救世の拳が掴み取る! (カオスサイン)
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プロローグ&キャラ設定集
プロローグ


Side?

「う、うああああああー!」

「無駄無駄!そんな鉛玉如きじゃこのイバラ様は倒せないぜえ!」

「あああああ!?……」

「み、皆…」

俺の名はセイヤ・キリツグ。

小さい時に両親が流行り病で亡くなってしまいとある暗殺結社の雑用係の一人として身を置かせてもらっていた。

頭領であるメラルドさんは少しばかり変な人だけど家事スキルを磨きに磨き続けてきていたおかげである程度の良評価を貰い、部隊のメイドさん達にもよくしてもらっていたので不満などなかった。

そんな生活を送っていたある日、俺は何時も通り食料確保精鋭部隊の数人のメイドさんと共に危険種狩りに少しばかり遠出していた。

其処で思わぬアクシデントに見舞われてしまった…腐敗の真っ只中である帝国が抱える暗殺拳使いの精鋭である羅刹四鬼の一人に偶然出くわしてしまったのだ。

イバラと名乗った男は此方が暗殺結社の一員であると知るといなや奴は襲いかかってきて次々と徹底応戦したメイド隊を手にかけていった。

やがて最後の一人も奴に殺されてしまい俺だけが残されていた。

「あン?なんだまだ残っているのかと思えば只のお荷物持ちのガキか…目撃者もいねえしそんなガキ相手にしたってオモシロくもなんともねえからとっとと失せな!」

「う、うわあああああー!?…」

イバラの言葉に俺はたまらず逃げ出していた。

皆ごめんなさい!…無残に殺されてしまったメイドさん達の事を思いながら俺は拠点へと帰還する事も頭になくて見知らぬ土地にまで逃げ続けてしまっていた。

持ってきていた備蓄食料も数日で底尽きてしまいいよいよ己の命運もこんな所で尽き果てるのかと倒れ伏した。

ババラさん、ダニエルさん、メラルドさん、そして俺の初恋の人であるカサンドラさんや他のメイド隊の皆…帰れなくてごめんなさい…。

だがそんな少年をこの世界の神は見捨てても決して見捨てなかった者達が居た!

それは…

「む?こんな所で行き倒れか…」

「ふむ…まだ息はあるようだな」

「ならば村に連れ帰って介抱するのだ」

その正体は北と南に輝く星を持つ者達だった。

~それから数年後~

「お師匠様方、今迄どうもありがとうございました!」

「うむ、くれぐれも我等がうぬに授けた拳、使い道を誤るでないぞ」

「理解しています!それでは…」

行き倒れていた俺はある人達の好意に救われ一命を取り留めた。

そして彼等に伝授してもらった数々の拳法で世を正していくと決意し惜しむも村を後にしたのだった。

「セイヤは大丈夫であろうか?」

「何を心配する事がある?唖奴は我等が課した地獄の様な特訓を耐え切った男だぞ」

「そういうラオウも震えているぞ?主に腕が…」

「ぬう!?…」

「ははは、天下の拳王様も流石に可愛い弟分が心配でたまらないか!」

「喧嘩を売っておるのかジュウザァ!」

セイヤを見送り出した数人の大男達は彼の事について語っていた。

「世を変えたい志は我々も同じだがこの村を長期間離れる訳にはいかないからな…裏切者も出てきてしまった事だし」

「まだ動くべき時ではないか…」

 

 



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零時代
旅劇団を救う!


Sideセイヤ

北南の村を一人旅立ちしてから数日後、俺はとある旅芸人の一団サバティーニ一座にスカウトされて共に旅を続けていた。

しかし俺と同時期に劇団に加入した二人の少女はなんか可笑しいな…女の子相手に拳は絶対に振るいたくないからなんとか穏便に済めばいいのだが…

「セイヤくーん!こっちの荷物運び入れといてくれないかしら?」

「あ、はい了解です!」

考え過ぎか?…俺はそう思い団員の一人であるアムーリャさんに呼ばれ再び作業に入った。

だがその時は訪れる…。

「団長さん話って何ですか?」

とある日の夜に劇団団長であるさんに招集をかけられる。

「うむ、君達にある提案があるのだよ…我々は実は只の旅芸人の一団ではない。

腐敗していく世を正す為に反乱軍に属する者達なのだ!」

「!」

団長であるサバティーニさんがそう話を切り出す。

成程、劇団を隠れ蓑にして密かに革命軍として動いていたって事か。

って待てよ?…これは非常に不味いぞ!?

団長さんは俺を含む新しく劇団入りした者達に革命軍に勧誘しようとしたのだろう。

だけどそれは…

「いきなりこんな事言われて困ってるかしら?でも世の中を変えたいという志は本物なのよ!だから…」

そこでアムーリャさんが俺の同期の一人であるツクシちゃんに一声かけたその時だった。

「答えは既に決まっていますよ?」

「!アムーリャさん!?」

ツクシちゃんが何処からか取り出した小銃をアムーリャさんに向けたのを見て俺は走り出す。

ドン!

「あら?…」

「あ、危なかった…」

「え?…」

俺は放たれた弾丸を寸での所でキャッチしなんとかアムーリャさんの危機を救う事に成功する。

アムーリャさんを撃ち殺そうとした当の本人は何故邪魔が入る?と疑問符を浮かべていた。

「サバティーニ一団葬る!」

「うおっと!?…」

「なっ!?(こ、コイツ早い!?只の団員だった筈!?…)」

邪魔をしてきた俺を脅威と感じたのかツクシちゃんと一緒に加入してきたアカメが斬りかかってくるが俺は回避する。

「ツクシくんにアカメくん!君達は真逆!?…」

「そうだ、私とツクシは帝国軍の暗殺部隊の一員だ…」

「なんだって!?…」

アムーリャさんを救った事で俺の事は一旦除外し団長さんはアカメ達の正体に気が付き驚いた。

彼女達が正体を露わにすると特にアカメと仲が良かった一人であったコウガさんも驚きを隠せず動揺していた。

「っと話の最中だけどここらでストップだ!」

「え!?…」

「なっ!?…」

奥義を使う訳にもいかないので俺はアカメ達が行動を起こす前に彼女達に急接近して秘孔を軽く突こうと試みた。

会話に集中していたおかげで反応が遅れて対応出来なかったアカメ達は力が抜けたかのように眠り出した。

「せ、セイヤ君、君は一体何者なんだ?…」

団長達はアカメ達をいとも簡単に無力化した俺に驚く。

「…俺はある暗殺拳を学び身に着け世を変える為に一人旅をしていたんです。

貴方方が革命軍側なら俺に敵対する理由は一切ありませんので安心して下さい」

「そ、そうだよ!彼がもしいなかったら私達下手したら全滅させられていたかもしれないのよ?!」

「そ、そりゃあそうだけどさ…」

アムーリャさんの言葉に同じ女性メンバーであるナタリアさんは口籠る。

「団長一体どうするんだ?」

そこで団員であるダンカンさんが団長さんに指示を促す。

「兎に角帝国側のスパイが入り込んできてしまった以上此処は今夜中に引き払う必要性が有るな…」

「それもそうですね…」

「あ…アカメ達の処遇はどうするんだ?」

「ううむ…それなんだがな…おいそれと決めて良い事ではない気がするのだ…」

「…」

アカメ達の処遇についてコウガさんが問い質すと団長さんは難しい顔をしていた。

そりゃあそうだろうよなあ…年端もいかない少女達を帝国側のスパイだったから処分するなんて簡単には出来ないよなあ…。

「では捕虜として扱いますか?」

「それが最善の手だろうな…では全だ…」

とりあえず方針が決定し団長さんが他の団員達に指示を出そうと大声を出そうとした時だった。

「!静かに!…外で団員じゃない気配を感じました!」

「何!?…」

俺は不穏な気配を感じ取って慌てて団長さんを止めた。

「俺が見てきやしょうか!」

「頼む!」

ダンカンさんが外の様子を調べに行くのを買って出ようとしたその時だった。

グサリッ!

「あぐっ!?…」

「ダンカンさん!?」

「ま、真逆!?…」

「(しまった!?既に敵が此方の動きを把握していたのか!…クソッ!?想定出来ていた筈なのに…)」

ダンカンさんはテントを突然突き破ってきた剣に刺されてしまっていた。

そこで俺達は漸く自分達が既に敵に完全包囲されている事に気が付いた。

ダンカンさんは斬られて外に放り投げ出されてしまったのを見て俺は即座に行動を起こす。

「邪魔させてもらうぞ反乱分子の雑魚共!」

「暗殺部隊の本隊!?…」

「い、嫌あああああー!?」

剣を持った男が俺達が居るテントに侵入してきて得物を向けてきていた。

逃げ場を失って団長さん達は冷静でいられない。

「ン?…アカメにツクシがやられているだと?…」

男は倒れて眠っているアカメ達の姿に気が付き訝しむ。

今だ!俺は北斗神拳奥義の一つである影の歩を繰り出して男の背後に接近し秘孔を突いた。

「何っ!?…ざ、雑魚が何時の間に俺の後ろに!?…それに体が動かん!?…」

「俺の影の歩に気が付けないとはまだまだ甘いな!経絡秘孔の中の一つ、「椎神」を突いた。これでテメエはどうあがいてもこの場からしばらくは動く事が出来なくなった!安心しろアカメさん達の仲間なら今はまだ殺しはしない」

「ぐっ!?…」

「さ、外に早く出ましょう!」

「あ、ああ…」

秘孔を突かれて動けなくなった男を放置し俺達はテントから脱出する。

アカメさん達は抱えられる余裕など無いので男と一緒だ。

そして外に出ると数人の男女が待ち構えていた。

「団長さん達は下がって!俺が一人で奴等の相手します!」

「き、気を付けてね!…」

「ああ!」

アムーリャさんに心配されたので俺は返答し前へと出た。

「チーフがやられるなんて…」

「安心しろ殺してはいない…他の二人も命の保証はしている」

「信用出来っこないね!」

どうやらさっきの男がリーダー格だったらしいな。

眼鏡をかけたやさ男が鞭の様な武器を振るって俺の片腕に巻き付けてくる。

「甘いぞ!」

「んなっ!?…」

俺は鞭をするりと抜けやさ男に急接近する。

「たっ!」

「うっ!?…」

動揺した隙を突いてさっきのリーダー格の男と同じ秘孔を突いて動きを封じる。

「やあああー!」

「帝国の敵め!」

其処に小柄な赤髪ポニテの少女と金髪巨乳美少女が二人同時に仕掛けてくる。

「やりにくいったら…カワイコちゃんは大人しくおねんねしてな!」

「は、早い!?…」

「何!?今の動き!?…」

アカメ達と同様に少女達を強制的に眠らせてやる。

「グリーン、コルネリア、ポニィ!?クソが!レイアーススーツ!」

「この感じ!…恐らく臣具か!…」

残った大柄な男は仲間の名前を叫びながらヒーロースーツの様な物を纏って突撃してきた。

「ふっ!」

俺は軽くじゃコイツは戦闘不能には追い込めないと思い剛の拳の一発を振るう。

「甘いな!」

「むっ!?…」

大男の体が土と化し姿が消える。

あのスーツの能力か!

だとすると…俺は感覚を研ぎ澄まして奴の居所を探る。

「其処!」

「ぐわっ!?…」

俺の足下から奇襲をかけようとした奴の頭を掴み上げ捕獲する。

「アンタみたいな奴の相手は面倒だからこのままブッ飛んでいきやがれええええー!」

「嘘だろおいいいいいーー!?…」

俺は奴を空高く放りブン投げてやった。

予想外だったのか奴はそのまま驚きの声を上げながら森林方面へとブッ飛んでいったのだった。

「す、凄い!…ホントに一人で撃退しちゃった…」

「さ、敵の増援がやって来る前に!」

「あ、ああ…」

敵を片付けてすぐに俺達は殺されてしまったダンカンさんやその他の団員達を回収しこの場を離れるのを急ぐのだった。

 

それから数分後、Side?

「何だあ?…この惨状はあ?!」

俺の名はゴズキ、羅刹四鬼の一人で帝国暗殺部隊を率いる男だ。

そろそろ標的を仕留めている頃だろうと様子を見に来てやったら暗殺部隊は皆明らかに可笑しな様子だった。

それ所か人数も足りない。

よもやあの程度の規模の反乱分子にやられたとでもいうのか?

「おいグリーン」

「は、はい…やっと動けた…」

「ったく、一体どういう事か説明しろや!」

「そ、それが…」

何故か突っ立っていたグリーンに問い質した。

「何だって?…」

「も、申し訳ありません!真逆只の旅芸人一味にあんな奴が居るとは予想外でして…」

聞けば団員の何人かは始末出来たが現れたある男にグリーン達は手も足も出せずに瞬く間に戦闘不能にされたとの事。

しかも肝心なメインターゲットであったサバティーニを含む数名には逃げられてしまったとの事だった。

「クソがっ!…オネスト大臣に何て報告すりゃあ良いんだよ…」

「手配書を帝都中に回しますか?」

「いや、恐らく無駄だろうな…」

「そうですか…」

何処のドイツだか知らねえが必ずこの失態は埋めてやる!…

 



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筋肉馬鹿を断罪する!

Sideセイヤ

帝国の暗殺者刺客からサバティーニさん達を守って数日が経ち、俺は劇団を脱退する事を決めた。

アムーリャさんやナタリアさんには引き留められたのだが自分が此処に居続けていたら劇団の皆に迷惑がかかるのではないかと言い聞かせて後にした。

そして

「このエリアか」

立ち寄ったある村でとある帝国貴族に嵌められてその冤罪で捕まってしまった娘が数日前に当の貴族が亡くなった事で釈放される筈であるのに未だに帰って来ないという話を耳にしたので俺は詳しく話をその娘の両親から聞いて依頼を受け持つ事にした。

「この辺りは危険種も多いが…」

村からのルートを辿って件の少女を探し回ってみたものの一向に見つけ出せずにいた。

「真逆!?…」

俺は嫌な予感を感じてそういえばこの先に洞窟があったなと思い出して急いで向かった。

「やはり侵入者を拒む罠が!…こんなもの数日前迄はなかった筈…」

洞窟の前まで向かうと見覚えの無いトラップが仕掛けられていた。

俺は即座にトラップを搔い潜り洞窟の奥へと足を踏み入れた瞬間…

ドゴン!洞窟の壁が勢い良く崩落したかの様な音が響き渡ってきた。

「ああ!?…」

「間に合え!」

見ると件の少女が劇団の時にも居たあの大男に襲われそうになっていた。

俺は即座に駆け出してなんとか少女を抱え込んで救出する事に成功する。

「大丈夫か?」

「え、ええ!…」

「早く帰るといい!君の両親が待っている」

「あ、ありがとうございます!」

少女の無事を確認し脱出したのを確認して俺は大男に向き直る。

「標的が!?…て、テメエは!…」

「よう、また会うとはな大男」

奴も俺に気が付いて驚く。

「オイテメエ…標的とか言ったようだがあの少女に何をしようとしていたあ?!」

「そ、そんなもん決まってんだろ!あの女は犯罪者だからこの俺様が処分してやる所だったんだよ!」

大男はそう答える。

だが

「ふざけるなあ!あの子は冤罪の濡れ衣を被せられたむしろ被害者だったんだよ!そんな事もロクに知ろうとせずにテメエはその手にかけようとしていたのかあ!?」

「!?嘘だな…お、俺様を騙そうとしたってそうはいかないぞ!」

「聞く耳持たないか…」

俺の怒号に大男は僅かばかり動揺するがむしろ俺の事を悪者にしてこようとする。

只腐れ切ったお上に命令されるがままに罪無き少女の命を奪おうとしていたのだ。

「テメエにはサバティーニ団員の件もある。

きっちりその罪も償ってもらおうか!」

「ば、馬鹿にしやがってえー!」

逆切レを起こした大男は此方へ突っ込んでくる。

あのスーツの能力が厄介だ。

ここは北斗の奥義ではなく南斗聖拳の奥義で対応するしかないな。

「喰らえー!」

「とああーー!」

大男と俺の拳が交差する。

「へへっ、どうだ?!…!?がああああー!?…」

技が決まったと大男は確信したようだがそれは大きな間違いであった。

男の両腕から鮮血が勢い良く溢れ出し激痛に悶える。

「南斗鳳凰拳奥義<極星十字拳>!!あの人達から学んだ奥義の数々、テメエ如きに見切れる程甘くはないぞ!」

「く、糞っ!?…コレならどうだ?!」

奴は悪足掻きに土壁を生成して突っ込んでくる。

「ほーわぁっったったあー!」

「ぐああああ!?」

俺はカウンターで拳の連撃を土壁を貫通して喰らわせた。

「うぐっ!?…」

「北斗神拳奥義<有情猛翔波>…本当なら更に重い一撃を与えてやりたい所だがテメエも腐敗した帝国の被害者の一人であるという事には違い無い…残り少ない命で犯してきた罪と向き合うが良い…」

「う…親父…コルネリア…皆……」

拳を喰らってボロボロになった大男に俺はそう言い放ち洞窟を後にした。

 

Sideガイ

「俺は…」

セイヤの拳の連撃でボロボロになった大男、ガイは涙を流す。

本当の親の顔も知らぬまま、ゴズキに拾われ暗殺部隊の一員として育てられ彼を本当の父親の様に慕って仕える国の為にも言われるがままに己の拳を振るってきた。

仕える国そのものが実はかなり悪質であった事になど一切気付けずにただ反乱分子だから…親父に命令されたからという理由だけで多くの命を奪っていた事を今更ながら深く懺悔した。

今回はサバティーニ劇団襲撃の際にあった謎の青年と偶然鉢合わせし再び戦うもあっさり返り討ちを喰らってこのザマである…只命令されたままに戦っていた自分と真に守るべきものの為に戦っている青年とではその拳の重さが違ったのだ。

最後にそんな彼に対し罪無き少女の命を奪い更に己が罪を重ねようとしていた自分を止めてくれてありがとうと謝罪と感謝の言葉を呟きながら静かにその命の散らせたのだった。

 



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本当の敵を見据え、本当の友を作る!

Sideセイヤ

「む?…」

ある日宿泊した旅館でふとどこか懐かしい気配を感じ取ったので旅館内を散策していたら衝撃的な場面に出くわした。

「何やってんだ君ら!?」

「!?」

「アンタはサバティーニの時の!?…」

旅館の裏庭で刀を持った覚えのある黒髪ポニテ美少女と劇団の時の金髪美少女が戦っていた。

二人は俺の姿に驚いておもわず手を止めた。

「何があったか知らないけどこんな所でやめろ!」

「止めるな!」

それでも黒髪ポニテの方は攻撃の手を再開しようとする。

「しゃあねえ…ほ!」

「なっ!?…」

俺は仕方無く彼女に近付いて秘孔を突いて動きを封じた。

「アンタ一体…」

「君もタエコさんも落ち着いてくれ」

「何故私の名前を知って…!?真逆お前!?…」

俺が黒髪ポニテ少女の名前を呼ぶと彼女は驚くと同時に気が付いたようだ。

「何年振りだろうかな…」

「やはり…」

「ああ、元は組織のしがない雑用係だった男だよ」

俺のその言葉に黒髪ポニテ少女、タエコさんは確信を持ったのだった。

 

Sideタエコ

「生きていたというのか!?…」

私は暗殺結社オールベルグの一員である無常の風タエコ。

私は帝国暗殺部隊のメンバー暗殺依頼を師と受け持ち標的の一人であるコルネリアとの戦闘に入った。

だが其処にある男が現れて驚いた私達だったが攻撃の手を緩める訳にはいかずそのまま斬撃を再開しようとしたのだが現れた男に急接近され触れられたかと思うと突然身体がいうことを聞かなくなってしまった。

全然動きが見えなかった…しかもそれを行った者の正体は組織に数年前に組織の物資遠征部隊が壊滅させられた事件が起きてその件で唯一生死不明扱いになっていた只の雑用係だった筈の少年、セイヤ・キリツグであったのだから驚いた。

私自身は彼との繋がりはほとんどなかったが作る料理が絶品だったと一部の者達がしばらくの間意気消沈していたのを思い出したからだ。

「其処の彼女を斬っても虚しくなるだけだ…それはタエコさん自身が良く分かっている筈だ。

あの大男と違ってな…本当に斬るべき敵は他に居る事もよ」

「私は…」

私はそんな彼に言われ最初は標的であると知らずに友となったコルネリアを見た。

そうだ…彼女は只腐った帝国の上層部に言われるがままに革命軍を討伐してきただけ…そんな彼女を斬った所で現状が何ら変わる訳じゃない…私は友を斬ろうとしただけに過ぎなかったのだ。

「たまには自分の気持ちに素直になっても良いと思うぜ?暗殺者としては失格なんだろうけどよ…」

「そうしても本当に良いのだろうか?…」

「それを決めるのはタエコさん自身だろ」

「だとしても…」

彼の言葉を受けて私はますますどうすれば良いのか分からなくなった。

「大丈夫だ、ババラさんに説教喰らいそうなら俺も一緒に受けてやるよ」

「…」

そうセイヤは言う。

一方のコルネリアはセイヤの事を激しく睨みつけていた。

 

Sideコルネリア

「ねえ…アンタの発言で気になった所があるんだけどもしかして…」

私はタエコとの戦闘を中断し現れた青年に質問した。

この間ランク昇級試験で密かに想っていた同じ部隊のガイ君が予定時間を過ぎても一向に帰って来ず後日洞窟でボロボロになっていた遺体となって彼が発見されたからだ。

「ああ、奴を仕留めたのは俺だよ…」

「!やっぱりアンタが…どうして…どうしてよ!?…」

青年はあっさりとガイ君を殺した事を認め、それを聞いた私は悲しみを堪えながら青年を問い詰めた。

「今迄は革命軍や犯罪者の人間だったのだろうがあの男は冤罪を被せられた無実の少女を只標的だからと何の疑いも持たずに手にかけようとしていた…だからこそ俺が止めたんだよ」

「…パパが間違っているとでも言いたいの?」

「パパというのは君達の指揮官か?ならソイツは間違い無く腐った国に同調して自分達だけに都合の良い事をしているだけに過ぎないな」

「そんな事…」

青年がパパの悪口を言ったので私はたまらず反論しようとした。

「標的の指示を出しているのはパパなんだろ?だがしかし君達自身でその人物の事を少しでも深く知ろうとしていたのかい?」

「そ、それは…」

青年の更なる追撃の言葉に私は反論する余地すらも与えられず口籠るしかない。

そういえばアカメも仲を深めていっていた標的に対して情を感じたが結局始末したという事を思い出した。

彼女も相当に苦しんでいたんだ…私達が今の今迄やってきた事って一体…

「苦しいなら俺が助けてやるよ…どの道君達のパパはブチのめしてやらないといけないみたいだからな」

「私がアンタの事をパパに報告するって思わないの?」

「ん?だって君には引っ掛かる事があるんだろ?まあ報告されても俺は負けないけどな!」

あっけらかんと青年はそう答えた。

どうやらこっちの考えは完全に見透かされていたようね…。

だったらもう良いのよね…。

「タエコさん、一度すれ違ってしまった仲だけど私と本当の友達になってもらえないかしら?」

「あ…ああ私もそう思っていた所だった」

私は自分の持った気持ちに素直になる事を決め改めてタエコさんにお願いした。

どうやら彼女もそう思ったようであっさりと受け入れてくれたのだった。

 

Sideセイヤ

無事に二人は互いに命の奪い合いをやめて仲直りしたようだった。

「それじゃあええっと…」

「コルネリアよ、貴方の名前も聞かせてもらえるかしら?」

「セイヤ・キリツグ、元雑用係の今はいち拳法家の旅人だ」

互いに自己紹介を交わした後に俺はコルネリアさんに聞いた。

「コルネリアさん、今の所は早く戻った方が良い…帰ったらイバラという男の事を調べて欲しいんだ」

「分かったわ。それとなくパパに聞いてみるわね」

敵の情報を探る為に俺はコルネリアさんに頼んだ。

コルネリアさんの事を見送った直後、今度はタエコさんと話す。

「今更だけどお久し振りですね」

「ああ…よもやこの様な形で再び会うとは思わなかったが…はっ!?そういえば師匠は!?」

「!」

タエコさんは思い出したかのように裏庭を飛び出して行く。

俺は慌てて追いつくも彼女は青い顔をしていた。

「師匠がまだ帰って来ていないんだ…帝国暗殺部隊の男性メンバーを討伐しに山岳方面へ向かったのだが…」

「真逆!?…急ごうタエコさん!」

「あ、ああ…」

タエコさんの師であるババラさんの身に何かあったのだと察した俺達は急いで救援に向かった。

だが…

「し、師匠!?…」

「これは…」

向かった山岳地帯の周囲は爆発したかの様なクレーター跡がありその中心部にはある物が落ちていた。

「そんな!?…」

それはババラさんが身に着けていた腕輪の破片だった。

「…恐らくコルネリアさんが言っていたパパが出てきて追い詰められた末の自爆って所だろうな…」

鞭持ちのあの眼鏡のやさ男は兎も角、剣を持った青年の相手はいくらあの婆さんでも相当厳しかった筈だ。

そこに更に指揮官クラスの増援があったとなっちゃあくたばってしまったのも無理はないだろう…。

俺は悲しみに暮れるタエコさんを励ますしか出来なかった…。

「私は一度拠点へ帰還する、師匠の訃報を報告しなければならないからな…セイヤお前はどうするんだ?」

「俺はしばらくそっちに帰る気はないよ…後出来たら俺が生存している事は報告しないでおいてもらえると助かる…何か不都合が起きたら困るしな…」

「分かった…ならまた再び逢うその時までか」

「ああ!」

俺はタエコさんと一時別れ又一人旅に戻るのだった。

 




タエコとコルネリアちょっと強引ですが生存させられました!
ババラさんは流石に無理でしたが…感想お待ちしています。


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外道マッドを断罪する!

Sideタエコ

「以上で報告を終了します」

「なんと!?…」

「そう…あのババラがね…」

旅館での一件を終えて私は組織へ帰還し師匠の訃報を報告した。

勿論セイヤの事やコルネリア達の事は彼との約束で報告しなかった。

報告を聞いて師匠に対して恋慕の気持ちを抱いていたダニエル殿は悲しみの涙を流していた一方、首領であるメラルド様は仕方無いかといったかの様な顔をしていた。

「如何されましょう?一度しくじってしまって組織の信用が落ちてしまっていますので…」

「恐らく敵には羅刹四鬼クラスの者が居るとみて間違いはなさそうね…ここは一旦様子見してから今後の方針を決めましょうか」

「承知致しました」

とりあえずは今後の活動方針は保留になったみたいだ。

「!?」

報告をし終えて部屋を出た所である人物に急に陰に引っ張り込まれた。

それはメラルド様の側近のメイドの一人であるカサンドラさんだった。

何故か笑顔なのに笑っていない気がするんだが…

「…ねえタエコさん、なんで貴方からあの子の匂いがしてきているのかしら?…」

「!?」

カサンドラさんは私の体を嗅ぎながらそんな事を言ってきた。

「あ、あの子って一体どの?」

「とぼけないで…この匂いは間違える筈が無い!行方不明になっている筈のセーくんのもの!」

「はい!?…」

ちょっと待ってえええええー!?私は慌てて彼女の口を塞ぐ。

「ちょ、ちょっと落ち着いてくれ…カサンドラさんにだけは言うしかなさそうだ…私もホントに偶然おもわぬ形の再会で彼に助けてもらったんだ…」

「そ、それじゃあセーくんは生きているの?!」

「あ、ああ…あの頃よりもずっと逞しくなっていたぞ…だがしばらくの間は此方に帰る気は無いそうだ…彼の事はメラルド様や他の者達には言わないでほしい」

「分かっているわ!メラ様や他の子達にそんな事言ったら彼をとられちゃいかねないから!」

「?そうしてくれると助かる…」

何々だこの変わりよう!?…普段の彼女の様子からは想像出来ない様な豹変振りだった。

私はそんな彼女に恐怖を感じてつい約束を破って喋ってしまった。

う、迂闊だった…。

 

その頃、Sideコルネリア

「ねえパパ…イバラさんって人知ってる?」

「ンあ?イバラは俺の同期だが…コルネリア、何で急にお前が奴の事を?」

「ちょ、ちょっとね…」

「?」

劇団の時に現れた青年に命を救われて彼に調べて欲しいと頼まれた人物の事をそれとなくパパに聞いてみたなんとパパの同僚だったようだ。

疑われたかしら?…

 

そして同じ頃、Sideセイヤ

「!?…何か今凄い悪寒が…むっ?あれは…」

一人旅を満喫していてふと俺は悪寒を感じたがすぐにある光景が目に入った。

それは殺し合いの場面だった。

その中にはアカメに似た容姿の子が居た。

真逆別の暗殺部隊の子達か?…しばらく陰に隠れて見ているとカチューシャを付けた可愛らしい少女が油断して斬られてしまっていた。

相手の方は既にほぼ全滅しているらしくすぐに戦いが終わりその子を急いで搬送しなきゃならないみたいだ。

調べてみる価値はあるか…俺はそう思い影の歩で少女達を尾行した。

「此処は!…」

誰にも気付かれずに辿り着いたのは明らかな実験施設だった。

俺は少女達から離れて裏口へと回って施設内への侵入に成功する。

「!」

すぐに独房の様な場所を発見し陰に潜む。

すると直後に先程の少女達がハゲたおっさんによって収容されてしまっていた。

「相手に強者が居たとはいえ犠牲を出したのはお前達のチームだけだ。

しっかりと猛省するがいい…よって定期投薬はしばらく行わんぞ」

「!…」

会話内容から察するに薬物依存か!…ン?という事はさっきの斬られた少女は!…

嫌な予感を感じて即座にその場を離れて件の少女の病室を探した。

幸いすぐに其処を特定出来て侵入した。

すぐに駆け寄って少女の状態を確認すると薬の効果でまだ眠っているようだ。

俺は念の為病室内を探りドア付近の壁から非常用であろう隠れ通路を発見出来たので其処に隠れ潜む事にした。

「No.32、起きろ」

そう少女を呼びながらさっきの糞ハゲ野郎が入ってくる。

「はっ!?…も、申し訳ありませんでした!傷が治ったら次の任務で必ず挽回を…」

「いや、お前はもう不要なのだ」

「え?…」

目覚めた少女はハゲ野郎にそう言ったが次の奴の放った一言で思考停止してしまう。

「確かにお前は役立った…だがしかしお荷物は不要なのだよ。

最後はせめて幸せに逝くが良い!」

「い、イヤ!?…」

そうとんでもない事を言い放ったハゲ野郎の手には注射器が握られていた。

させるかよ!

「吐き気を催す外道だな!」

俺は壁から飛び出してハゲ野郎の背後をとった。

「!?」

「なっ!?…何者だ貴様!?…どうやって此処に侵入した!?」

「問答無用!アアッタァー!」

「ぐおっ!?…」

俺はマッド糞野郎の頭を突く。

「?…はははは!何かと思ったら只の苔脅しだったか!貴様を即刻排除してくれようぞ!」

マッド野郎は己の異変に気が付かないまま持っていた注射器を刺そうとしてくる。

が…

「!?な、何故だ!何故儂の体が全く動かぬ!?…」

「秘孔「新壇中」を突いてやった。

テメエは俺が解かない限り永遠に動く事は出来なくなった!」

「な、なんだと!?…き、貴様!この儂が誰だと…」

「悪党の名なぞに興味は無え…テメエには最も相応しい死よりも恐ろしい罰を与えられよう…テメエが抱えている子供達は全員引き渡してもらうぞ」

「ククク…!あの者達には幼少から睡眠学習を用いて意識の底から帝国を裏切らぬように徹底に施されている…助け出した所でその意識は変わらず貴様等に敵意は向けられるだろう!」

「そうか…聞いてもいねえのに口を割ってくれてありがとよ…地獄に落ちるのはテメエ一人で十分だって事が良く分かったぜ」

糞マッド野郎は最後の悪足掻きにそう言い放ってきたが北斗三千年の歴史の中で培われてきた秘孔医療術の中には不要な記憶を消してまともな第二の人生を歩ませる

事が可能な精神治療が出来る秘孔もある。

トキさんに此処に居る子達を診察してもらえばそれが可能だ。

あの子は俺が面倒みるから良いけど。

「ちょっと良いかな?」

「あ、あの?…」

さっきまで糞マッド野郎に殺されそうになっていたきょとんとした表情をした少女に近付いた俺は応急処置を施す。

「すー…」

少女が秘孔の効果で眠った事を確認して俺は施設に居る残りの子達も眠らせて助け出した。

その後…

「おうセイヤ!急に呼び出されたかと思えば仕事の依頼だったか!」

「バットさんお久し振りです!早速で悪いのですがこのズタ袋をアミバさんに、この子達をトキさんの所で診てもらえるように届けてやって下さい」

「長い事運送業やってきたけどこれだけの人数の人間の運搬を頼まれるとはなあ…了解だ!料金もちょっぴりだけ割り引いておくからよ!」

「ありがとうございます!」

俺は運送業を営んでいるあの村で出会ったバットさんに連絡を取って助け出した子達を村まで運んでもらうように依頼した。

ちなみにズタ袋には拘束した糞ハゲマッド野郎が入れられている。

精々純粋な子達の心と体を弄んだその罪、生地獄を味わいながらしっかり償うがいいさ。

 

 




なんか書いててドラ子がヤンデレ化しかけているな…。
セイヤの怒りを買った糞ハゲマッドことビルはアミバの刑に処されました。
久し振りに秘孔研究出来てウッキウッキなアミバによって木偶という名の原作よりも恐ろしい生地獄を一生味わされる事になるでしょう。
クロメ達はレムスちゃん以外はトキの所で纏めて面倒みてもらう事に。
強化方針どうしようかな?


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帝国軍を断罪し、狂う歯車を正す!

Sideセイヤ

「体はどうだい?」

「あ、パパ~!どうもしないよ~?」

「それなら良いんだ」

糞ハゲマッドの非道な手から救った少女レムスちゃんは俺の秘孔医療術によって薬物依存の症状は完治、根底の帝国への不要な忠義心が綺麗さっぱり消え去り普通の少女として第二の人生を手にすることが出来た。

彼女の普段の振る舞いから孤児などではなく何処からかか誘拐された挙句に兵士にされてしまった御嬢様なんだなと俺はあたりをつけた。

何故か俺の事をパパ呼びしてくるがそれももう受け入れた。

恐らく彼女の本当の親はもう生きてはいないだろうしな…立派に親代わりを務めてみせようさ。

さてとこの子にこれ以上の野宿をさせる訳にもいかないからここらで宿をしばらくの間取るとしようかな。

そう思って俺は通りがかった村を訪れようとしていたその時だった…。

パチパチ…

「何この音―?…」

「真逆!?…」

レムスちゃんも聞こえてくる物音に疑問を感じ俺は嫌な予感を感じたので急いだ。

「これは!…」

それはやはり村が火事に遭っている所であった。

それも一軒や二軒じゃない村全体が炎に覆われてしまっていた。

只の放火とかではないなと感じた俺はレムスちゃんに急いで隠れてくれと言って様子を見に行った。

其処では…

「ヒャッハアー!決められた税を納めぬ者達などこの国には不要だー!」

「うわあああー!?」

「お、お許しをおー!…」

「酷え!…」

其処には帝国軍の者達が持っている火炎放射器や武器で村の人々を襲っていた。

「ならテメエは地獄の閻魔様にでも許しを請い続けるんだな!」

「なにアチチチ!?……」

これは帝国軍による焼き討ちだと確信し俺は当然その凄惨な光景に怒りを感じて帝国軍の一人から火炎放射器を奪い取って問答無用に浴びせて襲われてた村人を救出し逃がした。

「き、貴様一体何のマネだ!?」

「テメエ等、一歩でもその場から動けば命は無いと思え…」

「何をおおお?!だったら貴様から血祭にしてやろうかあー!」

「忠告はしたぞ…あちゃあ!!」

尚も非道を続ける帝国軍に警告を促すが当然のように襲いかかってきたので俺は遠慮無く奴等に回し蹴りを入れた。

「?…だははは!全然当たってないでやんの!」

「いや直撃しているさ…お前達は既に死んでいる」

「何…ふげべええ!?……」

「あぎゃらぴいいー!?……」

北斗神拳奥義<北斗円環斬襲脚>…目にも止まらぬ回し蹴で敵の秘孔を突く技だ。

俺を取り囲んでいた帝国軍兵達は断末魔の叫びを上げてこの世から跡形も無く消え去った。

「むっ!?…こ、これは!?…」

村の奥まで向かってみると大勢の村人の男達が帝国軍に拘束され張り付けにされてしまっていた。

「う、うわあああー!?」

「お父さーん!…」 「あなたー!…ど、どうかお慈悲を!…」

「そらそらー!帝国に歯向かった罰の執行だー!」

悲痛な声を上げる母娘をよそに帝国軍兵達は喜々としながら火炎放射器を向けようとしていた。

「ショオ!」

俺は急いで拘束具を纏めて叩き割いて彼等を解放した。

「な、なんだあ貴様はー!?」

「!?」

俺は無言で奴等に殺気を飛ばして動きを封じさせた。

だが…

「逃げようたってそうはいかんぞ!さあ、やるのだ!」

殺気の範囲外に居たリーダー格らしき人物が逃げ遅れた村人を拘束していた。

だが様子が可笑しい。

「ぼ、僕にはとても出来ません…」

兵達の中で只一人火炎放射器を向ける事を躊躇している者が居た。

「ああン?!」

「だ、だってこ、ここまでするだなんて聞いていませんよ!…」

「五月蠅いボルス!ワシが貴様の事を口添えしてやった恩を忘れたか!もういい!貸せ!」

「あ!?…」

リーダー格は処刑を躊躇していたボルスと呼ばれた人物から得物を奪い取って向けようとしていた。

だがそんな事はさせない!

「だったら俺が代わってやろうか?」

「おう?この楽しみが理解出来る奴が居るとはな!ほらよっと!」

「ひっ!?…」

俺はそうリーダー格の男に声をかけると男は無警戒に手渡してきた。

「さあ、見せてくれ!」

「ふん!」

当然俺は村人ではなく帝国軍リーダーに火炎放射器を向け放った。

その隙に急いで村人を安全な所まで逃がす。

「…ぎゃああああ!?アチイー!?…」

「ちょっと火力が足りんかったみたいだな…」

リーダー格の男は服がちょっと燃えるくらいだったのですぐに鎮火される。

「き、貴様ー!ワシが帝国軍の一部隊を率いるメラギ様だと知っての愚行かあー?!」

「今日も子悪党は良く吠えるな…」

「何をお!?お前達何をボサっとしている?ワシの楽しみを邪魔したコイツをとっとと殺せー!」

「「「!う、うおおおおー!」」」

メラギと名乗った男の命令でさっきまで俺が飛ばした殺気で動きが止まっていた者達ははっとなって再び一斉に襲いかかってきた。

「実力差を理解しないとはな…ならばもう容赦はしない!はあああああー!」

俺は上半身の服をビリビリに破り去って本気モードになった。

~推奨戦闘BGM「愛をとりもどせ!!(アレンジBGMVer)」♪~

「ホォーワッタアー!」

「ぶおっ!?」

「アチョー!」

「ガッ!?…」

「アァーチャー!」

「あぱあ!?」

俺は襲い掛かって来た帝国軍兵達を容赦無く殴り飛ばし、蹴り飛ばしていく。

「くっ!?…この無能共が!…だが此方にはまだまだ兵力はあるのだぞ!」

メラギは此方を物量作戦で潰そうと企んでいるようだがそうは問屋が卸さない。

「やめておけ…無駄に雑兵共が消え去るだけだ…」

「相手はたった一人だ!者共かかれえー!」

「うおおおー!」

俺の忠告など虚しく奴は残りの部隊を投入して襲わせてくる。

「無駄だと言ったのだがな…仕方無いか…ホオー!アータタタッタァーー!!」

向かってくる残りの帝国兵達を問答無用に蹴り飛ばし、殴り飛ばしていく。

「こ、こんな馬鹿な事が!?あれだけの数をこんな一瞬で!?…」

メラギは二百は居た筈の兵達がたった一人の男に短時間でやられた事に青冷める。

「め、メラギ隊長ー、い、いはいよーぶわがっ!?……」

「あぎゃら!?…」

「ひげええええっ!?…」

「!?」

メラギに助けを求めて駆け寄った兵の一人が痛みを訴えながら断末魔を上げて体を爆散させたのを合図に残りの兵達も一斉に爆散していく。

メラギはそんな部下達の異変を目にして更に青くなる。

「き、貴様は一体!?…」

「さて残るはアンタだけのようだな…権力を乱用して弱者をいたぶり続けたその罪地獄で悔い続けるがいい!」

「ひいっ!?…」

「おっと逃がす訳無いだろ」

メラギの質問を無視し俺は奴に歩みを進める。

逃げ出そうとする奴だったが即座に捕まえる。

「アータタタタッタタタタッタタ!!」

「ぶぶべえええー!?…」

俺はメラギに連続聖拳突きを喰らわせる。

「い、いてえ!?…」

奴は膨れ上がった顔を抑えようとしているが

「北斗神拳奥義<北斗百裂拳>!メラギとかいったか…テメエはもう既に死んでいる」

「そ、そんな!?…うわぎゃ!?……」

メラギは即死秘孔を俺に突かれていた事によって跡形も無く爆散していった。

「残りは僕って訳かい…」

「いやアンタはまだ他の奴等と違って戻れるから見逃すさ」

「え?…」

ボルスと呼ばれていた男は俺の発言にきょとんとした。

「ボルスさんだっけ?アンタはあの糞野郎に半ば脅されていたんだろ?だったらこの村の復興でも手伝って償いをすれば良いさ」

「ほ、ほんとにいいのかい?!」

「ま、代わりに俺の事は言わないでもらえると助かるけど…今度からは言いなりになるんじゃない己自身で行動しな!守りたいもんがあるなら猶更だ」

「分かった!ありがとう、ありがとう!…」

ボルスさんに感謝された後、俺は村人達を彼の事について説得する為集める。

被害者である彼等の半数は反対していたものの実際にボルスさんが躊躇しているのを目にしていた人達の証言もあってボルスさんは共に村の復興の手伝いを約束したのだった。

無論俺達もしばらくの間だけ手伝ったよ。

 




ボルスさん狂う前に救済!原作でそこまで詳しくは語られていないのでほぼオリ展開になりましたが


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墓守を救う!

セイヤが帝国軍によって焼き討ちされた村の復興を手伝っていたその頃、 Sideコルネリア

「可笑しい…」

「何かあったのパパ?」

「ここ数日ビルの奴と全く連絡が取れねえんだよ…」

「ああ、あの養成所の…他の部隊の子達とは?」

「そっちもさっぱりだ…一体どうなっていやがるんだ…」

「…」

パパが難しい顔をしていたので私がさりげに聞いてみるとそう答えた。

ま、真逆ね…私は心当たりがあったが言う訳にもいかないのでこのまま黙っておく事にしておいた。

 

Sideセイヤ

「こ、コレは!…」

ボルスさんや村人に別れを告げて数日後、俺の元に一羽の伝書鳩が降りてきた。

括り付けられていた手紙を取って内容を見てみると差出人はフドウさんからだった。

なんでも知り合いのプトラの地と呼ばれている場所に住んでいる墓守達を護衛してもらいたいとの事であった。

俺は早速レムスちゃんを近くの村に預けてプトラの地へと向かった。

~…~

「主がフドウ殿が話ていた護衛の者か…儂は現長であるウェネグじゃけえ」

「ウェネグさんですね。 帝国に度々宝物を狙われていると伺っていますが…」

「そうじゃ…唖奴等は事実を捻じ曲げて儂等を悪者扱いし度々襲撃してきおるんじゃ」

財政を苦しめているのは自分達の自業自得であるのにそうまでして帝国は…

「…儂等もやり過ぎたとは反省しちょる…掟に従ったとはいえ直接は関係の無い者まで手にかけておったからの…要らぬ恨みを買ってしまっちょる事も事実じゃ…」

話を聞くとフドウさんと出会ったのは彼等が襲撃してきた者達の身内を襲おうとして偶然その場に居合わせていたフドウさんに止められたからだ。

その際にフドウさんは墓に招待されてウェネグさんとの殴り合いに発展したらしい。

殴り合いをしてウェネグさん達プトラの民は目が覚めて此れ迄の行いを反省したみたいだ。

「じゃがしかし帝国の刺客は別の話じゃ…唖奴等の目的は墓を荒らし宝を手にし自分達の私腹を肥やすだけ…その様な者達に我等の宝は絶対に渡さん!」

これまで何度も盗掘に失敗してきた帝国の事だ…絶対に失敗は許されないとして本格的に国を挙げて軍を動かし侵攻してくるのは目に見えている。

「我等も子の未来は守りたい…じゃがその気持ちに付け込んで唖奴等は非道な行いをしてくるじゃろうて…そうなれば儂等は滅びるしかなくなるだろう…じゃからフドウ殿に頼み込んだまでじゃ」

「子供好きのフドウさんらしいですね。

俺もこの年で義理の娘が居ますから良く分かりますよ」

「なんと!?そうであったか!」

なんか子談義で盛り上がった。

ああ、そうそう何か突っかかってきた輩が居たけど大人しくさせておいた。

そして数日後…その日はやってきた。

「さあ、貴様等の宝を我々に引き渡して貰おう!」

「…」

よりによって襲撃者のリーダー女性かよ…仕方ねえ…だったら早々に後ろの雑兵達を全滅!させて彼女には大変申し訳無いが深手を負わせた上で丁重にお帰り頂くしかなさそうだ。

俺はあらかじめ取っておいた完全な死角から影の歩で難無く雑兵共の背後を取って南斗聖拳の手刀を振るい斬り裂いていった。

「あがあ!?……」

「はぎゃ!?…」

「ぎゃあああああー!?…」

「!?」

気が付かない内に一斉に一人残らず体がバラバラになっていく部下達を見て女性は驚く。

即座にその隙を狙って俺は南斗聖拳を振るって女性の手足に狙いを絞って仕掛けた。

「ぐっ!?…何者だ!?」

「…」

俺は全身フードを被りながら戦っているので女性からは正体が掴めない。

「だんまりか…面白い!この私に傷を付けられる者が居るとはな!」

マジかよ!?あれだけダメージ受けてんのにまだ動けるのか…。

「!?な、なんだ!?急に体が!?…」

俺は女性の動きよりも素早く指を突き出し彼女の秘孔を突いてなんとか動きを封じる事に成功する。

「しまった!?…」

即座に背後に回り込んで更に秘孔を突いて眠らせた。

眠らせた彼女を俺は墓から大分遠い場所までわざわざ運んで放置した。

俺の拳のダメージに耐えれるようなら構わないだろう。

これでプトラの地はしばらくの平穏に守られる筈だ。

 

 

 




描写外でバッタ野郎は粛清されました。
エスデス軍には一旦退いてもらう事に…あ、リヴァ将軍はこの時点では居ません。
ここで始末しても面白くないし。


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天星が導いた再会と激闘!PARTⅠ

Sideコルネリア

「クソッ!?何が一体どうなっていやがるんだ!?先日の焼却部隊の件といい…」

「…」

パパは何時にも増して相当に機嫌が悪かった。

「真逆プトラの地を襲撃したあのエスデスの部隊までもが壊滅状態だと!?…だがしかしプトラと反乱軍にはほとんど繋がりがねえしあのエスデスにまともに戦り合って傷を付けられる奴だなんてオールベルグぐらいしか思い当たらねえ!…」

「パパ…」

心当たりがありすぎる…だけど私は言わない。

「お前達次の仕事が決まった。反乱軍の製塩所潰しだ」

「はい…」

私このままだと駄目だよね…心の呟きは虚しく掻き消えた。

 

その頃、Sideセイヤ

「おおー!…」

「わー!お馬さんだ~!」

「ヒヒーン!」

先日のプトラ護衛の礼として俺があの村を旅立つ二年ちょっと前にラオウさんの愛馬である黒王号とジュウザさんの愛馬の間にデキタ娘である白王号が漸く外に出しても大丈夫とのお墨付きをもらえたとの事でバットさん経由で送られてきた。

実に久し振りに会った白王号は優雅な佇まいで旅の足となってくれていた。

レムスちゃんも大喜びで休息時には遊んでもらっていた。

「ほらよっと!」

道中で遭遇した特級危険種であるキングガッピーを討伐して食料確保しながら進むと…「ン?こんな所に工場が…」

明らかに場に適応してはいない何かの生産工場が建っていた。

此処危険種のエンカウント率凄い高い場所なのによく無事だったな。

「あれ?…」

工場の中を探索してみるとつい直近まで使っていた形跡があった。

それと…中庭には大量のキングガッピーや他の危険種の白骨が積み重ねられていた。

「間違い無い!…」

「パパ、いっぱいお塩があったよ!」

俺がその白骨を眺めているとレムスちゃんがそう言ってくる。

成程此処は革命軍が利用していた施設だったか。

帝国側に居所を悟られてしまって慌てて放棄されたか…奴等に奪われたらしょうもないので持ち出せる分は持ち出した。

しかしさっきのあの大量の危険種白骨…彼女達も此処を利用していたのか?…そうなるとまだ近くの街村に…

「パパ~?」

「ああ、ちょっと懐かしさを感じてね…行こうか」

「うん!」

そして付近にあるスイウンの街にへと辿り着く。

この街は他と比べて帝国の手があまり行き届いていないおかげで栄えているが…だがそれと同時に密偵とかが入り込みやすくなっているともいえる。

観光ついでに探してみるか…そう思い立った俺はレムスちゃん達を預けて街を散策してみる事にした。

「!…この感じは!…」

街郊外に近い場所で幾つかの殺気を感じ取った俺は急いで向かった。

其処では…

「あれは!…ダニエルさん!?…それにあっちの男は…」

戦いを繰り広げていたのはオールベルグの執事長であるダニエルさんと劇団の時に居た鞭使いのやさ男だった。

百戦錬磨のダニエルさんがあの程度に負けるとは思えないがどうにも彼の動きが鈍い気が…腕を怪我しているのか!…

あ、なんとかやさ男を岩壁にぶっ飛ばしたけど大してダメージが入っていない…やはり怪我を負っているせいで力が出し切れていないのか。

そこに…

「不味い!?ダニエルさん!…」

やさ男の背後に隠れてタイミングを見計らっていたのだろうか…お仲間のツクシちゃんとポニィちゃんが草むらから飛び出してきてやさ男を援護する。

恐らくツクシちゃんが扱う銃の情報は持ち得ていないだろうし今のダニエルさんの状態じゃとても捌き切れないぞ…そう思った俺は駆け出す。

「久し振りに使うがこれでいく!元斗皇拳秘奥義<白光拳(剣)>!!」

俺は己の闘気オーラで作り出した剣を投擲してツクシちゃんの撃った弾丸を破壊する。

「!?」

「あ、アイツ!サバティーニの時の!?」

「はっ!<元斗光波散発拳(剣)>!!」

「うわ!?」

「ぬ、ぬお!?」

「しまった!?」

剣の闘気を放出させて目晦ましを行いダニエルさんの肩を強引に掴んでその場から逃走した。

奴等が追って来れない場所まで避難した俺は抱えていたダニエルさんを降ろす。

「ど、何処のどなたか存じ上げませんが危ない所を助けて頂いて…!」

「あのー…俺です」

「は?」

「ですから…お久し振りですダニエルさん」

「ま、真逆君は!?…五年前から行方不明になっていた!…」

「ええ、セイヤ・キリツグです」

「な、なんと!?生きておったのか!…」

俺が自身の正体を明かすとダニエルさんは大層驚いていた。

「積もる話もありますが今はそれ所じゃないですね…ちょっと怪我診せて下さい」

「セイヤ君申し訳無いのだが持参した治療薬を使っても治らないのだよ…」

「それは外的要因で治らないだけですね…こうすれば多少楽になる筈です」

俺はダニエルさんの傷を見せてもらう。

恐らくアカメの刀で付けられた傷だな…外的要因で治らないのなら秘孔術で自己治癒力を上げてやれば良い話だ。

「む?…確かに少し楽になっておる…!」

「すぐに治る訳じゃないのでしばらく安静にしていて下さい。…メラルドさん達もスイウンに?」

「帝国暗殺部隊を今度こそ始末する為に躍起になっておられる…捕虜は捕らえましたがその時に付けられた傷なのです」

「そうですか…俺と会った事はまだ他に言わないでもらいたいんです」

「承知した…」

ダニエルさんは俺の意志を汲み取ってくれた。

そして彼と一旦別れて俺はレムスちゃん達を迎えに行くのだった。

 

 

 

 



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天星が導いた再会と激闘!PARTⅡ

Sideグリーン

「糞ったれが!こう何度もやられるとは…」

「父さん…」

目に見えて父さんはイラついていた。

「確かなんだな?お前達の邪魔をしてきたのがサバティーニの時の男だっていう事は」

「ああそれは間違い無いよ…」

「二度もやられたとなるとお前達が相手するには役不足といった所か…今度ソイツともし遭遇したなら俺に一報入れろ。直々に相手してやる!」

「そうだね…」

実際は二度所ではないのだが彼等は知る由もない。

「そういえばアカメちゃんとコル姉からの連絡は?」

其処でポニィがまだ戻ってきていないアカメ達の事を父さんに聞いた。

「まだねえ…こりゃあ敵の手に落ちたとみた方が良いかもしれねえな…」

「アカメ、コルネリア…」

アカメ達が敵の手に落ちたと思った俺達は救出作戦を練るのだった。

 

その頃、Sideコルネリア

「う…うーん?…此処は?…」

「むにゃむにゃ…」

私が目を覚ますと隣でアカメが寝息を立てていた。

でもそれ所じゃない…突然襲撃されて反撃する間がほとんど無くて私達は捕らえられてしまったんだ!…

「アカメ起きて!」

「んあ?…コル姉おはよう」

「それ所じゃないんだって!私ら…」

「!」

アカメもたった今思い出して周囲を見渡していたその時だった。

「あら、もう目が覚めていたのね」

ふと開いた扉から妖艶な雰囲気を纏った女性とメイドが二人程、タエコさんが現れる。

「こ、コルネリア!?…」

「タエコさん…それに貴方は…」

「私達を襲ってきた奴等か!」

すぐに私達を捕らえた人物だと気が付き警戒する。

タエコが居るという事は此処はオールベルグのアジト!…

「タエコ、これはどういう事かしら?」

先程の女性がタエコさんに詰め寄る。

彼女は慌てて私に負けて見逃されたと咄嗟に嘘をついた。

「そう…普段なら極刑物だけど今回は見逃してあげるわ…自己紹介が遅れたわね。

私は暗殺結社オールベルグの現頭領のメラルド・オールベルグよ」

「敵のリーダー!…」

アカメは警戒を強め私は唖然とする。

「本来なら拷問して情報を吐かせる所なんだけれど貴方達の事気に入ったから丁重に扱ってあげるわ!」

「え?…」

「何?…」

メラルドさんはそうあっけらかんとそう言ってきて私達は訳が分からなくなる。

ふと傍に居たメイドさんの内の一人、紫ツインテールの子とタエコさんは頭を抱えていた。

もう一方の金髪の子は恍惚とした表情を浮かべていたが。

ええ…何これ?…セイヤ君こんな所で暮らしてたの…。

その後、私達が逃げない様に体の中に危険種の虫の卵が産みつけられている事を聞いた。

だけど警戒網を掻い潜ってやって来た帝国の人が駆虫剤を届けてくれると言い本格的にオールベルグを潰す算段を立てたようだ。

私は…

「そんなに悩んでどうしたのかしら?」

「…あの私!…此処を壊したくないんです!」

「ふーん…という事は貴方もアカメと同じで洗脳が軽かった事で真実に気が付けたみたいね」

「それもあるんですが…此処が大事な居場所だから…」

「そう…タエコも良い友人を持ったようね…」

メラルドさんは私がタエコさんの事を言っているのだと誤解したようだ。

まあ良いのかな?…だったらもう迷う必要性なんかないよね!

 

数日後、Sideセイヤ

「急いでくれ白王号!俺の大切な人達が危ない!」

「ヒヒーン!!」

先日のダニエルさんの件といいいい加減帝国側が本格的に動いてきそうだな。

そう考えた俺は一旦北南の村に戻ってレムスちゃんを預けて白王号を急ぎ走らせた。

そう目的地はオールベルグの本拠点だ。

「慌てても結果はついてこんぞ」

「それは…」

俺の師の一人、南斗六聖拳がひとつ「南斗孤鷲拳」を扱うシンさんも事情を聞いてついてきてくれていた。

裏切者であるユダを探し出すついでで援護してくれるようだ。

「我が星、殉星は愛に生き輝く星!その愛を否定し壊そうとする輩は何人たりと許さん!」

「心強いです!」

そうこうしている内に俺達はオールベルグの本拠点がある場所へ辿り着く。

「皆…」

「どうやらセキュリティの意味はなかったようだな…俺が中から敵を駆逐してやろう!」

「だったら俺は上からいきます!」

シンさんが中から侵入した敵を払ってくれるようだ。

ならば俺は上からいくしかない!

「すうううー…ふぉあー!!」

俺は闘気のオーラを全身に滾らせて空高く勢い良く飛び上がった。

そして拠点の最深部へと急いだ。

 

Sideシン

「この地点は既に突破されてしまっているか…ならば!」

俺は弟子のセイヤに頼まれオールベルグを守る為に援護に来た。

既に突破されている地点からこの拠点の規模からそこまで入り込んだ敵の人数は多くはないだろうと逆算し次に現れるであろうフロアへ先回りした。

「む!…ヒョーオ!」

守備のメイド達が侵入者達を迎撃しているが全く効いていない。

それ所か簡単に反撃をもらいそうだと感じた俺は割って入った。

「な、何!?…」

「あ、貴方は?!…」

「信じてもらえないかもしれんがこれより其方を援護する者だ!奴等の相手は俺がするからお前達は下がって別のフロアの防衛をしろ!無駄死にさせたらアイツに顔向け出来なくなるんでな!」

「は、はい!…」

メイド達は俺の迫力に驚いたのか素直に引き下がってくれた。

「何者か知らないが雑魚はそこをのけ」

「ほう、この俺を雑魚扱い出来ようとは余程帝国は馬鹿の集まりだといえるな」

「貴様っ!…」

「その発言後悔するわよっ!」

赤毛の少女が俺に蹴りを入れてこようとするが遅いな!

「ふっ!」

「ウソォ!?…あがっ!?…」

軽々と避けて少女の足を逆に掴んで壁に叩きつけてやる。

「ポニィ!?…こなくそ!」

「そんな小細工など通用せんぞ!ショオオオー!!」

「なっ!?…ぐっ!?う、腕が!…」

今度は鞭使いの青年が仕掛けてきたので俺は拳波を飛ばして奴の両腕をしばらく使用不能に追い込んだ。

「雑魚共が…俺がやる!」

今度は剣使いか。

「良い反応速度だ、だが所詮その程度では俺は倒せん!

見せてやろう我が南斗孤鷲拳の技を!ワチャー!」

「なんだと!?がっ!?…」

すれ違い様に奴の手足に必殺蹴りのダメージを入れる。

「<南斗獄屠拳>!お前はもうロクに動けまい…」

「ち、チーフ!皆…」

「フン、世話のかかる小僧共だな…」

他の者がたった一人この俺にやられたのを見て銃使いの女は戦意喪失していた。

さてここまでやればいいだろう後はお前次第だセイヤ…。

 

Sideコルネリア

「コルネリア、真逆お前が裏切るとはな…」

「パパ…ごめんなさい…でももう決めた事なの…」

「アカメと違ってそんなに聞き分けの悪い子になっちまったか…だったら容赦しないぞ…」

私はオールベルグを守る事を決めた。

一方のアカメは未だ真実を見極められずメラルドさんの暗殺を決意してしまった。

だがそれは失敗に終わって彼女は逃げたメラルドさんを追って行ってしまった。

「ゴズキ、俺が代わりに相手をしよう…お前さんはあっちのメイドと剣士を頼むぞ」

「シュテン…任せる…」

パパは私の相手はシュテンさんで十分だと思ったのかベルギルダさんとタエコの方へ向かった。

不味い!?…いくら彼女達でもパパの扱う帝具「村雨」は防げない!…

「余所見している暇があるのか?」

「ッ!…「粉砕王」!」

「迷える魂解放してやろう!」

「あうっ!?…」

流石はパパの同僚…私なんかが相手出来るような奴じゃない…だけど此処で諦めたら約束が果たせなくなってしまう。

「うああああああー!」

「無駄な事だ…」

「ああっ!?…」

強い!…だけど後にはもう退けない!…

「粉砕王!もっと力を!」

「ぬお!?…」

私は粉砕王に力を込めて思いっ切りシュテンさんをぶっ飛ばした。

彼は瓦礫に埋もれていく…これでしばらくは動けない筈…。

一息ついてふと空を見上げてみると流れ星にも似た見覚えのる人物が見えた。

あ、あれって!?…

 

Sideタエコ

「流石は羅刹四鬼の一人…此方の攻撃を物ともしていない…」

「だが退く訳にはいかねえ!」

本拠点に襲撃を仕掛けてきた一人、羅刹四鬼の一人で帝国暗殺部隊隊長のゴズキに私達は追い詰められていた。

メラルド様はなんとか無事に逃げおおせたようだがここまでされた事でベルと私は脳のリミッターをフルカットして応戦、だが奴には通じず後が無かった。

「おっと、そろそろ幕引きといかせてもらうぜ!」

「んなっ!?…」

「ベル!?」

ゴズキが急接近しベルに刃を向ける。

奴の扱う刀から感じた事のない禍々しいものを感じていた私は彼女へ迫るその凶刃をただ見ているしか出来なかった。

「!?」

だが急にゴズキは何かに気が付いて飛び退いていた。

そこに一筋の光弾が飛んできたからだ。

「何だあ!?」

窮地を脱したベルも驚いている。

だが今の気配は…間違い無い!

砂煙が晴れると其処には…セイヤ・キリツグ紛れもない彼の姿がそこにあった。

 




シンに部隊全員叩きのめしてもらいました。
次はガチの激闘だ!…


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天星が導いた再会と激闘!PARTⅢ

推奨戦闘BGM「愛をとりもどせ!!(MovieVer}」♪

Sideセイヤ

「よう…」

「なんだお前は?…どっから現れやがった?!」

俺は襲撃者の男に顔馴染みのメイドさんの一人であったベルギルダさんが襲われそうになっていたのを上空から見て闘気を放って退かせた。

そして彼女達の間に降り立つ。

「さて、俺の大切な家族を随分痛ぶってくれた礼はキッチリ返させてもらおうか!」

「うおっ!?…」

俺は男を視界に入れてパンチを放つ。

寸での所で回避されるが俺に隙が見当たらない為か男はまだ様子を伺っていた。

「お前ナニモンだ?…そこまでの殺気」

「テメエとお喋りするつもりは毛頭無い!アタッ!」

「おー怖い怖い…だけどこのゴズキ様は倒せないぜ?」

「…」

ゴズキといった男は余裕を見せる。

でもその余裕も此れ迄だ!

「さあてと今度はこっちの番…!?」

ゴズキは漸く自身の異変に気が付く。

奴の顔の頬からは微かだが

「た、確かに避けた筈!…」

「俺の拳は目で追えただけじゃ避けた事にはならんぞ」

「糞がっ!?…これならどうよ?!」

奴は俺の挑発に乗って今度は髪の毛を棘嬢に変化させて繰り出してくる。

「奴よりは早いか…だがその程度!ワタアッ!」

「何!?…俺の髪を受け止めやがった!?…」

「見せてやろう…北の天高く輝く星が紡いだ北斗神拳の奥義を!<岩山瞭山破>!」

「お、俺の髪が!?…」

俺は奥義を繰り出して奴の髪の毛を半分斬り裂いた。

「<北斗羅漢撃>!アアータアー!」

即座に別の奥義を繰り出して仕掛ける。

「ぐ!?…まだだ!」

「む!?…」

「村雨のサビにしてやるうー!」

奴は奥義が当たる直前に体を変化させて回避すかさず刀を振るってくる。

がそんなものに当たる俺ではない。

「奥義ではないがこれだ!」

「な、なんだと!?」

俺はある布を取り出しそれで刀を受け止めた。

「クソッ!?刃が通らねえ…!」

「特製の防刃布だ。見た所その刀の耐久性は普通のものと変わりはないみたいだな!」

「チイッ!?…だったら死角から討ち捕るまで!」

俺は防刃布で絡め取った奴の刀を包みあげて弾き飛ばそうと試みるも奴はすぐに離れて俺の背後に飛び超えて回った。

「獲った!」

完全に己の勝利を確信した奴だったがそうは問屋が卸さない。

俺は両手を後ろに突き出す。

「俺に死角はないぞ」

「何を言ってる!このまま叩き斬ってやる!」

完全に油断していた奴は俺の繰り出す奥義の型に気が付く事無く刀を振るってきた。

「!?」

だがそれは出来ずに逆に奴は吹き飛んだ。

その際に刀を落とす。

「お、お前一体何しやがった!?…」

「練り上げた闘気を放出し飛ばす北斗神拳秘奥義が一つ<天破活殺>で貴様を貫いたまでだ。

これで満足には動けまい!」

「く、くそが!?…」

 

Sideタエコ

「す、凄え!…私らが束になってかかっても敵わなかった羅刹四鬼の一人に食らいつく所か圧倒してやがる!」

「これが彼が持ち得た力なのか…」

私達はゴズキと戦うセイヤの圧倒的な力を目にして唖然としていた。

「アイツ何者なんだ?」

「彼さ…」

「あん?」

「セイヤ・キリツグ…」

「はあ!?…ソイツって確か五年前の事件で行方不明になってたウチの雑用係だった孤児のガキンチョだったろ!?なんでそんな奴が羅刹四鬼と対等以上に渡り合えてるんだ!?…」

「私も以前偶然会った時は驚いたよ…でも確かに彼は紛れもないあの少年だった男なんだ…」

「マジかよ!?…」

私が彼の正体を明かすとベルは非常に驚いていた。

そしてそんな彼は今も尚ゴズキをボコボコにしていた。

「北斗神拳?聞いた事無い拳法だな…」

「ああ…奴が刀を落としたぞ!」

恐らく決着が着くのだろう。

私達はそのまま戦いの行く末を見守る事にした。

 

Sideセイヤ

「そ、そうか!…テメエが今迄散々帝国の戦力を削ってくれやがったんだな?!

ビルと連絡取れないのも部隊が壊滅したのも全てはお前が元凶だったのか!…」

「今頃気が付いたか。そうだ全て偶然俺が片を付けたものだ!

見よ!天に輝く星を!」

俺は北斗七星を指差す。

「そんなものがどうしたってんだ?俺にはまだ奥の手が…なんだ体が!?…」

奴はそれを無視して再び仕掛けてこようとするが漸く己の異変に気が付く。

「言い忘れていたが既にさっきの奥義で秘孔を突いて貴様の体が変化出来ないようにさせた。

今の貴様は一般人と何ら変わらんぞ」

「な、何!?…ま、まだ俺にはこの村雨がある!…」

「懲りない野郎だ…うおああああああー!!」

奴は悪足掻きに落としていた刀を拾って仕掛けてきた。

俺は服を破り捨て必殺の一撃を奴に与えるが為に構える。

「ホオー!アタタタタッタタタッタタタッタタ!!」

「ぐお!?…ぐげえ!?…」

「アタタタタタターター!!」

「あがあっ!?…」

北斗神拳奥義<北斗破顔拳>を繰り出して渾身の一撃を与えてブッ飛ばした。

「あががっ!?…お、俺の顔が!…」

「経絡秘孔の一つを更に突いた。

お前はその醜い顔で犯してきた罪に向き合うが良い!あの子達の為に最後の慈悲で命は奪わないでおいてやる」

「く、クソー!お、覚えてろ!この報いは必ず受けさせてやる!…」

奴は激痛に耐えながらこの場から逃げ出していった。

見逃したのは間違いだったかもな…。

「な、なあお前ホントに雑用係だったあのガキンチョなのか?」

戦い終わった直後にベルギルダさんが話しかけてきた。

「懐かしい響きですね…そうですよ俺は元オールベルグの雑用係…今はいち拳法家の男です」

「ひ弱なガキンチョがよくもまあここまで立派に成長したものだな…」

「はは…積もる話もありますがメラルドさんや他の子達は?」

「…メラ様は流石に勝てないと判断してお逃げになったが捕虜の一人だったアカメに逃げられちまってな…今も追われている筈…それを足止めする為にドラ子達が向かったが…」

「なんだって!?…」

ベルギルダさんからそれを聞いて俺は慌てる。

「パパ以外の羅刹四鬼もまだ居るわ…シュテンも何時の間にかいなくなっているし…もしかしたら貴方の仇のイバラも迎撃に向かっていると思う…」

そこで傷を抑えながらコルネリアさんが告げてきた。

「!そうだとしたら彼女達だけじゃとても抑え切れない!俺がいきます!」

「アタシらも行きたい所だがフルパワー使っちまったからしばらく動けねえ…メラ様とドラ子達の事をどうか頼んだ…」

「分かってます!」

俺はそれを聞いて白王号を呼んで駆け出そうとする。

「まあ待てセイヤ、それならハートを連れて向かうが良い」

「お話は聞きましたよセイヤ君、私が援護しましょう!」

「シン師匠、ハート様!…ありがとうございます!」

追いついてきたシン師匠から親衛隊の一人である巨漢のハート様を連れて向かうように言い渡される。

特異体質の彼に対してそんじゃそこらの拳法では歯が立たないからこれ程心強い味方は他に居ない。

俺は改めて白王号を疾走せた。

 



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