【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】 (クラウディ)
しおりを挟む

【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】




書きたくなったので、書いてみたら思いの外筆が乗ったので投下する。





1:名無しのネット民

というわけでタイトル通りのことが起こったからおまいら知恵を貸してくれ

 

2:名無しのネット民

死ね

 

3:名無しのネット民

くたばれ

 

4:名無しのネット民

もげろ

 

5:名無しのネット民

こういう時、どんな返事をしたらいいのかわからないの

 

6:名無しのネット民

↑殴ればいいと思うよ

 

7:名無しのネット民

辛辣だなぁ……

 

 

ま、俺も同意見なんですけど(ヘヴィマシンガン)

 

8:名無しのネット民

リア充は敵だぶっ殺す

 

9:名無しのネット民

ヤロォブックラッシャァアアアアアアア!!

 

10:名無しのネット民

お前みたいなやつは最後に殺すと約束したな

 

あ れ は 嘘 だ

 

11:名無しのネット民

夜道には気を付けるんだな

 

12:名無しのネット民

住所特定すっぞ

 

13:名無しのネット民

>>12 やめとけ俺たちもポリスメンに捕まる

 

それはそれとしてリア充死ね

 

14:名無しのネット民

おまいらに期待した俺がばかだったわ

 

話を聞いてくれたら美女の写真投稿しよっかなぁ~と思ってたんだけど

 

15:名無しのネット民

ガタッ

 

16:名無しのネット民

ガタッ

 

17:名無しのネット民

ガタッ

 

18:名無しのネット民

ガタッ

 

19:名無しのネット民

ガタッ

 

20:名無しのネット民

ガタッ

 

21:名無しのネット民

ガタッ

 

22:名無しのネット民

キリッ

 

23:名無しのネット民

バッ

 

24:名無しのネット民

おうガタキリバは予算崩壊するからやめろ

 

それはそれとして美女の写真オナシャスセンセンシャル!

 

25:名無しのネット民

おまいらみたいにあからさまな釣りに釣られクマ―!

 

26:名無しのネット民

釣りじゃん萎えたわ

 

27:名無しのネット民

はい解散

 

28:名無しのネット民

釣りじゃないんだよなぁ……

 

(毛先に近づくにつれて黄金色になっていくロングストレートな茶髪をうなじあたりでまとめているグラマラスな美女が優雅な所作で茶を飲んでいる写真)

 

29:名無しのネット民

オファッ!?

 

30:名無しのネット民

ヌッ!

 

31:名無しのネット民

なんだこれは……たまげたなぁ……

 

32:名無しのネット民

なんだこの美女!?

 

33:名無しのネット民

あぁだめだ……エッ過ぎますねこれは……

 

34:名無しのネット民

ふぅむ……毛先だけが黄金色になっているという、一歩間違えばプリンヘッドになりかねないような手入れのしにくい染色をあえて選び、しかしその砂金のような美しさが全く崩れることがないさまはまさに芸術

顔の輪郭もむくみなどで膨れているわけではなく、健康に気を使っているのか輪郭はふっくらとしつつシュッと流れるようだ

簡単にたとえるなら、生命の神秘の結晶体である赤子のように柔らかい肌であろうことが写真だけでもわかる

そして、その胸部装甲は豊満であった……

 

35:名無しのネット民

>>34が全部言ってた

 

36:名無しのネット民

>>34 おま評論家

 

37:名無しのネット民

>>34 なんで写真だけでそんな分析ができるんだよ

 

38:名無しのネット民

キモッ(誉め言葉)

 

39:名無しのネット民

おい、言葉を慎めよ

 

40:名無しのネット民

これもエボンの賜物だな

 

41:名無しのネット民

エボン教徒は評論家じゃねぇんだよ!

教えはどうなってんだ教えは!

 

42:名無しのネット民

ティーダのコンボ気持ち良すぎだろ!

 

43:名無しのネット民

脱線シスギィ!

 

44:名無しのネット民

話戻せよおまいら

 

45:名無しのネット民

ってか、>>1コテハンつけといて

 

46:仙衆夜叉の陽天

おけ

 

47:名無しのネット民

なんじゃそれww

 

48:名無しのネット民

仙w衆w夜w叉wのw陽w天w

中二病乙ww

 

49:仙衆夜叉の陽天

草生やすな

 

写真の美女が俺をそう呼んできたからつけただけだぞ

 

50:名無しのネット民

サーセン

 

51:名無しのネット民

サーセン

 

52:名無しのネット民

サーセン

 

53:名無しのネット民

サーセン

 

54:名無しのネット民

ソーメン

 

55:名無しのネット民

ファミチキください

 

56:名無しのネット民

ちくわ大明神

 

57:名無しのネット民

誰だ今の

 

58:名無しのネット民

そんなことより……なぁ陽天ニキ

ニキの名前ってそんな仰々しいものか?

 

59:仙衆夜叉の陽天

んなわけないだろ

 

……と言いたいところだが、今の名前じゃなくて俺の記憶にはない昔の名前としてなら心当たりがある

 

60:名無しのネット民

 

61:名無しのネット民

ん?

 

62:名無しのネット民

流れ変わったな

 

63:名無しのネット民

ひとまず聞こう

 

美女と同衾云々は後だ

 

64:名無しのネット民

そうだそうだ!

美女と同衾したことも洗いざらい話せよな!

 

65:名無しのネット民

このスレ女に飢えてる童貞多すぎてワロタ

 

俺もだ

 

66:名無しのネット民

同じく

 

67:名無しのネット民

同士よ……

 

68:名無しのネット民

俺たちがついてるぜ……

 

69:名無しのネット民

お前ら涙拭けよ

 

70:仙衆夜叉の陽天

童貞たちが慰めあってる光景はさておき、事の経緯からだ

 

71:名無しのネット民

はよ話せ

 

72:名無しのネット民

下半身が寒いんだよ!

 

73:名無しのネット民

ズボンはけよ

 

74:名無しのネット民

>>73 待て、もしかしたらふんどし一丁で寒中水泳してるかもしれないぞ

 

75:名無しのネット民

まだ夏なんディスが……

 

76:名無しのネット民

南極にいるんでしょ(ハナホジー)

 

77:名無しのネット民

おう盛大にズレてってるぞ

修正かけろ修正

 

78:名無しのネット民

お、そうだな

 

79:仙衆夜叉の陽天

修正入ったので、またズレる前に話していくゾ~

 

1.俺氏、いつものように早朝(5時)に山登りしに行った

2.俺氏、山頂で見る変わらない景色に一日の始まりを実感する(山頂到達時間30分)

3.俺氏、体をある程度動かした後、爆速で家に帰宅する(7時帰宅)

4.俺氏、自宅の扉を開けたらすさまじい美女がいて、突然抱き着かれる

5.俺氏、翌日に美女と同衾してた

 

こんな感じだな

 

80:名無しのネット民

ハイ解散

 

81:名無しのネット民

なぁんだ、ただの妄想か

 

82:名無しのネット民

写真も加工したのか

完成度たっけぇな

 

83:名無しのネット民

太郎ちゃん!早く部屋から出てきなさい!

 

84:名無しのネット民

働けニート

 

85:名無しのネット民

妄想してる暇があるなら将来困らないために勉強とかに頭働かせろ

 

86:名無しのネット民

>>85 優スィ……

 

87:名無しのネット民

>>85ニキ、ツンデレか

 

88:名無しのネット民

>>87 ツンデレだな

 

89:仙衆夜叉の陽天

嘘じゃねぇっての

まぁ、信じられないようなことだしな

俺だって、突然こんなこと言いだしてるのはアホだと思ってるし

 

90:名無しのネット民

あら素直

 

91:名無しのネット民

素直なのはいいことだ

 

92:名無しのネット民

まぁ、本当の悩みがあるなら聞いてやらんでもない

 

93:名無しのネット民

なんだかんだ言ってもちゃんと話聞いてくれるスレ民優しいなぁ……

 

94:名無しのネット民

釣りだと仮定したうえで聞くからな

もし釣りだったらネットという世界に一生おもちゃにされるから考えて発言しろよ

 

95:名無しのネット民

>>94ニキ、ツンデレニキだな

 

96:名無しのネット民

名無しのネット民? 豪華な名前だねぇ

あんたは今からツンデレニキだよ!

 

97:ツンデレニキ

……どうとでも言え

それより続きを話せよイッチ

 

98:仙衆夜叉の陽天

おけ

まぁ、小説スレだとか妄想スレみたいな感じに冗談だと思って聞いといてくれよ

 

俺、前世は異世界人だそうな

 

99:名無しのネット民

は?

 

100:名無しのネット民

う~んこれは中二病患者

 

101:名無しのネット民

あいたたた!

 

102:名無しのネット民

くっ!我の右腕がうずく!

 

103:名無しのネット民

上の奴らはにぎやかしだから気にせず進めてくれイッチ

 

104:仙衆夜叉の陽天

>>103 ありがとう

 

話を戻すと、前世の俺はこことは違う世界「テイワット」なる世界で生きていたそうな

そこは属性ならぬ「元素」というエネルギーを用いた魔法などが使えたり、そんな元素が集まった結果「魔物」が誕生したりなど、まさしく俺たちが思い浮かべるようなファンタジーな世界らしい

俺の隣で寝ていた美女(今は「鍾離」っていう名前らしい)が昨日話してくれたことで、世界に関することをざっくりまとめてみるとそんな感じだ

なぜ彼女がそのことを知っているのかについては、テイワットでの俺と主従関係的なのを結んでたらしいとのこと

 

105:名無しのネット民

ほぉ、美女と主従関係ですか

 

裏山

 

106:名無しのネット民

裏山

 

107:名無しのネット民

裏山

 

108:名無しのネット民

絶許

 

109:ツンデレニキ

「今は」鍾離……?

どういうことだイッチ

 

110:仙衆夜叉の陽天

鍾離と名乗る彼女が言うには……

なんと彼女、そのテイワットに存在する七つの国の一つ、「璃月(リーユェ)」を統治する神様「岩神モラクス(国民は尊敬の意を込めて「岩王帝君」って呼ぶらしい)」ご本人……ご本神? とのことだ

 

111:名無しのネット民

…………はい?

 

112:名無しのネット民

え、なに? 神様?

 

113:仙衆夜叉の陽天

そう神様

 

114:名無しのネット民

「Oh My God」のGod……?

 

115:仙衆夜叉の陽天

Really

 

116:名無しのネット民

ファッ!?

 

117:名無しのネット民

イッチには何言ってもよかったけど、美女が言うのは説得力があるなぁ!

って、マジの神様なのか!?

 

118:名無しのネット民

いやぁ、さすがに釣りでしょ

 

119:名無しのネット民

>>118 いや、俺は信じてみるよ

面白そうだから

 

120:ツンデレニキ

うーむ……その女性……鍾離さんだったか? は、酔ってるというわけではないよな?

 

121:仙衆夜叉の陽天

>>117 おいこら

 

>>120 酔ってない酔ってない

素面でこれを言ってきたよ

 

122:名無しのネット民

えぇ……そっちも中二病こじらせてるの……?

 

123:名無しのネット民

証拠はありますか?

 

124:仙衆夜叉の陽天

証拠……俺がやってもお前ら信じないと思うから、鍾離にちょっと魔法とか使えるか聞いてみる

 

125:名無しのネット民

頼むぞ~

 

126:ツンデレニキ

……さて、イッチが行ったわけだが、お前らどう思う?

 

127:名無しのネット民

俺は半分信じてる

 

128:名無しのネット民

俺は面白そうだから乗ってる

 

129:名無しのネット民

ちょっと信じるのは無理

 

130:名無しのネット民

>>129に同じく

 

131:名無しのネット民

ところで特定班いるか?

 

132:名無しのネット民

いるぞ~

ちなみに俺は信じる派

写真に加工がないか確認したけど全くないことだけが分かったから

 

133:名無しのネット民

マジか……

 

134:名無しのネット民

でもそれだけじゃ信じれなくない?

 

135:名無しのネット民

>>134 ほんそれ

イッチはあんだけの美女が知り合いなだけの奴かもしれないし、まだ妄想の範疇を出ないからな

 

136:名無しのネット民

それなんだよなぁ……

あと、イッチのコテハンである「仙衆夜叉の陽天」ってのも気になる

 

137:名無しのネット民

夜叉って創作ではよく聞くけど、実際はなんだろなぁ……

 

138:名無しのネット民

調べてみたが、インド神話の鬼神の呼称らしい

簡単に言えば、神様の眷属(部下)のことだ

さっきイッチが言ってた、「鍾離さんとの主従関係があった」ということが本当なら、神様の鍾離さんに付き従う部下がイッチ(の前世)だと思われる

 

139:名無しのネット民

はえ~サンガツ

 

140:仙衆夜叉の陽天

ただいま

 

141:名無しのネット民

お、イッチが戻ってきた

 

142:名無しのネット民

で、証拠になりそうな魔法とかは使ってくれたのか?

 

143:仙衆夜叉の陽天

これ

 

(おそらく庭先であろう場所にそびえたつ、きれいに整えられ、時折脈動するように光がともる岩の柱を映した動画)

 

144:名無しのネット民

え、ナニコレ

 

145:名無しのネット民

石柱……?

 

146:名無しのネット民

不思議なオブジェだなぁ……(遠い目)

 

147:ツンデレニキ

いや、その……なんだこれ?

 

148:仙衆夜叉の陽天

鍾離が元素を集めて立ててくれた石柱

ちなみにもとからあったわけでも加工してるわけでもねぇからな

鍾離が庭先に向かって手をかざしたら、ニョキって感じに生えてきただけだからな

 

149:名無しのネット民

はえーイッチの住んでるところ田舎なんですねぇー(石柱からは目をそらす)

 

150:名無しのネット民

うん……これはやばい

 

151:名無しのネット民

久々にマジなやつ来たかぁ……

 

152:名無しのネット民

……と、とりあえず、いったん今日はこの辺にしねぇか?

 

153:名無しのネット民

そ、そうだな!

今は情報を整理したほうがいいよな!

 

154:名無しのネット民

というわけでイッチ

しばらくは俺たちのほうで情報整理するから鍾離さんとイチャイチャしてろよな!

 

155:仙衆夜叉の陽天

お、おう……

 

156:名無しのネット民

……

 

157:名無しのネット民

……

 

158:名無しのネット民

……

 

159:名無しのネット民

……

 

160:名無しのネット民

……

 

161:名無しのネット民

……

 

162:名無しのネット民

……行ったか?

 

163:名無しのネット民

行ったみたいだな……

 

164:名無しのネット民

そうか……

 

165:名無しのネット民

……スゥ……

 

166:名無しのネット民

えぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!???

 

167:名無しのネット民

嘘おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!???

 

168:名無しのネット民

くそがぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!

 

169:名無しのネット民

裏山スィいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!

 

170:名無しのネット民

落ち着けぇ!!

 

171:名無しのネット民

あーもう滅茶苦茶だよ!!

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「えっと……帝君……じゃなくて鍾離?」

「どうしたんだ陽天? いや……今は◯◯だったな」

「あ、あぁ、そうだけど……」

「……すまない。やはり陽天と呼ばせてくれ」

「別にいいけど……」

 

某県某市の片田舎に住む青年は人生に一度はあるかないかレベルの混乱の境地にあった。

その原因となっているのは、テーブルを挟んだ先に座る女性。

 

彼女の名は「鍾離」。

 

青年が住んでるこの日本のある地球とはまた違う世界――「テイワット」に存在する七つの大国の一つである、「契約」の国「璃月(リーユェ)」の統治神「岩神モラクス」本神だそうだ。

「そんな彼女がなぜ、自分のような凡人のところに……」青年の心のなかにはそのような疑問が渦巻いていた。

 

「えっと……まず、あなたがここに来た理由は?」

「……あなたなんて他人行儀な呼び方はやめてくれ陽天。君と私の仲だろう?」

「……鍾離」

「ふふっ、なんだい陽天?」

「~~!」

 

「流石に初対面の人を呼び捨てにするのはまずいだろ……」そう思って話しかけても、美女に悲しげな顔をされてしまえば男は折れるしかない。

しかし、出会ってから一日しか経ってない状態で美女を呼び捨てはなかなかハードルが高いものだ。

だが、「女を悲しませるのは男の恥だ」と幼少よりいわれ続けた青年にとって、その程度のハードルは飛び越えなければならない。

そう決意して彼女を呼び捨てにしてみると、華が咲くような笑みを浮かべられ、恥ずかしくなってしまった。

そんな感情を頭をかきむしるようにして紛らわせ、今度こそ本題を切り出す。

 

「なぁ、鍾離。そっちの俺ってどんな感じだったんだ?」

「……そうだな……一言でいえば任侠に溢れる好青年でありながら、純氷が如く純粋で、空に浮かぶ太陽のように熱い男。であるが故に、多くの者に慕われていた人物……。恋愛には疎いくせに、男も女も灯りに近づく蝶のように引き寄せ……そして、私たちに何も言わずどこかへ消えていった大馬鹿者だな」

「…………」

 

青年は頭を抱えて叫びそうな感情に駆られていた。

「なにしてんのそっちの俺ぇ!!!」と、叫べるものなら叫びたかったが、そこは人がいる手前、喉の奥にしまっておいた。

 

「それ本当に俺かよ……よく似た別人って言われた方がまだ納得できるわ……」

「ふふっ、その辺りは今の陽天にもあると思うぞ? 魂だけではなく、肉体も夜叉の時よりは衰えたが、それでも鍛えられてる」

「そうですかい……」

 

鍾離の掛け値なしの称賛に生返事を返す青年。

正直、自分はそんな人間ではないと思っているが故の居心地の悪さだった。

 

「……そういえば、鍾離は今日はどこに泊まるんだ?」

「陽天が泊めてくれるわけではないのか?」

「その『え?当たり前でしょ?』感はなんですかねぇ……まぁ、別にいいけど」

「ふふっ、感謝する」

 

また華の咲くような笑みを浮かべる鍾離の姿を見て、なんとも言えない感情が浮かびながらも、青年は一先ず行動を開始するのであった。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

『お、俺は、誰、ですか?』

 

初めて出会ったときは少し特殊な場所から来ただけのどこまでも普通な迷い子だと思ってた。

 

『こんな俺を拾ってくれるんですか? 戦うことしか出来ませんけど……』

 

戦うことしか出来ないという割にはなんでもそつなくこなし、人のためにと奔走できる青年だった。

 

『帝君、お茶いれてきました。少しだけスイートフラワーティー入れたんで、甘味はあるけど甘すぎないようにしました。あ、甘雨姉もどうですか?』

『この書類は……ふぇ? あ、な、なんですか陽天!? か、顔が近いですよ!?』

『やっぱり……書類に夢中で気づいてなかった……』

 

『起きなさい陽天!! 修練の時間よ!!』

『む、無理ぃ……もう15連勤してるからぁ……』

『言い訳しない!!』

 

『魈兄。今度、槍での戦い方教えてくれよ』

『……何故、我に頼む……』

『帝君は忙しそうだから魈兄しか頼めそうにないんだよ』

『……一度だけだ』

『! ありがとう! 今度杏仁豆腐作ってみるよ!』

『フン……』

 

『浮舎兄、大丈夫なのか? 層岩巨淵の妖魔退治……。あの黒い泥とかスッゴい危ないし……』

『心配するな陽天。我にもしものことがあれば、璃月を誰が守るのだ?』

『……魈兄とかもいるから大丈夫。そんなこと言っててもし、浮舎兄に何かあったら俺、絶対に怒るからな……』

『……もしもの時には、お前を呼ぶさ、陽天。頼りにしてるぞ』

『……わかった』

 

『応達姉、これで止まってくれよ! 絶対に死なないでくれ! あんたが死んだら、悲しむのは俺だけじゃないんだ!!』

『ア゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!』

『ッ! 帝君! 俺ごと応達姉を閉じ込めてください!! 業障を焼き払います!』

 

『まったく……無茶のしすぎよ陽天。こんなに傷だらけになって……』

『伐難の言う通りだ陽天。半分死んでたようなものだぞ』

『あはは……応達姉を助けられたから安いもんだよ』

『『そういう問題じゃない!!』』

『ヒェッ……』

 

仙人や夜叉の皆とも仲は良く、親代わりとして側にいた()が嫉妬するほどだった。

 

『帝君、大丈夫ですか? 悩みがあるなら俺にいつでも言ってください』

 

『帝君、ご飯行きましょ!』

 

『気晴らしに散歩行きましょ! 財布忘れないでくださいね?』

 

『帝君』

 

『帝君!』

 

『帝君?』

 

『て、帝君? な、何故、『女』になってるんですか……?』

 

……だから、陽天となら結ばれてもいいと思ってた……。

 

『て、帝君? 俺はただモンドとかに行こうとしてるだけなんですけど……なんで足を岩で固めるんですか……?』

 

お前はどこかへ行く度に女をたらし込むだろう?

それは駄目なんだ。

 

『いやいや! 俺はそんなことをした覚えは……』

 

……バルバドス。

 

『うっ!』

 

バアルゼブル。

 

『ぐうっ!』

 

マハールッカデヴァタ。

 

『うぐぅ!!』

 

他にはどれだけいたか……。

 

『やめてください帝君! 分かりましたから!』

 

……それで良いんだ陽天。

さぁ、今日も散歩をしよう。

 

『……七神の中では最古の神なのに……。ただのわがままお嬢様じゃん……』

 

なにか言ったか?

 

『いえ! そんなことはありません!』

 

……そんな日常が、いつまでも続くと思ってた。

 

『お、れは、ゲホッ! ゲホッ! ガフッ……! こ、れ以上は、無理そ、うです……』

 

あぁ、消えないでくれ陽天。崩れないでくれ。

 

『泣か、ないでくだ、さい……。帝、君……。そもそ、も、異物、の俺、は、この世、界に、いては、いけな、いんです……』

 

沈んでは駄目だ。皆が君を待ってるんだ。

だから、頼む……。

 

『帝君、今まで、ありがとう、ございました……』

 

あぁ、崩れてしまった……。

消えてしまった……。

失くなってしまった……。

 

私を照らす陽天……。

私の心も知らずに消えてしまった陽天……。

人に恋した私の側にいた陽天……。

 

もう、帰らない帰ってこない私の……。

 

『そういえば鍾離は知ってるか?』

 

なんだ……?

 

『最近の璃月の土地には、炎元素使いで様々な武器を巧みに扱う黒髪の青年が、時たま魔物に襲われてる行商人を助けてるんだって』

 

……なに?

 

『そいつにオイラたち出会ったんだけどさ、ヒルチャールの王を何匹も相手にして全然怯んでなかったんだよ。挙げ句の果てには、ヒルチャールの王を持ち上げて投げ飛ばしたりとか、まるで仙人たちみたいな強さだったから、鍾離は知ってるんじゃないかって……』

 

炎元素使い……様々な武器を使う……ヒルチャールの王を何匹も相手にして全く怯まずになぎ倒す……。

 

まさか……陽天……!?

その男はどこで会える!?

 

『わわっ!! いきなり掴むなよ鍾離!! オイラの翼がしわくちゃになるだろ!』

 

そんなことはどうでも良いんだ!

どこで出会えるんだ!?

 

『ヒッ!? それは、どこで出会えるか分からないけど、オイラたちは、帰離原で出会ったけど、って、お、おい! どこ行くんだよ鍾離ぃ!』

 

居てもたっても居られなくなり、すぐさま店を飛び出した。

 

もう一度、陽天に会える。

 

その想いだけで、私は帰離原全域の存在を感じとる。

 

どこだ……どこにいるんだ陽天……。

 

…………! いた!

 

すぐさま自身の肉体を元素へと変換し、その場所まで移動する。

そこにいたのは……。

 

『フゥ……シィッ!!』

 

あのときと変わらず、愚直に拳を振るい続け、魔物を打ち倒す陽天の姿があった。

 

あぁ、また、会えたな陽天……。

 

『! ……帝君?』

 

あぁ、そうだ。私だ陽天。

また会えたんだ。積もる話もあるだろう。

今度こそ、お前に……!?

 

『……時間切れか……。すみません帝君。話に関してはまた今度に。俺は皆を守らなくてはならないので』

 

そう言う陽天の体は、まるで霞のように薄れていく。

まるで、魂が消えるかのようだ。

 

い、やだ……。

また、私の前から消えるのか陽天……。

それだけは……それだけは……!

 

『え?』

 

気づけば、陽天の体を抱き締めていた。

その体に温もりはないが、しかし、昔と変わらない感触は残っていた。

 

そして……。

 

「えっと……あなたは誰ですか? もしかして、家間違えた……わけではないか……」

「あ、あぁ……!」

 

少し変わっていたが、確かに生きている陽天がそこにいた。

仙人や夜叉の名前、それこそ私の名前すら覚えてないが、その名前を出す度に、無意識ながらも懐かしむような顔をする陽天を見て、私は確信したのだ。

 

――「やっと、また会えたのだ」と。

 

「えっと……鍾離、とりあえず飯食べる?」

「あぁ、よろしく頼む。陽天の料理は美味しいからな」

「~~!」

 

私の称賛に恥ずかしそうにしながらも少しだけ得意気に口角をあげる彼の姿が愛おしい。

 

今度こそ、君を失ったりはしないよ、陽天。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

かくして、世界は本来の歴史から逸脱する。

 

「陽天」と呼ばれる青年が「あの世界」で起こした変化の数々は、未来にどう影響するのか。

 

それは、本人たちにはまだ分からないことだ。







※後書き※

勢いだけで書いた。
反省も後悔もしてない。



※キャラ紹介※

・主人公(スレ名『仙衆夜叉の陽天』)(原神世界『陽天』)

簡単に言えば、夢を通して自分の意識体を送れる超能力者(自覚なし)(ご都合主義)。
だけど、夢を見てるときは現実の記憶はハッキリとしない。
素で女を落としまくるプレイボーイ。
それどころか、男すら落として女にさせる魔性の男。
そしてピュアッピュアなピーチボーイでもある。
誰かが押し倒してたらその人と結ばれ、結ばれていたとしても押し倒されたら断れないので、必然的にハーレムになる。

「おら、俺ら非モテの夢だぞ」そんなコンセプトがあるようなないような。


・鍾離(TS)

皆大好きあずきバーシールドを張れる先生。
本作ではスパダリクソニブピーチボーイを拾って世話してたら、落とされてメスにさせられた人。
鍾離先生のTS絵は最高だから、皆も見よう!

皆はこの間の復刻で手に入れられたかな?

え? 俺?

…………君のような勘の良いガキは嫌いだよ。



感想もらえると作者のやる気と作品へのモチベが上がるので、どしどし送ってください。

それでは~

(・ω・)ノシ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【神様ボディは】異世界の美女(神様)と同衾した俺氏、前世の自分のやらかし具合を知る【まさに神秘だった】




続きました(びっくり)





1:仙衆夜叉の陽天

えー……

帰ってきてみれば前スレが埋まっていたので新たにスレを立ててみたんだが……

 

前スレ

→【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】

 

お前ら何やってんだ?

 

2:名無しのネット民

おう、何をのんきに帰ってきてやがるんだイッチ

 

3:名無しのネット民

結局は全く戻って来なかったなこの野郎……!

 

4:名無しのネット民

丸2日も音沙汰無しとか……!

 

5:名無しのネット民

どうせあれだろ?

あんなナイスバデーな鍾離さんとナニしてたんだろ!?

 

6:名無しのネット民

ナニってなんだよ

 

7:名無しのネット民

それはもうナニだろ

 

8:名無しのネット民

始まって早々下の話しかしないとか

 

9:名無しのネット民

いつも通りだろ

 

10:名無しのネット民

恨み節がないだけまだマシ

 

11:名無しのネット民

んで?

戻ってきたイッチはなんか収穫でもあったのか?

 

12:仙衆夜叉の陽天

いや、スレタイ通りなんだが

 

13:名無しのネット民

メインタイトルはまだわかるよ

前世のイッチを知ってる鍾離さんが話しそうなのは薄々わかるし

 

だが! サブタイトルはどういうことだイッチィイイイイイイイイイイ!!??

 

14:名無しのネット民

まさか本当にナニをしたんじゃないだろうなぁ!?

 

15:名無しのネット民

裏山スィイイイイイイイイイイイイ!!!!!!

 

16:名無しのネット民

クソがぁああああああああああ!!!

 

17:名無しのネット民

WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!

 

18:名無しのネット民

テメーは俺を怒らせた……!!

 

19:仙衆夜叉の陽天

いや、まぁ、この2日間、寝るときはずっと鍾離が抱き着いてきて、鍾離が起きるまで離してくれなかったんだけどさ

 

その時によ……当たってくるんだよ……2つのビッグなマウンテンが……

 

ハッキリ言って、感覚を鈍らせる技を使わなかったらヤバかったところだったぜ

 

20:名無しのネット民

くぁwせdrftgyふじこlp!!??

 

21:名無しのネット民

ヤッたんだな!?

ヤッたんだろテメー!?

ヤリやがったぞこいつ!?

 

22:名無しのネット民

さてと、丑の刻参りでもするか

 

23:名無しのネット民

ヘイ、もしもしポリスメン?

このスレに実質初対面の美女とくんずほぐれつした性犯罪者がいるんだ

 

24:名無しのネット民

憎しみで人が殺せたら……!

 

25:名無しのネット民

キレちまったよ……! 久々になぁ……!

 

26:名無しのネット民

あーあ、イッチのところにだけ隕石でも落ちてこないかなぁ……

 

27:名無しのネット民

ホァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!(発狂)

 

28:名無しのネット民

キュイアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

 

29:名無しのネット民

ふんぬあっ!!!!

 

30:名無しのネット民

許さねぇ……! あんたは今再び

 

俺の心を裏切った!

 

31:ツンデレニキ

落ち着けお前ら

 

32:名無しのネット民

!?

 

33:名無しのネット民

!?

 

34:名無しのネット民

!?

 

35:名無しのネット民

!?

 

36:名無しのネット民

!?

 

37:名無しのネット民

!?

 

38:名無しのネット民

!?

 

39:名無しのネット民

!?

 

40:名無しのネット民

!?

 

41:名無しのネット民

!?

 

42:名無しのネット民

こ、このコテハンは……!

 

43:名無しのネット民

ツンデレニキ! ツンデレニキじゃないか!

 

44:名無しのネット民

いつの間にかこのスレのまとめ役になりあがった(押し付けられた)ツンデレニキじゃないか!

 

45:名無しのネット民

これで勝つる!

 

46:名無しのネット民

聞いてくれツンデレニキ!

イッチのやつが今度こそ人の道を逸れようとしてやがるんだ!

 

47:名無しのネット民

叩き直してやってくだせぇ!

 

48:仙衆夜叉の陽天

>>44 え、何それ知らない

 

>>47 おいこら

 

49:ツンデレニキ

ハァ……

一先ずは落ち着けお前ら

てんやわんやしてたら話せるもんも話せねぇだろ

一回水でも浴びてこい

 

50:名無しのネット民

落ち着いた

 

51:名無しのネット民

落ち着いた

 

52:名無しのネット民

落ち着いた

 

53:名無しのネット民

落ち着いた

 

54:名無しのネット民

下半身ほぼ裸だから風邪ひきそう

 

55:名無しのネット民

>>54ニキ、例の寒中水泳ニキじゃないのか?

 

56:名無しのネット民

リアルで南極にいる可能性が微レ存

 

57:名無しのネット民

すげぇ……たった1レスでみんなを制御した……

 

58:名無しのネット民

どこぞの美女と同衾したイッチよりカリスマ性があるんじゃないの?

 

59:ツンデレニキ

カリスマ性云々は知らねぇが、こういうのは仕事柄慣れてるだけだ

 

60:名無しのネット民

おぉ……

 

61:名無しのネット民

ハードボイルドォ……

 

62:名無しのネット民

それに引き換えイッチは……

 

63:名無しのネット民

かわいそうに……これをネタにされて一生おもちゃになるんだろう……

 

64:名無しのネット民

こんなゴミ捨て場みたいなところの住人が美女と一回同衾してるだけでも絶許なのに、それもオパーイの感触を味わいながら一緒に寝るとか裏山けしからん

 

65:名無しのネット民

責任もって俺たちと変われイッチ!

 

66:仙衆夜叉の陽天

誰が変わるか

それより話していいか? メインタイトルにあること

 

67:名無しのネット民

おら、とっとと吐け

 

68:名無しのネット民

キリキリ吐くんだよぉ!

 

69:名無しのネット民

さぁ、お前の罪を数えろ!

 

70:仙衆夜叉の陽天

>>67 >>68 >>69

前世の俺は鍾離の前で死んだってこと

 

71:名無しのネット民

……

 

72:名無しのネット民

……

 

73:名無しのネット民

……

 

74:名無しのネット民

……

 

75:名無しのネット民

……

 

76:名無しのネット民

……

 

77:名無しのネット民

……

 

78:名無しのネット民

……

 

79:名無しのネット民

……

 

80:ツンデレニキ

……おい

 

81:名無しのネット民

いやぁ……その……

 

82:名無しのネット民

想像よりもひどかったといいますか……

 

83:名無しのネット民

そんなねぇ……ベッタベタな展開すぎて頭の中から外れてたといいますか……

 

84:名無しのネット民

私聞いてない……

 

85:名無しのネット民

えっと、ひどいようだけど、イッチが死んだからどうなったんだ?

 

86:名無しのネット民

>>85 おい、その言い方はさすがにないんじゃないか?

 

87:名無しのネット民

>>85 引くわー……

 

88:名無しのネット民

>>86 >>87

いや、まぁ、そう言われるとなんも言い返せないんだが……

 

俺としては、鍾離さんは一つの国を統治するすげぇ神だとはいえ、部下がイッチしかいないわけじゃなさそうだし、ならイッチが欠けたくらいでこっちの世界まで来るか? って話なんだが……

 

89:名無しのネット民

>>88 確かに……

 

90:名無しのネット民

そう言われてみるとそうだな……

 

91:名無しのネット民

イッチは美女に抱き着かれても同衾するだけで手は出さないヘタレだしね

 

完全に合意の下でくっついてるのに

 

92:名無しのネット民

>>91 それはそう

 

93:名無しのネット民

ほんそれ

 

94:名無しのネット民

マジで裏山

 

95:仙衆夜叉の陽天

うるせっ!

話進めるぞ!

 

96:名無しのネット民

早よ進めろ

 

97:名無しのネット民

これはお前が始めた物語だろ

 

98:名無しのネット民

ヤるんだな!?

 

今、ここで!

 

99:名無しのネット民

あぁ! 勝負は今、ここで決める!

 

100:名無しのネット民

このっ、裏切りもんがぁああああああ!!

 

101:ツンデレニキ

よし、いい感じに空気感が戻ってきた

 

102:名無しのネット民

実家のような安心感

 

103:名無しのネット民

むしろ実家

 

104:名無しのネット民

親の顔より見たネット

 

105:名無しのネット民

もっと親の顔見てもろて

 

106:名無しのネット民

ち く わ 大 明 神

 

107:名無しのネット民

誰だ今の

 

108:名無しのネット民

(ファミチキください……)

 

109:名無しのネット民

(こいつ直接脳内に……!)

 

110:名無しのネット民

まぁ、それはそれとして(デビルマソ)

 

111:名無しのネット民

続きあくしろよイッチ

 

112:名無しのネット民

もう覚悟は決めたぞ

 

113:名無しのネット民

カイガン! オレ! レッツゴー覚悟―! ゴゴゴゴースト!

 

114:名無しのネット民

おう、TKR殿は早よアイコン集めてもろて

 

115:名無しのネット民

命、燃やしちゃってみるぜ!

 

116:名無しのネット民

我が魔王は早くオーマフォームになってもろて……

 

117:名無しのネット民

「オーマフォームになってもろて」←ここ重要

 

118:名無しのネット民

平 成 が 終 わ ら な い

 

119:名無しのネット民

平 成 は 終 わ ら な い

 

120:名無しのネット民

頭 平 成

 

121:名無しのネット民

お 前 た ち の 平 成 っ て 醜 く な い か ?

 

122:名無しのネット民

平 成 ○ ○ 年

 

123:名無しのネット民

脱線しスギィ!

 

124:名無しのネット民

いつものスレだな

 

125:仙衆夜叉の陽天

空気が戻ってきたので、早速話すゾー

 

126:名無しのネット民

バッチこい

 

127:名無しのネット民

よっしゃ来い(ディフェーンド!)

 

128:名無しのネット民

持ってくれよ……! 俺のハチロク!

 

129:名無しのネット民

複線ドリフト……!?

 

130:仙衆夜叉の陽天

まず、異世界「テイワット」での俺と鍾離の出会いからだ

 

鍾離と出会った、当初の俺はまずすべての記憶を失って彷徨っていた人間であり、仙力を扱うことができる「仙人モドキ」だったらしい

 

131:名無しのネット民

ほうほう

 

132:ツンデレニキ

新たなワード「仙人」が出てきたぞ

 

133:名無しのネット民

説明よろ

 

134:仙衆夜叉の陽天

おけ

「仙人」とは、そもそも「仙獣(人間ではないが、魔物かと言われればまた違う、なんかすごい存在)」という普通の人間には理解できない存在であり、彼らの多くは悪魔や邪神から「璃月(リーユェ)港」を守る契約を「岩神モラクス(鍾離)」と結んでおり、そんな彼らを璃月の人々はしばしば神のように崇拝しているとのこと

そして、そんな仙人のトップは「岩神モラクス」であり、彼……今は彼女自身が率いているそうだ

要するに、仙人とは国の経済や文化を回す凡人とは違い、鍾離が創った国「璃月」を守るための直属の部下ってことだと思えばわかりやすいんじゃないかな?

 

135:名無しのネット民

ほえーそんな感じか

 

136:名無しのネット民

なるほど……

俺は仙人と聞いて何かしらを極める求道者的人間ってイメージがあったけど、要するに仙人っていう別種族のトップである岩神モラクスが国を創ったから、それの中で自分の目が届かないところの監視や守護云々を任せてるんだろう

 

137:仙衆夜叉の陽天

>>136 それで合ってるぞ

 

んで、俺はその中でも戦闘に特化した仙人――「夜叉」の中でも最高位にある「仙衆夜叉」、その番外席に位置していたんだと

荒れ狂う炎を纏い、まるで太陽が如く輝くがゆえに名付けられた「不落大聖」、もしくは「灼陽夜叉」という決してひるまず、天を焼くほどの炎で戦場に存在を示し続けるからこそこんな名が付いたそうな

そして、他の仙人とは違い、人間から仙人になったため、人間としての名前もある

その名前は、俺を拾ってくれた鍾離がつけたもので、太陽の浮かぶような輝きの瞳を見て「陽天」と名付けたそうだ

 

138:名無しのネット民

おぉ……

 

139:名無しのネット民

カッコいいな……

 

140:名無しのネット民

鍾離さんが名付けたのか……

 

141:名無しのネット民

すっげぇ……

 

142:名無しのネット民

その、なんて言えばいいのか……

 

143:名無しのネット民

センスありすぎて語彙力消し飛ぶな、これ

 

144:名無しのネット民

不落大聖……炎ってところから、「沈まない太陽」的な意味が込められてんのかな

 

145:名無しのネット民

そんな名前を持ってるのがヘタレなイッチだなんて……

 

146:名無しのネット民

ヘタレなのは否定できない

 

147:名無しのネット民

同じく

 

148:名無しのネット民

禿同

 

149:名無しのネット民

また髪の話してる……

 

150:仙衆夜叉の陽天

そんでなんだがn

 

151:名無しのネット民

ん?

 

152:名無しのネット民

おい、どうしたイッチ?

 

153:名無しのネット民

ま、まさか……!

 

154:名無しのネット民

(ネタ的に)おいしいやつをなくした……

 

155:名無しのネット民

南無南無

 

156:名無しのネット民

ナンマイダーナンマイダー

 

157:名無しのネット民

アーメン……

 

158:仙衆夜叉の陽天

勝手に殺すな

 

それと、鍾離が拗ねそうなんでそろそろ落ちるわ

 

(頬を膨らませて涙目になりながらこちらを睨んでいる鍾離の写真。前の写真で着ていた中華風の服から男物のパジャマに着替えている)

 

159:名無しのネット民

ヌッ!?

 

160:名無しのネット民

エッ!

 

161:名無しのネット民

クォレハ……国宝ですよ……

 

162:名無しのネット民

裏山

マジで裏山

 

163:名無しのネット民

これを独占してるとか……!

恨むぞイッチィ!!

 

164:名無しのネット民

ってか、もう夜なのか

あっという間だったわ

 

165:名無しのネット民

それな

そろそろ俺も落ちるとするわ

 

166:名無しのネット民

んじゃ、今日はここで解散で

 

167:名無しのネット民

俺は情報整理するわ

 

168:名無しのネット民

俺も

 

169:ツンデレニキ

んじゃ、保守ッとくわ

 

170:名無しのネット民

ありがとな

 

171:名無しのネット民

いやぁ~面白くなってきましたねぇ!

 

172:名無しのネット民

ほんそれ

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「……私よりもそっちの方が大事なのか……?」

「んー……そんなことないって。鍾離のことだって大事だよ。やってたのは情報整理。鍾離はこの後もここに泊まるんだろ? なら状況整理はしておいた方がいい」

「……共に眠りにつくと契約してくれ。絶対に離れないということも」

「……はいはい。わがままなお嬢様の願いは聞かないとですね~」

 

ここは青年の住む、木造平屋の広々とした家。

持っているスマホを置いた青年は、絶世の美女――「鍾離」の願いに「仕方ないなぁ……」とため息をつきながら了承する。

この1週間にも満たない数日の間で、二人の仲はグッと縮まった……というよりかは、本来のあるべき形に戻ろうとしているのだろう。

鍾離は、自身の大切な存在である青年(陽天)にしか見せないような弱弱しい姿をさらし、子犬のように甘えている。

青年自身も、出会った当初のように鍾離の一挙手一投足全てに顔を赤らめることはなくなったが、それでも時折感じられる距離感のおかしさにドギマギすることは何度もあった。

 

共に一つしかない布団の中に入り、しかし大きさが二人分を収めるには足りず、必然的に密着することになった。

そうなれば当然、互いの体を肌で感じることになるのだ。

鍾離が感じていたのは、女にしては長身な自身の体よりも大きく、まるで業物のように鍛えられた昔とほぼ遜色のない肉体を持つ青年から懐かしさであり、青年が感じていたのは、それはそれは柔らかく、本当に彼女は異世界で名をはせた戦神なのかと疑ってしまいそうなほどの感触を与えてくる2つのマウンテンを思いっきり押し付けられており、その天国から逃げるために悟りを開きかけていた。

 

そんな状態が続いて30秒ほど経ったころ、ふと青年は思い出したかのように鍾離へと問いかけた。

 

「……なぁ、鍾離……俺って、お前の中ではそんなに大きい存在だったのか?」

「……何を当たり前のことを言ってるんだ陽天……。私の子であり、そして愛しい存在であるお前のことが大きくないわけがない……」

「っ……。……ふぅ……璃月に帰れなくてもか?」

「あぁ。私がいなくとも国を回した方がいいと提案したのは陽天だろう? だから気にするな。お前が今の私を削りだし(作り上げ)たのだ」

「…………ハァ……」

 

自身の為なら大切な国に戻れなくてもいいと答える鍾離に、あきらめたようなため息を吐く青年。

まったくもって身に覚えがない出来事だからこそ、できれば否定したいのに、しかし心のどこかではそれほどの愛情を向けられているのがたまらなく嬉しいと感じてしまう自分がいる。

そして、彼女の言葉に嘘はなく、自身の中にも彼女と触れ合っている時間がたまらなく愛おしいというのが、その甘い蜜のような言葉をむせることなく取り込んでしまうのだ。

 

「だから、今はそばにいてくれ……陽天……」

「……分かったよ……鍾離……」

 

2人で確かめ合うような契約(約束)を口にし、そして眠りについたのであった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「――――えっ」

 

そんな彼らの眠る場所へ、一つの存在が降り立った。

何かを抱きしめるかのような体勢で固まっていたかと思えば、抱きしめるべき誰かの支えがなくなり、前のめりに倒れそうになってしまう。

それを()が支え、その存在は汚れることなどなくその両の足で立つことができた。

そんな存在の背丈は子供のように低く、その体はふっくらと肉がついている。

そんな彼もしくは彼女は、腕の中に何もないことが分かると、必死の形相で周囲を見回した。

 

「あ、あれっ? 陽天はっ? 陽天はどこなのっ!?」

 

しかし、その腕にあるべき存在がないことを理解した瞬間、親とはぐれた幼子のように狼狽えだす。

その本来なら美しく澄んだ空のようであるべき蒼眼は、大切な存在がいないことへの不安に揺れ、()が降りだしそうな空のように曇っていた。

しかし、周囲はのみ込まれそうな夜闇に包まれており、その瞳には何も映らない。

 

「ふぇっ……あぁっ……!」

 

その顔が絶望に染まり、泣き出しかけた――次の瞬間、

 

「えっ……? わぷっ!」

 

吹き飛ばされそうな突風にあおられ、無理矢理立たされた。

あまりの強さに彼は目を開けてられない。

まるで自身を阻むかのような風は、空に浮かぶ雲を吹き散らし、差し込んだ満月の光が彼……いや、()()の姿を照らし出した。

まるで音楽家のような翠色の衣装を纏い、その青い果実ともいうべき成長途中な肉体を持っている、まだまだ未成熟というべき少女。

そんな彼女は、いら立ちのこもった表情で風を睨みつけていた。

 

「っ! 僕を邪魔するのがどういうことかわかってるのかいっ!? そんなに邪魔をしたいなら誰かの邪魔でも――!?」

 

そう叫ぼうとした彼女の体が、フワッと前に押された。

 

「え……」

『――――』

 

その時、誰かの声のような風が吹いた。

それを聞いた少女は、すぐさま警戒心を解き、虚空へと話しかける。

 

「邪魔しようとしたわけ……じゃないの?」

『――――』

「う、うれしかっただけ? 僕みたいな人が今までいなかったから?」

『――――』

「そ、それならそう言ってよぉ……びっくりしたじゃんかぁ……」

『――――』

 

まるで誰かと話すように口を開く少女はぺたりと座り込んだ。

 

『――――』

「……『遊んでくれたお礼に、何でも言って』って? それなら、僕の大切な人を探してよ。まるで太陽のように温めてくれて、嵐から守ってくれる家のように頼れる――」

『――――』

「――えっ」

 

少女が理解する前に、強い風が吹いた。

 

「ちょちょちょ! どこに連れていくのさ!?」

『――――』

 

驚く少女はそのままに、風は意思を持つかのように彼女の体を運んでいく。

ビュンビュンと風を切りながら進み、月明かりが少女の前を照らし、木々の間を縫って進んでいった。

やがてたどり着いた先は、一軒の大きな木造建築。

 

『――――』

「! ここに、彼がいるの?」

『――――』

「……ありがとう、見知らぬ風さん……。今度一曲謡ってあげるよ」

『――――』

 

サァッと風が吹き抜け、また静寂が戻ってきた。

しかし、月明かりは今なお少女と家を照らし、少女の行く末を見守っていた。

扉に手をかけて深呼吸する少女。

昔だったなら、勢いよく開いて愛しい人にリンゴ酒をもらいに行っていたが、今の自分はまるで一世一代の告白をする生娘のようだと、高鳴る胸に手を当てて独り言ちる少女。

 

「……やっと、会えるんだね……!」

 

そうして、意を決した少女は扉を開け、家の中へと消えていった。

 

 

 

 

 

「あぁ……また会えてうれしいよ陽天。僕の……僕だけの太陽……」







※あとがき※

アスパラガス「イイゾォ! このまま誰もかれもメス堕ちさせてしまえー!(ピロロロロ!!)」
「大人のお姉さん、イイネ!」


人物紹介

・イッチ

少しだけどTS鍾離先生のスキンシップや仕草に耐性が付いてきた。
しかし、まだオパーイを押し付けられるとヤバくなってしまう。
早よ爆ぜろ(直球)。


・ツンデレニキ

多分だけど軍にいそうなほどのナイスミドルだと思う。
「ネットの中のスラム街」である掲示板の民を制御できるカリスマ性があるので、スレ民からは頼りにされてる。
イッチとは違うのだよイッチとは。


・TS鍾離先生

日に日に愛が重くなっている気がする。
なんせ、昔の神としての感覚なら耐えられたものを、一前世真君(イッチのぜんせしんくん)に人間のメスにされてしまったので、時の流れを長く感じてしまった。
イッチが死亡したのが(構想では)今から数十年前なので、依存すらしていた相手が目の前で死んで、人にとっての一生分の時間経っても自分は死ねない死ぬわけにはいかない状態で無理に生きてたということになる。
わぁお……クッソ愛が重たくなるね……。

だがこれでいい!!


・音楽家っぽい少女

だれなんやろなぁ……(すっとぼけ)


感想や評価などをもらえると、作者のやる気が爆上がりするので、皆様の応援まってます!!!

それでは皆様、また次回に~

(・ω・)ノシ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【俺にとっては朗報Part2】朝、目が覚めたら今度は美女の反対側に美少女がいる件について【お前らにとって悲報もPart2】




三話目です。
なんなりとお使いください。





1:仙衆夜叉の陽天

このスレは俺こと「仙衆夜叉の陽天(またはイッチ)」が出会った異世界からの来訪者に関しての相談をするスレである

荒らしは全スルー(もしくは俺が報告する)

初見さんは歓迎しよう!盛大にな!

ノリにノルのはおk(でも度が過ぎないように)

まとめるのはツンデレニキとスレ民に任せた

 

そんな感じのアットホームなスレでイクゾー!(デッデッデデデデ! カーン! デデデッ!)

 

↓事の発端スレ

【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】

 

↓二番目であり前回のスレ

【神様ボディは】異世界の美女(神様)と同衾した俺氏、前世の自分のやらかし具合を知る【まさに神秘だった】

 

というわけでまたタイトルみたいなことが起こったからおまいら知恵を貸してくれ

 

2:名無しのネット民

死ね

 

氏ねじゃなくて死ね

 

3:名無しのネット民

くたばれ

 

4:名無しのネット民

もげろ

 

5:名無しのネット民

こういう時、どんな返事をしたらいいのか知ってるの

 

6:名無しのネット民

>>5 八つ裂きだね分かるとも

 

7:名無しのネット民

(家から)出てこいくそったれぇえええええええええええええ!!!

 

8:名無しのネット民

二股野郎は敵だぶっ殺す

 

9:名無しのネット民

ヤロォブックラッシャァアアアアアアア!!

 

10:名無しのネット民

お前みたいなやつは今から殺すと約束したな

 

あ れ は 嘘 だ (因果逆転)

 

11:名無しのネット民

月夜ばかりと思うなよ

 

12:名無しのネット民

住所特定した

 

13:名無しのネット民

警察を送り込め

 

14:名無しのネット民

ボートを用意しろ

 

15:名無しのネット民

>>14 泥船でいいか?

 

16:仙衆夜叉の陽天

さぁて帰るか―

 

今俺に膝枕されてる美少女の写真投稿しようと思ってたんだけどなぁ~

 

17:名無しのネット民

ガタッ

 

18:名無しのネット民

ガタッ

 

19:名無しのネット民

ガタッ

 

20:名無しのネット民

ガタッ

 

21:名無しのネット民

ガタッ

 

22:名無しのネット民

ガタッ

 

23:名無しのネット民

ガタッ

 

24:名無しのネット民

ノッ

 

25:名無しのネット民

ゾーアッ

 

26:名無しのネット民

ティガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!

 

27:名無しのネット民

ウルトラムァアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

 

28:名無しのネット民

おう、ガタキリバとは別で予算破壊した光の巨人はやめろ

 

それはそれとして美少女の写真オナシャスセンセンシャル!

 

29:名無しのネット民

あからさまな釣りにつられると思っているのか?(スクショボタンに指をかけながら)

 

30:名無しのネット民

釣りじゃん萎えたわ

 

31:名無しのネット民

ここまでテンプレ

 

32:名無しのネット民

ここから天ぷら

 

33:名無しのネット民

天ぷらうまいよな

 

34:名無しのネット民

俺、海老が好き

 

35:名無しのネット民

俺、シイタケ

 

36:名無しのネット民

ナス

 

37:名無しのネット民

マイタケ

 

38:名無しのネット民

かき揚げ

 

39:名無しのネット民

夏が過ぎれば秋が来るかぁ……なに食おっと

 

40:ツンデレニキ

おいお前ら、話し戻せ

 

41:名無しのネット民

ウィッス

 

42:名無しのネット民

りょ

 

43:名無しのネット民

おk

 

44:仙衆夜叉の陽天

それでなんだが……まぁ、とりあえずこれ載っけとくか

 

(毛先にいくほど空のような青色になっていく髪を三つ編みにし、両側頭部から垂らしている美少女が、心底安心したような表情で誰かの膝枕で横になっている写真)

 

45:名無しのネット民

オファッ!?

 

46:名無しのネット民

ヌッ!?

 

47:名無しのネット民

美少女!!

 

48:名無しのネット民

あぁ……だめだ……エッチすぎるなぁ……

 

49:名無しのネット民

ふぅむ……

やはり異世界に住む存在であることが分かるように、その髪色は現実にはあり得ない青ともすれば空の色とも形容できるもので、なおかつ蒲公英のようなフワッとした柔らかさを感じられる

その顔立ちは非常に幼いが、しかし、ロリというほど極まった幼さではなく、大人としての階段を一歩踏み出したかのようなどっちつかずな魅力と危うさを持っている

その服装は鍾離殿のような服とは違うが、我々のように純日本という服装でもない

そんなファンタジーの定番のようなヨーロッパ圏の服装に近いその布を押し上げる胸部装甲はリンゴのようであった……

 

50:名無しのネット民

>>49 おま評論家

 

51:名無しのネット民

>>49 評論家再降臨

 

52:名無しのネット民

>>49 もう評論家名乗れよお前

 

53:名無しのネット民

>>52 そこには「変態」付けとけ

 

54:変態評論家

ふむ、私の特徴をとらえたなかなかにセンスのある二つ名だな

採用しよう

 

55:名無しのネット民

>>54 ちょww

 

56:名無しのネット民

>>54 やりおったぞこいつww

 

57:名無しのネット民

>>54 変態評論家ww

しかも認めるのかよ(真顔)

 

58:名無しのネット民

イッチの次に業の深いものがいるだと……!?

 

59:名無しのネット民

次々にコテハンが増えていくww

 

60:名無しのネット民

これ見てるかもしれない初見のやつらどう思うんだろww

 

61:名無しのネット民

逃げてくでしょ

 

62:名無しのネット民

まぁ、それはそれとして(デビルマソ)

 

63:名無しのネット民

スゥ…………

 

 

 

 

 

またかイッチィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!

 

64:名無しのネット民

おのれおのれおのれおのれぇえええええええええええええええええええ!!!

 

65:名無しのネット民

ゆ゛る゛ざ゛ん゛!゛!゛!゛

 

66:名無しのネット民

ユグドラシルぜってぇ許さねぇ!!!!

 

67:名無しのネット民

エボルトォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

 

68:名無しのネット民

オレァクサマヲムッコロス!!

 

69:名無しのネット民

フジャケルナ!! モアイ!!

 

70:名無しのネット民

ヒドォオジョグッデルドブッドバスゾ!!

 

71:名無しのネット民

ゲゲゲー!

 

72:名無しのネット民

開けろ!デトロイト市警だ!

 

73:ツンデレニキ

そこまでだ

 

74:名無しのネット民

ウィッス

 

75:名無しのネット民

うっす

 

76:名無しのネット民

はい

 

77:名無しのネット民

落ち着いた

 

78:名無しのネット民

かなり落ち着いた

 

79:名無しのネット民

ほいほい

それで今度はどんなタイプの子にコナをかけたんだイッチ?

 

80:名無しのネット民

鍾離さんが美女なら、今度のは美少女

 

81:名無しのネット民

今度こそポリスメンだな

 

82:仙衆夜叉の陽天

>>82 その心配はないぞ

今回来たのも鍾離と同じく神だって(鍾離と本人談)

 

83:名無しのネット民

???????????????????????????

 

84:名無しのネット民

は?

 

85:名無しのネット民

また神?

 

86:名無しのネット民

何やイッチ、神性特効持ちのタラシか?

 

87:名無しのネット民

両手に花でうらやましいなぁ……

 

88:名無しのネット民

しかし、帰れるかどうかすらわかってないこっちに来てるほど愛が重いという

 

89:名無しのネット民

なんだ前と同じか

 

90:名無しのネット民

麻痺ってる麻痺ってる

 

普通、そんな愛が重い人全然いないから……

 

91:仙衆夜叉の陽天

そんな我が家(ド田舎の木造平屋の武家屋敷)に来訪した少女

今の名前は「ウェンティ」で、神としての名前は「バルバトス」

ウェンティは、璃月の隣にある「風」と「自由」の国「モンド」を統治する神様だったそうな(今は引退しての放任主義かましてるって)

 

92:名無しのネット民

へーなるへほ

 

93:名無しのネット民

やっぱ田舎なんすねイッチの家

武家屋敷ってのが気になるところ

 

94:名無しのネット民

ウェンティねぇ……

鍾離さんが中華風な服を着てて、なおかつ名前が漢字なのに比べて、そっちは服も名前もヨーロッパ風なんだな

 

95:名無しのネット民

なるほどウェンティちゃんね

 

96:名無しのネット民

ん? バルバトスって……

 

97:名無しのネット民

もっと寄こせバルバトス……!

 

98:名無しのネット民

貴様に朝日は拝ませねェ!

 

99:名無しのネット民

殺したかっただけで死んでほしくなかった

 

100:名無しのネット民

ゲーティアが人理焼却したくなった気持ちが解るやつか

 

101:名無しのネット民

おいしい奴をなくしたなぁ……またやってくんないかなぁ……

 

102:仙衆夜叉の陽天

それ言ったらウェンティがおびえて抱き着いてきたぞどうしてくれる

 

(少し青ざめた(><)顔のウェンティが目元に規制線の入った男に抱き着いている写真)

 

103:名無しのネット民

クソアァッ!!!

 

104:名無しのネット民

見せつけてんじゃねぇぞおぉんっ!?

 

105:仙衆夜叉の陽天

あぁ、顔に押し付けられるそれなりの大きさの果実が心地ええ

 

106:名無しのネット民

モゲアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

 

107:名無しのネット民

ホアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!???

 

108:名無しのネット民

ブックラッシャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

 

109:変態評論家

ふむ、ツンデレニキ

 

110:ツンデレニキ

お前ら黙っとけ

 

111:名無しのネット民

押忍

 

112:名無しのネット民

うっす

 

113:名無しのネット民

かなり落ち着いた

 

114:名無しのネット民

おけ

 

115:名無しのネット民

ここまでテンプレ

 

116:名無しのネット民

ここから天ぷら

 

117:名無しのネット民

天ぷらうまいよな

 

118:名無しのネット民

ループしてるww

 

119:ツンデレニキ

おし、こいつらが黙ってる間に話せイッチ

 

120:仙衆夜叉の陽天

おけ

 

んで、そんなウェンティなんだが……まぁ、察しのいいやつらは気づくだろうが俺の知り合いだ

んで、ウェンティ曰く「久しぶりに感じ取った俺の気配を運んできた風の行く先に行ってみれば俺がいて、俺が消えそうになってたからそうはさせないと抱きしめてみたらいつの間にか近所の森の中にいた」そうな

 

121:名無しのネット民

……はい?

 

122:名無しのネット民

えっと……イッチ?

イッチってテイワットでの記憶とかある?

 

123:仙衆夜叉の陽天

あるわきゃねぇだろ

 

124:名無しのネット民

デスヨネー

 

125:名無しのネット民

じゃあ、なんでイッチはこっちにいるのにテイワットにもいたんだ?

 

126:名無しのネット民

わからん……

 

127:名無しのネット民

謎しか出てこねぇな

 

128:名無しのネット民

いっそオカルトスレのやつにも声をかけてみるか?

 

129:名無しのネット民

やめとけやめとけ

変な奴らが来て場が混乱するだけだ

 

130:名無しのネット民

それもそうだな

おいイッチ

このスレは鍵垢か?

 

131:仙衆夜叉の陽天

流石にまだしてない

でも、人があまりにも来るようになったら鍵垢にしようと思う

 

132:名無しのネット民

ま、今はそのくらいでええか

 

133:名無しのネット民

んで、一番の問題は……

 

134:名無しのネット民

イッチがこっちにいるのに何でテイワットにもいたかだよな

 

135:名無しのネット民

いやぁ……さすがにオカルトすぎてわからん

 

136:仙衆夜叉の陽天

そんなお前らにさらに謎を呼ぶ情報だ

 

137:名無しのネット民

やめてくれよ……

 

138:名無しのネット民

やだ怖い……アイアンマン……

 

139:名無しのネット民

やめろバカ!

 

140:仙衆夜叉の陽天

いいや限界だ! 押すね!

 

鍾離曰く、「陽天が亡くなってからも時たま魂のような状態でありながら、道行く行商人を助けていたそうだ」とのことです

 

141:名無しのネット民

う~ん……これはオカルトスレ

 

142:名無しのネット民

イッチなんかのチートハーレム主人公じゃねぇよな?

 

チートハーレム主人公だったわ()

 

143:名無しのネット民

認めちゃうんだ……

 

144:名無しのネット民

前世から追っかけてくる神様がいるしね仕方ないね

 

145:名無しのネット民

とりあえず、これは後回しだな

 

146:名無しのネット民

そうだな

仮定は考えといても、今あげるべきじゃねぇな

 

147:仙衆夜叉の陽天

おk

なら次の話題だな

 

148:ツンデレニキ

了解

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「これは載っけるべきか……いや、こっちは俺一人じゃ分からないから皆に聞いてみるか……」

「むぅ……ずっとあの板ばっかり見てる……」

「そういうなバルバトス……今はウェンティか。陽天は陽天なりに今の事態を解決しようとしてるのだ」

「……それなら仕方ないかな~。……うん、おいしいねこのせんべい」

 

スマホ片手にああでもないこうでもないと頭を抱える青年。

最近一部界隈で話題になってる掲示板のスレッド主、イッチこと「仙衆夜叉の陽天」その人である。

そんな肩書を持つ青年は数日前なら考えもしないであろう理解不能な現象の数に頭を悩ませていた。

一つは、異世界「テイワット」の住人であり、前世の自分「陽天」の上司的存在であった岩神モラクス「鍾離」の来訪。

 

もう一つは……そんな彼の背中を見つめる空色の髪を持つ美少女――風神バルバトスこと「ウェンティ」の存在であった。

 

『ふぇ……あぁ……また、会えた、ね……。陽天……っ!』

 

そう涙ながらに絶対に失いたくない、離したくないと抱きしめるウェンティの姿は青年の頭に焼き付いた。

 

彼女は鍾離と同じく、一国を統治する七神の中の一柱であり、前世の自分とは知り合いの仲だという(ウェンティとしては「永遠を誓った恋人」だと言いたかったもだが、それを言おうとした瞬間に鍾離が「それ以上言ったらどうなるかわかっているよな?」というのを言外に伝えてくるほど完全に殺る気だったため慎んだ)。

そんな彼女は、昨夜のまだ月が頂天にある時間帯にこっちに来たという。

 

 

 

――死んだはずの「陽天」が生きているのを文字通りの「風の噂」で聞き、その先にいた陽天を抱きしめれば、いつの間にかここにいたという

 

 

 

これが余計に混乱した。

前世の自分が魂となって生きていて、それを見つけ消滅する前に抱きしめた鍾離がこっちの世界に来たのは、だいぶ無理があるが可能性がないわけではない。

自身が魂として消滅しそうになっていたところを鍾離が抱きしめたところで何かしらの力が働き、自身は転生できても鍾離は少し時間のずれた先日にこの世界へ降り立ったという、割と無茶はあるが可能性がないわけでもない現象であった。

 

その仮定が今回のウェンティの来訪によって崩れてしまったのである。

ゆえに、青年は原因の解決に全力を注ぐため、掲示板の民に助けを求めたのである。

馬鹿と変人と天災しかいないとはいえ、稀に歯車が噛み合ったその技術力や団結力は並の組織を上回るもの。

警察に頼もうものなら、身元のない鍾離たちのことがバレてしまうというのもあったが、あの時の青年は突然の出来事により頭が働いてなかったのであった。

 

「……それにしても()()()もこっち来てたんだ」

 

そんな悪戦苦闘する青年から視線を外し、同じように座布団に座りながらせんべいを口にしている鍾離へと質問を投げかけるウェンティ。

 

「何か問題があるのかバルバトス? ()は、ただ陽天に会いたいと思って、彼を抱きしめたらここにたどり着いただけだ。……記憶はなくなっているが、あれは間違いなく陽天だ」

「それに関しては否定する気はないよ。僕だって陽天に会いたくて追いかけただけだから。あちちっ」

 

同じ意見を交わし、お茶をすすって一息つく二人。

そこには旧知の仲というべき関係があることがうかがえる。

 

 

 

――だが、次の言葉が神々の戦争(ラグナロク)の引き金になった。

 

 

 

「でも、渡すつもりはないからね? たとえ君が彼の主君だとしても、契約に縛られた生き方は苦しいんじゃないかな? 彼のありかたは僕みたいな『自由』が一番合ってるよ」

 

 

 

「……言ったな飲兵衛。お前の方こそ、酒がほしいとたかりに行っては酔いつぶれ、彼の(とこ)で彼の匂いのしみ込んだ布団にくるまって眠っていたそうだな?」

「ふふんっ♪ 彼の特別だからこその特権だよ? お義母様(お・か・あ・さ・ま)?」

「……表に出ろバルバトス。貴様は身の程を知る必要があるようだな」

「望むところ……!」

 

ウェンティの煽りに怒りを通り越して真顔になった鍾離は、その手に芸術品のような槍――「破天の槍」を創り出し、庭先へ出るために立ち上がる。

その挑戦状を受けたウェンティも、その手に優美な弓――「終焉を嘆く詩」を呼び出し、鍾離に続いて庭先へと出た。

 

 

 

……この後起こったことは、よほど鈍くなければ想像することは難くない。

 

 

 

ただ庭先が戦場も書くや荒れに荒れて、温厚な青年が二人を正座させて説教し始めたということくらいであった。

 

こうして、自由な風の神来訪はいったん落ち着いたのである。







※後書き※

世の中の「鍾離×タルタル」「鍾離×魈」派の皆さん、本当に申し訳ない(イマサラタウン)
それとウェンティは女の子。異論は認めない


※キャラ紹介※

・イッチ

岩の神に飽き足らず、風の神も落とすプレイボーイっぷり
ちょっと最近、うなじがビリビリしてきて冬の到来をあまりにも遠くから敏感に感じてる
そんな彼の後ろでは、二人の女が「ぜったいれいど」撃ち合ってるんだけど……

作者「俺の息子みたいなもんだけどいっぺん爆ぜろ」


・ツンデレニキ

みんなの清涼剤
たぶん裏では色々とやってそうな人
最近の悩みは、飲み会に行っても誰も話しかけてくれないこと(むしろ話しかけてくるのはヤの付く人ばかり)
一時期、絡んできたチンピラ全員シメて警察に突き出したことで表彰されたことがあるらしい


・変態評論家

新たなコテハン
変態の名に恥じぬ変態っぷりで、様々な癖を生み出してる
実は絵がクッソうまくて、一部界隈では有名人
しかし、某救急車にとどめ刺された殺人犯みたいな感じに性癖が結構危ない人
人も動物も殺したことない代わりに、自分のペットが擬人化して美少女になったときの妄想を子供の頃にしてたそうな
スレでの評論家としての姿は、大分衝動を抑えてレスを打っているそうな

Q.なんでこんなところにたどり着いたんですか?
A.新たな癖を感じ取ったからだよ。私の下半s(規制音入りまくってなに言ってるか聞こえない)

・TS鍾離先生

我等が岩王帝君
今回は嫌いな飲兵衛が来たので少しイライラしてた
喧嘩という名の「ラグナロク」であまりに暴れすぎた結果、イッチに説教された(嬉しかった)
もう男には戻れないところまで堕ちてる


・TSウェンティ

ウェンティは精霊的な神であり、その姿は風のように自由自在→別に男と言及された訳じゃない(はず)→私の性癖を詰め込みたくなった(下半身の赴くまま)→ならTSさせてもいいよね!→出来たぜぇ……! TSウェンティがよぉ……!
こんな感じに出来上がった本作のウェンティは、番外席の夜叉として守るべき場所がほぼ指定されてない陽天が各国に派遣された時に知り合った。
だんだんと髪型とかスタイルにも気を遣ったり仕草なども女の子っぽくして近づいてみたが……「イッチ には こうか が なかった !」という感じかもしくは、「イッチ は こんらん している!」という感じになってまともに相手できなかった
そんなところも好きらしい


ちょっと文字数少なかった( ;´・ω・`)

また明日がんばります!

感想や評価をもらえると、作者のやる気が爆上がりしますので、皆様ドシドシ送ってきてください!

それでは、また次回~

(・ω・)ノシ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【悪いなスレ民】美女美少女と同衾した俺氏、2人とピクニックに出かける【このピクニックは3人乗りなんだ】




(頭が)最っ高にハイってやつだぁ!





1:仙衆夜叉の陽天

このスレは俺こと「仙衆夜叉の陽天(またはイッチ)」が出会った異世界からの来訪者に関しての相談をするスレである

荒らしは全スルー(もしくは俺が報告する)

初見さんは歓迎しよう!盛大にな!

ノリにノルのはおk(でも度が過ぎないように)

まとめるのはツンデレニキとスレ民に任せた

 

そんな感じのアットホームなスレでイクゾー!(デッデッデデデデ! カーン! デデデッ!)

 

↓事の発端スレ

【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】

 

と、いうわけで二人とピクニック行ってくるわ

 

(目元に規制線の入ったおそらく「仙衆夜叉の陽天」と思われる男性のそばでこちら側を不思議そうに見る鍾離とウェンティの写っている画像)

 

2:名無しのネット民

おうこら

 

3:名無しのネット民

待てやイッチ

 

4:名無しのネット民

またいきなり1レス目で爆弾投下するんじゃないよ

 

5:名無しのネット民

今度はピクニックかぁ……

 

6:名無しのネット民

もう怒りがわかなくなってきたゾ……

 

7:仙衆夜叉の陽天

いやまぁ、鍾離が来てからちょうど1週間経ったもんで気晴らしにちょっと近場の山に行こうかなって思ったわけなんだよ

もちろん二人を連れて

 

8:名無しのネット民

裏山

 

9:名無しのネット民

裏山

 

10:名無しのネット民

裏山スィ

 

11:仙衆夜叉の陽天

……なんか元気ないなお前ら

 

12:名無しのネット民

仕方ねぇだろ

今日平日だぞ

 

13:名無しのネット民

あじぃ……なんでこんな時に現場に出なきゃなんだよ……

 

14:名無しのネット民

社内のワイ、クーラーついてるけど仕事の量がやばすぎて気絶寸前

 

15:名無しのネット民

スレ見んな仕事やれ

 

16:名無しのネット民

鬼畜ゥ……

 

17:名無しのネット民

夏休み入ったばかりのワイ、課題を夏休み始まって数日で終わらせたもののボッチでPCとにらめっこしてる

 

18:名無しのネット民

学生はいいなぁ……

 

19:名無しのネット民

年とると体にガタが来るもんな……

 

20:名無しのネット民

もう歳か……

 

21:名無しのネット民

全員死に体で草

 

俺もや(クーラー壊れたバイト先で大勢の客さばいてる)

 

22:名無しのネット民

ワイも(海の家でバイトしてる。水着のきゃわいい子が店に来るけど大抵彼氏持ち)

 

23:名無しのネット民

ワイも(農業やってる実家に帰省したら半ば強制的に手伝わされてる)

 

24:名無しのネット民

ワイも(イベントのファイヤーダンスに出演してる)

 

25:名無しのネット民

ワイも(一人暮らしで電気代節約するためにクーラー切って窓全開)

 

26:名無しのネット民

ワイも(日中は海水浴場のライフセーバーやってて、夜には親父の手伝いで漁に出る予定)

 

27:名無しのネット民

ワイも(クソ暑いのに激辛料理完食しに行こうとダチに誘われた。拒否権はなかった)

 

28:名無しのネット民

はえー大変なんすねー(北海道民)

 

29:名無しのネット民

人の不幸で飯が美味いなぁ……(避暑地同然の親戚の家に泊まってる)

 

30:名無しのネット民

おまいらそんな暑いのか?

俺はいい感じだぞ(一面銀世界な場所でフル・フロンタル)

 

31:名無しのネット民

>>30 おま寒中水泳ニキ

 

32:名無しのネット民

>>30 普通全裸でも暑いもんは暑いんだよなぁ……

 

33:名無しのネット民

>>30 もうお前寒中水泳ニキでいいよ

 

34:名無しのネット民

そういやツンデレニキと評論家ニキはどこ行ったん?

 

35:名無しのネット民

そういや全然いないな

 

誰か知ってるか?

 

36:仙衆夜叉の陽天

>>35 ツンデレニキは南半球に特別な事情で出張

評論家ニキは海外のなんかすごい展覧会に呼ばれたらしいゾ

 

37:名無しのネット民

へー……ん?

 

38:名無しのネット民

いやちょっと待てイッチ

流しそうになったけどなんだその情報

 

39:名無しのネット民

ツンデレニキはまだいいとして……いや、ツンデレニキもおかしいけど、評論家ニキそんなすげぇやつなの?

 

40:名無しのネット民

叫ぶ気力もないから流しそうだったけど……それもそうだな

 

41:名無しのネット民

おら吐け

 

42:仙衆夜叉の陽天

>>41 おけ

 

まず、このスレを鍵付きにするか云々の話を前回しただろ?

それの試験運用的な感じにツンデレニキと評論家ニキにDM送ったんだ

 

43:名無しのネット民

ほうほう

 

44:仙衆夜叉の陽天

そしたらこれ送られてきた

 

(「奇妙な運命に絡められた少年へ」というコメントが書かれた幻想的な鍾離とウェンティのイラスト。その下に流れるような「向井」という評論家ニキの名前らしきサインがあった)

 

45:名無しのネット民

はえーきれいやなぁ……

 

46:名無しのネット民

へー、評論家ニキ、絵描けたんか

 

47:名無しのネット民

いや綺麗だなぁ……

リアリティというか、そもそものモデルが芸術品だったけど、アニメみたいな二次元的表現で描かれてて素直にすげぇ

 

48:名無しのネット民

言葉も変態的にうまくて、絵も変態レベルでうまいとか、現代のダヴィンチかよ

 

49:名無しのネット民

はぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!?????

 

50:名無しのネット民

>>49 どうした急に

 

51:名無しのネット民

>>49 いきなり長文打つなよ

 

52:名無しのネット民

>>49 なんなんだテメー

発情期かってんだ

 

53:名無しのネット民

>>49 来月にウ=ス異本が発売されるからあと一か月は待て

 

54:名無しのネット民

いやいやいやいや!! お前ら向井さんを知らねぇのかよ!?

 

55:名無しのネット民

知らん

 

56:名無しのネット民

ネット掲示板に引きこもってて、タイトルが面白いやつにしか行きそうにないやつらが世間を知ってると思うな

 

57:名無しのネット民

>>56 それ胸張って言えることじゃねぇだろ

 

58:名無しのネット民

調べてみるわ

 

59:名無しのネット民

俺も

 

60:寒中水泳

俺はどうしたらええんや……

 

61:名無しのネット民

>>60 泳いでろ

 

62:名無しのネット民

>>60 ヨツンヴァインになるんだよ

 

63:名無しのネット民

>>60 冷やし土下座でもやっとけ

 

64:名無しのネット民

>>60 ペンギンと友達になればいいんじゃね?

 

65:名無しのネット民

>>60 ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を作る

 

66:寒中水泳

>>61 >>62 >>63 >>64 >>65

おk全部やるわ

ペンギンは数キロ先に見えるから早速行ってくる

んじゃ

 

67:名無しのネット民

ちょww

 

68:名無しのネット民

マジかよww

 

69:名無しのネット民

狂ってるww

 

70:名無しのネット民

マジに南極にいるのか……

 

71:名無しのネット民

「寒中水泳ニキ、南極在住説」が立証されたな

 

72:名無しのネット民

その代わり「寒中水泳ニキ、クトゥルフ神話生物説」が発掘されたんだけど……

 

73:名無しのネット民

神話生物でもあんなに狂ってないゾ

 

74:名無しのネット民

神話生物より狂ってる言われる寒中水泳ニキisナニモン?

 

75:名無しのネット民

ニャルの生まれ変わりとか?

 

76:名無しのネット民

どっちかというなら探索者側だろ

 

77:名無しのネット民

稀によくあるやつな

 

78:名無しのネット民

ハイハイ脱線してるぞ

捜索班、見つかったか?

 

79:名無しのネット民

>>78 見つかった

 

80:名無しのネット民

>>78 ヤバい(マジ)

 

81:名無しのネット民

>>78 これ見てみ

 

(海外のとある場所で開催された大規模な展覧会の動画。その展覧会最高の栄誉を獲得した作品の作者として「ムカイ」の名が呼ばれた)

 

82:名無しのネット民

は?

 

83:名無しのネット民

えちょ

 

84:名無しのネット民

うっそだろお前ww

 

85:名無しのネット民

速報「評論家ニキ、世界の向井だった件について」

 

86:名無しのネット民

マジか!?

 

87:名無しのネット民

世界の向井とか俺みたいなネットの底辺ですら知ってるやつじゃねぇか!?

 

88:名無しのネット民

なんで評論家ニキ、こんな深層ウェブみたいなところに来たんだろ……

 

89:仙衆夜叉の陽天

>>88 本人曰く「新たな性癖を感じ取ったからだよ」とのことだ

 

90:名無しのネット民

ファーwwww

 

91:名無しのネット民

マックスダイソウゲンww

 

92:名無しのネット民

草に草を生やすな

 

93:名無しのネット民

いやー、イッチといい、寒中水泳ニキといい、評論家ニキといい、このスレは面白いなぁ!!

 

94:名無しのネット民

面白いというか、もはやスタンドバトルになり始めてるんだが……

 

95:名無しのネット民

変人は変人とひかれあう……

 

96:名無しのネット民

「イ ッ チ の 奇 妙 な 冒 険 ヘ ン ジ ン ・ ス レ ッ ド ・ ラ ン」

 

97:名無しのネット民

凪木先生に怒られるぞ

 

98:名無しのネット民

おいイッチ

もうお前鍾離さんとウェンティちゃんの写真投稿するだけのbotになれよ

 

99:名無しのネット民

いや、イッチがいるからこそこのスレは面白いだろ?

 

100:名無しのネット民

それもそうだな

 

101:名無しのネット民

これはお前が始めた物語だろ?

 

102:仙衆夜叉の陽天

話ずれそうだから戻すゾ

 

というわけで俺は今から美女と美少女侍らせて山登るわ

 

103:名無しのネット民

氏ね

 

104:名無しのネット民

見せつけてんなぁオイ

 

105:名無しのネット民

ケッ、幸せにしてやれよな

 

106:名無しのネット民

>>105 おまツンデレニキ2世

 

107:名無しのネット民

優しい

 

108:名無しのネット民

優スィなぁ……

 

109:名無しのネット民

実際、俺たちが変われって言っても実際に変わったら幸せにはできないと思う

 

110:名無しのネット民

それな

 

111:名無しのネット民

ほんそれ

 

112:名無しのネット民

初見です。噂の異世界スレはここですか?

 

113:名無しのネット民

 

114:名無しのネット民

初見さんだ!

 

115:名無しのネット民

丁重に囲って、洗脳しろ!

 

116:名無しのネット民

安心しろ

 

安心しろよ、花京院

 

私たちは友達だ……

 

117:仙衆夜叉の陽天

初見さんいらっしゃい

 

このスレは俺ことイッチの周囲で最近起こった出来事を相談するスレであり自慢するスレだ

荒らしは即刻BAN、主張するのはいいけどやりすぎないように

俺をけなすのはいいとしても、異世界からの二人をけなすのは絶対に許さないからそのつもりで

 

118:名無しのネット民

分かりました

 

119:名無しのネット民

礼儀正しそうな初見さんが来たな……

 

120:名無しのネット民

もし荒らし云々とか愉快犯だったら俺らの力が火を噴くからな

 

121:名無しのネット民

俺たちの力が火を噴く前にクーラーが煙を吹くだろ

 

122:名無しのネット民

HAHAHAHAHAHA!!

 

123:名無しのネット民

やかましいわ!

 

124:名無しのネット民

と、こんな感じのスレだ

気楽に行こうや

 

125:名無しのネット民

ってか、こんなスレ見なくてもリア友とかき氷食いに行ってもろて(善意)

 

126:名無しのネット民

友達にハブられたのでここ来ました……

 

127:名無しのネット民

悲しいなぁ……

 

128:名無しのネット民

同志よ……

 

129:名無しのネット民

俺たちがついてるぜ……

 

130:仙衆夜叉の陽天

まぁ、それはそれとして(デビルマーン!)

 

この光景見てもろて

 

(戦場もかくやと言わんばかりに荒れに荒れた敷地を映した画像)

 

131:名無しのネット民

ワァオ……

 

132:名無しのネット民

戦場の跡地かな?

 

133:名無しのネット民

うわぁ……地盤めくれあがってんじゃん

 

134:名無しのネット民

木が根元からへし折れてら……

 

135:名無しのネット民

え、なにこれ

 

136:名無しのネット民

>>135 初見君か?

 

これがイッチのそばにいる二人の美女がキャットファイト(ラグナロク)した結果だ

 

137:名無しのネット民

改めてみても規模がイカレテんな

 

138:名無しのネット民

実際に見てみるとここまでひどいとは

 

139:名無しのネット民

これがイッチを取り合っての結果とかマ?

規模がデカすぎんだろ……

 

140:名無しのネット民

神の戦いは異世界でもヤバいんやな……

 

141:仙衆夜叉の陽天

あ、そうだ(唐突)

 

2人が全力出したら日本が真っ二つになるかもしれへんのでそのつもりで

 

142:名無しのネット民

え、なにそれは

 

143:名無しのネット民

初耳情報を投下するな

 

144:名無しのネット民

こっちの神も大概だけど、テイワットの神である二人は、片方戦神で片方それに食らいついてるからね

 

145:名無しのネット民

えぇ……

 

146:仙衆夜叉の陽天

何と二人曰く、「鍾離は自身と同じ神という格に分類される『魔神』を岩の槍ぶん投げて封印し、その跡地が沖合に浮かぶ大きな島となった。ウェンティは、モンドという国を拓くために、邪魔な岩や山々を風で吹き飛ばし、海洋に浮かぶ島々を造った」そうな

 

147:名無しのネット民

ふぁー……

 

148:名無しのネット民

規模がやばすぎるんディスが……

 

149:名無しのネット民

日本壊れるでこんなん

 

150:名無しのネット民

うっそだろお前

 

151:仙衆夜叉の陽天

他には、海洋隣国「稲妻」の神は、その無想の一太刀で島もろとも魔神を両断したそうな

 

152:名無しのネット民

……うん、死ぬなよイッチ

 

153:名無しのネット民

神様に挟まれて巻き込まれる云々より、外的要因で死傷するのが一番ヤバいなこれ……

 

154:名無しのネット民

イッチ、強く生きろ……

 

155:仙衆夜叉の陽天

おけ丸水産よいちょまる

 

ほな言ってくるで~

 

156:名無しのネット民

……行ったな

 

157:名無しのネット民

熊とか出てきませんように……

 

158:名無しのネット民

割とマジで日本の危機だからな

 

159:名無しのネット民

イッチの死=犯人もろとも日本滅亡とかシャレになんねぇ……

 

160:名無しのネット民

イッチの住んでる場所が田舎なのと、こんな場所に情報提供してくれて助かったわ

 

161:名無しのネット民

最初に知らせていたのが警察とかだったらめんどくさくなってたな

 

162:名無しのネット民

あんなん周りに警備兵たくさん置かれるで

 

163:名無しのネット民

あれ? そういや初見さんは?

 

164:名無しのネット民

情報量の暴力で耐えられなかったんやろ

 

165:名無しのネット民

奴には早すぎたんやな……

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「~~♪」

「……なぁウェンティ」

「ん~?」

「ちょっと降りてくんない? 流石に暑苦しい……」

「ふふっ♪ 重いとは言わないんだね♪ 流石陽天♪」

「……んでお前は降りないんだな」

「いつでも君を感じていたいからね~♪ ほれほれ♪ ギューッと♪」

「ったく……」

 

 

「…………」

 

 

大きな入道雲が空に浮かぶ夏真っ盛りの空の下、額に汗を浮かべる青年と鼻唄を歌うほど上機嫌なウェンティ、少し離れて真顔の鍾離が山道を登っていた。

 

この山道は青年がいつも日課として上っている山で、標高は見上げられるほどに高い。

そんな山をいつもなら、()()()()()に課せられた特訓として登っている道……言うなれば「挑戦者ルート」というべき道とは違い、観光客や登山者、麓の近隣住民がたまーに登ったりする緩やかな傾斜が続く登山道を歩いていた。

まず先頭として道をよく知っている青年が、特訓ついでにそれなりの荷物が入ったバックパックを背負って歩き、その後ろから鍾離とウェンティがついてくるという並びで最初は歩いていたのだった。

 

 

――そう、『最初は』である。

 

 

このメンバーの中では一番小柄で、肉体も鍛えられてるとはお世辞にもいえないほど細く華奢なウェンティは早々に疲労を訴えたのである。

それに対し、青年はどうしたものかと考えていたのだが……そのときウェンティが起こした行動があまりにも鍾離の精神を逆撫でた。

 

『陽天♪ おんぶして♪』

『……分かったよ』

『やたっ♪』

 

なんと、自身の大切な存在である陽天に、背負ってほしいと頼んだのである。

これには流石の鍾離も怒りの感情がわく。

ただでさえ、風情というものを全く理解してないことで嫌っていた飲兵衛が、自身の宝物に触れるだけに飽き足らず、彼に媚びるように体を押し付けているのだ。

正直にいえば、即座に反対側の山まで投げ飛ばしてやりたい衝動に駆られたが、そこは青年がいる手前自重した。

 

だが……

 

「~~♪」

「ほんとに上機嫌だなウェンティ」

「当たり前だろう? 君と触れ合えて、君の体温を感じ、君の声を聞いているだけで、僕は溶けてしまいそうなんだ♪」

「ほーん」

「むぅ……こんな美少女に愛を語られて嬉しくないの?」

「……そら嬉しいけどさ。まだ実感がわいてねぇんだよ。俺にとっては鍾離もウェンティもたった数日前に会ったばかりの美女美少女だし、でも、心の奥底では懐かしいような嬉しいような気持ちがわいてる……。だから、余計に実感がわかねぇんだよ」

「ふ~ん? それなら、体で確かめてあげようか?」

「ばっ!? やめろって! 服ン中に手ぇ入れてまさぐんな!」

「ふっふっふっ……ここがええんじゃろ? ここがええんじゃろ? 陽天の家の押し入れにあった、お爺さんが陽天に残した秘蔵本に書いてあったんだ。グイグイ押せばなんとかなるって!」

「クッソあのジジイ! 変なもん残していきやがってぇ!」

 

「っ……!」

 

目の前でじゃれ合う二人の姿をみて、心の中にドロッとした『ナニカ』が生まれるのを鍾離は感じとる。

テイワットの七神の中でも一番長く生きてきたがゆえに様々なことを知っている鍾離はその『ナニカ』がどういうものなのかすぐに分かった。

 

 

――「これは『嫉妬』だ」と。

 

 

自身は陽天(青年)の親でもあり、そして彼の主君。

そんな立場であることを自分に言い聞かせる必要がなかった岩神モラクス()と違い、今は一人の男に恋する鍾離()である自身。

彼から自身に手を出してくれるならまだ良いが、自身から手を出してはそれはただの卑しい雌だ。

だからこそ、自身は今なお「彼を愛する女でありながら、彼を見守る義理の親」という契約を課していた。

 

我慢したのだ。

彼がいなくなっても。

我慢し続けたのだ。

 

それがどうした。

今目の前では、横合いから割り込んできた雌に、彼の隣を奪われかけている。

 

 

 

もし、このまま奪われてしまうなら、今ここで――!

 

 

 

そんな考えが頭によぎったところだった。

 

 

 

「暗い顔してどうしたんだ鍾離?」

 

 

 

「……え?」

「いや、『えっ?』ってどうしたんだよ鍾離。疲れたのか?」

「い、いや、バルバトスはどこへ行ったのかと思っただけだが……」

「ウェンティなら、あんまりにもうるさかったんで黙らせた。てきとーにこの無駄にデカイバッグに詰めてみたんだ」

「もがー! もがもが!(ひどいよ陽天!)」

「んで、後ろ振り返ったら鍾離がすっげぇ暗い顔しててな。だから気になって戻ってきた」

「そうか……すまない、心配をかけさせた。早く登ろう」

 

戻ってきた彼の姿をみたことで、衝動のままに動こうとした体を制止する。あと少し遅ければ、ウェンティを潰していただろう。

そんな、一時的に霧散した激情を彼に悟らせては行けないと、鍾離は足早に先へと進もうとする。

 

しかし、

 

「いや、流石にそのまんまじゃダメだろ」

「なっ!? こ、これは!?」

 

青年が鍾離の腕をつかみ止めたかと思えば、流れる動作で自然に腕を絡み付かせる。

その感触に鍾離は顔を真っ赤にさせて慌て出した。

 

「腕組んでるだけだろ? そんな驚くか?」

「い、いや! そういうわけではなくむしろ嬉しンンッ! 迷惑をかけるかもしれないから! 出来ればその……離れてほしい……」

「…………フゥ……なら、もっと近づくからな」

「!?」

 

弱々しく離れてほしいと告げる鍾離の懇願を聞かず、腕に痛みを与えない程度に強く絡ませる。

これには鍾離もたまったものではない。

顔が真っ赤になり、思考回路はショート寸前だった。

 

「……ウェンティばっかにかまってたからか?」

「……そうだ。私の大切な子であり、愛しい存在なのに、気に食わない飲兵衛がかっさらっている光景を見せられるのはなかなかに心に来る」

 

青年の問いかけに、隠すことはできないと悟った鍾離は、自分の心のうちにある醜い感情を吐露する。

それはまるで、犯した罪を懺悔する罪人のようであった。

 

「だから、奪われるくらいなら、と、動きかけたんだ。ハハッ、笑ってくれ陽天。こんな醜い感情を持つ女のことなど」

 

自分を省みることができた分、その反動も大きい。

自分のことなど、と言い始めた鍾離を見て、青年は動いた。

 

「そんなんで笑うかよ。むしろ前世でやらかした俺と今の状況を他人事に感じてる俺が原因じゃん」

「え……」

「だから、そんなんで嫌いになるかよってこと。まぁ、好きだって一概にもいえないけど、大切だってのは実感がなくとも、心では確信をもててる。だからさ、そんな思い詰めるなって」

「いや、それでも私は醜い感情を持ったんだ。だから――」

「人間誰しも醜い感情を持つもんだ。鍾離は神様だけど、俺のことが好きっていう『人』になったんだろ? なら、誰だって持つもんさ。この国の神様だって、自分の子供が母親を殺したから、怒って自分の息子を殺したりしたんだ。神様だって醜い感情を持つんだよ。持たないやつは、真性の狂人か聖人だ。俺はヤダだぞ? 俺は普通の人間が好きになりたい。だから――」

 

 

 

「鍾離は大丈夫だよ」

 

 

 

鍾離の目を真っ直ぐに見てそう言い放つ青年。

しばらく山の間を抜ける風の音が吹いていたが、鍾離が噛み殺すような笑い声を上げることで動き出した。

 

「クフッ、クックックッ、流石に言ってることが滅茶苦茶じゃないか陽天」

「そうか? 良い感じに決められたと思ったんだけどなぁ……」

「告白というには風情がないが、まぁ合格点は軽く飛び越したな」

「そうか……ん? 告白……?」

「なぁ陽天」

「なんだ――」

 

その瞬間、青年の口をナニカ柔らかいものが塞いだ。

それは暖かく、まるでマシュマロのように柔らかかった。

そして視界には、鍾離の顔がありその距離はとんでもなく近かった。

 

やがて数秒して柔らかい感触がなくなる。

先程まで、かなりの至近距離にいた鍾離の顔は離れており、チロリと妖艶に唇をなめていた。

 

そして、青年はようやく理解が追い付く。

 

「お、おま、お前――!?」

「フフッ、返事はまた今度で良いぞ陽天。私は長く生きた神であり人なんだ。いつまでも待てる。だが――」

 

 

 

「受け入れたときには、絶対に離さないからな?」

 

 

 

夏の熱い風が空にかかった雲を吹き散らし、日射しが火照った顔をさらに熱くさせていく。

 

そんな日に起きた、ある甘い出来事の記録であった。







※後書き※

TSってのはさ、何て言うか、救われてないといけないんだ……。


※登場人物紹介※

・イッチ

今回はスパダリ要素が強く出たスーパークソニブ仙人となっていた我らがイッチ。
あのあと、鍾離先生の一挙手一投足全てにドギマギするという鍾離先生と出会った当初のピーチボーイっぷりを見せた。


・TS鍾離先生

本作のメインヒロインであり、もう男には戻れないところまで行ったメス堕ちの最高傑作(作者談)。
書いてるとき、かわいくて死にかけました。


・TSウェンティ

今回は当て馬みたいになっちゃった子。
今度、君のメイン会作るからお姉さん許して……。


・寒中水泳ニキ

だんだんと設定とやってるとこが人外じみてきた人。
今回のスレで「クトゥルフ神話生物説」「リアルTRPG探索者説」「野獣先輩説」「地球側の神説」が出てきたよく分からん人。
たぶん金髪アフロで鼻毛真拳使えるやつの仲間であったり、120億事件起こしたやつの魂を継ぐボンッキュッボンッな葦毛の美少女のトレーナーになってるかもしれない。
最近のマイブームは「ダイオウイカの踊り食い」「俺は……鉄火丼隊長……オルカイツカだぞ……」「空を飛ぶペンギンになること」だそうな。


・評論家ニキ

なんかすごい人だということが判明した人。
結構多芸らしい。
これでファンアートもらってもこの人が描いたやつ云々で出しやすくなった。


・スレ民

鍾離先生とウェンティのヤバさにようやっと気づいた人達。
たぶんダ◯ョウ倶楽部の後継者になれるほど譲り合いの精神がある。
こんな時期に熱湯風呂はやらないけど。


めっちゃ手応えあって、我、満足。

お気に入り登録や感想、評価、ここすき等々をしてもらえると、作者のモチベが爆上がりしますので、皆様の応援お待ちしております!

それでは皆様、また次回~。

(・ω・)ノシ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【悲報】俺氏、今までの鍛え方では肉体の強度が足りないことを実感する【美女に負けた】




特訓回(という名のゼ◯シィ回と惚気回)





1:仙衆夜叉の陽天

はい、よーいスタート(棒読み)

 

このスレは俺こと「仙衆夜叉の陽天(またはイッチ)」が出会った異世界からの来訪者に関しての相談をするスレである

荒らしは全スルー(もしくは俺が報告する)

初見さんは歓迎しよう!盛大にな!

ノリにノルのはおk(でも度が過ぎないように)

まとめるのはツンデレニキ(出張中)とスレ民に任せた

 

↓事の発端スレ

【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】

 

最近驚きの連続で頭パーになりそうだから特訓して、肉体を苛め抜くゾー

 

2:名無しのネット民

待ってたゾ

 

3:名無しのネット民

今回は惚気から始まらねぇんだな

 

4:名無しのネット民

驚きの連続言うてもイッチ大分図太かったやろ

 

5:名無しのネット民

美女と同衾してることさらすくらいだからな

 

6:名無しのネット民

オパーイの大きい美女に抱き着かれても翌日にはスレ立てるくらいやろ

 

7:名無しのネット民

それなりのオパーイ顔面に押し付けられても自慢してきたやろ

 

8:名無しのネット民

なんか腹立ってきたな

 

9:名無しのネット民

あんなぐいぐい来る女神(比喩にあらず)と同居してんだろ?

今回はどんなことあったんだ?

 

10:仙衆夜叉の陽天

…………いや、今は関係ないだろ

それよりどんな特訓するか決めようぜ

 

11:名無しのネット民

……おい

 

12:名無しのネット民

ちょっと待てその反応

 

13:名無しのネット民

ま、まさか……!?

 

14:名無しのネット民

嘘、だろ……!?

 

15:仙衆夜叉の陽天

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………さて、木刀振るか

 

16:名無しのネット民

ちょ

 

17:名無しのネット民

おい待てやゴラァ!!!!

 

18:名無しのネット民

ヤッたんだな!?

 

19:名無しのネット民

ヤッたんじゃねぇんだろなぁ!?

 

20:名無しのネット民

WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!

 

21:名無しのネット民

許さねぇ………!!

 

22:名無しのネット民

呪ってやるぅ!!!!

 

23:名無しのネット民

裏山すぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!

 

24:名無しのネット民

タピオカパァアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

 

25:名無しのネット民

ちくわ大明ジィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインン!!!

 

26:名無しのネット民

誰だ今のぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!

 

27:名無しのネット民

ファミチキプリィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイズ!!!!!!

 

28:名無しのネット民

こいつ直接口頭で!!!!????

 

29:ツンデレニキ

帰って来て早々なんだこれは……

 

30:変態評論家

ふむ……大体わかった

 

31:名無しのネット民

!!??

 

32:名無しのネット民

!!??

 

33:名無しのネット民

!!??

 

34:名無しのネット民

!!??

 

35:名無しのネット民

!!??

 

36:名無しのネット民

!!??

 

37:名無しのネット民

!!??

 

38:名無しのネット民

!!??

 

39:名無しのネット民

!!??

 

40:名無しのネット民

!!??

 

41:名無しのネット民

!!??

 

42:名無しのネット民

か、帰ってきたぞ!!

 

43:名無しのネット民

我らがツンデレニキと評論家ニキ!!

 

44:名無しのネット民

聞いてくれよぉ!

イッチがさぁ!!

 

45:名無しのネット民

美女とぉ!美少女とぉ!あんなことやこんなことをさぁ!!

 

46:名無しのネット民

ヤリやがったんだよイッチがぁ!

 

47:ツンデレニキ

……なるほど把握した

 

要はあれだろ

イッチが一線超えたから嫉妬してんだろお前ら

 

48:名無しのネット民

そうだけどさぁ!!

 

49:名無しのネット民

許されるわけねぇよなぁ!?

 

50:名無しのネット民

イッチ許せる奴いるゥ!?

 

いねぇよなぁ!!

 

51:名無しのネット民

然り!!!然り!!!然りィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!

 

52:名無しのネット民

ツンデレニキだって許せねぇよなぁ!!??

 

53:ツンデレニキ

いや、俺はそうでもないぞ

 

54:名無しのネット民

あるぇ!!??

 

55:名無しのネット民

なぜだぁ!!??

 

56:名無しのネット民

そんなこと言ってたってぇ!!

ツンデレニキだってうらやましいんだるぉ!!??

 

57:変態評論家

そうでもないと思うんだがねぇ……

そもそもツンデレ君は既婚者……それも娘さんのいるパパさんだ

 

58:名無しのネット民

ファッ!?

 

59:名無しのネット民

既婚者ぁ!?

 

60:名無しのネット民

何でここにいるんだよ!?

 

61:ツンデレニキ

そりゃ、なんか面白いことがねぇかと思ってたからに決まってるだろ

 

62:名無しのネット民

娘さんと遊んでもろて……

 

63:ツンデレニキ

絶賛反抗期中だ

 

64:名無しのネット民

悲しいなぁ……

 

65:変態評論家

さて、皆も落ち着いてきたころだと思うんだが

 

66:名無しのネット民

!?

 

67:名無しのネット民

い、いつの間にか落ち着いていた……!?

 

68:変態評論家

落ち着いてくれたようで何よりだ

 

それで、イッチ君はどこへ行こうとしているのかね?

 

69:仙衆夜叉の陽天

ギクッ……

 

70:名無しのネット民

 

71:名無しのネット民

逃げるな卑怯者―!

 

72:名無しのネット民

キリキリ吐けや!

 

73:名無しのネット民

ナニしたんだろぉ?

 

男として逃げようとするのはダサくねぇかぁ?

 

ンン?

 

74:仙衆夜叉の陽天

………………わぁったよ、正直に言う

 

この間のピクニックで鍾離にキスされた

 

75:名無しのネット民

……

 

76:名無しのネット民

……

 

77:名無しのネット民

……

 

78:名無しのネット民

……

 

79:名無しのネット民

……

 

80:名無しのネット民

……

 

81:名無しのネット民

……

 

82:変態評論家

ほぉ……

 

83:ツンデレニキ

あー……こういう時にはおめでとうっていうんだっけな

 

84:名無しのネット民

……

 

85:名無しのネット民

……

 

86:名無しのネット民

……

 

87:名無しのネット民

……

 

88:名無しのネット民

……

 

89:仙衆夜叉の陽天

ツンデレニキ、素直に受け取っとく

 

そしてお前らいつまでフリーズしてんだ

 

90:名無しのネット民

ハッ!!

 

91:名無しのネット民

き、記憶が飛んでた……

 

92:名無しのネット民

えーっと……畑に生えてるキス取りに行ってその場で食べたんだっけ?

 

93:名無しのネット民

おかしいおかしいww

 

いや、草生やしてる場合じゃねぇわ

 

94:名無しのネット民

おい、イッチ

 

どっちからした

 

95:仙衆夜叉の陽天

……鍾離から

 

96:名無しのネット民

……どんな感じのを?

 

97:仙衆夜叉の陽天

……ピクニックではソフトのだけど、家帰ったら今度は舌を絡めるディープなやつされた

 

98:名無しのネット民

……告白されたか?

 

99:仙衆夜叉の陽天

………………

 

100:名無しのネット民

………………

 

101:仙衆夜叉の陽天

………………

 

102:名無しのネット民

………………

 

103:仙衆夜叉の陽天

……されました

 

104:名無しのネット民

よし極刑

 

105:名無しのネット民

ギロチン用意しろ

 

106:名無しのネット民

惜しいやつをなくしたよ……

 

107:名無しのネット民

さぁて、今回はここで終わりにするかぁ~

 

108:仙衆夜叉の陽天

待ってぇ!!

せめて弁明させて!!

 

109:名無しのネット民

遺言あるなら今残せ

 

110:仙衆夜叉の陽天

鍾離を嫉妬させたウェンティが悪い

 

だから俺は悪くねぇ!!!

 

111:名無しのネット民

おいマジかよこいつ

 

美女とキスした挙句、その罪を美少女に擦り付けたぞ

 

112:名無しのネット民

何度罪を重ねればいいのか……

 

113:名無しのネット民

とりあえず、ギロチンの後は磔な?

 

114:名無しのネット民

さて、木を削りだして槍作るか……

 

115:名無しのネット民

ユダがそもそも裏切るほど信じていないもとからクズのイエスキリストとか日本の恥だな

 

116:名無しのネット民

評論家ニキレベルの画力あるなら最後の晩餐描いてみてぇなぁ……

 

117:変態評論家

流石に今描こうとは思わないね

 

まだイッチ君は死にそうにないからね

 

118:名無しのネット民

ま、それもそうだな

 

119:名無しのネット民

まぁ、ネタに走るのはさておき(ギロチンポーイ)

 

120:名無しのネット民

それもそうやな

 

(どこかで見たような巨大な槍が木材から削りだして作られている写真)

 

121:名無しのネット民

>>120 いつ作ったんだよ……

 

122:名無しのネット民

>>120 なんでこうも技術力の高い人が集まるのか……

 

123:仙衆夜叉の陽天

た、助かった……

 

124:ツンデレニキ

首の皮1枚つながったなイッチ

 

まぁ、幸せにしてやれよ

 

125:名無しのネット民

もし「イッチ×鍾離」として結ばれたら教会造るか

 

126:名無しのネット民

現役サーカス団員のワイ、出席して大道芸するわ

 

127:名無しのネット民

漁師のワイ、イッチと鍾離さんが結婚したら3桁キロクラスのマグロ持っていくことを決意

 

128:名無しのネット民

ピアニストのワイ、真っ黒○イトオブ○イツ弾いてみるわ

 

129:名無しのネット民

バイオリニストのワイ、>>128とデュエットを提案

 

130:名無しのネット民

金管楽器大体吹けるワイ、参加希望

 

131:名無しのネット民

このスレをバンドメンバーと見てるワイ、盛大に盛り上げてやるために今日から特訓期間に入るゾ

 

132:名無しのネット民

三ツ星シェフのワイ、仲間と協力すれば満漢全席作れる

 

133:名無しのネット民

暇人のワイ、宝石加工の免許持ちだから結婚指輪の依頼受け付けとるで

 

134:名無しのネット民

コーディネーターのワイ、女性だから鍾離さんのドレス作りたい

 

135:名無しのネット民

クレイジーなタクシー乗りのワイ、全員目的地まで送ってやるから言ってくれ

 

136:名無しのネット民

なんでこんなに逸材が紛れてるんディスかね?

 

137:仙衆夜叉の陽天

おいおいおいお前ら!?

俺まだ結婚する気はねぇぞ!?

 

138:名無しのネット民

「まだ」ってことはいずれ結婚するんだろ

 

139:名無しのネット民

すぐそばにクッソ美人の前世から追っかけてくれるほど愛が重い人がいるじゃろ?

 

140:名無しのネット民

据え膳食わぬは男の恥

 

141:名無しのネット民

こちらも(下半身の刀を)抜かねば不作法というものだイッチ

 

142:名無しのネット民

腹くくって答えてやれ

 

143:仙衆夜叉の陽天

……1年以内には決めるよ

 

144:名無しのネット民

んー……少し長いがよう言うた

 

145:名無しのネット民

それでこそ男や

 

146:名無しのネット民

盛大に幸せになれよクソァ

 

147:名無しのネット民

絶対にするって言わないあたりまだヘタレ

 

148:名無しのネット民

さぁて、ひっさしぶりに働くか

 

149:名無しのネット民

やる気出てきたぜぇ!

 

150:名無しのネット民

やっぱね、美女がうれしそうな顔を思い浮かべるだけで男ってのは動けるもんよ

 

151:ツンデレニキ

それが自分ではない誰かだとしてもな

まぁ、自分が嫁さん受け入れてもらえた時の嬉しさはその比じゃねぇけどな

 

152:名無しのネット民

お、経験者は語るってか?

 

153:名無しのネット民

結婚云々で困ったらツンデレニキに聞けよイッチ

 

154:名無しのネット民

んじゃ、俺は落ちるな~

 

155:名無しのネット民

乙~

 

156:仙衆夜叉の陽天

……今回のスレの目的、特訓なんだけどなぁ……

 

157:名無しのネット民

サイタマ式トレーニングやっとけば?

 

158:仙衆夜叉の陽天

……やっとくわ

その前にウェンティと鬼ごっこしてくるわ

 

んじゃ、行っとく

 

159:名無しのネット民

おう行ってら~

 

160:名無しのネット民

なんだかんだ言って、イッチはやる男だからな

 

161:名無しのネット民

イッチと鍾離さんとの間に生まれる子ってなんだろうなぁ……

 

162:名無しのネット民

ウェンティちゃんも入れた両手に花型ハーレムも捨てがたい

 

163:名無しのネット民

純愛が一番ダルルォ!?

 

164:名無しのネット民

男のロマン、ハーレムだ!

 

165:寒中水泳

ただいま

俺はイッチならどっちも選びそうだぞ

 

あとこれお土産

 

(河童の衣装を着た目元に規制線の入った男が触手の塊のようなナニカと水中で戦っている写真)

(セクシー網タイツを穿き、バニー服を着た男がヨツンヴァインしている写真)

(ご丁寧に枯れ木と雪を集めた場所で「ウゾダドンドコドーン!!」と言っている動画)

(崖の上でペンギンの子供を手に持ち、ライ○ンキングのワンシーンを再現している写真)

(白い光を放ち、空に浮かぶナニカを撃ちぬくネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲の横で、白い着物を纏って腰に木刀を提げた男が飴を舐めてる写真)

 

166:名無しのネット民

ちょww

 

167:名無しのネット民

帰って来て早々ヤベェもん投下すんなよ寒中水泳ニキww

 

168:名無しのネット民

テラワロスww

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「むすぅ……」

「あ、あのなウェンティ……あれは不可抗力だって……」

「……むすぅ……」

「ウェンティも大切だけど、鍾離も大切なんだよ……。それにあれめっちゃ不意打ちだったからさ……」

「……じゃあ、僕にも深めのキスをしてくれる……?」

「イエ……ソレハ……ソノ……」

「無理なんだね……フーン……」

「ちょ! 風強くすんのやめてくれ!」

「特訓のためには強い方がいいでしょ? だからさ! このくらい乗り越えてよ!」

「強すぎてもはや台風なんだけどうおぁあっ!?」

 

燦々と輝く太陽の下、青年とウェンティは外出していた。

 

目的としては、青年の肉体改造。

規格外の重りなどで強烈な負荷をかけ運動をし、肉体をさらに強靭にすることだった。

武術で名を馳せた求道者の子孫である青年の祖父(青年曰く「脳筋クソジジイ」)から幼少の頃より叩き込まれた武術の数々、それらを使いこなすためにはそれこそ並みの鍛え方では足りないのだ。

いつもなら、丘の上にある実家から麓の村に降り、そこである程度の食料や物資を揃え、そのあとは足を止めることなく全力疾走するというなかなかにイカれたトレーニングをしていたが、それでもある程度すれば慣れてくる。

 

そんな時に、環境を激変させるような存在――鍾離とウェンティが来たことで、少しだけ内容を変え始めたのだ。

 

その一つが今やっていることである。

 

捕まるところのない平原で、ウェンティと鬼ごっこをするということ。

もちろん、ただの鬼ごっこではなく、ウェンティはその風の神としての力を行使し、盛大に突風を滅茶苦茶に吹かせていた。

それも、人なんて軽く吹き飛ぶような勢いだ。

ウェンティがその手に元素で固めた竪琴を引く度、風速3桁メートルは出てるのではないだろうか、あまりの勢いに大地はめくれ上がり、風が運んだ土や石が礫となって青年に襲いかかる。

 

いつもならもう少し弱めなのだが、今日のウェンティはご機嫌斜めなのを隠そうともせず、全力で力を行使していた。

 

「だぁっ! 流石にやりすぎだぞウェンティ!」

「ふんだ! 気の利かない陽天にはこのくらいがちょうど良いんだよ! 僕の気持ちを知ろうともしない! 聞こうともしてくれない! それなのに爺さんのことばかり考えてる! 僕は君を愛してるのに!」

「こんな風起こしながら告白されてもなぁ!! がっ!? つぅ……! 石ころ程度がこんな痛てぇのかよぉ……」

 

風にあおられるどころか空を飛び始める程の風に吹き飛ばされ、身動きのとれないところに飛翔した石が体に直撃する。

その威力はトタン板程度なら容易く貫通しかねないものだった。

それを筋肉を引き絞ることで耐えるという離れ業で難を逃れた青年は、風に巻き込まれ、上下感覚が狂いながらもウェンティから目を離したりはしない。

 

それが余計にウェンティの癪にさわった。

 

「ッ! ほら! こうでもしないと見てくれない! 爺さんにはいつだって今とは違う視線を向けるのに!!」

 

殴り付けるような風を竪琴を荒々しく弾く度に吹き荒れさせるウェンティ。

正直に言えば、このときのウェンティは正気ではなかった。

 

『自分は何歩もリードしている』

『彼を縛り付ける爺さんより、自由な僕のところの方がずっと良い』

『彼は僕を見失わずにいてくれる』

 

そう思っていたからこそ、以前まではあっけらかんとした吟遊詩人のウェンティとしていられたのだ。

 

だが今のウェンティは、そんなことなど考えていない。

ただひたすらに嫉妬心をむき出しにした子供のようであった。なまじっか力がある分、余計にタチの悪い酔っぱらいとも言える。

 

「僕は……! 僕は……! 君だけを見つめているのに……君に受け止めてもらいたいだけなのに!」

「ッ!」

「僕を見てくれた! 友人として見てくれた! それだけで好きになったんだ! 好きになったら止まれなくなったんだ! 僕は恋に落ちたんだよ! おかしくなりそうなほど胸が苦しいんだよ!」

「ウェン、ティ……!」

「君が好きだ! 誰にも渡したくない! 僕という嵐の中にずっといてくれ! 退屈はさせないからぁ! ヒック……僕を、満たしてくれよぉ……!」

 

懇願するように、すがるように、泣き叫ぶように言葉を紡ぐウェンティ。

その姿はあまりにも痛々しかった。

 

「クッソォ……!」

 

それを見た青年の心にわいたのは、子供の相手をしている時のように面倒なという感情……ではなく、ましてや彼女を傷つける鋭い感情なんてものでもない。

 

それは怒りだ。

自分という腑抜けに対する怒りだ。

彼女の好意から目をそらしていた自信への憤怒だ。

 

だからこそ、

 

「試したことねぇけど、即興だ!」

 

彼女の想いに応えたいと思った。

 

(集中しろ! これは瞬間的に空気を蹴ることで『空を歩く』バカみてぇな技だ! これやれとか頭イカれてンのかあのジジイ! ……だけど、今だけは感謝だ!)

「うおらぁっ!!!!」

 

一世一代の奇跡を起こすため、青年は――

 

 

 

――空を跳ねた。

 

 

 

「え……」

「ちょぉっ!? 足いたぁッ!?」

 

「空中を蹴って移動する」というあまりに意味不明な現象にウェンティは呆け、青年は一発で足がつるという反動に焦る。

しかし、ウェンティの感情のままに荒れ狂っていた風は、ウェンティが呆けたことで勢いが弱まる。

遮るものがなくなったため、勢いそのままに青年はウェンティへと突っ込んでいく。

 

「ちょちょちょ!? わひゃっ!?」

「ぐおっ!?」

 

しかし、なんとかそのままウェンティを抱き締め、彼女を怪我させないように慣れ親しんだ技術「受け身」をとって衝撃を逃す青年。

そのまま転がっていき、ある程度して二人は止まった。

 

「ハァッハァッハァッハァッ……」

「いっつぅ……だ、大丈夫かウェンティ……?」

「う、うん……ってそうじゃなくて、っていたっ!」

「落ち着けっての。それとあんまり暴れんな。俺な足つってるんだから」

 

青年の胸に抱かれていることに安心感を覚えかけるも、まだ自身が怒りを抱いていたことは解決してないと叫ぼうとしたウェンティの額を弾いて黙らせる青年。

 

「あのなぁ……鍾離とはまた違う感じで嫉妬してんのかぁ?」

「……いいじゃん。嫉妬くらいしてもさ。それが人間でしょ、バカ陽天……」

「おう、分かってんなら話が早い。嫉妬はして良いけどさ、溜め込みすぎなんだよウェンティ。お前はさ」

 

少しは落ち着いたウェンティへと話しかける青年。

ウェンティもやりすぎたと思ってるのか暴れだしたりはしなくなった。

これでようやく話ができる。

 

「……俺はさ、前世の俺がどんな感じの立場で、どう思ってて、どんな感情をもってたのか分からねぇんだわ。ウェンティも鍾離も、俺のことが大好きって言ってくれてるけど、俺にとっては初対面だからなんのこっちゃ状態なんだわ」

「…………」

「でも、心のどこかでは二人のことを好ましく見てるし、懐かしいとも思ってる。でも思い出せないからぐちゃぐちゃになる。だから、少し二人から離れてたんだ」

「……そうだね。僕が好きなのは陽天であり君でもある。でも、陽天はいなくなっちゃって、ここに生まれ変わっていた。僕は嬉しかったんだよ? 死んだと思ってた君がこの世界でとは言え、生きていてくれたの。でも、そんな君は僕たちのことを全く覚えてない……」

「薄情者だよな……女になるほど惚れ込ませておいて、勝手に死んだ挙げ句、生まれ変わったら記憶全部トんでるとかさ」

 

二人は互いの心の内を吐き出すように言葉を紡いでいく。

それは一種の懺悔であった。

 

「俺、正直嬉しいんだぜ? ウェンティと鍾離みたいな美女美少女が俺を好きだと言ってくれるの。でも、いきなりすぎてまだ整理がついてないんだ」

「……君にとっては数日でも、僕たちにとっては数十、数百数千年前からの恋なんだ。重みが違うんだよ。……でも、だからかな? 最初はすごく不安だったんだ。全部忘れてしまって、本当に別人になってるのかもって……」

「…………」

「だけど、君は僕たちを覚えていなくても、どこかで懐かしさを感じてる。だから、今度こそ好きになってもらいたかったんだ。多少強引でもね」

 

青年の胸に顔を埋めながら、醜いと思う自身の本性をさらしていくウェンティ。

 

「でも、少し焦りすぎたのかな。いつの間にか爺さんに唇は奪われて、僕は分かってくれない君に鬱憤をぶつけた。傷つけたんだよ」

「…………」

「だから、僕は諦めるよ。こんなことして、僕は君に顔向けできない。僕のことなんて、忘れてくれていいから。だから――」

 

 

 

「アホかウェンティ」

 

 

 

「ふぇっ?」

「ほら、泣いてんじゃねぇか。我慢しすぎだっての。子供みてぇな見た目なら、それ相応にわがまま言って良いっての。俺はもう二十歳過ぎてるし」

 

涙をはらはらと流すウェンティの目元を幸い無事であったハンカチで拭い、背中を優しくさする青年。

その行動に訳が分からない唖然とした表情になるウェンティ。

次の言葉が、彼女の迷いを吹き飛ばした。

 

「前世の俺どころか、今の俺も好きになってくれたんだろ? それも何千年と恋い焦がれるレベルで。なら我慢するな。最初は俺だって困惑したけど、俺の心は納得してる。迷惑かけるの上等。受け止めるのが俺だからな」

 

「……ア、アハハッ……フフッ、クッフフ、アーハッハッハ! なに言ってるの陽天! 悩んでた僕がバカみたいじゃん!」

「ふぅ、やっと笑ってくれたな。やっぱ鍾離もウェンティも笑顔なのが良いわ」

「む、僕といるのに別の女の名前出さないでよね」

「わりぃわりぃ。今度埋め合わせするからさ」

「ふーん……? 言ったね? 約束だよ?」

「おう。任せとけって」

「なら、期待して待ってるよ。陽天?」

 

もうウェンティの顔は曇ってはいなかった。

青年という風が雲を吹き飛ばしたからだ。

 

「ほら、空見てみろよ。めっちゃきれいだぜ。飛行機雲もかかってるし、あれは近くの空港に降りそうだなぁ……」

「へー。あれが飛行機か。大きいねぇ」

「いずれは海外とかにもいけたら良いんだけどな」

「ハネムーンとしてかい?」

「…………それはまだちゃんとした思い出を作ってからで……」

「フフッ、追加注文しておくよ♪ 楽しみにしてるからね?」

 

空は、彼らを祝福するようにどこまでも青く広がっていた。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「さてと、それじゃお仕置きの時間だよ?」

「……ウェンティさんや、なんで俺の腹に跨がるんですかね?」

「こうすれば、元気になるでしょ? 僕のお尻の柔らかさとか分かるみたいだし」

「いや、別の意味で元気になりそうなんディスが……あ、ちょ、やめ」

「いやん♪ 陽天のエッチ♪」

「やめてくれますかウェンティさん!? こんなところ鍾離に見られたら――」

 

 

 

「私に見られたら、何が起きるんだ陽天?」

 

 

 

「……スーッ、違うんすよ鍾離、いや、鍾離さん。これは特訓の結果こうなっただけでして……」

「ほう? 特訓というのは、そこの雌を跨がらせている状態のことなのか? さぞかし良い特訓になりそうだな。禁欲にはもってこいだ」

「禁欲ってひどいこと言うね爺さん。むしろ発散させようとしてるんだよ?」

「ガソリンにグレネードぶちこむ発言はやめてくれますかウェンティさん!? あ、違うんすよ鍾離、これは不可抗力というものでして、その、空に岩元素の塊造るのやめてもらえまs――」

 

 

 

「天動万象!!!」







※後書き※

令呪をもって命ずる
爆ぜろイッチ


※登場人物紹介※

・イッチ

今回もスパダリに慣れたやつ
肝心なときにしか役に立たないけど、まだ橘さんみたいな格上キラーは備えてない
祖父から叩き込まれた武術の数々+無意識的な陽天としての戦闘経験+いずれ手に入る神の目(色が混ざってる)を手に入れて「エェックストリィイイイイイイイイイイム!!」になるかもしれない
まだ二人には勝てない


・TS鍾離先生

今回のオチ担当
みんな大好き天丼を生身のイッチと飲兵衛にぶっぱなした
でも、晩ご飯抜きにはしなくて、その代わりディープなやつをした後に、イッチに抱きついて一晩過ごした


・TSウェンティ

飄々としてる子が、実はクッソ愛が重いっていいよね
天丼食らって固められてる間にイッチとられて、ディープなやつを見せつけられたが、自分もさらにディープなやつをした
寝るときの定位置はイッチの上


・ツンデレニキ&変態評論家ニキ

帰ってきたまとめ役
イッチの結婚には肯定的(というかはよくっつけと思ってる)
実は、ツンデレニキと評論家ニキは既に顔合わせが済んでる
ツンデレニキは寝るときに嫁さんと共に寝るが、評論家ニキはペットと寝る()


・寒中水泳ニキ

スレ民の無理難題を全て達成(+α)してきたヤベーやつ
なんかやばそうなやつと戦ってたが、本人はいたって普通の人間()
最近の目標は宇宙遊泳()すること
寝るときはスクワットしながら寝る


・スレ民

多彩な人間が集まってる
イッチが結婚してもたぶんみんな祝ってくれると思う
それはそれとして中指はスタンドアップさせる


前回と同じような内容になってしまったかも( ;´・ω・`)

もうちょっとネタがあればなぁ……

そんなこんなで今回はここまでです
感想や高評価、ここ好き等々、たくさんしてもらえると作者のモチベが爆上がりしますので、ドシドシ送ってきてください!

それでは皆様、また次回~

(・ω・)ノシ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【二人がジジイに】美女と美少女から告白された俺氏の実家に師匠であり保護者でもあるクソジジイが帰ってきた件について【俺の恋人宣言した】




イッチの家族登場回です





極東の島国「日本」に存在する、都市部から遠く離れたド田舎に存在する誰かの武家屋敷があった。

 

その家の家主は、ここ一年以内に異世界から来訪した神二人に、告白の返事をすることを決め、一部界隈では時の人である「仙衆夜叉の陽天」ことイッチ。

 

そんなある意味では有名人の実家を訪問する男がいた。

 

「ほぉ……これはこれは……いい感じに荒れておるのぉ……」

 

その男は目元にサングラスをかけることで日光を防ぎながら鋭い目元を隠しており、さらにシャツの袖から大胆にさらけ出された腕は、大繩のように固く引き絞られている。

 

そんな一見すればヤの付く男の着るシャツの前面には「I L♡VE 孫」、背面には「THE☆漢 ~生涯現役~」と書かれており、下半身には布地全体に赤いハイビスカスのプリントがされたハーフパンツを穿き、ビーチサンダルを履くという、季節はあってるのに場所が合ってないと言いたくなるような奇抜すぎる服装であった。

 

「ふぅむ……中には例の鍾離嬢とウェンティ嬢がいるようだな……ここは1つ、サプライズなるものをしてみようか」

 

そんな彼は、扉の前で独り言ちたかと思うと、右足を引き、右腕を腰だめに構えた。

 

「こういう時にはこう言うのであったかの? 『ノックしてもしもーし』とな!」

 

瞬間、扉が爆音を立てて砕かれた。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「『おじいさんが帰ってくる』? 本当なのかい陽天?」

 

家の扉が粉砕される数分前。

家の中では朝食の時間の真っただ中であった。

 

家主である青年の言葉に首をかしげながらも、真実かどうかの問いを返すウェンティ。

そんなウェンティの言葉に、苦虫を嚙み潰したような表情でしぶしぶ青年は答えた。

 

「そ、俺の爺ちゃん。こっちの俺に自然で(主に熊とかの危険生物から)生きるための戦闘技術をガキの頃から物理的に叩き込んできた頭イカレてるジジイだよ。……うまいなこの腌篤鮮ってやつ。ありがとな鍾離」

「フフッ、お気に召したようで何よりだ。それにしても……そんな人から良く逃げなかったな陽天?」

「逃げようとしても簀巻きにされて連れ戻されるし、運良く逃げれたとしても、山道で怪我しようもんなら朝を待つ間に力尽きるんだよ。麓の村までも結構遠いし、ガキの頃の俺はしぶしぶ受け入れるしかなかったってわけ」

「そ、それは災難だったね……。むぅ、おいしい……」

 

先程から話題に上がってる青年の祖父、それは青年曰くかなり破天荒な人だそうだ。

明らかに子供にさせるべきではないような特訓を半ば強制的に課し、そしてほぼ逃げ場をなくす

朝食を食べながらも、青年の口からは愚痴が漏れていく。

 

「あんのクソジジイ、近所の名所である峡谷――通称「千尋の谷」に突き落とすわ、保育園とかの学び舎行ってるときは休みの間だけとはいえ明らかに過剰な特訓させてくるわ、中学卒業するときは高校に行かせるための条件として、熊の中でも特に凶暴な個体――「鬼熊」を倒せ言うわ、とにかく頭おかしいんだよ。今だって傷跡消えてないし、学生の時はみんなから避けられる原因になったんだわ。……クッソ……思い出したくねぇわあんな灰色の思い出……! ……まぁ、そのおかげで体は強くなったから、休みなしで学校通えたし、部活では引っ張りだこ。こんな過疎ってる村でも大自然と遊べるっていうことを知れたし、熊鍋みたいなうまいもんもたくさん食えたから、それだけは感謝してもいい。それ以外の仕打ちでマイナスぶっちぎってるけどな!」

「あ、あはは……今度、マッサージしてあげるね?」

「マジで頼む……! あのジジイのことだ。どうせボッコボコにしてくるんだろうからよ」

「むぅ……私としては少し心配だ。もし取り返しのつかないことになったら……」

「そこら辺の匙加減についてはあのジジイは気味が悪いレベルで『見えてる』から心配はいらないぞ。まぁ、『見えてる』からこそギリギリまで追い込んでくるんだけどな」

 

そう言い切って、湯気の立つ味噌汁をすすろうとした。

 

 

 

次の瞬間、

 

 

 

扉の方から爆発するかのような何かの破壊音が聞こえたのである。

 

 

 

「なっ!?」

「なにっ!?」

「ぶはぁっ!? ちょわ、あっちぃ!!」

 

ウェンティと鍾離は驚愕のあまり立ち上がり、青年は衝撃のあまりひっくり返って味噌汁をかぶってしまい、悶え始めた。

そんな彼らを置き去りに、事の張本人である誰か……八十路は軽く超えてるであろう彫りの深い顔と、色素の抜けた頭髪を持ち、それを麦わら帽子で隠している老人は家へと入ってきた。

そんな男の胸元には、「I L♡VE 孫」と書かれている。

 

そんなふざけた格好の老人ではあるが、神である二人からしても相当な威圧感を放っていた。

まるで鞘に収められてなおその禍々しさを放つ一本の妖刀のようである。

 

 

 

あまりにも緊迫した空気に二人が行動を起こそうとした。

 

 

 

――その前に……

 

 

 

「くっ、かっかっか! 帰ってきてみれば、いい女がそばにいるのぉ! 我が孫よ!」

「っ! 扉ぶっ壊してんじゃねぇよクソジジイ!!」

「なに、この方がカッコいいじゃろ?」

「直すの俺だからなこの野郎! せめて叫んでもいいから普通に入ってこい!」

「嫌じゃ! かわいい孫にはいい姿を見せたいもんでな!」

「何がいい姿だ! 今のてめぇはただの破天荒なジジイだよぉ! あぁ、また直さなきゃ……」

 

 

 

青年と老人の掛け合いで空気が弛緩したのである。

思わず顔を見合わせるウェンティと鍾離。

そんな二人は、青年と老人の仲のよさげな態度を見て、ある確信をもって恐る恐る青年に質問をしたのである。

 

「……陽天、もしかして、この老人が……?」

「……ハァ……そ、人の家の扉ぶっ壊すこのジジイが、俺の育ての親である『爺ちゃん』だ。ちなみに、御年80代。生涯現役を掲げてる」

「かかっ! よろしく頼むぞ別嬪さん達。儂はそこな孫の爺ちゃんだ。風の噂で息子に恋人ができたと聞いてな! とんぼ返りしてきたのじゃよ」

「こ、このおじいさんが陽天のおじいちゃん!?」

 

あまりにも衝撃的な登場をしてきた青年の祖父。

そのあり方は、神であっても予想できないものであった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

【二人がジジイに】美女と美少女から告白された俺氏の実家に師匠であり保護者でもあるクソジジイが帰ってきた件について【俺の恋人宣言した】

 

1:仙衆夜叉の陽天

このスレは俺こと「仙衆夜叉の陽天(またはイッチ)」が出会った異世界からの来訪者に関しての相談をするスレである

荒らしは全スルー(もしくは俺が報告する)

初見さんは歓迎しよう!盛大にな!

ノリにノルのはおk(でも度が過ぎないように)

まとめるのはツンデレニキとスレ民に任せた

 

↓事の発端スレ

【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】

 

というわけでお前ら助けてくれ

邪知暴虐な大魔王が帰って来た

ついでにタイトルみたいなことを二人がした

マジで助けてくれ

 

2:名無しのネット民

今度は何だよイッチ

 

3:名無しのネット民

情報過多すぎて胃もたれしそう

 

4:名無しのネット民

ってか、そもそもイッチっておじいちゃんっ子だったのか

 

5:名無しのネット民

初耳情報だ

 

6:ツンデレニキ

だいぶ焦ってんなイッチ

真面目にどうしたんだよ

 

7:名無しのネット民

そうだぞイッチ

いつもの煽りはどうした

 

8:名無しのネット民

ってか、2人が告白するのに関しては別にいいじゃん

 

今度こそ結ばれるんだぞ?

 

9:名無しのネット民

そうだそうだ~

 

いい加減腹くくれ~

 

10:仙衆夜叉の陽天

おいおいおい!?

 

流石に今回はマジで聞いてくれよお前ら!?

 

俺が死ぬか生きるかの瀬戸際なんだよ!

 

11:名無しのネット民

はぁ……?

そんなヤバいことなのか?

 

12:仙衆夜叉の陽天

ヤバい(マジ)

具体的には臨死体験する

 

13:名無しのネット民

そんなヤバいのか……

 

いや、イッチなんだかんだで頑丈だからちょっとやそっとじゃ死なないやろ

 

14:名無しのネット民

台風よりやばい突風の中で鬼ごっこしてるやつが何言ってんだか……

 

15:名無しのネット民

手加減してるとはいえメテオ食らっても生きてたやつが何言ってんだよイッチ

 

16:名無しのネット民

だが、一応聞いてやろう

 

17:名無しのネット民

優しい……

 

18:名無しのネット民

やさしいせかい

 

19:名無しのネット民

や さ い せ い か つ

 

20:名無しのネット民

野菜ジュースうまいよな

 

21:名無しのネット民

ただしトマトジュース、テメーはだめだ

 

22:名無しのネット民

なんでやトマトジュースうまいやろ(憤怒)

 

23:名無しのネット民

スムージーこそ至高

 

24:名無しのネット民

>>23 それな

 

25:名無しのネット民

はいはいずれてんぞ~

修正かけろ~

 

26:名無しのネット民

りょ

 

27:名無しのネット民

確かにな

 

んじゃイッチ、今回の経緯を話せ

 

28:仙衆夜叉の陽天

分かった巻きで行く

 

俺、いつものように二人と過ごしていた(たまーにディープなやつされてた)

そんな時に、祖父が帰宅することを電話で伝えてくる

翌日、扉ぶち壊しながらクソジジイエントリー

お見合いみたいな感じで鍾離とウェンティが「おじいさん。お孫さんを私(僕)に下さい!」と宣言した

俺、「二人に見合う男になっているのかついでに見てやる」と言われ庭先で祖父と戦う羽目に。ちな拒否権なし(イマココ)

 

こんな感じ

 

29:名無しのネット民

待て待て待て

 

30:名無しのネット民

一番を見て「うんうん、許されねぇことしてんな」

 

二番を見て「うんうん、家族の団欒だ。良きかな良きかな」

 

三番を見て「……ん?」

 

四番を見て「おいどういうことだイッチ」

 

五番を見て「な に が ど う し て そ う な っ た」

 

31:ツンデレニキ

???????????????????????????????????????????????

 

32:名無しのネット民

結婚相手を試すんじゃなくてもらわれる方が試されるとか……

 

33:名無しのネット民

ヤバい()

思った以上にイッチの爺ちゃんが異常にファンキーすぎる……!

 

34:名無しのネット民

クレイジー……

 

35:仙衆夜叉の陽天

というわけで、おまいら知恵を貸してくれ

 

36:名無しのネット民

無☆理

 

37:名無しのネット民

アキラメロン

 

38:名無しのネット民

ニャメロン!勝てるわけがない!

 

39:名無しのネット民

とりあえずイッチの爺ちゃんの写真プリーズ

 

40:仙衆夜叉の陽天

これ

 

(引き絞られた肉体の老人がストレッチしてる画像)

 

41:名無しのネット民

は?

 

42:名無しのネット民

なにこれ?(GRR君)

 

43:名無しのネット民

刃牙の世界の住人かな?

 

44:名無しのネット民

服装ファンキーなのに、肉体はグラップラーとかキャラ濃すぎやろ

 

45:名無しのネット民

「I L♡VE 孫」ww

 

いや、これからボッコボコにされるなら笑えねぇわ

 

46:名無しのネット民

ギチギチッ!って音が聞こえてきそうな筋肉の鎧をまとう爺さんが「I L♡VE 孫」シャツ着て、ハイビスカスプリントのハーフパンツで、麦わら帽子かぶってビーサン履いてるとか、服装は夏なんだけど周りの景色と合ってない感じが絶妙に……

 

47:名無しのネット民

悪魔合体スギィ!?

 

48:名無しのネット民

爺さんの具体的な身体スペックはなんだ?

 

49:仙衆夜叉の陽天

えっと……

 

木刀で鉄両断できます

空中を文字どおり跳ねることができます

気を操れます

木刀の一振りで突風起こせます

タオパイパイできます

そこらの木を蹴り倒してぶん投げてきます

熊と相撲が取れます

石を投げて空に逃げてった鳥を打ち落とせます

 

その他もろもろかな?

 

50:名無しのネット民

無理でしょ

 

51:名無しのネット民

勝てるわけねぇって

 

52:名無しのネット民

寒中水泳ニキとはまた違う意味でバケモンかな?

 

53:寒中水泳ニキ

俺にはこんなことできないぞ

 

俺にできるのはクジラと一緒に泳いだり、海を走れることぐらいだゾ

 

54:名無しのネット民

寒中水泳ニキ、いつの間に……

 

55:名無しのネット民

>>53 十分バケモンなんだよなぁ……

 

56:名無しのネット民

だんだんと基準が麻痺ってきたな

 

57:名無しのネット民

>>56 もうびっくり人間コンテストに出ろよお前……

 

58:名無しのネット民

今は寒中水泳ニキは置いといて……真面目にどうするよ?

 

59:名無しのネット民

負けを認める→腑抜けが!鍛えなおしてくれる!

頑張る→結局負けて上と同じになる

逃げる→捕まって上と(ry

2人に頼る→多分イッチはなんだかんだ言ってしないから、ボッコボコにされる。そして上と(ry

 

\(^o^)/

 

60:名無しのネット民

無理無理無理のカタツムリやんこんなの!

 

61:名無しのネット民

イッチは前世のスペックがぶっ壊れてるだけで、今のイッチは普通の人間やからね

 

62:名無しのネット民

普通(台風より強い突風(礫あり)の中で特訓)

 

63:名無しのネット民

普通(リアルオーガに鍛えられて生きてる)

 

64:名無しのネット民

それでも勝ち目ないやんけぇ!

 

65:名無しのネット民

勝てる分けねぇだろうが!(RFI)

 

66:名無しのネット民

もう終わりだ!♂

 

67:名無しのネット民

アーッ!♂

 

68:名無しのネット民

もう玉砕して来いよイッチ

 

69:仙衆夜叉の陽天

ええい使えねぇなお前ら!

 

 

70:名無しのネット民

ん?

 

71:名無しのネット民

どうしたイッチ?

 

72:名無しのネット民

あ、これは……

 

73:名無しのネット民

おいしいやつをなくしたよ……

 

74:名無しのネット民

ナンマンダ―ナンマンダ―

 

75:名無しのネット民

……よし、今日の朝飯の話でもするか

 

76:名無しのネット民

そうするか

 

77:名無しのネット民

俺氏、カップヌードル……

 

78:名無しのネット民

もっと普通の食えよ

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「ぜいっ! ぜあっ!」

「ほっ、ほいっ、あらよっと」

「だぁっ! ホイホイ避けんなジジイ!」

「何を言う。お前の拳が儂に当たったら流石に痛いわい」

「岩を砕けるパンチ食らって痛いで済んでるのはおかしいんだよなぁ!」

「ほれ、雑念が入っとる」

「げぼぉっ!?」

 

日が高く昇る頃、青年の実家の庭先にて、特訓という名の「二人の女神に釣り合うかの突発的試験」が行われていた。

審査員は青年の祖父(御年80代)。青年の猛攻を涼しい顔で受け流しながら的確に顎ね回し蹴りを命中させたり、鳩尾にめり込ませるような拳で青年の力を少しずつ削ぐという、まるで詰め将棋のような戦いかたをしていた。

かといって青年も(ヤケクソだが)怯まず、愚直に拳を繰り出す。

どんなに策を労しても目の前の老人には勝てないとわかってるからだ。

だからこそ、相手が根負けするまで戦い続けなければならない。

 

「だ、大丈夫かな陽天……」

「……さすがに心配だが、お祖父様は顎を揺らしたり、あくまで肺の中の空気を抜いたりする程度で痛め付けてるわけではない。ただ少し痛みを伴って動きを鈍くさせる程度の攻撃しかしていないな」

「それでも十分なんだけどなぁ……」

 

そう言うウェンティと鍾離は縁側で二人の戦いを見つめる。

想い人が痛め付けられてなぜ怒らないのか?

それは簡単。

 

「あれは二人の絆の確かめ合いだ」

「脳筋過ぎるでしょ。拳で語り合うとか狂戦士過ぎない?」

「そういわれると否定はできないが、お祖父様にとってはあの伝え方が一番良いのだろう。陽天も昔は戦うことしかできないと言っていたからな」

「へぇー……」

 

「ちっ! いい加減当たれ!」

「ぬぉっ!」

「らあっ!」

「甘いわ!」

「がほっ!?」

 

「……本当かなぁ……」

 

そう思ってしまうほど、目の前の二人は中々見ることのできないほどの真剣勝負を行っていた。

拳を回避すれば、その拳が急カーブし、胸倉を掴んで動きを止める。

そして無防備な顔面に拳を振るえば、その隙に鳩尾に拳をくらい、掴んだ腕を離してしまう。

そんな殺しあいとも表現できる戦いの中にありながら、二人の顔は晴れやかであった。

 

「……少し、妬けちゃうなぁ……」

「あれは本当の意味で家族であるあの人しかできない。私たちにはできないものだ」

「その代わり、陽天をうんと甘やかしてあげられるね」

「そうだな……」

 

そんな話をしてる間にも、戦いは終わりを告げる。

 

「ぐほっ!?」

「ぐぬぅ!」

 

クロスカウンターを互いに叩き込み、しかし、先に青年が倒れてしまう。

さすがに祖父の拳をくらい過ぎてしまったのだ。

倒れていく青年を祖父が支える。

その顔には先ほどまでの好戦的な笑みからかわいい孫を見るような目になっていたのだ。

そんな孫を担ぎ上げ、鍾離とウェンティに近づき、彼女らに青年を託した。

 

「さてと、別嬪さん達。儂の孫を頼んだぞ。儂はここ一週間は麓の村に滞在しとるが、基本的に孫を鍛える以外では来ない」

「? どうしてですか?」

「儂の手助けはもう要らなそうじゃからな。儂の孫は少し不思議でのぉ……儂の教えてない技を何個か使ったことがあったのじゃ」

 

そう言う祖父は少し懐かしむような目をしたが、すぐに切り替えて彼女らに告げる。

 

「お前さんらは儂の孫……子供に恵まれなかった儂の子供のような子の知らない部分を知っておる。だから、頼んだぞ? 孫の恋人としてな」

「! わかりましたお祖父様。陽天は必ず私が支えます」

「僕もだよ爺さん。僕も陽天が好きだからね」

「ふぉっふぉっふぉっ! 儂の孫は良い出会いに恵まれたものじゃ! それでは頼んだぞ、お二方。では」

 

その言葉を最後に、その場からすさまじい速度で姿を消す祖父。

 

こうして、嵐のような青年の祖父来訪は一先ず幕を閉じた。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「……おっと、これを渡し忘れておったな。……相も変わらず模様はあるのに色が灯っとらんのぉ~……いや、よく見たら少し色が灯っとるな」

 

「えぇっと、翠、黄土、それに()かの?」

 

「あの子達曰く、

 

 

 

 

 

『神の目』

 

 

 

 

 

であったか……不思議なもんじゃなぁ……」







※後書き※

ちょっと文字数少なかった( ;´・ω・`)
明日から頑張る



※登場人物紹介※

・イッチ

良い思いをしてたら突如来訪したGちゃんにボッコボコにされて気を失ったあわれな人
結構頑張ってるけど今回は相手が悪すぎた
次回から少しずつなにかが変わっていくかも……?


・TS鍾離先生

今回はイッチにオリジナル料理を振る舞ってた
たぶんある程度したら◯薬盛りだすかもしれない
頑張れイッチ


・TSウェンティ

前回から少しだけ鍾離先生との確執が溶けた
それでも奪い合うのには変わりないが、あくまで正妻の座を奪ってるだけで恋人云々はまとめて囲ってもらおうとしてる
いずれは料理を振る舞いたいそうな


・爺ちゃん

イッチ曰く「クソジジイ」
寒中水泳ニキがギャグマンガ時空なら、この人はバトルもののキャラ
なんかヤバイことできるけど、存在としては普通の人間
なんでこうなってるかって?
ノリだよ()


・コテハン含めたスレ民

イッチの爺ちゃんがキャラ濃すぎてほとんど主張できなかった人たち
前までのテンションがやばかったからね仕方ないね


・神の目

イッチの爺ちゃんが渡そうとしたやつ
昔は灰色(無色)だったけど、今は風と岩と、なんでか『雷』が入ってる
形は7に1つ足した八角形である
模様も既存の元素の形とは違う、角が八つある星形
色を混ぜることができる特殊な神の目である


さぁて、明日から三連休だー!

頑張るゾイ!

感想や高評価、ここすき等などたくさんしてもらえると私のモチベーションが爆上がりします!

それでは皆様、また次回~

(・ω・)ノシ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【朗報】前世が異世界人の俺、今度は和風美女が来た【まただよ】




続いた





「…………ハァ……」

「どうかしたの(えい)?」

(まこと)……なんでもないです。ただ、少し疲れただけですから……」

 

ここはテイワット大陸に存在する海上隣国『稲妻(いなずま)』。

そんな国の統治神である雷電将軍()()が住まう天守閣にて、2人の女性――「雷電(えい)」と「雷電(まこと)」が執務を行っていた。

姉の眞は素早く書類を処理しているが、妹の影は眞と比べれば10分の1程度に遅い。

これは二人が力を合わせて行っていた、国の運営の仕方からしてこうなっているのだ。

 

――武の「雷電影」。

――智の「雷電眞」。

 

これは、あの世界を揺るがすような魔神戦争勃発時である数千年前から欠片とて変わっていない。

 

『雷』という刹那の間でしか姿を現さない現象の神であり、『永遠』という『夢』を目指す2人。

姉妹と言っても、心の在り方まで同じではなく、永遠のありかたには少し差異があった。

そのせいか、時折衝突することがあったのである。

 

 

 

――しかし、それはとある存在によって一旦は落ち着き、2人はその理想を寄り添わせた。

 

 

 

「この事件のおかげで確かに良い方向へと向かっているだろう」そう彼女らの親友は語っていた。

 

だが……。

 

「……気がかりですか? (はる)のことが……」

「……ええ……旅人の少女から聞きましたので。モラクスに陽らしき人物のことを話すと、血相を変えて飛び出していった。そして、今も帰っていないと……」

「そうですね……」

 

そう影はいったん書類をさばく手を止め、ため息を吐く。

そんな影の姿を見て、同じようにため息を吐く眞。

 

一見すれば、絶世の美女が何かを憂えている姿として絵画になっていそうなものだが、2人の心の曇りは晴れそうにもない。

 

そんな二人の脳裏に浮かぶのは……今は亡き親友であり、他者のために永遠を求める自身の心を大きく乱した愛しい人の姿。

隣国「璃月」より派遣された仙人である青年……「陽天(ようてん)」であった。

 

『雷電眞様。雷電影様。璃月より参りました仙衆夜叉が一人、『陽天』と申します』

 

『書類仕事ばかりでお疲れではありませんか? 少し気晴らしにご飯を食べに行きましょう』

 

『影、大丈夫か? 怪我とかしてないよな? 少しだけなら俺が治せるから』

 

『眞さん、あんまり滞在できなくてすいません。でも、今回は帝君に相談して何日か休みを取らせてもらいましたので、存分に遊びに行きましょ!』

 

『影、ちょっとその剣術教えてくれないか? いろんなことは知っておきたいし……えっと、まずは腕をこう、って、なんで抱き着くんだ影!? いや、動きは見るだけで覚えられるから!』

 

『眞さん? あの、今休憩ですよね? なんで腕に抱き着くんですか? いやいやいや! 嫌じゃないですけど、それはそれは柔らかいものが……え、『暑くて倒れそうだわ』って、神がその程度で暑がりますか!?』

 

『影、そんな無理しなくてもいいからさ。今日は祭りだろ? 今日くらいは仕事を忘れて遊びに行こうぜ。ほら、眞さんも。書類は明日俺が手伝うから』

 

『影! 団子牛乳で一息つこうぜ!』

 

『ま、眞さん! すみません! 今日も匿ってください!』

 

『影~。無茶すんなよ~』

 

『ッ! 眞さん! 息をしてください! 死んじゃだめだ! あなたは絶対に死なせたくないんだ!』

 

『あ、あはは……なんとかなったぁ……影、守ってくれてありがとな。眞さんも、帰ってきてくれてありがとうございます』

 

『影~!』

 

『眞さ~ん!』

 

 

 

『……将軍様。璃月の岩神から、陽天殿が戦死したとの通達が来ました』

 

 

 

『知っておるか影? ここ最近の稲妻では、様々な武芸を扱う者が突然現れては魔物を蹴散らし、人々を助けるそうじゃ。それこそ、お前の雷霆と剣術。岩神の憤土と槍術。他にも多くの武芸を使うという同一の存在。ここまで言えばわかるじゃろ? その存在は我らが愛した――』

 

 

 

「っ!」

「落ち着きなさい影」

 

フラッシュバックした光景に立ち上がりかけた影を、冷たい一言でいさめる眞。

その顔は非常に落ち着いていながらも、纏う雰囲気は雷霆を蓄えた黒雲のようであった。

そんな姉の様子を見て、立ち上がりかけた体を座らせる影。

 

「すみません眞……」

「……分かるわよ影。私たちにとって、彼は大きすぎた。……できるなら、私もすがりたいわ」

「そうですね……」

 

顔をうつむかせた眞の表情はうかがえないが、それでもその表情は雨が降り出しそうな曇り空のようであった。

……彼女たちにとって、陽――『陽天』の存在は大きすぎた。

それこそ、彼がなくなったと聞いたときは稲妻をしばらく暗雲が包み、彼が生きている可能性があると親友から聞かされた時は、神としての責務を放り出してすぐさま探しに行きたかった。

 

だが、できなかった。

 

神として、この国を愛する者として、そして――

 

『俺さ、この国好きだよ。なんていうか……故郷みたいに懐かしいような、見覚えがあるような……なんていうか、俺を拾って育ててくれた帝君の璃月とはまた違う意味で……すっごく安心できるんだ』

 

――彼が好きだといった国を守るために、彼女たちは神としてあり続けたのである。

 

「それに、よく外に行く影なら彼を連れ戻せるでしょ? もしその時は、雷の神を怒らせた罰を受けてもらわないとね?」

「……そうですね。彼にはしばらく言うことを聞いてあげないようにしましょう。嫌って言っても抱きしめて、愛し合いましょう。それこそ、『永遠』に……」

「いいわね影。なら、今日はここまでにしておきましょうか」

「分かりました。……あ、そういえば団子牛乳を買ってきておいたんです。一緒に飲みましょう」

 

一旦仕事を切り上げて休憩に入ろうとする2人。

 

――だが、運命とは突然訪れるものなのだ。

 

「しょ、将軍様! ご報告があります!!」

「なんですか? 裟羅はどうしたんですか? まさか、怪我を?」

「い、いえ! 裟羅様は負傷はしておられないのですが、ある人物が戦場に飛び込んできたのです!」

「? まさか、浪人? こちら側についてくれるならばいいのではないですか?」

「そ、それがですね! 彼の者は()()()()()を扱っていたのです! それこそ、将軍様のような雷霆すらも操って!!」

「「!!??」」

 

天守閣に慌てて入ってきた平兵士。

そんな男の報告に、2人の神は目を見開いた。

 

そも、元素力というのは1人につき一つしか扱えない。

それは神である2人であっても例外ではないのだが……。

 

――しかし、彼女たちは知っている。

――それが可能な存在を。

 

「ッ! 姉さん!」

「私も出るわ影! できるだけ早く!」

「分かりました! 姉さん捕まってください!」

「ちょ!? 将軍様!?」

 

兵士の男の制止など、今は関係ないと言わんばかりに無視し、眞と影はその体を元素が荒れ狂っている場所へと即座に移動させる。

目的地へと到達し、雷の元素から肉体を戻した二人が目にしたものは――

 

 

 

「斬空――『無想の一太刀』」

 

 

 

――腰に提げていた刀を抜き放ち、魔物の群れを両断する男であった。

 

「あ――」

「嘘――」

 

その斬撃は、前に立ちふさがる相手を空間もろとも両断し、余波で草木を薙ぎ払う。

その斬撃のすさまじさは、影が到達した領域――『無想の一太刀』と遜色がないほど。

 

それを放てるのは、2人の間では自身を除けば一人しかいない。

 

「陽……?」

「? ……!? ま、眞さん? それに影も……」

「どうして……神子が言っていたのは……嘘じゃなかった……?」

 

死んだ人物が生きているというあまりにも現実離れした光景、いや、それ以上に亡くなった愛しい人が立っているという現実に困惑する。

だが、次第に理解が追い付いてきたのか、彼女たちは目じりに涙を浮かべ始めた。

 

「なんで……! なんで……帰ってきてるって、言わないんですか……!」

「……ごめんなさい」

「謝らないでください! 私たちは、あなたのことをずっと思ってて……!」

「…………」

「ヒック……でも、生きていてくれて、嬉しい、です……また、一緒に……!?」

 

再会の喜びを表す言葉は最後まで続かなかった。

 

――彼の姿が霧のように消えかけていたからだ

 

「は、陽……? なんで……!?」

「……俺は『夢幻』みたいな存在です。『俺』が分かってない深層意識。『夢』と『現』の魔神の合いの子としての力……夢が覚めるとき、俺は消えます。前はそれがすごく長かっただけ。だから……すみません。俺は行かなきゃ」

 

彼らに背を向け、遠くへと足を踏み切ろうとしている陽。

理解が追い付いていない2人であっても、何をしようとしているのか分かった。

 

「「ッ! 駄目!」」

「――え」

 

だから、抱きしめたのだ。

 

雷霆をその場でとどめるように。

この瞬間が止まればいいと思うように。

 

……『永遠』になってしまえばいいと思いながら、彼女たちは彼に触れた。

 

 

 

――瞬間、世界が変わった。

 

 

 

「――え?」

「え、陽――きゃっ!」

「ッ! 姉さん!」

 

彼を抱きしめたと思っていた2人は見知らぬ空に放り出される。

眞は突然のことに対応が遅れるが、荒事に慣れている影が彼女を支える。

 

「ここは……」

「稲妻……ではありませんね……テイワットでもなさそうです」

「陽もいない……なら、ここは――!?」

「どうしたんですか姉さ――!?」

 

突然の現象に、しかし、戦いを経験した二人は状況を把握しようと周囲を見回した。

 

その時、目に飛び込んできたのである。

 

「あ、あぁ……」

「こんな、ところにいたんですね……」

 

 

 

「「陽!!」」

 

 

 

こうして、愛しい者への想いを胸に、また二人の神が世界を超えたのであった。

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

1:仙衆夜叉の陽天

このスレは俺こと「仙衆夜叉の陽天(またはイッチ)」が出会った異世界からの来訪者に関しての相談をするスレである

荒らしは全スルー(もしくは俺が報告する)

初見さんは歓迎しよう!盛大にな!

ノリにノルのはおk(でも度が過ぎないように)

まとめるのはツンデレニキとスレ民に任せた

 

↓事の発端スレ

【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】

 

なんか今度は雷の神が来たんだけど……

 

(鏡写しかのように顔立ちが瓜二つで、紫紺色の長髪を編み込んだ二人の美女がこちらを見つめている。泣いていたのか少し目元が腫れている画像)

 

2:名無しのネット民

おかえヌッ!

 

3:名無しのネット民

初手爆弾投下やめロッテ○ア!

 

4:名無しのネット民

あぁ……ダメだ……エッチすぎますねぇ……

 

5:ツンデレニキ

……評論家ニキ

 

6:変態評論家

任せたまへ

 

2人の髪色は紫紺色という今までの神の前例から外れない、特殊な髪色をしている

そして、雷の神というイッチの証言からその髪色は『紫電』を思わせる

『紫電』というのはそもそもの紫色の雷の他に、『鋭い光』や『鋭い眼光』、『とぎすました刀剣の光』などの表現にも使われるそうだ

そして、神というのは大小はあるが、魔法の源となる元素をつかさどるだけあってほぼ必ず戦闘能力を持つもの(鍾離さんは言わずもがな、吟遊詩人であるウェンティ嬢も同じである)

大和撫子的和風美人である彼女たちは、立ちふさがる相手を雷霆と雷で排除するのだろう……華奢な腕や足からはわからない、まるで鞘に納められた刀のようだ

そんな攻撃的な面を持ちつつも、その体はまさに芸術品

顔立ちはこれまた非常に整っており、凛としている

まるで錦のような手触りを感じさせる美しい肌は、新雪のように白い

しかしおしろいで染まった白とまではいかず、本来の肌の色をさらけ出している

 

そして、その胸部装甲は豊満であった……

 

7:名無しのネット民

いつもの

 

8:名無しのネット民

実家のような解説

 

9:名無しのネット民

実 家 の よ う な 安 心 感

 

10:名無しのネット民

む し ろ 実 家

 

11:名無しのネット民

ち く わ 大 明 神

 

12:名無しのネット民

誰だ今の

 

13:名無しのネット民

相変わらず変態的な言葉のうまさである

 

14:名無しのネット民

これが世界に名をはせる向井ってマ?

 

15:名無しのネット民

あれだよあれ

 

天災と馬鹿はなんとやらってやつだ

 

16:名無しのネット民

天災(誤字にあらず)

 

17:名無しのネット民

ほいほいそれで、またなのかイッチ?

 

18:仙衆夜叉の陽天

はい

またっす

 

19:名無しのネット民

いや、もうわかってるよ

 

どうせあれだろ?

 

20:名無しのネット民

イッチのことが好き云々な神様だろ?

 

21:名無しのネット民

裏山

 

22:名無しのネット民

とりあえずもげろ

 

23:名無しのネット民

豆腐の角にぶつかって皆に看病されないかなぁ……

 

24:名無しのネット民

>>23 わかる

 

25:名無しのネット民

>>23 それな

 

26:名無しのネット民

>>23 うらやましいけど、実際にされたら過保護すぎるのと愛が重すぎてナニされるか分かったもんではない

 

27:名無しのネット民

>>26 ほんそれ

 

28:名無しのネット民

愛が重いのはうらやましいけど、ここまで重いと……うーん……

 

29:名無しのネット民

甘ったるすぎるのは食べづらい的なやつな

 

30:ツンデレニキ

んで、その二人はどんな人なんだ?

 

31:仙衆夜叉の陽天

>>30 璃月から行ける海上隣国「稲妻(いなずま)」の双子神

 

妹の「雷電影(えい)」さんと、姉の「雷電眞(まこと)」さんだ

 

32:名無しのネット民

へー双子なんだ

 

33:名無しのネット民

いやまぁ、確かにクリソツなんだけど、クリソツすぎて見分けつかん

 

34:名無しのネット民

具体的にはどっちがどっち?

 

35:仙衆夜叉の陽天

十二単みたいな長い着物着てるのが眞さん

丈の短い着物着て動きやすそうなのが影さん

 

眞さんが政治関連の大半を担ってて、影さんが戦関連の大半を担ってるんだってさ

 

36:名無しのネット民

にゃるほど

 

37:名無しのネット民

2人のできることを分けるのか……

 

38:名無しのネット民

双子なりの良い国の回し方だな

 

39:仙衆夜叉の陽天

そんな彼女と俺たちの関係は……

 

俺からは『大親友』

眞さんたちからしてみれば『愛しい人』

 

だそうだ

 

40:名無しのネット民

知ってた

 

41:名無しのネット民

だろうな

 

42:名無しのネット民

やっぱりな♂

 

43:名無しのネット民

もうお前「(恋愛的に)神殺し」名乗れよ

 

44:名無しのネット民

「女の敵」も付きそうじゃね?

 

45:名無しのネット民

「ヘタレ野郎」もでしょ

 

46:仙衆夜叉の陽天

お前ら好き勝手言ってんなぁ……

 

47:名無しのネット民

 

48:名無しのネット民

どうしたイッチ?

 

49:名無しのネット民

いつもなら言い返してくるイッチが言い返してこない……?

 

50:名無しのネット民

どうしたイッチ

なんか拾い食いでもしたのか?

 

51:仙衆夜叉の陽天

拾い食いは、昔の特訓でやむを得ずやらなきゃいけなくて、そんな時に毒キノコ食ったことあるから安全なやつもしくは処理すれば食べられるやつ以外は食べてない

 

52:名無しのネット民

えぇ……

 

53:名無しのネット民

漢塾かな?

 

54:名無しのネット民

毒キノコ食ったことあるんだ……

 

55:名無しのネット民

何で生きてるんですかねぇ……

 

56:仙衆夜叉の陽天

それに関しては無駄に頑丈な体を生んでくれた親に聞いてくれ

 

まぁ、そんな親父とお袋は海外旅行行ってるんだけどな

 

57:名無しのネット民

ん……?

 

58:名無しのネット民

あれ?

イッチって捨て子じゃなかったのか?

 

59:仙衆夜叉の陽天

何がどうしてそうなった……

 

いや、親父たちはたまーに顔出しに来るぞ

まぁ、基本的に育ててくれたのは爺ちゃんなんだけどな

 

60:名無しのネット民

おっと……

 

61:名無しのネット民

闇深い要素が……

 

62:ツンデレニキ

……すまんなイッチ

触れちゃいけないことに触れた

 

63:仙衆夜叉の陽天

……???

 

いや、俺の親父たちはネグレクトなんかしてないぞ?

ただ単に、育てるなら爺ちゃんがいいって、あのなまはげに託しただけで、年一くらいは帰って来たと思えば大量のお土産押し付けてからまた日本を飛び出すんだぞ

よくなんなのか分からん観光名所の写真とか送りつけてくるし、鍾離たちが来る前にも何枚かもらったし

 

64:名無しのネット民

っておい!

 

65:名無しのネット民

心配して損したわ!

 

66:ツンデレニキ

……親は子に似るとはよく言うが

 

67:名無しのネット民

ファンキーなのは血筋なのか……

 

68:名無しのネット民

ということは将来的にイッチは……

 

69:仙衆夜叉の陽天

不吉なこと言うのはやめい!

 

70:名無しのネット民

ってか、そういえばさっきのイッチは結構反応が薄かったよな?

 

71:名無しのネット民

なんていうか……疲れてる?

そんな感じだった

 

72:名無しのネット民

んで、何があったんだよイッチ?

 

73:仙衆夜叉の陽天

…………

 

74:名無しのネット民

…………

 

75:仙衆夜叉の陽天

…………彼女たちに挟まれて添い寝することになりました

 

76:名無しのネット民

クソがっ!

 

77:名無しのネット民

けっ!いい身分だなぁオイ!

 

78:名無しのネット民

あの美女姉妹に挟まれるとか……!!

 

79:名無しのネット民

あのオパーイを押し付けられるだとぉ!?

 

80:名無しのネット民

憎しみで人が殺せたら……!

 

81:名無しのネット民

祝ってやるぅ!

 

82:名無しのネット民

ウォズ……祝え……

 

83:名無しのネット民

は?

 

84:名無しのネット民

祝えと言っている……

 

85:名無しのネット民

祝え! 世界を超え、数多の神を(恋愛的に)落とす究極のタラシ!

その名は「仙衆夜叉の陽天」!

神に囲われた男の結婚までの物語である!

 

86:仙衆夜叉の陽天

いやいやいや!

まだそれは早いって言ってんだろ!?

 

風呂は一緒に入ったけど、まだ告白とかはしてないし……

 

 

87:名無しのネット民

……は?

 

88:名無しのネット民

……おいイッチ

 

89:名無しのネット民

ま、まさか……!?

 

90:名無しのネット民

やったんだな!?

 

91:名無しのネット民

やりやがったんだろテメー!

 

92:名無しのネット民

ゆ゛る゛ざ゛ん゛!゛!゛!゛!゛

責任もって結ばれろ!!

 

93:名無しのネット民

もしもしポリスメン?

ここに戸籍が欲しい人たちが4名ほどいるんだが……

 

94:名無しのネット民

教会工事本格的に進めるか……

 

95:名無しのネット民

知り合いの呪術師に頼んでみるわ

イッチが神様たちに監禁されますようにってな

 

96:名無しのネット民

おい待て、まだマグロのシーズンじゃないぞ

 

97:名無しのネット民

夏休み入って仕事増えたから満漢全席作れねぇや!

 

98:名無しのネット民

結婚式の準備を急げ―!

 

99:名無しのネット民

爛れてて草

 

100:名無しのネット民

あーもう滅茶苦茶だよ!

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「んぅ……あぅ……んぁ……」

「すぅ……んっ……あっ……」

「心頭滅却心頭滅却煩悩退散煩悩退散……」

 

時の魔王の従者に祝われた「もう結婚しろよ」と掲示板の民から催促されているイッチこと青年は、ある種の天国であり、ある種の拷問を受けていた。

それは、双子の雷神「雷電眞」と「雷電影」に挟まれて次の日まで就寝するということ。

 

一部の人には天国だけが味わえるのだが、青年からしてみれば自分が人として最低な行為をしかねないという状況を味わっていたのである。

 

「え、影さん……?」

「ん……くぅ……」

「ま、眞さん……?」

「ひぅ……駄目っ……」

「…………!!!(耐えようとしかめてるのか、役得と思っているのかよくわからない表情を行ったり来たりしている)」

 

2人に声をかけて離してもらおうかとも考えたが、声をかけても嫌だと拒否する子供のように体をよじることで聞き入れてもらえない。

しかも、声をかけるたびに彼女たちの体は丸まっていき、抱きしめている青年の腕にその肢体を絡めていく。

クッションの中でも非常に素晴らしいと思ってる「ヨ○ボー(基本家にいない親が送ってきた)」以上の沈み込むようでありながら、上質なマットレス以上に押し返してくる感触を、鍛えられたことで鋭敏になった感覚がほぼダイレクトに伝えてくる。

前世の自分はよく耐えていたもんだと青年は言いたくなったが、結局のところは過去の自分。叫んでも意味がない。

掲示板の民が言っていたように「YOU! 手を出しちゃいなよ!」とすぐ行動していたら、まぁ、多少なりとも問題は起こるが吹っ切れていただろう。

 

だが、青年からしてみれば、彼女たちは初対面。

手を出せば自分は外道なのだ。

 

……まぁ、正解は青年がヘタレなだけなのだが……。

 

そんな状態で悶えていたときだった。

 

「……陽」

「! な、なんですか眞さん?」

「ねぇ、陽……」

「え、影さんも……? ど、どうしてこんなことするんですか……?」

「……怖いの」

「……へ?」

「あなたがまた……私たちの知らないところで消えてしまうのではないかと思って……」

「…………」

 

2人が目を開き、青年へと語りかける。

その瞳は、来たばかりの鍾離とウェンティのように、不安に揺れていた。

 

「私たちは、あなたを目の届かないところで亡くした……」

「姉さんはまだしも、私なら間に合わせられた……」

「それが怖いの陽……」

「目が覚めたらあなたはどこかへ行ってしまうのではないかと思って……」

「…………」

 

2人のすがるような言葉に開こうとした口を閉じる青年。

まるで子犬のような弱弱しさに、こんな風にした男……まわりまわって自分に怒りがわいた。

 

自身には関係がないと割り切れればいいだろう。

 

しかし、異世界からの存在である鍾離やウェンティ、彼女たちがその逃げ道をふさぐ。

そして、青年はヘタレではあるが責任感はある男だ。

だから、今のような事態にあっても自分の責任だと感じているのである。

 

決してうぬぼれているわけではない。

無意識的に、自分ではない心のどこかの片隅に、あり得るんだと確信をもっていたからだ。

 

「……風呂に入ってきたのもそうなのか?」

「……はい」

「……えぇ」

「そうか……」

 

彼女たちの体が震えるのを感じ取り、そこで彼は決心した。

体を起こし、2人を交互に見詰めた後、口を開いた。

 

「おれはさ……皆との思い出を欠片も持ってないんだけどさ、皆のことはなんでかすっごい大切な人だと思ってるんだ……それが、陽天としての俺が言ってるのかどうかなのはわかんねぇけどさ……」

「…………」

「……でも……」

 

 

 

「だけどさ、俺じゃないかっていう確信があるなら逃げちゃダメなんだと思ってるんだよ」

 

 

 

「「……!」」

 

「今の俺がやったことじゃなくても、昔にやったことがあるなら責任をとる。逃げるのは後味悪いからな」

 

そう言って青年は、左右にいる二人に宣言したのである。

 

「まぁ……その……責任は取るよ。鍾離もウェンティも、それこそ2人もさ」

「……ふ、ふふっ、やっぱり、陽は陽ですね。ねぇ影?」

「ふふっ、そうですね姉さん。どんなに言ってても、小心者で、女慣れしてなくて、私たちの気持ちを知ろうともしない甲斐性なしです」

「お、お前らなぁ……」

 

先程までの悲壮感漂う雰囲気から、月の光を浴びて輝く月下美人のように美しい笑みを見せる二人。

そんな二人に気を張りすぎた方力を緩める。

 

そう、緩めてしまったのだ。

 

「でも……」

「えぇ、気持ちは同じよ影。ねぇ陽。少しだけ許してね?」

「ん? なんだ――」

 

いつの間にか近づいていた眞が顔を寄せ、スッと流れるように自身を重ね合わせた。

途端に柑橘系の甘い香りで肺が満たされ、そんな状態が十数秒続いたのである。

短いリップ音が口元から鳴り、2人の間で銀の橋が架かった。

 

「んっ……ごめんね陽。突然こんなことしちゃって……でも、私のこの気持ちに気づいてくれないあなたが悪いのよ?」

「え、いや、その、え?」

「むぅ……姉さん、こっちにもください」

「ふふっ、はい♪」

「え、ちょ――」

 

眞に優しく押されて、今度は影の顔が視界いっぱいに映る。

こちらは花のように甘い香りで、青年は突然のことと相まって固まってしまった。

そんな青年を置き去りに、影は眞よりも長い間重なり、舌を熱く絡めている。

最後まで惜しむような繋がりを離し、影は青年の瞳をまっすぐ見据え、眞は青年の背中に抱き着く。

 

「ふふっ、知っていますか陽?」

 

「私たちは『永遠』を追い求める雷神」

 

「永遠の定義はいろいろとありますが、今の私たちが求める『永遠』は、昔のように似ているようで違うものではありません」

 

「その『永遠』……『みんなが笑っていられる世界を永遠に』というのは、あなたが言ったのですよ?」

 

「そして、私たちが笑っていられる世界にはあなたが必要なの。……だから……」

 

「だから……」

 

 

 

 

 

「「絶対に……『永遠』に逃がさない」」

 

 

 

 

 

「前門の虎後門の狼」「四面楚歌」「八方塞がり」等々いろんな言葉が頭に浮かぶが、今しっくりくるのは……そう――

 

 

 

 

 

「なんてことだ、もう助からないゾ♡」であった。







※後書き※

???「なんてことだ、もう助からないゾ♡」


※登場人物紹介※

・イッチ

文字通りの四面楚歌になったハーレムヘタレ野郎
そのくせ責任は取るとか言っちゃうイケメンなのかそうじゃないのかはっきりしてほしいやつ
最後のアレは未遂に終わった。


・TS鍾離&TSウェンティ

今回は影が薄かったけど、イッチが(性的に)食われるのを未然に防いだ功労者
しかし、イチャイチャしたいとは思ってるため、多分そろそろヤリに行くかも


・ツンデレニキ

皆がそろそろ慣れてきたのと統率が取れてきたのであんまり出番がない人
でも、裏では結構頑張ってる(イッチの親にコンタクトをとれないか試してる)


・変態評論家ニキ

通常運転だったというか解放したというか、まぁいつも通り解放した人
素晴らしいモデルが増えて「我、満足」状態
裏では、ツンデレニキとともに持てるつてを生かしてイッチの親に探してる


・雷電姉妹

『みんなが笑っていられる世界を永遠に』という新たな『永遠』を叶えるためにイッチに迫る新たな嫁(候補)
後日、イッチの爺ちゃんが来たときには、2人とも「お爺さん! お孫さんを私たちに下さい!」と言った。
イッチは宙を舞った。


ハイテンションで書いたから頭痛いでござる。

お気に入り登録や感想、評価にここ好きなどをもらえると作者はバジリスクタイムを踊りたくなるくらい喜びます。

なので、どしどしお送りくださいませ~

それでは皆様、また次回~

(・ω・)ノシ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【神の目なるものを】異世界の神様をことごとく落とす俺氏、魔法が使えるようになる【手に入れた】




神の目手に入れて、次第に進めていく。





「ふぅ……今日の修練はここまでじゃ」

「ぜぇ、ひゅう、こ、この、クソ、ジジイ、一発、くらいは、当たれ、よ……」

「だから前から言っとるじゃろ。お前の拳は食らったらさすがの儂でも痛いんじゃと」

「さっき、も、顎に、一発いれた、だろ……」

「おうあれか。確かに一瞬意識が飛んだのう」

「一瞬、だけ、かよ……熊吾郎(くまごろう)を、ダウンさせた、拳だぞ……」

 

夏の真っただ中、快晴が続く片田舎。

そこに存在する一軒の平屋の庭先で、2人の男が特訓を行っていた。

 

1人は老人であり、顎に手を当て視線の先にいる男の状態を見て特訓を切り上げる。

1人は青年であり、肩で息をしていて、老人を恨めしいと言った表情で睨みつけていた。

 

「陽、はいお水よ」

「それと拭くものを」

「ありがとう二人とも……」

 

そんな青年を二人の美女――「雷電影」と「雷電眞」がかいがいしく世話をする。

浮世離れした美貌を持つ二人は、事実、この世界の住人ではない。

それは彼女たちだけではなく……

 

「無茶のしすぎだ陽天。少しは休んだ方がいい」

「そうだよ陽天。ほらこっち来て」

「ありがとう鍾離。それといつもすまんウェンティ」

 

近づいてきた美女と美少女もそうであった。

青年の体調を気にかけた美女は「鍾離」。

青年の体に触れ、翠緑色のエネルギー――『風元素』で青年の体を治療する美少女は「ウェンティ」。

彼女ら四人は、全員異世界――『テイワット』から来た超常存在――『神』である。

 

なぜこのような世界すら違う場所の片田舎にいるのか……それは青年との距離の近さからおおよそ察せられるだろう。

 

そんな彼、彼女らの接し方を見ていた老人は顎に手を当て何度かうんうんとうなずくとこう言った。

 

「かっかっか! 本当に我が孫はいい女性と巡り会えたものじゃ! それで? いつになったら我が孫は結ばれるかのう?」

「「「「…………」」」」

「ちょ!? おいなんてこと言うんだよクソジジイ!? あ、いや、皆と付き合うのが嫌ってわけじゃなくてですね……」

「ほぉ……? これだけの麗しく器量も良い美人に囲まれて誰かと契ろうともしないのか? 誰がいいかで迷っとるならいっそ全員と契ればよかろうて……」

「「「「……!!」」」」

「おい馬鹿やめろ!! 俺はみんなと清いこ、交際をしていきたいんだよ! 爆弾投下すんじゃねぇクソジジイ!!」

「はぁー……我が孫ながらに不甲斐ないのぉ……儂が若いころはいろんな女性に声をかけたものじゃ」

「そんなこと言っておきながら、付き合えたのは今のばあちゃんだけだろ!!」

「そ、それは婆さんが儂を選んでくれて儂はそれに応えただけじゃ! お前は囲ってくれとる者が多くおるなら応えてやれい!」

「話逸らしてんじゃねぇよオォン!?」

 

先程までの弄ろうとした空気はどこへやら。

老人は騒ぎだし、青年も疲労を忘れてキレ始める。

それを呆れたように見るものもいれば、微笑ましいと見るものもいる。

 

そんなある種の日常に、少しの変化が訪れようとしていた。

 

「いたたた! たくっ、今日はこんなことで騒ぎに来ただけじゃないのじゃぞ!」

「るっせ! だいたいあんたがデリケートな話題に突っ込んできたからだろうが!」

「かっ! 甲斐性のないお前に言われたくないのぉ! ……こんなことで時間を潰すのも勿体ない。我が孫よ」

「あ゛? なんだ――っておい!」

 

少しの苛立ち混じりに青年が老人を睨み付けようとしたそのときであった。

老人が懐から取り出した『ナニカ』をヒュッと青年へと投げ渡す。

それを慌てながらも受け取った青年は、手のひらの中にある『ナニカ』を見た。

 

それは、見とれてしまうほど綺麗に整えられた正八角形の宝石であり、(みどり)黄土(おうど)、紫の3色が複雑に混じり合いながらも独立して存在している。

しかもその色が、水に垂らしたインクのように動いているのだ。

 

思わず首をかしげる青年。

だから、これは何かと追求しようとしたのだ。

 

「おいジジイ。なんだよこれ?」

「儂に聞くな。まぁ、一つ言えることは――」

 

 

 

「「「「神の目!?」」」」

 

 

 

「……儂が言わなくとも分かったようじゃな」

「え、神の目? なんだよそれ?」

 

追求された老人が話し始める前に、鍾離達、神が反応する。

それもかなり驚愕したような声色でだ。

おそらく相当なものなのだろうが、青年にとっては見たことも聞いたこともない代物なので、首をかしげざるを得ない。

 

だが、事情を知ってるであろう鍾離達はかなり驚いてるのか全く同時に説明をし始めた。

 

「いいか陽天。神の目は我々に見つめられない限り手に入らないもの……いや、私がお前のことを見つめてない時はないが……」

「神の目ってのは、僕たちのような元素を操る力を、元から持ってない人々が試練を乗り越えたときにだけ手に入れられるんだよ!」

「色が混ざってる……風と岩と雷……今いる私たちの色ね」

「そうですね姉さん。あのときと変わらない……私たちの繋がりの一つ」

 

「待て待て待て! 全く同時にしゃべらないでくれ皆! なにいってるのかさっぱり分からないぞ! そ、そうだジジイ! 事情を説、め……」

 

 

 

 

 

――儂帰るので、あとはお前らでなんとかせい。それじゃあな~

 

 

 

 

 

「あ……あんのクソジジイィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

1:仙衆夜叉の陽天

なんかよく分からん情報の爆弾みたいなのが出てきた

 

(正八角形の綺麗な形でありながら、翠、黄土、紫の色が複雑かつ独立して混ざってる宝石の写真)

 

2:名無しのネット民

おかえり

 

3:名無しのネット民

今回は惚気から始まらねぇんだな

 

4:名無しのネット民

ってか、写真に写ってるのは告白用の装飾された宝石かな?

 

5:名無しのネット民

何で一個しかないんやイッチ

そこは漢らしく有り金はたいて全員分作ってやれよ

 

6:名無しのネット民

今度こそ身を固める気になったかぁ……

 

7:名無しのネット民

めでてぇな!

 

8:名無しのネット民

今日は歴史の変革点だ!

 

9:名無しのネット民

『らせん階段』…!『カブト虫』!『廃墟の街』!『イチジクのタルト』!『カブト虫』!……『ドロローサへの道』!『カブト虫』!『特異点』!『ジョット』!『天使(エンジェル)』!『紫陽花』!『カブト虫』!『特異点』!『秘密の皇帝』!!

 

10:名無しのネット民

おう、天国創るのやめい

 

11:名無しのネット民

どこでハネムーンするんだ?

それとも家でしっぽりと……

 

12:仙衆夜叉の陽天

いきなり下の話はやめとけ

女の人に嫌われるぞ

 

13:名無しのネット民

HAHAHAHA!!

おいおいまさか、俺たちがその程度の人間だと思ってんのかイッチ?

 

14:名無しのネット民

年齢=彼女いない歴を貫いてきた俺たちに隙はない!

 

15:名無しのネット民

もうすぐ魔法使いだけどな!

 

16:名無しのネット民

魔法使い超えて賢者行きそうだがな!

 

17:名無しのネット民

HAHAHAHAHAHAHAHA!!!

 

18:名無しのネット民

ハァ……

 

19:名無しのネット民

言うな……

 

20:名無しのネット民

悲しくなってくる以上に心が痛くなってくるからヤメロッテ……

 

21:名無しのネット民

ここ彼女いないやつ多すぎワロリンティウスww

 

俺も

 

22:名無しのネット民

ワイも

 

23:名無しのネット民

おいも

 

24:名無しのネット民

おいどんも

 

25:名無しのネット民

拙者も

 

26:名無しのネット民

同志よ……

 

27:名無しのネット民

俺たちがついてるぜ……

 

28:仙衆夜叉の陽天

あ、彼女いないんすね皆さん

 

いやー、すみませんねぇ!

こっちは彼女がいるもんで!

 

29:名無しのネット民

んで、手は出せたのかよ?

 

30:仙衆夜叉の陽天

………………………………依然として、添い寝とディープなやつくらいしかできとりません

 

31:名無しのネット民

ヘ タ レ

 

32:名無しのネット民

ア ホ

 

33:名無しのネット民

人のこと言えんやんけぇ!

 

34:名無しのネット民

童貞すぎワロタ

 

35:名無しのネット民

一発で論破サレテーラ

 

36:名無しのネット民

(女性経験が)貧弱貧弱ゥ!

 

37:名無しのネット民

あ ほ く さ

 

38:名無しのネット民

まぁ、それはそれとして(デビルマソ)

 

39:名無しのネット民

今回はなんのようだよイッチ

 

40:仙衆夜叉の陽天

いや、タイトルの通りなんですが……

 

41:名無しのネット民

神の目ねぇ……

 

42:名無しのネット民

宝石のことを『◯◯の瞳』って言うのは分かるけど、神の目ねぇ……

 

43:名無しのネット民

鍾離さん達からの反応は?

 

44:仙衆夜叉の陽天

「お前のことはいつも見ている」とか「なんでこっちにあるの!?」とか「私の色が入ってる……嬉しいわね」とかって反応があった

 

45:名無しのネット民

うーん、この

 

46:名無しのネット民

三分の二しか重要そうな情報がなくてワロス

 

47:名無しのネット民

三分の二もあれば十分だろ

 

48:名無しのネット民

そして三分の二は惚気が入ってる

 

49:名無しのネット民

羨ましいねぇ………

 

50:名無しのネット民

しれっと誰かが「いつも見てるゾ♡」宣言してて草も生えん

 

51:名無しのネット民

でもそんな言葉が出るってことは皆それがなにか分かってるってことだよな?

ならそれは、テイワットの神様関連ってことだよな?

 

52:仙衆夜叉の陽天

>>51 鋭い

テイワットでは、神ではない人間が困難を乗り越えた際、神に認められた証として外付けの魔力器官「神の目」を授かるんだとさ

 

53:名無しのネット民

ほへー

 

54:名無しのネット民

ってことは、テイワットに行ければ俺たちも魔法を使える可能性が微レ存?

 

55:名無しのネット民

(ヾノ・∀・`)ムリムリ

 

56:名無しのネット民

俺たちみたいなゴミ捨て場の住人が神に認められるかよ

 

57:名無しのネット民

それな

 

58:寒中水泳

うんうん

 

59:名無しのネット民

>>58 いや、アンタは認められるだろ

 

60:名無しのネット民

>>58 あんたが認められなかったら神の正気を疑うぜ

 

61:名無しのネット民

>>58 南極で河童の格好してる(ある意味)勇気のあるやつが何を言ってやがる……

 

62:名無しのネット民

絶対どっかの神様が爆笑しながら神の目授けるだろ

 

63:名無しのネット民

まぁ、それはさておき

ほれ、続きを話せよイッチ

 

64:仙衆夜叉の陽天

話戻してくれてサンガツ

んで、そんな魔法が使えるようになる神の目なんだが、一人につき1種類の元素しか扱えないらしい

さらに、そういうのは神の目の色でわかるんだが……

 

65:名無しのネット民

うん……

 

66:名無しのネット民

混ざってるな……

 

67:名無しのネット民

いやね?

もうわかってるよイッチが特殊だってことは

 

68:名無しのネット民

神の目を得るには、神様に認められるしかない

そんな中で、何人も神様落としてるやつが複数の元素を扱えるような神の目になるのは当然なんだよなぁ……

 

69:名無しのネット民

ってことは、イッチって最初から3元素を使えるようになってるってこと?

 

70:仙衆夜叉の陽天

そうみたい

 

(それぞれの元素で出来た球体を手に浮かべている動画)

 

71:名無しのネット民

おいおいおい

これでちゃんとした魔法戦士じゃないか

 

72:名無しのネット民

今までバーサーカーだったのがランクアップしたな!

 

73:名無しのネット民

次はたまねぎ剣士だ

 

74:名無しのネット民

>>73 ハードル高スギィ!?

 

75:名無しのネット民

イッチならいけるっしょ(テキトー)

 

76:名無しのネット民

これでイッチもファンタジーの仲間入りやな

 

77:寒中水泳

お前も同士だ

 

(座禅組んで空飛んでる画像)

 

78:名無しのネット民

>>77 どこぞの教祖かな?

 

79:名無しのネット民

>>77 おう尊師やめい

 

80:名無しのネット民

>>77 ネ ッ ト の お も ち ゃ

 

81:名無しのネット民

相変わらずイカレタことしてんな寒中水泳ニキ

 

82:名無しのネット民

これが同じ人間ってマ?

 

83:名無しのネット民

本人曰くマジらしい

 

84:名無しのネット民

AIが一生追いつけそうにない生命体で草

 

85:名無しのネット民

おう、PTAにアニメ見てたら馬鹿になるって言われて言い返せなかったやつやめい

 

86:名無しのネット民

なんだかんだ頭空っぽにしてみるには最適ではある

 

87:名無しのネット民

それな

 

88:仙衆夜叉の陽天

あ、皆に言っておきたいんだけどさ

 

89:名無しのネット民

ん?

 

90:名無しのネット民

なんだイッチ?

 

91:仙衆夜叉の陽天

今度の土日に海行こうと思うんだ

 

92:名無しのネット民

!!!!????

 

93:名無しのネット民

!!!!????

 

94:名無しのネット民

!!!!????

 

95:名無しのネット民

!!!!????

 

96:名無しのネット民

!!!!????

 

97:名無しのネット民

!!!!????

 

98:名無しのネット民

!!!!????

 

99:名無しのネット民

!!!!????

 

100:名無しのネット民

!!!!????

 

101:名無しのネット民

イ、イッチが……皆を連れて海に行く……だと……!?

 

102:名無しのネット民

へ、ヘタレなイッチがか!!!???

 

103:名無しのネット民

おっと、これは一歩前進か?

 

104:名無しのネット民

祝え!!!!

 

105:名無しのネット民

祭りの始まりだ―!!!!

 

106:名無しのネット民

だからまだマグロのシーズンじゃないと言ってるだろ

 

107:名無しのネット民

結婚式場のセッティング終わってねぇから焦んなよイッチ

 

108:名無しのネット民

教会まだ建て終えてねぇぞ

 

109:名無しのネット民

ぐぁあああああああああああああああああ!!!!

鍋の振りすぎで腕がぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!

 

110:名無しのネット民

>>109 なんでスレ見てんだよww

 

111:名無しのネット民

>>109 病院行け病院

 

112:名無しのネット民

イッチの神の目見てひらめいたから宝石加工のイメージ図わいたぞ

肝心の宝石がないZE☆

 

113:名無しのネット民

海外でサーカスの依頼入ったからあと2週間は待ってクレメンス

 

114:名無しのネット民

今からコンサートあるのにいきなり予定をぶつけるのはヤメルルォ!!!

 

115:名無しのネット民

音楽系Y○uTuberの企画に呼ばれてんだけど……

 

116:仙衆夜叉の陽天

おまいら餅つけ

 

117:名無しのネット民

餅ついた

 

118:名無しのネット民

落ち着いた

 

119:名無しのネット民

かなり落ち着いた

 

120:仙衆夜叉の陽天

俺はまだ結婚しないゾ

 

121:名無しのネット民

は?

 

122:名無しのネット民

は?

 

123:名無しのネット民

は?

 

124:名無しのネット民

は?

 

125:名無しのネット民

は?

 

126:名無しのネット民

は?

 

127:名無しのネット民

は?

 

128:名無しのネット民

は?

 

129:名無しのネット民

は?キレそう

 

130:名無しのネット民

キレちまったよぉ……久々になぁ……!!

 

131:名無しのネット民

上のキレてる奴らはさておき、イッチがヘタレなのはよぉ………くわかってるぞ

 

132:名無しのネット民

どうせ気晴らしに海行こうとかだゾ

 

133:名無しのネット民

あんだけ迫られてるのに手を出さないとか

 

134:名無しのネット民

いつ押し倒されて(性的に)食われるのか分かったもんじゃないのに

 

135:名無しのネット民

このヘタレ!甲斐性なし!童貞野郎!

 

136:仙衆夜叉の陽天

うるっせ!

いいだろ別に!

それともなんだお前ら?出会ったばかりの人に手を出せるのか?

 

137:名無しのネット民

無理に決まってんだろ

 

138:名無しのネット民

火を見るより明らかなこと言ってんじゃねぇよ

 

139:名無しのネット民

ド 正 論

 

140:名無しのネット民

正論すぎて草が生えるわね

 

141:名無しのネット民

俺たち誰でも童貞野郎だからね仕方ないね

 

142:仙衆夜叉の陽天

だからなんだよ……

 

俺は彼女たちのことが大切だと思ってるよ

だからこそ、ちゃんとした付き合いを経てからの方がずっといい

雰囲気に流されてだったら自分はクズになるから、それならヘタレでいいと思ってるんだ

 

143:名無しのネット民

イッチ……

 

144:名無しのネット民

くぅ!その想い、しかと受け取ったぜ!

 

145:名無しのネット民

そうだよな……

 

146:仙衆夜叉の陽天

まだ出会って1か月も経ってないもんな……

 

147:名無しのネット民

それなら仕方ない

 

148:名無しのネット民

だけどイッチ、それだけでは不十分だ

 

149:名無しのネット民

だから……

 

150:名無しのネット民

だから……?

 

151:名無しのネット民

 

 

 

全員の水着選んで来い

それもとびっきりいいのをだ

 

 

 

 

152:名無しのネット民

…………………なるほど……

 

153:名無しのネット民

はぁ~~…………(クソデカため息)

うらやましすぎて死にそう

 

154:名無しのネット民

美女の水着選べるなら死んでもいいけどな

 

155:仙衆夜叉の陽天

は?

 

156:名無しのネット民

いい提案だ

ヤッてこいイッチ

 

157:名無しのネット民

ナニをやるんですかねぇ……

 

158:名無しのネット民

それはもうナニでしょ

 

159:名無しのネット民

海には多数のシチュエーションがあるからな

 

160:名無しのネット民

盛大にヤッてこいやイッチ

 

161:仙衆夜叉の陽天

ちょ

 

162:名無しのネット民

んじゃ、俺たちは仕事に戻るか

 

163:名無しのネット民

そうだな~

 

164:寒中水泳

俺もペンギンのピータンにエサ取りの仕方を教えに行ってやらねぇと

 

165:名無しのネット民

乙~

 

166:名無しのネット民

乙~

 

167:名無しのネット民

今日は早かったな~

 

168:仙衆夜叉の陽天

…………ちょ

 

 

ちょっと待てやおまえらぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「待てやぁあああああああああああああ!!! あ? へぶっ!?」

 

けたたましい目覚まし時計の音に驚いたのか、それとも夢で見た掲示板の民の期待に理解が追い付いたのか、叫びながら()()()()()飛び起きた青年は、勢い余ってベッドから転げ落ちてしまう。

 

「いったたた……あんにゃろう共……ナニをヤルってんだ……俺は! 清い交際がしたいんだよ! ……おろ? ここどこだ?」

 

ある程度痛みに悶えたり叫んだりを繰り返していた青年は、自身がいるところに違和感を覚えます。

まず、自分が住んでいるのは和風建築の武家屋敷。

故に構造としては畳が多く、ベッドなどの跡がつきそうなものは使っていない代わりに、敷布団を敷いてその上に寝ていた。

だから、自分の家にベッドがあるのはおかしい。

 

他にも、今自身がいる部屋は祖父譲りの古臭い木の香りがする由緒正しき屋敷ではなく、都会にありそうな白い壁紙とフローリングによって構成された近代的な部屋であった。

 

そして何より、自身の大切な存在である異世界の神達の姿がないのである。

あの、青年のためなら国を捨て、世界すら越えても良いと言ったあの者達がだ。

 

「……神の目の副作用かなんかか?」

 

つい昨日手に入れた物が原因かもしれないと結論付けた青年は一先ず部屋の外へ出た。

 

部屋の外には短い廊下があり、突き当たりには下へ降りるための階段がある。

突き当たりの反対側の窓からは白い光が入り込んでおり、明かりがついてる気配がなくとも、部屋は明るく感じられた。

 

しかし、あまりにも光が無機質すぎる。

そう思った青年は、光の当たっている床に手を触れた。

次の瞬間、青年の顔が驚愕に染まった。

 

「!? 日の光が当たってるはずなのに暖かくない……!? どうなってんだ……!?」

 

そう、日の光が当たって暖まっているはずの床は、まるでなにも暖かみを感じられなかったのです。

感触は確かに材料となった木と、ワックスがかけられた床という感覚を伝えてきますが、まるで別物のように温度が感じられないのです。

それこそ冷たいという感覚すらも。

 

「なんだよ、ここ……」

 

青年は困惑しながらも進んでいく。

一階に降りれば、そこにはテーブルと椅子の存在するリビングとキッチンが融合した場所があり、テーブルの上にはお盆に乗せられた料理と書き置きの紙があった。

紙には「冷めないうちに食べてね ~お母さんより~」と書かれており、両親ではなく祖父が育ててくれた青年にとっては、まるで空想でしかないようなワンシーンであった。

 

「この字……お袋のか?」

 

だが、青年には見覚えがありました。

そう、年に数回は帰ってくるは両親の片割れ――『母』の字とそっくりだったのです。

その時、自身の腹が控えめに空腹を訴える音を鳴らしたことで、青年はため息を吐きながらも食事に手をつけたのであった。

 

「……うまい……お袋の味だ……」

 

普段は家にいないが、帰ってきたときには非常に美味しい料理を振る舞ってくれる母。

その味を青年は覚えていました。

だからこそ、覚えのある味とこの不可思議な空間が相まり、さらに混乱が増していく。

ここはどこで、これを作ったのは誰か……一先ずは朝食を食べ終えることにしました。

 

料理としては、少し塩っ辛く味付けされた焼き鯖、自家製の味噌で作られた味噌汁、ピンと炊きたてられた白米、その他小鉢があるという非常にシンプルなものでした。

ですが、そのどれもが味わったことのある味。

 

「本当になんなんだよここ……」

 

そう思いながらも、青年は食器を下げてまた家の中を探し出す。

しかし、家の中は至って普通で、どこにでもありそうな一軒家でした。

ただ他のところと違うのは、窓から覗ける光景が全て紙を張ったかのように真っ白だということ。

ならばと思い、青年は外に繋がるであろう玄関の扉に手を掛けました。

 

「流石にこの先になにもなかったらマジで分からん……だけど、動かなきゃ始まらない……!」

 

そう決心し、扉を開け放ちました。

 

そして、目に勢いよく飛び込んできた光景に、青年は目を見開きます。

 

「こ、こは……」

 

 

 

――そこは一面の花畑でした。

 

 

 

赤、黄色、白の至って普通の花もあれば、青い薔薇といった珍しい花も咲いています。

しかし、その花園には統一感がなく、まるで図鑑から無作為に引っ張り出してきたかのようでした。

そんな幻想的で非現実的な光景を前にして動きを止める青年。

何を思ったのか、勢いよく頬を叩きました。

 

「! いっつぅ……ゆ、夢じゃないみたいだな……」

 

そう結論付けて、花園を進もうとしました。

 

しかし、

 

「いいえ。これは夢よ◯◯」

 

背後から親しい人の声に話しかけられたことで足が止まりました。

思わず勢いよく振り返って捻りを加えた拳を繰り出す青年。

ですが、その拳が相手に直撃する前に誰かに止められました。

 

「おっとっと……反応が良いのは褒めるけど、そういうのは相手をよく見てからしなさい」

「ふふっ、ありがとうね、あなた?」

「は――?」

 

警戒心をむき出しにしていた青年は、冷静になった頭で自身の拳を止めた『男性』とそんな『男性』に話しかける『女性』の姿を見て固まります。

 

――ゆるふわとした雰囲気をもつ女性と、優しげな雰囲気を持つ男性。

 

そんな彼らは……

 

 

 

 

 

「親父……? お袋……?」

 

 

 

 

 

青年の両親であった。







※後書き※

たぶん疲れてるからかキレがなかった
次はもっと良いものを作ります


※登場人物紹介※

・イッチ

今回ようやく「神の目」を手に入れた(返してもらった)相変わらずヘタレなハーレム野郎
掲示板の皆から「もう早よくっつけ」言われてるけど全然くっつこうとしないヘタレ
よく分からない場所で『両親(?)』と出会ったが果たして……


・イッチの爺ちゃん

いろんな女性に声をかけたが、現在のツレであるお婆さんとは今もラブラブ
結構頑張ったらしいが子供は恵まれなかったらしい
じゃあなんでイッチは生まれとるんやろなぁ……


・神様四人衆

イッチの爺ちゃんが神の目(イッチの)を持っていたことに驚いてるらしい
次の休みに海に行けるとのことなので割りとウキウキしてるらしい
しかし、こっちのイッチが謎に包まれててかなり心配らしい


・寒中水泳ニキ

相変わらずやベーことしてる人
この人だしときゃなんとかなると思ってる
結構前に幻◯郷なる場所に行ったことがあるとかないとか
そこに住まう妖怪からは『お前食べたらこっちまで頭おかしくなりそう』言われたらしい
せっかく食べてもらおうと男体盛りしたのに……(それが原因だろ)


今日はちょっと筆の乗りが悪かったです
そろそろ一旦休憩いれようかなぁ……

お気に入り登録や感想、評価やここ好き等々、たくさんしてもらえると作者がインド版ハ◯ー・ポッターになりますのでドシドシ送ってきてください!

それでは皆様、また次回~

(・ω・)ノシ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【夢の中での】異世界の前世を持つ俺氏、魔神である両親に出会う【再会とカミングアウト】




少しの地固め回





地平線の向こうへどこまでも続く花園。

その花園は色とりどりではあるが、生息地の違う花が集まっているため、どこか歪さも感じさせる。

そんな花々に囲まれた場所の一角に、一つの屋根によって日光を避けている椅子とテーブルの組み合わせがあった。

そこには、一人の青年と彼の両親と思わしき男女がいた。

 

青年は今だ唖然とした表情で現実をのみ込めていないというような表情をしていた。

そんな彼の姿を見ていた女性は、口を開いてこう告げた。

 

「ようこそ私のベルベットルームへ」

「……今度はペ◯ソナにハマったのかよお袋……」

「そうよ? だって楽しいじゃない! 子供達がいじらしい関係になってるのって!」

「ペ◯ソナは恋愛シミュレーションゲームじゃねぇんだよ!」

「何を言ってるんだ◯◯。ペ◯ソナのようなものこそ恋愛ゲームとして楽しむべきだろう?」

「確かに遊び方にはあるんだけどさぁ! なんかこう、もっと皆との絆を感じれるカッコいいラストバトルとかさぁ!」

「でも、バレンタイン前に皆との関係を深めすぎちゃったのか主人公君がボコボコにされちゃったのよ」

「屋根ゴミルート行ったのかよ……」

 

最初は現実に追い付いてないといった感じの青年であったが、両親との会話にその様子も抜けていったようで、肩の力が抜けている。

その姿を見た男女は、クスクスと微笑ましいものを見るような表情で笑っていた。

 

「さて、本題よ◯◯。あなた、鍾離ちゃんやウェンティちゃん、それと影ちゃんに眞ちゃんと『前世』で関わったと思ってるわね?」

「……いやまぁ、そうとしか思えなかったけど、親父達がその質問を投げてくるってことは、何かしら知ってるだろ? 特にこの空間。色々とめちゃくちゃじゃねぇか。大方、()()()()()()()んだろ?」

「ふふっ、そうね。私たちは色々と知ってるし、その予想も当たってるわよ? 流石、私たちの子供」

 

息子の成長に控えめに笑った女性は少しだけ表情を引き締め、しかし笑みは絶やさずに話を続けた。

 

「ここは、私とパパが二人で創り上げた『夢現(むげん)の部屋』。いうなればベルベットルームね。私達はこの部屋を創り終えて、そしてあなたの意識をここへと持ってきたの」

「だから最初にベルベットルームって言ったのか……って、ん? 持ってきた?」

「そうよ。私は『(ゆめ)』の魔神。パパは『(うつつ)』の魔神。2人の力を合わせればこんなことも出来るの」

「……ちょっとタンマ。え、魔神? え、ちょ、俺の両親、鍾離達みたいな神様だったの!?」

 

あまりの情報の濃度に驚愕する青年。

それを少し苦笑いを浮かべた男女が説明を続ける。

 

「そうだよ◯◯。僕たちは鍾離ちゃん達がいた『テイワット』生まれの魔神ではなく、この『地球』でうまれた魔神なんだ。……まぁ、この世界の魔神は国を統治してるって訳ではないけどね」

「えぇ……。あ、そ、それなら! 爺ちゃんはなんなんだよ! あいつも魔神なのか!?」

「いや、父さんは普通の人間だよ。僕たちが行き倒れていたところを拾ってくれただけの凡人……とは言いがたいけど、魔神ではないね」

「えぇ……」

 

父と母が魔神なら、その親である祖父もまた魔神なのかと問いかけるも、その実態はただの鍛え上げられた人間という証言にドン引く青年。

確かに、空中を跳ねるという青年が使えばラッキーパンチでようやく成功するも一発で足をつってしまう技術を、それはもう平然と連続して行えるあの御年80代の老人など、普通はいないだろうに……。

……「祖父に関しては考えるのをやめよう」そう決意した青年であった。

 

「まぁ、お父さんのことを考えるのは私たちでも分からないわ。話を戻すと、あなたはそんな私たちの『夢』と『現』の力を引き継いでる。だから、その力を使ってテイワットに自身の『ペルソナ』……のようなものを送り込んでたのよ」

「なるほど……。一つ質問しても良いかお袋」

「えぇ。いいわよ」

「なんでそれ知ってんだ?」

「…………」

 

その質問を投げ掛けられた女性は気まずそうに目をそらす。

 

「おいこら。まさか見てたってことか? 俺が知らない異世界での出来事全部」

「…………鍾離ちゃん達可愛いわよね? いつになったらお嫁さんとして迎え入れるのかしら?」

「おうこら話そらすな。そんなところも爺ちゃんに似なくていいから」

 

青年の追求に、話題を変えて逃げようとする女性。

そんな二人に男性はフォローをいれた。

 

「まぁまぁ、落ち着こう◯◯。君が異世界で落としてきた数々の女性に関しては僕も知ってるし、◯◯が鍾離ちゃん達との出会いを覚えてないのは、まだ◯◯が完全に力を扱いきれてないから記憶の引き継ぎが出来ていなかっただけなんだよ」

「おうシレッとあんたも見てんじゃねぇよ親父。……って、まさかの鍾離達だけじゃねぇのかよ……」

「そうだね。鍾離ちゃん達七神はもちろん。鍾離ちゃんの部下である仙人。影ちゃん眞ちゃんの友人である鬼の子に狐の子とか。あとは……」

「あ、うん。聞いた俺が悪かった。それ以上言わないでくれ親父。俺の罪がどんどん増えてく……!」

「さぁ、お前の罪を数えろ!」

「乗ってくんなお袋! 今さら数えきれるか!」

 

男性のフォローが入ったことで、少し、ほんの少しピリついていた空気が和んだ。

優しげな風貌に違わず、そういうことに関しては慣れているようである。

 

「まぁ、◯◯が引き継げなかった記憶を僕たちが修復することも出来る……けど、それでは◯◯の体が持たない。なにせ数千年分の記憶だからね。それを一度に思い出したらよくて廃人。悪くて自爆して能力を振りまく災害になるね」

「怖ぇな!? え、なに? 俺って一歩間違ったら災害になるの? ON◯ PIECE film◯のダ◯ナ岩かよ!?」

「ダイ◯岩とは言い得て妙だね。今度から名乗ってみる?」

「嫌だよ! 何を好き好んで国一つ消し飛ばす爆弾にならなきゃならん!」

 

……少し空気が緩みすぎなきもしないでもないが、久方振りの家族の団らんと思えば普通だろう。

 

閑話休題(まぁ、それはそれとして(デビルマーン!))

 

「僕たちは君が使った能力で出来た縁……それによる弊害がないかの確認をしに来ただけなんだけど……」

「おう。特に問題はない。女性関係がいきなり増えたのを除けばだけど……」

「あはは……それに関しては、教えなかった僕たちが悪いね。まぁ……」

「パパに『その方が面白いから!』って、私が言ったからね!」

「あんたかお袋ぉ! なんてことしやがるぅ!」

「フッフッフ。息子の恋路を応援するのも母の務め。ならば多少は息子を裏切ってでも背中を押すのが母なのよ!」

「そこになおれお袋ぉ! 説教してやるぅ!」

「親より優れた子供などいないのよ! 私の名を言ってみなさい!」

「ジードォ!」

「マグニフィセント!?」

 

男性そっちのけでプロレスを始める二人をあきれたような微笑ましいものを見るような目で見ながら、しかし、別れの時を感じていた。

 

「さて、◯◯」

「あぁん? って、親父!? 体が消えて……!?」

「大丈夫。これは夢が覚めるだけさ。君が今も夢を見て、テイワットに姿を表すように、僕たちもこの世界からしばらく消えるんだ」

「痛い痛い! 少し力を緩めて◯◯! お母さんの肩が外れちゃう!?」

 

消えていく男性に驚く青年(そして技を決められている女性)。

しんみりとした空気が流れていたが、しかし、また出会えると確信したのか青年は言葉を告げた。

 

「まぁ、しばらくの別れだな親父。それとお袋。また帰ってきたらさ、いろんなこと教えてくれよ」

「ふふっ、そうだね。それじゃ、またね――」

「え!? 私このまま夢から覚める――!?」

 

言葉を残して消滅していく男女。

相も変わらず騒がしい二人だったと、崩壊していく世界で青年は独り言ちたのであった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

1:仙衆夜叉の陽天

というわけでまたまたタイトル通りのことが起こったからおまいら助けてくれ

 

2:名無しのネット民

はぁ?

 

3:名無しのネット民

なんやイッチ

今度こそ頭打ったか?

 

4:名無しのネット民

……でもなぁ……なんでかそれはありえそうだったんだよなぁ……

 

5:名無しのネット民

まさかイッチが帰った後の「もしかしてイッチって記憶のない神様的なやつじゃね?」っていう予想程度のやつがマジでガチだったとは

 

6:名無しのネット民

えっと、魔神ってあれだよな?

鍾離さんたちのことだよな?

 

7:仙衆夜叉の陽天

それであってるゾ

今朝っぱら、夢の中で親父とお袋に出会った時に、「私が『夢』の魔神で、パパが『現』の魔神よ」って言われたから

ということは、俺氏、魔神と魔神の間に生まれたんで人間じゃないっすね

 

8:名無しのネット民

はえー、イッチって人間じゃなかったんすね

 

9:名無しのネット民

ってか、こっちにも魔神とかいたんすね~

 

10:名無しのネット民

いやまぁ、神話が残ってるからな

あとは型月知識的なので補完すればあら不思議

あっという間に神話が実在したことになりかねないんですわぁ

 

11:名無しのネット民

オカルト板狂喜するぞこの情報

 

12:名無しのネット民

特に狂気的なまでに熱心な一神教信者とかに知れ渡ると面倒だゾ

 

13:名無しのネット民

某立川の聖人が降臨する前に、よその神様が降臨してるもんな

 

14:名無しのネット民

まぁ、こういうのは考えないでおこう

 

15:名無しのネット民

んで、海の件はどうしたんだイッチ?

 

16:仙衆夜叉の陽天

それに関しては……まぁ、ちゃんと進めてるよ

 

17:名無しのネット民

おろ?

 

18:名無しのネット民

ひょ?

 

19:名無しのネット民

あるぇ?

 

20:名無しのネット民

イッチが進めてる……だと……?

 

21:名無しのネット民

終焉じゃあ!

終焉の時だぁ!

 

22:名無しのネット民

終焉の時!

逢魔時王必殺撃!

 

23:名無しのネット民

おう、我が魔王はごときを倒したら休んでろ

 

24:名無しのネット民

平成の墓守は頑張りすぎてるから休んでクレメンス……

 

25:ツンデレニキ

……イッチ、どういう心変わりだ?

 

26:名無しのネット民

>>25 あ、ツンデレニキだ

 

27:名無しのネット民

おっすおっす

嫁さんとはよくやれてるか?

 

28:ツンデレニキ

>>27 まぁ、娘との関係が少しだけ緩くなったってところだ

 

それよりイッチ

どういう経緯でそうなったんだ?

 

29:仙衆夜叉の陽天

……こういうのもなんだけど、吹っ切れたって感じかな?

 

30:名無しのネット民

吹っ切れた?

 

31:仙衆夜叉の陽天

そ、吹っ切れた

俺ってさ、今まで誰にも、それこそ掲示板のおまいらにすらずっと鍾離達への想いとか、そんな悩みを打ち明けられてなかったんだけどさ、今回、両親に会えたことで少しだけ吐き出せて楽になったんだ

それと、その前世での出来事が俺の不注意で起こしてしまった出来事……いうなれば、俺が勝手に介入して間違ってやらかしたいろんな歴史だってわかったんだよ

それなのに、「俺の記憶にはないので知りません関係ありません」で済ませたら、それこそ俺はクズになる

 

だから、皆の想いに向き合うことにしたんだよ

 

32:名無しのネット民

イッチ……

 

33:ツンデレニキ

なるほどな……

なら、絶対に受け止めてやれ

逃げたら俺たちが住所特定してでも殴りに行ってやるからな

 

34:名無しのネット民

そうだぞイッチ

 

35:名無しのネット民

絶対に幸せにしてやれよな!

 

36:仙衆夜叉の陽天

ありがとう皆……

 

んじゃあ、次の海水浴の時に皆にどんな水着選んでやれば良いかわかるか?

 

37:名無しのネット民

知らん

 

38:名無しのネット民

俺たちに頼るな

 

39:名無しのネット民

彼女いない歴=年齢の俺らに何が出来ると?

 

40:名無しのネット民

そもそも俺らに聞くよりイッチのオカンに聞いた方がよかったやろ

 

41:名無しのネット民

ほんそれ

 

42:仙衆夜叉の陽天

えぇい使えねぇなお前ら!

 

43:名無しのネット民

俺らの才能は尖ってるからな

 

44:名無しのネット民

それを補うための人海戦術

 

45:名無しのネット民

そのための拳

 

46:名無しのネット民

まぁ、それはさておき

割りと死活問題だから冗談も言ってられないな

 

47:名無しのネット民

イッチが嫌われる姿は想像できないけど皆が迷ったり悲しむ顔をするのはわかる

 

48:名無しのネット民

誰か!誰かいねぇのか!

乙女心が分かってるオカマでも良い!

 

49:名無しのネット民

いやそんな人材いるわけ

 

50:名無しのネット民

いるゾ

 

51:名無しのネット民

ファッ!?

 

52:名無しのネット民

いる……だと……!?

 

53:名無しのネット民

私はオカマじゃないけどね

まぁ、店長が筋骨隆々な乙女心の分かるオカマだけど

 

54:名無しのネット民

癖強すぎィ!?

 

55:仙衆夜叉の陽天

助かる!

……つっても、場所がどこだか……

 

56:名無しのネット民

それかぁ……

 

57:名無しのネット民

確かに……

 

58:名無しのネット民

それで、誰だか区別つきにくいからコテハン張っても良いかい?

 

59:名無しのネット民

あ、はい、どうぞどうぞ

 

60:元スケバン現コーディネーター

おけ

ならこれでいいか

 

61:名無しのネット民

ちょww

 

62:名無しのネット民

マジかいww

 

63:名無しのネット民

スケバンまで来たかぁ……

 

64:元スケバン現コーディネーター

良いだろ別に

学生時代はスケバンとしてそれなりに名を馳せてたんだがね

 

まぁ、あれさ

そんな血生臭い世界よりも、店長が教えてくれた誰かを輝かせるっていう世界が好きになっちまっただけさね

誰かをボコって汚れた手のまま世間を歩いても、私も含めて誰一人として幸せにゃならん

だからこそ、まだ戻れる時代に足洗って、過去の罪にケジメつけて、あとは光の中を堂々と歩けるまでになれば良い

もし戻るのが怖いなら私が引っ張って上げるから

 

そんなことを、私を着せ替え人形にしながら店長が言ってくれたことさ

 

65:名無しのネット民

お、おぉ……

 

66:名無しのネット民

漢らしい……

 

67:名無しのネット民

あれ、このスレ、スケバン姐さんが主役だっけ?

 

68:名無しのネット民

おいイッチ、しばらくROMってろ

 

69:仙衆夜叉の陽天

いやいやいやいや!

ここ俺の悩みを相談するところだからな!?

 

70:名無しのネット民

初手自慢をしてきた奴が何を言ってる

 

71:名無しのネット民

まぁ、一理はあるのでとりあえず話は戻そう

 

72:名無しのネット民

それでスケバンネキ

水着とかは間に合うのか?

 

73:元スケバン現コーディネーター

前にイッチが言ってた日数までにはかなり余裕がある

店長にもこのスレを教えてからは店長のやる気も上がってるんでな

材料も揃ってるし一日で仕上げることは可能だ

あとは採寸なんだがな……

 

74:仙衆夜叉の陽天

それなら大丈夫だ!

俺達は体を元素に変えて移動できる(俺は他の誰かに抱えられないとだけど)から、移動時間に関しては気にしなくて良い!

あと出来ればこれはあまり人の目に出したくないんだが……

 

75:元スケバン現コーディネーター

あん?

なんだい、好きな相手の体を知りもしないその他大勢に見せるのは嫌かい?

いいねぇ、その少しの独占欲気に入ったよ

早く来な

さっさと仕上げてやるからよ

 

76:名無しのネット民

おぉ……

 

77:名無しのネット民

漢らしい……(2度目)

 

78:名無しのネット民

こ、これが元スケバンとしての気概……!!

 

79:名無しのネット民

一生ついてくぜ姉御!

 

80:元スケバン現コーディネーター

従業員として働きたいなら店長に言いな

熱いハグで採用してくれるかもしれねぇぞ?

 

(筋骨隆々の大男……男?が、ファンシーな服を着て堀の深い顔に笑みを浮かべている写真)

 

81:名無しのネット民

ウェッホォ!?

 

82:名無しのネット民

なんじゃこの怪物は!?

 

83:名無しのネット民

もう駄目だぁ……おしまいだぁ……!

 

84:名無しのネット民

筋骨隆々の漢女(男ではない)がファンシーな服着てるとか絵面の破壊力ががががが

 

85:名無しのネット民

しかし、笑みには邪気なんて全く感じられないから余計に頭がバグる……!

 

86:名無しのネット民

姉御にはついていきたいけどこの店長に抱き締められたらなにかが終わる気がする……!!

 

87:名無しのネット民

「てんしのキッス」とか覚えてそうだな(白目)

 

88:名無しのネット民

「フェアリー・かくとう」タイプとかいう新種のポケモンかな?(震え声)

 

89:名無しのネット民

なんでこうも超人ばっかり集まるんですかねぇ……

 

90:名無しのネット民

ウホッ♂️

良い筋肉♂️

 

91:名無しのネット民

>>90 お前は止まれ

 

92:名無しのネット民

止まっとけマジで

この板から変態が増えるのは嫌だぞ

 

93:元スケバン現コーディネーター

アッハッハ!

やっぱりあんたらは面白いねぇ!

だからこそ仕事のやりがいがあるってもんさ!

 

94:名無しのネット民

次は海だな!

 

95:名無しのネット民

お、それなら皆でオフ会しようぜ!

 

96:仙衆夜叉の陽天

え、あ、あぁ、まぁいいけど……

 

鍾離達に色目使ったらお前ら潰すからな?

 

97:名無しのネット民

知ってる

 

98:名無しのネット民

イエス美女!

 

99:名無しのネット民

ノータッチ!

 

100:名無しのネット民

いやぁ、今年の夏は楽しいなぁ!

 







※後書き※

長く書くよりここら辺で切った方が良い気がした
コテハン増えたから話が加速するど~


※登場人物紹介※


・イッチ

両親が魔神だということが判明した「『夢』の魔神×『現』の魔神」のハーフ
純正の魔神だけどまだ生まれて二十数年しか経ってないから能力が制御できてない
今は力を扱えるか皆の手も借りつつ特訓中
たぶん極めれば某「5656の実(という名の「ヒトヒトの実『モデル:ニカ』」)」みたいなことが出来るようになるかも
陽天時代の保有元素が炎で、今の元素が混ざってる理由については、「『鍾離先生が拾う』→『戦いを経験する』→『炎の神の目を手に入れる』→『鍾離先生達に惚れられることで神の目に色が混ざる』→『何だかんだ使いやすいから炎をメインにしてた』」という感じ
炎の神の詳細が出たら、作中にも登場させるんだけど、たぶんそれでマウントとってくる(「俺が一番最初にこいつの神の目に色をいれたんだ!」的な)


・イッチのオカン(『夢』の魔神)

創造力の発露である『夢』の力を使える
『現実』を『夢』に出来たり、『夢』を『現実』に出来たりする
夢という精神的な面での力が強く、かなり『自由』
性格にも現れてるのか、結構自由奔放で旦那さんと息子であるイッチを引っ張り回してるそうな
最近のマイブームは「ペ◯ソナ」などの学園生活を送りながら恋愛とか出来たり冒険したりする系のゲームをすること
あと息子の恋路を応援すること


・イッチのオトン(『現』の魔神)

結果だけが存在する『現実』の力を使える
『夢』という不確定なものを押し潰す『現実』の世界を展開できたり、自身という『現実(ルール)』を押し付けられる
なので、『魔法なんてない現代世界』に、魔法が使える奴が来たら『そんなものは使えない』という『現実(ルール)』を押し付けてほぼ無力化できる
しかし、イッチの爺ちゃんみたいな素であんなトンチキじみた技が使える人には無力と化す
やっぱおかしいよあのジジイ……
性格としては家族想いのいい人で、結構現実的(あなた自身がファンタジーなんだけどとは言ってはいけない)
最近のマイブームは様々な歴史を知って自分の中の『現実』を広げること


・元スケバン現コーディネーターネキ

コテハンの通り、元スケバンで今はコーディネーター
親とよく喧嘩したり、腕っぷしも強い中、通ってた学校で友人がいじめにより自殺したことをきっかけに、加害者側をボコって通ってた学校を中退
不良学校に転校することになったが、腕っぷしの強さでのしあがり、学園一のスケバンになった
友人が自殺した過去のことを忘れたくて、日々喧嘩に明け暮れていた時に『店長(運命)』に出会った
それからはスケバンとして学校の不良どもを統率しつつ、反抗する奴は店長に譲り渡すなどして学業に力を入れる
そして、服飾の免許を取ったあとは店長の下で日々精進してるとのこと
最近のマイブームは『人生の後輩(イッチ)』の恋路を見守ること


・店長

名前と写真、あとネキの説明でしか登場しなかったが、たぶん寒中水泳ニキ、イッチの爺ちゃんの同類と思われる人
めっちゃ筋骨隆々だが、心は繊細な乙女
そして、悪は許さないという乙女なのか漢女なのかはっきりしてほしい人
最近のマイブームはイッチのスレを見て不器用な恋に大胸筋を高鳴らせること


短いけどキリが良いのでここまで

お気に入り登録や感想、評価にここ好き等々たくさんもらえると作者が『Let's Go!!』と叫びながらヘドバンします

それでは皆様、また次回~

(・ω・)ノシ




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

陽の沈んだ後のテイワット




太陽のないテイワット





「……甘雨(カンウ)、根を詰めすぎよ。少しは休んだら……?」

「……ありがとうございます刻晴(コクセイ)。……でも、私は休んでいられません。帝君がいない今、あの子が――『陽天(ヨウテン)』が守ってくれたこの国を守るために、片時も休んでられないのです……」

「…………」

 

ここはテイワットに存在する七国の一つ――『璃月(リーユェ)』。

岩と契約の国であるその国の運営を任されている『群玉閣(グンギョクカク)』の執務室にて、2人の女性――『刻晴』と『甘雨』は非常に暗い顔で書類に筆を走らせていた。

 

 

 

――おおよそ数十年前。

 

 

 

まだ彼らの弟的存在である青年――『陽天』が生きていたころの話だ。

その時は今以上に魔物が各地に出現し、多くの命が失われていった。

もちろん、凄まじい力を持った者達――『仙人』達や、そんな彼らの中でも特に戦いに優れた者――『仙衆夜叉』達がいたことで何とか食い止められていた。

 

しかし、魔物の数は計り知れず、ともすれば津波のようであったと表現できたであろう。

 

確かに仙人達は強い。

それこそ凡人には不可能な奇跡を平然と起こし、千を超える軍勢であろうとたやすく蹴散らすだろう。

 

だが、それでもあまりに数が多かった。

 

見渡す限り魔物で埋め尽くされた大地。

そんな中で魔物を滅ぼし自身の存在を示し続けた夜叉達の牙城が崩れ去ろうとしていた時だった。

 

『――ごめん皆……俺、帰れないかもしれない』

 

魔物のうごめく音でもかき消されないほどの否定したい事実が、いやに彼らの耳に入った。

 

瞬間、清らかな炎で包まれる戦場。

突然のことに敵も味方も動きを止めた。

 

その光景を……二人は知っている。

 

『が――あ゛、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!』

 

命を振り絞るような絶叫。

苦しみもがく悲鳴。

大切なものを奪われまいと怒りをあらわにするその叫びは、誰もが次に起こるであろうことを予感させた。

 

魔物達は、逃れられぬ『死』を。

 

 

 

仙人達は――――大切なものの『死』を感じ取ったのである。

 

 

 

『あ――』

『陽て――』

 

『グッ……!!! ガッ……!!? っ……ごめん、皆……皆を守るには、もう、これしかないんだ……!!!』

 

『ッ! 陽天やめろ! それではお前の命が――いや、()()()()()()()()()()()!!』

 

体中にヒビが入り、そこから荒れ狂う炎を噴き出している陽天の姿に呆然とする刻晴達よりも、真っ先に異変に気付いたのは彼女らの主君である『岩王帝君』。

夜叉達が前線で戦うなら、帝君はその圧倒的な力で発生源をたたいていた。

しかし、魔神の怨嗟はすさまじく、彼女の攻撃であっても早々には崩れなかった。

刻晴達はそんな彼女の護衛役として立っていたのだが、陽天が起こした捨て身の技に呆然としてしまったのである。

 

呆然とする2人を置き去りに、帝君は駆けていった。

 

間に合ってくれと、消えないでくれと、陽天の身を案じる気持ちでいっぱいであったのだ。

 

 

 

――だが、行動を起こすには何もかもが遅すぎた。

 

 

 

『『我、梵天を背負う者也』』

 

 

 

『っ! やめ――』

 

 

 

『『灼天罰――落陽』』

 

 

 

瞬間、戦場は白く染まった。

 

 

 

「……気づいた時にはもう終わっていたわ」

「えぇそうですね。気づいた時には何も残っていませんでした。魔物の姿も。皆を蝕んでいた業障も。そして――」

 

そこでふと手を止めた甘雨は、何かをこらえるように震えだし、その眼もとからは大粒の涙を流し始めた。

 

「ヒック……私達の……ぐすっ……大好きな……あぁ……陽天も……ふぁっ……」

「っ……あのバカ……なんで、勝手に、消えてる、のよ……!」

 

話していくにつれて、その涙の勢いは止まらなくなってくる。

普段は凛としている刻晴ですら、つられて泣いてしまうほどだった。

 

あの時、陽天が行ったことは酷く単純。

自分の許容量である元素や仙力を軽く突破した出力で浄化の炎を戦場全てに届くように放出したのである。

この浄化の炎はあまり前線に出ない甘雨はともかく、夜叉の皆からは非常に頼りにされていた技なのだ。

 

魔物を倒せば倒すほど、その魔物が持つ怨嗟や業障は呪いのようにまとわりつく。

陽天を除く夜叉や仙人にはこれらを浄化する手段はなく、それこそ帝君ですら解呪は不能であった。

 

 

――それを陽天は可能にしたのである。

 

 

彼自身のやさしさと相まって、彼は自身が能力で火傷を負おうとも、誰かを助けるには本当に躊躇がない存在だった。

 

だけど、あの戦場ではその可能性が抜けていた。

 

陽天が自分の命を投げ捨てる可能性を……。

 

「ひっく……でも、あの子は言ってくれました……」

「私達に璃月を任せるってね。……忘れてないわよ。可愛い可愛い弟分の願いだもの……」

 

『皆……俺が言うのもなんだけど……璃月を、頼んだよ……』

 

だが、あれは覚悟の上であったと死ぬ間際の彼は言っていた。

「皆が助かるのに自分一人の命で済むなら本望だ」と。

だからこそ、彼の願いはかなえてやらなければならない。

 

「……戻ってきてみれば、また泣きっぱなしじゃない二人とも」

「あ、す、すみません凝光(ギョウコウ)様!」

「……別に、少しだけ昔を思い出しただけよ」

 

そんな二人の執務室に入ってきたのは、煌びやかな装飾が施された衣服をまとう女性。

彼女たちの上司である『凝光』であった。

 

「ふふっ、またあの『不落大聖』のことを考えてたのかしら? 私も会ってみたいわねあなた達がそこまで入れ込む相手と」

「「…………」」

「冗談よ。そんなに殺気立たないで頂戴。でも羨ましいわね。あなた達をそこまで落とせる相手なんて。特に、修行一筋の刻晴を落とすなんてなかなかの男じゃない?」

「……陽天はかわいい弟です。凝光様は素敵な方ですけど、陽天には会わせられません」

「私もよ凝光。可愛い弟分はあなたの駒にはさせたくないの」

「あら、断られてしまったわね。いいわ、今は仕事に取り掛かりましょ」

 

そうして、凝光は二人とともに仕事を終わらせていくのであった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「……何者だ。我の領域に立ち入るものは……」

若陀(ジャクダ)よ、久方振りだな」

「……浮舎(フシャ)か……フン、今度は貴様か……」

「そう言うな若陀よ。少しばかりの余興になるような話を持ってきたぞ」

「……聞こう」

 

ここは璃月に存在する『層岩巨淵』。

その特殊な炭鉱のさらに底にある場所にて、一匹の龍と一人の仙人が会話をしていた。

 

若蛇と呼ばれた龍の名は『若陀龍王』。

浮舎と呼ばれた仙人は『騰蛇大元帥・浮舎』。

彼らは璃月を統治する神『岩王帝君』に付き従う存在であった。

そして、彼らは層岩巨淵の魔物を滅することを帝君に命じられ、そして現在もその責務を全うしている眷属だ。

 

若陀の対応は素っ気ないが、その声色には少しばかりの喜色があった。

おそらく、久方振りの話題に内心喜んでいるのだろう。

 

「我がしばらくここを離れていた時があったな? あの時、帝君の召集で我らは渦の魔神と戦っていたのだ」

「フン……また我をここに置いたままか……もしや、我のことを忘れてはいないな……?」

「ハッハッハ! 若陀よ、お前の体は山のように大きく、そしていささか鈍重すぎる。あれは本当に突然のことだったのだ。もしお前が出ていたとしても、お前が璃月に着く頃には、すでに戦いが終わってたやも知れん」

「ヌゥ……しかし、我が眷属を送ることが出来たやも――」

「相手は渦の魔神の名の如く、海の上にいるのだぞ? お前の眷属では溺れてしまいかねない」

「グヌゥ……」

 

言い返されて困ったように唸る若陀。

そんな彼の姿は自分だけ仲間はずれにされてしまったと感じている人間のようであった。

龍なのに感受性が豊かな友の姿を見て、相も変わらずだとため息を着いた浮舎は続きを話す。

 

「その時にな、なんと岩と風を操れる少女に出会ったのだ」

「ほぉ……我が友のように複数の元素を……」

「少女――『蛍』に聞いてみたのだがな、我が弟である『陽天』のことは知らないそうだ」

「フンッ、我の友は数十年も前に死んだのだ。我らのような存在ではない、ただ複数の元素を操れる凡人が知るわけもない」

 

若陀の言う通り、複数の元素が使える少女――『蛍』がこの世界で目覚めたのは今から数年前。

それに対し、陽天が亡くなったのは、今から数十年前だ。

だが、浮舎にはもう一つの知らせがあったのだ。

 

「そうだな……だが、魈から聞いた話では、最近の璃月には我が弟らしき亡霊が道行く人を助け、すぐさま霞のように消えているそうだ」

「何!? それは真か浮舎よ!?」

「落ち着け若陀よ。だが、亡霊であるのが気がかりなのだ。あの人懐っこい陽天が、わざわざ亡霊の姿を取っているのだ。我々に合わせる顔もないとは思っていないだろう……いや、奴なら死ぬ間際のことで顔を合わせられないと思っていても不思議ではないな」

「……クハッ、クハハッ、ハーッハッハッハ! 奴ならあり得るのがさらに笑いを誘うな! なにも恥じることはないというのに!」

「フハハハハッ! 確かにそうだ!」

 

層岩巨淵の奥深くから一人と一匹の笑い声が木霊する。

 

彼らは、まだ帰らぬあの人懐っこい男の姿を思い浮かべていたのであった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「…………」

「応達、入るわよ」

「…………」

「……ハァ……」

 

ここはとある一室。

その部屋の主である『応達』と呼ばれた女性は、ただ呆然と寝台の上で怠惰な日々を過ごしていた。

そんな彼女に近づく一人の女性。

 

「ねぇ、もうそろそろ整理はついたかしら? 陽天のことについて」

「…………」

「帝君も彼の亡霊を追って、何処かへ行ってしまった。今の璃月の噂では『神すら惑わす悪霊』として広まって――」

「違う! 陽天は死んでなんかいない! あの子は生きてる! 彼から分け与えられた私の胸の中の『炎』がまだ燃えているの! だから! だから!」

「…………」

 

悲痛に叫ぶ応達。

 

彼女は戦うための仙人――『仙衆夜叉』として、戦いに赴いていた。

だが、ある時に業障に蝕まれ、発狂したのである。

それを止めたのが、話にも出ていた『陽天』である。

 

『応達姉、これで止まってくれよ! 絶対に死なないでくれ! あんたが死んだら、悲しむのは俺だけじゃないんだ!!』

 

その捨て身の技と、彼から渡された『炎』で一命をとりとめた応達であったが、彼女はその時に恋に落ちたのである。

しかし、そんな自身を救ってくれた想い人は数十年前に亡くなっている。

 

だが、応達はその事実を認められなかったのだ。

 

それを黙って見ていた女性――『伐難』は、ため息を吐いた後、ある行動に移した。

 

「応達、私を見なさい」

「嫌よ! 私は信じない! あの子が死んだなんて――」

「いい加減にしなさい!」

「っ!?」

 

突然の怒声に、応達は体を強張らせる。

恐る恐る伐難の顔を見た彼女は、驚愕に目を見開いたのである。

普段は泣かない伐難が、大粒の涙をこぼしていたのであった。

 

「ひっく、私だって、すがりたい、わよ……! 私だってあの子が大好きだった……! 自分だけに笑ってほしかった……! でもそれはあの子が望んでない……! だから我慢したのよ! でも、せめてもの想いを告げる前にあの子は死んだ! その日の夜は心が滅茶苦茶になった! だけど、彼としか思えない誰かが今もこの世界で誰かを助けてる! 私だって、今すぐその亡霊に会いに行きたい! あの子が死んでないと信じてるから!」

 

矢継ぎ早に自分の口からこぼれる言葉と共に涙が止まらなくなる伐難。

彼女だって、陽天のことは好きだった。他の男が好きになるとは思えないほど。

 

『伐難姉! ほら見てくれよ! 俺の神の目に色が付いたんだ! しかも応達姉と同じ炎元素!』

 

『応達姉! 一緒にご飯行こう! え? 食べ過ぎだって? そ、それは……戦ってるから実質ないも同然だって! ……な、なんで笑うんだよ!』

 

『伐難姉!』

 

『応達姉!』

 

『ごめ、ん、もっと、みん、なと、いたか、った……』

 

それほどの想いを胸に秘めてたのに、伝えるべき相手はもういない。

そうして時間が経つにつれて心がある程度の整理がつき、諦めようとしてたときに最愛の彼としか思えない亡霊が現れたのだ。

その時の伐難はもう心が滅茶苦茶だった。

 

――「諦めたかったのに希望が出来てしまった」と。

 

それを呆然と聞いていた応達は、一度は止まった涙をまた溢れさせながら泣き叫んでしまったのだ。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「なぁ婆ちゃん、その陽天とかいう野郎はイテッ!」

「年上への口の利き方は気を付けなさい一斗。それでも鬼かしら?」

「ケッ! そんなヘタレ野郎なんざ「さん」なんてつけなくていいんだよ! 婆ちゃんがこんなに生き遅れるまで待たせてるとかイテッ!」

「誰が生き遅れてるですって?」

 

ところ変わって、ここは海上隣国「稲妻」のとある屋敷前。

そこでは二人の鬼が向かい合って己の得物をぶつけあっていた。

 

一人は高い身長を持ち、鍛え上げられた肉体を持つ鬼の青年――『荒瀧(あらたき)一斗(いっと)』。

もう一人は、まさしく絶世の美女と表現される美貌を持つ鬼の女性――『御輿(みこし)千代(ちよ)』。

二人の関係性としては遠縁の親戚であり、一斗がまだ現在のような巨漢になっている今から十数年前の幼少の頃から遊び相手となっていたのが千代である。

 

そんな彼らは、稲妻を守る者としての修練を行っていた。

一斗は自身の背丈に届きそうなほど大きい金棒を重さを感じさせないほど豪快に振り、周りを抉り取るかのような勢いで暴力の嵐を振りまいていた。

片や千代のほうは、白刃の薙刀を巧みに使い、金棒をそらすという技術の高さを見せたかと思えば、金棒を正面から受け止めるという鬼としての怪力も見せていた。

そんな見れるものならモラを払ってでも見たいような修練の最中、一斗は言葉を漏らした。

 

「……でもよぉ婆ちゃん。寂しくねぇのか? そいつのことが好きすぎるから、今も独身なんだろ?」

「……そうね……」

 

一斗の言葉に、千代は青年――『陽天』が生きていた時のことを思い出す。

 

『よろしくお願いします皆さん! 俺は璃月から派遣された夜叉、陽天って言います!』

 

『……えっと、私が怖くないのかって? いや、そんなことは思ってないですけど……。……力が強いとか、見た目が人とは違うとかですか? いや、それなら腕四本もある浮舎兄とかいるし、強さなら仙人の皆とかいるし、角があるくらいなら甘雨姉とかいるし……。……なんで笑ってるんですかね? 俺そんな変なこと言いましたか?』

 

『アッハッハッハ! 月が綺麗なだけでも愉快だなぁ! はれぇ? これお酒なんれふか? うぇへへへへ……いいじゃないですか~そのくらい~』

 

『あの、この間のことは忘れてもらえませんか? 割と真面目にお願いします。帝君に知られるとちょっとどころかかなりまずいので』

 

『千代さん! 目を覚ましてください! 千代さん!』

 

思い起こせるのは彼との暖かい日々。

初めて恋に落ちたあのときの出会いだった。

 

「ま、もう生き遅れてるのは変わらねぇけどなへぶらぁっ!?」

「あなたはいつも一言余計よ一斗」

 

口が悪く、生意気な態度をとってはいるが、一斗自身は千代のことを心配している。

しかし、一言余計になってしまっているので、一斗は千代が振るった薙刀の石突で顎をカチあげられていた。

 

「いっつぅ……いてぇぞ婆ちゃん! 生き遅れなのは事実だろ!」

「黙りなさい一斗。……私自身も、彼のことをひどいとは思ってるわ。でもね一斗。あの人は守りたいと思ってるものが多すぎたの」

「はぁ……多すぎるねぇ……ま、七神様、それこそ将軍様すらも惚れ込んでるのに他の神様に手を出してる男だからな……誰かを守るために死ねるってのは漢の中の漢だ。……ってことはよ、そいつは実質、俺達『荒瀧派』みてぇなもんだろ?」

「あら? それはどういうことかしら?」

 

甥のような一斗の意味深な言葉に、思わず小首をかしげて聞き返す千代。

そんな千代に向かって、妙に真剣な表情で一斗は告げた。

 

「俺は鬼として、気に入った奴は俺たちの派閥、要するに仲間になってもらいたいんでな! 俺は正直言って婆ちゃんを置いてどっか行った奴としては気に入らねぇけど、漢としてなら興味がある! そして俺は稲妻一の漢! そいつと俺は絶対に気が合うはずだ! それこそ亡霊になっても誰かを助けようとする漢! さらにそいつは婆ちゃんを惚れさせてる……婆ちゃんは俺たちの仲間……つぅまぁり、そいつは俺たち『荒瀧派』の一員に変わりないってことだ! なーっはっはっは!!」

「シィッ!」

「いったぁ!!!???」

 

はた目から見れば訳の分からない理論を語る一斗の隙を突き、千代は半円を描くように振るった薙刀の峰で一斗の頭を強打した。

完全に油断していた一斗はその一撃をもろに食らってしまう。

 

「は、はれぇ? 婆ちゃんが二人に見えるぞぉ?」

「はぁ……変なことを言うのはやめなさい。岩神様の怒りを買うかもしれないのよ?」

「はのいとてほには~……ふんぬぅ! そ、その程度でビビると思ってるのかよ婆ちゃん? 俺は天下の荒瀧様だ! 絶対にそいつを仲間にしてやるぜ! そしたらよ、婆ちゃんも喜ぶだろ? 大好きだった相手がいるってことで!」

「……! ふふっ、よく言うわね。それなら、彼を超えられるようになってみなさい!」

「おうともさ!」

 

そして再び打ち合う二人の鬼。

 

その顔は非常に晴れやかであった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「……陽天はどこにいるんだろうね」

「どうかされましたか『王子』? ……いえ、今は『()()』でしたね」

「……よかったね。気づいてなかったら折檻だったよ」

「そ、それだけはご勘弁を!」

 

テイワットに存在するどことも知れない場所に、一人の異邦人とその従者がいた。

 

「ふぅ、危なかった……しかし、陽天様のことをお考えでしたか」

「そうよ……私の大好きな太陽――『陽天』の魂の欠片が、最近テイワット各地に出現してるってあなたが言ったでしょ?」

「そうですね……。姫様の血え、ぬおわっ!?」

 

従者が告げようとした言葉に即座に反応し、右手に呼び出した剣を振るう異邦人。

それを間抜けな声で回避した従者は、ドラゴンスパインのような冷たい目の主君を見て震え上がった。

 

「……次言ったら逆さ吊りの刑」

「も、申し訳ございません姫様!」

 

……威厳のある見た目に反して、自身より小さい主君におびえる従者の姿はある種の滑稽さを感じさせられる。

 

事情の知らない者が二人の姿を見ても、これが今のテイワットを騒がせている組織――『アビス教団』の上層部だとは思うまい。

 

「……それにしても、最近はピリピリしていますね? やはり陽天様のことでしょうか?」

「……そうね。陽天の亡霊がいることもそうだけど、風神、岩神、そして雷神が姿を消していることが気がかり……風神はともかく、岩神と雷神が自国を手放すとは思えない。そして、まず最初に岩神が姿を消したのかが気になる……」

「順番としては岩神、風神、雷神の順に姿を消しています。そして部下からの報告では……陽天様の亡霊に接触した瞬間、消滅する彼と同じように消えたということです」

「……私も、彼に出会えたら……一緒に逝きたいな……」

「姫様……」

「……冗談よ。まだ私たちには成すべきことがある。止まってられないわ」

「……最後まで、お供いたします」

 

そして彼らはその場から姿を消した。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

世界は一つの異物により世界の流れを大きく変える。

 

それがもたらすのは、生けるものすべての幸福か、それともすべての破滅か。

 

それはまだ誰もわからない……。







※あとがき※

今回はキャラ紹介ないよ
時間があったら追加します


※登場人物紹介※


・甘雨

どこぞの大手企業VTuberさんが愛してやまない人(半仙)
イッチには角をなでることを許すくらいには落ちてる
イッチから国を頼まれたので、少し(?)ワーカーホリックに拍車がかかってる
おいイッチ、早く来て休ませろ


・刻晴

草元素実装で強くなったらしい、自分の神の目ぶった切ろうとした人
こっちもワーカーホリックだけど、特訓の時間に向いてる分少しだけ症状は軽い
しかし、特訓してる最中にイッチとの時間を思い出して泣き出しちゃう人
おいイッチ、早く(ry


・凝光

部下二人がいつものように泣いてる光景を見てため息をついてる人
仕事と陽天のことしか考えてないと言われてる甘雨と、修行と陽天のことしか考えてないと言われている刻晴の二人を落としている陽天のことが気になっている
多分、イッチと出会うと時間さえあれば落とされると思う


・若陀龍王

本家では週ボスとして誰であろうと「凡人、身の程をわきまえよ!」というモラクス絶対殺すドラゴン
本作では、スパダリイッチによって摩耗する前に、自身の在り方を変えられた
そも原神での摩耗とは、時間によって記憶が削られることで次第に記憶が薄れていき、自身が何だったのかを律する知恵ある者としての機能がなくなることだと解釈している
それをイッチは「一人ぼっちで寂しくないのか?」と聞き、若陀を様々な人と接させることで、「彼らは守るべき友」という認識を更新し続けていたのである
今は浮舎と共に層岩巨淵に出現する魔物を退治したりしている

イッチが死んだときには、守れる場所にいたのに守り切れなかった鍾離先生にキレていたが、「気づいたときには私でも止められなかった! だが、陽天がアレを使わなければ誰もが死んでいた! 私だって彼には死んでほしくなかったさ! 神としての責務を捨てても彼を止めたかった! だが……だが! 私は神としてあることを優先した! 大勢を守るために愛している人を失った! 彼を守っていれば浮舎も! 魈も! 応達も! 伐難も! 弥怒も! 守るべき民も! すべて失っていた! あぁ……あぁ……! ……なぁ、若陀よ……私は愚か者だよ……」という鍾離先生の嘆きに口を閉じた


・浮舎

原作では記憶が摩耗し、自身が何だったのかを最期の瞬間にようやく思い出せたが、本作ではイッチが定期的に業障を焼き払ったり土産話を持って行ったので、そんなに摩耗はしていない
イッチのことは弟のように思っていて、張り切ってよく失敗するイッチをほほえましく思っていた
若陀龍王と共に層岩巨淵の魔物を倒している

イッチのことは死んではいるがどうせ帰ってくるだろうと思ってる
なんだかんだ諦めの悪い弟だから、と……


・応達

原作では業障に蝕まれ、発狂して亡くなった人
本作では、発狂したときにイッチの命を懸けた技で虫の息ながら生存し、イッチの力で分け与えられた『命の炎』のおかげで今も生きていられている
イッチのことは弟としても男としても見ていたけど、その事件で一気に落とされた
今回の話で一番精神を病んでる人でもある


まだ追加予定




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

服屋にて




海回





「あらぁ~ん♡ やっぱり写真で見るよりもかわいいわねぇ~♡」

「「「「…………」」」」

「あらん? どうかしたのん?」

 

「今度の土日に海に行かないか?」そう言ってきた青年に案内された服飾店にて、鍾離達は混乱の境地にあった。

 

眼前に立つのは、筋肉の塊とも表現できる頑強な肉体を袖の先から惜しげもなくさらし、時折それは彼女……彼女?の歓喜に呼応するように「ピクピク」と痙攣している。

そんな歴戦の戦士とも形容できる肉体を備えているにもかかわらず、その服装は華やかな少女が着るようなロリータ調な服である。

そして、それらの要素を差し置いて一番正気を削り取ってくるのは、その峡谷のように彫りの深い顔。

ギャップ萌えなんて軽く通り越し、ハッキリ言えば「情報の暴力」であった。

 

「あー、この人は俺がよく覗いてるネット掲示板のスレ民である『スケバンネキ』……の働いてる店の店長さん。今回の海水浴に行くための水着を作ってくれるんだってさ」

「そ、そうか……それは、ありがたい、ことだな……」

 

全員が固まってしまったことに気まずそうな表情で説明を付け加えたのは、彼女らを引き合わせた青年である。

青年は異世界からの来訪者である鍾離たちを受け入れ、彼女たちのことをネット掲示板の住人たちに相談しながら、目的もない現状を何とかしようとしていた。

そんな時にふと海へ行こうということが思いついたのである。

そのことを鍾離達へと話した青年であったのだが、とあることが脳裏によぎったのであった。

 

――「あれ? 鍾離達の水着どうすりゃいいんだ?」と。

 

「水着」……それは海水浴をするためには欠かせない特殊な衣服。

世の中には着心地、伸縮性など機能だけで選ぶ者もいるのだが、鍾離達と接してきた青年からしてみれば、「いや、皆にはできれば喜んでほしいし……」と、無自覚な独占欲を出していたのだ。

確かに世の中には機能性だけで選ぶことはおろか、普段着で泳ぐ者もいる。

だが、正直言ってそれでは風情がない以前に、自分を好いてくれている女性にそれをさせてしまうのは男としてみっともない。

そう考えた青年は、持てる伝手(ネット掲示板)を活かして、なんとか水着を作ってもらえる相手を見つけたのだ。

 

 

 

それが、目の前に立つヘラクレスと見まごう程の巨人であった。

 

 

 

容姿に関しては前述している。これが店の扉を開けた途端現れたのだ。

誰だって\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!(正気度喪失からの運命のダイスロール)である。

いくら異世界の大国を収める七神といえども、節穴(リハク)みたいになるのは必然であった。

 

「…………(目を閉じてこれは悪い夢だと心の中で何度も繰り返している)」

「お、大きいわね……千代と腕相撲しても勝てそう……」

「は、陽? この人は本当に神の目を持っていないの……?」

「残念ながら持ってないらしい。魔神でもないらしい。いやなんでこんなすげぇ人いるんだか……」

「あらん? 怖がらせちゃったかしらん? ごめんね~。乙女を磨いてたらこうなっちゃったの~」

 

「磨いてるのは漢女(おとめ)だろっ!」そう言いたくなった青年であったが、そこはかみ殺してことを進める。

 

「と、いうわけで、この店長さんとスケバンネキが水着作ってくれるとのことなので、頼んだ店長さんとスケバンネキ」

「任しときな。最高の仕事をしてやるよ」

「うふふ♡ 腕が鳴るわね~♡」

 

ココアシガレットをかみ砕きながら獰猛に笑った長身長髪の女性――「スケバンネキ」と、コキッコキッと肩を鳴らしながら笑みを深める店長。

見方を変えればアビス教団のような悪の組織幹部かと思われそうだが、その実態は街の片隅で服飾店を営んでいるただの店員とその店長である。

 

「……よろしく頼むぞ店長殿」

「はぁ~い♡ 1名様ごあんな~い♡」

「じ、爺さん!? 本当に行くつもりなの!?」

「そうおびえるなバルバトス。この方には悪意がない。それに、私と陽天、そして彼女との間には『水着を作る』という契約が結ばれている。契約の神として、契約をなかったことにはできない」

「そうだったっ! こいつ契約バカだったッ!」

 

「畜生ッ!」と言わんばかりに自ら死地(採寸部屋)に赴こうとする鍾離の背中を見送るウェンティ。

確かに、「契約」を掲げる神として契約を破るのはいかがなものかと思うが……まぁ死ぬことはないので大丈夫だろう。

 

そんな感じの一幕があった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

案内された採寸部屋で鍾離はある種、生きてきた中で久方ぶりと言っても過言ではないほど、心を虚無にしていた。

 

「鍾離ちゃ~ん? きつくないかしら~?」

「……いや、そのようなことはない」

「うふふ~♡ それならよかったわ~♪ 早く終わらせて陽天君に見せてあげないとね?」

「……そう、だな」

 

口癖のように「うふふ♡」と言いながら、目を見張る手際と繊細さで採寸していく店長。

なるほど、こじんまりした店とはいえ経営が続けられるほどの技術と実績はあるようだ。

 

採寸部屋に入る前にあった、モデルとなる服がマネキンに着せられて置かれている店頭。

そこに置かれていた服たちは素材もそうだが、「天衣無縫」と言わんばかりの綻びの無い出来だったことから大体は察せられる。

 

「物や技術が多く流通する璃月であっても、これほどの物は早々お目にかかれるものではない」と、神である鍾離からしてもそう思うほどだった。

そして、店長自身の外見からしてのインパクトの強さと、その心は上質な霓裳花(げいしょうばな)で織られた絹以上に繊細で丈夫だ。

どこまで行っても俗人である陽天と接してきた鍾離であるからこそ、相対する人の機微には聡い。

 

先程の気圧されていた態度は、ただ単純にすさまじいまでの情報量の塊と表現できる店長と出会ってしまったからだ。

 

肉体はテイワットにいた頃の部下――「浮舎」と同等……いや、それ以上の巨大さを誇り、それに対し心はそこらの貴女なんかよりもずっと乙女である。

 

こんな明らかに食い違っている情報が一度に襲ってきたのだ。

気圧されるのが普通である。

 

もっと言えば、時折見える服に隠されていた、素肌に浮かぶ「傷跡」。

それを持っている店長には何があったのか。

 

しかし、それを鍾離が尋ねる前に店長から切り出された。

 

「うふふ♡ やっぱり神様と言っても、同じ生きている存在で……()()()()()()()()()()()()なのね~。……昔の私とは違って、力もあるけどすっごく乙女でいられた。受け止めてくれる存在がいた……」

「……店長殿は、なぜそのような肉体を持っているのだ?」

「うふふ。それだけじゃ言葉が足りないわよ?」

「……店長殿はこの地球に住む一人の()()であるはずだ。私たちのいたテイワットのように女にも力がいるほどではない。……それほどの肉体を有しているのは、却って人から避けられてしまうのでは……?」

「そうね……。少しだけ昔話をすることになっちゃうわね」

 

そう言って店長は、採寸する手を止めないながらも自身の過去について話しだした。

 

「私の家は武家の家。それはこの現代であっても変わらない。言ってしまえば、頭の固い人たちがまだ自分は必要なんだと誇示したいがために続いた家ね。男が強いだの女は弱者だの、そんなことばっかり口にするような嫌な家。そんな家に、私は生まれたの。……とてつもない力を持ってね」

「……それがその肉体、か……」

「そうね。幼いころはここまでじゃなかったけど、それでも大人を投げ飛ばしたり、丸太を担いだりすることができるくらいには人間離れだった……。田舎で育ったその時の私は常識が分からなかったけど、学校に通い出してから自分がおかしいことに気づいたわ」

 

――「天性の肉体」と言えば聞こえはいい。

 

だが、その実態は明らかに人間ではない過剰なまでの力を持ったバケモノ。

これが妖怪などが蔓延り、英雄的力を持つ人が求められる時代だったらどれだけ喜ばれたことか。

 

しかし残念ながら、時代は現代。

それも戦争を経験し、戦うことを忌避するようになった国に生まれてしまえばさもありなん。

 

そこにいるのはバケモノだ……ということになる。

 

「いじめばっかりだったけど、仕返ししたら自分の力が強すぎて相手が被害者。一方的に私が悪くなってしまうわ。それなのに、家の人たちは戦うことしか教えてくれない」

「だが、今ここにいるということは……」

「ええ。逃げ出したわ。逃げて逃げて、山の中でずっと泣いたの。『なんでこんな力を持ったんだ』『私はバケモノなの』って」

「っ……!」

 

あまりにも悲痛な言葉に、鍾離は口を開けなくなる。

せめて時代が違えば……せめてもっと別の力があれば……こうはならなかっただろう。

鍾離自身、自分は人ではなく神だと定義しているが、もし自身が封印した渦の魔神のように人々から恐れられる存在となったら……。

想像することすら忌避するべきことだ。

 

――だが、鍾離には守るべき人がいたように、店長にも自身を変えてくれた人がいたのだ。

 

「でも、そんな時に私を引き上げてくれた人がいたの」

 

『ヘーイお嬢ちゃん! 俺っちとランデブーしない?』

『え?』

『レディの泣いてるフェイスは見たくねぇんだ! 今がバッドなら俺っちの愛車でドリームの彼方までテイクオフしようぜ!』

 

「言葉は滅茶苦茶だったけど、それでも私を変えてくれたすごい人なの。それこそ……恋に落ちるほどね……」

「そうか……」

「うふふ♡ そんな人が鍾離ちゃんにとっての陽天ちゃんみたいなのかもね? さぁ! 採寸は終わったわよ! 水着、楽しみにしておいてね?」

「……ふふっ、感謝する店長殿」

「殿なんて堅苦しいわよ~。気軽に店長でいいわ?」

「本当に感謝する店長。楽しみにしている」

「は~い♡ 次はウェンティちゃんよ~」

「僕、これが最後じゃないよね……」

 

そんな言葉を背に、採寸部屋を出る鍾離の顔は、非常に晴れやかなものだった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

それから数日後……。

 

「せいっ!」

「せりゃあっ!」

「はぁっ!」

「影!」

 

 

 

「…………」

 

 

 

「おいイッチ! 流石に下がれよ!」

「なんでビーチバレーで大砲みたいな音なるんだよ!?」

「ゲームってレベルじゃねぇぞオイ!」

 

 

 

「あの……」

 

 

 

「バルバトス! もっと高く上げろ!」

「無茶いうなよ爺さん!」

「姉さん私が受けます!」

「お願いね影!」

 

 

 

「その……」

 

 

 

「待て待て待て!! それ以上はアカンッて鍾離さぁん!?」

「雷落ちてるんですけど!? 突風どころじゃない風吹いてるんですけど!? 空晴れてるのに!!」

「収拾つかねぇぞこれ!」

 

 

 

「…………どうしてこうなったんやろなぁ……」







※後書き※

筆全然乗らねぇや……ブランクデカすぎんだろ……。





※登場人物紹介※

・イッチ
鍾離先生達と店長を引き合わせた張本人
皆が採寸されてる間、オフ会で何をするか掲示板の皆と考えていた
次回かわいそうな目に会う人ナンバーワン


・店長
過去がクソ重いけど、ファンキーな人に救われた頂上生物。
腕は確かだけど顔がやばい。
優しいんだけど顔がやばい。
作ってくれるのもすごいんだけどやっぱりやばい。
そんな人だけど人生謳歌してます。


・鍾離先生たち
店長の過去話とか踏まえていろんな話ができた。
店長とは友人になれて、結構うれしい。
次回、かなーりやばいことを起こす面々である



色々とあったけど頑張っていこうと思ってます。

感想や高評価、ここすき等などたくさんしてもらえると私のモチベーションが爆上がりします!

それでは皆様、また次回~

(・ω・)ノシ






目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。