ドロンジョも縄跳びを始める。

 

ライスシャワー「えっ?何でトレーナーさんまで?ライスのトレーニングでは?」

 

ドロンジョ「アンタもやる以上、私もやらない訳には行かないだろ?まあ、女ってのは体を鍛えて自分を磨くもんなのさ。鍛える女は、良い女だよ」

 

ライスシャワー「は、はぁ……」

 

ドロンジョ「ほら、私に構うんじゃないよ。集中しな!」

 

ライスシャワー「は、はい!」

 

こうして、縄跳びを一時間以上続けた二人。スポーツドリンクを買ってきたボヤッキーとトンズラー。トンズラーは自分用の食べ物を大量に買ってきた。

 

ライスシャワー「ハァ!ハァ!ハァ!」

 

ボヤッキー「お疲れ様です。アクエリっす」

 

ライスシャワーはボヤッキーからスポーツドリンクを受け取ると、すぐに飲み始めた。

 

ドロンジョはタオルで汗を拭きながら、ライスシャワーを褒める。

 

ドロンジョ「良いねライスシャワー。逸材だね秀才だね天才だねぇ〜。此れなら優勝を狙えそうだよ」

 

ライスシャワー「あ、ありがとう…………」

 

そして、ライスシャワーは立ち上がる。トンズラーはライスシャワーにご飯を食べようと誘う。

 

トンズラー「ライス。ご飯食べに行こう」

 

ライスシャワー「う、うん」

 

すると、ボヤッキーとドロンジョは、ライスシャワーが何処か迷いがある事、そして何かを躊躇っている事を見抜いた。

 

廊下を歩きながら、ドロンジョはライスシャワーに訊いた。

 

ドロンジョ「……ライス。アンタ、まだ自分が大会に出なければ誰も傷付かない。なんて甘い事を考えてないかい?」

 

ライスシャワー「い、いや……そんな事は……」

 

ボヤッキー「嘘っす。貴女は棄権しようとしてるっす。でもその反面、走りたい気持ちがある。なら、どうしてそうしないんすか?」

 

ボヤッキーの問い掛けを聞いた途端、ライスシャワーはその場で歩くのを止める。ドロンボー一味は、ライスシャワーを通り過ぎた後に歩くのを止めて、ライスシャワーの方を向いた。

 

トンズラー「どうした?」

 

ライスシャワー「………ライスは、皆を不幸にしてしまう。ミホノブルボンさんも………メジロマックイーンさんも、皆があの人達の勝利を期待していた………なのに、ライスがその人達の夢を壊してしまった!ライスは、自分が勝つことでキラキラと輝き、見てくれる人々に新たな希望を与えたいのに!走りたいよ!走って勝ち続けて、皆に希望を与えたい!でも、ライスが勝っても誰も喜ばない!ライスは名前負けしたただのヒール!ならもう走りたくない!レースにだって出たくない!ライスはもう………誰かを不幸にしたくない!なら、ライスが出ない方が………」

 

ハッと、ライスシャワーは気付く。あまりにも言い過ぎた。心の内を吐露しすぎた。

 

ライスシャワー「ごめんね………ライス、言い過ぎたよ。さ、さあ、早くご飯にしましょう。ライスは負けた方が皆を泣かせずに済んで――」

 

すると、急ぎ足で行こうとするライスの肩を、ドロンジョが掴む。

 

ライスシャワー「えっ?」

 

ライスシャワーは、人間とは思えないその力を押し切れなかった。ドロンジョはライスシャワーの空いた肩をもう片方の手で掴む。

 

ドロンジョ「言いたい事はそれだけかい?」

 

ライスシャワー「えっ?あの……」

 

ドロンジョ「勝てば皆を不幸にする?勝っても誰も喜ばない?そして“自分が負ければ皆が幸せになる”?ふざけた理想論だよ。負けた奴の言い訳よりも尚始末が悪い」

 

その言葉を聴いたライスシャワーは、ドロンジョの言葉に憤りを感じる。

 

ライスシャワー「それの、それの何がいけないの?誰にも不幸になってほしくないって考えが、間違ってるというの!?」

 

ドロンジョ「ああっ、間違ってるよ。子供の泣き言と変わらない。お前はヒールではないのに、自分からヒールになろうとしてる。一言言うよ。“自分から負けたがるお前は弱虫”だ」

 

ライスシャワー「っ!!ふざけないで!!ライスは皆を幸せにしたい!!それの何が可笑しいの!?」

 

ドロンジョ「おかしいね。良いかいライスシャワー」

 

ドロンジョは語る。ライスシャワーに、一つ現実を教える為に。

 

ドロンジョ「“理想”って言うのは、実力の伴う者のみ口にすることが出来る“現実”の事だよ」

 

ライスシャワー「ッ!!」

 

ライスシャワーはその言葉が何を意味するのか、悔しくも理解していた。

 

今のお前は、理想ではなく空想を吐くだけの弱虫。子供の泣き言と変わらない、惨めな言葉。

 

ライスシャワーの誰にも不幸になってほしくない、悲しんで欲しくない、幸せを運びたいというのは、今のライスシャワーが口にするのに相応しくない。

 

ライスシャワーは心が折れそうになった。そんなにハッキリと言われたら、もう立ち直る気も起きなくなる。

 

すると、ドロンジョがライスシャワーの肩を優しく肩を叩く。

 

ドロンジョ「だからこそ実力をつけるのさ…そんな当たり前な現実を守るためにね」

 

ライスシャワー「えっ?」

 

意外な発言に、ライスシャワーは驚く。

 

ドロンジョ「その為にも、お前が努力しなくちゃならないんだ。何時までもこんな所でぶらぶらしてんじゃないよ。分かったね?」

 

ライスシャワー「は、い………」

 

ドロンジョ「声が小さい!!」

 

ライスシャワー「は、はい!!」

 

ライスシャワーはドロンジョから喝を入れられて、心の内から熱く燃え上がるような昂りが湧いた。

 

ライスシャワー(なんだろう?この胸の高鳴りは?この人に言われてから、やる気が湧いてくる!)

 

ドロンジョはただ、ライスのやる気を湧かせただけだ。しかし、ライスは先程と違ってやる気に満ちた顔をしていた。

 

ドロンジョ「よし。大会に向けてもう少し練習するよ!走るのに必要な筋肉は全身にあるんだから、全身鍛えるよ!終わったら食事にしようじゃないか!」

 

ライスシャワー「は、はい!!」

 

ドロンジョはライスシャワーと共に、グラウンドに向かう。

 

トンズラー「お腹空いた………」

 

ボヤッキー「ドロンジョ様ー!僕達だけでご飯食べに行くっすよー!」

 

ドロンジョ「ああっ!先に向かいなよー!」

 

ボヤッキーとトンズラーは、ドロンジョやライスシャワーと別れて、食事にする為にレストランへ向かうのだった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

数時間後の、ドロンボーメカ『ヒグマオウ』のコクピット内。

 

其処でシャワーを浴びてパジャマに着替えたアリサとすずか。ドロンボーに用意されたハンモックで横になり、此れから寝る所だ。

 

アリサ「皆、今どうしてるかしら?」

 

すずか「心配してるよ。私達が人質になってる事を知れば、多分ドロンボーの皆が指名手配されるね」

 

アリサ「そんなの、あの人達が可哀想じゃない!」

 

アリサは一週間もドロンボーと過ごして、彼女達を理解した。彼女達は悪人だが、決して人の命を奪うような残虐な人達ではない。

 

すずか「仕方ないよ。それが、あの人達が決めた道なんだから。あの人達はサイコパスではないけど、悪い人の道を自分で決めて進んでるの。だから、私達がいくら同情しても、あの人達に誘拐された事になってるんだから」

 

すずかもアリサの考えは理解している。

 

とはいえ、いつかは戻らなくてはならない。

 

アリサ「……そうよね」

 

納得行かないが、アリサは解放されたらドロンボー一味に誘拐された事にすると誓ったのだった。

 

そして、二人は眠りに入った。




こんな感じで良いかなぁ?ドフラミンゴの名言でも良かったけど、迷った末にクロコダイルの方にしました。


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大会当日

レース当日。ドロンボーはライスシャワーと共に受付を済ませた後、ライスシャワーを見守った。アリサとすずかは観客席で待機してもらう。

 

ライスシャワーはレース会場へ通じる廊下で、ドロンジョと二人きりになった。其処でライスシャワーは、ドロンジョから助言を貰う。

 

ドロンジョ「良いかいライスシャワー。お前が優勝を目指そうとすれば、お前を嫌う世間が、あれこれと罵詈雑言を浴びせるだろう。そして、それを憐れむ連中があれこれと要らん世話を焼きたがるだろう。毒にも薬にもならない駄菓子みたいな助言、又は暴言。一切聞く耳を持つな。禁欲の果てに辿り着く境地なんて、たかが知れたこと。勝ちたければ喰らいな!朝も昼も夜も無く喰らえ!いつ何時も勝利に喰らいつけ!飽くまで喰らえ!飽きるまで喰らえ!喰らって喰らって、喰らい尽くせ!!」

 

ドロンジョがライスシャワーの腰に平手をぶつける。とても人間とは思えないパワーで叩かれたが、ライスシャワーは足を踏ん張って耐える。痛くはあるが、それでも此処で倒れる訳には行かない。

 

ドロンジョ「さあ、行って来い!」

 

ライスシャワー「は、はい!!」

 

そして、ライスシャワーは試合会場へ向かって行く。

 

そして、ドロンジョは無数のコウモリになってその場から消えた。此処まで来れば、優勝トロフィーも欲しいだけでなく、ライスシャワーにも勝って欲しい。

 

そして、ドロンジョは一足先にヒグマオウの元へ戻り、その中で待機していたボヤッキーやトンズラーと出会う。

 

ボヤッキー「後はライスシャワーが優勝トロフィーを手に入れるだけっすね」

 

トンズラー「もし手に入れられなかったら、このメカで強奪するつもりだったけど………」

 

ドロンジョ「心配しなくても、ライスシャワーはやってくれるよ。彼奴は間違いなく天才さ」

 

ドロンボーはライスシャワーが優勝しようがしまいが、別にどちらでも構わなかった。誰かが優勝したら、トロフィーを奪ってしまえば良い。その為にこのメカを造ったのだから。

 

しかし、その反面ライスシャワーに勝って欲しい。トロフィー関係なくそう思っている。それは紛れもない本音だ。でなければ、熱意を持ってライスシャワーを鍛える筈が無いのだから。

 

ドロンジョ「おっ、始まったね」

 

そして、天皇賞レースが開幕。ライスシャワーは、下から3番目の順位という形でスタートした。

 

が、徐々に追い抜き始めた。

 

ボヤッキー「おおっ!此れは!」

 

トンズラー「頑張れ……!ライス……!」

 

ドロンジョ「ふふっ。やれば出来るじゃないか」

 

画面に映るライスシャワーは片目から青い炎のようなオーラを出し、他のウマ娘達を追い抜いて行く。軈てメジロマックイーンと呼ばれるウマ娘と並んで走る。

 

その時、ドロンジョは観た。観客席でメジロマックイーンが負けそうになって嫌な顔をし、更に罵詈雑言を浴びせているであろう人々の姿を。

 

ドロンジョ「…………」

 

ドロンジョはライスシャワーを見る。ライスシャワーは、走りが衰えてない。寧ろ増して行く。

 

ドロンジョ「………良いね。その調子だよ」

 

そして、ライスシャワーは一着でゴールした。

 

ドロンジョ「じゃ、行ってくるね」

 

ボヤッキー「万が一があれば、駆け付けるっす」

 

トンズラー「行ってらっしゃい」

 

そして、ドロンジョは無数のコウモリ姿となって、コクピット内から姿を消した。

 

ボヤッキー「今回は、メカは要らなかったかもしれないっすね」

 

トンズラー「うん。でも、何かおかしい………こうもアッサリと………」

 

ボヤッキー「そっすねぇ。ん?」

 

ボヤッキーはメカのレーダーに、5つの反応がある事に気付く。その時、メカと同化したドクボンとネエトンが声を上げた。

 

ドクボン『おいお前達。戦闘準備をしておくべ。高町なのはとフェイト・テスタロッサ、佐藤士郎の3人が来たべ』

 

ネエトン『それと、管理局以外の奴等が来たしー。』

 

ボヤッキー「高町なのは……厄介っすね。それに、なのはちゃん達以外の別勢力っすか?」

 

トンズラー「行こう!ドロンジョ様は強いけど、一人じゃ危ない」

 

ボヤッキー「行くっすよ。トン………修羅ちゃん!」

 

トンズラー「っ!うん!加知ちゃん!」

 

ボヤッキーがレバーを引く。トンズラーが両腕に取り付けられた装置を前に突き出した。

 

その時、ヒグマオウが咆哮を上げた。マントを翻し、王冠を光らせた後に4本の足で巧みに走り出した。




ドロンボーの名言。前回載せるの忘れてしました。

発言者:サー・クロコダイル
原作:ONE PIECE
名言:「”理想”って言うのは、実力の伴う者のみ口にすることが出来る”現実”の事だよ」
ドロンボー:ドロンジョ
ドロンボーの後押し:「だからこそ実力をつけるのさ…そんな当たり前な現実を守るためにね」

発言者:範馬勇次郎
原作:バキシリーズ
名言:「禁欲の果てに辿り着く境地なんて、たかが知れたこと。勝ちたければ喰らいな!朝も昼も夜も無く喰らえ!いつ何時も勝利に喰らいつけ!飽くまで喰らえ!飽きるまで喰らえ!喰らって喰らって、喰らい尽くせ!!!」
ドロンボー:ドロンジョ
ドロンボーの後押し:無し

今回は短いです。


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裏切り者

ドロンジョ「やるじゃないかライス。優勝おめでとう」

 

ドロンジョはライスシャワーの前に来た。彼女の手には、天皇賞の優勝トロフィーが握りしめてある。今からでも盗み取りたい所だが、今は頑張って優勝したライスシャワーを労うのが先だ。いくら泥棒でも、頑張った者の頑張りは認めてやらなくてはならない。

 

ライスシャワー「ライス……!また、沢山の夢を壊しちゃった………ブーイングは……痛いです!」

 

ライスシャワーの涙。勝ったのは嬉しいが、自分が勝ったせいで沢山の人達の願いや希望を踏み倒してしまった。それが悲しいのだ。

 

ドロンジョ「あんなの気にしてどうするんだい。勝つなら他者を踏んで先に行かなきゃならないんだよ」

 

ライスシャワー「でも……ライスはやっぱりヒール「だからお前は駄目なんだ」………へっ?」

 

ドロンジョ「こんな言葉がある。『“正義”が勝つって?そりゃそうだろう…最後に勝利の女神が微笑んだ奴が”正義”なのさ!!』ってね」

 

ライスシャワー「っ!!」

 

その言葉の意味は、ライスシャワーにも理解出来る。勿論ドロンジョが発したこの言葉は、元の言葉とはかなり表現が異なる。しかし、意味は全く同じだ。“勝者が正義”。そんな簡単で、しかしあまりにも残酷な真実に、ライスは言葉を出せなかった。

 

しかし、ドロンジョはそう言った上で次の言葉を放つ。

 

ドロンジョ「だから、さっきの戦いは…負けるわけにはいかなかったんだよ!」

 

ライス「…………え?」

 

ドロンジョ「ブーイング受けたって気にすんな!周りの罵倒なんて無視しろ!敗者の言葉なんて聴き流せ!負けた奴の涙に同情するな!そんなもんは妬みや言い訳の塊だ!勝ち続ければ良いだろ!!勝てば正義なんだ!!お前はこの先も勝って勝って勝ち続ければ良い!!」

 

ライス「………ライスは………ヒーローなの?」

 

ドロンジョ「ライス………お前は………」

 

ドロンジョが頭を撫でようとした、その時だった。

 

ドロンジョがライスの背後から迫る者達を見た瞬間、咄嗟にライスの手に握られたトロフィーを奪い盗る。そして、その手に入れ替えるようにライスの右手へ何かを握らせるドロンジョ。

 

ライス「えっ?きゃっ!!」

 

ライスはドロンジョに突き飛ばされた。ドロンジョはそのままライスに背を向けると、そのまま後方へ向いて走り出した。

 

???「大丈夫!?」

 

駆け付けた者に、ライスは受け止めてもらう。

 

その者は赤と黒めの縁があるヒロイッチックなスーツに黒緑色の帽子を被っている、黄色のマスクを身に着けた青年だ。

 

ライス「あ、貴男は?」

 

ヤッターマン3号「僕はヤッターマン………いや、『シン・ヤッターマン3号』!君のトロフィーを取り戻しに来た!」

 

ライス「えっ?えっ?どういう事?」

 

ヤッターマン3号「話は後!今はドロンジョを追う!」

 

シン・ヤッターマン3号はライスを床に座らせた後、ドロンジョを追い掛けて走る。

 

ライスは動揺しつつも、自身の右手にある手紙が握られている事に気付く。ライスは恐る恐る手紙を開けて、中身を読み始めた。

 

――――――――――――――――――――――――

 

ドロンジョは競馬場から外に出た。服装はドロンジョとしての服装に戻っており、ライスから奪った優勝トロフィーを片手に持って走り続ける。

 

ドロンジョ「盗っだぞー!!」

 

???「待ったー!!」

 

その叫びが響くと、ドロンジョの通ろうとした前に無数のハートの弾が飛んで来た。弾は地面に当たって爆発を起こすが、破壊の跡は無い。

 

ドロンジョ「なんだ!?この声は!?」

 

そして、ドロンジョの目の前に、何処からか跳んできたように空から降りてくる1人の少女が現れた。一人は兎のような帽子を被り、白を基調とした魔法少女のようなスーツを身に纏っている。

 

更にドロンジョの背後には、先程ドロンジョが突き飛ばしたライスを助けたシン・ヤッターマン3号が駆けつける。

 

そして、二人はかの有名な名言を放つ。

 

ヤッターマン4号「ヤッターマンがいる限り!!」

 

シン・ヤッターマン3号「この世に悪は栄えない!!」

 

それは、ドロンボーとなったドロンジョならば耳にタコができる程聴いた台詞であり、とても大嫌いな台詞であった。

 

ドロンジョ「………まさかヤッターマンまで居るとはねぇ!にしたってお前達はホントにしつこいったらありゃしない!」

 

4号「デクちゃん!ライスちゃんの優勝トロフィー、取り戻そう!」

 

3号「うん!ミユちゃん!」

 

3号は両手に持ったヨーヨーを回す。二つのヨーヨーを巧みに操り、多芸とも呼べる形を作り出した後、再び手元に戻す。

 

ドロンジョは冷静だった。

 

ドロンジョ「悪いけどヒーローごっこに付き合う暇はないんだよ!」

 

ドロンジョは背中にコウモリのような羽を生やし、空を飛び始める。黒フードに黒マスクに妖艶な服装といった、ドロンジョとしての活動服を身に纏ったドロンジョ。このまま逃げるつもりだ。

 

3号「逃さない!『トリッキーヨーヨー』!」

 

3号が持つ二つのヨーヨーは、それぞれ特徴が違う。1つ目のヨーヨーは表面がリボルバーのシリンダー風となっているが、弾倉内の部分にはそれぞれグレンラガンの螺旋メーターらしきものがある。もう一つはシンプルにヨーヨーキャップにグレンラガンの螺旋メーターらしきもののみがある。

 

3号が伸ばしたヨーヨーがドロンジョに追い付き、ストリングスで足首に巻き付いてドロンジョを捕える。

 

ドロンジョ「なっ!?」

 

4号「えい!」

 

4号が片手から放つハートの弾に直撃したドロンジョは、そのまま爆発により吹き飛ばされる。

 

ドロンジョ「ちぃ!!ホントにドロンボーとヤッターマンって切っても切り離せない関係だねぇ!こうなりゃ乗ってやるさ!メカ戦だよー!!」

 

ボヤッキー&トンズラー『『アラホラサッサー!!』』

 

ボヤッキーとトンズラーの掛け声と共に、空から筋骨隆々、毛深い体毛に加えて、申し訳程度の王冠を頭に被っている巨大なヒグマ型メカが降りてきた。ヒグマオウ。この競馬場に向かう際に乗ってきたメカだ。

 

ヒグマオウの口が開き、ドロンジョがその中に入る。ドロンジョはトロフィーを持ちながらヤッターマン達に告げる。

 

ドロンジョ「勝負だよ!!」

 

そして、ヒグマオウが地面に降り立つと、口が閉じてドロンジョはコクピットに戻る。

 

ドロンジョ「アリサとすずかは?」

 

トンズラー「逃したよ。巻き込めない」

 

ドロンジョ「なら良いさ。さあボヤッキー!ヤッターマンをコテンパンに、やーっておしまい!!」

 

ボヤッキー「ういっす!!」

 

しかし、ヤッターマン側も負けてない。

 

4号「頼むよ!!ヤッターゼロ!!」

 

ゼロ『ウオオオオオオオオオンッ!!』

 

狼のような遠吠えと共に、ヒグマオウの前に狼型のメカが立ちはだかる。黒いヤッターワンと呼べる風貌を持つ、狼型のメカだ。

 

数十年ぶり。ヤッターメカとドロンボーメカが、再びぶつかり合う。




悪役の名言集

発言者:ドフラミンゴ
原作:ONE PIECE
名言:「”正義”が勝つって?そりゃそうだろう…最後に勝利の女神が微笑んだ奴が”正義”なのさ!!」
ドロンボー:ドロンジョ
ドロンボーの後押し:「だから、この戦いは…負けるわけにはいかないんだよ!!」


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激突

ヒグマオウ『グオオオオオオオッ!!』

 

ヤッターゼロ『ウオオオオオオンッ!!』

 

ヒグマオウがヤッターゼロに咆哮を放つが、ゼロは咆哮を返した。

 

ボヤッキー「行くっすよぉ!!ポチッす!!」

 

ボヤッキーがコクピットの台のボタンを押す。

 

ボヤッキー『シャケミサイル!』

 

ヒグマオウの口が開き、其処から鮭の姿をしたミサイルが放たれる。

 

ゼロはミサイルを掴むと、そのままヒグマオウに向けて投げ返そうとした。しかし、ボヤッキーにとって投げ返す事も想定内だった。

 

ボヤッキー『素直に避ければ良かったんすよ!』

 

その瞬間、シャケミサイルのブースターからジェットが噴射されなくなり、その代わりにある大量の物が噴き出してきた。それは、イクラだ。いや正確には鮭の卵だ。それが大量に噴き出して、ヤッターゼロはイクラの津波に体を覆われていく。小さなミサイルの何処にそんな量が入ってるのか?そう思わせる程のイクラが周囲に溢れて行く。

 

ゼロ『ウォウッ!?』

 

4号「きゃあっ!?」

 

3号「うわっ!!」

 

3号と4号も巻き込まれる。粘りのある液とイクラの重さによって身動きが取れず、思うように動けない。

 

ドロンジョ『ハーッハッハッ!!ヤッターマンをこのまま再起不能にしてやるよぉ!!』

 

ヒグマオウが動き出す。狙いはゼロだ。しかし、ゼロだって何もしない訳では無い。

 

ゼロは口を大きく開くと、喉に仕掛けてある砲口から炎を吐き出した。

 

ヤッターゼロは元々、4号ことミユちゃんの親戚である高田ガンの父が造ったもう一体のヤッターワンだったが、トイトイ王国の大臣パ・ズールによって兵器へ改造されたのだ。ある出来事によって消滅したが、こうして4号と3号と共にヤッタージャスティスと呼ばれる組織へ転生。武装は殆ど非殺傷の物へ改造した。

 

今放った火炎放射は、今のヤッターゼロが持つ唯一無二の戦闘武装だ。

 

ヒグマオウに火炎放射が当たり、毛皮が焼け焦げて行く。

 

ボヤッキー『やるっすねぇ!でも僕等だって!』

 

ボヤッキーがそう叫んだ後、ヒグマオウが空高く跳んだ。そして、ヤッターゼロをその尻で踏み潰す。

 

イクラが弾け飛ぶ。ヒグマオウの尻に潰されたゼロは藻掻くが、ヒグマオウが重くて退かせない。

 

3号「ゼロ!しっかりしろ!」

 

4号「オジョウタマ!メカの素を!」

 

4号がそう叫んだ後、二人の元に頭部からプロペラを生やして回している、一頭身のロボットが現れた。

 

オジョウタマ『了解でコロ!』

 

オジョウタマ。4号ことミユちゃんの作ったオモッチャマの妹メカである。オモッチャマがサイコロを模したキューブ型なのに対し、オジョウタマは丸い球体型。偶然にもサイコロや球体は、どちらもギャンブルで使用される物である。

 

オジョウタマからメカの素を受け取った3号。メカの素は骨型であり、持ち手の部分が赤くなっている。

 

3号「ゼロ!!メカの素だ!」

 

3号がメカの素をゼロに向けて投げる。その際に片腕に電撃のような物を身に纏っており、それが3号の身体能力を上げている事が一目で解る。

 

ゼロは飛んでくるメカの素を向いて、そのまま飛んできたメカの素を食べた。

 

メカの素はヤッターゼロの体内に入ると、ローラーで運ばれて液体の入った容器の中に入る。その瞬間、メカの素が内部で輝きを放ち、紫色の輝きが装置に繋がるパイプを通る形で放たれる。そして、スタンプ型の装置がローラーに、紫色に輝く四肢のない人型の物体を精製して乗せた。ローラーに運ばれた人型は、軈て跳ねながらヤッターゼロの体内を進んでいく。

 

『ウオオオオオオオオオオオオンッ!!』

 

そして、ヤッターゼロは目を金色に輝かせた後に咆哮を上げる。ヒグマオウを背中から押し退けて、地面を少し走った後にヒグマオウの元を向いた。

 

すると、ヤッターゼロの腹部が開いたかと思えば、其処から和の道着を身に着けた3体の狼のぬいぐるみが、一つの太鼓を囲むように立っていた。そして、両手のバチで規則的かつ熱いドラムを奏で始める。そして、狼達はヤッターゼロの腹部に戻り、腹部は蓋を閉める。

 

そして、ヤッターゼロは胴体を横にして口を地面に向けると、口を大きく開いてローラーを口内から出した。

 

ドロンジョ『不味い……!』

 

ドロンジョがそう呟いた。

 

その時、ヤッターゼロの口から小型のゾロメカが出て来た。

 

ビックリドッキリメカ。ヤッターメカがメカの素を摂取する事でエネルギーを得る事で生み出すゾロメカで、数多のドロンボーメカを倒し、ヤッターマンの危機を救って来た小型のメカ群だ。

 

???『マタギ!マタギ!マタギ!マタギ!』

 

それは、ヒグマを仕留める猟銃を背負うマタギの姿をしたゾロメカだった。

 

ヒグマオウのコクピット内では、ビックリドッキリメカの出現に驚いていた。

 

ドロンジョ「ビックリドッキリメカだ!ボヤッキー!やっておしまい!返り討ちにしてやるんだ!!」

 

ボヤッキー「アラホラサッサー!トンズラー、ヒグマオウの戦闘頼むっす!」

 

トンズラー「ん。任せて!」

 

ボヤッキー「『魔王の爪』!ポチッす!」

 

ボヤッキーがボタンを押す。

 

ヒグマオウ『グゥオオオオオオオオオオッ!!』

 

そして、ヒグマオウの爪が、牙が伸びる。マントを翻して咆哮を上げた。正に魔王と呼ぶに相応しい風貌を見せたヒグマオウは、マタギメカに向かって走る。

 

マタギ『ウテー!!』

 

マタギメカは手にした猟銃をヒグマオウに向けると、引き金を引いて弾丸を放つ。銃声と共に放たれた弾丸がヒグマオウに迫る。

 

しかし、思わぬ出来事が起きた。ヒグマオウは飛んで来る弾丸を、その爪で全て弾き、噛み付いて弾丸を噛み砕いた。

 

コクピットでは、トンズラーが頭に装置を取り付け、両腕にもコクピットの台にハメ込んでいた。

 

現在ヒグマオウは、トンズラーが操っているのだ。VRゴーグルを模して造ったボヤッキーの発明により、ヒグマオウと一体となってトンズラーが闘っているのである。トンズラーの戦闘力はドロンボーでも最強だ。それでもそんなトンズラーを蹴り飛ばせるドロンジョも大したものだが。

 

トンズラー『やぁぁぁっ!!』

 

トンズラーがヒグマオウの前脚を操り、その爪でマタギメカを斬り裂いていく。マタギメカは一刀両断されて、地面に倒れて行く。

 

3号「ビックリドッキリメカがやられる!!」

 

4号「こうなったら私達も……!!」

 

ヤッターゼロ『ウオオオオオオオオオゥッ!!』

 

ゼロが叫ぶ。その瞬間、マタギメカ達の姿が変化する。真っ二つに裂かれた体が再び一つとなり、軈て合体していく。

 

そして、最終的に一体の巨大な斧を持った金太郎の姿となる。

 

ドロンボー『『『えええええええええっ!?』』』

 

3号「よぉし!!そのまま行けー!!」

 

4号「ぶっ飛ばしちゃってぇ!!」

 

ボヤッキー『此れは………無理っす』

 

ドロンジョ『あー、うん。それは分かるよ』

 

トンズラー『目的の物は手に入れたから。逃げよう』

 

ドロンボーはもう逃げ腰だ。ヒグマオウが背を向けて逃げようとした。しかし、キンタロウメカに胴体を掴まれて軽々と持ち上げられる。

 

キンタロウメカ『ニガサヌ!!』

 

そして、ヒグマオウは空中へ投げ飛ばされると、キンタロウメカが手に持った斧を振り上げて、ヒグマオウへ振り降ろした。

 

キンタロウメカ『イッケンラクチャンク!!』

 

ヒグマオウは胴体を斧で真っ二つにされ、そのまま大爆発を起こした。

 

大爆発で上空にドクロ雲が浮かび上がり、そのドクロは泣いてるようであった。

 

その時、ヒグマオウから飛び出て来たトロフィーがヤッターマン達の元に降って来た。

 

4号がそれを掴み取る。

 

3号「やったねミユちゃん!!」

 

4号「うん!!」

 

しかし、思わぬ現実が二人を襲う。

 

ライスシャワーの掴んだ優勝トロフィーが、粉々に砕けてしまった。

 

4号「あっ…………そんな!」

 

3号「折角、取り戻したのに…………」

 

二人は悔しかった。ドロンボーに勝ってトロフィーは取り返したのに、こんな事になってしまうとは。

 

ライスシャワー「あ、あの!!」

 

二人は声のした方向を見た。其処には、手紙を右手に握り締めているライスシャワーの姿があった。




《解説》
正義の組織:ヤッタージャスティス
説明:正義の組織であり、あらゆる宇宙及びあらゆる時空に何時でも駆け付けられるように組織された正義の組織。正義感溢れる者達が集まる組織で、時にザ・キングダムとぶつかり合う時もあるが、状況によっては共闘する事もある。それぞれのヤッターマンコスチュームを身に着けており、それを身に纏う時は『ヤッター!』と叫ぶ。怪獣娘又は怪獣装甲形態にピッタリになる設計である。勝利のポーズはヤッターマン由来である。怪獣娘又は怪獣装甲形態は殆ど使用せず、万が一の大ピンチの時のみの切り札としてしか使用出来ない。

《登場人物》
名前:ミユちゃん/ヤッターマン4号
原作:ヤッターマン08’〜09’
宿す怪獣:ヤッターワン↔ヤッターキング/平成版ヤッターマン
見た目:ヤッターワンの頭部を模したヘルメットを頭部に身に着け、両足はタイヤ付きのローラースケートとなっている。
所属組織:ヤッタージャスティス
能力:ハート型の乗り物に乗って移動する機動力、ハート型の弾丸を全身から放つ、そしてキャノン砲を召喚し大気圏すら突き抜ける爆発を起こす威力の光線を放つ。
更にヤッターワンの機動力により、水陸でも移動可能。頭部のヘルメットから放つ『チンジャラ砲』と背中のホースから放水可能。
更にヤッターゼロと融合する事で最強のヤッターメカ『ヤッターキング』になれる。
概要
平成版に一度だけ登場した少女で、ガンちゃんの遠い親戚の少女。手先が器用な少女で、ヤッターマン基地に残されていたヤッターメカのジャンクパーツをヤッターマン変身パーツに改造。自ら4号を名乗っていた。実力は並のヤッターマンやヤッターメカより強いと言って良い。本編後、ボスに勧誘されてヤッタージャスティスのリーダーとなる。デクことシン・ヤッターマン3号とバディを組み、ヤッターゼロと様々な世界に出向いて活動している。デクとはバディではあるが、恋人関係ではない。何故ならデクには心に決めた人が居るのだから。

名前:緑谷出久
原作:僕のヒーローアカデミア
宿す怪獣:アンチスパイラル/天元突破グレンラガン
見た目:怪獣装甲形態だと、コスチュームΖに加え、グランゼボーマのアーマーが加わるが、その時の色合いが赤と暗めの緑、少しヒロイっチックなものとなる。
所属組織:ヤッタージャスティス
能力:ワン・フォー・オールの個性に螺旋力が加わり、感情が強ければ強い程、身体能力や個性の性能が向上する。加えて、一撃で放つ際に拳がドリルのような形に変形し、力を籠めて放つストレートパンチの『デトロイトギガドリルスマッシュ』。更に限界を超えた先で正拳突きを放つ『デトロイトゼータドリルスマッシュ』など、デトロイトとスマッシュの間にギガドリル、又はギガ以上の単位の名前が加わった技となる。
概要
本編後、ヒーローデクとして全うし生涯を終えた出久。そんな中、宇宙の未来を託して消滅したアンチスパイラルとミユと出会い、スカウトされる。
困ってる人たちを見捨てることは出来ない出久はそれを承諾し、アンチスパイラルと同化し、ヤッタージャスティスのブレイン枠となる。
因みにミユちゃんとはバディではあるが恋人ではない。デクには愛する人はもう居る為だ。

『オジョウタマ』
身長:オモッチャマと同じ
体重:オモッチャマと同じ
一人称:ワタチ
黄色い球体型のメカで、顔や四肢はオモッチャマと類似する。『〜コロ』が口癖とオモッチャマに似た口癖を持つ。変形すると完璧な球体となり、球体となって転がった際の速度や耐久性はオモッチャマの上位互換。但し、坂道や揺れやすい地形では思うように進めない。ミユちゃんが造ったメカである。また、メカの素を体の中に大量に内包しており、取り出す際は両腕の脇から取り出す。また、ヤッタージャスティスには他にも兄弟姉妹が居る。背中にジェットを展開し、宙に浮いたり空を飛んだりと、オモッチャマよりも飛行能力は上だが、急に止まれなかったりする。その為、オジョウタマが飛びながらメカの素を狙って投げる際は、タイミングを見極める必要がある。

名前:ヤッターゼロ
パートナー:ミユちゃん、緑谷出久
見た目:黒いヤッターワンだが、狼のような顔付きである。他のヤッターメカと比べて、黒で統一されているヤッターメカ。額のZはヤッターマンを表すYへ変更された。
一人称:俺(一応)
全長:ヤッターワンと同じ
体重:ヤッターワンと同じ
体重:ミユちゃんを愛しており、彼女の為なら自己犠牲も辞さない。
武装:機関銃
ヤッターワンのサイレンが機関銃となっているが、撃つ弾はペイント弾。
ロケットランチャー
ヤッターワンのレバーがロケットランチャーになっているが、撃つ弾は煙幕、閃光弾、睡眠弾のいずれかに変更可能。
火炎放射器
口に搭載された、唯一の戦闘武装。
ステルス
ステルス機能により、レーダーにも映らない。
電撃装置
背中の電撃装置。主にバリアを体に張ったり、機械類へのジャミングを行う為で、攻撃に使えない。
音楽メカ:和太鼓
台詞
『ウオオオオォォッ!』(鳴き声のみ)

《オリジナルビックリドッキリメカ》

名前:マタギメカ
見た目:猟銃を持つマタギの姿をしたメカ。
能力:猟銃からの発砲。

名前:キンタロウメカ
見た目:斧を持つ金太郎だが、60メートルの巨体。
能力:巨大な体から繰り出す斧とパワー。




《オリジナル技》
『シャケミサイル』
使用者:ヒグマオウ
鮭の形をしたミサイル。当たって普通のミサイルのように爆発して相手を攻撃出来るが、本命はその後に中から溢れ出てくる無数のイクラ。粘りのあるイクラの粘液と重さのある卵によって身動きを封じる。


団時朗さんが……………………。


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後日談

ライスシャワーは3号と4号に歩み寄り、自身の手に持つ手紙を二人に見せた。

 

ライスシャワー「あの人達は、そんなに悪い人達じゃないです。突き飛ばされた時は騙された事にショックを受けましたが、手紙を見て全て分かりました………ライスは見捨てられて無かった………あの人達は、ライスに迷惑が掛からないようにしてくれたんです」

 

ライスシャワーが渡した手紙。其処にはこう書かれていた。

 

『ライス。この手紙を見ているなら、真実に気付いただろうね。そう、私達は元々天皇賞の優勝トロフィーを盗む為にお前達に近付いた。本当ならライスでなくとも、どんなウマ娘でも良かったのさ。ソイツに優勝させたらトロフィー奪って去る。それが私達の本当の目的。でもね。沢山居るウマ娘の中でお前を選んだのは、下手したら私達のレベルにまで堕ちてたかもしれなかったからだ。誰からも罵られたお前を私達の世界に引き込ませない為に。だって似てるのさ。お前と私達は。ただ違いがあるなら、私達ドロンボーは“悪の道”を歩んだ事。だがお前は“ヒーローの道”を歩んだ事だ。トレーナーとして過ごした日々、凄く楽しかったし教えがいがあった。だからこそ、全ての罪は私達が被る。お前は騙されたのだと周りに言えば良い。私達は裏側に居るから、お前は表へ行け。そして走って走り続けて、皆の本当のヒーローになれ。頑張れライス。お前の名前は『祝福』を意味する名前なんだから。いつかきっと、その名前がもっと似合うヒーローになるんだぞ。

ライスシャワーのトレーナー、ドロンジョより』

 

4号「………ドロンジョ」

 

3号「悪い人なのは違い無いけど………君の事を本当に大切に思ってるんだね」

 

ライスシャワー「うん………ライス、頑張るね!お姉様の思いに、きっと答えて見せるから!」

 

オジョウタマ『それじゃ、いっちょやるでコロ!』

 

4号「勝利のポーズ!!」

 

ヤッターマンが勝った時の伝統のポーズ。

 

4号&3号「「ヤッターヤッターヤッターマン!!」」

 

ヤッターゼロ『ウオオオオオオォンッ!!』

 

ヤッターゼロは咆哮を上げながら片足を上げて、地面を踏んだ。

 

後日………ライスシャワーはトレセン学園でこれまで以上にやる気ある姿勢を見せた。その姿に多くのウマ娘やトレーナーが驚きながらも、ライスシャワーの頑張る姿に感化された者達が、多く現れたという。

 

――――――――――――――――――――――――

 

その頃、ドロンボー一味は、ドクロベエからお仕置きを受けていた。場所は何処かの道路だ。其処で、何かから逃げるようにオシオキ三輪車を漕ぎ続けるドロンボー一味。

 

ドクロベエ『失敗は失敗よ!!良い話だなぁ、で終わらせようなんてそうは行かないわ!!お仕置きだべ〜!!』

 

オシオキ三輪車を全力で漕ぐ三人の背後から、無数の馬が走って来た。その全てが生きてる馬である。

 

ドロンボー『『『イイヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』』』

 

ドロンボーは全力で漕ぐが、馬達に追い付かれてしまう。そして、無数の馬達に踏みつけられて行く。

 

ドロンジョ「何処から……あの馬の群れが………」

 

ボヤッキー「こんな生活もう嫌っす………」

 

トンズラー「ガフッ………………」

 

体中に蹄の凹み跡を残しながら、地面に平になったドロンボー一味であった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

関東のゴッサムシティこと、神室町のとあるビルの中。其処で複数の男女が集まっていた。全員ガラの悪そうな雰囲気と服装をしており、中には老若問わず女性の姿もある。

 

彼等は複数の新聞やスマホの情報を閲覧しており、其処にはドロンボー一味の犯罪が載せられていた。

 

???「ママ。ドロンボー一味、今日は遅れるってさ」

 

『ドーラ一家長男、シャルル』

 

???「ふん。宝を手に入れられなかっただけでなく敗走するんじゃ無理も無いさ」

 

『ドーラ一家頭領、マ=ドーラ』

 

初老の女性が肉厚なハムを食い千切り、そのまま頬張る。飲み込んだ後、シャルルの隣に居る男に話し掛ける。

 

ドーラ「で?今度はどんな宝を見つけたんだい?」

 

ルイ「そうだママ。今回のお宝だけど、闇オークションにある品が出品されるんだよ。飛鳥時代に伝わる『人魚の鱗』ってお宝だよ」

 

『ドーラ一家次男、ルイ』

 

アンリ「人魚の鱗って?」

 

『ドーラ一家三男、アンリ』

 

アンリの問いにドーラは答える。

 

ドーラ「人魚の鱗は、飛鳥時代から伝わる宝玉だよ。海のような青い宝玉に鱗のような模様が浮かび上がる事から、伝説の人魚に準えて人魚の鱗と呼ばれてるのさ。そんな宝玉をオークションに出品するとは………余程のお馬鹿か、それとも…………何かありそうだねぇ」

 

ドーラは、今回の仕事がただでは行かない事を見抜いていた。

 

すると、店の出入り口が開く鐘が鳴る。

 

ウェイター「いらっしゃいませ、ドロンボー一味の皆様。ドーラ御一行様がお待ちしてます」

 

ドロンジョ「ああっ。今日は遅れたよ」

 

ドロンジョの服装はフードこそ被っているが、マスクは外していた。

 

アンリ「ママー!ドロンボーが来たよ!」

 

ドーラ「やっと到着したようだね。全くすっぽかされたと思ってたよ」

 

ドロンジョ「無理もないさ。ドクロベエ様のお仕置きがキツイんだよ」

 

ドロンボー一味とドーラ一家。この二組は同じ盗人同士気が合い、こうして偶に出会う関係となっている。初めて出会った時、それぞれが狙っていたお宝を巡って争いあったが、そうする内に意気投合し、こうして偶に会うようになった。

 

シャルル「ど、ドロンジョさん!//////」

 

ドロンジョ「さんって………私、一応アンタより年下なんだけど」

 

シャルル「い、いや呼び捨てなんて、そうは行かない!俺は君に会えて嬉しいんだ!仕事手伝うよ!////」

 

ドロンジョ「全く此奴は」

 

シャルルはドロンジョに惚れていた。しかし、のらりくらりと躱されるのがオチだ。ドロンジョも馬鹿ではない。シャルルの好意には気付いてるし、良い男なのも知ってるし腕っ節も文句はない。しかし、ドーラに指摘されてる(息子達や部下達もそうなのだが)通り、殴り合いに夢中になって目標逃してしまったり、頭脳面ではドーラに依存しやすい面がある為、自分とはまだ結ばれるにはもっと自分を磨いて欲しいと思っている。

 

トンズラー「ルイ。これ食べていい?」

 

ルイ「ん?あ!ああっ!トンズラー!ももも勿論食べて良いよ!ほら、これとかどうかな?/////」

 

トンズラー「ありがと」

 

ルイはトンズラーに惚れている。しかし、自分への好意には鈍感なトンズラーは、ルイの事は単なる友達としか見ていない。

 

ボヤッキー「今度はインチキ商売ではなく、此れからとっても悪い事するんすよ」

 

アンリ「でも人殺しはしないよね?俺、三人の事疑ってないけど、そうしないよね?」

 

ボヤッキー「大丈夫っす。今回呼んだのは、強盗のお手伝いをしてほしいんす。メカの費用に沢山お金が必要で、海鳴市の巨大銀行を襲うんす。皆さんの分も分けるっすよ」

 

アンリ「俺等は基本金持ちからしか盗まないし、殺しはやらないよ。ママーどうする?」

 

アンリとボヤッキーは友達だ。こうして親しく話せている程に。

 

ドーラ「そうだね、資金は調達しておこうか。人魚の鱗を盗む前に、体を動かしに行くよ。さあ何時まで色目使ってんだい!」

 

シャルル&ルイ「「はいぃママ!」」

 

シャルルとルイは駆け出した。

 

ドロンジョ「さて、準備するかな」

 

こうしてドロンボーはドーラ一家と共に、金を得る為に動き出す。




ドーラ一家も勿論転生者ですが、転生者はドーラと一番下の娘のみで他はマジでドーラの息子達です。いやー凄いねー。


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カリオストロの城編
ニセ札


『永遠のMermaid』編をやりたい所ですが、その前に『カリオストロの城』編をやりたいと思います。なので今回は、カリオストロの城からのスタートとなります。


ある夜の街。其処に建つ大きな銀行で、現在複数の強盗が入り込んだ。ロープを伝い、男女の強盗団は降りていく。それは、徒党を組んだドーラ一家と美少女ドロンボー一味による、銀行強盗だった。

 

そして、彼等はリュックや大きなカバンを持って銀行から逃げて行く。リュックやカバンの中には多数のドル札があり、見える範囲だけでも一千万ドルはあるだろう。百メートルも離れた後に銀行から警報が鳴り響き、電気が付いた。

 

ボヤッキー『ドロンジョ様!トンちゃん!後5分で警察が来るっす!』

 

???『ママも急いで離れた方が良いわよ!警察より早くギャング共が集まって来てる!』

 

彼等が耳に付けた『Bluetoothイヤホン』から、サポートに回っている二人の少女から連絡が入る。

 

近くにあるバンに乗り込み、ドルを詰め込んで逃走。

 

すれ違う形でギャング達の車が銀行へ到着するも、既にもぬけの殻となっていたのだった。

 

―――――――――――――――――――――――

 

高速道路で、一台のバンが疾走していた。その運転席と助手席、そして荷台は大量の札束で埋め尽くされていた。

 

強盗団『『『アッハハハハハハハハッ!!』』』

 

大量の金を手に入れた。日本円にするなら、約5億円は手に入れた。そんな量の札束が、バンの中を殆ど埋め尽くしていた。

 

ドロンジョ「やったねシャルル!良い怪力だったじゃないか!!」

 

シャルル「ドロンジョさんも!ホントに吸血鬼なんだなぁ!こんな細身で金庫の扉を無理矢理開けるなんて!」

 

ドロンジョとシャルルは互いに肩を組みながら、札束の海に溺れていた。

 

トンズラー「お肉!お魚!食べ放題!!ウヒヒヒッ!」

 

ルイ「君、ホントに食べるの好きだなぁ」

 

トンズラー「食べ放題!飲み放題!ルイは、嫌?」

 

ルイ「いやいや、そうじゃないんだ!トンズラーの食べる姿は好きだから、食べる姿がもっと見たいっていうか!///」

 

トンズラー「っ?」

 

ルイは赤面しながら顔を逸らすが、トンズラーは首を傾げるだけだった。

 

アンリ「でも上手く行ったねママ!札束の大津波〜!!」

 

ドーラ「ハハハハッ!飲み込まれちまうよ〜!」

 

荷台で繰り広げられる漫才に、運転席と助手席に乗るボヤッキーと一人の少女は、呆れながらも笑っていた。

 

少女「お兄ちゃん達はホントにもー!そんなんだからお金稼いでも無駄遣いするんだから!」

 

ボヤッキー「でも、アリアちゃんもノリノリっすね。こんなに大金稼いで嬉しそうっすよ」

 

アリア「……ま、そうね!暫く遊んで暮らせるわ!ハハハハハハハッ!!」

 

アリアも笑う。彼女もお金を盗んで満足していた。

 

アリア。ドーラ一家の唯一の娘である。戦闘力は無いが、機械を自在に操る能力があり、その力で車や重機、監視カメラ等を自在に操り、ドーラ一家のサポートに回っている。また、機械を操る事によって戦えなくても相手に車などをぶつけて妨害も出来る。

 

ドーラ「此れなら寿司屋で豪快に食べ放題でも……ん?」

 

ドーラは札束を見つめる。それに気付いたのは、ドーラだけではなかった。

 

ドロンジョ「うんう……ん?んんっ!?」

 

ドロンジョも気付いた。

 

ドロンジョ「ドーラ!此れって………」

 

ドーラ「………多分お前の思ってる通りだよ」

 

その様子に、トンズラーとシャルルが気付いた。

 

シャルル「ドロンジョさん?ママ?どうしたの?」

 

トンズラー「ドロンジョ様?」

 

ドロンジョは虚しい表情を浮かべながらも、二人の問いに答える。

 

ドロンジョ「全部捨てちまおう」

 

シャルル&トンズラー「「なにっ!?」」

 

ドロンジョ「此奴は偽モンだよ。よく出来てるけどね」

 

ルイ「えぇっ!?此れが!?」

 

そして、それはボヤッキーとアリアも聞いていた。

 

ボヤッキー「此れ全部っすか!?」

 

アリア「でも私等が盗みを働いた銀行は、ギャングが警察より早く来てたわ。その時点で怪しいと思ってたけど、いくらギャングが関与してても一応公共の銀行よ?」

 

シャルル「そうだよママ!公共の銀行がニセ札扱ってるなんて!」

 

ドロンジョ&ドーラ「「『ゴート札』だよ」」

 

全員の疑問にドーラとドロンジョが答える。

 

トンズラー「ゴートサツ?」

 

シャルル「えっ?なにそれ?」

 

ルイ「いや、俺も知らねぇや」

 

アリア「お兄ちゃん達はホントに!!ゴート札は『本物以上の完成度を誇る』と言われる程の伝説の偽札!」

 

ボヤッキー「中世以来、つまり硬貨だった頃っす。ヨーロッパの動乱の陰に必ず蠢いていた謎のニセ金の正体っす。ブルボン王朝を破滅させ、ナポレオンの資金源となり、1929年には世界恐慌を引き起こした」

 

シャルル「えっ!?でも、それがなんで公共の施設に流通してるの!?」

 

ドーラ「こりゃあ、裏が深いね」

 

ドロンジョ「よおし!ボヤッキー、トンズラー!やっておしまい!」

 

ボヤッキー&トンズラー「「アラホラサッサー!」」

 

そして、ボヤッキーは運転席側のドア(外車なので左側)を開けると、そのまま札束を全て外へ放りだした。トンズラーは後部扉を開けて、そのまま札束を投げ捨てて行く。無数のゴート札が車から放り出されて行く。

 

ドーラ「くっそぉ!!グズグズしてないでこの偽札全部捨てるんだ!」

 

シャルル&ルイ「「ホィッ………グスン」」

 

アリア「馬鹿にされた気分だわ!」

 

こうして、彼等は盗んだゴート札を捨てていく。全員が思った。

 

この借りは、必ず返す。と。




名前:アリア
性別:女
年齢:16歳
種族:人間
身長:160cm
体重:49キロ
バスト:89センチ(D)、ウエスト:58、ヒップ:72
一人称:私
能力:『機械を操る程度の能力』
機械全てを自在に操る事が出来る。機械が埋め込まれた肉体だろうと、自在に操れる。それを応用してハッキングも行える。

【挿絵表示】


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