転生したらヤンデレに好かれました………… (白井あおい)
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転生前の、とある少年の人生

どうも影蜘蛛と申すものです。苦手なものですが、頑張らせていただきます。


彼は、つくづく女運がない人間だ。

 

 

周幸星(しゅうこうせい)は、幼い頃からろくでもない女にしか好かれなかった。

小学校では、ストーカーに刺されかけ。

中学校では、孤立誘導をする先輩にいじめを誘発され。

今通っている高校では、妄想が激しい生徒会長に襲われかけ。

そんな経験があるがゆえに、基本的に幸星に男・女に関わらず友達が少ない。最も、二人の幼馴染はそれでも交友関係を続けている。彼と彼女は知っていた。幸星には一切の悪気はないと。ただ、そういう類の異常者と関わる事が多すぎるだけだと。そしてこれである種のトラウマが幸星にはすりこまれ、あまり女性を近づけないように注意して生活している。

しかし…

「ねぇねぇ君、かっこいいじゃん!ちょっとおねえさんとお茶しない?」

「そうそう、そんな不安そうな顔しなくて良いよ?怪しい人じゃないからさ」

…寧ろその姿勢に惹かれてしまう女性が多くなってしまったのは悲しい事である。

「………」

(また逆ナンかよ。はぁ、もう少しギリギリに行けば良かった)

こういう時、幸星は黙り続ける。なぜなら、声を出したらさらにめんどくさい事に巻き込まれるからだ。

「あ、待ったか?すまん、幸星」

ちょうど良いタイミングで親友の彼が来た。

「気にするな。さっさと行こうぜ」

幸星は彼にのみ聞こえる小声でそう言い、すぐにその場を去ろうとする。

「二人ともお茶しない?」

「そんな怖がらなくて良いんだよ?」

しかし、なおも女性に絡まれる。どうすれば良いものか迷っている時、幸星はトントンと手のひらを叩かれた。前に決めてた合図で、意味は『十二秒後走る』だ。意味を察した幸星は相対する彼女らにバレないよう無表情に徹する。

「あの、ごめんなさい」

「なに?」

「俺等、もう時間ないんで行きます」

そういって彼は幸星の手を引いて走り出す。幸星もそれに合うように走り、消えるようにして駅前を後にするのだった。

 

 

 

 

「……幸星、お前速すぎね?」

「別に大してペース配分を気にしていないからだ。お前こそ長距離の癖が抜けきっていないのでは無いか?」

「うるせぇ。お前を助けた時に停学くらったんだから体が動かないんだよ」

幸星の友人の彼は、中学時代に唯一噂を信じなかった男であり、以降要所要所で幸星の事を助けている良くも悪くも知れ渡っており、あだ名は『メサイア』と呼ばれている。本人はそれで呼ばれるとしょっちゅう悶えていた。それ以外は特には変な所はない。強いて言うなら呼ばれた時期から女の気配がなくなったぐらいだ。

「んで、ここはどこだよ」

「ここは守矢神社……なはずだ。確かこの場所は受験祈願が有名だからな」

「なんつーかお前らしい場所やな」

彼は現代では珍しいぐらい信仰心が強く、周りからはそれも含めてメサイアと呼ばれている。

「なにはともかく、速く行こうぜ」

彼は幸星の女運のなさを知っているため、移動することを促す。

「わかったぜ。時間足りないしな」

そういって彼らは、敷地内へと入っていった。

 

 

ー守矢神社 敷地内ー

神社の中は丁寧に掃き清められていて、どこか別の世界にいるようなそんな感覚に陥る場所だった。

(というかどんな神様を祀ってるんだよ)

幸星はそう思い、近くで掃除をしている巫女に話しかけることにした。

「こんにちは」

「こんにちは。なにか御用でしょうか?」

「はい。この神社ではどのような神様を祀っているのですか?」

すると、巫女は驚いたような目をして幸星を見る。

「どうしました?」

「……いえ、神社に来る人が少ないので驚いていただけです。この神社には、ミシャグジ様や八坂様という祟り神や、私のような現人神がいますね」

「へぇ…現人神とは?良ければ教えて貰えませんか?」

「もちろんです。基本的には神様が現在に現れたと解釈してもらって構いませんよ。ただ、最近はあまり信仰されていなくなっちゃって……おっと、すみません」

「いえいえ…貴重なお話ありがとうございます。信仰ってどのようにすれば?」

「その人が信じさえすれば信仰されるはずですね。よろしければ信仰していただいても?」

「はい、貴女の事を信仰しておきます。名前をお伺いしても?」

「東風谷早苗と申します。貴方様の名前は?」

「周幸星といいます。よろしくお願いします、早苗さん」

「はい、お願いします幸星さん」

「それでは」

「さようなら」

幸星は適当なところで話を切り上げ、参拝に戻る。途中で、彼が話しかけてくる。

「……お前、よくこんな感じで話していたのか?」

「あぁ、そうだが」

彼は深々とため息をつき、こういった。

「だからお前は女運がないんだろ」

「なんでそうなるんだよ」

最も、幸星が女心を学ぶ事はなさそうだが。その後、二人は賽銭箱に一万円札と五円玉をそれぞれ投げ入れ、その場を後にした。

 

 

「………幸星、もしかして大学入る気?」

駅に戻る最中、彼が聞いてきた。

「そのつもりではあるが…正直不安しかないな。またトラブルになる可能性もあるからよ」

「それは幸星の会話方法がおかしいんだよ。俺はあんまお前みたいに女性に関わらんからな」

「皮肉か?」

「無論そうだが?」

「わりと本気で勉強に困ってんだよ。どうにかしてくれ」

困るのは女関係なのでは?そんな事を考えながら、彼は幸星に提案していく。

「学校に素直に登校」

「生徒会長が勉強教えながら襲いに来る」

「公園にサボり」

「部活の先輩に先回りされて家に持ち帰られる。んでそのままプチ監禁」

「プチ監禁はパワーワードがすぎん?家に籠もってやれ」

「妹が虚ろな目で帰ってきて抱きついてくる」

「なんで妹が兄の帰宅時間がわかるんですかねぇ…図書館は?」

「司書さんが怖い」

「いっそホテル?」

「二人いないと断られる」

どうやら本当に羨まし…大変な関係のようだ。

「じゃあ打つ手なし?」

「お前の家」

「俺そんな頭良くないぞ?最近大分落ちたし」

「『大分落ちた』で、二十三位か。嫌味か?」

ちなみに二人の通っている高校は地域内でも有数の進学校であり、一学年に生徒は約百八十人もいる。

「……まぁ、そうでもしなきゃ難しいしな。でもよ、知ってるか?」

「何が?」

「お前を誘ったらもれなくそいつらが俺の家に押しかけてくるんだよ」

「良いじゃねえか」

「お前が良くともメンタルがもたないんよ…あいつら物騒なものを常時持ち歩いていやがる」

前来たときは大変だった、と呟く彼に幸星は頷きながら付け足す。

「生徒会長は鋏、妹は包丁、部活の先輩はナイフ、司書さんは鈍器だっけ?」

「んなもんを覚えてるお前も大概おかしいがな」

「覚えてないと対処しようがないだろ?」

「それもそうか」

「んで、結局どうする?あいつに教えて貰うか?」

「あいつは大丈夫なのか?」

あいつとは、幸星のもう一人の友人の《佐倉優花》だ。常にテストの順位は上から片手で数えられる範囲に収まっていて、周りから『高嶺の優花』と呼ばれている。

「別に教えるぐらいだったら問題ないってさ」

「じゃあ素直に頼るか…」

「勉強頑張れよ、幸星」

「おう」

そうして話していると駅に着き、二人はそれぞれの帰路に着くのだった。

 

 

そして、時は流れ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、起きてる?幸星」

「もう起きてる。おはよう、優花」

「うん!おはよう、幸星」

なぜか優花と幸星は付き合い出した。どうやら優花曰く『健気に頑張っている姿に惚れた』らしい。既に同棲をしており、3ヶ月経った。あの後無事大学にも入学でき、現在は二人で通っているそうだ。彼はその後も友人関係を続け、相談役として機能している。大学では声を掛けられることがより多くなったが、

「彼女いるんで」

で一蹴している。それでもしつこくつきまとってくる女性は無視している。僅かではあるが男の友人も増え、嬉しそうだ。

彼は未だに春は来ないままメサイアと呼ばれ続け、最近は諦めきっている。

そして一年後…

 

 

 

 

 

「今起きてる?入るよ、幸星」

「……」

「もう寝たふりしなくていいよ~えいっ‼」

「……なんだよ、優花」

「えへへ…抱きつきたくなっちゃって」

「……動けない相手に?」

「だって他の女に取られたくないんだもん」

「……そうか」

「そういえば今日誰か来るっけ?」

(あいつ)が来るだろ。最近大学行ってないからな」

「そっか、じゃあお出迎えしないとね。幸星待ってて、今ご飯運ぶから」

「……ありがとう、優花」

「そんなお礼なんていいよ♪」

幸星は優花から恒例行事(?)の監禁を受けていた。まあ、それで大人しく従っているのは諦めてきているのかもしれないが。今日彼が来る時にさりげなく伝えられるようにするにはどうすれば良いのか考えていると、優花が戻ってきた。

「はい、持ってきたよ」

「ありがとうな。いただきます」

そういって幸星は食べ始める。

「それとさ…ごめんね、幸星。監禁しちゃって」

食べている最中、ふと優花がそんなことを言う。

「気にしなくていい」

「そっか…ありがとね」

こんな感じで朝の時に謝ってくるのは優花らしいとも言えた。

 

 

しばらくして彼がやってきた。手にはお土産なのか、フルーツタルトを持ってきている。

「失礼します」

「お、よく来たね」

「久しぶりだな、お前」

「お前のストーカー全員調べんの面倒くせぇんだよ。軽く調べただけでも43人いるんだよ」

「え?本当に言ってる?」

「精々5、6人だと思ってたんだが…」

「逆に数名泳がせていたんかお前?」

「いや、視線が常にこっち見てるからそうなんかなと思って」

「それだけ聞いたらただの自意識過剰なんだけど、幸星はストーカー被害多いからね…」

「監禁される事も多かったよな、幸星」

「あぁ、(今回のを含めて)六回ぐらいされたな」

「いくら幸星でもそんなされてないんじゃ……」

「いいや、されてる。絶対に」

「そ、そうなんだね」

「ま、そうならないようによろしく頼むよ。こいつ気づいたら監禁されてたし」

「う、うん!」

「とりあえず、全員分の顔とリストはこれな。個人情報だけどまぁええやろ」

そういって彼は若干乱雑に紙の束を投げ渡す。慌てて優花がキャッチする。

「後さ、佐倉」

「なにかな?」

「監禁しても偶には外に出させてやれよ」

「え!?」

「いや、そんな驚かれても…こいつはそうなることが多いから。襲ったりしないようにしてくれよ?」

「う、うん。入籍してから襲うよ。そういえばなんで私が監禁してるってわかったの?」

「長い経験ってやつ?」

「おい俺を抜きにして話を進めるな」

「じゃあお前は佐倉とどうなりたいんだ?俺は正直それを確かめるために来たんだからな」

突如進んだ話に、幸星は驚く。しかし、少し悩んだ後…

「俺は……結婚したいな。だけどさ、二十歳まで待ってくれないか?」

「ふぇ!?も、もちろん!でも、幸星は大丈夫なの?私、結構嫉妬深いよ?」

「んなこと監禁された時点で知ってるよ。そういう所もひっくるめてってことだ」

そういう幸星の顔は酷く赤面している。恥ずかしいようだ。

「それじゃあ不束者ですが…よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

パチパチパチパチ。一人がする拍手が長い間続いていた。

「結婚おめでとう…でいいのかね?」

「うん。ありがとうね、協力してくれて」

「えこれ仕組んでたん?」

「正直お前が襲ってこないからどうすれば…「わ~わ~!!聞かないで!」

「ごめんな?ストーカーに襲われそうになった時嫌だったからさ、自分の恋人にそんなことをしちゃ駄目だろ?」

「そんな気にしなくてよかったのに……私だったらいつでも準備はできてたからね?」

「あのさ、積もる話があるようなら消えた方がいい?正直羨ましいから」

「あ、すまん」

「別に見せつけても良かったのに…」

「やめろ。血涙が出るかも知んないから」

「それじゃあな」

「また来てね」

「ん、じゃあな」

そういって彼は退出していった。その後なにがあったのは……神のみぞ知る、とだけいっておこう。

そして、優花と幸星の間でこんな事が決められた。

①月に一回まで外出していい。外出は午前八時〜午後九時まで

②外出する際には優花が認めた友人といること。しかし殆どが認められず、彼以外に友人が消えた。

③もし異性とのトラブルがあったら、互いに助け合うこと。

④もしどちらかが①〜③の約束を破ったら、殺害しても恨まない。

正直幸星にとっては外出ができる事が驚きの契約だった。

(ま、これならサインしても良いか)

④の内容はまず破れそうにないので、幸星は素早くペンを動かす。

「というか優花」

「なに?」

「お前金は大丈夫なんか?」

「それは大丈夫。前株でちょっと大成功したから。大体…三億かな」

「あぁ…だからこんな事決行したんか」

「そうそう。お金がかかるからね」

幸星は軽く呆れたが、もう諦めたように笑っている。家の小窓から見る空には、少しぼやけた夕陽が沈んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

「もしもし?ありがとうね、協力してくれて」

 

 

「今さら何を言ってるの?君にはもう、殺すしかできないんだよ」

 

 

「……そうそう、良くわかってるね。じゃあちゃんとやってね」

 

 

「あ、でもちゃんとやってくれたならお礼はするよ」

 

 

「うん。じゃあね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸星は知らない。自身の運は操作された事を。そしてそれ以上に厄介な事に巻き込まれた事を。

彼は知らない。神に魅入られたらその先に待つのは不幸

だけということを。

そして、その日はやってくる。彼らの人生が終わる日は。




読了ありがとうございます。もし誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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プロローグ

注意 オリ主はチートです。


 

気がつくと俺、鳳龍院龍寺は一面真っ白な場所にいた。

鳳龍院「何だここ」

取り敢えず、記憶を遡って考えるか。


確か友人の幸星と駅で待ち合わせをしていた。

鳳龍院「おはよー」

幸星「おは」

鳳龍院「じゃ行こうぜ、早くしないと電車に乗り遅れるからな」

幸星「おけ」

二人でゆっくりと雑談しながら歩いていると、突然

「死ねエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」

と叫びながら銃を撃とうとする奴がいた。驚きながらも射線上にいる人は誰かを確認した。幸星だった。俺は咄嗟に幸星を突き飛ばし、幸星に銃弾が当たらないようにする。次の瞬間、意識が途切れた。


あれ、これ俺死んだよね…なんで考えられているんだ?

???「申し訳ございません!!!」

鳳龍院「ちょっとまって、もしかして俺死にました?」

???「はい。こちらの不手際により死なせてしまいました…」

鳳龍院「貴女の名前は?」

???「私はメシアといいます。一応、神様です」

やはり俺は死んでいるのか。だが、近くにいた幸星は無事なのか?

鳳龍院「幸星は?」

メシア「幸星さんは、あなたの死に驚いてる間に銃で撃たれて死にました。もうそろそろここに来ますね」

幸星「ここはどこって、鳳龍院!?お前、さっき死んでたよな!?」

鳳龍院「落ち着け幸星。ここは死後の世界。でお前は死んだからここに来た。そしてこの女性はメシアという神様だ」

幸星「取り敢えずどういう状況かは理解した」

メシア「今から事の経緯について説明をしたいのですが、よろしいでしょうか?」

鳳龍院・幸星「大丈夫だ」

メシア「幸星さんは今日死なないはずでした。しかし、どの神様かはわからないですが、本来死ぬ人ではない幸星さんは今日死ぬことになったわけです。鳳龍院さんはこの突然変わった運命に巻き込まれて死んでしまったわけです」

鳳龍院「質問だが、本来死ぬ人は生きてるが、この場合どうする?」

メシア「生きてはいますが、一応明日明後日には死んでもらう予定です」

幸星「他に犠牲者はいない?」

メシア「幸星さんと鳳龍院さん以外で死んだ人はいません」

幸星「俺の運命を変えた奴はなぜわからないんだ?」

メシア「恥ずかしいですが、運命を変えられる神様は少ないのですが、全員書き換えられた時間にアリバイがあるんですよ…だからまだわかりません」

ふむふむ、神様の理不尽で死んだと。

幸星「俺からすりゃ渡りに船だがな」

鳳龍院「お前は彼女に束縛されてたんだっけ」

幸星「おかげで龍寺以外の友だちなくしたよ」

鳳龍院「可愛そう」

メシア「そろそろ話を再開させたいんですが、よろしいですか?」

鳳龍院・幸星「大丈夫だ」

メシア「鳳龍院さんと幸星さんは、二つの道があります。1つ目は記憶をなくして再び現世に転生する。2つ目は記憶と転生者特典を持ってとある世界に転生することです。どちらを選んでも、転生するというのは変わらないので注意してください」

鳳龍院「とある世界は俺が知ってるゲームか?」

メシア「はい。どの世界なのかは転生する前に告げるので安心してください」

幸星「転生者特典とは?」

メシア「望んだ能力を差し上げます。ただ、望んだ能力の強さによって変わりますので注意してください。それと、しっかり能力は転生したあとしっかり使ってください」

俺が知ってるゲームならあの辺りかな?とは思うものの、いまいち確信が持てないな

メシア「あと、お二方が転生自体がそもそもイレギュラーなので、原作壊しても大丈夫です」

鳳龍院「俺と幸星は会うことはできるのか?」

メシア「はい!どちらの世界でも高校生のときに確実に会えます」

鳳龍院「わかった」

メシア「決めましたか?」

鳳龍院「ああ」

幸星「おう」

鳳龍院・幸星「俺は………2つ目にする(しよう)!!」

メシア「わかりました。世界の名前を教えましょう」

鳳龍院「いや、もうなんとなくわかったからいい。多分原作壊しても大丈夫な点や、高校生のときに会うことであったり、能力はしっかり使わないといけないあたりや、原作が崩壊させないといけないあたり俺たちが転生する世界は『ダンガンロンパ』だろ?それも初代・スーダンの」

幸星「俺は知らないんだが?」

メシア「後で原作知識を渡します。それはさておき、転生者特典はどうします?」

鳳龍院「これって才能ができるものじゃなきゃだめか?それ以外でもいいのか?」

メシア「はい。別になんでもありです。最悪、『超高校級の不幸』として呼べはいいので」

幸星「じゃあ俺は全てを記憶できることを転生者特典としてもらっていいか?」

鳳龍院「あ、俺もくれ」

メシア「わかりました。ふたりともあと取れる転生者特典は2つです」

鳳龍院「じゃあ俺は見たことあるものを自分のものにして昇華させられる才能をくれ」

メシア「わかりました。鳳龍院さんは特典が強力なので2つだけにさせてもらいます」

鳳龍院「わかった」

さて、幸星は一体どんな転生者特典を取るのか楽しみだな。

幸星「飛んできたものを怪我なしで受け止めるのと、嘘をついたらすぐわかるというのを特典としてくれ」

メシア「わかりました。だけど、注意してくださいね?危ないと思ったらすぐ避けてくださいよ」

幸星が持った能力、普通にやばくね?銃弾でも矢の雨でも怪我なしになるって…まじかよ

メシア「ところで、何歳ごろに転生しますか?」

幸星「そこまで関係なくね?」

鳳龍院「いや、大分関係ある。例えば0歳から始めたら母乳を吸わなきゃいけなくなったりする。そう考えたら離乳食あたりから始めるのがいいかな」

幸星「じゃあ、俺も」

メシアがなんか説明したいような雰囲気を出していたが、そんなの関係ない。雑に説明して、ぱぱっと決めてもらいたい

メシア「は〜い。ところで、おふた方はなんか才能でこれがいいっていうのありますか?なかったら適当に決めさせてもらいますが」

俺自身酷く限定的な才能のほうが楽そうだし、かつ原作のキャラを救うのなら守る才能…なら門番あたりか?

鳳龍院「俺は『超高校級の門番』で頼む」

幸星「特にない」

メシア「わかりました。最後に原作知識を渡します」

メシアはそういうと、一冊の本を配った。わかりやすくダンガンロンパがまとめられているが、しかしなにか抜けてるような気がする…あれ?カムクライズルが先輩ではない?

メシア「おふた方の転生で少しだけ変わったことがあるんですよ…」

流し読みし終わった俺が聞くと、そう答える。まあ誤差かな誤差

メシア「では、転生させてもらいます。2歳の頃に転生してもらい、15歳になるまで渡した才能で世間に自分たちを示してください。神の加護があらんことを…」

お前が神だろと思ったがツッコミを入れる前に意識が途切れた

 

 

???「しっかりこの転生で力をつけてくれよ、龍寺。いや、円と呼ぶへきなのかな?いずれにしても良いよ。最後は巡り巡るのだから」




読了ありがとうございますm(_ _)m
オリ主はダンガンロンパをシリーズごとやっていて、53周しています。


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第二話 転生したあとの普通の日常

オリ主の名前は一度変えます。影蜘蛛は色々酷いねと思いながら書いていきます。なおヒロインは基本はヤンデレ化させようかなーと思います。本編をどうぞ


意識を覚醒させて周りを見渡す。メシアは3歳のときに転生させてくれたお陰で不自然な行動をしても怪しまれない………はず。

転生後の名前は壁戸 円(へきど まどか)となっていて、両親は母親・父親ともに普通の夫婦だ。少しばかり、夫婦仲がよく周りからは静かにしろといわれている。まあ、俺もこんな夫婦の間に生まれてやだなーこわいなーと思ったが見慣れてる…というか見慣れてしまったので、諦めた。この二人が務めている会社は『超高校級の富豪』千粒 豊(せんりゅう みのる)さんが作った『豊コーポレーション』という会社であり、俺はよく見に行っていた。豊さんはよく俺のことを気にかけてくれていて、姉ちゃんとよんでもいいといわれている。まぁ、4歳のとき一回試しにそう呼んだらヤバい雰囲気で

 

「お姉ちゃんが一生守ってあげる…フフフ」

 

と虚ろな目で言われたので絶対つぎに呼んだら本当にそうなるから、死ぬ気で気をつけている。口は禍の元なり。

さて、俺は今豊さんの家の門番をしている。豊さんに『豊姉さんのことを守りたいから』という理由で相談したら、オッケーと言われた。親に至っては、『別にいいよ?社長から話はよく聞くしね』と言われた。少しぐらいは疑わないとだめでは?まあできてるからいいが……

円「ふぁ〜あ、なにもないと眠くなるのからな」

やはり門番といえど、仕事は特にない。豊さんから誰がいつ頃来るかを聞き、違う人に対しては物理的制裁を加え、警察に送る。俺の見た目が幼いからか、通してほしいからと言って来るが曲がりなりにも俺は転生した人間のため、嘘やそういうたぐいのものはすぐ気付かれて嘘がバレる。バレた瞬間切れて殺しにくる奴らもいるが、しっかりさばいて警察に引き渡す。仮に突然来る予定になっても、基本は豊さんと一緒に来るので安心している。俺自身こうして暇になれば体を鍛えられるし、平和なのはいいことだがやはり眠くなってしまうのである。

基本の一日のルーティーンは部屋で起床→豊さんと一緒に朝食→豊さんの見送り→家の門番→昼食→家の門番→豊さんを出迎える→豊さんと一緒に夕食→入浴→部屋で就寝となっている。俺は豊さんに勉強もしっかりねと言われたが、転生者特典の全てを記憶する能力があるため、前世の大学までの学業をすべて覚えている。どちらかというと豊さんの宿題を手伝うことのほうが多い。

どっちが年上なのかたまにわからなくなる。

 

05:30

今日も一日が始まる。朝は早く起き、朝食の準備と豊さんに渡すお弁当の準備をする。今日は5時半に起きたので、卵焼きも作る。料理は分担してはいるものの、居候させてもらってる身分なので俺5:豊さん2になっている。さてもうそろそろ豊さんが起きる時間だ。

 

06:55

豊「おはよう、オトウトくん」

円「おはようございます、豊さん」

朝の挨拶もしっかり済ませたところで、ご飯が炊けた。

円「ご飯運んでくるので、待っててください」

そう声をかけ、ご飯をよそう。今日の朝ご飯は鯖の塩焼き、豆腐とワカメのスープ、たくあん、卵焼きだ。

円・豊「いただきます」

二人で食べ始める。だが豊さんが、

豊「ご飯食べさせて??オトウトくん??」

と言ってくる。いや食べさせたら食べさせたで暴走状態になるでしょ(五敗)

円「いや急いで食べないと遅れちゃうから自分で食べてください、豊さん」

抵抗を俺はする。一口だけで済むならまだいいが、全部食べないと暴走状態は収まらないんだからね?

豊「むぅ……オトウトくんのイジワル…」

円「いやそもそも俺は豊さんの弟ではないですからね?」

かくして一悶着はあったが、しっかりご飯を同時に食べ終わった俺と豊さんは手を合わせる。

円・豊「ごちそうさまでした」

ささっと皿を片付け洗っていると、豊さんが家を出る時間になる。

 

08:30

円「はいどうぞお弁当。いってらっしゃーい」

豊「ありがとうオトウトくん。いってきま~す♪」

豊さんが家を出ると、俺は渡されていた手帳を確認する。ふむふむ今日は……10時50分と13時25分か15時25分ね、成程。さて、じゃあ今日も元気に門番やんなきゃね。

 

10:50

円「貴方様は本日来る予定の△△様でしょうか?」

△△「はい。そのとおりです」

円「△△様、お通りくださいませ」

 

12:00

今日のご飯もやはりおにぎりだな。うん、美味しい!

 

14:00

円「お引き取り願います」

「へっ、お前ごとき一捻りさ!!すぐに殺して侵入してやる!!!」

五分後

円「はい、私です。ええ、不法侵入しようとしてる輩を捕まえたので千粒邸に来てください」

「またお前か……門番って大変なんだねぇ」

円「豊姉さんに言ったので、やることはしっかりやりますよ」

 

同時間帯

豊(なんかオトウトくんを抱き締めたくなった……家に帰ったらそうしよう)

 

円「とりあえずやらかした気がするな……なんかよくわからないが暇だし体を鍛えるか」

というか、なぜ門から入った人はいるくせに、出た人はいないんだ?

 

15:25

円「貴方様は〇〇様でしょうか?」

〇〇「はい。私が〇〇ですが……(エン)くんと言うんだな。(エン)くん、こちらの屋敷で働かないかい?」

円「いえ、この場所以外だと働く意欲が湧きませんので……」

〇〇「しょうがない。案内してくれ」

円「案内させていただきます」

 

17:00

円「おかえりなさい、豊さん⁉って……うわっ!いきなり何するんですか豊さん!」

豊「急に抱きしめたくなったのよ、オトウトくん」

まあ、何回もこういうことされると驚くだけで済みそうにないんだけどね。女性特有のいい匂いとかがきつい…

 

 

19:00

夕食はハンバーグ、コーンスープ、パン、サラダにした。しっかり作れるようになったのも能力のおかげだな。本当に一度だけでも見れば作れるようになったりするから、豊さんと一緒にレストランに行くだけでも充分料理は作れるようになる。あれ?どちらかというと能力の無駄遣いなのでは……まあ、豊さんが喜んでんならいいのかなぁ?

円「はい、どうぞ」

豊「ありがとうね、オトウトくん」

円・豊「いただきます」

豊「オトウトくん、食べさせて頂戴??朝は時間におわれているけど、夜だから問題無いでしょ?」

朝の会話覚えていたのか…確かに時間がないことを言い訳したが、だからといっていま食べさせてほしいっていうか?まあ、もうこの時点で豊さんに食べさせる以外の選択肢ないじゃないか……

円「はい、どうぞ」

俺は説得するのを諦め、大人しく豊さんにフォークを差し出した

豊「いただきま〜す♪」

美味しそうに食べてくれる豊さんがもう一口、もう一口とせがんでくる。これにいつも負けてしまう俺は意志薄弱何だな。もう少し精神面も鍛えなきゃな…

 

19:45

風呂にはいる。この時間は豊さんと確実に離れられる。まぁ、盗聴器か何か仕込んでいそうだが……関係ない。ゆっくり湯船に浸かれば一日の疲労もとれるからな。おっと、もう豊さんとかわる時間だ。さっさと出て着替えないとな。

 

21:00

もう寝る時間だな。挨拶してから寝ないと…

円「おやすみなさい、豊さん」

豊「おやすみなさい、オトウトくん」

部屋はかなり広く、ホコリを被ってきている。明日辺りに掃除しようかな…そう考えながら俺はベッドで寝るのだった。

 

 

 

 

 

豊「オトウトくんは寝顔も可愛いな~でもやっぱ起きていたほうがもっとかわいいのよねぇ……もうそろそろ学校も始まって、家から離れる時間も多くなりそうなのよねえ、、、、どうすればずっとここにいてくれるのかな?でも、この家の門番になってくれたのはありがたいな。家を改造してるけど気づいてないし。私は外じゃ嫌われていたけど、オトウトくんが3歳ぐらいから豊さんって呼んでくれて嬉しかったなぁ、でも4歳のときの豊姉ちゃんって呼ばれたときちょっと興奮しちゃって、あんな恥ずかしいこと口走っちゃってああもう恥ずかしくなってきちゃった。でもね、オトウトくん。君は絶対私のものになってもらうから、たとえ君の心がコワレテモネ。フフフフフフフフフ……」




読了ありがとうございますm(_ _)mではオリヒロインの説明を……
『超高校級の富豪』千粒 豊(せんりゅう みのる)
6歳の頃面白そうという理由で宝くじを親に買ってもらったら、それが1等だったので、突如として大金を手に入れた少女。この大金を株で増やして、七歳のときに豊コーポレーション(株)を設立。壁戸夫妻や親の助けを得て、大成功した。しかし、大金を手に入れたので必然的に打算まみれで友達になろうとしている人が多く、孤独になっていった。最終的には親からも金づるとして見られる。その時に円と会い、円の純粋な行動で心を救われた。そのため、とても愛が重く、ヤンデレとかしている。円をオトウトくんと呼んでいるのは家族の愛情に飢えているから。現在は希望ヶ峰学園に通っており、帰ってくるなり抱きついたりしている。いずれは円を屋敷に軟禁して門番として守ってもらう予定。

幸星様はもう少し後で登場する予定です。


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第三話 不穏なる気配

影蜘蛛です。なんとなく超高校級の称号を手に入れている人たちには、とんでもない実績が必要だと思っています。なので円には門番のためにとんでもない仕事をさせようかなーともくろみました。苦手なものではありますが、読んでもらえれば幸いです。


今日は土日なので、豊さんの学校はない。だがしかし、豊さんは『超高校級の富豪』なので、土曜日も普通に外出する。土日のうち日曜日しか休めないなんて可愛そうだと思ったが、

豊「門番の仕事よりも簡単だよ?むしろオトウトくんこそゆっくり休んだら?」

と言われました。まだ簡単だと思うがな。それはさておき今日の訪問予定の方は……11:40前後に一人だけか。ゆったりと門番するか

 

10:25

円「こんにちは。お引き取り願います」

???「いやいや、君と話をしたいだけだよ。門番として引き抜きとかは考えてないから。私の名前はセツナという、君の名前は豊から聞いてるよ」

どうやら、嘘はついていなさそうだが何の話をしたいんだよ。俺自身何の話をされてもよくわからないんだけどどうすりゃいいんだ…

セツナ「心配せずとも、君の愛しいお姉さまのことだよ、マドカくん」

俺は話をしたいという言葉に嘘をついていないことを確信した。なぜなら、俺はここで門番をしているときに使っている名前はエンという偽名を使っているからだ。そして豊さんは俺のことをオトウトくんと呼ぶため、周りが読んでいる名前からバレたということもない。両親か漏らした可能性も無きにしもあらずだが、確か豊さんが会社の中に二人の為だけに寮(完全に外から隔離される寮)を造ってそこに住んでいる。いや豊さん公私混同が過ぎるのでは?いや、俺が門番してる時点で対して変わらないかな。そんな理由で、俺のことを調べるとするなら、豊さんから聞かなくてはならないからだ。幸星から漏れたと考えても幸星は俺の名前を知らないはずだからな。にしても豊さんに俺のことを話すぐらい仲いい友達ができたのか……良かったなぁ

それはさておき。

円「セツナさん、私って豊さんから聞いたときどんな人間に見えたんですか?」

俺は豊さんのことを姉さまと呼んでいない。あっても姉さんか姉ちゃんと呼ぶはずだ。

セツナ「嫌だって五歳ぐらいからずうっと一緒何でしょ?それに家を守るために門番だってしてるし、するときの理由だって守りたいからでしょ?それに、豊は円くんのことしか基本話してくれないから私は凄くシスコンの弟くんが姉をブラコンにさせたのか聞きたいのさ」

ほへ〜どんだけ豊さんは俺のことをオトウトにしようとするんだ?あとナチュラルに俺シスコン扱いされてる…ま、誤解はとくとしましょうか

 

〜少年説明中〜

 

セツナ「成程〜豊と円は血がつながっていなくて豊が円をオトウト呼びしてる感じなんだ。私は面白い話が聞けたし、一つお礼にいい話をしよう」

ニヤニヤしていて絶対作り話だと思っていんだろこれ。いい話をしようといわれても分けがわからない。そういうとセツナさんに耳を引っ張られる。そして耳元で

セツナ「今日の19:30から家の前にずっと立ってな。そうじゃないと豊が死ぬヨ」

そういったあとすぐに帰っていった。不安なことを言われた……まあ警戒はしておくに越したことはない。豊さんに今日夜もやっておくというか…

 

11:43

円「〇〇様、どうぞお通りください」

〇〇「ウム。円、さっさと我が屋敷を守りに来るがいい」

円「嫌です。早くお通りください。通らないと引きずりますよ?」

〇〇「ぐぬぬ…」

 

 

12:30

今日はカレーかぁ。美味しいけどなんか味が変な気がする………気のせいかな?

 

13:00

暇なのでカラダを鍛えることにする。まあ俺自身動きはすべてゲームでやられているものを死ぬ気で再現したんだけど…定期的にやらなきゃできなくなる。まあ、あの動きは再現したほうがおかしいか。とりあえずこの動きと動きは最低限覚えないとな………

 

17:45

今日は少し遅い帰りだな、豊さん

豊「ただいま、オトウトくん」

円「おかえりなさい、豊さん」

豊さんがなんか俺を凝視してくる。俺なんかやばいことやったか?

豊「いただきま〜す」

と言ってなんか抱きしめてきた。この距離普通にきついんだけどと思ったが、そんなことを考えることができなくなった。豊さんが耳に対して甘噛してきたからだ。たっぷり5分はそこで固まってしまっていたと思う。理由を聞いたところ、

豊「なんかセツナがオトウトくんになにかしていそうだから」

である。セツナさんが来ること知ってたんだったら言ってほしかった。いきなり人が来たら驚くものである。

 

18:30

豊「はい、どうぞオトウトくん」

円「ありがとうございます、豊さん」

円・豊「いただきます」

今日の晩ご飯はグラタンだ。豊さんは作るところは見ないでほしいらしいので、見てはいないがやはりこんなおいしそうなものを作るならなおさら見てみたいと思う。嫌われるようなことはしたくないのでやらないが。にしても、食べさせてほしい時とほしくないときの違いは何だ?

 

19:00

円・豊「ごちそうさまでした」

円「豊さん、今日19:30から門を守ってもよろしいでしょうか?」

豊「オトウトくんがちゃんと守ってくれるならいいよ。この家は門以外からはろくに出入りできないしね」

何故かこの家は門からしか入れないのだ。安全確保のために出れることはあっても、そこから再び入ることはできない。柵は約5メートル強ぐらいあり、入ろうとしても有刺鉄線がある。入るための場所が門しかないのだ。そのため、不法侵入する輩も門から入らなければならない。ちゃんと監視カメラもあるので、正当防衛を証明するなら簡単である。あれ?この家監禁とかしたら絶対出れなくね??ま、そうならないと信じよう。

それはさておき。

豊さんを守るというのなら、僅かな可能性でも、不安は潰しておくべきだろう。そうして俺は、着々と準備をしていくのだった…




読了ありがとうございますm(_ _)m。さて、円くんには門を守ってもらうことにしました。誰がやってきて千粒邸を壊そうとするのでしょうかねぇ(すっとぼけ)次回は苦手な戦闘描写を書くことにします。


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第四話 門番としての仕事

影蜘蛛です。とんでもなく苦手な戦闘描写です。今回何をもとにして書いたのかはわかりやすいと思います。一応、オリ主はいま5歳の少年です。


19:30

俺はセツナさんがいった時間になるぐらいには準備を終え、門の前に立っていた。

円「こんばんは。さっさとお引取りやがれ、盗賊共。いや、あのくそみていな〇〇ってやつの命令で動きたくないから断ったのに、誘拐又は豊さん殺害して路頭に迷わせてから守らせるつもりか?」

俺自身この推測はブラフとあいつらに対しての挑発でしかない。これで動揺してくれれば確信できるのだが、、、どうやら喋らないようだ。これは俺に対して恐怖心を与える目的か?それとも、援軍を待ってるのか?上からの判断を仰いでいるのか?

セツナ「こんばんは。君がこうやって出てきてくれて助かったよ。これで豊を殺さずに君を誘拐できる」

あぁ、そういうことか。俺はセツナさんの目的がわかった。要は豊さんを殺さずに誘拐できるように、俺に対してあんな発言をして俺が出てきてくれれば儲けもん。なかったとしても豊さん毎捕まえればいいだけの話。よくできた計画だな。だが、こうやって少ない数できているということは、俺が家に居る前提で来たのだろう。耳元噛んだときに設置でもしたのか。豊さんが上書きしたときに豊さんが呑み込んだのだろう。だが、セツナさんは〇〇ってやつの命令で動いていそうだし、〇〇が黒幕かな?

セツナ「じゃあ、そろそろ援軍も来てくれたことだし、始めようか。私たちが負けたら、君を何故狙ったとか話してあげるよ。まぁ、ありえないからね!いけ、槍兵!」

そんなことを言われたら、負けられないな。とはいえ、俺を誘拐しようとしているのであれば飛び道具は使えない。恐らく、多人数でタコ殴りにして意識不明にさせるか、それか薬品の散布。で、援軍が来たということは前者である。さあ、どんな武器を相手が使うのかによって、俺も戦闘スタイル変えないといけないんだよな。まずやってきたのは、槍を持った男達。刃は潰されているものの、あたったら骨折は確実だな。だが、槍なら近づけばやりにくくなる。それを見越しての5人か。ならば!

「おらぁ!!!」

と言いながら横薙ぎに腕をふる。当たらないとわかっているから避けようともしないが、直後に奴らから鮮血があふれる。痛みで上手く動けない一人から槍を奪う。そのままの勢いで相手の意識を奪う。そして素早くその場から離脱する。ここまで黒塗りしたワイヤーって見にくいものなんだな。驚きつつ槍を振るっているのはすごいが、早く決めないと後ろで待っているやつに近づかれかねない。槍を横薙ぎに振るい、男どもを転倒させる。急いで近づき、意識を刈り取る。適当な場所に投げ、戦闘の邪魔にならないようにしておく。槍は2本背中に背負い、一つはセツナさんにむけて投げる。やはり避けるか。となると才能は戦闘系か?

セツナ「まあ、流石に無理か。じゃあ全員とっつげ~き」

そういった瞬間、走りながら突っ込んでくる奴らや、周りを守りながら来る奴がいる。騎兵と盾兵かな?だが、盾兵のうしろにいる奴ら。そいつらが今回の主力だろう。これを全滅させたらほとんど勝ちだな。事実、セツナさんの周りには一人だけしかいない。コイツラを全滅させれば俺の勝ちかな。じゃあ、ここで使うか。槍を力いっぱい投擲する。そしてその先にあったのは事前に仕掛けたワイヤーを作動させるためのスイッチ。しっかりスイッチを押し、ブ~ンと音がなる。しかし、走りながら突っ込んでくる奴らは自分たちでだしている足音で聞こえない状態だ。盾兵は盾で自分の足元が見えない。

「あああああああァァァァァァ!?俺の、俺の足がァァァ!?」

ゆえに、第一陣は確実に足が切れる。これで、ある程度の戦力を削ぐ。十五秒間待ったあと、ワイヤーのスイッチを切る。流石に可動している中だと事故で自分を斬るかもしれないからな。まあ、この時点で足が切れてしまった奴らが邪魔で邪魔でしょうがないと思う。盾で隠れていた奴らが持っているのは、、、え?ハルバート?やりにくいことこの上ない武器だな。だからといって、やれないことはない。幸い刃は潰されているし、ワイヤーを警戒しているからな。けむり玉を使い、俺の姿を隠す。そして上の方に張っていたワイヤーの上に乗る。そしてやりを振るいながら地面へ向かう。一人を巻き込みながら着地する。さて、ここまではいいんだが、敵に囲まれてしまった。巻き込んだやつからハルバートを奪い、振り回す。この近さだったら録に近づけないはずだ。しかし、段々と包囲の輪は狭まっていく。疲れたところを捕まえる気だろう。だが、この範囲なら!!

「AAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」

咆哮すれば全員耳を塞ぐ。瞬間、距離を詰めてハルバートを当てに行く。慌てようが、もう遅い。包囲の一角が軽々と壊され、俺は逃げれるようになる。攻撃は緩めず、全員の意識を奪う。

円「っ!?そこっ!」

いつの間にかセツナさんの周りにいた一人が千粒邸に入ろうとしていたので、慌てて持っていたハルバートを投げると同時にそちらへ走る。後ろからセツナさんに狙撃されるかもしれないがそれより家に入られたほうが大変だ。ハルバートはギリギリ当たらず、首をかすめた。走った勢いで殴りつける。義絶した人には目もくれず周りを見渡す。セツナさんは盾の上に座っていた。

セツナ「ああ、なんで…君を誘拐するだけなら十分の戦力だったはずだ」

顔が青白くなったセツナさんがいった。

円「言われたときから準備をしておいたんですよ。何、門番として豊姉ちゃんを守るためにね」

冗談交じりにそう答える。なお、能力のおかげでいろんな武器に対応できるようにしようとしたが、ハルバートは予想外だった。そのため、斧を振り回す要領でやった。重心がかなり変わるので攻撃力が足りたか心配だったが、余裕で足りていた。

円「じゃあ、なぜ狙ったのかとか話してくださいね、セツナさん」

絶望している表情のセツナさんにそういう。戦闘系の才能かどうかわからないが、警戒するに越したことはないのでワイヤーを使って縛っておく。

円「良ければ、家に入って話しませんか?豊さんにも聞かせたいので」

セツナ「ああ、わかった…」

誰も死んでない筈なので放置してセツナさんを家に招く。事情がわからないと判断しようがないからな。聞きたいことを纏めておかないとな。




読了ありがとうございますm(_ _)m。多分次回はシリアスな雰囲気になると思います。


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第五話 才能の知らせ

影蜘蛛です。もうそろそろ豊さんをヤンヤンにさせようかと思います。セツナネキは今回名前バレします。


20:30

豊「おかえりなさい、オトウトくん。えへへ、こうやって私が言うのも新鮮だね」

円「ただいま、豊さん。今回の元凶はセツナさんだったけど、知ってたの?」

俺は豊さんに帰ってきた挨拶と同時に、質問をする。ほとんど確信していることではあるが、豊さんはこのことについて知っているはずだ。

豊「少しだけ知ってたよ、でもね、正直に言うとセツナに誘拐されると思った。まあ、ここで話すのも何だしリビングに行こ?」

反対する理由などないのでついていく。

 

〜リビング〜

セツナ「改めて私は『超高校級の軍師』、北斗 刹那だ」

豊「刹那はこの若さで最近あった内乱や紛争を武力介入によって終わらせてきたんだよ。一度たりとも作戦が失敗することはなかったし、その後再発しないようにしているんだって。最近は見つけた戦争孤児を使って交渉て内乱とかを治めているんだって」

恐らく幸星かな。あいつは『超高校級の交渉人』になるのかね。にしてもそんなことを知ってる豊さんはすごいなぁ。しかしよく考えたら、外の知識を見るものがこの家にはないのか……

セツナ「私が円を襲った理由だが、私は脅迫されたんだよ。あの〇〇ってやつに人質を取られてしまってな」

豊「最近は君達が活動してないと思ったけど、それが原因だったのね。でも、なんで私のオトウトくんを?」

円「勧誘来てたので断り続けたんですよ。多分それで逆ギレしたのでは?」

セツナ「はぁ…おそらくそれもあるだろうが、おそらく欲しかったのは豊だろう。豊は美人だし、年も若い。結婚相手として既成事実でも欲しかったのだろう」

円「それで、私と豊さんを誘拐しにきたと」

セツナ「ああ。よく二人でオトウトに対する良さを語っている時に、あってもいいかと相談してから、会った。5歳からだと油断しないように過剰戦力で攻めたのだが…君は本当に何なのだ?」 

円「(一度転生した)ただの門番です」

嘘はついていない。ただ模倣した動きを繋げるだけだ。というかさらっと、戦争孤児もオトウトくんになってないか?絶対大変なことになってそうだな。世間的なことわからなかったりとか。

豊「ね?うちのオトウトくんは凄いでしょう??」

セツナ「ぐぬぬ…」

円「ところで、その戦争孤児の名前は?」

セツナ「天乃河 幸星(あまのかわ こうせい)という」

俺は確信した。幸星はいま大丈夫だと。

豊「さっさと〇〇の証拠と余罪を警察に提出しましょう。幸い、バカだったからつけばつくほど不正行為が出まくっているからね。解雇は簡単だよ」

円「幸星は今どこにいるんだ?」

セツナ「おそらくはあいつの手元にいるだろう。でも私のオトウトくんのことだ。大人しく待っているだろう」

豊「今からクソ野郎を警察に突き出す?」

セツナ「いや、もっと絶望させてから警察に渡す。終身刑にはなりそうだが、過剰防衛にならないようにあいつをボコる」

円「じゃあ、私も手伝います。私は幸星を見てみたいので」

さあ、〇〇を絶望させに行こうか。

 

21:00

〇〇「遅い!!儂は一時間程度で帰ってこいといったはずだ!!」

セツナ「申し訳ありません。何分ふたりとも捉えるのには時間がかかりましてね。こちらをどうぞ」

そういうとセツナさんは手首を縄で縛られている俺らを〇〇に付き出した。

〇〇「ふむ、しっかりできてはいるようだな。しかし、お前は時間に遅れた。罰としてまだ働いてもらうぞ」

セツナ「そんな、私はこれでオトウトくんを返してもらうという約束のもと、コイツラ二人を誘拐したんだ!!返せ!!!」

〇〇「いや、儂のだしたもう一つの条件を果たすだけだぞ??簡単ではないか?」

セツナ「では一つ、言いたいことを行ってからでよろしいでしょうか」

〇〇「有無、構わんぞ。さっさといえ」

〇〇は自分の勝ちを確信して油断している。動くのなら今だな。

セツナ「何でもお前の考えてることがうまくいくとおもうなよ、クソ野郎!!!!!」

言われた瞬間、俺は手首の縄を解いた。その後、勢いのまま走り、思いっきり〇〇の頭を殴りつける。面白いように吹っ飛んでいき、壁に体を打ち付ける。

〇〇「な、何を」

喋っている間に同じく縄を解いた豊さんが顎にアッパーカットを決めた。舌を噛んでしまったようだが、まだ終わってない。最後にセツナさんが頭の部分に踵落としを決める。〇〇は意識を失った。

円「あれ?これ幸星の場所聞き出せなくね?」

そういったはいいものの、いかんせんそこまでこの家は広くない。なので、探すことになった。俺は先に警察に電話を掛け、警察を呼ぶ。

「あ、もしもし、円といいます。〇〇〇〇〇〇〇〇という所に来てもらいませんでしょうか?〇〇という輩を強姦未遂と脅迫と誘拐の現行犯として捕まえました」

「またお前か」

「いつもお世話になっております」

といつもの警察官と掛け合いをして、捕まえた人を引き渡す。もちろん、縄で縛っている。

「あ、この方横領の罪もあります」

「俺はお前につきあわされてもう慣れたから、そのあたりもバッチリだよ。お前のおかげで手柄がもらえるからな」

やっぱ何回も同じ人に頼んでおくと楽だな。次も頼むか。

円「そういえば、貴方の名前は?」

「私は罪木 雪夏(ゆきな)という。君のせいで6歳の娘と話すことすらできてないんだ。少しは自重しろ」

円「わかりました」

俺はそう答えた。

円「え?罪木?犯罪の罪に木材の木?」

雪夏「ああ、珍しい苗字だろう?よくわかったな」

まさかこの警察官が原作キャラの親とは思わなかった。

雪夏「さて、一応お前を警察署まで連れていき、事情聴取をさせてもらう。安心しろ。すぐ帰れるからな」

俺は連れて行かれ、幸星と会わずに帰った。

 

 

???「あれ、これメシアがわざとこちらに連れてきたのか?そう考えたら一度自分をあっちにいかないと、二人が大変なことになってしまうな。二人がヤンデレ共に殺されないように影からサポートしないと……でも、死ぬ前提で動かなきゃかな…っと。よし、才能をなにかつけないとな」




読了ありがとうございますm(_ _)m。先日影蜘蛛の友人に名前を使っていいから神として暗躍させろと言われました。しっかりこのあと使わせて貰うけど代償がきついんよ……。死に方は私が決めてもいいと言われたのでまともに殺されると思うなよ。あと次は小学校ではなく、多分中学生時代の頃を書きます。小学校時代に才能を使う人なんていないので。


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第六話 中学生時代(門番)

影蜘蛛です。オリキャラ5人目の投入です。でも、多分私がややこしくなってきたら容赦なく退場させる所存(一人は確実に退場させる)。少しだけ原作と絡ませていきます。ちなみに、幸星様はあと3話ぐらいしたら出てきます。それとお気に入り登録していただき、ありがとうございますm(_ _)m。


ようやく俺は中学生になった。豊さんは高校を卒業し、富豪として様々なことをやっている。最近では、世界の金持ちランキングにほかと大差をつけて一位になったとか。でも、家からは殆ど出ないのだ。俺の中学校はあまりあっていないが、大切な両親に決めてもらっている。十二歳になってはいるが、未だに世間的なことわからなかったりする。家には外からの情報を得る手段が豊さんの話ぐらいしかないからである。家を守ることは相変わらずやっているものの、最近は豊さんに

豊「私の隣だけ守っていればいいよ。だってオトウトクンはずっとずっとずっとずっとずうっと一緒にいてくれるんでしょ?」

と言われて隣で守っててと言われる。門すら守れない無能門番にされかけている。学校では、世間一般的なものがわからないので二人ぐらいしか友達がいなかった。一人は『超高校級のジョーカー』巳神 玲穏(みかみ れお)。道化師として各地を廻っており、その際に知り合った。小学校時代には五年生までずっと一緒だった。色々な武術や曲芸を教えてくれたが、6年のときに転校してしまった。そしてもうひとりが苗木誠。原作通り、とても優しい人物で、純粋である。そしてまごうことなき、ダンガンロンパの主人公である。

円「なんでこう、原作キャラと会うのかな…」

誰にも聞かれない浴室の中で呟く。中学校は同じになったので良かったが、確か舞園さやかが学校にいるんだよな。苗木と舞園は両片思いになることはわかっているから、中学の時に少しぐらい距離を縮めてほしいものである。俺はさっさとくっついてほしいとつくづく思う。両片思いもしくは知らないうちに惹かれてる奴らの出す雰囲気は周囲の被害が甚大なんだよ。今日苗木から鶴を助けたと言われた。確実に舞園に見られている。だが何か俺は見落としているような気がする。何かしらとんでもない見落としを。

「あ!?」

今気づいた。俺は豊さんに決められた風呂の時間を大幅に超えているのだ。豊さんは嬉々として風呂場に入ってくる

豊「あら?オトウトクン、なんでいるの?もしかしてお姉ちゃんと身体洗っこしたいの?いいよ~早くやろう??」

完全に興奮している声でそう言ってくる。もし嫌だと言ったら問答無用で押し倒されて洗われる。やられたときはまだ小5だったから良かったが、今やられたら大惨事である。ここは心を無にして大人しく洗うことにする。豊さんは20代あたりから体が一切変わっておらず、男女問わず目が釘付けになる程整っている。おかしいだろ胸と尻だけデカくなって、引っ込んでる場所は引っ込んでてさぁ。なんかファンクラブができているのも納得するわ。とはいえ、まじまじとみていては失礼なので丁寧に体を洗う。しっかり体についているすべての泡を洗い落とす。それが終わると、生殺しというなの体洗いが始まる。地獄か天獄かといわれると間違いなく両方だ。体が熱くなるのを抑えなくてはならないが、しかし豊さんの女性特有の甘い匂いや柔らかい感触が体に直接伝わってくる。しばらく生殺しに耐えていると、ようやく終わる。

豊「ねえねぇオトウトクン、一緒に入らない?」

円「いや湯当たりするから」

そういって俺はさっさと浴場から出ていく。このまま豊さんの言うとおりにしてもいいのだが、小5のとき一緒に入らされたときにすぐに豊さんが湯当たりしてしまったので介抱するのが大変だった。あんなことになるのだから、素早く出るのが得策である。

ちなみに豊さんは一時間以内に出てこなければ基本的にのぼせる。

 

 

 

 

 

今日は中学校が休みなので、門番する。というか、門番をしなかった翌日は登校中に囲まれて学校に遅刻するのだ。家にいるだけでなぜ登校中襲われにゃならんのだ。

豊「今日は11時30分と13時50分に来るから、それ以外は問答無用でやっていいよ~じゃあいってらっしゃ~い♪」

円「いってきま~す」

さて、門番をしますか。

 

11:30

円「はい。▲様ですね。中で豊様がお待ちです。はい、どうぞお入りください」

 

12:30

今日は豊さんが作ってくれたお弁当だ。しかし、

「おらぁ!!こいつからそれを奪え!!!与えるわけにはいかない!!」

「「「「「「「「はい、ボス!!!!」」」」」」」」」

ファンクラブが自分が食べたいがために奪おうとしてくる。食べながらでもあしらえる程度の奴らなので、のんびり(当人比)たべる。今日はハンバーグか。美味しいなあ。

 

13:50

円「はい。◆◆様ですね。はい、どうぞお通りください」

◆◆「君は真面目だねぇ。オット、私は君を奪う気はないよ。奪おうとしたらサマーソルトやらなんやらで殺されるんだろう??なら、奪わないで豊様と懇意にしておいたほうが余程いい」

 

17:00

もうそろそろ家に戻らないとな。

円「ただいま、豊さん」

豊「おかえりなさい、オトウトクン♡」

そういうと豊さんは俺にハグをしてくる。昔は驚いたが、もう驚かなかなくなった。

豊「今日はどうする?ご飯にする?それとも、私にする?」

何だその二択は?不安でしかないが、ご飯にする

円「ご飯でお願い」

豊「むぅ~」

不満気な顔ではあるが、キスをするわけにもいかない。おとなしくハグをし返し、離してくれるようお願いする。

豊「わかった!!すぐ準備してくるね」

円「豊さんのご飯は美味しいから、楽しみだな~」

わざとらしく呟く。豊さんはスキップしながら、廊下を歩いていった。

 

18:25

豊「はい、どうぞ召し上がれ♡」

円「いただきます」

現在でも俺5:豊さん2でご飯を作ってはいる。しかし、どうしても豊さんは俺に料理している姿を見せてくれない。なんでかねぇ。ふたりとも使っている素材は同じなはずなのに…

 

18:50

円「ごちそうさまでした」

豊「お粗末様でした」

円「美味しいご飯ありがとうございます、豊さん」

豊「オトウトクンのためだったらなんてことないよ♪」

豊さんはそう謙遜するが、努力が認めてもらえたのか上機嫌である。

円「じゃあお風呂入ってくる」

豊「は〜い♪」

 

風呂場

( ´ー`)フゥー...落ち着きますなぁ……

~十分後~

( ゚д゚)ハッ!時間だ!出よう

 

19:30

宿題はやっぱ楽だな。すぐ終わる

今日なんか眠いな……

豊「どうしたの??眠そうだけど大丈夫??もう寝る??」

円「うん。なんか眠くて…おやすみなさい」

豊「眠いなら私が膝枕してあげる。こんな早くに寝ちゃうオトウトクンが悪いんだからね?でも安心して、いつでも私はオトウトくんの味方だから」

そう言われた瞬間、豊さんを見上げる視点になる。頭が柔らかいものに包まれて困惑するが、眠気に抗えず、そのまま俺は膝元で寝てしまうのだった…

 

豊「オトウトクンの寝顔は天使みたいだね。これも見るためだけに薬を持ったかいがあったよ。流石に膝枕は拒否してくるのかなぁと予想してたけど、してこないならそれはそれで好都合。このままオトウトクンを依存させて私から離れたくなくならせる。ここから離れようとしたら密かに改造したこの屋敷の地下室で愛を囁き続ければきっと動きたくなくなる。それでも離れようとしたらいっそ骨抜きにして……いずれにしてもとっても楽しみ。世間にはシスコンの弟として認知されてしまっているから、どれだけ言っても妄言として扱われるはず。どうなっても私はオトウトクンの味方だから、ずっと一緒にイヨ?オトウトクン」




読了ありがとうございますm(_ _)m。というわけで少しヤンデレになってきています。豊ネキは色んな型のヤンデレです。つまり総合型です。にしても円と玲穏は決まってるからいいけど、幸星様は何の才能にしようか……


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第七話中学生時代(学校)

影蜘蛛です。いつも二千ぐらいで終わるはずだったのですが、なんか増えました。門番時代の明日の話です。円は2年生です。本編どうぞ。


起きたとき違和感を感じた。いつもと枕の感触が違うし、寝起きに見ている景色が全然違うのだ。慌てで昨日の記憶を思い出す。眠すぎて豊さんに膝枕をしてもらったらそのまま寝てしまったのだ。とんでもなく羞恥心でいっぱいになる。同時に、膝枕してくれたとき眠気に抗えなかったのかが不思議に思った。俺は寝る時間と起きる時間は殆ど決まっており、眠気というのはその時間に一気に押し寄せてくるという特殊な人なので昨日のように段々眠くなるというのはおかしい気がする。考えたところで無駄なことだとわかっているので気にしないことにする。起きた時間もいつもと変わらないから問題はあまりないからな。さて、こんな無駄なことを考えてしまっているのは、膝の上から動けないのである。豊さんはねている間頭を撫でてくれていたらしく、頭の上には手が乗っている。髪がさらさらだったからなのかとても満足そうに寝ている。今の俺には二つ程選択肢がある。一つはこのまま豊さんが起きるのを待つ。一見無難な選択肢ではあるが、朝食の準備や今日は学校があるので、そんなに悠長にできないのが問題。二つ目は豊さんを起こす。こんな満足そうに寝ているのを起こすのは忍びない。よって却下。俺がゆっくり起き上がればいいのかもしれないが、ほぼ確実に胸が俺に当たるような場所にある。だが、いま眠気が残る頭であまりいい案は出てこない。諦めてゆっくり起き上がるか。俺はそう考え、ゆっくり起き上がる。幸い、豊さんが起きることはなかった。

 

07:00

円「豊さん、おはようございます」

豊「!?あ、うんおはようオトウトクン」

豊さんは起きた直後に俺がいることに対して吃驚しているようだ。顔が赤くなっている。

円「ご飯もう作りましたので、どうぞ」

豊「ありがとう、オトウトクン。いただきます」

流石に変に急いでいる自覚はある。急いで食べないと遅れてしまうからな

豊「私の膝枕、気持ちよかった?」

円「うん。とっても気持ちよかった」

豊「なら良かった」

 

07:30

円「いってきま~す」

豊「いってらっしゃ~い♪」

この時間になったら本当にギリギリな時間である。家を出てからはダッシュで登校をする。なるべくすぐに止まれるぐらいの速さで走り続ける。周りの人にも当たらないように注意しながら学校に行く。本当はゆっくり歩いても間に合うのだが、豊さんのファンクラブに足止めされることを考えると、ギリギリになってしまう。三キロしかない距離を体を張って通行止めをされ五キロぐらい走らされたこともある。最悪屋根の上を走ってもいいぐらいファンクラブはうざい。今日は妨害されずに学校に行けそうだが、明日は面倒くさくなるなぁと感じる。アイツラ今日黙々と何か準備していたのだから。

 

07:50

円「おはよう、苗木」

苗木「おはよう、壁戸くん。今日は早いね」

円「そうだな。一時間目より前に来れるのはあまりないからな」

苗木と挨拶をする。最近は来る時間が2時間目だったから、この時間は久しぶりだな。遅刻の理由を聞かれたら『家の用事』と答えている。小学校時代先生に馬鹿正直に『豊さんのファンクラブ会員に邪魔されていけませんでした』といったら

「お前はあの千粒邸事件のけしからんやつか!!それにお前は女神にあろうことかさんづけで呼びやがって!!お前を殺してやる!!!」

と言われた。どうやらあの5歳の事件は予想以上に有名らしい。苗木曰く、

「当時ネット上でも全く名前が出てこない人物として騒がしていたよ。『超高校級の2大美姫』のうち一人が同棲生活してますって言ったらしいからね。その門番少年ーー名前はわからないけどファンクラブの奴らは知っているーーーの抹殺はファンクラブ上では1つの宿願なんだってさ」

とのこと。とんでもなく世間に知れ渡っているなと思う。あと絶対あのタンニン名前バラしやがった。

 

 

08:40

「気をつけ、礼」

「「「「おねがいしまーす」」」」

社会先生「今日は哲学対話をします」

一限目は社会だ。哲学対話ってあれか。

社会先生「何かやってみたいテーマがある人」

円「正義と悪についてやりたいです」

社会先生「他になにかやってみたいテーマがある人は?いないなら壁戸の案で決定だが…問題ないみたいだな。では、机を下げ、椅子で円を作りなさい」

誰が喋るのか楽しみだな。

 

社会先生「これには正解とかはないから気軽に意見をいっていいぞ。だが、ボールを持っている人以外は喋るな。ボールがほしいなら手を上げろ。そして意見を否定するな。開始」

 

「僕は、正義というのは片方から見たらのものだと考えます。なぜなら、正義のミカタというのは片方から見たらの話で、もう片方からみたらただの恐ろしい乱入者だからです」

「俺は、正義というのは勝ったやつ、負けたやつは悪だと考える。正義は勝つというのは勝ったやつしか残っていないから必ず勝つとも言えるし、敗者は悪なのは勝ったやつが都合のいいように背景を書き換えられたからとも思う」

「私は一番強い奴がやなやつだと思いたいのは勝った奴らを自分にとっての悪として憎みたいからだと思う。例えば、昔のAという少年が、事件のときに同棲生活をしていて妬ましい悪だと決めつけているファンクラブがあるが、その少年は同棲生活に対して全く気にしていなかったり、むしろありがたいとは感じていなかったとしよう。その場合ファンクラブの奴らは自分ができなかったからといって、少年に対して自分たちの正義を押し付け、迷惑をかけている。この場合理不尽な目にあった少年からしてみればファンクラブの奴らは自分の敵、つまり悪となる。なので私は必ず正義の反対には悪が、悪の反対には正義と考える」

 

 

 

社会先生「はい、そこまで。今日の授業は終わりです」

「気をつけ、礼」

「「「「ありがとうございました」」」」

苗木「壁戸くん、妙にリアリティーのある例え話だったね」

円「ネットの話だからな。やっぱ議論する奴ら限られてんな。ところで、次の授業は?」

苗木「英語だよ。忘れてそうだから言うけど壁戸くんはボクと同じクラスだよ」

円「ありがとう、苗木」

 

09:40

 

「気をつけ、礼」

「「「「おねがいしまーす」」」」

英語先生「今日は今までの復習のために、プリントをやってもらいます」

10分後

ふう、終わった。これぐらいなら余裕で終わるが、いかんせん苗木たちと同じぐらいに終わるように調整しないと悪目立ちするからな。終わっていないやつの手伝いもするか。

円「ねぇ、どこかわからないところある?」

「えっと、こことそことここがよくわからないの」

円「これは助動詞だから、ここのこの部分が間違っているんだよ。そこは………」

~少年説明中~

円「…となるんだ。説明の中でよくわからない場所あった?」

「ううん、わかりやすかった。ありがとうね」

円「どういたしまして」

 

英語先生「あら、もう全員終わったの??あと5分間ワークやっておいて」

 

「気をつけ、礼」

「「「「ありがとうございました」」」」

さて、次は美術か。教室移動しなきゃな。

苗木「……うん。確かに……壁戸くんって、天然の……だよね………」

何か苗木が先程教えていた少女と何か話していたが、距離が遠く、聞き取れなかった。

 

10:40

「気をつけ、礼」

「「「「おねがいしまーす」」」」

美術先生「今日は抽象画を描きます。抽象画が何なのかわかる人」

苗木「はい。存在しないものを描いた絵です」

美術先生「よく覚えてましたね。今日は抽象画で自分の心を描いてみてください」

自分の心……ねぇ。俺は転生しているせいでそのあたりははっきりとしているが、それでもよくわからないのである。どうせだし白と黒で埋め尽くすか。

40分後

美術先生「周りの人のを見てきてください」

と先生が言うと、俺のところの絵を見に来る。

「なんでこんな絵にしたの?」

円「自分でも心はよくわかんないから、私は何にでもなれるこの2色を混ぜた絵にしてみたよ」

そう言って俺は他の人の絵を見に行く。人がいたり花が咲いていたりして様々なものが見える。とても面白かった。

美術先生「はい、自分の席に戻ってください。号令」

「気をつけ、礼」

「「「「ありがとうございました」」」」

次は体育だ。早く着替えていかないとな。

 

11:40

「気をつけ、礼」

「「「「おねがいしまーす」」」」

体育先生「今日は長距離走(1500メートル)をしてもらいます。先に男子から」

「「はーい」」

黙々と準備をしていく男子と、反対に日陰で休む女子たち。男子の中には好きな子にいいとこ見せようと気合が入っているやつもいるが、大抵は億劫である。

体育先生「ヨーイ、ドン」

合図された瞬間、俺はそれなりに本気で走り出す。1周で45秒ぐらいのペースで走ると、驚かれるが慣れたものだ。本気で一度走ったが、一周で30秒のペースになっていたので自重した。自重しているところでおかしいが、まあ問題無い……筈。そのまま一位でゴールして、全員がゴールするまで走り続けた。最後の方は疲れてペースは落ちた。

体育先生「男子は終わったので、次は女子。早く並びなさい」

「「はーい」」

女子の方もゆったりとしたスピードで走っていく。するとこちらに先生がやってきて

体育先生「壁戸、やっぱり陸上部に来たほうがいいぞ。すぐレギュラー入りできる実力だからな」

と言われる。豊さんからやらないでと言われたので

円「私は部活動を家の方の方針で禁止されているので、すみません」

と断る。

体育先生「次の三者面談で、必ずや認めさせてやる」

円「流石に認めないと思いますよ?決めると決めたら変えない人ですのでね。あと、そろそろ時間ですよ」

体育先生「あ!ありがとうよ壁戸!!今日は挨拶はいいからすぐ帰って給食準備していいぞー!!!」

時間が来たのでそれを口実に帰らせてもらう。

 

給食

今日はカレーか。辛くないからありがたい。

体育先生「めちゃくちゃ余ったから誰か食べてくれ」

円「じゃあ食べます」

今日もご飯は残りませんでした。

 

13:35

「気をつけ、礼」

「「「「おねがいしまーす」」」」

国語先生「じゃー今日は百人一首をやります。班になってください」

今日は百人一首か。暗記ゲームは全部得意なんだよな。なるほど、ここにそれがあって……よし。覚えた。

国語先生「では、始めます。朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに………」

 

国語先生「……わが衣手に雪は降りつつ。はい、全部読み終わったんで誰がどのくらい取ったか数えてください」

俺は30枚取った。戻すのだから全部綺麗に揃えておく。

国語先生「号令おねがいしまーす」

「気をつけ、礼」

「「「「ありがとうございました」」」」

円「苗木、何枚取った?私は三十枚」

苗木「ボクは二十五枚だったよ。次は被服室で家庭科だよ」

円「ありがとう、苗木」

 

14:35

「気をつけ、礼」

「「「「おねがいしまーす」」」」

家庭科先生「今日はエプロンの続きをやってもらいます。エプロンの作り方は事前に配った用紙を見てください」

「「「「はーい」」」」

近くにいたやつのを覗き込む。すぐに覚えれたので作業に取り掛かる。一時間遅れてるなら、いま三時間分の作業をやらないと、次もまた焦るだろう。

〜少年作業中〜

家庭科先生「次の授業の分も終わったら、近くの人に教えてあげてくださいね」

どうせだし、苗木に教えるか。

円「どう?終わりそう?」

苗木「いや、玉結びが難しくてね、、、」

円「玉結びはここをこうして、こうすれば」

家庭科先生「はい、もう終わりなので自分の席に戻ってください。号令お願い」

「気をつけ、礼」

「「「「ありがとうございました」」」」

 

 

16:00

円「ただいま、豊さん」

豊「お帰りなさい、オトウトクン」

帰ったらすぐ手を洗いに行く。手洗いうがいは大事だからな。着替えをして、豊さんに今日あった出来事を話す。

 

17:00

もうそろそろご飯作り始めないとな。今日はそぼろ丼にするか。

 

18:00

円「はい、どうぞ」

豊「ありがとう、オトウトクン♡いただきます」

円「いただきます」

今日も上手くできたと思う。

豊「じゃあ、あ〜んして??」

円「え??」

困惑して声を出したが、やらかしたと思う。豊さんに逆らおうとしてしまっていることでどうなるかわからないからだ。

豊「嫌なら、良いんだけど、、、」

円「嫌です」

豊「残念」

思いの外、すぐ引き下がってくれた。これは急いで食べないとまた提案されるだろう。5分で食わなきゃ。

5分後

円「ごちそうさまでした」

25分後

豊「ごちそうさまでした」

 

19:00

風呂の時間だ。ゆったり浸かる

 

21:00

円「おやすみなさい、豊さん」

豊「おやすみなさい、オトウトくん」

疲れた。ゆっくり寝よう。




読了ありがとうございますm(_ _)m。影蜘蛛の補足。円が三時間にしたのは確実に次の授業も遅れるから。円にはファンクラブがありますが、全く気づいてません。やっている授業がどちらかというとふざけているのは、円が一年の頃に全員に教えていたら3年生までの授業が終わっていたからです。次回はもう高校入学寸前。原作は壊れてもしゃあないと考えてくれれば幸いです。


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第八話 才能三つ 異常は二つ

影蜘蛛です。今回はネタ回に近いものだと思ってくれれば幸いです。タイトルでネタバレしてますが。本編どうぞ。


ときは経ち、中学三年生になった。俺は今この世界の原作との差異を上げていく。1つ目は、俺と幸星、そして原作にいなかったはずの巳神がいること。俺らは超高校級として入学がメシアにより確定しているので、原作であれば16人だが、実際に入学するのは19人になっている。巳神玲穏は原作にいないので、おそらく転生者なのだろう。しかし、メシアがその点について説明していないのが不思議だ。転生者特典なんて過保護なもんを渡すのなら、あそこで玲穏も一緒にやっていないと変だと思う。運命が変わるなんてことが何度も起こり得るとは考えにくい。高校出会ったときに聞きたいことである。二つ目は舞園さやかと苗木誠が付き合っていること。俺が苗木の背中を押して告白させたら、うまく行った。中学校では仲のいいカップルとして有名になっている。現状わかっているのはこれだけである。なぜなら、未だに千粒邸に情報をいれる媒体が一つとしてないからだ。豊さんに言おうとは思ったが、何か考えているのだろうと思い、言わないでいる。

 

ある日

16:30

担任に呼び出されたら、手紙を担任からもらった。

体育先生「良かったな。壁戸、お前は希望ヶ峰学園からスカウトが来てるぞ」

円「ありがとうございます。それでなんの才能ですか?」

体育先生「いや、まだ封筒開けていないからわからないぞ。ここで開けて才能を教えてくれないか?」

円「いいですよ。では、開けます」

そこにはこう書かれていた。

ーーーー『超高校級の門番』及び『超高校級の世間知らず』及び『超高校級のシスコン』として希望ヶ峰学園に来てください。希望ヶ峰学園教師一同ーーーー 

俺は世間にどう思われてるんだ??流石に門番だけ明かす。

円「門番としてスカウトされましたね」

体育先生「お前、あのときのやつだったのか!!良ければ、5歳の事件のとき、お前が何故撃退できたのか詳しく教えてくれないか??」

俺は驚いた。門番のことを大人に話すといつもぶん殴られたりするからだ。

円「ええ。良いですよ。まずは………」

「……という感じでやれたんですよ」

体育先生「なるほど!!だったら、ワイヤーを相手の首のあたりに設置していればよかったのではないか??」

円「それだと最初から作動させないといけないんですよ。あと、そもそも設置する場所がないですよ。あと、そろそろ帰ります」

体育先生「さようなら!!壁戸!」

円「さようなら」

俺はもう走る速度もバラしても問題ないので、走っていく。家に帰りたい。豊さんに質問したいことがあるからな。

 

17:00

豊「おかえりなさい、オトウトくん♡」

円「ただいま、豊さん。希望ヶ峰学園から手紙もらったけど、何か手を回したよね??だって普通3つも才能の肩書ないはずだよね?」

豊「うん。世間知らずはオトウトくんにネットを一切使わせないことでついたし、シスコンがついたのはオトウトくんと洗いっ子したり私が膝枕したり一緒に寝たりしたでしょ?決定的なのは、ずっと私のことが理由の一部としてついていることが多いことなんだよ。門番はオトウトクンが5歳から守り続けているというのと、大量の人間、それも『超高校級の軍師』が作戦を立てた上で一人たりとて門を通していないからと言うのが大きな要因だよ。なにはともあれ、おめでとうオトウトくん♡」

円「う、うん」

どうやら2つの才能は豊さんがわざわざつけてくれるよう動いてくれていたらしい。どんな才能でも、入学できるならいいか。

円「ところで、俺は世間だとなんだと思われてるの?」

豊「5歳から『超高校級の富豪』の家の門を守り続ける美少年で、実力は『超高校級の軍師』の作戦を破れる程。でも世間的なことを知らないので、とっても純真無垢。千粒邸に住みこんでいるので近場で会うことはないが、門を守っているので必ず行けば会える。名前は知らない。一説では、親族が全員死んでいることに心を痛めた『超高校級の富豪』に拾われ、そのお礼に門を守り続けているらしい。『超高校級の富豪』にしか心を開かず、世間ではシスコンと呼ばれるぐらい溺愛している。というのがオトウトくんへの世間の評価だよ」

円「どうせセツナさんか豊さんが流した噂でしょ?」

豊「違うよ」

円「だったら、世間的なことを知らないなんてことが評価の中にあるの?少なくとも、このあたりは豊さんが流した噂だ」

豊「なんでわかったのよ」

にしてもとんでもない評価だな。名前と両親の情報以外はほとんどがバレてやがる。一説が豊さんの願望だと思うが、言わないでおく。

豊「他に質問ある?」

円「5歳の事件ってどうなってるの??」

豊「〇〇氏が自分の勢力拡大のために、一人の少年Aを誘拐。それに対して抗議しにきた刹那に対して取引を持ちかけ、一人の超高校級の才能を持つものを捕獲させようとした。刹那は、近場にいる人という理由をつけ、私を捕獲させようとした。本当は、私から門番がいることを聞いていたので、わざと負けて協力してもらおうとした。だが、間違いなく軍師の才能で作戦を立てている。門番の少年Sは5歳だが二千人の数を一人たりとて門に触れることすら許さず難なく撃退する。怒った私が〇〇氏の不正証拠等を集め、〇〇氏は逮捕された。終身刑がくだされている。なお、現在も少年Sは門を守っているらしい」

円「大分事実と違うな」

豊「得てしてそんなもんだよオトウトくん」

そういうものか。まあ高校入学できるならいいか。俺の頭じゃどこにもいけないからな。なにはともあれ、俺は希望ヶ峰学園に通うことになった。




読了ありがとうございますm(_ _)m。巳神玲穏については、まだプロフィールは書きません。次回からは高校編に入ります。もし誤字脱字等ありましたら、教えてくれれば幸いです。


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高校生篇
第九話 入学式?


影蜘蛛です。二次創作物をもとにして何人か書いているので、実際の話し方と違ったらすみません。それでは、本編どうぞ


無事苗木も幸運として一緒に入学することとなり、一緒に登校してもらうことになった。ぶっちゃけ幸星と玲穏が何をしたのかだけはわからないからだ。他の才能は全部わかるが、いかんせん超高校級の奴らと殆ど面識がないからである。不安要素の一つは、幸星が俺の転生先をわかるか否かである。玲穏と俺はイレギュラーなので、判断がつきにくい。まあ、いずれにせよ明日あったときに話せばいいか。

入学日

円「それじゃあ、いってきます」

豊「いってらっしゃ~い、オトウトくん♡」

いつものように出るときの挨拶をして、俺は行く。待ち合わせ場所にはすぐついた。

円「おはよう、苗木」

苗木「おはよう、壁戸くん。そういえば、まだどんな才能で行けたのか教えてもらってないんだけど……」

円「世間知らず」

苗木「凄い才能で受かったね……」

円「いや、幸運という才能のほうが凄いぞ。お前恋人と同じ高校に行きたいって俺に愚痴いったけど、幸運で入学できるならまさに幸運じゃないか。願ったら願いって叶うんだな」

苗木「確かに。もうそろそろ電車くるから、行こうか」

円「電車初めてだから楽しみだ」

苗木「壁戸くんは走ったほうが早いもんね」

 

希望ヶ峰学園門前

苗木「おはよう、さやか。今朝は一緒に登校できなくてごめんね」

舞園「おはようございます、誠さん、壁戸さん。全然気にしていないので、大丈夫ですよ。これから毎日、同じクラスで3年間過ごせますからね」

円「おはようございます、舞園さん。いちゃつくのはあとにしてください。朝だからといって人通りが少ないわけじゃないんだし、二人が揃うと周囲の人達があてられて目の毒なんですよ」

朝の挨拶と同時に釘を差しておく。中学校では苗木達のせいで授業が一切進まなくなる異常事態になった。本当に一年の頃に3年間の勉強を教えといてよかったよ。早く行った理由も苗木達がここで話し続けて遅刻になることにならないようにすることである。

円「早く行くぞ、二人共」

苗木・舞園「「は〜い」」

門をくぐる。そこで一度意識が途切れるような感触があった。おそらく、最初のシーンのやつである。

「大丈夫か?」

苗木「多分」

舞園「私も」

円「なあ、そこのお前」

そう言って俺は後ろにいる人物、もとい葉隠に言う。

葉隠「ヒィィィ!!な、何だべ?初対面のやつに対して失礼な態度だべ。許してやるから、俺が紹介するツボ買ってくれだべ」

こいつ、去年懲らしめたのに反省していないのか?

円「うるせえ!!!屋敷に侵入しようとして、挙句の果てにはへこへこ諂いながら、俺に警察に通報しないでくれと言ってきた奴はどこのどいつだぁ?それとも、もう忘れちまったのか??」

葉隠「お、お前はあのときの門番か!過去のことは許してくれって……他の人にも紹介しないから、頼むべ」

円「ならいい」

苗木「壁戸くん、葉隠くんのこと知ってるの?」

円「おう。去年ぐらいに家の前にいたら、こそこそと家の鍵を開けようとしていたんだ。それにムカついてサマーソルト?を決めたんだよ。そしたら『許してくれもう誰にも売りつけません』って言うから逃してやった。同じことをやったらどこか体の一部が不幸になる呪いをつけてな」

葉隠「右足が痛くなってきたのはそのせいだべか!」

円「で、こいつの才能は?『超高校級の侵入者』か何か?」

苗木「いや、占い師らしいよ」 

円「ありがとう。あと、葉隠。次は頭が痛くなるから気をつけろよ」

葉隠「わかったべ」

さて、さっさと中に入りますか。

 

希望ヶ峰学園1一1

円「おはようございます」

石丸「おはようございます!朝の挨拶をしっかりできるとはな!!来たひとの中で君が一番いい声だった!!名前は何という??」

円「はじめまして。でも、先に聞いてきた方から言うのではないか?」

石丸「それは失礼した。僕は『超高校級の風紀委員』石丸清多夏だ!!改めて、君の名前は??」

円「俺は一応『超高校級の世間知らず』壁戸 円だ。後ろにいる二人は男が『超高校級の幸運』苗木誠、女の方が『超高校級のアイドル』舞園さやかだ」

苗木「紹介された苗木です」

舞園「同じく紹介された舞園です。これから3年間よろしくおねがいします、皆さん」

石丸「ウム!!よろしく頼む」

俺の才能は世間知らずとしておく。他の才能だと、厄介だからな。苗木達と別れ、髪がすごいことになっている人に話しかける。

円「俺は『超高校級の世間知らず』壁戸 円っていうんだ。よろしく頼むぜ、『超高校級のブラコン』カムクライズルさんよ?」

カムクライズルに話しかける。こいつは確か希望の才能で入学したわけではない。メシアがくれた本曰く、ブラコンとして入学したらしい。ちなみに兄は日向創。血がつながっているのに苗字が違うのは異母兄弟だから。日向創はハンターとして入学しているらしい。

カムクラ「よろしくおねがいします、円さん。もしかして私と似たような才能じゃないのですか?貴方から私と同じ人な気がしますが」

円「たしかに、そんな才能もあるな。なんか才能が多くてな、まともなのがこれしかない」

カムクラ「後でそういうのの偉大さについて話し合いませんか?あなたとはいい話ができそうです」

円「もちろん、構わない。同士が増えるのは嬉しいことだからなじゃあ、また後で」

カムクラ「はい、また後で」

そう言って俺は離れた。カムクラが感じ取った才能とはおそらくシスコンのことだろう。さて、次は幸星と話すか

円「こんにちは、幸星。俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円だ。流石に覚えているよな?」

幸星「誰だよ」

円「5歳か4歳くらいのときにお前誘拐されなかったか?」

幸星「!?そんなわけねえじゃん。馬鹿じゃないの?」

円「お前、嘘とか動揺したときに必ずじゃんって語尾につけるよな。あと、俺はお前のこと少なくとも十五年は見たからな」

幸星「もしかして……お前、随分名前変わった?」

円「おうよ。まだこっちだと呼びにくいと思うけどな。改めて円だ。よろしく頼むぜ、幸星」

幸星「わかった。超高校級の将星、天之河幸星だ。りゅ…円よろしくな」

円「そっちは何をしていたらそうなったんだよ。俺は一度たりとも世間的なことを知らなかったりするからだな。特に金なんて一度も見てないんだ」

幸星「俺の方は刹那に拾われて何度も紛争解決をしていたからな。現在世界でそういうものを全部消したんだよ。だけど、刹那と一緒にずっといたんだか、気づいたら監禁されかけてた。無理矢理逃げたがな。ここに来たのは、刹那に『ここに来て友達作って来てね。オトウト談義で話の種作りたいから』と言われたからさ」

円「絶対俺の知ってる人が話をする一人だな。お前は結局ヤンデレの女から逃れられないのか?」

幸星「今世は姉だよ。拾ってくれたことに恩は感じているが、だからといってそこまで執着するものか?」

円「どうせお前が命からがら助けたんじゃないの?戦争とかいう非常事態なんだからさ」

幸星「精々こっち側に来た飛び道具類を無傷で受け止めただけだぞ?それに、戦場何だから、助けたり助けられたりってことなら多いと思うぞ?なんで俺だけ惚れられる羽目になるんだよ」

円「お前だから」

幸星「まじで理不尽極まりない」

円「再会できたことだし、良しとしようぜ、幸星」

幸星「お前は?」

円「さっき話したやろ」

幸星「それもそうか。あと、円なら、玲穏は誰だ?」

円「知るか」

玲穏「ん?呼んだ?」

円「あぁ、呼んだ。久しぶりだな、玲穏」

玲穏「久しぶりー、円。ボクはジョーカーできたけど、才能何で来れたの?幸運はあのアホ毛の人だし、不幸?」

円「いや、世間知らず」

玲穏「アハハー、ヘンナのー」

円「お前ってこれまでどうしてたんだ?」

玲穏「ボクは世界で有名ーになった第一座のふざけ役トシてここに来たんダヨー」

円「そ、そうか」

玲穏「おっと、世間知らずニハーわかりにくかったーー?」

円「なんとなくわかった」

玲穏「ソレならヨカッたよ。3年間ヨロしく」

円「こちらこそよろしく頼む」

件の二人と挨拶はできた。

大和田「よう!俺は『超高校級の暴走族』、大和田紋土だ。よろしく頼むぜ」

セレス「ごきげんよう。私は『超高校級のギャンブラー』、セレスティア・ルーデンベルクですわ。よろしくお願いいたします」

不二咲「えっと、僕は『超高校級のプログラマー』、不二咲千尋だよぉ。よろしくね」

戦刃「……私は『超高校級の軍人』、戦刃むくろ」

霧切「私は『超高校級の探偵』霧切響子よ。よろしく」

それと同時に、クラスの中にいた全員が自己紹介してきた。

円「俺は『超高校級の世間知らず』、壁戸円だ。よろしくな」

いた人たちに返事をしておく。あと半分が来ていないが、時間的にやばいのでは?

石丸「今日はもうこのまま帰っても大丈夫らしいぞ!!」

円「なんでだ?」

石丸「まだ来ていない人たちは仕事で来れないらしい」

円「なら、しゃあない。さようなら」

石丸「さようなら!!また明日しっかり登校するように!!!」

 

帰宅

円「ただいま」

豊「おかえりなさい、オトウトくん♡」

円「78期生は二十人だけだったよ」

豊「随分少ないね。最近の才能狩りによるものかな」

円「やっぱいたんだ」

豊「気づいてたの?」

円「いや、俺がいるときに限って確実に門を開けることだけを目的とした輩が来てたからね」

 

流石に今日は疲れた。また明日から頑張んなきゃな




読了ありがとうございますm(_ _)m。オリキャラの説明をば。
超高校級の軍師 北斗 刹那
幼い頃から紛争地域におり、初めは自分のみを守るために作戦を立てていたが、徐々に周りからの期待が高まり、いつの間にか超高校級として祭り上げられていた。そのため、紛争地域で拾った幸星のことが気になっていた。〇〇が誘拐してしまい、ヤンデレ化。内乱状態を利用して、監禁しようとした。豊とは高校生のときに知り合い、今では中のいい友人。いつか豊の弟と自分の弟、それと自分と豊でWデートをしたいと思っている。
こう書くと、〇〇ほんと碌な仕事してませんね。影蜘蛛としては持っている夾角で首をちょん斬りたい気分です。


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第十話 千粒邸での最後の一日

カゲグモです。なんか黒い物体がヤッテ来たので殺したら、体がだるくなりました。昨日一日で死ぬ気で克服をしました。一日投稿できなくてスミマセンm(_ _)m。


円「そういえば、明日からこの家に帰ってこないから」

豊さんにそう伝える。今年度から完全寮制になったのだ。

豊「私たちの代にはなかったね。才能狩りの影響?」

円「おそらくは。まあ休みの日には外出してもいいからね、そのときに戻ってくるよ」

豊「うん。楽しみに待ってるね」

今回は簡単に引き下がったな。昔だったらここで何かしらの要求を渡してから承認するという流れだったから、大分柔らかくなっている

豊「その代わり、今日一日は私と一緒にいること。1ヶ月帰って来ないんだから、楽しもう??」

円「うん」

豊さんからの提案だったが俺も考えていたので返事をする。この家が嫌いというわけではないからな

豊「これぐらいくっついちゃおう?」

と言って自分の腕に絡みついてくる豊さん。いつもより激しいスキンシップだなぁ。俺がずっと距離とっていたからなのかな?

 

豊「夕食は二人で作ろう」

円「うん!!一緒に作ろう」

という訳で一緒に夕食を作ることになった。冷蔵庫の食材を殆ど使って作るため、いつもより時間がかかる。

 

〜少年料理中〜

 

円「ふぅ……」

豊「おつかれ、オトウトくん」

頑張って料理をした結果、古今東西の様々な料理がテーブルに乗った。これ冷蔵庫の食材殆ど使うって、考えたら消費エグいな

豊・円「「いただきます」」

そう言って食べ始める

豊「はい、あ〜ん♡」

そう言って豊さんがスプーンを差し出してくる。大人しく頂くことにする。でも、仕返しがてら同じことをしてやるか。

円「パクッ。はい、あ〜ん」

豊「パクッ。はい、あ〜ん♡」

……………

少年食事中

 

 

円・豊「「ごちそう様でした」」

豊「美味しかった?」

円「とっても美味しかった」

豊「なら、良かった。一緒にお風呂入ろう???」

円「う、うん」

 

風呂場

円「流石に恥ずかしい……」

豊「別にいいじゃん、私とオトウトくんの仲だしさ」

ちなみに一緒に入りたいと言われたので妥協してもらい、水着を着用している。というかそうでもしないと二人同時にのぼせてしまう気がする。

豊「いやー、しかしオトウトくんが私と同じ高校に行くのは嬉しいよ。希望ヶ峰学園にも副学科はあるけど、それより才能で入学してほしかったからね」

円「だからあんなに才能を意地でもつけようとしたりしたんですか?」

豊「うん。だって姉弟揃って超高校級ですってかっこいいじゃん」

円「確かに」

俺は頷く。姉弟ではないというつっこみができる雰囲気ではなく、真剣な話がこの後に続くと思ったからだ

豊「でもね、私は同時にオトウトくんが世間に注目されるのが嫌なんだよね。〇〇のときみたいになるかもしれないし、女性にだって絡まれるかもしれない。世間知らずっていう才能だからそういうたぐいのものに対してとっても疎くなるように育てたからさ、確実に利用されやすいのかな~なんて思ってるんだ」

円「俺はどんなことになろうと決めたことはしっかり守り通すよ、豊姉ちゃん」

これは紛れもない俺の本心である。転生した二度目の人生、これはゲームの世界ではなく、俺の中では現実になっている。わざわざ世界が壊れることを知っているのに、それを未然に防ごうとしないことはしたくない。そして、豊さんは何か変ではあるけど(失礼)、俺がこの世界で一番関わってきた人である。門番と呼ばれたのも、豊さんと一緒に生活をしていたから。だから、確実に恩返しをする。確実に守り通す。そういう意図を込めた発言だ。

豊「えへへ、初めて姉ちゃんって呼ばれた……」

そういえばまだ姉さんとしか呼んでなかったな。まあ、今日が楽しもうと言われた日だし、まあいいか。

 

リビング

豊「荷物ってもう終わった?終わってないなら手伝うよ」

円「大丈夫。元々着替えはバックにまとめたし、他に持ってくものってそもそもないから」

豊「私が全く買ってないからね。オトウトくんは娯楽が少ない環境で育っているから、真面目になるんじゃない?」

円「でも、一度ハマったら二度と抜け出せなくなるんじゃない?」

豊「そうなったら私を娯楽にして私から抜け出せなくするよ」

円「あぁ、怖い怖い。ハマらないように注意しておくよ」

豊さんと他愛もない雑談だが、一瞬目のハイライトが消えたのを俺は見ている。まじで怖いな。前世で娯楽にはなれていると思うので、我慢をしてほしいと未来の自分に願う。どんな目に合うのか予想ができるので、不安でしかない。

 

自部屋

円「流石に恥ずかしいよ……」

豊「別にいいじゃん。それとも、やっぱやめとく?」

円「そうなると留守中豊さんが何するかわからないからやめない」

豊「留守中何にもしないよ、心配性だなぁ」

一日中一緒にいるといった手前、寝るときも一緒じゃなきゃ納得するか怪しいので二人で一緒に寝ることにした。添い寝で。それにしても……

円「見つめられると寝にくいんだけど……」

豊「横じゃないと寝られないの♪」

見つめないでほしい……

 

円「!?おはようございます、豊さん」

豊「おはよう、オトウトくん♪ドッキリ成功してよかったよ」

起きたら目の前に豊さんの顔があるので吃驚した。いつぞやの仕返しかな?

豊「ご飯もうできてるよ?早く食べよ?」

円「う、うん」

遅刻はしたくないので、急いでリビングに移動して食べる。

 

豊「荷物持った?」

円「うん。いってきます」

豊「いってらっしゃい、オトウトくん♪」

少々急ぎ目で希望ヶ峰学園に行く。やはり、こうならないために寮生活はあるものなのかな~なんてくだらない考えをもちながら走っていく。




読了ありがとうございますm(_ _)m。一応、付き合ってすらいない二人の甘々を書いてみました。円くんは豊さんのことを姉として認識しており、恋愛感情はありません。少しだけ劣情を抱くくらいです。豊さんは円くんのことを大好きなオトウトくん、そして大好きな男だと認識しており、もし女がオトウトくんを奪ったら円くんを監禁するレベルらしいよ。


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第十一話 寮生活

影蜘蛛です。テンション上げながら書いたのでだいぶ変です。


学園についた。いつ頃に登校すればいいのか豊さんに聞いたところ、自由登校でいいらしい。今の時代希望ヶ峰学園に入学したら人生は成功したも同然と言われるが、幸先不安になった。よくわからなかったので、08時15分に登校した。クラスには何人の生徒がいるのかと楽しみだ。

円「おはようございます!!俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円だ。よろしくな」

石丸「おはよう!!元気のいい挨拶だ!!」

桑田「よーっす。俺は『超高校級の野球選手』桑田怜恩だ。よろしくな」

大神「おはよう。我は『超高校級の格闘家』大神さくらだ。よろしく頼む」

江ノ島「よーっす。私様は『超高校級のギャル』江ノ島盾子よ。( `・∀・´)ノヨロシク」

朝比奈「おはよう!!私は『超高校級のスイマー』朝日奈葵だよ!よろしく!!」

巳神「オハヨー。気持ちのいいアサだね!!」

カムクラ「おはようございます。円さん」

山田「おはよう御座いますぞ。僕は『超高校級の同人作家』山田一二三と申します。よろしく頼みますぞ、壁戸円殿」

十神「……………」

腐川「……………」

挨拶を返さなかったのは二人か。一番傲慢不遜な十神が返さなかった。まあついでに腐川も返さなかったのは意外と予想できていた。まだ苗木と舞園と霧切と戦刃と大和田とセレスと不二咲と葉隠と幸星が来てないか。葉隠来なかったら不安だが、まあ親の方針や自分だけ来ないなんて悲しいことになると思ったりしてくると踏んでいる。全員来たので、挨拶が繰り返されている。

円「なぁ、幸星」

幸星「何だ?」

円「担任誰になるんだ?」

幸星「さあ、知ってるやつは出ないんじゃないかとは思う。そもそも担任を原作では言われてないからな、誰が来ても驚きはしないさ。っと、もうそろそろ担任か校長先生がくるようだぞ」

仁「はじめまして。私は学園長の霧切仁です。皆さんの手助けとなるように頑張っていきます。この学園は世間一般的に最高級と呼ばれていますが、皆さんの先輩方が頑張り、勝ち取った成果です。皆さんもそのように世間で活躍できるよう願っています。また、今年度から入学した貴方方は全寮制になります。しかし、休みなどの日には外出要請をしていただければ外出はできます。今年度の担任及び寮母を紹介します。担任は元『超高校級の軍師』北斗 刹那様です。寮生活に伴い、寮母を担当して貰うことになりました。寮母は元『超高校級の富豪』千粒 豊様です。両名共に、お呼びしました」

北斗「皆様、はじめまして。私は刹那と申します。私は軍師として活躍ができないことに対しては喜ばしいことなのですが、何もしなければ私を応援してくださった方々に対して失礼だと思い、こうして新しい超高校級を育てることとしました。何分戦場生活を長く送って来たものなので、あまり世間を教えることはできないですが、その分専門的なことを教えていきたいと思っています。若輩者ですがよろしくお願い致します」

豊「はじめまして、紹介された豊と申します。富豪という才能を活かし、サポートとして頑張らせていただきます。よろしくおねがいします」

幸星・円(ファ!?)

俺らは同時に驚いた。理由は言うまでもなく、二人の姉代わりの人たちが担任及び寮母になったからだ。本当の理由はおそらく、俺たちと一緒にいたいからとかそんなことだろう。問題としては、二人が俺らの方に構いすぎてしまいそうなことであろう。いや、流石にそれはしないだろう。

 

 

 

カムクラ「あれが貴方の姉ですか?」

円「あぁ。良い人だろ?」

カムクラ「今度、話してみたいですね」

円「存分に話してこい」

桑田「何あの姉ちゃん‥めっちゃタイプ何だけど!!つーかさ、寮母があれって最高過ぎるよな!!」

円「俺はお前のテンションが怖いわ」

大神「我は…担任の先生が只者ではない殺気を出していたことに驚いた。あれは人が出せるものなのか?」

セレス「確かに、ギャンブルでみたどの人よりも殺気を出していましたわね」

幸星「大切なものを守るためだったらそうなるんじゃないか??」

そんな雑談をしていると、セツナさんが入ってくる。

刹那「やぁ。君たちの担任になった北斗 刹那という。刹那先生とでも呼んでくれ」

幸星「わかりました。刹那先生」

刹那「幸星は刹那姉様か刹那姉ちゃんと呼べ。これは教師命令だ」

幸星「それ公私混同では?」

刹那「別にいつものことではないか」

幸星「それもそうか、刹那姉様」

刹那「ありがとうな、幸星。この茶番に付き合ってくれて」

幸星「別に大丈夫ですよ、もう慣れた」

どうやらこの一連の流れはわざとだったらしい。気がつけばクラスの緊張がほぐれていた。だがな、幸星。セツナさんの目から一瞬ハイライトが消えていたことに気づいていたか??その後、簡易的な自己紹介をしたあと、この日は終わった。

 

豊「こんにちは~。豊さんと呼んでね」

円「よろしくおねがいします、豊姉さん」

豊「??別にそう呼んでも構わないけど……あとで恥ずかしくなって呼ぶのやめないでね?」

円「は〜い」

豊「というわけで、施設の説明をさせてもらうよ。まずは食堂。基本的にはここで食べてもらうよ。食材は毎日自動で補充されるから、安心してね。料理は自分たちで作ってね。また、ゴミ捨て、洗濯などを自分たちでやってもらうことにしました。ちなみにしっかりやらないと刹那と相談して一日全部掃除に使ったりします。あと、ここでは学園でのテストの点数等によって、メダルが配られるよ。メダルは購買部で使えるからね。また、メダルは私が色んなところに隠しました。なので、見つけたらそのまま自分の物にしてしまって良いです。夜10時になったら『夜時間』となり、その間は食堂及び希望ヶ峰学園に行く事が不可能となります。注意してください。また、終わる時間は6時になります。一人一つずつ、個室があります。個室以外での故意の就寝を禁じます。もし、これを破った場合には独房を地下に作ったので、そこに一定期間監禁させていただきます。以上がこの寮のルールとなります。もし不明な点があれば聞いてください」

円「特に無いです」

誰も違和感を覚えることはないようで、質問はなかった。

豊「では、楽しい寮生活を♪」




読了ありがとうございますm(_ _)m。


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第十二話 学園生活初日(前編)

影蜘蛛です。人数が多くなってきていて誰が誰だか分かんなくなって来てしまいました。問題考えるのが難しかったです。後編はできるだけ素早く上げる気です。それでは、本編をどうぞ。


豊『朝時間になりました!!今日も一日頑張りましょう』

寮のルールを聞き、その日は一日寝て過ごした。今日からは慣れない寮生活だが、頑張らなきゃな。俺はそう思い、ドアを開ける。個室には、プレートが前にかけており、誰の部屋なのか一目で判断できるようになっていた。俺の部屋は、寮母の部屋と霧切さんの部屋の隣。なので、だいぶ食堂に近い位置にある。なので、すぐに食堂に入った。

 

食堂

円「おはようございます、豊姉さん」

豊「おはよう、オトウトくん。なんか新鮮だね」

円「そりゃいつも家にいましたからね、ところでなぜ寮母になったんですか?」

誰も来ていなかったので、寮母になった理由を尋ねる。どう考えてもあんな綺麗事を理由にするような人ではないと直感で察したし、理由を言う際嘘を付く時の仕草が見えた。

豊「やっぱオトウトくんと一緒に生活したいからだね。刹那は幸星くんにイロイロ教えたけど、こっちでも教えていきたいらしいから。あともし好きなひとができるとしても学園生活しかないから、そっちでどんな人柄なのか今のうちに把握しておきたいんだよ。……………始末もできるしね」

最後にボソッと呟いた言葉がとんでもなく地雷だと思ったが、悪くも突っ込んでいけないものだと認識した。

円「だったら、なんで一昨日わかっててあんなこと言ったの?」

豊「合法的に甘えられるからだよ。あのときのオトウトくん、可愛かったなあ」

円「恥ずかしいから言わないで」

一昨日の事が思い出され、羞恥心で顔が赤くなる。転生者特典で忘れられないのがとてもきつい。

円「早く朝食作るから、そこどいて」

豊「は〜い♡」

 

石丸「おはよう!!」

円「おはよう、石丸」

セレス「おはよう御座いますわ」

円「おはよう」

大和田「よう!!」

円「おはよう、大和田」

幸星「おはよう」

円「おはよう、幸星」

江ノ島「おは〜〜」

円「おはよう、江ノ島さん」

カムクラ「おはよう御座います」

円「おはよう、カムクラ」

桑田「よーっす」

円「おはよう、桑田」

朝比奈「おはよう!」

円「おはよう、朝比奈さん」

大神「おはよう」

円「おはよう、大神さん」

葉隠「おはようだべ」

円「おはよう、葉隠」

巳神「おはよウ」

戦刃・腐川・十神・霧切「……」

カムクラ「舞園と苗木が来てないですね」

円「ふたりともいちゃついてんだろう、ほっとけ。作った飯が冷めそうだったら呼びに行く」

舞園「おはようございます」

円「おはよう」

苗木「おはよう」

円「おはよう。これで全員揃ったな」

桑田「つーかここにおいてあるの全部お前が作ったのか?」

円「あぁ。もし口に合わなかったら自分で作ってくれ」

十神「……ふん。貴様の料理がとれほどのものか確かめてやろう」

今まで一度も喋っていなかった十神がそう言い、口につける。初めて豊さん以外に作ったから、もしまずいと思われるのも覚悟している。

十神「……なぜ、これ程うまいのだ?」

円「よかった、美味しそうで。もしなんか感想があったら言ってくれ。あまり人に作ったことはないからな」

十神が驚き方を見たら、美味しそうということがわかったので、全員にすすめる。

 

   〜少年食事中〜

 

円「どうだった?」

大和田「美味かったぜ!!」

桑田「お前の才能本当に世間知らずなんか?料理人でも充分通用しそうだけど」

円「知らん。俺らの上のクラスにいるとかそんなところじゃないの?」

カムクラ「明日もお願いしたいのですが……」

円「別にいいぜ?特に時間はかからないからな」

石丸「よろしく頼むぞ!!!」

好評っぽいので明日も作ることになった。

十神「貴様、俺のところに来る気はないのか??望むなら金も何もかも用意してやる」

円「勧誘するのであれば俺はある程度抵抗するぞ。俺は千粒邸事件の少年より強い自信がある」

大神「其奴の今を知ってるのか?壁戸よ」

円「まあな。さて、そろそろ時間だよ」

豊「オトウトくんの言うとおりだよ。早く準備して学園に行ってくださ〜い」

勧誘が来たのでそれっぽい言葉で牽制したりして時間をかせぐ。時間を充分稼いだので、登校時間だという。ここに豊さんが乗っかってくれて、有耶無耶になった。

 

学園

刹那「全員来たようだな。それでは、授業を始める」

「「「よろしくおねがいします」」」

刹那「とはいえ、君たちの学力はよく解らない所が多々ある。一度テストしてから、授業内容を決めていくことにしてもらった。具体的には、点がよかったら個別に才能を伸ばす授業を、もし点が悪かったら少しだけ勉強するというだけだ。合格点についてなのだが、特にない。質問のある生徒は?」

幸星「刹那姉様、質問だが、合格点がまだ決まってないってどういうことだ??」

刹那「簡単な話さ、各教科毎に1名、くじを引いてもらってそれより低い点を取らなければ良しとする。くじの中には、10〜90までのランダムな数字が入れられている。だから、学力が低い人は運に頼るしかないんだよ。他に質問はないか?」

幸星の質問に若干頬を火照らせたセツナさんが答える。

円「何教科やるんですか?」

刹那「国数理社英音美家体運の十科目になっている。運というのは、君たちが殆ど知らない知識を選択肢にして答えてもらうためそうなっているだけで、実際には雑学だ。他に質問はないか?ないなら、くじ引く奴らを発表したいんだが…」

運ってのは本当に運ゲーになりそうだな。

「…」

刹那「では、発表する。国語は腐川、数学は不二咲、理科は霧切、社会は十神、英語はセレスティア、音楽は舞園、美術は山田、家庭科は大神、体育は戦刃、運は苗木に引いてもらう」

くじ引きの結果、国語は66、数学は35、理科は23、社会は40、英語は57、音楽は61、美術は42、家庭科は24、体育は21、運が30、計399点を取れば良いことになった。

刹那「もしこれでテストの点数が赤点になった奴は恥だぞ。テスト時間は四時間、手元にもうあるはずだ。それでは、用意、始め!!」

もう始まるのか。ざっと見ると問題は特段難しい物はないようで、先に俺は運以外の九科目に取り掛かった。

 

 

2時間後

ふぅ……取り敢えず終わった。運の科目の問題は十問しかない。三つ解る問題があればいいのだが……………

問一

希望ヶ峰学園に惜しくも行けなかったのは次のうち誰か。次の内から選びなさい。

①以呂波田田甲

②彩葉田田申

③色葉田田田

問二

次のうち、実際にこの学園に入学した才能はどれか。次のうちから選びなさい。

1殺人鬼

2処刑人

3発明家

問三

素数は次のうちどれか。次から選びなさい。

壱1453

弐1263

参1443

問四

ギャンブルで使われる専門用語の内、『降りる』を意味する語句はどれか。

one フォールド

two ベット

three ジャックポット

問五

同人ゲームの内、ZUN氏が手掛けた物はどれか。

一 東方Project

二  東方神起

三 undertale

問六

プリクラは何の略称か答えなさい。

イチ プリンターラック

ニ プリンセスクラブ

サン プリントクラブ

問七

全国高等学校野球選手権大会の俗称がなにか答えなさい。

甲 甲子園

乙 公演

丙 大会

問八

幸運の象徴はどれか。

Ⅰ四つ葉のクローバー

Ⅱ福引き

Ⅲ 宝くじ

問九

次のうち、担任が好きなのは誰か。

天の河幸星

カムクライズル

巳神玲穏

問十

次のうち、寮母が好きなのは誰か。

壁戸円

天の河幸星

巳神玲穏

おい、最後の奴2つともふざけすぎでは?それはさておき、才能に関する問題が多いな。だから殆ど知らないなのか。一人は最低でもこれを知っているはずだから、確実に赤点になった人はいなくなるってことなのか。一切合切運だけで突破しないと行けないってのはきつそうだな。全部1と書けば簡単だな。

 

2時間後

刹那「はい、終了。お疲れ様。今日はこれで午前中が終わりだ。食堂で昼飯食べて来てくれ」

「「「ありがとうございました」」」




読了ありがとうございますm(_ _)m。未だに幸星様のプロフィールを書いてなかったので書きます。
天の河幸星
前世の名字は周(しゅう)。前世では彼女がいたが、その彼女がヤンデレで束縛・管理され、友人関係が滅茶苦茶になった。しかし、龍寺だけは変わらない関係でいてくれた。そのため、龍寺に恩返しをしたいと思っている。転生してようやくヤンデレから開放されると喜んだが、姉代わりがヤンデレになって絶望している。転生者特典の『受け止める』能力は幸星が『落ちてきた』と認識すればダメージを受けないという仕様。つまり、核爆弾でも余裕でノーダメージになる。視覚外では使えない。名前の由来は名字はありふれた職業で世界最強の勇者(笑)から。
九科は影蜘蛛が取ったテストの点数を書いた訳では……あります。
次回はできるだけ三千超えればいいかなと思っています。


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第十三話 学園生活初日(後編)

影蜘蛛です。空白があったあとはオマケ要素が多いので読みたくなかったら飛ばしても構いません。飛ばしても次回の話はわかるように書きます。


宿舎 食堂 12:35

豊「あら、おかえりなさい」

円「ただいま、豊姉さん。昼ご飯って自分たちで作るの?」

豊「ううん。昼飯は私が作るよ。全員分作ったけど、個別に作ったから、自分の名前が書いてあるのを食べてね。アレルギー対策として、他の人のは食べたりしないでね。一時間後また学校に行ってください。というわけで、はいどうぞオトウトくん」

円「ありがとう」

巳神「なんかシン婚さんミタいだねー」

豊「そ、そ、そんなわけないじゃん。巳神くんは変な冗談を言わないの!」

円「玲穏、早く食おうぜ」

巳神「ワカッたー」

玲穏に茶化されてなんか気まずい雰囲気になったが、さっさとご飯をいただく。色んな物が入っていてとても美味しそうだ。

15分後

円「ごちそうさまでした」

少しだけ変な味がしたが、気のせいだろう。すぐに俺は食べ終わった。

大和田「食べるの速いな!!壁戸!」

円「それなりに急いで食べなきゃいけない場所だったからな」

大和田「一体どんな生活してきてんだよ!」

円「幸星と似たような生活だ」

幸星「まじかよ……」

霧切「天の河君の生活について聞きたいのだけれど」

幸星「別にいいぜ。とはいっても普通に紛争地帯を渡り歩いてその場所の問題を解決し続けていたってだけなんだがな」

セレス「およそ普通の生活とは思えませんわね」

円「ギャンブラーのお前が言う言葉ではなくね?というか、この中で普通の生活していた人って苗木とカムクラと桑田と石丸、このあたりでは?」

苗木「不二咲さんもそうじゃない?」

不二咲「う、うん」

30分後

苗木「そろそろ時間じゃない?」

円「本当だな。ありがとな苗木」

舞園「誠クン、ありがと〜♡」

苗木「どういたしまして」

常夏カップルがなんかやっているが、それはさておき学園に戻る。

学園

刹那「午後の授業を始めます。とはいっても、今から壁戸、幸星以外は全員合格しているから、各自自分の才能を磨いてくれ。もし行き詰まったら、私に相談してくれれば良い。軍師として君たちの進む道を示そう。特に行動制限はないので、自由にしてもらって大丈夫だ。何か質問はあるか?」

円「何時から何時までが午後の授業になるんだ?」

刹那「ニ時から五時だ。五時になったらこの場所に集まって報告か何かしてくれれば問題無い。補習時間は人によるな」

円「わかりました」

刹那「では、各自行動をしてくれ。幸星と壁戸は残ってくれ」

そういうと、バラバラになって行動をしていく。唯一、石丸だけ残ったが…

石丸「僕は風紀委員として君たちの勉強を手伝う義務があるのだ!!」

刹那「自習室があるから、そこで自習をしていてくれ。それと、教えるのは私の仕事何だ。手伝われると、ペースが変わり、難しくなるんだ」

石丸「それは失礼した!!では、自習してきます!!」

セツナさんがいいくるめ、自習室に向かわせた。

刹那「補習始めるぞ」

幸星「補習じゃないだろ??」

補習が始まるところから、幸星は出鼻を挫いた。

刹那「そんなわけないじゃないか。才能を伸ばしたいなら勉強をしときなよ、幸星」

幸星「いや、俺はスマホの機能を使って解いた。それでバツだとしたら、あまりにもケアレスミスが多すぎるってことになる。それに、俺は円から聞いたんだよ」

刹那「この際スマホには目を瞑ろう。それで、何を?」

幸星「こいつが姉代わりに対して勉強を教えていたことだ。姉代わりと言っている時点で年上の女だというのは確定しているんだよ。大部分の奴らは勉強を理解していなければ、教えられない。それは当然のことだ。ならこいつが少なくとも高校生以上の知識を持っていたことは確定なんだよ。昔だから忘れている可能性もあるとは思うが、円は俺と同じくらいの記憶力がいいんだ。そう考えると俺らが落としたのは『運』という項目しかないが、この運について勉強する要素は無い。それにな、スマホを使って解いている時点で雑学なんてもんはミスらない。これが俺が考えた理由だ。違うか?」

刹那「あってるよ、幸星。じゃあ、私がこんなことした理由については?」

幸星「これをした理由についてはよくわからないが、おそらく円との接触及び会話だろ?一度はあったことあるのはわかるが、それだけで人柄がわかるわけでもないし、そのあたり把握しておきたいんだろうな。世間知らずなんて才能だから、情報なんてあやふやなものしかない。そうであるなら、こうやって聞き出すというのが一番確実性のある手段と思われる。だが、一人だけ呼び出すっていうのは怪しく見える。誰か適当な生徒も巻きこみたいが、当初の目的が果たせなくなったら本末転倒となる。そこで俺がたまたまスマホを使っていたところを見て、巻き込もうとしたのか?いや、そもそも巻き込むのは確定しているが、丁度いい建前ができたと考えたんだろう。俺自身のこういう考察力を増やすためにな」

刹那「ふむふむ。そこで私の思惑を読み切ったと思ったんでしょ?この時点で少しだけ油断しちゃったね。私はその癖を直してほしいのだけどね。まあ概ね正解。間違っているところは幸星がスマホを使っていたことは私が誘導したんだ。幸星にちょっとした催眠を使ってね」

幸星「催眠??」

刹那「幸星はな、寝ている時に色々言うとそれ通りに動いてくれるんだよ。だから言葉を寝てる時に囁いて、枕のそばにスマホをおいたんだ。だからこんな幸星らしくないことしたんだよ」

幸星「なるほど」

円「つまり俺は巻き込まれたってことでオケ?」

刹那「あぁ、そうだ。それとな、幸星。お弁当は全部食べたか?」

幸星「????いきなり過ぎないか??まあ、全部食べたぞ」

刹那「なら良かった。じゃあ、そろそろだな」

幸星「な……に………が……………」

刹那「昔から幸星は少食だから、眠いだろう?ゆっくりお休み」

幸星「じょう……………だん……も…」

そういうと幸星は机に突っ伏す。どうやら寝たようだ。

セツナさんが俺と幸星に対して何やろうしているのかは一切わからなかった。だが、これ自体が時間稼ぎを目的とされていて、眠らせようとしていることだけはわかった。となると、個人の弁当云々も他のやつが眠り薬入りのを食わないようにするためか。ぶっちゃけここで眠りの耐性作るってのも良い。いいんだが……変に目立って能力をバラしたくないものだ。大人しくここで眠っておくか。嫌な気配を感じたらその場で起きれるし。じゃあ、眠りますか。

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以降オマケ要素

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那「いや〜随分あっさり罠にかかるねぇ。一回目の作戦の時だともっとすごいことやってきていて私の度肝抜いたのにね。それはさておき。お〜い、豊」

豊「なに?もう終わった?」

刹那「そうだ」

豊「よし、じゃあ運ぼうか。オトウトくんわざと抗わないことを選択した気がするし」

刹那「嘘だろ…これゾウを眠らせられる薬だぞ」

豊「人体に影響が及ばなきゃ良いんだけどね。あれ?オトウトくんなんか軽い?」

刹那「そんなものだよ、オトウトの重さなんて。宿舎まで運ぶぞ」

豊「は〜い」

 

〜少女運搬中〜

 

刹那「ふぅ…やはり幸星の体は軽いな」

豊「私はやっぱり体力落ちたかな。エレベーターのボタン押してくれない?オトウトくん」

円は千粒に言われた通りに動いた。

円「……」

刹那「いや、なんで動いてるんだ」

豊「時々寝てる時私の言葉は変な命令でもない限り聞いてくれるみたい」

刹那「幸星は起きてから聞いてくれるんだ。でも、おきやしないか?」

豊「怪我しそうになったら起きるっぽいね」

刹那「ま、まあいい。早く運ぼうじゃないか」

豊「うん、そうだね。行こうか、オトウトくん♡」

円「……………」

刹那(羨ましい)

北斗は恋人繋ぎで歩く二人を見てそう思うのだった。

 

地下

刹那「さて、どこにあるんだ?」

豊「こっちこっち。もう着くから安心して」

そういうと千粒は右の方に歩く。北斗もついていき、四人はやがて中世にありそうな牢獄の前についた。

豊「ここが天の河君のお部屋ね」

刹那「ありがとうな、豊。これなら逃げられない筈だな」

豊「別に大丈夫だよ。将星だっていうからむしろ作りやすかったよ」

刹那「そういうことか。でも、逃げられはしないか?」

案内された部屋には駒、武器一式、甲冑などがおいてあった。使おうとしたら、確かに逃げられそうな構造になっている。

豊「大丈夫。逃げようとしても逃げられない構造だから」

千粒が言うとおり、よく見てみると武器は鉄ではあるが、切れ味がとても悪い。牢獄を壊そうとしたら先に武器が壊れてしまうような耐久性であった。甲冑は銅で作られている。

刹那「なぜそうした?」

豊「そっちのほうが私達しか見れなくなりそうじゃん」

刹那「フフッ、そうだな」

どちらも狂った目で笑う。

豊「じゃあ、私はオトウトくんを運ぶから」

刹那「わかった。じゃあな」

北斗は早速牢屋に入り、ベッドの上に幸星を置く。そして自分もベッドの中に入り、幸星に対して添い寝しようとする。

刹那「おっと、そろそろ時間か」

しかし、自身の腕につけている時計が16時43分を指していた。渋々北斗は学園に戻る。

 

豊「はい、オトウトくん。ここが生活する場所だよ♪この部屋の中で寝ててね」

円「……………」

円は言われた通り適当な場所で寝る。

豊「お休み」

円が起きていれば、何処にいるかわかった筈だが、寝ながらここに来ているので場所はわからない。

こうして二人は監禁された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「面倒くさいことになった。助けるにしても干渉しようとするだけで死ぬ気がするからなあ。ーーーに代償強化で、更に強くなってもらおう。こうでもしないと助からないからね。はぁ、面倒くさい」




読了ありがとうございますm(_ _)m。さて、例によって例のごとく監禁させました。現在進行形で影蜘蛛はエンディング?を考えています。やっぱり三人称視点は難しい……………


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監禁は禍の元

どうも影蜘蛛です。最近ハンターが連日来ていて、眠れていません。まあなんだかんだ円視点でしか書いてないことに気づいていますが、小説が書き終わった後に出して見ようかなと思っています。自分語りして申し訳ありません。それでは、本編どうぞ


円「……………知らない天井だ……」

俺は誰にきかせるでもなくそう呟く。

円「ってかここどこだよ!??」

まぁそんなこと言ったところで状況は対して変わらない。驚きつつも状況を把握する。俺はふかふかのベッドの上に寝ていたようだ。しかし、左手首が手錠によってベッドの上から出れないようにしている。辺りを見渡せば、おぞましい拷問道具が左にあり、その一方右にはやたら安心できるグッズが置かれている。俺は内心恐れつつ、扉を見つける。どうやら鍵付きの完全個室のようだ。この分なら防音対策をされているだろう。今俺は監禁又は軟禁されているようだ。次は、ここの場所について考えていくか。

まずここは俺が知らない所…ではなく、おそらく知っている場所の地下だと思われる。なんとなく見たことのある構造であるし、知らない所に連れてかれて暴れない程俺は優しい寝相をしていない。よって俺は知っている場所に誘拐された。寝ている最中相当俺は軽くなっている為バランスが崩れやすくなっており、余程持ち慣れた人間か、『超高校級の運び屋』みたいな才能でもない限り、コケてしまう。そこから犯人が絞り込みできないのか?

 

 

 

??(まぁまぁそう焦んないでください。どうせ結論なんてすぐ出るんですだから。まあ、アマツとでも呼んでください)

いや、誰?

アマツ(私は君の多重人格と思ってくれればいいです。並列思考と相談と超高速思考ができる人です。周りの把握は難しいんですよね。神様からの贈り物としてやってきました。伝言もあるけど、聞きます?)

円(聞くわ。あと、時間とか大丈夫か?)

アマツ(最初に伝言。『このままだとやばいですよ。体が壊れてしまう。今、壊れたら私としては困るので、アマツを上手く使いこなしてください。そして、どうやらそちらの世界に神様が降臨しました。誰かはわかりませんが、充分警戒してください』とのことです。時間については、今話している時に超高速思考を使っているので、問題無いかと。デメリットについては、意識がない最中、特定の人の命令に従う様になります。特定の人というのは、君が大事だと思っている人だそうです。私が必要になったら脳内で呼んでいただければ超高速思考を発動させます)

円(俺がそれを発動させることはできないのか?)

アマツ(私の存在意義に関わりますのでできません)

円(発動させなくとも話せるか?)

アマツ(はい。ある程度危機的状況であれば話せませんが、それ以外では問題ありません)

円(眠った時から今の時間はわかるか?)

アマツ(大体半日程です)

円(わかった。解除するのもアマツがやるんだろ?)

アマツ(はい。解除しますか?)

円(頼む)

 

 

 

成程。こんな感じのものを神様から貰ったのか。恐らくは幸星の寝たとき囁かれた事をする行動も、このデメリットによるものなのだろう。そしてこの場所まで運んだ所の記憶がないのは、デメリットを上手く使ったか。俺自身が歩いているのであれば、問題無いしな。となると、俺をここまで運んだ人は幸星、豊さんの二択となる。そして幸星に俺をここまで運ぶメリットはない。そのため豊さんがやったと判断したほうが妥当だな。場所的に見たことのある構造であるなら、家、小学校、中学校、希望ヶ峰学園の四択となる。ならば監禁する場所として一番良い場所は家となる。なぜなら、小学校と中学校、希望ヶ峰学園には俺を誘拐するメリットが一切無いからだ。

アマツ(もうそろそろ誰かやってきますよ)

円(ありがとう、アマツ)

アマツが忠告してくれたよう、タッタッタッと扉の方から何か足音が聞こえてくる。どうやら豊さんがやってきたようだ

豊「やっほ~。オトウトくん、調子はどう?」

円「やっほ~。いや、問題はないけどどうしてこうなっているのか聞きたいんだけど」

とりあえず挨拶ついでに突っ込んでいく。やっほ~なんてこの場所に似合わないことこの上ない。まあ、合わせておくことにしておくか……………

豊「簡単に言えば、校則違反を犯したからだね」

円「校則違反??」

豊「ほら、教室で居眠りしちゃったでしょ?故意の就寝に当たるから此処に閉じ込めて居るんだよ」

円「そういうことなのね。だとしたら幸星は?あいつも一緒に寝てたけど??」

豊「あ〜あの子か。あの子は刹那に任せているから問題無いよ。二人共ちょっとだけこの辺りで過ごして貰うことになりました!!」

どこか嬉しそうな声で豊さんは言う。

円「いや、喜ばしい事ではなくない?」

豊「シスコンのオトウトくんとしては嬉しいのかなぁって……………」

円「そもそも豊さんの性でついた才能ですけどね」

豊「良いのいいの、結果として付いたんだし」

円「( 一一)」

豊「と、とりあえずここで過ごしてね。勿論、期限はありません。戻りたくなったら言ってくれれば戻れるよ。でも、少なくとも数日間はここで過ごして貰います」

円「あのー、すみません。この手錠と拷問道具については?」

過ごす時間についてはなんとなくわかったものの、どうしても不安になってくるこの2つについて聞いてみる。

豊「完全ニ此処に閉じ込める為だヨ」

あれ、もしかしなくてもこれ地雷踏んだ?

アマツ(はい。目のハイライトや纏っている雰囲気が変わっているので、間違いないかと。まぁ、恐らく四肢切断等は学校生活に支障が出てしまったりするので、あったとしても骨折、火傷で済むでしょう)

アマツからの補足により、完全にやらかしてしまったことを自覚した。しかもまだ初めての校則違反。苗木達は拘束される期間がわかっていない。だから、初日に違反させたわけか。

アマツ(現実逃避に近い考えですね)

円(そりゃそうだよ。監禁されるのは予想外すぎるんだよ)

豊「あれ?ソンな驚かなかった?」

円「豊さん寮母として来てるんでしょ?ここにいて大丈夫なの?」

豊「違反者が出たらそちらを優先するよう言われてるから問題なイヨ♡」

円(やっば退路防がれた)

豊「というわけで私としばらく此処で過ごして貰うから、ヨロシクね、オトウトくん♡♡」

円「あ、うん。よろしくおねがいします」

ともかく。どうやら豊さんに監禁されたようだ。今日からなんかヤバくなりそうだな……………




読了ありがとうございますm(_ _)m。今回はヤンデレといったら監禁するという私の考え方を織り交ぜました。では、軽く新しく登場したアマツについて…
アマツ
神様からの贈り物。神の世界の代物の為、思考速度がとんでもない。本来肉体があるはずだったが、円が監禁されて接触が難しくなった為、精神のみ送られた。優しい性格なのだが、人を殺そうとしたらキレて本来の口調となる。豊と円にくっついて貰いたいと思っている。
こんな感じです。次回もできるだけ早く投稿するので、ゆったり待っていてください。


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脱走

どうも影蜘蛛です。少々表現が難しく、なんとも言えませんが少しだけ色んな場所からパクらせていただきました。それでは本編どうぞ。


どんなに場所が変わっても、起きる時間は変わらなかった。俺はいつもと変わらない5時に起きてしまった。しかし、料理は出来ないし、何もすることがない。考えることにするか。

 

円(てな訳で、脱出方法考えようぜ、アマツ)

 

アマツ(鎖引き千切ればいいのではないですか?)

 

円(無理だな。これ多分引きちぎったり無理に片方外したりすると電流が流れて動けなくなる)

 

アマツ(逆にどうやってつけるのですか)

 

円(恐らくは片方が充電器の所から電気を供給しているんだろう。充電器につける前に手錠をつけるのなら問題無いだろ?)

 

アマツ(成程)

 

円(他になんかないか?)

 

アマツ(豊さんの説得は?)

 

円(逆に出来ると思っているのか?豊さんの才能は『富豪』だ。相当交渉上手くしないと無理だな。更に言えばそもそも豊さんはか応じてくれなければ話にすらならない。手錠をつけられてるならついてる場所ごとねじ切って脱出ってのは?)

 

アマツ(捩じ切れないよう金属製だったら?)

 

円(金属なら食える)

 

アマツ(なんでそんな化物じみてるんです?)

 

円(片っ端から特典を試してたからある程度出来る。これは主任からもらってきた)

 

アマツ(どんな主任ですか…それはさておき、仮に外せたとします。しかし、間違いなく豊さんに見られると思われますし、見られた時点で確実に出られる確信がないといけません)

 

円(ふむふむ)

 

アマツ(で、今円さんがつけられている手錠、十中八九自動で流される以外にも手動で動かせるようになっています。それで電気を流されて動きが止まる又は動けなくなる可能性が高いです。特典で身体的な特徴は真似できますか?)

 

円(皮膚とかなら出来る)

 

アマツ(ということは内部に流される場合、無効にできませんか?)

 

円(試していないが、無理だな)

 

アマツ(であるとすると、無理矢理電気無効にして、脱出するのは難しそうですね)

 

円(成程。あれ、これ現状無理?)

 

アマツ(はい。難しいと思います。そして、時間が経つごとに逃げられない状態になるかと)

 

選択肢は出したものの、一つたりとてキツいことがわかった。諦めて一回寝るか?

 

アマツ(今回は超高速思考を使っていないので、もうそろそろ八時になります)

 

円(まじかよ。てことは……………)

 

アマツ(恐らく、もう千粒さんが来るかと)

 

タッタッタッと音が聞こえてくる。どうやら来たようだ

 

豊「おはよ〜大丈夫?体痛くない?」

 

円「おはよ〜特に無いです」

 

豊「良かった。じゃあご飯持ってきたから食べよ?」

 

円「は〜い」

 

そういうと、机を目の前に置いて、その上に二人分の朝食を用意していく。しかし…

 

円「ねぇ、なんで一つしか食器がないの?」

 

豊「勿論、私が食べさせてあげる為だよ、オトウトくん♡♡」

 

円「普通に自分で食べたいんだけど……」

 

豊「それとも、口移しが

 

円「あ〜んで食べさせてください」

 

今、言葉をすべて発されたらヤバいと本能的な部分で察したので発言にかぶせて言っていないのと同じにした。

 

豊「わかったよ、オトウトくん。じゃあ、早く食べよ?」

 

円「はい」

 

円・豊「いただきます」

 

円「流石に毒とか盛ってないよね?」

 

豊「大丈夫大丈夫。二人共同じものを用意したから。ほら、あ〜ん♡」

 

そういうと豊さんはご飯が乗ったスプーンを差し出してくる。俺は大人しく指示に従い、食べることにする

 

円「パクッ」

 

豊「どう?美味しい?」

 

円「うん。丁度いい味付け」

 

豊「久しぶりにこういうのを作るから、口に合ってて良かった♡」

 

 

 

円「美味しかった。ありがとうね、豊さん」

 

豊「お粗末様でした、オトウトくん♡じゃあ、私に食べさせて??」

 

円「は〜い」

 

アマツ(…リア充爆発しろ)

 

何かしらアマツが呟いたものの、それを気にする余裕などない。

 

というか何か考えたら何となく嫌な気配がしているからだ

 

 

 

豊「ご馳走さまでした。ありがとう、オトウトくん♡」

 

円「どういたしまして」

 

豊「あ、ちょっと片付け済ましてくるからゆっくりしててね」

 

円「はいよ」

 

そういって、豊さんは退出していく。

 

円(何かすぐ戻ってきそう)

 

アマツ(奇遇ですね、私もそう思います。しかし、ここぐらいしか逃げられそうな時間は無いかと)

 

円(まぁ、諦めて脱出してみるか)

 

アマツ(ご武運を)

 

円(はいよ)

 

俺はそこまで言った後手首の関節を外し、手錠から抜け出す。そしてこの部屋の唯一の出入口、ドアに向かって駆け出す。その勢いのままドアを開けて、脱走しようとする。しかし…

 

豊『大人しく捕まってくれたら、拷問シナイから、オトナシクそこでまっててネ』

 

部屋に備え付けられていたスピーカーからそんな声が聞こえる。無視をして、扉を開ける。すると、右手には壁が、左には一本道がどこまでも続く廊下に出た。

 

円「走りにくい場所だな、クソっ」

 

廊下にはマキビシや足つぼマット、ガムテープ等が下に貼り付けられていた。又、不規則にワイヤーが並んでおり、引っかかったら捕まりそうだ。ならどうすれば良いか。その答えは簡単だ。

 

豊『オトウトくん、すっご〜い。後でもっかい見せてネ』

 

アナウンスで豊さんが驚くのもしょうがない。なぜなら俺は忍者と同じように壁を走っているからだ。正直、ぶっつけ本番でやってみたが、案外なんとかなるんだな。というか、豊さん余裕だな。俺がここから出れないことを確信しているような……

 

円「!?」

 

と、そんなとりとめのないことを考えていると、突然槍が壁から突き出てくる。しっかり刃は潰されているものの、当たったら致命的である。慌てて俺は近くにあったワイヤーを足場にし、回避する。更に、上から振り子時計の要領で鉄球が来る。ワイヤーを盾にして防ぐ。

 

豊『ガンバれガンバれオトウトくん♪マケルなマケルなオトウトくん♪』

 

謎に応援する豊さんはさておき、槍を走りながら避ける。本来は地面を走りたいものの、触れた瞬間動けなくなるだろう。ワイヤーと壁を使っているが、もしワイヤーを引っ込められたら足場が無くなってしまい、コケる気がする。そんなふうに恐怖しながら、走り続けて約十分。ようやく、光が見え始めた。まあ最も、豊さんが見せた幻覚の可能性もあるが、原状それしかないのも事実。更に加速しようとしたその瞬間。上から高速で何かが降ってきた。俺は思わず足を止める。

 

豊『オトウトくんへのお小遣いダヨ♪遠慮シナイで受け止めてね♪』

 

どうやら降ってきているものは硬貨のようだ。しかもご丁寧に踏むスペースの壁からもだしている。正直壁から出てくる硬貨の波に逆らって目指してもいいんだが…正面突破のほうが安全だな。

 

円「全く外に出ないせいで、使うこと無いんだけどな!!」

 

そういって、俺は硬貨で危険地帯が埋まった廊下を走る。上から降ってくる硬貨に顔をしかめつつも、全力で走り続ける。時折硬貨に埋もれそうになったが、無理矢理抜け出す。程なくして硬貨で服が裂け、体に当たる。痛いとは思いながら、気にせず走り抜ける。程なくして、それは終わり、光輝く場所に来た。そこには…………

 

 

 

 

 

 ボタンがあり、手を伸ばした拍子にそこに触れてしまった。

 

 

 

ボタンを押してしまったことで何が起きるのかわからないが、とにかく碌なものではないだろう。どうなってもいいよう身構えていると、下から液状のなにかが溢れてきた。

 

アマツ(恐らく酒です)

 

酒か。体は未成年のため、飲んだら未成年飲酒で捕まる。まあ、飲まないから問題ないのだが、匂いがきつい。しかも、酒で判断力が鈍っていく。場合によっては自傷して意識を戻すかもしれない。とまではいかないでほしいものである。それはさておき、取り敢えず最初の所まで戻ることにする。もしかしたら俺が見逃していただけで、エレベーターがあったのかもしれないからな。そう決めて俺は、ボタンのある壁を蹴って走る。だが、蹴る時にまたボタンを押してしまう。蹴る時に押してしまったものは仕方がないので、そのまま走る。無理矢理な体制のため、足に痛みがはしる。だが、そんなことは一切気にせず、動き続ける。というのも、先程ボタンを押した影響で、謎の煙が炊かれているからだ。まだ吸ってはいないが、どうせ碌なものではない。幸い空気より重いので、酒と一緒に下に溜まっている。走っている場所としては問題はないので、噴出口に気をつけながら走る。

 

豊『オトウトくん、速くモドッテきてね~』

 

そういった途端、なにかが飛んでくる。俺はとっさに横に飛ぶ。どうやら、あのオシオキに使われた首輪である。捕まった時点で体がズタボロになるので、回避は必須だな。取り敢えず近くに来たものを全て避ける。しかしそれなりに速さを上げているのだが、どうして位置を把握しているんだろうか。監視カメラは見えないように少し位置をずらしたのだが、綺麗に首輪は俺の首あたりに飛んでくる。当てずっぽうでも凄いなこれ。避けるのきついぞ。程なくして硬貨のところまで戻ると、そこには動きにくいよう更に高く積み上げられた硬貨の山があった。

 

円「きっついな、ちくせう!!!」

 

そういって俺は硬貨を飲み込み始める。幸い足元の辺りを少し飲んだだけで崩れたので、すぐに登れるようになった。そして頂に差し掛かったその時、首輪が飛んでくる。予想通りのものだったので、すぐに首を引っ込めて回避する。そして伸び切った所に俺は鎖をつかんで下に落とす。これで素早く移動できるはずだ。

 

アマツ(だったら最初にやっておけば良かったのでは?)

 

円(絶対飛んでくるとわかった場所がここしか無かった)

 

そして邪魔がなくなったので、素早く移動する。

 

 

 

 

 

〜少年疾走中〜

 

 

 

 

 

円「よっと」

 

軽く槍を避け続けようやく最初の所に俺は戻ってきた。まあしかし何も変わらない見た目であり、壁に触っても違和感は一切無い。というかこの部屋前に来てからの眠気が尋常ではない。なぜこんなに眠い?

 

豊『オトウトくんが食べた朝食には、ちょっとだけ多く薬を入れたんだ。だから、オトウトくんは出られないヨ♡』

 

まさか眠り薬を入れられているとは…確かに両方とも同じものを入れているなら問題はないが、そこまでやるのか?

 

まあそんなこと考えていたとしても、この盤面は絶望的すぎる。仮にこのまま探していても薬でやられるし、逃げる為に必要な脱出経路自体があるのかも怪しい。

 

嘆いている暇もなく、煙が充満してくる。恐らくはこいつも眠り薬になっているだろう。絶望しながら、俺は仰向けとなって倒れるのだった……………

 

 




読了ありがとうございますm(_ _)m。これは影蜘蛛がよく使う技を全部使って書いてみました。狭角は難しいので槍で再現しました。そして現在進行形で豊さんの名前を使ってコロシアイを考えている最中です。最も、こちらが終わってからですが……というわけで、次回はかなり遅れる予定です。赦してください


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拷問

どうも影蜘蛛です。ようやく残酷描写を書けると沸く沸くしていたヤバい蜘蛛になってきました。最近肌寒くなってきたので、骸蜘蛛のところに行こうか悩んでおります。本編どうぞ。


???「おきて〜朝ダヨ♪」

 

円「おはようございます……って!」

 

豊「もしかシテ、忘れちゃった?大丈夫??オトウトくん」

 

円「いや、記憶は問題ないです」

 

アマツ(逃げようとして情けないですね)

 

段々意識がはっきりしてきた。俺は監禁されたから逃げようとして、結果失敗した。そして現在……

 

豊「鎖で雁字搦めにナッたのはどう?」

 

円「……………別に何ともない。これ外せるようになってるでしょ?」

 

そう。鎖によってぐるぐる巻きにされているが、手錠よりも外せるように作られているのである。

 

豊「そうだヨ♡でもね、私わかっちゃった。オトウトくん、薬にとっても弱いでしょ」

 

円「……………」

 

アマツ(体質的にとんでもなく弱いです。入った時点で確実に効くレベルですね…)

 

円(もしかして、1グラム入っただけでも)

 

アマツ(そうです。1グラムだろうが1キロだろうが関係なく同じぐらい効きます)

 

薬は俺に対して完全弱点ということだったのか。先に確認しておくべきことだったのに、何やってるんだか……………

 

豊「だから、この鎖が外された瞬間即効性のある薬が流れるから賢いオトウトくんなら、どうすればいいのかワ カ ル ヨ  ネ??」

 

円「わかったよ、豊さん」

 

豊「でもね~、オトウトくん。逃げようとした罰を受けてもらうからネ、覚悟してね?」

 

そう言い、豊さんは徐ろに近くにあったライターを持ち上げる。これで俺は何をされるのかを察した。

 

アマツ(逃れるすべはありません。諦めて受け止めてください)

 

そんなわけで、俺は拷問されるのが確定されるのだった。

 

 

 

豊「じゃあ、最初は火炙りね」

 

円「良いけどさ、怪我しないよう気をつけてね」

 

豊「なんでそんなことイウノ?」

 

円「別に俺は門番の仕事で何回か怪我して慣れているけどさ、豊さんはそうでもないでしょ?」

 

豊「私が聞いているのはそういうことじゃなくてさ、なんで自分が傷つくのに、そんな平然としてられるの?」

 

円「そりゃまあ、確実に死なないって確信があるからね」

 

ぶっちゃけそこまで余裕があるわけでもないから、単なるやせ我慢である。とはいえ、今迄の行動を鑑みると、普通に殺されはしないはずだ。毒でも盛られない限り、死にはしないだろう。

 

豊「じゃあ、始めるね~。サイショはヒアブリだよ」

 

そういって、右腕にライターと紙を置いた。どうやら時間差で倒れる仕掛けのようだが…どうやら鎖に阻まれて俺に火は届かない。

 

豊「え?あれ?」

 

円「拷問するってんだったらしびれ薬でも飲ませて動き封じとけばよかったのにね。鎖での拘束に拘ったからでしょ……」

 

困惑している豊さんに俺はそういう。オシオキしようとしてもどこか抜けてるしさ……もう少し考えてから行動しろよ、豊さん。

 

アマツ(それは自身の体質を知らなかった貴方が言えるセリフではありません)

 

円(それを言うな)

 

豊「つ、次はカッターで切りつけテアゲる」

 

そう言いながら器用に鎖の合間を縫って切りつけてくる。というかよく切りつけられるな。

 

アマツ(なんか考えてますけど不味くありません?今火が鎖に到達してじわじわ熱くなってきていますよ)

 

割と殺しにかかる拷問だな、これ。

 

豊「……………え〜っと、玲菜からのメモには、次は……………」

 

皮膚を裂きながらボソボソ呟く豊さん。そしてカッターの刃がボロボロになった時、俺は血が滴り、無惨になっていた。

 

豊「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

 

突然豊さんが笑い、カッターを落とし、目からハイライトが消え、更に碧く光る。嫌なんで碧く光るんだよ。

 

豊「ジャア、サイゴハハラヲヒライテナイゾウモラウネ??」

 

円「ど、どうしたの豊さん?目怖いよ?」

 

豊「ダイジョウブダヨ♪オトウトクン、チョットイタイカラガマンシテネ♡♡♡♡♡」

 

そういって下からナイフを取り出し両手両足に投げられる。しっかりあたり、俺は顔を苦悶の表情に滲ませる。

 

豊「ジャア、イタダキマ〜ス」

 

そういって、豊さんにナイフを刺されて、辺りに血の華が咲く。そして綺麗に抜かれる。

 

豊「アア、キズツイテルカオモカワイイヨオトウトクン♡♡ジャア、●●ヲトルネ」

 

何を取ろうとしているのは聴こえなかったが、そんなことを考えられる程余裕がない。失血量がとんでもなく、普通にそれだけでも死にかけている時なのに、更に内蔵取り出されると確実に死ぬ気がする。

 

円(じゃあな、アマツ)

 

アマツ(いやいやいやいや諦めないでください!!)

 

円(というかこの状態から入れる保険があるのかよ)

 

アマツ(あります!!!強制加入しますけどいいですよね!ね!)

 

円(おうおう頼むよアマツ!!)

 

アマツに別れの言葉を言ったが、なんか奥の手があるらしい。おそらくこのまま死ぬよりかはマシだろうと思い、了承する。

 

そして意識が遠のいていく。どこかの内臓を抜かれたのだろう。

 

俺は潔く諦め、意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミノル「ようやくここまで辿りついたよ〜。オトウトクンなんか考え事してたけど、まあいっか。ニシテモ、オトウトクン良く生きてるなあ。だって私は玲菜に言われた通りにやっただけなんだけどさ…これ普通に死んでると思うんだけど……………」

そういって彼女は剥き出しになった彼の心臓を触る。ドクンと音がなっていて生命力がまだあることを伝えてくる。

ミノル「玲菜どうしてこうぎりぎりまでオイツメて生き残らせるって、本当にどう計算したらそう出来るんだろうね。玲奈いわく、彼氏に実験台になってもらったらしいけど、良く了承してもらったよね。やっぱしそういうカンケイに私達も慣れたらいいなぁ。さて、じゃあイタダキマス♡♡」

そういって彼女は先程愛しの彼からとった内蔵を食べる。しばらくその部屋には瑞々しい音が鳴り響く。その音がヤんだ時には、一人の女性が笑いながら、去っていった……………




読了ありがとうございますm(_ _)m。今回は滅茶苦茶短くなりました、申し訳ありません。そしてちょろちょろ出てくる玲奈さんはオリ論がオケなら出すキャラです。もし細かいことが知りたかったらニか三に投票してください。そして、次の投稿はできるだけ早くなります。最後に、誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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結論 姉には勝てない

どうも影蜘蛛です。気分良いので連続投稿します。友人にエロ要素いれろと言われて入れました。それでは本編どうぞ。


そんなこんなで豊さんに監禁されて約一日。

 

アマツ(昨日はお楽しみでしたね)

 

円(そんなわけないじゃないか、アマツ)

 

アマツ(あんなことやってたのに?)

 

円(いやいや、火傷させてきたりカッター投げてきたり腹掻っ捌いて内蔵取り出すことを[あんなこと]で済ますな)

 

アマツ(その後甘やかされてたのに?)

 

円(死にかけたんだぞ?その後膝枕されようが添い寝されようがキスされようがどうでも良くなるわ)

 

無理矢理転生者特典で怪我治さなきゃいけなかったしな。アマツにスキル教えてもらわなきゃ死んでたんだが…スキル名は一切教えられて貰ってないんだよな

 

アマツ(あのスキルは少し特別でしてね、神様から与えられたものです)

 

円(この事態は読めてたのか、メシアさんは)

 

アマツ(??)

 

円(どうした?)

 

アマツ(気の所為ですので)

 

円(変だと思ったらすぐ言ってくれ)

 

アマツ(私は神様に作られた存在ではあるのですが、作った神様の名前はわからなかったので)

 

成程。いや、神様がメシアさんと断定しては駄目だな。

 

円(そういうことね。そしてお前は俺と豊さんをくっつけようとするのは何故だ?)

 

アマツ(私は二人しか知らないので、さっさとカップルになってください)

 

円(てことは知識だけ多い奴か)

 

アマツ(概ねその認識でよいかと)

 

円(お前は敬語で話しているけど、タメ語はできないのか?)

 

アマツ(できません)

 

円(なんで?)

 

アマツ(円さん以外にタメ語のデータがないからです)

 

円(別に問題なくない?)

 

アマツ(私に取っては大問題ですので)

 

円(そういうものか)

 

アマツ(そういうものです)

 

円(まあいい。この監禁の目的について話したいからアマツ呼んだってのに)

 

アマツ(多分、千粒さんと付き合うか結婚したらよろしいのでは?恐らくヤンデレですし)

 

円(理由は?)

 

アマツ(この2日間の行動を見ている感じ、千粒さんは円さんを自分に依存させ、完全にシスコンにしようとしている気がしました。それに、目のハイライトが消えている時、いつも円さんを見つめていました)

 

円(まじかよ。ぶっちゃけ弟へのスキンシップが激しいなと思いはしたが……………)

 

アマツ(私はあくまで好感度を見て判断しています)

 

円(お前その好感度見れる能力よこせや)

 

アマツ(別に大丈夫ですが、自分に対しての好感度だけしか見れませんよ?)

 

円(充分使える)

 

アマツ(では、どうぞ)

 

円(ありがとな)

 

アマツ(最大値は千粒さん見ればわかると思いますので)

 

円(絶対ヤンデレだから限界突破してる気がする)

 

アマツ(……………)

 

円(黙るな)

 

アマツ(大丈夫です…多分)

 

円(不安でしかないがな)

 

アマツ(概ね超高校級は常軌を逸した行動をしますからね)

 

円(それはわかる。なあアマツ、幸星が何処にいそうかとかわかるか?)

 

アマツ(私がここに来た時点のものですが、円さんと同じ状態でしたね)

 

円(やばくね?)

 

アマツ(恐らく、特典で攻撃が効かなかったのでしょう)

 

円(その手があったか)

 

アマツ(円さんは使えないはずでは?)

 

円(残念ながら特典使って手に入れた)

 

アマツ(強すぎでは?)

 

円(ゲーム世界のはある程度しかできないが……)

 

アマツ(逆にそれ以外全部できるんですね)

 

円(そうだな。口から息吐いたりとか地面砕くとかは無理)

 

アマツ(それができたら化物ですしね)

 

円(ともかく、さっさとこの閉鎖空間から出るぞ)

 

アマツ(その前に千粒さんが来ましたよ)

 

円(ありがと。解除しといて)

 

アマツ(わかりました)

 

程なくしてカツカツと音が聞こえてくる。

 

豊「オトウトくん、大丈夫?」

 

円「まあ、なんとか」

 

豊「なら良かった。オトウトくん、今日は痛い事シナイから、いっぱい甘えてね♡」

 

円「うん」

 

豊「じゃあ何する?」

 

円(こういうとき何してもらおう)

 

アマツ(無難に膝枕はどうでしょうか?)

 

円(やってみるわ)

 

円「膝枕でお願い」

 

豊「良いよ~でも、もっと甘えてもらうよ」

 

円「どういう事?」

 

豊「こういうこと♡」

 

そういうと、豊さんは膝枕した後、耳かき棒を取り出す。

 

円「恥ずかしいんだけど……」

 

豊「誰も見れないんだから大丈夫大丈夫♪」

 

そういうと豊さんは耳かきを始める。直後、上から柔らかい何かが降ってくる。

 

(!?)

 

膝の質感、上から押し付けられている胸の柔らかさ、漂ってくる甘い匂い、それに耳の中に一瞬ぞくっとした感覚で俺はまともな思考ができなくなる。

 

豊「耳かきするから暴れないでね」

 

暴れ出しそうな俺に対しそういうと、豊さんは改めて耳かきを始める。

 

アマツ(天獄か地獄、どっちにいる心地ですか?)

 

円(勿論両方だよ畜生が!!獄上の気持ちだよ!!!)

 

ぶっちゃけやられていることに対して嬉しいとは感じているが、恥ずかしさや謎にある恐怖心でどっちにもいる形になっている。

 

豊「うん、終わったから次は反対側むいて?」

 

素直にその言葉に従う。だが、必然的にお腹を見ることになってしまうが、上下を見たとて地獄。仕方なく俺は目を瞑る。しかし、視覚がなくなってしまったのを他の感覚で補うためにより柔らかさ、匂い等に敏感になってしまう。ぷるぷると体を震わせて耐えていた。

 

豊「大丈夫?なんか震えているけど……」

 

円「別に問題ないから、気にしないで」

 

こんな内心を打ち分けるわけにはいかない。いった時点で引かれる。早く終われ終われと思ってこの時間を過ごすのだった

 

〜少年耐久中〜

 

豊「はい、終わりっと。オトウトくん、ちょっと髪触っても良い?」

 

円「大丈夫だよ、豊さん」

 

地獄が終わったが、膝枕は悪いものではない。髪触られるぐらいなら構わないのである。

 

豊「なんでこんなに髪がサラサラなんだろう……同じものを使ってるはず何だけどなぁ」

 

円「わからないよ。そもそも豊さんの方が髪質良いでしょ」

 

そういって俺は自由な右手で髪を一房とる。自分の髪と違い、指ざわりの良さが全然違う。

 

円「豊さんの方が髪質良いよ、やっぱり」

 

豊「いやいや、オトウトくんの方が良いって」

 

円「じゃあどっちも良いってことで」

 

豊「そうだね、そうしよう♪」

 

アマツ(……リア充爆発しろ)

 

円(なんか言った?)

 

アマツ(いえ、何でも無いです)

 

豊「そういえばさ~」

 

唐突に豊さんが話しかけてくる。

 

豊「オトウトくんはここから出たいの?」

 

円「……どういうこと?」

 

俺が驚きながら発言できたのはそれだけだった。てっきし俺はこの閉鎖空間にずっといる羽目になると思っていたからだ

 

豊「そのままの意味だヨ」

 

円「……………まぁ、出たいかな」

 

豊「じゃあ、別に出なくても問題はないでしょ?ここにいれば衣食住保証されているんだし、甲斐甲斐しく自分を世話してくれる美女もいるんだよ?少し窮屈だと思うけど、すぐに慣れると思うよ?……それとも、私のことが嫌いだから離れたいの?」

 

円「自分のことを美女っていってる点については?」

 

豊「気にしないで。それで、どうなの?」

 

色んな事についての『どうなの?』であろう。出たいと思っているのか、自分のことが嫌いなのか。俺はそれに対して真剣に答えることにした。

 

円「正直に言うと、俺はすでにここでの生活には慣れているし、豊さん、いや、豊姉ちゃんのことは好きだ」

 

俺自身悲しいことに新生活なんてすぐに慣れてしまい、珍しさなんて一瞬で過ぎ去った。それに対して豊さんには感謝しても仕切れない。だから俺は豊さんの事が好き…なのだろう。だけど、恐らくあちらが向けてきている感情と、俺が豊さんに対する感情というのは全然違う。俺が向けているのは【親愛の情】。家族に対して抱きやすい感情。決して恋愛感情には慣れないとまでは言わないが、限りなくなりにくい感情。しかし、豊さんが向けてきているのはそれに加えて【恋情】。異性として、一緒に添い遂げようとしたい感情。だから俺は姉ちゃんと呼んだ。異性として見ていないということをはっきりさせるために。

 

アマツ(あーあ、ヤンデレには悪手ですね)

 

円(まじ?)

 

アマツ(相手から好きって言われたら暴走しますし、ここから出たくないと貴方は言ってません。しかし、これでもし脱走でもしたら、殺される寸前まで拷問、その後殺害や心中になりません?更にこの千粒さんの恋情、恐らくは親愛の情から発展していますよ)

 

円(噓だろ…)

 

アマツ(超高校級+ヤンデレですから、何でもありでは?)

 

円(否定できねえな)

 

さあこれに対してどんな答えを豊さんは返すのだろうか。

 

豊「ありがとうね、オトウトくん。そんな私のことを大事に思ってくれたんだ。ここから絶対、絶対出ないでね」

 

ハイライト消えている状態でそのセリフ言わないでくださいマジで怖いから。

 

円「いや、一応外之世界の情報知っておかないと豊さんの手助けができないから、ね?」

 

豊「むぅ~、しょうがないな。じゃあ高校卒業したらずっと千粒邸にいて門番するって約束できる???」

 

円「別に良いよ。そこまで変わらないしね」

 

豊「じゃあ良いよ。でも、できるだけ周りとか関わらないようにしてね」

 

円「幸星とは駄目?」

 

豊「別に彼なら良いよ。刹那も赦してくれると思うけど、多分監視カメラある状態で会うことになるけど大丈夫??」

 

円「それくらいなら構わないよ。他の人と会えるだけでも嬉しいからさ」

 

豊「わかったよ。だけどさ、ちょっと不安なんだよね」

 

円「何が??」

 

豊「他の女に取られる事が」

 

円「俺が逃げまくれば問題ないんじゃない?」

 

豊「それでもどうしても不安になるのが女という生き物なんだよね、オトウトくん」

 

円「じゃあどうすれば良いの?」

 

豊「ちょっとだけ我慢シテね、すぐ終わるカラ」

 

そういって豊さんに治っていない傷をえぐられる。何をするのだろうか。

 

豊「このままちょっと跡をつけて、私のものってマーキングするんだよ」

 

言った瞬間、長いキス音が部屋に反響する。そして音が止んだ時、俺の体には完全にキス跡がついていた。

 

豊「フフフ、これでようやく私のモノになったね。じゃあ、数日ぐらい待っててね。多分それぐらいで戻れるカラ」

 

円「は〜い」

 

そんなわけで、もうそろそろこの生活ともお別れである。最も、高校卒業した瞬間に監禁生活に戻るのだけどな




読了ありがとうございますm(_ _)m。ようやくやりたかったところまで来ました。最も、学園に戻るまで数話挟ませて戴きます。にしても円……諦めよすぎだろ……………
補足
獄の漢字はわざとです。


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復学 前編

どうも影蜘蛛です。やっぱりヒントって出し過ぎるとダメなんだなと思いながら、この小説を書いています。それでは本編どうぞ。
注意事項
ネタ回


というわけであの一日から四日後。俺はようやく希望ヶ峰学園に戻れる事になった。

豊「じゃ、行こうオトウトくん♡」

そういって豊姉ちゃんは手錠を外した。俺はようやく伸びをする。やっぱし手錠で動けなかったせいで筋肉がおちてるな。少々運動して取り戻さないと。

豊「手出して?」

大人しく手を出すと、そこに腕時計型の電子機器を取り付けられる。

豊「それは電子生徒手帳ダヨ♪そこに色んな機能が入っているから無くさないでね」

円「は〜い」

返事しながら俺はそれについて考える。おそらく校則違反したらここから電流が流れたりするのだろう。

アマツ(そんなことはできなさそうですけどね)

そもそも豊姉ちゃんが逃れられる事が出来ないし、もう今の時点での脱出は諦めているものの、どうせこの後世界中崩壊するからな。今の時点でこうなるのは問題あるまい。

豊「じゃあ行こうねオトウトくん♡♡」

円「は〜い」

というわけで豊姉さんについていき、狹苦しい場所から出た。

 

 

刹那「やぁ、豊とそのオトウトくん」

円「お久しぶりです」

豊「やっほ~。天の河とはどう?」

刹那「特に問題ない。もうそろそろここに来るようだからな。玲菜のメモと奴が使っていた拷問も使ったら、思いのほか早く私の事を見てくれるようになったよ。その後幸星から愛の言葉を言うようになってくれた。その後押し倒そうとしたんだが、真っ赤に染まった幸星の顔が可愛過ぎて、つい意識を失ってしまった……………全く、こういう時に限って手が出せない自分が悔しいよ」

豊「あぁ~拷問って彼奴の?アレ使おうと思ったんだけどオトウトくんが可愛いから辞めちゃった」

刹那「ぐぬぬ……」

しばらく行くと、刹那さんと会った。幸星はまぁ……………ご愁傷様。

アマツ(円さんがやられていたことに加えて拷問ですので、よっぽどの狂人でない限り自我を保てないでしょうね)

刹那「お、ようやく来たようだ。おーい、幸星」

幸星「なに、刹那姉様?」

案の定、幸星は廃人となっていたようだ。目が少し暗く、笑い方が空虚だな。元からそういうのに耐性あるわけでも無いしな……………後で無理矢理正気に戻した方が良いな。

刹那「いくぞ」

幸星「はい」

豊「オトウトくん??大丈夫?歩ける?」

どうやら俺は呆然としていて、その場で立ち止まっていたらしい。

円「う、うん。気にしないで良いよ」

豊「じゃ、早く行こ?」

そう言い、豊姉さんは手を伸ばしてこっちを向いてくる。何をして欲しいかを察した俺は、大人しく手を握り返し、所謂恋人繋ぎで息苦しい空間から外に出た。どこかから鉄の匂いがしていた。

 

 

 

 

??:?? 希望ヶ峰学園寮

苗木・舞園「おかえり、二人共」

桑田「久しぶりだな、お前ら!!」

大和田「にしても、二人揃って居眠りなんてな。ついてねえのな」

幸星「その代わり、まともにはなった」

霧切「少し言葉遣い変わったわね」

カムクラ「意外ですね、まさかかの暴虐無尽な将星をこんなに矯正させるのは」

円「矯正ではない気がするがな…」

セレス「そういえば、体とかは大丈夫でして?」

刹那「それは私達がしっかりしておいているから問題ない」

豊「二人共個別だけどね」

戦刃「拷も

江ノ島「いや〜こっちも大変だった(´・ω・`)」

円「お疲れ様。ところで今の時刻は?」

大神「昼の12時だ…そちらに時計は無かったのか?」

円「あったらこんな質問しねえよ」

葉隠「そういえばその腕につけている物はなんだべ?」

豊「それは私と数名で作った特製生徒手帳だよ。みんなにも配ろうと思ったんだ。でもまだ人数分作れてないから、試運転を兼ねて二人に装着してもらっているの」

不二咲「その中には僕が作ったのも使われているんだって」

円「凄いな、不二咲」

俺としては戦刃に同意したかったが江ノ島に声をかき消された。

巳神「ナンか、コーセー変わっター?」

幸星「変わらない」

刹那「さて、一時間後からまた自習開始となる。だからそれまで自由にしていて大丈夫だ」

さて、どうすっかな。いまいち何もやることがない。ここで幸星の意識を戻してもいいのだが、おそらく今やった所でまたセツナさんに洗脳されてダメだな。どうせだし、読書でもするか。

 

〜少年読書中〜

 

ふぅ……………これぐらいで一時間かな?大神は瞑想していて邪魔しちゃ悪いな。戦刃と一回手合わせしてもらうか。

円「すいません、セツナさん」

刹那「なんだ?豊ならあちらだぞ」

円「いえ、戦刃さんがどこにいるか教えてもらいたいのですが…」

刹那「あぁ、本舎の3階道場にいるぞ」

円「ありがとうございました」

いうなり俺は駆け出してそこまで向かう。

刹那「……………あちらには不治森が遊びに来ていたな」

 

 

〜少年疾走中〜

 

 

円「お〜い戦刃、戦闘しようぜ」

戦刃「ごめん、壁戸。ちょっと無理」

円「どうした?保健室行くか?」

戦刃「いや、先輩が強すぎて」

そういって戦刃は倒れた。

???「すまない。僕の手加減が出来なかったせいで……………」

円「いえ、お気になさらず。ところで、先輩の名前は?俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円です」

???「あぁ、君が千粒の言ってた……………僕は『元・超高校級の不良』不治森闘魔だ。もし僕と戦いたいなら、相手になるぜ」

円「では、やりましょうか。始めの合図はどうしましょうか?」

不治森「言ってた通り獰猛だな。じゃあ、俺が弾いたコインが地面に接したら始めようか」

そういって、不治森先輩はコインを弾いた。さぁ、久しぶりの戦闘だ。まず不治森先輩を観察する。まず特徴的なのは傷一つない服。学ランのように見えるが戦刃がやった後なのに何一つついていないのはどこか違和感を感じる。

アマツ(多分特殊素材ですね)

そして不治森先輩の戦い方は徒手空拳……………なら良かったのだが、何しろ『不良』だからな。何を使ってくるのかわからない。

アマツ(左に重心が寄っていますね。多分左利きでしょう)

円(ありがとよ、アマツ)

アマツの言う通り、おそらく左利きだろう。最も、だからといって右側に行った方がいいってわけじゃ無さそうだな。そして、身長が高い。目測で二メートル近くある。今の距離は大体五メートル。どんだけ不治森先輩が足が遅くても走ればすぐ届く距離である。となると最初は…………

チリン。

取り敢えず俺は特攻する。ここでもし相手が倒せるならそれで構わないし、倒せないにしてもある程度は実力がわかるからだ。これに対して先輩は……

不治森「オラァ!!」

正拳突き。しかし出る速度とリーチも相まって避けるのは難しい。俺はこれに対して同時に左手の正拳突きを出す事で対応した。当たっても痛くないよう衝撃を分散できるよう柔らかくして。

不治森「んなっ!?」

円「チェスト」

案の定、引っ掛かって驚いている。その隙に俺は走った勢いそのままで回し蹴りを放つ。そして間髪入れず二発目の蹴りを繰り出し、そのまま離脱する。不治森先輩は吹っ飛ばされたが、蹴った感覚からして中に鎖帷子を着ていたようだ。不治森先輩は手で軽く払う。鎧通しの技術を使ったが、効いていないところからしてそもそもの体がとても頑丈だな。まあ、そうでもなければこんな一撃必殺なんてしないか。

円「ちっ…やっぱり仕込んでいやがったか」

不治森「念には念を入れるのが俺だからね。さて、じゃあ次は俺から行くよ」

そうすると一瞬で距離を詰めてくる。先程食らった攻撃からして、俺に直撃したら失神する威力だった。それは不治森先輩もわかっているはずだ。ということは!

不治森「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!」

やはり、連撃で攻撃をしてきた。一発たりとも受けられないので、避ける。避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避けて避ける。捌いて隙を見つける。と、大振りの攻撃をようやくしてきた。それに対して俺は後ろに大幅に下がった。そして下がった瞬間に、目の前に風圧を感じた。俺は視認すらできなかった。あれが不治森先輩の必殺技みたいなものか。

不治森「これを避けるとは……君は先程のむくろさん?より強いようだね。もう一度名前を教えてもらっても良いかな?」

円「壁戸円です」

不治森「では、円くん。ちょっと提案があるんだけど」

円「なんですか?」

勿論、この話している間にも攻撃をさばき続けている。

不治森「このまま闘った所で、埒が明かないし、お互いに全力の一撃をぶつけ合わないか?」

円「構いませんよ」

そう返事して、俺は後ろに下がり、左手に力を溜める。

不治森先輩は、引き手をし、完全に俺を迎撃する体制だ。

「「いざ尋常に、勝負!!」」

そういって、全力で一歩踏み出す。

不治森先輩はそれに対して素早く攻撃する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、不治森先輩の拳は空振った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不治森「何だって!?」

驚いている不治森先輩に対して俺は後ろにまわり、首に手を当てる。

不治森「参りました」

円「対戦、ありがとうございました」

不治森「今のはなんだい?俺には君に当てようとして、何故か消えていたとしか見えないんだ」

円「これはシンプルにこういう事です」

そういって先程と同じく一歩目を全力で踏み出し、二歩目をゆっくりと踏み出した。

円「これは格上相手にしか使えない技なんですよね」

不治森「確かに素人とやるのであればこのようなフェイントは意味を成さないだろうし、俺はあの時待ち構えていた。さしずめ、カウンター専用の対処技かな?」

円「そうですね。それに加えて言えば、もし相手がこちらに向かってくるのなら、殆どデメリットにしかなりません」

不治森「これだけ強いのであれば、あの時俺の徴発に乗る必要性は合ったのかい?」

円「連撃は苦手なんですよ。それに、不治森先輩の一撃が重すぎて左手が動きにくかったんです」

そう言いながら、俺は左手を見つめる。じんじん痛み、普通にきつい。血が出ていたら俺は貧血で落ちていただろう。

不治森「いや〜勉強になったぜ。ありがとうよ、円」

円「いえいえ」

不治森「なんか僕に聞きたい事あるか?ある程度なら答えるぜ」

聞きたい事は……

円「今先輩は何をやっていますか?」

不治森「一応、魔闘流の師範をやっているぜ。最も、あまり休めないんだが……」

円「それでも充分凄いですよ!!」

不治森「まっ、本当に30万人ぐらいの小さな流派だな」

円「どんな流派ですか?」

不治森「『果断即決』を元にしたものだな。連撃ではなく一撃一撃の重さに重点をおき、対戦相手が高速であっても一撃で倒せる威力になるよう指導をする流派となっている。他に聞きたいことはあるか?」

円「どうしてここに来たんですか?」

不治森「北斗から臨時教師として来てほしいと言われてな。丁度良く暇だったからここにやってきた。にしても、戦刃って奴の才能は?」

円「超高校級の傭兵ですね」

不治森「もう少し鍛えたほうがいいんじゃねえのか?不意打ちで沈めたが、あまりにも耐久力が低すぎる」

円「ふむふむ」

不治森「さらにいえば、少し避け方が単調だから、遠距離にしか対応してない。銃ならまだしも対人だからな。もう少し空間を平面的ではなく、立体的に使えていればまた変わったかもしれない……と思う。他に聞きたいことは?」

円「豊姉ちゃんからどんなふうに伝わっているんですか?」

不治森「メッセージアプリで、散々惚気話を聞かされた」

円「うちの姉が申し訳ありません」

不治森「いいってことよ。北斗よりはマシだから」

セツナさんと豊姉さんはメッセージアプリでもいろいろやっていたようだ。

不治森「にしても、円くんも苦労してるんだね。そういえば、北斗の方の彼は……」

円「精神崩壊してます」

不治森「ご愁傷様。とはいえ、可哀相だから元に戻す方法教えようか?恐らく特殊な拷問だから普通に戻そうとしたら廃人になるからね」

なるほど、相当酷い状態のようだ。

円「お願いします」

不治森「その方法と言うのは……………」

 

説明中

 

不治森「って感じ」

円「ありがとうございます」

不治森先輩から聞かされたのは衝撃の内容だった。

不治森「もうそろそろ帰る時間だから俺はお暇するよ。でも例の彼、あと一週間以内に戻さないと戻らなくなるよ」

円「さようなら、不治森先輩」

不治森「あぁ、また今度」

そういって、先輩は帰っていった。

時計は四時半を指している。一度寮に戻ったほうが良さそうだな。俺はそう思い、寮に向かった。




読了ありがとうございますm(_ _)m。というわけであちらから引っ張って来たキャラその1、不治森師匠登場。
不治森闘魔
『元・超高校級の不良』。彼を慕う人物達は、通称『魔闘組』と呼ばれている。無言で暴力は振るわないという変わった癖があるものの、実力は戦刃を仕留められる程。妹がいるらしい。
です。あちらの方は、気が向いたら出します。もし誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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復学後編

希望ヶ峰学園教室 1一1 16:50

 

俺は殆ど人がいない教室に入り、大人しく椅子に座る。すると、既に石丸が入っていた。

 

石丸「うむ!早く動けるのは素晴らしいぞ円くん!久しぶりにも関わらず、五分前行動ができるのは実にいいことだ!!」

 

円「それは普通のことじゃね?」

 

石丸「な、なんと謙虚な姿勢……僕も見習わなければな!しかし、勉強中に寝ないように!!そんなことをしたら教える側に対して失礼極まりないからな!!!」

 

円「文字通り身にしみてる。所で石丸は何をやっていたんだ?」

 

石丸「僕は政治について勉強をしている!僕の夢を叶えるのならしっかりそれについて学ばなければならないと思ってな!!」

 

そういえば石丸は政治家になりたいんだっけな。

 

円「ま、頑張って叶えてくれよ。俺自身まだそういうことが決まってないからな。決まってんのは羨ましいぜ」

 

石丸「うむ!円くんも頑張りたまえ!!ハッハッハッ」

 

そんな話をしているとほとんどの人が教室に入ってきた。

 

石丸「まだ幸星くんが来ていないぞ!」

 

天之河「今来た」

 

円「遅いな、大丈夫か?」

 

天之河「大丈夫だ、問題ない」

 

刹那「お、全員揃ったな」

 

円「刹那さん、舞園がいませんが?」

 

刹那「ライブのため席を外している。それと、これで今日の授業は終わりだ。今日は卒業生が作ってくれるそうなので、食事は作らなくて大丈夫だぞ」

 

桑田「誰っすか?」

 

刹那「なんと『元・超高校級の給食委員』火口獏だ」

 

途端にクラスメイトが騒がしくなる。俺は慌てて前にいた苗木に聞く。

 

円「誰?」

 

苗木「そっか……壁戸くん知らなかったんだ。えっと、中学時代に給食の職員のかわりをしたんだって。確か千粒先輩達と同じ世代。詳しい事は千粒先輩に聞いてみたら?」

 

円「おけ。ありがとよ」

 

どうやら今日は卒業生が多く来るようだ。

 

刹那「夕食は午後六時からだ。それまで好きに過ごしていいぞ。号令」

 

石丸「気をつけ、礼」

 

「「「「ありがとうございました」」」」

 

さて、火口先輩の料理を見に行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂 17:10

 

食堂に入り、キッチンの方に向かう。

 

豊「あ、オトウトクン。やっほ~」

 

火口「よう!お前の事は千粒から聞いてるぜ!」

 

円「やっほ~で良いでしょうか?」

 

火口「構わないぜ!俺は彼奴みたいにそんなことは気にしねぇし」

 

すると、もう豊姉さんと男の先輩(多分火口先輩)がいた。

 

円「すみませんが、名前はなんでしょうか?」

 

火口「あ、お前が千粒の弟か。俺は『元・超高校級の給食委員』火口獏(カグツチバク)だ。なんか作ってほしければ作るぜ?」

 

豊「ハクは料理の類なら全部作れる凄い人だよ。まぁ、一年前からあんまりテレビやらには出てないけど」

 

火口「俺の名前は獏だ!!あとそれは言わんといでくれ……………諸事情で中々出たくとも出れないんだよ」

 

円「心中お察しします、火口先輩」

 

火口「円、獏先輩で構わねえからな?俺は苗字で呼ばれたくないからな」

 

円「わかりました」

 

なんとな〜く獏先輩から俺等と同類の感じがしている。

 

アマツ(ま、確実にこの方も円さん達と同じようにヤンデレに好かれているのでしょう。そうでもなければ一年前から突然『元・超高校級』が世間に出ないことはありえにくいですからね)

 

豊「ところでハク、彼女達とはどうなの?結婚式はいつするの?」

 

さらっと獏先輩に彼女がいることがわかった。しかも二人以上。

 

火口「だから俺は獏だ……あと結婚式なんてしたら両方に殺されるわ。俺は失血死も変死もしたくねえんだ」

 

豊「別にあの二人はハクが絡まなければ仲は良いんだし、二人同時にお嫁さんに貰っちゃいなよ」

 

火口「俺の名前は獏だし、そんなことをしたら国家に違反するだろうが!!」

 

豊「あのさぁ……………熊の事忘れてる?彼奴だったら国家と交渉すれば問題ないし、もし無理だったら私が動けば良いんだよね。だからたりないのはハクの気持ちだけだよ。そもそも………」

 

俺はこの言い争い(殆ど豊姉さんが獏先輩に対しての説教らしきもの)に対して傍観していた。

 

アマツ(私としては国家との交渉材料が気になりますね)

 

円(どうせ日本内に留まり続けるとかそんなゆるいもんとかじゃね?)

 

アマツ(いえいえ、そんな軽くはないでしょう。多分研究材料になるのじゃないでしょうか)

 

円(才能の研究をしてなにするんだよ)

 

アマツ(円さん……『カムクライズル計画』をお忘れで?)

 

円(『カムクライズル計画』…今現在はそういう話はないし、余り心配していないんだよな。もしそうなったとしても俺からしてみれば全部貰えるから問題ない)

 

アマツ(あ)

 

円(やっぱ忘れてたな。あとそろそろ獏先輩助けるから切ってくれ)

 

アマツ(わかりました)

 

豊「…なのに、ハクがあっている人は女の人ばかりになってるよね。彼女達からしてみれば浮気してるように見えちゃう。だから彼女達は毎回会うたびに痺れ薬とか座敷牢とか鍵穴溶かしたりしてハクを閉じ込めようとしてるの!だからハクはクラスメイト以外の女と余り関わらないこと!!!!」

 

火口「りょ、了解!」

 

円「豊姉ちゃん、終わった?」

 

豊「うん。この鈍感ハクに対する説教は終わったよ」

 

円「じゃあ早く料理作らない?時間もうそろそろだよ」

 

時計は五時四十分を指しており、後三十分しかない。

 

火口「お、そうだな。そろそろ作り始めるか」

 

そういって獏先輩はキッチンに向かう。

 

円「すいません、手伝いましょうか?」

 

火口「え、まじで?」

 

豊「ハク、オトウトクンの腕は保証するよ。しっかりラインにも書いたでしょ?」

 

火口「いや、あれを元にできねえんだが……」

 

豊「とりあえず、やらせてみなよ。絶対成果だしてくれるから」

 

火口「だけどな……」

 

豊「いい加減にしないと彼女達に連絡入れるよ?」

 

一瞬で獏先輩の顔が青ざめた。

 

アマツ(ここまでくると逆に見てみたいですね)

 

火口「わかったから、それはやめろ……………円を手伝わせりゃいいんだろ?」

 

豊「うん。大丈夫」

 

火口「じゃ、器具の片付け頼む」

 

円「わかりました」

 

さて、手伝いますか。

 

 

 

〜青年料理中〜

 

 

 

獏先輩はとても素早く料理を作り終わった。約十分でテーブル上に和洋中の料理が人数分用意された。しかもおかわりする人のために予備も作ってある。

 

アマツ(すいません、どう考えても短時間で作れる料理の量を逸していますが……)

 

円(流石『元・超高校級の給食委員』だよなぁ。一切料理の火力調節が失敗してないしな。しかも味付けにも様々な工夫がされてる)

 

アマツ(というか才能は手に入れましたか?)

 

円(安心しろ、しっかり手に入れた)

 

火口「ふぅ……………案外早く料理作り終わったぜ。サンキュ、円」

 

円「いえいえ、獏先輩が凄かっただけです」

 

火口「そう謙遜すんなって……………というか千粒が嘘をついていないってのが一番驚いたがな」

 

豊「そうでしょうそうでしょう。私のオトウトクンは凄いでしょ?」

 

火口「お前が威張るな」

 

豊「ま、いいでしょ別に」

 

円「うちの姉がすいません」

 

火口「いや、気にすんな。こいつは暴走しっぱだから慣れてる。にしても、お前本当に高校生ばなれしてるな」

 

円「私達『超高校級』ですからね」

 

火口「俺達は元だがな。というかお前、千粒の弟じゃなくて兄じゃねえの?」

 

豊「ひどい!!私がお姉ちゃんなのに!!」

 

獏先輩の言葉で豊姉さんの変なスイッチが入ってしまった。

 

めんどくさい状態になったなぁ…こうなると抑えるの大変なんだよ。

 

円「落ちついて、豊姉ちゃん」

 

豊「うー☆」

 

変なうねり声をあげている豊姉さんをなだめる。

 

 

 

〜少年沈静中〜

 

 

 

 

 

しばらくなだめると豊姉さんは落ちついた。

 

豊「ごめんね、取り乱しちゃって」

 

火口「今のをネット上に晒したかったな。ネットでカリスマブレイク間違いなしだからな」

 

豊「そんなことをされたら全員の秘密をブログにあげるよ」

 

円「流石にやめたほうがいいんじゃない?獏先輩以外は理不尽すぎるし」

 

豊「オトウトクン優しいね〜じゃあやめとく」

 

火口「助かった…」

 

円「そういえば獏先輩、豊姉ちゃんの世間の評価ってどうなっているんですか?」

 

せっかくだし、豊姉さんの事を聞いておく。

 

火口「おいおい、もしかして聞いてないのか?話すだけなら問題ないがよ…」

 

そういって獏先輩はちらりと豊姉さんの方を見る。どうやら豊姉さんの報復を恐れているみたいだ。

 

豊「ハク、別に良いよ」

 

火口「なら、いいぜ。千粒自体の才能は知ってるか?」

 

円「はい。『元・超高校級の富豪』ですよね」

 

火口「ああ。千粒はその才能で、今十神財閥と並ぶグループを1代で作りあげたんだぜ。また、世界長者番付にも高校生活中にも毎年入るぐらいでな、基本的に三十位以内に入ってるんだよ。おそろしいのは片手間でやっていることなんだよ」

 

円「へ?」

 

豊「だってオトウトクンと一緒にいたいんだもん」

 

火口「な?異常だろ?」

 

超高校級はしっかり常識外れなようである。

 

アマツ(たしかにそう考えたら辻褄が合いますね。よく円さんと触れ合っていましたし)

 

門番やっていても余り仕事関係者はこなかったし…そう考えたらやはり豊姉さんは凄かったんだな。

 

火口「ネットでの評価になると、ブログをやっていてな。家族との話だったり書いているっぽいぜ。世間上だと富豪になった理由が『世界の為に』だからな。多分だが、もし千粒が行動をおこしたら、一億人は動くだろうぜ」

 

豊「しっかり世間で猫被ってるからね。だから私の本性?みたいなものを知ってる人はクラスメイトとオトウトクンぐらいだよ。でも、オトウトクンが一番だからね!!」

 

円「あ、ありがとう豊姉ちゃん」

 

火口「おい円、頼むからここでいちゃつくなよ。後始末が面倒くせぇからよ」

 

ニヤニヤしながら獏先輩が言う。

 

豊「私としてはここでしても構わないけど」

 

円「絶対しません」

 

火口「なら安心だな。つーか、円も円でネットとリアルで評価変わるな。お前、ハルバート振り回したり学力は常にトップだったりと嘘にしか聞こえない事をやってっからな」

 

円「……」

 

アマツ(否定できないですね)

 

火口「実際は全部正しそうだが…千粒がただのブラコンではなかった事が証明されたな」

 

千粒「そうでしょうそうでしょううちのオトウトクンは凄いでしょう……………ってブラコンじゃないよ!!血は繋がってないからね!!!」

 

火口「今までの過剰評価を見た結果だからな」

 

巳神「やっホー。アレ、円いたノ?」

 

そんな話をしていると、玲穏がやってきた。

 

円「よう、玲穏。ちょっと観察がてらここにな」

 

巳神「デも、ナニを観察すルの?」

 

円「獏先輩の料理を観察してたんだよ。もう終わったがな」

 

巳神「イガいダ〜」

 

火口「そんなことを言うな、巳神」

 

巳神「ハ〜い」

 

その後、続々とクラスメイトが集まって来た。

 

火口「これで全員か?」

 

円「はい」

 

火口「オッケー。そんじゃ手を合わせてくれ」

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

そういうなり皆は一斉に食べ始めた。

 

俺も食べるとするか。

 

 

 

 

 

 

 

〜少年食事中〜

 

 

 

 

 

 

 

俺達はおよそ三十分程で食べ終わった。

 

火口「手を合わせてくれ」

 

「「「「ごちそうさまでした」」」」

 

火口「お粗末様でした」

 

食べ終わった後、皆は感想を言う。

 

カムクラ「この漬物、何時頃から漬けたんですか?」

 

火口「大体二週間前だな。もしかして漬け具合が悪かったか?」

 

カムクラ「いえ、しっかり漬けられていますからどれくらい熟せばいいのか参考に聞きたかっただけです」

 

火口「お、おう…」

 

江ノ島「あーコレおいしかった(๑´ڡ`๑)」

 

そういって江ノ島は、ハンバーグがあったであろう場所を指さした。既に皿上には、ソース一滴すら残っていない。

 

火口「それは自信作だからな!!」

 

俺も食べた時、とても驚いた。

 

アマツ(噛めば噛むほど肉汁が出てきましたしね。全く、あの質量にどれだけ圧縮すればできるのか…)

 

セレス「スープも絶品でしたわね」

 

霧切「おそらく、だしでも加えたのかしら?」

 

火口「お、良く気づいたな」

 

苗木「最後のデザートの«恋»がとっても美味かったです。でも、最後の方何故か甘いのか良くわからなかったんですが…」

 

円「ひょっとして獏先輩の実体験から…」

 

火口「円達、それ以上言うな…多分お迎え(意味深)来ると思うからよ」

 

豊「あ、ハク。もうそろそろ帰ったほうがいいよ。もうそろそろ彼女達来ると思うから」

 

火口「おっと、まじかよ。そんじゃ、ここらでお暇させてもらうぜ」

 

そういうと獏先輩はバッグを抱えて帰った。

 

巳神「気をつけテー」

 

火口「おうよ」

 

 

 

個室 19:27

 

食べ終わった後、俺は自身の個室に移動していた。

 

円(アマツ、発動させてくれ)

 

アマツ(わかりました。ところで、天之河さんは…)

 

円(急ぎで治さなきゃいけないと思うんだが、いい考えが無くてな。いつ接触するってのと後遺症が出た際の対策を相談したいんだよ)

 

アマツ(なるほど。でしたら明日の夜時間中は?)

 

たしかにその手もある。しかし…

 

円(監視カメラでどこにいるか把握されるだろ?それにこの特製生徒手帳)

 

俺はそう言い、それに触れる。

 

円(小型カメラが仕込まれてる。なんかしらの方法で壊せりゃいいんだが)

 

アマツ(サウナに移動して壊せば?)

 

円(その手があったな)

 

天之河自体は殆ど自発的に動かないのだし、どうにかいけそうだな。

 

円(ありがとよ。それと対策はどうすりゃいい?)

 

アマツ(どんな行動しても変わりはしません。諦めていいと思います)

 

ま、流石にそこまで高望みはしないが何もなければいいな。

 

アマツ(不治森さん曰く、後遺症は感情を失うらしいですから)

 

円(感情が出しにくくなるらしいからな。完全には失わないのがせめてもの救いだが…)

 

アマツ(その代わりほぼ確定で発動すると。最善は何も失わない事ですが…)

 

円(最悪なのは記憶喪失。また同じ事を繰り返す羽目になるからな)

 

アマツ(しかもより難しくなった状態でやりますからね)

 

円(やるなら確実にやんないとな。さて、もう寝た方がいいのか?)

 

アマツ(いいと思います)

 

円(それじゃ、切ってくれ)

 

アマツ(はい)

 

よし、寝るか。明日は忙しくなりそうだからな。

 

そう思って、俺はベッドの上で眠った。




読了ありがとうございますm(_ _)m。リアルでウイルスに感染してまともに動けませんでした。どうでもいいとは思うんですが、この小説本来二つの物語を無理矢理くっつけたようなものなんですよね。地獄みたいにひどい惨状にはなると思いますが、絶対完結させます。誤字脱字等ありましたらご指摘いただけるとありがたいです。


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誤差夢中

どうも影蜘蛛です。もうそろそろで11月も終わる事に悲しみを感じています。そしてテストの点数が下がったりして絶望しております。それでは本編どうぞ。


俺はその日夢を見た。いわゆる明晰夢とか言うやつだ。しかし、その夢は最悪な、俺が最も避けたい結末を映し出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血塗れで倒れる葉隠を見た。

裂傷塗れで上から見下ろす誰かの死体を見た。

水槽の中を漂う山田を見た。

十字架に磔になって誰かの心臓が刺されるのを見た。

首吊りで見つかる茶柱を見た。

全身がバラバラになっている桑田の死体を見た。

何かを守るような形で誰かが槍に全身を貫かれるのを見た。

苦しそうな顔を浮かべている江ノ島を見た。

逃げようとして機械におもちゃにされる誰かを見た。

茶を吹き出しながら倒れる朝比奈を見た。

ゲーム機のキャラクターのように、奈落に落ちる誰かを見た。

安らかな表情の赤松を見た。

プレス機に潰される誰かを見た。

二人で殺し合ったように見える白銀と星を見た。

真っ二つにされて鋏のようにされた誰かを見た。

腹部に槍が刺さっている日向先輩を見た。

凍りつき、石を投げられながら逃げようとしている誰かを見た。

静かに倒れている大神がいた。

トランプにされた誰かを見た。

悲鳴を上げながら舞園が殺されるのを見た。

目の前で潰される苗木を見た。

剥製にされた誰かを見た。

嘲笑しながら煙の中から現れる誰かを見た。

俺の意識はそこで途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

円「……………っは!!夢か……」

俺は早速、アマツに尋ねてみた。

円(おい、アマツ)

アマツ(なんですか?)

円(お前が前に渡したスキルに夢に関するものはあるか?)

アマツ(はい。稀に確実性が高い未来を見せてくるものです。しかし、確実にその未来になるとは限りません)

円(嘘だろ?はぁ…アマツ、俺が見た夢は見たか?)

アマツ(はい。まさか、コロシアイがおきているとは…それがもし単なる悪夢であればいいのですが)

円(いや、原作であり得ない事がおきている時点でこれは確実だと思っていいだろうな)

アマツ(しかし、そうであるなら2のキャラが一人しかいないのは気になりますね)

円(それは俺も思う。もしかしたら日向先輩のみ参加したと考えるか。とはいえ、なんでv3なんだよ…あいつら確かリアルタイム配信とかの形で作られたのじゃなかったのかよ)

アマツ(私達が転生したので、バタフライエフェクトがおきたのかと考えます)

円(それが妥当だな。さて、アマツ。夢の中でまだ死んでいなかったのは誰だ?)

アマツ(円さん、巳神さん、カムクラさん、天之河さん、戦刃さん又は江ノ島さん、石丸さん、腐川さん、不二咲さん、大和田さん、十神さん、天海さん、最原さん、神宮寺さん、夜長さん、キーボさん、入間さん、夢野さん、春川さん、百田さん、極原さん、王馬さん辺りでしょうか)

円(オケ。今回オシオキのところもわかってるからそこから考察して犯人特定をしてもいいが……)

アマツ(コロシアイの際余計な先入観を持ちたくない、と)

円(そういうことだ。これを詰めるのなら人が少なくなってきた辺りでだな。8回目の殺人が起こった時とかなら使ったほうがいいと思うが)

アマツ(なるほど)

円(これが杞憂に終われば良いんだがな……)

アマツ(そうですね。また寝ますか?)

円(いや、いい。こんなことになった以上、さっさと幸星を元に戻す。今何時だ?)

アマツ(朝の三時です)

円(よし、突撃する)

この時間帯まで起きていることは無いだろう。…と思いたい。

動くことを決めた俺は移動することにした。

 

 

03:00 廊下

俺は幸星の部屋の前に行き、ノックをする。すると、幸星が出てきた。

天之河「なんだよ」

円「お前の部屋でお前の姉さんについて聞きたくてよ、入れてくれないか?」

天之河「わかった」

中に入った。こっからが正念場だ。

 

 

03:50 個室

しばらく、惚気話を聞かされた俺は、眠りそうになったふりをした。

天之河「聞いてるか、おい」

円「聞いてる。ところでよ、幸星」

天之河「なんだ」

円「頭大丈夫か?」

天之河「何も問題ないが」

円「わかった。じゃ…」

さて、不治森先輩から貰った情報で戻すとしようか。

円「一発殴らせろ」

そういって俺は鳩尾に正拳突きを打つ。元の幸星なら避けれる筈だが…

あっけなく壁に激突した。

天之河「何しやがる!!」

円「お前を殺す為に」

幸星「舐め腐りやがって…」

円「目は覚めたか?幸星」

天之河「なにを言っている?」

円「じゃあ質問を変えよう。お前、正常か?」

天之河「?」

よし、ここから一気に畳み掛ける。

円「自分はなぜ好きなのか考えたのか?その喋り方はどこから?お前は今何歳だ?お前はどこに生まれた?記憶は全て覚えてるのか?」

天之河「俺は…学校で虐められていた所を」

円「虐められていた時何をされた?学校のどこで虐められていた?なぜ助けて貰えた?」

天之河「なんで…思い出せないんだ?」

円「思い出せないんじゃねえ。そもそも記憶が存在しないんだからよ。断言してやるよ、お前を虐めていたのはお前が好きな姉なんだよ!!」

天之河「ありえないありえない…そんなの単なる決めつけだ!!お前が間違ってるんだよ!!!」

完全に俺を否定しにかかったので、とどめを刺す。

円「そんなことはないんだよ。だったら……自分の才能を答えろよ」

天之河「俺の才能は…『超高校級の将星』だ」

円「将星が呑気に学校に通えるわけねえだろ?」

天之河「……!」

円「もう一度自分の事を全て思い出してみろ」

天之河「俺は………………俺は………」

円「終わりだな」

これで幸星が元に戻るとは思う。最後に確認しておくか。

円「お前は誰だ?」

幸星「『超高校級の将星』の天之河幸星だろ?すまねえな、俺の意志が弱いばっかりに」

どうやら元に戻ったようだ。

円「構わんよ。なんか変な所はあるか?」

幸星「精々眠気がなくなったぐらいだ。それとよ、円」

円「なんだ?」

幸星「お前、なんか相談しにきたか?」

円「そうだがよ…」

幸星「元からお前が早く行動する時は、碌なことが起こってないからな」

円「悲しいなぁ…まあいいか。幸星、コロシアイが起きるっていったら信じるか?」

幸星「この世界だし全然有り得るだろ」

円「じゃ、v3も混ざるなら?」

一瞬で幸星の顔が険しくなる。

幸星「嘘だろ……そもそもあいつらがこの世界にいるとは到底思えないんだが」

円「俺達が来たことで全然有り得るんだよ。ま、『もしも』の話だから、気にしなくて良いんだがな」

幸星「だろうな。ま、これぐらいでいいか。長居したらお前が怪しまれるだろうし、また昼頃会おうぜ」

円「オケ。次から気をつけろよ」

幸星「無論気をつけるぜ」

俺はそんなことを話して、幸星の部屋を後にした。

 

05:30 個室

円(ふぅ……………)

アマツ(運良く後遺症は睡眠欲の低下ですみましたね)

円(後は野となれ山となれだな)

アマツ(ところで、今日当番は円さんじゃないですか?)

円(いや、違う筈だ。流石にそんなことはしないだろう)

アマツ(確かに…)

さて、二度寝しますか。

 

 

 

06:00

『朝時間になりました!!今日も頑張りましょう』 

 

 

 

 

 

 

07:00

豊「起きて、オトウトクン。朝だよ朝」

円「もう2分……」

豊「そんなこといって一時間寝てなかった?」

円「わかった…起きるよ」

どうやら豊姉さんが起こしに来てくれたようだ。

円「おはようございます、豊姉ちゃん」

豊「おはよう、オトウトクン♪みんな待ってるから早く行こ?」

円「はいはい」

豊「はいは一回までだよ」

円「はい」

俺はさっと身支度を整え、食堂に向かった。

 

07:10 食堂

円「おはようございます」

巳神「おはヨー」

石丸「うむ!おはよう!!」

苗木「おはよう」

舞園「おはようございます」

カムクラ「おはよう御座います、壁戸さん」

セレス「おはようございますわ」

江ノ島「おは〜〜」

幸星「おはよう」

山田「おはようございますぞ」

石丸「ふむ!これで全員揃ったな!!では朝食にするとしよう!!」

円「誰が作ったんだ?」

山田「拙者ですぞ、壁戸円殿」

円「お、まじか。今度作り方教えてくれね?」

山田「それは別に構わないのですが…拙者の腕前だと寧ろ迷惑になってしまうかもしれませんぞ?」

円「問題ねえよ」

山田「さ、左様ですか」

石丸「それでは、手を合わせてくれ!!!」

「「「「いただきます」」」」

さて、食べるとするか。

 

〜少年食事中〜

 

石丸「手を合わせてくれ!!」

「「「「ごちそうさまでした」」」」

巳神「オイシかっター」

食べ終わった直後、コンコンとノックの音がした。

刹那「失礼する」

豊「はい、どうぞ〜」

セツナさんが食堂に入ってきた。

刹那「すまないな。少々伝えたい事があって」

豊「気にしないで。それで、何?」

刹那「今日はアルバムの写真撮影があるらしいから、集まる場所はここでいい。それと、この希望ヶ峰学園に分校…というか分園ができるらしい」

巳神「どこにツクられルの?」

刹那「ここの地下だ」

円「え?」

刹那「なんで創ろうとしたか私は知らないが、お前達と同年代の生徒らしいぞ」

江ノ島「ねぇねぇ分園の名前なんていうの?」

刹那「才囚学園という」

葉隠「というか、どこからお金が出るんだべ?」

刹那「豊のポケットマネーだ」

豊「ねえ刹那、『アレ』配らなくていいの?」

刹那「おっと、忘れてたよ。先日テストが終わり、生徒手帳を全員に配っても問題なく運用できるようになった。よって全員に配るぞ」

というわけで、全員に生徒手帳が配られた。

刹那「才囚学園の生徒達も、ここに来るから、来たら挨拶をしておいてくれ。では、失礼した」

そういって、セツナさんは退出していった。

豊「ちゃんと皆制服を着用しておいてね」

円「わかりました。何時ごろいればいいの?」

豊「八時頃」

円「ありがとう」

豊「お気になさらず♪」

さて、さっさと部屋にいって着替えるか。

 

 

 

 

 

 

07:40 個室

俺は部屋にいって着替えていた。すると…

〈ブーブー〉

機械的な音が部屋に響く。

アマツ(どうやら特製生徒手帳からですね)

慌てて俺はそれに触る。すると、自分の名前と才能が表示される。俺は[超高校級の門番]として登録されていた。

そして、色んな機能の説明がされた。どうやらメール等が送られてくる度に着信音がなるらしい。さっきのは説明用にこれがなっただけのようだ。

アマツ(応用性が高い機械ですね)

円(そうだな)

俺は生徒手帳の電源を切り、着替えを再開する。とはいっても、最後に鏡で確認するだけなのだが。

円「慣れねぇ…まあいいか」

違和感を覚えるのは単に制服を殆ど着ていなかった反動だろう。

新品同様の制服を着た俺は、食堂に向かうことにした。




読了ありがとうございますm(_ _)m。主人公たちはシンプルにハピダンが出る前に転生した形です。よって知りません。次も速めに出せればいいなと思っております。
誤字脱字等ありましたらご指摘いただけるとありがたいです。


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才囚学園編
邂逅


どうも影蜘蛛です。メリークリスマス!


俺は着替えを終わったので、食堂にいった。

 

食堂

食堂には数名おり、全員がv3の人物であった。

百田「おぉ~早速来たか!俺は宇宙に轟く百田解斗だぜ!!そしてこいつは俺の助手の終一っつーんだ!」

最原「僕は最原終一っていうんだ。これからよろしくね、えっと…」

円「俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円だ。よろしくな、百田、最原」

最原「よろしくね、壁戸くん」

百田「よろしくな、円!」

円「よろしくな。ところで才能はなんだ?」

百田「俺は『超高校級の宇宙飛行士』だぜ!」

最原「僕は『超高校級の探偵』だよ」

円「まじかよ……まさかそんなことあるのか」

百田「なんか不思議なことでもあったのか?」

円「いや二人も『探偵』の才能を持ってるなんて珍しいなぁ〜って」

最原「その探偵って霧切さんの事?凄いよね。僕と全く違うからさ」

赤松「いやいや最原くんだって凄いんだからね!?もっと自分に自信を持ちなよ!」

百田「そうだぞ終一!赤松の言うとおりだぞ!!」

東条「そうよ。もっと最原くんは自信を持ったほうが良いと思うわ」

途端に食堂がざわめく。

円「ま、もうちょい自信は持てよ?」

最原「う、うん…」

円「ところで、今声を出した二人はなんていうんだ?俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円だ」

赤松「私は『超高校級のピアニスト』赤松楓だよ!よろしくね!」

東条「私は東条斬美よ。『超高校級のメイド』と呼ばれているわ。これからよろしくね、壁戸くん」

円「よろしくな」

百田「そういえば、円はどうして希望ヶ峰学園(ここ)に来たんだ?」

円「俺は恥ずかしながら金に対して殆ど触れてなかったりしたからだな。十五歳ぐらいだが世間なんてほぼ知らねえんだよ。覚えてないかもしれないが、軍師が起こした誘拐事件って知ってるか?」

最原「確か子供を誘拐しようとして失敗した形の?」

円「そうそう。それの失敗させた少年が俺」

赤松「あれ、その時って…」

円「大体五歳だな。いや〜あれは正直怖かった」

東条「普通に考えて立ち向かう事はないと思うのだけど…」

円「焦って気が動転してたんだよ。結果なんともなくて助かったがな」

最原「多分それで来たんだね」

円「んだな」

と、そんな話をしていると、小さい女の子が入ってきた。おそらく夢野だろう。

夢野「やかましいのぉ…そしてお主は誰じゃ?」

円「俺?」

夢野「お主以外誰がおるか」

円「そっか。俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円だ。よろしくな」

夢野「うちの名前は夢野秘密子じゃ!『超高校級の魔法使い』てあるぞ!」

円「まじかよ…なんか魔法?とやらを見せてくれよ」

アマツ(確かマジシャンですよね?)

円(仲良くなるきっかけとしては上々だろう?)

夢野「良いぞ!じゃがちょいと待ってくれないかの?」

円「大丈夫だぜ」

夢野「フッフッフッ……楽しみにしてくれよの」

円「おうよ!」

天海「あのー、話は終わったすか?」

円「終わった…って誰だお前!?」

つい反射で返してしまった。

アマツ(でも特に問題ない気がしますけどね。だってよっぽどの事がない限りテロリストなんてこれませんから)

天海「俺は『超高校級の???』天海蘭太郎っす。よろしくお願いしますっす」

円「俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円だ。よろしくな。ところで…」

俺がなんで才能を明かさないのか聞こうとすると、それに先んじて天海が首を振りながら答える。

天海「なんか俺だけ希望ヶ峰学園からスカウトされた時に才能を書かれなかったんスよね」

円「なんか…すまんな」

天海「いえいえ、あんま気にしないでほしいッス」

円「お、おう…仮称とかあったとか方がいいのか?」

天海「いえいえ、そんな難しい事はさせたくないっスから…」

円「そ、そうか…」

なんか気まずい…

百田「そういえば、あんまお前の事詳しく聴いてなかったよな。円の事教えてくれ!」

天海「そ、そうっス。なんか面白そうですし」

この空気を払拭するように百田が唐突な話題転換をする。俺もそれに乗っかる。

円「いいぜ。俺は…」

 

 

〜少年会話中〜

 

 

円「……てな感じだ」

天海「何というか…独特な生き方っスね」

赤松「そうだね…」

最原「その生き方でよく死ななかったよね」

百田「すげぇな円!!」

今世の話をある程度ざっと語った。

幸星「なんか賑わってんな。俺も混ぜてもらってもいいか?」

百田「おう!構わないぜ!」

王馬「俺達抜きでなんか面白そうな事してんじゃ〜ん!ねぇねぇ混ぜてよ!」

巳神「そうダヨ〜ジョーカーを抜いていいのはババ抜きダケダヨ!」

江ノ島「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!」

セレス「あら、賑わってますわね」

朝比奈「本当だねさくらちゃん!」

大神「そうだな……」

カムクラ「楽しそうですね」

水影「羨ましいね」

苗木「皆大変そうだね、さやか」

舞園「そうですね、誠さん♡」

星「全く、ここの奴らは落ち着きがないのか?」

神宮寺「ククッ…全く退屈しないネェ…」

夜長「主は言いました…一度落ちつけと」

極原「たしかにゴン太もそう思うよ!」

春川「……うるさい」

戦刃「……たしかに」

石丸「静粛にせよ!!近所迷惑になるぞ!!」

茶柱「男死が女子に口答えしないでください!!」

入間「風紀委員如きがうるせぇーんだよ!そのクセェ口に突っ込むぞ!」

王馬「黙ってろ巨乳のメス豚がよー」

入間「ひぐぅ……」

山田「ひでぶっ!?某メス豚ではありませんぞ!オス豚ですぞ!」

葉隠「怒る所そこだべか!?」

白銀「そうだよ!来た瞬間になんてこと言うの!」

水影「別に君達に向けて言ったわけじゃないと思うけどね」

十神「ふん…くだらぬ」

腐川「そうですね白夜様!」

大和田「どうなってんだ」

桑田「おもしれーからいいじゃねえの?」

円「おいこれどうなってんだよ」

天之河「二つの学園の人が一気に集まっているんだろう…誰か収拾つけてくれ」

天海「随分と他力本願っスねぇ」

神宮寺「船頭多くして船山に登るともいうしネ…教師が来るのを待つのが良いと思うヨ」

水影「こんな中で随分冷静なんだね」

と、誰かが呟いた途端に誰かが扉を開け放つ。食堂内は一度静まり返った。

田中「クックックッ…貴様等、饗宴の儀に流れを任せるのをまた良いかもしれぬが、時は来た。向かうは広き深淵の大地。行き方は鎖に繋がれし箱ぞ。向かいし場所に待つは先に神からの教示を受けし者よ……言の葉には重々気をつけよ。しなければ守り人から天の雷を受けることになり、邪気眼を其の身に受けることになるぞ…」

水影「皆、喋ってるのもいいけど時間だからエレベーターに乗って地下の才囚学園に行こう?先輩方と先生が待ってるからさ。でも、言葉遣いは気をつけてね」

円「流石超高校級、狂ってやがる」

何がやばいって田中語を瞬時に理解してラグなしで皆に伝えるのがやばい。

そうして彼の言葉を聞いた全員は素早く去っていく。残ったのは彼と俺だけになった。

円「お前名前なんていうんだ?」

水影「私は『超高校級の愚者』水影鋭龍(ミズカゲエイリュウ)だよ。水は水流の水、影は影絵の影、鋭は鋭角の鋭、龍は画竜点睛の竜…じゃなくて中国の四神の青龍の龍だよ。君達の同級生だよ。よろしくね、壁戸くん」

円「よろしくな。俺の事は円でいいぜ」

アマツ(またイレギュラーが増えましたね)

円(別に問題なさそうな気がするがな)

俺の直感でしかないが、鋭龍は悪い人ではないと思う。

水影「わかったよ。よろしくね」

円「よろしくな、鋭龍。ところで、行かなくていいのか?」

水影「そうだね。じゃあ急ごうか」

 

 

 

〜少年移動中〜

 

 

才囚学園

俺達はギリギリセーフで才囚学園についた。才囚学園にはダンガンロンパに登場する殆どの人が揃っていた。

石丸「遅いぞ!!」

円「ごめん」

豊「次から気をつけてね」

水影「ちょっとエレベーターの場所が分からなくてね」

小泉「やっぱ田中に伝言頼んだのが間違いだったのかな?」

西園寺「そんなんだから田中は田中なんだよ。や〜い全国苗字第四位」

田中「うるさいぞ小娘…そのような些細な事象を細かく詰め続けているから身長を伸びんのだ」

罪木「け、喧嘩はしないでくださいぃ」

ソニア「そうですよ。後輩達の前で無様な姿はナンセンスです!」

左右田「そうだぞ!」

カムクラ「兄さん、久しぶりですね」

日向「そうだな、イズル。元気にしてたか?」

カムクラ「はい。兄さんも元気そうでなによりです」

花村「先生…僕とデート」

刹那「断る。次そんな戯言を幸星がいる所で言ったら死ぬ方がいい苦痛を味あわせるぞ」

花村「ヒィ…」

弐大「おう!体がしっかりしているやつが多いのぅ!」

終里「なぁなぁおっさん!こいつらとバトっていいか!?」

弐大「落ちつけ。強者と戦う事のみがトレーニングではないからな」

辺古山「坊っちゃん、皆と一緒にいなくていいのですか?」

九頭竜「まぁ、ちょっと動かないほうがいい気がしてな…あと俺の事を坊っちゃんって呼ぶ癖は直してくれ」

辺古山「すみませんでした、ふ、冬彦」

豚神「ふん…」

十神「デブの分際で俺の姿を真似るなど忌々しい…」

狛枝「ちょっと、皆おちつきなよ」

七海「皆その辺でお喋りはやめてくれないかな」

日向「そうだな。後輩がおいてけぼりになってるし」

そうすると皆静かになった。

豊「準備ができたみたいだね。じゃあ話します」

刹那「ここでは今日と明日の一年間分の行事の写真撮影をする予定だ。なんか質問はないか?」

……………

刹那「ないようだな。では、一度自己紹介してから1階の教室に来てくれ」

そういってセツナさんと豊姉ちゃんは去っていった。

巳神「ボクは『超高校級の道化師』巳神玲穏だヨー」

円「俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円だな。よろしく」

天之河「俺は『超高校級の将星』天之河幸星だ」

弐大「儂は『超高校級のマネージャー』弐大猫丸じゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

石丸「僕は『超高校級の風紀委員』石丸清多夏だ!よろしくお願いします!」

日向「俺は『超高校級のハンター』日向創だ。よろしくな」

カムクラ「私は『超高校級のブラコン』カムクライズルです。兄さん共々よろしくお願いします」

神宮寺「ククッ…僕は『超高校級の民俗学者』神宮寺是清だヨ」

天海「俺は『超高校級の???』天海蘭太郎ッス」

赤松「私は『超高校級のピアニスト』赤松楓だよ!皆よろしくね!」

小泉「私は『超高校級の写真家』小泉真昼っていうの。よろしくね!」

豚神「俺は『超高校級の御曹司』十神白夜だ」

十神「偽物が何を…俺は『超高校級の御曹司』十神白夜だ」

腐川「そうよ…恥をしりなさい、偽物。わ、私は『超高校級の文学少女』腐川冬子よ」

最原「僕は『超高校級の探偵』最原終一だよ」

夢野「うちは『超高校級の魔法使い』夢野秘密子じゃ!」

入間「俺様は『超高校級の発明家』入間美兎だ!」

霧切「私は『超高校級の探偵』霧切響子よ」

春川「……………『超高校級の保育士』、春川魔姫」

戦刃「……………『超高校級の傭兵』、戦刃むくろ」

江ノ島「私は『超高校級のギャル』江ノ島盾子でーす」

葉隠「オレっちは『超高校級の占い師』葉隠康比呂だべ」

桑田「オレは『超高校級の野球選手』桑田玲音だ」

苗木「僕は『超高校級の幸運』苗木誠だよ」

舞園「私は『超高校級のアイドル』舞園さやかです」

澪田「唯吹は『超高校級の軽音楽部』澪田唯吹ッスー!」

西園寺「私は『超高校級の舞踊家』西園寺日和子だよ」

大和田「俺は『超高校級の暴走族』大和田紋土だ」

不二咲「ボクは『超高校級のプログラマー』不二咲千尋だよぉ」

山田「某『超高校級の同人作家』山田一二三と申します」

夜長「アンジーは『超高校級の美術部』夜長アンジーだよ〜」

茶柱「天子は『超高校級の合気道家』茶柱天子と言います。男死は許しません!!」

セレス「わたくしは『超高校級のギャンブラー』セレスティア・ルーデンベルクですわ」

田中「我は『超高校級の飼育委員』田中眼蛇夢だ!フハハハハハハハハハハハ!!!」

朝比奈「私は『超高校級のスイマー』朝比奈葵だよ」

大神「我は『超高校級の格闘家』大神さくらだ…」

七海「私は『超高校級のゲーマー』七海千秋だよ。よろしくね」

狛枝「僕は『超高校級の幸運』狛枝凪斗だよ」

花村「僕は『超高校級の料理人』花村照々だよ」

ソニア「私は『超高校級の王女』ソニア・ネヴァーマインドです。よろしくお願いします」

左右田「俺は『超高校級のメカニック』左右田和一だ!」

王馬「俺は『超高校級の総統』王馬小吉で〜す」

極原「ゴン太は『超高校級の昆虫学者』極原ゴン太っていうんだ」

東条「私は『超高校級のメイド』東条斬美よ」

辺古山「私は『超高校級の剣道部』辺古山ぺこだ」

九頭竜「俺は『超高校級の極道』九頭竜冬彦だ」

百田「俺は『超高校級の宇宙飛行士』百田解斗だぜ!」

水影「私は『超高校級の愚者』水影鋭龍だよ」

日向「これで全員喋り終わったのか?」

カムクラ「はい、兄さん。早く行きましょう」

日向「あ、あぁ」

この言葉を皮切りに続々とみんな去っていく。俺も行くとするか。




読了ありがとうございますm(_ _)m。単に人数が増えたので気持ち悪いぐらい書く頻度が下がりそうです。


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才囚巡り・前編

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします!
さてどうも影蜘蛛です。今年も執筆は続けていきたいです。ちなみに来年受験なので勉強しないといけなくなりました。抱負は五千投稿!


俺は残っていた三人に声を掛けることにした。

円「あのさ、一緒に回らないか?」

水影「うん、いいよ。僕も君のことは気になっているからさ」

神宮寺「ククッ…いいヨ。楽しそうだからネ……」

幸星「構わねぇよ」

円「改めて自己紹介しようぜ。俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円だ」

水影「僕は『超高校級の愚者』水影鋭龍だよ」

神宮寺「僕は『超高校級の民俗学者』神宮寺是清だヨ」

幸星「俺は『超高校級の将星』天之河幸星だ」

円「うし、じゃあ行こうぜ」

そういって俺達は才囚学園の教室に向かって歩みを進めるのだった。

 

 

 

円「そういえば、鋭龍ってどうして愚者と呼ばれてんだ?普通に愚者とは思えないんだが…」

水影「あぁ、その事?気にしないでいいよ。これは僕の失敗なんだからさ」

神宮寺「おや?僕がみた限りでは君がそんなことをするわけないと思うんだけどサ」

水影「いやいやいや、君らが思っているような立派な人物ではないんだよ」

幸星「ってのも全部本当だな。ま、俺からしてみたら充分立派な人物ではあるがな」

水影「そう思いたいならそう思ったらいいんじゃないかな?」

そんな話をしていると、教室の扉前についた。

水影「大丈夫かい?震えているけど」

円「いや、こんな綺麗な校舎を見ていなかったから驚いているだけだ」

幸星「ま、世間知らずだからしゃあねえか。てなわけで開けるぞ」

そういって幸星は扉に手をかけ、勢いよく引いた。

 

才囚学園 教室2ーC

不治森「お、良く来たな」

山田「よく来ましたなぁ」

セレス「フフッ、あなた方が来るとは……随分特殊な組み合わせですわね」

苗木「そうだね、案外他の先輩達と組むんじゃないかなって思ってたよ」

舞園「そうですね、誠さん」

幸星「俺と姉様をセットで考えないでくれ。偶には一人で行動したいときもあるんだよ」

円「お久しぶりです、不治森先輩」

神宮寺「ところで、この状況にはつっこんだほうがいいかナ?」

つっこみたくなる是清の気持ちもよくわかる。なぜならあの原作の写真の状況をとっているからだ。違うのは舞園が笑っていない、それだけだ。

不治森「僕はあいつから頼まれて舞園のオフショットを貰いに来ただけだ。ただ…」

苗木「全くさやかが笑ってくれないんですよ」

幸星「なら苗木がとりゃいいだけじゃねえの?」

苗木「え、なんで?」

水影「まぁまぁ、物は試しだよ??一回試してみなって」

そういって鋭龍はいつの間にか持っていたカメラを渡す。そのままの勢いで苗木が写真を撮ると、綺麗に笑っている写真が取れた。

円「どうぞ、先輩」

不治森「お、ありがとうな。ところでどうしてよかったんだ?」

幸星「愛の力だろ」

舞園「多分天之河くんの言うとおりです。誠さんにとられてると思うと、自然に笑顔が…」

円「お熱いこった。ところで誰にあげるつもりなんですか?」

不治森「それは僕の妹だな。相変わらず兄使いが荒いんだ」

苗木「へぇ……不治森さんも妹さんがいるんですね」

神宮寺「兄妹仲が良いのは素晴らしいと思うヨ。それもまた人の愛の形だからネ」

円「俺達は姉弟仲はいいが…」

幸星「まぁ人付き合いに気をつけにゃならねえな。じゃなきゃどこかで刺されるかもな」

アマツ(実際に殺されそうになりましたけどね)

水影「円も幸星も大変だね」

山田「フフッ…こんな所に某が求めていた人材がいるとは…今すぐ取材させてもらってもよろしいでござるか!?」

円「良いけどよ」

天之河「(馴れ初めだけなら)構わないしな」

セレス「なにを書こうとしてるんですか?」

山田「それは勿論超高校級の姉弟どうしの禁断の恋……ってなんで蹴るんですかセレスティア・ルーデンベルク殿?!」

セレス「無性に苛ついたからですわ」

山田「そんな理不尽な!!」

セレス「すみませんが、すこし退室して貰えませんか?このクソデブ……もとい山田君に対して少しお話をしたいですから」

「「「「お、おう…」」」」

俺達はセレスの雰囲気に押され、教室を後にすることにした。

 

 

 

王馬「あら?ねぇねぇなにしてんの?」

極原「うん!なにしてるの?困ってるならゴン太手伝うよ!!」

東条「そうよ。私達に相談してみて。なにか力になれるかもしれないわ」

教室から出てしばらく途方に暮れている俺等に、三人が話しかけてきた。

神宮寺「困ってはないヨ…ちょっとしたパニックトークがこの教室で始まったんだヨ」

円「だから困ってんのはどちらかというと中にいる山田だな」

王馬「へぇ~面白そうじゃん!!入ってみよ〜っと」

東条「こら、王馬くん。危ないから入っちゃ駄目よ」

王馬「は〜い東条ママ」

東条「私はママじゃないわよ」

極原「ところで、次どこに向かうの?」

円「いや特にはないな」

極原「じゃあ一緒に行かない?」

円「あ、ちょっと待ってくれ」

極原「うん!」

俺は電子手帳を起動させ、マップを開く。

円「どこに行くんだ?」

王馬「ここだよ〜ん」

そういうと王馬は下にスライドして地下1階のマップに切り替え、とある一室を指した。

東条「地下1階の図書室ね。私達はそこで写真を撮ろうと思うのだけど…」

幸星「良いぜ。面白そうだしな」

水影「どんな蔵書か気になるしね」

神宮寺「才囚学園なら資料も多いハズだしネ」

極原「よろしくね!!」

円「よろしくな」

そんなこんなで図書室に行くことになった。なんでこんな六章に近い場所に行くんだか…

 

円「そういえば、神宮寺達は顔合わせとかしてからここに来たのか?」

王馬「そうだよ〜ん」

東条「とはいっても、本当に一時間だけ顔合わせした形ね。壁戸くん達みたいに、学校で過ごすみたいなことをやっていないわ」

極原「でも、みんな優しい人みたいでゴン太は安心したよ!」

神宮寺「まぁ、奇跡的にバランスがとれているクラスとは思うヨ」

水影「僕は大分変わっているんだよね。などちらのクラスにも知らされていなかったんだから」

円「ま、俺からしてみれば結局ほぼ知らんからな」

幸星「なにせ『超高校級の世間知らず』だからな。ま、俺も大概だが…」

水影「僕以外は皆知っていたと」

幸星「すまねぇな、相変わらずこんな所が詰めが甘くて」

水影「逆に僕の事を知っていたら驚きでしかないよ。今日決まったんだから」

円「なんつーか意外だな」

水影「誰かを守る事を目的で送られたのかもね」

神宮寺「ならもっと違う才能だと思うヨ。例えば『超高校級のボディーガード』とかでネ」

水影「僕はなんの才能も持ってないからね。だから愚者なんだよ」

極原「それでもこの学校に来たことにはなにかの意味があると思うよ!」

円「俺もそう思うな。案外そういうのを経験させるのがお前の才能開花に繋がるんじゃないか?」

水影「……そう思うことにするよ。ありがとうね、円、極原くん」

そんな話を最後に、俺達の間に沈黙が流れたのだった。

 

 

図書室

王馬「おっ!これ昔俺が気になってた本があるじゃ〜ん!やっぱ本を読むなら…」

幸星「うるせぇ。図書室は静かにしてろ」

大林「そうだよ。できれば静かにしててほしいな」

天海「なんであんたが図書室なんかいったんすかねぇ」

円「そういうもんだと思って受け入れとけ」

白銀「静かにしてて欲しいなぁ…」

図書室には天海と白銀と先輩がいた。

大林「初めまして。僕は『元・超高校級の司書』大林広司だよ。壁戸くんと天之河くんの事は千粒さんと北斗さんから聞いているよ」

円「俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円と言います。よろしくお願いします」

幸星「俺は『超高校級の将星』天之河幸星と言います。よろしくお願いいたします」

大林「そんな敬語で話さなくて良いからね。僕自身そんな人の事を言えないから」

円「わかりまし…わかったぜ。こんな感じで良いか?」

大林「うん。わがまま聞いてもらってありがとうね。ところで一つお願いしたいことがあるんだけど…」

幸星「どうしたんだ?」

大林「隣のルームから『スタープラチナ』とか『ザ・ワールド』とか聞こえてきて煩いんだよ。ちょっと静かにしてくれるよう言ってきてくれる?」

幸星「それぐらいならお安い御用だ。行くぞ、円」

円「オッケー」

そういって俺は幸星についていくのだった。

 

AVルーム

田中「クハハハハハ!!!!その程度で化身たる我を超えられると思うたか!今一度心を浄化してから挑むが良い!!」

天之河「なんか最初から厨二病全開のやつがいるんだが」

七海「ここでゲームとかいろんなことやっているんだよ〜」

日向「そうだな。ちょっとうるさかったか?」

澪田「なにいってんすか創ちゃん!唯吹がいる時点でうるさくないわけないじゃないですか〜!」

田中「ククッ…我等がいる時点でこの時を繰り返すこの部屋に狂騒が溢れ出るのは仕方ないものだからな」

弐大「ガッハッハ!!それはすまんのう!」

終里「オメー等の事なんか知るかよ!!」

西園寺「そうなんだよこのクソ雑魚後輩がよー」

小泉「ちょっと、それは流石に言い過ぎよ!」

罪木「そんなこと言わないであげてくださいよぉ」

西園寺「うるせーゲロ豚」

豚神「すまないな、まとまりがなくて」

円「いえいえ…皆様方の団欒に水を差してしまいましたのはこちらですので。しかしながらこの辺りは図書室の近くとなっておりますので、できれば食堂の方に移動していただいてもよろしいでしょうか?」

田中「良かろう…この場からもたらされる瘴気が貴様等にとって毒となるならば我らが聖餐を口にする場所まで運んでやろう!!感謝するが良い!」

円「ありがとうございます」

田中「それに、貴様が纏っている言の鎧など捨ててしまえ…これではこそばゆくて構わん」

円「それでは、失礼して……ふぅ、やっぱこの口調は苦手だな」

幸星「お前のその言葉づかい、何年ぶりに聞いたっけ」

円「昔、警戒していたとある女の前以来だ」

幸星「あぁ、彼女か」

そういえば、幸星の彼女どうなってんだろう?確か相当重かったから、自殺かなんかしてんのかな。

今の俺には知る由もないが。

豚神「とりあえずこの部屋から食堂に行くか」

七海「皆移動するよ」

豚神「すまんが、案内役を頼む」

円「わかった」

そうして俺達は食堂に移動した。

 

 

 

 

食堂

火口「お、来たか」

夢野「んあー、なんか来たのか?」

石丸「おっと夢野くん!先輩に対して敬語を使わず、砕けた言葉づかいなのはどうかと思うぞ!以後気をつけ給え!」

翡翠「別に……おにいさんが……良いなら……良いと……思うよ?」

石丸「それもそうですね!!すみませんでした!!」

食堂には獏先輩達がいた。

円「獏先輩、お久しぶりです。ところで、この方は?」

翡翠「私は……『元・超高校級の錬金術師』…翡翠瑠璃……壁戸の事は……獏から……聞いてる」

火口「瑠璃ちゃんはオッドアイでよ、ちょっと目の色が変わってんだ」

確かに良く見ると翡翠先輩の目の色は、紅色と碧色だった。

アマツ(でもハイライトがないのは気になりますね)

円「翡翠先輩、よろしくお願いします」

翡翠「……よろしく」

火口「あとよ、後ろにいる奴は77期生か?」

七海「うん、そうだよ」

火口「オケ。お前等サンドイッチ作ったけど食うか?」

豚神「頂こう」

そういうと豚神先輩は一気に食べ始めた。

火口「急いで食わないと無くなるぞ」

そんなことを言いながら更に先輩はサンドイッチを追加した。

終里「オー!これ食っていいんだよな!」

弐大「食った分の運動はするんじゃぞー!」

夢野「うまいのぉ」

あっという間に賑やかな食堂になった。

円「そういえば、獏先輩の恋人って翡翠先輩ですか?」

翡翠「うん…いずれ…三人で…結婚する……壁戸も…結婚式………見に来る?」

円「はい」

火口「なんか俺のいないところで決めようとしてないか?」

翡翠「おにいさん……には……既成事実……作ったら……良いって……めいめいが……言ってた……」

火口「あいつ後で無視してやろ」

円「したら殺されない?」

翡翠「めいめい……怒るよ……あ、でも……それで拷問……しても………良いかも」

火口「やめてくれ」

円「大分熱いことで」

火口「その熱さで俺は精神を病んでくるんだが?」

翡翠「一緒に……ヤも?」

火口「やだよ、んな状況」

翡翠「なんで?別に……金銭面……なんて……皆稼いでるし……暮らせる……家だって……あるよ……めいめい……は……三人なら……納得……してるよ…」

みるみるうちに獏先輩が劣勢になっていく。ちょっと話を変えるか。

円「そういえば、大林先輩がサンドイッチ届けてほしいって」

火口「広司って図書室にいたか?」

俺の意図を察してくれたのか、過去一速い速度で会話を繋いでいく。

円「いたぞ。サンドイッチ届ければ良いか?」

火口「話が早くて助かるわ。んじゃ、このにんにく入りのガーリックソース塗ったこれ届けといてくれ」

円「それ匂いません?」

翡翠「あと…おんなじ……意味…」

火口「言わんでくれ」

円「それじゃ、届けに行ってくるわ」

火口「頼むぜ、円。あと(2つの意味で)ありがとうな」

翡翠「あと………栗と……木のみを……………使ったケーキ……作って」

火口「お安い御用だ。ちと待ってろ」

翡翠「私達は……おにいさんからの……プロポーズ……待ってるよ」

そういって翡翠先輩は獏先輩の頬にキスをする。

アマツ(……リア獣獏発しろ)

円「見せつけないでくれます?」

火口「……うるせぇ。さっさと行きやがれ」

獏先輩は顔が翡翠先輩の目の色よりも深い紅色に染まっていた。

円「失礼しました」

そういって俺は食堂を後にし、図書館に向かったのだった。




読了ありがとうございますm(_ _)m。さ、オリキャラの説明を…
元・超高校級の錬金術師 翡翠瑠璃
声を出すのが、ちょっと遅い女の子。獏にひとめぼれした。女性からしてみたらとても羨ましい体となっており、良くナンパされる。(ナンパした奴らに対しては獏がブチギレて殴られるまでがお約束)
錬金術師としては一流で、『石ころから金を作る事ができる程度』らしい。現在獏とは恋人関係。めいめいと協力して、三人婚を目指している。例に漏れずめいめいもこいつもヤンデレ。最近作ったのは一定期間の記憶を書き換える薬と好きな人が発情する薬。わりと儲かっているらしい。
めいめいは書く気力がガガ
まあそんなこんなで後編も書いていきます。ちなみに次回からキーワードを作って書いていくことにします。次回のキーワードは『凄いよね。お金を払えばタダなんだから』と『悪戯』です。
……どちらも規則性はありません。単に桃毛獣から貰った情報です。
もし誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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23話才囚巡り・中断

どうも影蜘蛛です。ちなみにタイトルを見ればわかりますが、中編ではありません。単なる小話みたいなもんです。もしファンタジーみたいな奴大嫌いな人は飛ばしてもらっても問題ないです。
それでは、本編どうぞ!


図書室

俺は食堂から大林先輩にサンドイッチを届けに図書室まで戻ってきた。

王馬「へっへっへ~悪戯(いたずら)してやろ。ここにこれをこうやって……」

大林「本には手を出さないでくれよ」

どうやらなにか悪戯を王馬が仕掛けたようだ。

円「すみません、戻ってきました」

大林「おかえり。ところで、それは僕に対して獏が作ってくれたのかい!?」

戻ってくるなり先輩は俺が手に持っているそれを凝視する。

円「はい。どうぞ」

大林「ありがとうね。いや、久しぶりに食うよ。後さお礼に…」

そういうと先輩は持っていた本を俺に渡してくる。

大林「この本を渡すよ。この本は『超高校級の追憶者(ついおくしゃ)』が書いた[追憶、記憶、慟哭(どうこく)]っていう小説で作者の萩原さんは、名前が出てないんだ。それにこの本は曰く付きなんだよ。普通の人が読むと死んでしまうし、読めたとしても読めない文章がただ書かれているようにしか見えないんだよ。書かれている文章はただの日記としか見えないから、祟り神がいるとか言われてる本なんだ。この本の凄いところは一切傷がつかないんだよ。それこそ、ハンドガンを至近距離から打っても弾を弾き返したりするし……」

円「ご飯さめるんではやく食べたらどうですか?」

急に早口でこの本の事を語りだしたので、強引に話題を変える。

大林「あ、そうだね。ごめんね、つい熱くなっちゃって」

そういうと先輩は、図書室からサンドイッチをもって出ていく。

とりあえず、これを読むとするか。あんま時間はかからないだろうし。

天海「ちょっ!それはまずいっすよ!」

王馬「いやいや、そうやってみんなが躊躇する所でやめるのがいけないんだよ!!もっと自分を出そうよ」

……ゆっくり読めるかな。

 

〜少年読書中〜

 

??「……。お~い、大丈夫か?」

円「すみません」

どうやら俺は読んでいる最中に寝落ちしてしまったようだ。しかし、俺は図書室で寝たはずなのだが……ここはどう考えても違う。目の前に広がる白一色の景色に俺は不安感を覚えた。

??「ふぅ……寝てる人には優しくしないといけないんだけどな。あ、俺は『超高校級の追憶者』の萩原だ。下の名前は覚えてないんだ」

目の前には謎の男性がいた。

円「俺は『超高校級の世間知らず』壁戸円だ」

アマツ「私はその方の第二人格のような存在、アマツです

円「………ヘ?」

俺の横にはなぜかワンピースを着ている白髪赤目(アルビノ)の美女がいた。

アマツ「ここ意識世界ですから私はこうやってできるわけです。多分萩原さんと同じ原理でやっているのでしょう」

円「というかなんでその姿なんだよ。他にも色々あったろ」

アマツ「別に良いじゃないですか。そんな過度な露出のある服でもありませんし。それとも、もしかして円さん的に納得できない姿なのですか?」

円「いや、別に……」

ぶっちゃけわけがわからなさすぎて混乱している。

アマツ「で、なぜ此処に?」

萩原「あの本を取ったからだな。現実で寝て此処に来ると思っていいぜ」

円「目的はなんだ?」

萩原「それはだな…」

そういうと萩原は一拍おく。

萩原「()()()()()()()()()()()()()()、『()()()』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

円「どういう意味だ?」

萩原「俺は死んだ。だったらこんな本に霊としているより、お前の魂に取り込まれたほうが良いかと思ったからだ」

アマツ「いえ、そんな事するならよっぽど成仏した方が良いと思いますが」

萩原「それができてりゃ苦労はしねぇよ。今から大体十五年前、俺が死んだあとの処理を神様が間違えてしまってよ…本に憑く九十九神(つくもがみ)になったんだよ…だから成仏しようにもできねぇ。九十九神になったせいで天界に行ったら悪神として地獄におとされるからな」

円「だから俺に取りこまれて消えたいと」

アマツ「その場合、私みたいに自我が残るのですか?」

萩原「いや、全部渡して消滅するだけだ。自我なんざ残んねぇよ」

円「というかなんで俺なんだよ。他の奴でもいいだろ」

萩原「それはこの本を持った瞬間、所有者の記憶を辿れるからだな。生きてた世界が単なるゲームだって知りゃ絶望だってするわ。八つ当たりだな」

そういいながら笑う萩原は、寧ろ自分が気になっていた事がすっきりしたような、そんな笑い方だった。

円「八つ当たりの対象は俺かよ…」

萩原「そういうこった」

アマツ「だから円さんを巻きこもうと」

萩原「正直このままいた所でこの本破壊されるし、いいだろ?」

円「俺が萩原を受け入れるメリットはどこにあるんだよ」

萩原「2つ才能が手に入る。『超高校級の追憶者』と『超高校級の神霊』だ」

円「ほうほう。それで?」

萩原「神霊っつーのはなかなか現れないんだぜ?それこそ、数千回転生しても、一回見れれば良いほうなんだと」

円「どこ情報だよそれ」

萩原「神様情報」

アマツ「じゃあ殆ど間違い無いですね。神様が嘘つくのはできませんから」

円「そういうもんなの?」

アマツ「そういうものです」

萩原「話を続けるぞ。神霊が魂魄(こんぱく)に混ざる事で、身体能力が飛躍的に上がるんだ。それに、俺は『超高校級』だからな。神霊としてみたら最強クラスなんだよ。だからその恩恵(おんけい)をお前は最大限受けれるわけだ」

アマツ「それ以外には?」

萩原「追憶者は、相手の過去を見れる。だから話を合わせたりするのとかにも使えるし、脅すのにも最適だな」

円「便利な才能のようで」

萩原「その代わりに受け止めきれずに死ぬ奴が多いんだがな…これでも三年前に一回受け渡してんだよ」

アマツ「誰にですか?」

萩原「覚えてなんざいねぇよ。かなり日本語を流暢(りゅうちょう)に話していたがな」

円「ほぼヒントないやん」

萩原「あとさらっと突っ込み忘れたが、アマツとやらは一体全体なんだよ……」

アマツ「さぁ、私にもわかりませんね。ボーカロイドみたいな感じじゃないですかね」

萩原「ったく、最近は進化してんなぁ…あんま爺の精神を削んないでくれ。で?壁戸、お前は問題ないか?」

円「問題ないぜ。性格とかには影響しないんだよな?」

萩原「もちのろんだぜ。まぁ、めんどくさいこともあるが…」

アマツ「それはなんですか?」

萩原「お前」

萩原はそういうと、アマツを指さした。

萩原「こいつがついているから記憶が混ざる可能性があるんだよ」

アマツ「それを防ぐためには?」

萩原「手段なんぞねぇよ。そもそも普通魂は一人だけしかはいれないんだから、二人目の時点でもう終わってんだよ。例えんなら結婚してさらにもう一人嫁を迎えるみたいな」

アマツ「なら多分問題ないですね。イレギュラーにイレギュラーが混ざったところで対して変わりませんし」

円「ま、記憶力には自身あるしな」

萩原「確かにお前は問題なさそうだな。んじゃ、さよなら」

そういうと萩原は俺の体に触れてそのまま消えていく。

萩原「ようやく寝れる…じゃーな、お前ら。あ、壁戸。アマツ達に気をつけとけ

最後に萩原がなにを言ったのかはわからなかったが、萩原は消えた。

アマツ「せめて安らかな消滅を……」

円「聞いておきたいんだが、記憶と心以外全部渡されたんだよな?」

アマツ「はい」

しかし、アマツが中に入ってきたときと比べると、違和感が多い。

アマツ「ちょっと検査するので動かないでください」

円「わかった」

そういうとアマツは俺の体をじっと見つめたあと、抱きしめてきた。触られた感触は精神世界でもあるのだろう。女性の柔らかい質感がしっかり伝わってきた。その後たっぷり時間が経った後にアマツは離した。少し名残惜しそうなのは気のせいだろう。

円「……終わったか?」

アマツ「はい、問題はありませんでした」

円「そんじゃ、さっさと出ようぜ」

アマツ「はい。あと…」

円「なんかあるか?」

アマツ「私、綺麗でしたか?」

綺麗かどうかといわれれば、間違いなく美人に入るだろう。それこそ、町で通り過ぎたら思わず目を奪われるぐらいには。

円「充分美女だぞ」

アマツ「ありがとうございます。では、いきましょう」

そういってアマツは手を合わせて音を鳴らす。途端に周囲の白が黒く染まりだし、俺とアマツを呑み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

……お~い?はやく起きなよ壁戸ちゃん!朝だよ!!朝だよ!!希望の朝だよ!

円「うるせぇ!!…って?」

次に俺が目を覚ますと図書室だった。目を開けた瞬間、視界には両手を握った王馬が映った。

天海「おはようございます、円さん」

横に顔を動かすと、見るからに笑いをこらえている表情をしている天海がいた。

円「お、おう。おはよう」

王馬「いや〜凄いよね壁戸ちゃん。お金を払えばただで貰えるんだから」

円「わけわかんねえこと言うなよ」

天海「もしかして、某大臣の言葉っスか?」

王馬「そうそう〜あと壁戸ちゃん食堂に呼ばれてたよ〜?」

円「まじか…んじゃ行ってくるわ」

王馬「はやくいきなよ〜」

俺は慌てて図書室から食堂に行った。




読了ありがとうございますm(_ _)m。もうそろそろパーティー組んでハンター(期末試験)がやってきそうなので恐怖しております。まぁそんなものなんて気にしないでこれは書きますけどね!ね!
次回のキーワードは『美女』と『美少女』です。
もし誤字脱字等ありましたらご指摘いただけるとありがたいです。
それともし感想があるなら投げてくれると影蜘蛛は嬉しいです。


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才囚巡り・中編

どうも影蜘蛛です。テスト前にバレンタインデー……
マジで嫌です。ちなみに影蜘蛛はマイナス突っ込みました。そりゃそうなんだけどね。
あ、本編にバレンタインデーの要素など作る気はありません。んなことやったらただでさえ遅い投稿頻度がさらに遅くなります。
本編どうぞ。


俺は図書室から食堂に移動した。食堂には火口先輩と翡翠先輩、大林先輩しかいなかった。スーダンの先輩方はどこかに行ったようだ。

円「失礼します」

火口「おう、入っていいぜ……って円、お前どうした?」

円「へ?どういうことだ?」

翡翠「この……鏡……使って」

そういうと翡翠先輩が鏡を取り出し、顔の前に差し出す。そこには俺の顔に盛大な落書き跡があった。

火口「これをやったのは十中八九王馬だろうが、書いてある文面見りゃ千粒が指示したんだろうよ」

円「なんでんなことわかるんだよ」

火口「ある程度全員の情報をもらってるからな」

翡翠「それより……取らなくて………いいの?」

円「取りたいです」

大林「そんじゃこれ使って。油性だったらおちるはずだよ」

火口「どうせだし写真とっとくか」

そういって獏先輩は懐から俺等の持っている生徒手帳を取り出し、俺の方に向けてシャッターを切る。

パシャ。なんとも間抜けな音が食堂に響きわたる。

円「なにやるんだよ!?」

火口「どうせだし載せてやろうかと」

大林「正直君はあまりにも世間を知らないからね」

翡翠「そう……だよ……だって…………おにいさん…………知らなかった……」

火口「俺はそんな知られてないだろ」

大林「料理界に名を連ねている人が全員知っているなら『そんな知られてない』事ないでしょ。むしろ世間を知らないのは獏の方じゃない?」

翡翠「私たちが………」

大林「そういうことね」

翡翠先輩がなにかを言いかけたところで大林先輩は察し、それ以上踏み込まなかった。

火口「ま、そういうこった」

千粒「そんなんだから締まらないんだよ、獏」

すると、隣からこの世界に来てから最も聞き慣れた声が聞こえる。って!?

円「豊姉さん、いつからここにいたの!?」

千粒「獏が写真とった辺りから」

大林「一切音がしなかったね」

千粒「ふふっ、美女は所作も完璧なんだよ」

円「というか自分の事を美女というのはいかがなものかと」

千粒「べ、別に良いじゃん!気分だよ気分!!」

火口「瑠璃ちゃんは……どっちかというと美少女か」

俺が豊姉ちゃんの自慢につっこみを入れる。

ついでとばかりに獏先輩が翡翠先輩を褒める。

翡翠「///……おにいさん、キス……して………」

火口「はいはい」

それに対して翡翠先輩は照れながら照れ隠しにキスを要求している。

大林「はぁ…いちゃつかないで。独り身の僕にはメンタルが耐えられないよ」

北斗「そうだな、するんだったらそれ専用の部屋を作ってやれ」

水影「少なくともこうやって公然の場所ですることではないね。見てるこっちがあてられちゃうよ」

幸星「そうだな」

千粒「たくさん来たね~」

北斗「そりゃあ後は円達の写真のみだからな。それと……」

そういうとセツナさんは幸星をちらりと見る。心得た表情で幸星は顔に白いタオルを投げつけてきた。

幸星「早く顔をふけ」

円「あ」

……普通に忘れていた。

拭き終えた後、俺と先輩方と一緒に食堂を後にした。

 

教室

俺がついた時には、既に全員が揃っていた。

アマツ(もう少し遅れないようにしてくださいね)

円(しゃあないやろ)

大和田「よう!!随分遅かったじゃねえか!」

千粒「ま、ちょっとしたおつかいを頼んでてね」

苗木「それだったら自分でやったら良かったのでは?」

北斗「私たちにしかできない点検もいくつかあったからな。霧切学園長も動いてこれだ」

霧切「あの人が…?いや、単に学園の為に動いているのか…

石丸「霧切君!!この世界にたった二人しかいない両親の事を大切にしたまえ!!喪ってから気づくのでは遅いのだぞ!!」

朝比奈「ちょっと石丸!家庭の事情に深くつっこまないの!」

石丸「そうか!すまないな、霧切君!」

霧切「そんな気にしなくていいわ」

円「セレス、山田への説教は終わったか?」

セレス「ええ、終わりました。ねぇ、山田君?」

山田「は、はぃ」

桑田「お前千粒さんと良く絡んで羨ましいぞこんにゃろー!!」

円「さいですかそうですか」

不二咲「そういえばおつかいってなんの?」

円「先輩方へ昼食を届けに」

舞園「だから遅かったんですね」

円「そうだな。苗木達はもう食べたんか?」

苗木「うん」

大神「……貴様は大丈夫か?」

円「問題ないな」

幸星「壁戸に同じく」

小泉「というか早く撮ろうよ!!時間あんまないんだからさ」

千粒「それはごめんね。じゃ、みんな並んで並んで」

そう一言豊姉ちゃんがいうと、皆さくっと並んだ。俺はとりあえず、横に並んだ。

小泉「はいチーズ!!」

パシャ。パシャパシャ。連写する音が静かに教室に木霊する。

火口「おい、千粒達。ちょっとパフェとか作ったんだが……食うか??」

千粒「うん。皆疲れてそうだしね」

小泉「良し!早く食堂に行こう!」

朝比奈「さくらちゃん、行くよ!!」

大神「……うむ」

そういって皆はぞろぞろと食堂に向かっていった。

千粒「早く行こ?」

円「はいはい」

 

食堂

火口「お、きたな」

俺と豊姉ちゃんが食堂についた時にはもう、皆食べ始めていた。

俺もさっさと食べようと思い、スプーンをとる。一人で食べると考えると不都合な長さだ。よく見ると豊姉ちゃんも同じスプーンだった。

千粒「ナイス獏」

そういって豊姉ちゃんは自分のパフェからひとすくいとり、俺の目の前に持ってくる。どうやら先程のスプーンは恋人同士が互いのペアに食べさせる為のもののようだ。

千粒「はい、あ〜ん」

パクッ。スプーンの中に入っていた苺の甘酸っぱい味が広がる。

おそらくはとちおとめなんかなと、この場で抱かない考えを巡らせる。

千粒「それじゃ、私にも食べさせて?」

そういって俺にもさらっと要求してくる。なまじ先に食べさせてきていたから断りにくい。この辺りには交渉のやり口も含まれているのだろうか……

アマツ(なに変な考えを持っているんですか。諦めた方がいいでしょうし、早く行動しないとまた監禁されますよ?)

アマツの最後の言葉にビビり、大人しくその指示に従う。適当に自身の目の前にあるフルーツと生クリームの山にスプーンを突っ込んで一口分をのせる。そのままの勢いで豊姉ちゃんに丁寧にさしだす。豊姉ちゃんは満足げに目を細め、スプーンからそれを舐め取る。

千粒「おいし〜い!もっとやってオトウトクン!!」

それを俺は目の前の食べ物がなくなるまで続けるのだった。

 

〜少年餌付け中〜

 

千粒「おいしかった〜〜。じゃあ、次は私がやるね♬」

円「はいはい」

俺は大人しく豊姉ちゃんに食べさせて貰っていた。すると、翡翠先輩がなぜか獏先輩を引き連れて近づいてきた。

翡翠「ちょっと……止まって………写真……」

どうやら写真を撮りたいみたいだ。

千粒「わかったよ。どういうポージングで?」

火口「できればそうだな……

恋人同士ぐらいの…まぁキスする寸前ぐらいの状態で頼む

…………え?

 

千粒「オッケー♡オトウトクンのほっぺたにこの生クリームをつけて……ハイ、これでどう?」

気づいた時にはすでに遅く、俺はほっぺに生クリームをつけられ、それを舐め取るように密着している豊姉ちゃんがいる。

火口「お、そんな感じで頼む」

翡翠「良い……ね……それで……動か……ないで……」

パシャ。パシャ。今までのシャッターと比べると長い間音が続く。

火口「うし、ありがとな」

千粒「いやいや、私の方こそありがとうね」

そういった刹那、ペロリと頬を舐められた感覚がする。

千粒「役得だしね」

そういってキスをしてくる豊姉ちゃん。

円「……恥ずかしいからやめて」

千粒「だ~め、このままやるよ」

このまま勢いに任せてぐいぐい距離を詰めてくる豊姉ちゃん。

アマツ(まさに絶体絶命ですね)

円(お前は相変わらず緊張しなさすぎるんだよ)

そんなくだらない思考をしていると鋭龍が助けに来てくれた。

水影「やめてくれませんか?千粒さん」

千粒「やだよ」

火口「というか非常にうわついた空気になるんだからやめろ」

千粒「別に良いじゃん」

大林「というか千粒、なんか北斗が暇つぶしにつくっていたあそこって大丈夫??」

千粒「………あ」

さっきまでだらけていた雰囲気が一瞬で霧散し、豊姉ちゃんがダラダラと冷や汗を流す。

円「絶対になんかやばい場所だ」

水影「僕達帰宅できるかなぁ」

円「帰宅じゃなくて帰園じゃね?」

水影「確かに」

円「ねぇ豊姉さん」

千粒「ふぇ!?なにオトウトクン」

円「あそこってどこ?」

とりあえず俺は質問してみる。

火口「確か北斗が『デスロード』だのなんだの呼んでた場所だな」

千粒「爆弾とかたくさんトラップがあるんだよ」

水影「普通に不味くない??」

翡翠「でも……エレベーター……あるから………問題は……ナシ」

大林「それは世間でフラグと呼ばれるものなんだよねぇ…もしかしたらロボットとかに壊されたりして」

火口「そっちの方がやばくね?」

と、そんな話をしている最中、食堂が揺れる。

円「まじか…フラグ回収が速すぎるわ」

『テステス、聞こえるか?上の階で非常事態が発生した。黒い人型ロボットが二体いるが、発見次第逃走してくれ。また、エレベーターは破壊されたため、使用を禁止する。今回使える避難場所はデスロードの前及び個人の才能研究所のみだ。避難、開始!!』

途端にザワザワと食堂が沸き、そのままほとんどの人が消えるようにいなくなった。食堂の人はある程度固まってはいるが、まとまりがない。俺は唯一取れそうな奴に話しかける事にした。

円「百田、出番だ。皆を引っ張れ」

百田「お、そうだな!!!ここにいる奴ら!!良く聞きやがれ!!!こっからデスロードに向かうぞ!!!!」

水影「はーい」

そのまま百田達と一緒にデスロードに向かう事にした。

というか、暴れてるロボットはなんなんだろうか??




読了ありがとうございますm(_ _)m。では、オリキャラの説明をば…
水影鋭龍(ミズカゲエイリュウ)
『超高校級の愚者』として78期生に在籍している。性格は至って温厚な性格で、基本的に怒らない。自虐癖はあるが、本人のスペックは化け物。家族はいないが弟子はいるらしい。
ちなみにまた更新速度が遅くなりそうです。リアルでも小説を書かされる…つかれた。
ついでにリア獣獏発しろ(誤字ったこれが気に入った)
もし誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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才囚巡り・後編《回収編》

どうも影蜘蛛です。最近影蜘蛛はダンロンの要素を入れないでやってきたので、ここいらで投入していきたいと思います。というか使わないと原作要素が無くなるので。
それでは本編どうぞ。


校庭

ちゅどーん。俺達が校舎をでた次の瞬間、後ろからそんな爆発音が聞こえた。思わず振り返ると、そこには黒い人型ロボットがいた。

うん、やっぱしキー坊と弐大メカ(あれ)だ。こちらに気づいたようで、こちらに火を放ってくる。

円「あ~……見覚えしかねぇ……」

千粒「ふぇ!?た……助けて……オトウトクン」

円「はいはい、任せて任せて」

なにかに恐怖してる豊姉さんに横に抱き抱える。

アマツ(とはいっても、逃げる場所なんてなさそうですよ?)

円(嘘だろおい…)

アマツ(とりあえず前に。後ろは気にしなくていいです)

円(オッケー。んじゃやるか)

そう決めて俺は足に力を込め、全力で駆ける。

 

 

 

〜少年疾走中〜

 

 

 

何分間走ったが分からないが、とりあえず落ちつける場所に来れたようだ。俺は豊姉さんを傷つけないよう慎重におろす。

円「大丈夫?」

千粒「う、うん…ありがとうね」

豊姉さんは落ちついたようだ。

円「ところでさ、ここってどこなの?」

いまいち場所が火に焼けているせいなのか、理解できない。

怪我しない安全な場所だと思いたいが…それでも万が一があるからな。

千粒「ちょっと待ってね……」

そういうと豊姉さんは懐からおもむろにスマホを取り出す。そして少しいじると、目を白黒させた。

千粒「ここは…デスロードだね。ごめんね、オトウトクン」

円「もしかしてやばい?」

千粒「うん。いきなり監禁されて甘やかされるくらい」

円「それ軟禁じゃない?ま、たしかにやばそうだけど」

実際一回やられてるしな。

円「どっからどこまでいけば良いのか?」

千粒「とりあえずこのまま駆け抜けて」

円「あれ(お姫様抱っこ)で?」

千粒「もちろん」

どうやら逃げる時のしおらしい態度はどこかにいってしまったようだ。今そうやってのんびりできるのは安心しているからなのだろうか。

円「………わかったよ」

千粒「フフッ、ありがとうね、オトウトクン」

俺はその後、大人しくお姫様抱っこしてデスロードを駆け抜けるのだった。

 

 

〜少年デスロード踏破中〜

 

 

デスロードは火によって簡単になっていた。そりゃあ爆弾やらなんやらがない状態だからだとは思うんだが…流石にずっとお姫様抱っこするとは思わねぇよ。それはともかく、俺と豊姉さんは近未来的な扉の前にきていた。俺は豊姉さんが怪我しないよう慎重におろした。

千粒「うん。ありがとうねオトウトクン♬お礼によしよししてあげる」

そういうと俺の視界は一瞬でピンク色になり、頭には柔らかい感触が襲ってくる。

アマツ(どうやら抱きしめられながら撫でられているようですね。どうですか感触は?)

円(最悪なんか最高なんかしらんけど極上だよ…まじでなんで豊姉さんはこんな突発的な行動か多いんだよ)

アマツ(円さんのことが好きだからじゃないですかね。円さん抵抗しないですし)

円(あー、じゃあ抵抗するか)

アマツ(頑張ってください)

アマツと相談して、とりあえず抵抗してみる。

円「ちょっ!?やめて豊姉ちゃん!!」

しかし、悲しいかな抵抗すればするほど体は豊姉さんの胸に沈み込む。

千粒「うんうん。そんな恥ずかしがらなくて良いんだよ?どうせ来れるのは私達しかいないんだしさ」

あまつさえ、豊姉さんには勘違いされる始末だ。よしよしされる力は段々と強くなってくる。

円「というかここ大丈夫なの?」

千粒「えっとね、ここまでくると圏外だから機械は動かなくなると思うよ。見てると電波で動いてたし」

円「あ、そうなんだ」

千粒「そうそう。だから、こうやってよしよしできるんだよ♡」

そうやってよしよししながら説明する豊姉さん。頼むからもう少しやめてくんないかなぁ…どうせ無理なんだろうけど。

アマツ(言葉でやめるんだったらとっくのとうに終わってるはずなんですよね)

円(全くもってその通りだ)

そして俺は今気づいた。

円(もしかして窒息する?)

アマツ(はい。今もギリギリですが)

やっべ数時間しか続かないんだが?

 

 

〜少年甘やかされ中〜

 

 

不治森「お~い、なにやってるんだい?」

円「せ、せんぱい!たすけて…」

千粒「あ、闘魔。やっほー」

不治森「まず千粒は円を離してあげたら?このままじゃあ窒息するよ?」

千粒「はーい」

しばらくすると救世主(闘魔先輩)がやってきてくれた。豊姉さんは渋々といった感じで抱擁をやめてくれる。た、助かった…

円「ありがとうございます、闘魔先輩」

不治森「俺は目の前で困っていた人を助けただけなんだけどね」

千粒「うわかっこいいじゃんそれ」

不治森「心底どうでもいいね。ところでさ、ここはどこだい?マンホールがあいてたから避難したんだけど」

千粒「えっと、デスロード」

不治森「あ、あの場所しか送られなかった?」

千粒「そう、そこ」

不治森「なるほど、だから地下一階に同じ場所にあったんだね」

円「むしろ見つかる確率のほうが低いですからね」

千粒「いや、無我夢中でここに来たオトウトクンが言っても説得力ゼロなんだけどね…」

不治森「だからといってあんな甘やかしていいわけないからね?普通姉弟の距離は俺達みたいな感じなんだからさ」

千粒「じゃあ一緒だよ。闘魔の妹の佳奈(かな)ちゃんだって同じぐらいだしね」

どうやら不治森先輩の妹がやばいらしい。おそらく、この反応的には不治森先輩はまともなんだろうけど…

円(なんだ?豊姉さんの期生はヤンデレしかいないのか?)

アマツ(他の人は違うと思いたいですけどね)

円「で、豊姉ちゃん。これって開けられるの?」

とりあえず話を本題へと戻す。

千粒「うん。私の特製生徒手帳で開けられるよ」

円「じゃあ開けて?」

千粒「ふふっ、任せて」

そういって手帳を取り出して機械にかざす豊姉さん。段々と扉が開き、そこに見えたのは……

 

 

 

 

 

 

こびりついた肉と血、それと比例するように広がっている本がそこにはあった。

 

 

 

円「……え?どういうこと?」

不治森「少し詳しく説明してもらえないかな、千粒。場合によるけど、もし円とかにこれをやったんだったら……殺すよ

千粒「いや、私も知らなかったんだけど…」

不治森「じゃあこの目の前に広がる惨状をどう説明するつもりなんだい?生憎俺は馬鹿だからね。見ただけで判断できるんじゃないんだ」

千粒「う〜ん……やったんだったら刹那なんだろうけど、いかんせん情報がないんだよね」

円「じゃあ一度探索しよう。それで多分はっきりするはずじゃない?」

不治森「なるほど、円のいうとおりだね…じゃあ探索しようかな」

千粒「うん」

そういって俺達はこの場所を探索することにした。

ー調査開始ー

まずはこの血の跡だな。天井や部屋の隅にまで飛び散っている。一つ一つ確認するのは面倒だな。俺は近くにある血だまりに近づき、匂いを嗅いでみる。しかし、特有の鉄の匂いはしてこない。少し触ると、どうやら乾いているようだ。てことは、血は少なくとも乾くぐらいには付着してから時間がたったということか?

コトダマゲット!!

【血の跡)

匂いはせず、乾いているようだ。天井や部屋の隅にまで飛び散っている。

 

次は肉だな…部屋の至る所にある。しかし、血とは違い床にしか飛び散ってはいないようだ。俺は近くにあった肉を触る。触れると柔らかい感触が返ってくる。……ん?肉の上に血が飛び散ってる?なんか違和感があるな…

コトダマゲット!!

【肉片)

触ると柔らかい感触が返ってくる。床にしか飛び散ってはいない。

【違和感)

肉の上に血が飛び散っていた。

 

次はこの本だな。赤い本は少なくとも七十冊ほどある。しかし、この本には表紙がない。

円「どれが一冊目なんだよ…」

そう思いながら適当な本を拾ってページをめくってみる。そこにはこう書かれていた。

『二日目。朝5時からオトウトクンに対して教育する。寝ているところに催眠を施し、私に対して助けを求めるような行動をするようにした。また、明日以降には、オトウトクンのメンタルが崩壊してくる危険性があるため、今日中に洗脳を完了する…』

円「うわまじか…」

どうやらこれはセツナさんの日記みたいだ。ただ、あくまでこれは決めつけてるだけなんだよな…

おや?この本、表紙がないんじゃなさそうだな。どうやら血まみれだから勘違いしていただけのようだ。

コトダマゲット!!

【赤い本)

中身は誰かの洗脳日記。これを書いた人にはオトウトがいる。洗脳の様子を一分毎に書かれていた。また、表紙には血が付着していたが、本の文章には血が付着していなかった。

 

こんぐらいかな?後は闘魔先輩と豊姉さんに聴きにいこう。

円「ねぇ豊姉ちゃん」

千粒「なに?」

円「なにか見つけた?」

千粒「えっと、これかな」

そういうと豊姉さんはナイフを取り出す。

千粒「錆びついているからちょっと気になるって感じだね。でも、血はついているんだけど到底人を切り裂けるとは思えないんだ」

円「ありがとうね」

実際に人を切り裂いた豊姉さんがいうならそのとおりだな…

コトダマゲット!!

【ナイフ)

血はついているが錆びついている。

【豊姉さんの証言)

このナイフでは人を切り裂ける程の切れ味はないらしい。

 

じゃあ次は闘魔先輩だな。

円「闘魔先輩、なにか見つかりましたか?」

不治森「俺の方だとこんなものを見つけたよ」

そういうとぽたぽたと血が垂れるクナイを取り出す。

不治森「いや、こんなもの見つけたくないよ。しかも隣にはこれだ」

そしてさらに闘魔先輩は薬を取り出す。

円「なんですかこれは?」

不治森「佳奈が持ってた辺り媚薬か毒薬のどっちかだね」

円「いったいどんな妹ですか…」

不治森「う〜ん、コミュ症になっていろんな薬をコレクションしてるね。んで持ってるのは媚薬と毒薬だけなんだよ」

円「なるほど??」

不治森「ま、そんな感じだね。多分塗り薬だとは思うよ」

円「ありがとうございます」

なんかこれ以上踏み込むとまずい気がしたので、ここらで切り上げておく。

コトダマゲット!!

【クナイ)

血が垂れるクナイ。

【謎の薬)

媚薬か毒薬。おそらくは塗り薬。

 

こんなところかな。

円「もうそろそろ一回整理しません?」

千粒「そうだね、もう大丈夫だろうし」

不治森「俺も構わないかな」

円「じゃあ整理しましょう」

さぁ、整理(推理)を始めよう。




読了ありがとうございますm(_ _)m。一応説明として…
闘魔師匠は怒ったり非常事態に陥った時の口調は『俺+敬語』になります。ご容赦ください。
不治森佳奈(フジモリカナ)
不治森闘魔の妹。闘魔との年の差は2歳。基本的には『私+敬語』、怒ったりすると『俺+ヤンキー口調』になる。また、『超高校級の優等生』として希望ヶ峰学園に入学した。史上初の兄妹の超高校級入りに世間は驚いたが、その後の彼女の爆弾発言も相まって、記憶から消えた。例に漏れずこいつもヤンデレ。ただ、最近の悩みは闘魔がかまってくれないこと。
なんかヤンデレが多い?いやいや、影蜘蛛はそっちの方が使いや(ry
誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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才囚巡り・デスロード《整理編》

どうも影蜘蛛です。もうダンロン要素入れるの辞めます。めんどいし頭がパンクします。そして今日獰猛な毒怪鳥の皮を手に入れまして。絶対に捨てないで家宝にする気です。
そんなこともありつつも、本編どうぞ。


使用アイテム一覧

【血の跡)

 

匂いはせず、乾いているようだ。天井や部屋の隅にまで飛び散っている。

 

【肉片)

 

触ると柔らかい感触が返ってくる。床にしか飛び散ってはいない。

 

【違和感)

 

肉の上に血が飛び散っていた。

 

【赤い本)

 

中身は誰かの洗脳日記。これを書いた人にはオトウトがいる。洗脳の様子を一分毎に書かれていた。また、表紙には血が付着していたが、本の文章には血が付着していなかった。

 

【ナイフ)

 

血はついているが錆びついている。

 

【豊姉さんの証言)

 

このナイフでは人を切り裂ける程の切れ味はないらしい。

 

【クナイ)

 

血が垂れるクナイ。

 

【謎の薬)

 

媚薬か毒薬。おそらくは塗り薬。

 

整理、開始!

 

円「とりあえず、情報を出し合いませんか?ないと整理できないですし」

千粒「とはいっても、これはそんな難しいようなものではないと思うよ。だってすっごく後始末が雑なんだもん」

闘魔「思い思いに話せば良さそうだな」

 

 

円「まずここで、誰かが傷ついたっていうのは事実としてあるんですよね。それと、結構時間が経ってないというのもです」

 

【血の跡)→時間が経ってない

闘魔「それは違うんじゃないか?壁戸」

BREAK!!

 

闘魔「血の跡は天井や部屋の隅にまで飛び散っている。これはおかしいんだよ。基本的には人を切りつけた場合かなり強く切らなければ血は天井にいかない。ましてや、こんな少なくとも四、五メートルはある天井だ。さらにいうとするなら、床の隅は血が乾きにくい。それで《時間が経ってない》のは無理なんじゃないか?」

円「!…そうでしたね、すみません」

闘魔「それに加えて、これもある」

 

コトダマ提示

【違和感)

 

闘魔「本来肉がこうやって床にこびりついている時点でおかしいが、それに付随して()()()()()()()()()()()()()()。こんな出血量なら肉の下に血がないと不自然極まりない。おそらくなんだが…」

 

QUESTION この肉と血は?

①人の肉と血

②動物の肉と血

③円の肉と血

→②

 

闘魔「牛とかの動物の肉や血じゃないか?安価で手に入るしな」

千粒「たしかにそうだね。でもさ…」

 

提示コトダマ

【血の跡)

【違和感)

【肉片)

【ナイフ)

【クナイ)

 

千粒「この複数の証拠から考えると、なんか違うんじゃないかな。だって、血は二回飛び散っているんだもん。ナイフの血も切りつけないとこんな感じに付着しないし、クナイに至っては血が垂れているんだよ?」

円「豊姉ちゃん、クナイの血は別のものがついてたんじゃない?」

 

提示コトダマ

【謎の薬)

 

円「これが血らしきものじゃない?」

千粒「えっとこれって…」

闘魔「人の血っぽい塗り薬」

千粒「佳奈ちゃんが闘魔に使ったやつ?」

闘魔「そうだな」

千粒「……それなら充分代用できそうだね。じゃあ、二回目は塗り薬を撒き散らしたんだ」

闘魔「なんのために…」

円「多分ですけど…」

 

QUESTION なんのために撒き散らした?

①後に来る人へ嫌がらせ

②ここにいた事実の誤認の為

③今飛び散っていたように偽装するため

→③

 

円「今飛び散っていたように偽装するためじゃないですか?」

千粒「う〜ん、なんとなくそうじゃないと思うよ。それだったらなんで偽装するの?」

闘魔「おそらくここに来られることを想定していたとか?それで『先程までやっていた』雰囲気を出して、アリバイを確保する…ってことじゃないか?」

円「なるほど?」

千粒「そういうことなら理由になるんじゃないかな。でもさ、これだけ準備しているけどここで何をしていたの?普通に考えてここで生活する人はいないし、本とか塗り薬を用意する必要はないけど…」

円「それはこれからわかるよ」

 

提示コトダマ

【赤い本)

 

円「この本を読んでみて」

千粒「あ、うん…」

闘魔「了解」

 

〜少女読書中〜

 

闘魔「……なんというか、誰が書いたかほぼわかったんだけど。それとさ、もしかしてここにある本って全て…」

円「おそらくは想像通りです」

千粒「…刹那、なんでこんなことを…」

円「豊姉ちゃんは人のこと言えるかどうかは怪しいけどね?」

千粒「それはさておき、誰がやったかはもう明白だね。刹那だよ」

闘魔「そう考えたらこの証拠品はそういう用途か」

 

提示コトダマを指定

【ナイフ)

【クナイ)

【塗り薬)

 

【クナイ) 【ナイフ) 【塗り薬) はどの用途で使われた?

 

①拷問の用途

②腹いせの用途

③洗脳の用途

→③

 

闘魔「おそらく、クナイとナイフで切りつけたんじゃないか?ナイフには血がついて錆びているが、切る前は確実に切れ味は鋭いはずだ。それと塗り薬。細かい薬効は覚えてないけど、媚薬だったら洗脳の用途としては適切なものだし、毒薬だったとしても、解毒薬を口移しすれば洗脳できるしな。つくづく狡猾だね」

刹那「そりゃ狡猾でなければ軍師としての素質はないからな

「「「!?」」」

刹那「普通に考えてこの場所に入れる意図がなければこんな大掛かりなことはしていないだろう?」

千粒「そりゃそうだね。で、何のよう?」

刹那「単に話にきただけさ。あ、不治森。このことは口外しないでくれよ?したら…佳奈の監禁に協力するからな?」

闘魔「……円に助けてもらうよ」

千粒「私が許可しないとオトウトクンは外に出さないよ?」

闘魔「さらっと軟禁状態だったのか…良く耐えられてたね」

円「?」

闘魔「あ、そうか。円は五歳から千粒といたからこれが『普通』なのか。『超高校級の世間知らず』ってのはこれが理由でついた称号なのか。おい、千粒。佳奈の監禁沙汰を有耶無耶にした理由は自分も人のこと言えなかったからだな?」

千粒「ふっふっふっ…その通りだよ!」

刹那「いや威張れることではないぞ」

闘魔「少なくともこの場において文句をつけれるのは俺と円以外いないからな?」

円「そうなんか?ま、セツナさんが幸星に依存するのは理解できるけど…」

闘魔「円は非常識(そっち)側!?」

円「ですが、それはそれとして洗脳するのはよろしくないですけどね。普通嫌がったんならやめたほうが良いと思いますけどね。読んでて嫌がっていたのがありありとわかりました」

刹那「……善処する」

闘魔「よし、常識(こっち)側だ」

千粒「私のことは?」

円「大好きな姉ちゃん」

千粒「オトウトクン!!」

円「ッ!?」

またなんか抱きしめられた。今回は窒息していないぶん柔らかい感触や豊姉さんから漂ってくる甘い匂いを堪能する余裕がある。

じゃなくって!!

俺は慌てて豊姉さんを引き剥がし、離れる。

千粒「素直じゃないなぁ…」

円「時と場所を弁えてよ!見てる方がいたたまれなくなるんだからさ!」

千粒「えーいいじゃんいいじゃん見せつけようよ」

円「駄目!」

千粒「チェッ。後で抱きしめて」

円「……わかったよ」

闘魔「……どっちが上かわからないね。実際、千粒は円に勉強教えてもらってたし…」

千粒「うるさいうるさーい。刹那、速くこんな血なまぐさい場所から抜けたいから出口案内して」

刹那「了解した。ついてこい」

そういうとセツナさんは近くに落ちていた肉片のいくつかを強く押す。すると、ガコンと音がして、目の前に階段が現れる。

刹那「いくぞ」

さて、いくとするか。

 

 

???

俺達は扉とそれ以外はさっぱりない殺風景な部屋に案内された。

幸星「おかえりなさい、刹那姉様」

刹那「うん、今帰ったぞ」

闘魔「すごい、ものの見事に洗脳されてる。俺こんな綺麗な洗脳初めて見たわ」

刹那「これで拷問は洗脳に通ずると実証できたな。さて、あの場所について話させてもらうとしようか。あそこは推測通り、洗脳の用途として広く殺風景な部屋を作った。後日改装して『超高校級』の研究室にしておくぞ」

千粒「流石に世間体が悪いしね。ちなみに『エンターテイナー』に渡す予定だよ」

闘魔「俺らの時代より変化するんだ。昔は島で建物まるごとだったよね」

千粒「懐かしいね。まあ研究室は集中できるようにそれぞれの意向を尊重するからね…私たちみたいになんとな〜くで作られるよりもよっぽどましだよ。全く、人をストーカーみたいに扱う施設にされて本当に迷惑だったよ」

違う。絶対正しい。普通人は島から日帰りで帰ってきてわざわざ五歳の子供と飯を食べて添い寝しない。

円「そういえば、俺達はどんな感じにするの?」

千粒「私たちが選ぶから心配しなくて大丈夫だよ。全部理解してるから」

闘魔「ま、悪いものにはならないんじゃないか?円は78期生の中で最も才能に恵まれているんだから」

円「え、そうなん?」

刹那「そうだぞ。というか今回の代は希望ヶ峰学園が期待を込めて宣伝に勤しんでいる。壁戸の才能は…」

千粒「『超高校級のシスコン』に『超高校級の世間知らず』、『超高校級の教師』に『超高校級の門番』と『超高校級の人外』でしょ?」

円「え、ちょっと待って!!俺って門番と世間知らずとシスコンだけじゃなかったの!?」

闘魔「多分学園側で規制されたんだろ。いくらなんでも五つの才能は『超高校級』に対して安売りに見られると判断したんじゃないか?」

千粒「それでも充分すごいんだよね。本来人が持てる才能は二つ、それも一つは血なまぐさい奴だからね。でもオトウトクンは『世間知らず』と『門番』だから大々的に希望ヶ峰学園は推せるって訳」

闘魔「俺らの代じゃ『拷問官』が二つ持ちだったよな」

刹那「彼奴は決定的に向いてないがな」

千粒「ともかく、希望ヶ峰学園にとってはこの代で金を稼ぎたいわけ。私が援助を辞めた瞬間、崩壊するからね。今のうちに蓄えておきたいんでしょ」

円「というか、豊姉ちゃんが支えてたんだ…」

闘魔「何時まで経っても予備学科を作らなかったからだね。どうせだし千粒、圧かけて予備学科作ったら?」

千粒「めんどくさいからやだ」

闘魔「円が人に教えてる姿見れるけど」

千粒「よし、やろう」

刹那「単純だな…」

円「セツナさんが言えることではないです」

と、そんな話の最中、目の前にある扉からコンコンと音がした。すると、扉が開く。開いた先には二人の男とボタンらしきものが見えた。どうやらエレベーターのようだ。

刹那「お、もうそろそろ外の騒ぎが収まらせた方が良いな。それでは、放送するか」

 

刹那『えー、ただいま機械の操作を手動操作に変え、私たちを襲わないようにした。安心して外に出て大丈夫だ。また、このように機械を暴走させた元凶の棚町(たなまち)四温(しおん)は既に処分は済ませた。以上だ』

 

千粒「ちなみに四温は実際に処分されている研究者だよ。『カムクライズルプロジェクト』で事故ったからね」

円「カムクライズルプロジェクトって?」

火口「なんだそりゃ?」

八木「説明した方が良いのか?」

刹那「ナチュラルに八木と火口がいるな」

千粒「あ、説明しても良いよ。どうせそこの天之河くんは刹那が手綱握れば良いし、オトウトクンはお願いすれば黙ってくれるもん」

八木「それでは、失礼して…

カムクライズルプロジェクトとは来たるべき『厄災』に備え『超高校級の希望』という人工的な才能の制作及び制御を最終目標とする希望ヶ峰学園の機関にある研究プロジェクトだな。このプロジェクトの参加する条件は『元・超高校級』の希望ヶ峰学園卒業生であることだ。基本的には才能の後天的な開花及び迅速な育成方法を求め、日夜研究を行っている。棚町四温は『元・超高校級の天気予報士』として在席していたが、『狂信』の才能を開花させたため、本プロジェクトの規約に従い牢屋で保護されている」

円「……まあ、詳しく触れない方がいい奴?」

八木「その通りだ、壁戸円。藪をつついて蛇を出すからな。ここで聞いたことは全て忘れおけ」

刹那「まあ、そういうことだ。速くここから出て学園に戻るぞ」

千粒「りょーかい。ねぇオトウトクン」

円「なに豊姉ちゃん」

千粒「お姫様抱っこして」

不治森「僕の前で見せつけるな。というか収まるのか?」

刹那「充分収まる。例え二人お姫様抱っこで乗ったとしても他の人が余裕なぐらいにはな。ということで幸星」

幸星「わかったよ、刹那姉様」

そういうと幸星はセツナさんを横抱きにしてエレベーターに乗り込む。俺も豊姉さんを横抱きにしてからエレベーターに乗り込んだ。

火口「あ〜胸やけする。あんなの見たくなかったな、孝和、闘魔」

八木「お前が言えるセリフではない」

闘魔「……お前もな?」

その後、エレベーターに乗って希望ヶ峰学園に帰り、この日は無事(?)に一日が終わった。

あ〜、こんな一日なんて体験したくなかった。




読了ありがとうございますm(_ _)m。あーもうまじでプロットが崩れて大変です。どんだけ影蜘蛛はふざけるのか。最悪どっかのキリいいタイミングでぶっち切って物語を加速させるかもしれないですが許してください。物語上不都合は一切ないんですけどね…
さあ弱音を吐くことはあるけどオリキャラ解説!
『元・超高校級の天気予報士』棚町四温
五十三期生の超高校級。男の癖に名前がシオンだからか同期生にいじられまくる。昔から天気を見ることに長けていて、台風の進路を全て予測した。現在は『狂信』の才能を手に入れ、天に対して狂信するようになった。現在は天気を見せないようにしてリハビリ中。多分関わることはない……はず。

カムクライズルプロジェクトは独自解釈まみれです。そしてさらっと作中でつっこみましたが再度書いておきます。
『超高校級の門番』
『超高校級の世間知らず』
『超高校級の人外』
『超高校級の教師』
『超高校級のシスコン』
これが円の才能一覧です。人外と教師は中学生時代に触れましたが、人外は屋根の上を通学路にして登校していたこと、教師は中学生の範囲を学年全員を教えたことが評価されました。小話ですが、円の学年は全員第一志望に受かったとか。
もし誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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多分日常編(?)
【え】超高校級の世間知らず『が』語るスレ【なにこれ】


祝・十万字突破&UA15000突破!え?めでたくなんともない?それはすいませんでした。
そんなわけで今回はいつもの小説とは少し違って掲示板形式となっております。ちなみにこの後にこの形式を登場させる気はありません。というかそんなことやったら影蜘蛛は死にます。
それでは、本編どうぞ!


1:名無しの生徒

俺立ててすらいないんですけど…(困惑)

 

2:名無しの生徒

なんやイッチ。妄想するスレか?コテハンつけなw

 

3:名無しの生徒

嘘乙

 

4:名無しの生徒

嘘乙

 

5:名無しの生徒

嘘乙

 

6:名無しの生徒

嘘乙

 

7:名無しの超高校級

>>2これで良いか?

>>3

>>4

>>5

>>6

これを見ろ

ホイ画像

 

8:名無しの生徒

お、コテハンつけたか。イッチ、次は安価や

 

9:名無しの超高校級

安価?

 

10:名無しの生徒

優しいやつやなあ

 

11:名無しの生徒

やさしいせかい

 

12:名無しの生徒

やさいせいかつ

 

13:名無しの生徒

安価ってのは、イッチがスレ民にレスを指し示す機能である「アンカー」(例>>30みたいなやつ)を当て字にしたネットスラングや

 

14:名無しの超高校級

じゃあ俺に聞きたい情報で

>>30

 

15:名無しの生徒

というかイッチまじもんの超高校級で草

 

16:名無しの生徒

これで釣りだったらイッチは『超高校級』としてスカウトされるんじゃないかwww

 

17:名無しの生徒

>>16いや、それはないやろ。妄想乙

 

18:名無しの生徒

さて、なにを聞きだそうか?

 

19:名無しの超高校級

>>18

別になんでも構わんよ。姉ちゃんから許可貰ったし

 

20:名無しの生徒

>>19ファッ!?

 

21:名無しの生徒

おっ?

 

22:名無しの生徒

さあさあ安価の時間や

 

23:名無しの超高校級

さぁどうなる!?

 

24:名無しの生徒

ワクテカ

 

25:名無しの生徒

ksk

 

26:名無しの生徒

ksk

 

27:名無しの生徒

姉との関係

 

28:名無しの生徒

無難に才能

 

29:名無しの生徒

名前と性別

 

30:名無しの生徒

全部

 

31:名無しの生徒

姉との関係

 

32:名無しの生徒

イッチの身体能力

 

33:名無しの生徒

>>30やりますねぇ!

 

34:名無しの生徒

www

 

35:名無しの生徒

神スナイプですわぁ…

 

36:名無しの生徒

おらはよあげろイッチ!

 

37:名無しの超高校級

名前:壁戸円

性別:男

身長:169

体重:46

誕生日:3月8日

年齢:16

髪色:黒

瞳:青紫色

家族構成:一人っ子

職業:門番兼学生

住所:知らん

才能:超高校級の世間知らず

身体能力:一通り武器は使える。あとムーンサルト三連ぐらい

とりあえずこんなとこかな

 

38:名無しの生徒

>>37

あとムーンサルト三連くらいの破壊力よ

 

39:名無しの生徒

>>37

おい待て姉いないのに姉に許可とったんか?

 

40:名無しの生徒

>>37

住所ぐらいわかれよwww

 

41:名無しの生徒

嘘乙

 

42:名無しの生徒

嘘乙

 

43:名無しの超高校級

あ、やべぇ…

姉ちゃんについて書いてねえや

 

44:名無しの生徒

はよ書けw

 

45:名無しの超高校級

姉ちゃんは『元・超高校級の富豪』だっけな?

 

46:名無しの生徒

さらっと爆弾投下は草

 

47:名無しの生徒

笑えねえ

 

48:名無しの生徒

……は?

 

49:名無しの生徒

うざったきらいだ

 

50:名無しの生徒

もうあーいやいや

 

51:名無しの生徒

ってNo!あぁいやいや

 

52:名無しの生徒

コンボすなw

 

53:名無しの生徒

で、本当はどうなんやイッチ?

 

54:名無しの超高校級

全部真実だが?

ほい画像

今撮れたてホヤホヤ

 

55:名無しの生徒

こんな写真あったか?

 

56:名無しの生徒

>>55

ちょっと待て

 

57:名無しの生徒

千粒ファンクラブ涙目www

 

58:名無しの生徒

これは勝てねぇwww

 

59:名無しの生徒

>>54待ってこんな写真保存してない!というか添い寝して笑いかけてくる写真なんて…ガハッ(尊死)

 

60:名無しの生徒

ガハッ(尊死)

 

61:名無しの生徒

イッチ死人製造してんの草

 

62:名無しの富豪

これは予想回避不可避

 

63:名無しの生徒

>>62

!?

 

64:名無しの生徒

まさかのご本人登場w

 

65:名無しの超高校級

なぜいるんや?

 

66:名無しの富豪

え?普通に今あるスレ全部確認しただけだけど

 

67:名無しの生徒

>>66普通にいかれてんの草

 

68:名無しの生徒

>>66流石超高校級…俺たちにはできないことを当然とやってのける

 

69:名無しの生徒

そこに痺れる憧れるぅ!

 

70:名無しの生徒

それはさておきイッチ、姉との関係性は?

 

71:名無しの生徒

超高校級の姉弟はいないからな、不治森兄妹はいたけど

 

72:名無しの富豪

確かにね

 

73:名無しの超高校級

闘魔先輩方しかいないんか…(呆れ)

 

74:名無しの生徒

普通きょうだいで超高校級はありえないからな?(戒め)

 

75:名無しの富豪

それはさておき、イッチで良いの?

 

76:名無しの生徒

えぇと思うよ

 

77:名無しの生徒

はよ吐けイッチぃ!

 

78:名無しの超高校級

オケ

単に公園で雨の中ブランコ漕いでたから話しかけただけや

その後なんか家族毎引き取られて同棲生活を始めたんや

ちなみに親とは中一ぐらいからあってないんや。元気かなぁ…

 

79:名無しの生徒

>>78

 

80:名無しの生徒

そんだけ?

 

81:名無しの生徒

その後なんか無かったんか?

 

82:名無しの富豪

大してないよ。強いていうなら中学生時代に私の両親とイッチの両親が死にかけたぐらいかな?

 

83:名無しの超高校級

え?

 

84:名無しの生徒

(゚∀゚)

 

85:名無しの生徒

(・o・)

 

86:名無しの生徒

(・。・;

 

87:名無しの生徒

>>82

軽い書き方で重いことを書くな(戒め)

 

88:名無しの生徒

というかイッチも知らなかったんやな

 

89:名無しの生徒

反応的にそうだな

 

90:名無しの超高校級

説明をちょうだい頼むから

 

91:名無しの富豪

りょーかい。両親が事故にあっただけなんだけどね…

私の両親は生死を彷徨ってたんだ。まぁでもイッチの両親の方につかないと死んだとき後悔するから、イッチの両親についてたよ。まぁ、少し体調が良くなって、話せるようになったときに、二人からこう言われたの。

イッチ母「もし、万が一私達が死んだら、イッチのことをよろしくお願いします。あの子が、一番信用してるのは…貴女ですから」

イッチ父「君にだったら安心して彼を任せられる。だって、君は優しいからね。愚息だけどお願いするよ」

ってね。

ちなみにイッチには知らせる気は無かったよ。正直両親から口止めされたんだけどね

 

92:名無しの生徒

重すぎるッピ…

 

93:名無しの生徒

自分の両親はどうした?

 

94:名無しの富豪

ついた時にはもう…

 

95:名無しの生徒

ヒエッ

 

96:名無しの生徒

しかもその後だからな…

 

97:名無しの生徒

よくまあ精神保てたな

 

98:名無しの富豪

イッチがいたからやね。この頃から結構スキンシップとってたよ

 

99:名無しの超高校級

一緒に風呂入ったり膝枕されたりされたのはそういうことか

 

100:名無しの生徒

>>98

そら(事故で両親を失ったなら)そう(親代わりになる)よ

 

101:名無しの生徒

>>99それでも許されざる行為

 

102:名無しの生徒

>>99普通に羨ましくて草

 

103:名無しの生徒

イッチ、お詫びに安価しろ

 

104:名無しの生徒

そうだな

 

105:名無しの生徒

お、安価か?

 

106:名無しの超高校級

やってやろうじゃねぇかこんにゃろう!

 

107:名無しの富豪

じゃあ安価はイッチと私にやって欲しいこと

イッチ>>121

私>>126

両方に対して>>136

 

108:名無しの生徒

よっしゃ安価だ!

 

109:名無しの生徒

というかイッチがはるんじゃないのね

 

110:名無しの富豪

私も巻き込んだ方が面白いからね。あ、それと私達も普通に安価入るから

 

111:名無しの生徒

今北産業

 

112:名無しの生徒

今北産業

 

113:名無しの生徒

超高校級のスレ貼り

安価スレ

富豪と世間知らず

 

114:名無しの生徒

よしわかった(完全不理解)

 

115:名無しの生徒

さてもうそろそろだぞ

 

116:名無しの生徒

加速

 

117:名無しの生徒

ksk

 

118:名無しの生徒

十連サマーソルト

 

119:名無しの生徒

お姫様抱っこされる

 

120:名無しの生徒

超高校級の学者が作ったウイルスを投与

 

121:名無しの生徒

不治森闘魔とタイマン

 

122:名無しの生徒

イッチに愛の告白

 

123:名無しの生徒

再度安価

 

124:名無しの生徒

下着写真うp

 

125:名無しの生徒

結婚する

 

126:名無しの生徒

イッチ監禁

 

127:名無しの生徒

イッチ軟禁

 

128:名無しの生徒

やっば

 

129:名無しの生徒

>>128何いってんだ、元からこのスレはやばいぞ

 

130:名無しの生徒

ksk

 

131:名無しの生徒

ksk

 

132:名無しの生徒

互いに傷跡をつける

 

133:名無しの生徒

コスプレ

 

134:名無しの生徒

結婚式をあげる

 

135:名無しの超高校級

墓参り

 

136:名無しの生徒

二人で風呂入れ

 

137:名無しの生徒

愛してるゲーム

 

138:名無しの生徒

ポッキーゲーム

 

139:名無しの生徒

 

140:名無しの超高校級

>>121はもうやって勝ってる。再安価する?

 

141:名無しの生徒

して♡

 

142:名無しの生徒

>>140イッチ化け物で草

 

143:名無しの生徒

しろ

 

144:名無しの生徒

(再安価を)やれ、イッチ

 

145:名無しの超高校級

>>147で

 

146:名無しの生徒

 

147:名無しの富豪

私に膝枕されて

 

148:名無しの生徒

太平洋横断

 

149:名無しの生徒

日本一日徒歩旅行

 

150:名無しの生徒

地獄巡り

 

151:名無しの生徒

碌なの無いなwww

 

152:名無しの生徒

しかも富豪ネキスナイプしてんの草

 

153:名無しの生徒

羨ましいことこの上ない

 

154:名無しの生徒

>>37の門番触れてなくね?

 

155:名無しの超高校級

富豪ネキの門の前で門番やってまーす。五歳の頃から泥棒撃退をかれこれ千回やってまーす。

 

156:名無しの生徒

さらっとやばくない?

 

157:名無しの生徒

>>155五歳からって…

 

158:名無しの生徒

おい富豪ネキ!労働基準法守れや!

 

159:名無しの富豪

ちゃんと守ってるから!お礼にしっかりキスとか賄とかやってるし!

 

160:名無しの生徒

>>159有休休暇率は?

 

161:名無しの超高校級

>>161多分百パーセント。それと終身雇用?契約も結んでる

 

162:名無しの生徒

ガッチガチに拘束されてんの草

 

163:名無しの生徒

五歳時点で大人を倒せるんだったらそら(不治森闘魔)そう(勝てる)よ

 

164:名無しの生徒

なお一年百回撃退してる模様

 

165:名無しの生徒

富豪ネキの家だから(震え声)

 

166:名無しの生徒

イッチの一番記憶に残ってんの何?

 

167:名無しの生徒

さぞかしすごいんだろう

 

168:名無しの生徒

wktk

 

169:名無しの生徒

何がでるんだ…

 

170:名無しの超高校級

富豪ネキに会ったこと

 

171:名無しの富豪

(*´ω`*)

 

172:名無しの生徒

ばぜろ

 

173:名無しの生徒

リア獣獏発しろ

 

174:名無しの生徒

>>173流行語大賞を使うなwww

 

175:名無しの生徒

よし、判決をお願いします

 

176:名無しの生徒

うーん、どうかなぁ…

 

177:名無しの生徒

情状酌量の余地なしなので

 

178:名無しの富豪

無罪で!

 

179:名無しの生徒

有罪で!

 

180:名無しの生徒

そことられるかぁ…

 

181:名無しの生徒

命拾いしたな、イッチ

 

182:名無しの超高校級

しゃあ!それと落ちていいか?

 

183:名無しの生徒

良いよ

 

 

 

落ちても良くなったので俺はスレから消え特製生徒手帳(モノドロイド)を閉じた。そして目の前にいる豊姉さんに向き直る。

円「どういうこと?」

千粒「いや〜、ネット上にもう少しオトウトクンの情報を広めたいからちょっとハッキングしたの」

円「はぁ…やめてくれ」

割とまじでわけわかんなかったんだよ。とりあえず適当に昔のスレッドを思い出しながらやったから良かったものの、もしわかんなかったらスレ民からブーイングを食らっただろうし。

千粒「いや、そんなことないと思うよ?ネット民の民度は高いし」

円「さらっと心を読まないでください。はぁ…」

千粒「それはそれとしてオトウトクン」

円「何?」

千粒「初めてのネットはどうだった?」

円「なんというか、普通に使えたのに驚いた。生まれてこの方触ってなくともなんとなくで使えるのに」

千粒「うんうん」

円「あと安価ってのは不用意に作っちゃ駄目そうだなってのも思った」

千粒「まぁ殆ど使わないと思うから安心していいよ。それと、知ってる?」

円「何を?」

千粒「安価っていうのは、絶対やんなきゃ駄目なの

そのことに気づいた俺は冷や汗をかく。目の前には豊姉さんがいて、後ろにドアがある。

千粒「というわけで、監禁するよ♡」

……絶対もう安価なんぞやりたくない。俺はとてもそう感じた。




読了ありがとうございますm(_ _)m。ちなみにこれのスレッドの元ネタはダンロンの最初の苗木誠の語りの部分で出てきたので使いました。
キャラ紹介します!というかこの時点でようやくできるって…
『超高校級の世間知らず』及び『超高校級の門番』及び『超高校級の教師』及び『超高校級の人外』壁戸円
転生者兼今作の語り手兼バランスブレイカー。もはやどれだけやばいかなんぞ説明不要。少なくとも壁を走るのは当たり前、三連ムーンサルトしても当たり前。これぐらいぶっ飛んでる癖に世間を知らないため、未知の才能として希望ヶ峰学園から『超高校級の世間知らず』という才能をつけられた。現在一番カムクライズルに近い化け物。今回の話で自身の両親が死にかけたことを知ったが、感傷にすらならない。ま、どこぞの富豪さんがやらかしたせいで三歳ぐらいから親の所から独り立ち。中学生一年生に会ったっきりだから当然っちゃ当然。現在五つの才能持ち。
さぁさぁまたもや監禁じゃあ!(注:影蜘蛛は発狂してます。だから大変わかりにくい文章が作られます)
ちなみに作中て『リア獣獏発しろ』が流行語大賞となっていましたが、事実です。掲示板的には『惚気けるな』って意味です。影蜘蛛はスレッドなんぞ知らんので、変なところがあってもダンロンの世界ではこれが普通ということでご容赦を。
誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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暴論 二回目はくっそ速く終わる

どうも影蜘蛛です。まじで本当に原作に触れなさすぎだなと思ってますが、このまんま突っ走ります。
注意
影蜘蛛の当初の予定以上にハオスになりました。気をつけてください。


やぁ、皆檻だ。俺はスレ民の安価によって豊姉さんに監禁された。「私の意思じゃないの、ごめんねオトウトクン♡」とか言ってたけど、まず間違いなくウキウキのテンションでやっていた。まぁそんなわけで監禁されておそらく数週間、なんかを渡された。渡されたのは冊子だった。

円「これ何?」

豊「えっと、新しく作ることを決めた希望ヶ峰学園の副学科の要項を纏めた冊子。なんか不備とか要望とかがあったら聞くよ。それと、結構簡略化されてるよ。まぁ一分あれば読み切れるよ♪」

円「えっ…俺が見ても大丈夫なものなん?」

豊「一応教師陣の中に『超高校級』の人を一人入れろっていう要望があってね。それと上にいる人達が無能だったらこれで解雇できるからね。むしろどんどん見てほしいの」

円「うわっ…そんなことして大丈夫なものなん?」

豊「上に立つ無能が一番危険だからね。早いうちに摘んでおいて損はないよ」

円「う、うん…」

なにはともあれ、俺は冊子に目を通す。

【副学科建設案】

『はじめに

この副学科建設案は、将来ある若者の中から、さらなる飛躍、成長の援助、応援するためにある。彼ら彼女らの未来に希望の種が宿ることを願わん。

目的

小中高に渡り、長期的な育成によって、人間性や社会性などを多岐にわたって育む。また、その年の本科希望ヶ峰学園の生徒から意欲ある生徒達に指導をさせ、特別な才能を磨き、さらなる高みに切磋琢磨して昇りつめさせる。

概要…

 

〜少年閲覧中〜

 

である。』

うん、まあ大体読めたな。碌でもないのはなさそうなんだが…

円「ねぇ、これってさ…もし本科の生徒がやらなかったらどうするの?」

豊「え?卒業生とかにやらせるよ?」

円「じゃあ問題ないのか?」

豊「うんうん、私が今やっている行為(監禁)ぐらい問題ないよ」

円「いや、全然問題はあるからね?俺がこうやってナチュラルに順応してるのがおかしいだけだからね?」

豊「どうせ後にも先にもオトウトクンにしか監禁しないから大丈夫♪」

円「だからといってやっていい訳じゃないけどね…」

そう言いながら豊姉さんに冊子を返す。

最も、俺がこの状況に慣れてる時点で相当豊姉さんに毒されてきているのかも知れないな。

アマツ(まぁどうせ原作準拠なら崩壊しますし問題ないでしょう)

円(それはそれで問題な気はするがな…)

結局、それぐらいで安全(?)にその日は終わった。監禁ってこんなすぐ終わるものだっけ?

アマツ(感覚麻痺してますよ、円さん)

円(やっべ)

とりあえずさっさと価値観と常識を直さないとどっかで致命的なミスするんだからな、多分。まぁそんなことを考えながらベッドの上で豊姉さんに膝枕された。

豊「お眠り……」

そのまま俺は膝元で眠ったのだった。あーあ、数週間これで眠ってばっかだよ。

 

〜数日後〜

 

 

更にそこから数日後、俺は無事に監禁から解き放たれ希望ヶ峰学園に副学科ができた。いや副学科創られるの早すぎん?そして、現在俺は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

棚町「Я(ヤー)らりぱっぱらぱっぱぱっぱらっぱ!!!」

円「オチツケェ!」

……牢屋で狂った人と面会していた。なんでこんな場所にいるのかというと、単に履修しなければいけない科目が関係していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


俺は希望ヶ峰学園に戻ると、なんか皆忙しなく動き回っている。

円「どういう状況ですか?北斗先生」

刹那「あぁ、そういえばあの時いなかったな。幸星、説明しろ」

天之河「了解(ヤー)。簡単に纏めると好きな『元・超高校級』の方々のところで()()()()修行を積む。俺は勿論両方とも刹那姉様だがな」

豊「いや、オトウトクン一回は修行してるよ。私のところでね」

刹那「まぁ、いいだろう。別に行かなくとも問題無いぞ」

円「わかりました。じゃあ、棚町四温先輩の場所を教えてください

豊「うん。はい、どうぞ♡」

そういうと、俺の特製生徒手帳から『ピロン』っと軽快な音が鳴った。

刹那「おいっ!?ま、いいだろう。もしやばくなったら豊が責任取れよ?」

豊「うんうん、わかってるよ。ま、オトウトクン気をつけてね。もしやばくなったら叫びながら特製生徒手帳(それ)ぶつければ良いよ♪じゃあ、行ってらっしゃい♡」

円「はい、行ってきます」

天之河「まぁ、殺されないよう頑張ってくれよ」

そう言われながら俺は棚町四温がいる牢屋に向かって歩くのだった。おっと、()()をとっておこう。

 

〜十分後〜

 

さて色々準備に、ようやく棚町がいる牢屋についた。

円「……」

コツコツと、静かな牢屋に足音が響き渡り、誰かがこちらによってくる。どうやらやってきたようだ。

棚町「君は…誰だ?」

円「……エン、だ。貴方は?」

俺は誰か分からぬよう名前と口調と声音を変えて話す。

棚町「僕は『元・超高校級の天気予報士』棚町四温、そして『超高校級の狂信者』棚真知紫衣(しえ)だ。ここになんのようなんだい、エン君」

円「単に貴方の治療に来た。貴方が良ければすぐ治すが…」

棚町「無論御願い申し上げる。正直紫衣(しえ)は残してもらいたいが…別に無理だったら殺して貰って構わないよ」

円「いえ、問題ない。まずはこれを見てほしい」

そういって俺は先程撮った写真を見せる。どんな発狂の仕方か見て見たかったからな。

棚町「あ、うん…って、これは?ウ…ウゥ…ヴゥ…」

そういうと、棚町はバタリと倒れた。そしてむくりと起き上がる。


 

で、現在に戻る。まさかなんか発狂の仕方が歌ってるようにしか見えない。

アマツ(だったら歌ってみたらどうですか?)

円(よし、やってみよう)

円「だんだんでぃだんだんだんでぃだん!」

適当に歌う。それが棚町?にあっていたみたいで話を聞いてくれるような状況になったみたいだ。

棚真知「お、知ってたんか!今は何時か知らんがこの歌を歌っただけでこんな辛気くせえとこに入れられたからな」

円「うん、お前最近流行りなんか?多重人格」

棚真知「知らねぇよ黙れよお前なんか(知ら)ないです」

円「クレイジー過ぎないか!?」

なんかもう…こいつ転生者感が凄すぎるわ。エグッ…

棚真知「ま、そんなことはどうでもいい!…もとい、その必要は無い!だな。俺は棚真知だ。こいつの体ん中に寄生してる狂信者だ。とはいってもただのヲタクなんだがな!ハッハッハッハ!」

円「というか、これは記憶は同期してんのか?それとも個別か?」

棚真知「勿論同期してるぞ。だけどまぁ一方的に知ってる感じな気がする。俺はあいつに変わる」

円「待て待て待て待てぇ!お前はあいつに簡単に交われるのか?」

棚真知「モチのロンさ!多分あいつは怖いだけだろうぜ。だから勇気を出せって行ってくんなまし?」

円「語尾を統一してくれぇ?!ま、いいけどよぉ…」

棚真知「あんがとな!じゃ、ちゃんとやってくれよ!」

そういうとまた棚真知は倒れ、棚町に戻った。

棚町「あれ、また変わっちゃってた。ごめんね、エン」

円「構わん。寧ろ貴方に起きている事柄の理解したいがために、危険な行為をしてしまい、申し訳なかった」

棚町「いやいや、大丈夫?狂信者に怪我とかされてないよね?」

円「問題ない。これしきでくたばる程我は弱い体ではない。それと、貴方の体に起きている異常性が発見できた。これなら治療できるぞ」

棚町「な、なんだって!?ちゃんと治せるんだね!?」

文字通り俺にすがるようにしがみついてくる。

円「無論だ。貴方のもう一つの人格…紫衣(しえ)と対話したが、彼は貴方に勇気を持って欲しいと言っていた。何か心当たりはないか?」

棚町「……あるね」

円「おそらく、それが原因となったのだろう。克服すれば良いだろう。もし良ければ、一緒に手伝えるなら手伝おう」

棚町「それじゃあ、お願いするよ。ここから出て大丈夫なんでしょ?」

円「……少し待て。先生(上司)に連絡させてくれ」

棚町「わかった」

俺は手にあるモノドロイドを開き、豊姉さんにメールを送る。

するとすぐに既読がつき、許可がでた。別にどこに行ってもいいけど、()()九時迄に帰ってくれば良いらしい。そらと金はこのモノドロイドに全ての電子マネーの機能が入っているようだ。万能がすぎるわ。

円「……来い。貴方の手助けをしよう」

棚町「うん。ありがとう、エン」

俺は棚町についていった。

 

 

〜少年移動中〜

 

 

しばらく棚町先輩は電車や徒歩などを繰り返し、ついた先には一軒家があった。まぁ、空を見ても発狂しないあたり、克服したのだろう。

棚町「頼む、ここで待っててね。ま、すぐ終わるものだから」

円「あぁ。健闘を祈る」

そういうと棚町先輩はその家の中に入っていった。

さて、待ちますか。

 

 

 

 

〜少年待機中〜

 

 

 

 

しばらくすると、棚町先輩ともう一人が腕を絡ませあって歩いてきた。

円「調子はどうだ?」

棚町「順調だよ。ありがとな、エン」

鈴村「いや、この子は誰だい?」

円「エンだ。棚町の介護…といってよろしいのかどうかは怪しいが、兎に角そんな感じだ」

鈴村「ふん、なるほどねぇ。ところで、あんた」

円「なんだ?」

鈴村「四温はこのままあたいの家に泊まらせても構わないんかい?」

円「無論」

鈴村「ふーん、あんがとね。四温、あたいの家に泊まって行きな。どうせ研究熱心なあんたのことだ。家も無いんだろ?」

棚町「あ、あぁ…学生時代から沙夏には迷惑かけてばっかりですまないな」

鈴村「別に、あんたとあたいの仲じゃないか。気にしなくて良いさ」

円「それでは、我は帰ろう。我は御主等のように色恋沙汰とは縁が無かったからな。良縁に恵まれた御主等に祝福があることを願わん」

棚町「ありがとうね、エン。エンに良いことが起きることを願ってるよ」

鈴村「あたいからも感謝するよ。あんた、良いことおきると良いねぇ」

円「それでは、失礼した」

そういうと俺は、さっさと走って消える。いや、久しぶりに屋根の上走って移動するな。さて、今の時間は14:18。今どこの地点かはなんとなくわかるから、ついでにあそこにでも行ってみるか。

 

 

 

 

 

 

〜少年都会疾走中〜

 

 

 

 

 

 

 

さて、ようやくここに辿り着いた。幸いにも、俺の元いた世界とこの世界でこの場所…俺が前世で最初に訪れた神社の場所は変わらなかった。

円「なんつーか、久々だな…」

俺が訪れたのは稲荷神社。前世含めて最初に訪れた神社だ。ま、俺が来たときは相当寂れてたがな。前世では滅茶苦茶綺麗にして有名スポットとして流行らせたがな。しかし、寂れていること、それはこの世界でも同じようで、いろんなゴミが散乱していた。久しぶりに来たとはいえ、どうやらまた片付けしなきゃいけなさそうだな。

円「つーか、ゴミ結構少ないな」

前世だと、プラスチックけら犬の糞までなんでもござれだったが、砂や枯葉などの自然にたまるものしかない。誰かが片付けたのだろうか?

アマツ(どうせこの世界で誰かが片付けたのでしょう)

こんな場所に来たとは珍しい奴もいるんだな。そう思いながら俺は、サクサクとこの場所を片付ける。小綺麗な掃除道具を使って、丁寧に掃き清め、ゴミを土に埋める。

 

〜少年清掃中〜

 

ふぅ…時間がかかったものの、なんとか終わった。社までの道には枯葉や砂は一切落ちてないぐらいになった。どうせだし、お参りするか。

ペコペコパンッパンッ。

円《やぁやぁ神様ご機嫌いかが?俺は今まぁ、なんか転生して色々やってる。神様は元気かな?とはいっても俺からは確認する術はないんだけど。今も昔もここだけ信仰されてないのは変わらないんだな。まぁこれからも来れそうだったら来るよ。大好きだよ、神様》

ペコリ。

さて、終わったのでさっさと希望ヶ峰学園に戻ることにした。ま、なんとかなるか。

《君はいつも有難うね。お礼にちゃんとケッコンしてあげるよ》

 

…なにか聞こえた気がした。気の所為だろうな。

 

 

〜少年疾走中〜

 

希望ヶ峰学園前

俺は時間短縮の為に、適当に近くのマンションで高度を稼いでラセンザンよろしく高速で校庭に突っ込む。ま、そんな怪我もなく校庭に着地して、モノドロイドを確認する。今の時間は17:30。全然間に合った。

円「よっしゃ!」

俺は走って希望ヶ峰学園に走った。

 

希望ヶ峰学園 食堂

豊「おかえりなさい、オトウトクン♪」

円「ただいま、豊姉ちゃん」

俺が食堂に行くと、まぁ先輩方が滅茶苦茶いた。

刹那「はぁ…始末書が増えたんだが?」

天之河「俺も一緒にやるから…」

豊「うん、私の権力で始末書は消しておくよ。今回で《カムクライズルプロジェクト》に対して重要な情報を入手した研究者一人を正気に戻し、なおかつケア方法が確立して、それができる人間を一人発見できたんだから問題ないしね。もし文句立てるんなら《カムクライズルプロジェクト》に対して反対したって建前で消せるしね♪」

刹那「そうだな、それが良い」

互いに黒い笑みで笑うセツナさんと豊姉さん。いや怖え…

火口「あ、もしかして棚町戻ったん?」

翡翠「!……研究……進む……ありがと……」

円「どういたしまして。なんかその後サカって人の家にいってたよ」

豊「サカ?ん〜と、鈴ちゃんかな?佳奈ちゃん」

佳奈「うん、棚町くんに鈴ちゃん以外の女性は近寄ってなかったから男色とかのよっぽどの特殊性癖で無かったら鈴ちゃんだね」

闘魔「あのな、そもそもなんでそんな判断できるんだよ…」

佳奈「え?なに言ってるのお兄ちゃん。恋する乙女は最強(最狂)なんだよ?お兄ちゃんは知ってるよね?」

闘魔「うん、そうだったな。すまないな」

佳奈「も~、お兄ちゃんったらおとぼけさんなんだから♪」

大林「うん、異常な68期生ばっかだね。僕と佳奈さんは別の世代で本当に良かった。ま、僕はなんか疲れたし、司書として図書館で本でも読みにいくよ。こんな多いと頭痛くなるし」

そう言って大林先輩は食堂から出ていった。

火口「大林達の世代は幻栄世代って呼ばれてた癖に良く言うな」

円「えっ」

豊「あ、そっか。オトウトクン、私たちの世代と佳奈ちゃんの世代は別なの」

闘魔「でも、佳奈達は70期生なんだけどね。全然俺等の後輩なんだよ」

刹那「だから結構知っているぞ。それでも、朧?とやらはいまいち印象に残らないがな」

佳奈「いえいえ、朧くんなんて名前呼ばれるだけでも嬉しいぐらい人に認知されてませんからね。呼んであげただけでも嬉しいと思いますよ」

円「69期生の方は?」

豊「彗星世代って呼ばれて、もう生きてる人はいなくなっちゃた。それでも充分すぎる功績をこの世に残したから彗星世代って呼ばれてるの」

闘魔「俺等の世代はなんて呼ばれてたんだっけ?」

豊「光帝世代。ずっと、それこそ今でもトップに君臨する人は多いからね」

翡翠「私とか……めいめいとか…おにいさんとか……不治森とか……千粒とか……だね……」

火口「俺は小鳥遊(たかなし)とほぼ一緒だがな」

小鳥遊「うるせぇ。一回も俺に負けてないくせに言うな」

佳奈「それでも焼目にちゃんと勝ってるんだから凄いんですよね。お兄ちゃんもそう言ってたよね?」

闘魔「あぁ、全然勝ててるんだから気にせんで良いと思うぞ。それに、トップがなよなよしててどうすんだよ。後ろにいる奴らが困るだけなんだからよ」

佳奈「お兄ちゃんは人のこと言えないよ?この前だって門下生に負けそうだって愚痴零してたじゃん」

闘魔「どうせあいつらは勝てないんだからいい。少しは華を持たせてやりたいんだがな」

円「その前にさらっといるセツナさんと豊姉ちゃんと闘魔先輩と獏先輩と幸星以外の方はどなたでしょうか?」

小鳥遊「そういや名乗って無かったな。すまんすまん。俺は『元・超高校級の料理人』小鳥遊(たかなし)焼目(やきめ)だ」

佳奈「私は『元・超高校級の優等生』兼『元・超高校級のヤンデレ』不治森佳奈だよ」

闘魔「佳奈について説明いる?」

佳奈「いや、そんな大したことないからいらないと思うよ。お兄ちゃんをちょっと薬漬けにしたり、襲ったりしただけだよ?」

闘魔「うん、見事に簡潔な自己紹介だったね。それと襲われたけど未遂だからね?俺さえ絡まなきゃまともな奴だと胸をはれないけど言える」

円「わかりました、闘魔先輩。佳奈先輩、よろしくお願いします」

佳奈「うんうん、君のことは豊さんから聞いてるよ。よろしくね」

小鳥遊「俺は獏先輩から聞いてるぜ。よろしく頼むぞ、円!」

円「よろしくお願いします」

小鳥遊「そして、あって早速お願いしたいことがあってな…」

円「わかりました。手伝いましょう」

小鳥遊「お、まじか。ありがとな」

円「それで何を?」

小鳥遊「ちょいとラーメン作るから手伝ってくれ!」

円「わかりました」

さて、手伝いますか。

 

〜少年手伝い中〜

 

俺はなぜか手伝いが終わると、小鳥遊先輩にドン引きされた。

小鳥遊「うわっ…まじか」

円「なんかやらかしましたか?」

火口「あのな…小鳥遊、自分の容量を超えたことをこいつに吹っ掛けるのは無駄だろうよ。前話したろ?こいつは良い意味で予想を裏切ってくるって」

小鳥遊「それでも自分の目に見るまでは!あり得ないと思いたいじゃないすか!」

円「落ち着いてください」

小鳥遊「こうなったら!おい円!!俺に敬語を使うんじゃねぇ!!先輩命令だ!!」

円「……は?ま、いいけどさぁ…」

火口「こいつは自分が認めた奴に敬語を使われるのが凄いむかつくんだってよ。だからタメ口調で話した方が良いぜ」

円「は、はぁ…」

豊「まぁ、良いんじゃない?あの何処ぞの自分を狐だと思い込んでるあの害虫の最底辺よりかは」

刹那「そうだな。あの才能を持ってても尚三流、人間として認識したくない汚物よりは素直に自分の非を知り、相手を対等だと認められる人間の方が良い」

翡翠「同意……あんな……略奪……野郎で……傲慢で……異常性癖で……その癖……自分が……全部……正しいと……思ってる……変態や……汚物と……一緒に……するのも………変態や汚物(それら)に…………対する……冒涜……行為な……奴より……素直な……つくねん……のほうが……よっぽど……まし……」

円「誰に対していってんのこれ?」

天之河「なんとなく全員同じ人に暴言をぶつけてる気がする」

おいおいおい。どんだけ比較対象の人酷いんだよ。そして小鳥遊先輩、つくねんって呼ばれてんのか。

円「あのさ、小鳥遊。なんて呼びゃ良い?」

小鳥遊「なんでも良いぜ!」

円「つくねんって呼んでも?」

小鳥遊「勿論だ!寧ろこの渾名大好きだしな!」

円「じゃあつくねん、よろしくな!」

小鳥遊「あぁ!それとお前のことはなんと呼んでも良いかい?」

円「構わねぇよ」

小鳥遊「よし、じゃあ…まどっちって呼ぶぞ!」

円「オッケー!よろしくな」

小鳥遊「あぁ勿論だ!まどっち!!」

火口「美しい友情だな。やっぱしここに来た甲斐があったわ」

翡翠「私は…おにいさんと……出かけられた………から……もう……満足…」

闘魔「なんというか、流石円と言うべきか。凄いな」

佳奈「私はお兄ちゃんの方が凄いと思うけどね」

豊「いや、やっぱりこういうのが青春って奴なんだね…獏、缶ビール持ってきて。本数は56缶で」

火口「んな呑めねぇよ!日本酒9瓶で良いだろ?」

翡翠「うん……おにいさん…………今夜は………呑も……?」

豊「もし帰りなくなったら焼目が送るでしょ」

闘魔「俺は酒飲まないでおくよ。佳奈は呑んで良いよ」

佳奈「ありがとうお兄ちゃん!!愛してる♡」

円「もしかして宴会?」

豊「うん、そうだね」

円「……俺と幸星はここにいて大丈夫?」

刹那「問題ない。今日の飯は修行を積んだ人の場所で食べるよう言ってある。だから問題ないぞ」

火口「よし、じゃあ飯の準備だ!」

小鳥遊「がってん承知!!まどっちも手伝ってくれるよな?」

円「勿論手伝うぞ。サポートだけならできるしな」

さて、なんか知らんが宴会だ。




読了ありがとうございましたm(_ _)m。
棚町はもう出さないと言ったな。あれは嘘だ。ということで豪華オリキャラ三人同時紹介!
『超高校級の狂信者』棚真知(たなまち)紫衣(しい)
棚町に取り憑いたやべーやつ。転生者。最初の奇声は『魔法少女とちょこれゐと』の部分。その他諸々ネットミームを詰め込みすぎた、ガチもんのヲタク(狂信者)。現在棚町と仲良くなって安堵して寝てる。元ネタは今までのネットミーム。多分この後出る。
『元・超高校級の漁師』鈴村(すずむら)沙夏(さか)
70期生の『超高校級の漁師』としてスカウトされ、希望ヶ峰学園に入学した少女。元から動体視力やらが優れており、漁に出かける時はいつも大漁にとってくる。棚町に対して恋心を十年間抱いてたらしい。恋がみのったので、棚町をこいに溺れされるらしい。頭おかしい奴だね!元ネタは水蜜。ちなみにヤンデレ。棚町が出るなら出る。
『元・超高校級の料理人』小鳥遊(たかなし)焼目(やきめ)
料理に対して深い理解を持ち、十三歳の時にミシュラン一つ星を獲得する。その功績を認められ、『超高校級の料理人』として70期生にスカウトされた。性格は普通に純粋で色眼鏡などの行為を嫌う正直者。自分が認めた者に敬語を使われると怒る。なお、68期生の一部を除いて仲が良い。このキャラは動物が入ってる名字+火編の入った名前を元に作成した。獏との対比をイメージにしたら、獏まじ尊敬純粋後輩できてびっくりしてる。恋人関連は未だに不明。
佳奈さんは前書いたのでここにはのってないです。もうオリキャラ多くなりすぎてダンロンキャラもしかしたら出ないかも知れん…許して。
次回宴会じゃあぁぁ!
誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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宴会?

どうも影蜘蛛です。外伝の方が文字数が多すぎる…コンナハズジャナイノニィ…
それと、なんかネタがかなり被っちゃってるんですよね。影蜘蛛の投稿頻度は遅いかつ不定期なので、どうしても二番煎じになってしまって…もうやだ。でも、どんなメンタルだろうと小説は全部書ききる気でいます。
本編どうぞ!


食堂

豊姉ちゃんが宴会しようと言ってたった一時間。既に宴会の準備は終わっており、俺は全員のグラスに酒を注いでいた。

小鳥遊「先輩方!準備完了しました!」

千粒「ありがと」

北斗「うむ、よくやった」

翡翠「……ありがと……」

小鳥遊「先輩方からそう言われただけでも、準備した甲斐があったッス!」

幸星「小鳥遊先輩、火口先輩、ありがとうございます」

円「とはいえ…なんでこんな量作れたん?普通に皿足りなかった気がしたんだが…」

翡翠「……ん……私……」

火口「瑠璃ちゃんが作ってくれた」

円「すげぇ…」

翡翠「ちなみに………おにいさんも………作れる……よ……」

火口「完全に瑠璃ちゃんの劣化だけどな」

小鳥遊「いや、普通は錬金術を習得するのにも大変なんですからね?俺もやってみようと思って早数年…全く出来ないッス」

翡翠「……でも……才能は……ある……だから……あと一年……」

小鳥遊「わかりました!翡翠先輩!」

翡翠「やっぱり……つくねん……楽……」

千粒「うん、教えやすいよね」

セツナ「何処ぞの劣化版光帝世代の恥に爪の垢を煎じて飲めと言いたくなるな…」

火口「あいつか…あいつに対してはもう飯を作りたかないな。瑠璃ちゃん奪おうとしてきてる時点で俺はあいつに対してブチ切れてんだからな。一回鉄串で刺殺してぇ」

闘魔「あぁ、それに加えて佳奈も奪いにきたからな。人の横恋慕は最も恥ずべき悪徳だ」

佳奈「あの人、本当に人間の底辺として奴隷になっても良いと思います」

幸星「俺もあのカスは嫌いだな。刹那姉様がいなければどうなっていたことか…」

千粒「え?待ってあいつ更に評判悪くしてくんの?」

セツナ「しょうがない。あれはもう救えないからな」

翡翠「本当……うざった……らしい……」

闘魔「あいつは一回殺しても良いだろ。世間なんぞどうにかなるし」

小鳥遊「まぁまぁ先輩方、宴会なんですからそんな暗い話は止めましょう。折角作った飯と酒が不味くなっちまいます」

千粒「そうだね。じゃあ、獏頼んだよ」

火口「了解。ま、未来ある希望ヶ峰学園の前途に、乾杯」

「「「「「乾杯!!」」」」」

アマツ(でもこの後崩壊しますけどね)

円(やめろ)

さぁ、そんなくだらない話はさておき宴会じゃあ!

とはいっても、俺と幸星は未成年だから酒は飲まないが。結局前世も今世も酒は飲めなさそうだな。

 

俺と幸星は早速、作ってくれたラーメンを啜る。

円「うめぇ。色んな食ったが、塩がこんなに美味いとは思わんかった。麺もしっかりマッチしてやがる。ん?でもこれ市販の麺だよな、つくねん」

小鳥遊「おっ、そこに気づくとは流石まどっち。俺の料理のテーマは『誰でもできる美味しい料理』だ。だってよ、高級食材なんか使って豪勢な料理作ったって、昔のもてなしと同じだろ?そんじゃな〜んかしっくりこねぇ。だったらよ、誰でもお手軽に作れて、しかも簡単に材料が手に入る。そっちの方が毎日食えて嬉しいだろ?ま、そんなこと掲げてるが全然獏先輩に敵わねぇんだがよ!!アッハッハッハ!」

円「そ、そうか…」

俺は全然そういう感じじゃなくて使えるものはなんだって使うからな…つくねんの考えとは合わない。

小鳥遊「とはいえ、昔食いに来てくれたガキだったら一回目じゃねぇから見抜くのも簡単だがな。まったくもって悔しいぜ…それでも見抜けないとは思うんだがな」

円「もしかしてあの時の…?」

そういや豊姉ちゃんに連れてかれたレストランの料理人とよく似ている。というか本人だ。

小鳥遊「その通りだ。ったく、そいつがそうなるなんて予想つかなかったがな」

千粒「そうでしょうそうでしょう!うちのオトウトクンは凄いんだから!」

そういうと、また抱きしめられる。何回目だよ。しかもなんか鼻息が荒いし。酔ってんの速すぎん?

火口「またいつものか。円が酒飲まされないだけマシだな」

翡翠「ん……」

闘魔「ちょっ佳奈!?俺に酒を飲ませようとするな!!」

佳奈「いいじゃんお兄ちゃん。そんな減るもんじゃないし」

闘魔「間違いなく運転のが減点されるんだよなぁ…」

火口「というかもうつまみ無くなりそうじゃね?」

円「俺と幸星で作りますよ。酔っぱらいに酒を飲まされたら困りますし」

火口「そうだな、さっさとあっち行け」

 

キッチン

さて、ちゃんと食材はあることだし、ささっと作ってみますか。

幸星「そういやお前錬金術使えるんじゃないか?」

円「何もサンプルないやん」

幸星「鋼の錬金術師」

円「あぁ~…ま、やってみて損はなさそうだな」

円環をイメージしながらやりゃ良いんだっけか?とりあえず、手を叩いてから伸ばす。すると、青い光に包まれ、中から飯が出てくる。

幸星「おっ、成功したか?」

円「いや、単なるサンプルだろ。そんな簡単に上手くいくなら苦労しねぇって…」

幸星「あ、うめぇ。円、問題ない」

円「何危ねえことしてんだよぉ!?ま、じゃああっちに持ってくか」

巳神「ねーネー何ヤってルー?宴会シテルけど…」

円「あー丁度良い所に来たな。手伝ってくれねぇか?」

巳神「オッけー。任せテ!」

その後、俺らは雑談しつつ、料理を運んだ。

 

食堂

火口「おっ、来たか」

小鳥遊「ありがとな、まどっち!!」

千粒「ありがと〜。あ、オトウトクン達も食べなくて大丈夫?」

円「もうキッチンの方で食ったからいい」

アマツ(本音は酔っぱらいに絡まれたら碌なことになりませんからですよね)

円(その通り。なんかノリで要求されたら困るからな)

セツナ「なぁ、幸星。宴会芸でもやってくれないか?」

幸星「わかりました。ちょいと失礼」

そういうと、幸星はテーブルの前まで歩く。

円「何やるんだ?」

幸星「テーブルクロス引き+早替え」

そういうなりさっとやって変えた。一瞬で食堂が沸く。

幸星「うし、お前にパス。次頼む」

円「うえっ…マジですか。とりあえず…」

アマツ(錬金術でもやったらどうです?)

円(いや、面倒だし壁にでも立つ)

俺はのんびり歩きながら壁に立つ。

火口「おい闘魔、これできるか?」

闘魔「うん、まぁやってやんよ」

円「おっと、同じことが出来るんだったら更に上の奴をやりましょうか」

そういうと俺は天井に立つ。自分一人にかかっている重力を反転させるだけだから簡単だ。

闘魔「マジでどうやってんの?」

円「ん〜…強いていうなら愛ってやつ?それと下に果物をお願いします」

幸星「了解。ほい」

幸星は絶対わかってるくせにりんごを投げる。狙いにくいがやるっきゃないか。俺は重力反転を解除した。と…同時にラセンザンもどきをし、同時に手の上に置く。

千粒「何やったの?」

円「ちょっと触ってみて」

千粒「う、うん…えいっ」

そういうと一気に抱きついてくる。好きだからって何回抱きつくんだよ…それはさておき、切り込みを入れた部分からはらりと落ちていって、いつの間にかりんごは花の形になった。あっぶね…

普通に失敗かと思ったわ。

千粒「これ、どうやって食べるの?」

円「ご自由にどうぞ」

千粒「やった!」

佳奈「ねぇお兄ちゃん、ドアノブはソーセージじゃないから揚げちゃ駄目だよ」

闘魔「最近禁酒してたとはいえこれはちょっと酔い過ぎだな…」

佳奈先輩が予想以上に素面みたいな顔して超酔ってる。酔い方の癖強すぎだろ。

円「玲穏。バトンタッチ」

身の危険的なのを感じた俺は豊姉ちゃんを引き剥がし、玲穏とハイタッチする。

巳神「アラあら、こんな紳士に言わレたナら答えなければ損ソン。ジョーカーの摩訶不思議芸ご覧アれ!」

円「ヤバっ…(これはチャンスだな)」

幸星「そうだな(おい今のうちに料理大量に作って消えるぞ)」

円「じゃあキッチン行くか(何処に逃げる?)」

幸星「オケ(お前の部屋で)」

玲穏のジョーカーらしいパフォーマンスを尻目に、俺は素早く幸星と食堂から消えさる。

 

部屋

俺は移動し終わり、幸星と話す。

円「んで、色々大丈夫なんか?正直言ってお前がまた壊れたら対処しきれねぇんだわ」

幸星「まぁ、大丈夫な範囲だな。そこまで変な行動をされてる訳でもないし」

円「それなら良いんだが…そんなことはどうでもいいとして」

幸星「どうでも良かねぇ。今さら感あるがお前もお前でヤバい自覚を持てよ?もうあと少しでぶっ壊れるとは言え…」

円「最悪雲隠れする。そんぐらいなら問題なくできるからな」

幸星「あいも変わらずイカれてらっしゃることで」

円「普通なんだよなぁ…」

幸星「で、話は?」

円「あ、そうそう。すっかり忘れちった。用件としては希望ヶ峰学園についてだ(察しろ幸星)」

幸星「あぁ~……もしかして噂のあれ?」

円「そうだ。な〜んか最近テロ行為をしようとしているっつーことを聞くんだよな」

幸星「単なる噂で終われば良いんだが…だって噂が本当になったら希望ヶ峰学園…いや世界が終わるんだろ?」

円「そ。面倒くさいが、流石にここまで大袈裟な噂だったら真実だと思った方が良さそうなんだよ」

幸星「でもどうすんだ?カムクライズルプロジェクトも佳境だしよ」

円「おい、そんなことバラしていいのか?」

幸星「さほど隠すことでもないだろ。兎も角、合致する奴が見つかったんだ」

円「誰だ?」

幸星「日向先輩とカムクラ」

円「あ…さいですか。問題としてはテロ行為に加担されたら困るんだよな」

幸星「そうだな。カムクライズルプロジェクトには、知っての通り『人工的な希望』の作成が目的だ。気持ち悪いことこの上ねぇ…」

円「いっちゃ悪いが、悪趣味だと思っちまうな。あれって頭も弄るんだっけ?」

幸星「あぁ」

円「当たって欲しくねぇんだがな。もしかしてだがよ、その奴を悪用すれば希望ではなくて『人工的な絶望』を作れるんじゃねぇか?」

幸星「イグザクトリー。まぁ合ってるが、少し補足……というかそんなもんがあるんだが良いか?」

円「構わねぇよ」

幸星「恐らく十中八九、『人工的な希望』は『絶望』に変わる。希望として全ての才能を持ってしまえば、間違いなく行きつく先は絶望だ。んでもって厄介なことに、そいつは確実に伝染させるだろうな。なぜならそちらの方が希望になるんだろうよ。全く、『人工的な希望』の希望が『絶望』だとは皮肉だよな……」

円「そうだよな…どうすりゃいいんだよ」

幸星「関わる側の俺が言って良いのかは知らんが、お前が『希望的な何か』になれば良いんじゃね?俺は戦場の中で知名度があるだけでそんな知られてねぇし。お前は事件も含めりゃ大体の奴から知られてるだろうしな」

円「うぇっ…希望なんぞには成りたくねぇ。俺は誰かの道を照らすランタン位の希望だぞ」

幸星「うるせぇなぁ、ものの例えだ。要は希望ヶ峰学園のうぜぇ上側は『希望』を求めてるんだ。それも、何かあったところで揺るがない強い希望を」

円「一回本当に噂が成就することを願うんだが」

幸星「どうせ千粒先輩の怒りを買ったらおしまいだから、今じゃ()()()()過激派は減ったんだよ」

円「()()()()?」

幸星「あぁ。裏でこそこそ自分の味方を増やして一気に千粒先輩側…『卒業生派』を崩壊させようとしてんだよ」

円「まじか…俺が過激派()ったろうか?別に殺すぶんならそこまで証拠は残さなくて良いし」

幸星「やめろ。お前がいるからギリギリ対立の均衡が保たれてんだから」

円「は?どういうことだ?」

幸星「えっとな、お前がどうするかによって本気で変わるんだよ。例えばお前が過激派に付きゃ千粒先輩がついて一気に傾くし、逆にお前が過激派に手を出されたら一気に破滅だ。お前はどの派閥も注視されてんだよ」

円「なるほどな。ん?あのよ…俺って何時から注視されてたんだ?」

幸星「知らん。だが、小学生辺りから目はつけられてるとも思うぜ?」

円「はぁ…マジでだりぃ…」

てことは俺と豊姉ちゃんの両親もしかしてわざとか?

幸星「ま、恨むんなら過去のお前を恨むんだな。千粒先輩と会ったお前を」

円「なんで恨むんだ。俺はよ、少なくとも感謝はしてるんだぜ?豊姉ちゃんに拾って貰えて、今ここでこうやって生活ができてる。だったら面倒とは思っても、恨む気持ちなんぞねぇよ」

幸星「あーあ、惚気やがって。まぁいい、頑張れ」

円「あいよ。で…結局なんかやらなきゃいけなさそうか?」

幸星「問題ないだろ。最悪お前が働けば終わる。今明かせる手札全部言え」

円「手合わせ錬成、ムーンサルト十連、全武器適性、重力操作、時速100km程度で5年間、体の一部を刃に変化、電気爆風無効、後は…」

幸星「もうええわ。腐っても『将星』の俺よりおかしいのはどういうことなんだよ…」

円「知るか。ただ、弱点もあるからなんとも言えん」

幸星「なんだよ」

円「水中で五日間しか生活できない。それと薬がミリでも効く」

幸星「そもそもそんなに潜ることはねぇよ。そんな息止めれる時点で薬なんて摂らないだろ…はぁ…馬鹿らしくなってきた。俺はもう部屋に戻るわ。おやすみ、円」

円「あぁ、おやすみ幸星」

そういって幸星は自分の部屋に戻っていく。さて、俺も寝るか。

アマツ(おやすみなさい、円さん)

円(おやすみ、アマツ)




読了ありがとうございますm(_ _)m。影蜘蛛の予定通りに行けばあとたった数話というところです。でも本編と外伝だと行きつく先が変化するのでマルチエンディングになる。解せぬ。カスみたいに伸びまくる気がしますが、頑張らせていただきます。なおオチは相当酷く作成したのにどっかの馬鹿のせいで崩壊するっつーね。ふざけんな。キーワードについて長らく触れられて無かったけど、今回は『ドアノブはソーセージじゃないから揚げちゃ駄目だよ』でした。次回は『パレード』と『精神崩壊』です。
もし誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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(理論だけは)完璧

どうも影蜘蛛です。陰キャなのにも関わらず修学旅行で班長兼盛り上げ役…無理。しかもなんか覚えてきた曲の出だし失敗したしさぁ…草しか生えん。よし、本編どうぞ。


俺はベッドの上で起きた。あぁ…昨日は宴会してたのを抜けてこっちで寝たんだな。んで…

豊「んむぅ…………」

円(うん、なんで当たり前のようにここにいるんだよ)

普通に受け止められるぐでっとした精神は持ってないんですわ。

アマツ(知りませんしわかりたくもありません。大方寝ぼけてこっちに入ってきたか、小鳥遊さんや翡翠さんの為に部屋を開けてここで寝ているんじゃないんですか?)

円(とりあえず…どうする?)

アマツ(特に今日はなにもないことですし、ゆっくり二度寝でもしたら良いと思います。どうせこの時間位しか円さんは休んでませんし)

円(失礼だな。俺でも休む時はたくさんあるからな?)

アマツ(休むってなんでしょうか。とりあえずさっさと寝てください)

円(はいはい)

俺は久しぶりに惰眠を貪ることにした。まぁなんか間違えても大丈夫だろ。

 

 

 


 

 

 

……………おい!

 

 

 

 

…………………おい!起きろって!!!

 

 

 

……………………おい!!いい加減に起きろ!!!

 

円「ふぇっ!?」

 

俺は腹の上にくすぐったい感覚を覚えて目を覚ます。

幸星だった。

 

幸星「お前さぁ…遅すぎんだよ。もう千粒先輩起きてんぞ。なまじっか体が頑丈だから包丁刺すぐらいしか方法が無かったんだよ…」

円「嘘だろおい…死んだらどうすんだよ」

幸星「お前今包丁ねじ曲げた癖によく言うわ。全く…かすり傷一つついてねえじゃん」

 

そういうと幸星は俺に刃元がねじ曲がった包丁を見せる。

人体でそんなふうな壊れ方するか?って思うんだが…

 

アマツ(いや、円さんなら充分あり得る可能性ではあります)

円「どう言い訳すんだよ…」

幸星「とりあえずお前がエスパーになるか?」

円「いや、そんな回りくどい事しなくていい。今日どうせ襲撃事件起きるからそいつに全てを押しつけりゃいい」

幸星「いやいやいや、んなことあり得ねぇよ。何が起きたらそうなるんだよ…」

円「……簡単だ。『カムクライズルプロジェクト』を今日完成させる。俺が先輩方と一緒に一気に終わらせてやんよ。んでパレードでも開いてそこで襲撃事件を起こす」

俺は確信を持って言い切る。幸星は少しわくわくしたような、しかし残念そうな表情を浮かべる。

幸星「……はぁ。お前がそこにねじ込める根拠はあんのか?」

円「てこたぁ、あったら入れてくれんのか?」

幸星「流石にあったら入れる理由が出来るからな。特に反対する奴もいねぇし…そもそもお前は大胆に動きすぎだ」

幸星は少々呆れ気味に言うが、俺は構わず喋る。

円「…………昨日の精神崩壊の治癒兼それに対する対策として定期的な観察のために視察、ってのは?」

幸星「ま、良いだろう。じゃ、一緒に行くぞ」

円「って、こんなもんでいいのか?」

幸星「姉様に頼んだ」

苦虫を噛みつぶすように奥歯を噛み締めつつ、そういった幸星は手をさしのべる。

円「そんな嫌なら行かない方が良いか?」

幸星「いや、なんつーか…その、気恥ずかしくてな。姉様とのやつをさ」

円「お前さぁ…成長したのは良いがあんまり絆されるなよ?元々やべえ奴らに好かれまくってる奴に喋る話じゃないが、そういうところから利用されていくんだからよ。それで昨日の言葉が現実になった際に生き残れなくなっても知らんぞ」

幸星「…わーってるよ。さっさと行くぞ、円。急いで行かねぇと午後が終わる」

円「yah!」

幸星「お前は軍人か」

 

 

研究所

研究所には、見たことがある三人組がいた。しかし、それ以外には誰も見当たらない。

幸星「失礼する」

八木「ふむ、何故来た?」

翡翠「…………何?」

棚町「あ、エン。ありがとね」

幸星「あ〜…朗報か悲報かわからんが、一人生贄…もとい実験者が増えたぞ。というわけで自己紹介しやがれ」

円「『超高校級の世間知らず』兼『超高校級の門番』壁戸円です。先輩方、よろしくお願いします」

八木「壁戸円…あぁ、千粒豊からいくつか話を聞いた。噂通りの働きを期待する。私は『元・超高校級の研究家』八木孝和だ」

翡翠「ん……よろしく………………私は………『元・超高校級の錬金術師』…………翡翠瑠璃………」

棚町「よろしくね、エン。僕は前名乗ったと思うけど、『超高校級の天気予報士』棚町四温。一応、『超高校級の狂信者』棚真知紫衣でもあるよ」

幸星「あれま、皆さんもしかして面識あるんですか?」

八木「一度でも聞いたのなら覚えておくものではないのか?」

翡翠「ん…………おにいさん………あと…………豊さん………」

棚町「僕は助けて貰ったからねえ」

円「では、早速なんですが詳細をある程度教えてください。できれば、アプローチを」

八木「承知した。本プロジェクトの目的は希望を世間に知らしめることによって希望ヶ峰学園が千粒コーポレーションからの資金にのみ依存しないことを目的としている。このプロジェクトは参加条件が『希望ヶ峰学園に在籍したことがある者』であることと『超高校級の才能を持つ者』、『秘密を守れる存在である』という条件であるため、人数がさほど多くはない。しかしながら、一人辺りに支給される金額等が多いことから様々なアプローチができる。それで、アプローチは複数ある。一つは、『何かしらの才能を植え続ける』ということだ。これは棚町四温がやっていた」

棚町「結果的には多重人格になったね。原因はわかっていないけど一度治っているからそれについて何かしらを究明したいんだ」

円「ちょうどいいところに俺が来たと」

八木「話を戻すぞ。二つ目は『個人の持っている能力を飛躍的に伸ばす』という方法だ。しかし、これには多くの欠点がある。一つは、感情。本来セーブされていた能力を無理矢理伸ばす影響からか他のリソースに回す余裕が無くなり、感情、記憶…まぁ大まかに言うなれば『人間性』が失われる。私はこの方法で行おうとはしているが、あまり気分は乗らない。被験者も選ぶものであるし、希望ヶ峰学園の方針には沿わない路線であるからな」

棚町「なんか昔あった脳をいじる『ロボトミー手術』に似てるから非人道的だとも言われるね」

八木「現状、最後のアプローチは『人造人間の作成』だ。これは翡翠瑠璃が行っている。こちらは材料や必要な才能等の様々なしがらみがある為中々進んではいないが…もしできた場合でも消失させなければならなくなる。権力者が追い求める物故に。あまり進められるものではないな」

翡翠「?………そんな…………怖く…………ない…………だって…………こんなの………常識………」

円「常識?」

翡翠「…………無かったら……………作る……………当たり前……………」

八木「錬金術師はそのあたりが精神的に崩壊しているのだ。だから火口獏は関わろうとしなかったのではないか?」

翡翠「………………………………………………………………結局………………………………作れた……から……………モーマン……タイ………」

棚町「確か獏先輩を無理矢理襲わせるように仕向ける薬を作って飲ませたんだって噂があるんだよね。しかも二十歳になった時の同窓会の時に酒に混ぜてさ。用意周到だね」

幸星「存外ここにいる奴ら全員同じ穴のムジナな気はするがな…」

円「まぁそんなことよりも研究のことですね。俺は何処に入ってもいいんですか?」

八木「問題ない。できれば全てに助手が欲しいが…まぁ贅沢は言えん」

円「わかりました。全員分やりましょう」

翡翠「責任…………取って…………」

棚町「なんか出来そうな気がするけどね」

 

……気合入れてやんないと死にそうだ。

アマツ(頑張ってくださいね)

円(言われなくても頑張るわ)

 

 

八木「さて、早速だが時間のかかる翡翠瑠璃から手伝ってくれ」

翡翠「ん………これ………持ってきて………あと…………おにいさん…………連れて…………きて……」

 

俺は翡翠先輩からメモを渡される。どうやら人体錬成に必要な物らしい。

 

円「普通に頼めば良くないですか?」

翡翠「おにいさん…………………来ないの………」

棚町「単純に邪魔しないように来ないだけだと思いますけどね…」

翡翠「別に………邪魔…………じゃない……………」

幸星「完全に言い方が邪魔な人間に言うセリフなんだよなぁ…」

円「というかそもそも論人体錬成はできるんですか?」

翡翠「長い……………錬金術師……………の……………歴史で…………失敗…………しか…………してない……………皆……腕とか…目とか………足とか……肺とか………心臓とか……脳とか………胃とか………腸とか……血とか………持って………かれてた…………」

棚町「だったら一度失敗する原因を考えてみたらどうですか?もしリバウンドで死んだら獏先輩が悲しむよ」

円「どんなものをイメージして錬成するんですか?」

翡翠「昔の…………おにいさん……………の…………体………」

八木「体『だけ』を錬成するのか?それとも、体『以外』も錬成するのか?」

翡翠「?………どういう……………こと?」

八木「体以外の要素……例えばオカルトチックにはなるが精神、魂、霊体。これらを作成するための材料を人体錬成の陣には仕込まないのか?自律して行動する人造人間を作成するならそのあたりを考えなければいけないはずだ」

幸星「じゃあ失敗していた原因はそこかね?人造人間…というかホムンクルスは本来『存在し得ないもの』を無理矢理真理から創り出すのだから、材料が一つ足りなきゃ滅茶苦茶なリバウンドが起こる。精神と魂が一つの素材から作れるとしても、確実に何処かしらを持ってかれるだろうしな」

円「確かに、さっき先輩が挙げていた代償に持っていかれた場所は一つだけでしたね。先輩、もしかして腕とか足とか目とか肺とかって片方だけ持ってかれたんじゃないですか?」

翡翠「!……うん………」

幸星「んで、確か魂の情報に血とかなんやらを使っていたが、あれ自体がどっちかの原料な気がするな。そうじゃなきゃ一つしかリバウンドが起きてない現象に説明がつかねえ」

棚町「どちらかというとそもそも前提条件が間違っているような気がするよ」

八木「前提条件?」

棚町「翡翠先輩、人体錬成についてなんですけど…()()()()()()()使()()()()()()()()()?()

翡翠「……?」

棚町「失礼、言い方が悪かったですね。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?()

翡翠「……………うん…………」

棚町「じゃあそこだ。モチーフの対象を生きてる人間に変えればいい。獏先輩に変えてたから何の意味もないけどね」

円「じゃあもう問題ないんですかね?」

翡翠「一回………実験………したい…………」

棚町「じゃあ僕だね。僕は紫衣がいるから最悪失敗しても主人格の入れ替えが起きるぐらいで済みそうだし」

翡翠「じゃあ………持ってきて………多分………食堂の……冷蔵庫に……材料…入ってる…………」

円「わかりました」

 

 

食堂

千粒「おはよう、オトウトクン♡」

火口「よう、円」

円「おはよう御座います、豊姉さん、獏先輩」

火口「んでなんのようだ?」

円「材料取りにきたのと、先輩方を連れてこいとの指示でして」

火口「俺が呼ばれる理由…孝和と瑠璃ちゃんと四温か」

円「というわけで来てください。あと、念の為に豊姉さんも」

千粒「わかったよ♪」

 

…良かった。二人ともついて来ているみたいだ。俺は食堂から材料を全て持っていき、研究所に戻ることにした。




読了ありがとう御座いますm(_ _)m。それと私事で非常に申し訳ないのですが、あっち側の外伝作品を少々進めないといけないので次の投稿が6月末にも投稿できるか怪しいです。あと少しでこっちも終わるのに…どうして…どうして…(影蜘蛛が馬鹿みたいにプロットを考えなさすぎなだけ)
どんな訳か知らないけど次のキーワードは『奇跡も魔法もあるじゃないか』です。というかもしなんか入れてほしいキーワードあったら感想欄に書いていただけたらすぐに入れます。教えていただけたら幸いです。


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過ぎた力も身を伝う

えー…先日書いたことが実際に起こってしまってちょっと困ってる影蜘蛛です。六月末とか言っておいてこんな速くに投稿…許してください。


研究所

辿り着いた時には、錬成陣の準備が終わっていた。陣は丸い円状で、なんか複雑でよくわからん術式が書いてあった。

翡翠「そこ…」

俺はなんとなくで全部の材料を置き、最後に獏先輩を円の中に入れた。

翡翠「ん……始める…………おにいさん…………」

火口「なんだ?」

翡翠「そこに………………いて…」

そういうなり手を合わせて地面につく翡翠先輩。もうなんかこの後リバウンドしないで欲しいとは思う。

ピカーっとなんとも言えない感じで光が広がり、気がつくと……

 

 

 

 

 

 

 

 

獏先輩が二人になっていた。

 

 

 

 

火口「おいおい…これは錬金術なのか?目の前に俺がいるってのは…」

 

一つのほう…が動きだした。違和感しか無いが…

 

翡翠「ん…………成功…………リバウンド……………なし………」

棚町「野暮なことを言っている自覚はあるけど、本来僕がこの事例になるはずでしたからね?先輩方に危険な目を合わせられません」

八木「私達は覚悟の上だ、構わん。なんだ、奇跡も魔法もあるじゃないか」

翡翠「違う……………錬金術………」

八木「私にとっては奇跡も魔法も錬金術も見分けがつかないんだが…」

火口「まぁまぁその辺りは良いじゃないか。ほら、おちつけ瑠璃ちゃん」

翡翠「ん……」

円「で、これはどんな状態なんですか?」

火口「わからん。俺は単に若返ってる気がするな」

千粒「あ、本当だ。瑠璃ちゃん、私にもできる?」

翡翠「ん…………多分…………材料…………あれば……」

千粒「じゃあ持ってくるね。オトウトクン、材料買ってきて」

円「わかった。電子マネーはモノドロイドを使えばいいんだよね?」

千粒「うん」

円「じゃあ行ってきます」

千粒「いってらっしゃ~い♡」

 

ま、1時間あれば終わるだろ。どうせさほど問題ないしな。

 

 

〜少年収集中〜

 

 

円「ただいま」

千粒「おかえりオトウトクン♪」

円「一応、十人分買ってきておいたけど」

火口「ナイスだ、円」

円「そういえばもう一つの肉体の方はどうしたんですか?動いたりとかは…」

翡翠「…………してない…………」

棚町「それと一つ面白いことがおきるかもしれない」

円「なんですか?」

八木「多分、多重人格者は人格を分かれる可能性がある。故に一度棚町四温に犠牲になってもらう。翡翠瑠璃、錬金術の行使を頼む」

翡翠「ん………」

 

再度同じ光景が繰り返され、今度は棚町先輩が二人になっていた。若返って見えるのは見間違い…ではないだろう。

 

棚町「あー…うん、これ多分高校生の時の体だね」

そしてもう一つの体も起き上がり、喋る。

棚真知「?あらま、四温やんけ。なんかまた俺死んだのかな?って…雁首揃えて何をやっているんですかね?」

八木「ふむ、仮説は事実だったか。さて、挨拶をしておこうか。私は『元・超高校級の研究家』八木孝和だ」

棚真知「ケケッ、ご丁寧にどうも…名乗られたなら名乗り返すのが礼儀だ。『超高校級の狂信者』棚真知紫衣だ。俺はどう処分されるんだい?」

千粒「適当に放流する?」

棚真知「あ〜…確かに正しい処分方法だな」

棚町「流石に殺しはしないようにはなると思うけど…」

千粒「ま、冗談だよ。特にそんな私からも処分する気は無いから大人しくしててね」

棚真知「わかりましたよ、っと。そこの黙ってるお前、これって金でるか?」

幸星「知らん。が、もしこれで大きな働きをしたら出さないと無礼になるだろうよ」

棚真知「随分年の割に大人びてんねぇ。これぐらいはいかいいえで答えるだろうに…ま、俺は協力するよ。四温も困ってそうだし」

棚町「ありがとう」

棚真知「お礼なんていいってことよ」

幸星「んでよ、これでいわゆる『魂』が無いと動かねえってのがわかったな」

火口「というかこれよ…いっちゃ悪いが()()()()なんじゃねえのか?」

翡翠「!……ん……………多分……そう………」

幸星「やれやれ、なんかますます人間から離れてくんのか?」

八木「…とりあえず考える時間が欲しい。まさかこんな副産物が表れるとは思わなんだ…」

千粒「これは世間には公表しないでおこうね。多分あのカス()みたいなのに嗅ぎつけられると後処理がめんどくさいからさ」

八木「それには同感する。私はあまり人間関係には興味はないものの、少なくとも小平吉だけは関わることをやめている」

棚真知「正直そんな言い争いしてるよりあんたはさっさと若返ったらどうだい?どうせ好いた人のひとりやふたりいんだろう?」

千粒「それもそっか。じゃあ瑠璃ちゃん、お願い」

翡翠「わかった…………豊さん…………」

再びピカっとして豊姉さんは若返った。体は二人に分かれなかったけど。

棚真知「お、なるほどな。男性だけ二分割されるっぽい」

円「というか一度、おぞましい実験でもしませんか?」

八木「一度提案してみろ」

円「わかりました。実験は簡単です。

①、人体錬成

②、動いた方を殺害

③、どうなるかを確認する。

たったそれだけです。もし失敗しても問題ない人間がいたら実行できますが…いなかった場合はできませんね。それに人を殺すのでおぞましい実験です」

千粒「オトウトクン大丈夫?辛いことあったら聞くよ?」

円「特にないよ?」

棚真知「ま、面白そうな実験ではあるな。俺が殺す。お前らは手を汚すなよ?」

幸星「どうします?殺したい人がいるならそちらを拉致しますが…」

棚町「だったらちょっと立ち会ってもらいたい人がいるんだけど…」

鈴村「呼んだかい?」

棚町「!?」

鈴村「ちと予感がしたのさぁ。随分年が若返っているみていじゃないか。そんなことならあたいも呼んでおくれよ。で、そこのあんたはエンで、もう一人のお前は誰さね?」

棚真知「聞いてなかったんか…『超高校級の狂信者』棚真知紫衣だ。鈴村とやらにとっちゃ怖いんかね?」

鈴村「いやぁ、四温の背中を押したのは誰かって話を佳奈としてね。なるほど、あんたか」

棚真知「いかにもだ。てめえらの恋路なんぞもう見たくもないからさっさと離れられて清々していんだ」

棚町「ちょっ、紫衣!言わないで!!」

鈴村「それで、あたいはちとお願いしたいんだが…」

千粒「殺したい人がいるんでしょ?どうせ皆思い浮かばないし決めちゃって良いよ」

鈴村「いいのかい?」

八木「反対する理由はない」

鈴村「じゃあ、小一志ってのを連れてきてくれ」

千粒「ねぇ、オトウトクン。お願い♬」

円「はいはい。どれぐらいの体力残しとけばいい?」

千粒「う〜ん…とりあえずは拷問がいけるぐらいかな?もしくは別に虫の息でもいいけど」

円「わかりました。じゃ、行ってきますね」

千粒「いってらっしゃーい♡」

 

それにしても、小?どっかで聞いた気が…

アマツ(〇〇ですよ。確か彼の名字が小でした)

円(アマツ、ありがと)

 

 

俺は小一志とやらを見つけて、交渉をしようかな…なんて思っていた。が、あまりにも相手が馬鹿過ぎた。流石〇〇の家系なだけあんな。

小「ヒック……俺の部下にならねえか?」

円「やだよ…逆に俺はなんのメリットがあってお前に従うんだ?」

小「俺の部下になったら欲しいものを用意してやる。金、女…全部だ」

円「……やっぱカスなんやな、此奴」

小「な、なんだとてめえ!野郎ども、こいつを殺せ!」

そういうなり俺は百人程に囲まれる。

 

……どうせ小以外は殺すんだし、ちと遊ぶか。

アマツ(なんで殺すんですか?)

円(ん〜…いっちゃ悪いがこの世界は普通に『人を殺す覚悟』が求められる場面があるかも知んないからな。今のうちならまだ良い。どうせ『超高校級の軍人』とかでもないから死ぬことはない)

アマツ(そうですか。気をつけてください)

円(あいよ)

 

よし。思う存分殺しにいくか。

 

円「あんま使い方わかんねーけど…」

小「野郎ども!はやく殺せ!」

円「うるせぇなあ。いいや、冥土の土産かなんかに見せてやる。【流転乱舞・罪火】」

俺は手を刃にして、縦横無尽に室内を穿ち続ける。穿って殺す。

最初、殺した時に何か感じるか不安だったが、何も感じなかった。が、それもそれで問題だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()──それは感情が動かなくなってきているのだから。

円「まー結局はそうなるんだろうけどな…()()()()()()()()()()()()()()()

アマツ(多分千粒さんを殺したら変わるんじゃないんですかね?)

円(そんなんだったらこのままでいいや。どうせもう感化されなくなるだけだからな)

そんなことを考えつつ、全員の肉を穿つ。穿って穿って穿って穿って穿って穿って穿って穿って穿って穿って………

 

 

 

 

気がついた時には、俺は血の海に突っ立っていた。あーあ、服が汚れなくて良かった。流石希望ヶ峰学園の制服だ。ついでに包丁も処理できたしな。

小「ちっ、この化け物が!」

円「うごくな、カス。【磁縛】」

小「ひ、ヒィィ!」

さて、持ってくか。が、その前にいくつか体を改造しておくか。

 

 

円「ただいま。ほい、小」

千粒「ありがとうオトウトクン♬じゃあ瑠璃ちゃん、お願い」

翡翠「ん…」

再度先輩は錬金し、二人分の肉体ができた。

八木「しかし、どう判断すれば良いのだろうか?」

幸星「水ぶっかけりゃ良いだろ。動いたらそっちを殺す。紫衣、しっかり殺せよ?」

棚真知「ケケッ、随分煽られるとはなあ。任せとけよ。これでも狂信者なんだぜ?」

千粒「よくわかんないけど、えいっ」

翡翠「!………まだ…………使って……………くれてた……………の………?」

千粒「使わない理由が無いからね♪」

小「こここここここここ」

棚町「円、怒らないから正直に何やったか言ってご覧?」

円「一つの音しか言えない体にしました。本当は猿轡があればよかったんすけど…無かったので妥協しました。先輩方に濁音なんて聞かせてはいけませんから。あと一部人体を改造して動けなくしました。とはいえ、応急処置でしか無いのでさくっと殺したげてください」

棚真知「お前、イカれてんだろ…そういやあんたらは今から殺害するけど見て大丈夫か?」

翡翠「ん……」

火口「俺は問題ないぜ。というか何人か殺しちまってるし…」

棚町「紗夏がいてくれるなら」

鈴村「じゃあ問題ないねぇ。あたいらは運命共同体だし…」

千粒「実験結果見たいからいるよ。どうせ死体の処理もしなくちゃいけないしさ」

八木「構わん。一度死にかけた身だ」

棚真知「覚悟ガン決まりの紳士淑女様、ご覧ください。世にも奇妙な人間の解体ですよ!」

小「ここここここ」

棚真知「死にたくない?いえいえ、とんでもないことを仰る方ですねぇ。貴男(ブタ)に拒否権ははなからありませんよ?

小「ここここここここここここ」

 

 

棚真知「さあさあ皆様、演目のフィナーレです!彼の死に絶望を!」

火口「実験ってなんだっけな…」

翡翠「おにいさん………………確かに…………」

 

小「殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!」

円「死ね」

 

結果から言えば、生き返りは成功した。また殺し直したけどな。

八木「これは危険な為、火口獏は翡翠瑠璃とつかず離れずいろ。危険な際には翡翠瑠璃を第一に助けろ。いいな?」

火口「俺のことを馬鹿にしてんのか?それぐらいは言われんでもするわ。惚れた人を殺されないように守るのは当然じゃねえの?」

千粒「はいはい、さっさと解散して。これ以上なんか首つっこんだら何か厄介事に巻き込まれるよ」

 

その後、全員が口を閉ざすことを約束して帰っていった。




読了ありがとうございますm(_ _)m。というか前回忘れてたキャラ紹介…
『元・超高校級の研究家』八木孝和
やべーやつ(語彙力皆無)。運動音痴とボケナス位しか弱点が見当たらない。尚古知矢ネキの恋人はこいつ。実験のためとはいえ、体から29%以上血が失われても生きてる。それでも好意には気づかんくらいボケナス。なんかコロシアイとかだと不穏枠になりそう(偏見)。で、誰かに愛されて死にそう。
円はもう倫理観がどっか天にでも置いていっちゃったのかぶっ飛んでます。なんか殺してもなんとも思わない。かわいそう。
次回キーワードは『結局』と『白羽の矢』です。なお少なめの文章になる模様。だってもうそろそろ終わりに近いんですもの。
誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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蛇足

どうも影蜘蛛です。文字通りの蛇足です。


神様。我らを救い給え。

─神様。俺に力を。

──神様。我に勝利を。

───神様。私に金を。

 

 

何時の願いを聞き入れようと、自分の大切さを喋る人達。うんざりしたのか、眠り続け、気づいたら世界は変わっていた。

草木は萎れ。地面は腐り。海は荒れ。神堂は廃れていた。

だから、あるいは必然的に現れたのかもしれない。もっといえば、それこそ神達が()()()()創り出していたのかもしれない。そんな何か──自分達の救世主を。

 


 

彼は、そんな理由…狂った神達の都合でこの世に生を受けた。しかし、神達は彼に試練を与えた。

健康を望んだ体に病魔を。

日常を願った精神に非日常を。

幸せを願ったものに不幸を。

何かをするならそれを咎めるように試練(悪意)はあった。それでも尚、彼は進み続けた。

病魔に苦しむならそれを無視し。

非日常を自らの日常とし。

不幸すらも幸せと考えるようになった。

そんな彼はある日、一匹の動物と出会う。

 

「……生きてる?」

「…シャー」

最初の出会いは夏の宵。いつものように竹林でランニングをする彼の目の前に、蛇は現れた。彼は蛇の状態を素早く見抜き、応急処置をする。

「シャー…シャー…」

しかし、応急処置が終わった瞬間に蛇は距離をとった。

「威嚇しないで貰うと助かったんだけどな…しょうがない。治るまで見にこよう」

それから奇妙な交流が始まった。蛇に対して餌をやり、その後会釈して走り去る。蛇はそれに応え、食べたあとにスリスリと頬ずりをして去っていく。

そんな日々も、あっという間に終わった。とはいっても、一方がくたばっただけなのだが。

「シャー?」

蛇はいつものように獣道から出てくる彼を待っていた。だが、誰も来ない。蛇は悲しみながら去っていった。

次の日も来ない。不安に思った蛇は、竹林から彼が通っていた獣道を通って外に出ることにした。ズリズリと地面を這いながら、蛇は外に出た。冬の空は蛇にとっては天敵のはずなのだが、そんなことはお構いなしとばかりに彼の匂いを辿る。着いた先には……

 

焼香の匂いと彼の匂いが混じっていた。

 

蛇は焼香の意味を知っていた。だから気づいてしまった。

彼は──もういない。嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ。名前を呼んでほしかった。生きてて欲しい。

しかし、現実は無情だ。彼に似た彼よりも年老いた女性が泣きながら彼の家から出ていく。

蛇は哭いた。蛇は自身の生きる意味を喪った。なら、やることは一つしか無い。

暴走だ。自身の体を思いっきり振り回し、周辺の家を壊していく。皮肉なことに、彼が渡していた餌で成長した蛇は通常の蛇の何倍も大きくなっており、家の塀や壁などを崩壊されられた。しかし、蛇は狡猾だった。彼が残した家は壊さなかった。他の家は容赦なく壊され、地図が書き換えられていく。

 

 

後日、ニュースではその地区一帯が滅びたということが伝えられた。

 

 

彼が呼んでいた蛇の名前は

────レオ




読了ありがとうございますm(_ _)m。なんでこんな話したんだろうね(すっとぼけ)。ちなみにまじで展開がもうボロボロだよ!次も大分酷い。


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三者面談(?)

どうも影蜘蛛です。友人に油虫と呼ばれて傷つきました。流石に虫の種類が違うのに…(困惑)せめて影蜘蛛って呼んでよ。さて日常編かも怪しくなってきた本編どうぞ。


あの人体錬成から2ヶ月後。俺は教師?というかカウンセラーみたいな感じで予備学科に教えにいっている。教える頻度が多いのは良いんだが…いかんせんなんか数が多すぎるため、逃げるために大門や新月達の手を借りていた。

大門「こっちだ、シーフ!」

円「ありがとな、大、渚。怪我してないか?」

新月「別にいいです。先生には助けてもらっていますから」

円「蛇太郎達もな。無茶とかはしてないか?」

煙「だ、大丈夫だよお。僕ちんでも人を助けられたからね…」

円「んなに自分卑下してんじゃねぇー…まぁこのあたりはおいおい治療してくか」

大門「なぁなぁシーフ!俺っちまたあそこ行きたい!」

円「わーった。全員ついてこいよ?」

空木「はい!」

こいつら全員、一応うざったらしい親どもからは解放しておいた。2週間に一回のペースだから、ハイペースではあるのか?

アマツ(解決策はさくっとしてますけどね)

円(まー、実際ちょっと空飛んで先生の真似事したらついてきたからな。ちゃんと俺を大人(魔物)だと思わないだけでありがてぇもんだ)

そう思いつつ、俺は四人を抱える。なんかまだ塔和だけはいなかったんだよな…もしかしたら豊姉さんが潰したのかもしれない。知らんけど。

円「ジャーいくぞ!」

大門「いっけーシーフ!」

新月「大、そんなことしたら先生に失礼だろ!すみません…」

円「渚。あんま遠慮しないで良いんだぞ?俺はお前らのあるがままを肯定する。子供が遠慮なんてしたら気持ち悪い。だってさ…そういうのが教育なんだろ?」

煙「僕ちんはまだ仮面被ってるけど…とってもいいんだよね?」

円「トラウマになる環境なのは知ってるから俺は『先生』になってんだよ。あんま一気にトラウマを治そうとせんでもいいからな」

空木「すみません…」

円「やめろやめろ。本当に謝られるのは気分が悪い。さて、飛ばすぞ!」

俺は全力で飛翔してあっという間にあそこ、『千粒邸』についた。結局使わなくなってきてるんだったら子供達の遊び場にしても良いかもしれないからな。

アマツ(なんでここにしたんでしたっけ?)

円(あ〜…ちょっと思い出すわ)

そういうと頭の中に図書館のイメージが思い浮かび、その中から一つの本を取りだす。記憶の全部ってこういうことだったんか…

拍子抜けしたな。

 


 

 

千粒「ねぇねぇオトウトクン♡」

円「何?」

 

俺はいつものように豊姉さんに膝枕された状態でいると、不意に話しかけられた。

 

千粒「予備学科の臨時教師をやってくれない?」

円「え、なんで?」

千粒「まず、一応希望ヶ峰学園は教師も一流じゃないといけないの」

円「うんうん」

千粒「で、今は教師志望の人は立派な教師になっている季節です」

円「それで?」

千粒「予備学科の教師の人が全然足りません」

円「それで俺に白羽の矢が?」

千粒「うん。というか一人で色々回せる人材が欲しかったの。ついでに視察とかもしてもらいたいからね。やってくれる?」

円「やるよ。……そういえば予備学科ってどんな感じなの?小学と中学と高校があったってのは覚えてるけど」

千粒「えっと、オトウトクンには小学校の方に行ってもらいたいの」

円「わかった。中学と高校の方は?」

千粒「非常勤講師ってことにしてるから大丈夫♪ま、流石に授業と授業の合間に行ってね?」

円「了解。何時からやればいい?」

千粒「う〜ん…何時からでもいいよ♪」

円「はいはい。じゃあ明日からやるよ。多分早い方が良さそうだしね」

千粒「わかったよ♪じゃあ明日校長先生に挨拶してから行ってね」

円「うい」

 

翌日

 

俺は霧切校長先生と豊姉さんで三者面談をすることになった。普通に緊張…しないや。

霧切「こんにちは、壁戸くん、千粒」

円「こんにちは校長先生」

千粒「こんにちは。元気にしてましたか?」

霧切「そちらのする行動さえなければな」

円「随分なこと言いますね」

霧切「娘の世代が一番酷い。頼むから少しぐらいは楽をさせてくれ」

千粒「まあ、引退厳禁で十年契約したしね。さて、仁さん。教員足りないんでしょ?」

霧切「そうだが…」

千粒「だったらうちのオトウトクン採用してくれない?才能上こっちに行かせた方が良いと思うんだよね」

霧切「これ以上私の頭痛の種を増やさないでくれ…ただでさえごたごたしているんだ」

円「そういえば、校長先生。とある噂が流れていたんですが」

霧切「どんな噂だい?」

円「()()()()()()()()()()()()()()()

霧切「……、なぜそんな噂が?」

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…これに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。尚且つ俺みたいに親がいないわけでもないのに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。…ってところからですかね?」

千粒「まー普通の家庭ではなさそうだよね。さっきの発言的にも最低で()()()()()…まぁ、それでこんな子供にはならないかな。考えられるのは…」

霧切「虐待…か。確かに一番あり得る話ではある」

千粒「だったらさ…」

霧切「だが、あくまでも私から()動けん。もし千粒さんがその証拠を掴んだらなんとかなるはずだ」

千粒「流石校長!話が分かるね!」

円「落ちついてください、豊姉さん」

霧切「それと、先程壁戸くんが行ったように少しばかりこちらの情報統制ができてないところがあるので、そちらについても少しばかり話を聞きたい」

円「霧切さんに頼んだ方がよろしいかと。《どうせ二人しかいない父娘なんですから》」

千粒「折角話せるチャンスがあるんだから活かしなよー?」

霧切「…用は終わったのなら速く退出してくれ」

円「失礼しました」

千粒「さようなら」

 

千粒「……で、結局誰から助けるの?」

円「目下は常に傷がある子…かなぁ。一番放っといたら駄目そうだし。住所はどうするの?下手に変えると毒親は寄ってくるよ」

千粒「うちの系列のホテルかな…多分セキュリティ的には問題ないよ。それともうそろそろ授業時間だからあの子達のところに行ってあげて?」

円「あ、本当だ。ありがとう、豊姉さん」

千粒「いいっていいって♪」

円「問題は俺が子どもに受け入れられるかどうかなんだけど…」

千粒「問題ないでしょ。多分懐いてもらえるよ」

円「不安だなぁ…それじゃ、行ってきます」

千粒「いってらっしゃい♡」




読了ありがとうございますm(_ _)m。一応考察みたいな形になるんですが、ダンガンロンパの世界って毒親が多いと思うんですよ。
まず、『超高校級の才能』は2種類あるって思ってます。パターンは、
①自分の行動でなったパターン
②周りからの評価でなったパターン
③本人は何もしていないパターン
ですね。①に当てはまるのは、舞園さやかさんや、大神さくらさん、小泉真昼さんとかです。基本的に創作論破や本編だと被害者(それも単なる被害者ではない)人になりやすい…といえばわかりやすいでしょうか。この人達は親とかには恵まれてます。その分行動意欲が高いのでコロシアイの火種になりがち。
②に当てはまるのは、東条斬美さんや桑田玲音(アポ)や大和田紋土さんでしょうか。基本的にクロになりがちな人が多いんですが、生き残った際の成長は凄まじい…っていうのが定番ですね。
③は幸運枠とキーボ、円とかです。あいつらは本人はなんにもしてないけどなんか入った…みたいな感じ。主人公とかになりやすい。でも確実に何らかの豹変を起こす。起こさないで死ぬ奴はほぼいない。
この三つのうち、②の割合って圧倒的に大きいんですよ。周囲がやばい奴らとかには終里朱音さんとか、戦刃むくろさんとか…
ですから、『我が子を希望ヶ峰学園に入れたい』ってなった際に一番やらせるのは努力させることなんですよ。確実に評価されやすい項目ですから。そういう理由から毒親が多いと思うんですよ。
長々と書いてしまって申し訳ありません。
次回のキーワードは『シーフ』と『親と子供は関係ない』です。
もし誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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シーフのシーン

影蜘蛛です。超短い。許して


さて、俺は教室へ向かう道すがら、どんなことをイタズラとしてやってくるかを考えることにした。どーせ、小学生って油断は通用しないからな。

アマツ(なにせ、一応超高校級もどきですからね)

円(子供が好きそーなもんは良うわからんのよねぇ)

ま、妥当なラインとして教室の黒板消しを落とす、チョークを投げつける、扉に電気を流す…………他にもありそうだが最悪全部対応できるから良いか。

 

大門「喰らえ!」

円「()()調()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

新月「なっ…!?」

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

煙「へっ!?」

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

新月「はぁ…どうせまた僕たちを騙そうとしてらっしゃるんでしょうか?」

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

煙「ど、どうせ僕ちんと仲良くなった途端に掌返しするんだ…」

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

大門「するもなにも、魔物達の間でどうせきょーゆーされてんだろ!俺っち知ってるぞ!」

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

大門「?」

新月「すみません、そんなことしなくても充分ですので」

円「()()()()()()()

新月「どうぞやりたければご自由に」

円「()()()()()()()()()()()()()()『ことろことろ』()()()()()()()()()

 

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「「「うん…」」」

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

空木「ほ、本当にやってくれるんですか…?」

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()親に繋がれた人生は満足か?

「「「……」」」

 

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

新月「………シーフ、だよな。盗賊が裏切らない保証は何処にもない」

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

新月「()()()()()()()()()()()()()()()()

俺にそれを言った渚の目は、完全にキレていた。

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

新月「で、マジで殺るのか?」

円「()()()()()()()()()()()

新月「……そっちで頼む」

円「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

新月「……嘘はつかないよな?」

円「()()()()()()()()()

俺は教室を去っていった。さて、あいつに連絡するか。




読了ありがとうございますm(_ _)m。ちなみに次のキーワード、ぶっ飛んでるんで見りゃわかります。なので次の回のあとがきに出します。テスト勉強しながらはきついんじゃあ…
それと、『アイランドダンガンロンパ』の方がスピードがちょっと速いかも知れません。できるだけ早く仕上げますが、無理だったら許してヒヤシンス。
もし誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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両親産まれ、毒姉育ち

どうも影蜘蛛です。こ、こんな遅さでこの短さ…申し訳ないです…


俺は徒歩で幸星のところに向かった。セツナさんもいたけど、気にせず幸星と話す。

 

円「おい、電気を消して発電機壊せ。光で目が見えん」

 

幸星「…サイドはお前が?」

 

円「青い鳥に、塩かな。ところで、味方ちゃんと飲んだか?」

 

幸星「王様は下にいないから、さっさと亀になったらどうだ」

 

円「いや、今は魚になって陸を泳ぎたいんだ」

 

幸星「…Lチキとななチキはファミチキじゃないから、伝統じゃない」

 

円「だったか。なら、シーラカンスをお土産にしたほうがいいか?」

 

幸星「刺し身にするなよ。星で固めたい」

 

円「なら、あかね?」

 

幸星「ん〜…まぁ、化けてでない訳でもないからちゃんと丑でも食わせとけ」

 

円「相変わらず厳しいことで」

 

幸星「火山の噴火ではないからな」

 

円「じゃ、どっかの誰かさんが煩すぎて鏖魔になる前のディアブロスがキレただけだ」

 

幸星「太陽に月を衝突させるなよ?」

 

円「フィルムはしっかり残しとくよ。それじゃ」

 

幸星「じゃあな〜」

 

よし、じゃあ行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

以降オマケ要素(オマケ要素の方が長い)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

刹那「すまない、何を言っていたんだあれは…」

 

幸星「いや、ちょっとばかし荒事とかに巻き込まれた時用にすこし円とやっといたんだよ」

 

刹那「して、どれが?」

 

幸星「全部暗号だ」

 

刹那「それなら…もう訳がわからないのだが」

 

幸星「刹那姉様は知らねえか。まず、最初の電気。これはありふれてるからそれを消す…()()()()()ってこと。んでもって発電機は()()()()()()。だからつくるものを消すってのは()()()()。光で目が見えんってのは、光が場所、目が見えないでどこにあるのかわからない…()()()()()っていってるんだ」

 

刹那「…暗号の開始の合図もあったのだろう?」

 

幸星「その通り」

 

刹那「まぁ、流石にそれはわかる。あぁ、幸星のは言わなくていいぞ」

 

幸星「へ?」

 

刹那「だって何を言おうかなんぞわかって当たり前だろう。何をそんなに惚けている。キスするぞ」

 

んむっ…ぷはっ。

 

幸星「止めてくれ、心臓に悪い」

 

刹那「では、もっとするか?」

 

幸星「勘弁してくれ」

 

刹那「私にそっちからキスしてくるようになったらな」

 

幸星「さいですか。で、俺の言っていたことは?」

 

刹那「サイド…これは恐らく()()()()()()。そう考えれば、自然に次のお前がの意味は()()()()()となる。なら、()()()()()()()()()()だな」

 

幸星「……………まじかよ」

 

刹那「幸星の考えならば全て読み解けるさ」

 

幸星「じゃ、解説はしなくても…」

 

刹那「うるさい、幸星。やれ、やるんだ」

 

幸星「はいはい。青い鳥…これは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。んでもって塩かは…塩カ→塩化→エン…ようは円をさしている。だからこの解答は二つの意思があるってこった。で、味方ちゃんとってのは、三人の親が集まっているのかと、酒を飲んでいるかどうかの確認だ」

 

刹那「幸星の『王様は』…これは()()()()()()()。それに、『下にいない』で()()()()ことを表している。ならば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()となるのか?」

 

幸星「亀が遅くしろって意味ならな」

 

刹那「お前がイソップ童話の兎の話を好きなのを私は知っているからな、無駄な足掻きはよせ」

 

幸星「もうやだ…」

 

刹那「諦めて私のものになっておれ」

 

幸星「解説に戻る。魚は陸…()()()()()()()()()()()()()()。魚は魚類で水ん中、んで両生類は陸。進化を終わらせるくらいには急いでいるってことだ。ついでに俺が間違っててもそのままやるってのもあんな」

 

刹那「で、Lチキとななチキはファミチキじゃないから、伝統じゃない。Lチキはlady…つまり女子。幸星が知っている豊を指していて、ななチキは七星…つまり北斗刹那、私のこと。ファミチキは…うーむ、仮にファミリーと考えれば、家にはいない…か?伝統じゃないというのは関与しない。つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()、なのか?」

 

幸星「嘘でしょ…なんでこんなわかるん……?」

 

刹那「お前の十年間は私が監視している」

 

幸星「…シーラカンスは深海魚、お土産は証拠。だから()()()()()()()()()()()()()()()()()だな」

 

刹那「刺し身はバラバラになっていること、星は…犯人を表しているから()()()()()()()()()()()()()()()()とのことだろう」

 

幸星「次のやつは()()()()()()()()()()()()()()()()だな」

 

刹那「…弄りがいが無くなってきたな。その口ごと塞げばいいか?」

 

幸星「……無視してやろう。俺の次のはつげm!?」

 

刹那「……。よし、ようやく赤い顔になったではないか。さて続けるぞ。化けてというのは復讐…丑というのは丑の刻参り。()()()()()()()()()()だな」

 

幸星「っ〜!」

 

刹那「早く戻れ。こうやって抱きつかれてても問題ないんだろう?ほらほら」

 

幸星「どっかの誰かさんが煩すぎて鏖魔になる前のディアブロスがキレただけだ。これは()()()()()()()()だ、……も、もう…やめて…」

 

刹那「ああ。久しぶりに見たしな。…あとは証拠の残し方の話だろう?現場か子供に持たせるか…」

 

幸星「そこはもう現場判断にした。姉様、後始末頼む」

 

刹那「構わない。しばらく退屈しなくて済みそうだ」




読了ありがとうございますm(_ _)m。今回のキーワードは『Lチキとななチキはファミチキじゃないから、伝統じゃない』と『どっかの誰かさんが煩すぎて鏖魔になる前のディアブロスがキレただけだ』です。頭おかしい。正直この二つ入れるために一ヶ月近くかかってます。次は『渚』ですので楽です。超楽。
それと、一応外伝作品の方も読んでくれればありがたいです。こっちから読むとネタバレアクセル全開ですけど。
誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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【急募】スレ民の知恵【求ム】

どうも影蜘蛛です。なんかもうそろそろ30000UA突破しそうなんですけど。ありがたいやら悲しいやら…皆、こんなもの読む暇あったら他の方の作品読んだ方がよっぽどためになるよ!!こんなゴミの駄作なんぞ読まなくてもいいんだから!(ここまで読んでくれてる方には本当に頭が上がりません。そもそも最初の酷さを見ればわかるけど…)
とりあえず今回はスレ回。約15000UA毎に挟む予定。


1:名無しの学生

頼む

 

2:名無しの学生

あー、マイクテスト

 

3:名無しの学生

説明してもろて

 

4:名無しの超高校級

これでわかるん?

 

5:名無しの学生

 

6:名無しの学生

あ(察し)

 

7:名無しの学生

もしかしてあの人外イッチ?

 

8:名無しの超高校級

酷すぎん?

 

9:名無しの学生

DA☆MA☆RE☆

 

10:名無しの学生

おい、挑発すんな

 

11:名無しの学生

千粒様に消されるぞ

 

12:名無しの学生

>>11

なんで関係あるん?

 

13:名無しの学生

調べてこい

 

14:名無しの超高校級

豊姉ちゃん親代わり。風呂一緒に入ったり食べ合いっこさせてもらったりしてる

 

15:名無しの学生

タヒね

 

16:名無しの学生

とりあえず殺意

 

17:名無しの学生

責任持ってヤンデレに処されろ

 

18:名無しの超高校級

ヤンデレってなにそれ?教えて>>25

 

19:名無しの学生

それごときで安価は草

 

20:名無しの学生

こいつの才能is何

 

21:名無しの学生

>>20

世間知らず

 

22:名無しの学生

ksk

 

23:名無しの学生

wktk

 

24:名無しの学生

wktk

 

25:名無しの学生

お前の姉

 

26:名無しの学生

とんでもねえ爆弾ですね…

 

27:名無しの学生

あながち間違ってなさそうだと思うワイ

 

28:名無しの学生

>>27

それな

 

29:名無しの学生

前スレ安価で一度監禁決まってたからな

 

30:名無しの学生

>>29

そういやそうじゃん。完走した感想は?

 

31:名無しの超高校級

>>30

鎖で繋がれてたから両方のぼせた時大変やった。あとはそんな普通の日常

 

32:名無しの学生

ふ つ う の に ち じ ょ う

 

33:名無しの学生

虹の超普通?なにそれおいしいの?

 

34:名無しの学生

これは凄いwww

 

35:名無しの学生

アナグラムになってる…!

 

36:名無しの超高校級

話ズレるズレる。本題行っていい?

 

37:名無しの学生

ええよ

 

38:名無しの学生

どうせワイら助けになるか怪しいがな

 

39:名無しの超高校級

姉ちゃん巻き込めんししゃあない。じゃ長文なんでちと落ちる

 

40:名無しの学生

うい。いったい全体どんな悩みなんかね?

 

41:名無しの学生

>>40

どうせプレゼントとかだろ

 

42:名無しの学生

いや、勝負下着だろ

 

43:名無しの学生

いや、生理用品だろ

 

44:名無しの学生

>>41

>>42

>>43

毎に酷くなってね?あ、俺は使用済みの風呂の使い方

 

45:名無しの学生

>>44

おまいう

 

46:名無しの学生

wktk

 

47:名無しの学生

wktk

 

48:名無しの学生

前回イッチスペック誰か貼ってくれ

 

49:名無しの学生

ほい

名前:壁戸円

性別:男

身長:169

体重:46

誕生日:3月8日

年齢:16

髪色:黒

瞳:青紫色

家族構成:一人っ子

職業:門番兼学生

住所:知らん

才能:超高校級の世間知らず

身体能力:一通り武器は使える。あとムーンサルト三連ぐらい

 

50:名無しの学生

あの…嘘やろ?

 

51:名無しの学生

嘘だったら人外とか呼ばれてない定期

 

52:名無しの学生

それな

 

53:名無しの超高校級

とりあえず下の表見てくれ

悩み:今見てる小学生達の親への『家庭訪問』

理由:ほぼ確実に虐待の跡が見られる子供が多すぎるッピ…あと話が通じなさそうな奴な希ガス。虐待の種類は

・普通の暴力

・点滴打たせてまで勉強

・子供に枕営業させる

・子供の容姿に嫉妬して暴言の連発

です。上二つはギリギリ証拠が残るんだけど、他二つはちょっと難しいんだよね…という訳で知恵を借りに来ました。

 

54:名無しの学生

>>53

同級生?

 

55:名無しの超高校級

>>54

よく読め、小学生。『超小学級』の奴ら

 

56:名無しの学生

>>53

碌な大人いなさすぎだろ…

 

57:名無しの学生

>>53

家庭訪問(意味深)

 

58:名無しの超高校級

>>57

うちの生徒の活動履歴をちょっと拝見させてもらうだけですよ?返さないで警察に渡すけど

 

59:名無しの学生

これは強い(確信)

 

60:名無しの学生

>>53

虐待、か…結構証拠としては残りにくいんだよな?

 

61:名無しの学生

>>60

一応イッチが書いていた通り、暴力は体の痣でわかるし、点滴は血管を見ればわかる。んでもって、枕営業なんて証拠が残らないことはないと思う。多分枕親のスマホに履歴が残ってる可能性が高いから、回収しとけ。嫉妬親は多分親と子供を引き合わせた瞬間親の化けの皮が剥がれ落ちるんで、傷つけてもいいんだったらその方法が確実やな

 

62:名無しの学生

>>61

頭良すぎィ!

 

63:名無しの学生

コテハンつけろ

 

64:名無しの愚者

うい

 

65:名無しの学生

なんだ、ただのえーりんか

 

66:名無しの学生

えーりんえーりん!

 

67:名無しの超高校級

なにこれ

 

68:名無しの学生

暇をもて余したえーりんの遊び

 

69:名無しの学生

とりあえず行ってらw

 

70:名無しの愚者

気をつけて行ってら

 

71:名無しの超高校級

了解。えーりん今から校舎裏な

 

72:名無しの学生

まさかこいつ…

 

73:名無しの超高校級

お前も一緒に来るんだよ!

 

74:名無しの愚者

拒否権は

 

75:名無しの超高校級

俺と姉ちゃん納得させれるなら…

 

76:名無しの愚者

できる訳無いだろ!

 

77:名無しの学生

えーりん御臨終

 

78:名無しの学生

合掌

 

79:名無しの学生

パンッパンッ

 

80:名無しの学生

判決 家庭訪問同行

 

81:名無しの愚者

私も同行しよう

 

82:名無しの学生

ついでに花京院の魂を賭けよう

 

83:名無しの学生

>>81

>>82

ノリノリで草

 

84:名無しの超高校級

えーりん借りてきます

 

85:名無しの学生

あ、どうぞどうぞwww

 

86:名無しの学生

こいつ運動してないんでwww

 

87:名無しの学生

なんなら非モテなんでwww

 

88:名無しの学生

>>85

>>86

>>87

フルボッコだどん!

 

89:名無しの愚者

イッチ、今私を掻っ攫って

 

90:名無しの学生

ほらテイク・オン・ミー!

 

91:名無しの超高校級

《Live》

 

92:名無しの学生

ガチで掻っ攫われてんの草

 

93:名無しの学生

こっから家庭訪問

 

94:名無しの学生

楽しみ

 

95:名無しの学生

wktk

 

96:名無しの学生

wktk

 

 

 

スレ民から許可をもらった俺は、鋭龍ことえーりんを掻っ攫っていた。

 

水影「あれま。本当に掻っ攫われちった」

 

円「できるからな。有言実行ってやつさ」

 

そういいながら俺は空を翔ける。足痛くなるんよなこれ。

 

水影「さて、僕は何手伝えば良いのかね?」

 

円「簡単だ。銃の弾除け」

 

水影「突撃ぃぃ!」

 

円「必要ねぇけどなwww」

 

水影「銃持ってないしなwww」

 

どうやらこっちが本性のようだ。

 

円「おう、お前まじでなにもんだ」

 

水影「のらりくらり、あるいはぬらりひょん?」

 

円「答える気は無しと。スレ民野郎が」

 

水影「うるせぇなwもうそろそろじゃねーの?」

 

円「その通り。あそこだな」

 

水影「なんか用意した方がいいのある?」

 

円「錬成で作るからいい」

 

水影「俺を呼んだ意味is何」

 

円「渚の親ちょっぱやで運んどいて」

 

水影「了解www」




読了ありがとうございますm(_ _)m。


水影鋭龍
えーりんの愛称でスレ民に親しまれてる。だから愚者。前回スレで出せんかったから今回無理に出した。
次回のキーワードは『一周年』。そういやこれ初投稿から一周年経ってるのか…と喜ぶべきなのか。それとも文章の作成してるレベルが変わってないのを嘆くべきなのか。判断に迷います。結局何回か変わってますしねー、影蜘蛛。早く終わってほしい今日このごろ。
もし誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。


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