【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く2 (タラバ554)
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1 おじさん引き継ぐ

おじさんは帰って来た

このオラリオに!

 

うひょー! 待ってろヘスティアちゃん!

とか思ったら

ガネーシャファミリアに捕まりました

何でや!

 

「おじさん……ロキファミリアから捜索願が出されている。大人しくしておけ」

 

何でロキちゃん所?

 

◆◆◆◆◆

 

「おう、おじさん……良く戻ってこれたなぁ……」

「ロキちゃんやっほ、何で胸ちっさくなってんの?」

「ムギー! 誰が無乳やボケェ! おじさんこそウチの酒飲みまくって姿晦ましおってからに! 今日と言う今日は許さんで!」

 

話が見えない

 

「ええか! この間言った通り! 1か月の謹慎! それと同時に町の清掃を毎日や!」

 

ぶちきれロキちゃんが顔真っ赤にして帰って行った

えぇ……コレは流れでロキファミリアに行く感じなの?

 

◆◆◆◆◆

 

何かゴミ見る様な目で女性団員から睨まれてるんだけど……おじさん何かしたっけ?

 

「何かしたっけ? やとぉ!?」

「ロキ、落ち着いて」

 

フィンにロキちゃんが羽交い絞めされてる

あんまり怒ると血圧高くなるぞー

 

「フィン! やっぱコイツ反省全くしとらんで!」

「まぁそうだね。おじさん、頭冷やしてくるって話は嘘だったのかな?」

 

いや……何言ってるかおじさんはさっぱりなんですが……

 

「「「……」」」

 

「ロキ、これはちょっと……」

「おじさん、ちょいコッチ来ぃや」

 

◆◆◆◆◆

 

「さて、どこから確認しようか」

「そんなもんおじさんに喋らせた方が早いやろ」

「それもそうか。おじさんすまないがファミリアからでて此処2週間の事を教えてくれないか」

 

2週間? ホテル暮らしだけど

 

「オラリオに居たのかい?」

 

いや? おじさんの地元

 

「?? おじさんは帰れないからダンジョンに潜ってたんだろう?」

 

???? いや、ウォーゲームで見せた魔法で帰ったが????

 

「「「……」」」

 

えぇい話が全くかみ合わん! そもそも何でおじさんはロキちゃん所に連れてこられたんだ!

 

「何言うとんねん! 自分所のホームに戻ってくるのがそんなにオカシイんか!」

「おじさんはロキファミリアじゃないだろうが!」

「「……はぁ?」」

 

◆◆◆◆◆

 

「んなぁ!? 何でおじさんのステイタスがドチビの所になっとんねん!」

 

だから言ったじゃん、ヘスティアファミリアだって

 

「いや、ちょいまて! ウチの知っとるおじさんはLv3やぞ! なんでlv2成り立てになってるんや! しかもスキルが全然違うもんになっとる!」

「元のスキルも大概だったけど……これもまた……」

「ちょい待ち、コレ、コレだけ共通しとる。スキル【引継ぎ】」

 

おじさんそんなスキルは持ってないぞ?

 

「でもロキ、これ死にスキルって言ってなかったかい?」

「ウチが見た時はほぼ何の意味も無かったけど今はアクティブになっとる……」

「おい、おじさん。 この【引継ぎ】スキル、ウチが触るのがトリガーみたいやけど……ええか?」

 

良く分からんけど必要なら良いよ?

 

「そんならいくで」

 

ほぎゃあぁああああああああああああああ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼

 

◆◆◆◆◆

 

翌日、ロキファミリアの一室で寝ている筋肉痛のおじさん

引継ぎスキルのトリガーをONにした瞬間襲ってくる「あるはずの無い記憶」、行った事の無い「経験」

結局直ぐに気絶して部屋に運び込まれたらしい

そして隣にいるティオナちゃん……

 

「おじさん起きた?」

 

起きました、体が痛いです

 

「起きたならリヴェリアに謝っときなよ、多分許してもらえないだろうけど」

 

あ~~~~、うん。そうする~。

 

「珍しく素直だね? 揶揄わないし」

 

腕を振ってティオナちゃんの退室を促す

ドアが閉まって一人になったので力を抜く

 

理解した。

理解してしまった。

 

ここはおじさんとは「別のおじさん」が居た世界で、尚且つ別のおじさんが既に他界している事。

引継ぎスキルでおじさんが引き寄せられた。

その際に記憶と経験、一部ステータスを貰った。

 

ここまではいい……。

 

めっちゃ女に手を出しまくってる……。

 

何してるの別のおじさん~~~~~~‼‼‼‼‼




酸いも甘いも噛み分けたおじさん

だがそれは別のおじさんだった

次回、おじさん刺される

流れるのは血か、それとも……


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2 オラリオの種馬おじさん

おじさんは掃除をしています

清掃活動中です

なので刀剣類を投げるのはおやめください

 

「やめろって言ってるでしょうが! リヴェリアちゃん‼‼‼‼」

「誰がちゃん付けして良いと言った!!」

 

ダイレクトアタックは止めて! lv差で殴ってくるのは卑怯よ!

 

◆◆◆◆◆

 

記憶を引き継いで分かった事は、別のおじさんは割とコミュ症気味だった

でも人の心の隙間に入り込むのが割と得意……処世術だったのだろう

そして初めのうちは良かったが文明レベルの低さと生活の質のギャップ

帰れる見込みが全く見当たらず……女に逃げた

 

分からないでもない

おじさんだってそういう面はある

 

でも死後の後始末を別のおじさん……つまりおじさんに押し付けるのは違うと思うな!

 

おじさんは女性であれば綺麗という感性だが、こっちのおじさんは顔が良いor肉付きが良い女性が好きだったっぽい

つまりエルフスキー

そしておじさんだから分かる共通点があった

 

別おじもスキルとして持ってたのだ「強制幸福」

結果、別おじは女泣かせになった

今まで幸福脂肪は使っても強制幸福部分は意図して使わなかったが別おじの経験を得たおじさんも同じことが出来てる様になってしまった

 

若干……若干ワクワクしてる自分が居る事は否定出来ないが、おじさんはハッピーエンドが好きなのでNTRとかハーレムは好きじゃないのよ!

ハーレムとかおじさん絶対対応しきれない!

 

なのでお願いです。おじさんを磔にするのはやめてくださいリヴェリアちゃん

 

◆◆◆◆◆

 

逆さに吊るされて20分

おじさんはもうダメかもしれません

あっ、鼻血出てきた

 

「相変わらずリヴェリア様を怒らせているんですか?」

 

あー…………誰だっけ?

 

「んなぁ?! レフィーヤ! レフィーヤ・ウィリディスですよ! 忘れたんですか!?」

「………レフィーヤちゃん! 思い出した!」

「忘れてるじゃないですかぁ!」

 

◆◆◆◆◆

 

レフィーヤちゃんに下ろしてもらって町の掃除を再開する

 

「あの……」

「どしたの?」

「何時もと反応が違うな……って、何時もなら動けるようになった瞬間に飛び掛かってくるので」

 

目をつぶり思い返せば、まるでルパ〇ダイブをする様に飛び掛かる自分

触れた瞬間に強制幸福発動させて一切の抵抗を許さない

止めに来た奴にも強制幸福で大惨事

……思い出せば出すほど頭がいてぇ……

 

「ふはは、はぁ……きっとおじさんもココロヲイレカエタノサ」

「そうですか……きっと町の平和的にはソレが良いでしょう」

 

ところでレフィーヤちゃんは何でこんな所に?

言葉に詰まって顔赤くしとる。そんな口をパクパク金魚みたいにしてどうした?

 

「あ、アルクス・レイ!!!!」

 

おじさんは爆発した

 

◆◆◆◆◆

 

ただいま……

 

「おう……めっちゃ汚れてるやん。食事の前に先に風呂行ってきぃ」

 

そうする……

 

「何で町の清掃であんなに疲れてボロボロになるんや?」

「ロキ……」

「アイズたん! どないした?」

「お風呂って今女湯だよ」

「……ア”」

 

「「「「「「「キャーーーーーーーー!!!」」」」」」」

「お”わ”あああああーーーーーーーーーーーーーーーーーー‼‼‼‼‼‼」

 

◆◆◆◆◆

 

「つまりアレは態とではなくロキのミスと?」

「何でおじさんが態々覗かなきゃならんのよ」

「だってしょっちゅう覗いてたろ? お風呂」

「の……覗いてたー! コンチクショー! 別おじーーー!!!」

「うーん、ロキ。実際の所どうなの?」

「あ~、まぁウチが風呂行ってこいとは言うたな」

「はぁ、じゃぁコレは不問とするか」

 

おじさんは癒されたくて来たのに……なんでこんな苦労ばかりするんだ……

 

「前世での徳が足りてなかったとちゃうんか?」

 

ぷっちーん、原因のロキちゃんがそんな事言っちゃうんだ?

ほー? ずいぶんと余裕ですこと!

 

「なっ、何や急に」

 

なぁフィン。明日暇?

 

「明日かい? 夜なら時間空けれるけど」

 

よーし! 明日おじさんとフィンで晩酌な! ロキは参加しても酒は絶対やらん!

 

「なんや、ソレくらい別に構わんで。ウチは最近手に入れたソーマがあるしな」

 

じゃあおじさんはこの後直ぐに地元戻るから。戻るのは明日の晩ね!

 

◆◆◆◆◆

 

ロキ……吐いた唾は飲ませんぞぉ




おじさんとおじさんが交わり新たなるおじさんが生まれる

次回、おじさん新生

人は言葉という暴力を使う


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3 おじさんの晩酌

戻ったぞー! フィン! 飲むぞ!

 

「やぁ、おじさん。ついでにガレスも誘ってみたよ」

「なんじゃ、珍しくフィンが誘うと思ったらこやつ絡みか」

 

おっとガレス……ふむ……まぁいいんじゃないの?

 

「それにしてもお主、でかい荷物背負ってなんじゃそりゃ」

「異世界の酒」

「「異世界の酒?」」

 

◆◆◆◆◆

 

晩酌は全員が引き払った食堂で行う事になった

そしてテーブルに並べる酒・酒・酒!!!!

どれもこれも資金にモノを言わせて即買えるものを大量購入

因みに使用した金額合計約180万

くっそ高い酒を買ってきた

因みにNewソーマVer1.0.0もある(ソーマ君からちょっと貰ってた)

 

「おっほーーー! 何じゃこりゃ! 今まで飲んだもんとまるで違う! 雑味が全然無い。味が直接頭を殴ってきおるわい!」

「これは凄いね……お酒に詳しい訳じゃないけど。僕でも良い物って分かるよ」

 

うむ、そんな二人にはカチ割りを出す

 

「「氷?」」

 

そしてソレに合うおつまみ

今回は乾物を中心

魚介やナッツ、チーズ、干し肉など

 

「これ……遠征に持っていけないかな」

「おい、フィン、止めろ。普段の遠征が苦痛になるじゃろが」

 

ついでにレトルト食品やら缶詰も出してやろう。

缶詰の汁はお茶碗に軽くよそったお米にかけてスプーンと共に渡す

 

「おっほ、こりゃまた……」

「あー、この冷たい酒とよく合う……」

 

そして手っ取り早く酔いたい定番のストロング系も試しに持ってきた

おじさんも一緒にいただく

 

「「「あ”あ”~~~、うまい」」」

 

◆◆◆◆◆

 

ソコからは男三人でドンチキ騒ぎ

暫くしたらリヴェリアとロキがやって来た

 

「何や、こんな所で飲んでたんか?」

「珍しい面子だな」

 

「おう、ロキにリヴェリアか。ちょいとこ奴の地元の酒を味わっとるのよ! これがまた凄いぞ! 普段飲むもんとは別もんじゃ!」

「ほっ…ほぉ~?」

「しかもこのツマミが良くてね……乾物も良いけど僕はこの貝の缶詰が好きだなぁ」

「(ゴクリ)」

「リヴェリアも飲んでみる? リヴェリアならおじさんのお勧めはコレ。 『サングリア』果実入ってるからエルフでも飲みやすいんじゃね?」

「ほう、そんなものがあるのか……折角だ、貰おう」

 

リヴェリアが飲んでる間にクラッカーとチーズ。それとナッツを出す。ついでにチータラ。

 

「……凄いなコレは、ガレスが言う意味が良くわかる。雑味が全く無い。ワインにオレンジ、ベリー、後は香草の類か?」

「やっぱエルフって素材感じる舌の能力たけー。おじさんだと『うまい』位しか感想でないぞ」

「お前はもう少し味を楽しむ事をしたらどうだ?」

 

おじさんの隣にロキがすり寄って来た

 

「なぁなぁおじさん、ウチにもちーっと飲ませてくれへん?」

「嫌どす」

「んなんでぇな~! ええやんか少しくらい!」

「だってロキはソーマがあるでしょー!」

「いやや~~! ウチも飲みたい~~~~! 飲ませろ飲ませろ飲ませろ飲ませろ飲ませろ飲ませろ~~~~~~!!」

 

めんどくさっ

 

「じゃあおじさんのこの恩恵どうにかしたら飲ませてあげる」

「ステイタスを……」

「だっておじさん未だに恩恵と所属が中途半端じゃん? 恩恵はヘスティアファミリアなのに所属はロキファミリア。そして主神は犬猿の仲。コンバージョンするにしてもヘスティアちゃんの手がいるでしょ」

「それはそうやけど~~~! それでもドチビに頭下げるんは嫌や~~~~!」

「そっ、残念だ。異世界のお酒ってソーマより旨いのに」

「なんやと!?」

「昨日の内に確認したけど市場流通してるソーマの未完成品を分かりやすく言うとlv1、完成品がlv2、んで今出してる酒がlv3~4前後」

 

ロキの喉が鳴る

 

「更に更に! お値段はヴァリスにして約1800万!」

「「「「1800万!?!??!」」」」

「ついでに今ならソーマ君が作った異世界の技術を利用した正式版Newソーマもあるよ」

 

次の瞬間、ロキは宙を舞った

そしてテーブルの上に華麗な着地をする

 

「犬とお呼びください」

 

土下座という着地を




酒を飲み、恥を捨て、やがて人は和を作る

次回、おじさんの邂逅

例え世界を跨いでも縁は続くもの


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4 おじさんうぉんてっど

やって来ましたヘスティアファミリアホーム!

 

やぁヘスティアちゃん!

 

「げぇ! おじさん!!」

 

げぇ?

 

「そっ、その……君は何と言うかボクの主義に反するというか……というか何だいロキまで一緒に」

「おう、ドチビ」

「ロキー?」

「わっ、わかっとるわ……ヘスティア……一回しか言わんぞ」

「なっ、何だよ」

「おじさんのステイタス更新を手伝ってくれ。お願いします」

「……は?」

 

◆◆◆◆◆

 

「つまりおじさんは異世界の住人で、オラリオに迷い込んだ末にロキファミリアに入った。何だかんだでlv3になったけどダンジョン、又は何処かで亡くなったけどスキルの影響でおじさんとは別のおじさんが呼び込まれた」

「そうやな」

 

うんうん

 

「そして呼ばれた別のおじさんはロキの所じゃなくてボクのファミリアに所属していたと……」

 

全くもってその通り

 

「そいう訳や、ステイタスの更新頼むで」

 

「頼むで。じゃなーーーい! ムチャクチャ過ぎるだろう! 何か証拠でもあるのか!?」

 

はい、背中の恩恵。ヘスティアファミリアの奴。

 

「ぴょ!?」

 

ついでにヘスティアちゃんの指示でノーパソに作ったベル君フォトライブラリ

 

「うぬっひゃぁ!!!」

 

でもってベル君と一夜を共に過ごそうとした時の写真がコレ

 

「「ちょっとまてぇ!」」

 

「何!? 君の所のボクはベル君と、いっ、一夜! 一夜を過ごしたのかい!?」

「いやソコやないやろ! なんでこのドチビの背が伸びとんねん!」

 

スキルで

 

「「そんな訳あるかぁ!!!!!!」」

 

◆◆◆◆◆

 

めんどくさいので二人に幸福脂肪を施術

ロキはGカップ

ヘスティアは身長160cm

 

「ゆっ、夢やない……ウチに山脈がある」

「おぉお……床が遠い。慣れないとちょっと怖いかも」

 

泣くほどか?

 

「おじさん! これの有効期限は!?」

 

いや……前のオラリオじゃおじさんが再度弄らない限り戻らなかったけど

 

「勝った! ウチは人生の勝利者になったんやーーーー!」

 

んで、ヘスティアちゃん。おじさんのステイタス

 

「するする! 更新位いくらでもするよ!」

「ホンマはコンバージョンしたかったんやけど……恩恵刻んで微妙に一年経ってないらしいからな」

「そうなんだ……というかおじさん君が良ければウチに来てくれて良いんだぜ!」

「んなぁ! ドチビ! 何言っとるんや! おじさんはウチん所の所属やぞ!」

「でも背中の恩恵はボクの所じゃないか」

「じゃかしぃ! ドチビ、調子に乗ったら潰すぞ!」

「ほ~、なら主神命令だ! おじさん君! ロキの胸を元に戻したまえ!」

「ちょぉ!?」

 

いやっ、うーん。確かにヘスティアちゃんが主神だけど従う義理は今の所無いかなーって。

 

「んなぁ~!?」

「っは! おじさん! ドチビの身長を元より小さくしてまえ!」

 

ロキに対しても特に従う気は無いんだけど……

 

「「じゃあどうやったら言う事聞くんだ!!」」

 

……戻そうか?

 

「「ごめんなさい」」

 

◆◆◆◆◆

 

「それじゃ、更新するよ……OK。更新完了だ」

「ちゃんとロック掛けろよドチビ」

「うるさいな。解ってるよ」

「絶対解ってへんやろ! おじさん見つけた時、フルオープンやったぞ!」

「それは別のボクだろ! ボクじゃないやい!」

 

頼むからおじさんの背中の上で騒ぐのは止めて

 

「じゃぁおじさん君、コレが君のステータスだよ」

 

全員で確認する

 

◆◆◆◆◆

 

異世界おじさん

 

Lv.2

 

《基本アビリティ》

力:I0 → B771

耐久:I0 → A806

器用:I0 → H151

敏捷:I0 → F380

魔力:I0 → H90

 

《発展アビリティ》

激運:S+++

魔導:I

狩人:E

対人:D

耐異常:B

 

《魔法》

【テレポート】

・対象を唱える

・対象へ跳ぶ

・派生詠唱【ワールドテレポート】

 ・世界を超える

 ・日に一度のみ

 

【トラベラー】New

・荷物を格納

・貯蔵量により魔力消費量増加

 

《スキル》

【幸運脂肪】

・シボウを操る

・あらゆる害悪から体を守る

・害悪に対する自動カウンター(相手のステータス依存)

・同意がある場合に限り他者のシボウを操れる

・強制幸福

 

【庇護脂肪】

・シボウ操作した者のステータスを上昇(任意)

・最大10段階

・体質操作可能

・シボウ消費でサイセイ → シボウ消費で超サイセイ New

・庇護対象カンチ

 └庇護対象に関する行動時にステータス補正

・スキル使用時に魔力消費

 

【引継ぎ】New

・シボウ時に同存在を呼ぶ

・スキル/アビリティ/ステイタス/記憶の継承

・トリガー【ロキ】

 

◆◆◆◆◆

 

なんか色々増えてる

 

「なぁロキ、これ普通?」

「んな訳あるか! おじさんが持ってたスキルなんてこの幸福脂肪に取り込まれた「強制幸福」っちゅースキルと引継ぎだけやったんやぞ。何やねんこの規格外のレアスキルと魔法のオンパレード」

 

いや、ちょいまち。2個目の魔法はおじさんも知らんが?

 

◆◆◆◆◆

 

色々とすり合わせしてみた結果、どうやら元の世界で追いかけまわされた事が原因で生えた魔法っぽい

凄く複雑な気分

 

「というか耐異常:Bって中々聞かないんだけど」

「あぁ、そりゃおじさんが毎食毒食わされてたからや」

「はぁ!?」

「そりゃそうやろ、女とっかえひっかえ。人の女だろうが関係なし。酒は飲むし外食もする。歓楽街行けば毎回殺傷傷こさえて帰ってくる。耐異常と対人が伸びもするわ」

 

クズやってるな別おじ……今や他人事じゃないけど

 

◆◆◆◆◆

 

「じゃぁおじさんは偶にボクの所に来てステイタスの更新」

「普段はウチん所で活動や、正式なコンバージョンに関しては一旦保留でええな」

 

うぃ~~~

 

「よし! 帰ったらまたNewソーマとおじさんの酒飲むで!」

 

◆◆◆◆◆

 

帰った時には酒は全部ガレスが飲み終えてました

強請られても嫌~

だって買いに行くのに往復2日かかるんだぞ!

 

◆◆◆◆◆

 

翌日、渋々買い出しに行ったらおじさん指名手配されてた

ワロスwwww

 

 

 

何で!?




逃げ道は閉ざされ、闇が覆うだろう

それでも光を求めて足掻くのは愚者なのか

次回、おじさんの道

障害が道を塞ぐ時、勇気が試される


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5 おじさんとサポーター

寝付けないので一話だけ書いた


どうやら本格的におじさんの動画や治療された人

それに事故現場の検証がされたらしい

 

化学的に調べて映像分析してもなお分からない

なら捕まえて聞き出そう

 

アホか

 

今回の件でネットはお祭り騒ぎ

 

スレが色々立ってる

 

【異世界おじさんを捕まえろ】

【異世界おじさん目撃情報】

【異世界おじさんの足跡】

 

おじさん現代のUMA扱い

 

宗教家からも狙われてるらしい

おじさんの力は神の奇跡だとか

 

……ノーコメント

 

でもつかまりません

もう自重止める

 

全力で走ると自動車とためはれるのだ

人の足じゃ無理よ

という訳でお酒売り場を張ってたyoutuberの人達よさらばじゃ!

 

◆◆◆◆◆

 

「ロキただいま」

「おほーーー! 待っとったで!」

「それじゃ出すぞ【トラベラー】」

 

空中からにゅっと酒が出てくる

ソレ等を次々とロキの机、テーブルに並べて敷き詰める

何か感覚的には家一軒くらい入りそうな気がする

 

「ロキ、代金くれ」

「は? おごりじゃないんかい!」

「じゃあコレ等はファミリアの皆に買ってもらう、ガレスは払ってくれるだろうし」

「ワー、払う! 払うて!」

「はー、敵わんわ」

 

◆◆◆◆◆

 

ロキが買ってきた酒を飲んでる横でノートパソコンをぽちぽち

 

「ロキ」

「んー? 何やー♪」

 

もっとNewソーマ飲みたく無い?

 

「そこ所詳しく」

 

◆◆◆◆◆

 

数ヶ月ご

 

「カウンタばー「のんだくれ」開店やーーーー!」

 

冒険者通りの一角に立てた小さい店。座席数僅か8席。

会員制でロキファミリアの紹介必須

ヘスティアファミリアは入店OK

 

従業員はアスフィちゃんです

基本ワンオペです

 

「何で私が……」

 

……裏帳簿……差し押さえ

 

「はい! 喜んでやります!」

 

◆◆◆◆◆

 

やほーミアハさん

 

「おや、おじさんじゃないか。ナーザなら居ないぞ」

 

いや、今日はミアハさんに商売の話をしに来た

 

「私にか?」

 

YES!

 

◆◆◆◆◆

 

ヘファイストスファミリアの前を通りがかった……

別おじは此処でタワーシールドとブロードソードを買って前衛してたっぽい

おじさん棒と盾のメンテナンスは……諦めるよう

こっちじゃおじさんとヘファイストさんの縁は無い

 

◆◆◆◆◆

 

ちょーっと気になる事があったのでヘスティアファミリアにお邪魔した

 

という訳で! こっちのベル君よろしく!

 

「よっ、よろしくお願いします」

「あ~、おじさん君。ベル君はまだlv1だからムチャはしないでくれよ」

 

え? 無茶はベル君の為の言葉では?

 

「そんな訳ないだろ!」

 

えぇ~、おじさんがしってるベル君って無理無茶無謀を押し通して来た子だけど……OK、じゃあベル君が頑張ったらアイズの情報教えるよ

 

「頑張ります!」

「ベル君!?」

 

◆◆◆◆◆

 

ダンジョンにて

 

んじゃベル君は最近魔法覚えた?

 

「はい、【ファイアボルト】って奴です」

 

そこらへんは変わらんのか……

 

「へ? 変わらないってのは?」

 

いやいや、とりあえず8階位まで行こうか

 

「はい!」

 

◆◆◆◆◆

 

後日ギルドの資料を漁ったが……リリちゃんは……居ない

ソーマファミリアはある……でもリリルカ・アーデは存在しない?




北風が旅人を冷やし、太陽が旅人を温める

孤独を纏う旅人の心は……

次回、おじさんとタイムパラドックス

歩くことを止めてしまえば待つのは絶望だろう


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6 おじさんと革命

オラリオで酒場や薬屋での取引を始めて情報集めに錯綜してみたが

おじさんの知ってるオラリオとちょっとずつ違った

イシュタルファミリアはあるがフリュネちゃんが居ない

ソーマファミリアはあるがリリちゃんが居ない

ヘファイストスファミリアにはヴェルフ君が居ない

ロキファミリアも……ベート・ローガが居なかった

 

別世界だから。これだけで納得していいのかが分からない

 

兎に角地盤を固めながら情報収集は怠らないで行こう

 

◆◆◆◆◆

 

……ベル君の成長がおっそい……

 

おじさんと一緒にダンジョンに行き始めて数か月

 

前のベル君ならぼちぼちlv3が見えてる位にはダンジョンに潜った……

 

何か決定的に見落としてる気がしてならない

 

◆◆◆◆◆

 

ベル君に誘われて豊穣の女主人に来ました

 

「あ」

「おじさん? どうしたんですか?」

 

見つけました、リリルカ・アーデ。見た目は自分が知ってるリリルカ・アーデ。

でも身長が……庇護脂肪使った身長じゃん……パルゥムじゃない?

 

◆◆◆◆◆

 

軽く話したらヒューマンでした

ヒューマンの18歳

冒険者ですらない

謎が深まる

 

改めてヘルメスファミリアに相談(お願い)だ

 

◆◆◆◆◆

 

ばー「のんだくれ」にて

 

「という訳でより一層探してね」

「おいおい、おじさん。いくら何でもヒントが無さ過ぎるぜ。それじゃぁ探しようが無い。

 せめてもっと情報無いのかい?」

「難易度が高い分、料金は弾むからよろしく」

 

「行っちゃった……アスフィ」

「はい」

「ファミリアの優先順位を一時変更だ。おじさんからの依頼を最優先」

「ギルドからの依頼は……」

「そっちは1/3の子達を回してくれ。他はおじさんの依頼に当てる」

「頭の痛い話です……」

「いやーっ、『オラリオ一闇派閥に近い男』に首根っこ掴まれるとはね。まいったまいった」

「それもこれもアナタのせいでしょうがー!」

 

◆◆◆◆◆

 

ディアンケヒトファミリアにて

 

「えーっと 居た居た。おっす、ディアンケヒトじじさん」

「なんじゃお前か、ワシの所に来るなぞ珍しい」

 

ちょいと商談しない?

 

◆◆◆◆◆

 

ロキファミリアにて

 

うーむ

そもそもロキファミリアがミノタウロスを逃がした記録が無い

困ったな……おじさんが探れる資料なんてこの辺までだぞ

ヘスティアちゃんとの約束もベル君のステイタスがある程度伸びたから見守り隊はお終いだし……

打てる手が無くなって来た……

 

しゃーない

 

「ロキー」

「おじさん……今度は何や」

「ちょっと同盟作るから」

「同盟?」

「そう! おじさん同盟!」

「お前とうとうイカレたか? あ、いや。元からやこの子」

「因みに第一使途はロキね、その代わりHカップに増量しちゃる」

「おっぱい同盟賛成や!」

 

◆◆◆◆◆

 

バベル前にて

 

「ウラノス! 神の力の行使や! 許可せぇ!」

「……許可する」

 

「あー、テステス」

 

諸君!

 

おっぱいは平等ではない

おっぱいが大きいもの

おっぱいが小さいもの

美しいおっぱいを持つもの

ちょっとたれ気味なもの

形も、色も、大きさも

おっぱいはみな違っている

 

そう、おっぱいは差別される為にある!!

 

だからこそ人は争い、競い合い!

そこに新たな属性が生まれる

 

不平等は悪ではない

 

理想のおっぱいを決めつける方が悪なのだ!

 

形を重視したエレボス・ファミリアはどうだ

みんな同じ形ばかりで面白味に欠けている!

 

大きさを重視したタナトス・ファミリアはおっぱい星人ばかり!

 

だが、我がおじさん同盟はそうではない!

 

争い、競い、常に新しいおっぱい属性を生み出しておる!!

 

おじさん同盟だけが前へ

未来へと進んでいるのだ

 

我が主神ロキを見ろ! おじさん同盟が新しいおっぱいを生み出しているという証!

 

戦うのだ

 

競い!奪い!獲得し!支配する!

その果てに求めるおっぱいがある!

 

集え!おじさん同盟の名の下に!

 

オールハイル・おっぱい!!!!!

 

「「「「「「「「「「オールハイル・おっぱい!!!!!!」」」」」」」」」」

 

◆◆◆◆◆

 

オラリオの勢力一位はおじさん同盟……改め、おっぱい同盟だ!




劇薬は時に命を生かすだろう、だがリスクもある

秤にかけられたモノはどちらに傾くのか

次回、おじさんと信者

おじさんの命は……軽い


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7 おじおさんのお仕事

おっぱいで繋がった同志の絆は強い

おじさんはソレを時に支え、繋ぎ、必要であれば手を加える

悩めるものに導きを

 

今日も子羊を導くお仕事です

ただし1日10名まで

 

◆◆◆◆◆

 

「そんで? 肝心の探してる子は見つかったんか?」

「それが全然」

「何や、あれだけ色々と手を打って成果無しかいな」

「ん-、無駄って訳じゃないけど色々と分からんことが増えた」

「例えば?」

 

三大クエスト

残り1体というのは同じだが対象が光竜

ダンジョンの内容が違う、なんなら出てくるモンスターも違う

 

「おじさんが知っとる三大クエストは?」

「黒竜」

「まるっきり反対やな……」

 

◆◆◆◆◆

 

ロキファミリアの遠征におじさんも参加することになった

後発のサポーター役らしい

ミアハファミリアに頼んでおいた新薬、高濃度のマナポーションを受け取ってベルトとトラベラー内部に収める

目指すは18階層、迷宮の楽園

 

◆◆◆◆◆

 

確かに迷宮の楽園に到着したが……豊かな資源は無く、冒険者の町も当然無い

目の前に広がるのは枯れた森に淀んだ水……

セーフティゾーンには違いないが補給出来るものは特に無い

どうやら此処まで得た魔石等は引き返す第3班に持たせて1・2班が先に進むらしい

おじさんは2班……前なら2班で前衛だったが、lvが下がったのとトラベラーの取得でサポーターになった

念のためにおじさん棒と丸盾を腰に下げ、別おじの獲物であるタワーシールドとブロードソードも持っている

 

18階層を念のため調べたけど、黒いゴライアスが出た等の情報/痕跡共に無い

 

◆◆◆◆◆

 

50層に到着した

 

道中では隊の後ろに位置取って敵との交戦を避けていたおじさんだが、何度かデーモンに絡まれて手足を切られた

まぁ斬られたおかげで後衛守れた。ただおじさんストライクはダメだ。少なくともヘファイストスさんから貰った盾じゃないとおじさんストライクに耐えれなかった。

おかげでタワーシールドは50階層に到着する前に潰れてしまった。

庇護脂肪で手足を再生してるんだけど……そのせいでおじさんのお腹が大分凹んでしまった

正直お腹が減ってしょうがない

 

「フィン、おじさん地上に補給しにいって良いかな」

「補給って事は50階層へもテレポートが出来るって事で良いかな」

「大丈夫そう、起点はラウルで良い?」

「あぁ、武具の整備もあるから、そうだな……2日、その間に追加の物資を宜しく」

「あいよ~、んじゃ行ってくる対象:『ロキ』【テレポート】」

 

◆◆◆◆◆

 

1日後

 

「ただいま~って……何この惨状」

「おじさん、お帰り。補給物資は?」

「メモ書き通りポーション類と追加の魔剣、それと食料」

「ありがとう、それと申し訳ないけどもう一度補給お願いできるかな」

「ほ?」

「ちょっと新種の魔物が出てね……武器の損害が大きい、予備の武器を頼めるかい」

 

周りを見回してみればキャンプの半分以上がつぶれていたり、焼け焦げてしまっている。

 

「……メモに書いてもらっても良いか? おじさん覚えきれそうにない」

「あぁ、と言っても持ってくるのはそんなに多くない。ちょっと厄介なモンスターでね。デュランダル付きの予備具を持ってきて欲しいんだ」

 

◆◆◆◆◆

 

翌日

 

「フィン、持ってきたぞ」

「よし、最低限……51階層だけでも様子を見る。全員に武器を配って通路を開けろ! おじさんは手筈通り50階層で待機。いざという時の回復は頼むよ」

「? ようわからんが欠損なら治す」

「頼んだ」

 

◆◆◆◆◆

 

2日後

 

探索PTが帰って来た

全員が四肢を少なからず失っている

庇護脂肪で最低限直していくが脂肪という名のエネルギーが足りない

おじさん側の脂肪も使って直すが自分の欠損を治すときに使ったせいでもうおじさんもガリガリに近い

 

「おじさん……再生は最低限動けるだけで良い……本格的な治療は地上に上がってからだ」




挑むは迷宮最下層

待つのは悪意か、それとも……

次回、おじさんの補給

満たされぬ飢えは争いを呼ぶ


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8 おじさんとダイエット

「という訳で、今回の遠征は失敗だ。ロキ」

「そうか……残念や、けど皆が無事で良かったで」

「おじさんには無茶をさせてしまった」

「……あれ、ホンマにおじさんやったんか。痩せすぎて分からんかったで」

「さすがにロキファミリアの主要メンバー殆どが部位欠損をした状態でオラリオに戻った……なんて噂は立てたくなかったからね」

「なるほどな。で? おじさんは今どないしとるんや?」

「確か食べて寝るって言ってたよ」

「食っちゃ寝かい!」

「ポーション代と思えば遥かに安いさ」

「せやけど……っは! これ究極のダイエットとか言えば儲かるんやないか?!」

「命と体型じゃ天秤が釣り合わないだろ」

 

◆◆◆◆◆

 

オラリオに到着する3日前

 

「めっちゃ腹減った……」

「おじさん痩せたちゃったね。まるで枯れ木みたい。背負う分には良さそうだけど」

「なんで私が……せめて団長なら良いのに」

「すまんティオネ」

「あはは、僕らの中で欠損が全くないのは君位だからね」

「いえ、団長のお役に立てるのはうれしいので!」

「しかし……おじさんのスキル。そこまで消耗が激しい類だったか?」

「リヴェリア……普段は体の脂肪を移動させるとかがメインだから消耗も微々たるもんだったのよ……欠損になるとどうしても脂肪を消費しての再生だし、今回は再生した後の移動もあるからおじさんが肩代わりする形にしたんだよ。最悪テレポートで戻るつもりだったけど……」

「予想外の消耗でそれも叶わんと」

「すいませんすいませんすいませんっすー!」

 

ラウルに気にするなと言ってから右手でスキルの発動を試みるがうんともすんとも言わない。

やっぱりこのスキル、少なからず自分の脂肪も使ってたっぽい。エネルギーが空の状態の体では使用不可らしい。

 

「こりゃ戻ったら暫く食って寝る生活だな」

 

◆◆◆◆◆

 

遠征から数日後、自室にて

 

「おじさん、モンスターフィリアいかない?」

「あれ? モンスターフィリアって今日だっけ?」

「そうだよ、アイズと行く予定だったけどロキと一緒に行くみたいでさ。代わりにおじさん一緒に行かない? 多少は動けるようになったんでしょ?」

「本当に最低限って感じだけどね」

「よし! それじゃぁ行こう!」

「へいへい」

 

ティオナに連れられティオネ、レフィーヤと共にコロシアムへと向かう

 

◆◆◆◆◆

 

モンスターテイムをぼけっと眺めているとアマゾネス姉妹がガネーシャファミリアの変な動きに気が付いた

おじさんはコロシアムに居ると言ったがレフィーヤに引きずられて移動するハメに

待って、普段は良いけど今おじさん脂肪が無いから引きずられると普通に痛い! あっ、ちょっと普通に歩くから引きずるの止めて―!

 

三人の後を軽い駆け足であるく

エネルギー貯蔵が無いのでスタミナが速攻消える

ひぃひぃ言いながら後を付いて走るとロキと合流した

なんでもモンスターが逃げ出したらしい

ロキが余裕の態度なのはアイズを処理に向かわせたから

 

よし! じゃぁおじさんが対応する必要も無いな! 屋台で飯食おう。

 

「おじさん! ぼさっとしてないで行くわよ!」

「早く早くー!」

「置いていきますよ!」

 

え? 何でおじさんも行く流れ?

 

「さっさと行って来ぃや! コレはウチが変わりに貰とくで」

 

あー! おじさんのイカ焼き!

 

◆◆◆◆◆

 

三人はどうやらアイズを追っかけてるらしい

おじさんは三人の後方100m程を追いかけてる

純粋にlv差で追いつけねぇ

 

ゼェハァ言って汗垂らしながら三人に追いつくも既にモンスターは処理されており、アイズは更に先へ進んでる

 

「もう……残りはアイズまかせで……良いと……おじさんは思います。キッツ」

「まぁ我々武器も無いですからね」

 

とかやってたら地中から何か出てきた

直ぐにティオネ、ティオナ姉妹が迎撃に当たるも敵が固すぎてパンチが効いてない

あの二人で無理ならおじさんも無理、というかスキル碌に使えないとおじさんポンコツなので大人しくレフィーヤのタンクに徹する

レフィーヤの呪文が紡がれる中、すぐそばの地面に亀裂が走る

何時ものノリで敵との間に入るが盾も脂肪も無いおじさんは腹をごっそり食い破られた

 

◆◆◆◆◆

 

ケガから回復するのに数日、戦闘するにしても脂肪が無いとおじさんが弱体しまくりなので体型がある程度戻るまでダンジョン入り禁止にされた

 

劇的に体型が変化したのでケガを治してからは元の世界に戻って食道楽

食べて飲んで、折角なのでレシピを色々と集める

 

2週間もする頃には大体半分位の体重が戻っていた




痩せてしまったおじさん、戦力外のおじさん

脂肪の無いおじさんはおじさんでは無いらしい

次回、おじさん走る

努力よりも楽しむことが成功の秘訣である


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9 おじさんとダンジョン

おじさんは思った

強くなってないとやばいんじゃないだろうか

一度どこぞの国の絶食した僧侶の様な体系になった後に暴飲暴食で体形をある程度戻したおじさんはそう考える様になった

フィンではないがおじさんのお腹のお肉がピクピクと感じているのである

これはシボウフラグだと

 

◆◆◆◆◆

 

故におじさんはソロで強行軍をすることにした

24階層を中心にモンスター狩り

脂肪は半減してるがソロなら気兼ねなくおじさん棒で全体をなぎ倒す事も、おじさんストライクでぶちかましだって全力で出来る

 

偶にヘスティアちゃんの所へ赴いてステータス更新をしてもらい(コンバージョンは保留のまま)

少しずつ狩れるモンスターを増やしている

 

最初はホブゴブリン、次にソードスタッグ、マッドビートルにダークファンガスといった具合だ

まだまだ敵は多い、最終目標は取り合えず木竜グリーンドラゴン

 

多少の無茶は脂肪と引き換えに再生

その度にやせ細るのでちょくちょく元の世界でデカ盛りチャレンジして脂肪を貯蓄

ただ最近はちょっと身バレしそうになってるのでチャレンジも抑えてる

相変わらずおじさん探しは続いているらしい

一応そんなに探し回る理由をググれば難病の人間の治療だどーだこーだと……いや、やせ細ってる人はおじさんの脂肪使うんですけど!?

っていうか何で見ず知らずの人をおじさんが治療する事前提なんだよ!

呆れるがおじさんも相手の都合などどうでも良いので今日もアチラに戻ってダンジョン攻略

 

◆◆◆◆◆

 

偶には一緒に潜らないかと誘われたのでフィン達と一緒に潜ることに

 

「やっぱおじさんが居ると荷物が減って良いね。そういや多少は体形が戻った様だね」

「おかげさんで向こうで大食いしてる。こっちの食事も悪くないけどちょっと淡泊というか薄味なんだよ」

「なるほど、それで態々向こう側へ行って食べ歩いていると」

 

16階層の敵を切りながらでも雑談が出来る

おじさんも早くその域……というかLvを上げたい

 

「おい、おじさん。最近お主()()が少ないのではないか?」

 

ガレスがそんな事を言ってくるがそんなことはない。

 

「いや、ガレスは酒要求し過ぎ。毎回買い足すの面倒だからこの間樽で渡したのに何一晩で飲み切ってるのさ」

「いやぁ~アレは本当に美味かった。夢の様なひと時じゃったぞ」

 

いや、ガハハじゃないんよ

 

「大笑いしても騙されてやらんからな。せめておじさんがLv3になるまで土産は無し」

「うーん、駄目か?」

「駄目」

 

ぶちぶち言うガレスの言葉をスルーしながら18階層に着いて冒険者の町に進んでみると殺人騒ぎがあったらしい

 

◆◆◆◆◆

 

「んで? 身体検査をするって?」

「そうらしい」

 

ボールスが冒険者を集めて身体検査宣言をしているのを離れてガレスと見ているが……

 

「そしてフィンは女性の餌食になると……」

「まっ、そうなるわな」

 

当たり前の様に女性冒険者は顔の良いフィンのもとに群がる

そうなると当然黙っていないのがティオネ

 

「いやっ、ガレス! おじさん! 助けてくれないかな!」

「ゴラァ! このアバズレどもが! 団長を離せぇ!!!!!」

 

溜息を吐きながらガレスが対応に当たり始めたのでおじさんは逃げ出す奴が居ないか見ているとアイズとレフィーヤが誰かを追いかけて行った

熱心だなぁと感心しているとソレを追いかけて行く冒険者が一人……

お腹の脂肪がピクピク反応している

これは事件ですよ……父さん!

 

「だれが父さんじゃ、アホな事言っておらんでさっさと追いかけてこい」

 

へーい

 

◆◆◆◆◆

 

男性冒険者を尾行してたらレフィーヤを攻撃してたので背後からおじさん棒で不意打ちを仕掛ける

だが簡単に避けられた

 

「んげっ、確実にLv高い奴やコレ」

「お前……」

 

おじさんストライク脚部限定で直ぐにレフィーヤの近くに陣取る

アイズも来てくれたので何とかなりそう

 

「おい、そこの男……」

 

ん? 女の声?

顔の皮をベリベリと引き裂き、装備を外していく

出てくるのはメリハリの利いた美人

 

「何でお前は生きてる。お前は……私が殺したはずだが?」

 

何その物騒なカミングアウト




ダンジョンに潜るおじさん、過去になったおじさん

ついに別おじの謎が明かされる

次回、おじさん、殺される

立ち止まらなければ成功へ近づくだろう


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10 おじさんとモンスター

「もう一度聞く……お前は死んだはずだ。どうやって生き返った?」

 

Oh、この女の顔見ると頭が重く、痛い。

ぶわりと汗が全身から噴き出している。

今すぐコイツから逃げろと全身が警告を発している。

 

「……まぁいい。もう一度殺せば問題ない」

 

瞬間、前に居たアイズをも越えておじさんの腹に拳が突き刺さる。

 

ボエッ

 

とんでもない力。一発で水晶に叩きつけられ目の奥で星がまわっている。

アイズが女と応戦しているが何やら動揺している。

ふらふらだが何とかレフィーヤへ近づいていくと何かが飛んで来た。

避け切れず左肩に被弾するとソレはおじさんの体に根を張り侵入してくる。

 

まるで引継ぎスキルが発動した時の様に流れ込む「あるはずの無い記憶」

その膨大な情報に体の感覚と意識が押し流される

 

◆◆◆◆◆

 

おじさんの左腕から()()()()()

 

「くそっ、せめて……」

 

女が口笛を吹くことでおじさんの周囲から植物型のモンスターが飛び出してくる

おじさんから生えた女がモンスターを纏う

すると女は纏ったモンスターを吸収しているかの様でモンスターは肌に吸い込まれどんどん巨大化していく

おじさんの左腕が胸の中央に繋がったまま女は巨大に、より妖艶になっていく

 

◆◆◆◆◆

 

「想定外だが……どうやら悪くは無さそうだ」

 

おじさんがモンスター化するのを目の前にしながらもアイズはテイマーと思わしき女と交戦していた

しかし押されている

ロキをしてチートと思わせる付与魔法テンペストを使っても尚押し負ける速度と力

格上だと思い至るが打開策が無い

 

事態に気づいたロキファミリアのメンバーが駆けつけるがモンスターの胴体に繋がったおじさんを見て怪訝な顔をする

 

「なんでおじさんがモンスターの胸元に? まさか女ならモンスターでもお構いなしかい?」

「レフィーヤ、ありゃどうなっとる」

「説明がむずかしいです~~~!」

 

フィンは呆れながらもガレスと共におじさんの救出を試みる

 

「レフィーヤ、以前行った連携をやるぞ」

「はい! わかりました」

 

◆◆◆◆◆

 

「フィン! どうする!? あのままだとおじさん事ヤル事になるぞ!」

 

準備されている魔法、lv3のレフィーヤが放つ魔法に対しおじさんはlv2

耐久よりのステータスを持つおじさんだが火力特化のレフィーヤの魔法を受ければ間違いなく殺しきる

 

「ガレス、おじさんの左腕を斬れ! それが確実に助ける方法だ!」

「任せろ!」

 

ティオナ、ティオネが蔓を斬り、フィン、ガレスが駆け抜ける。

守るようにクロスさせた両手をフィンの槍が貫き、腕の動きを阻害する

全力で跳躍するガレスを阻む障害は無く、モンスターの胸元に埋まったおじさんの左腕と一緒にガレスの斧がモンスターの胸元を切り裂く。

 

甲高い悲鳴の様な奇声を上げながらより一層暴れ回るモンスターを後目に、腕を切り落としても意識が戻らないおじさんを回収してガレスが走る。

 

怒りを周囲にぶつけながら暴れる女型モンスターに対し、練っていた魔力を解放するリヴェリアとレフィーヤ

二人の魔法が発動し女型モンスターの全身を焦がし、引き裂く。女性らしいシルエットだった女型モンスターは全身がボロボロになり魔石があるであろう上半身を守る事で魔法を凌いだらしい。

状況が不利と理解し逃げ出す女型モンスター。

だがその逃走はティオネ、ティオナの二人に阻まれ体を縦に魔石事切り裂かれてしまう。

 

◆◆◆◆◆

 

女性型モンスターを討伐している頃、アイズはテイマーに追い詰められていた

あらゆるステイタスがアイズを凌駕しており、普段の戦法では対応しきれない状態

徐々に追い詰められついに手痛い一発を受ける事となる

 

血を流し壁に追い込まれたアイズに対し最後の一撃を放つ所でガレスがその一撃を受け止める

 

「どうやらウチの姫が世話になったのぅ」

「ちっ! その馬鹿力……lv6か……」

「正解じゃ!」

 

振り回される斧の威力に被弾を嫌がるテイマー

視界の端で女型モンスターが倒されるのを見て撤退を選択する

 

◆◆◆◆◆

 

テイマーには逃げられたが、その後おじさんは直ぐに目を覚まし左腕を再生させた

記憶の混濁は見られたが半日で意識がはっきりした所で冒険を再開

サポートしてもらいつつおじさんも普段以上の階層でモンスターを討伐

帰還した後のステイタス更新でLv3に至った




体を厭わない攻略の末におじさんはランクアップを果たす

次回、おじさんの買い物

心が張り裂けそうな時、ため込むより解放する事で前に進めるだろう


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11 おじさんと電波

おじさんは日本に来ていた

いい加減逃げ回るのが面倒になりいっその事自分から出て行ってやろうと思ったのだ

そして懸賞金をかけていたTV局に自ら乗り込んでいく

 

「どーも、懸賞金かけられてる〇〇〇〇ですけど。あれって俺も貰えるの?」

「えっ……あっと……しょっ! 少々お待ちください!!!!」

 

受付の美人がめっちゃ慌てて内線しとる、ロビーで待っとけばええか?

 

◆◆◆◆◆

 

30分後

 

ロビーで待ってると何かプロデューサーが出てきた。

 

「いや~お待たせして申し訳ございません」

 

本当だよ。それで? 俺にかけられた懸賞金って此処のTV局がかけてたんでしょ? ソレを俺は受け取れるの? 受け取れないなら直ぐ帰るけど。

 

「まぁまぁまぁ。少しだけお時間を……」

「じゃあ帰るね」

 

革のソファーから立ち上がると肩を掴まれるが無視して入口へと進む。

人が全力でしがみ付いているが全くものともせず進むおじさんにプロデューサーが焦り声を上げる。

 

「わっ、解りました! お金は用意しますので番組に出てはいただけますよね!?」

「何で? 出る必要ある? それ」

「そっそこを何とか!」

「俺って別に公人でも何でもないのに顔を全国に晒されて、その上個人情報まで電波で流されたんだけど? ぶっちゃけ裁判やれば勝てると思ってるけどそこの所どうよ」

「あっと……その件に関しては大変申し訳なくですね」

 

ニコニコしながら冷や汗をかき口を濁らせ続けるプロデューサー

何時までも肩を掴まれてるのも嫌なので軽く払いのけて再度ソファーに座る

 

「最低でも謝罪金をちゃんと積んでくれ。懸賞金が無くなった事の放送。まずは此処まで対応してくれたら、その上で対応を話し合いしない? コレも嫌だって言うならTV局自体を訴えるからね」

 

◆◆◆◆◆

 

その日の夕方には各種対応が行われたので再度TV局に赴いた。

今度はロビーではなく会議室っぽい所へ通されて複数人の人に囲まれる。

 

「ではお聞かせ願いたいのですが、あの動画で行われていた」

「いや、何普通に質問してるの?」

「はい?」

「はい? じゃなくて……今からやるの対応どうするかって話じゃないの?」

 

質問をしようとしていた人とは別の人が口を開く

 

「失礼しました。弊社では〇〇さんが行った事の検証番組を特別枠で組むので、ご出演をお願いしたいのですが」

「それは動画に映ってる人物として?」

「勿論そうです」

「それで?」

「そこで番組が用意する人物のケガ、病気と言ったものを治していただけないかと」

「治すの? 俺が?」

 

すると全員が首を縦にふる。なので当たり前の質問を返す。

 

「どうやって?」

 

全員が何言ってるんだ。みたいな顔してら。

 

「それは貴方がやって見せた事をですね」

「嫌、だからそれは何って話。あの時は何とかしなきゃって思って救急車呼んで、患部を圧迫はしたけどソレだけだよ?」

「あんたらや世間が何を望んでるかは解ってるけどさ。本人が一番解らないんだって。それなのに目の前にけが人病人を引っ張り出して『さぁ治せ』ってのは無理だろ。こっちは医者でも何でも無い唯の一般人なんですけど?」

 

流石にこれは想定していなかったのかアチラも困惑気味。

 

◆◆◆◆◆

 

それでも番組に出てほしいと言われて出演はした。

したが……本当に何もしなかった。

ただ患者さんに手を当てただけ。

番組内で

 

「さぁ、あの時どうやったかも分からない」

「私なんて店を潰されて今や唯の無職ですもの」

 

と言っておいた。

 

おじさん自身、SNSで相当罵詈雑言受けたがTV局のモラルに一石を投じられたのでヨシとして置こう

 

◆◆◆◆◆

 

一先ず大きな障害を取り除いたのでファミレスで飯を食う

朝から晩までメニューの端から端まで注文して食べる

脂肪がまだ足らん

大食いファイターとしてやっていけるかもと思いながら裁縫関係の技術書と機械を買って回る

何せおじさんが向こうの女の人の体形を本人の望む様に変えた結果、既存の下着で対応しきれなくなってきたのだ

後単純に見た目がしょぼい

下着を見ても正直興奮しない

ロキにこっちの下着カタログ見せたら発狂したので此方の下着を向こうで再現できるような下地を整える事になったのだ

 

流石に機械製品じゃないとしんどいだろうという事でミシン位は導入しようと思う

電動式は教育的に無理なので足踏み……も最悪駄目かもしれん。

最悪の最悪では冒険者のステイタスで力押ししてもらう。

 

さあ、下着を迎える準備は出来たか!? おじさんは出来てるぞ!

 

……まぁ最悪イシュタルファミリアとかに投げればええやろ

アマゾネス以外にも眷属居たよね? 居たよな? どうだっけ……何にせよおっぱい同盟でどうにかなるなる!




懸念が解消されたおじさんは謎の探求を行う

次回、おじさんの存在しない記憶

奇妙な世界の旅は過去を巡る旅になる


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12 おじさんと拉致

オラリオに居る女性たちにより美しくなる為のブラとパンツを届けて数日

 

おじさんは悩んでいた

悩みすぎて考える人のポーズをとる位に悩んでいた

別おじの記憶の一部、死ぬ記憶が思い出せない

恐らく死の数日前までなら割と思い出せる

 

だが肝心な部分を思い出そうとすると別の記憶……

精霊の記憶がHITしてしまう

 

なんとも奇妙な感覚だが『これは精霊の記憶だ』というのは記憶を覗くときに確信している

多分18階層で肩にくっ付いたアレから齎された身に覚えの無い記憶だろう

こっちの世界に来てからこの手の記憶が大量に入ってきて頭がパンクしそうだ

何年分あるねんコレ、全部思い出そうと思うとかなり時間を使ってしまう

 

というか……59階層に分身居るな……既存のモンスターと思ってたら全滅在りうるぞコレ……とりあえずフィンにチクっとこう

 

◆◆◆◆◆

 

黄昏の館で酒を仕込み、酒泥棒2名(ロキ、ガレス)の対策をしていると奇妙な鳥が地下室に舞い込んできた

何か引っかかりを覚えつつ鳥を追いかけオラリオの城壁へ向かう

すると夕暮れのオラリオの影から滲み出る様に黒ローブが現れ語りかけてくる

 

「クエストを依頼したい」

 

怪しさ満点、さぁどうするべきかと思案しているとヘルメスファミリアにも依頼したとか……

あそこLv詐称してるからおじさん要らない可能性が高いが

 

「剣姫にも同様のクエストを依頼している」

 

解りました。それフラグです。

 

◆◆◆◆◆

 

18階層でヘルメスファミリアと合流する

合言葉を言われて合言葉を返す。それがクエストを受けた証らしい

ということは……言葉を伝える為のアイテム持ってるな? ソレをおじさんの報酬にも入れておいて。

等と黒ローブを脅……説得して便利アイテムを仕入れる

 

「合流はあなたとアイズ・ヴァレンシュタインでしたか」

「おっす、ちゃんとバーテンやってた?」

「……やってますよ、おかげで様々なお酒の味を覚えました」

「それはそれは……所で情報はあれから増えた?」

「駄目です。先月のレポートから変わりありません。同盟の方からも手は伸ばしているんでしょう? そちらはどうなのですか」

 

情報交換をしているとヘルメスファミリアの準備が終わったので24階層のパントリーを目指す事となった

 

自分一人でもこの辺りをちょいちょい探索していた経験があるのである程度の地形は分かる

分かるが……パントリーを目指す道中の敵を倒していると視界の端に妙な光源が映る

周りに確認するがどうやら見えていないらしい

思わず首を捻ってしまうが敵はアイズがやってくれたのでチカチカ光るソレを努めて無視しながら進むとパントリーが緑の肉壁で埋もれていた

 

蠢く肉壁に光が纏わりついている

奇妙で奇麗な、グロテスクなのに精密に描かれて見るものを圧倒する絵画の様に引き付けられる

光を指でなぞると光が寄ってきて指先に集まる

ジブリ映画みたいだ、なんてアホな感想を抱いていると魔法で壁を吹き飛ばす算段を立てたらしい

 

◆◆◆◆◆

 

ヘルメスファミリアのパルムゥの攻撃魔法を見ているとおじさんの中二心が擽られてちょっと羨ましく思いながら、開いた穴から中へと入る。

 

この肉……どうやら肉ではなく植物っぽい

周囲の壁に花が咲いている

 

暫く歩いているとモンスターフィリアで戦った植物タイプのモンスターが出てきた

 

おじさんと相性が悪いので辟易しながら丸盾とブロードソードを構える

 

一応応戦しておくがやっぱり相性が悪い

というか狙われている。複数から狙われ追いやられた先で肉壁が盛り上がり全員と分断されてしまう

 

◆◆◆◆◆

 

「飛んで火にいる何とやら」

「うげっ、あん時の」

 

そこに出てきたのは18階層で会ったテイマー

 

「あの時は殺し損ねたが今度こそは……何?! 貴様……何故だ、核が無いはずなのに……」

 

何かテイマーちゃん焦ってるんですけど?

そしておじさんも内心焦ってる

 

「予定変更だ、お前は四肢を捥いでから連れ帰る」




皆と分断され一人になったおじさん、そんなおじさんに遥か格上の敵が襲い掛かる

次回、おじさんの敗北

おじさんの新たな切り札が発動する


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13 おじさんの末路

おじさんはボコボコにされていた

持っていたブロードソードも、腰に収めていたおじさん棒も破壊され殴られた体はスキルの自動カウンターの上から叩き潰される

溢れる鼻血に呼吸が邪魔され辛い

ヘファイストスさん作成のラウンドシールドは破壊されずに盾の機能を果たすが、あまりにもステータス差がありすぎ付けていた革鎧も防具の体を成していない

単純に相手の速度を目で追うのが精一杯

気が付いた時には蹴られ、殴られ、気が付けば全身青あざだらけで顔は腫れあがっている

 

腫れあがった瞼が邪魔でまともに目を開ける事もままならん

 

「うっ……」

「まだ意識があるのか、これからアリアの相手もある。手間はかけれん」

 

そう言ってテイマーはおじさんの四肢に力を入れ、力任せに関節を破壊する

 

「ぎゃああああああああ!!!!!」

「念には念を入れておくか……」

 

首にかけられた両手が閉まり脳に血液が回らない

目の前がブラックアウトした

 

「これで良い、お前は下層に運ぶ」

 

それが気絶する前に聞いた最後の言葉

 

◆◆◆◆◆

 

気が付けばおじさんは全裸で地面に寝ていた

手足はあらぬ方向を向いて、周囲は芋虫が蠢いている

まずい

周りの芋虫はテイマーと比較すれば弱い

だがおじさんと比較すると芋虫の方が強い

直ぐに手足の関節を脂肪を消費して再生を試みた……その瞬間、芋虫が何かを吐いた

 

直ぐにその正体が分かる

 

手足にかかった液体はおじさんの四肢を一気に溶かす

 

「うぎゃああああああ!!!!!!」

 

四肢が無くなり胴体だけで身もだえをする

激痛に身を捩らせているとテイマーがどこからか近寄って来た

 

「起きたか……」

 

返事をする余裕すらない……視線だけでテイマーを見ていると腹を蹴られた

抵抗一つ出来ずに壁に突き刺さる

 

たった一度の蹴りで内臓が引っ掻き回された

どこかの内臓がやられた、吐き出すのモノに血が混じる

 

「お前は供物だ、30階層で殺した時も、そして今回も。今回はお前はアレに食わせる」

 

そう言って頭を掴まれ強制的に見せられる

 

ソコにはおじさんの手足を溶かした芋虫を、まるでお菓子でも食べるように食べ続けるモンスターが居た

 

◆◆◆◆◆

 

おじさんが攫われたとの連絡が入った日の夜

 

「それでロキ。神ヘスティアは何て?」

「まだ生きてるそうや」

「恩恵の繋がりは消えてない……か」

 

ロキとフィンはサシで話し合っていた。

 

「おじさんがアイズと共にクエストへ挑んだ24階層。そこでおじさんはテイマーに捕縛された……」

「lv5相当のテイマーならおじさん相手なら圧倒出来るやろな」

「だがおじさんを連れて行く意味が分からない、アイズなら分かるが……」

 

フィンはこの連絡を受けてから指の疼きが止まらない

とてもヤバイ事が進行しているにもかかわらず全く情報が集まらない

 

「正直おじさんの生存は望みが薄い。せやけど恩恵で繋がったドチビがおじさんは生きてると判断した、間違い無くおじさんは生きとる」

「今のオラリオでおじさんが居なくなると影響力がデカすぎる、もう少し考慮しておくべきだったかな」

「いや~、ソレは無理やろ」

「何故?」

「おじさんな、ウチ等の事をファミリアと思ってへん」

 

「別に嫌ってる訳やないで? 表面上はファミリアとして見て、行動してる……けどな、おじさんはウチ等を通して別のウチ等を見とる」

 

「多分本人も気付いて無い。心の奥底の部分で拒んでるんや。『自分の知っているロキファミリアじゃない』ってな」

 

そう言ってロキはおじさんの残したソーマを煽る

 

「多分、これから何かやばい事が起こる。ウチの勘やけどな」

「ぞっとしないね」

 

◆◆◆◆◆

 

アレからおじさんはどうなった?

体が全く動かせない……だが気持ちがいい

 

暗い

 

まるで浮いている様な感覚

 

だが猛烈に空が見たい

 

あぁ……青空が見たい……【テレポーテーション】

 

◆◆◆◆◆

 

その日オラリオは瓦解した

 

数多の冒険者が、一般人がその日唐突に表れたモンスターを見た

 

醜悪な花の中央に咲いた女のモンスターは現れて直ぐに魔法を紡いだ

 

連続で放たれた様々な魔法は家を、人を、神をも焼いた

 

都市は更地にバベルは折れ、世界一と呼ばれた都市はモンスターに潰された




敗北もあるだろう、死ぬこともあるだろう

だが人類は負けない、神が居るのだから

次回、終焉

最後の幕が上がる


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14 おじさんと最後

起きて、起きて

 

その言葉に目を覚まそうとするが猛烈に眠い

 

起きたいのに一秒すら目を開けれない

 

ずっと語り掛けられる

 

起きて、起きてと

 

何度繰り返しただろう

 

どれ位の間忘れていただろう

 

おじさんはやっと呼吸の仕方を思い出した

 

肺を動かす

 

空気を取り込む

 

当たり前の事が何と気分が良いのか

 

まどろみからまだ抜け出せないが近い内にこの瞼は開くだろう

 

◆◆◆◆◆

 

唐突だった

 

するりと瞼が開いた

 

辺りは暗く、だが目を開いた先には満点の星空が広がっている

 

あぁ、起きたのだと気持ちが良くなり直ぐに目を閉じてしまった

 

再び目を覚ましたら昼だった

 

広がる大空

 

雲が無く肌を風が撫でる

 

上半身を持ち上げる

 

周囲には花が咲き誇っている

 

白い花

 

少し甘い匂いが漂う中に水の音が聞こえる

 

音に近づくと川がある

 

水を掬い、一口二口と流し込む

 

喉を水が通る事が心地よい

 

そして声がかかる

 

『起きたのね……』

 

そこに居たのはモンスターから生えた女だった

だが禁忌感はない

疑問に思っていると女から抱きかかえられた、女は泣いている

 

『ありがとう、ありがとう。あの日、貴方のお陰で私は地上へと戻れた』

 

『貴方が居たから風を取り戻せた』

 

『貴方は私の最後の英雄』

 

◆◆◆◆◆

 

おじさんは思い出していた

自分が食われた事

テレポートでオラリオまで跳んだ事

オラリオを瓦解させた事

 

おじさんは汚れた精霊に食われた。そして精霊はおじさんを食らう事でおじさんの持つ魔法【テレポート】を習得。

精霊としての能力を使い単独のテレポートを集団にかける【テレポーテーション】へと昇華

直ぐにオラリオの蹂躙が始まった

 

分身体は大量の芋虫を地上に送り、力の無い者が最初に犠牲になった

直ぐに本体が地上を目指して移動を始め59階層で本体と合流

大量の種と共に地上へ降り立った本体とおじさんを取り込んだ分身体は上位冒険者を蹂躙しながら種を植え付けた

理性等何一つ残さず

ただ新しい同胞を手に入れる為だけに

人を殺し、冒険者を殺して次に神を殺した

そこかしこで神の送還が行われた

主神を守れなかった冒険者は即死んでいった

恩恵が切れ対抗できる力が無くなった途端に無力になった

例え抵抗されても分身体は体が千切れた端から再生し、肉の壁として本体を守った

異心同体である精霊に冒険者は蹂躙された

最後にバベルを焼いた

積年の恨みを晴らす様に念入りに焼いた

そしてモンスターが溢れた

過去への回帰

1000年前の再現だ

そして神も精霊も居ない

地獄が作られた

 

精霊は7日かけて世界を焼いた

町を、都市を、国を、地上のあらゆるモノを焼いた

 

最後に残ったのはモンスターと精霊だけだった

 

汚れた精霊を汚れていると認識する者は居なくなり

ソレが正しい在り方になった

 

そこからは只管時間が流れた

 

何事も無い、弱肉強食だけがある自然のルール

干渉する者が居ない実力だけの世界

いくつもの季節が廻り、星が廻り、時の果ての末に分身体の奥底からおじさんは浮かび上がってきた

刺激を忘れた精霊は思い出した

 

コレだ

コレが私に勝利を齎した

 

地上に戻り、欠けていた風を取り戻したのも

憎い蓋を取り払ったのも

コレが力を齎したからだと

汚れていた精霊は理性を取り戻していた

根幹が決定的に狂ったまま

 

『『『私の、私達の最後の英雄』』』

 

だからコレはきっと、オラリオを滅ぼしたおじさんへの罰なのだろう、

 

『『『もう一度貴方を食べさせて』』』

 

大きな口が降りてくる

 

◆◆◆◆◆

 

異世界おじさん(死亡時最終ステータス)

 

Lv.3

 

《基本アビリティ》

 

力:S903

耐久:S912

器用:C678

敏捷:D580

魔力:S999

 

《発展アビリティ》

激運:S+++

魔導:E

狩人:D

対人:D

耐異常:A 

 

《魔法》

【テレポート】

・対象を唱える

・対象へ跳ぶ

・派生詠唱【ワールドテレポート】

 ・世界を超える

 ・日に一度のみ

・派生詠唱【テレポーテーション】

 ・任意の人数と跳ぶ

 ・人数に応じて魔力消費増大

 

【トラベラー】

・荷物を格納

・貯蔵量により魔力消費量増加

 

【精霊魔法】New

 

《スキル》

【幸運脂肪】

・シボウを操る

・あらゆる害悪から体を守る

・害悪に対する自動カウンター(相手のステータス依存)

・同意がある場合に限り他者のシボウを操れる

・強制幸福

 

【庇護脂肪】

・シボウ操作した者のステータスを上昇(任意)

・最大10段階

・体質操作可能

・シボウ消費で超サイセイ

・庇護対象カンチ

 └庇護対象に関する行動時にステータス補正

・スキル使用時に魔力消費

 

【引継ぎ】

・シボウ時に同存在を呼ぶ

・スキル/アビリティ/ステイタス/記憶の継承

・トリガー【死亡】

 




数々の英雄譚、数々の神話

それらは勝ったものが継承する

彼らは勝てなかった

世界は精霊に委ねられた


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15 フィジカルお化けおじさん

薄暗い街並み。

腰かけている場所は噴水の縁。

手元には仕事道具のノーパソが入ったリュック。

妙に冷静な頭。

 

あぁ、このおじさんは何度目だろう。

おじさんがおじさんとしてオラリオに降り立った直後。

心臓が跳ねる。思わず走り出しそうになる体を押さえながら歩く。

 

◆◆◆◆◆◆

 

薄暗くなった道を歩く。

「存在しない記憶」を便りに歩く。

人が居て、エルフが居て、獣人が居て、小人が居る。

地球と違う在りように微笑みながら道を歩く。

歩いた末に辿り着いたのは一目では廃墟にしか見えない教会。

まるで焼き増しの様にリュックを枕に長椅子へと寝そべって一夜を明かす。

明日の再開を確信しながら。

 

きっと会える、また会える。

あの笑顔をおじさんに向けてくれる。底なしに明るく、純粋に人を信じてくれるあの女神。

 

◆◆◆◆◆◆

 

翌日、目が覚めると女神が居た。

おじさんの知らない、おじさんの知っている、見たことも無い、見知った顔。

背が小さく、胸が大きく、なんでそんなファッションなのかと問いたくなる青いヒモを引っかけ。

怒っているぞ! と感情を体一杯使って表現している。同時にこちらの心配もしながら。

 

「ここはボクの家だぞ! 君は誰だ!」

「名前は〇〇……いや、異世……違うか……お化け、うん、お化けだな」

 

何度も世界を巡って殺して殺されて、滅ぼして……引き継がれる度にちょっとずつ強くなっていった、お化けの様なおじさん。

チートもチート、スキルを引き継いでステイタスだけはどんどん上がる。

 

「おっ、お化け?」

「えぇ、初めまして神ヘスティア。そう、お化けなんです! だからおじさんの事はフィジカルお化けおじさんとでも呼んで下さい」

「フィ……えぇ? 何か随分と癖が強い子だな。君は……というか良くボクの名前なんて知ってたね」

「えぇ、初対面ですけど初対面じゃないので」

「ん? んんん?! 確かに嘘はついてない様だけど……君とは初対面のは…ず…… うぇ?! なっ何で急に泣くんだい?!!!」

 

気が付けば泣いていた。

泣きながら笑っていた。

今度こそ間違わない。

 

「例え貴方がごく潰しだろうと! ニート気質の駄目女神であろうと!」

「失礼だな君は!?」

「三食食っちゃ寝が好きで! 神友の所に年単位で泊まり込み! 挙句の果てに追い出されたとしても!」

「ヘファイストスだな! 君絶対ヘファイストスに雇われてやってるだろ! どこだ! どこに居るヘファイストス!!」

「おじさんは見捨てません! 何故かって? きっと貴方と居る未来は楽しいから!」

「だ~~~か~~~~ら~~~~~!!!!!!!」

「あっはっはっははっっっげっほげほ! ひ~~~~あっはっはっは! 宜しくヘスティアちゃん!」

「ムッキー! 少しは説明をしろー!」

 

 

【おじさん引継がれるルートEND】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神ヘスティアとの再会から数年後

 

 

 

 

 

 

あれからおじさんはヘスティアちゃんに恩恵を貰った

 

 

 

 

 

相変わらず背中には面白おかしいスキルが並んでる

 

 

 

 

 

今でもちょいちょい地球に戻る事はあるけど……基本はこっち、オラリオに軸足を置いている

 

 

 

 

 

そしてついに彼が……おじさんが待っていた彼が来た

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

「あの、おじさん」

「うん?」

「何でおじさんは冒険者になったんですか?」

「幸せになるためさ」

「幸せ?」

「誰にでも幸せになる権利はあると思わない?」

「そうですね」

「だからおじさんは皆を幸せにする英雄になるのが目標なんだ」

「英雄! 良いですね!」

「あ、ベル君のハーレム英雄。特に女の仲介はしないからね? 刺されたくないし」

「そんな事しませんよ~~~~~~~~~~!!!!」

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

pi!

 

|>新ルート【フィジカルお化けルート】が解放されました!

 

 

 

pi!

 

|>実績【巡るおじさん】を取得しました!

 

 

 

pi!

 

|>???【?????】が解放されました!

 

 

 

pi!

 

To be continued...???

 

|>【No】

 【Yes】




これにて「フィジカルお化けおじさん2」は終了です

1がコメディだったので2はバットエンドにして

ノリで書いたスキルがまさかのこんな形に

コメント頂いたのを何かこう……良い感じに膨らませて使わせてもらいました

沢山の感想コメント等ありがとうございます!


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ボツ おじさんとギルド

こっち投稿してたら流れ変わってたかもしれんが何か没にした
取り合えず供養って事でUPだけしとく。


ギルドのエイナ・チュールは頭を抱えていた

 

「何よこのバカげた同盟の申請は……」

 

話は担当冒険者のベル・クラネルから始まる

 

 

◆◆◆◆◆

 

「同盟の申請をしたい?」

「えっと知り合いの方から申請方法を確認して欲しいって言われてしまって……あとヘスティアファミリアも同盟に加わる事を神様が決めたので」

「それなら用紙があるから書いて来てもらって、そしたらコッチで処理できるから」

「あっ、ありがとうございます!」

 

◆◆◆◆◆

 

同盟主:おじさん

 

傘下:ヘスティアファミリア

 

条件:同盟主のおじさんが主神に対しスキルを使用する事

   ベル君の望むおっぱいを授ける事

 

 

これと同様の、またはそれ以上に馬鹿な同盟が朝からひっきりなしに申請されているのだ。ギルドの職員は全員本当に処理するべきか頭を抱えている。

 

◆◆◆◆◆

 

その頃のおじさんは……

 

「はいっ! 治療終わり! 次!」

 

治療が終わった患者が運び出され次の患者が入ってくる

アミッドが次の患者の治療箇所を答える

 

「はい! こちら左脚の欠損と内臓疾患です!」

「ちょい魔力足らん! ポーション!」

「こちらです」

「OK! 【庇護脂肪】! カツラァ! 後何人!?」

「カツラって誰ですか、患者は後18名ですよ」

「おじさんのお腹はもつのか……」

「大丈夫です。下しても入院の用意はしてあります」

「(早まったかもしれん……)」

 

欠損の治療をしてた

 

◆◆◆◆◆

 

おじさん同盟発足から1週間

あの放送がおっぱい革命(レボリューション)と呼ばれ、特に神々からの覚えの良くなったおじさんは神の宴へと出席していた

 

「そんじゃもうおじさんの事は知ってると思ってるけど自己紹介します。

 異世界おじさんです。

 ついでにパラレルワールドのオラリオに居たおじさんでもあります。

 ドーモ、よろしく」

 

「「「「「オールハイル・おっぱい!!!!!」」」」」

 

 

「ありがとう。ありがとう」

 

「本題に入ろう。

 おじさん、このオラリオに非常に違和感を覚えてます。

 あるべきはずのものが無い。

 収まる所に収まってない。

 男神諸君なら分かってくれるだろう? ポジションが悪い感覚。

 私はオラリオが好きだ。

 弱肉強食のこの世界が好きだ。

 ダンジョンですらこの世界の一部だ!

 例えそれがモンスターでも愛していると言おう!

 子が戦い、挫け、それでも尚立ち上がる様を君達は愛しているだろう!

 おじさんもだ、

 街中で 街道で 平原で 湿原で 砂漠で

 この世界のあらゆる場所で行われる人の営みが好きだ。

 

 ダンジョンで行われる戦闘が好きだ。

 

 未知を発見し、舐り、楽しみ。既知へと書き換える感覚は快楽を覚える!

 

 LvUPもそうだ!

 

 人が神の恩恵を賜り、努力を重ね、才を磨き、存在を証明する!

 

 此処にいる! 俺は此処に居るぞと声高々に上げる光景は感動だ!

 

 だが足りない……。

 

 おじさんが知るオラリオには足りない。

 人が、才が、財が、力が、情報が、あらゆるものが足りてない。

 ならば諦めるのか?

 いいや、否だ。

 圧倒的、Noだ!

 おじさんは受け入れられない。受け入れてはいけない!

 故に神に頭を垂れてお願いをする

 あなた方の子を、ダンジョンに敗れて涙を飲み、挫けた子をおじさんに預けてほしい

 力だ、もう一度飛び立つ為の力をおじさんは提供する

 オラリオを、世界一の都市を唯一無二の都市にする為に!

 どうか力を貸して欲しい神々よ!」

 

「「「「「オォオオオオオオ!!!!!!」」」」」

 

◆◆◆◆◆

 

おじさんはオラリオに異世界の技術を導入した

あらゆる道具は進化を遂げ、魔法と科学が入り乱れ、オラリオは一つの都市から唯一無二へと変容した

都市を取り仕切っていたギルドは変わらず冒険者を取りまとめる

だが人は口々にこう言うだろう

この都市はおじさんを中心に回っていると

 

◆◆◆◆◆

 

おじさんはダンジョン攻略の形を変えた

ファミリアを隊とし冒険者全体を軍隊へと変えた

普段のファミリア運用は変わらない

しかしおじさんの一声で冒険者は一つの群れへと変貌を遂げる

 

オラリオの住民全てが加盟するギルド「異世界ギルド」の発足である

 

 

---------

 

流石にコレから先がやりづらい ぼつ



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