真実×嘘〜光を灯せ〜 (YM*ym)
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00 プロローグ

初めまして、こんばんは♪
この度プロセカの二次創作を投稿させて頂きます!
至らぬところばかりですが、読んでもらえると嬉しいです。

ではどうぞ!


今日も学校の1日が終わる。

まぁこの後すぐに予備校に行くので家に帰れる訳では無いが。

私は準備を終えると、同じ予備校に通っている『朝比奈まふゆ』に声をかけた。

 

「ねぇ、まふゆ!そのまま予備校に行くよね?一緒に行こう!」

 

「うん。ちょっと待ってね。よし、それじゃあ行こうか」

 

まふゆは準備を終わらせると私と並んで歩き出した。

 

まふゆとは小学生の頃からの幼馴染だ。

普通じゃない私に普通に接してくれた唯一の子だ。

まぁ高校に入ってからはみんなと仲良くしているから、小学校のように話す相手がまふゆだけ、なんて事は今は無いけど。

 

 

 

 

 

こうやっていつも通り学校に行って、まふゆと一緒に予備校に行って、家に帰る。

家には年の離れたお兄ちゃんの奥さんがいる。

私から見たら義姉にあたる人だ。

兄夫婦と一緒に暮らし始めたのは一昨年の夏からだ。

私はそれまで…

 

 

 

       孤児院で生活していた。

 

小学4年生の時だった。両親が車の事故に遭って亡くなってしまった。

私は留守番をしていて、当時高3だった、お兄ちゃんは友達と遊びに行っていたから、私たち兄弟は無事だったけど。

 

行きたい大学に受かったお兄ちゃんは、私を置いて一人暮らしを始めてしまった。

私は『本当に』独りになってしまった。

 

それからは孤児だからといじめられて、孤児院では中途半端な年齢だったから、自分が任された家事の上に先輩達の仕事も押し付けられた。

出来なかったら大人の見ていないところで殴られる、蹴られる。

痣が出来た時もあった。

でも大人達は私の痣になど全く気付かなかった。

 

…もう、いいや。

他人に頼るのは辞めよう。

誰も信じない、もう二度と。

何事も疑って。

 

 

 

 

 

 

 

 

予備校から帰って来た私は、自室に行く。

休憩代わりにあそこに行くことにした。

私は慣れた手つきで『untitled』を再生する。

目の前を光が包んだ。

 

 

 

目を開けると、見慣れた真っ黒な世界が広がっている。

 

「零花、いらっしゃい」

 

「?…ミク」

 

ミクの声が聞こえて私は振り向く。

この世界には人の想いの数だけ、セカイというものが存在する。

そして、そのセカイに存在する1人、ミク。

セカイの想いによってミク達の姿形は変わる。

私のセカイのミクは、簡単に言えば黒だ。

ツインテールと服が真っ黒。

 

ミクの方を向いた時、見えた背景に違和感があった。

 

「ミク、あの差し込んでる光は何?昨日来た時は無かった。もし消せるなら消して欲しい」

 

邪魔だから、とその後小声で言う。

 

「あれは……消せない」

 

「…なんで?」

 

「あれは零花にとって大事な物。あの子達と零花を繋ぐもの」

 

「よく分からないけど…ミクが言うなら。ねぇミク、今日はラフ画を持って来たから見…」

 

て、と言う言葉は眩しすぎる光で言えなかった。

急に何だろう?今までこんな事無かったのに。

 

かろうじて目をうっすら開けると、さっきまで光が差し込んでいた穴が大きくなって、人影が見えた。

 

 

 




どうでしたか?

次のイベントえななんバナーですよね。
凄いニーゴ早いんですが、、、
イラスト凄い良かったですけどね。
えななんと幼稚園児が一緒に絵を描いてるの。
なんだかほんわかします…!

ではまた!


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−100 最悪な出逢い

こんニーゴ!

第二話です!
僕はニーゴ箱推しなんですけど中でも奏ちゃんを1番推してます!
(凄く急に言い出した事なのでスルーして下さい…!)

ガチャで推しってなかなか当たらないですよね…

ではどうぞ!


私はいつも通り作業をしていた。

時計を見ると25時3分前だ。

ほんの少し早いが私はナイトコードに入る。

 

「みんないる?」

 

「いるよー!」

 

「うん、いるよ」

 

「いる」

 

私が聞くとAmia、えななん、雪の順番で返事が聞こえた。

ただ一ついつもと違う事があるとすれば、、、

 

「みんな」

 

…ミクの声が聞こえた事だ。

 

「えっ?ミク?」

 

「…ミク」

 

「びっくりしたー!!」

 

「やっほー。ミクー!」

 

「急にどうしたの?」

 

「セカイに来て。今すぐ」

 

私達は一斉にuntitledに手を伸ばした。

眩しい光が視界を包む。

目を開けるといつも通りの灰色のセカイが広がっていた。

いや、いつも通りじゃない。

 

「ねぇ、みんな!セカイにあんな光の穴あったっけ?」

 

Amiaの言葉に全員が首を横に振る。

この前ここに来た時は無かった。

この世界はまふゆの想いで出来ている。

まさかまふゆに何かーーー

 

「みんな来てくれた」

 

「ミク、あの穴まふゆの想いに何か…」

 

「あれはまふゆの想いで出来たものじゃない」

 

「「「えっ?」」」

 

ミクの言葉でまふゆ以外のみんなが驚く。

そういえばまふゆは…?

私はあたりを見渡す。

 

「ここはまふゆの想いで出来たセカイじゃないの!?なのにまふゆの想いじゃないってどういう事!?」

 

「落ち着いてよ、絵名。驚く事なのは分か……」

 

「まふゆっ!」

 

「奏どうしたのって……!!」

 

あの光の穴の方にまふゆが手を伸ばすのが見えた。

私達はまふゆの方へ急いで向かう。

何かよく分からないのに、大変なことが起こったら、まずい。

止めようとしたけど、間に合わなかった。

 

まふゆは穴に吸い込まれてしまった。

私もそれに続く。

 

「あっ、か、奏!?」

 

絵名の驚く声が聞こえて来たが、まふゆ1人を危ない目に遭わせる訳にはいかない。

必ず救うと約束した。

だったらこんなところで怖気付くなんて有り得ない。

私はまふゆを追いかけて穴の中を進んで行った。

 

走っていると(まふゆにとっては早歩き)あっという間に光の穴をくぐり抜けた。

目の前には真っ黒なセカイが広がっていた。

 

「誰?」

 

誰かが私とまふゆに声を掛けてきた。

声のした方へ振り向くと、女の子とミクがいた。

『誰もいないセカイ』のミクとは違い、全身真っ黒だったが。

 

「…!!零花」

 

珍しくまふゆが驚いた声を上げる。

 

「まふゆ?なんでここにいるの?」

 

彼女は笑顔で言う。

でも怒っているように見えた。

 

「あー!いたいた!」

 

「もー!急に2人共行っちゃうからびっくりしたよーってその子誰?」

 

「それはこっちのセリフだよ。勝手に入って来たのに」

 

やはり怒っている。

まるで最初のまふゆをもう一度見ているようだ。

 

「えっ、と、まふゆとあなたは知り合いなの?」

 

「そうだよ、まふゆとは同じ高校で幼馴染…」

 

「あー!!」

 

「ちょっと絵名〜!急に叫ばないでよー」

 

「叫ばずにいられないわよ!アンタが持ってるそのスケッチブックの絵!『無』の絵柄とそっくり!」

 

「『無』ってあの?」

 

「作詞・作曲・イラスト・動画全て1人でやってる人の事だよね」

 

この前みんなで話していた時に出てきた人物だ。

絵名がニーゴと似た雰囲気の曲を見つけた、と話したのが始まりだった。

全て1人で曲を作るアーティスト。

その為ニーゴよりも投稿速度は遅いが、再生回数はニーゴを余裕で越えている。

絵名はその人のイラストを見てバチバチと対抗心を燃やしていた。

 

「ねぇ、もうちょっとそれ良く見せて!」

 

私も同じ作曲家として話を聞きたい。

それにまふゆの幼馴染の彼女の話を聞けば、まふゆを救う曲の手掛かりになるかも…!

 

「やだ」

 

だが帰ってきた言葉はとても冷たかった。

シ…ンと周りの空気が固まる。

誰も口を開かなかったからか、彼女はそのまま言葉を続けた。

 

「なんで初対面のあなたに見せないといけないの?っていうかどこから来たの?帰ってもらえる?邪魔だから」

 

「零花、落ち着いて」

 

「ミク!!さっさと追い出してよ!」

 

「この子達は私が呼んだ」

 

「なんでそんな事したの!?私は1人でいいの!ずっと!このセカイに余計な事をしないで!」

 

「零花…!」

 

声を荒げた彼女にミクは困ってしまっていた。

私達もどうすればいいのか分からない。

 

「私もう帰る!!」

 

そう言って彼女はuntitledを止めた。

 

 

 

 

 

 

 

「零花がごめんね」

 

しばらくしてミクが口を開いた。

 

「え〜と、取り敢えず簡単に説明してくれるかな?」

 

「なんなのよ、あの子!偉そーに!」

 

ミクに問いかける瑞希を横に絵名は愚痴る。

 

「ま、まぁまぁ。きっと何か事情があったのかもしれないし…」

 

私はそう言って絵名を宥める。

 

「あの子は歌枕零花(うたまくら れいか)。そしてここはあの子の想いで出来た『嘘と真実のセカイ』」

 

「嘘と真実…」

 

「あの子は人生のいろんな事が積み重なって人を信じる事が出来なくなった」

 

「だからさっきもあんな感じで…」

 

「外ではいつもうまく仮面を被ってたんだけど…セカイだったから知らない人が急に来てパニックになっちゃったのかも…」

 

申し訳なさそうにミクは言う。

私はミクの言った言葉が引っかかった。

『仮面を被る』まふゆと似ている。

 

「それであなた達にお願いがあって。

 

     あの子が人を信じるきっかけになって欲しいの。

 

          あの子を救って。」

 

私は強く思った。

あの子も救えるような曲を作ろうと。

 

 

 




どうでしたか?

零花行っちゃった…!
まふゆちゃん後半全く出てきてない気が…!

零花は綺麗な黒髪の持ち主です。長さは肩のちょっと下。
周りには明るい性格と思われています。

ではまた〜!


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−100 一応、取り敢えず

こんニーゴ!

第3話です。
暴言(だと思う)が多いので、苦手な人はご注意下さい。

零花とニーゴのみんなは仲良くなれるのか!?

ではどうぞ!


「はぁ…」

 

セカイから帰ってきた後、私は勉強机で課題に取り組んでいた。

久しぶりに叫んだからか、疲れてしまった。

何故ミクはあんな事をしたのだろう。

今のままで充分だ、少なくとも私には。

 

課題が終わり、先程のラフ画を下書きしようとパソコンに向き合った時だった。

 

「零花…」

 

スマホからミクのホログラムが出てきた。

 

「…ミク。どうしたの?」

 

「…もう一度、セカイに来て。それであの子達の話を聞いて欲しい。私も…あの子達も待ってる」

 

そう言う形、ミクは消えてしまった。

今更何を話す必要が有るのか。

でもいつまでもセカイで待たれていたら困る。

はぁ、とまたため息を吐き、しようがなく私はuntitledを再生した。

 

「良かった。来てくれた。」

 

ホッとミクは顔を緩める。

ミクがガッカリしない様に嫌々来た事は言わないでおこう。

 

「…それで話って何?」

 

「零花さん、あなたの事は簡単にミクから聞きました。そこで一つ提案があるんです」

 

銀髪の女の子が丁寧に話す。

 

「…私達は『25時、ナイトコードで。』、ニーゴとして音楽活動をしています。あなたも『無』として音楽活動をしていますよね。曲調も似ている方ですし、共同制作してみませんか?」

 

「するつもりは無い。話はそれだけ?もう帰っていいかな」

 

「待って下さい!私はあなたも救いたい!だから…」

 

「救いたいってなんなの!?私の事ちょっと聞いただけで偉そうにしないでよ!?アンタに何が分かるの!?」

 

私は…私は…!!

 

「あ………。…私は苦しんでるまふゆを救える曲を作りたい。その手助けをあなたに協力して欲しい。あなたの事をちょっとずつ知ってあなたも救いたい」

 

「救いなんて要らない…!私には必要ない!私の事はほっといて!!」

 

「……でも…!!」

 

「自分の事でさえ悩んでるクセに!!」

 

「え…」

 

さっきまで止まる事の無かった会話が私の言葉でばたりと止まった。

誰も口を開かないからそのまま私は言葉を吐く。

 

「見たら分かるよ。ニーゴの皆さんはみんなそれぞれ悩みを抱えてる。どうせお互いでも気付いてた事でしょ」

 

何をそんなに驚く事があるの、と落とす様に付け足す。

彼女は口を開かない。

 

「自分の事をどうにも出来ないのに、人には『救う』とか馬ッ鹿じゃ無いの?……もう話は無いなら私は帰るね」

 

そう言って後ろに振り返って歩き出した時だった。

誰かが私の腕を掴んだ。

驚いて振り返ると…まふゆが私の腕を掴んでいた。

 

「「「…!!」」」

 

「まふゆ、どうしたの?」

 

さっきまで後ろで黙っていたまふゆが急に行動を起こした事を不思議に思った。

 

「25時にナイトコードに来て」

 

「だから共同制作はしないって…」

 

「その時間にナイトコードに居るだけでいい」

 

「……」

 

私はまふゆから手を離そうと、力を入れるがビクともしない。

私が頷くまで離さないつもりらしい。

 

「…分かった。25時、ナイトコードね」

 

「「「「………!!」」」」

 

「じゃあ、また」

 

私はuntitledを止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

25時になった。

私はナイトコードというアプリを入れて無かったからダウンロードして、この時間まで曲を作っていた。

まふゆから教えてもらったパスワードを打ち、出てきた入室のボタンを押す。

 

「こんばんは」

 

「わっ!ホントに来た!」

 

折角来たのにその反応はおかしいと思う。

誘って来たのはそっちじゃない。

 

「こんばんは、零花さん。詳しい自己紹介はまだでしたね。私は宵崎奏。ここでは『K』と呼んでください。作曲を担当しています」

 

奏さんは優しく言う。声からしてあの銀髪の子だろう。

 

「こんばんは〜零花!僕は暁山瑞希!ここでは『Amia』って読んでね〜!僕はMVを作ってるよ!」

 

元気な声が聞こえる。ピンク髪の子か。

 

「…私は東雲絵名。ここでは『えななん』って呼んで。私はイラストを描いてる」

 

少しイラついた声が聞こえた。後ろでずっとムスッてしてた子だろう。

 

「分かると思うけど一応。朝比奈まふゆ。ここでは『雪』。作詞を担当してる」

 

まふゆの無機質な声が聞こえる。

 

「…よろしく。私は歌枕零花。ここでは『無』」

 

「改めてよろしく〜!あ、呼び捨てでいいからボク達も呼び捨て・敬語無しで行くね〜!零花の趣味は何〜?好きな物は嫌いな物は?それから〜」

 

「私はナイトコードに居るだけでいいって言われたから来たの。だから無駄な干渉をするつもりは無い」

 

良く言えば賑やかな人、悪く言えば五月蝿い人。

一気に聞かれて答えられないし、答えるつもりも無い。

 

「Amia、ほっとけば!?こんな奴!Kの事を馬鹿呼ばわりして!ムカつくんだから!」

 

「えななん、落ち着いて。私は気にして無いし、それに私も悪かったから」

 

「Kは何も悪くないよ!コイツだって人の事言えないくらい偉そーにしてたんだから!大体ねぇ〜!」

 

「あの、えななん?白熱してるところ悪いんだけどさぁ〜」

 

「何、Amia!?まさかアイツの肩を持つつもり!?」

 

「違うよ〜、どうどう。よく見て、ミュート切れてるでしょ!いくら喋っても聞こえてないよ〜」

 

「はぁ!?なんなのよ、アイツ〜!!」

 

 

 

 

こうして零花はニーゴのみんなと25時に集まること(?)になったのでした。

 

 

 

 




どうでしたか?

零花、態度酷すぎる…!
推しへの暴言は辛い…!(自分が書いたけど)

ではまた〜!


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00 ミュート

こんニーゴ!

第4話です!
早く零花とえななんが仲良くなれる事を祈っています…!
もうちょっとで2周年ですね!
楽しみです♪( ´▽`)


…25時。

人生で二回目のナイトコード入室ボタンを押す。

 

「………」

 

「あっ、零花!やっほー!」

 

「零花…取り敢えず入った時は何か言って貰えるかな?気付かない時もあるから…」

 

どうやら今居るのはKとAmiaの2人みたいだ。

確かに黙って入るのは気まずい。

 

「…分かった。…なんて言えばいい?」

 

「そうだね…私は『みんな居る?』が多いけど…他のみんなは『お疲れ様』とかが多いかな…」

 

「うんうん♪ボクは『みんな、おつかれー!』が多いかなー!」

 

「今日もそうだったね」

 

そうなんだ。お疲れ様、か。

 

「じゃあ、みんな、お疲れ様」

 

「フフッ。お疲れ様」

 

「零花も学校おつかれー!」

 

学校おつかれ?

…2人は学校に行ってないのだろうか?

 

「学校行ってないの?」

 

「私は通信制高校だから曲作りの合間に授業を受けてるよ」

 

「ボクはただのサボり。だから補習によく呼ばれるんだよねー」

 

「良いの?」

 

「良いの良いの♪ちゃんと補習には行くんだし♪」

 

「そうなんだ」

 

私は会話を区切り、自分の作業を始める。

昨日はずっとミュートにしていたから、ほぼ1人で作業していたようなものだ。

今日もそうしようか。

ミュートボタンをクリックしようと、手を伸ばしたところ…

 

「遅れてごめん」

 

「みんなお疲れー遅れてごめんねー」

 

まふゆ、じゃなくて雪とえななんが来た。

えななんが来たなら余計、ミュートにしなければ。

だが、次の言葉で不可能になってしまった。

 

「あっ、零花。今日はミュートにしちゃ駄目だよ」

 

Kには私の心が読めてしまうのだろうか?

 

「心が読めるの?」

 

「あー読めるっていうか…えななんが来た途端、急いでミュートボタンに手を伸ばす零花が見えたんだよねー。ねっ、K?」

 

「うん」

 

そうなんだ。

そういえばこれ、えななんにも聞こえてるよね?

あっ……。

 

「ちょっと!零花どういうつもり!?昨日に続いて今日まで!?まだ何もしてないじゃない!」

 

「お、落ち着いて、えななん…!」

 

「『まだ』って事は何かするつもりだったの?」

 

申し訳なさそうなKの声と、冷静に言葉を返す雪の声が聞こえた。

 

「取り敢えず、仲良くしてよ、2人とも!えななんは零花に怒っちゃ駄目だし、零花もすぐミュートにしちゃ駄目だからね!」

 

ミュートが出来なくなった。

でも、えななんに五月蝿く言われる事は無いだろう。

 

「「分かった」」

 

「ねぇ、ここでは零花の事は『無』じゃないの?」

 

「「「あ」」」

 

確かにずっと零花、零花だった。

何か違和感があると思ったらそれだったのか。

 

「ごめん、無」

 

「ごめんねーこれから気を付けるから!」

 

「無よりも零花の方が呼びやすいような…無って一文字だし…」

 

謝られる様な事ではないと思う。

なんなら別にどっちでも良い。

 

「どっちでも自由に呼んでくれれば良いよ。特にこだわりは無いから」

 

「いや、ちゃんと無で呼ぶよ!ね、えななん?」

 

「分かった分かった」

 

「えーなんかテキトー」

 

「それよりも早く作業始めよう」

 

雪がAmiaとえななんの会話を遮る。

私はもう勝手に作業をしているが。

 

「そうだね。それじゃあ始めようか」

 

Kの静かな声でみんな作業を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…五月蝿い。

さっきから始まったえななんとAmiaの会話がヒートアップしている。

ミュートにしたい。頼んでみようか。

確かここら辺にチャットが………あった。

 

『K、2人が五月蝿いからミュートしてもいい?』

 

しばらくしてKの返事が来た。

 

『あっ…ごめんね。まだ慣れてないのに五月蝿くしちゃって。じゃあ、2人が静かになったら連絡するから、またミュート外して貰えるかな?』

 

『分かった。』

 

私は少し考えて追加で送った。

 

『ありがとう。』

 

『K、私もミュートする。』

 

『あぁ…分かった。じゃあ、雪も無と同じ様にしてね。』

 

『分かった。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後2人から私たちに謝罪があった。

これからもう少し静かにすると言っていたが、いつまで続くのか、というか大して続かないだろうと私たち3人は思った。

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?

まふゆちゃんとえななんが遅れた理由を書くつもりが…
書け…なかった…?
僕の能力不足です…

因みに、えななんは授業が長引いた、まふゆちゃんは歌詞を練るのに集中していて25時を過ぎている事に気付かなかったという設定でした。

評価、感想貰えると嬉しいです!

ではまた〜!


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10 マリオネットの前夜祭

お久しぶりです、こんニーゴ。

だいぶ遅れましたが、プロセカ2周年おめでとう〜((パチパチパチパチ
ピックアップに奏ちゃん入れたのに来なかった〜あぁ…

今回はイベントを基に話を作っていますが、本当に雰囲気だけです…!
設定の全然違うところが多いので、苦手な方はバックがおすすめかもしれません。
(うろ覚えで書いたからなぁ…)

文字数多めです、どうぞ!


「みんな、ちょっといいかな?」

 

ナイトコードに入っていつも通り1人で作業をしているとKがみんなに呼び掛けた。

 

「人形展のチケットを知り合いから貰ったんだけど…私は興味が無いから、みんないる?」

 

「「人形展?」」

 

「うん。今週の土曜日なんだけど、いろんな人形が見れるみたいだよ。他にも人形の衣装とかも飾ってあるみたい」

 

「へぇ〜人形の衣装か〜!良いのがあったら作ってみたいな!」

 

「素材の参考にしてみたいかも!」

 

「私は興味ない」

 

盛り上がっている2人とは対照的に自分の意見を淡々と述べるまふゆ。

 

「も〜釣れないなぁ。ねぇ、折角だしみんなで行かない!?」

 

Amiaが提案する。人形の衣装がそんなに気になるのか、さっきからテンションが高い。

ううん、やっぱり前言撤回。Amiaはいつもテンションが高くて、五月蝿い。

 

「あ、ごめん。2枚しかなくて…ってあれ?1枚で2人入れるみたい。でも人数足りないし、みんなで行ってきたらどうかな?私はなるべく曲作りに時間を割きたいし」

 

「え〜Kも行こうよ〜!一応お金を払ったら入れるんでしょ?割り勘だったらそこまで負担じゃないし」

 

人数が足りない?2人が2枚、4人でしょ?足りるはず。

まさか私も含めて考えてるの?

 

「私は行かないよ。今週の土曜は予備校があるし」

 

「それなら私もある。3人で行ったらお金も掛からないんじゃない?」

 

私の言葉にまふゆが反応する。

私達は予備校がある。友達と出掛けるからという理由で休めるような物じゃない。

 

「予備校は何時に終わるの?」

 

「17時」

 

「じゃあ終わってからでも行けるよ。20時まで開いてるから」

 

Kが優しく言う。

 

「でも門限が…」

 

そうだった。まふゆの親は厳しい。

遊びに誘った時も厳しい門限のせいで断わられた。

勿論門限が関係なくても、午後から予備校だったりで高校生らしくまふゆと遊んだことは今まで無いし、そんなまふゆの姿を見かけた記憶も無い。

まふゆの感情が無くなってしまったのもあの親の所為なのかもしれない。

 

何回か会ったことがある。私はあまり良く見られていなかったと思う。

視線に殺意…とまでは行かないけれど敵意のようなものを感じた。

それにやたらと自分の意見をじわじわ押すな、と思った。特に母親。

反抗したとしても後が面倒になりそうなタイプ。気付いたら言いなりになっているのではないか。

まふゆは昔から思いやりのある子だった。

その思いやりが母親に向いていたら?後は容易に想像出来る。

 

「…!…!」

 

奏さんは曲でまふゆを救うと言っていた。曲で…

 

「…!……零花!!」

 

「え…?」

 

急に名前を大声で呼ばれてビックリしてしまった。

 

「え、じゃないわよ!さっきからみんなで呼んでも何の反応もしないんだから!」

 

「ご、ごめん。それで何?」

 

「何って…人形展の話してたでしょ?それで行くの行かないの?」

 

「だから予備校が…」

 

「予備校終わってから行こうっていう話じゃない!」

 

「えっ…まふゆは?」

 

「予備校終わって少しだけなら大丈夫」

 

「そ、そうなんだ…」

 

「で、行くの、行かないの?」

 

4人…私が行ったらお金が掛かる…

 

「予備校の後すぐ用事があるから私は行けない」

 

「そうなんだ…」

 

さっきまで凄い圧で問いかけてきたえななんの代わりにKの声が聞こえた。

なんだか悲しげなのは気のせいだろうか。

 

「うん。だから4人で楽しんで来て」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。私はいつも通り学校に行く。

 

…もしかしたら私もまふゆと似たようなものなのかもしれない。

いつも周りには嘘の笑顔を振り撒いて。

でも私はきちんと自分の感情はある、多分。

きちんと味等も分かる、美味しいと感じるかどうかは置いておいて。

 

私は人を常に疑っている。信用出来ないから、自分に近しい人程、私は観察している。

この人はどんな性格なのか、どんな人と仲良くしているのか、普段どんな事を話しているのか、裏でどんなことを言っているのか。

私は耳が良い。普通の人が聞こえないような、小声でも、遠くで話していてもある程度なら聞こえる。

本人の前では、どんなに調子の良い事を言っていても、教室の隅でボソボソと悪く言っているのだ。

 

他人の事だとしても気分が悪くなる。

聞かないようにすれば良いかもしれないが、私はそうやって人を判断しないといけない。

その人との間の壁の厚さを決めないといけない。壁が厚い人間とはなるべく関わらない。そうやって私は生きてきた。

 

まふゆは多分1番壁が薄かった。

でも私はまふゆをずっと見ていたから、違和感に気付いた。

まさか感情すら無くなっているとは思わなかったけど。

 

 

いつもいつも我慢して、自分の気持ちを出さない。

 

本当は違うはずなのに否定しない。

 

無理矢理な、自然とは言えない笑顔で取り繕う。

 

段々、段々、その動作に違和感が無くなった。

最初でもパッと見だったら、気付かないようなものだった。でも親しい人なら気づくような、そんなもの。

 

それが自然に、自然に。

 

心から出るようなものに見えた。

 

でも何処かでこの動作は人に見えなかった。気持ち悪かった。

私の目にはロボット、というよりは人造人間のようなものに映った。

 

気にして声を掛けた事もある。さりげなく聞いたりした事もある。

でもことごとく綺麗に躱されてしまった。

本人が大丈夫と言うなら大丈夫かとその時思ってしまった。

気付いたらもう取り返しがつかない事になってしまった。

 

もっとしつこく、いや直球で聞けば良かったのだろうか。“風”じゃなくて、ちゃんと親身になって質問すれば良かったのだろうか。

 

……正解はもう誰にも分からない。

 

 

 

「零花、おはよう」

 

後ろから優等生のまふゆの声が聞こえた。

 

「おはよう、まふゆ」

 

私はニコッと笑って返す。

そうやって変わりない毎日を繰り返して来たつもりだった。まふゆは変わってしまった。

 

「ところで、今週の土曜は予備校終わった後に何があるの?」

 

「……え?」

 

「昨日ナイトコードで言ってたでしょ?何の用事か気になって!」

 

「え、とプライベートの事だし言えない…かなぁ」

 

「プライベート?高校生で『友達』にも言えないプライベートの用事って一体何かなぁ?」

 

「えっと、その…」

 

なんで急にこんなこと聞くの?嘘がバレる。何か言い訳を…。

 

「言葉通りに取っちゃうと怪しい危険な匂いがするんだけどなぁ。まさか」

 

「あーあー!言わないで言わないで!えっと、その、曲を作るんです…」

 

「曲を?」

 

「そう、曲を…」

 

「そうなんだ、零花は曲を作りたい奏が行くのに、自分だけ曲を作るんだね?」

 

「あ、いや、その、え、と」

 

「このことを今日、ナイトコードで行ったらみんなどんな反応するだろうね?奏も曲を作るっていうかも。そうしたら絵名と瑞希は怒ると思うなぁ」

 

「い、言わないで。だって私が行ったらお金掛かるし、それにさ…」

 

「それに?」

 

「私、ニーゴじゃないから一緒に行っても邪魔だよ」

 

「そっか。分かった」

 

良かった、分かってくれて。

また絵名さんに怒られるのは作業が遅れるから、勘弁して欲しい。

まふゆ、言わないよね?多分。まふゆは今まで人が嫌がることをした事無いし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、『私が行くとお金が掛かるから、人形展に行かない』って今日零花が」

 

信用するべきじゃなかった。突然だった。突然まふゆが早口で暴露した。

 

「えっ!?何それホント!?」

 

真っ先にえななんが声を上げる。嫌な予感が…寒気する…

 

「ちょっと、ちょっとー!僕たちそこまで貧乏じゃないんだから、5分の1人分くらい出せるよー!」

 

「そうそう、それにお金は出さなくても行けるわよ」

 

お金は出さなくても行ける?

 

「それってどういう事?4人分じゃないの?」

 

「フフーン、実は昨日お母さんに一枚貰ったのよ!モトモトハアイツガタイリョウニモラッテキタモノダケド」

 

「えななん、最後の方なんて言ったの?小声の早口で聞こえなかった」

 

「な、なんでもない。とーにーかーく!遠慮しなくても行けるわよ!」

 

怒られなかった。じゃあさっきの寒気は気のせい…

 

「そういえば『私はニーゴじゃないから邪魔だ』とも零花が言ってた」

 

「「「え………」」」

 

3人のただただ驚いている声が聞こえる。

 

なんて言った?私はまふゆが言った言葉を頭で繰り返す。

…まふゆ!?まふゆさん!?

私は今日素のまふゆを信じてはいけないことを学んだ。

 

「な、なんで言うの?言わないって約束した…」

 

「分かった、とは言ったけど、言わないとも内緒にするとも言ってない」

 

私は記憶を朝に戻す。さぁ…と顔が青ざめた。

確かに言ってない。油断した。私が…!

 

「零花、そんな風に思ってたの?」

 

奏さんの悲しそうな声が聞こえる。

 

「私はニーゴのメンバーじゃないし、一緒の時間にナイトコードを通して作業をしているだけの存在だから…私がニーゴの間に入るのはおかしいと思った…」

 

「私は零花のことを邪魔だと思ったことはないよ。まふゆの幼馴染っていうこともあって、前よりもまふゆが楽しそうだし、一緒に作業して良かったと思う」

 

「ボクもそうだよ!零花が来てからはまふゆが2人に増えたような感じがしたし、零花も自分から喋るタイプじゃないけど…人数が増えたから賑やかな雰囲気を感じたんだよね。そういう雰囲気で作業する方がいいもの出来るじゃん?」

 

「私は…正直言ってまふゆよりも厄介な奴が来たなって思ったんだよね。でも今更居なくなったら…ストレス発散させる相手が減っちゃうじゃない!」

 

「そうそう。今零花が居なくなったら絵名の八つ当たりが全てボクに…」

 

「八つ当たりではないから!ま、今更居なくなったら困るってこと。まだ絵も見せて貰ってないし。まふゆもなんか言いなさいよ!」

 

「私は別に零花がナイトコードに顔を出さなくても、学校で会えるからどっちでもいい。でもみんなが困るならいた方がいいと思う」

 

「もし零花が良かったら引き続きナイトコードに来てくれないかな?人形展もみんなで行こう?」

 

「うん、みんながいいなら…」

 

「だから良いって言ってるじゃんー。あーでも良かった。まふゆを最後に回したのは失敗だったけど奏がうまくまとめてくれて」

 

「まふゆも素直になれば良いのに、零花がいないと寂しいって」

 

「よく分からない」

 

「アンタねぇ〜!」

 

「…ところでさ」

 

「どうしたの、零花」

 

「さっきからずっと名前呼びになってるよ」

 

「「「あ」」」

 

「ま、まぁ?重要な話だし、名前呼びの方が思いが伝わるっていうか?」

 

「よく分からない」

 

「アンタは黙ってなさい」

 

「まぁまぁ、取り敢えず話をまとめるとみんなで土曜17時に駅前集合、人形展に行く、でオッケーだよね!いやー楽しみだなぁ!今までセカイでしか会ったこと無いもんね!」

 

 

Amiaが楽しそうにまとめる。

みんなから聞こえる声も明るい気がする。

私も…人と出掛ける事が久し振りだからか、楽しみにしている自分が心の隅にいた。

 

 




どうでしたか?

えーと、零花さん?
人信じてないって言ってて、ニーゴのみんな信用してませんか?
……何故、こうなった…

零花の人間不信は治って無いです。
そういう認識で…あの…お願いします…

ではまた!


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10 マリオネットの手掛かり

お久しぶりです!
いいニーゴの日!((パチパチパチパチ

ニーゴのみんなバカ可愛い…!
個人的に単独だったらめっちゃ可愛いって意味だと取ってるんですけど、
あってるんですかね?

感じ方は人それぞれですよね!

ではどうぞ!


「…よってここは三平方の定理を使って…a=√7よって代入するとxは…」

 

ニーゴのみんなと人形展に行く当日。

今は予備校で授業を受けている。

数学の授業が終わった後、私の隣に座っているまふゆと駅前の待ち合わせ場所に行くつもりだ。

 

……誰かと遊びに出掛けるなんて何年振りだろうか…。

あんまり覚えてないな…。

パッと思い付くのは、姉さんと映画を見に行った時かな…。

確か…ゾンビ映画だった。私が小3の時。

普通血塗れだらけのゾンビ映画に小3の妹を連れて行くだろうか?

今考えると、アニメーションが妥当な気がする。

 

でも、あの時は珍しく姉さんが楽しそうだったから良かったかな…。

私は姉さんが大好きだった。俗に言うシスコンだったかもしれない。

 

そんなことを考えながら私は授業に意識を戻した。

 

 

 

「これで今日の授業は終わりだ。気をつけて帰れよー」

 

先生の声でみんなは立ち上がり、各々帰る準備をする。

中にはあり得ない速さで教室から去る人もいた。

 

「じゃあ、授業終わったし、待ち合わせ場所に行こっか」

 

「そうだね」

 

私とまふゆもみんなを待たせないように、いつもより急いで建物から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、まふゆー!零花ー!こっちこっちー!」

 

声がした方に目を向けると、瑞希さんと奏さんが立っていた。

絵名さんはまだみたいだ。

 

「お待たせ」

 

「遅れてごめん」

 

「大丈夫大丈夫!ボク達もさっき来たとこだしさ!それに絵名もまだみたいだしね!」

 

「そう、なら良かった」

 

瑞希さんの声は大きい。

耳障りではないが、もう少し抑えて欲しいところだ。

 

「それにしても…2人は本当に雰囲気がそっくりだね!並んでみると本当によく分かるよ!」

 

瑞希さんが驚いたように言う。

 

「そんなに似てる…?」

 

「零花の方が可愛いし、ふわふわしてる」

 

まふゆが私の背中にまわって抱きつく。

まふゆの方が背が高いから、ちょうど良いみたいだ。

 

「それにまふゆの方が凛としてる。でもまふゆの方が可愛い」

 

「「………(お互いで褒めあってる…。仲良いんだなぁ…)」」

 

「まぁそれはそうなんだけど…やっぱり悩んでるっていうかさ…似た者同士だからこそ仲が良いのかなぁ?って改めて感じるっていうか」

 

「そっか」

 

「それよりもさ…」

 

にんまり…というのがいかにも当てはまるような悪戯っぽい笑顔を瑞希さんが向ける。

 

「今度ショッピングモールのお店で買いに行こうよ!3人とも素材が良いから絶対メイク似合うし、奏はジャージだし!服とメイク道具を…!なんなら今から行く?」

 

「はぁ…ったく!これから人形展に行くんでしょ!そんな時間ないわよ」

 

「わっ!やっと来た〜。遅いよ絵名〜!」

 

「遅くないわよ。集合時間の1分前じゃない!」

 

そう言って絵名さんはスマホの画面を見せた。

確かにまだ集合時間を過ぎてはいない。

 

「でも〜こういうのは早めに来るものじゃない?」

 

「確かに」

 

集合時間ぴったりに来る人は初めて見た気がする。

 

「はいはい。今度から気を付けます〜!」

 

怒ったように絵名さんは言った。

その後、私達3人を見比べてうんうんと唸る。

 

「確かにこれは…勿体無い…!」

 

「でしょでしょ〜!」

 

「でも今日は人形展に行くわよ!この件に関してはまた今度ね」

 

「えぇ〜。…ケチ。」

 

「ケチって何よ!?私は当たり前のことを言ってるわよ!」

 

「ま、まぁまぁ…」

 

奏さんが2人の間に入る。

…早く行きたい。

 

「早く行こう」

 

まふゆが私の心を代弁したように言う。

 

「え、あ、そうだね。行こうか」

 

奏さんの声に、2人も渋々歩き出す。

いや、絵名さんの場合ふふんって感じの顔をしている。

 

なんだかんだ、私達は人形展の場所まで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「わぁ…!」」

 

会場に足を踏み入れると、そこにはおとぎ話のような雰囲気が広がっていた。

入り口の人形が私達を出迎えてくれる。

奥に目を向けると数々の人形が綺麗に並べられていた。

多くの人形はドームケースが被されていて、大事に扱われている。

 

「ちょっと見てよ!この服オッシャレ〜!まふゆ似合うんじゃない?こっちは零花かな?あっちのは奏が似合いそう!ここ写真オッケーだっけ?ボクが今度作ってくるから3人とも着てみてよ!」

 

興奮した瑞希さんが早口で声を出す。

私は入り口に貼ってある張り紙を見た。

 

「写真は撮って良いみたい。でも人形に触れちゃダメだって書いてある」

 

「じゃあ写真撮ろー!色違いを作っても良いかも!」

 

「……着ないよ」

 

「私も」

 

「…私も…遠慮しようかな…」

 

私が呟くと続けて、まふゆと奏さんが声を上げた。

 

「えぇ〜!勿体無い!まぁ一回着てみてよ!気にいるかもしれないじゃん?」

 

瑞希さんはがっかりした様な表情を見せたが、諦め切れないのかまだ私達に勧めてくる。

奏さんは困った様な表情を浮かべたが、まふゆはすでに飾ってある人形を眺めている。

会話に入ってこない絵名さんの方へ目を向けると、人形を八方から見回してふんふんと頷いたり、気に入ったものなのか人形と一緒に写真を撮っていた。

 

「ねぇねぇ、見て!これすっごく上手く撮れたんだけど!」

 

そう言って駆け寄ってきた絵名さんのスマホを覗く。

確かに綺麗に撮れていた。

周りが薄暗く、人形がライトアップされているのにも関わらず、ここまで綺麗に撮るのは至難の業であろう。

 

「写真は撮って良いけど、SNS等に投稿するのは禁止だって書いてあったよ」

 

「えぇ…!なんでそれを言わないのよ!」

 

「やっぱり投稿するつもりだったんだ。こういうところって写真禁止なところが多いのに、ここは大丈夫ってことに感謝すべきだよ。それに簡単に投稿出来たら来る意味ないよ」

 

「はぁ、折角撮ったのに」

 

私の言葉にがっかりした表情を絵名さんは見せた。

………

 

「絵名さん。私にその写真送って」

 

「へ?」

 

「私、絵名さんの自撮りアカウントずっと前からフォローしてたから」

 

「え、そうなの?なんか意外…」

 

「絵名さんと一緒に映ってる小物が色々あって、アイデアに繋がるし、映りが良いから模写にも向いてる。だから重宝してる」

 

「なっ…!」

 

「あはははっ!だって絵名!ふふっ…」

 

「瑞希笑い過ぎ!零花も一言多いんだから!」

 

「ふふっ…ははっ…」

 

私は正直に言っただけなのに。

そしていつまで笑っているんだろう、瑞希さんは。

因みに絵のアカウントの方もフォローしている。

私と絵の雰囲気は違うけど、絵名さんの絵はなんとなく惹かれる。

 

「あと、零花。さん付けはいいからね?それにしても…ふふっ」

 

そういえば前にも言われていた様な…。

…まだ笑ってる。

 

「分かった」

 

 

 

「私、お手洗い行ってくる」

 

一通り回ったあとまふゆが呟いた。

 

「うん、行ってらしゃい」

 

その声に奏が応える。

絵名と瑞希はまだ近くの人形を見ていた。

 

「思ったんだけど、瑞希は絵名の服を作ればいいんじゃない?さっきから私達のばかりにこだわってたけど」

 

「確かに」

 

「まさか私に作る気は全くなかったの!?」

 

「え、いや〜絵名はいっぱい服持ってるからさ!要らないかな〜って…」

 

「まぁ私は沢山服を持ってるけど!私だけ仲間外れとか嫌じゃない!」

 

「それもそうだね!絵名に似合いそうなのも見つけたから作ってくるよ!(本当はオシャレしない3人が勿体無さ過ぎてボクがどうにかしたかっただけだけど。みんなに似合いそうなのをオリジナルで作ってみるのも楽しそうだなぁ!)」

 

瑞希が絵名に集中していれば、私は面倒ごとが無くなるし一石二鳥。

正直言って服は機能性が一番。

でも私は奏みたいにジャージじゃなくて、Tシャツを愛用している。

それにメイクもしたくない。日焼け止めすら苦手なのに。

 

「そういえば…まふゆ、遅いわね?」

 

「確かに…」

 

「様子見に行こう。確かこっちにトイレはあったはず…」

 

私達4人はまふゆを探してトイレのある方向に向かった。

まふゆは思ったよりも早く見つかった。

ただ様子がおかしい。

 

「どうしたの!?まふゆ!」

 

「大丈夫…?」

 

「気持ち悪い…!気持ち悪いの…!あの人形…!」

 

珍しく青ざめた顔で必死に訴えてくるまふゆに全員驚いたものの、指を差した方に視線を移した。

その先には1人の綺麗な人形が籠の中にいた。

よく見ると、ところどころ細い糸で吊るされているため、マリオネットだろう…。

 

「あのマリオネット?」

 

「ボクには普通に見えるけど…」

 

「私も綺麗な人形だなって」

 

「でもこの人形可哀想。籠の中に独りぼっちで。誰かが来るのを待ってるみたい。…まふゆ、深呼吸すると落ち着くよ」

 

私はそう言ってまふゆの背中を撫でる。

少し落ち着いたようだ。

 

「あ、ありがとう…。取り敢えずここから離れたい…!」

 

まふゆの言葉を聞いて、私達はゆっくりとその場から立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まふゆ、どうしてあの人形が気持ち悪いと思ったの?」

 

あの場から離れたあと、奏がまふゆに問う。

 

「え…?なんとなく…」

 

疲れてる様子のまふゆは曖昧な答えを返す。

 

「まふゆがなんでそう感じたのかが分かれば、まふゆを救う曲に近づける気がする。だからちょっとでもいいから教えて欲しい…!」

 

「…分からない」

 

「まぁまぁ奏!まふゆも疲れてるみたいだしさ!この話はまた今度にしよう!無理強いもいけないしね〜!」

 

「あ、そう、だよね…。ごめん、まふゆ」

 

「今日はもうこれでお開きかなぁ。みんなもう帰る?」

 

「私は歩き疲れたし、もう帰る。作業もあるし」

 

そんなに歩いてないと思うが、奏は体力が無いみたいだ。

…部屋に篭ってるからかな。

 

「私も。それにお母さんが心配するから」

 

「みんなが帰るなら私も帰ろうかな。零花は?」

 

「私はコンビニか何処かでご飯を買ってから帰る」

 

今日はきっと作って貰えないはずだ。

 

「え〜、じゃあボクとファミレスで食べてこうよー!ボクもまだ帰る気分じゃないからさ!」

 

「それなら私も一緒に行こうかな。パフェみたいな甘いもの食べたい気分だったし」

 

「じゃあ、そうしようかな」

 

「それじゃ決ーまり!奏、まふゆ、気を付けてね〜!また25時、ナイトコードで!」

 

「うん、ナイトコードで」

 

「うん、またあとで」

 

そう言ってまふゆ達は帰って行った。

ファミレス、か。いつぶりだろう。

 

「それじゃあ、ファミレスへレッツゴー!」

 

私達は瑞希についてファミレスへ向かった。

 

 




どうでしたか?

ファミレス…食べたい!(?)

ガチャって怖いですよね…クリスタルがいつの間にか減ってるんですよ…!
すり抜けがすごい多いんですけど、僕だけでしょうか…
自己抑制…ムズイ。

ではまた〜!


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