「よいしょっ… っと」
人が人を斬るそんな世の荒れ様を感じる光景を引き起こした人斬りに対して背後から歩み寄る影。
「相変わらずの戦闘スタイルだねぇ」
そう話しかけるのはその手の界隈で知らない人はいないであろう程の美貌を持った美女・アーサー・ペンシルゴン
その外見は現実においてスーパーカリスマモデルとして日本が世界に誇る花形モデルとまで称する人すらいるほどの有名人である天音永遠をシャングリラ・フロンティアのゲームシステムの中で自身の手によるパーツの
まぁそのアバターを使用しているのが極悪クラン「阿修羅会」のメンバーたる極悪人であるあたり名誉毀損などになるのではと考える者もいるだろうが。
「僕が言えた立場じゃないけど君も君でひどくない?」
「いやいや私の場合、ただアバターが、かなりとても現実の一個人に似ているってだけだからねぇ」
「当人が怒ってきたりとかしない限りは変えるつもりもないし、まぁそもそも変えるつもりはないけど、今のところ手段があるわけでもないからね」
「それはそれとしてだけど最近は狩る量多くなってないかい?」
「いやまぁ…最近クラン内がなんだか腑抜けてきている感じがあるからね、きっかけがあったらその内停滞して地位にあぐらかくような奴が増えてきそうな気がするんだよ」
「あと純粋にそろそろ運営側からPKの対策とか入れてきそうって噂もあるからね、今の環境を楽しめるうちに楽しまないと」
「まっそういうわけもあって鬱憤を晴らすついでに、心置きなく楽しめる間に楽しもうってわけだよね」
「あぁ…確かに、最近はなんだかそういう空気が漂ってるように私も感じる」
「まぁ本当に組織として腐ったら僕よりも先に
「さてと…」
「無駄話もこの辺にして…だね」
「ちょうど狙ってた獲物が被っちゃったとはいえ、このままだと微妙な感じになっちゃうからねぇ」
「一本先取でどうかな?」
「先に一撃入れた方が勝ち、今回の獲物総取りって事で」
「良いよ、相応の
「
「それじゃあ合図はこの球が落ちたらで良いかな?」
「うん?良いよ」
「それじゃあ投げるね」
(なんだか嫌な予感がするような)
ドムンッ
「んっ?!」
「思ったよりしっかりと引っかかってくれたねーいやーごめんねぇそこまでしっかりかかるとは」
「はかったな…ペンシルゴン…」
「今回は私の勝ちって事で良いよね?」
「くぅ…あぁうん…今回は僕の負けだよ」
「まぁ今度いい狩場教えるからさ」
「ほんとその言葉忘れるなよ…」
まぁ結局その言葉は流されたのだけれど
腐れども
その身投じし
修羅の道
違えるならば
立つも厭わず
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